扉から舞い込む新風 (ケイオース)
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アイデア・設定編
デモニケル・オカラム・ゴスト・ドビーア・マリアナ/ファ:アーク・フライゴン(ふくしゅうのすがた)・バドサッグ・アッドクロム・ゴキブロス


設定1
小説ガンバるほど出てくる。


デモニケル

しにがみポケモン

あく・はがねタイプ

とくせい:かぜきるつめ・ダークスキン 隠:あまのじゃく

図鑑説明:かたいつめを あいてにたてて えものをしとめる。ざんぎゃくなことを いとわない。

 

まるで しにがみのようにあらわれ えものをさらう。

せいたいけいをととのえるらしい。

 

種族値

H90

A100

B110

C90

D10

S80

合計480

 

主な技:メタルクロー・アイアンヘッド・つじきり・ふいうち・おにび・ギガインパクト・からげんき・のしかかり・あくのはどう・くさむすび・れいとうパンチ・かみなりパンチ・ほのおのパンチ・シャドークロー・かわらわり・かえんほうしゃ・つめとぎ・オーバーヒート・てっぺき(補足 はかいこうせんは無し)

 

特性について

かぜきるつめ:クロー系の技威力を1.5倍にして、急所に当たりやすくなる代わりに、命中率が1段階下がった状態で戦闘する。命中アップ技でかき消すことができる。

ダークスキン:ノーマル技があく技になり、威力が1.3倍になる。しかし、フェアリー技が抜群になってしまう。

 

ビジュアル

機械部品でできた黒く細い体の上部に目があり、その真上から長い腕が出ている。腕の先には、爪のついた腕がある。鋼の色をしており、歪なほどに、横に爪が広がっており、まるでエラのよう。目は赤く、何を写しているかはわからない。

 

使い方

かぜきるつめのつめとぎからの、爪技。

てっぺき積んで物理受け。

ダークスキンのアタッカー。

 

 

 

オカラム

ほうしポケモン(胞子)

くさ・エスパータイプ

とくせい:ほうし・ようりょくそ 隠:ひどう

図鑑説明:まるで おどるように あたまをなげる。なげたあたまは ばくはつして ほうしをまきちらす。

ほかのせかいから きたのではないかといわれているポケモン。あるポケモンににているらしい。

 

種族値

H91

A109

B73

C109

D73

S 91

合計546

 

主な技:ヘドロばくだん・ベノムショック・どくのこな・しびれごな・ねむりごな・キノコのほうし・パワーウィップ・くさむすび・エナジーボール・ウェザーボール・サイコキネシス・シャドーボール・だいばくはつ・リフレクター・ひかりのかべ・バトンタッチ・コスモパワー・アシストパワー・サイコショック・サイコファング・どくづき・こうそくいどう・でんじは

 

特性について

ひどう はドヒドイデの特性。毒状態の敵を攻撃すると、ダメージが2倍になる。

 

ビジュアル

某道化師UBの装飾をキノコっぽいのに、頭をキノコにした感じ。

 

使い方

どくびしかどくどくをほかのポケモンでまいて、ひどうスカーフベノムショックで一掃する。

はれ状態を作り、なんかする。

 

 

 

ゴスト

どくタイプ

とくせい:どくしゅ・すてみ 隠:じゅくせい

図鑑説明:からだが どくせいのたかいゴミで できている。ダストダスよりも きけんどがたかい。

からだのかえがあるせいか じぶんがけずれるのを いとわなく なってしまった。ちかくをとおると すぐわかる。

 

種族値

H140

A70

B70

C70

D70

S30

合計450

 

主な技:ヘドロばくだん・どくどく・ベノムショック・ベノムトラップ・どくびし・まきびし・ステルスロック・リサイクル・なげつける・じはく・だいばくはつ・あばれる・でんじは・たくわえる・はきだす・すてみタックル・フレアドライブ・ふいうち・ロックブラスト・ミサイルばり・しおみず・しめつける

 

特性について

じゅくせい はきのみの効果を2倍にする特性。タルップルなどが持っている特性。

 

ビジュアル

ゴミ屋敷のゴミがそのまま胎動している感じ。大きさデカめで、街の地下で潜んでいる。たっぷり熟成されてるでしょう?

 

使い方

たくわえる・リサイクル・どくどく・ステラなどで害悪戦法。じゅくせいでいい感じに回復できるが、カビゴンと違い、リサイクル戦法が使いにくくなる。

すてみで奇襲。思わぬ火力で相手を落とす。

ベノムトラップを有効的に使えそうなどくタイプ。

 

 

 

ドビーア

とびらポケモン

ゴーストタイプ

とくせい:のろわれボディ・せいでんき 隠:マジックガード

図鑑説明:ふるいドアに おんねんと たんきゅうしんが あつまってできたポケモン。どこにつながっているか わからない。

いろいろな ひとが ドアに入ったが かえってこないため このせかい ではないところにつながっていると おもわれている。

 

H60

A80

B110

C80

D110

S60

合計460

 

主な技:ポルターガイスト・シャドーボール・サイコショック・でんきショック・じこさいせい・ドわすれ・ゆびをふる・ソウルクラッシュ・でんじは・おにび・かたくなる

 

ビジュアル

開きかけのドアから怨念のようなものが噴き出している。トレーナー視点だと、噴き出した怨念によって、扉の裏側が見えない。

 

使い方

ソウルクラッシュと、ドわすれの特殊耐久型。のろわれボディか、マジックガードかはお好みで。しかし、Hが低いため、死ニーゴほどの耐久はない。

後、ゆびふり耐久もできる。リアルいたずらごころ持ちで、相手を驚かせたいなら採用可。

 

補足:ゆびをふるは、どこに繋がっているかわからないという設定から発想した物。指は決してない。フー◯とか言っちゃいけない。

 

 

 

マリアナ(海溝じゃ無くて マリン+菜)

かいそうポケモン

みず・くさタイプ

とくせい:ようりょくそ 隠:ぎたい

図鑑説明:うみのなかで ゆらゆらとゆれて すごす。しかし がんじょうなからだと つよいちからを もっている。

がいてきに おそわれるのがめんどうで ぎたいのうりょうが たけた こたいも いるのだとか。

 

種族値

H80

A80

B80

C80

D80

S80

合計480

 

主な技: リーフブレード・はっぱカッター・このは・ハイドロポンプ・なみのり・しおみず・みずでっぼう・あわ・れいとうビーム・こごえるかぜ・ふいうち・グラスフィールド・こうそくいどう・わるだくみ・かいりき・フラフラダンス・ステルスロック・みずびたし・どろかけ

 

特性について

きだい はガラルマッギョの特性。フィールドによってタイプが変わる。例えばグラスフィールドだと草。でも、タイプ減って弱くなるって知って草。

 

ビジュアル

海藻のデフォルメに、ドラ◯エの、炎のモンスターみたいな顔があり、手足の部位があるところが少し伸びている感じ。まんま、ドラ◯エの炎のモンスター海藻版。

 

使い方

ストーリー。

後、ステラ撒いて、グラスフィールド貼るなり、わるだくみ積んで攻撃するなり、使い方は一応あるが、採用理由は愛。後耐性。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以下アイデア

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フ:アーク(準伝説)

かえんポケモン

ほのお・あくタイプ

とくせい:ほのおのからだ・ぎゃくじょう 隠:かたやぶり

図鑑説明:あるときまで 1ひきしか いなかったという。いまでもやせいでは なかなかいない。

あるときから たくさんの トレーナー達が もっていたというでんしょうがある。ほのおとほのおがまじりあっている。

 

種族値

H90

A92

B90

C112

D102

S90

 

主な技:にらみつける・もえあがるいかり・だいもんじ・オーバーヒート・あくのはどう・エアスラッシュ・こうそくいどう・わるだくみ・フレアドライブ・ふいうち・くさむすび

 

ビジュアル

赤と黒の炎が混ざりあって、脈動する火の玉。それ以上でも、それ以下でも無い。

 

使い方

観賞用。え?これで戦えるとでも?

種族値不遇っぽい。タイプ不遇っぽい。技不遇っぽい。

でも、私はわるくない。某鳥達が悪い。妄想させるのが悪い。

だから、2体の種族値合わせた私は悪くない。

 

 

 

フライゴン(ふくしゅうのすがた)

ふくしゅうポケモン

ドラゴン・あくタイプ

とくせい:りゅうごろし

図鑑説明:いつも ネタにされたせいで いかりがばくはつした。ドラゴンタイプだけではなく プレイヤーにも いかっている。

プレイヤーたちにも ふくしゅうするが なかまになれば まもってくれる。よく ガブリアスを おそっている。

 

種族値

H100

A124

B100

C45

D100

S131

合計600

 

主な技:ドラゴンクロー・げきりん・かみなりパンチ・ほのおのパンチ・じしん・ふいうち・かみくだく・シャドークロー・アイアンヘッド・りゅうのまい・つるぎのまい・スケイルショット・ダブルウイング・うっぷんばらし

 

特性について

りゅうごろし:相手の手持ちにドラゴンタイプのポケモンがいる時(瀕死時もカウント)、状態異常にならない。さらに、ドラゴンタイプのポケモンから受けるドラゴン技・フェアリー技・こおり技の威力を等倍にする。そして、ドラゴンクローが、オリジナル技「りゅうのつめ」になる。

自分がドラゴンタイプのポケモンを倒した時、貰える経験値・努力値が2倍になり、技がきゅうしょに当たりやすくなる。(急所ランク2段階アップ)

 

技について

「りゅうのつめ」

ドラゴンタイプ

PP20 威力120

概要:しんの りゅうのつめで てきをきりさく。あいての てもちのドラゴンタイプが ひんしでないとき あいてをひるませる。

 

ビジュアル

フライゴンに黒燐が生えそろい、ゴツゴツとした見た目。爪は紅く、目は爛々と輝いている。目のカバーは赤ではなく紅。しかし、尻尾は柔軟に動かすため、鱗が小ぶり。翼は肥大化し、全身を守る盾となり、飛べなくなった。ワン◯ンマン。

 

使い方

お好きなように。元々技が豊富なポケモンに種族値を出したらこうなる。ぶっ壊れ。でも、メガで、こんな感じの貰えたらなーって思ってたのに、こなかったから来る可能性ありじゃ無いか?

 

実はフライゴンは不遇の中ではいい方。比較対象がつよつよ過ぎるから、大きくネタにされてるのであって。

…例えばアゲハントとかマジで◯ソ。

種族値が終わってる。(種族値)知らない方は調べて、どうぞ。

さらに、やることなす事、ビビヨンの劣化のバタフリーの劣化という始末。誰かコイツを救ってくれる奴はいないか?ほら…、そこのルビサファのアニメ見てた君。活躍してたろう?アゲハント。だから…使ってみないかい?

…え?剣盾で解禁されてないって?

…、ゲーフリ、なんとかしてくれ。せめて隠れ特性を闘争心っていうゴミから変えてくれないか?

 

 

 

バドサッグ(伝説)

ちのうポケモン

エスパー・ひこうタイプ

とくせい:プレッシャー 隠:マルチスケイル

図鑑説明:せかいを ほうろうしているポケモン。きんねんまで そんざいが でんしょうでしか かくにんされていなかった。

ちしきを ためこむために せかいじゅうを おとずれる。さいきんになって ひとのよに きょうみがもどってきた。

 

種族値

H120

A80

B140

C60

D140

S80

合計620

 

主な技:サイコキネシス・サイコショック・みらいよち・めいそう・フェザーダンス・ついばむ・はがねのつばさ・エアスラッシュ・トリックルーム・マジックルーム・トリック・はねやすめ・かたくなる・ねっぷう・はたきおとす・フリーフォール・そらをとぶ・テレポート

 

技について

「ブレインアタック」を習得する。

技効果

エスパータイプ

PP10 威力120

自分の特高と相手の防御でダメージ計算。

タイプ相性が無く、弱点もつけないし、半減も無効にもされない技。

 

使い方

めいそうはねやすめで粘り、ブレインアタック・エアスラッシュで倒す。

スカーフマジックルーム→トリックでぶっ壊す。その間に積む。

 

ビジュアル

メト◯イドの鳥◯ん族にサイコデリックなオーラが加わった。眼鏡をかけており、良くある鑑定チートアイテムである。しかし、使うのは癪な様で、余り使わない。

もふもふしている。

 

 

 

アッドクロム

ゴーレムポケモン

どく・じめんタイプ

とくせい:くだけるよろい 隠:とびだすなかみ

図鑑説明:さいきん シンオウちほうで はっくつされたポケモン。いろいろなポケモンを あわせた みためだったらしい。

こわされるたびに どくが ふきだす。いまは がいそうが はがれ まるで きょへい のようだ。

 

種族値

H75

A106

B118

C64

D35

S102

合計490

 

主な技:あなをほる・じしん・ドラゴンクロー・サイコキネシス・ロックブラスト・シザークロス・どくどく・どくずき・どわすれ・つめとぎ・カウンター・じばく

 

技について

もとの種族値のポケモン達の技を少し取り入れている。

 

使い方

物理相手につめとぎandよろいで、技を打つ。

どくどくあなをほるでもいいかも。

 

ビジュアル

流線型かつ人型のポケモン。質感はレジスチル。色も鋼色。

見た目は足がガラーラほどの短さではあるが、細い。

胴も、人間の横幅ぐらいしかない。顔らしきところには、二つの赤い点があり、額部分には、欠けて色褪せた黄色い星がある。

手も細く、針金ぐらいの細さ。

そんな感じではあるが、身長は3メートル。

 

 

 

ゴキブロス

じょせいのてきポケモン

むし・あくタイプ

とくせい:あくしゅう・のろわれボディ 隠:かそく

 

多くを語りたくない。後で出すかもしれないが、今はいいや。



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募集オリポケ用 基本的にコピペ

託してくれた人に、感謝!


なせう/一般通過アークス様より

オーシャング 《オーシャン(海)+シンガー(歌い手)》

 

うたひめポケモン

 

みずフェアリー

 

特性 すいおんぱ ノーマルタイプの技が水タイプになり威力が1.2倍。音技は1.2倍ではなく1.5倍になる。

 

種族値

 

H100

A95

B80

C105

D70

S100

 

計550

 

専用技

 

オーシャンソング みず 威力 ーー 命中 ーー PP 10

うみに うたを ひびかせる 。

あいてを ねむり じょうたいに する 。

アクアフィールド じょうたいに する 。

 

ポケモンというゲームにおいて初めて状態異常と別の効果を同時に発生させることが出来る技。

命中表記無しの通り確定ヒットで相手を眠らせ、アクアフィールド(水技の威力1.3倍、水タイプ以外の地に脚をつけているポケモン全員の素早さを半減させる)で後続への支援さえ可能にし、なんならすいおんぱでオーシャング本人が暴れても普通に強いというこのヤバさ。

なおかつこのオーシャング、水タイプということもあって雨乞いを覚え、しかもクイックターンで様子見やタスキ割りつつ後続繋ぎといった荒業ができるため、対戦環境に凄まじい暴風を起こした。

 

覚える技

たいあたり みずでっぽう バブルこうせん みずのはどう なきごえ うたう なみのり たきのぼり ダイビング だくりゅう うたかたのアリア ハイドロポンプ れいとうビーム ふぶき あまごい オーシャンソング クイックターン アクアブレイク アクアフィールド ぼうふう ねむる こうそくいどう わるだくみ どわすれ バトンタッチ ハイパーボイス ばくおんぱ てんしのキッス ドレインキッス ムーンフォース アクアジェット アクアテール アクアリング ハイドロカノン みずのちかい うずしお しおみず じゃれつく チャームボイス あまえる 

 

 

外見

ディーヴァナと同じく頭にヴェールを被っている。ディーヴァナ同様ヴェールは頭皮。ヴェール状なので頭と隙間があるけどディーヴァナはそこが排熱溝。オーシャングの場合体表のの吸水溝から運んできた水を排出して推進力にする排水溝の役割を担っている。

ディーヴァナにあったドレスがなくなり、代わりにスク水っぽいピッチリした皮膚が体を覆っている。所々割れ目があるがこれは吸水溝。ここから水を体内に取り込み体内にある専用の循水管を通して水を頭皮の排水溝まで運ぶ過程で酸素や水分など必要なエネルギーを循水管の表面から吸収し、その酸素でまた泳ぐことで事実上排水を続ける限り無限に泳ぐことが出来る。但しそのシステム上どうしても海中で止まることができない。止まるとどうこうとかではなく完全にできない辺り元陸上であったことの進化の欠陥が見てとれる。それはそれとしておっ○い(水の抵抗を押さえるため種族レベルでちっちゃい。Eがめちゃくちゃでかく感じる)とか体のラインとか分かりまくってえっちい。

こちらも指は四本、ディーヴァナと同じく三本指と同じ長さの親指で構成。ただしオーシャングの指には水掻きあり。(なので恋人繋ぎとか出来)ないです。

体色は青。尻尾とかはないが人間で言う尻の部分が背骨に対して縦長になっており、人間で言う踵ほどの長さまで伸びる白いヴェールのようなそれが尾びれとしての役割を担っているのだそう。

足には指がなく、腰も人間のように横に広がらず縦に広がり、縦に広がり横に縮んだ細い楕円形の脚が腰のヴェールと融合し、完全に尾びれならぬ脚ヒレとして確立されている。ここだけ明らかに人外。

 

 

       ↓横から見た図

 

                            ヒヒヒヒヒヒヒ

    ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ            ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ

  ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ    ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ

腰腰腰腰ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ

背背背背背背背背背腰足足足足足足足足足ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ

背背背背腰腰足足足足足足足足足足足足足足足足足足ヒヒヒヒヒヒヒヒ

腰腰腰腰腰腰腰足足足足足足足足足足足足足足ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ

腰腰腰腰腰腰腰腰ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ

 ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ     ヒヒヒヒヒヒヒ

     ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ            ヒヒヒ

 

背=背骨 腰=腰の骨 足=元々足だった部分の劣化、名残 ヒ=ヒレ

 

大体こんな感じ

 

正面から見ると足がヒレに変わっただけ、なので【自主規制】はしにくいけど出来る。

 

 

史実

このオーシャングは元々隕石によって減少した、明らかに人類とは別の生物から進化しながらも人類に酷似した古代ポケモン「フラーマン」がユニア地方において人間と繁殖し、その中でも熱に弱く、到底高温化したユニアでは生き残れず、種の保存に貢献できないとされた子孫がユニアを離れ、個体に適した地で繁殖した内の一つ。

言わばディーヴァナとは別の系譜を辿ったフラーマンの進化の一つ、とも言える。

なのでフラーマンやディーヴァナ同様数年練習してなおかつ言葉を学べば喋れる。

これほどまでに進化の系譜が多いこと、その進化の内容がそれぞれ人型であるなど類似点が多いことから同じく多数の類似点を保ったまま分岐して進化をするイーブイとの関連性が議論されている。

最近になって、伝承における人魚とはこのオーシャングのことを指していたことが発覚した。オーシャング発見から約一ヶ月のことであった。

ちなみにいうとオーシャングが生息している、陸地から300里ほどのごく狭い海域では、オーシャングたちと地元市民が仲睦まじげに泳ぐ姿が頻繁に確認できる。年中気温が20度程でとどまる穏やかな気候をしていることも相まって、ここオース島は結婚したカップルが新婚旅行に訪れる場所としても中々に人気のようだ。

 

ちなみにここはオーシャング達が住んでいることもあって海との関わりが深く漁業も盛んだが、ほとんどの場合オーシャング達は漁そのものには参加せず、魚の居場所を教えるのみとなっている。そりゃ(網とか銛とか使わずとも回遊魚を素手で捕獲できるような人達が漁に実際に参加なんかしたら)そう(現役漁師たちの仕事が無くなる)よ。

 

え、じゃあオーシャング達はいったいどんな仕事をしているのかって?そもそも海中に永住する人間が地上で使うものを買ったところで大して使い道ないだろいい加減にしろ。

ちなみにたまにだが生態系に寄与しない程度の頻度でオーシャングがお魚を何匹か獲ってきてそれで食事と交換してもらったりするらしい。

 

 

注:ディーヴァナはまだ出ません

 

 

 

インク切れ様より

ヤドリル

分類:ドリルポケモン

高さ0.5m/重さ15.5kg

タイプ:みず/はがね

特性:すなかき/カブトアーマー/(隠れ特性)かたやぶり

 

種族値

H45

A95

B85

C35

D35

S50

 

ドリルのような形の殻を背負った、赤いヤドカリのようなポケモン。海岸や浅瀬に生息し、海辺の植物やヤシの実のようなきのみを好んで食べる。

縄張り意識が強く、外敵に対しては殻に身を隠しつつ水を噴射してドリルのように突撃して攻撃する。

名前の由来はヤドカリ+ドリル

 

 

 

 

アンドリラー

分類:ドリルポケモン

高さ1.4m/重さ70.8kg

タイプ:みず/はがね

特性:すいすい/カブトアーマー/(隠れ特性)かたやぶり

 

種族値

H70

A125

B120

C45

D75

S75

 

ヤドリルの進化系。殻が発達し、アンモナイトのような巻貝が尖ってドリルの形状に変わったような特殊な構造の殻に変化した。その反面脚は少し退化しており、陸上でも活動できないことはないが、水中の方が速く動くことができる。

水中の微生物や海藻を好んで食べるが、やはり進化前と同様縄張り意識は強く気性が荒い。水をジェット噴射して回転しながらドリルのように襲い掛かり、外敵を八つ裂きにしてしまう。

名前の由来はアンモナイト+ドリル+英語で「〜する人、者」を表すer

 

 

 

可笑し屋ジャック様より

ハリボシ『針+煮干し+イワシ』

 

はりうおポケモン

 

水タイプ

 

すいすい

 

H:30

A:15

B:45

C:10

D:40

S:20

 

とても勇敢で無鉄砲な性格でどんな大きなポケモンや強そうなポケモン(ホエルオーやサメハダー等)にでも喧嘩をうる。が、とても弱いためせいぜいに「歯に小骨が引っかかった」程度の鬱陶しさにしかならない

 

見た目はヨワシよりも小さく細くしたような小魚

 

 

ニーダーツ『ニードル(針)+ダツ+ダーツ』

 

ダーツポケモン

 

水・鋼タイプ

 

すいすい

スナイパー

 

H:40

A:50

B:70

C:20

D:40

S:80

 

何度も強敵に挑み続けて鍛えられてきた結果、鋼の口と鱗を手に入れる事に成功した。これを気に今まで以上に挑みまくるがせいぜい雑魚(ヨワシ単独レベル)が普通の魚(サシカマスレベル)になっただけなので普通に負けてしまう

 

 

ジャベマリン『ジャベリン(投げ槍)+マーリン(カジキ)』

 

やりうおポケモン

 

水・鋼タイプ

 

すいすい

スナイパー

 

H:60

A:150

B:140

C:30

D:70

S:140

 

なんの奇跡か幾度となく勝利を収めたニーダーツが進化した姿。

頭についた鋭い槍はあらゆるものを貫き、鱗の鎧はあらゆる攻撃を受け付けないとされ、矛盾をその身に孕んだポケモンだと言われている。

また、気性は荒いままなので、ジャベマリンが沖に出た際には街に警報が鳴り響く

 

見た目はカジキの口の槍のような部分をよりいかつくし、体には鎧のような鱗がびっしりと生えている。

また、背びれと尾びれも大きくとてつもない加速力を生み出す一端を担っている。

 

固有技

スパイラルランス

 

水タイプの技で相手の防御上昇、守る、リフレクターなどを無視する。

 

え?そんなやばい技いいのかって?原作にこんな感じのやばい水熊さんいるからいいでしょ

 

 

 

七人の母様より

オルカストラ(オルカ+オーケストラ)

 

おんきょうポケモン

 

みず

 

たかさ 12.5m おもさ 500.5kg

 

タマゴ未発見グループ

 

体に楽譜や音符のような模様を持つ、巨大なシャチ型のポケモン。住処は深海だが、度々海上に姿を見せており、目撃情報も多い

超音波だけでなく様々な音を同時に発することができ、1匹だけでオーケストラの演奏の再現が可能。ラプラスやアシレーヌの歌の伴奏をすることも。純粋な肺活量と声量も凄まじい

歌を歌うポケモン達と仲がいい反面、それを邪魔する者には超音波と爆音を同時に叩き付け撃退する。並みの防音加工では全く意味を成さない威力。本気を出すと海を割るとも言われている

音楽のジャンルにこだわりはなく、ストリンダーのロックやゴリランダーのドラムにも喜んで合わせる

大きな体を生かして海難事故から人間を救うこともある。その際、陽気な音楽を鳴らして人間を元気づけたりする

 

種族値

HP 200

こうげき 60

ぼうぎょ 105

とくこう 155

とくぼう 105

すばやさ 55

合計680

 

特性 たいかいのおんきょう(大海の音響)自分と味方の全ての音技が相手の特性を無視するようになる。ノーマルタイプの場合みずタイプの技になり、元からみずタイプの場合更に威力が1.2倍になる

相手からの音技の威力が0.75倍になり、能力低下や状態異常を無効化する

 

専用技 うみわりのほうこう(海割りの咆哮)

みずタイプ 威力 120 命中 100 PP 5 音系の技 敵全体に攻撃する 相手を混乱させる 次ターン反動で動けない

 

なないろのえんそう(七色の演奏)

みずタイプ 変化技 PP 5 1ターン目にためて、2ターン目に自分と味方のすべての能力を1段階上昇させる

 

 

 

雨叢雲之剣様より

 

プレッシー

かいりゅうポケモン

タイプ みず

特性 げきりゅう

種族値

HP50

攻撃60

防御54

特攻65

特防45

素早さ40

合計314

外見

ピカチュウぐらいのサイズの水色のプレシオザウルス

設定

禁忌領域海の海でよく見られるポケモン泳ぐのが好きだがよく渦潮に巻き込まれて目を回している

 

プレシオス

プレッシーの進化

かいりゅうポケモン

タイプ ミズ ドラゴン

特性 げきりゅう

種族値

HP66

攻撃75

防御64

特攻90

特防65

素早さ50

合計410

外見

中ぐらいのプレシアザウルス全体に青色が濃くなってきている。

設定

群れで生息しているポケモン目を回しているプレッシーの介護をよくしているが自分も又渦潮に巻き込まれて目を回す

 

プレシリアス

タイプ ミズ ドラゴン

特性 げきりゅう

種族値

HP90

攻撃100

防御75

特攻115

特防75

素早さ65

合計520

外見

濃い青色のプレシアザウルス

設定

群れのリーダーであり渦潮で目を回さなくなっただが調子に乗ると又目を回す

 

 

 

雨叢雲之剣様より

トゥノウト

ちょうりつポケモン

タイプ フェアリー ハガネ

特性 ライフエナジー

周りの光からエネルギーを貰い自身を回復効果とフェアリータイプの威力の上げる

固有技

ちょうりつくうかん

フェアリータイプ技

バトルフィールドに特殊空間を展開し自身と相手の状態異常を解除特殊技の威力を下げる

種族値 隠された姿/戦乱の姿

HP100/100

攻撃50/150

防御235/115

特攻50/100

特防235/115

素早さ10/100

合計680

外見

隠された姿の時は一本の剣のような姿で地面に突き刺さっている

戦乱の姿では突き刺さっていた部分が展開され二足歩行で日本の剣状の手が現れ持ち手の部分見たみたいなところから頭が現れる

設定

アーストと対となす伝説のポケモン

アーストが引き起こす災害を戒め調律することで世界の平穏を守っているが現状人間の信仰がトゥノウトにしか向かずアーストが邪神扱いされてることに激怒し災害が起きようとも調律せず隠された姿のまま深い眠りについている

 

 

 

七人の母様より

パールクール(パルクール+パール+クール)

 

みず・こおりタイプ

 

水中1グループ

 

たかさ 0.3m おもさ 7.7kg

 

真珠がポケモンとなって自我を持ち貝殻からひとりでに貝殻から跳び出した。目と口は存在するが外観からは確認できない。特に何も食べなくても生きていける。むしろ何食うんだコイツ

その小さな体から水をジェット噴射したり氷柱を生成して飛ばしたりするが、どうやっているのかは謎。不思議な生き物にもほどがある

海中より街中で見かけることの方が圧倒的に多い。ジェット噴射を利用し人間に迷惑をかけ過ぎない範囲で凄い速さで跳びはねる。狭くて冷たい貝殻から解放された実感を得るための行動とされる。にしたってはっちゃけすぎである

行動を阻害されることを異常に嫌い、どんな状況でもいつもと変わらず動き続ける。眠らされた個体がそのまま跳ね回ったという報告も。下手なゴーストポケモンよりホラーである

 

種族値

HP 40

こうげき 105

ぼうぎょ 65

とくこう 100

とくぼう 30

すばやさ 185

合計525

 

特性 フリーラン 「行動不能」「対象、行動の強制指定」「技の使用不可」を無視する(ダイマックスポケモンに対する一部技の使用不可のみ例外となる)

つまり眠っても麻痺しても動くし混乱で自傷もしないし怯みもしない、サイコフィールドでも女王の威厳でもコイツの先制技は止められない。このゆびとまれも効かないし挑発にも乗らない。こだわらないけど威力は上がるし素早さも上がる

 

 

 

可笑し屋ジャック様より

スワルーレ『スワロー(ツバメ)+フルーレ(フェンシングの武器及び種目の1つ)』

 

速攻ポケモン

 

飛行・格闘タイプ

 

固有特性

疾風の剣技

相手よりも先に攻撃するとその攻撃は急所に当たる

 

H:70

A:140

B:50

C:60

D:50

S:150

 

空を颯爽と飛びまわり、縄張りに近づいて来るものがいないかをよくパトロールしている。

縄張り意識が強く縄張りに入られると即攻撃される。

神速とも言える剣捌きは相手が攻撃されたことに気づく前に全て終わるとさえ言われる。

 

見た目は頭はツバメ、背中に翼が生え、足は鳥の足、右手がフェンシングの剣(フルーレ)のようになった人型

 

固有技

疾風五月雨突き

連続技だが少し特殊で、相手よりも先に行動したなら5回、相手よりも後に行動したなら2回攻撃する

名前は某竜の依頼のパクrオマージュ

 

元ネタは水平飛行で最も速い鳥としてギネス登録されているハリオアマツバメ

 

クリムガンみたいな進化無い単発系ポケモンだな

 

 

 

インク切れ様より

スズメロウ

分類:すずめポケモン

高さ0.4m/重さ19.2kg

タイプ:ノーマル/飛行

特性:するどいめ/はりきり/(隠れ特性)やるき

 

H35

A75

B50

C55

D55

S65

 

森に生息しており、灰色をベースとして胸と翼の内側に白い羽毛を持つ小鳥ポケモン。オスとメスで微妙に見た目が異なり、オスの目の上にはキリッとした眉毛のような黒い羽毛が生えており、メスにはない。

非常に仲間思いなポケモン。スズメロウはメスが極端に少ないので、群れのオスたちは見張りや餌集め、メスの世話などを皆で協力し、寝る間も惜しんでメスを育てる。

名前の由来はスズメ+男の名前に使われる「郎」+「労働」

 

 

 

メクジャク

分類:じょおうポケモン

高さ3.0m/重さ45.5kg

タイプ:エスパー/飛行

特性:マジックミラー/じょおうのいげん/(隠れ特性)ふみん

 

H70

A55

B70

C135

D80

S105

 

深い森の奥に生息するポケモン。スズメロウの進化系だが、メスしか進化しない。青白いトサカに大きな扇状の飾り羽を持つというクジャクのようなポケモンだが、メクジャクの飾り羽に浮かぶ目のような模様は本当に目であり、見た相手を金縛りや催眠にかけてしまう力を持つ。

こちらも仲間思いであり、オスを外敵から守ったり、寝る間も惜しんで働くオスたちを催眠で眠らせて休息を与えたりと、進化するまでに世話をしてくれたオスに恩を返す。暗い森で飾り羽を広げ、暗闇に無数の光る目を浮かべる姿は絶景だが、それはメクジャクの縄張りに入り込んでいる証でもあり、オスを守ろうとするメクジャクは外敵に対して容赦をしないため注意が必要。

名前の由来は目+女+クジャク

 

 

 

産業革命様より

エアームド(和風っぽい地方の姿)

 

傍仕えポケモン

 

種族値

体力:60

攻撃:100

防御:135

特攻:40

特防:60

素早さ:70

計:465

 

特性:鷹狩…相手ポケモンが自身よりも軽い場合、技の威力が1.5倍。

 

外見:通常のエアームドの白色っぽい部分が墨色に変化し、頭部の角が金色の立物(たてもの:兜によくある鍬形状のアレ)になっている。

 

高さ:1.7m

 

重さ:50.5㎏

 

専用技:狩りの極意(飛行:威力90:物理)…無駄のない身のこなしで相手に致命傷を与える。命中時に確定で急所に当たる。

 

図鑑説明:エアームドが環境と人々に適応した姿。特に立派な頭の飾りは貴族や武士に好まれた。かつて大名と呼ばれた人々はエアームドを使って狩りを楽しみ、戦の際には一族の家紋を書いて傍らに置かせたという。また、羽は緊急時の武器にもなったと言われ、その羽は加工されて一族の守り刀になったとされている。

 

 

 

雨叢雲之剣様より

イロドリ (色+鳥)

かのうせいポケモン

タイプ ひこう +α(産まれた環境によってタイプが変わる)

特性 カラフルウィング

自身と同じタイプの技を半減させる

種族値 (ひこうのみの場合)

HP30

攻撃30

防御30

特攻30

特防30

素早さ30

合計240

外見

(ひこうのみの場合)白い小さな鳥ポケモン

設定

イーブイのような進化はしないが地域によってタイプが異なるとても特殊なポケモン禁忌領域海ではクサ、ミズ、でんきが発見されている。タイプは生まれた地域での状況で固定されるタイプによって色が変わっていて色違いとの見分けがほぼ不可能でもある。。ムックルやマメパトポジション。

 

カラバード(カラフル+バード)

イロドリの進化系

かのうせいポケモン

タイプ ひこう +α

特性 カラフルウィング

種族値 (ひこうのみの場合)

HP60

攻撃60

防御60

特攻60

特防60

素早さ60

合計360

外見

(ひこうタイプの場合)イロドリより少し大きくなった姿色は変わらない

設定

自分が生まれた場所から離れ新しい住処に適応した際の姿進化した際もその地域の影響を受けてタイプが変わる。進化した際ひこうだけのことは珍しい

進化方法

捕まえた場所とは別の場所でレベルを上げる

 

フェニレイド(フェニックス+カレイドスコープ)

特性 カレイドスコープ(ひこうのみの場合)/カラフルウィング

自身の防御不利を打ち消す

種族値 ひこうだけの場合/+α

HP80

攻撃85

防御65

特攻80

特防60

素早さ110

合計480/420

外見

カラバードがさらに成長した姿とても勇ましくなった。

設定

カラバードが住んでいた場所をまた変えた際にその地域に適応した姿

ひこうタイプだけの個体はもはや幻のポケモンと同レベルの珍しさで現在確認されていない。もしその進化をするならフェニレイドはとても自由で空を飛び続けている旅のポケモン

 

イロドリやカラバードの種族値はひこうタイプのみの場合は平均値で他のタイプになるとそれによって種族値が変動するが合計値は変わらない

フェニレイドも別タイプが入ってる場合も変動するが種族値の合計は420に下がる

 

 

 

忍丸様より

ケッコウ(決行する+カッコウ)

 

悪鳥ポケモン

 

タイプ ひこう:悪

 

特性 お見通し、生み代え (夢)悪戯心

 

生み代え…このポケモンは相手のポケモンに攻撃するか、既にこの特性を使用した相手ポケモンでない時なら発動する。このポケモンが戦闘中に対面したポケモンからくらう最初の攻撃もしくは変化技はすべて無効化される。また、このポケモンが「卵産み」を使用するとこの特性は再度使用可能になる(ただし上記の条件のせいで入れ替えなどでリセットされていない限りその対面ではこの特性は発揮されない)。                                                                        

 

種族値

体力:70

攻撃:30

防御:20

特攻:45

特防:25

素早さ:70

合計:260

 

非道な生態を持つカッコウ型のポケモン。体色はマメパトに近く見た目はムックルに近い。雑食。

生まれる時期がとても速く、生まれたと同時に何かに言われることもなく黙々とその巣の卵をすべて落とし自分を親鳥の子と思わせながら育てさせる。

名前の由来は、このポケモンを観察していた研究員が初めて産卵するときの習性を見たときの手際の良さに計画性を見たからである。

 

高さ:0.5m

 

重さ:20.5㎏

 

 

 

カンスイコウ(進化)(完遂+カッコウ)

 

替え玉ポケモン

 

タイプ ひこう:悪

 

特性 お見通し、生み代え (夢)悪戯心                                                                        

 

種族値

体力:110

攻撃:55

防御:75

特攻:100

特防:55

素早さ:105

合計:500

 

尾羽が長く、非道な生態を持つカッコウ型のポケモン。体色はマメパトに近く見た目はムックルに近い。雑食。

主に日中に活動し、産卵の時期が近づくと他の鳥ポケモンの巣の近くで生活の様子を長い間観察し、親ポケモンが隙を見せた内に住処の卵を一つ捨てて自身の卵を一つ産みそのまま何事もなかったようにこのポケモンは帰ってゆく。

名前の由来は、このポケモンを観察していた研究員が初めて産卵するときの習性を見たときの手際の良さに計画性を見たからである。

 

高さ:1.5m

 

重さ:35.6㎏

 

主に覚える技:トリック、どくどく、つばさでうつ、エアスラッシュ、すり替え、卵産み、催眠術、羽休め、悪の波動、不意打ち、追い風

 

 

 

インク切れ様より

スケルドン

ずがいポケモン

高さ0.3m/重さ5.3kg

いわ/ゴースト

特性:びびり/くだけるよろい/(隠)ぼうじん

H40

A64

B64

C50

D60

S42 計320

宙に浮かんだ小さい竜の頭蓋骨のようなポケモン。当然ながら骨が意志を持って動いているわけではなく、本体は紫色の透けた体に黄色いつぶらな瞳の幽霊のような姿。

洞窟や遺跡に生息する。弱腰で臆病な性格なので、太古のポケモンの頭蓋骨の化石を被って本体を隠している。化石を被っている間は強気になり、群れを作って通りかかった人間やポケモンに集団で襲い掛かるが、反撃されて骨が外れたり割れたりすると途端に逃げ出していく。

名前の由来は透ける+スケルトン+恐竜っぽい名前「〜ドン」

 

 

 

スカウルス

こっかく(骨格)ポケモン

高さ6.4m/重さ111.3kg

いわ/ゴースト

特性:がんじょうあご/くだけるよろい/(隠)ぼうじん

H85

A124

B118

C60

D65

S78 計530

スケルドンの進化系。複数のスケルドンが合体して進化し、紫色の幽体が肉食恐竜の全身骨格を鎧として纏ったような姿となった。本体は顔の骨の中に隠れている。

頑丈な骨格の鎧を武器に外敵と戦う。骨はあくまで鎧なので多少折れたり外れたりしても特に問題なく戦闘を続行できる。肉食竜の頭骨を使った噛み付き攻撃は非常に強力だが、本体は頭骨に隠れているため、スカウルスが口を開いた瞬間は本体を攻撃するチャンスでもある。とある地方では、博物館に展示されていた古代のドラゴンの全身骨格が実は休眠状態のスカウルスだったため、一夜にして展示品がなくなってしまったという事件が起こったことがある。

名前の由来はスカル+恐竜っぽい名前「〜サウルス」

 

 

 

可笑し屋ジャック様より

ノッグラン『ノッカー(鉱石や地盤の緩みを見つけられる妖精)+グランド(地盤)』

 

地叩きポケモン

 

岩・フェアリータイプ

 

特性

いしあたま

マイペース

 

H:100

A:60

B:70

C:15

D:60

S:30

 

洞窟の壁を叩き、地盤や鉱石の有無を調べるポケモン

ノッグランが壁を叩いた後に逃げ出さなければ、よほど大暴れしない限りは10年間は地盤は平気である

ただ、まだ子供なので下手に仕事としてさせようとすると、すぐに飽きて他のノッグランとの石キャッチボールなどで遊び始める。

 

見た目は小さな棒を持った小人。シャベームと似ている

頭に石で出来たヘルメットのようなものを被っている

 

 

ドコーフ『ドワーフ+鉱夫』

 

採掘ポケモン

 

岩・フェアリータイプ

 

特性

いしあたま

じしんかじょう

 

H:130

A:65

B:110

C:20

D:65

S:40

 

洞窟内の鉱石を掘るポケモン

鉱石は掘るが、掘るのが好きなだけなので掘ったものは人なり岩ポケモンなり、進化形のドヴェミスに渡す

 

見た目は小さな太り気味のおっさん(よくあるドワーフ)の右手が鶴橋になっている

岩で出来た兜を被っている

 

ドヴェミス『ドヴェルグ(ドワーフの別名)+スミス(職人)、ブラックスミス(鍛冶屋)』

 

鍛冶ポケモン

 

岩・フェアリータイプ

 

特性

いしあたま

じしんかじょう

 

H:150

A:70

B:140

C:30

D:70

S:50

 

人間みたいに鍛冶を行うポケモン

ドコーフが掘り出した鉱石を右手のハンマーで加工することが出来るが、洞窟で作って意味のあるものは少なく、せいぜいメタルコートをイワークにあげる程度である

岩タイプや鋼タイプのポケモンを叩いて精錬することで、余計な石や汚れをとる美容院のような事が出来る

人の元で知識や施設を得られればドヴェミスの真価を発揮することが出来る

 

見た目は更にガッシリとずんぐりとしたドワーフのような姿

右手が岩で出来たハンマーで出来ている

岩の兜も更に厳つくなっている

 

 

 

天の雀様より

ハルキメアー(幻覚のようなの英訳(like a hallucination)+ナイトメア)からモデルはハルキゲニア

 

分類:徘徊ポケモン

 

身長8.5㎝/体重3.4㎏

 

タイプ:むし/毒

 

特性:弱気/パンデニック (夢)ナイトメア

 

体力:75

攻撃:30

防御:70

特攻:35

特防:65

素早さ:65

合計:340

 

現実のハルキゲニアの特徴はほぼそのまんまで、見た目は本来ハルキゲニアにあるはずの丈夫な背の棘たちはシリコンのような軟質になっており、触っても痛いことはなく見掛け倒しである。左右合わせて6本の足を持ち海底を這い、手や触手はなく、眠っている人やポケモンの見る夢から無作為に食べて普段は生きている。また、とても臆病で、基本的に海底から間違っても意図的には上がってこない。刺激を受けると背中の棘の先からポケモン人間に問わず体内に取り込んだとたんに急激に興奮が始まり数時間暴れた後に数日寝込むことになる粘性の霧を放出しその場を去る。この霧にはハルキメアが普段から食べている夢を主成分としており、摂取して見せられる夢はハルキメアがそれまで食べていた夢の一部たちが無作為に並べられているようであるらしい。

名前の由来(幻覚のようなの英訳(like a hallucination)+ナイトメア)からモデルはハルキゲニア

 

覚える主な技:どくどく、トーチカ、たくわえる、はきだす、のみこむ、守る、糸を吐く、ベノムショック、ねばねばトラップ、ダイビング、ねっとう、虫のさざめき、怪しい光、みがわり、ミラーコート

 

オリジナル特性「パンデニック」由来(パンデミック+パニック)

特殊か物理の技を受けたとき、もしくは体力が減少した時に自身以外の敵味方問わず全員を混乱と眠り状態にする。野生の場合、これを発動したらテレポートのように直ちにバトルが終了する。バトルの場合、一度の対戦中一度しか発動しない、そして発動したら手持ちのポケモンと交代する。手持ちが自身一人の場合交代せず居残る。

 

 

 

七人の母様より

キガングモ(鬼蜘蛛+岩。鬼岩蜘蛛)

 

いわぐもポケモン

 

いわ・むし

 

たかさ 2.2m おもさ 280㎏

 

タマゴ未発見グループ

 

頭に大きな角が生えた、岩の体を持つ大きな蜘蛛型のポケモン

岩山に洞窟を作り住処とする。岩と土が主な食糧。宝石を掘り当てることもあるが、食べられない(食料としてみてない)ので保管しており、たまり過ぎたらヤミラミや通りすがりの人間におすそ分けしたりする

知能が高く器用で、念力に似た力を持つ。そのためどこまでなら岩山を堀り進めても大丈夫なのか把握している。また、かなり穏やかな気質であり、迷子の人間やポケモンを出口まで案内したり、住処に住み着いたポケモンの世話を焼くことも。反面、住処を荒らすものには、山が崩される危険性があるため一切の容赦をしない

 

種族値

HP 130

こうげき 148

ぼうぎょ 115

とくこう 100

とくぼう 90

すばやさ 17

合計600

 

特性 テクニシャン 夢特性 かたいツメ

 

習得技

いわ・むしタイプ

いわおとし うちおとす がんせきふうじ いわなだれ ロックブラスト ストーンエッジ もろはのずつき げんしのちから パワージェム メテオビーム ロックカット すなおこし

シザークロス きゅうけつ とびかかる とどめばり むしくい まとわりつく はいよるいちげき であいがしら ミサイルばり メガホーン むしのていこう むしのさざめき いとをはく クモのす

 

それ以外の主な技

ギガインパクト 10まんばりき じしん つじぎり かみくだく とびはねる ボディプレス アイアンヘッド げきりん しねんのずつき シャドークロー ダストシュート

はかいこうせん だいちのちから あくのはどう サイコキネシス シャドーボール ヘドロばくだん かえんほうしゃ

つめとぎ こわいかお こらえる つるぎのまい じゅうりょく

 

「ヒードランポジの準伝」「オリ要素無し」「主に物理だけど特殊もいける超鈍足アタッカー」くらいの感じで

 

 

 

可笑し屋ジャック様より

カーストン『カース(呪い)+ストーン(石)』

 

原石ポケモン

 

ゴースト・岩タイプ

 

特性

のろわれボディ

頑丈

 

種族値

H:50

A:25

B:100

C:75

D:100

S:25

 

洞窟の深部に暮らすポケモン

見た目は岩の塊だが所々青い宝石の部分が見受けられる。

トレーナーの腕次第で如何様にも輝けるようになるが、ぞんざいな扱いをしようものならカーストンに呪われてしまうだろう

 

固有技

 

呪いの宝石

カウンター系の技で必ず先行を取れて、この技を発動した状態で相手が攻撃してくると相手を呪い状態+かなしばり状態にする。(かなしばり状態にする理由はのろわれボディの効果がかなしばりと同じだから)

 

 

 

エンダイア『エンド(終末)+ダイ(死)+ダイヤモンド』

 

宝石ポケモン 

 

ゴースト・岩タイプ

 

のろわれボディ

頑丈

 

種族値

H:50

A:50

B:120

C:120

D:120

S:30

 

洞窟を縄張りとする地縛霊のようなポケモン

宝石泥棒、洞窟の管理人、迷子の子供やポケモン一切関係なく叩き返し呪う乱暴なポケモン

ただ、初めから洞窟に住んでいるポケモンは守ろうとする守護神的な側面を持つ(ヤミラミは追い払う)

 

見た目は全身青黒く輝くダイヤモンドで出来ている。

姿はランドロスやディアンシーのようなダイヤモンドの上に人のようなものが乗っている

ディアンシーと違い、石っぽい部分はなく、全てダイヤモンドで出来ていて、ゴーレム系の無生物感が強くなっている

目は赤く光っている。

 

元ネタは【呪いの宝石】と呼ばれたホープダイヤモンド

 

 

 

なせう/一般通過アークス様より

ガイアーソン(ガイア+パーソン)

じめん

たにぞこポケモン

 

特性

ガイアクラック

じわれが専用技に変化する

 

 

専用技

ガイアクラック

じめん

物理・非接触

威力120

命中65

PP5

エレキフィールドなどのフィールド効果を破壊する

急所に当たると一撃必殺!

(隠し効果)急所確率が10%固定になる

 

種族値はA100位のバランス型かなぁ(ただ思い付かないから面倒くさがってるだけのクソ無能)

多分Sくっそ低い代わりにB130か140位ありそうな気がする

地面タイプなのでCとDは低い(なんでや地面タイプ関係ないやろ)

H?80位じゃね?(適当)

 

頭部の下半分を布のような皮膜で覆った人型二メートル程のポケモン。

皮膜は長く背中へ伸び、マフラーのようになっている。

同じくフラーマン系譜のマストーンとはある種の共生関係にあり、環境にあわせて小規模に変化したじわれであるガイアクラックでじめんを砕き、砕けた地面を食べるガイアーソンの横でガイアーソンが食べれない鉱石、宝石をマストーンが補食し、地中に存在するディグダなどをマストーンが追い払うことで巨体であるガイアーソンが生活しやすいように縄張りを確保している。これは小柄ながら指先で音を出して威嚇することのできるマストーンと大地を文字通り粉砕し食料を得るガイアーソンならではの共生関係と言える。

 

 

 

 

マストーン(マン+ストーン)

いわ

いしつかいポケモン

 

特性

がんせきはいち

場に出たときまたは3ターンに一度ターン終わりにフィールドをステルスロック状態にする(ステロ配置Or解除でカウントリセット)(ターン終わりにカウント1増加)

ステロ状態の時岩技の威力が1.2倍

隠れ特性

いしひろい

戦闘終了時進化石等の石系アイテムを拾ってくる

岩技使用時15%の確率でPP消費1軽減

 

 

専用技

いわのうたげ

いわ

物理・非接触

威力80

命中85

PP10

ステロ状態だとステロ状態解除で威力1.5倍

ステロがないときステロを配置

身代わり貫通

 

 

種族値はこいつもA高めかなと

ただガイアーソン程Bは高くないけどガイアーソンよりSが高いんでガイアクラックの前にいわのうたげを撃てる利点があるので2体で組ませると強い

ただ普通にDもそこそこ(80程)あるので砂嵐とか撒くと途端にTDN強ポケに変貌する。輝石が適用されないのが唯一の救い(なおとつげきチョッキ)

 

 

 

 

見た目は完全にSCPのシャイガイ。ただしあんなに肌白くないしあれの倍くらい体が太い。

全身砂色をしていて体の所々から生えてる岩は赤だったり青だったり色々。

指先とかいろんな場所がなんかザリザリする。

 

 

 

 

基本渓谷の地下に集落を作るのは2体とも同じ。ガイアクラックで少しずつ上に登るための洞窟状の通路を作りながら100メートル程の深さまで亀裂を掘り進める。集落は掘った渓谷の一番下の少し上、地面から五メートル程離れた場所に横に大きく崖を抉って作る。一番下に作らないのは食事のために地面を掘っても集落の床が落ちないようにするためと雨が降っても簡単には集落が水没しないようにするため。

マストーンは基本的にはしゃべれない。そもそも声自体が出ないのだが。しかしマストーンはザリザリした指先を擦り合わせる事で音を出しそれを言葉の代わりにしているらしい。旗から聞けばなかなか嫌な音なのでそれを利用して他のポケモンへの威嚇にもなるらしい。

あと基本的にはガイアーソンは土、マストーンは鉱石類を食べる。が、食事によって肉体は栄養を確保できても精神まではそうはいかないのかたまに気分転換で地上に登って日光浴をしているらしい。ゴツい人型二匹が仲良く体操座りしてるのを見るとなんかなごむ(大嘘)。

 

 

 

イクゼン様より

ブウル(ブラッド+ウルフ)

 

 

ちのみポケモン

 

高さ0.6m 重さ8.5kg

 

あくタイプ

 

特性

ちのみ

攻撃技で相手のポケモンを倒した時、自身の最大HPの2分の1回復する

 

スナイパー

 

隠れ特性

いかく

 

 

種族値

H50

A60

B50

C20

D50

S60

計290

 

外見 全身を黒い毛で覆っており、目が赤いのが特徴の狼。朝は静かに眠っているが、夜になると活動し出す。好物は血であり、迂闊に近寄ろうならその相手を狩り、血だけを飲みほす。まだ、幼いためか場所や相手を選ばずに襲う。

 

 

進化条件

レベルが30で進化

ブルター(ブラッド+ウルフ+ハンター)

 

はんとポケモン

 

高さ1.2m 重さ25.5kg

 

あくタイプ

 

特性

ちのみ

攻撃技で相手のポケモンを倒した時、自身の最大HPの2分の1回復する

 

スナイパー

 

隠れ特性

いかく

 

種族値

H75

A100

B60

C50

D60

S120

計465

 

外見は黒い毛が進化前より短くなり、所々が赤く染まっている。この所々赤く染まっているところは食事の際に付いたものである。進化したことで相手の実力を測ることが出来るようになり、相手次第で引くことを覚えた。

 

 

進化条件

夜の時にレベルを50以上に上げる。

ハウルド(ハンター+ウルフ+ブラッド)

 

あんさつポケモン

 

高さ1,8m 重さ60.5kg

 

あくタイプ

 

特性

ちのみ

攻撃技で相手のポケモンを倒した時、自身の最大HPの2分の1回復する

 

スナイパー

 

隠れ特性

いかく

 

種族値

H100

A140

B60

C55

D60

S150

計565

 

専用技

アサシンブレード

あくタイプ

威力80 命中100 pp15

相手より先に技を繰り出した時確定で急所に当たる。

 

外見は二足歩行になり、尻尾と頭部から生えている以外の毛がきれいさっぱり無くなっている。進化したことによって格段に賢くなっており、人間になりすましたり、食事した現場を跡形もなく無くすなど、ずる賢さでは人間以上の頭脳を発揮する。そのため、血を飲むために攫われた人間は一生死ぬまで見つけられないと言われている。

 

 

 

産業革命様より

デスマス(グランドの姿)

 

絵画ポケモン

 

タイプ:ゴースト

 

特性:未完の絵…ノーマルタイプの技の威力が1.2倍になる。

 

種族値…デスマスと同じなので省略。

 

外見:普通のデスマスがマスクの代わりに額付きの白いキャンバスを持っている。それだけ。

 

特記事項:ドーブルと同じく『スケッチ』が使える。

 

図鑑説明:グランド地方のデスマスの姿。グランド地方に辿り着いたデスマスが絵画を気に入った結果、その他多くのデスマスも絵画を抱えるようになった。いつか自身が持つ白紙のキャンバスに絵を描いてくれる人物を求め、各地で人々の後を着いていく姿が見られている。

 

 

 

デスマス(グランドの姿)に『赤紫色(マゼンタ)の絵の具』・『水色(シアン)の絵の具』・『黄色(イエロー)の絵の具』を使用すると進化。

 

デスバース…『デス(死)』+『キャンバス生地(絵画を描く為の布)』より。

 

名画ポケモン

 

タイプ:ゴースト+α(使用した絵具によって変化)…赤紫=炎、水色=水、黄色=電気タイプが追加。

 

特性:傑作の絵…攻撃した相手を一定の確率(1/3)で魅了状態にする。

 

種族値

 

H:53

A:95

B:105

C:95

D:105

S:30

 

高さ:1.14m 重さ:20.5㎏

 

外見:額に包まれた大きな絵画。額の上の方の装飾にデスカーンに似た赤い目が光っている。影から黒い手が伸びているのもデスカーン同様。ただし、手の数が8本に増えている。描かれている絵は使用した絵の具によって異なり、赤紫色なら怪しく揺れ動く紫炎の絵、水色なら押し寄せる大波の絵、黄色なら荒れ狂う暗雲と雷の絵が描かれている。

 

図鑑説明:絵心のある人物に自身のキャンバスを塗ってもらい、その素晴らしい出来栄えが評価されて額に体を移し替えたデスマスの進化系。作者がより良い絵を求めた結果キャンバスも多くなり、額縁も其れに見合う大きさになった。偶に名画として博物館に飾られたデスバースが勝手に動き出し、夜の博物館の怪談話の一つになっているとかいないとか。

 

専用技:名画の記憶(+αのタイプ/威力90/特殊/命中100/PP10)…絵画に描かれた描写を再現して攻撃する。その後赤紫色ならば敵に火傷、水色ならば敵の素早さを二段階減少、黄色ならば敵に麻痺効果を1/3の確率で付与する。

 

 

 

ムッシー様より

オッシャベリーナ MC(エムシー)ポケモン タイプ:ひこう・ノーマル 身長:1m 体重:15kg 特性:のどじまん

ステータス:H90 A70 B60 C120 D80 S100

見た目:ムクバードに近い体型を持つスタイリッシュなポケモン。人間でいう耳の部分がイヤーマフのようになっていて、鶏冠が高等部から目先に反り返ったマイクのようになっている。嘴が赤、翼が青、胴体と足が黄色と派手なカラーになっている。

図鑑説明:ペラップから進化するこの地方独自のポケモン。1度しゃべりだすと2時間は止まらない。人の言語には聞えないはずなのだが、聞く人によっては歌を歌っているような、関西弁(ジョウト弁?)のような、独特な鳴き方をする。

 

進化図:ペラップ→(通信・不思議なマイク)→オッシャベリーナ

 

覚える技:ペラップの覚える技+ ぜっきょう おだてる おさきにどうぞ あとまわし 

 

 

特性:のどじまん

自分の出す音技の威力が2倍になり、命中率が1.5倍になる。その他の技の威力と命中率が半分になる。

 

進化アイテム:不思議なマイク

誰が作ったのかわからない不思議なマイク。使うポケモンの音技の命中率を10上げる。

 

新技

ぜっきょう タイプ:ひこう 分類:特殊 威力:100 命中率:90

最初に息を溜めて後から技を出す。相手に当たった場合、確定で混乱状態にする。出す前に相手から技(ダメージを問わない)を受けてないと失敗する。音技の一つ。

 

あとまわし タイプ:ノーマル 分類:補助 威力:0 命中率:100

指定した相手は最後に技を使う。命中率に関係なく当たる。複数戦用の技。

 

 

 

可笑し屋ジャック様より

ドロダマゴ『泥団子+たまご』

 

泥玉ポケモン

 

地面・飛行タイプ

 

固有特性

泥まとい

どろあそび、泥かけ、マッドショット、あなをほる、濁流、マッドピラー(固有技)を発動すると泥まとい状態になり、受けるダメージが半減する。

ただし、直接攻撃もしくは水タイプの技(濁流を除く)を受けると解除される。

また、バトル始まって最初に出たときは泥まとい状態で出る。(コオリッポやミミッキュと同じような感じ)

 

H:30

A:35

B:55

C:60

D:55

S:65

 

全身を常に泥で覆っているポケモン

泥場で遊ぶのが大好き

飛行タイプだけど飛べない

 

見た目は泥で出来た卵から、目と嘴、小さな羽と足だけが出ていて全身は隠れている。

大きさは少し大きめな泥団子程度

 

 

ウズマッド『うずら+マッド(泥)』

 

泥浴びポケモン

 

地面・飛行タイプ

 

泥まとい

 

H:60

A:50

B:75

C:110

D:65

S:110

 

ドロダマゴが進化し纏っていた泥の殻もなくなった。

泥をある程度自由に作ることが出来、その泥を使って身を護る鎧を作ることが出来る

進化しても空を飛ぶことは出来ない

 

見た目は泥が体についてベタついているようなうずら

大きさは本来のうずらよりは大きく、鶏くらいの大きさはある

 

固有技

マッドピラー

特殊の地面技で、確定で相手の素早さを下げつつ、フィールドをどろあそび状態にする

イメージとしては地面から



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序章 心のバッチ
1 あくる日


ー風が凪いでいる。

自分を追い立てるかのように。

そこまで急がなくとも と、私は思う。周りのことなど、どうでもいい。

 

 

ーただ、自分と、ポケモンがいれば、それでいい。

 

 

しかし、周りは私のことを離しちゃくれない。家族がいるトレーナーがいる。チャンピオンがいる。面白いやつもいる。どんなに離れたって、しっかり脳裏に刻んでくるんだ、自分の存在を。世界のどこにいてもな。

そんなんだから、誰もがトレーナーになる。自分も、記憶に刻まれたいと。

誰もが憧れる。頂点に。

 

 

だからこそ、風は凪ぐ。そこに意味はなけれど、自分が意味をつけるんだ。

 

 

 

新しい、旅より。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

ー今日はとてもいい日だ。暑さが控えめで、尚且つ太陽が眩しい。こんな日などなかなか見れない。

 

絶好の……

 

 

 

 

 

 

昼寝日和だな。ポケモンとのびのび昼寝をする時が、一番生を実感する。やはり、夏はこれに限るな、

私はそうぼやいた。

 

ー風が凪ぐ

 

 

 

ーーー

 

いつもの場所に、森の奥に来た。

木漏れ日が照り、新緑が辺りに充満している。

この心地よい空間は、私の一番のお気に入りだ。

何もかもが、美しい。

 

 

その美しさに惹かれたものが、ここへとやってくる。

例えば、あのくさポケモン達とか。

 

カリキリや、コロボーシ、ムックルなど、言葉だけで表せるほどのものでは無く、本当に、本当に沢山のポケモンがいる。

 

そんな、美しい一時を味わっている、が、

 

 

 

異色なものが紛れ込む。

 

「…珍しい、オカラム達がいる。」

 

オカラムは、かなり特徴的なポケモンで、その特徴故か、そこまで好かれてはいないポケモンだ。

流石に、胞子を撒き散らすポケモンは好かれない。例え、綺麗であっても。

事実、前に来た時に、追い出されていた。

 

 

 

ーそんなポケモンがいるのはいささかおかしい。そう考えていると、

おもむろに、オカラム達が頭をころがし始めた。

 

他のポケモン達は最初は酷く迷惑そうに睨みつけていたが…

しばらくすると、目にとろみがついてきた。

 

 

そこでようやく、オカラム達の習性などを思い出し始めた。

そして、辺りに目を凝らす。

 

 

ーどうやら、胞子が飛んでいるようだ。技であるキノコのほうしは、くさタイプにはききもしないが、これは技として打っているのでは無く、このポケモンそのものの胞子のようだ。

 

 

これは、持論なのだが、ポケモンには個体の優というのがある。

たとえば、ゴウカザルがずつきをしたとしよう。

ずつきはノーワルタイプだが、ゴウカザルは頭が燃えているポケモン。その為、普通のすつきよりかはこおりタイプなどに効果が大きい。

ー無論効果抜群とまではいかないが。

 

 

 

 

それが、オカラムとどういう関係があるかと言うと…

 

ーくさタイプのポケモンでさえも眠らすことができるということだ。

 

 

ようやく認識した危機から逃げる為に、私は動き出そうとする。

 

しかし、

 

 

 

 

 

 

 

 

崩れる。

 

「ぇ」

 

当たり前だ。くさタイプのポケモンでさえも眠そうにしているこの中、人間が耐えられるはずもない。

 

そんな事を考えたが最後、私の意識は闇に落ちた…

 

 

 

ーそれでも、風は凪いでいる。



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2 堕ちる

ーざわざわと音がする。

まどろみに包まれていた私は、小さな音でさえも、覚醒するには十分な要素だった。

そして私は、ゆっくり目を開き、寝ぼけ眼と、霞のかかった様な頭で辺りを認識しはじめる。

 

 

 

ーどうやら、自分の周りには、樹木が広がり、知らない森を形成している。

さらに、先程のオカラム達も見つからず、くさタイプのポケモンでさえも、見当たらない。

 

 

 

それはいささかおかしいのではないか?

ポケモンは、海に山に空に地上に、どこにだっているものだ。ゴミ廃棄場にダストダスやベトベトン、ゴストがいるように、墓や霊的何かを司るところに、ゲンガーやシャンデラなどがいるように、必ず適応するポケモンがいる。

 

 

 

それがすらもいないのは不自然だ。その様な状態になるのは…強い外敵から逃げるものでは無いのか?

 

 

 

そう考えるとしっくりくる。オカラム達があの場所居たのも、表層に居た弱いポケモンだけがあの場所に居たせいで、追い出すことすらままならなかった事も。

 

 

しかし、そこではたと思考が止まる。

 

 

 

 

 

眠っている私 いるであろう外敵外敵 弱い人間

 

 

 

 

 

私は駆けた。

死に物狂いで。方角もわからず。

でも、予想は当たっていた。背後から、重低音が響き、追ってくる。

 

ポケモンは、人間の良き隣人だ。しかし、調停者でもある。少なくとも、背後から追ってくる奴は。

 

 

 

ヤツは既に、金切り声に近い音程を出すほど興奮しているらしい。

思わず、手で耳を塞ぎたくなる。しかし、それすらも今の私にはしてはならない事だ。思い切り手を振り、フォームを維持する。

逃げ切る事を、日常に戻る事を信じて。

 

 

 

しかし現実は残酷だ

 

パチンッ

 

「ッ?」

 

走る度に空いていた足を戒めるかの様な痛みと衝撃が伝わる。

完全に不意をつかれた。

思わず足が絡まり、大地へ倒れ伏す。

 

 

何があったのか、それだけ見ようとして、

一つ知らなくていいとこを知る。

 

 

…まただ。オカラム。奴が此方へと蔓を伸ばしていた。嘲笑うかの様に胞子をふかした後、森へと消えていった。

 

何故ここにまだいるかはわからないが、少なくとも、コイツはトドメを刺しに来たみたいだ。確実に、仲間達が逃げられる様に。少しでもここへ釘付けにする様に。

 

 

…余りにも、絶望感にさらされるものだからか、不意に現実逃避してしまったな、現実を見よう。

 

 

凄まじい音を立てながら襲って来たこのポケモン。それは…

 

 

デモニケル。そうだ、生態系を整える悪魔だ。酷く残虐であり、連れて帰ったものを食い散らかす。

 

 

先程までの勢いはない。

 

しかし、恐怖心を煽るかの様に、ゆっくりとした歩みでこちらへ向かってくる。

 

爪が地面に引きずられる音を聞く度、死の足音が聞こえる。

そして、痛ぶるかの様に詰められた私に、手を挙げ、振り下r

 

 

ゴギャッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

ヌラリ…

 

血が滴り落ちる。

鉤爪で襟首を掴み上げ、怪しげに開いた扉へと放り込む。

 

鋼色の悪魔は、一仕事終わったかの様にため息を吐き、森の奥へと帰っていった。



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3 はじまりのうみ

頭が痛い。吐き気もする。

自分のことがわからない。

ふわふわとした、浮遊感を感じる。わからない。

グルグルと、頭が回る。どれくらいかわからないけど、

 

…ああ、いやわからない。

 

 

そう思考が回っていると、いきなり重力に晒される。

 

 

 

どぽん

 

 

浮遊感は無くなったが、冷たさと質量を感じる。

 

 

閉じていた目を、水に押し上げられる。

うっすら開いたまなこには、マリアナ、ラブカス、ホエルコ、キバニア…、沢山のポケモン達が映る。

 

膨大な量の海のポケモン。その光景が、あまりにも美しくて。

息をほぅ、と吐いた。しかし、

空いた口から、気管支に、胃に、肺に水が入り込む。それでも私は…

 

 

 

この光景に溺れていた

 

 

 

 

 

そして、私は堕ちた。心も体も。

 

霞む視界に、別れを告げる。

 

そして

 

いしきが

 

おちた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うたごえが ひびいた きがした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

何者かが、私からうみを奪おうとしている。おちたわたしでも受け入れてくれたうみを。うみを出されている。

しかし、気持ちとは反対に、体は楽になってしまった。

息を吹く。息を吸う。呼吸が出来る。

細めた目から見える岩壁は眩しく、世界の美しさを教えているかの様だ。

 

 

 

ふと思う。普通ならば、ここで起きるのであろう。意思を持つ者は。

しかし、私にそんなものは無い。

思えば、あの日から休んでいなかった。だから一時休む。

そう決め、意識を沈める。

 

 

 

すると、私に合わせる様に綺麗な歌が流れる。

私を優しく揺らし、ゆっくり包む。

まるで子守唄の様な、あやす歌が流れる。

 

 

人間を溶かすかの様な、その歌を聴いていると、余計にねむくなり、

私は、目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

side???

海を悠々と泳ぐ。この、大いなる恵みの中を。

 

長い時をここで過ごす我々は、この海の構造を知り尽くしている。

 

だからこそ、情勢や、自分たちの立ち位置を把握して生きている。

そんなのだから、今日も退屈に一日が終わるのだろう。

 

 

そう思い、さっさと獲物を仕留めにかかることにした。

面倒な事を終わらせ、家に籠ることにしよう。

そう考え、ヒレを速く流動させる。

 

 

しかし、気持ちと裏腹に、獲物は見つからない。海藻を見れば、殆どがマリアナ。不味い上に、硬くて抵抗してくる。ハズレ。

 

魚ポケモンを見ればホエルコやキバニアなどの群ればっかり。

自分は群れていない為、そんな奴らに喧嘩を売れる訳も無く。

こんな時ばかりは、群れにいた方が良かったとぼやきながらもため息を吐く。

 

 

これ以上体力を使いたくない為、しょうがなく家路に着く。

 

家の備蓄が減るとぼやきながらもやはり獲物を見つけることに賭け、ふわふわと漂いながら帰ることにする。

 

そう決めたら、後は楽だ。対して遠くもない家に、漂いながら帰る。それだけだ。ほら、少しは刺激が欲しいだろう?

…って、誰に言っているのやら。

 

 

 

 

そう思いに浸っていると、おもむろに音が響く。

 

 

 

 

音が鳴ったところを向く。

しかしポケモンが塊になっていて、何なのかが分からない。

 

それでも、そちらへ向かって行く。

だって、ちょうどいい。

 

 

 

 

 

刺激が欲しかったんだ。



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4 一時

こんなことしてるけど、作者はアイデアが出たど素人です。
主人公の頭の回転が早いせいで、文章がぶつぶつ切れる、とでも思ってくれたらなぁーと。思います。


ー意識が上がる。

 

それを嫌に思うが、それでも起きるのを厭わない。進まなければいけないから。

 

…ゆっくり間を開き、体を起こす。のっそりした動きで周りを見渡す。

 

 

 

ーそこは洞穴であった。

天井から日が適度に差し、美しい景色を奏でている。

そして何よりも、扉がある事が特徴的だ。少なくとも、この洞窟には似合わない木製である事から、誰かが生活している事を予測できる。

 

 

どうしてここにいるかのかわからないため、余り思い出したくは無いけれども、状況整理をしよう。

記憶があやふやではあるが、ヤツに襲われ、その後、何故か海に放り出された。

そこで見つけられて、この洞窟で処置を受けたのだな。

 

 

 

どちらにしろ、家主には感謝しなければ。

 

 

 

そう思い、立ち上がろうとすると、ベチャッと音が響く。

その音につられて、下を見た。

 

そこには、海綿体の様なものが、水を含んだ状態で転がっていた。

…そういえば、服などが乾いていたが、コイツのおかげか。

 

見たところ、ポケモンにも見えないし、動く気配すらもない。

気に留める必要もないだろう。

 

 

そんな事をしているちょっとの間に、いつの間にか、チャプチャプという音が近づいてきている。

どうやら、家主が来た様だ。

 

 

扉の付近で音が小さくなり、そっと扉が開く。

そこに見えたのは…

 

 

 

 

海面から顔を出す、人間の様なポケモンであった。

上半身は、コスプレしている人間といえば納得できるぐらい人間である。

 

しかし下半身がそれを覆しており、足の部分がヒレらしき者になっている。

 

人間みたいではあるが、サーナイトなどの、人型ポケモンもいるから、納得できなくもない、と言ったところではある。

 

 

そして、彼女?が助けてくれた事は間違いないはずだ。

礼のつもりで、頭を下げる。

 

「ありがとう」

 

そう言い、頭を上げると、困ったかの様な表情を見せる彼がいた。

そして、少し悩んだかの様な素振りを見せる。

 

 

すると、口を開き、声を発する。

 

「ーーーーー?」

 

ー恐ろしく美しい声で、何かを問いかける様な音程を発する。

見た目と相まり、一瞬、呆けてしまったが、直ぐに返答を返す。

 

「すまない、言葉が分からないんだ。」

 

一応、言葉を発し、首を振る。口と耳の前でジェスチャーをし、言葉がわからないという旨を伝えようとする。

 

 

そうすると彼女?は、目を見開き、海中に引っ込む。

泡と静かさだけが残り、静寂に支配される。

 

 

そこでようやく、堪えていたため息をつく。

 

「…ここは一体、どこなんだ…。」

 

扉の先に見えた世界は、知らないものであった。



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5 風と海

みんな、いっぱいポケモンを託してくれて、本当に感動する。
全部出したいけど、腕が言う事を聞いてくれない…。


ー暫く、海を見ていた。

海は知らなけれど、海上を跳ねるポケモンは見知ったポケモンばかりだ。

コイキング、キバニア、ヨワシ、ホエルコ…

 

…ヤドリル?あのポケモンは、私のいた地方でしか見つかってないポケモンなはずだ。

 

オカラム等と同じく、いきなり見つかった種ではあるけど、確かにうちの地方でしか発見例が無かった。

 

 

…ここは私がいた、あの地方なのか?それとも、別なのか?

 

 

ますます、頭を悩ます要素が増えた。

ため息をつき、自分の不運を呪う。

 

「…私は、『自分』と、ポケモン達の幸せを願っただけだぞ。それの何がいけない…。」

 

そんな私を嘲笑うかの様に、目の前でジャベマリンが跳ねる。

着水とともに、水が押し寄せ、再度ずぶ濡れになる。

 

…体は暖かったが、これでは心も、体も寒い。

体を意識してしまい、情け無い気持ちになる。しかも、ぐー、と腹から音が鳴る。

 

 

…嫌な気持ちばかりが溜まる。

さっさと、切り換えない無いと。

そう思い、辛抱強く待つ。

 

 

 

ーーー

 

ーしばらくすると、水音が響き、ジャポリと音をたて、彼女?が上がってきた。

そして、大きな水の玉に下半身を浸している。

 

もしや、これを取ってくるために時間をかけていたのか。確かに、これを取るのは手間がかかりそうだ。

と一人納得する。

 

 

 

「なぁ、おぬし、これで言葉がわかるか?」

 

突然、声が聞こえる。しかし、耳からというより、頭の中で響く様な声だ。しかも、かなりの美声かつ女性の声である。

 

 

彼女を目の前に見据え、声をかける。

 

「貴女が声を掛けたのか?」

 

そう、私が聞か返すと、彼女は、満足げに頷き、

続けて声を発する。

 

「そうだ。私が声を掛けたのだ。待たせてすまなかったな。言語を調整するのに手間がかかったのだ。…後、やつから泡をぶんどるにもな。」

 

そう彼女は言う。どうやら、彼女は私たちの言語を理解しているらしい。(声帯を振う様子は見えない為、恐らくテレパシーなどだろう。)

 

それならば、助けてくれた事に理由がつく。人間を知っていたのだろう。

 

「成る程、助けてくれて感謝する。対価は何をすれば良い?」

 

そう言うと、つまらなそうな表情になった。

何か機嫌を損ねたのか?

 

「おぬしは少しも私と話してくれんのか?急ぎの用事があるならしょうがないが。でも、急いではなさそうだがな?」

 

…微妙にあっていた。

話をしない理由も無いため、謝罪を告げ、急いではいないと告げる。

 

「それはよかった。では早速だが、おぬしが何故、町から離れたこの海にいたのだ?いくら陸に近かろうと、ここは凶暴なポケモンもいるのだぞ?」

 

少し機嫌を良くして、問いかけてきてくれた。

ーどうやら、この海に居たのが疑問だったらしい。

 

それと、街から遠かったみたいだ。…それでも、私が知っているモノとは、あまりにも海の毛色が違う。

 

少なくとも、私が居たところでは無いだろう。

 

 

…取り敢えずことのあらましを話すことから始めた。

 

 

 

ーーー

 

彼女は私の話を聞くと、悩ましげにヒレをバタバタと動かす。

 

「うーむ、成る程。やけに深い傷を負っていたのはそのせいか。きのみがあってよかったな。

…それと、何故ここにきたのかは分からん。が、町ならば、情報を仕入れられるかもしれないぞ。…どうだ?行かないか?」

 

そう言われた事に困惑する。何故彼女がここまでしてくれるのかに。

私の表情に感情が出ていたのか、彼女は楽しげに笑い、自分が刺激に飢えていた事を伝えてくる。

 

そして、それからしばらくの間、どれだけ自分たちの種族が温厚かを語ってきた。

 

…正直長かった。

が、それそろ終わりだろう。

 

「…はぁ、はぁ、本当におかしいだろう?だから、私は群れを抜け出してきたのだ!…まぁ、それでも、刺激はあまり無かったがな。お前が来るまでは。」

 

長く喋っていたせいか、息切れ激しいままだったが、深呼吸を取って息を落ち着かせる。

 

そして、何かを決めたかの様に頷く。

 

こちらを見て、彼女はくるっと体を回転させ、堂々たる格好で、高らかに声を上げる。

 

「改めて名乗ろう、私はオーシャング族のマキュリ!お前と共に歩む者だ!」

 

 

 

ー風が、渦巻く。




やっばい、書き終わるのおっそ。

追記:マキュリは、オーシャングというポケモンであり、個体名がマキュリです。
でも名乗りとして、オーシャングのマキュリ、というのが不自然だったので、オーシャング族のマキュリ、となっております。


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6 なみのり

彼女の、いやマキュリ着いていく宣言に驚いたものの、刺激の足りない毎日に退屈していた彼女にとって、私は、手軽に刺激を得られるものらしい。

 

少しでも着いて行って、楽しむことが目的。それを止める意味も無かった為、素直に案内されようとした。

 

 

が、

 

 

マキュリの移動方法は、スリットで海水を押し出し、まるで海を滑るかの様に動く事だ。

 

一応、水を貯めた泡を使えば、地上を泳げないこともないのだが、遅いらしく、これ一択らしい。

 

 

しかし、私はそんなことができない。

けれども彼女はこれが一番の移動方であり、地上では遅すぎるし、距離もある為、野宿をしなければならない。

 

当然、野宿等、やった試しがない為、無理だ。

 

…となると、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっはっは!海上を泳ぐのは久しぶりだ!海中より、スピードを感じられるぞ!」

 

…海を渡ることになる。彼女の背中に捕まって。

彼女はポケモンである為、これぐらいの重さ、何ともないらしい。

 

それに、ヨーギラスを持ち上げる人間もいるらしいし、大した事じゃない、と彼女は笑う。

…伝説上ではあるが。

 

 

それでも、等身大の物を背負ってスピードを出す事ができるのはさすがポケモンと言うしかない。

 

こう言う体験が出来るのは極めて貴重だ。サメハダーなどにサドルをつける所もあるらしいが、鍛えた人でないと、かかるGに耐えられない。

 

 

しかし人型ならばその様なことはない。私の様な一般人でも高速移動に耐えられると言う訳だ。

 

 

その様な物凄い速さで海を横断しているから当然、風切り音や水切り音などが発生する。それに釣られたのか、ポケモン達が集まって来る。

 

 

ニーダーツが跳ね、キャモメがやってきて、ギャラドスがはかいこうせんを空砲させ、サメハダーと並走し、プレッシーが目を回す。

…心無しか、陽気な音楽が遠くから聞こえる。

 

「ふふん、雰囲気につられてポケモン達がきたぞ!あやつらにすこし触れてみたらどうだ?こんな辺境に、人間等なかなか来ないからな、興味津々だぞ?」

 

楽しげに話すマキュリ。相当気分がいいのか、鼻歌を口ずさんでいる。

 

そして、彼女に言われるとおり、周りのポケモン達は、期待している目で私を見ている。

 

 

おずおずと手を出すと、直ぐにキャモメが止まる。

他のポケモン達も、距離をより近づけた様だ。

 

 

そして、あの一番は俺だ!と言わんばかりに、ニーダーツが海の上で加速する。

 

あれは…、アクアジェットか?ポケモンバトルを見たことがない為、正確には分からないが、物凄い勢いで駆け抜けていたのでその様な気がする。

 

 

 

Uターンして戻ってきたニーダーツは、褒めて褒めて!と体から伝わるほど、こちらを見つめる。

初めて見た技だった為、素直にすごいと褒めると、まるで矢の様に海の中に潜って、飛び出した。

 

 

それを見た皆も、今度は俺の番!と言わんばかりに技を披露する。

 

 

海の上だし、それに少し寒いけれども、自然と心があったかくなった。

 

 

 

ーーー

 

しかし、そんな事をしていると、当然騒がしくなる。

そうすると、やはり怒る者も、当然現れる。

 

 

 

 

ー辺りに、金属音が響き渡る

 

 

 

 

海中から金属質な殻を纏ったポケモンが出現する。

 

 

…アンドリラー、か?不味いな。

 

 

アンドリラーは、海中ではかなり危険な部類に当たる。

 

地上での戦闘を推奨され、海中での戦闘が困難なポケモンだ。縄張り意識が強い為、縄張りを侵すものに容赦しない…。

 

…奴の図体が大きい事を視認する。

それ即ち、縄張りが大きい事を示す。

 

 

…このまま、逃げる事は出来ないか。

 

覚悟を決めて、周りを見渡す。そこに居たみんなは、強弱関係なく自分を力強く見ている。

 

…ああ、ここまで。

この短い間に、私と一緒に戦ってくれる程、私を信じてくれて。

 

 

ーそして最後に彼女の、マキュリの背中を見つめる。

 

「…ふふっ、まさかここまで、世界は明るかったのか。ここまで心が躍ることがあるのか。…、ああ、戦うかどうかか?

戦うに決まっているだろう!そして、お前がリーダーだ!」

 

彼女が叫ぶ。

ポケモン達も叫ぶ。

 

本当にポケモン達には、いつも助けられる。

 

本当にポケモンは…

 

 

 

 

 

良い、隣人だ。

 

「全匹、突撃!」

 

アンドリラー戦fight!

 

 

 

 

 

 

 

ー闘いの音頭が風に運ばれている



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7 暴虐の旋殻

いや〜、人生、本当に真面目に生きようとするとやること多いなぁ。
いつまでも、学生が良かった。


アンドリラーは、こちらが向かっているのを見ると、背中のドリルを回転させ始める。

 

 

そして、飛来して来る。

 

「っ、よし。みんな、水技で押し返せ!」

 

膨大なミサイルばりがこちらへ向かって来る。

余りの弾幕の濃さに、避けるのは無理と判断し、迎撃を指示する。

 

 

たとえ弱くとも、志は同じ。自然と統率が取れる。

 

 

みずでっぽうで必死に打ち落としていたニーダーツやキャモメ、いつの間に出て来たコイキング達を囲むように飛んでくるミサイルばり。

 

それをカバーするかの様に撃ち落とすプレッシー。

 

 

サメハダーも、アクアジェットで注目を買って、ギャラドスがアクアテールで前線を押し上げる。

 

 

そして、マキュリもそれに続く。

 

「ここで、弾幕を減らす役割をしようか?」

 

バブルこうせんの泡で、ミサイルばりを暴発させて、みんなを守る。

 

私も、戦況全体を見渡せる、マキュリの背中という位置にいる為、細かく個々に指示を出し、距離を詰めていく。

 

 

徐々に強まる弾幕。それでも私達は進む。

 

 

 

…そんな中突然、ぐん、とスピードが速くなる。

後ろから、おいかぜが吹き荒れる。

 

ぱっ、と後ろを振り向くと、ペリッパーであろうとりポケモンがやって来ていた。

 

咄嗟に、キャモメの方を見ると、後ろを見て嬉しそうになきごえを上げた。

どうやら親達も、助けるために来てくれた様だ。

 

 

彼らが戦線に降り立ってすぐ、ハイドロポンプを指示する。

弾幕が多く消えて、一気に距離を詰める。

 

 

 

 

 

 

そんな私たちの姿が鬱陶しかったのか、アンドリラーは、おもむろに腕を上げ、振り下ろす。

それを攻撃と思って繰り出したわけではないだろう。しかし、大きさが悪かった。

 

 

振り下ろした瞬間、大きな波が現れ、私たちを襲う。

 

「っ?!全匹、海の中でやり過ごせ!」

 

咄嗟の指示で、ポケモン達が海に潜る。

波が届かない深いところまで。私も、息を止めて、海へ潜る。

そして、ある程度潜った瞬間、轟音が、頭上を通った。

 

 

 

…、一瞬でも遅れていたらと思うとゾッとする。

 

そして、また近づく為に指示を出し、海面に浮上する。

相手を見据え向かおうとした時、波が現れる。

 

 

…どうやら、波を防ぐのが、私達には難しいと理解した様だ。

そのせいで、何回も手を振り下ろす光景が遠くに見える。

 

どちらにしろ、ここまで来ると、どうしようもならない。

 

「…すまない、乗り越えられる事を信じて、突撃する。」

 

そう言うと、全匹が、力を溜め突撃する。

波に当たる瞬間、来るべき衝撃に耐える為、目を閉じながら、マキュリの背中に抱きつく。

 

 

 

…衝撃が来ない。それどころか耳障りな音が聞こえて来る。

その事を不審に思い、目をゆっくり開くと、そこには…

 

 

 

光り輝く壁があった。

その事に驚き、辺りを見渡すと、先程までなかった鮮やかな色が目に入る。

 

それをよく見ると、ポケモンだ。私達の地方では見かけないが、あのポケモンは…

 

ハギギシリ!

 

 

みず・エスパータイプの珍しいポケモンだ。

希少で、アローラ地方にしか生息しないはず。

 

何故ここに…、と思っていたいが、今はダメだ。

 

…恐らく、目の前の物はひかりのかべ。助けてくれたのだろう。

ならば、協力してくれるかもしれない。

 

「…、ハギギシリ。協力してくれないか?お前がいると、かなり助かる。」

 

その言葉に、待っていました!と言わんばかりに鳴くハギギシリ。

それを受けて、戦略を素早く整える。

 

「ハギギシリはひかりのかべ・リフレクターを覚えるが…、お前はリフレクターも覚えているか?

 

…そうか、出来るか。ならばお前がカギとなる。このまま近くまで向かう。お前は、ひかりのかべ・リフレクターを上手いポジションで貼るんだ。頼めるか?」

 

そう言うと、素早く持ち場を探しに行ってしまった。

…これでようやく五分五分と言ったところ。

 

 

ペリッパー達もおいかぜをしてくれた。

 

 

 

ーさぁ、全力前進だ!

 

 

 

それを称えるかの様に、

遠くから、水音がララバイとなって、辺りへと響き渡る…

 

ぜんいんの ステータスが ぐぐぐーんと あがった!




??????は よろこんでいる!


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転生オリ主は今日も歯を鳴らす (番外編)

じゃけん、転生オリ主はお掃除しましょうね〜


俺は〇〇!一般ハギギシリ!

なんかポケモンの世界行く為の装置作って起動したらハギギシリになっていた…。な、なにを言っているか分からないかもしれないけど本当なんだ。

 

 

ハギギシリなんて、思い出にも残っていな…くもない。

悪役幹部が出してきて、なぁにこれぇ…ってなったわ、うん。

でも、対戦で使った試しも、みた試しもないんだよなぁ…。

 

 

でも、切り替えて、じゃけん、定番のチートを見てみましょうね〜。

 

 

 

…と、思っていた時がありました。怒(もはや様式美)

 

 

チートなんてなかった。

なんか両壁使えたけど、これはチートでもなんでもない…!

ただのロムあまり個体だ!多少強けれど、この世界にゃ、知らないポケモンがたっくさんいた。なんでですかね?こんなに新ポケがいるのは?

 

 

しかも、なんかでっかいシャチみたいな奴もいるし、ほんともぉー、やだぁー!

 

 

 

ー何ヶ月が経って

 

えーっとはい。ハギギシリです。

あれから色々あって、生活は確立しました。けれども今日もシャチが怖い。めちゃんこ大きな音出してるし…、ストリンダーやゴリランダーの、ダダ兄弟もやって来るし…。

 

 

お願いだから、オーバードライブやドラマアタック近くでしないで、本当マジで。

そんな訳で、毎日ビクビク。大器晩成型ラノベでも、もっとなんかあるでしょうが!本っ当にもう!

 

 

と思いながらも、リフレクターで集めた海藻を貪る。

…え?ポケモン?あんなの倒せる訳ないじゃん。倫理とかの前に。

弱い奴も、群れてるから手を出さないんだよぉぉぉ!

肉をくわせてくれぇぇぇぇえ!

 

 

 

 

なんて、馬鹿な事を考えていたら、もんのすごい音がした。

え?え?何?遠出しちゃいけない奴だった?探索ダメだった?

 

 

 

 

なーんて、思っていたら、遠くに人魚と人間が見えた。

うひょひょい!人間だワッショイ!と思っていたら、その人魚達に。波が襲いかかる。

何しとる!と思って、元凶を見ようとしたら、でっかいドリルがあった。

ワー、スッゴイオオキナドリル、ステキ〜。

 

 

…はっ俺は何を。

人魚ちゃんを助けるぞ!

 

でもどうやって…、と考えた時に、ピンと来た!

そうか!この為にリフレクターとひかりのかべがあったのか!

 

それなら話は簡単、いそげぇぇぇえ!

 

 

 

…ふぅ、やったぜ俺。無事間に合った。

さあこれで…、ん?何?協力?なら別にいいよ!

リフレクター?もちろんあるさ!え?俺がカギ?マジで?しかも突撃?

…あーもうめちゃくちゃだよ!いいさ、やってやるさ、チクショー!

 

 

そしてその後めちゃくちゃ(ry)




続かない


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8 一矢と一刀

アンドリラーの説明を見て、巨大要塞アンドリラーを想像した私は悪くない、はず。でも、いい感じにまとまってよかった。


リフレクター・ひかりのかべで、戦いのカバーができる様になった私達は、正に破竹の勢いで、アンドリラーに向かって行く。

 

不思議と、先ほどまでよりか、遥かに動きがいい。

 

 

ギャラドスが強引に切り開く必要も無くなった為、サポートに回って行く。

 

アクアジェットで逃げていたサメハダーも、更に大きくなったミサイルばりやつららばりを、とびはねてからあくのはどうを放ち、一掃している。

 

ただ一人、まもるを持ってたプレッシーも、更に補助に回ることができていた。

 

 

そしてなんと、リフレクター・ひかりのかべを維持しながらも、ハギギシリがサイコキネシスを放ち、移動の補助をしている。

 

 

そんな事をしているポケモンを、私は見たことがない。野生でこれとは、研究者がこぞってこのハギギシリに度肝を抜かれるだろう。

練度が、明らかに違う。

 

 

それに続く為か、全体の動きも良くなっていく。

…流石、ポケモン。

 

 

 

そして、その結果が実り、ようやく攻撃が届く範囲へと滑り込む。

それを認識した瞬間、反撃に出るために、叫ぶ。

 

「!攻撃が届くぞ!全力で叩けぇ!」

 

その一声で、全員が攻撃へ転ずる。

 

そして皆同じ技を準備する。

みずタイプ最強技。それを命ずる。

 

 

 

そう、ハイドロポンプ。

それを用意して、集まり放つ。巨大に比べれば細い水流は、何処からか極太の一矢となっていた。

 

 

 

その大きさに恐れたのか、アンドリラーが動こうとするが、もう遅い。

 

 

 

自慢の甲殻に高水圧の水流がぶち当たり、力が爆発を起こす。

その勢いで、アンドリラーがひっくり返る。その事により、比較的弱点である、腹部が露出する。

 

 

ここを攻撃すれば暫く追ってはこれまい。

そう思い、指示を出そうとする。

 

 

 

 

 

 

…しかし、そうもいかなかった。私は、いや、私達は忘れていた。

こいつが恐れられている、真の理由が。

 

 

突然海面がグッ、と揺れる。それは段々と大きいものになっていく。

ペリッパーに掴まれる者は掴まり、そうでない者は必死に泳ぐ。

 

 

 

徐々に出来上がる、この光景は…

 

 

 

大渦だ。アンドリラーは海中でさえもドリルを回転させ、大渦を発生させる。

 

ハギギシリがいなかったら、一瞬で飲み込まれていたであろうこの渦こそ、こいつの危険性であった。

 

 

ペリッパーに掴まれるのは一部の小さなポケモンだけ。

 

ギャラドスは疲弊して、乗れるような状態ではない。

 

サメハダーは、持ち味である速さで、ポケモン達を救助していたが、それ以上のものを求めるには傷つき過ぎている。

 

 

 

今度こそ、万事休す。

必死に泳いでくれているマキュリの背中で、落ちそうになりながらもそう考える。

 

 

 

…そんな私に、嫌な音が届く。

 

いきなり聞いたその音に、顔を顰めながらそちらを見ると、サイコパワーを出しているハギギシリがいた。

 

ハギギシリは、何かに祈るようにサイコパワーを遠くへ飛ばしている。

そして、それを見て、

心を震わせ、

奮迅したところで、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

せかいがゆがむ

 

グニャリと空間が歪み、白を基調とした空間が現れる。

調律された物ではあるが、それでも、歪みが見て取れるほどある。

 

 

そこに、空間を割って、一振りの剣が降ってくる。

…いや、一振りというには、大きすぎる。

それに…

 

 

 

あのように可変はしないはずだ。

柄付近から手らしきものが生え、目が出る。

 

威圧感を放ち、圧倒的存在感を伝える。

 

それが体を捻らせ、アンドリラーに、

 

斬りかかる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界が割れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、一瞬にして、世界は戻る。何事もなかったかのように。

あの一振りの剣は、消えてしまっていた。

しかし、甲殻が木っ端微塵になった、アンドリラーらしきポケモンは居た。

 

 

伸びてしまっていて、暫く動かなそうだ。

…と、頭ではわかっているものの、先程の事がいまだに信じれず、みんなと一緒に惚けてしまっていた…。

 

 

 

 

 

 

 

…暫くして、私達は正気に戻り、旅路を辿る。

最初はぎこちなく、途中から騒がしく、旅路を辿り、そして…

 

 

 

 

 

 

「お前たち、助けてくれて本当に助かった。」

ニーダーツが海を跳ねる。

「お前たちがいなければ、ここまで来れずに、あいつにやられていた。」

サメハダーが見つめる。

「色々あったけど、楽しく過ごせてよかった。」

ギャラドス嬉しそうにくねる。

「また来た時にも、一緒に過ごしてくれるか?」

プレッシーが頷く。

「そうか、それだったら、また、ここに、絶対来るよ。」

ペリッパーの群れが、鳴き声をあげる。

「だから、今はいっときの別れだ。では…、また会おう!」

 

そう言って手を振る。それに答えるかのように、各々鳴き声をあげて、見送ってくれる。

 

 

私の胸に、一つ、熱が嵌まった。

 

 

序章「心のバッチ」end




こんな感じで、序章は終わりです。

次から町編へとGO!…まぁ、最初は小さい町なんだけれども。

追記:正攻法で、でかいポケモン倒せると思いましたか?ムリムリ、倒せないって。

…ん?何々?ダイマックスとな?


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翼の章 風の在り方
9 海辺の町


あー、この話が一番むずかった。次からは少し易しいと思う。


ポケモン達と別れを済まして、砂浜に上がった私達は、歩いてすぐの町へと足を運ぶ。

 

 

マキュリは水の泡に乗って、ぷかぷか浮いてついてくる。

 

「これを想定して、オニシズクモから水泡をぶんどってきて正解だったわ。自分で作る事も出来るが、やっぱりこっちの方が楽だ〜。」

 

…随分と酷いことを言っているが、それよりも本来、湖などにいることの多いオニシズクモが、どうして海にいるのかが疑問だ。

 

…まぁ、そんな事を話す時間も無いぐらい短距離だった為、適当な相槌を返しておく。

 

 

 

ーーー

 

そして、町へと着いた。

そこまで大きくなく、村と言う小ささでもない。

本当に「町」と言う表現が合う所だ。

 

 

入り口らしき門を通ろうとした時、看板が目に入る。足を止め、そこに書いてある物を見ようとすると、文字が目に入る。

 

海辺の町 ハンジシ

 

…どうやら、此処はハンジシという町らしい。幸い、文字が読める為、言語は同じと思って良いだろう。

 

 

そうして、看板を見ていると、不思議そうな声色で、マキュリが話しかけてきた。

 

「なんだ、木の板を見つめて。何か、面白いものでも見つけたのか?」

 

そう問いかけてきたのに驚き、そして、彼女との会話がテレパシーでできている事を思い出す。

 

…たった数時間の間に、これぐらいの事すら忘れてしまい、文字がわかる前提の気持ちでいた自分が、少し恥ずかしい。

 

 

そんな気持ちを噛みつつも、此れには文字が刻まれており、町の名前が刻まれてあった、と言い、更に、言語が同じということも伝えた。

 

「ほー、文字か。そのような単語を、聞いた事がないが、成る程、言語を視覚化するのか…。まぁ、私達には必要のないものだったからな。知らなくて当然だろう。それと、言語が同じで良かったな。誰でもテレパシー出来る訳ではないからな。」

 

知らない事に出会ったせいか、やや早口で言われた。目を光らせ、実に楽しげに話す。

 

思わずその事を指摘すると、やや頬を染め、さっさと町に入れ、と言われた。

気持ちが分からないという訳ではない為、町に入る事にした。

 

 

 

ーーー

 

町の中は、しっとりとしたベージュ色を基調としている、落ち着いた感じになっていた。

 

ゆったりとした雰囲気が漂っており、マキュリを連れていてもジロジロ見られることもなく、チラリと見られるだけに止まっていた。

 

 

どうやら、穏やかな気風らしい。そんなものだから、観光をして見ようと、マキュリに言われた。

 

そして、町を周り、中央あたりにきた時、時計がついた建物が目に入った。

時間を確認する為時計を見ると、今丁度16:00を指している。

 

もう少しで暗くなり始める時間であり、どこか泊まる場所を探さなければいけないことを、頭にチラつかせるには十分な時間だ。

 

 

その事をマキュリに話すと、微妙な表情をする。そりゃ、何も頼れるところのない二人だからな。情報収集すらも、落ち着いてできるものじゃないからな。

 

 

悩んだ顔を合わせていると、後ろから声が掛かってきた。

 

「なんか、困ってる様子だね」

 

その声に思わず振り向く。

そこにいたのは、一人の女性であった。

女性は、振り向いた私達に、続けて話しかけてくる。

 

「私に出来ることはないかい?」

 

私達は、展開が急すぎて、びっくりしたままだったが、女性は、それが警戒しての物だと思ったのか、続けて言葉を発する。

 

「…、ああ、警戒する必要はないさ。この町は子供が少ないからね。直ぐに他所の子供だってことがわかったんだよ。

だから、困っていたら助けようって思っていたんだ。

 

…まぁこんなところで話していても、海風がきて寒いだけだろうし、うちにでも来るかい?」

 

女性は、少し恥ずかしそうにそう言った。



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10 身の回りの情報

やっぱり、執筆スピードが上がりませんね…、つらたにえん。


日も傾きかけているし、善意を断る理由もない為、女性についていく事にした。

女性は、私達に手招きしてから、ゆっくり歩き出した。

 

 

町を歩きながら、女性は私達に問いかけてくる。

 

「こんな辺境に、ようやって来たもんだ。隣町から、ドビーアにでも入って来たのかい?」

 

どうやら、観光を目的として来たのだと間違われているらしい。

 

…確かに、此処は良い雰囲気だし、観光客だと思っても違和感が無いが、

びしょ濡れでいる私を観光客だと間違えているこの女性は、少しずれているのかもしれない。

 

「いや、海からこの町に来たのだ。私も、元々海のポケモンだしな。」

 

そんな女性に、マキュリが返答する。

すると、余程驚いたのか、足を止めて振り返り、目を丸くしながらこちらを見る。

 

そして私の姿を見て、合点がいったのか、また歩を進める。

 

暫く会話が無いまま進み、ある程度来たところで、女性はまた口を開く。

 

「…、色々事情はあるかもしれないけども、まぁ安心しな。私は何も言わないよ。

 

…という話は家でしたほうがよかったかね。ほら、ここが家だよ。

 

そして、会話を弾ませるために、衆中で踏み入った事を話して悪かったね…。」

 

女性はそう言うと、石造の家の扉を開けて、手招きしながら家に入る。

私達もそれに続く。

 

 

 

ーーー

 

中は木で出来ており、石造りの建物とは思えない、非常に居心地の良さそうな家であった。

 

ただし、窓は無く、閉鎖的ではあった。

…潮風のせいか?

 

 

 

そして入って直ぐの所に丸い木のテーブルがあり、そこを中心の部屋が広がっている。

 

女性は丸い木のテーブルの周りにある椅子に、自分達を招いている。

 

 

私達も、椅子へと向かい、腰をかける。

そこでようやく、話を再開する。ぎくしゃくした雰囲気ではあったが。

 

「…さて、色々話すことがあるけど…、そうだね。まずは………よくこの時期に、海からこの町に来れたね。

 

今の時期,パールクールが現れるから、海は危ないんだ。

他所の人は、パールクールのことを知らずに刺激してしまうことが多いから、海からくることが少なくてね。

 

お嬢ちゃんみたいな訳ありか、相当な実力を持ったものじゃ無いと、あの原初の海から来た、なんて言えないんだ。まぁ、だから…、よく頑張ったね。まずは、それだね。」

 

女性はそう一息に言うと、優しげに微笑みかけてくる。

…どうやら、私達が抜けて来た海は『原初の海』と言うらしい。

 

それに、パールクールという、危険なポケモンがいるそうだ。

…まぁ、皆んなのおかげか、会いもしなかったが。

 

 

そして何より、何故かこの女性が、私達に好意的だと言うことが不思議だ。

明らかに、他所の子供に接する言動では無いことと、不自然な配慮。何かがあるのは一目瞭然だ。

 

「…そして、何に困っていたか、だね。こんな所に連れ出して悪いけど、力になれる事があれば、なんでも言ってくれ。」

 

しかし、彼女側から何も無いならば、詰める必要も無かろう。

そして優しくそんな事を言っている彼女に言うことは…、

 

「まずは、名前を教えてもらえるか?」

 

名前を教えてもらう事だろう。名前を知らずには、なんと呼べば良いか分からないからな。

 

「…え?名前言ってなかったかい?そりゃあ悪い事をした。私はサブリア、ただの町人さ。

大層な身分でも無いし、呼び捨てで読んで欲しいな。

 

…そして悪いんだけれども、お嬢ちゃん達の名前、教えてもらえると嬉しいな。」

 

そう彼女は名を告げる。サブリア…、私達をよくしてくれる人の名前。よく記憶しておこう。

 

そして、彼女、サブリアは、私達の名前を聞いて来たため、私達も名前を教える。

 

彼女は、私達の名前を聞くと、何処か噛み締めるように、私たちの名前を呟く。

 

「マキュリ…、と『ロンリー』、か。良い名前だね。」

 

何か大事な物を仕舞い込むかのような表情をして…、それを瞬時に元の笑顔に戻す。

 

因みに、マキュリは、そういえばお前の名前を初めて聞いた…、とぼやいていた。

 

 

笑顔を戻したサブリアは、再度、何に困っているかを聞いて来た。

 

頼れる人(ポケモン)が一人しかいない為、彼女を頼る他無いと考え、ここに至る経緯を全て話す事にした。

 

 

マキュリを交えて、信憑性を上げながら、話をしてみる。

そして、やんわりと、この辺りの地理ことや、自分が遭遇した状況についての情報を求めた。

 

 

 

 

ーーー

 

…全てを静聴し終わると、サブリアは話し始める。

 

「…、そんな事だったのかい。それは…、良く生きれたね。なんか、現実とは思えない事だけれども、良く、ここまで来れたね。

 

 

…それと、ここの地理についてか。マキュリちゃんと、ロンリー、ちゃん?が居たところは『原初の海』と言われていて、全ての海のポケモンが集う海なんだ。

 

 

世界のポケモンがここから広がった、なんて言われているね。

 

そして、ここは『グランド地方』様々なポケモン達が集い、様々な生き方をしている、自由な地方さ。

 

 

…此処からは、憶測の域を出ないけれども、ロンリーちゃんをこの地方に連れて来たのは、たぶん、『ドビーア』だと思うんだ。

 

『ドビーア』は、私たちの生活を支えてくれる、移動手段として活躍してくれるんだけども、好奇心旺盛で、直ぐに好奇心を満たそうとする奴らでもあるんだ。

 

 

だから、此処に連れて来たのはドビーアだと思うんだ…、まぁ、普通のドビーアは地方の移動なんてできた物じゃ無いんだけれどもね。

 

それこそ、伝説上の、『無限のドビーア』じゃなければ、そんな事をすることはできないよ。

 

 

…だって、少しの移動と、異空間に繋がるだけがドビーアだからね。」

 

 

 

長い話を、質問を交えながらする。

それだけで、かなりの情報が集まっていた。

 

しかし、肝心の帰る為の情報が無い。別に帰る必要がある訳では無いが、あそこには、私が居た方が、侵されずに済むだろう。

 

 

それに、入らせない為の引き継ぎすらもしてない為、システムもダメダメ…。だから、一回は帰ったほうがいいだろう。

 

 

その為に、『無限のドビーア』の情報を求める。

 

「…ん?無限のドビーアについてかい?

帰る為に情報が少しでも欲しい…か。

うーん、どうだっけな。少し思い出しながら話すよ…。

 

…えーっと、たしか…

 

 

 

 

ある所に、『無限のドビーア』というポケモンがいました。

 

『無限のドビーア』は、ものすごい力を持っていました。

 

『無限のドビーア』はその力で、世界中をまわり、いろいろな物を移動させて、好奇心を満たします。

 

でも、物じゃ飽きたらず、ポケモンや人間までも移動させ始めます。

 

しかし、そんなのでは、苦情がいっぱい出ます。

 

それを見かねた偉いポケモンは、『無限のドビーア』を封印します。

 

『無限のドビーア』は反省して、封印が解かれた後、偉いポケモンに仕えましたとさ。

 

めでたし、めでたし。

 

 

 

…と言うのが、言い伝えさ。これ以上の情報は、残念ながら知り得ないよ。

でも、もし仮に、言い伝え通りなら、ロンリーちゃんは、『何か』を期待されてるって事だね。

 

 

つまり、『何か』をすると、元に戻してくれるかもしれない、って事だと思う。それを私は知ら無いけども。」

 

彼女は、そう言うと一息吐き、椅子に深く腰掛ける。

 

…もしも、『何か』を期待されているのならば、それに答えないといけないが、それは無理な話だ。

私は、自分にできることしかやらないからな。

 

…それにこんな私では、成し遂げることなど無理だろう。

 

 

そんな事をぼんやりと考え、現実を味わっていたが、そんな私に、サブリアは、提案をしてくる。

 

「…悩んでるようだったら、取り敢えず、ジムバッチでも集めるのはどうだい?力も示せるし、身分の証明にもなるからね。近くの街にジムがあるし、そこに行けるドビーアもこの町にあるよ。」

 

それを、聞くと、途端にマキュリは目を輝かせ、ジムに行ってみよう!と私を見てくる。

 

私も身分の証明をするものが欲しかった為、取り敢えず提案に乗る事にした。

 

 

 

そして、立ち上がって出て行こうとすると、マキュリに肩を掴まれ、

サブリアからは、優しい声色で、

 

「もう、外に出るのはやめたらどうだい?もう暗いぞ?泊めてあげるから、明日になってから出たら?」

 

と言われた。

 

 

 

ー開けかけた扉から、寒い潮風が舞い込む。

すこしほてった頬を撫でて、後ろに抜けていった。




遅くてごめんなさい。ちょっと、事情があって…、次回からちゃんとポケモンします。
後、ポケモン募集を少しかえました。欲しい条件のポケモンを別の活動報告として募集します。出来れば、其方にも入れてもらえると嬉しいです。


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11 束の間の別れ

うーん、ポケモンを出したい…、早く、早く皆んなのオリポケを!


その後、サブリアは奮発してくれたのか、ヤドンの尻尾煮込みシチューを振舞ってくれて、談笑しながら食事の時を楽しむ。

 

 

そして、温かい寝床を貸してくれて、そのまま就寝に入った。

 

 

 

 

 

ーーー

 

そして翌日…

 

「…よし、これでいいね!これで、一端の旅人って感じだね!まぁ、街に行くだけだけど、このぐらい無いと、バッチを集めるのも一苦労だからね。」

 

サブリアがそう言って、満足そうに笑む。

 

私達の体は、昨日とは違い、旅をする装備を纏っていた。

 

頑丈な服、沢山入るリュック、保湿クリーム、ある程度のお金と携帯食料…そして、数個のモンスターボール…。

 

本当に昨日からは考えられないほど、上等な物を纏っていた。

 

 

それを、全て用意してくれたサブリアには、感謝してもしきれない。

その気持ちを込めて、深く礼をし、感謝の言葉をかける。マキュリもそれに続く。

 

「いや、感謝なんていいよ、倉庫の中に置いていた物のお下がりみたいなもんだしね。使われてないよりか、使われるほうが、道具も嬉しいもんさ!」

 

しかし、彼女は軽快に笑い、感謝しなくて良いと言ってきた。

 

だが、私達は感謝している為、それに戸惑う、が、彼女が良ければ、それで良い気もする。

 

 

 

「…さて、準備も終わった事だし、ドビーアのところに行こうか!」

 

そして、隣町までの移動手段であるドビーアの所まで、彼女について行く。

 

勿論、町並みを過ぎていくのだが、昨日よりかは活気がある様な気がする。

そんな中を歩いて、ドビーアのところまで行く。

 

 

 

暫く歩いていたら、やたらと豪華な骨組みの建物が見えてきた。

 

そこを良く見ると、怪しげなオーラに包まれた扉が見えた。

恐らく、あれがドビーアというポケモンなのだろう。

 

 

サブリアも、そちらへ向かっているので、確定だろう。

 

 

しかし、聞いた個体では無いからか、そこまでの迫力は無い。

逆に、親しみを覚えるほどだ。まぁ、だからこそ、人に協力してくれるのだろう。

 

 

そんな事をつい考えてしまう。目の前の事に集中せずに、何か別のことを。

何もすることがなかったあの頃とは違う、今は、目の前の事を思わなければいけない。

 

「ほら、着いたよ。制約とか、特に無いから、いつでも入って良いよ!でも、他の街に移動するときは、ドビーアが無い時があるから、そのときは頑張ってね!」

 

どうやら、移動はフリーらしい。

何故?、と言葉を漏らす。言ってしまった後、何処となく恥ずかしく思い、少し顔を逸らした。

 

それを見てなのか、サブリアは優しそうに微笑み、訳を教えてくれた。

 

…基本的に友好的で、協力してくれるのだという。一応、ドビーアの気分次第で出来るか出来ないか変わるらしいが。

 

 

けれども、最近は気分がいいらしく、誰でも通してくれるらしい。

だから私達もいけると思って、連れてきてくれたらしい。

 

 

そして、ドビーアに私達が近づくと、ドビーアはガタガタと揺れながら扉を開く。その先には、得体の知れない空間が広がっていた。

 

 

そこで、サブリアに別れを告げる為、マキュリと共に、後ろを振り返り、感謝の言葉を口にする。

 

「…全然、私達はあなたと関係なく、あなたに徳のない様な事までしてくれたのにも関わらず、恩を返せずに旅立とうとしている事を悪く思う。

 

しかし、貴女は、今の私達に、恩を返さずに、大きくなってからで良いと言ってくれた。だから…また、会う日まで…。」

 

「群れでさえも、ここまで異種にも優しいのは居なかったぞ…。あなたが私達を思って助けてくれた事に、本当に感謝している。

 

助けてくれなければ、今頃どうなっていた事か…。

計画性の無さを思い知らされたな…。

 

…まぁロンリーの言う通り、また来て、絶対に恩を返すぞ。それまで、待っておいてくれよ。」

 

そう言って、ドビーアの中に飛び込む。一瞬、大きく振られた手が見えたが、既に見えなくなった。

 

見えるのは、色々な景色が混合した気持ちの悪い空間。

 

それも過ぎ去って行き…、外に放り出される。

 

 

 

 

 

 

 

暫くして、何とか足をついて立つ。マキュリも、水の玉の上でふらついている。

そして、頭を振り、気持ち悪さを解消しようと試みる。

 

 

そんな風にしていると、マキュリに肩を叩かれる。

気持ち悪さの名残りを感じながらも、マキュリの方を向く。

そして、看板の文字を読んでくれて、と頼まれた。

 

 

看板には、スラリとした字で、こう書かれてあった。

 

「翼舞う 風の街 ミルニキャスタ」

 

 



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12 風の街

やっばい、気温と湿度の変化でががががが。
大変遅れて申し訳ないのですが、これからも続けます。
たとえ遅れても、絶対に。

と言うわけで…、どうぞ。


「翼舞う 風の街 ミルニキャスタ」

 

良い謳い文句だ、心がくすぐられる様な。

 

 

 

風に当たりたい気持ちもあってか、それとも謳い文句に乗せられたからか。

 

気分の悪さを抑えて、外に目を向ける。

すると…、

 

 

 

 

 

 

 

ぶわっ!

 

 

 

 

 

 

風切り音が横切り、羽が舞う。

その内の一枚が私の目の前で、ひらり、と落ちてくる。

 

 

無意識に、手を広げ、それをすくう。

どうやら、スワルーレの羽のようだ。

 

しかし、スワルーレは、かなり縄張り意識が強く、街中を飛行するポケモンではないはずだが…

 

 

 

しかし、その疑問を打ち消すかの様に、旋風が舞う。

 

 

 

目の前をビュンと過ぎ去り、羽を舞わす。

ピジョットも、オオスバメも、ムクホークも、ファイアローも、

エアームドや、スズメロウ、ケンホロウだって、

 

 

そんな事関係無い!と言うほど清々しく、気持ちよさそうに飛行していた。

 

…これが、風の街。

これが、これこそが、風。自由で、何にも囚われることの無い、ひこうタイプの生き様。

 

それを私達は、心を熱くして見惚れていた。

目の前を通る、とりポケモン達に。ただそれだけに。

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

暫くして、興奮冷めぬまま歩き始めた。流石に、突っ立ってるわけにはいかないから。

 

だから、ポケモンセンターみたいなところである、『旅宿』に向かう。

 

 

その間、空舞うポケモンたちと、それにあった建物を見物する。

 

 

ポケモン達が通りやすい様に、所々湾曲した建物が並び、その間を風が吹き抜けてくる。

 

若干、強度が心配になったりもするが、そこはポケモンの力でなんとかなっているのだろう。

 

 

そして、そこから、さっき通ったポケモンが飛び出す。

スルワーレだ。そしてそれに跨る人間がいた。

 

ゴーグル付けていて、それにメットもつけていた為、人相は分からないが、体格からして男性だろう。

 

…まぁ、わかったところで何にもないが。

 

 

 

そんな事を考えていた私の傍で、マキュリは、キョロキョロとあたりを見回して、

 

私に、あれは何か、これは何か、と聞き始めた。

まぁ、私も初めての街な為、予想ではあるが、一応受け答えはできた。

 

 

そんな中、マキュリは一つの建物を指差して言う。

 

「なあ!あれはなんだ?変な記号が扉の上に付いているぞ!」

 

それを聞き、その建物を見ると、ポケモンセンターを多少古風にした様な建物であった。

モンスターボールのマークもあるため、恐らくここが旅宿であろう。

 

「えっ、これが旅宿なのか?…変な建物だと思っていたが…、これがここの普通なのか…。」

 

彼女の反応に驚く。ポケモンセンターのデザインを古風にしたとはいえ、私はなんとも思わなかったが…。

 

 

いや、待て。

赤い屋根にずんぐりとした建物、窓の多い壁。

私たちが見慣れているだけで、確かに変な建物ではあるかもしれない。

 

 

 

そう考えていると微妙な気分になったが、それを無い物とするかの様にマキュリが腕を引っ張って旅宿へと飛び込む。

 

「まぁ、多少変とはいえ、寝るところなのだろう!中に入れてくれるならば、早く行くぞ!」

 

腕を引っ張られ、そのまま旅宿の中に入る。

幸い、自動ドアだったため、扉が壊れることはなかったが、

マキュリは扉のことを忘れていた様だ。

 

 

さっきまで、特に目立っていなかったが、音を立てながら勢いよく入ってしまったため、少し注目されてしまった。

 

 

そして、ジョーイさんがいるポジションから、女性がやってくる。

 

「こら!勢いつけて入ってこないで!ちゃんと気をつけるのよ!」

 

…叱られた。女性はそれだけ言うと、元に戻る。

 

 

ジト目でマキュリを見る。マキュリは目を泳がせて口笛を吹いている。

無駄に口笛が上手いので、少しイラつき、小突く。

 

 

そしてさっさと先程の女性のところにいく。

そして、私の後を少し慌てた様子でマキュリが追ってくる。

 

「あら?何か用だったかしら?」

 

女性は、私たちが向かっていくと問いかけてきた。なので、私たちをここに泊また欲しいと言う旨を伝える。

 

その為にお金を握ってきたのだが、なんと無料だと言う。

 

 

この旅宿は、何処からかやって来るお金だけでやり繰りされているらしい。

しかし、その金に手をつけようとする泥棒は、後日跡形もなくなっているらしい。だから、旅宿がある、というわけだ。

 

 

その後、少し談笑した後、部屋へと案内される。

因みに、やはりと言うべきか、女性はジョーイさんだった。

 

 

部屋は、よく言えば和みやすい、悪くいえば普通、の部屋だった。

 

少し期待していたのだったが、まぁそんな事、あるわけないな。

 

けれども、マキュリは物珍しそうに周りを見ていた。

彼女にとって、全てが新しい物だからな。

…まぁ、私もそうなのだが。

 

 

その後、部屋の中を堪能し終わると退屈になり、外に出てジョーイさんに話を聞きに行く事にした。

 

 

外に出て、ジョーイさんに話しかける。

聞きたいことはただ一つ。ジムの事だ。

 

「…ジム?ああなるほど、他所から来たのね。どれほど遠くから来たのかわからないけれど、一応義務だから、全て話すわね。

 

 

この地方のジムは、全タイプに分かれていて、それぞれ別の町にあるわ。

それとただ単純にジムリーダーを倒せば良いのではなく、そのタイプのことを理解しないとダメなのよ。だからこそ、身分証明になるの。

 

 

それで、肝心のバッジなのだけれど、普通にはもらえないわ。

自分の心を具現化した『コネクター』を発現させないといけないの。

 

因みにコネクターは旅宿にて無料でもらえるわ。この話が終わったら、あげる。

 

 

そのコネクターに全てのタイプのバッジをはめると、挑戦権がコネクターにできるわ。

 

その挑戦権は、ある一つのタイプを極めることのできる領域への挑戦権。

 

また、全てのタイプを等しく極める事の挑戦権。それらを貰えたものがジムリーダーやチャンピオンになれるわ。

 

…以上よ。

 

後これ、コネクターよ。貴女の。

一応、壊れていたら困るから、起動してみて。」

 

ジムの説明が終わり、コネクターが渡される。

コネクターは、ドーミラーみたいな形をしており、中央のオーブは鈍い光を放っている。

 

正直、あまりにも違いすぎたジムチャレンジに驚いてはいるが、品質チェックの為、コネクターを起動する。

 

 

すると、青白い球体が目の前に浮かび上がり、バッジの形と思われる18もの窪みがその球体に現れた。

 

そして頂点には、人間とモンスターボールを糸で結んだかのような金色のバッジが嵌められている。

 

「…あら珍しい。『信頼』のバッチが付いているわね。

 

一応補足として、そのバッチは『心のバッジ』と言って、トレーナーの心の変化に応じて現れるものよ。

『信頼』が付いていると言うことは、貴女、ポケモンの事を余程愛しているのね。

 

…そして、少しジム戦へのアドバイスをあげるわ。貴女の手持ちは見たところ、みずタイプのみ。

この街のジムは『ひこうタイプ』。

 

取り敢えず挑戦するだけ挑戦してみて、無理だったら近くの『岩蜘蛛の洞窟』でポケモンを捕まえると良いわ。

 

勿論、モンスターボールも無料よ。でも、特別なボールは値段がついているわ、それだけ気をつけてね。

 

以上よ。他に何か用は?」

 

それ以上、問うことがない為、無い、と答える。

 

 

頭の中で様々な情報が錯誤しているが、ジムへの目処が立った為、マキュリと話す為、部屋へ戻るのであった。




一応コネクターは、ポケモン超不思議のダンジョンの繋がりオーブとガジェットの見た目を想像してくれればと。


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13 最速の空

次が正真正銘のジムリーダー戦です。
今回は前置きです。


部屋に戻り、ジムリーダーに向けて、対策を練り始めた。

 

 

まずは技の確認。今のところバブルこうせんしか見ていない。

基本的に、覚える技は四つだ。まぁ、練度によって数は多少変わるが。

 

 

ポケモンは強大な力を使う故に、一つ一つの技を強いものにしなければならない。

 

その為、色々な技を覚えていると、一つ一つの技の威力が使い物にならなくなってしまう。無論、伝説のポケモンなどは別だが。

 

 

そして、技が少ないほど練度も高くなり、威力も強くなる…が、

小回りが効かなくなるため、技が少ないのはとっておきを使うポケモンぐらいだ。

 

 

そしてそれを理解しなければならないのが私だ。

その為、マキュリに技を教えて貰う。

 

「んー?技か?そうだな、私が覚えているのは、『ハイドロポンプ』『オーシャンソング』『アクアブレイク』『バブルこうせん』だ。

 

自分でも、バランスが悪いとは思っている。部族の中に、『ふぶき』を覚えている奴がいたが…どうする?」

 

心配そうにマキュリが言ってくるが、別にそんな顔をするほどでもない。

最初はお試しだ。最初は。

 

 

どうやら、ジョーイさんの口ぶりからするとかなりジムリーダーに至るのは難しいらしい。だからこそ、連携だけ試すのだ。

 

 

そう伝えると納得して、戦略を建てよう、と言ってくるマキュリ。

 

「…まず、ハイドロポンプ。ひこうタイプの翼を狙えば、水圧でぐらつかせることができるだろう。積極的に翼を狙ってくれ。

 

 

オーシャンソング。ねむり状態にする事と、アクアフィールドにするのは強いな。こちらの盤面にすることができる。

 

…しかし、ねむり対策をしていると考えても良い。アクアフィールドが主目的だ。

 

 

アクアブレイク。これは近接だな。

だが、力はそこまで強くないと言っていたから、受け流す事を主軸にする様にしよう。

 

ブレイクと言えども、水だからな。

 

 

バブルこうせん。これがジョーカーだ。威力の弱い技だと油断しているところに、翼を濡らす。機動力を下げて、ハイドロポンプを当てる。

 

 

 

…これぐらいか。」

 

私達はマキュリの能力を確認しながら策を立てた。

取り敢えず、今の最善を尽くすと、こんな感じのものが出来上がる。

 

外を見ても、日が照っている為、ジムに行っても良いだろう。

 

 

腰を上げ、マキュリを連れて、ジムへと向かう。

 

 

…道中迷ったが無事にたどり着けた。

 

 

 

 

ーーー

 

ジムは、ネイティオの様な姿勢のとりポケモンの形をしていた。

 

腰あたりから、地下へ入るらしい。

 

入り口をくぐり周りを確認する。しかし、内装も特に無く、人もいない。しかし、奥に進むしかない為、奥に進んで行く。

 

 

 

 

 

そうして少し歩くと、鞍をつけられたフェニレイドが目の前にいた。

フェニレイドは、こちらを見ると一鳴きして、看板の方を向いた。

 

 

その看板によると、フェニレイドに乗ってジムのところまで来い、と言う事らしい。フェニレイド自体、かなり珍しいポケモンなのだが、タクシー代わりにしても良いものか…。

 

 

しかし、それしか無いらしく、二人で鞍に跨り、飛んでもらう。

 

翼をバタバタとはためかせ、少し伸びをしてから、ふわっと浮き始める。背中は逞しく、それでいて柔らかい羽毛が心地よい。

 

…そんな風に、初めてのライドに心を躍らせていた、次の瞬間。

 

 

 

空に飛び出す。

グングン上がって、滑空して、またはためいて。

 

背中からしか見えないけれども、その様相は舞の様。

実に楽しそうに飛んでおり、こちらも楽しくなってくる。

 

しかし、風圧がすごい為、目も半開きに、口も開けない。

 

それでも、しかと、空の色を感じていた。

 

 

 

そんな感情に浸っていると、途端に減速する。

地上が近づいて、はためきの音が小さくなる。風圧ももう無くなった。

 

その事に少し残念がっていたが、マキュリを見るとそんな考えは吹っ飛んだ。

 

「…………」

 

騒ぐ事もなく、じーーっと空を見ている。目はキラリとひかり、口元は緩んでいる。

 

…何が有ったのかは聞かないでおくが、いい感情の変化をもらえたのであろう。

 

 

そんな彼女に声をかけて、フェニレイドが向かった方向へ急ぐ。

 

 

 

 

 

 

 

    

 

 

 

 

 

 

 

 

ー向かい風を忘れて。




次回 ジムリーダー戦


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14 噛み締める

フェニレイドを追い、辿り着いた先は、砂が敷かれてあるコート。

その端には、エアームドを控えさせている男。

 

 

そして、フェニレイドは男に向かって飛んでいった。

その男がジムリーダーらしい。よく懐いている。

 

 

そして、コート内に入ると声をかけられる。

 

「よぉ、お前さんがチャレンジャーかい?」

 

その声に頷くと、唯一わかる口元がニヒルに笑む。

ゴーグルをずらして、目を露出させる。その男の目は風を感じさせる空色だった。

 

「おお、そうかい。一応、名乗りを入れておくか。んん、

 

俺はひこうジムのジムリーダーヘエラ!

たとえ子供相手だとしても、手加減はしねぇぜ!」

 

男は口上を述べる。そして私達にも求めてきた為、私達もそれを返す。その口上に満足したのか、頷きながら、再度話しかけてくる。

 

 

「見たところ、保有しているポケモンは一体か。なら、一対一で勝負する。…異論は無いか。

 

そして、一応言っておくと二回目以降はジムトレーナーと戦わないと俺と戦えないからな。弱いまま来られても、色々なスケジュールも有るし、相手できないから、そこのところをわかってくれ。」

 

そう言って、和風な地方のエアームドを前に出す。やる気満々な様相だ。

 

 

それに伴い、私もマキュリに前に出る様に指示する。

先程の顔をしていたポケモンとは思えないほど、マキュリは闘気に満ちている。

 

 

 

 

 

 

フェニレイドが、いつの間にか審判のポジションについており、準幅はいいか、と言うかの様にこちらを伺う。

 

 

私達は、それに力強く頷き返す。

そして、フェニレイドはコクリと首を縦に振り、鳴き声をあげる。

 

その声は美しく、私達を送ってくれる様な声だった。

 

 

 

…何もわからないが、取り敢えず、牽制目的で技を打つ。

 

「マキュリ、バブルこうせんでフィールドを整えろ!」

 

「エアームド、すかさずおいかぜだ。しっかり押し返せ。」

 

バブルこうせんを打ったが、風により押し返された挙句、逆に流れを掴まれてしまった。

 

 

やはり、経験が段違いだ。しかし、試しとはいえただで負けるわけにはいかない。

 

 

「…バブルこうせんがダメなら、オーシャンソング!地面に波を引き起こせ!」

 

マキュリが目を細め、乾いた宙から波を引き起こす歌を奏でる。

深く引き込まれるこの歌は、注意しなければ眠りに誘われてしまうだろう。

 

 

しかし、アクアフィールドは展開できたが、エアームドは苦い顔をしながらも、目の前に健在していた。

 

 

…ラムの実、或いはカゴの実か。状態異常でさえも対策済み。

これで技を二つも露見させてしまった。

 

 

しかも、オーシャンソングは体力を使う為、連発はできない。アクアフィールドが解けるまで、なんとかするしか無い。

 

 

近接戦は、明らかに不利なので、ハイドロポンプとバブルこうせんで追撃。

 

「マキュリ、ハイドロポンプで牽制しろ!(相手が避けてから、バブルこうせんで胴体を濡らせ!雫でもいいから、濡らすことが重要だ。)」

 

耳打ちしながら指示を飛ばす。ハイドロポンプを両手を掲げて打ったが、やはり避けられる。

不意打ちのバブルこうせんも、中途半端にしか当たらなかった。

 

本当に戦い慣れている…!

 

 

「エアームド、つるぎのまい。そしてはがねのつばさ!」

 

すかさず反撃が来る。

攻撃力の上がったエアームドの一撃は重く、たとえ威力が半減されている技とはいえ、

不意打ちの一撃はかなりのダメージを負わせてきた。

その痛みに思わずマキュリは苦悶の声を上げる。

 

「マキュリ、大丈夫か?!」

 

「…ああ、まだな。

…次、何すればいい?」

 

そんな事を言われた為、呼応する様に指示を飛ばす。

 

「なら、懐に潜り込み、もう一度ハイドロポンプ!(反撃時にアクアブレイクで叩き落とせ!)」

 

その指示を見て、予想通り、突っ込んできたエアームド。

指示を聞いているのならば、テレパシーを使えばいいのだ。

 

 

突っ込んだエアームドをアクアブレイクで地面に叩き落とす。

流石に予想外だったのか、ヘエラは目を丸くするが、直ぐに再起の一手を指示する。

 

「エアームド、おいかぜで体制を立て直せ!」

 

「マキュリ、それより前にバブルこうせんを直撃させろ!」

 

おいかぜで吹き飛ばされたが、何とかバブル交戦を直撃させる。

これで、一矢を報いることができるはずだ。

 

「エアームド、かりのごくいで吹き飛ばせ!」

 

「避けながら、雲に向かって全力でハイドロポンプ!」

 

かりのごくいがマキュリに向かう。当たってしまえば、きゅうしょをつかれてしまう技らしい。しかし、かろうじて避ける。

 

 

そして、ハイドロポンプも、雲に届いた。

距離が心配だったが、力を振り絞ってようやく当たった。

 

「…?雲?何を考えているかはわからんが、早めに終わらせて貰う。かりのごくい!」

 

一瞬、指示を出すのが遅れて、エアームドの攻撃が当たってしまった。

それにより、マキュリが倒れ伏す。

 

「マキュリ!」

 

「…ぐ、ま…だ、だ。まだ…やれる。し、じを。」

 

しかし、寸で耐えた。うめき声を上げながらも、立ち上がる。

 

 

…正直言って、こういった光景は見たくなかった。だから、テレビなども見ていなかったし、バトルに関しての物を見る事をやめていた。

 

 

けれども、苦い気持ちとは別の、何かが込み上げてくる。

そうそれは…、

 

 

 

勝ちたいと言う気持ち

 

 

 

届かないと分かっていても、手を伸ばし、勝利を掴まんとする気概。それが心の中に湧き出る。

 

 

 

…そして。

それを応援するかの様に、アクアフィールドが消える。

 

「…マキュリ、オーシャンソング!あと少しだ、持ち堪えてくれ!」

 

その言葉を聞いた相手のポケモンは、慌てていたが、すぐに眠りの世界へ誘われる。

 

「エアームド?!起きろ、起きるんだ!」

 

ヘエラが大声でコールをするが、起きる様子はない。

技を当てない限りは、大丈夫そうだ。

 

 

 

つまり…

 

 

 

時間稼ぎができると言うことだ。

 

 

 

…おもむろに、フィールドに影がかかる。

見上げると、暗雲が立ち込めていた。よくよく見ると、放電しているのがわかる。でも、そうじゃなきゃ困る。

 

 

その為にハイドロポンプを雲に向けて打ったのだ。

これは科学が証明している雷の起き方を元にした戦略だ。

 

 

しかも、エアームドは今バブルこうせんにて 塩水 に濡れている。

マキュリは海で育った為、バブルこうせんも海水だ。

 

 

塩は、鉄に電流を流しやすくして、結果錆びやすくさせると言う。

 

 

つまりたとえ倒せなくとも、体を錆びさせることができる。

 

「…これが狙いだったのか。…俺の不注意か。エアームド…、耐えてくれ…!」

 

 

そしてその瞬間、強大な落雷が起きる。

 

 

光り輝く稲妻が、エアームドに直撃する。

瞬時に体を焼かれるエアームド。ふらりと倒れ伏す。

 

 

雲は、一回の落雷で消え去り、青空が戻ってくる。

 

 

しかし、エアームドが、立ち上がる。体は錆びと火傷でボロボロだが、闘志を全く失っていない。瞳は鋭く、息遣いも荒い。

 

 

マキュリも、それに対応するかの様に相対するが…

 

 

「エアームド、かりのまい」

 

その一言で、マキュリが倒れ込む。

全く動きが見えない上に、音もしなかった。

 

 

 

完敗だ。

 

 

 

しかし、少なくとも、私の心は満足していた。ここまで追い詰めれたと。

 

けれども、マキュリはボロボロで、とても見れる状況じゃなかった。

 

 

よろよろとマキュリに近づき、抱き上げる。

顔は苦痛に染まっており、早めの治療を求める状況だ。

 

 

そして、それに見かねたのか、ヘエラが声をかけてきた。

 

「あー、お前さん、フェニレイドに乗って旅宿まで行くかい?」

 

早めに行きたい為、旅宿まで行く事にした。

 

 

心は満たされても、気持ちは悲しいまま。

試しとはいえ、こんなボロボロになるのがポケモンバトル。

 

 

これからはこんな風にさせない様に

 

 

そんな事を、フェニレイドに乗らながら呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

吹いていた風は、渦を巻いている。

何かを求める様に。

 



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15 仄暗き香り

遅くなりました…。
しかも、会話の文が文を占めています。

次からは、見所を増やしますので…。


あの後、無事マキュリは回復した。

最初は、実力不足ですまなかった、などの戯言を言っていたが、此方が謝り倒したら、そんな事も無くなった。

 

 

今も横でピンピンしている。

そして、真剣な顔をしながら、エアームドと戦った感じやダメージ、力量差を教えてもらっている。

 

 

そして、聞いたところ、相当な実力差があったらしい。

万全の状態だとしても、雷で弱体化させた後のエアームドを倒せるビジョンが見えなかったと言う。

…実力差を見間違えるなんて、本当に笑えるな。

 

 

…私は、最後の『かりのまい』。あれが本気の一撃だと思う。

マキュリは疲弊して分からなかった、と言っていたが、目の前からエアームドが消えた様に見えるほど、高速の一撃であった。

 

 

あれ以上が有るならば、もう無理だろう。だから無いと考えたい。

…しかし、マキュリは、まだ上がある可能性を考えた方がいい、と言ってきた。

 

 

…正直、ここまで過酷な物を想定してなかった。

一気に部屋の空気が沈む。

 

 

 

 

 

 

そんな中、ノック音が響く。

扉の外に、何か用か、と問う。

 

すると、ジョーイさんの声がかかってきた。

 

「んー、ほら、さっき物凄く消沈していたから、一応声をかけにきたのよ。…出来れば、部屋の中に入れてもらえると嬉しいわ。」

 

その声に、思わずマキュリと目を合わせる。

だが、断る理由を持っていない為、扉を開ける事にした。

 

 

扉を開くと、心配そうに眉を寄せたジョーイさんがいた。

そして、私の隣に座り込んでくる。

息を吐いて、こちらを見つめる。

 

 

その瞳には、一瞬、迷いが見えた。

しかし、それでも意を決して話かけてきた。

 

「…えっとね、君たちみたいに、ジムチャレンジに負けて、あまりの実力差に止める子も多いの。

 

でも、君たちは…、いや、君だね。君は実力差に絶望してるだけじゃなくて、もっと重い表情をしていたの。

 

思わずここにきてしまうぐらい。

…深くは聞かないわ。

 

 

 

 

でも、独り言を言いたくなっちゃったなー。

うるさいけどごめんねー。

 

…ジムリーダーのポケモンは3体で、ジムトレーナーも3体。

ジムトレーナーは問答無用で3体。ジムリーダーはポケモンの数に応じて変わるんだよねー対策しておかないとすぐやられちゃうんだよー。

 

しかもこの旅宿には、裏ショップがあって、技マシンが低額で売ってるんだー。

裏ショップは会員制で、誘われなければ会員証を貰えないんだけど、あー、落とし物しちゃったー。

 

それにー、岩蜘蛛の洞窟までいける地図も落としちゃった。

一応採掘セットも無くしちゃうー。

 

でもー、いらない物だしいいや!見つけた人の物でよし!」

 

一息に言葉を吐いてくる。あまりの怒涛の展開に、私達は唖然とするしか無い。

 

 

目の前に落とされる会員証・地図・採掘セット。

それらは皆苦労しなければ手に入れられない物だろう。

どうして私達に振るってくれるのか、さっぱりわからない。

 

「…何故、そんな物を私達に渡してくれるのですか?何も返せませんし、過ぎた物です。」

 

そんな事を言っても、表情を崩す事なく返答される。

 

「何故、って、それは君が酷い表情をしていたからだよ。子供がそんな顔したままじゃ、大人の名折れよ。

それに、半端に余った物を渡しているだけだし。しかも、これは落とし物だよ?

 

私はいらないし、貴方達の部屋に落ちていたから、返品禁止ね!

 

倉庫も無限って訳じゃ無いのよ。戻されると迷惑だから!

しっかりと受け取ってね!」

 

そう返されて、今までの事とで目の前が霞む。

 

 

横からも啜るような声がする。

…本当に、暖かいな、この人達は。見ず知らずの人に、ここまで優しくしてくれるとは、どこまで…。

 

「…あり…が…とうござ、います。」

 

しゃくり上げながら、感謝を伝える。自分でも、顔がぐしゃぐしゃになっている事を分かってしまう。

 

 

そして、いきなり…

 

 

 

 

 

ぎゅううううう

 

 

 

 

抱きしめられた。まるで、あくる日の母の様で、思わず抱き返してしまう。右には、低い体温も感じる。

 

 

ぐずりながら、顔を押し当てる。

 

「…辛かったね。でも大丈夫。支えてくれる人がいるさ。子供のうちに、一杯泣いちゃいな。大人になると、聞いてくれる人もいなくなるから…。」

 

優しい言葉が体を撫でる。それだけで、ぬるま湯に浸かった様な安心感が私達を占める。

 

 

そして、そうしていると、瞼が重くなり始める。

ヒック、という声を上げながらも、ジョーイさんにしなだれかかる。

 

 

そのまま安心しきって、意識を手放した…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

意識は闇に飲まれる




何を呑んでも尚、そこに闇は確かにあった


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16 犬が西向きゃ尾は東

ちなみに、設定として、採掘セット・地図は本当は身分証明が出来なければ貰えない上、高級品にもなると、特別待遇の者しか受け取れません。


物音が少し聞こえる。

 

 

それを弾みにしようと、もっと求める。

けれども、そんなに都合の良いことは何度も起きない。

 

 

もう一度、引き込まれる。

 

 

でも、根本的な解決はしてくれた。

 

 

体に衝撃が走り、長い事、意識を呑んでいた闇が消える。

 

 

おもはず目を開き、周りを見渡す。

そして、今私がいるところを見る。…床だ。

 

さらにベットの方を見てみる。…青い手がはみ出ている。

 

…つまり、突き落とされたという事だ。

結果としては良かったが…、なんか、こう、もやもやするというか…。

 

 

そんな事を考えていたら、青い手がグッと上がり、マキュリが起きた。

 

 

少し目にとろみがついていたが、眠気を覚ます様に首を振って、すっきり起きれたようだ。

 

 

 

 

そして、寝る前に渡された物を見て、まだ涙が出てきた…。

が、いつまでもそうしてられないので、取り敢えず裏ショップに行く事にした。

 

 

技マシンがどれだけ充実しているのかはわからないが、それでも「ふぶき」の技マシンぐらいはあるだろう。

無くても、今後使うかもしれない。悪い方向に向かないようにしなければ…。

 

 

そう思いながらも、内心、買い物ができる事にワクワクする。

生まれてこの方、買い物などしたことが無かったからだ。初めてやる事は、何にもワクワクしてしまうのは性だろう。

 

 

その感情を事を心に収め、マキュリの手を引き、自室の外に出る。

心なしか、昨日入ってきた時より明るい。鼻歌でも歌えそうな気分になる。

 

 

すると、私を見たマキュリが微笑みを浮かべる。

直ぐに気づいた私は、顔がほてってくるのを感じてしまう。

 

何かを話せば楽になるが、何も話さず

黙ってこちらを見てくるマキュリに耐えられずに早足でショップの方にかける。

 

 

走る過程で、少し熱が冷めた私は、ショップの店員さんにこっそり会員証を見せる。

 

人の良さそうな笑みを浮かべていた店員さんは、少し固まって、その後に手招きしながら裏口まで連れてきてもらった。

 

 

ポケモンセンターの裏口の先は、意外にも落ち着く空間であった。

暖色の塗装がされており、特におかしな雰囲気も感じない。

 

そしていきなり、店員さんは壁を強く押し込む。

びっくりしたが、何も起きない。

 

 

店員さんを訝しむように見つめると、ふと気づく。

段々と体が傾いている事に。そして手先では沈み込む壁が。

 

 

そして、小さく物音がなった後、床がスライドして地下へのエレベーターが出てきた。

 

ありがちだが、押すのに時間がかかるという面で気づかないし、セキュリティもあるのだろう。

 

 

そう感心していたが、店員さんが言った言葉でその感情も吹っ飛ぶ。

 

「いやー、改修工事も、公になっちゃうから出来ないし、錆びついちゃって…、ごめんねぇー。」

 

…どうやら、相当秘匿されている所らしい。好奇心がそそり立つ。

 

店員さんがエレベーターのボタンを、3 3 4の順番で押す。

そして、エレベーターの扉が閉まり、下へと降りていった。

 

 

 

暫くして、エレベーターが止まり、扉が開く。

店員さんが先導して、重厚な黒い扉にたどり着く。

 

そして、開け放つように言われた。

 

 

恐る恐る開けると、そこには…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銀世界が存在した。

 

…雪ではない。物理的に銀色がひしめく部屋だった。

 

 

目を凝らすと、その一つ一つが技マシンだと分かる。

名前と値段が書かれてあるラベルが付けてある。

 

 

そんな部屋に呆けていると、店員さんから声がかかる。

 

「お客様。どれをお選びでしょうか。」

 

その言葉に、上の空で首を振る。

 

 

そして、体を揺するマキュリに気付き、そちらを見る。

 

「ふぶきの技マシンがあるかどうか聞いたらどうだ?」

 

それを聞き、はっとして、店員さんに、マキュリが言った言葉の通りに聞く。

 

「わかりました。ふぶきの技マシンですと、5000円となります。」

 

あまりの安さに驚く。通常、技マシンは五桁以上の値段になることが多い。四桁など、汎用性のない技ぐらいしか無い。

 

手持ちのお金も、サブリアから貰っていたので心配しなくてよかった。

…サブリアに感謝しながら、しばらくの間技マシンを選び続けた。



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17 翼の試練道

取り敢えず、技マシンはふぶきひとつとなった。

他のポケモンもいないし、無闇に使っては、サブリナに申し訳ない。

 

 

そういうことで、撤収した。

その後に、技マシンを使い、ふぶきをマキュリに覚えさせた。

 

いや、覚えさせたというよりかは、原理を頭に叩き込んだ、と言った方が正しい。

 

技は五つ以上でも覚えられるが、四つが推奨される。

その為新たに技を覚える時、忘れる必要がある。

 

普通は、覚えた衝撃で技を忘れるが、技マシンは原理を叩き込む事により、頭に思っていた技の原理を吹き飛ばし、忘れさせる物となっている。

 

 

だから、少しの心配はあった。

 

…マキュリは技マシンを頭に当てて、目を閉じる。

そして1瞬きした瞬間、ぱちっ、と音がなり、マキュリの目が開かれる。

 

 

そして、手を丸め、ぐっぐっ、と手を動かす。

 

そこから手を華麗に開く。そこからは氷の結晶が迸っていた。

 

 

 

…無事、覚えれたようだ。忘れた技はアクアブレイク、そして、これでひこうタイプに抗える。

 

戦略的にも、かなり幅が広がる。少なくとも、土蜘蛛の洞窟から、実力で出れるぐらいの自信はある。

 

「…よし、自在に使えるようになったぞ。後は、土蜘蛛の洞窟にて、ポケモンを捕まえるだけだな。誰を捕まえるつもりだ?」

 

そう聞かれて、思わず悩む。

しかし、あれをやってみたくて、それに決めてみる。

 

「イワパレス、かな。がんしょうで耐えて、からをやぶるをし、一人は持っていく組み合わせだ。それに、それぐらいしか発見例がないから、捕まえる難易度としても。」

 

それを聞いて、マキュリは頷き、今はまだいない仲間に想いを馳せている。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

取り敢えず、街を出て、地図通りに通る事にした。

暫くの間、なんの問題もなく進めたが、柵に囲まれたところを見て、地図を見直した。

 

すると、裏面にヒントが書かれてあった。後のものもあったが、ちょうどこの状況にあったヒントがある。

 

『柵に囲まれているのは、翼の試練道。その中には、野生の鳥ポケモンがいる。しかも主個体であり、その内の何体かを倒して進まねばならない。生死は保証される。』

 

…つまり、これは試練である、と言う事か。

そういえば、ジョーイさんが、『タイプのことを理解しないとダメ』と言っていた。

つまり、クリアするには、彼らの事を十全に理解しなければ、ジムリーダーにさえも勝てないということか。

 

…なんとも、凄まじい地方だ。

 

 

隣にいるマキュリに、アイコンタクトをする。

そして共に頷き、駆け出した。

 

 

 

 

そして、待っていました、と言わんばかりの、私達を覆う影。

 

上を見上げれば、カンスイコウが翼を開げ、威嚇してくる。

特性のいかくでは無さそうだが…。

 

 

本来、いくら悪どいとはいえ、はがムックルににていることでのギャップがあり、それなりに人気なのだが…。

 

こいつは、目が鋭すぎる。

 

 

体の模様などで把握したが、本当にこれはカンスイコウか?

 

…いや、そんな事を考えて、待たせるのは失礼か。既に相手は準備万端。私達も万端。

 

そんなの…

 

 

 

 

 

 

 

戦わない理由がない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もはや、場は追い風であった。



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18 毛高き悪辣なエージェント

失踪仕掛けてすみません…。自分の文に納得できなくて投げやりになっていました…。

一応、リハビリという事で、上手くいって無いところもありますが、そこのところを配慮していただけると幸いです。


目の前に存在する一羽の鳥は、一度鼻を鳴らし、こちらに向かってくる。

 

「マキュリ、バブルこうせん!」

 

泡沫を放たせるが、強引に距離を詰められる。水一滴すらも浴びていない。

 

 

…特性『うみかえ』。いくら初撃が聞かないとはいえ、産み代えしている素振りすら見えなかった。

 

『主』の風格で吹き飛ばしたとも考えたが、割れた卵を捨て去ったカンスイコウを見れば、身代わりとして卵を使ったのがわかる。

 

そして、勢いつけてつばさを叩き付けてくる。

 

 

思わず、反撃を命じてしまう。

 

「、ふぶきだ!」

 

マキュリは、私の声で反射的にふぶきを打つ。

 

しかし、相手はそれを読んだかのように背部に回って叩いてくる。

重くは無いが、軽くもない一撃。それはダウンするには事足りないが、吹っ飛ばすには十分だ。

 

…このポケモンは、思っていた以上に狡賢い。トレーナーを意識させない為、距離を空けさせるとは。

 

 

しかし、そんな事で挫けてはいない。

 

「バブルこうせん!下地を整えろ!」

 

一周回って冷静になった私は、作戦を思い返し、指示を下す。

そして、マキュリもそれを聞き、ダメージを堪えながら俊敏に技を出す。

 

ふいうちを決めようにも、泡が邪魔で動けない。

強引に突破しようとすれば、隙を晒してしまう。それがバブルこうせんの強さ。

そして、これを決めたら、打ってくる技は一つ。

 

 

おいかぜ。ジムリーダー戦でお世話になった技だ。

 

 

だからこそ、意識していなくて対応が出来ない、という事はない。

逆に、隙をつける。

 

 

翼をはためかせ、気流を作り出したカンスイコウは、明らかに隙だらけ。泡で視界も不安定な為、此方が何をしているかあまりわからないだろう。

 

今、腕に力を込めて水をチャージしているマキュリの姿も。

 

泡を盾にして、力を振り絞り、一撃必殺となる技を用意する。これがジャイアントキリングのための策。

 

 

そして、限界まで貯めた技、「ハイドロポンプ」は、泡達を弾け飛ばし、カンスイコウへと降り注ぐ。

 

うめき声を上げながら一瞬、抵抗するものの、圧倒的水量により、後ろの岩まで吹っ飛んで行く。

 

衝撃で、爆竹のような凄まじい音が鳴った。

相手には申し訳ないが、オーバーキルも甚だしい。

 

マキュリをつれて、岩蜘蛛の洞窟の方へと向かう。

 

 

 

 

 

…しかし、相手はそれを許さなかった。

高音の鳴き声を上げながら、こちらへ突進してくる。

 

「…!こっちへ!」

 

私ではなく、隣にいる、マキュリの方へ向かってきた為、腕を引っ張り、洞窟の方へと足を急がせる。

 

 

本来、他のとりポケモンとも戦わなければいけないのだろう。

だが、物凄い剣幕で此方へと向かってくる、カンスイコウにおじけついたのか、一向にこちらに来ない。

 

それを確認してから、共に洞窟へと転がり込み、とにかく走る。

 

幸い、洞窟内は入り組んでいた為、相手を巻くのは簡単であった。

ある程度進み、うろの中にしゃがんで入る。

 

 

 

ーーー

 

暫く、そうしていると、

 

段々とこちらへ近付いてくる足音が聞こえてきた。

それは、今まで聞いていた勢いのある物ではなかった。

 

どうやら、フラフラとしているようであり、疲れが溜まったのだろうと予測ができる。

 

私達も、正確な情報があるわけでは無いが、おそらく入り口へと向かっているようである。

 

そういう事を、考えながらも、マキュリの事を引き寄せ、ぐっ、と抱き締める。

 

マキュリは、少し驚いた表情をしながらも、どこか納得した顔で、それを受け入れてくれた。

 

 

暫く、そうして身を寄せ合っていたら、羽ばたきが音響し、遠ざかって行くのが聞こえた。

 

それで、気が抜けてしまった。

 

一気にへたりこんでしまう。隣にいるマキュリもそうだ。

けれども、その顔には自然と笑顔が浮かんでいた。

 

 

まるで…悪戯が成功した子供のように。

 

 

その顔を見て、私も声を上げて笑ってしまった。

次第に、マキュリも声を上げて笑った。

 

 

洞窟に、笑い声が響く。

 

 

ひとしきり笑った後、腰を上げて、うろから出る。伸びをして、体の様子を確かめて、洞窟の奥へと向かう。

 

…後ろの紫煙には気づかずに。



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19 絶

…遅れました。
本っ当っに、心配させてすみません!

これから色々慎重に進めます。疾走はします。でも、失踪はしません。

ですので…これからもよしなにしてくれると嬉しいです。


洞窟の奥へと向かっていくと、徐々に広くなって行き、壁の突起が増えてきた。

 

一つ一つの突起がイワパレスなのだろうけども、活動的な様子は見せない。先程のカンスイコウが起こした騒ぎにより、閉鎖的になっているのだろう。

 

 

無理矢理起こして捕まえるほど、人間が出来ていない訳じゃない。

なので、他のポケモンを探す。

 

目撃例がイワパレスしか無かったが、探せば他のポケモンがいるだろう。

 

 

そう思って、声控えめにマキュリと話しながら足を進める。途中、別れ道を何度か通る必要があったが、直感で選んだ。

 

 

 

 

 

 

そうして下っていくと、次第に洞穴が広がっていく。

鉱石らしき光も辺りに広がり始めた。

 

イワパレスらしき突起も無くなり、それどころか穴ぼこだらけになってくる。

 

よくよく目を凝らすと、ヤミラミやノッグランなどの、鉱石を生活に要するポケモンが見える。

 

 

 

どちらかと言うと、岩寄りのポケモンが増えてきた。

しかし、彼らは、余り物音を立てずに行動している。いわタイプは騒がしいイメージがあるが…。

 

…いや、ここまでカンスイコウが来て、暴れたせいでこうなったのかも知れない。

 

 

それなら余計、捕まえるのが忍びなくなってくる。しかし、何らかの戦力強化は必要だ。更に奥に行って、活動的なポケモンを探さなければ。

 

 

 

 

そうして、更に奥に進んだ。

進むごとに穴ぼこやポケモンは減り、ある所を目処にめっきり無くなってしまった。

 

 

…その際、むしのしらせのような物を感じたが、無視して奥へと進む。

そして、あっさりと奥へと着いた。

 

奥には大きい空洞があり、その空洞には…

 

 

 

多くの骨が転がっていた。

 

 

 

確実に何かの死体。死を思い起こすかの様な風景。

そして、それを助長するかの様に、壁は宝石が散らばった地層である。

 

その宝石一つ一つがギラリと光り輝いていて、悪趣味な部屋であった。

 

明確な死を思わせる骨に、嫌な光を放つ宝石。ポケモンが寄り付かないのも納得だ。

 

…普通はこんなところからすぐ帰ろうとするだろう。しかし、そんな事はしない。何故かって?それは…

 

 

 

 

 

 

 

も う 逃 げ ら れ な い か ら

 

 

 

 

 

 

 

背後から紫煙が舞い込む。その刹那、マキュリを押し倒し、地に伏させる。

そうした瞬間、紫煙が爆炎へと変わり、先程までいた場所の空気を弾け飛ばした。

 

もはや、何の技かすらもわからないが、生き延びる事はできた。そして、隣の手を引き、マキュリと一緒に距離を取る。

 

 

取り敢えず、敵を視認するが…

それは、

 

 

 

まさしく、王である。

巨大な骨の体、隙間から滲み出る紫煙、冠のような骨…そして、風格。

 

名前は…、スカウルス、だったか。詳細すらも、対してわかっていない。

アンドリラーの時は、ある程度情報があったし、皆んながいてくれた。しかし、今回は二人だけ。だから、戦略が全てだ。

 

紫煙の攻撃すらも理解してない。だからこそ、時間を稼いで技を見なければ。

 

「マキュリ、バブルこうせんで視界を惑わせ、技を避けろ!」

 

その言葉で、意図を察したのか、前よりか多くのバブルこうせんを放つ。

 

そして、スカウルスが、体の紫煙を撒き散らしてくる。

 

 

 

 

 

 

 

…一つ、誤算だったのは、調子に乗っていた事。

最近、幸運が重なって、知識を使えた事で、自分の知識の範疇に収まる物だと、相手を無意識に侮っていた事だ。

 

 

 

泡に紫煙が染みる。泡が紫根染の様に、紫に染まる。

そして…

 

ボッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

…体がいたい。

 

目が霞み、耳奥に音が響き、肺は、息をするのを忘れている。

 

ゴボッ、という音が自分から音が自分から軋み鳴る。

かろうじて、生きてはいる。前にいたマキュリを咄嗟に庇ったが、果たして護れたのだろうか。

 

…だが、そう遠く無い未来に、葬り去られる未来が見える。この、体では、そうなる他ないだろう。今までは、本当に運が良かっただけだ。

 

 

 

ゆっくりと口を開け、紫に染まる破壊の光が、淀んだ目にチラつく。

 

 

 

せめてマキュリは、と想い、自然に口が動いた。

 

 

『ロンリー は たすけを 求めた』

 

『しかし』

 

『だ れ も こ な か っ た』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




人生に、助けは無い。

でも、光は、確かにそこにあった。


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20 消失

ー不意に、風を感じた。

 

風が体を撫で、髪を仰ぐ。

閉じてしまった目を、開こうとしてくる。

 

それに抵抗しようと、したけれども、

いつまでも来ない破壊に、疑問を感じて、従った。

 

 

 

いや、従ってしまった。

 

 

 

その先にあるものは、岩塊だった。私よりか大きく、質量を感じる。

それが、虫の鳴き声をあげている。そう、キチキチチと。

 

しかも、その下には、消えかけている紫煙が渦巻いていた。

目の様な模様が現れ、岩塊を睨む。

 

 

 

しかし、岩塊は、それが気に入らなかった様だ。

岩の塊としか思えなかった体の一部を伸ばし、紫煙を粉々に砕ききった。

 

 

 

そして、重低音がこだまし、私達の方へ向く。

 

 

 

…私はもう耐えられなかった。

 

土色の体の中で、はっきりと私を捉える、八つの紅い目に見つめられたら。

 

助けは来なかった。いや、もっと悪かった。

デモニケルの時から、『また』。

 

 

 

グルグルと廻る頭に、体が悲鳴を上げた。

更に重くなる瞼。滲み出る涙。込み上げる想い。

 

 

…そのどれもが、滑稽に思える。

 

 

自分の行った事でこうなったのにも関わらず、出来る事は泣き寝入り。あの時と同じ。自分で、何もできない、しない。

 

 

 

だけれど、私は願う。

 

「…助けて…くれよ…」

 

返事は無かった。

意識は、途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

ーユラユラと揺れる感覚で、瞼が開く。

暗いが、目が次第に慣れてきた。

 

周りは依然と岩肌が広がり、どうやら、私は天井から糸で吊るされている様だ。

 

しかも、マキュリもその様になっている。

 

 

だが、そこまでキツく結ばれているわけではない。

体を揺らして、岩肌の尖ったところに擦り付ければ、切れなくもない。

それに、ねばつかない方の糸で縛られている。切った後、動きやすいだろう。

 

 

そう思って、体を揺らす。幸い、壁は近かった。

 

糸は太かったが、切れ込みを入れると、プチっと切れて落ちた。

いきなり落ちるとは思わなかったが、一応受け身を取った。

 

が、地に足つけて瞬間、体に激痛が走る。

…すっかり、傷だらけな事を忘れてしまっていた。

 

 

 

そんな体でも、あの蜘蛛…仮称『キガングモ』とでも呼ぼうか。…キガングモに気づかれる前に逃げなければ。

 

鬼の様な角に貫かれるか。それとも、巨大で潰されるか。

はたまた、糸で締め殺されるか?まぁ、どれもごめんだ。

 

 

そして、マキュリの吊るされているところへ向かう。

残念ながら、壁からは遠く、私と同じ方法では切れない。

 

なので、周囲の岩のかけらを使おうとした、が、かけら一つすら落ちていない。無論、砂利ならあるが、流石に切れはしないだろう。

 

 

 

しょうがないが、壁の脆い所を崩し、それを使うことにする。

 

…そんな所、ありもしないが。

一通り、触ってみたが、それらしきところはなかった。

 

 

 

その事に思わずため息を吐く。吐いてしまうと、力がフッと抜けてしまい、尻餅をついてへたりこむ。

 

 

またしても、瞼が重くなる。

 

 

 

けれども今回は、鈍く光る石が目に入った事によって、かろうじて持ち堪えた。

 

 

 

そして、それが何故か、抜くことのできる物だと思った。

 

 

でも実際、ちゃんと抜けはした。

ちゃんと左手に握りしめる。

 

そして、無事、マキュリの周りの糸を切ることができた。

 

 

体を見たところ、傷は比較的浅く、サブリアから貰ったバッグの中にあるきずぐすりなどでなんとかなりそうだ。

 

 

 

そう思って、ホッと息を吐く。生きて帰れそうだ。

 

兎に角、傷を癒せねば、と考え、バッグへ手を伸ばそうとする。

 

 

 

 

 

けれども、私が見たは視界いっぱいに広がる岩だ。

…何が起きたのか理解できなかった。

 

そんな私を、不意に痛みが襲う。

左手に、違和感とも言える痛みが起きた。

 

 

なんとか、頭を動かし、左を向く。

 

暗くて中々見えなかったが、手を寄せると明らかになった。

 

 

 

手が青く変色していた。深い綺麗な色では無く、毒々しく。

 

 

 

色々ありすぎて、またもや意識が掻き消え始める。

視界には、おどろおどろしく光る、宝石が光っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




注:キガングモはマキュリ達を『保護』する為にこうしてました。
勘違いしているだけです。ちゃんとそこは理解していて欲しいです。


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21 memory is serious?comical?

今回はすっごく短めですけれど、次回から頑張ります。
…ほんとですよ?


…夢を、見ている。

 

あの、何も知らなかった無垢な時間。その時間の泡沫を、もう一度。

 

 

 

…既に、過ぎた事だ。もう、二度と振り返らないと決めていた。

しかし、こうして見てしまうと、どうも…。

 

 

 

 

 

ある場面を見ている間に、いつの間にか違う物を見ていたり、

まるで走馬灯の様な夢を、その上から見ている。

そこに意思はない。ただ、意識が漂っているだけだ。

 

 

 

暫く、ユラユラと揺れて、見たくもない物を見せられた。

そして、一通り見終わった。

 

少し昔を懐かしむかの様な、…そんな感情を持ちながらも、目を閉じて終わりに備える。

 

 

…けれども、一向に終わらない。

世界が崩れるあの感覚。それがない。

 

…夢ながらも、背筋に冷汗が伝う。

恐る恐る、目を開く。

そこには…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幸せそうに笑む『わたし』の顔があった。

 

 

 

それから目を逸らそうと、首を曲げ、目を閉じようとする。

けれども、私の体はその指示に従わない。

 

『わたし』の姿が、罪の意識が体を蝕む。

本来、切り捨てた物としていたそれが、また現れ…体を食い破る。

 

 

 

夢だからか、罪の意識であろう、形容し難い物が体の内から顔を見せてくる。

私に巻き付き、鎌首もたげて、とびかかる。

 

 

 

 

 

 

しかし、私にそいつが襲うことは無かった。

 

 

 

 

 

 

ギリギリ、という不快な音が空間に響く。体にいる奴は、音源を探した。

 

そして、ある一方を向く。

私も、そちらへ向く。

 

 

 

そこには亀裂があった。空間を引き裂く様な音を立てながら、今も拡大し続けている亀裂が。

 

少しの間、奴と一緒にそこをぼんやり見ていると、空間がパラパラと落ちてきた。

 

 

明るい夢の中とは一転し、暗い光が私を見てくる。

そして、そこから身を乗り出し、躍り出てきたのは…

 

 

 

 

 

 

 

虫。何かの虫。本当に虫。

それしか言えない。いや、もう少し言えば不快。化石にあんなのあっただろうか?

 

確か…ハルキゲニア、だったはず。

 

そいつはポケモンでは無かった物だから、今のあいつとは違うのだろうけれども、そんな化石はあったはずだ、うん。

 

 

そんなに現実逃避するほど、奴は生理的に無理だった。わしゃわしゃ動く触覚と足。のたうち回る体。

 

そんな物を見て、次第に意識が遠くなってくる。

 

 

いつの間にか、体にいる奴は居なくなっていた。罪の意識も、いつしか消えていた。

 

ある意味、虫歯の時のスピアー(蜂)みたいな物だ。

痛みを超える痛みが有れば、弱い痛みを忘れられるという事。

 

 

すっかり気持ちは澄み、純然たる気持ち悪さが胸を占めており、壊れる世界を横目に、意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

いきなり意識が上がる感覚。

その感覚に後押しされ、目を開く。

 

 

 

世界は暗く、岩肌が視界を占めている…訳ではなく、

私の目の前には、先程酷評したあの虫がいた。

 

 

 

…洞窟に悲鳴が上がった。




実は、主人公の事を再度ここで考え直していたのです。
矛盾がない様に。

…うまくいくといいなって!

by深夜テンションな作者より


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22 反撃の兆し

少し、遅れました。
あと一話たったら戦闘パートです。

お待たせさせてしまいます。


突然の事に驚き、つい悲鳴を上げてしまった。

 

けれども、夢から解放してくれたのはコイツだという事を思い出し、取り敢えず礼を言う。

 

 

 

すると、驚くべき事に、返事を返してくれた。

 

「…礼など特にいらないよ。食事をしただけだから。」

 

マキュリとの会話の様に、頭の中で声が響く。

夢の中に入ってきた事も合わせて、精神的な介入が出来るポケモンなのだろう。

 

随分と、ハルケギニアの時から進化した物だ。

 

「…ん?どうして、ハルケギニアなんて単語を知っているんだい?あれは、古代の産物。我々の元。それを…、いや、詮索はよしておこう。」

 

…どうやら表面心理をも、読むことができるらしい。

もっと深く掘る事ができるであろうに、それをしなかった事に感謝する。

 

 

 

そして、どうやってあのキガングモから助けてくれたのか聞いた。

生半可な事では、あいつから逃げおおせるのは無理だからだ。

 

しかし、コイツ、ハルキメアー(ハルキメアーと言うらしい)は、不思議そうに返答してきた。

 

「え?キガングモならいるよ?ほら、上にへばりついているじゃないか。」

 

その言葉に、思わず肩を震わす。恐る恐る上を見上げると…

 

 

 

此方を見下ろすキガングモが鎮座していた。

 

再度出そうになる悲鳴をグッと抑え、ハルキメアーの方をもう一度見る。

 

 

 

そして、何のつもりか、と問いかける。

 

「何のつもりか?…当たり前だけど、君たちを助けているんだよ。ヤツ…スカウルスからね。」

 

…思っていた返答とは違う言葉が返ってきた。

 

生贄の為に生かされたのかと思っていたが、まさか救助の為にあの場に来たとは思わなかった。

 

 

 

今も尚、頭の中が混乱しているし、よく分からない。

けれども、今、彼らを信じなければ、この洞窟から逃げる事も出来ないだろう。

 

心がどうであれ、やるしかない。

 

「…そうか、それは分からなかった。失礼な態度を取ってすまなかった。」

 

兎に角謝罪をして、流れを流す。

この先、どうなるか分からないから。

 

「あ、別に気にしてないって。それよりも、助けが間に合ってよかったって、言ってるよ。

あのポケモンにやられる人間も多いんだ。上層にもいく事があるしね。」

 

けれども、思った以上に親身になっていてくれた。

…マキュリといい、海のポケモン達といい、本当に優しい者が多い。

 

サブリアや、ジョーイさん、そしてジムリーダーも、私達を良くしてくれる。

 

だけれど、この自然の脅威と合わせれば、均等が取れている気もする。

 

そんな事を思って、何処となく納得する。

 

「…そういや言い忘れていたけれど、スカウルスがまだいるんだ。

ノッグラン達から聞いたんだけど、上層で待ち伏せしているんだ。

今回のこと、相当恨んでるらしくてね。」

 

そして、やっぱり厳しい現実を知らされた。

私達を蹂躙したアイツが、待ち伏せを仕掛けていると。

 

少なくとも、経験も、知識もアイツには敵わないだろう。

だが、キガングモが助けてくれたのだ。なんとかなると思う。

 

 

 

しかし、私は一番重要な事を忘れていた。

 

「そしてね。残念だけど、キガングモは今回助けに入る事ができないんだ。

 

なんでかって?それはね、体が大きすぎて、途中でつっかえるからなんだよ。

 

スカウルスは骨だからね。ある程度体を削って縮む事が出来るんだけど…

 

キガングモはそんな事出来ないし、穴を掘ったら、洞窟自体が崩れるかもしれないからね。」

 

そう、スカウルスを一方的に押し潰した図体があった事を。此処が洞窟だと言う事を。

 

…そうすると、どうしたものか。

洞窟内のポケモンに協力を要請するか。それか、マキュリと作戦を…

 

「だから、僕が付いていくよ。美味しい悪夢を頂いた礼とでも思って!(はぁと)」

 

 

 

 

……?

 

 

 

………?!

 

 

 

「なっ?!」

 

 

 




新アンケート。
ここら辺の物、どうするべきか…。


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23 奇異な時間

呼び名や、副詞などが被りすぎてると、こう言うシリアスな時違和感が出てしまうので、困りますね…。


「…随分素っ頓狂な声を上げるね、君。」

 

此方をジトっと見て、そう言うハルキメアー。

私は目を逸らし、口籠もりながらも謝罪を伝える。

 

「まぁ、こんな見た目だからね。あまり好かれていないと自覚しているよ。…ま、そんな話をしたい訳じゃなくて。」

 

首?を振ってから私と、未だに目を覚さないマキュリを見回す。

 

私も釣られてマキュリを見る。

 

 

 

…寝顔は穏やかで、傷も無くなっている。

 

 

 

つまり、適切な治療が出来ている、と言う事だ。

…徐に、バッグの中のきずぐすりを調べる。

 

 

すると、中身が空になった回復用品が姿を現した。

 

 

 

やはり、人間に対してなんらかの知識があると見て間違いない。

 

「…?取り敢えず、彼女を起こそう。少なくとも、君の味方なんだろ?なら、此処から出るのに必要な戦力になる。」

 

私は思考を一旦止めて、ハルキメアーのやる事を見る。

 

彼はマキュリの方へと向かい、頭へとよじ登る。

 

そして、頭の中からモヤを取り出し、それを食べるような素振りを見せた。

 

 

 

 

するとそのモヤは霧散し、その後すぐにマキュリの目が開く。

 

 

そしてマキュリは、ハルキメアーの方へと向き、キガングモの方へと向き、私の方へと向いた。

 

「…。すまない、この状況が全く分からん。どういう事だ?」

 

マキュリはそう言って、困ったように当たりを見渡す。

 

 

それを見てか、キガングモが動く。

天井から伸びる糸に捕まり、下に降りてくる。

 

 

 

そしてマキュリに一本の腕を、開くように伸ばす。

 

「…え?これをくれるのか?」

 

彼女はそう言って、何かを受け取った。

 

私はそれを見ようと近づく。

すると、それが何かわかった。きのみだ。

 

 

見た目はへたが星型尚且つカラフルで、実全体は緑と白のライン、そして形は尻すぼみだ。

 

正直見た事がないが、それが珍しい物だと分かる。

 

 

 

キガングモは、マキュリを少し見つめてから、腕を使って頭を撫でた。

 

それからまた元の位置に戻った。

 

「…ありがとう。持っておく。…でも、今の状況を説明して欲しい。」

 

そうマキュリが言うと、頭に乗っかったままのハルキメアーが話し始める。

 

「んー、取り敢えず、キガングモが君たちを救って、あのスカウルスが洞窟の上層で待ち伏せして、僕が脱出の補助の為について行く事だけわかってればいいよ。」

 

あっさり彼は言うが、その中には情報が詰まっている。

 

 

 

起きて直ぐに、色々起こりすぎたマキュリは頭を抱えて唸っている。

 

けれども直ぐに立ち直り、真剣な表情でハルキメアーを見つめる。

 

「ウーン…つまり、脱出の為に起こされたと言う事でいいか?でもどうする?」

 

そう言われて、ようやく話が進む。

 

「もちろん、策はある。ノッグラン達がちゃんと布石を打ってくれたのさ。」

 

 




短いですけど、会話回終わりです。次回から戦闘です!


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24 怨骨竜

\(・ω・\)SAN値!(/・ω・)/ピンチ!


あの後直ぐに、最深部から上層へと向かった。

ハルキメアーの指示に従い、人気の無い洞窟を登る。

 

 

聞かされた作戦の細かいところを打ち合わせしながら、上へ。

 

途中は、驚くほど静かだった。

そして、段々と上がって行き…

 

 

 

「…(この先だ。曲がったところの直ぐ側にいる。気をつけて。)」

 

辿り着いた。

テレパスで、居場所を教えてくれたハルキメアーを見て、頷く。

 

 

自分の心に有るものも、今は必要無い。

想いを流す様に、マキュリに命じる。

 

「マキュリ、ハイドロポンプ!」

 

壁からいきなり現れて、いきなり技を撃たれたからか、素直に命中してくれた。

 

勢いよく飛ぶ水流にあたり、後ろの方へ後退する。

 

「…これなら、行けるか。」

 

ぽつりと、マキュリがそう言う。

 

 

しかし、それが相手の怒りを買う。

 

 

紫煙を口の端から上げ、洞窟を揺るがす方向を上げる。

此方を潰さんばかりのプレッシャーをかけてきて、あの紫煙をばら撒く。

 

私達を一瞬にして敗北させたもの。

しかしそれはもはや脅威にはなり得ない。

 

「煙なら、混ぜることができるよね。」

 

全身のトゲの先端から粘性の霧を出し、相手の煙に溶かさせ、そして吸収する。

 

 

少々強引だが、打開としては充分。

 

問題は、いくら混ぜたとはいえ、攻撃は攻撃。そんなに吸収出来ないこと。

 

 

だから、短期決戦で終わらせなければならない。

 

「マキュリ、オーシャンソングで下地を整えろ!」

 

みず技の威力が上がるアクアフィールド下にする。水が、足元を駆け巡った。

…後スカウルスは眠らなかったが、元より覚悟の上。

 

それより、『技を4回打っている間に相手を倒さねばならない』。

 

アクアフィールドが消える前に、決着をつける。

 

「そのままハイドロポンプ!」

 

先程よりか凝縮された水流が、相手を吹き飛ばす。

…ついでに、理性も。

 

 

紫煙を消されて、出方を伺っていたスカウルスだったが、そのせいでまたもやハイドロポンプに当たってしまった。

 

 

それが怒りを引き起こす。身体中に紫煙を纏い、ゆらめかせているその様は、まるで『おにび』のようだった。

 

「…これからが本番だね。出来るだけ、煙を吸い取る。だけど、体に近いやつは無理だから、注意してね。」

 

ハルキメアーの言葉が表す通りに、攻撃が始まった。

 

無茶苦茶に突進してきた。

 

しかし怒りからか、隙の多い動きをしてくる。

だから、受け身がしにくい場所へ攻撃を飛ばす。

 

「もう一度だ!マキュリ、ハイドロポンプ!」

 

首筋に、水流が当たる。

重い体が打ち上げられ、自分たちから離れる。

 

すかさず、追撃を命じる。

 

「ハイドロポンプ!」

 

更に奥へ飛ばす。かなり距離を離せた。 

 

そろそろか。

 

マキュリと目を通わせ、頷く。

後一手で、早急に決着を付けようと、相手は思うだろう。

 

「マキュリ、バブルこうせん!」

 

泡沫が、相手へ飛ぶ。怒り状態のせいか、紫煙だけを此方へ飛ばしてくることはない。

 

突き破ろうと走ってくるが…

 

 

 

「……ッ!?」

 

 

 

痛みで立ち止まる。

それはそうだ。『トーチカを展開したハルキメアー』がいるからだ。

 

 

いくら慣れているとはいえ此処は暗い。見えづらい。

 

その中に光を屈折させるバブルこうせんを放ち、それにハルキメアーを乗せれば、見えづらくなる。

 

しかも怒りに燃えている状態なら、尚更だ。

 

 

いくら耐久が高かろうと、どくには抗えない。

技を乱発すれば、直ぐにどくが周り、きぜつ状態になるだろう。

しかし、コイツは速く、今も此方へと向かってくる。

 

 

 

 

しかも、私達はどくで倒そうとしていない。

コイツは強い。果てしなく強い。どくだけで倒せると思っていない。

 

だから、用意してもらったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…落とし穴を。アクアフィールドで霞む地面に。

 

「?!」

 

驚きの声を上げて、『さっき吹き飛ばして踏まなかった道』に沈むスカウルス。

 

這いあがろうとするが、足場の安定していない『エンダイアのプール』からは逃れられない。

 

ノッグランからの補助によってなせるこの作戦。真骨頂は此処からだ。

 

少し触っただけで、私が気絶してしまうほど強力な『個体の優』を持っているエンダイアに、触れ続けているスカウルスがどうなるかは想像がつく。

 

 

徐々に沈んでいくスカウルス。紫煙はもう見えなくなっており、骨だけがそこに残った。

 

「…ふう。ようやく、この洞窟の問題児を倒せた。これで、解放されるかな。」

 

ハルキメアーはそう言って、体をぺたんと地面へ広げた。

 

「はふー。流石に、今回のことは心臓に悪かったぞ…。帰ったら、旅宿で休みたい…。」

 

マキュリも相当疲れたようで、自分で作った水球の上に伸びている。

 

 

私も、気が抜けた。

命の危険が迫るのは、この世界ではありがちだが、それでもこんな大ごとになるのは初めてだ。

 

 

 

…皆一様に気を抜かしていたが、此処からが本番。

私達は、この先、怒り狂うカンスイコウを避けて帰らねばなら無い。

 

 

ハルキメアーも帰るだろうし、また策を考えなければ…

 

「…あー、ようやくこの洞窟から出られるー。本当に、なんで僕が通訳なんてしなくちゃいけなかったのさー。確かに言語はわかるけどー。」

 

愚痴に近い言葉を、ハルキメアーが言う。

 

「…まぁ、終わった事だしね。楽しいことを考えよう。…と言っても僕全然動けないし、無理か。ははは。

 

………。ねぇ、此処までいって分からない?…。お願いだから、旅に連れてってくれない?僕虫だよ?小虫だよ?全然速く無いよ?

 

可哀想だと思わない?」

 

後半からは、ほぼ懇願のような雰囲気になってきた。

 

…だが、彼が私たちについてくるのは本当に予想外だった。

途中の言葉から、私とマキュリは目を丸くしてハルキメアーを見ていた。

 

だって、いかにも一匹狼風を吹かしていたからだ。

 

「…本当に、私達の仲間に、なってくれるのか?」

 

そう言うと、少し怒ったように返事をしてきた。

 

「あのね、僕がいいって言ってるの。なるに決まってるよ。足にもなるし。(…思った以上に、策を考えるのが楽しかった、なんて。)」

 

そして、私の肩によじ登り、こう言った。

 

「…ボールに入りっぱなしは嫌だし、マキュリも外にいるから此処に居るよ。ま、後でボールに入れてくれ。今はそう言う雰囲気じゃ無いだろう?」

 

少し気障っぽくいったのが、マキュリのツボに入ったらしく、クスクスと笑い始めた。

 

そして、それがおかしくて、私も笑ってしまった。

 

洞窟に入った時は、それで終わった。

でも、今はもう一つ、笑い声が増える。

 

私の左肩からも、笑い声が上がる。

 

 

 

そのまま、3人で笑い合った。

 

…幸せだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side???

 

…ニクイ。ニクイ。

ニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイ。アイツラガニクイ。何故ワラエルノカ。ソンナニオカシイカ。

 

ナラバ、モウイチド。ヤツラヲコワス。

 

ソウ、オモッテイタ。

 

 

 

ケレド、アイツハユルサナカッタ。

 

ホンタイヲイトデツカミ、ズルズルトヒキヨセラレル。

 

ワタシガフリムキ、サイゴニミタモノハ…

 

 

 

 

 

ホウセキノヨウニキラメク、八ツノ眼ダッタ。



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25 前方の鳥も後門の竜ももう消えた

「…話している所すまない。」

 

突然、声が響く。

妙に落着きの有る不思議な声だ。

 

私は、声を発している主が居るであろう、後ろにふり向く。

 

 

そこには、顔の下半分を布のような物で覆った2メートルほどの巨人と、猫背でガタイが良い岩の異形がいた。

 

そのどちらもが土色の肌だった。

 

そして、巨人の方が声を掛けてくる。

 

「一応、自己紹介をしておこう。私はガイアーソン族クギャリ。そして横のコイツは、マストーン族のスゥルズ。

 

…まぁ、『水の』を従えて居るんだから、『地面の』『岩の』と言った方がいいかもしれんな。」

 

名前を教えてきた。

 

最後に聞いたことのないニュアンスの事を言ってきたが、それを取り敢えず無視して此方も自己紹介をする。

 

「…成る程、ロンリーに、ハルキメアー、それにマキュリと言うのか。ふむ、いい名前だな。

 

…よし、本題に入ろう。引き止め続けるのも悪い。

 

…ロンリー、お前はいろいろなものを巻き込む風だ。だからこそ聞く。

 

『主が目指す所はいずこに?』」

 

そう聞いてくるクギャリの目は鋭く、こちらを刺すような視線で此方を見つめてくる。

 

 

正直、クギャリが何を言って居るのかよく分からない。

けれども、自分が向かっている場所はわかっている。

 

「向かっているところは、『私が始まり、そして終わった場所』。少なくとも、あそこに私がいた方がいい。」

 

そう答えると、クギャリとスゥルズは目を丸くして此方を再度見てくる。

 

 

そして目を瞑り、何かを考えているかのような素振りを見せた後、また話し始める。

 

「…そう、か、成る程。流石『水の』を従えているぐらい、持っているものだな。

…お前の旅が、いずれ終着する時、また問おう。

 

『主が目指す所はいずこに?』と。その時も、同じ物を持っていて欲しい。」

 

そう言うと去っていった。

 

洞窟の闇に消える一瞬、役目は果たした、と聞こえた気がした。

 

 

 

「…やっぱり、君は何か持っているね、大きいものを。」

 

ハルキメアーはそう言って、肩から此方を見つめる。

 

その動作に、心臓が跳ねた。

不審がられて、去ってしまったら、と考えて。

 

少なくとも、今はこの事を話す気は無い。

だから、もしや、と思ってしまう。

 

 

しかし、そう思った私が馬鹿だった。

 

「…ま、出会ったときも言ったけど、深くは聞かないよ。

言いたくなさそうだし、生物なんてそんな物の一つや二つ、有るもんだからね!

 

気にしない、気にしない!」

 

朗らかに励ましてくれた。

 

だが、マキュリは俯いている。

 

 

声を掛けると、はっ、として此方を見てくる。

 

「…あっ、別にロンリーに言われた事を気にしているわけじゃ無いぞ!

 

…ただ、『水の』と言われた事を少し、な。」

 

そして、私の想いを和らげるようにそう言ってくれた。

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

…微妙な雰囲気になりつつも、恐る恐る外へ出た。

 

しかし、カンスイコウどころか、他の主ポケモンすらいなかった。

 

 

 

まるで…何かが消したように。



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26 交差すべき運命

んにゃぴ。
色々あるけど、合間に小説書いて上げとこ。


「…困ったな。」

 

いや、本当に困った。

カンスイコウどころか、他の主ポケモンもいない。

 

見回しても、誰もいない。

 

 

…戦力として、もう一体ぐらいポケモンが欲しい。

流石に、ひこうタイプ弱点のハルキメアーだけでは突破が難しい。

 

少なくとも、頭数が無ければいけないだろう。

 

と思いながらも、3人で途方に暮れていた。

 

 

 

…まぁ最終的には、また明日にでも来る、という風に結論が出たが。

 

 

 

そう言う事で、取り敢えず帰ることにした。

 

道中、ハルキメアーが食べた夢の中での遊び、しりとりをして時間を潰しながら歩いた。

 

 

ルールは簡単だった為、すぐに馴染んだ。

 

そして、先程の奇妙な雰囲気は消えて、また楽しげな感じへと戻った。

 

「私の番か…カジリガメ。」

 

「えーと、メブキジカ。」

 

「カイロス、っていたっけ?」

 

 

 

「スバメ。カイロスはちゃんといるよ。」

 

突然、横から声が飛んできた。

いきなりのことで驚き、後ろへ振り向く。

 

 

そこには、幾何学模様の白いローブをきた少年?が立っていた。

 

「驚かせてごめん。でも、面白そうな事をやっていたから混ざりたくって。」

 

中性的な顔を歪ませて、申し訳なさそうにそう言ってきた。

 

見たところ怪しさ満点ではあるが、3人よりか4人の方が面白そう、との事で、そのまま混ぜることにした。

 

「…え?混ぜてくれるの?…自分で言うのもなんだけど、こんな格好だし、怪しいけど…そう言ってくれるなら、嬉しい。」

 

まぁその気になればちゃんと戦えるし、街の近くだから大丈夫と言った。

 

その言葉に納得したのか、顔を綻ばし、続きを促してくる。

 

「ああ、わかった。…あー、スバメ、メ…メクジャク!」

 

そうして、時間は過ぎていった。

楽しい時間が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

暫くしりとりをしていたが、白熱した末、マキュリが、「トリトドン!…あ」と言ったので終了した。

 

「…あー面白かった!途中から混ぜてくれてありがとう!」

 

彼はそう満足そうに言った。

その様子を見て、微笑ましい気分になる。

 

そんな笑顔が顔に出ていたのか、彼は頬を膨らまして不満げな声を上げる。

 

「ぶー、どうして笑うのさ…。師匠もよく笑うけど………、?師匠?…あ。

 

…そう言えば、お使いの途中だった!」

 

が、お使いを思い出す。…まぁ、なにか騒がしい奴ではある。

 

 

そんな感じであたふたし出したが、直ぐに止まり、私の方へと向いてきた。

 

 

目をじっと見てきて、その後ローブと私をチラチラ見比べる。

そして決心したように私に再度話しかけてくる。

 

「…うん、多分大丈夫。…えっと、お名前なんだっけ?…分かった、じゃあさロンリー。今からちょっと、戦ってくれない?」

 

そう言う彼の目は、真剣に私を見据える。

 

先程のあたふたした雰囲気は霧散し、ほのかな覇気が漂う。

 

 

 

いきなり申し出てきた戦いの誘いに、私達は目を見合わせる。

 

そのまま少し黙る。

 

 

けれど断る理由も無いし、ジムトレーナー戦に向けてちょうど良いと考えて、受けることにした。

 

 

 

その事を伝えると、少し安心したのか肩を下ろし、そしてまた元に戻す。

 

「…よし、そう言ってくれると嬉しいよ。えーっと、手持ちは一体しかいないから、一対一でやっていいかな?」

 

それに頷く。

そうすると相手も頷き、ローブへ手を入れる。

 

 

引き抜いた手には、ドリームボールが握られていた。

 

「ここまで、条件決めてごめんね。でも、全力を出すし、負ける気はさらさら無いよ!」

 

彼は一層ドリームボールを握りしめながらそう言う。

 

それに呼応するようにローブの模様が光り、怪しげな煙が噴き出す。

 

「…色々と卑怯かも知れないけど、行くよ。」

 

「…そう言えば、言ってなかったね。…僕の名前は、『ザグー』。『魔受士エルク』の弟子!この世の不思議な力を持って、お相手するよ!

 

…いくよ!」

 

彼、…いやザグーは、前傾姿勢をとりながら、ドリームボールを持つ手を顔の前に持っていき、その後にボールを投げ放った。

 

 

 

 

 

 

私達が対峙するポケモンは…

 

 

 

 

 

 

絵の代わりに、白いキャンパスを持ったデスマスだった。

 

…まぁ、なんていうか。正直言うほどか?と思ってしまう。

その微妙な雰囲気をザグーは感じたのか、瞳を煌めかせてこちらを見てくる。

 

「…取り敢えず、どっちを戦闘に出すか選んでくれない?」

 

その言葉を受けて、ハルキメアー肩の上から飛んで降りる。

後ろを振り向かずに、言葉を発する。

 

「…ここは、僕に戦わせてくれないかい?洞窟外の戦いは未経験なんだよ。」

 

その言葉にマキュリは頷き、藍色の瞳で私を見てくる。

ハルキメアーの力を見たかったのもある為、それを了承する。

 

 

 

デスマスとハルキメアーが対峙する。

 

どちらも睨み合っているが、試合開始を受けていない為、動いていない。

 

「…そのポケモンだね、分かった。じゃあ、魔受士の戦いを見せてあげる!」

 

そうザグーが叫ぶと、彼の周りにあった煙がデスマスに纏わりつく。

 

 

 

そのまま少しすると、纏わりついていたものが霧散し、デスマスがもう一度現れる。

 

 

そのデスマスは、先程感じなかった威圧感を出しており、少なくともさっきまでとは遥かに違った。

 

「これが、魔受士の力さ。絆があるポケモンに、力を渡すことが出来る。…これで、少しは並べたかな?」

 

彼はそう言うと、こちらを見返してくる。

そして、いつでも戦いをできる事を告げた。

 

それと審判だが、人数的にマキュリに任せる事になる。

 

彼女は少し驚いたが、面白そうと喜んだ。

 

「よし、いくぞ?…はじめ!」

 

その言葉で私達は自分のポケモンに指示を飛ばす。

 

「デスマス、シャドーボール!」

 

「ハルキメアー、ねっとうだ!」

 

デスマスは暗黒球を、ハルキメアーは熱湯を、相手に向けて撃つ。

 

互いの攻撃はぶつかり合い、鍔迫り合いのような均衡を見せた後、エネルギー過多で爆発する。

 

 

互いのダメージはゼロ、余裕も無し。

 

「くっ、ここまでして同じぐらいか。…しょうがない、最終手段を使うことも考えなきゃ。」

 

ザグーは何かを呟いた後、まあ一度突っ込んできた。

 

「デスマス、シャドーボール!」

 

もう一度暗黒球が飛んでくるが、ハルキメアーは以外にも跳んで回避した。

 

「ハルキメアー!いとをはくで、視界を奪え!」

 

そして糸を吐き、デスマスをぐるぐるまきにする。

ハルキメアーは小さく、遠心力も受けやすい為、簡単に巻くことができた。

 

 

そんなデスマスを見て、ザグーは慌てて解くように命ずる。

 

「わっ!デスマス、上手くまもるを張って糸から脱出して!」

 

少し四苦八苦していたが、無事出られたようだ。

 

 

 

無事なのは出るまでだが。

 

「ハルキメアー、いとをはくで後ろの地面を掴み、トーチカしながら体当たりだ!」

 

たいあたりは出来ないが、体当たりなら出来る。

 

糸を解いたすぐ後のデスマスに、毒の棘を生やしたハルキメアーが迫る。

 

 

驚きで固まっている一瞬を逃さず、体当たりが決まる。

 

 

デスマスは苦悶の声を上げ、後ろへと下がる。

相変わらず分かりにくいが、どくになったようだ。

 

 

どく状態は表面上何も変化がないので気づきにくいが、そのうちに毒に侵され体力が削れていくと言う恐ろしい物。

 

 

個体の優である程度効果は変わるが、基本的にそんな感じだ…。

 

「デスマス?!…どくか。まぁ、やけどじゃないだけましと思うしかない。…デスマス、こちらも反撃に出よう。」

 

「いくよ…デスマス、のろい」

 

そう言うと、ハルキメアーに呪いがかかる。

 

今度はハルキメアーから苦悶の声が上がってしまう。

 

「…ごめんね。本気を出さないといけないんだ。デスマス、逃げ続けて。」

 

ザグーはそう言うと、デスマスに回避行動ばかりを取らせる。

 

ハルキメアーが何度攻撃しても、当たらない。

 

ねっとうを撃っても、飛沫にすら命中しない。

 

 

このままじゃ瀕死になるだけ。後一回技を撃てば、それでひんしになる。

 

 

 

もう終わろう、とハルキメアーに声をかけようとする。

が、

 

「…は、全然当たらないね。…でも、後一回しか撃たなくっても、後ろで期待してくれているトレーナーがいるんだ諦められないよ。」

 

そう言ったのを聞き、止まる。

 

そして、ハルキメアーの背中を見て、勝つ為のピースが揃ったのに気づけた。

 

 

ハルキメアーは、ずっとこれを狙っていたのか。

 

「…ああ、そうだ。負けてくれるなよ、ハルキメアー!いくぞ、トーチカ!」

 

何も無いところでトーチカを展開する。

それを少し白い目でザグーは見て、ため息をつく。

 

「えーっと、最後なんだし攻撃にして上げたら?」

 

そう言ってこちらを見てくる。

確かに、普通ならおかしいと思うだろう。

 

のろいは、大体4ターンでひんしになってしまうからだ。

 

 

 

だが私は、ハルキメアーの背中にへばりついているものを見て、考えを変えた。

 

そこにあったもの、それはくろいヘドロ。

どくタイプが持てば少しずつ体力回復ができる貴重品。

 

 

…しかし、その回復はのろいのダメージに追いつかず、そのまま瀕死になる事は必然だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…普通なら。

 

そもそも、たべのこし・くろいヘドロは何故なくならないと思う?

 

そのわけは、ある程度物質が再生している奇異なものだからだ。

それを少しずつ吸収しているので、微量回復できるのだ。

 

 

 

そう、少しずつ。

 

…それならば、全て吸収したら?

 

 

 

 

 

そう、かなり回復できるだろう。

 

そして、トーチカの中は安全だ。集中するにはうってつけだろう。

…どう言うことか?

 

 

 

それは、

 

「っ、なん…」

 

「ハルキメアー、ベノムショック。」

 

こう言うことだ。

 

デスマスが崩れ落ちる。

完全に油断をついた作戦だが、それでも勝ちは勝ちだ。

 

「…やられた。デスマス、戻れ。」

 

ザグーは驚いた表情を隠せないのか、目を丸くしてデスマスをボールに戻した。

 

そして、喜色を顔に浮かべる。

 

「…うん。これほど強くて、優しく芯が強い人なら、任せれそう。」

 

彼はそう言うと、もう一度ローブの中に手を入れる。

引き抜く手には、ダークボールが握られていた。

 

それをこちらへ投げて渡してくる。

 

慌ててキャッチする。

 

「えっと、その子、もらってくれない?その子を適切な人に届けるのが、お使いだから。」

 

その言葉を聞き、ボールからポケモンを出してみる。

 

中から出てきたのは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

漆黒の毛に覆われた、紅眼の獣だった。

名をブウルと言うポケモン。

 

血を好んで吸い、場所を選ばずに誰彼構わず襲うポケモン。

 

 

 

そんなポケモンだ。

まぁ、このブウルは少し大人しめだが。

 

「…んじゃ、報告しに帰るよー。頑張ってねー!」

 

…何も説明を受けていない。

 

「え?あっ、ちょ…」

 

「ばいばーい」

 

 

 

…目の前から消え失せた。一瞬、空間がポリゴンのように割れた気がしたが、気のせいだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

…そんな訳で。

 

私達はブウルと一緒に残された。




ようやく筆が乗ってきた。

みんなのポケモン、ゲットじゃぞ〜!


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27 心に刻め 存在を示せ

うーん、なんか納得いかない。
でも次書きたいから、投稿!

後何気に30話達成!

…え?設定間話含めないと27話だって?

………君の様な感のいいガキは嫌いだよ。



いややっぱ嘘です戻ってきてください大好きですからあああぁぁぁぁあ!(即落ち2コマ)


…あの後、紆余曲折はあった物の、ブウルをボールに戻して旅宿に戻ることができた。

 

 

…途中、ブウルを見てビビった人なんていない。

いないのだ。

 

旅宿に帰った後、ボロボロの服を見てジョーイさんが服を強制的に買ってくれたりなんてしていないし、キガングモが伝説級のポケモンなんて言われていない。

 

 

 

 

 

 

 

…そんな風に現実逃避しながら、疲れ切った様子を見せているブウルを抱きしめながら寝た。

 

 

 

 

 

 

 

 

side???

 

…なんて身勝手なんだ。

 

我はそう思う、奴を見て。

なんなのだ。たかが人間の分際で我を従えようとは。

 

 

…そもそも、あのヘラヘラしていた人間のせいでここにいると言うのに。

 

奴はそれも知らず我を抱きしめている。

位置も悪い。首に腕を回して締め付けるように抱きしめている。

 

ハッキリ言って息苦しい。

 

 

『コレ』に抵抗して噛んでやろうかと考えたりもした。

 

…だが、こいつの時々見せるひどく寂しそうな顔を見て、その気は失せる。

 

 

こいつに何が起きたかは知らない、知りたくも無い。

こいつが呟いているものも、耳に入れたく無い。

 

 

 

 

 

…そんなのでもこいつは、少なくとも我が居なければ、この腕は風を切るだろう。そして自分を抱きしめるのだろう。

 

…そう考えると、もっと抵抗する気が出なくなった。

 

あいつは勝手に同情し、こいつは勝手に抱き枕にしてくる。

 

 

 

厄介なのは、あいつもこいつも、闇を垣間見せているところだ。

せめて、持っているなら隠せ。

 

雄々しくあれ、強くあれ。

一人でも、何人でも、それは無理なのは分かっている。

 

でも、そうしようと足掻く。

あいつは、それが出来ていた。

 

 

しかし、こいつは出来ていない。

それならば、誰かが助けてやるべきだろう。

 

 

 

…でも、誰も近づかない。

知ってるさ。誰もが面倒ごとに巻き込まれたく無いと。

 

 

それでも、誰かが行かなければ、解決しない。

それは知っている。

 

だから、今こうして抱かれているのは間違っていないだろう。

 

でも、その状況を受け入れている理由を思えば、身勝手と思ってしまうのもしょうがない。

 

 

 

 

…我は、誰に言うものでも無い言い訳を心の中で反芻し、小さい鳴き声を一声あげて、瞼を下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…これでよし。」

 

眠気が飛んでいない目を擦りながら、旅宿の前に立つ。

疲れはちゃんと飛んだが、眠気は残留している。

 

マキュリもハルキメアーもそんな様子だ。

ブウルだけ、毅然とした態度を取っている。

 

 

 

そんな異様な雰囲気のまま、ジムまで歩く。

今度は勝つ自信がある。

それに、ジムトレーナーなる人とバトルする必要があるらしいので、それを目覚ましがわりにしようと言う魂胆だ。

 

「…ん?いや、うーん、やっぱそうかな?でも接触は…まぁ、後でどうにかなるか。」

 

後ろからブツブツと呟く声が聞こえる。

そしてその後、駆け足をしたのか、カツカツと音が迫ってくる。

 

「えっと、さ。君、もしかしてジムに挑戦しているかい?」

 

声をかけられた。何事かと後ろを振り向くと、そこには真っ黒の下地に赤いRの文字が書かれた服を着た男性がいた。

 

 

…正直に言えば相当怪しいが、質問が淡白だったため、取り敢えず答えた。

 

「あ、やっぱり。…なら、これ貰ってくれない?いつか、役に立つはずだよ。」

 

すると、そう言う言葉とともに、光り輝く石がカットされたペンダントを貰った。

 

何となく、オーラを感じる。

 

「…本当はもっと良いものを上げたかったんだけど、本来接触禁止なんだよ…。一応、俺のために貰っておいてね。」

 

男性はそう言うと、帽子を被り直し、人をすり抜けるように消えていった。

 

「…なんだったのだろうな。」

 

マキュリが、ぽつりと漏らす。

その言葉に私達は勢いよく頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジムに着いた。

ネイティオの様な入り口を抜け、フェニレイドに乗った。

 

往復で乗っているためある程度慣れたのか、マキュリが顔を青くすることはなかった。

 

 

そして、先日の時とは違うところにフェニレイドは向かう。

 

そこにはだだっ広い荒野が広がっていた。

コートとは違い、舗装されていたり砂が敷かれてはいない。

 

「…来たか。」

 

私達の前でスワルーレに跨り、腕を組んでいた男性が声を発した。

ジムリーダーヘエラよりかは弱い様な気もする。

 

「まぁ説明しなくとも、ヘエラさんが説明してくれているだろう。」

 

「私はジムトレーナーバラン。…そう、記憶から外れ、忘れ去られる役の、な。」

 

彼は、バランは自重気味にそう言った。

そして、それは唐突だった。

その言葉が語られるのは。

 

 

 

 

「…少し、長い話をしても良いかい?」

 

彼はそう言い、了承を得ると同時に話し始める。

 

「…君たちジムチャレンジャーは、私達ジムトレーナーを超え、ジムリーダーとの熱き戦いを得る。そう、私達はある意味踏み台になる者の踏み台って言うこと。」

 

肩をすくめ、しょうがないと言う声色でそう言う。

 

「でも…おかしく無いか?頑張っている私達が覚えられないのは。」

 

先程とは打って変わり、怒りが含まれる複雑な感情を滲み出させる。

 

「ずっと、おかしいと思った。成長過程を見守るジムトレーナーが、記憶から消えるのが。」

 

身振り手振りをしながら、感情をぶつけてくる。

 

「でも、こうなって分かった。ジムトレーナーは、強さだけ見れば良いと、そう言われることに。」

 

ひどく残念そうに、悲しそうに声を絞り出す。

 

「だから、ジムリーダーよりもインパクトが弱い。記憶から零れ落ちる。」

 

ゴーグルの奥にかすかに見える目は、混沌とした何かが渦巻いている。

 

「…そこで、考えた。自分勝手、理不尽。そう言われようとも、ある事をすることに決めた。今から、お前達にもやってあげるぞ。」

 

「お前らが、ジムリーダーで学ぶこと。予習させてやるよ。」

 

バランはゴーグルを引きちぎり、先程の混沌とした瞳ではなく、直ぐな目でこちらを見つめる。

 

「たとえ、踏み台になる事が確定しても」

 

モンスターボールに手を掛ける。

 

「どんなに無様に負けるとしても」

 

深呼吸をし、武者震いを治める。

 

「相手が最強でも」

 

ボールのボタンを押し、臨戦態勢になる。

そして、戦いの火蓋は落とされる。

 

「俺 を 記 憶 に 刻 ん で や る よ」

 

盛大なクラウチングスタートを決め、両雄はぶつかる。

 

 

 

…それを称えるかの様に、風は吹き荒れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は上手くかけた気がしない…。
こういう表現、むずいなぁ。



ピコンピコンピコン!バラン の 死亡フラグLV が 1 上がった






それと、マキュリ・ガイアーソン・マストーン描いてくれた人が居なくなっとる…。ユーザーロスト…。

なせうさん…?どこいっちゃったの?


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28 井の中の蛙 大空を知らず

色々とありまして、更新が遅れましたが、それでも投稿できました。

完結なんてまだまだですが、それでも、完結まで進めます。
これは自分との約束。だから、遅れても…また見てくれると嬉しいです。




「お前に足りない物を、教えてやるよ。」

 

バランに跨られていたスルワーレは、空中でアクロバティックにバランを振り解く。バランはこれまたアクロバティックに着地を決める。

 

そしてバランの指示により、スルワーレがこちらへ飛来してくる。

 

「相棒、ブレイブバード。わからせてやれ。」

 

空中から一気に急降下、超低空飛行をして、マキュリへと突撃しようと向かってくる。

 

しかし、それぐらいの単調な攻撃、見飽きた。

 

「マキュリ、薙ぎ払え。」

 

スワルーレが弾き返される。

その身に水を滴らせて。

 

 

マキュリも、単調な動きには慣れた様だ。

目の前のポケモンよりか、はるかに強いスカウルスと言う奴と戦ったのだ。タイミングを分かっている。

 

「…ほぅ、単調な攻撃すら受け切れないと思ったが…。そうか、それならば、本気で潰しにかかるか。」

 

動揺の一つもせずに、落ち着いて対応をするバラン。

そしてスワルーレに次の指示を出す。

 

「スワルーレ、とんぼがえり。」

 

こちらが避ける暇も無いほどに速い一撃をマキュリに入れ、これまた速くボールへ戻る。

 

そして、バランは別のボールを手にして、出てきたのは…

 

「お前がピッタリだ、オッシャベリーナ。」

 

カラフルなとりポケモンだった。スタイリッシュで、一見ムクホークに見えなくも無い。

 

だが、耳のような部位がイヤーマフの様に膨らんでいる。

 

そして、それから連想したのは…ペラップ。

基本能力は低いが、おしゃべりという技でチャンピオンまで上り詰めることのできるポケモン。

 

使い手によっては、恐ろしく強い性能を持つ。

 

 

 

そして、ペラップは音技を使う。このポケモンは耳当てをしている。しかも、よくよく見ればカラフルな色も似ている。

 

…本当にコイツがペラップの進化系統だったらまずい。

 

「…考えるのもいいが、此方は攻めるぞ?…大人だからな。」

 

バランはそう言い、私の思考を打ち消す。

 

心配そうに見ているマキュリを見て、そんなはずは無いと首を振る。

 

「マキュリ、ハイドロポンプ!」

 

そして、1番打点のある技を指示する。

…この技で、不安も流してくれると信じて。

 

 

 

 

 

 

 

…まぁ、そんな上手くいったら苦労しない。

 

「そんな大技に何度も当たるかよ。ばくおんぱ。」

 

赤い嘴から放たれる大音声。

思わず耳を手で押さえてしまうほどの凶声が、私達を襲う。

 

「っが」

 

マキュリが足元まで吹き飛ばされてくる。

表面だった傷は無いが、内部へのダメージが大きい事はわかる。

 

しかし、かなり苦しい表情をしながらも、起き上がる。

 

「…ロンリー。そんな顔をするな。確かに、私は弱い。でも、相手一人は道連れに出来るさ。」

 

彼女はそう言い、私に耳打ちする。

 

はっきり言ってその作戦は荒唐無稽だったが、彼女を、マキュリを信じてみる。

 

「…もういい、攻めろオッシャベリーナ。ばくおんぱ。」

 

待ち切れんとばかりの攻め。その音技を前にすれば大体のものが破壊されるだろう。

 

 

 

…では逆に破壊されないものはなんだろうか。

音波で破壊する原理は、内部のものを振動させる事で、互いの分子を離れさせる。

 

だが、元々分子が離れているものがある。

それは液体だ。常々形態が変化している。

 

そしてマキュリは水を操る事ができる。

 

つまり…

 

「こういう風にドーム状に水を張れば、やり過ごす事ができる。」

 

多少音は聞こえるし水は弾け飛んでしまうが、防ぐ事が出来る。

これで、読み合いに持ち込む事が出来る。

 

バランはかなり頭が切れると見た。

そんな彼は、水が飛び散る事を目眩しと捉えるだろう。

 

つまり、ばくおんぱはノーリスクの行動では無くなる。

 

 

これは一種の賭けだったが…どうやら勝ったようだ。

 

「…チッ、上手く考えたもんだ。お前らは井の中のニョロモだが、考える力はあるようだな。」

 

顔を顰めながら、こちらを見てくる。

そして少しの間睨み合った後、オッシャベリーナに次の指示を出す。

 

「…だがな、まだお前たちはちっさい空しか知らないんだ。でかい空を見せてやる。」

 

「オッシャベリーナ、とくせいなんて超えろ。ブレイブバード!」

 

とくせい:のどじまんの効果で命中も威力も低くなった攻撃だが、そのブレイブバードには妙な迫力があった。

 

咄嗟に、避けるように命令する。

 

「…!マキュリ、避けろ!」

 

それを聞いたマキュリは、迎え撃とうと貯めた水を放棄し、回避行動を取った。

 

 

 

そして、その直後…爆音が響いた。

 

登る土煙がチラチラと舞っており、そこの周りが高温になっている事がわかる。

 

その土煙が晴れていくと…。

そこにはクレーターがあった。

 

その中で、翼についた土を払っているオッシャベリーナが健在していた。

 

 

私達はその光景に絶句した。

 

「…はっ、これぐらいで驚くなよ。チャレンジャー。俺は踏み台なんだぜ?思いっきり踏んでくれないと困るな。」

 

そして、口角を上げたバランを見て、頭に浮かんだ考えを振り解く。

 

その考えは、こちらの地方に来てから、ポケモンバトルを始めてからいつも出てしまうもの。

 

 

でも、今回は失礼とも言える。

だって…

 

 

 

あんなにも、悲しそうな目をしているのだから。

 

少なくとも、私は勝たなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、風同士はぶつかる。

定められた闘いは、果たして…

 

どちらの手に?

 

 

 

 

 

 




これを更新できたのは、応援してくれた人のおかげです。
誠に…感謝します。


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この頃あいつは…(番外編)

ま た こ い つ か


よう!俺は一般ハギギシリ!

なんか期間が空いた気がするけど、まぁいっか!

 

なーんてふざけてるけど、ほんとはピンチ。

 

 

なんか黒服でRがトレードマークの奴らに攫われた…。

 

何か時々「不確定要素」や「可能性」とかの単語が聞こえるけど、よくらからん!

 

 

だって、水槽の中からしか聞いてないし!

しょうがない!

 

 

 

まぁ、そんな訳で、不自由だけどご飯には困る事はない生活をしている。

 

つまらないけど、水槽の中でコッソリ技の練習をしているから、練度は上がっていると思う。

 

 

これでおにゃのこ助けて…なーんて思ったり。

 

 

 

…虚しい。だっでー、いまはふざけた魚なんだぜ?モテる訳無いよ〜。

 

まぁ、ハギギシリだからあの人魚たちを助けれたんだけどね。

 

 

あの時、変な剣のポケモンが来なかったら、いったいどうなっていたことやら。

 

 

 

 

 

そんなこと考えて1日を終える生活が続く。

 

暫くは、それに甘んじた。でも〜流石にこれはコタエマスネェ!

 

 

 

だから俺、脱走します。

 

…え?どうやってかって?

それは今まで散々鍛えたひかりのかべとリフレクターを使うだよ!

 

 

 

よし、こんな時のためにぃ〜こんな説明を用意してます〜。

 

 

 

えーっと、まずはひかりのかべでハギギシリの綺麗な色素を構成します。

影や光の反射を考えてやる事が大事!

 

そしてぇ、リフレクターでハギギシリの枠を構成!

それ達をガッシャンコ!化石の用にガッシャンコ!

 

ってか、化石をガッシャンコするのって普通にサイコパスじゃ…。

 

…ま、まぁいいだろう。

 

 

 

ってな訳で偽物ハギギシリが完成!

これを泳がせれば気付かれないだろう!

 

…ん?肝心の俺はどうするって?目立つから直ぐに捕まるって?

 

そんな訳無いでしょ(鼻で笑う)。

ひかりのかべで光化学迷彩を再現すればバレないって。

 

 

それに、サイコぱうわーを使って浮けば音も出ないしね!

 

アタイってば天才ね!

 

 

 

…お、研究員ぽい奴も偽物の俺を見て違和感も感じてないゾ〜。

 

これは勝ったな、風呂入ってくる!(死亡フラグ)

 

 

 

てな訳で、さいなら!

 

 

 

魚、移動中…

 

 

 

はい!と言うわけで、脱出成功!

そして〜、なんか移動が思ったよりか簡単だったから、旅に出よっかなって。

 

 

 

どこへ行こっかなぁ〜

 

あっ、ソウダ!

こんな時は安価で決めればいいんだ!

 

…え?どうやってだって?

 

 

それはこの不思議なサイコぱうわーでなんかやったら繋がっちまったぜ!

 

残念だけど写真は撮れなかったから、信じては貰えなかったけど。

でもネタスレとして、そこそこ人気はあるから、やってみる価値はあるな!

 

というわけで、安価!

 

んー、ポケモンリーグまで、最寄りのジム、海へ帰れ、地獄、こっちの世界へ戻る…

 

 

 

『人 魚 ち ゃ ん 達 を ス ト ー カ ー』

 

 

 

ふぁ?!うーん。

ちょっと、何言ってんだ!

 

あーでも、安価は絶対…。

…よし、まだ近くにいるだろうし、ぼちぼち行くか!

 

いくぜ、やっふぅー!




箸休め。続いた。


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29 空は蒼い

誠に勝手ながら、ジムトレーナーの手持ちを6から3に変えました。

眠いので、それだけ書いておきます。


「…マキュリ、行くぞ。」

 

私はそう言った。

マキュリは驚いたようにこちらを振り向くが、それを気にせずに指示を出す。

 

「ふぶきだ。」

 

戸惑いながらも、ふぶきを撃つ。

 

「…はっ、そんな技当たったら、今までで既に堕ちてたぞ。」

 

バランもそう言って、オッシャベリーナに回避行動を取らせる。

強力なふふぎは、荒野を凍りつかせるに止まった。

 

 

しかしそれでも私は命じる。

 

「もう一度ふぶきだ!」

 

マキュリは私の方を流し見、氷の力を掌に貯め、放つ。

 

そしてまた、荒野に氷が広がる。

 

「やめろ。それ以上何かできるわけじゃ無い。交代やらなんやらする事だな。」

 

もう一度、バランがそう言う。

 

それでも、それでもだ。私は抗う!

 

「マキュリ、ふぶき!」

 

…そんな私の思いが届いたのか、ふぶきに翼の端ががする。

そしてその事により、バランの堪忍袋の尾が切れた。

 

「だーっ!いくら子供とはいえ、散々舐めた真似をしやがってっ!

無駄な抵抗をしてポケモンが可哀想と思わないのかっ!

もういい!オッシャベリーナぜっきょうで破壊し尽くせ!」

 

バランは私にそう吠えてくる。

オッシャベリーナも、私にイラついていたのだろう。マキュリでは無く私の方を向きぜっきょうしてきた。

 

 

 

赤い土地に大音声が響き、私達は崩れ落ちる…かとおもわれた。

いくら破壊力が増したとはいえ音は音。対応の仕方も同じだ。

 

「マキュリ、水で覆え!」

 

水のドームが私たちを覆い、音をかろうじてやり過ごす。

あと一瞬でもマキュリが貼ってくれるのが遅かったら、地面が吹き飛ぶほどの咆哮が私たちを襲っていただろう。

 

行動は想定内とは言え、威力が想像以上だ。

気力的にも、力量的にも、チャンスは一度。

 

冷静になる前に叩きのめす。

 

「はっ、それが効かなければ直接当てるまでだ!」

 

さらに業を燃やしたのか、バランの指示の前から降下姿勢をとったオッシャベリーナ。

 

 

一人と一羽の心は同じ。

目の前のモノを粉砕する想いのみ。

 

純粋な破壊がそこにはあった。

 

 

 

 

 

…しかし、だからこそ周りが見えなくなる。

 

「マキュリ、『こおりのつぶて』だ!」

 

音速とも言える速度でこちらに迫ったオッシャベリーナ。

それが四方八方から飛んできた氷によって堕落する。

 

 

バランスが崩れて、溜めていた力が暴発。さらに抜群のこおり技により負傷。

 

流石に耐えられないだろう。

 

「…!オッシャベリーナ!…っち、そうか、『ふぶきで発生した氷を操らせた』のか。…怒らせることも込み込みで考えたとは。…末恐ろしいガキだ。」

 

バランは感心したかのような声色で悪態をつく。

その声は、いやにこの地に響いた。

 

 

そして、スワルーレと思われるボールを手に取る。

 

「はっ、しょうがねぇ。それでも戦わなきゃいけない仕事に就いてるんだ。最後までやってやるよ。」

 

諦め気味にそう言い、ボタンに人差し指をかけ、投擲の姿勢に入る。

 

…戦いは次のステップへと変化しようとしていた。

私達は撃破したと、撃破されたと思っていた。もう立ち上がらないだろうと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

でも、そんな中1人起き上がった漢が居た。

 

 

 

 

 

 

 

 

カラフルな体毛は煤けて、自慢の青色の嘴は濁れど、闘志を失っていない瞳を持つ…そんな漢が。

 

翼を広げ、俺を倒してから行け!と言わんばかりに吠える。

 

「お、お前…。」

 

目を見開き、驚きの眼差しで皆がオッシャベリーナを見る。

 

その一鳥の周りには、心なしか風が巻いている気がした。

 

「…そんなに、か。…そうか、そうだよな。俺が諦めるなんて、情けない話だ。最後まで、抗わなければな。」

 

そう呟き、持ったモンスターボールを腰に再度つける。

 

そして、今まで手につけようともしなかった、煤けたハイパーボールを手に取る。

 

遠目から見ても、年季の入ったモノだとわかる。

 

「…オッシャベリーナ、もういいぜ。お前のお陰で腹が据わった。あとは俺とコイツでやる。休め。」

 

そう言われると、ふっ、と目の前から消え、モンスターボールに戻って行く。

 

オッシャベリーナの顔は、何処か満足そうな表情だった。

 

「…すまんな。最初は二体だけで戦うつもりだったんだがな…。これからはコイツ一体だけで闘わせてもらうぜ。」

 

悲しそうな感情は一切見えなくなり、ギラついた気持ちが私を襲う。

怯む私なんか見えてないように、空を見上げる。

 

「風は、縛られないんだ。ようやくわかった。だから、縛りなんて捨てて…行ってやるよ。」

 

よく見えなかった瞳は、今でははっきり捉える事ができる。

私たちを見下ろす蒼い瞳は、ひどく綺麗なものに見えた。

 

「…自由にいくさ、久しぶりの帰還を見せつけるぞ、ウズマッド。」

 

放り投げられたボールから繰り出されるは、小さなとりポケモン。

今までよりかは弱く見える。

 

…だが、覇気は目に見える形で滲み出ている。

 

「…マキュリ。」

 

私が言う。

 

「…ああ。」

 

マキュリが返す。

 

私達は、相手へと構える。

 

 

明らかな格上。でも何故か…力が溢れてくる。

私達の想いは一つ。勝利を掴むこと。

そんな私達は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「負ける気など、微塵もない!」」」



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30 定石なんて既に消えた

本当の三十話目、達成〜
実感はないけど…これから頑張っていく気概を出せる称号だと思…う?

あと評価が増えてうれちい。
投票してくれたって事はこれからに期待してるか、興味を持ってくれたって事だし、評価して貰えるだけ幸せ者だな私は。

文も構成もガバガバだけど、そんな中待ってくれて、読んでくれる読者さん…好き(告白)





本気になった彼らの姿は、自由。その一言に尽きる。

ウズマッドとバランは、縦横無尽に戦場を駆け巡り、技を当ててくる。

 

「なーに考え事してんだアホ、お前はそんなタマじゃ無いんだろ?」

 

口角を上げながら、マッドショットを確実に当てられる。

本来ここで思考など、しない方が良いだろう。

 

だが、彼らは何にも囚われていない。

 

こちらも、囚われる必要はない。

 

 

…取り敢えず、マキュリでの突破は無理そうだ。

ふぶきなんてもっての外。バブルこうせんだって掠りもしないだろう。

 

マキュリには悪いが…行動に慣れるための犠牲となってもらうしか無いようだ。

 

「…すまないが、マキュリ。」

 

私の声に反応して、泥だらけの顔を振り向かせる。

その顔には覚悟の決まった瞳が並んでいた。

 

「なんだ、今更だな。私から付いてきたのだから、心配する事はないさ。好きなだけこき使ってくれ!」

 

そうマキュリが言い放つ。それと同時に、いつの間にか見守ってくれていたウズマッドが鳴く。

 

「…相棒と、勝利への契りを終わらせたか?…礼はいい、もう一度…はじめようか!」

 

言い終わると臨戦態勢を解き、そのまま地面を抉り、マッドショットを撃ち出す。

 

泥により素早さはさらに下がり、度重なるダメージで動きが鈍くなる。

それでもなお、マキュリは立っていた。

 

「まだ、立っていられるか。…長く苦しめる趣味は無い。一撃で決める。」

 

飛べない小さな羽を光らせ、力を溜めている。

今攻撃しても、泥の鎧によって攻撃が受け切られてしまう。

 

それと同時にこちらが隙を晒すため、この時間は甘んじて受け入れるしか無いようだ。

 

「…はぁ、攻撃無しか。せっかくだから、カウンターみたいな事を決めたかったんだがな。まぁいい。ウズマッド…いや、相棒。チャージは十分だ、いけ!」

 

バランが声を上げ、ウズマッドが応える…そこには理想の関係があった。

2人の間には、信頼が有った。確かにそこに。

 

…だが、こちらも負けていられない。たとえ足掻きだとわかっていても、私達は抵抗する。

 

「ゴッドバード!」

 

目に捉える事すら出来ない素早さで、ウズマッドが飛来してくる。

瞬きした後には、既に当たる直前。

 

出そうと思っていた命令を出す間もなく、マキュリに蒼く輝く翼が命中する。

 

 

 

…しかし、マキュリ確かに、私に応えてくれた。

 

「…なんだと?!」

 

ウズマッドの翼が当たる寸前、多重に命中するバブルこうせんを手元に出し、まさにカウンターの様な攻撃を決めたのだ!

 

そして水が付着し、泥が崩れ、泥の濃度が低くなった。

これは、泥の鎧の硬度を下げる事が出来たと見ていいだろう。

 

 

とてつもない大活躍だが、ゴッドバードをモロに食らってしまったマキュリは…

 

「………ぐっ。」

 

苦悶の声を一つあげて、地に倒れ伏した。

それを見て、心を締め付けられる…が、私はここで終われない。

 

ここまでマキュリが託してくれたのだ。私がオタオタしてたら格好がつかないだろう。

 

「…ありがとう、マキュリ。休んでくれ。」

 

ポケモンセンターで買った、借り捕獲用モンスターボールにマキュリを戻す。

特殊なボールだが、ゆっくり休んで欲しい。

 

 

 

そして、次に私が出すポケモンは…

 

 

 

やれやれといった顔で起き上がってきた、ブウル。

自分から来てくれるならば、頼る他ない。

 

実力は未知数だが、後2回進化を残している事は知っている。

それでもそれが弱いかといえば、そうでは無いだろう。

 

 

…そんな期待をかけて、ブウルを見つめる。

 

正直、技もわかっていない。

でも、それでもトレーナーなら信じるべきだ。

 

「…何故、とは聞かない。…助けてくれてありがとう。」

 

そう語りかけると、荒い鼻息で返された。

尻尾を振り払い、酷く不機嫌そうな顔をしてこちらを一瞥する。

 

そして、眉をひそめたかの様な表情しゆっくりと前を向く。

…血のような紅く暗い目で相手を睨む。

 

 

その仕草は、一流のハンターのものだった。

獲物に狙いを定め、今にも襲いかかる様な、そんな仕草。

 

トレーナーの私ですら怖気付いてしまう、あまさにもおぞましいものだった…が。

 

 

 

相手は、そんなの見飽きていたのだろう。

 

言動を少し振り返るだけでわかる。彼らがどれだけ壁に当たったのか。それを超える時にどれだけの傷を負ったのかを。

 

その際に受けた恐怖など、今の比では無いだろう。

 

「…いいぜ、その根性。それが無いと格上には勝てないさ。

(…ああ、そうか。これが…こっち側の、モノか)」

 

ひどく満足そうに、懐かしそうにこちらへ笑いかけてくる。

その姿は戦う前の彼とは違った。

 

彼を縛っているものは、何も無い。

 

そんな姿を見て、私も胸が軽くなる。

これでもう、私を縛るものはない。

 

最後の縛りは無くなり…

 

 

 

私は自由になった。

 

「ブウル、あくのはどう!」

 

「相棒!マッドピラー!」

 

思考するのをやめ、意識を落とす。

そこには、確かに彼らとの繋がりがあった。

 

私は、それを大事に握りしめる。

…かすかに、いや…確固たる意志で、それに応えたくれた。

 

「ブウル!あくのはどう、きゅうけつ!その次にらみつけて怯ませろ!」

 

「相棒、特殊技を正面から突破!牙を流して、マッドショットで目潰しだ!」

 

私と彼との間にあった壁は、既に無い。

感覚が混じり合い、私達は一つになった。

 

言葉を出さ無くとも、指示がわかる。

口頭に出したもの、それは飾り。私達を美しく飾るための物。

 

「みがわりを盾に、相手の喉元へ食らいつけぇぇぇえ!」

 

「断固として拒否する!相棒、マッドピラーをトラップに!来たらはがねのつばさだぁぁぁあ!」

 

私達は吠えた。

相手へ、一心に向かう。

 

目の前に土色のトゲが生えかろうと、鋼色の翼が振り払われようと、私は、我は、止まらん!

 

「いけぇぇぇぇぇぇぇえ!」

 

「くらいやがれぇぇぇえ!」

 

絶叫が戦場に響く。

はや過ぎるこの戦いの、勝者に導かれたのは…。

 

「…!勝っ、た?勝った。…勝ったぞ!勝ったぞー!」

 

一瞬の間かち合い、通り過ぎた時に倒れ伏したのはウズマッド。

それを見て、強い喜びが込み上げてくる。今まで勝った2回よりか、遥かに大きい達成感が湧いた。

 

まるで自分が倒したかのように、ブウルと全身で喜びを表した。

 

腰につけたマキュリのボールも、心なしか震えている。

肩に乗っているハルキメアーもテレパシーで喜びの声を上げている。

 

「…ああ。俺、負けたのか。」

 

低い声が荒野に響く。

仲間を見ていた私は振り向き、バランの方を見る。

 

…その時、風が私の横顔を凪いだ。

それは、暑さを孕んだ風では無く、台風一過の様な澄んで清涼な風であった。

 

「…でも、今までとは違って…そう、やりきれない思いが湧いてくることはない。」

 

バランは遥か遠くの空を見上げていた。

瞳には、蒼が輝いていて。

 

「…俺たち、やり直そう。目指したものは…この風だ、空だ。それを忘れて…何がジムトレーナーだ。」

 

くすりと笑い、目を細める。

言葉をとうとうと吐き出す彼は、一寸の迷いもなく次の言葉を心からさらけだす。

 

「また、旅へ出ようか。俺たちを見つけ直そう。在り方を。」

 

そこまで言って、バランは息をゆっくり吐いた。

それと同時に目を閉じて…また開く。

 

「それを教えてくれるきっかけになったのは、少なくとも君たちだ。…その事について、本当にありがとう。」

 

綺麗なお辞儀を私達へ向け、腰を折る。

あげた顔は少し照れていた。

 

「…君達に、色々と礼を言いたいが…チャレンジャーに押し付けるのも酷だ。だから、一つのアドバイス。…と言ってもいらんかもしれないがな。」

 

「君は、風だ。自由に生きて、自由に世界を回る。そして、この世界を回すんだ。

この地方にとって、君は新風だ。凝り固まった、この土地にとって。

ここには、俺みたいなヤツが沢山いる。

だから…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここで止まるな。何を言われても。君は風なんだ、世界を回すんだ。澱むな、風よ。」

 

私の目を見つめ、語りかけてくる。

 

「君は自由なんだ。何にも縛られる必要はないさ。君は…『風だから』。」

 

 

 

 



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