「黒の剣士」と「緑の戦士」と「幼馴染」の協奏曲 (ルコルン)
しおりを挟む

キャラ&武器紹介

アインクラッド編完結記念。
オリ主+オリ武器の紹介場所です。
設定が増え次第増やしていきます。
本編に書かない裏設定などネタバレを含むので、最新話まで読み切ってから見ることをお勧めします。
2022/1/23フェアリーダンス編の設定追加


成宮 流己/ルッコ

 

性別:男性

年齢:SAOクリア時(2024/11/7の時)14歳

在籍校:羽丘学園 1年A組

身長:169.7cm

体重:60.3kg

誕生日:3月16日

星座:うお座

血液型:B型

好きなもの:抹茶系の食べ物、楽しい事

嫌いなもの:マウントを取ってくる人、英語、垂直跳び

得意なもの:家事全般、縄跳び

苦手なもの:人付き合い、シャトルラン

趣味:音ゲー、写真撮影

 

容姿

茶色いショートヘアー、暗めの赤色と藍色のオッドアイ、男の人っぽくない白い肌。

 

交友関係は狭く深くって感じで、陽キャでもないし陰キャでもない中立の人。

 

性格

超がつくほどの几帳面であり、初対面の人と話す時は心臓バックバクになる。(ゲームの中のチャットは例外)

校則などのルールは守る側の人。

ただし、音ゲーをしていると目が本気モードになるらしい。(キリト談)

基本は温厚な性格を持ち、助けを求めてる人にはすぐに手をさし伸ばす。しかし、その性格のせいでよくトラブルごとに巻き込まれる。

ほとんどキレる事はないのだが、キレた場合は人が変わったと思うくらい怒るとかなんとか。(キリト談)

 

学校の成績はトップレベルに良い(学年順位が1桁、クラス順位1位)

 

SAOでのステータス(主要な部分のみ)

Lv 96、HP 16382、STR 19860、AGI 23192

 

SAOでの所持スキル

曲刀《1000》、刀《1000》、短剣《1000》、両手剣《318》、暗殺者《872》、遠投《783》、バトルヒーリング《1000》、料理《1000》、鍛治《736》

 

今作の主人公的ポジションの人。メインウェポンは短剣、サブウェポンは刀。ごく稀に両手剣。

先行販売の時に運よく購入できた豪運の持ち主でもある。

キリト、アスナ、それにAfterglowの皆と出会い、共に行動している。

見聞きしたものや読んだものを1回で覚え、見たもの読んだものと違う部分を発見する能力がとても高い。

いじめられたり、立て籠もり犯に両親を殺されたりした壮絶な過去を持つ。

死別した両親は、2人とも音楽関係の仕事に従事していたので、歌うことにはまったり、吹奏楽でホルンを吹いていたこともある。

現実世界では、1人暮らしなこともあり、ゲーム内ではあまりとっている人が少ない料理スキルを習得している。

Aftergrowのメンバー全員と生きて帰ることを約束している。

一応ボスレイドの指揮もできるが、とても荒い指示しかできない。しかし、的確なため従わざる負えないのだという。

 

ALO(フェアリーダンス編)の最終ステータス

HP16832、MP2000、STR19200、AGI23891

 

使った武器

小太刀(初期装備の刀)、グランイーター、ブラックプレート(キリトの片手剣)

 

ALOの中ではシルフだが、SAOの頃みたいに鍛冶をしていることもある。

また、作中では暗視魔法、巨大化魔法を使っている。

 

呼び方:基本的に、年上の人には苗字+さん。同年代男子や年下の男子は下の名前。同年代女子や下級生の女子は人による。

主要な人の呼び方(現実/ゲーム内)

蘭/ラン

モカ/モカ

ひまり、ひーちゃん/ヒマリ

巴/トモエ

つぐ/ツグ

和人/キリト

明日奈さん/アスナさん

里香さん/リズさん

珪子/シリカ

エギルさん/エギルさん

遼太郎さん/クラインさん

 

フェアリーダンス編での追加した呼び方

直葉ちゃん/リーファ

 

オリ主の呼ばれ方。(現実/ゲーム内)

蘭→流己/ルッコ

モカ→るー君/ルー君

ひまり→流己君/ルッコ君

巴→流己/ルッコ

つぐみ→流己くん/ルッコくん

キリト→流己/ルッコ

アスナ→流己君/ルッコ君

リズ→流己/ルッコ

シリカ→流己さん/ルッコさん

エギル→流己/ルッコ

クライン→流己/ルッコ,ルーの字

 

フェアリーダンス編で追加した呼ばれ方

リーファ→流己君/ルッコくん

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ここからはオリ武器の詳細

片手剣《グランイーター》

ダークリパルサーほどの刀身を持ち、白を基調とした薄緑が全体を覆っている両刃剣。作った本人は片手剣スキルを所持していないので、キリトの剣になにか異変が起きた時用に作っていた最終兵器。

ステータス的には、STRとAGIに特化した剣で意外と重めで、クリティカル率も高め。

元ネタはなし。




こんなものですかね。
設定作るのって意外と大変なんですね(( ̄▽ ̄;;)ア、ハハハハ…
後々呼び方など追加していきます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

≪アインクラッド編≫
1話:出会いと異変


今回からこの小説を書かせていただきますルコルンです。
この小説は、ソードアート・オンラインを原作とし、いろいろ原作の設定を改変していく可能性がございます。
そして、BanG Dream!のAfterglowの5人が出てきます。なんというか、見切り発車で始めたソードアート・オンライン×BanG Dream!という一体何番煎じなのかはわからないですが、頑張って綴っていきたいと思います。
それでは、本編へ……Go!!



 

「やっとこの日が来たな。そろそろ起動しなきゃな」

 

昼食を食べ終えた俺こと成宮流己(なるみやるい)はいつの間にかこうつぶやいていた。

今の時刻は午後12時30分の少し前くらい。昼食で使った道具や食器を洗い物を始めないと、とあるゲームのスタートに間に合わなくなると思った俺は、急いで洗い物を終え冷蔵庫の中の物を確認し、今日の夕食を作るぐらいの食材があることを確認した後に、自分の部屋に戻る。

とあるゲームというものは、今話題沸騰中の「ソードアート・オンライン」通称「SAO」というVRMMORPGというジャンルのゲームなのである。残念なことに俺は、βテストに当選しなかったので先行販売で購入したものなのである。誰に話してるんだこれ?そんなことを思っていると、時刻は、12時50分を超えていた。

 

「これはやばい、早くどうして初期設定とキャラメイクをしないと」と思っていた俺はナーヴギアを頭にかぶり、こう宣言する

 

「リンク・スタート」

 

ちなみに「ナーヴギア」とは「ソードアート・オンライン」を遊ぶためのゲームハードで、頭を覆い脳そのものに直接接続することで、使用者の脳に直接情報を送り込む。これを「フルダイブ」と表現するらしい。しかも、脳から体に伝わる信号は全て遮断・回収しているらしい。

 

さっきから「らしい」って言っているなって思ったそこの君。初めてこの「ナーヴギア」を使って何かしらゲームをするのは、これが初なので色々調べたんです。

 

その直後、「新規アカウントを作成します。容姿を選択してください。」と、画面と鏡が目の前に出てきたので、キャラクリエイトをすることにしようと思ったが、時間がなかったので性別だけ男性に固定してランダムクリエイトを5回連打して出てきたアバターを選択した。

 

その直後に、「名前を入力してください」と出てきて、俺は「Rukko」と入力した。

「その直後これで初期設定を終了します。それでは、ソードアート・オンラインの世界をお楽しみください」と出てきた後に視界が真っ白になったので反射的に目を閉じてしまった。

 

人の声がしたので目を開けると、ゲームスタート地点の「始まりの町」に降り立っていた。俺はすぐに右手を握ろうと右手に力を入れると、右手を握れたのでここは現実かと戸惑ってしまったが、すぐに記憶を思い出しここが「SAO」の世界の中なのかと感心してしまったのはここだけの話にしておこう。

 

「さて、とりあえず武器を買ってフィールドに出てみるか」

 

ということで、武器屋を探そうとしたとき

 

「すみませ~ん。ここの近くにある武器屋知りませんか~」

 

と聞かれてしまった。しかも、女子高生くらいの子に。どうしたもんかと考えていると、後ろから

 

「ひーちゃん。この人困ってるよ」

 

「ひーちゃんの行動力は凄まじいんだから」

 

「待ってよひーちゃん」

 

「ごめんなさい。今少しお時間大丈夫ですか?」

 

遅れてきた4人の女子が順に語り掛けてきたので、俺は

 

「今は時間大丈夫だよ~でもごめんね。俺もこの場所に初めて来たんだよ」

 

と無意識のうちに言っていた。まぁ嘘は言っていないからこれで引いてくれると思ったのだが

 

「お兄さんもですか?私たちも一緒でついさっきこの世界にログインしたんですよ」

 

最初に話しかけてきた子がこう続ける

 

「じゃあ一緒に武器屋を探しませんか」

 

俺はすごく間抜けな声を出しかけたのをぐっとこらえ、後ろの4人も驚き、少し固まっていた後にその中の一人が

 

「すみません。いきなりこんなこと言って。お話聞いてくれてありがとうございます」

 

と言って立ち去ろうとしたとき

 

「遅いぞ~まったくお前は」

 

という声が聞こえて、俺は後ろを振り向くと、そこに見知らぬ人がいたので、俺はふと......

 

「すみません。どちら様でしょうか」

 

と聞いてすぐに俺の耳元で

 

「お前の幼馴染の桐ケ谷和人だぞ」

 

と言った。そこで俺は頭をフル回転し、思い出した。そういえば和人に誘われて始めたんだった。そこでその人の耳元で

 

「お前が和人か」

 

と聞くと相手から

 

「そうだが、ここではキリトと呼んでくれ。逆に聞くが、お前こそ流己なのか」

 

と聞かれたので

 

「そうだ。あとこの世界での俺の名前はルッコと呼んでくれ」

 

と伝えたときに彼女たちを置いていっていることを思い出したので、彼女たちに

 

「ちょっと待っててくれ。すぐ戻ってくる」

 

と言ってキリトと彼女たちと離れてこう尋ねる

 

「お前βテスターだろ。俺たちに武器屋の場所や戦い方をレクチャーしてくれないか」

 

「別にいいが、お前何か言いかけてたんじゃないのか」

 

「お前を探す口述のために、あの場から立ち去ろうとしていたんだ。でも、キリト探す必要がなくなったからこれでいいんだ」

 

と言って2人で彼女たちの場所に戻り、俺は

 

「お待たせ。この人が知っているからこの人も一緒に連れて行ってもいい」

 

と聞いたら、彼女たちは話し合い最初に聞いてきた子が

 

「ありがとうございます。ではお願いしますね」

 

といったので、俺たちは一安心して武器屋に歩みを進めた。その間に、俺たちはお互いに自己紹介をし、彼女たち5人+キリトとフレンドになった。因みに、キリトは俺以外の人とフレンド登録をしなかった。

 

因みに、最初に話しかけてきた子がひーちゃんこと「ヒマリ」その後に話しかけてきた子たちが、「トモエ」,「ラン」,「モカ」,「ツグミ」という子である。

 

俺たち7人は、武器屋に行って「キリト」「トモエ」「ラン」が片手剣を、「ヒマリ」「モカ」「ツグミ」が細剣を、俺はしっくりしたものがなく少し悩んだが素早さ重視にしたいなってキャラ育成の方針が決まっていたため、短剣にした。

 

武器やポーションなどの必要最低限の物を買ったのでフィールドに出て戦い方を教えてもらっている。その最中にキリトは赤いバンダナを巻いたクラインさんという人と出会い、フレンド登録をした(俺だけ)そしてクラインさんを含め俺とキリト以外のレベルが3上がった。俺とキリトは5レベルも上がっていた。

 

これまで集中して外の景色や時間を見ていなかったが、クラインさんが「もう5時か」といったことに気づいて周りを見ると、きれいな夕焼け空になっていた。その景色に見とれていたら、急にクラインさんが「俺5時半にピザのデリバリーを頼んでいるからな」と隣にいる俺に向かって言ってきたので「そうですか。じゃあなんかあったら声かけてください」とクラインさんに声をかけ、ログアウトするのを見守っていたら突然

 

「ありゃ。ログアウトボタンがないぞ」

 

そんなことはないと思ったので、すぐにシステムウィンドウを開き一番下にある「ログアウト」ボタンがないことに気づき

 

「ほんとに無いですね。クラインさんは一応GMコールをしといてください。キリトに相談してきます」

 

「おう、わかった。反応がなかったらそっち行くわ」

 

「お願いしますね」

 

そういう話をした後すぐにキリトのもとに行くと、キリトも気づいているのかこう聞かれた。

 

「お前もログアウトボタンがないのか」

 

「そうだな。因みに、クラインさんのとこにもなかった」

 

「マジか。こっちもツグミやランからログアウトボタンがないって聞いて慌てて自分のも見て確認したけどなくて相談しに行こうと思ったところだ。」

 

「そうだったのか。これはもしかして」

 

「全員のログアウトボタンがないのか(だろうか)」

 

その時、キリトやクラインさんに青い光が出てきていた。そうこうしているうちに、俺の体にもそれは現れ、少し遠くにいるヒマリやラン,トモエやモカ,そしてツグミの体にも青い光が現れ、そして俺以外の人が順に青い光に呑まれて消え、俺も青い光に呑まれてしまった。

 

 

目を開けると、そこは「始まりの町」にいていたが、光景が異質すぎた。なぜなら、この「始まりの町」の中には、今このゲームにログインしているのであろう約10000人の人がところ狭しと並んでいる光景を目の当たりにしてしまったからだ。

 

 




今回はここまで。GM出せなかった
初めて書いたので書き方がまずいとかあったら教えてほしいです。因みにソードアートオンラインのほうを原作としますが、BanGDreamのほうで出てくる方は、そちらのほうの人間設定になります。ヒロインは誰になるでしょうね~( ´∀` )。一応考えておりますゆえ気長にお待ちくださいませ。
週1から月1以内に投稿したいと考えています(夏休みや冬休みは例外といたします)。
ではまた次回お楽しみに!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

2話:この世界の本当の姿と8人の考え

こんにちわ。ルコルンです
昨日初投稿なのにもうお気に入りがついているのか。お気に入りをつけてくれた「バヤシ」様「アクルカ」様、本当にありがとうございます。拙い文章だと思うんですけど、これからも読んでいただけると幸いです。
前置きはこの辺にして、本編へ……Go!!


「なんなんだこれは。もしかしてあの青い光は強制転移のエフェクトで、今ログインしている人全員がこの街にいるのだろうか。」

 

と考えが少し言葉に出ていたのだろう。俺に向かって

 

「そんなにぶつぶつ言って、どうしたんですか~」

 

と聞こえてきた。後ろを振り返らずともわかるこの間延びした声が「モカ」そのものであったので

 

「そんなにぶつぶつ言ってたか、モカ」

 

「後ろを見ずによく分かりましたね~。まぁ、あたしだけじゃなく皆もいますよ」

 

「マジですか。それ」

 

と言って振りかえるとそこには

 

「「「「( ̄∇ ̄;)ハッハッハ(苦笑)」」」」

 

という顔で立っていたので俺はすぐに

 

「すまん。昔から考え事をすると周りに人がいようとも声に出てしまうんだ。」

 

といった。これから変な目で見られるのだろうと思っていたが

 

「そうなんですね。でも、考え事をしているときにぶつぶつ言ってしまうのは、そのことを必死に考えていると捉えられると思いますよ(`・ω・´)b」

 

「「「「そうですよ!」」」」

 

と言ってくれた。俺の脳内で「ツグミ=天使」と「残りの4人=優しい」という方程式が成り立っていたのは言うまでもないだろう。

 

ここに居ない、しかも「俺が知っている」という人は、キリトとクラインさんの2人だろう。すぐにクラインさんにメールを(ノ・ω・)ノオオオォォォ-送っていた。すると

 

「俺はキリトといるぜ( ー`дー´)キリッそっちにあの5人いないか」

 

と来たのですぐに

 

「いますよ。合流したいですけど、この人混みの中動くのは大変なので、この集まりが終わったら少しだけ待っててくれませんか。キリトも含めで話をしたいので、キリトがこの街から出ようとしたら全力で止めてください。お願いします。」

 

と送ったらすぐに

 

「了解!またなんかお礼しろよ」

 

と返信が来たので

 

「分かりました。ではまた後程」

 

と送信が終わったときに空が真っ赤に染まり、赤いローブに身を包んだ人が出てきた。多分ゲームマスターだろうと推測した俺は後ろにいた5人に

 

「多分これから説明が入るからしっかり聞いとけよ」

 

とだけ伝え話を聞く体勢に入った。

 

「プレーヤーの諸君。私の世界へようこそ。

 

私の名前は茅場。晶彦。今やこの世界をコントロールできる唯一の人間だ」

 

「マジかよ」

 

「プレイヤー諸君は、既にメインメニューからログアウトボタンが消えていることに気づいていると思うが、これは不具合ではなく≪ソードアート・オンライン≫本来の使用である」

 

「だろうな」

 

「諸君は今後この城の頂を極めるまで、このゲームからログアウトすることができない

 

また、外部の人間によってナーヴギアの停止・解除を試みられた場合、ナーヴギアが諸君の脳を破壊する」

 

「そんなことできるわけが」

 

「できるんだなこれが。最新技術といっても原理は電子レンジと一緒。火力があれば脳を蒸し焼きにできる」

 

「じゃあ、電源コードをいきなり抜けば…」

 

「多分無駄だろうな。ナーヴギアはとてつもなく重い。だから本体の中にバッテリーが内蔵されているはずだ。多分3,4割くらいだろう」

 

「そ、そんな…」

 

「瞬間停電が起きたらどうなるの。みんな死んじゃうよ」

 

「そうだな。でも、それは想定内のことだろう。だから正確な情報伝えるはずだ」

 

「正確には10分間の外部電電遮断、2時間のネットワーク回線切断、ナーヴギア本体のロック解除、分解、破壊のいずれかによって脳破壊シークエンスが実行される

 

現時点で213名の方がプレイヤーがアインクラッド及び現実世界から永久追放している」

 

「なっ。そんなにも亡くなっていたのか」

 

「さらに、≪ソードアート・オンライン≫はもうただのゲームではない。もう一つの現実となる。

 

あらゆる蘇生手段は今後機能しない。

 

HPがゼロになった瞬間、諸君のアバターは永久に消滅し、ナーヴギアによって破壊される」

 

俺たちに助かる手段はあるのか。あるとしたらただ一つ、それは「アインクラッドの100層に待ち構えるボスを倒す」これ以外ないだろう。茅場も同じようなことを言い放っていた。

 

多くのプレイヤーは黙り込み、少しづつどよめきが広まっていった。それを狙ったかのように茅場はこう話を続けた。

 

「最後に諸君にこれが現実である証拠を見せよう

 

アイテムストレージに私からのプレゼントが入っている。確認したまえ」

 

アイテムストレージに「手鏡」が入っていた。オブジェクト化し鏡を覗くとこの世界の自分の姿が映っていた「これがどうかしたんだろうか」と考えていると、急に白い光が体を包み込んだ。

 

2,3秒経ち光が消えた。何が起こったのだろうと自分の手鏡を覗くと、そこには

 

茶色い髪、左右色が違うオッドアイみたいな目、女子みたいな白い肌。

 

そして、ちょっとだけ低い身長。これはまさしく”現実世界”の俺だった。

 

ふと後ろを向くと、俺の知っている5人ではなく、見知らぬ5人がいた。

 

俺は恐る恐る

 

「あの、あなたたちはランさんたちでよろしいでしょうか」

 

「そうですけど。っていうことはあなたはルッコさんですか」

 

「そうだ。この話が終わったらほかの4人にここから動かないでほしいって伝えてくれ」

 

「分かった。今伝えに行ってくる」

 

「頼んだ」

 

俺はゲームマスターを、いや茅場晶彦のほうを見た。なぜこんなことをしたのだろうかと考えていたら奴の口が動いた。

 

「諸君は、何故こんなことをしたのかと思っているだろう。

 

大規模なテロや身代金目的ではない

 

私の目標はすでに達成している。

 

この状況こそが私の最終目標なのだ。

 

以上で≪ソードアート・オンライン≫の正式チュートリアルを終了する。

 

健闘を祈る」

 

そういって奴は空に同化していくように消えた。

 

少しの静寂の後、広場に絶叫が響いた。

 

プレイヤーは怒鳴り、わめき、悲鳴を上げていた。彼女たちも例外ではない

 

「このままクリアできなかったら、一生現実に戻れないの?」

 

「お父さん、お母さん、助けて」

 

「このまま死ぬとか絶対に嫌だからな」

 

「本当に言ってるの?」

 

「嘘だと言ってよ」

 

これは連れていっけないなと思った俺は、近くにいたランに

 

「さっき言った言葉覚えてるな。それを全員に伝えてこの広場の噴水近くにいててくれ」

 

「どこか行くの?」

 

「少しやぶ用にな」

 

「分かった。絶対に戻ってきてよ」

 

「了解。んじゃ行ってくる」

 

といって別れ、クラインの居場所をフレンドリストから探し急いで向かうと、そこにはキリトもいた。すると

 

「んじゃ全員揃ったな、話していいぞキリト」

 

「待て待て(-_-;)話が見えないんだが」

 

「俺がクラインさんに話してキリトを取り押さえてもらったんだよ。ナイスですクラインさん(`・ω・´)b」

 

「それはわかった。あの5人は?」

 

「あの5人なら気持ちの整理をしてる。それでキリト、お前何も言わずに外に出ようとしたな」

 

「なぜわかった(-_-;)」

 

「お前はそういうやつっていうことは分かりきってるのでね」

 

「やっぱお前にはかなわんわ。俺一人じゃ全員の育成はできないと思ってクラインが近くにいたからそう話したんだよ。そしたら”俺はダチと一緒にログインしてるからそいつらは見捨てれない”って言ったんだ。お前はどうする?って言ってもわかるが」

 

「分かるなら聞くなよ。俺もあの子たちが見捨てれない。あのままじゃどうにもならないからな。」

 

「そうだよな」

 

「そこで相談なんだが、キリトはソロでもいいが、彼女たちの相談相手になってくれないか?」

 

「そんなもんんでいいのか?なんならお前の相談相手にもなってやるよ」

 

「後、悩み事や相談事を1人で抱え込まないこと」

 

「了解(`・ω・´)b」

 

「行ってこいキリト。くれぐれも死ぬなよ」

 

「お前もな」

 

クラインさんも含めた3人は、お互いの拳を合わせた。その後キリトとクラインさんは、自分たちの向かう場所に向かっていった。俺も噴水の場所に戻った。

 

そこで見た光景は、なんと、初めて会った5人に戻っていた(精神的な面でだからな。外見は全く違うぞw)

 

俺に気づいたランは

 

「ルッコ遅いよ」

 

「すまんすまん。それより気持ちは落ち着いたか?」

 

「おかげさまで全員落ち着いたよ。ありがと。

 

改めて紹介するよ。銀髪の子がモカ」

 

「モカで~す。改めてよろしく~」

 

「次に、ピンク髪の子がヒマリ」

 

「ヒマリです。宜しくね」

 

「次、少し男勝りな子がトモエ」

 

「ラン、そんなこと言うなよな。改めてトモエだ。これからよろしく!」

 

「最後に、少し幼そうな子がツグミ」

 

「ツグミです。宜しくお願いしますね。」

 

「んじゃみんな自己紹介してくれたから俺もしようかな。

 

俺はルッコ。これからよろしくな」

 

「「「「「よろしく(ね)」」」」」

 

「これから5人ともどうするの?」

 

「私たちは取り合えずキリトさんに教えてもらった技を駆使してクリアを目指します」

 

「そっかぁ。じゃあ、俺もそのパーティーに入れてくれやん?」

 

「えっ」

 

5人とも固まってしまっていたw

 

そりゃそうだよな。だって女の子5人のパーティーに男が入るんだもんな(-_-;)

 

でも俺は本気だった。なぜなら

 

「無理なら無理でいいんだが、一人でも多いほうがいろいろやれること多いと思うし、デスゲームだからこそ、女の子5人だけのパーティーで強敵にあったらやばいと思うのだけど」

 

と言ってみたら

 

「いいんじゃない?確かに人手が多いほうがやれることが増えるのは事実だと思うし。」

 

「「「「賛成(です)」」」」

 

「ありがとう。」

 

という訳で幼馴染の5人+デスゲームで初めて知り合った男1人というパーティーが完成した。




今回はここまで。思ったよりも長くなってしまったし、主人公がハーレムっぽくなっている気がするけど気のせいでしょう。
前回と同様にここの書き方がまずいと思ったら教えてほしいですし、感想や評価もどしどし送ってくれると助かります。
また、「オリ主の設定を出してほしい」という要望が出てきたら、幕間の話として出していきたいと思います。
ではまた次回お楽しみに!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

3話:後の「閃光」さんとの出会い

こんにちは!ルコルンです。お気に入りにしてくれた人がまた増えたヾ(o´∀`o)ノワァーィ♪
今回はとある原作キャラと解釈します。
ハイペースな気もしますが、読んでくれている皆さんに感謝しながら綴っていきたいと思います。
今まで基本オリ主視点でしたが、今回は別の人から見た部分があるので、これからの話で視点が変更した場合は、side○○とします。しかし、話の始めはオリ主視点が基本なので、話の始めには基本side○○は出しませんのであしからず。
それでは、本編へ……Go!


俺たちが6人パーティーになって2週間が経ったある日のこと、今日は二手に分かれて迷宮句を捜索していた。因みに分け方は、俺とトモエとツグミのチームと、ランとモカとヒマリのチームとなっていた。また、「ボス部屋を見つけても中には入らないこと」ということを口が酸っぱくなるほど言った。

 

sideルッコ

 

「二手に分かれて2時間くらいたったかな?2人とも、次の安全地帯で休憩するか?」

 

「そうだな。ツグミもそれでいいか?」

 

「そうですね。根詰めてもいけないですし。次の場所で休憩しましょうか。」

 

俺たちは、第1層迷宮区に入ってから敵モンスターに遭遇する率がかなり高く、ずっと戦いっぱなしだった。

 

俺から休憩を提案したらすぐに了解してくれたので、次の安全地帯に向かおうとした。

 

そこには、先にたどり着いていた女性がいたが、すぐに立ち去ってしまった。

 

その様子を見ていた俺たちは

 

「あの女の人、すごい疲弊していた感じに見えたんだが、大丈夫なのか?」

 

「大丈夫だと思いますけど。様子見にいきますか?」

 

「そうだな。なんか嫌な予感がする。」

 

「じゃあ見に行くか。」

 

「了解(です)。」

 

ということで、あの女性を見に行った俺たち。

 

ちょうど敵のリスポーンと重なってしまったが、すぐに後をを追った俺たちは、安全地帯ですれ違った女性が倒れそうになるところを見てしまった。俺はすぐに女性の周りにいた敵を倒し切った。

 

「大丈夫ですか?」

 

「……ッ‼」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

side???

 

あの3人組のパーティーと別れてからすぐに迷宮区の奥に行った私は、モンスターを見つけたら斬って斬って斬り続けていた私は、敵が増えたことに気が付かなかった。

 

「キリが無いわね……ここままじゃ……私は……ッ⁉」

 

敵が増えるたび、私は少しづつ焦っていった。

 

私の敵の倒す速度は、増える速度に比べたら圧倒的に遅い。

 

したがって、敵は増え続けるだけだった。

 

しかも、私はここ1週間迷宮区に潜ってずっと狩りをしていたから、集中力が無くなってきていた。

 

それが理由なのかは分からないけど、足がもつれてこけてしまった。

 

「私は、ここで死ぬのね。」

 

私は、自然と涙がこぼれていた。最後の一撃を受けるために目を閉じていた。

 

しかし、最後の一撃は一向に来る気配はなかった。

 

ザシュッッッ‼

 

しかも、聞こえてきた音は何かを切り裂いた音だった。

 

恐る恐る目を開けてみると……

 

『大丈夫ですか?』

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

sideルッコ

 

「あれ?なんで私生きてるの?」

 

彼女は混乱しているようだったので

 

「あなたがモンスターに襲われていたんですよ。」

 

「それくらい分かってました。あと少しで死ねたのにッ‼」

 

一瞬で場の空気が凍り付いた。

 

「あんた何言ってるかわかってるのか。」

 

「分かってるわよ。こんな世界にいるより、死んだほうがマシだったわよ。」

 

「とりあえず2人とも落ち着いてください。」

 

「名前も名乗ってないのに怒鳴られたら怒りますって。」

 

「それもそうだな。悪かったな。改めて、俺はルッコ。そしてこっちの2人が、俺のパーティーメンバーのツグミとトモエだ。」

 

「改めて、ツグミです。」

 

「トモエです。」

 

「こちらこそ怒ってしまってごめんなさい。アスナです。」

 

「それでアスナさん。歩けますか?無理そうなら町まで送りますけど。」

 

「ありがとうございます。」

 

こんな他愛のない会話を少しの間していた。

 

sideラン

 

「ツグミたち大丈夫かな?」

 

「大丈夫でしょ~。一応ルッコさんもついてますしw」

 

「そうだね。私たちは、この先にあると思うボス部屋を探そう。」

 

「「了解。」」

 

そういってから2時間は経過しただろう。迷宮区という名の通り一向にボス部屋は見つかることなく……

 

「「「つ、疲れた~。」」」

 

「こんなに見つからないものなの?」

 

「マッピングも半分は終わってるはずなんだけど……」

 

「モカちゃん疲れたよ~」

 

と話してはいるが、少しづつ歩みを進めていた。

 

「そろそろ戻る?」

 

「「そうだね‼」」

 

といいながら迷宮区を後にし、現在のホームのトールバーナに着いて、ツグミたちを待っていたが、なかなか帰ってこなかった。

 

なので、 メールを打ってみたが反応はない。

 

しかも、待ち始めてから30分程経っている。

 

何か起きているんじゃないかと迷宮区に向かおうとしたその時

 

待ち人は帰ってきた。

 

sideルッコ

 

俺たちがトールバーナに着いた時、別部隊の3人が門の前に見えた

 

「やっと帰ってきたよ~」

 

「遅いよ~」

 

と2人は笑いながら言っていたが、1人全く笑っていなかった。

 

「どこ行ってたの(#^ω^)ピキピキ。メールの反応もないし(#^ω^)ピキピキ」

 

俺はハッとした。メールは来てたが、無視したくてしたのではなく、ちょうど戦っていた最中だったから仕方ない気はするんだが、女性を怒られせたら怖いことを知っていたし、トラウマでもあった。なので、

 

「すまん。色々あったし、メールが来たことに気づけなかった。」

 

「「「本当に心配したんだからね。次からこういう事しないでよ。」」」

 

「了解した。でさ、後ろにいる女性プレイヤーの『アスナさん』と話してほしいんだけど、いいかな3人とも。」

 

「女性プレイヤーいるの?ナンパとかしてないよね?」

 

「それだけはネタでも絶対にやらないから。」

 

「でしょうね~とりあえず話してくるね~」

 

「頼んだ。」

 

3人がアスナさんと話しに行ったのを見て、俺はとある人に連絡を入れた。

 

その人の名は「アルゴ」。βテスターであり、俺の信頼できる情報屋だ。

 

「2つ依頼と2つのお願いをしたい。内容は、『このゲームが始まってから死んだ人数と、βテスターの割合』についてだ。

 

お願いというのは、『まず、今回依頼したものは第一層攻略会議前日まで報告しなくていい。そして、俺の情報を誰にも売らないでくれ』

 

代金と口止め金は別払い。なおかつ、後払いでお願いしたい。」

 

とメールを打つと、2分もしないうちに返信が来た。

 

「了解。時間はかかるだろうケド、調べてみるナ。その情報が欲しいタイミングでまた連絡をくれナ。」

 

と返ってきた。相変わらず早いんだよな~。まぁ、助かるからいいんだが。

 

6人が女子トークをしている最中に、パーティーメンバー+アスナさんの消耗品を買った後、夕飯の食材を買いに行った。

 

買い終わってから、夕飯を作り、6人のところに戻ると、丁度話が終わったようなので、

 

「アスナさん。ちょっと時間よろしいですか?」

 

「ええ。どうしたの?」

 

「これ、よかったら持って帰ってください。」

 

といって渡したものは、さっき買った消耗品+夕飯として作った物をおすそ分けしたのだ。

 

アスナさんは少し驚いて、こっちを見た。でも、受け取ってくれた。

 

「ありがとう。この中身って何なの?」

 

「宿についてから見てください。お返しとかいいんで。」

 

「なら、宿についてから見るわね。」

 

といってアスナさんは宿に向かった。

 

その後、パーティーメンバーにも、アスナさんと同じように、消耗品を渡した

(メールで)

 

しかも、全員のメールの内容と消耗品の品を変えて送った。

 

翌日、俺がいつも通りの時間に集まると、5人で円になって話し合っていたことは言うまでもないだろう。




今回はここまで。少しオリジナルストーリーが混じりましたけど、重要キャラのアスナさんと出会った話です。(´・ω`・)エッ?原作と違うだろって?こまけー事は気にするな。
オリ主はいろいろ気が利いてましたね(-_-;)
彼のトラウマの話も後々掛けたらいいな~。
ではまた次回お楽しみに!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

4話:第1層攻略会議

こんにちは!ルコルンです。
今回は第一層攻略会議編です。
タグにもなっているあの2人が初対面!
それでは、本編へ……Go‼


俺たちがこのゲームに閉じ込められて1ヶ月が経った。

 

先日、ボスフロアが見つかったので、本日はボス攻略会議になる。

 

しかし、俺は少し困ったことがある。なぜなら……

 

「あのボスデカくない?」

 

「ツグミの3倍くらいはあったよ~」

 

「そんでもって、雑魚敵もいたな。」

 

「あれはやばいでしょ。」

 

「でも、体が大きいなら、素早い攻撃はできないはずだよ。」

 

とまぁ、1時間くらい前から5人で話し合っていて、攻略会議が始まる30分くらい前に話し合いが終わったようで……

 

「何を話してたんだ?」

 

「ボス戦に行くかって話をしてました。私以外皆行かないようなので。」

 

「そっかそっか…………(´・ω`・)エッ?」

 

俺は思考が停止しそうになった。

 

「ちなみに聞くが、ツグミはなんでついてくるんだ?」

 

「それは言えないですね(-_-;)」

 

「わ、分かった(-_-;)」

 

他の4人は怖気着いたんだろうな~

 

そりゃそうだよな。

 

一応ここはデスゲームだもんな。

 

「ツグミは怖くないのか?」

 

「正直…怖いです。でも、なぜか安心するんです。」

 

ツグミが変なことを言った気がするが、気にしないでおこう。

 

「じゃあ、今回はツグミだけだな」

 

「そうですね。」

 

「じゃあ、攻略会議に行こうか」

 

攻略会議に行ってる途中アルゴにメールを送った。

 

「先日送ったことを教えてほしい。」

 

数分後

 

「了解。そっちまで行ってから教えるヨ」

 

そして攻略会議が始まる10分にアルゴは来た。

 

「ホイ。これが今回の物ダ。情報料500コルな。」

 

「分かった。ほいッ。しっかり払ったからな。」

 

「丁度頂くヨ。それよりルー坊。いつもの子たちはどうしたんダ。」

 

「いつもの子たちっていうけどな、今日は別行動だよ。今日はこの子一人だけだ。」

 

「そうかそうか。じゃあ、その子には自己紹介をしないとナ。私は『アルゴ』ただの情報屋だよ。」

 

「こんにちはアルゴさん。私は『ツグミ』です。」

 

「そうかそうか。ツグちゃんか~。よろしくナ。」

 

「ところでアルゴ、もう1つの件はどうなった?」

 

「それなら、追加で1000コル払ってっくれるなら言わないでおくヨ。」

 

「分かった。これでいいな。」

 

「毎度アリ~。じゃあ、私は仕事に戻るネ。」

 

「忙しいところ悪かった。じゃあな~。」

 

アルゴが仕事で去ったあと……

 

「何の情報を買ったんですか?」

 

「このゲームが始まってから死んでしまった人の人数だな。」

 

「そうですか。」

 

「一層攻略し終わったら、何かおごってやるから暗い顔するな。可愛い顔が台無しだぞ~」

 

「ぃ、いきなりそんなこと言わないでくださいよ~。」

 

とか何とか言いながら歩いていると、目的の場所に着いたようだ。

 

そこには、40人強の人数が集まっていた。その中には……

 

「お~い!ルッコ~。此処だここだ。」

 

キリトと、少し遠くにアスナさんがいた。

 

「生きてたか~。急に呼ばれたから急いで支度したんだぞ(-_-;)。」

 

「それはすまんかった。でも来てくれるって信じてたぜ!」

 

と話していると、青い髪の人が前に立った。

 

「は~い。そろそろ始めさせてもらいます。

 

今日は俺の呼びかけに答えてくれてありがとう。

 

俺はディアベル。職業は気持ち的にナイトやってます。」

 

こんなことをいきなり言う人がいるとは…まぁ、場の空気和んだからいいのか。

 

「今日、俺たちのパーティーがボス部屋を発見し、ボスの姿も見てきた。

 

俺たちはボスを倒し、第2層に進む。

 

そして、≪始まりの町≫で待っている人たちにこのゲームがクリアできるってことを伝えるべきだと思う。それが、ここに居る俺たちの義務だ。そう思わないか?」

 

ディアベルさんの言葉に賛同するかのように、この場にいる全員が拍手が起こった。

 

「ありがとう。これから攻略会議を始める。

 

まず、6人のパーティーを「ちょっと待たんか。」」

 

ディアベルさんの言葉を遮るように大きな声が聞こえた。

 

その声を出した人は、ディアベルさんの前に立った。

 

「わいは、キバオウや。

 

攻略会議を始める前に言いたいことがある。

 

こんなかにいる何人か詫び入れやなあかん奴がおるはずや。」

 

「何を言いたいのかわかるよ。君は……」

 

「ナイトはんの思ってる通り。βテスターに謝罪と賠償を請求するんや。」

 

キバオウがそう言い放った途端、場の空気が悪くなり、キリトの顔色が悪くなった。

 

俺も正直に言うとトラウマに似た光景なので気分は悪くなったが、同時に怒りを覚えた。

 

我慢ならなかったので、俺は手を挙げて……

 

「そこのキバオウって言ったかな?俺はルッコ。ただのニュービーだが発言させてもらう。

 

βテスターが全員逃げたって言うんか?それは残念。俺みたいなニュービーを見捨てなかった人もいるんだよなーこれが。」

 

そう言って、俺は小さなパンフレットを取り出す。

 

「これは、道具屋で無料配布されていたやつだ。

 

新しい町や村に着くと必ず置いてあった。明らかに早すぎると思わないか?」

 

「それがどうしたって言うんや。」

 

「これは、βテスターの人が作って無料配布していたんだよ。

 

この意味が分かるな。お金やアイテムは無くても情報は有ったんだよ。」

 

キバオウは驚いている。このことは知らなかったんだろう。

 

「じゃあ、死んだ2000人の中には他のMMOでトップ張ってたやつも居ったはずや。

 

それは、どう説明するんや。」

 

「それは、ベテランだったからこそだろう。他のMMOと同じように計り引き際を誤った。それだけのことだろう。

 

今はこんなことをしている暇はないと思うのだが。そこら辺はどうなんですかね~」

 

こんなことを言ったらキバオウはおとなしく引き下がったようだ。

 

俺もキバオウが戻ったのを確認してら、ディアベルさんに会釈をして元の場所に戻った。

 

「とりあえず、この話はこれで終了。攻略会議を再開する。

 

6人パーティーを組んでくれ。」

 

俺はツグミとパーティーを組んでいるから、あと4人か。

 

そんなに人がいたかなって思いながら、キリトとアスナさんをパーティーに入れた。

 

他の人は、既にパーティーを組んでいたので、ディアベルさんに伝えた。

 

これはボスの情報だ。

≪イルファング・ザ・コボルトロード≫

武器:骨斧、片手盾→曲刀(ラスゲのみ)

取り巻き≪ルインコボルト・センチネル≫

こいつらは、ボスのHPバーが1本減るたびに3体ずつ現れる。

 

情報としてはこんなもんだろう。

 

俺たちのパーティーは、人数が少ないので取り巻きの≪ルインコボルト・センチネル≫の担当だ。

 

俗にいう"おまけ"というやつだな。

 

アスナさんとキリトが初対面ということもあり、自己紹介をしたのち、夕飯を俺の家で食べながら、明日の戦い方を話していた。

 

アスナさんがスイッチのことを知らなかったので教えたりもしながら……

 

今俺たちは、アスナさんとツグミが風呂に入ってるので動こうにも動けない状況になっている。

 

そこに、誰かがドアをノックしたので……

 

「今開けますよ~」ガチャッ

 

「よう!キー坊にルー坊。今回はキー坊に用事があってきたんだヨ。中に入れてくれるカ?」

 

「全然かまわないぞ。その用事俺も聞いていいか?」

 

「全然かまわないゾ。それでだな、キー坊。あの件はどうダ?」

 

「いくら積んでもノーだよ。前から言ってるだろ。」

 

「何の話だ?」

 

「俺の”アニールブレード+6”を売ってくれっていう話だ。29800コルで。」

 

「戦力を削ぐ目的としてはコスパ悪すぎんだろ。そいつはあほなのか?

 

でも売っていいんじゃないか?」

 

「はぁ?何言ってんだお前は?」

 

「まぁ、落ち着けって。」

 

そう言って、俺は、”アニールブレード+8”をキリトの前に置いた。

 

「これは?」

 

「簡単な話さ。クライアントがキリトの”アニールブレード+6”を買い取ったと思わせといて、それより強い剣でボスを倒す。言わば”ドッキリ”やな。」

 

「それいいな。アルゴ、俺キバオウの話乗るわ。クライアントに金払わして。」

 

「了解だヨ。毎度アリ~」

 

という訳で、キリトの戦力は下がるどころか上がってしまった。

 

それから数十分が経ち、女性陣が出てきた。

 

そして、数時間が経った。

 

部屋割りとしては、二部屋しか借りられなかったので、あみだくじのをした。

 

結果、俺とツグミ・キリトとアスナというペアになった。

 

そして寝る前

 

「明日、ボスを犠牲者なしで倒せるかな。」

 

「倒せると思うよ。ねぇ、あの時の約束覚えてる。」

 

「なんだっけ。何か奢るって話だっけ。」

 

「そうでしたけど、少し変えていいですか。」

 

「別にいいぞ。俺にできることなら。」

 

「じゃあ、ルッコさんが、私たち5人のことを守ってくれるってって約束してくれますか。」

 

「急に荷が重くなったな。元からそのつもりだったが。」

 

「ならいいです。」

 

「俺も1つお願いしてもいい。」

 

「いいですよ。」

 

「この世界が終わって、元の世界に戻ったとき、俺とまた話してくれるか。」

 

「いつになるかは分からないですけど、元の世界に戻れた時は一緒にお話ししましょう。」

 

「約束だぞ。」

 

「そっちこそ破らないでくださいよ。」

 

こんなことを言ってしまったのだから死ぬわけにはいかないな。

 

絶対にこのデスゲームをクリアしてツグミたちに会うんだ。




今回はここまで。次回は第1層ボス戦攻略と日常会としてボス戦に出なかった4人について書いていきます。
途中、主人公の口が悪い気がしますが気のせいだ。
今回からアンケートを用意させていただいてます。良かったら投票していってくださ~い
ではまた次回お楽しみに!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

5話:ボス戦時の異変とその戦い

こんにちは!ルコルンです。
今回はやっとこさの第1層のボス戦です。
ここまで長かった~
戦闘描写は苦手ですが、しっかり描いていこうと思います。
それでは、本編へ……Go!


翌日、待ち合わせ場所に向かおうとしたら、ツグミに呼び止められよくわからないまま向かった先は……

 

sideルッコ

 

「ランちゃん達~。ルッコさん連れてきたよ~」

 

「おいツグミ(-_-;)もしかして連れてきたい場所ってってまさか……」

 

「今日ボス戦でしょ。応援しに来たのよ。

 

ルッコ、ツグミを死なせないようにしっかり守りなさいよ。」

 

「分かってるって。俺もツグミも、それに皆も。死なさないようにこの世界から脱出するんだよ。

 

だからこそ、第1層ボス戦を犠牲者なしで戦い抜くんだよ。」

 

「だったらいいんだけどな。ツグミは、たまに頑張りすぎる癖あるから、そうならないように見といてやってくれないか。」

 

「任された(`・ω・´)b」

 

「「「「じゃあ、死なずに頑張るんだぞ。」」」」

 

「「んじゃ、行ってきます(くるわ)。」」

 

「「「「行ってらっしゃい。」」」」

 

という感じでいつも一緒に行動しているパーティーメンバーに見送られてから、集合場所に向かった。

 

「みんな!ありがとう。誰1人欠けることなく46人が集まった。

 

俺から言うことはただ1つ。みんな……絶対に勝とうな!」

 

ディアベルさんの掛け声の後にそこにいた全員が声を上げた。

 

迷宮区到着後、ボス部屋前に着くまでに出てきた敵は、基本的に俺が倒していくことになった。

 

原因は言わずもがな、昨日の攻略会議でディアベルさんの話を遮っていちゃもんつけてたあのイガグリ(キバオウ)が

 

「おい、そこの4人パーティーの奴ら。本隊が消耗しやんように、雑魚たち倒していきや。なんたってあんた等、取り巻き倒すん仕事やろ。」

 

とか何とかほざきやがったから、ディアベルさんに確認と許可を取ってから俺1人が先頭に立ち、雑魚どもを全員相手していた。

 

(キバオウの奴、自分らは楽してボス部屋に行きたいだけでなく、俺らにLA(ラストアタック)を取らさんように消耗させようとしてるな。)

 

と心の中で思いながら目の前の敵をすべて倒し切る。

 

ディアベルさんたちのパーティーや、ツグミたちが手伝おうとしてくれていたのだが……顔に出さなくても心の中でキレていた俺にとっては朝飯前すぎた。

 

何体出てこようが30秒以内に終わらせていた。

 

そんなこんなしている内に、ボス部屋に着いたので、パーティーに戻った。

 

「…………行くぞ。」

 

片手に剣を持ち、空いている手を扉に添えてこう言った。

 

すぐに全員戦闘態勢になった。

 

そこからは、すごく順調だった。危ない場面もあったが、ディアベルさんの指示でしっかりと体制を整え、戦っていた。

 

しかし、俺は違和感を覚えた。なんだろうと思いボスを見渡すと、腰に持っている持ち替え後になると思われるの武器が、曲刀じゃないものに見えた。

 

ということで

 

「ツグミ、キリト、アスナさん、ちょっと俺ディアベルさんのところに行ってくるんで、センチネル任せていいですか?」

 

「どうした。なんか違和感でもあったのか。」

 

「そうだよ!しかもだれかだ死なないと気付かないかもしれない違和感にだ。」

 

少し焦りと怒りの含んだ声でキリトに言っていた。

 

「分かった。こっちで何とかする。早く行ってこい。ツグミ、アスナ、それでもいいな。」

 

「大丈夫ですよ。」

 

「いいわよ。」

 

「3人共、ありがとう。」

 

といって、ディアベルのもとへ走っていった。

 

「ディアベルさん。ちょっと聞いてほしいことが。」

 

「ルッコ君。どうしたんだい。」

 

「簡潔に話すと、ボスの持ち変える武器が曲刀じゃない可能性があります。」

 

「なんだって。どんな武器かわかるか。」

 

「ちらっと見た感じなんですが、刀?みたいな感じのものです。」

 

「分かった。攻撃隊にパターンが変わって見切れるまで、前に出ないように伝えよう。」

 

「お願いします。その最中に前に出て死なないでくださいね。」

 

「分かってる。もしもの時があったらこのレイドパーティーの指揮は君に任せるよ。」

 

「そうならないことを祈るばかりです。」

 

といって、ディアベルさんに伝えて持ち場に戻った。

 

その時、キバオウに睨まれ、舌打ちされたことは言うまでもないだろう。

 

そして、3本目のゲージを削りきって4本目のゲージに入ったとき

 

「みんな下がれ、俺が出る。」

 

といって前に出てソードスキルを放った。多分「スラント」だろう。

 

武器が違うことに今頃気づいたキリトが

 

「ダメだ、ディアベル、後ろに飛べ。」

 

といってる最中に、俺は、ディアベルのもとに駆け寄り始めていた。

 

ディアベルさんの攻撃が当たる前にコボルトロードは飛び上がり、ディアベルさんの攻撃は外れた。

 

ディアベルさんが硬直に入ったと同時に、コボルトロードは体を捻り、落下と同時に竜巻のように回転し、蓄積したパワーを解放した。

 

刀専用ソードスキル重範囲攻撃技≪旋車≫

 

これをもろにくらったディアベルさんは、HPがかなり削られた。

 

しかも≪旋車≫の追加効果でディアベルさんはスタンしていた。

 

そこに俺は駆け付けディアベルさんを担いで撤退しようとしたが、それをボスが許してくれるわけがなく、追撃をしようと、こちらに向かって斬りにきた。

 

逃げられないと瞬時に悟った俺は、スキル≪クイックチェンジ≫を使って短剣から大剣に持ち替えた。そして、俺はディアベルに向けて動いている刃を……

 

sideツグミ

「ダメだ、ディアベル、後ろに飛べ。」

 

キリトさんが言っていることが伝わったが分からなかったので

 

「ねぇ、ルッコ。ディアベルさんやばk……あれ?」

 

私は、周りを見渡してルッコを探す。

 

やっとの思いで見つけたルッコは、ディアベルさんのもとでボスの攻撃を受けようとしている最中だった。

 

このままじゃ、ディアベルどころかルッコまで死んじゃう。

 

と思って助けに行こうとしても足が動かない。

 

「なんで?なんで動かないの、私の足。」

 

考えてみると「誰かが死ぬ」という感情に足がすくんでしまったのではなく、「助けに行ったら、私も死んでしまう」という感情が無意識のうちに働いたのだろう。

 

刻一刻と敵の攻撃はルッコたちに向かっている。早くしないと死んでしまう。

 

頭の中で分かっているのに、体が動かない。従って、私ができたことは……

 

sideルッコ

 

ガキンと打ち鳴らして敵の刀の威力を弱めている。その時

 

「死んじゃヤダよ。」

 

というツグミの弱弱しい声が聞こえてきた。

 

その声に応えるように

 

「ここで死ぬわけねぇだろ。このアホが。」

 

声を殺しながら、敵の刃を少しずつ持ち上げていく。

 

「うらぁ。」

 

と声を上げしっかりと敵の刀を相殺した。

 

そのタイミングで敵がよろけたので、ディアベルさんを持ち上げて後方に下がって

 

「タンクの隊、前衛で敵の攻撃耐えてくれ。じゃないとこのまま死ぬぞ。

 

後、センチネル出てきてるから、誰か対処に回ってくれ。

 

センチネル倒しに行かん奴ら、ボスの攻撃をできるだけ早く見切らんと、犠牲者出てくるぞ。

 

生きて帰って≪始まりの町≫に居てる人に希望見せるんと違うんか?」

 

ここまで早口で言ったから、伝わってるかは分からないが、タンク隊が動いているから伝わっているのだろう。

 

このタイミングで、ディアベルにポーションを飲ませた。

 

残り数ドットだった為少し焦ったが、大丈夫なようだ。

 

「キリト、ツグミ、アスナ、ちょっと集まってくれ。」

 

というとすぐに集まってくれた。

 

「どうした?」

 

「あれらはアイツをやりに行く。キリト、お前の反射神経なら見切れるな。」

 

「おう、見切れるぞ。」

 

「んじゃ、俺とキリトで敵の攻撃をすべて受けきる。残りの2人はアタッカーだ。しっかり攻撃して、敵の攻撃が来たらすぐに俺らに交代すること。いいな。」

 

「「「分かった。」」」

 

「後、ディアベルは回復しきったら指揮頼むぞ。俺の指揮粗すぎるから、細かいところを構成していってくれ。」

 

ディアベルからの応答はなかったが、立ち上がったので、心配はなっかった。

 

俺たち4人はボスに周りにいるタンク隊の一人であるエギルさんに

 

「エギルさん、ボスの攻撃パターン分かりました?」

 

「すまん。すぐには分らんかった。」

 

「仕方ないですよ。じゃあこっからでも見切ってくださいね。」

 

「了解した。」

 

「3人共。行くぞ!」

 

「「「了解!」」」

 

ボスが刀を左手に持ち、腰だめに構えた。

 

「あれは、刀直線遠距離技の≪辻風≫だ直線方向に飛んでくるぞ」

 

「了解。」

 

俺は短剣に持ち替え≪サーキュラ≫をキリトさんは≪レイジスパイク≫を使い、2人同時にボスの刀に打ち込み相殺した。

 

そこにツグミとアスナが≪リニアー≫を使い敵を攻撃した。

 

それを15回ぐらいしたとき、あることが起こった。

 

なんとボスが今までに使ってこなかった技を使ってきた。

 

俺もキリトもソードスキルをキャンセルし防御体制をとったが、俺はイエロー手前まで、キリトは3割程削られてしまった。

 

ツグミもアスナさんもそれに気づいたのでソードスキルを打たなかったが、俺とキリトが近くまで飛ばされてしまったので、4人まとめて攻撃をくらうと思ったその時…

 

「う…おりゃァ!!」

 

エギルさんが両手斧スキル≪ワールウィンド≫を打ち込んでくれた。

 

「あんたら4人に壁役までやられると、立場ないからな。さっさとPOTのみな。」

 

「「「「ありがとうございます。」」」」

 

俺とキリトは、ダメージを回復するために回復ポーションを飲んだ。

 

回復を待ってる間にも、しっかりとダメージを与えてくれていた。

 

「じゃ最後の攻撃行くぞ」

 

「おう」

 

「了解」

 

「任せてください」

 

最初に、ツグミとアスナの≪リニアー≫がボスの両脇に突き刺し、次に俺が、≪ラピットバイト≫と打ち込んでいる途中から、キリトが≪バーチカルアーク≫を放ち、最後の一撃のタイミングがキリトと被った。

 

HPが0になり、コボルトロードは両手から刀を落とし、儚く四散した。

 

あたりに静寂が漂い、急に獲得経験値とコルの表示があった。

 

これを見て確信したのか、周りの人が歓声を上げた。

 

その歓声の中から

 

「なんでや!何でディアベルはんに伝えとかんかったんや!

 

伝えてたら、あんな危険なことはしやんはずやろ。」

 

流石にウザくなってきたので

 

「うっさいぞキバオウ。正直に言うとな、ディアベルにはもしかしたらのレベルでボスに武器が違うことは伝えたぞ。そこからどうしようが、本人の勝手やと思うし、ディアベルの気持ちは、ディアベルにしかわからんと思うで。

 

後、ボスの武器が変わってから、あんた一切攻撃してなかったようやけど、そんな奴がこんなこと言っていいセリフやと思ってんの?

 

もし、そう思ってたらあんたの頭の中お花畑かなんかか?

 

考えやんと物事言ってたら、信用なくすぞ。このハイエナが。

 

他の奴も一緒やぞ。分かってるな。次はないと思っとけよ。」

 

て言ってディアベルのもとに行く。

 

「ディアベル。あんた一回話したほうがいいんと違う?

 

自分がβテスターってことを。」

 

「いつ気づいたんだい?」

 

「簡単なことだ。あんたが全員を下げて自分だけ上がったときに確信したよ。

 

ニュービーだろうがテスターだろうが、その人がどんな立場の人だったとしても、ほかの人の意見はしっかり聞くことだな。」

 

そういってキリトたちのもとへ戻った。

 

「さて、キリト。君はこの後どうするんだい?」

 

「俺は、2層のアクティベートをしようと思う。」

 

「アスナさんは?」

 

「私も、キリト君についていって2層のアクティベート?ていうのをしてくるわね。」

 

「ツグミはどうする?」

 

「私は、一回戻りたいかな。みんなに報告したいから。」

 

「了解。んじゃ、キリトはアスナさんと一緒に2層のアクティベートしておいてくれ。」

 

「はいよ~。お前はどうするよ。」

 

「俺か~。俺もツグミと一緒に戻ることにするよ。女の子一人だと危ないし、俺も報告したいし。」

 

「了解。じゃあ、アスナ行くか。」

 

「またね。ツグミちゃん。ルッコ君。」

 

といって2人は2層のアクティベートをしに行った。

 

「ツグミ、俺たちも行くか?」

 

「そうだね!早く帰って一緒に報告しよう。」

 

と言って、俺たち2人は颯爽とボス部屋から出て、≪トールバーナの町≫に向かった。そんな時

 

「そういえば、最後の一撃をキリトさんと2人で決めてたじゃん。なんかもらったの?」

 

「なんだろうな?確認してみるわ。」

 

俺は、ステータスを開きアイテム欄を確認した。

 

その中に、1つだけ持って行ってないはずのアイテムがあった。

 

「おっ、装備品だ。名前は……『コート・オブ・リーフグリーン』か。

 

名前からして、すっごい緑色な気がするんだけど、着た方がいいかな?」

 

「着てみてよ。キリトさんもあの後着てたでしょ。」

 

あの黒いコートがボスドロップだったのかと思いながらも、俺は『コート・オブ・リーフグリーン』を装備した。

 

「どうだ?似合ってるか?」

 

「( ゚д゚)」

 

「ツグミ~。どうした~。」

 

「Σ(゚□゚;)すごく似合ってたもので見とれちゃってました。」

 

「そうか。ならよかった。」

 

思ってたより深緑寄りの色だったので似合ったようだ。

 

正直に言うと、俺の色の好みどストライクだったから似合ってなくても見た目装備にするつもりだった。

 

そんなこんなで≪トールバーナ≫に着いた時には、既に夜だった。

 

いつもの6人が集まったのは、2日ぶりだから、女の子同士は話すことが多くあったらしい。

 

俺が関係してた話は、ボス戦の話だけだった。しかも、無茶したことがばれて、4人に猛烈に怒られてしまったのは別の話だ。




今回はここまで。キバオウがかなりウザい役回りに立っていましたね~。
次回は、アニメの通り行こうと思ったのですが、≪月夜の黒猫団≫の部分に入っちゃうので、オリジナルストーリーを2,3個入れようと思います。
なので、次回はこんなハイペースで投稿できないかもです。ごめんなさい。
アンケートもよろしくです。
ではまた次回お楽しみに!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

5.5話:ボス戦の裏側

こんにちは!ルコルンです。
遅くなりました!
今回は、第1層ボス戦に行かなかった4人のほうにスポットを当てたいと思います。
どんな話が繰り広げられているんでしょうか。
因みに、今回はオリ主はちょこっとしか出ません。
話の内容的に、4,5話あたりです。
それと、検証として〇「」をなくしたいと思います。違和感があれば教えてください。
タグを4つ追加させてもらいました。
それでは、本編へ……Go!


sideラン

1層ボス戦ボス戦攻略会議の日、急にルッコから言われて焦ったし、事前情報のボスの見た目が、思った以上に怖かった。

 

「あのボスデカくない?」

 

「ツグミの3倍はあったよ~」

 

「そんでもって、雑魚敵もいたな。」

 

「あれはやばいでしょ。」

 

「でも、体が大きいなら、素早い攻撃はできないはずだよ。」

 

「そうだけど、ここはただのゲームじゃないんだぞ。」

 

「そうだよ。トモエの言う通りだよ。HPが0になったら死ぬんだよ。」

 

この一言を聞いた5人は顔をこわばらせていた。

 

「それでも、私は行くよ。」

 

「ツグミ。本当に行くの?」

 

「私は行くよ。覚悟はできてるもん。」

 

「じゃあ、私は止めない。」

 

「ちょ、待てよラン。ツグミを1人で行かせる気かよ。」

 

「そういうことを言ってるんじゃないよ。ツグミの意思を尊重するだけだし。」

 

「分かってるけどさ、1人じゃ……ないな。あいつ(ルッコ)もいるか。」

 

「あいつには釘を刺して置こう。」

 

「賛成。」

 

かくして、ツグミとルッコが変な奴に絡まれるのを知らない4人であった。

 

~ボス戦攻略会議後の幼馴染5人のチャット~

「今日の攻略会議でキバオウさんっていう人が{βテスターの人に謝罪と賠償を請求する}って言ったところを、ルッコさんが撃退してくれたんだよ。すっごい言葉巧みに言い包めてたけど、途中関西弁?らしきものが混ざってたけど、すごくかっこよかったな。」

 

「マジで?それはぜひ見たかったな!」

 

「ほんとにね~」

 

「でね、攻略は明日の9時に集合して、攻略だって。」

 

「分かった。じゃあツグミ。明日ルッコ連れて私たちの宿前来て。8時30分に。」

 

「分かった。急にどうしたの?」

 

「ボス戦のエールと、ちょっとしたお願いをね……」

 

「分かったよ。じゃあ明日8時30分ね。」

 

「お休み~。」

 

~ボス戦攻略中~

 

sideラン

 

「ボス攻略順調かな?」

 

「順調でしょ~なんせルッコさん付いてるもん。」

 

「そうだけど、イレギュラーとか起きてないかな?」

 

「まぁ、起きてても対処できるでしょ。リーダー格の人が窮地に立たない限り。」

 

「ラン。それフラグでしょ。」

 

「まぁ、それは置いといて、この層の攻略終わったらパーティーしたいな。」

 

「賛成~」

 

「でも料理とかどうする?NPCのお店にパーティー用の料理なかった気がするよ。」

 

「そこだよな~誰か料理スキル上げてる奴いないよな~」

 

「ここに居る皆は、誰も取ってすらいないもんね。」

 

「いつものメンバーの中でも、取ってる2人が攻略に行っちゃったからな。どうしたもんか。」

 

「いっそのこと、その2人に料理作ってもらわない?」

 

「それしかないよな~。2人には悪いが(⌒▽⌒)アハハ」

 

「じゃあ、私たちで場所決めとかない?」

 

「賛成。飾りつけもしとこうよ。」

 

「オッケー☆⌒d(´∀`)ノ」

 

その後……

「できた~」

 

一層にあった民家を譲ってもらい、パーティー用に装飾をし終えたとき

 

「お邪魔するヨ」

 

「アルゴさん。どうしたんですか?」

 

「いい情報を持って来たんだヨ。」

 

「ボス戦が終わったっていう情報だヨ。お友達サービスとして安くしとくヨ。」

 

「アルゴさん頂戴。」

 

「毎度アリ。これがその中身だヨ。」

 

そう言ってアルゴさんは去っていった。

 

「えーと、何々。{ニュービーがボスの攻撃を1人で受け止め犠牲者0人で第1層突破}だって。」

 

「へ~。んでその写真には……(´・ω`・)エッ?」

 

「何々、ラン・トモエどうかしたn」

 

そこには、ボスの攻撃を大剣で受けるルッコの姿があった。

 

「うそ……だろ。」

 

「これは、後で聞かないとな(#^ω^)ピキピキ」

 

「そうだね(#^ω^)ピキピキ」

 

「あっ。これは…………」

 

「ルッコさん」

 

「(‐=‐)合掌…………」

 

その後、合流した俺たち(ルッコとツグミ)は

 

「お疲れ~。疲れたところ申し訳ないんだけどさ、料理作ってくれね?」

 

「しゃーないな。ツグミは休んどいていいよ。」

 

「(´・ω`・)エッ?私も手伝うよ。」

 

「初めてのボス戦疲れたでしょ。それに、怖い思いもさせちゃったし。」

 

「そんなことは……それならお言葉に甘えて休ませてもらいますね。」

 

ツグミの顔が少し赤くなっていることに気づいたが、見なかったことにした。

 

~ルッコの料理中~

 

sideツグミ

 

「ツグミ。ほんとにお疲れ様。」

 

「ありがとう。ルッコさんほど動いてないから、疲れてはないかな。」

 

「そのルッコさんのことで2つほどいい?」

 

「うん。どうしたの4人とも。前のめりになってるよ。」

 

「あっ(m´・ω・`)m ゴメン…」

 

「それよりも、あの緑色のコートは何?」

 

「あれはね、『コート・オブ・リーフグリーン』っていうもので、今日戦ったボスのLAの報酬だって。」

 

「思ったより似合ってるね」

 

「そうだよね。」

 

「でも、あのコート最初私にあげようとしてたんだよ。」

 

「へー。意外だな。」

 

「でも、トレード不可だったから渋々着たらしいんだよ。」

 

「マジで?」

 

「で、着てみたら思いのほか似合ってたってだけ。」

 

「(* ̄- ̄)ふ~ん。それじゃあ2つ目。」

 

ランちゃんは1つの新聞みたいなものを出してきた。そこには……

 

「うぐっ」

 

私は声を漏らしていた。

 

それもそのはず。その新聞に写っていた写真は、「ルッコさんが大剣でボスの攻撃を受けていた」ところだったんです。

 

「何か心当たりがあるんだね。」

 

「ランちゃんにはお見通しなんだね。」

 

「何があったか教えてくれる?」

 

「うん。えっとね……」

 

~少女説明中~

 

「そんなことが……ごめんねツグミ。」

 

「ううん。大丈夫だよ。」

 

「無理しないで!今もツグミ……」

 

「泣いてるよ。」

 

「えっ。」

 

私は、目のあたりを拭ってみると、手が濡れた。

 

涙がぽたぽたと溢れてきた。

 

「おいツグ。だいじょう……ぶじゃないな。」

 

私は泣き出した。途中から料理を作ってくれているはずのルッコさんが慰めに来てくれていた。

 

数十分間すると泣き止んだけど……ルッコさんの顔が近くにあった。

 

「じゃ、じゃあ、いろいろあったことだし、食べよっか?」

 

それから、みんなで食事を食べました。途中ランちゃん・トモエちゃん・ルッコさんの3人が外に出て話してたけど、気にしないようにしました。

 

その後、食事が終わってからルッコさんに呼ばれました。

 

「ルッコさんどうしました?」

 

「あの……だな。その、今日はごめんな。」「(´・ω`・)エッ?」

 

「今日怖い思いさしただろ。」

 

「そんなことは……」

 

私は、泣いていたことを思い出しました。

 

「あの時な、誰かを守るためには、自分を犠牲にしなきゃなって思ってたけど、違ったな。

 

これからは、自分も含めて守っていかないとなって思ったよ。だからさ、俺がみんなを守ってもいいかな?」

 

「こっちこそ、ルッコさんだけに負担を押し付けないように頑張っていくので、一緒にクリアまで手伝ってくださいね。」

 

sideラン

ツグミとルッコの会話の内容を見た

 

「ルッコ。ちゃんち反省して、新たに決意してんじゃん。

 

心配する必要なくなったな。」

 

ということで、私は宿から出た。

 

sideツグミ

「ツグミ。」

 

「ランちゃん。いつから見てたの?」

 

「ツグミとルッコの新たな決意を言い合っていたくらいからかな?」

 

「ならよかった。俺の独白は聞いてなさそうだ。」

 

「え、なにそれ。教えてよ。」

 

「いやだ。」

 

皆の知らないルッコさんの考え方を知れたからうれしいなと思っていたら、

 

「ツグミ・ラン。戻るぞ。」

 

「了解。」

 

ランちゃんが前に行ったのを見て、

 

「ルッコさん、手繋いでもらえません?」

 

「いいぞ。」

 

顔赤くなってるの気づかれてないよね。

 

新たなツグミの気持ちと、ルッコの決意の真の意味に気づくのは、また別のお話だったりする。




今回はここまで。ヒロイン候補出てきましたね。
作者は、Afterglowの方なら、蘭とつぐみ推しですね。
次回は、もう一つオリジナルストーリーを書きたいと思います。
アンケートは、9月末に出た話までで締め切らせていただきますね。
では次回もお楽しみに!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

6話:トラウマ告白と希望

こんにちは!ルコルンです。
報告があります。私事ですが、この度小説作成用のTwitterアカウント作りました。
色々と私からの報告やリクエストを受ける場所ですので、フォローしてくれると嬉しいな。
リンクは、作者名をタップかクリックしていただければわかると思いますので。
そして、またタグを追加しました。今後の話に必須なタグですので、出番までお待ちください。
さて、今回の話はオリ主の好きなもの・苦手なもの+トラウマを出していきたいと思います。
キャラ崩壊するかもです。
それでもいい方は、ご覧ください!


1層攻略から数ヶ月が経った。今の最前線は19層で、今日は久々のオフということでみんなのんびり談笑していた。

 

「そういえば、ルッコって苦手なものないの?」

 

「急にどうした?」

 

「急に聞きたくなっただけだよ。」

 

ランの一言に、みんなの目が輝いていた。

 

「あるにはあるが、俺だけ言うのはなぁ。」

 

「うぅ……」

 

俺抜きの5人が考えていると……  ゴロゴロ

 

「Σ(っ゚Д゚;)っヒッ」

 

「雨が降りそうだな。宿戻るか。」

 

ということで、ランたちと別れツグミと2人で宿に戻ることにした。

 

因みに、今はなぜか知らんが、週1のペースで幼馴染の誰かとペアを組んで行動している。

今週はツグミweekだったりする。だから、ツグミと宿に戻る。

 

しかし、帰る前にランが……

 

「ツグミをちゃんとエスコートしなさいよ。」

 

と言われた。もしかして雷嫌いなのかな?そういえば、「Σ(っ゚Д゚;)っヒッ」とか言ってたもんな~

 

後でわかるかな?

 

~宿の中~

 

sideルッコ

 

「雨強いな~」

 

そう。俺とツグミはランたちと別れて宿の部屋に戻ったが、部屋に入ってから雨が強くなり、雷も強く鳴った。

因みにツグとは別部屋だ。いい年の男女だから仕方ないよね。

 

「あの時と一緒だな。あれから強くなれたのだろうか。」

 

とか何とか言ってると、強い音とともに雷が鳴った。

 

この宿に落ちたようで、部屋の電気が消えてしまった。

 

(嘘だろ!このゲームここまでリアルなのかよ。ツグミ大丈夫か?)

 

と考えてると、部屋のドアがノックされた。

 

「入っていいぞ。」

 

「お、お邪魔しますドア| ºωº))"オドオド」

 

そこにいたのは、涙目になって少し震えているツグミ本人だった。

 

sideツグミ

 

宿に戻ってから、ルッコさんと別の部屋になった私は、少し怖かった。

 

理由は言わずもがな…… ゴロゴロ

 

これのせいです。

 

「やっちゃったな~雷怖いってこと自白して、一緒の部屋にしてもらえばよかったな。でも、私が部屋に行くってことは……わたしのこの気持ちもバレ……ないよね。でも、バレたれどうしよう。ルッコさんがどう思ってるかわからないし……もしそう思ってなかったら……」

 

とこんなこと考えてました。そんなこと考えてると、この宿に雷が落ちたようで、部屋の電気が落ちたようです。

 

「Σ(っ゚Д゚;)っヒッ なんでここまでリアルに寄せてるの?怖いよぉ。」

 

わたしの心は恐怖で埋め尽くされてます。だからこそ、誰かといたいと思ったけど……

 

(この宿にいる知り合い1人しかいないし、よりによって年上の男子のルッコさんでしょ。優しいから部屋に入れてくれると思うけど、誰にも言わないよね。)

 

そう考えながら、刻一刻と時間が過ぎていきました。しかし、雨は強まり近くに雷が落ちるこの空間で私が1人で入れるかというと……

 

(やっぱり、だめもとでルッコさんのところへ行こう。部屋には入れてくれる…よね)

 

と思いながら、私はルッコさんの部屋の前に着いた。(といっても、1つ隣なんですけど。)

 

|ω・)و゙ コンコン   「入っていいぞ。」

 

(入っていいって言ってくれた~)   「お邪魔しますドア| ºωº))"オドオド」

 

「どうかしたのか?」

 

「あの、少し部屋にいていいですか?」

 

「別にいいけど、もしかして雷苦手なのか?」

 

Σ(・ω・;)ギクッ 「なんで分かったんですか?」

 

「扉開けたときに、すっごい震えてたし。何より、帰る前に『Σ(っ゚Д゚;)っヒッ』って言ってなかったっけ?」

 

(あっ、逃げられないや。白状しよう。) 「それも聞かれてたんですね。私幼い時から雷が嫌いなんですよ。いつもは周りに家族やランちゃん達がいるんですけど、こんな状況下だし。」

 

「それで俺を頼ったてことなのね。」

 

「そうです。(((*>_<)))ブルブル」

 

「とりあえずこっち来なよ。」

 

「そうします。」

 

といったものの、足が震えてまともに歩けなかった。

 

それに気づいたのかな?ルッコさんがこっちに来て手を差し出してきました。

 

「手貸そうか?」

 

「お願いしてもいいですか?」

 

「喜んで。」

 

そう言って、私の手を握ってベットまで連れてってくれました。

 

「この部屋、机も椅子もないからここに座ってくれる。」

 

「分かりました。」

 

わたしが座った隣にルッコさんも座りました。すると、ルッコさんが私の頭を撫で始めました。

 

「よく頑張ったな。」

 

とだけ声をかけてくれました。

 

正直に言います。めちゃくちゃ気持ちよかったし、うれしかったです。

 

数分したら止めましたけど、なぜかルッコさんの顔が赤くなっていました。

 

「お、落ち着いたか?」

 

めちゃくちゃ動揺してますね。これは。

 

「落ち着きました。前々から聞きたいことがあったんですけど、聞いていいですか?」

 

「いいぞ。」

 

「なんで料理スキルを取っているんですか?」

 

sideルッコ

 

「なんで料理スキルを取っているんですか?」

 

その質問が来たか。いつかは話さないといけないとは思っていたけど、こんなに早く来るとは……

 

「そういうツグミこそ、なんで料理スキル取ってるんだ?」

 

「言わなくちゃだめですか?」

 

「行ったら俺も言う。」

 

「分かりました。私が言ったら言ってくださいよ。」

 

「分かってるよ。」

 

「私が料理スキルを取ってる理由は、リアルと関係してるんですよ。私の家が喫茶店やってて、そこで料理を結構作るんです。だから、リアルのことを気にして…ですね。」

 

(なんだ?今の間は?)

 

「そっかぁ。そんなことがあったのね。」

 

ヤバい。口調が少し砕けてた。バレてないよな。と思ってツグミのほうを見たが、顔が赤くなっていた。

 

多分気づいてないように見えた。

 

「じゃあ、俺も話そうかな。」

 

正直話したくないが、約束だから仕方ないな。しかも、リアルのことも少し言ってたから、俺もある程度言わなきゃな。

「俺の料理スキルを取った理由は、単純に1人暮らしだからってのと、料理が好きだからかな。」

 

「そうなんだ。それで、なんで1人暮らしなの?親御さんはいないの?」

 

「……親は、いないんだ。」

 

「どうして?」

 

「それは……」

 

sideツグミ

 

「それは……」

 

ルッコ君がそう言葉を発してから数分が経った。

 

(なんでだろう?そんなに答えるのが難しい質問だったかな?)

 

そう考えていた時に

 

「親がとあることで死んじゃったんだよ。」

 

(エッ。噓でしょ。)

 

わたしはすぐにルッコ君のほうを見た。俯いていたけど、涙が手に零れ落ちたから本当なんだと気付いてしまった。

 

(何やってるの私は。ルッコ君が言い淀んでいた時になんで気づいてあげられなかったんだろう。)

 

「ごめんね。こんなことだと思わなくて。」

 

「いいんだ。だけど、俺の過去について話してもいいかな?」

 

「いいよ。でもなんで私なんかに?」

 

「ツグミになら話してもいいかなって思ったんだよ。」

 

「そうなんだ。」

 

「じゃあ、話すよ。

 

あれは、6年前に起きたことだったんだ。」

 

~6年前~

 

『動くな!手を挙げて俺の言うことを聞け!』

 

急に俺の家に入ってきた奴は、拳銃を突き付けてそう言い放った。死にたくなかったから言うことを聞いていた。そいつは、俺を人質にして家の外へ出た。しかし、周りには、警察官が大勢いた。俺は「助かる」そう思っていたが、現実はそう甘くなかった。

 

『いいなお前ら。この子が死にたくなかったら言うこと聞きな。少しでもちょっかいを出したら、このガキの命はないぜ。』

 

といって俺の首にナイフを当ててきた。ものすごく痛かったのを覚えている。

そう言って奴は家に戻ったが、犯罪者がしてきた要求はただ1つ。「ここに居る警官にばれないように車を用意ろ。」これだけだった。

俺の親は、すぐに車を用意し、タイミングさえ見間違えなければいつでも逃げれるところまで来ていた。

ここまではよかった。しかし、奴は俺の両親を目の敵にしている奴と分かっていたのか、持っていた拳銃で両親の心臓を打ち抜いた。そのタイミングで警官の人が入ってきて犯人を確保していた。

 

そこから数ヶ月。俺は病院で過ごしていた。まだよかった。あいつ等と出会うまでは。

 

退院した後、俺はいとこの養子として元住んでいた場所から引っ越した。引っ越した先の学校で、いじめにあった。初めは、物がなくなったり、悪口を言われていただけだったが、次第に椅子の上や上履きの中に画鋲を置いたり、トイレ掃除のときにおもむろに水をかけられたり、最終的には、暴行までしてきた。先生や親に相談した。けど、相談したら悪化するばかり。先生にもう一回相談したときに信じられないことを言った。

『校長先生にも相談したんだけどね、いじめている子はね、校長先生のお孫さんなんだよ。だから、私はこのことに一切手を出してはいけないんだ』と言われたときに、誰も信じられなくなっていた。

親にも言ったけど先生と同じことを言っていただけだった。

しかも環境が変わっても同じことが永遠と続いていたから、「懲りないな」って心の中で思いながら過ごしていた。

 

sideルッコ

 

「そんな中にも、俺がハマったことがあったんだ。」

 

「どんなこと?」

 

「それはね、『料理』と『歌』なんだよ。」

 

「料理はわかるけど、なんで『歌』なの?」

 

「元々の両親が両方とも音楽関係者だったんだよ。父はバンドマン、母はプロのピアニストだったかな?」

 

「そうなんだ。」

 

「だから俺も楽器や作曲ヴォーカルレッスンもやってたんだよ。その中で、ヴォーカルだけは壊滅的だった。今はマシなんだけどね。

 

だからなのかな。中学校の時に吹奏楽部に入ってホルン吹いてたけど、ホルンは練習する前から周りよりも上手だったから、いじめられてた。」

 

俺はそこまで言った後、隣にいたツグミさんに抱き絞められていた。

 

sideツグミ

 

「ルッコさんもういいよ。これ以上は言っちゃだめ。」

 

「なんで?」

 

「話してる間、段々と暗い顔になって目から涙が零れ落ちてるもん。」

 

「エッ?」

 

ルッコさんは目を擦ろうとしていたが、擦れなかった。けど、泣いてることには気づいたようだった。

 

「落ち着くまで、泣いてもいいよ。胸を貸してあげるからね。」

 

ルッコさんは泣きじゃくっていました。何分も何10分も、止めどなく泣いていました。少しだけ子供っぽいと思ってしまったけど、そんな彼がいいと思ってしまいました。

 

(ルッコさんにも弱い部分があったんだ……これに関しては、誰にも言わないでおこう。そして、彼を支えていこう。)

 

わたしは、新たな決意と今まで感じたことのない感情を胸にしまいました。

 

sideルッコ

 

いつの間にか雨は上がり、満天の星空が窓の外にはあった。

 

「今日はごめんな。こんな暗い話をして。」

 

「悪いのはこっちですよ。こんなにもつらい過去を持っているとは知らずにあんなことを……数時間前までの自分を殴りたい気分です。」

 

「そこまでなのか(-_-;)

 

でも、ツグミならだれにも話さないでくれるってなんとなく思ったんだ。これが、ランやトモエやヒマリましてはモカになんて話したらどうなるか分からん。」

 

「( ̄∇ ̄;)ハッハッハ(苦笑)そうですよね。」

 

「2人とも悪いってことで、お互いのお願い1つずつ実行するってことにしよう。」

 

「分かりました。じゃあ、これから私のこと”ツグ”って呼んでくれません?」

 

「それくらいならいいぞ。じゃあ俺は、偶にでいいから俺と話してくれない?」

 

「分かりました。これからもよろしくお願いします。ルッコさん。」

 

「あぁ、こちらこそよろしくな。”ツグ”。」

 

こうして、思いもよらない雷雨の1日は幕を閉じた。

 

翌日、俺のアイテム欄に見知らぬものが入っていた。そのアイテム名は……

 

”ジョーカーメモリ”

 

捨てようと思ったが、なぜか捨ててはいけないと思ったので、置いておくことにした。




今回はここまで。シリアスな文章を書くのって難しいですね。
いつかは話そうと思っていた、オリ主のトラウマ文書けました。
最後のアイテムはのちの伏線になってます。先のほうでお披露目したいと思いますので、その時までお待ちください。
アンケートの回答、誤字脱字の指摘、感想、お気に入り登録などしてくださるとモチベーションが上がりまくります。
では次回もお楽しみに!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

7話:月夜の黒猫団に噂のニュービーが入る

こんにちは!毎度おなじみ(なんですかね?)のルコルンです。
前回のお話を投稿した時に、UAが1500件超えてたんです。ありがとうございます(*^^*)。色んな人に見てもらっているのも事実なので、失踪はせずに完結まで頑張りたいと思います。
今回のお話では、タイトルの通りあのギルドが出てきますよー。
それでは本編を……(⊃σ▂σ)⊃ドウゾドウゾ⊂(σ▂σ⊂)


sideルッコ

 

「それでは、我らが≪月夜の黒猫団≫に乾杯!………そして、命の恩人キリトさん、ルッコさん両人に乾杯!」

 

「乾杯!」

 

「か、乾杯。」

 

「かんぱーい!」

 

11層の主街区≪タフト≫にあるとある酒場。そこで、7人のプレイヤー(5人パーティー+2人のプレイヤー)が、グラスをもって音頭をとった。

 

「2人ともありがとう!助かった。」

 

「キリトさん達が来てないと思うと……」

 

「本当に感謝だよ。」

 

「お…俺たちは、たまたまあそこに居ただけだから…あんまり気にしないでほしいんだが…」

 

「そうだな。本当にたまたまだったから、間に合ったからよかったよ。」

 

そう、先日俺の短剣が折れてしまった。代わりの短剣用の素材を集めたときに悲鳴が聞こえたので、急いで駆け付けただけである。

 

「あの、失礼だと思うんですけど、お二人のレベルっていくつぐらいなんでしょうか?」

 

「ケイタ、敬語は止めにしてくれ。デスゲームだろうがゲームの一種なんだ。敬語は必要ないよ。さてと、レベルは…25だよ。みんなと変わらない。」

 

キリトは、自分のレベルを隠して会話を続けようとした。

 

「おいおいキリト、自分のレベルを隠すなよ。隠しても何も起きないだろ。まぁいいや。俺はのレベルは43だよ。因みに、キリトのレベルは25じゃなくて45なんだよ。」

 

「おいルッコ、隠してることを言いふらすなよ(-_-;)」

 

「43レベに45レベ……ってことは、お二人は攻略組ですよね?」

 

「そうだよ。」

 

「なんでこんな所に?」

 

「それはな、俺のメインウエポンである短剣が折れちゃったんだよ。」

 

「(´・ω`・)エッ?それはヤバいんじぁ……」

 

「正直ヤバいが、刀スキルの強化もできるから、一長一短だな。( ̄∇ ̄)ハッハッハ」

 

「そんなもんですかね?」  「そんなもんよ(`・ω・´)b」

 

「なぁ、キリト・ルッコ。少しお願いがある。」

 

「どうした?」

 

「端的に言うと、俺たちを指導してくれ。」

 

「いいけど、具体的にはどうしてほしいんだ?」

 

「俺たちのお願いは2つだな。

1つ目は、俺たちの戦いのスタイルをどうしたらいいのかを教えてほしい。

2つ目は、サチ、ちょっとこっちに来てくれ。」

 

「はーい。」

 

5人のパーティーの唯一の女の子がこっちに来た。

 

「この子がサチ。この子のメインアームが≪片手槍≫なんだけど、盾持ち片手剣に転向させようと思うんだ。うちのギルドは見ての通り、人数少ないし、バランス悪いだろ。」

 

と言ってきたので、改めて5人の装備を見渡した。前衛が1人(盾持ち片手剣)、中衛が4人(槍使い2人と短剣持ち1人、メイス1人)ということになっていた。これはバランスが悪いが、サチを前衛に出さなくてもいいんじゃないかと思った。

 

「確かのバランスは悪いが、サチ以外にも前衛できそうなやつがいそうだがな。」

 

「そうなのか?」

 

「君たちのパーティー構成を見るに、前衛1・後衛4だろ。その後衛の中に、メイス使いがいるだろ。メイスは片手盾持てるからそっちの子でもいいと思うから、その子にも教えるぞ。」

 

「分かった。2人にお願いするよ。」

 

「指導だけでいいのか?」

 

「うん。もちろんギルドに入ってくれると嬉しいけど……」

 

「そうか。ちょっと待ってろ。」

 

そう言って、俺とキリトは外に出た。

 

「キリト、お前悩んでるだろ。」

 

「なぜ分かったΣ(・□・;)」

 

「暗い顔してたからな。キリトは入りたいのか?」

 

「俺は……アットホームな雰囲気はすごく好きなんだけど、俺が入って分裂させた時は責任取れんから、怖いんだよ。」

 

「(* ̄- ̄)ふ~ん。キリトにしては弱気やな。」

 

「なっ。そういうお前はどうなんだよ?」

 

「俺か~。俺らが入ってもギルドの分裂はしないだろうし、入ってもいいなって思ってるけど、あいつらに報告はしないとな。」

 

そう言って、俺はあいつらにに連絡を取った。

 

sideラン

 

「アイツ、今何してるかな……」

 

私は、今週は一緒にいるはずのルッコがいなくなって3日が経った。

 

「武器を探すだけにしては遅すぎる……」

 

そう。武器を探しに行ったはずなんだけど……嫌な予感がしたから、

 

「メールするか。」

 

と思ったときに、噂の人から連絡が来た。

 

「ラン、遅くなった。

まず、3日くらい連絡手(m´・ω・`)m ゴメン…。

それと、新武器の素材は調達はできた。

後、とあるギルドに入ることになった。名前は、≪月夜の黒猫団≫っていうギルドだ。また見に来てやってくれ。」

 

と。一瞬理解が追い付かなかった。

 

「(´・ω`・)エッ?何を言っているのかワケガンカラナイヨ・д・`*)」

 

「どうしたの?」

 

「ツグミ聞いてよ。ルッコの奴ギルドに入ったってよ。」

 

「(´・ω`・)エッ?、ほんとに言ってるの?」

 

「ホントのホントだよ。」

 

「なんだなんだ~二人で何はしてんだ~」

 

「ラン~ツグ~どうしたの~?」

 

「ラン~焦っても何も起こらないよ~」

 

「これが焦らずにはいられないよ。3人とも。」

 

「ツグが言うなんて珍しいな。」

 

「それぐらい大ごとなの。」

 

少女達説明中……

 

「エーーー、あのルッコがギルドだと~」

 

「ホントなんだよ。」

 

「明日見に行こうぜ。」

 

「さんせ~い。」

 

「じゃあ、明日朝にここ集合な。」

 

「了解(・ω・)ノシ」

 

という感じで明日の朝になるのを待った。

 

sideルッコ

 

「で、なんでここに皆がいるんだ?場所は教えてないはずだが?」

 

「アルゴさんに聞いたんだよ。」

 

「それで……どういう経緯で入ることになったのかな?(#^ω^)ピキピキ」

 

「話しますので怒らないでください。」

 

少年説明中……

 

「なんだ~人思いの行動だったのか~」

 

「そんなことなら、私たちにも手伝わせてよ。」

 

「俺の独断じゃ決めれんから、みんな呼んでくるわ。」

 

「よろしく~」

 

少年呼び出し&説明中……

 

「そんなことなら、宜しく頼むよ」

 

「こちらこそ。」

 

「それより、ルッコ。この子たちとの関係は?」

 

「このゲーム内で初めて会った子たちだよ。それ以外はない……はず。」

 

「なんだ~その不自然な間は?」

 

「もしかしてこの中に気になる子がいるのか?」

 

「゚∀゚) ゚∀゚) ゚∀゚) ゚∀゚) ゚∀゚):∵グハッ!!

そそそそそんな訳ないだろ///」

 

「おっこれ図星か~」

 

「あとで教えろよな~」

 

「ササマル、お前後で覚えておけよ。練習メニューほかのみんなより厳しくするからな(#^ω^)ピキピキ」

 

「すんませんでした~=≡Σ((( つ•̀ω•́)つビューン」

 

「あっ待て。あいつ逃げたな。まぁいいや逃げてる時間分増えるだけだし。」

 

(あっ。この人怒らしたらダメな奴だ)

 

「じゃじゃあ、今日から指導宜しくお願いします。」

 

こうして、俺+キリト+いつもの5人が教える≪月夜の黒猫団≫強化プログラムが始まった。




今回はここまで。「月夜の黒猫団編」は、あと2,3話続くかも?
どんな特訓をしていくのでしょう。そして、オリ主の恋愛事情も気になりますね~
できるだけ早く書き上げるように努力しますので、アンケートに協力をお願いします。
ではまた次回お楽しみに!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

8話:様々な見方

こんにちは!ルコルンです。
少し期間が開いてしまいました。ごめんなさい。
大学が始まる前までに書けるとこまで書いてしまわなければ……
さて、今回は≪月夜の黒猫団≫2話目です。
いつも鍵括弧マシマシですが、お楽しみください。


~sideルッコ~

 

先日から≪月夜の黒猫団≫に入った俺は、今日も指導という名の先導をしていた。

 

今日は、サチの意志をもとに≪月夜の黒猫団≫の皆に武器種の大まかな説明をする日だ。

 

「えーと、まず片手用直剣(片手剣)はその名の通り、片手で持てる剣となってて、反対の手に盾が持てるのが大きなメリットだが、デメリットもある。それは、近接武器という分類の武器だから、被弾率が上がると考えてくれたらいい。」

 

「...φ(・ω・ )メモメモ」

 

「次に、細剣は片手剣と同じ長さだけど、片手剣より細いので、弱点の部位にピンポイントで当てればデカい一撃が入る。反対の手に盾を持てるのも片手剣と一緒だが、機動力が落ちるから持たない人が多い。」

 

「フム(( ˘ω ˘ *))フム」

 

「次に俺が装備してる短剣だけど、片手剣よりリーチが短いが、その分手数が多い技がある。機動力も細剣くらいは普通にあるので、盾を装備できるといっても装備しない人がほとんどだ。」

 

「(´・д・`)へー」

 

「次に、片手棍なんだけど。短剣と一緒のリーチで、打撃系武器の一種とされている。因みに、この武器もも盾が持てる。」

 

「次に、両手槍だが、まずリーチがさっきまで話した4種類の武器より長い。だけど、両手を使って持つので、盾は持てない。」

 

「そんで、両手斧は、槍と同じくらいリーチがあるが、こいつは、打撃系武器となっている。そういえば、俺の知っている盾役の人は両手斧を持っていたな。」

 

「ラスト。刀なんだけど……こいつは、曲刀スキルを上げないと使えない。だから、刀を使いたいなら、曲刀を使い始めないといけない。因みに。刀は、槍や両手斧よりリーチが短いが、戦闘中にある程度の距離を一瞬で移動できるが、移動後に少しの間硬直してしまう。」

 

「(´・△・`)ほへー」

 

「さてと。各武器のあらかたの説明はこんなものかな。サチはどうしたい?」

 

「私は……。」

 

「すぐには決まらないよね。一回使ってみて考える?」

 

「そう……だね。私一回使ってみる。」

 

こうして、俺とサチが全武器種に触れることになったのだが……

 

「(;´・ω・)ウーン・・・一体どうしたものか……」

 

「ごめんね、ルッコ君。」

 

「しょうがないよ。俺も初めは戦うの怖かったもん。」

 

「(´・ω`・)エッ?ホント?」

 

「ホントのホント。というより、このゲームがデスゲームになったとたんからだけど。」

 

「じゃあ、なんで戦えるようになったの?」

 

「それは……あの5人のおかげかな?」

 

「あの5人って、ルッコ君と一緒にいてたあの子たち?」

 

「そうそう。このゲームの中で、初めて出会った人が彼女たちだったんだ。今はたくましくなったけど、初めはサチと一緒で、戦うのが怖かったと思う。そんな彼女たちを見て、俺が怖がってちゃいけないなって思ったんだ。」

 

「そんなものなのかな?」

 

「そんなもんよ!あと、考え方を変えてみるのも1つの手やと思うな。」

 

「考え方を変える?」

 

「そう。助けてもらいながらでも戦えたでしょ?」

 

「そうだね。」

 

「少しづつ戦うことに慣れて言ったらいいと思うよ。」

 

「そうしてみるね。」

 

という感じで戦いながら指導を進めた。時には、キリトやツグミたちの手を借りながらね。

そんなこんなしてたら数週間が経っていた。そして……

 

「みんなちょっと集まってくれ。話したいことがあるんだ。」

 

「どうしたどうした~お前の恋愛事情なら聞く耳持たんぞ~」 「ササマル。そんなこと言っちゃダメだろ。」 (╬´^ω^)(#^ω^)ピキピキ 

 

(あ・・・( -_-)/Ωチーン)

 

「そんなことじゃ呼ばねーよ。俺よりサチからと言った方がいいかな?」

 

「そうなのか?サチ。」

 

「そうだね。私からの相談とルッコさんの判断って感じかな?

私からの相談は、盾持ち片手剣の転向はしたくないかな。ルッコさんが入ってきてくれてから色々なことをしたけど、両手槍以上にしっくりきた武器がないってことと、やっぱり戦うのが怖いから、前衛でタンクなんてしたら死んじゃう気がしたんだ。」

 

「サチがそう言うなら、この転向は止めといたほうがいいかな。んで、ルッコさんの判断は?」

 

「そうだな~。サチが嫌っていうなら、絶対に転向しない方がいい。嫌々やったらモチベが無くなって、最悪の場合死ぬ。こんな感じかな?最終判断は、ケイタの判断に任せるよ。」

 

(俺の考え……か。パーティー構成が悪いっていう理由だけで、戦うのが怖い人を前衛、しかもタンク。ましては唯一の女の子を本人の意思関係なしに決めようとしてたもんなぁ。)

 

「よし。サチの転向は止めにしよう。サチ、ごめんな。」

 

「(´・ω`・)エッ?謝る必要なんてないよ。」

 

「そうか。それより、構成が悪いのは紛れもない事実だ。ルッコ、どうしたらいいと思う?」

 

「それは……。前に説明したことを思い出したら答えは出てくるんじゃないかな?ここからは、俺が説明したら、成長できないからな~。あと、ササマル借りるぞ。」

 

「ファ?|д゚)」

 

「いいぞ。俺たちだけで考えてみるわ。(・∀・)ニヤニヤ」

 

「答えが出たら連絡くれ。さぁ~て、ササマル君。ちょっと外出て特訓しようか?いつもより厳しく……ね。」

 

「\(^o^)/オワタ」

 

こうして、ササマルとの特訓(物理攻撃)が始まった。

 

~sideケイタ~

 

「ササマルはルッコさんと出て行っちゃったけど、この間に考えてみるか。」

 

「そうだね。」

 

とは言ったものの、全く見当がつかない。ルッコさんのことだから、今までに言ったことの中にあると思うんだよね(-_-;)

 

「もしかしたら武器種説明の時に……Σ(゚□゚)あっ!!」

 

「(´・ω`・)エッ?分かったの?」

 

「ああ。なにも盾持ち片手剣にこだわる必要はなかったんだよ。」

 

「というと……」

 

「ルッコさん言ってただろ。片手棍や短剣も盾が持てるって。」

 

「そう……だったな。でも、短剣の場合は機動力が落ちるって言ってなかったか?」

 

「そうだね。ということは……自ずと答えは絞られるってことだな。ルッコさんを呼ぼう。」

 

こうして問題の答えが出てきたので、ルッコさんを呼ぶことにした……のだが、

 

「あれっ?」 ササマルからのメールが届いた。中身はというと……

 

「嘘だろ……」

 

「どうかしたのか?」

 

「あっ、キリトさん。ちょっとこのメールを。」

 

「(。´・ω・)ん?どうし…た。」

 

キリトさんの顔色が変わったと思うと、

 

「俺は、ササマルとルッコを探しに行く。ササマルにその場から動くなと伝えてくれ。」

 

「分かった。気をつけてな。」

 

こうしてキリトさんは2人を探しに出ていきました。

 

「とりあえず3人が帰ってくるまで待とう。」

 

「そうだね。ヒマリちゃんたちに伝えなくていい?」

 

「そう……だな。」

 

こうして俺たちは3人の帰りを待つことにした。

 

~sideルッコ~

 

俺はササマルに特訓という名目で説教をしていた。

 

「ササマル君。次からはからかって人のプライベートに土足で踏み入るようなことはしないでくれ。」

 

「わ…分かりました。」

 

何をしたかって。それはだな、短剣の戦い方をデュエルの≪半減決着モード≫を用いて実戦形式で教えていたからだ。

 

「んじゃ、今回はここまで。帰るとします…か。」

 

「どうかしましたか?」

 

「ササマル。これを持ってろ。」

 

「分かったけどなんでだ?」

 

「誰かに見られてるような気がする。」

 

「よ~く分かったなルッコさん。」

 

そう言ったやつは、意外と近くにいた。しかも俺は見たことがあるやつだ

 

「お前は……きょうちゃんなのか?」




今回はここまで。最後のほう変じゃないでしょうか?
最後の部分は、端的に言うと次回への伏線ですね。
次回で、≪月夜の黒猫団≫編を頑張って終わらせたい(願望)
アンケート・感想・お気に入り登録・評価もお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

9話:異形とのイレギュラーの闘い

こんにちは!ルコルンです。
今回は前回の続き+伏線回収でございます。
≪月夜の黒猫団≫編が終わると思ったんですが、終わらなかったです。
そんでもってキリがいいところまで書いたつもりなので、いつもより文字数が多いです。
前置きはこれくらいにして、本編へ……Go!


~sideルッコ~

 

「お前は……きょうちゃんなのか?」

 

「そうだよ。ルッコ君。いや、成宮 流己君。」

 

アイツは不敵な笑みでこう言った。目の前にいるのは、西宮 恭平俺の元親友であり、俺をいじめた張本人でもある。だが……

 

「お前……行方不明だったはず。」

 

「僕は一度死んだ……はずだったんだけどね。」

 

そう言って彼は、これのおかげだよと言わんばかりに、アイテムを取り出した。

取り出したアイテムに驚きを隠せなかった

 

「ガイアメモリ。なぜそれをお前が……しかも、あれは空想上の世界線のはず。」

 

そう、ガイアメモリは元々この世界にないもの。つまり、Wの世界からガイアメモリが紛れ込んでしまったようだ。

 

「それを僕が持ってしまったという訳さ。さぁ、話もこれくらいにして、始めようか。」

 

そう言ってアイツは、メモリを方にある不思議な模様のところに差し込んだ。するとあいつの体が変形してあっという間に”異形”に変化した。それと同時に周囲の気温が上がっていくのを感じた。

 

「あちぃ。あいつが変身したとたんに熱くなったな。」

 

「ですね。あいつの能力でしょうか?」

 

「ササマル、俺のことはいいから脱出しろ。」

 

「そんなことできるわk「早く」っはい。転移≪タフト≫。」

 

そうササマルに伝え、脱出させた。

 

「さて、俺はこの異形にどう立ち向かうかな。」

 

戦闘が始まったが……俺はかなり劣勢だった。常人Vs超人だから仕方ないっちゃ仕方ないんだろう。しかも、1対複数の戦いを強いられてるからな。

 

「キリねぇなこんにゃろ。」

 

そう言いながらHP残量を確認する。こっちは、8割くらいで「バトルヒーリングスキル」で10秒毎に300回復する。まだ当分大丈夫だろう

 

「攻撃してこないのかい?じゃあこっちから。」

 

と言って炎弾を飛ばしてきた。俺は、相殺できないと悟ったので、躱すことに専念したが、最後の1発を直撃してしまった。俺のHPは6割くらい削られ、レッドゾーンに入っていた。

 

「うぐっ。いきなり飛び道具かよ。この世界にそんなもん……無いはず……なのに……よ。」

 

俺はその場に倒れた。

 

「これで終わりかい?ルッコ君。正直飽き飽きしていたから……殺すね。」

 

アイツは、俺にもう一度炎弾を飛ばしてきた。

 

(あ……俺死ぬのか。ごめんな、ツグミ。)

 

しかし、あいつの炎弾は俺に当たることがなかった。目を開けると、そこにいたのは……

 

「大事な幼馴染に手ぇ出すんじゃねーぞ、西宮。」

 

幼馴染のキリトが俺の前に居た。

 

「おやおや。誰かと思えば桐ケ谷君じゃないですか。何しに来たんです?」

 

「それはこっちのセリフだ。なんでわざわざ成宮のことを今更襲うんだ」

 

ここで俺の意識は途絶えた。

 

~sideキリト~

 

「それはこっちのセリフだ。なんでわざわざ成宮のことを今更襲うんだ」

 

「端的に言うとウザいからですよ。いじめられてた人がここじゃリーダーもどきのことしてるのがウザいんですよ。」

 

「お前、言ってることがめちゃくちゃだぞ。この中で成宮はかなり腕の立つプレイヤーだし、何よりこいつには死んでもらいたくないんだよ。」

 

「現実はそこまで甘くないんだよ桐ヶ谷くん。成宮君はもう死にかけてるんだ。生きてるのがやっとだと思うぞ。」

 

「そんなことないはずだ。」

 

俺は振り返ってルッコを見た。あいつがどう思ってるかを確かめるために。

だが、あいつは……ルッコはうんともすんとも言わなかった。

 

「おい成宮。いや、ルッコ。聞いてんのか?」

 

ふと、俺

eルッコ~

 

「お前は……きょうちゃんなのか?」

 

「そうだよ。ルッコ君。いや、成宮 流己君。」

 

アイツは不敵な笑みでこう言った。目の前にいるのは、西宮 恭平俺の元親友であり、俺をいじめた張本人でもある。だが……

 

「お前……行方不明だったはず。」

 

「僕は一度死んだ……はずだったんだけどね。」

 

そう言って彼は、これのおかげだよと言わんばかりに、アイテムを取り出した。

取り出したアイテムに驚きを隠せなかった

 

「ガイアメモリ。なぜそれをお前が……しかも、あれは空想上の世界線のはず。」

 

そう、ガイアメモリは元々この世界にないもの。つまり、Wの世界からガイアメモリが紛れ込んでしまったようだ。

 

「それを僕が持ってしまったという訳さ。さぁ、話もこれくらいにして、始めようか。」

 

そう言ってアイツは、メモリを方にある不思議な模様のところに差し込んだ。するとあいつの体が変形してあっという間に”異形”に変化した。それと同時に周囲の気温が上がっていくのを感じた。

 

「あちぃ。あいつが変身したとたんに熱くなったな。」

 

「ですね。あいつの能力でしょうか?」

 

「ササマル、俺のことはいいから脱出しろ。」

 

「そんなことできるわk「早く」っはい。転移≪タフト≫。」

 

そうササマルに伝え、脱出させた。

 

「さて、俺はこの異形にどう立ち向かうかな。」

 

戦闘が始まったが……俺はかなり劣勢だった。常人Vs超人だから仕方ないっちゃ仕方ないんだろう。しかも、1対複数の戦いを強いられてるからな。

 

「キリねぇなこんにゃろ。」

 

そう言いながらHP残量を確認する。こっちは、8割くらいで「バトルヒーリングスキル」で10秒毎に300回復する。まだ当分大丈夫だろう

 

「攻撃してこないのかい?じゃあこっちから。」

 

と言って炎弾を飛ばしてきた。俺は、相殺できないと悟ったので、躱すことに専念したが、最後の1発を直撃してしまった。俺のHPは6割くらい削られ、レッドゾーンに入っていた。

 

「うぐっ。いきなり飛び道具かよ。この世界にそんなもん……無いはず……なのに……よ。」

 

俺はその場に倒れた。

 

「これで終わりかい?ルッコ君。正直飽き飽きしていたから……殺すね。」

 

アイツは、俺にもう一度炎弾を飛ばしてきた。

 

(あ……俺死ぬのか。ごめんな、ツグミ。)

 

しかし、あいつの炎弾は俺に当たることがなかった。目を開けると、そこにいたのは……

 

「大事な幼馴染に手ぇ出すんじゃねーぞ、西宮。」

 

幼馴染のキリトが俺の前に居た。

 

「おやおや。誰かと思えば桐ケ谷君じゃないですか。何しに来たんです?」

 

「それはこっちのセリフだ。なんでわざわざ成宮のことを今更襲うんだ」

 

ここで俺の意識は途絶えてしまった。

 

~sideキリト~

 

「それはこっちのセリフだ。なんでわざわざ成宮のことを今更襲うんだ」

 

「端的に言うとウザいからですよ。向こうでいじめられてた人がここじゃリーダーもどきのことしてるのがウザいんですよ。」

 

「お前、言ってることがめちゃくちゃだぞ。しかも向こうの話は厳禁だ。お前が思ってるより成宮はこの中世界のでかなり腕の立つプレイヤーだし、何よりこいつには死んでもらいたくないんだよ。」

 

「現実はそこまで甘くないんだよ桐ヶ谷くん。成宮君はもう死にかけてるんだ。生きてるのがやっとだと思うぞ。」

 

「そんなことないはずだ。」

 

俺は振り返ってルッコを見た。あいつがどう思ってるかを確かめるために。

だが、あいつは……ルッコはうんともすんとも言わなかった。

 

「おい成宮。いや、ルッコ。聞いてんのか?」

 

ふと、ルッコのHPバーを見た。あいつのバーは、ほんの数ドットしか残ってなかった。

 

「嘘だろ。お前何者だよ。」

 

「”マグマドーパント”の力を借りた人間。とだけ言っておこう。」

 

俺は”マグマドーパント”がどんな奴かは知らない。けど、分かったことがある。あいつの考えは狂気染みてる。だが、勝つことができないなと思った。だから……

 

「ちぃ。多分このまま挑んだら負けるだろうな。だが、この世界にいる、”攻略組”のメンツがそろそろ到着すると思う。集団戦に戦いなれてる人たちに、あんたは勝てると思うのかい?」

 

「そうかそうか。じゃあ撤退するとしよう。じゃあな、桐ケ谷君。いや、ここでは”キリト君”のほうがふさわしいかい?」

 

アイツはそう言って、体に纏っている炎をより強くし、逃走した。

 

「( ´ー`)フゥー...やっと逃げたか。さてと、どう運ぶかn「キリト君」丁度いいところに来たなアスナ。」

 

「急に呼び出してどうかした……の。」

 

「見ての通りだ。ルッコのギルドの子から連絡をもらって走ってきたんだが、俺が着いた時にはこの有様だ。」

 

「誰が…こんなことを…。」

 

「少なくともアスナには関係ない人物だ。俺とルッコの。いやルッコにしか本当は関係ないのかもしれない。」

 

「そう……それよりも、ルッコ君をどこに運ぶの?」

 

「とりあえず、ルッコはギルドのホームに運ぼうと思う。手伝ってくれないか?」

 

「分かったわ。」

 

俺たちは、徒歩で≪タフト≫内にあるギルドホームに向かった。そこにいた皆に何が起きたかを説明した。

 

「そんなことが……とりあえず、助けてくれてありがとうキリトさん。」

 

「お礼される義理がないよ。それより、ケイタ。1つ提案があるんだ。」

 

「どうしたんだい?」

 

「アイツが起きるまで……この≪月夜の黒猫団≫に入れてくれないか?」

 

「急だね。でも、歓迎するよ。ルッコさんの代わりってことは、入れ替えでキリトさんがここに入るんですね。」

 

「その通りなんだが……ケイタ、お前はエスパーか?」

 

「いやキリトさんが分かり易いだけですよ。」

 

「そうだね。キリト君はかなり分かり易いね。」

 

「アスナまでそういうのか(;´д`)トホホ」

 

そんな会話をしていたが、あいつがここに居ないからちっとも楽しくなかった。

 

俺は、忘れる前にとある子に連絡を入れた。俺が怒られる可能性しかないが、言わないよりましだろう。

 

「これで送信っと。明日には目覚めててほしいもんだ。」

 

淡い希望を持ちながら、寝床に着いた。

 

~sideツグミ~

 

「キリトだ。落ち着いて聞いてくれ。ルッコが襲われた。今は安静にしているが意識が戻らないから見に行ってくれないか?場所は、≪月夜の黒猫団≫のホームにいる。ランたちに伝えるかは、ツグミが決めてくれていい。」

 

えっ、嘘……ルッコさんが意識不明……とととりあえず、ランちゃんたちに相談しよう。

 

~1時間後~ ~少女説明中~

 

「嘘だろ。ルッコさんが意識不明。」

 

「ツグ。それ誰から聞いたの?」

 

「キリトさんから…」

 

「じゃあ嘘の可能性は低いね~。」

 

「でもなんでルッコさんが意識不明に…」

 

「とりあえず、キリトさんに話を聞きに行こう。」

 

~少女達移動中~

 

私たちは、キリトさんに言われた場所に行った。そこにいたのは……

 

「ルッコ……さん。」

 

連絡通りのルッコさんがいた。

 

「誰がこんなことを。」

 

「なんでルッコさんなんだ?」

 

「私たちにはわかんないよ。」

 

「ねぇ、ツグはどう思……う」

 

なぜルッコさんを襲ったのかよくわからなかった。犯人の思考は分かりたくないけど、ルッコさんを守れなかった私自身に怒っていた。だからね……

 

「そんなこと考えてる場合じゃないでしょ、みんな。」

 

私はみんなに怒っていた。みんなは悪くないのに…

 

「今は犯人捜しよりルッコさんの看病が優先じゃないの?相手はルッコさんとキリトさんしかわからないんだから、分からないことより分かることを優先すべきじゃないの?」

 

「ツグミの言う通りだね。今は、ルッコさんの目を覚ますのを待とう。」

 

「私がずっと見てるから、みんなは連絡したものを持ってきてくれない?」

 

「そっか~。ツグはルー君のためにツグるんだね~。」

 

「な、なにを言ってるのモカちゃん。」

 

「ツグはルッコのことが もご」

 

「ランちゃん、それ以上止めて//」

 

(ツグ可愛いな~)

 

~みんなが去ったあと~

 

~sideキリト~

 

「コンコン ルッコ、入るぞ。」

 

ガチャ 「お邪魔します。」

 

ルッコの部屋に入ると、ツグミもいた。

 

「ごめんな。ルッコの面倒見てくれて。」

 

「いえいえ。私がやりたいと思ったからやってるだけです。」

 

「本当は、俺が見るべきなんだけどね。」

 

「いえ。キリトさんも忙しいので仕方ないですよ。」

 

「それよりなんだが、ツグミはルッコの過去についてどれくらい知ってるんだい?」

 

「えっと……両親が無くない理由やいじめられてたことがあることくらいですかね。」

 

「そうか。ルッコは君のことを相当信用しているようだ。」

 

「なんで分かるんですか?」

 

「ツグミの言った通り、あいつは過去にいじめられてた。それが原因で、誰も信じれなくなった。しかも、彼の親が殺されたということもあり、自分の過去を誰にも話すことはなくなったんだ。幼馴染の俺を除いてだな。」

 

「それと彼が過去を話すことに何の関係が?」

 

「端的に言うと、信用されてないとあいつは自分の過去を明かさないんだよ。ツグミが何をしたのかは分からないけど、信用されてるってことだろうな。」

 

~sideツグミ~

 

「端的に言うと、信用されてないとあいつは自分の過去を明かさないんだよ。ツグミが何をしたのかは分からないけど、信用されてるってことだろうな。」

 

「ルッコさんが過去のことを話すのは特定の条件の人だけなんですね。」

 

(なんだか嬉しいな。もっと頼ってもらいたいな。)

 

「ツグ。そろそろ交代する?」

 

「そうだねランちゃん。今キリトさんがいるから変なことしないでよね。」

 

そう言って私は宿に帰ってアイテム欄を見ると見知らぬものが入っていた

 

「サイクロンメモリ……ねぇ。」

 

それを確認したら、私はすぐ寝てしまいました。

 

~sideルッコ~

 

俺は暗い闇の中に放り込まれていた。

 

「ここはどこだ?」

 

そうつぶやいた途端、俺はふと思い出してアイテム欄を見た。

 

「あった。ジョーカーメモリ。」

 

「こんなところにあったのか。」

 

俺以外の誰かの言葉が聞こえた。恐る恐る前を向くと……

 

「あ、貴方は……」




今回はここまで。次回は、ルッコの不思議な体験と、キリトがルッコの代わりに入った≪月夜の黒猫団≫の動きの予定です。(予定は変更の恐れあり。)
アンケートの途中結果としては、攻撃系・もしくはオールラウンダー系のユニークスキルを持たせることになりそうです。まだまだ期間がありますので、じゃんじゃん投票していってください。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

10話:この世界での力

こんにちは。ルコルンです。
今回は、オリ主の意識回復+月夜の黒猫団編最終話です。
それでは、どうぞ!


~sideルッコ~

 

「あ、貴方は……」

 

「おっ。俺のことを知ってるのかな?」

 

「知ってるも何も。ジョーカーメモリの使用者じゃないですか、翔太郎さん。」

 

「じゃぁ、俺が来た理由もわかるだろう。」

 

「それは……ドーパント絡みですか?」

 

「そうだ。簡単に言うとだな……」

 

~青年説明中~

 

「つまり、貴方たちが倒したはずのドーパントが何者かによって復活され、この世界に転移させられていると。そして、『サイクロンメモリ』と『ジョーカーメモリ』をこの世界の中にいるプレイヤーに与えたと。ちょっと待ってくれ。メモリが俺のところに1個しか来てないが、もう1個のほうは誰のところに……」

 

「それはもう少ししたら分かると思う。って言ってる間に来たようだな、相棒。」

 

「お待たせ翔太郎。なかなか見つからなっくて手間取ってしまったよ。」

 

俺は、翔太郎さんの方を見ると、知ってる人が2人いた。

 

「(´・ω`・)エッ?フィリップさんと……」

 

~sideツグミ~

 

「ここは……どこだろう?」

 

私は、暗闇の中にいました。なんでここにいるのかを必死に考えようとしました。すると……

 

「どうしたんだい?ここに何か用かい?」

 

「えっと…あの…」

 

「大体事情は分かったよ。よくわからないうちにここに来てしまったんだね。」

 

この人には何もかもおみ透視なんですね、そうですよね。

 

「よく分かりますね。ところで、ここはどこなんですか?」

 

「ここはね、精神世界の1種だよ。君たちのいる元の世界とは違う…ね。」

 

「(´・ω`・)エッ?」 この人が言ってることを信用したくないけど、SAOがデスゲームに変わったという事例があるので、妙に納得ができた。

 

「じゃあ、元の世界の私の体は……」

 

「それは心配しなくてもいい。なぜなら、君の体は眠っているからね。精神だけここに来たんだよ。」

 

「そうですか。じゃあ、なんで私はここに?」

 

「それはね、君が『サイクロンメモリ』を持っているからだよ。ツグミさん。いや、羽沢つぐみさん。」

 

一瞬、私は恐怖を覚えました。

 

「誤解しないでほしい。君をここに招待したのは、とある者がこの世界、いやこの『SAO』というデスゲームに潜り込んでいて、そいつらの殲滅をお願いしたくてここに連れてきただけなんだ。」

 

「そ、そうなんですか……」

 

私はなぜ呼ばれたのかが理解できなかったので……

 

「なんで、私なんかがここに?」

 

「私なんかって、そこまで卑屈にならなくていいんだよ。僕が見込んだからね。」

 

「どうして……」

 

「誰かのために努力できることは立派なことだと思うけどね。君こそ”彼”の相棒にふさわしい。」

 

「彼って?」

 

「付いて来てくれれば分かるよ。」

 

と言われたので、私は付いて行くことにしました。

 

「それはもう少ししたら分かると思う。って言ってる間に来たようだな、相棒。」

 

「お待たせ翔太郎。なかなか見つからなっくて手間取ってしまったよ。」

 

そこにいたのは、翔太郎さんって人と見知った人が……

 

「(´・ω`・)エッ?フィリップさんと……ツグミ⁉どうしてここに。」

 

「あれ?ルッコ君。なんでこんな所に?」

 

私はふと思い出しました。

 

「彼って、ルッコさんのことだったのですか?」

 

「そうだ。とはいっても2人が知り合いだとは思わなかったよ。」

 

「フィリップさん、絶対嘘でしょ。地球の本棚使って全部見れるくせに。」

 

「よく分かってるじゃないか。」

 

私にはよくわからない単語がちらほらと出てきました。そこで……

 

「ねぇ、ルッコ君。『地球の本棚』って何かな?」

 

「ツグミと一緒に来てた人いたじゃん。あの人の頭の中にはね、地球にあるもののすべての知識が詰まってるんだよ。そのことを、『地球の本棚』って言うんだよ。」

 

「さらっとすごいこと言ってません?」

 

「それがあの人たちのいる世界なんだよ。それより、ツグがここにいるのっていうことは、『サイクロンメモリ』持ってるっていう解釈でいいんだよな?」

 

「まぁ、そうなりますよね。」

 

「ですよね~。でも、なんか安心した。」ボソッ

 

「何か言いましたか?」

 

「イエナニモゴザイマセン」

 

距離が近いから聞こえてますよルッコさん。

 

「ところでルッコ君。君はこの『SAO』の世界でドーパントに出会っているね。」

 

「(´・ω`・)エッ?」 ルッコ君が?なんで?まさか……

 

~sideルッコ~

 

「ところでルッコ君。君はこの『SAO』の世界でドーパントに出会っているね。」

 

「っ。そうですよ。」

 

いきなりの質問に俺は動揺してしまった。

 

「そこでだ。君たちで、ドーパントを処理してもらいたい。」

 

「なんで俺たちが?お二人がすればいいのではないですか。」

 

「本当が俺たち2人でやれるならしたかったが、いろんな場所でドーパントが出現して人手が足りないんだ。」

 

「そこで、僕たちはこの世界にいるドーパントを処理してもらえる人を探していたんだ。」

 

「そんで、俺たち2人が抜擢されたと。そこまでは分かりました。それで、具体的な方法は?」

 

「それはだ、これを使うんだ。」

 

そう言って俺とツグにベルトみたいなものを渡してきた。

 

「これは、『Wドライバー』と言って、2人に1本ずつ渡したガイアメモリを使って『仮面ライダーW』になってもらいたい。」

 

「マジですか?フィリップさん。」

 

「本当だ。これを使っても君たちが勝てるかは、5分5分というところなんだ。」

 

「そうですよね。」

 

「だから、この依頼を受けるかどうか、よく考えて決めてほしい。この世界の死=現実世界の死なんだからな。」

 

どうしたもんか?持ってるメモリ的に、俺の肉体がメインだろう。ならば、答えは1つ。

 

「やります!」

 

「ルッコ君がやるなら、私もやります!」

 

「君たちならそういうと思っていたよ。」

 

「ですが、こちらからもお願いがあります。今ここで、『仮面ライダーW』に変身してもいいというのならですが。」

 

「それくらいなら。別にいいだろう、翔太郎。」

 

「そうだな。ぶっつけ本番より100倍マシだ。やり方は分かるか?」

 

「一応は。心配なので、フィリップさんは、ツグの傍にいててくれませんか?」

 

「おや?ルッコ君はいいのかい?」

 

「ええ。俺の推測が正しければ……ですけど。」

 

「じゃあやろっか。」

 

何でツグのテンションが高いんだ?まぁいいけど。

 

「そうだな。ぱっと終わらせよう。」

 

「Cyclone」「Joker」 「「変身」」

 

変身がおわって、すぐにツグの方を見た。

 

「やっぱりそうだよな。ということは……ツグ、聞こえるか?」

 

案の定、サイクロンメモリを持っていたツグが倒れて、フィリップさんが抱えている光景がそこにあった。

 

「どうしたの?ルッコ君……ってええ。なんで私があそこで倒れてるの?」

 

「見えてるんだな。ならいいんだが、なんで倒れてるかというとだな。かくかくしかじか……」

 

「まぁ、なんとなくだけど納得したよ。とりあえず、変身するときはランちゃんたちの近くにいるときの方がいいんだね。」

 

「例外もあるが……ほとんどの時はそうだな。」

 

そう言って、俺は変身を解除した。すると……

 

「ん……私は何を……ってええ。」

 

ツグは驚いていた。そりゃそうだよな。急に倒れて、他の人の体から自分の体を見るという体験をしたんだからな。

 

「大丈夫か、ツグ?」

 

「べべべ、別にだだ「大丈夫じゃないだろ」ね。あぅ。」カワ(・∀・)イイ!!

 

「これで最後だ。君たちにこれを渡しておくよ。」

 

そう言って、フィリップさんは、俺たちに1つのトランクケースを渡した。

 

「その中身には、君たち2人が使えるメモリが入っている。」

 

「翔太郎さん、フィリップさん。何から何までありがとうございます。」

 

「こっちの無茶な案件に付き合ってくれるんだから、これくらいはしないと。」

 

2人が喜んでくれただけで、俺は十分です。 とは言えなかった。

 

「じゃあホントに最後。『悪魔と相乗りする勇気…あるかな』」

 

「えっ。」 「急だな。」 「「でも。」」

 

「「あるよ」」

 

ツグも隣で言っていた。ツグさんこのセリフ知ってるのかよ(-_-;)

 

「それじゃあ、君たちにこちらは任せるよ。また会えることを楽しみにしているよ。」

 

「こちらこそ。」

 

こういうと2人は遠ざかっていった。という訳で…

 

「ツグ、俺は何日目覚めてないんだ?」

 

「約1ヶ月ですね。少し攻略が進んでるよ。後、≪月夜の黒猫団≫の事はキリトさんに聞いてね。」

 

「了解。あと、ありがとな。看病してくれてたんだろ。」

 

「そ、そうだね////」

 

なんかツグの調子が変な気が……まぁいいか。

 

「心配かけないように元の世界戻りますか。」

 

「待ってるからね、ルッコ君。」

 

そう言ってこの世界から離れた。

 

「んぁ、ここ……は……」

 

俺は周りを見た。幸いなことに、月明かりで照らされていたので、場所はすぐにわかった。俺が起き上がろうとした時、右腕に猛烈な痛みと重みがあったので、視点をそこに向ける。そこには……

 

「ラン…だよな。改めて見ると可愛いな。」

 

何故か分からないが頭を撫でていた。途中、ランがノ) ¯꒳¯ )ウニュとか言ったから萌え死にしそうになっていたのは言うまでもない。

 

そんなことをしていると、ランが起きたようだ。

 

「ん。あれ。ルッコ起きてたん……だ//」

 

今の自分の状況に気づいたようだ。俺はランの頭から手を離した。

 

「ごめんな。可愛かったからつい……許してくれ。」

 

「私も含め、みんな心配してたんだよ。私だけじゃなくて、みんなにも謝って。」

 

「わかった。だから引っ張りだそうとしないでくれ。お願いだから……先に連絡をさせてくださいm(_ _)m」

 

なんてことをしながらも、重要な人物にはメールを打って何とか復活したことを伝えることが出来た。

 

 

 

 

「とまぁお前が昏睡状態になってからの月夜の黒猫団こんなところだな。」

 

「(´・Д・)ソウカ・・・ありがとうなキリト。この後、あいつらの所へ向かうことにしよう。」

 

俺は今、キリトからあの戦いの後の《月夜の黒猫団》について話を聞いていた。何が起きていたかと言うと……

 

・サチの縦持ち片手剣の転向はやめにしたこと。

・サチが行方不明になったからみんなで探し回ったこと。

・ギルドホームを買ったこと。

・そのタイミングで27層の迷宮区に潜った時に、トラップに引っかかって死にかけたこと。

が大まかな出来事として上がっていた。よく良く考えれば、1ヶ月間でこれだけのことしか起こっていないのだから。キリトには十分感謝しないといけないな。

 

俺はキリトと別れ、月夜の黒猫団のギルドホームに向かった。正直、皆と会うのが怖かった。だけど杞憂に終わった。みんなが心配してくれてたから、ここにいててもよかったと思ったけど、このギルドを抜けることにした。みんな悲しんでたけど、みんなが頑張って攻略組になるって意気込んでいたから「みんなならいけるよ」って励ました。

 

その後、ツグたちのもとへ向かった。ちなみに、ツグ達は35層にホームを買ったらしい(ランに聞くとシェアハウス的なものらしい)。というわけで俺は35層に向かっている。

 

|ω・)و゙ コンコン 「ハ━━━ヾ(。´囗`)ノ━━━イってルッコじゃん。とりあえず上がれよ。」

 

「お、お邪魔します。」

 

連絡なしに凸ったけど何とか行けそうだ。そうこう考えてい居間に着いたようだ。

 

「なんもないが、まぁ座れよ。私みんな呼んでくるから。」

 

「そうさせてもらうよ。」

 

トモエの優しさに甘えることにして、俺は椅子に座った。よくよく見ると、台所用具しっかりとあってちょっと驚いた反面、幼なじみという枠に入れないなと思ってしまった。そんなこと考えていると……

 

「トモエ〜誰かいる…の。」

 

「ヒーちゃん止まらないでよ〜。前が見えないよ〜。」

 

「ごめんごめん。モカたちも全員入るまで止まっちゃダメだからね。」

 

「やっと進んだよ〜さてさて、誰がいるんだろう……ね。」

 

「ヒマリちゃん,モカちゃんどうした……の。」

 

みんながフリーズしてる。これはこっちから声をかけるしかないか。

 

「ヒマリ、モカ、ツグ、ラン、トモエ、ただいま。」

 

「「「「「おかえり(。・Д・。)ノ」」」」」

 

やっぱりこれだね〜。そんな1日でした。




ここまでの閲覧ありがとうございます。
最後の最後までよくわかんない10話だったと思いますが、次回からはアニメの方に戻ります。
何度も言ってますが、アンケート・感想・評価・誤字脱字の指摘がありましたらお願いします。
また、Twitterもやってます。フォローするかしないかはあなた次第!
ではまた次回お楽しみに!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

11話:森の中の迷子と出会う

は~い、ルコルンです。
今回は、35層での出会いです。新キャラも出でます(原作通りなので分かり易いかも)。
それでは、本編へ……Go!


~35層迷いの森~

 

「ぜぇ、ぜぇ。きりが無いよ。なんでこんなことになったんだっけ……。」

 

ここは、35層の森林系ダンジョンである。大きな木々が立ち並ぶこの森には、厄介な点がある。それは……

 

”無作為にこの森の隣接エリアの連結点が無作為に変わってしまう”

 

ということが挙げられている。だから、このダンジョンに入る場合は地図を持って入ることが大前提なのである。これは、キリトから聞いた話なのだが……”ここのダンジョンの中では、転移結晶が機能せず、この森のどこかへワープすることになっており、攻略組でもここのマッピングは断念した。”と聞いている。地図なしで自力の脱出はほぼほぼ不可能になっている。だからこそ、ここを通る人はみんな地図を持って入ることが多いのだが……この少女は違った。どういう思いでこの森に入ったのかは分からないが、このダンジョンに地図なしで入るのは無謀だということに今更気づいたようだ。

 

「そんなことを考えるまえに、目の前の状況をどうにかしないと。」

 

そう。今彼女の前にいるゴリラみたいな敵。通称≪ドランクエイプ≫3体と戦闘中なのだ。彼女のレベル的には、苦戦するような敵ではないはずなのだが、今まで1人で戦ってきた疲労が蓄積しているので、苦戦していた。

 

「せりゃあ!!」

 

彼女は疲れた体に鞭を打ち、戦闘を開始していた。初めの方は彼女が優勢だったが、いくら倒しても敵が減らないことに違和感を覚えたのか。又、蓄積してきた疲労の反動がここできたのか。どちらかわからないのだが、彼女の動きが止まった。その隙をモンスター達が見逃すこともなく……

 

『グオオオオォ!!』

 

「きゃあっ!?」

 

モンスターの攻撃がクリティカルヒットしたようで、彼女のHPは3割削られていた。減ったHPを見た彼女は背中に悪寒が走った。それもそうだろう、レベルは高くても死ぬ時は死ぬ。この感じの攻撃をあと3回喰らうと……そう考えると、体が動かなかった。辛うじて動いた右手を腰まで持っていき回復アイテムを使おうとしたが、今までの戦闘で全て使い切ってしまったようで、中には何も無かった。逃げようとしても、体は動かない。彼女は死の恐怖を感じたことはなかったからだ。

 

「あ、うぅ。」

 

『グルオォォォ!!』

 

「がッ__!?」

 

また、HPは減った。先程よりも多く減ったのだろう。残りHPは3割を切って、イエローゲージに差し掛かっていた。同じ攻撃を受けると終わってしまう。恐怖が大きく、目を閉じた。その時……

 

「キュルルルッ!____キュッ!」

 

鳴き声と共に何かが、鈍器のようなもので殴られた音共に苦しそうな声が聞こえた。彼女はゆっくりと目を開け、何が起きたかを確認した。信じたくなかった。彼女の目の前に落ちてきたもの、それは……

 

心と体も預けあった彼女の《相棒》だった。

 

〜sideルッコ〜

 

俺は意識を取り戻してから、最前線についての話をした。

 

「(´-ω-`)ふーん.....今は55層ね〜。俺が倒れてた1ヶ月の間に進みすぎな気がするけど……俺戻らん方がいいんかな?」

 

「そ、そんなことはないと思うよ( ˊᵕˋ ;)進めにくかったけど、他のみんなが頑張っただけだよ。」

 

「さいでっか。」

 

俺が倒れてる間に20層くらい進んでたらしい。(-ω-;)アレ?1層の突破までに2ヶ月かかったはずでは……そんなことを考えている時にふと思い浮かんでしまうたことがある。それは…

 

“俺、意識なかった時に突破された層を突破してくるわ”

 

何故かこんなことを言った俺を、俺自身で殴り飛ばしたいと思いつつ、35層の攻略をしていた帰り道、俺はあるこの叫び声が聞こえてきた。俺がそこにたどり着いた時、彼女は力なく泣いていた。

 

(このままじゃやばいよな……)

 

こう考える前に体は動いていた。彼女を助けるために。

 

「せりゃあ。君、早く逃げるんだ。」

 

「でも、ピナが……ピナが。」

 

「あの子は君に生きてもらいたくて行動したんだと思う。だから、その子の思いを無駄にしちゃダメだ。」

 

「っ、はい。ありがとうございます。」

 

「少し物陰に隠れてろ。」 「はいっ。」

 

隠れたことを確認し、俺は短剣を抜いた。

 

「さてと、彼女から何を奪ったかは知らないけど、女の子を泣かすことは重罪たからね。死んでもらうよ。」

 

〜side???〜

 

“さてと、彼女から何を奪ったかは知らないけど、女の子を泣かすことは重罪たからね。死んでもらうよ。”

 

そういった後の彼の剣さばきは異常なまでの速さでした。私が苦戦した敵もあっさりと倒してしまいました。

 

「あの、助けていただいてありがとうございました。」

 

「お礼を言われるなんて。それに、君の《相棒》を助けれなかった。俺がもう少し早く気づいていれば助けれたかもしれなかったのに。」

 

彼は、そう言って頭を下げました。私だけでも助けて貰えただけでもありがたいのに……

 

「そういえば、《相棒》のフェザーリドラが倒れた時に何か持っていた気がしたんだが……」

 

そう言われて、《相棒》のピナが倒れた時に出てきたこのアイテムを見せた。

 

「それに名前は付いてるかな?」

 

「あっはい。ええと……《ピナの心》ですね。」

 

このアイテムを見ると胸が締め付けられそうになる……今にも泣いちゃいそうだ。

 

「っ、そのアイテムがあれば蘇生出来るかもしれない。」

 

「ほ、本当ですか?」

 

「ああ。ただし、47層の《思い出の丘》にあるそうだ。しかも、飼い主の方が行かないと花が咲かないらしい。」

 

「47層ですか。今は無理でもいつかは……」

 

「蘇生できるのは亡くなってから3日間らしい。それを超えると、アイテム名の《心》の部分が《形見》に変わって蘇生が出来なくなる。」

 

「でも。俺と行けば無理な層じゃない。」

 

そう言って彼はアイテム欄をあさり始めました。そして、いらない武器や防具を私にトレードしようとしました。しかも、私が今装備しているものよりかなり強いものをです。

 

「あの。どうして私のことを助けてくれるんですか?」

 

「何でだろうね。でも、助けたくなったんだよね。」

 

そう言われてしまった。ここまで話してから、名前を言っていないことに気づいた。

 

「そういえば、名前言ってなかったですよね。私シリカって言います。」

 

「俺はルッコ。ピナが生き返るまでよろしくね。」

 

こうやって臨時ですが、パーティーが組めました。

 

〜sideルッコ〜

 

シリカと森を出るまでにはそこまで時間がかからなかった。その後、シリカが色んな人からパーティーに誘われてたが、俺とピナを生き返らせる旨を伝え、やんわりと断っていた。

 

「シリカって人気者なんだな。」

 

「いえ、私の事なんてマスコットとしか思ってないですよ。私が入った大体のパーティーがそうでした。」

 

本人は気にしていないのだろうか。シリカはシリカなりに生きているはず。だから、相棒と言って差し支えないくらいのピナが死んだ時涙を流したんだと思う。だから、ピナを生き返らせることが今の俺の使命。なんて考えていると……

 

「あーら、シリカちゃん。よく1人であの森を抜けられたわね。お疲れ様。」

 

「ロザリアさん。」

 

この2人を見ているとわかる。仲はたぶん険悪と言って差し支えないだろう。

 

「あら〜、あのトカゲはどうしたの〜。もしかして……」

 

「確かにピナは死にました。でも、絶対に生き返らせます。」

 

「(´-ω-`)ふーん.....じゃあ、《思い出の丘》へ行くんだ〜でも、あんたのレベルでどうにかなるところじゃないと思うけどね。」

 

(ただのウザイおばさんってところか。そういえば、こいつどこかで……まぁいい。さすがに言い返すか。)

 

「行けるよ。あそこはそこまでレベルが高くなくても行ける場所だ。」

 

「いい装備してるけど、アンタ彼女にたらし込まれたくちかしら。」

 

「そんなことない。彼女から依頼を受けてやってるんだ。何が目的だ?」

 

「何も無いけどね〜。せいぜい頑張ってちょうだい。」

 

そう言ってアイツは去っていった。

 

「(。-ˇ.ˇ-。)フゥゥ⤵︎アイツみたいな奴の前で平常心維持は大変だ。シリカ、行くよ。」

 

「はっ、はい。今行きます。」

 

俺たちが向かった場所は、この層にあるレストラン。そこに二人で話していた。

 

「どうしてあんな事が言うのかな……」

 

「シリカ、VRMMOは初めてかい?」

 

「そうですね。もしかしてルッコさんも……」

 

「そうだね。まぁVRじゃないMMOならね。この世界にいる人の中でも、あんな奴は久々に見たな。どの世界でも、性格が変わる奴がいるんだ。その中にも進んで悪役を演じる奴もいる。詳しいことは言えないんだが。」

 

「そうなんですね。」

 

こんな話がしたくてここにやってきた訳では無い。俺が話したかったのは……

 

「なぁ、シリカ。シリカはこの世界にいる君と同じくらいの女の子に会いたいとは思わないかい?」

 

「急にどうしたんですか?」

 

「単に気になっただけだ。」

 

「そうですか。気にならないって言ったら嘘にならないですね。」

 

「わかった。少し待ってろ。」

 

そう言って、俺はメールをした。

 

〜sideツグミ〜

 

私は今特に何もしてないです。さっきまでみんなと話してたんですけどね。急にメールが届きました。

 

「こんな時間に誰なんだろう……ってルッコさん!!」

 

「ツグーどうしたー。」

 

「な、なんでもないです。」

 

急に来たからびっくりした〜。なになに中身は〜…

 

「夜分遅くにごめん。今から1人お客さん行くけどみんな大丈夫そうかな?」

 

( *'ω')ファッ!?ルッコさんがお客さん連れてくるの?ととと、とりあえずみんなに大丈夫か聞いてみよう。

 

「みんな〜聞いて〜。」

 

「ツグーどしたー。」

 

「こんな時間にどうしたの?もしかしてルッコさんからなんか来たの?」

 

「なぜ分かった。」

 

「だってね〜顔に出てるから。」

 

「「「( ゚ー゚)ウ ( 。_。)ン」」」

 

「ガーΣ(`・ω・Ⅲ)ーン。それより、ルッコさんが、お客さん連れてくるらしいんだけど、今から大丈夫?」

 

「「「「大丈夫だよ〜」」」」

 

「了解。」

 

「行けるってさ。いつぐらいに来るの?」

 

「10時くらいかな?日付が変わらないうちに行くよ。」

 

「了解。誰も泊まらない?」

 

「(・ω・`)ソウダナーじゃあ2人泊まるかも?」

 

「了解。じゃあ、準備しとくね〜。」

 

「(>人<;)オネガイ」

 

私は急いで準備を始めました。

 

〜sideルッコ〜

「行けるってさ、シリカ。」

 

「ホントですか?」

 

「そこで明日のことも話そう。結構距離あるからそれ食ったら早く行くぞ。」

 

「分かりました。」(´〜`)モグモグ

 

あまり待たずに出ることが出来た。目的の場所に向かっている途中、なんで出逢えたのかの説明を求められたが、時間がかかるのが明白なので、着いてから色々と説明することにした。

 

||☆\“(・_・。)コンコン「俺だ、ルッコだ。」

 

俺は目的の場所に着いてドアをノックしていた。

 

「はーい。ちょっと待っててねー。」

 

|*´ー`*)ノ|Ю ガチャ「ルッコ君いらっしゃい。それでお隣にいるのが……」

 

「あっ、えっと、し、シリカです。」

 

「うん、シリカちゃんね。とりあえず上がって。」

 

「「お邪魔しますm(_ _)m」」

 

多分質問攻めにされるんだろうなー

 

「それでなんだけど、なんでここに来たのかな?」

 

やっぱりか〜腹くくって言うか。

 

「それはだな……《迷いの森》の中で、この子と出会ったんだけど、その時には、この子の《相棒》のピナっていうペットが亡くなってしまってたんだ。蘇生アイテム自体はあるんだけど、この子だけじゃもしもの時に対処できないと思って臨時パーティーを組んでるんだ。」

 

「それだけじゃないよね?」

 

うへぇ怖い。なんで分かるんだよ。ちゃんと返答しようそうしよう。

 

「後、この子の交友関係を広げるためにって思ってここに来たんだ。」

 

「なんだ〜そういう事か〜。じゃあいいよ。みんな降りてきて〜」

 

何とか許された。最近何かあったのかな?またご飯かおやつ差し入れしとかないと。

 

「そういえば何人いるんですか?」

 

「増えてないなら、前にいる子含め5人かな。」

 

「そんなにいるんですか。もしかしてh「違うから。」を、そうですか。」

 

こんなことを話してたらみんなが降りてきた。

 

「んじゃ自己紹介を順にして言ってくれ。」

 

〜少女達説明中〜

 

「みんな終わったようなので本題に入る。今日出合ったシリカなんだが、この子の《相棒》と言えるほど仲がよかったフェザーリドラのピナを助けれなかった。だから、明日中に蘇生アイテムである。《プマウネの花》を47層にある《思い出の丘》に取りに行こうと思うんだが、ついて来たい人はいるか?」

 

「47層(°m°;)ゴクリ…。そういえば、ルッコ君レベル的に大丈夫?」

 

「俺なら心配するな。ちょっとむしゃくしゃしてるけどな。」

 

(主にロザリアと言うやつのせいだがな。アイツは明日黒鉄宮に放り込んでやる。)

 

「まぁいいや。明日は……私以外フリーじゃないんだよね。」

 

「まぁ急に言ったから、仕方ないか。じゃあトモエ、ついて来てくれるか?」

 

「任せろ(*•̀ㅂ•́)و✧。多分だけど、ルッコのできないことをしたらいいんだな。」

 

「そうだ。後、シリカの護衛だ。めんどくさいやつに追われる可能性があるからな。」

 

「了解。よろしくな、シリカ。」

 

「はい。よろしくね、トモエ。」

 

(いつの間にか呼び捨てで呼ぶようになってた。)

 

「じゃあ、トモエだけ残ってくれ。あとの人は自由にしてていいぞ。」

 

「「「「「了解。」」」」」

 

そう言って、みんなは戻って行った。だから、ここにいるのは、明日行くメンバーである俺、トモエ、シリカの3人が残った。

 

「んじゃ明日のことについて話す……ぞ。」

 

「どうした、ルッコ。」

 

「しっ。誰かが聴き耳を立ててる……多分外から。ちょっと待っててくれ。」

 

俺は外に歩いていって……

 

「誰だ!!」εε=(((((ノ・ω・)ノスタタタタタタタタタタタ「チッ。逃げたか。」

 

俺は中に戻った。

 

「さて話を戻そう。」

 

〜少年説明中〜

 

「注意点はこんな所かな。明日頑張るぞ!!」

 

「「おー٩(´・ω・`)و」」

 

その後、俺とシリカは、トモエたちの家に泊まることになった。その後、俺はキリトにメールを送った。

 

「キリト。前に言われたロザリアって奴と話したぞ。明日は多分47層の思い出の丘に現れると思う。先回りして待っててくれないか?」

 

「了解。でも、なんで分かるんだ?」

 

「アイツは俺のパーティーメンバーの1人にビーストテイマーがいて、その子の蘇生アイテムである《プマウネの花》を狙ってくるだろう。」

 

「ん?お前のパーティーにビーストテイマーなんていたか?」

 

「一時的に入ってるだけだ。またすぐ抜けると思うな。」

 

「そうか。まぁ、とりあえず明日は思い出の丘にいとけばいいんだな。」

 

「ああ。恩に着る。」

 

明日はやる事が多すぎて遂行できるか分からないが、頑張ってみようと思う。




今回はここまで。ここまで読んでくれた人ありがとうございます。
私事なんですが、大学の授業が始まっておりますので、投稿が遅くなることがございます。
それでは次回をお楽しみに(*^^*)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

12話:最低な手段

はい~ルコルンです。
今回は、シリカ編part2でございます。
オリジナルありで進めていきます。
それでは、本編をどうぞ~。


47層フローリア 

俺たちはそこにいた。なんでかって?前回の話w( ∩'-' )=͟͟͞͞⊃ )´д`)すいませんでした。誰から殴られたんだ……まあいい今日シリカは、「ピナ」を生き返らせるために。俺は、2人を守りながら、とある人を探すためにここにいた。

 

「ルッコさんこの層全体的に綺麗ですね。」

 

「そうだな。ここは、SAO内でも有数なデートスポットだからな。多分俺には縁がないことだがな。」

 

「そうだったんだな。」(縁がないと本気で思ってんのか?)

 

トモエから凄い目で見られてる気がする……多分言いたいのはツグのことだろうな。正直あの子の好意には気づいているが、違った場合のリスクが高いので、確信を得るまで気づいてない振りをしている。それは置いといて、本題に戻ろう。

 

「2人とも大丈夫か?こっからは、昨日言った通りにしていくぞ。」

 

「「了解(です)!!」」

 

そんなこんなしながら、俺たちは丘の頂上にいた。えっ途中何もなかったのかって?イエナニモ……嘘です。女子の2人が植物?みたいなモンスターの蔓?みたいなのに引っ張られて宙吊りになってました( 'ω')マヂカヨ...。どっちかだけなら良かったんだけどね。まぁ色々戦っているうちにシリカとトモエのレベルが1ずつ上がったようだ。多分適正階層か少し上の階だからだろう。そんなことを考えていると…

 

「ルッコさん花の置いてある祭壇って何処にあるんですか?」

 

「そろそろ見えるはず……噂をしてたら見えてきたな。そこに花があるはずだ。 」

 

道中で色々起きたから忘れかけていたんだが、本題は「シリカの相棒のピナを生き返らせる」ということに全力を注いでもいいんだが、後ろから見られている感覚がしたので、急いで祭壇まで進んだ。

 

「ルッコさん。花が……花が。」

 

「そんなはずない。ちょっと待ってたら……ほら咲いてきた。」

 

俺も少し焦ってしまったが、すぐに花が咲いたので安心したのは言うまでもない。シリカが鼻を手に入れたことを確認し、街に帰ってから蘇生をしようと提案したら2人とも承諾してくれた。その時、潜んでいたヤツらが動き始めたので、2人に合図を送って待ってもらうことにした。

 

「そこに潜んでいるヤツら……ざっと10人くらいか?全員出てこい。さもないと……」

 

ここまで言った時、そこの茂みから1人だけ出てきた。トモエ以外が見知った人だ。

 

「ロ、ロザリアさん。どうしてここに?」

 

「あたしの隠蔽スキルを見破るなんて、なかなか腕が立つ剣士さんね。そんなことより、その様子だと上手いこと花は手に入れられたようね。さぁ、それを渡してちょうだい。」

 

「そんなことを言われて、はいそうですか。って言って渡すやつがどこにいると思ってんだ。後、こいつ以外に出てこないならこっちから仕掛けるぞ。」

 

そう言って、俺は遠投スキルを使い麻痺毒が付いたピックを索敵スキルで見つけた10人に全て命中させた後、あいつらの隠れているところをまっさらにしてやった。

 

「さて、話をしよう。まずは、10日前に《シルバーフラグス》ていうギルドを襲ったな。メンバー4人が殺されリーダーだけが生き残ったギルドた。」

 

「あぁ……あの貧乏ギルドね。それで?」

 

「こっからは俺じゃない方がいいな。俺じゃ話してる最中に斬りかかってしまいそうだ。というわけで、キリト頼んだ。」

 

「仕方ないな。こっからは俺から話さしてもらうよ。オレンジギルド《タイタンズハント》のロザリアさん。話を戻して、その襲われたリーダーの男は、“お前らを殺せ”じゃなくて“お前らを牢獄に入れてくれ”だとさ。」

 

「お前にあの人の気持ちは分からんだろうがな、これだけは言える。本当に死んでしまった人は元には戻らない。それがわからんなら実演でもしてみるか?」

 

今の俺は正直に言って馬鹿だったんだろう。

 

「さて、そんなくだらんこと話してたら投げたピックに付いてた麻痺毒が切れる頃だろう。十数人かな?殴ってこいよ。」

 

「おい、ルッコ。馬鹿なことはやめるんだ。」

 

「そうだ。いくら強いからって言ってもこの人数差じゃ……」

 

「そうですよ。やめてください。」

 

3人からの忠告が痛いほど耳に刺さった。だが、俺も男だ。

 

「3人とも、ありがとうな。こっからはわがままだ。キリト、トモエ、シリカ、お前たち3人ともここから転移しろ。できるだけ小声で且つ遠くへだ。いいな。」

 

「了解。だが、」「わかった。けどな、」「はい。ですが、」

 

「「「生きて帰ってこいよ(来てください)。」」」

 

そう言って転移するのを見ていた。確認し終わって前を向いたら……

 

「ルッコって言ってたな。って事は、《緑の戦士》のルッコだよな。」

 

「て事は……ロザリアさん、こいつは攻略組の上の方にいる奴です。」

 

「((( ;゚Д゚))ナッ!?そんな奴がここに居るわけないでしょ。仮に攻略組だとしてもこの人数差よ。勝てないとおかしいじゃない。」

 

「そ、そうだな。攻略組ならレアアイテムいっぱい持ってるだろ。」

 

俺の正体に気付いたヤツがいるか。俺が知らん間に俺の二つ名は《緑の戦士》にいつの間にかなっていた。多分、毎回のように、ボスの攻撃を1人で受けているからだろうな‪w

そんな事はさておき、アイツら仲間が多いから油断てるな。さてと、本気出しますか。

 

「オラッ、かかってこいや雑魚ども。」

 

キタキタ。10秒辺り800ダメージか。こりゃ一生かけても俺は殺せねぇな。

おっ、相手も気づいたのかな?攻撃をやめていたようだ。

 

「クソっ。何であいつを殺せないのよ。ちょっとさっさと殺りなさい。」

 

「すみません、ロザリアさん。あいつ、殴っても殴ってもHPが減らないんですよ。」

 

「はぁ?そんなことある訳「そいつの言ってる事は合ってるよ」Σ(゚ロ゚;)ナニ!!」

 

「簡単に説明してやるよ。お前らが10秒間に与えるダメージ量は800程度。それに対して、俺の《バトルビリーングスキル》は10秒辺り1000回復する。これがこの状況のカラクリだ。」

 

「そんなの有りえな「ありえるんだよ。」(*°ཫ°)وグッ」

 

「どんな敵にも、レベル差がものをいうゲーム。それがこの世界、《MMORPG》という世界なんだよ。逆に言うとな、レベル差がない、もしくは相手の方がレベルが高い場合はな、戦略を立てて挑まんといかんというゲームなんだよ。

さてと、戯言はここまで。ここからは、俺のターンだ。」

 

そう言って、またピックを出してロザリア以外に当てた。今度は先程と違い麻痺毒のレベルを上げた。ⅠからIVにだ。麻痺毒中は死なないから本当に動きを封じ込める時間を伸ばしたと言うだけだ。

 

「さてと、あとはアンタ1人だ。どうする?」

 

「((( ̄へ ̄井) フンッ!!使えない野郎どもだね。さてと、あたしも最終手段取りますか。」

 

そう言って取りだしたのは、ガイアメモリだった。

 

「やっぱり、お前にも渡ってたか。」

 

「どうしてそう思ったのかしら。」

 

「簡単さ。お前はあまりにもお金のことしか考えて無さすぎたんだ。」

 

「…(・c_・`)フーンそんなのはどうでもいいわ。」

 

そう言って彼女は首の後ろにガイアメモリを刺した。すると、瞬く間に異形に見た目が変わってしまった。

 

「どぉ〜、これが私の真の姿。さてお兄さん。まだやるのかしら。」

 

「お前がそれを使うのならこっちも最終奥義を使うしかないようだな。」

 

そういった俺の手には、ドライバーを持っており、左手でツグにメールを送っていた。

 

「ずいぶんと余裕そうね。こんな時にメールかしら。ならばこちらから……ね。」

 

「やっと返信が来たか。と思ったら要求したメモリも刺さってるな。」

 

《変身》

 

俺はヒートトリガーになって相手を蹂躙することにした。

 

〜sideツグミ〜

 

私は幼なじみで買ったホームにいる時に、ルッコさんからメールが届きました。

 

「えっと、なになに。“シリカのために蘇生アイテムを取りに行ってる最中に、ドーパントが現れた。もし今1人なら、ドライバーにヒートメモリをセットしておいてくれ。1人じゃないなら周りにいる子に事情を話してくれ。”……((´(´・(´・_(´・_・(´・_・`(´・_・`)はい?ととと、取り敢えず、“今は1人なので、ヒートメモリ刺して準備しますね。”っと送信。これでいいかな。言われた通りにしよう。そうしよう。」

 

私は、腰にドライバーを巻き、ヒートメモリを刺した。途端に意識が朦朧とし、そのまま手放した。

 

〜sideルッコ〜

 

「ごめんなツグ。本当は俺1人で何とかしたかったんだけどな……前に戦った奴は強かったから。今回は手伝ってくれ。」

 

「分かりましたよ。終わってから私の言うこと1個聞いてもらいますからね。」

 

「了解。さて2回目だけど言いますか。」

 

「「さあ、お前の罪を数えろ。」」

 

そっからは異常な光景が見えたそうだ。まぁそうだろうな。本来この世界にいないはずの怪物と2色の仮面と服を着た人がいたら、そりゃ驚くよな( ̄▽ ̄;)。そんなことは知らない当事者の戦いは、こちらが優勢だった。あのドーパント、俺の見立て通り炎系に弱いようだ。

 

「一気に決めるぞ」 トリガーマキシマムドライブ

 

「トリガーエクスプロージョン」

 

トリガーマグナムから火炎放射器のように炎が直線的に出てきて、ドーパントに直撃した。この世界ではHPが0になる=現実世界の死だが、必殺技を打っても死なない。そう思っていたから打ち込んだ。

俺の思惑通り、やつの変身は解けガイアメモリは破壊された。それを確認して俺も変身を解いた。

 

「さて、ロザリアさんよ。アンタの頼みの綱は切られた。ここから選ばしてやるよ。ここを通って仲間たちが通った場所まで行くか、ここで死ぬか。多分謝れって言っても性懲りも無くまたやるだろ。だから、この二択だ。さぁ、選びな。」

 

そう言いながら俺は3回目の麻痺毒を塗ったピックを投げた。反対の手に浄化ポーションを持ちながらだが。

 

「わかった。死にたくないから早く開いてよ。」

 

「あいよー。んじゃ、《コリドー・オープン》」

 

それから、俺はあいつがコリドーに入るのを確認し、閉じるまでそこにいた。

全てが終わったあと、キリトがそこにいるのを察知した俺は

 

「そこに居るんだろ、キリトよ。」

 

「なっ。いつから気づいてたんだよ( ̄▽ ̄;)」

 

「ついさっきだよ。」

 

「そうか。それより聞きたいんだが、あれはなんだ?」

 

「あぁ。見られてたのか。話すと長くなるからまた今度な。それより、シリカとトモエはどこの層に行った?」

 

「二人とも35層にいるよ。早く行ってやりな。」

 

「了解。お前はどうする?」

 

「俺は依頼主に報告してくるよ。じゃ、またな。」

 

「おう。無茶すんなよ。」

 

「それはお互い様だ。」

 

そう言ってキリトと別れ俺は35層に行った。

 

「えぇっと、多分あそこだろうな。一応確認取るか。」

 

連絡をとって、許可を貰えたので粗品を持っていくことにした。

 

目的の場所に着いて中に入ると、みんなが出迎えてくれた。帰ってすぐにお叱りがとんできた気がしなくもないが、気にしないことにした。でも、シリカの笑顔が見れたので何気に満足だったりする。




今回は以上になります。
まず、2週間空いてしまって申し訳ありません。原因は言わずもがな大学の課題でございます。何で800文字くらいで自己紹介しやなあかんねんキュイイイイッキェェェエッ(発狂)
すみません、取り乱しました。
今回の話で、アンケートは締め切らしていただきます。一応、次の話が投稿されるまでアンケート出しておきますので、よろしくお願いします。
アンケートついでにお気に入り登録,感想,評価をしていただけると励みになりますので、気軽にどうぞ。もちろん、誤字脱字があるよーっていう報告もお願いします。
では、次回をお楽しみに( ´ ▽ ` )ノ


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

13話:レア食材と吉報

こんにちは〜ルコルンです。
まず、アンケートのご協力ありがとうございます。
ここからアンケートの意見を加味しながら、話を合わせていきます。因みに、オリ主のユニークスキルは今回出てきません。数話先に出す予定です。
話は変わりますが、この話を書いている間に、シリカとキリトが誕生日迎えてました。アスナも前回の話のタイミングで迎えてたんですけどね。誕生日回は1人ずつやると間に合わないので、3人分に書いちゃおうと思います。ので、今日は2本出ます。
それでは、本編へ……どうぞ( 。・_・。)っ


ピナ蘇生から数日が経ったある日、キリトから急に連絡が来た。

 

“何か知らんが新しいスキルが手に入ってたんだが、それについて話がしたい。明日時間あるなら35まで来てくれないか?”

 

こんなことが書かれていた。新スキルか……持たざる者には来ないのね(( ̄▽ ̄;;)ア、ハハハハ…まぁ行きますか。

 

翌日、指定された階層に行った。まぁキリトは時間にルーズでは無いので、俺より先にその場所に居た。

 

「すまん、待たせてしまったか。」

 

「そんなに待ってないから大丈夫だ。本題へ行く前に、移動しないか?」

 

「あんまりこの話は聞かれたくないからだよな。人目の少ないところに行こう。」

 

「恩に着る。助かるが、人の少ないところの宛はあるのか?」

 

「うってつけの場所があるじゃんか。この層に」

 

そう言って俺たちは、この層にある「迷いの森」へ向かった。

 

「最近来てなかったから忘れてたわ。確かに秘密話ならうってつけだな。」

 

「だろ〜。で、本題は?」

 

「あぁ。まずはこれを見てくれ。」

 

俺はキリトからスキル欄を見させてもらった。

 

「これのどこに変な事がある……ん…だ。」

 

俺の見間違いかと初めは思った。だが、現実は非情。片手剣のスキルの下にもう1つスキルが増えているではあーりませんか。

 

「お前……ゲームマスターにいくら払ったんだ‪w」

 

「一銭も払ってねえよ‪wそれよりこのスキルがやばいんだよ。」

 

内容はこうだ。

二刀流スキル

片手剣を両手に装備可能

二刀流スキルと片手剣スキルが両方とも使用可能

STRとAGRが100%上昇

技後硬直時間半減

武器防御時VIT40%上昇

 

これだけなんだが、やばいんだよなこれ。

何がやばいって、まずは武器2本装備可能ということは、攻撃回数が増えるだろう。威力は据え置きだろうと思っていたけど、そんなことは無かった。

 

「これは……バランスが崩壊するだろうな。極力使わない方針の方がいいだろう。やばい時の切り札として育てておくのは大事だと思うぞ。」

 

「やっぱそうだよな。ここで1回戦ってみるか。」

 

キリトは右手にエリュシデータを、左手に昔使っていたアニールブレードを装備して、二刀流スキルを用いて敵に攻撃した。想像通り一撃で倒したのだが……

 

「武器の耐久力が持たなかったか。俺のやつ使ってもう1回やってみようぜ。」

 

「♪(о ̄▽ ̄)/サンキュ-。でもこれ新品だよな?本当にいいのか?」

 

「キリトは俺のスキル構成知ってるだろ?片手剣は使わないんだよ‪w」

 

「そういやそうだったわ。じゃもう一度やりますか。」

 

そう言ってもう1回やってもらったが、結果は同じ。新品だろうが、1発スキルを打っただけで破損してしまった。

 

「oh......こりゃエリュシデータレベルの剣をもう1本必要だな。」

 

「そうだが、俺に鍛冶師の宛ないぞ。」

 

「俺も作れるが……もっと適任な人いるぞ。」

 

48層 リンダース

 

「おっ、今日は空いてるんだな。」

 

|˙꒳˙)ノ|Ю カランカラン 「いらっしゃい。ってルッコじゃない。」

 

「リズ。(*ゝω・*)ノコンチャ。今日は俺じゃなくてコイツだ。ちゃんと話せよ。」

 

「ちょっと待て、俺をここに置いていくのか?」

 

「まぁ頑張れ( ˙-˙ )౨」

 

俺はそのまま出ていった。キリトには悪いと思ったが、予定に遅れそうだからと後で付け足した。

 

「さてと、いつも通りやりますか。」

 

そう言って、迷宮区のマッピングを進めに今攻略している階層へ向かった。

 

あれから数時間経ち、時刻は5時。迷宮区からの帰路中にとあるモンスターを見つけた。

 

「( ˙꒳˙ ≡ ˙꒳˙ )おっおっおっ。あそこにいるのはラグーラビットではあ〜りませんか。相手に気づかれる前に殺りますか。」

 

俺はそう言ってピックを取りだし、奴にの足元に向かって放った。避けられることは悟っているし、飛んだ方向に2発目を放った。しっかりと2発目がクリーンヒットし、奴は倒れて、《ラグーラビットの肉》が運良く2つ落ちていた。

 

「おっ、ラッキー。ツグ達と一緒に食べるとするか。そうと決まれば、善は急げだ。」

 

俺は転移結晶を使い、彼女たちがいる場所まで行った。

 

( ´-ω-)σ ピンポーン♪ 「はぁ~い(о´∀`о)」

 

「なんだルッコ君か。急にどうしたの?」

 

「ちょっとキッチン借りたいんだが、いいか?」

 

「なんか作るの?だったら手伝うよ。」

 

「今回は難易度高い食材使うから、今回はいいよ〜。」

 

「了解。みんなを呼んでくるよ。」

 

「頼んだ。」

 

ヒマリが呼びに行ってくれてる間に俺は料理を作る準備を始めた。作るなら、サラダとシチューにしよう。ラグーはフランス語で、英語版のシチューだからな。

 

そんなこんなしてたら、みんなが下に降りてきた。1人を除いてだが。

 

「ヒマリ、ツグ見てないか?」

 

「多分自分の部屋で寝てるんじゃないかな?起こしに行ってこようか?」

 

「頼む(-人-)」

 

「それよりルー君何作ってるの?」

 

「Σ( ̄。 ̄ノ)ノビックリシタ、モカか。これは……内緒だ。みんな来てからにしよう。」

 

「えーモカちゃんは今教えて欲しいんだよ〜」

 

「それより、ヒマリ帰ってこないな……ツグの部屋どこだ?」

 

「2階の一番奥の部屋だよ。」

 

「了解!!(๑•̀ω•́ฅ)見に行ってくるわ。」

 

「これどうするの?」

 

「火は止めてるからモカに食べられないように頼んだ。」

 

そう言ってランの指示通り家の中を進んで行った。

 

「ここだよな?|ω・)و゙ コンコン ツグ・ヒマリ、いるか?」

 

中からの反応が無かった。ドアノブを捻るとドアが空いた。勝手に入ってしまったことは後で謝ろう。

 

「えっと、ツグとヒマリは……居た。何してるん……だ。」

 

何してると言うか…彼女たちは寝てた。

 

「(。´-д-)ハァー 特に何事もなくてよかった。閃光弾使って起こすか。」

 

この世界では男性は女性に対して触ると、ハラスメント防止コードが出てくるらしいので、下手に触ることが出来ない。というわけで、閃光弾を利用して起こそうと考えたわけだ。

 

「手荒だけどやるか。(ง°`ロ°)งセイヤ!!!」

 

俺は閃光弾を使い、眩い光が部屋の中に充満した。

 

「((´・ェ・`))ゥゥンここは?」 「( ˊ࿁ˋ ) ᐝフワァよく寝た。」

 

「やっと起きたか2人とも。」

 

「あれ?ルッコくんいつからここに?」

 

「ツグは俺来た時には寝てたんだろ。2人とも、もうすぐでご飯できるから下に降りてくるんだぞ。」

 

俺はそそくさと外に出てキッチンに戻った。

 

(さて、俺はいつこのことを話そうかな。いつかはこの気持ちを…あの子に。)

 

2人が降りてきて、全員席に着いてもらった。

 

「さて、今回作ったのは、とあるお肉を使ったシチューです。どうぞ召し上がってください(*^^*)」

 

みんな食べ始めたな。さぁ、味は……?

 

「「「「「お、美味しい」」」」」

 

「ε-(´∀`;)ホッ。良かった。かなりいい肉使ったからこれで不味かったらどうしようって思ってたんや‪。」

 

「これが不味いわけないじゃん自信もって( ˙▿︎˙ )b」

 

「ありがと。ツグ」 そう言いながらツグの頭を撫でた。

 

「(*´°`*)ハウ//急にやめてよ///」

(あれは脈アリだね〜)

(あんなことしながら付き合ってないの)

(トモエ、ブラックコーヒー飲みたい)

(奇遇だな私も飲みたくなってきたところだ)

 

「そ、それよりさ、とある肉って何が入ってるんだ?」

(((ナイス、トモエ)))

 

「それはこいつだ。」

 

そう言って俺はラグーラビットの写真を見せた。

 

「「えっ。」」 「これって」 「「まさか」」

 

「「「「「ラグーラビット?!」」」」」

 

「さすがに驚くよな。俺も驚いたもん。しかも、お肉が2個ドロップしたんだよ。だから、みんなで食べたいなって思ったんだよ。」

 

「ちなみに1個しか取れなかったら?」

 

「その時は1人で食べてたかな?真面目に料理スキル上げきってて良かったー。」

 

「本当に感謝しかないよ。ありがとうルッコくん。」

 

「それならこっちも報告を。私たちは5人でギルドを設立しようと思ったんだ。」

 

「( ゚A ゚)ホウホウ…………えッ?マジで?」

 

「マジだよ。それで、相談なんだけどさ……私らのギルドに来ないか?」

 

「!!!Σ(゚ロ゚!(゚ペ?)???えっ。いやいやちょっと待ってくれ、整理する時間をくれ。えっと、5人がギルドを組んだ。そこまではいい。確か、幼なじみだし。問題は、なんで俺をそこに入れようとするのかだ。」

 

「そんなん付き合いが1番長いからだよ。」

 

「俺は基本ソロだし、一応攻略組という枠組みの中にいる。だから、入ったとしても一緒に行動できる機会が減ってしまう。」

 

「そんなの重々承知だって。」

 

「もしかしたら、何日も連絡しないかもしない。」

 

「それなら連絡繋がるまで何度も連絡すればいいじゃん。」

 

「勝手な行動で振り回すかもしれないぞ。」

 

「そんなのお互い様だよ。」

 

「こんな俺でも入れてくれるのか?ここに。」

 

「当たり前じゃん。じゃないと直々に誘わないよ。」

 

「そこまで固い意思だと思ってなかったな。」

 

「「「「「ってことは……」」」」」

 

「俺をこのギルドに入れてくれないか?」

 

「「「「「喜んで」」」」」

 

「そういや名前は?」

 

「(°Д°)アッ…」

 

「忘れてたのかよ。いつギルド作るって決めたんだ?」

 

「昨日の夕方だったはず。」

 

「はずって(苦笑)じゃあ夕焼けとかを入れたいな。夕焼け夕焼け……Afterglowとかどうだ?」

 

「それいいな。それで行こう。みんなこれでいいか?」

 

4人とも頷いてくれた。

 

「じゃぁこれでいこう。で、リーダーは?」

 

「それは……ね( ̄▽ ̄)ニヤリ」

 

みんなの目線の先……ということは俺か。( ゚д゚ )嘘だろ…

 

「ちょいまち。なんで俺?」

 

「だって私たちまとめ役いないもん。」

 

「はぁ?よく今までやってこれたな( ̄▽ ̄;)少し不安になってきた。」

 

「なんで不安なのよ〜」

 

「じゃあサブリーダーはルッコが決めなよ。」

 

「そ、それなら私するよ。」

 

「この中ならツグにお願いしようと思ってたから丁度良かった。改めて、宜しくね。」

 

「「「「「こちらこそ( ﹡・ᴗ・ )b」」」」」

 

ギルド生活第2回目が始まりました。しかも、リーダーとして。




今回はここまで。
なんかキリが良く終われた気がする。
次回は、オリジナルで行きます。誰のお話かな?
久しぶりにifやったら、友達より戦力低くなってて笑えてきました。レベルはこっちが上なんやけどな( ´∀`)ハハハ
いつも見てくださってる方々ありがとうございます。ご要望がございましたら、感想かTwitterまで送ってくれたらありがたいです。あっ、誤字脱字や評価もしてくれたら泣いて喜びます。
それではまた次回をお楽しみに。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

14話:少女の思いと少年の意志

はい、ルコルンです。
年明けてすぐに来るツグちゃんの誕生日までにフェアリーダンス編を終わらせたいと思ってるんですが、筆が進まないんですよ〜(´;ω;`)
‪というわけで、「圏内殺人編」か「笑う棺桶討伐編」か「ユイちゃん編」の3つの内2つを飛ばしたいとかなと考えています。主人公入っても変化ないと思うので。楽しみにしてた方ごめんなさい。時間があれば後からでも書くと思います。
それでは、本編へ……Go!!



ギルドに入ってから数日がたったある日、俺はみんなにパーティ用の戦い方をレクチャーしていた。

 

「俺が初撃を叩き込んだ後、俺に近づくな。重い一撃が飛んでくると思う。それを受け止めてパリィした後、すかさずスイッチして誰かが攻撃を叩き込むスタイルでいこう。」

 

「ねぇ、ルッコくん。スイッチって何?」

 

「あっそうか。パーティー戦の経験があまり無かったもんな。言葉で言うより見た方がわかりやすいだろうから実践してみるな。ツグ、1層のボスレイドでやったパリィとスイッチを覚えてるな。」

 

「う、うん。覚えてるよ。私はスイッチ役だよね?」

 

「そうだな。いずれ、片手剣を持っているメンツはパリィとスイッチの両方をできるようにして欲しいな。細剣でもできるが、片手剣よりシビアだからな。」

 

「ウヘェ( ;´⚰︎`)マジかよ。ラン、頑張ろうぜ。」

 

「そうだね。まぁ分からなくなったらルッコ先生に聞けばいいしね。」

 

「確かにそうだな。」

「俺のできる範囲でな( ´∀`)ハハハ よし。ツグ、やるぞ!!」

 

「了解!!(๑•̀ω•́ฅ)」

 

〜少女達鑑賞中〜

 

「まぁこんな感じだ。2人組で練習したいと思うんだが、このままだと、なにも分からないと思うから、1日ずつ交代でやっていこうと思う。誰からやるかい?」

 

そう言ったら、我先にとみんなが言い始めたからビックリしてしまった。なんやかんやあって順番は決まったらしい。

 

〜1人目 ラン〜

 

「今回はランだな。片手剣を使うならスイッチする側とパリィ側の両方を教えようと思う。スイッチのコツとしては、パリィした人が敵のバランスを崩していることが多いので、強めのスキルをお見舞しても構わないと思う。ボス戦の時は例外で、怯みが終わったあとで、ボスの攻撃を受ける可能性がある。だから強めの攻撃より技後硬直が短いスキルを使うべきだと俺は考えているな。」

 

「( *¯ㅿ¯*)ヘー。1回やってみないとわからない気がする。だから、練習させてくれない?」

 

「まだ説明が終わってないんだが…一気に話しても分かんなくなるよな。とりあえずスイッチの練習するために50層行くぞo(`ω´ )o」

 

〜少年少女練習中〜

 

「何となく形になっていると思うぞ。」

 

「そう、ありがと。」

 

「じゃあ次のステップへ行こうか。次は、パリィについてだ。これのコツは、相手の技の軌道を読むことだね。」

 

「技の軌道?」

 

「そう。ソードスキルはシステムの1部で動いている。じゃないと、みんなが同じ技を使うことは難しいからね。話を戻して、多くのスキルを見ることが大切だと思う。だから、これに関しては、いろんなスキルを見て覚えることが先決だと考えている。」

 

「覚えるの大変そう。」

 

「確かに、覚えるのは大変だから、初めは出来なくても全然いいんだ。ということで、俺から言えるのは以上かな?というわけで、実践行ってみよぉ。」

 

〜少年少女練習中〜

 

「おつかれ〜。初日でこれだけ出来れば十分だよ。」

 

「ありがと。ルッコは毎回こんなこと考えながら戦闘してたんだ。身に染みてわかったよ。」

 

「そっか。これに関しては慣れだから数こなさないとね。そういえば、次は誰なの?」

 

「確か、トモエだった気がする。」

 

「そうか。じゃあ呼んできてくれ。」

 

「了解!!。ルッコも無理しないでね。」

 

「分かってるって。あれ以降無茶はしないようにしてるから。」

 

残り4人。同じような事を言う必要があるのか。

〜少年、少女達に同じようなことをレクチャーする〜

 

「みんなお疲れ。ある程度形になってるから、次から実践も出来そうだな。」

 

「実践……ってことは、今攻略の層に行ってやるの?」

 

「それは無理だな。少なくとも、あとレベルを15は最低でもあげないと。」

 

「あと15レベルってことは……」

 

そんなことを話していると、空が少しづつ曇り始めてきた。

 

「マジですか。こうなったらさっさと帰るか。」

 

「そうですね。続きは別日にでも。」

 

明日やりゃええやんって思った人いると思うから一応な?明日は今攻略中の層のマッピングをしに行くことになっている。だから後日なのだ。因みに、この事はみんなに言っているので、明日はフリーということにしている。ゲームの中でも課題はやる方だけでなく出す方も嫌になるので出さない方針。

 

「帰ってきたら大雨だよ。またブレーカー落ちるとかないよな。」

 

「ルッコくんそれフラグに……」

 

そのセリフを言った次の瞬間、雷が近くに落ちた。

 

「おいおいマジかよ。どうしようかね。このままじゃほんとnブチッマジで?」

 

これはまずい。ホームのブレーカーが落ちた。なんかどこかで見たことがある光景だな。1人は雷が嫌いで、暗いのは嫌いな人もいるだろうな。こういう時の指示は……

 

「俺1人でブレーカーを見てくる。みんなはそこから動かないでくれ。そんで、固まって行動してくれたらなお助かる。」

 

そう言って、俺はブレーカーを探しに行った。シマッタ、位置聞くの忘れた。こういう家は……あった。確認したところ、雷が近かったのかブレーカーが落ちてた。上げたら着くはず……

 

「よし、ついた。これで部屋に明かりが灯ったはず。一応懐中電灯を持って戻ろう。」

 

報告するために戻った。5人がいる部屋にもあかりが灯っていた。このまま何も起きないといいんだけど(フラグ)。

 

〜sideツグミ〜

 

私たちのホームに戻ってきたけど、急に電気が消えました。ということなので、いつもの事ながらルッコくんが確認へ行きました。大丈夫かなと思っていると……

 

「ツグ〜。またルッコさんの事考えてたでしょ〜。」

 

「//ウェ?そそそ、そんな事ないよ///ただ、大丈夫かなって思っただけだよ。」

 

「そっか。それならいいんだけどさ、ちょっと顔色悪いよ。疲れてない?」

 

「うん、大丈夫だよ。心配してくれてありがとう。」

 

みんなにはバレちゃったか。今日は早い目に休もうかな。

 

「それよりさ〜ルッコさんって1回だけ倒れたよね。あの後倒れてない……よね。」

 

「キリトさんから連絡が時々くるけど、あれ以降そんな連絡はなかったよ〜」

 

ヒマリちゃん不吉なこと言わないでよー。

 

「そうだよね〜≧(´▽`)≦アハハハでも、なにか隠してるような気がしない?ツグ〜なんか知らない?」

 

みんなの視線が痛いよ〜

 

「なんで私なの?」

 

「だって、1番ルッコさんとの仲がいいんだもん。何か知らない?」

 

「な、何も知らない……かな。(( ̄▽ ̄;;)ア、ハハハハ…」

 

言えないよ。だって、この場には重すぎるんだもん。

 

「そう?ツグでも知らないってなるとなおさら聞いてみたくなるな〜」

 

「まぁ、本人の口から言うまで待った方がいいと思うぞ。」

 

「トモエの言う通りだね。私たちから聞き出そうとすると何が起きるか分からないから。」

 

「それよりさ、ツグミ。前々から聞きたいことあったんだけどさ。もしかして、ルッコのこと好きなの?」

 

「これ、答えないといけない感じなの?」

 

答えたくない。たとえ本人がいなくても。だけど、みんなには伝えてもいいよね。

 

「答えたくないn「好きだよ///」よ。」

 

(言っちゃったよ〜本人いないよね( ̄▽ ̄;)。)

 

「確かに、好きだよ。このゲームで初めて会ったのがルッコさんだったのが運命じゃないかって思うくらいにはね。でもね、その事を伝えたら今の関係が壊れるんじゃないかって思うんだよ。」

 

これも事実で、今まで助けられたのは恋心を抱いてないからという線も考えていたからです。

 

「だってさ、ルッコ。そこにいてないで入ってきたら?」

 

「((´(´・(´・_(´・_・(´・_・`(´・_・`)えっ?」

 

「どうも入りずらくてな。」

 

なんで本人が聞いてるんですか!?

 

〜sideルッコ〜

 

「だってさ、ルッコ。そこにいてないで入ってきたら?」

 

「((´(´・(´・_(´・_・(´・_・`(´・_・`)えっ?」

 

なんで言うんだよ。ラン。でも、助かった。

 

「どうも入りずらくてな。まず、盗み聞きみたいで悪かった。電気が着いたか確認しながら戻ってきたら5人で話してるから入れなかったんだ……でも、全く聞こえてなかったから大丈夫だよ。」

 

「それなら良かったです。」

 

「とりあえず、電気は戻ったからご飯にしようぜ。」

 

「そ、そうですね。何か食べましょう。」

 

ん?ツグ以外の人がめっちゃ生暖かい目でこっちを見てるんだが( ̄▽ ̄;)そんで、ツグは顔真っ赤で茹でダコみたいになってる……(人・ω・)☆超かわいい☆(・ω・人)

そんなこんなで夕飯も食べ……明日の準備をしている最中

 

「明日いるものはこんなもんかな?死ぬわけには行かないからな。ん?メールが来た。こんな時間に……ってツグか。」

 

“夜分遅くにすみません。今何してましたか?もし何もしてなかったら、一緒に散歩しませんか?少し伝えたいことがあるので。連絡ください。”

 

「伝えたいこと……か。とりあえず、“了解!!(๑•̀ω•́ฅ)10分後に玄関にいといてくれ。”っと送信。俺からも伝えれるかな?」

 

俺は必要なものを準備し終わった中に、急遽1つのアイテムを追加して、玄関でツグを待つことにした 。

 

「お待たせ。待たせたかな?」

 

「そんなことないよ。いつもは俺が待たしてるんだし。後、夜も遅いからさ。それで、伝えたいことって?」

 

「ここでは何なので、歩きながら話しません?」

 

「了解。ここだとモンスターに邪魔される可能性があるから、22層へ行こうか。ほら、手握って?」

 

「///はっはい。///」

 

「それじゃあ行くよ。」

 

「「転移 コラル」」

 

俺たちは層を移動して、散歩をしている最中。ここを選んだのは、モンスターが一切出ないから散歩にはうってつけなのである。

 

「「………………」」

 

気まずい。こんな気まずいことはかつてあっただろうか。女子と2人で散歩なんてしたことないよ。ツグも心無しか緊張してる様に見えるし。どうしたらいいんだ( ̄▽ ̄;)えぇい。こんな気まずい空気なら俺から話してやる。

 

「「あの」」 2人同時にしゃべっていた。

 

「ルッコくんから先にどうぞ。」

 

「いやいやツグから先に。」

〜省略 かれこれこんなのが10回以上続いたとか何とか〜

 

「じゃあ私から話すね。実はね、ルッコくんのことが......す、すすす、好きなの。」

 

「ウェ?」彼女からの告白は、俺の思考回路を破壊させるのには十分すぎた。

 

(まてまて......ツグが俺のことを好き?本当に?えっやばい嬉しすぎて泣きそう。ツグが頑張って話してくれたんだ。俺も......)

 

俺が意を決して前を向くとツグが紅潮していた。しかも少し涙目で。

 

「えっあっ、ごめん。告白されたこと無かったから戸惑っちゃって......えっと、返事だね。俺もツグのことが好きです。いつからとかは言えないけど、気づいたら惚れてたんだと思う。だから、こんな俺でもいいなら付き合ってくれませんか?」やべぇかなり恥ずかいしこと言ってるよ。

 

そんなこと考えてると、ツグの顔が明るくなった。

 

「私なんかでよければ喜んで。」

 

(良かったよ〜って忘れてた。あれを渡さなきゃ)

 

「ツグ、渡したいものあるんだけどいい?」

 

彼女は頷いた。肯定ととっていいよな?肯定じゃなかったら泣く。とか思いつつ、俺はストレージの中にある小さな箱を取りだした。

 

「これなんだけど......受け取ってくれないかな?」

 

「開けてみていい?」

 

「お、おう//」 (気に入ってくれるかな?)

 

そう。渡した箱の中身は指輪だ。最近知ったのだが、この世界には「結婚」というシステムがある。現実とは違い年齢制限なしである。なんで作ったのかは分からないが、今回は感謝している。だから、この指輪はいわゆる「結婚指輪」である。これを見たツグの反応は

 

「ウェ?///アウ///」

 

まぁ、うん、なんか予想通りだわァ。尊いよ〜。反応が天使だわァ。

 

「どうかな?」

 

「うん。すごく......嬉しいよ// 1個質問していいかな//」

 

「なぜ恥ずかしがる。どんな質問だ?」

 

大体は予想がつくんだけどね‪。

 

「えっと//私なんかになんで惚れたのかって思って......」

 

「なんでかって、それは......ツグが俺とそっくりで親近感湧いたからかな?」

 

「(((°A°`)))えっ それって......」

 

「おっと、この話はここまで。みんなが探してるだろうし早く帰ろっか。」

 

そう言ったら彼女は手を差し出してきた。ふと彼女の方を見ると頬を紅くして少し恥ずかしそうにしていた。俺は手を繋いだ。

 

「あのな、ツグ。俺、もしツグがいなかったらどんなことしてたかわかんないや。1人で無茶して1人で死んでたかもしれない。でも、ツグは、いやみんなは俺の事を友達として信頼してくれてる。だから、俺はみんなを現実世界に返す。そして、どこにいても逢いに行くよ。俺、ツグのいない世界に生きる価値なんて見つけられそうにないからさ。その時に教えてよ。向こうでの5人のことを。」

 

「分かりました。ルッコさんだけには無茶をさせないように私も頑張りますから、その//向こうに戻ったら迎えに来てくださいね。」

 

そう言った後、みんなが待っているであろう35層のホームへ帰った。その時に、手を繋いでいたからみんなから質問攻めにあったのは余談だ。




今回はここまで。
主に彼女なんて居なかったのでちゃんと書けてるか不安ですが、楽しんでくれたら良かったです。
最近気づいたんですけど、いつの間にかUA3000超えてたんですよ。書き始めてから2ヶ月くらい、初めに書いた物から成長しましたかね?感想とか評価は、したい人はしてください。
また近々アンケートしたいなって思ってるんで、その時はよろしくお願いします。
それではまた次回をお楽しみに!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

15話:ユニークスキル起動

はい、こんちゃ(*・‐・*)/ルコルンです。
早い目にかけたので連日投稿します。
今回はオリ主のユニークスキル初披露です。ということはあいつとの戦闘でございます。アニメ見た人なら分かりますよね?わかる人もわからない人もお楽しみいただけたら幸いです。
それでは本編を......(∩´。•ω•)⊃どうぞ


74層の迷宮区のマッピングをした帰り道、要らないものをエギルの店に売りに行こうと思って行くと、そこに居たのは....

 

「シェフ捕獲」 「は?」

 

キリトだった。目の前にラグーラビットの肉お置きながらだ。

 

「えっと、シェフとか言ってたな?なんか作って欲しいものがあるのか?」

 

「話すの忘れてたわ。エギル、使うあて見つかったからこの話は無しにしてもいいか?」

 

「はぁ?いいけどよ、俺にも味見くらい......」

 

「じゃあエギルさんも来ます?1人増えようが変わらないですし。」

 

「いいのかルッコ。お前は優しいなぁ。」

 

「キリトくん、ルッコくん居る?」

 

「居てるぞ。どうした?」

 

「そろそろボス戦だから生存確認をね。2人ともソロでしょ?」

 

「丁度よかった。これからルッコがこれ使ってなんか作ってくれるんだが一緒に食うか?」

 

「えっ、これってラグーラビットの肉?ルッコくんだけじゃなくてキリトくんも見つけるなんて......私も行くわ。ちょっと待っててね。」

 

そう言って、アスナは外へ出た。多分後ろにいた護衛に話をしているんだろう。

 

「エギルさん。このタイミングで、俺の不要物買取ってくれません?」

 

「おっ、いいぞ。」

 

エギルさんに買取ってもらってる間にアスナは戻ってきた。どこで作るかという話になったが、満場一致で俺のホームということになった。

 

「殺風景だが、ゆっくりしていってくれ。」

 

「なぁルッコ、なんで何も無いんだ?」

 

「何も無いは酷いだろ。最低限生活できるものはあるんだよ。んじゃ俺は作りに行くから待っといてくれ。」

 

「私も一緒に作るわ。なんでかルッコくんだけだと危ない気がするわ。ちょっと話したいし。」

 

「あっそう?じゃあ行くぞ。」

 

というわけで、アスナと料理づくりのためにキッチンへ。

 

「そういえば何作るの?」

 

「考えるのめんどいからシチューでいいだろ。あいつ、名前に煮込むって入ってるし。(13話参照)ほれやるぞ〜」

 

なんやかんやあって、シチューを作り4人で雑談してる最中に明日キリトとアスナがパーティを組むことになってた。あの時のアスナ怖かったなー。

 

「一応連絡しますか。“明日、キリト達と74層のマッピングするんだが、来るか。来るなら、明日10時に74層の迷宮区前集合な”これで送信っと。明日来るかな〜?」

 

〜翌日〜

 

10時ジャスト。集合場所にはアスナ以外が集まっていた。メンバーは、キリト+アスナ+俺ら6人の計8人だ。

 

「それにしてもアスナ遅いな。」

 

「同感。なんか厄介事に首突っ込んでるんじゃないか?」

 

「そんなことない......はず。とりあえず連絡してみるか。」

 

「どいてどいて〜」 「( 'ω')ふぁっ」

 

アスナが目の前から飛び出してきた。俺は気づいて良けれたが、キリトは下敷きになった。

 

「何だこれ?」ムニッムニッ 「///」

 

あいつやったな。アスナさんのふたつの桃を揉みやがった。御愁傷様チ───(´-ω-`)───ン

案の定キリトは平手でぶっ飛ばされ、飛ばした後にアスナの護衛と思われる人が来た。

 

「アスナ様、勝手なことをされては困ります。さぁギルド本部に戻りましょう。」

 

「なんでなの!今日は活動日じゃないでしょ!大体、なんで朝から家の前で張り込んでいるのよ!?」

 

これはあれだ。俗に言うストーカーとか言うやつだ。

 

「こんなこともあろうかと、1ヶ月前から早朝よりアスナ様の護衛をしていました。」

 

「それって、団長の指示じゃ......」

 

「私の独断です。自宅の護衛も」

 

「含まれないわよ!」

 

これは確信犯だ。

 

「とにかく本部まで戻りますよ!」

 

さすがに言うか。そう思った俺は、護衛(ストーカー)の右腕を掴んだ。

 

「おっと、護衛さんよ。悪いけど、今日1日アンタらの副団長さんは俺らの貸切にさせてもらってるんでね。今日は大人しく帰ってくれないか?」

 

「何を言う。私以外にアスナ様の護衛が務まるとでも言いたいのですか?」

 

「当たり前だろ。それじゃないとこんなこと言わないし。それより、まともに務まると思うぞストーカー気質のあんたより。」

 

「............言わせておけばずかずかと。そこまで大口を叩くのならそれを証明する度胸があるんだろうな。」

 

その一声とともにデュエル申請が来た。《初撃決着モード》で。だから拒否した。

 

「あんなに大口叩いてた割に拒否するんだねぇ。それもそっか。なんだって血盟騎士団の副団長gピロンからね......」

 

半減決着モードでデュエル申請を送り返してやった。

 

「ふーん。副団長さんの護衛だから度胸もあるんだと思ってたけど、度胸なしだな。怖気付いたのかい?副団長の護衛は根性無しだねぇ。」

 

煽ったことねぇからわからんけどこんなんでいいのかね。

 

「怖気付いてなんかいない!その勝負受けて立つ。」

 

あっさり受けてくれた。ってことでこんなことしていいかの確認を......

 

「やっていいわよ。団長には私から伝えるから。」

 

「そうか。それなら思いっきりやれるな。」

 

確認が取れたので、派手にやってやろう。そう思った俺は、武器を全て外し、両手にグローブを装備した。

そんなことしてる間にカウントが減っていき、やがて0になった。

 

「死ねやおらぁん。」

 

あいつが放ってきたのは、両手剣重単発スキル《アバランシュ》喰らえば思い一撃になるだろう......喰らえばの話だが。

 

「......遅い。」 「Σ(゚ロ゚;)ナニ!!」

 

俺はギリギリの所で躱した。誰もが終わったと思っていたのか、みんなが驚いていた。護衛さんは技後硬直に入っていたので......

 

「次は俺のターンだ」

 

俺はあいつのがら空きの横腹に体術スキル《閃打》を連続して打ち込んだ。一撃の威力は弱いが連続して当てれば話は別。

あいつの技後硬直もそろそろ解けると言うタイミングで残り8割。この削れようならあれで終わるな。

ということなので、俺は体術スキル《エンブレイサー》を放った。護衛さんの体力はイエローに入ったので終了。俺の思った通りになった。

 

「これで諦めてくれるかな?諦めないならもっとやってもいいんだけど。今度は本気でね。」

 

そう。俺は本気ではない。ここで本気ならこの後の層のボス戦で足でまといが確実になるからな。

 

「(;`皿´)グヌヌ」

 

「クラディール、《血盟騎士団》副団長として命令します。今日を以て護衛の名を解任。別名があるまでギルド本部で待機。以上。」

 

アスナの元護衛(もといストーカー)は、本部に帰っていった。

 

「あれでよかったのか、アスナ。」

 

「自業自得よ。それより、ごめんなさい。嫌なことに巻き込んでしまって。」

 

「頭上げてよアスナ。あいつが全て悪いんだからアスナが謝ることないよ。それより、早く行こ?時間は有限なんだから。」

 

「でも......」

 

「でももクソもヘチマもない。ほら、さっさと行くよ。みんなもだよ。」

 

「わかった。わかったから引っ張るな〜。」

 

「「「「「(( ̄▽ ̄;;)ア、ハハハハ…」」」」」

 

〜74層迷宮区〜

 

「スイッチ」 「了解。」

 

俺たちは、迷宮区の中にいる敵。いわゆる雑魚敵と言うやつと戦闘していた。

 

「マッピング的にそろそろボス部屋が見えてもおかしくないと思うんだが......絶対あれだろ。」

 

「だろうな。中見るか?」

 

「姿がわからんと対策が立てれん。怖いが見に行くか。運が良かったら、そのまま偵察戦もしよう。」

 

「了解。んじゃ空けるぞ。転移結晶を準備しとけ。」

 

というわけで、ボス部屋の扉を開けた。中は暗く、奥まで見ようと思ったら誰かが明かりを照らさないと見えないレベルだ。と思ったら、青い光が周りについた。見えたのは、約6mのヤギみたいな巨体が鎮座しているところだった。

やつの名は《The Gleameyes》

 

「「「「「「「「は?」」」」」」」」

 

この言葉が引き金になったのか、奴は動き出した。俺たちに近づくために。奴が1歩近づくと、俺達も2,3歩後ずさる。

 

『グオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!』

 

「「「「「「ギャアアアアアアアアアア!!!!」」」」」」

 

「ウワァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」

 

みんな一目散に逃げていった。残ったのは俺1人。

 

「マジかよ。でも都合いいな。色々確認させてもらうぜ。」

 

俺は刀を抜き、あいつの攻撃を受け止めようとする。たが思っている以上に重かった。何とか刀身で滑らせ回避をしたが、奴はブレス攻撃のモーションに入っていた。俺は回避し、攻撃を入れた。お察しの通り、1ドット減ったか減ってないかぐらいだった。攻撃の余波で削れたHP回復するために回復結晶を使ったが、発動しなかった。

 

「(ꐦ°᷄д°᷅)はぁ?この部屋結晶無効化エリアかよ。ある程度わかったから。逃げるぜc(`・ω´・ c)っ≡つ ババババ」

 

俺も先に逃げたみんなの後を追ったんだが......

 

「みんな早すぎだろォォォォォォォ」

 

〜sideキリト〜

 

「ぜぇ、はぁ。みんな無事か?」

 

「はぁ、はぁ。あれが、ここのボスね。」

 

「私は、無事、です。」

 

「私も。」

 

「あたしも。」

 

「し、死ぬ。」

 

「そ、そういえばルッコさんは?」

 

ヒマリに言われて気づいた。あいついねぇじゃん。まぁ多分1人で偵察戦やってるんだろうなぁ。心配してくれる子がいっぱいいるのによ。

 

「あいつもしかしたら逃げやすいように敵のヘイト稼いでるとか。」

 

「ありそうね。とりあえずボスの攻撃方法を予測しましょうか。」

 

「武器はあの剣1本だが特殊攻撃とかはありそうね。ブレスとか。」

 

「そうですね。体力多い方や盾持ちの方ににタゲ取ってもらって戦うのがベストですかね。」

 

「盾持ち......ね。キリトくん、なにか隠してたりしない?」

 

あのスキルのことバレたか?

 

「だって、片手武器は盾を持てるのがメリットなのに持たない。私みたいにスピード重視なら話は別だけど。」

 

かなり的確なこと言われてるんだが、どうしたらバレないかを考えてたら......

 

「お前ら足速すぎんだろ。」

あいつが帰ってきた。

 

〜sideルッコ〜

 

「お前ら足早すぎんだろ。おかげ様で、リポップしたモンスターに四苦八苦してたんだからな。」

 

「おつかれ〜。ルーくん的にあのボス見てどう思う?」

 

「わかったことから話すわ。あいつの攻撃力は今までのボスと段違いだろう。攻撃を受け流しても余波4回ぐらいで2割削れたからな。直撃だとどうなるかはわからんだろう。これに関しては高レベルの盾役の人が多めにいたらなんとかなると思う。問題は範囲攻撃があることだと思う。しかもブレスだ。それ以外の範囲攻撃は見る前に撤退したから知らん。」

 

「ある程度予想通りね。攻撃力が高いのは厄介だけど。」

 

「それだけじゃねぇぞ。あの部屋は結晶無効化エリアだ。」

 

「は?」

「嘘でしょ。今までのボス部屋にそんなギミックは無かったのに......」

 

「ねぇルッコ、《結晶無効化エリア》って?」

「それはな、お前らも持ってるであろう《転移結晶》や、《回復結晶》etc.....とにかく、アイテム名に《結晶》って文字があれば全て無効化するという厄介ギミックだ。 今までにも出てきてたが、トラップ部屋などにしか無かったんだ。あの野郎、ボス戦にそれはえぐい事しやがったな。」

 

回復しずらいなら喰らわない戦法で行けばいいだろって思った方、このゲーム攻撃の余波や落下ダメージ等、現実にあるありとあらゆる痛みをダメージに変換されてるから、ノーダメージ戦法は無理だ。ということは......

 

「耐久するならもう少し日にちが必要。特攻するなら早い目に......ってことですか?」

 

「まぁ、特攻は今日の内になんて無理だから、どっちにしろ1日は準備にかかると思う。イレギュラーがなければだが。」

 

「とりあえず、お昼にしましょうか。時間も頃合ですし。」

 

ということで、お昼を食べていた一同。恋バナに発展しかけるハプニングがあったが、索敵スキルに人の反応が入った。

まぁクラインさん達なんだけどね。

 

「おっすキリト、ルッコ。今日はいつもより大所帯なんだ....な。」

 

クラインさんが固まった。と思ったら......

 

「ボス戦で顔を合わせております、《風林火山》のリーダーのクラインです。」

 

キャラが変わったし急に自己紹介を始めた。

 

「顔合わせしてるなら自己紹介する必要なくないか?とまぁ置いといて、見た目はあれだが根はいい奴だから、仲良くしてやってくれ。」

 

「見た目はあれって言ってやるな。さすがに可哀想だろ。」

 

そんなこんなで色んな話が飛び交う中、索敵スキルに反応あり。ってことでキリトに報告。

 

「キリト。」 「ああ、多分《軍》だ。」

 

俺らが言った《軍》とは、《アインクラッド解放軍》の事だ。人数が少ないから偵察隊か?軍の人達は俺たちの目の前まで来て、止まった。

 

「休め!!」

 

そう伝えると、へばったのか全員座ってしまった。

 

「私は、アインクラッド解放軍所属、コーバッツ中佐だ。」

 

「キリト、ソロだ。」

 

「君たちは、ボス部屋までの攻略をしているのか?」

 

「あぁ。それを渡せということかな?ゴーバッツさん。」

 

「物分りが良くて助かる。」

 

キリトさん、人が良すぎるぜ。こんなことで商売することは無いだろうけど、すんなり渡すもんかね?

 

「っておい。話だけ聞いてると、あとからノコノコとやって来て、マップデータ貰って、ボスに挑む。そう言ってるようにしか聞こえないぞ。」

 

ほれ、クラインもそう思ってるんだろう。

 

「我々は、きみら一般プレイヤーの為に戦っている!諸君が協力するのは義務なのである。」

 

義務......ねぇ。25層のボス戦で失敗した挙句、それ以降ボス攻略の時に顔を出していない。そんな奴らが、こんなこと言っていいのだろうか。まぁ、決定権はキリトにあるから任せるが。

 

「どうせ、このデータは街に帰ったら提供するつもりだったから、別にどうぞ。」

 

「ご協力感謝する。」

 

「でも、ボス戦に挑むのはやめた方がいいぜ。」

 

「それは私が判断する。」

 

そう言って、《軍》の人達は去っていった。だが、何故か不安だった。

 

「すまん。俺のわがままなんだが、アイツら追ってもいいか?何かヤバいことが起きると思うんだ。」

 

「ルッコがそこまで言うなら、《軍》の後をついて行こうぜ。みんな、異論はあるか?」

 

「「「「「「「異議なし!」」」」」」」

 

俺達は、軍の後を進めて行った。途中、雑魚のリポップに阻まれたが、難なく突破した。

 

「あいつらを追いかけて30分。撤退したのか?」

 

「それだといいけど......「グワァァァァ」嘘だろ。」

 

俺たちは急いでボス部屋まで歩みを進めた。そこの光景が余りにも悲惨だった。

 

俺たちに背を向けて経つ《グリムアイズ》それと戦っている軍の10人。......2人減ってるな。

 

「キリト、アスナ、ツグ、俺らであいつの攻撃を受け止めよう。その間に、他の人は疲弊してる奴の救出。行くぞ!!」

 

「「「「「「「「了解!!」」」」」」」」

 

俺たちは《軍》の人の救出の為、交戦を開始。 俺はコーバッツと名乗った奴の前に行き......

 

「おい、大丈夫か?動けるなら撤退しろ。」

 

「何を言う。我々に『撤退』という2文字は無いのだ。」

 

「何馬鹿なことを言ってるんだ!ここは、『結晶無効化エリア』なんだぞ!緊急脱出できない。すぐに回復できない。お前のHPも残りわずか。これで何が出来る!出来ることといえば死ぬことぐらいだぞ!お前は、自分の人生をここで終わらせていいのか?」

 

「......我々は『撤退』する。」

 

軍のメンバーは全員撤退したようだ。逃がしてる間に相手のHPは1本目の半分くらいに差し掛かっていた。

 

「さてどうするよ、キリト。ここまで削ったんだ。殺るかい?」

 

「ここまで削るのも大変だから、殺ろうか。」

 

ということで、改めて戦闘はスタートしたが、人数有利とはいえ、個々の能力だけで見るとこっちが不利。しかも、最大6パーティの48人まで行けるのに、現在僅か13人。キリトの方を見ると、焦りの表情がうかがえる。

 

「キリト、最終兵器使わずに死んて後悔するより出し切ってやられた方がいいと思うが。」

 

「....そうだな。みんな、30秒だけ耐えてくれ。」

 

「「「「「「「「了解。」」」」」」」」

 

キリトはあのスキルを使うだろう。だから、俺は俺のできることをする。

 

キリトの“30秒耐えてくれ”宣言は、いつもの30秒より長く感じた。8人でローテーションしてるからまだいいが、みんなボロボロだ。回復待ちだから俺一人で全て受けきってる。ボスも、そんな俺に情けをかけることなく、猛攻を仕掛けてきた。

 

「( ゚∀゚)・∵. グハッ!!痛てぇ。一撃で残り7割かよ。あと5秒、みんなはまだ。なら耐えるのみ。」

 

敵は、また剣を振り上げた。あいつはニヤリと笑っている。

 

「グッ......やはり重い..が、それもここまでだ。キリト。スイッチ!!」

 

「あぁ。任せろ。」

 

俺は回復ポーションを3本口に突っ込み、回復を待つ間、とあるスキルの準備をしていた。ギルドのみんなにも、幼なじみのキリトにも、ましては恋人であるツグミにも教えていない俺の最終兵器だ。

スキルのセット、武器のセットが完了した時、ちょうど俺のHPが回復しきった。

 

「キリト!!」 「あぁ。スイッチ!!」

 

俺はキリトと変わって、あいつの前に立つ。このスキルをボス戦で使うのは2度目だ。今度は両手に刀を持って戦闘を再開した。あいつの攻撃は重いが速さが足りない。避けるついでに一撃を入れることも出来る。それを何度も繰り返しているうちに、あいつのHPは残り2本になろうとしていた。その時、攻撃の読みが外れた。

 

「( ゚∀゚)・∵. グハッ!!」 一撃で満タンのHPがレッドに入る。

 

「やっぱり......重いか。だが、これで決めれる。《分身融合》。」

 

「「「(・д・。)はぃ?」」」 間抜けな声出すな。集中切れるだろ

 

今回融合した分身は2体か。なら、威力は1.5倍か。俺は、持てるスキルの最大限に活かそう。ボスもブレスの体制に入ってるし。

 

「《鏡花水月 明鏡止水》」

このスキルの中で最多の連撃数を誇る計14連撃。《分身融合》のおかげで威力1.5倍。並の最上位ソードスキルよりも威力は上。だが、1人ではボスを削りきれない。ブレスを中断されたボスは怯んだ。

 

「今だ!!行け、キリト。」 「あぁ。任せろ!!」

 

「《スターバースト・ストリーム》」

彼のスキル《二刀流》の最上位スキルであるこの技は、彼が最も練習に費やした技であり、連撃数は16。このスキルで決める。そう言わんばかりの気迫が漂っていた。

 

「グオォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」

無抵抗でやられるボスではない。怯みが解けたボスは、キリトに向かって拳で攻撃する。

連撃数が多いスキルは必然的に動きが制限される。だから、ボスの攻撃を回避しずらいのだ。

キリトは、相手の拳をもろに受ける。

 

「グッ、うおおおおおおおおおおおお!!(もっとだ、もっと早く)」

 

ボスの攻撃を受けてもなお加速するソードスキル。15連撃目がボスの片手に受け止められる。

アイツは笑った。それと同時に剣をキリトに突き刺そうと前に出す。

双方とも残りHPは数ドット。システムであろうが勝利を確信してだろう。

 

「はあああああァァァァァァァァァ!!」

16連撃目が突き出された。__その直後、ボスが放った突き攻撃。その剣先は、キリトに当たることなく虚空を切り裂いた。

ボスはポリゴン片となり、爆発四散する。立っていたのは、二刀を持った剣士たちだった。

 

『『_______』』

 

ボス部屋に訪れる急な静寂。

主が倒されたボス部屋は、青白い光から、暖かい光へと変わる。先程感じていた重圧感なんてどこに行ったのか、という感じである。

 

「............っ」 「............ε-(´∀`; )フゥ」

 

何かを伝えようとしたキリトはその場に倒れ、俺は集中を解いた。

 

「キリトくん」

 

アスナがキリトの元に走る。俺はみんなの元に戻る。

 

「バカ。なんで1人で飛び出すのよ。」

 

「悪かったって。また1つ言うこと聞くから許してくれ。」

 

「私達も助けに行きたかったけど、2人の気迫が凄すぎて入れなかったんだよ。」

 

「そんなにやばかったか?」

 

「「「「「かなり。」」」」」

 

「マジっすか。」

 

このスキルは極力封印だな。そう誓った俺だった。

その後、クラインの感嘆、他の人の歓喜の声がボス部屋に響いたのだった。




ここまでの閲覧ありがとうございました。
あれよあれよと書いてるうちに8000字を超えてました。戦闘描写がド下手な私ですが、面白いと思っていただけたら幸いです。
次回オリ主のスキル詳細書きます。
アニメ基準だけど、アニメとは違うところがいくつもある。こんな今作をこれからもよろしくお願いします。
それではまた次回をお楽しみに!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

16話:隠し事と提案

こんにちは、毎度おなじみ(かどうかは分からないですが)ルコルンです。
今回は、色々起こっちゃう回です。
それでは、(っ´∀`)っどうぞ。


「それよりだ。お前らなんちゅうスキル持ってるんや。あんなスキル見た事ないぞ。」

 

喜びに浸っているところに水を差すクラインの一言。

 

「「言わなきゃダメか?」」 「当たり前だのクラッカー」

 

クライン、古いぞ。と心の中で思っておきながら......

 

「......エクストラスキル『二刀流』だ。」

 

「同じくエクストラスキル『暗殺者(アサシン)』だ。」

 

周りから歓声が上がる。正直恥ずかしい。

 

「しゅ、出現条件は?」

 

「わかってたら公開してる。」 「俺もです。」

 

「そうか。だったらユニークスキルの説が出てくるな。」

 

ユニークスキル。それは、このSAOの中で1人しか持ってないスキルのことを指す。例を挙げるとすると、《血盟騎士団》の団長「ヒースクリフ」の《神聖剣》である。俺もボス戦の時に顔を合わせており、あの人のHPがイエローゲージに入ったところを1度も見た事がない。しかも、前衛に立ちながら味方の指示もできるとかいうハイスペックな人だ。

 

「だよなぁ。ってことは......」

 

「明日から追われる日々なんだろうなぁ......」

 

「......まぁこれも修行だと思って頑張れよ。若者たちよ。それより、このまま75層のアクティベートするがお前達どうする?」

 

「俺は無理。さっきの戦いでヘトヘトだからさ。」

 

「俺も無理だ。後、多分行かない方がいいと悟ったから。」

 

「あぁ、ある意味健闘を祈るわ。」

 

クラインさんは、ギルドメンバーを引き連れて75層に行った。それを見送った俺たち8人は少し話をしていた。

 

「キリト、お前大丈夫か?最後ギリギリだっただろ。」

 

「ああ。確認したら残り数ドットしか無かった。これはアスナが抱きつくのも無理はないな。それより、そっちは大丈夫か?確か......俺と変わる前に1人で受けきって、途中スイッチしたろ。」

 

「あぁ、あの時か。ポーション3本を一気にがぶ飲みしたから体力は満タン。ただ、スキルと武器を変えたせいか一撃でレッドまで行くとは思わなかったが。」

 

「嘘だろ。あの一撃でレッドまでいってたのかよ。余波4回ぐらいで2割削れたんじゃなかったのか?」

 

「あぁ、それは......《暗殺者(こいつ)》のせいだな。」

〜少年説明中〜

 

「俺のよりやばいと思ったけど、まぁデバフが付くって考えたら、効果はそれなりなのかもしれん。」

 

「そうか?デバフ付いててもこの効果は違和感が......」

 

「まぁ、価値観は人それぞれだから......それより、みんなはこれからどうする?」

 

「俺は戻るよ。さすがにヘトヘトだ。」

 

「だろうな。あのスキルはかなり辛いと思うわ。ゆっくり休んでおけ。俺も戻るわ。」

 

というわけで、キリトとアスナを残し、俺たちはここを去った。その後、5人にこっぴどく叱られたのは言うまでもないだろう。

 

翌日の新聞は面白いことになっていた。

『軍の大部分を壊滅させた悪魔』、『それを撃破した二刀流の剣士と侍の見事な50連撃』

 

「アホか。」正直この一言に尽きる。50連撃て、攻撃終わるまでに時間かかるし、反撃も貰いまくりやん。ロマンあるやろうけど、流石に誇張し過ぎよ。まぁ、新聞書いてる人やからそういう事するんは当たり前か。それよりまずい問題は、居場所が特定されてるから、俺もキリトも家から出たら情報屋だったり中層の剣士達が目の前にいて焦った。しかも、それに乗じてかという感じで、あのヒースクリフさんからお呼び出しを頂いてしまった。

あっ、ヒースクリフさんとはフレンドで、いつもいつもお世話になっている。

 

第55層グランザム。ここのとある一角に《血盟騎士団》のギルドホームがあった。

 

「しかしまぁ、ここに来たのは久々だなぁ。最後に来たのは......ギルドの誘いを断る時以来か。失礼します。」

 

「あれ、ルッコくん。どうしてここに?」

 

「あっ、アスナさん。えっと、ヒースクリフさんから呼び出しを貰いまして。いつもの部屋にいますかね?」

 

「呼び出されたって......まぁいいわ。私もちょうど団長の所へ用事があったのよ。一緒に行きましょ。」

 

アスナさんとヒースクリフさんの所へ向かって歩いた。あの時とは違って、今回は何が起きるのか全くわからない状態だ。用心しなければ。そんなことを考えてたら着いたようだ。

 

「アスナです。失礼します。」

 

「入りたまえ。」

 

「「失礼します。」」

 

アスナさんがノックをして扉を開けた。そこには、紛れもない《ヒースクリフ》本人だった。

 

「団長。私、休暇させていただきます。」

 

アスナさんの用は「休暇届を出す」この事だったようだ。

 

「理由を聞いてもいいかね。」

 

「先日のクラディールの件で、少しギルドに不信感を持った。それだけじゃ不十分ですか。」

 

「いや。そんなことは無い。あれは、私の人選ミスだ。そのせいで、アスナ君やルッコ君に迷惑をかけてしまった。申し訳ない。しかし、条件がある。アスナ君、キリト君を呼んでくれないか。」

 

「分かりました。」

 

そう言ってアスナさんは出ていった。この部屋に残されたのは俺とヒースクリフさんの2人。非常に話しずらい。

 

「あの、俺が呼ばれた理由ってなんでしょうか?」

 

「少し待っててくれたまえ。キリト君が来たら一緒に話そう。」

 

「了解です。」

 

〜数分後〜

 

「「失礼します。」」

お前もかキリト。

 

「団長、連れてきました。」

 

「ご苦労。本題に入ろう。君たちに2人とアスナ君の休暇をかけた決闘(デュエル)をしたい。」

 

「はぁ?」 「えぇ?」

 

驚いた。俺とキリトが呼ばれた理由が決闘(これ)とは。正直拍子抜けである。

 

「えっ、ってことは、俺たちのどちらかが勝てばアスナさんの休暇を認め、両方負けた場合は......」

 

「無論、2人とも血盟騎士団に加入してもらう。」

 

「分かった。戦って勝てばいいんだろ。」

 

「ルッコ君、君はどうするんだい?」

 

「俺は......」

 

俺は、正直に言うと嫌だ。だけど、この条件が変わるなら、受けてもいいと考えていたが、今いるギルドを抜け、血盟騎士団に入る。ただ、それだけの事が嫌なのだ。

 

「俺は、お断りします。」

 

「「えっ?」」 「む?どうしてかね。」

 

「ヒースクリフさんにはお話したと思うので理解しているという体でお話しますね。俺は、このデスゲームで初めてであった人たちとギルドを組んでいます。ギルドの脱退と再加入には両方とも時間がかかりますし、それ以上に、みんなとの繋がりが切れるのが嫌なんです。」

 

そう。この中で、唯一のギルド移行した事がある人なのであるので、それによって起こること、時間もわかっている。Afterglowのメンバーとは繋がりは切れないと俺も思っているのだが、自分自身の過去のせいでその事を本当に信用できないのだ。

 

「ならば、こうしよう。君とはエキシビションとしてやろう。勝ったとしても報酬はなし。負けてもギルドの加入はしなくてもいい。これならどうかな?」

 

「それならいいですよ。ただし、俺はキリトより先に戦います。エキシビションならこれくらいが妥当でしょ。」

 

「分かった。ならば、明日の11時75層コリニアにある闘技場集合でいいかな?」

 

「いいぜ!!」 「分かりました。」

 

「これで話は以上だ......と言いたいところなんだが、ルッコ君。ちょっと残ってくれるかね?2人で話したいことがあるんだ。」

 

「了解です。」

 

2人が出ていくのを見守り、またヒースクリフさんと2人になった。

 

「さて、話したいのはほかでもない。この3枚の写真についてだ。」

 

俺はその写真を見た。写っていたものは......

 

「マグマにマネー、そしてその2種のメモリ......」

 

「多分だが、この世界に元々ないと思うのだ。このことについて何か知らないかな?」

 

「知らないも何も、両方とも戦ったことがあります。化け物みたいな強さをしてましたけどね。」

 

「(。・ˇ_ˇ・。)ムゥ......ならば、注意を呼びかけるとしよう。最近異形に襲われているとよく聞くのだよ。君も注意してくれたまえ。大事な攻略の要なのだからね。」

 

「はぁ、気をつけますね?」

 

おかしい。マグマドーパントは違うにしろ、マネードーパントは持ち主は牢獄、メモリも破壊したはずだ。何でまだあるんだ。もしかして、誰かがメモリを復活させてるのか?この話は後だ。。今は明日の作戦を立てよう。

 

あの人の強さは「圧倒的防御力」だろう。あの人の防御を崩すのは一苦労だろう。ならば、手数か?でも、あいつは全ての攻撃を知っている可能性がある。なら、暗殺者(アサシン)を使うしかないのか?あれなら手数は多いし、特性に気づかれない限り、こっちに勝ち目があるはずだ。ただし、持つ武器は刀2本だ。他の持ち方は次のボス戦まで温存しよう。

 

そんなことを考えながら、明日に向けて準備をしていた。




今回はここまで。
次回はVSヒースクリフ戦をお送りします。
ここからはオリジナルスキルの紹介です。

暗殺者(アサシン)
刀,短剣を最大2本装備可能。その2種の組み合わせも可。
共通メリット:技後硬直(クールタイム)0.8倍。攻撃時、15%の確率で分身発生。分身が1体以上存在する時《分身融合》発動可能。
共通デメリット:最大HP3/4・VIT3/4
刀2本装備時:STR2.5倍・AGI1.5倍・クリティカルダメージ+70% 分身融合時、融合した分身の数に応じて、次に与えるダメージが増加する。(1体につき1.25倍、最大2倍)
短剣2本装備時:STR 1.5倍・AGI3倍・クリティカル発生率+30% 分身融合時、融合したぶんしんの数に応じて、クリティカル発生時のダメージが増加する。(1体につき1.1倍、最大2.5倍)
刀と短剣を1本ずつ装備時:STR2倍・AGI2倍。《分身融合》使用不可
《分身詳細》
敵からの攻撃1発で消滅するが、分身1体につき攻撃回数+1

こんな感じです。アンケート結果で1番多かったが攻撃系のスキルということになったので、防御面のデメリットをつけて攻撃特化にしました。
個人的にはキリトの《二刀流》スキルよりやばい気が......しなくもない。だけど、壊れスキルにしたくないので、デメリットを付けました。
それではまた次回をお楽しみに!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

17話:VS《ヒースクリフ》戦

こんちゃ(*・‐・*)/ルコルンです。
今回は前回の通り《ヒースクリフ》戦に入ります。いやぁ書くの大変ですね。上手くかけてますかね。上手くかけてることを信じて書くのみです。
それでは本編へ......Go!!


75層コリニアにある円形闘技場。そこに俺達はいた。

 

「なんでこんなに人が....」 「さぁ?少なくとも俺じゃないぞ。」

 

あの約束は昨日決まり、人は集まらないだろうと思っていたが、そんなことはなかった。

 

「ってアレは、KoBの団員じゃねえか。」

 

そう、俺が見たのはKoBの人が、野球場で売ってそうなものを売っておりますやん。あ、こっちに来た。

 

「いやぁルッコさん、キリトさん。本当におおきにです。おかげで、儲けさせてもらってます。」

 

「これ見せもんとちゃうんやけどな。でも、見られてるからには頑張らんといかんな、キリト。」

 

「そうだな。それより、いつもの5人はどうしたんだ?今日は別行動か。」

 

「そうだな。今日は元々個人練的なことにしてたからこっちにh「あー。ルッコさん居るよー。」マジで。」

 

後ろを向いたら、今日ここにはいないはずの5人がいた。

 

「あれ、ルッコじゃん。こんなところで奇遇だな。もしかしてこの戦いを見に来たのか?」

 

「あ、うん。そんな感じかな:( ;´꒳`;):」

 

「なんか違和感がするが、まぁいいや。キリトさん、頑張ってください。」

 

「おう。と言ってもいつも通りの戦いをするんだけどな。」

 

そう言ったら5人とも観客席の方へ行った。ふと時間を見ると、開始時刻が迫っていた。

 

「っと、そろそろ時間だから行ってくるわ。キリトよ、覚悟しといた方がいいと思うぞ。」

 

「それはお互い様だろ。」バチン

 

キリトに背中を叩いてもらって、気合いを入れ直した。

(この戦い。絶対に......勝つ!!!!)

 

俺が円形闘技場へ出ると、観客席は人で埋め尽くされていた。その中で、いつもと変わらない表情を浮かべている対戦相手(ヒースクリフ)がいた。

 

「ヒースクリフさん。俺が先で本当に良かったんですか?」

 

「別に構わない。君との勝負は私にとって無意味な試合(エキシビションマッチ)だろう?」

 

「そこまで言いますか。なら、これでも大丈夫ですよね。」

 

そう言って、俺はヒースクリフさんにデュエル申請を送った。()()()()()()()で。少しだけ、ヒースクリフさんの顔が真剣になった。

 

「ほう。これで本当にいいのかい?」

 

「ええ。それが俺の覚悟です。」

 

「......良かろう。私としては、優秀なプレイヤーを失うのは痛いと思うのだが。」

 

途中で自分がゲームマスターだって言っているようなもんだが、聞かなかったことにした。

 

ヒースクリフは承認して、10秒のカウントダウンが始まった。会場の人がざわつき始める。勿論、ヒースクリフさんも例外ではない。

 

「簡潔に伝える。茅場晶彦(ヒースクリフ)、俺はお前を絶対に許さない。」

 

デュエルのカウントがゼロになると同時に、2人は駆けだす。ヒースクリフさんはウォーバルストライクを、俺は、絶空を放つ。両方ともカス当たりだったので、俺は8分、ヒースクリフさんは5分しか減っていなかった。やはり硬い。今ので1割は削れてると思ったんだが......やるしかないようだ。

 

〜side アスナ〜

 

ルッコくんのデュエルが始まって、私達の方にも2人の緊張感が伝わってくる。

 

「これが......団長の。いや、2人の本気なのかしら......」

 

私にはわからなかった。第1層からの長い付き合いで、彼がどんな気持ちでこの世界を旅してきたのか分かっていたつもりだった。だけど、今目の前にいる彼は今まで見てきた彼とは何かが違う。何故かそんな気がした。

そんなことを考えてると、デュエルは終盤に差し掛かっていた。ルッコくんが暗殺者(アサシン)の『鏡花水月 明鏡止水』だったかしら。そのスキルの13連撃目の攻撃で、団長の守りを破った

 

はずだった。団長の盾は14連撃目の攻撃が来る前に元の場所に戻っていた。そして、ルッコくんにスキルの技後硬直(クールタイム)が発動していた。団長はその隙を見逃すことなく、ソードスキルを放った。ルッコくんのHPゲージはイエローに入る。みんなが、『勝負あったな。』そう思ったけど、デュエルは終了しない。周りもざわつき始める。

 

「なんで終了しないの。まさか......」

 

私は、もしもの事を考えて動き始めた。

 

〜sideルッコ〜

 

ヒースクリフに暗殺者(アサシン)の最多連撃スキル『鏡花水月 明鏡止水』を放って守りを破った

 

はずだったのだが、時が止まったように俺の動きが遅くなる。その中で、ヒースクリフはいつも通りの速度で動き、盾を戻した。そして元の速度に時が戻る。最後の一撃が盾に防がれ、俺は止まる。そして、ヒースクリフの一撃が決まる。残りHPは4割程度、相手は5割5分くらいか。勝つには、一撃も喰らわず戦うしかないだろうな。

 

「訂正しなければならないね。無意味な試合(エキシビションマッチ)ではない、ここからは本気でかかろう。」

 

「今までですら本気じゃなかったのかよ。本当にプレイヤーなのかを疑いたくなってくるよ。」

 

「おや、限界かい。ここからが本番だと言うのに。」

 

「分かってますよ。ここでヘマあげるなら死んだ方がマシですよ。」

 

俺は『クイックチェンジ』を用いて武器を持ち替える。刀2本から短剣2本へと替え、防具も回避性能とスピードが高いものに変更する。外見はそのままで、中身は違うというやつにしている。

 

「さて、第2ラウンド始めますか。」

 

俺は地を蹴り、ヒースクリフの背後に回る。そのまま、ソードスキル『ファストエッジ』を放つ。それをギリギリで防ぐヒースクリフ。余波で3分くらい減る。やっぱり硬い。そう思っても攻撃を続けなければ勝てない。俺は、『閃打』を続けて放つ。1分くらい減る。閃打で攻撃中に『分身融合』を発動させる。ヒースクリフは『バーチカル・スクエア』を放つ。ヒースクリフは笑った。倒すレベルの火力で叩きに来たのだろう。放たれる直前に、俺はとあるスキルの発動モーションを起こした。それに気づかず、打ち込むヒースクリフ。打ち終わって気づいたようだ。だが、それでは遅い。『暗殺者(アサシン) ()()()()()()()() 《影鬼》』

予測していなかったスキルに対応が遅れ、もろに直撃する

 

はずだったが、当たる寸前のところで、紫の障壁にはばかられる。それに書かれてたのは《Immortal Object》

俺は残り時間を確認したが、残り時間は1分以上あった。ということは、あいつはシステム的に保護されてる。つまり、あいつの正体はGM。つまり、茅場晶彦って言うことだ。

 

「どういうことが説明して貰えますか。ヒースクリフさん。いや、この世界のGMさん。」

 

周りに聞こえない声でつぶやく。

 

「なぜ分かったか、参考までに聞かせてもらおうか。」

 

肯定と取ったか。なら、決定的な証拠をつきつけよう。

 

「まず、デュエルが始まる前に『優秀なプレイヤーを失うのは痛い』って言ってたな。この先の展開がわかったような言い方をしていたな。次に、あんたの守りを破った後の盾を戻す速度が異常すぎたこと。最後にさっきの障壁だ。普通ならプレイヤーに付与されることが無いはずのものが付与されている。つまり、あんたの神話はこれのおかげだって言う事だよ。」

 

「さすがだ、ルッコ君。だが、それが分かったところで私にどうしたいというのかね。」

 

「俺が提案したいのは主に2つだ。

1つ、75層のボス攻略までは味方でいてくれ。

2つ、75層攻略後、純粋な力で俺とキリトと戦ってくれ。

それ以外は好きにしてくれていい。」

 

「了解した。なら、この続きは75層攻略後に取っておこう。ということでこの試合は降参しよう。」

 

そう言って、ヒースクリフは降参した。周りがザワつく。何か不正でもしたのかとかなんとか言ってる気がした。(実際口論はしたんだけどな‪w)

 

この後、キリトと戦ってたが、余裕ではなさそうに見えた。実際、時をゆがめてたからな‪w

 

キリトはお咎めとして、血盟騎士団に入団した。




はい、今回はここまで。
オリ主くんの観察力凄すぎでしょ。俺もそれくらいの観察眼欲しかった。
次回は、あのシーンをピックアップしますね。
後、前回から、アンケートつけてます。内容は各自確認してね。期限はアインクラッド編終了までです。
後、活動報告なるものを使ってみました。良ければこちらも。
それではまた次回、お楽しみに。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

18話:友の危機と俺の犯した罪

最近やる事が増えてきたけど、そのスキマ時間に書いてるから問題なし......って言えるのかなってぐらいリアルが忙しいので、更新が滞るかもしれません。
私情の話はここまでにして、本編へ......Go!!


ヒースクリフとのデュエルの翌日、キリトは血盟騎士団に入ったのだが......

 

「なぁアスナ、これが一番地味な隊服なのか?」

 

「うん、充分地味だから大丈夫だよ。」

 

「ならいいんだけど......ルッコから見てどう思う?」

 

「まぁ、似合ってるからいいんじゃない?ただ、これじゃ《黒の剣士》じゃなくて、《白の剣士》だな‪w。」

 

「٩(๑`^´๑)۶笑うなっっっ!!!!なんでお前は勝てたんだよ。」

 

「ホントだよね。何か作戦でもあったの?」

 

「作戦なんてものはないよ。ただ、ヒースクリフの本性を暴いたくらいかな‪w。」

 

「「( 'ω')ふぁっ。」」

 

おっ、揃った。この2人仲良いなぁ。早く付き合っちゃえばいいのによ。

 

「あいつの本性わかるなら教えてくれよ。」

 

「やだよ。というか、キリトなら自分で気づけると思うんだけど。」

 

「まぁ、これからギルドの所へ行ってくるわ。アスナ、着いてきてくれ。」

 

「ハイハイ。じゃあ、失礼するわね。」

 

「おう、頑張ってこいよ、2人とも。」

 

そんな感じで、2人を見送った後、俺もみんなが待ってる所へ向かった。

 

〜sideキリト〜

 

ルッコ行っちゃったし、アスナと2人になったのはいいんだが......こっから訓練らしい。色んな意味で技量はわかってるだろうに。まぁそれは置いておこう。だが......

 

「なんでこいつもいるんだ。」

 

そう。俺と訓練するやつの中に、クラディールがいるじゃないか。

 

「過去に何があったか私も重々承知している。だが、これからは同じギルドとして、水に流してやって欲しいと思ってるんだ。」

 

ガハハと笑うゴドフリーさんの横で、クラディールはキリトに頭を下げる。

 

「先日は、ご迷惑をおかけしました。これからはあのような無礼な真似をしないように努めますので、お許しください。」

 

「あぁ。」

 

なんか隠してる気がするが、今は探りを入れないでおこう。

 

「これで一件落着だな。というわけで、これから訓練を始める。今日は危機対処能力を主に見たいので、結晶アイテムは全て集めさせてもらう。」

 

「なっ!!それは、転移結晶もか?」 「勿論。」

 

正直拒否したい。だが、ここでゴタゴタしていては話が進まないと思ったので、仕方なく結晶アイテムを全て渡した。

 

「さすがにポーションはいいだろ。」

 

「あぁ。そこまでのことはしないよ。」

 

そんなこんなで始まった訓練。階層が低いからか一刀で全ての敵が死んでいく。これは訓練なのかと思いつつ、しばらく進んだところ、ゴドフリーが休憩をとった。

手頃な岩の上に座ると、ゴドフリーが袋を投げる。

中身は黒パンと水が入っているであろう瓶だった。

とりあえず、水の入った瓶に口を付ける。その時、クラディールの顔が笑った。その直後、体の力が抜け、瓶を落とす。

ゴドフリーも、同じようになっていた。

「この食料は...クラディール。お前が用意したはず...お前、何を仕込んだ。」

 

「ゴドフリーさんよ〜。アンタはつくづく脳筋だなあ。」

 

クラディールが両手剣を持ち、クラディールに刺す。1度にはとどまらず、2度、3度、4度刺した時に、ゴドフリーのHPが無くなり、その身体はポリゴン片へと変わった。

 

「お前、仲間を躊躇いもせずに殺すんだな。これなら、オレンジギルド......いや、レッドギルドに入ってる方がお似合いだぜ。」

 

「おっ、いい目してるな。《黒の剣士》さんよ。」

 

「なんだ、嫌味かよ。」

 

「いやいや褒めてるんだぜ。実際、これを見たら一目瞭然だしな。」

 

そう言って、クラディールは腕を捲った。そこに書かれてたのは......

 

「なっ、それは、笑う棺桶(ラフィン・コフィン)のエンブレムだと。」

 

笑う棺桶(ラフィン・コフィン)とは、かつてその名を蔓延らせていた史上最悪の殺人ギルド。しかも、数ヶ月前にそのギルドの討伐戦があり俺も参加し、3人ほど殺めたのを思い出した。

 

「お前は......あの時の生き残りか?」

 

「はっ、ちげぇな。俺は最近入れてもらったんだ。その時に殺しの精神もこの麻痺テクも教えて貰ったんだよ。っていけねぇ。このままじゃ麻痺が切れちまう。さて、お話はここまでだ。アンタには、じわじわと死んでもらうぜ。」

 

そう言って、俺に刃を向け、背中に突き刺す。

 

これを抜かないっていう事は《貫通継続ダメージ》で殺す気だ。抜かなければ死ぬ。だが、抜こうとしてもクラディールが剣を刺している状況、俺が麻痺になっていることを考えるとこの剣を抜くのは至難。

 

「さて、黒の剣士さんよ〜もうすぐ死ぬってどんな気持ちだい?このままだと本当に死んじゃうぜ。」

 

俺は、少しづつ腕を動かし、ヒースクリフが刺す剣を持つ。

 

「俺は、まだ...死ねない!!」

 

「そうかいそうかい。ならば死ねい!!」

 

もっと深く突き刺さる。もうダメだと思って目を瞑る。

 

(アスナ、ルッコ、ごめんな。俺はここまでのようだ。)

 

そう思った時、見知った声が聞こえた。目を開けると...

 

「キリトくん!!」

 

「ア...スナ...か」

 

「すぐ回復するね、ヒール。」

 

そう言って、回復結晶を使ってくれた。残り数ドットしか残ってなかったHPは全回復した。

 

「あ、アスナ様に緑の戦士。そ...その、これは...不慮の事故d「煩い」ッ。」

 

「これが不慮な事故なわけあるか!!あんた自信があんたのギルドの人を躊躇いなく殺したんだろ!!」 「ッ!!」

 

「ここは俺に任せてくれ。アスナさんは、キリトのそばにいてやってください。」

 

「わかったわ。」

 

俺は見守ることしか出来なかった。

 

〜sideルッコ〜

 

俺は、今までに感じたことの無い怒りを感じていた。だからと言って冷静じゃないかと言われればそうでも無い。

 

「さて、クラディール。お前とは二度目だな。あれで反省したと思ったけど、色々足らなかったようだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回は本気だ。」

 

俺は、威力重視で刀を2本持った。そして、不敵な笑みを抱え、ドス黒い声でこう言う。

 

「さて、殺り合おうじゃないか。クラディール。」

 

俺は左眼を突く素振りを見せる。あいつも目はヤバいと察したのか、目を防御する体制をとった。だが、それはブラフで、本命は腕だ。両手剣を片手で持てるやつはそうそういないだろうしな‪w

思惑通り片腕を切り落とし、両手剣を持てなくなったクラディールは為す術無く俺の攻撃を受けまくっていた。

 

「ヒィィィ、死にたくねぇ。」

 

何を言っているんだ。人を殺して、自分は命乞いかバカバカしい。

俺は、腰につけている短剣を投げた。勿論麻痺毒をつけている。

 

「俺には、生きて帰らなきゃいけn グサッ 」

 

クラディールは力なく倒れる。近くに落ちてる剣を持ち、やつ前に立って、剣を背中に突き刺す。

 

「お前も同じ気持ちを味わえ!!」

 

「( ゚ཫ ゚)ゴフッ や、止めてくれ。」

 

「やめろっ!!」

 

キリトが止めに入る。

 

「何故止める?あいつに痛い目を見さされたはずだろ。同じようにしても別にいいだろ?」

 

「違う!!確かに、俺はあいつに殺されかけたし、目の前であいつが人を殺した。」

 

「なら、「だが、」っ。」

 

「それと同じことをしたらお前も殺人を犯すことになるんだぞ。それでもいいのか!!」

 

「それでも構わない!!俺の人生は俺が決める。人を殺して、犯罪者呼ばわりされても構わない。それで親友(とも)が救えるならそんなことになろうとも構わない!!」

 

俺は左手で刺さっている刀を抜き、1つ問う。

 

「友の忠告があったから提案してやるよ。ここで死ぬか、今から開くコリドーの中に入って黒鉄球に行くか。さっさと選びやがれ!!」

 

「し、死にたくないので、コリドーに入ります。だから、命だけは。命だけはおやめ下さい。」

 

「分かった。《コリドー・オープン》」

 

そう言って開けたコリドーの中にクラディールは入った。だから、ここにいるのはキリトとアスナと俺の3人だけ。それに気づいて、緊張の糸がプツリと切れた。

 

「_( _´ω`)_フゥ。俺だって怒りたくて怒ってるわけじゃないんだがな‪w。まぁ、親友であるキリトに何事も無かったことが、1番の救いだよ。」

 

「あぁ、ありがとうな............アスナ、少し話をしたいんだ。良いかな?」

 

「これは、お邪魔かな?」

 

「いや、いててくれ。メンタルが持たねぇ。」 「へいへい。」

 

「アスナ。1層から色々あったけど、ずっととは言わないけど、隣にいてくれたよな。当時はなんでいるんだよって思ってたけど、今は嬉しいって気持ちの方が大きいんだ///」

 

「私もだよ。」

 

「だからこれを伝えさせてくれ............アスナ、俺は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

君のことが好きだ。だから......け、結婚を......ぜ、前提に付き合ってくれないか///」

 

「///はい。よろこんで///」

 

こんな事件の後だからか、時刻は夕方くらい。この時に入ってきた陽の光が2人の新たな門出を祝っているような気がした。




今回はここまで。
今回でタグひとつ回収出来ました。甘いのは書ける自信が無いでござる。
それと、アンケートの回答をしてくれている方、ありがとうございます。今のところその他がいちばん多いという......ね。その他になった場合候補に挙げたの以外で、勝手に決めさせてもらいますね。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

19‪話:偵察戦





キリトがクラディールに襲われた事件の翌日に、アスナは一時脱退。キリト本人はギルドを辞めた。その日に色々とお祝いしてあげた。呼ばれた場所がまさかの22層にあるログハウスだったよ。そんでもって、お似合いだったから嬉しかったよね。

 

数日後、俺ことルッコはヒースクリフにお呼び出しされました。

 

「やぁ、ルッコ君。今日は来てくれてありがとう。」

 

「あっはい。サクッと本題に入ってください。」

 

「本題は......この75層のボス部屋を見つけたから、偵察戦を行うから、君に指揮を執ってもらいたいと思うのだが、頼めるかな?」

 

「日程や偵察の人数とかは決まっている感じですか?」

 

「偵察を行う日は明後日を予定していて、人数は20人くらいで予定している。」

 

「明後日......ねぇ。やるにはやりますが、74層みたいに《結晶無効化エリア》の可能性が考えられるから、数名こちらから選ばせてもらってもいいですよね?」

 

「了解した。数名空きがあるから、そこに入ってもらおう。」

 

「では、明々後日にここに来ますね。」

 

と言ったはいいものの......呼べる人がいない。相談しようと思い立ったので、エギルさんにメールを送った。

 

“急にごめん。相談したいことがあるんだがいいかな?”

 

と送った。急な話だから、ダメなら1人で悩むかって思っていると......

 

”了解した。事情は後で聞いてやるから、とりあえずうちの店に来い。”

 

とだけ送られて来た。という訳で、エギルさんのお店に......Let's go!!

 

|˙꒳˙)ノ|Ю カランカラン 「よく来たな。待ってたぜ。」

 

「エギルさん。急にあんなこと言って申し訳ないです。」

 

「いいってことよ。でも、急にどうしたんだ?」

 

「それはですね。」

 

〜少年説明中〜

 

「って感じなんですけど、自分にそんなことが出来るのかって思ってしまって。」

 

「そうか。でも、ルッコは1度だけ指示したことあるんじゃないか?」

 

「あぁ。あの時は誰も指示する人がいないから仕方なしにしただけですよ。しかも、あれは指示と言えるものでは無いですし、あの時以来やってないので、成長してないですよ( ´∀`)ハハハ。」

 

「まぁ、そうだとしても、ヒースクリフの野郎に頼まれたんだろ。やれるだけやってみたらいいんじゃいいんじゃないか?大体の人は聞くと思うんだが......」

 

「まぁ、やれるだけやってみましょうかね‪w。荒いのは無しで緻密に練らなきゃな。」

 

「当日は行けねぇから、いい結果になるように応援しとくわ。」

 

「おう。頑張ってくるわ。」

 

エギルの店から出て、ギルドのホームじゃなくて、自分のホームに帰った。

 

俺が指揮するんだから、荒い指示は出来ないな。そう思ったので、しっかりと策を立てておこう。

 

〜2日後〜

 

さて、この日がやってきちゃったか。集まったのは、タンク5人、片手剣10人、細剣4人ね。俺含め計20人か。予想通りの人数なんだが、少し不安もあるが、やるしかない。

 

「今日は忙しい中、集まってくれてありがとう。これから、75層のボス戦の偵察だが、偵察がなければ、本戦もないくらい非常に重要な事だ。今回重点的に見るのは、ボスの攻撃パターンを重点的に見ていくから、1ゲージ削りしだい撤退だ。だが、イレギュラーなことが起こらないと言いきれないから、撤退できる準備をしておいてくれ。それでは行くぞ。《コリドー・オープン》」

 

俺はいつも通りに戦うことにした。勿論、指示はだす。というか、出さないといかんでしょ。嫌でも、あいつに頼まれたんだから。

 

そんなこんなしている内に、ボス部屋の前についた。とりあえず、本線の人が使うように回廊結晶の出口ポイントに設定しておいてっと。

 

「さて、これから作戦を言う。まず、2チームに分ける。そして、前半の10人が先に入る。タンクの人が攻撃を受けて、残りの人が技後硬直が短めのソードスキルを入れて交代。それを1ゲージ削るまで繰り返して、削り取れたら撤退する。そんで、タンクの人も、それ以外の人も半分以下になったらその人は回復に専念し、他の人でその人の分をカバーする。取り敢えず、何事も無い限りこれで行く。」

 

俺は前半の隊に入ることになった。即席レイドの偵察戦だが、全滅はしないだろうと思っているのだろう。俺もその1人だ。なんせ、ここにいるメンバーは最前戦で長い間戦っている人達しか居ない。その証拠に、見たことがある人が殆どだ。

 

「それじゃあ、前半組行くぞ。」

 

両手で扉を開け、中に入る。最初に入った人が部屋の中央に着くと、扉が閉まった。

 

「いきなりイレギュラー発生かよ。誰か、転移結晶を使ってその部屋の外に出れるか試してくれ。」

 

「り、了解。」

 

「それ以外のやつは、周りに警戒しろ。どこからボスが来るか分からんぞ。」

 

全員に周囲をを警戒させる。すると

 

「ルッコさん。転移結晶が使えません。」

 

「やっぱりか。今回も辛そうだ。ということで、あの扉が開くまで、自発的な撤退はできないそうだ。ついでに回復結晶も使えないそうだ。」

 

周囲がざわつく。そんな中、上から変な視線を感じた。だから、咄嗟に叫んだ。

 

「上だ、上にボスがいる!!直ちにこの場から走って壁の方に向かえ!!」

 

全員上を向く。そこにいたのは、周りが骨みたいなものでできている巨大なサソリだった。

 

《The Skullreaper》 それがあいつの名。

 

ボスが垂直落下してくる。その時下に片手剣の人が1人いた。

 

「こっちだ。早く!!」

 

この一声で正気に戻ったのか、動き出した。もう少しで手が届くというところで、ボスの攻撃をくらってしまった。

 

一撃だった。クリティカル音とか発生しなかったので、これが素の攻撃だ。その人がどんなステ振りをしていたかなんて分からないが、攻略組の人が一撃で死んだ。この事実がこの場にいる人を支配したのか、急にざわつき始めた。それを逃すボスではなかった。タンクの1人に狙いを定める。着実にこちらを1人ずつ減らしていこうというのだ。

 

「させるか!!」

 

俺は振り下ろされた鎌みたいな腕?を刀で受け止める。しかし、ボスの一撃はかなり重く、少しづつこちらの腕が下がる。その間に、ほかの2本の腕で俺を狙うのが見えた。

 

「うっそだろお前。」

 

咄嗟に受け止めている鎌を右に受け流し速攻でバックステップをとったが、少し当たってしまった。それだけで3割削れる。

 

「さすが2回目のクォーターポイント。攻撃力や手数が段違いやな。」

 

「そんなこと言ってる暇はねぇぞ。次が来る。守りを固めろ。じゃないと生き残れないぞ。」

 

「へいへい。」

 

俺もポーションを飲み、HPが全快するまで攻撃を見切ろうとしたが、3割というものはあっという間に回復し、そんなに見切る時間がなかった。回復している間にも少しづつ崩れていくこちら側。

 

「ヤバいなこれは。削ってはいるが、目に見えては削れていない。このままじゃジリ貧だな。」

 

「そうですね。なにか手だてはありますか?」

 

「あったら使ってるよ。しっかし、この人数にしてはタンクの割合は高いはずなのに受け切れてないんだよな。っとこんなこと話してる場合じゃないな。」

 

俺は攻撃を受け流し、片手剣の人や細剣の人が削る。だが、そんなことを繰り返して1ゲージ目の半分を削ると、範囲攻撃も追加で使うようになった。それに気づけなかった人が多く、全員半分以下になっていた。そうやって削った後に1人ずつ仕留めていた。しかも一撃ということは、命を刈り取っているようにしか見えなかった。残り1人になってしまった俺は、逃げたい気持ちを抑えボスと戦っていた。

 

(くっそ。なんでドアが開かねぇんだよ。回復したいのに回復できねぇじゃんかよ。ここで俺死ぬのかな。偵察隊の隊長なんて向いてなかったんだろうな。)

 

なんて思いながら、防戦一方な対戦をしていた。ごく稀に攻撃できることがあったが、全て防御されあまり減っていなかった。そんなことを2時間していると、後ろのドアが突然開き、目の前からボスが消えた。

 

「勝ったわけじゃなさそうだな。とりあえず外へ出よう。」

 

ボス部屋の外へ出て、他の人の元に合流して、中で何があったかを話した。

 

〜少年説明中〜

 

「そ、そんなことがあったのか。」

 

「そんなことがあった中、こっち側から扉をぶち開けようとしたんだが、全く開かなかった。」

 

「しかし、事故とはいえ、ほとんどの人が死んでしまったのは痛いな。」

 

「本当にすまない。」

 

「いや、ルッコさんだけでも生き残ってくれてよかったですよ。」

 

「とりあえず、偵察戦は終了し、このパーティーは解散。俺は、ヒースクリフさんの元へ報告しに行く。」

 

全員が頷き、解散した。俺は、ヒースクリフの所へ報告しに向かった。

 

「ヒースクリフさん、戻りました。」

 

「戻ったか。早速で悪いが報告を頼む。」

 

〜2度目の説明中〜

 

「(´-ω-`)フム、偵察隊とはいえ攻略組の一撃で殺るのか。しかも時限付きか。なかなか厄介だな。」

 

「俺の意見としては、もう少しでいいので攻略組のレベルを上げた方がいいと思います。」

 

「それはこちらで判断しよう。」

 

「ですが「なら、彼らを呼び戻そう。」っ。」

 

「今の情報だけだと、彼ら抜きだと全滅だってありえるだろう。下手に突っ込めば誰も生き残らない可能性だってある。それでも、彼らを呼び戻して戦った方が賢明だと思うが。」

 

ごもっともな意見だ。だからこそ、口を詰むんでしまった。

 

「沈黙は肯定ということだね。」

 

そう言って、ヒースクリフはメールを送った。

 

「それより、君のギルドのメンバーはどうなんだい。」

 

「どうって言われましても......そろそろボス戦に出れるレベルになると思いますが......経験自体が足りないので、今回のボス戦は俺単体でやろうと思っているのですが......」

 

「(´-ω-`)フム。経験が少ないなら、尚更このボス戦には参加すべきだと思うのだがね。」

 

「んなΣ(・ω・ノ)ノ無茶ですよ。だって......」

 

「だってもクソもないのだろう。ということでこれは確定事項だ。」

 

「(*`ω´)ぐぬぬ...分かりましたよヒースクリフさん。」

 

「分かればいいのだよ。討伐は明後日にした。話は以上だ。帰っていいぞ。」

 

「失礼します。」

 

何故上から目線なのかは分からないのだが、まぁいいだろう。それよりどうみんなに説明しようか。あの人の事だから攻略組のメンバーにはメールを送ってるだろうし、俺が伝えれば終わると思うのだが......何言われるかなぁ。とりあえず帰ってから考えよう。

 

〜35層 ミーシェにあるギルドハウス〜

 

「帰ったぞ。とりあえず、緊急招集しますか。」

 

緊急招集のメールを送り、机に向かい、座る前に、全員分の紅茶とクッキーを用意して座った。

そこからどう話そうかと考えてると......

 

「お待たせ。ってあたしが最初なのか。」

 

「そうみたいだな。他の人はどうしたの......」

 

トモエの後ろから殺気を感じたのだ。死線を越えたのにまだあったのか。だいたい予想は着くのだが。

 

「と、とりあえず、座りなよ。立ってるとしんどいぞ( ̄▽ ̄;)」

 

全員座ったところで、なぜ怒ってるかを考える。と言っても、今日のことしかないのだが......

 

「それで、話って何?」

 

「えっとですね。手短に説明しますと、明後日にこの層のボス討伐戦が行われます。そこに、ヒースクリフさんから直々の推薦を頂いたので、このギルド全員で参加することになりました。ちなみに拒否権はないようです。」

 

「「「「「............」」」」」

 

(何この沈黙。勝手に決めやがってとか思ってるかな。最悪土下座を決めないといけないのかな。誰か話を進めてくれ〜。)

 

「......ルッコ。」 「なんでしょうランさん。」

 

「その事はわかった。だけど、なんで私たちが行かなきゃいけないのかを説明して。」

 

「えっと。まず、本日ボス戦の偵察戦があったのよ。その報告をしに行った時に、ギルドの話になって、レベルが足りても経験が足りないってっていう感じのことを言ったら、強制参加になってしまいました。

すみませんでした。ε≡ ヽ__〇ノ… _| ̄|○」

 

「「「「「............」」」」」

 

またこの沈黙かよ( ゚∀゚)・∵. グハッ!!

 

「とりあえず頭上げなよ。」

 

そう言われたので頭をあげると......ツグとヒマリが泣きそうな顔をしていた。

 

「私たちが行かないといけない理由はわかった。けど、偵察戦に行ったなんて聞いてないんだけど。おかげで、ツグとヒマリが昼ぐらいからこんな感じなんだよ。」

 

「これに関してもじっくり説明してもらうからね。」

 

〜3度目の説明中〜

 

「これですべてだ。なんか質問はあるか?」

 

「その残りの9人は......」 「察しろ」 「あっハイ。」

 

「一撃で死んだって言ったけどホントなのか?」

「ホントだ。」

 

「他に質問は?」

 

「「「「「............」」」」」

 

「正直なことを言ったら、俺はお前達に来てほしくない。だって、お前達よりレベルが高い人達が一撃で殺されるんだぞ。だが、そうしないとこの世界にいる人たちがどうなるか分からないんだ。永遠とこの世界で過ごすかもしれない。俺は嫌だから、早くこの世界から脱出することしか考えていない。だから......だか......ら。(´;д;`)」

 

こんなこと話すつもりなかったのにな。なんでか知らんけど全部話してしまった。もしかしたら泣いてるかもしれんな。(泣いてます)

 

「色々溜め込んでたんだね。ルッコくんがあまりにも大人びてるから、私たちと一緒ってことを忘れてたよ。泣きたい時は泣いてもいいんだよ。」

 

「流石に泣くなら1人居る時に泣くよ。」

 

「そう、それならいいんだけどね。色々溜め込みすぎちゃダメだよ。」

 

「ありがとう、みんな。さて、色々話したところで “クゥー” 飯にしようか。誰かさんのお腹も鳴ったことだしね。」

 

俺はチラッとヒマリの方を見る。顔が赤くなってますねぇ。

 

「そんな事言わないて。みんなも何か言ってよ〜。」

 

みんな笑っているところを確認して、料理の準備に入った。

 

さぁ明後日はボス戦だ。気合い入れていかないとな。




今回はここまで。
早いうちにこの話の構想は練りきれてたのですが、いざ書くとなるとなかなか文字が合わないなって思ったので、ボス戦の部分をバッサリ原作を改変しちゃいました。違和感ないようにできてるならいいんですがね。
次回は《The Skullreaper》戦でございます。
また次回お楽しみに。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

20話:《The Skullreaper》戦

ルコルンでございます。
最近話題のSAOの映画見に行きました。かなり良かったです。原作とは違うけどなんだかんだ受け入れられるっていう感じなんですよね。
いつも以上に難航した気がします。ついでに駄文の可能性大です。
それでもいいなら......(∩´。•ω•)⊃ドゾー


偵察戦の翌日、珍しくキリトからメールが来て、所定の場所に来いと言う中身だった。メールの指示に従ってその場所に向かって行った。勿論、みんなも連れて行った。

 

|ω・)و゙ コンコン

「邪魔するぜ〜」

「邪魔するなら帰って〜」

「あいよ〜。ってなんでや。一応客人ですけど。」

「久しぶりにこんなことしたわ。とりあえず上がって。」

「「「「「「お邪魔します┏〇」」」」」」

 

呼ばれた場所は22層にあるログハウスだった。アスナさんと結婚してから買ったのかなとか思いつつサクッと席に着いた俺たちは、本題に入った。

 

「んで、呼んだ理由は?」

「呼んだ理由ならただ1つだ。昨日何があったのかを教えてくれ。」

「......了解。ただ、いい話ではないぞ。昨日、75層の偵察戦が行われた。」

 

昨日のことを知らないキリトとアスナに、重要なことを説明した。

 

「そんな事があったのか。ちなみに、そいつらが居なくなっただけという可能性は......」

 

俺は首を横に振ったそれが何を意味するのかは2人なら分かると信じた。

 

「「............」」

 

「申し訳ない。俺がしっかり指示を出せていたら......」

 

「誰が悪いとかはないと思うわ。この事を糧にしてこのボス戦に勝とう。」

 

「......それもそうか。じゃあ、明日頑張ろうぜ!!」

 

「死ぬんじゃねぇぞ!!」

 

「分かってるよ!!そっちこそな!!」

 

そうして、俺たちはいつもの場所に戻ったのだが......

 

「あっ。お二人ににお祝いの手土産渡すの忘れてた。」

 

という事もあり、もう一度戻ったのは内緒だ。

 

〜翌日〜

 

「みんな、準備できたか?」

 

「うぃ( `・ω・)و」

 

「それならいいんだが。今回はみんなで出れる()()()()()()()()()かもしれない。気を引き締めていくぞ!!」

 

「「「「「(・∀・)/おー!」」」」」

 

俺たちは集合場所へ向かう。ついて早々目に入ったのは、キリトだった。正直に言うと申し訳なさでいっぱいだった。なんでかって?俺が出た偵察戦の時にヒースクリフの言い分を止めれなかったからな。最後に謝る。そっからボス戦に行くぜ!

 

「キリト。」

 

「ん?どうした?」

 

「お前の力があっても、今日のボス戦は死人が大量に出る可能性があるから気を引き締めていけよ。」

 

「そっちも、出し惜しみ無しで行けよ。」

 

出し惜しみ無し......か。あれは最終手段なんだよな。

 

「......了解。そっちこそな。」

 

「おう!!」

 

そう言ってから、周りを見る。エギルさんやクラインさんもいてた。まぁ、わかってたことだけど。挨拶しておきましょうかね。

 

「クラインさん、お久しぶりです。そしてエギルさん、先日はありがとうございました。」

 

「久しぶりだな。74層のボス戦以来か?」

 

「いつも助けられてるんだから、たまには助けさせてくれよな。」

 

「そうですねクラインさん。そして、エギルさんの戦う姿を見るのがかなり久々な気がします。」

 

「そうだな。あの時の俺と違うとこを見せてやるよ。」

 

そんなことを話していると、血盟騎士団の方がお見えになった。

 

「諸君、集まってくれて感謝する。今回の戦いでは、偵察隊が1人を残して全滅したという報告を聞いている。」

 

周りがザワつく。偵察隊とはいえ、攻略組の人が暫定で組んだパーティー。《個々の能力が高い人達がほぼ全滅した》という事実だけがこの空気を支配する。

 

「だが、我々ならこの層を突破できると信じている。では行くぞ。《コリドー・オープン》」

 

回廊結晶を使い、ボス部屋の前まで行く。俺はあいつとの戦いに1度負けている。死んだみんなのためにも、勝ちに行ってやる。

 

ボス部屋の前についた。

 

「我々血盟騎士団が前衛で攻撃を受け止める。その間に可能な限り攻撃を見切り、攻撃してほしい。厳しい戦いになると思うが、諸君の力ならできると信じている。」

 

攻略組の士気が上がった。

 

一方で、俺とキリトは冷静にヒースクリフさんを見ていた。

 

ヒースクリフさんは扉を開けた。みんな持っている武器を構えた。扉が開ききる。

 

「戦闘開始」

 

全員が部屋に入ると、後ろの扉が締まる。俺はボスの位置がわかっていたので声をあげる。

 

「上だ。上から来るぞ、気をつけろ!!」

 

みんなが一斉に上を見た。ボスはそこにいた。俺は2回目だが、やっぱり気味が悪い。骸骨×ムカデだぜ。気味悪いの一言に尽きるわ。

 

スカルリーパーが俺たちを確認すると、真下に急降下してきた。

 

「「固まるな!!距離を取れ!!」」

 

俺とヒースクリフの声が重なる。この声を聞いて動き出すプレイヤーがほとんどだったが、動けない人もいた。その中にヒマリもいた。

 

「こっちだ!!こっちに来るんだ!!」

 

キリトの声でみんな動きだしたが、間に合わないと判断していた俺は走り、ソードスキルを使って受け止めようとしていた。

 

「早く!!」

 

キリトとアスナが手を伸ばす。鎌が残り数cmのところで......

 

 

 

“ゴン”

受け止めた。だが長くは持たないことを体が悟った。パワーが桁違いすぎて1人で受けるのは至難だった事を覚えている。

 

「早く...逃げるんだ...キリト達の...いる...所...へ...」

 

「ルッコくん!!」

 

「俺なら...大丈夫...だから。」

 

後ろで足音がした。多分あっち側へ行ったんだろう。鎌を右に受け流した。ズッシリとした重みから開放された俺は言う。

 

「ヒースクリフさん、あの鎌1人で受け止めれますか?」

 

「分からないが、死力は尽くしてみよう。」

 

「了解です。あの鎌を俺とヒースクリフさんで受け止めるから、残りの人は側面から削ってくれ。正面に立ったら回避行動を取るんだ。」

 

「ぅぃ」

 

そこからは順調に削れていた。俺も、何度かゲージが赤く染ったけど、ヒースクリフさんにカバーしてもらいながら受け止めていた。

 

ラスト1ゲージに異変が起こるまではだが。異変と言うより攻撃パターンが変わるまでと言った方がいいな。ラス1のゲージに差し掛かると、みんな下がって様子を見ようとしたが、範囲攻撃を急にしてきたので、近くにいた人たちが全員壁付近に飛ばされてしまった。

 

飛ばされなかったのは、俺たちAfterglowのメンバーと回復しに下がっていた人達+ヒースクリフだった。そこから、全部のタゲをヒースクリフさんが取り、俺がダメージを与えまくった。正直、1層前のキリトみたいなことをした。

 

全員が飛ばされてから6分が経ち、全員のHPが回復したところで、ボスが倒れた。

 

「「今だ!!総攻撃!!(してくれ!!)」」

 

倒れた所に色々なライトエフェクトがボスに襲いかかる。

数十秒すると、ボスが悲鳴をあげて倒れ、ポリゴン片に変わった。

 

誰もすぐには声を挙げれなかった。この層が2回目のクォーターポイントという事だからだろう。俺自身も、ボスが復活すると思っている節があるからな。

 

白いウィンドーが目の前に現れたことによって、俺たちの勝利は確定し、俺は小さくガッツポーズをした。

 

ポーションを飲みながら周りを見渡すと、イエローゲージの人がほとんどだった。回復しながら、ふとヒースクリフさんの方を見ると、あの人はグリーンでギリギリとどまっていた。それに違和感を感じた。

 

(待てよ、なんであの人はグリーンなんだ?途中から全部の攻撃のタゲを取ってたからイエロー...いや、レットに入ってないとおかしいはずだ。回復したならともかく、そんな素振りは一切見ていない。まさか......)

 

ふと隣にいたキリトと目が合う。

 

「あいつのゲージなんでイエローに落ちてねぇんだ?」

 

「俺にも分からんが、あいつがプレイヤーではない可能性が高まったな。」

 

「で、どうするよ?」

 

「1発ソードスキルを入れる。違ったらその時だ。」

 

「面白いな。じゃあ俺が正面から叩き込むから、キリトは背後から叩き込んでくれ。」

 

「了解。」

 

俺は刀スキルの絶空をを放つ。それに気づいたヒースクリフさんは盾を構えて受け止めたが、後ろから来たキリトのダブルサーキュラーに反応しきれず、2段目の攻撃が右肩に当たる

 

 

 

はずだった。《Immortal Object》という障壁に阻まれなければだが。

 

俺たちは放心状態で彼を見た。

 

「「どういうことだ(ですか)。ヒースクリフ(さん)。」」

 

ヒースクリフは不敵も笑った。




今回はここまでです、はい。
次回は、この世界でのラスボスとの戦いです。
あっ、あとアンケートもお願いします。意外と接戦で驚いています。
ではまた次のお話でお会いしましょう!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

21話:剣に懸ける思い

いつも通りのルコルンです。
アニメの時の《また見たいランキング》(個人的)堂々の上位であるこの戦いの部分を改編して書いたので2本にわかれます。(もちろん1位はアリシゼーション編の......ね)
それでは前半部分......ゆっくり読んでいってください。


〜sideルッコ〜

「システム的不死ってどういうことですか団長。」

 

「あの人のHPは、どんな事をしてもイエローに落ちることは無い。そのようなシステムに保護されてるんだから。」

 

アスナさんの質問にキリトが答える。

 

「この世界に来てからずっと疑問だったんだ。あの男は、茅場晶彦は、今どこで俺たちのことを監視してるんだろうってね。」

 

「ただひとつ、単純なことを見落としてたんだよ。」

 

「「他人がやっているRPGを傍から眺めることほどつまらない事は無い..................そうだろ、茅場晶彦。」」

 

一瞬、この場の空気が凍りついた感覚がした。

 

「なぜ分かったのか。参考までに聞かせてもらおうか。」

 

肯定しちゃうってことは茅場晶彦なのかよ‪w

 

「最初の違和感はデュエルした時だ。最後の一瞬、あんたはあまりにも速過ぎたぜ。」

 

「やはりか。あの時、私は君の動きに圧倒してしまいシステムのオーバーアシストを使ってしまった。」

 

やっぱりオーバーアシストだったのか。確かに速かったもんな。

 

「それで、ルッコ君の方はいつ分かったのかね。と聞くのも野暮だと思うが。」

 

「分かってるなら聞かないでください。」

 

ピリピリとした空気がこの場を支配し続けた。

 

「確かに、私は茅場晶彦だ。付け加えれば、この塔の最上階で待つはずだった、このゲームの最終ボスである。」

 

「趣味がいいとは言えないな。最強のプレイヤーが一転、最凶最悪のラスボスか。」

 

「なかなかいいシナリオだろ。最終的に私の前に立つのは君だと思っていたよ。キリト君。全てで十数種あるユニークスキルの中で、《二刀流》スキルは全てのプレイヤーの中で最大の反応速度を持つ者に与えられ、その者が魔王に対する勇者という役割を担うはずだったのだが......君はそれ以上の力を見せてくれた。これもネットワークRPGの醍醐味とも言えるがね。」

 

そして、俺の方を見る茅場晶彦。

 

「そして、君に与えられた《暗殺者》スキルは、私が設定していないスキルだったよ。このスキルは、カーディナルのプログラムで作られたものだろう。カーディナルには新しいダンジョンの制作や、モンスターのバランス調整を全て一任していたんだ。そこで、いつ作られたのかを調べてみたら、60層攻略後だったようだ。そして、1番洞察力が高い人にこのスキルが渡されるように作られたのだろう。私の予想だにしないことをカーディナルはしてくれたね。」

 

俺は予想外かよ。というか、カーディナルって自律プログラムだったんだな。

 

「よくも......俺たちの忠誠を...希望を...よくも......よくも!!」

 

血盟騎士団の斧を持った方が茅場晶彦に攻撃しようとした。

 

だが、相手が悪かった。

 

茅場晶彦はすぐに左手でウィンドウを操作し、男の動きを止めた。その直後、俺の身体にも鈍い感覚がはしる。ふとHPバーを見ると点滅していた。所謂麻痺状態だ。麻痺になっていないのは、キリトだけのようだった。

 

「どういうつもりだ。ここで全員殺して隠蔽でもするつもりか。」

 

「まさか、そんな真似はしないよ。こうなってしまっては致し方ない。私はこの党の最上階《紅玉宮》で待つことにしよう。だが、キリト君。君には私の正体を看破した報酬を与えよう。今この場で私と1対1での戦うチャンスを与えよう。」

 

キリトは多分迷ってるんだろうな。この先に進めるのか。もし進めたとして、ボスになったヒースクリフに勝てるのかとでも思ってるんだろうな。

 

「キリト、迷うくらいなら自分がやりたい方に進みな。誰も文句は言わないよ」

 

「そう......だよな。ヒースクリフ、俺はお前と戦う」

 

「キリト!!やめろ!!」

「キリの字!!」

「キリト君!!」

 

エギルさんとクラインさん、そしてアスナさんがキリトのことを呼び止める。今挑むのは自殺行為だと言うかのように。

 

「エギル、今まで剣士クラスのサポートありがとな。知ってるぜ。お前の賭けのほとんどを中層プレイヤーの育成につぎ込んでることを。クライン、俺、あの時......お前のことを置いて行って......悪かった。」

 

「てめぇ、謝ってほいしわけじゃねぇんだよ!!向こうで飯奢ってくれるまで許さねぇからな!!」

 

「わかった。次は向こうでな!!」

 

キリトが右手を上げる。

 

「1つ頼みがある」 「なんだね?」

 

「簡単に負ける気はないが、もし俺が死んだら、暫くでいい。アスナが自殺できないようにしてくれないか?」

 

「承った。彼女は《セルムブルク》から出られないようにしよう」

 

「キリト君‼そんなの......そんなのってないよ‼」

 

アスナさんの心からの叫びが木霊した。

 

「さて、始めよう」

 

ここから最終決戦が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正直に言って、キリトの方が分が悪いことになる可能性が高いと思っている。理由はただ1つ。ヒースクリフさんが茅場晶彦(ゲームマスター)という事実は変わらないからだ。相手がゲームマスターということは、ソードスキルをデザインしたということ。つまり、ソードスキルがどこに攻撃を加えるのかということを熟知しているはずだ。つまり、()()()()()()()使()()()()()()ことになっている。キリトも同じことを考えているだろう。

 

「くそっ‼なんで動けねぇんだよ‼幼馴染(キリト)が戦ってるのに......」

 

ふとキリト達の戦いを見る。キリトの2本の剣に同じ色のライトエフェクトが灯る。

 

「早まったか......しかも、あの初期モーションは......《ジ・イクリプス》か」

 

多分だが、キリトは()()()のだろう。焦りや恐怖を隠すように振るった剣では、勝てる者にも勝てなくなる。今回の場合、相手がこのゲームの創造主。しかも、約2000人もの人を間接的に殺した......いわば殺人鬼である。だからこそ恐怖を隠すためにソードスキルを使ってしまった。キリトは気づかない間にヒースクリフの勝利条件を満たしてしまったのだ。

 

「早く立つんだよ...そうじゃなけりゃ...目の前で人が死ぬんだぞ。動けよ‼」

 

そう思ったとき、体の中にあった鈍い感覚がなくなった。ふとHPバーを見ると麻痺状態が消えていた。

 

〜sideキリト〜

俺はやってしまった。あいつが創造したソードスキルを目の前で使ってしまった。あいつは笑っていた。その時にハッとした。あいつの勝利条件は()()()()()()()使()()()()()()だということに気づいた。しかし、スキルが立ち上がってしまったら止めることは許されない。

 

計27連撃、《二刀流》スキル最多連撃を誇るスキルで勝負を決めるつもりだった。だから放ったのだが......相手がゲームマスターであることを考慮していなかった。全てあいつが作ったシステムであるから見切れるのは当たり前だ。27連撃、そのすべてが奴の盾に吸い込まれる。その時、キリトの愛剣のうちの1つである白銀の剣(ダークリパルサー)が折れてしまった。技後硬直がに陥ったところを見逃すわけもなく......

 

「________さよならだ、キリト君」

 

冷酷な声で告げられる別れ。

振り下ろされる刃。

動きたくても動けない体。

こんな時に弱さを実感するのも変だと思ったが、考えてしまった。

迫りくる死を、俺は直視した。

 

その時、俺は誰かに突き飛ばされた。

 

「______!?」

 

「なにっ____!?」

 

驚きの声は、奴の物だった。技後硬直にあった為、避けることも抵抗することもできず、倒れ込んでしまった。

その後、何かが切られる音。

 

「______何が...起き...て」

 

ふと前を見ると、俺の上にルッコが乗っていた。

 

「お前...どうやって...」

 

「んなもん知るか。ただ、言えることは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お前は1人じゃないってことだ。」

 

~sideルッコ~

 

「________これは驚いた。今この場で、麻痺状況を脱する方法なんてないはずなのだが......ルッコ君の様子を見るに、何かをして、麻痺状況を解除したようだね。RPG......いや、このデスゲーム(SAO)という物語にピッタリじゃないか。どのようにして解除したのかね。」

 

「お前にはわからないだろうが、一言で言い表してやるよ......()()()()()()()()()()()()ってやつだよ。」

 

あいつの顔が驚きに変わる。続けて、

 

「後、お前。まだ何か隠してるだろ。」

 

にやりと笑っていた。先ほどと一緒だ。

 

「____そうだね....本当は明かしたくなかったのだが、バレてしまっては仕方が無い」

 

そう言って、ウィンドウを操作し、とあるアイテムを出す。

 

「んなっ!?」

 

俺が見たものは、アニメで見たことがあった「ナスカメモリ」そのものだった。

 

「なぜ、お前がそれを持っている‼」

 

「簡単なことだよ。メモリをデータとしてこの世界に入れ込んでいたんだよ。ある日、7本のメモリがと急に消えたからね。所持者を探していると君たちに当たった訳だよ。ルッコ君、ツグミ君。」

 

「そこまで分かっていて、何がしたいんだ?」

 

「私が今からこれを使って、君たちの持っているメモリ全てを返してもらおう。抵抗したらどうなるか......わかるよね。」

 

「俺達を殺してでも奪い取るんだろ。やすやすと渡すつもりはないぜ。」

 

「ほう、ならば。『Nasca』本当の戦いだ。」

 

メモリを直刺しし、「ナスカドーパント」に変身した。

 

「ああそうかよ。キリト、アスナのもとにいてやれ。」

 

「だが、「早くいけ‼」......分かった。」

 

「ツグ...行けるか?」

 

「行けるよ、ルッコくん。」

 

「よし、じゃあやるか。」 『Joker』

 

「うん。」 『Cyclone』

 

「「変身‼‼」」

 

俺たちは、「仮面ライダーW」となった。

 

ここに、異形達による第2ラウンドが始まった。




今回はここまで。
次回は、完全オリジナルパートになります。
超絶拮抗しているアンケートのほうもそろそろ終了になりますので、まだやってない人はお早い目に......
それでは、次回もお楽しみに。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

22話:今を生きるための戦い

いつも通りのルコルンだぜ( ✧ω✧)キラッ
最終決戦の後半戦でございます。
書きたいもん書きまくったら最後の方がしりすぼみ感が大きくなっちゃいました。
それでもいいなら......(∩´。•ω•)⊃ドゾー


〜sideキリト〜

変身してからの2人の戦いは圧倒的だった。俺が、ルッコの代わりに変身したとして、あの状態の茅場晶彦と互角に戦える気がしなかった。そんなことを考えていると......

 

「ねぇ、キリトくん。ルッコくん達は、今どういう状況なの?」

 

「あぁ〜。俺もあまり分からないから、分かるところだけ説明するな。」

 

〜少年説明中〜

 

「つまり、メモリの力を使っている者同士の戦いってことね。見た目は人間のようだけど、パワーが段違いなのね。」

 

「そうだ。しかも、あの状態になると、俺達に付いているHPゲージの概念が一時的に無くなるそうだ。」

 

「じゃあ、ある意味の不死状態じゃ......」

 

「だが、永久的に変身できる訳では無いそうだ。何もしなくても30分で変身は解けるそうだ。それに、変身時の身体の負担がすごいらしい。」

 

「じゃあ、タイムリミット付きなのね。」

 

「そうだな。」

 

俺だけじゃなく、皆お前のことを信じてるからな。

 

〜sideルッコ〜

 

目の前で闘っているアイツは、今まで見てきたどの敵よりも強かった。アイツがナスカメモリを持っているとは思ってなかった。

 

「どうした。君たちの力はそんなものなのかい。」

 

「喋る余裕あるんですね。なら、別のフォームで行かせてもらいますね。」

 

ドライバーに刺されている両方のメモリを取りだし、別のものに変えると、赤と青のフォームに姿をを変える。

 

「一気に行く」 《Trigger maximumdrive》

 

「それなら、私も」 《Nasca maximumdrive》

 

殺る気か。ならば......

 

「誰がこれだけって言ったよ」 《Heat maximumdrive》

 

「これが俺の。いや、ここにいる人達の思いだ!! ツインマキシマムドライブ 《トリガー・エクスプロージョン》」

 

トリガーマグナムが火炎放射器のようにものすごい炎を吐いた。その炎はナスカ・ドーパントを呑み込み、その場で爆発した。その影響か、ナスカメモリはメモリブレイクし、俺は、強制的に変身解除となった。

 

「:(´◉ᾥ◉`):ウグッ _( 」∠)_バタッ」

 

「「「「「「ルッコ(くん)!!」」」」」」

 

「今...は来ちゃダメだ!! キリト、あとはお前の力でこの戦い...を終わらせろ」

 

「なんでだよ!! お前が......お前が決めないといけないだろ」

 

「俺は......多分だが......これ以上は動けない。こっから戦えって言われたら、戦える気がしない。だから、俺が密かに作ってたものを渡す」

 

そう言って、キリトにトレード画面を表示させる。

 

「こっ、これは......」

 

驚くのも無理はないだろう。リズが作ってくれた白銀の剣(エリュシデータ)と同等の剣が出てるんだもの。

 

その名も、《グランイーター》

白を基調とした薄緑が全体を覆っている。重さも強さもほぼ同等。

 

「早く受け取れよ。そして、お前が最も得意な技で決めてこい」

 

「そこまで言われたら、やるしかねぇだろ」

 

受け取ってもらえたようだ。そして、こっちに来たのは折れたエリュシデータ。

 

「ほら、やりたいようにやってこい。今ならソードスキルを打ち込んでも防ぎきれないだろう」

 

あんなのを受けて無傷なわけないじゃん。何かしらのダメージがあるうちに行け......って思ってる。

 

「(*`ω´)ぐぬぬ...大ダメージを受けてしまった。しかし、私の体は......まだ動け...る」

 

「動けるんなら、躱しきってみせろよ」

「な、何をする気だ......」

 

「これで......決めきる!! 《スターバースト・ストリーム》」

 

躱しきれずに、11連撃目くらいから斬られまくる茅場晶彦。最後まで動ききった時

 

「おめでとう。キリト君、ルッコ君。君達の......勝利だ」

 

奴はポリゴン片となり、散布してしまった。

 

______ゲームはクリアされました。

____ゲームは____クリアされました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を開けると、俺は透明な空間にいた。少し歩くと、少しづつ崩壊しているアインクラッド城が見えた。

 

「なんというか...まぁ...ある意味絶景だな」

 

「君もそう思うかね」

 

後ろからそう聞こえたので、振り返る。そこには、ヒースクリフとしてではなく、SAO開発者としての茅場晶彦がいた。意外や意外、その後ろにはキリトとアスナもいた。そこで、ずっと思っていた疑問をぶつけることにした。

 

「なぜ、このようなことを?」

 

「なぜ......か。私も忘れたよ。何故だろうね。フルダイブ環境の開発を知った時に。いや、そのずっと前からあの城を、現実世界のありとあらゆるものを超越した世界を創ることだけを欲していた。そして、私は...私の世界の法則をも超える世界を見ることが出来た。空に浮かぶ鋼鉄の城の空想に私が取りつかれていたのは何歳の頃だっただろうか。その情報だけは、いつまで経っても私の中から去ろうとしなかった。この地上から飛び立って、あの城に行きたい......長い、長い間、それが私の唯一の欲求だった。私はまだ信じているのだよ。どこか別の世界には、本当にあの城が存在するのだと......」

 

「......そうだといいですね」

 

俺はそう呟いた。キリトもアスナも頷いてくれた。

 

「言い忘れていたよ。ゲームクリアおめでとう。キリト君、アスナ君。そして、ルッコ君」

 

ぽつりと発せられた言葉、茅場の表情はとても穏やかった。

 

「さて、私はそろそろ行くよ」

 

風が吹き、隣にいた茅場晶彦は消えていた。

 

「なぁ、ルッコ」

 

キリトが俺を呼ぶ。

 

「ここでの思い出は、すべて幻だったのかな」

 

「急にどうした?昔のキリトなら、そんな事言わないだろ。でもな、俺たちがこの世界で過ごした2年と少しの時間は、誰に何と言われようとも、俺たちにとって現実なんだ。」

 

「そう......だよな。俺も、この世界で大切なものを色々見つけることが出来た。なぁルッコ、向こうの世界に帰ったら一緒にどっか行こうぜ!!」

 

「おっ、久々に行くか......って言いたいところなんだが、今年受験なんだよな。だから、全て終わってからどっか行こうぜ!!その時は、アスナさんも一緒に行きませんか?」

 

「私も行きたいな〜。3人でというより、ツグちゃん達も連れて行きたいわね」

 

「「(((;°▽°))ハハハ」」

(これ肩身狭いやつやん)

 

「じゃあ、今度は向こうの世界で会いましょう。キリト、アスナ。」

 

「じゃあな。また向こうで」

 

「またね、ルッコくん。」

 

そうして、俺はこの世界から存在を消した。

 

目が覚めると、白い光が目に入った。

 

「(> <;)眩しっ!!」

 

反射的に目を閉じる。数秒後、ゆっくり腕をあげようとしたのだが......腕が重い。

 

「とりあえず、ナースコールは...っと......」

 

声もあまり大きく出せなかった。

ナースコールを押すと、すぐに看護師さんが来て、ナーヴギアを外してくれた。




今回はここまで。最後の最後でオリ武器出てきちゃったよ。
さて、アインクラッド編が一区切り着いたのでアンケートを次の話が出るまでとさせていただきます。
ついでに、1つ前の話を出した後にUA5000超えました〜。皆さま、本当にありがとうございます。
こんなお話に評価してくださった方。感想をくれた方。お気に入り登録してくれた方。読んでくれた方々には本当に頭が上がりません。この場でお礼申し上げます。
次の本編を書き終えるまで、にオリ主くんの設定と最後に出てきた武器の詳細をあげようかなって思ってるのでそちらも......
ではでは、次の話まで暫しお待ちを〜


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

《フェアリーダンス編》
23話:色あせた現実(リアル)に差し込む一筋の光


ルコルンです。
アンケートありがとうございました。同票が3項目あったので、最終決断をこちらでさせて頂きました。次の話以降でわかると思います。
それでは本編を......ど-ぞ (꜆ ˙-˙ )꜆


ソードアート・オンラインがクリアされてからはや1ヶ月が経った。俺の体も順調に元に戻ってきている。()()()()だ。心はまだ元には戻ってない。なんでかと言うとだな、SAOが終了した時に、300人くらいの人がまだ目を覚ましていないからだ。しかも、その中にアスナさんやツグが含まれているからだ。

 

「......今日も目覚めてないか」

 

俺はあの世界で、Afterglowのみんなと、そして、恋人となったツグと出会って、ちょっとした約束をしていた。

 

「みんなを無事に元の世界に返すこと」

 

ランやモカ達はみんな戻ってきてたんだけど......ツグだけは戻ってきてなかった。その事で、少し喧嘩もした。まぁ、約束を守れてなかったから攻められるのは当然だし、反論はしてない。

 

「ほんとに...何処にいるんだよ。」

 

そんなこと言ってると、待ち合わせの時間に近くなったので、待ち合わせ場所に向かうことにした。

 

「キリト、エギルさん。待たせましたか?」

 

「よぉ流己。待ったぜ!!」

 

「時間通りだよ。先に座りな。これから話すところだったんだよ。」

 

「じゃあキリトの横にでも......それで、呼んだ理由はなんでしょう?」

 

「あぁ、これを見てくれ。」

 

見せられたのは、鳥籠の中に入っている2人の女性。だが、その中に入っていたのは...

 

「アスナさんに、ツグ!? エギルさん、これどこで......」

 

エギルさんはとあるゲームを出す。

 

「アルフ......ヘイム......オンライン? その中にアスナがいるのか?」

 

「キリト違うぞ。あれでアルヴヘイムって読むんだよ。意味は、《妖精の国》って所か」

 

「そうだな。このゲームは《アミュスフィア》というナーヴギアの後継機対応のMMOで、今人気のゲームのひとつだ」

 

「なら、これもVRMMOっていうわけか」

 

「しかし、妖精っていうことは、ほのぼのしてそうだな。ファンタジー系か?」

 

「そんなことは無いぜ。どスキル制、プレイヤースキル重視、PK推奨のゲームだそうだ」

 

「マジかよ。そんなのなら、レベルっていう概念そのものがなさそうだな」

 

「確かに。しかも、運動神経がものをいいそうだな」

 

「2人の考えてる通りだ。しかも、初めに種族が選べるんだが、選んだ種族以外とはPKし放題って訳だ。だから、ソードスキル無し魔法有りのSAOっていうところだ」

 

「こんなキツそうなゲームがなんで人気出てるんだ?」

 

「それは、このゲームの中で《飛べる》からだそうだ」

 

「飛べる?」

 

「妖精だから翅がある。それを使って、自由に飛べるんだとよ」

 

「妖精モチーフだから、翅があって当然か」

 

「だが、肝心の翅はどうやって操作するんだ?」

 

「さぁな。だが、相当難しいらしい」

 

「そりゃそうさ。人間に無いものを操作するんだ。背中の筋肉を動かすのかな?」

 

流石キリト。一瞬でゲーマーの目になってやがる。

 

「......」 「んん!!」 「痛っ!!」

 

俺は無言で手刀を頭に落とし、エギルさんが咳払いをし、キリトの意識をこちらに向けさせた。

 

「それで、エギルさん。このゲームとさっきの写真の関連って?」

 

「さっきの写真はこのゲームの中で撮られたものだ」

 

「その......ゲームの中」

 

キリトは驚いていたが、俺はそこまで驚けなかった。なんなら、あのゲームが目の前に出された時に、もしかしたらという予測をたてていたからだ。

 

「世界樹、と言うんだとさ。9つに分かれたプレイヤーは世界樹の上にある城にたどり着く競争をしてるんだ」

 

「ほへぇ(*꒪꒫꒪)」

 

「なら飛べばいいんじゃないのか?」

 

「滞空時間があって、無限には飛べないらしい」

 

「じゃあ、どうやってあの写真を撮ったんだろう?」

 

「それに関しては、体格順に5人のプレイヤーが肩車をして多段ロケット方式で目指したらしい」

 

「なるほど、馬鹿だが頭いいな」

 

「いや、それどっちやねん」

 

「それは置いといてだな。そんなことをしても、ギリギリ届かなかったそうだ。でも、最高高度の地点で5人目が何枚か写真を撮った。そのうちの1枚をギリギリまで引き伸ばしたのがあれという訳だ。」

 

「でも、なんでアスナがゲームの中に......」

 

キリトがパッケージをもう一度見ると、険しい顔になった。

 

俺も覗いてみると、《レクト・プログラム》と書いていた。キリトとこの会社に因縁でもあるのだろうか。だが、ここで聞いてはいけないと思って聞かなかった。

 

「エギル、このソフト貰ってもいいか?」

 

「構わんが、行く気なのか?」

 

「この目で確かめる」

 

キリトが鞄にソフトを詰めるところを、エギルさんが不安そうに見ていた。

 

キリト自体も心の中では何か嫌なことが起こるかもしれないと思っているだろう。

 

だが、その恐怖を振り払うように笑う。

 

「死んでもいいゲームなんてぬるすぎるぜ」

 

エギルさんも呆れていた。

 

「俺も......そのソフト貰ってもいいですか?」

 

「でも......お前は」

 

「キリトの思ってる通りだよ。俺は受験生。だから、2日おきとかになるけど......それでも戦力は多い方がいいだろう。あと、恋人を助けれるなら、そのチャンスを棒に振るわけないっていうことを、キリトがいちばん知ってるだろ」

 

「......確かに、お前はそんな奴だったな。じゃあ頼むわ」

 

「............はぁ、こんなことになるだろうと思ってたよ」

 

そう言って、エギルさんは同じソフトを取り出してくれた。

 

「エギルさん!!」

 

「こんなこともあろうかと、2つ用意した甲斐があったぜ。だが、都合で俺は一緒に行けない。だから、お前たちで行くんだ」

 

「ありがとうございます!!」

 

俺は持ってきたショルダーバッグの中にソフトを入れた。しかし、ソフトはあってもハードがないことに気づいた。

 

「あっ、ハード買わなきゃ」

 

「ナーヴギアで動くぞ。アミュスフィアはナーヴギアのセキュリティ強化版でしかないからな」

 

「そっか。なら心配入らなかったな。」

 

「助け出せよ、アスナ達を。でないと、俺たちの戦いは終わらないからな」

 

「いつかここでオフをやろう」

 

「絶対に連れ戻してくるんで!!」

 

そう言って、俺たちは拳を合わせた。

 

さて、帰る前にあいつらにでも連絡するかな。

 

連絡を入れたらすぐに返信が来たので少し場所の指定をさせてもらった。

 

 

 

 

「で、大事な話ってなんなの?」

 

「いきなりかよ( ̄▽ ̄;) まぁいいや。話は1つ、ツグミについてだ」

 

全員の顔が引き締まる。

 

「......それってどういうことだ?」

 

「......まずはこの写真を見て、そこから説明する 」

 

〜少年少女達に説明中〜

 

「つまり、つぐはこのゲームの中に閉じ込められてるって言う解釈でいいんだな」

 

「そうだ。しかも、情報ソースはあのエギルさんだ。」

 

「..................」

 

「ここからは俺の考えだから、気にとめなくてもいい。俺は、約束とか無しで助けに行く。向こうで何があってもだ。だから、もう少しだけ待っててくれないか?」

 

「絶対に戻ってくるんだよね?」

 

「任せろ!!絶対にみんなの前に連れて来てやる。」

 

「なら、任せたよ。私達もつぐみの親に連絡しとくから」

 

「頼んだぜ、みんな」

 

そう言って5人で拳を合わせた後に、ひまりが「エイエイオー」って言ってたけど、流石に恥ずかしかったので無視したら、みんな何も言わなかったので自然と笑いがこぼれてしまった。

 

蘭以外のメンバーと別れてから、聞きたいこと後あったので聞いてみた。

 

「蘭、あのことについて怒ってないのか?」

 

「あのこと?あぁ、あの事ね。たしかに今もだけど、手がかりが掴めたから、怒りなんてどうでも良くなった」

 

「そっか。今度は喧嘩じゃなくて歓迎してほしいんだけどな‪w」

 

「つぐみが帰ってきたらやってあげるよ」

 

「なら、なおさら頑張らなきゃなd(≧▽≦*)」

 

そう言って別れ、お互いの帰路についた。




今回はここまでです。
次はALOにリンクするところからですかね(^-^)
感想や評価、お気に入り登録してくれると飛んで喜びます。
それでは、次回をお楽しみに!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

24話:妖精の国へ

今回、サブタイトルが全く凝ってない......


家に着いてから、飯を食べて風呂はいって、久しぶりにナーヴギアを取りだした。

 

「もう一度、あの言葉を言うなんてな......」

 

そう、もう一度なんてないと思っていた俺は、恋人を助けるためという口実の元、もう一度ナーヴギア(デスマシン)を頭から被る。

 

「............リンクスタート」

 

暗闇を抜け、虹色のリングの先に行くと、アカウント情報登録ステージに着いた。

 

「アルヴヘイム・オンラインへようこそ。初めに、性別と名前を入力してください」

 

性別は男、名前はあの世界で2年間使い続けた名前である《rukko》と入力した。

 

「それでは種族をお選びください」

 

種族ねぇ......どうしようかと思いながら9つの種族をゆっくり見ていると、ふと1つの種族が目に入った。

 

風妖精(シルフ)......か」

 

飛行能力と聴力に長けていて、風属性魔法が得意だそうだ。そういえば空を飛べるとか何とか言ってた気がしたな。

 

「よし、この種族にするか」

 

「それでは、シルフ領のホームタウンに転送致します。」

 

中心に高めの塔が立っている街が見える。あれがシルフのホームかと考えていたら、周囲のポリゴンが欠け、ノイズが走る。

 

「はっ?いきなりなんなんだ?」

 

瞬く間に周りの風景が変わり、森の中へ落下して行った。

 

「いだっ(+。+)」

 

多分どこかの森の中に落ちたのだろう。とりあえず左手を上から下に振り、メニュー画面を表示させた。

 

「えっと、ここら辺に......あった」

 

探していたのはログアウトボタン。それを押すと、「フィールドでは即時ログアウトできません」との記載の後に、YES/Noの記載があった。

 

「とりあえず、ログアウトはできるんだ」

 

Noのボタンを押し、ステータス画面を見る。すると......

 

「うへぇ。何このステータス」

 

名前の下に、シルフの種族名。その下に、HP500 MP100という記載。これは初期数値なのだろう。問題はその下にあったのだ。

 

習得スキル欄に《曲刀》、《刀》、《料理》等のスキルが入っていた。しかも、そのスキルは、熟練度が全て800以上あり、1部のスキルはMAXになっていたのもあった。

 

「このスキル、どこかで見覚えが......ってこれあれや。SAOの時の所持スキルや。一部を除いて全部あるのか。」

 

続いて、所持品を確認したんだが、文字化けしたものが大量にあった。

 

「何これ......めっちゃ文字化けしとる......向こうで使ってたものもや大切なものが多くあったのにな。仕方ない、バグとか言われる前に捨てるか。」

 

そして、文字化けしてるものを捨てた結果、残ったのは初期装備の刀と防具、それと何故か文字化けしていなかった《グランイーター》とWドライバーとメモリ6種の計10種類だった。でも、ドライバーの方は文字化けしてるのにメモリはしてないのやら。

 

「とりあえず、周りを見渡そうかな。」

 

翅の使い方がわからないことので、周辺をを徒歩で歩くと、近くで戦闘が始まっていた。

 

「3人の......サラマンダーか。そいつらが1人のプレイヤーを襲ってるのね。さて、同じ種族だし助けますかね。」

 

音のした方に走ると、ドンパチやり合ってるのが見えた。さて、後ろから奇襲でもしますかね。

 

飛べないんじゃって思った人、走ってる最中に説明書見たので一応飛べます。ぎこちない気がするけど。

 

「後ろにも注意向けとかないといけませんよ、お兄さん方」

 

「フェ? ウギャァアァァァァアアァアァァァアァ」

 

「なんだ?どうし「よそ見はダメよ」 グハッ!!」

 

あっという間に3対2の状況から、1対2の状況にひっくり返してしまった。

 

「さてと、どうしますか?」

 

「降参だよ。デスペナが惜しい」

 

「そうですか」

 

そう言って残りの1人はこの場から去っていった。

 

「ありがとうね」

 

「いえいえ。同種族の人が襲われてるとみんなこう動くでしょ?」

 

「私だったら直ぐに行動出来ないかな。あっ、あたしリーファっていうの」

 

「俺はルッコって言うんだ。よろしくね、リーファ」

 

「うん、同じ種族どうし仲良くしよっ」

 

そう言って、俺たちは握手をした。

 

「そういえば、ルッコ君。なんでこの周辺にいたの?見た感じ新規プレイヤーでしょ?」

 

「簡単に言うと、ここら辺に落ちた」

 

「はい?どゆこと?」

 

まぁそうなるよね( ̄▽ ̄;) さてここからどう説明するかな。

と考えていると、上から人が落ちてきた。しかも、ここからちょっと先の場所に。

 

「あんな感じにです。」

 

「うん......何となく理解はしたよ。とりあえず見に行ってみる?」

 

「そうですね」

 

俺たちは人が落ちた場所に向かった。そこに居たのは、昔からの馴染みであるキリトでした。

 

「お前もここら辺に落ちてきたのか、キリト」

 

「イテテ。その言い分だとお前もこんな目に遭ってたんだろ、ルッコ」

 

「2人とも知り合い?」

 

「そうだね。別のゲームも一緒にやった仲だからね」

 

「そうなんだね」

 

そして、リーファとキリトが自己紹介しあって、ユイちゃんとも顔合わせをし、現在は随意飛行を学んでいるところだ。

 

「えっと、まずここから仮想の骨と筋肉が伸びているって想定して、それを動かすの。そして、最初は思い切って肩や背中の筋肉を動かして、翅と連動する感覚を掴んで」

 

リーファの指示を聴きながら、翅を動かす。すると、ゆっくり体が浮いた。

 

「おっ、できたぞ」

 

俺が声を上げると

 

「うわああああぁぁぁぁぁ──────」

 

キリトの体はロケットみたいに直上へ飛んだ。そんで体が見えなくなった。

 

「「「......」」」

 

俺たち3人は顔を見合せ、少しの間沈黙した。

 

「ヤバい、早く追わないと」

 

「パパ!!」

 

「キリトさん!!」

 

キリトを追って森を抜け夜空を見渡すと、月に影を映しながらフラフラ動いているキリトの姿を見つけた。

 

「わああああぁぁぁぁぁぁぁぁ............誰か止めてくれえええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

情けない声が夜空に響く。その様子を見ながら俺たちが目を合わすと同時に笑いが込み上げてきた。

 

「プッ...あはははははははは!!!!」

 

「あははは、キリトさん面白いですよ」

 

「ごめんなさい、パパ。でも、おもしろいです〜〜〜」

 

他のふたりも同じようだ。リーファに至っては腹抱えて笑ってるしな。

 

「笑ってないで、早く助けてくれえええぇぇぇぇぇぇ!!」

 

こんなことがあったキリトも、あれから10分くらい経つと、随意飛行をマスターしたようで、旋回やターンもできるようになっていた。

 

「さてと、色々教えて貰ったし、そろそろ飛ぼうか」

 

「飛ぶと入ってもどこへだ?」

 

「そうだね、スプリガンもいるし、北の方に中立の町があるから、そこまで飛びましょ?」

 

「あれ?スイルベーンっていう街の方が近いんじゃ?」

 

無知キリト、ここでも遺憾無く発揮する。

 

「あのね、分かってる?あそこはシルフ領なの」

 

「だから?」

 

「......だから、君はシルフを攻撃できないけど、逆はありなの」

 

「だが、みんながみんなそんな奴らじゃないだろ?りーふぁやルッコも居るし」

 

「はぁ〜わかった。じゃあスイルベーンまで飛ぼうか。」

 

リーファを先頭にスイルベーンを目指した。




今回はここまで。
種族はシルフにしました。投票してくれた方々、重ね重ねではありますが、本当にありがとうございました。
それでは次回をお楽しみに!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

25話:世界樹までの道

ちわっす(*´‐ `*)/ルコルンです。
最新話があまり見られてないことに気がついた今日この頃。
あまり面白くないんですかねぇ......?


俺達は、樹海を超えシルフ領の《スイルベーン》をめざし飛んでいた。

 

「見えてきたよ。あそこが《スイルベーン》だよ。真ん中の塔に着地するからね」

 

「「了解」」

 

「そういや、ルッコ君とキリトさんランディングの仕方って分かりますか?」

 

ランディング......つまり着陸か

 

「ある程度なら分かりますけど......」

 

「分かりません......」

 

「えっと......」

 

塔が既に迫っている。これは......

 

「まぁ、うん。幸運を祈っとくわ」

 

「私も」

 

「薄情者おおおおおおぉぉぉぉぉぉ────」

 

情けない叫びが空にこだまし、キリトは塔に顔面から突撃した。

 

「うっ、酷いぜルッコ」

 

「なんで俺だけ!?」

 

「はいはい、回復するからね」

 

そう言うと、リーファは右手を上げ、呪文を唱える。すると、キリトに青色の雫が降り注ぎ、減ったHPを回復させる。

 

「おお。これが魔法か」

 

「できるのは知ってたけど、実際に見たのは初めてだな」

 

初めての魔法に興味津々なキリトだった。

 

「高位な回復魔法はウンディーネしか扱えないけど、必須スペルだから、2人も覚えた方がいいよ」

 

「なるほど...φ(・ω・ )」

 

「種族によって向き不向きがあるのか。ところで、スプリガンは何が得意なんだ?」

 

「得意なのはトレジャーハント関連と幻惑魔法かな。どっちも戦闘には不向きだから、あんまり人気ないかな」

 

「下調べは大事なんだな」

 

「なに当たり前なこと言ってんの。それにしても、綺麗な街だな」

 

「でしょ!!」

 

「リーファちゃーん!!」

 

その時、後ろから誰かがリーファに声を掛けていた。

 

「ああ、レコン」

 

知り合いみたいだ。

 

「無事だったんだね。流石はリーファちゃん......って、スプリガン!?」

 

キリトの方を見て、警戒したのか腰にある短剣の柄を持つ。

 

「ああ、大丈夫よ。この人達が助けてくれたの」

 

「へっ?」

 

唖然としているレコンを他所にリーファはレコンを指差す。

 

「こいつはレコン、私のフレンドなんだ。」

 

「よろしく、俺はキリトだ」

 

「俺はルッコだ。よろしくな、レコン」

 

「あっ、どうも」

 

俺たちと握手をし、頭をペコペコ下げてくる。

 

「って、そんなことより、大丈夫なの!?特にスプリガンの子。スパイじゃない?」

 

「大丈夫よ。この人、スパイにしてはちょっと間抜けな部分があるから」

 

「ひでぇや......」

 

さりげなく落ち込んでるな。

 

レコンがまだ疑ってるので......

 

「大丈夫だよ。俺と長年一緒にゲームしてきたから変なことはしないし、仮にやろうとしてもさせないよ。」

 

「ならいいんですけど......それより、リーファちゃん。ジグルド達はいつもの酒場で席取ってるよ」

 

「ん〜、あたし今日はいいわ。」

 

「えっ、来ないの?」

 

「あたし、これからこの2人にお礼とお詫びを込めて一杯奢ることにしたから。じゃ、お疲れ〜」

 

そう言うと、キリトの袖を引っ張り先に行った。

 

俺は一礼してから後を追った。

 

リーファの後を追い、《すずらん亭》という店に行き、リーファの奢りでそれぞれ注文をした。

 

「さっきのレコンってやつ、リーファの彼氏なのか?」

 

「コイビトさんなのですか?」

 

「はぁ!?違うわよ!!パーティメンバーよ!!」

 

キリトとユイちゃんの質問にリーファは慌てて否定をする。

 

「でも、仲良さそうだったからね。もしかして、リアルでも知り合いだったりして」

 

「そうよ。知り合いっていうか、学校の同級生なのよ。............それじゃあ改めて、助けてくれてありがとう。それと、迷惑かけてごめんね」

 

3人でグラスをぶつけ合い1口飲む。

 

「それにしても、えらく好戦的な人達だったな。サラマンダーはみんなあんな感じなのか?」

 

「そうだね。元々、シルフとサラマンダーは仲が良くないからね。でも、あんな感じの集団PKは最近かららしいよ」

 

「ふーん」

 

「きっと、近いうちに世界樹を攻略しようと企んでるんじゃないかな?」

 

「それだ。その世界樹ってやつを教えてくれないか?」

 

「藪から棒にどうかしたの?」

 

「世界樹の上に行きたいんだ」

 

「......それは全プレイヤーが思ってる事だと思うよ。というか、その世界樹攻略がこのALOのグランドクエストでもあるもの」

 

世界樹攻略がグランドクエストだと......これじゃすぐにはクリアできそうにないな。

 

「というと?」

 

「滞空制限があるのは知ってるでしょ?どの種族も連続で飛べるのは最大10分が限界なの。でも、最初に空中都市に到達して妖精王《オベイロン》を謁見した種族は、全員《アルフ》っていう高位種族に生まれ変われるの。そうなれば、滞空制限が無くなって自由に空を飛べるようになるのよ」

 

「なるほどなぁ」

 

キリトがタルトを食べながらそう言った。

 

「世界樹の上に行く方法はわかってるの?」

 

「世界樹の根元がドームになってて、そこが入口になってるのよ。ただね、その入口を守ってるガーディアンがすごい強さなの」

 

「そんなにか?」

 

「オープンして1年経つのに、まだクリア出来ないクエストっていうのがおかしいのよ」

 

ちょっと怒りを含んだ言い方で説明してくれた。最後の方絶対に私怨が入ってるだろうな。

このゲームのグランドクエストが他ゲーのエンドコンテンツ以上って所なのかな?これは調整ミスだよな( ̄▽ ̄;)

 

「何かキークエストを見落としてるとか。もしくは、単一種族じゃクリア不可とかの可能性ってないですか?それじゃないなら運営の調整ミスとしか言えない気が......」

 

「良い勘してるわね。クエスト見落としは今必死になって検証してるわ。だけど、単一の種族じゃないと攻略できないのは絶対にないわ。だって......」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。ここと矛盾するからだろ」

 

「そそ。だから運営に連絡を入れた人もいたんだけど、《このクエストは調整ミスではございません》の一点張りでどうしようもないのよ」

 

( ˙꒳˙ )oh......こりゃ調整ミスの可能性も消えたな。しかし、グランドクエストをこの難易度にしてるのは、プレイヤーに見られたくないものを隠してるのか?とりあえずその場所に行ってから考えようか。

 

「じゃあ、世界樹攻略は無理なのか?」

 

「そうだね。でも諦めきれないよね。一旦飛ぶことの楽しさを知るとね。例え、何年かかっても、きっと。」

 

「「それじゃ遅すぎるんだ(です)!!」」

 

俺とキリトがさけんだ。キリトはアスナさん、俺はツグ。共に助けたい人がいるがゆえの反応だった。

 

「パバ、ルッコさん」

 

「......」

 

ユイちゃんが俺達をなだめるように声をかける。

 

「......ごめんなさい。リーファは何も悪くないのに、こんなこと言っちゃダメなんだけどな。俺達、探してる人がいるんだ」

 

「ど、どういうこと?」

 

「ちょっと複雑な事情があるんだ」

 

キリトが悲しそうな顔でそう言った。

 

「ありがとう、リーファ。色々教えて貰って助かったよ。ご馳走様、この世界で最初に会えたのが君でよかったよ」

 

「ちょ、ちょっと待ってよ。世界樹に行く気なの?」

 

立ち上がろうとしたキリトの袖をリーファが掴む。

 

「あぁ、この目で確かめる」

 

「無茶だよそんなこと......。ものすごく遠いし、途中で強いモンスターと出くわすし,、確かに君たちは強いけど......じゃあ、アタシが連れてってあげる」

 

「えっ」 「ふぁっ」

 

リーファの成り行きの言葉に驚く両名。

 

「だが、出会ってすぐの人にそこまでお世話になるのは......」

 

「いいの、もう決めたの!!」

 

顔赤くなってんぞ〜、リーファ。

 

「2人とも、明日も入れる?」

 

「あ、う、うん」

 

「俺は途中で抜けるかもしれんけど、一応入れるぞ」

 

「じゃあ、明日午後3時にここでね。あたし、もう落ちなきゃ行けないから。ログアウトには上の宿屋を使ってね。じゃあ、また明日ね!!」

 

リーファはそう言って、左手でウィンドウをいじり、ログアウトしようとする。

 

「リーファ!!」

 

キリトが急に声を上げてリーファを呼び止める。

 

「ありがとう」

 

キリトがそう言うと、リーファは笑みを浮かべながらログアウトした。

 

「さて、俺らはどうしましょうかね?」

 

「俺は、明日アスナの見舞い行くから落ちるわ」

 

「了解。じゃあ、俺も落ちるか〜。また明日な」

 

キリトにサムズアップしてから落ちた。




今回はここまで。
次回をお楽しみに!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

26話:意志を伝える少女達と決意する少年

ちわっす(*´‐ `*)/ルコルンでございます。
今回は少し短めでございます。
それでもいいなら......本編をどぞ(っ´∀`)っ


ALOに初ログインした翌日、朝早くに目が覚めたので最近の日課であるランニングをしていた。家の近くに河川敷があるからそこを走る。知り合いなんて少ないから、会わないだろうと思っていた。そんな予想も虚しく、帰り道に会った。

 

「......よう、流己」

 

「巴か」

 

「この後暇か?」

 

「まぁ、帰って風呂入ってツグのところ行こうと思ったんだが」

 

「それならその後《羽沢珈琲店》まで来てくれよ。話しておきたいことがあるからさ」

 

「了解(・ω・)ゞちょっと遅くなるかもしれんぞ」

 

「多少なら構わんからさ。それじゃ、また後でな〜」

 

てっきり何か言われると思っていたんだがな。とりあえず、さっさと帰って見舞いへ行くかな。

 

帰ってからすぐに風呂に入り、また外に出る用意をしてツグの入院している病院へ向かった。起きてると信じて毎回行くのだが、今日も目覚めてなかった。でもいつもと違って、生きてることがわかってるから、こんな声をかけた。

 

「ツグ、向こうで辛い思いをしてるんだろ?出来るだけ早く連れ戻してやるから、もう少し頑張ってくれよ。幼なじみのみんなも、両親も、もちろん俺もみんな待ってるから」

 

ここまで言って病室から出ようとした時、病室のドアが開いた。そこに立っていたのは、30代くらいの男性だった。俺は会釈だけして立ち去ろうとしたのだが......

 

「待ちなさい、ここで会ったのも何かの縁だ。少し話そう。」

 

「......分かりました」

 

ツグのお父さんである羽沢龍一さんに呼び止められ、少し話をすることにした。

 

「向こうで、()()()()()()()()()()()()()()で、何があったのかを教えてもらってもいいかな?」

 

そう言われたので、最初に出会ったプレイヤーがツグミ達であったこと、向こうの世界で6人で戦ったこと。俺とツグが恋仲であったことなど危険な部分以外は赤裸々に話した。初めこそ驚かれたが、次第に理解してくれた。

 

「娘たちを守ってくれてありがとう」

 

とも言われた。この一言を言われただけでも嬉しいのに、その後......

 

「これからも娘のことを頼むな」

 

こんな事まで言われたものだから、心臓がバクバクだった。

 

「それじゃあ、そろそろ私は帰るけど、流己君はどうするかい?」

 

「俺も用事あるのでそろそろお暇しようかなと思っていま......」

 

ここまで言って思い出した。俺が羽沢珈琲店の場所を知らないことに。

 

「......すみません、《羽沢珈琲店》の場所って知りません?俺そこで用事あるのですが、場所知らなくて(( ̄▽ ̄;;)ア、ハハハ」

 

「あ〜、あそこかい?教えてあげるよ。というか、うちの店だね‪w」

 

「マジっすかΣヾ(・ω・´●)ノそれじゃあお願いしてもいいですか」

 

「(-ω-ゞラジャ」

 

思わぬ出会いもあったけど、当初の予定は達成出来そうな気がした。

 

龍一さんに連れられて羽沢珈琲店に向かうと、意外と家から近いことを知った。

 

「こんな近くにいい感じの喫茶店あること知らなかったです。道案内ありがとうございました」

 

「いいんだよ。これから知っていけばいいんだからさ。ここから入りな。待ってるが人いるんだろ」

 

「そうですね。それじゃあ」

 

そう言って、中に入った。中には龍一さんの奥さんらしき人がいた。こっちの世界で見たツグみたいに美人な方だ。

 

「いらっしゃいませ、何名様でしょうか?」

 

「えっと、先客がいるの「流己〜こっちだ〜」......巴〜」

 

「あらあら、巴ちゃん達の連れなのね。それではご案内します」

 

そう言って連れられたのは、6人がけぐらいのボックス席だった。

 

「俺を呼んだ理由はなんでしょう?」

 

そう言うと、彼女たちはALOのソフトパッケージを見せてきた。()()()()()() とそう思った。

 

「あたし達も流己とは別ルートでつぐを助けに行くから。あたし達は流己と違ってゲームが上手いわけじゃないから、あたし達なりに手がかりを掴んでみるよ。」

 

蘭はぶっきらぼうに言った。

 

「やっぱりそうだよなぁ。出てきた時点で何となく分かってた。しかし、別ルートってどうやって......」

 

「なんとなくの勘に決まってんだろ」

 

巴さんそれは無謀ではないでしょうかね( ̄▽ ̄;)まぁいいけどさ‪。

 

「でも、前にみせた写真の位置はあの世界の中心にある【世界樹】ってところに行かないといけないんだぞ?あとPK推奨ってなってるぜ。お前らは目標や目的のために人を殺めることができるのか?」

 

「「「「............」」」」

 

「でも、お前らの意思はわかった。だから、俺たちと一緒に来い。ちょっと大きなパーティーになるけど許してくれるだろう」

 

「そういや私たち以外のパーティーの人って?」

 

「俺とキリト、そんで向こうの世界であったリーファっていう子だ。だから、人が増えることは願ってたことでもあるな」

 

「じゃあ、あたし達は流己に主に守って貰わないとね(*´罒`*)」

 

「俺の負担エグくね‪w」

 

「気のせいじゃない?」

 

「とりあえず、俺今日の3時頃からやるんだけど、そっちはどうする?」

 

「あたし達は、明日からやろうかなって思ってたけど......聞いた感じ今日から入った方が良さそうだね」

 

「ルーくん焦ってそうだし」

 

「マジ?もしかして、俺めちゃくちゃ表情に出てる?」

 

「............」

 

「無言だけはやめてください、辛いです」

 

そう言うと、みんなが笑った。なんか扱いが酷い気がしたけど、みんなが笑えるならこんな扱いでもいいやって思ってしまった。

 

「そういや、ここのお金誰が支払うんだ?モカやひまりがめっちゃ食べてた気がするんだが......」

 

「............当人達に払わせればいいでしょ」

 

「流石に可哀想だから、俺が払うよ。金額にもよるけどさ」

 

「ありがと〜流己君」

 

「ただし、また別の機会にでも返してね」

 

そう言って4人と別れた。ツグが帰ってきてから6人でお茶会みたいなのをしたいなとか思ったりもした。ちなみに、3000円くらいだったから全然助かったのは余談だ。




今回はここまで。
次回は4人が初ログインしますぜ(*´罒`*)
本編から逸れてるって?そんなん気にしちゃ負けだぜb
ちなみに、ちょっと気になったことをアンケートにしましたので、やりたい人はどうぞ。期限は1週間です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

27話:1人じゃない

こんにちは(*^▽^)ノルコルンです。
今回のサブタイトルに深い意味なんてないですよ、ハイ。
それでは本編へ......(∩´。•ω•)⊃ドゾ


家に着いてすぐにALOにログインしたら、キリトもログインした直後のようだ。

 

「よう、昨日ぶり」

 

「そうだな〜。そういやアスナってどんな感じだった?」

 

「............」

 

やっべ、まずいことを聞いてしまったか?とりあえずこの場の空気を変えなければ。

 

「む、無理に言わなくてもいいんだぞ( ̄▽ ̄;)隠したいことの1つや2つくらいあるだろうしさ」

 

「......今日ログアウトしたら話すわ」

 

「い、嫌なら言わなくていいんだぞ。気づけなかった俺が悪いからさ」

 

こんなやり取りをしているさなかに、リーファが来た。

 

「ごめんね、待った?」

 

「俺たち今来たからさ、大丈夫だよ。な、ルッコ」

 

「えっ、あぁそうだな」

 

「そっか。買い物に行ってたからかなり遅れてると思ってたよ」

 

「俺達も買い物に行かないとなぁ。流石にこの剣軽すぎるし」

 

「そうだなぁ〜。俺も買い替えないとな」

 

「じゃあ、買いに行く?」

 

「金はあるから行こっか。リーファ、場所教えてください((。´・ω・)。´_ _))ペコリ」

 

ということで色々と買いに行った。俺は即決というわけではなかったけど、いい感じの刀があったからそれを買い、防具は属性強化された服を買った。

 

問題はキリトだなと思い後ろを振り返ると、防具は新しく買った黒いロングコートだったが、武器がなかなか決まらない様子で、何回も武器を変えその武器を振るという他の人から見たら奇行だと思われそうなことをしていた。という事で、俺達2人は少し外で待機しようという意見で一致したので、キリトには一声かけて外で待っていた。

 

ちょっとした談笑をしていたところにキリトが戻ってきた。

 

「やっと決まったの、か。なんかデカくね?お前の身長くらいの刀身があるんだが」

 

「あぁ、いい感じの重さの剣がなかなか見つからなくてな」

 

「それにしても、お前のそれは大剣カテゴリーだろ。それを片手で持てるのか?」

 

「ああ、持てるぜ。なんならここで「持たなくていいから」......(。・ω・。)v ウッス」

 

このやり取りのどこが面白いのか分からないが、リーファは笑っていた。

 

その後、世界樹に向けて出発するために街の中心にある大きな風の塔に向かった。その途中で買い忘れてたものがあったらしく、キリトは来た道を逆戻りして行った。

 

「すまんリーファ。俺ここでもう少しやる事あるから、通るルートだけ教えてくれないか?」

 

「いいよ〜でも何するの?」

 

「ちょっと友達と待ち合わせをね。その子達と一緒に追いかけるから気にしないで」

 

「了解。そんな感じのことをキリトくんに伝えとくね」

 

リーファにそう言って、俺は風の塔から去った。

 

〜30分後〜

 

「やっと来たか」

 

そう言い放った前にいたのは、ラン達4人だった。しかも、種族は綺麗に一致して、プーカだった。

 

「綺麗に揃ってんね、かなり驚いたよ」

 

「全員で下調べしてどれが良さそうか決めたからね」

 

「そっか。どこぞの人とは違ってやってきたのか」

 

「それで、どこに向かうの?」

 

「えっとだな......そこにある塔にまず向かって、その上に登って湖のある方向へ飛ぼうと思う」

 

「しっつもーん。なんで塔の上まで登るの?」

 

「単純に飛行距離を稼ぎたいからだな」

 

「(・ω・)ホホーまぁルー君に任せるよ」

 

「「「(゚ー゚)(。_。)ウンウン」」」

 

「何この信頼。そんなこと言ってる暇はないぞ、キリト達は先に進んでるんだから」

 

「えっ、キリトさんもこの世界に来てるの?」

 

「あぁ、言ってなかったな。キリトも俺と一緒だ。まぁ種族は違うけどさ...........さてと、そろそろ塔に着くぞ。この党の頂上まで登るぞ」

 

「(*・ω・)ノほーい」

 

塔の中で何も起こらないことをひたすら祈りながら、頂上まで登って行った。

 

「ふぅ、やっと登りきれたな。という訳で、湖があそこに見えるだろ。あの方角に飛ぶんだ。飛び方はわかるよな?」

 

「流石にわかるよ」

 

「ならいいが、滞空時間の10分間で湖まで行くからな」

 

「了解(*`・ω・)ゞ」

 

そう言って、俺たち5人はキリトたちを追って飛んで行った。

 

翅を使い空の旅を楽しみながら進んでいたが、山が見えてきたので着陸することにした。

 

「あの山、もしかしたら限界高度より高いかもな」

 

「なんで分かるんだ?」

 

「あそこ見てみろよ」

 

俺が指さした場所に通路らしき空洞があった。

 

「そういう事ね〜。あそこを通るルートしか残って無さそうだね」

 

「そういやみんな、夕飯とかの時間大丈夫なのか?そろそろ8時だけど......」

 

「あたしはそろそろ戻らないと......」

 

「私も〜」

 

「モカちゃんはもうちょっと大丈夫〜」

 

「あたしもまだまだ行けるぜ」

 

「それならローテアウトするか」

 

「ルッコ君、()()()()()()って何?」

 

「それはな、交代でログアウトすることだな。中立地帯だと即落ちは不可能だからさ」

 

「なら、あたしとモカが残りますからルッコもランたちと一緒でもいいぞ」

 

「そう?ならお言葉に甘えて、先に落ちるな」

 

そう言ってログアウトした

 

 

 

 

 

ログアウトして、真っ先に冷蔵庫の中身を見た。色々な野菜と消費期限ギリギリの肉があったから野菜炒めにしようと考えながら炊飯器でご飯を炊いてる間に風呂に入った。

 

「さてと、これからどうすっかな。そろそろ受験先も考えないとな」

 

そう、SAOに囚われようが年齢は進んでいた。という事で、進路を考える必要があるのだ。

 

(家の近くの高校って思ったより女子校が多いんだな......そういえば、Afterglowのみんなも女子校だったっけ?............ふーん来年から共学になるのか......あれ?そう考えれば行けるのでは......ここにするか。勉強は何とかなるからいいとして、問題は内心の方だよな......仕方がない、先生に言ってみよう)

 

そんなことを考えながら風呂に入って飯を食い、すぐにALOにログインし直した。

 

「帰ってきたぞ〜。ってあれ、俺が最初か」

 

「お帰り〜」

 

「そうっぽいな。じゃああたしが落ちる番だね」

 

「「いってら(*ノ´∀`*)ノ」」

 

そう言ってトモエはログアウトした。という事で、モカと2人になった。

 

「ルー君、ツグのこと今どう思ってるの?」

 

「どう......というと?」

 

「全体的な意味でだよ〜」

 

「今すぐには助けられない、ってことは分かりきってるはずなんだけどな......ツグが戻ってきていつも通りになった素の5人と話したいんだけどな」

 

「............そっか」

 

「気ぃ使わせちゃったな、今は助けるために進まなきゃ、早く行かんとキリトたちに追いつけやんくなるからな」

 

「あ、ちょっ、待ってよ〜」

 

その後、ヒマリとランが戻って来たからモカがログアウトし、戻ってくるまでに洞窟まで進めたようだ。




今回はここまで。
ここら辺は書くのが難しい( ̄▽ ̄;)
それより、アンケートありがとうございました。突拍子もなく聞いちゃいましたけど、意外とこれくらいでいいようですね。だけど、年明けまでに書きたい部分があるので、年末ぐらいに急に投稿頻度が上がったら“焦ってるんだな”って思ってください。(計画してやらないからこうなるんだよなぁ)
それでは次回もお楽しみに!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

28話:洞窟、そこは何かが起こる場所

ちわっす(*´‐ `*)/ルコルンだ。
俺には珍しい月曜日投稿だ。とりあえず話が書き上がったから、投稿するぜ〜。えっ、木曜日の投稿は間に合うのかって?だだだだ、大丈夫(ガクガクブルブル)
こんなことは置いといて、本編を(⊃ ´ ꒳ ` )⊃ドゾッ


「(´-ω-`)ふーここまで来たな。あいつらはあの中に......」

 

何かがぶつかる音が聞こえる。

 

「どうした?」

 

「誰かが戦闘してる?もしかして......キリトたちが?」

 

「えっ、キリトさんもこの世界にいるの?」

 

「ああ、実はな......」

 

〜かくかくしかじか〜

 

「はぁ?ツグだけじゃなくてアスナさんもこの世界に囚われてるの!!」

 

「なんで伝えなかったんだよ!!」

 

「今すぐには話せないから後でな。それより、暗示魔法かけるからそこを動くなよ」

 

俺は暗視魔法を4人全員にかけて、洞窟の中を急いで駆け抜けた。

 

「ルー君早いよ〜」

 

そんな声が聞こえた気がしたが、気にしないで音の鳴る方へ飛んだ。

 

基本一本道の洞窟だったから迷うことも無くたどり着いた。

 

「サラマンダーのメイジ隊か。てか、サラマンダーって炎属性魔法が得意だったはずだが、地面属性の魔法も使えるのか......ついでに衝撃に強いと。キリトとは相性悪すぎたろこりゃ」

 

小声で呟いたけど、そんな戦況が変わるわけが無いので、後ろからこっそり斬りつける事にした。

 

〜sideキリト〜

 

俺たちはルッコたちが戻ってくるまで、2人で洞窟まで進んできたのだが......

 

「キリト君、回復するね」

 

「サンキュー、リーファ」

 

戦っていた。しかも、サラマンダー数十人ぐらいとだ。しかも、戦況はかなり不利だ。

 

後ろは土属性魔法の障壁があって下がれないし、前には8人くらいのタンクの人の後ろに4、5人くらいのメイジの人がいる。

 

後ろの方から倒したいのに、前に居てるタンクの人に弾かれて、後ろまで攻撃が届かない間にメイジ隊の人たちに攻撃をもらう。

 

「もういいよ、キリト君!!またスイルベーンから何時間か飛べば済むことじゃない!!奪われたアイテムだって、また買えば済むことじゃない!!だから......諦めようよ」

 

諦めるだって......そんなこと絶対にしない!!

 

こんなところで諦めたら......アスナを助けることなんてできない。

 

「嫌だ!!俺が生きている間は、パーティメンバーを死なせやしない!!絶対にだ!!」

 

そう俺が声をあげた時、敵の後ろの方から叫び声が聞こえた。

 

〜sideルッコ〜

 

「嫌だ!!俺が生きている間は、パーティメンバーを死なせやしない!!絶対にだ!!」

 

キリトが叫んでいる言葉が聞こえた。あいつは昔からこういった事には責任感が強いからな。

 

さて、あいつもああ言ってる事だし、こっちも仕事しましょうかね。

 

「数的に有利だとしても、後ろにご注意ですよ。サラマンダーのお方々」

 

「‪(°Д°; 三 ;°Д°)))ファッ!?‬ウギャァアァァァァアアァアァァァアァ」

 

「ど、どうした•́ω•̀)?」

 

「う、後ろから急に敵襲が......うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「ナニっΣ(゚ロ゚;)、タンク隊。半分後ろ側に来い!!」

 

タンクの人が2、3人こっち側に来た。だが......

 

「そんなに壁を薄くして、大丈夫かい?」

 

「何を言って「ウギャァアァァァァアアァアァァァアァ」......は?」

 

キリトが何やら幻影魔法を使ったようで、あいつの姿は見覚えあるものに変わっていた

 

「あいつ、やべぇな。別ゲーのBOSSに姿が変化してるじゃん( ̄▽ ̄;)」

 

そう、今のあいつの姿は......SAOの74層フロアボスである《グリムアイズ》そのものだった。

 

「あんなことも出来るのか。っと、感心してる場合じゃないな」

 

俺はタンクの人たちの隙間を縫って剣技を打ち込む。

 

いつの間にか敵が残り1人になっていた。ほとんどキリトがやっていたのは言わなくてもわかるだろう......

 

「さて、残りはあんた1人だ。誰の命令かは最低限吐いてもらうぞ!!」

 

「殺すなら殺しやがれ!!」

 

「なら......」

 

「いや〜危なかったな」

 

キリトがピリピリした空気を壊した。

 

「よう、ナイスファイト!!いい作戦だったな。ただ、後ろには気を付けないといけなかったけどな。」

 

「急に慰めなんていらねぇよ」

 

「そこでよ、ここで相談なんだがな、これ、今の戦闘でゲットしたアイテムとユルドだけど、俺たちの質問に全部答えてくれたらあげようかな〜って」

 

「( 'ω')フェッ?!」

 

「あ、彼らとも話してるんだけど、彼らも質問に答えたら彼らがゲットしたアイテムとユルドをくれるんだってさ」

 

「何言ってんだ‪w別にいいけどさ」

 

「............マジで?」

 

「マジマジ!!」

 

サラマンダーのメイジの人とキリトはニヤリと笑ってた。

 

サラマンダーの人人との交渉の結果、分かったことがある。

 

なんでも、キリトたちが狙われたのはサラマンダーの上層部からの司令だったらしい。実は俺も含まれてたようだが、居なくて焦ってたらしい。

 

なんでも、「作戦の邪魔になるから潰してくれだそうだ。

 

そして今日、大人数の部隊が北に向かって飛んで行ったとの事らしい。

 

世界樹攻略の話などをするのかなと思っているけど、そういうのとは違うらしい。

 

情報は貰ったから、約束通り(キリトの策略)サラマンダーのの人にアイテムとユルドを渡して釈放した。

 

「それより、後ろから奇襲ありがとうなルッコ」

 

「なんかデジャブだよね」

 

「確かに‪‪w」

 

「デジャブってなんだよ!?」

 

(※読者さんたちは24‪話を参照だ!!)

 

「(」⸝⸝⸝•O•⸝⸝⸝)」お────い!!ルッコードコー? (・.・乁))。。。。。..... .....。。。。。((厂・.・) ドコー?」

 

「おっ来たか。こっちだ〜」

「来たって誰がですか?」

 

そっか。リーファはSAOにいなかったんだよな。

 

「ルー君、ちょっと後ろも気にしてよね」

 

「ほんとだよな......って、キリトさんお久しぶりですm(*_ _)m」

 

「あ、ああ。ランたちか。久しぶりだな」

 

「なになに、君たち知り合い?」

 

「ああ、キリトと同じタイミングで知り合ったみんなだ。ほれ、1人づつ自己紹介して」

 

〜少女達自己紹介中〜

 

「へ〜。君たちもキリトくんたちと一緒にの世界で出会ったのね」

 

「そうなんです。リーファさんはこの世界がVRMMOの初めてですか?」

 

「そうだね。あと、敬語はなしでいいよ〜」

 

「そっか。わかったぜリーファ」

 

「うん、ところでランたちがルッコの言っていた友達ってことね」

 

「ああ、そうなんだが......」

 

「ルッコ......リーファに教えておいて私たちには教えてくれなかったの?」

 

「それは............ウギャァアァァァァアアァアァァァアァ」

 

俺は怒られまくったし、斬られまくった。

 

これからは女の子をむやみやたらに怒らせないでおこう。と心に決めたルッコであった。

 

「さて、サラマンダーが言っていた大人数の部隊が北方向に飛んで行ったっていう話なんだが......もしかしたらなんかあるのでは?」

 

「そうだね。ちょうど進行方向だし」

 

「それじゃあ飛んでいくからね〜。てな訳で出発ヾ('ω'⊂ )))∑≡ 」

 

北に向かったことが、物語の分岐点となることを今の彼らは知る由もなかった。




今回はここまでです。
物語を書くのは色々と難しいってことを最近悟ってしまった( ゚∀゚)・∵. グハッ!!
でも、この作品はどんなに時間がかかっても完結はさせますので。
それではまた次回をお楽しみに!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

29話:逃げることは許されない

ちわっす(*´‐ `*)/ルコルンです。
今回はサラマンダーのあの人との戦いです。
ちなみに、この話のキリトたちはシルフとケットシーの領主会合は知らないという設定でございます。
それでは本編をどぞ(っ´∀`)っ


「パパ、前方にプレイヤー反応です。」

 

「詳細は分かるか?」

 

「人数は60人くらいでしょうか......しかも、高速で飛んでいます。その奥に14人くらいの人がいます。敵対しているとしたら、接触まで50秒くらいです。」

 

「ありがとな、ユイ。」

 

そう言われた後、サラマンダーの人影が見えた。多分、60人くらいの人というのがサラマンダーなんだろう。つまるところ、あいつは嘘をついてなかったってことだ。

 

「でもなんか引っかかるんだよな......わざわざ60人も人がいるのかという点に。もし味方なら60人もいればある程度何とかなるだろうし......敵対してるなら14人のプレイヤーを60人で叩きに行くってことに......まてよ。その人たち領主だったら......こんなことになってるのも納得が行くかもしれん」

 

「えっ、どういうこと?」

 

「そんなこと話してる暇はなさそうだな。そろそろ50秒経つぞ。どうする、キリト。」

 

「とりあえずあそこに突っ込む。話はそれからだ!!」

 

「へいへい。俺の感が正しかったらバトルは避けられないから、気を引き締めろよ」

 

「分かってら。そっちはランたちを頼んだぜ」

 

「了解(*`・ω・)ゞ」

 

そこに居たのは、サラマンダーの部隊がシルフの領主と猫耳を生やしてる人たち......多分ケットシーの領主らしき人を襲う数秒前だった。

 

そこに、角度を変え隕石のように直下したキリトが双方の間に立つ。

 

「双方、剣を引け!!」

 

キリトが叫ぶ。その間に、リーファたちを領主たちの横に連れていき、キリトの横に立った。

 

「指揮官と話がしたい」

 

キリトの言葉に応じたのか、レア装備を多数身に付けている人が前に出た。いかにもリーダーらしき人だ。

 

「スプリガンにシルフ、何の用だ?内容によってはここで切り伏せるが、度胸に免じて話は聞いてやろう」

 

「俺の名はキリト」

 

「俺の名はルッコだ。俺たちは義によってシルフ及びケットシー助太刀に参上した」

 

「なかなか殊勝な心がけだ。だが、貴様らには関係ない事だ。即刻引いてもらおう」

 

「ここに来る前に、サラマンダーのメイジ隊に襲われた。それで、交渉して理由を聞いたら上からの命令だって言われた。これでも関係ないって言えるか?」

 

「そうだな。貴様らも無関係って訳ではなさそうだな」

 

「言っとくが、2人でメイジ隊を全滅させたからな。60人が相手でも首相が逃げるくらいの時間は稼げる。首相が逃げられたら作戦が台無しになるんじゃないのか?」

 

少し誇張気味にキリトは言った。

 

「確かに貴様らが言う通り、ここで領主に逃げられては計画が失敗に終わってしまう」

 

「そこで、取引だ。こちらとしても、あんた達と戦って全滅はごめんだからな。だから、一騎打ちをしようそちらからも1名、こっちは俺が出る。それで、俺が勝ったら大人しく引いてもらうぞ」

 

「なるほど。こちらが勝ったらどうなる?大人しく首を渡してくれるのか?」

 

その言葉に、キリトはウィンドウを操作し、大きな袋をオブジェクト化する。

 

「ここに、俺の全財産の800万ユルドがある。負けたらこれを渡そう。ついでに、隣にいるルッコの全財産もついでに渡すことを約束しよう」

 

「人の財産まで景品の対象にするな!!一応、970万ユルドあるけどさ......」

 

俺はそんなこと言いながらウィンドウを操作しキリトより少し大きな袋をオブジェクト化した。

 

「............よかろう」

 

「ただし、約束を破るって言うんならここにいる人たちにサラマンダーは約束を守らない種族だと、吹聴するぞ」

 

「安心しろ。俺も武人だ。この剣に誓い、約束は守ろう。こちらからは俺が出よう。俺の名はユージーンだ」

 

そこから勝負が始まった。まず、ユージーンが両手剣を振り下ろす。キリトは剣で受け止めようとしたが、剣をすり抜けた。すぐに反応していたから、肩に掠る程度で済んだようだ。

 

「今のは......」

 

「驚いたか?今のは俺の剣《魔剣グラム》の特殊効果である《エセリアルシフト》だ。物で受けようとすると、剣が非実体化し、すり抜け、通り抜けたら実体に戻り的にダメージを与える」

 

「いい武器を持ってるな」

 

「気に食わんか?」

 

「いや、この状況で勝つからこそ面白いんだよ!!」

 

あいつすごいこと言ってんな‪。とか思いながら、装備してる武器を《グランイーター》に持ち替えて、背中に装備した。

 

そこからというもの、キリトとユージーンの戦いは拮抗していた。というのも、お互いに攻めあぐねているという感じで決め手がない状況だった。

 

「仕方がない、あまりやりたくはないが......」

 

キリトが動いた。右手を前に出しいつの間にか詠唱した魔法を繰り出す。右手から黒色の煙を出す。この煙が当たりを包み込んだ。

 

〜sideリーファ〜

 

キリトさんが黒色の煙を出して、辺り一面を包み込んだ数秒後、隣から話し声が聞こえた。

 

「ルッコ、ちょっとお前の武器借りるぞ」

 

「あいよ。ただし、使うからには勝ってこいよ!!」

 

「当たり前だろ!!」

 

そう言って、ルッコ君の武器を持ってキリトさんは上へ向かった。でも、ルッコ君って刀しか持ってないはずなんだけど......大丈夫なのかな?

 

「時間稼ぎのつもりか!!」

 

痺れを切らしたのか大技を使って煙幕をはらうユージーン将軍。視界が晴れた先には、キリト君はいなかった。

 

「......いない?」

 

「............あのスプリガン、逃げたんじゃ......」

 

どこからかそう聞こえた。

 

「それは絶対にない!!」

 

ルッコ君が隣で叫んだ

 

「あいつは、こんな場面では絶対に逃げたりなんかしない!!そんなことは俺たちがよく知っている」

 

そうだ。あたしもキリトさんのことを信じよう。

 

胸を前まで両手を持っていき、強く握った。

 

その瞬間、上から猛スピードでユージーン将軍に向かう人影が見えた。

 

武器どうしのぶつかり合いで衝撃がすごく一瞬だけものすごい風圧がこちらまで来た。

 

「ほう、そのようなパワーを残していたとはな......だが、まだ足りんわ」

 

ユージーン将軍がキリト君を押し返して全力の一撃を加えようとした。キリト君は剣で受け止めようとしたが魔剣グラムはその剣をすり抜けキリト君の首元に迫る。その時......

 

炸裂したエフェクトの光は眩い銀色だった。耳を劈く金属音とともに、魔剣グラムが宙を泳ぐ。

 

慌ててキリト君の手を見ると、右手に先日買った大剣が。左手には......私も見た事がない片手剣を持っていた。

 

全力の一撃をいなされたユージーン将軍は体勢を崩した。そこに、キリト君がカウンターを打ち込んでいた。

 

そこからはキリト君の独壇場だった。ユージーン将軍に防御の構えをさせずにずっと攻撃を浴びせていた。

 

途中から目で追えなくなったキリト君の斬撃は最後に、3本の爪痕を空中に残した。その直後、ユージーン将軍の姿が巨大なエンドフレイムに呑み込まれ、崩れ落ちた。

 

『............』

 

誰も声を上げることが出来なかった。

シルフの人もケットシーの人もサラマンダーの攻撃部隊の人も、みんな凍ったように動かなかった。

それだけハイレベルな戦いだったのだ。

 

「見事、見事だ!!」

 

初めに沈黙を破ったのはサクヤさんだった。高らかとした声で言い、両手を打ち鳴らした。

 

「すごーい!!ナイスファイトだヨ!!」

 

アリシャさんもそれに続いた。すぐに背後の12人も加わって、拍手なり指笛まで吹いてる人もいた。

 

私は慌ててサラマンダーの方を見た。指揮官が打たれた上にこの有り様だとさぞかし心中は穏やかでない......そう思ったのだが。

 

驚いたことに、拍手の波はサラマンダー軍にも伝染したようだ。

 

隣にいたルッコ君も拍手をしていたので、あたしも両手で一生懸命に両手を叩いて、キリトくんを称えた。




今回はここまで。
アニメでは、リーファの剣を持っての二刀流でしたが、今回はヒースクリフ戦で使った、《グランイーター》との二刀流にしました。あと、最後に使った技、わかる方も多いと思いますが、分からない人に補足しておきます。一応作者は《シャープネイル》のつもりで書いてます。
ではまた次回、お楽しみに!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

30話:再会をめざして

はい〜ルコルンです。
今回はかなり短いお話です。
たまにはこういう話があってももいいよね(´・∀・`)ハハハ…
こんな話でもいい方は、本編を(∩´。•ω•)⊃ドゾー


「よいしょっと」

 

キリトは空から戻ってきた。

 

「お疲れさん(o^-^)」

 

本当にその一言に尽きる事をやってくれたもんだ。俺がやってたら負けてた気しかしなかったもん(主に反応速度の差でですけどね)。

 

キリトの勝利をみんなで喜んだ後、サクヤさんがユージーンのリメンライトに蘇生魔法をかけて復活させた。

 

「スプリガンにこんな強者がいたとは......世界は広いもんだ」

 

「俺よりも強い奴はいるにはいるぜ。特にあの時隣にいたルッコも俺と一緒くらいの強さをしてるぜ!!」

 

「それなら1度戦ってみたいものだな」

 

「そりゃどうも。また後日にでも」

 

あんな言い方されたら、そりゃこっちにも向きますよね〜

 

「それで、約束は守ってくれるんだよな?」

 

「言っただろ、俺は武人だ。1度剣に誓えば、何があろうとも反故することは無い」

 

「そうか。なら、機会があれば俺がそっちの領地に行ったらいいんだろ?」

 

「なら、その時は盛大にお出迎えするとしよう」

 

そう言って、サラマンダー部隊は踵を帰した。あの人、本当はいい人だったのかな?

 

「それはそうと......誰か状況を説明してくれないか?」

 

「ああ、それはですね......」

 

〜少年領主たちに説明中〜

 

「そうか。サラマンダーのメイジ隊に襲われて、その人たちに交渉したらここら辺に行くと言われて来たと......」

 

「まぁ簡略化したらそうですね」

 

「それ以上に気になったことがあるんだけど......」

 

「どうしたリーファ?」

 

「最後に使ってた剣、あれルッコ君のだよね?」

 

「ああ、そうだが......」

 

「なんで持ってたのかなって」

 

「ああ〜それはな、リーファとの出会ったあの日の後、モンスターと戦ったらレアドロップ品が落ちたからそれで武器作っただけだよ( ̄▽ ̄;)」

 

「能力見せてよ(*´罒`*)」

 

「まぁそれくらいなら......」

 

そう言ってキリトに返してもらった剣をリーファに渡した。

 

「えぇ〜どれどれ(「・ω・`)............」

 

見ているリーファの顔がどんどん驚愕の顔に染まっていくのを見た。

 

「ど、どうしたんだリーファ( ̄▽ ̄;)」

 

「サクヤさん、アリシャさん。この剣のステータス見てみてください」

 

「......えっΣ(゚д゚;)」

 

「......嘘でしょ!?」

 

と言った感じになっていた。それから〜

 

「一応、君シルフだよね」

 

「えっ、あっ、はい」

 

「シルフにこんな鍛冶師が居たなんてね〜」

 

「ねぇねぇうちに来ない?」

 

「あ〜お気持ちは嬉しいんですけど、今急いでるので後々にさせてください」

 

世界樹に探してる人がいるなんて言っても信用ないからね、仕方ないね┐(´ー`)┌

 

「それより、お二方はどんな話をしていたのですか?」

 

「あーそれはな、カクカクシカジカシカクイムーブ」

 

「なるほどです。なら、資金が必要ですね......という訳でこれ貰ってください」

 

そう言って、俺は500万ユルドの入った袋をオブジェクト化した。

 

「‪(°Д°; 三 ;°Д°)))ファッ!?‬こんなにあれば目標金額に近づくよ。ありがとうルッコ君。でもいいのかい?この金額があれば一等地で大きめの家は建つ金額だよ?」

 

「もういいんだ。俺にはもう......必要ないものなんだ」

 

遠い目をして言った。

 

「俺たちはそろそろ行くよ。時間も限られてるし」

 

「わかった。それじゃあまたね」

 

「今度はケットシー領にも遊びに来てね〜」

 

そう言って、サクヤさんたちは自分たちの領地に帰っていった。

 

「そういえば、あの量のお金渡してよかったの?」

 

「全額は渡してないから大丈夫だ。どっかの誰かさんなら後先考えずに渡してそうだけどな‪w」

 

「ウルセェ(っ'-')╮ =͟͟͞͞ ブォンさっさと行くぞ」

 

「あっ、ちょっと待ってよ〜」

 

颯爽と駆け抜けるリーファとキリトの両名。その後にはAfterglowの4人が。それを見ていると、1人いないだけでこうも変わるのかと思ってしまった。

 

「ツグ、待ってろよ。必ず助け出してやるからな」

 

世界樹の上にいるかもしれないツグにむけて言うように。




今回はここまでです。
いつもの半分しかかけてねぇ〜
そして、今年の更新はこの話で最後です。
8月から書き始めたこの作品が4ヶ月でここまで伸びるとは思ってなかったです。ひとえに、読んでくださるみなさんのおかげです。本当にありがとうございます。
次回は、1月1日に更新予定です。
それではまた次回、お楽しみに!!
そして、良いお年を!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

31話:(トラップ)カード「無理ゲー」発動

あけましておめでとうございます。
今年も頑張りますルコルンです。
さて、今回はグランドクエスト突入回です


あれから、俺たちはアルンに到着したが、現実の時間が1時を超えていたので落ちることになった。

 

俺はツグのお見舞いをすることになっていたから、落ちてから直ぐに寝ることにした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

バーン ドサッ

 

「HAHAw抵抗しなけりゃ殺さなかったのによ」

 

「父さん、母さん、しっかりして!!」

 

ここで俺の覚えている記憶は終わってる。

 

場面が変わって、SAOのとある場所。

 

「私、ルッコ君と出会えて。一緒に攻略出来て良かったよ」

 

「ああ、俺もツグたちと一緒に出来て良かったよ」

 

「でもね、なんで私だけ帰れないの......」

 

「えっ、ちょっ、ツグミさん......」

 

「ナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデ」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「( ゚∀ ゚)ハッ!......夢か。たが......懐かしいけどとても嫌な夢を見るし、ツグミは病んでるし。疲れてんのかな」

 

体を起こし髪をセットしに行く時に気づいた。

 

「......いつの間にこんな傷つけたっけ?」

 

いつの間にか顔に傷がついていた。昨日の朝には無かったから、昨日のことを考えてみると......

 

「......もしかしてALOの中で付いた傷なのか?」

 

そんなことはあるはずがない......と思っているのだが、ありえなくは無い話だと思った。

 

準備し終わって病院へ向かう。道中で和人と会ってバイクに乗せてもらうことにした。

 

「ありがとな和人」

 

「これくらいいぜ!!あっそうだ、後で明日菜のところに見舞いに来いよ。妹も連れてくるからさ(*´罒`*)」

 

「行きたいのはやまやまなんだがな......場所がわからんのよな( ̄▽ ̄;)」

 

「後でメールで送っとくからさ。絶対来いよな!!」

 

「( ー́∀ー̀ )ヘイヘイ。んじゃ後でな」

 

そう言って通行パスを2つ貰ってから二手に別れた。

 

いつも通りの見なれたルートを通ってツグの所に行った。

 

いつもはツグのお父さんと会うことが多く、お母さんと出会うことがあまりないのだが今回はツグのお母さんが先客でいた。

 

「お邪魔しますm(_ _)m」

 

「あら、流己君。久しぶりね」

 

「そうですね。3週間ぶりですね」

 

「それより、流己君はいまつぐみのことどう思ってるの?」

 

「どう......と言われましても、自分はゲームの中のつぐみさんしか知らないです。けど、ゲームの中ではかなり真面目な子で、みんなのために色々やってくれてたいい子でしたよ。自分はつぐみさんの内面に惚れたんですよ。だから、約束のこともあるんですけど、それ以上につぐみさんと色んなこと話したいんですけどね......」

 

「......そっか。流己君の中で色々と考えてるんだね。なんでか知らないけど、つぐみと一緒の感じがするわね」

 

「そう言われると思ってなくてちょっと驚いてるんですけど............そう言っていただけると有難い限りですね

 

そろそろ次の用事があるのでこれくらいで失礼しますねm(*_ _)m」

 

「何時もいつもありがとうね。目覚めたら1番に連絡するからね」

 

「それでは┏○」

 

そう言ってツグの病室を出て、和人から送られてきた場所に向かった。

 

「......指定された場所はここだよな。さて、どこにあいつはいるのかな......っと意外と近くにいたわ。」

 

「おーい。流己、こっちだ〜」

 

和人に呼ばれたから早足で向かう。

 

「和人、ここ病院だぞ( ̄▽ ̄;)」

 

「すまんすまん。」

 

「お兄ちゃん。この人だれ?」

 

「スグ、1度は会ったことあるはずだぞ」

 

「久しぶりだね直葉ちゃん。俺だよ成宮流己だよ」

 

「えっ、流己君なの?久しぶりだね!!昔から変わってるから全然わからなかったよ」

 

「そうだよな。かれこれ10年くらい前の話だもんな( ̄▽ ̄;)覚えてる方がすごいよ」

 

「なんで流己君はあたしのことは分かったの?」

 

「和人のこと“お兄ちゃん”って呼ぶ人知ってる人の中で1人しか知らんからな」

 

「そう言われればそうだね。流己君もお兄ちゃんに呼ばれて来たの?」

 

「d(*´Д`*)ゞソゥソゥそれで、この病室の人は......( 'ω')フェッ?!」

 

こんなところにアスナさんがいた。

 

「びっくりしたか?」

 

「びっくりするに決まってるだろ( ˙-˙ )<ドアホゥ!!!」

 

「すまんすまん。早くに伝えるべきだと思ったんだが、いかんせんタイミングが合わなくてな」

 

「とりあえず入っていいのか?」

 

「いィぞォ〜」

 

そう言われたから、ノックしてから入った。

 

「失礼しますm(*_ _)m」

 

「どなたかね?」

 

アスナさんのお父さんだろうか。すっごい社長っぽい人がいた。

 

「キリ......いや、和人君から呼ばれた成宮流己と申します。」

 

「君が成宮くんか。うちの娘を守ってくれてありがとう。」

 

「い、いえ。殆どは和人くんが守ってくれてたので俺に言うのはお門違いと言いますかなんと言いますか......」

 

「それでも、SAOのクリアまで導いた英雄の1人だろう?」

 

「英雄ってそんな......でも、お気持ちだけでも受け取っておきます。」

 

そこから先は、他愛もない雑談をして病室から出た。

 

それからすぐに家に戻りALOにログインした俺は、アルンの宿屋にいたことを思い出した。

 

すぐにほかの人も入ってきた。

 

「よっルッコ!!」

 

「トモエか。どした?」

 

「いやな。なんか嫌な予感がするんだよな」

 

「急にどした?」

 

「もしかしたら、グランドクエストの調整がクリア出来ないレベルなのかもしれないって思ったんだよ」

 

「あっ、言ってなかったな。グランドクエストは他ゲーのエンドコンテンツレベルだそうだ」

 

「......エンドコンテンツって何だ?」

 

「そっからか。簡単に言うとクリア後のやり込み要素って感じかな」

 

「かなりやばい場所っていうことは、何となくわかった」

 

こんなことを話してると、みんなが入ってきた。

 

「すまん、遅れた」

 

「別に構わんぞ。その分キリキリ働いてもらうけどな‪w」

 

「この人でなし、鬼、悪魔!!」

 

「ꉂꉂ(ˊᗜˋ*)HAHAʬʬなんとでも言えばいいさ(^∀^ )ケラケラ」

 

「それじゃ、アルン中央市街の門まで行こうか」

 

『了解(です)』

 

宿屋を出て、中央市街の門まで向かった。

 

門の下に立った時、ユイちゃんが頭を出した。

 

「お、おい......どうかしたのか?」

 

「ママが......ママがいます!!」

 

「なっ、本当か?」

 

「間違いありません!!このIDはママのものです......しかも、ツグミさんのIDもあります!!」

 

『んなっ!?』

 

ユイちゃんの言葉に俺は衝撃が走った。

 

「それってホント!?ユイちゃん」

 

「ホントです」

 

「座標は!!」

 

「このまま真っ直ぐの上空です!!」

 

それを聞いた俺は速足で門を潜る。

 

この上にツグがいるなら、絶対に助け出してやる!!

 

階段をのぼり、俺たち7人はドームの前に立った。

 

すると、石像が動き出し持っている剣を交差させた。

 

「未だ天の高みを知らぬ者よ。王の城へ至らんと欲するか」

 

低音の声が響くと、目の前にクエストの挑戦意志を示すYes/Noのボタンが現れた。

 

迷わずYesのボタンを押した。

 

「さすればそなたの背の双翼の、天翔に足ることを示すが良い」

 

その声が聞こえた後、轟音が鳴り響き扉が開かれた。

 

俺もキリトも臨戦態勢に入る。リーファたちが何かをしゃべっているが、俺たちの耳には入ってこなかった。

 

中に入ると、ガーディアンがずらずらと出てきた。個々の力は少ないけど、いかんせん数が多すぎるのだ。

 

俺たちは1体ずつ倒していったけど、じり貧で負けてリメインライトとなってしまった。




今回はここまで。
最後の最後でしかグランドクエストのことを書けなかったです。
次回は、1月6日に2本投稿予定です。(理由は最推しの誕生日が来るからですね)
それでは次回をお楽しみに!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

32話:《無理ゲー》という概念をぶっ壊す

こんちゃ(*・‐・*)/ルコルンです。
前回のあとがきで書いた推しの誕生日が1日ズレてました。
出すまえに気づけてよかったよ。
ということで、明日1話出します。
それより、書きたいことはあるのに言葉に出来ないこのもどかしさ。書いてる方なら分かるはず( ̄▽ ̄;)
まぁ、こんな話は吹っ飛ばして......本編をどぞ(っ´∀`)っ


俺はリライントメントになっている。

 

体がなくても意識があるところに違和感しかないが、状況ははっきりと分かっている。

 

キリトもやられたらしく、同じようになっている。

 

VRMMOで死んでしまったのはこれが初だ。まぁ、SAOは死んだら現実でも死ぬからなのだが......

 

目の前に《蘇生猶予時間》の表示と、少しの数字が見える。

 

ガーディアンたちはキリトを倒してから元の場所に戻っていきましたよ

 

死んだらどうなるのかなって考えたらリーファさんがそっと入って来て俺とキリトのリライントメントを回収して入口に戻った。

 

途中ガーディアンに攻撃されてたから感謝と謝罪を伝えなきゃな。

 

すると、リーファが俺のリライントメントになにかをかけた。すると、俺の体のまわりに魔法陣が展開されて体を取り戻した。

 

周りを見るとお怒りのランとトモエの後ろにジト目のモカとヒマリが。キリトの蘇生をしているリーファが俺の隣にいた。

 

「バカ!!無茶して。」

 

「1人で戦うのは無茶がすぎるよ〜」

 

「あたしたちも頼って欲しいな」

 

「そーだよー。一応戦えるからねー」

 

そう言われて自分の行動を振り返る。我ながら無茶したと思うわ。

 

「キリトくん!!......1人じゃ無茶だよ!!」

 

「それでも、行かなきゃ行けないんだ!!」

 

隣でキリトも復活して、また直ぐにグランドクエストに挑もうとしている。

 

「お前な!!俺と2人で挑んで負けたんだぞ!!1人だなんて無理に決まってる!!少し冷静になれ!!」

 

「それでも......それでも行かなきゃならないんだ!!アスナに......アスナに会うために」

 

「...いま......今なんて言ったの」

 

「ああ............アスナ、俺の探している人の名前だよ。」

 

「でも......だって、その人は......もしかしてお兄ちゃん......なの?」

 

俺たちは目を見開いた。

 

「えっ............スグ、直葉?」

 

「嘘だよ......酷いよ......こんなのあんまりだよ......」

 

そう言い残してリーファはログアウトした。

 

「あっ、スグ!!」

 

キリトが声を上げるが、リーファはこの場所にはいない。

 

キリトは唖然としている。動きそうになかったから声をかける。

 

「キリト、1回話してこい。そんで和解してこい。しなかったらアスナを助けに行けないだろ?」

 

「そう......だな。1回話してくる」

 

キリトもログアウトした。ここに残されたのは俺たち5人だけだ。

 

「......なんか色々起こりすぎだな」

 

「というかルッコは何か聞いてなかったの?」

 

「一応、キリトに妹がいるのは知ってた。けど、それがリーファだとは......思いもしなかったよ」

 

こんな話をしていると、キリトが戻ってきて、俺たちに見向きもせずに空へ飛び去った。

 

次にリーファが現れたので、声をかけようと思ったのだがキリトと同じように見向きもせずに空へ飛び去ってしまった。

 

 

 

 

 

 

「えーっと、どういうことが説明してくれね?2人とも」

 

あの後しばらく待ってたら2人が一緒に戻ってきた。

 

リーファの表情は吹っ切れた感じになってた。

 

「世界樹の攻略をするの。ここにいる7人で」

 

「ふーん......っていいのか?」

 

「ユイ、さっきの戦闘でわかったことは?」

 

「無視するんですね。そうですね」

 

「はい、強さ的にはそこまで強くありません。しかし、数が多すぎます。あれでは攻略不可能な難易度に設定されてるとしか思えません」

 

「やっぱりな......ってことは......ブツブツ」

 

「どうした、ルッコ?」

 

「えっ、ああ〜もしかしたら俺たちなら瞬間的な突破ができるのかなって思ったんだよ」

 

「その手段で行くか!!もう一度だけ俺たちのわがままに付き合ってくれ!!」

 

「俺からも頼む!!」

 

「......仕方がないな〜あたしたちも頼ってくれるならいいよ」

 

「それじゃあ、もう一度行くぞ!!」

 

『おう!!』

 

また世界樹の中に入った。2度目のグランドクエストが今始まる。

 

全員翅を振るわせ、空を飛ぶ。と同時にガーディアンが現れる。それを俺とキリトが倒し、道を一瞬作るが直ぐに埋められる。

 

「さて、作戦実行しますか。キリト、俺が道作るからさっさと通れよ」

 

そう言いながら、片手剣《グランイーター》を装備し、その剣に巨大化魔法をかける。

 

「了解(*`・ω・)ゞ」

 

「みんなもキリト押し出す準備しとけ!!」

 

『おkΣd(´∀`*)』

 

こんなこと言ったら巨大化魔法がかかったようで、元の刀身の10数倍はあった。

 

「うそーん」

 

キリトのこんな声が聞こえた。

 

「これでも喰らいな!!ガーディアンども!!ウルトラソード!!」

 

俺は空間をぶった斬るレベルの斬撃を放った。ほとんどガーディアンを倒したのだ。

 

「さすがに2発目は撃てねぇ!!早く行くぞ、キリト!!」

 

「お、おうわかった。」

 

「リーファ!!ランたちを連れて外へ出ろ!!そっちにヘイトむくぞ」

 

「わ、わかった。」

 

リーファたちが外へ出たのを確認し、キリトを追った。ギリギリ道が残ってたようで、さっさと追いつけた。

 

キリトは石造りのゲートに剣を差している。

 

だが、ゲートが開かないようだ。

 

「やべぇ、敵がこっちに来る。ユイちゃん早く開けてくれ!!」

 

「わ、わかりました。ルッコさんは?」

 

「もう一度だけヘイト稼いでやるよ。最悪、キリトだけでも中に入れろ」

 

「はい!!解析を開始します。」

 

扉の前にたち、キリトたちの前に立つ。

 

「これが門番たちの気持ちなんだな。だが、これ以上は通さねぇ。俺たちにも意志があるんだよ!!」

 

ガーディアンたちがこっちに来る。ギリギリまで引き付けて......

 

「さっきと同じだが......振る方向を変えてやる!!ウルトラソード!!」

 

今度は水平斬りを放つ。先程と同じくらい倒した。しかし、MPが切れたので《グランイーター》の巨大化が解けてしまった。

 

「くっそ!!これ以上はキツイぞ」

 

「ルッコさん!!こっちに」

 

ユイちゃんに呼ばれたからそちらに向かう。

 

「解析できたのか!!」

 

「はい、転移します!!捕まってください!!」

 

そう言って俺たちは転移した。




今回はここまで。
なんか駄作感が否めない......
しかも短い気がするけど、ここで分けないと長くなるからね。
ちなみに作品のストックなんてものは始めからないです。だから、毎回毎回締切に追われてる感じです( ゚∀゚)・∵. グハッ!!
これぞ1週間クオリティ
次回は推しの誕生日の方が早いので1月7日に更新予定です
それでは次回もお楽しみに!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

33話:ファイナルバトル

こんにちは、ルコルンです。
珍しく12時投稿にしてみました。
今回も書くのが難しかった。けど、最後の方はノリノリで書いてたので誤字脱字あればお伝えくださいm(*_ _)m
ちなみに、前回(つぐみ誕生日回)の最後に言ってたつぐみbirthdayガチャは、無課金の意地で天井まで引き切れましたね。初めて天井まで引いたよ。
それでは本編をどぞ(っ´∀`)っ


白い光に視界を奪われたのは一瞬だった。

 

視界が戻って見えたのは、白い壁しかない通路が見えた。

 

「パパ、ルッコさん、大丈夫ですか?」

 

ピクシーモードじゃないユイちゃんが心配そうに覗き込んだ。

 

「ああ。何とか」

 

「それより。ユイちゃん、ここの座標は?」

 

「分かりません。マップの情報が無いみたいなので......」

 

「そうか。アスナの場所は分かるか?」

 

「はい......かなり近いです!!上の方......こっちです!!」

 

ユイちゃんが走り出した。その後を俺たちが追いかける。

 

しばらくすると立ち止まって、壁の方を見た。

 

「ここから上部に移動できるようです」

 

その壁には、三角のボタンが2つあり、エレベーターらしきものがあった。

 

キリトは一瞬迷いながらも、上向きのボタンを押した。

 

中に入ると、ボタンがずらりと並んでいた。

 

現在地が光ってる場所なら最上階に居るはず......キリトもそう思ったのか、即座に1番上のボタンを押す。

 

少し待つとエレベーター独特の浮遊感がし始めた。

 

すぐに停止した。扉が開くと、再びユイちゃんが走り出しいくつもの道を通り抜ける。

 

しかし、途中で道が途切れてしまった。

 

「ユイちゃん、行き止まりっぽいから他のルートを探そっか」

 

「......います

 

「......ユイちゃん?」

 

「この先にママがいます!!」

 

俺は目を見開いた。この先にいる......だって?ゲームの世界だから有り得るのかもしれないが......もしかしたら!!

 

「ユイちゃん、そこの壁に手をかざしてみて」

 

「わ、分かりました」

 

かざした瞬間、壁が四角く取り除かれ同じような通路が広がっていた。

 

その通路を進み、通路の終わりと思われる場所に四角い扉があった。

 

左手でそのドアを開けると......世界樹の頂上だった。

 

「無いじゃないか......空中都市なんて」

 

「やっばりか......」

 

考えてみれば、多くの人がグランドクエストを突破できない理由にこれだけで成りうる。

 

ユイちゃんはそんなこと構わずに先へ進む。俺もキリトも後を追って進むと、見た事のある鳥籠が見えた。

 

「......キリト、アレ

 

迷わずキリトに伝える。すると、ユイちゃんの手を持って走り出した。

 

徐々に近づいていき、中の様子がわかるようになった。

 

あの写真と一緒で、中には2人の女性がいた。

 

SAOとは違う姿ではあるがアスナとツグということがすぐにわかった。

 

俺がたどり着いた時には、ユイちゃんとキリトがアスナに抱きついていた。

 

それを見て、微笑ましいと心の中で思い、俺はツグの方へ向かう。

 

「......遅くなった」

 

「ううん、助けに来てくれるって信じてたよ」

 

「そっか。ユイちゃん、アスナとツグのログアウトできそう?」

 

抱きついていたユイちゃんが我に戻った。

 

「ちょっと待ってください......ダメです。ママのステータスは複雑なコードでロックされています。多分ツグミさんも同じかと......システムコンソールがあればログアウト出来そうですが......」

 

「わたし、ラボラトリーでそれらしきものを」

 

その時、後ろから殺気を感じたあの時と同じような気迫を。

 

背中の剣を持ち臨戦体勢に入る。

 

キリトもなにか感じたようで、剣を持った。

 

直後、鳥籠の中に嫌な音が響き、次の瞬間には体に何かがのしかかった様な嫌な感覚に襲われる。

 

「パパ、ママ、ルッコさん、ツグミさん!!なにか良くないものが......」

 

言葉を言い終わる前にユイちゃんの体に紫色の光が這い回り、消えてしまった。

 

『ユイ(ちゃん)』

 

アスナさんとキリトが同時に叫ぶ。暗闇の中には俺たち4人だけが残る。

 

「いや〜驚いたよ。小鳥たちの鳥籠の中にゴキブリが2匹紛れ込んでいるのだから」

 

絶対に関わりたくないような声が聞こえ、顔を上げるとそこには緑色のトーカーに身を包んだ、端正な顔立ちで不気味に笑っている妖精がいた。

 

「お前は、須郷!!」

 

キリトは知っているらしい。

 

次の瞬間、キリトはその須郷とかいう奴に蹴り飛ばされていた。

 

「がはっ!!」

 

「口を慎め。我はこの世界の王のオベイロンだ。オベイロン様と、そう呼べ!!」

 

決めた。こいつの渾名はゲス郷としよう。

 

「キリトくん!!」

 

アスナさんの悲痛な叫びが聞こえた。

 

ツグに至っては今にも泣きそうな顔をしている。

 

ゲス郷は、その後にこう言い放った。

 

「それよりもどうだい、桐ヶ谷くん。いや、この場ではキリトくんと呼んだ方がいいかな?この魔法は次回のアップデートで導入予定の重力魔法なのだが、少々強すぎたかな?」

 

ゲス郷はキリトの頭を踏み、そう聞いた。

 

「そうだな、少し強すぎるだろうな!!」

 

「お前には聞いてない」

 

「グハッ!!」

 

「ルッコくん!!」

 

代わりに答えたら、今度は俺が蹴られた。

 

「ほう、君がルッコ君か。ってそんな話はどうでもいい」

 

今度はキリトの方に向いた。

 

「キリト君、君たちはどうやってここまで登ってきたんだい?」

 

「この翅で登ってきたのさ」

 

「ふん、まあいい。君の頭の中に直接訊けば解る事だ」

 

「てめぇ、そんなことが出来るはずが......」

 

「出来るんだよ。まさか酔狂でこんな仕掛けを作ってると思っては大間違いだよ。300人にも及ぶ献身的な協力によって記憶と感情の操作技術は8割程終了している。誰もなし得なかった人の魂の直接制御という神の偉業を、あと少して僕のものにできるんだ!!全く、仮想世界様々だよ」

 

ゲス郷、さすが汚い。

 

「須郷!!貴方のしたことは絶対に許されない!!」

 

「誰にと言うんだい?ここに神はいないんだよ。この僕を除いてなっ!!」

 

そう言ってキリトの背中に剣を刺す。ついでに俺の背中にも《グランイーター》が突き刺さる。

 

「システムコマンド、ペインアブソーバを10から8に!!」

 

そう言うと、キリトが苦しみ始めた。俺はなんとも思わないし、まわりの重力がいつもどうりに戻った気がするんだが。

 

「苦しいだろう、痛いだろう。段階的に強くしてやるから楽しみにしたまえ。もっとも、レベル3以下にすると現実の肉体にも影響が出るようだ......が......」

 

須郷が驚いた顔をしてこちらを向く。アスナさんもツグも驚いている。

 

「何を驚いているんだ、ただ()()()()()()()()()()()()()()じゃないか」

 

ちなみに、背中に刺さっていた剣は抜けております。ついでにキリトの剣も抜いておきました。

 

「な、なななな何を言ってるんだ。まだ効果時間は残っているはずだ。なにかバグが残っていたのか」

 

「お前は知らないんだな。システムを超える人間の意志の力を!!」

 

「こうなったら、これで勝負だ!!システムコマンド!!オブジェクトID《エクスキャリバー》をジェネレート」

 

そう叫ぶと空中から金色の刀身に、綺麗な装飾が施された剣が現れた。

 

「伝説の武器をコマンド1つで召喚......ねぇ」

 

「怖気付いたか」

 

「いや、ただ、お前を蹂躙できるのが楽しみで仕方ないんだよ」

 

久しぶりにこんなこと言った気がする。

 

「さぁ始めよう。妖精王に対しての下克上を」

 

「ふん、出来るもんならやってみな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ゲス郷は威勢のいいことを言っていたのだが、クソ雑魚だった。あの世界(SAO)の人々の方が上手かったし一撃が重かった。

 

「オベイロン様よぉ。妖精王様がこんなにも弱くていいんですかねぇ?」

 

そう言いながら腕を1本切り落とした。

 

「痛い!!僕の腕がっ」

 

「痛い......ねぇ。アスナさんやツグが味わった痛みはこんなもんじゃない!!」

 

システムログインID《ヒースクリフ》

 

そんなことを言ってたら、キリトも動けるようになってたいた。しかも小声で言ったあのIDは......

 

「システムコマンド、管理者権限変更。ID《オベイロン》のレベルを1に」

 

「何っ!!僕より高位のIDだと......貴様、いったい何をした!!」

 

「簡単な事だよ。元々いてたこの世界の神のIDを利用しているだけだ」

 

「クソっ。システムコマンド、ペインアブソーバを8から10に」

 

そう言われたが痛みは変わらなかった。

 

「............システムコマンド、ペインアブソーバのレベルを0に」

 

今度は痛みを伴った。

 

「ギャァァァ。さっきよりも痛みが強くなってる!!」

 

「そうかそうか。なら、もっと切り刻んでやるよ!!」

 

「やめっ......やめろ〜!!」

 

俺は妖精王の四肢を切り落とした。

 

「さて、こっからが本番だ......キリト、あの技とお前の剣......借りるぜ」

 

「ああ、ぶっ放してこい!!ついでに俺の分も頼んだ」

 

頼まれました˙꒳˙)˙꒳˙)ゞ

 

「な、何をする気だ!!」

 

あいつの声を無視しながら、俺は両手に剣を1本ずつ持った。左手にキリトの大剣、右手にはここまで大活躍してくれた《グランイーター》を持った。

 

そして、いつも隣で見てきた、キリトのあの技の構えをとる。

 

頭の中で動きをシュミレーションして動けると確信したときに目を見開いた。

 

「......スターバースト・ストリーム!!」

 

あの世界で、キリトしか扱えなかった二刀流スキルの1つ。この技をキリトが扱うために色々と協力してたから動きは覚えてた。

 

初撃、二連撃目、三連撃目......とできるだけ素早く丁寧に打ち込んでいた。キリトよりは速度は遅いがそれは仕方がない。あっちはシステムアシスト付きの速度だが、こっちはアシストなしの速度でだから、奴が逃げられないような速度で斬り裂いた。

 

そのまま続けた十六連撃目を奴の顔面に叩き込んだ。すると、オベイロンは爆発した。

 

「......汚ぇ花火だ」

 

そう呟くと、どっと疲れが襲ってきた。




今回はここまでです。
オリ主はアシストなしでスターバースト・ストリームを放ちましたね。
アニメで《スターバースト・ストリーム》を見た時に実際にやってみようとした人がここにいますが、速度遅すぎて断念しました。(当時はシステムでアシストされてるとか知らなかったなぁ)
次回+エピローグでこの章も終わりですね。
感想とか書いてくれると嬉しいな〜
それではこれで、また次回お会い致しましょう。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

34話:そして時は動き始める

皆さんこんにちは、ルコルンです。
上手いこと書けたので連日投稿します。
ではでは本編をどぞ(っ´∀`)っ


須郷を倒した後、キリトに剣を返してへばってる人を横目にキリトはその剣を使ってアスナさんとツグの鎖を切っていた。切った後、清々しい笑顔で

 

「ルッコ、お疲れ!!俺の分を込めろとは言ったけど、俺の技を使ってくれるのは想定外だぜ!!」

 

「そうだよ。私も心配したんだからね!!」

 

アスナさんにも心配されてしまった。

 

「まあまあアスナさん。キリトさんもルッコくんに託したんだから、キリトさんに言いましょ!!」

 

「そうだね、ツグミちゃん」

 

「と、とりあえずアスナからログアウトさせるな」

 

そう言って、アスナさんをログアウトさせた。

 

「次に、300人の被害者たちもログアウトしてっと......最後にツグミだ。何か言っときたいことは無い?」

 

「そうですね......まず、キリトさんありがとうございました。キリトさんはアスナさん優先って分かってたんですけど、ルッコくんや幼馴染のみんなが助けに来るって信じてたので......本当にありがとうございました。」

 

「そっか。確かに俺はアスナ優先だったもんな」

 

「そこで、お願いなんですが......」

 

「なんだ?」

 

「ログアウトする前に幼馴染のみんなと会いたいなって思って」

 

「そうだよな。じゃあ自発的にログアウトできるようにするからちょっと待っててな」

 

そう言ってキリトは色々し始めた。

 

ツグはキリトの横にいるので今は1人だ。

 

「久しぶりだね、ルッコ君」

 

後ろから聞き覚えがある声がした。

 

「お久しぶりですヒースクリフさん。生きてたんですか?」

 

「そうであると言えるし、そうでないとも言える。私は茅場晶彦のエコーであり残像である」

 

「分かりずらいこと言いますね」

 

「色々あったんだよ。記憶の結合とか色々......ね」

 

「それで、俺になんの用でしょう?」

 

「君にこれを渡したかったんだ」

 

「これは?」

 

「世界の種子《ザ・シード》だ。芽吹けばどのようなものかは分かるだろう。その後の判断は君たちに任せよう」

 

「これからどうするんです?」

 

「キリト君とも話をしたかったのだが、私の活動時間が限界のようだ。なので失礼するよ」

 

そう言うと茅場の体は消え、暗闇も消えた。

 

元の場所に戻り、鳥籠に夕焼けがさしていた。

 

「これでよし......っとツグミ。これで自発的にログアウトできるはずだ。後はおふたりで〜」

 

そう言って、キリトはログアウトした。あいつのことだから、アスナの所に行くんだろうなw

 

「それじゃあそろそろ、下に行こっか。みんなが待ってるからさ」

 

「そうだね。早くみんなに会いたいもん」

 

そう言ってツグは右手を重ねてきた。だから左手で握ってあげた。

 

恥ずかしそうにしているけどサクッと下に降りた。

 

まず一言、本当のお帰りではないけど伝えなくちゃな......ってことで

 

『お帰り、ツグミ』

 

リーファもログアウトしていたようで、残ってた5人で言った。

 

ツグもヒマリほどでは無いが、うれし泣きをする事があるのようなので。

 

「みんな、ありがとう」

 

「ほれ、あとはみんなで話してきな。俺は最後でいいよ。」

 

「えっ、でも......」

 

「俺とはいつでも話せるからさ。早く行ってきな」

 

俺はツグの目を見て言った。

 

「......うん。だけど、1つ約束して」

 

「俺に出来ることならなんでも」

 

「目を覚ましてから初めて会う人はルッコくんがいいな」

 

「それは無茶だぜ。多分だがツグの両親のどちらかはいると思うぞ。後、向こうでは現在21時だし」

 

「そっか。なら、明日の朝イチに来てよね」

 

「了解(*`・ω・)ゞそれなら行ってこい!!」

 

みんなで話してる時に思い出した。あいつペインアブソーバのレベル戻してないやん。

 

ということで......

 

「システムログインID《ヒースクリフ》」

 

からの〜

 

「システムコマンド、ペインアブソーバ0から10に」

 

これでよし。少し痛みは残るが大丈夫だろう。みんなと別れたツグミがこっちに戻ってくる。

 

「もう良かったのか?」

 

「うん。というか、みんなが時間的にログアウトしただけなんだけどね」

 

「だろうな。こんな時間なんだし」

 

右上に映るデジタル時計は22時を示していた。

 

「それじゃ俺も落ちるわ」

 

「もうちょっと話したいけどな〜」

 

「明日朝イチで行くって言ったろ。その時に色々聞くし話すよ」

 

「......わかった。だけど明日来ないと怒るからね!!」

 

「了解(*`・ω・)ゞ」

 

そういってツグが先にログアウトした。ログアウトができたことを確認してから、俺もログアウトした。

 

目を開け、ナーヴギアを外してスマートフォンを見ると、丁度つぐみのお母さんから連絡がきた。

 

「もしもし、成宮です」

 

『もしもし、流己君?つぐみが目を覚ましたの!!』

 

すみません、つぐみのお母さん。もうその事知ってます。だけど、一応驚いてるふりしておこう。

 

「本当ですか!!」

 

「本当よ。今から来れる?」

 

「俺、一応14歳ですよ。22時超えてるんで補導されちゃいますよ」

 

「そうだったわね。しっかり過ぎてて忘れてたわね」

 

「なので明日の朝イチに行ってもいいですか?」

 

「明日は私たち2人ともお店に行かないといけないからつぐみのことを頼んどくね」

 

「任されました(*≧∀≦)ゞ。それでは明日朝早いのでそろそろ失礼します。おやすみなさい」

 

「はーいおやすみね〜」

 

通話を切ったら時間が22時半になっていたので、さっさと寝ることにした。

 

翌朝、6時に起きた俺はシャワーを浴びて飯食って病院に向かっていた。途中で、テレビに須郷が逮捕されたというニュースが流れていた。

 

少し早く家を出たので病院に行く途中に少し公園によった。

 

「よっ流己!!」

 

「遅かったじゃん」

 

「待ってたよ〜」

 

「おいおい......なんでここにいるんだよ」

 

「そんなの一緒に行くために決まってるじゃん!!」

 

『(。'-')(。,_,)ウンウン』

 

幼馴染ってすごいな。ゲームの中では恋人だとしても、現実(こちら)出会うのは初めてだから、本当に居ててくれてよかったと思ったのは内緒だ。

 

「......それじゃあ行くか」

 

そう言って、俺たち5人は病院まで歩みを進めた。

 

受付でゲスト用の通行パスを貰い、つぐみの病室前まで来た。

 

「......なんでこんなに緊張するんだろう」

 

「どうしたの急に」

 

「いや、だってさ、みんなより一緒に居てる時間が短い俺も入っていいのかなって思ったら......なんか緊張してきたわ」

 

「流己は変なことで緊張するんだな」

 

「変なことで悪かったな......とりあえず入るぞ」

 

扉をノックし、中から返事がしたため扉を右にスライドする。

 

いつもなら病室のベッドで横たわってるのだが今日は違い、ベッドの上に座っていた。

 

それを見た俺は嬉しくて泣きかけていた。

 

今伝えるべき言葉は......

 

「お帰り......ツグ!!」

 

向こうは驚いていたが、俺のツグ呼びで誰かわかったようだった。

 

「......ただいま......ルッコくん!!」

 

ああ、やっと俺の中の時間が動くんだなと心の中で思った。

 

〜少し(2時間程)時は進み〜

 

今はツグミと2人きりだ。みんなはアスナさんのお見舞いに行ったよ。

 

みんなが出ていく時、さりげなくモカに

 

「るーくん、つぐとの会話楽しんでね〜」

 

なんて言ってきた。相変わらず掴みづらい子だなと思いながらも、心の中で感謝しといた。

 

「お互いに自己紹介するか。ゲーム内とはいえ初めての彼女だし

 

「そうだね」

 

「俺はSAOの中ではルッコの名前でした。成宮流己(るい)です。14歳だ」

 

「なら同い年ですね。私はSAOの中でツグミという名前でした。羽沢つぐみです」

 

言い合ってから2人とも顔が赤くなる。その事に2人とも気づいて笑いあった。




今回はここまでです。
次回、エピローグ予定です。
それではまた次回!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

35話:いつも通りの日常

こんちゃ(*・‐・*)/ルコルンです。
今回はフェアリーダンス編エピローグです。
それと、あとがきの部分にお知らせあるんで最後まで見ていってください!!
それでは本編をどぞ(っ´∀`)っ


現在数学の時間で、前の黒板に問題が出されている。

 

「成宮、この時の(x+y)²の答えは?」

 

「えっと......(x+y)²=5‪√‬3-‪√‬6です」

 

「正解だ。次の問題を__________」

 

数学の問題と解き方が黒板に書かれているのを、手元のタブレットに書いてる自分の回答と見比べ、答え合わせをする。

 

しばらくして、授業終了のチャイムが鳴った。

 

「じゃあ今回の授業はここまで。課題をそちらに転送しとくから、今日中にアップロードしておくように。それでは」

 

いつも通り鬼畜だなと思いながら昼飯の用意をする。

 

「流己!!昼飯食べに行こうぜ!!」

 

「はいよーすぐ行く!!ほれ、蘭行くぞ」

 

「わかった。」

 

巴に呼ばれたから、すぐ準備して屋上行きますかね。

 

ちなみに、クラスは蘭とだけ一緒で、ほか4人は隣のクラスだ。しかも、その蘭とも距離が遠い。オワタ\(^o^)/

 

昼休憩だから廊下には、どこかで昼食を食べようとする人や、購買で買って済ませようとする人、学食を食べる人が多くいて溢れかえっていた。

 

そういった人たちの間をくぐりぬけ、屋上にたどり着いた。

 

「お待たせしましたー」

 

「廊下、人多いんだけど......」

 

確かに、いつもより多い気がしたな。

 

「遅いよ〜」

 

「すまんな色々やってたら遅れた」

 

「何してたの?」

 

「今週中にはわかるさ!!」

 

「え〜教えてよ〜」

 

「だが断る!!それより、今日のオフ会行くか?」

 

「そんなの......ねぇ」

 

「行くに決まってんじゃん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※ここからはオフ会なのでキャラネーム呼びになります。ご了承ください。

 

放課後、エギルさんのお店《ダイシー・カフェ》に集まってキリトたちの訪れを待つ。

 

「そういえばリズさんキリトたちっていつここに来るんですか?」

 

「あ〜あの人たちならあと20分後に来ると思うよ。」

 

「了解です」

 

「あんたらがこっちの学校に来ないって聞いてからどうやって連絡しようか迷ったのよ」

 

「それは......すみませんでした」

 

今ちらっと出てきた学校のことについてだが、基本SAO(あのゲーム)からの生還者で学生だった人は帰還者学校に通うことになっているのだが、俺たちが菊岡さんに懇願したところ、何とか許可が降りた感じだ。

 

まぁ条件として、SAO帰還者(サバイバー)ということがバレないという条件付きだが。

 

そんな会話を楽しんでいると、キリト、リーファ、アスナさんが来た。

 

キリトたちが来た瞬間に俺たちは拍手をした。

 

「俺たち......遅刻してるっけか?」

 

「いや......指定の時間通りに来たはずだよ」

 

「主役は遅れて登場って感じで、3人には遅めの時間を伝えておきました」

 

「とりあえず入りなよ!!」

 

俺がそう伝え、リズさんと2人で3人を中に入れる。

 

そして、キリトが即席の壇上に立たせた。

 

「それでは、ご唱和ください............せーのっ」

 

『キリト(さん)、SAOクリア、おめでとう(ございます)!!』

 

キリト以外の全員の唱和。当の本人は間抜け顔をしていた。

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ!!確かにヒースクリフにとどめを刺したのは俺だが、ルッコのアシストもあったからだろ!!むしろルッコも褒められるべきだろ!!」

 

「いやいや、キリトが勇者なんだから俺はそれに仕える戦士だろ?戦士は勇者のフォローをしなきゃいかんでしょ。というか、最終的にあのゲームを終わらせたのはキリトなんだから、祝われるのはキリトだけでいいのよ( ゚Д゚)b」

 

キリトは俺の言った事が腑に落ちないようで、ジト目で見て来た。

 

「......とりあえず、クリアおめでとう《黒の剣士》キリト」

 

「そういうお前もおつかれさん《緑の戦士》ルッコ」

 

お互いの二つ名を呼び合い、グラスをぶつけ合う。

 

そこから周りを見てみると、《月夜の黒猫団》のみんなが目に入った。

 

「お久しぶりです。ケイタ、ササマル、サチ。あとの2人は?」

 

「久しぶりだなルッコ。残りの2人なら家の事情で来れないそうだ」

 

「それより聞いたよ?ルッコくん、ツグミちゃんと付き合ってたんだってね」

 

「そうだな。でも、あの世界の中だけじゃなくてこっちの世界でも付き合うことになったぞ」

 

「そっか。おめでとうだね」

 

「ありがと、サチ。こっちも聞いたぜ、ケイタと付き合い始めたんだろ?」

 

「そうだよ。あの世界に入る前から恋心は抱いてたんだけど、言えたのはこの世界に戻ってからなんだよ」

 

「そっか。なら、2人ともお幸せにね」

 

「ルッコこそ!!」

 

そう言って彼らと別れた。去り際にササマルが「俺のことほって行きやがって」とか言ってたけど気にしないことにした。

 

次に、ALOで出会ったあの子の元へ向かう。しかし、その子の顔は少し浮かない様子だった。

 

「よっ、リーファ。なんかあったか?」

 

「あっ、ルッコ君。実はね......」

 

〜少女説明中〜

 

「あ〜、そういうことな。要するに、SAOにいなかった自分がここにいていいのかってことか。俺は別に気にしなくていいと思うけどな」

 

「えっ?」

 

「確かに、リーファはSAOの世界にいなかった。これは事実として覆らない。でもな、俺がここに呼んだ理由のうちのひとつは久しぶりにこっちの世界で話したかったって言うこと。もうひとつは......」

 

「どうしたの?」

 

「やっぱり何でもない、忘れてくれ」

 

「何それ〜気になるんだけど!!」

 

「まぁいいじゃん。それより、みんなの場所に行って話してこいよ!!」

 

「むぅーなんか腑に落ちないけどまぁいいか。じゃあ行ってくるね〜」

そう言って、女子組に混ざったリーファが馴染めてるのを横目で確認しつつ、お店のカウンター席に向かう。

 

そして、俺はあるものが入ったノートパソコンを開く。

 

......ふーんこんなもんか

 

「何見てるんだ?」

 

「あっ、エギルさん。これですよ」

 

俺は様々な数字が書かれてるパソコンの画面を指さした。

 

「これはとある人から託されたもので、こいつを使えばある程度の太さをもつ回線と、パッケージさえダウンロードしたら誰でもVRMMOを作れるとか言うやつです」

 

「あ〜俺も知ってるぜ、名前は......《世界の種子》だったよな?あれはお前が出してたのか」

 

「えぇ、本当はキリトにあげる予定だったんですけど」

 

「断られたと」

 

「そういうことです」

 

そう、こいつのおかげでVRMMOは復活を遂げた。そして、ALO自体も別の会社に運営を任されている。

 

そして、中小企業もVRMMOを開発していて、相互的に接続がされ、自分の作ったキャラを別のゲームに接続できるコンバートシステムなるもの完成した。

 

「そういやエギルさん、二次会の場所と時間って変わりないですよね?」

 

「ああ、今夜11時イグドラル・シティ集合だ。それで、あれは動くんだよな?」

 

「もちろんです!!楽しみに「ルッコく〜〜〜〜ん」おわっふ!!」

 

こんなことを話していると後ろから誰かに抱きつかれた。

 

「誰だよ〜ってツグじゃん!?何かあったのか?」

 

「べっつに〜〜〜!!」

 

なんか地味に頬が赤く染まってる......まさかと思ってツグが走って来た方向を見る。

 

そこには、にやにや顔のキリトとツグを抜いたAfterglowのみんなが居て、その前にある机の上にアルコール度数が低いお酒の缶が置かれてた。

 

おーーまーーえーーらーー何しとんじゃーーーー!!

 

柄にもなく怒鳴ってしまった。ちなみにこの声は隣町まで聞こえたとか。

 

「お前らな、何%のお酒飲ませた?正直に言ったらお兄さん怒らんから」

 

『は、はい〜』

 

エギルさんのお店の部屋の隅っこで30分くらい説教されたとかされてないとか。

 

「ね、ねぇルッコ君。それくらいにしてあげたら?」

 

「......そうっすね。本当はもっとしたいっすけど、一応オフ会なので」

 

「な、なら......」

 

「今回はここまでにしとくよ。ただし、次やったら最低でもこれの2倍の時間は考えといた方がいいよ」

 

『わ、わかりました......』

 

この5人は悟った。度が過ぎたことをするとこっぴどく叱られることを。

 

そして、エギルさんの方へ戻る。

 

「すみません、お見苦しいところを見せてしまって」

 

「お前の逆鱗がよく分からないが......まぁいいか。というか、明日学生は休みだろ?なんでそんなに......?」

 

「あっ、エギルさんは知らないんですよね。ツグ、リアルでは親が喫茶店営んでて、休日はそこで働いてること多いんですよ。」

 

「あっ......」

 

「分かっていただけて何よりです。明日あの子シフト入ってるんですよ。はあ〜なんて伝えよう......」

 

そんなことを駄べりながらツグの介抱をしていた。

 

そんなことをしていたら指定の時間を過ぎたので、そのままお開きとなった。

 

俺もつぐをおぶりながら羽沢珈琲店(新たな家)へと歩みを進めていた。

 

「ん〜〜流己く〜ん......」

 

気持ちよさそうに寝てるようで何より。ただ、夢の中にまで俺はいるのか。

 

「大好きだよ......」

 

「......っ!!」

 

不意打ちすぎるだろと思いながらも

 

ああ、俺も大好きだよ。

 

いつもより少し足取りを遅くして帰ったあと、つぐを自分の部屋に置き、新たな両親にスライディング土下座を決めていた。

 

「すみませんでした〜〜!!」

 

〜少年必死に説明中〜

 

「そう、そんなことがあったのね」

 

「自分がいながら本当にすみません」

 

「じゃあ、明日はつぐみの代わりに流己君がやろっか」

 

「わ、わかりました」

 

俺は悟った。今週末は大変な週末になりそうだと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

11時になりつぐも起きたので、ALOにログインすることにした。

 

ちなみに、種族は元々と同じでシルフだけど外見はSAOのものをコンバートしている。

 

「さて、ツグのために中央都市アルンへ行きますか」

 

都市の宿屋に着いた時、幼馴染たちがツグと一緒にでてきた。

 

「久しぶりだな」

 

「数分ぶりでしょ?」

 

「俺からしたら結構な時間が経ってるように感じるぞ」

 

俺は月の方を見て言った。

 

「さて、行くかみんな」

 

「どこ行くの?」

 

「着いてからのお楽しみさ」

 

そう言って集合場所であるイグドラル・シティまで行くことにした。

 

「何を見せてくれるのかな?」

 

「もうそろそろだから待ってな......っと見えてきたか」

 

「えっ......」

 

「あれって......」

 

月の前に出てきたのは浮遊城アインクラッドだった。

 

「......なんであれが?」

 

「俺の推論だが、無くしたくなかったんだろうな」

 

「何を〜」

 

「あっそれって......」

 

「ヒマリは分かったようだな。あの世界での思い出を無くしたくなかったんだろうな」

 

『......』

 

「俺だってその内の1人さ。俺がみんなと出会って、バカ笑いして、怒りあって、一緒に戦った。そういった思い出を無くしたくないから作ったんだと思うな」

 

みんなの方を見ると、ちょっと泣きかけてるように見えた。

 

「んじゃ翔ぶか」

 

「翔ぶって言ったって、どこにだよ」

 

俺はアインクラッドを指さして

 

「あそこにだよ。......言ってなかったっけ?この後速攻で1層のフロアボスを討伐しに行くって」

 

『そんなの聞いてない!!』

 

「すまんな。」

 

そう言って翔び立つ俺をみんなが追いかける。俺は途中で止まって、後ろを見て言った。

 

「今度こそ、みんなを守るから............俺と一緒にあの城の頂上(てっぺん)まで登ってくれるか?」

 

俺はとびきりの笑顔で言った。

 

「そんなこと」

 

「言われたら」

 

「こうしか......ねぇ」

 

「応えれないじゃん」

 

「......うん。どこまでも一緒に登るよ!!」

 

そう言ってツグが俺の手を取り翔んで行く。その後をAfterglowのみんなが追いかける

 

(今度こそ完全攻略してやるからな、浮遊城アインクラッド!!)

 

そう心の中で呟いた。




今回はここまでです。
この後、1番初めにあるのオリ主の設定を更新しますね。
お知らせなんですけど、今日から2週間(具体的には2/4の週まで)この小説をお休みします。
理由としましては、新しい小説の準備とリアルの事情です。
大学のテストがやばいんですわぁ( ゚ཫ ゚)ゴフッ
新作の方は何を題材にするかとかは一応決まってるので、出てきたらそちらもよろしくお願いします。
あと、アンケート置いときます。
最後に、お気に入り登録、感想、評価をしてくださった方々。この作品を一目でも見てくださった方々。本当にありがとうございます。
まだまだお待ちしておりますので、ぜひぜひ送ってきてください。
それでは次回の投稿(今のところ2/11の予定)までゆっくりお待ちください!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

《ファントムバレット編》
36話:とある日に舞い込んできた依頼


こんにちは、ルコルンです。
そして、ただいまです。
何とかリアルが落ち着いたので今週から執筆復活いたします。
そして、リハビリ回なので短めです。
アリブレがミリシタコラボ来たぞー。これはやるしかないと思ってガチャ石をぶっぱしました。1弾は90連で2人とも当ててきました。
執筆中に第2弾のお知らせが来て、火属性のリーファが来たね〜。当てに行くかは悩み中です。
それでは本編をどぞ(っ´∀`)っ


「おーい、ルッコくん。こっちだ」

 

お高めな喫茶店に俺は呼ばれた。喫茶店なら羽沢珈琲店でええやろって思った人。なんか嫌な予感がしたからこっちで話をしてもらうことにした。

 

俺を呼んだ人は菊岡さんという、通信ネットワーク内仮想世界管理課というところに所属している職員の人だ。

 

その人の前に座り、ウエイターの人がメニューを持ってきた。

 

「ここは僕が持つから、好きに選んでくれて構わないよ」

 

「あ、ありがとうございます」

 

そう言ってメニューを見ると............お高い値段でメニューが並んでる。シュークリーム1つで1200円ってびっくりなんですけど。

 

「えぇと......カフェオレを1つ」

 

「以上で宜しいでしょうか?」

 

「あっはい、お願いします」

 

メニューをメモして、「かしこまりました」と言って去っていった。

 

「それだけでいいのかい?」

 

「あの、その......思ったよりお値段が高かったので」

 

「それじゃあ、君を呼んだ理由を話そうと思う」

 

「まぁ大体予想がつきますが」

 

「話がわかる人で助かる」

 

菊岡さんはタブレットを取り出し説明し始めた。

 

キングクリムゾン!!

 

菊岡さんの話をまとめると......

 

1:先月の11月9日に1人の男性が。そして、同月の28日にも1人の男性が亡くなってしまった。

2:その2人の共通点は、死因が心不全ということ。

3:2人とも亡くなる前にGGOの中で《死銃(デス・ガン)》というプレイヤーに銃で撃たれたそうだ。

 

「それで、この事件のことを俺に調べて欲しいのか」

 

「そういうことだ」

 

「でも、運営企業にあたってログを調べたらいいんじゃないですか?」

 

「残念ながら、GGOの運営会社《ザスカー》はアメリカに本社を置いていて、ゲーム内のプレイヤーサポートはしっかりしてる。しかも、会社の現住所はおろか、電話番号もメールアドレスも非公開になっているんだ」

 

「そうですか。だからって俺1人でやるのは危険だと思わないんですか?」

 

「それに関しては心配しないでくれ。もう1人同じ感じで呼んでいる人がいる。その人とゲーム内で合流してほしい」

 

「わかりましたけど......流石にキリトじゃないですよね」

 

ジョークまじりでそう伝えると、菊岡さんが苦笑いしはじめた。

 

「まさか、キリト呼びました?」

 

「あ、ああ。そろそろ来るはずだ」

 

そんなことを話していると、キリトが中に来た。

 

「遅くなった。ってルッコも呼ばれてたのか」

 

「キリト君、こっちだ」

 

キリトが俺の隣に座る。ウエイターさんがメニューをもう一度持ってきた。

 

「ここは僕が持つから、好きなだけ頼んでくれて構わないよ」

 

すっごいデジャブ感がした。

 

「えぇと、ショコラパフェ1つに、クリームミルフィーユ1つ、あと......」

 

キリト......頼みすぎじゃね?菊岡さんも顔が引き攣ってるよ。遠慮ってものを知らんのかアンタは。

 

ウエイターさんが注文をメモをして、去って行った。

 

「キリトくんも来たし、もう一度話を始めから話そう」

 

〜2度目なのでカット致します〜

 

「こんな事になっているから、真実を掴むためにはゲームの中に入って、自分の目で確かめるしかないんだ。万が一の事があったら困るから、こちらの用意した部屋からダイブしてもらう。さらに、モニターするアミュスフィアの出力に何らかの異状があった場合はすぐに切断する。君たちには死銃に銃撃されろとは言わない。君たちの目で見て判断してくれたら構わない............行ってくれるかい?」

 

ここまで聞いてしまったからには断れないよな。

 

「......わかりました。俺は行きます」

 

「それは良かった!!キリト君は?」

 

「わかったよ。まんまとのせられるのは癪だが、行くだけ行ってやる」

 

「そうか良かった」

 

「だけど、2つぐらい条件があります」

 

「どんな条件だい?」

 

「1つは、俺は元々持っているアカウントでやらせてください。

もう1つは、この事をつぐみ達には伝えないで下さい」

 

「......それは何故だい?」

 

「単純に危険な目に遭わせたくないという事だけです」

 

「......了解した」

 

「それより、《死銃》は本当に実在しているのか?」

 

「それなら、始めの死銃事件の時に居合わせたプレイヤーが音声を撮っていたよ。それを圧縮して持ってきた」

 

イヤホンを取り、片耳に入れる。

 

『これが本当の強さだ!!愚か者どもよ。この名を恐怖と共に刻め!!俺と、この銃の名は死銃(デス・ガン)だ』

 

本当の殺人鬼のような声が聞こえてきた。




今回はここまでです。
次回投稿予定日は14日予定です。
新作投稿してるんでそちらも見てくれるとありがたいです。
感想は非ログインの人も送れるように設定したので誰でもwelcomeですよぉ〜
それでは次回をお楽しみに!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

37‪話:LET'S GO GGO!!

\ハーイ/ルコルンです。
遅くなってしまってすみません。
今回はオリ主がGGOにログインする回でございます。
武器も今回わかります。
文字数はお察しください。ここら辺は書くことが少ないんですよ。
ではでは本編をどぞ(っ´∀`)っ


菊岡さんの話を聞いた翌日、早速GGOにログインすることにした。

 

「久しぶりにやりますか......アミュスフィアにGGOを入れてと。リンク・スタート」

 

この言葉を言った後、俺の意識が仮想世界に入った。

 

 

 

 

 

「戻ってきたんだな。最近忙しくてゲームすらできなかったんだから......文化祭とか体育祭とかテストとかねw」

 

そう言いながらある人に連絡を送っておいた。

 

「ここからどうしようか......とりあえず弾薬を補充しに武器屋に行こう」

 

そう言ってショップに向かいながら、一応死銃らしき人を探してみる。そこまで距離もないし、人通りの少ないルートで向かっていることもあり、それらしき人は見当たらなかった。居ないなら居ないに越したことはない。

 

そして、集合場所の武器屋に着き、待ち合わせてる人を探す。

 

「さてと、どこにいるかな......って探す必要なかったな。シノンさん。こっちです!!」

 

水色の髪の少女はこちらに気づいてこちらに来る。それともう1人、黒髪のロングヘアーの少女も一緒にこちらに来た。

 

「久しぶりねルッコくん。2ヶ月ぶり......かしら?」

 

「お久しぶりですシノンさん。学校行事が忙しすぎてなかなかインできなかったんですよね。ところで、そちらの方は?」

 

「おr......じゃなかった。私はキリトと言います。よろしくね!!」

 

「キリトさん。俺の名前はルッコです。よろしくお願いしますね」

 

聞いたことのある名前を復唱しながら挨拶をした。

 

「じゃあ人も揃った事だし、キリトさんの武器を探しに行きましょうか」

 

キリトさん......まさかのニュービーでした。ますますあいつと似てるなぁ。

 

武器屋でメイン武器のサブマシンガンの実弾とサブ武器のスナイパーライフルの対物ライフル弾を持てる限界まで買う。ついでに試し打ちをする。

 

ちなみに俺の武器は

メイン:サブマシンガン《SPBプラセジオム》

サブ:スナイパーライフル《フォルス》

 

バトルスタイルは、出会い頭にスナイパーライフルを1発ぶち当てて殺る。外れたら敵に近づいてSMGを乱射っていうゴリ押しスタイルですね‪w

 

こんな戦法でよく勝てたなって思えるんだけど、敵の弾を全てかわすという戦法のおかげで「神速の全攻撃(フルアタッカー)」という2つ名をこの世界で持ってます。(本人の自覚なし)

 

試し打ちをする場所でひとしきり打ち終わったあと、シノンさんとキリトさんのところに向かう。

 

「シノンさん。キリトさんの武器って見つかりましたか?」

 

「ええ。一応見つかったんだけどね......光剣なのよ」

 

「光剣ですか......一時期の俺みたいですね。まぁ本人が使いたいって言うなら使えばいいと思いますよ。本人がやりやすいようにやるのが1番ですから」

 

それ以上に気なったのは、俺の友達に同名の人がいて、その人も剣が大好きな人なんだよなぁ。もしかしてこの人......あのキリトなのか?

 

まぁそんなこと考えても仕方がない。当日に分かるしな。

 

その後に明日開かれる《第3回バレット・オブ・バレット》......通称BoBのエントリーをしに行った。端末で行うようなので前の人と同じように操作を始めた。

 

「エントリー名......とりあえず《Rukko》で、住所とかも登録しないといけないのかよ......えっと【空欄・虚偽データでも参加できますが、上位入賞プライスを受け取ることができません】なるほどな。なら空欄にしておこうかな?」

 

アバター名だけ入力し、入力完了のボタンを押した。すると、完了画面が出てきて、予選トーナメントの時刻と対戦表がでてきた。

 

「ええっと、俺はCの8か。一旦集合場所に戻るか」

 

集合場所に向かう時に一応死銃らしき人をもう一度探しておく。まぁいなかったんだけどね。

 

キリトさんもシノンさんもエントリーが終わったようで、待ってくれていた。

 

ちなみにキリトさんとシノンさんが同じグループだそうだ。明日が楽しみになったところで、宿屋に向かって歩いていた。




今回はここまでです。
次回までゆっくりお待ちください。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

38話:予選の始まり

ルコルンです。
いつもみたいな前置きはなしで本日はやります。
それでは本編をどぞ(っ´∀`)っ


昨日キリトさんとシノンさんの元から別れてログアウトした。

 

翌日、休日だったから親だけに連絡しておいた。そして、つぐみには伝えないでくれとも言っといたけど、大丈夫かな?

 

そんなことは置いといて、俺は菊岡さんに指定された病院に向かってバイクで走った。

 

「さてと、指定された病院に着いたけど和人はどこにいるのかな?」

 

数十分待っても来ないので電話をしようと思った時、和人から電話がかかってきた。

 

「もしもし」

 

『流己、お前どこにいるんだ?』

 

「それはこっちのセリフだ!!俺は病院の前にいてるぞ!!」

 

『おけ、すぐに迎えに行ってやる』

 

「早く来い!!俺は入れやんのやぞ!!」

 

そう言って電話を切った。

 

数分後、和人が病院の中から出てきた。

 

「おめぇ、中にいるなら連絡ぐらい入れとけよ ( ˙△˙ )クラエコノヤロー」

 

「おまっ。ちょっ。まてア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」

 

〜数分後〜

 

「次からは連絡しといてくれよ。頼むから」

 

「はい......そうさせていただきます」

 

「ほんじゃ逝くか」

 

「いや逝くなよ!!漢字が違うだろ」

 

「気にしたら負けだぜ!!」

 

〜少年たち移動中〜

 

「さて、なんやかんや話してたら着いた訳だが......なんで専属の看護師さんいるんだよ!?」

 

「まぁまぁ気にするなって‪w」

 

「いや気にするよォ!?」

 

「あの......喋ってもいいかな?」

 

「あっはい、すみません」

 

「私は安岐ナツキです。よろしくね!!」

 

「こちらこそよろしくお願いします」

 

「私は桐ヶ谷くんのリハビリ期間に担当させてもらってて、その縁で今回は桐ヶ谷くんと君のバイタルとい体をチェックすることになったから」

 

「......そうですか。忙しい時にすみません」

 

「いいのよ。これも仕事のうちだから。あと、菊岡さんからの伝言ね」

 

手紙が2通目の前にでてきた。どうやら、俺と和人の分で分けられているらしい。自分宛の手紙をササッと読む。

 

『報告書は桐ヶ谷くんと相談して店で渡したアドレスに頼む。経費は任務終了後、報酬と併せて支払うので請求をしっかりすること』

 

これだけだった。手紙にする必要あるのかなって思いながら和人の方を見ると、手紙を握り潰していた。

 

(あっ、菊岡さんに何かいらん事書かれてたな?)

 

「そろそろログイン出来ますか?」

 

「大丈夫ですよ」

 

安岐さんもすぐに準備を始めた。

 

「............それじゃあ2人とも服脱いで」

 

「......ほぇ?」

 

「電極を貼るのよ。桐ヶ谷くんはこっちで成宮くんはこっちに移動してね〜」

 

言葉に従って服を脱ぎ、指定の位置に行った。

 

「同じくらいに目覚めると思います。戻ってくるまでの間、お願いします」

 

「任されました」

 

その言葉を聞き、アミュスフィアを装着し、深呼吸をしてからあの言葉を発した。

 

『リンク・スタート』

 

 

 

 

目が覚めると、昨日ログアウトした宿屋だった。ここら辺はほかのMMOと変わらないらしい。というか変わってたから焦るだけという‪。

 

(さてと、目的地に向かいますかね)

 

時間には余裕を持たせているので、BoBのエントリー締切時間の1時間前に総督府に着いた。

 

その流れでエントリーも茶々っと済ませた。

 

その後、男性更衣室に向かって服装だけ着替え、キリトたちが会場に来るのを待った。

 

数分後、キリトたちが来たのを確認したが、シノンさんがキリトさんの耳を引っ張りながらこちらに来る。

 

「ルッコくん、ひとつ聞きたいことがあるんだけどいいかな?」

 

こんなに怒ってるシノンさんは初めて見た。

 

「ひゃい!!」

 

「キリトって男性だったの?」

 

「えっ!?マジですか?」

 

「マジもマジよ。これ見たら分かるわ」

 

「えーどれどれ......マジじゃん」

 

つまり、このキリトさんとは知り合いで、俺の知ってるキリトっていう名前の人は一人しか知らないし、その人は俺の連れ......オワタかもしれん。とりあえず謝ろう。

 

「ごめんなさい。俺の知り合いが失礼なことをしてしまいました」

 

「まぁこっちにも落ち度があるからいいけどね。というかルッコくんが悪い訳じゃないし。ただ......」

 

シノンさんがキリトの方に向いて

 

「その変態さんには、私の弾丸をぶち込んでやるけどね」

 

と言った。こりゃダメだわ。

 

少し会場内を移動し、円形のテーブルに腰かける。

 

「キリトは初めてだから説明するとな、予選1回戦目はカウントがゼロになり次第全員一対一の状況でバトルフィールドへ転送される。フィールド自体は1km四方の正方形で天候・地形・情報・敵の位置までもが全てランダム。決着が着くと、ここに戻ってきて次の相手が決まり次第2回戦を行う......これの繰り返しだ。質問は?」

 

「特にないです」

 

「そう、それとキリト、必ず決勝に来なさい。そこで教えてあげるから」

 

「何をだ?」

 

「......敗北を告げる弾丸の味」

 

シノンさん根に持つタイプだったぁ。キリト......ファイト

 

「やるからには何事も全力でやる主義なのでね。決勝で君と戦うことになっても......ね」

 

こんなことを言い合えてるのならそこまで怒ってないのだろう。

 

「シノン」

 

1人のプレイヤーがこちらに近づいてきた。

 

「こんにちは、シュピーゲル。あなたは今回出場しないんじゃないのかしら?」

 

彼は照れくさそうに頭を掻きながら、

 

「いや、迷惑と思ったけど、シノンの応援に来たんだ。ここなら大画面で中継されるしね......この人たちは?」

 

「あぁ......前から話してたルッコくんとさっき知り合ったキリトね、BoBについて説明してたの。彼はシュピーゲル。リアルの友達で、彼に教えてもらって私もGGOを始めたの」

 

「......そうなんだ、どうもはじめまして。」

 

「どうも......」

 

「はじめまして」

 

シュピーゲルさんの挨拶にキリトと俺は頭を下げる。いい家柄の人なのかな?

 

「そうそう、黒髪で長髪の子の方は男だから騙されないでね」

 

「えっ、えぇぇぇ!!......もしかして、さっき騒がれてたレアアバターの!?」

 

「キリトです......一応男です」

 

「さっき名前が挙がったルッコです」

 

やっぱり女の子として見られてたのか、キリトのテンションはダダ下がりになっていた。こんなやり取りを続けていると

 

「大変長らくおまたせしました。ただ今より、第3回バレット・オブ・バレッツ予選トーナメントを開始します。エントリーしたプレイヤーは準備を__________」

 

予選開始のアナウンスが流れ、会場は歓喜の声と拍手が支配した。

 

「キリト、本戦まで来なさいよ......あなたは私が決勝で倒してあげるんだから、必ず来なさいよ!!」

 

「......お手柔らかに頼むよ」

 

「......頑張れ」

 

シノンさんの言葉に顔をひきつらせたキリトが目の前にいた。流石に不憫と思ってしまったのでキリトの方を叩いて応援した。

 

カウントがゼロになると、俺の体は転移の光に包み込まれた。

 

転移された場所は待機場所の様で、真っ黒な空間に対戦相手とステージ情報のウィンドウが出ていた。

 

対戦相手は【ミノル】でステージはビル街のようだ。

 

サクッと武器を装備し、ステージのどの位置から狙うかを考える。

 

(ステージに降り立ったらとりあえず近くのビルの中に入ろう。その後上から見て、敵を見つけたら狙撃をしてやる。当たらなかったら近距離にシフトすることにする)

 

こんなことを考えると残り準備時間が30秒を切っていた。

 

「とりあえず、今は予選を勝ち抜くことに集中しよう!!」

 

意識を試合に切り替え、深呼吸をしようとした時転移の光に包み込まれた。

 

「っとここはステージの中心かな?さっさと隠れますか」

 

隠れようとした時、敵と出会ってしまった。

 

「うそぉぉ!!とりあえず乱射だ!!」

 

相手が慌てて乱射してきた。敵の弾丸を全て躱しながら、落ち着いて敵の頭に弾丸を打ち込む。

 

相手の顔が驚愕に変わり、相手の体から『Dead』という文字が出てきた。

 

「まずは1勝って所かな?」

 

腰にSMGを直し転移まで待った。すると、転移の光が体を包み込み、待機エリアに戻された。相手が決まってないのかな?

 

「お前......本物なのか?」

 

「......っ!?」




今回はここまで
意外と時間が取れないと改めて知りました。
次回は本戦行けるかな?
それではまた次回お楽しみに!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

39話:「本物」という言葉に秘めた意味

\ハーイ/ルコルンです。
......本物ってなんなんでしょうね?


「お前は......本物か?」

 

「......っ!?」

 

真後ろに真っ黒な人で目が真っ赤なアバターの人がいた。

 

「本物ってどういうことなんですか?」

 

「......意味が、わからない、のか?」

 

「......いきなりそんなこと言われても、分かんないですよ」

 

奴は無言になった。おそらく、俺が予想外の反応をしたからだろうな。

 

「試合、見たぞ。あの躱し方......どこで習得した」

 

「今までやってきたゲームの中で習得しただけですよ。あとリアルでもかなり動いてるので、それもあるかもしれないですね」

 

「あの長髪の男は、剣を使っていた......お前は使わないのか......?」

 

「昔は使ってましたけど、今は使ってないですね......ただ、剣を使わないと行けないルールはないはずなので」

 

「........................」

 

奴は黙り込んだ。俺は疑いの眼差しを向けながら、苛立っているであろうやつの顔を見続けた。

 

「お前もあいつも......もしも本物ならば......必ず殺す」

 

そう言いながら奴はわざとグローブに隙間を作った。

 

そこに刻まれていたのは............1番見たくなかったエンブレム笑う棺桶(ラフィン・コフィン)のエンブレムが刻まれていた。

 

それを見せたあと、奴は音も立てずに消えるように居なくなった。

 

そこで大きく息を吐いた。

 

(あいつが死銃で間違いないだろう。だって腕にラフコフのエンブレム付けてるんだぞ!!多分だが、俺は奴と会っているはずだ......だが、奴の名前が思い出せない............)

 

俺やキリトは会っているという一番嫌な仮説が当たってしまった。奴の名前を思い出そうとするとき......

 

「ね、ねぇ、ルッコくん......大丈夫?」

 

「つっ。シ、シノンさん......?」

 

いきなり声をかけられ振り返ると、シノンさんが不安そうな顔をしてこちらを見ていた。

 

「だ、大丈夫ですよ。少し考え事をしていただけなので......」

 

嘘です。めっちゃ真剣に考え事してました。

 

「ならよかった。あんたは無事そうでよかった」

 

「どういう、ことですか?」

 

「それは......あいつよ」

 

シノンさんが見る方向を見ると、キリトが飛んで来る弾丸など見向きもせずに特攻していくキリトの姿が画面に写し出されていた。

 

「............何があったの?」

 

「........................」

 

シノンさんの質問に返答出来なかった。いや、しなかったという方があっているだろう。

 

(あいつ......何かあったな。後で話を聞いておかないとな)

 

その後、俺は予選をしっかりと勝ち上がっていた。ただ、決勝戦の相手が狙撃手という事もあり、見つけるのが困難だった。だが、見つけさえすれば試合の展開は早かった。何故なら......

 

「スナイプがヘッドショットになるなんてなぁ」

 

そう、相手を見つけてスナイプしたらたまたま頭だったんですね。こんなところで幸運発揮しなくていいんだよ。

 

それはまぁ置いといて、今の俺はキリトとシノンさんの試合を見ている。

 

「おいおいマジかよ......」

 

場所は高速道路、しかも一直線なのでシノンさんの方が有利だと思ったのだが

 

 

 

 

 

 

 

キリトはまっすぐ進んでいるだけだった。表情は写ってないので分からないが、戦う意思を感じられなかった。

シノンさんは、キリトに向かって弾丸を打ち込むがキリトの斜め後ろの車に当たったりして、キリトには当たらなかった。

 

業を煮やしたようで、シノンさんがキリトに詰め寄っていた。

 

「..................!!」

 

「..................!!」

 

モニター越しなので会話の内容までは分からないが、シノンさんが泣いていた。

そこでキリトが目が覚めたようだ。

そして、デュエル方式になったようで、キリトが銃弾を抜き指で空中に弾く。弾丸が宙を舞い、キリトが光剣を腰から抜き、シノンさんはスコープを覗く。

弾丸が地面に着いた瞬間......俺は目を見開いた。

 

「あいつヤバすぎやん......」

 

何をやったかと言うと、対物ライフルの弾丸を真っ二つに斬り裂いた。相変わらず、俺の幼馴染の反射神経は化け物級ということを思い知ってしまった。

そんな感想を抱いている中、試合は進んでおりシノンさんが降参する場面が見えた。

取り敢えず、キリトも本戦に来れたのでかなりホッとしていた。

 

明日本戦が行われるようで、シノンさんとは別れて宿屋でログアウトした。

 

 

 

 

「お疲れさま」

 

「ありがとうございました」

 

「..................」

 

現実世界に戻ってきた俺たちは、安岐さんのねぎらいの言葉に返答し、明日のことを確認して病院を後にしたのだが......

 

「........................」

 

キリトの様子がおかしい。原因は分かっているがどう声をかけるべきだろうか......

 

「......なぁ、流己。死銃の事だが」

 

「あぁ俺も会ったな。死銃らしき人にはな。あいつは......《SAO生還者》だろうな」

 

「だが............」

 

和人は小刻みに震えていた。このまま家に返すのはまずいと思った俺は......

 

「場所を変えるか。動けるか?」

 

「......ああ」

 

ということで、病院の外へ出てバス停のベンチに座った。

 

「ほれ」

 

「......ありがとう」

 

和人にブラックコーヒーの缶を渡し、俺はミルクティーの缶の蓋を開けた。

 

「俺、忘れてたんだ」

 

「..................」

 

「今日、あいつに、死銃に会った時に......SAOのことを思い出したんだ

俺はあの世界で3人殺した。《笑う棺桶》討伐戦の時に2人。そして......」

 

「ヒースクリフか」

 

「ああ。けど、その事をこの1年間すっかり忘れ続けていたんだ。怒りや憎しみで剣を振るった......どこの誰かも知らない人をだ。」

 

「........................」

 

冷たい風が吹く中で和人はそう言った。

 

「なぁルッコ、お前は殺してきた人の事、今でも覚えているか?」

 

「......忘れられるわけないだろ。俺だって、《笑う棺桶》討伐戦の時に6人くらい殺してる。仲間を守るために無我夢中に剣を振るって、気づけば殺したという感覚だけが残っていた」

 

ここまで言って、ミルクティーを1口飲む。

 

「やっぱり、どんな理由があっても人を殺すのは良くないことだと思う......どんな状況であってもだ。」

 

「なら「ただな!!」......っ!!」

 

「その事で生き残った人が......救えた人がいるんじゃないのか?」

 

「............」

 

「俺たちがあのタイミングで討伐戦をしていなければ、もっと被害が増えていると思うんだ。」

 

「誰かがやらなきゃいけなかったんだよ。それを俺たちがやった」

 

「............」

 

「しかも、アイツらと決定的に違う点がある。俺たちは殺してしまったという事実を受け入れ、殺した奴らの分まで生きるという責任を感じているところだ。だから思い出すんだろ?」

 

「............責任............」

 

「今は気づけなくてもいいと思う。あの時、どんな想いを背負って戦っていたのか......アイツらとの決定的な違いはそこだと俺は思う」

 

「......そう、なのかな」

 

ふと和人の方を見ると、目に涙を浮かべていた。

 

だから、俺はこう言葉を紡ぐ。

 

「殺ってしまったことは元に戻せないけど、その事を思い出してるってことは、それを乗り越えて前に進むチャンスじゃないのか?」

 

「......そう、だな」

 

いつものキリトが戻ってきた。と思っていたら、急に隣に寄ってきてこう言った。

 

「数分、こっちを見ないでくれるか?」

 

俺は無言で頷き、和人の方を見ないようにした。

 

五分くらい、和人は泣いていた。

 

(やっぱり、この内容のことは、言う方も堪えるな)

 

夜空を見ながらこう思った。

 

 

 

 

 

 

「落ち着いたか?」

 

「ああ」

 

「そうか。なら、さっさと帰るぞ」

 

「そうだな。早く帰らないと明日奈やスグに怒られるから」

 

2人とも笑いあったあと和人と別れ、バイクで帰った。




今回はここまでです。
アリブレでホワイトデーのイーディス出ましたね。自分が弱いと明確にわかっている地属性なので引かなきゃならないなとは思うのですが、石がないので今回はスルー予定です。(ついでに言うと恒常キャラクターなのでね)
次回は3月11日投稿予定です。
それでは次回もお楽しみに!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

40話:本戦前の出来事

こんちゃ(*・‐・*)/ルコルンです。
少し短めですがキリがいいので投稿します。
次からは戦闘描写が出てくるけど上手いことかけるかな......
まぁ、このことは来週の自分に任せるとして、本編をどぞ(っ´∀`)っ


“悪い、明日菜と直葉にバレた”

 

BoBの予選を突破した翌朝に、こんな謝罪メールが和人から送られてきたので、明日菜たちに見られることが確定したことに憂鬱さを感じながら病院に向かった。

 

「いらっしゃい」

 

「今日もお世話になります」

 

「よろしくお願いします」

 

「......どうやら大丈夫そうね」

 

「えっ?」

 

安岐先生から思わぬ言葉が発されたことに驚きを隠せない和人がすっとぼけな声をだした。

 

「昨日戻ってきてから、桐ヶ谷くんはものすごく暗い顔してたから......もし暗いままだっからカウンセリングでもしようかと思ってたけど、そんな必要なんてなさそうね」

 

「あはは......すみません」

 

昨日のことが表情に出てたのを気づいてなかったようだ。俺でもわかったんだから安岐さんもわかるだろうけどね。

 

「それで、今日は何時に帰ってくるの?」

 

「10時頃に戻って来れると思います」

 

「行ってきます」

 

「行ってらっしゃい!!英雄キリト君、ルッコ君」

 

『......っ!?』

 

安岐さんの言葉に動揺を感じつつ、GGOにログインするためにアミュスフィアを被り、目を瞑る。

 

菊岡さん......後で覚えといてくださいね......

 

『リンクスタート』

 

 

 

 

 

 

 

 

再びGGOに戻ってきた俺たちは、この世界が賑わっていることに驚いた。

 

「おいおい......毎回こんな感じなのか?」

 

「そうだな。第1回の時からこんな感じだったぞ。早く行くぞ」

 

「おう!!」

 

総督府に進んだ俺たちは、シノンさんが待ってた。

 

「よっ、シノン」

 

「こんにちは、シノンさん」

 

「ええ、キリト、ルッコくん」

 

あっさりとした対応だったので、キリトが慌ててシノンさんを追っていった。

 

「本戦のことは俺も教えるのにねぇ......俺は登録端末に向かいますか」

 

キリトたちのやり取りを横目に見ながら登録端末を操作し、ものの5分弱で登録が終わった。

 

「さて、あの2人はどうなったかな」

 

操作端末から離れ、シノンさんの方へ行くとシノンさんが少し呆れてるように見えた。

 

「お待たせしました」

 

「ルッコくん、来たわね。それじゃあ行きましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

「おお......!!」

 

「相変わらずですね」

 

エレベータで会場入りするとプレイヤーの熱気で盛り上がっていた。中には、本戦に出場する人にインタビューをしたり、仲間の人と話しているプレイヤーがいた。

 

「すごいな、まるで一種のお祭りみたいだ」

 

「まぁ、本戦はいつもこんな感じよ」

 

キリトの言葉にシノンさんが同意し、空いている席を求め歩いていると......

 

「おい、キリトちゃんだぞ!!」

 

「フォトンソードで敵を一刀両断だってな......」

 

「クールビューティーだけどバーサーカーなんだってよ......なんかいいな!!」

 

「いやいや、やっぱりシノンちゃんでしょ!!」

 

「俺もシノンちゃんに撃たれたい!!」

 

「2人の間にいるのは神速の全攻撃(フルアタッカー)のルッコ君じゃね?」

 

「マジじゃん!!でも、あの子より俺の方が強いでしょ‪w」

 

めちゃくちゃ言うやん......ってか1人挑発しよったな。そいつには後で勝負挑むとしよう。

そんなことを考えてたら空席を見つけたのでそこに座り、キリトに本戦のレクチャーを開始した。

 

「さて、本戦は1つのマップ全員がランダムに配置される」

 

「そうね。ただ、初めは1000mは離れてるからいきなりは遭遇することは無いはずよ」

「ちなみに、全体は直径10kmの円形のマップだからな。しかも、立地は山、森、砂漠、川、ビル街など色々なマップが複合されてる」

 

「ちょまっ......直径10km!?さすがに広すぎないか?」

 

「まぁそんな反応になるよな」

 

「絶対に遭遇しないという訳じゃなくて、参加者には《サテライト・スキャン》っていうものが配られるんだよ」

 

「((φ(・Д´・ *)ホォホォそれで敵の位置がわかるのか」

 

「そうね。それが15分に一度作動するのよ」

 

「つまり15分に一度移動しなければならないと」

 

「そういうこった」

 

「これだけ話したらいいわね」

 

「ところで......シノンが知らないプレイヤーは何人いる?」

 

「......はぁ!?どういう意味よそれ」

 

「頼む......重要な事なんだ!!」

 

「俺からも頼みます」

 

「......ルッコくんにも頼まれたらしょうがない......ほとんどの人は顔見知りね。会ったことがない人もいるけど、その人たちはGGOでは有名な人だし......知らないのは4人ね」

 

「その人はどいつだ?」

 

「えっと......『剣士X』、『ペイルライダー』、『paralytic poison』、『Sterben』の4人ね」

 

「そっか......ありがとう」

 

「なんでこんなことを聞くの?」

 

「......こっちの話だ、気にするな」

 

「わ、わかったわ」

 

「そろそろ別れるか......考えることもあるし、精神統一したい人もいるだろ?」

 

「ええ」

 

「そうだな」

 

そうやって別れようとした時、キリトの曇った顔が目に入ったが、あいつも準備もしたいだろうから話しかけないようにした。

 

さて......俺も準備をしないとな。武器と弾丸と装備の確認と......ついでにサブ武器を1つ追加しよう。

それらを確認したあと、少し死銃について考え事をしていた。

 

(さて、誰が死銃だろうか......4人とも怪しいんだよな......とりあえず、4人とも警戒しておくか)

 

そんなことを考えていると残り時間が30秒を切った。キリトの隣に行って、言うことを言っておこう

 

「......キリト」

 

「どうした、ルッコ?」

 

「絶対に負けるなよ!!」

 

「あぁ!!そっちこそ負けるなよ!!」

 

キリトと拳をぶつけて気合いを入れ直した。死銃の正体が誰かわかんないけど招待を突きつめてやる。

 

腹を括り直して、バトルフィールドに転送された。




今回はここまでです。
オリジナルの名前だけ出てきましたがあいつは一体誰なんでしょう?まぁ名前を直訳したら案外予測着きますがね。
来週は本編含め3話くらい出さなきゃ行けないので、モチベーションのためにお気に入り登録、感想、評価お待ちしてますm(*_ _)m
次回は3月14日投稿予定です。投稿日ででネタがわかるかもですが......
それでは次回をお楽しみに!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

41話:過去を告白するものと、変わらない者達

はい、ルコルンです。
......サブタイは気分です。気にしないでください。
話は変わりまして、UA10000を超えました!!ほんとうにありがとうございます。
まだまだこの作品は続きますので、これからもよろしくお願いします!!
それでは本編をどぞ(っ´∀`)っ


「早速獲物発見だぜ!!٩*(゚∀。)وヒャッハアアアァァァァァアア!!!!!」

 

「......フランク過ぎねぇかこの人」

 

戦いが始まってから5分ほどが経ち、現在敵と交戦していた。

砂漠で出会ってしまい、隠ればが少ないので敵の位置は丸わかりだが、こちらも同じで敵からは丸見えだから、いかに回避して当てるかが重要になる。

敵はアサルトぶっぱしていたので、少し掠ってしまったがほとんど躱しながらSMGを撃ったら殺られていった。

 

「5分しか経ってないのに出逢うとか......運悪すぎじゃん」

 

戦闘を終え周囲を見ながらそう言うと、さっさと森の方へ逃げる事にした。

森まで誰とも出会わずたどり着いたところでスキャンのタイミングになった。

 

(おぉ......序盤から脱落者が多いですな。シノンさんは生き残ってるし、一応目星をつけてるペイルライダーもいる......ってあれ、キリトは?)

 

キリトがいないことに気づき、画面をくまなく探したが、見つかる前にスキャンが終わってしまった。

 

(あいつの事だし、水の中にいてたりとか......まさかな。とりあえず、ペイルライダーの所へ向かうか)

 

そう思った俺は、ペイルライダーを追うために移動を始めた。

 

 

 

(ここは......奴が)

 

ペイルライダーの移動方向を考え、到着したのは鉄橋周辺だった。気付かれないように近くの茂みに隠れて様子を見る。

すると、カウボーイみたいな人が待ち伏せをしているように見えた。すると、反対側からサイボーグのスーツを着ている人がやって来た。

 

(あれがペイルライダーか)

 

カウボーイがロケランをぶっ放なしたのだが......

 

(おぉ〜動きがすごいな。あんな動きできる人いたんだ〜。キリトとか好きそう......俺には無理だと思うが‪w)

 

ペイルライダー(と仮定した人)の動きに見とれてしまったが、目的を思い出して先頭に意識を向け直した。

そのまま、ペイルライダーはカウボーイを翻弄し続けて、ショットガンでトドメを刺した。強さは折り紙付きだけど......

 

(あの人は違うかな......勘だけど)

 

そう考えその場を後にしようとした時、事件は起こった。

 

バタン......

 

「......はっ!?」

 

音がした方を向くと、ペイルライダーが倒れていた。

 

(嘘......どこから撃たれた?)

 

周りを索敵したとき......奴はいた。と言うより、いつの間にか出現していたという方が合ってるような感覚に陥った。

 

(いつの間に!?アイツがやったのか?)

 

状況を理解しようとしたのが仇となったのか、奴に撃たれ麻痺状態になってしまった。

 

「クッ!!動け......ない......」

 

俺の事を無視し、奴は動けないペイルライダーの元に向かう。

一応、動けるようになったことを考えてSMGを撃てる準備はしておく。

ペイルライダーも動けないのか先程から微動だにしない。奴はペイルライダーの前に立つと黒いハンドガンを構えた。そのまま、目の前で十字架を描いた。その時......

 

ドゴン!!

 

ほぼ死角からの攻撃を回避した。奴は撃たれた方を見た後、俺の方を見て笑った。

そして、奴は黒いハンドガンでペイルライダーを撃った。その一撃で、ペイルライダーのHPは少し減少した。

すると、動けるようになったペイルライダーが反撃しようとしたが、

 

「......!?............!!!..................!?!?!?!?」

 

出来なかった。ペイルライダーは胸を抑えその場に倒れ込んだ。そのまま空中を掴み緑のポリゴンに変わった。

その場に《DISONNECTION》という表記を残して。

 

「嘘......だろ!?」

 

何が起きたかわからず、言葉を失ってしまった。

奴は、その文字を踏み潰しながら銃を小型カメラに向けこう言い放った。

 

「俺と、この銃の名は、デス・ガン......俺は、いつか、貴様らの前にも、現れる......そして、この銃で、本当の死を、教えてやる......

忘れるな......まだ、終わって、いない......なにも、終わって、いない......!!

It’s show time!!」

 

「......!?」

 

そう言った後、闇に溶け込んで消えてしまった。それと同時に俺の麻痺が解けた。一瞬追いかけることを考えたが、手の内が分からないどうこうというより、また同じようにやられる可能性も考えれたので、やめておくことにした。

その時、前回スキャンから15分経ったらしく再度スキャンが行われていた。

 

(えっと......シノンさんはすぐ近くにいる......ってキリトもその周辺にいるのか。先に合流しよう)

 

シノンさんがいた場所に行くと、途中でバッタリ出会った。

 

「ねぇ、ルッコ君。さっきのスキャン見た?」

 

「一応見ましたけど、何かありました?」

 

「さっきのぼろマントがスキャンに映ってなかったのよ」

 

「......what!?短時間で移動した可能性は?」

 

「ほとんど無いわね。もしそうだとしても、スキャンには映るはずよ」

 

それはそうだな......ならなぜ映ってないんだ?

 

「じゃあ何が起きてるんだ?」

 

「多分だけど、キリトと同じね。」

 

ますます訳が分からない。キリトの頭の上にも俺と同じくハテナマークが浮かび上がってるように見えた。

 

「......えぇっと、とりあえず説明を頼みます」

 

「あのぼろマントは端末に映らない、あの時のキリトみたいに全武装して川に潜ってるのよ......だとしたらこれはチャンスよ!!」

 

ほんとに水の中にいたのかよ。

 

「だが、さっきの拳銃くらい装備して潜ることはできそうだけどな」

 

「例えそうでも、ハンドガンのひとつくらい「それだけは絶対にやめてください!!」っ......!!」

 

シノンの言葉を遮った。

 

「そんな事をしたら、シノンさんの命が危険です。先程の言い方から、黒い拳銃1発でペイルライダーを殺した。その事実を見てるはずですよね。あの拳銃1発でも撃たれたら、本当に死ぬかもしれないんですよ!!」

 

「っ......私は認めたくない!!PK以外で本当に人を殺してるなんて......」

 

「それでも、そういう人がいるんです。あのボロマント......いや、デス・ガンは多くの人を殺してるんです」

 

「HPが無くなると相手が死ぬ......その事実をわかっていながら......その事実を楽しみながら剣を振り下ろしたんだ!!」

 

少しの間、沈黙が訪れる。

 

「......ねえ、キリト、ルッコ君」

 

ふとそんな声が聞こえた。

 

「貴方たち2人は......SAO帰還者(サバイバー)なの?」

 

『............』

 

隣のキリトの顔を見ると、顔が少し青ざめてるのが分かった。

 

(こりゃ話せそうにないな。仕方がない......シノンさんを巻き込む訳にはいかないんだけどな......腹括りますか)

 

「......シノンさんの思ってる通りです。俺とキリトはSAO帰還者です。しかも、アイツと。いや、アイツらと一度信念をかけて闘った事もあります」

 

「!?......」

 

「俺の手が届く範囲で味方を見殺しになんか......したくないです。だから、無謀な闘いはやめてください、お願いします!!」

 

シノンさんに頭を下げた。シノンさんがどんな顔をして俺の事を見ているのかは分かるはずがない。ただ、伝わってる事を必死に祈っていた。

 

「......分かった。全てを信用するのは難しいけど、全てが作り話じゃないことは理解したわ」

 

「分かってくれたようでよかったです」

 

「だけど、あんた達はどうするの......って聞かなくても分かるけどね」

 

「奴を、デス・ガンを追う」

 

「シノンさん、できるだけ奴に近づかないようにしてください」

 

「でも、そうしたら......」

 

「大丈夫、約束は守る......行くぞ、ルッコ」

 

「ほいさ〜!!」

 

「ちょっ、ちょっと!!」

 

シノンさんの呼び声を背後に聞きながら岩場を飛び降り、森に向かおうとした時。

 

「待ちなさいよ!!」

 

「えっ!?」 (そんな気はしたよね‪w)

 

シノンさんが大声を出して呼び止めた。それにキリトが驚き足を止めシノンさんの合流を待った。

 

「ふぅ......私も行くわよ」

 

その言葉を聞き、俺とキリトは顔を合わせた。

 

「あのデス・ガンって奴相当やり手よ。あんたがアイツに負けたら、私あんたと戦えないじゃない!!」

 

「だから、それは......」

 

「だから、ここは一時休戦してアイツを一緒に倒す。」

 

「......いや、だが危険すぎる!!」

 

「居場所が分からない奴を相手するんだから変わらないでしょ?」

 

「......分かった」

 

何を言ってもダメそうなパターンなので、キリトに判断を委ねた。キリトも苦笑いしながら了承した。

それと同時に俺とキリトは光剣を取り出す。

 

「......んなっ!!」

 

シノンさんが驚くと同時に、俺たちを弾道予測線が襲った。そのまま、複数のプレイヤーがアサルトライフルを乱射した。

 

「くっ!!」 「こんにゃろ!!」

 

シノンさんへの弾丸を俺が切り裂き、その周囲に撃ち込まれる弾丸をキリトが切り裂きながら、そのまま岩陰へ隠れた。

 

「......アンタら、どんな反射神経してんのよ」

 

「その話は後で」

 

「まずはアイツらを殲滅しよう」

 

「シノン、ルッコ、バックアップ頼むぜ」

 

キリトがシノンさんの前に立つ。

 

「はいよ〜」

 

俺は光剣を直し、SMGを持ってキリトの横に立つ。シノンさんも驚きつつスナイパーを準備した。

 

「さて、いつもの様にやりますか、相棒!!」

 

「いつもの様にって、この世界では初だろう。まぁいいけどさっ!!」

 

相手が再び銃撃を繰り出してきたが、キリトは持ち前の反射神経で弾丸を撃ち落とし、俺は弾道予測線を予測して全て躱しながら敵の前へと駆けだした。

 

『うっそぉ......!?』

 

「......今だシノン!!」

 

「っ......!!」

 

シノンさんが2人を一撃で撃ち抜く。その間に......

 

「チェックメイトだ......」

 

「ふぇ?うぎゃあぁぁぁあぁあぁぁぁあぁぁぁあぁあぁぁぁあぁぁあぁぁぁあぁぁあぁ!!」

 

棒立ちだった2人にSMGの弾丸を応酬させキルした。

 

「......ふぅ」

 

「......やっぱりいつ見てもすごいわ......」

 

「......そうか?」

 

「........................」

 

相手が戦闘不能になったことを確認してから、こんな軽口をキリトと叩いていると、シノンさんと目が合った気がした。




今回はここまでです。
新アンケート設置しましたのでよろしくお願いします。
また、一個前のアンケートの結果的に《ファントム・バレット編》が終了しましたら2・3話ほど、幕間的な感じでで書こうと思います。
一応、次回は3/25に投稿予定です。
それではまた次回までゆっくりお待ちください!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

41.5話見守る側の心情

今回は、BoB本戦前からのヒロイン目線のお話です。
文字数が少なめです
それではどぞ(っ´∀`)っ


〜sideつぐみ〜

最近、流己くんとあまり会ってない。理由は明白で、彼曰く「外せない用事があるから」だとか。

 

お店の手伝いとかで会って話すことはあるんだけど、それ以外で話しかけようとすると避けられてるような気がします。

 

カランカラン

 

っと。こんなこと考えてちゃダメだよね!!接客しなきゃ。

 

「いらっしゃいませ」

 

「こんにちは、つぐみちゃん」

 

「あっ、明日奈さん。1名様ですか?」

 

「ええ」

 

「席にご案内しますね」

 

そう言って明日奈さんをカウンター席に案内し、注文を聞いた。その注文を通した時、明日奈さんに呼ばれたので、話をしました。

 

「つぐみちゃん。今日流己君はいるかな?」

 

「“外せない用事がある”って言って朝から出てきいましたよ」

 

「そう......」

 

「どうかしましたか?」

 

「......少し重たい話になるけどいいかしら?」

 

言ってることがわからなかった。けど、明日奈さんの表情から深刻なことであることは分かりました。

 

「......どうぞ」

 

「今、“流己君が命を懸けて戦ってる”って言ったら信じられる?」

 

一瞬だけ私の息が詰まったかのような感覚がしました。

 

「......それって、SAO関連のことでですか?」

 

明日奈さんは首を縦に振りました。

 

そこから明日奈さんの説明が始まりました。

要点だけ説明すると......

・和人さんと流己くんがGGOの世界へ行ってること。

・そのGGOの中でSAOみたいな殺人が起きていること。

・その人と2人がそのゲームの中の大きな大会で戦うということ。

・その大会の本戦が今日の昼からということ。

 

「もし信じでくれるならここに来て」

 

そう言って渡された紙にはとある場所の住所が書かれてました。

 

「この場所って......ここから少し先の病院?」

 

「ええ。もし行くのなら「ツグミー」......つぐみちゃん、呼ばれてるわよ」

 

「ちょっと待っててください」

 

お父さんに呼ばれて、頼まれた商品をアスナさんに持っていった後すぐに、お父さんに呼び止められました。

 

「つぐみ、何かあったのかい?」

 

「あの......さ。流己くんが最後のケジメをつけに行ったって言ったら、信じてくれる?」

 

お父さんはすこし驚いた様子だが、話を聞いてくれました。

 

かっとー(*・・) カーン

 

「そうか......つぐみはどうしたいんだ?」

 

「わたしは......」

 

何をしたいんだろう......?できることなら応援しに行きたい......けど、お店のこともあるしね。どうしようと考えてると。

 

「つぐみ、お店のことが心配なら気にしなくていいんだよ」

 

「えっ」

 

「つぐみがいなくても、お店は回せるぞ。つぐみや流己君が手伝うようになるまで親2人で回してたんだぞ」

 

「......なら、お店のことお願いしてもいい?」

 

「ああ。なら、今日はもう上がってもいいぞ。早く行きな!!」

 

「うん。ありがとう、お父さん」

 

明日奈さんに行くと連絡して、私は自転車で指定の病室の前に着きました。

 

コンコン 「どうぞ」

 

「失礼します」

 

私は和人さんと流己くんのいてる病室の中に入ると、看護師さんが1人いた。

 

「君が、流己君が言ってた“この病室に訪れる可能性がある子”かな?」

 

「えっ?なんで流己くんがそんな事を......?」

 

 

 

〜数時間前 GGOにログインする前〜

 

「安岐さん」

 

「流己くん、どうしたの?」

 

「もしかしたらですけど、2人ほどこの病室に訪れるかもしれないです」

 

「了解。その子たちが来たらどうしたらいい?」

 

「中に入れてあげてください。変な事はしないはずですから」

 

「それじゃあ来たら入れてあげたらいいのね」

 

「はい、お願いします」

 

 

〜現在の時間軸に戻る〜

 

「どうする?この場所にいててもいいよ」

 

「それなら居させてもらってもいいですか?」

 

「うん。2人も応援したら勝ちやすくなるしね」

 

「そういえば2人は何をしてるんですか?」

 

「えっと、それはね〜」

 

カクカクシカジカ マルバツサンカク

 

「そんな事をしてたんですね。それなら私も応援しますね」

 

そう言って、私は流己くんの手を握りました。

 

(絶対に無事で帰ってきてね)

 

そう強く願いました。数分後に明日奈さんがこの部屋に来て、看護師さんから私と同じことを言われていました。

少しだけクスッと笑ってしまいました。

 

数分後、看護師の安岐さんがこの部屋にある大きなテレビをつけた。そこに写っているのは、GGOの世界の大会だった。その名も

 

「Bullet of Bullets ......ですか」

 

「そう。略してBoBね。この戦いに2人は出てるのよ。ほら、ここ」

 

そうやって安岐さんが指をさした画面の先には、黒髪の女の子みたいなアバターが写っていた。少し見てると、剣を使って戦っていたので、ある人に似ている気がした。

 

「もしかして、キリトくんなの?」

 

「えっ、あの女の子みたいなアバターがキリトさんですか?」

 

「多分だけど......」

 

明日奈さんが言っているのだから、そうなんだろうなと思いました。

 

次に写った人は茶髪で中立的な顔立ちの人だった。その人はキリトさんみたいに剣を使わずに銃を用いて戦っていた。

 

「もしかして、ルッコくん?」

 

「えっ、確かにキリトくんより分かりやすいわね。だけど、彼は剣を使わないのね」

 

「確かにそうですね」

 

「まぁ、このGGOという世界は銃主体の世界だからね。剣使いの人は少ないからそこに慣れたんだと思うな」

 

私も同じことを思いました。だってルッコくんだもん。銃を主体なら銃撃戦にシフトしそうだもん。

 

そのルッコくんが戦い始めた。敵の銃撃を躱しながら相手の体に当てて倒していた。

 

「うそ!!」

 

「相手の攻撃をほとんど躱しながら当ててたよ」

 

あの世界ではキリトさんと同じくらいだと思ったんですが、こう見ると同じくらいヤバいんだなって感じました。




今回はここまでです!!
本戦の時のキリトたち以外の視点も書いたらどうなるかなって思って書いてみると、意外と難しいんですね。
次回は4/1に投稿予定です。
それでは次回まで、お楽しみください。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

42話:死銃の正体

デス・ガンは遮蔽物に隠れながら戦う......いわゆるスナイパータイプだが、持っている銃まではわからなかった。けど、戦い方から廃墟エリアに来た。そこで、スキャンからデス・ガンを割り出そうとしたのだが......

 

「奴のキャラネームか......」

 

「確かに。名前が分からないなら待ち伏せも奇襲も何も手が打てないな」

 

「今回初出場の人は......『銃士X』、『スティーブン』、『パラリティックポイズン』か。なぁルッコ、最後の人って......」

 

「......麻痺毒。あの世界にもあったデバフをそのまま名前にしたのか」

 

「まぁ、この人たちが3人とも街にいたら待ち伏せなんて意味ないけどね」

 

「それに関しては、先に誰を狙うかを決めとけばいいだろ」

 

うん、まぁそれはそうなんだがな......少し悩んでいると。

 

「今、思ったんだけど......銃士をひっくり返してシジュウ......Xはさっきの十字のジェスチャー......って考えは安直かな?」

 

「どうですかね?......キャラネームなんて人それぞれですもん。自分だって本名からもじって追加しただけですし」

 

「......私も......」

 

「あっ......」 「ふっ......」

 

まさかシノンさんも本名もじりだったとは。意外性と相まって少し笑ってしまった。まぁシノンさんも笑ってるからおあいこということでお許しください。

 

「おほん。それじゃどうする?」

 

「っ!!すまんキリト。とりあえず、3人いた時はその時の動きで考えよう。2人の場合は銃士Xの方へ向かうことにしましょう」

 

「......そ、そうね」

 

街に入ってすぐ、スキャンの時間が来た。手分けしてスキャンの確認をしたところ、街にいるのは俺たち3人以外に......

 

「いた、死銃X」

 

「こいつをデス・ガンと仮定すると、狙いは『ムー』というプレイヤーか」

 

俺とシノンさんの言葉に、キリトがもう1人のプレイヤーである『ムー』を指した。

 

「デス・ガンの射程圏内に入る前に何とかしないと」

 

「俺がこのムーっていうプレイヤーの方に向かって何とか足止めをする。ルッコとシノンは死銃Xの方を任せてもいいか?」

 

「了解。シノンさん、アシストお願いします」

 

「ええ、わかったわ」

 

「それじゃ、また後でな」

 

作戦を確認し、キリトがムーの方へ向かったことを確認し、俺たちも銃士Xの方へ向けて歩みを進めることにした。

 

歩みを進めること数分、銃士Xを視界に捉えた。それと同時に銃士Xは倒れ、デス・ガンが急に現れた。そのことに驚いたが、これで銃士Xはデス・ガンでないことも同時にわかった俺は......

 

「シノンさん、俺が銃士Xの盾になるように奴を撃ちます。その時に、どうにかして銃士Xをシノンさんが倒してください」

 

「わ、分かったわ」

 

「倒したら、こっちの逃げるアシストお願いします」

 

そう言い残して、俺はデス・ガンの方に向かう。奴も俺に気づいたようで、銃士Xに向けていた黒いハンドガンを直しスナイパーライフルを持ち直した。

 

(何故だ?そのまま黒いハンドガンで撃てばいいのに。撃てない理由でもあるのか?)

 

そう考えてたら、奴は撃ってきた。まぁ考えごとしてる方が悪いのだが、それでも同じ手を喰らう俺じゃない。首を左に倒し弾を避ける。相手の武器チェンジ中に俺は近づき、マシンガンを乱射した。相手は距離を取ろうとしてバックステップしながら何か投げた。俺はそのまま前へ進みもう1回攻撃しようとしたが、それは叶わなかった。

 

「うおっ!!」

 

相手が投げたのは閃光弾だった。視界が良好になった時には奴はもういなくなっていた。

 

(くそっ、逃げられた!!)

 

「....くん......ルッコ君!!」

 

「っ!?は、はい!!」

 

逃げられたものは仕方ないので、次の手を考えようとした時、シノンさんが後ろにいた。

 

「あいつ......デス・ガンは?」

 

俺は首を横に振り、逃がしてしまったことを伝えた。

 

「そう......なら、ここから離れましょ?ここにいると、逃げたデス・ガン撃たれるかもしれないでしょ?」

 

「......そうですね。なら乗り物とか探すべきじゃないでしょうか?」

 

「乗り物って......バギーぐらいしかないけどあなた使えるの?」

 

「一応、現実で免許は持ってないですけど、この世界のやつは使ったことがあるので、使えると思いますよ。最後に乗った時から仕様が変わってなかったらですが」

 

「......それならあそこにあるから早く行きm」 “ドゴン”

 

俺たちの斜め後ろにあったドラム缶が撃たれた。さそれが爆発した。距離が遠かったから被弾はして無いが距離が近かったらどうなっていたか分かったもんじゃないな。

 

「......ヤバい気するんで走りますね。お手を拝借してもいいですか?」

 

「ええ。構わないけど何するk 」 ガシッ

 

「離さないでくださいね!!離したら死ぬと思ってもらって構わないですから」

 

そう言ってすぐにシノンさんの手を持ちながら言われたところに全速力で走った。

 

ものの1分ほどでたどり着いた俺はシノンさんをバギーの荷台に乗せて直ぐにエンジンをかけて走り出した。

 

奴は白馬に乗っていた。しかも、ペイルライダーを殺したあの黒いハンドガンを持っていた。これが殺人鬼じゃなかったらどれほど良かっただろうかと思うのだが、現実は非情だ。

 

「シノンさん、奴をバギーに乗りながらスナイプできますかね?」

 

「さすがに無理!!」

 

俺は前を見た。すると、ちょうどバギーが乗れば車体が飛べる道があることが分かった。

 

「シノンさん、それじゃあ10秒後にこの車体飛びます。その時なら車体の揺れは無いです」

 

「......あなたがここまで無茶言う時はできるって信頼があるからだもんね」

 

バレたか。引き金が引けないなら俺もアシストできる位置にいるので、なんとかなると踏んだからだ。

 

そんなことを考えていると、ジャンプ台に差しかかる手前にいた。

 

「それじゃいきます。............3,2,1,飛びます!!」

 

俺は飛んだことを確認し、シノンさんの方を見る。引き金を引く手が震えていたので、左手をそっと添えた。

すると、震えが収まったようで、すぐに引き金を引かれた。

それは、道路の隣にあったガス缶に当たり、ちょうど奴が通ろうとしたタイミングで爆発した。

 

(あの距離での爆発だから、致命傷とまではならなくてもある程度ダメージがあるはずだ)

 

「シノンさん、このまま砂漠を抜けます。捕まってて下さいね」

 

「ええ、分かったわ!!」

 

そのまま砂漠の途中に洞窟があったので、そこで考えることにした。




今回はここまでです。
そろそろこの章も終わりが近いですね。
それより、アリブレで勇者ユウキと魔王キリトの話がエイプリルフールネタで来ましたね。
今から読んできます!!
次回投稿は4/8です。
次の話までゆっくりとお待ちください!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

43話:纏わりつく記憶

こんにちは!!
本編投稿は3週間ぶりですかね......。本編の構想に時間がかかってしまいました。
楽しみにしてた方、いらっしゃいましたらすみませんでした。

ルッコ「もう一個言うことあるだろ?」

作者「はい......4月19日の0時頃にもう一個の作品用のお話を誤ってこちらで投稿してしまいました」

ルッコ「それに対しての言い訳とかあるなら今のうちだぞ」

作者「はい、単なる確認不足です。現在は削除してあります。皆さまにご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした」

ルッコ「後で作者をメッタ刺しにするのでそれでお許しください」

作者「マジすか......それ」

ルッコ「ちなみに、お前に拒否権はない」

作者「ですよね(´;ω;`)」

ルッコ「とりあえず早く本編を書け!!」

作者「‪サーイエッサー‬」ε≡(*ノ`>ω<´)ノ



ルッコ「うちの作者がすみません。後できつく言っておきますので。それでは本編をどぞ(っ´∀`)っ」


洞窟の中に入ってすぐ、シノンさんが聞いてきた。

 

「ルッコくんは向こうの世界で人を殺めたことがあるの?」

 

「......えぇ。殺めたのは6人ほどで、未遂は3人ほどですかね」

 

「......えっ!?」

 

「ちなみに、キリトも俺より少ないが殺めたことはあります」

 

「......えっ!?」

 

「俺とキリトがSAO帰還者(サバイバー)っていうお話はしましたよね。あの世界の中で奴......デス・ガンと戦ったこともあると」

 

「俺もキリトもあの時、大勢の人々を守るために奴が所属していた殺人ギルド『笑う棺桶(ラフィン・コフィン)』の討伐パーティーが組まれました。俺やキリトもパーティーに参加してたんですけど......どこから情報が漏れてしまっていたのか奇襲を受けてしまったんです。その時に、自分を守るためとはいえ2人殺りました。その後も......仲間を守るとはいえ、あと4人殺してしまったのは事実です」

 

「ならキリトも......」

 

「えぇ、その時に......」

 

ここから先を話すために、大きく息を吸って気持ちを落ち着ける。そうしないと、その時の記憶が、俺にこれ以上話すなと言わんばかりに蘇る。

 

「自分のした事を忘れていた訳では無いんですが......昨日奴と会った時に思い出したんです」

 

「それじゃああの男は。デス・ガンは、君が戦った『笑う棺桶』の......」

 

「討伐戦で捕まえて、牢屋におくった生き残りの人の1人のはずです。だからこそ、ここであの戦いを終わらせなきゃいけないんです。これ以上誰も傷つけないためにも......」

 

ここまで言って自分の足元を見る。外の風の影響か、砂埃が立っていた。

 

「ルッコくん、1つだけ教えてくれない?」

 

「......俺に分かることなら」

 

「君はその記憶を......どうやって乗り越えたの!?どうやって......過去に勝ったの?なんでそんなに強くいられるの?」

 

ここまで言われて思い出した。シノンさんは俺よりも前からこの気持ちを知っている。それに抗っているんだ。

 

「......俺はその記憶を乗り越えたわけじゃない」

 

「えっ......?」

 

「全てとは言わないけど、俺はあいつと出会ってSAOで6人殺したことを思い出しました。その人たちが死ぬ前に出した声......その時の表情を忘れることは無いと思います」

 

「......それならどうしたらいいの......?わ、私......!?」

 

「まだ話は終わってませんよ、シノンさん。その事を覚えていることが重要だと俺は思うんです」

 

「えっ......」

 

「あの時殺したことの重さと重圧、その事に対しての意味を真剣に考える材料だと思います......あの時に誰を殺して、何を守ることが出来たのか......その事をしっかり受け止めて、しっかり前を向いて進む。それが今の俺に出来ることだと思ってます」

 

「受け止めて......前を向いて進む......」

 

シノンさんなりに納得してくれたのかな?俺の言葉を繰り返し、呟いていた。

 

「お二人さん。こんなところで密会ですか〜」

 

「キリト!?」

 

「来たなキリト。いつからそこにいたんだ?」

 

「ついさっき着いたところだよ。色々あったんだからな」

 

「すまんすまん。それじゃあ情報共有しよう」

 

俺はキリトに起きたことをそのまま伝えた。

シノンさんがデス・ガンに襲われかけたこと。

銃士Xはデス・ガンでは無かったこと。

デス・ガンは光学迷彩を使用しているということ。

キリトからも色々と聞いた。

ムーは戦って離脱させたと聞いた時はホっとしたけど、キリトが数人に囲まれたと聞いた時はマジって思ったよね。しかも、剣1つで勝ったんだろ?もう訳わかんねぇや。

 

「とりあえず、デス・ガンに仲間はいなそうね」

 

「この世界ではだけどな。現実世界ではどうかわからん」

 

「えっ......それって」

 

「そのままの意味だ。聞いた話なんだが、ゼクシードや薄塩たらこの死因は脳の事じゃなくて心不全だったらしいんだ」

 

「ほう......なら共犯者は絶対にいるな」

 

ここまで言って考えてみる。ペイルライダーを最後に撃った場所は脳を撃っていた。もしかしたら手口が変わっているかもしれない。

 

「そういえばデス・ガンに襲われた時に違和感はなかったか?」

 

「そうね......」

 

「特に違和感は......あったわ」

 

「どんな違和感だ!!」

 

キリトが前のめりになって、俺の顔に近づく。

 

「ち、近い......」

 

「すまん。それで違和感って?」

 

「シノンさんとデス・ガンに襲われた時に黒い拳銃じゃなくてスナイパーライフルに持ち替えて俺に反撃してきたんだ......そのまま拳銃で打っていれば倒せたのに」

 

「それは妙だな......捉え方によっては()()()()()()()()()()()と考えることが出来そうだ」

 

「まだ準備が出来ていない......か。本当に共犯者がいたりして......」

 

そこまで言ってもう1回考えて見る。ゼクシードや薄塩たらこの死因は心不全......もし、ペイルライダーの死因も心不全なら......

 

「なぁキリト、もしかしてだが......」

 

「ルッコも気づいたか。この事件には現実世界に共犯者がいるかもな」

 

「そうだよな。そうだとしたら何もかもの辻褄ががっちり合う」

 

「辻褄......?」

 

「簡単な話です。仮想世界からは心臓を止められない......ということは現実世界から止めてるだけなんですよ」

 

GGO(この世界)で、あの黒い拳銃で人を撃てば、現実世界で何かしらの細工が起きて人を殺すことが出来る」

 

「でも、どうやって殺す人の住所を特定するの?」

 

「そりゃ、光学迷彩だろ。あれを使ってBoB参加者の住所を盗み見るんだろ。あそこは個室じゃなくてオープンスペースだっただろ?」

 

「だ、だけど......!!もしそれが可能だとして、BoBの大会の最中はログアウトはできないのよ。どうやって現実世界に細工をしてるって言うのよ!?」

 

「......ここで共犯者の出番なんですよ。デス・ガンは現実世界も含めると2人以上いると考えていいでしょう」

 

「手順はこうだ。デス・ガンがこのゲームの中であの拳銃を使って人を撃つ。それに合わせて、共犯者が現実世界にいる人を......殺す」

 

「っ!?」

 

「そう考えたらあの十時のジェスチャーも、共犯者に何かを伝えるためなら納得がいきます」

 

「でも、共犯者はどうやって中に入ったの?」

 

「これに関しては電子ロックをハッキングしたとしか考えられないだろうな。ゼクシードや薄塩たらこの家は初期型の電子ロックだったらしいからな」

 

「お前......それ誰から聞いた?」

 

「えっ......菊おk....o(`^´)θ蹴リッ!「それ以上は何も言うな」へい」

 

「あとは死因だが、毒物か薬物だろう。あの2人の発見は死後3~5日経っていたらしく、ヘビーユーザーによくある食事や睡眠を取らずの連続ダイブの病死と判断された。もし、跡を残さずに侵入し、毒物を混入させたのなら、まず気付かれないだろう」

 

「......そんな!?デス・ガンはそこまでするの......」

 

「それは......あいつが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SAOと同じようにレッドプレイヤー......つまり、殺人鬼であり続けたかったんだろうな」




お読みいただき感謝します。
魔王キリト......やっぱり限定できますよね。勇者ユウキと姫アスナが限定だからそんな気はしましたけどね。キリトは意地で出しましたよ。残り2人のうち、アスナさんは引きたいんですよね。無属性特殊フィールド付与できる心意を打てるキャラは持ってないですから狙うべきだと思うんですよね。次ステップ5で星4キャラ確定だしもしかしたら引くかもですね。

ルッコ「それじゃ作者。死ぬ準備は出来たかい?」

作者「あ、ホントにやるんですね......」

ルッコ「当たり前だ」グサッ

作者「それでは、また、次回、まで、お待ち、くだ、さい」チ───(´-ω-`)───ン

ルッコ「......後で蘇生だけでもしといてやるか」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

44話:作戦実行

はい、ルコルンです。
戦闘描写をあーでもないこーでもないと作っては没にしてたら1ヶ月空いてしまいました。
やっぱりこういう系統の文は下手だなぁ......どうにかしないと。



ここまで話して、ふと思ったことがある。その確信を得るためにシノンさんに少し質問をしてみることにした。

 

「そういえばですけど、シノンさんって一人暮らしですか?」

 

「ええ、そうだけど......それがどうしたの?」

 

「鍵はどうしてますか?」

 

「掛けてるけど......うちも初期型の電子鍵で......チェーンは掛けて......無いかもしれない!?」

 

やばい、シノンさんもターゲットだったのか......じゃないとあの黒い拳銃を向けないし、向けてるってことは準備できてるってことだもんな。

 

「シノン......ルッコから聞いたけど、死銃は君黒色の拳銃で撃とうとしてたんだよな」

 

「え、えぇ......」

 

「......落ち着いて聞いてくださいね。死銃は準備が出来てる、ということになります」

 

「な、なんの準備よ......?」

 

「端的に言うなら......君が死銃にあの黒い拳銃で撃たれる所をですね」

 

「あぁ。しかも、それで撃たれたら現実世界の君も死ぬ......可能性がある」

 

俺とキリトが告げた推測をシノンさんが目を見開いた。

 

「うそ......嘘でしょ!?そんなの絶対に......!?」

 

シノンさんは俺が見ても分かるくらい、大きく体を震えさせ、呼吸は大きく乱していた。

流石に今ログアウトするのはマズいと俺もキリトも思った。

 

「落ち着くんだ、シノン!!」

 

「シノンさん、落ち着いてください!!今ログアウトしたら何が起きるか分かりませんよ!!気持ちを落ち着かせてください......!!」

 

こんな言葉で落ち着けるかと思いながら、アミュスフィアの強制ログアウト機能発動寸前のシノンさんを落ち着かせる。

 

「はぁ......はぁ......はぁ......」

 

何とか落ち着いて、脱力したシノンさんを優しく抱きしめたた。

一応、強制ログアウトは免れたらしい。

 

「あいつが、死銃が持っている黒い拳銃に撃たれるまで......彼らは君には何も出来ない」

 

「でも、自動ログアウトをして、共犯者の顔を見たならシノンさんの命は保証できないですね」

 

「でも......だったら、私はどうしたらいいの!?」

 

今にも泣きそうな顔でこちらを見つめながら、そう聞かれた。

 

「方法なら......一つだけあります。死銃を殺すんです。そうしたら奴らのルールが崩れるから共犯者は踵を返す可能性が高いと思います。ただ......」

 

「ただ......?」

 

「シノンさんはターゲットの身。あの拳銃で打たれたら、死ぬ可能性がある。だから行ったらダメですね。そして、俺は顔とアバターがバレてる。なんなら、あの時殺し損ねてる。だからキリトには申し訳ないけど、死銃を倒してもらう」

 

「別に構わないけどさ、ルッコはどうするんだ?」

 

「もう一人いるだろ?倒さなきゃ行けない人が。俺はそっちに向かう。シノンさんはどっちと合流します?」

 

「わ、私?それならキリトの方に着いて行こうかしら」

 

「分かりました。キリト、絶対にシノンさんを守りきるんだぞ。何かあったらお前を血祭りにあげるからな!!」

 

「わ、分かってるよ。しっかり護衛しながら死銃を倒すから。だけど、終わったら奢りな」

 

「分かってるよ。それじゃ俺は外に行くな」

 

「ルッコくん!!」

 

「......どうしたんですか?」

 

「絶対に死なないでよね。貴方は私が倒すんだから!!」

 

「......善処はします」

 

そう言って洞窟から出た。そのタイミングでレーダーのサーチが行われた。キリトとシノンさんはすぐに見つかったし、俺の目的である人もいた。俺はその方向に向かって歩みを進めた。

 

あれから数分が経ち、俺は荒廃した街の中にいた。狙撃してくるかなと思ってたけど、何もせずゆっくりと歩いてきた。

 

「来たな、『パラリティックポイズン』......いや、『クラディール』」

 

「よく分かったな《神速の全攻撃(フルアタッカー)》」

 

「大体察しはついてたけど、お前が噛んでるとは思わないだろうな。目の前で牢獄に入れてなかったら可能性から除外してたからな......んで、お前はなんでこんなことをしているんだ?俺やキリトへの復讐か?」

 

「へっ、そんなのには興味は無いね。俺はある人から貰ったあの力でお前と戦う為だけに勝負をしに来ただけだね」

 

「あの力?」

 

全くもってピンと来てないが......ヤバイものは持ってると本能的に悟ったので、いつでも戦える体制を取る。

 

「お前も使ってたんだがな......まぁいい、身をもって知ることになるからな“Skull”」

 

「......マジかよ!?」

 

そう、クラディールが取りだしたのはスカルメモリと、ロストドライバーだった。

 

「変身......さて、殺戮ショーの始まりだ」

 

そのままスカルマグナムを取り出し俺を狙う。それを間一髪で躱した俺は反撃をしようとSMGを向けて撃った。しかし、全て躱された挙句、そのまま撃たれて4割ほど俺のHPが吹っ飛んだ。

 

「はぁ!?何その火力......こりゃ逃げるしかねぇぜ」

 

「おいおい、変身はしないのか?しないならしないで一方的にいたぶるだけだけどな!!」

 

そう言って、奴は銃口をこちらに向ける。今更だけど、GGOの世界の中にスカルマグナムはないので、予測線なんてものは映らない。このままだど一方的にやられるだけだ。

何とか形成を変えなければと思った俺は廃墟ビルの中に窓から飛び込み、そのままインベントリを開きながら階段を昇った。

 

「なんか打開策ねぇのかよ......なんで俺の持ち物の中にこれがあるんだ?」

 

そうブツブツ言いながら階段を昇っていると、屋上に辿り着いた。

 

「これ以上登れないな......あいつが来ないことを祈r「鬼ごっこは終わりだぜ《神速の全攻撃》さんよ」祈るもクソもないのね」

 

「お前さんを殺して黒の剣士も俺が倒すんだよ“Skull maximumdrive”」

 

「くっそ、一か八かだ!!」

 

スカルマグナムにスカルメモリを装填して放つ《スカルパニッシャー》を俺に向けて放ってきた。俺はとあるものを取りだした。急いでベルトを腰に巻き、メモリと1本装填した。

 

「ふん、死んだな。さて、黒の剣士の所へ行くとするk「誰が死んだって?」な、なぜ生きている!?」

 

爆風の奥に、俺が変身した《仮面ライダーW ルナトリガー》が立っていた。

 

「ふぅ......相棒に助けられたな。後で感謝を言っておこうか」

 

「......それなら今言ってよ」

 

「ありがと、そしてゴメンなツグ」

 

俺はトリガーマグナムを構え、こう伝える。

 

「さて、クラディール。ここからが本番だぜ......覚悟しろよ」




ここまで読んでいただきありがとうございますm(*_ _)m

悩んでいる内に、5月になっていました。アリブレは2.5周年らしく限定が3人追加と......魔王キリトで石をぶっ飛ばしたのだが?
まぁとやかく言ってる暇は無いので、欲しかったら出すしかないよな。ちなみに限定リズは出しました(STEP5までかかりましたけどね)次は限定シリカだ!!(現在STEP3まで引いてます)

それ以上にホーム限定キャラのユウキが可愛すぎてご購入してしまった......これからは無課金ではなく微課金として生きていくことにします。

次回は未定ですが、お待ちいただけると幸いです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

45話:確実な事と大事な事

ルコルンです。
遅くなりました......
どうしたものかと考えていたらここまで時間が過ぎていた......反省も後悔もしてます。
それでは、本編をどぞ(っ´∀`)っ


「「............」」

 

俺が変身してから、両者ともに相手の動きを見ている。

 

正直、変身しても少々不利な気がしている。ここで負けたら、キリトが1対2で戦うことになると本能的に悟っている。

さらに言うと、死銃は戦闘力もさることながら、武器が強すぎる。俺らが使ってる《フォトン・ソード》より威力も耐久性も高い剣を使っている。そんな中、こいつもキリトの方へ行くならこちら側の負けしか見えない。だからこそ......

 

「ここでお前の過ちを止める!!」

 

俺はトリガーマグナムの引き金を引く。それと同時に俺は走り出した。

 

クラディールは全ての弾丸をワンステップで躱し、こちらに銃口を向ける。まぁ予想はしてたから構わず進む。2人が同時に弾丸を放った時、俺はある違和感に気づいた。

 

(ん?あいつの武器から予測線がでてない?)

 

弾丸同士がぶつかりあったので、少し起動がズレた。俺は被弾したが、奴はこれが狙いだったらしく、それすら避けきっていた。うん、一撃で3割減るとか聞いてないんだよなぁ。

 

「キッつ。ただ、手が無いわけじゃない」

 

俺はトリガーマグナムにトリガーメモリを装填し、地面に向かって引き金を引いた。すると、黄色く光った弾丸が地面に吸い込まれていく。まぁ数弾はクラディールの方向へ向かったけど。

 

「......何をしたいか分からないが、必殺技をそのように使ったのは好都合」

 

「そうですか。次の手の準備しましょうかね」

 

俺は左手にサブマシンガンを持ち、地面に置いた《フォトン・ソード》の斬撃できる部分に電磁スタン弾を1発撃った。

それを好機と見たクラディールそのまま走ってきた。

 

「死ねやぁ!!」

 

「そこっ!!」

 

「がはっ!!」

 

俺が右手に持っていたトリガーマグナムの引き金を2回引くと、クラディールの真下から先程打った弾丸が出てきた。

俺はそれを見向きもせず、2発目、3発目と次々撃ち込んだ。10発程度撃ち込んだ後、前方を改めて見る。奴の変身は解け、生身になっていた。多分だが、時間制限の方に引っかかったな。ということは、俺もあと10分位しか持たないというわけだ。

 

「お前、あの弾丸は何だ?」

 

「あ、気づいてないなら教えてやるよ。あの弾丸は、俺が何回(トリガーマグナムの)引き金を引いたかによって出てくる場所が変わるってだけだ。ざっとあと3箇所残ってるだろうな。頑張って避けろよ」

 

「クソが!!」

 

そう言って後ろに退く。その位置は......

 

「......お前さん、詰んでるよ」カチャ

 

そう言って、トリガーマグナムの引き金を1回引く。すると、クラディールのいる位置を中心に6本の黄色い弾丸が鎖みたいに、奴の足と腕を拘束した。

 

「くっ、なぜ解けない!?」

 

「簡単な話ですよ。これは先程地面に向かって撃った必殺技の一部だからね。生身なら解けないと思うよ。まぁ仮に解けたとしても、こうするから絶対に逃がさないけどね!!」ブォン(っ'-')╮=͟͟͞͞

 

俺はそう言って、先程まで準備していた光剣を投げた。やつに刺さる一歩手前で拘束が解けかかったが、紙一重で先に光剣が刺さる。奴は痺れたようで、拘束された状態のまま力が抜けた様にぐったりしている。

 

俺はすぐさま変身を解き、左手に持っていたSMGを右手に持ち替えて、持ち前のスピードを使って拘束された奴の周りを回る。

 

一周したくらいで、急ブレーキをかけた。

 

「これで......終わったと、思うなよ!!いつか、あの方が......お前を!!」

 

このことを言い放った後、拘束が解けたようで、倒れた音と、何かしらのシステムコマンドが出た音が後ろから聞こえた。

 

「もう終わりだ!!SAOからずっと続いているこのゲームで、お前たちに勝ち目はない!!」

 

クラディールにそう言い放ち、キリトたちの勝利を案じながら、猛スピードでシノンさんの場所に向かった。

 

〜sideキリト〜

俺は、ルッコと別れてシノンをスナイプ地点に待機させ、1人で死銃と戦っている。

 

「お前は......俺の名前を知らない」

 

「......!?」

 

「お前は、俺が名乗ろうとした時に......拒否したんだ」

 

「......!?」

 

「ここで俺に倒され、無様に転がって、あの女が無様に殺されることを、ただ黙って見ることしかできない!!」

 

そうだ......俺はあいつの名を聞かなかった。何故なら、もう二度と出会いたくないと思ったからだ!!

だけど、二度と出会わないなんて出来るはず無かったんだ!!

 

死銃の攻撃を受け流しながら反撃のチャンスを......それ以上に死銃の元の名を探していた。

 

(赤い目......確か討伐戦のミーティングの時に............いた!!こいつの名は......)

 

「ザザ」ボソッ

 

「......!?」

 

「......赤目のザザ。それがお前の名だ!!」

 

死銃は攻撃をやめた。その時、死銃にシノンの弾道予測線が襲う。

 

「はっ......!?」

 

(この予測線は、いくつもの死線を超えてきたシノンの閃き......このチャンスを逃すと、攻撃できない!!)

 

「ウオォォォォォォ!!」

 

死銃は光学迷彩で姿を消そうとした。

 

「くっ......!!」

 

咄嗟に左手をのばし、奴を掴もうとするが届きそうにない......俺は、腰にあるハンドガンを握って奴に向ける。

 

「ウオォォォォォォ!!」

 

そのまま弾丸を打ち込む。すると、光学迷彩の効果が切れ姿を現した死銃が負けじと素早い連撃を放った。

 

「ウッ............グオォォォォォォ!!」

 

そのまま勢いを止めずに死銃の体に光剣を横から差し込む。

 

「グガッ!!」

 

「ウオォォォォォォ......アァァァァァァァァァァァ!!」

 

俺は死銃を真っ二つにした。

 

「ハァハァハァハァ......」

 

「まだ......終わら、ない。終わら、せない......あの方が、お前を......」

 

そういった後、奴の上にDeadのマークが出た。

 

「いや、終わりだザザ。《笑う棺桶》の殺人は、俺で終わったんだ」

 

俺はシノンと合流し、ルッコの方へ向かった。

 

〜sideルッコ〜

猛スピードで進んでると、前からボロボロになったキリトが歩いてきた。

その隣を、シノンさんが歩いてきてるのに気が付いた。

俺はスピードを落としながら近づき、無言のまま拳をぶつけ合った。

 

「終わったな......」

 

「そうだな......」

 

「えぇ......」

 

「そろそろ、大会の方も終わらせないとな......」

 

「死銃を倒したことによって、共犯者は姿を消してると思いますけど......直ぐに警察を呼んだ方がいい」

 

「でも、110番に連絡してなんて伝えればいいの?」

 

「確かに、どう伝えても不審がられるか......これは菊岡さんに頼むか」

 

「そうだな、一応依頼主は公務員だから......あの人に動いてもらうとして......だが、ここできみの住所を聞く訳には......」

 

「......いいわ、教える」

 

「「......えっ?」」

 

信用してくれてるんだな。なんか有難いや。

 

「名前は朝田詩乃。住所は......」

 

シノンさんは、小声で個人情報を教えてくれた。その住所って......

 

「えっ、その住所って......!?」

 

「俺たちがダイブしている病院の近くだ」

 

「えっ、そうなの?」

 

まさかの新事実に驚きを隠せなかった。

 

「それじゃあ、俺たちが迎えに行きましょうか?」

 

「えっ、来てくれる......いや、大丈夫よ。近くに信用してる友達が住んでるから」

 

「そっか......それなら俺たちは、ログアウトしてから依頼主にことの末端を伝えるよ」

 

「警察にもすぐに動いてもらうように連絡するから、安心してください」

 

「えぇ、分かったわ」

 

キリトと俺の言葉に、シノンさんは安心したように頷いた。

 

「それはそうと、私だけ個人情報開示させておいて終わりなの?」

 

「それは......」

 

「そうだった......俺の名前は桐ヶ谷和人」

 

「俺の名前は成宮流己です」

 

「桐ヶ谷和人......でキリトね。ちょっと安直すぎない?」

 

「シノンさんが言える立場じゃないと思います」

 

「なっ!?......そう言うルッコくんだって!!」

 

〜ワイワイガヤガヤドンパチドンパチ〜

 

「......俺空気だな」

 

「とりあえず、一旦置いとくとして、......どうやって決着つけますか?」

 

「そうだな......三人で一対一対一の決闘でもするか?」

 

「それもいいけど、今からバトロワするのもな......」

 

死銃を倒してからのことを考えてなかった......どうやって決着をつけようかと考えていると。

 

「はぁ......貴方たち、全身ボロボロでしょ?そんな人たちに勝っても全然自慢にならないわ」

 

「「ア、アハハハハ......」」

 

シノンさんの指摘に顔を引き攣る俺たち。

キリトはザザから受けた剣裁が全身にあるし、俺もキリト程ではないけど、所々に弾丸が当たった跡が残っている。

 

「じゃあ次のBoBまで決着は預けといてあげる」

 

「アハハハ......はぁ」

 

「どんまい」

 

「もちろん、ルッコくんもよ?」

 

「......了解しました」

 

俺もターゲットだったのね......キリトと一緒に肩を落とした。

 

「さて、そろそろ終わらせなくちゃね」

 

「どうやって終わらせるんだ?」

 

「おみやげグレネード」

 

「おみやげグレネード......?」

 

「やっぱりそれですか」

 

「なにか文句でもある?」

 

「滅相もございません......」

 

「あの〜結局それって?」

 

「簡単に言うとな、優勝するはずの人が負けた人の置いてたグレネードにまんまと引っかかった。だからおみやげグレネード」

 

「それに引っかかった人が......」

 

シノンさんの目線がこちらに向く。

 

「まさか、お前だったのか......?」

 

「Exactly!!」

 

苦笑いをしながら俺は伝えた。そうこうしているうちに、シノンさんはキリトの手にグレネードを置き、躊躇いもなしに起爆スイッチを押す。

 

「えっ......あっ、ああぁっ!?あっと……えっと!?その......!?」

 

「キリト!?早く捨て......!!」

 

「ふふっ......わーい!!」

 

キリトがグレネードをお手玉をする様に処理を困っていた。捨てるように言おうとしたのだが、イタズラな笑みを浮かべたシノンさんがキリトと俺に抱きしめてきたのだ。そのまま爆発し......

 

「......ヒィッ」

 

「......オワタ」

 

「ふふん!!」

 

爆風に巻き込まれ、俺たちは吹き飛んだ......その後、俺の目の前映ったのは。

 

『第3回バレット・オブ・バレッツ WINNER Sinon Kirito Rukko』という文字だった。




今回はここまでです。

書きたいことを書いてたら、いつもより多い文字数に......ただ満足です!!

アリブレ......4月に続きキリトがあばばばば(「゚д゚)「まぁ今回は恒常キャラなのでいいんだけど......
限定ユウキをステップ7まで引いた人に確定まで引ける石があるとお思いで!?(ちなみにステップ2までしか引けないです)

2周年ユージオと使い勝手は違うと思いますが、貴重なフィールド3枚付与キャラ......キリトだし、当てなければ!!金を入れる覚悟だけはしておきます。

それではまた次回!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

46話:未来に進むための小さな一歩

こんにちは、こんばんは!!ルコルンです。

今回で《ファントムバレット編》終了です。文字数多いですが、説明多めなのでお許しください。

それでは本編をどぞ(っ´∀`)っ


おみやげグレネードで、俺とキリトとシノンさんが同時優勝した事によって第3回BoBは終わった。

 

結果画面を見ながら、誰がどうなったかを確かめていた。

 

(回線切断が、ペイルライダーの他にもう1人いたのか......ということは、少なくとももう1人は居たのか)

 

 

制限時間がゼロになり、思考を辞め、意識が遠ざかるのがわかった。

ログアウトしてからは、真っ先にシノンさんの......詩乃さんの安全を確保しないとな。

 

「......ううん」

 

「流己くん!!」

 

「......もう大丈夫だよ、つぐ」

 

現実世界に戻ってきて、起き上がったとたん、つぐに抱き着かれた。

 

「どうして、ここに?」

 

「明日奈さんから聞いて......」

 

「私は......菊岡さんからこのことを聞いて、つぐちゃんに教えたの」

 

「なるほどな」

 

あいつは後で絞めなければ......

 

「ごめん、心配かけたよな」

 

「本当に......心配したんだよ!!」

 

「ありがとな」

 

またどこかで埋め合わせしないとなと心に決めた。

 

「それはそうと、流己。あの子の......シノンの元には行かなくていいのか?」

 

「......そ、そうだ!!......行かないと」

 

「る、流己くん!?」

 

「悪い、つぐ。俺、今すぐ行かないと......和人、連絡は頼んだ!!」

 

「わ、分かった。気をつけろよな!!」

 

俺は電極を強引に外し、和人に連絡を頼み、病室を後にしようとした。

 

「ち、ちょっと。成宮くん!?」

 

「安岐さん、菊岡に聞いてもらわないといけないことがあるんで......」

 

和人がしっかり連絡してくれると信じて、詩乃さんから聞いた住所に向かう。

 

 

 

 

10分ほど走り、言われた部屋まで着くと、何やら中で言い合っている......いや、狂気じみた声が聞こえた。

 

朝田さん、朝田さん、朝田さん、朝田さん!!

 

(こりゃまずいな......さっさと突破するしかない!!)

 

ドン「オラッ!!」

 

「ゴハッ!!」

 

俺は、そのまま詩乃さんと取っ組みあっているが、詩乃さんに......

 

「逃げてください!!」

 

とだけ伝えて意識を前に戻す。

 

「よくも、よくも僕の朝田さんを!!」ドガバキボコ

 

そう言いながら俺の上に跨り顔を殴る侵入者。(よくよく考えたら俺も侵入者なんだが)

 

「グハッ!!」

 

俺は咄嗟に、片腕で顔を守るように覆った。

 

「フッ」

 

やつは不敵な笑みを浮かべてポケットを漁る。出てきたのは手の平サイズの見るからにヤバいやつだった。あれが注射器とみて間違いないだろう。

 

「オラッ!!」

 

「コンニャロ!!」

 

俺はやつの腹を思いっきり殴り、右手に持っていた注射器を地面に転がした。その時、やつの反対の手に握られていた注射器が俺の胸部に置かれ、中に入ってる毒薬を撃ち込まれた。

 

俺は、そのまま意識を手放した......

 

 

 

〜side詩乃〜

「ルッコくん!!」

 

ルッコくんが倒れ、新川くんは不気味な声で笑っていた。

何かないかと周りを見渡した時、ふと大きめのラジオが目に入った。

 

「HAHAwこれで誰も邪魔でk......“ゴン”うっ」

 

ラジオの角で新川くんを叩いて気絶させ、流己くんの脈を測った。

 

「ウソ......止まってる?」

 

「シノン、流己、大丈夫か!?」

 

「キリト、聞いて!!ルッコくんが......ルッコくんが!!」

 

今来たキリトに状況を説明する。

キリトは冷静だったため、私の話を聞きながら救急車を呼んでいた。

 

「警察はすぐにくる。俺は、救急車が来るまで心肺蘇生をしているから警察の人が来たら事情を説明しといてくれ」

 

「え、ええ。分かったわ」

 

キリトが言った通り、警察も救急車もすぐに来て、ルッコくんは病院に、私とキリトは事情聴取に応じることになった。

幸いなことに、ルッコくんは無事だったようだ。

ほんとに、心配かけさせるんだから......

 

1週間後、私とキリトは菊岡さんというキリトとルッコくんがしていた仕事の依頼人に呼び出されて、今回の事件の話を聞いた。

 

端的にまとめると......

1:今回の死銃事件で関わっていたのは『スティーブン』こと新川昌一。『パラリティックポイズン』こと火宮龍。そして現実世界で私を襲った新川くんこと新川恭二。それと、もう1人現実世界で、私以外の2人を殺した金本敦。

2:事の発端は新川昌一が病弱で病院の跡継ぎに恭二が選ばれたこと。この事件のきっかけとしては、GGOを始めた昌一がリアルマネートレードで光学迷彩を手に入れたから。

3:新川兄弟は医療少年院に収容される可能性が高いこと。

4:金本敦だけは今も逃亡中だということ。

 

だった。

 

「朝田さん、大丈夫ですか?」

 

「え、えぇ」

 

「さて、そろそろ次の仕事があるので、行かなくては......」

 

「悪かったな、手間取らせて」

 

「あ、ありがとうございました」

 

「いやいや、君たちをこんな危険なことに巻き込んでしまったのはこちらの落ち度です。これくらいのことはしないと」

 

「まぁそれはそうだが、1番の苦労人かつ功績者がいない中その言葉を言うのかよ」

 

「それもそうだね。それと、桐ヶ谷くん宛に『赤目のザザ』こと新川昌一から伝言を預かっている。もちろん、聞かなくても構わないが......どうする」

 

「聞かせてもらおう」

 

そうキリトが言うと、菊岡さんは封筒を開け、メッセージを読む

 

『これが終わりじゃない、終わらせる力はお前には無い。直ぐにお前も気付かされる。It's show time !!』

 

それが死銃......いや、赤目のザザからの伝言だった。

 

「それと、桐ヶ谷君。この封筒を成宮君に渡しといてくれないかな?」

 

「へいへい、分かりましたよ」

 

「頼んだよ」

 

そのままその場を私たちは去り、キリトに連れられて《ダイシー・カフェ》という場所に着いた。

 

〜side流己〜

俺は、今日の午前中に病院を退院し、本来ならば和人と詩乃さんと一緒に菊岡さんと話す……はずだったのだが、和人に用事を頼まれた。というわけで、現在明日奈さんと里香さんともう1組の方を呼んで和人たちが来るのを待っていた。え?俺のお仲間はって?用事あるから行けないって言われた。

 

「ねぇ、流己くん。キリトくんはしっかり来るんだよね?」

 

「まぁ連絡はしましたから、来ると思いますけど......」

 

「来なかったら、アップルパイの請求は流己行きだからね!!」

 

「そこは和人に請求しましょうよ!!」

 

「まぁまぁ2人とも。キリトくん達、そろそろ来るってさ」

 

「了解で“カランカラン”遅いぞ、和人!!」

 

「ごめんごめん。道混んでて......」

 

「ねぇ、キリトくん。早く紹介してよ!!」

 

「あぁ、そうだった......こちら、ガンゲイルオンライン。通称GGOの三代目チャンピオン、シノンこと朝田詩乃さん」

 

「「............じーーーーーー」」

 

「あっ、えぇー......ゴ、ゴホン!?」

 

「はぁ〜......詩乃さん。彼女たちはSAO時代からの仲間です。

右に居るのは、鍛冶のスペシャリスト『リズベット』こと篠崎里香さん」

 

「よろしく!!」

「そして、左に居るのは、閃光の細剣使いかつ和人の彼女である『アスナ』こと結城明日奈さん」

 

「よろしくね、シノンさん!!」

 

ちょっと端折ります......詳しく見たい方はアニメを見よう!!

 

「詩乃さん、今回この店にあなたを呼んだことは理由があるの」

 

「理由......って?」

 

詩乃さんは驚いた顔でこちらを見る。

 

「シノンさん......まず、俺は君に謝らないといけない」

 

キリトはは頭を下げ、続けざまにこう言った。

 

「俺、詩乃さんの過去をキリトやアスナさん......リズさんに話した」

 

「............えっ?」

 

「これに関しては俺だけの力じゃどうにも出来ないと思ったからです。」

 

「シノンさん......実は私たち、以前あなたが住んでいた街に行ってきたんです」

 

「......なん、で?そんな、こと......!?」

 

ショックのあまり、この場から出ていこうとする詩乃さんの袖をキリトが掴んた。

 

「待て、シノン。君は......まだ会うべき人に会ってない!!」

 

「......えっ?」

 

「俺がそうしようと思ったのは、詩乃さんの話を聞いて、聞くべき言葉を聞いていないと思ったからです」

 

「........................」

 

俺と和人の言葉に詩乃さんはこの場に留まってくれた。そこから続けてこう言った。

 

「今からのことは、君を傷つけてしまうかも知れない......それでも、俺はそのままにしておくことは出来なかった」

 

「会うべき、人......聞くべき、言葉......?」

 

俺はアイコンタクトを送り、里香さんが奥の扉に向かった。

 

「どうぞ」

 

そこには親子がたっていた。俺たちは席を空け、親子に譲った。突然のことに驚きっぱなしの詩乃さんも、取り敢えず席に座り直した。その後、母親と娘さんが一礼した。

 

「あ、あの......あなたは?」

 

「初めまして。あなたが、朝田詩乃さんですね?私は大澤幸恵と申します。この子は瑞穂。今年で4歳になります」

 

「は、はぁ......」

 

「......この子が産まれるまで、郵便局で働いていました」

 

「あっ......あぁ!!」

 

この言葉で思い出したのだろう。母親の方......大澤さんは、詩乃さんが遭遇した事件の時に現場にいた女性だ。俺たちは彼女に話を聞きに行った時、詩乃さんのことを話し、本日はこのお店に来てもらったのだ。

 

「ごめんなさい。私、もっと早く貴方にお会いしなければならなかったのに......謝罪も、お礼さえも言わずに......」

 

大澤さんは言葉の途中で涙を流し始めた。それを娘さんが不思議そうに見上げていた。

 

「あの事件の時、私、この子がお腹の中にいたんです。だから、詩乃さん......貴方は私だけではなく、この子の命も救ってくれたの。本当に......本当にありがとう」

 

「............命を......救った?」

 

頭を下げる大澤さん達。困惑する詩乃さんに俺は声をかけた。

 

「シノンさん......」

 

「えっ......?」

 

「あなたは自分のことをずっと罰し続けていました。それを悪いこととは言いませんが、同時に救った人を言葉を聞く権利があります。それを俺はあなたに伝えたくて呼んだんです」

 

正直に言うと少し泣きそうだった。似た状況の奴(キリト)が近くにいる。しかも、この言葉は俺に向けてでもある。

 

「おねえさん」

 

「あっ......」

 

瑞恵ちゃんが詩乃さんに近ずき、カバンの中から1枚の紙を取りだした。そこに描かれていたのは、瑞恵ちゃん自身で描いた絵だった。それを、詩乃さんに渡す。

 

「しのおねえさん。ママとみずえを、たすけてくれて、ありがとう!!」

 

「............あっ、あぁ............!!」

 

詩乃さんはその言葉と絵を見て、涙を流していた。

 

「これで良かったのか?」

 

「あぁ、これでいいんだ」

 

和人にそう聞かれ、この言葉で返答した。

 

「それでな、菊岡から頂いた手紙がある」

 

「へぇ、あの人から......差出人は?」

 

「......ザザ。どうする、読むか?」

 

「......嫌な予感はするが、一応読むよ」

 

和人から手紙を受け取り、黙読する。

 

『これで終わりじゃない。終わらせる力を持ち合わせているが、使い方によっては終わらせることが出来ない。使い方を、間違えるなよ』

 

とだけ書かれていた。

 

そんな事......言われなくてもわかってるよ

 

「......なんか言ったか?」

 

「いや、何も」

 

俺は詩乃さんを見ながら、そう伝えた。

 

それから数時間が経ち、家に帰ると、つぐから「俺宛にお客さんが来てる」と言われたので、店の方に入ると、そこにはフィリップさんがいた。

 

「やぁ。現実世界で会うのは初めてかな、ルッコ君」

 

「そうですね、はじめましてフィリップさん。それで、何か俺に御用ですか?」

 

「あぁ、単刀直入に言おう......君は平行世界に僕と一緒に行ってもらうことになった」

 

「......は?平行世界って、属に言うパラレルワールドってやつですよね?なんで俺が......翔太郎さんと行くべきでは?」

 

「初めはそうしようと思って話そうとしたんだが、平行世界を信じてもらえなかったから諦めた」

 

「随分あっさりと切りましたね。それで、俺に白羽の矢がたったと。それで、行く理由は?」

 

「それは、こいつがそこに出たからだ」

 

そう言って写真を見せる。これは......

 

「......ユートピア・ドーパントですか」

 

「それと、これを君に」

 

写真の横に置かれたのは......

 

「エクストリームメモリ......」

 

「これはユートピア・ドーパントを倒すための最終兵器として使う」

 

「ただ、俺がこれを使って変身できるか......ですね」

 

「あぁ。でも、これは大丈夫だと思う。なぜなら、君は彼と......翔太郎と同じ眼を......今の君の眼は決意の色に染まっているからね」

 

「まぁ、ここで断るという選択肢がないですけどね。フィリップさんが頼ってくれたんです。それを無下にはできませんよ」

 

「ふふ、君ならそう言うと思っていたよ。詳しいことは後日に話そう」

 

そう言って、お金を払って去っていった

 

(ユートピア・ドーパントか。なにか嫌な予感がする。気のせいだといいけど......)

 

そう思いながら自室に戻った。




今回はここまでです。

次回からは......本編最終章である《マザーズロザリオ編》を......という訳ではなく、少し脇道にそれようと思います。頑張って書いていくので、応援よろしくお願いします!!

それではまた次回をお楽しみに!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

《マザーズロザリオ編》
44話:時明けとデュエル


ホンッッッットにお久しぶりです!!ルコルンです。

約1年更新が滞ってしまって申し訳ございません
スライディング =͟͟͞ _|\○_土下座

サボりって訳ではなくですね……資格習得のための授業が重なりまくって泣きそうなところに、片腕を折り休養したあとまた忙しくなる……どうしてこうなった( ・∇・)

この作品を書き続けようか迷っていたのですが、元々目標にしてたマザーズロザリオ編までかけてないじゃん……ってことに気づき、気持ちを新たに書いていこうと思います!!

ブランクあるので、書き方グダグダになってます。ですので苦手な人は今すぐ後ろ向いてね!!

そんなの関係ねぇって言ってくれるイケメンな方がいましたら……

「覚悟は出来ているか……?」
「……はい」
〜ザシュッ〜
「……うちのバカ主がすみません。改めまして本編をどうぞ」


時は2026年1月4日 ALO第22層のログハウス内にて

 

「あけおめ〜キリト、アスナ、ユイちゃん」

「あけおめ、ルッコ!!」

「あけましておめでとう、ルッコ君」

「あけましておめでとうございます、ルッコさん。約10日ぶりになりますね」

 

そう、前回ALOにログインしたのが先月の25日。ほんとに10日ぶりである。年末年始にかけて伊勢志摩まで行って泊まり込みで特別授業するとは思ってなかったんだ……もちろんゲーム機なんて持ち込み不可だったので、デイリーどころかログインすらまともに出来ない日々を送っていたのだ。行ったのは俺だけで、何故か逃げ場はなかった……と゛う゛し゛て゛な゛ん゛だ゛よ゛お゛お゛ぉ゛お゛!゛!゛!゛

 

「それで、キリトさんよ。お前年末ぐらいに取りに行った()()()()()()()()は使えてるのか?」

 

そう、あろう事か年末に俺抜きで『エクスキャリバー獲得クエスト』に赴き、獲得して帰ってきたではありませんか。満面の笑みで持ち上げてる写真が送られてきた時は血の涙を流したのは言うまでもないだろう。

 

「あぁ〜あれなんだけどな…………」

「うん、どうした?歯切れが悪いぞ?」

 

〜カクカクシカジカグタグダトントン〜

 

「はぁ!?キリトが扱えないだと!?お前何のためにみんなが死力を決して取りに行くの手伝いに行ったと思ってるんだ!!」

 

俺はキリトの肩をブンブン振って聞いた。

 

「ま、待て!!は、話せば分かるゥァァァァァァ!!」

「問答無用!!アスナさん、ユイちゃん、キリト借りますよ!!」

「はーい!!」 「行ってらっしゃいです!!」

「えちょ!?なんで止めてくれないの!?」

「だってキリトくん現実(リアル)では全く運動してないでしょ。ユイちゃんも心配してるんだよ?」

「それなら、これからはしっかり運動するからこいつ(ルッコ)を止めてくれ〜」

 

そんなことを言ってるからキリトの首ねっこ掴んで外に引きずり出した。そこから1時間ほど青年男子の叫び声がこだましたとかなんとか……。

 

〜1時間後〜

 

「ぜぇ………はぁ」

「よし、スッキリした〜」

「スッキリしたじゃねぇよ!!」

「こうでもしないと運動しないだろ?」

「ぐぅの音も出ません……それはそうと、最近面白い話を聞いたぞ?」

「ほう、面白い話とは?」

「最近“絶剣”というプレーヤーの話なんだがな……」

 

帰りながらそんな話をしていた。簡単に要約すると……

 

・去年の年末から毎日午後3時に新生アインクラッドの24層の北部にある小島に現れ、立ち会いを希望している。

・ルールは1VS1

・地上戦と空中戦のどちらかを挑戦者が選べる。

・勝つと片手剣11連のOSS(オリジナルソードスキル)が貰える。

・誰も彼女のHPを半分も削った人はいない。

 

普通にエグくね?だってアスナが《スターリィー・ティアー》(片手細剣5連撃)ユージーン将軍が《ヴォルカニック・ブレイザー》(両手剣8連撃)だろ?それを超える11連撃って……。俺の《疾風迅雷 百式》で20連撃だけど、作るの必死こいてやったんだぜ。速度バフモリモリに付与してさ。何ならキリトの《ジ・イクリプス》なんて俺以上に時間とバフかけてたぞ。

 

「んで、その人に勝てた人はいるのか?」

「こんなこと言うんだからわかるだろ?誰も勝ててない」

「だろうな。ちなみに何人挑んだんだ?」

「30人強」

「はっ!?…………まじかよ。誰が挑んだ……?」

「リーファにリズにシリカ……あとはクラインも挑んでたな。クライン以外は3割は削ったのを確認してる」

「クラインはさておき……そのメンツが挑んで、誰も勝ててないとか……さては結構強い?」

「結構強いんじゃないのか?アスナはまだだけど……俺は今日挑む予定でいてる。お前も見に来るか?」

「ぜひ行かせていただきます」

 

そのまま、少し2人で他愛のない雑談をしながら帰った。

そのままアスナさんとユイちゃんを連れ、24層にある小島に向かった。島の外周には、かなりの見物客がおり、人多いなと思いながら見ていたら、見覚えのある方々もいた。

 

「あけましておめでとう、シノン、クライン」

「あけおめだぜルッコ!!」

「あけましておめでとう、ルッコ。それで、リアルは落ち着いた?」

「まぁ、入れてるから多少は落ち着いたんじゃないのかなと思ってる……もうちょっと残党(勉強)あるけど、学生の本分だし仕方ないかなぁと」

「了解。今日はあんたも“絶剣”に挑みに来た感じ?」

「まぁ挑めるなら挑むけど、キリトが勝ったら挑めないしな〜」

「全てはこのバトル次第……てか?」

「そうですね…っとそろそろ始まるらしいですよ」

 

ふとバトル会場に目を向けると、残り3カウントでデュエルがスタートする前だった。

静かに3カウントを待ち、バトルが始まる。すると、一瞬にしてキリトのHPバーが少し短くなった。

見た感じホリゾンダルをキリトが受け止めきれずに受けたようだ。

「はっ……速い」

「何度も観客席から見てるけど、相変わらず速いわね……」

 

『相変わらず』

シノンさんがこういったってことは、基本的にハイペースな試合展開が多いと予想しながら見ていると、次の展開に入ったらしい。2人のソードスキルの応酬が凄まじく、言葉に表せない程であった。すると、デュエルのWINNER表示が現われ、表示を見ると目を疑ってしまった。

 

「えっ!?」

「おいおい、マジかよ!?」

WINNER表示に書かれていた名前はキリトでは無かった。

絶剣の残りHPゲージを見ると半分を少し切ったくらい。誰よりも善戦

正直キリトが負けるなんて想像してなかったから、嘘だろと言う反面、気を引き締めないと二の舞になるなと想像しながら“絶剣”を見据えた。

 

「えっと……それじゃあ、次挑戦したい人〜」

 

そう言われると周りが少しざわつき始めた。無理もない、知る人は知るあの“黒の剣士”の2つ名を持つALO最強格のプレイヤーであるキリトですら彼女に負けたのだから。

そんな彼女に挑む人はほとんど居なかった。ので、手は中々上がらなかった。

かくいう俺も、キリトが勝てなかった相手に勝てるのかという不安の方が強かったが、意を決して手を挙げた。

 

「……誰もいないなら俺が行こうかな」

「じゃあお兄さんで!!こっち来て〜」

 

俺が手を挙げ参加する旨を伝えると、また観客席がざわつき始める。理由は伏せるが……正直心地いいとは思わない。

その状態のまま前に進み、キリトに声をかけられる。

 

「ルッコ……」

「どした?」

「奴は……彼女はVR世界の申し子だ。油断するなよ」

「…………!……了解!!」

 

そのまま前に進み、“絶剣”と視線を合わせる。

 

「さてと、お兄さん。ルールは大丈夫かな?」

「あぁ」

「翅はどうする?」

「ありでもなしでもいいが……なしで行こう」

「それと……お兄さん刀2本使う?」

「まぁ使わないでいいなら使いたくないけど……」

「僕はどっちでもいいや。これしか使わないけど……ね」

 

そう言って、右手に持っている黒い剣を少し上に掲げる。

挑発か無意識か……どちらとも取れる言い方をされてしまったら乗るしかないよなぁ。

 

「わかった。それじゃあ始めから2本使わせてもらおう」

「おっけい!!それじゃ……はじめよっか」

 

その言葉と同時に目の前にデュエルの申請画面が表示された。

名前は〈Yuuki〉……ユウキね、だいたい分かった。

そのままYESのボタンを押す。

すると空中に30と書かれたカウントダウンが始まった。

深呼吸して絶剣を……ユウキを自分の眼に据える。するとユウキの肩が一瞬震え、目に焦りが見えたが、すぐに我に戻った。勝負慣れしてるのかこの子。

 

そんなことを思っているとカウントが減少していた。カウントが0になる前に最終確認をする。

刀よし、スキルよし、身体よし、メンタルよし……絶対に負けない!!

 

・・・・3、2、1、0・・・・

 

「「……!!」」

 

本気の勝負がスタートした!!




今回はここまで

えっ、ルッコVSユウキのデュエルはって?
リハビリって言ってる奴に満足いくクオリティのものは書けなかったよ( ̄▽ ̄;)

絶対にこの章は完結させますので……(生)温かい目で見てやってくださいm(*_ _)m
書ける時に書いて投稿したい……少しづつ忙しくなってるけどヾ(・ω・`;)ノ

感想や意見、誤字脱字報告など待ってますので、じゃんじゃんコメントをください!!

ではまた〜( ´ ▽ ` )/


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

《番外編》
モカの誕生日(2021年版)


こんにちは。ルコルンです。
今回はあの子の誕生日回なので、番外編です。
まだ本編に出ていないシリカやリズベットも出ちゃうので、そういうのを見たくない方は、今すぐブラウザバック推奨です。
それでもいい方は、楽しんでご覧ください。


~とある方の誕生日の1週間前くらいのある日~

 

sideルッコ

 

「そういえば、彼女たちの誕生日聞いてなかったな。」

 

と思った俺だったが、誰に聞こうかをすごく迷っていた。

 

誰に聞いても一緒だろって思うのだが、サプライズ感を出したいのだ。

 

と考えていると、ふと思いついたのである。

 

「こうしたら……(・_・フムフム。てことは、全員にほかの人の誕生日を1人ずつ聞けばいいんだな。」

 

そう思い立った俺は即行動し、ランにモカの誕生日を、モカにヒマリの誕生日を、ヒマリにトモエの誕生日を、トモエにツグミの誕生日を、ツグミにランの誕生日を聞いた。その時、全員から俺の誕生日を聞かれたことは言うまでもないだろう。

 

そうやって知った5人の誕生日のうち、誕生日が一番近い人はモカということが分かった。

 

ということで、モカ以外の4人からモカの好きなものを聞くことにした。

 

結果としては、満場一致でパンだそうだ。(ツグミに限っては、山吹ベーカリーのパンて言ってたけど……)

それ以外なら、マンガとか、みんなでいる時間だそうだ。

下2つが無理そうだから、俺はパンと誕生日ケーキを作ることにして、プレゼントを探すことにした。

 

sideツグミ

 

私、焦ってます。なぜかというと……

 

「遅い時間にすまん。モカの誕プレ探すために手伝ってくれ。日時はそっちで決めてくれていいから。」

 

というメールがルッコさんから送られてきてたんです。昨日の深夜に(-_-;)

 

「分かりました。じゃあ明日の12時くらいでもいいですか?」

 

「了解。明日の12時だな。どこ集合にするよ。」

 

「そうですね。55層とかどうです?」

 

「了解。モカに喜んでもらえるやつ見つけないとな。」

 

「そうですね。お互い頑張りましょう。」

 

「じゃあ明日12時に55層な。」

 

「分かりました。遅れないでくださいね。」

 

「善処はする。」

 

約束できちゃったよ。これって、デートなのかな?もしそうだとしたら……

私の顔が赤くなるのがわかった。でも……

 

「この胸が苦しい気持ちは何だろう?」

 

こんな気持ちで私は明日になるのを待った。

 

sideルッコ

 

「ぁ~言っちゃたよ~。」

 

こんなことになってる。理由は言わずもがな、誕プレ探しという名目はあるものの、ツグとデートをすることになったのだ。

 

「明日どうしようかな?」

 

こんなことを考えていたら、翌日を迎えていた。

 

sideルッコ ~55層グランザム~

 

現在時刻11時30分、俺は待ち合わせをしている。

 

「おーい。ルッコさん。」

 

目当ての人が来たようだ。

 

「早かったなツグ。そんなに楽しみだったか?」

 

「ビクッ(−д−;))!! そ、そういうルッコさんこそ早くないですか?」

 

「:( ;˙꒳˙;): そそそ、そんなこと……有ったわ。」

 

「え……ぇっ」

 

「ととと、とりあえず、先に本題の物を探しに行こう。」

 

「そそそ、そうですね。」

 

という訳で、モカの誕プレ探しが幕を開けました。

 

~2時間後~

 

「なかなか見つからないな。」

 

「そうですね。」

 

「後1か所回ったら、今日は探すのをやめよう。」

 

「了解です」

 

ということで、最後に入ったお店は、アクセサリーショップ。

 

「おっ。これとか良さそうじゃないか?」

 

「そうですね。これにしますか?」

 

「そうだな。少し値が張るようだが。誕プレだから気にしないでおこう。すみません。」

 

こうして俺は、モカにあげる為のプレゼントを買うことができた。

 

~誕生日当日~

 

「キリト、アスナ、シリカ、リズ、急に集まってもらって悪いな。」

 

「気にするな、ルッコ。」

 

「そうだよルッコ君。モカちゃんも喜んでくれると思うよ。」

 

「そうですよルッコさん。私たちもお祝いしたいから集まったんですし。ね、リズさん」

 

「そうね。パーっと盛大にやっちゃいましょ。」

 

「みんなありがとう。じゃあ振り分けていくな。」

 

こうして、俺たち4人はモカの誕生日会の準備に取り掛かった。

 

~数時間後~

 

「( ´Д`)=3 フゥこれで全部かな。アスナ、手伝ってくれてありがとう。」

 

「どういたしまして。それにしても、この量は多すぎないかしら?」

 

「まぁ、人多いしこれくらい妥当……ではないな。」

 

ということでつくった分量は軽く10人前を超えている気がする。

 

とはいえ時間も迫っているので、キリトたちの様子を見に行くことにした。

 

sideキリト

 

「シリカ。その飾りもうちょっと左に」

 

「了解です。」

 

「リズ。この花瓶の中に、この花入れといてくれ。」

 

「了解。」

 

俺は指示を出していた。もちろん俺も飾り付けをしながらだ。そこへ……

 

「おっすキリト。どんな感じになってる?」

 

「よぉルッコ。こっちはこういう感じだ」

 

「いい感じじゃん。こっちも何とか終わったぜ(`・ω・´)b」

 

「そうか。ならよかった。」

 

料理ができてるなら飾りつけを終わらさないとな。

 

~数分後~

 

「これをここに置いたら……っとこれで良し。」

 

最後のほうは、ルッコとアスナに手伝ってもらえたから何とか終えることができた。

 

「後は主役を待つだけだな」

 

「そうだな(ですね)。」

 

sideツグミ

 

「今日は楽しかったよ。みんな、ありがとう。」

 

「楽しんでくれたならよかった。」

 

「ほんとにね~」

 

「こんな状況に置かれても、幼馴染なのは変わらない。ただそれだけだよ。」

 

「モカちゃん。本当におめでとう!」

 

て言っているときにメールが来た。

 

「こんな時に来るってことは……やっぱりそうだ。」

 

「ツグ~、どうしたの?」

 

「大丈夫だよ!こっちの話だから。それより、今から50層にある、あるところに行かない?」

 

「行こうよ。モカ」

 

「仕方ないね~みんながそう言うなら行こうかな~」

 

ということで、ルッコさん達が待つパーティー会場に向かいました。

 

sideモカ

 

「ツグ~いつになったら着くの~?」

 

「もうチョットしたら付くから、頑張って歩こう。」

 

ツグに聞いてもはぐらかされてばかりです。ツグ以外に聞いても〔知らない〕の1点張りだし。

 

私たち以外に私の誕生日知ってる人いないよね。

 

って考えてたら目的の場所に着いたようです。

 

「モカちゃん。一番最初に入って。」

 

「いいよ~」

 

私は疑うことをせず入ったら……

 

「モカ(ちゃん)、誕生日おめでとう‼‼」

 

「エッ……嘘……なんで……私の誕生日を……皆が?」

 

「それは、私からルッコに教えたんだ。」

 

「そこから、キリト、アスナ、シリカとリズの4人に教えたんだよ。」

 

「そうだったんだね~モカちゃんすごくうれしいよ(o^―^o)ニコ」

 

「これだけで満足してもらっては困るな。なぁルッコ?」

 

「いきなり俺に振るな。( ´ー`)フゥー、えっと俺から2つのプレゼントを贈ることにした。

1つは、モカへの誕生日パーティー。もう1つは……これだ。」

 

といって、ルー君から、1つの箱をもらいました。

 

「開けてもいい~?」

 

「いいよ(`・ω・´)b気に入ってくれたらいいな。」

 

箱を開けると、ペンダントが入っていました。

 

「モカに似合うと思って買ったんだ。」

 

「そうなんだ。今ここで付けてみていいかな?」

 

「いいよ。」

 

そう言ってもらえたからつけてると……

 

「おー」

 

「どうかな皆~」

 

「……似合ってるよ。」

 

「よかった~」

 

「なんでお前が喜んでんだよ」

 

「だってさ、もし似合ってなかったらまた探しに行かなあかんかもしれやんやろ。」

 

「さすがにそんなことは言わないよ~。ルー君。ありがとう。大事にするね。」

 

(またルー君にお返ししないとね。)

 

「それじゃあ、こっからが本題だな。」

 

ということで、ルー君主催の誕生日会が始まりました。




今回はここまで。
そして、遅くなりましたが、青葉モカちゃん。誕生日おめでとう(o^―^o)ニコ。
モカちゃんの誕生日ということで、頑張って書いてみました。
オリ主君優しすぎでしょ。
最近バンドリを再開しようと思ったら、データ消えてた。( ゚∀゚)・∵. グハッ!!。1からやり直しますチ───(´-ω-`)───ン
感想、評価、お気に入り登録、誤字脱字の指摘などをしてくださると助かります。
アンケートもお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

アスナ、シリカ、キリトの誕生日(2021年版)

こんちゃ~、ルコルンです。
3人の誕生日近すぎて1人ずつ書いてると間に合わないと判断したので、3人分一気に書いてやろうという魂胆です。
さすがにSAOを原作にしているので、主要キャラはやってあげないとね。
それでは本編へ……Go!


「わかってるな、今日の主役はあの3人だからな。しっかり喜ばせるようにおもてなしをしていこう。」

 

「「「「「ラジャー(^^ゞ」」」」」

 

急にどうしたのかって?決まってるじゃないか。誕生日が近い3人を一気にお祝いするんすよ。(´・ω`・)エッ?当日に1人ずつ祝えばええやんって?本当はそうしたかったんだけど、つい先日知ったんだよ。これも全てこの作品を書いてる作者が悪い。

話を戻して、あの3人というのは、幼馴染であり「黒の剣士」の肩書きをがあるキリト、最近よく相談に乗っていおり、「閃光」のふたつ名を持っているアスナ、中層から頑張って攻略組になろうという強い意志を持った「竜使い」のふたつ名を持つシリカの3人である。という訳で、3人分の料理の買い出しをしている。ツグと2人で。

 

「さて、そうは言ったものの、何を作ればいいのやら……誕生日パーティ用の料理なんてなぁ……ケーキは確定として、他をどうしようか……」

 

「意外と何でもいいと思うよ。女性陣は、その気持ちだけでもありがたいんだから。」

 

「そういうもんなんかね?飾りつけ隊も頑張ってるはずやから俺らも頑張るか。」

 

「そうですね。」

 

俺らはそんなこんな言いながら、食材を探しに行った。思いもよらぬ食材もあったとか何とか。

 

~数時間後~

 

「いや~まさかS級食材と出会えるとは」

 

「ホントですよね。」

 

そう。俺たちは、またまたS級食材である≪ラグーラビット≫に出会ってしまった。しかも、3体と出会って肉自体は6個取れた。こういう面でリアルラックを発揮されても困るのだが……でも、これで最高のものができる。ありがとう茅場。

 

「さて、思いもよらぬ収穫もあったけど、ほしいものは全部買ったから戻るか。」

 

「そうした方がいいですね。時間もギリギリそうですし。」

 

「間に合うか?これ。」

 

3人を呼んだ時間まで残り5時間……大丈夫だと鼓舞しながら作り始めるとしよう。因みに、今回いるのは、俺+Afterglowのメンバー+リズ+クライン+エギル+主役の3人の計12人である。多すぎぃ。ラグーラビットの肉6個で足りるのか?という疑問を残しつつ料理を作っていた。

 

~3時間後~

 

「ふー、何とかあと少しのところまで来たな。」

 

「そうですね……あとは、煮込むものを煮込んで、ケーキの飾りつけをするくらいですかね。」

 

「ちょっと休憩にしよう。12人分の料理を2人で作るもんじゃないな。楽しいけどさ……」

 

「楽しいのは分かります。けど、この量はしんどいですね。向こうだとこんなに作ることあんまりないですからね。美味しいって言ってくれたらいいんですけど……」

 

「そうだな。でも、少しは自信持とうぜ。いつもより量が多いだけで他はいつも通りで作ったなら大丈夫。」

 

そう言いながら、ツグの頭を撫でた。

 

「(*´°`*)はう///そ、そうだよね。自信がでてきたかも、ありがとうルッコくん//」

 

可愛すぎやん。天使かよ。守りたいこの笑顔。

 

「よし、それで良い。んじゃ飾り付け隊を見に行こうか。」

 

「( 'ω')/ ハイ!」

 

という訳で、飾り付け隊の方へ⊂('ω'⊂ )))Σ≡GO!!

 

「出来てるようで何より。というか綺麗すぎん?俺がやってもこうはならんぞ。」

 

「ありがと。ほとんどヒマリとリズが考えたやつをみんなで飾ったやつだから褒めるならあの2人だよ。」

 

「そっか。本当は俺1人で準備しようと計画してたから助かった。あとは、あの2人がちゃんと買ってきてくれるかどうかだな。」

 

「もうそろそろ……( ´-ω-)σ ピンポーン♪丁度いい。空いてるから入ってくれ。」

 

「お邪魔するぜー。俺達も呼んでくれてありがとな。」

 

「全然構わんよー。ところで、頼んでた物は?」

 

「あぁ、準備できてるぞ。これだよな?」

 

そう言って取りだしたのはワイングラス的なコップだった。

 

「流石です。エギルさん、クラインさん。これである程度様になりますよ。助かりました。」

 

「あまり持って来れなかったのは残念だが、確か大人は俺らだけのはずだから、これだけあれば足りるだろ。」

 

「そうですね。お酒は一応料理酒として使った赤ワインみたいなやつがありますので、それ飲んじゃってください。一応女性陣は紅茶系の方がいい人もいると思うからティーカップも出してますが……あとクラインさんナンパはダメですからね。」

 

「俺そんな信用されてない(゚´ω`゚)」

 

「今までの行動を振り返ってみ?」

 

「( ゚∀゚)・∵. グハッ!!」

 

クラインさんは精神ダメージが蓄積したのかぶっ倒れ、他のみんなは苦笑していた。後で謝っとこう。

 

「んじゃ、3人にとっての最高の1日にするために、最終準備に取り掛かりますか。」

 

「「「「「「「「(*òωó)ノ おー」」」」」」」」

 

〜sideキリト〜

 

「ルッコからアスナとシリカ呼んでここに来いって言ってたけど、時間間違えたかな?」

 

「多分時間は間違ってないと思うよ?」

 

「そうですよ。先にいるだけですよ。」

 

2人がそう言うならそうなんだろうな。なんか真剣そうな雰囲気がメールから漂ってたから心配して損したわ。けど、この3人の共通点ってなんだ?

 

「キリト君、顔怖くなってるよ。笑顔笑顔。」

 

「うわっ、ちょ、アスナ、何するんだ。」

 

「そうですよ。キリトさんが暗くなったらあたしたちまで暗くなっちゃいますよ。」

 

「シリカにもそう見えたか。気をつけるよ。じゃあ入るか。」

 

|*´ー`*)ノ|Ю ガチャ「「「おじゃまします((。´・ω・)。´_ _))ペコリ」」」

 

そう言ってはいると、ルッコが出迎えてくれた。何故かタキシード姿で。

 

「お待ちしておりました。キリト様、アスナ様、シリカ様ですね。」

 

「えっ、あっ、はい。そうですが。俺達なんかしたか?」

 

「いえいえ、今回は3名とも主役なので入口からエスコートしなければと思いまして。」

 

「さ、左様ですか。」

 

俺は戸惑いながら2人の方を見ると……

 

「「か、かっこいい。」」

 

見事に惚気けていた。多分この調子だとあの人がルッコということに気づいてないだろうな。なんか悔しい。

 

「それではお席までご案内させていただきます。」

 

「お、お願いします。」

 

早くネタバラシしてくれ〜俺の精神がもたん。

 

そしてルッコがドアを開けると  ・:*:・。(〃・ω・)ノ パーン

 

「「「「「「「「キリト、アスナ、シリカ、誕生日おめでとう!!」」」」」」」」

 

「ウェ?マジで?あれ、でも俺の誕生日ルッコしか……」

 

「えっ、私誕生日ルッコくんにしか教えて……」

 

「私もです。誕生日はルッコさんにしか教えて……」

 

「みんな気づいたか?」

 

「「「エッ?」」」

 

「本当は1人ずつお祝いしようと思ったんだが、誕生日が近すぎて無理だった。だから、3人まとめてでもやってあげようと思ったんだよ。後、2人ともこの姿かっこいいって言ってくれてありがとな。」

 

「「「エッ……ェェエェェエェエェΣ('A`ノ)ノエェェエェェエ 」」」

 

「さてと、俺もいつもの服に戻してと、みんなでパーティしようぜ。3人のために色々用意してるからよ。」

 

そんなことがありながら、みんなでパーティーを楽しんだぜd(≧▽≦*)。まぁ、ラグーラビットの肉を使ったシチューはさすがに驚かれたが。味も良かったらしい。

 

〜その後〜

〜sideルッコ〜

 

「どうだった?3人とも。」

 

主役の3人に聞いてみた。

 

「まあ、単純に嬉しかったな。でも、なんでみんなが誕生日知ってるんだって最初は思った。」

 

「私もです。でも、ルッコさんは善意でこのパーティーの企画をして、人手が足りなかったからみんなに協力してもらったんですよね。」

 

「これは、ルッコくんの誕生日の時に気合い入れてお祝いしてあげないとね。」

 

「それまでにこのゲームがクリアしてたらいいな。あと、俺からの誕生日プレゼント渡さないとな。」

 

そう言って、俺は3人に包み紙に包装されているプレゼントを渡した。中身はと言うと……

 

「おっ、俺のは黒のグローブだ。」

 

「私のは赤いブレスレットです。」

 

「私のは……白いブレスレットね。」

 

そう、俺が3人に渡したのは、アクセサリー系だ。

 

「これ、どこで買ったの?」

 

「これか?全部俺のハンドメイドだぞ。一応、ステータスも3人に合わせて作ってあるから、大事に使ってくれよ。」

 

「分かってるって。大事にするよ。」

 

「ありがとうございます。大事にしますね。」

 

「なんか悔しいけど、いいもの貰ったからにはここから頑張らないとね。」

 

アスナさ〜ん、負けず嫌い発動してますよ〜。

 

残り40層弱頑張らないとと心に決めた4人であった。




今回はここまで。何とか書ききれた。
前書きでもちょこっと触れましたが、改めて。
9/30にアスナ、10/4にシリカ、10/7にキリトの3名、一気にですが、誕生日おめでとう。2次元のキャラたちやからできることはそこまでないけど、伝わってくれたら嬉しいな。
因みに、誕生日プレゼントわからなかった人へ。
オリ主君は、黒グローブはキリトに、赤ブレスレットはシリカに、白ブレスレットはアスナに渡しました。
それではまた次回、お会いしましょう。( ´ ▽ ` )/バーイ


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ヒマリの誕生日(2021年版)

( 'ω')/ ハイ!ルコルンです。
今回はタイトルでわかる通りです。書きたいことは本編と後書きで書こうと思ってますので、サクッと本編へ......Go!!


俺は悩んでいた。何にかって?ヒマリの誕生日の祝い方だよ。前のモカのように食べ物で祝うのもよし、キリト達みたいにプレゼントで祝うもよし、それ以外も良しなのだが......どれにしても、問題が出てくるのだ。

食べ物の場合は、彼女の好みであるチョコレートやスイーツになるのだが、味覚エンジンを分析して、現在作成中なのだ。後、俺が単純にスイーツに疎いのもある。

プレゼントの場合、基本アクセサリーになるのだが、その場合時間がかかるので間に合わない可能性が出てくる。なので......

 

「(;-ω-)ウーンどうするべきかなぁ」

 

最近はずっとこんな感じである。こんなパッと出ないものだったっけ?そんなこと考えていると......

 

「ルッコくん、どうかした?」 天使(ツグミ)降臨.*・゚(*º∀º*).゚・*.

 

「んあ、ツグか。ヒーちゃんの誕生日そろそろだろ。いい感じの贈り物ないかなって思ったんだよ。」

 

「確かにそろそろだもんね。ヒマリちゃんの好みとか分かる?」

 

「一応な。しかも、みんなも渡すだろうから極力被らんようにしたいな。って思ったら料理とかになるのかなぁ......」

 

正直、料理でもいいと思うのだが、毎回毎回同じことだとインパクトは減っていくばかり。

 

「こうなったら、ガチで色々作るか。」

 

「色々って?」

 

「料理はみんなで、って言いたいところなんだが、あの3人は料理スキルを取ってないと思うから、いつも通り俺ら2人。プレゼントは手作りの何かにするか。」

 

「了解。みんなにも伝えとくね。」

 

「頼んだ。d(≧▽≦*)」

 

こうして、主役(ヒマリ)にバレない5日間が幕を開けた。

 

〜1日目〜

 

「ねぇルッコくん。相談したいんだけど良いかな?」

 

「う、うんいいよ。どんな事かな?(・ω・;#)」

(何故このタイミングなんだ...プレゼント作成中なんだが)

 

〜2日目〜

 

「ツグ〜、最近張り切ってるけど何かあった?」

 

「い、いや何も無いよ(( ̄▽ ̄;;)ア、ハハハハ…」

 

〜3日目〜

 

「トモエー、今日のことなんだけどさ〜。」

 

「あっ、うん。どうした〜」

(考えてる最中に来た〜。 )

 

〜4日目〜

 

「モカ〜。うねうねしてるモンスターのいい感じの対処法知らない〜?」

 

「もうそりゃ実践あるのみでしょ〜。」

 

〜誕生日前日〜

 

「ラン〜、最近みんなが冷たいよ〜。私何かした?」

 

「┐( −∀− )┌さぁ?私から見たらいつも通りだと思うけど?」

(みんな......塩対応すぎるでしょ。ちょっと面白いかも。)

 

〜誕生日前夜〜

 

「みんなバレてないか?」

 

「多分バレてないと思うよ。」

 

「だけどヒマリに悪いことしちゃったよな......」

 

「そう思うのなら後で謝ればいいと思うよ。」

 

「そうだな。とりあえず、明日の確認するぞ。」

《明日の予定》

・モカがヒマリを連れ出す。

・出たことを確認後、俺とツグは料理作成。ランとトモエが部屋の飾り付け。終わり次第、手伝いに入る。

・モカとヒマリが帰ってき次第誕生日パーティ開催。

 

「ってな感じでどうだ?」

 

「逆にこれ以上ない気がする......」

 

「「(゚ー゚)(。_。)ウンウン」」

 

「んじゃこれで行くが、この作戦が上手くいくかはモカに全てかかってるんだよな。」

 

「およよ〜、ルーくんはモカちゃんのことちょっとは信用して欲しいね〜。」

 

「まぁいいか。俺たちが早い目に準備終わらせればいいだけだしね。」

 

「「「ソレナ♪」」」

 

「明日は頼むぞみんな!!」

 

「「「「了解!!(๑•̀ω•́ฅ)」」」」

 

翌日、朝早い内からモカがヒマリの事を連れ出してくれた。それはいいんだが、時間もつのか?とりあえず、みんなに報告だ。勿論人伝いでな。

 

「(」⸝⸝⸝•O•⸝⸝⸝)」お────い!!モカとヒマリ出たから準備し始めるぞ〜。」

 

そんなこんな準備を始めた俺達。相変わらずやる事は多い。勿論、ヒマリだからという訳じゃなく、友達だからというのが正直な思い。俺だけかもしれないけどね。

俺は、調合がギリギリまでかかったチョコレートを取り出す。色も寄せたかったが、さすがに味が落ちるので無理‪w。

それを生クリーム的なものに混ぜ、チョコクリームを作る。作ってる間にオーブンを使って、先に準備しておいたケーキ生地を加熱する。

当然だが、これはゲーム。色々と過程が省略されている筈なのに時間がかかる。これに関しては仕方ないのかもしれない。

冷蔵庫の中にチョコクリームを入れ、ツグの準備を手伝いにに行こう。

 

「ツグ、手伝えることはあるか?」

 

「あっ、ルッコくん。じゃあ、あれ作っといてくれない?味を整えてくれていいからね。」

 

「了解。」

 

そう言ったのはいいのだが、パイ包みだから、中身までは分かんないじゃん。そうなると味付けできないじゃんw

そんなこと思いながら料理を作っていく俺。色々作ったら時間が思ったより過ぎていたので、ケーキのほうに戻る。上手にできたので、ここにチョコクリームやフルーツを使って、デコレーションしようと思うのだが......思い出したことがある。

 

「そういや俺、こういうの上手いことできないんだったわ。どうしたもんかね...」

と考えていたところに....

 

「ツグミ。いい感じにできてる?」 「うん。大丈夫だよ‼」

 

ランが来た。タイミングばっちりかよ。

 

「ラン。丁度いいところに来た。実は、かくかくしかじかなんだが、手伝ってくれないか?」

 

「私より適任な人がいると思うけど....」

 

「そうか?だが、今頼めるのはランしかいないんだよ。頼むペコリ(o_ _)o))」

 

「そこまで言うなら....やってあげてもいいよ。」

 

「マジで‼ありがと、ラン。」

 

そんなこんなで作り上げたケーキは、思ったより大きかった。

 

「これ....ヒマリは喜んでくれるよね?」

 

「多分....今年もカロリー計算しそうだけどねw」

 

「俺もそう思うw」

 

そんなこと話していると....

 

「「たっだいま~」」

 

モカと本日の主役(ヒマリ)が帰ってきた。

 

「「「「お帰り&「誕生日おめでとう‼ヒマリ(ちゃん)。」」」」」

 

「みんな、ありがとう‼」

 

「さぁ、本日のパーティー会場へ行こうぜ、ヒマリ。」ガシッ

 

「待って、引っ張らないでよ、みんな~。」

 

「これもまたいつも通りか。」

 

「ルッコー早く来いよ。」 「はいよ~」

 

こうしてヒマリの誕生日会が始まった。もちろん、ヒマリはあのケーキを見てカロリーのことを言っていた。ゲームの中なんだけどな~w

 

その後......

 

「ヒマリ、ちょっといいか?」

 

「どうしたの?」

 

「これ上げるよ。」 そう言って、ラッピングした箱を渡した。

 

「開けていい?」 「もちろん。」

 

その箱の中身は、ピンク色の丸いブローチだった。

 

「ヒマリはファッションに敏感だから、気に入ってくれるかなって思ったんだけど....どうかな?」

 

「ルッコ君....(๑o̴̶̷᷄﹏o̴̶̷̥᷅๑)」

 

「な、泣くなって(-_-;)」 「これはうれし泣きだよ‼」

 

「ありがとうね。大事にするよ。」

 

「そうしてくれ。攻略にも使えると思うから、戦闘に使ってもいいぞ。」

 

「そうするね。ほんっとにありがとう。」

 

そう言って急に抱きついてきた。まぁ、他の皆にもみられたのはまた別のお話。




今回はここまで。
上原ひまりさん。お誕生日おめでとうございます‼
今回はネタがあんまり思いつかなかったので時間がかかってしまいました。
ではまた次回、お楽しみに!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ツグミの誕生日(2022年版)

こんちゃ(*・‐・*)/ルコルンです。
今回はサブタイの通りです。
今回は、かなり時間軸が先に進んでます。
しかも、本編は短めです。
それでもいい方は、本編をどぞ(っ´∀`)っ


ALOの事件が終わって約1ヶ月という月日が経った。目覚めるまで色々あったけど、目覚めてからのつぐみの回復速度が異常すぎませんかね( ̄▽ ̄;)。目覚めてから1週間くらい経ったら元に戻ってるんやもん(KO〇MI感)。

 

まぁ、その話はさておき。今日は1月3日っす。4日後にとある人の誕生日なんですね。

 

そう、1月7日は俺の愛しの天使(彼女)の羽沢つぐみさんの誕生日なんですよ。

 

さすがに退院出来やんかなって思ってたから、後日にしようかなって思ったんやけど、なんか退院してるらしいから(ついさっき親御さんに聞いた。)盛大にはできやんけど、羽沢珈琲店を貸切にさせてもらいました。勿論、本人には内緒でね。

 

祝い方は考えたけど、つぐみさんに渡すプレゼントの方が問題なんだ。

 

ほかの幼なじみのみんなに聞いたけど、みんな決まってるらしいからあと俺だけなんだ。

 

だから、今日はプレゼントを決めるために近くのショッピングモールに来た......のだが。

 

(人多すぎじゃね......?)

 

そう、いつもにも増して人が多いのだ。なんか今日イベントでもあったっけ?と思いながら周りを見るとあっさりと原因がわかった。

 

「あ〜なるほど。奥のミニホールでライブがあるのか。でも、俺には関係ない事だな〜」

 

まぁ、数ヶ月後に周りに色んなことが起こるんだけどね。って何考えてんだ俺。

 

そんなことはさておき、プレゼントを探しに小物を売っている店に着いた。

 

「いざ探すとなるとこうも難航するのかね......おっと、これは」

 

お店が広いから滞在時間は1時間は超えプレゼント探しに難航している時、いいものが目に入った。値段もお手ごろだから、学生にはピッタリだ。

 

「さて、プレゼントは買ったから......あとはサプライズの件だな。上手くいくといいんだけど......」

 

〜3日後〜

 

「流己〜料理は順調にできてるか?」

 

「一応な〜。そっちはどうだ〜?」

 

「こっちもぼちぼちという感じだ」

 

「そっか。色々とありがとな!!」

 

俺は料理を作る担当になっていた。確かに一人暮らししてるけどさ、でも友達に......ましてや彼女に作るのは初めてなんだよ。

 

つぐみのお父さん......ナイス判断(*^^*)b

 

じゃあ誰が部屋の飾りしてるんだって?そんなん蘭やモカたちに決まってるじゃん。俺にそんなことできねぇよ。料理は得意でも盛り付けは苦手だからね。シャーナイ(´ー`)

 

とりあえず、色々と作ったぞ!!まぁ、大体は羽沢珈琲店の中にある軽食をちょこちょこアレンジしたものなんだけどね。

 

つぐみのお父さんにレシピを教えてくれって言われた時は焦ったな〜‪w

 

さてと、料理はほとんどできたからサプライズの用意をしようかね。

 

「つぐみさんのお父さんとお母さん。ちょっとこっちに来てください。」

 

そう言うと、直ぐにこっちに来てくれた。

 

「実はですね__________!!」

 

〜sideつぐみ〜

モカちゃんに呼ばれて買い物の手伝いをした後に、羽沢珈琲店でお茶しないかってことになったから、今向かってます。

 

お店が忙しくなかったら、今日は休もっかな?だって誕生日だもん。

 

そういえば、モカちゃんたちから「誕生日おめでとう」って祝ってもらったけど、流己くんからは祝ってもらってないな。もしお店に居なかったら呼ぼうかな。って考えてる時にスマホが震えた。内容はなんだろうと画面を見ると......

 

“つぐみ、誕生日おめでとう!!今つぐみの店の中にいるから、用事終わってたら来てほしいかな......別に無理してこなくていいからな。友達と一緒にいる時間も大切にして欲しいからな”

 

って流己くんからメール来ました。丁度噂してただけにモカちゃんと2人で笑っちゃったけど、嬉しいな( *´꒳`* )だから......

 

“ありがとう流己君。誕生日覚えてくれてたんだ!!用事終わって帰ってるところだから、モカちゃんも連れてくね”

 

とメールを返した。するとモカちゃんから

 

「愛しの彼氏からメール来たんだから、早く行こっか。つぐ〜(本日の主役さん)

 

「えっ、モカちゃん。それってどういうことなの?」

 

「あれ〜聞いてないの〜?それならなおさら早く行かないとね〜」

 

「ちょっと待ってよ〜」

 

〜side流己〜

料理もできたし、蘭たちにほぼほぼ任せてしまったけど飾り付けも終わった。今は出てないけどケーキもできた。あとは主役が来るだけなんだが......

 

「なんでこんなに緊張してるんだろう......?」

 

「珍しいじゃん。成宮が緊張するなんて」

 

「ちょっと蘭。流己も人間なんだぜ〜緊張する事くらいあるだろw」

 

「巴、それフォローになってないんだけど」

 

「俺、蘭にどう思われてんの?」

 

「えっ?人間だけど色々とハイスペックな人( ´∀`)b」

 

「それって褒めてる?」

 

「8割は褒めてる」

 

「残り2割は何だよ」

 

「( ˙꒳˙ )チョトナニイッテルカワカンナイ」

 

「ナンデヤネン( ・`ω・´)っ でも、緊張は少し和らいだかな」

 

「後でつぐにも聞いてみたらどうかな?」

 

「それいいな!!聞いてみようぜ、流己の印象」

 

「(’ω’)ファッ!!マジすか......ヤベェ別の方向性で緊張してきた」

 

「そんなこと話してるうちに、つぐみが帰ってくるよ。ほら、クラッカー持つ」

 

「(。-`ω´-)ぅぃ」

 

こんな話ししてるうちに10分経ってたよ。時の流れってやつは早いな。そろそろ帰って来ると思うんだが......

 

|˙꒳˙)ノ|Ю カランカラン

 

とか言ってるうちに来たよ、主役。さて、祝いますか。

 

『パーン ・:*:・。(〃・ω・)ノ つぐみ!!誕生日おめでとう!!』

 

呆気にとられてなかなか入ってこないつぐみの背中をモカが押して主役登場!!

 

「ほら、プレゼント。成宮からでいいでしょ」

 

「マジ?俺から......コホン俺からのプレゼントはこれだ。」

 

そう言って、俺はプレゼントの入った小さめな箱を渡す。

 

「開けていい?」

 

「ここでダメって言うと思うか?」

 

暗に開けていいって伝えると、喜びながら開けてくれた。喜んでくれたらいいな。

 

「これって......髪飾りかな?」

 

「へ〜流己のセンスいいじゃん」

 

「今つけてほしい......かな?」

 

「う......うん//分かったよ」

 

そう言って一旦自分の部屋に戻った。

 

「るーくん、つぐに似合いそうな髪飾り買ってたんだね」

 

「さすがに誕生日プレゼントなしはやばいだろ?」

 

「そうだね(*^^*)」

 

「そういえば、他の人にもプレゼント渡してるもんな」

 

「そういやそうだな」

 

そんなことを話してるとつぐみが戻ってきた

 

「どう......かな//」

 

『............』

 

髪飾りをつけただけで可愛さ爆上がりですよ。そら無言になりますよね。

 

「あの......何か言ってよ。みんな〜」

 

「......可愛いよ。その、髪飾り1個つけるだけでこうも可愛くなるんだな//」

 

「( 'ω')フェッ?!」

 

「流己君?男の人からそんなこと言われるのと、友達から言われるのととは違うんだよ。ましてや彼氏からそんなこと言われると......ね?」

 

もしかしてやばいこと言いました?

 

「とりあえず、つぐみの思考回路がショートしてるからどうにかして戻してきて。私たちは先に居てるからね」

 

「えっちょ待って。置いてくなよ!!気まずいだろ〜」

 

そう言ってみんなは奥に行った。

 

「さて、つぐみさん?大丈夫かー」

 

つぐみの目の前で手を振る。が、反応がない。

 

「これでダメなら......こうだ」ユサユサ

 

つぐみの肩を持って優しく揺さぶった。

 

「......( ゚∀ ゚)ハッ!ダ、ダダダダダ大丈夫だよ?そろそろ奥に行こっか?」

 

「そうだな。じゃあ一緒に行こ?」

 

そう言って手を差し出した。

 

「うん。一緒に行こっ!!」

 

そう言って奥に行った。手を取ってね。

 

誕生日会も終わり、今はつぐみと2人で近くの公園にいる。

 

「そういえば俺の印象ってどうなんだ?」

 

「えっ!!どうしたの急に」

 

「別に気になっただけだよ」

 

「そうだね〜......器用なところがあって、真面目で、優しい人かな。」

「なんか過大評価しすぎじゃね?」

 

「そんな事ないよ〜。じゃあ私の印象って?」

 

「......真面目で、素直で、優しい人かな。」

 

「......そっか//」

 

少しの間沈黙ができてしまう。

 

「実はな、俺つぐみの家の家族になるんだ。」

 

「フェ(・・)?どういう意味なの?」

 

「そのままの意味だよ。俺親がいないって話しただろ?」

 

「うん、そんな話してたね」

 

「この世界に帰ってきた時にそういうのに詳しい人と話して、つぐみの親御さんに許可もらえたから」

 

「だからってうちに来るってこと?」

 

「うん」

 

「ホントに?」

 

「ホントだよ。」

 

「ある種の同棲って感じだね//」

 

「あの〜つぐみさん?ある意味でかい爆弾発言してますよ?」

 

「あっ//」

 

言わなきゃ良かったかな?

 

「(´ρ`*)コホンそ、それより!!なんか1個いうこと聞いてあげるからなんか無い?」

 

「そうだね〜......じゃあまたあの時みたいにつぐって私の事呼んで欲しいかな?」

 

予想の斜め上の返答来たよ。しかも上目づかいで。

 

「分かったよ、つぐ」

 

「ありがと、流己くん」

 

そう言って抱きつかれた。小柄ながらも積極的なつぐみが俺の隣にいる。

 

こんな日々がずっと続けばいいのにと思った。

 

そして、つぐみに何かあったら、今度こそ守ってやると決意した瞬間だ。




今回はここまでっす!!
改めて羽沢つぐみさん誕生日おめでとうございます。
最推しなんでbirthdayガチャ来たらガチで当てに行きます。
そのために石残してるんで(約50連分)。
結果は次回の時にでもお話しようかな?
それではまた次回!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

女の子たちの感謝の気持ち

はい、ルコルンです。
この話書こうか迷ったんですけど、今年は書こうと思います。(来年以降は知らん)
部活入ってた時は義理チョコとして貰ってたんですけど、本命チョコなんて知らないですね。
ついでに言うと、甘く書くための練習でもあります。
それでは、どぞ(っ´∀`)っ



朝のアラームが鳴り、俺は起床する。特に何も無い1日のスタートだとか思いながらスマホの電源をつけて日時を確認する。

 

「今日は2月14日の月曜日か......学校いやだな」

 

そう、今日は2月14日。男子なら喜び上がると思うのだが、俺は違う。なぜかって?女子との交流がそこまで無いからだよ!!

 

制服に着替えて下に行き、1人でご飯を食べる。つぐはどこに行ったんだって?あの子はなんか予定があるらしいから幼なじみの子たちと出ていきましたよ。

 

俺も準備して家を出る。いつもはつぐたちと一緒に言ってるんだけど、今日は1人だ。

 

いつもが賑やかすぎるのか、今日はいつもより少し寒い気がした。

 

学校に着き、マフラーとネックウォーマーを外し席に着く。蘭もまだ席に着いていないようで教室の中にはいなかった。

 

少し窓の外を見る。すると、雪が降り始めてきた。

 

そんな事を考えているうちに、蘭が教室の中に入ってきた。

 

初めのうちはクラスに馴染めてなかったけど、最近は他の子とも話せていて、今は他の子と話している。

 

そこから特に何も無く昼休憩になった。うちの学校は休憩中ならスマホを使ってもいいルールになってるので、昼のニュースを見ながら行き道にあるコンビニで買ったパンを食べる。誘おうとしたら用事あるとか言って出ていっちゃったからね。

 

すると、スマホにアスナさんから連絡が来た。

 

『流己君、ハッピーバレンタイン!!学校終わってからチョコを渡したいから、放課後つぐちゃんたちと一緒にダイシー・カフェまで来てくれないかな?』

 

『わかりました。でも、つぐたちは用事があるらしいので自分一人で貰いに行きますね』

 

とだけ返しておいた。

 

その後の授業の内容は頭に入ってこなかった。

 

〜その頃のつぐみたちの様子〜

 

「つぐ〜。るーくんにチョコ渡すの?」

 

「うーん......一応帰ってから渡そうかなって思ってるけど、みんなはどうするの?」

 

「つぐがそうするなら私達もつぐのお店で渡してもいい?」

 

「うん。私ひとりで渡すの緊張しそうだからいててくれた方が有難いかな」

 

「じゃあ成宮にバレないようにつぐみの店に集合だね」

 

「サプライズ成功させるぞ〜。えいえいおー」

 

『..................』

 

「なんでみんな反応してくれないの〜?」

 

『(´^∀^`)アハハハハハ!!』

 

 

 

〜side流己〜

時間が進み、放課後になった。いつも通りマフラーとネックウォーマーをつけて外へ出た。相も変わらず外は雪が降っている。

 

「そういや、蘭はそそくさと出ていったから事情聞けなかったな......っと。そろそろアスナさんに呼ばれた時間が近づいてきたこっちも行きますか」

 

そう言って、走って目的地であるダイシー・カフェに向かった。

 

 

 

学校から数十分走ると目的地の看板が見えてきた。サクッと身だしなみを整え中に入った。

 

「お待たせしました。明日奈さん、里香さん、珪子、直葉」

 

「おっ来たのね!!」

 

「いらっしゃい流己君」

 

「いつものお礼に今日はチョコをあげようと思います」

 

「ありがとうございます」

 

「つぐちゃんたちの分もあるからしっかり渡すんだよ〜」

 

「わかってますよ。ホワイトデーのお返し楽しみにしといてください」

 

その後少し雑談をして帰宅した。

 

 

 

 

 

「ただいまぁ〜」

 

『お帰り〜』

 

「......なんで蘭たちも家に居るんだ?」

 

「気にしちゃダメだよ!!」

 

「それより、これあげるぜ」

 

巴からラッピングされたチョコを貰った。それをきっかけに蘭やモカ、それにひまりからもチョコを貰った。

 

「4人ともありがとうな......っと忘れかけた。明日奈さんたちからチョコもらってたから受け取ってくれ」

 

「いつの間に貰ってたの?」

 

「今日呼ばれたから、ついさっき受け取ってきた」

 

「まぁそんなことは置いといて、ありがたく受け取ってさっさと退散しようぜ!!」

 

チョコを受け取ってすぐに帰っていった。このためだけに来たのかとか思いつつ、明日感謝の言葉を伝えようと思った。

 

だが、つぐだけはその場から動かなかった。

 

「つぐ、どうした?」

 

「流己くん、自分の部屋に戻っててくれるかな?」

 

「あ、ああ。わかった」

 

俺、なんか悪いことしたかな?後で謝るか。

 

数分後、つぐが俺の部屋の中に入ってきた。

 

「隣座っていい?」

 

「ああ。構わないよ」

 

数十秒間くらい沈黙が空間を支配する。

 

「流己くん」

 

「は、ひゃい!!」

 

「これ......受け取ってくれない......かな?」

 

そう言って目の前に少し小さい箱が出てくる。

 

「う、うん......ありがとうな。開けてもいいかな?」

 

つぐが首を縦に振るのを確認したので箱を開け中を見る。中にあったのは......

 

「これは......チョコロールケーキ......なのかな?」

 

「そ、そうだよ///」

 

「食べてもいいかな?」

 

「......うん///」

 

箱から外に出し、机に備え付けられている引き出しから紙皿と使い捨てのフォークを取りだし、ひと口食べる。

 

「..........しい

 

「......えっ?」

 

「美味しいって言ったんだよ。つぐも食べる?」

 

「それじゃあ食べさせてもらおうかな?」

 

「......ちょっと待ってな?」

 

俺は少し戸惑ったけど、俺の口にロールケーキ入れ、少し咀嚼する。その後、つぐの唇を奪った。美味しいものを少しでも共有しようとした。唇が離れた後少し見つめられたので、少しだけ笑みを浮かべて

 

「美味しかっただろ?」

 

「流己くん......そうだね!!」

 

つぐの笑った顔が見れたのでよかったと思った。

 

その後、俺たちは一緒にロールケーキを食べた。

 

「つぐにこんなにいいもの貰ったんだから、お返しは気合いを入れないと行けないな」

 

「そんなこと言うなら期待しておくね!!」

 

ひとつの部屋で2人の手を重なり合わせながら座り、ゆっくりとバレンタインの夜を過ごした。

 

余談だが、後にモカから送られてきたメールで“キスしたでしょ〜”と言われて2人とも焦ったり、明日菜さんからチョコを貰いに行った時、和人が明日奈さんたちと修羅場を繰り広げていたりしていたけど、また別の機会に話そうと思う。




今回はここまでです。
甘くかけてるように感じていただければ嬉しいです。
次回は2月18日に投稿予定です。
それじゃあまたね!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

バレンタインのお返しはしっかりと

こんにちはルコルンです。
バレンタイン書いたならホワイトデーも書かなくちゃね。ってことで今回はホワイトデー編でございます。
それでは本編をどぞ(っ´∀`)っ


3月13日午前10時

現在、俺は和人の家に向かっている。理由は簡単、こんなメールが今朝届いたからだ。

 

“もうちょっとでホワイトデーだろ?お返しに何か手作りのお菓子でも作ろうかと思ったんだ。だから、手伝ってくれ”

 

こんなド直球なメール見た事ないぞ!!言われなくても俺からでも誘おうと思ったんだけどよ。

 

サクッと和人の家に行った。引っ越す前に数回行っていたので、家の近くになれば分かるようになって、家に着いてバイクを止めて、インターフォンを鳴らす。

 

『どちら様でしょうか?』

 

「俺だ和人、成宮だ」

 

『おお、来たか。今開ける』

 

和人に招かれ中に入った俺たちは早速キッチンへ向かった。

 

「直葉は明日奈たちといっしょに出て行ってるから遅くまで帰ってこない......はずだ」

 

「はずなのかよ......まぁいいや。どんなお菓子を作る予定なんだ?」

 

「今のところはクッキーかなって思ってるんだけど、明日奈に関しては別のものを作りたいと思ってるんだよな」

 

「別のもの......なら、マドレーヌやマカロンでも作るか?」

 

「マドレーヌか。意味は確か......『もっと仲良くなりたい』だっけ?」

 

「そうそう。そんで、マカロンは『あなたは特別な人です』だな」

 

「両方ともいい意味だな。作り方は......!!」

 

「意外と簡単だろ?」

 

「おう。でも、3種類も作れないぞ?」

 

「なら、マカロンにしよう。」

 

「なんでだ?」

 

「材料を持ってきているからだね。とりあえず作り始めるか」

 

「了解!!」

 

両方とも焼き菓子ということで、まずはクッキーから作ることにした。

 

「和人......意外と手際いいな」

 

「意外は余計だ。意外は!!と言うより、流己は手際がよすぎないか?」

 

「そうか?基本ご飯を俺が作ってるからかもしれんな。」

 

そんな話をしながらクッキー生地が完成したので、冷蔵庫で休ませてる間にマカロンを作り始める。ここで、和人にオーブンを180℃に余熱してもらう。余熱が終わったときとほぼ同時にマカロンの生地が完成した。マカロンの生地を絞り出して乾燥させておこう。

 

「よし、それじゃあクッキーの型抜きをしようか」

 

百均で買った型抜きを使って抜き取る。ちなみに、プレーンクッキーとココアクッキーの生地を作った。クッキーは量を多く作った。まぁ、ほとんどの人にクッキーでお返しすることにしたからね、仕方ないね......と思っていたのだが。

 

「流石に作りすぎたな......」

 

「あぁ、量を見誤ってしまったな......少し1人あたりにあげる量を増やそうかな」

 

「それがいいと思う」

 

まぁいい。もう一度余熱をし直して、今度はマカロン生地を焼く。ここで秘密兵器を作ろうと思う。

和人にホワイトチョコを湯煎してもらっている中、俺はカラメルソースを作る。砂糖と水をフライパンに入れ、焦げ茶色に煮詰る。煮詰めた後、生クリームを加える。その後、フライパンを濡れ布巾の上に乗せ、ヘラでかき混ぜる。

ここで、ちょうどホワイトチョコの湯せんが終わったので、生クリームを投入してもらい、ボウルに移す。その中にフライパンにあるカラメルを投入し、和人にホイッパーで混ぜてもらう。その間に、クッキーやマカロンのラッピング袋を用意する。混ぜ終わったら5分くらい冷蔵庫に投入する。

 

「とりあえず3個づつにするか」

 

プレーンとココアを3個づつ、合計6個のクッキーを袋の中に入れラッピングした。2人で合計16袋......つまり96個のクッキーを袋の中に入れた。

 

そんなことをしてたら5分が経過したので冷蔵庫に入れたボウルと焼きあがったマカロン生地を取りだし、よく見るマカロンの形を作る。

マカロンは12個作ったので、6個づつ2人でラッピングした。

 

「とりあえず作り終わったな。お疲れ様和人!!」

 

「お疲れ〜流己!!」

 

「皆......喜んでくれるかな?」

 

「明日わかるさ」

 

自分の渡す分を持ち帰って、家の冷蔵庫に入れる。その後に、特定の人に手紙を書いておく。さらに、明日奈さんたちにメールを入れておいて寝ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜翌日〜

登校中に誰かに会わないかなとか考えてたけど誰とも合わなかったぜ。というか、バレンタインの時と同じで、つぐと朝に合わなかった。しかも、投稿時間も最近は違う。俺何かやらかしたか?

 

そんなことを考えてたら学校に着いたので、クラスにササッと入って自分の席に着いたあと、つぐ達にいつ渡そうか考えていた。

 

(あんまりこういうの渡したことないんだよな。貰ったこともないから当たり前なんだけどさ......考えてたら悲しくなってきた。つぐ以外は出会ったら返そう)

 

黒板をぼーっと眺めながら時間が過ぎるのを待った。

 

 

 

 

 

放課後、明日奈たちにメールを送った場所に向かう。場所はもちろん《ダイシー・カフェ》である。(エギルさん、いつもいつもありがとうございます。)

 

「明日奈さん、里香さん、珪子、直葉。バレンタインのお返しで、クッキー持ってきました」

 

そう言って、一人一人順番に手渡す。

 

「ありがとう。流己君」

 

「男子なのに上手に作ってるわね」

 

「ほんとですね」

 

「食べてもいい?」

 

「まぁ構わないけど......家に帰ってからゆっくり食べればいいのに」

 

「それもそうね。流己君もつぐちゃんにはまだ渡してないんでしょ?」

 

「つぐだけじゃなくて、Afterglow全員にまだ渡せてないんですよね」

 

「早く行きな!!」

 

「あっはい。それでは」

 

里香さんに言われてそそくさと退散することにした。ここで学校に戻るのではなく家に戻り、私服に着替えてからとある場所に向かった。

 

「そろそろ見えるはず......ってここが《CiRCLE》。カフェテリアもあるんだな」

 

そう、俺の目的地は《CiRCLE》というライブハウスだったのだ。今日の放課後はここで練習するってつぐが言ってたから帰るタイミングで渡そうと考えてたのだ。

 

「まぁ、財布持ってきてるから、時間は潰せるな。というか、ライブハウスに足湯や盆栽を置く場所があるのか。これほんとにライブハウスなの?」

 

まぁちょくちょく疑問になる箇所があったが、気にしないことにしてカフェテリアでホットカフェラテを頼んだ。

 

それからしばらく経過し、カフェラテを飲み切った時にちょうどみんながでてきた。

 

「お待たせ〜」

 

「お疲れさま。はい、これあげる」

 

ラッピングをした袋をつぐ以外のみんなに渡す。

 

「今日ってホワイトデーだろ?バレンタインの時に貰ってるからお返ししないとなって思って持ってきた」

 

「ありがとな〜成宮!!」

 

「中身なんだろなー」

 

「まぁ見たらわかるな」

 

「おおークッキーだ〜!!」

 

「あと、クッキー以外にも手紙が入ってるよ?」

 

「あぁそれは「今読んじゃう?」っちょ待てよ」

 

「どうしたの〜?」

 

「......もしかして恥ずかしい......とか」

 

当たり前だろぉ。じゃないとこんな時に渡さねぇよ......多分

 

「......ここで読まれると恥ずかしいから家で読んでくれねぇかな?」

 

「......へぇ。流己も恥ずかしいとかあるんだな」

 

「読んじゃ「やめろォォォォオ」」

 

嫌すぎて追っかけちゃったよね。地獄でしかないわ。

 

そのまま、みんなを送って行って家に帰ってきた。

 

「ふぅ。とりあえず何とか家に着いたな。つぐ、先に俺の部屋に行っといてくれないか?」

 

「うん、わかったよ」

 

さて、手紙も持ったしホワイトデーのお返しも持った。あとは渡すために自分の部屋に入るだけだな。

 

「つぐ、いるか?」 「いるよ〜」

 

中に入ると次ぐがベットの上にちょこんと座ってた。俺は、その隣に静かに腰を下ろした。

 

「ほい、バレンタインのお返し。バレンタインの時はつぐが手作りのチョコロールケーキくれたから、俺も手作りで返すな」

 

つぐの目が輝いてるよ。これだけでも手作りした甲斐あったわ。

 

「ありがとう!!わぁー、マカロンだ!!でも、どうしてこれにしたの?」

 

「......聞きたいか?」 「うん」

 

「それなら先に食べてからにしてくれ。味もセットで理由があるからさ」

 

「わかった......?」

 

つぐがマカロンを食べる。

 

「......これって、キャラメル味かな?」

 

「当たりだ。一応、マカロンには『あなたは特別な人です』という意味がある。さらには、キャラメルには『あなたといると安心する』っていう意味が入ってる」

 

「......つまり、そういうことでいいんだよね///」

 

つぐが少しこちらに体重を預ける。

 

「つぐは俺にとって特別な人だし、つぐの隣にいると安心するからこれを作って渡したんだ」

 

「そう言ってもらえて嬉しいな。私の中でも、流己くんは特別なんだよ」

 

少しだけ、心の中が暖かくなった気がした。

 

「さて、実はもう1個渡したいものがあるんだ」

 

「何かな?」

 

俺は、つぐの手に手紙を置いた。

 

「今読んでもいいし、後で読んでもいい。どうする?」

 

「じゃあ......今読むかな」

 

「どうぞ」

 

〜sideつぐみ〜

 

「じゃあ......今読むかな」

 

「どうぞ」

 

何書いてるかな〜?

 

“つぐへ。

初めて会った時にこんな事になるなんて、どこまで想像できてたかな?自分はこんな感じに過ごせるとは全く思ってなかったよね。

出会った時は大人しい子なのかなって思って思ってたけど、やりたいことには積極的にやれるって所は見習わないといけないなって思ってる。それに、つぐがそうやって頑張ってる姿を見てると、こっちも頑張らなきゃって思うんだ。たまに、自分には個性がないって言ってる時あるけど俺はそう思わないかな。周りが個性強いのはわかるけと、自分が気づいてないだけで、周りに影響を与えてることもあるんだよ。

とまぁ、長々と書いたけど最終的に伝えたいのは、『自分が気づかないところで色々な影響を与えてる』ってことだね。例として挙げるなら、いつも隣にいる人かな。

いつも隣にいてくれてありがとう。これからもよろしくね!!

流己より。”

 

読み終えた時、ふと涙がこぼれました。

 

「......」

 

「どうした?なにかまずいことでも書いてたか?」

 

「ううん、まずいことなんてないよ。それより、こんなこと言われると思ってなかったから......」

 

少し流己くんの方に寄って言いました。

 

「ありがとう、流己くん。これからもよろしくね!!」

 

片手を握ってじっとに目を見つめました。

 

〜side流己〜

 

なんかすっごい見つめられてる......

 

「ど、どうした?」

 

「......」

 

「......あのーつぐさん?」

 

「......んあ、なななな何も無いよ」

 

「ん?......そうか。ならいいけどさ」

 

何かある気がしたけど、何も無い......よね?




今回はここまでです。
次回は3/16の予定です。なんのネタかは......オリ主の詳細見たらわかるかもです。
それでは次回をお楽しみに!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

オリ主の誕生日(2022年Ver.)

こんにちは、ルコルンです。
設定を見てくれた方は分かると思いますが、本日はオリ主君の誕生日の日なので、書いておきます。
まぁ、ただの自己満です。
また、オリ主君が祝われる関係上、準備とかの場面は端折らせていただく場面がございます。
いつも以上に駄文なので、苦手な方はブラウザバック推奨です。
それでもよろしい方は、本編をどぞ(っ´∀`)っ


3月12日、ダイシー・カフェに色々な人が集まっていた。

 

「つぐ、ほんとに流己くんの誕生日って16日なの?」

 

「う、うん」

 

「もうちょっと早く言ってよ〜」

 

「まぁ、仕方ないよな」

 

「和人くん?」

 

「は、はい!!」

 

「なんで言ってくれなかったの?」

 

「すまん......俺も忘れてた。最近会ってなかったし......」

 

「まぁまぁ、明日奈。和人やつぐみちゃんに怒ってても仕方ないわよ?」

 

「そうだね。残り4日で準備出来るのしましょ?」

 

「しかも本人にバレないようにね」

 

『了解(です)』

 

「まず場所の確保だな......うちの店貸せるけどどうする?」

 

「場所は決めてます」ゴニョゴニョ

 

「確保出来てるならそれで行きましょう」

 

「ただ、場所わかるか?」

 

「和人さん......スマホ使いましょ?」

 

「それか、あたしたちが迎えに行きましょうか?」

 

「そうしましょっか。私たち(帰還者学校組)は当日は学校がお昼で終わるから、貴方たちがいつ終わるかによるわね」

 

「私たちも昼までなので時間指定で迎えに行けると思います」

 

「それじゃあ当日は3時に迎えに来てもらおうかしら」

 

その後、雑談をしてお開きになったそうだ。

 

〜4日後〜

 

俺はつぐと一緒に、ショッピングモールにいた。

 

「つぐ、こんなしょうもない用事に付き合ってくれてありがとうな」

 

「どういたしまして。私の用事もすぐ済ませれたから、全然いいよ」

 

「んじゃ最後の用事を済ませようかな」

 

そう言って、服屋に向かった。

 

「最後の用事って服を買いに行くことだったの?」

 

「そうだね......そろそろ服を増やさないとって思ったのよ」

 

「確かに、流己くんはあまり服を持ってないもんね」

 

「うるさいよ‪wだからこそ、つぐに付いてきてもらったのよ」

 

「なんでそれと私が関係あるんだろ......?」

 

「1番身近にいる人に見てもらうのが1番いいと思ったんだよね〜」

 

「それならひまりちゃんとかの方がいいと思うけどな」

 

「ファッションをしたいならひまりに頼むけど、アイツらを驚かせたいって思ってんだよな......ってことでつぐ頼んだ!!」

 

「......わかった、じゃあ張り切って探すよ!!」

 

張り切ったつぐは色々と試着したようです。後々わかるよ!!

 

「すっごい着せ替え人形になった気がする」

 

「あはは......いつもはひまりちゃんに頼まれること多いからね」

 

「まぁつぐに頼んで良かったと思うわ」

 

「それじゃあ帰ろっか」

 

「そうですな〜」

 

羽沢珈琲店(誕生日会場)に向かった。

 

「ただい『(お)誕生日おめでとう(ございます)』パーン」

 

「Afterglowのみんな後わかってるのはわかるが、なんでアスナさんとかエギルさんとかが知ってるん......ってまさか!!」

 

「私だ!!」 「お前のせいだったのか!?」

 

「でも聞いた時は驚いたよね〜」

 

「......ちなみにいつ聞いたんだ?」

 

「......4日前かな?」

 

「そら驚くわ‪w」

 

「とりあえず中に入ってください流己(本日の主役)さん!!」

 

「わかったから手を引っ張るな〜」

 

珪子に手を引っ張られて中に入ると、サンドイッチやタンドリーチキン等など、色々な料理が机の上にびっしり並んでいた。

 

「何この料理の量は!!めちゃくちゃビビったんだけど!!」

 

「私たちが頑張って作ったんだよ!!」

 

「本当にありがとうございます!!」

 

「流己!!急だが俺たち男性陣からのプレゼントだ!!」

 

「ほんとに急ですね......おっ、ガンプラですか!!頑張って作りますね」

 

「作ったら見せてくれよ!!」

 

なぜか貰ったガンプラを作ったら見せることになっちゃったよ。指先は器用じゃないんだけどな‪w

 

「じゃあ、次はあたし達からあげるね!!」

 

次はAfterglow以外の女性陣からプレゼントを貰った。

 

「むむむ......これは新しいショルダーバッグですか。しかも少し大きめのやつ!!本当にありがとうございます!!」

 

「気に入ってもらえて良かったです」

 

「つぐみちゃんに聞いたら新しいカバンが欲しいって言ってたから4人で探してきたんだ〜」

 

「ほんっとにありがとうございます!!大切に使いますね!!」

 

「最後はあたしたちからかな?流己......この店の地下に来て」

 

「えっ、このお店に地下あんの!?」

 

「あっ、流己くんには伝えてなかったね(( ̄▽ ̄;;)ア、ハハハハ」

 

「後でその話するとして、早く地下へ行くよ!!」

 

「あっはい」

 

地下へ向かうと、ライブステージ的なものがあって、ステージに色々な楽器が置かれていた。

 

「はい、私たちAfterglowの5人からのプレゼントは私たち5人の演奏です!!」

 

おぉ〜(*´꒳`ノノ゙☆パチパチパチパチ

つぐ達がバンドねー。かなり意外だわ。

 

「メンバー紹介......した方がいい?」

 

「そこはやろうぜ!!」

 

「......はい、主役に言われたからやるね。まずはGu.(ギター)の青葉モカ」

 

「るーくん見といてね〜」

 

「つぎ、Ba.(ベース)の上原ひまり」

 

「あたしも頑張るぞー!!」

 

「つぎ、Dr.(ドラム)の宇田川巴」

 

「頑張るぜ〜!!」

 

「つぎ、Key.(キーボード)の羽沢つぐみ」

 

「ミスしないように頑張るよ!!」

 

「そしてあたし、Gt.Vo(ギター・ボーカル)の美竹蘭です。今回は4曲やります、聞いてください」

 

5人の演奏が始まった時、俺は単純に“すごい”と思ってしまった。だって高校生だぜ!!高校生がこんな演奏できるんだぜ!!さすがにテンション上がるぜ!!

 

時間が過ぎるのが早いようで、すぐに終わってしまった。

 

「どうだった......」

 

5人とも肩で息をしている......そこまで必死に演奏してくれたんだな。あっやべ......嬉しすぎて涙出てきそう。

 

「......めっちゃ凄かったよ!!」

 

みんなが喜んでくれたので、本当にいい仲間を持ったんだなって改めて気づいた。




今回はここまでです。
改めて、成宮流己君。お誕生日おめでとうございます。
作品を作り始めてから1年も経ってないですがなんか愛着湧いてくるんですよね。わかる人いますかね?
まぁ、そんな話は置いといて。金曜日の更新をお休みさせていただきます。なので、次回は3/25に更新予定です。
書けたら出しますね。
それではまた次回更新日までお待ちください。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ランの誕生日(2022年ver.)

ちわっす(*´‐ `*)/
多くは語りません。本編をどぞ(っ´∀`)っ


4月頭、学年がひとつ上がり、それから数日くらい経ったある日、蘭を抜いたメンバーが羽沢珈琲店に集合していた。

 

「さて、今日ここに集まっていただいたのにはワケがあるんだわ。まぁ察しついてると思うけどさ、今月の10日は蘭の誕生日だろ?いつも通り誕生日会するぞ......って言いたいんだけどさ」

 

「何かあったのか?」

 

「その日、俺用事で夕方まで居ないんだよ。準備4人でできるか?」

 

「さすがに準備できるって!!」

 

「いや、俺が問題視してるのは料理の方なんだが......つぐ1人だと作るのきついじゃんって思ったのよ」

 

「私、頑張るよ!!お父さんとかもいるし何とかなる......はず」

 

「そう?次ぐがそう言うなら任せるよ。俺も極力まきで用事終わらせるから、少し耐えててくれよ?」

 

『了解(だよ〜)!!』

 

俺は蘭のプレゼントのために色々調べることにした。

 

「あいつって華道してるんだっけ?なら花で気持ち伝えたいよな。まぁそのためには、蘭パパの協力も必要な訳で......とりあえず花屋行くか」

 

商店街にある花屋に向かった。結論だけ伝えると、いい感じの花が揃った......と思う。勿論、花言葉もこみで選んだよ。すっごく難易度が高かったけど、そこは蘭パパの力でこの色の方がいいとかアドバイスを貰った。

 

「今日はありがとうございます。当日の朝に今日買った花を持っていきますね」

 

「お役に立てたようで何よりだよ。ところで、なんでうちの娘の誕生日に生け花をプレゼントにしようと思ったのかな?」

 

「まぁ、まずは蘭が華道の家元の子だからというのがひとつで、ほかの友達にはアクセサリーとかでプレゼント渡してたんですけど、蘭にはどんなアクセサリーよりも花が似合うって感じたから......ですかね」

 

「そうか。なら、蘭に似合うように花を生けないとダメだね」

 

「だからこそおじさんに頼んだんですよ。俺の知り合いで蘭以外に生け花できる人が居ないもんですから」

 

「HAHA。ならビシビシ指導していこうかね」

 

「お、お手柔らかにお願いしますね」

 

さて、当日に自力で生けることをやらなくていいと考えるだけで御の字なんだけど、友達に渡すんだから妥協なんて許されないな。頑張るぞ〜!!

 

 <コケコッコ-

翌朝になり、ひまりが蘭のことを連れ出したことをもかから5人のグループで確認したので、俺は蘭の家へ花を受け取っていくことにした。

まぁ花屋で、「この花って誰に渡すんですか?」って店員さんに聞かれたから、「大事な友達です」と伝えたら何故か微笑ましい顔で見られた。何故だ......?

 

「お邪魔します、本日はよろしくお願いします」

 

「いらっしゃい。そこまで固くならなくていいんだよ」

 

「は、はい」

 

「早速だけどやろうか。準備は出来てるね」

 

「勿論です」

 

俺は蘭パパに教えてもらいながら花を生ける。途中で、生けてる花の長さが長いかなとか思ったりしたけど、何とか形にできた。生けた花は『ブルーベリー』、『ライラック(白色)』、『カキツバタ』だ。蘭は1つ1つの花の意味わかるかな?わからなかったらその時だな。

 

「ありがとうございました」

 

「うん、初めてとは思えないくらい上手に出来てるよ。たまにでもいいから花を生けに来ないかい?」

 

「そうですね......機会があればやらせてもらいますね。それとなんですが、このままこの花を家に置いといてくれませんか?」

 

「何故だい?プレゼントなんだから持っていけばいいのに」

 

「持ち運びが大変だからですよ。俺以外にもプレゼントあげる人がいるし、そのプレゼントがどんなのかなんてわかってないんですよ。それなのに持ち運びにくいプレゼントを渡すのはなんか違う気がするんですよね。それに......」

 

「それに......?」

 

「家にあった方がサプライズ感出るかな〜なんて思ったり」

 

「そうか。流己君がしたいようにすればいいさ」

 

「それじゃあ、プレゼント置いとくんでしっかり渡してくださいよ。今日はありがとうございました」

 

「またいつでも来ていいからね」

 

さて、羽沢珈琲店に向かいますか。

 

 

 

走ったから美竹家を出てから10分で羽沢珈琲店に着いた。

 

「ぜぇぜぇ......ただいま戻りました」

 

「おかえり〜飾り付けは終わったから、私達も料理の手伝いしてるんだ〜」

 

「マジ!?つまみ食いしてないよな」

 

「しししし、してないよ〜」

 

絶対やったな。まぁいいけど、俺も手を洗ってからキッチンに向かう。

 

「おおー帰ってきたか。プレゼントは届けてきたか?」

 

「はい。蘭の家に置いてきました。蘭のお父さんに伝えてるので渡してくれる......はず......と、信じたいです。とりあえず、早い目に帰ってこれたので手伝いますよ」

 

「おおー助かるよ。それじゃあ――と――をお願いするよ」

 

「了解です(*`・ω・)ゞ」

 

あれから2時間準備に追われた俺たちは出来るだけのことをしたら意外と出来た。

あとは蘭が来るだけなんだが、やっぱりソワソワしてしまう。

 

「なんだ、流己。緊張してるのか〜」

 

「悪いか、緊張してよ」

 

「何かあったの?」

 

「それは......カクカクシカジカって感じなんだよ」

 

「へ〜。るーくんが生け花を蘭にプレゼントしたんだ〜」

 

「なんだか意外だね。てっきりアクセサリーとかあげるのかと思ってたよ」

 

「初めはそうしようと思ったんだよ?だけど、蘭があまりアクセサリーを付けてる所をなかなか見ないから、蘭のやってることに関連して生け花やってみた」

 

「それで、その生け花は?」

 

「ん?蘭の家に置いてきた」

 

「えっ。なんで!?」

 

「だってみんなもプレゼント渡すんだから持ち帰るの難しくなるのにその上生け花渡すんだぜ。流石に此処には持ってこないよ」

 

「まぁそうだよな......っと、そろそろ着くらしいぞ。準備はいいか?」

 

『任せろ!!』

 

ガチャ「つぐ、呼ばれたからk ∠※。.:*:・'°☆パ-ン『お誕生日おめでとう、蘭(ちゃん)!!』えっえっ!!」

 

「今日蘭の誕生日だろ?だから、お祝いするんだよ。ほら、主役さんはこっちこっち!!」

 

ほんでいつも通り誕生日会をやり、プレゼントを一人一人渡していく。

 

「みんな渡したな。ってことで俺なんだけど、俺の分のプレゼントは蘭の家に置いてきた。ということで帰ってから見てほしい。ある人に渡してるから受け取ってくれ」

 

「ある人って誰なの?」

 

「それは帰ってからのお楽しみです。ということで今日はお開きにしましょうかね」

 

 

 

 

 

〜side蘭〜

今日は私の誕生日だからAfterglowのメンバーが私のために誕生日会をしてくれたし、プレゼントを貰った。だけど、1番楽しみにしてた人から“私へのプレゼントは私の家に先に置いてある”って言われたから帰って確認しよう。

 

「ただいま」

 

「おかえり、蘭。お前の友達がプレゼント持ってきてくれてるから後でお礼言っとくんだぞ」

 

「分かってるよ、父さん」

 

本当にプレゼント持ってきてくれてたんだ。なんだろうと思ってリビングに向かうと、机の上に生け花があった。

 

「これが、プレゼントなの?」

 

「そうだぞ。蘭が出ていった後に流己君がここに来てな花を生けて行ったんだよ」

 

「ってことは、花を選んだのは......成宮ってこと?」

 

「その通りだ。花の種類見てみな」

 

そう言われたので生け花を見る。見たところ、『ブルーベリー』、『カキツバタ』、『白色のライラック』だった。そういやこの花たちの花言葉って......ブルーベリーは「実りある人生」、カキツバタは「幸せは必ず来る」、そして、白のライラックは「青春の喜び」か。成宮に後で感謝しないとね。




今回はここまでです。
改めまして、美竹蘭さんお誕生日おめでとうございます。
原作で有名な華道の家元の一人娘って所からプレゼントは花束にしました。ありきたりかもしれないですね。
次は4/15にAfterglow最後の1人の誕生日回をお送りします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

トモエの誕生日(2022年ver.)

(≡゚Д゚)<はいよー!!!ルコルンです
今回も多くは語りません。
それではどぞ(っ´∀`)っ


蘭の誕生日をした翌日、今度は巴を抜いた5人が羽沢珈琲店に集まっていた。

 

「さてと、次のターゲットは巴か。何が好きとか知ってるか?」

 

「あぁーともちんならアレでしょ」

 

「あぁ、あれね」

 

モカと蘭は分かっていて、つぐとひまりもう頷いていた。

 

「えちょ、みんな分かってるの!?」

 

「そりゃ〜私たち何年幼馴染やってると思ってるの〜」

 

「じゃあ一斉に教えてくれよ」

 

「それじゃあ言うよ」セーノ

 

『豚骨しょうゆラーメン(だよ)』

 

「へ〜そうだったのか。流石だな!!」

 

「ただ......」

 

「作った事ねぇぞ。豚骨しょうゆラーメンなんて」

 

「まぁ、そうだよね」

 

「やれるだけやって見るか。残り日数は......4日あるけど準備が鬼畜だからせいぜい3日か。ラーメン以外のプレゼントは一応用意してるからなんとかなるだろ......多分」ブツブツ

 

俺は珍しく小声でブツブツ呟いていた。そんな俺を見てほかの4人は、

 

(あぁ、久しぶりにやる気スイッチ入っちゃったな〜)

 

なんて思っているのには気づかなかったようだ。

 

当日の朝、巴だけ別行動(妹さんと色々してるらしい)になるので、俺とつぐとモカは豚骨しょうゆラーメンを作るために色々準備した。残り2人はいつものように飾り付け担当になってくれた。

ちなみに、作り方はネット調べた。作ったことなんてないからね、仕方がないね。

 

ちなみに、俺は味噌ラーメンの方が好きだ。(聞いてない)

 

作ったのはいいのだが......

 

「( ´・∞・)ウーム......何か違うな」

 

「そうだね......何が違うんだろう?」

 

何故か味か思っている感じにならない。というか、豚骨しょうゆラーメンを食べに行った時の味を味覚だけで再現はきついな。

 

「なんか......なんかコッテリしてる感じがするんだよな。豚骨が強めかもしれないから、いっその事魚介系のスープをちょっと入れてやろうかこれ以上豚骨を薄めることは不可能そうだし」

 

「それいいね〜。やっちゃお〜」

 

「えっ、大丈夫かな?」

 

「お試しだから少し鍋からスープをすくいとって調整するから大丈夫だと思うぜ」

 

「ならいいんだけど......」

 

とりあえず行動という感じでモカが魚介スープの素を俺の前に置いた。

 

「味調整は俺担当ってか?」

 

「もちろんだよ〜。アタシは食べる担当なのだ〜」

 

「そ〜なのだ〜」

 

「はいはい、つぐまでのらない。仕方がない......とりあえず調整してくるわ」

 

〜数分後〜

 

「ほいできたぞ〜」

 

「おーそれじゃあ、いただきま〜す」

 

「俺自身いい感じにできてると思うんだが......」

 

「これでいこう!!流己くん」

 

「確かに〜モカちゃん的に今まで食べた中で1番いいと思うよ〜」

 

「そう?ならスープはこれで行くとして......って集合時間まであと15分しかないじゃんか」

 

「早く本番用のスープ作ろう?」

 

「そうだな本番いっきまーす」

 

 

 

 

羽沢珈琲店に着いたのが集合時間ギリギリだった。

 

「成宮、集合時間ギリギリなんて何かあった?」

 

「特に何も。しいて言うなら、豚骨しょうゆラーメンのスープの調合に思った以上に時間がかかったことくらいかな」

 

「それでいい感じにできたの?」

 

「うん。巴の好みに合うかはわからんけど、作る側のメンバーからいい感じの点数はもらえたから多分できてる。んじゃ、巴が来たら連絡してくれ」

 

「了解」

 

俺はラーメンを作るために厨房に戻る。わざわざここの厨房の使用許可取ったんだから、極力汚さないようにしよう。

 

〜10分後〜

 

巴、お誕生日おめでとう!!』パーン

 

「おっ来たか。それなら麺を茹で始めるか」

 

麺を茹でてる間にトッピング用の食材をカットしていく。そうこうしているうちに、麺が茹で上がりそうなのでスープを器に入れる。

入れ終わった時に麺がちょうど茹で上がったので、麺を湯切りする。この日のために『てぼ』をわざわざ買ってよかったわ。少々値は張ったがなw(ちなみに『てぼ』とは、麺を1人前ずつ茹でる時に使う深めのザルのことだお)

 

いい感じに湯切りした後、麺をスープの入った器に入れトンピングを開始する。トッピングするものは無難にネギと煮玉子とチャーシューにした。こうして出来た豚骨しょうゆラーメンを巴の前に持っていくことにした。

 

「よぉ巴、誕生日おめでとうな!!」

 

「おう!!ありがとうな。てっきり流己は祝ってくれないのかと思ってたぜ!!」

 

「そんな事はしないぞ。1人だけ祝わないのも変だろ?俺は巴にとある物を作ってたんだよ」

 

「おっ、ある物ってなんだよ?」

 

「それは......これだ」 デェ~ン

 

俺は、巴の前の机の上にに豚骨しょうゆラーメンを置いた。

 

「おぉ、これは......アタシの好きな豚骨しょうゆラーメンじゃねぇか。早速食べていいか?」

 

「どうぞどうぞ」

 

許可を出すやいなや、巴はラーメンを超高速で食べ始めた。

 

「うまいな。しかもアタシの好きな豚骨しょうゆ味じゃねえか。ありがとな!!」

 

「そうかそうか。作る側が1番嬉しい言葉言ってくれてよかったわ。それじゃあ俺は帰るな」

 

「えっ、このまま一緒に祝わないの?」

 

「悪いなひまり。俺この後からバイトだから、これ巴に渡しといて」

 

「え、うん。分かった」

 

そう言って渡したのは、青色の袋。そのなかみは、黒色のジャケットだ。

 

「んじゃ、俺はバイト先に向かうわ。じゃあの〜」

 

早々と羽沢珈琲店を出て、バイト先に向かうのであった。




今回はここまでです。
改めまして。宇田川巴さん、誕生日おめでとうございます。
ラーメンを手作りで作ったことなんでないに決まってるじゃないですか。だから、ラーメンの部分は超フィーリングですね。
次回こそは本編書きます。もう少々お待ちください。
それでは......サラバダー!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

1周年記念!!オリ主VS原作キャラ 前編

タイトル通りですね、はい。
それじゃあ本編をどぞ(っ´∀`)っ


ある日のこと……

 

「そうだ、ルッコ。デュエルしようぜ!!」

 

「……えっ!?も、もう1回言ってもらえません?」

 

「だから!!俺とデュエルしようぜって言ってんだよ!!」

 

「……はい」

 

逃げ場なんてなかったんや。

 

「やるのはいいんだが、場所はどこだ?」

 

「……決めてない」

 

「はぁ。んじゃ決めとくからどういう感じでやるかを決めといてくれ」

 

「はいよぉ。決まったらメールしてくれ」

 

「OK!!」

 

さて、どこにしようか……一応ALOの新生アインクラッドはいま20層まで解放されている。まぁ、1ヶ月後に21層以降が開放されるから1ヶ月待ってもいいんだろうけど、あのキリトのことだ。1週間以内にやるんだろうなぁ。聞くの忘れてたけどw

 

翌日には詳細が送られてきていた。こういった所は見習いたいと思う。

 

“えっとだな、やる場所は20層のひだまりの森の一角でやるぞ。時間は14:00くらいな”

 

なるほど。ってか時間しか書いてないじゃん。

 

“了解。時間しか書いてないんだが、日にちはいつだ?”

 

“忘れてた。今日から3日後な。詳細なルールは当日に話す”

 

“v(。・ω・。)v ウッス”

 

まさかのルールが分からないパターンなのね……まぁいいけどさ。絶対に観客とかいたりするんだろうな……キリトの方を応援する観客だろうな。てか、知っている人だけにしてほしいわ。

 

こんな事考えてたら悲しくなるから思考を切りかえて……キリトとの戦いだよな。あいつの怖いところはSAO時代に二刀流スキルの習得条件でもあった、常人離れしている反応速度だよな。味方だとめっちゃ頼りになるのに、敵に回るとやばいんだよなぁ。秘策……使えるようにセットしとかないとな。

 

〜翌日〜

 

俺はALOにあるお店に来ていた。なぜここに来ているかと言うと、Afterglowの全員と話していた。

 

「珍しいな、ルッコがこっちで呼ぶなんて」

 

「カクカクシカジカなことがあってだな……」

 

「おお〜ルッコ君がキリトさんと戦うんだね」

 

「でも、なんで急にこんな話をしたんだろう?」

 

「俺には分からん。できるだけ勝てるように努力はするつもりだ。秘策も使う予定だし……」

 

「秘策って、最近作ったって言う()()()()()?」

 

「まぁそれもだし、最近作った新武器2種を使おうと思ってる」

 

「新武器!?いつの間に作ったの!?」

 

「昨日できたもので、今までの武器よりかは強いんだよ。あとは、新スキルをどこで使うかだな」

 

「ちなみに何連撃なの?」

 

「あんまり言いたくないけど……まぁいいか。ヒントを言うと《鏡花水月 明鏡止水》より多い」

 

「ということは、暗殺者(アサシン)の中では最多連撃のスキルなんですね」

 

「そうなんだ~。私たちも応援しに行くからね~」

 

「任せろ……と言いたいところなんだが、もう1個位は作戦考えたいよな」

 

「それなら……これとかどう?」ゴニョゴニョ

 

「やったことないけど……挑戦だけでもしてみるか」

 

 

〜2日後〜

 

「よォ来たか〜」

 

「来た……けど、思ってたより人多いな」

 

指定された場所に定刻通りに向かうと、俺が呼んだAfterglowの5人とアスナ、シリカ、リズさん、アルゴさん、リーファ、シノン、エギルさん、クラインさん挙句の果てに翔太郎さんとフィリップさんまでいた。

 

「いやー、アスナたちに告知したら色んな人に伝わっちまったぜ」

 

「まぁええわ。ルールの詳細を教えてくれ」

 

「わかった。簡単に言うとだな……EXスキルのみ縛りだ」

 

「(´-ω-`)ふーん.....別に構わんけど、その縛りはそっちだけが不利になるんだよな」

 

「お前のユニークスキルである暗殺者(アサシン)のスキル少なすぎるからな」

 

「キリト……お前言ってることメタいぞ」

 

「そうだよキリトくん。ほら、この話を書いてる投稿主さんの顔がだんだん白くなってるよ」

 

「いや、アスナも言ってること十分メタいよ」

 

「その通り過ぎて草も生えないな」

 

「まぁ……大体分かった」

 

「それじゃ、そろそろ始めるか?」

 

「おぅ。それで、デュエルの内容は全損決着でいいよな」

 

「その通りだ。あとは空中戦なし、ジャンプはありでやるぞ」

 

そう言われてすぐ、目の前にデュエルの承諾ウィンドウが現れた。

俺はデュエル内容をしっかり確認し、承諾ボタンを押す。すると、空中に数字が浮かび60秒のカウントダウンが始まった。

 

俺は、武器を刀2本。右手に月影(つきかげ)左手に光獄(こうごく)という最近作成した武器を持った。2本とも自身で作った片手剣《グランイーター》とほぼ同等の攻撃力をもち、クリティカル率が既存の武器より高いものになっている。これ武器が俺の考える対キリト専用武器である。

 

キリトは右手にディバイネーション左手には俺が見た事ない武器を持っていた。(あとから知った話なんだがユナイティウォークスという新生アインクラッド15層のボスドロップ品だそうだ。\\\\ ┏(`ω´)┓////チクショウ)

 

ふとカウントを見ると残り20秒となっていた。キリトの方を見ると、ヒースクリフとの闘いの時みたいな目を俺に向けていた。

 

その目を見ていると、冷や汗が1滴右手の甲に落ちた。

 

──────3

 

キリトが武器をかまえ、

 

──────2

 

俺も武器を構え、

 

──────1

 

刀を持つ手に力を込める。

 

──────0

 

「「はああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」

 

俺とキリトは同時に動きだし、キリトはダブルサーキュラーを。俺は《暗殺者》突進2連撃スキルである《疾風突(はやてづき)》を放った。辺りに属性余波の煙が発生し、周りの人からは何も見えなくなった。




今回はここまでだ(/・ω・)/にゃー!

どうにか書き上げようと、まとまってない話をどうにかここまでまとめて書き上げました。

1周年という記念の日なので、ここで感謝を。
途中からテストだったり、最終課題だったりが重なった時で出せなくなった時があったのですが、そんな中でも続けてみてくださった方、お気に入り登録をしてくださった方、感想を書いてくださった方。本当にありがとうございます!!皆様のおかげでここまで続けれました。

後編は8月21日までに出そうと思います。その日に出てなかったら「あっ、忙しかったんだな」と思っていてください。

それではまた次回です!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

オリ主VS原作キャラ 後編

こんにちは、ルコルンです。

今回は前回の続きです。前回を見てない方は、前回みてからの方が面白いかもです。

それでは本編をどぞ(っ´∀`)っ


「「はああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」

 

俺とキリトは鍔釣り合った。俺たちの周りは属性余波の煙で覆われている。多分外からは何も見えてないだろう。

 

 

「お前……いつの間に新スキルを習得したんだ?」

 

「つい最近だ。ちなむと、お前対策で多めに習得してあるから楽しみにしとけよ」

 

「ほう……それなら縛り解除するか

 

「なんか言ったか?」

 

「いや、なにもっ!!」

 

キリトはそう言って鍔釣り合いをしている剣と反対の手に持つ剣に青色のライトエフェクトを灯した。それと同時に俺の刀をはね上げた。

 

「っつ!?」

 

初期モーション的にはバーチカル・アークだろう。

 

俺も負けじと暗殺者2連撃スキル《旋迅》を放つ。キリトの攻撃を相殺しようと思って打った技だったのでしっかりと相殺することが出来た。

 

今度はこちらの番と言わんばかりに、左手の刀にライトエフェクトを灯し、刀3連撃スキル《緋扇》を放つ。キリトは初めの2連撃を超反射で躱してからラスト1発をレイジスパイクで相殺した。

 

その後も、俺の攻撃をキリトが元々持っている超反射神経で躱しキリトの攻撃を俺は技で相殺し、一歩も譲らない戦いが煙が晴れたコート内で打ち合っていた。

 

互いのHPが1割くらい削れた頃、攻撃の読みが外れ、俺は体制を崩してしまった。

 

それを好機と見たキリトが、両手に持っている剣に同じ色のライトエフェクトを灯し、キリトが叫んだ。

 

「スターバースト・ストリーム!!」

 

「つっ!?」

 

二刀流16連撃OSS《スターバースト・ストリーム》。作ったことは聞いていたが、こんな所でお目にかかれるとは……

 

(今の全勢力をここで叩き込む!!)

 

このスキルに対して、体制を立て直すために暗殺者3連撃OSS《月華》、暗殺者5連撃OSS《飛影》、暗殺者8連撃OSS《ハウリング・オクターブΩ》をスキルコネクトを用いて放ち、何とか1つ目の鬼門である16連撃分を相殺する。

周りに属性余波で吹き飛ばされ、再度距離をとった。

 

「……お、おいキリト!!それ使うの反則だろ!!」

 

「そんな事言われてもだな……お前が相手だから手は抜けねぇんだよ。それよりも、なんで片手剣スキルの《ハウリング・オクターブ》を使ってるんだよ!?」

 

「片手剣でしか使えないと思っている固定概念を外して俺が使えるスキルとして模倣して作っただけだ。こういう感じのスキルがゴロゴロあるから覚悟しとけよ!!」

 

俺の言葉に、キリトは苦笑しながら言ってきた。それと同時にツッコミが飛んできたので軽く返答しておく。

二刀流OSSを作ったことはキリト本人から聞いていたから、使ってくるかもと思って準備しておいて本当に良かったと思う。

 

「お前すげぇよ……模倣したとはいえ、刀以外の武器種のソードスキルを使えるとか」

 

「いや、お前の反射神経ほどチートじみたなものは無いだろ?初見の攻撃もほぼ全部躱せてるだろ?」

 

こんな戯言を話しているうちに、呼吸が少し戻ってきた。

ふと自分のHPバーを見ると半分を切っていた。それはキリトも同じであり、あと大技がひとつで決着が着くくらい佳境に差し掛かっていた。

 

「さぁ、そろそろ決着をつけようぜ……好敵手(ルッコ)

 

「あぁ、そうだな黒き英雄(キリト)

 

そう言って、キリトは新たなソードスキルの構えに入った。

 

(あの構えは……)

 

 

 

1ヶ月前ほどに遡る……

 

「なぁ、ルッコ」

 

「どうした、キリト?」

 

「二刀流スキルのOSS化を……手伝ってくれないか?」

 

「別に構わんけど、できそうなのか?」

 

「あぁ、アスナとリーファに手伝ってもらいながら、《スターバースト・ストリーム》のOSS化は成功してる」

 

「それができてるなら、いらないと思うが……ってあのスキルもやる気なのか!?」

 

「あぁ」

 

「確かに、お前のスキルである二刀流も実装されてないもんな」

 

「そうだから、1つくらいOSSにしたいと思ったのもあるんだが、最近の……いや、SAOやALOの一件で気づいたんだ。いざと言う時に必要な力がないと、守れるはずのものも守れないんじゃないかってな……もちろん、二刀流を使わないつもりだし、使わないに越したことはないんだが……それでも……」

 

「…………」

 

確かにそうだ。今までに関わった事件で、いかに自分が弱いものかを突きつけられた。これを手伝うことで、何か得られることがあるかもしれない。

 

「……分かった。俺も手伝うよ」

 

「ヨッシャァ!!早速やろうぜ!!」

 

そこから俺たちは、来る日も来る日も1つの二刀流スキルのOSS化に時間を費やし、つい先日完成したスキルがある……それこそが、今キリトの構えているスキルだった。

 

 

 

(あの構えは……ジ・イクリプス。決めに来やがったか……ここを止め切って勝利へ!!)

 

「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」

 

俺は、刀3連撃スキル《緋扇》を使い頭3連撃を防ぐ。すぐさま反対の刀に力を込め、暗殺者5連撃OSS《ニュートロン∑》さらに、暗殺者4連撃OSS《ファストエッジα》と連続で捌く。

 

(キツいが……まだまだ!!)

 

そのまま暗殺者3連撃OSS《シャープネイルβ》、暗殺者14連撃スキル《明鏡止水 花鳥風月》を使って《ジ・イクリプス》の連撃数を2つ上回る攻撃をした。

 

「つっ!?」

 

「これで終わりだあァァァァァァ!!」

 

最後の2連撃を叩き込んだ

 

と思っていたのだが、キリトの2本の剣に光が宿る。

 

「な……なに!?」

 

「これが本当のラストだ!!スターバースト・ストリーム!!」

 

キリトは、こんな土壇場で二刀流最上位スキル2つのスキルコネクトに成功し、俺の猛攻を受け止めた。

 

(マジかよ。もう来ないと思っていたから打ったのに……こうなったら、最後の秘策を!!)

 

受け止められた俺の2本の刀にももう一度光が宿る。

 

「受け止めろ、キリト!!疾風迅雷 百式!!」

 

2人の隠し球が衝突した。スターバースト・ストリームの残り14連撃を疾風迅雷 百式をつかって勝ちに行こうとしたのだ。

 

「はあァァァァァァァァァァ!!」

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

スターバースト・ストリームの最後の1発と疾風迅雷 百式の14連撃目が衝突した。そのとき、俺の15連撃目がキリトの剣に当たり、キリトの剣が手から離れた。

 

「!?!?!?!?」

 

「これが俺の作戦だよ」

 

そのまま、残り5連撃をキリトに叩き込み、属性余波の爆発がキリトを包む。煙の中を見ると、キリトのリメインライトが目に入った。

 

そのタイミングで、デュエルのWINNER表示が目の前に現れた。

 

「よっしゃァァァァァァァァァァァァ!!」

 

俺は右手に握っていた刀を地面に刺し咆哮を上げ自身の勝利を喜んだ。その後、キリトのリメインライトを蘇生した。

 

「いやー参った参った。あんな奥の手を残していたとはな……」

 

「悪い、ああいった掠め手じゃないとお前には勝てないと思ったんだよ」

 

「お疲れ様、キリトくん、ルッコくん!!」

 

「応援ありがとう、アスナ。でも、勝てなかったよ」

 

「うん、あれは仕方ないよ。初見殺しが多かったもん」

 

「確かに初見殺しが多かったとはいえ、ここまで長期戦になったのは、パパの反射神経やプレイヤースキルが高い証拠ですよ!!」

 

「それはそうと、ルッコくん。まだまだスキルの引き出しありそうだったけど、他にはどんなスキルがあったの?」

 

「えぇっとですね……片手剣スキルから《デットリー・シンズ》細剣スキルから《スタースプラッシュ》両手剣スキルから《サイクロン》短剣は《ラピッドバイト》くらいですかね」

 

「……やっぱお前すげぇよ」

 

「「「「「「「「「「「「「(。'-')ウンウン」」」」」」」」」」」」」

 

「やべぇ。勝ったのに負けた気分だ……」

 

そのまま、笑って終わったから万事オッケー!!




今回はここまでです。

前編短めだったから、後編は少しでも長く……と思ったんですけど、主のヘボ頭ではこれ以上引き伸ばすのは無理だった。ほんとに文才が欲しい……

さて次回ですが、やっとこさ《マザーズロザリオ編》に突入します。ここまでほんとに長かった……
頑張って書いていきますので、応援よろしくお願いします!!

それではまた次回。お楽しみに!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

《コラボ回》
平行世界へのソウサクは楽ジャナイ


こんにちは、ルコルンです。

今回は、脇道という名のコラボ回です。(*´꒳`ノノ゙☆パチパチ

今回コラボしていただいた作品は、通りすがりの幻想様の「Sword Art Masked Rider」です!!

コラボのお誘いをした時、心臓バクバクでしたけど丁寧に対応してくださって本当にありがとうございますm(*_ _)m

それでは本編をどぞ(っ´∀`)っ


死銃事件から数日が経ったある日、フィリップさんに誘われ、俺とつぐみは鳴海探偵事務所に……いや、その下にある地下室に呼ばれた。

 

「さて、君たちにはこれを被ってもらいたい」

 

そう言って、フィリップさんが俺たち2人の前に置いたのはアミュスフィアだった。

 

「被るのは構わないんですけど、どの世界に探し物があるとかの検討はついてるんですか?」

 

「一応目星はつけている。そこは前に君たちがいたSAOと非常に酷似している世界だ」

 

「……っ!?」

 

「そこもデスゲームって感じですか?」

 

「多分そうだろう。しかも、この世界線ではないSAOだから何がいるか、誰が使うかも分からない。挙げ句の果てに、その世界ではどこまで踏破されているのか分からない。それでも構わないかな?」

 

「決まってるじゃないですか。1度引き受けたら断らないって1番わかってるでしょ?」

 

「……そうだったね。さて、つぐみさんはどうだい?」

 

「……正直に言うと、またあの世界に行くのは嫌です。けど、ルッコくん……いや、流己くんの手助けができるなら、私も行きます!!」

 

「それじゃあ早速行こうか。翔太郎、僕たちの体をしっかり見といてくれよ」

 

「あぁ、分かってるって。それより、あのメモリをしっかり取ってくるんだぞ」

 

「分かってるさ。と言っても、変身は僕ではなく彼らだけどね」

 

フィリップさんは笑顔でこちらを見る。期待しすぎでは?と思いながら、翔太郎さんと目を合わせる。

 

「あぁ、この2人なら大丈夫だな。なんたって、俺たちよりゲームが上手いからな」

 

余談だが、この話は本当であり、今いるメンバー4人でゲーム大会をしたところ、大体俺とつぐが優勝をかっさらっていった。

 

「とりあえず、行くとしよう」

 

「うん!!」

 

「あぁ!!」

 

しっかりアミュスフィアを被りこう宣言する

 

「「「リンクスタート!!」」」

 

 

 

目を開くと、街に着いていた。とりあえず、誤作動は起きていないようだ。メニュー画面を確認しようと、左手を動かすが何も起きない。

 

「ありゃ?ここで誤作動……いや、ここがSAOの世界ならもしかしたら」

 

そう思い右手を動かすと、しっかりメニュー画面が出てきた。安堵しながらステータス画面を開くと……

 

「やっぱりあるよね〜エクストラスキル《暗殺者(アサシン)》」

 

そう。初めてALOに入った時と同じような現象が起きていた。

LvもHPもスキルの熟練度も全てSAOにいた時と同じだった。

 

「そして、ログアウトボタンは……やっぱり無いよな」

 

まぁ、ここはSAOだからないのは分かるが、どうやって帰ればいいんだ?

 

「とりあえず探しに行くか。ツグはこの街で情報収集しておいてくれ」

 

「それはいいんだけど、ルッコくんはどうするの?」

 

「俺?俺は……」

 

「僕と一緒に着いてきて欲しい」

 

「……それでいい?」

 

「……分かったよ。だけど、何かあったら連絡してよね」

 

「分かってる。これ以上迷惑はかけれないからな」

 

ここからはツグと別れ、フィリップさんと2人で目的地に向かう。

 

「本当にこの中にあるんですか?」

 

探し始めてから1時間ほどが経過し、フィリップさんに愚痴を零す俺。

 

「まぁ、後調べてない箇所は少ないから」

 

そう言いながら、フィリップさんはダンジョンに入っていく。

「えちょ!?フィリップさん!!そっちダンジョンなんですけど!?」

 

「グルオォォォォォォォォォ!!」

 

「っ!?フィリップさん、屈んでください!!」

 

「わ、分かった!!」

 

距離的に《絶空》を放つ。敵は1発で倒れた。俺の今のレベル(Lv96)で倒せるって……ここは何層なんだ?

 

「ここは60層だね」

 

「ほへぇ。60層にこんな場所あったんですね」

 

そのまま奥に進むフィリップさん。

 

「だから、先行って敵でた時どうするんですか〜!!」

 

早足でフィリップさんのあとを追った。

 

30分ほどでこのダンジョンの奥に辿り着いた。

 

「今まで見たルートの中には無かったですね」

 

「それじゃあここもハズレだね、早く出よう。それと、これを着てもらおうかな?」

 

そう言って渡されたのは、昔捨てたはずの装備たちだった。

 

「あのぉ……どうしてこの装備を……?」

 

「ふふっ、君は不本意かもしれないが、我慢してくれ。この服装の方がここでは自然に見える」

 

「いや、でもこの装備……」

 

もう考えるのはやめよう。ありがたく受けとり、素早く装備を変更する。

 

「ふふっ、似合ってるよ」

 

「お世辞でしょうけど、ありがたく受けとっておきますよ。それより、出口わかるんですか?」

 

「……てっきり君が知っているとばかり」

 

それなら、先走らないでくださいません!?

 

「……このダンジョンは来たことがないですね。……どうするんですか?誰かに助けを求めようにも、怪しまれたら……」

 

「……その時はその時さ」

 

「ほぉ〜。じゃあその時はどうするのかな?」

 

「そうですよ。俺たちはここの……え?」

 

俺たちは声がした方向へ顔を向ける。真後ろに短めの黒髪で少し尖った鼻。そして、珍しい青色の虹彩の目を持った推定高校生くらいの人がいた。

 

不覚にも後ろを取られてしまったので、バレないように索敵スキルを起動し、周囲に人がいないかを確認する。すると、彼以外にもう1つ信号があった。位置的に柱の裏だろう。

 

「……さーて、お二人さん、あんたらがただの迷子だったらよかったんだが……生憎とここは最前線にかなり近い層で、しかもここはダンジョンのかなり奥の方だ。……つまり、ここに来れるのは余程高レベルかつ、ダンジョンに慣れている奴ってことになる。だが、さっきのお前さんらの話を聞く限り、どうやら下調べせずにぶっつけ本番で来たと見える。……一体何者だ?」

 

笑ってるけど絶対笑ってないパターンだこれ。どうしよ?フィリップさんの方を見ると、なにか悩んでるし。

 

「……おっと、下手に動くなよ?ちょいとでも怪しい動きをしたら、俺のパーティーメンバーがあったという間に拘束するぜ」

 

まぁこうなるとは思ってなかったから心臓バクバクだし、冷や汗ダラダラだよね。

ただ、その後ろから1匹モンスターがやってきた。

 

「……カイタ、後ろ!!」

 

「……なっ!?」

 

その人が後ろを向いて《バーチカル・スクエア》を放った。

 

「はっ!!であっ!!せいっ!!であ〜っ!!」

 

彼に襲いかかったモンスターは、ポリゴン片に姿を変えた。

 

「……その技、やっぱり……」

 

「ん?どうした?」

 

「……いえ、なんでもないです」

 

そのまま彼の提案で、60層の圏内にあるカフェで、尋も……お話をすることになった。

 

「……さて、なんであそこにいたのか、聞かせてもらいやしょうかね」

 

さすがに逃げ場はないと悟り、観念して口を開くことにした。

 

「……ごめんなさい。実は探し物がここにあって来たんです」

 

「……探し物、ですか?」

 

「あぁ……その前に自己紹介がまだだったね」

 

「あっ、そうでした……初めまして。俺はルッコと言います」

 

「僕はフィリップだ。よろしく頼むよ」

 

俺たちが自己紹介をすると、彼の目は見開いた。俺たちの名前を……いや、フィリップさんの名前を知っているかのように。

 

「……俺はカイタだ。こっちはパーティーへメンバーのレンコ」

 

「よろしくお願いします。……それで、探し物ってどういう物を?素材とかですか?」

 

「いや、違うんです。……とあるアイテムで、この付近に出現したということなんです」

 

「こういうものだ。見た事あるかい?」

 

まぁダメ元だから……って思いながら居てるけど、情報あったらいいなぁ。

 

「Utopia……『ユートピア』ですか?」

 

「その通り。……もしこれがここにあるとしたら、早急に回収しなきゃならないのでね」

 

「……ごめんなさい。見た事無いです」

 

ですよね〜。仕方ない、自分の足で探しますか。

 

「……そうですか、ありがとうございます。お騒がせしまし……」

 

「……それ、よかったら俺たちも探すの手伝おうか?」

 

「「「えっ?」」」

 

思ってもみない展開に少々驚きを隠せない俺とフィリップさん。彼のパーティーメンバーであるレンコさんも驚いていた。

 

「……ちょっと待っててください」

 

そう2人に言い残し、俺は後ろを向いてフィリップさんと話をする。

 

「どうしましょう?無関係の人に、探すのを手伝ってもらうのってフィリップさん的にどう思います?」

 

「僕的には賛成だよ。なんなら、この層の案内人も必要だしね」

 

「それ俺の事を遠回しに、案内人として役立たずって言ってるようなものですよ」

 

「気にしたら負けだよ?ルッコくん」

 

「……それじゃあお願いして貰えるように伝えますね」

 

そう言ってお二人の方を向く。

 

「……それじゃあ、手伝ってくれますか?」

 

「よし、じゃあ、まず圏外に出て……」

 

「カイタさん!!」

 

カイタさんを呼ぶ声が聞こえたので、声の聞こえた方向を見ると、この世界のアスナさんが焦った顔でこちらに来た。

 

「ありゃ、アスナ、どったの?そんなに泡食って」

 

「た、大変なの!!さっき、黒鉄宮から、脱走者が出たって……!!」

 

「…………はい?」

 

「…………えっ?」

 

……へっ?黒鉄宮から脱走した!?俺らの世界って平和だったんだな〜(錯乱)

 

「……ハッハッハッ!!な〜に言ってんだよ。あの黒鉄宮から脱走するなんて、そんなことあるわけ……」

 

「…………」

 

「……マジで?」

 

「ええ。でも、どこに逃げたかわからなくて……今血盟騎士団の数人が全力で捜索中だわ。カイタさんなら大丈夫だと思うけど、念の為注意してください」

 

「分かった。……ちなみにだが、外見とかは分かるのか?」

 

「はい。えっと、赤い髪をカールさせた女性のプレイヤーだそうで……」

 

「へあっ!?」

 

「ええっ!?」

 

俺もここまで聞いて驚きを隠せない。だってそいつは……紛れもなくロザリアなんだから。

もしかしたらそいつが持ってるかもしれない。一応フィリップさんに伝えておこう。

 

「フィリップさん。もしかしたら、脱走したやつがユートピアのメモリを持ってるかもです。注意だけしといてください」

 

「分かった。念頭に入れておこう」

 

「What the Fuc__」

 

「……!?」

 

あっ、レンコさんが……って早っ。カイタさんを殴った速度尋常じゃなかったぞ。

絶対に怒らせないようにしよう。

 

さて、本当にロザリアが持っているならこのメンバーを背に戦うのか。頑張ってみよう……奴が変身する前に回収出来ればいいなぁ。

 

あっ、レンコさんの説教が終わった。

 

「……何やってるんですか?……」

 

「女性の尻に敷かれる男性……本で読んだことはあるが、実際に見たのは初めてだ。実に興味深い」

 

フィリップさん!!何言ってるんですか!?失礼ですよ!!

と思ったものの口にしてはいけないと悟ったので、何も言わなかった。

 

「全くもう。……それじゃあルッコさんたちの探し物の続きするよ」

 

ふぁい(はい)

 

4人で探し始めてから数時間が経ったが、何も収穫がなかった。

 

「……だ〜、畜生!!ほんとにあるのか?」

 

「……そのはずなんですけど……」

 

「もしかしたら別の層にあるのかもしれない」

 

「えぇ……ったく、手間ぁかけさせやがって。」

 

 

 

 

 

「……じゃあ、こっちから出向いてやるよ」

 

殺気の含んだ声が後ろから聞こえたので、全員後ろを向いた。

 

「……なっ、お、お前は!!」

 

「見つけたよ……『仮面の戦士』」

 

「……あーあ、まさかとは思ったが、やっぱりテメェだったか。……ノコノコと黒鉄宮という名の牢獄を抜け出してきて、一体何の用だ?」

 

「あの日、あんたと『黒の剣士』に味わされた屈辱……ここで返させてもらうよ」

 

そして、ロザリアが取りだしたのは……

 

『ユートピア』

 

なんとユートピアメモリだった。

 

「え、おい、ちょっとまて、あれって……」

 

「フィ、フィリップさん……!!」

 

「どうやらビンゴのようだね」

 

ロザリアがユートピアメモリを腰に着けた円形のドライバーに刺し込む。すると、みるみるうちに『ユートピア・ドーパント』になるではありませんか。

 

「……な、何あれ」

 

「マギア、じゃない……」

 

マギア……なんだそれ?

 

「……ゴールドメモリだから簡単には使えないと思っていたが……間違いない。あれは『ユートピア・ドーパント』だ!!」

 

なんでこういう時の予想は当たるのかなぁ!?

でもやるしか無いよね。

 

「カイタさん!!下がっ「レンコ。ルッコ君たちと離れてろ!!」……えちょ!?」

 

レンコさんに連れられて、俺とフィリップさんは後ろに下がった。

 

カイタさんに関しては何か取り出してるし……そのうちの1つを腰に巻いた。まさか!!

 

【ゼロワンドライバー!】

 

【ジャンプ!】

 

【オーソライズ!】

 

上空からバッタのライダーモデルが降ってきた。

 

「……えぇ。ば、バッタ!?」

 

俺の中でバッタを使って変身するライダーなんて、仮面ライダー1号・2号あと、仮面ライダーOOOしか知らないぞ。なんなら俺の中の仮面ライダーはドライブで止まってると言うね。

んな話はどうでもいいんだよ!!

 

「変身!!」

 

【プログライズ!】

 

【飛び上がライズ!!ライジングホッパー!!

A junp to the sky turn to a rider kick.(空へのジャンプはライダーキックに変わる。)

 

どこぞの会社の社長が被験者として実験してる会社……っていう噂を耳にしたことだけはある。

これが……『仮面ライダーゼロワン』

 

「……その姿を見ると、余計に腹が立つわ」

 

「そうかい、奇遇だな。俺もな、テメェの面は二度とお目にかかりたくないと思ってたんだよ。さっさと黒鉄宮に戻りな」

 

でも、これは俺たちの探し物が招いたトラブルだからついさっき知り合った方に全てを任せるわけにはいかない。

俺は、ツグに“ドーパントが出た。メモリの準備だけ頼む”とだけ送りカイタさんの方に歩みを進めた。

 

「な、何やってるんですか、ルッコさん!!危ないから戻ってください!!」

 

「えっ?」

 

ゼロワンに変身したカイタさんが後ろを振り返った。その後すぐにカイタさんの横に立った。

 

「……あのぉ、アンタ、何やってるんでせうか?危ないから離れてろと、言っただろうに……」

 

「……カイタさん。()()()()、そうだったんですね……」

 

「……は?()()()()って……そりゃ一体どういう……」

 

「……フィリップさん。いいですよね」

 

「あぁ。本当ならメモリの状態で回収したかったが、こうなってしまった以上仕方ない。メモリブレイクも辞さない」

 

許可取り完了!!後はやるだけだ。

 

「分かりました……という訳でカイタさん、ここは俺も一緒に戦います」

 

俺はダブルドライバーを腰に巻き、ジョーカーメモリを右手に持ち、起動する。

 

【JOKER!】

 

ツグ、いくよ……変身!!」

 

「……え?」

 

俺は右側のスロットに送られてきたサイクロンメモリを刺し込み、右手に持っているジョーカーメモリを左側のスロットに刺す。そして、両手をクロスしスロットを倒した。

 

【CYCLONE!! JOKER!!】

 

俺は竜巻に包まれ、『仮面ライダーWサイクロンジョーカー』に変身した。

 

「……え?、ルッコさんも……変身した?」

 

「二色の戦士……二人で一人の仮面ライダー……まさか、仮面ライダーW、なのか!?」

 

「……はい、その通りです!!」

 

「……えっ、てことは、フィリップさんってまさか『地球(ほし)の本棚』のフィリップさん!?」

 

「その通りだ」

 

「……俺以外に変身できるプレイヤーがいたなんて……」

 

肝心なこと言ってないからカイタさん困惑してるよ……

 

「あー、その事なんですけど……」

 

「ルッコくん、まずはあれをどうにかしよう」

 

「……あっ、忘れてた」

 

「ん?その声……Wのソウルサイドの担当者か?」

 

「あっ、はい。俺の恋人の『ツグ』です。……流石にリアルの名前を言うのはあれなので、プレイヤーネームかつあだ名ですが」

 

「よろしくお願いします……ってルッコくん。この人って、もしかして……」

 

「あぁ。俺たちと同じ仮面ライダーだよ」

 

「どうも。俺はカイタって言います」

 

「……あたしをおいてぺちゃくちゃお喋りとは、いい度胸だねぇ!!」

 

「……っと、そろそろ奴さんが癇癪を起こしそうだ」

 

「そうですね。……ツグ、行くよ!!」

 

「うん!!」

 

俺たちはユートピア・ドーパントの方を向く。最終手段を使うこと考えておかないとな。

 

「ロザリア……!!お前を止められるのはただ一人!!俺だ!!」

 

「「さあ、お前の罪を数えろ!!」」




今回はここまで!!

コラボの話が2箇所で別々のものが出来るのは、色々ややこしいので、通りすがりの幻想様のコラボ回のルッコくん視点という形で書かせていただきました。

えっ?「お前アイデアしか出してねぇだろ」って?
そそそそ、そんなことがあろうはずがございません。カタ:(ˊ◦ω◦ˋ):カタ

書いてて気づいたんですけど、前半だけで6500字あるんですよね。いつもの分量ならこれだけで2話分になってますね。(つまり、コラボだけで4話分になると)

さて、今回コラボしていただきました、通りすがりの幻想様の「Sword Art Masked Rider」のURLを下に貼っておきます。

https://syosetu.org/novel/267554/

1話が長めで、読み応え抜群。この作品より、仮面ライダーがしっかり話に関わっている。さらに、これから主要なところに入っていくので、1度読んでみてください!!

それではまた次回をお楽しみに!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ラスボスは一筋縄では倒セナイのが筋

《前回のあらすじ》
俺こと成宮流己と俺の相棒かつ彼女のつぐこと羽沢つぐみは、フィリップさんと一緒に平行世界にある《ユートピアメモリ》を回収しに行った。
その世界の中でカイタさんとレンコさんに出会った俺たちは、一緒に《ユートピアメモリ》を探し始めた。
探し始めて直ぐに手がかりを掴んだ俺たちの前に現れたのは、黒鉄宮から脱獄したロザリアだった。
しかも、彼女はユートピアメモリを所持しており、ユートピア・ドーパントに変身した。
それを見た俺は仮面ライダーWに、カイタさんは仮面ライダーゼロワンに変身したのだった。


「お前を倒せるのはただ一人!!俺だ!!」

 

「「さあ、お前の罪を数えろ!!」」

 

「たかが一人増えたところでどうにかなると思わない事ね!!」

 

「そう言っていられるのも、今のうちだぜ!!」

 

カイタさんはそう言い放ち、アタッシュカリバーを持ち、奴に斬りかかりに行った……のだが、全く攻撃が通っていない。

 

「……ちぃっ!!」

 

「はぁっ!!」

 

「無駄だよ!!」

 

「……クソっ!!」

 

「か、硬い……」

 

カイタさんの後に、俺は風を纏った攻撃を繰り出したのだが、これも全く効いていない様子だ。

俺は後ろに少し下がった。

 

「……よそ見している場合か?オラァ!!」

 

こっちを見ていたカイタさんに攻撃をする。それをアタッシュカリバーを使って受け止めた。

 

“ガキン!!”

 

音だけで分かるほどの重さだった。その証拠に……

 

「……っ!?グウッ……!!」

 

受け止めたカイタさんがレンコさんの所まで後退させられていた。

 

「……おい、んだよこりゃ!!こいつ、ここまで馬鹿みてぇな威力してたか!?」

 

「おそらく、引力と斥力(せきりょく)で威力を上乗せしているんだ!!ユートピア・ドーパントは、重力・引力・斥力を自在に操る能力がある!!気をつけてくれ……」

 

「げっ、そういや、そんな能力あったな……」

 

「な、何それ……無茶苦茶だよ……」

 

レンコさん、その通りです。その通り過ぎて、最終手段を使っても勝てる気がしないですもん……

本来なら攻撃力を上げた方がいいのだが、ここで俺は何故か……

 

「……だったら、防御を上げよう!!あと、重量も!!ツグ、メタルで行くよ!!」

 

「分かった!!」

 

俺は、スロットを元に戻し、ジョーカーメモリを取り出す。そして……

 

【METAL!】

 

メタルメモリを起動し、ジョーカーメモリの代わりとしてドライバーに装填、展開した。

 

【CYCLONE! METAL!】

 

俺は、ボディサイドををジョーカーから銀色のメタルに変化する。ついでに、メタルメモリを使った形態で使用できる専用武器、「メタルシャフト」を右手に持つ。

因みに、このフォーム《サイクロンメタル》は、Wの形態の中で1番防御力に長けたフォームである。

 

「はあっ、せいっ、やあっ!!」

 

俺は、メタルシャフトを片手剣のように扱い、片手剣三連撃《シャープネイル》をシステムアシストに乗せて放つ。

 

「……よし、防御と質量なら、俺はこいつで!!」

 

【プレス!】

【オーソライズ!】

【プログライズ!】

【Giant Warning!ブレイキングマンモス!】

Larger than life to crush like a machine(重機の如く破砕する超巨体)

 

この音声が聞こえたあと、カイタさんの方を見ると、ゼロワンの色身はそのままで、銀色のパーツが幾つか付いていた。

 

「おぉ、これがネットで検索したら出てきたブレイキングマンモスか〜」

 

なぜ知っているかって?エゴサしたら出てきただけだよ。

 

後ろを向いてから思い出したが、防御してることを忘れてたよね。やらかしたわぁ……

 

「……ヤバっ、防ぎきれない!!」

 

「任せろ!!……オラッ!!」

 

「す、すみません!!ありがとうございます」

 

俺が防ぎきれなかった攻撃をカイタさんが装甲で防いでくれた。

 

「ああ。ただ、こいつは……ちょっと不味いかもな」

 

「えぇ……このままだとジリ貧……ですね」

 

俺は、ユートピア・ドーパントに強めの一撃を与えるために考えていたのが仇となってしまった。

 

「……それで終わりかい?」

 

彼女がそう言ったあと、一瞬でどこかに消えてしまった。

 

「……なっ!?」

 

「き、消えた……?」

 

「カイタ、上……!!」

 

「ルッコくん、上だ!!」

 

俺は嫌な予感がしたので、メタルメモリに右手をかけて上を向いた。

 

上を見ると、ユートピアが炎と雷を纏った竜巻を生成していた。

 

「げっ……」

 

「や、やばい!!」

 

「これでも喰らいな!!」

 

俺は咄嗟にメタルメモリをメタルシャフトに装填した。

 

【METAL!MAXIMUMDRIVE!】

 

メタルシャフトの先端に風が纏い付き、足に力を込めて一気に駆けだした。

 

「メタルツイスター!!」

 

本来は何回転かして必殺威力のダメージを叩き出すのだが、今回は、一撃で決めきれる力の入れ方をした……のだが。

 

「なんて、威力だ……このままじゃ、抑え……グワッ!!」

 

「ぐわあぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「「ううううっ!!(きゃあああっ!!)」」

 

威力を軽減したとはいえ、ほんの少しなので、元の威力とさして変わらないほどの攻撃をモロに受けた俺たちは、変身解除こそしなかったが、通常形態に戻されてしまった。

 

(こうなったら、やるしかない!!)

 

「ツグ、ちょっと使いたいメモリがあるんだけどいい?上手く行けば、これで倒せるかも!!」

 

「えっ!?……分かった、やってみようよ!!」

 

という訳で、ジョーカーメモリを再度装填してからあるメモリをストレージから取り出す。

 

「……来い、エクストリームメモリ!!」

 

「……はぁ!?」

 

取り出したのは、大型のメモリ。その名も《エクストリームメモリ》自律型なので、自らの意思で動くことが出来る唯一のメモリだ。

 

そのメモリはダブルドライバーに覆いかぶさり、ドライバーを展開した。

 

「……まて、HPが…だ、だめだ!!そんなボロボロの体では……」

 

【EX EXT EXTRE EXT RME EXT,RE,M,E…!】

 

「……あっ、やべぇ」

 

ちょっとやらかしたかもしれねぇな。そう思った時、体に電撃がはしった。

 

バチバチバチバチ

 

「うわああああああ!!」

 

「なっ!?ル、ルッコ君!!」

 

「……う、ぐ………」

 

電撃を受けた俺は、Wの変身を解除してしまった。身体には諸々のダメージが蓄積してたので、そのまま倒れてしまった。

 

「……お、おい……大丈夫か……」

 

その言葉を聞いて、意識が無くなってしまった。

 

 

 

 

「…ん、んん……」

 

「カ、カイタ!!ルッコさんが気がついたよ!!」

 

「「……!!」」

 

レンコさんの声に反応してカイタさんとフィリップさんがこちらに向かってくる。

 

「……ルッコくん、大丈夫かい?」

 

「……えぇ、何とか。…でも、どうしてエクストリームメモリが使えなかったのでしょう?」

 

「過度のダメージを受けている状態で強化フォームに変身するのは、体に負荷がかかりすぎる」

 

「あぁ、なるほどです……あっ、ユ、ユートピアは!?」

 

「……奴さんなら逃げたよ。どこに行ったかも分からん」

 

ここまで親身になって手伝ってくれてるなら、本当のことを話すべきだよな?信用してくれるかは分からないけど……

 

「……お二人とも。あの怪物のことで話があります」

 

「……分かった。いったん街に戻ってそこで聞くよ。一度体制を立て直す必要もあるからな。レンコ、アスナにロザリアを見つけたことと、狙いは俺とキリト、それと、例の ()()()を使ってもボコボコにされたことを伝えといてくれないか?」

 

「分かった」

 

「……で、ルッコ君。ソウルサイド担当のツグさんはどこに……?」

 

「ツグ、でもいいですよ。彼女のあだ名でもあるので……えっと、60層の宿にいるみたいです」

 

「……よし。らじゃあ、そこに行こう」

 

数時間後、俺はカイタさんたちふたりをツグが居る60層の宿に案内した。

 

「「…………」」

 

「えっと、カイタさん、レンコさん。彼女がツグです」

 

「よろしくお願いします」

 

「それで話って言うのは?」

 

「それは……先程の怪物と、俺たちについてです」

 

()()()……それはまたどうして?」

 

「……単刀直入に言います。俺たちは別の世界……いわゆる平行世界から来ました」

 

「……はっ?平行世界って、あの平行世界?」

 

「はい」

 

「そうです」

 

「……そして、SAOの操作に慣れている…ってことはお宅もSAO事件に巻き込まれてる感じか?」

 

「そう……ですね」

 

「んで、この世界に来た目的は?」

 

「それは……この世界にどういう訳か紛れ込んでしまった《ユートピアメモリ》を回収する為です」

 

「………………!?」

 

「……そっか」

 

意外や意外、カイタさんはあまり驚かなかった。普通ならレンコさんみたいな反応になるはずなんだけどな。

 

「あれ、カイタさん、驚かないんですか?」

 

「こうして『仮面ライダー』に変身できてるんだ。何が起きてもおかしくねぇよ」

 

「そ、そうですか……」

 

「……しっかし、小説とかで並行世界ものって色々読んだことはあるけど、ほんとにそういうものってあるんだな」

 

「いや、なんでそこまで冷静なの!?」

 

「いや、まぁ、ね?さっき言った通りだし……非常事態だから、信じるしかないと思って……」

 

「それは、そうだけど……」

 

「とにかく、ルッコ君たちの話は分かった…それで、あいつ……ユートピアにどう対抗するかだけど…(ピロン)…すまん、ちょっと待っててくれ」

 

話をしていると、カイタさん宛にメールが届いたらしい。

 

「ルッコくん。カイタさんに届いたメールって、ユートピアの影響のやつだよね」

 

「多分な……クソっ!!」

 

自分の不甲斐なさに苛立った俺は右手に握りこぶしを作っていた。しかも、爪を食い込ませていたからか、少しだけHPが減っていた。

 

「…これ」

 

「……ルッコ君も相当悔しいんだろうな。とりあえずメールを見せるか」

 

「……そうだね。ルッコさん、ツグさん。こっちに来てください」

 

「ほら、行くよ」

 

「あぁ……」

 

レンコさんに呼ばれカイタさん宛に届いたメールを確認する。

 

“キー坊とアーちゃんが例の怪物にやられタ。死んだという訳じゃないガ、すぐに来て欲しイ”

 

その下に座標が示されていた。即ち、ここに来てくれってことだよな……あれ?ここって……

 

「ツグ、ここって確か……」

 

「うん。私たちがホームにしてた建物だ」

 

「ありゃ、そうなのか。それじゃあ案内頼めるか?」

 

「お安い御用です」

 

「よし、レンコ、俺たちも行くぞ」

 

「ちょっと待って。アイテムの補充、忘れないでよ。…まだ話は全部理解してないど、厳しい戦いになるんでしょ?」

 

「そうだな、分かった。アイテムの補充をしてから行こう」

 

俺たちは消耗品を補充しアルゴさんに指定された場所に向かった。

 

 

 

「……随分でかいホームに住んでたんだな」

 

「まぁ、元々がシェアハウスだったらしいので……」

 

「……おぉ、カイ坊、来たのか」

 

「アルゴ、キリトたちは……」

 

「こっちだ……ただし、心の準備はしとけヨ」

 

死んでないけど情報屋のアルゴさんが心配してるのだ。忠告通り、心の準備はしておこう。

 

「……へ?」

 

そのまま中に連れられると、リビングのような場所に二人は横たわっていた。

 

……のっぺらぼう状態で。

 

「……は?」

 

「……え?」

 

「……あっ!?」

 

「…どういう、事……?」

 

「……おい、キリト……アスナ」

 

俺は2人の状態を確認する。HPゲージが0では無いので死んでいる訳では無い……ということは

 

「…………ナンだと!?」

 

「アルゴさん、どうしたんですか?」

 

「…今、他の情報屋の連中から入った情報ダ。……例の怪物が、低層域で暴れたらしい。主に、低レベルや生産職などの戦えないプレイヤーを狙ったみたいダ。……そして、報告から考えるに、襲われた全員が、今のキー坊やアーちゃんと同じ様態になっている」

 

「………………なん、だと……?」

 

聞き返したレンコさんにアルゴさんが告げたのは、まさしく絶望と言えるほどの惨状だった。

 

「…………夢だよ、こんなの、夢に決まってる……」

 

「フィリップさん。これって、やっぱり……」

 

「……間違いない。ユートピアの能力だ」

 

「…今度は、どういう能力なんですか……?」

 

「……人間の生きる希望、即ち精神力を奪って自らの力に蓄えることで、エネルギーに転換する。これこそが奴の……ユートピア・ドーパントの能力の真骨頂だ」

 

「……そん、な…」

 

「……クソったれが!!」

 

俺だって堪忍袋の緒が切れそうなレベルだ。でも、ここでキレたとして、筋が無さすぎる。だって、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。このことで、無関係なはずのこの世界の人々に悪影響を及ぼしている……

 

「ルッコくん、私、レンコさんのそばに居るね」

 

分かった。ただ、このメモリだけ持っておいてくれ……カイタさん、少し話しませんか?」

 

「……あぁ」

 

カイタさんは力なく返事をした。申し訳ない気持ちが心の中に蓄積した。

 

「……じゃあ、少し外に行きましょうか」

 

 

 

「……ごめんなさい、カイタさん」

 

建物を出て少しした頃、俺はカイタさんに謝罪した。

 

「……なんだよ、藪から棒に」

 

「……本当なら、僕たちの世界で片付けるべき問題なのに、カイタさんたちを巻き込み……挙句の果てには、この世界にいる関係ない人が犠牲を出してしまって……」

 

「……大丈夫、とは言えねぇな。正直、今でも怒りを抑えることに必死だよ…。もちろん、ルッコ君たちじゃなくて、ロザリアに対しての怒りだ」

 

「……そうですよね」

 

俺は下を向いた。正直、これ以上カイタさんたちを巻き込みたくない。そう言いたいのに、口が動いてくれなかった。

 

「「………………」」

 

少し沈黙が続く……しかし、この空気を打ち破ったのは、カイタさんだった。

 

「…ルッコ君…頼みがあるんだ。俺と決闘(デュエル)してくれないか?」

 

俺は耳を疑った。

 

「えっ!?ど、どうしてですか……?あっ、まさか……俺、何か失礼を…!!」

 

「い、いや、違うんだ!!そういう事じゃなくて……単純に、俺の気持ちを確かめるためだ」

 

よかった……とりあえず粗相がなくて安心。と同時に、一種の疑問を覚えた。

 

「……と、言いますと?」

 

「俺はどこかで、この事件の事を嘗めていたかもしれない。…だが、戦って分かった。奴は、ロザリアはもう、単なる犯罪者じゃない。俺への復讐に燃える狂人だ。……だったら、俺が止めるべきだ。……本来なら」

 

「…………」

 

「…でも、奴を倒すには、奴と同じくガイアメモリを使って戦うルッコ君たちの力が必要なんだ。だからこそ、俺は君と戦って、確認したいんだ…。俺があの日、力を手に入れた時に感じた、自分の覚悟を。でないと、俺は君の隣で戦う資格が無い」

 

俺がカイタさんの方を向くと、決意のこもった目で真っ直ぐこちらを見ていた。

 

「……分かりました。ただし、死んだら元も子もないので、半減決着モードでいいなら」

 

「……分かった」

 

カイタさんから少し離れ、人目がないことを確認しようとして、申請を送ろうとしたら向こうから送られてきた。

それを俺は許可し、30秒のカウントダウンが始まった。

 

(デュエルは、あの時以来2回目だ。あの時は弱かったからよかったけど、奥の手を準備しておこう)

 

━━━3

 

「…………」

 

カイタさんが片手剣を構え、

 

━━━2

 

「…………」

 

俺は刀を構え、

 

━━━1

 

「「………………」」

 

━━━START!!

 

「「はあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」」

 

スタートの合図と同時に2人は駆け出し、カイタさんは片手剣上段突撃技《ソニックリープ》を、俺は刀単発技《絶空(ぜっくう)》を放つ。

そのまま鍔迫り合いになったが、俺はすぐに後退した。後を追うようにカイタさんが前に詰めてくる。

というわけて刀居合技《辻風(つじかぜ)》を放つ。

カイタさんは左に避けた。当たればラッキー程度だったからなんでもいいのだが、回避した後に足が止まっていたため、もう一度《絶空》放つ。

 

「ここっ!!」

 

「……くっ、危ねぇ!!」

 

スレスレで避けられたのだが、避けるときに体勢を崩したので《浮舟(うきふね)》を放つ。

 

「せりゃ!!」

 

「……グッ!!」

 

カイタさんを空中に打ち上げ、俺はもう一度《辻風》を放ち空中にいるカイタさんに当てる。

 

「たぁっ!!」

 

そのまま、刀単発技《幻月(げんげつ)》を発動。今回は上からだった。

 

「せぇ〜のっ!!」

 

そのままの勢いで刀3連撃技《緋扇(ひおうぎ)》を打ち込む。

 

「ぐあぁっ!!」

 

この一連のコンボでカイタさんの体力は3割弱削れた。

 

「……ちいっ!!」

 

(あと1回、同じ事をすれば……勝てる!!)

 

「はあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

カイタさんが走ってきた。

 

「うおぉぉぉぉぉ!!」

 

それを迎撃しようと《絶空》を発動体勢入った時に気づいた。

 

(ライトエフェクトが……点ってない!?)

 

そう思った矢先、カイタさんは急ブレーキをかけた。

 

「……えっ!?」

 

俺は、スキルモーションに入っているので止まることは出来ない。正確にはできるのだが、本来の技後硬直より長い時間になってしまうのだ。

 

対象を失ったスキルは空振りを起こして、技後硬直に襲われる。

 

「…悪いが、同じことをさせてもらうぜ」

 

「……しまっ!!」

 

カイタさんは即座に《レイジスパイク》を発動し、俺を打ち上げる。

 

「はあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

そのまま右手に持つ片手剣を後ろに下げ、左手を先端に添える。すると、甲高い音が鳴り響いた。

 

「……そこだっ!!」

 

狙いを定め、おそらくフルパワーだと思われる《ヴォーパル・ストライク》を発動。空中なので回避ができないし、なんなら技後硬直中なのでもろに受ける。

 

「……グハッ!!」

 

「からの……これで、どうだ!!」

 

空中で片手剣7連撃技《デッドリー・シンズ》を発動される。

もうちょっとで地面に着くと思った矢先、ダメ押しレベルで、片手剣10連撃奥義技《ノヴァ・アンセンション》を発動された。

 

「ぐっ……うおぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

正直、これ以上ダメージを受けるのはマズイので、《ノヴァ・アンセンション》の残り3連撃を《緋扇》で相殺した。

 

ここまでの一連の攻撃で、俺のHPが二割強削れた。

 

(あっぶねぇ……4つのスキルを連携しおった〜。……仕方ない、()()を使うか)

 

「いてて……はぁ、まさか秘奥義を使ってくるとは」

 

「そうでもしねぇと、勝ち目ねぇからな」

 

「そうですか……なら、こっても本気で行かせてもらいます」

 

「……はい?」

 

「はあぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

俺はもう一度攻撃を仕掛ける。カイタさんは難なく躱した……様に見えたけど、もう一本の刀を当てる。そしたら分身が出てきた。

おぉ、まさかの15%を1発で引いたのか?

 

「……えっ?う、嘘だろ、どうやって」

 

驚くカイタさんを横目に、左手に持っていた刀を見せる。

 

「なっ……もう一本!?何だよ、それ……」

 

予想以上の反応をありがとうございます。

 

「……俺のEXスキル(エクストラスキル)、『暗殺者(アサシン)』です」

 

「……そんなスキル、聞いたことないぞ。……でも、武器が増えたところで……」

 

「……誰が武器だけが増えるって言いました?」

 

「……ふぇ?」

 

鍔迫り合いの最中、後ろから分身が攻撃をしてくれた……まぁ回避されたけど。なに?後ろに目でも付いてるんですか?

 

「な、なななな、なぁにぃ〜!?」

 

いや〜、2本目の刀を見た時といい、分身のことといい、本当にいい感じの反応をありがとうございます!!

 

「はあぁぁぁ!!」

 

「……ぐうっ!!」

 

火力とスピードを上げて、一気に決めにかかる。カイタさんも初めの方は回避や防御を合わせることをできてたのだが、徐々に反応が遅れてきた。

 

「……くぅぅぅぅ!!」

 

「……これで決めさせてもらいます!!」

 

《鏡花水月 明鏡止水》

 

『暗殺者』最上位スキルかつ、一番信頼しているスキルを発動する。

 

カイタさんに、初めの3連撃を受け止められ、4連撃目以降は《ノヴァ・アンセンション》を発動した。

 

「はあぁぁぁぁぁ!!」

 

「うおぉぉぉぉぉ!!」

 

カイタさんは俺のスキルの4~13連撃分を相殺した。だが、まだ1発と分身が1人いるので計2発残っている。技後硬直になったカイタさんに俺たちはラスト2発を叩き込む。

 

 

 

「……やられた。あんな分身相手に勝てるわけが無いYo!!」

 

「いやいや、カイタさんのこそ。俺の分身に初見で対応するなんて流石ですよ!!」

 

「そっか、ありがとな。…それじゃあ、改めてよろしく頼むよ、ルッコ君!!」

 

「こちらこそ!!」

 

(ピコン)

 

「……ツグからだ。……なに!?」

 

「……どうした?」

 

「今、ツグとレンコさんたちがユートピア・ドーパントと対岐しているらしいです」

 

「……なに!?」




今回はここまでです。

いや〜ちょこちょこアレンジさせて頂きました。こんな感じでどうでしょう(*´罒`*)

戦闘シーンは難いしけど、書いてる時はすっごい楽しいんですよね。

次回でコラボは終わりの予定です!!

↓通りすがり幻想様の「Sword Art Masked Rider」のURLはこちら!!
https://syosetu.org/novel/267554/

ではまた次回!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

コノ戦いの終着点トハ

《前回のあらすじ》
ユートピア・ドーパントに手も足も出なかった俺とカイタさん。
その後、情報屋の鼠ことアルゴさんから、カイタさんの世界のキリトとアスナがユートピア・ドーパント襲われ、のっぺらぼうにされたことを知る。それと同時に、低層にいる人たちにも襲いかかる。
俺は不甲斐なさからカイタさんに謝るが、彼から決闘(デュエル)を申し込まれる。決闘から彼なりの決意を見せてもらった俺は、ツグから届いたメールを見ていた。


「今、ツグとレンコさんたちがユートピア・ドーパントと対岐しているらしいです」

 

「……なに!?しまった……ここからじゃ間に合わないぞ」

 

(あのメモリの出番だな)

 

「……カイタさん、俺を担いで走れますか?」

 

「へっ?そりゃ、行けるけど……」

 

「それじゃあお願いします」

 

カイタさんがなにか言おうとしてたけど、聞かないふりをし、俺はドライバーを装着しメモリを起動する。

 

【JOKER!】

 

「……変身!!」

 

俺はジョーカーメモリを左側のスロットに装填した。すると、ジョーカーメモリは消え、俺も意識を手放した。

 

〜sideツグミ〜

 

ルッコくんとカイタさんが外に出てから、私はレンコさんの元に水を持って行った。

 

「大丈夫ですか……?」

 

「……うん、ありがとう。でも、色々と信じ難いことが次々と起こってるからパニック気味……かな」

 

「まぁ、そうですよね。私もちょっとパニックになってますよ。でも……強大な力を持っている敵も絶対に弱点があるって、思ってるんです」

 

「弱点…か。エネルギーのキャパオーバーとかしないのかな?」

 

「……それだ!!」

 

「どうしたんですか?フィリップさん。もしかして……」

 

「……奴を、ユートピア・ドーパントを倒すたった1つの手段が」

 

「本当ですか!?」

 

「あぁ、まずは……」

 

ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!

 

「……っ!!タイミングが悪い。この話は後だ。ツグミさんはルッコ君にメールを送ってくれ。“ユートピア・ドーパントが来た”……と」

 

「メモリの指示はいらないですか?」

 

「彼なら大丈夫だ。適切なメモリを刺してくれるだろう。ツグミさんは僕にファングメモリを渡してくれ」

 

「分かりました。レンコさんは私と一緒に居ててください」

 

「フィリップさんはどうするんですか?」

 

「……今、(ルッコくん)もカイタ君も居ない。なら、僕が……!!」

 

「えっ、それってどういう……」

 

私はルッコくんにメールを送ったあと、フィリップさんにファングメモリを渡しました。そしたら、フィリップさんにドライバーが巻かれました。それから急いでこの家の玄関に向かいました。

 

「HAHAw誰もいないのかい?居ないなら中にいる黒の剣士を殺すわよ」

 

「そんなことは絶対にさせない!!」

 

フィリップさんはユートピア・ドーパントの前に立つ。

 

「おや、さっきの男の人じゃないか。殺されたくなかったらさっさとここを去りな」

 

「僕は貴方を止める為にここに来たんだ」

 

このタイミングでジョーカーメモリがドライバーに転送してきた。

 

「じゃあ、殺すしかないわね」

 

「生憎、すぐに死ぬ訳には行かないのでね」

 

彼は、恐竜モードのファングメモリを変形し、起動する。

 

【FANG!】

 

「……変身!!」

 

右手で左側のスロットに転送されてきたジョーカーメモリを装填し、左手に持っているファングメモリを右側に装填し、そのまま展開しました。

 

【FANG! JOKER!】

 

私は、初めて《仮面ライダーW ファングジョーカー》に変身した所を見ました。それと同時に……

 

「ツグ、大丈夫か?」

 

ルッコくんが私と同じ立ち位置(ソウルサイド)になることも。

 

「僕はツグミさんじゃないんだけどね……」

 

「すみません。フィリップさんが変身してるとは思わなかったので……()()()()()動けそうですか?」

 

「久しぶりだからね……動けて5分くらいじゃないかな」

 

「分かりました。5分以内でケリをつけましょう」

 

【ARM FANG!】

 

「「うおぉぉぉぉぉぉ!!」」

 

「はあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ファングジョーカーの右腕に付いた牙とユートピア・ドーパントの所持している棒との鍔迫り合いの時に火花が散った。

 

「くっ!!なんてパワーだ。さっきまでと段違いすぎる……」

 

「こっちの力を舐めるなよ!!」

 

「ルッコ君、一気に決めるぞ!!」

 

そう言った後、ファングメモリの横にあるスイッチを3回押した。

 

【FANG MAXIMUMDRIVE!】

 

その音声と同時に右脚に刃が付く。そして……

 

「ファングストライザー!!」

 

ドゴゴゴゴゴーン

 

2人の放った必殺技はユートピア・ドーパントを巻き込み爆発した。

 

……はずだった。

 

「……ふぅ。良い一撃、もらっちまったよ。このまま戦っても負けるだけだから、伝言だ」

 

「一応聞いておこう」

 

「47層のあの道でお前を待っているぞ……仮面の戦士」

 

そう捨て台詞を吐くと、ユートピア・ドーパントは竜巻に包まれながら去っていきました。

 

その数秒後、カイタさんはルッコくんを担いで戻ってきました。

 

〜sideルッコ〜

フィリップさんが変身を解いたため、カイタさんに担がれているタイミングで目が覚めた。

 

「あぁ、やっぱりそのフォームか」

 

「お察し頂いて何よりです……それより、早くおろしてくれません?」

 

「わ、悪い」

 

カイタさんが俺を優しくおろす。

 

「……で、肝心のユートピアは?」

 

「あいつは、逃げていったよ」

 

「……それより、伝言を言いに来たみたいです」

 

「伝言……どんなのだ?」

 

「あぁ、『47層のあの道で待っている』だそうだよ」

 

「47層…………」

 

カイタさんの顔を見る。

 

「時は来たってやつだな」

 

「…行くの?」

 

「……あぁ、決着(ケリ)つけないとな」

 

「分かった。準備が出来たら行こう。皆もそれでいい?」

 

「あぁ!!」

 

「「もちろん(です)」」

 

(破壊してでもロザリアを止める……例え、何があろうとも!!)

 

俺もそう決意を固めた。

 

 

 

 

「……本当に行くのカ?」

 

こちらの世界のアルゴさんに見送られ、35層の転移門前にいた。

 

「これ以上、あいつを野放ししておくことは出来ません」

 

「あぁ、俺たちが終わらせる」

 

隣でツグ、フィリップさん、それとレンコさんの三人が頷いた。

 

それでも、不安そうな顔をしていた。

 

「……キー坊とアーちゃんがやられた以上、奴に対抗できるのは、カイ坊と、そこのオニーサンだけだ。……もし、お前たちまでやられたら……」

 

「馬鹿なこと言ってんじゃねぇよ、アルゴ。俺たちが、そう簡単に負けるように見えるか?」

 

「…………いや、そこのオニーサンはわかんないガ、カイ坊はどこまでいってもくたばり損ないそう面してるナ」

 

そんな感じに思ってくれてたのか……尚更頑張らないと。

 

「……言い方に語弊があるような気がするが、まぁその通りだ。それに、な。……キリトやアスナ、あいつらだけじゃなく、ロザリアに襲われた皆は……言うなれば『夢』を奪われたんだ。……だから、取り返しに行かねえと」

 

「そうですね、奪われた皆の『夢』を取り返す。その為にも俺たちは戦う」

 

「カイ坊……お前もそんなキザな事言えたんだな」

 

「……ほんと、いきなり何言ってるの?」

 

「悪かったな……いや、ほんとに反省してるので、そんな白けた目をこちらに向けないでください」

 

「まぁまぁ、緊張はほぐれましたから」

 

「……はぁ、そんじゃ行くか」

 

「はい!!」

 

「「「「「転移!!フローラル!!」」」」」

 

 

 

47層フローリア。またの名をフラワーガーデン。そのフロアの一面にあるダンジョン「思い出の丘」の一本橋に向かった。

 

「ここら辺……ですよね、カイタさん」

 

「あぁ。この橋の奥のはずだ」

 

「……来たね」

 

「……よお、ロザリア。返してもらいに来たぜ、色々とな」

 

「ロザリア、これ以上お前の好きにはさせない!!メモリを渡してもらおう!!」

 

俺とツグとカイタさんは、ロザリアに向き合う。

 

「それは無理な相談だね……ゼロワン。ここでアンタだけでも殺す……あたしの理想郷に、アンタは邪魔」

 

ロザリアがベルトを装着し、メモリを取り出す。

 

「あたしこそが理想郷(ユートピア)だ」

 

【Utopia!】

 

そして、ロザリアはユートピア・ドーパントに姿を変える。

 

「お前には作れねぇよ、理想郷(ユートピア)なんてな」

 

「……お前たち、行ってきな」

 

そうロザリアが言うと、何も無い虚空から《マスカレイド・ドーパント》が現れる。

 

「……なっ!?」

 

「…もう、ここまでの力を……!?」

 

俺はカイタさんと顔を見合わせ、それぞれドライバーを装着する。

 

「……この勝負、勝てると思いますか?」

 

「こんな言葉があるんだ。『勝てると決まっている試合ほど、つまらないことは無い』ってな」

 

「その通りですね。『諦めたら、そこで試合終了だよ』ってどこぞの偉い人が言ってましたし」

 

こんな小話をしながらも、各々変身アイテムを起動する。

 

「……行くぞ。ルッコ、ツグ」

 

【ジャンプ!】

 

【オーソライズ!】

 

「「……はい!!」」

 

【CYCLONE!】【JOKER!】

 

「「「……変身!!」」」

 

【プログライズ!】

 

【飛び上がライズ!ライジングホッパー!】

 

A junp to the sky turn to a rider kick.(空へのジャンプはライダーキックに変わる。)

 

【CYCLONE!JOKER!】

 

光と風が収まり、俺たちは仮面ライダーに変身した。

 

レンコさんが、Wの変身した影響で倒れたツグを受け止め、フィリップさんと一緒に後ろに下がった。

 

「……ロザリア、今度こそ逃がさない!!お前を止められるのは……俺たちだ!!」

 

前回はこのタイミングで「俺だ」って言ってたから、戦力として認めてくれてる。嬉しすぎて涙でそう。

 

「「さぁ……お前の罪を、数えろ!!」」

 

ロザリアが左手を上げると、マスカレイド・ドーパントが俺たちに襲いかかる。

 

「「「うおおおおぉぉぉぉぉ!!」」」

 

俺たちも負けじとマスカレイドの方に駆け寄り、攻撃を開始する。

 

1分ほど対岐して気づいた。単体ずつ倒していても、ロザリアが復活させていることに。

 

「くっ、一体一体相手にしてたらキリがない。一気に撃破するよ!!」

 

「分かった」

 

【HEAT!METAL!】

 

俺たちは、《仮面ライダーWヒートメタル》に変身した。

 

「おんどりゃぁぁぁぁ!!」

 

俺はメタルシャフトに火を纏わせながら、数体を一気にねじ伏せる。

 

「一気に片付ける!!」

 

メタルシャフトにメタルメモリを挿入する。

 

【METAL!MAXIMUMDRIVE!】

 

「「メタルブランディング!!」」

 

メタルシャフトを横に構え、両端に炎を纏わせる。そのまま真っ直ぐ進み、四体同時に横に一閃を叩き込む。カイタさんと合わせて二十体くらい倒したが、まだロザリアはマスカレイドを生成し続けている。

 

ちなみに、俺は今、五体くらいのマスカレイド・ドーパントに囲まれている。

 

「なら、今度はこいつだ」

 

【LUNA!TRIGGER!】

 

続いて、《仮面ライダーWルナトリガー》に変身した。

 

「さーて、どんどん行こうじゃねぇか」

 

【TRIGGER!MAXIMUMDRIVE!】

 

「「トリガーフルバースト!!」」

 

宙返りをしながら右手に持ったトリガーマグナムを弾く。すると黄色い弾丸が放物線を描くように俺を包囲した敵に飛んでいく。

 

「さてと、仕上げに参りましょうかね」

 

「今度こそ……使いこなしてみせる!!」

 

俺がストレージを操作し、エクストリームメモリを取り出す。取り出したメモリが後方のレンコさんの元に飛び、ツグのデータを取り込んだ。

 

「…えっ、な、何、この鳥さん……うえぇぇぇぇぇ!!ツ、ツグさんが、と、鳥さんに吸い込まれたぁ!!」

 

おお……鳥さんって。たしかにそう見えるけどね。

 

そんなことを考えながら、俺は《仮面ライダーWサイクロンジョーカー》にチェンジし、手元に戻ってきたエクストリームメモリが覆い被さり、展開した。

 

【EXTREME!】

 

「「はあぁぁぁぁ…………はあ!!」」

 

電子音が鳴り響き、Wの胸元に手を持っていき、裂け目をこじ開けるように動かす。

 

すると、Wの体の中央に、クリスタルの様な物が現れた。

 

「えええぇぇぇぇ!!ま、真っ二つに開いた……!?しかも、中見えてるよ!?」

 

「……やはりだ。君たちならなれると思っていた!!僕と翔太郎と同じ、『究極のW』に……!!」

 

「な、何?この湧き上がってくる力は……」

 

「……フィリップさんが言ってたことがわかる……まるで、地球と一体化しているみたいだ!!」

 

「へぇ、新しい力ねぇ。少しは楽しめそうじゃない。まぁ、どう足掻こうが、結果は変わらないけどね!!」

 

ロザリアはそう言い放ち、さらにドーパントを呼び出す。

それに応答するように出てきたのは……正規のドーパントだった。

 

「あ、ありえない……ユートピアが正規のドーパントを呼び出すなんて」

 

「大方、そっちの世界の物がこっちに来て、時空が歪んでユートピアの能力が変わったとかじゃないのか?」

 

「まぁ、その説が濃厚ですよね……ただ、六体もいるのか」

 

そう。別にドーパントが複数出てくるのは日常茶飯事なのだが、六体はさすがに多い。しかも……

 

「エレファントにドルフィン、フィッシュにエイプにバード。それにコックローチまでいるなんて!?」

 

「ったく、面倒臭い能力を使いやがって!!こうなったら俺も……」

 

そう言いながら、カイタさんは新しい変身アイテムを取り出した。

 

【ハイパージャンプ!】

 

【オーバーライズ!】

 

【プログライズ!】

 

Warning(警告),Warning(警告).This is not test(これはテストではない)!】

 

【ハイブリットライズ!】

 

【シャイニング!アサルトホッパー!】

 

No chance of surviving this shot.(この一撃から逃れることは出来ない。)

 

カイタさんは新しい姿である「仮面ライダーゼロワン シャイニングアサルトホッパー」に姿を変えた。

 

「でえりゃぁぁぁぁぁぁぁ」

 

カイタさんがオーソライズバスターを適当に振り回すと、一撃でエイプ・ドーパントが消滅した。

 

「「うっそーん」」

 

「とりあえず、俺は奴らの動きを止めておく。だから、その間にルッコ君たちは……()()を頼む」

 

「カイタ君の言う通りだ!!ルッコ君、エクストリームの能力は分かってるね?」

 

「は、はい!!やってみます!!」

 

Wのクリスタルの部分がキラキラ輝き始めた。

 

「検索を開始します。ルッコくん、ドーパントの種類は?」

 

「フィリップさんの言った通り、エレファント。ドルフィン。フイッシュ。エイプ。バード。コックローチの六体だ」

 

「ありがとう。エレファントは長い鼻。ドルフィンは頭部の背びれ。フイッシュは鋭い歯。エイプは長い爪。バードはメモリの刺されてる位置。コックローチは不規則な動き……だよ」

 

「最後二つがすっごい抽象的なんだけど……まぁいいや。バードのメモリの刺さってる位置だけ教えて」

 

「ちょっと待ってね……左腕だよ」

 

「了解、ありがとう」

 

「もう検索しなくていい?」

 

「うん、ありがとう……カイタさん。検索、完了しました」

 

検索にかかった時間……わずか数秒だった。

 

「大掃除は任せた……スイッチ!!」

 

カイタさんは体術スキル《エンブレイサー》をバードに突き刺し、奴の羽をもぎ取り上空に放り投げた。

 

「「プリズムビッカー!!」」

 

中央のクリスタルから、W(ダブル)C(サイクロン)J(ジョーカー)X(エクストリーム)の専用武器であるプリズムビッカーを呼びだした。

 

そして、ソウルメモリ三本とジョーカーメモリをプリズムビッカーの周りのスロットに差し込み、プリズムメモリをプリズムソードに刺す。

 

「「プリズムトルネード!!」」

 

【CYCLONE!MAXIMUMDRIVE! HEAT!MAXIMUMDRIVE! LUNA!MAXIMUMDRIVE! JOKER!MAXIMUMDRIVE!】

 

「ふっ……!!」

 

プリズムビッカーから四色の物質がバード目掛けて飛んでいき、空中でバードに当たるとシャボン玉になり、両腕を横にした状態で拘束した。

 

【PRISM!MAXIMUMDRIVE!】

 

そのまま、プリズムソードをビッカーシールドから抜き、自身の真上に放り投げる。そのまま、バードに向かってクロスに切り裂いた。

 

「「たあ!!はあぁぁぁぁぁぁ!!」」

 

ドゴォォン!!

 

そのまま、元々いた場所に着地しビッカーシールドと左手で取り、バードの方を見るとバードの入ったシャボン玉が爆散した。

 

「これで一体……続いて、お前らだ!!」

 

そう言って、駆け出した先にいたのは、ドルフィンとエレファントだった。

 

(ドルフィンとエレファントってことは……弱点は!!)

 

プリズムソードで二体の弱点をそれぞれ切り裂いた。苦しんでいるということは正解だったらしい。

 

そして、手負いのドルフィンたちをカイタさんに任せ、もう二人の元へ向かっていった。

 

「一気に行くぞ!!」

 

残りのフィッシュとコックローチに向けて、プリズムブレイクを連続で起こす。

 

その後、先程刺していたメモリをもう一度起動し、もう一種類の必殺技を放つ。

 

【CYCLONE!MAXIMUMDRIVE! HEAT!MAXIMUMDRIVE! LUNA!MAXIMUMDRIVE! JOKER!MAXIMUMDRIVE!】

 

「「ビッカーファイナイリュージョン!!」」

 

ビッカーシールドから七色の光という名の破壊光線が放たれた。その光が当たったらすぐに爆発四散した。

 

「さてと、あとは……って終わったのか」

 

カイタさんの方を見ると、任せたドルフィンとエレファントを倒してくれていた。

 

「ク、クソ!!あたしは……ここで終わる訳には……!!」

 

「……ロザリア、そろそろおねんねの時間だぜ?」

 

「ツグ、一気に決めるよ!!」

 

「うん!!」

 

【PRISM!MAXIMUMDRIVE!】

 

【EXTREME!MAXIMUMDRIVE!】

 

俺はプリズムメモリを右腰にあるマキシマムスロットに装填してから、エクストリームメモリを操作し、

 

【アサルトチャージ!】

 

【シャイニングストーム!インパクト!】

 

カイタさんはゼロワンドライバーに装填されているプログライズキーを操作し、二人同時に飛び上がり、一撃必殺(ライダーキック)の構えに入った。

 

「はあぁぁぁぁ!!」

 

「「ダブルプリズムエクストリーム!!」」

 

俺たちは両足を、カイタさんは一回転して右足をだしてロザリアにキックを叩き込んだ。

 

「こんな、こんな……ちくしょぉぉぉおおおおおお!!」

 

「「「はあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」

 

俺たちのキックがロザリアに命中し、ロザリアが怨念じみた声を上げる。

それを無視して、両足に力を込める。すると、カイタさんのキックはロザリアを貫き、俺のキックはキックの反動で後ろに立ち退いた。

すぐにロザリアは眩い光に包まれた。

 

光が収まると、ユートピア・ドーパントがポリゴン片に弾けて消え、ロザリアが転がり出てきた。

 

そのすぐ横で、ユートピアメモリが砕けて消滅した。

 

「……終わった、か」

 

「…はい」

 

俺たちはそれを確認したあと変身を解除した。

 

「カイタ!!ルッコさん!!ツグさん!!」

 

ロザリアの拘束を終えたレンコさんとフィリップさんが駆けつけた。

 

「……どうやら、上手くいったようだね」

 

「はい!!」

 

「……あっ、カイタ!!アルゴさんからメッセージ来たよ!!キリトさん達、元に戻ったって!!」

 

「本当か!!……やれやれ、どうなるかと思ったが、一件落着だな」

 

「よかったぁ〜」

 

「ほんとに……ほんとに良かった」

 

安心したのはつかの間。俺たち三人は光に包まれた。

 

「えっ!?」

 

「な、なんだ!?」

 

「……どうやら時間のようだね」

 

「どういう事ですか?」

 

「言ってしまえば、強制帰還だ。おそらく、ユートピアメモリが消滅したことで、僕たちがこの世界にいる必要が無くなった。本来なら、この世界にとって僕たちは異物だからね」

 

「そうですよね……カイタさん、レンコさん。色々とお世話になりました」

 

「僕からもお礼を言わせてほしい。元々はこちらの世界での問題だったユートピアメモリの回収……まぁ、実際には回収できなかったが、それでも、メモリブレイクはできた。協力に心から感謝するよ」

 

「いや、大したことないですよ。……それに『ライダーは助け合い』って言いますし」

 

「カイタの言ってることはよく分からないけど……私も、あなた達の力になれたなら、良かったです」

 

カイタさんもレンコさんも笑顔でそう言ってくれた。

 

「……では、帰ろうか」

 

「はい!!カイタさん、レンコさん、ありがとうございました!!攻略、頑張ってください!!」

 

そう言った後、俺の視界は白く染まった。

 

 

 

 

「帰って……これたね」

 

「ああ。メモリは回収できなかったけど、メモリブレイクはできたから大丈夫だと……信じたい」

 

「おう、お前ら。戻ってきてたのか」

 

「はい!!」

 

「そうか。んで、メモリの回収は?」

 

「あぁ、それはできなかったよ」

 

「はぁ!?それじゃあ向こうの世界に残ったままなのか!?」

 

「回収は出来なかったが、メモリブレイクはできたよ」

 

「それなら良かったぜ……さて、向こうで何があったか教えてもらおうじゃないか」

 

「分かってるよ。ほら、流己君とつぐみさんも行くよ」

 

(そう言えば、なんでカイタさんの世界にユートピアメモリが紛れ込んだんだろうか?)

 

「ほら、流己くん。そろそろ行くよ!!」

 

「わ、分かった!!」

 

(まぁ、また別の機会に考えるか)

 

俺は、三人の後を追って鳴海探偵事務所に向かった。




今回はここまで!!

『プリズムトルネード』ってなんぞや!?って思った方……ガンバライド限定の必殺技です。
『プリズムトルネード』とググれば動画が出てくると思いますm(*_ _)m

今回でコラボ回は終了です。全部で三本投稿しましたが、自分だけだとここまでのクオリティの作品を作ることが出来なかったと思います。
改めて、コラボしていただいた通りすがりの幻想様。本当にありがとうございました。

通りすがりの幻想様はこの作品の初めの方に感想を頂いた方で、今でもよく感想を頂いています。

↓↓通りすがりの幻想様の作品『Sword Art Masked Rider』のURLはこちら↓↓
https://syosetu.org/novel/267554/

あと、報告なのですが……九月上旬までお休みをいただきたいと思っております。理由としましては、前期の最終課題とテスト。それに八月下旬から始まる実習の準備があるため、執筆できるタイミングが取れないからです。

ただ、8/17にこの作品の一周年なのでそこで何かしらの話を出そうと思ってます。

それでは、また次回までお待ちくださいm(*_ _)m


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。