クローズ&エボルのヒーローアカデミア (夢野飛羽真)
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番外編
オリキャラ設定集


オリキャラが増えてきたので設定集に纏めました 本編の時系列に合わせて読み進めていってください


本編序盤から登場の2名

 

仮面ライダークローズ

下間牙竜(CV葉山翔太)

見た目のモデルはヒプノシスマイクの波羅夷空却

ヒロアカ世界に暮らす無個性の少年

無個性であったことによりイジメや差別を受けた。だがその経験からか個性(力)を悪用する者(特にヴィラン)を許さなくなる。弱い人やいじめられっ子を守ったりするために体を鍛え喧嘩に明け暮れているため不良少年のような扱いを受けている。

 

仮面ライダーエボル・ブラッドスターク

エボルト(CV金尾哲夫)

ブラッド族エボルトに転生したライダーオタクの青年

転生時に神様にエボルトみたいになりたいと言ったところ力を失った不完全な状態での転生となりアメーバ状になってさまよっていたところ下間牙竜と出会い憑依する。

 

 

 

 

雄英体育祭編から登場

 

仮面ライダーブレイブ

甲斐銃士(CV榊原優希)

見た目のモデルはヒプノシスマイクの四十物十四

小学生時代の牙竜の友人

元々の個性はドールライフ

ぬいぐるみ一体に魂を宿らせるという個性

泣き虫で気の弱い少年だったがある日勇気を振り絞ってイジメを受けている牙竜を助けたことで仲良くなったが今度は自分がイジメを受けて心を壊し転校した。

そして中学生の時にゲーム病と厨二病を患う。それ以降は初対面の相手には厨二病的な言動で振る舞う様になり、心を開いた相手にしか自分の弱々しい部分は見せない。勇者と魔王が好きでそれでタドルシリーズに惹かれて多用している。

 

仮面ライダーゲンム

新・檀黎斗・神(CV岩永徹也)

エボルトと同様転生者でバグスター

檀黎斗及び、彼のバックアップ

死のデータ全て取り込み、檀黎斗の知能と才能、見た目を手に入れ

彼のような性格になり、エキセントリックな言動もするようになった。

中学時代の銃士に感染し次いでに厨二病にもさせてしまう。

 

 

 

職場体験編より登場

 

仮面ライダーアクセル

甘粕政信(CV竹内栄治)

見た目のモデルはヒプノシスマイクの天国獄

大卒6年目のプロヒーロー

高校時代まではヤンキーだったがある日仲間がヴィランに殺されてしまい、ヤンキーを辞めてヒーローの道を志す。

大学で学びヒーロー免許を取得した苦労人で、最初から良い力を持っていたのだから正義の道に早く行けば良かったと後悔し、過去の自分の様な悩める若者を導けるヒーローを目指している。

好物はコーヒー

個性:アクセル

個性発現とともにビートルフォンとアクセルドライバー、エンジンブレード及びそれらに対応するガイアメモリとサイクロン、ヒート、ルナのソウルサイドのメモリが生成される。

身体の成長と共に変身ができる様になり 、仮面ライダーアクセルやアクセルトライアル等になり戦える。




2021/11/04 見た目のモデルに関する記述を追加。


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序章
プロローグ


初めまして!
夢野飛翔真と申します。

ヒロアカ×ビルドの新作始めました!
楽しんでいってください。


いや、あのさあ神様、

転生さしてもらったのはいいんだけど不完全な状態で転生させられるってのは詐欺なんじゃないですか?

 

数時間前

 

「ん?ここは……何処?」

 

「ようやく目を覚ましたようじゃな。」

 

「誰ですか?」

 

朝、目が覚めたら真っ白な空間にいて、目の前にはハリーポッターに出てくるアルバス・ダンブルドアみたいな雰囲気のお爺さんがいた。

ここはなんだろう?辺獄みたいな場所かな?

 

「おお、わしは神じゃ。」

 

「ほう、神様ですか。で何故俺は神様の前にいるんですか?」

 

「覚えておらんのか?そなたはトラックに轢かれて死んだのじゃよ。」

 

「ファッ!?」

 

何?どういうこと?

俺死んじゃったのかよ……

 

「そうなんじゃ、しかも我々の手違いのせいなんじゃよ」

 

「じゃあそれって俺あなた達の手違いのせいで死んだってことですか?」

 

「まあ〜そういうことじゃな。」

 

はっはーん、そういうことかいな。

俺神様って存在嫌いになりそうだわ。

 

「で、どう責任を取るおつもりですか?」

 

神様の方に歩み、詰め寄っていく。

いやーこれは許せませんなあ……

 

「わかっておる、わかっておる、もうやるべきことは決まっている。」

 

「やるべきこと?」

 

「ああ、好きな世界に転生させてやるぞ。勿論お主の好きな力をやろう。そなたをなりたいものになれるようにしてやろう。」

 

おお!これはいい条件だ。

それに俺のなりたいものか……

そりゃやっぱりあれかな、

 

「俺仮面ライダーになりたいです。」

 

「そうか、仮面ライダーか」

 

仮面ライダーは幼い時からずっと見ている。

周りの友達が仮面ライダーを見なくなっても俺だけは見続けていた。本当に大好きだし憧れてた仮面ライダーになれるチャンスが今なんだ。

 

「仮面ライダーであれば種類も多数。どのライダーがよい?」

 

なりたい仮面ライダーかあ……

そりゃやっぱり強くてカッコイイやつがいいね。

それに俺はラスボス系ライダーとかダークライダー結構好きだし悪くて強いやつがいいな。

 

「仮面ライダーエボルでお願いします!俺自身もエボルトみたいにブラッド族にして欲しいです。」

 

「ふむ、わかった。でどの世界に行きたいのじゃ?」

 

暮らしたい世界かー

とりあえず2021年現在の文明や技術ぐらいまで発展してる世界がいいな。

所謂異世界系みたいな感じの世界だとインターネットとかなくて不便そうだから絶対に嫌だな。

ワンピースとか鬼滅の刃の世界とかも色々と不便そうだしやめておこう。

そうだなー、平成仮面ライダーとかの世界かそれかMCUの世界にしようかな。ヒーロー系がいい……

よし、ここにしよう!

 

「僕のヒーローアカデミアの世界でお願いします!」

 

「うむ、わかった。それと転生する時にはヒロアカの物語の記憶がそなたから欠如するが良いか?」

 

「ええ、大丈夫です。」

 

原作知識ありで行ったら流石にチートすぎるから仕方ないね。

まあけど無いのは無いで面白いことになりそうだ。

 

てな感じの経緯で僕のヒーローアカデミアの世界に到着したんだが体が不完全だ。

アメーバだかスライムだか知らねえけどそんなドロドロの不定形の体で仮面ライダーに変身するどころか箸より重い物も持てねえ。

ったくこれじゃなんも出来ねえじゃねえか。

せっかく傍にパンドラボックスがあるってのに使うことも出来ねえし調べることも出来ねえ……

 

あーなんかいい感じのやつ来て憑依とかできねえかな〜

 

三人称視点

 

事の始まりは、中国の軽慶市。発光する赤子が生まれたというニュースだった。そして以降、世界各地で『超常』が発生。原因も殆ど解らないまま、時間が過ぎていった。やがて、超常は日常に、空想は現実になった。

 

世界の総人口の8割が何らかの特異体質、『個性』をもった超人社会。個性を振りかざし、人々を襲う敵と、それを倒すヒーロー。そんなアメコミじみた事が、現実で起こる世界となった。

 

その中で、何の『個性』も無い少年少女は、当然のごとくイジメの対象になっていた。そしてまたその差別に抗う男がいた。

 

「おいおい、この程度かよ。」

 

とある河川敷、3人の学ランを来た筋骨隆々な男達が1人の少年の前に頭を地面に伏していた。

 

「いいか?てめえら二度としょうもねえ真似すんじゃねえぞ!」

 

「「「はっ、はいぃっ!!」」」

 

赤髪の少年下間牙竜

背は170にも満たないが3人の不良少年を喧嘩で圧倒し跪かせた。

3人は戦闘向きでは無い個性を持つ少年、所謂"没個性"の少年からお金を巻き上げようとしたところそれを牙竜見つかりボコボコにされてしまった。

個性を持たない"無個性"の牙竜にだ。

 

「ったく、ホントに馬鹿ばっかだ!なんでこんなことしやがる……」

 

小さい頃から個性に関する差別を受けてきた牙竜にとってはこういう弱いものいじめは許すことは出来ない。

小学生の頃から体を鍛え、喧嘩を極め自分をイジメてきた連中からねじ伏せていき今では学校内や地域でイジメをする人間達をシバキ回っていた。

お陰で不良少年扱いだが弱い者達からは慕われている。

 

「ようガキ!見つけたぜ!」

 

そして不良達からは恨みを買っていた。

 

「あ?お前ら確かこの前の……いって!何すんだよ!」

 

牙竜が以前撃退したチンピラが彼の前に立つ。

それと同時に牙竜の背中に鈍痛が走る。

 

「ヒヒっ当たった当たった。」

 

個性"パチンコ"の男が放った石の弾が牙竜の背中を襲った。

 

「おっと、紹介するぜ。この人は俺の兄でモノホンの"ヴィラン"スナイパルだ。」

 

「俺の個性はパチンコ、色んな素材の弾をパチンコみたいに撃てるぜ!鉄の弾とかな」

 

今度はさらに殺意剥き出しの鉄の弾が牙竜に向けて飛んでくる。

 

「ぐっ……!」

 

何発もの弾を避けていくがそのうち1発が腹部に突き刺さる。

 

「さーて、リンチのお時間だ!てめえらやっちまえ!」

 

「おっしゃやってやるぜ!」

 

「テ、テメエら…」

 

牙竜がこれまで買ってきた恨みはかなり多かった。

その多さがリンチをしにやってきた男達の数に現れている。

 

「ヴィランにまで……手伝ってもらって……卑怯な真似しやがって……完全に地に堕ちたな……テメエら……」

 

上半身に着ていた服は傷付いた皮膚が何ヶ所も顕になるほどボロボロにされていた。

 

「さて、このままこいつには死んでもらおうか。」

 

スナイパルがまた新たな弾を放とうとした。

だがその時不思議なことが起こった。

 

エボルト視点

おいおい、なんだよあれ!?

リンチの現場じゃねえか!

 

「ヴィランにまで……手伝ってもらって……卑怯な真似しやがって……完全に地に堕ちたな……テメエら……」

 

喧嘩してんのか?それにアイツリンチしてる人間のことヴィランって言ったな

てことはまああの連中懲らしめて赤髪の奴を助けてやった方がいいな。

 

「クソっ…たれが…」

 

アメーバ状の俺は不良達を掻い潜り追い詰められた赤髪の奴の体に入る。

ま、今俺は体がねえからな。こうするしかねえな。

 

「そこまでだぜ!」

 

まずは勢いよく地面を蹴り宙を舞う。

 

「さて、どいつからやっちまおうか」

 

まず標的に定めたのはパチンコみてえなのを撃とうとしてる男。

早速撃ってきた弾をかかと落としで叩き落とし脳天目掛け上から蹴りつける。

 

「コイツっ……いきなりっ…」

 

さっきまで伏してた奴が突然反撃してきたんだ。

こいつらもビビって上手く対処できねえだろうな。

 

「ふっ、この程度でやられてんのか」

 

結果全員ボコボコにした。

全然骨の無いやつだったな。

いやーしかし結構この身体はいいな。

今ちょうど上半身の服全部破れちまって上半身丸出しだけど良いガタイしてるじゃねえか。

よし、このままこの身体で生活させて……

 

(おいちょっと待て!)

 

誰だ割り込みしてきたのは?

 

(俺だよ!下間牙竜!この身体俺のなんだけど!)

 

下間牙竜か、いい名前だな。

 

(感心してる場合か!助けてもらったことは感謝するけど俺の体返しやがれ!)

 

まあ待て、それが助けてやった奴への態度か?

それによく自分の体確かめてみろ

 

(俺の身体?)

 

傷も回復しといたぞ。

 

(お、おう、確かにあんたは俺の命の恩人だけどよ、流石に身体は返してもらわねえと色々困る…)

 

そうだな、けど俺も流石にやりてえこととか調べたいことはあるしな……

それだったら主導権は返してやるよ。ただ俺の頼みをいくつか聞いてもらっていいか?

 

(頼み事?)

 

ああ、まずはとある箱を取ってきて欲しい。であとしばらくお前の身体に憑依させてくれ。

 

(まあそんぐらいなら構わねえけど……)

 

であと情報を教えてくれ。

この世界のことかお前のこととか

 

(ま、まあいいけどよ、なんで俺の事まで…)

 

まあいいじゃねえか、しばらく居候さしてもらうんだし、

 

(ったく、わかったよ。教えてやるから好きなだけ俺のとこにいな。けどその後は知らねえよ。)

 

わかった、いいぜ。とりあえず今から俺の言う場所にある箱を取ってきてくれ。

 

(ああ、わかった。何処にあるんだ……?)

 

To be continued

 

 




主人公達の設定

下間牙竜(CV葉山翔太)
身長165cm 体重54kg(筋肉質) 赤髪で碧い目をしている。
ヒロアカ世界に暮らす無個性の少年
無個性であったことによりイジメや差別を受けた。だがその経験からか個性(力)を悪用する者(特にヴィラン)を許さなくなる。弱い人やいじめられっ子を守ったりするために体を鍛え喧嘩に明け暮れているため不良少年のような扱いを受けている。

エボルト(CV金尾哲夫)
ブラッド族エボルトに転生したライダーオタクの青年
転生時に神様にエボルトみたいになりたいと言ったところ力を失った不完全な状態での転生となりアメーバ状になってさまよっていたところ下間牙竜と出会い憑依する。


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契約

まずは1話目にして星9評価を2つもいただけて嬉しい限りです。

かなり多くの方に読んでいただき楽しんでいただければ幸いです。


エボルト視点

さて、あれから3日経ったが色々な変化があった。

まずは俺の知識面、この世界のことだ。一応神様はヒロアカの基本設定やあらすじの記憶だけ残しててくれたみてえだが改めて情報を整理できた。『個性社会』のこと、『ヒーロー』のこと、『ヴィラン』のこと、そして牙竜が個性を持たない『無個性』であることも。

 

続いてパンドラボックスに関してだ。

牙竜が寝ている合間に身体をお借りして回収したパンドラボックスを調べたんだが、基本的にビルド関係のアイテムが殆ど入っていた。けど現状使えるのは…

 

『コブラ!』

 

「蒸血」

 

『ミストマッチ…!コ・コッ・コブラ…!コブラ…!』

 

『ファイヤー!』

 

トランスチームシステムとロストボトルのコブラとバットぐらいだ。

因みに今は牙竜の身体をお借りして変身している。

 

(おい、今から何する気だよ?変な姿になって。)

 

(いや、変身できるかとかを試してるだけだ。)

 

因みに今俺が憑依している牙竜の方だがハザードレベルは2.5と結構優秀だがまだ仮面ライダーにはなれない。

ボトルを使ってハザードレベルを上げる方法もあるがそもそも俺との融合が弱い。完全に俺とアイツの遺伝子が合わさったらハザードレベルもより上がるはずだ。

問題は牙竜の気持ちってやつだ。

"ヒーローになりたいのか?"

"仮面ライダーになりたいのか?"

"今後も俺と共生関係を続けるのか?"

聞くなら今だ。

 

「牙竜、1つ話がある。」

 

「なんだよ?話って」

 

俺は数日ぶりに牙竜の身体から離れてパンドラボックスの上に身を置く。

 

「これが俺の今の姿だ。不完全な宇宙生命体さ。」

 

「ほう、これが俺の身体に入ってたんだな。」

 

「ああ、そうだ。でこっからは今後の話だ。俺は今身体も力も不完全だが誰かに寄生すればどんどん完全な力に近付いていく。そして宿主体を強化して力を与えることもできる。さっき俺がしたみたいに変身もできる。」

 

「つまりはテメエが俺の身体に居続ければ俺もアンタも強くなってくってことだな?」

 

「理解が早くて助かるよ。つまり俺がお前の"個性"になるってことだ。でお前はどうする?」

 

「俺か……そうだな、勿論力は欲しい。けど良いのか?」

 

流石に躊躇はするだろうな。出会って数日の宇宙人にいきなり力をやると言われてるわけだ。

俺だってアイツと同じ立場なら戸惑うさ。

 

「良いに決まってる。何故お前は力を欲するか考えてみろ。」

 

「俺は…守りたい……大切な人や弱い人たちをッ……守りてえ!!」

 

「いい心意気だ。お前の今までの喧嘩とかもそのためのもんだろ?たった数日一緒にいただけでわかるさ。お前は良い奴だってな。」

 

たった数日の付き合いかもしれねえがコイツは普通の人が思うような不良少年じゃねえ。

家族思いで意外と優しい奴だ。

真面目で真っ直ぐでカッコイイ。

 

「なるんだろ?ヒーローに」

 

牙竜視点

ヒーローか……俺がガキの頃からずっと憧れてる。

幼稚園の頃に見たオールマイトを見て俺もあんなカッコイイヒーローになりてえって思った!

けどその夢は5歳の時に俺が個性を持たない"無個性"だってことがわかってその夢は俺の手に届かなくなった…

それから暫くして差別やイジメが始まった。

特に小学校の時は酷かった。1人助けてくれた奴がいたんだ。

ソイツは俺が2番目に憧れた男だ。

けど次はイジメの標的がそいつに変わってその子は自殺未遂まで起こし、転校した。

それから俺は強くなることにした。強くなってイジメとか差別から弱い人を守るって誓った。次第に力を悪のために振るうヴィランからも皆を守るヒーローになりてえって俺はガキの頃と変わらない夢を追いかけた。無個性でも鍛えあげた力だけで俺はのし上がるって……

 

「確かに俺はヒーローになりたい、けどよ……」

 

けど良いのか?このままコイツに頼りっきりで

いきなり現れて俺を助けてくれたけど……

 

「アンタに頼りっきりでいいのか?」

 

「考えて行動するのはお前、戦うのもお前、俺はサポートするだけだ。戦う手段を与えるだけさ。」

 

「そういうことか、けどなんであんたは俺にそこまでしてくれる?」

 

けどなんで見ず知らずの宇宙人が俺に力をくれるんだっ……

 

「宿主とかだったら他のやつだっているだろ?」

 

宿主だって俺に拘る必要は無い筈だ。

 

「さあな?けど俺はお前以上に良い奴を見つけれる自信はないな。」

 

「どういうことだ?」

 

「お前は誰よりもヒーローに向いてるよ。俺も昔色々なヒーローとか見てきたけどお前が1番いい目をしている。」

 

「つまりアンタは俺の事認めてくれたってことか。」

 

「ま、そういうことだな。」

 

俺は今まで人に認められたことが少なかった。

無個性であることと喧嘩のしすぎで誰もが俺を冷たい目で見た。

真面目に授業受けてテストや模試で良い点とっても家族しか褒めてくれなかった。

クソッタレ馬鹿教師は俺の点数よりも喧嘩の評判の方の情報を重く見た。仕方がない。これ以上俺を認めてくれる人間なんて誰も現れやしねえ。アウトローな道でも自分の信念を貫き通して生きていくしかねえって思ってた。

けど俺は今エボルトに認められてちゃんとしたヒーローの道を集める。多くを救うヒーローの道に……

 

「わかった。俺はあんたと組んで最高のヒーローになる!」

 

「よし、これで契約成立だな。じゃあ改めて寄生させてもらうぜ。こっからの道は苦難が待ち受けている。逃げるなら今がラストチャンスだ。」

 

「何言ってやがる。俺は逃げねえ、後に退くことはねえよ。ここで退いちまったら俺はヒーローにもなれねえし誰も救えねえ。」

 

「じゃあ早速、始めるぞ。」

 

エボルト視点

アメーバ状の俺の身体はまた牙竜の中に入っていく。

仮染めの憑依なんかじゃなく、俺の遺伝子を完全に埋め込む。

 

「か、身体がっ……熱いっ……!」

 

かなり負担はかかるが、そうすることでコイツの身体は

"万丈龍我"のように宇宙生命体の遺伝子も持った身体へと変わりハザードレベルも上昇していく。

 

「はぁ…はぁ…結構ハードだな。」

 

寄生が完了すると共に改めて牙竜の肌の表面を流れる汗の湿り気を感じる。

肉体の情報がどんどん俺にも伝わってくる。

俺が寄生したことで上昇したハザードレベルも明白になった。

 

「ハザードレベル……3.5か、中々いい感じじゃねえか……」

 

To be continued




少し補足です。
第1話〜第2話までの間はエボルトは牙竜の身体に入っていましたがカズミンとか内海さんに憑依していた時みたいなあくまで仮のような状態でしたが今話で遺伝子を埋め込み万丈龍我とエボルト(本家)の様な関係になりました。
さて、次回はいよいよ変身します!
お楽しみに


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変身

今回の話は題名通り
変身します。
変身しまくります。
変身させすぎたかもしれません。


牙竜視点

昨日俺はエボルトと契約し完全な共生関係を築くことになった。

で今日は日曜日なんだが朝からコイツに連れられて廃工場に来ていた。

 

「ここなら誰もいねえだろ。」

 

「そうだな、たまに悪い奴が来るが大体撃退してる。」

 

「そうか、ところでなんでお前の肩にクローズドラゴンが乗ってるんだ?」

 

「ああ、クローズドラゴンって言うのかコイツ。なんか朝起きた時からずっといるんだよなコイツ。」

 

朝、目が覚めた時からなんかずっとこのドラゴンみたいなメカが俺の横にいる。しかもなんか俺に懐いてるしな。

 

「コイツはドラゴン型自立行動メカのクローズドラゴンだ。あの箱の中にいたんだが勝手に出てきたみたいだな。」

 

「へーよろしくな」

 

クローズドラゴンも応えるように音楽を鳴らす。

 

「で本題だ。今からお前に仮面ライダーって奴の力を与える。」

 

「仮面ライダー?なんじゃそりゃ?」

 

「あー、まあ宇宙のヒーローって奴だ。」

 

「ほー」

 

流石エボルト、力も宇宙的なパワーなんだな。

 

「じゃあ、まずはデモンストレーションだ。ちょっと身体借りるぜ。」

 

「おう、いいぜ」

 

エボルト視点

ってことで身体の主導権を1度俺が握る。

 

「さて、よく見とけよ。俺の変身を」

 

「ああ、わかった」

 

「さあ、実験を始めようか。」

 

まずは腰にビルドドライバーを着けて、2本のフルボトルを振る。

 

『ラビット!タンク!』

 

ラビットとタンクの2本のフルボトルをビルドドライバーに挿入する。

 

『ベストマッチ!』

 

そしてレバーを回転させるとハーフボディを形成するフレーム、スナップライドホルダーがベルトから出現する。

 

『Are you ready?』

 

「変身!」

 

赤と青のハーフボディが俺の身体を挟み仮面ライダービルドの鎧となる。

 

『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イエーイ!』

 

兎と戦車の力を併せ持つベストマッチフォーム

仮面ライダービルドラビットタンクフォームへの変身が完了する。

 

「勝利の法則は決まった。」

 

自分で発した仮面ライダービルドの決め台詞が自分の耳に入ってくる。

エボルトとしての声で言ってるから渋く聞こえる。

 

「あー、もしかしてだけどこの台詞も絶対に言わないといけねえのか?」

 

「いや、変身ってとこだけで良い」

 

まあ流石に決め台詞は個人の自由だ。

さて、変身ついでにラビットタンクのボトルと牙竜の身体の相性を見てみようか。

ほう、このボトルとの相性はあまり良くなさそうだ。

 

「次はフォームチェンジだ。よく見とけよ」

 

「ああ、しっかり見てるぞ。」

 

『ゴリラ!タンク!』

 

ラビットボトルとゴリラボトルを入れ替える。

 

『Are you ready?』

 

「ビルドアップ!」

 

トライアルフォーム(ゴリラタンク)へと姿を変える。

 

「なんかさっきより音が少ないな。」

 

「これはベストマッチじゃないからな。」

 

「ベストマッチってなんだ?」

 

「ベストマッチってのは相性のいいボトル同士の組み合わせだ。例えばこんな感じだ。」

 

『ゴリラ!ダイヤモンド!』

 

タンクボトルを抜きその代わりにダイヤモンドボトルを入れる。

 

『ベストマッチ!』

 

「ベストマッチならこの音声が流れんのか?」

 

「ま、そういうことだ。」

 

そしてまたベルトのレバーを回す。

 

「ビルドアップ!」

 

『輝きのデストロイヤー!ゴリラモンド!イェイ…!』

 

そしてゴリラモンドフォームに変化する。

 

「ほう、このベストマッチも強いのか?」

 

「勿論」

 

ということでしばらく牙竜にベストマッチをいくつか試させたんだが中々相性のいいボトルがないな。

そろそろ東都のボトル20本を制覇しそうだ。

 

『ドラゴン!ロック!ベストマッチ!』

 

これが東都ラストのベストマッチだ。

結構制御が難しいフォームだ。

 

『Are you ready?』

 

「ビルドアップ!」

 

『封印のファンタジスタ!』

 

『キードラゴン!』

 

『イエーイ!』

 

「うおおおおおおお!!」

 

このベストマッチを使った時、突然牙竜が声を上げた。

 

「大丈夫か?」

 

「な、なんか今すっげえ俺の中で滾る物があったんだ!よくわかんねえけど」

 

なるほどな。このドラゴンボトルが牙竜と相性が良かったんだな。

 

「ああ、わかった。じゃあお前はこのドラゴンボトルをメインに使おう。」

 

ってことは牙竜が変身するライダーはビルドよりあいつの方がいいな。

 

「よし、運転手交代だ。次は違うライダーに変身する。俺の指示通りに頼んだぜ。」

 

クローズドラゴンも目を覚ましたってことは多分そういうことだろうな。

 

牙竜視点

てことで俺も腰にこのビルドドライバーって奴を巻いてみる。

 

「クローズドラゴンを使え。頭と尻尾を引っ込めてガジェットモードにしろ。」

 

「OK、来い!クローズドラゴン!」

 

俺の掌に乗ってきたクローズドラゴンを変形させてガジェットモードにし

 

「これでいいか?」

 

「ああ、じゃあさっきのドラゴンフルボトルを入れろ。」

 

「こいつか?」

 

『Wake up!』

 

さっき使ってたドラゴンフルボトルをクローズドラゴンに挿入する。

 

「あとはわかるな?」

 

「ああ、」

 

『クローズドラゴン!』

 

ドライバーにクローズドラゴンを取り付けてレバーを回す。

 

『Are you ready?』

 

「変身!」

 

『Wake up burning!Get CROSS-Z DRAGON!Yeah!』

 

さっきのエボルトが変身してた時みたいに形成された紫の装甲が引っ付き、さらに金色の龍のようなフォルムのパーツが装着される。

水面に映る竜の戦士の姿を見る。

 

「仮面ライダークローズ爆誕だ。」

 

「これが仮面ライダークローズ……」

 

出来ればちゃんとした鏡でもこの姿を見てみたいぜ。

それにこの姿はさっきのビルドとはまた違うみてえだな。

 

「さて、こっからは俺が戦い方を教えてやる。厳しい特訓の始まりだ。」

 

「望む所だ!」

 

「じゃあ早速…」

 

俺の身体からアメーバ状の物が出てきて俺の前でコブラの意匠が所々あるワインレッドの姿をした戦士に変化する。

これってこの前エボルトが俺に憑依して変身してた。

 

「ブラッドスタークだ。俺のもう1つの姿さ。」

 

「へえ〜なんかよくわかんねえけど良い対戦相手にはなりそうだ。」

 

「ボコボコにされても泣くんじゃねえぞ」

 

エボルト視点

それから数時間後

 

「中々やるじゃねえか……」

 

「そっちこそ、やっぱ宇宙人は舐めれねえな。」

 

ブラッドスタークVS仮面ライダークローズの組手を何度も行ったが勝負は互角、牙竜も結構強いじゃねえか。

結局2人疲れて地面に寝転んでるところだ。

 

「じゃ、とりあえずこの辺にして飯でも食いに行くか。」

 

「いいぜ、じゃあ戻るとするか。」

 

牙竜が仮面ライダークローズの変身を解除すると俺は牙竜の体の中に引き戻された。

 

「テメエはもう俺の中に戻るのか?」

 

「ま、そうだな、てか変身解除した瞬間に身体を保てなくなってな。多分お前が変身してる時しか出れないんだろうな。」

 

クローズの変身中しか活動できないってのはどういうことだ?

ハザードレベルが上昇しやすい状態の時だけ俺も力が発揮できるとかそういうシステムか?

 

「まあいい、味覚は共有出来てるわけだ。お前が美味いもん食ったら俺も味を楽しめる。とっとと近所のラーメン屋でも探してこい。」

 

「ああ、わかったぜ」

 

To be continued




とりあえずこれでタイトルの1部を回収
一応現状の力の制約としてブラッドスタークと牙竜自身の分離は牙竜がライダーに変身中のみ使用できます。


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ヘドロ事件

お気に入り登録してくださってる皆さん
高評価をしてくださる皆さんありがとうございます
毎日モチベーションが湧き上がってます。


(牙竜視点)

 

(もうこんな時期になったか。)

 

エボルトと出会って数ヶ月

学年が1つ上がり俺もいよいよ中学3年だ。

 

「次、下間君入って」

 

始業式も終わって新しいクラスも形になってきだした頃に新担任による個人での進路面談が始まった。

 

「ウッス」

 

新担任の躑躅森先生に呼ばれて面談室に入る。

スラッとした体格で高身長眼鏡のイケメンティーチャーでクラスの女子が躑躅森先生が担任って知った時に大騒ぎしてたのが印象的だ。

 

「下間君は第1志望は」

 

「雄英高校のヒーロー科だ」

 

前の担任はこういう俺の言葉に対して無個性だから無理だとか素行やら内申点がどうこうだとか言ってきてたからこういう面談は嫌いだ。

 

「いいんじゃないかな?下間君なら目指せるよ。」

 

おっとこれは予想外の反応

初めて先公って生き物から肯定的な言葉が出た。

 

「模試でもA判定が取れてるし、それに最近は喧嘩の報告が来てない。」

 

そりゃ俺はその辺の不良とは違って授業もしっかり受けてヒーロー科目指して勉強してるからな。最近はエボルトにも対策本とか教えてもらって勉強してるしな。ただ、

 

「喧嘩の報告がないっつっても喧嘩の売買の前に相手が逃げてるだけだ。」

 

初めてエボルトが憑依した時にヴィラン含む不良、チンピラ連合をブチのめした(エボルトが)噂が広まって喧嘩を売っても買われない、喧嘩を買おうとしても逃げられるって日々が続いていやがる。平和だしその影響か学校内でのイジメも減ってるらしいし勉強と特訓に集中できてるからいいんだけどな。

 

「それに君は1度僕の弟も助けてくれたみたいだし、優しい子だって聞いてるよ。」

 

「それは記憶にねえな」

 

どうやら1度俺が先生の弟を不良に絡まれてる所を助けたことがあるらしい。そういうことはいっぱいあったからあんまし覚えてねえけどな。

 

「ま、まあ兎に角先生は君のこと応援するよ。」

 

「ん、アザっす」

 

まあけどこの先生は良い奴ってのはよくわかった。

 

「なんか困ったことがあればいつでも相談に来てくれ。」

 

「了解っ」

 

てな感じで進路面談は無事終了だ。

 

(いい先生だったなあの人)

 

(ああ、今までのセンコーで1番仲良くできそうだ。)

 

因みに実は個性に関する相談もしていたんだが躑躅森先生はヴィランも倒したって噂聞いて俺が世界初の無個性ヒーローになれると思ってたらしいが実は新しい個性が芽生えたと打ち明けると個性変更届けについて教えてくれた。

この後にでも届出をしようかなということで今役所へ向かってるんだがこの地域は確か……

 

「下間君!久しぶり!」

 

「よう、出久!元気にしてたか?」

 

「ん、ま、まあね……」

 

「どうした?また勝己になんかされたか?」

 

コイツは緑谷出久、中学一年の時にたまたま出会ったダチだ。

コイツが爆豪勝己って奴に虐められてた現場に遭遇し助けた時以来無個性だけどお互いヒーローを目指して頑張っている。

中一の時はヒョロガリだったのに体格は結構ガッシリしてきてんなあ。身長も……なんか俺より高いぞ?1センチぐらい追い抜かれちまったか。

 

「い、いや、かっちゃんは関係ないよ。」

 

そうそう、このかっちゃんこと爆豪勝己って奴は問題児だ。

出久のことイジメてた張本人で超強い。俺でも全然勝てなかったけど拳で語り合ってある程度説得はできた。

イジメはしなくなったが仲は悪いままだけどな。

 

「ただその僕……」

 

「どうした?」

 

「実は…」

 

その直後俺の耳に入ってきたのは出久の言葉ではなく爆発音だった。

 

「なんだ!?」

 

爆発音のした方を見てみると火は燃え盛りその中心にはヘドロの様な奴が暴れている。

 

「僕の……せい……!」

 

出久が何やら呟いたが

 

「つーか、あのヴィラン。さっきオールマイトが追っかけてた奴じゃね?」

 

「オールマイト!? うそぉ!? 来てんの!?」

 

「じゃあ、何してんだ。オールマイトは!?」

 

という野次馬の声がそれをかき消す。

俺達も現場近くまで行ってみる?

 

「あれって……勝己!?」

 

(あれが勝己って奴か?確かに見た目ヤンキーだがなんかヘドロみたいなモンに囚われるな?)

 

(そうみてえだな、こりゃ苦戦しそうだぜ。プロヒーロー共が)

 

「おい誰かあいつに有効な個性はないのか!?」

 

「ダメだ!今ここには誰もいない!」

 

「誰かなんとかしろよ!」

 

「人質がいるのにどうしろとゆうんだよ!?」

 

「にしてもすごいなあの子…ずっと抵抗しているよ……」

 

(おいおい、どういうこったヒーロー達何もしてねえぞ)

 

(結局はこの程度の連中だったってことだな。どうする?クローズに変身するか?)

 

(その方が良さそ……)

 

「そこの君!!止まりなさい!!」

 

「出久!?」

 

自分が不利となれば動こうともしないヒーロー達を見て俺達の出番かと思われたその時、出久が野次馬の中から飛び出しヴィラン達の方に走っていた。

 

(三人称視点)

 

「おいお前止まれ!自殺志願か!?」

 

緑谷出久の夢は"無個性である"という理由で否定され続け、今日憧れのオールマイトにも諦めろと言われた。それでも目の前で苦しむ爆豪のために走り出した。

 

「うわっ!?イテェ!なんだこのガキ!!」

 

出久が鞄を投げつけてヴィランが怯む。

 

「かっちゃん!!」

 

「デク!…テメェなんで来たんだ!?」 

 

「決まってるだろ!!…君が助けを求める顔をしていたから!」

 

決死の思いで出久は勝己に手を伸ばす。

 

「このクソガキ!よくもやりやがったな!!死ねぇぇ!!!」

 

ヘドロヴィランが左手を大きく振りかぶって出久を襲う。

"終わった"そんな諦めの思考が出久の脳を駆け巡ったその時。

 

「諦めんな!」

 

『ウェイクアップ!』

 

『クローズドラゴン!』

 

『Are you ready?』

 

「変身!」

 

『Wake up burning!Get CROSS-Z DRAGON!Yeah!』

 

「仮面ライダークローズ、お前を救いに来た!」

 

(牙竜視点)

 

出久がヘドロ野郎を怯ませたがすぐやられそうになった時、

今度は俺が飛び出していた。出久達の駆けて行き、クローズへの変身を同時にした。

 

「仮面ライダークローズ、お前を救いに来た!」

 

己の拳で振り下ろされたヴィランの腕を受け止める。

 

「エボルト!出番だ!」

 

「OK!蒸血!」

 

身体から黒い煙が吹き上がりそこからブラッドスタークが出てくる。

 

「登場方法を変えてみたぜ?かっこいいだろ。アイススチーム」

 

ブラッドスタークがスチームブレードのバルブを回しアイススチームを放ってヘドロ野郎を凍らせる。

 

「しっかり捕まれ!」

 

俺は腕を伸ばし勝己の手を掴むと一気にヘドロ野郎から引き抜く。

 

「テメエっ……その声赤チビじゃねえか……」

 

「誰がチビだよ、とっとと逃げろ!」

 

勝己まずは赤チビってあだ名だけはマジやめろ。

一応164はあんぞ!

 

「おっと、油断はあまりするなよ。」

 

俺と勝己の問答を邪魔するようにまたヘドロが覆い被さろうとしてきたがブラッドスタークがトランスチームガンで撃って止めてくれた。

 

「お前も武器使え。」

 

「これだろ?」

 

エボルトの指示通りビートクローザーとかいう武器を出す。

 

『ヒッパレー!』

 

イコライザーの様な部分を引っ張り

 

『スマッシュヒット!』

 

剣を振りかざすと蒼炎を纏った斬撃がヘドロ野郎を切り裂いた。

がすぐに身体が元に戻る。

 

「真っ2つにしたぐらいじゃやられねえぞ!」

 

「じゃあもっとキツいのいってみよう」

 

『スペシャルチューン!』

 

剣にロックフルボトルをセットし

 

『ヒッパレー!ヒッパレー!ヒッパレー!』

 

3回レバーを引いて

 

『メガスラッシュ!』

 

鍵型のエネルギーの斬撃をヘドロ野郎にぶつける。

 

「うわああああああ!!」

 

ヘドロヴィランの身体はかなり吹き飛び体の一部があちこちに飛んでいく。

その後はヒーロー達が来て出久のことを叱り俺と勝己のことを

 

「すごい実力だ!是非将来ウチの事務所に来ないか?」

 

「君もよく耐えたね。」

 

と賞賛するが正直居心地が悪い。

特に出久のこと怒ってる連中は意味がわかんねえな。

 

「君!余りにも危険すぎる事はするな!」

 

「ヒーローに任せればいいんだよ!!」

 

「おい、テメエら巫山戯んのも大概にしろよ……」

 

俺は出久に説教する連中の方に詰め寄る。

さっきまで俺と勝己のことを褒めていたヒーローや野次馬、そしてマスコミの視線もこちらに向く。

 

「助けにも行かず傍観していた連中に任せれるわけねえだろ?」

 

「な、なんなんだ君は!?そもそも君も無許可で個性を使って!違反行為だぞ!!」

 

「ほう、確かに俺は違反行為をしたかもしれねえ、けどヒーロー免許持ってる癖に助けようともしなかったテメエらの方が間違ってんぞ!」

 

「そっ…それは相手に有効な個性が居なかった…」

 

酷い言い訳、プロ失格だなこいつら。

 

「言い訳なんてするんじゃねえよ!現にコイツが苦しんでたって事実に変わりはねえ、でお前らは自分の身が可愛くて見捨てた。苦しみを和らげようともしなかった!!」

 

強がって「苦しくなんてなかった」と首を突っ込んできそうな勝己でさえも反抗せず黙って聞いている。

 

「テメエらのヒーロー免許なんて捨てちまったらどうだ?まだ車の運転免許の方が価値があんよ。いいか、よーく覚えておけ、この場で1番ヒーローだったのは最初に助けに行ったアイツだ。あんたら以上に英雄に相応しい行動だ。」

 

俺は出久の方を指さすとこれ以上は話すこともないので無言で去っていく。

 

(かっこいいスピーチだったぜ。)

 

(よせよ、俺は正しいと思ったことを言っただけだ。)

 

To be continued




今回明らかになったのは出久と牙竜が友人関係だったことですね。
躑躅森先生のモデルは知ってる人なら知ってるでしょう。
イメージCVは河西健吾さんです。


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雄英入学編
入学試験1


遂に評価バーに色が付きました!
評価してくださった皆様本当にありがとうございました!


(エボルト視点)

ヘドロ騒動からしばらく経ってこの件に関する話題もようやく落ち着いていった。

牙竜がクローズであることは残念ながらマスコミのカメラに映ったため直ぐに世間にバレた。

だが学校側は厳しい処罰を与えることは無かった。大方躑躅森先生が頑張ってくれたらしいが学長らも牙竜がヒーロー達に言った言葉に感銘を受けたそうだ。

世論は皆、牙竜に味方した。あの場で牙竜や出久に怒っていたヒーロー達の1部からは引退する者まで現れた。

 

学校内での評価も変わり一気に人気者になった牙竜だったが1部の生徒の手のひら返しにはかなり呆れていた。

 

(また屋上か?)

 

(ああ、こういうのは慣れねえ)

 

休み時間には牙竜は人目の付かない場所によく行くようになった。

 

「そういえば最近出久の方もトレーニング頑張ってるらしいな。」

 

「聞いたぜ。オールマイトと特訓してるらしいな。あの出久の行動みて弟子入りさせたんならオールマイトも見る目あるな。」

 

「そうだな、俺達も新技の練習しないとな。」

 

練習、特訓、勉強

その日々がどんどん流れていき気付いた頃には年を越した。

そして三学期もあっという間に終わりに差し掛かった。

 

(牙竜視点)

今日は遂に雄英高校の入試の日だ。

ここまであっという間だったけど収穫は色々とデカい。

俺は少し遅めに入試会場に入っていく、有名人らしいからあんま目立ちたくない。

出久とか勝己も早めに会場入りしてるらしい。

まあてことで早速筆記試験だ

 

((余裕だったな))

 

ちゃんと対策とか勉強してたから学力テストは余裕だった。

エボルトも口出しすることなく問題を見たりしてたが余裕で解けたらしい。

 

「今日は俺のライブにようこそー!!!エヴィバディセイ Hey!!!」

 

そして実技試験なんだが説明担当のヒーロー、プレゼントマイクの声がうるさすぎる!

 

(しかも滑ってるしな。誰も反応してねえ、)

 

「こいつあシヴィー!!!受験生のリスナー!実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ!!Are you Ready!?」

 

(ダメです!)

 

ホントダメだな、この入試試験の先が思いやられるわ……

ってことで話聞く限り仮想敵とかいうロボット共をぶっ潰していってポイントを稼げばいいってシステムだ。

ただしアンチヒーローな行為はご法度だってよ。

 

「出久、さっきはドンマイだったな。」

 

説明中何やらブツクサと喋ってた出久が眼鏡の真面目そうな奴に注意されちまってたのでそれぞれの会場に移動する前に声をかけておく。

 

「聞いたぜ?個性芽生えたんだってな。」

 

「うん!急にね!」

 

まあけどそんな出久もこの1年で個性が芽生えたそうだ。

 

「ああ、だったら早い話だ。また会おうぜ、雄英高校の教室で!」

 

「うん!お互い頑張ろうね!」

 

エールを掛け合ってから手を振って別れて互いに会場へ向かう。

 

(三人称視点)

 

「いくぜ、エボルト」

 

「ああ、やるぜ」

 

入試会場で他の受験生達が各々準備する中牙竜も腰にビルドドライバーを巻く。

 

『ウェイクアップ!』

 

ガジェットモードにしたクローズドラゴンにドラゴンフルボトルを挿入。

 

『クローズドラゴン!』

 

『コブラ!』

 

そのクローズドラゴンをドライバーに刺すと身体から黒い煙が出てくる。 

 

『Are you ready?』 

 

「「変身!/蒸血!」」

 

『Wake up burning!Get CROSS-Z DRAGON!』

 

『ミストマッチ…!コ・コッ・コブラ…!コブラ…!』

 

牙竜の身体にクローズの装甲が装着されると共に黒い煙からコブラの意匠を持つワインレッドの戦士ブラッドスタークが現れる。

 

『Yeah!』

 

『Fire!』

 

「仮面ライダークローズ!」

 

「ブラッドスターク!」

 

「「ただいま参上!」」

 

特訓の期間で練習し出来上がった2人の名乗りとクローズとブラッドスターク同時変身。クローズに変身すると同時にブラッドスタークも出てきて2人同時に名乗りを上げる。

 

「やっぱ名乗り入らないんじゃねえのか?」

 

「いいや、いるね。大事だと思うぜ。」

 

牙竜からは少し不評ではあるが。

他の受験生達も突然の変身と名乗りに少し引いている様子。

冷ややかな目で彼らを見つめ、静寂が彼らを包む。

 

『はい、スタート!』

 

その静寂を切り裂くようにスピーカーが空気を振動させ試験開始を告げる音声が受験生達に伝わっていく。

 

『どうしたあ!?実践じゃカウントなんざねえんだよ!ほら見ろ!あのリスナーもう走ってるぞ!』

 

スピーカーが動かせたのは周囲の空気とクローズ&ブラッドスタークの2人組だけだった。他の受験生はアナウンスに呆気に取られて動き出すのはプレゼントマイクによる催促のアナウンスが入ってからだった。

 

彼らを置いていくように都会の街並みを見事に再現したセットでクローズら2名が駆ける。

 

「アイススチーム」

 

クローズ達を標的と認識し集まってきたロボット達の足元が凍りつき彼らの進軍が止まると、

 

「まずはテメエらからだ!」

 

仮想敵達の装甲がクローズの拳の前に打ち砕かれ鉄屑と化す。

 

「これでざっと10ポイントだな。」

 

最初にスタークが凍らせた分は全てクローズが破壊しそのポイントをざっとブラッドスタークが計算する。

 

「まだまだだ!このまま突き進むぜ!」

 

他の受験生達も彼らに追いついては来たがそれよりも先にクローズ達は進んでいく。

 

「コイツらは任せろ。」

 

5体の仮想敵をブラッドスタークの胸部から出てきた巨大なコブラが足元を掬い宙に浮いたところを。

 

『ヒッパレー!ヒッパレー!ミリオンヒット!』

 

ビートクローザーの斬撃が仮想敵達の装甲を切り裂き動力部を破壊する。

 

「次はこいつらか!」

 

さらに向かってきた敵達をビートクローザーで次々切り裂いていく。

ビートクローザーの刃は仮想敵達の装甲を次々破壊し心臓部や伝達部の回路をガラクタにしていき彼等の行動を止める。

 

「まだまだ来てるぜ。いけるな?」

 

「当たり前だ!」

 

続けて向かってくる敵達をクローズの拳が次々に打ち砕いていく。強固な拳は傷付くことなく仮想敵を潰していきポイントをどんどん貯めていく。

 

「おっときたぜ。」

 

スチームブレードと合体してライフルモードになったトランスチームガンでクローズを背後から襲おうとする仮想敵の足を撃ち抜いていく。

 

「助かったぜ!」

 

そしてその敵の頭部を蹴り飛ばした。

 

「次は大体10体か?」

 

10数体もの仮想敵達がまたクローズとブラッドスタークに向かってくる。

 

『ヒッパレー!ヒッパレー!ヒッパレー!』

 

『メガヒット!』

 

ビートクローザーを3回引っ張りエネルギーを纏った斬撃を放ち一気に敵達を破壊する。

 

「結構いい感じにポイント稼いだんじゃねえか?」

 

「そうだな、けど時間もまだまだあるし攻め続けるぞ」

 

「その意気だ。」

 

彼等の受験は順調に進んでいったが残り時間数分という時に新たな波乱が巻き起こる

 

To be continued




0ポイントとの戦いは次の話に持ち越しです。


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入学試験2

お気に入り登録者様100人突破しましたー
本当にいつも読んでくれてる皆様ありがとうございます。

そして方針としてA組とB組それぞれ21人クラスとしB組にももう1人オリキャラをぶち込みます。

(そして前書きと後書きにオリキャラに関する記述忘れてて申し訳ございません。追加しました。)


(三人称視点)

雄英高校内にある、とある一室

幾つものモニターが置かれておりそこからは街並みを再現したセットで行われている入学試験の映像を見ることができ、現在教員達が採点のためにその映像を確認していた。

 

「爆豪君、結構いいペースで稼いでますね。」

 

爆豪勝己を始めとする様々な受験生達の様子を雄英高校の教員たちがモニタリングしていた。セメントスは現在爆豪勝己の映像を観察していたが。

 

「ここまで来てレスキューポイントになりそうな要素は0か」

 

周囲を助けたりしない爆豪に驚いていた。

続いて13号が口を開く

ええ

「あの下間とかいう少年、なかなか好成績ですね。」

 

仮面ライダークローズとブラッドスターク、彼らには個性パンドラで申請されているため仮面ライダークローズの力も召喚されるブラッドスタークも個性の1部として見られており、ブラッドスタークの行動もしっかりと牙竜に加算されている。

 

「甲斐って子も中々良いわね」

 

続いてミッドナイトが甲斐銃士という少年に注目する。甲斐銃士は牙竜達と同じように仮面ライダーである。

仮面ライダーブレイブに変身し戦うその姿は牙竜とエボルトによる戦闘と同様注目を集めていた。

 

「個性バグスターウイルスか、ウイルスからは少し飛躍しすぎな気もするが。」

 

個性バグスターウイルスで仮面ライダーブレイブの銃士、個性パンドラで仮面ライダークローズとブラッドスタークの牙竜と規格外な2人が同時に受験を受けている。

 

「間違いなくこの世代は最強の世代だな!」

 

プレゼントマイクの言うように雄英高校にとって最強の世代となる可能性も高い。

 

「じゃあそろそろあれを投入してもいいんじゃないかな?」

 

そこにネズミの様な見た目の校長先生があるスイッチを指差す。

 

「黄金世代は果たしてこれにどんな対応をするかな?」

 

そのまま赤いスイッチを押すと各会場で地鳴りが響き、超巨大な仮想敵が現れる。

 

「0ポイントの仮想敵に果たして彼らはどう対応するかな?」

 

雄英入試試験において各受験生の性質を炙り出すのに最適なのは目の前にとんでもない壁を見せつけて恐怖を与えること、それによって各々の性格が見え ヒーローとしての素質の有無を見ることができる。

 

(牙竜視点)

 

「おいおい、なんか出てきたぜ。」

 

「ああ、デカすぎだろ…」

 

俺らが順調に仮想敵共をぶっ潰していって残り時間もあと少しって時にとんでもなくでけえロボットが現れた。

 

「あれって入試で説明してた奴だろ?倒してもポイントは入らない。おじゃま虫のステージギミックみたいなもんだろ?」

 

「そうだな、」

 

このデカブツをわざわざ倒しに行くメリットはないけどよ、

 

「まあけどぶっ倒しに行った方がおもしれえじゃねえか。」

 

「そうだな、ポイントは十分稼いだ。ちょっとぐらい遊んでやってもいいだろうな。」

 

てことで俺達は巨大ロボの方に向かう。

他の奴らは俺らと反対方向に向かっ走ってるが俺達はその中心を割って入るように走っていく。

 

「いくぜ!」

 

「エレキスチーム」

 

まずはスタークが電気を纏った煙を巨大ロボにぶっ掛けると奴の動きが怯む。

 

『ヒッパレー!ヒッパレー!』

 

『ミリオンヒット!』

 

「アイススチーム」

 

波形状のエネルギー刃が伸び、衝撃波を何発も放ち、足を破壊しそこをスタークが凍らせる。

 

「これで動けねえな!」

 

「ああ、じゃあこっからはシューティングゲームだな。」

 

エボルトもなかなか呑気だなトランスチームガンをライフルモードにして巨大ロボの体を次々に撃ち抜いていく。

 

「俺も銃が欲しいぜ、」

 

『ヒッパレー!スマッシュヒット!』

 

俺はビートクローザーからの斬撃だけで頑張ってるってのにエボルトはライフル使って羨ましい話だぜ。

 

「じゃああの技試してみるか?」

 

「いいぜ、来い!エボルト!」

 

(エボルト視点)

 

仮面ライダークローズが使用できる武器はビートクローザーだけだ。となると牙竜にとっちゃ不便な話だ。

一方この俺エボルトはブラッドスターク変身時と他の奴に擬態時に仮面ライダービルドが使用する武器を使える。

なので俺の憑依時、クローズはビルドの武器を使える。

 

「「仮面ライダークローズ、ブラッディ・オペレーション!」」

 

まずはカイゾクハッシャーを手に取り

 

『各駅電車!』

 

電車型攻撃ユニットの"ビルドアロー号"を海賊船型攻撃ユニットである"ビルドオーシャン号"から引っ張ってエネルギーを溜めて敵の身体に向けて放つ。

 

(まだまだ力を溜めれるだろ。)

 

(確かチャージすればするほど威力が上がるんだったな。)

 

『各駅電車!急行電車!快速電車!』

 

先程以上の威力のエネルギー弾はデカブツの右腕を撃ち落とした。

 

「次はこれだ!」

 

続いてホークガトリンガーを手に取り巨大なロボットの装甲に向けて弾丸を連射し蜂の巣のような穴を開けていく。

 

『100!フルバレット!』

 

多量の弾丸が巨大敵の腹部を貫き回路を壊し

 

「さて、トドメでも刺そうか。」

 

「最後はお前も出てくんのかよ。」

 

牙竜の身体からでてライフルモードのトランスチームガンを構える。

 

『スペシャルチューン!』

 

『コブラ!』

 

牙竜はビートクローザーにロックボトルを、俺はトランスチームガンにコブラボトルを入れる。

 

『ヒッパレー!ヒッパレー!ヒッパレー!』

 

ビートクローザーのイコライザーを3回引っ張り

 

『メガスラッシュ!』

 

『スチームショット!』

 

クローズの放つ鍵型のエネルギーと俺の放つコブラ型のエネルギー弾が巨大ロボットの心臓部目掛けて飛んでいき胸の装甲諸共その巨体を爆ぜさせて事前にダメージを与えた箇所から崩れていき、仮想敵の頭部は地に落ちる。

 

「中々いい感じだったな。」

 

「まあな、結構ド派手にやったな。」

 

爆発を背に俺達はこの場から去っていく。

 

『試験終了!』

 

「お、ちょうど終わったな」

 

その時ちょうどスピーカーから試験の終わりを告げるアナウンスがスピーカーから響き、"終わった"や"全然ダメだった"という声が次々と耳に入っていくのを横目に俺達は出口に向かう。

 

「中々良かったんじゃねえか?」

 

「ああ、何ポイントぐれえ稼げた?」

 

「ざっと50〜70だな。戦ってる横で数えてたんだが完璧にはカウントできてねえな。」

 

牙竜はちと張り切りすぎだ。

敵を破壊しすぎて途中からカウントをミスってると思うがまあ、余裕で合格だろうな。

 

「じゃ、とっとと帰ろうぜ」

 

「ああ、じゃあ行くか」

 

To be continued




ということでちょっとだけオリジナル要素です。
エボルトが牙竜の身体に入っている時、クローズでもビルドが使う武器やトランスチームシステムの武器を使えるようになります。

もう1人のオリキャラは甲斐銃士君です!
どんなキャラなのかは後々のお楽しみに!


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入学

いつも読んでくれてる皆様ありがとうございます。
今回は合格発表と入学初日です。


(牙竜視点)

入試から約1週間が経ったある日

雄英高校から荷物が届いていた。

 

(なんだ?合格通知か何かか?)

 

とエボルトが考えていたがその予想は的中だった。

封を開けると投影機みてえな機械が出てきてそこからある映像が映し出された。

 

『わーたーしーがー!投影された!』

 

「「オールマイト!?」」

 

こりゃ驚いた。今画面に映ってんのはオールマイトじゃねえか!!

No.1ヒーローのオールマイトだ!ガキの頃から憧れてたんだよなー

 

「HAHAHA!驚かせてしまったかな?実は今年からこの雄英高校で教鞭を執る事になったのでこうして!入試結果発表で先に挨拶をさせてもらうことになったのだよ!」

 

「今年からオールマイト教師になるのか。ラッキーだな、今年の1年生からNo.1ヒーローの授業受けれるなんてな。」

 

「すごいことだよな!楽しみだ!」

 

エボルトの言う通りだ。今年からトップヒーローの授業を受けれるなんて俺らの世代はラッキーだ。まあ合格してたらの話だしとっとと合否を聞こう。

 

「さて、入試の結果だが筆記は全科目8〜9割越え!」

 

「俺の教育のお陰だな。」

 

「いや、俺が勉強頑張ったからだよ。」

 

勉強に関しては俺の手柄だ、あんま取らないでくれ。

 

「そして実技試験だが君が個性で召喚したブラッドスターク君の分も合わせて75ポイント!」

 

「俺が数えてた分より多いみてえだな。」

 

「てかエボルトの分も加算されてたんだな。」

 

学校側の認識としてはエボルトも俺の個性の1部との事だ。

まあ宇宙人ってこととかバレなきゃ何とかなんだろ。

 

「さらに先の試験!見ていたのは敵ポイントだけではない!救助活動ポイント!こちらは審査制でヒーローとして相応しい行いをした者に与えられる!君に与えられたレスキューポイントは25ポイント!合計で100ポイント!!主席合格だってさ、来いよ!下間少年。ここが君のヒーローアカデミアだ!」

 

これでオールマイトの授業受けれんのは確定だな。

 

「他学年だったらどうすんだよ。」

 

「まあ、確かにな、けどまさかの首席合格か。」

 

いやー驚いたな。まさかトップで入学できるとはな、

 

「さて、まだお前の道は始まったばっかだぜ。」

 

「そうだな、入学手続き終わったら早速特訓だ!」

 

俺達の物語はまだ始まったばっかだ!

これはまだゴールでもなんでもねえ、

スタートラインに立っただけだ。これからまだ走り続けて俺は最高のヒーローになるっ…!

 

(三人称視点)

合格発表から時が経ち各家庭のカレンダーは4月のページが示され、桜の花びらが舞い景色を彩る頃、各学校の新入生達が新たに自身の通う場の校門をくぐっていく。

雄英高校も例外ではなく新入生達がかなり広い雄英の土地に足を踏み入れる。

 

「ほう、改めて来たけどデケエな。」

 

1度受験で来たことがあっても正式にここの生徒として門を潜るのに感慨深いという感情を抱くだろうが牙竜のリアクションは薄かった。

 

(おいおい、もうちょっとはしゃげよ。国立の名門校だぜ、)

 

(つっても友達ちゃんと作れるか不安なんだよ……)

 

牙竜にとって学校なんてのはあまりいい場所ではなかった。

躑躅森先生とは上手くやっていたがそれ以外の時期は散々であったし友人も結局出来ぬまま小、中学時代を過ごしていた。

精々友達と言えば他校の緑谷出久ぐらいである。

 

(まあまあ、安心しろ。緑谷と爆豪も受かってるらしいしな。)

 

(出久が合格して一緒なんは嬉しいけど……問題は爆豪なんだよなあ……)

 

彼の元に合格通知が来て数時間後緑谷出久から"出久自身も雄英高校入試合格"の旨を伝える連絡が来て喜んだが数日後"学校で爆豪も合格したことを知った"と連絡があり出久は喜んでいたが牙竜のテンションは少し下がっていた。

 

(まあ、仕方ねえけどアイツは無視で問題ないだろ。)

 

(ま、突っかかって来たら捻るか)

 

(怒られない範囲でな)

 

彼らの中での爆豪の扱いの悪さが明らかになりつつ彼らは校舎内に入り廊下を通り1年A組の教室の前に到着する。

 

((扉デカッ))

 

色んな個性の人々に対応したユニバーサルデザインの巨大な扉の大きさに思わず驚きつつも牙竜はその扉を開ける。

 

「机に足をかけるな!雄英の先輩方や机の製作者に申し訳ないとは思わんのか!」

 

「思わねえよ!テメーどこ中だよ?端役が!!」

 

((うわーめんどくせえ))

 

扉を開けた牙竜耳に入ってきたのは2人の少年の怒号だった。

 

「ぼ、俺は聡明中出身の飯田天哉だ。」

 

「聡明だぁ!?超エリートじゃねぇか!ぶっ潰しがいがあるるかねえかぁ!!」

 

「ぶっ潰す!?君本当にヒーロー志望か?言葉が乱暴すぎるぞ!!」

 

(さて、他人のフリだ。俺の席はどこだ?)

 

牙竜は爆豪と飯田を無視して席に座ろうとするが、

 

「よお、赤チビ!テメエもいんのかよ!」

 

「誰がチビだ!?」

 

(他人のフリとは?)

 

爆豪が牙竜に突っかかりキレられエボルトが前言をすぐに撤回する牙竜に呆れる。

 

「いいか、とっとと覚えやがれ!俺の名前は下間牙竜だ!」

 

「ケッ…やかましい奴」

 

「ああ!?」

 

「下間君も落ち着きたまえ!」

 

(そうだぜ、そこの眼鏡の言う通りだ。いったんクールダウンだ)

 

かなりヒートアップしていたところを飯田とエボルトが止め、

 

(わーかったよ、)

 

牙竜の方から立ち去り自身の席を探して座る。

 

(朝から不快だぜ。)

 

(まあ、落ち着きな。今日はどうせ入学式とかだし楽に帰れる。)

 

「仲良しごっこやるなら他所に行け、ここはヒーロー科だぞ。」

 

扉の外にいる寝袋に入った男の声と共に、

ざわざわしていた教室が水を打ったように静かになる。

 

((寝袋!?))

 

「はい、静かになるのに8秒かかりました。君達は合理性に欠けるね。」

 

静寂の中立ち話をしていた生徒達も自分の席に座ると寝袋に入っていた男が教卓の前に立つ。

 

「俺は担任の相澤消太だ。ヒーロー名はそのうちわかるだろ。」

 

((この人が担任!?))

 

自己紹介が少々適当なこの男性は雄英高校1年A組の担任の相澤消太。登場の仕方の癖が強い。

 

「これから個性把握テストをやる。体操着に着替えてグラウンドに集合しろ。」

 

(初日からハードだな。)

 

初日なんて入学式と軽いガイダンスだろと高を括っていたエボルトの予想を外れいきなりのテストをしようとしていた。

ということで生徒達は更衣室へ向かい着替え始める。

 

「す、すげえ筋肉だな……」

 

「エ、エイトパック?」

 

更衣室にて体操服に着替えるために制服を脱いだ牙竜の筋骨隆々な肉体美に普段からトレーニングを積んでいる切島、尾白らが驚く。

身長は控えめだが胸筋、上腕二頭筋はアスリートレベルで腹筋は8つに割れており、他の男子達もまじまじと見ている。

 

「ああ、なんか鍛えてたらこうなった。」

 

本人は毎日の筋トレの回数を定めてそれを1日欠かさずしているだけであり、特に拘りはない。

 

「羨ましいぜ…」

 

「俺も頑張らないと…」

 

牙竜はその肉体美を隠すように体操服を身に纏い先にグラウンドへ向かう。

 

(さて、個性把握テストか。どういう感じでいこうか…)

 

(だったらビルドを使え、アレなら色んなことに対応出来る。)

 

(つーことは今回はブラッドスタークの出番は無しだな。)

 

(ま、どんなテストかによるな。戦闘力重視なら俺の出番、体力テスト的なのならお前がビルドに変身してやれ。)

 

(ああ、じゃあ早速行こう!)

 

To be continued




牙竜は基本クローズに変身しますがエボルト憑依時はビルドにも変身でき、基本全ベストマッチ使いこなせます。
一応ラビットタンクスパークリングにも変身できます。


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個性把握テスト

仮面ライダービルドの映画観ながら書いてました。

最近は何をするより執筆が楽しいです。


(三人称視点)

 

「それではこれより個性把握テストを行う。このテストでは君達が中学時代に受けてた合理性のない個性使用禁止の体力テストとは違い個性を使っての体力テストを行ってもらう。」

 

雄英高校の入学式に1クラスだけ参加していないクラスがあった。それは相澤消太率いる1年A組だ。

A組の生徒達は体操服の着替えグラウンドに並び相澤の説明を聞いている。

 

「ではまずデモンストレーションとして入試成績トップの下間、こっち来てソコの円に入れ。」

 

「ウッス」

 

入試トップの牙竜がデモンストレーションに指名され、首席でなかった爆豪は不満げな顔でそれを見ている。

 

「中学の時の『個性禁止』ハンドボール投げの記録、幾つだった?」

 

「51m」

 

「その円の中なら何してもいい。全力で飛ばせ。」 

 

「了解ッ」

 

牙竜はボールを受け取りビルドドライバーを腰に巻く。

 

(作戦は決まってんのか?)

 

(兎に角ぶっ飛ばす。)

 

牙竜もエボルトとの特訓でフルボトルの特性を学びある程度使いこなせるようにしている。どういう戦法にしようか考え使うボトルを割り出して手に取る。

 

『ドラゴン!扇風機!』

 

ドラゴンと扇風機のフルボトルをドライバーに挿してレバーを回す。

 

『Are you Ready?』

 

「変身!」

 

仮面ライダービルドトライアルフォーム(ドラゴンサイクロン)に変身すると。

 

「はああああああああ!」

 

左腕の巨大なファンにドラゴンの蒼炎を纏わせて、

 

「飛んでけええぇぇぇ!」

 

投げたボールを蒼炎を纏った強風で吹き飛ばす。

 

『記録 2334m!』

 

(中々いい感じじゃねえか?フルボトルの選出も見事だ。)

 

(いや、もうちょいいけたな。)

 

いきなりの大記録にエボルトも賞賛の声を掛ける。

 

「すげえ!」

 

「いきなりいい記録だ!」

 

「まずは己の限界を知る。全てはそこからだ。」

 

相澤先生の言葉に他のクラスメイトが騒ぎ出し、

 

「さっすがヒーロー科!全力で個性使えるなんて!」

 

「何コレ面白そう!」

 

ザワザワし始めるが、彼らに釘を刺すように

 

「『面白そう』ねぇ・・・3年間、そんな気持ちでヒーロー科やっていけると思ってんのか?よし、このテストで記録最下位になった奴は除籍処分だ。」

 

相澤の口から最下位生徒への除籍宣告がされた。

多くの生徒達はこの衝撃的な一言に驚愕し唖然とするが。

 

(ま、俺が最下位ってことはねえだろうな。)

 

(じゃあ逆にトップ目指すか?)

 

(それしかねえだろ。)

 

自信満々の牙竜&エボルトは目標を最下位脱出等ではなく首位奪還とし個性把握テストに挑む。

 

第1種目 50m走

 

『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イエーイ!』

 

最初の種目の際、牙竜は赤と青のラビットタンクフォームにビルドアップし、

 

『スタート!』

 

出走の合図と共に左足に搭載されたバネ『ホップスプリンガー』を活かし、地面を蹴り推力を得て一気にゴールへ進む。

 

『記録 0.9秒』

 

隣の走者の障子目蔵を置いていきあっという間に抜き去り50メートルを走り切った。

 

「は、速い…」

 

「俺の記録がっ……」

 

足に自身があった飯田の記録をも超えた牙竜の成績に一同唖然とする。

 

第2種目 握力測定

 

『輝きのデストロイヤー!ゴリラモンド!イェイ…!』

 

ゴリラとダイヤモンドのベストマッチフォームであるゴリラモンドフォームに変身した牙竜は強くなった握力で握り…

 

「あ、やっちまった。」

 

潰してしまった。

 

「これは許容握力オーバーしたみたいだな。記録は無限だな。」

 

『記録無限』

 

第3種目 立ち幅跳び

 

『天空の暴れん坊! ホークガトリング! イェーイ!』

 

続いて牙竜はホークガトリングフォームに変身した牙竜がスタート地点から離陸して飛び、しばらく校庭の上を飛び回る。

 

「下間、これはいつまで飛べるんだ?」

 

「何時まででも飛べる。」

 

「じゃあ記録は無限だな。」

 

2種目連続で記録無限を出す牙竜に

 

「アイツヤベエな。」

 

「チートすぎだろ!」

 

上鳴電気、峰田実のコンビが驚愕の声を上げる。

他の生徒達も圧倒的な彼の力に絶句する。

 

第4種目 反復横跳び

 

『忍びのエンターテイナー!ニンニンコミック!イェーイ!』

 

反復横跳びではニンニンコミックに変身し忍者のように右往左往

 

『記録 726回!』

 

「これはまあまあだな、」

 

(仕方ねえ、次で頑張れ。)

 

「オイラの…記録…」

 

大記録ではないがそれでも他の生徒達を上回る数字で反復横跳びの成績に自信のあった峰田実は膝をガクガクとさせる。

自分の唯一得意種目の成績をあっさり越えられると自分が最下位になり除籍されるということが頭を過ぎってしまうだろう。

 

第5種目 ボール投げ

 

先程デモンストレーションでやったため牙竜は割愛で、他のクラスメイト達の競技の様子を見ている。

 

「緑谷君はこのままだとマズイぞ。」

 

「ったりめぇだ!無個性のザコだぞ」

 

ここまで個性を発動せずあまり良い記録を出せていない緑谷出久の身を案じる飯田天哉に対し爆豪勝己は

"デクが何故か無個性なのに合格したが結局はここで振り落とされる"

というふうに捉えていた。

 

『記録48m』

 

言っている傍から個性を使わず平凡な記録を出した。

というか個性を使えなかったのだろうか?

 

「な…今確かに使おうって…」

 

「"個性"を消した。つくづくあの入試は『合理性』に欠くよ。お前のような奴も入学できてしまう。」

 

相澤の髪が逆立ち、彼の見開いた目は緑谷出久をじっと見ていた。 

 

「消した…!?あのゴーグル…そうか…!」

 

「見ただけで人の個性を"抹消"する個性!抹消ヒーローイレイザーヘッド!」

 

緑谷出久はは相澤消太がイレイザーヘッドという相手の個性を一時的に消して戦うヒーローであるということを知った。

先程の緑谷出久の投球も個性を使って腕を犠牲にしようとしたのを察知し相澤が個性を消して止めたということだ

 

「ん?緑谷君が何か指導されているみたいだな。」

 

「どうせ除名宣告だろ。無個性のデクだぞ!アイツに何ができるって言うんだ!?」

 

「そんなことはないだろう、君は入試で緑谷君が何をしたのか知らないのかい?」

 

(出久、個性芽生えたんじゃなかったんかよ?)

 

(中々使いこなせてないみたいだな。けど飯田の言ってる入試で出久がしたことってなんだ?)

 

ここまで個性を発動できていない緑谷出久に皆が注目する。

 

「SMAAAAAAAAAAAAASH!!!」

 

周囲の生徒達が色々と考えてる合間に緑谷は超パワーでボールをぶっ飛ばした。

 

「先生、まだ行けます!」

 

しかし彼の指一本が紫色に腫れてしまっている。

現状緑谷はワンフォーオールの力を使いこなせず発動すればその箇所が傷付いてしまう。ただ今彼はその犠牲を指1本だけに抑えたのである。

 

「大丈夫か?出久」

 

「いや、大丈夫!」

 

痩せ我慢をしているのか大丈夫と言っているが指は青くなり腫れ上がっている。

 

「あまり無理はするなよ。」

 

「な、なんとか……頑張るよ……」

 

第6種目 上体起こし

 

「これはあえて変身を解除するんだな、」

 

『記録62回!』

 

変身したまま腹筋運動をするとなるとベルトが邪魔になるので牙竜は変身を解除しベルトをつけてない状態でこの競技に挑んだ。

 

「ま、邪魔になっちまうからな。」

 

「お、おう、にしてもすげえ記録だな…」

 

切島は変身していなくても好記録を出す牙竜に感心していた。

高校生の平均的な記録をゆうに超えた記録ではあるが先程彼の腹筋を見た切島には納得ができる。

がそれ以上にハザードレベル上昇による身体能力向上の恩恵も大きいだろう。

 

第7種目 長座体前屈

 

『稲妻テクニシャン!オクトパスライト!イェーイ!』

 

右肩のタコ型の装甲の"フューリーオクトパス"から伸びるタコの腕のような触手を伸ばしていく。

 

『記録 12m!』

 

「触手ってエロいよな」

 

最早触手という物から如何わしいことを考える峰田のコメントしか出てこない。

 

第8種目 持久走

 

『ぶっ飛びモノトーン!ロケットパンダ!イェーイ!』

 

ロケットパンダフォームになった牙竜はロケット状のアーマーを使って低空飛行しトラックを何周も回っていき誰よりも早く目標の距離を飛び切る。

 

(これもぶっちぎりだな。)

 

(後は出久が心配だ。アイツ指やってから調子が出てねえぞ。)

 

牙竜達が緑谷の身を案じていると間もなく相澤消太によって個性把握の成績と順位を掲示した。

 

(お、やっぱお前が1番じゃねえか)

 

1位の所には下間牙竜の名があったが……

 

(けど……出久……)

 

それと同時に最下位の所には緑谷出久という名前が示されていた。

それは出久が除籍されてしまうという宣告であった。

 

「あ、因みに除籍ってのは嘘な」

 

「「「え?」」」

 

「君達の全力を量るための合理的虚偽」

 

「「「え〜〜!?」」」

 

(俺らは騙されてたってことか。)

 

(ま、そうなるな。)

 

「あんなの嘘に決まってるじゃない。ちょっと考えればわかりますわ。」

 

生徒達が各々の反応を見せる中相澤は

 

「とりあえず資料とか机の上に置いといたからしっかり目通しとけ。今日はこれで終わりだ。」

 

と言い残し1人立ち去っていく。

 

「良かったじゃねえか出久!」

 

「う、うん!」

 

「しかしひっでえ指だな。早く保健室行け!」

 

一先ず誰も除籍にならなかったという安堵感に包まれつつ生徒達はグラウンドから教室へ戻っていく。

 

(けど相澤センセの言ってること、どこまで本当なんだろうな?)

 

(どういうことだ?)

 

(あのおっさん本当はちゃんと最下位は除籍するつもりだったんじゃねえか?)

 

相澤消太は1年前のクラスでは全員除籍処分を下していた。

今回の個性把握テストでも最下位の生徒は除籍にするともりであり、そのことをエボルトも見抜いていた。

 

(じゃあなんで出久は除籍にならなかったんだ?)

 

(ま、出久に見込みがあったってことじゃねえか)

 

(なるほどな、出久にも良いパワーあるしな。ま、出久がいいヒーローになれるかもしれねえってセンコーも思ったんだろうな。)

 

To be continued




如何だったでしょうか?
個性把握テストならクローズよりもビルドの方が絵的に面白いかなって思ったんで全編ビルドに変身してお送りしました。
さて、次回は屋内戦闘訓練ですがいよいよあれが出てきます。
お楽しみにー


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屋内戦闘訓練1

お待たせ致しました!
屋内戦闘訓練の時間でございます。

それと前回タイトルがクローズ&エボルのヒーローアカデミアなのにビルドに変身して無双していたせいでタイトル詐欺となってしまいまして申し訳ございませんでした。

今後は牙竜の方は他ライダーへの変身があまりないように致します。
エボルトが仮面ライダーエボルに変身出来るようになるのはまだまだ先です。ブラッドスタークで許してください!


(牙竜視点)

俺の高校生活が幕開けて何日か経った。

 

「おはよう!下間!」

 

「よっ!切島!」

 

このクラスは結構良い奴が多くてすぐに打ち解けれた。

 

「今日ってオールマイトの授業の日だよな?」

 

「ああ、どんな授業なんだろうな。」

 

「先生1年目だし初々しい授業になるんじゃないか?」

 

ちなみにエボルトも俺の個性の1部として皆に受け入れられてんだが、ナチュラルに会話に混じってくんのはやめてくれ。

 

「ウッス、エボっさん!おはようございます!」

 

因みにエボルトはクローズドラゴンを通じて他人と会話出来る。

切島がエボルトに入ってるクローズドラゴンを撫でながら挨拶してるんだがいつの間にエボっさんなんてあだ名ついたんだ?

 

「お、エボっさんに下間と切島じゃん、おはよー」

 

「よお、耳郎」

 

エボルトの周りにはいつの間にか人がよく集まるな。

校舎に着くまでに耳郎とも合流しちまったぜ。

 

けどこんなに賑やかな大所帯で学校に行くのも良い事だな。

 

(エボルト視点)

賑やかな方が牙竜も幸せだろうし俺も楽しい。

まあけど雄英高校での一日は普通の高校とそんな変わらねえ。

授業の時限数は多いがエリート校ならこんなもんだろ。

それに牙竜もしっかりと学業をこなせてる。

 

「この3つの英文で、間違ってんのはどれだ?」 

 

プロヒーローが教鞭を執ると言っても授業内容は超普通だ。

 

(((普通だ・・・)))

 

(前置詞が違うから3だな)

 

(クソつまんねぇ)

 

そして昼食は雄英高校の食堂で食うんだが。

 

「このカツ丼美味え!!」

 

「そうだね!安価でこれが食べれるのは幸せだね!」

 

牙竜と出久はここのカツ丼に夢中だ。

 

「ホントよく食べるな〜」

 

「あんま零さんようにね〜」

 

切島、麗日はその様子を見ながら普通に飯を食ってる。

さて、午後の授業はいよいよお待ちかねの

 

「わーたーしーがー普通にドアから来たっ!!」

 

(キターーーーー!!)

 

No.1ヒーローオールマイトによるヒーロー基礎学の授業だ。牙竜からも嬉しいという感情が真っ直ぐに伝わってくる。

 

「画風違いすぎて鳥肌が……」

 

1部のクラスメイトからは生オールマイトに驚きの声が聞こえてくる。

 

「今日のヒーロー基礎学の授業内容は…戦闘訓練だ!」

 

「戦闘…」

 

「訓練ッ!」

 

さて、今日の授業はヒーローとしての基礎中の基礎戦闘

爆豪とかからは楽しみで仕方がないという気持ちがすごく伝わってくる。

 

「ここに、君達の提出した要望書に沿って造られたコスチュームがある!全員更衣室で着替えて、演習場Dに集合だ!」

 

(牙竜視点)

 

「下間君のコスチューム結構シンプルだね。」

 

「まあな、どうせ変身すっからデザインはあんまし拘ってねえ」

 

俺のコスチュームは体操服とはあんま変わんねえけど竜の様なデザインの絵がプリントされている。

まあちょっとクローズドラゴンの顔にも似てる気がするな。

 

「さて、とっとと行くぜ、」

 

着替え終わった奴らと一緒に先に更衣室を出る。

女子更衣室から出てきた奴らも合流して歩いてくとオールマイトが出迎えてくれた。

 

「さて、皆似合ってるぜ!様になってるぜ!」

 

こうやって褒めてもらえんのは嬉しいな。

 

「始めようか有精卵供!戦闘訓練のお時間だ!」

 

「先生!ここは入試の演習場ですがまた市街地演習を行うのでしょうか!?」

 

確かに、飯田の言う通りここは入試で使った場所だ。

 

(入試の振り返りでもするんか?)

 

(てことはロボ戦でもするのか?)

 

「いいや、もう二歩先に踏み込む!屋内での対人戦闘訓練さ!!敵退治は主に屋外で見られるが、統計で言えば屋内の方が凶悪敵の出現率は高いんだ。監禁・軟禁・裏商売…このヒーロー飽和社会。真に小賢しい敵は屋内にひそむ!君らにはこれから『敵組』と『ヒーロー組』に分かれて、2対2の屋内戦を行ってもらう!」

 

ほう、2対2での戦いか。

ん?俺らのクラス21人だから1人余るよな?

誰かボッチ確定演出か?

 

「基礎訓練も無しに?」

 

「その基礎を学ぶ為の実戦さ!」

 

基礎的なことを学んでくための実戦か。

ま、戦いなんて実際に戦ってみないとなんも身につかねえからな。

 

(お前の場合喧嘩の場で実践して強くなってるからな。)

 

(ああ、実践で身につけた喧嘩殺法だ。)

 

ということでオールマイト先生がルールや設定を語る。

今回の状況は、2人組のヴィランがアジトに核兵器を隠していて、2人のヒーローがそれを処理しようとしているというもの。

 

(設定がリアルだな。)

 

勝利条件は、『ヒーロー組』は制限時間の15分以内に「核兵器を回収する」か「ヴィラン組全員の確保」、『ヴィラン組』は制限時間まで「核兵器をヒーローから守りきる」か「ヒーロー組全員の確保」だ。チームメイトと対戦チームの選出はくじ引きによって行なわれる為、完全にランダムだ。

 

「それから、このクラスの人数は21人!ということは1人余るのだがその人にはJOKER枠として最後に希望者と戦ってもらう!さて、そのJOKER枠だが既に決めてある!」

 

何となく誰か予想出来んだが……

 

「JOKER枠は下間少年!勿論いけるよな?」

 

「ああ!任しとけ!」

 

「実質俺もいるからコンビみてえなもんだ。頑張ろうぜ」

 

「おう!」

 

てことで俺&エボルトで頑張っていくか。

 

(エボルト視点)

 

(心配か?出久のこと)

 

(まあな、相手が相手だしな。)

 

屋内戦闘訓練の1試合目は緑谷&麗日コンビVS爆豪&飯田コンビだ。

緑谷と爆豪は幼馴染でもありイジメっ子とイジメられっ子の関係でもあるわけだ。そのことを知ってる身からすればこの因縁深い戦いにはどの戦いよりも気持ちが入ってしまう。

 

「下間さんはこの戦い、どう見られます?」

 

「実力では完全に爆豪だろうな。アイツはあんなんでも戦いのセンスはずば抜けている。」

 

戦いの様子を見ていたらポニテお嬢様の八百万がこっちに来て戦いに関して聞いてきた。

 

「けど分析力とデータなら出久も負けてねえ。」

 

「データというのは?」

 

今ちょうど画面内では出久が爆豪の大振りを見切って腕を掴み背負い投げしたところだ。

 

「俺は数年前から2人のことを知ってるが、出久は分析の鬼だ。プロヒーローの技は大体知ってる。それに爆豪の癖も誰よりも分かってる。」

 

「爆豪さんの癖もですか?」

 

「まあな、アイツらあんな感じだけど出久は爆豪に憧れの感情も抱いてるからな。」

 

出久はある意味とんでもないメンタルの持ち主かもしれねえな。中一で牙竜に止められるまでイジメをしてた爆豪に対して恨みの感情以上に憧れの感情を抱いてるって普通じゃねえ。

俺と牙竜も出久からそのことを聞く機会があったんだが正直2人揃ってたまげたな。

 

「おいおい、あの篭手エグすぎんだろ。」

 

それと爆豪の腕に付けてる篭手の殺傷能力エグすぎんだろ。

とんでもねえ爆発起きてんぞ!建物も大穴が空いてやがる。

 

「出久のパワー、改めて見るとエグイな。」

 

そして戦いの決着を付けたのは緑谷出久の一撃だった。

出久が天井に向かって超パワーの一撃を放ち、壊れた柱と瓦礫を上の階にいた麗日が個性を使い軽くした柱で打って、かっ飛ばした後核を回収。ヒーローチームが勝利したが出久は保健室行きになった。

 

「出久アイツ大丈夫か?」

 

「ここの保健室なら大丈夫だ。」

 

その後俺達のいる部屋に出久以外の3人が戻って来たが爆豪の表情からは悔しさが滲み出ていた。

 

To be continued




今回は緑谷チームVS爆豪チームまで進みまして次回は牙竜戦闘です!お楽しみに!


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屋内戦闘訓練2

遅くなってしまいました!
詰め込みたい要素詰め込んでたら4000字超えちゃいました!

読みにくかったらすみません


(牙竜視点)

出久と爆豪の戦いの後、他の奴らの戦闘を見学し20人全員が行程を終えたのを見届けた。そして……

 

「さあ、いよいよラスト!下間少年と戦いたいやつは手を挙げろ!」

 

JOKER枠である俺と戦いたい希望者を募るオールマイト

で挙手をしたのは……

 

「俺がてめえを捻り潰す!」

 

「おう!俺と戦おうぜ!下間!」

 

「私も下間さんという壁を越えさせていただきますわ!」

 

「……」

 

「うむ、4人か…下間少年、この中で戦いたい2人を選んでくれ…」

 

手を挙げたのは爆豪、切島、轟、八百万の4人だ。

確かこのうち2人は推薦入学だ。

さて、この中で俺が戦いたい相手は……

 

「全員だ!全員まとめてかかってこい!」

 

「い、いいのかい!?下間少年!?」

 

「オールマイト、俺はこの授業に勝つために来たんじゃねえ、試練乗り越えるために来てんだ。壁は高い方が良い。」

 

「俺も牙竜の考えに賛成だ。」

 

「うむ、分かった!では下間少年と爆豪・切島・轟・八百万チームでの戦いを認めよう!」

 

つーわけでエボルトと一緒に屋内演習場に移動する。

因みに俺らはヒーローチームなんでビルの外にいる。

 

「おい、牙竜、何か策はあるのか?」

 

「ああ、まずあのチームで鍵握ってんのは爆豪だ。アイツは多分独断専行で突っ込んでくるだろうからな。その統率が乱れた所を突く!多分アイツの身を案じて切島あたりも爆豪と一緒に迎え撃ちにくるだろうしな、降りてきた連中は俺が引き受ける!」

 

「てことは俺は核の所まで行けばいいんだな。」

 

「そうだな、」

 

「そうだ、それとお前のハザードレベルは4.5だ、そろそろあれを使いこなしてもいいんじゃないか?」

 

「まだ暴れちまうかもしれねえ、けど何時までも使えないじゃダメなのは分かってる。」

 

と言いつつ俺はビルドドライバーを腰に巻く。

 

「けど今はこっちでいい。必要になったら使うさ」

 

(三人称視点)

牙竜とエボルトが作戦を立案しいよいよ戦いが始まろうという頃

爆豪らの集団はあまり統率が取れていなかった。

 

「赤チビだろ?あんな奴俺1人で十分だ!!」

 

「おいよせよ爆豪、ここは皆で迎え撃った方がいいって!」

 

牙竜の予想通り爆豪は1人で迎え撃ちに行こうと、核のハリボテがある最上階からとっとと階段で降りていってしまう。

 

「わりい!俺心配だから見てくる!」

 

「俺も行く…」

 

「無理はなさらないでください。何かあればすぐこちらに戻ってきて迎え撃ちましょう。」

 

それに続いて切島、轟も降りて行ってしまう。

 

(爆豪が下に降りちまったら氷結が使いにくいな……)

 

轟としては自分と障子が組んで尾白&葉隠コンビと戦った時の様にビル全体を凍らせて一気に仕留めるという策を取りたかったが爆豪が下に降りたことで巻き込みかねないので使うことが出来ない。

 

(デクも赤チビもホントは個性あんのに俺の事騙しやがって……!!)

 

一方その爆豪は怒りに燃えていた。無個性だと思っていた2人が両方個性を持っていたことで騙されたと怒る気持ちと追い抜かされるんじゃないかと云う焦燥感で胸の中がいっぱいだった。

 

(俺がここでアイツをっ…!倒さねえといけねえんだ!!)

 

「落ち着けって爆豪、1人で突っ込んで勝てるわけねえって!」

 

「うるせえ!俺の邪魔するなら上にでも戻ってろ!」

 

「そういう訳にはいかねえって!」

 

その爆豪を必死に止めて冷静な状態に戻そうとする切島

 

「訓練中に喧嘩とはいいご身分だな!」

 

2人の言い争いを掻き消す様に牙竜の声が響き渡ると共に蒼き龍の戦士、仮面ライダークローズが彼らに迫る。

 

「2人とも!避けろ!」

 

それに対し切島と共に下に降りて来ていた轟が2人の間に割って入り彼らの前に立つと氷を放って廊下を一気に凍らせる。

 

「余計なことしてんじゃねえよ!」

 

「仕方ねえだろ!こうしなかったら……!」

 

爆豪が今度は轟に突っかかった時だった、突如氷が割れて蒼い炎の龍が現れて3人が吹っ飛ばされた。

 

「よお、テメエら。そんな連携でよく俺に勝てると思ったな!」

 

クローズの振り下ろされた拳を硬化した切島が止める。

 

「言い争ってる場合じゃねえだろ!ここでコイツを止めねえと!」

 

次々に繰り出されるクローズの拳を身体を硬化させた切島が止めている。

切島も拳を繰り出そうとするがそれよりも先にクローズの蹴りが飛んでくる。次々と繰り出されるクローズの攻撃は切島に攻撃の隙を与えない。相手に攻撃を繰り出す隙を与えないのが牙竜の戦闘スタイルだ。

 

「クソ髪!しっかり耐えろ!」

 

爆破で勢いをつけて切島の頭を飛び越えた爆豪はそのままクローズの背後に着地し両手からの爆破を背中に撃ち込む。

 

「このっ…!赤チビがぁ!!」

 

体制が崩れたクローズにさらに爆破を連射し封じ込めに行く。

 

「爆豪!巻き込んじまってるって!」

 

その勢いから押し出されるように切島が離脱、

それでも爆豪は勢いを止めることなく爆破を放っていく。

 

(ここを凍らしても爆破ですぐ壊れちまうか。)

 

轟焦凍の個性は"半冷半燃"

右側から冷気を放ちその場を凍らせ、左側から炎を放ち敵を燃やす。

ただし、"今の彼は左側を使わない"、氷だけ使う。

その状態では爆破で氷を溶かされたり砕かれるので爆豪勝己と組んでも相性が悪く攻めあぐねてしまう。

さらに言えば先程氷結を放った際にクローズは蒼い炎の龍状のエネルギー体"クローズドラゴン・ブレイズ"を作り出して氷を溶かして突破したので尾白達に使ったような大氷結でも効かない可能性がある。

 

「よくも!俺を!騙しやがって!」

 

「俺は何も騙してねえ!」

 

クローズの突き上げた拳は爆豪の腹を捉え、彼の身体が天井にぶつかるぐらいまで突き飛ばす。

 

「今だ!」

 

「なっ……」

 

ちょうどそのタイミングを狙ったかのように轟の放つ冷気が彼の立つ場所からクローズのいる場までの空気を凍らせて身体を氷結させた。

 

「ようやくぶっ飛ばせるぜ!テメエをよお!」

 

「爆豪……!」

 

爆豪勝己のコスチュームの篭手には爆発する彼の汗が蓄積されている。その篭手から溜め込んだ汗による大爆破を一気に放つことができ、1度目の戦いでもそれを使って緑谷出久を圧倒した。

そしてこの戦いで、戦線に復帰した爆豪はクローズの胸に向かってそれを放った。

 

「か、勝ったのか?」

 

クローズの身体は吹き飛ばされ、爆煙だけが立ち上り、切島にクローズを倒したということを推測させた。

 

「いや、まだだ……!」

 

「ああ、俺はこんぐらいじゃやられねえよ……」

 

『スクラッシュドライバー!』

 

煙を掻き分けて現れたのはクローズではなく牙竜自身、だがその腰にはビルドドライバーではなく、スクラッシュドライバーが着けられている。

「チッ…」

「そうそう簡単にはやられてねえ見てえだな……」

 

『ドラゴンゼリー!』

 

スクラッシュドライバーにドラゴンゼリーを刺した牙竜に向けてまた轟の氷結が放たれるが…

 

『潰れる!流れる!溢れ出る!』

 

ドライバーから生成されたビーカーの様な容器がそれを防ぎ、その中に成分が満たされて牙竜にまとわりつくことで白銀の素体が形成される。その後頭頂部からゲル状の成分が噴き出し、顔や胸、肩アーマーを形成し変身が完了する。

 

『ドラゴンインクローズチャージ!ブラァ!』

 

仮面ライダークローズチャージ爆誕の瞬間である。

 

「うおおおおおおぉぉぉぉ!!」

 

スクラッシュドライバーは使用者の体に負担を与えその闘争心を増大させる。かなり危険なベルトである故牙竜は使うのを躊躇っていたがいずれ使わなくてはいけないことも分かっていた。

 

「よお、テメエら、そろそろ上の心配した方がいいんじゃねえか?」

 

『シングル!』

 

「な、なんだって…?」

 

「なるほどな、俺らはまんまと罠にはまっちまったってことだな。」

 

轟はここで牙竜達の策に気が付いた。

 

「切島!爆豪!八百万がっ…」

 

『シングルフィニッシュ!』

 

咄嗟に上に向かおうとした轟の体にロックボトルを挿入したツインブレイカーから出てきた鎖が巻き付き引き寄せられてクローズに身体を掴まれる。

 

「さて、今頃上でエボルトが頑張ってる頃だろうな。こっちに3人来てくれて助かったぜ、」

 

「やっぱテメエ騙してやがったのかよ!」

 

クローズチャージ身体に爆豪の起こす爆発が繰り出されるが、

 

「さっきに比べたらまだまだだな!」

 

クローズチャージは爆豪と轟の腕を掴んだまま、2人の身体を持ち上げて床に叩きつける。

 

「なんつーパワーだ……」

 

「轟!爆豪!」

 

硬化状態の切島がクローズチャージに迫るが、

 

『シングル!』

 

ツインブレイカーアタックモードにゴリラボトルを刺して、

 

『シングルブレイク!』

 

パイルバンカー部分が切島を突くとゴリラの持つ超パワーで身体を弾き飛ばされ、床に転がり意識を飛ばしてしまい戦闘不能。

 

「隙ができたな。」

 

だがその時だった、クローズチャージの下半身と腹部が氷に覆われる。

 

「ようやくテメエをぶちのめせるな……テメエもデクもいつの間にか個性使いやがってよお!!テメエはここでぶっ潰す!」

 

「だったら俺もお前をぶっ潰すぜ!テメエはなんもわかってねえからな!!出久の気持ちとか……ヒーローの資格ってのを!!」

 

『レッツブレイク!』

 

ツインブレイカーにクローズドラゴンが装填されると

 

「爆豪!早く逃げろ!」

 

「いや、逃げねえ!ここでぶっ潰す!!」

 

ここで牙竜を潰しておきたい、いや、潰さないといけないという焦りが出た爆豪は逃げを選ばず先程とは逆の篭手に溜まった汗で巨大爆破を放とうとした、

その一方で轟は大氷結で壁を作り牙竜の放とうとする攻撃を防ごうとした。

 

「潰されんのはテメエの方だ!!」

 

クローズドラゴンが装填されたツインブレイカーをクローズチャージが地面方向に向かって突き放った。

爆豪の放った大爆発の音と轟の氷が砕ける音が鳴り響き建物中に響き渡る。

 

「す、すごい音ですわ……」

 

「牙竜がド派手にやったみてえだな、」

 

一方この建物の最上階、核のハリボテがある部屋では八百万百がブラッドスターク相手に孤軍奮闘していた。

周囲には八百万百が生成したと思われるものの残骸が散らばっており、彼らの戦いの長さが伺える。

 

「さて、牙竜のお遊びも終わったし俺もやっちまいますか……」

 

「臨むところですわ!」

 

盾2枚を右腕、左腕にそれぞれ付けた八百万に対してブラッドスタークの胸から現れた巨大なコブラが攻撃する。

頭部で何度も八百万を突き、それを盾で防いでいくが八百万はその対処で手一杯だ。

 

「最初からこうすりゃ良かったけどそれじゃ牙竜の練習にならねえからな……」

 

ブラッドスタークの手が核爆弾のハリボテに触れると共に

 

『ヒーローチームWIN!』

 

ヒーローチームの勝利を告げる音声が流れる。

 

To be continued




クローズチャージ初変身とか詰め込んでたらブラッドスタークの戦闘がかなり短くなってしまった、申し訳ない、エボルトさん



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屋内戦闘訓練3

新コロちゃんのワクチンの副反応で腕が痛いです。

明日は執筆休みます


(牙竜視点)

 

『ヒーローチームWin!』

 

勝ったんか?俺ら?

多分エボルトが頑張ってくれたんだろうな…

 

「いてて、やっぱキチいな、これ」

 

俺達が戦っていた階の床に穴が空き、俺は一つ下の階に落ちている。クローズチャージへの変身も解かれ生身を晒して寝転んでる。やっぱスクラッシュドライバーはまだ使うとしんどいな…

結構身体がダリィ……

 

「生きてるか?」

 

そんで隣には爆豪が倒れてた。多分一緒に落ちたんだろうな。

さっきはツインブレイカーでの一撃を床に撃ち込んで起こした衝撃で吹っ飛ばしてやろうとしたらこうなったみてえだ。

直接当てたら流石にヤベエし氷も砕きたかったからこうしたんだが爆豪も一緒に落ちてたか。

気失ってんのかなんも喋らねえ。

 

「赤チビ……」

 

「チビじゃねえって、」

 

ようやく口を開いたと思えばこれか

 

「おら、とっとと立てや。」

 

起き上がらせるために手を差し伸べるが

 

「いらねえ、」

 

「まあ、そう言うなって」

 

爆豪が俺の手を払い除け用としたが逆にその手を掴んで起こしてやった、

 

「なあ、テメエなんか誤解してねえか?俺はテメエのこと騙してた覚えはねえな。」

 

「白々しいなテメエ……お前とデクの個性の件だ…無個性のフリして俺騙して楽しかったんだろ……」

 

「あーそうだな、確かに個性のこと黙ってて悪かった。」

 

なるほどな、コイツ俺と出久が無個性だったのに個性が芽生えたことに対してずっと俺らが個性隠して無個性なフリして騙してたって思ってんだな。

まあ確かにエボルトと出会ってからヘドロの件までの間俺は個性があることを誰にも言ってなかったしそこは悪かったかもしれねえな。

 

「けど俺が個性が無い振りしてたのは1年だけだ。それもお前とあんま絡みねえ時期だ。中2ん時に個性が芽生えたってだけだ。お前と初めて喧嘩した時は正真正銘無個性だ。」

 

「けどデクだって……!」

 

「デクは中3の時に発現したはずだ。とりあえず爆豪、お前もっと周り見ろ!周り見ねえから俺らが個性出てきたんに気付かず誤解してたんだろ?馬鹿野郎!」

 

「……」

 

と爆豪を叱責し先に皆の所へ戻る。

 

「さて、今回のMVPが誰かわかるかな?」

 

「はい!下間君だと思います!」

 

お、飯田が俺の名前を上げてくれたな。

 

「3人を相手に戦闘し、上の階を八百万さん単独にできたのは非常に良かったかと思います。ただエボルトさんがもう少し早くから蛇を出していたらより容易に事態を解決できたかと思います!」

 

「うむ!素晴らしい分析だ飯田少年!」

 

「ほう、だったらあのコブラをもっと活用した方が良さそうだな。」

 

どうやらエボルトはあのコブラみたいな奴使ったみたいだな。

飯田からもお墨付きみたいで何よりだ。

 

「さて、反省点としては爆豪少年だな。今回の独断専行は良くなかったな。完全にチームの統率を乱してしまった!」

 

「……」

 

「今後はこういうことがないように気を付けるんだぞ、」

 

「……」

 

爆豪の方は完全に憔悴しちまってる。

顔を下に向けて何も喋らねえ。

 

完全に心折られてんだろうな。

 

「うっす、迎えにきたぜ」

 

「ありがとう!」

 

「すまねえ、助かるぜ!」

 

一先ず授業後俺は保健室に出久と切島の様子を見に来ていた。

 

「切島に関しては俺の攻撃で怪我したんだから謝る必要はねえって」

 

「いやいや、そこは気にすんなって!訓練だから仕方ねーよ。」

 

切島はかなり回復しててもう戻ってよさそうだが出久の方はまだ怪我が治りきっていない。

リカバリーガール曰く治癒には体力が必要だが出久の場合傷を治しきる体力がもうないそうだ。治癒は明日以降に持ち越しらしいな。

 

「じゃ、一旦戻るか」

 

「「うん!/おう!」」

 

でちょうど2人を引き連れて戻ったらクラスのメンバーは今日の反省会をしてたいた。

各々自己紹介をしたり今日の戦闘について話してて盛り上がってる。

 

「下間さん、先程は素晴らしいお手前でしたわ。」

 

「おう、八百万か。」

 

「さっきは中々いい粘りだったぜ。」

 

八百万が俺とエボルト(クローズドラゴン)に話しかけてきた。

確か八百万は核の前でブラッドスタークと戦ってたんだな。

 

「八百万の戦闘はどうだったんだ?」

 

俺はそん時爆豪らと戦ってて見れてなかったのでちと気になるな。

 

「いやあ、俺のスチームブレードとかトランスチームガンの攻撃を上手いこと防いでたな。まあ最後はコブラにやられたけど中々粘ってたと思うぜ。」

 

「へー、スチームブレード攻略は結構難しいからな!攻略できたってすげえな!八百万!中々やるじゃねえか!」

 

「いえいえ、それほどでもございませんわ…」

 

何度もブラッドスタークと組手をしたがスチームブレードでの攻勢を破るのには結構苦労したなあ…

流石推薦入学1位の八百万だ。

ただ言葉では謙遜してるが表情と仕草から嬉しいって気持ちが素直に伝わってくる。

 

「おもしれえ奴だな……」

 

「わ、私ですかっ……!?」

 

可愛いやつだな、

 

(エボルト視点)

 

「Ciao、出久にオールマイトさん」

 

「エボルトさん!?」

 

牙竜が八百万のことを気に入ってる頃、そういえば出久がいねえなと思って探してたらなんかオールマイトと一緒にいたんで話かけてみた。

 

「おお!?君は確かエボルト君だったな!普段はこういう姿なのかな……?」

 

おっと、オールマイトにクローズドラゴン憑依状態で会うのは初めてだったな。

 

「いや、牙竜のアイテムに憑依してるだけだ。で、何の話してたんだ?」

 

ちょうど出久を探してる時に2人と爆豪が喋ってるのを見たんだが何を話してたんだろうか、

 

「い、いやあ、些細な話「個性の話だろ?」聞いてたのかい!?」

 

「最後のところだけちょっと聞こえてただけだ。まあ、皆までは聞かねえよ。ただ出久の個性が誰かから貰ったなんだろ?それだけ頭の隅に置いておくだけだ。」

 

まあ会話の流れを聞くに個性は"オールマイトから貰った"んだろうがそこには触れないでおこう、

 

「それを聞かれてるのは結構不味いんですけどね……」

 

「まあ、安心しろ。それに関しては口外はしない。それより爆豪は大丈夫か?」

 

出久が心配しているが俺は情報はバラさないし、それを使って脅しなんかはするつもりはねえ、

それよりも気になるのは爆豪の方だ。

 

「うむ、彼なら大丈夫だ!爆豪少年もまた自分のスタートラインを見つけたようだ。すぐに立ち直るだろう、」

 

「そうか、まあだったら良いんだ。」

 

牙竜もアイツは変わったヤツだ。

さっきはあんなにキツく言ってた癖に

 

「アイツもなんかややこしい奴だけどよ、俺は助けてやりたいんだよな……」

 

とか言ってやがる。

さっきアイツにキツく言ったのも気にかけてるからとか言ってたしな。まあ、俺もアイツの考えはよく分かる。

ヴィラン志望かって思うぐらい口は悪いけどヒーローを目指すって心は本物だし、出久へのイジメの件も何か本人なりの悩みがあるんだろうなと薄々感じる。

 

牙竜なりに爆豪のこと救ってやりたいんだろうな、

俺は牙竜がそう考えるなら尊重するだけだ。

 

To be continued




1つ補足です。
爆豪と牙竜が出会ったのは中一の時でそのタイミングでイジメを止めたので原作で描かれたノート爆破やワンチャンダイブ発言等の出来事はこの世界線では起きておりません。
まあなので若干爆豪軟化ですね。


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USJ編
委員長決め


ワクチンの副反応が収まりました。

2回目の時が大丈夫か心配ですが夏休み期間内には打てそうなので副反応が出ても夏休み数日寝込む程度なので大丈夫そうです。
(大学生は9月末まで夏休み)

関係ない話はさておき早速本編参りましょう。

追記
エボルトの台詞は『』表記にします。


(牙竜視点)

 

「オールマイトの授業はどんな感じですか!?」

 

おいおい、朝から不快すぎんだろ、

校門にマスコミいすぎだろ。皆困ってるじゃねえか。

 

 

「おはようございます、下間さん」

 

「おはよう、八百万」

 

『Ciao,しかし凄い数のマスゴミだな。』

 

八百万と合流出来たはいいけど校舎に入れそうにないな。

いっちょ追い払うか……?

 

「ま、とりあえず校舎に入らなかったらなんも始まらねえな。エボルト、こういう作戦でどうだ?」

 

思いついた作戦を話した後、校舎に向かって進んでく、

 

「あの、オールマイトの授業の雰囲気とか教えてもらっても良いですか?」

 

「黙れ、」

 

「だ、黙れってなんなんですか!?」

 

「テメエら邪魔だ。これじゃ俺ら遅刻しちまうだろ。」

 

記者のうち数名と口論になる。

 

「あんたら俺らの学業の邪魔だ。とっとと退け…」

 

「貴方達が遅刻しようが我々には関係ありません!そんなことよりも我々の報道の自由の方が大切なんですよ!」

 

おっと、コイツとんでもねえ失言と暴論言いやがったな。

そんでここでクローズドラゴンに入った状態のエボルトが登場だ。

 

『Ciao,今の発言全文録画して配信しといたんで、アンタ確か日光新聞の記者だな。こりゃ購読者激減だな。』

 

「くっ、お、覚えてろよ!」

 

と失言した記者は逃げるように去り、他の連中も去る。

 

「おいっす、これで解決だぜ。八百万も協力ありがとな。」

 

「いえいえ、私は言われたことをやった迄ですわ。」

 

八百万には撮影と配信の手筈を整えてもらっていたわけだ。

とりあえず八百万とエボルトのお陰で何とか今日の授業をこなせそうだな。

で、そっからしばらく経って昼休み

 

「あれ?出久達どこ行ったんだ?」

 

こりゃやっちまったな。

今日の気分が天ぷらうどんだったんで、うどんのカウンターで飯買ってたんだがそん時に出久達とはぐれちまったな。

どうしたもんか……

 

「おーい!下間!」

 

「一緒に食おうぜ〜」

 

お、上鳴と切島がちょうど声掛けてくれた。

 

「おう、しゃーねーな、出久に連絡してこっちで食うか。」

 

てことで2人に案内された席で食うことにした。

出久達には明日一緒に食おうって連絡して俺も食事を始める。

 

「いや、てか俺気になってることがあってよお、」

 

「どうした?」

 

「さっきの委員長決めの投票で俺に1票入ってたんだけどよ…誰が入れたんだ?」

 

話題は今朝の朝礼で行われたクラス委員長決めの投票の話になる。

 

「あれ?下間は自分に入れなかったのか?」

 

「いや、入れてねえよ。俺は八百万に票入れた。」

 

この投票、大抵の奴が自分に投票するっていうカオスなことになってたんだが、俺は委員長のなることには興味無かったし八百万に投票したんだがそうなると俺の得票数は0のはず……

 

「そうなるとおめえの得票数が1ってのは誰かに投票されたってことだけど…誰か分かんねえんだよな。」

 

「わかった!得票数0の奴の誰かが入れたんだろ!」

 

確かに上鳴の言う通りだな。

他人に投票して且つ誰にも票を貰えなかった奴は票数が0だな。

 

「てことはだ、1番票を貰ってた出久が3票、俺が投票した八百万が2票、0票の奴は3人いるはずだ。」

 

「確か票が入ってなかったのは飯田、麗日、轟の3人だな。」

 

こりゃ中々の難題だな。

こん中に俺に投票してくれそうな奴がいるかって言われるとそうでもねえ、まあ轟辺りが昨日の戦いで何か感じたとかか?

 

『ゥウーーーーー!!ゥウーーーーー!!』

 

なんだ?急にサイレン鳴ってんぞ!

 

『雄英バリアが突破されました!!』

 

雄英バリアって確かここの校門についてる重厚な扉だよな?

結構硬いのに破られるってエグイな。

 

「俺らも早く逃げねえとっ…!」

 

「いや、動かねえ方がいい」

 

上鳴も避難しようと走ろうとしたがそれ止めておく。

 

「この人混みに巻き込まれたらあぶねえぞ、エボルト!」

 

『はいよっと』

 

「様子見てきてくれねえか?」

 

『任せろ』

 

まあまずはクローズドラゴンに憑依したエボルトに様子を見てもらう。

 

『おいおい、ただのマスゴミじゃねえか!』

 

「マスゴミ?そいつらがやったってのかよ?」

 

『ああ、校門のとこでマスゴミ連中が暴れてやがる。』

 

「じゃあ俺らは下手に出ずここにいとこうか。」

 

ただのマスゴミが雄英バリアを突破したっつーのは不可解な話だが焦って避難するほどのことでもねえな。

 

「けどよお、マスコミのせいだってのを皆に伝えた方がいいんじゃねえか?」

 

「そうだな、この混乱をどうやって抑えるかだな、」

 

と考えてたらいつの間にか別の席で食ってた飯田が宙に浮いて一気に出入口付近の壁まで飛んでった。

 

「皆さーん!!大丈夫っ!!」

 

なんか非常口みてえなポーズで壁に張り付いてんぞ。

 

「ただのマスコミです!!皆さん落ち着いて行動してください!!」

 

お、飯田のお陰で一気に場が鎮まったな。

 

「一気に静かになった…」

 

「やるじゃねえか飯田!」

 

「これで騒動は一旦解決だな。」

 

その後のホームルームで現委員長の出久が飯田に委員長の座を明け渡しそれに皆が賛同したのは言うまでもないだろうな。

 

(エボルト視点)

いやー、しかし委員長は無事に飯田になったけどまだ解けてないんじゃねえか?

"牙竜に投票した人間が誰か?"って謎が。

アイツは八百万に投票したから自分に票を入れてない。

つまり得票数が0の筈だが何故か1票入ってたって問題だ。

他に誰かに投票して得票数が0だったのは飯田、麗日、轟の3人だ。

さて、実は俺はこっそり全員の投票先を見てたんだが飯田と麗日は出久に投票していたな。まあ普段から仲良いし納得だ。

で次に轟だがアイツも八百万に投票していた訳だ。

ま、つまり八百万は3票獲得してる筈なんだが得票数は2だった。

勿論相澤センセがカウントミスしてるってことじゃねえ。

 

そう、牙竜に投票していたのは八百万自身だったって話だ。

お互い投票し合ってたなんて相思相愛だなテメーら。

 

さて、もう1つ問題があるんだがそれはマスゴミだ。

さっきの騒動で警察に捕まった奴もいるし朝の日光新聞の記者はどうやら解雇処分を受けたらしい。

だがアイツらはどうやって雄英バリアを突破したんだ?

臭うな"ヴィラン"共の匂いが。




まあちょっと今話で確定なんですが
ヒロインは八百万さんでいこうと思います。

理由:可愛いから

エボルト『A組女子は皆可愛いだろ』


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USJでの戦い1

こんばんは、今日はヒロアカの映画見てきました。 帰ってきて飯食ってノリノリで執筆しようとしたらハーメルン落ちててビックリしました。


(牙竜視点)

 

もう4月も下旬頃か 大分学校生活にも慣れてきたある日のヒーロー基礎学の授業だった。 この授業はオールマイトの担当授業なんだが、教壇にはオールマイトではなく相澤先生が立っている。

 

「今日のヒーロー基礎学だが…俺とオールマイト、そしてもう1人の3人体制で見ることになった。」

 

3人体制?

なんかドでけえことでもするんじゃねえかな?

 

「ハーイ!なにするんですか!?」

 

「災害水難なんでもござれ人命救助訓練だ!!」

 

人命救助訓練か。これは結構大事なヤツだな。

3人体制でやんのも納得だがいつもみてえな演習場を使うんか?

 

「レスキュー…今回も大変そうだな。」

 

「バカおめーこれこそヒーローの本文だぜ!?鳴るぜ!!腕が!!」

 

流石切島、熱いな。

 

「水難なら私の独壇場、ケロケロ。」

 

蛙水は蛙の個性だったな。水ん中じゃ最強だろうな。

 

「おいまだ途中。」

 

ザワつく教室内を相澤先生が制するとまた静かになる。

中々この人もいい威圧感を持ってやがる。

 

「今回コスチュームの着用は各自の判断で構わない。中には活動を限定するコスチュームもあるだろうからな。訓練場は少し離れた場所にあるからバスに乗ってく。以上、準備開始。」

 

ほうほう、救助訓練ってなると違う施設でやるんだな。

まあ普段のとこじゃ災害のシミュレーションとか難しそうだしな、

まあそれ相応の施設に行くんだろうな。

 

「こういうタイプだった、クソぅ!!」

 

「ドンマイ、」

 

『あーあ、座席のタイプ全然違うかったな』

 

なんか飯田は観光バスみたいなキッチリした座席のバスを想定してたっぽいが残念なことに座席は市バスみてえなタイプだ。 並ばした努力が水の泡になっちまったな。

 

「私思った事を何でも言っちゃうの緑谷ちゃん。」

 

「あ!?ハイ!?蛙水さん!!」

 

「梅雨ちゃんと呼んで。」

 

出久は相変わらず女子慣れしてねえな。

 

「あなたの『個性』オールマイトと似てる。」

 

「そそそそ、そうかな!?いやでも僕はそのえー」

 

おいおい、出久なんか焦りすぎだろ… 確かに師匠はオールマイトだけどよお、

 

「待てよ梅雨ちゃん。オールマイトはケガしねえぞ。似て非なるアレだぜ。しかし増強型のシンプルな『個性』はいいな!派手で出来ることが多い!俺の『硬化』は対人じゃ強えけどいかんせん地味なんだよなー」

 

「僕は凄くカッコイイと思うよ。プロにも十分通用する『個性』だよ。」

 

「確かに出久の言う通りだな。俺もこの前は結構苦戦したぜ。」

 

この前の戦闘訓練、切島のガード崩すのは中々大変だった。

 

「だけど派手で強えっつったらやっぱ轟と爆豪、それに下間だな。」

 

「俺か?俺は確かに強いけどよお、まだまだ力を使いこなせてねえ、」

 

スクラッシュドライバーとか俺はまだまだ使いこなせてねえからな。

 

『コイツは今後さらに強くなる。保証するぜ』

 

「まだ強くなんのかよ!?」

 

「それってチートじゃね?」

 

「もう着くぞ、いい加減にしとけよ…」

 

またも相澤先生が騒ぐ皆を制して静かにさせる。

 

「ハイ!!」

 

でちょうど目的地に到着だ。

 

「こんにちは。私は今回君達の担当になった、『スペースヒーロー・13号』です。」

 

なるほどなあ、スペースヒーローだから宇宙服っぽいコスチューム着てるんだな。

 

「すっげぇ!USJかよ!?」

 

瀬呂の言う通りここは大阪の映画を元にしたテーマパークのUSJみてえな雰囲気だ。巨大ザメとか恐竜とか綾小路麗華とか出てきてもおかしくなさそうだが、出来ればそれはやめてくれ

 

「水難ゾーン、火災ゾーン、暴風ゾーン、土砂ゾーンその他諸々僕が作った演習場です!」

 

へ〜13号さんが作ったんだ。 ジュラシックパークエリアは無いらしいがな、

 

「(U)嘘の(S)災害や(J)事故ルーム!略して!USJ!!!」

 

(((本当にUSJだった!)))

 

(このネーミング絶対ダメだろ)

 

((ああ、間違いなく怒られる。))

 

俺らが本家に怒られないか心配してる合間に13号さんが話をし始める。

 

「さて、訓練を始める前に、ボクから君達に小言が~一言、二言、三言…………」

 

(((増えてる)))

 

お小言が増えてるじゃねえか。

 

((多分この後も長い話になるぞ))

 

「超人社会は『個性』の使用を資格制にし、厳しく管理する事で一見成り立っているように見えます。しかし、その実一歩間違えれば簡単に人を殺傷できる力を個々人が持っている事を忘れないで下さい。」

 

まあな、クローズの力も普通の人間に振るうには強力すぎっからな。気を付けねえと人を殺しかねないな。

 

「君達の力は人を傷つける為にあるのではない。助ける為にあるのだと心得て帰って下さいな。以上!ご静聴有り難うございました」

 

助けるための力か…

クローズの力は戦いに特化してるけど人を守ることだってできる。

そうやって使うことを大事にしねえとな

 

「一塊になって動くな!13号生徒を守れ!!」

 

なんだ?中央の噴水のとこから黒い霧みてえなもん出てんぞ。 でそっから何だあのバケモン!?

 

((手ばっか付いてるやつに、黒いマッチョマン、それにあれはチーターとカタツムリの怪人?))

 

(エボルト視点)

 

なんであの怪人がこの世界にいるんだ? チーターカタツムリ、仮面ライダー3号と仮面ライダー4号に出てくるショッカーの怪人だ。

ショッカーの怪人もそうだがいきなり出てきたコイツらはヴィランか何かか?

 

「なんだ!?また入試みたいに始まってるパターンか?」

 

「動くな、あれはヴィランだ!!」

 

どうやらこれは雄英高校が用意したものでは無いらしい。まあ、ショッカー怪人と思わしき奴が居るんんだからな、コイツらは完全にヴィランだ。

 

「ヴィ、ヴィラン!?アホだろ!?ヒーローがいる学校に乗り込むなんて!!」

 

『牙竜、分かってるな。』

 

「ああ、いくぜエボルト!」

 

さて、まずは変身して戦うしか……

 

「黒霧ぃ!あの赤髪で背低い奴が仮面ライダーだ!!あれからやっちまえ!」

 

「かしこまりました」

 

チーターカタツムリが牙竜の方を指差したかと思えば、俺達の方に向かって突進するようにして走ってきた。

 

「相澤先生!先行くぜ!」

 

『ああ、変身するぞ!』

 

「待てっ!下間!」

 

『ウェイクアップ!』

 

牙竜も対抗するように先に飛び出して変身するためにクローズドラゴンにドラゴンフルボトルを刺した時だった…

 

俺と牙竜の周りにはいつの間にか黒い靄が漂っていて、俺達はそれに飲み込まれた。

 

(三人称視点)

 

「いてて…ここって……」

 

USJの山岳ゾーンの中心に黒い霧が現れ、その中から変身をし終えた仮面ライダークローズとブラッドスタークが出てきた。

 

『どうやら飛ばされちまったみてえだな。』

 

チーターカタツムリを迎撃しようと飛び出した牙竜らであったが個性ワープゲートの黒霧に隙を突かれてこの山岳エリアに飛ばされてしまったらしい。

 

「ヴィラン共もいっぱいいやがるな…」

 

『あの怪人もいんぞ、』

 

「よお、仮面ライダークローズ!」

 

その時チーターカタツムリも彼らと共にワープしてきていた。

「へえ、結構ヤバそうだ。エボルト、お前はこのエリア以外を頼む。」

 

『牙竜、お前正気か?』

 

「こんぐれえ俺1人で充分だ。最悪クローズチャージも使う。」

 

『分かったよ、パンドラバングル忘れんじゃねえぞ。』

 

「分かってる。」

 

(多分ここにヴィラン共が居るってことは他のエリアにもわんさか居るだろうな、エボルト…皆を助けてくれ……)

 

牙竜とエボルトの手首にはバングルの様なものが付けられている。

これは彼の家にあるパンドラボックス内にあるアイテムを取り寄せるための道具である。

これさえあればフルボトル60本とロストボトル10本を牙竜とエボルトがそれぞれ使うことができる。

これまでの戦いではある程度のボトルを持った状態でしていたが、バングルさえあればボトルもドライバーも持ち運ばなくても戦闘できるのだ。

 

『OK、じゃあ行ってくるわ。』

 

「ああ、戦ってこい!」

 

クローズがヴィラン集団に殴りかかっていき、それと同時にブラッドスタークはトランスチームガンに付けたコブラロストフルボトルをバットロストフルボトルに入れ替える。

 

『バット!』

 

『蒸血』

 

『ミストマッチ!』

 

『バット・バッ・バット…ファイヤー!』

 

姿をコウモリの戦士、ナイトローグの物に姿を変えてエボルトは飛び立つ。

その間もクローズは雑魚チンピラ達に拳を撃ち込んでいき、彼らを薙ぎ倒していく。

 

「さて、ここで始末してやるぜ、仮面ライダー!!」

 

「臨むところだぜ、怪人さんよぉ!!」

 

そして、クローズとチーターカタツムリ、そしてヴィラン達の戦いが始まる。

 

To be continued




ということで新アイテムパンドラバングルでございます。 まあ、道具の出し入れに関してのご都合アイテムですな。

※上手いこと投稿できてなかったので上げ直しです


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USJでの戦い2

次数が年々増えていってます
クロエボアカデミアでございます。
昨日のバグはホンマにビビりました。
では本編始めます。


(牙竜視点)

コイツっ、速いッ!!

雑魚共すぐにぶっ倒せたんだがこの怪人がかなり手強い。

 

「速すぎんだろ、」

 

チーターの怪人だかなんだか知らねえけどすばしっこい。

攻撃避けんので精一杯だ。

 

『スマッシュヒット!』

 

「クッ……」

 

ビートクローザーから斬撃を放ってもそれもカタツムリの身体の軟体部分みてえな触手で打ち返される。

チーターとカタツムリ、中々強い組み合わせなんじゃねえか?

 

「このっ…!」

 

また向かって来た敵の腕とビートクローザーは交わることなく互いの胸部に当たり、互いに1歩退く。

んな事よりコイツとんでもねえ個性だな…

てかそもそも個性でこんな怪人になれんのか?

 

「ハッハッハ!苦戦しているな!仮面ライダー!!」

 

無造作に伸ばされて振るわれる奴の腕を避けつつ、剣で止めて何とかダメージを受けないようにする。

 

「この時を待っていたのだ!貴様を殺せる時を!!」

 

今度は上から下に触手が振るわれる。

これも避けて触手は空を切り地面に当たるとその箇所のコンクリートに大きなヒビを作る。

 

「貴様は俺のことは覚えていないだろうが俺は覚えてるぞ!貴様が校門前でインタビューを邪魔した時のことを!!」

 

何言ってんだこいつ?

校門前でのことで俺を恨んで……

ってことはまさかな、

 

「アンタ、あん時いたマスコミか?まあどいつかは知らねえけどよ。」

 

「思い出させてやろう、俺は元日光新聞の記者だ!」

 

日光新聞の記者って言うと確かあれだな

 

「アンタ、失言したあの記者か。」

 

「失言?俺は俺のやり方を貫いたまでだ!!」

 

おっと、逆ギレか?

このクソ記者め!

 

「俺はお前らの配信のせいで!仕事を失った!!家族も失った!!」

 

「クビになったんだろ?当然だな。」

 

救いようもねえな、コイツは

 

「だからこうしてショッカーに改造してもらって怪人となったのだ!貴様に復讐し!俺をクビにした日光新聞も!そして原因を作った雄英高校も!ぶっ壊す!!」

 

「とんだ逆恨み野郎だな!けど俺も雄英高校も潰させねえ!!」

 

また互いの拳がぶつかり合う。

しかしショッカーってなんだ?

改造してもらったってのはよくわかんねえな。

まあけどコイツは只者じゃねえな……

復讐に燃えて自分の身体を改造したってことならまあ相当恨んでるんだろうし、憎しみは本物だ。馬鹿にはできねえ……

 

「このっ…!俺の!打撃を!受けやがれ!!」

 

何発も互いに拳を打ち込み合う。そしてどんどん敵のガードを崩していき、俺の渾身の1発が奴の胸に当たり、アイツは火花を散らして突き飛ばされる。

 

「俺のこと侮ってもらっちゃ困るぜ!」

 

今度はビートクローザーを振るって切りつけようと試みるが、

 

「これでもくらえ!」

 

「な、なんだ!?この粘液!」

 

クソっ、なんか変な粘液にかかちまった。

しかも身体が動かねえっ…!

 

「さて、じっくりいたぶってやるぜ!」

 

目にも止まらぬ速さでアイツは俺に何発も拳や触手で攻撃をしてくる。色んな角度から攻撃を仕掛けてきやがる、

 

「お前は!ここで!死ぬんだよ!!」

 

鞭の様に振るわれたアイツの触手は動くことが出来ない俺の身体に何度も打ち、当たった箇所から火花を散らす。

 

「さあ、トドメだ!!」

 

極めつけは黄色い光弾だ。

4発ものエネルギー弾が俺に襲いかかってきた。

 

(三人称視点)

 

「下間さんっ!?」

 

「そ、そんな…」

 

あの後すぐに広場にいた他の生徒達も黒霧によって様々なエリアに飛ばされてしまい、八百万百、耳郎響香、上鳴電気は先程牙竜が飛ばされた山岳ゾーンにワープさせられていた。

 

「う、嘘だろっ……!やられちまった……!?」

 

牙竜は敵の攻撃を受けて変身を解かれてしまって地面に倒れ伏している。

 

「た、助けなくては…!」

 

「ちょ、ちょっと待って!」

 

それを見て助けようと飛び出す勢いだった八百万を耳郎が制止する。

 

「下間を倒した奴が相手だったら、ウチらに勝ち目がない……」

 

「そうだぜ!簡単に助けるっていうけどよお、なんか作戦とかあんのか?」

 

「作戦は……」

 

無策で突入しようとした八百万は耳郎と上鳴の言葉で冷静になり、考えを巡らせる。

 

(ここは、まずは下間さんのことを回収しなくては……けどまずはあのヴィランの目を逸らさなくては……)

 

八百万は頭を巡らせて策を考える…

 

「さあ、ここで死ね!」

 

「クソっ…んなとこでっ……」

 

チーターカタツムリの腕が生身の牙竜に振るわれようとした。

 

「今です!上鳴さん!耳郎さん!」

 

「「おう!」」

 

八百万が作戦を指示すると、

 

「なんだ!?」

 

帯電した上鳴の光が怪人の目に、耳郎が放つ心音が耳に入ってきてそちらの方を注目し、気が逸れる。

 

「なんで貴様らぁ!!」

 

チーターカタツムリは2人の方に向かってくる。

 

「き、来やがった!」

 

「後は任せてください!」

 

そんな敵の前に大砲を構えた八百万が立ち塞がる。

 

「次から次に来やがって!」

 

向かってくるチーターカタツムリの身体に突如白い物体が付いたかと思えば動きが鈍くなる。

 

「トリモチですわ!御二方とも、今のうちに下間さんを!」

 

八百万が大砲からトリモチであった。これはチーターカタツムリの体全体にトリモチが付き、動きが鈍くなる。

 

「下間!下間!」

 

「んん…」

 

「よし!起きた!」

 

その間に2人が牙竜の下へ駆け寄り、牙竜が目を覚ます。

 

「女ぁ、どうやらテメエから消して欲しいようだな!」

 

チーターカタツムリは紫の粘液を体中から出し、トリモチを全て溶かして体から振るい落とした。

 

「いたぶる意味もね!とっとと死ね!!」

 

「させるか!」

 

チーターカタツムリの腕が八百万に向けて振るわれようとしたその時、彼らの間にドラゴンフルボトルを握った牙竜が立ち、その拳で触手を殴り攻撃を止める。

 

「下間さん!」

 

「大丈夫かぁ?八百万…」

 

血を流しながらも牙竜は立っている。

先程倒れていた場所からここまで来るのにはハザードレベル4.5を超える彼の身体能力ではすぐであった。

そして、それでもまだファイティングポーズを崩さない。

 

「貴様ぁ!何故まだ動ける!?」

 

「ハハッ、決まってんだろ……俺がテメエよりデカくて真っ直ぐな信念持ってるからだ!!」

 

『スクラッシュドライバー!』

 

牙竜の腰にはスクラッシュドライバーが巻かれる。

 

「いいか?俺はこんなとこでは倒れねえ!俺はクラス全員をテメエらヴィランから救う!そんでもって世の中全員救って最高のヒーローになる!!」

 

『ドラゴンゼリー!』

 

スクラッシュドライバーにドラゴンゼリーを挿した牙竜

 

「全員救う?だったら俺も救えよ!」

 

「お前はもうどうしようもねえ、だからここで倒して反省させて救ってやる…!俺に出来んのはそれだけだっ……!変身!!」

 

『潰れる!流れる!溢れ出る!』

 

スクラッシュドライバーのレバーを下ろすと彼の体はクローズチャージの装甲に包まれる。

 

『ドラゴンインクローズチャージ!ブラァ!』

 

「仮面ライダークローズチャージ!お前を倒しに来た!」

 

「姿が変わったところで無駄だ!」

 

チーターカタツムリが素早い動きでクローズチャージに迫り、攻撃を仕掛けるが。

 

「ううっ…」

 

その腹にはツインブレイカーのパイルバンカーが突き立ち、

 

「オラァ!」

 

クローズの左腕が怪人の顔を殴り飛ばす。

 

「す、すごいっ…」

 

そこからはクローズチャージが圧倒的だった。

ツインブレイカーと彼の拳の押収がチーターカタツムリに打ち込まれていく。

 

「くらえ!ゼロ距離射撃!」

 

さらに左腕でチーターカタツムリの腕を掴みツインブレイカービームモードを怪人の胸に突き立てると二門のビーム砲がチーターカタツムリに放たれて、血を撒き散らすように火花を散らして倒れていく。

 

「コケにしやがって!ブッコロス!!」

 

吹っ飛ばされたチーターカタツムリはまた加速してクローズチャージに向かってくる。

 

『ツイン!』

 

ビームモードのツインブレイカーにドラゴンボトルとロックボトルを挿して、

 

「大人しくしやがれ!」

 

竜の形を模したようなチェーンが怪人に巻き付き、牙竜が引っ張ると

 

『スクラップブレイク!』

 

クローズチャージのスクラッシュドライバーのレンチ型レバーを下ろし、エネルギーを溜めた左脚を引き寄せられたチーターカタツムリの身体に蹴りこもうとする。

 

「個性強化!カタツムリ!」

 

「かってえ!!」

 

チーターカタツムリの身体にあったカタツムリの殻のような装甲が身体中に出てきててその強固な殻はクローズの技を跳ね返した。

 

「俺の個性は元々カタツムリ!怪人になる時もその個性を活かした改造をしてもらったのだ!そして、個性ブーストで俺は最強の防御力と最強の俊敏性を手に入れるのだ!!」

 

自分の個性の強化まで出来んのかよ……

厄介すぎんだろ……

 

「チーターックル!」

 

「なんちゅうネーミングセンスだっ!」

 

コイツスピードも速いし身体も硬いからこのタックル喰らったらヤベエ!!

 

「下間さん!」

 

避けようと思ったがマズイな、このまま真っ直ぐいかれたら八百万達があぶねえ!

このままアイツらが避けれるとは限らねえ、

 

「ここで止める!」

 

『ツイン!』

 

ドラゴンとロックのベストマッチな組み合わせの2本のボトルを挿したツインブレイカーをアタックモードにして龍の姿をした蒼い炎の様なエネルギーをアタックモードのパイルバンカー部分に纏わせてそれを突進してきたチーターカタツムリ向けてその腕を撃ち込む。

 

「八百万!早く…!逃げろ!」

 

「し、下間さん…わかりましたわ……」

 

(そんなっ、私が逃げ遅れたせいで下間さんが……)

 

八百万は後悔していた。

クローズチャージが無事に怪人を倒せたと思い見ていたが倒し切れず攻撃してきたのに自分は動けず、そのせいで牙竜が攻撃を避けることが出来なかった。

 

「八百万!お前は心配すんな!俺がここで止めきる!!」

 

八百万に判断ミスがあってそれでピンチを迎えたことを牙竜も分かっている。 だがそれを責めることもないし、カバーしようとするのがこの男、下間牙竜だ。

八百万達を守るという真っ直ぐな気持ちで必死に耐えている。

 

「馬鹿な!なぜ止めれるっ……!」

 

チーターカタツムリの突進を牙竜はツインブレイカーのみで止めている。カタツムリの強固さを持ちチーター脚力によってかなりの威力を誇る突進を必死に食い止めている。

 

「決まってんだろ、テメエと気合いの入り方が全っ然ちげえんだよ!!」

 

『スクラップブレイク!』

 

スクラッシュドライバーのレバーを下ろしさらなるエネルギーを右腕に送りパワーを上げる。

 

「見やがれ!これが俺の気合いだ!」

 

最終的にはクローズチャージのパワーが勝った。

カタツムリの殻の様な装甲は砕け散り、その身体にツインブレイカーが突き刺さる。

 

「こ、こんなところでっ……!」

 

そして怪人の身体は吹き飛ばされてUSJを囲むドームの壁に当たり、そこにめり込む。

 

「くっ、身体が……」

 

怪人の動きが止まると共に牙竜の変身も解けて、倒れかけるもなんとか踏ん張り、歩き出す。

 

「し、下間さんっ…!無茶ですわ!その身体で動くのは……」

 

「まだまだだ……まだヴィラン共がいんだろ……」

 

倒れそうな身体を八百万が支えながらもまだまだ戦おうとする牙竜を止める。

 

「そうだぜ、そんな身体じゃ倒せれるもんも倒せねえって!」

 

「そうだよ!ここはウチらに任してよ。」

 

上鳴と耳郎も止めに入る。

 

「下間さん!ここは私達に背中を預けてください……皆さんのことは私達が……」

 

「八百万……」

 

「ヒーロー同士助け合わないと、」

 

「耳郎…」

 

「俺らまだまだ体力有り余ってるし任せろ!」

 

「上鳴…分かった、一緒に行こうぜ、俺もやれることはやらしてもらう、行くぞ!」

 

「「「はい!/うん!/おう!」」」

 

牙竜らの一行は他の人達を助けるため中央広場へ向かう。

 

そして、その一方で

 

『ハザードレベル5.0か』

 

「何の話?」

 

『こっちの話だ。気にするな』

 

エボルトの変身するナイトローグは火災エリアで1人で戦っていた尾白を援護しヴィラン達を殲滅

そして2人で中央広場に向かっていた。

 

(牙竜の奴ハザードレベル5.0を超えやがったな。流石だがそろそろあれを使えるんじゃねえか?)

 

ハザードレベル5.0

それは本来のビルド世界ではエボルトとの融合が可能なレベルであり、一般人の限界点でもある。

ただし牙竜の場合ハザードレベル2.0〜3.0の段階で融合している。さて、彼らの場合ハザードレベル5.0で一体何が起きるのだろうか?

 

To be continued




さて、牙竜のハザードレベルが5.0を越えました。

次回はどうなるでしょうか?


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USJでの戦い3

USJ編はこの話で終わりです。

さあ、まずは脳無との戦いからスタートです。


(三人称視点)

 

生徒達がワープさせられた後も中央広場で雑魚ヴィラン達と戦っていた相澤先生であったが、ヴィラン連合の死柄木弔と脳無によって敗北寸前になってしまっていた。

先に水難ゾーンから戻ってきた緑谷出久達と飯田からの救助要請を受けて駆け付けたオールマイトによって救助されたが今度はそのオールマイトがピンチを迎えていた。

 

(くっ……今朝の活動でもう残り時間が少ない……このままでは……)

 

口から血を流しながらも何とか立つオールマイトではあるが目の前の敵である脳無は手強かった。

脳無は連合に作られた改造人間でショック吸収や超回復などの個性を持っていて、オールマイトが自身の攻撃が中々通らず苦戦を強いられていた。

 

(ここをなんとか耐えねば……)

 

血を拭いながらオールマイトが呟きかけた矢先

 

「脳無!?」

 

突如脳無の右肩を何かが撃ち抜いた。

 

『エレキスチーム!』

 

ナイトローグが空から飛んできてスチームブレードから放電し脳無を痺れさせると。

 

『アイススチーム!』

 

冷気を放って脳無を凍らせる。

 

『Ciao,元気かい?』

 

「君は…エボルト君かい?」

 

『ああ、あとは任せてくれ。』

 

エボルトにはとある考えがあった。

 

((牙竜のハザードレベルが5になったんだ。そろそろコイツを使えるんじゃねえか?))

 

ナイトローグの腰にはビルドドライバーのような形をしているが全く違う色合いのドライバーが付けられる。

 

『エボルドライバー、そろそろこれも使えるんじゃないか?』

 

これまでエボルトは何度かエボルドライバーが使えないか試してはみたが使うことは出来なかった。

勿論牙竜のハザードレベルの向上に合わせて使ってみたがエボルドライバーは使用できなかった。

 

「おいおい、いきなり現れてなんだお前?」

 

『俺かい?俺はエボルト、覚えなくてもいい。』

 

『コブラ!ライダーシステム!エボリューション!』

 

((どうやらボトルは挿せるな))

 

ナイトローグはコブラとライダーシステムの2本のエボルボトルをエボルドライバーに差し込み、レバーを回す。

 

『Are you Ready?』

 

『問題ない』

 

『コブラ! コブラ! エボルコブラ!』

 

『フッハッハッハッハッハッハ!』

 

(エボルト視点)

ようやく俺も仮面ライダーに変身できたな。

 

『仮面ライダーエボル、フェーズ1だ。』

 

大体わかった。

牙竜のハザードレベルが5.0を超えたことで俺がエボルドライバーを使えるようになった上に仮面ライダーにも変身出来るんだな。

まあなんにせよこれでようやく仮面ライダーエボルに変身できたわけだし楽しませてもらおうか。

 

『ようやく変身できたぜ、』

 

「お前変身だかなんだか知らないけど長すぎんだよ!脳無!やれ!!」

 

おっと、手がいっぱい付いてるやつがなんかキレてらあ。

であの黒マッチョマンが氷砕いてこっちにジャンプして向かってきたな。

 

『迎撃開始』

 

上から落ちてきながら腕振るってきた脳無とかいう怪人を俺は仮面ライダーカブトの様にその場から1歩も動かず足を突き出して蹴るだけで弾き飛ばした。

 

「おいおい、どういうこったよ……あの、脳無が!?」

 

脳無とかいう奴はその辺にあった建物の壁にめり込んでやがる。

 

『あれ切り札なんだろ?もう俺が倒しちまったしとっとと降伏しちまった方がいいんじゃねえか?』

 

「何を言ってやがる?この人数に勝てるわけねえだろ!」

 

次は雑魚チンピラ集団か。

何人いるか知らねえけど俺相手にイキれる人数でもないな。

 

『勝つのは俺だけどな。』

 

手からエネルギー波を放ってチンピラ共を一掃する。

 

「やっぱアイツらは頼りになんねえな。」

 

『ほう、頼りはやっぱあの筋肉ダルマか?』

 

「ああ、」

 

『けどもうくたばってるぞ』

 

「そういう訳でもありませんよ。この薬があれば。」

 

黒い霧みたいなやつが注射器を脳無に投げたかと思えば、奴の黒い筋肉はより隆起し、ゴツゴツとした岩のように硬くなり、体の容積も増してくる。

 

『こりゃ怪獣だな。』

 

「ショッカーお手製の肉体強化薬です。人間に使うのは少々危険ですが脳無相手なら問題ないでしょう。」

 

コイツらこの脳無ってやつのことを捨て駒としか思ってねえな。

ところでショッカーお手製ってどういうことだ?

さっきの怪人と言いこの世界にはショッカーが居るってことか?

 

『まあ今はコイツを倒さねえとな。』

 

そんなことより今はこっちの敵だな。

まるで恐竜ぐらい大きくなってしかも人間らしさもありゃしない…

歯は牙になり、四足歩行で歩いて何故か尻尾まで生えてやがる。

 

「少しドラゴン仕様です。」

 

本当にドラゴンみてえな見た目だな。

 

「では死柄木、我々は帰りましょうか。ここにいては巻き込まれるので」

 

「ああ、ヒーロー共が負ける様が見れないのは残念だが仕方ない。このまま雄英崩壊のニュースを待つだけだ。」

 

アイツら黒い霧で逃げやがったな。

けどまずはコイツを倒すか…

 

『ほらよっと、』

 

振り下ろさせる巨大な敵の腕を俺は右の掌で受け止める。

 

『デカくなってもその程度か、』

 

手を横に薙ぎ払い、巨大な腕を退けると。

 

『機関砲!クリエイション!』

 

さて、ここでガトリングフルボトルをエボルドライバーに挿してホークガトリンガーを創造し敵の身体に向けて撃つ。

 

『結構硬いな。ならこれで…』

 

リボルマガジンを何度か回転させて

 

『フルバレット!』

 

100発もの弾丸が脳無を襲うが奴の体の各部分に付いているドラゴンの鱗の様なものを砕くがすぐに再生する。

 

『防御力は中々だな。再生もするし。』

 

体内までしっかりダメージを与えないといけないようだな。

 

『だったら直で攻撃するまでだ。』

 

俺の拳と足は"EVOゼノベイダーグローブ・シューズ"ってのを纏ってる。これは接触した物体を自在に分解・再構築できる。まあ、つまりは攻撃対象の装甲とか防壁を無視して内部中枢に攻撃を叩き込めるわけだ。

 

『これでどうだ?』

 

あの怪人の頭目掛けて飛び上がって上から踵を落とす。

怪人の頭の防壁を破壊し脳味噌と思わしき部分を破壊する。

 

『こいつまだ生きてやがるな、』

 

どうやらただ頑丈ってだけじゃなさそうだな。

再生能力も持ってるみたいだな。

じゃあ一気に木っ端微塵にしないとダメだな。

再生もできねえぐらいボコボコにしてやろう。

 

『エレキスチーム!』

 

『コブラ!スチームショット!』

 

ライフルモードにしたトランスチームガンにコブラエボルボトルに挿して電気を纏ったコブラ型のエネルギー弾を放つ。

 

『これで暫く痺れてろ。』

 

電撃は敵の全身に行き渡り、身体を麻痺させる。

 

『さて、後は高火力の技をぶち込むだけだ。』

 

ま、俺これ初変身なんだがエボルテックフィニッシュだけで仕留められるだろうか?

こんな時牙竜がいればなあ

 

「よお…もしかしてエボルトか?」

 

『牙竜、遅いじゃねえか。しかもボロボロだぜ。』

 

八百万達に連れられて血塗れの牙竜がやって来た。

どうやら結構な激戦を繰り広げてたみたいだ。

 

「気にすんな。んな事より何だこの姿?」

 

『俺の本来の姿だ。ようやく変身できたぜ、じゃあ次はお前の番だ。とっとと変身して手伝え』

 

「わかってる、任しとけ!」

 

『スクラッシュドライバー!』

 

『ドラゴンゼリー!』

 

「変身!」

 

『潰れる! 流れる! 溢れ出る!』

 

『ドラゴンインクローズチャージ!ブラァ!』

 

「仮面ライダークローズチャージ、悪を潰しに来た!」

 

牙竜の変身と名乗りが終わると同時に麻痺が解けたのか、動こうとした巨大敵の身体が一瞬にして凍った。

 

「このデカさは…キツイな……」

 

身体に霜が降り、白い息を吐きながら轟が奴を凍らしたみたいだな。

 

「ありがとな、轟」

 

『さて、仕留めるぞ。』

 

「ああ、」

 

「俺も行くっ……」

 

俺と牙竜に加えて爆豪も並び3人で巨大ヴィラン目掛けて飛ぶ。

 

『さて、お前らの最大火力をぶつけてやれ!』

 

「おう!」

 

『Ready!Go!』

 

『エボルテックフィニッシュ!』

 

『スクラップブレイク!』

 

「『ライダーダブルキック!』」

 

「最大火力!大爆波!!」

 

宇宙のエネルギーを溜めた俺の必殺キックとクローズチャージの必殺キックのライダーダブルキックに爆豪の大爆破の威力が上乗し、凍った状態の脳無の頭部からぶち込む。

頭から首と破壊しながら俺達のキックは胴体目掛けて進んでいき、大爆発とともに巨大脳無の身体は粉々になる。

 

『これで終わったな。』

 

地面に落ちた肉片の大半はドロドロに解けてなくなり、残った欠片も再生をすることは無かった。

 

「終わった……のか……」

 

気が抜けたんだろうな。牙竜の身体が倒れそうになったのを俺が受け止める。

 

『そうだな、お前ちょっと疲れすぎだ。しっかり休まねえとな。』

 

「下間!皆!先生達と救護班が来たから早く戻ろうぜ!」

 

ちょうど切島が何人か人を連れて来た。

 

『牙竜、お前は保健室行きだ。』

 

「わかってる、けどその前に…」

 

医者と思わしき人達が乗った担架に乗る前に牙竜は爆豪と轟の方を見る。

 

「爆豪、轟、サポートしてくれてあんがとな。」

 

そうだな、この2人の援軍あっての勝利だ。

 

「……」

 

「ケッ……」

 

『俺からも礼を言うぜ。中々ヒーローらしい一面だった。』

 

そうサムズアップして俺は牙竜達と保健室に向かった。

 

「最後の戦いは中々凄かったよ。私は見ていることしかできなかったよ。」

 

「うん、僕も全然付いていけなかった。」

 

「仕方ない。改造人間が相手だったんだ。ついていける方が凄い。」

 

疲れた牙竜が寝てる間オールマイト(ガリガリ状態)と指の怪我で一緒に保健室に来た出久と会話をしていた。

しかし驚いたな。オールマイトは過去の傷とかの衰えでこんなガリガリになってて筋肉ムキムキ状態には精々3時間しか変身できないなんてな。

 

「ところで、エボルト君も人間の姿を持っていたんだね。」

 

「いや、これはさっき新しく取得した姿だ。」

 

因みに俺は仮面ライダーエボルに変身できるようになった影響か石動惣一風のイケおじな人間態を手に入れて、その状態で会話している。

 

「ま、これから局面は大きく動き始めるさ。巨大な悪党に備えないとな……」

 

今日の戦いは俺の仮面ライダーエボルの力の覚醒で勝利出来たが気掛かりなのはショッカーの存在だ。

チーターカタツムリの存在に脳無を強化したショッカー製だというあの薬

間違いなくこの世界にショッカーが存在しているということだ。

これは少しややこしい事になりそうだ……

 

To be continued




ということで遂にタイトルを回収致しました。
クローズとエボルのさらなる共闘に期待

また、この物語内ではハザードレベル5.0の恩恵がこんな感じです。
1、エボルトが仮面ライダーエボルに変身できる様になる
2、エボルドライバーが使えるようになる。
3、エボルトが人間態を得れる。

という風にかなり強くなりました。
さて、次回から体育祭編です。
お楽しみにー


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体育祭編
B組の魔王降臨


最近ふと思うんですがこの作品のサブタイトルが毎度味気ないなと感じます。

なんかオシャレな感じに変えてみました。

ということで今日は前々から名前が出てたあのキャラが登場します。

では本編スタート!


(エボルト視点)

さて、ヴィラン共の襲撃から数日が経った。

ヴィラン共の連中に名前は通称ヴィラン連合俺らが提供した方法や脳無の肉片を元に捜査をしたところ秘密結社ショッカーというのが絡んでいたようだ。

まあ後はプロヒーローと警察の捜査に任せよう。

とりあえず牙竜の傷と体力も回復し学校も臨時休校を終えて今日から再開だ。

 

「皆ーー!!朝のHRが始まる。席につけーー!!」

 

「ついてるよ。ついてねーのおめーだけだ。」

 

「相変わらず空回りしてんな…」

 

飯田が皆に席に着くよう促してんだが飯田だけがそびえ立ってる。

アイツも中々面白いな。

 

「おはよう」

 

「相澤先生復帰早えええ!!!!」

 

お、ちょうど相澤先生が入ってきたけど包帯ぐるぐる巻きだ。

確か連合の襲撃で大怪我を負ったと聞いてたがそれでも何とか来たな

 

「先生!無事だったんですね!」

 

「無事言うんかなぁ、アレ……」

 

(ありゃもうミイラマンだな。)

 

牙竜の言う通りミイラにしか見えねえけどこれでも無事らしい。

 

「俺の安否はどうでもいい。それに戦いはまだ終わってない」

 

「戦い?」

 

「まさか…」

 

「またヴィランが!?」

 

おっと、嫌な予感がするがヴィランなら先生から予告はないだろ。

 

「雄英体育祭が迫ってる!」

 

「クソ学校ぽいの来たーー!!!」

 

お、雄英体育祭か、

確か個性社会となってからスポーツイベントや業界が衰退しちまった影響で一般人からオリンピックの代替のスポーツイベントとして受け入れられているあの雄英体育祭か。

 

(もうそんな季節か。)

 

((そうだな、去年のも中々見ものだった。))

 

去年のGW頃に牙竜と2人でテレビで体育祭を見てたのを思い出す。

何故かすぐに服が脱げてしまう金髪のやつがいたのが印象的だ。

 

「待て待て!ヴィランに侵入されたばっかなのに大丈夫なんですか!?」

 

確かに切島の言う通りだ。ヴィランの襲撃を受けて警備にも一抹の不安を抱えている状況だ。

雄英体育祭は自粛すべきだと言われても仕方がない。

 

「"逆に開催することで雄英の危機管理体制が盤石だと示す"って考えらしい。何より雄英の体育祭は……最大のチャンス。ヴィランごときで中止していい催しじゃない」

 

相澤先生の説明によると雄英体育祭はヒーローがスカウト目的で観るものであり、ヒーロー科が活躍し、自分の存在をアピール出来る場である。

まあつまり、外側から見ればオリンピックみたいなスポーツイベントだが、俺ら生徒側からすれば甲子園やインターハイ、大学スポーツの全国大会みたいなプロスカウトにアピールするための大会ってわけだ。

 

(滾るぜ、俺の闘争心が)

 

((ああ、やってやろうぜ))

 

(牙竜視点)

 

「エボルトは出場禁止!?」

 

ホームルームの後俺は相澤先生に呼び出されて応接室に来ていた。

 

「ああ、先日のUSJ襲撃時のエボっさんの動きを見るからに個性の一部ではあるが思考や感情があまりにも独立していて実質人間2人分で戦っているのと変わらない状態だと判断した。」

 

「ほう、なるほど。まあそう言われんのも仕方ねえか。」

 

『俺も雄英側の判断に賛同する。』

 

まあエボルトの力に頼りまくって勝っても俺もつまんねえしな。

 

「下間のビルドドライバー、スクラッシュドライバー等の変身道具やフルボトルとかは個性の一部だからもちろん使用は可能だ。だからお前は自分の身体とそれらだけで戦え。」

 

「おう、わかったぜ。」

 

『その代わり実況だけさせろよ。』

 

「いいだろう、それと公平を期すために言っておくがB組にも同じような事例の個性持ちがいたが同じ対応をした。まあ、ソイツの場合は実況はしないがステージ設営を手伝ってもらうことにはなってる。」

 

つーことで体育祭は俺一人で頑張ることになった。

まあ俺もその方が楽しそうだし乗ったぜ。

しかしB組にも俺とエボルトみてえなやつがいんのか?

そいつと戦うのも楽しみだ……

 

((さて、俺はいよいよ強すぎて出禁だ。とりあえず牙竜の作戦は?))

 

(スクラッシュドライバーは段々乗りこなせるようにはなってきたしそっちメインだ。ツインブレイカーも使い勝手良いしな)

 

((いいと思うぜ。あとは俺のとっておきのアイテムも使え))

 

(ああ、任せろ)

 

とっておきのアイテムってどんなんだろうな?

って思いつつ今日一日を過ごしそして放課後

 

「うおおお…何ごとだあ!?」

 

「出れねーじゃん!何しに来たんだよ」

 

「敵情視察だろ、ザコ」

 

俺らの教室の前には有象無象共がいっぱいいやがる。

爆豪曰く敵情視察だそうだ。

 

「その通り!そう!我々B組の魔王とその親衛隊一同で視察に来てやったぞ!」

 

何だこのちょっと痛いヤツ?

スッラとした体格に高身長で黒と金の混じった髪してナルシストっぽいな…

けどなんかこの顔何処かで見たことあるような気が……

 

「あ?テメエ誰だ?」

 

「我が名は甲斐銃士!またの名をデビルムーン!」

 

甲斐銃士?今甲斐銃士って言ったか!?

 

((おいおい、どうしたんだ?牙竜?))

 

「銃士?本当に銃士だよな?俺だよ牙竜だよ!下間牙竜!」

 

「牙竜君っ…!?ホントに牙竜君ッスか!?」

 

「おおそうだ、久しぶりだな!小学校ん時以来か?」

 

いや、これは驚いたな!

俺の小学校の時のダチの銃士が雄英にいるなんて思わなかったぜ。

てことで邪魔にならねえように場所を移動して2人きりで話す。

 

「いやーけど嬉しいぜ。それに銃士も雄英にいるなんて驚いたぜ。」

 

銃士は気が弱い奴だけど俺が虐められてた時に勇気を振り絞って助けてくれたんだ。

 

「自分もビックリっす!けど無個性だった牙竜君がどうしてヒーロー科に!?」

 

「銃士の方こそあんま強い個性じゃなかったはずだろ?」

 

銃士の個性がどんなだったかは正直覚えてねえけど、

コイツは俺の代わりにいじめられちまって心を壊して転校しちまった。俺はそれ以来強くなろうとしたが銃士を救えなかったのがずっと気掛かりだった。

 

『「それは俺と出会ったからだ。/私が感染したからだぁ!」』

 

『「ん?」』

 

エボルト(人間態)となんかよくわかんねえ人が突然出てきた。

 

『Ciao、俺はエボルト。こっちの下間牙竜の個性の1部だ。』

 

「私はぁ…新!檀黎斗!神!だぁ!!」

 

何この変な人

 

「あ、あの、この人は自分の個性の1部で神っす…」

 

「要するに俺もお前も新たに個性が芽生えたけどなんか相棒枠みたいなんが付いてきたってことか?」

 

「まあ…そういうこと…かな……?」

 

さっき相澤センセが言うてたのってもしかして銃士とこの自称神のことか?

 

『ほうほう、檀黎斗か』

 

「新!檀黎斗!神!だぁ!!」

 

しかも銃士んとこの人はややこしそうだ。

 

「そ、そんな…グスンあんま叫ばないでくださいよグスン」

 

おいおい、もしかして泣いてんのか?

そうだった!コイツ昔っから超泣き虫だったわ!

 

「おいおい、落ち着けって。」

 

「その通り、神である私の前で泣く必要などない」

 

『はぁ…』

 

おい、エボルト

呆れたからってすぐに俺の体内の戻って逃げるのやめろ。

 

((バレちまったか。))

 

「まあいいだろう、下間牙竜と言ったな。今度の雄英体育祭!勝つのは私の愛弟子の甲斐銃士だ!」

 

「そ、そうっすよ…次の体育祭……自分が1番になるっす!」

 

そうか、今度の体育祭は銃士も対戦相手になるわけだ。

 

「ああ、望むところだ!俺の全力見せてやっからテメエらも全力で来いよ!」

 

さて、銃士とも再会できたし今度の雄英体育祭も楽しみだな。

とは言いつつ余裕ぶっこいてる暇はねえな。

エボルト抜きの俺1人だけで戦えるように鍛えねえとな……

 

To be continued




ということで入学試験の回に名前だけ出ていた甲斐銃士君が今回で初登場となります!

実は檀黎斗とのコンビってのはハーメルンでヒロアカの作品を書くって思った時に考えてた案の1つです。
没案になってしまってたんですが折角なのでライバルキャラにしてみました。
銃士&新・檀黎斗・神のプロフィール

仮面ライダーブレイブ
甲斐銃士(CV榊原優希)
小学生時代の牙竜の友人
元々の個性はドールライフ
ぬいぐるみ一体に魂を宿らせるという個性
泣き虫で気の弱い少年だったがある日勇気を振り絞ってイジメを受けている牙竜を助けたことで仲良くなったが今度は自分がイジメを受けて心を壊し転校した。
そして中学生の時にゲーム病と厨二病を患う。それ以降は初対面の相手には厨二病的な言動で振る舞う様になり、心を開いた相手にしか自分の弱々しい部分は見せない。勇者と魔王が好きでそれでタドルシリーズに惹かれて多用している。

仮面ライダーゲンム
新・檀黎斗・神(CV岩永徹也)
エボルトと同様転生者でバグスター
檀黎斗及び、彼のバックアップ
死のデータ全て取り込み、檀黎斗の知能と才能、見た目を手に入れ
彼のような性格になり、エキセントリックな言動もするようになった。
中学時代の銃士に感染し次いでに厨二病にもさせてしまう。


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体育祭開幕

(牙竜視点)

 

「いよいよ体育祭か。」

 

『だな、』

 

あれから2週間が経った。

今日は遂に待ちに待った雄英高校体育祭の日だ。

この2週間の間エボルト、出久、麗日、飯田らと一緒に特訓した。

まあ俺だけでなくこの3人も強くなってきた。

エボルト曰く3人ともハザードレベルが3.0近い実力者だとのこと。

 

「緑谷、」

 

「何かな?轟君」

 

「お前、オールマイトに目えかけられてるだろ。別にそこ詮索するつもりはねえが、お前に勝つぞ。」

 

おっと、いきなり轟が出久に宣戦布告か?

 

「轟くんがどういうつもりで僕に勝つかは分からないけど、僕だって本気で獲りに行く!」

 

出久も受けて立つか

男らしくなってきたじゃねえか。

 

「言っとくが下間、お前にも勝つぞ」

 

「ああ、来やがれ!」

 

俺にも宣戦布告してきたか。

上等だ。誰が来ようが俺が1番になる。

 

(エボルト視点)

これからサッカーワールドカップでもするんじゃないかという人数が収容された雄英高校のスタジアム

俺とプレゼントマイクはそのフィールドと客席を見下ろせる実況席にいる。

因みに相澤センセは面倒くさいからということで俺に実況を任せてどっか行った。軽はずみで実況席に行きたいって言ったらまさかこうなるとは…

 

「おい、そろそろ始めるぜ。」

 

「ああ、わかった。」

 

さて、マイクをONにして雄英体育祭開幕だ。

 

『雄英体育祭!ヒーローの卵達が我こそはと鎬を削る、年に一度の大バトルッ!てゆーか、どうせテメーらアレだろ!?コイツ等だろ!?ヴィランの襲撃を受けたにも拘らず、鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!ヒーロー科ッ!1年ッ!A組だろぉおおおおおおッ!?』

 

さて、開幕を知らせると共に牙竜率いるA組の入場だ。

 

『さあ、話題性では後れをとっちゃいるが、こちらも実力者揃いだぁッ!1年ッ!B組ィッ!』

 

『B組には自称魔王がいるらしいぜ?』

 

『自称魔王!?ソイツはヤベェ!』

 

なんかこの人語彙力なくね?

てことでその後は普通科、サポート科、経営科の生徒達が入場してくる。

そしてレフリーはミッドナイト先生か、

ホントこの年代相手に18禁ヒーローって大丈夫か?

 

「選手宣誓!1年A組下間牙竜!」

 

確か入試での首席合格者が宣誓するって取り決めだから牙竜が選ばれたのか。

 

「宣誓!今日ここに集まった連中は皆雄英狭い門を潜り抜けた選りすぐりの連中だ!」

 

そういえばここの偏差値って79越えだったな。

普通科でも相当レベルは高い。

 

「そんな奴らと競えることを誇りに思うぜ、けど勝つのは俺だ!覚えておけ!」

 

牙竜が拳を空に突き上げて選手宣誓を終える。

いやーかっこいい宣誓だったぜ牙竜。

 

「さーて、それじゃあ第1種目行きましょう。いわゆる予選よ!毎年ここで多くの者が涙を飲むわ(ティアドリンク)!!さて運命の第1種目!!今年は……コレ!!!」

 

『障害物競走』

 

ほう、この大人数で障害物競走して予選か。

これで一気に人数を絞り込むみてえだな。

ルールはざっとこんな感じだ。

 

”会場の外回りを一周!約4kmのクラス総当たり競争!”

 

”ただし個性あり、生徒間の妨害あり、関門ありだ!コースさえ外れなければ何してもOK!”

 

”最初に会場内に戻ってくるのは誰だ!”

 

会場の外周長すぎだろ。

まあとりあえずわかんのは大乱戦になる予感しかしねえってことだ。

てこと生徒達がスタートラインに立つ…

っつーかこれ集めってるって表現が正しいな。

200人以上も集まっててスタートの合図を待っている。

 

『それじゃあ始めるぜ!第1種目!スタート!』

 

そしてプレゼントマイクの合図と共に一斉にスタートする。

 

『HEY!Mr.エボルト!ズバリこの種目の注目ポイントは?』

 

お、こっから本格的に解説の仕事開始だな。

ちなみに今日の俺は既に変身状態で金尾ボイスで参戦だ。

 

『ズバリ今だな。』

 

そしてこの競技における第1の難関はこのスタジアムから外周に抜けるまでの通路だな。

早速我先にと行こうとする生徒達でごった返してやがるな。

 

『おっと!この大混雑を抜け出したのは轟焦凍と爆豪勝己!通路に入る前から先頭集団になり先に抜けてったー!』

 

『ヒーロー科の生徒がどんどん外周に出てきたな。』

 

それに続いて八百万や切島、B組の鉄哲徹鐵などが抜け出してきた。

そしてあれは…

 

「よう銃士、テメエも来たか。」

 

「当然っす、自分だってここにいる全員に勝つつもりっすから」

 

『あれはA組の下間とB組の甲斐だな。今大会の注目選手だ。』

 

ちょうど牙竜と銃士がスタジアム外に出てきたな。

 

「いくぜ、銃士」

 

『ウェイクアップ!』

 

「うん!牙竜くん!」

 

『タドルクエスト!』

 

牙竜はクローズドラゴンを、銃士はタドルクエストのガシャットを起動する。

ていうか檀黎斗が出てきた段階で気付いてたがコイツはエグゼイド系の仮面ライダーなんだな。しかもタドルクエストってことは

 

『クローズドラゴン!』

 

『ガシャット!』

 

そして牙竜はビルドドライバーにクローズドラゴンを、銃士はゲーマドライバーにタドルクエストガシャットを入れる。

 

「「変身!!」」

 

『レベルアップ!』

 

『Wake up burning! Get CROSS-Z DRAGON! Yeah!』

 

『タドルメグル、タドルメグル、タドルクエスト!』

 

仮面ライダークローズとブレイブの同時変身か。

かっこいいじゃねえか

 

「仮面ライダークローズ、テッペン取りに来た!」

 

「我が名はデビルムーン!いいぞ、正々堂々勝負しようぞ!」

 

『おっと!2人同時変身だ!一方先頭集団は第一関門に到達だ!』

 

さて、爆豪達は第一関門に到着した様だな。

 

『ヴワッハッハッハ!!ヴーン!私が!第一関門の主、新!檀黎斗!神だぁ!!』

 

おっと、出やがったな神め。

 

『第一関門は!バグスター・コープスだ!!』

 

なるほどなあ、ソルティ、アランブラ、リボル、モータス4種類のバグスターと兵士軍団か。こりゃそう簡単に突破できねえぜ。

 

「邪魔だぁ!!」

 

バグスターウイルスの兵達を爆豪の爆破と轟の氷で蹴散らされていく。

 

『トップ2人は次々と突破していってんなあ』

 

さて、バグスター共は、

 

「風になるぜえぇぇぇ!」

 

バイクに乗って生徒達に突っ込んでいくモータスバグスター

 

「どけぇっ!」

 

「ここで静かにしておけ!」

 

そのバイクに爆豪の爆破が当たりバランスを崩したところを轟が凍らせる。

 

『中々良いコンビネーションだな。』

 

轟の氷結で結構な数のバグスター達が凍らされて動けなくなっている。

 

「さて、俺の相手はテメエか」

 

一方牙竜はソルティ達を相手にビートクローザーを振るって戦っている。

 

「アランブラっ…我が前に立つか!」

 

一方のブレイブはアランブラ達と戦ってるようだ。

さて、このまま牙竜達は爆豪らを逆転できるんだろうか?

そしてこのレースを制するのは誰だ?

続きは次回だ。

 

To be continued



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雄英体育祭 障害物競走

(エボルト視点)

 

『ヒッパレー!ヒッパレー!ヒッパレー!』

 

『メガスラッシュ!』

 

『カ・チーン!』

 

ビートクローザーとガシャコンソードの斬撃は第1関門のバグスター軍団を撃破し、クローズとブレイブは先頭集団を追うようにどんどん進んでいく。

まあけどコイツらがバグスターを倒している間に先頭の轟と爆豪らは第2関門を進んでいた。

 

『第2関門はThe・フォール!ここを落ちれば一気に奈落だぜ!』

 

地面が大きく抉られていて僅かな足場しかない。

そこをロープで渡っていくってことだが轟は氷で足場を作ってその上を進み、爆豪は爆破の推進力で飛んでいる。

まあ1部の奴らには簡単に攻略できるだろうが緑谷とかはちょっと苦戦しちまってんな、

 

「翼の下僕よ!我に力を与えたまえ!」

 

『ジェットコンバット!』

 

『ガシャット!』

 

「第3の魔眼」

 

『レベルアップ!』

 

『タドルメグル、タドルメグル、タドルクエスト!』

 

『アガッチャ!ジェット!ジェット!イン・ザ・スカイ! ジェット!ジェット!ジェットコンバーット!』

 

おいおい、仮面ライダーブレイブなのにスナイプのガシャット使ってるじゃねえか。そんなのありか?

まあ恐らく仮面ライダーブレイブコンバットクエストゲーマーレベル3ってとこか?

ブレイブ以外のライダーのガシャット使えるとかだったら結構厄介だな。

 

「では、先に行くぞ!」

 

「行っちまったか。まあ俺も飛んじまうか。」

 

『ここで甲斐!飛行機みたいな鎧付けて我先にと飛んでったー!』

 

牙竜はここでビルドドライバーの代わりにスクラッシュドライバーを腰に巻く。

 

『スクラッシュドライバー!』

 

『ドラゴンゼリー!』

 

「ビルドアップ!」

 

『潰れる! 流れる! 溢れ出る!』

 

『ドラゴンインクローズチャージ!ブラァ!』

 

ここでクローズからクローズチャージに切り替えたか。

 

『これは完全にミスったな。フルボトルの応用がしやすいのは今変身したクローズチャージの形態の方だ。最初からこっちに変身してたら良かったのになあ。』

 

(完全にミスったな。けどこっから取り返す!)

 

牙竜はスクラッシュドライバーにジェットフルボトルを刺す。

 

『ジェットディスチャージ!』

 

『潰れなーい!』

 

そしてレンチを下ろすと身体のゼリー部分がジェット機のように変化しブレイブに続いて飛んでいく。

 

『下間も飛び立ったー!どんどんヒーロー科生徒達がザ・フォールを進んでいく!』

 

『轟と爆豪はもう第三関門か』

 

仮面ライダー2人の追い上げの最中、先頭集団は次の関門に到達していた。

 

『最後の関門は…ゲーム地雷原だぁ!ヴワッハッハッハ!!』

 

最後の所もも神が作ったのか。

地雷原エリアとか言ってるが確かにだだっ広い地面所々の色が違う。もしやここを踏んだら

 

『おっと!爆豪と轟が爆発に巻き込まれた!』

 

やっぱりな、爆弾がわかりやすいし回避出来るがいかんせんそれを見ながら避けて走んのはスピードが落ちるな。

※安全な爆弾を使用しているため怪我の心配はない。音と光でビビらす爆弾らしいし手足が吹っ飛ぶことはねえとのこと

それにまあ、前の方の連中が地雷を爆発させちまったら後半組は進みやすい。

 

『回復!』

 

『鋼鉄化!』

 

『ほう、エナジーアイテムか』

 

爆発したらエナジーアイテムが出てきてそれの効果が発動されんのか。

爆豪は特にダメージを負っていないのに回復し、轟は身体が鋼鉄になってる。

 

『この地雷はメンドクセー!当たったらランダムに色んな効果発動するぜ!』

 

檀黎斗も面白いこと考えるじゃねえか。

 

「じゃああんまし踏まねえようにいけばいいってだけだ!」

 

その地雷原の上を飛行して先頭集団に食らいついてくのはクローズチャージとブレイブ、

 

「先に往くぞ!」

 

『おっとここで先頭が甲斐銃士に変わったぁ!!』

 

そしてブレイブが遂に爆豪と轟を追い越した。

 

「先頭に道作っちまうことになっちまうか…」

 

「なりふり構ってらんねえな!」

 

轟は氷で道を作り、爆豪もてからボンボンと爆発を放って進んでいく。

 

「爆豪これは賢い!爆発した地雷の推進力で進みながらエナジーアイテムも爆破で跳ね返してる!」

 

『高速化!』

 

「おっと、こりゃラッキーだな。」

 

激しい首位争いの最中、爆豪が跳ね返した高速化のエナジーアイテムを偶然ゲットした牙竜が加速して一気に3人を追い抜いた。

 

「このままトップはいただきだ!」

 

高速ジェットのような速さで飛ぶクローズチャージ

 

『これは牙竜の独走だろうな……』

 

BOOOOOOOOOM!!

 

『何だこの大爆発!?』

 

突如鼓膜の破れるような爆音が会場に鳴り響いた。

 

『マッスル化!高速化!ジャンプ強化!伸縮化!反射!発光!鋼鉄化!モノマネ!』

 

そして幾多ものエナジーアイテムを使用する音が聞こえたかと思うとまるでオールマイトの様な姿になった緑谷出久が爆風と共に飛んできて全員を抜き去り一気に第三関門の地雷原を飛び越えて行った。

 

『ありゃ爆弾集めて一気に爆発させたな。エナジーアイテム使いまくったうえにモノマネも引いたからオールマイトみたいな姿になってるがあれは緑谷出久だな。』

 

とんでもねえ策だな。

変なエナジーアイテム引いてたらどうする気だったんだ?

 

『さあ!このまま緑谷出久が、独走態勢!』

 

「まだまだ勝負は終わってねえぜ!」

 

「我が閃光の如き速さを見よ!」

 

「このまま好きにはさせねえっ…!」

 

「クソデクに負ける気なんざねええぇぇ!!」

 

それに牙竜、銃士、轟、爆豪の4人が続く。

 

『けどありゃ追い抜けねえな。』

 

だが完全に緑谷の独走状態だ。

強化された身体能力により、1歩1歩生まれる推進力での加速は2位以下を突き放すのに充分だな。

 

『このまま独走態勢で緑谷1位でゴール!!』

 

そのまま走り抜きゴールに帰ってきた。

 

「これは速すぎんだろ…」

 

『続いて2位で下間がゴール!』

 

牙竜は2着か

終盤はツインブレイカーにロケットフルボトルを刺して加速していたな。まあこれも中々速かった。

 

『3位は甲斐銃士!』

 

コンバットクエストゲーマーのまま飛び続けた銃士が3位か。

そのあとは轟、爆豪とゴールしていく。

まあ見た感じA組連中が上位層って感じだな。

 

『さぁ続々とゴールインだ!順位などは後でまとめるから、とりあえずお疲れ!!』

 

(牙竜視点)

 

「凄かったぜ!さっきの出久」

 

「まぐれだよ…まだそんなに個性も使いこなせてないし……」

 

障害物競走を終えて今はちょっと休憩中だがさっきの出久の追い上げはエグかったな。

 

「フッ、まあこの戦いでは敗れたが次は倒すぞ!緑の勇者!」

 

銃士もまだまだ闘志を燃やしてやがるな。

 

「俺も負けねえぜ、2人とも」

 

てことで全員がゴールしてその後主審のミッドナイトがマイクを持つ。

 

「さて、予選通過は上位44名!!」

 

44人ってまた随分と絞り込んだなー

でしかもヒーロー科が42人だから少なくとも他学科の奴が2人予選に通るってことだな。

 

「そして次からいよいよ本戦!さーて第2種目は〜〜コレよ!!」

 

『騎馬戦!』

 

ほー騎馬戦か。

名前だけ聞いたら普通の運動会っぽいけどここは雄英高校

またとんでもねえこと考えてるんだろうな。

 

「参加者は2〜4人のチームを自由作ってもらうわ!基本は普通の騎馬戦と同じだけど、1つ違うのが…先程の結果に従って各自にポイントが振り当てられるわ。44位が5ポイント、43位が10ポイント…といった具合で……」

 

ほうほう、ポイント制の騎馬戦でその騎馬が頭に付けたポイントの奪い合いか。ポイントは組の合計ポイントってことか。

 

「そして1位に与えられるポイントはなんとっ……!」

 

1位のポイントは220ポイントじゃねえのか?

 

「1000万ポイントよっ!!」

 

(1000万!?)

 

おいおい、これ障害物競走で1位になった奴が1000万ポイントってことは…

 

「い、1000万!?」

 

出久が1000万ポイントか。

色々と心配になってきたな……

 

To be continued




次回は騎馬戦か…
時間がかかりそうなので明日中に投稿できなかったらごめんなさい


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騎馬戦1

最近自炊にハマってるドンちゃんです。

いやー遂に9月に入りましたね。
夏休みが9月下旬まであるのでまだまだ書いていきますよー


(牙竜視点)

 

「なあ、頼むよ牙竜〜オイラと組んでくれよ〜」

 

「絶対に嫌だ。」

 

さて、雄英体育祭第2種目

騎馬戦をやることになったんだがさっきから峰田が組んんでくれともうアピールしてくる。

 

「第一テメエ障害物競走で八百万に引っ付いて行ってただろ、そんな奴とは組む気はねえよ。」

 

峰田コイツは障害物競走ん時に頭のモギモギで八百万に引っ付いてそのままゴールしやがったんだ。

けしからん、

 

「八百万が刃物作って切り落とさなかっただけまだマシだ。感謝しとけよ。それに俺はどうしても組みてえ奴が決まってんだよ。」

 

「く、組みたいやつって…?」

 

八百万も詰めが甘いな。

俺なら峰田のもぎもぎを切り落としてたな。

それに俺はこいつと組むって心に決めてた奴がいる。

 

「出久、組もうぜ」

 

「が、牙竜君も!?い、いいの……?」

 

勿論出久だ。

1000万ポイント背負ってんだから心配で仕方ねえよ。

まあ、俺が峰田に気取られてる合間に麗日とも組んでたみてえだし。

 

「いいのかよ?だって、緑谷1000万ポイントだぜ……」

 

「狙われんのは上等だ。そっちの方がおもしれえじゃねえか。てことで出久と麗日よろしくなー」

 

「ありがとう!こちらこそよろしくね」

 

「よろしくーお互い頑張ろう!」

 

てことでその後俺達は出久の提案で飯田を誘おうとしたんだが、

 

「俺はまだ緑谷君にも下間君にも勝てていない…だから今回俺は相手チームとして2人に挑む!」

 

って感じで断られた。

次いでに八百万にも

 

「私もお二人の高い壁に挑ませていただきますわ!」

 

と断られた。

1000万ポイントの重圧って奴だな。

一緒に組んだ時安全じゃねえし越えるべき目標としても認識されんのか、まあ飯田と八百万に断られたのは痛えがその代わり

 

「1位の方!是非組ませてください!」

 

サポート科の発目って奴が声掛けてくれて無事に4人組が出来上がった。

 

(エボルト視点)

 

『さて、全員作戦会議を終えて愈々騎馬戦だ。ということで解説席にゲストをお呼びしたぜ。』

 

『おい!それ俺の仕事』

 

さて、そろそろ騎馬戦が始まりそうなんでプレゼントマイクの仕事を奪ってゲスト紹介だ。

 

『やあ、先程以来だね。新・檀黎斗・神だ』

 

まあ、第1種目を手伝ってくれてた神に来てもらった。

 

『ズバリ神さんよ、注目ポイントは?』

 

『それは勿論、1000万ポイントのハチマキだ。アレも私のアイデアだ。』

 

なるほど、あれ考えたのも神様ってことか。

流石天才ゲームクリエイター

 

『ヘイヘイお二人さん!そろそろ競技始まるぜ!』

 

『おお、じゃあミッドナイトさんよお、頼んだぜ。』

 

ということでフィールド上に騎馬達が出揃う。

掲示されたデータによると、組み分けとポイントはこんな感じだ。

 

緑谷チーム 10,000,360

緑谷出久 (騎手)

下間牙竜(前騎馬)

麗日お茶子(後騎馬)

発目明(後騎馬)

 

甲斐チーム 630

甲斐銃士 (騎手)

尾白猿尾 (前騎手)

常闇踏陰 (後騎馬)

心操人使 (後騎馬)

 

轟チーム 615

轟焦凍(騎手)

飯田天哉(前騎馬)

上鳴電気(後騎馬)

八百万百(後騎馬)

 

爆豪チーム 665

爆豪勝己 (騎手)

切島鋭児郎 (前騎馬)

芦戸三奈 (後騎馬)

瀬呂範太 (後騎馬)

 

拳藤チーム 225

拳藤一佳(騎手)

柳レイ子(前騎馬)

取蔭切奈(後騎馬)

小森希乃子(後騎馬)

 

鱗チーム 175

鱗飛竜(騎手)

宍田獣郎太(前騎馬)

庄田二連撃(後騎馬)

 

鉄哲チーム 705

鉄哲徹鐵(騎手)

骨抜柔造(前騎馬)

泡瀬洋雪(後騎馬)

塩崎茨(後騎馬)

 

峰田チーム 425

峰田実(騎手)

障子目蔵(前騎馬)

蛙吹梅雨(後騎馬)

青山優雅(後騎馬)

 

葉隠チーム 390

葉隠透(騎手)

耳郎響香(前騎馬)

砂藤力道(後騎馬)

口田甲司(後騎馬)

 

物間チーム 305

物間寧人(騎手)

円場硬成(前騎馬)

回原旋(後騎馬)

黒色支配(後騎馬)

 

小大チーム 165

小大唯(騎手)

凡戸固次郎(前騎馬)

吹出漫我(後騎馬)

 

鎌切チーム 70

鎌切尖(騎手)

角取ポニー(前騎馬)

 

ほうほう、牙竜のチーム以外だとB組の鉄哲チームが700ポイント越え、甲斐、轟、爆豪、らのチームがそれぞれ600代か。

 

「さて、作戦はさっき考えた通りだ。いくぜ!」

 

「うん!」

 

『よぉし組み終わったな!?問答無用で行くぞ!残虐バトルファイトのカウントダウン!3!!』

 

「狙いは・・・」

 

「一つ」

 

『2!!』

 

「準備はいいな?」

 

『1・・・!』

 

『スタート!!』

 

開始と同時に早速各チームが緑谷チームに襲いかかる。

 

「「実質それ1000万の争奪戦だ!!」」

 

「やっぱ来やがったな、出久!いくぞ!」

 

「うん!」

 

開始前からクローズチャージに変身していた牙竜は突然その腕力を活かして緑谷出久を空中に投げ飛ばした。

 

『いきなり投げたー!一体何を考えてるんだ!?』

 

『地面に足が着いたら失格の筈だ。まさか地面で受け止めるのか?』

 

『いいや、どうやら違うね。』

 

俺の目には驚くべき光景が見えていた。

 

『タカ!ガトリング!ベストマッチ!』

 

出久は自分の腰にビルドドライバーを巻いた上にそこにはタカフルボトルとガトリングフルボトルが刺さっている。

 

『Are you ready?』

 

「変身!」

 

『天空の暴れん坊!ホークガトリング!イェーイ!』

 

おいおい、マジか。

出久が仮面ライダービルドに変身しやがった。

 

『な、なんということだ!?緑谷出久が変身して飛んでいる!!一体どういうことだ?』

 

そういえば体育祭前の特訓中に牙竜に出久のハザードレベルが3.0を超えてるって話をしたんだったな。まさか覚えてた上にビルドドライバーを使わすなんてな。大した奴だ

 

『これは仮面ライダービルドだ。本来なら牙竜が変身できるライダーの一つだ。』

 

『なるほど、しかし何故それを緑谷君が?』

 

『良い質問だ、神様。アイツは自分の変身用のアイテムを個性で作って使用している。だからやろうと思えば他者にベルトを使わせることもできる。まさか本当にやるとは思ってなかったけどな。』

 

実際にはパンドラボックスにアイテムが入ってるってのが正解だがこれを話すとややこしくなるので誤魔化しておく。

 

『つまりは下間君の個性で緑谷君を一時的に強化している状態な訳だ。』

 

『その通りだ。』

 

いい解釈だ。神よ

まあ、俺らの場合はハザードレベルって基準があるけどよ神達の場合もお仲間に適合手術受けさしたら変身させれるんじゃねえだろうか?

 

『おいおい、どのチームもまだ空の緑谷に手も足も出てねえぞ!』

 

空飛んでる奴に手出せるのは遠距離攻撃持ちぐらいだが。

 

「全然届かないネ」

 

「撃っても撃ち返されるっ!」

 

ビルドになった出久は青山のネビルレーザーを避け、鱗飛竜の飛ばす鱗をホークガトリンガーで撃って止めてくる。

しかし、障子の上に峰田、蛙水、青山が乗ってんのか。

重そうだな、

 

「出久!次あのボトルだ!」

 

「うん!」

 

『タカ!掃除機!』

 

『Are you Ready?』

 

「ビルドアップ!」

 

ビルドのハーフボディのガトリングが掃除機になり、腕に着いた掃除機部分が周囲の空気を吸い込み出す。

 

「俺のハチマキっ…!」

 

その掃除機は鎌切と小大のハチマキを吸い込んで出久の手に2本のハチマキが収まる。

 

『緑谷ここで攻勢に出た!2本のハチマキを奪った!』

 

「さて、我らも攻撃に出ようぞ!」

 

「ああ、緑谷の天使の翼を剥ぎ落とす!」

 

「この2人のノリ着いていける?」

 

「ちょっと厳しいな。」

 

甲斐と常闇の厨二病コンビと尾白、心操の普通コンビが出久の方を見る。

 

『TADDLE FANTASY! Let's Going King of Fantasy!』

 

『あれはガシャットギアデュアルか。』

 

おっと、甲斐が何やら変身しようとしてるな。

 

「半月の魔眼……変身!」

 

『デュアルガシャット!ガッチャーン!デュアルアーップ!』

 

『タドルメグルRPG!タドールファンタジー!』

 

「我は魔王……デビルムーン!!」

 

おっと、ブレイブレベル50か。

これは波乱が巻き起こりそうだ。

 

To be continued




はい、ということで出久がビルドに変身致しましたー

今後も恐らくヒロアカキャラがライダーに変身する展開が増えてくると思いますのでお楽しみに!


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騎馬戦2

遅くなってしまったー!

ごめんなさい

今日は魚捌いてて肩が痛いです。

まあそれはさておき本編開始です。


(エボルト視点)

 

「何っ…これっ……」

 

雄英体育祭2種目騎馬戦。

序盤は緑谷出久が仮面ライダービルドへの変身を果たし空中に逃げ善戦かと思われたがそこに甲斐銃士こと仮面ライダーブレイブが立ち塞がる。

 

『タドルファンタジー、"主人公の魔王が勇者を倒し世界を征服するゲームだ。"魔王を名乗る銃士にはピッタリだね。』

 

魔王の力を持つブレイブ。

その魔力は絶大で、自分の乗る騎馬ごと空を飛び、更には金縛りでその身体を動けないようにしている。

 

「発目、飛ぶけど準備はいいか?」

 

「勿論です!」

 

だが出久のチームだって負けてはいない。

麗日の個性で自分の身体を軽くした発目と麗日が背中に背負ったジェットパックで飛び、

 

「デクくん!」

 

2人は手に持ったネットガンから銃士らのチームに向かって網を放つ。

 

「所詮はただの網、」

 

「この程度、我らの障壁となることは無い!」

 

だが2枚の網のうち1枚は常闇のダークシャドウが振り払い、もう1枚はブレイブの魔力で振り払われ、2枚とも地に落ちる。

 

「さて、障壁がそれだけだと思うなよ!!」

 

お、これは牙竜の声だな。

 

『なんだこれぇ!?ミサイルか!!』

 

『いや、ロケットだな』

 

牙竜はスクラッシュドライバーにロケットボトルを挿して身体に付いているヴァリアブルゼリーをロケット状にしてブレイブら目掛けて飛び上がった。

 

「我が魔法で防いでみせよう!」

 

だがそれに向けて紫のオーラが牙竜の障壁となり進撃を阻む。

 

「くっ、突破出来ねえっ…」

 

ブレイブの魔力がクローズチャージの身体がこれ以上近付けないようにする。

 

『流石は魔王の力、他の攻撃も寄せ付けない素晴らしい魔法だ。』

 

発目が制作したトリモチ銃も出久ビルドの攻撃も全て跳ね返される。

 

『ヤッベー!体育祭史上稀に見ぬ空中戦だ!!このまま魔王無双で終わるのか!?』

 

『地上も面白いことになってんぞ。』

 

『ホントだ!爆豪チームが0ポイント!?』

 

地上では主に轟と爆豪が無双しているものかと思っていたが轟チームは1部B組相手に防戦中

そして爆豪はちょうど物間にハチマキを奪われていたところだった。

つーか地上はA組よりB組の方が優勢だな。

 

『私から説明しよう。1部のB組生徒達はどうやら結託をしていたらしい。予選では敢えて中位〜下位に甘んじてA組を上位にあげて油断させ、次以降の種目で一気に叩き潰す作戦を考えていたそうだ。まあ最も、銃士君はその案に乗らなかったそうだけどね。』

 

『ほほう、真の敵はクラス内じゃなくて他クラスだったってことか、じゃあ話は早いな。』

 

『おいおい、それってつまりどういうことだ?エボっさんよ、』

 

『簡単だ。A組、B組両方の騎馬全部ぶっ倒しにかからなきゃいけねえってわけだ。B組が結託してる分A組からすりゃ全員が敵。苦しい戦いになるだろうが、アイツは打破するだろうな…』

 

(牙竜視点)

エボルト曰くハザードレベルってのが3を超えた奴ならビルドドライバーで変身できるから、クラス内やプロヒーローでハザードレベル3.0超えた奴なら仮面ライダービルドになれるって言ってたから出久に試してもらったんだがここまでは順調だった。

 

「銃士の奴…めっちゃ強いじゃねえかっ……」

 

銃士の出す紫のオーラに太刀打ちできねえ……

魔法ってやつかっ……

 

「けど俺は負けねえ!銃士がどんだけ強くなってても関係ねえ!どんな壁が来ようと!七難八苦が来ようと!全部ぶっ壊して超えてやる!!」

 

ヒーローってのはどんな苦難も乗り越えて戦ってんだ。

俺の前に苦難が立ちはだかるなら、限界突破して全部超えてやる!

 

「うおおおおおおおおお!!」

 

俺はバリアに向かって拳を突き上げる。

 

「うわっ…!」

 

「甲斐!体制を崩されるなっ……!」

 

俺の突き上げた拳が赤く光りそこには迸るマグマの様な赤いナックルがあった。

 

『あれはクローズマグマナックルか……』

 

ふとエボルトの呟きが聞こえてきたがマグマか…

このマグマナックルから放たれた炎は銃士達の騎馬を突き飛ばし、地上へと落とした。

 

「大丈夫か?魔王!」

 

「我は大丈夫だ!」

 

魔法と常闇のダークシャドウで上手いこと着地したな。

 

「出久!地上で戦うぞ!」

 

「うん!」

 

『ディスチャージクラッシュ!』

 

『潰れなーい!』

 

スクラッシュドライバーにジェットフルボトルを挿してスクラッシュドライバーのレンチを下ろし、ヴァリアブルゼリーの翼で出久達の元へ飛ぶ。

 

「ハチマキ今何本持ってんだ?」

 

「3本持ってるよ!」

 

「順調だな。」

 

空中で出久と出久の身体を掴んで空中に浮いていた麗日、発目と合流して騎馬組み直して地上に降りる。

 

『ここでライダー達が地上に降りた!!地上ではA組とB組の大乱戦が巻き起こっているぞ!』

 

『爆豪がB組物間をコテンパンにしてるな。』

 

おうおう、爆豪が金髪の奴を追い回してハチマキ奪いまくってんじゃねえか。

 

「さあ、兵達よ!ハチマキを撮ってくるのだ!」

 

おっと、こりゃヤベエな。

 

『流石は魔王、バグスター兵達が大量に現れたね。』

 

障害物競走の第1関門にも出てきたバグスターの兵共を召喚しやがった。

数の暴力でくるか……

 

「八百万、」

 

「ええ、準備は出来ましたわ!」

 

そして今度は轟達が何か企んでんな…

 

(エボルト視点)

このままアイツののバグスター無双か?って思ってたんだが

八百万がいきなり絶縁シートを作り出したかと思えば轟チームの上鳴以外がそれを被りそしてフィールド上に上鳴の放つ電撃が走る。

 

『上鳴ここで大放電!!騎馬達が痺れていってんぞ!』

 

『それに今度は氷結かな?』

 

そして痺れる騎馬達を全て仕留めるかのように轟の氷の波が押し寄せて来て半数以上の騎馬の足元が凍りついた。

 

「ぜ、全然動けない…」

 

「このままじゃ取られる…」

 

ポイントを持っているチームも持っていないチームもこの氷結の餌食になり、B組でポイントを持っている拳藤、鉄哲チームも身動きが取れなくなっている。

 

「氷全部溶かせたよ!」

 

「芦戸ナイス!」

 

一方氷結対策で個性酸の芦戸を入れてた爆豪チームはしっかり芦戸が働いたな。

 

「氷の波を防いだ……」

 

「兵達はやられたが我が魔力はまだ健在、このまま突き進もうぞ!」

 

甲斐銃士チームも魔法の壁で氷を防ぎきったか。

本家仮面ライダーブレイブはあんまし魔法とか使ってなかったが甲斐銃士は逆だ。

完全に魔法主体の戦い方だ。

 

「水蒸気上がりすぎだろ…」

 

牙竜はマグマナックルで氷を溶かしたんだろうな、

アイツらの周囲を霧のように水蒸気が包み込んでいる。

 

「1000万っ!取りに行くぞ!」

 

「出久!ラストスパートだ!」

 

「うん!あれでいくよ!」

 

轟チームらが緑谷チームに向けて走っていくのに対して牙竜が出久にあるボトルを渡してそれをビルドドライバーに挿す。

 

『ラビットタンクスパークリング!』

 

「ここが正念場、絶対に守り切る!」

 

『Are you ready?』

 

「いつでもOK!」

 

『シュワッと弾ける!ラビットタンクスパークリング!イエイ! イエーイ!』

 

ここでラビットタンクスパークリングか、

面白い!

 

『さあ、残り時間は後2分!この戦いに勝ち残るのは誰だ!?』

 

『各駅列車!』

 

まずはカイゾクハッシャーのエネルギー弾が轟チームに向けて放たれる。

 

「この程度…」

 

それは轟が作り出した氷の壁によってすぐに防がれる。

 

「いいか、出久。左側を狙え」

 

「こうだね、」

 

『各駅列車!急行列車!』

 

カイゾクハッシャーの弾丸は威力を増し轟の左肩を狙うように飛んでいく。

 

「避けろ!」

 

轟は左側からじゃ氷を出せないから避けるしかない。

炎を使えれば良いんだが未だに使う気配はないな。

それに上鳴がウェイってる最中だしあんま機敏に動けてないな。

 

「ではこれら全ては我の物だ!」

 

『おっと、銃士君は先に凍った騎馬を狙ってる様だね。』

 

なるほど、さっき凍って動けない連中のハチマキをブレイブが次々と回収していってるな。

 

「クソっ…全然進めねえ……」

 

出久は武器をガンモードにしたドリルクラッシャーとホークガトリンガーに持ち替えて轟、爆豪のチームに牽制するかの様に銃で撃っていた。

特に轟は防御手段のない左側を重点的に攻められて、回避する一方だ。

 

『残り時間はあと1分だ!』

 

「進むぞ!切島!」

 

ここで爆豪チームが緑谷チームに向かって突き進み始める。

 

「こんな弾!どうってことねえぜ!」

 

芦戸が酸を撒き散らして銃弾を溶かし、溶けきらなかった物は硬化した切島の身体に当たっては地に落ちていく。

 

「皆、残り時間俺は動けなくなる、後は任せた!」

 

今度は轟チームの前騎馬の飯田が超加速で一気に迫ってくる。

 

「一気に2チーム来たぜ!」

 

「こういう時はっ……」

 

轟チームと爆豪チームが緑谷チームに迫ったその刹那、

ラビットタンクスパークリングから放たれた炭酸のような泡が2人の騎手を襲い、ハチマキの奪還を阻止した。

 

「そのまま待避だ!」

 

さらに泡の破裂の反動と発目のアイテムのホバリングシューズを上手く使い後退、そのまま距離を取った。

 

『さぁそろそろ時間だ!!カウントいくぜ!10!9!8!7!6!5!4!3!2!1!タイムアップ!!』

 

そして他チームとの間にできた距離を保ったまま競技は終わった。

まあ、とは言っても甲斐銃士のチームは終盤の争いには入ってこなかったがな…

 

一位 緑谷チーム 10,000,595P

二位 甲斐チーム 1,985P

三位 爆豪チーム 1,535P

四位 轟チーム 615P

 

『以上4組が最終種目へ…進出だああーー!!』




1つ出久ビルドについて解説を
まあまずこの世界に関してはビルドドライバーやスクラッシュドライバーを用いての変身に関してはエボルトに遺伝子を弄られて居なくても可能です。
ハザードレベルが高いってだけで変身できます。
ネビュラガスを体内に投与する機械は無いのでハザードレベルを上げる方法は
①ライダーに変身して戦う。
②フルボトルを持って戦う。
③ライダーやブラッドスターク等と対戦する。
という感じです。
体育祭前の自主トレでブラッドスターク及び仮面ライダークローズと組手をした緑谷出久、飯田天哉、麗日お茶子らはハザードレベルが常人より高いです。

補足は以上です。


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昼休み

今日は前置きなしで早速本編いきましょう!


(牙竜視点)

 

『よお、牙竜&出久。いい戦い振りだったぜ。』

 

「おつかれさん、エボルト。解説良い感じだったぜ。」

 

「ありがとうございます!けど良かったんですか?ビルドドライバー使って変身までしちゃって……」

 

騎馬戦を終えて昼休み、

さっきまで実況席にいたエボルトが俺たち2人に会いに来てくれた。

 

『良いんだ良いんだ。仮面ライダーってのはLOVE&Peaceのために戦う戦士だ。素質がある奴はどんどん変身しろ。あと差し入れ持ってきたから飲んどけ』

 

「あ、ありがとうございます」

 

「オロナミンCか、ありがとよ」

 

と、エボルトから貰ったオロナミンCを飲んでたら轟が来た。

 

『よお、轟、オロナミンC飲むか?』

 

「いや、いい、それより話があるんだが良いか?」

 

「俺は構わねえぜ」

 

「僕も大丈夫」

 

てことで轟から話があるってことで誰もいない通路に呼び出されて轟を囲むように俺、出久、エボルトが立っている。

 

「で、話ってなんだ?」

 

「最後お前らは俺の左を重点的に狙ってたが気付いたのか?俺の制約に……」

 

「制約?それってテメエが左側の炎使ってねえことと関係あんのか?」

 

「ああ、その通りだ」

 

やっぱりな、屋内での戦闘訓練でアイツは氷を溶かすために炎を出してたんだが戦闘で1回も使ってるのは見たことがない。

勿論この体育祭でも、だから俺はその隙を狙ったんだが推測通りだった。

 

『で、どうしてお前はそんな制約を設けてんだ?』

 

「気になるのは当然だな。お前達なら知ってるだろうが、俺の親父は"エンデヴァー"。万年№2のヒーローだ。お前達が№1ヒーローの何かを持ってるなら俺は……お前達に尚更勝たなきゃならねぇ。」

 

エンデヴァー

ヒーロービルボードチャートで何年連続だか知らねえけど2位を取り続けてるあの炎出しまくってる奴か。

言われてみればあの人の個性はヘルフレイムって炎の個性だ。

轟が息子ならそれを受け継いでてもおかしくはねえな。

 

「それってどういうこと……?」

 

「炎を使わず1番になることで俺はアイツを否定する……」

 

炎を使わずエンデヴァーを否定…

確かに今の轟からはエンデヴァーに対する憎しみの感情が滲み出てている。それを示すようにあいつが握りしめる拳は震えている。

 

「否定するって云うけど……それってどういうこと……?」

 

「人に話すのは初めてだが、教えてやるよ。あの父親男が、俺達にやってきた仕打ちを………」

 

そこから轟の過去の話が始まる。

 

「親父は極めて上昇志向の強い男だ。ヒーローとして破竹の勢いで名を馳せたが、それだけに“生ける伝説オールマイト”が目障りで仕方なかったらしい。」

 

万年2位だもんな、

超えることのできない1位の壁ってのは目障りなんだろうな。

 

「そして自分ではオールマイトを超えられねぇと悟った親父は、“次の策”に打って出た。」

 

「次の策?それはなんだ?」

 

「『個性婚』って知ってるか?」

 

「それって確か個性第2世代第3世代で流行ったっていう……」

 

出久によると俺達よりも数世代前に流行ったって奴だな。

まあ、倫理的には大問題だ。

 

「個性の遺伝を利用して、子供を自分の上位互換にする為だけに配偶者を選んで、結婚を強いる。倫理観の欠如した前時代的発想。あんなのでも、腐ってもNo.2ヒーロー、金と実績だけはあったからな……母さん側の親族を色々手回しして丸め込んで……母さんの"個性"を手に入れたんだ。」

 

おいおい、No.2ヒーローがそんな事やったらダメだろ。

いくら金があるからって…

完全に欲が出ちまった。

 

『いや、その理屈はおかしいな。“個性”は確かに親から子へ受け継がれるもんだ。けどその場合『両親の“個性”の内、どちらか一方の“個性”』か、『両親の“個性”が複合した“個性”』になる。つまり、生まれた子供が、『必ず両親の“個性”の性質を受け継ぐ』とは限らない筈だ。ぶっちゃけ、どんな“個性”を持って生まれるのかは運次第だ。』

 

確かにエボルトの言う通りだ。

上手いこと炎と氷の個性を両方得るなんてよっぽどの運が無いと出来ねえ筈だ。

 

「ああ、そう言えば言ってなかったか。俺には兄が二人と姉が一人いて、俺は四人兄弟の末っ子。ここまで言えば……分かるだろ?」

 

おいおい、これ本当かよ…

アイツは家族すらも道具としか見てねえのか……

 

「記憶の中の母は、何時も泣いてる……。『お前の左側が醜い』と、母は俺に煮え湯を浴びせた。」

 

アイツの左目付近の火傷跡はそうやって出来たのか……

 

「その後、お母さんは……?」

 

「親父が精神病院に入院させた。今もそこにいる。ざっと話したが、俺がお前達に突っかかんのは見返す為だ。クソ親父の“個性”を使わずに、『母さんの“個性”だけで一番になる事』で、奴を完全否定する……ッ!!」

 

「それが君が炎を使わない理由かい?」

 

「ああ、そうだ……」

 

よっぽどオヤジさんのことを恨んでるみてえだ。

こうなるのも当然だ。

 

「確かにエンデヴァーのことを恨む気持ちはわかるな。同情するぜ、けどアイツのことを否定したいならヒーロー以外の進路を目指せば良かったんじゃねえのか?」

 

「ッ……」

 

そもそもエンデヴァーに逆らうならヒーロー以外の道でも良い筈だ。

 

「けどそれでもヒーローになってオヤジさんのこと超えてえってのはお前の中にエンデヴァー関係無しにヒーローになりてえって気持ちがあるんじゃないか?」

 

憎しみの感情だけじゃヒーローは務まらねえからな。 多分アイツにはもう1人別のヒーローのビジョンが見えてんな。

 

「っ…そ、それはっ……」

 

「本当はNo.1ヒーローになるってのはエンデヴァーの夢じゃなくてお前の夢なんじゃねえのか?」

 

「俺のっ…夢……」

 

「お前の過去と呪縛に関して言えんのは"自分の夢を追いかけるなら全力で挑め"ってことだ。」

 

『ああ、最高のヒーローになるってことは救える命を全部救わなきゃいけない筈だ。だったら妥協はしちゃダメだ。妥協したら救えるもんも救えなくなる。』

 

「俺の覚悟は……変わらねえよ……」

 

俺とエボルトの言葉の後に続くように紡がれた轟の言葉は否定だった。

 

「俺は待ってんよ。テメエと全力で戦える時を」

 

「僕だって、全力で…」

 

俺達の言葉を聞かないようにするためかアイツは足早に去っていった。

 

「正直ショッキングな話だったね…」

 

「ああ、俺もかなり驚いてる。」

 

その後俺は出久と飯を食うことになったんだが箸は中々進まねえ。

 

『おいおい、牙竜よ。確かに重い話だったがこんな時こそ飯食え。』

 

「そうだな、いっぱい飯食って頑張らねえと。」

 

俺はガツガツとカツ丼を口の中に掻き込んだ。

そして出久がふと口を開いた。

 

「なんか住む世界が違うって思った。」

 

「そうだな、これがNo.2ヒーローの息子の宿命なのか……なあ、出久」

 

「どうしたの?」

 

「もしこの後の決勝戦で轟と戦うことになったらアイツの心を救ってくれ……俺も勿論アイツと戦うことになったらそうする……」

 

「わかった、僕だって気持ちは同じだよ。」

 

マジでこのA組には救わなくちゃいけねえ奴らがいっぱいいるみてえだな。

轟と爆豪…2人とも強いのに色々と問題を抱えてやがるから相澤先生も胃痛案件だな。

 

To be continued




次回からトーナメントです。

そして明日は忙しいのでお休みです。


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トーナメント1回戦part1

体育祭のトーナメント
かなり時間がかかるので分割話になります。

原作通りのところはとことんカットしてくよ〜


(エボルト視点)

 

さて、轟の話も終わってこっから解説は相澤センセと交代

俺は客席から試合の様子を見ることにしたんだが…

 

『さあ!昼休憩が終わり、ここからは最終種目の時間だァ!!だがその前に失格者の皆に朗報だ!!今日はあくまでも体育祭!全員参加のレクリエーションが用意されてるぞ!!そして、本場アメリカからチアリーディングのガールズも来てくれて会場の盛り上がりも最高潮!!……なんだが、1つだけ突っ込ませてくれ』

 

マイクの言いたいことはわかるぜ。

フィールド上にいるとある軍団に違和感がある。

 

『どーしたA組!?』

 

うん、なんでA組の女子達がチアガールの格好してんだ?

つっても様子見た感じ上鳴と峰田の陰謀だな。

いやーしかしA組女子はレベル高いからなぁ、眼福眼福……

 

「よお、八百万!めっちゃ可愛いじゃねえか!」

 

「そ、そんなことありませんわ!恥ずかしいですわ!」

 

て牙竜は何八百万のことナンパしてんだよ。

ダメだぞ

 

「八百万ってグラマラスな体格してるしチア衣装も似合ってるぜ!」

 

「もうこれ以上はやめてください!」

 

「おうおう、ワリいな。似合ってたからつい」

 

八百万顔真っ赤じゃねえか

てことで気を取り直してプレゼントマイクがアナウンスをする。

 

『さぁさぁ皆楽しく競えよレクリエーション!それが終われば最終種目!進出4チーム総勢16名からなるトーナメント形式!一対一のガチバトルだ!!』

 

最後の種目がトーナメントでのガチバトルか。

 

「さて、それじゃあ組み合わせのくじ引きしちゃうわよ。組が決まったらレクリエーションを挟んで開始!レクに関して進出者16人は参加のするしないは個人の判断に任せるわ。息抜きしたかったり、温存したい人もいるしね。んじゃ1位チームから順に……」

 

ってことでミッドナイトが取り仕切ってくじ引き。

そんですぐにトーナメントの組み合わせが決まって画面に映し出される。

 

トーナメント

1回戦

 

第1試合

緑谷出久VS心操人使

 

第2試合

轟焦凍VS瀬呂範太

 

第3試合

上鳴電気VS下間牙竜

 

第4試合

麗日お茶子VS爆豪勝己

 

第5試合

飯田天哉VS発目明

 

第6試合

甲斐銃士VS八百万百

 

第7試合

尾白猿尾VS切島鋭児郎

 

第8試合

常闇踏陰VS芦戸三奈

 

牙竜のブロックは中々良い感じの面子が集まってるじゃねえか、緑谷に轟に爆豪か……

 

「骨のある相手ばっかだな、」

 

決勝に勝ち進むまでにも強豪ばっかだがそれでも牙竜はギラギラとした目でトーナメント表を見ている。

 

「我が相手はこちらの姫君か…」

 

「甲斐銃士さんと仰いましたね。私は負けるつもりはありませんわ!」

 

「それは我もだ!」

 

おっと、確か銃士の相手は八百万か

 

「下間さん、決勝でお会いしましょう!」

 

「おお、這い上がって来やがれ!俺も勝ち上がってくからよ」

 

「はい!あ、あの…それともし私が決勝まで勝ち上がったら聞いていただきたいお願いがあるのですが……」

 

「ん?なんだ?」

 

「そ、それはまだ言えませんわ……」

 

何デレてんだ?八百万の奴まさかな……

 

「てことでよお、俺はレクリエーション参加せず作戦会議しに来たんだが渡したいモンってなんだ?」

 

まあ色々あったが今はレクリエーション中だ。

トーナメント参加者は自由参加なんで牙竜他数名は参加せずに作戦を考えてる。

で俺はその間に牙竜にあるボトルを渡すことにした。

 

『ドラゴンマグマフルボトルだ。さっきのナックルとセットで使え。』

 

「さっきのナックルってこれか。急に出てきたけど一体なんなんだ?」

 

牙竜はパンドラバングルからクローズマグマナックルを出す。

 

『そいつはクローズマグマナックル、まあ恐らくお前の熱い闘志に反応してパンドラボックスからお前の手に移ってきたんだろうな。ソイツはクローズ最強の形態になるためのモンだ。』

 

「クローズ最強の形態?」

 

『ああ、そうだ。出久からビルドドライバーは返してもらったよな?』

 

「ああ、勿論」

 

そうでなかったら困ってたぜ。

ビルドドライバーもスクラッシュドライバーも1個ずつしか持ってないからなあ…

 

『じゃあ、今のボトルとそのナックル、そしてビルドドライバーで最強の形態になれる。まあ後はわかるだろ?』

 

「ああ、任せろ。」

 

遂に牙竜も最強の力を手に入れる時だ。

この大舞台でカッコイイ姿見せてくれよな…

 

(そういえばさっきの八百万どうしたんだ?聞いて欲しいお願いってなんなんだ?)

 

こっちは鈍感だがしばらく黙っといてやるか、

 

『さあ!レクリエーションも終わっていよいよ本戦だ!最終種目!ガチンコトーナメントスタートだ!!』

 

さて、いよいよトーナメント開始だ。

こっからはダイジェストでお送りするぜ。

 

第1試合

緑谷出久VS心操人使

出久の相手は普通科の奴か、

個性洗脳で出久は一瞬洗脳されてこのまま負けちまうのかと思いきや途中で個性が暴発したのか?

よく分からないが洗脳が解けて後は自力で押し出して出久の勝利

 

第2試合

轟焦凍VS瀬呂範太

正直轟が圧倒的過ぎた。

スパイダーマンの様な瀬呂の立ち回りも悪くなかったが轟の氷結の前には手も足も出なかった。

 

そして第3試合

下間牙竜VS上鳴電気だ

 

(牙竜視点)

 

『さあて!第3回戦はA組が誇るドラゴンライダー!!下間牙竜!!VSなんでも痺れさす!!人間スタンガン!!上鳴電気!!』

 

「よろしくな、上鳴」

 

「おう!下間!」

 

「ああ、手荒くいくぜ」

 

上鳴には悪いけど妥協する気はねえぜ。

 

「それでは第3回戦!スタート!」

 

「無差別放電!130万ボルト!!」

 

試合開始と同時に上鳴が大放電を放ってきたが正直予想通りだ。

 

『ボトルバーン!』

 

まずはクローズマグマナックルにドラゴンボトルを入れる。

 

『ボルケニックナックル!』

 

「はあっ!」

 

燃え盛る高温の炎を纏った龍状のエネルギーが電流とぶつかり合い、電気が来ない様に止める。

そのエネルギーは固まって冷えたマグマのような岩になり電撃の侵攻を阻む。

 

『ボトルバーン!』

 

その間にナックルにドラゴンマグマフルボトルを挿し込む。

 

『クローズマグマ!』

 

そしてそのナックルを変形させて腰に巻いたビルドドライバーに付ける。

 

『Are you ready?』

 

「変身!」

 

ビルドドライバーのレバーを回すと

 

『極熱筋肉!クローズマグマ!』

 

後ろから俺にマグマの様なものが降り注ぎ後ろから鉄の拳みてえなんがそれを砕く。

 

『アーチャチャチャチャチャ チャチャチャチャアチャー!』

 

そして迸るマグマの様な色の装甲が俺の体を包み込んでいる。

 

「これが、クローズマグマ…!」

 

「うぇ、うぇい!?」

 

おっと、変身完了したと思ったらもう上鳴頭がショートしてるじゃねえか…

 

『おーっと!下間ここで変身したが上鳴は既にアホになってんぞ!!完全に肩透かしだ!』

 

これじゃクローズマグマの力を試せずに終わりか…

 

「じゃあな上鳴」

 

あいつの体を場外まで引きずっていき、場外に放り投げる。

なんかもうこれで勝ちってのは寂しいけど仕方ねえな。

 

『呆気ない!実に呆気ない結末だ!下間の新形態の活躍はお預けだー!』

 

『さて、その肝心の新形態と戦うことになる奴は次の試合で決まるだろうな…』

 

次の試合か…

爆豪VS麗日の戦いだな。

勝った方が俺の相手だな…

 

To be continued




クローズマグマの活躍は次回以降に持ち越しです!

ごめんなさい!

クローズマグマ初陣の相手が誰になるかは次回のお楽しみです。


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トーナメント1回戦part2

今日はシャン・チー見てきました。

あんなかっこいいヒーローを書けるようになりたい。


(エボルト視点)

 

第4試合 麗日お茶子VS爆豪勝己

牙竜の戦いも終わって次は第4試合の麗日と爆豪の戦いだ。

しかしその戦いの最中

 

「女の子痛ぶって遊ぶなよ!」

 

「さっさと場外にでも投げ飛ばせ!」

 

女子である麗日に対して一切手加減しない爆豪に対して客席ブーイングが飛び始めていた。

 

『正直俺もそう思イッテ!?ちょ、痛ぇじゃねぇかよイレイザー!!』

 

ブーイングに便乗して爆豪を批判するプレゼントマイクを相澤センセが止める。

 

『オイ今遊んでるって言ったヤツ、プロ何年目だ!本気で言ってんなら今すぐ帰れ!そんで転職サイトでも観てろ!アイツは麗日の根性みて、自分を負かす要素を感じ取ったから、加減も油断も出来ねぇんだよ!』

 

まあそうだな、一切手を抜かねえ爆豪のやり方はヒーローとして大事なことだな。

 

「ありがとね、爆豪君……油断しないでくれて……」

 

「あ?何言って……!?」

 

そして爆豪が手を抜かなかったことで一番助かったのは麗日の方だったな。

麗日に向けて放った爆破の影響でできた大量の瓦礫が宙に浮いている。

これ全部麗日が個性で浮かしてるみてえだ

 

「……解除ッ!」

 

「上かっ!!」

 

その瓦礫が一斉に爆豪に向けて降っていく。

良い戦法だ。これなら爆豪を倒せる。

 

「!!」

 

だが爆豪も凄い。この瓦礫全てを爆破して防ぎ切った。

その後は体力を使い果たした麗日さんが倒れて、

 

『麗日さん戦闘不能!爆豪君2回戦進出!』

 

爆豪が2回戦に進出し、それと同時に2回戦で牙竜の対戦相手になるのが爆豪で確定した。

 

「爆豪が相手か…」

 

飴を舐めながら牙竜がその様子を見ていた。

 

『骨の折れる戦いになりそうだな。』

 

「ああ、まあ爆豪との戦いか。また手合わせできるわけだな…」

 

第5試合

飯田天哉VS発目明

この戦いはほとんど発目の商品PRになったな。

騎馬戦では随所で牙竜をアシストしていた発目だが今回は飯田にもアイテムを付けてもらいその性能をふんだんにアピールしていた。

つっても飯田は騙されてたみたいでうまく利用されてんな。

長い長いPRタイムの後満足した発目が降伏し飯田の勝利となった。

 

第6試合

甲斐銃士VS八百万百

決勝で牙竜と戦うと宣言していた八百万だったが現実は厳しかった。

 

『八百万大苦戦中!?どんな攻撃もあっという間に防がれる!!』

 

八百万が個性で武器を創造してはブレイブを攻撃していたが、

剣技とファンタジーゲーマーの魔法で悉く防がれる。

 

「ごめんなさい…下間さん……」

 

万策も体力も尽きたというところでブレイブの魔法で場外に吹き飛ばされて敗北となった。

魔王の前じゃ推薦合格者を倒すことぐらいも赤子の手をひねる様なものなのだろうか?

 

「八百万……」

 

第7試合

尾白猿尾VS切島鋭児郎

今度は武闘派同士の対決となったが硬化の切島に軍配が上がった。

 

「熱い戦いだったな…」

 

第8試合

常闇踏陰VS芦戸三奈

最後は厨二病ボーイとアシッドガールの戦いとなったがダークシャドウが芦戸を圧倒して勝利。

芦戸の動きも悪くはなかったがダークシャドウがそれを上回った。

これで1回戦が終わり次はいよいよ2回戦か。

 

(牙竜視点)

1回戦後半の最中に俺は八百万に要件があって保健室を尋ねていた。

八百万のお願いってのを聞いておかねえとな、

 

「八百万、元気にしてるか?」

 

「し、下間さんっ…」

 

保健室入ってすぐに八百万がいたんだが鼻が赤いな。

 

「もしかして泣いてた?」

 

「な、泣いてませんわ!」

 

誤魔化してるけどこれは確実に泣いてたな。

 

「まあそれは良いんだけどよお、大丈夫か?」

 

「下間さんっ…?」

 

俺は八百万の隣に腰掛ける。

 

「悔しいよな、負けちまうのは…」

 

「ええ、そうですわ……」

 

「そういう時は思い切り泣くしかねえな。」

 

「し、下間さん……私……」

 

八百万は俺の腕の中で静かに泣いた。

顔を俺の胸に押し当てた状態で泣いてるから俺は背中をそっと撫でる。

 

「その…ありがとうございます……」

 

「良いってことよ」

 

いっぱい泣いた後八百万は顔を上げて俺の方を見た。

 

「それよりお願いってなんだ?」

 

「そ、それはっ……その…私は決勝に進めなかったので……」

 

「そんなことか、気にすんな!」

 

「えっ…?」

 

ふと八百万の方を見て目を合わせる。

 

「俺はお前が決勝に行こうか行くまいが願い事は聞いてやる気だったぜ。」

 

「そ、それはどうしてなのですか?」

 

「お願いに条件なんて関係ねえ。俺に聞いて欲しい願いがあるならなんでも聞いてやんよ」

 

「ほ、本当ですか!?」

 

俺に頼みたいことがあるなら決勝行けなくても応えてやるつもりだ。

 

「で、でしたらその……私とお付き合いして欲しいです!」

 

「あーお付き合いか、わかった。で付き合うって買い物とかか?」

 

なんか俺と一緒に買い物行きてえってことか?

別にそんなことなら問題ねえが……

 

「そ、そういうことではありませんわ!」

 

「ん?買い物じゃねえのか?」

 

なんかメッチャ顔赤いけど大丈夫か?

 

「そのっ!私っ、あなたの事を好きになってしまいましたわ!」

 

「はっ、はぁ!?」

 

好きってどういうこったよ?

恋愛感情的な?

いやいや、そんなことはねえだろ…

俺生涯モテたことも告白されたこともねえし、

増してや俺の事好きになってくる人なんて今までいたことねえ!

これは何かの間違いだ!

 

「そ、その〜だから私と恋人になってください!」

 

「お、おいおい、落ち着けって。頭上げろよ」

 

深く頭を下げる八百万に頭を上げるように促すが

本当に落ち着かないといけねえのは俺の方だ。

 

「その…正直突然のことで驚いてる。」

 

「そ、そうですよねっ…!こ、このことは忘れて下さいっ!」

 

「忘れるわけねえだろ…」

 

俺の事を好きになって勇気出して思いを伝えてくれたんだ。

俺もそれに全身全霊で応えねえといけねえ…

 

「俺は八百万のこと良い奴だって思ってるしUSJで助けてくれたこともありがたいって思ってる。それにこうやって言ってもらえて俺は嬉しい。」

 

八百万は俺の事を助けてくれたりもしたし才能もあって俺も色々と注目してる。ぶっちゃけ言うと気に入ってる。

 

「それは…その……」

 

それにこんな上目遣いで可愛らしい表情で見られたら断れねえだろ!

 

「付き合うよ、お前と」

 

「ほ、ホントですかっ!?」

 

「ああ!恋人になるからには最高のヒーローになって絶対幸せにする!」

 

新しい目標と恋人が同時にできた瞬間だった。

付き合うからには後悔させる気はねえ。

 

「何があっても絶対守る。」

 

「下間さん…」

 

「牙竜で良い、」

 

ギュッと八百万を抱きしめ、自然と近付いた唇が重なり合う。

 

「俺も百って呼んでいいか?」

 

「勿論ですわ!」

 

『さあ!いよいよ2回戦!準々決勝だ!この体育祭のベスト8がぶつかり合うぞ!!』

 

ちょうどその時、プレゼントマイクのアナウンスが俺達の耳に届いた。

 

「そろそろ行かねえとな。百、見ててくれ、俺の戦いを」

 

「勿論ですわ!」

 

百と共に保健室から出て俺は待機室の方へ向かう。

客席から百が応援してくれんだ、俺は負ける訳にはいかねえな。

 

To be continued




ということでヒロイン八百万と牙竜が恋人になりましたー

2人の恋路の行方を今後も暖かく見守っていきましょう


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トーナメント2回戦part1

本編の前にお知らせです。
先週紹介させていただいたナックル学園でまた動画をアップしました
もしよろしければご覧下さい。


(エボルト視点)

 

2回戦第1試合は出久と轟の試合。

ここまで出久は自身の指を1本ずつ犠牲にし超パワーデコピンで轟君の氷結を防いでいた。

だが身を削る戦い方に危機感を感じるがそれは轟も同じだ。

炎を使わないせいで体が完全に冷えきっちまってるな。

身体に霜が降っているのだろうか、所々白くなってるように見える。

 

「君の!!個性じゃないか!!!」

 

「!!!!!」

 

「皆全力でやってるんだ!なのに半分の力で勝つ?ふざけるなよ!!君の力なのに!」

 

だがボロボロになりながらも出久は轟の心を救おうとしている。

それはまるでエンデヴァーの呪縛に囚われた彼の心の氷を溶かすように、

 

「敵に塩を送るなんて、どっちがふざけてるって話だ。」

 

そして遂に轟が制約を打ち破った。

左から出す炎が周囲の氷を溶かしていく。

 

「焦凍おおおぉぉぉ!!やっと己を受け入れたか!そうだ、良いぞ!ここからがお前の始まりだ!」

 

なんか客席でとんでもない親バカが叫んでるぞ。

 

「スマッーーシュ!!!」

 

そして2人の最大火力がぶつかり合いステージ上の空気が一気に暴発する。

 

そして最後まで立っていたのは……

 

「緑谷君場外……轟君!準決勝進出!」

 

轟の方だった、重症を負った緑谷はそのまま保健室に運ばれていき第1試合は轟の勝利で締めくくられた。

いやあこれで轟はエンデヴァーの呪縛に囚われる事はなくなったわけだ。

さて、次は牙竜の出番か…

 

(牙竜視点)

人生で初めての恋人ができてその後すぐに出久の戦いを待機室で見届けていた。

かなり熱い戦いだったが轟が制約を破ってくれたのは嬉しいことだ。

このまま準決勝に進めることが出来たら本気の轟と戦えんのか…

だから今は恋人ができて浮かれてる暇もねえし負ける訳にはいかねえな。メリハリ付けていくしかねえな…

 

てことで俺の相手は爆豪か、アイツとは中学ん時からやり合ってきてかなり苦戦した。

アイツは正直よくあんな性格でヒーローを目指そうって思えたなってぐれえの不良少年で、出久関係のことで何度も対立した関係だ。そんなアイツと雄英で初めてタイマン張ることになる、気合い入れていくぜ!

 

『ステージ補修も終わって2回戦第2試合!!1年A組!下間牙竜!!VS同じく1年A組!爆豪勝己!!』

 

さっきの出久と轟の戦いで大破したステージはセメントスのおかげで綺麗さっぱり元通りになっていて俺と爆豪はその上に向かい合うようにして立つ。

 

「おい、テメエ変身してからきやがれ」

 

『おっと爆豪、なんと下間に試合前に変身するように言い出したぞ!』

 

これはラッキーだな。

さっきの上鳴戦みたいに変身前に攻撃されることがねえからな。

 

「いいぜ、けど良いのかよ?変身したら俺はかなり強いぜ、」

 

「いいぜぇ、その方がぶっ潰しがいがあるじゃねか!テメエの最強で来い!それぶっ潰して俺が1番になる!!」

 

コイツこういうとこ男らしいんだよなあ、

 

「まあ、勝つのは俺だけどな。」

 

てことで先に変身する。

 

『ボトルバーン!』

 

『クローズマグマ!』

 

『Are you ready?』

 

「変身!」

 

『極熱筋肉!クローズマグマ!』

 

『アーチャチャチャチャチャ チャチャチャチャアチャー!』

 

「今の俺は!勝てる気しかしねえ!」

 

「それでは下間君対爆豪君の試合!開始!!」

 

変身が終わった直後、審判のミッドナイトの合図で戦いが始まった。

 

「死ねぇ!」

 

と同時に飛び出してきた爆豪の爆破を俺は右腕だけで受け止める。

このマグマの装甲は盾とか無くても防御力が良い感じだ。

 

「潰すとか死ねとか言っていいのか?ヒーロー志望が。」

 

そのまま爆破を撃ってきた爆豪の腕を掴み地面に身体を叩きつける。

 

「同じ手はくわねえ!」

 

だが屋内演習場でやったのと同じ攻撃だから地面に爆破を放って反動で跳ねた爆豪の蹴りが胸に刺さる。

 

「だったらこれでどうだ!」

 

今度はその足を掴み場外に向かって投げ飛ばすが、またも爆破で勢いを付けて戻ってくる。

連続爆破を手から放って加速してきた爆豪に対して

 

「じゃあ俺の速さも見せてやるっ…!」

 

背中のブースターで加速し、爆豪に向かってタックル

お互いの身体がぶつかり合い、爆豪が宙に舞う。

 

「ここで決める!」

 

地面に落ちていく爆豪の腹部に踵を落とし、身体を地面に叩き落とす。

 

「グっ……」

 

「早めの降参がお利口さんだぜ。」

 

「まだっ…まだぁ…!」

 

それでも起き上がった爆豪、そこから連続で何発か爆破を放ってくるがそれらを全て受け切る。

クローズマグマの装甲の前に集中力の切れてきた爆豪の爆破でダメージが通ることは無い。

 

「クソっ…クソっ……!」

 

徐々に爆豪に焦りが生まれてくる。

 

「なんでだっ…!なんで勝てねえんだ!!」

 

『なんと下間!何もせずただ5分!ずっと爆破に耐えている!!』

 

そろそろ隙が見えてきたな。

 

「なんで勝てねえか教えてやるよ!」

 

爆撃しようと伸ばしてきた腕を掴み、こちらに近寄らせてからの背負い投げ、

 

「結構キツかったぜ、隙ができるまで耐えんのは。」

 

『下間は完全に爆豪の集中力を切らせたな。抵抗するのが難しい状態まで追い込むとはな…俺はそんなこと教えてないぞ。』

 

と相澤先生の解説を聞き流しながら爆豪の身体を腕で押さえつけてズルズルと場外に向けて引き摺る。

 

「やめろ!やめやがれ!!離せ!!!」

 

その俺にまた何発もの爆発が放たれるが効きはしない。

場外に近い所まで引きずりそこで歩みを止める。

 

「お前じゃ俺に勝てねえよ。」

 

「フッザケンナ!!」

 

今度は大爆破を俺に向けて放ってきてこれにはさすがに怯むが胸ぐらを掴み、押さえつける。

 

「そんなんじゃ俺は倒せねえ、お前は自分の歩むべき道を見失ってるからだ!」

 

「歩むべき道っ…だとっ!」

 

「ああ、お前はヒーローになりてえんだろ?」

 

「あったりめえだ!」

 

「だったら力の使い道間違えんな!テメエ良い力持ってるんだからよぉ、自分のためだけに使ってんじゃねえ!」

 

怒鳴りつけて1回引きあげて腹部に膝を入れる。

 

「ッ……」

 

「テメエは何も背負ってねえ!薄っぺらいんだよ!!」

 

爆豪の身体を場外に向けて投げ飛ばす。

 

「俺はっ…負ける気ねえんだよぉ!!」

 

散々闘志は削いできたがそれでも爆破しながら回転しこちらに向かってくる。

 

(爆豪視点)

俺は……何も背負ってねえ……

 

「テメエもっ!出久もっ!何か背負ってるって言うのかよ!」

 

回転して戻りながら何発も爆破を放っていく。

 

「ああ、背負ってるぜ、俺も出久もオールマイトもな。守るべき人々ってもんを背負ってる!」

 

アイツが放ってきた拳に向けて爆破を放って後退

守るべき人なんて意識したことは無かった…

だから俺は勝てねえっ……

こんなんじゃNo.1ヒーローになれねえっ……

 

「だったら俺はどうすりゃいいんだよ!」

 

アイツの首根っこに掴みかかる、

俺はどうすりゃいいんだよ……

どうすればお前みてえになれんだよ!

 

「まあまずは出久に今までのこと謝るんだな。話はそっからだ!」

 

俺の身体は振り落とされ腹部にアイツの膝が突き刺さって俺の意識は遠のいていった……

 

(エボルト視点)

 

「爆豪君戦闘不能!勝者!下間君!」

 

ちょっくら時間はかかっちまったが牙竜の勝利か。

 

『この戦いは長くなっちまったがどうよ?イレイザー』

 

『あえて時間をかけて圧倒することで爆豪にも、今後の対戦相手にも、そして世間にも実力を示したな。』

 

爆豪へのお説教も良い感じだったぜ。

 

「流石牙竜さんですわ!素敵!」

 

ところで八百万は喜び過ぎじゃねえか?

さっき八百万から牙竜と付き合うことになったと聞いたがまあ、デレデレすぎだろ。まあ仕方ねえか…

さて、それよりも問題は爆豪だ。

果たしてアイツに牙竜の言葉がどんだけ刺さったんだろうか…

 

To be continued




次回は爆豪との関係に進展が!?
お楽しみに!


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トーナメント2回戦part2

トーナメント2回戦ですが半分ぐらい爆豪との話になります。
では、どうぞー


(爆豪視点)

ここは……保健室か……?

 

「よっ、爆豪さんよ。」

 

「ん…?アンタは確か…」

 

つーか俺のベットの横に見覚えがねえ奴がいんだが誰だ…

 

「俺だよ、エボルトの人間態だよ。この姿はあんま見てなかった?」

 

「あ、ああ……」

 

エボルトか、下間んとこのコブラ野郎か…

下間…俺はアイツに負けたんか…

 

「お前が心配だから見に来てやったんだよ。牙竜も来たいって言ってたけど幼馴染の銃士の試合見てやれって言って置いてきた。」

 

「お、おう…そうかよ…で、俺の何を心配してやがんだ?」

 

「ちゃんと出久に謝れてるかどうかだよ、」

 

確かに俺は中一までアイツのことを虐げていた。

遠ざけたかっただけなんだ、アイツが何を考えてるか分かんなくて不気味だったから…!

下間と何度か喧嘩してイジメは辞めたがそれでもずっと遠ざけちまってた…

 

「俺は謝っても許されんのかよッ……」

 

自然と目頭が熱くなる。

俺は今まで出久にひでえことしてきたんだ…

アイツに謝らねえとって下間の言葉でやっと気付いたけど俺は…!

 

「確かに、お前は出久がヒーローになるために努力してるとかそんなことも知らずに虐げてた、けど出久は出久でお前のこと恨んじゃ居ないさ。」

 

「どういうこったよ?」

 

酷いことしちまったのに恨んでねえのかよ…

 

「アイツに聞いたぜ、出久はガキの頃からエリートで強いお前にずっと憧れてたんだとよ。」

 

俺は初めて出久の気持ちを知った。

散々な事してきたってのに恨まねえで尊敬してくれてたってのかよ……!俺は…気付いてやれなかった……見えてなかった……

 

「おいおい、大泣きじゃねえか。」

 

気付いたら俺は保健室の枕に顔を埋めて大泣きしていた。

 

「俺は馬鹿だ!すまねえ!出久!馬鹿にして悪かった!虐げちまって悪かった!」

 

この場に出久がいないにも関わらず感情と言葉が溢れ出た。

 

「か、かっちゃん?」

 

「いずく…?」

 

「ワオ、まだ治療中だったんだな。」

 

そっか、コイツもさっきの戦いで怪我して保健室にいたんだった、

だけど今ここに居るなら話は早いな…

 

「い、出久…俺は今まで1番になることとか勝つことに執着して周りが見えてなかった、テメエの気持ちなんて知ることも無く虐げ続けちまった……だからその、すまんかった!」

 

人生でここまで頭を下げたことはねえ、

けどそうしねえとダメなんだ…

 

「かっちゃん……」

 

出久の声に反応し顔を出久の方に向ける。

 

「勿論許すよ。だからかっちゃんもまた一緒に最高のヒーロー目指そうよ。」

 

「ああ、わかった。それとその…またガキん時みてえにダチになってくれねえか?」

 

「うん!いいよ!」

 

10年前俺が川に落ちた時に出久が手を差し伸べてくれた。

張り合われてるみたいで嫌だった…

けど今は嫌じゃねえ、安っぽいプライドなんて捨てて俺は出久と……目指すんだ!オールマイトや下間みてえなヒーローを!

 

「さて、お二人さん。そろそろ観客席に戻りますか、」

 

「「はい!/うっす」」

 

(牙竜視点)

 

「アイツの氷結は轟レベルだな。」

 

「そうですわね、」

 

今は観客席で百と一緒に2回戦の第3試合、飯田と銃士の戦いを見てるけど銃士はここでも初っ端からタドルファンタジーか。

 

「あの剣強すぎんだろ!」

 

と上鳴も驚いている銃士の持つ剣は確かに厄介だ。

炎属性と氷属性両方の力を持っていてこの形態時は魔力でそれらが増大されてるんだろうな。

はっきり言って常に轟に手伝ってもらってるみてえなもんだ。

 

『おっと飯田!氷を避けて一気に接近!』

 

「ありゃさっきの騎馬戦でやってた…」

 

「レシプロバーストですわね。」

 

騎馬戦の終盤でやった飯田の超加速、

飯田はそれで銃士の背後に回って蹴りを放とうとしたがその身体は弾かれて宙を舞う。

 

「その程度、我が魔法の前では無意味!」

 

「クソっ…」

 

宙を舞った飯田の身体は地面に落ちた後、魔法で氷に覆われる。

けどこれ足のエンジンで溶かせるんじゃ…

 

「飯田さんはレシプロを使ったあとは暫くエンジンは使えませんわ…」

 

「てことはもう飯田は…」

 

「降参します…」

 

「飯田君戦闘不能!甲斐君準決勝進出!」

 

やっぱ銃士が進んでくるか…

そんで最後は切島と常闇の戦いだったが、この戦いは常闇に軍配が上がった。

硬化で防御を固めた切島だったが常闇のダークシャドウの攻撃の連打によって場外に押し出されちまった。

 

「これで準決勝も終わりか。」

 

「そうですわね、次の轟さんとの戦いも頑張ってください!」

 

「おうよ、任しとけ!」

 

てことでいよいよ次の戦いの準備だ。

 

「よっ、牙竜。お疲れさん。」

 

「おお、エボルトとそれに出久と爆豪か、」

 

そろそろ待機室に向かおうと思ったタイミングでちょうどエボルトと出久と爆豪の3人が戻ってきた。

 

「2人とも怪我大丈夫?」

 

「うん、大丈夫だよ。」

 

「お、おい、その…話あんだがいいか?」

 

「ああ、いいぜ」

 

爆豪から話があるってことだがまあだいたい察しは付くぜ。

 

「そのよお、下間…ありがとう…」

 

「いいってこった、お前が心機一転ヒーロー目指せるってのなら」

 

どうやら色々と悔い改めてくれたみてえだな。

エボルトにも行ってもらって正解だったな。

 

「ああ、俺はお前が言うような誰かを守れるヒーローになっていつかテメエに追いついてやるから覚悟しとけよな、」

 

「俺も待ってるからよ、とっとと追いついてこい。」

 

「ああ、俺は今ようやくスタートラインに立ったんだ、誰よりも頑張ってやんよ。」

 

前よりもいい顔になりやがったな。

 

「ああ、じゃあ俺もちょっくらてっぺん取って来るからよく見とけよ。」

 

てことで俺は足を進めて待機室へ向かう。

これで何とか出久と爆豪も仲直り出来たみてえで良かったな。

必死に説得した甲斐があったぜ…

 

(三人称視点)

一方、飯田天哉が甲斐銃士に敗北を喫していた頃、

彼の兄、飯田天晴ことプロヒーローインゲニウムも敗北の時を迎えようとしていた。

 

「な、なんだこれっ!?うご…けない……」

 

左腕に大きな切り傷ができており、そこから血が垂れ白いヒーロースーツが赤く染まる。

 

「インゲニウム、貴様も本物のヒーローではない……」

 

日本刀を翳す男、赤黒血染ことヒーロー殺しステインはこれまで何人ものヒーロー達を葬るのに使ってきた刀を振りかざし今にもインゲニウムの息の根を止めようとしていた。

 

「そこまでだ!!」

 

「なんだ!?」

 

バイクのエンジン音が響くと共に現れた赤いバイクのような戦士がステインに体当たりし、突き飛ばしながらも地に伏せるインゲニウムの身体を飛び越える。

 

「肋っ…持ってかれた……」

 

バイクがぶつかるのと同等の衝撃が来たためか、ステインの骨は悲鳴を上げるように数本折れ、左腕には力が入らずだらりと垂れているだけだ。

 

「君は誰なんだ?」

 

インゲニウムの問いかけにバイクから人型になった戦士が応える。

 

「俺は仮面ライダー……アクセル!」

 

To be continued




最後のは職場体験編に向けた布石でございます。
仮面ライダーアクセルの正体は果たして誰なのか!?


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準決勝

今回は牙竜VS轟です!
さあ、温度差で風邪ひかない様に気を付けてください!


(牙竜視点)

 

「君が下間牙竜か、」

 

「アンタはエンデヴァーか。」

 

待機室に向かう途中俺は轟の親父さんでもあるエンデヴァーに遭遇した。

 

「次の焦凍との戦い、期待しているぞ。」

 

「おう、それはありがてえが1個だけ言っとくぞ。」

 

「どうした?」

 

「これから俺とアイツは1対1のタイマン勝負をする訳だ。テメエはこの勝負には関係ねえ人間だ。余計なことはするなよ…」

 

なんかまた余計なこととか言って轟が立ち止まったりしたら困るからな。

 

「焦凍は焦凍だ。1人の人間として自律させてやれ。」

 

そう言い残し俺はフィールド上に出る。

 

「ようやくテメエと戦えんのか。」

 

「下間…ありがとう。俺はお前と出久の言葉のお陰で目が覚めた。」

 

「いや、殆ど出久のお陰だ。アイツにいっぱい感謝してやってくれ、」

 

あの戦いで体張って轟のこと説得してくれたのは出久

 

「わかった……それと1つ頼みがある。」

 

「どうした?」

 

「さっきの爆豪の時みたいに変身してから戦ってくれねえか?」

 

轟も変身した俺に挑んでくるのか…

上等だぜ、

 

「いいぜ、けどいいのかよ?かなり強いぜ。」

 

『ボトルバーン!』

 

「構わねえ、ちゃんと本気になった俺の力を示させてくれ!」

 

『クローズマグマ!』

 

「わかった、最初っからフルスロットルでいくぜ!」

 

『Are you ready?』

 

「変身!」

 

『極熱筋肉!クローズマグマ!』

 

『またも降臨!!クローズマグマだぁ!!』

 

『アーチャチャチャチャチャ チャチャチャチャアチャー!』

 

「今の俺は!勝てる気しかしねえ!」

 

変身を終えると観客席から完成が上がると共に

 

「それでは準決勝!開始!」

 

ミッドナイトにより戦いの口火が切られる。

 

『轟ここで1回戦で見せた大氷結だ!!』

 

「エグすぎるだろ!」

 

紅炎を纏った拳を氷に向けて放つと氷が溶けて大量の水分が溢れ出す。

 

「こりゃ大量だな。水着に着替えた方が良いんじゃねえか?」

 

「その必要はねえ、」

 

おっと、今度は高火力な火炎で水全部蒸発させやがったな。

 

「氷も炎も本気モードか。」

 

両方全力で出してきたな。

全力の氷と全力の炎対抗するには全力のマグマだ!

 

「まずは炎の方か!」

 

さっきとは逆で今度は炎から放ってくる。

さっきの氷の方がまだ威力があったけどまあ今まで氷の方ばっかり使ってたんだから炎がまだ弱いのは仕方ねえ、マグマのエネルギー体のドラゴンを召喚して炎を防ぐ。

 

「いけえ!」

 

そのままドラゴンを轟に向けて放つ。

 

「おっと!下間が放ったドラゴンが固まった!?」

 

おいおい、俺の放ったドラゴンが石になったぞ。

 

「炎と氷の組み合わせか。」

 

その周囲を見ると地面が水に濡れている。

水蒸気が固まっちまったドラゴンの周りを漂っている。

どうやら炎と氷を同時に放って熱湯を作り出してマグマの龍にかけたみてえだな。

流石にマグマのエネルギー体でも水で固まっちまったみてえだ。

 

「どうやら本当に水着がいるみてえだな。」

 

もっとも、轟の体操服が炎のせいで破れちまってるな。

上半身は裸だし水着姿とあんま変わんねえな、

 

「そうかもな、だがこんだけ水があれば本当にいるのはスケートの服なんじゃねえか?」

 

「マジか!」

 

今度は氷を放ってきたんだがフィールド上の水も全て凍っちまうからさっきより量が多い。

 

「これこのまま溶かしまくっても水増やして氷の威力が上がっちまうのか。厄介だな。」

 

氷のフィールドにされちまったらアイツの独壇場だな。

 

「これが半冷半燃…俺の個性だ!!」

 

考える間もなく轟が炎を放って氷を一気に溶かし津波のように水が押し寄せる。

 

「いつから水属性に転向したんだ?俺はずっとマグマだぜ!」

 

ビルドドライバーのレバーを回転させて体に紅炎を纏う。

 

「これがボルケニックモードだ!!」

 

背中のウイングと胴体から高火力の熱を出して水を一気に蒸発させる。

 

「っ……」

 

「見えた!」

 

水が無くなり俺は轟の姿をこの目に捉える。

 

「誰が決めたんだ?炎が水に弱いって、」

 

背中のブースターで加速して轟に向けて突撃。

 

「お前の場合マグマだろ」

 

轟が作り出した氷の壁に阻まれることなく突破していく。

氷はマグマで溶けて一気に気体へ昇華する。

 

「受けてみやがれ!俺の全力!」

 

「俺だって…全力でいくぞ!」

 

轟の全力の炎と俺の全力のマグマがぶつかり合う。

 

「今の俺はっ…勝てる気しかしねえ!!」

 

突撃していく俺の体を轟の炎が襲うが背中のブースターで加速、

炎を払い除けて一気に突撃し、

 

「ボルケニックストライク!」

 

腕に氷を纏って盾のようにした轟に向けて拳を放ち、ぶっ飛ばす。

 

『クローズマグマ!なんちゅー威力のパンチだ!』

 

「まだだっ…」

 

轟は背面に氷の壁を作って自分が場外へ飛んでいくのを防ごうとするが、

 

「どうかな…」

 

ブースターで加速し、轟の背後に回って、その炎で氷を溶かし

 

「しまった!」

 

そのまま轟の左腕を掴んで、

 

「ゲームセットだ!」

 

場外に投げ飛ばした。

 

「轟君場外、下間君!決勝進出!」

 

「お疲れさん、轟」

 

「ああ、強かったな…」

 

場外に倒れる轟に手を差し伸べる。

 

「また戦おうぜ、楽しかった。」

 

「ああ、俺もだ。」

 

轟も中々いい顔するようになったじゃねえか。

 

(新・檀黎斗・神)

 

さて、クローズの戦いも終わり次は銃士君の戦いだ。

 

『さて!準決勝第2試合!仮面ライダーブレイブ!甲斐銃士!VS個性:ダークシャドウ!常闇踏陰!』

 

相手は常闇踏陰か、彼の個性も厄介だ。

果たして銃士は勝てるかな?

 

「魔王が相手か、闇を統べるのはこの俺達だ!」

 

「うむ、闇の騎士を率いる烏か、だが勝つのは王だ!」

 

「それでは、準決勝第2試合!スタート!」

 

さあ、始まったな。

 

『TADDLE FANTASY!Let's Going King of Fantasy!』

 

「フッ…!」

 

序盤から攻撃を仕掛けてきた常闇踏陰の個性、ダークシャドウをガシャットギアデュアルβの起動と同時に召喚されたファンタジーゲーマが妨害する。

 

「第50の魔眼」

 

『デュアルガシャットォ!ガッチャーン!デュアルアーップ!』

 

『タドルメグルRPG! タドールファンタジー!』

 

そしてゲーマドライバーにガシャットを刺し、銃士君の身体は仮面ライダーブレイブの物になり、そこにファンタジーゲーマが合体し魔王の鎧となる。

相変わらず素晴らしい!

 

「さあ、我が呼び掛けに応えよ!」

 

召喚されるバグスターの兵隊達、

 

『マカセロ!』

 

だがそれよりもダークシャドウ君の方が優秀そうだな。

一瞬にして兵達が吹き飛んだ。

 

「中々やるではないか!」

 

「当然だ!」

 

「だが、我が力の前に跪け!」

 

確かにダークシャドウは優秀だが一瞬にして常闇踏陰ごと弾き飛ばされた。

 

「堪えろ!」

 

場外に吹き飛ばされないようにダークシャドウが床に腕を突き立てて吹き飛ばされないように耐える。

 

「さあ、耐えてみよ!我が魔法に!」

 

常闇踏陰を弾き飛ばした魔法の次は風を起こす魔法で彼を場外へ追いやろうとしている。

しかし、鏡先生が変身している場合のファンタジーゲーマーは剣での戦いが主だったが銃士君の場合は魔法使いスタイルだ。魔王に相応しい魔力をふんだんに使いここまで勝ち上がってきてそして今、

 

「常闇君場外!甲斐君!決勝戦進出!」

 

常闇踏陰を魔法で場外に吹き飛ばし勝利した。

 

「手も足も出なかった…見事!」

 

「これで牙竜君と戦えるっ…」

 

To be continued




決勝戦は執筆に時間がかかりそうなので暫くお待ち下さい。


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決勝戦part1

安定の分割話でございます
大変お待たせ致しました。



(牙竜視点)

 

「いよいよ決勝か…」

 

雄英体育祭はいよいよ最後の戦いだ。

ここまで勝ち上がってきて遂に決勝戦…

相手は昔からのダチの銃士か…立派になりやがって、

 

「お前にしては珍しいな。緊張しているみたいだな。」

 

エボルトが俺の肩にそっと手を置く

 

「ああ、こんな大舞台で昔のダチと戦えんだ。身震いしちまうだろ、」

 

「そうだな。それと次の戦い、わかってるよな?」

 

「当たり前だ。決勝戦はタッグバトルなんだろ?」

 

銃士の決勝進出確定後

実況席のプレゼントマイクが突然こんなことを言い出した。

 

『おっと、下間も甲斐も個性が仮面ライダーでしかも相棒がいるぜ!』

 

プレゼントマイクが俺たち2人のある共通点気付いた。

俺にはエボルト、銃士には檀黎斗っていう相方がいる。

 

『そうだな、今回の体育祭では実力差を考慮して相方2人は参戦していないがこの2人の決勝戦となれば話は変わってくるな。』

 

相澤先生もとんでもないこと言い出すな。

エボルトと檀黎斗の参戦を仄めかし始めた。

あくまでもお互い個性の1部だ。強すぎるから出場停止だったが個性の1部なら出せない理由はない。

 

『おいおい、イレイザーんな事言うってことはよお、決勝戦はタッグバトルにしてえってことか?』

 

『まあ、そうだな。その方が盛り上がるだろ』

 

その後観客席からその意見に賛同するような大歓声が湧き上がったのは言うまでもない。

 

「まあ、相澤センセの意図とすりゃ俺とか黎斗神のことをスカウト共にアピールしろってことだろうな。」

 

「粋なことしてくれんなあ、あの人は。」

 

エボルトの意見通りならありがてえ話だ。

俺らのコンビネーションを見せつけられるっ…

それは相手の銃士も一緒だがな。

 

「エボルト、俺達の戦いだ。楽しみに行こうぜ」

 

「おう、絶対に勝つぜ。」

 

さあ、待機室出ていよいよ勝負だ。

 

「牙竜さんっ!」

 

「百!来てくれたのか?」

 

「勿論ですわ、その…応援しに来ましたわ!」

 

待機室出てすぐのところで百と他にもA組の奴らが来てくれた。

 

「出久に爆豪、轟まで来てくれたのか!」

 

「うん!僕も応援してるよ!」

 

「ああ、俺の分まで勝って来いよな。」

 

「下間、お前なら勝てる。」

 

「皆ありがとな。絶対勝ってくるから応援席で見ててくれ!」

 

皆に見送ってもらいながら俺達はステージに向かう。

 

(銃士視点)

決勝戦、相手は牙竜君かあ〜緊張するなあ〜

 

「どうしたのかな?銃士君」

 

「そ、その…不安なんですよ…決勝戦だし…相手の牙竜君強いし……」

 

牙竜君はここまで圧倒的な力で勝ち上がってきたから、

自分が勝てるか分からない…

 

「なんだ、そんなことか。それなら安心したまえ、何故なら君には…私がついてるからだー!!」

 

「黎斗さん…ありがとうございます!」

 

黎斗さんのハイテンションは見てて元気が出るッス。

 

「では、行こうか。私達の力を世に示そう!」

 

「はいッス!頑張りましょう!」

 

自分達はアナウンスと共にステージに向かって歩き出す。

 

(三人称視点)

 

そして雄英体育祭が行われているスタジアムの中央にあるステージ上で両者が向き合う。

 

『遂にこの時だ!雄英体育祭の最後を飾るトーナメントの決勝戦だ!!決勝戦はまさかまさかのタッグバトルだ!まずは!仮面ライダークローズ&エボルコンビ!下間牙竜&エボルト!!』

 

牙竜達を応援する人達から歓声が上がる。

 

『VS!仮面ライダーブレイブ&ゲンムコンビ!甲斐銃士&新・檀黎斗・神!!』

 

「いよいよ決勝だな。銃士」

 

「負けないっすよ!牙竜君!」

 

「神よ、まさかあんたと戦えるとはな…」

 

「私もエボルト、君と戦うことになるとは思ってなかったね。」

 

4人はそれぞれ腰に変身ベルトを付ける。

 

「それでは決勝戦!開始!」

 

『TADDLE FANTASY!Let's Going King of Fantasy!』

 

『デンジャラスゾンビ!』

 

『ボトルバーン!』

 

それぞれが変身アイテムを出して。

 

『デュアルガシャット!』

 

『ガシャット!』

 

『クローズマグマ!』

 

『コブラ!ライダーシステム!エボリューション!』

 

変身ベルトに挿す。

 

『『Are you ready?』』

 

「「「「変身!!」」」」

 

そして4人同時に変身する。

 

『ガッチャーン!デュアルアップ!』

 

『バグルアップ!』

 

『タドルメグルRPG! タドールファンタジー!』

 

『デンジャー!デンジャー!(ジェノサイド!) デス・ザ・クライシス!デンジャラスゾンビ!(Woooo!)』

 

『極熱筋肉!クローズマグマ!』

 

『コブラ!コブラ!エボルコブラ!』

 

『アーチャチャチャチャチャ チャチャチャチャアチャー!』

 

『フッハッハッハッハッハッハ!』

 

仮面ライダーブレイブファンタジーゲーマーレベル50、仮面ライダーゲンムゾンビゲーマーレベルX、仮面ライダークローズマグマ、仮面ライダーエボルコブラフォームの4人の仮面ライダーがステージ上に立つ。

 

「いくぜ!」

 

早速クローズマグマがブレイブに、エボルがゲンムに攻撃を仕掛ける。

 

「我が魔法の前にひれ伏すが良い!」

 

クローズがブレイブに向けて左手でパンチを放つが魔法で作られたバリアがそれを受け止める。

 

「魔法っつても限度があんだろ!」

 

ヴァリアブルマグマを纏ったクローズの右手の拳が魔力の防壁を打ち砕き、ブレイブの胸に突き刺さった。

背中のソレスタルパイロウィングのブースターによる加速でパンチの威力が上がっており、拳を受けたブレイブの身体が後退する。

 

「一筋縄じゃいかないッスね!」

 

「当然だ。互いにここまで勝ち上がってきたんだからよ!」

 

ブレイブがガシャコンソードを手に取るとクローズもビートクローザーを相手に向ける。

 

「いざ!尋常に勝負ッス!」

 

互いの剣がぶつかり合う一方で、エボルとゲンムも拳を交えていた。

 

「素晴らしい威力だ…だが!不死身の私の前では無力だぁ!!」

 

「不死身ってのはなかなか厄介だな。」

 

2人の戦いは攻撃力では圧倒的にエボルが押している。

フェーズ1、コブラフォームはエボルトの全力の僅か2%程度の力しか出せないが、都市や国家を破壊するのには充分な実力は持っている。

勿論その拳の攻撃力は決して低くはなく、ゲンムも食らった際にはダメージを受けているようにも見られるが問題はゲンムゾンビゲーマーレベルXの不死身能力である。

ライダーゲージが減ることは無いということは常に体力を回復させれているという状態だ。

つまりエボルトがどれだけ攻撃を加えても退くことはない。

 

「だったら勢い付けて場外にぶっ飛ばすしかないな。」

 

『Ready Go!』

 

エボルドライバーのレバーを回したエボルは右腕にエネルギーを溜めてその拳でゲンムを殴り飛ばす。

 

「まだまだのようだな…」

 

「チッ…」

 

確かにゲンムの身体は後退したが後一歩のところで踏ん張った。

 

『クリティカルデッド!』

 

「ゾンビたちの前に滅びるがいい!」

 

『Ready Go!』

 

「これでも無駄だ。俺は惑星を滅ぼす存在だ。」

 

『エボルテックフィニッシュ!』

 

足元に星座早見盤を模したフィールドを発生させて、エネルギーを右足に収束させたキックを身体を回しながら放ち、近付いてきたゲンムの分身のゾンビたちを一掃した。

 

「このまま続けるのもしんどいんじゃないか?」

 

『メガスラッシュ!』

 

「うわっ!」

 

クローズマグマのビートクローザーから鍵型のエネルギーのような斬撃を放たれ、ブレイブが地面に倒れ伏す。

 

「ダメだっ…炎も氷も使えないっ…!」

 

「そりゃこれで封じたからな。」

 

ロックフルボトルの力は相手の力を封じることも出来る。

クローズはそれでブレイブのガシャコンソードの力を封じた。

 

「銃士君、どうやら私の助けが必要な様だな。」

 

「く、黎斗さんっ…」

 

「何を企んでんだ?」

 

クローズが身構えたその時、ゲンムの身体が紫の粒子に変わりブレイブの体に入っていく。

 

「究極奥義、マザルアップ!」

 

ブレイブのゲーマドライバーに刺さっているデュアルガシャットβのダイヤルを回す。

 

「第99の魔眼!」

 

『ガッチャーン! マザルアーップ!』

 

『魔王の軍隊!戦術シミュレーション!魔王軍大司令!シミュレーションファンタジー!』

 

魔王を模したファンタジーゲーマと戦艦を模したシミュレーションゲーマが混ざるように合体しファンタジーな世界の馬車の様な鎧に変わり、それを仮面ライダーブレイブが纏う。

 

「仮面ライダーブレイブシミュレーションファンタジーゲーマーレベル99君臨!」

 

「こりゃやばそうだな」

 

「まあ、誰が来ようと俺達の敵じゃねえ」

 

「ああ、いくぜ!」

 

To be continued




オリジナルフォーム登場というところで本日はお終いです
また次回お楽しみに!


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決勝戦Part2

やっと完成しました!
以前執筆していた作品は体育祭決勝で打ち切りだったのである意味節目です。
ここまで到達できたのは皆様のお陰です!
本当にありがとうございます!


(三人称視点)

 

『ここで仮面ライダーブレイブ新形態だ!そしてなんだありゃ?軍隊か!?』

 

新たな鎧を纏ったブレイブの背後にはファンタジー世界の軍隊の様な姿をしたバグスターウイルス達が大砲や鉄砲等の武器を構えて並び立っている。

 

「鉄砲隊!放て!」

 

ブレイブの指示と同時に兵達の銃から弾丸が放たれてクローズ達を襲う。

 

「っ…ああっ……!」

 

「こりゃ弾幕だな。」

 

エボルはバリアを作り出して弾丸を防ぐがクローズには何発もの弾丸が襲い来る。

 

「大砲放て!」

 

続いて5門の大砲からの砲撃が2人のライダーに放たれる。

 

「このヤロ!」

 

クローズとエボルは自身の拳で砲弾を殴って防いでいくが、ブレイブ軍の猛攻は止まらない。

 

「歩兵隊!突き進め!」

 

槍を持った兵隊たちがクローズとエボルに向けて突撃していく。

 

『ステージ上は大混戦だ!』

 

数十人もの兵隊に対してクローズとエボルは己の拳や武器で迎え撃つ。

クローズのビートクローザーとエボルのドリルスマッシャーが兵達を次々と切り裂いていく。

 

「この程度どうっってことねえぜ!」

 

『メガスラッシュ!』

 

兵達を相手にクローズらは善戦、

己の武器で敵兵たちをキリキリ舞いにしていく。

 

「では、これはどうかな?」

 

『ドラゴナイトハンター!Z!』

 

ブレイブが金色のライダーガシャット、ドラゴナイトハンターZをキメワザスロットホルダーに入れる。

 

『キメワザ!』

 

「いでよ!魔王龍アマンディード!!」

 

すると上空に黒く禍々しいオーラが現れてそこから紫色のドラゴンが現れる。両方の腕には剣の様な鍵爪が付いていて巨大な尾がステージに叩きつけられる。

 

「おいおい、ドラゴンまで出すのかよ!」

 

「さあ、魔の炎で焼き尽くせ!」

 

ドラゴンの放った炎が兵達ごとクローズとエボルを焼く。

 

「んな炎じゃ俺のマグマに勝てねえぜ!」

 

「ああ、この程度じゃ俺ら2人は倒れねえ、」

 

「では、これでどうかな?やれ!アマンディード!」

 

ドラゴンは2人のいるステージに向けて口から魔法弾を放ち、

 

『なんちゅー威力だぁ!!こりゃもう耐えれねえぜ!!』

 

爆煙がスタジアム内部に広がる。

 

「そ、そんなっ……下間さんっ……」

 

「牙竜君が……」

 

仮面ライダークローズの変身者である下間牙竜を応援していた八百万百、緑谷出久らは絶望する。

ブレイブとそのドラゴンの圧倒的な力の前に牙竜達が敗れてしまったとこの場にいる誰もが思っただろう。

 

「ハッハッハッ!これで体育祭はB組の甲斐銃士君の勝利!つまり1番はB組ということになるのさ!」

 

トーナメントに唯一B組から進出できた甲斐銃士の勝利にA組に対抗心を燃やす物間は大いに喜ぶ。

 

「いや、まだだっ……」

 

「ああ、あいつはまだ倒れちゃいねえ……」

 

だが、爆豪勝己と轟焦凍は未だ牙竜が倒れていないと確信していた。

 

『ドラゴン!ライダーシステム!エボリューション!』

 

その時煙を切り裂くようにエボルドライバーの音声が鳴り響いた。

 

『おいおい、この声ってまさかっ……』

 

『ああ、エボルドライバーだな。』

 

『Are you ready?』

 

煙が晴れると共にステージ上には目が赤く光っている下間牙竜の姿が現れ、エボルドライバーを腰に巻いているのが見て取れるだろう。

 

「変身!」

 

先程のドラゴンからの攻撃を受けた後、エボルトと牙竜は融合していた。

そして、牙竜自身の身体で2人はエボルドライバーで新たな姿に変身しようとしていた。

 

『ドラゴン! ドラゴン! エボルドラゴン!』

 

『フッハッハッハッハッハッハ!』

 

『仮面ライダーエボルドラゴンフォー厶、これでフェーズ2だな。』

 

「ドラゴンにはドラゴンで対応ってやつだな。」

 

牙竜の身体には現在エボルトが憑依している状態であり、エボルトと牙竜2人の声がエボルの身体から発せられる。

 

「だがこのアマンディードの前ではどれだけパワーアップしようと無意味!」

 

ブレイブが召喚したドラゴン、アマンディードの巨大な腕がエボルドラゴンフォームに向けて振るわれる。

 

「良いパワーだぜ、けどまだまだっ!!」

 

エボルはそれを左腕で受け止め、右手の拳で竜の腕を殴り飛ばした。

 

『さて、ぶっ潰しに行くか…グリスブリザードナックル!』

 

「クローズマグマナックル!」

 

『「ツインナックルラッシュ!!」』

 

マグマの拳クローズマグマナックルを左手に、氷の拳グリスブリザードナックルを右手に付けた状態のエボルがアマンディ―ドの胸部に向けて飛び、それぞれの拳を打ち込んでいく。

 

『炎と氷の猛攻!!』

 

『正しくはマグマだけどな、』

 

実況解説の声に目もくれずエボルの拳は止まらない。

マグマのナックルと氷のナックルが交互にドラゴンの胸に突き刺さっていき、その攻撃の威力、マグマの灼熱、ブリザードの冷たさがドラゴンの身体の至る所に伝わっていく。

 

『「ツインナックルインパクト!!」』

 

そして2つのナックルをぶつけ合い、ドラゴン型のエネルギーを作り出して2つの拳と共にアマンディードに解き放った。

 

「アマンディード!!」

 

クローズの一撃を受けてアマンディードは咆哮を上げながら身体を爆散させていく。

 

「歩兵隊!鉄砲隊!大砲隊!」

 

ブレイブの召喚した兵達にもエボルが挑んでいく。

2つの拳とそこから放たれ、そこから出るマグマと氷結がバグスターウイルスを殲滅していく。

 

「牙竜君!こっからは僕とタイマンっす!!」

 

ガシャコンソードを構えたブレイブと2つのナックルを携えたエボルがぶつかり合う。

ブレイブの剣閃を拳で殴って止めつつ、ガシャコンソードとクローズマグマナックルから放たれる灼熱がぶつかり合って火花を散らしていく。

 

「よお、銃士ぃ!俺の力を受けてみやがれ!」

 

両腕からの一撃をガシャコンソードが止めるが、

 

「お、押されるっ……」

 

その身体は後ろへと下がっていく。

 

「行くぜぇ!これが!」

 

『俺達の!』

 

「『力だ!!』」

 

2つの拳がねじ込まれて、ブレイブの身体が大きく引き下がる。

 

『銃士君、だったら我々も』

 

「はいッス!」

 

『デンジャラスゾンビ!』

 

ガシャコンソードにデンジャラスゾンビのガシャットを刺し、

 

「死霊の行進!」

 

ゲンムゾンビゲーマーを模した多量のゾンビの幻影達が現れて波のように押し寄せる。

 

「全部燃やし尽くしてやるぜ!!」

 

『ボルケニックナックル!』

 

マグマナックルにロケットフルボトルを挿し、

 

「ブーストストライク!!」

 

ロケットのブースターから噴射するようにマグマが放たれてゾンビ達を焼き尽くす。

 

「燃えたぎれ!俺達のマグマ!」

 

『轟け!俺達の氷!!』

 

エボルドライバーのレバーを回すと三体の蒼龍のエネルギーをエボルが纏い、一体がマグマの属性のエネルギーを、もう一体が氷結のエネルギーを、そして最後の一体が蒼炎のエネルギーを身に纏い、それをブースターの様にして回転する。

 

「あの動きっ……」

 

「ああ、間違いねえ……」

 

回転して飛んで行く様に緑谷出久と爆豪勝己は既視感を覚えていた。

少し時を1回戦に遡る。

 

「ハウザーインパクト!」

 

爆豪勝己と麗日お茶子の戦いで爆豪が攻撃を仕掛けていく過程において1度だけ自身の必殺技を繰り出した。その名も"ハウザーインパクト"

跳躍した状態で爆破の推力で回転し、勢いをそのままの相手に超特大火力の爆発を叩き込む、まさに回転するミサイルのような爆破で相手を叩きのめす技だ。

そして今の回転するエボルの姿はハウザーインパクトを放つ時の爆豪勝己に近い姿をしている。

 

「まだだっ!」

 

『キメワザ!』

 

ブレイブもゲーマドライバーを開閉させ、

 

『ファンタジーシミュレーションクリティカルフィニッシュ!!』

 

「『トライドラゴニックスマーーッシュ!!!』」

 

必殺エネルギーを溜め込んだブレイブのキック、3つの龍を纏ったエボルの拳がぶつかり合う。

 

『なんちゅー威力だァ!!今大会最大火力の大爆発!』

 

2人の必殺技がぶつかり合うことでスタジアム中に爆音が響き爆風は観客の前髪を搔き上げる。

 

『さあ結果はどうなった!?』

 

爆煙と粉塵が収まるのに少し時がかかってしまったがそれが明けるとすぐにステージ上に立つ男の姿と場外に飛ばされて倒れる男の姿が見えてくる。

そしてそれを確認した主審のミッドナイトが告げる。

 

「甲斐銃士君場外、優勝は下間君!」

 

巻き起こる大歓声と共に下間牙竜の握りこぶしが天に向かって突き上げられた……

 

To be continued




オリジナル形態解説
仮面ライダーブレイブファンタジーシミュレーションゲーマーレベル99
ガシャットギアデュアルβをゲーマドライバーに挿してマザルアップした姿。
通常ならマザルアップは出来ないが檀黎斗(敬称略)が体内に入ってくることで可能になる。
某なろう系に出てくるような魔王の軍隊を率い、ドラゴンアマンディードも召喚する。
エボルドラゴン(牙竜version)
エボルトが憑依しているが2人で身体を動かしている(ジオウトリニティ的な操作方法)
クローズマグマナックルとグリスブリザードナックルの二刀流
一応現状の牙竜はレベル的にはグリスブリザードにも変身できる。


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表彰式

これにて雄英体育祭編は終了です。
でこの後は夏休みも終わるので更新ペースが遅くなりますのでご了承ください。


(牙竜視点)

 

(俺は……勝ったのか……)

 

気が付いたら俺の周囲は爆発で起こった煙に包まれていた。

 

((勝ったみたいだな。))

 

俺の意識の中でエボルトが応えた。

俺の身体は既に仮面ライダーの装甲が無くなり、生身を晒してるが裸眼でもステージの外で倒れ伏す銃士の姿が見えた。

 

「甲斐銃士君場外、優勝は下間君!」

 

「よっしゃ!」

 

ミッドナイト先生によって俺の勝利が告げられ、歓声が湧き上がると共に込み上げる喜びからか無意識的に拳を空に向けていた。

 

「やったな、牙竜」

 

いつの間にか俺の隣でエボルトも人間体の状態で出てきていて、俺に対して祝福の言葉を発した。

 

「俺がここまで来れたのはアンタのお陰だ。ありがとう!」

 

「いいってことよ、相棒」

 

2年前の俺はこの場に立てていると思ってなかった。

エボルトと出会い力を分け与えてもらえたから俺はここにいる、

だからこの感謝の気持ちを俺は深く胸に刻みこむ。

 

「おつかれちゃん、銃士」

 

「おつかれッス、牙竜君」

 

そんで俺は対戦相手だった銃士の元に歩み、立ちやすいように手を差し伸べた。

 

「強かったッス、牙竜君……」

 

「テメエもクソ強かったぜ、銃士」

 

厨二口調じゃない時の銃士はありのままの状態の銃士だ。

ずっとその状態で俺と戦って一時は俺達を倒しかけた。

正直負けるかと思った。

 

「いい戦いだったぜ。ありがとう」

 

「こっちこそ、ありがとう。自分嬉しかったッス!幼馴染の牙竜君とこうして戦えて!」

 

感極まってポロポロと目から涙を零す銃士を俺はハグして、

 

「それとよお、小学校の時俺の事守ってくれてありがとな。あれがなきゃ今の俺はいねえ。」

 

「お、覚えててくれたんすか!?」

 

「当たり前だ。それとあん時は守れなくてゴメン。けどもう心配はいらねえな。お前なら立派なヒーローになれる!」

 

「はいッス!」

 

俺と銃士が持つ暗い過去。

俺達はそれも乗り越えて今この場にいる、この場で戦えた。

今日は忘れられねえ1日だ!

 

「惜しかったね。銃士君」

 

「く、黎斗さんっ……」

 

「よお、神さんよ。」

 

お次は銃士ん中の神様登場だ。

 

「エボルト君、それに下間君。来年は我々が勝つ!なので覚悟しておくんだな!ブワッハッハッハ!!」

 

「もう来年分の宣戦布告か?」

 

「負けたのが悔しいんすよ、けど自分だって悔しいッス!だから来年リベンジっす!」

 

「来年の体育祭、そうそう簡単にリベンジはできねえぜ。コイツらもいるからな。」

 

「牙竜さーん!!」

 

この後の閉会式のために降りてきたクラスメイト達が駆け寄ってくる。

特に百が先陣を切って俺の元へ来てギュッと抱きしめてくる。

 

「おめでとうございます!良かった……一時は負けてしまわれたかと……」

 

「おいおい、泣くなよ。俺は大丈夫だからよ。」

 

俺に抱きつく百は泣いていた。

さっきの戦いで不安にさせちまったからな。

 

「こうやって勝てたのも百達の応援だあったからだ。ありがとう」

 

泣きつく百の頭をぽんぽんと撫でてやり、出久達の方を見る。

 

「来年はコイツらももっと強くなってるぜ、銃士。だから俺達も負けねえように必死に足掻こうぜ。」

 

来年コイツらは今より強くなってる筈だ。

追いつかれねえようにしねえとな、

 

「はいッス!けど自分、皆さんに負ける気は無いっすよ!」

 

「俺も負けねーよ!」

 

(三人称視点)

生徒たちが開会式の時と同じようにグラウンドに並び、セメントスが作った表彰台の上に今大会のベスト4が並ぶ。

 

「今年メダルを授与するのは勿論この人!我らがヒーロー!」

 

「私がメダルをぉ・・・」

 

そして表彰台に上った者達にメダルを渡すために上空からオールマイトが

 

「もって来t「オールマイト!!」・・・」

 

「ゴメン被っちゃった」

 

カッコよく登場!のはずが決め台詞がミッドナイトと被ってしまった。 

 

「今回3位だった轟少年!君はとうとう自分の殻を破ることが出来た。後はその力の使い方や技術をしっかり学べば、より強くなれるだろう!」

 

「ありがとうございます。」

 

オールマイトにメダルをかけてもらい、手厚い言葉と共にハグを受ける轟

 

「次は常闇少年!君の個性は素晴らしい!だが、戦い方が個性に頼りすぎている。しっかり自分自身の肉体も鍛えるといいだろう!」

 

「御意!」

 

 

常闇もメダルを授与され、ハグも受ける。

 

 

「次は甲斐少年!惜しかったな!2位だ!けど君の実力はプロ以上だ。これからの活躍期待してるぞ!!」

 

「ありがとうございます!」

 

「黎斗・神君も今回の大会の協力感謝するよ!」

 

「当然だ。来年はもっと面白いステージギミックも用意しよう。」

 

銃士もメダルの授与とハグを受けて次はいよいよ今大会優勝者の牙竜の出番だ。

 

「そして最後!堂々1位の下間少年!他の追随を許さず、全ての種目をトップで通過した!それにトーナメントでのクローズマグマの活躍には舌を巻いたよ!優勝おめでとう!」

 

「うっす!これからも見ててくれ、俺達の戦いを!」

 

「勿論だとも!エボルト君もナイスな解説だったぜ。」

 

「ああ、また呼んでくれ」

 

そして牙竜もメダルを授与され、ハグを受けた。

 

「さぁ、今回は彼等だった!しかし皆さん!ここにいる誰にも、ここに立つ可能性があった!切磋琢磨し、共に更に先へと進んでゆくその姿!次代のヒーローは確実に、芽を伸ばしている!!てな感じで、最後に一言!皆さんご唱和下さい!せーの!」

 

『プル「お疲れ様でした!!」ウル・・・えっ!?』

 

 

「オールマイト!!」

 

 

『そこはプルスウルトラじゃないんかい!?』

 

オールマイト先生がまさかの大ボケをカマし、観客からは大ブーイングが飛び交いこの年の雄英体育祭は幕を閉じた。その一方で閉会式の一幕に立ち会えなかった生徒もいた。

1年A組クラス委員の飯田天哉である。彼は兄であるプロヒーローインゲニウムが負傷したと連絡を受け、体育祭を早退し病院に駆けつけていた。

 

「兄さん!天晴兄さんは!?」

 

「おいおい、ここは病院だ。あんまし騒ぐな」

 

焦る飯田を制止する男、高身長で筋肉質な体格でリーゼント風の白い髪をツーブロックにしているのとタレ目の下の泣きボクロが印象的で厳格そうな雰囲気に気圧されたのか、飯田も冷静さを取り戻す。

 

「す、すみませんっ!」

 

「天晴兄さんって言ってたとこ見るとお前インゲニウムの弟か?」

 

「え、ええ、そうですが……」

 

「そうか、あいつは今失血のショックで一時的に意識を失ってるが命に別状はねえ、」

 

その男は飯田に現状のインゲニウムの身体の状態を説明する。

 

「何故あなたが兄のことを?」

 

「天哉!」

 

「母さん!」

 

質問を投げかけた直後、彼らの母も病室から出てきて天哉を抱きしめる。

 

「お兄ちゃんなら無事よ!その人が助けてくれたから。」

 

「この人が…?ということはもしかしてあなたはプロヒーロー?」

 

「ああそうだ、名乗るのが遅れたな。俺は甘粕政信、ヒーロー名は仮面ライダーアクセルだ。」

 

To be continued




新キャラ解説はいずれします。
というか職場体験編でバリバリ活躍するので乞うご期待


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職場体験編
ヒーローネーム


新章開幕!
ってことで詰め込み過ぎちゃいました。
良いですよね?

答えは聞いてません!


(牙竜視点)

雄英体育祭後数日休みを挟み今日は久々の登校日だ。

 

「あ、クローズの兄ちゃんだ!」

 

「物作りのお姉ちゃんもいるよ!」

 

始めて恋人の百と一緒に登校してたんだが街ではメチャクチャ注目された。

 

「うっす、応援よろしく!」

 

「少し恥ずかしいですわね…」

 

「良いじゃねえか、こういうファンも大事にしねえとな。」

 

百は少し恥ずかしそうにモジモジしているが俺は周囲の人たちに手を振りながら歩いてく。

しっかし、照れてる百も可愛らしいな。

 

((随分ご機嫌だな))

 

(まあな、百が隣にいると高揚感っつーかスゲエ嬉しくなる。)

 

((デレデレじゃねえか!))

 

つーことで無事教室に到着

 

「道中メッチャ声かけられたよ」

 

「俺なんか、いきなり小学生にドンマイコールされたぜ?」 

 

「ドンマイ」

 

「私もジロジロ見られて、何か恥ずかしかった!」

 

お?皆も道中でメッチャ声かけられたらしいじゃねえか。

ただ瀬呂に関しちゃ不遇過ぎるな、ドンマイ

 

「たった1日で注目の的になっちまったよ」

 

「やっぱ雄英すげーな……」

 

とザワザワしていると、

 

「おはよう」

 

相澤先生が入って来て、水を打ったように静かになる。

 

『おはようございます。』

 

「さて、朝っぱらからいきなりニュースだ、今回のヒーロー基礎学は特別だ」

 

(特別?抜き打ちテストでもすんのか?)

 

((余裕そうなのお前だけだぞ))

 

(確かにな、上鳴とか切島ビビっちまってんな)

 

この人の"特別"って言葉は危険だ。

入学式の時みてえな抜き打ちテストしてくるかもしんねえけど幸いにも俺は頭が良いので問題はない。

さあ、どっからでもかかって来やがれ! 

 

「コードネーム、つまりヒーロー名の考案だ。」

 

『胸膨らむヤツきたぁぁぁ!!』

 

お、テストじゃなかったか。けどこれはこれで面白そうだ!

 

((つっても俺らの方は決まってるだろ?))

 

(ああ、勿論)

 

「と言うのも、先日話した『プロからのドラフト指名』に関係してくる。指名が本格化するのは、経験を積み即戦力として判断される2~3年から…つまり今回の指名は、将来性に対した興味に近い。卒業までにその興味が削がれたら一方的にキャンセル、なんてのもよくある。」

 

「大人は勝手だ!」

 

「で、その指名の集計結果がコレだ」

 

てことで黒板に指名数を表わす棒グラフが表示される。

 

「例年はもっとバラけるんだが、今年は2人に多く集まった。」

 

おいおい、俺と銃士が4000票超えてんぞ!

俺の方がちょっと多いがほぼ同じ票数、それに轟、常闇、爆豪らが続く。

 

「うそ…だろ……?」

 

まあ、バラけてねえってことは指名が少ない奴や指名が0の奴だっている。

出久も残念ながら指名は来てねえな。 

峰田は…予選で百に寄生してただけだから仕方ねえな。

良い個性なんだからもうちょっと工夫して使えばいいのにな…

 

「これを踏まえ……指名の有無関係なく、所謂職場体験ってのに行ってもらう」

 

『!!』

 

(職場体験?プロの現場に実際に行けるっつーことか。)

 

((そうみたいだな。体育祭の後に職場体験は少しハードだな。))

 

まだ5月だって云うのに体育祭してその後職場体験って詰め込み過ぎじゃねえか?

中間テストもまだやってねえぜ

 

「お前等は一足先に経験しちまったが、プロの活動を実際に体験して、より実りある訓練にしようってこった。」

 

USJでの戦いで既に本物のヴィランとの戦いを体験したが、本格的な救助とかも体験できんのか

 

((ファンとの交流とか事務仕事とかも見れるだろうな。))

 

「それでヒーロー名か!」

 

「俄然楽しみになってきたァ!」

 

まあ、実質セミプロみてえな扱いになるからここでヒーローネーム決めとかねえといけねえってことか。 

 

「まぁ、仮ではあるが、適当なモンは……」

 

「付けたら地獄を見ちゃうよ!!」

 

ミッドナイトも来たか。

 

((今日もセクシーだな。))

 

「この時の名が世に認知されて、そのままプロ名になってる人多いからね!」

 

まあ、雄英でメディア対応とか上手いのはミッドナイトとプレゼントマイクだろうな。

メディア向けに良い名前悪い名前もきっちり精査してくれるだろうな。

 

「将来どうなるか、名を付けることでイメージが固まりそこに近付いてく。『名は体を表す』ってのはこう言う事だ。”オールマイト”とかな」

 

((つっても俺らの名前は決まり切ってるだろ?))

 

(もちろん、これしかねえよな)

 

15分後

 

「それじゃあ、出来た人から発表ね。」

 

まさかの発表形式かよ!

まあ、ここで発表できないような恥ずかしい物は流石にヒーロー名にはできねえからな。

 

 

「輝きヒーロー『I can not stop twinkling』訳して、キラキラが止められないよ!」

 

英語の文じゃねえか!

長いしこれはダメだろ

 

「そこはIを取ってcan'tにした方が呼びやすいわね。」

 

「それね、マドモアゼル」

 

いや、いいのかよ!?

 

((どういう審査基準だ?))

 

「次はアタシね!『エイリアンクイーン!』」

 

「2!血が強酸性のアレ目指してんの!?やめときな!」

 

トップバッター2人のネーミングのクセがすごい!

おいおい、大喜利みてえな雰囲気になってきたじゃねえか。こりゃ次の人大変だぜ。

 

「それじゃあ次、私いいかしら?」

 

ここで梅雨ちゃんか。

 

((A組の良心である彼女に期待だな。))

 

(信頼と実績の梅雨ちゃんだ!頼むぜー)

 

「小学生の時から決めてたの、梅雨入りヒーロー『フロッピー』!」

 

「かわいい!親しみやすくていいわ!」

 

メッチャ良い名前。 

 

『フロッピー!フロッピー!フロッピー!』

 

可愛らしく、現在1番まともな名前が発表され、やりやすい雰囲気になってきたってことでもう考えれた人達が発表をしていく。

さて、そろそろ俺の出番か

もう既に決めていた名前だがここで満を持して発表する。

 

「バディヒーロー『仮面ライダークローズ&エボル』」 

 

「良い名前ね!エボルっていうのはエボルトさんのことかしら?」

 

『ご名答だ。』

 

その後も皆の名前決めは順調に進んでいった。

 

「『 爆殺卿』!」

 

爆豪以外は

 

「殺って文字入れるのだけはやめにしないか?」

 

「確かに、ヒーローなのに"殺す"って表現は良くないよ!かっちゃん!」

 

ヒーロー名で殺って入れたらダメだろ。

出久も俺の意見に同意らしい、

 

「つっても『爆発王』とか『爆発卿』とかだったらダセえだろ……」

 

一理あるな。爆殺の方が響きは良い。

 

「だったら爆心地とかどうかしら?」

 

 

ふと梅雨ちゃんが声を挙げた。

さすがフロッピー、結構いいネーミングだ。

 

「結構いい響きなんじゃないかしら?」

 

「すごいよ!僕も爆心地って名前かっこいいと思うよ!」

 

「俺も梅雨ちゃんのネーミングに賛成だ。」

 

梅雨ちゃんの考えた名前に出久と俺が賛同すると

 

「悪くねえ、それにする。」

 

勝己もヒーローネームを"爆心地"にすることにして、無事に全員のヒーローネームが決まった。

 

「ありがとよ、いいの考えてくれて……」

 

「ケロ、良いのよ。」 

 

「かっちゃんがちゃんとお礼言ってる……」

 

「まあな、結構気に入ったし」

 

つーわけで放課後

俺はエボルト、出久、そして相澤先生と一緒に会議室にいた。

 

「実はショッカーの件で話がある。」

 

開口一番相澤先生がそう言った。

 

「ショッカーっつったらUSJにいたあの怪人か」

 

ショッカーと言われて思い出すのはUSJの糞記者ことチーターカタツムリとかいう怪人だ。

あれは確か秘密結社ショッカーの改造人間だったな。

 

「ああ、つい先日もショッカーの怪人の目撃情報があった。」

 

『どうやらショッカーも本格的に動いてきてるようだな。』

 

「その通り、だからこちらとしても戦力を増強しておきたい。」

 

なるほどな、ヴィランだけじゃなくてショッカーとかいう脅威とも向き合わねえといけねえのか。

で俺と出久が呼ばれたってことは大体察しがついたぜ。

 

『つまりこちらは仮面ライダーを増やしたいということか。』

 

「ああ、話が早くて助かる。」

 

『ライダーシステムの提供はできる。牙竜と離れてたら変身できないとかそんなデメリットもない。牙竜ももちろんいいよな?』

 

「あたりめえだ。俺らヒーロー側の戦力は強い方が良い。」

 

断る理由もねえけど問題が一個ある。

 

「けどまずは他の連中が適合できるかが問題だ。」

 

「適合?そこの緑谷は体育祭で変身してただろ、」

 

「それは僕がハザードレベル3.0を超えてたからだと思います。」

 

出久には説明済みだが相澤先生にはこのこと言ってなかったな。

 

「ハザードレベル?」

 

『ハザードレベル、俺らのライダーシステムに使われているネビュラガスへの耐性の度合いだ。これが3.0以上無いと仮面ライダーには変身できない。因みにあんたのハザードレベルは2.0全然足りねえな。』

 

エボルトが相澤先生の身体に触れてハザードレベルを測定したが全然足りないな。

 

「俺でもまだまだか、」

 

『ま、ハザードレベルの伸びには個人差はある。だがそんなアンタでもこれは使える。』

 

そう言ってエボルトはトランスチームガンとバットロストフルボトルを相澤先生に渡した。

 

「これはブラッドスタークの装備か?」

 

『いいや、アンタのは蝙蝠だからナイトローグだ。そいつはトランスチームガンとバットロストフルボトルだ。今後誰がライダーになるかはわかんねえが、担任のアンタもその身でライダーシステムやそれに近いトランスチームシステムを学んだ方が良い。』

 

「説明を受けるよりは合理的だ。」

 

相澤先生もあっさり受け取ってこれで相澤ローグの誕生だ。

 

「ま、この話し合いに出久がいるってことはこういうことだろ?」

 

俺は出久にビルドドライバーとラビットフルボトル、タンクフルボトルを渡す。

 

「これは体育祭の時の?」

 

「出久は頭が良いしライダーシステムに適合してる。それに一回変身してるしできんだろ。」

 

「本当にいいの?」

 

「あたりめえだ。個性もビルドも使いこなせたらお前はもっと強くなれる。職場体験中にやるべきことは多くなるがテメエならできる!」

 

「うん!ありがとう!」

 

ってことで出久もこれで仮面ライダービルドだ。

因みにビルドドライバーは丁度エボルトが2個目を作ってくれてたので俺の分は問題ねえ。

 

『俺と牙竜でクローズ&ビルドの計画は破綻だけどな。』

 

と呟いていたが気にはしない。

ということで二人にはアイテム共有用にパンドラバングルも渡して教室に戻ろうとしていたら、

 

「牙竜くーん!」

 

「銃士!」

 

銃士が慌てて俺のところへ走って来た。

 

「探してたんすよ。」

 

「ワリイ、センコーと話してた。」

 

俺のことをかなり探してたらしいがどうしたんだ?

 

「牙竜君この人から指名もらってないっすか!?」

 

銃士が示したヒーローの名前は"仮面ライダーアクセル"

 

「仮面ライダー!?俺ら以外にも仮面ライダーがいんのか!?」

 

「どうやらそのようだね。」

 

『そりゃ興味深いな。』

 

神様とエボルトもその名前に興味津々だ。

 

「ちょっと探してみるわ。」

 

か行なのですぐに見つかったんだが、

 

『仮面ライダーアクセルか、牙竜どうする?』

 

「俺ら以外にライダーがいるなら会ってみたいしそこに行くぜ。」

 

即決だ。もし本当に仮面ライダーなんだったら先輩ライダーとしてのアドバイスとかもらえるかもしれねえし

 

「銃士はどうする?」

 

「勿論自分も行くっす!」

 

「決定だな。」

 

ということで俺と銃士は職場体験で仮面ライダーアクセルのとこに行くことになった。

 

To be continued

 

 




ということで職場体験編から相澤ローグと出久ビルドの活躍に期待です。
(相澤ローグの活躍は少し遅くなりそうだけど)

そして牙竜&銃士はそろってアクセルの下へ……

次回職場体験開始です!!


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職場体験1日目

ワクチンの副反応とYouTubeで忙しかった丼です。

それと、ハーメルンにて野球youTuber日記というコラムも始めたのでもしよければ購読よろしくお願い致します。


(牙竜視点)

 

「じゃ、俺はここで降りるわ。また一週間後に会おうな!」

 

「はい!行ってらっしゃいませ!」

 

今日は職場体験初日ってことで新幹線で移動中だ。

俺は品川、百は東京の方で職場体験ってことで先に新幹線から降りる。

 

「じゃあな、お互い頑張ろうぜ!」

 

1週間離れ離れってのはちと寂しいが銃士もいるし大丈夫だろ。

 

「おっす、銃士」

 

「牙竜君……」

 

品川駅で早速違う車両に乗ってた銃士と合流してたんだがなんか銃士既に涙目なんだが……

 

「東京怖いっス……人多いっス……」

 

そうだった、銃士はなんか馴染み無いやつとかの前では厨二病ナルシストキャラなのに俺みたいな心開いてるやつの前では泣き虫モード発動しちまうんだ。

 

「安心しろって俺にエボルト。それに神様もいるんだし」

 

「その通り!私といれば都会で迷うことも無い!」

 

「俺達都会には詳しいし案内任せろって」

 

黎斗神さんとエボルト人間態が地図やらを頼りに事務所まで引率してくれた。

いやー大都会東京の空気はちげえな〜

人も多いし建物の高さも俺らが住んでる地域の2倍ぐらいある。

 

「で、事務所はここのようだね。」

 

「案外普通のビルだ。」

 

自称都会が得意な黎斗さんのお陰で事務所ビルまで到着。

確かにエボルトの感想通り何の変哲もない普通にビルだ。

東京ならではの独特なビルって訳でもなく所謂豆腐建築って感じの7階建てビルだ。

ということで案内に書いてる通りに3階の事務所の部屋へ

 

「失礼します!」

 

「おお!ようやく来たか!」

 

扉をノックすると背が高いハンサムな男がドアを開けて顔を出した。

 

「あんたが、仮面ライダーアクセルか?」

 

「その通りだ。俺は甘粕政信、仮面ライダーアクセルだ。さ、とにかくまずは事務所に入れ。」

 

エボルトの問いかけに応え、甘粕さんは俺達を白を基調とした部屋に誘った。

コーヒーマシンの振動音が響き、マシンからコーヒーの匂いが漂う事務室に入り、その後は模擬戦やら訓練やらをしている。

 

「クローズの方は良い太刀筋だ!けど荒い!」

 

「うっす!」

 

特に剣での戦いの訓練が中心だ。

俺はビートクローザーを、銃士はガシャコンソードを上手く扱うための練習だ。

拳とかも良いが剣はリーチがあるから便利だな。

 

((俺的には槍もオススメだがな。))

 

(リーチ長いもんな、)

 

((刺すだけじゃなくて振り回して叩くとかでも充分通用する武器だ。))

 

(便利だな。今度作ってくれよ)

 

((作れたらやってやるよ))

 

行けたら行く的な感じでだいたいこういうのは信頼出来ない。

 

「ブレイブ!もっと腰入れろ!剣が軽いぞ!」

 

「はいッス!」

 

銃士はちと苦戦気味だな。

 

「身体の基礎がなってない!お前の場合は毎日トレーニングだな。」

 

「は、はい……」

 

銃士の場合は身長は高いけど如何せん線が細いからなあ、

 

「それに比べてクローズは良い筋力だ。少し筋肉見せてもらってもいいか?」

 

「ああ、構わねえぜ。」

 

つーことで筋肉を見せて欲しいって頼まれたんで上の服脱いで上半身裸になる。

 

「タッパは小さけど中々いい体だ。」

 

甘粕さんは感心しながらマジマジと見つめる。

まあプロヒーローも認める肉体ってことだな。

 

「エ、エイトパック……」

 

「良かったら銃士のトレーニング俺が見てやるけどどうだ?」

 

「是非お願いするッス!」

 

目を輝かせながら俺とのトレーニングの誘いに乗ってくれた銃士。

そんでもって午後からはパトロールだ。

 

「おら!待ちやがれ!」

 

今は4人組の強盗犯をクローズマグマに変身して追いかけていた。

背中のブースターで飛びながら追跡出来んのは便利だな。

 

((翼がありゃ活動の幅も広がるな。))

 

(ああ、んじゃあ合わせ技いくぜ!)

 

「『エレキスチーム!』」

 

エボっさんのスチームブレードから電撃を放って強盗達が乗る車の機械をぶっ壊す。

 

「エンジンが壊れた!」

 

車の速度が急激に遅くなり、時速があっという間に0になって中から強盗四人が逃げるように出てくる。

 

「アクセル!敵は4人だぜ!」

 

「OK!まずはテメエで捕まえてみろ!」

 

耳の通信機でアクセルに敵の数を報告

 

「了解!」

 

「『アイススチーム!』」

 

強盗は四人、ライオンの個性の奴、クラーケンの個性の奴、指が銃の奴、肩に大砲が付いてる奴の四人組で今のアイススチームで四人全員の足元と車が凍る。

 

「さて、とっとと降伏しな。」

 

「断るぜ!」

 

おっと、まずは大砲と銃の奴が撃ってきたか。

 

「来い!マグマライズドラゴン!」

 

マグマを纏ったドラゴンが砲弾と銃弾を防ぐ。

溶けた鉄が地面に落ち、凍った部分の一部が水蒸気になる。

 

「行くぜ、エボルト!」

 

「任せろ、」

 

俺の体内からエボルトが出てきて、2人同時に飛び蹴り。

銃と大砲が蹴り飛ばされて気を失う。

 

「よくも二人を!」

 

「この糞ヒーローが!」

 

今度はライオンの奴とクラーケンの奴が氷を砕いて攻撃を仕掛けてきた。

 

『やっぱ異形型はパワーが良いな。』

 

「ああ、けどそろそろあいつら来るんじゃねえか?」

 

ライオンとクラーケンの攻撃は空を切る。

俺に向けて放たれた筈の攻撃は俺の身体よりも遥に上に放たれていた。

 

「か、体ガっ…」

 

「浮いてやがる!」

 

2人の身体は空中浮遊し、そのままぶつかり合う。

 

「ハッハッハッ!!愚民ども!我が力の前にひれ伏すがいい!」

 

「おらよっと!」

 

ブレイブの魔力で浮かされていたヴィラン2人にバイクみてえになったアクセルがジャンプしてタックルし、ぶっ飛ばす。

 

「2人ともなかなかいい戦いだった。」

 

ヴィラン共はあっさり気絶。事件発生からわずか30分で逮捕出来た。

 

「初めての捕り物にしては上々なんじゃないか?」

 

「それ程でもねえな。個性は強力だが使いこなせてなかったな。銃弾も砲弾も脅威じゃなかったな。」

 

何発かは外れそうだったが流れ弾で被害出たら困るしマグマで防いでおいて正解だった。

 

『今回は俺の出る幕も少なかったな。』

 

「私は出番すらなかったな。」

 

俺と銃士の活躍でエボルト達はあんま出番はなかったな。

 

「ブレイブも魔法での拘束が強いな。この調子で行くぞ!」

 

「「はい!/ウッス!」」

 

この後も何件か事件を解決して無事に初日を終えた。

 

(三人称視点)

 

「まだまだ!」

 

その夜、緑谷出久は一人特訓に明け暮れていた。

日中は職場体験先のヒーロー、グラントリノにワン・フォー・オールによる戦闘の訓練をしてもらい、夜には牙竜達から受け取ったビルドの力を扱う練習をしていた。

 

「ベストマッチは使いこなせるようになってきた…」

 

牙竜に教えてもらったベストマッチを中心に各種フルボトルの使い方をマスターしていってる。

 

「けどっ、最高のヒーローになるには全部完璧にマスターしないとっ…」

 

緑谷出久の特訓はまだまだ続く

 

To be continued




ほぼ完全オリジナルのエピソードを書いたのは結構久しぶりなので大変でした。

追記
オリキャラ設定の一覧を投稿しました
甘粕さんのプロフィールはそっから確認して下さい。


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職場体験3日目 保須事件 Part1

保須事件開幕です!

今後も小説の投稿ペースが遅くなりますがご了承ください。


(三人称視点)

 

「今日は保須市ってとこをパトロールだ。2人とも着いてこい。」

 

職場体験は3日目を迎え、アクセルヒーロー事務所の仮面ライダーアクセルこと甘粕政信、そこに職場体験に来た2人の雄英生、クローズ&エボル下間牙竜とブレイブ&ゲンムの甲斐銃士はとあるヴィランを追うために保須へ来ていた。

 

「けど本当か?ここにもショッカーが出たって」

 

「ああ、この前俺と戦った奴の仲間らしい。」

 

『アンタもショッカー怪人と戦ったことあったのは意外だったが今度は保須に現れるとはな、』

 

ここ最近ショッカーの怪人の目撃情報が少しずつ増えている。

というのもチーターカタツムリを回収した公安がその腰に着いていたショッカーのマークがついたベルトの写真をネット上に公開し、注意を促したところそのマークをつけた怪人を見たという通報が何件か来るようになった。

そして、甘粕も一度ショッカー怪人と遭遇し倒している。

 

「ああ、保須は厄介だ。ヒーロー殺しと言いショッカー怪人と言いややこしい連中が集まってきてんな。」

 

甘粕は先日、ヒーロー殺しステインと戦い、敗北したインゲニウムをこの地で助けたことがあった。

その時はインゲニウムは何とか無事であったが、ステインには逃げられていた。

 

「ま、とにかく気は緩めんな。ヒーロー殺しとショッカー両方に備えとけ」

 

「「はい!/ウッス!」」

 

この日は彼らに加え名だたるヒーロー達が保須に集っていた。

 

「ショート!爆心地!しっかり着いてきて見ていろ!」

 

No.2ヒーローエンデヴァーも職場体験に来た自身の息子、轟焦凍と自身が見込んだ爆豪勝己の2人を引き連れて保須に来ていた。

 

「速いッ…」

 

「着いてくのがやっとだ……」

 

エンデヴァーのスピードに2人は何とかくらいつきながら着いていく。

朝からエンデヴァーが何件か事件を解決している成果もあり、午後にはヴィランもなりを潜めた。

 

「今は平和だけどまた夜になるとヴィランも動きやすい。まだ気は緩めれないよ。」

 

「はい!兄さん!」

 

怪我から復帰したインゲニウムと職場体験に来た弟の飯田天哉も彼らと同じく保須の街に来ていた。

そして……

 

「今日は多くのヒーローが集まっているようですね。」

 

「ああ…贋物共が群れている……」

 

その様子を屋上から見る2つの存在があった。

1つはヒーロー殺しステイン。

アクセルに折られた腕も既に治っており、その腕には黒い機械が付いている。

もう1つは怪人、カテゴリーキングのアンデッド

パラドキサアンデッドだ。

 

(ショッカーの怪人を放っておいて正解だった。ヒーロー達が集まってきている。後はこいつらをステインに始末してもらうだけだ。)

 

「決行は夜だ。頼んだぞ、ステイン」

 

「任せろ……ヒーローとは見返りを求めてはならない。自己犠牲の果てに得うる称号でなければならない。そうでない贋物が蔓延るこの世界を粛清する!!」

 

そしてその夜

 

(保須か、飯田君とインゲニウムさん元気かな?)

 

緑谷出久は職場体験先のヒーローグラントリノと共に実際のヴィランとの戦いを経験するために新幹線で東京に向かっていた。

インゲニウムがまた保須に来ていると聞いた出久は彼とクラスメイトの飯田天哉のことを考えていた。

特にトラブルもなく定刻通り東京に向かっていた新幹線だったが、

 

「何だ!?」

 

「緊急ブレーキ!?」

 

キキッ―という金属音と共に電車が緊急停止し、

慣性の法則で客の身体が前方に傾く。

そして出久達の車両には…

 

「脳無!?」

 

新幹線の壁を突き破って脳無と呼ばれる生物が車内に入って来た。

以前雄英高校に襲撃をした者とは違い白い身体に四つの目が特徴的である。

 

「危ない!」

 

脳無が乗客に向けて振るった腕から庇おうと間に入った出久、

だがその体を脳無の手が掴んだ。

 

「ボウズ!」

 

その脳無は出久を捕まえたまま新幹線から飛び出して夜の街に繰り出す。

 

「今助けるぞ!」

 

グラントリノも自らの個性、ジェットで飛んでそれを追う。

爆発による炎が燃え盛り、赤く染まっていく夜の街へ飛び込んでいく。

 

「ワン・フォー・オール!フルカウル!!」

 

空中で出久は個性のワンフォーオールのエネルギーを少しずつ全身に纏わせて、自分の体を脳無の腕を握り締めて地面に向けて背負い投げ、

出久に投げられて生まれた推力と重力で地面に叩きつけられる。

 

「さ、三体いるっ……!?」

 

そして地面に着地した緑谷出久だったがその目に入ったのは三体の脳無の姿だ。

先程自分を捕まえた者に加えてUSJに襲撃に来た個体に似た者と翼が生えた個体がおり、それぞれが建物や人々に向けて攻撃をしている。

 

「ボウズ!大丈夫か!?」

 

「ええ、けどこの数は……」

 

グラントリノも三体の脳無に立ち向かおうとした時、

脳無達が炎に包まれた。

 

「ご老人は下がっていて下さい。ここはこの俺が対処するッ……」

 

エンデヴァーと職場体験の2人も到着し脳無を取り囲む。

 

「緑谷も来てたのか、」

 

「俺もいるぞ!」

 

さらにインゲニウムと飯田天哉も現場に到着

3人のプロヒーローと職場体験に来た4人が脳無三体を囲み、

援軍に駆け付けたヒーロー達もそこに加わる。

 

「これだけのヒーローがいるのだ。さっさと降伏しろ!」

 

「おい!アイツらに話なんて通じねえぞ!」

 

「だったら実力行使だ!」

 

降伏交渉という手段は無駄であるとA組生徒はわかっていた。

なら、実力行使だと言わんばかりの炎を、身体が再生したばかりの脳無達に放とうとしたところ、

 

「うわああああああああ!」

 

その場に居合わせていたヒーロー、ネイティブの悲鳴が鳴り響き宙には鮮血が舞う。

 

「贋物は全てこの俺が潰す!」

 

ネイティブの背中を切り裂いたステインをヒーロー達が注視し、その間にも彼の刃はインゲニウムを捉える。

 

「2度は負けない!」

 

インゲニウムは弟とは違い肘にエンジン機関が付いており、そこから繰り出される拳がステインの腹部に打ち込まれる。

 

「クッ……」

 

ステインの身体は後ろに後退。

 

「そうか……だが俺はあの時とは違う!」

 

『ケルベロス』

 

ステインが左腕に付けた機械に1枚のカードを入れるとその姿が両肩に髑髏の様な頭があり、胸部にも白い顔があり、左腕から大きな鉤爪が生えている怪人、人造アンデッドケルベロスのものに変わる。

 

「変身したっ……!?」

 

「変身っつっても下間のとは大違いだな……」

 

「ああ、こりゃ仮面ライダーじゃなくて怪人だっ!」

 

変身をする戦士というのは雄英体育祭で何人かの人々に見覚えがあった。

特にこの場にいる雄英生達は馴染みも深かった。

だが、その仮面ライダーとは違う存在であると轟と爆豪は本能的にわかっていた。

 

「俺は怪人……ケルベロスッ!贋物が蔓延るこの世界を破壊する戦士だ!!」

 

自らの名前を名乗りあげると共にケルベロスの放つ光弾と火炎弾がヒーロー達に降り注いだ……

 

To be continued




ということでステインが人造アンデッドケルベロスになりました。
アンデッドだったら牙竜達じゃ倒せないだろうと思いますが……
まあ、いいでしょう


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職場体験3日目 保須事件 Part2

(三人称視点)

人造アンデッドケルベロスと化したステインの攻撃はその場のヒーロー達に大ダメージを与えた。

 

だがそれ以上に深刻なのはその場にいた3体の脳無達だ。

彼らはヒーロー達がケルベロスに気を取られている隙にその場から離脱し街に解き放たれていた。

 

翼を持つ脳無は上空から市民達を狙っている。

 

「な、なんだあのバケモン!?」

 

「に、逃げろー!!」

 

その脳無は10人程度の群衆を見つけるとそこに向かって急降下していく。

 

「ほ、他の奴もいるぞ!」

 

さらに残り2体もその群衆に狙いを定めて迫ってくる。

 

「お、終わった……」

 

万事休すかと思われたその時だった。

 

『メガスマッシュ!』

 

『コ・チーン!』

 

『ジェット!』

 

3つの斬撃が脳無達に放たれた。

 

「上空の奴は任せろ!!」

 

ビートクローザーを持つクローズマグマは背中のソレスタルパイロウィングによるジェット噴射で空中を飛び回り、翼を持つ脳無に対し様々な方向から攻撃を仕掛けていく。

 

「白き者は我に!」

 

『カ・チーン!』

 

ブレイブファンタジーゲーマーは先程新幹線で緑谷出久を襲った白い個体にガシャコンソードから炎を放つ。

 

「じゃ、残った奴は俺だな。」

 

『スチーム!』

 

アクセルは黒い個体を相手に蒸気で視界を遮ってからエンジンブレードで横一閃切り、脳無の切り裂かれた腹部の筋繊維が露出する。

 

「さあさあ!今のうちに逃げたまえ!!」

 

「道はこっちだ。」

 

その間にエボルとゲンムが避難誘導を行う。

 

その一方でケルベロスとヒーロー達は、

 

「炎が効かない!!」

 

怪人相手にもNo.2ヒーローであるエンデヴァーは渡り合っていた。

放たれる攻撃を炎で防ぎ、自身の超火力な炎を放っていたがそれはどうやらケルベロスには効いていないようだった。

 

「え、エンデヴァーさん……」

 

一方他のヒーロー達は先程の攻撃で動ける者の数は大きく減っていた。だが、エンデヴァーのお陰で何とか殺されずには済んでいる。

それはインゲニウムとて例外ではなかった。

 

「天哉……ここは任した……」

 

ケルベロスの攻撃から飯田天哉を庇い重症を負ってしまったインゲニウムはこの場を弟である天哉に託す。

 

「そんな!兄さん!俺はッ……俺はどうすればッ……」

 

だが飯田天哉は自信を失っていた。

尊敬する兄でさえこのザマなのだから自分でどうにか出来る訳では無い。どうすればいいか分からない状態だった。

 

(俺じゃ無理だ……)

 

迷う天哉に対して他の雄英生達は……

 

「動ける奴らはエンデヴァーの援護を!」

 

「グラントリノ!僕に行かせて下さい!」

 

「ボウズ!?お前じゃ無理じゃ!」

 

「いえ、待ってください!僕だって、切り札はあります…」

 

グラントリノからすれば訓練でまだ1度も自分を倒せていない未熟な出久にこの戦いに参加させることは不安であった。

 

「僕だって牙竜君みたいなっ…!カッコイイヒーローになるんだ!!こんなところで立ち止まっててたまるか!!」

 

突っ走る出久をグラントリノは止めようとしたがそのグラントリノの足は止まる。

それは彼が腰に着けているベルトの存在に気付いたからだ。

 

『ラビット!』

 

そのベルトの名はビルドドライバー

 

『タンク!』

 

雄英体育祭を観ていた者達の多くは覚えている筈だ。

優勝した下間牙竜こと仮面ライダークローズが使っていたベルトでもあり、

 

『ベストマッチ!』

 

2回戦である騎馬戦でも緑谷出久が1度使用したベルトである。

 

『Are you ready?』

 

「変身!」

 

ビルドドライバーにラビットとタンクの2本のボトルが差し込まれ、レバーを回して出久の身体は赤と青のハーフボディに挟まれる。

 

『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イェーイ!!』

 

仮面ライダービルド、ラビットタンクがケルベロスに向かって走り出す。

 

「俺達も!」

 

それに爆豪と轟も続く。

 

「焦凍っ…」

 

「ガキ共が!!」

 

それはここまでケルベロスの攻撃を1人で対処し続けていたエンデヴァーにとっては十分な援護であった。

彼に向けられて放たれていた攻撃はビルドの方に向き、それを轟が作り出した氷壁が防ぐ。

 

(ワンフォーオール!フルカウル!)

 

そして身体中に微量のワンフォーオールを纏ったビルドは元来持つ跳躍力に加え、ワンフォーオールによる身体能力強化を上乗せして氷壁の上を飛び越える。

 

「はあああぁぁぁぁぁ!!」

 

重力と位置エネルギーを上乗せしたドリルスマッシャーの一振が上からケルベロスに叩きつけられる。

 

「お、お前はっ……」

 

「仮面ライダービルド、デクッ……僕が来た!!」

 

ビルドはステインの向けてパンチや蹴りを連続で放っていく。

ワンフォーオールによって身体能力が強化され、それぞれの攻撃の威力、攻撃の速度が上昇し、歴戦の猛者でもあるステインを圧倒している。

 

『タカ!ガトリング!ベストマッチ!』

 

『Are you ready?』

 

「ビルドアップ!」

 

『天空の暴れん坊!ホークガトリング!イェーイ!』

 

ホークガトリングフォームに変身したビルドが空へ飛び立つとともに

 

「レミントンアイス!」

 

爆豪の大規模爆破が轟の作った氷壁に向けて放たれて氷の破片が散弾銃の弾丸の様にケルベロスに放たれる。

 

『10!20!30!』

 

空中からはホークガトリンガーから放たれる弾丸の雨がケルベロスに放たれる。

 

「クッ……!」

 

「決めろ!緑谷!」

 

怯んだケルベロスの足元を轟が凍らせると。

 

『10!20!30!40!50!60!70!80!90!100!フルバレット!!』

 

ビルドがホークガトリンガーのリボルマガジンを回転させ

 

『ボルテックフィニッシュ!』

 

ケルベロスを球状の特殊なフィールド内に隔離し、100発もの弾丸を連射して撃ち抜くとケルベロスを中心に爆発が起こる。

 

その一方で

 

「こいつら全員再生能力持ちかよ!」

 

「だったら限界までダメージ与え続けて再生出来なくなるようにするまでだ!」

 

3人の仮面ライダー達は脳無の再生能力に手間取っていた。

攻撃しても回復してくるがその再生速度は回を重ねる事に落ちてきている。なので3人が粘り切れれば何とか勝つことが出来る。

 

「仮面ライダー共!覚悟しろ!!」

 

だがその陣容も新たな敵の存在によって崩れようとしていた。

先程までステインと共に行動していたパラドキサアンデッドが脳無達と戦うクローズ、ブレイブ、アクセルに真空刃を放った。

 

「もう1人怪人がいやがったか、」

 

だがその真空刃は全て破壊された。

 

「ヴワッハッハッハ!!流石ガシャコンスパロー!いい武器だ!!」

 

パラドキサアンデッドが放った3つの刃のうち1つは仮面ライダーエボルコブラフォームが拳で破壊し、残り二つはゲンムゾンビゲーマーレベルXがガシャコンスパローで撃ち落とした。

 

「か、仮面ライダー!?何人いるんだ!?」

 

「まあいい、こいつは俺達でやるぞ。」

 

「ああ、神の力を見せてやろう!」

 

ゲンムとエボル、2人のライダーがパラドキサアンデッドと拳を交え始める。

 

To be continued



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職場体験3日目 保須事件 Part3

大学始まって更新ペースは落ちましたが文字数は5000字近くなりました。

今回は爆豪と轟がかっこいいのとヤベーイアレが登場です。


(三人称視点)

 

「や、やったのか……」

 

ヒーロービルボードチャート2位の実力を誇るヒーロー、

エンデヴァーでも仮面ライダービルドとケルベロスの戦いに手も足も出なかった。

実力面では参戦することもできるだろうがヒーロー達を圧倒したケルベロス、それに反撃の隙を与えなかった仮面ライダービルドに気圧されていた。

 

「いや、まだじゃな…」

 

その戦いはビルド達の勝利かと思われたがケルベロスの身体は健在であった。

 

「しぶとい奴だ!プロミネンスバーン!!」

 

ビルドの必殺技を受けてもなお倒れることなく戦おうとするケルベロスに対してエンデヴァーは高火力の熱線を放ち焼き尽くそうとする。

 

「効かんッ……1番という名声に囚われた贋物よ!」

 

「エンデヴァー!!」

 

だがその炎すらも効かなかった。

 

『シュワッと弾ける!ラビットタンクスパークリング!イエイ! イエーイ!』

 

空中からラビットタンクスパークリングにビルドアップしたビルドが二人の間に割って入り、ドリルスマッシャーでケルベロスの爪による大振りを受け止めるが、

 

「ディヴァインウェーブ!」

 

ケルベロスの肩の双頭から放たれる火炎弾がビルドの身体を吹き飛ばした。

 

「小僧!」

 

そのビルドの身を案じたグラントリノもケルベロスに横薙ぎにされて地面の上に転がる。

 

「贋物は…全て……破壊する……!!」

 

ケルベロスは再度ディヴァインウェーブをエンデヴァーに放つ。

 

「親父!避けろ!」

 

これもまた自分のヘルフレイムで防ごうとしたエンデヴァーだったが息子の声で行動を回避に変更。

足から炎を出して飛び火球を避ける。

 

「こ、これは……」

 

その攻撃は偶然にも近くになった車に当たり、ほぼそのボディを消滅させた。

 

(この威力……防ぎきれてなかったかもしれないな……)

 

「今のうちに俺達で!」

 

「わかっとるわ!!」

 

轟の氷結がケルベロスの足元を凍らせ、背後に回った爆豪がケルベロスの背部に数発爆破を撃ち込む。

 

「その程度では効かん!」

 

圧倒的という言葉が今のステインには相応しいだろう。

足元の氷を瞬時に割ると背後に腕を回し爆豪を掴み、

 

「学生如きが……!俺を止めることなどできるわけなかろう……」

 

轟の方に投げ飛ばした。2人の身体はぶつかり合い、お互いが地面に伏すと

 

「さあ、エンデヴァー……まずはお前からだ!!」

 

ビルド、爆豪、轟、インゲニウム、グラントリノ

彼らを圧倒的な力で倒したステインことケルベロス

エンデヴァーの攻撃すらも彼には効いていない。

人造アンデッドである故封印できないから倒せないという訳では無い。これはあくまでステインが肉体改造により、人造アンデッドであるケルベロスのラウズカードを自らの身体にスキャンし融合した姿。所謂ケルベロスIIの状態であり、ある程度のダメージを受ければ融合が解ける筈だ。

だがしかし、忘れてはいけないのは融合してる相手がヒーロー殺しステインであるということだ。

 

「俺を殺させはしない!」

 

普通のケルベロスはジョーカーアンデッドすらも圧倒する力を持ち、権力を持つ普通の身体能力の老人と融合したケルベロスIIは4人のライダーとギラファアンデッドが協力して漸く倒せた程だ。

エンデヴァーが拳と共に放つ炎です避け切るか当たっても大したダメージにはならない。

 

「終わりだ!」

 

そしてケルベロスはエンデヴァーに凄まじい速度で至近距離まで近づき、その鉤爪で命を刈り取ろうとしていた。

 

(ワンフォーオール!フルカウル!)

 

ケルベロスのスピードにエンデヴァーも自らの命の危険に気付くのに時間がかかったが、敵の鉤爪が首元に到着するよりも前にビルドラビットタンクフォームの蹴りがケルベロスの右脇腹に突き刺さり、ケルベロスの腕は止まった。

 

「僕が皆を守るんだ!」

 

先程のダメージでラビットタンクスパークリングの変身が解けてしまったがラビットタンクフォームとワンフォーオールの組み合わせだけでもスピードと攻撃力は十分。

繰り出される拳と蹴りはエンデヴァーがケルベロスと一旦距離を置くのに十分だった。

 

(この威力っ…強いっ……だがっ……!)

 

「まだ甘い!」

 

だがそれもまたディヴァインウェーブで吹き飛ばされて止められる。

 

(エボルトさんは絶対に使うなって言ってた……でもっ……!)

 

「だったらこれで……」

 

それでも立ち上がったビルドが手に持つのはハザードトリガー

 

「出久…何するつもりだ……?」

 

爆豪勝己が気付いた時にはもう遅かった。

 

『ハザードオン!』

 

『ラビット!タンク!スーパーベストマッチ!』

 

ハザードトリガーがビルドドライバーに付けられて

 

『ドンテンカーン!ドーンテンカン!ドンテンカーン!ドーンテンカン!』

 

(エボルトさん……牙竜君……ゴメン……危険だって言ってたけど使わなきゃいけないんだッ…!インゲニウムさんや!皆を助けないと!!)

 

エボルトがパンドラバングル等のビルド用のアイテムを渡す時にある程度ボトル等について説明していたのだがその時ふとハザードトリガーについての話もしていた。

暴走するというリスクがあるから使ってはいけないとエボルトは釘を刺していた。

だがしかし、ヒーロー達を圧倒するケルベロスを前に強化変身するために使わざるを得ない状況になってしまった。

 

『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!ガタガタゴットン!ズッタンズタン!』

 

(かっちゃんも…轟君も……僕が助ける!)

 

自分がさっき攻撃にやられたせいで爆豪と轟もやられてしまったったことにより焦りも感じていたためかビルドドライバーのレバーを一心不乱に回す。

 

『Are you ready!?』

 

「変身!」

 

『アンコントロールスイッチ! ブラックハザード!ヤベーイ!』

 

出久の身体が鋳型のような専用のフレーム、ハザードライドビルダーでプレスされたかと思うとその姿は正しく黒いビルドと呼ばれるような姿に変わった。

 

「また姿が変わったッ……?」

 

ビルドの新たな姿に驚くのも束の間、ケルベロスの身体に一瞬にしてビルドの拳が突き刺さった。

 

(一瞬で近付かれたッ!?)

 

ビルドの動きに追いつこうとしてもそれを上回るスピードと打撃

ビルド本来のスペックに加えてワンフォーオールの力、そしてハザードトリガー使用によるハザードレベル上昇から来る身体能力の強化は緑谷出久に圧倒的なパフォーマンスを発揮させた。

 

「なんだよ…あれ……」

 

その戦いに爆豪勝己は度肝を抜かれていた。

出久から繰り出される打撃は相手に攻撃の隙を与えずひたすらに繰り出されている。これは下間牙竜お墨付きの先方でもあり、それを真似ているとも言えるがその攻撃1発1発に躊躇がない。

 

「あんなの…出久じゃねえだろ……」

 

爆豪勝己は違和感を感じていた。

10年にも渡って虐げてきた相手を許せる度量を持つ他人思いな出久がまるで相手を破壊するために拳を振るっているのだから。

 

「緑谷……アイツ身体をコントロール出来てねえんじゃねえか?」

 

轟が呟いた。

 

『マックスハザードオン!オーバーフロー!……ヤベーイ!』

 

ビルドは自分のベルトのハザードトリガーのスイッチを再度押した。

 

「馬鹿なッ!」

 

そこからのビルドの戦いは驚異的だった。

ケルベロスの顔面部に拳を放つと飛び上がって宙を舞い上から相手の左肩に足を蹴り下ろす。

 

「暴走しちまってるぞ!!」

 

そこから踏みつけるように何発も蹴り、蹴った際の反作用でまた飛び上がっては蹴る。

その戦い方に爆豪は出久自身の意思での戦いではないことに気付いた。

 

「暴走の原因はあれか?」

 

「恐らくそうじゃな。」

 

轟とグラントリノは彼の暴走の原因がハザードトリガーであることを察した。

 

「あれ使ってから戦い方がおかしいからな。間違いねえ……」

 

「だったら取ればいいだけの話だ。」

 

爆豪の言葉に応えるようにエンデヴァーがハザードトリガーを外すことを提案。

 

「俺とて1人のヒーローだ。ここで動かない訳にはいかないな。」

 

暴走する出久、このままでは相手を殺してしまってもおかしくない。

暴走して他の人達に被害を及ぼしてしまうかも知れない。

そんな状況から出久を救うために動ける者達がハザードトリガーの奪取に動くことに

そんな中でインゲニウムの横にいた飯田も立ち上がり名乗り出る。

 

「だったら俺も行く!俺が兄さんの代わりにアイツを倒す!」

 

だがその目は憎しみに満ち溢れ血走った物だった。

彼の横にはケルベロスの攻撃で怪我を負いインゲニウムが倒れていた。彼がヒーロー殺しによって地に伏せたのは2回目だった。

 

「テメエヒーロー殺しに復讐する気だろ…………兄貴がやられたからって……」

 

「……」

 

「図星か……」

 

爆豪の問い掛けに無言を貫くがそれは肯定の沈黙だった。

 

「飯田…お前が憧れたのはどんなヒーローだ?」

 

「俺の憧れのヒーロー……」

 

次に轟が飯田に問い掛ける。

 

「お前のなりてえモンちゃんと見ろ、でなきゃ何も見えなくなるぞ、」

 

「僕の……なりたいもの……」

 

轟は嘗て自身の夢を違う事情で見失ってしまっていた。

そして復讐の鬼になろうとしていた彼を自分と重ね合わせていた。私情で目標を見誤って孤独になっていた過去の自分と

 

「2人ともすまない!俺は自分を見失いかけていた……」

 

「気にすんな、わかったならとっととやんぞ!」

 

「ああ!緑谷君を救ける!」

 

「天哉……」

 

気持ちを改め出久を助けに向かおうとした時にちょうどインゲニウムが目を覚まし。

 

「俺の分も友達を助けてやってくれ……」

 

腕を突き出した。親指を立ててそれを弟に向ける。

 

「ああ!兄さん!」

 

彼ら雄英生達が動き出した一方でプロヒーロー2人は既にハザード状態のビルドと対峙していた。

 

「なんというスピードじゃ!?」

 

ステインは既にビルドの攻撃でケルベロスとの融合が解けて人間の姿を晒して倒れており、ラウズカードもその隣に落ちている。

ビルドがステインをそのまま殺してしまわないようにエンデヴァーが炎を放って気を引き付けてその間にグラントリノがハザードトリガーを奪おうとするがビルドが素早く対応し上手く奪えない。

 

「俺達も行くぞ!」

 

その場に爆豪らも現れると正面から爆豪がビルドに爆破を放つ。

そちらに気が逸れたビルドを

 

「親父!そのまま拘束しろ!」

 

エンデヴァーの炎で作られたムチがビルドの両腕を縛り、足元を轟の氷が覆う。

 

「今だ!グラントリノ!」

 

足からジェットを放ったグラントリノがビルドドライバーに飛びつこうとする。

 

「しまった!」

 

だがビルドの足の筋肉は強く足を振り上げただけで氷を砕きグラントリノを蹴り飛ばしたが、

 

「レシプロバースト!」

 

飯田がエンジンで急加速、

足元も轟が凍らせていたためそれを滑るようにして飯田は一直線に進み、ビルドドライバーに手を伸ばし。

 

「取った!!」

 

彼らの連携で飯田の速度に手も足も出せなかったビルドのベルトからはハザードトリガーが抜き取られていた。

 

「ッ……」

 

それによってビルドの変身が解除されて緑谷出久の姿に戻る。

 

「はぁ…はぁ……ゴメン…みんな……」

 

「気にすんな……んな事より体大丈夫か?」

 

暴走していく中でも出久に意識はあった。

必死に暴走する自身を止めようとしていたが叶わず何とか止めてくれた仲間達に迷惑をかけてしまった事を詫びる言葉が口から漏れ出てそんな出久に轟が寄り添い肩を貸す。

 

「俺の方こそすまなかった。緑谷君があんなことになっているのに俺は色んなことを見失っていた……」

 

「気にしないで、飯田君。僕達友達でしょ……」

 

出久が苦しんでいる中で飯田はステインへの復讐のことしか考えることができなかった。その事への申し訳なさから飯田も深々と頭を下げる。

 

「それに、飯田君がいなかったら、僕はもっと大変なことになってた…助けてくれてありがとう……君も僕のヒーローだよ、」

 

「緑谷君……」

 

彼らがお互いを気遣っている最中でも、まだ戦いは終わっていない。

 

「お前ら!逃げろ!!」

 

彼らの輪の中に入らず様子を外から見ていた爆豪はステインの横に落ちていたケルベロスのラウズカードが発光し始めていることに気が付いた。

 

「あ、あれって……」

 

彼らはそのカードから距離を置くがその時には既に先程ハザードビルドが倒したはずの人造アンデッドケルベロスが再臨していた。

 

「まだ戦いは終わっていないようだな……」

 

エンデヴァーの言葉と共に復活したケルベロスとの戦いが封を切る。

 

To be continued




天王寺さん式のケルベロス及び融合体のケルベロスIIのシステムを活かしてみました。
ステインさんはショッカーによってアクセルに負わされた腕の怪我を治してもらい、ケルベロスと融合できるようにしてもらいました。
ケルベロスの封印が解けた理由はステインがやられた時のショッカー側の保険です。
次回で保須事件は一旦終わりです。
また次回をお楽しみに!


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職場体験3日目 保須事件 Part4

お待たせ致しました!
遂に保須での戦いは完結ですが今話からビルド、エグゼイド以外のライダー要素がかなり増えます。
特に仮面戦隊ゴライダー等のネット作品のネタバレ等も多く含むことになりますがご了承ください。


(三人称視点)

 

「オラオラァ!!」

 

出久達がケルベロスと融合したステインと戦っているのほぼ同時刻、仮面ライダーアクセルこと甘粕政信は黒くて筋肉質な脳無戦っていた。

エンジンメモリのエレクトリックで電気を纏わせたエンジンブレードで脳無を何度も叩くように切りつけて裂傷と電気によるダメージを負わせる。

 

「どんだけ再生しやがんだッ……」

 

だが何度切りつけてもその傷は再生されていく。

 

「だったら、こういうのはどうだ?」

 

『ヒート!マキシマムドライブ!』

 

アクセルの持つエンジンブレードにヒートのガイアメモリが挿入される。サイクロン、ヒート、ルナの3種類のソウルサイドのメモリもエンジンメモリと共に持っていたアクセルの炎を纏った剣は脳無の身体に"A"字型の傷を付けるように振るわれる。

 

「焼いちまえば再生できねえだろ」

 

深く刻まれた傷はヒートメモリの効果で焼かれて炭化してその細胞は再生することができない状態になってしまっていた。

 

『アクセル!マキシマムドライブ!』

 

そしてアクセルドライバーのマキシマムスロットルを回し脚部に加速の記憶を内包したパワーを纏い、脳無の胸に向けて蹴り放つ。

 

「決まったな、」

 

宙に向けて蹴り飛ばされた脳無はそのまま地面に自由落下し動かなくなった。

 

「炎も氷も効かないっ…!!」

 

一方の甲斐銃士こと仮面ライダーブレイブファンタジーゲーマーレベル50は白い四つ目の脳無と戦っていたのだがこの脳無は炎を浴びても吸収し再度放出してくる。

氷も砕かれてしまうのでガシャコンソードからの攻撃では倒すことができない。

 

「その手はもう見切ったっス!」

 

さらにこの脳無は舌を出して鞭のように振るい攻撃を仕掛けてくる。

だが、ブレイブもここ2日間の鍛錬で剣裁きはより鋭くなっており、相手の舌はガシャコンソードの剣戟の前にあっけなく切り裂かれる。

 

「黎斗さんがいないけど!自分だけでもやってやるっす!!」

 

体育祭決勝戦で見せたマザルアップは新・檀黎斗・神がいなければ使うことはできない。

現在彼はパラドキサアンデッドとの闘いの最中でこちらには手を出せない。

 

「月光漸!」

 

ブレイブの一閃で脳無の両腕が切り落とされる。

 

「再生しても無駄である!」

 

その腕はすぐに再生されるがブレイブが魔法で作りだした幾つもの真空刃が再生したばかりの両腕とムチのように伸びる舌、両足や胴体を切り裂き。

 

「我が絶対零度の魔剣の前にひれ伏すといい!!」

 

『タドルクリティカルフィニッシュ!!』

 

ガシャコンソードアイスモードにタドルクエストのガシャットを挿入し、氷を纏った低音の斬撃を繰り出す。

 

「全て零度となったな……」

 

肉片は全て氷に包まれて再生することも出来なくなる。

 

「銃士の野郎は凍らしたか、だったら俺はテメエを燃やし尽くしてやるぜ!」

 

そして黒い個体と戦うクローズマグマはマグマを纏った拳とドラゴンフルボトルを装填したビートクローザーを脳無の放つ拳にぶつけることで敵の攻撃の威力を削ぐどころか脳無の両腕の骨を破壊していく。

 

「再生も追いつかねえだろうな!」

 

ドラゴンフルボトルに内包された蒼龍のエネルギーを纏ったビートクローザーは斬撃だけでなくエネルギーによる打撃が脳無の腕や胸部を遅い、その筋肉や骨を破壊していく。

それでも身体は再生していくがビートクローザーとクローズの打撃によって再生した箇所もまた潰される。

 

『ヒッパレー!ヒッパレー!ヒッパレー!』

 

『メガスラッシュ!』

 

蒼炎を纏った龍の斬撃が脳無の腹部を切り裂き身体を真っ二つにすると、

 

「うおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!燃え盛れ!俺のマグマ!!」

 

『Ready Go!』

 

『ボルケニックフィニッシュ!!』

 

そして紅炎を纏ったクローズマグマがドラゴンの形をしたマグマ弾を下半身と分断された脳無の上半身に向けて連射する。

 

「焼き尽くしたぜ……」

 

マグマの熱で残った脳無の体が焼き尽くされて炭化し再生不可能な状態になる。

 

「なあ、アンデッドってブレイド系ライダーいなかったら封印できねえんじゃねえか?」

 

「ああ!そうだとも!現在いることが確認されている仮面ライダーにはラウズカードを使う者はいないと聞いてなあ、私が派遣されたのだ!!」

 

真空刃を放つパラドキサアンデッドの攻撃をエボルとゲンムは防ぎきっており、カテゴリーキングのアンデッド相手にダメージを受けることなく立ち回ってはいるが攻撃の方は決定打に欠ける。

パラドキサアンデッドらアンデッドの種族は不死身であり、倒した後に封印する必要がある。

だが封印ができるのはラウズカードを持つライダーのみである。

アンデッドのバックルが開いた封印寸前の状態にまで追い込むことはヒーローやライダーなら可能だが、ラウズカードがなければ封印までこぎつけることはできない。

 

「ラウズカードか、なら私に良い考えがある。」

 

ゲンムは変身を解き、自ら檀黎斗の姿を晒す。

 

「君達は知っているかな?仮面戦隊ゴライダーという物語を」

 

「ゴライダー?なんだそれは!?」

 

「なるほど…あれか……」

 

檀黎斗の問いかけに困惑するパラドキサアンデッドと問いかけの意味に感づくエボル

 

「嘗て私も…いや、私のバックアップと言った方が正しいか。嘗て私のバックアップも使ったことがあるのだよ。仮面ライダーブレイドの力をォ!!」

 

黎斗がパラドの手によって最初の死を迎えた後、彼が自分のバックアップとして作成していた"クリア不可能なゲーム"の中で彼のバックアップは姿を隠し暗躍するために仮面ライダーブレイド/剣崎一真の姿に化けていたのだ。

 

「ほう、ブレイバックルも使えるのか」

 

データを利用した模造品であるとはいえアンデッドの力が込められているラウズカードを使って仮面ライダーブレイドにも変身した。そしてこちらの新・檀黎斗・神は全ての檀黎斗の生のデータ、死のデータ、そしてバックアップのデータを取り込んでおり、嘗てのようにブレイバックルを使うことも出来る

 

「ま、まさか!」

 

「変身!」

 

檀黎斗が自身の腰に着けたブレイバックルのターンアップハンドルを引くことで

 

『Turn up!』

 

という電子音声と共にオリハルコンエレメントが現れて、それは変身を妨害しようとパラドキサアンデッドが放った真空刃すら弾き返し、それをくぐることで檀黎斗の姿は仮面ライダーブレイドの物に変わる。

 

「コンティニューしてでも……姿を変えてでも……クリアしてやるゥッ!!!」

 

『タイム!』

 

ブレイドへと姿を変えた黎斗が最初に使ったのはカテゴリー10、タイムスカラベのカードだ。

時を止めてその間にパラドキサアンデッドの背後に回ると…

 

「喰らえ!」

 

「いつの間に!?」

 

時間が動くと共にブレイラウザーを振り下ろして背中を刃で切り付ける。

 

『サンダー!スラッシュ!』

 

『ライトニングスラッシュ!』

 

「ぐぉッ……!!」

 

背中を切られて怯んだところを今度は電撃を纏った刃を振るい、斬撃と電撃の両方のダメージを与える。

 

「トドメだ!!」

 

『キック!サンダー!マッハ!』

 

「俺もいっちょやってやるか」

 

『Ready Go!』

 

『ライトニングソニック!』

 

『エボルテックフィニッシュ!!』

 

3枚のカードと融合したブレイドと破壊神エボルトの2人のライダーの飛び蹴り、必殺のライダーキックがパラドキサアンデッドの胸部に突き刺さり、その勢いで後方へ吹っ飛びながら彼のバックルは封印可能を現すかのように開いた。

 

「カテゴリーキングか、面白い!」

 

ブレイドが投げたラウズカードは吸い込まれるようにパラドキサアンデッドの身体に突き刺さった。

すると緑色に発光したパラドキサアンデッドの身体はカードに吸い込まれていき、ラウズカードは黎斗の手に戻る。

 

「封印完了だな。」

 

ボソッとエボルトが呟いた。

 

「ふ、復活しやがったっ……!?」

 

「まだやろうって言うのか?」

 

一方ステインを倒したハザードビルドの暴走を何とか止めたエンデヴァー及びグラントリノ一行はステインのラウズカードから復活した人造アンデッドケルベロスと対峙していたが出久はハザードビルドへの変身で体力を消耗し切っていて戦えるのはエンデヴァー、グラントリノ、飯田天哉、轟焦凍、爆豪勝己の5人のみ

 

「お前達は下がっていろ!」

 

学生達3人の前に立ち、エンデヴァーが炎を放つがケルベロスには効いていない。

 

(クソッ……俺の炎も限界かッ……)

 

さらに炎の使用過多によ身体に熱が籠ってきており思うように動けなくなってきている。

 

「あとは任せろ、」

 

その言葉と共に突然数発の銃弾がケルベロスの背中で爆ぜた。

 

「お前は誰だ!?」

 

「俺か?俺は通りすがりの仮面ライダーだ。覚えなくていい」

 

"歩くカード図鑑"という表現が相応しいだろう。

身体の至る所に仮面ライダーの姿を写したカードが着いており、マゼンタ色のマントにも幾十ものカードが張り付いている戦士

その名も仮面ライダーディケイドコンプリートフォーム21

彼は先程ケルベロスを撃つのに使ったネオディケイドライバーを下ろしながら自分が誰かと問いかけたエンデヴァーに応えた。

 

「人造アンデッドか。ショッカーも厄介な奴を用意したな。」

 

『ブレイド!』

 

「だが無意味だ。」

 

『カメンライド!キングフォーム!!』

 

ケータッチから発せられる電子音と共にディケイドの胸部のライダー達のカードが全て仮面ライダーブレイドキングフォームの物に変わると彼の横にカードに描かれた戦士と同じ姿形の戦士が召喚される。

 

「いくぞ、」

 

『ファイナルアタックライド!ブ・ブ・ブ・ブレイド!』

 

キングフォーム専用の武器、キングラウザーとディケイドのライドブッカーソードモードから同時に金色の斬撃が放たれてそれぞれが彼らの前に生成されたカード型のエネルギーを通り、2つの斬撃がケルベロスに届くとこれまでヒーロー達を苦しめて来たケルベロスも呆気なく爆散する。

 

「す、スゲえ……」

 

風のように現れてケルベロスの最期を見るや否やすぐにこちらに背を向けて去っていくディケイドの圧倒的な実力に爆豪らは舌を巻き呆然とするしか無かった……

 

「この世界にもショッカーが現れたか。まあいい、この世界にもライダーはいる。まずはそいつに会いに行かないとな……」

 

To be continued




本編等で活躍が乏しかったけど設定上クソ強いフォームを輝かせられるのは二次創作小説の特権でもあり、自分の中では不遇ライダーや不遇フォームを輝かせるが作家としての1つだと思ってます。
さらにゴライダーで黎斗さんがケンジャキに化けてた要素までぶっこみました。
黎斗ブレイド如何だったでしょうか?
感想欄で書いていただけると嬉しいです


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職場体験4日目 事件の後始末

動画作成の方で一区切りついたので短いですが職場体験編の最終話が書けました。
少々ディケイド登場の展開とかでお気に入り人数が減ってしまいましたがめげずに自分のやりたいようにやっていきたいと思います。


(エボルト視点)

昨夜の保須での戦いは最後は警察の来訪と共に幕を下ろした。

肝心の保須にいたステインだが現場にいたエンデヴァー及び職場体験に来ていたA組のクラスメイト達によって捕まえられたらしい。

その後俺達は品川のアクセルヒーロー事務所に戻り、翌朝からは事件に関する書類整理をしていた。

 

「で、出久達から連絡はあったのか?」

 

「ああ、戦闘許可なく戦ったつーことでポリ公から注意はあったがステインはエンデヴァーが倒したってことで処理されて処分は無しってことらしい」

 

どうやら現場に居合わせた出久と爆豪、轟、飯田はプロヒーローからの戦闘許可は無かったが戦闘に参加。

怪人になったステインを倒したらしいが…

 

「そうか…ハザードトリガー使ってしまったのか」

 

パンドラボックス内のアイテムをどこからでも取り出すために作ったパンドラバングル経由で出久はハザードビルドに変身。案の定暴走してしまったらしい

次会った時にキツめの説教が必要だな。

 

「けどどうも納得いかない話だね。エンデヴァーの攻撃すら効かない怪人が現れたんだろう?ならそこは仮面ライダーが出るべき場面だ。仮面ライダーになった出久君が注意を受けるのは疑問だな。」

 

と神さんがこの話に首を突っ込んできたが強ち間違ったことは言ってねえ。

 

「ああ、俺もそう思う。この戦いでもショッカーの怪人が実際に現れたわけだし甘粕さんも一回戦ったことがあるんだろ?」

 

「そうだな、ありゃ並のヒーローじゃ勝てねえだろうな。」

 

甘粕さんの言う通りだろうな。今回の一件も出久が変身してなきゃ恐らく一部のヒーローはヒーロービルボードチャートのランキングが幾つか繰り上がってただろうな。No.2の座が空く故に

 

「結論から言えばショッカーの活動が顕著に現れているのならば仮面ライダーに変身できる人材は呑気に戦闘許可を待っている暇はないということだね。」

 

「珍しく意見があったな。神さん」

 

「ま、俺がいる時はすぐに戦闘許可だしてやっから安心しろ。」

 

甘粕さんも男気と頼りがいがある奴だ。

 

「で、問題はショッカーって奴らと今後どう戦っていくかだな。」

 

「そうっすね、自分達だけで倒せる相手何ですかね……?」

 

戦闘許可って面では甘粕さんがいりゃ何とかなるが問題は戦力面だ。

 

「恐らく今の戦力じゃ足りないだろうな…」

 

牙竜達の問いかけに答えたのは聞き馴染みはあるがこの場にはいないはずの男の声だった。

 

「「"門矢士!?"」」

 

門矢士、仮面ライダーディケイド

前世でテレビの中で見てた男が今俺達の目の前にいる。

 

「何だアンタ?不法侵入者か?」

 

「俺は通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ」

 

「通りすがりの仮面ライダー?そいつが何の用だ!」

 

甘粕さんは自分の事務所に勝手に入ってこられたからだろうか怒りの表情を見せる。

 

「もしかしてアンタ出久が言ってたライダーか?ステインを倒した後に出てきた怪人を颯爽と現れて倒したって云う。」

 

「ああ、その通りだ。俺はこことは違う世界から来た。世界の破壊者だ。」

 

「世界の破壊者…」

 

世界の破壊者ってワードに銃士が少し厨二心を擽られたのか目を輝かせているが

 

「破壊者だと?テメエまさかこの世界を破壊する気か?」

 

牙竜はその言葉に警戒心をあらわにし門矢士を睨みつける。

 

「安心しろ、この世界は破壊しない。俺の目的はショッカーを潰す。ただそれだけだ。」

 

その言葉に突っかかろうとした牙竜と甘粕さんの動きは止まる。

 

「ま、つまりアンタは俺らの味方ってことか?」

 

「そうだな、ある仮面ライダーも言っていたがライダー同士助け合いって奴だ。」

 

俺の質問に門矢士は仮面ライダーオーズ、火野映司の言葉を添えて返した。

 

「で、味方ってことはよく分かったがアンタショッカーについて知ってることとかあんのか?」

 

「ああ、あいつらは悪の秘密結社だ。俺がこれまで巡って来た様々な仮面ライダーの世界の悪の魂が集まってできた組織だ。それが何故かこの世界に拠点を置いているらしいが。」

 

甘粕さんが求めた情報に対する回答によれば色んなライダー世界の悪がこの世界で集まっちまったようだな。まあ普通のショッカー怪人とかアンデッドとかもいたしな。

 

「で、そいつらぶっ潰せばいいんだな?」

 

「物分かりが早くて助かるが今の戦力じゃ足りないだろうな。他の世界から仮面ライダー呼んで潰しにかかるのが一番早いが時間はかかる。だからまずはこの世界での戦力、この世界の仮面ライダーを増やせ。こういうカードもあるお前たちなら上手く使えるだろ。」

 

と言ってテーブルの上にはケルベロスのラウズカードが置かれ、門矢士は部屋を出ようとする。

 

「アンタはこれからどうするんだ?」

 

「ショッカーの調査と世界中で仲間集めだ。」

 

甘粕さんの言葉に足を止めることなく去っていった。

 

「な、なんだったんですかね?あの人」

 

「彼は世界中を巡る仮面ライダーさ。そして最強の仮面ライダーの候補の一人だ。」

 

神さんはテーブルの上にあったケルベロスのラウズカードを手に取ると。

 

「これは私の方が上手く扱えるだろう。ライダーシステムの開発は任せたまえ。」

 

「ああ、俺もライダーを増やすことにしよう。ま、目星はついてるんだけどな…」

 

門矢士の言う通りまずはこの世界の仮面ライダーを増やすことが最優先。

既に出久がビルド、相澤先生がナイトローグに変身できるがまだまだ増やす必要があるだろうな。

 

(牙竜視点)

 

保須の戦いから4日経って今日で職場体験も終わりだ。

 

「ありがとよ、甘粕さん」

 

「一週間の間ありがとうございました!」

 

「おう!また来いよ!」

 

新幹線の駅まで甘粕さんは見送りに来てくれた。

 

「ああ、今後もよろしくな!」

 

ということで俺達の職場体験は無事に終わったが本格的に戦わなきゃいけねえ敵のことが明らかになった。俺達もまだまだ強くならねえとな……

 

To be continued

 

 




門矢士の出番は今後もあるので期待!
コンプリートフォーム21の活躍にも期待


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期末試験編
新たな変身


期末テスト開始前にちょっと色々とやります。
なんかの本で読んだんですが雄英高校とか職場体験って中間試験より前なんですね。
取り敢えず中間試験~期末試験の間にいくつかエピソードを挟みます。
そして今話で仮面ライダーが増えます。


(エボルト視点)

季節はいよいよ梅雨、カレンダーも5月のページがめくられて6月を示している。

梅雨前線のせいで外は雨が降り湿度が高まり、常に蛙吹が嬉しそうにしている時期だな。

雄英高校では職場体験と中間テストを終えてヒーロー基礎学では雨天時の戦闘や救助の訓練なんかもしてるが最近はヒーロー基礎学がない日の放課後に俺達主導で自主トレをしている。

 

「オラァ!!もっと打ち込んで来やがれ!!」

 

今は牙竜、爆豪、轟がひたすら組み手をしていて、3人とも汗塗れで上半身に着ていたジャージは既に脱ぎ捨てて三者三様の肉体を晒している。それだけじゃなくて全員手にはフルボトルを持っている。

 

「これが…ハザードレベル5.0の動きッ……!」

 

この訓練の目的は仮面ライダーの適合者を増やすことだ。

まあつまりはハザードレベル3.0以上の人間を増やす必要があるってことだが生憎今ビルドドライバーの在庫がない。

手元にある余ってるドライバーはスクラッシュドライバーが2個だ。

丁度グリスとローグ用ってことだな。

 

「さて、計測の時間だ。手出してみろ。」

 

ハザードレベル5.0超えの身体能力オバケになりつつある牙竜相手に2人で戦ってた爆豪と轟の下へ行きそれぞれの手に触れる。

 

「ハザードレベル3.8ってとこか」

 

ライダーへの適合はできるが問題はスクラッシュドライバーだ。

ハザードレベル4.0じゃねえと扱えない代物だ。

それに暴走のリスクだってあるしな……

 

「緑谷だけか!?俺に太刀打ちできるのは!!」

 

一方相澤先生が変身したナイトローグも出久、麗日、飯田に追い込みをかけている。

彼らも体育祭前に一緒に自主トレをしてハザードレベルの水準は高めだが飯田と麗日はナイトローグの前では赤子の手をひねるようなモンだ。出久はビルドに変身し、ハザードトリガーを使わない状態での戦いの経験を積むがためナイトローグに食いついていくが流石プロヒーローの相澤先生

一切寄せ付けてねえな。

 

「牙竜さん、また戦ってますわね…」

 

因みに自主トレにはクラスメイトが全員参加しているがハザードレベルの水準が低かった奴らはまずは授業内容の応用だとか格闘術の勉強とかをしている。

 

「まあな、あいつん中では楽しいんだろうな。戦うことが、」

 

他が休んでる間も牙竜の奴は爆豪轟コンビとの組み手を続ける。

最早戦いへの執着すら感じるレベルだな。

 

「よ、アンタんとこの連中はどうだ?」

 

「まあまあだな、ハザードレベルの上昇値も伸び悩んでるな。」

 

丁度ナイトローグ組の方も休憩に移ったってことでナイトローグこと相澤先生に進捗を聞くが飯田と麗日は不調気味か。

 

「となると今ライダーに一番近いのは牙竜んとこの2人か。」

 

「そうか、それとこのナイトローグは俺の身体によく合ってるな今後とも主戦力として使わせてもらうとしよう。」

 

「主戦力?抹消は使わないのか?」

 

主戦力という言葉には少し引っかかるな。

これまで捕縛布、体術、そして個性の抹消でプロヒーローとして活動してきた相澤先生だがいくら強いからってナイトローグを急にメインに添えて主戦力で使うってことはないだろう…

 

「少し目の調子が悪くてな、」

 

「この前の後遺症か?」

 

「ああ、」

 

どうやらUSJで脳無にやられたのが原因か

 

「だがこれまでの技術を捨てることはしない。ヒーローは一芸だけじゃ務まらないからな。個性は第二の刃として取っておくだけだ。」

 

「一本目の刃がナイトローグで二本目の刃が個性か。悪くないね、第二、第三の刃ってのは大事だ。備えておいた方が良い。」

 

「その通りだな、さて、ここ借りれる時間は後30分か。」

 

ふと相澤先生が時計を確認すると貸出時間の30分前ってとこだな。

清掃もあるしそろそろ切り上げるか…

 

「エボルト!!ちょっと来てくれ!!」

 

そう思ってたところ牙竜の声が聞こえたのでそちらの方を見てみると牙竜の腕と胸が赤く腫れていた

 

(牙竜視点)

 

勝己と焦凍のハザードレベルを上げるために組み手をしていた時だった…

 

(威力が上がったッ……?)

 

焦凍が下から上に足を振り上げるように蹴った時に俺は腕でガードしたんだが威力が想像以上だった。

ガードが崩れたところに

 

(こりゃ一本取られたな……)

 

いつの間にか俺に接近していた勝己に胸に一発拳を喰らっちまった。

 

「ようやく一本か…」

 

「良い蹴りだったぜ」

 

2人とも明らかに威力とスピードがさっきより上がってやがる……

つーことはこれって……

 

「エボルト!!ちょっと来てくれ!!」

 

「どうした牙竜?色々と腫れちまってんぞ」

 

「んなことはいいんだ!2人のハザードレベルを測ってくれ」

 

「わかった、2人とも手出せ。」

 

「「おう!」」

 

2人がエボルトに手を出しそれにエボルトが触れると。

 

「2人ともハザードレベル4.0だ。一気に覚醒したな。」

 

さっきの攻撃の時に一気に4.0まで上がったんだろうな。

 

「ハザードレベル4.0っつーことは……」

 

「ああ、これで無事に仮面ライダーに変身だな」

 

そう言いながらエボルトがスクラッシュドライバーを2つ出して彼らに渡す。

 

「相澤センセ、今からこいつらにライダーシステムの使い方教えるんだが時間がかかりそうだが良いか?」

 

「良いだろう、その代わりしっかり教えろよ。」

 

「ああ、感謝する。」

 

てことで遂に爆豪と轟も変身か……

 

「いてて、さっきのあれは効いたぜ……」

 

ま、しばらく俺の出番はなしってことで休憩してる百の隣に座ってタオルで身体を拭く。

 

「傷…痛そうですわね……」

 

「ああ、ジンジンきやがるぜ。」

 

「でしたらこちらをお使い下さい。」

 

と百が氷嚢を出してくれた。

 

「よ、ありがとな。」

 

「当然ですわ!」

 

いやーホント助かるぜ。

いい1発喰らったとこがいい感じに痛みが引いてくるな。

 

(三人称視点)

彼らが自主トレを行っている体育館の中央でさっきまで脱いでいたジャージを着て、スクラッシュドライバーを着けた爆豪と轟、そして人間態の姿で、トランスチームガンを手に持ったエボルトが立っている。

 

『コブラ!』

 

「じゃあ、早速始めるぜ。蒸血」

 

『ミストマッチ…!コ・コッ・コブラ…!コブラ…!ファイヤー!』

 

エボルトの姿がワインレッドのコブラの戦士、ブラッドスタークに変わる。

 

『さあ、お二人さん。かかってきな。やり方は牙竜の見てるから大体わかるだろ』

 

「ああ…」

 

『デンジャー!クロコダイル!』

 

轟焦凍がクロコダイルクラックボトルを

 

「行くぞ!」

 

『ロボットゼリー!』

 

爆豪勝己がロボットスクラッシュゼリーをスクラッシュドライバーに入れて、

 

「「変身!!」」

 

それぞれがレンチ型のレバーを下ろすと、

 

『割れる!食われる!砕け散る!クロコダイルインローグ!オーラァ!キャー!』

 

『潰れる!流れる!溢れ出る!ロボットイングリス!ブラァ!』

 

2人の体はビーカーの様な容器に包まれてそこに液体が満たされて轟のビーカーがワニの顎のような機械で砕かれると轟の姿は仮面ライダーローグに変わり、爆豪勝己の姿も仮面ライダーグリスのものに変わる。

 

『流石ヒーロー志望!仮面ライダー変身するのに大事な強い思いってのを持ってやがるな!』

 

「当たり前だ!」

 

変身して早々自身の背後に爆破を放ってその推進力でグリスに変身した爆豪がブラッドスタークに向けて飛びかかり、右の掌をスタークの顔面部に向けて爆発させる。

 

「俺達が憧れてるのは"あの男"だからなッ…」

 

ローグに変身した轟の右から放たれた氷がブラッドスタークの足元を凍らせてその上を滑りブラッドスタークの目前に迫り拳を放つがそれに対抗するようにスタークの拳がローグの胸に突き刺さるが……

 

「全然効いてないぞ……」

 

そのダメージがローグの身体に伝わることは無い。

 

『クロコダイラタンアーマーだな。大体の物理攻撃は防げる。』

 

ローグの身体の各所にある装甲、クロコダイラタンアーマーは内部がヴァリアブルゼリーで満たされており普段は柔らかく動きやすいが、攻撃を受けた瞬間に硬化し防御力を飛躍的に高めることができ、勿論ブラッドスタークの拳による衝撃もこれで防ぎ切る事ができる。

 

「なるほどな、これは使えるッ…!!」

 

ローグの誇る防御力はこれまで遠距離攻撃主体だった轟に近距離での戦闘という選択肢を増やした。

 

(格闘戦の基礎は生憎クソ親父から叩きこまれてるからな、それに牙竜からもいろいろ教えてもらった、だから俺は出し惜しみはしねえ!!)

 

幼少期からのエンデヴァーによる特訓、ハザードレベルを上げるための牙竜との特訓。

そこで学んだ格闘術を轟は惜しみなく出す。

 

((俺に攻撃の隙すら与えねえ、牙竜流の戦闘スタイルだな。))

 

牙竜お得意の反撃のタイミングすら与えない攻撃の連打に拳に纏わせた炎が上乗せされて、流石のブラッドスタークも一歩、また一歩と退いていく。

 

「後ろがガラ空きだ!!」

 

突然の爆音と共にスタークの背中で爆発が起こる。

 

「牙竜のヤロウが使ってたこの武器…中々使えるぜ、」

 

『成る程な。ツインブレイカーのビームに自分の個性の爆破を上乗せしたか。』

 

「まあな、こんぐれえ余裕だ!」

 

さらに今度はアタックモードにしたツインブレイカーでブラッドスタークの腹部を突こうとする。

 

『コブラちゃん出番だ。』

 

だがそれをブラッドスタークの胸部から現れた巨大なコブラが阻む。

 

「あれは…」

 

「確か屋内戦闘訓練で百を苦しめた奴だな。」

 

そのコブラの姿に八百万は思わず口を覆う。

嘗ての屋内戦闘訓練で自分自身を圧倒したコブラの様なモンスターだ。

 

「まあ前までのあいつらなら苦戦してただろうが今はもう問題ねえだろ。」

 

『スクラップフィニッシュ!』

 

「ハウザーインパクト!!」

 

グリスが掌からの爆破に加えて肩や背中からのヴァリアブルゼリーの噴出で加速し、回転数を上げながら飛び、ヴァリアブルゼリーを自身の右手に纏わせてロボットの腕の様にしてコブラの頭部に振り下ろす。

 

「爆発しやがった!」

 

そのまま拳が爆発してコブラが地に伏せる。

 

『スチームショット』

 

『いい一撃だぜ、けどこれは防ぎきれるか?』

 

ブラッドスタークは自身のトランスチームガンとスチームブレードを合体させてライフルモードにして、そこにコブラフルボトルを装填、ワインレッド色のコブラの形をしたエネルギー弾がグリスに向けて放たれる。

 

「銃はそう使えばいいのか。」

 

だがその間にローグが割って入ると

 

『ファンキーブレイク!』

 

ローグが自身の銃型武器、ネビュラスチームガンにクロコダイルクラックボトルを挿入し、強力なエネルギー弾を発射ブラッドスタークの放った弾丸と相殺し爆発すると、

 

「一気に決めるぞ!」

 

『スクラップフィニッシュ!』

 

「ああ、」

 

『クラックアップフィニッシュ!』

 

肩や背中からヴァリアブルゼリーを勢いよく噴出して加速したグリスのライダーキック、

ローグの両足からの挟み込むようなライダーキックがスタークに向けられる。

 

『こうなったら一か八かだな。』

 

『デビルスチーム!』

 

スチームブレードから黒い煙が出たかと思えば何体かのスマッシュ達が生成されるが

 

「個性を纏ったな、」

 

牙竜は2人の技の変化に気が付いた。

ローグは右足に氷を、左足に炎を纏わせていて、グリスの足からはバチバチと小さな爆破が起きはじめ、

 

『まずいな、』

 

グリスの蹴りが一体のスマッシュに突き刺さったかと思えばそこから爆破が起こり周囲のスマッシュもろとも吹き飛ばし、炎と氷を纏ったローグの蹴りがスマッシュ達を挟み、吹き飛ばす。

さらっと後退した、ブラッドスターク以外のスマッシュ達は一瞬にして全滅した。

 

『よし、そこまでだ。2人とも初めてにしては上出来だ。』

 

そしてブラッドスタークの口から戦闘終了の宣言がなされ、全員が変身を解除する。

 

「3人とも良い戦いだったぜ、」

 

その3人に牙竜がタオルを投げ渡す。

 

「ああ、2人とも初めてライダーになったとは思えないな。」

 

「それほどでもねえ…」

 

「ああ、まだまだ牙竜には追い付けてねえからな。」

 

爆豪の言葉を聞き、ニヤリと笑う牙竜

 

「目標は俺か、良いぜ。いつでも待ってるぜ!」

 

「ま、とにかく爆豪、轟。今日から2人は正式に仮面ライダーグリスと仮面ライダーローグだ。世界の平和のために頑張ってくれよ。」

 

「「ああ!」」

 

To be continued

 

「」




ということで自主練とグリス&ローグの変身者決定ということで、
次回は多分日常回…というよりはデート回です。

生憎作者はデートとか、したことない非リア充なので投稿は遅くなりそうです。


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初めてのデート

10日も空けてしまった…
お待たせして申し訳ございません。

一先ず非リア充が書いたデート回楽しんでいってください。


(牙竜視点)

あれは数日前、皆で特訓をしてた後だった。

 

「あ、そうだ牙竜。お前いつになったら八百万とデートに行くんだ?」

 

突然エボルトが俺に問いかけた。

 

「デ、デート!?やっべぇ……考えてなかったわ……」

 

「ちゃんと考えとけよ。将来のお嫁さんかもしれないんだから、もっと近付いていけよ。」

 

とエボルトに後押しされまくっていざ百とのデート当日

 

((おいおい、初めてのデートで緊張するからって1時間前到着はヤバすぎだろ、))

 

(仕方ねえだろ!遅れたくなかったしよぉ…)

 

つっても集合時間まで30分あんのかよ、

早く着き過ぎちまったか…?

 

「牙竜さん!随分お早いですね!」

 

「も、百!オメエも結構早いじゃねえか!」

 

「当然ですわ!すっごく、楽しみでしたもの……」

 

百の奴めっちゃ期待してくれてるじゃねえか。

これは俺もその期待に応えれるようにしっかりリードしねえとな……

 

「よし!じゃあ早速行くか」

 

ということで今日俺達が選んだデートスポットは……

 

「着いたぜ、水族館!」

 

そう、俺達の最寄り駅から30分の港付近にある水族館だ。

因みに水族館に関してはエボルトが

 

『水族館でデートだったら1000%!お互い楽しめる』

 

と推薦してくれたので選んだぜ。

 

「大きい建物ですわね。我が家といい勝負ですわ」

 

「百の家といい勝負ってそれ百の家もかなりデカくね?」

 

少なくともこの水族館の大きさ、雄英高校の校舎よりデカい。

その水族館といい勝負の大きさの家っつったら宮殿か城に住んでんのか?

 

「いえいえ、大したことはありませんわ!」

 

「いや、大したことはある。それよりこれ前売り券。ネットで買ってコンビニで発券しといたぜ。じゃあ早速行こうか」

 

「はい!」

 

水族館に行くってのは早い段階で決まってたから前売り券も予め用意しておいた。当日券買うために並ぶ必要が無いってのはいい事だ。たっぷり水族館を楽しめそうだ。

 

つーわけでこの港沿いの水族館なんだが北館と南館の2つに別れていて入口は階段を上がって北館の2階だ。

 

「海もキレイだな〜」

 

ふと2階の入口前の広いスペースまで上がると海が一望できる。

この辺の地域の海辺っつたら昔はゴミがいっぱい捨てられてて評判悪かったが俺らが中3の時に急にゴミが掃除されて綺麗になったらしい。

また観光客が集まるようになって人気の出てきた砂浜や船の港が少しだけ見える。

 

「あちらのフェリーには1度乗ったことがありますわ」

 

と、ちょうど百が港を通るフェリーを指差す。

 

「へ〜どんなだった?」

 

「まるで高級ホテルの様な内装でしたわ」

 

「高級ホテルか〜俺もフェリー乗ってみてえな。」

 

「はい!是非1度ご一緒に」

 

「おう!そん時が楽しみだな!」

 

このフェリーは丁度出発した後だったんだろうか。

今日の空のように青い大海原に向けて旅立っていった。

 

「では、そろそろ水族館に入りましょうか」

 

「だな、」

 

俺は水族館ってのはあんま行ったことはねえがこの水族館作った奴は賢い。

入ってすぐ、目の前の水槽でいきなりシャチが元気そうに泳いでいる。

 

「デ、デケぇ…」

 

「可愛らしいですわね」

 

愛らしい見た目と巨体が特徴的なこの水族館の顔であるシャチが出迎えれば俺も百もその水槽の前へ足が進む。

 

「俺シャチなんて初めて見たぜ!」

 

「私も初めてですわ!!」

 

((ツカミはばっちりだな。))

 

その後2人揃って暫くはシャチの泳ぎに魅了された。

あんなデカいのに泳ぎは素早いんだなぁ…

 

「牙竜さん!あちらのシロイルカも可愛らしいですわ!」

 

「おー!こいつも中々可愛らしいじゃねえか!」

 

この水族館は海に住む哺乳類がいっぱいいる。

シャチにイルカにシロイルカ

 

『さて、今から!イルカショーを開演します!』

 

三階に上がれば上からさっきのシャチとかのプールを上から見れるしこの水族館のメインのイルカショーも見れる。

 

「イルカってスゲエな!言葉通じてねえのに人間とコミニケーション取って指示まで聞けるんだぜ!」

 

「そうですわね、是非我が家でも飼いたいですわ!」

 

「いくらかかるんだろうな?」

 

百の財力なら飼えるだろうな。

 

((いやいや、普通金持ちでもイルカは買わねえだろ。))

 

イルカショーとかシャチを堪能した後は南館に移動して昼飯だ!

 

「サメ肉とワニ肉…珍しい組み合わせですわね。」

 

「だな、どっちにしようか迷うぜ…」

 

このレストランはステーキとか海鮮丼とかがあるが一番のメインはサメ肉とワニ肉だろう。

普通の店じゃ喰えない代物だろうな。

 

「私はこのサメ肉カレーにしますわ。」

 

百はメニュー表にあるサメ肉のフライが乗ったカレーを指差す。

俺もカレー系にしてみるか。

 

「じゃあ俺はこのワニ肉カレーにするぜ。」

 

俺はワニ肉のから揚げが乗ったワニ肉

 

「あの、少しだけワニ肉の方食べてみてもよろしいですか?」

 

「おう!いいぜ、サメ肉もちょっと食べてみても良いか?」

 

「勿論ですわ!」

 

ちょうどサメ肉とワニ肉を2人で注文したから両方食えそうだ。

 

「百はなんか珍しい肉とか食ったことはあんのか?」

 

「そうですわね…あまり食べたことはありませんがフォアグラならよく食べてますわ。」

 

「フォアグラ…羨ましいぜ……」

 

俺も自力でフォアグラ喰えるぐらい頑張って稼がねえとな。

 

「お待たせしました。サメ肉カレーとワニ肉カレーです。」

 

「お、来た来た。早速食おうぜ。」

 

「「いただきます。」」

 

カレーのいい匂いと共に頼んでた料理が運ばれてきて机に置かれて30秒と経たず、手に持ったスプーンはカレールーと白米を混ぜ、ワニ肉のフライと一緒にスプーンに乗せて口に運ぶ。

 

「うん!美味いな!」

 

ワニ肉のから揚げを噛むとモチッとした歯ごたえが歯茎に伝わり、漏れ出てくる肉汁が口内に広がる。

 

「ほら!百も一個食べてみろよ、はい、あーん」

 

ワニ肉のから揚げが乗ったスプーンを百の口元に近づけて、空いた口の中に入れる。

 

「ん!美味しいですわ!」

 

「だろだろ、」

 

「牙竜さんもこちら、どうぞ」

 

「ありがとよ」

 

今度は百がスプーンにサメのフライを乗せて俺の口に運ぶ。

それを口に入れるとカレーの風味とまるで魚のフライに近いようなサメ肉の味を舌を伝ってくる。

 

「これもうめえ!」

 

サメ肉もワニ肉もどっちも美味かった。

あっという間に完食しちまったぜ。

 

「「ご馳走様でした!」」

 

2人で食い終わって会計を終えたら今度はウミガメゾーンに行く。

 

「ウミガメの赤ちゃん可愛らしいですわね。」

 

「だな、これがあんなにでっかくなるなんて想像できないぜ。」

 

ウミガメゾーンの水槽では俺らの手より小さいウミガメの赤ちゃん達がいっぱい泳いでいる。これが将来俺らがよく知ってるウミガメのサイズになるんだからビックリだ。

 

「ペンギンも可愛かったし最後はお土産でも買って帰るか。」

 

「お土産の種類、迷いますわね。」

 

ペンギンとかの他の動物も見終わって満足して帰るってことで出口前にお土産屋はズルいよな。

 

((こんなの絶対買っちまうだろ、))

 

(色々見た後だからな。ぬいぐるみも二割増しで可愛く見えちまうぜ。)

 

「牙竜さん!私これを買いますわ!」

 

「おうおう、って買い過ぎじゃね?」

 

百に関しちゃシャチ、シロイルカ、ペンギンの三種類のぬいぐるみをすべて買おうとしている。

 

「んじゃあ俺はこれにするぜ、」

 

俺は青とピンクの二匹のイルカのボールチェーン付きの小さなぬいぐるみを買うことにした。

 

支払いを終えて三匹のぬいぐるみを袋に入れて抱きかかえる百と一緒に夕日に照らされる道を歩く。

 

「今日は楽しかったな~」

 

「ええ!また行きたいですわ」

 

「そうだ、カバンちょっと貸してくれねえか?」

 

「ん、いいですわよ。」

 

と百のカバンを借りてそこにあるものを付ける。

 

「よし!これでお揃いだ。」

 

「素敵ですわ!」

 

百のカバンにピンクのイルカのぬいぐるみを俺のカバンに青いイルカのぬいぐるみを付けてやると百もそれを気に入ったのか手に取って見つめている。

 

((いいチョイスだ。))

 

「これからも大事にしますわ!」

 

「喜んでもらえたみたいで嬉しいぜ。」

 

初めて百と2人きりで過ごした休日だったがそれも長くは続かない。

この後百は知り合いとの会食ってことで今日のデートはここでお終いだ。

 

「今日は俺の急な誘いに付き合ってくれてありがとな。」

 

「私の方こそ今日は誘ってくれてありがとうございます。またお誘いしていただけたら嬉しいです。」

 

ホント可愛いな、俺の彼女は

 

「おう!次も楽しみにしといてくれよな!」

 

ま、こんな感じで初めてのデートを終えた訳だがすげえ緊張した。

まあまたこうやって平和にデートできる日を迎えるためにもヒーローとして世界を守ってみせる!

 

To be continued




初のデート回は中々難産でした。
因みに牙竜と百が行った場所のモデルは名古屋港水族館です。

さて、ここで皆さんに謝罪と朗報です。
私が通っている大学の方が対面授業が始まりまして自分のやるべき活動が増えてこちらの更新ペースがかなり落ちてしまいました。
本当に申し訳ございません。
隙を見つけては執筆だとうまくペースも上がらなかったんですが、今後の自分のキャリアや夢、やりたいことを考えると作家活動だなと思いまして今後は自分の活動をしっかり見直して執筆時間を増やしできる限り楽しい小説を執筆できるように頑張っていこうと思いますので今後とも応援よろしくお願いいたします。


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1学期期末試験part1

今回は短めのお話です。

何とか投稿感覚を短くしましたが駆け足気味です。


(エボルト視点)

梅雨も開け大半の生徒が制服のワイシャツを半袖に衣替えするこの時期

鳴き始めるセミ達の声と眩しい日差しが夏の訪れを告げるが学生諸君はそう浮かれていれる時期ではない。

1つ高い壁が待っているからな……

 

「え~夏休みが近付いてきているが、当然ヒーロー志望の君らが30日間、丸一ヶ月休める道理は無い」

 

ある日の朝礼でこのように話す相澤先生。

 

「まさか・・・」

 

相澤先生がこういうこと言うってことは何かイベントがあるか抜き打ちテストとか課題とか厳しいモンが出てくると思われるからか皆若干警戒している。

まあリラックスしていこうぜ

 

「夏休み、林間合宿するぞ」

 

『知ってたよヤッタァァァァァ!!』

 

そういえばウチの学校にはこういうイベントがあるんだったな。

 

(合宿か、俺らもっと鍛えれるぜ!)

 

((ああ、これなら俺も完全体に近くなれるかもな……))

 

結局体育祭以来俺と牙竜はフェーズ2のエボルドラゴンフォーム止まりだ。合宿をきっかけにフェーズ3以降にもなれたらいいんだが……

 

「肝試そ~!」

 

「風呂!」

 

「花火」

 

「行水!」

 

「カレーだな」

 

「湯浴み!」

 

「ただし、その前の期末テストの不合格者は学校に残って補修地獄だからな。」

 

ウキウキ状態の芦戸と変態の峰田が騒いでいたが一瞬で場の空気が変わった。

まあ、学業は忘れたらダメだ。

 

「頑張ろうぜ皆ッ!」

 

切島の言葉と共に赤点回避の為の戦いが始まった……

 

(牙竜視点)

 

「で、B組の奴曰く実技の演習でロボットと戦うのか?」

 

期末テストまであと一週間って時に相澤先生からテストで筆記だけじゃなくって実技もあるって言われてその話をしてたんだがどうやら出久はB組連中から去年の実技の内容を聞いたらしい。

まあ、入試の時みたいなロボットとの戦いだったらしいが…

 

「いや、あり得ねえな。はっきり言って最近の情勢は去年よりワリイからな…」

 

「と言いますと…?」

 

百の質問に応えるように俺は言葉を続けた

 

「ま、俺らが何回か戦ってる怪人軍団、ショッカーが蔓延ってやがるからな。」

 

『ロボットと戦うぐらいの試験じゃショッカーと渡り合う力なんて付けれないだろうな。』

 

ちょうど俺の言いたいことをエボルトが言ってくれた。

 

『ま、ヴィラン側のレベルも上がってるんだから雄英の課題の難易度も難しくしないと合理性に欠くってだろ?』

 

「確かにエボルトさんの言う通りだね。」

 

「ああ、そういうことだ。まあ最低でもバグスターぐらいは出てくるだろうな。」

 

「バグスターと言えば体育祭で牙竜さん達が倒していたあの……」

 

「ああ、銃士んとこの神様が召喚して来た奴だ。」

 

俺の頭をよぎったのは体育祭の時に来たバグスター連中だ。

檀黎斗・神だっけ?

アイツが用意した連中とかまあロボット如きでは済まないような連中が来るだろうな……

 

(三人称視点)

そしてさらに1週間が経ち、雄英高校の期末試験が行われた、

初日2日目は筆記試験、そして3日目の午前の筆記試験の後コスチュームを纏った生徒たちがグラウンドに集い先生達がA組生徒の到着を確認すると相澤が口を開く。

 

「ではこれより、実技試験を開始する。当然このテストでも赤点はあるから、林間合宿に行きたければみっともないヘマはするなよ。」

 

「にしても、先生多くない?8人って…」

 

耳郎はイレイザーヘッド、プレゼントマイク、セメントス、エクトプラズム、スナイプ、パワーローダー、ミッドナイト、13号と1クラスの期末試験に雄英高校のプロヒーロー8人と錚々たるメンバーが揃っている。流石に多すぎるのではないかと感じる者も少なくはない。

 

「諸君なら事前に情報仕入れて、何するか薄々感付いてると思うが…」

 

「入試みてぇなロボ無双だろ!!」

 

"入試みてぇなロボ無双"

彼ら一部の生徒が先輩方から聞いた情報ではその言葉の通りの彼らが一度経験し、突破したことのある入学試験と同様の内容の試験が行われるということであったが…

 

「残念!今年から諸事情で、やり方を変えさせて貰うのさ!」

 

相澤の首に巻かれている捕縛武器からピョコッと顔を出す個性ハイスペックのネズミこと根津校長。

 

「変更って…」

 

「俺の予想通りだったな。」

 

事前の情報がない戦いを強いられることに八百万は少し不安の声を漏らすが牙竜にとっては想定通りであった。

 

「それはね!対ロボ戦だと、戦術が単純すぎるから実戦的じゃないっていう判断になったのさ!なので、最近活発化しているヴィラン共に対抗する為に、対ロボ戦から対人戦に変えることになったのさ!」

 

ヴィランだけでなく、ショッカーの怪人の活発化という事情を考えれば致し方がない。

牙竜を始めとしたライダー変身者達はそういう反応だった。

 

「と言う事で・・・諸君にはこれから二人一組で、ここにいる教師1人と戦闘を行ってもらうのさ!」

 

「今回、ペア相手と対戦相手はこっちの独断で決めさせて貰った。まず切島と砂藤がセメントスと戦闘だ。その後は、蛙吹と常闇がエクトプラズムと、飯田と尾白がパワーローダーと、轟と八百万が俺と戦闘だ、」

 

その後も、青山&麗日と13号、芦戸&上鳴と根津校長、口田&耳郎とプレゼントマイク、障子&葉隠とスナイプ、瀬呂&峰田とミッドナイトで試験を試験を行うと告げられ、

 

「そして次に緑谷と爆豪だが相手は……」

 

「私が、する!!」

 

相澤の言葉と共に空からオールマイトが降りてきて着地する。

 

「出久達の相手はオールマイトか……」

 

「そして最後、下間はB組の甲斐と組んである人と戦ってもらう。」

 

(銃士と共闘……?で相手は誰だろうな)

 

((雄英の人間じゃなさそうだな、プロヒーロー?甘粕とかか?))

 

誰が戦う相手か明かされていない中で牙竜とエボルトは自分達が職場体験で行った先のプロヒーロー、仮面ライダーアクセルこと甘粕政信が相手ではないかと予想する。

 

「と言う事で……人数と実力の都合で下間とB組の甲斐には別の条件でテストを受けてもらう。尚、プロヒーローはハンデとしてこの超圧縮錘を両手両足に、体重の半分の重さ分つけて訓練に当たる。勝利条件は、このハンドカフスを相手の四肢のいずれかに装着するか、もしくは演習場のゲートから脱出すること。まずは切島と砂藤、バスに乗って移動だ。それ以外は、呼び出しがあるまでモニタールームで待機。」

 

「「ウッス!!」」

 

相澤の言葉と共に初めにテストを受ける切島と砂藤がバスに乗り込み愈々期末試験の戦いの火蓋が切って落とされる。

 

To be continued




現状週にペースでの更新が出来そうです。

次回辺りはクラスのライダー勢の試験でございます。
お楽しみに!


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1学期期末試験part2

皆さまおはこんばんちは
1つお知らせです。

今まで丼直政名義で執筆活動をしておりましたが色々とありまして
"夢野飛羽真"という名前で活動させていただきます。

皆さまよろしくお願い致します。


(エボルト視点)

 

今俺たちがいるのは雄英高校のモニタールーム。

証明は暗いが部屋をモニターの明かりが照らしていてそのモニターには期末の演習に臨む奴らの戦いが映っている。

 

「次はいよいよ百と轟の番だな。」

 

切島と砂藤、蛙水と常闇の試験が終わり三組目の飯田と尾白の試験が始まった。

なので4組目の八百万達はそろそろ試験の準備をしなければいけないのだが……

 

「私…本当に大丈夫でしょうか……?」

 

「何言ってんだよ!百なら大丈夫だって、頭も良いんだし。」

 

ところがどっこい八百万は少し自信が無さげだ。

 

「けど私…轟さんの足を引っ張らないでしょうか……?」

 

「百の実力と個性なら大丈夫だ!良い作戦立ててしっかりアイツのことサポートしてやってくれ!」

 

ギュッと八百万の手を握る牙竜の言葉と真剣な眼差しに八百万はニコッと笑って返す。

 

「わかりましたわ!完璧なオペレーションをお見せして参りますわ!」

 

「おう!しっかり見ておくぜ!」

 

少し自信が無さげだった八百万は牙竜に励まされた後轟と共に部屋から発った。

 

「百の作戦か…見物だな、」

 

『ああ、楽しみに待っておこうか。』

 

(三人称視点)

 

「で、八百万。作戦はあるのか?」

 

「ええ!勿論ありますわ!」

 

試験会場に向かう途中で轟焦凍と八百万百が言葉を交わす。

 

「だったらその作戦教えてくれ、」

 

「わかりましたわ、」

 

八百万は腰から1冊のメモ帳を取り出し、作戦を語り始める。

 

「なるほど、そういう事か……八百万の作戦でいこう」

 

「いいのでしょうか?本当に私の作戦で」

 

「俺はお前がこういう知能的な面では1番だと思ってる。だから委員長の投票もお前に入れた、いざという時の作戦の切り替えも任したぞ。」

 

「わかりましたわ!」

 

そして暫くして彼らは演習の舞台に立ち、試験開始の時を迎える。

 

「始めるぞ、」

 

「ええ、」

 

『デンジャー!』

 

腰にスクラッシュドライバーを装着した轟がクロコダイルクラックフルボトルをドライバーに装填する。

 

『クロコダイル!』

 

「変身!」

 

スクラッシュドライバーのレンチ型のレバーを下ろすと共に

 

『割れる!食われる!砕け散る!』

 

『クロコダイルインローグ!』

 

『オーラァ!』

 

『キャー!』

 

変身音声と共に轟焦凍が仮面ライダーローグの鎧を身に纏う。

 

『それでは試験開始!』

 

それと同じタイミングで彼ら2人の立つ演習場に試験開始のアナウンスが響き渡る。

 

「行くぞ!」

 

「はい!」

 

試験のルールはいたってシンプル

カフスを試験官である雄英教員の手か足に付ける。

若しくは指定されたゲートをペアのどちらかがくぐり抜けて演習場から脱出する。

こういった勝利条件のため、多くの受験生たちはまずは脱出ゲートに向かうのが定石だ。

因みに彼らの試験の直前に演習を行っていた飯田&尾白のペアは最後尾白が飯田にシュートしてもらい、ゲートをくぐったことで試験をクリアしている。

 

「マトリョーシカの方しっかり見とけよ」

 

「分かりましたわ!」

 

勿論彼ら2人もゲートの方に向かう。

その間に八百万は自身が創造し慣れているマトリョーシカを生産し続けながら走っている。

 

「まずはどっちの作戦か様子見だな。」

 

2人はまず相澤の出方を伺いながら進軍していく。

 

『エレキスチーム』

 

「来た!」

 

ゴールまであと半分まで進んだところ、電気を纏ったガスが突如空中から彼らを襲う。

 

「炎で打ち消したか…」

 

宙を舞い、スチームブレードからエレキスチームを放つ相澤の変身するナイトローグに対して轟が変身する仮面ライダーローグは左手から炎を放って迎え撃つ。

ガスと炎がぶつかり合い、火花が散る合間に八百万が網を作ってナイトローグに向けて投げるがそれはナイトローグのトランスチームガンが撃ち抜き防ぐ。

 

「一旦退避だな…」

 

数の上では轟と八百万のペアが優位

実力面で勝るナイトローグではあるが彼はさらに空中戦ができるという優位な点を持っている。

更なる2人の攻撃を避けるため、一度空中へ逃げる。

 

「空から来るぞ!」

 

空へ退避したナイトローグに対して轟と八百万の攻撃手段は少なくなってしまうが、空にいるナイトローグの方が射撃戦は有利、トランスチームガンライフルモードで空中からエネルギー弾の雨を降らして八百万がそれを自身の盾で、轟は自身が生成した氷壁でそれを防ぐ。

 

「銃弾の雨の中じゃ進めねえっ…」

 

「ここはお任せください!」

 

八百万が発煙筒を生成、それを投げて煙幕を生成するが、

 

「やはりダメですわね…」

 

銃弾の雨は止まない。

 

「確かあのバイザー超音波で視界不良でも周囲の敵察知できるんだよな、」

 

「ええ!なので音波を狂わせれば問題ありませんわ!!」

 

次に八百万が何らかの機械と数本の発煙筒を宙に向けて投げるとゲート方向に向かって走り出す。

 

「煙幕に超音波ネズミ駆除装置か、考えたな。だがっ…」

 

煙の幕で視界を、超音波を出す機械で感知機能を阻害したがナイトローグはすぐに八百万が走って行ってる方向に向けて銃を構える。

 

「考えが甘いな。そっちに行くのはわかっている…」

 

『バット!』

 

『ファンキーショット!』

 

「悪いな先生、そういうの使えるのはアンタだけじゃねえんだ。」

 

嘗て、仮面ライダービルドの物語の中で、ナイトローグはトランスチームガン、仮面ライダーローグはネビュラスチームガンと同じ形状の武器を使っていた。

勿論轟焦凍の変身する仮面ライダーローグも例外ではない。

ネビュラスチームガンからローグの左腕から放たれた炎を纏ったコウモリの姿をしたエネルギー弾がナイトローグに向かって進んでいく。

 

「お前もそう来るか、」

 

ナイトローグは空中でエネルギー弾を退避

 

『UFO!』

 

空を切ったコウモリ型のエネルギー弾にネビュラスチームガンから放たれたUFO型の弾が当たると軌道が変わり、エネルギー弾が再度ナイトローグを襲う。

 

「俺を攪乱して背後に回ったのは見事だった。だが俺の本領はこっちだ、」

 

遠距離同士での戦いでは個性と銃の性能では轟の方が優勢だ。 だがナイトローグに変身する相澤消太、ヒーロー名イレイザーヘッドの基本戦術は近接戦闘 自身の個性で相手の能力を封じつつ体術で捕縛 自分の個性では対処出来ない異形型相手でも立ち回れる程に近接格闘の技術を磨いてきている。

 

「っ……!」

 

ナイトローグの戦いの場は空中から地上へ

仮面ライダーローグ、轟焦凍に向かって急降下し腹部に向けて蹴りを入れる。 そこから間髪を入れずに右ストレート、左フック、膝蹴りと殴る蹴るの押収をローグに浴びせる。

 

「威力はいい、だが動きが大振りだ。」

 

「ああ、そんぐらいわかってるッ……」

 

仮面ライダーローグは左の腕を振るい、前面に向けて炎を放つが、ナイトローグはあっさり躱しローグの右脇腹にスチームブレードを突き立てる。

 

「お前、個性使うの躊躇しないんだな…俺にいつ消されるかわからない状況で」

 

「ああ、その心配は無用だからな。」

 

ローグの右手がスチームブレードを掴み凍らせる。

その氷結の進行に巻き込まれないようにナイトローグはスチームブレードを手放し、ローグから離れるが…

 

「なるほどな、俺がナイトローグに変身してる時はバイザーのせいで個性が使えないって情報を仕入れてたってことか。」

 

「ああ、その通りだ。八百万がエボルトから聞いていたらしい」

 

ナイトローグの頭部にある視覚情報を得るための電子レンズはガス等の視界不良の要因を打ち消して鮮明に情報を装着者に伝えることができるが、その分装着者の目に関する個性の効果すらも阻害してしまう。

勿論、相澤の抹消もナイトローグのバイザーを通せば効果は発揮できない。

 

「なるほど、それを見越していたってわけか。それに俺が抹消を使ってもナイトローグを使っても仮面ライダーローグで対処できたってことか…」

 

ここで、轟と八百万が立てた作戦について説明しよう。

八百万は牙竜のサポートができるようにとエボルトからライダーシステムやトランスチームシステムに関しての情報を聞いていた。

それによって、ナイトローグの性質上、目を使う抹消の個性とナイトローグの併用ができないということがわかった八百万と轟は一先ず仮面ライダーローグの力自体はサポートアイテムと変わらないので抹消できないということを利用し、イレイザーヘッドが来てもナイトローグが来ても力を封じられることがない様にと先に轟は仮面ライダーローグに変身しておき戦闘の軸にすることでどちらにも対処できるようにしていたということだ。

 

「だが、それだとライダーシステムだけに頼り過ぎだな、」

 

「どうだろうな?」

 

ローグと一直線上に並び、ゴール方向に背を向けるナイトローグの背後から突然爆音が響いた。

 

「そっちは囮か!」

 

バイザーを通して相澤の目に映ったのは自身が普段からよく使う捕縛布と大筒を構える八百万の姿だった。

ローグが自分を引き付けているうちに八百万がゴールを目指す作戦だと予測していた彼にとっては予想外の出来事だった。

 

「金属製ッ…!」

 

トランスチームガンの弾丸が放たれたが捕縛布はそれを弾く。

 

「いいタイミングだ!八百万!」

 

丁度轟に意識が向いていた相澤にはこの金属製の捕縛布は想定外だった。

その捕縛布に向けてローグが左腕から炎を放つと金属の捕縛布は一気に収縮し、空中へ逃げようとしたナイトローグの下半身に絡みつく。

 

「形状記憶合金か…やられたな……」

 

熱によって形が変わる形状記憶合金とそれに絡まったナイトローグの身体を轟の大氷結が一気に凍らせる。

 

「今のうちだ。」

 

「ゴールを目指しますわよ!」

 

台車を創造した八百万はその上に轟と共に乗り、炎の推進力でゴールに向かって進んでいく。

 

「よく考えたな…100点満点だ。」

 

情報戦、作戦立案、通常戦闘において自身を完封した轟と八百万のことを凍らされた相澤が一人呟き暫くするとゲートの方から彼らが試験をクリアしたことをアナウンスされた。

 

To be continued

 

 

 




次回はオールマイトVS緑谷&爆豪になると思います。


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1学期期末試験part3

オーズの完結編作成と聞き大いに喜んでおります。
夢野です。

期末試験編も残すところ後2バトル程で終了とし、その後は合宿と神野となります。
当作品は神野で一回一区切り付けたいと思っています。

それではまずは出久と勝己のバトルを楽しんでってください。


(エボルト視点)

 

「おつかれ!百!焦凍!」

 

「牙竜さん!」

 

「ああ、なんとか勝った。」

 

試験を終えて待機室に戻ってきた轟と八百万を牙竜が迎え入れる。

 

「相澤先生からも戦法を褒めていただけましたわ!」

 

「そりゃ良かったな。俺もあの戦いは痺れたぜ~」

 

『作戦面でもかなり強くなったな。』

 

ということで八百万らが喜んでいる合間に試験は進んでいき、

 

「次は出久と勝己の番ってことは俺らも準備しねえとな」

 

『そうだな、じゃあ行くか。』

 

「行ってらっしゃい。牙竜さん」

 

10組目の出久と勝己の試験が始まりそうだったので見れないのは惜しいが11組目である俺達の試験に備えてモニタールームを出る。

 

『出久と勝己の試験見たかったな。』

 

「ああ、先生が録画データとかくれたら良いんだけどな…」

 

嘗ての幼馴染でいじめっ子・いじめられっ子の関係を経て2人の仮面ライダーであり戦友になった戦いは正直気になる。しかも対戦相手は2人の憧れのオールマイトだからなあ…こりゃ見応えがありそうだが残念ながら俺達は移動の時間だ。

 

(三人称視点)

 

「かっちゃん、作戦はどうする?」

 

「決まってんだろ、俺とお前で完封してやるだけだ。」

 

一方、廊下を歩きながら試験会場入りし戦略を考える緑谷出久と爆豪勝己

 

「開始と同時に変身してゲートに向かう。そこでオールマイトが立ち塞がるならブッ倒すだけだ!」

 

「そうだね、僕らは個性と仮面ライダーの力の併用ができるけどそれでも…」

 

先程の轟と八百万の試験時の時のナイトローグこと相澤の場合と違い彼ら2人も変身と個性の両立こそできるが問題は相手のオールマイトの実力。

過去の大怪我が原因で実力は全盛期ほどではないがそれでも拳1つで曇り空を快晴に変えることぐらいなら余裕であろう。

 

「それでも勝つ!俺とテメエが組んだんだったら超えに行くしかねえだろ!」

 

「そうだね!かっちゃん!」

 

最強のオールマイト相手に自信を失っていた出久も爆豪の言葉で奮起し試験会場の地にビルドドライバーを巻いて立つ。

 

『ラビットタンクスパークリング!』

 

『ロボットゼリー!』

 

そのビルドドライバーにラビットタンクスパークリングボトルを付けると同時に爆豪も腰のスクラッシュドライバーにロボットスクラッシュゼリーを挿す。

 

『Are you ready?』

 

「「変身!」」

 

そしてそれぞれの身体が仮面ライダーの装甲に包まれる。

 

『シュワッと弾ける!ラビットタンクスパークリング!イエイ! イエーイ!』

 

『潰れる!流れる!溢れ出る!ロボットイングリス!ブラァ!』

 

「勝利の法則は…決まった!」

 

「心火を燃やしてブッ潰す!!」

 

「エボルトさんに教えてもらった決め台詞ってこんな感じでいいのかな?」

 

「さあな?よく分かんねえけどアイツの趣味かなんかだろ。」

 

変身を終えた2人はエボルトに教えてもらったという決め台詞を披露し、市街地を忠実に再現した試験会場のゴールを目掛けて走り出す。

 

「この大通りを進めばもうゴールだ…」

 

「このコース簡単すぎだろ、っつーことはデカいの来やがる!避けんぞ!!」

 

「テキサス…スマッシュ!!」

 

この試験会場を横断する大通りを進むビルドとグリスの視界にゴールのゲートとその前に立ちはだかるオールマイトの姿が入ったかと思えばそのオールマイトが右腕を大きく振るうと衝撃波が地面を抉りながら彼ら2人に迫る。

 

「危なかった…」

 

ビルドはワンフォーオールで強化された脚力で、グリスは爆破の推進力で横歩行に飛んで脇道へ逃れる。

 

「あの場所に陣取られたら回り込んだりはできねえな、」

 

ゲートのほぼ前にオールマイトがおり、その背後に回り込んで突破しようものなら則見つかって迎撃されるだろうと推測する爆豪

 

「だったら正面突破しかないね、」

 

「ああ、そうと決まれば話は早え、とっとと行くぞ!!」

 

ビルドとグリス脇道から出てオールマイトに向かって走る。

 

「正面突破と来たか!いいぞ!もう一丁!」

 

2人の姿を確認したオールマイト力を溜めるように自身の脇を締めて拳を握りしめ、

 

「テキサス…スマッーシュ!!」

 

溜めたパワーを解き放つように拳を解き放ち、また衝撃波が2人のライダーを襲うが、

 

『各駅電車〜急行電車〜快速電車〜海賊電車〜』

 

『シングル!』

 

カイゾクハッシャーから放たれる電車型のエネルギーとツインブレイカーから放たれる不死鳥の形のエネルギー弾がオールマイトの一撃を打ち消す。

 

「一気に行くぞ!」

 

両方の掌から爆破を放って勢いよくオールマイトに飛びつくグリス。

 

「いい一撃だね!」

 

グリスとオールマイトの拳がぶつかり合うがパワーはオールマイトの方が上だった。

グリスは後方に身体が押され、後退

 

「かっちゃん!」

 

押し負けたグリスを助けるようにオールマイトの右脇にまでビルドが詰め寄り拳を放とうとするが、

 

「緑谷少年もいい動きだ!」

 

ビルドの脚力とワンフォーオールの力を組み合わせたことでとても俊敏に動けるビルドの接近を流石のオールマイトも見切ることは出来なかった、

 

「だが!声を出したのはいけなかったなあ、静かに仕留めてれば完璧だったね!」

 

「しまった!」

 

出久の声に反応したオールマイトの対応は早かった。

放たれるビルドの右腕を上から掴みそのまま地面に叩きつけるように一本背負投

身体能力が向上したビルドでさえも踏ん張りきれず地面に激突する。

 

「出久をッ……離しやがれッッ!!」

 

さらに間髪入れずもう一度出久の腕を掴んで投げ飛ばそうとするオールマイトに対してグリスが両手から大規模爆発を放ち、一度退けさせる。

 

「助かったよ、かっちゃん」

 

「気にすんな!んなことより次来んぞ!」

 

爆破を受けて一度後退したオールマイトが左腕を大きく振るいながら2人に向かってくる。

 

「ワンフォーオール・フルカウル!!」

 

ビルドの身体から緑色の稲妻が出たかと思えば、その身体はいつの間にかオールマイトの正面から消えて側面に現れ、脇腹に蹴りを入れる。

 

「素早いなっ…緑谷少年…」

 

流石にこの緑谷出久の動きには対応することができなかった、だが攻撃を受けてからのオールマイトの反撃は早かった。

攻撃を受けつつも出久の方に顔を向けて右腕を打ち込む。

 

「つ、強いッ……」

 

流石No.1ヒーローオールマイトと言ったところだろう、

まだ変身できるようになって数か月程度ではあるが仮面ライダー2人を圧倒する。

強力なパワーをビルドとグリスに向けて次々と放っていき2人はゲートから少しずつ後退してしまう。

 

「僕らのパワーでも押し負けるっ……」

 

「俺らが目指した壁ってのはやっぱデケエ…」

 

「かっちゃん、ここは僕が引きつけるから先に行って……」

 

オールマイトから距離を取る2人、

その状況でビルドがハザードトリガーを手に取りグリスより前に出るが…

 

「それは使わせねえ…」

 

ビルドドライバーにハザードトリガーを刺そうとする出久の腕を爆豪が掴んで止める。

 

「かっちゃん……」

 

「それ使ったらまた暴走しちまうだろ、」

 

「……」

 

ハザードトリガーは仮面ライダーの持つ力をさらに引き出せる反面脳を刺激し暴走させてしまうという危険性も秘めている。

以前保須で使用した時も緑谷出久は暴走してしまった。

 

「暴走しちまったらまた大変なことになって自分が傷付いちまうだろ、悪いけどそうはさせねえ、それが俺がお前にできる償いだ!!」

 

そう言うとグリスはオールマイトの方に向かって走り出す。

 

「また正面突破かな?けどそれなら、」

 

再度拳から技を放つための動作に入るオールマイトだったが、

 

『シングル!』

 

アタックモードにしたツインブレイカーがカブトムシの角状のエネルギーを纏い、オールマイトに向けて横に振るわれる。

 

「リーチが長いな!けど、これぐらいじゃやられないさ!」

 

カブトムシの角型のエネルギーを両腕で受け止めるオールマイト

 

「わかってんよ、出久!いい一撃頼んだぜ!」

 

「わかった!」

 

爆豪が自身の技を止められながらも、出久の方を見るとそれに反応するように出久も頷いてビルドドライバーのレバーを回すと、

 

『スパークリングフィニッシュ!』

 

胸部のカルボニックチェストアーマーから発生したディメンションバブルを纏いながら、ワームホールの様な図形でオールマイトを拘束し

 

「Shit!これでは動けない!」

 

拘束されたオールマイトに向かって…

 

「ワンフォーオール!フルカウル!」

 

ディメンションバブルとワンフォーオールを纏ったライダーキックが放たれる。

 

「ナイスだよ、緑谷少年」

 

爆豪のツインブレイカーでの攻撃が自身に隙を与え、その隙を見逃さずに自分を拘束し必殺キックを放った出久への賞賛の言葉をつぶやきながらライダーキックを受け入れるオールマイト

弟子の成長とその幼馴染との和解による連携に対しての涙を堪え、必殺キックのダメージで動けないということも相まってか彼ら2人のゴール通過を許した。

 

To be continued




暴走フォームへの変身を阻止する流れ一回やってみたかったんですよねー


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1学期期末試験part4

先に言っておきます

今回は銃士が大活躍します。

ブレイブファンの皆さん必見です。


(三人称視点)

 

「さて、いよいよ俺らの番だけどよお、相手は誰だ?」

 

『まさかの甘粕さんかもな』

 

「十分あり得るだろうね、」

 

「そうなったらちょっと緊張っスね……」

 

1学期の期末試験実技演習

最後を飾る牙竜、エボルト(人間態)、新・檀黎斗・神、甲斐銃士の4人が試験会場入りし、

試験を行うために用意された工場地帯を模した演習場の中心部に移動する。

 

「ここで待ってるっつてたよな。」

 

彼らはA組担任の相澤とB組担任のブラドキングから演習場の中央部に担当者がいるのでそこまで直接行くように指示されていたのだが…

 

『おっと、もしかして俺らの試験相手ってアンタか』

 

「誰かと思ったら世界の破壊者さんじゃねえか。」

 

彼らの目の前に現れた男は首からマゼンタカラーのトイカメラを提げた男、

門矢士であった。

 

「ああ、ここの教師陣にお願いして俺がお前らこの世界の仮面ライダーを試験させてもらうことになった。」

 

「そういうことか」

 

門矢士の言葉に檀黎斗が頷くと、門矢が自分の腰にマゼンタ色を基調としたネオディケイドライバーを巻く。

 

「とっとと変身しろ、ルールは他の奴らとだいたい同じ、変身したら試験開始だ。4人同時にかかってこい」

 

と試験官である門矢士が言うと各々自身のベルトを腰に付けて変身アイテムを取り出す。

 

『TADDLE FANTASY! Let's Going King of Fantasy!』

 

「半月の魔眼!」

 

『デンジャラスゾンビ!』

 

銃士はガシャットギアデュアルを、黎斗がデンジャラスガシャットを起動させる。

 

『ボトルバーン!』

 

牙竜がクローズマグマナックルにドラゴンマグマフルボトルを挿入し、エボルトはコブラとライダーシステムの2本のエボルボトルを振り、

 

『ダブル!オーズ!フォーゼ!ウィザード!鎧武!ドライブ!ゴースト!エグゼイド!ビルド!ジオウ!ゼロワン!』

 

門矢士はケータッチ21の各クレストに触れる。

 

『デュアルガシャットォ!』

 

『ガシャット!』

 

『クローズマグマ!』

 

『コブラ! ライダーシステム! エボリューション!』

 

『『Are you ready?』』

 

ビルドドライバーとエボルドライバーの"Are you ready?"の声に応えるように

 

「「「「『変身!!!』」」」」

 

5人同時の変身の掛け声と共にそれぞれの身体が仮面ライダーの姿へと変わっていく。

 

『ガッチャーン! デュアルアーップ!』

 

『バグルアップ!』

 

『タドルメグルRPG! タドールファンタジー!』

 

『デンジャー!デンジャー!(ジェノサイド!)デス・ザ・クライシス!デンジャラスゾンビ!(Woooo!)』

 

『極熱筋肉!クローズマグマ!アーチャチャチャチャチャ チャチャチャチャアチャー!』

 

『コブラ! コブラ! エボルコブラ! フッハッハッハッハッハッハ!』

 

『FINAL KAMENRIDE DECADE COMPLETE 21!』

 

仮面ライダーブレイブファンタジーゲーマーレベル50、仮面ライダーゲンムゾンビゲーマーレベルX、仮面ライダークローズマグマ、仮面ライダーエボルコブラフォーム、そして、仮面ライダーディケイドコンプリートフォーム21の5人の仮面ライダーが向かい合う。

 

「仮面ライダークローズマグマ、壁を超えに来た!」

 

「俺は通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ!」

 

クローズとディケイドの言葉と共に戦いが始まる。

 

「門矢士ァ!!」

 

ガシャコンスパローを手に持ちそれを振り回しながらディケイドに向かって突っ込んでいくゲンムだが。

 

『ファイナルアタックライド DE DE DE DEEND!!』

 

ファイナルアタックライドのカードを装填したネオディエンドライバーから放たれるディメンションシュートがゲンムを貫く。

 

『慎重にいかねえとなぁ、』

 

その隙にディケイドの後ろに回り込み、回し蹴りをしようとするが、

 

「速度は良いがまだまだだ。」

 

その蹴りを左腕で受け止めるディケイド

 

「俺達も行くぞ!」

 

クローズとブレイブがそれぞれ剣で切りかかるが、

 

『フォーゼ!カメンライド!コズミックステイツ』

 

彼らの前にバリズンソードを構えたフォーゼコズミックステイツが召喚されて剣で横一閃

コズミックエナジーを纏った斬撃が2人のライダーを襲い後方にブっ飛ばす。

 

『おいおいマジか』

 

さらにディケイドが後方のエボルの腹部に向けて蹴りを放つとエボルも数歩引き下がる。

 

「流石世界の破壊者さんだな、」

 

「強いっスね…けどまだまだ……」

 

「ああ、先ほどの攻撃痛くも痒くもなかったさ」

 

不死身のゲンムら3人が再度剣を構えてディケイドに向き合うが

 

『ゴースト!カメンライド!ムゲン魂』

 

ゴーストムゲン魂が召喚されて

 

『イサマシュート!』

 

ガンガンセイバーガンモードからの攻撃が3人の向けて放たれて爆発に巻き込まれる。

 

『中々攻略しずらいな』

 

『機関砲!クリエーション!』

 

ガトリングフルボトルをエボルドライバーに挿してホークガトリンガーを手に取り、相手の背部のマントに向けて弾丸を放つ。

 

「このケータッチはこういうこともできるぞ。」

 

ケータッチ21の中のカードを入れ替えると

 

『ファイズ!カメンライド!ブラスターフォーム』

 

エボルの前に現れたファイズブラスターフォームが両肩と手に持つファイズブラスターからフォトンブラッドを纏った光線をエボルトに向けて撃つ。

 

『おっと、こりゃまともに受けたら死ぬな。』

 

自身のホークガトリンガーに対して相手の武器の威力が高すぎる。そう察したエボルは咄嗟にホークガトリンガーの弾倉を回す。

 

『10!20!30!40!50!60!70!80!90!100!フルバレット!!』

 

ファイズの放つ攻撃をホークガトリンガーの最大火力で威力を削りながらエボルが他の3人の元へ行く。

 

『こりゃどう攻略する?』

 

「バンバン召喚してきやがって厄介だな。上手くぶっ飛ばせねえか?」

 

「難しいだろうね。彼が召喚するライダー達は最強の形態。簡単には倒せないだろう。」

 

エボルトら4人が1度固まって作戦を考えようとするがディケイドコンプリートフォーム21は20人ものライダー達の最強フォームを召喚することができる。

その中からどのライダーが出てきても苦戦を強いられてしかも誰が出てくるかは予測不可能。

コンプリートフォーム21はまさに難攻不落と言っても過言ではない。

 

「何を話している?」

 

作戦を考えようとしている4人に向かってネオディエンドライバーとファイズブラスターの銃撃が放たれる。

 

「危ねえ!一旦退くぞ!」

 

クローズマグマのヴァリアブルマグマの防壁が攻撃を防ぎ彼らは一度入り組んだ工業地帯の建物内へ逃げる。

 

「さて、こっからどうすっかな、」

 

何とか撤退はできたが試験時間は残り半分程であり、それまでにゴールへ向かう。若しくはディケイドを捕らえるのは至難の業だと実感させられつつも何とか策を模索しようとしたところ

 

「自分に一個ある良い考えがあるッス」

 

銃士が口を開いた

 

「黎斗さん、アレをやるんすよ。」

 

「アレってもしかして体育祭でやってた…」

 

「なるほど、良いだろう」

 

ゲンムの身体が紫色の粒子状に変化するとブレイブの体の中に入り、一度甲斐銃士の姿に戻る。

 

「第99の魔眼!」

 

『ガッチャーン! マザルアップ!』

 

『魔王の軍隊!戦術シミュレーション!魔王軍大司令!シミュレーションファンタジー!』

 

「仮面ライダーブレイブシミュレーションファンタジーゲーマーレベル99君臨!」

 

一度体育祭決勝戦で見せた彼らの秘策マザルアップ

それによって銃士の姿が魔王軍の司令官の姿をしたブレイブに変わった。

 

「友よ、貴様らは先に門へ」

 

「おう、分かったぜ。」

 

「では進軍だ!われらの勝利のために!」

 

彼によって召喚された魔王軍の兵達がブレイブと共に再度ディケイドの方へ、クローズとエボルはゲートに向かう。

 

「槍隊かかれ!!」

 

ブレイブの号令と共に槍を構えたバグスター兵、数十体がディケイドに襲い掛かる。

 

「なるほどな、そう来たか」

 

『ブレイド!カメンライド!キングフォーム』

 

その槍兵達の前にブレイドキングフォームが召喚されて彼の剣、キングラウザーによって兵が切られてゆくが、

 

『鉄砲隊撃て!』

 

今度は弾丸の雨がディケイドとブレイドに降り注ぐ。

 

「数の暴力は厄介だな。」

 

先程はディケイドによってブレイブらが追い詰められて工場地帯の入り組んだ屋内に逃げ込んだが今度は逆にディケイドが奥の方へと撤退する。

 

「数の暴力か。だったらこっちは」

 

『エグゼイド!カメンライド!ハイパームテキ』

 

仮面ライダーエグゼイドハイパームテキゲーマーが召喚されると同時に

 

「撃て!大砲部隊!」

 

今度はブレイブの召喚した大砲を持った兵達が砲弾がディケイドが撤退した工場地帯のダクトやパイプを貫き、その裏に隠れるディケイド達を襲うかと思いきや、

 

「ぜ、全弾跳ね返されたッ…」

 

((あれはハイパームテキエグゼイド厄介な相手だね。))

 

銃士の意識の中で檀黎斗が冷静に分析する。

 

(ど、どうやったら倒せるッスか……)

 

((倒すのは不可能だ。あれは常に無敵状態、我々の攻撃は一切効かないだろうな…))

 

(そ、そんなあ……)

 

((ここは一度私に任せたまえ、神の才能で無敵の戦士も食い止めてやろうではないか!!))

 

『ドラゴナイトハンターZ!!』

 

ブレイブの意識が黎斗に切り替わり、

 

『キメワザ!』

 

「出でよ!アマンディ―ド!!」

 

腰のガシャットホルダーにドラゴナイトハンターのガシャットを挿して巨大なドラゴンが現れる。

 

「巨大な龍か、」

 

エグゼイドムテキゲーマーのガシャコンキ―スラッシャーとディケイドコンプリートフォーム21のライドブッカーガンモードの銃撃がアマンディ―ドに放たれる。

 

「そう簡単には倒せなさそうだな。」

 

しかし2人の一撃を受けてもアマンディードは倒れることなく立ち上がり、2人に向けて炎を放つ。

 

「さあ、焼け!焼き尽くせ!」

 

その火炎の放射を煽るように黎斗が乗り移ったブレイブが龍の身体の上で火炎放射の様子を見ながら炎を纏ったガシャコンソードの斬撃をハイパームテキエグゼイドに向けて飛ばしていく。

 

「どうやらエグゼイドを完封しに来たか…」

 

無敵の状態ではあると言え炎で視界が遮られて斬撃のノックバックで少しずつ交代せざさるを得ないエグゼイドの姿に門矢士は檀黎斗の意識がエグゼイドを止めることに集中していると感じていた。

 

「奴にプレッシャーを与えるほどのスペックか。」

 

それと同時にエグゼイドムテキゲーマーの常時無敵状態という能力に感心すらしていた。

 

「だったら話は早い。ムテキならこの炎も掻き分けて奴らを倒せ。」

 

そういうことなら話は早い。

そのエグゼイドのスペックでアマンディードとブレイブを倒してしまうという作戦でディケイドらが打って出た。

 

「ゆけ!アマンディード!奴らを叩きのめせ!」

 

ドラゴンの腕がエグゼイドに振るわれるが光を纏った彼の黄金の身体がその攻撃を弾き返す。

 

『ファイナルアタックライド DE DE DE DEEND!!』

 

そのままエグゼイドムテキゲーマーのライダーキックと地上からのディケイドによるネオディエンドライバーからの銃撃がアマンディードに突き刺さり、爆発四散する。

 

「やられてしまったかッ……」

 

龍の身体の上から落下しつつも何とか着地したブレイブだったが……

 

『キメワザ!』

 

「今度はそっちか……」

 

その視界にはゲーマドライバーを開閉し必殺技を放とうとするエグゼイドの姿が。

 

『ハイパークリティカルスパーキング!』

 

『デンジャラスゾンビ!キメワザ!』

 

「ゾンビ兵共!やれ!!」

 

黄金の粒子を纏うエグゼイドの前に大量のゲンムゾンビゲーマーが生成されて向かっていくが

 

「なんだとっ……」

 

召喚したゾンビゲーマー達がいとも容易くムテキゲーマーの殴打の押収の前に消えていってしまった。

 

「さて、あとはお前だけだ。」

 

そのブレイブの前にライドブッカーソードモードを持ったディケイドが歩み寄る。

 

「ところでクローズ達はどこに行ったんだ?お前らが気を引いてる間に攻撃を仕掛ける作戦じゃないのか?」

 

「その答えは簡単だ……」

 

『下間、甲斐チーム試験クリア』

 

ディケイドとブレイブが向かい合うと共に会場に試験終了を伝えるアナウンスが彼らの耳に入ってくる。

 

「そっちを狙ったか……」

 

門矢士は銃士と檀黎斗が陽動をしているとは見抜いていたがそれは牙竜とエボルトが奇襲を仕掛けてくるためだと思っていた。

彼らとの戦いに少し期待をしてはいたが結果試験のルールであるゲートの通過を彼らは狙ったのだった。

 

「まあ、ルールはルールだ仕方ない。2人とも合格だ。」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

だが自分を上手く騙し、銃士らは陽動を上手くやり牙竜達はしっかりと作戦通りにこなしたことを高く評価した門矢士に変身を解除した銃士が感謝の言葉を言って頭を下げたのだが……

 

「あれ?士さんは……?」

 

「どうやら帰ったようだね、」

 

すぐに彼の姿は無くなっていた。

 

「お疲れさん、銃士」

 

その後彼らもゴールのゲート方面へ向かった。

 

「ありがとな、銃士が時間稼ぎしてくれて、」

 

「ううん、牙竜君が早くゲートくぐってくれて良かったすよ。」

 

『そうだな、これで1個山場は抜けたな。』

 

なんとか試験を終えた牙竜と銃士

だが更なる試練が待ち受けていることを彼らはまだ知らなかった……

 

To be continued




体育祭の決勝戦に出たマザルアップオリジナル形態を無駄にしない男です。

次回から愈々この小説の最終章となる林間合宿編に入ります。
最後まで皆さん楽しんでいってください。


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試験明けの休日

最終章開幕
と言いつつもアニメ2期がここで終わりってことを考えると
試験明けのショッピングモールは期末試験編に入るかなと思います。


(牙竜サイド)

 

「皆ぁ~お土産話、グスッ…お願いねぇ~」

 

試験明けの教室で、芦戸、上鳴、切島、砂藤が泣いていた。

コイツらは確か試験落ちたんだったな……

確か不合格なら夏の合宿は行けずに居残りってことだからまあ…頑張ってくれ…

 

『そろそろ先生が来るぜ。席に座っとけ。』

 

「りょーかい」

 

おっと、廊下にいたエボルトが戻ってきたな。

先生がそろそろ来るってことで自分の席に戻る。

 

「おはよう。え~知っての通り、今回の期末テストで赤点が出た。よって…」

 

先生が入って来て早々試験の話だ。

 

「林間合宿全員で行きます!」

 

ありゃ?前赤点は居残り補習って言ってたよな?

 

「「「ドンデン返しだああぁぁぁ!!」」」

 

ま、この方が皆で合宿行けるから嬉しいんだけどな。

 

((居残りの件はいつもの合理的虚偽だろうな。))

 

「筆記の方はゼロ、実技で切島・上鳴・芦戸・砂糖、あと瀬呂が赤点だ」

 

切島、上鳴、芦戸、砂糖は試験突破ならずで瀬呂は試験中にミッドナイト先生に眠らされて後は峰田頼りになっちまったんだったな。

 

「行っていいんスか俺らあ!!」

 

「元々林間合宿は強化合宿だ。赤点取った奴こそここで力をつけてもらわなきゃならん。合理的虚偽ってやつさ。」

 

「「「ゴーリテキキョギイィー!!」」」

 

ま、先生の言う通りだな。

俺ら全員試験の結果はどうであれ、合宿でもっと強くならねえといけねえからな。

 

「しかし全部が全部嘘じゃないさ。赤点は赤点だ。お前らには別途で補習時間を設けてる。ぶっちゃけ学校に残っての補習よりキツイからな」

 

「「…………」」

 

((ご愁傷様))

 

「じゃあ合宿のしおりを配るから後ろに回しておけ。」

 

ってことで合宿のしおりが回されていったんだが補習組の顔が真っ青だったのは一旦置いとくか。

 

((強化合宿か、自主トレの時より相当キツイんだろうな。))

 

(ああ、ここの先生らだけじゃなくてプロヒーローも何人か来るって書いてるぜ。)

 

しおり曰く雄英教師陣数名とプロヒーローによる指導が行われるってことらしい、

甘粕さんも来たら嬉しいな、

 

数日後……

 

「どうだ?俺の服装」

 

「とっても素敵ですわ!」

 

てことで今日はテスト明け皆でショッピングモールに来てるぜ。

俺はエボルトに選んでもらった黒ジーンズと黒パーカーの上から紫のロールネックベストっていうコーデなんだが百にも絶賛してもらえて何よりだ。

 

「そういう百も似合ってるぜ。白のワンピース」

 

百は白のワンピースに大きめの帽子を被っている。

夏っぽくて良い感じだぜ。

 

「さて、なんやかんやあって皆自分の好きなもん買いに行ったけど俺らどうする?」

 

「そうですわね、私は旅行用に大きめのスーツケースが欲しいですわ。」

 

「お、確かに。合宿1週間あっからな。」

 

いやーなんか皆のノリになんとなくついてきただけだったから何買うか決めてなかったけど俺は百と一緒にスーツケースを見に行くことにした。

 

「うーん、どのサイズでも少し物足りないですわね。」

 

「どんだけ持ってく気だよ」

 

ってことで暫くスーツケース探しに没頭してたんだが百曰くこの店で一番大きいケースでも自分の荷物が入りきらねえってことで困っている。

 

「だったらケース2つ買うってのどうだ?」

 

「けどそれだと持っていけるか不安ですわ。」

 

「任しとけって、持てそうになかったら俺が持ってやるよ。」

 

「いいのですか?」

 

「おう!大変だったらエボルトにも手伝ってもらうし」

 

『人を勝手に巻き込むな。』

 

と冗談を言っていたところさっきサングラスを買いに行ってたというエボルトが戻ってきた。

 

「お、わりいわりい、大丈夫だって、荷物は全部俺に任しとけ。」

 

「ありがとうございます!頼りになりますわ」

 

『ま、流石に俺は荷物少ないから多少は持ってやるよ。』

 

ということで百は結局スーツケースを2つ購入した。

 

「こんだけありゃ十分じゃねえか?」

 

「ええ、これなら安心ですわ。」

 

ということで買ったスーツケースを俺と百で一個ずつ持って皆のところに行こうとしてたんだが、まだ時間があるんで

 

「お待たせしましたーチョコバナナですー。」

 

「ウッス、ありがとうございます~」

 

俺ら3人でクレープを食うことにした。

 

「「『いただきまーす!』」」

 

俺はチョコバナナ、百はストロベリークリームのバニラアイストッピング、エボルトは所謂おかずクレープ的な奴とコーヒーを飲んでいる。

 

「甘くてうめえなぁ~」

 

「アイスの冷たさとクレープの生地の暖かさの組み合わせが絶妙ですわ!」

 

「ピザ風クレープか。悪くないな」

 

クレープって最高だな。

 

「あら、牙竜さん口にクリーム付いてますわよ」

 

「マジか、わりい」

 

食うのに夢中になってたら口にクリーム付けちまってたみてえだな。

 

「お、サンキュ」

 

百がすぐカバンからティッシュを出してくれた。

カバンには百と前に買ったピンク色のイルカのぬいぐるみが付いているのが目に入ってまたちょっと嬉しくなる。因みに俺のカバンにもしっかり青いイルカのぬいぐるみ付けてるぜ。

 

「ごちそうさん、てかそろそろ時間じゃねえか?」

 

「そうですわ、早く皆さんのところに戻らなくては……」

 

クラスの皆とは3時に集合の予定だったしそろそろ戻ろうと思ってたんだが……

 

「何の騒ぎだ?」

 

『警察来てんぞ』

 

何やら騒がしいし警察まで来ていて俺達はすぐに家に帰された。

後日聞いたところによると出久がヴィラン連合の死柄木弔に遭遇しちまったらしい…

 

((こりゃまたとんでもないことが起きるだろうな。))

 

(ああ、合宿で鍛えて備えねえとな…)

 

To be continued




今回は短めですが、次回からホンマに最終章開幕です。
その前に…

”プール回やります!!”

理由:作者はFree!が大好きです。

ま、楽しく書かせていただきますね。


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合宿編
夏休みのスイムタイム


今回は皆さんお待ちかねの水着回(スク水)です!

アニオリ回書くのは初めてな気がします。



(牙竜視点)

あーもう完全に夏だな。

クソあちいけど今日もトレーニングしとかねえとな。

因みにエボルトは

 

"今日は神様と飯行ってくるぜ"

 

とか言って銃士達のとこ行ってるし一人でトレーニングだなって思ってたところ丁度スマホに出久からのLINEが入ってた。

 

 

『これから上鳴君達と学校のプールで訓練するんだけど一緒にどうかな?』

 

おープールで訓練か、面白そうだな。

 

"すぐ行くわ"

 

と返信して俺はすぐに学校指定の水着やらバスタオルを用意して早速学校へ行く。

そういえば百も今日女子達でプールって言ってし多分クラス全員集合かもな。

 

1時間後

 

「よ、爆豪と切島か。2人もメール来てたんだな。」

 

「まあな、」

 

「おう!折角の緑谷からの誘いだったからすぐ駆け付けたぜ。」

 

結構早めに着いたと思ったんだが先に爆豪と切島がいたんで早速3人で更衣室に行って水着に着替える。

 

「てか、いつも思うけど下間と爆豪の筋肉すげえよな……」

 

「大したことはねえ、」

 

「喧嘩とかしてたらこうなっただけだ。」

 

なんか水着に着替え終えたら切島が俺らの筋肉褒めてくれた。

つっても結構切島も鍛えてる方だとは思うんだがな、

 

「よ、出久」

 

「牙竜君!かっちゃんに切島君も来てくれたんだ!」

 

「おう!楽しそうだしな。」

 

てことで誘ってくれた出久と合流出来たんだがどうやら今回のトレーニング自体を考えたのは上鳴と峰田らしい

まだ姿は見せてねえけど。

 

「ま、準備運動して待っとくか」

 

「足釣ったら大変だしな」

 

しばらくストレッチとかしてる合間にクラスのメンバーが続々と集まってきた。

 

「お、やっぱ百達も来てたんだな」

 

出久が誘った男子勢だけじゃなくて"日光浴"で申請してプールを借りた女子達も来た。

 

「が、牙竜さんっ…」

 

「どうした?」

 

「な、なんでもありませんわっ…!」

 

ただ何故か百は俺を見た瞬間顔真っ赤にして目逸らしたんだけどどうしたんだ?

 

「ヤオモモ、もしかして下間の肉体美に見惚れちゃってる?」

 

「そりゃ下間君、女の子を発情させるような筋肉してるもんねー」

 

「は?俺が?」

 

何やら耳郎と葉隠に筋肉のことについて色々言われたんだが気恥ずかしいな。

 

「遅かったじゃないか君達!」

 

とそうこうしてる間に今回の特訓の提案者の上鳴と峰田が来て飯田に熱い抱擁and連行されちまっていた。

 

「ということで早速だが、特訓を始めようと思う。まあまずは…」

 

お?なんか飯田が仕切るみてえだな。こりゃ色々と真面目にやるみてえだが俺の泳ぎに関しちゃ一個ルールがある。

 

「飯田、御託は良いからとっとと始めようぜ。」

 

俺はプールの飛び込み台の上に立つ。

 

「し、しかし下間君。何を泳ぐかちゃんと決めないと…」

 

「何言ってんだ?俺はFreeしか泳がない。」

 

そしてそのまま飛び込んで俺はクロールで泳ぎ始める。

 

(三人称視点)

水泳の種目の1つに自由形、フリーというものがある。

この種目は選手個人個人が自分の得意な泳ぎ方、自由な泳ぎ方をしていいというルールであるが、ほとんどの選手が1番速い泳ぎ方と言われているクロールを泳ぐため、フリー=クロールと捉えられることが多い。

 

「す、スゲエ…」

 

「アイツめっちゃ速いぞ」

 

「それにフォームも美しい…」

 

現在雄英高校のプールで1人泳ぐ牙竜のフリーに尾白、砂藤、飯田が感嘆の声を漏らす。

無駄のないフォームで水への抵抗を極力減らし、より速く泳ぐことができている。

 

「っしゃ!お前らどんどん泳げ!自分が1番速く泳げる泳ぎ方でな、水中で救助とかするなら速さが大事だぜ!」

 

泳ぎ終えた後の牙竜の言葉で皆それぞれのフォームで泳ぎ始める。

 

「ケロ、私達は予定通り日光浴でもしようかしら、」

 

一方女子達は予定通りプールで遊び始める。

 

2時間後

 

「俺からの差し入れだ!皆飲んでくれ!」

 

先程まで泳いでいた男子達が飯田の差し入れのジュースを飲んでいると。

 

「牙竜ホントスゲエよな!なんであんな早いんだ?」

 

「水に抗わずに水面に指を突き立てて切れ目を作ってそこに体を滑り込ませる。これが俺の泳ぎ方だ。」

 

「どういうことだ?」

 

切島が牙竜に泳ぎ方の質問をしてみるが彼のよく分からない理論に首を傾げる。

 

「それ、フリーの七瀬選手の水泳理論だろ。」

 

と瀬呂が会話に加わる。

 

「お、よく分かってるじゃねえか!」

 

「さっきの"俺はフリーしか泳がない"ってのも七瀬選手のキメ台詞だろ?」

 

「まあな、前オリンピックで見た時からファンなんだ。」

 

個性社会となってからも細々と個性社会以前の様なスポーツの大会は行われており水泳の七瀬選手はそういった大会で活躍する水泳選手の一人で主にフリーしか泳がないことで有名である。

 

「泳ぎ方も独学で真似てんだぜ。」

 

「真似るっつたってどうやって?」

 

「見たうえで言葉理解しただけだ。」

 

「それであそこまでできるってお前水泳の才能あるんじゃねえの?」

 

「さあな、」

 

と、牙竜と瀬呂が水泳談義で盛り上がっていると

 

「皆!この後男子全員で誰が早いか競おうと思ってるんだけどどうだろうか?」

 

「いいぜ、乗った!」

 

(牙竜サイド)

 

ということで飯田の提案で男子対抗の水泳レースをすることになったんだが…

 

「俺シードでいいのか?」

 

「おう!その方が盛り上がるしな!」

 

一部クラスメイトからの提案で何故か俺がシードの残り14人を3つのブロックに分けての試合になった。

各ブロックのトップ3人とシードの俺で決勝レースだそうだ。因みに個性使用ありだとよ。

変身して泳ぐか

 

「位置について!よーい!」

 

とか考えてる間に審判役を買って出てくれた百が笛を吹いて最初のグループのレースが始まったんだが、

 

「爆速ターボ!」

 

爆豪が泳がず爆風だけでプールの上を飛び越えていきやがった。

 

「どうだ!」

 

「どうだじゃねえだろ!」

 

「泳いでねえだろ!」

 

勿論爆破で飛び越えていった爆豪が一位だったが瀬呂と切島からツッコミが入る。

 

「位置について!よーい!」

 

続いて轟、切島らのグループなんだが

 

「ありゃスパイダーマンだな、」

 

瀬呂はアメリカのヒーローのスパイダーマンみたいにセロテープを行き先に延ばして飛び、

 

「ハーイ☆」

 

青山がへそのレーザーの推進力で進んでいる。

 

「アレも中々反則だな。」

 

だが空中で青山と瀬呂が激突し沈んでいくがそれを氷で足場を作りその上を滑って進んでいく轟が追い抜かした。

 

「「だから泳げって!!」」

 

勿論轟が1位でゴールし上鳴と峰田からツッコミが入る。

 

「位置について!よーい!」

 

さて、最後は出久、飯田、尾白、障子のグループなんだが

 

「飯田もかよ!」

 

飯田はプールのコースロープの上で十字架みたいなポーズで足のエンジン吹かして進んでいってる。

 

「出久も早いぜ」

 

ただ出久は自分の超パワーを微量ながら全身に張り巡らせることで超速く泳いでいる。

 

「着いた!!」

 

飯田のエンジンと出久の身体能力強化、

勝ったのは出久の方だった。

 

そして最後は勝ち上がってきた3人と俺のレースだ。

 

「テメエらがそう来るなら俺も本気でいかせてもらうぜ」

 

『ドラゴンゼリー!』

 

あーいう個性の使い方がありなら俺だって変身させてもらうぜ。

 

「変身!」

 

『潰れる!流れる!溢れ出る!ドラゴンインクローズチャージ!ブラァ!』

 

俺はスクラッシュドライバーでクローズチャージに変身し、

 

「いいぜ、本気で勝ちに来やがれ!」

 

「勝つのは俺だ…」

 

「僕だって、負けないよ!」

 

出久、爆豪、轟も飛び込む準備をし

 

「位置について!よーい!」

 

『サメ!チャージクラッシュ!潰れなーい!』

 

百の吹く笛と共にスクラッシュドライバーにサメフルボトルを挿してレンチを下ろしプールに飛び込んだ。

 

(瀬呂視点)

 

「は、速いっ…」

 

下間のサメの様な泳ぎ、轟の氷結しながらの進撃、爆豪の爆風での加速、緑谷の身体能力、

どれも速くてまるでさっき下間と話した七瀬選手の出てたのオリンピックでのレースを思い出すようないいレースだ。

 

「拮抗してる…」

 

それぞれが得意な分野での泳ぎ(?)をしていて拮抗している。

 

「ターンに入るぞ!」

 

今回のレースはフリー100m、50mのプールを往復する必要があるからプールの端でターンして切り返す必要がある。

ここは素人には難しいところだが……

 

「下間がターンした!」

 

爆豪、轟はプール上を飛んでいるから一度着地する必要があり、緑谷もターンには慣れてねえけど、

 

「牙竜さんが抜けましたわ!」

 

下間はターンに成功してそのまま3人より前に出てトップに躍り出る。

 

「差が広がってきた…」

 

常闇の呟いた通り下間と他の3人の間にどんどん差ができてきて

 

「よっしゃあ!!」

 

そして下間が一番にゴールした。

 

「お疲れ様です。牙竜さん!素晴らしい泳ぎでしたわ!」

 

「おう!ありがとよ!」

 

ゴールして変身を解除した下間に八百万が手を差し伸べて引き上げる。

 

「凄い泳ぎだったよ、」

 

「速かった…」

 

「次は負けねえぞ!」

 

泳ぎ終えた緑谷、轟、爆豪だが、あいつらは一緒に泳いだから、下間の泳ぎを間近で体験できたのか、

ちょっと羨ましいぜ

 

「それでは!今日の特訓はここまで!各自、体に気を付けて帰るように!」

 

ということで、最後は飯田が仕切って特訓は終了だ。

まあ今日は良い泳ぎも見れて最高だったぜ、今度は俺も下間と泳いでみてえなあ……

 

(三人称視点)

 

彼らが楽しい一時を過ごす中、また一つの大きな悪意も動こうとしていた。

 

「弔、ここがショッカーの本拠地だよ。」

 

「へえ、前までのアジトよりは良いとこだな。」

 

ヴィラン連合を率いるオールフォーワンと死柄木弔がショッカーのアジトを歩く。

 

「さて、紹介するよ。彼がショッカーの首領であり、私の相方のアークだよ。」

 

オールフォーワンが死柄木に対して大広間に鎮座する通信衛星を指差す。

 

「人類は、滅びる…」

 

アークから声が発せられると黒い液体の様なものがオールフォーワンに纏わりつき、腰にアークドライバーゼロを生成する。

 

『アークワン!』

 

「変身」

 

『シンギュライズ!破壊…破滅…絶望…滅亡せよ…!コンクルージョン・ワン…』

 

そして、オールフォーワンは仮面ライダーアークワンの装甲を身に纏う。

 

「さあ、弔君も仮面ライダーに変身するのだよ。」

 

「俺も変身…?」

 

そうアークワンが言うと隣から赤いメッシュの入った長髪の女性、アズがとあるアイテムを持って死柄木の下へ

 

「これをお使いください」

 

「なんだこれは…?剣と本か…?」

 

「ええ、こちらは"無銘剣虚無"と"エターナルフェニックス"のワンダーライドブックです。」

 

To be continued




水着回からのヴィランサイドの強化回です。
さて、ということでこっから最終章開幕ってことで張り切っていきますよー


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合宿の幕開け

合宿初日でございます。
2話連続で皆脱ぎます。


(エボルト視点)

よお、皆エボルトだ。

今日から雄英高校ヒーロー科は強化合宿ってことで、今は皆でバスに乗って合宿場まで移動だ。人間の姿でバスに乗るのなんて前世以来だ。

そういえば今回の合宿、この前の出久と死柄木の遭遇のせいか本来の場所とは違う所でやることになって生徒達にもどこでやるかは伏せられている。

 

「お?休憩か?」

 

「トイレ~トイレはどこだー!?」

 

さて、時間は9時30分を回ったところバスは何もないところで停車し全員降ろされる。

そんなことより峰田の膀胱は大丈夫か?ここは山の中でトイレもない。さらに停車したところは崖の上にあるが、まさか野ションなんてことさせねえよな…

 

「やっほ~イレイザー!」

 

「ご無沙汰してます。」

 

とか考えてたら猫風のコスチュームを着た2人の女が現れた。

 

「煌めく眼でロックオン!」

 

「キュートにキャットにスティンガー!」

 

『ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ!!』

 

「今回お世話になるプロヒーロー『プッシーキャッツ』の皆さんだ」

 

スーパー戦隊みたいな名乗りだな、

そういえばしおりにプロヒーローと協力して行うって書いてたけどこの人らが一週間皆の特訓に付き合ってくれるのか。

 

「連名事務所を構える4人チームのヒーロー集団!山岳救助等を得意とするベテランチームだよ!キャリアはもう今年で12年にも…」

 

「心は18!」

 

「へぶっ!」

 

おっと出久、解説するのは良いがレディの年齢のことに触れるのは良くないぞ。

 

「ここら一帯はわたしたちの私有地なんだけどね、あんたらの宿泊施設はあの山の麓ね。」

 

『遠っ!』

 

プッシ―キャッツのメンバーの人が指差す所に確かに建物はあるがかなり遠いな。

 

「今は午前9:30。早ければ…12時前後かしらん?」

 

成る程な、いきなり試練を与えてくるということか、

牙竜、出久、爆豪、轟以外は何かを察したように急いでバスに戻ろうとする。

 

「12時半までに辿り着けなかったキティはお昼抜きね。」

 

「悪いな諸君。合宿は、もう始まっている。」

 

相澤先生がそう言った瞬間、生徒達は土でできた津波に飲み込まれて崖下に落とされた。

 

「私有地につき、個性の使用は自由だよ!今から3時間、自分の足で施設までおいでませ!この『魔獣の森』を抜けて!」

 

ということで早速第一試練スタートなんだが…

 

「あれ?俺残っててもいいのかな?」

 

俺は土の津波に巻き込まれず崖下に落とされていない。相澤先生と一緒に上に残っている状態だ。

 

「アンタまで生徒ら手伝ったら特訓にならねえだろ。」

 

「そういうことか、まああいつらなら大丈夫だろ。」

 

「後エボっさん、ちょっと手伝って欲しいことがあるんだが…」

 

「ああ、なんなりと」

 

(牙竜視点)

 

『ウェイクアップ!クローズドラゴン!』

 

『Are you ready?』

 

「変身!」

 

『Wake up burning! Get CROSS-Z DRAGON! Yeah!』

 

なんか合宿始まって早々崖から突き落とされたんだが俺は変身して着地

 

「へえ、魔獣の森ってこーいう意味か、」

 

その後すぐに目に入ったのは土でできた魔獣の集団

多分こいつら倒して宿舎までいかねえといけねえみてえだな。

 

「皆!とっとと突破して昼飯食うぞ!」

 

幸いクラスの皆は各々の個性や協力でなんとか着地成功

放尿した峰田以外は無事みてえだ。

ってことで全員で魔獣の森の中に入っていく

 

『スマッシュヒット!』

 

『ミリオンヒット!』

 

『メガヒット!』

 

まあ土の怪物共の種類は多種多様だった。

大きさ、姿、形、どれも個性的だが俺のビートクローザーの前ではどれも塵と化してくのみだ。

 

『ボルテックブレイク!』

 

『シングルブレイク!』

 

『ファンキーアタック!』

 

出久達も変身して各々の武器で戦っている。

 

「すごいですわ…」

 

俺らは勢いよく進んでいくのに対して百達は驚きの声を漏らしている。

 

「まだまだこんなもんか!?」

 

まあ俺ら仮面ライダーの前じゃどんな試練も簡単に突破できるけどな。

 

「ん?ありゃなんだ?」

 

おっとどうやら魔獣だけじゃなくて俺らが体育祭で戦ったバグスターとかいう奴が大体5体ぐらいか。

 

「こいつは手応えがありそうだ…」

 

数時間後…

 

「やっと着いたぜ…」

 

なんとか12時までには間に合ったな。

体育祭の時みてえに銃士んとこの神様が用意した怪人軍団が出てきて手間取ったが昼前にはなんとか宿舎についた。夢中で戦いながら走ってたから気付かなかったが俺以外はまだ着いてねえか…

 

「お疲れさま。下間君」

 

「おお!銃士んとこの神様じゃねえか!」

 

宿舎ではエボルトが迎えてくれると思ってたんだが銃士のところの神様が宿舎の前でノートパソコンを弄りながら迎え入れてくれた。

 

「まあね、私の用意したバグスター達はどうだったかな?」

 

「まあまあ苦戦したぜ。途中の方からクローズマグマも使っちまったぜ。そういやエボルトは?」

 

「そう言っていただけて何よりだよ。エボルト君は今B組の方に行ってるよ。」

 

「そっか、了解」

 

なるほどなあ、神さんがA組にエボルトがB組にそれぞれ試練を与えに行ったのか…

まあそれぞれ違うクラスだから手の内もあんま分かってないから良い特訓になるだろうな。

 

さらに数時間後

 

「うめぇぇ!米うめぇぇぇぇ!」

 

夕方にはA組B組全員が無事に到着。

結局のところ、俺、銃士、出久、爆豪、轟以外は昼飯に間に合わなかったからみんな空腹でテンションがおかしい。

上鳴と切島なんて泣きながら飯を口の中に掻き込んでいる。

 

「土鍋!?」

 

「土鍋ですかぁ!?」

 

ここの飯は美味い。訓練の疲労の後は美味い飯に限るぜ。

ただ一個気がかりなのはプッシ―キャッツと一緒にいるマセガキ一人だ。

なんかさっき出久の金〇に良い一発をぶち込んでたがヒーローとつるむ気はないみたいなこと言ってたな…

常に表情も暗い。体育祭前の轟みたいだった。

 

そして夕食の後の入浴時間。

 

「まぁ飯とかね、ぶっちゃけどうでも良いんスよ。求められてんのってそこじゃないんスよ。その辺わかってるんスよオイラ。求められてるのはこの壁の向こうなんスよ…」

 

「1人で何言ってんの峰田くん…?」

 

なんか峰田が男湯と女湯の間にある木造の壁の横でなんか言ってやがる。

 

「峰田くんやめたまえ!それは己も女性陣も貶める恥ずべき行為だ!」

 

「やかましいんスよ…」

 

コイツ覗きしようとしてんな…

止めるしかねえよなぁ…

 

「壁とは越えるためにある!『Plus Ultra』!!」

 

止めようと立ち上がったんだがコイツエロのことになると動きが早いな。

もぎもぎを使って、凄い勢いで壁を登り始めた。

普段の訓練からこのスピードで頑張れや

 

「ヒーロー以前に人のあれこれから学び直せ」

 

「ク~!ソ~!ガ~!キ~!」

 

けど壁の上で監視をしていたあの洸汰とかいうガキに突き落とされて注意しに来た飯田の上に落ちてった。

 

「あぶねえッ!!」

 

今度は洸汰が壁の上から落ちてきた。

 

「出久ナイスキャッチ!」

 

けど出久がなんとかキャッチし無事だった。

 

「僕ちょっと洸汰君をマンダレイたちのところに運んでくるね。」

 

「りょーかい」

 

出久が洸汰を宿舎の事務所まで連れて行く間に俺がやるべきことは一つ

 

「さて峰田ぁ…百達の裸見ようとしたんだ、落とし前どうつけようか?」

 

お仕置きの時間だ。

 

「お、おい待てよ!お前はあれだろ!?八百万の彼氏なんだろ!?いつでも見れるから良いじゃねえか!!オイラはこういう時しか見れねえんだよ!!!」

 

「別に裸見るために付き合ってるわけじゃねえし、てか覗きのタイミングが今しかないってのは覗きをする正当な理由にはならねえぞ…」

 

拳をゴキゴキと鳴らしながら近付く。

 

「う、うるさい!いいよなあ、お前は!顔もいいし、筋肉ムキムキだし、下半身に名器付いてるし!いつでもヤレるじゃねえか!」

 

「未成年が何言ってんだ?そういう話は18歳超えてからだろ」

 

ということでその後は軽く尻を100回ほど叩いてやった。

 

「轟、爆豪後は任せた。」

 

「お、おう」

 

てことで峰田を2人に任せて先に風呂から上がる。

 

「いい湯だった―」

 

「あ、あの…牙竜さん…」

 

「どうした?」

 

部屋着に着替えて更衣室を出ると丁度百がいた。髪下ろしてんのも可愛いな。

けど頬赤くしてモジモジしてるけどどうしたんだ?

 

「そ、その…名器とは何でしょうか?それに18歳を超えてからのそういう話って……」

 

さて、峰田のケツ叩き100回追加だな。

 

To be continued




この後峰田が仰向けで寝れなかったことは語るまでもないでしょう。

なんか久々に自由な休日なので執筆が捗ってます。


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鍛える夏

ちょっと響鬼風のサブタイトル
今日はただただ鍛えます。


(三人称視点)

 

雄英高校ヒーロー科の強化合宿は2日目を迎えたのだが……

 

「アアアアアアッ!!」

 

「ギャアアアアアアアアアッ!!」

 

朝の7時だというのにもう既に地獄絵図が広がっていた。

というのもこの合宿での目的は各生徒の個性を伸ばすことである。

個性を伸ばす方法は様々だが全員肉体と個性を酷使して朝から自分に与えられたメニューをこなしているのだが、基本的に半数以上の生徒が涙か血を流し悲鳴を上げている。

勿論A組B組合42人で特訓をしているので住宅街でやったらクレーム案件だ。

田舎でやって正解かもしれないが…

 

『ミリオンスラッシュ!』

 

『タドルクリティカルスマッシュ!』

 

その中でも仮面ライダークローズとブレイブクエストゲーマーレベル2はお互いの剣や必殺技をぶつけ合っている。

 

「おい、どうした銃士ィ!今日は1日中組手だぜぇ!こんなとこでヘタってたるようじゃまだまだだぜェ!!」

 

「はっ、はいぃッ!!」

 

牙竜と銃士は仮面ライダーに変身してひたすら組み手をしている。

長期戦になった時のために体力を付けつつお互いのレベルを上げるという訓練だ。

 

「強化形態いくぜ!!」

 

「ハイ!」

 

『TADDLE FANTASY!Let's Going King of Fantasy!』

 

『ボトルバーン!』

 

『デュアルガシャット!

 

『クローズマグマ!』

 

『Are you ready?』

 

「「変身!!」」

 

『ガッチャーン!デュアルアップ!』

 

『タドルメグルRPG! タドールファンタジー!』

 

『極熱筋肉!クローズマグマ!』

 

『アーチャチャチャチャチャ チャチャチャチャアチャー!』

 

午後になることにはお互いクローズマグマとファンタジーゲーマーレベル50に強化変身し引き続き戦う。

 

「2人共昔に比べたらかなり強くなったね。」

 

『そうだな、職場体験とテストでのディケイドとの戦いを経てまた眼の色が変わりやがった。』

 

その様子をパソコンをカタカタしながら見ている新・壇黎斗・神とブラッドスターク

 

「さて、そろそろ私のバグスター軍団の出番のようだね。」

 

『そうだな、もう午後だ。ハードルを上げていかないとな。』

 

この日の合宿では午後から全体的にトレーニングのレベルを上げるということになっているので、先ほど牙竜と銃士が強化変身したようにここからさらに苦しい訓練が始まる

 

「うおおおおおおおおおお!!」

 

『どうした!どうしたぁ!!そんなんじゃすぐに追いついちまうぜ!!』

 

壇黎斗が召喚したバグスター達が特訓に参戦。

早速モータスバグスターが午前中エンジンを使ってずっと走り続けていた飯田を追い回す。

 

『目標確認』

 

「おうよ!次はお前が相手か!」

 

「いくよ!切島!」

 

尾白と切島はガットンバグスターと戦う。

尻尾と硬化をより強靭なものとするにはガットンバグスターの強固な肉体が丁度いいだろう。

それぞれが打撃を撃ち合っていく

 

「ハーイ!ポッピーピポパポだよ~響香ちゃんには今からリズムのある攻撃を学んでもらうよ~」

 

「は、はい」

 

ポッピーピポパポは音の攻撃を使う耳郎の指導

 

『仮面ライダー共かかって来い』

 

「かっちゃん!轟君!いくよ!」

 

「「おう!」」

 

そしてグラファイトバグスターがビルド、グリス、ローグの3人と向き合う。

 

『まだまだ!』

 

そして彼らと拳や武器を交え戦っていくが

 

「つ、強いっ…!」

 

『今の俺はレベル99!この合宿を終えるまでにこの俺を倒してみろ!』

 

「おう!やってやろうじゃねえか!」

 

バグスター達の介入で午後からの特訓はより厳しくより効率的なものに変わっていく。

 

『さーて、俺も行くか』

 

ブラッドスタークもプッシ―キャッツのメンバーと共に特訓の補助を行う。

 

(牙竜視点)

結局朝から夕方までずっと訓練してたぜ。

ただもう疲れったって云うのに

 

「さあ!昨日言ったね!世話焼くのは今日だけだって!」

 

「己で食う飯ぐらい己で作れー!」

 

ここでプッシ―キャッツのマンダレイとラグドールから非常通告

俺料理苦手なんだよなあ…

 

「カレー!」

 

もう疲れのせいで自炊どころじゃねえな…

昔の飯盒炊爨とかだったらテンション上がってたとこだけどな、

 

「全員全身ブッチブチ!だからって雑な猫まんまは作っちゃダメね!!」

 

「確かに!災害時に避難先などで消耗した人の腹と心を満たすのも救助の一環!」

 

ん?なんか飯田が言い出したぞ……

 

「世界一美味いカレーを作ろう!皆ァ!!」

 

ポジティブだな、飯田は…

しゃーねえ、真面目に飯作りするか

 

「火起こしは楽しいなあ…」

 

つっても俺は料理自体は苦手だから火の係なんだけどな、

チャッカマンとか轟のお陰で火はすぐ付いたし後は薪をくべながら管理だ。

 

「こっちは米でこっちには鍋だ。」

 

飯盒で米を炊きつつ鍋でルー作り

飯盒で炊くとおこげとかついてうめえけど、今はそれどころじゃねえな。

 

「まじで、背筋吊りそう。早く風呂入りてえ~」

 

全身筋肉痛で料理はマジでしんどい。

 

「牙竜さん。筋肉痛でしたら是非これを」

 

「湿布か、助かるぜ。ありがとな!」

 

まあけど百が湿布貼ってくれたから頑張れそうだぜ。

 

「「「いっただっきまーす!」」」

 

なんとか完成していざ実食

ま、店とかで出せる味じゃねえけど雰囲気も相まってうめえな

 

「ヤオモモがっつくねえ!」

 

そういや今芦戸が言った通り百は食う量が多いな。

 

「ええ、私の個性は脂質を様々な原子に変換して創造するので沢山蓄えるほどたくさん出せるのです。」

 

「うんこみてえ、」

 

「「謝れェ!!」」

 

「スイマセンッ!!」

 

百の個性の性質がよく分かったんだが瀬呂は俺と耳郎からダブルパンチを喰らったのは言うまでもないだろうな。

ったく、なんで2日連続で誰かにお仕置きしなきゃいけねえんだろうな…

 

「ところで出久なんか元気無さそうだけど大丈夫か?」

 

飯食い終わって洗い物してたんだが出久はなんか暗い表情をしていた。

 

「ちょっとね、洸汰君の件でね…」

 

「マンダレイんとこのガキか」

 

「うん、その両親がヒーローだったんだけどヴィランに殺されてそれでヒーローに対して心を閉ざしてるみたいで……」

 

「そっか、まあ難しい問題だな。」

 

あのガキにも色々と事情はあるんだな。出久の玉殴ったのはよくねえけど…

 

「ま、けどいつかお前がカッコいいヒーローになった時に見せてやれよ"お前が来た!"ってのを」

 

「う、うん!また1つ目標が増えたね、」

 

「おう!目標は多い方が良いぜ。その方が頑張れる。けどパンクはしすぎねえ程度にな」

 

「ありがとう!僕もっと頑張るよ!」

 

さて、出久の元気も戻ったとこで皿洗い終わらせてとっとと風呂に入らせてくれー!

 

To be continued




実際キツイトレーニングしまくってもここの合宿所の温泉入ったらめっちゃ回復しそうですね。
それと次回から原作大幅ブレイクしていくのでタグも追加しておきます。
ではまた次回お会いしましょうさよなら~


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襲撃

いよいよ合宿の襲撃ですが色々と原作から改変された展開が多くなってきます。
ご了承ください。


(牙竜視点)

強化合宿も今日で3日目

昨日と同じように、いや、それ以上にキツイ訓練をした後の夜は…

 

「腹もふくれた!お皿も洗った!お次は……肝を試す時間だー!」

 

レクリエーションかなんかの肝試しだ。

ちょっと怖そうだから嫌だな。

 

「その前に大変心苦しいが、補習連中はこれから俺と一緒に補習授業だ」

 

「「ウソだろ!?」」

 

ありゃりゃ、これは可哀そうだな。

芦戸の顔がエグイことになってやがる

 

「すまんな。日中の訓練が思ったより疎かになったのでこっちを削る」

 

「うわああぁぁ!堪忍してくれぇ!!試させてくれえぇぇぇ!!!」

 

補習組連中は相澤先生の捕縛布で連行される。

こりゃ悲惨だな。

てことで、肝試しのルールが説明されたんだが……

 

・A組とB組で分かれて脅かし役をやる。先攻はB組。

 

・後攻のA組は2人1組で3分おきに出発。

 

・ルートの中間にあるお札を回収して戻って来ること。

 

・脅かす側は直接接触禁止。個性を使って相手を脅かす。

 

・創意工夫をしより相手を失禁させた方の勝利

 

最後のだけちょっとおかしくねえか?

で俺はラストの8組目でペアを組むのは……

 

「が、牙竜君…よろしくね……」

 

既にビビり気味な出久だ。

昔からこういうのは苦手だって言ってたっけ?

 

「よし、じゃあ百いってら~」

 

「え、ええ、行ってきますわ」

 

とりあえず4組目の百達を見送ってもうしばらく待ち時間だな。

ま、向こうには銃士もいるしどんな脅かし方をしてくるか楽しみだ、ていうかこれ逆の時銃士ビビッてギャン泣きするだろうなw楽しみだぜ

 

((おいおい、あんまイジメてやるなよ))

 

(わかってるって、てか俺目立ちすぎてこういうの向いてるか微妙だな…)

 

((ゴーストフルボトル使えよ))

 

(その手があったか)

 

って感じでエボルトと作戦考えてたんだが

 

「なんだろう?黒い霧?」

 

「そんな個性の奴B組にいたか?」

 

と思ったんだが心無しか皆がいる森の方から黒い靄が出ている。

 

「いや、B組にそんな個性の人いないはずだよ!勿論プッシ―キャッツにも!」

 

人の個性とかをよくメモしてる出久ですら知らないってどういうことだ?

もしかして……

 

「なんだありゃ!!」

 

と思っていたら突然森の中から火柱が立った。

 

「ヴィランの襲撃だ!」

 

これは間違いねえ…

俺達はたった今襲撃を受けた。

 

「それってどういう!?」

 

「B組の奴らと肝試しに要った奴らが襲われたかもしれねえ、」

 

「確かにあんな火柱出せるキティはいなかったような…」

 

マンダレイとピクシーボブに俺はすぐにヴィランの襲撃の可能性を伝えると、

 

「てことはじゃあ……洸汰君が危ないッ!!」

 

突然出久がどこかへ向けて走り出した。

 

「少し心配だ。俺も様子を見て来よう。」

 

「ああ、任したぜ」

 

その出久を追うようにエボルトも走っていった。

 

「とにかく今は相澤先生達とここを守んぞ!マンダレイ!森の中の連中に戦闘許可を出してくれ!!」

 

「け、けどさすがにそれは……」

 

「そう言ってる場合じゃないぞ。マンダレイ」

 

マンダレイが戦闘許可を出し渋ったところ相澤先生が口を挟んでくる。

 

「プッシ―キャッツは宿舎でブラドと生徒達を守ってくれ。そして俺の許可ということで全員に戦闘許可を伝えろ。俺と下間は"そこにいる男を倒す"」

 

「おっと、いつの間にかバレていたようだね。」

 

「……ッ!!」

 

気配を消していたのか?いつの間にか梅干しみたいな頭の奴が肝試しの入り口の近くから出てきたと思ったら、

 

「ピクシーボブ!!」

 

近くにいたピクシーボブの身体を一瞬で吹き飛ばした。

 

「わ、わかったわ、イレイザー……皆のことは私たちに任せて、」

 

マンダレイと虎が負傷したピクシーボブを連れて宿舎へ戻る間に俺は梅干し男の方に歩み寄る。

 

「テメエ俺らの合宿を邪魔しに来やがって…何のつもりだ!?」

 

「決まっているだろう。仮面ライダーの滅亡のためだよ。おっと、自己紹介が遅れたようだね。僕はオール・フォー・ワンとよく呼ばれているヴィラン連合のボスでありショッカーの首領…」

 

『アークワン!』

 

「変身」

 

『シンギュライズ!破壊…破滅…絶望…滅亡せよ…!コンクルージョン・ワン…』

 

「仮面ライダーアークワン!」

 

梅干し野郎が白いバッタみてえな仮面ライダーに変身しやがった、

 

「先生!行くぞ!」

 

「ああ…」

 

『ボトルバーン!』

 

『クローズマグマ!』

 

『バット!』

 

「「変身!/蒸血」」

 

『極熱筋肉!クローズマグマ!アーチャチャチャチャチャ チャチャチャチャアチャー!』

 

『ミストマッチ!バット・バッ・バット…ファイヤー!』

 

クローズマグマとナイトローグにそれぞれ姿を変えてアークワンとかいう奴と戦い始める。

 

(三人称視点)

 

「ヴワッ!!」

 

「黎斗さんッ!!」

 

少し時を遡り森の中ではブレイブファンタジーゲーマーとゲンムゾンビゲーマーが倒れている生徒達に背を向け、彼らを襲った犯人である怪人"ゲムデウス"と対峙していた。

 

「黎斗さん!無茶しちゃダメっすよ!」

 

「問題はない、神である私には奴への抗体がある。私が止めなくては!!」

 

新・壇黎斗・神は、壇黎斗・神のデータも取り込んでおり、ゲムデウスが現れるとともにまき散らされたゲムデウスに対しては自分と銃士への羅患を防ぐとともに広範囲への感染拡大を阻止した。

一部B組生徒と近くにいたA組の耳郎と葉隠にも感染はしてしまったが何とか症状を抑えきっている。

ただし、そんな状態でのゲンムは戦うのがやっとだ。

 

『アランブラ!』

 

『カ・チーン!』

 

ゲムデウスとブレイブファンタジーゲーマーの炎魔法がぶつかり合い大きな火柱が上がる。

 

『グラファイト!』

 

『ドドドドド紅蓮爆龍剣!!』

 

「しまった!!」

 

だがブレイブもグレングラファイトバグスターの剣術を模したゲムデウスの一撃を受けて膝をつく。

 

「このままでは勝てない!私にここは任せたまえ!!」

 

『ソルティ!』

 

ゲムデウスの左腕から繰り出される拳をゲンムゾンビゲーマーが受け止める。

 

「ここは私が抑える!!」

 

ゲームの神であるゲムデウスでも自身の抗体を持つゲンムの不死性を消すことはできず、リプログラミングを急に使えるようになるか、別の世界にゲンムを移動させて世界ごと破壊するかのどちらかの手段を使わない限りトドメは刺せない。

 

「私が抑えている間にゲムデウスを攻撃するんだァ!!」

 

「わかったっス!」

 

それを活かしダメージを受けつつもゲンムが抑え続けブレイブが魔法攻撃をしていくという作戦で反撃に乗り出した。

 

一方森の中の別の場所

 

「やあ、爆豪に轟だね。」

 

「テメエ誰だ?」

 

金髪の少年がガラパゴス携帯電話を手に持ち、爆豪と轟の前に立っている。

 

「僕の名前はキング…一番強いって意味の、キング。宜しくね」

 

少年はキングと名乗り

 

「キング、お前の目的はなんだ?」

 

そのキングに轟が質問をする。

 

「僕の目的?簡単な話さ。全てを無茶苦茶にしに来た!!」

 

そう言うとキングの姿が金色のカブトムシの怪人、コーカサスビートルアンデッドの物へと変化した。

 

「また怪人か…」

 

「とっととやんぞ!轟!」

 

『ロボットゼリー!』

 

『デンジャー!クロコダイル!』

 

「「変身!」」

 

『潰れる!流れる!溢れ出る!ロボットイングリス!ブラァ!』

 

『割れる! 食われる! 砕け散る!クロコダイルインローグ!オーラァ!キャー!』

 

爆豪と轟もすぐにグリスとローグに変身して2人同時に拳をコーカサスビートルアンデッドに向けて打ち込むが

 

「届かないねえ」

 

「盾か…」

 

だが2人の攻撃は彼らの前に突如出現したソリッドシールドによって防がれる。

 

「2人でもこの僕に勝てるかな…?」

 

「んだとゴラァ!」

 

グリスがもう一発拳を打ち込もうとした直後、2人の体が念動力で吹き飛ばされる。

 

「さっきも言ったと思うけど僕は"一番強いって意味の、キング"だかららね。」

 

グリス、ローグがコーカサスビートルアンデッドと対峙している間に出久とエボルトも出水洸汰がいるはずの洞穴に到着していたが。

 

「リントの戦士達か、一人はまだ未熟なようだが。」

 

「だ、誰か……」

 

だがそこには軍服を着た背の高い男が立っており、その男の威圧感を前に洸汰は怯えて腰を抜かしている。

 

「アンタは……」

 

「俺は破壊のカリスマ、ゴ・ガドル・バ」

 

男はエボルトからの言葉に応えるように自身の名を名乗り。

 

「リントを護らんとする仮面ライダー、貴様らの敵だ。」

 

カブトムシを模した自身の怪人態へと姿を変える。

 

「出久、変身するぞ。」

 

『コブラ!ライダーシステム!エボリューション!』

 

「はい!」

 

『ラビットタンクスパークリング!』

 

『『Are you ready?』』

 

「「変身!」」

 

『コブラ!コブラ!エボルコブラ!フッハッハッハッハッハッハ!』

 

『シュワッと弾ける!ラビットタンクスパークリング!イエイ!イエーイ!』

 

仮面ライダーエボルコブラフォームと仮面ライダービルドラビットタンクスパークリングに対してガドルは胸元の装飾品を槍に変化させて構える。

 

「さあ、かかって来い、仮面ライダー!」

 

アークワン、ゲムデウス、コーカサスビートルアンデッド、ゴ・ガドル・バ

彼らショッカーの幹部達の襲撃は雄英高校の合宿に闇を齎したのだった……

 

To be continued




ということで開闢行動隊メンバーは今作では登場しません!

その代わりヴィラン連合とショッカーが合体し早速幹部組登場です!

個人的にガドルはかなり好きな怪人です。

では次回もお楽しみに~


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閣下

どうも、ラブコフのぬいぐるみが欲しい夢野です。

今回の話では自分の大好きな武人としてのガドル閣下をしっかり書けてたら嬉しいです。


(エボルト視点)

不味いことになったな…

俺と出久がなんとか洸汰ってガキのとこについたと思ったんだが相手が厄介すぎるな。

 

『中々ショッカーもとんでもない奴連れてきたな…』

 

今俺達が戦っている相手はグロンギのゴ集団最強であり破壊のカリスマ、ゴ・ガドル・バ

フェーズ1の俺とラビットタンクスパークリングのコンビで漸く互角ぐらいか……

 

「その程度の拳では俺は死なん!」

 

まずは通常形態の格闘体、普通に強い。

俺達2人からの攻撃を難なく捌ききってたまに拳を打ち込んでくる。

 

『今度は槍だ!』

 

かと思えば今度は俊敏体に変化し、胸の装飾品をガドルロッドという槍に変化させてそれを振るって来る。

俺の掛け声と共に一度しゃがみ頭部目掛けて横なぎに振るわれたガドルロッドを避けると、

 

『機関砲!クリエーション!』

 

『出久!撃て!』

 

「了解!」

 

俺のホークガトリンガーとビルドのドリルクラッシャー銃モードで同時にガドルに向けて撃つ。

 

「遅い!」

 

だがそれは俊敏体ガドルにあっけなく避けられる。

 

『こりゃ分が悪いな』

 

しかもこっちには怯えたガキが1名いるから無闇矢鱈にガトリングを乱射するわけにはいかねえ。

 

「エボルトさん!」

 

そう考えている間に俺の胸に衝撃が走ったかと思えば一瞬で吹き飛ばされた。

 

『今度は射撃か』

 

射撃体が持つガドルボウガンの一発で俺は呆気なく吹っ飛ばされちまったみたいだ…

ったく、ちょっと考えてる間にどんどん仕掛けてきやがるな。

 

「エボルトさん!僕が止めるから洸汰君を連れて逃げて!」

 

『ったく、仕方ねえな…』

 

戦いの状況がどうであれここにガキ1人いんのは中々に不利だ。

戦いに巻き込まれない程度の距離までは離しておかねえと…

 

「ワンフォーオール!フルカウル!」

 

出久は全身に超パワーを張り巡らせる技、フルカウルで身体能力を強化し、ガドルに向けて突進する。

 

「お前の相手はこの僕だ!」

 

「己の身を犠牲にするか、仮面ライダー!」

 

ガドル剛力体の持つガドルソードとビルドのドリルクラッシャーが交わる。

 

『洸汰だったな、ちょっと捕まってろ。』

 

ここは身体能力爆上がりモードの出久に任せて俺は洸汰を抱えてまずはここから距離を取る。

 

『大丈夫か?』

 

「だ、大丈夫じゃないだろっ……!」

 

『ちょっと怖がらせちまったか?』

 

「そうじゃないだろ…な、なんでお前らはそうやって自分の命を張れるんだよ!?」

 

ちと怖がってるかと思ったんだがどうやらそういうことじゃないらしい。

そういやコイツは確か両親がプロヒーローだったけどヴィランに殺されちまったからヒーローに対して色々と疑問を持ってんだったな。

 

「何も知らないクセにッ……」

 

『ああ、確かに俺達ヒーローってのは見知らぬ誰かの為に命を張る。そんな連中に見えるかも知れねえな。』

 

俺は立ち止まって出久とガドルの戦いを見る。

ガドルは怪力を活かし自らの大剣を上からビルドに振り下ろし、それを何とかドリルクラッシャーで防いでいる。

 

『けどヒーローからしたら見知らぬ誰かを守れて、その人の笑顔が見れたら嬉しくなる。仮面の下でくしゃっと笑うんだ…』

 

誰かを救うことの喜び。桐生戦兎もそう言っていた。

日常でも誰かに良い事をして役に立てたら嬉しくなる。

きっとこの気持ちはその究極形なんだろうな、それを求めることができるのがヒーローって奴なのかもな。

 

「くしゃっと笑う…」

 

『ああ、勿論俺も誰かを助けれたら嬉しくなるし、それ以前に困ってる奴は見過ごせないんでね。だから見ててくれ、俺達の戦いを……そして救われたら、笑顔になってくれ……』

 

俺は出久を助けるために駆ける。

 

『破壊のカリスマもこの攻撃の前じゃキツイよな?』

 

剣を振るうガドルの脇腹にグリスブリザードナックルを付けた右手の拳を打ち込む。

 

「凍らせたかッ……」

 

『畳みかけるぞ!』

 

脇腹が凍って動きが鈍くなったのを見て俺達は一気に拳や蹴りを打ち込んでいく。

特に小回りの利くビルドの蹴りや拳が連続でガドルの肉体を襲う。

 

『これでどうだ!』

 

そして心臓部に向けて氷の拳の一撃をお見舞いする。

 

「良い一撃だ……仮面ライダー……だが俺を倒すのにはまだまだだ!!」

 

一瞬周囲に電撃が走った、

 

『そういうことか…』

 

かと思えばガドルの体が金色の形態、電撃体に変化していた。

夜闇の中光を放つガドルにはこれまで以上の迫力があった。

 

「ワンフォーオール…」

 

『Ready! Go! スパークリングフィニッシュ!』

 

「デトロイトスマッシュ!」

 

超パワーと泡の力を纏ったビルドラビットタンクスパークリングの蹴りと

 

「ゼンゲビ・ビブブ」

 

破壊力抜群のガドルの電撃を纏ったキックがぶつかり合う。

 

「グわぁっ……!!」

 

だがその結果、ビルドの体が吹っ飛ばされてラビットタンクフォームに姿を戻しながら地面を転がる。

 

「良い力だ……」

 

これはもっとヤバいことになっちまったかもしれねえな…

 

「感謝するぞ、これで俺はもっと強くなる……」

 

どうやらラビットタンクスパークリングの泡の活性化エネルギーはガドルの中に蓄えられた電気エネルギーをより強くさせてしまったらしい。

 

「この力…究極体とでも名付けるとしよう……」

 

金の中にまた黒さも増えてより雄々しさが増した姿をしている。

 

『もっと強くなっちまったか…』

 

「こ、こうなったら……」

 

そう言うビルドは手にハザードトリガーを持っている。

 

『仕方ねえ、暴走したら俺が何とか止める。慎重にいけよ』

 

「わかった!」

 

『ハザードオン!』

 

『ラビット!タンク!スーパーベストマッチ!』

 

『ドンテンカーン!ドーンテンカン!ドンテンカーン!ドーンテンカン!』

 

『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!ガタガタゴットン!ズッタンズタン!』

 

『Are you ready!?』

 

「変身!」

 

『アンコントロールスイッチ!ブラックハザード!ヤベーイ!』

 

ビルドの体が黒く冷徹な兵器の様ないんしぃうに見た目に変わる。

これが仮面ライダービルドラビットタンクハザードフォームか…

 

「ワン・フォー・オール…フルカウル!!」

 

出久の超パワーとハザードトリガーによる能力の上昇

それによって導かれるのはガドルですら捉えきれないスピードだ。

 

「なっ……」

 

一瞬で究極体ガドルの間合いに入り、

 

「うおおおおおおおおおおぉぉぉ!!!」

 

ガドルの胸部や腕、腹部に向けて連続で拳を打ち込んでいく。

 

「動きがまだまだ荒い!!」

 

だが出久の身体能力での連撃に対してガドルはこれまでの戦いの経験や技術を活かして上手く凌いでいる。破壊のカリスマも伊達じゃねえな…

こりゃ俺も加勢しにくいじゃねえか…

 

「デトロイトスマーッシュ!!」

 

黒きオーラを纏ったビルドの右の拳がガドルの胸部に突き刺さるかに思えた。

 

「その拳では俺は殺せん。」

 

ただ、今のガドルには俊敏体の瞬発力、射撃体の強化された感覚、剛力体のパワーが備わっており、高パワーの攻撃を腕で受け止めてしまうことも十分可能だ。

 

『けど、隙だらけだ…』

 

だがこの戦いで俺は何もしていなかったわけではない。

隙をついてガドルの背後に回り、背中に蹴りを放つ。

 

「もう一人の、仮面ライダー……」

 

結構渾身の蹴りだったんだけどなあ……

ビクともしないぜ。

 

「まだっ…まだだァ……!!」

 

だが出久が俺の方に攻撃が向かないようにビルドドライバーのハンドルを回してどんどんパワーを上げていってるがあんなことをしてしまえば…

 

『それ以上はヤメロ!!』

 

『マックスハザードオン!オーバーフロー!……ヤベーイ!』

 

言わんこっちゃねえ…オーバーフローモード……つまり暴走だ。

 

「グッ……このッ……!!」

 

暴走したビルドは躊躇なく連続での攻撃をガドルに叩き込んでいく

 

『こりゃちょっとヤベえぞ』

 

オーバーフローモードのビルドは少しずつガドルを押していってるが、このままだと暴走して他の奴らに、洸汰に危害を加えてしまう。

 

「威力がッ……上がってきている……」

 

徐々にガドルのガードが崩れてきているがこれってもしかして個性も無理やり使われれてんのか?

だとしたら、出久が壊れてしまう…

 

『どうすれば……』

 

出久を止めてガドルを倒すいい作戦……

何かないか?このままだと出久が壊れる……

 

『だったら…これならいけるか?今の出久のハザードレベルならいけるはずだ!』

 

俺は咄嗟にガドルを圧倒するビルドに向かって飛び込んだ。

 

「何だ…!?」

 

(え、エボルトさん……)

 

((ハザードレベル6.0、多分ハザードトリガーとお前の個性でハザードレベルが急上昇していたようだな。))

 

(それって……)

 

((まあ、結構危ない状況だったな。気を付けろよ。))

 

さて、こっからは俺達の時間だ

 

「何故変身を解く?」

 

『それはこれを使うからだ。』

 

出久の体に憑依して腰にエボルドライバーを付ける。

 

((一緒に戦うぞ、出久))

 

(うん!)

 

『ラビット!ライダーシステム!エボリューション!』

 

出久に憑依したことで俺は新たなボトルを得た。

それはラビットエボルボトル。ハザードレベルが急上昇していた出久から生成されたエボルボトルだ。

 

『Are you ready?』

 

そのエボルボトルとライダーシステムエボルボトルをエボルドライバーに挿してレバーを回す。

 

「『変身!』」

 

『ラビット!ラビット!エボルラビット!』

 

『フッハッハッハッハッハッハ!』

 

『フェーズ3、完了……!』

 

そしてついに俺はフェーズ3に達した。

 

((出久、個性を使ってくれ。俺は機動力で攻める。))

 

(了解!)

 

ラビットフォームの攻撃力は低い。コブラフォームの方がパンチ力も強いぐらいだ、だが…

 

「一撃がッ…重いッ……!!」

 

今の俺達の攻撃力はガドルに膝を突かせるのには丁度いいだろう。

 

((いいパンチだぜ))

 

(まだまだッ……)

 

ラビットフォームの機動力、出久の個性の超パワーから放たれる重い連撃は着実にガドルにダメージを与えていく。

 

「どうやら、貴様らはただの仮面ライダーではないようだな……」

 

右腕を振り上げて反撃に出ようとするガドルの肩を

 

((いい加速だ。))

 

出久のパワーによる身体能力強化を上乗せしたラビットフォームの加速。

それは奴の目に捉えられることなく背後に回り、右肩に蹴りを突き刺すのには十分だった。

 

「グッ……!」

 

そして今度は正面に回り怯んだガドルの腹部に拳を打ち込む。

 

「デトロイトッ…スマーッシュ!!」

 

個性のパワーを上乗せしたパンチを腹に向けて放つ。

 

「中々ッ……やるな……!」

 

『決めるぞ。出久』

 

「うん!エボルトさん!」

 

『Ready Go!』

 

『エボルテックフィニッシュ!』

 

そしてエボルドライバーのレバーを回し右足に赤い破壊エネルギーを纏わせる。

 

「『ライダーキック!』」

 

そしてそのエネルギーを纏ったライダーキックを放つ。

 

「決着を付けようではないか…」

 

だがガドルも足に電撃を纏い、

 

「ゼンゲビ・ビブブ」

 

自身の必殺キックで迎え撃ち、空中でガドルの電撃を纏ったキックとぶつかり合う。

 

「ワンフォーオール!デトロイトスマーッシュ!!」

 

こちらのキックに出久の超パワーが上乗せされる。

 

「貴様ッ……!」

 

キックのぶつかり合いの末、俺達のキックが押し勝った。

 

「仮面ライダーよ……良き戦いだった……」

 

俺達のキックが押し切ったことで、ガドルの右足が折れ、奴の体に向かって突き進んでいく俺達の体を止める障壁は無くなり、破壊エネルギーを纏った蹴りがガドルの胸に突き刺さり空中にぶっ飛ばす。

 

「この勝負…貴様らの勝ちだ!!」

 

破壊エネルギーを受けたガドルはそのまま空中で爆発する。

 

「なんとか……勝った……」

 

『ああ、けどまだやるべきことはあるぜ……』

 

俺達は洸汰のところに歩み寄る。

 

「大丈夫?洸汰君…」

 

「う、うん…カッコよかったよ…僕のヒーロー……」

 

出久も一人の子供に立派なヒーローとして認めてもらえてよかったな。

 

『さて、早く戻ろうそれにまだ敵がいるかもしれない。まだまだいけるな?』

 

「うん、いこう!」

 

さて、まずは洸汰を宿舎に届け他の奴らの援護だ。

牙竜達は大丈夫だろうな……?

 

To be continued




ジオウ小説も買ったんで読まないと!

投稿感覚が大変なことに…


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敗北

サブタイトルが衝撃的ですが早速本編初めていきましょう!


(3人称視点)

VS ゲムデウス

 

エボルラビットフォームと化した出久とエボルトがガドルと戦っていたその頃

 

「リボル!バーニア!」

 

「うわああぁぁぁっ!!」

 

仮面ライダーブレイブファンタジーゲーマーを数多もの銃弾とミサイルが襲う。

 

「銃士君!!」

 

爆炎がブレイブの体を包み、そこから生身を晒した銃士が姿を現し、地面に膝を突く。

 

「……」

 

「これ以上は来るな!!」

 

そのまま地面に倒れ伏す銃士に対して剣を振り下ろすゲムデウスの前にゲンムが立ち、その斬撃をその身で受ける。

 

「クッ……!」

 

不死とはいえダメージは大きい。

ゲンムもかなり弱ってしまっている。

 

「そこまでよ。ゲムデウス」

 

ここでもう倒れてしまうのか、檀黎斗の脳内にそんな感情が出てきた時、

透き通ったような女性の声がゲムデウスの動きを止めた。

 

「君は……」

 

「あなた達を回収します。」

 

ゲンムの目にはガシャコンバグバイザーツバイを手にした赤い髪、赤い目、そしてアークに従うヒューマギアであることを表わすような赤いモジュールを付けた女の姿が映った。

 

「そんなっ……」

 

ゲンムの体が一瞬で紫色の粒子に変わり、ガシャコンバグバイザーの中に吸い込まれる。

 

「ゲムデウス、あなたはこの男をそのまま持ち帰りなさい。」

 

アズがゲムデウスに指示すると黒い霧が出てきて意識を失った銃士の体を担いだゲムデウスが霧の中に消えていく……

 

VS キング

 

『ツインブレイク!』

 

『アイススチーム!』

 

グリスのツインブレイカーとローグのスチームブレードの攻撃がキングに向けて放たれるが、

 

「だから言ったじゃん。君たちの攻撃ぐらいじゃ全然効かないって。」

 

ソリッドシールドと念動力がそれぞれの攻撃がキングの変ずる怪人、コーカサスビートルアンデッドの身体に到達することを阻む。

 

「チッ……」

 

「もう、お釣りの方が大きいんじゃないの?」

 

そしてキングの振るう大剣、オールオーバーがグリスの胸部を切り裂く。

 

「爆豪!!」

 

「大丈夫だっ……」

 

グリスの変身者である爆豪勝己自身の個性で爆発を起こし、その反作用で後方に下がったことで、剣先がかすった程度でダメージを抑えることができたが……

 

「君たちは馬鹿だなあ……自分の身を削ってまでヒーローってのに縋り付いて、」

 

「何が言いてえ?」

 

キングが爆豪を挑発するように言う。

 

「無駄なんだよ、ヒーローになるってことはさ!いずれはショッカーによって滅ぼされるのに!!」

 

「ヒーローがテメエらみてえな悪党に滅ぼされる?そんなわけねえだろ!!」

 

「ああ、俺達はどんな悪にも打ち勝つヒーローを目指してんだ、滅ぼされる前に勝つ!!」

 

キングの嘲笑の通りヒーローが負けること。

それは爆豪と轟にはありえないことだった。彼らは最強のヒーローオールマイトの勝つ姿に憧れてこのヒーローの道を歩んでいるのだ。

どんな悪にも勝ってきたオールマイトに憧れ、今度はそのオールマイトに憧れてヒーローを志して悪に負けないヒーローになろうとする彼らにとって、負けて滅ぼされるなどということはありえなかった。

 

「けど、君たちの攻撃は全然聞いていないよ。」

 

グリスの爆破、ローグの炎を纏った拳をそれぞれソリッドシールドと念動力で防ぐ。

 

(お、押されてるっ……)

 

だがグリスは連続で爆破を伴った拳をシールドに打ち込んできて、その拳圧にコーカサスビートルアンデッドの身体が押され始める。

 

「はあっ!!」

 

キングの脳内をよぎった焦り、それは彼の念動力を弱らせ、ローグの炎を纏った拳が背中に打ち込まれる。

 

「そんなっ……」

 

「テメエの方が余裕、ねえんじゃねえか?」

 

『スクラップフィニッシュ!』

 

ヴァリアブルゼリーと爆破を纏ったグリスの右足がソリッドシールドに振り下ろされて、キングを守る盾を破壊する。

 

「しまった……」

 

最強の盾を失ったコーカサスビートルアンデッドはその場から数歩引き下がる。

 

「キング、苦戦しているようですね。」

 

「なんだ、アズか。」

 

そのキングの横にアズが歩み寄る。

 

「なんだ?この女?」

 

「私はアズ、アーク様の使者ですわ。」

 

ローグの問いにアズが答えると、

 

「誰だろうと敵だったらぶっ潰す!」

 

「それは無理ね。もうやることやったし帰るから。」

 

すると黒い霧が現れて、アズとキングはその中に消えていく。

 

「しまった!」

 

「逃げられちまったか……」

 

2人の敵には逃げられたが、爆豪と轟は一先ず他の生徒達の救助に赴くことにした。

 

(エボルト視点)

 

『ほう、牙竜と相澤先生が今戦ってるのか、』

 

ガドルとの戦いの後、俺達は直行で宿舎に洸汰を預けてマンダレイから話を聞いていたんだが、牙竜と相澤センセは森の入り口付近で梅干しみたいな頭のヴィランと戦ってたそうだ。

 

『俺もちょっくら援軍に行ってくるぜ。』

 

「うん、気を付けて」

 

「わかりました!」

 

改めて仮面ライダーエボルコブラフォームに変身し、出久はビルドに変身した状態で敵がいたっていう広場に向かう。

 

((無事でいてくれ……牙竜……))

 

どんな敵が来たのか知らねえけど援軍には向かった方が良いと判断し広場に来たのだが、

 

『おいおい、嘘だろ……』

 

「相澤先生!!」

 

俺らが付いた時には、相澤先生は血を流して倒れていて、クローズマグマに変身した牙竜も疲弊した様子で白い仮面ライダーと向かい合っているが、クローズマグマの方の身体には土埃が多く付いている。相当押されてたんだな。

 

「エボルトッ!!」

 

「おや?君のお友達かな?」

 

牙竜と戦ってるやつは……間違いない、仮面ライダーアークワンだ。

 

『牙竜!』

 

「来るな!!」

 

俺が牙竜を助けに行こうとしたとき、牙竜が俺を止めようとした、

 

「『空気を押し出す』+『筋骨発条化』+『瞬発力×4』+『膂力増強×3』」

 

俺がその理由を理解するのに1秒もかからなかった。

ただその気付くまでの1秒は戦闘に参加するには遅すぎた。

一瞬で俺の目の前に現れたアークワンの蹴りで大きく俺は吹き飛ばされる。

 

『は、速い……』

 

何とか踏ん張ったが威力がバケモノレベルだ。

 

「さて、どっちから殺そうかな…」

 

黒いエネルギーがアークワンの右腕に纏わりつく、そして俺か牙竜のどちらかに向けてそれを撃とうとする。

 

『牙竜には手を出すな!』

 

「ヤメロ!エボルトは殺させねえ!!」

 

背中のブースターで加速しながらクローズがアークワンに接近し拳を放とうとするが……

 

「じゃあ、こっちを殺そう、『瞬発力』」

 

一瞬にしてアークワンが牙竜の方を向いたかと思えば、エネルギーを纏った拳を牙竜に向かって放ち、

 

『ヤメロおおおおおぉぉぉぉ!!』

 

牙竜の身体は森の木々の中に消えていく。

 

「何本か木が折れたようだね、あんなに木に当たってたら死んだかもね。」

 

嘘だろ……牙竜が……

木に当たっちまった衝撃で死んじまった……

 

「おやおや?そうだったね。向こうの彼が本体だったから君も死んじゃうんだねぇ……」

 

嘘だ…ろ……

 

「エボルトさん!僕の中に!」

 

出久が、手を差し伸べてくる…

 

『すまねえ…入るぞ……』

 

消えそうになる俺は咄嗟に先ほど合体した出久の体の中に入る。

 

「おやおや、そっちの男に乗り換えたか…まあそれでももう一度殺せばいいけど、まあ使命は果たしたよ。それじゃあまた今度、更なる絶望を味わうといいさ。」

 

そう言うとアークワンは黒い霧の中に消えていった。

 

『チ、チクショオオオオオォォォォ!!!』

 

俺達雄英高校の合宿、プロヒーロー6人生徒42人を合わせて48人で迎えた合宿は最悪の結末を迎えてしまった。

無傷で済んだのはたったの14人、ピクシーボブ、相澤先生、百達重軽傷者が13人、意識不明の重体が18人、行方不明者がラグドールと銃士の2人、そして死者1名……牙竜だ。

俺も今牙竜の生命を感じることができていない……

俺達は気力を失ったまま雄英高校のある街へ帰還することになった……

 

(牙竜視点)

 

「ここは……」

 

森で戦っていたはずの俺は暗くてコンクリート打ちっぱなしの部屋にいた。

 

「あ、起きた起きた」

 

そして俺の目の前には背の高くて顔のいい男と、

 

「お?大丈夫そうか?」

 

エビフライみたいな編み込みの髪型の男がいた。

 

「あ、あんたらは……」

 

「おっと、傷が酷いから今は喋らない方が良いよ。傷口が開くから。」

 

と言われたので俺は一度口を閉じる。

 

「とりあえず自己紹介からしないとな。俺は桐生戦兎、天ッ才物理学者で、こっちは筋肉バカの」

 

「あ?俺は筋肉バカじゃねえよ!プロテインの貴公子万丈龍我だ!」

 

おいおい、こんなに怪我してんだからせめて医者来てくれよ……

 

To be continued




敗北からのビルド&クローズのご本家登場!

という衝撃の展開で合宿編を終え最終決戦編へ……

それとここで裏話なんですけど、マスキュラ―を始めとしたヴィラン連合開闢行動隊の一部メンバーは仮面ライダーアクセルこと甘粕政信さんに逮捕されていたという設定がこの小説の世界にはあります。

ではまた次回をお楽しみに


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最終決戦編
ビルドの世界


さて、改めまして最終章突入です。

まずはご本家との回析からどうぞー


(牙竜視点)

 

「さて、傷はもう大丈夫そうだな」

 

「う、うっす、」

 

あの後俺は包帯を巻き替えたりして傷の様子を見てもらったんだが、まあ2日ぐれえ寝込んでたからだいぶ回復してたらしい、まあ腹に大きめの傷ができちまったのは少し気がかりだがな…

 

「さて、君にいくつか聞きたいことがあるんだけど、まず名前は?」

 

「名前か、俺の名前は下間牙竜だ。」

 

まあまずはこの人らに俺のことを教えねえといけねえけど、体育祭見てなかったんか?

見てたら絶対わかるだろ、

 

「ふーん、で、なんで君がこれを持ってるのかな?」

 

次に戦兎とかいう人はビルドドライバーとクローズドラゴンを手に持って見せる。

 

「そりゃ、俺が仮面ライダークローズだからに決まってんだろ、」

 

「は?何言ってんだ、仮面ライダークローズっつたら俺だろ、」

 

「え?」

 

「あ?」

 

なんでこの万丈龍我って人、自分が仮面ライダークローズって名乗ってんだ……?

 

ってことで暫く色々と話してたんだがお互いの話に齟齬があることに気づいてきた、

2人は個性のこともヒーローのことも全然知らねえし、エボルトの名前を出した時にはかなり驚いていて、危害を加えられなかったかとかいっぱい聞かれたんだが、

 

「じゃあつまり、君は人類がそれぞれ"個性"っていう能力を持っているこことは違う世界から来たってことになるのかな?」

 

「難しい話だが多分そういうことだな、」

 

なんかいろんな世界を回っていた世界の破壊者とかいう人もいたぐらいだし、こういう世界があってもおかしくはないけど…

 

「まあけど善良なエボルトか、全然想像できねえぜ」

 

「何言ってんだ?エボルトは俺のことを色々と助けてくれたいい奴だ。」

 

「そっちの世界では良い奴なんだな。俺とか万丈はエボルトに色々とやられたからな…」

 

もうエボルトもこの世界では極悪人だったらしい、俺からすれば想像し難い話だな。

 

「で、お前は別世界の仮面ライダークローズってことか?」

 

「まあ、そういうことだな…」

 

そんでもって、桐生戦兎が仮面ライダービルド、万丈龍我が俺と同じ仮面ライダークローズの変身者ってことらしい……

 

「ま、とりあえずなんで君がこの世界にいるのかはわからないけどしばらくはゆっくりしていきな。」

 

「ゆっくりするってわけにはいかねえよ。」

 

一先ずお互いの事情が分かったっつてもこの後が問題だらけだ。

まずはあの梅干し野郎だ。あの合宿を邪魔したクソ白バッタライダー!

まだ仲間たちを傷つけてるかも知れねえって思うといてもたってもいられねえッ……!

 

「俺は向こうに仲間を残しちまってる……早く助けに行かねえとッ……!……ック……!」

 

早く行かねえと、そう思って焦って立ち上がった俺の胸を鋭い痛覚が走る。

 

「今焦ったら周りが見えなくなって失敗するぞ…」

 

そう言って、桐生戦兎が俺の隣に座る。

 

「確かに君をこんなに怪我させた相手だったら警戒する気持ちはわかるよ。けどそういう時こそ仲間を信じてみたらいいんじゃないかな?」

 

「仲間……」

 

「そうそう、話聞く限り君意外にも仮面ライダーはいるらしいしあのエボルトが味方なんだったらある意味頼もしいよ。」

 

確かにな…あっちには出久に勝己、轟に甘粕さん…それにエボルトだっているんだ……

 

「そうだな…俺も落ち着かねえとな……」

 

今向こうにいる奴らを信じねえとな、エボルト、甘粕さん、皆頼んだぜ。

 

「ま、君が自分の世界に戻る方法はこの天ッ才物理学者の桐生戦兎に任せなさい!」

 

「う、ウッス、ありがとうございます……」

 

この世界のビルドに色々と頼ることになったけど…まだ色々と心配だ…

 

「まあ、戦兎ならなんとかすんだろ、これまでも色々と発明して上手くやったし」

 

「それじゃ全然説明できてないって、とりあえず向こうの世界とのつながりになりそうな物って持ってたりしない?」

 

「だったらこのバングルがあるぜ」

 

俺は腕に付けていたパンドラバングルを手首から外して渡す。

 

「よし、じゃあこれを解析して色々と調べてみるよ。万丈はまた新しい発明品できたし売りに行って来てくれないか?」

 

「おう!任しとけ!」

 

そう言うと机の上にあった何個かの機械を持って出かけようとする、

 

「ん、俺も手伝うぜ」

 

流石に泊めてもらっておいてなんもしねえのは悪いし万丈さんの作業を手伝うことにした。

 

「不思議なもんだな~」

 

いつもだったら個性とかで独特な見た目をしてる人がいるんだが、この世界じゃそんな奴は誰もいない

俺の世界より静かで、けど少し平和にも感じる。

 

「そんな珍しいか?普通だぞ、」

 

「まあ、色々あんだよ、」

 

とりあえずこの世界にビルドっていう桐生さんは天才物理学者であり天才発明家らしい。

桐生さんが作った発明品をこの世界のクローズである万丈さんが外で売って金を稼いでるらしい、

 

「じゃ、ここで早速売るか…」

 

他の路上で物売りをしてる人たちの横で俺達も発明品を置いて売ろうとしたところ…

 

「キャ――――――!」

 

「なんだ!?」

 

突然街中の静寂を切り裂くような悲鳴が俺達の耳に届く。

 

「行くぞ!」

 

「おう!」

 

俺達は悲鳴のした方に向かう。

 

(三人称視点)

 

「おいおい、あれって…」

 

「シマウマみてえな怪人だな、」

 

万丈と牙竜が悲鳴のする方に駆けつけると、ゼブラロストスマッシュが人々を襲っていた。

 

「なんでスマッシュがいるんだ!?」

 

キルバスやメタルビルドの一件の様にまたスマッシュが現れたのかと驚きつつも万丈はビルドドライバーを腰に付け、

 

『ボトルバーン!クローズマグマ!』

 

『Are you ready?』

 

「変身!」

 

クローズマグマナックルを使い仮面ライダークローズマグマに変身する。

 

『極熱筋肉!クローズマグマ!アーチャチャチャチャチャ チャチャチャチャアチャー!』

 

「今の俺なら…負ける気がしねえ!!」

 

そして、ゼブラロストスマッシュに殴りかかる。

 

「俺だって、」

 

牙竜もそれに続くように腰にビルドドライバーを付けて戦いに向かおうとするが、

 

(幸いクローズドラゴンとボトルはある、これでなんとか…)

 

パンドラバングルでは他の世界にあるパンドラボックスから変身道具を取り寄せることはできたが、今はそれを桐生戦兎に預けてしまっているので、ビルドドライバーとクローズドラゴン、ドラゴンフルボトルしか持って来れていない。

 

『ウェイクアップ!クローズドラゴン!』

 

なのでまずはクローズドラゴンにドラゴンフルボトルを挿して変身を試みるが、

 

「なっ…」

 

牙竜のビルドドライバーのレバーが回らない

 

「何でだっ……!」

 

「どうしちまったんだよ!うわっ……!!」

 

ゼブラロストスマッシュに加えてどこからか現れたシザーズロストスマッシュも参戦し、2対1でクローズマグマを攻撃する。

 

「動け!動け!なんで動かねえ!!」

 

牙竜の呼びかけを無視するようにビルドドライバーのレバーは微動だにしない。

 

「なんで…!変身できねえんだ……!!」

 

「ぐわっ……!」

 

牙竜が変身できない間にクローズマグマが地面に膝を突き、シザーズロストスマッシュが牙竜を切ろうと、一歩一歩と足を進める。

 

「クソッ……!どうすりゃいいんだ……!」

 

シザーズロストスマッシュの大きな腕の刃が牙竜に向けて振り下ろされるかと思ったその瞬間

 

「おらあああぁぁぁ!!」

 

その場に駆けつけた仮面ライダーグリスの蹴りがシザーズロストスマッシュの頭部を捉え、蹴りの勢いでシザーズロストスマッシュが地面に倒れる。

 

「よお、大丈夫か?」

 

「グ、グリス……!」

 

「苦戦しているな、万丈」

 

「どうってことねえぜ!」

 

「ローグ……」

 

さらに仮面ライダーローグもゼブラロストスマッシュと戦うクローズに加勢する。

 

「下がってください!ここからは私に…」

 

「……誰だ……?」

 

そして牙竜が未だ知らない仮面ライダー、マッドローグが市民を守るために参戦、

4人のライダーに対して2体のロストスマッシュ、

 

「……」

 

数的に不利であると判断したロストスマッシュ2体はその場から去る。

 

「よ、こんなとこに突っ立ってるけど大丈夫か?お前」

 

「見ない顔だな。」

 

「ええ、かなり怪我をしているようですが。」

 

そしてライダー達4人が変身を解除し、グリスの猿渡一海、ローグの氷室幻徳、マッドローグの内海成彰が牙竜の方を見る。

 

「おう、コイツは下間牙竜、異世界から来たらしい」

 

「「「異世界!?」」」

 

To be continued

 




結構2,3話ぐらいかかりそうです。
それではまた次回!


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Party time together

ビルドの世界編2話目です。

前回変身できなかった牙竜だが果たして…


(牙竜視点)

 

「ハザードレベル2.5、常人レベルか……」

 

「嘘だろ……」

 

さっきの戦いで俺が変身できなかった理由はすぐに分かった。

戦兎さんに測ってもらったけど5.0を超えていた俺のハザードレベルは半分もなくなっていた…

 

「なんでこんなことに……」

 

「恐らく君の話を聞く限り今まではエボルトが憑依していたからどんどんハザードレベルが上がっていたけど異世界で離れ離れになってハザードレベルが下がってしまったってとこだろうな。」

 

「クソッ……」

 

悔しいッ……結局俺はあいつがいなきゃなんも出来ねえのか……

うずくまる俺の腕に目から出てきた熱い液体が付着する。

 

「つってもまあ、なんとかなんだろ、」

 

「え?」

 

その時俺の隣に座って背中をパンと叩いてくれたのは万丈さんだった。

 

「俺もエボルトの体の一部が入ってたお陰で戦えてただけだったし、一回あいつと分離して変身できなくなっちまったこともあったしな。」

 

「アンタも色々あったんだな…」

 

「そうだ、コイツは親も恋人も失って冤罪で捕まってもめげずに前に進み続けた。」

 

戦兎さんも俺の隣に座って話始める。

 

「確かにただの筋肉バカだけど、"誰かを助けたい"、"誰かの為に戦いたい"って思いがあったら何があっても立ち上がる。それが仮面ライダークローズ、万丈龍我って奴だ。」

 

そうだよな、俺はヒーローとして、仮面ライダーとして戦う気持ちや覚悟ってのを見失いかけてたのかもしれねえ……

こんな時だからこそ、気をしっかり持って戦わねえと……

 

「って、俺はバカじゃねえよ!プロテインの貴公子だ!!」

 

「それダサいから辞めといたほうが良いって」

 

「ダサくねえよ!!」

 

「フッ……ハッハッハッハッハッ!おもしれえな!2人共!」

 

ホント面白いぜ、この2人

 

「ようやく笑ったな」

 

「ようやく……?」

 

爆笑した俺を不思議そうに見て戦兎さんも笑いながら言った。

 

「お前ここに来てからずっと笑ってなかったけどやっと笑ったな、」

 

「そうだったのか、全然気付いてなかった……」

 

俺、色々と考えてて全然笑えてなかったんだな……

 

「戦兎、龍我、準備できたぞ。」

 

「お、じゃあ早速行くか」

 

この世界のグリスの変身者が急に部屋に入ってきたかと思えばそのままとある場所まで連れていかれる。

 

(三人称視点)

 

「さあさあ色々と作ったしじゃんじゃん食ってけ」

 

「「「いただきまーす!」」」

 

ここはカフェnascita、石動惣一が切り盛りしているカフェであり、絶品なコーヒーとその他洋食類の味がたいそう評判がよく、マスターの娘であり看板娘、石動美空のにも定評があり普段はかなり繁盛している店だが、今日は桐生戦兎、万丈龍我、下間牙竜を始めとした仮面ライダー変身者達とジャーナリストの滝川紗羽らが集っており、テーブルにピザやパスタなどの食事が置かれ各々好みのドリンクを持って乾杯をしている。

 

(しかしここのマスターホントエボルトに似てるよな~)

 

今日は牙竜を歓迎するためにと戦兎らが店を貸し切ってのパーティーである。

マスターの惣一も

 

「美空の恋人たちのお願いだったら幾らでも聞くよ~」

 

と了承してくれていたが、そのマスターの面影は牙竜の相棒のエボルトの人間態と瓜二つであったため、牙竜はどこか懐かしさを感じながらも置かれていたじゃがバターを口に運ぶ。

 

「ん!ホクホクしててうめえ!!」

 

「だろ?そりゃ美空の父ちゃんが作ったやつだもんな。」

 

「おう、それにこのじゃがいもは俺が育てたしな、」

 

じゃがバターを食べる牙竜の横に万丈と仮面ライダーグリスの変身者である猿渡一海が座って猿渡ファームのじゃがいもを自慢する。

 

「このじゃがいもアンタが作ったのか!?」

 

「おう、丹精込めて育てたからしっかり味わってくれよな!」

 

「ああ!」

 

猿渡ファームご自慢のジャガイモで作られたじゃがバターは牙竜によって一瞬にして食いつくされた。

 

「ねえねえ、君他の世界から来たって聞いたけどどんな世界なの?」

 

「俺の世界?俺の世界だったら皆個性って能力を持っててそれを悪用する人間もいれば個性で正義のために戦う俺達ヒーローもいるって感じだな。」

 

続いて飯を食う牙竜にジャーナリストである滝川紗羽が彼の世界の話を興味津々に効いている。

 

「まるでマンガみたいな世界ね。」

 

「そうか?俺にとっちゃ当たり前のことなんだけどな、」

 

異世界から来た存在という牙竜に対して彼女は一人のジャーナリストとして非常に興味が湧いていたがその恋人、氷室幻徳が間に割って入る。

 

「もしかしてその服もお前の世界で買ったものか?」

 

「おう、」

 

「向こうの世界もここの世界の服と似た服が多いようだな。」

 

「まあな、つっても個性の関係で体がゴツイ奴とか腕が数本生えてる奴もいるからそいつら向けの服も売ってたりするぜ。」

 

牙竜達が暮らす世界も桐生戦兎達が暮らす世界と同様のメーカーの服等もあるが、牙竜のクラスメイトの障子目蔵や尾白猿尾の様に個性の関係で普通の服を着れない人のための特別な服やオーダーメイドの服もあったりする。

 

「しかしこの服、所々傷が付いているな……」

 

「そうね、少し汚れている気もするわね。」

 

幻徳と紗羽がじっと牙竜の来ている服を見つめる。

 

「あーそっか、俺この世界に来てから着替えてねえんだよな。」

 

「そうなの!?戦兎君!着替えの用意とかしてあげなかったの!?」

 

「あ!すっかり忘れてた!」

 

合宿の後からここまで牙竜に着替える暇もなくそもそも自分の世界から着替えを持って来れてすらいなかった。そして戦兎達はこの状況の解析や、このパーティーの方に気を取られ着替えのことをすっかり忘れていたのだった。もちろん牙竜もそうである。

 

「そうか、なら俺が服を用意しよう。」

 

「え?いいんすか?」

 

「ああ、任せろ」

 

牙竜の着替えを用意しようと申し出た幻徳の様子を見て龍我と一海が顔を見合わせて

 

「なあ、これ嫌な予感がするんだけど…」

 

「ま、そうだな、けどこのまま泳がせちまった方が面白いんじゃねえか?」

 

「ん?なんでだ?」

 

「まあ、見りゃ分かるって…」

 

数分後…

幻徳に選んでもらった服を着た牙竜が店の中央に立つ。

 

「なんかちょっとあれだな……」

 

「幻さんセンスちょっとマシになった?」

 

幻徳の勧めた服を着た牙竜だが嘗ての様にぶっ飛んではいなかったため、一海と戦兎は少し微妙だなというリアクションを見せつつも

 

「つってもこの組み合わせだけはダメだろ」

 

ズボンはちゃんとお洒落な若者が履くような黒いチェーン付きの少し緩い感じのもので牙竜もうまく着こなせてはいるが……

 

「確かに、Tシャツの文字だけは何とかしたほうが良いな。」

 

だが問題はTシャツの方で、普通の黒いTシャツにすればよいものの紫色のフォントで大きく"不退転"と堂々と書かれている。

 

「ん?なんで皆微妙なリアクションなんだ?俺はカッコいいと思うぜコレ」

 

だが皆の微妙そうなリアクションに対して牙竜は疑問を感じていた。

 

「え?もしかしてお前も……」

 

「まさかな……」

 

それにこの服をカッコいいと言った牙竜の発言に戦兎と龍我らはまさかなと言った表情で牙竜の方をじっと見る。

 

「なんつって、冗談冗談wこんな堂々と文字書いてんのは流石にダセえ」

 

「な、なんだとッ……」

 

だがそれは牙竜の冗談だった。

まあ彼の周りでこんな感じの文字Tを着ているのは友人の緑谷出久ぐらいだろう。

そして一瞬上げて落とされた幻徳がハッとした顔をするが、

 

「けどこの不退転って言葉、確か信念を持ち、"何事にも屈しない"って意味だ。いい言葉だぜ、気に入った!」

 

「そう言ってもらえて感謝だ。」

 

と牙竜の言葉で場が和んだかと思えば誰かが荒々しく扉を開けて入ってくる。

 

「仕事がようやく終わったー!」

 

「あ、内海さん」

 

「ウツミンと呼んでください。」

 

「はいはい、ウツミン」

 

その人物は作業服と黒ぶちの眼鏡が特徴的な男

仮面ライダーマッドローグの変身者である内海成彰だ。

 

「アンタはさっきの」

 

「ええ、他の世界から人が来ていると聞いて慌てて作ってきましたよ。」

 

そう言うと牙竜は内海から鉄の棒を受け取る。

 

「ありがとう……けどコレなんだ?」

 

「これは我々難波重工が作った傑作、難波スティックジーニアス!!これをあなたの世界に届けて難波重工の素晴らしさを是非伝えてください!」

 

「お、おう……」

 

内海の圧に断るのも申し訳ないと思った牙竜は渋々難波スティックジーニアスを受け取る。

 

「皆―!今日はカズミンの希望で一夜限りの復活~!皆のアイドル―!」

 

「「「「ミ~~タ~ン!!」」」」

 

その後店では一海の要望でネットアイドル時代風の衣装で登場した石動美空のライブが始まり、一海を始めとした彼女のファン(3羽ガラス)がヲタ芸を披露して盛り上げる。

 

「私のライブはどうだったかな~?」

 

「最高だぜー!!」

 

牙竜もその盛り上がりに順応して楽しんでおり、それを見て戦兎と龍我は…

 

「元気になったみたいで良かった。」

 

「流石戦兎、パーティーでアイツを元気にするっていいアイデアだぜ。」

 

「ああ、作戦は成功したし俺達も飯を楽しみますか、」

 

「おう!まだ食い足りないぜ!」

 

その後皆深夜まで騒いで店で寝てしまい、それを見た石動惣一がこっそり皆に毛布を掛けてやったのは語るまでもないだろう。

 

To be continued




ということで今回は牙竜を元気にするためのパーティー回でした。

今話タイトルのParty time togetherって実は僕の好きな曲の名前なんで良ければ一度聞いてみてください。

ではまた次回!


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立ち上がれ!仮面ライダークローズ! 前編

大変お待たせいたしました!
今日は二話連続投稿ということなのでいっぱい楽しんでいってください。
それではどうぞー


(三人称視点)

 

「下間牙竜が仮面ライダービルドの世界にいたのは確かだね。」

 

「ええ、ロストスマッシュを派遣して探してみたところ確かにいまわ」

 

ここはショッカーに基地、玉座に座り腰にアークワンドライバーを巻いたオールフォーワンが自らの補佐であるアズから報告を受ける。

 

「ならビルドの世界ごと攻めてしまおうか。」

 

「そうよね、だったら最適な仮面ライダーがいるわ」

 

というアズの言葉と共に一人の仮面ライダーが彼らの前に歩いてやってくる。

 

「ブラッド族の魔術師、仮面ライダーブラッドです。」

 

彼らの前に姿を現した仮面ライダーブラッドは右手と左手それぞれでグリップの様なものを握るようなポーズを見せる。

 

「君そんなキャラだったかな?」

 

「ええ、どこかのスーパードクターのことをデーモン呼ばわりしてそうなポーズね。」

 

「そこはお気になさらず、ビルドの世界を破壊すればいいのですね。」

 

「その通りだ。期待しているよ」

 

「お任せ下さい。」

 

そう言うとマントを翻してブラッドは任務に向かう。

 

「けど仮面ライダーブラッド、あんな性格だったかな?」

 

「ここの連中は皆世界中から集めた悪意で複製された存在だけどそのままの性格だと悪意と個性が強すぎて統率が取れないからねえ、少し脳改造をした状態で復活させておいたのだよ、」

 

「流石オールフォーワン、賢いわね」

 

「そうだろう、ただこの方法だと大量生産は難しいからね。そろそろアレも使わないとね。」

 

オールフォーワンの懐からは超スーパーヒーロー大戦のライダーガシャットがその姿を覗かせていた。

 

そして、ビルドの世界に向かった仮面ライダーブラッドは……

 

「さあ、パンドラパネルを奪いこの世界を滅ぼすのだ!!」

 

シザーズロストスマッシュ、ゼブラロストスマッシュ、そしてガーディアンの小隊と共に桐生戦兎らが住んでいる町で暴れ回っている。

かなりの都会である故、多くの人が集う地域であるため逃げ惑う人々の数というのも自然と多くなる。

 

「なるほど、これが牙竜の言ってたショッカーか」

 

「ジャッカーだかショッカーだか知らねえけど兎に角ぶっ潰す!」

 

だが3人のブラッド族戦士達の行く手を阻むかのように桐生戦兎、万丈龍我、猿渡一海、氷室幻徳、内海成彰の5人の男たちが並び立つ。

 

「仮面ライダー共か、丁度いい、ここで滅ぼしてやろう。」

 

「悪いけどそういうわけにはいかないな」

 

『ラビット&ラビット!』

 

仮面ライダーブラッドと向かい合う桐生戦兎のドライバーにはハザードトリガーとフルフルラビットタンクボトルが付けられる。

 

「ああ、俺達は簡単には負けねえ!」

 

『ドラゴンゼリー!』

 

「こんなとこで死ぬわけにはいかねえからな」

 

『ロボットゼリー!』

 

「この世界の民は俺達が守る。」

 

『デンジャー!クロコダイル!』

 

スクラッシュドライバーを腰に付けた龍我、一海、幻徳は各々の変身アイテムを装填する。

 

「この世界で得た幸せを……ここで失うわけにはいかないんです!」

 

『コウモリ!発動機!エボルマッチ!』

 

内海もエボルドライバーにバットフルボトルとエンジンフルボトルを入れてベルトのレバーを回し、それと同じタイミングで戦兎もビルドドライバーのレバーを回す。

 

『ガタガタゴットン!ズッタンズタン!』

 

『『Are you ready?』』

 

「「「「「変身!!」」」」」

 

『オーバーフロー!紅のスピーディージャンパー!ラビットラビット!ヤベーイ!ハエーイ!』

 

『潰れる!流れる!溢れ出る!ドラゴンインクローズチャージ!ブラァ!』

 

『潰れる!流れる!溢れ出る!ロボットイングリス!ブラァ!』

 

『割れる!食われる!砕け散る!クロコダイルインローグ!オーラァ!キャー!』

 

『バットエンジン!ヌゥハハハハハハ……!』

 

仮面ライダービルドラビットラビット、クローズチャージ、グリス、ローグ、マッドローグの5人のライダーが並び立つ。

 

「勝利の法則は…決まった!」

 

「今の俺達なら、負ける気がしねえ!」

 

「心火を燃やしてぶっ潰す!」

 

「大義のための犠牲となれ…」

 

「全ては難波重工の……いや、民衆のために!」

 

そして5人のライダー達はブラッドらに向けて一斉に走り出す。

 

(牙竜視点)

 

「危ねえ!」

 

街で怪人たちが暴れてるっつーことで戦兎さん達と一緒に駆けつけたんだが、なんか敵が連れてきた機械の兵隊がちまちま住民を襲ってきやがる。

 

「速く逃げろ!」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

今の俺にできんのはこいつらから人々を助けることだけ……

ドラゴンエボルボトルとクローズマグマナックルをそれぞれ持って兵達を殴って倒していく。

 

「それ寄越せ!」

 

敵兵の数が多くてちょっと埒が明かねえからライフルを無理やり奪って撃っていく。

 

「おらああああああ!!!」

 

銃弾を連射し、兵隊達を次々と倒す。

 

「ったく、手間取らせやがって…」

 

一先ずここに来た連中は倒せた。他の場所の様子も見ておかねえと……

 

「うわぁっ…!」

 

そう思って移動しようとした時だった、仮面ライダークローズチャージの身体が突然飛んできて俺の前で転がる。

 

「龍我さんっ…!」

 

俺は倒れる龍我さんを助けようと近付こうとた、

 

「おっと、見つけたよ、下間牙竜君」

 

だがその時だった、俺の目の前に黒い仮面ライダーが現れて一瞬で弾き飛ばされた。

 

「なんでテメエ俺のことを……」

 

「私は仮面ライダーブラッド、アークの命令で君を殺しに来た。」

 

アークッ…!ショッカーの奴か……

 

「こんなとこにまでお出ましとはな…」

 

「ああ、じゃあ、死んでもらおうか。」

 

ブラッドとかいう奴の掌からエネルギーの塊のような弾が俺に向けて放たれた。

 

「牙竜!!」

 

あっという間に俺は避けることができなかったがその前にクローズチャージが立ち塞がって俺を庇った…

 

「龍我さん!!」

 

俺を庇ったクローズチャージの変身が解けて生身を晒した龍我さんが倒れる。

 

「クソっ!この野郎!」

 

クローズマグマナックルで殴り掛かるが…

 

「変身もできないあなたに何ができるというのですか?」

 

だが、あっさり受け止められて腕を掴まれて投げ飛ばされる。

 

「確かに俺は変身できねえ……けどそれでも俺は……」

 

確かに今の俺は変身できねえ、ハザードレベルも下がっちまってる。

エボルトと出会う前と同じだ。けど一個違うことがある……

 

「俺はヒーローだ!」

 

「そうか、だが下間牙竜、あなたはここで死ぬのです。」

 

またあの光弾を撃とうとしたが…

 

『フルフルマッチデース!』

 

そのブラッドを背後から赤くて兎の要素強めのビルドの大剣が切り裂く。

 

「大丈夫か?万丈、いつまで寝てるんだ?」

 

「わりい、苦戦しちまった。」

 

龍我さんもなんとか立ち上がった。

 

「牙竜、お前もまだ立てるだろ。」

 

「当たり前だ!」

 

俺はまたクローズマグマナックルを握りブラッドの方を見る。

 

「この不退転の服に誓う!俺はまた立ち上がってテメエを倒す!」

 

昨日玄徳さんに貰った服の不退転の文字通り、俺はまた立ち上がる。

 

「だったら二度と立ち上がれないようにしてやろう!」

 

ブラッドが一瞬で俺に近づき、拳を振り上げるが、

 

『♪~~~!♪~~~!』

 

「クローズドラゴン!」

 

俺のクローズドラゴンが炎を吐いてブラッドの攻撃を妨害した。

 

「クローズドラゴン、もう一度一緒に戦ってくれるのか?」

 

『♪~~~!』

 

クローズドラゴンをその手で掴みガジェットモードに変形させる。

 

「牙竜!ドラゴンエボルボトルを挿せ!」

 

「おう!こっちのボトルか!」

 

この世界に飛ばされた時、俺は仮面ライダーエボルが使うドラゴンエボルボトルをクローズドラゴンに挿すと。

 

「色が変わった!?」

 

エボルボトルの色が金色に、クローズドラゴンの色がエボルドライバーの様な朱色に変化する。

 

『覚醒!』

 

『グレートクローズドラゴン!』

 

それをビルドドライバーに挿してレバーを回す。

 

「クッ…!身体がっ…熱い!!」

 

青い粒子が出てきて体の中に入ってくる。

この感覚は、初めてエボルトと融合した時以来だったな……

 

『Are you ready?』

 

「いけるぜ!!」

 

『Wake up CROSS-Z! Get GREAT DRAGON! Yeahhh!』

 

(3人称視点)

下間牙竜とエボルトはアークワンの攻撃を受けた後、牙竜が違う世界に行ってしまったためつながりが弱くなってしまっていた。

そしてエボルトが出久と一時的に融合したことで、牙竜とのつながりがより弱くなってしまい、彼は弱体化してしまっていた。

だが、彼の持っていたドラゴンエボルボトルはグレートドラゴンエボルボトルに、クローズドラゴンはグレートクローズドラゴンに変化し、牙竜の身体に新たにエボルトの遺伝子を与え、ハザードレベルを元の水準まで上昇させ、その牙竜を仮面ライダーグレートクローズに変身させた。

 

「はあああああぁぁぁぁ!!!」

 

再度クローズマグマナックルを握りしめたグレートクローズがブラッドに殴りかかる。

 

「馬鹿なッ!何故また立ち上がれる!何故また戦える!!」

 

「決まってんだろ、どこの世界だろうと守るべき笑顔がいっぱいある。ヒーローを求める人々はいっぱいいる。だから俺は立ち上がる!!」

 

nascitaでの交流で下間牙竜にとってこの世界も大切な世界の一つになった。

いや、彼はどの世界もいい世界なのだと感じたのだ。

だからこそ、世界を傷つけるショッカーと再び戦う覚悟を決めることができたのだ。

 

「おらぁ!」

 

グレートクローズのビートクローザーが横一線に振るわれて、ブラッドの胸部から火花を散らす。

 

「さあ、こっからまた俺の戦いを始めてやるぜ!」

 

To be continued

 




仮面ライダーブラッドのキャラ変位関しましては完全に役者ネタです。
もうすぐ最終回のドクターXに登場する加地先生ネタを入れてみました~

では後編も楽しんでいってください。


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立ち上がれ!仮面ライダークローズ! 後編

2話連続投稿の後編です。
前編がまだの方はそちらからお読みください。


(三人称視点)

クローズ達がブラッドと戦っている一方で、他の3人のライダーもロストスマッシュ2体と戦っていた。

 

「全部撃ち落とせ!」

 

シザーズロストスマッシュが大量の刃をグリス、ローグ、マッドローグらに向けて放つが、グリスの号令と共に、ツインブレイカーと二挺のネビュラスチームガンがそれらを撃ち落とす。

 

『スマホ!テレビ!ツインフィニッシュ!』

 

ゼリー状のテレビが生成されて、そこに映ったスマホからアプリの様なものが飛び出して、降り注ぐ刃を攻撃する。

 

『ファンキーアタック!トラ!』

 

『ファンキーアタック!UFO!』

 

ローグのネビュラスチームガンからは虎型の、マッドローグのネビュラスチームガンからはUFO型のエネルギー弾が放たれて、シザーズロストスマッシュ撃ってきた刃を一掃する。

 

「次は馬野郎か…」

 

「ここは任せろ。」

 

「お供しますよ。」

 

ローグとマッドローグのネビュラスチームガンにそれぞれスチームブレードを取り付けてライフルモードにすると。

 

『エレキスチーム』

 

『アイススチーム』

 

『『ファンキーショット!』』

 

電気を纏った弾と、冷気を纏った弾が一気にゼブラロストスマッシュに襲い掛かり、ゼブラロストスマッシュを凍らせ、動きを止める。

 

「トドメだ!」

 

『ロック!ローズ!ツインブレイク!』

 

ツインブレイカーから鎖と茨を伸ばし、2体のスマッシュを拘束すると。

 

『スクラップフィニッシュ!』

 

『クラックアップフィニッシュ!』

 

『エボルテックアタック!』

 

トリプルライダーキックが拘束された2体のロストスマッシュに放たれてあっさりと撃破する。

 

「決まりましたね、」

 

「ああ、けどまだ戦兎達の方を見に行かねえと」

 

「そうだな、」

 

敵を撃破した後も3人のライダーはビルド達の方に向かう。

 

一方、仮面ライダーブラッドとの戦いでは、

 

「万丈、俺達もやるぞ。」

 

「おうよ!」

 

戦兎がジーニアスボトル、ゴールドラビットフルボトル、シルバードラゴンフルボトルの3つのフルボトルを出すと、それらが合体し、クローズビルド缶に変化する。

 

「さぁ、実験を始めようか」

 

『クローズビルド!』

 

「これ合体しちまう奴か!けどっこうなったらやってやるぜ!」

 

戦兎がビルドドライバーにクローズビルド缶を挿入し、レバーを回すとベルトからランナーの様なものが出てきて2人を囲う。

 

『Are you ready?』

 

「「変身!!」」

 

『ラビット!ドラゴン!Be The One!クローズビルド!イェイ!イェェーイ!』

 

そのまま2人の身体は融合し、仮面ライダークローズビルドへの変身が完了する。

 

「いくぞ!」

 

「おう!」

 

そのクローズビルドはブラッドと渡り合うグレートクローズを援護するようにボディのラビット側のCBラビットフットシューズとビルドラッシュレッグの力で高速で動き、ブラッドの背後に回り、

 

「くらえ!」

 

CBドラゴンファイトグローブを纏った左手の拳から強烈なパンチをブラッドの背に向けて打ちこむ。

 

「2対1ですか…」

 

「いいや、3対1だ!」

 

身体は2人分でも戦兎、龍我、牙竜の3人の連続での攻撃が連続で仮面ライダーブラッドに放っていく。

 

『スマッシュヒット!』

 

「「はぁッ!!」」

 

ビートクローザーの一閃とクローズビルドの拳がブラッドの胸部と腹部に放たれてブラッドの身体が揺らぐ。

 

「馬鹿なぁ!?」

 

ブラッドは自身に掛かる重力を操作し、宙に浮遊し飛行すると

 

「何故だ…!何故仮面ライダーはこんなにもしぶといのだ!?」

 

BDベクターマントによって加速したパンチをクローズに向けて放つが、

 

『メガスラッシュ!』

 

「食らえッ!」

 

グレートクローズのビートクローザーにロックフルボトルを装填し、グリップエンドを3回引くと、蒼炎を纏った鍵型のエネルギーを込めた斬撃がブラッドの拳とぶつかり合い、爆発が起こる。

 

「ぐあっ…」

 

爆発から吹き飛ばされるようにブラッドの身体が地に落ち、

 

「これでも食らえ!」

 

そこをクローズビルドが蹴り飛ばす。

 

「オノレ…仮面ライダー!」

 

怒りに燃えるブラッドが自身のビルドドライバーのレバーを回し、

 

『グレートドラゴニックフィニッシュ!』

 

ハザードトリガーから発生する黒いオーラを纏ったブラッドがライダーキックを放とうとするが

 

「万丈、牙竜、」

 

「ああ、」

 

「やってやんぜ」

 

クローズビルド、グレートクローズもそれぞれのビルドドライバーのレバーを回し、

 

『Ready Go!』

 

『グレートドラゴニックフィニッシュ!』

 

『ラブ&ピースフィニッシュ!』

 

そして2人もそれぞれのエネルギーを自身の足に込め、出現したベストマッチラビットに宙へ蹴り上げてもらい

 

「「「はあああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」」」

 

彼らの後ろに現れたベストマッチドラゴンの放つ青い炎のブレスに乗って2人のライダーがブラッドに対抗するようにライダーキックを放つ。

 

「こ、これではッ…アーク様にッ……うぐっ……」

 

そしてクローズビルドとグレートクローズのライダーキックが押し勝ち、2人のライダーのライダーキックがブラッドに突き刺さり彼らの放つエネルギーがブラッドに流れ込み、

 

「これで、終わりだ!!」

 

ブラッドの身体をぶっ飛ばし、そのままブラッドの身体が地に落ちるとともに爆発する。

 

「どうやら勝ったみてえだな…」

 

そしてその様子を駆け付けたグリス達もしっかり見ていたのだった…

 

(牙竜視点)

 

「何とか変身能力戻ってよかったな。」

 

「ああ、これでようやく一安心だぜ。」

 

敵を倒した後俺は龍我さんと一緒にラボに向かって帰っている。

 

「けどお前中々骨あんな」

 

「いや、それほどでもねえよ。」

 

龍我さんが俺の肩に手を置いて褒めてくれる。

 

「そうだ、お前これやるよ。」

 

そう言って龍我さんは自分が来ていたスカジャンを脱いで俺に渡してくれた。

 

「いいのか?」

 

「ああ、もう1人のクローズとの絆の証ってやつだ。」

 

「へー、よくわかんねえけどありがとな。」

 

渡されたスカジャンを羽織ってみると…

 

「お!結構似合ってるじゃねえか!」

 

「確かに!これカッコイイぜ!!」

 

このスカジャンかなり俺に似合ってたぜ。

 

「ありがとな!気に入ったぜ!」

 

「おう!喜んでもらえて何よりだ!」

 

スカジャンも貰えたし変身もできるようになったし後はエボルト達のとこに戻るだけだ。

 

「見つけたぞ。やっと回復したみたいだな。」

 

そのまま歩いて変えろとした俺の目に見覚えのある男世界の破壊者こと門矢士の姿が映った。

 

「門矢士ッ……」

 

「久しぶりだな。牙竜突然だけど出番だ。他のライダーを集めろ。」

 

そして俺は急に命令をされた…

 

「どういう事だ?」

 

「そろそろだから準備しておけってことだ。」

 

「何の準備だ?」

 

「決まってるだろ。ショッカーとの最終決戦だ。」

 

To be continued




次回からヒロアカの世界の方に戻ります。

さて、エボルト達は果たしてどうなっているのでしょうか?
お楽しみに!


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ミッションスタート

さて、いよいよ最終章って感じです。

気付けば6000字……


(3人称視点)

 

「こ、ここは…!?」

 

雄英高校の合宿への奇襲によってゲムデウスに敗れショッカーに連れ去られていた甲斐銃士が円形の代の上で四肢を拘束された状態で目を覚ます。

 

「ようやく起きたみたいだねぇ…」

 

「ヒィッ…!?」

 

その彼の正面にはオールフォーワンの姿があり、その彼からは銃士を恐れさせるような威圧感が放たれ、いつもの厨二口調を発動すらさせようとしなかった。

 

「初めまして、甲斐銃士君。私はオールフォーワン、悪の権化さ、」

 

「オールフォーワンッ…!!」

 

その彼の右手にはガシャコンバグバイザーツヴァイがあった。

 

「さて、今から君には簡単な手術を受けてもらおうか」

 

そしてその銃口を銃士の身体に向ける。

 

「銃士君に何をするつもりだ!」

 

だがそのガシャコンバグバイザーに封じ込められている新・壇黎斗・神がそれに抗議するように声を荒げる。

 

「黎斗さん…」

 

「抵抗したところで無駄だよ、」

 

『超スーパーヒーロー大戦!』

 

超スーパーヒーロー大戦のライダーガシャットが挿入されると……

 

「まさかッ…!?このゲームは……!!」

 

「ああ、素晴らしいゲームだよ。悪意を増幅させるのに丁度いい」

 

『コンクリュージョン・ワン!』

 

一瞬でアークワンに姿を変えたオールフォーワンの掌から暗黒のエネルギーがバグバイザーに注がれる。

 

「うわあああぁぁぁぁぁ!!ヤメロ!!ヤメロオオおおぉぉぉぉ!!」

 

アークワンから注がれる悪意が増幅すればするほど、黎斗の断末魔が大きくなっていく。

 

「やめろ!これ以上酷いことはするな!」

 

「他人のことを心配している場合かな?次は君がこうなるのに。」

 

『超ショッカー大戦!』

 

アークワンの腕が銃士が着ていたシャツを破り、晒された生身の銃士の胸部にガシャコンバグバイザーを押し当てると

 

「あああああああぁぁぁぁぁ!!!」

 

漆黒に染まったバグスターウイルスがバグバイザーから放出されて銃士の華奢な体に流れ込んでくる。

 

「ヒーローにかかわる悪意と私の持つ悪意が合わさることでショッカーは完全に復活する。さあ、出でよ!ゲームの世界のショッカーよ!」

 

超スーパーヒーロー大戦というゲームの中にあるボーナスステージ、超ショッカー大戦

そこに潜むショッカーの力とアークワンの中にあるヒーローの敵の悪意のデータ

これらが組み合わさることによってゲーム世界のショッカーが今現世に降臨する。

 

「消去しろ!」

 

銃士の身体から大量のバグスターウイルスが放出されてそれがショッカー首領三世の姿に変わり、他の粒子もシャドームーンやン・ダグバ・ゼバ、アークオルフェノク等の幹部級怪人達の姿を形成していく。

 

「ヴワッハッハッハッハッハッ!!」

 

そしてそのうちの幾つかのバグスターウイルスが紫色に変色したかと思えば壇黎斗の姿に変わる。

 

「遂に手に入れたぞ!このガシャットを!」

 

だがその黎斗はこれまで銃士と共に戦ってきたものとは違う印象を抱かせるように真っ黒なスーツを纏い、髪の毛をオールバックにしている。

その手には紫と赤の大型のライダーガシャットが握られている。

 

「レベルビリオンのライダーガシャットをォ!!」

 

気絶した銃士を放置してアークワンとショッカー首領三世、その他の幹部怪人達と壇黎斗はその場から去っていく。

 

「後はネオ生命体が完成すれば計画は完璧……ヒーローの世界は私が滅亡させよう……」

 

(エボルト視点)

地獄の合宿から3日…

あの場にいた大半のケガ人とかは学校の近所の病院で入院中だ。

捜索活動も続けられたが牙竜と銃士が見つかることは無かった……

牙竜は恐らくあの時アークワンに殺されて……死体を持っていかれたのか……

あれから俺はずっと牙竜のことを察知できていない……

それに銃士と神様まで居なくなりやがって……

 

「あの…エボルトさん…」

 

「出久か……」

 

暫くは牙竜の実家で世話になりつつ雄英高校に滞在したりしてたんだが今日は八百万が目を覚ましたってことで元気な奴らでお見舞いに行くってことで病院に来ていた。

 

「皆さん、お揃いで……」

 

「いや、全員じゃねえよ……」

 

八百万の病室には既に"今来れる"クラスメイトが全員揃っていた。

だがそれは、肝試しの最中にB組連中共々原因不明の病気になってしまった耳郎と葉隠

合宿中に頭を強く打ちさっき目覚ましてお見舞いに来られた八百万……

そしてアークワンによって殺されて死体も確認できていない牙竜を除き、俺含むA組22人中18人だ。

そのことを表わす様な返しをした轟も荷が重かっただろうに……

 

「その……牙竜さんは……」

 

牙竜のことについて聞かれると場の雰囲気はより重くなってしまう。

俺と、出久の目の前でアイツはアークワンに……!

 

「アイツは、その……」

 

「殺された……」

 

爆豪が伝えようと口を開いたが途中で言葉が止まってしまった。

けど俺は説明を果たすべきだと思ったからその続きの言葉を言った。

 

「冗談…ですよね……?」

 

「いいや、本当だ。」

 

「そ、そんな……」

 

辛いことかもしれねえがしっかり伝えておかねえと……

それにこの事実は受け入れておかねえといけない…

 

「なあ、けど死体……見つかってねえんだろ?」

 

だがその重苦しい空気を上鳴の一言が切り裂いた。

 

「だって、B組の甲斐は行方不明扱いなんだろ?」

 

確かに上鳴の言う通り、銃士もあの場から見つからず行方不明として扱われているが……

 

「それは生死の判断ができなかったからそうなってるだけだ…俺は牙竜が殺られたところをしっかり見た。」

 

上鳴としては牙竜自身が見つかっていないから本当は行方不明で生きているんじゃないかって意見だっただろうが、そう思うことは俺にはできない……

アイツとは長い時間一緒にいて、離れた場所にいてもどこにいるかが大体わかる。

少なくとも生きてるなら俺はあいつの生命反応を感じ取れるはずだ……

けどそれができない……

 

「悔しいけど…俺はアイツが生きてるって保証はできない……」

 

「じゃあなんでアンタが生きてんだよ!?アンタ牙竜の個性なんだろ?アイツが死んだなら消えてるはずだろ!!?」

 

「おい、上鳴落ち着けって……」

 

「それは…エボルトさんが一時的に僕に寄生してるからだろ……」

 

出久が口にした答えは瀬呂の言葉通りに上鳴を落ち着けるのに十分だった。

 

「それに俺は仮面ライダーエボルに変身できるようになった頃から牙竜自身から独立していってたしな……」

 

俺が生きていることは牙竜が生きている証拠にもならない。

俺達はもうアイツを諦めるしか……

 

「けどよ、生きてるかもしれねえなら助けようぜ。」

 

切島の一言が場の空気を変えた。

出久、爆豪、轟の3人の目に闘志が宿った。

 

「でしたら私、先程ヒーローの皆様にもお話したのですが……」

 

そして切島の言葉に一番に応えたのは八百万だった。

 

「合宿での襲撃の際に現れました脳無に泡瀬さんのご協力でGPSを取り付けることができまして、その受信デバイスがこちらです。」

 

八百万の中にも未だ闘志は宿っていた。腕からデバイスを取り出してそれを俺に渡す。

 

「待つんだ君達!!これはプロに任せるべき案件!俺達生徒が出ていい舞台では無いんだ馬鹿者!!」

 

「分かってるよ!でも、ヴィランが来て牙竜達が戦ってるってのに…なんっも出来なかった!しなかった!ここで動かなきゃ俺ァ、ヒーローでも…男でもなくなっちまうんだよ!」

 

「飯田、切島、もう良い。分かってんよ…だから、静かにしろ。ここ病院だろうが」

 

助けに行きたい切島とルールを守るべきだという飯田の言い争いを爆豪が制する。

けど俺は……

 

「お前ら、行っても良いけど死ぬかもしれねえぞ、それでもいいのか?」

 

俺はせめてこいつ等には生きて欲しい。

死なないで欲しい、その思いを伝えることしかできない……

 

「わかってる、けどその覚悟は仮面ライダーになった地点でできている。」

 

だがその俺の言葉に応えた轟の言葉はアイツの覚悟を感じ取るのに十分だった。

 

「ふっ!ふざけるのも大概にしたまえ!!」

 

「待て、落ち着け」

 

怒鳴る飯田を障子が宥める。

 

「切島たちの気持ちもよく分かる。俺だって悔しい。だが、これは感情で動いて良い話じゃない」

 

感情で動いて良い話じゃない……

障子の言う通りだ。

 

「オールマイトに任せようよ…戦闘許可、もう解除されてるし」

 

「青山の言う通りだ…」

 

また場の雰囲気は暗くなる。けどこれ以上誰も失いたくないから…これでいいんだ…

けど悔しい……せめて俺だけでもアイツの仇を取ってやりてえ……

 

「皆、仲間を失ってショックなのよ。でも、冷静になりましょう。どれ程正当な感情であろうと、ルールを破る戦闘を行うと言うのなら……その行為はヴィランのそれと同じなのよ」

 

「ったく、クソ不味いコーヒーみたいな会話だぜ。」

 

蛙吹が切島達を諫める一言を言った後だった……

聞き覚えのある声が病室の中にいる全員の耳に入った。

 

「甘粕さんッ……!?」

 

(政信視点)

牙竜達の合宿が襲撃された後

俺はエボルト達に会うために牙竜の恋人が入院してるっていう病院に来てたんだがお見舞いに来ていた牙竜のクラスメイト連中が何やら暗い話した挙句に喧嘩を始めやがった。

 

「甘粕さんって…牙竜さんの職場体験先の……?」

 

「ああ、そうだ」

 

ベットの上で身を起こしている牙竜の恋人の問いに答えると俺はしけた連中に喝を入れる。

 

「オラエボルト!何相棒のテメエが牙竜のこと簡単に諦めてんだ!」

 

「……ッ!!」

 

エボルトが真っ先に生存を諦めてどうすんだって話だ。

それでアイツが喜ぶ訳ねえだろうが……

 

「で、飯田とそこの金髪!」

 

「「は、はい!」」

 

「牙竜のこと倒した相手何だろ?普通のプロヒーローじゃ勝てねえだろ、何でもかんでも大人に任せればいいってもんじゃねえだろ。」

 

こいつ等アイツの仲間なんだったらとっとと気付きやがれよ……

牙竜はオールマイトを優に超えた実力持ってるってことをよ……

 

「Oh...」

 

「で、ですが!一体どうすれば……」

 

「決まってんだろ、敵が怪人なら仮面ライダーが出陣するしかねえだろ。」

 

「……」

 

飯田達反対していた奴らは口を閉ざし、ライダー変身者と思われる奴らは自身の胸に手を当てている。

 

「であと、そこの緑髪、」

 

「ケ、ケロ……」

 

「お前さっき戦う覚悟決めた奴らのことヴィラン呼ばわりしてただろ」

 

「……!!」

 

この蛙みたいな奴に関してはよく知らねえけど言うべきことは言っておく……

 

「確かにルールを破んなければ正しい、けどルールを守ったか破ったかなんてモン、ヒーローの価値基準を測る物差しに相応しいか?」

 

「そ、それは……」

 

「ヒーローにとって一番大事なことってのは、ルールを守る精神じゃなくて誰かを助けるって気持ちじゃないのか?」

 

そう言うと蛙女子はハッとした顔をする。

 

「プロヒーローの俺がこんなこと言っていいのか分かんねえけどルールばっか守ってる連中よりもヴィジランテの方がよっぽどヒーローだ。こいつらの方が正義だ……ルールに縛られてそのことを忘れてるんじゃねえ……」

 

「そうね、あなたの言う通りだわ。切島ちゃん、皆、酷いこと言ってごめんなさい。」

 

分かってくれたのならそれでいいが……

 

「気にすんなよ、梅雨ちゃん!」

 

さて、そろそろ本題に入るか。

 

「とりあえず"世界の破壊者"って人から聞いた情報だ。牙竜は生きてる。」

 

ここに来る前、俺の事務所にまた訪れていた世界の破壊者こと門矢士からある程度の情報は聞いていた。

そしてそのことを話すと驚きの表情を浮かべる奴や安堵の表情を見せる奴らがいたが……

 

「それは本当か!?」

 

誰よりも嬉しそうに事実を確認してきたのはエボルトだった。

 

「ああ、けど危険な状態だったから今は別世界に送ってそこで回復してもらってるそうだ。暫くはショッカーから隠れれてるそうだ。」

 

なんかビルドの世界に送ったとか言ってたがまあとにかく無事なのは確かだ。

それを聞いてエボルトも安心はしているようだが……

 

「けど、銃士は捕らえられちまったみてえだな」

 

けどもう一人の仮面ライダーの銃士達はショッカーに捕まったらしい……

 

「だったら俺が助けに行く。」

 

「ああ、とっとと着いてこい。」

 

漸くエボルトもやる気が戻ったな。

 

「ってことで確か緑谷、爆豪、轟の3人が仮面ライダーに変身できるんだったな。」

 

「は、はい」

 

仮面ライダー変身者のことは教えてもらってるからそいつら3人の顔を見る。

 

「行くぞ、"助けに行く"んだろ?あいつらのこと」

 

「はい!」

 

「ああ、」

 

「当たり前だ。」

 

ライダー変身者の3人が俺の目を見て誘いに応えた。

 

「し、しかしプロヒーローのあなたの許可があるとはいえそんなことッ……」

 

「甘粕さんからの許可だけじゃないぞ。天哉」

 

しかしそれでもまだこの違法行為に飯田は不満を露にするが、遅れて到着した俺の同業者を見た瞬間愕然とした表情を見せる。

 

「に、兄さん!?」

 

そう、部屋にやってきたのはコイツの兄である飯田天晴、ヒーロー名インゲニウムだった。

 

(3人称視点)

 

「な、なんで兄さんまで!?」

 

「雄英と門矢士って人に頼まれたんだ。」

 

そう言いながら天晴が懐から出したグレイブバックルを見せる。

 

「この事態を打破するには仮面ライダーの力が必要不可欠、けどプロヒーローで変身できるのは俺とそこの甘粕さんだけだ。」

 

「ってことで生徒達にも協力を頼みに来たってことだ。なんかあったら俺達大人が責任を取る。」

 

ショッカーの怪人と渡り合うことができるプロヒーローはほんの一握り、彼らだけで戦うよりも強力な仮面ライダーの力も借りることで勝利には近づく。

そう確信した雄英の根津校長は

 

「これは雄英が黎斗君から預かったベルトさ。君が使うといいのさ」

 

と言い、門矢士から受け取ったケルベロスのカードで黎斗が完成させ、雄英に収められていたグレイブバックルを早速プロヒーローのインゲニウムに譲渡した。

 

「この件はお前らの担任からも許可をもらってる。けどアイツはメディアとの戦いをしないといけねえ、俺達は俺達の戦いをする。着いてこい」

 

そう言うと甘粕と天晴が病室を出ようとする。

 

「ああ、勿論だ。」

 

覚悟は決まった、エボルト、出久、爆豪、轟も戦いに行くために病室の外に出ようとする。

 

「だったら俺も!」

 

「私も行きますわ」

 

さらに切島と八百万もそれに追従しようとするが

 

「ライダー変身者以外はここで待ってろ!」

 

甘粕はそれを拒否する。

 

「けど俺は…!」

 

「お前たちはアイツがいつでも帰ってこれるように準備してやってくれないか……」

 

甘粕の中で切島の熱意はよく分かっていたが、流石に変身者以外を連れていくことはできない。

それは犠牲を増やすリスクを伴っているからだ。

 

「特に八百万、お前は牙竜にとって大事な人間だ。ここで待ってアイツを安心させてやってくれ」

 

「わかりましたわ、」

 

ライダー変身者以外の生徒達は戦いにはいかず見守ることになり、変身者は改めて戦いに赴く……

 

「兄さん!皆!」

 

その背中に天哉が声を掛ける。

 

「必ず勝ってください!」

 

「おう!」

 

天晴が天哉の激励に応えるように親指を立てて6人の戦士達が戦いへの一歩を踏み出した。




オリキャラの甘粕さん主役回になりましたね~

だがゴッドマキシマムゲンムがショッカー側に!?

それと超スーパーヒーロー大戦の要素も入れてみました。
ゲーム内の怪人を使った大規模な再生怪人作成でございます。

ではまた次回お楽しみに~


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Round Zero

昨日はビヨジェネ初日に観てきました~
ストーリーもアクションも素晴らしかったです。

そんでもってこちらの小説もいよいよ終盤ですが今ショッカーサイドがどんどん強くんってきてヤバいですがそんな時は心の中で「絶対大丈夫」って言ってみてください。

てことで本編開始です。


(3人称視点)

 

「ってことでアンタらは門矢士って人から色々と聞いてたってことか。」

 

とある場所に向かう大型バンの中でエボルトらが門矢士から共闘の要請を受けたという甘粕と情報交換をしていた。

 

「で、今のプロヒーロー側の作戦だが警察と八百万さんのGPSのお陰で奴らの脳無の工場を2か所特定できた。それで今オールマイトが神野区の工場に向かっていてエンデヴァー達が蛇腔総合病院付近の工場を探しているそうだ。」

 

「で、俺らは今神野の方に向かっている。」

 

インゲニウムと甘粕が現在のヒーロー側の動きと自分達の行き先を説明する。

 

「で、なんで神野なんだ?」

 

2つの工場がある中でなぜ自分達が神野に行くのかを問う轟

 

「八百万のGPSが付いた脳無が向かったっていうのは神野の方らしい。工業地帯に紛れてある工場なんだが、銃士を連れてった奴もここにいるかもしれねえ。」

 

「そうか…」

 

その質問に甘粕が答えて轟が納得し、車はそのまま神野に向かう。

 

「あの~甘粕さん」

 

車内ではしばし静寂が流れたがその中で出久が甘粕に話しかけた。

 

「神野ってオールマイトも来てるんですよね?」

 

「ああ、そうだ」

 

「オールマイト達って僕たちが来ることは知ってるんですか?」

 

「わかんねえな。俺も根津校長とやり取りしただけでどこまで伝わってるかはわからねえ、けど着いた時には工場は包囲されてるだろうな…」

 

プロヒーロー側とどこまで連携が取れるかはわからないという状況で車は進んでいく。

 

「もう神野か……」

 

車のナビが神野区に到着したことを知らせると同時に爆豪が呟く。

 

「お前ら、そろそろベルト持っておけ、もうすぐ戦いだ。」

 

戦いに備えよ、そう言った瞬間だった

 

「なんだ!!??」

 

突然町で爆発が起こり、その爆風が彼らの乗る車を揺らした。

 

「お前ら変身しろ!とっとと向かうぞ!」

 

ただ事ではない緊急事態が起きたことを察した甘粕は全員に変身させ、車を運転手に任せると仮面ライダー達へ現場へと急行した。

 

「これは……」

 

現場に到着した6人のライダー達の前には惨状という2文字で表されるような光景が広がっていた。

彼らが制圧する予定だった工場は跡形もなく消え、血を流したヒーロー達が倒れている。

 

「オールマイト!!」

 

そんな中、オールマイトは膝を突き何とか踏ん張っているが、その視線の先には彼らを退廃という結果に導いた悪の仮面ライダー、ファルシオンの姿があった。

 

「やっと来たなあ!仮面ライダー!!」

 

その変身者である死柄木弔がアクセル、グレイブ、エボル、ビルド、グリス、ローグの6人の仮面ライダーを見つけると彼らに剣を向ける。

 

「いや、弔彼らの相手をするのは彼だよ。」

 

だがそれを彼の後ろに現れたオールフォーワンが止める。

 

「あの声は……」

 

エボルトはその声が確かに牙竜と戦ったあのライダーの声であることをすぐに悟った。

 

「わかったよ、先生、その代わり完膚なきまでに」

 

「わかってるさ、弔。さて、仮面ライダー諸君。君達に相応しい相手を用意したよ。」

 

『最上級の神の才能!クロトダーン!クロトダーン!』

 

ファルシオンが引き下がると共に自らの名前をアピールするような電子音声が発せられ、それと共に空中から大きな仮面ライダーの顔のようなものが降ってくる。

 

『ゴッドマキシマームエーックス!』

 

そしてそこから手足や頭部が生えてくる。

 

「仮面ライダーゲンム……レベルビリオンだ……」

 

仮面ライダーゲンム、彼が名乗った名前もその姿もエボルト達が慣れしたしんだ男の姿だった。

 

「どうしちまったんだ?急にショッカー側に付きやがって……」

 

「ショッカーならば私の神の才能を発揮することが出来る!!ショッカーの時代こそ私の時代なのだ!!!!」

 

「変わっちまったな、お前も……」

 

これまで自身が感染した甲斐銃士と共に戦ってきた新・檀黎斗・神から想像出来ないような言動に一同驚きつつも、すぐさま武器を構えて臨戦態勢を取る。

 

「なっ…!?」

 

だがそこから一瞬であった、グレイブの身体に衝撃が走ってその身体をその場から弾き飛ばされたのは。

 

「インゲニウム!」

 

そのグレイブの一瞬での敗北に気を取られてしまったビルド達も

 

「バンバンシミュレーション・スカイミッション!」

 

ゲンムゴッドマキシマムゲーマーが一瞬で作り出したゲーム、バンバンシミュレーションの空中戦特化しようであるスカイミッションの力で空中から多数の弾丸とミサイルが降ってきてライダー達を襲う。

 

「なんだよこれッ…」

 

「私はゲームを作り出す神!見よ!我が力を!激走!フォーミュラ!!」

 

そう言うと一瞬で黄色いフォーミュラカーが作り出されてアクセルらに向けて突進する。

 

「任せろ!」

 

だがその進撃をローグの半身から放たれる氷結が止める。

 

「ゲキトツ!ロボウォーズ!!」

 

だが今度はロボットゲーマを模したロボットの軍隊が現れて氷を砕きライダー達に迫る。

 

(ワンフォーオール!フルカウル!)

 

「爆速ターボ!」

 

それらを身体能力を強化したビルドと爆破を使うグリス、そしてエボルが迎え撃つ。

 

『エンジン!マキシマムドライブ!』

 

『ファンキーショット!』

 

氷を砕かれ再度アクセルたちに突進してきたフォーミュラカーだったが、エンジンブレードの斬撃とネビュラスチームガンのエネルギー弾によって破壊される。

 

「アクセルさん!アイツ、ゲームだけじゃなくて素の力も強いです!気を付けてください!」

 

先程召喚されたロボットたちがアクセルたちにも襲い掛かるが戦線復帰したグレイブも加勢し食い止めるが…

 

「その通り、私は自身の身体能力を自由自在に設定でき、一瞬にして君たちのスペックを上回ることが可能なのだよ。」

 

常時デバックモード、そう評されるようなゴッドマキシマムの力はこの場にいるライダー達を圧倒するのに全くと言って良い程時間を掛けさせなかった。

一瞬でスピードを上げたゲンムは6人のライダーの目にも止まらぬ速さで必殺技級に威力を上げたパンチやキックを打ち込む。

 

「つ、強い……」

 

その威力の前にエボル以外のライダーは地に伏せ、彼だけは何とか地面に膝を突く程度にとどまっている。

 

「これに耐えるとは中々やるね、だが!これでも耐えきれるかな?」

 

『ゾンビクロニクル!』

 

ゲンムゾンビゲーマーと同じ姿をしたゾンビ達が一斉に召喚され、彼らが波のようにライダー達に迫る。

 

「ワリイけど俺も、こんなとこで諦めるわけにはいかねえんだよ!!」

 

『エボルテックフィニッシュ!』

 

エボルの足に破壊エネルギーが集中し、それをゾンビゲーマーの波に振るうとその余波でゾンビ達は悉く吹き飛ばされる。

 

「流石はエボルト君だ。だがゾンビは何度でも蘇る!」

 

しかしまた立ち上がったゾンビゲーマー達がエボルに迫る。

 

「また、生き返りやがった…」

 

もう一度必殺キックを放とうと構えた時だった、

 

『タドルクリティカルスラッシュ!』

 

大理石の様な表面の鎧を纏った聖騎士の様な戦士が現れて、光の刃でゾンビゲーマーの波を切り裂いた。

 

「お、お前は…?」

 

その戦士はエボル達の方を向くと白いオーラを放つ。

 

「か、体が…」

 

「回復していく……」

 

ここまでゲンムに与えられたダメージがみるみるうちに回復していき、地面に伏せていたグレイブやビルドが立ち上がる。

そして聖騎士の様な戦士はエボル達にも、ゲンムにも聞き馴染みのある声で名乗り上げる。

 

「我は勇者と魔王、両方の力を手に入れし戦士……仮面ライダーブレイブ!レガシーゲーマー!!神を切る者だ!」

 

To be continued




銃士復活!?
真相はまた次回のお楽しみに


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エンドゲーム

さて、いよいよ最終決戦に突入です!

まさか年内までにここまでいけるとは思ってませんでしたね。

では本編スタートです。


(3人称視点)

時はショッカー首領三世らの復活の直後に遡る。

 

(黎斗さんまで失って……自分はもう……)

 

オールフォーワンによって自分の身体を怪人を生み出すのに利用された挙句に今まで自分と共に戦ってくれて、自分に力を与えてくれた檀黎斗すら敵について行ってしまった。

そんな絶望の感情が銃士の中に溢れていた。

 

「そんな所で挫けてしまうとは情けないな。」

 

どこかから声が聞こえた。

 

「あなたは……?」

 

「俺は鏡飛彩、ゲームの世界のな、」

 

「ゲームの世界……?」

 

身体を起こし銃士はゲームの世界の飛彩の方を見る。

自分の四肢を拘束していたものはいつの間にか無くなりその身体は自由だった。

 

「お前はこの世界の仮面ライダーなんだろ?」

 

「そ、そうっすけど……」

 

「俺の知ってる仮面ライダーはこんなところで折れなかったぞ……」

 

飛彩の言葉に1度視線を落とす銃士だったが、

 

「自分は……負けたくないっす……」

 

拳を握りしめてそれを自分の胸に当てる。

 

「黎斗さんに戻ってきて欲しいっす……」

 

「檀黎斗か、あいつはアークの力で洗脳されてしまっている。」

 

「洗脳……じゃあ、黎斗さんは裏切ったわけじゃないってことッスか!?」

 

銃士にとって黎斗は恩人でもあり恩師のような存在

彼を失うことだけは絶対に嫌であった。

どうしても取り返したかった。

だから洗脳されているだけという情報は銃士にとって一筋の光だった。

 

「そういうことだ、お前は助けたいか?あの男を」

 

「も、勿論っス」

 

「だったら立て、どんな状況でも患者を救う。それが仮面ライダーというものだ」

 

医師として、仮面ライダーとして、多くの命を救ってきた本物の鏡飛彩のことを思いつつ、ゲームの世界の飛彩は銃士に奮起を促す。

 

「自分は……暗かった自分を助けてくれた…自分を仮面ライダーにしてくれたッ……黎斗さんを助けたいッス……!!」

 

彼の言葉に応えるように銃士は体にたまった疲労やダメージに抗いながら自身を拘束した台の上で立ち上がる。

虐められていた自信を変えてくれた、救ってくれた男を助けるために銃士は再び立ち上がる。

 

「それでこそ仮面ライダーブレイブだ。良いだろう壇黎斗を助けてこい。」

 

「は、ハイっス!それと……」

 

円形の台の上から降りて銃士は飛彩の方を見る。

 

「新・壇黎斗・神さんっス……!」

 

「そうだったな、それとこれは俺の力だ。受け取れ」

 

そう言うとゲームの世界の飛彩は白い粒子となって消えて代わりに銃士の手には白いライダーガシャットが収められる。

 

『タドルレガシー!』

 

「自分は…黎斗さんのために…」

 

覚悟を決めた銃士はガシャットを起動する。

 

「満月の魔眼!」

 

再び戦いに赴く勇気を出した、銃士は腰にゲーマドライバーを付けて受け取ったガシャットを装填する。

 

『ガシャットォ!ガッチャーン!レベルアーップ!!』

 

そしてゲーマドライバーを開く。

 

『辿る歴史!目覚める騎士!タドールレガシー!』

 

(エボルト視点)

レベルビリオンになったゲンムにやられる……

そう思った時だった、

 

「我は勇者と魔王、両方の力を手に入れし戦士……仮面ライダーブレイブ!レガシーゲーマー!!神を切る者だ!」

 

『銃士!?銃士なのか!?』

 

「ああ、我はデビルムーン!甲斐銃士だ!」

 

ここに来て銃士が戻って来やがった!

 

『頼もしいじゃねえか、とっととあの神何とかするぞ』

 

「うむ、この我が!神を救おう!」

 

「さっきから何を言っている!!私はこの程度では屈しない!!」

 

戻ってきた銃士に対してゲンムが迫り、拳を振るおうとする。

 

「我が……いや、我らの剣の前にひれ伏せ!悪意よ!」

 

『そのガシャットは……』

 

『マイティアクションX!』

 

ただのマイティアクションXガシャットではなくプロトマイティアクションXガシャットオリジンだ。

これは壇黎斗にとっては色々とあるガシャットだ。

 

『ガシャット!』

 

『タドルクリティカルスラッシュ!!』

 

銃士のタドルレガシーの力と新・壇黎斗・神のマイティアクションXのオリジンの力

2人の力をガシャットが刺さっているガシャコンソードが纏う。

 

「受けてみよ!騎士と神の一撃を!!」

 

そしてその刃がゲンムレベルビリオンを切る。

 

「こ、これはッ……」

 

銃士の一閃はゲンムレベルビリオンの膝を地面につかせるのには十分だった。

 

「や、やったのか……」

 

その様子にアクセルが呟くがこの程度ではやられないだろうな。

 

「まだ、まだだぁ!!」

 

オリジンガシャットのバグスターウイルスを抑制する力があるとは言え倒しきれなかった。

 

「コズミッククロニクル!!」

 

ゲンムの背に宇宙を舞台にしたゲームのパッケージのような絵が現れたかと思えば

 

「隕石!?」

 

俺達目掛けて一つの隕石が降ってくる。

これが地面に落ちたらここにいるヒーロー達も……出久達もやられるッ……!!

 

『させるかあ!』

 

俺は宙を飛び、隕石に向かって拳を突き立てて墜落を止める。

 

『カミワザ!』

 

『ゴッドマキシマムクリティカルブレッシング!』

 

「まずは貴様からだ!!」

 

隕石を止めるのがやっとだというのに、その隕石を後ろから押して、このまま墜落させようとするゲンムのライダーキックが隕石に放たれてその勢いに俺は圧倒される。

 

((こんなとこで負けてられっかよ!!牙竜のことを待ってんだよ!!アイツが生きてるなら俺も……!出久達も……!!他の奴らも……!!全員で生きて笑ってアイツの帰りを待たねえといけねえんだよ!!))

 

情けねえ、銃士があんなに相棒のために頑張ったってのに……

俺はアイツが死んだと信じ込んじまって……!諦めて……!!

 

『俺はアイツのために!!勝ちに行くだけだぁ!!』

 

俺にはまだ切り札があった、

 

『エボルトリガー!!』

 

まだ使える状態じゃない、そう思ってまだ使おうとしてなかったエボルトリガーをパンドラバングルから取り出してそれを左手で握って隕石に向けて拳を撃ち込む。

ハザードレベルがいくつになったら使えるとかそんなのは分かんねえ!!けどいけると信じて使うだけだ!!

 

『うおおおおおおおおぉぉぉぉ!!』

 

その時だった、隕石が砕けてその欠片が粒子となりゲンムの必殺技のエネルギーごとエボルトリガーに吸い込まれた。

 

「馬鹿な!?」

 

ライダーキックのエネルギーを吸収されたゲンムは地に落ちる。

 

『オーバー・ザ・エボリューション!』

 

「ショッカー!今日がお前たちの崩壊記念日だ!」

 

『コブラ!ライダーシステム!レボリューション!』

 

エボルトリガーをエボルドライバーに挿し込み、レバーを回す。

 

『Are you ready?』

 

『変身』

 

『ブラックホール!ブラックホール!ブラックホール!レボリューション!』

 

『フハハハハハハハハ……!』

 

これが仮面ライダーエボルの完全体ッッ!!

 

「仮面ライダーエボル、ブラックホールフォームだ!!」

 

ゲンムの必殺技のエネルギーを吸収し俺は遂にフェーズ4を迎えた。

 

「あれがエボルさんの……」

 

「最強形態……」

 

「白黒だな…」

 

ブラックホールフォームの感想を言う出久達を背に俺は敵達の方を見る。

 

「ゲンム!これはどういうことだ!ここは俺が!!」

 

オールフォーワンにさっき下がる様に言われて、後ろにから見ていた、多分ヴィラン連合の手がいっぱい付いてたやつが変身したと思われる仮面ライダーファルシオンがゲンムの横に立ち剣を構えるが…

 

「全ては計画通りだ!!」

 

ゲンムとファルシオンの2人が同時に攻撃を仕掛けると思ったその時だった、

立ち上がったゲンムがファルシオンを蹴り飛ばしたのは。

 

(新・壇黎斗・神視点)

 

「何をする!?」

 

私に蹴り飛ばされた死柄木がこちらを睨みつける。

 

「銃士君、君の一撃で目が覚めたよ。」

 

私はアークの力によって洗脳されてしまっていたがプロトマイティアクションXのオリジンガシャットのお陰で目を覚ますことができた。

 

「じ、自分のお陰っすか……?」

 

「ああ、立派になった様だね、銃士君。」

 

銃士君もいつの間にかレベル100に到達している。

何とも喜ばしい限りだ。

 

『だったら何故俺に攻撃を……』

 

「何故私が洗脳解除後も操られていたフリをしていたのか…」

 

私はエボルト君の質問に応えるように語り始める。

 

「何故コズミッククロニクルを生み出したのか、何故君にライダーキックを撃ったのかァ!」

 

『これ以上は言わなくていいぞ』

 

「その答えはただ一つ………!」

 

「何やってんだ?」

 

私たちのやり取りに甘粕さんも少し困惑しているようだが、

 

「ハァァァ………エボルトォ!」

 

「君の!最強形態の……!ブラックホールフォームに………!!変身させるためだァァア゛ーーーーーッハハハハッ!!ア゛ーーッハーッハーッハーッハッ!!!ア゛ーーッハーッハーッハーッハッ!!!」

 

『なんだ、そんなことか』

 

例のやり取りがごとく言ったがアークを倒すにはブラックホールフォームの力が必要だと私は咄嗟に判断し、エボルトリガーの力を引き出すために敢えて洗脳されたままのふりをしていたのだが、ただの大博打だ。

 

「つまり君は私達のことを騙していたのだね…」

 

レガシーゲーマーに変身した銃士君の横に移動して立つ私の前にオールフォーワンが現れる。

私達仮面ライダーとオールフォーワン、ファルシオンの2人が向き合う形になる。

 

「まあ、だが君達に我々の悪意を止めることはできるかな?」

 

『アークワン!』

 

「変身」

 

『シンギュライズ!破壊…破滅…絶望…滅亡せよ…!コンクルージョン・ワン…』

 

オールフォーワンがアークワンに変身したのと同時だった。

 

「おいおい、なんか出てきやがったぜ!」

 

オールフォーワン達がいる方向、今は戦いの余波で荒れ地となっている地域の中心部からショッカーのマークを大々的に付けた塔が地面を突き破りせり上がってくる。

 

「これが悪の力だ!」

 

その塔の上部にある衛星の中心部が赤く光ると同時に大量の怪人達がアークワンとファルシオンの周りに出現する。

ゲムデウスやン・ダグバ・ゼバ、強力な怪人軍団がアークワンを中心に布陣する。

 

「この数…多すぎるだろ…」

 

アクセルが呟くが確かに数は多い……

兵隊を含めて1000体はいるんじゃないだろうか……

 

「さあ、悪意の力を受けてみるがいい!」

 

地面から現れた塔についた衛星の中心部から赤いビームが放たれて我々仮面ライダー達を襲う。

 

「危ない!」

 

ビルドが前に出て守ろうとするがレーザーによる爆発で我々は蹴散らされるが……

 

『神さん、銃士、皆……まだやれるだろ?』

 

それでもエボルト君が立ち上がる。

 

「勿論さ。」

 

「まだいけるっすよ……」

 

我々もまだここで屈する気はない。

 

「まだ立つのかい?だったら二度と立たないようにしてあげよう」

 

さらに何発もレーザー攻撃が放たれてる。

 

「防ぎきれないッ……」

 

私やエボルは何とか防ぎ切れてはいるがビルド達はレーザー攻撃をもろに受けてしまい、怯んでいる。

 

『このままじゃ、勝てない……』

 

そして怪人軍団が我々に迫る。

私とエボルト君の最強フォームでも勝てるだろうか……

 

「エボルト、左だ、左を見ろ……」

 

その時だった、我々にとって聞き覚えのある声が聞こえてきたのは…

 

(3人称視点)

牙竜の声が聞こえた。

そう思ってすぐにエボルやゲンムらが自分達の左を見ると。

 

『牙竜……?』

 

灰色のオーロラカーテンが突如出てきてその中から牙竜が変身した仮面ライダークローズが姿を現す。

 

「待たせたな、エボルト」

 

牙竜とエボルトの目が合い、その牙竜の後ろにオーロラカーテンから出てきたビルド、クローズ、グリス、ローグ、マッドローグと桐生戦兎らが変身した本来のビルドライダー達が並ぶ。

 

「こ、これは……」

 

さらに黎斗・神が周囲を見回すと彼らこの世界の仮面ライダー達の周囲に次々と灰色のオーロラカーテンが現れる。

 

「ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!」

 

あるオーロラカーテンからはエグゼイドやブレイブ、パラド等のCRに所属しバグスターウイルスと戦ってきた仮面ライダー達が……

 

「さあ、お前の罪を数えろ!」

 

「さあ、振り切るぜ!」

 

また別のオーロラカーテンからは風都という街を守り続けるWとアクセルが、

他のオーロラカーテンからは15人の昭和ライダーが、

別のオーロラカーテンからは10人の剣士達が……

正義の心を持つ仮面ライダー達が次々に姿を現す。

 

「かなりの数を集めたみたいだね、士」

 

「当然だ。向こうが様々な世界の悪を集めたなら、俺達は仮面ライダーを集めて対抗するだけだ。」

 

全ての仮面ライダーと言っても良いほどの人数の戦士達を集めた海東大樹と門矢士

彼らはアークが作り出したショッカーのことを調べており、いつかの決戦に備えサブライダー含め多くのライダー達に声を掛け、そしてこの個性を持つヒーロー達の世界での最終決戦のために彼らを一斉に集めたのだった。

 

「これだけいれば、いける気がする!」

 

「アーク、お前を止めるのは俺達だ!!」

 

ジオウやゼロワンも仲間たちと共に戦場に降り立つ。

 

「一輝!仮面ライダーがいっぱいいるぜ!!」

 

「ああ、バイス!湧きまくってきたぜ!」

 

今、デットマンズとの戦いに身を置く仮面ライダーリバイとバイス、さらに彼の家族達も参戦する。

 

「許さんぞショッカー!」

 

そして仮面ライダーの原点にして頂点、ショッカーと戦い続けた男

本郷猛の変身する仮面ライダー1号がライダー達の先頭に立つ。

 

『いっぱい集まってやがるな。』

 

「素晴らしい!」

 

圧倒的な仮面ライダー達の数にエボルとゲンムは思わず感嘆の声を漏らす。

 

「皆!まだまだいけるっスよね?」

 

「当たり前だ!」

 

「この世界のヒーローだってまだ負けてられないぜ!」

 

銃士が変身するブレイブの治癒能力によってダメージから回復した甘粕が変身するアクセルと天晴が変身するグレイブが立ち上がる。

 

「緑谷少年!」

 

「オールマイト!」

 

「私も戦うよ、ヒーローとしての誇りを掛けてね。」

 

「ええ、一緒に行きましょう!」

 

 

まだ動けるオールマイトも出久が変身するビルドの横に立つ。

 

「かっちゃん!轟君!いくよ!」

 

「当たり前だ!」

 

「ああ、俺達もまだ負けてらんねえ…」

 

オールマイト共に出久ビルド、爆豪グリス、轟ローグの4人が他のライダー達と共に並び立つ。

 

「これで全員か?」

 

「まだとっておきがいるよ。」

 

辺りを見回し仮面ライダー達が揃ったと確信したディケイドがこれで全員かをディエンドに確認したがまた一つ新たなオーロラカーテンが出てきて。

 

「5人揃って!」

 

『『機界戦隊!ゼンカイジャー!!』』

 

「海賊のパワー!ヨホホーイ!ツーカイザー!!」

 

そこからトジテンドと戦うスーパー戦隊、機界戦隊ゼンカイジャーと彼らと共に戦う世界海賊のツーカイザーが現れてライダー達と共にショッカー怪人達と向かい合う。

 

そしてエボルがその光景を見渡しながらライダー達の前に出て、

 

『仮面ライダーズ!アッセンブル!!』

 

To be continued




この展開をやりたいがために小説家をしていた夢野です。

アベンジャーズエンドゲームめっちゃ好きなんでそれの仮面ライダーバージョンをやってみました。

文章だけではわかりにくいので少し補足すると、
王蛇とかデュークとかキルバスどう考えても悪のライダー以外の全てのライダーがこの場に揃っております。
次回以降はライダーファン必見のお祭りが展開され、その中でも牙竜や出久達が頑張ります。

話はさておき、先日ヒプノシスマイクと言う作品のライブに行って来ました。
ヒプマイは牙竜のモデルになったキャラ達がいるので(後バイス役の木村昴さんも)読者の皆様にオススメ致します。


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スーパーヒーロー・バトライドウォー part1

最終決戦いよいよ開幕です!

分割しまくるんんでちょっとずつ楽しんでいってください
分割は6~7話ぐらいになりそうです。

それとビヨンドジェネレーションズのネタバレ要素もあるのでご注意ください。


(3人称視点)

 

「な、何がどうなっているんだ!?」

 

ここは先程まで雄英高校の会見が行われていた会場だったが、今はとても会見が行われているとは言えない状態であった。

全員が会場にあるテレビか自分のスマートフォンで神野で行われているヘリの空撮による映像を注視している。

その映像の中では大量の怪人達に対抗するかのようにオーロラカーテンから次々と仮面ライダー達が現れていく様子が映されている。

 

(下間…エボルト…頼む!!勝ってくれ!!)

 

そして誰よりも拳を握り締めて映像を見ているのは牙竜達の担任である相澤だ。

先程の会見で消息不明と発表していた自分の教え子が戻ってきたというだけでも安堵という感情を抱いていた。

自分が怪我してる間に守れなかった牙竜が元気であるということで胸を撫で下ろそうとしたがまだ早い、ショッカーの軍勢は画面の外からでもかなりの数いることがうかがえる。

 

『仮面ライダーズ!アッセンブル!!』

 

その軍衆に向かってオーロラカーテンから現れた仮面ライダー達がエボルトの号令と共に突撃していく。

ライダー達の拳や刃がショッカーの怪人や戦闘員たちを次々と倒していく。

 

「轟君!」

 

「任せろ、」

 

出久ビルド、爆豪グリス、轟ローグに向かって早速怪人達が数体襲い掛かってきたが、その怪人達の下半身は一瞬にしてローグの氷結によって凍って動けなくなる。

 

「手伝うよ!人間ちゅわん!!」

 

動けなくなった怪人達をゼンカイガオーンの爪とグリスの爆破、ビルドのドリルクラッシャーによる攻撃で次々に撃破していく。

 

「半分野郎、お前なんかあのライオン野郎と声似てねえか?」

 

「気のせいだ。」

 

順調に怪人達の戦闘を進めるライダー達だったが…

 

「レーザーをもう一度放って迎撃すればいいだけの話だね。」

 

首領であるアークワンはショッカーの塔上部に付いてある衛星から再度レーザーを放ち、その赤い光がライダー達を攻撃しようとしてレーザーを放ったその時だった。

 

「ここは任せろ!」

 

仮面ライダー達を守るかのように前に出たのは、100年間の思いをつなぐ戦士仮面ライダーセンチュリーだった。

彼が生成した歯車型のエネルギーバリアがレーザー攻撃を阻む。

 

『メガスラッシュ!』

 

「アークワン!テメエの相手は俺だ!!」

 

そして牙竜の変身するクローズのビートクローザーでの斬撃がアークワンの背後に当たり火花を散らす。

 

「何度来たところで無駄だよ。」

 

アークワンとクローズが戦いを始めた丁度その頃

 

「お兄ちゃん、かなり強そうだね。」

 

『ネオ生命体か…』

 

エボルブラックフォームをネオ生命体ことドラス率いるシャドームーンら幹部軍団が取り囲む。

 

『さて、いっちょ本気出すか、』

 

そう言ってエボルが手をかざした瞬間、ドクトルGことカニレーザーとグランザイラスが一瞬にして爆音と悲鳴を上げながら爆発していった。

 

「ここは俺が!」

 

次にエボルに向けて剣で切りかかってきたのはフォッグマザーに従うガライ

 

『後ろだ、』

 

エボルに突っ込んでくるガライだったが目にも止まらぬスピードでエボルに背後に回られて背中からパンチを撃たれるとその衝撃で一気に宙まで吹き飛ばされてそのまま爆散する。

 

「まだまだ、こんなもんじゃないよ」

 

無双を続けるエボルに戦闘員や雑魚怪人達が波の様に押し寄せる。

 

『丁度いい、ブラックホールによる大掃除の時間だ。』

 

エボルの掌の上で小型のブラックホールが生成され、

 

『どんだけ残るか楽しみだ!』

 

それを戦闘員たちの波に向かって投げると彼らは一瞬にして吸い込まれて消滅する。

 

『おっと、一人も残らなかったな。』

 

「サタンサーベル!」

 

敵を一掃した直後のエボルブラックホールフォームの背後からシャドームーンが自身のサタンサーベルで切りかかるが。

 

『無駄だ』

 

エボルの装甲を前にしてサタンサーベルは彼にダメージを与えることはできなかった、

そして破壊エネルギーを纏ったエボルの回し蹴りで蹴り飛ばされて爆散する。

 

『で、お前はどうするつもりだ?』

 

「僕はまだやるよ、」

 

『いいぜ、来い!』

 

エボルとドラスが凌ぎを削る一方

 

「ゲムデウス!!ここであったが100年目!!私の力の前にひれ伏せ!!」

 

ゲンムゴッドマキシマムゲーマーは以前自分達を苦しめたゲムデウスに挑む。

 

『ソルティ!』

 

「ゴッドキラー!」

 

拳を強化して殴り掛かろうとするソルティにゴッドマキシマムが生成した大量のガシャコンウェポンによる攻撃が降りかかる。

 

「大量の武器を持ってして神をも殺す素晴らしいゲームだ。」

 

ガシャコンマグナムによる銃撃が、ガシャコンソードによる斬撃が、次々とゲムデウスにダメージを与えていく。

 

「ドラゴナイトロワイヤル!」

 

今度はドラゴンゲーマがいくつも召喚されて次々にゲムデウスに襲い掛かる。

 

「ドラゴンたちの力を使って殺し合いに勝ち抜くゲームだ。そしてこれが、私の最高傑作だ!!」

 

ゴッドマキシマムゲーマーの性能の一つとして自身の身体のスペックを自由に設定することができるというものがあり、脚力の値を上昇させて一瞬でゲムデウスの目の前まで詰め寄り、

 

「見せてやろう…神の連打を!!」

 

強化されたパンチを連続でゲムデウスに打ち込んでいく。

 

「クロックアップ」

 

そのゲムデウスの助けに入ろうと、高速で移動するグリラスワームがゲンムを背後から襲うが

 

「私も既にその領域に踏み入れることは可能なのさ、ネイティブ君…」

 

だが自由に設定可能なゲンムのスピードであればクロックアップと同等の速度を出すことも可能で高速移動でグリラスワームにすぐさま対処、拳を大腿部、腹部、左腕、背中、そして顔面部に打ち込む。

 

「まだまだいるようだね、」

 

さらに水のエル、ン・ダグバ・ゼバとアポロガイストもゲンムに襲い掛かるが

 

「ウェザーコントロール!」

 

ゲンムは一瞬で転機を自由自在に操るゲームを生成して局所的に雷を降らして、、襲い掛かってきた幹部怪人の頭上から雷を落とす。

 

「さて、ゲゲルといこうか」

 

雷で動けなくなった怪人達を必殺技級の威力のパンチで次々と攻撃し、

 

「神である私に逆らうな!」

 

さらにゲムデウスも彼らの方向に蹴り飛ばし、

 

「神の恵みを受け取るがいい!」

 

『ゴッドマキシマムクリティカルブレッシング!』

 

ゲーマドライバーを開閉し紫のエネルギーを纏ったライダーキックをゲムデウスら5体の怪人に一気に解き放つ。

 

「ゲーム、クリアだァ!!」

 

そして怪人達は一斉に爆発四散する。

 

To be continued




仮面ライダーセンチュリーカッコよすぎて出しちゃいました!
映画見る前は出演予定なかったんですがうっかり、
そして今回はエボル&ゲンム無双
次回は誰の活躍が見れるのでしょうか?
お楽しみに!


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スーパーヒーロー・バトライドウォー part2

新幹線からこんにちは

年末年始は温泉地からゆっくり更新します〜



(3人称視点)

 

『スタップ』

 

「はぁ!!」

 

戦闘員たちの中に紛れ込んだダークローチ達

それをスタップビーで強化した槍の突きで次々と駆逐していく仮面ライダーレンゲル

 

「こんなとこに知ってる顔がいるねえ」

 

その様子を見ながらレンゲルに近づいてくるのはカテゴリーキング、コーカサスビートルアンデッド

 

「君一人ぐらいだったら余裕で倒せるだろうね」

 

彼はここまで様子見をしていたがダークローチ軍団と自分自身で集団攻撃を仕掛ければレンゲルを撃ち取れると踏んで攻撃を仕掛けようとするが

 

「何ッ…!?」

 

突然コーカサスビートルアンデッドの背中にいくつかの衝撃が走った。

 

「助かります!橘さん!」

 

コーカサスビートルアンデッドを背後からギャレンラウザーで撃っていたのは仮面ライダーギャレンこと橘朔也

 

「畳みかけるぞ!」

 

「はい!」

 

レンゲルが槍を振るい、コーカサスビートルアンデッドに突きや殴打等の攻撃を放つが、

 

「か、硬いッ…」

 

「そう簡単には破れないよ、僕の盾は…」

 

ソリッドシールドが槍の攻撃を次々に防いでいる。

 

「うわっ…!」

 

さらに援護射撃をしようとしたギャレンを突如別の怪人が襲う。

 

「ジョーカー?」

 

「いいえ、俺はアルビノジョーカーですよ…橘チーフ」

 

アルビノジョーカーの持つ鎌、デスサイズが何度もギャレンに向けて振るわれ、草稿に当たる度に火花を散らす。

 

「つ、強い……」

 

「まずはあなたから死んでもらいましょう……」

 

ギャレンの命を刈るために大鎌が振るわれようとした時

 

「「はあッ…!!」」

 

ギャレンを飛び越えてアルビノジョーカーに迫った2人の戦士の剣戟がアルビノジョーカーの胸部を切り裂いた。

 

「剣崎!始!」

 

その戦士は仮面ライダーブレイドとカリスだった。

 

「橘さん遅くなりました。」

 

「全員揃ったようだな」

 

コーカサスビートルアンデッドの攻撃を難なく凌いでいたレンゲルも合流し4人のライダーが並ぶ。

 

「睦月、これを使え」

 

「これって…」

 

ブレイドがレンゲルにラウズアブゾーバーを渡す。

 

「俺達もいくぞ」

 

「ああ、」

 

『『『アブゾーブクイーン』』』

 

ブレイド、ギャレン、レンゲルがそれぞれラウズアブゾーバーにカテゴリークイーンのカードを入れて。

 

『エボリューションキング』

 

『エボリューションキング』

 

『フュージョンジャック』

 

『エボリューション』

 

それぞれが上級アンデッドの力を使い、ブレイドキングフォーム、ギャレンキングフォーム、レンゲルジャックフォーム、ワイルドカリスの4人のライダーが並び立つ。

 

「僕とはまた違うカテゴリーキングの力か、ムカつくねえ…ここで消してあげるよ!」

 

自分は今ブレイドが使っているカテゴリーキングのカードの力の複製に過ぎない。

そう感じたコーカサスビートルアンデッドが怒りで剣を振り上げて切りかかろうとするが、

 

「なんて威力だっ…」

 

だが剣を振るう前にレンゲルジャックフォームの持つ鉄球が彼に向けて投げ飛ばされ、ソリッドシールドでそれを防ぐがその重量は盾越しでもコーカサスビートルアンデッドに伝わっていた。

 

『ストレートフラッシュ』

 

キングラウザーとブレイラウザーの2振りの剣による斬撃がソリッドシールドを切り裂き破壊する。

 

「ここで決めるぞ!」

 

「はい!」

 

『ロイヤルストレートフラッシュ』

 

『ブリザードクラッシュ』

 

レンゲルがコーカサスビートルアンデッドを凍らせて重厚感のある身体から蹴りを放つと共に5枚のラウズカードの力を帯びたキングラウザーをコーカサスビートルアンデッドに向けて一閃する。

 

「ば、バカなッ…」

 

ダメージが蓄積されたコーカサスビートルアンデッドの身体はそのまま爆散する。

一方、ワイルドカリスは鎌状の武器、ワイルドスラッシャーを使い、アルビノジョーカーの大鎌による攻撃を凌いでいた。

 

「今だ!」

 

鎌を大振りしようとアルビノジョーカーが大きく腕を振り上げた時だった、

ギャレンキングフォームのロングライフル状になり強化されたギャレンラウザーの銃撃が、アルビノジョーカーの脇腹に突き刺さる。

 

『ワイルドサイクロン』

 

『バーニングショット』

 

弓状に変化したワイルドスラッシャーとギャレンラウザーから放たれる鋭いエネルギー弾がアルビノジョーカーの身体を吹き飛ばした。

 

ブレイド達4人が強力なアンデッド相手に勝利を収めていたその頃

 

「良いねえ!!いい戦乱だ!!これを全て破壊すれば、嘸かし気持ちいいんだろうなぁ…」

 

仮面ライダー達とショッカーの戦乱の中、優雅にその混沌を破壊しようと闊歩している赤き仮面ライダー、キルバス

彼もまたショッカーによって復元された悪のライダーだ。

 

「キルバス!お前までいるのかよ!!」

 

そのキルバスの前に立ち拳を向けるのは万丈龍我が変身する仮面ライダークローズ

 

「クローズかぁ、面白い!まずはお前からだ!!」

 

『ロック!シングルフィニッシュ!』

 

『UFO!ファンキーショット!』

 

クローズと相対し、カイゾクハッシャーで切りかかろうとしたキルバスをローグが放ったUFO型のエネルギー弾が襲い、重力と大地からキルバスを切り離し宙に浮かせた所を、グリスのツインブレイカーから伸びた鎖が巻き付きその進撃を止めると、

 

「前はよくもやってくれやがったな。」

 

「戦兎、やってやれ」

 

『フルフルマッチでーす!!』

 

ビルドタンクタンクがフルボトルバスターでキルバスを撃つ。

フルボトルバスターのエネルギー弾はキルバスに当たると爆発し、その衝撃でキルバスの赤い身体は地に落ちる。

 

「ったく!!イライラさせやがってェ!!」

 

だがキルバスの背中から巨大な蜘蛛の足が出てくるとそれが次々に振り下ろされていく。

 

『コブラ!ファンキーショット!』

 

だが青いコブラのようなエネルギー体が突如出現し、キルバスの足や身体に巻き付き動きを乱す。

 

「な、なんだ!?」

 

「皆さん。大丈夫ですか?」

 

ビルド達の下に駆けつけるのはネビュラスチームガンを構えたマッドローグ。

彼の機転でキルバスに隙が生まれた。

 

「一気に畳み掛けるぞ!」

 

『グレート!オールイエイ!』

 

「おうよ!」

 

『ボトルバーン!』

 

ビルドがジーニアスフルボトルを、クローズがクローズマグマナックルを構えるのと同時に、グリスとローグは自身の腰に着いているベルトをスクラッシュドライバーからビルドドライバーに付け替え、

 

「これ使うのも久々だな。」

 

『ウェルカム!一致団結!』

 

猿渡一海はグリスパーフェクトキングダムをベルトに入れれる形態に変形させ、氷室幻徳は自身が羽織っているライダージャケットの前を開けて右に同じのTシャツを見せつけながらプライムローグのフルボトルを振るい、折り曲げる。

 

『ジーニアス!イエイ!イエイ!イエイ!イエイ!』

 

『クローズマグマ!』

 

『グリスパーフェクト!』

 

『プライムローグ!ガブッ!ガブッ!ガブッ!ガブッ!ガブッ!』

 

4人がそれぞれの変身用アイテムをビルドドライバーに装填し、レバーを回す。

 

『『『『Are you ready?』』』』

 

「「「「変身!!!」」」」

 

『完全無欠のボトルヤロー!ビルドジーニアス!スゲーイ!モノスゲーイ!』

 

『極熱筋肉!クローズマグマ!アーチャチャチャチャチャ チャチャチャチャアチャー!』

 

『ファーマーズフェスティバル!グリスパーフェクト!ガキン!ゴキン!ガコン!ドッキングー!』

 

『大義晩成!プライムローグ!ドリャドリャドリャドリャ!ドリャー!』

 

ビルドジーニアス、クローズマグマ、グリスパーフェクトキングダム、プライムローグの4人の戦士が君臨し、

 

「今の俺達なら負ける気がしねえ!!」

 

クローズマグマの号令と共に、4人の戦士が走り出す。

 

「受けてみやがれ!」

 

マグマを帯びたクローズの拳、グリスのクワガタムシの角を模した鍵爪がキルバスの胸部に向けて放たれて、それをそれぞれ片手で止めるキルバスだったが…

 

「今だ!」

 

ローグとビルドが同時にキルバスの前に立ち、胸部に向けて足を突き出すようにして蹴りを放つ。

 

『エレキスチームショット!』

 

キルバスの背後からマッドローグがライフルモードにしたネビュラスチームガンから電気を帯びたエネルギー弾を放ち、背中から強烈な電流を流すと、

 

『ワンサイド!』

 

『逆サイド!』

 

『オールサイド!』

 

『ジーニアスフィニッシュ!!』

 

その隙を狙いビルドが虹色のグラフでキルバスを拘束し、60個のフルボトルのエネルギーを纏った必殺キックを放つ。

 

「ば、馬鹿なっ…!」

 

『ブルー!イエロー!レッド!ゴールド!!』

 

『パーフェクトキングダムフィニッシュ!!』

 

スタッグ、オウル、キャッスル、グリスを支えた三体のスマッシュの幻影がグリスパーフェクトキングダムに重なり、その身体がドリルのように回転しながらキルバスに突っ込んでいく。

 

『クラックアップブレイク!』

 

『エボルテックアタック!』

 

さらに畳み掛けるようにプライムローグとマッドローグの同時ライダーキックがキルバスに突き刺さり、

 

『ボルケニックアタック!アチャー!』

 

そして8体のマグマライズドラゴンを足に纏ったクローズマグマの必殺の一撃がキルバスに向けて放たれる。

 

「俺は!!この世界を…!!ぐああっ!!」

 

5人のライダーキックを受けたキルバスの身体は限界を迎え、大爆発を起こした。

 

「決まったぜ…」

 

その大爆発を背にまた5人の仮面ライダー達は戦場に駆ける。

 

To be continued




ギャレンキングフォームとレンゲルジャックフォームも出してみました〜

HEROSAGAで見たデザインに惚れ込んでます。


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スーパーヒーロー・バトライドウォー part3

皆様2021年もお疲れ様でした。
今回は大晦日に更新
このバトライドウォーの最中に年越しという形になりました。
今回のバトルも楽しんでいってください。


(三人称視点)

 

「消去しろ!」

 

2本の長剣を振り回し鎧武と共にやってきた黒影トルーパー達を蹂躙するのはショッカー首領三世こと大蜘蛛大首領

 

「強そうな相手だな。心が踊るなあ。」

 

そこにガシャコンパラブレイガンを構えた仮面ライダーパラドクスレベル99が挑む。

 

『高速化!鋼鉄化!』

 

エナジーアイテムによって身体を鋼鉄のように硬化し、高速で移動するパラドクスは拳に炎を纏わせて強化されたパンチを大蜘蛛大首領三世に向けて連続で放っていく。

 

「この程度の攻撃!」

 

大蜘蛛大首領の正面に向けてパラドが拳を放とうとしたところを2本の魔法剣を横に薙ぐように振るい切る。

 

「クッ…」

 

「このまま消去してやろう!」

 

そして今度は縦に剣を振り下ろそうとする…

 

「パラド!」

 

「エム!」

 

その2本の剣をエグゼイドのガシャコンブレイカーの刃が受け止める。

 

「ここは協力プレイといこうじゃないの!」

 

さらにレーザーターボ、ブレイブ(鏡飛彩)、スナイプの3人のライダーもその場に駆け付け、各々の武器で大蜘蛛大首領に攻撃を仕掛ける。

 

「どれだけ来ようと無駄だ!」

 

だが魔力を纏った魔法剣で彼らの攻撃を次々に防いで凌ぐ大蜘蛛大首領

 

「研修医!伏せろ!」

 

『カ・チーン!』

 

しゃがんだエグゼイドの上を通過しブレイブの炎を纏った斬撃が放たれて大蜘蛛大首領に届くが…

 

「消去だ!」

 

魔法剣を振るった大蜘蛛大首領の一撃が炎の斬撃を消し、5人のライダー達を蹴散らす。

 

「だったら、これで!」

 

『マキシマムマイティX!』

 

『ハイパームテキ!』

 

エグゼイドはマキシマムマイティXとハイパームテキのガシャットを、

 

「俺に切れないものはない」

 

『タドルレガシー!』

 

ブレイブはタドルレガシーのガシャットを、

 

「撃ち抜いてやるぜ」

 

スナイプはガシャットギアデュアルβを

 

「ノリノリだぜ!」

 

レーザーターボはシャカリキスポーツのプロトガシャットを起動する。

 

「ハイパー……大・変・身!」

 

「術式レベル100!」

 

「第50戦術」

 

「爆速!」

 

各々が自分のガシャットをゲーマドライバーに挿入する。

 

『パッカーン!ムー!テー!キー!』

 

『輝け!流星の如く!黄金の最強ゲーマー! ハイパームテキエグゼーイド!』

 

『ガシャットォ!ガッチャーン!レベルアーップ!! 』

 

『辿る歴史! 目覚める騎士! タドールレガシー!』

 

『デュアルガシャットォ!ガッチャーン! デュアルアーップ!』

 

『スクランブルだァ! 出撃発進! バンバンシミュレイショーンズ!発進!』

 

『アガッチャ!シャカリキ!メチャコギ!ホットホット!シャカ!シャカ!コギ!コギ!シャカリキスポーツ!』

 

エグゼイドムテキゲーマー、ブレイブレガシーゲーマー、スナイプシミュレーションゲーマー、レーザーターボプロトスポーツバイクゲーマー、そしてパラドクスパーフェクトノックアウトゲーマーが次々と各々の武器による攻撃や拳を次々に大蜘蛛大首領に向けて次々に放っていく。

 

「超協力プレイで!」

 

「「クリアしてやるぜ!!」」

 

ハイパームテキエグゼイドの金色の髪が大蜘蛛大首領を絡め取ると、

 

『マイティブラザーズ!XX!』

 

パラドがガシャコンパラブレイガンにマイティブラザーズのガシャットを刺すとパズルゲーマーとファイターゲーマーに分身し、

 

『マッスル化!マッスル化!高速化!』

 

筋骨隆々になり、高速移動をするパラドクスパズルゲーマーが、ムテキゲーマーに地面に叩きつけられた後に宙を舞う大蜘蛛大首領に連続で拳を放ち。

 

「くらえ!!」

 

そこをファイターゲーマーの拳で殴り飛ばす。

 

「このノリに乗ってくぜ!!」

 

『キメワザ!シャカリキクリティカルストライク!!』

 

『キメワザ!バンバンクリティカルファイヤー!!』

 

レーザーターボのスポーツゲーマの車輪部分が回転し大蜘蛛大首領にぶつかっていき、剣で防ごうと隙が生まれた大蜘蛛大首領の腹部をスナイプの砲弾が撃ち抜く。

 

『『キメワザ!』』

 

『ハイパークリティカルスパーキング!』

 

『タドルクリティカルストライク!』

 

「「はあああああぁぁぁぁ!!」」

 

エグゼイドとブレイブ、2人のライダーの必殺キックが大蜘蛛大首領の胸に突き刺さる。

 

「ば、馬鹿な!!この私が!消去されるとは!!」

 

ライダー達の必殺技のエネルギーに耐えきれず大蜘蛛大首領の身体が爆発四散し

 

『ゲームクリア!』

 

そしてその一方で

 

「オールマイト!ここで俺がお前を破壊する!!」

 

「しまった!」

 

仮面ライダー達と共に戦っていたオールマイトを死柄木弔が変身した仮面ライダーファルシオンが襲う。

 

「危ない!」

 

ファルシオンが振り下ろした無銘剣虚無を間に入った仮面ライダー剣斬の2本の剣が止める。

 

「デザスト!!なんでお前まで!?」

 

「デザスト!?誰だソイツ!!」

 

だが剣斬はかつてのライバルであるデザストと似た声をしたファルシオンのことをデザスト本人だと思い込んでいる。

 

「デザストじゃないのか?」

 

「デザストなんか知らねえよ、とっとと死ね!」

 

ファルシオンは自身の5本の指で剣斬に触れて体を崩壊させようと手を伸ばす、

 

「危ない!」

 

『ズーット!マッハ!』

 

だがその腕を高速で近付いた仮面ライダーマッハが蹴り飛ばした。

 

「次から次に来やがって……」

 

「あ、アンタは?」

 

「俺かい?」

 

マッハを睨みつけるファルシオン。

誰かと問う剣斬

 

「追跡!撲滅!いずれも~マッハ!仮面ライダーマッハ!!」

 

そして自ら名乗りと決めポーズをして名乗るマッハ

 

「誰だか知らねえけどぶっ潰してやる!」

 

『エターナルフェニックス!フムフム』

 

自身のワンダーライドブックを剣に翳し

 

『無限一突!』

 

不死鳥の様な炎を作り出してオールマイトら3人に放つファルシオン

 

「Shit...限界か…」

 

「オールマイト!」

 

膝を突くオールマイトに駆け寄るのは出久が変身するビルド達

 

「アンタは下がってろ」

 

「ここは俺達に…」

 

「まだまだいけるよな?」

 

「当たり前だ!」

 

「俺も手伝うよ。ライダー同士助け合いでしょ!」

 

爆豪グリス、轟ローグ、マッハ、剣斬に加え、オーズも戦いに加わる。

 

(ワンフォーオール!フルカウル!)

 

ドリルクラッシャーを構えたビルドに緑色の稲妻が走り、身体能力が強化され、ラビットサイドの脚力で地面を蹴るとあっという間にファルシオンの懐に潜り込み、

 

「ニューヨーク!クラッシュ!」

 

ドリルクラッシャーで腹部を突く。

 

「こっ、このッ…」

 

自身の腹部を突く出久ビルドに触れようとするファルシオンだったが、

 

「ツインAPショット!!」

 

ツインブレイカーに自分の汗を溜め込み、爆破を伴った銃弾を2門の銃口から放っていくグリス。

 

「な、なんだよッ…」

 

それが身体に当たる度爆破が生じ、その間にビルドが離脱。

 

『タカ!クジャク!コンドル!タージャードル!!』

 

タジャドルコンボに変身したオーズと轟ローグの左腕からの炎がファルシオンを襲う。

 

「こんなの効かねえ!」

 

炎を無銘剣虚無の力で無効化しつつ防ぐファルシオンに

 

「だったらこれでどうだ!」

 

二刀流形態になった風双剣疾風で剣斬が切りかかる。

 

「お、押されているッ……!!」

 

無銘剣虚無の力は他の聖剣の力を封じることができるというかなり強力なものだが、

剣技では圧倒的に剣斬が上回っていた。

 

「これが俺の強さだ!」

 

剣斬の二本の剣はファルシオンの剣で防ぎ切ることが不可能なほど、ファルシオンの身体に向けて振るわれていき、胸部でクロスするようにして同時に斬撃を浴びせる。

 

「決めるぜ、」

 

『シグナルバイク!シフトカー! ライダー! 』

 

「Let’s 変身!」

 

『マッハ!チェイサー!』

 

マッハの身体が青色のマッハチェイサーに姿を変えて

 

『必殺!フルスロットル!マッハ!チェイサー!』

 

『スキャニングチャージ!』

 

マッハチェイサーとオーズタジャドルコンボが高く飛び、自由落下を活かしながら2人同時にファルシオンにライダーキックを放つ。

 

「この程度!」

 

剣を振るい、ファルシオンは二つの攻撃を防ぐが、

 

『疾風!速読斬!』

 

そのファルシオンの背中を風を纏った剣斬の2本の剣が切り裂き、体制が崩れたことで2つのライダーキックがファルシオンに突き刺さる。

 

「クソっ……」

 

体制が崩れ、剣を手から落としてしまったファルシオンを

 

『クロコダイル!クラックアップフィニッシュ!』

 

炎と氷を纏ったローグの挟み蹴り

 

『ロボット!スクラップフィニッシュ!』

 

「ハウザーインパクト!」

 

爆破による推力で回転しながら威力を上げたグリスの掌からのヴァリアブルゼリーで強化された爆発

 

『ラビット!タンク!ボルテックフィニッシュ!!』

 

グラフでファルシオンを拘束し、ワンフォーオールで威力を上げたビルドの必殺キックが放たれる。

 

「ク、クソッ……!」

 

それを受けたファルシオンは爆発し、爆炎の中から死柄木弔が生身で姿を現す。

 

「先生…先生ッ……!」

 

「観念するんだ、死柄木弔!」

 

その腹部をオールマイトが殴り気絶させる。

 

「彼は私が警察に連れて行こう。あとは任せたよ、緑谷少年、爆豪少年、轟少年」

 

オールマイトは死柄木を連れてこの場から離脱し若い戦士たちはまた戦いへと向かっていく。

 

To be continued




これで無事にファルシオンも撃破です。
次回は三が日の間に出せるように頑張ります。

皆様よいお年を~


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スーパーヒーロー・バトライドウォー part4

謹賀新年
皆様新年あけましておめでとうございます。

完結は近いですが今年もクローズ&エボルのヒーローアカデミア

そして私夢野翔羽真をよろしくお願いいたします。


(3人称視点)

 

「アークオルフェノク、アーク様を助けに行くわよ。」

 

『アークゼロワン!オーソライズ!』

 

「変身」

 

『Final Conclusion!アーク!ライジングホッパー!』

 

『A jump to the sky to gain hatred.』

 

「私こそが、アークゼロワン」

 

赤色のボディが特徴的な仮面ライダーアークゼロワンと彼女が率いるアークオルフェノクは、トウの上部からレーザー光線を放っている衛星アークの破壊を試みている仮面ライダーセンチュリーへの攻撃を試みる。

 

「そうはさせない!」

 

塔からのレーザー攻撃を歯車状のバリアで防いでいるセンチュリーに触手を伸ばして攻撃しようとするアークオルフェノクの背後からインゲニウムの変身する仮面ライダーグレイブが肘のエンジンで加速しながらグレイブラウザーで切りかかる。

 

「馬鹿な!?あなたの様な戦士はいなかったはず……」

 

アークゼロワンにとってインゲニウムの変身する仮面ライダーグレイブは予想できていない存在だった。

急ごしらえの存在だからこそ計算できていなかったのか、肘のエンジンで加速したグレイブに一太刀浴びせられるが、瞬時にアタッシュカリバーを生成して、グレイブを横一閃

 

「兄さん!!」

 

そこに仮面ライダーディエンドが駆け付けてディエンドライバーでもう一太刀振るおうとしたアークゼロワンと大剣を振りかざして襲い掛かろうとしたアークオルフェノクに向けて弾丸を放ち、妨害する。

 

「兄さん?もしかして天哉か?」

 

「僕は天哉って子じゃないよ。僕は通りすがりの怪盗さ。」

 

ディエンドに変身する海東大樹は最初、この現場に現れたグレイブを自分の兄である海東純一であると錯覚したが実際には違った。

自分のことを兄さんだと読んだディエンドをインゲニウムは自分の弟かと一瞬思ったが声から違うことが分かった。

だがお互いを兄弟だと勘違いした後でもディエンドとグレイブ、2人のライダーが背中合わせで立つ。

 

「けどそこの2人だけで私達を止められるかしら。」

 

「いいえ、アズ。あなたは」

 

「俺達2人で止める!」

 

ディエンドらに攻撃を仕掛けようとしたアークゼロワンの前に仮面ライダーゼロワン、飛電或人と彼の秘書であるヒューマギア、イズが現れる。

 

『Let’s give you power!』

 

『ジャンプ!』 

 

『ゼロツ―ジャンプ!』

 

『オーソライズ!』   

 

「「変身!」」

 

『ゼロツーライズ!』

 

『プログライズ!』

 

『Road to glory has to lead to growin'path to change one to two!仮面ライダーゼロツー!』

 

『イニシャライズ!リアライジングホッパー!』

 

『It's never over.』

 

『A riderkick to the sky turns to take off toward a dream.』

 

飛電或人の変身するゼロワンがリアライジングホッパーとなり、イズが変身したゼロツ―と共に並ぶと、2人はそれぞれ脚力を強化し、高速移動

 

「2人はどこッ…キャッ……!!」

 

アークゼロワンもアークを備えた仮面ライダーの一人、相手の動きを予測するなどいとも簡単にできてしまうがその予測をも超えるゼロワンとゼロツ―の攻勢が彼女を襲う。

アークゼロワンが生成したアタッシュカリバーやショットガンの攻撃を容易く避けて、2人同時にパンチやキックを放って背中や腹部、胸部に次々とダメージを与えていく。

 

「いくぞ!イズ!」

 

「ええ、或人社長」

 

『リアライジングインパクト!』

 

『ゼロツ―ビッグバン!』

 

「そ、そんなっ……」

 

高速での移動からの2人の同時の必殺キックをアークゼロワンは防ぎ切れず、2人の足が胸部に到達するとともに後方へ吹き飛ばされてヒューマギアとしての身体ごと爆散する。

 

「こっちもそろそろ本気出さないとね。」

 

グレイブ、さらに途中から戦いに加勢した三原修二の変身する仮面ライダーデルタはアークオルフェノクん攻撃を暫く凌いでいたが、デルタとディエンドの同時の銃撃でアークオルフェノクが怯んだ隙にディエンドはケータッチを起動する。

 

『G4!RYUGA!ORGA!GRAVE!KABUKI!CAUCASUS!ARC!SKULL!』

 

『FINAL KAMENRIDE DIEND!』

 

そしてディエンドコンプリートフォームに変身し、

 

「さて、力を借りるよ。兄さん」

 

『アタックライド!ゲキジョウバン!』

 

ディエンドが1枚のあるカードを使うと、C4、リュウガ、オーガ、グレイブ、歌舞鬼、コーカサス、アーク、スカルの8人の仮面ライダーが召喚される。

 

「俺が2人!?」

 

「お、大きい!?」

 

インゲニウムは自分と同じ姿のグレイブが召喚されたことに、デルタは仮面ライダーアークの3.2mにも巨体に驚いているが、アークオルフェノクが放ってきた光弾をお互いの武器で攻撃して凌ぐと、

 

『クロックアップ!』

 

クロックアップで加速したコーカサスがパンチや、ゼクトクナイガンでの斬撃を次々にアークオルフェノクに浴びせる。

 

『音撃打!業火絢爛!』

 

それに続いて歌舞鬼が翡翠色の音撃鼓型エネルギー波を放つ。

さらにアークが三又槍のアークトライデントを振るい、エネルギー波に苦しむアークオルフェノクを上から突き刺す。

 

『『マイティ』』

 

召喚されたグレイブとインゲニウムが変身したグレイブの2人が同時にエネルギーを纏った刃でアークオルフェノクに切りかかり、

 

『スカル!マキシマムドライブ!』

 

『ファイナルベント』

 

G4のギガントミサイル、スカルマグナムのエネルギー弾、ドラグブラッカーの黒炎と共に放たれるドラゴンライダーキックが次々にアークオルフェノクを襲う。

 

「俺達が決める!」

 

オーガの刃から放たれる衝撃波と共にディエンドのディメンションシュートとデルタのルシファーズハンマーが放たれてこれまで受けてきたダメージとデルタ、オーガの攻撃で受けたフォトンブラッドの毒素があっという間にアークオルフェノクの身体を崩壊させ、怪人の身体は青い炎を出しながら白い灰へと化す。

 

「イズ、あとは任せてくれ」

 

「ええ、或人社長」

 

戦いを終えたイズはゼロツ―ドライバーを飛電或人に託すと一足先にディエンドが作り出した灰色のオーロラカーテンの中に消えていく。

 

そしてその頃

 

「この塔の上部に付いている衛星が諸悪の根源か。」

 

ショッカーの党を守る怪人達とセンチュリーら仮面ライダー達が向かい合う。

 

「ゲソゲソゲソ!ここから先は通さないぞ!!」

 

「いや、こっから先は俺達が俺達のステージだ!!」

 

鎧武やジオウ、セイバーを筆頭とした仮面ライダー達が塔の周りを取り囲む幹部怪人達に向かって突っ込んでいく。

 

『コンプリートフォーム!21!』

 

それを率いるディケイドがコンプリートフォーム21に変身し、

 

『極!』

 

『グランドジオウ!』

 

『ライジングアルティメット!』

 

そのカードの力がライダー達をそれぞれの最強形態へと変えていく。

 

「ゲソゲソゲソゲソ!!」

 

「カラガンダ!!」

 

イカデビル、ガラガンダ、ジャーク将軍らが仮面ライダー達に挑みかかる。

 

「ここは俺に任せてください!」

 

ディケイドの力でライジングアルティメットクウガに変身した五代雄介は手から黒と紫色のオーラを放って3体の怪人を迎撃、一瞬で吹き飛ばした。

 

『シュートベント』

 

『ブラスターモード』

 

『フォーカード』

 

続いてアギトシャイニングフォームのライダーキック、龍騎サバイブの炎弾、ファイズブラスターフォームのフォトンブラッドのレーザー、ブレイドキングフォームの斬撃がショッカーの塔を襲う。

 

「音撃刃!鬼神覚声!」

 

『カブトパワー!ザビーパワー!ドレイクパワー!サソードパワー!』

 

装甲声刃とパーフェクトゼクターが起こす衝撃波が怪人達を一掃する。

 

「電車切り!」

 

「キャッスルドラン!」

 

デンライナーの上に乗る電王ライナーフォーム、キャッスルドランの上に乗るキバエンペラーフォームが他のデンライナーやキングライナー、キャッスルドランやシュードラン、パワードイクサーと共に塔の上にある衛星に向けて攻撃を放つが…

 

「バリアが張られているのか…」

 

バリアがそれらを阻む、

 

『プリズム!マキシマムドライブ!』

 

「「プリズムブレイク!」」

 

『プ・ト・ティラーノ・ヒッサ~ツ!』

 

「セイヤ―!」

 

「ライダー超銀河フィニッシュ!」

 

『ハイタッチ!シャイニングストライク!!』

 

『極オーレ!』

 

ダブルサイクロンジョーカーエクストリーム、オーズプトティラコンボ、フォーゼコズミックステイツ、ウィザードインフィニティ―スタイル、鎧武極アームズのそれぞれのフォームの専用武器での一撃がバリアを打ち砕いた。

 

『フルフルフォーミュラ大砲!』

 

『タノシ―ストライク!』

 

『ハイパークリティカルスパークリング!』

 

『ジーニアスフィニッシュ!!』

 

『キングギリギリスラッシュ!』

 

その間に地上の塔の周囲に残った怪人達をドライブタイプトライドロン、ゴーストムゲン魂、エグゼイドハイパームテキゲーマー、ビルドジーニアス、グランドジオウの必殺技で蹴散らして塔の土台を破壊

 

『ゼロツ―ビッグバン!』

 

『刃王必殺読破!刃王一冊撃!セイバー!』

 

『FINAL ATACK RIDE DE・DE・DE・DECADE!』

 

「「ライダーキック!」」

 

そしてゼロツー、クロスセイバー、ディケイドコンプリートフォーム21、そして仮面ライダーセンチュリーの4人の仮面ライダーによるライダーキックが堕ちていく衛星アークを破壊する。

 

「どうやらテメエの本体、やられちまったようだぜ。」

 

その様子を見ながらアークワンと戦っていた牙竜が変身するクローズマグマ、銃士ブレイブレガシーゲーマー、甘粕アクセルトライアルの3人の戦士達

目の前のアークワンの本体でもある衛星アークが破壊されたのを見て観念しろとばかりにお互いの剣を向ける。

 

「いいや、私とこのベルトがある限り悪意は連鎖する!」

 

アークワンと牙竜達の最後の戦いが今始まる。

 

To be continued




次回アークワンとの決戦

お楽しみに!


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スーパーヒーロー・バトライドウォー part5

おはようございます。
今日は1月5日
正月休みも今日で終わりだという人もいっぱいいると思います。
そういう方は今朝、このお話を読んで笑って頑張っていただけたら幸いです。

なお、本日はゼンカイ脳に浸食されておりますので悪しからず。


(3人称視点)

 

「コイツ!動きを予測してやがる…!」

 

アークワンのスピードと予測能力はアクセルトライアルのスピードを圧倒し、攻撃を防がれてアクセルトライアルに数発の攻撃が放たれる。

 

「甘粕さん!」

 

だがすぐにブレイブが回復しすぐに立ち直る。

 

「本体ぶっ壊されてもまだ強いのかよ…」

 

「あれはあくまで私に力を与えてくれたアークだよ。悪意は伝染する。悪意に本体などないのだよ。そして今は私がアークの総本山!!ここで君達を倒してまた悪意を伝染させればいいだけだ…」

 

アークワンが右の掌で黒い光弾を生成して放つが、

 

「こんなとこでは倒されないっス!」

 

白いオーラを纏ったブレイブのガシャコンソードが切り裂く。

 

「また君にも悪意を植え付けてあげるよ。君の中のドス黒い悪意のお陰で多くの怪人達を生み出すことができたから是非また使わせてもらいたいものだねえ…」

 

「自分の悪意ッ……」

 

一瞬でアークワンがブレイブに詰め寄ってガシャコンソードを掴み。

 

「君は昔イジメを受けていたようだね。そこから色々な悪意が生まれているよ、もっとその悪意をさらけ出したまえ!!」

 

そしてその腕から黒くて禍々しいエネルギーオーラをブレイブに向けて解き放つ。

 

「テメエ!銃士に何しやがる!」

 

ビートクローザーで切りかかるクローズマグマに向けてアークワンがスパイトネガを放って弾き飛ばす。

 

「彼には今私の悪意を流しているところだよ。彼の中の悪意を増大させて再び悪を生み出すのだよ。」

 

「じ、自分はッ……そんなことさせないっス……どれだけの人から悪意を受けても……自分は、自分に善意を向けてくれた…!優しくしてくれた…!そんな人たちを守るために!友達や仲間の善意のために戦うッス!!」

 

「な、なんだと…!?」

 

ブレイブが身体から白いオーラを放ち、アークワンと彼の放つ悪意を跳ね除ける。

 

「そいつは簡単には屈しないぜ、アークワン」

 

そのアークワンにヴァリアブルマグマのエネルギー弾を放つクローズマグマ

 

「そいつは自分がどんな悪意を向けられようと正義のために戦えるガッツがある奴なんだ!テメエの悪意ごときに負ける奴じゃねえ!!」

 

ヴァリアブルマグマを噴射して加速したクローズマグマがマグマを纏った拳をアークワンに打ち込んでいく。

 

「テメエがどれだけの悪意を持ってるかは知らねえけどそんなんじゃコイツ等は倒せねえぜ。」

 

さらにアクセルトライアルも高速で拳を放っていくが、

 

「その程度の攻撃では私を倒すことはできないよ、『空気を押し出す』+『筋骨発条化』+『瞬発力×4』+『膂力増強×3』」

 

一瞬にして宙へ向けて跳躍したアークワンが空から何度も降ってくるようにしてクローズらを攻撃する。

 

「『筋骨発条化』+『瞬発力×4』+『膂力増強×3』+『増殖』+『肥大化』+『鋲』+『エアウォーク』+『槍骨』」

 

そして悪意を纏い、強大化した右腕をライダー達に向けて振るい一気に吹き飛ばす。

 

「このままじゃ勝てねえッ…」

 

「手伝うぞー!援軍全開!!」

 

さらにもう一発拳を放とうとした所をゼンカイジャーの5人が受け止める。

 

「ア、アンタらは…」

 

「俺達は機界戦隊ゼンカイジャー、まあ、仮面ライダーとはまた違うヒーローって感じだな…」

 

クローズマグマの問いかけにゼンカイジャーのメンバーの1人、恐竜を模した赤い戦士のジュランが答える。

 

「ねえねえ一輝!なんかアイツ腕デカくなっててチョーキモイ!倒しちゃわない!!」

 

「ああ、倒すぜ!バイス!」

 

「誰の腕が気持ち悪いって?」

 

仮面ライダーリバイとバイスも駆けつけるがアークワンの左腕も個性の力で巨大化させて両腕を振るうことで駆け付けたヒーロー達を蹴散らす。

 

「つ、強すぎんだろ…」

 

一度アークワンに敗北した牙竜だが、二度目の敗北は絶対にしない、そう胸に近い立ち上がる。

 

「ねえねえ、セッちゃん!何かいいギアある?」

 

ゼンカイジャーは45のスーパー戦隊を模したセンタイギアで歴代のスーパー戦隊の力を使うことができる。

 

『なんかよく分からないギアがあるチュンね、使ってみるッチュ!』

 

そして彼らは自分達にセンタイギア使用のサポートをしてくれている鳥型ロボットのセッちゃんがゼンカイジャーに新たに現れた特別なギアの使用を促す。

 

「見たことないギアだな~」

 

『トクベツバーン!』

 

『ヒプノシスマイク!』

 

ギアを入れたゼンカイザーのギアトリンガーから5本のマイクが現れて何人かの戦士たちの手に渡り、どこかから音楽が流れ始める。

 

※ここからゼンカイ空間(台本形式)始まりますご注意を

 

バイス「掲示するこのbasic!基本のキの字 Follow the leader 真似て覚えんだ力無きリーダーじゃ泣き寝入りだ。」

 

リバイ「バイス?お前何急にラップ始めてるんだ?」

 

バイスが突然赤いマイクを手にしてラップをし始めると背後にいくつかスピーカーの様なものとミキサーが現れて宙に浮き、バイスのラップに奏でるように音を響かせている。

 

バイス「いいか?もう一度言うか自力でSurviveできなきゃヤバいぜ。谷から這い上がる子ライオン、頂から見た夜明け御来光!」

 

ジュラン「縄張り(シマ)の奪い合い言葉のステゴロ捨てるほど浴びるゴロツキの寝言」

 

ガオーン「な、なんでジュランまで!?」

 

バイスがラップを終えたかと思えば、今度はゼンカイジャーのジュランが突如スタンドマイクを手に持ち、ラップを初めてこれには仲間たちも困惑する。

 

ジュラン「本音で耐えろ無用な別人格(オルタ―・エゴ)表も裏も無いぜいつまでも、不躾は高くつく利子つけて取り立てんだなあなあじゃないぜ。」

 

骸骨を模したスピーカーが宙に浮いており、ジュランのラップの歌声を響かせる。

 

ジュラン「それだけのもん持ってったんだ!なぁなぁそこんとこ解ってんのかよ?」

 

牙竜「光ファイバの因陀羅網(いんだらもう)死んだらもう一度武装する僧兵!スピード感でドカンと説くからついて来やがれ、そこの内弁慶!」

 

バイス、ジュランに続きクローズマグマに変身する牙竜までマイク片手にラップを始めて龍を模したスピーカーから牙竜の声が増幅してこの場にいる者達の耳に届く。

 

ブルーン「どうしてあなたまでラップを始めるんですか!?」

 

これにはゼンカイジャーの青色担当のブルーンも困惑している。

 

牙竜「厭穢欣浄(えんえごんじょう)永遠に問答六文銭代わりに録音しやぁ、閻魔天(えんまてん)よりヒプノシスマイク!授かり代わり司るお前の運命!!」

 

銃士「朧月夜(おぼろづきよ)消された希望でも、心ぶちのめされた誹謗でも、詩歌(しか)として記す暗黒星雲(あんこくせいうん)シカトだ阿鼻叫喚(あびきょうかん)のフレーズ!」

 

豚のぬいぐるみを模したマイクを片手に仮面ライダーブレイブに変身している銃士も厨二的言動をする時と同じ声のトーンでラップを始める。

 

マジーヌ「もう最早ツッコめないッス…」

 

メルヘンチックな家形のスピーカーを背にラップする銃士にゼンカイジャーの紅一点のマジーヌも困惑している。

 

銃士「人皮装丁(じんぴそうてい)ライムノート!まるで蜃気楼、後悔・苦悩と悪魔と交換したこのフロウを!秤(はかり)に預け闘うのさ今日も!」

 

政信「特にアイツにゃ負けらんねえよ!結局根っこは曲げらんねえよ!俺の中のこの通奏低音"逃げ道あらすか"っつう想定よ!」

 

界人「このギアどうなってんの!?」

 

さらには仮面ライダーアクセルこと甘粕政信も暴走族のバイクの様なスピーカーを背にラップをし始めて、ギアを使った張本人であるゼンカイザーこと五色田界人もギアの効果に唖然としている。

 

政信「掻き鳴らす六弦と六法!脱法スレスレロッケンロー!Oh my God, Yes!こそばいが誓うぜ俺のロカビリーの神に!」

 

『喜怒哀楽Spit it out!する理由(ワケ)ここに全てある!きっとこの身は壊れるけれど、天に唾吐く何処(どこ)までも高く!』

 

ここまでラップをしてきたバイス、ジュラン、クローズ、ブレイブ、アクセルの5人が一斉に歌い始めると彼らの後ろに生成されたスピーカーが集まって合体し一つのエネルギーの塊になり、

 

『今不甲斐なくDrop Out!する理由(ワケ)もはや何処(どこ)にある?勝ちもぎ取り、逃げ蓄えた天に捲土(けんど)すヒプノシスマイク!韻と韻が繋いだそのヒント!ピント合わせ映し出すマインド!』

 

彼ら5人が歌い終えるとスピーカーが合体してできたエネルギーの塊がレールガンに変形し、銃口から稲妻が放たれてアークワンに直撃する。

 

『予測不可能…演算不可能……』

 

「あ、頭がッ……」

 

稲妻が直撃するとアークワンの身体が火花を散らし始めて頭を押さえる。

 

「な、なんか攻撃効いたんだけど!?」

 

『それはヒプノシスマイクの効果ッチュ!ヒプノシスマイクはラップのリリックで相手の精神に干渉するマイクッチュ!多分それがあのベルトの回路を狂わせれたみたいッチュ!』

 

「だったら今が攻め時だ!バイス!一気にいくぜ!」

 

『リミックス!』

 

『バディアップ!必殺!繰り出す!マックス!レックス!』

 

バイスを下にリバイが組体操のサボテンのような体制で乗り、アーマーが変形してTレックスのような姿に変化する。

 

「俺達も!」

 

ゼンカイザーが歴代スーパー戦隊の横顔が描かれた銃を取り出す。

 

「決めるぜ!」

 

『トライアル!』

 

アクセルトライアルがマキシマムカウンターを発動すると目にも止まらぬ速さで、混乱状態のアークワンに一気に詰め寄り、T字状のキックを連続でアークワンに放ってベルトや頭部、関節と言った箇所に次々にダメージを与えていき

 

『マキシマムドライブ!』

 

マキシマムドライブ発動から10秒で加速は終わる。

アークワンの身体にトライアルメモリのエネルギーによるダメージが蓄積すると、

 

『レックス!スタンピングフィニッシュ!』

 

スタンプ型のエネルギーを高く宙に飛んだリバイスレックスの足が纏い、アークワンに向けてキックを放つ。

 

「ぐっ……身体がッ……!」

 

ヒプノシスマイクによる攻撃はアークワンの予測機能、演算機能などの機能を停止させてスペックをかなり弱化させている。

変身者のオールフォーワン自身もヒプノシスマイクで精神に攻撃を受けてしまい、避けることができずにリバイレックスによる蹴りを受けてしまい、

 

『タドルクリティカルフィニッシュ!』

 

さらに追い打ちをかけるように、タドルレガシーのガシャットを装填したガシャコンソードによる斬撃がアークワンの腹部を切り裂いた。

 

「皆行くよ!」

 

『燃やせ!スーパー戦隊パワー!』

 

ゼンカイジャーの5人が縦一列に並び、先頭に立つゼンカイザーがゼンリョクゼンカイキャノンを構える。

 

『ゼンカイ!ゼンカイ!』

 

「「「「「ゼンリョクゼンカイフィナーレバスター!!」」」」」

 

『ダイ・ダイ・ダイゼンカイ!ババババーン!ドドドドーン!』

 

ゼンリョクゼンカイキャノンの銃身からスーパー戦隊の歴代戦士達の顔を模したエネルギーが収束し、ゼンカイザーの顔を模したエネルギーに変化してアークワンの身体に直撃してダメージを与える。

 

『ハザードオン!』

 

『ボルケニックモード!!』

 

クローズマグマがビルドドライバーにハザードトリガーを挿すとヴァリアブルマグマとマグマの龍を纏ったクローズマグマが

 

『ボルケニックフィニッシュ!アーチャチャチャチャチャチャチャチャチャアチャー!』

 

アークワンに向けてライダーキックを放った。

 

「馬鹿なッ…!馬鹿なァッ……!!」

 

マグマを纏ったクローズマグマの蹴りを受けたアークワンは大爆発を起こす。

 

「これで勝ったのか…」

 

クローズマグマは一瞬勝利を確信した…

 

「いや、まだだ……」

 

だがアクセルトライアルの目にはまだ立ち上がるアークワンの姿があった。

 

「だったら仕留めるだけだ!」

 

アークワンに向けてクローズマグマが突撃しようとしたところ、マンモスの様な巨体を誇るロボットに妨害される。

 

「間に合ったようだね、マンモスメカそれにネオ生命体」

 

アークワンの窮地に駆けつけたのはネオ生命体と彼に追従するマンモスメカだ。

 

「さあ、悪意はまだまだ終わらない。第2ラウンドだ!」

 

To be continued




ということでうっかりヒプノシスマイクと声優ネタをぶっこんでしまいました

私の趣味だ、良いだろう?

ネタ解説
バイス
声優の木村昴さんがヒプマイで山田一郎を演じている。
ジュラン
声優の浅沼晋太郎さんがヒプマイで碧棺左馬刻を演じている。
牙竜
イメージCVの葉山翔太さんがヒプマイで波羅夷空却を演じている。
銃士
イメージCVの榊原優希さんがヒプマイで四十物十四を演じている。
政信
イメージCVの竹内栄治さんがヒプマイで天国獄を演じている。

彼らがラップしたのも各々のキャラのパートです。

もし良かったら公式の方も聞いていってください
https://www.youtube.com/watch?v=gc9ZDehc1yY


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スーパーヒーロー・バトライドウォー part6

遅くなってしまって申し訳ございません。
三連休体調不良で全然執筆が執筆が出来ませんでした。

この話で最終決戦もラストでございます。
皆さん楽しんでいってくださいね〜


(3人称視点)

時を少し遡る。蛇腔総合病院にて

 

「ここが敵のもう一つの基地のようですね。」

 

「その様だな、」

 

「とっとと制圧しようぜ!」

 

ここの地下にはオールフォーワンの協力者の一人である氏子達磨による脳無工場があったがそれを突き止めたエンデヴァー、ミルコを中心としたプロヒーローの別動隊と仮面ライダーブレンが制圧のために突撃していた。

 

「ココハ…トオサン……」

 

ここの工場の脳無研究はかなり進んでおり、知能があり言葉を発することができる個体も複数体いるが、

 

「ライダー!毒手~」

 

毒を纏ったブレンの手が脳無の強靭な体を次々に溶かしていく。

 

「月堕蹴(ルナフォール)!」

 

「赫灼熱拳ジェットバーン(かくしゃくねっけんジェットバーン)!」

 

ヒーロー達も次々と脳無達を撃破していき、氏子を追い詰める。

 

「まだじゃ!マンモスメカがあるはず…」

 

氏子には切り札があった、

それはショッカーから与えられたマンモスメカだった、

それさえ起動すればきっと自分を守ってくれる、そう思って研究所内のガレージに駆け込むが…

 

「何故じゃ!何故マンモスメカが無いのじゃ!?」

 

あるはずのマンモスメカがそこには無かった。

 

"これ借りていくねおじいちゃん"

 

そこにはネオ生命体が残したメモが残っていた。

 

「そ、そんなあ……」

 

「確保だ!」

 

ネオ生命体にマンモスメカをくすねられていた氏子はあっさりと確保されてしまった。

そして場所は神野の戦場に戻る。

 

『トドメだぜ、ドラス君』

 

『Ready Go!』

 

『ブラックホールフィニッシュ!』

 

仮面ライダーエボル・ブラックホールフォームの掌の上で生成された小型のブラックホールがドラスと彼を囲む怪人達に向けて放たれて彼らを一掃したかのように思われたが……

 

「おじさん、強いね」

 

ドラスの体そのものは破壊できたがそのコアであるネオ生命体のエネルギー体はまだ残っていた。

 

『お前もすぐあの世に送ってやる。そこで待っておけ』

 

「そういう訳にはいかないよ」

 

ネオ生命体を狙ってエボルが拳を放とうとしたその時だった、

 

『マンモス!?』

 

ネオ生命体が氏子からくすねていたマンモスメカが地面を突き破って現れてエボルを突き飛ばした。

 

「いくよ、マンモスメカ」

 

そしてネオ生命体とマンモスメカは膝を突くオールフォーワンこと仮面ライダーアークワンの下に駆け付ける。

 

「間に合ったようだね、マンモスメカそれにネオ生命体」

 

アークワンの窮地に駆けつけたネオ生命体と彼に追従するマンモスメカ。

 

「さあ、悪意はまだまだ終わらない。第2ラウンドだ!」

 

そして立ち上がるアークワン相手に

 

『いいや、ここで終わらせるさ。』

 

「その通り!ここでアークはゲームオーバーだ!」

 

先程までアークワンと戦っていたクローズマグマ、ブレイブレガシーゲーマー、アクセルトライアルに加えて、エボルブラックホールフォーム、ゲンムゴッドマキシマムゲーマーが立ち向かおうとするが……

 

『ネオ生命体、私の悪意を吸収しなさい。』

 

「アークよ、何を言っている?」

 

突如アークドライバーから黒い稲妻が放たれて変身者であるオールフォーワンが動けなくなる。

 

『衛星は破壊され、私とオールフォーワン、あなたも一度敗北した。仮面ライダーも多数いる。なら勝つための手段は私達がネオ生命体の栄養源となり最強の怪人を作り出すことのみだ。』

 

「な、なんだとッ……!そんなこと……!!そんなことをすればッ……!!」

 

魔王と言われる強力なヴィランオールフォーワンでもアークの決めた運命には抗えずアークドライバーによって動きを拘束され、ただ怯えながら死を迎えることしかできなかった。

 

「じゃあ、いただきまーす」

 

ライダー達がアークワンの身体を攻撃しようとした瞬間

ネオ生命体のエネルギー体があっという間にアークワンをオールフォーワンごと吸い込んだ。

 

『マイスラーニングアビリティ』

 

『「悪意」「恐怖」「憤怒」「憎悪」「絶望」「闘争」「殺意」「破滅」「絶滅」「滅亡」ラーニング』

 

『個性:オールフォーワンラーニング』

 

ネオ生命体の加エネルギーの色が生物的な黄緑色から黒色に変化し、アークと同じ声を発しながら宙に浮く。

 

『アークの力がネオ生命体に引き継がれたってことか…』

 

「だったらアレを潰せば…」

 

クローズマグマがビートクローザーを構えて変化していくネオ生命体に切りかかろうとしたが、それをマンモスメカの巨体が阻み、そのマンモスメカをもネオ生命体が吸収した。

 

「デカいのが来るぞ!」

 

「な、なんて大きさッ…」

 

黒く変化したネオ生命体がマンモスメカを包み込むように吸収し、黒い球状になるとそれを突き破るように最強の怪人の巨大な体が出現する。

 

「こりゃバッタだな…」

 

下半身はほぼバッタ、ただし本来はバッタの頭部があるはずの所には衛星アークが付いていて胸部の背部分からはアークワンを歪な形にしたような人型の上半身が付いており、その身体はみるみるうちに大きくなり、この場にいる仮面ライダーで最も巨大なJに匹敵するほど巨大になった。

 

『かなりデカくなりやがったな…』

 

「ここで死ね!仮面ライダー!」

 

アークとオールフォーワンとマンモスメカを吸収したネオ生命体が変貌した怪物、アルティメット・アークの巨大なバッタ型下半身の後ろ脚を支えに、かなりの大きさの前方の足を振り下ろしてクローズらを踏みつぶそうとする。

 

「させない!」

 

だがそれをライジングアルティメットクウガ、五代雄介が拳1つで受け止める。

 

「この世界の人達の笑顔も守ってみせる!」

 

ライジングアルティメットクウガが黒色のエネルギー波をアルティメット・アークの前足に放ち、仰け反らせると

 

「それでこそ仮面ライダーだ!どの世界の人々も我々が守る!」

 

その姿を見て、仮面ライダーの原点でもある仮面ライダー1号、本郷猛を始めとしたライダー達がアルティメット・アークに襲い掛かる。

 

「愚かな仮面ライダーよ!滅亡せよ!!」

 

クウガ、1号の攻撃を連続で受けたアルティメット・アークはトリロバイトマギアの大群を生成し、自らの体内から次々と解き放って仮面ライダー達を襲わせる。

 

「この雑兵共は我々に任せてくれ!」

 

「君達はその間にこの怪物の本体を…」

 

「この怪物のことを止めてくれ!」

 

1号、クウガ、ゼロワンらがクローズらに後を託してトリロバイトマギアの軍勢に突撃していく。

 

『まだいけるよな?』

 

「当たり前だ!」

 

エボルとクローズ、そしてブレイブらがアルティメット・アークに立ち向かうために刃を構えた時だった、

 

「おっと、牙竜。それにこっちの世界のエボルトだな?」

 

「ぼ、僕と同じ…ビルド!?」

 

クローズとエボルにジーニアスフォームに変身したビルドが話しかけ、緑谷出久が変身するビルドがその様子に驚いている。

 

「君がこの世界のビルドか。牙竜達を頼んだよ、それからこれ」

 

ジーニアスビルドが牙竜にとあるボトルを投げ渡す。

 

「頼んだよ、牙竜」

 

「任しとけ!」

 

『マッチョォ!』

 

『フィーバー!』

 

『『マッスルギャラクシー!!』』

 

『ブルァ!』

 

『チャオ!』

 

牙竜がマッスルギャラクシーボトルを起動し、ビルドドライバーに装填

レバーを回すとビルドドライバーから素体を形成するランナーが現れて、そこに黒い粒子になったエボルトが入り込む。

 

『Are you Ready?』

 

『「変身!!」』

 

『『銀河無敵の筋肉ヤロー!クローズエボル!』』

 

『パネーイ!』

 

『マジパネーイ!!』

 

そしてクローズの姿がエボルブラックフォームとクローズが融合したような姿に変わる。

 

「俺も続くぜ」

 

『アクセル!アップグレード!』

 

アクセルも牙竜に続くようにアップグレードモジュールを使いアクセルブースターに変身する。

 

「『お前らいくぞ!!』」

 

「「「おう!!」」」

 

「穿天氷壁!」

 

クローズエボルの号令と共に轟の変身するローグの右腕から作り出される山の如き氷の塊がアルティメット・アークの下半身の前面を凍らせるとともに足場を作り出す。

 

「オラオラァ!」

 

「スマーッシュ!!」

 

足場から飛び立った爆豪グリスの連続での爆撃と出久ビルドの連続キックが敵の腹部に向けて放たれていく。

 

「テメエら!力を貸してくれ!」

 

クローズエボルのビートクローザーにグレートドラゴンエボルボトルが装填され、

 

『ヒッパレー!』

 

「焦凍!」

 

イコライザーを引っ張られて金色に光ったビートクローザーが轟ローグの手に投げ渡される。

 

「下間ッ…俺はまだ忘れていないぞ。お前と本気で戦った時のことを!」

 

ローグがそれを両手で握ると右腕に氷、左腕に炎を纏い、その2つをビートクローザーに流し込み。

 

「水流連斬!」

 

氷を炎で溶かし、体育祭の時の様に水を作り出しそれを纏ったビートクローザーの斬撃をアルティメット・アークに向けて放っていく。

 

「小癪なあ!」

 

アルティメット・アークが脇腹からいくつもの触手を出してライダー達を叩き落そうとするが、

 

「爆豪!」

 

「おう!」

 

ローグが上に向けて投げたビートクローザーをグリスがキャッチしながら掌からの爆撃で触手に対処し、

 

「アイツは俺の道を正してくれた、けど次は俺が追っかけてぶっ飛ばす番だ!!」

 

腰を捻り、左手から何発もなく発を起こしその推進力で反時計回りに回転しながらグリスの右手でしっかり握りしめられたビートクローザーが触手やアルティメット・アークの身体に叩き付けられていく。

 

「出久!」

 

そして今度は右手で爆発を起こしその勢いでビートクローザーを上に投げ、ビルドに渡す。

 

「かっちゃん!」

 

ワンフォーオールを全身に張り巡らせながら出久ビルドは触手やアルティメット・アークの身体の突起部分の上を飛び回りながら打撃やビートクローザーでの斬撃を加えていく。

 

「牙竜君はいつも僕を励ましてくれてた、だから今度は僕が助ける番だ!」

 

何度かビートクローザーでアルティメット・アークに切りつけたビルドが一度ホークガトリングにビルドアップし空中に退避した時、

 

「次は俺の番だぜ、」

 

「甘粕さん!」

 

アクセルブースターがビルドの横に並びように飛び、ビートクローザーを渡されるとアルティメット・アークに向けて加速

 

「牙竜ゥ!テメエは俺が知ってる中で一番根性ある奴だ!早くプロになって俺に勝ちに来い!」

 

エンジンブレードとビートクローザーのそれぞれの重い一撃をアルティメット・アークの職種や身体に次々に叩き付けていく。

 

「コズミッククロニクル!」

 

ビートクローザー攻撃に続く様に何故か宙に浮いているゲンムゴッドマキシマムゲーマーの放った隕石がアルティメット・アークの身体に次々と堕ちていく、

 

「ほらよ!神さん!」

 

「任せたまえ!」

 

マキシマムゲーマから切り離されるようにゲンムレベル0の姿をした黎斗・神が射出され、アクセルブースターからビートクローザーを受け取ると

 

「下間牙竜ゥ!君も銃士君に並ぶ程強い戦士だったよ、君の成長も見てて楽しかったよ、一度手合わせ願いたいね。」

 

迫りくる触手を全て切り裂き、アルティメット・アークの背後に回ったマキシマムゲーマーが触手の根元である左脇腹に拳での連撃を放ち、ゲンムがビートクローザーから右脇腹に向けて斬撃を放って触手を全滅させると、

 

「銃士君!」

 

「黎斗さん!」

 

黎斗・神は自身が感染している甲斐銃士の変身するブレイブレガシーゲーマーに投げ渡す。

 

「牙竜君は自分のことを変えてくれた…!自分に勇気をくれたッス!」

 

白い羽を生やし、白いオーラを纏いガシャコンソードとビートクローザー二本の剣を携えるその姿はまるで戦う天使

その2振りの剣から放たれる斬撃を受けたアルティメット・アークは体の各部が次々に凍っていく。

 

「我が最高の友よ!共に栄華を極めようぞ!!」

 

そしてガシャコンソードを裏返すと斬撃が炎を纏い、火炎によるダメージがアルティメット・アークに襲い掛かる。

 

「牙竜君!」

 

ローグ、グリス、ビルド、アクセル、ゲンム、ブレイブ、6人の仲間の思いを乗せたビートクローザーは遂にクローズエボルの手に収まり、クローズエボルの手の中でイコライザーがさらに2回引かれる。

 

『ヒッパレー!ヒッパレー!』

 

「何故だ!何故仮面ライダーは私に抗うのだ!?」

 

「決まってるだろ、」

 

『「守りたい笑顔がここにあるからだ!!」』

 

『メガスラッシュ!』

 

自分にここまでつないでくれた仲間達、牙竜の恋人の百や他のクラスメイトら自分の帰りを待つクラスメイト達、そして自分達が守るべきこの世界の人々、彼らの笑顔の為というアルティメット・アークの問いかけに応えるように振るわれたビートクローザーでの一撃は七色の斬撃となりアルティメット・アークの強靭な外骨格を縦一閃に切り裂き、胸部にできた裂け目からは心臓部、コアともいうべき物体が露出していた。

 

「アレを壊せば勝てるぜ。」

 

『そうみたいだな。今までありがとな、牙竜』

 

『クローズサイド!』

 

「何言ってんだ?まだまだ俺達コンビ同士だろ?」

 

『だな、じゃあこれからもよろしくな、』

 

『エボルサイド!』

 

「おう!」

 

『ダブルサイド!』

 

クローズエボルはビルドドライバーのレバーを回しながらクローズマグマナックルに先ほどビートクローザーに装填していたグレートドラゴンエボルボトルをクローズマグマナックルに挿入する。

 

『Ready Go!』

 

『ボルケニックナックル!』

 

『マッスルギャラクシーフィニッシュ!』

 

クローズ、エボルそしてマグマの力を纏ったクローズエボルがアルティメット・アークのコアまで一気に飛び進んでクローズマグマナックルを付けた右腕を突き立てる。

 

「ここまで来ても無駄だよ、お兄ちゃん」

 

だがそのコア自身であるネオ生命体が強固なバリアを張りそれを阻む。

 

「人間に気持ちがある限り悪意は消えないよ。」

 

「確かに悪意って感情は消えねえ、けどそれに勝る正義と仲間があれば人は何度だって前に進める!悪に落ちねえ!!正しく生きれるんだ!!!」

 

クローズマグマナックルから8体のドラゴン型のエネルギーが現れる。クローズマグマナックルから現れたものならば8体全てがマグマを纏っているが、マグマを纏っているのは一体だけ。

炎と氷を纏うドラゴン、爆撃を纏うドラゴン、緑色で青いイナズマを纏うドラゴン、加速のエネルギーを纏う赤いドラゴン、紫色のゲームのエフェクトを纏うドラゴン、白い聖なるエネルギーを纏うドラゴン、そして白と黒のブラックホールのエネルギーを纏うドラゴン

牙竜と彼の仲間達を象徴するかのようなドラゴン達が次々に現れて牙竜と共にコアに突っ込んでいき、

 

「これで終わりだあああぁぁぁぁぁ!!!」

 

クローズエボルの拳はバリアを突き破り、ドラゴン達とと共にアルティメット・アークのコアに撃ち込まれた。

 

「どうやらやったみたいだな。」

 

その威力は凄まじく、クローズエボルの放ったエネルギーはコアを破壊しそのままアルティメット・アークの背中の外骨格すらも破壊し風穴を開け、クローズエボル自身はその穴から飛び出してくる。

それによりトリバロイドマギア達は動きを停止し崩れ落ち、ディケイドが飛び出してくる牙竜の様子を1人見つめていた。

 

「それじゃあ仮面ライダーの皆さんもご一緒に!3!2!1!ドカーン!」

 

勝利を確信したバイスのカウントダウンが終わると共に限界を迎えたアルティメット・アークの身体が大爆発。

それを背にクローズエボルが地面に着地をすると戦いの勝利を示すように自信の右手の拳を天に向けて突き上げた。

 

To be continued




最後の戦いは電王の最終回をリスペクトしてみました

アルティメット・アークは大きくなったアナザー新1号みたいなイメージですね。
ただバイク要素がなくなって1号要素がドラス風に変わったって感じです。

そして次回!最終回でございます。
次回の更新もお楽しみに〜


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未来へ

皆様遂にこの日が来てしまいました。
最終回でございます。
終盤は体調不良で待たしてしまうことが多くて申し訳ございませんでした。
では早速本編開始です。


(3人称視点)

 

"歓喜"の2文字が日本国中を駆け巡った。

 

「牙竜さん…やりましたわ!!」

 

病院のテレビの前で、八百万百を中心とした雄英高校1年A組生徒達は各々の身体を使って喜びを表していた。

ガッツポーズをする者、同級生と抱き合う者、涙を流す者、三者三様の喜び方をしている生徒達を病院の職員や他の患者も止める気になれなかった。

 

「これで一件落着ですわね……」

 

歓喜の涙を流す八百万の瞳にはテレビの中で天高くこぶしを突き上げるクローズエボルの姿があった。

 

「やったな、牙竜!」

 

勝利を収めたクローズエボルの下に彼の仲間たちが駆け寄る。

普段は冷静なアクセルも喜びを隠し切れずパンパンとクローズの背中を叩いている。

 

 

「流石だな、この世界の仮面ライダー達は」

 

その彼の目の前にはディケイドを中心に各世界から駆け付けた仮面ライダー達が並んでおり、100を超える彼らの姿を一度に拝むのは壮観であろう。

 

「おうよ!いい仲間達だろ?」

 

「まあな、これならこの世界はお前たちに任せても大丈夫だな。」

 

そう言うとディケイドやライダー達は自分の背中に現れた灰色のオーロラカーテンの中に消えていく。

 

「さて、俺達もそろそろ帰るよ。」

 

桐生戦兎らが変身を解除し、牙竜達も変身を解きそれぞれの素顔で対面する。

 

「おお!良いシャツじゃないか!」

 

「あ、ありがとうございますっ……」

 

氷室幻徳はビルドの鎧を脱いだ出久のシャツを見るとニコニコという擬音が似合うような笑顔を見せて近づいてくる。

"ネルシャツ"と書いてあるだけのTシャツと"2枚目気取りの3枚目"と大々的に書かれたTシャツの共演に爆豪らは少し引いている。

 

「俺も一着貰ってるぜ。」

 

スカジャンを開けて"不退転"と書かれたTシャツをさらけ出す牙竜に爆豪達はまた唖然としている。

 

「出久も牙竜も今度俺と服買いに行くぞ!!」

 

「え、どうして?」

 

そして流石の爆豪も我慢できず2人を服屋に連れていくことにし、それを出久が疑問に感じるも

 

「テメエはともかく牙竜!お前女いるならそんな服着てんじゃねえ!」

 

「わかった、わかった、百の前ではこういうの着ねえから」

 

「なんでだ?いいデザインなのに」

 

「「え?」」

 

幻徳流の服のデザインを否定する爆豪に対して肯定的な意見の轟

一瞬場が凍り付いてしまうが……

 

「ま、まあその辺は個人の自由って奴だな。」

 

「確かにな」

 

甘粕と猿渡の大人2人がその様子を温かく見守っていると…

 

「そろそろ俺達も帰る時間だな。」

 

桐生戦兎達の後ろにも灰色のオーロラカーテンが現れると万丈が牙竜に手を振り、

 

「じゃあな、牙竜!お前カッコよかったぜ!また会おうな!」

 

「おう!」

 

「難波ステッキしっかりと広めてくださいね!」

 

「任しとけ!」

 

牙竜が内海に貰った難波ステッキジーニアスを見せると満足そうな表情で戦兎達はオーロラカーテンの中に消えていく。

 

『じゃ、俺達も帰るか。皆の所へ』

 

その後、オールフォーワンの死亡が確認され、死柄木弔、氏子達磨(本名:殻木球大)、黒霧らヴィラン連合の主要メンバーが逮捕されてヴィラン連合は壊滅

一方のオールマイトは新・檀黎斗・神からの治療を受けて全盛期並みの肉体とパワーに戻り、エンデヴァー、ホークス、ベストジーニストらと共に残党処理や新たなヴィランとの戦いで活躍

黎斗・神が作ったグレイブなどのライダーシステムを使うインゲニウム達の活躍もあってショッカーによって乱れた治安を回復するのに時間はかからなかった。

そしてヒーローを育成する雄英高校では生徒の身辺の安全のため、夏休み明けから全寮制が始まっていた。

 

「つーわけで、全員仮免取得おめでとー!!」

 

「「「おめでとー!!!」」」

 

それからすぐに雄英高校の1年A組はプロヒーローの仮免試験を受験し無事に全員合格していた。

寮生活ということもあってその日の夜はファミレスのパーティーメニュー等をそれぞれが持ち寄ってのパーティーが行われていた。

 

「すごかったですわ、牙竜さんのご活躍!」

 

「まあな、」

 

『なんせマグマで橋を作っちまうんだからな。』

 

各々がこの日の自分の活躍を振り返っていて、牙竜とその彼女の八百万、そして相方のエボルトも例外ではなかった。救助試験で牙竜のクローズマグマがヴァリアブルマグマを固めて橋を作った一幕について触れていた。

 

「俺のマグマも戦うためだけじゃなくて人を救うためにも使っていかねえといけねえからな。TDLで特訓した甲斐があったぜ。」

 

寮生活と同時に始まった雄英高校内の施設『TDL(トレーニングの台所ランド)』での訓練で牙竜達雄英生は新たな技を習得したり、もともと持ってる技や自分の個性自体を伸ばしたりして自信をより強化していた。

 

『救う力か。それで言ったら銃士達も凄かったそうだな。』

 

「回復能力だろ?羨ましいぜ。」

 

「救うという面では甲斐さんは今後の飛躍が大きく期待されますわね。」

 

『聞いたところによると黎斗・神がオールマイトの古傷を直したらしいな。』

 

仮免試験で最も注目されたのは銃士の変身するブレイブレガシーゲーマーの持つ回復能力だった。

怪我人たちをあっという間に回復してしまう銃士の活躍は別会場であったA組のメンツの耳にも届いていた。

 

「だったらおもしれえじゃねえか!」

 

突然飯を食う手を止めて牙竜が立ち上がる。

 

「それでこそ俺のライバルだ!燃えてきたぜ!!」

 

牙竜の心は燃えていた。ショッカーを倒した後の彼の眼にはナンバー1ヒーローという新たな目標ができていた。

それに向けて普段から鍛錬を欠かしていなかった。

 

『新しいヴィランも出てくるだろうしな。まだ気は抜けないぜ。』

 

エボルトの言う通り新しいヴィランはまだまだ現れる。

 

数週間後…

 

「テメエら、突撃だ!」

 

「「「おう!!」」」

 

情緒すら感じる和風建築の庭園

そこに集うスーツの男たちに対して仮面ライダーグリス、キャッスル、スタッグ、オウルの3体のハードスマッシュが先陣を切り雪崩れ込んでいく。

この和風家屋を拠点としているのは指定ヴィラン団体の死穢八斎會

その構成員たちは組長の孫娘である壊理の個性と肉体を利用し個性を消す弾丸を作っていることが発覚。

プロヒーロー合同チームとヒーロー事務所にインターンで訪れていた雄英生達に一気に攻め込まれていた。

 

「烈怒頑斗裂屠!」

 

「ターゲットエレクト!」

 

「テープショット!」

 

その中でも自らの腕を硬化し敵に殴りかかるキャッスルハードスマッシュ、上空からポインターを投下し、それに向けて電撃を放つオウルハードスマッシュ、肘からセロハンテープのようなテープを出して敵を拘束するスタッグハードスマッシュの3体の活躍は著しかった。

そして彼らに続くようにビルド、ローグ、クローズマグマ、エボルブラックホールフォームの4人のライダーも現場に駆け付け、ビルドとローグはプロヒーロー達と共に建物の中に入っていく。

 

「テメエら!先に行くぜ!」

 

『ここは任せたぜ~』

 

クローズとエボルは近道をしようと、2人の拳で地面に大穴を開けて一気に地下深くに太陽の光を齎す。

そして、彼らハードスマッシュの正体は雄英生の切島、上鳴、瀬呂である。

彼らと爆豪の変身するグリス、それにリューキュウらプロヒーローがいればこの場で自分達が先に突撃しても問題ないと信じ先に進もうとする。

 

「おうよ!」

 

「ここは任せとけ!」

 

「早く女の子助けて来いよ!」

 

「すぐに追いつく!」

 

グリスら4人の激励を受ける牙竜達

 

「おうよ!じゃあ行くぜ!」

 

「ちょっと待て!」

 

そして穴からいざ地下へ行こうとするクローズマグマを止める声があった。

 

「テメエの今の保護者は俺だ。俺抜きに突撃するなんて許さねえからな。」

 

それは牙竜達のインターン先のヒーローである仮面ライダーアクセル、甘粕政信の声だった。

 

「我が友よ!この我を置いては行かせんぞ!」

 

「私の神の力でェ!一瞬にして敵を滅ぼしてやろう!!」

 

さらにその横には銃士のブレイブレガシーゲーマーと黎斗・神のゲンムゴッドマキシマムゲーマーもいる。

 

「ま、テメエらもいるなら心強え」

 

『見たところ、穴は最下層までブチ開けられている。突撃許可、とっとと出してくれよ。』

 

「言われなくても、とっとといくぞ!!」

 

エボルトに催促されたアクセルを筆頭に牙竜ら5人が一斉に大穴の中に入りこの和風な事務所に広がる地下の最下層に向けて自由落下し、落下の衝撃を地面に攻撃を撃って和らげて着地する。

 

「一体何事だ?ミミックは何をしている!?」

 

着地した彼らの目の前には襲撃という事態を受け組長の孫娘である少女の腕を掴みどこかへ退避しようとする死穢八斎會の若頭、治崎 廻こと通称:オーバーホールの姿があった。

 

「なっ……!?」

 

部下達がヒーローを妨害し、まだここに来るのは早い。

床と天井に大穴が開いたがすぐにヒーローが来なかったので味方の援護で妨害に成功できたと思っていた。

だから、彼らの5人が早々に現れたことはオーバーホールにとって想定外であったが、それ以上に彼が予想できなかったのは、いま彼の腹部に走った衝撃だった。

 

「見つけたぜ、壊理ちゃん」

 

オーバーホールに腕を掴まれていた少女、壊理の存在を確認したクローズマグマはすぐに背中からマグマを噴射して加速

人間の裸眼で捉えるのが困難な速度でオーバーホールの目前に迫り、拳を腹部に向けて打ちこんだ。

拳を受けたオーバーホールは手から壊理を放してしまい、その身体は反作用で大きく吹き飛ばされてしまう。

 

「お、お兄ちゃん達……誰……?」

 

壊理を背にオーバーホールの前に立つクローズマグマらに少女は彼らが何者かを問いかける

 

「俺達か?俺達は仮面ライダー、誰かの笑顔を守る正義の戦士!そして俺は仮面ライダークローズ!」

 

『俺はその相方の仮面ライダーエボル』

 

「『お前を助けに来た!』」

 

The End




読者の皆様今回までこの作品を読んでいただいて本当にありがとうございました!
昨年の8月に書き始めましたがすごく書いてて楽しい作品でした。
来月からは原作仮面ライダーで執筆をしようと思っています。
またそちらで会えた時はよろしくお願いします。

それでは皆さん今まで本当にありがとうございました!!


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劇場版 クローズ&エボルのヒーローアカデミア ピースサイン
劇場版 クローズ&エボルのヒーローアカデミア ピースサイン1


皆様お久しぶりです。
夢野飛翔真でございます。

もうすぐクロエボ連載開始から1年ということで劇場版を作ってみました!
ヒーローズライジングを基にしたオリジナルストーリー?的な感じです。

皆さんどうぞご覧下さい!


これまでのあらすじ

事の始まりは、中国の軽慶市。発光する赤子が生まれたというニュースだった。そして以降、世界各地で『超常』が発生。原因も殆ど解らないまま、時間が過ぎていった。やがて、超常は日常に、空想は現実になった。

 

世界の総人口の8割が何らかの特異体質、『個性』をもった超人社会。個性を振りかざし、人々を襲う敵と、それを倒すヒーロー。そんなアメコミじみた事が、現実で起こる世界となった。

 

その中で、何の『個性』も無い少年少女は、当然のごとくイジメの対象になっていた。そしてまたその差別に抗う男がいた。

 

その名も下間牙竜(しもつま がりゅう)。無個性でありながら個性を持つ者共に抗い続けた結果転生者でブラッド族のエボルトと出会い力を得る。彼ら仮面ライダークローズとエボルのコンビは日本最高峰のヒーロー科を持つ雄英高校に入学。仲間達と切磋琢磨していく。

 

恋人の八百万百に支えられながらも彼らはヒーローの階段を駆け上がっていた。

戦いの中でクラスメイトの緑谷出久がビルドに、爆豪がグリスに、轟がローグに変身できるようになった。幼馴染で仮面ライダーブレイブの甲斐銃士と新・檀黎斗・神、プロヒーローの仮面ライダーアクセルこと甘粕政信ら頼もしい仲間達にも恵まれた。

 

しかし、彼らの世界に現れた人工知能アークがヴィランの頂点に立つオールフォーワンと組みショッカーを結成。作り上げた怪人達と共に世界の征服を企んだが牙竜と仲間達、そしてディケイドが集めた多くのライダー達がショッカーの野望を打ち砕いた。

 

そしてヒーローとしての道を歩む牙竜達は新たな試練に挑む…

 

(3人称視点)

とある日の真夜中

月明かりに照らされる中、山道を数台の車が走っている。

 

「奴の目撃情報があったのはこの地域か…」

 

「ええ、間違いありません。」

 

その車には現在No.2ヒーローであるエンデヴァーとそのサイドキック達が乗っており、とある人物を探している。

その人物とは、"菅野三継"

オールフォーワンの手下の生き残りである。

 

「エンデヴァーさん!あれッ…!!」

 

進む車のヘッドライトが人影と照らすと、運転手が急ブレーキを踏んで車を止める。

そして車のドアを勢い良く開けてエンデヴァーらが飛び出す。

 

「貴様はッ…!?」

 

車の前に立つ男を車のヘッドライトが照らす。

その光に照らされた男の姿は異質なものだった…

 

「仮面ライダー…?」

 

エンデヴァーのサイドキックであるバーニンがポツリと呟く。

赤の下地のスーツの上に銀色の装甲を装備し、蜂に似たその姿を象徴するような、琥珀色の複眼がエンデヴァーらを睨む。

オールフォーワンらとの戦いに駆け付けた仮面ライダー達を思い起こさせるその戦士はエンデヴァーらの方を向く。

 

「撃ってきたぞ!気を付けろ!」

 

その瞬間そのライダーは指先から鋼鉄の爪を彼らに向けて放ち、それに気付いたエンデヴァーが咄嗟に炎で防ぐ。

 

「撃ってきたってことは…」

 

「ヴィランだ!」

 

突然の交戦状態にエンデヴァーらはすぐに対処、バーニンと共にそのライダーに向けて炎を放つ。

 

「アイツ…ダメージを受けていない!?」

 

だがその攻撃が敵に届いている様子はない。

 

「車を守れ!」

 

寧ろ敵が手を翳したかと思えば彼らが放った炎が反射されたかのように放たれ、エンデヴァーが自分達の前で火柱を上げることで何とか防ぐ。

車に着火して爆発というシナリオを冷静に対処するあたり、流石No.2ヒーローと言ったところだが謎のライダーの攻撃は止まらない。

 

「今度は龍か…!」

 

ライダーの背中から二匹の青い龍が生えてきて、エンデヴァーらに嚙みつこうと襲い掛かって来る。

 

「一体何個能力が…」

 

龍に対して炎を放って対処するが、その多彩な能力に困惑を隠し切れない。

 

「エンデヴァーさん!」

 

だがそんな彼らにとっていい知らせだ。

援軍であるインゲニウムが変身した仮面ライダーグレイブが駆け付け、自身の得物グレイブラウザーで切りかかる。

 

「なッ…!刃が…」

 

だが、その刃はライダーの前で止まる。

まるで見えない壁に阻まれたかのように目の前で刃が止まる。

 

「インゲニウム!伏せろ!」

 

「はい!」

 

咄嗟にエンデヴァーが叫ぶと先程炎を反射した時と同じように空気の刃がグレイブに向けて飛ぶ。

グレイブは彼の指示で身を伏せていたので刃を回避することができ、足元に向けて1太刀浴びせようと剣を振るうがその斬撃が再び跳ね返される。

 

「迂闊に攻撃はできないみたいですね…」

 

インゲニウムは体勢を立て直そうと肘から伸びるエンジンで敵のライダーの付近から離脱する。

 

「その通り…このライダーにはある秘密組織の指導者から奪った"反射"の個性が搭載されているからねぇ…」

 

そんな彼らの耳に響くように拍手しながら紫髪の初老の男がライダーの後ろに現れる。

 

「菅野三継!!」

 

その男こそまさにエンデヴァーが探していた菅野三継であった。

 

「ああ、残念ながら我らショッカーの最終兵器、仮面ライダーV9が解放された!後はあの装置さえ手に入れれば…貴様らヒーローは終わる!」

 

「そう簡単に行くか!」

 

菅野らに向けてエンデヴァーが足から放つ炎で加速しながら菅野に迫るがV9の反射がエンデヴァーを阻んで跳ね返す。

 

「私はナイン、今のうちにその名前を憶えておけ。次に会う時はお前を殺す時だ…」

 

その言葉を告げると共に、V9の中にある個性の一つ、金属操作によってエンデヴァーらの上に金属のガラクタが降りかかる。

 

「クソッ……!」

 

その瓦礫を回避している間にV9と菅野が姿を消していた。

 

「すぐに他のヒーローに連絡しろ!ショッカーが再び動き出したと…」

 

「了解!」

 

逃げられてしまったが、まずはこのことを報告してエンデヴァーらはこの事態をどう収めるかについて考える。

 

(エボルト視点)

さて、季節は冬だって云うのに今俺達がいる島は夏の様に暑い。

牙竜達雄英高校1年A組の生徒達は現在那歩島という本州から少し離れた島を訪れている。

その理由はまあ数日前に遡る。

 

「おはよう。今日はいきなりだがお前たちにミッションを与える。」

 

そう言って相澤は教室に入って1分も経っていないのに、黒板に島の地図を広げる。

 

「ここは、那歩島。本州から遠く離れた離島なんだが先日駐屯していたヒーローが高齢の為引退した…」

 

ある日のHRで相澤は黒板の地図を示しながらA組の生徒達に新たなミッションについての話を始めた。

 

「お前達はここで、ヒーロー活動を行う!」

 

「「「ヒーローっぽいのキタァァァ!!」」」

 

"ヒーロー活動推奨プロジェクト"

ショッカーの侵攻を始め慌ただしい出来事が重なり、ヒーロー協会もより教育に力を入れているそうだ。

今回はA組生徒達で次のヒーローが来るまで那歩島を守るとのことだ。

本格的なヒーロー事業の体験、事務所の事務を始めとした仕事、地域の人々との交流を学ぶプロジェクトだそうだ。

 

「荒木さんから通報ですわ!ペットのタマが迷子になってしまったので探して欲しいとのことですわ!」

 

「僕が行くよ!」

 

「よろしくお願いしますわ!口田さん!」

 

何人かが事務所代わりのいおぎ壮で電話を受け、他のクラスメイト達が現場に向かう。

とは言ってもこの島でヴィランが出るなんてことはなく、トラブルの大半は迷子やら機械の故障だ。

後はまあ…ビーチが近いから溺れてる人の救助やナンパの対処ぐらいか…

 

「うっす、ただいま~」

 

「おかえりなさいませ!牙竜さん!」

 

となると仮面ライダーである俺の出番はあまりない。

牙竜も精々周りをパトロールしながら地域の人達に困ってることがないか聞いて回ってるそうだ。

 

「あっち~、なんでこの島こんな暑いんだ?」

 

『暑いんだったらそのスカジャンは脱いどけ。』

 

「気に入ってんだけどな~」

 

因みに牙竜は自分のコスチュームに万丈龍我から貰ったスカジャンを正式採用したんだが、こんな暑い場所での活動時ぐらいは脱いどけばいいのにな…

 

「あら、牙竜さん!ここほつれてしまってますわ…」

 

「ホントだ!さっき山田さんとこで作業してた時に切れちまったのか…?」

 

「私がしっかり直しておきますわ!」

 

「ありがとよ。百」

 

八百万はスッカリ牙竜のいい奥さんみたいになっちまってる。

けどこんなとこでイチャイチャすんのはやめろ。コーヒーが甘くなる。

 

「はいはい、イチャイチャしてる暇あったら仕事仕事」

 

お、耳郎が良い感じに止めてくれたな。

 

「だな、俺はちょっくら山の方見てくるぜ。熱中症で誰か倒れてたら大変だし、クーラーボックスと麦茶持ってくぜ~」

 

「はい、行ってらっしゃい!」

 

スカジャンを預けてクーラーボックスを担いだ牙竜はまた外へ行く。

 

『一生懸命働いてるな。関心関心』

 

「アンタもちょっとは働きなさい。」

 

『は、はい……』

 

さて、耳郎にちょっと怒られたし俺も海の方の様子でも見に行くかな。

 

(牙竜視点)

 

「よう出久、そいつ等は誰だ?」

 

再びパトロールってことで困ってる人が居ねえか探してたら島の山上にある公園で出久と2人のガキに遭遇した。

 

「この子達は…」

 

「ねえ、コイツもヒーローなの?」

 

なんだこのガキ?いきなり生意気だな。

 

「ああ、俺は仮面ライダークローズ!将来No.1ヒーローになる男だぜ。」

 

「ふーん、じゃあアンタもただの無謀な奴なのね?」

 

「ちょっと、お姉ちゃん……」

 

このガキ達は姉弟らしいけど姉の方はなんつーかヒーローの事嫌いなのか?

 

「ま、無謀つったら無謀だな。」

 

「牙竜君?」

 

まあ確かにコイツの言ってることは間違ってねえかもな。

 

「俺は戦いで死にかけたこともあるし誰かを心配させたこともあった。」

 

オールフォーワンとの戦いの後、色んな奴らから俺のとこに連絡が来た。中学の担任の躑躅森先生から連絡来た時はびっくりしたぜ。戻ってきた時に百が心配して俺に泣きついてくれたことも俺はよく覚えてる。

 

「けどな、誰かを救ってる時は嬉しいし、仲間が誰かを救えるぐらい強くなってるともっと嬉しいんだぜ。」

 

ヒーロー科に入ってから俺は色んな仲間と巡り会ってきた。そんな仲間達の活躍を見れるのも俺は嬉しい。

特に出久は自分の個性をコントロールできるようになって、仮面ライダーにも変身した。

一緒に成長していくのを見ていて楽しかったぜ。

 

「ヒーローの活躍ねぇ…?」

 

「おう!身近にカッコイイヒーローが居れば分かるんじゃねえか?」

 

つってもこの島はこれまで高齢のヒーローが一人居ただけだ。

こいつ等の親族にヒーローがいないんだったら関われてたのはそのおっさん1人だけだし、関わりが少なくてあんま良く思ってねーのは仕方ないか。危ない仕事だしヘイトを向けられるのも無理はねえ。

 

「けどこれだけは言っとくぞ。ここにいる出久は俺の知ってる中でも特にカッコいいヒーローだ!応援してやってくれ!」

 

「ええ!?ぼ、僕!!」

 

取り敢えずさっきまでの様子的に出久はこのガキらに何やら言われてたみたいだしこの場では出久のフォローにだけ徹しておくとしよう。

 

「ふーん、そんなに凄いの?コイツ」

 

「ああ、俺が保障するぜ。」

 

どこまでヒーロー嫌いなんだ?コイツは

 

「おお、活真くんと真幌ちゃんじゃないか。」

 

「「界造おじさん!」」

 

「お、堀内のおっさんじゃねえか。」

 

とか思ってたら公園にこの島で暮らす堀内のおっさんが来た。

堀内界造、確かこの島出身の科学者で東京の大学で研究してたらしいが今はここで隠居中らしい。

 

「今日はどうしたのかな…?」

 

「実は、この子が迷子になってしまって…」

 

と出久が弟の方を見る。どうやら弟が迷子になって出久が探してたんだろうな。

それで見つかったは良いけど姉の方に色々と言われてたってことか?

 

「成る程ね、今日は私が二人を家に送ろう。2人もまだ、することはあるだろう。」

 

「ありがとうございます。」

 

「恩に着るぜ。また今度荷物運び手伝うぜ。」

 

「助かるよ。こういう時はお互い様だね。」

 

堀内のおっさんは今も機械いじりをしているみたいでこの島で俺もたまに材料運びを手伝っている。

活真くんと真幌ちゃんって言われてた姉弟の手を堀内のおっさんがひいて家に送ることになった。

 

「じゃ、俺らも戻るか。」

 

「うん、そうだね。」

 

つーことで、俺らが事務所に戻る頃には時刻も夕方で腹も空いてくる時間だ。

 

「皆お疲れ様!おにぎり握ったから食べておくれ!」

 

「取れたての、魚やでー!」

 

「「ありがとうございます!」」

 

たまに島の人達が俺らにって料理を作って来てくれる。

ここの野菜と魚は絶品だから食えるのが嬉しいぜ。

 

「「「いっただっきまーす!!」」」

 

この島で獲れた魚は特に美味くて魚なんかは絶品だ。

刺身は醤油も浸み込んでいい味だ。

どんどん箸が進んじまう。

 

「おい下間!刺身喰い過ぎだって!」

 

「わりいわりい」

 

刺身ばっか食ってたら流石に切島に怒られた。

まあ皆の分も食っちまうのは良くないからな。

 

「そうだぞ野菜も食え!」

 

「キュウリも美味いぜ!」

 

「ありがとよ」

 

瀬呂と上鳴に進められてキュウリスティックを食うことにした。

 

「うん!うめえな!」

 

「だろだろ!」

 

そういや切島、上鳴、瀬呂の3人は仮免試験の時期にエボルトからボトルをもらってハードスマッシュってのに変身できるようになったんだったな。この前もB組との合同訓練で活躍してたな…

 

(3人称視点)

その翌日の朝10時ごろ、一隻の船が島に近付いていた。

 

「ナイン、やるべきことは分かっているな?」

 

その船に乗っているのは菅野と仮面ライダーV9の変身者であるナインと呼ばれる男だ。

 

「ああ、平行世界ゲートの奪還、及び裏切り者の確保だ。」

 

「よく分かってるじゃないか。あの男はショッカーを裏切って逃げただけでなくこの島に平行世界ゲートの試作機を隠し持っている…しっかり奪還せねば……」

 

菅野もまたオールフォーワンに忠実な人間であった。その忠誠心はショッカーに対しても抱いており、裏切り者と言われる男を許すつもりは無い。そしてその裏切り者と呼ばれる男が持ってる平行世界ゲートが菅野にとっては重要なものである。

 

「さて、明日には島に着く。準備をしておけ…」

 

「ああ、任せておけ…」

 

そう言うとナインの腰に風車が付いたベルトが出現する。

 

「変身…」

 

風車が回転し、赤黒い稲妻がナインの身体中を走ると金属装甲が生成されてナインの姿が仮面ライダーV9のものに変化する。

 

「来い!仮面ライダー!」

 

V9が手を翳すと赤黒いオーラが出てきて、そこから3つの人影が作り出される。

 

『エターナルワンダー!』

 

『パーフェクトライズ!When the five weapons cross, the JET BLACK soldier ZAIA is born.』

 

『タ・ト・バ、タトバ、タ・ト・バ!』

 

その影はそれぞれ仮面ライダーファルシオン・アメイジングセイレーン、仮面ライダーザイア、古代王仮面ライダーオーズに姿を変える。

 

「いくぞ。」

 

V9と召喚されたライダー達は船から飛び立って島に向けて進み出す。

 

「百、何か手伝うことはないか?」

 

「いえ、今は大丈夫ですわ。」

 

一方A組メンバーの宿兼事務所には八百万と牙竜を含め数名の生徒が通報がないか待機しつつ少し休憩している。

因みにエボルトや爆豪らは既にパトロールで出払っている。

 

「お…?電話か…」

 

八百万が島に持ち込んだ紅茶を飲んで牙竜は少し休憩していたが、電話があったのに気付くと一番近くにいた自分が対応することにして電話に出る。

 

「もしもし…こちr……」

 

「大変!ヴィランが出た!」

 

通報は彼が昨日出会った少女、島乃真幌からのものだった。

 

「ヴィラン!?どこに出やがった!」

 

「いろんな所にいるわ!あちこちで……」

 

急ぎの通報であったが、突如電波が途切れてしまい電話の音声が聞こえなくなる。

 

「牙竜さん…ヴィランが出たっていうのは…」

 

「多分本当だ。電話も途中で切れやがった俺は外を見てくるから百は皆に指示を!」

 

通報の真偽はともかく、この通報が悪戯電話出なかった場合既に幾つかの場所で被害が出ているのは確かだ。電話が途切れたのもヴィランに襲われたか通信施設が潰された可能性がある。

そう判断した牙竜はクローズマグマに変身して空に飛び出す。

 

(こりゃひでえ…もう出てんのか……)

 

既に数ヶ所から空には煙が上がっており、その様子に通報が事実であることが分かると牙竜はエボルトにテレパシーを送る。

 

(エボルト、敵が来やがった…!)

 

((ああ、俺も既に交戦中だ。))

 

(おう、そっちは援軍要りそうか?)

 

((俺は大丈夫だ。他の所を見てくれ。))

 

(了解!)

 

既にエボルも敵と交戦中だった……

 

『さてと、さっさとお前らを倒して他を見に行かねえとな…』

 

エボル・コブラフォームの前にが、ウヴァ、カザリ、ガメル、メズールら4体のグリードの完全体が立っている。

 

『こりゃ少し骨が折れそうだ…』

 

4人のグリードとエボルの戦いが始まった頃…海辺では

 

『Presented best!』

 

「なっ!」

 

ビーチに現れた仮面ライダーザイアと尾白が交戦していたが、ザイアが尾白に触れると彼の個性をコピーしたかのように自身の背から尾を生やして振り抜く。

 

「コイツッ…!物間みたいだ……」

 

殴り飛ばされた尾白は何とか距離を置きつつ体勢を立て直す。

 

「アイツ…俺達の力をコピーしてるぞ!」

 

「ああ、触れられたら厄介だね。」

 

砂藤と尾白がザイアを食い止めてはいるが、他人の能力を一時的に吸収し攻撃に転用する彼の力に苦戦を強いられている。

 

「とにかく触れられない様にしないと…」

 

「けど俺ら近接タイプだぜ!どうすりゃ…」

 

「だったら凍らせればいい…」

 

触れられてしまうと能力をコピーされる。

それ故に攻めあぐねていた尾白と砂藤の間に氷の道が形成され、その道の上に立ったザイアの下半身が一気に氷に覆われる。

 

「「轟!!」」

 

彼らが後ろを振り向くと既に仮面ライダーローグに変身した轟の姿があった。

 

「ここは俺に任せろ。お前らは他の人の避難を…」

 

「すまねえ!ここは頼んだぜ!」

 

砂藤と尾白を救助に向かわせると轟はザイアの方に向けて左手を翳す。

 

「お前の目的は何だ?」

 

炎を出すそぶりを見せてザイアに降伏を促すが…

 

「…ッ!」

 

自身の身体のパワーだけで氷を砕いたザイアが宙を舞い、ローグに襲い掛かる。

 

「中々に厄介だな…」

 

ザイアに向けて今度は左手から炎を放つが咄嗟に地面に伏せるように体を落として掻い潜る。

 

「何か喋ったらどうなんだ…?」

 

ただただ無言で向かってくるザイアに氷と炎を放ちながら対処するローグ

2人のライダーの攻防の最中、爆豪らも敵と遭遇していた。

 

「アイツ…前に戦った奴か…?」

 

「ちょっと違うみてえだぞ!」

 

爆豪、切島、上鳴、瀬呂ら4人の前には以前神野に現れたファルシオンの姿があった。

しかし、あの時のファルシオンは橙色の姿をしているエターナルフェニックスの形態であったが、今いるのは白と黒を基調としたアメイジングセイレーン。

得物こそ同じだが使っているライドブックが違う。

 

『ロボットゼリー!』

 

『キャッスル!』 

 

『スタッグ!』

 

『オウル!』

 

「「「「変身!!」」」」

 

『潰れる!流れる!溢れ出る!ロボットイングリス!ブラァ!』

 

爆豪が仮面ライダーグリスに切島、上鳴、瀬呂はそれぞれキャッスルハードスマッシュ、オウルハードスマッシュ、スタッグハードスマッシュに変身し、ファルシオンに向けて各々の個性で攻撃を浴びせる。

 

「俺の稲妻が打ち消された!」

 

上鳴による放電や爆豪の爆発など多彩な攻撃達は無銘剣虚無によって次々と撃ち消されていく。

 

「だったら!直接殴るだけだ!」

 

『シングル!』

 

グリスは手の爆破の推力で勢いをつけ、ファルシオンに向けて突撃する。

右手のツインブレイカーをシングルモードにし、突き出ているパイルバンカーでファルシオンに向けて振るう。

 

「おう!これならいけるぜ!」

 

その一撃こそ無銘剣虚無の刃に防がれるが、背後からキャッスルハードスマッシュがファルシオンの背を殴る。

 

「このままいくぜ!」

 

ファルシオンに対抗するグリスと3体のハードスマッシュの戦いはグリスらが優勢に進めている。

各地で戦闘が始まった中、牙竜は空から通報の主である島乃姉弟を見つけて畑の中に降り立つ。

 

「大丈夫か!?」

 

「ああ、何とか2人をここまで逃がしたが安全かどうか…」

 

2人は既に堀内と共に行動をしていて、現在3人で避難できる場所を探しているようだ。

 

「OK、そういうことなら俺らの事務所に行こう。そこで指示を仰げば大丈夫だ!」

 

「助かるよ。」

 

「ありがとうお兄ちゃん。」

 

「仕方ないわね。」

 

一先ず彼らや地域住民を百達のいる事務所付近に避難させることにし、早速彼らを連れて行こうとした時だった。

 

「見つけたぞ!堀内!」

 

5筋の弾丸が彼らに向けて放たれた。咄嗟にそれに気付いたクローズマグマがビートクローザーでそれらを切り裂き防ぐ。

 

「ようやく見つけたぞ、堀内ィ!」

 

「か、菅野!」

 

声の主である菅野の後ろには仮面ライダーV9が立っており、彼らに襲い掛かろうと体制を低くした。

それを察知した牙竜が咄嗟にビートクローザーを構えると両社向かい合い、お互いに向けて一気に駆ける。

 

「やれ!仮面ライダーV9!」

 

「V9!?まさか奴を起動させたのか!?」

 

「コイツ…V9っつーのか…」

 

ビートクローザーで切りかかるクローズマグマ。しかしその刃はV9の顔の前で止まる。

 

「なんだ?バリアかッ…!ってマジか!!」

 

初めはバリアを張る能力を使っているのかと推察した次の瞬間、反射された空気の刃がクローズマグマに襲い掛かり、咄嗟にビートクローザーで防ぐ。

 

「攻撃を跳ね返しやがった…!」

 

「それだけではないぞ…」

 

V9が空に手を翳す。すると島に降り注ぐ陽の光をドス黒い色の雲が遮り、ポツリポツリと水滴が地面に落ちる。

 

「何が…起きてるの……?」

 

そう活真が呟いたその時だった。

 

「危ない!」

 

一筋の稲光が堀内と島乃姉弟に向けて落ちてきた。

咄嗟に牙竜が作り出したヴァリアブルマグマの壁が何とか稲妻を防ぐが…

 

「おいおい、今度は何だ…?」

 

クローズの身体が宙に浮き始める。

 

「なっ…!竜巻か!!」

 

その現象に気付いたときには既に強風が彼の周囲に吹き荒れ、何時の間にか小規模な竜巻を形成する。巻き込まれたクローズの身体が宙を舞う。

 

「マジか!」

 

マグマを噴射しその推力で脱出しようとしてもうまく方向転換ができない。

そんな状態のクローズの身に次々と稲妻が落ちていく。

 

「ヤメロ!クソッ…!」

 

空中でバランスを失い稲妻のダメージを受け続けるクローズ

 

「さて、堀内…ここでお前を……」

 

「おじさんに手を出すな!」

 

「活真くん!」

 

「活真!」

 

菅野が銃を取り出してそれを堀内に向ける。その間に立つ活真に向けて菅野が銃口を引こうとしたその時だった。

 

「デトロイト…スマーッシュ!!」

 

仮面ライダービルド・ラビットタンクフォームに変身した出久がこの場に駆け付け、自身の個性で強化された拳で菅野を殴り飛ばした。

 

「いいタイミングだぜ!出久!」

 

援軍が駆け付け、菅野が殴り飛ばされ地面を転がり気絶したことに動揺したV9の隙を突きクローズがマグマのブースターで加速。竜巻から抜け出してビルドの横に立つ。

 

「気を付けろよ出久…コイツ攻撃跳ね返してくるし天気も操ってくるぜ。」

 

「迂闊に攻撃は出来なさそうだけど…」

 

と分析する間も与えず今度はV9が爪を射出し、弾丸のように進む鋼鉄の爪が2人を襲う。

 

「何個能力あんだよ!?」

 

足元に放たれた爪を飛んで避ける二人。

 

「マジか!?」

 

だが彼らが避けた所を今度はV9の背から現れた2匹の竜が噛んで地面に叩き付ける。

 

牙竜達が苦戦を強いられてしまっている一方、グリスらはファルシオンを追い詰めていた。

 

「剣貰い!」

 

スタッグハードスマッシュに変身した瀬呂は個性のセロハンテープを肘から射出。

そのテープを上手く無銘剣虚無に巻き付けると…

 

「食らえ!」

 

「オラ!」

 

空からオウルハードスマッシュ、真正面からキャッスルハードスマッシュがそれぞれファルシオンに殴り掛かる。

 

「よっしゃ奪った!」

 

殴られてバランスを崩したファルシオンはうっかり剣を手放してしまい隙が出来る。

 

「決めろ爆豪!」

 

「いっちょかましてやれ!」

 

「任せろ…」

 

その隙を爆豪は見逃さない。

スクラッシュドライバーのレンチを下すと…

 

『スクラップフィニッシュ!』

 

肩や背中からヴァリアブルゼリーを勢いよく噴出して加速、そのままファルシオンにボレーキックを放つ。足が当たると同時に爆破も放って一気に吹き飛ばす。

 

「一丁上がりだ…」

 

ダメージに耐え切れずファルシオン・アメイジングセイレーンは爆発四散

 

「テメエら、他のとこも見に行くぞ…」

 

「「「おう!」」」

 

ファルシオンを撃破しても彼らはまだ止まらない、他の敵の対処に向けて移動を開始する。

 

「ぐっ……!」

 

しかし、牙竜と出久はV9との戦いの末、ダメージが限界を迎えて変身が解除されて生身で地面を転がる。

 

「クソッ…!強すぎんだろ……」

 

天候操作、反射、爪銃、使い魔と彼らの前だけでも4種類の個性を巧みに操ったV9の前にクローズマグマとビルドは歯が立たなかった。

 

「よくやった…!ナイン!このまま堀内をやれ!」

 

さらに菅野も目を覚まして堀内らに銃を向ける。

 

「させねえ…ぞ……!」

 

だが彼らの前に再び牙竜が立つ。

 

「行かせない!」

 

たとえ生身でも牙竜も出久もヒーローだ。

その意地だけで敵の前に立ち、彼らの歩みを阻む。

 

「だったらお前達から消すだけだ。」

 

V9が手を翳したその瞬間…

 

『おいおい、グリードの次は見たこともないライダーかよ……』

 

「「エボルト!」」

 

空からネビュラスチームガンを撃ちながら現れ、出久と牙竜を守るように彼らの前に仮面ライダーエボル・コブラフォームが立つ。

 

『お前らはそこの3人を逃がすんだ。ここは俺がやろう…』

 

数発の弾丸を放つがそれはV9に跳ね返されてしまう。

 

『反射の能力か…』

 

反射された弾丸が後ろにいる牙竜達に当たらない様にスチームブレードで次々と切っていく。

 

『さて、どう攻めるか……』

 

「んんッ……!」

 

どの様に対処しようかとエボルトが考えていた時だった。

突如V9は胸を抑えて地面に膝を突く。

 

「負担が大きかったようだな…一旦退くぞ!」

 

「ああ……」

 

V9はいくつもの個性因子を身体に埋め込んでいる分、体への負担も大きい。

ここに来てその蓄積疲労が出てしまったため、菅野共にこの場から走り去る。

 

「何とか…撤退しやがったか…」

 

『ああ、けどまた来るかもしれないな。こっちも体制を立て直すぞ。』

 

「そう…だな……」

 

敵達の撤退は確認できた。だが、身体の限界を迎えているのは牙竜の方も同じだった。

視界がふらついたかと思えば、地面にバタンと倒れ伏す。

 

『牙竜……?』

 

「牙竜君!?」

 

『おいしっかりしろよ!牙竜!牙竜!!』

 

島の畑があった筈の荒れた地にエボルトの叫び声が響き渡る。

 

To be continued




次回の後身は来週日曜日を予定しております。
それと諸事情により私が行っております合同ライダー企画
「ハーメルン・ノベルティック・ライダーズ」にもこちらの作品を提供させていただくことになりました。

https://syosetu.org/novel/290753/

こちらのシリーズも楽しんでいただけると嬉しいです!


オリライ設定

仮面ライダーV9
変身者 ナイン(川上 風雷)
ショッカー及びアークが遺した最終兵器
彼らの秘密の研究室にて被験者であるナインこと川上風雷が改造人間となった姿。
自分の元々の個性に加えて幾つかの個性因子を搭載した改造人間で仮面ライダーであり、合計9つの個性を操る。
しかし、元々の個性が持っていた細胞崩壊のデメリットは克服したが、燃費は非常に悪い。
戦い続ければ体に負荷がかかり、クールタイムが必要になる。

使用個性一覧
1,気象操作
周囲の天候を操り、雨や雷、竜巻を発生させる。
ただし、個性を行使する毎に自身の細胞が死滅していくという極めて重いデメリットを抱えているが、改造手術によって克服した。

2,衝撃波
衝撃波を放つ

3,爪銃
爪を弾丸のように発射する。

4,使い魔召喚
使い魔(2匹の青い龍)を使役する。

5,リフレクト
あらゆるものを反射する。
菅野曰くある組織の指導者から奪った。

6,金属操作
周囲の金属を意のままに操ることが可能。自身の防具なども作り出すなど汎用性も高い。
菅野曰くとあるヴィランチームのリーダーから奪った。

7,???

8,ヴィラン召喚
アークが用意したヴィランライダーを召喚する。
(古代オーズ、ザイア、ファルシオン(アメイジングセイレーン))

9,???


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劇場版 クローズ&エボルのヒーローアカデミア ピースサイン2

前回の続きでございます。

何とか日曜日に間に合いました


(エボルト視点)

 

「牙竜さんの様子は…」

 

『まだ起きてねえな。』

 

謎のライダー及び一緒に攻めてきたヴィランが一時撤退した後、俺達も町の工場に全島民を避難させて手当や給仕を行っている。俺は何とかグリードを倒すことが出来たが、牙竜と出久は重傷。

容態を聞きに来た八百万も道具創造しまくってるせいか少ししんどそうだ。

 

『お前もあまり無理するな。お前が倒れたらアイツが安心して起きれねえ。』

 

「ええ、ですがこんなところで手を止めるわけにはいきませんわ。」

 

八百万は頑張り屋さんだからこういう時に無理が祟っちまう。

後で飯でも分けてやらねえとな。

 

『さて、牙竜はどうだ?』

 

さて、他の奴らが忙しくしてる間にもアイツの横に居てやるのは俺の役目だ。

 

「まだ回復し切っていないみたい…」

 

出久は既に目を覚ましてはいるが牙竜はまだ回復していない。

 

「あ、あのっ…」

 

牙竜の様子を見ていたら治療室に1組の姉弟が入って来る。

さっき助けに行ったときに牙竜達と一緒にいた奴らで、確か島乃真幌と活真って言ってたな。

 

「もしかしたら僕の個性でそのお兄さんを治せるかもしれない!」

 

『それは本当か?』

 

「うん!僕もお兄ちゃん達の役に立ちたいから…」

 

『分かった。こいつの事頼んだぜ。』

 

俺が許可を出すと活真が牙竜に触れると、緑色のオーラがその身を包む。

 

「活真の個性は細胞活性なの。回復にすごく向いてる個性ね。」

 

『なるほど、中々ヒーローらしい個性じゃねえか。』

 

回復の個性を持つヒーローは救助の時に有難い存在だ。リカバリーガールや銃士のタドルレガシーは活躍の場が広いだろうな。

それは勿論この活真って奴も一緒かも知れない。

 

「けど僕…回復しかできないし…戦えないし…」

 

『それでも誰かの役に立てる。それだけでも十分だ。今俺達の中にも必死にサポートの為に動いている奴もいる。戦うだけがヒーローじゃないぜ。』

 

サポート的な面で救助活動に貢献するのも立派なヒーローだ。

 

「活真…あまり無理はしないで……」

 

「大丈夫…」

 

つっても牙竜の傷こそ治ってきているが、活真は既に体力の限界を迎えそうだ。

 

「んん…ここは……」

 

そう思っていた時、ようやく牙竜が目を覚ましやがった。

 

『ようやく起きやがったか。コイツが治してくれたんだぜ。』

 

「そうか、ありがとな!」

 

「ううん、どういたしまして」

 

牙竜の体力は十分に回復した様で起き上がり活真にニッと笑顔を見せる。

 

『さて、牙竜。戦いはまだ終わってねえぜ。』

 

「分かってる。まずはあのクソライダーブッ飛ばす!」

 

(3人称視点)

 

「牙竜君!?身体はもう大丈夫なのかい?」

 

「ああ、活真のお陰で完全復活だ!もう心配すんな。」

 

「良かったですわ!牙竜さん!」

 

目を覚まし、工場の事務室にやって来た牙竜の周りに飯田や八百万が集まる。

皆が心配こそしていたが、牙竜の身体はほとんど快復しており彼の言葉通り心配は無用である。

 

「で、とりあえずこっからどうする。アイツまだ島にいるんだろ?」

 

『アイツっていうかアイツらだな……』

 

しかしながら、現状雄英高校A組の戦況は良くない。

クローズとビルドを圧倒した仮面ライダーV9に加え轟と交戦したザイアとエボルにグリード軍団を派遣した古代王仮面ライダーオーズが敵陣営にいる。爆豪らがファルシオン・アメイジングセイレーンを倒す事こそできたが手強い相手が未だに彼らを狙っている。

 

「その件なら話は早い。私を囮に使いなさい。」

 

その話に島民の堀内が口を挟む。

 

「囮って……」

 

「奴らの狙いは私だ。的には私だけを狙わせればいい。」

 

菅野らが狙っているのは堀内だ。彼自身が囮になることで他の島民を危険から逸らすことも不可能ではない。

 

「そう言うわけにはいきませんわ!」

 

「ええ、一般の方を囮になんて……」

 

「私は一般の人ではない…私は嘗て…オールフォーワンの下で働いていた!ショッカーの科学者だったんだ!」

 

堀内がショッカーで働いていたという経歴が明らかになった時、生徒達は一気に静まり返った。

 

「ショッカーにいたってどういう…」

 

「ああ、私の個性は他の世界の観察だ。私は嘗て個性を活かして平行世界を研究する科学者だったんだ。だが、私の研究には誰も興味を持たず大学からも研究費を渡されなくなってしまっていた…そんな中私に資金援助をしてくれたのがオールフォーワンだった。」

 

超常社会になってからというものの科学は個性に関する物やヒーローのサポートアイテム関連のものばかりがスポットライトを浴びていた。

その一方で多くの研究分野が廃れてしまっており、平行世界に関する研究に出される資金はびた一文も無かった。

 

『なるほどな。それで?』

 

「私は平行世界間を移動できる平行世界ゲートを開発したのだが…それが間違いだった!ゲートを超えて他の世界の悪意がこの世界に来てしまった……」

 

『それがアークとショッカーか。』

 

そしてそのアークとオールフォーワンが結びついたことでこの世界にも悪の組織ショッカーが誕生してしまったのである。

 

「その後私はショッカーから逃げて生まれ育ったこの島に潜伏していた…しかし、同じショッカーの科学者菅野にこの場を嗅ぎ付けられてしまったそうだ。これ以上島民は巻き込めない!私が犠牲に……」

 

「わりいけど、俺は却下だ。」

 

堀内が平行世界ゲートを作っていなければ神野が甚大な被害を受けることもなかった。

この件に関しては堀内に責任はあるが、その責任を問うのは牙竜達の仕事ではない。

 

「その辺の話は全部公安とかがケリを付ける問題だ。俺達がやるべきことはまずはアンタ含め島民全員を守り切ることだ!」

 

「ええ、そうですとも!それがヒーローの役目ですから。」

 

「そこまで言うなら囮は無しでいい!ただ、ここの島民は守ってくれ!」

 

牙竜や百の言葉に負け、堀内は深々と頭を下げる。この島の住民にこれ以上危害を与えられることは堀内にとって一番望ましくないことだ。

 

「ああ、当然だ。」

 

『全員守り切る。いけるな?お前ら』

 

「勿論!」

 

「当たり前だ!」

 

「俺達に任せろ。」

 

ヒーローとしての使命、堀内の願い

 

「ああ、この島の人達にはお世話になったからな。」

 

「高橋さんのお刺身、またいただきたいですわ!」

 

そしてここの島民たちへの思いから牙竜だけでなく出久、爆豪、轟らA組生徒が立ち上がる。

 

「で、エボルト。作戦はどうする?」

 

『敵の数は不明。どこから新手が湧いてきて奇襲されるかは分からない。お互い助け合えるように一か所で固まって全員守り切るのが得策だ。』

 

だがしかし、敵は手強い。そう簡単に倒せる相手ではないため作戦は慎重に立てなければいけない状況だ。特に分散して各個撃破されてしまうリスクも考えられる。

 

「それならもう1つ言っておかなければいけないことがある。」

 

『どうした?』

 

「実は少し離れた島の古城跡に平行世界ゲートの試作機を隠してある…もし敵がそこを狙うなら……」

 

『そうか、となると島民をそこに集めて守り切るか。古城の地形を上手く使わないとな。』

 

平行世界ゲートが再び悪の陣営の手に落ちてしまえば、新たな脅威を呼び寄せられて再び大きな被害を及ぼしてしまうだろう。

 

「その島で守り切るってのは分かった。問題は敵をどうするかだ。」

 

爆豪の言う通り、問題はどのようにV9と戦うかだ。強力な個性を持つ彼に加えてザイア達をどのように古城で倒すかだ。

 

「確かあの時、負担が大きかったって言ってたよね…」

 

その時ふと出久はV9達が撤退した時のことを思い出していた。

 

「確かにアイツの能力1つ1つは強力だった…けど使う時に身体に負担がかかるなら……」

 

「長期戦に持ち込めば勝てるってことか!」

 

「そう!牙竜君の言う通りだよ!」

 

出久達と戦ったV9が披露した個性は天候操作、反射、使い魔、爪銃とどれも強力なものである。

しかしながらそれらを始めとした強力な個性を有する影響でV9の身体には大きな負担がかかってしまっている。

そのことが分かれば長期戦に持ち込むのが最適だろう。

他の敵との戦いに備えた陣容、V9を倒すための作戦がA組生徒全員で話し合われていく。

 

『よし、大体やることは見えてきたな。』

 

「ああ、この戦いに勝って島民の皆さんを守り抜こう!雄英高校1年A組!全員出動!!!」

 

「「「Pius Ultra!」」」

 

そして飯田の声と共に各々が戦いに備える。

街の住民や家畜の避難、備品の整理、古城跡の把握に動く。

 

そんな中、エボルトは3人の男と言葉を交わしていた。

 

『お前達3人の専用アイテム、ようやく調整が終わったぜ。』

 

話の相手は出久、爆豪、轟の3人だった。

 

「遂に使う時が来たんですね…」

 

『ああ、緊急事態だからな。今が一番の使い時だ。』

 

エボルトが掌を出して上に向けるとその上にパンドラボックスが現れる。

 

『これがそれぞれのアイテムだ。しっかり使い方も理解しておけ。』

 

パンドラボックスから3つの光の塊が出てきてそれぞれの手に収まる。

 

『そしてこの戦いにしっかり勝てよ。』

 

「はい!」

 

「当たり前だ!どんな奴が来ようとぶっ潰す!」

 

「ここを守り切ってみせる!」

 

3人は決意を胸にその場から去り、各々のすべきことをしに行く。

 

「あの!エボルトさん!」

 

その様子を見ていたエボルトの背後から今度は八百万が話しかける。

 

『何の用だ?』

 

「その…私も緑谷さんや轟さんの様にもっと牙竜さんのことをお支えしたいです!」

 

『つまりはお前も仮面ライダーになりたいってことか…』

 

「ええ…その通りです…」

 

『当たりか。』

 

これまで八百万は牙竜やエボルト達に守られることの方が多かった。

神野の時も病院から中継で様子を見守ることしかできなかった。仮面ライダーに変身できないから、いつも自分はおいて行かれてしまう。そんな劣等感を彼女は抱いていた。

 

『俺は構わねえ。幸い相澤センセにでも使わそうと思って調整していたモンがある。お前のヒーローとしての覚悟も牙竜を支えたいって気持ちも俺は認めてる。』

 

「ありがとうございます!」

 

『ただなあ、こんなことしたら俺は牙竜に何を言われるか…』

 

「それはどういうことですか…?」

 

少し困ったようにエボルトは言葉を続ける。

 

『仮面ライダーとして戦い続けることの大変さをアイツは1番よく分かっている。だからこそお前にそんな負担を強いたくない。それがアイツの気持ちなんだ。一般のヒーローよりもよっぽどキツイぜ、仮面ライダーになるのは…』

 

「それが牙竜さんの気持ち…」

 

『ああ、けど俺はお前の気持ちを尊重もしたいだから俺にできるのはこれだけだ。』

 

そう言うとベルトと2本のボトルを八百万に投げ渡す。

 

『変身用のアイテムだ。これを渡してはおく。ただこの後どうするかはお前が決めろ。』

 

「はい!」

 

『けどまずは島民の避難の指揮に戻れ。そういう場面でもお前は輝けるからな…』

 

そして一晩超えて翌朝

 

「ナイン、あの古城に平行世界ゲートがある。アレを確保すれば再び…」

 

「ああ、その奪取が今回の目的の一つだろう?」

 

島の北西には城跡が残る小さな孤島があり、そこに向けて菅野、仮面ライダーV9そして召喚された仮面ライダーザイアと古代王仮面ライダーオーズがその場に向かっている。

 

「さあて…来やがったな!」

 

その様子を古城跡の上から牙竜達が見ている。

 

「敵は3人、作戦通り3手に分かれますわ!」

 

「ああ、百、青山頼んだぜ!」

 

「わかりましたわ!」

 

「メルシー」

 

牙竜が指示すると八百万が大砲、青山がへそのレーザーを構える。

 

『今だ…撃て!』

 

「Can't stop twinkling! Super nova!」

 

敵が小島に到着した時、エボルトの指示で大砲と青山の最大火力のレーザーが足場に向けて放たれる。

 

「分断狙いか…」

 

足場が崩れ、ザイアと古代王オーズはV9達から引き離される。

 

「もう…限界……」

 

「青山さん!」

 

しかし最大火力を出し切った青山は腹の痛みからか倒れこんでしまう。

 

「ありがとよ、青山。後は俺達に任せろ!」

 

敵のライダー達が3箇所に分断されたのに対し、A組生徒達もそれぞれが倒すべき敵の下に向かう。

 

「さて、昨日の続きを始めようか。」

 

川辺に落ちたザイアの足元が凍り付く。

 

「轟君!切島君!梅雨ちゃん君!まずはこの敵を倒して牙竜君達に繋ごう!」

 

その周囲を飯田、蛙水、キャッスルハードスマッシュに変身した切島、そして仮面ライダーローグに変身中の轟が取り囲む。

 

「来るぞ!」

 

「おう!」

 

氷を突き破って彼らに攻撃しようとするザイアの進路をキャッスルが咄嗟に防ぐ。

 

「クッ…!」

 

キャッスルの盾に向けてザイアが拳を撃ち込むとその衝撃が切島自身にまで伝わってくる。

 

「コイツ…硬え!」

 

「いや、アイツは今の一瞬でお前の個性をコピーして使いやがったんだ…」

 

「ちょっと触れただけでコピーされんのかよ!」

 

「その辺は物間ちゃんとも似たような感じね…」

 

キャッスルが守りに入った時、切島は咄嗟に自身の個性である硬化を使いながら防御をしていた。

その切島に直接触れたザイアは一瞬で硬化をコピーしてその状態の拳でキャッスルハードスマッシュを殴っていたのだ。

 

「触れられるだけで厄介ね。」

 

「ああ、一体どうすれば…」

 

「なあ、もし仮にだがアイツが物間とは違って一度に保有できる個性が1つだけだったとしたら…」

 

雄英高校には彼らA組だけでなく牙竜の幼馴染でもある甲斐銃士属するB組もおり、そこには他人の個性をコピーできる物間寧人という生徒がいる。彼の個性コピーはこの場にいるザイア同様触れた相手の能力をコピーして使えるというものである。さらに個性は複数個同時にコピーできる上に5分間保持できる。

そうしたコピーに関する制約がザイアはどの程度なのか?それが現在分かっていない。

 

「その可能性は十分にあり得るな!」

 

勿論物間よりも能力の使い勝手が良い可能性があるが、そうでもない可能性もある。

 

「だったら話は早え!俺がアイツの攻撃を受け止めっからその間に分析してくれ!」

 

敵の特性を完全に分かったわけではない。しかしそれを把握するまで耐えることが出来るのが切島鋭児郎だ。キャッスルハードスマッシュに変身し、個性の硬化を使えば防御力はクラス最強レベルだ。再び攻撃を仕掛けるザイアのパンチを何発も耐え抜く。

 

「飯田ちゃん!轟ちゃん!」

 

「「おう!」」

 

その間に背後や側面から蛙水、飯田、そしてローグの3人が次々と攻撃を仕掛けていく。

 

「次は飯田か!」

 

蹴りかかってきた飯田を受け止めたザイアが彼の個性であるエンジンをコピーし、ふくらはぎにエンジンの器官を生成する。その器官で加速しながら蛙水に襲い掛かるが轟が氷を生成して止める。

 

「膨冷熱波!」

 

その氷に向けて炎を放って溶かすと共に空気の膨張で爆風を生成、ザイアの身体を吹き飛ばす。

 

「レシプロバースト!」

 

「ケロ!」

 

さらに地に落ちてきたところを飯田と蛙水の蹴りが襲うが、再びザイアは足のエンジンで加速して咄嗟に避ける。

 

「今防御しなかったわね…」

 

「ああ、切島君の個性を使わなかった…」

 

「個性を一個しか保持できないのか保持時間が少ないのか……」

 

「それを見極めるのはこれからだ!まずは攻め続けるぞ!」

 

飯田と蛙水らがザイアに攻撃を仕掛けていく中、古城跡の小島にある反対側の洞窟では…

 

「増えやがった!」

 

ビルドに変身する緑谷出久とグリスに変身する爆豪勝己が古代王仮面ライダーオーズと戦っていたが彼の多彩な能力を前に苦戦していた。

彼が初めに派兵したグリードたちがエボルトに敗れたためか彼らを吸収し、グリード吸収体となった古代王オーズはメダルの力を最大限まで引き出せる。

昆虫系のメダルの力で分身したオーズがビルドとグリスに襲い掛かる。

 

「ワンフォーオール!フルカウル!」

 

出久は全身に自身の個性であるワンフォーオールを張り巡らせることで全身を強化する。

 

「スマーッシュ!」

 

その状態で古代王オーズらを殴り飛ばしていく。

 

「死ねぇ!!」

 

大量の襲い掛かってくるオーズ達に爆豪も爆破を放って応戦する。

 

「何体居るんだッ…!」

 

何とか敵の大群に対処する爆豪だが、敵の数の多さに疲労感が見え始めている。

 

「クッ…!多すぎるッ…!」

 

恐ろしいのはこの古代王オーズはウヴァ、カザリ、ガメル、メズールを吸収したことで彼らのコアメダルの力を巧みに操れる。昆虫系コアメダルで分身した各個体も微力ながら他のコアメダルの力を扱い攻撃してくるのでより厄介だ。

出久もビルドラビットタンクスパークリングにビルドアップして泡を活かしながら何とか対処しているが…

 

「重力がッ…!」

 

サイ、ゴリラ、ゾウの3枚のコアメダルの力を発動され、発生した重力場がビルドを押さえつける。

 

「出久!あぶねえ!」

 

さらに古代王オーズの内一体がウナギメダルの力で手から生やした電気ウナギウィップをビルドに向けて振り下ろそうとしていた。

その間に咄嗟にグリスが割り込むが背にその攻撃をもろに受けてしまう。

 

「かっちゃん!」

 

さらに追い打ちとばかりに放たれた水流にグリスは吹き飛ばされ、生身を晒された爆豪が地面を転がる。

 

「大丈夫?かっちゃん!」

 

気絶した爆豪を抱きかかえ、ビルドは一旦離脱。

 

「かっちゃん、ここで待ってて。僕が何とかするから…」

 

しかしこの場から退けば牙竜らにピンチが訪れる。

古代王オーズを放置するわけにはいかないので、一度安全な所に爆豪を寝かせると出久は再び敵の軍団と向き合う。

 

「けど僕だって、やれるんだ!」

 

『ハザードオン!』

 

ビルドドライバーからスパークリングボトルを抜き、ハザードトリガーをセットすると懐から取り出した一本の長いボトルを振る。

 

『ラビット&ラビット!』

 

その、フルフルラビットタンクボトルを真ん中で折ってベルトにセットするとビルドドライバーのレバーを回す。

 

『ガタガタゴットン! ズッタンズタン!』

 

『Are you ready?』

 

「ビルドアップ!」

 

一度ビルドの姿がラビットタンクハザードフォームのものに変わり、ウサギ型の赤い強化アーマー・ラビットラビットアーマーを装着

 

『オーバーフロー!』

 

『紅のスピーディージャンパー! ラビットラビット!』

 

『ヤベーイ! ハエーイ!』

 

「僕はッ…退かないぞ!」

 

ビルド・ラビットラビットフォームにビルドアップを済ませるとすぐに、フルボトルバスターを手に古代王仮面ライダーオーズの分身たちに向けて走り出す。

 

「おっしゃ!今から攻めまくるぜ!」

 

「まずはウチらが!」

 

一方、島の正面側ではスタッグハードスマッシュ瀬呂と麗日、峰田がV9との戦闘を開始していた。

 

「受けてみやがれ!」

 

島にある岩を集めておいた麗日は、それらを自身の個性を使い重力から解き放ち宙に浮かせると瀬呂が肘から出したテープを岩に付けて次々とナインに受けて投げていく。

 

「全部弾いた!?」

 

「アイツの個性が反射って牙竜が言ってたな…」

 

「手強そうな個性…」

 

投げつけた岩は次々とナインに弾き飛ばされていく。

 

「これはどうだ!」

 

峰田が東部のもぎもぎを投げつけるがそれらも全て跳ね返される。

 

「あぶねえ!一旦退くぞ!」

 

瀬呂が二本の刀、ラプチャーシザースから斬撃を放ちながら後方へ引いていく。

 

「そう簡単には逃がさん。」

 

「来やがったぞ!瀬呂!」

 

「いいや、これで大丈夫だ!」

 

逃げる瀬呂達を追うV9、徐々に彼らに迫っていくが…

 

「これは…」

 

V9の足が止まる。

 

「引っかかったな!トリモチトラップだ!」

 

その原因は地面に落ちた峰田のモギモギだ。

彼が弾き飛ばして地面に落ちたもぎもぎボールを踏んでしまったことで地面と足が引っ付き動かなくなってしまうと…

 

「解…除…!」

 

ここで麗日が宙に浮かしておいた岩の無重力状態を解除すると、多量の岩が一気にV9に降りかかる。

 

「麗日。大丈夫か?」

 

「平気…だけど……」

 

大量のものを無重力状態に保つのは麗日にとって負担が大きい事であるが、今はそれに構っていられる場合では無い。衝撃波を放って岩から出てきたV9が彼らに襲い掛かる。

 

「第一段階は上手くいってるぜ、後は任せろ!」

 

だがそのV9に今度は空から稲妻が次々と襲い掛かって来る。

V9はその電撃を空に向けて反射することで咄嗟の攻撃を凌ぎ切る。

 

「アイツどんだけ跳ね返してくんだよ!」

 

空から電気を放っていたのは上鳴が変身したオウルハードスマッシュだ。

飛行しながら何度も電気を放ち、撃ち返されても躱していく。

 

「アシッドショット!」

 

さらにこの場に芦戸も参戦し、自身の個性である酸をV9の足元に向けて放つとV9が一瞬バランスを崩す。

 

「ダークシャドウ!」

 

そこを援軍にやって来た常闇の個性であるダークシャドウが爪で攻撃を仕掛ける。

 

「クッ…!」

 

V9も負けじと背中から2匹の竜を生やして、ダークシャドウの攻撃を防ぐ。

 

「それ!」

 

さらにその竜に芦戸が放った酸が次々と飛ばされていき、竜の身体の一部が溶け始める。

 

「このまま押し切るぜ!」

 

麗日を避難させた瀬呂と上鳴も2人に続いて各々の武器で攻撃、上鳴の電気とスタッグハードスマッシュの刀が2体の竜に炸裂すると、それらは爆散する。

 

「これでも食らえ!」

 

さらにスタッグハードスマッシュが刀で切りかかるが…

 

「また跳ね返しやがった…」

 

その斬撃が跳ね返される。

 

「けど根気よく攻撃すれば…」

 

だが次は常闇のダークシャドウ、芦戸の酸、上鳴の電撃による波状攻撃を浴びせていく。

 

「オイラだって!」

 

「ウチも!」

 

さらに今度は峰田のもぎもぎで束ねた木の柵を無重力で浮かせてV9に向けて投げる。

 

「いいタイミングだぜ!」

 

それをも衝撃波で弾くV9だがその隙を突いて上鳴が電撃を放つ。

 

「どうだ!」

 

相手が反射できない隙を突いた一発に、V9も流石に怯むだろうと思われたが…

 

「効いて…ない……」

 

しかしV9はダメージによって弱った様子を見せるどころか天に向けて右腕を上げると……

 

「おいおい、これって不味いんじゃ……」

 

A組生徒達が身構えたが時すでに遅し、彼らの身体が宙に浮かび上がっていく。

 

「竜巻だ!」

 

峰田が咄嗟に叫んだ時には、彼ら6人はV9が作り出した竜巻の中に閉じ込められてその中で飛ばされていた。

 

「これでまずは…一網打尽だ……」

 

その竜巻に向けて空に渦巻く黒い雲から雷が落ちてくる。

 

「耐えたぜ…」

 

一発目の雷を上鳴自らが避雷針となることで何とか耐え抜くが…

 

「ウェ~イ」

 

その一発の電力だけで上鳴の脳がショートしてしまった。

 

「おい上鳴!しっかりしろ!」

 

頭がショートした状態の上鳴も他のクラスメイト達も未だ竜巻の中に巻き込まれて宙に浮いたままである。そこに向けて2発目の稲妻が落ちる。

 

「クソッ…!」

 

雷撃のダメージによって全員が失神し、地面に落ちていく。

 

「こんなものか…」

 

「いいや…まだッ…まだだッ…!」

 

そして古城の頂上を目指して歩み出すV9だがその足元にスタッグハードスマッシュがしがみつく。

 

「お前を上にッ…行かせるかよッ……!」

 

「邪魔だ。」

 

だがその背に向けてV9の爪が放たれると、足を握る力が弱まり、瀬呂は手を放してしまう。

 

『アイツら、中々体張ってくれたんじゃねえか?』

 

「ああ、俺の為にな…」

 

その様子を上から見ていた牙竜とエボルト

A組のクラスメイト達は昨日の戦闘で負傷していた牙竜のことを気遣い先陣を切ってV9に挑んでいった。

そしてその間に牙竜とエボルトは対策を練っていた。

 

「アイツ、個性一個ずつしか使ってなかったな。」

 

『ああ、俺も見てたけどそうらしいな。同時にはあんま使えなさそうだな。』

 

「それに上鳴の奴が雷一発耐えてくれたから追加でもう一発ぶっ放してやがる。もしその負担がかかってるなら…」

 

『消耗は激しいだろうな。じゃあこっからは俺達のターンだ。』

 

2人が突き出した拳を合わせ互いの目を見る。

 

「あの…!牙竜さん!」

 

その場に八百万が駆け寄ると。

 

「これ、直しておきましたわ。」

 

そう言ってスカジャンを渡す。

 

「ありがとよ…」

 

それを受け取ると彼女のことをぎゅっと抱きしめて

 

「絶対生きて帰って来るから…待っててくれ…」

 

『ビルドドライバー!』

 

そう言うとスカジャンを纏いビルドドライバーを腰に巻いて敵に向かって走り出す。

 

「いくぜ…」

 

『ああ…』

 

『エボルドライバー!』

 

エボルトも自身の腰にエボルドライバーを巻き付ける。

 

『ボトルバーン!』

 

『オーバー・ザ・エボリューション!』

 

『クローズマグマ!』

 

『コブラ! ライダーシステム! レボリューション!』

 

そしてそれぞれがアイテムを挿し込み…

 

『『Are you ready?』』

 

「『変身!』」

 

『極熱筋肉!』

 

『クローズマグマ!』

 

『ブラックホール!ブラックホール!ブラックホール!レボリューション!』

 

『アーチャチャチャチャチャ チャチャチャチャアチャー!』

 

『フハハハハハハハハ……!』

 

2人はそれぞれ仮面ライダークローズマグマ、仮面ライダーエボル・ブラックホールフォームの装甲を身に纏い、V9に向けて一気に飛んで行く。

 

「来たか…」

 

早速、クローズがマグマを纏った拳をV9に向けて振り抜くがそれはすぐ反射の壁で阻まれてしまう。

 

「反撃かッ…!」

 

壁で阻まれたマグマが反射されて牙竜の方に飛ぶが…

 

『防御は任せろ。』

 

そのマグマをエボルがブラックホールを生成し、一瞬で消し去る。

 

「ああ、頼んだぜ!」

 

クローズからはパンチとキックの応酬がV9に向けて浴びせられていくが、彼の攻撃が反射されてもすぐにエボルトがブラックホールをぶつけて打ち消していく。

 

『さあ、打てるだけ打っちまえ!』

 

「はいよ!」

 

エボルトが反射してくる攻撃をカバーしてくれるお陰でクローズマグマは果敢に攻めることが出来る。

マグマを纏った拳を撃ち続けていく。

エボルが攻めに回ってしまえば反射した際の被害が大きくなってしまう。

そこでその力を全て防御に振ることで牙竜らが受けるダメージを減らしていく。

 

「オラ!どうだ!食らいやがれ!!」

 

反射する隙も無い程に拳が撃ち込まれていくと徐々に反射のバリアにヒビが入っていく。

 

『避けろよ。』

 

クローズが一度身を引くと、バリアに蓄積されたマグマがクローズに向けて噴射する。

だがそこに向けてエボルが掌の上で形成したブラックホールをぶつけるとマグマが一瞬で消し飛ぶ。

 

「『オラァ!』」

 

クローズとエボル、それぞれが蹴りを突き出すと、遂にバリアが破れてしまい2人の足がV9の胸板に突き刺さる。2人の足に突き飛ばされたV9の身体が引き下がってしまうと…

 

「攻めまくんぞ!」

 

クローズとエボルが交互にV9に向けて殴りかかっていく。

防戦一方に追い込まれたV9も背中から使い魔の竜を生やして抵抗するが、一瞬で2人に打ち砕かれていく。

 

『この距離ならバリアは張れないな。』

 

『スチームショット!』

 

そして腹部にライフルモードにしたトランスチームガンからエレキスチームの電気を纏ったエネルギー弾を解き放つ。

 

「また反射すれば…」

 

さらに飛び蹴りを仕掛けてくるクローズマグマに対して反射の個性を発動しようとしたが、上手く発動せずに蹴飛ばされてしまう。

 

「もう反射は出来ねえのか!」

 

『だったらここで一気に決める。』

 

個性発動による負担、牙竜達の攻撃による蓄積、そして腹部に打ち込まれたスチームショットのダメージで既に反射の個性を使えなくなってしまっていた。

 

『『Ready! Go!』』

 

『ボルケニックフィニッシュ!』

 

『ブラックホールフィニッシュ!』

 

『アーチャチャチャチャチャ チャチャチャチャアチャー!』

 

ここまでは完全に牙竜達の作戦通りだ。

瀬呂と上鳴達でV9を消費させてから牙竜とエボルトの2人で攻め立てる。

そして反射をできなくなったところで2人のライダーキックを同時に打ち込む。

だがV9も此処で負ける気はなく自身のエネルギーを右腕に集中させてライダーパンチを放つ。

 

「打ち破れ!」

 

必殺技の威力は牙竜達の方が圧倒的に上だ。

咄嗟に個性の一つである衝撃波を放つがそれすらも2人のライダーキックに打ち破られ、その強大なエネルギーをその身に受けたV9ば爆炎を上げながら吹き飛ばされて地面に落ちると共に爆発を起こす。

 

「やったか…!?」

 

『いや…まだだ……』

 

だが巻き起こる砂埃の中からV9の姿が再び現れる。

 

「俺をここまで追い込むとは…だが…これには耐えられるかな……?」

 

そのV9の身体には紫色の稲妻が流れ、体表のラインも紫色に染まっていく。

 

「何が起きやがんだッ…?」

 

「リミッター…解除……!」

 

その一声と共にV9の背中に4つある柱上のリミッターが突き出る。

それに合わせてV9の人工筋肉が膨張してその体躯は寄りマッシブなものに変わり、顎のマスクが開きクラッシャーが大きく展開する。爪はより鋭くなりその姿は正に獣である。

 

「お前たちはもう負けだ。菅野が既に平行世界ゲートを奪いに行ってる筈だ。」

 

『何ッ…!?』

 

「そしてお前達は…俺に狩られる……!」

 

V9の言葉通り、平行世界ゲートには既に菅野らが向かっていた。

 

「このライダー…強い……」

 

「防ぎ切れるかどうか……」

 

平行世界ゲートの試作機を隠していた小屋には堀内とA組の尾白、障子、耳郎の3人が陣取って防衛をしていたが、菅野と共に現れた仮面ライダーファルシオン・アメイジングセイレーンの吸収を受け、彼らは危機に瀕していた。

ファルシオンの使うアメイジングセイレーンのワンダーライドブックは複製されて他人に譲渡することが出来る。あくまで召喚された存在であるファルシオンだが、複製の能力により複数体に分身していた。

爆豪らが倒したのはその内の1体だ。複製されたファルシオンの内1体は菅野と共に堀内たちに襲い掛かっていた。

 

『必殺黙読!』

 

無銘剣虚無をブレードライバーに収めてからトリガーを一回引き

 

『抜刀!神獣無双斬り!』

 

抜刀してから剣を振るうと白い斬撃が尾白と障子に向けて放たれ、彼らの足元で爆ぜる。

 

「尾白!障子!」

 

吹き飛ばされた2人が地面に倒れこむ。

 

「さあ、観念しろ堀内!」

 

「いいや、そんな訳にはいかない…」

 

「だが、ここからどうやって勝つつもりだ?」

 

菅野とファルシオンがじわりじわりと歩み寄る。

剣を地面に引きずれば火花を散らしながらコツンコツンと足音を鳴らす。

 

「いいや、まだ諦めるわけにはいかない!まだ私にはこれがある。」

 

そう言うと堀内はUSBメモリを平行世界ゲートの試作機に挿し込み、装置を起動する。

 

「何をする気だ!?」

 

「私は仮面ライダー達とショッカーの戦いを見て一つの希望を見出した。きっとこれを使えば正義の仮面ライダーだって呼び出せる筈だ!」

 

「小癪な!やってしまえ!ファルシオン!」

 

平行世界ゲートに切りかかろうとしたファルシオンだが、装置から放たれたエネルギーに弾き飛ばされる。

 

「動けるのか!?こんなオンボロで」

 

「ああ…私の発明品だからね!」

 

並行世界ゲート中央にエネルギーが収束すると球状のゲートが形成される。

先程挿したUSBメモリにはとある平行世界の座標データが記されており、ゲートがその座標と繋がる。

そしてゲートの中から青い髪の青年が現れる。

 

「ここは…」

 

青年は平行世界ゲートの上から降りつつ辺りを見回す。

突然飛ばされてきた場所に戸惑っている様子だが地面に倒れる尾白らの方を見るとそちらに駆け寄る。

 

「大丈夫ですかッ…?」

 

「あ、あなたはッ…」

 

「そうだッ…!?お前は誰だ?」

 

尾白と菅野、それぞれから名前を聞かれた青年は立ち上がって菅野の方を見据える。

 

「僕は北条颯馬、どうやら悪いのはそっちみたいだね。」

 

そして懐から取り出したベルトの様な物を腰に付ける。

 

「もう安心して、後は僕がやる。」

 

『マーベルドライバー!』

 

マーベルドライバーを腰に付けた颯馬は尾白らの前に出て菅野とファルシオンの2人と向き合う。

 

「まさかお前も仮面ライダーなのか!?」

 

「うん、正解」

 

『ワカンダフォーエバー!』

 

颯馬が取り出したディスクにはマーベルヒーローの1人、ブラックパンサーの姿が描かれている。

 

「変身」

 

ディスクをマーベルドライバーのメインスロットに装填し両脇のスイッチを同時に押すとナノマシン製の装甲が彼の身体を覆っていきヴィブラニウム製の黒い鎧を纏う。

 

『ロイヤルアベンジャー!アッセンブル!』

 

ブラックパンサーを髣髴とする黒ヒョウの姿を模した姿、最強金属ヴィブラニウムの装甲、手指から生える鋭い爪。マーベルヒーローであるブラックパンサーと彼が国王と務めるワカンダ国の戦士達の力を秘めた戦士、仮面ライダーマーベル・ワカンダフォーエバーへと姿を変えた北条颯馬とファルシオンが互いに向けて走り拳を交える。

 

「あれが平行世界の仮面ライダー…」

 

「僕が仮面ライダー…マーベル!」

 

To be continued




なんと今回、ハーメルンノベルティックライダーズにも出ている仮面ライダーマーベルがこちらの映画にも登場致しました!
一回やってみたかったんですよ、こういうコラボ

コラボ先はこちら
https://syosetu.org/novel/290753/

敵ライダーの詳細

仮面ライダーザイア
ゼロワンのVシネクストに登場したライダー
別名歩くサウザンジャッカー

古代王仮面ライダーオーズ
オーズのVシネマ、運命のコアメダルに登場
噛ませ犬の汚名返上ができるかどうか期待

仮面ライダーファルシオン・アメイジングセイレーン
セイバーのVシネマに登場
Vシネマ本編でも複数体いたのでこちらでも複数体召喚されているもよう


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劇場版 クローズ&エボルのヒーローアカデミア ピースサイン3

今回も前回に引き続き仮面ライダーマーベルも登場します。

マーベル本編はこちら!

https://syosetu.org/novel/290753/


(3人称視点)

 

「僕が仮面ライダー…マーベル!」

 

並行世界からやって来た仮面ライダーマーベル・ワカンダフォーエバーに対してファルシオンは無銘剣虚無で切りかかる。だがそれを右腕でガードしてから左手からヴィブラニウム製の槍を作り出してそれを手に持ちファルシオンの胸に向けて突く。

 

「ハッ…!」

 

さらにそこから槍を振るい、頭部や腹部を叩いていく。

時折刃先がファルシオンの身体を切り裂いていき、ファルシオンが縦に振った無銘剣虚無を右腕と左腕を重ねた状態で受け止めると隙を突いて腹部に蹴りを入れる。

 

「この人強い…!」

 

「馬鹿なッ…!ファルシオンが…」

 

体術と槍裁きでファルシオンの攻撃を避けつつ徐々にダメージを与えていく。

ヒーローとして戦う術を学んでいる雄英生からしてもその体術は圧倒的だ。

槍を使って剣戟をしっかりガードしつつ気が逸れだした頃に腹部や頭部に向けてハイキックを打ち込んでいく。

 

「危ない…」

 

ファルシオンが咄嗟に堀内らに向けて無銘剣虚無を投げつけたが、咄嗟に合間に入ることでその身で受け止める。

ダメージを受けて倒れこむマーベルに向けてファルシオンがさらに殴り掛かろうとするが、マーベルのスーツ胸部から衝撃波が放たれてファルシオンが吹き飛ばされる。

 

「流石ヴィブラニウムのスーツ。」

 

マーベルが着ているブラックパンサーのスーツはヴィブラニウムというマーベル世界における最強の金属である。このヴィブラニウム製のスーツは受けた攻撃のダメージを吸収し、衝撃波として反射することが出来る。今ファルシオンの剣で受けたダメージがスーツから衝撃波として放たれて敵を吹き飛ばしたのだが、ブラックパンサーの力はそれだけではない。

 

「喰らえ!」

 

軽快な動きと身体能力、そこから繰り出される体術はファルシオンを翻弄するのには十分だ。

ヴィブラニウムの爪で装甲を次々と切っていくと、火花を散らしながら鎧の破片が宙を舞う。

 

『ファイナルアタック!ワカンダフォーエバー!』

 

マーベルの体表に紫色の稲妻が走ると、スーツも徐々に紫に染まっていく。

 

「パンサーバースト!」

 

その状態でファルシオンに向けて一直線にタックルでぶつかると、衝撃とエネルギーが一気に解き放たれる。それらを同時に身に受けたファルシオンの身体は宙を舞い、地面にぶつかるのと同時に爆発し消滅する。

 

『颯馬様、他の場所にも敵がいるようです。』

 

「分かった、すぐに行くよ。」

 

『スタークスーツ!』

 

仮面ライダーマーベルに搭載されたサポートAIジャービスが他の敵がいることを察知するとそのことをすぐに颯馬に伝える。そう聞いた彼はアイアンマン、ウォーマシン、レスキューらトニースタークの会社、スタークインダストリー製のパワードスーツを纏うヒーロー達の力を秘めたスタークスーツのディスクをベルトに挿入していたワカンダフォーエバーディスクと入れ替える。

 

『アイアンアベンジャー!アッセンブル!』

 

マーベルドライバーから放たれた青色の光はパワードスーツと武器を形成し、それらが仮面ライダーマーベルの身に次々と装備されていく。

 

「行っちゃった…」

 

「中々強いライダーでしたな…」

 

彼の戦いの間に菅野を捕まえて拘束した耳郎と堀内はスーツを纏って空に向けて飛んで行く様子をただ見ることしかできなかった。

そしてファルシオンは実はもう1体居たのだ。

元々3体召喚されていたファルシオン・アメイジングセイレーンだがそのうち一体は昨日爆豪らに敗れ、別の一体も先程マーベルに倒された。そして最後の一体は避難する住民たちに襲い掛かっていた。

 

「お兄ちゃん!お姉ちゃん!」

 

ファルシオンの攻撃を受けて住民たちを守っていた口田、砂藤、葉隠らは地面に伏しており、そこに島乃姉弟が駆け寄り彼らの身体を揺すっている。

 

「危ない!活真!」

 

だがファルシオンは子供相手でも容赦をせずに剣を振るおうとするが…

 

「もう大丈夫。」

 

その間に空から飛んできた仮面ライダーマーベルが間に入って彼らを庇う。

 

「ここは任せて!」

 

そして両椀のサブマシンガンと肩のガトリングガンが一斉にファルシオンに向けて火を噴く。

マーベルと3体目のファルシオンの戦いが始まった頃、ザイア達の戦いも佳境を迎えていた。

 

「弱点は…大体わかったな…」

 

切島が攻撃に耐えている間に飯田、蛙水、轟の3人がザイアに波状攻撃を仕掛けることでザイアの弱点を彼らは見抜いていた。

 

「個性は1つずつしかコピー出来ねえみてえだな。」

 

「それに保有できる時間は少ないみたいね。」

 

確かにザイア自身は強いが個性のコピーという面ではB組の物間の方が上だ。

そのことが見抜けたため、轟は一気に攻めるために一度変身を解除し、エボルトから受け取ったビルドドライバーを腰に巻く。

 

『プライムローグ!』

 

プライムローグボトルを折り曲げ、噛ませるように打ち付ける。

 

『ガブッ!ガブッ!ガブッ!ガブッ!ガブッ!』

 

起動したボトルをビルドドライバーに挿入してレバーを回す。

 

『Are you ready ?』 

 

「変身」

 

『大義晩成!プライムローグ!』

 

『ドリャドリャドリャドリャ!ドリャー!』

 

純白のマント"プライムセイバーマント"を身に着けた仮面ライダーローグの新たな姿、プライムローグ

轟焦凍が新たな力を手にし、仮面ライダーザイアの前に出る。

 

「ここまで耐えてくれて助かった…ここからは俺に任せろ。」

 

ザイアは切島も個性をコピーし、自身の拳を硬化させた状態で殴り掛かるがプライムローグは自身のマントであるプライムセイバーマントでその攻撃を防ぐ。

このマントはエボルトの様な地球外生命体の攻撃すらも凌ぐ防御力があり、拳はマントに触れてしまえばそこから突き抜けれず、ザイア自身の足元も轟自身の個性によって氷に覆われる。

 

「早く倒して下間達の援護にいかねえとな…」

 

昨日はザイアと戦ったが倒すことが出来なかった。

それが尾を引き生き残ったザイアを倒すために仲間達は分散せざるを得ない状況になってしまった。

牙竜達の援軍に早く行きたい轟は右手に氷、左手に炎を纏わせた状態でザイアに連続で殴り掛かる。

 

「ハッ…!」

 

敵に連続で触れるということは個性をコピーされやすい状態であるということだ。ザイアも半冷半燃の個性をコピーして炎を放つが、プライムローグはマントで防ぐ。

 

「エボルトの言う通り…いい防御力だ。」

 

個性をコピーしたザイアの攻撃だが、プライムローグのマントや装甲の防御の前に次々と防がれていく。

 

「ケロ、個性が消えた…」

 

約一分ほどザイアが攻撃を続けたがそのタイミングでコピーした個性が打ち止めとなりザイアの動きが止まる。

 

「蛙水!頼んだ!」

 

プライムローグと入れ替わるように蛙水が前に出ると轟から預かったネビュラスチームガンでザイアを撃つ。

その間にも轟がザイアの足元を凍らせる。

ザイアの周囲を蛙水がカエルのように飛び回って攪乱しつつ銃で撃っていく。

 

「行くぜ飯田!」

 

「ああ、任せたまえ!」

 

蛙水の動きに翻弄されているザイアに向けてエンジンで加速する飯田に押されながら切島が突撃する。

 

「おりゃあ!」

 

ぶつかっていく推進力と共に拳でザイアを殴り飛ばし、彼が宙を舞う間にプライムローグがレバーを回す。

 

『Ready Go!』

 

『プライムスクラップブレイク!』

 

右足に氷、左足に炎を纏った状態でザイアに向けて駆けるとワニが得物に噛みつく様に両脚で挟みこむ。

挟むようにザイアの身体を蹴り、そのエネルギーで弾き飛ばされたザイアは宙を舞いながら火花を散らし爆発する。

ダメージに耐え切れなくなったザイアの肉体は爆発を起こした後、塵一つ残すことなく消滅する。

 

「このまま下間の援護に行くぞ。」

 

轟たちは未だ体力に余りがあるので牙竜らの援軍に向かう。

 

「数が多すぎるッ…!」

 

一方その頃、タンクタンクフォームにビルドアップした仮面ライダービルドこと緑谷出久は50体近い数に分身した古代王オーズに追い詰められていた。

古代王オーズはウヴァ、カザリ、ガメル、メズールの4体のグリード達を体内に吸収しており、彼らの持つメダルの力をメダルスキャンをせずに使えるので、分身や熱による攻撃、重力操作に液状化と様々な手段を使ってビルド達を追い詰めていた。

昆虫系のメダルの力を使い分身した古代王オーズらがそれぞれ能力を使って攻撃するので流石の出久も地面に膝を突く。

 

「このままじゃ…」

 

そんな出久に向かって4体のオーズが必殺技を放とうとしていた。

 

「動けッ…!動けッ…!」

 

既にダメージが蓄積された出久は自身の身体に鞭を打ち、何とか攻撃を避けるが更に他のオーズが刃を向けてビルドに突撃していく。

 

「あぶねえ!」

 

『激凍心火!グリスブリザード!』

 

オーズ達の攻撃が出久に向けて放たれようとしたその時だった。

先程まで気絶していた爆豪がグリスブリザードに変身し彼らの間に割り込むと、古代王オーズの分身体を氷を伴った爆破で凍らせる。

 

「かっちゃん!」

 

「こんなもんじゃねえだろ!出久!」

 

爆豪の戦線復帰で状況は好転、グリスブリザードの氷とビルドタンクタンクフォームの砲撃が古代王オーズ達を次々と退かせる。

爆破の推進力で爆豪が飛びながら左手のパワーアームであるGBZデモリションワンをで敵に殴り掛かっていき、出久に襲い掛かる敵達を地に伏せさせていく。

 

「最近は牙竜の奴らが目立ってるけどよお…俺らだって負ける訳にはいかねえだろ…」

 

『ウェルカム!一致団結!』

 

「そうだね、僕達だってオールマイトみたいに…」

 

『グレート!オールイエイ!』

 

そして敵の波を止めるとその隙にエボルトから受け取ったアイテムをそれぞれ起動する。

共にオールマイトを目指し、時にぶつかり合い時に肩を並べて戦ってきた2人は共にクラスメイトでもあり最も高い壁である牙竜を超える為にまずは分身した古代王オーズ軍団に挑む。

 

『イエイ!イエイ!』

 

『イエイ!イエイ!』

 

『グリスパーフェクト!』

 

それぞれジーニアスボトルとグリスパーフェクトキングダムをビルドドライバーに挿し込んでビルドドライバーのレバーを回す。

 

『『Are you Ready?』』

 

「「ビルドアップ!/出来てるよ…!」」

 

『完全無欠のボトルヤロー!ビルドジーニアス!』

 

『スゲーイ!モノスゲーイ!』

 

『ファーマーズフェスティバル!グリスパーフェクト!』

 

『ガキン!ゴキン!ガコン!ドッキングー!』

 

仮面ライダービルド・ジーニアスフォームと仮面ライダーグリスパーフェクトキングダムが古代王オーズとその分身たちに囲まれつつも並び立つ。

 

「助けて勝つ!」

 

「勝って助ける!」

 

2人が古代王オーズの軍団に向けて一気に駆けると、ビルドジーニアスは自身の白いボディに刺さっている色とりどりのフルボトルに象徴されるように60本のフルボトルの力を使いこなすことが出来る。

出久自身エボルトから各ボトルの成分を学んでいて、普段の訓練等でもボトルの力を有効活用している為か悠々とボトルの力を使いこなしてオーズ軍団に挑む。

 

「スマーッシュ!」

 

ハリネズミボトルの力で、右手に針を纏わせた状態で自身の個性ワンフォーオールを身体に張り巡らせる。身体能力を上げた状態で棘の付いた拳で古代王オーズ達を次々と殴り飛ばしていく。

 

「タコにはタコだ!」

 

タコメダルの力を使って自身の足を蛸の足に変形させたオーズとオクトパスボトルによって腕から蛸の足を生やしたビルドがそれぞれタコ足を鞭のように振るってぶつけ合う。だが今度はガトリングボトルの力を使ってホークガトリンガーを手元に生成し、その重厚から数多もの弾丸が放たれて古代王オーズの1体が撃破される。

他にもクマの手やヘリコプターの羽、シカの角にUFOと色々なものをボトルの力で作り出して次々とオーズの分身体達を攻撃していく。

 

「オラァ!」

 

一方のグリスも両椀に装着されたスタッグハードスマッシュを模したハサミの様な一対の剣で古代王オーズの分身達を次々と切り倒していく。

 

「死ねェ!」

 

中距離にいる敵は爆破を放って対処していき、背中の翼で飛び立つとオーズらに向けて降下していき剣で次々と切り裂いていく。

 

『ブルー!』

 

『Ready Go!』

 

『スタッグスラッシュ!』

 

グリスのビルドドライバーのレバーを一回転させ、両椀のブレードに青いオーラを纏わせると、グリスが敵の集団に向けて連続斬りを放つ。斬られた分身体は次々と消滅していく。

 

『ワンサイド!』

 

『Ready Go!』

 

『ジーニアスアタック!』

 

「テキサススマッシュ!」

 

ビルドも自身のドライバーのレバーを一回回し、有機物系のボトルのエネルギーを右腕に纏わせてオーズの分身達に向けて一気に解き放つ。出久の個性であるワンフォーオールとそのエネルギーを上乗せされて放たれる拳圧で吹き飛ばされたオーズの分身体が宙を舞い爆散していく。

 

『イエロー!』

 

『Ready Go!』

 

『オウルアタック!』

 

今度はグリスがベルトのレバーを2回転させて全身に黄色いオーラを纏って飛行すると敵の軍団に向けて突撃していく。突撃されて突き飛ばされた敵達が次々と撃破されていく。

 

『逆サイド!』

 

『Ready Go!』

 

『ジーニアスブレイク!』

 

「フルカウル…シュートスタイル!」

 

ビルドもドライバーのレバーを二回転させ、無機物系ボトルのエネルギーを纏わせた状態で出久は全身にワンフォーオールの力を張り巡らせて一気に加速。地面を蹴り宙を舞うとエネルギーを纏った足で上でから敵を次々と蹴り倒していく。

 

『レッド!』

 

『Ready Go!』

 

『キャッスルブレイク!』

 

「グレネードボム!」

 

グリスがビルドドライバーのレバーを三回転させると、両肩の盾が稼働して砲口が正面を向き、赤いエネルギー弾が残った古代王オーズ分身体たちに向けて放たれると、着弾と共に爆豪の最大火力での爆破が一気に巻き起こり古代王オーズの分身体を全て一掃する。

 

『ワンサイド!』『逆サイド!』『オールサイド!!』

 

『ブルー!』『イエロー!』『レッド!』『ゴールド!!』

 

そして2人は自身のビルドドライバーのレバーを何度も回し、ビルドは全ボトルのエネルギーを、グリスは赤・青・黄の3色のオーラをそれぞれ身に纏い残った古代王オーズ本体に向けて一気に走る。

オーズも負けじとコアメダルのエネルギーを身に纏わせて飛び上がる。

宙から地上にいる2人に向けて上からライダーキックを放つオーズに対して爆豪が爆破の推進力で飛び上がってドリルのように回転しながらオーズに向けて蹴りを放つ。

2人の蹴りが宙で拮抗する中…

 

「出久…!やれ…!!」

 

「任せて!かっちゃん!」

 

ビルドは勢いよく地面を蹴ると、ボトルの力でより高く飛び上がり、その場から虹色のグラフを形成して古代王オーズを拘束する。

 

「スマーッシュ!」

 

そしてグラフの軌道に乗りながら突き進み、古代王オーズにライダーキックを叩きこむ。

さらにグリスのキックも威力を増し、2方向からの必殺キックに耐え切れず、宙で交錯するように2人のキックに貫かれる。

2つのキックを受けた古代王オーズは空中で爆発四散し、大量のメダルをまき散らす。

 

「やったな、出久」

 

「うん、かっちゃん」

 

古代王オーズに対しての勝利を確信した2人は拳を合わせて向かい合う。

 

「けどまだ、牙竜君達が…」

 

「ああ、分かってんよ。とっとと行くぞ!」

 

そして2人もまた牙竜達の援軍に向かう…

 

(八百万視点)

 

「牙竜さん…エボルトさん…」

 

お二人を見届けた後私は事前の打ち合わせ通りに皆さんの救助に向かいました。

上鳴さん達を避難させて戦いの様子を見ていたのですが途中で敵の方が覚醒してしまって牙竜さん達が押されてしまってますわ…

 

「そんなっ…!」

 

最初は私達の立てた作戦通りに敵のライダーの反射を突破は出来たのですが…あちらの姿が変わってからは形成を逆転されてしまいました。

掌の上で金属の塊を生成して牙竜さん達に投げつけたり、背中から生える複数体の竜で攻撃したりして牙竜さん達が次々と追い込まれていますわ…

 

「ここは私がっ…」

 

私はもう牙竜さんが倒されるのを見たくはありません!

あの時の…合宿の時の様な悲しみはもう味わいたくないです!

 

「牙竜さん!次は私が助ける番です!」

 

私はいつも牙竜さんに助けられてばかりでした。

けど私だってヒーローを目指す者の1人、私だって助けることが出来るんです…

 

「力を貸してください!」

 

『エボルドライバー!』

 

エボルトさんから受け取ったベルトを腰に巻きます。

エボルトさんが使っている物と同じ形ですが、私の様な普通の人間でも使えるようにしているとおっしゃってました。

 

『コウモリ!発動機!エボルマッチ!』

 

2本のボトルを挿入して牙竜さん達のようにレバーを回します。

 

『Are you ready?』

 

「変身!」

 

『バットエンジン!ヌゥハハハハハハ……!』

 

仮面ライダーマッドローグ、エボルトさんに教えてもらった名前です。

初めての仮面ライダーへの変身を果たし、牙竜さんたちに向けて一気に飛びます。

 

「牙竜さん!エボルトさん!助けに来ましたわ!」

 

(エボルト視点)

 

V9のヤロウを覚醒させちまってから俺と牙竜は冷静に追い込まれちまった。

反射も復活してるせいで俺の攻撃をむやみに繰り出すこともできなかった…

だがここで有難い援軍の登場だ。

 

『ようやく来たな、八百万』

 

「エボルト!テメエ百に何を仕込みやがった!」

 

まあ、牙竜が怒ってるが仕方ねえ。相談も何もしてねえからな…

アイツに黙って八百万を仮面ライダーにしちまったしな。

 

「牙竜さん、エボルトさんを責めないでください。私だって…皆さんのように牙竜さんと並んで戦いたいんです!」

 

「百…」

 

「私も…あなたのヒーローになりたいんです!ダメですか…?」

 

「仕方ねえ…テメエの想い!受け取ったぜ!」

 

牙竜だって決して甘い訳じゃない。牙竜が八百万を認めたのはアイツのヒーローとしての想いが強いからだ。俺だってその思いを受け止めてアイツにベルトを渡した訳だし、牙竜だってきっとこの気持ちを分かってくれたはずだ。

 

「何を話している?」

 

『危ない!』

 

おっと、色々と話してる間にV9がまた金属の塊で攻撃してきやがったな。

ここはいっちょ俺が蹴って砕いとくか。

多分これもV9の個性だな。ここまで使わず隠してきやがったのか。

 

「よそ見してる場合じゃねえな。」

 

「ええ、いきましょう!」

 

『ああ、反射には気を付けろよ。』

 

V9は再び背中から十数体の龍を生やして、俺らに攻撃してくる。

 

「私が惹きつけますわ。」

 

八百万はネビュラスチームガンとスチームブレードを手に竜達に攻撃、そちらに気がそれたところで…

 

「喰らえ!」

 

横から牙竜がマグマを纏った拳で竜達を殴り飛ばす。

 

「百!そっち気を付けろ!」

 

「大丈夫ですわ!」

 

V9がキューブ状の鉄塊を手の上で生成しマッドローグに向けて投げるが…

 

『ファンキーショット!』

 

ネビュラスチームガンをライフルモードにし、バットフルボトルを装填してエネルギー弾で撃ち抜く。

 

『中々いい感じだな。俺も頑張らねえと…』

 

さてさて、今度はV9の龍が俺に向かって襲い掛かって来たんで…

 

『ほい、』

 

手を翳してブラックホールのエネルギーをぶつけて龍達を一気に破壊する。

 

『まだ来るか…』

 

懲りずにまた龍を再生して攻撃を繰り出してくるのでまた手を翳し…

 

『ほう…まだ個性があるのか…』

 

龍から放たれた衝撃波と俺のエネルギーがぶつかり合う。

この衝撃波も奴の個性だろうな。

 

「オラァ!隙だらけだぜ!」

 

だがV9が龍を操ってる間に牙竜が背中のブースターで加速して一気に奴の懐に潜り込んで拳を放つ。

 

「クソッ…」

 

だがそれもまた反射で跳ね返されて、マグマの拳が牙竜にぶつかる。さらに奴の指から放たれた光線が牙竜の身を襲う。

 

「牙竜さん!」

 

八百万がネビュラスチームガンで撃って牙竜を援護するが、今度は鉄の弾丸が生成されて八百万に向けて放たれる。

 

『手強いな…』

 

ブラックホールを生成して弾丸を全て吸収して消滅させる。

 

「アイツッ…個性を同時に…」

 

牙竜も一度俺達の方に身を退かせる。

 

『ああ、さっきと段違いだ。さっきまでは一個ずつしか使ってなかったんだけどな。今は個性を同時に使っている…恐らく身体の負担とかそういうデバフも小さくなってるだろうな。』

 

限界を超えたバーストモードってなるとそういったデメリットもある程度克服されちまってるんだろうな。まあぶっちゃけ覚醒前よりも手強いのは確かだ。

 

「つっても向こうにも限界はあるはずだ。リミッター外したつっても身体には負担はかかってるはずだ。」

 

『ああ、このまま攻めまくれば向こうにも限界が来る。』

 

「けど、このままだと防戦一方ですわ…」

 

相手に取って問題は長期戦だ。無理やりリミッターを外してるんだったら相手のスタミナはきつい筈だ。

攻め続けたら何れ倒せる可能性もある。問題は奴の多彩な個性、現状こちらは攻めあぐねている状況だ。

どう攻めればいいのだろうか…

 

「A・P・ショット!」

 

その時だった、空中からアイツがV9を爆撃して登場だ。

 

「爆豪!」

 

「チンタラしてんじゃねーぞ!!クソがぁ!!」

 

グリス・パーフェクトキングダムに変身した爆豪がV9に爆破を浴びせながら俺達の下に降り立つ。

 

『フルフルマッチデース!』

 

さらに出久が変身したビルドジーニアスフォームもフルボトルバスターを持って参上だ。

フルボトルバスターの一撃は敵が召喚した龍達を打ち砕く。

 

「俺達もいるぜ!」

 

更に切島とプライムローグに変身した轟もこの場に駆け付ける。

恐らくV9が放った他のライダー達は倒されたんだろうな。

 

『ようし、切島、飯田、蛙水は倒れてる奴らを頼むぜ。』

 

「おう!」

 

つってもここは切島達には厳しい戦いになりかねない。

飯田もまだ動けるなら3人には救助をしてもらった方がありがたい。

 

『さて、この6人でやればアイツは倒せるだろうな…』

 

「いいや…俺達だけじゃ無いみたいだな。」

 

そう言って轟が空を指差すと光に包まれた一人の戦士が宙を飛び、こちらに向かってくる。

その戦士がV9の背後に拳から放たれるエネルギーをぶつけて攻撃していく。

 

「アイツも…仮面ライダーなのか?」

 

敵の周囲を飛び回り、何度も敵にエネルギー弾を撃っていくその戦士の装甲は仮面ライダーとも言えるが、飛ぶ姿はスーパーマン?いや、アベンジャーズのキャプテン・マーベルに似ている。

 

『お前は誰だ?』

 

「僕は仮面ライダーマーベル、状況はよく分からないけど助太刀させてもらうよ。」

 

「そうか、助かるぜ。」

 

ビルド・ジーニアスフォーム、クローズマグマ、グリスパーフェクトキングダム、プライムローグ、マッドローグ、マーベル、そしてこの俺エボル・ブラックフォームの7人のライダーがV9の前に並び立つ。こいつ等さえいれば…まだ倒せるチャンスはある。

 

『さあ、クライマックスだ!』

 

「ああ、お前ら行くぞ!」

 

俺達7人はV9に向けて雪崩れ込んでく。

 

To be continued




仮面ライダーマーベルの能力解説
仮面ライダーマーベル
マーベルドライバーとヒーローディスクで変身する。
能力は各ディスクに依存する。

マーベルドライバー
ディスクを入れれるディスクスロットが2つ付いており、右側には変身やフォームチェンジ用のメインスロット、左側にはサポートディスク専用のサブスロットがあり、変身時などは両脇のスイッチを押してディスクの力を呼び起こす。
右側のスイッチだけを押すと力が増幅するブーストを発動、両側のスイッチを同時押しすると必殺技のファイナルアタックを発動する。

ヒーローディスク
ドライバーのメインスロット専用のディスク
変身やフォームチェンジに使用する。

サポートディスク
ドライバーのサブスロット専用のディスク
変身後に特殊な能力や装備を付与する。

サポートAI
ジャービス
マーベルドライバーに搭載されている。
変身者のサポートが主な役目

ワカンダフォーエバー
ワカンダディスクで変身する。
ブラックパンサーとワカンダの兵士達のデータが秘められている。
ブラックパンサーのヴィブラニウム製のスーツを着ていて、爪を使っての戦闘が得意。受けたダメージをヴィブラニウムによって跳ね返すこともできる。

スタークスーツ
スタークディスクで変身する仮面ライダーマーベルの形態の一つ。
アイアンマンの赤と金の金属のアーマーを装着している様な姿
アイアンマン、ウォーマシン、レスキュー(ペッパーポッツ)のデータが秘められており、アイアンマンさながらのパワードスーツにウォーマシンの様な重装備が幾つも付けられている。
必殺技は胸部のリアクターから放つアルティメットユニビーム
専用のサポートディスク
ナノテクディスク
スタークスーツのアーマーと装備をナノテク仕様に変化させる。
パーティーディスク
ホームパーティープロトコルを発動して35体の多種多様なアイアンマンのアーマーを召喚する。


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劇場版 クローズ&エボルのヒーローアカデミア ピースサイン4

(3人称視点)

クローズとエボルを中心とした雄英高校のライダー達と宇宙のヒーローキャプテンマーベルの力を模した仮面ライダーマーベル・ザ・スペース・キャプテンの7人の仮面ライダーが一斉にV9に攻撃を仕掛けていく。

 

『『ファンキーショット!』』

 

エボルとマッドローグのネビュラスチームガンが同時に火を噴いて、コブラとコウモリの姿を模したエネルギー弾がV9の背から生える使い魔の龍達とぶつかり合う。

龍達がやられてしまってもまた生えてきて襲い掛かって来るが、エボルがマッドローグと共に一体ずつしっかりネビュラスチームガンライフルモードで撃って撃退していく。

 

(奴らの内数名の個性が分からない…何故だ…)

 

ビルドらを指からの光線や生成した金属で攻撃してけん制しているV9だったが、彼も考え無しで戦っているわけではない。V9の個性のうち一つは個性サーチであり、戦っている相手の個性が何かを把握することが出来る。

だがしかし、現在対峙している7人の内3人の個性が何かを察知することが出来ない。

 

「シールドが硬い!」

 

元々牙竜が無個性で現在エボルトと共生している状態故にエボルトと牙竜は個性が無いという判定になってしまう。さらに現在彼に対してフォトンブラストを数発ほど放っている仮面ライダーマーベルこと北条颯馬も個性のない世界の住民であり、無個性の人間と何ら変わりはない。そもそも彼ら含めた7人は現在仮面ライダーに変身しているという事情を考慮すれば個性サーチだけでは彼らへの対策を立てることは難しい。

 

「どれだけ撃とうと無駄だ。」

 

一先ずV9は自分に対して撃たれた攻撃を反射することにし、マーベルに反射したフォトンブラストが襲い掛かる。

 

「成る程、ブラックパンサーみたいな感じか…」

 

彼は自身の身体をバイナリーパワーで覆うことで攻撃を防ぎ切る。

 

「どれだけ攻撃しても反射される…」

 

「だったら限界まで攻め続けるだけだ!」

 

「ああ、反射された分は俺が守り切るから撃ちまくれ!」

 

今度はグリスとビルドが攻めに転じる。ビルドはワンフォーオールによる身体能力強化、グリスは掌からの爆破による推進力で加速しながらV9の周囲を駆け回る。

 

「デトロイトスマッシュ!」

 

「ハウザーインパクト!」

 

そして右からはビルドのパンチが、左からは回転を加えたグリスによる爆破が放たれるがそれも反射の壁で防がれる。

 

「オラァ!」

 

田が反射しようとしたその矢先、今度は正面からクローズがマグマを纏った拳で殴り掛かってくる。

それもV9の反射の壁で防ぐが攻勢はまだ終わらない。

 

『パイレーツ!クリエーション!』

 

マッドローグがエボルトから拝借したライダーエボルボトルと海賊フルボトルをドライバーに挿入し、レバーを回すとカイゾクハッシャ―が生成され、そのビルドアロー号をマッドローグが引っぱり、エネルギーをチャージしていく。

 

『各駅電車、急行電車、快速電車、海賊電車!』

 

最大チャージされたカイゾクハッシャ―の一撃が斜め上から放たれ、V9は4方向からの攻撃に耐えている状態になる。

 

『マーベルさんよ、良い一撃を叩きこんでくれ。』

 

「了解。」

 

そしてエボルトの指示でバイナリーパワーを全身に纏ったマーベルが宙へ飛び上がり、V9に向けて一気に降下していく。

頭上からの攻撃に遂にV9の身体を守っていたバリアは限界を迎えて崩壊する。

反射を発動することなくバリアが崩れるが咄嗟に衝撃波を放って彼らを退かせる。

 

『この距離なら反射はできないな。』

 

だが牙竜達が身を引くのと入れ替わるようにエボルがV9に急接近し、ブラックホールの力を纏った拳をV9の腹部に打ち込む。

 

「クッ…!」

 

後退するV9にさらにパンチを打つがそれは再び形成されたバリアに阻まれる。

 

「おっと…」

 

反射の個性が復活し、エボルの一撃が反射されて放たれるが、間に入ったプライムローグがプライムセイバーマントでその攻撃を防ぎ切る。

エボルトのパンチの威力すらも防ぎ切るほどの防御機能。それもプライムローグならではの能力だ。

 

「何回も反射が復活するなら、一気に攻めかかるしかねえな…」

 

一先ず体制を立て直すためにV9とその周囲を一気に凍らせてローグはエボルと共に後退。

 

『なあ轟…どう攻めるべきだ?』

 

「分かんねえけど…バリア砕いて確実に一発入れれんのは分かった…」

 

「けどすぐに復活しやがるな…」

 

反射を砕いたところでまたすぐに復活する。攻め続けるエボル達の体力の方が先に限界を迎えてしまう恐れがある。

 

「けどこの状態も、長くは続かない筈…」

 

V9の体力の底がどうなっているのかは一切分かっていないが、そうそう簡単に限界を超え続けることなど不可能。出久の言う通りV9がこの状態で長期戦を戦い抜けれる保証はない。数で優位なエボル達の方が勝ち目はある。

 

「問題はどう消耗させるかだな…」

 

「そう言う事なら話は早いぜ。爆豪」

 

「なんだ?」

 

「天気操る個性も使ってくるんだが、見たところアレが一番消費がデカそうだ…」

 

V9の持つ個性のうち一つ、天候操作。何度か牙竜達の前で使ってきたが、その後の消耗が激しい個性でもある。そもそもこの個性はナイン自身が持っていた個性でもあるが使用すれば体の細胞が死滅していくというデメリットがあった。そのデメリットを克服するために彼はショッカーの改造手術を受けたという経緯があった。

 

『だったらその個性を使わせればいいってことか。』

 

「だったら僕に任せて。」

 

「僕も協力するよ。」

 

威力は高いが、自身の身体すらも傷つけてしまうのでV9もそれを警戒してか中々使ってこない。

ならば使う状況に追い込ませるだけだということでビルド・ジーニアスとマーベルが名乗りを上げる。

 

『ソーサラーマジック!』

 

ドクターストレンジら魔法を扱うヒーロー達の力を秘めたソーサラーマジックディスクをベルトに入れて、両脇のスイッチを押すと魔方陣が生成される。その魔方陣をくぐると魔法使いのローブとマントを模した装甲を纏う仮面ライダーマーベル・ソーサラーマジックへと姿を変える。

 

『マジックアベンジャー!アッセンブル!』

 

ビルドは忍者ボトルの力で、マーベルは魔法によってそれぞれ分身し、V9の周囲を取り囲む。

 

「いくよ!」

 

魔法で生成した真空刃とハリネズミボトルの力で作り出された針が様々な方向からV9に放たれる。

 

「A・P・ショット!」

 

更に爆豪と轟も周囲から自身の個性を使って攻撃する。

 

『来るぜ…しっかり準備しろ。』

 

「ええ、問題ありませんわ!」

 

その間に八百万が創造の個性であるものを生成する。

 

「来るぞ!」

 

空がまた曇り始めると、V9が天候操作を行っていることが分かる。

彼の周囲をビルドとマーベルの分身が取り囲んだことで視界が遮られてしまったことで彼らを一掃するためにV9は天候操作を使うことにした。

竜巻を発生させて一気に分身たちを蹴散らし、さらに他のライダー達も一掃しようと空に生成された雷雲からエボル達に向けて雷を落とす。

 

『今だ!』

 

だがここでクローズは八百万が生成しておいた避雷針を地面に突き立てる。

雷は避雷針の上に落ちて電気が地面に逃げていく。

 

「完璧なオペレーションですわ!」

 

避雷針を立てられれば雷が効くこともない。そこでV9は竜巻と背中から生成した龍を使って避雷針を倒そうと攻撃を仕掛けるが。

 

「穿天氷壁!」

 

轟の氷とマーベルが魔術で作り出した壁がそれを阻む。

 

「いくぜ百!」

 

「はい!牙竜さん!」

 

そしてクローズマグマがマグマの推進力でV9に一気に接近しパンチを放っていく。

マッドローグも周りを飛びながらネビュラスチームガンのライフルモードでV9を撃っていく。

反射した攻撃もエボルやビルドらが撃ち落としていく。

使い魔の龍と竜巻で周囲のライダー達に攻撃を仕掛けるがマーベル、グリス、プライムローグがそれらを防いでいく。

使い魔の龍達もグリスに次々と打ち取られていく。

 

「いくぜ!」

 

「はい!」

 

そしてクローズマグマの放った拳とマッドローグの持つネビュラスチームガンによる銃撃で遂にV9のバリアが限界を迎えて破られる。

 

『Ready Go!』

 

『ボルケニックアタック!』

 

轟が個性でV9の足元を凍り付かせてしまうと8体のマグマライズドラゴンを足に収束させたクローズマグマのライダーキックが放たれる。

 

『また反射がくるぜ…』

 

吹き飛ばされたV9が宙を舞い、再び着地するとまたバリアを張る。

 

「だが体力は結構キツそうだな…」

 

しかしこの戦闘でバリアを二度破られ、天候操作を使い、そしてクローズマグマのライダーキックを受けた影響か体の限界を迎えて膝を突いてしまっている。

 

『決めるならここだ。』

 

「ああ、行くぜエボルト!」

 

『マッチョォ!』

 

『フィーバー!』

 

『『マッスルギャラクシー!』』

 

クローズが自身のビルドドライバーにマッスルギャラクシーフルボトルを装填してレバーを回す。

 

『ブルァ!』

 

『チャオ!』

 

『Are you Ready?』

 

『変身!』

 

エボルが粒子化してクローズの身体に纏わり付く。

 

『銀河無敵の筋肉ヤロー!クローズエボル!』

 

『パネーイ!マジパネーイ!!』

 

そしてその肉体はクローズとエボルブラックフォームが合体したような姿の戦士に変化する。

 

「テメエら!一気にいくぜ!」

 

仮面ライダークローズエボルに変身した牙竜がV9の背中から生える龍をブラックホールに飲み込んでいく。

 

「俺らはバリア破るぞ!」

 

牙竜達が必殺技を決めやすいようにするため、爆豪達は3度目のバリア破壊に挑む。

 

『ブルー!イエロー!レッド!ゴールド!Ready Go!』

 

「爆速ターボ!」

 

赤・青・黄の3色のオーラを纏ったグリスは個性で掌から爆破を放ってその推進力で加速し、V9に急接近。

 

『パーフェクトキングダムフィニッシュ!』

 

「ハウザーインパクト!!」

 

ドリルのように回転しながらオーラを纏った右腕で右側面からV9に殴り掛かると共にV9を爆破

 

「俺達も!」

 

『Ready Go!』

 

『プライムスクラップブレイク!』

 

個性で足に炎と氷を纏わせたプライムローグは左側面からV9に噛みつく様に挟み蹴る。

2人の攻撃は反射のバリアに阻まれ、さらに生成した金属片と使い魔による攻撃が彼らに放たれようとしたが。

 

「防御は任せて!」

 

マーベルがいくつもの魔方陣を生成して飛ばすと彼らの傘代わりになり、2人の身を守る。

 

「援護ありがとうございます!」

 

『ワンサイド!逆サイド!オールサイド!』

 

その間に出久はレバーを回しながら敵の背後に回ると

 

『ジーニアスフィニッシュ!』

 

「セントルイススマッシュ!!」

 

個性であるワンフォーオールの力を上乗せし、背後から全フルボトルの力を纏った必殺キックを放つ。

それを察知した使い魔の龍達が出久に向かって突撃して妨害をしようとするが、ビルドの足に打ち砕かれていき、彼のライダーキックはV9の背中に達する。

 

「百!ここでぶちかましてやれ!」

 

クローズエボルがある一本のボトルをマッドローグに託す。

 

「分かりましたわ!」

 

八百万が変身するマッドローグがエボルドライバーのレバーを回してV9に向けて駆ける。

 

『Ready Go!』

 

『エボルテックアタック!』

 

マッドローグが背中のマッドフライヤーを展開してV9に突撃し、その状態で紫色のエネルギーを纏って正面からV9にドロップキックを放つ。

V9は前後左右の4方向からの必殺技に何とかバリアを使って耐えているが…

 

『グレート!ファンキーショット!』

 

マッドローグはドロップキックの体制のままネビュラスチームガン・ライフルモードに牙竜から受け取ったグレートドラゴンエボルボトルを挿入と金色のエネルギー弾をネビュラスチームガンからV9に向けて放つ。

 

『今だ!』

 

『クローズサイド!エボルサイド!』

 

『ダブルサイド!』

 

その一撃によってバリアが破れ、4人のライダーの攻撃が一気にV9の身体を襲う。

 

『マッスルギャラクシーフィニッシュ!』

 

そして再び攻撃を反射される前に一気にクローズエボルが攻勢に出る。

V9に向けて走り飛び上がるとクローズとエボルの2人のライダーのオーラを纏ったライダーキックを放つ。

 

「まだッ…負ける気はないッ…!」

 

ここまでの戦闘でV9もかなり身体に負担がかかっており、ダメージも大きい。

だがその状態でも勝つために残りの全エネルギーを自身の右腕に纏わせ、クローズエボルに向けて突き出す。クローズエボルのライダーキックとV9の右腕がぶつかり合い、V9の方の身体が徐々に後退していく。

 

「喰らいやがれ!」

 

徐々に押していくクローズエボル。

それに対してV9も個性の衝撃波を放つがクローズエボルはもう退かない。

 

「『オラアアアァァァァ!!』」

 

最早V9には他の個性を使う力が残されていなかった。

クローズエボルのライダーキックが遂に押し切り、敵の腕を吹き飛ばすとそのまま胸部を捉えて蹴り飛ばす。

 

「決まったな…」

 

蹴り飛ばされたV9の身体は火花を散らしながら飛ばされていき、海に落下する。

彼の身体が爆発したことを表すように大きな水柱が海面から立ち、水飛沫がクローズエボル達にも降りかかる。

 

(エボルト視点)

海を覗き込んだところ既に金属片が浮かび上がっていて、まあ奴を倒せたことがある程度察せれる。

耳郎からは既に首謀者を捕まえたって連絡もあったし、まあ他のライダーも倒せたっぽいし他の連中と島民の安否確認が出来りゃ一件落着だな。

 

『一先ず、お疲れさん。』

 

つーことで一旦変身を解除して皆の方を見る。

 

『ほう、アンタも結構若いんだな。』

 

そこでふと目に入ったのはマーベルの変身者だ。

戦い慣れてる感じはしたが結構若そうなイケメンだ。

 

「ん?まあ一応18歳です。けどなんか…みんな僕より若そうだけど…」

 

「まあな、俺らは16だからな。」

 

「16歳!?結構若いんだね…」

 

確かにコイツは高校卒業して大学生になったぐらいの年齢だが牙竜達はまだ高校一年生。そんな年齢で仮面ライダーやってるなんざそりゃ驚くだろうな…

あれ?けどヒーロー候補生なら当たり前か。

 

「ん…?どうやら僕は戻らないといけないみたいだね…」

 

そう思っていた時、マーベルの変身者の身体から光の粒子が出始める。

 

「アンタ、もう帰っちまうのか。」

 

「そうみたいだね」

 

「最後に…アンタの名前を教えてくれないか?折角一緒に戦ったんだ。覚えておきたい。」

 

牙竜の言葉にマーベルの変身者がゴクリと頷くと二ッと口角を上げて応える。

 

「僕は北条颯馬、仮面ライダーマーベルだよ。また会えるといいね…」

 

そう言うと颯馬は光の粒子となって消えていく。

恐らく自分の居場所に戻ったんだろうな。

 

「仮面ライダーマーベル…僕たちの知らない新しい仮面ライダー…」

 

「強いお方でしたわね。」

 

今回勝てたのはマーベルのサポートもあってこそだ。

アベンジャーズのメンバーとかの力を使う、中々に強いライダーだった。

 

「俺達も負けてらんねえな…」

 

「当たり前だ!こうなりゃ今から特訓だ!」

 

まあ、アイツに対抗心燃やすのはいいが爆豪よ、俺達には他にやるべきこともある。

 

『その前に街の復興だ。』

 

「ええ、色々とやることは残っていますからね。」

 

街の復興や事件の後処理、さらにはこの件に関する報告を相澤先生にしたりとまあやることは多い。

けどちょうど八百万がドローンを使って出した救援信号を拾ってかやって来た自衛隊のヘリがこちらに近付いてきたのが分かった。

 

「さて、ヒーローの仕事はまだ残ってるぜ。テメエら行くぞ!」

 

そう言って牙竜が島民たちのいる方向に向けて走り出し、俺達もそれに付いて行く。

さてと、これからも牙竜と一緒にまた駆け抜けていくか…

 

(牙竜視点)

救援が到着して間もなく堀内さんは公安に連行された。

 

「しっかり償ってまた戻って来るよ。牙竜君達もありがとう。君たちのお陰でしっかり過去と向き合うことが出来そうだ…」

 

そう言い残して去っていった。

まあ、ショッカーやらアークに関する謎もこれから解き明かされていくんだろうな。

 

「牙竜君!そろそろ時間だよ!」

 

「おう!今行くぜ!」

 

一方の俺達は事件後すぐにプログラムの中止を宣告されたんだが、そうそう簡単に去る気はなかった。

元々の予定通りの日までしっかり島に残って復興活動を手伝った。

そんで今日はプログラムの最終日…つまりは帰らなきゃいけねえ日だ。

 

『いい島だったな。』

 

「ああ、いつか観光に来たいぜ。」

 

名残惜しいけど船に乗り込んで港を眺める。

季節は冬だって云うのにリゾート気分を味わえる常夏の島だった。

普通に海水浴を楽しんでみたかったが…まあ高校の卒業旅行かなんかで行ってみるか。

 

「そろそろ出るみたいですわね。」

 

「だな、見送りは誰も来てねえのか…」

 

『復興が大変だから仕方ないな。』

 

島民は今も復興作業に追われてるから態々俺らの送迎に呼びつけるのは申し訳ねえってことで俺達は誰にも伝えずに島を出ることになった。

 

「ありがとよ…那歩島…」

 

船のデッキで百や出久達と港から離れていく様子を眺めることにし、もたれかかっていると…

 

「おーい!お兄ちゃーん!」

 

と思っていたら港の方から声が聞こえた。

 

「助けてくれてありがとー!!」

 

「また遊びに来てねー!」

 

港に居たのは島乃姉弟だった。

弟の活真には傷も治してもらって色々と世話になったな。

 

「こっちこそありがとなー!また来るぜ!!」

 

俺達を呼ぶ声に全力で応えるように両手を大きく振って別れを告げる。

 

「またなー!」

 

こうして俺達のヒーロー活動推奨プロジェクトは幕を閉じた。

まあ大波乱のプロジェクトだったが、戦い以外でも地域の人達とのつながりやら学ぶことは多かった。

俺はまた、ナンバーワンヒーローに一歩近付けた。まだまだ俺の戦いは始まったばかりだ!

俺は戦い続ける、皆の笑顔を守るためにな!

 

The end




これにてピースサインは完結です。
またクロエボも書けたらなって思います。

こちらに参戦した仮面ライダーマーベルの方もよろしくお願いします!

https://syosetu.org/novel/290753/

ライダー設定
仮面ライダーV9
変身者 ナイン(川上 風雷)
ショッカー及びアークが遺した最終兵器
彼らの秘密の研究室にて被験者であるナインこと川上風雷が改造人間となった姿。
自分の元々の個性に加えて幾つかの個性因子を搭載した改造人間で仮面ライダーであり、合計9つの個性を操る。
しかし、元々の個性が持っていた細胞崩壊のデメリットは克服したが、燃費は非常に悪い。
戦い続ければ体に負荷がかかり、クールタイムが必要になる。

使用個性一覧
1,気象操作
周囲の天候を操り、雨や雷、竜巻を発生させる。
ただし、個性を行使する毎に自身の細胞が死滅していくという極めて重いデメリットを抱えているが、改造手術によって克服した。

2,衝撃波
衝撃波を放つ

3,爪銃
爪を弾丸のように発射する。

4,使い魔召喚
使い魔(2匹の青い龍)を使役する。
バーストモード時には使い魔の数が増える。

5,リフレクト
あらゆるものを反射する。
オールフォーワン曰くある組織の指導者から奪った。

6,金属操作
周囲の金属を意のままに操ることが可能。自身の防具なども作り出すなど汎用性も高い。
オールフォーワン曰くとあるヴィランチームのリーダーから奪った。
バーストモードになると金属を生成する。

7,個性サーチ
相手の個性が何かを把握する。

8,ヴィラン召喚
アークが用意したヴィランライダーを召喚する。
(古代オーズ、ザイア、ファルシオン(アメイジングセイレーン))

9,バーストモード
自身のリミッターを外すことで個性とスペックを1000%引き出す。
戦い方が本能的になり、野獣の様に敵を攻める。


仮面ライダーマーベル
ザ・スペース・キャプテン
ヴァースディスクで変身する。
キャプテンアメリカマーベルのデータが秘められている。手から放つフォトンブラストで相手を攻撃する。
身体から出る超絶的なパワーであるバイナリーパワーを身にまとい、空を飛んだり突撃して敵の攻撃することが出来る。

ソーサラーマジック
ソーサラースプリームディスクで変身する。魔法使いのローブやマント風のデザイン
ドクターストレンジら魔法使いのデータが秘められており、様々な魔法を使用する。


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