機動戦士ガンダムSEED INFINITY (ふり〜だむ)
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始まり
第一話 INFINITY GUNDAM


一様ガンダムSEEDの世界ですが、SEEDやDestinyのキャラは出さない予定です

ほぼ全部オリジナルです、それでも構わない方はどうぞ


C.E.(コズミック・イラ) 82年

人類は1人の青年が宇宙で見つけた未知のエネルギーの発見により、人類の技術は新たな進歩を遂げていた

 

F.E(フィーリング・エネルギー)

人間の感情に反応し、それを力に変えることができる超特殊エネルギーである

 

C.E.76年では人類はF.Eを機械などに導入することで、性能の向上、製造コストの低下、その他色々の利点というまさに資源が減り続けている人間には夢の様な物であった

その導入された機械の中には、戦艦やMS(モビルスーツ)などの戦争で使われる物も含まれていた

 

 

 

一年前、C.E81年

オーブに従うだけになってしまった連合・ザフトに不満に思った者達が独立し結成した新たな勢力となった、その勢力の名は『ノウム・ザフト』、ノウム・ザフトはオーブ、連合、旧ザフトに次々に攻撃を仕掛けあらゆる物を破壊、そして殺してきた、戦争とは関係ない人でも

 

地球連合(オーブ・連合・旧ザフト)はノウム・ザフトに対抗するため手を取り合い一致団結をしたが、人数でも技術でもノウム・ザフトより劣っており、地球連合は苦戦を強いられていた

 

ノウム・ザフトと連合の激しい戦いが進むにつれ、戦争に関係ない人々が巻き込まれる事が増え、人々は戦争に慄然する日々を迎えていた

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、このMSの内部のF.Eは普通のF.Eより変わったエネルギーを発しています」

 

 

ノウム・ザフト第3軍用品製造基地、アフリカの森林の中である物が開発されていた

 

本来は銃弾や戦場に持っていく物を製造しているこの場所だが、今作っている物は銃弾なんて小さい物ではない

 

MSである

 

 

「"変わった"とは…?」

 

開発チームの1人から話を聞くその女は、女性にしてはかなりの高身長であり、長い金髪を下げている、そして…目元には

 

 

 

謎の仮面を付けている

 

 

 

「…私達にもよくわかりません、"未知"の力…という事だけしか分かりません」

 

 

 

「成る程、ハッ!気に入った!未知だからこそ知りたくなる!それが人間の好奇心だ。…おや、そういえばこの機体はなんて言うんだい?」

 

 

 

「ZGMF-α INFINITY(インフィニティ)()()()()()()()()()

 

 

女はMSをじっくりと観察すると、ある既視感を覚えた

 

「このMSは…かつて戦争を駆けていたフリーダムやデェスティニーと似たような感じがするな」

 

 

「ああ、はいガンダムタイプですね」

 

 

「…ガンダム…?」

 

 

「ああっ、すいません!…こちらの業界の呼び名で言ってしまいました…!」

 

 

「こちらの業界…?」

 

 

「ええっと…MSを起動させた時最初に出てくるOSがあるじゃないですか…?」

 

 

 

「ああ、それがどうした?」

 

 

 

「そのOSの英語の最初の人文字だけを切り抜いて縦から順に並べていくと…G U N D O M…何故かこの系統の機体のOSは必ずず"GUNDOM"となるのです、誰が最初に言い出したかは分かりませんが、我々の業界では有名な話です」

 

 

 

「…つまり、この機体もガンダムなのか…成る程…インフィニティガンダムか…ハッ、ますますに気に入った!説明を続けてもらおうか!」

 

 

 

「ええ、勿論です、ではあちらに移動しましょう」

 

開発チームの男はどこか忙しそうに、仮面を付けた女はどこか楽しそうに2人は移動していった

 

 

 

 

 

 

その姿を見ている者がいた

 

 

「〜♪」

両耳にヘッドホンような物を付け、音楽を流しているその人物がいる場所は

 

 

天井裏排気口の中から基地内の、MSの様子を観察していた

 

 

 

 

『ガンダム…か』

 

 

目に小型化された暗視ゴーグルを付け、髪以外はSF映画に出てきそうなマスクで顔を覆っている

 

 

 

排気管を匍匐前進をしながら進んでいき、2、3メートル離れた所で止まる

 

 

そしてスマートフォンを取り出し、今いるその場にスマートフォンを置く

 

 

スマートフォンを起動させると、画面に数字の様な物が4桁表示された

 

 

 

『…最新鋭のMSを開発している割にはセキュリティは浅いんだな…』

 

その全体的に黒い者から発せられる声は加工されており、どこかの名探偵アニメを思い出す様な声をしている

 

 

 

置いたスマートフォンを手に取り、画面を見る

 

 

そこには、〈部屋1・電気〉〈電動スライドドア〉他にも色々と表示されている

 

 

表示されているボタンを幾つか押すと…

 

 

 

 

 

 

軍用品製造基地の電気が全て消えた

 

 

 

「な、なんだ!?」

 

 

「落ち着けよ、ただの停電だ」

 

「またかよ…まぁ、アフリカの森林の中だから仕方ねぇか…

 

 

何故かこの基地の全ての電気が消えた

 

 

 

答えは簡単、ブレーカーを乗っ取ったのだ

 

 

 

 

 

 

そしてそのまま彼は排気口から脱出し、電気が消え暗くなっている工場内に足を付けた

 

そして電気が消えた事により周りが見えなくて身動きが取れないノウム・ザフトの兵を当身をし、静かに気絶させた

 

 

暗視ゴーグルを付けているため暗闇の中で自由に動けるがだがしかし、暗視ゴーグルを付けていなくてもじきに目が慣れてきてしまうのが人間、のんびりはしていられない

 

 

 

彼はそのまま"ガンダム"と呼ばれていたMSのコックピットに通ずるキャットウォーク(足場)を進んでいく

 

コックピットのハッチを開け、コックピット内に入る

 

 

 

 

 

「!?ハッチの開く音!?インフィニティから聞こえたぞ!?」

 

ハッチを開ける音に気付いたのかノウム・ザフトの連中が騒ぎ出す

 

 

コックピットは数年前にMSやMAに導入された全天周囲モニターである

 

 

『…悪いが、この機体…貰うぞ』

 

 

幾つかのスイッチを押し、最後に"energy"と書いてある銅硬貨と同じぐらいの大きさのスイッチを押すと

 

 

何も写ってなかった全天周囲モニターが起動し、周りの様子を写し始める

 

 

周りを見てみると、未だ復興しない電気や急に起動したMSの事で騒ぎになっている様だ

 

 

 

 

すると、彼が座っているコックピットに埋め込まれているいるタブレット程の小さいモニターに文字が表示される

 

 

 

 

Generation

 

Unlimited

 

N ew

 

D istinguished

 

A ccurate

 

M achinery

 

Welcome back

 

《世代を卓越した新しく正確な無限の機械》

 

 

 

 

 

『…ガンダム…』

 

黒と灰色で構成されてきた機体に色が付いていく

白と赤、所々により青や黄色多様な色がつく

 

 

 

 

 

レバーをゆっくり押すとインフィニティはゆっくりとと前進していく

 

 

「のわぁぁ!!?」

 

「誰か止めろ!」

 

「無茶言うな!!」

 

 

「全班に連絡!開発中のMSが何者かに盗まれた!至急、MS部隊は出動せよ!」

 

 

 

格納庫の電動スライドドアをスマートフォンで操作して開ける

 

 

 

そして、格納庫から脱出すると

 

 

2機のジン・カスタムがインフィニティに向けてマシンガンを撃ってくる

 

 

しかし、マシンガンなどインフィニティには通用しない

 

P.S(フェイズ・シフト)装甲

一定の電圧の電流を流すことで相転移する特殊な金属でできた装甲である

 

 

インフィニティに乗る人物はレバーをグイッと前に倒す

するとインフィニティのバーニアが推力を上げ、かなりのスピードでジン・カスタムに接近していく

 

 

『こ、コイツ…近づいて…!』

ジン・カスタムに搭乗している兵士が声を上げる

 

インフィニティは腰元にあるビームサーベルを抜き、少し手前にいたジン・カスタムの頭部をビームサーベルで切断した

 

 

『MSの操作に慣れているのか!?クソッ!』

 

ジン・カスタムは重斬刀 を取り出し、

 

インフィニティに向けて斬りかかろうとするが

 

 

 

インフィニティはそれより早く動き、ジン・カスタムの重斬刀を持つ右手を切り落とした

 

 

『な!?』

 

 

そのままインフィニティはジン・カスタムに蹴りを入れる

 

 

ジン・カスタムは蹴りを入れられた事で倒れてしまう

 

 

『うあああッ!?』

 

 

 

インフィニティはビームサーベルを収め、そのまま空へ飛び立つ

 

 

 

 

その様子を仮面の女が眺めていた

 

「…フ、ハハッ…ハハハハ!面白くなってきたな!」

 

 

「大佐!ジン部隊の出撃準備ができました!」

 

 

「いや、もういい」

 

 

「はっ…?え?ですが…最新鋭のMSが奪われたのですよ!?」

 

 

「今の戦闘を見ていなかったのか?お前達では勝てやしないさ」

 

 

「分かり…ました…」

 

 

仮面の女は彼方へと飛んでいくガンダムをジッと見つめていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

インフィニティを奪取した者は機体を自動操縦モードにさせ

コックピットに座りながらスマートフォンを操作していた

 

『…GPSは取り付けられていない…、追跡の心配はないか…』

 

 

彼は『ふぅ…』と息をつく

そして左に付けているデジタル腕時計をスマートフォンと同じ様にスライドをして幾つかあるアイコンの一つをタッチすると…

 

 

 

彼の顔を隠していたマスクと暗視ゴーグルが消え、彼の顔が露わになった

 

今時珍しい黒髪に黒色の目

髪こそ短くさっぱりとしているが、顔は女の子と思ってしまう程の女顔である

 

 

一息ついていると、通信が入る

 

 

 

 

『こちらW.P.P.O本部、聞こえてる?』

 

 

「ああ、聞こえている…ひとまずうまくいった」

 

 

『そう、よかった』

 

 

「あとは海を渡るだけだ、2時間ぐらいで着く」

 

 

『うん、分かった、大丈夫だと思うけど、気を付けてね』

 

 

「了解、それじゃ」

 

 

通信を切り、MSの自動操縦モードを停止させ

レバーを握る

 

「これで…俺達は動ける…」

 

 

 

レバー強く握り、グイッと押す

 

 

 

「これで…沢山の人を救えるんだ…」

 

 

 

インフィニティは更にスピードを上げインド洋を進んでいった



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第二話 W.P.P.O

第一話からかなり時間が経ってしまいました、すいません
一から話を構成するとなると、まぁまぁ時間が掛かるので一週間に1話程度だと思って下さい


日本国、近畿地方のとある場所にある小さな町

海に面しており、耳をすませば波の音が聞こえて来る静かで美しい町

 

この町に訪れた者は皆不思議に思う事があるらしい、それは

 

あらゆる物が長持ちするのだ

 

それに最初に気づいたのはこの町に観光で来た一人の若者だそうだ

若者が町の人々に歓迎され、沢山の物を貰ったらしい、主に食料だっだそうだ

その食料の中には魚や、畑で採れた果物があったそうだ

貰ったはいいが、どう処理しよう…と男が悩んでいるうちに

若者は貰った物を忘れてしまったらしい

次に男が貰った物に気付いたのは若者がこの町の観光が終わり、帰る直前だったそうだ

若者は"しまった"と口から声を出し、せっかく貰った物なのに無駄にしてしまった罪悪感に襲われた

 

だがしかし、貰った物は腐っていなかった

貰った時のままであったのだ

魚は今釣れたばかりのように新鮮だった

果物も同じように採れたてように新鮮であった

試しに果物を食べてみると、瑞々しくとてもおいしかった

 

だが何故、ほぼ一週間近く放置しておいた物が何故こんなに長く持つのか男は不思議に思ったらしい

よくよく考えてみれば、この町にある建物は見た目は歴史を感じるデザインをしているが、内装は新築の家と同じぐらい綺麗である、本当かどうか分からないがこの建物は築200年以上だと言う

男は思い出した、この町に住む老人は異様に長生きらしい

一番長い人は150歳と聞いて若者は腰を抜かした

この村ではあらゆる物が長持ちしていたのだ

 

噂を聞きつけあらゆる科学者がこの村を訪れたが真相は分からず

世間からはちょっと有名なパワー(?)スポットとなっている

 

 

その町から少しだけ離れて場所に町にある家とは比べ物にならないぐらいの大きな豪邸があった

真っ白でとても美しく、つい最近できたのかと誰もが思ってしまうがこれでも築600年を超えるなんちゃら文化財に登録されてもおかしくないレベルの建物である

 

この建物の持ち主の名はセイイチロウ・アマギ、代々この街を収めて来たアマギ一族の現当主であり次期オーブ連合首長候補の1人でもある、簡単に言えば結構偉い人である

 

彼は戦争による被害が増えていくこの時代に新たな活動を始めようとしていた

 

 

 

 

World

 

People

 

Protection

 

Organ

 

 

世界人民保護機関 〈W.P.P.O〉

 

戦争や自然災害によって苦しむ人々を保護、又は支援し

その後の復興を支援する特殊機関である

 

 

 

 

 

 

 

 

アマギ邸の地下にある隠し施設、W.P.P.O本部その総司令室で1人の少女がとある報告を待っていた

 

 

「…(まだかしら)」

 

 

「お嬢様、そう心配しなくても大丈夫ですよ、既に彼はこちらに向かっている事は分かっているでしょう?」

 

隣にいるメイドから"お嬢様"と呼ばれているこの少女はこのアマギ邸の当主、セイイチロウ・アマギの娘でありアマギ邸の次期当主

 

W.P.P.O本部司令官ミク・アマギである

 

エメラルドグリーンの目に焦げ茶色の長い髪を赤いリボンで纏めいる、容姿は美少女と言えるだろう

 

 

「そんな事は分かっているわ、ノウム・ザフトの兵士に負ける程彼は弱くないわ」

 

 

 

すると司令室でパソコンを眺めていた1人の司令員が

 

「…!司令、"シンジ・ヒロセ"からの連絡です」

 

 

「!なんて来たの!?」

 

 

「『もうすぐ着くから格納庫の扉を開けてほしい』だそうです」

 

 

ミクは心の底からホッとした

 

 

「そう、分かったわ第4格納庫のハッチを開けて」

 

 

「了解」

 

司令員は施設全てに伝わるようにマイクのスイッチを入れ言う

 

『全職員に連絡、第4格納庫ハッチを開放する第4格納庫にいる職員は受け入れの態勢に入れ』

 

 

 

海崖崖の一部が動き出し、隠されていた格納庫が現れる

 

 

 

「格納庫ハッチ開放完了、いつでも受け入れ可能です」

 

 

「オッケー…さあ、シンジ、バシッと決めてやりなさい」

今こちらに向かっている者に対してミクはマイクで言ってやった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「了解」

 

ガンダムと呼ばれるMSに乗っている者はW.P.P.O第4格納庫に真っ直ぐに向かっていた

 

両手でそれぞれ違うレバーを握りしめて、楽しそうというわけでも不安そうというわけでもなくただ無表情でレバーを握りしめていた

 

 

 

「残り3km…10、9、8、7、6、5、4、3、2、1…逆噴射…」

 

インフィニティは点火していたエンジンを弱め、足に付いているバーニアを進行方向に向けフル点火した

 

 

今まで出ていたスピードは徐々に弱まっていく

 

インフィニティは格納庫の前で浮上しながら停止する

 

 

 

「オーライ!オーライ!」

 

格納庫の作業員がインフィニティを誘導する

 

 

インフィニティは格納庫にゆっくりと足を付ける

 

そして作業員の誘導通りに進んでいく

 

 

インフィニティは誘導された場所で停止する

 

 

 

 

第4格納庫にはノウム・ザフトの新MSを一眼見ようと職員がぞろぞろとやってくる

 

インフィニティのコックピットのハッチが開き、中から搭乗していたパイロットが降りてくる

 

 

パイロットが地面に足を付けると同時に、職員数人がパイロットに駆け寄る

 

 

「よお!シンジ!スゲェな、お前!あのノウム・ザフトの新MSを奪ってくるなんてな!」

 

そういい絡むのがW.P.P.O所属、MS06部隊隊長ガルベス・ノック(21歳)、頭に巻いた赤いバンダナが目印の陽気な男である

 

「いいや!俺達奴らに気付かれずにMSを奪取できたぜ!!そうだろ、リョウタ!」

 

「無論だ、僕とフリードだったら一瞬さ」

 

周りの鼓膜が潰れそうな声で喋るのが01部隊隊長フリード・シャルク(17)、金髪青眼で派手な物が大好きな男である

 

そんなフリードとは対照的に、静かで地味な物を好いているこの男の名は01部隊隊員リョウタ・アライ(17)黒髪で茶色の目の色をしている

 

 

「お前らさぁ、素直に褒める事はできないわけ?なんで競い合ってんだよ」

 

 

「僕達は最強コンビだ、シンジに負けるわけにはいかない、だろ?フリード」

 

 

「シンジ、お前はスゲェなぁ!!」

 

 

「お前の相方思いっきりシンジを褒めてるぞ」

 

 

「…フッ、流石だシンジ」

 

 

 

 

「ハイハイ、アンタ達呑気にコントしてるんじゃないわよ」

 

すると司令官のミク・アマギがやって来た

 

 

「よぉ姫さん、元気にやってるか?」

 

「お陰様でね、毎日五月蝿い連中がいて毎日楽しいわ」

 

「ハハハ、誰だろうな」

 

ミクはシンジに近づきシンジの手を握る

 

 

「お帰りなさい、シンジ 任務達成よ、さ、行きましょう」

 

ミクはシンジを引っ張り格納庫を出て行ってしまう

 

「姫さん思いっきりメスの顔してんじゃねぇか」

 

「メスの顔ってなんだ?リョウタ。」

 

「さぁ?女っぽい顔って事じゃないか?」

 

 

「お前ら!!!」

 

 

ガルベス達がビクッとなり、後ろを振り向くと

 

 

ガルベス達と大差ない背、黒い肌、長い髪を結び、煙草を吸っている女性

W.P.P.O整備班総監督ジェーン・メイラー(25)厳しそうな見た目に反し面倒見が良いところから皆からアネキと呼ばれている

 

 

「今からこのMSの整備を始めるんだ、邪魔だからどっか行きな!」

 

「ゲッ、ジェーンの姉御じゃねぇっすか…まぁまぁ、落ち着いてくれよ、シワが増えるぜ?」

 

「そうだよジェーンさん!」

 

「もう20代後半なんですから無理はしないでください」

 

 

 

 

 

げ ん こ つ

 

バカ3人の頭に大きなたんこぶができる

 

「何も打たなくてもいいじゃねぇか!」

 

「流石…ジェーンさん…だぜ…」

 

「姉御の名は…伊達じゃない…か…」

 

 

 

 

 

 

 

W.P.P.O地下施設とは打って変わり、地上のアマギ邸の長い廊下をシンジ・ヒロセとミク・アマギは歩いていた

 

 

W.P.P.O創設者であり、ミク・アマギの父親であるセイイチロウ・アマギの執務室に向かって2人は歩いているのだ

 

 

 

「流石シンジね、あのノウム・ザフトの基地に忍び込んで最新鋭のMSを奪取してくるなんて」

 

「いや、今回は小さい基地だったからスムーズに行けただけだ、もっと大きい基地ならこう上手くは行かなかっただろう」

 

「それでもすごいわよ」

 

「俺は凄くはない…俺は…()()()()()()()()()()だからな…俺はみんなと違う…」

シンジは悲しそうなわけでも怒っているわけでもなくただ無表情で答えた

 

すると、ミクはシンジの手を掴んでこう言った

「貴方は化け物なんかじゃない、貴方は人間よ。()()()()()()()()()貴方は1人の人間なんだから」

 

「でも…俺は…」

 

「大丈夫よ、ほらもうすぐ執務室なんだからシャキッとして」

 

「ああ…」

 

 

執務室に着き、ミクは執務室のドアを叩く

 

「お父様、ミクです 任務の報告をしに来ました」

 

「入りなさい」

 

 

ドアを開け、2人とも執務室に入っていく

 

 

 

 

執務室の中は必要最低な物しか無く、机と椅子、来客用のソファーがある程度のシンプルな物である

机に向かって書類と睨めっこしているのがセイイチロウ・アマギである、今はスーツを着ているが普段はW.P.P.Oの制服を着ているミクと同じ焦げ茶色の髪でエメラルドグリーンの目を持っているイケおじという部類の人間だろう

 

 

「W.P.P.O特殊部隊団長、シンジ・ヒロセ帰還しました」

敬礼しながらシンジは言った

 

 

「ご苦労、でももう聞いているよ」

 

「まぁ、一様…」

 

「ハハハ、シンジ君、よくやってくれた」

セイイチロウはシンジの肩を掴み、安堵の表情を見せていた

 

「…これで、連合は俺達W.P.P.Oを正式な組織として認めてくれるんですよね」

 

「ああ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()M()S()()()()()()()が条件だと言っていた、これでやっと私達が活動できるんだ、本当にありがとう、シンジ君!」

そう言いセイイチロウはシンジに抱きついた、側から見たら中年のオッサンがまだ年端もいかない少女に抱きついている犯罪じみた光景である

 

 

「…」

セイイチロウに抱きつかれているシンジは相変わらず無表情でいる

 

「もう!お父様!シンジが困ってるわよ!」

 

「ハハハ、ごめんごめん…よし!2人とも、戻っていいよ、シンジ君君はゆっくり休みなさい、私は連合にMSの奪取に成功した事を伝えるよ」

 

「了解、シンジ行くわよ」

 

「ああ、失礼します」

と言いシンジとミクは執務室を出た

 

 

「う〜ん!肩の荷が降りたわ!シンジ、一緒に甘い物食べに行かない?最近隣町にいい店ができたらしいのよ」

 

「ミクが行くなら…俺も行く」

 

「決まりね!ササッと着替えて行きましょう!」

 

ミクはシンジの手を引っ張り長い廊下を駆け出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ノウム・ザフト軍アフリカ大陸大型基地に一隻の大型軍艦が着艦した

 

 

 

 

「本日はようこそおいでくださいました、"アリス・ノヴァ・アルスター大佐"」

 

「ご苦労、早速だが作戦会議室まで案内してくれないか?」

 

仮面を付けた謎の女こと、アリス・ノヴァ・アルスターはアフリカ大陸のアルジェリアにある連合軍基地を襲撃する為、この軍基地に訪れた

 

「はい、こちらへ」

 

案内の兵士が作戦会議室までの案内をし始めた

 

 

 

歩き始めて数分が経ち施設内に入った時、案内の兵士が口を開いた

 

「…アリス大佐、我々の新兵器が奪われたというのは本当なんですか?」

 

「新兵器?インフィニティの事か?ああ、私の目の前で奪われたぞ」

 

 

「め、目の前でですか!?…それで、インフィニティは見つかったのですか?」

 

 

「いや、まだだ まだ開発途中という事で、発信機も付けて無かったらしいからな…」

 

 

「確か設計図はあるんですよね…?また作ればいいのではないのですか?」

 

「残念ながら設計図は合ってもあのMSを作る材料が無いのだよ、どうやらあのMSには特殊なF.Eを使っているらしい、同じものが無いからもう一機作る事は不可能なのだよ」

アリスはヤレヤレと首を左右に振る

 

 

「特殊なF.E…?」

 

 

「ああ、私にはよく分からないがそこいらにあるF.Eとは比べ物にならないぐらいのエネルギーを持っているらしい、開発研究班総監督アイジャック・ワリンは確か"我々人類では理解できない力を持っている"と騒いでいたな」

 

 

「人類では理解できない力…ですか…インフィニティに使った特殊なF.Eは何処で手に入れたのですか?」

 

 

すると、アリスは黙り込んでしまう

 

「…?アリス大佐?」

 

 

「…あれは…」

 

 

「あれは?」

 

 

 

 

「私が昔手に入れた物だ」

 

「え、ええぇぇぇ!!?」

 

 

「ッ…驚くのは構わないが、もう少し声を抑えられないか?」

 

「あっ!?す、すいません!」

案内の兵士はすぐに頭を下げる

 

 

「えっ、手に入れたとは!?」

 

 

「それは教えられないな…」

 

 

「え、そんなー!教えて下さいよー!」

 

 

「気が向いたらな、ほら早く私を作戦会議まで案内したまえ、本来のそれが君の仕事だろう?」

 

 

「うっ…分かりました」

痛いところを突かれ、兵士は渋々案内を再開した

 

 

「(しかし、あのMS…特殊なF.Eを使っているという点を抜いても、妙な機体だったな…あの機体、ただの兵士が乗る様な機体ではない筈なのに、パイロットをサポートする機能がやけに多かったり…まるで誰か個人が乗る事を前提に作られた様な機体であったな…)」

 

 

 

「着きました、お入りください」

色々考えているうちに作戦会議室に着いてしまった様だ

 

 

「ああ、ご苦労」

 

 

 

「(α…か…)」

 

 

 

アリスは作戦会議室のドアを開け、中に入る

 

中には、数十人の兵士が椅子に座っており、入ってきたアリスを見て立ち上がり、敬礼をした

 

 

 

 

 

「さぁ、諸君…戦争をしようじゃないか」

アリスは不気味に口を歪めながらそう言った

 

 




人物紹介
シンジ・ヒロセ(13歳)
本作の主人公
性別 男…だが、顔が完全に美少女の為、初対面の人は必ずと言っていいほど女の子だと思ってしまうらしい
幼少期の頃、連合の実験により人工強化人間にされてしまいその代償に幼少期の記憶と感情を失っている、両親は既に他界
強化人間であるが、一様ナチュラル

ミク・アマギ(13歳)
本作のヒロイン
性別 女
天然美少女
父にセイイチロウ・アマギを持ち、その娘のとしてW.P.P.Oの司令官を務めている、母親は戦争に巻き込まれて既に他界している、シンジとは昔からの幼馴染であり、昔からシンジのことが好きである
ナチュラル


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第三話 決断

大変申し訳ございませンンン!!!

最後の更新から長くなってしまいました!
僕の様な作品を読んでくれている人がいるのか分かりませんが

少数の読者の為に日々頑張っていきたいと思います


「ん〜♪ここのパンケーキすっごい美味しいわね♪」

 

「ああ…、一見すると凄まじいホイップクリームの量で途中で飽きやしないか不安だったが、ホイップクリームとパンケーキ、ホイップクリームとイチゴとパンケーキといった組み合わせが楽しめる事から客に飽きさせる事なく、最後まで食べてもらえるように工夫しているのはとてもすごい事だな」

 

「別に、そこまで真面目に感想を求めてはいないわよ…」

 

 

インフィニティ奪取の任務後、シンジとミクは隣町の少しお洒落なカフェに来ていた

 

 

 

 

 

「…」

パンケーキを食べ終わり、シンジはカフェラテを飲みながら海を見つめていた

 

「?どうしたの?シンジ?」

 

 

「いや…ここで話すには良くない、俺達は今のところ非公式な組織だからな」

 

 

「大丈夫よ、今日は私達以外の客は少ないみたいだし、いたとしてもここから離れた席に座ってるわ」

 

 

「…そうか、なら話す」

 

 

シンジはカフェラテのカップを置いた

 

「連合が…俺達W.P.P.Oを認めないんじゃないか…と思ってな…」

 

 

「どう言う事?」

 

 

「ノウム・ザフトの新MS、インフィニティを奪取する…これは普通に考えたらできない事だ…」

 

 

「…そんなに忍び込むのは難しかったの?」

 

 

「ああ、言ってもあまり伝わらないかもしれないが、監視も設備も凄まじい物だった…プロの工作員でも潜入はほぼ不可能だろう…」

 

 

「そんな事を条件にさせるってことは…」

 

 

「俺達を試してるか…絶対に俺達を認めるつもりは無い…のか…」

 

 

「!?」

 

 

「だが…俺はこの条件をクリアしてしまった…」

 

 

「今頃連合は大混乱って感じかしら?」

 

 

「そうだろうな…これからどうなるのかは分からない…W.P.P.Oを認めるのか…認めないのか…最悪の事態を考えておいた方がいいだろうな」

 

 

 

するとミクの携帯端末が鳴る

 

「…お父様から?」

 

 

「(もしや…)」

 

 

「もしもし、お父様?どうかなさいました?」

 

 

「(俺の勘が当たってなければいいのだがな…)」

 

 

「…は…?わ、分かりました…すぐ向かいます、はい、それでは」

 

 

「…もしや…」

 

 

「そのもしやよ…」

 

シンジとミクは席を立った

 

 

 

 

 

 

 

「お父様!」

 

 

ミクとシンジはアマギ邸の執務室に駆け込んだ

 

「…ああ、さっき伝えた通りだ…」

 

 

「…連合はなんて言ってきたんです?l」

 

シンジは暗い顔をしているセイイチロウに聞いた

 

「…『W.P.P.Oを認める事はできない、だがノウム・ザフトから奪取したMSを連合に引き渡せ』だそうだ…」

 

 

「そ、そんな!私達を認めないのに、MSは渡せって言うの!?」

 

 

「やはり、俺達を認めはしないか…だが、インフィニティ(ガンダム)を要求してくるか…」

 

 

「…これでは…W..P.P.Oを作った意味が無くなってしまう…私は、無駄な事をしてしまったのか…」

 

セイイチロウはショックのあまり頭を抱えてしまう

 

 

「お父様…」

 

 

すると、シンジの左手に付けているデジタル腕時計のバイブが震えた

 

「…?」

 

時計の画面を確認すると

 

 

【連合軍北アフリカ基地にノウム・ザフトが攻撃!?現在サハラ砂漠で連合が交戦中!近くの町や村では被害が!】

 

画面い表示されたのはネットニュースである、内容を軽く説明すると、連合軍基地にノウム・ザフトが攻め入り、交戦中で村や町に被害が出ているらしい

 

「…またか…」

 

 

「…またノウム・ザフトと連合軍のやり始めたの?」

 

 

「ああ…、近隣の町や村では被害が出ているらしい」

 

 

「ッ…でも…私達は動けないのよね…」

 

 

「ああ…クソッ、俺達は人を助けれる"力"を持っているのに…何もできないのか…」

 

 

 

 

 

 

「…ッ…」

セイイチロウ・アマギは葛藤していた

 

それは"連合の指示に従い人々が苦しんでいる姿を指を咥えて見ているか"、

それとも

 

 

 

 

 

 

 

 

 

連合に刃向かい、人々を救うか

 

 

 

 

 

「…シンジ君…」

 

 

「はい、何でしょう」

 

 

「君なら…どうする?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は…

 

 

 

 

 

 

戦います…」

 

 

「「…」」

 

 

 

「俺は…博士達を目の前で失いました、当時の俺は無力で…何もできませんでした」

 

 

「…ああ、よく知っているよ…」

 

「でも、今の俺は無力じゃありません、敵と戦える程の力がありますし、仲間達もいます…力があるのに何もできないなんて、俺は我慢できません」

 

 

「…」

 

「シンジ…」

 

 

「俺は…連合の命令を無視してでも、人を救いに行きたいです」

 

シンジは顔色を変えずに真剣な顔でセイイチロウに訴えた

 

 

「セイイチロウさん…人の命は何にも変えられない尊き物です」

 

 

「…お父様…」

 

 

 

 

 

「…2人とも…私の我儘を聞いてはくれないか…?」

 

「…?はい」

 

 

「まず、シンジ君…()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「!?セイイチロウさん何を…!?」

表情は変わらず真顔だが、声は明らかに動揺するシンジ

 

 

「覚悟を決めたんだ、私は…いや…私達W.P.P.Oは…!連合の命令なんて従わない!私達は、私達の正しいと思う道を行く!!」

 

 

「つまり…連合に刃向かうということですか…?」

 

 

「ああ、そういうことだ」

 

 

「え!?ちょっ!?お、お父様!?それがどういう事だか分かりますか!?私達W.P.P.Oは、()()()()()()()()()()()()()

 

 

「分かっている、それを覚悟の上で私はこう決断したんだ」

 

 

「…」

 

 

「…それだけじゃない…戦場で活動するのだからもちろんノウム・ザフトにも襲われるだろう」

 

 

「つまり…私達は両軍の共通の敵になるって事か…お父様、気持ちは分かりますが…厳しすぎます…非公式で動くというのはあまりにも無理かあります、MSや戦艦は表には出しておかないし、顔がバレたら追われる事もあると思います…ですから…考え直しを…」

 

 

「…それでもだな…」

 

 

「無理です…、連合の命令に反抗するなんて無理に決まっています…お金の問題もあります」

 

 

「…」

 

 

「ミク…」

 

 

「…何?」

 

 

「俺はやるぞ」

 

 

「!?シ、シンジ!?それ本気で言ってるの?!」

 

 

「ああ、本気だ…俺はミクが認めなくても、俺は俺の判断で動くぞ」

 

 

「…」

 

 

「セイイチロウさん、シンジ・ヒロセ、インフィニティで行きます」

 

 

「…ああ」

 

シンジは執務室を出て行ってしまった

 

 

 

「…ミク、こんな判断をした私を許してくれなくてもいい、お前にはお前の(未来)がある、こんな危ない道を私達と一緒に歩かなくたって構わない…」

 

 

 

「…いやです…」

 

 

「…え?」

 

 

「私は…お父様と…W.P.P.Oの皆と…シンジと違う道を歩むなんて嫌です!!」

 

 

「…」

セイイチロウはミクの言った事に驚き、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をした

 

 

「地獄の果てまで付き合いますよ、お父様」

 

ミクは執務室を出ていった

 

 

 

「…ハハッ、2人とも随分頼もしくなった物だ…私も、2人を見習わなくてはな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シンジはW.P.P.Oの施設を走っていた

長い廊下を真っ直ぐ走っていた

 

 

「(俺がやらなくちゃ、誰がやる…俺の力は、その為にある…それが博士達の望んだ事だろう)」

 

 

「シンジ!」

 

誰かがシンジを呼んだ

 

 

「!ミク?」

 

 

ミクが後ろからシンジを追いかけて走ってきた

 

 

「私も行く!私も人を助けたい!シンジの力になりたいの!」

 

 

「…そうか…よし、ミクは司令塔に向かってくれ俺は格納庫に行く」

 

 

「分かったわ!気をつけてね!」

 

 

 

お互いしなくてはいけない事の為に、違う道を進んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シンジは格納庫に駆け込み、インフィニティの元へ向かう

 

 

 

「!シンジ!このMS凄いぞ!!」

 

手をブンブン回しながらシンジを呼ぶ人物は整備班総監督のジェーンである

 

 

「このMS、ただの最新鋭の機体じゃ…って、どこ行くんだ!?」

 

 

「ジェーンさん、インフィニティを出す!エネルギーパイプを取ってくれ!」

 

 

「は!?アタシたちは活動できないんだろ!?なんでインフィニティを動かすんだよ!?」

 

シンジの行動と発言で困惑するジェーン

 

 

「俺達は連合の犬じゃない!俺達には意思がある!連合やノウム・ザフトよりも強い意思がな!それに、連合に恐れてるようじゃ俺達は誰も救えない」

インフィニティのコックピットへと通ずる階段を登るシンジ

 

 

「…ハハ、ちゃんとミクの姫様に許可はとったんだろうな?」

ジェーンはニヤッと笑う

 

「当たり前だ、俺含め第1・第2部隊も出動する」

 

 

「なるほど…シンジ!」

 

 

「?なんだ?」

 

 

「誰1人として死なせるなよ」

 

 

「当たり前だ」

 

シンジはインフィニティに乗り込んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

『W.P.P.O全職員、私達は今から連合とノウム・ザフトが交戦中のアフリカに向かう…これは…連合に対する宣戦布告よ…でも、私たちは戦争に行くのではない!人を助けに行くの!…正式な組織ではないW.P.P.Oから逃げてもいい…でも、もし…私と共に戦ってくれる人がいるなら…自分の…己の使命を果たして…私からは以上よ』

 

 

ミクは、マイクを置いた

 

いつもなら数十人の職員がパソコンと睨めっこをしているが、もう誰もいない

W.P.P.Oが活動できないと知って、皆仕事を放棄してどこか行ってしまったようだ

 

 

そんな司令塔に、ミクとミク専用メイドの2人がいた

「お嬢様…」

 

 

「…厳しいよね…」

 

「…」

 

 

「貴女はいいの?私たちは今から犯罪者になるのよ?」

 

 

「何を言いますか、私はお嬢様についていきますよ、地獄の果てまで」

 

 

「…そう、嬉しい、ありがと」

 

 

「シンジ君、出撃できるみたいですよ」

 

 

「そうね、発信許可出さなきゃ」

 

 

「その前にハッチを開けなくてはいけませんよ?」

 

 

「あぁ、そうね…駄目ね私…いつもみたいにできないわ」

 

 

「大丈夫ですよ、お嬢様…私がサポートします」

 

 

「えぇ、ありがとう…」

 

 

 

 

「随分楽しそうな事をしてらっしゃいますね、ミク様」

 

 

「「!?」」

 

声をした方に振り向くと、司令塔の職員の1人がいた

 

 

「え?なんで…貴女が?」

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()んですよ」

 

 

「!」

 

 

「ありがとうございます、レイン様1人増えるだけでも、大変助かります」

 

 

「1人?なーに言ってんの?あれよ、私達はちょーっと長めの昼休憩を取っていただけよ」

 

 

「え?」

「つまり…」

 

 

 

すると、入口が職員がぞろぞろと出てきた

 

「姫様!私たちも、参加させてください!」

 

「俺も!姫様の力になりたいです!」

 

「元々そういう覚悟は持っていたんだ、逃げやしねぇよ」

 

「どこまでのついていきますよ!ミク様!」

 

 

 

次から次へと、ミクの元へとやってくる職員達

 

 

「これは…驚きました、W.P.P.Oの職員の10分の9はお嬢様に着いてくるみたいですよ」

 

 

 

ミクの頬から大粒の涙がこぼれ落ちる

 

 

ミクが泣いたので皆驚き、その場が静かになる

 

 

「ありがとぅ…!ありがとぉ!みんな…!」

 

 

「お、お嬢様…」

 

 

「ありがとう、マリネ…もう大丈夫よ…」

 

 

 

 

「…」

ミクは、息を吸い込み、吐く

 

 

「みんな!!やるわよ!!」

 

 

 

「「「「「「おう!!!」」」」」」

 

 

 

 

W.P.P.Oは、動き出した

 

 

 

 

 

 

 

 

シンジは戦闘服に着替え、インフィニティを起動させる

 

 

「…インフィニティ…またお前に乗る事があるとはな…ガンダム…か…」

 

 

「(この響き…何処か懐かしいような…)」

 

 

 

シンジはインフィニティガンダムを起動させる

 

操縦席が明るくなっていき、モニターやメーターなどが起動する

 

 

 

 

「(俺は…俺にできる事をする…)」

 

 

 

『シンジ・ヒロセは単独で出撃します、進路クリア、インフィニティどうぞ』

 

 

格納庫のハッチが開く

 

 

 

 

「シンジ・ヒロセ、インフィニティガンダム、行くぞッ!」

 

 

インフィニティの背中にあるバックパックが推力を増していく

 

 

そして、インフィニティはカタパルトから放出される

 インフィニティはそれと同時にスラスターを点火

 

物凄いスピードを出し、インフィニティは海の向こうへと飛んでいった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アフリカ、連合軍基地付近では連合とノウム・ザフトによる激しい戦いが繰り広げられていた

 

 

 

連合のMSはネオ・アストレイ、ダガーL・改やネオ・ウィンダムなどのMSがノウム・ザフトのMSと交戦中であった

 

アストレイがジンに向かい、ビームライフルを撃つが

ジンには避けられ、間合いを詰められる

しかしアストレイも負けていない、ビームサーベルを抜き出しジンと白兵戦を繰り広げる

 

最終的にはアストレイがバルカンを放ち、隙を見せたジンをアストレイがビームサーベルで横に引き裂き、アストレイの勝利となった

 

 

 

 

しかし、追加でジン2機がアストレイに向かってきたのだ

 

アストレイはなんとか白兵戦に持ち込もうとするが、2体1では流石に勝ち目はなく、ジン1機の片腕を切り落とした時もう1機に背後を狙われ、コックピットにヒートサーベルを突かれ、アストレイは機能停止した

 

 

違う所では、ダガーL・改がビームライフルを撃ち、ジンの片腕を破壊する

ジンが後退しようと、バーニアを起動し空を浮遊し始めるがダガーL・改はバックパックに装備してあるビームサーベルを抜き、飛んでいこうとするジンに向かいバーニアを点火させた

 

ライフルを撃ってくるジンに真正面から向かい、ジンの腹部を横から真っ二つに切った

 

 

ジンは爆発し、爆風の影響でダガーL・改も少し吹っ飛びながらも上手く地面に着地する

 

すると、横からライフルが連射される

横から追加のノウム・ザフトのMSが来たようだ

1機は先程と変わらないジンだが、もう1機はグフイナイデットのカスタム機のようだ

 

ダガーL・改はすぐにビームライフルを装備し撃つが、避けられてしまう

 

すると、グフの方が近づいてきた

 

 

グフはバックパックに付いてある小型レールガンを放ち、ダガーL・改のビームライフルを破壊させ、ダガーL・改にビームサーベルで戦わさせる様に仕向けた

 

計画通り、ダガーL・改はビームサーベルを装備し、向かってくるグフに向かってビームサーベルを振ったが

 

 

グフはギリギリのところで後ろに下がり、ビームサーベルを避けたのだ

 

ビームサーベルを振った事により、隙を見せたダガーL・改に向かってグフは体当たりをした

 

体当たりされ、体勢を崩したダガーL・改は後ろに倒れた

 

そして、倒れたダガーL・改のコックピットに向かって、グフはヒートサーベルを突いた

 

 

 

 

 

 

 

『戦況はどうなっている?』

 

グフに搭乗しているパイロット、仮面を付け素顔を隠している謎の女性アリス・ノヴァ・アルスターは近くにいるジンのパイロットに聞いた

 

 

『現在、我々ノウム・ザフトは苦戦を強いられながらも順調に連合の基地を責めています、連合の奴らも中々しぶとく抵抗しているようです、なんとか数で勝っていると言った所ですね』

 

 

 

「そうか、よし 次に行くぞ!」

 

 

『はいっ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ…」

 

近くにの村にて、1人の少女が走っていた

 

 

後ろを向けば、焼け野原

ノウム・ザフトの襲撃により、村が燃えたのだ

 

少女の両親は自らを犠牲に少女を助け、火の海に飲まれた

 

 

生き残らなくては

 

 

少女はそう思っていた

 

両親が命を犠牲にしてまでも、助けてくれた自分の命を奪われてたまうか!意地でも生き残ってやる!

 

そう思っていた

 

 

 

がしかし、ノウム・ザフトのMSがバルカンを放った事により近くの建物が崩れ、少女は瓦礫の下敷きとなってしまう

 

 

力を入れても、瓦礫は動かせず身動きは取れない

 

ノウム・ザフトのMSがこっちに近づいてくる物音が聞こえる

 

「…ごめんなさい…お父さん…お母さん…私もう無理かも…」

 

 

 

『清き世界の為に、貴様ら不完全な人間(ナチュラル)はいらない…』

 

 

 

「何が清き世界だ…!森を燃やし!他を崩し!人を殺しているお前らに…!清きもクソもない!!」

 

腹から精一杯声を出しても無駄だ、MSには何も効かない

 

 

 

MSが少女にバルカン砲を撃とうとしたその時

 

 

ジンの操縦席にアラームが鳴り響いた

 

 

 

 

モニターには〈未確認飛行物体〉と表示され、

レーダーを見ると、その未確認飛行物体はかなりのスピードでこちらに近づいて来ているようである

 

 

『何だ…?この飛行物体は…』

 

 

「…?」

 

中々撃ってこないジンに不思議に思う少女

 

すると、音が聞こえた

 

 

「何…この音…?」

 

ゴーッというまるで飛行機の様な音がどこからか聞こえてくる

 

しかもその音は、徐々に近づいてくるではないか

 

 

 

「なんなの…?」

 

 

『!?2時の方向に何か来る!?』

 

ジンのパイロットはその方向を見ると

 

 

そこには、赤や白で構成され

背後のバックパックと2つのブースター

がある

 

謎のMSを肉眼で確認できた

 

『何だ!?あの機体!?連合の新型か!?』

 

 

少女にもそのMSは見えた

 

 

 

「…キレイ」

 

 

MSという兵器である事は変わらないが、その機体は今目の前にいるジンよりも美しい機体であった

 

 

 

そして、そのMSはそのままスピードを保ちながら脇元にあるビームサーベルを抜き、少女の目の前にいるジンの頭部を切断

 

あまりのスピードの衝撃と頭部を切断されま事により、後ろに倒れるジン

 

 

 

「…すごい…」

 

 

そして、MSは徐々にスピードを落とし、陸地に足を付ける

 

 

 

 

ガタンという音を出し、着地する

 

 

頭部、足、バックパックのブースターの排気口の様な場所から空気が抜ける音が聞こえる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シンジ・ヒロセ、ミッションを開始する」

 




インフィニティガンダムのイラストは頑張って書いています、下手でも頑張って描くから大目に見てね
ちなみに、他のMSの見た目はほぼ変わらない、武器が追加されたり、少し色が変わったぐらいです


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第四話 めぐりあい

いや…たしかに…遅くなりました、だがこれだけは言っておきたい!!
サボっていたわけではないです!決してガンプラ作ってたりとか…バトオペ2やってたとか…そんな事じゃないんだからね!(ツンデレ風)


いや、マジですいません…

本編どぞ…


目の前にはMS

しかし、ノウムザフトのMSではないようだ

連合のMSたろうか?

すると、MSから

 

 

『そこの君、無事か?』

 

 

聞こえてきたのは、思ったより若い男の声だった

 

 

「え、あ、はい!何とか!」

 

 

『それはよかった、時期に応援部隊が来る、悪いがそこで待っていてくれ』

 

 

「あ、はい!」

 

 

そしてMSは街のある方声に体を向け、応援が来るのを待っていた

 

 

 

 

数分後、このMSが来たところと同じ方からジェット機の様な物が飛んでくるのが見えた

 

 

そして、そのジェット機の様な物は徐々に低空飛行していき、私達の目の前に止まった

 

 

『後は、任せていいか??』

 

 

『はい、任せてください!時期に支援の戦闘機やMSも来るので!私達がこの民間人を命に変えても守り切ってみせます!』

 

 

『分かった、頼むぞ』

 

そう言って私を助けてくれたMSは戦地に向かっていった

 

「さぁ、お乗りください、再びノウムザフトの連中が来る前に」

 

 

そう言って、男性が乗ってくれというそのジェット機の様な物は連合軍の物ではない様だ

それに、このマーク

クローバーだろうか?このマークは

W.P.P.O?なんだそれ、聞いたことない

他ととこと比べ情報網が発達してないこの国でもW.P.P.Oなんて聞いたこともない

 

「…えっと、大丈夫なんでしょうか…?」

 

 

「?何がですか?」

 

 

「貴方達を信用して…」

 

 

何を聞いているんだ私は!

変な事を聞いてしまったじゃないか!絶対変な奴だと思われた!!

で、でもどの団体か分からない連中に「これに乗ってください」なんて言われたら怪しむでしょ!普通!

何、私臓器売られるとか人身売買されるの!?

怖い!怪しい!

 

 

「えぇ、絶対に貴方の命は守りますよ」

 

 

本当か?マジで怖いですけど!?

 

 

「…早く!またノウムザフトの連中がきますよ!」

 

 

ぐっ…命には変えられないか…

父さん、母さん、私頑張って生き延びるよ

 

 

「はい、今行きます」

 

 

私はジェット機に足を踏み入れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わって戦場

連合とノウムザフトの泥沼戦になっているなか、連合軍MSを圧倒している1機のMSがあった

その機体は他の機体とは違い、紫色という変わった色である

 

 

そんな目立つ機体を落とそうと連合軍のMSはビームラフルやマシンガンを撃つが、まるで攻撃を予測されているかの様に攻撃を全て避けられてしまう

そしてその紫色のグフは手持ちのヒートロッドという鞭の様な武器を使って相手MSの腕を切り裂く

通常のヒートロッドは相手の武器、又は相手のMSを掴み高熱や電撃を放ち相手のコックピットを使用不可能にする事や、武器を破壊をする武器なのだが、この紫色のグフの使っている物は電撃を放つ事ができないだがしかし、発する高熱の出力が通常のヒートロッドより倍以上高いのである、それを上手く使い、鞭のように相手MSを叩き装甲を破壊したり、ビームサーベルの様に相手を切り裂く事も可能である

 

 

 

 

「第1部隊、応答せよ…チッ、私以外はほぼ全員死んだか、やはりナチュラルの集まりではこうなるか…」

 

 

そう、もう彼女の搭乗しているグフ以外のMSはほぼ全員死んでしまったのだ

周りに残るのはMSの破片や戦闘を繰り返し堕ちた戦闘機など

よく見ると、人の死体もある

まさに地獄絵図である

 

 

「…本部に連絡し迎えを呼ぶか…?…何だ…?この音は…?」

 

 

やるべき事をやり終え帰還しようかとした時、

謎の音をアリス・ノヴァ・アルスターの耳は聞き逃さなかった

 

  

「この音は…ジェット機などに似た音だな…」

 

 

しかし、全天周囲のモニターには何も映っていない

 

 

「どこだ…?どこにいる…?」

 

 

OSを起動してモニターのカメラをズームさせ、機体を旋回させる

モニターをジッと見ていると

カメラが何かを捉えた様でモニターに自動でアップされ

そのアップされた画面を確認する

 

 

「これは…MSか…?」

 

 

徐々にMSが近づき、モニターに映るMSが鮮明になる

モニターに映る赤や白のMSにアリス・ノヴァ・アルスターは見覚えがあった

 

 

「ガンダム…」

 

 

そう、それはつい先日自分の前で何者かに奪われたノウムザフトの新型MS、ZGMF-α インフィニティだったのである

 

 

「…なぜここにインフィニティがいる?」

 

 

不思議に思う反面、気分が向上するアリス

 

 

「…丁度いい、新しいMSの性能を試してみようじゃないか…」

 

 

アリスが操縦するグフは手に持っているヒートロッドをより強く握りしめた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シンジ・ヒロセが操縦するインフィニティは1人の少女を救った後残りの生存者を救うため戦闘の本戦地である市街に向かっていた

 

 

「今のところ生存者はあの少女を入れて5人…やはり来るのが遅かったか…」

 

 

すると、モニターの市場が拡大し何かが表示される

 

 

「あれは…MSか…しかも、ノウムザフトのか…」

 

 

そのMSはインフィニティをジッと見ている

 

 

「(正直、戦闘はあまりしたくない…何も無ければ通り過ぎたいな…)」

 

 

だが、そんな願いは叶わず最悪な事にあのMSの近くに人がいるではないか

よく見ると、数は2人

1人は怪我をしてるのか足を引きずっている

 

 

「(クソッ、最悪だ)」

 

 

そのままインフィニティは自分を睨んでいる様に見つめているMSに向かった

 

 

 

 

 

 

 

「更にスピードを上げたのか!?あのスピードが最大じゃなかったのか!?報告以上の性能じゃないか…」

 

しかし、ただガンダムの性能に凄いと言ってる訳にはいかなく、このままだとガンダムにやられてしまうので、何とか太刀打ちしなければならない

 

 

グフの左手に装備してあるガトリングをガンダムに向けて撃つがガンダムは横に移動しそのまま横に移動しながら着実に此方に近付いてきている

 

 

「チッ、やはり空中での相手にガトリングは無駄か!」

 

 

ならばと、バックパックに装備されてたら小型レールガンを起動し、放つ

しかしインフィニティの圧倒的なスピード、機動力によって避けられてしまう

 

 

「(やはりあのガンダムのパイロット、操縦の腕前はかなり高いようだな、私と同じかそれ以上…)」

 

 

インフィニティは着々とグフに近づき

ついに残り3km程の距離になった

 

インフィニティは腰元にあるビームサーベル…ではなく

剣の様な物を取りそれを起動させた

それはそれはこのグフイグナイデットカスタムが装備しているビームソードと形がよく似ているが少し違うグフの持っているビームソードの場合は剣先以外の剣身に高熱のビームが放出される為、剣先が他の剣身に比べ大きく出っ張っている物が普通だが

インフィニティの持っているビームソードはどこも出っ張っていなく、普通の剣の様だ

 

すると、インフィニティの持つビームソードの剣身からビームが放出された

 

 

「あれが報告書に書いてあった"超火力ビームサーベル・ガラティーンソード"か…面白い!」

 

 

インフィニティはそのままグフに向かって近づいて来る

 

それに対抗し、グフはビームソードを構える…と見せかけて

ヒートロッドをインフィニティに向けて放った

 

インフィニティは予想外の攻撃だったのか、ヒートロッドを避けると急に空中だ止まり、頭部のバルカンを撃ってくる

 

グフは建物の影に避け、バルカンの攻撃を防ぐ

 

 

インフィニティはバルカンを撃つ事が無駄だと思い、敢えて地面に脚を着ける

 

それを狙いグフはヒートロッドをインフィニティに向けて放つが

インフィニティはギリギリの所でヒートロッドを避ける

 

 

「な!?バカな!?この距離で私のヒートロッドを避けるだと!?相当やるな!ガンダムのパイロット!」

 

そしてそのまま、インフィニティはガラティーンソードを持ち、グフに向かって斬りかかろうとするが…

 

 

「甘い!ここでやられる程私は弱くはないさ!!」

 

ヒートロッドを離し、ビームソードを取り出し

ガラティーンソードを受け止める

 

 

2機のMSの鍔迫り合いが数秒続き

 

その後、2機とも距離を空けお互いの行動を観察する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると…

 

 

 

グフに向かってビームが放たれた

 

「!?何だ!?」

 

しかし、グフはこれを避けインフィニティとは別の方向から放たれたビームの正体を確認する

 

 

グフにビームを撃った正体は3機のMSと輸送機だった

 

 

「(あれは…MSと輸送機か…?しかし、あのMSは見た事がないぞ?)」

 

 

連合の物でもなければ、ノウム・ザフトの物でもない

 

長年軍にいるアリスだが、あんなMSは見たことも聞いたこともない

だが、どこか連合やオーブのMSらしき形をしているので、おそらく連合関係のMSだということが分かる

 

 

「チッ、流石にガンダムに加え3機は無理か!」

 

 

アリスは身の危険を感じ、バックパックのスラスターを点火し空の彼方に飛んでいった

 

 

 

 

 

 

「…」

 

 

飛んでいったグフを見るインフィニティに1機のMSがモニター越しに話しかけてきた

 

 

『シンジさん!無事ですか!?』

 

 

話し掛けてきたのは、MS部隊の若い部隊員であった

 

大抵の兵士はシンジより年上なのだが

シンジはW.P.P.Oの古参であり、MSの操縦が隊の誰よりも上手いという事から職員や部隊員に慕われているのだ

 

 

「ああ、損傷も何もない無事だ」

 

 

『…どうします?追いますか?』

 

 

「いや…いい、無理に追撃する必要はないだろう、それより今は救出が最優先だ」

 

 

『了解です!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はへー…すっごい…」

 

 

さて、私は今どこにいるでしょうか?

 

 

 

 

 

 

正解はー…

 

 

MSの格納庫でしたー!

 

 

ちゃんとMSを見た事なかったけど、あんなに大きかったんだ…

といってもガラス越しだけど…

 

 

 

今私のいる部屋?の様な場所は救出した人達を入れておく為の部屋の様な場所である

そこから窓越しにMSの格納庫が見える

 

先程私を助けてくれたMSがこの大きな輸送機の格納庫に入ってきた

どこに連れて行かれるのかは不明だが最低限の安全を確保できる場所なんだと思う

 

 

格納庫を見ていると、先程のMSからパイロットが降りてくる

 

…背ちっさ…

 

遠くだからそう感じるだけ?いや、でも他の人達より比べて凄い小さいよな…女性のパイロットとか…?

あ、いやでも私を助けてくれた人の声は男の人だったよね…?

 

 

すると、そのパイロットは被っているヘルメットを取って素顔を見せた

 

 

やっぱり女の子!?すっごい可愛いんだけど!?

あんな小さくて可愛い女の子がMSに乗って戦っているの!?

 

あんな小さい子が…戦場に…

 

私は…あんな小さい子に助けられたのか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いぇい!お疲れ様です!シンジさん!」

 

 

「ああ、お疲れ」

 

 

MSに乗っていた者同士でハイタッチをする2人

 

 

「助けられた人達はたった6人ですか…」

 

 

「ああ、少ないな…」

 

 

たとえ小さな町とはいえ、もっと人はいたはずである

 

 

「(俺がもっと早く行っていれば…)」

 

 

「あれ?シンジさん、あれ…」

 

 

そう言い指差す方向には

 

 

先程助けた少女がガラス越しにシンジ達を見ている

 

 

「あの時の…、挨拶ぐらいはしておくか…」

 

 

そう言ってシンジは彼女の元へとエレベーターを使って向かう

 

 

 

 

 

「何ともないか?」

 

 

「えっと…あの時は、ありがとうございました!」

 

 

「それが俺たちの仕事だ、礼を言われる方じゃない」

 

 

「は、はぁ…あ、あの!」

 

 

「?何だ?」

 

 

「この輸送機は、次に何処に?」

 

 

「一旦本拠地に戻るつもりだが…何故だ?」

 

 

「本拠地って…連合のですか?」

 

 

「いや、俺達は正式な組織じゃない、連合の本拠地なんて行きやしないさ」

 

 

「え?正式な組織じゃない…?それって…」

 

 

「察しの通り、俺達のしている行為は完全に犯罪になるな」

 

 

「…そこまでして…何故私達を助けるんですか…?」

 

 

「…さあ?」

 

 

「うぇ?」

 

 

彼女は意外な事を言った

 

 

「ちゃんと考えた事なんて無かったな…」

 

 

「えぇ…?」

 

 

「人助けをしたいからかもしれない、力があるからかもしれない…正直理由なんてないと思う…でも、何の罪もない人達が死んでいくのを黙って見ている事をできないから、助けるんだと俺は思う」

 

 

「…凄いですね…」

 

 

「?何がだ…?」

 

 

「そうやって…無茶な事に飛び込む勇気ですよ…私だったら絶対無理です、親が死んでしまってより"生きなきゃ"って思ってるのに、誰かの為に自分を捨てる覚悟なんて…私は持っていません…」

 

 

「…そうかな、俺は違うと思うぞ」

 

 

「え?」

 

 

「君は今ここ(W.P.P.O)にいるだろ?」

 

 

「それは…どういう…?」

 

 

「普通、謎の組織についていくか?」

 

 

「あ…」

 

 

「君は自分自身の意思でここに来たんだ、生きたいという思いが恐怖を乗り越えたんだ、それはもう立派な"勇気"なんじゃないのか?」

 

 

彼女はそう言って歩いて行ってしまった

 

 

 

「…ん?俺?」

 

まさかあの見た目で男だとか…

 

 

「気のせいよね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シンジは少女との会話が終わった後、輸送機内の自室に向かって歩いていた

 

 

 

『シンジ!オカエリ!オカエリ!』

 

 

シンジに向かって飛び跳ねながら喋っているのはシンジが自分の手で作った小型球体ロボット"ハロ"である

 

 

「ただいま、ハロ」

 

 

『メールガキテルゾ!』

 

 

「メール?誰からだ?」

 

 

 

ハロの目から光が出て、空中に映像が映される

 

 

 

 

『よう!聞こえてるか?』

 

 

映像に映ったのは整備班監督のジェーン・メイラーであった

 

 

『早速本題に入るが、インフィニティにビームライフルを持たせる件だが研究開発班の皆全員賛成だそうだ、後はお前が設計図さえ作ってくれればすぐにでも開発を始めるだそうだ、って事で設計図よろしく!!』

 

 

そこで映像は切れた

 

 

『メールハイジョウ!メールハイジョウ!』

 

 

シンジは自室に入り、設置されてある椅子に座る

 

 

「了解、今から考えるさ」

 

 

携帯端末を取り出しそこから空中に映し出された設計図を弄る

と言っても、ほぼ完成されているので最終チェクをする程度である

 

 

 

 

 

 

 

 

ZGMF-α INFINITYガンダム専用ビームライフル 設計図

 

 

「終了…と」

 

シンジは携帯端末を閉じ、用意しておいたドリンクを飲む

 

 

「ハロ、ジェーンさんに送信頼む」

 

 

『リョーカイ!リョーカイ!』

 

 

ハロと携帯端末をケーブルを繋げる

 

『ソウシンチュウ!ソウシンチュウ!』

 

 

「頼むぞ、俺は薬を飲まなきゃいけないからな…」

 

 

と言い、シンジは薬袋を取り出し薬を一錠飲む

 

 

「(もう、慣れたな…)」

 

シンジ・ヒロセは強化人間である

強化人間と言っても身体のどこかを超強化したのではなく

シンジ・ヒロセの場合は()()()()()()()

まぁ、ほぼコーディネーターと同じなのだが

感覚・運動神経が補強され、身体制御能力の向上と感覚器官の鋭敏化、特に、空間知覚能力の向上など

一般的なナチュラルと比べるとてんこ盛りな能力である

それに加え、シンジ・ヒロセにはもう一つ能力がある

 

 

 

それは霊感である

これは強化された事によって追加された物かは分からないが

シンジ・ヒロセはには強い霊感を持っているのだ

何もないところをジッと見つめる(霊視)ができるのだ

※本人は認めてない模様

 

今のところは目立った強化人間の力は出してないが強化人間としての感覚の敏感は実感しているとかなんとか

 

 

だが、欠点としてシンジ・ヒロセの身体が強化人間としての能力に着いて行けずシンジ・ヒロセの身体への負担が大きいのだ

 

それゆえにシンジは1日に一錠の薬を飲まないと息切れ、酷い時は吐血や目眩、気絶する事もあるらしい

 

 

 

 

『ソウシンカンリョウ!ソウシンカンリョウ!』

 

 

「ありがとう、ハロ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

『緊急事態!接近してくる熱源反応有り!パイロットは戦闘準備!』

 

 

「…行くか」

 

 

『ガンバッテコイ!シンジ!』

 

 

「ああ、行ってくるよ」

 

 

シンジは自室を出て格納庫に向かって走った

 




C.E小話

MS紹介

ZGMF-α INFINITY (GUNDAM)

全体的にバランスの取れた人型ロボット兵器である
近年機械のF.Eの導入により、高性能化しているMSの中でもこのインフィニティガンダムは通常のF.Eを使ってできているのではなく、αエネルギーという変わったモノを浴びて生み出されたF.Eで作られた機体なので通常のMSと比べ、機動性やスラスタースピードエネルギー消費率が他のMSと比べると、比べ物にならないぐらい高性能なのである

しかし、このMSの設計者は不明でどうやってαエネルギーを浴びたF.Eを生み出したのか、そもそもαエネルギーとはなんのか?など謎大きMSなのである


武装面

ビームサーベル×2
頭部バルカン
対艦用特殊ビームソード ガラティーンソード
ダブルマスターカノン

因みに、ダブルマスターカノンとはバックパックの横両面に付いているブースターが変形し(F91みたいに)二つのブースターから強力なレールガン(超電波砲)を放つ事が可能なのである



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第五話 海にて

個人的に早く書けた方だと思います

それでも遅い方…

僕は頭がよろしくないので、本当に頭の悪い文章です

それを注意して本編どうぞー


「熱源反応?モビルスーツか?」

 

 

インフニティに乗り込んだシンジは通信でこの輸送機"ハコフグ'の操縦席のパイロットと話していた

 

『はい、おそらく』

 

 

「数は?」

 

 

『空にウェイブライダーに乗ったのが5機、水中に3機合計8機います』

 

 

「分かった、俺とマーセで行こう」

 

 

「了解、ハッチ開けます」

 

 

「俺は空中戦で戦う、床のハッチも開けてくれ」

 

 

『了解』

 

 

W.P.P.Oの主力モビルスーツ、"マーセ"

インフニティと同じバランスが取れた機体で、近距離戦仕様と遠距離戦用仕様がある、近距離戦仕様は専用ビームライフルと盾、日本のビームサーベルがある、それに比べ遠距離戦用はビームスナイパーライフルや肩部に装着している壁になる折り畳み式の盾と一本のビームサーベルがである

 

 

インフニティは床ハッチの場所に立ち、ハッチが開くのを待つ

 

 

『シンジ!俺達はどうすればいい?』

 

 

通信でシンジに話しかけてきたのは、MS第4部隊の兵士のリーダーの男であった 

 

 

「俺が空中戦で仕掛けるから、援護をしてくれればいい」

 

 

『りょーかい、輸送機の前に行かせるなよ?』

 

 

「分かってるさ」

 

 

『準備完了、いつでも行けます!』

 

 

シンジは目を閉じながら深呼吸し、ゆっくりと目を開け全方向に映ったモニターを見る

 

 

 

「(この感じは…慣れないな…)」

 

 

操作レバーを握り、言った

 

 

「シンジ・ヒロセ、インフニティ!行くぞッ!」

 

 

『ハッチ!開けます!』

 

 

 

 

空いたハッチからインフニティが落ちていく

 

そして、インフニティはブースターを吹かせ、輸送機の後ろに見える5機のモビルスーツの元へ向かって行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれか?民間人を乗せた輸送機ってのは?」

 

 

ノウム・ザフトの応援部隊の一員であるフレディ・サージは上司であるアリス・ノヴァ・アルスターの命令によって謎の輸送機を追っていた

 

 

『そうっぽいな、ロゴも何もないガチの無所属か?』

 

 

「連合も末期ってことさ、民間人が動く程連合は終わってるのさ」

 

 

『言えてる、実際ノウム・ザフトが優勢だしな』

 

輸送機を追いながら、仲の良い同僚と話していると…

 

 

『気を抜くな、例え民間人でも俺達と同じ"人間"だ、俺達の予想外の行動をしてくる可能性もある』

 

 

リーダーに怒られてしまった

普段はとても良い人なのだが、戦闘になるととても厳しくなる

まぁ、こういう人が戦場に向いているんだろう、常に気を張って戦闘に向かうのが正しい兵士なんだろうな

 

 

『でもよぉ、リーダー、相手は民間人を乗せた非公式の部隊だぜ?そんな気を張らなくても大層なことはしてこねぇと思うぜ?』

 

 

正直同感だ、相手は資源が豊富な連合ではなく、ただの民間人の集まり、まぁ本当かわからないが

でも今時マークも何も入ってないモビルスーツは無いので、多分民間人だと思うけどな

話に戻るが、兵士の訓練も受けてない連中に何ができるというのだ

所詮は"無駄な足掻き"なんだろう

 

 

『それが甘い考えだ、フレディ、お前の1番怖い物はなんだ?』

 

 

「え?え、えっとぉ…幽霊とか?」

 

 

『ハハハッ!フレディ!お前サイコーだな!!』

 

 

俺の発言でリーダー以外の皆が笑う

 

 

「な、何だよ!皆幽霊は怖くないのか!?」

 

 

『いや、悪くない、確かに幽霊も怖いな、でもなフレディ、世の中一番怖いのは幽霊でも怪物でもなく、"ただの人間なんだ"」

 

 

「は、はぁ」

 

 

『人間の"思い"という存在は時に温かく、時に恐ろしい物だ、気を緩めるとそれには気づけん』

 

 

リーダーは難しい事を言うなぁ…

 

 

『ま、要するに気を抜くなという事だ』

 

 

「了解!」

 

 

と、言っても 気を張るほどの相手じゃないので、気を張っていても少しずつ緩んでしまう

 

 

『!?おい!あの輸送機、ハッチが開いたぞ!?』

 

 

そんな仲間の声にビクッとなってしまった

慌てて前を輸送機の方を見てみると確かに輸送機の後ろのハッチが開いてモビルスーツが数機武器を構えてこっちを見ているではないか

 

 

「バカな!?気づかれたのか!?この距離で!?まだ輸送機が小さく見える程離れているんだぞ!?」

 

 

『総員!戦闘態勢に入れ!相手にはスナイパーがいる!広がれ!…何だこの胸騒ぎは…?』

 

 

ウェイブライダーに乗ったジン5機はスナイパーの視界に入らないようにするためそれぞれ分かれ雲の中に入っていく

 

 

 

『十秒経ったら上がれ、相手の事を少し観察する』

 

 

『『「了解」』』

 

 

『?メクド、分かったか?』

 

 

メクドの返事がない

 

 

『雲の中だから少し回線が不安定なんじゃないのか?』

 

 

『かもな…、上がれば分かるだろ』

 

 

 

10秒経ち、フレディの乗るジンは雲の外に出た

 

 

他のジンも丁度上がり3機のモジンが見える

 

 

「?あれ?メクドの奴いませんね?」

 

 

『…嫌な予感がする、皆注意しろ!』

 

 

すると、仲の良い同僚が乗るウェイブライダーが破壊された

 

 

『ぬわぁぁぁ!!?』

 

 

『注意しろと言った筈だ!』

 

 

ウェイブライダーが破壊された事により、友人の乗るジンは落ちていく

 

 

「待ってろ!今助けに行く!!」

 

 

『やめろ!フレディ!!お前がやられるだけだ!!』

 

 

「でも!!」

 

 

すると、更にもう1機のジンの乗るウェイブライダーが破壊されジンが海に落ちていく

 

 

『下からだ…』

 

落ちていくジンから通信が入ったが、切れてしまった

 

 

『聞いたか?』

 

 

「えぇ!敵は下から撃ってくるみたいですね!」

 

 

フレディはレーダーを確認し、的の居場所を探す

 

 

すると、レーダーの左上に赤いマークが表示された

 

 

「そこか!!」

 

 

フレディはジンを操作し、ジンの装備しているバズーカを放った

 

 

しかし、バズーカが当たった気配はない

 

 

『フレディ!下じゃない!前だ!!』

 

 

「え」

 

 

フレディが前を見ると、そこには腰に何かを構えている赤と白で構成されたモビルスーツがいた

 

 

そのモビルスーツはその構えているものから光が放たれ

フレディの乗るジンの両腕が破壊される

 

 

「うわぁぁぁぁ!!!?」

 

 

その威力と腕を破壊された事によりフレディの乗るジンはウェイブライダーから落ちてしまい、海に落下していく

 

 

『フレディ!!』

 

 

そのモビルスーツはウェイブライダー無しで宙に浮き、リーダーの乗るジンをジッと見ていた

 

 

『…コイツは間違いない…コイツは、"ガンダム"だ…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

インフニティのパイロットシンジ・ヒロセは顔にこそ出さないが驚いていた

 

 

「このレールガン…なんて威力だ…ジェーンさんから聞いてはいたがこれ程とはな、20%でこれほどの破壊力を持っているなんて、恐ろしいこった」

 

 

インフニティのバックパックの両横に付いているブースター(ダブルマスターカノン)これを変形させる事により、高威力のレールガンとなる

しかし、ブースターという事なので一時的なスピードダウンや動きが縛られるので扱いが難しい

 

威力がどうとか言っているが、マスターカノン自体を上手く敵に当てる事自体が難易度の高い事である、簡単にやってのけるシンジが異常なだけだ

 

 

 

 

 

 

 

「あとは…隊長機だけか」

 

 

マスターカノンをレールガン状態からブースター状態に戻し

 

隊長機の様子を伺う

 

 

ウェイブライダーに乗ったジンは特に何もせず、ただインフニティの事をジッと見ている

 

お互いしばらくの沈黙が続いた

 

先に動いたのはジンの方だった

 

 

ウェイブライダーを左の方に動かし、インフニティにバズーカを放った

 

が、しかしインフニティはサッと避けバズーカの弾を避けてしまう

 

 

 

するとジンは腰部からグレネードの様な物を出し、インフニティに向けて投げる

 

グレネードは眩い閃光を放つ

 

 

「ッ!フラッシュグレネードか!」

 

コックピット内のモニターは光に包まれ、何も見えなくなってしまう

 

 

しかし、シンジは既に感じていた

 

敵が自分に向けた殺気を

 

 

光が無くなり、シンジの目に入ってきたのは

 

ビームソードを上に振りかぶりインフニティの目の前まで接近していたジンであった

 

 

咄嗟にシンジはレバーを操作し、ビームソードを振り下ろそうとしていたジンの右腕を掴んだ

 

 

ジンの右腕を掴んだインフニティはジンに頭突きをし、ジンの頭部を中破させた

 

 

そしてインフニティはジンの右腕を離し、ジンの腹部を思いっきり蹴ってやった

 

 

ジンはウェイブライダーから落ち

 

海に落下していく

 

海に落ちた事により海は大きな水飛沫を上げながらジンは海に沈んでいった

 

 

 

 

 

「これで空中は終わったか、次は…海」

 

 

敵のウェイブライダーを奪ったインフニティは輸送機に近づいていく

 

 

「海の方の敵はどうだ?」

 

 

『大した攻撃はしてきませんが、ずっと下にいます 本部の場所がバレない様に敢えて別のルートで行っていますが…』

 

 

「分かった、俺が何とかしよう」

 

 

『結局俺達がやる事なかったな』

 

 

先程の第4部隊のリーダーが再び話しかけてきた

 

 

「すまない、マーセはまだ水中戦の調整はしてないんだ、次に期待しておいてくれ」

 

 

『あ、おい!シンジ!これ持ってけ』

 

 

マーセが手に持っていたマーセ専用のビームライフルをインフニティに向けて投げた

 

インフニティはそれをキャッチし海面の方へ近づき、ウェイブライダーから飛び降り海に落ちていった

 

 

 

「流石はノウム・ザフトの最先端MS、水中でも特に問題はないな」

 

 

するとシンジは後ろから殺気を感じサッと右に避ける

 

 

モニター越しにシンジほ目に写った物は1機のMSだった

 

よく見ると先程のジンなのだが、所々増加パーツが付いており

持っている武器も違う

 

 

「(あれは…アクアタイプのジンか)」

 

 

再びジンは手に持っているミサイルをインフニティに向けて撃った

 

 

「(水中のミサイルは割と簡単に避けれ…ッ!?)」

 

 

すると正面のミサイルとは関係ない方向から殺気を感じ咄嗟に緊急回避をする

 

インフニティのいた場所で明らかにミサイル一つだけではない大爆発がおきる

 

 

「(ミサイルは推定…3つ…3機が俺を狙っているのか)」

 

 

考えているのも束の間、アクアタイプのジン3機がインフニティを囲む

 

そして1機のジンがインフニティに向けて手持ちのビームライフルを撃つがしかし、インフニティはそれを避け1機のジンの元へと急接戦する

ジンもビームサーベルを手に持ち迎え討とうとするが、既にシンジはジンの行動を先読みしており、ジンのビームサーベルを避けジンの両腕を切断する

  

後ろから殺気を感じインフニティは後ろに下がると

ミサイルが飛んできて腕を切断されたジンに直撃し、ジンは爆発してしまった

ジンの残骸が海底に沈んでいく

 

インフニティはビームサーベルとビームライフルを構え2機のジンを見る

 

片方のジンがビームサーベルを両手で持ちインフニティに向かったのに対し、もう片方のジンはビームライフルとミサイルを構えビームサーベルを持ったジンを支援する様にビームライフルもミサイルを放つ

 

 

インフニティもまたバーニアをふる稼働し地上戦や空中戦向けの汎用機とは思えない程のスピードでジンのビームライフルやミサイルを避ける

 

そしてすぐそこまで近づいてきたジンのビームサーベルの攻撃を軽く避け、己のビームサーベルをジンの腕と両脚を切断した

 

ビームライフルとミサイルを打ってきたジンは自分では相手に勝てないと確信し、その場から逃げようとする

 

 

「ただでは帰さない、安心しろ命は取らない」

 

 

インフニティは再びバーニアをフル稼働させかなりのスピードで逃げていくジンに向かっていく

 

ジンはビームライフルを撃ち何とか落とそうとするがインフニティは軽々しく避けジンに接近していく

 

ジンの両脚を切断し、バランスを崩し

ビームライフルを撃ちジンの頭部を破壊した

 

 

「他熱源体は無し…聞こえるか?終わった、そっちに戻る」

 

 

『了解』

 

 

インフニティは浮上し、輸送機に戻る

 

 

輸送機の後ろのハッチが開いた場所にマーセ数機が銃を下ろしインフニティを待っていた

 

 

「戦利品だ、あげるよ」

 

 

『うお、ウェイブライダーか?研究開発班の奴らにやったら喜ぶかもな』

 

『たった1機で8機ものジンを墜とすなんて、流石でする』

 

 

「訓練を積めば誰だってできるようになるさ」

 

 

『いや、無理だろあれは』

 

 

「念の為だ、本拠地に着くまでこのままMSに乗ったままでいよう、後でミラージュコロイド装甲的な物をつけておく、今回は我慢してくれ」

 

 

 

インフニティ含めたW.P.P.Oの連中は本拠地であるアマギ邸に再び向かっていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外から聞こえるかなりの数の車の音、アマギ邸の玄関がドンッと蹴られたかのような音をたてて開いた

 

 

「連合軍調査班ロワ・ライドだ、セイイチロウ・アマギ、ノウム・ザフトの新型モビルスーツをどこにやった?」

 

 

ロワ・ライドと名乗るこの男の発言にアマギ邸当主のセイイチロウは顔色を変えず、というか不思議そうな顔でこう答えた

 

「ですから、言ったでしょう?ノウム・ザフトの連中に再び奪われたと?」

 

 

「そんなわけあるかッ!!ノウム・ザフトの連中に奪われただと?なら、証拠を出してみろ!ノウム・ザフトの連中によって傷ついた場所でもいい、ああ、人でもいいぞ?なんなら死体でも構わないぞ?」

 

まるで挑発するかのように証拠をだせというロワ

 

 

「いいですよ?着いてきてください」

 

 

セイイチロウはロワを地下…ではなく、アマギ邸の外に連れていった

 

 

「ここです」

 

 

そこは大きな木に囲まれた林であった

 

 

「…は…?ここにモビルスーツを置いていたのか!?施設とかでもなんでもなく!?ただの林の中だとッ!!?嘘を言えッ!!」

 

 

「本当ですよ、私のような貧乏人ではモビルスーツを管理する格納庫も若い人もそう簡単には用意できませんからねぇ…」

 

 

「た、隊長…確かにここにモビルスーツを置いていたらしき跡があります…」

 

 

確かに、そこにはモビルスーツを置いてあった跡があった

 

モビルスーツが十分置ける程のスペースがあり、そこの草や花が潰されたかのように倒れている

 

もう少し離れた場所には木々が焦げたようになっている事からモビルスーツは奪われ飛んでいってしまった、と連想できるようになっている

 

 

「た、隊長…確かにここにはモビルスーツがありました…で、ですが絶対ノウム・ザフトの新型モビルスーツではないと思いますよ」

 

と1人の調査員がロワに小声で話しかける

 

 

「そんな事は分かっている…だが、本当にモビルスーツがない、来る途中で高性能レーダーで探したがここら一帯にモビルスーツ…いや、モビルアーマーなどの反応は一切なかった…セイイチロウ・アマギめ何を隠してる…?」

 

 

「分かったでしょう?ここにはモビルスーツはない、肝心のモビルスーツが無ければ、仮に私がモビルスーツを隠していたとしても君達は私を捕まえる事も罰を与える事もできない」

 

 

「…チッ、貧乏貴族が…絶対お前の化けの皮を剥いでやるからな…」

 

 

「ええ、いつでもどうぞ?」

 

 

「今日は帰るぞ」

 

 

「は、はい!」

 

 

「た、隊長…どうするつもりですか…?」

 

 

「様子を見るとしか言えないだろう?仮に本当にノウム・ザフトの連中に奪われたとしたら戦場にその新型が来るはずだ…というか、こんな貧乏貴族などを裁かなくてもいい気がするがな、ハッ、()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「そう思うと、セイイチロウ・アマギはバカですね…兵士も技術者もいないのに、苦しむ人々を救いたいなんて…」

 

 

「仮にモビルスーツを持っていても俺達連合にやられるだけだと思うがな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その場から去っていく連合の調査班を見てセイイチロウ・アマギは内心ホッとしていた

 

「即興で考えた事だが…まさか見逃してくれるとはな…もしや連合はバカの集まりか?」

 

 

セイイチロウは携帯端末の通話アプリを開き、電話を掛けた

 

 

『はい、シンジ・ヒロセです』

 

 

「やぁ、シンジ君、連合の連中は何とかなったよ』

 

 

『あぁ、それは良かった』

 

 

「君の作った高性能ジャマーのお陰だよ、まさか連合の高性能機器より上だとはね」

 

 

『それでも出来の悪い方ですよ、まだまだ改良が必要です、輸送機のミラージュコロイドの方も検討中です』

 

 

「それはそれは、あ、そういえばそっちはどうだい?上手くいったか?」

 

 

『少し遅かったです、助けれたのは数人程度です』

 

 

「そうか…気を付けて帰ってきなさい…」

 

 

『はい、じゃあ』

 

 

電話が切れ、セイイチロウは携帯をしまう

 

 

そして、セイイチロウは林を抜けた先の海沿いの崖に行き、ただ永遠に広がる海を見て、首に掛けているネックレスを手に取り強く握った

 

 

「レイカ…私はやるよ、ミクとシンジ君と…W.P.P.Oの皆と一緒に…君が愛した世界を取り戻す為にな…」

 

 

セイイチロウは意味もなく、話しかけていた

誰かが、言葉を返してくれるわけでも、聞いてくれるわけでもなく

無限に広がる海に向かって話していた

もういない自分が、ミクが、シンジが愛していた1人の女性に向かって

 

 

何も返ってこない、当たり前だ誰かに向けて話しかけていたわけでも聞いて欲しかったわけでもない

 

そんな1人の男の言葉に、海はザザー…と音を立てていただけであった

 




ガバガバ調査班

こんな駄文でごめんなさい…


取り敢えずモビルスーツ紹介をどうぞ…


W.P.P.O主力モビルスーツ、マーセ

片式番号 G-17

シンジ・ヒロセによって設計されたW.P.P.Oの主力モビルスーツである
近接戦闘型、遠距離支援型の2つの種類がある、この2つは特に変わった違いや性能差は無いが、遠距離支援型は頭部にスコープが付いており、上下スライド式でビームスナイパーライフルを撃つときなどに倍率を上げる事もできる
マーセには高性能ジャマーが搭載されており、基本的にレーダーに映らない様になっているが同じマーセのレーダーには映る様になっている
従来のモビルスーツを軽く超える性能をしている

武装

近接戦闘型

・専用ビームライフル ※場合によっては専用ライフル
・専用シールド
・ビームサーベル×2
・スモークグレネード
・バルカン
遠距離支援型

・専用ビームスナイパーライフル
・専用大型シールド
・ビームサーベル 
・ビームガン 
・バルカン


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第六話 それぞれの動き

色々あって遅れてしまいました

ごめんなさい

これからもバンバン書いていくつもりなので

駄作ですが、是非読んでもらえると嬉しいです

本編どうぞ


「とうちゃーく」

 

シンジ達と民間人を乗せたW.P.P.Oの輸送機はW.P.P.O本部に着艦した

 

「ノウムザフトの襲撃を除いてもざっと二時間…、もう少しスピードを出せるように船のエンジンを設計し直してみるか…」

 

 

シンジと他のパイロットはMSのハッチを開けたままMSを動かし格納庫内を移動し、それぞれの場所にMSを止めた

 

シンジがモニターを閉じ、操縦席の電源を切っていると、聞き覚えのある女性の声がシンジを呼んだ

 

 

「おーい!シンジ!」

 

シンジはコックピットから首を出し自分を呼んだ相手を確認した

呼んだのはジェーンであった

 

「ジェーンさん?どうかしたのか?」

 

 

「ビームライフルが出来たんだ!動作確認を頼む!」

 

 

「ビームライフル?早くないか?一時間と少し前に送ったのにもう出来たのか?」

 

 

既存のビームライフルではなく、シンジが自分の手で設計した物だ

こんなすぐにできるはずがない、そうシンジは思っていた

 

 

「皆が積極的に取り組んでくれてな、予定時間より早く作れた」

 

 

「成る程、でビームライフルの動作確認だったよな?射撃場でいいか?」

 

 

「ああ!頼む」

 

 

 

シンジは切りかけていたインフィニティの電源を再び付け操縦を始めた

 

 

 

 

 

 

 

地下とは思えない程の広い空間

W.P.P.O本部、中央広場

基本的にここはW.P.P.O職員や避難民達の為に解放している地下広場であるがMSの演習場もしくは、射撃場となっている

その面積は東京ドーム二つ分(東京ドーム面積0.047k㎡)

 

 

 

「オーライ!オーライ!」

 

トラックの荷台に積んであったのはインフィニティ専用のビームライフル、シンジ・ヒロセがインフィニティに乗る上で必要な火力と短いクールタイムを求めた結果このビームライフルになったのだ

 

 

シンジはインフィニティを操作し、ビームライフルを手に持つ

 

「大きさは若干、マーセ用のビームライフルより大きいぐらいだな…うん、インフィニティに合う様に設定したからなピッタリな大きさだ」

 

 

このビームライフルの発射は2つのパターンがあり、まずマーセや一般的なビームライフルと同じ火力のあるビームを溜めて放つライフルモード

次はライフルモードより火力は落ちるが、連射性クールタイムが短くビームを連射できるマシンガンモード

 

ビームライフルのメリットは高火力で射程が長いことでたるああデメリットは下手に連射するとビームライフルがオーバヒートしてしまう所や狙いを外すと再び撃つまでのクールタイムが長くなってしまう所などだ

 

ビームマシンガンのメリットはビームを連射でき、敵のダメージをライフル時より抑える事ができるため、無殺をしているW.P.P.Oには適している

デメリットはライフルに比べ火力が落ちる為、敵を墜とすには何発か撃たなくてはいけない

その場に応じて武器を切り替えないと戦場ではとても大変である

 

 

「的の用意をしてくれ」

 

 

すると壁からMSの形をした大きな鉄の板の様な物が出てきた

 

 

インフィニティはその的をビームライフルで狙い、撃った

 

板の中心部は黒く焦げ、ジジジッと音を立てている

すると、板の上にある細いモニターの様な物が動き出し、数値を出した

 

 

8000 ダメージ

 

「8000か…、威力は申し分ないな」

 

 

ビームライフルからビームマシンガンモードに切り替え、もう一度構える

 

ビームが小刻みに発射され、的に当たる

 

的が出した数値は2500ダメージ、通常のMSのビームライフルの火力は大体4000ダメージ、ビームライフルは倍の威力でマシンガンはその半分ぐらいの威力だ

 

「うん特に異常はない、次からはこれを持っていこう」

 

ビームライフルの性能に納得し、シンジは射撃場を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「インフィニティの高い高性能にやられたか…、空中だけでなく水の中でも活動可能だとはな…」

 

ノウム・ザフトの中継基地にてアリス・ノヴァ・アルスターは報告書を見ていた

 

 

「やはり連合の新型なんでしょうか?」

 

 

「同じ輸送機になっていたMSな事か?それはどうか分からんな、連合の特殊部隊かもしれないが、全くの別の組織の物かもしれないぞ」

 

 

「…無名の組織が輸送機だけじゃなくMSまで…?だとしたらゲリラってレベルじゃないですよそれ」

 

 

「そうだな、規模にもよるが下手したら第3の勢力にもなりかねん」

 

アリスはコーヒーを飲み、他の報告書を目にした

 

「…、新型のMS?」

 

アリスは一枚の報告書に注目した

そこには"新型MSの開発報告"と書かれており、それはアリスの興味を大いに湧かせた

 

「ああ、それですか?どうやらアリス大佐専用のMSを作っているらしいですよ?」

 

 

「ほぉ、それは興味深い、ふむふむ…インフィニティと同等の性能を誇るMSだと…?」

 

 

「えぇ、どうやらインフィニティとは別のF.Eを使っているみたいですけど、インフィニティと同等の性能を持った高性能MSらしいです」

 

 

「なるほど、完成までどれぐらいかかるのだね?」

 

 

「最近、決定したらしいのでまだ時間は掛かると思いますよ、早くて1.2週間かと」

 

 

「楽しみだな…」

 

 

「アリス大佐の活躍をご期待しています」

 

 

「ああ、ありがとう」

 

 

「では、これで」

 

報告書を持ってきた1人の兵士が部屋を出て行った

 

 

アリス以外誰もいなくなった部屋は静かでただただ静寂が続く

 

 

アリスは目元に付けていた仮面を取った、

 

水色の美しい瞳が写したのは自分専用MSの報告書

 

アリスはニヤリと笑った

 

 

「これで君と同等に戦えるな…ガンダム…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「結局ノウム・ザフトの新兵器は見つからずか…」

 

 

連合の本拠地である連合軍アメリカ本拠地にて、上官の1人の男はロワ・ライドからの報告を聞いていた

 

 

「申し訳ありません…」

 

 

「顔を上げたまえ、ノウム・ザフトの新兵器の一つなど恐れるに足らず、新型には新型だ」

 

 

「共同開発は進んでいるのですか?」

 

 

「ああ、"ペガサス" "フェアリー" "デーモン"どれも時期に完成する」

 

 

「パイロットはどうなさるつもりで?」

 

 

「もう決まっている、"フレア・ドメル中佐" "ラック・ウインター少尉" "レイン・ヒョウ少尉"の3人だ」

 

 

「ああ、あの若い3人ですか、確か…フレア・ドメルはコーディネーターでしたよね?」

 

 

「ああ、コーディネーターではないがラック・ウインター少尉もレイン・ヒョウ少佐もパイロットとしての腕前は確かな物だ」

 

 

「それは期待できますね」

 

 

「ノウム・ザフトの新型は後回しでいい、今はノウム・ザフトのハワイ諸島基地制圧が先だ、あそこを叩けば地球にいるノウム・ザフトの戦力は大幅に下がる」

 

 

「ええ…すいません時間なので…人類の平和の為に」

 

 

「ああ、人類の平和の為に」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハワイ諸島周辺の島国からS.O.S?」

 

 

W.P.P.O本拠地の司令室でミク・アマギは偵察班の職員と通話していた

 

『はい、現地に行って視察してきましたが、どうやら近々連合がノウム・ザフトの基地を襲うのを噂で聞いたらしく、巻き込まれる前に避難したいだそうです」

 

 

W.P.P.Oの活動は基本的に要請を受けその場所に救助や支援に行く事が多い、だが万が一それが連合またはノウム・ザフトの罠を避ける為偵察班を送り偵察をしてから行くのだ

 

 

「分かったわ、それじゃ貴方も気をつけてね」

 

 

『はい、それでは』

 

 

ミクはマイクを手に取り、本拠地内全て放送した

 

 

『救助要請が出たわ、場所はハワイ諸島周辺の島国ロワイ島とリール島!作戦会議を始めるので職員は会議室に集合!』

 

 

ミクはマイクを置き、ホッと息をついた

 

「緊張するのよね、これ」

 

 

 

 

 

 

 

「ハワイ諸島周辺のロワイ島とリール島のねぇ…逆に今までよくノウム・ザフトに狙われなかったもんだ」

 

 

そう資料を見て言ったのはMS06部隊隊長のガルベスだ

 

会議室に集まったのは司令官のミク・アマギとそのメイドであるマリネ・メリッソ MS部隊の隊長全員とシンジ・ヒロセ 整備班総監督のジェーンも来ていた

 

「難易度的には難しくないな…」

 

そう口に出したのはシンジ

 

「だな、隠密に人々を救えばいいんだ、難しいことじゃあない」

 

とリョウタも言う

 

 

「ようはバレずに助ければいいんだろ」

 

フリードもそう答える

 

 

「あのさぁ…お前らさぁ…簡単そうに言ってるけどねぇ、それをできるのはお前たちだけだぞ?凡人の俺からしたら難しい事だぜ?」

 

ガルベスは頬杖をしながらため息を溢す

 

「ガルベスさんも結構凄い方だと思いますけど…」

 

他の隊員がそう苦笑する

 

 

 

「まぁ、取り敢えずノウム・ザフトにバレないように民間人を救出して私達はすぐ撤退するってのが今回の作戦ね」

 

 

「そんなすぐには来ないと思うが、もたもたしていると連合がメガ粒子砲でも撃ってくるかもしれないしな」

 

 

「それはないだろ」

 

「流石になぁ?」

 

シンジの冗談にドッと笑う皆

 

 

「ハイハイ、冗談はさておきここで一つの問題があるわ」

 

 

「ほぉ?」

 

「問題?」

 

「お菓子は持ち込み可じゃないとか!?」

 

 

「輸送機ね、あの大きさだもの、レーダーはジャミングでなんとかなるけど、目視されたら一発よ」

 

 

「輸送機は近づけない…って事か」

 

 

「そ、小型のツバメぐらいなら何とかなるけどね、だけどそうすると…」

 

人を乗せることを想定され作られた輸送機 ツバメ

普通と戦闘機と同じぐらいの大きさである

 

 

「そのツバメを護衛する必要がある…」

 

シンジがそう答えた

 

 

「そう、そこが問題ね」

 

 

リョウタは腕を組み

 

「それじゃあ、輸送機を護衛する部隊と本土を見ておく部隊、それに加えて待機している輸送機で留守番をする部隊が必要なわけだ」

 

 

「そ、まぁそこはあまり問題じゃないわね、でもね護衛する為にMSを出すという事は…敵に自分達の事を知らせてる様なものね」

 

 

「うへぇ…キッツ…いつ敵が襲ってくるかヒヤヒヤしながら護衛しなちゃいけないのかよ」

 

 

ガルベスが嫌そうに言う

 

 

「そ、でも…やらなくちゃいけないのよ」

 

 

「ああ、俺たちやらなくて誰がやる?俺たちしかいないだろ」

 

 

「よぉし!俺は島本土で敵が出てきたら討つ!」

 

 

「フリードは逆に本土じゃないとダメだ、あんな派手な機体で護衛なんてできないぞ」

 

 

「まぁ、確かに金ピカだからな…」

 

 

「は!?金色の何が悪いんだよ!?」

 

 

「いや金色は悪くないんだが…目立ちすぎるんだ」

 

 

 

 

 

「皆この作戦に異論はないわね?」

 

ミクがそういうと

 

「「「ああ」」」

 

会議室にいた全員がそう言った

 

 

「それじゃ、作戦準備!!」

 

 

「「「おう!」」」

 

 

皆会議室から出て行き、それぞれの場所に向かった

 

 

 

 

シンジは格納庫に行き、インフィニティに乗り込んだ

 

 

コックピットの電源を入れ、インフィニティを起動させる

 

 

モニターに格納庫内の映像が映される

 

レバーを握り、ふと思う

 

「(この感じ…何故俺はインフィニティを乗る時妙な懐かしさを感じるんだ…落ち着くというか…何処か悲しく…暖かい感じがこの機体からする…)」

 

そんな妙な事を感じていると

 

 

「進路クリア!インフィニティどうぞ!」

 

 

シンジはその妙な感じから現実に戻り、優しく撫でる様に触っていたレバーをギュッと握る

 

 

「…シンジ・ヒロセ、インフィニティガンダム行くぞッ!」

 

 

インフィニティは発進し水平線を飛んでいったのだった




連合軍は"連合" "オーブ" "旧ザフト"の混合軍です

ですが、旧ザフト軍の大半の技術者やパイロットはノウム・ザフトに入っています、ノウム・ザフトの三分の一はコーディネーターではなくナチュラルです、それはオーブや連合の元兵士達も含まれているからですね

この世界は本来のSEED世界よりはコーディネーターやナチュラルの差別が少ない世界ですね
多少は混合軍になった影響です


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第七話 民間人救出作戦

最後の投稿からかなりの時間が経ってしまいました

本当に申し訳ございません(これ毎回言ってる気がする)

見てる人はいないと思いますが、質問、感想は受け付けておりますのでぜひ


ハワイへの任務の為シンジは格納庫でマーセ隊長機の最終動作チェックをしていた

 

整備員は決して多くはない為パイロットが自身の手で整備する事も少なくない

ガルベスがコックピットの入り口のハッチで背中を預け立っている

 

 

シンシらコックピットの中の点検をしていた

 

 

「で、結局どんな感じになったんだ?」

 

 

「最終的に決まったのは、俺が囮になるという事だな」

 

 

「マジか、ん?待て、まさかお前一人で囮になるつもりか?」

 

 

「?そうだが?」

 

 

当たり前の様に答えるシンジ

 

 

「はぁぁぁぁ!!?マジで!?お前!?相手は容赦なく殺そうとしてくるんだぞ!?」

 

 

驚きすぎてMSから落ちそうになるガルベス

 

 

「そらそうだろ、血も涙もないノウム・ザフトだからな」

 

 

「当たり前の様に答えるお前が怖いよ…俺は」

 

 

「よし、点検は終わったぞ…」

 

 

「そらどーも、お前のインフニティは調節しなくて大丈夫なのか?」

 

 

「微調整以外は必要ない、妙に俺にあってるんだ、インフニティは」

 

 

「合ってる?」

 

 

「妙に身体にフィットするというか、安心するというか…」

 

 

「ほーん、まるでシンジの為に作られたみたいじゃねぇか」

 

 

「ノウム・ザフトが俺の為に?バカ言わないでくれ、俺と似た強化人間やコーディネーターがいるんだろ」

 

 

シンジはコックピット内から出て行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シンジはインフニティに乗り込み、いつもの薬を飲んでいた

 

 

「(これからMSに乗る機会が増えるなら、薬は錠剤タイプよりも速攻で効くワクチンタイプの方がいいかもな…)」

 

 

シンジは薬を飲み終え、操作レバーの動作確認をしようとすると

 

 

「…シンジ」

 

 

誰かに呼ばれた

 

 

「! ミク?何故格納庫にいるんだ…?司令室は?」

 

 

「ちょっとだけマリネに任せてあるわ、大丈夫よマリネは副司令だもの」

 

 

「なんでここに?」

 

 

ミクはコックピット内に入り操縦席に乗っているシンジの上に乗ってきた

 

 

「…重いんだが?」

 

 

「あら、レディにそんな事言うなんてシンジったらデリカシー無いわね」

 

 

「…何がしたいんだ?ミク」

 

 

暫くミクは黙り、そして答えた

 

 

「途端にシンジに会いたくなったの、何でだろ?毎日一緒にいるのに、昔からずっと一緒にいるのに、赤ちゃんの頃から一緒にいたのに不思議よね」

 

 

「…すまないが俺は幼児だった頃の記憶はあまり無い、1〜5歳の記憶が全くという程無い」

 

 

「…そうよね、小さい頃だもの…記憶がちゃんとある方が変よね」

 

 

「すまないな、憶えてなくて」

 

機体の異常が無いかチェックしながらそう答える

 

 

「ねぇ、シンジ…シンジのお父さんとお母さんの事憶えている?」

 

 

「さぁな?自我がはっきりした頃から俺は博士達と一緒にいたからな、俺は父親と母親なんて知らない」

 

 

「…そう、ならいいわ…」

 

 

「もしかして、ミクは俺の父親と母親の事を知ってるのか?」

 

 

「気になるの?」

 

 

「まぁな、興味はあるな」

 

 

「…優しい人だったわ、二人とも…」

 

 

「ありがちな答えだな、その答えは言う事が無い時に使う事だ」

 

 

「いや、本当に優しくて明るい人だったわ」

 

 

「…だとしたら、俺とは違うな」

 

 

「え?何で?」

 

 

「強化人間とはいえ、俺は明るくないし優しさが目に見えるてるわけでもない、本当に俺はその二人の子なのか?試験官から生まれた可能性もありえる」

 

 

「いや、貴方はあの2人の子よ…だって貴方は…」

 

 

 

『お嬢様、お時間です、そろそろ司令室にお戻りを』

 

 

司令室から直接通信が入り、通信した相手はミクのメイドのマリネだ

優秀な人といえど司令室でのミクの代わりは大変らしい

 

 

「呼ばれてるぞ、行かなくていいのか?」

 

 

「…大丈夫、行くわよ」

 

 

 

ミクはシンジの上から立ち上がり、コックピットから出ようとしたところで、振り向きシンジに向かって優しく微笑んだ

 

 

「無事に帰って来てね、シンジ」

 

 

「ああ、そのつもりだ」

 

 

シンジはインフニティを起動させた

 

 

 

各機が輸送機へと移り、インフニティも輸送機内に入る

 

 

輸送機のエンジンが起動し、輸送機は海の彼方へ進み始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「情報によると、あと2時間程で連合が動き始めるらしい、それまでがタイムリミットだ」

 

 

『それぐらいあったら余裕じゃねぇか?島国の人もそこまで多い訳じゃ無いしな』

 

 

『だが人を乗せたハコフグが輸送機に着くまでざっと10〜20分ほどだろう?もたもたはしてられない』

 

 

ガルベスやリョウタからの作戦での動きを確認する

 

 

すると、操縦席のナビが鳴る

 

 

『ポイント地点に着きました』

 

輸送機のパイロットが放送でそう伝える

 

 

「よし、俺が先に出る、他の皆は後からそれぞれの島国に行って作戦を実行してくれ」

 

 

『おう!任せとけ!』

 

『精々期待しておくといいぞシンジ』

 

 

『気をつけろよ、シンジ』

 

 

「ああ、分かってるさ」

 

 

 

シンジはレバーを握る

 

 

「シンジ・ヒロセ、インフニティ 行くぞ!」

 

 

『ハッチ開けます!』

 

 

輸送機の床のハッチが開き、インフニティは落ちていくが

 

スラスターを起動させ青い海を駆けて行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっしゃ!俺達も行こうぜ!」

 

 

『おう、行こうフリード』

 

 

「おう!行こうぜリョウタ!」

 

 

「『俺達は最強だからな!』」

 

 

金色のマーセとノーマルマーセを含めた第一部隊はウェイブライダーに乗って既に進み始めているハコフグの周りへと浮遊し始めた

 

 

 

 

「毎回思うが、何故俺の部隊が任務に出されるんだ?第二部隊とか第三部隊とか他の隊の奴らいるだろ?」

 

 

『お前の腕が良いからじゃないのか?』

 

 

通信から聞こえて来た野太い声の主はガルベス率いるMS06部隊の一員のマドリック・ロー(35)若者が多いW.P.P.Oの中ではまぁまぁ歳を取っている方である

 

 

「いやどうかな?マドリック、お前の腕を見込んでいるのかもしれないぜ?」

 

 

『ハハハ!オレの様なスナイパーの腕を見込んでいないさ!きっとこのチームの連携が素晴らしいから選ばれたんだろうな』

 

 

 

「ハッ、だと良いんだけどな」

 

 

『06部隊、発進どうぞ』

 

 

「了解、06部隊出るぞ!」

 

 

 

数機のマーセが輸送機から出撃した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ノウム・ザフト軍ハワイ基地の司令塔にて

 

 

 

「…!基地に接近する飛行物体をあり!」

 

 

「何?連合軍か…?」

 

 

「そうだと思いますが…」

 

 

「何だ?ハッキリ言え」

 

 

「…敵は1機だけです」

 

 

「何だと…?」

 

 

観測者をどかせレーダーを見ると、本当にレーダーに赤い点がポツンと表示されている

 

 

「どう言う事だ…?」

 

 

「判断を…」

 

 

 

「…全員!迎撃準備!!」

 

 

 

基地内にアラームが鳴り響き、

対空撃砲などの対空兵器が用意される

MSも次々に基地から出てくる

 

自動標準で撃つ対空砲から次々に薬莢が出てくる

 

 

「自動標準式か、なら破壊してもよさそうだな」

 

 

インフニティは腰部に装備してあるビームライフルを取り出し、構えた

 

移動しながらも狙いを定め、撃つ

 

 

放たれたビームは対空砲に当たり、対空砲は爆散する

 

 

「一つ…残り七つ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シンジ君が行動し始めました!」

 

W.P.P.Oの司令室にて、1人のスタッフが報告する

 

「オッケー、全班行動開始!」

 

ミクはそう命令した

 

 

 

 

 

 

 

「一班、島に到着、住民をハコフグへと乗せます」

 

リョウタが通信で本部へとそう知らせる

 

「後どれぐらい掛かりそうだ?」

 

外で住民達を誘導しているスタッフにMS越しに聞く

 

「5分もあれば全員乗れるかと」

 

 

「あと、5分程で全員乗れるそうです」

 

 

『了解、六班はどう?』

 

 

『まぁまぁって所だ、老人が多いから乗せるのに一苦労だぜ』

 

 

そう、一班はロワイ島 六班はリール島に分かれ行動している

ちなに、ノウム・ザフトの基地に若干近いのがロワイ島だ

 

 

 

 

 

 

 

『シンジ、あと5分、いや8分ぐらいノウム・ザフト達の注目を集めておいてくれないかしら』

 

 

「ああ、分かった、それと一班と六班に知らせておいてくれ、MSが出てきた、抑えてはおくが気を付けてくれとな」

 

『了解』

 

 

シンジは最後の対空砲を破壊し終えると

 

後ろから銃弾が飛んできた

避け、飛んできた方向を見ると

ウェイブライダーに乗ったMS数機がこっちに向かっていた

 

 

インフニティはMSの元へとビームライフルを構え、撃った

一機のウェイブライダーに当たり落ちていくMS

 

残りの数機は散らばりながらこっちに向かってバズーカやら撃ったり、近づいてきてビームサーベルを振ろうとしてくる

 

 

「(できるだけ輸送機の脅威になる物は減らしておきたい、だが()()()()()()()()()()()()()()()())」

 

 

W.P.P.Oの方針上、例え敵だろうと命を奪うのは禁止にしている

シンジはこれを守っているのだ

 

 

すると、2機のMSが挟む様にインフニティに向かってくる

インフニティは急降下した

 

2機のMSは止まらずぶつかり、そのまま爆破する

 

 

「今のはノーカウントな」

 

 

 

 

 

「えぇい!何故一機のMSにここまで手こずっているんだ!?」

 

 

「それが…異様に速く、対空砲などでは捉えきれず…」

 

 

「MSは!?MSはどうしたんだ!?」

 

 

「それも…ウェイブライダーに乗ったジン部隊の4分の1が堕とされました」

 

 

「バカな!?あのMSが我々のMS部隊の4分の1を!?たった一機でか!?」

 

 

「あの、疑問に思う事が一つ…」

 

 

「何だ!?」

 

 

「あのMS、自分からMSやこの基地を攻撃はしてきません…」

 

 

「どう言う事だ」

 

 

「おそらくあのMSは囮かと」

 

 

「どうします?あのMSは後回しにして残った戦闘機で周辺を視察しますか?」

 

 

「いや、先にあのMSを墜とす」

 

 

「…と言う事は、出すんですね?()()()

 

 

「ああ、並のMSではあのMSは墜とせんだろう」

 

 

「了解しました、準備をします」

 

 

 

 

 

 

 

最後のMSは墜とし終わったインフニティはビームライフルを下ろそうとしていたが、その時

 

 

右側からの気配に気づき横に避ける

 

 

もの凄いスピードの何かが、インフニティの横を過ぎて行った

 

 

「!?何だ」

 

 

「(今までのジンとかじゃ無い、スピードが別格に速い…!)」

 

 

目に纏まらぬ速さで動く影をシンジは目で追った、

シンジの目に写ったその影は、紫色の光を背部から放ち、大きな天の字の翼を広げ、ビームソードを持ったMSであった

 

 

「(あの機体…資料で見た事がある…確か、旧ザフト軍のMS…デスティニーだったよな…、ノウム・ザフトの奴ら、ザフトのMSの技術を持っていったのか)」

 

 

デスティニーは再びビームソードを構え、インフニティに向かって紫の翼を広げ急接近してきた

 

インフニティはガラティーンソードを腰下から取り出しながらデスティニーの攻撃を避けた

 

 

すると、基地の方から数機のジンがウェイブライダーに乗り何処かに飛んでいくのをシンジは確認した

 

 

「俺がコイツと戦っている間に偵察をしにいく気か、やらせるか!」

 

 

インフニティはデスティニーのいる方向から180度旋回しジンの元へとスラスターを吹かせた

デスティニーもインフニティを追いかけスラスターを吹かせた

 

 

 

 

「こちら六班、今出発した」

 

 

『了解、気をつけてね』

 

 

『六班、こちらシンジ・ヒロセ そっちにジン4機が近づいている、できる限り墜とすが邪魔が入ってうまくいかないかもしれない、気をつけてくれ』

 

 

「マジか、分かったよ」

 

 

 

 

 

 

 

ビームライフルをマシンガンモードにしジンの乗ウェイブライダーニートは向かい撃つ

小刻みに発射されたビームはウェイブライダーに穴を開けていく

そしてウェイブライダーは爆発し一機のジンは海に落ちていく

 

それを見た一機のジンが旋回し始めた

もう一機のジンが「やめろ!」と言わんばかりに片手を上げ止めようとするが時既に遅く、インフニティに向かってバズーカを放ってしまった

インフニティは横にクルッと回りバズーカを避け、そのままのスピードでガラティーンソードでバズーカを撃ったジンの両脚を切断した

衝撃と脚を切られた事により本体部は海に落ちていく

 

それを横目で見ていた先程のジンはウェイブライダーのスピードを更に上げた

 

インフニティは残りの2機を墜とそうとライフルを構え撃とうとするが、背後からの熱源に反応して大きく上に上昇した

ビーム砲が通り過ぎていく

インフニティはそのままビームライフルを構えもう一機のジンの乗るウェイブライダーを撃ち抜いた

ウェイブライダーは爆散しジンは海へと落ちていく

 

 

「残り一機…ッ!?」

 

残りの1機を落とそうとビームライフルを構えるが再び背後からのビーム砲に邪魔をされる

デスティニーは紫色の翼を広げ、右手をインフニティに向けて広げ接近してきた

 

 

「(武器も何も持ってない手で攻撃…?)」

 

一瞬殴るのかと思ったが、そうでも無いようだ

すると、デスティニーの手の中心部から光が見え、マズいと思い右手を掴み、掴んだ右手を上に向けた

すると、右手からビームの様な物が出た

 

「(そういえば、この機体は手からビームが出せるんだっけな)」

 

インフニティはデスティニーを蹴り飛ばし、ビームライフルを撃った

デスティニーは蹴り飛ばされ姿勢が多少崩れたが、すぐに立ち直り

紫色の翼を広げながらビームを避けこっちに再び接近してきた

 

インフニティはガラティーンソードとビームライフルを腰部に戻し、ビームサーベルを両手に持った

 

デスティニーは先程の攻撃を両手で仕掛けようと両手をインフニティに向け向かってきた

 

インフニティはそれをビームサーベルで受け止めた

 

火花が飛び散り、昼間にも関わらず光が周りを照らす

 

インフニティはそのままの状態からダブルマスターカノンを起動させ

デスティニーに向ける

 

 

「これで終わりだ」

 

 

放たれたレールガンはデスティニーの両腕とウィングユニットを打ち抜いた、大破したデスティニーはそのまま海に落ちていった

 

 

「!マズい、ジンの方を忘れていた!」

 

 

デスティニーの相手をしていたせいで、残った1機のジンの追跡を忘れていた、急いで後ろを向き確認すると

 

ジンは豆の様に小さく見える程遠くに行ってしまっていた

 

 

「この距離じゃビームライフルもレールガンも無理か!」

 

 

スラスターを吹いても間に合うか!?

 

 

急いでスラスターを吹かせ、向かうがW.P.P.Oの皆が見つかるのは時間の問題だろう、通信などで基地の方に知られたらマズい

 

 

「間に合え!」

 

 

 

 

ジンの方は、先程の連合のMSを振り切ったとホッと一安心していると

 

頭部を撃ち抜かれた

 

 

ジンは衝撃でウェイブライダーから落ち、海へと落下していく

 

 

 

 

 

『撃ち抜いたよ』

 

 

「流石だな、ツバサ偉いぞー」

 

 

ツバメ・ノギハラ、六班の中で最も若い少女(18歳)

遠距離の狙撃が得意であり、今もマーセのビームスナイパーライフルで近づいて来たジンの頭を狙い撃った所だ

 

その少女をMS越しに撫でるガルベス

金属と金属が擦れる音がする

 

 

『頭触らないで下さい、セクハラで訴えますよ?』

 

 

「MS越しでも!?」

 

 

すると、インフニティが近づいて来た

 

『すまない、俺が仕留め損ねたばかりに』

 

 

「おう、気にすんな」

 

 

『弟の失敗は姉が補う、当たり前の事をしたまで』

 

 

「姉…?」

 

 

シンジには兄弟がいないと聞いていたのだが?

 

 

『ツバメがそう言ってるだけだ、俺は弟じゃない』

 

 

「ふ〜ん、ツバメェ…、お前シンジにそんな事言ってんのかぁ〜」

 

 

段々とガルベスの顔がニヤけてきた

 

 

『…何ですか?殺しますよ』

 

 

「怖」

 

 

 

『一班も終わったのか?』

 

 

「ああ、とっくの前に輸送機に戻ってる、俺達が遅過ぎただけだ」

 

 

『そうか、なら俺もこのまま六班を護衛しながら輸送機に戻ろう、構わないなミク』

 

 

『ええ、気をつけてね』

 

 

「そういや、シンジが取り逃すなんて珍しいな?調子でも悪かったのか?」

 

 

『いや、面倒臭い敵に追われていてな、そっちを優先するしかなかった』

 

 

『シンジがそう言う何て珍しい、新型?』

 

 

『いや、旧ザフトのMSだ』

 

 

「んじゃ相手がコーディネーターか」

 

 

『その可能性もあるな、無駄の無い動きだった 資料で見た事ないか?8年前の第二次連合・プラントの戦争で活躍したデスティニーという機体だ』

 

 

『何それ知らない』

 

 

「デスティニー…ああ、あの翼が付いた奴か」

 

 

『ガルベスは知ってるのか』

 

 

「知ってるも何も、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「「!?」」

 

 

通信音越しに2人の驚く声が聞こえる

 

 

『それは…つまり』

 

 

「ああ、俺は当時あの地獄に参加してた」

 

 

『驚いたな、ガルベスが元連合軍のパイロットだった事は分かってたが、まさか第二次連合・プラントの戦争に参加してたとはな』

 

 

「いやー、あの時は凄かったぜ、核なんてバンバン使うわ、オーブのMSが暴れるわ、まぁ1番印象深いのは、あの2機だろうなぁ」

 

 

『何それ、気になる』

 

 

『もうすぐ輸送機です』

 

 

ハコフグのパイロットからそう通信が入り、見ると自分達の輸送機が少し先で浮上している

開いたハッチの上で2機のマーセが手を振っている

 

 

『この話は後だな』

 

 

 

インフニティを含めた6機のMSは、輸送機の中に着艦したのであった




N+ZGMF-X42S デスティニー

仇ザフトのMS、デスティニーを改修した機体
改修したと言っても、あくまで現環境に出る事ができる程度に機能を良くした程度なので、武装や見た目に変わりはない
昔こそ量産はできなく、優れた腕のパイロットに機体を任せるしかなかったが、現環境の技術ではジン程ではないが、量産化する事に成功
超高機動型MSとして、ノウム・ザフトのエースパイロットに支給される


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第八話 救出依頼

ハハッ、遅くなってなんてレベルではないですね…

毎日執筆はしてたんですよ、でも中々進まなくて…今に至ります

まぁ、言い訳など聞きたくないでしょうし…本編どうぞ


始まって早々なんだが、後日談

 

ハワイ周辺でも民間人救出作戦は成功した、

無事W.P.P.O本拠地に着き民間人を保護する事に成功した

 

余談だが、シンジが囮となった例のノウム・ザフトの基地だが、

シンジ達が撤収した後連合の猛撃を受け制圧された

 

何でも簡単に制圧されたらしい、噂によれば基地のMSが一機も使える状態ではなく、なんなら対空機関砲も全て壊れていたらしい

拘束されたノウム・ザフト兵によれば「お前らのMSが来て、基地を壊滅させた」と言っていた

しかし、連合には心当たりがない 一筋縄ではいかないノウム・ザフトにたった一機で向かっていくなど自殺行為である

どんな機体だったか説いてみると

「あぁ?口にへ文字がある奴だよ、確か…()()()()()()()だっけな?」

と言った

 

普通なら色々調べ、その機体について追及する所だが

連合にはとある事件があり、その所為だと思い追及をしなかった

その理由は、連合が開発中の新型MSだ

いや、正確にはそのパイロットが原因である

実は新型MSのパイロット、パイロットとしての実力は確かなものであるが、血気盛んな為開発中のMSに許可もなく勝手に搭乗し、勝手にノウム・ザフトを倒しに行くという問題行動をかなり起こしていたのだ、

なので今回もそれだろうと決めつけたのである

 

 

しかし、両者とも勘違いをしている、ノウム・ザフトを襲ったのは連合のMSなのではない、W.P.P.Oという組織のMSだと言う事を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ」

 

私の名前はユナ・シナウ、故郷がノウム・ザフトと連合の戦禍に巻き込まれ私と他数名以外死んでしまった

 

しかし、W.P.P.Oという非正規組織に助けられ、今はその住居施設らしい

私はその施設内を見学している所

 

私を助けてくれたあのパイロットちゃんを見つけた

 

 

「こんにちは」

 

 

「君は…ああ、あの時の」

 

 

黒色の髪に黒色の目、そして可愛らしいその見た目

かわいい…お人形さんみたい

 

「ユナです、ユナ・シナウ それが私の名前ですよ」

 

 

「ユナか、憶えた そんな敬語なんて使わないでくれ、俺が歳下だからな、なんなら俺が使うべきだ」

表情が変わらない子だな、ずっと真顔だ

喋っている事は優しく感じるのに、顔がずっと真顔だ

目と口本しか動かない

不思議な子だ

 

 

「そう?じゃあお言葉に甘えて」

 

 

「こっちの生活には慣れたか?」

 

 

「お陰様で…、なんなら故郷より暮らしやすい」

 

 

実際暮らしやすいのだ、故郷は時代遅れにも程があった

大昔よりはマシだが、電波は全く無く 電化製品など一つもない おまけに家の壁は薄く、夜は寒いは隣の家の営みの声が聞こえるは地獄 全てが原始的な事をして生活していた

しかし今の生活はどうだ?完全無音の個人部屋にしかも部屋は広く、部屋の中にトイレも風呂も洗濯機もある、テレビもあるじゃあないか、電波も良好

なんだここ天国か?? お父さん、お母さんごめんなさい…私ここに一生暮らしたい…でもどこか…あの生活が恋しく感じる時がある

 

 

「それは良かった、中央広場には行ったか?恐らくだが君と同じぐらいの子もいると思うぞ、バスケやテニス、サッカーなんかもできるぞ」

 

 

「…ねぇ、この施設…どれぐらい広いの…?ショッピングモールなんて比較にならないわよ?」

 

 

「聞いてる話には…某夢のテーマパークと同じぐらいと聞いているが、実際はどうなんだろうな、今度測ってみよう…」

 

 

あの夢の国と!?どうなってんだ!?この施設!?確か地下だったよね!?非正規組織っていうなら…この施設を作るには膨大なお金が必要な筈だ、どんな手を使って金を手に入れているんだ!?

 

 

「ねぇ、W.P.P.Oって…お金はどうしてるの?」

 

もしかしたら地雷を踏んだかもしれない、私はとんでもない事を聞いてしまったかも知れない

 

 

「ああ、資金の話か?実はな、W.P.P.Oを支援してくれる企業とかがあるんだ」

 

 

「支援している企業?失礼だけど、非公認組織に支援するなんて…頭大丈夫なのかしら?」

 

 

「金銭的な問題はない、ユナ、君は携帯端末を持っているか?」

 

 

「え?ああ、スマートコンピュータの事?、便利ですよね」

 

スマートコンピュータ、それは腕時計型端末

数年前に株式会社G.A.Tが発売した次世代携帯端末である

 

「実はそれ、俺が開発した物だ」

 

 

「…冗談でしょ?」

 

 

「いや、本当なんだが」

 

 

子供が「俺って天才なんだぜ!」みたいな事を言ってる様にしか見えない、この子が?いやーまさかね…

 

「あ、もしかして君コーディネーター?」

 

 

「いや?俺はナチュラルだ」

 

 

えぇ…?じゃあガチの天才肌?

 

 

「俺がそれを設計し、W.P.P.OのスタッフにG.A.Tという会社を作っててもらい売ってもらったという訳だな」

 

 

「えぇ?本当??」

 

 

「他にもここのスタッフが経営している会社から資金を回して貰っている、だからW.P.P.Oは資金には困らないな」

 

 

些か信じられない事だが、ここのを見る限り信じるしかなさそうだ

 

 

 

すると、突然

 

『シンジ・ヒロセ、今すぐに作戦室に来る事、繰り返す シンジ・ヒロセ、今すぐに作戦室に来る事』

と、放送が流れた

 

 

「また任務か?すまない、話はまた今度」

 

私との話の最中に彼女はどこかに行ってしまった

 

ん?シンジ・ヒロセ??日本人の名前の事はよくは分からないけど…

男の人の名前じゃない…??

いや、まさかね…?

いや、本当に…嘘よね…??

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作戦室に向かっている最中、作戦室へと向かう為の通路に人影が見えた

 

 

「…ガルベス…?」

 

 

「んあ?シンジ?そういやお前も呼ばれてたな」

06部隊隊長のガルベス、どうやら彼も作戦室に呼ばれた様だ

 

 

ガルベスが作戦室のドアを開け二人とも作戦室に入ると、二つの人影があった

 

その人影の正体はミクとそのメイドであった

 

「俺とシンジだけを呼び出すってどういう事だよ?俺達何もしてねぇぞ?」

 

 

「嘘言いなさい、アンタ問題行動しか起こしてないじゃない…」

ミクが呆れたように言う

 

 

「いつまで経っても、子供という訳ですね…成長しない悲しい人」

可哀想な奴を見る目でガルベスを見る、ミクのメイドのマリネ

 

 

「誰が永遠の21歳児だコラァ!!」

 

 

「「言ってない(わ)(です)」」

 

 

「で、本題は?」

シンジがミクに問う

 

 

「あ、そうだったわ、全くガルベスのせいよ」

 

 

「は?俺のせいかよ?」

 

 

「二人に頼みたい任務は、とある人物の保護と回収ね」

 

 

「とある人物??誰だそいつ」

 

 

「この人ね」

 

ミクは二人に写真を渡した

 

渡された写真には中年の男性が写っていた

この男性にシンジは見覚えがあった

 

 

「ん?コイツ見た事あるぞ?」

どうやら、ガルベスもしっている様だ

 

 

「連合のMS開発に携わっているマジロ・リ・アーク」

ミクがそう言った

 

 

「確か、新聞に出てたよな…滞在してた拠点が襲われて、行方不明になったとかって…」

 

 

「彼の回収と保護だって?おいおい、ソイツの回収なんて大丈夫なのかよ…」

ガルベスは明らかに不信感を抱いている、シンジは相変わらず真顔だが、内心とても疑っている

 

 

「連合のスパイって事もあり得るな」

 

 

 

「そうね、100%は信用できない、だから貴方達を呼んだのよ」

 

確かにシンジ・ヒロセはMSの操縦技術だけでなく、格闘技術や機械知識がある、それも一流 何度もスパイ染みたことをしている

シンジ自身もこのミッションに納得していた

 

しかし、一人だけ納得できない男がいた

 

「シンジは分かる、けど何で俺なんだ??俺はMSしか動かせんぞ?」

 

ガルベスは所詮普通の人間、コーディネーターではなくナチュラルなのだ、こんな難易度の高いミッションにナチュラルの自分が行くのは間違っていると思うのも確かだ

 

 

「アンタ元軍人らしいじゃない、任務をこなすには充分よ」

 

 

「なら、他の奴らでいいじゃねぇか、俺以外にも元軍人の奴なんて沢山いる、何ならフリードやリョウタだって行けるだろ、俺よりあの2人の方が戦力になる」

 

 

「フリードは確かに役に立つかも知れないわ、けどねぇあの性格上、この任務をこなすのは難しいでしよ?」

ごもっともである、確かにMSの操縦技術やフリード自身の戦闘能力も高いが、彼は少し戦闘狂の所や能天気な所があるのでこの任務をこなすのは少し難しいだろう

 

「リョウタもねぇ、強い事は強いんだけど、リョウタはナチュラルだから、それに軍人経験もない、それに他の元の軍人達だって確かに悪くないわ、でもシンジとコンビを組ませるとしたら、アンタが適任なの」

リョウタはナチュラルである、それにリョウタはフリードと一緒だからこそ輝くのであるから、シンジと共に任務をこなすのは適任ではない

だからこそ、ガルベスは適任だったのだろう、軍人経験もあり、シンジとの相性も抜群である

 

 

「くっそ、逃げる事はできねぇのか」

ガルベスは口を尖らせながら、残念そうな顔をする

 

 

「現地にて、マジロ氏と合流して彼の保護、罠だったら、どうしてくれても構わないわ、あ、でも殺すのはやめてね」

 

 

「分かった、すぐ行く準備をしよう」

シンジはスマートコンピュータを起動し、メモに情報を書き始めた

 

 

 

「あ、悪いけど、目的地まで徒歩で行ってね」

 

最後にミクから衝撃の発言が出てきた

 

 

「は?」

ガルベスの口が漫画の様に下に落ちた

 

 

「仕方ないわ、マジロ氏がいると思われている所は、連合とノウム・ザフトが現在進行形て戦争中よ」

 

 

「はぁぁ???ここから目的地まで一体どれぐらいの距離があると思ってんだよ!?場所は日本だが距離はざっと1000km以上だぞ!?」

 

 

「仕方ないねわね、んじゃ目的地の隣町ぐらいまでは送ってあげるわよ」

 

 

車で行くにしろ、電車で行くにしろ、時間が掛かる

それを徒歩で行こうなど、自分を殺しに掛かっている…とガルベスは思っていた

 

 

「それじゃ頼んだわよ、2人とも」

 

シンジとガルベスは輸送機に詰め込まれ、目的地まで半強制的に送られた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁシンジ、俺たち姫様に良いように使われてるよな」

 

 

目的地の隣街に降ろされた2人は、W.P.P.Oの制服から一般的な服装に変わっていた

 

「いいじゃないか、使われないよりは良いだろう?」

 

 

降りた隣町は、日々近代化が進む最近の世界とはかけ離れて、広い面積で田んぼが広がる田舎だ

 

 

「しっかし、すげえ田舎だなぁ…」

 

近くにある民家も昔ながらの茅葺き屋根の家が多い、まるでタイムスリップしたかの様だ

 

 

「さてと、どっちに行けばいいんだっけ?地図地図…」

 

ガルベスは鞄を漁り、地図を取り出した 

ガルベスに隣町までのナビゲートを頼む事にし、シンジはこの場を楽しむ事にした

 

「(田舎はいいな…、自然は多いし、空気も綺麗、何より静かだ 都心は人の音や、車の音で五月蠅いが田舎は静かでいいな…)」

 

 

すると、シンジの目に先の見えない程に長い田んぼ道が目に入った

 

 

「…ガルベス、俺はあっちの田んぼ道の方を散歩してくる」

 

 

「はいはい、行ってら」

 

 

ガルベスに進行方向の確認を任せ、シンジは長い田んぼ道を歩いて行く

風の音が聞こえる、遠くからはカエルの鳴き声も聞こえる

田んぼに植えてある苗はまだ伸び途中で、30cm程しかない

 

「…しかし…何故ミクは俺にこんな服を着させたんだ?」

 

ミクがシンジの為に用意した服は、白いワンピースに麦わら帽子

完全に女の子様の服である

 

「…まぁ、夏に近づいているせいか、暑くなりつつあるからな…丁度いい」

シンジはそれほど女物の服を着るのには不満は無い、服など全部同じ 見た目よりも、機能面で物を選ぶ派だ

なのでシンジにとっては女装であっても些事に過ぎない

 

風が吹き、着ている服が靡く

麦わら帽子を片手で抑える

 

「いい風だな…」

 

ゆっくりと一歩ずつ、目を閉じながら歩いく

 

「戦争をしてるってのが嘘みたいだ」

 

ゆっくりと目を開け、空に広がる大きな空を見上げる

 

こんなにも空は青いのに、同じ空を見ている筈なに

 

何故、戦争は続いてるのだろうか

 

 

 

 

 

 

 

「おーい!シンジ!」

 

ガルベスの声が聞こえ、後ろを振り向く

 

ガルベスの方を見ると、ガルベス以外にももう一つ影があった

 

 

「…警察…?」

そこには、警察官の格好をした中年の男性がいた

 

「ん?ああ、そこの駐在所に行ったら、案内するって言ってくれてよ、お言葉に甘えて頼んだわ」

 

 

「いいんですか?」

 

「ハハ、良いんだよ 駐在所にいても、散歩しているおばあちゃんの体調を聞くぐらいしか仕事がないからね」

 

 

「…そうですか、なら」

 

 

駐在さんを先頭にシンジ達は歩き始めた

 

 

「しかし、何故こんな田舎に?観光かい?」

 

 

「そんなところです」

 

 

「ハハ、こんな田舎じゃ見る物もないだろうに」

 

 

「いえ、俺達から見ればこの景色全てが珍しく見えますよ」

 

 

「そうかな?私はカップルが来るには殺風景な所だと思うけどなぁ」

 

「うん?」

 

「あー…おっちゃん、シンジと俺はそういうんじゃ…」

 

 

「ああ、兄妹だったかい?ごめんね」

 

 

待て待て待て、そうじゃない

何故俺とガルベスがそういう関係に見えるのだ

 

見えても兄と弟だろう?何故そこで妹になる??

 

シンジは内心プンスコしながら長い道を歩いていった

 

 

 

 

 

「ここまで良いいかな?君達が向かう所にはここから真っ直ぐ行けば着くさ」

 

 

「はい、ありがとうございました」

「あんがとな、おっちゃん」

 

 

「さてと、私は戻るよ」

駐在さんは自転車に跨いだ

 

 

「おっちゃんよ、大きなお世話だと思うかもしれないが、何で自転車なんかに乗ったんだ?今じゃ自転車なんて古過ぎて修理さえも難しんだぜ?なら、もっと効率化で楽な乗り物にすれば快適に時間も掛からずに移動できるのによ?」

 

 

「ガルベス…やめろよ」

 

 

「ハハ、たしかにそうだね、自動車とかにすれば時間も掛からずかつ快適に移動できるね、でもね、私はこれがいいんだ」

 

駐在さんはニコニコしながらそう答えた

 

 

「時代が変わるにつれて、物も変わるなんておかしいと私は思っているよ」

 

 

「壊れているならともかく、使える物を最後まで使いたんだ、私は」

 

乗っている自転車を優しく叩きながら、駐在はそう言った

 

 

「物にだって心はあると思うよ私は、だから、まだ使えるのに、新しいのに変えて、今まで使っている物は捨ててしまうなんて、あまりにも物が可哀想じゃあないか、物だってきっと『最後まで使って欲しい』と思っている筈だ、この自転車も…この村も…まだ生きているんだ、だから私はこの自転車が壊れるまで乗り続ける、この村が無くなるまで私はここにいるよ」

 

 

「…そうか、悪いな 変な質問しちまったな」

 

 

「良いんだよ、気をつけてね、この先はノウム・ザフトと連合の戦地だ」

 

 

「ああ、もちろんさ、じゃあなおっちゃん!」

 

「ありがとうございました」

 

 

シンジ達は前を向き、再び歩き始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所が変わり、海上

ノウム・ザフト 宇宙戦艦 イージス艦 "ウィークトリア"

その船に搭乗している金髪ロングヘアーの"仮面の女性"アリス・ノヴァ・アルスターは、海を眺めながら紅茶を飲んでいた

 

 

「全く、相変わらず気持ち悪くなる程青いな、海というのは」

 

 

すると、アリスの部屋のドアにノックする音が響き渡る

 

 

「入りたまえ」

 

 

「失礼します!アリス大佐、上官がお呼びです」

 

 

「分かった、すぐ行く」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よく来てくれた、アリス・ノヴァ・アルスター君、座りたまえ」

 

 

「はい、失礼します」

 

アリスは上官の座る席とは反対側の席に座った

 

 

「早速で悪いが、我々ノウム・ザフトが現在日本の東北付近で連合と交戦中なのは知っているね?」

 

 

「はい、存じ上げております それが何か?」

 

 

「実はこの艦からも数機応援を要請されたんだ、1、2部隊を送ろうと思うのだが、君の意見を聞きたくてね」

 

 

「成る程、分かりました 私などの意見で良ければ喜んで 早速ですが、この艦の所有しているMSの種類と数を教えて下さい」

 

 

上官は何やら資料を出し、アリス渡す

 

 

 

「ジン十機程と指揮官専用機のゲイツS.J.タイプⅡがこの船に三機、周りの護衛艦に三機程、合計六機 それに加えてグフが数機、支援用のジンが四機程だ」

 

 

「成る程、では第一部隊と第二部隊の編成を教えて下さい」

 

 

「ジンが三機とグフが二機とゲイツが一機、作戦によっては支援用のジンも入れる時がある、第一、第二はどちらも今言った通りだ」

 

 

「…そうですね…では、ジン数機とゲイツ…支援用ジンも入れるべきかと…」

 

 

「支援用ジンをか?」

 

 

「はい、我々は攻めるのですから、守りに徹している連合に強襲に向いているグフでは少し難しいです、なので支援用の装備にあるキャノン砲と肩部ミサイルで相手の守りを崩すのが良いかと」

 

 

「…成る程、よしそれで行こう アリス大佐、君はどうする?」

 

 

「私ですか?今回は出撃するつもりはありませんよ」

 

 

「ほう、戦好きな君にしては珍しいな」

 

 

「私はそんなに野蛮ではありませんよ」

 

アリスはそう言いながら部屋を出て行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海沿いの街、そこには連合の大型基地がある

海岸には物資を受け取るであろう港がある

しかし、どの場所も襲撃されたであろう、被弾跡が残っており、が残っており、数カ所から煙が上がっておる

 

一般人は戦火から逃れるためか、一人もいない様だ

 

 

「…はぁ…着いた…まさか山を越える事になるとはな…」

 

 

「気を抜くなガルベス、ここから連合の監視下だ、変な動きをしたら怪しまれるぞ」

 

 

「へいへい、分かってるぜ、そんな事によりどっかに自動販売機無いか?喉がカラカラだ…」

 

 

「あそこにある、買ってこい」

 

 

ガルベスは坂の下にある自動販売機に向かって行った

シンジは高台から街の様子を見る

 

 

「(今は休戦中だからか、ノウム・ザフトも来ていない、連合もMSは点検のために格納庫の中…か)」

 

 

「ノウム・ザフトが来てない今がチャンスだな」

 

ここで再び戦争が始まればターゲットの命が危なくなる

何ならシンジ達も危ない

 

 

 

 

 

 

 

「あれが検問所か…」

 

 

「どうすんだ?身体検査とかされて普通に通るか?」

 

 

「そうだな、そうするしかないだろう、銃弾を避けながらターゲットを探すなんて器用な事は俺はできやしない」

 

 

「…お前ならワンチャン行けると思うぞ」

 

 

「バカな事を言うな、行くぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの、街に入りたいんです、入れてください」

 

麦わら帽子を被った可愛らしい黒眼黒髪の女の子(シンジ)が二人の警備員に向かってそう言った

 

 

「…ごめんね、入れてあげたいけど…いつノウム・ザフトの連中がやってくるか分からないんだ、次にノウム・ザフトが来たら俺達は戦う事はできても、君を守れるか分からないんだ、だからごめんね、君を入れる事はできないんだ」

一人の警備はシンジの頭に手を置きそう言った

 

 

「用が済んだらすぐ出ます、時間もそこまで掛かりません」

 

 

「でも、無理な物は無理なんだ…」

 

 

「(ダメか、クソ…荒い手は使いたくないんだがな…)」

 

 

「嬢ちゃん、その用ってのは何なんだ?」

タバコを咥えた中年ぐらいのもう一人の警備員がシンジに聞いてきた

 

 

「親戚の忘れ物を取りに来たんです」

 

 

「忘れ物?そんなんだったら俺らが代わりに行ってやるぜ?」

 

 

「いえ、私達が探さないと絶対に見つかりません」

 

 

「…」

中年の男はポケットに入っている通信機器を取り出した

 

 

「ガルーダ、お前いま暇だろ?民間人が街に探し物を取りに行きたいらしい、お前着いて行ってやれ」

 

 

『はぁ!?ふざけんなよ!!俺の休息時間を何だと思ってんだよ!?大体お前はry』ブチッ

 

通信機器の電気が落とされ、通信機器越しに聞こえた男の声が途切れる

 

 

「隊長…いいんですか?ガルーダさんに任せるなんて…」

 

 

「良いんだよ、お二人さん入りな、時期に仲間が来る」

 

 

 

 

 

 

 

 

「チッ、お前らに同行する事になったガルーダだ、変な動きしてみろよ、俺の持っているこの銃でバーン!だぞ」

この性格的にも見た目的にも気に入らない男かもうやらシンジ達の案内をしてくれる者だそうだ

 

 

「同行感謝します、ガルーダさん(取り敢えず2人で入る事には成功したな…さて、問題はこのガルーダとかいう男をどうするかだな…)」

 

 

「お、おう(ヘェ…、案外可愛い顔してんじゃん)」

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前達忘れ物をしてここに来たって言ってたよなぁ?何忘れたんだ?」

 

 

「…祖母の大事な指輪です、戦地から生きて逃げれたのは良いものの、大事な指輪を落として祖母はかなり落ち込んでしまったんです…あと、あの…ガルーダさん、近くないですか?」

 

 

「は?何言ってんだよ、俺はお前を守ってやってんだぜ?勘違いすんな、ほら、もっとこっちに寄れよ」

ガルーダはシンジの肩に手を回し、シンジを自身の体に引き寄せた

 

 

「おい、離れろよ 嫌がってんだろ」

ガルベスがガルーダの肩を掴み、俺から引き離そうとするが

 

 

「ああん!?テメェ!俺がお前達を守ってやってだろぉがよぉ!!!次に余計な事を喋ってみろ!テメェの頭ブチ抜くぞ!!」

 

 

「チッ…(流石に銃を持っていられちゃあ、分が悪いか)」

 

 

 

 

 

すると、ガルーダはシンジの尻を触り始めた

 

 

「あの…やめてくれませんか?」

 

 

「残念だなぁ、もう少しお前が大きくなれば、俺の好みなんだけどなぁ」

 

 

「(チッ…コイツ…)」

 

 

すると、シンジのスマートコンピュータからアラームが鳴り響く

 

 

「あ?何だ?」

 

ガルーダが鳴り響く音に反応する

 

 

「ガルベス、ここだ」

 

 

「!了解!」

 

 

「??何だ??」

 

訳が分からず困惑するガルーダ

 

すると、シンジがガルーダの股間を勢い良く蹴った

 

「!!!!!???ぬゎぁ#○々☆^ふa#wpぐ!!??」

 

突然の痛みに悶絶するガルーダ

 

そして、そのガルーダに向かってガルベスが勢い良く腹パンを決めた

 

 

「グハァッ!!」

 

ガルーダはそのまま地面に倒れ、気を失った

 

 

 

 

「大丈夫かシンジ」

 

 

「ん?傷は受けてないぞ?ただ触られただけだ」

 

 

「それがアウトなんだけどなぁ…」

 

 

 

「ここなのか?ターゲットがいるのは?」

 

 

「送られた情報によるとな…、見た目は完全に廃墟だな」

 

 

宿のガラスは全て割れ、建物もひび割れ

いつ崩壊してもおかしくない

 

 

「じゃ、入るぞ」

 

 

「ああ」

ガルベスは壊れかけのドアのドアノブを掴み、勢い良く開けた

 

ドアが勢い良く開けられると中に蓄積されていた砂埃が舞い、部屋の中に広がる

 

 

「うっわ!俺ハウスダストダメなんだよ!くしゃみが止まらなくなる」

ガルベスは慌てて手を口を伏ぎ、一歩前に下がる

 

 

「…いないな」

 

 

「2階かもしれねぇ、行ってみるぞ」

 

階段があったので登ってみるが

誰もいなかった

 

 

「…遅かったか」

ガルベスが悔しそうな顔をしながらそう言った

 

1階も2階も誰もない、あるとしたらかつてここに住んでいた人の家具ぐらいだ、それも全て埃をかぶっており、ここの住民が長い間ここに帰って来ていないのが分かる

 

「…」

シンジは1階の壁側にある大きな古時計を凝視していた

 

「シンジ、ミッションは失敗だ、姫さんに報告してさっさとここから出るぞ、いつノウム・ザフトが攻めてきてもおかしくない」

 

ガルベスは棒立ちしているシンジの肩を掴む

 

 

「おい、シンジ!聞いてんのか!」

 

 

「…ガルベス、作戦は失敗じゃないみたいだぞ」

 

シンジはガルベスの方に振り向きそう言った

 

 

「?…どう言う事だ?」

 

 

「この時計を見ろ」

 

ガルベスが古時計を見る

しかし、特に変わった点はない

 

 

「何だ?何かあるのか?」

 

 

「上じゃない、下だ、時計の足元を見てみろ」

 

シンジの言われた通りに時計の足元を見てみる

 

 

「…?時計の右隣だけ埃が無い?」

 

他の場所は全て埃や、瓦礫の破片などが落ちているのに、時計の右隣だけ妙に綺麗だ

 

「そう、つまり…」

 

 

「この時計を誰かが動かしたって事か?」

 

 

「多分だが、この下に…」

 

シンジは時計の左隣行き、時計を押し始めた

 

時計は徐々に横にずれて行く、そして時計のあった場所に現れた物は…

 

 

「シェルターの蓋か…成る程、このシェルターに隠れてたって訳か…っておい、内側から鍵掛かってるぞ、これ」

ガルベスが蓋の取手を引っ張るがびくともしない

 

 

「中から開けてもらうしかないな」

するとシンジは蓋をノックするの様に数回叩いた

 

『誰だね…?返信次第では、君を殺す事も考えているぞ』

蓋から微かに声が聞こえる

 

「W.P.P.Oのスタッフだ、アンタを助けに来たんだ、開けてくれ」

 

 

『W.P.P.O…?…ああ…まさか本当に来てくれるとはな…』

 

 

「そりゃそうだ、一様俺達は福祉系(?)の団体だからな」

 

 

『だが、簡単に入れる訳にもいかない、本当にW.P.P.Oの者か?証拠を出してくれないか?」

 

 

「あのなぁ…正直言うと、俺達だってお前の事を疑ってんだぜ?」

 

 

『…?何故?』

 

 

「お前が連合の回し者かもしれないってのがあってな」

 

 

『そんな!?私を連合のスパイとでもいうのかね!?』

 

ガルベスはジト目でマジロを見る

 

「逆に俺はそうと確信してるぞ」

 

 

『それじゃあなんだ…私を助けてはくれないのか…?』

 

 

「いや、助けはするさ ただ俺達は100%アンタを信用してないからな、視覚と聴覚は奪わせてもらうぜ」

 

 

『目潰しでもする気か…?』

 

 

「そんな荒れた事はしねぇよ、単に目隠しとイヤホンを付けるだけだ」

 

 

すると、蓋が少し開いた

 

「…入って良いって事か?」

 

 

「…大丈夫そうだな…入りなさい」

蓋の隙間から顔を覗かせるその男は、シンジ達の顔を確認すると

蓋を開け、中に入れと言った

 

「…特に危険な感じはしない、大丈夫だと思うぞ」

シンジがガルベスにそう言う

 

 

「ほんとかよ?ま、お前がそう言って外れた事ないから、信じるけどさ」

そう言って、ガルベスは先に入っていった

 

シンジも後に続いて入った

 

 

 

 

中はシェルターの様な場所であった、簡易的なベットに机、トイレもシャワーもある

 

「ここで過ごしてたのか?」

 

 

「そうとも」

シンジはマジロを観察する

年齢はおそらく40代半ば、背は180センチのガルベスより少し小さい、170後半

癖なのか、右手の親指と中指の先端をずっと擦っている

 

 

「おや…こんな幼い少女がスタッフなのかい…?」

マジロはシンジを見てそう言った

 

「少女…?」

シンジはその言葉に反応する

 

「あー…、年齢はたしかに幼いと思うが、男だ」

ガルベスが少しめんどくさそうにそう言った

 

 

「少年!?こんな可愛らしい容姿をしているのに少年なのかい?」

 

 

「…俺はそんなに容姿が幼いのか…?」

 

 

「そんな事より、おっさん 聞きたい事がある」

 

 

「なんだね?」

 

 

「何で連合から逃げたんだ?」

ガルベスはマジロにそう問いた

 

 

少しマジロの顔が暗くなっていく

 

「実は…

 

 

 

 

 

 

 

 

ブラック過ぎるんだ…」

 

 

 

 

 

「「…は?」」

 

まさかの答えに、ガルベスとシンジは困惑する

 

 

「ブ、ブラック…?労働環境がってことか?」

 

 

「嫌だったんだ…突然連れ去られたかと思えば、よく分からない部屋に閉じ込められて…『連合の為にMSの開発をしろ』って…無茶言うなよ!」

 

 

「お、おう…」

「シンプルな誘拐だな」

 

 

「出してくれと言っても出してくれない!起きてる間はずっと開発を進めろと言ってくる!休みも無い!娯楽も無い!!こんなの牢獄と同じだ!いや、牢獄の方がマシだ!!」

泣きながらそう言うマジロ

 

 

「…ブ、ブラックだな…」

「連合の労働環境が劣悪というネット提示版を見た事があるが、あれは本当だったのか」

 

 

「…そうしたら、ノウム・ザフトの襲撃で基地が破壊され、チャンス思い、私は逃げ出した…と言っても…私1人の力では遠くに逃げる事などできない…という事で、敢えて連合の基地の近くにある廃墟に隠れているんだ」

 

 

「…えぇ…?やっぱり連合の奴らはバカの集まりじゃあないか…?」

 

 

「連合にとっては盲点だろう、行方不明になった男がまさかこんな近くにいるなんて」

 

マジロはずっと泣いている、いい歳したおっさんが涙を流している

 

 

「…やめろやめろ…、おっさんの泣き顔なんて見たくねぇよ」

 

 

「ガルベス、時間が無い 早く彼を連れて行こう」

 

スマートコンピューターの表示されている時間を見てシンジが言う

 

 

「…そうだな、おっさん 目隠しするぞ、後ろ向いてくれ」

 

 

「あ、ああ…」

 

すると、地鳴りと爆発する様な音が聞こえる

 

 

「!? 始まったか」

 

 

「マズいな…早く逃げねぇと、ノウム・ザフトの連中が来るぞ」

 

 

「ガルベス、俺は上に行って様子を見てくる、準備が出来たらマジ

「分かった、気を付けろよ」

 

 

シンジは梯子を登り、地上に出て行った

 

 

 

地上に出て、窓から外の様子を見る

 

 

連合の基地から煙が出ている

突然の攻撃に慌てる連合の兵の声が聞こえる

 

目を凝らして遠くをよく見てみると、海の方からノウム・ザフトのMSが数機来ている事を確認できる

 

 

連合は支援機や対空機関砲を使い、ノウム・ザフトMSが乗るウェイブライダーを破壊していく

しかしMS自体は何のダメージもない様で次々とノウム・ザフトのMSが地上に降りてくる

 

「ジンは6機ほど…あれは…ドムトルーパーだったか…恐らく改式だろう…隊長機はゲイツか」

 

ドムトルーパー、8年前の第二次連合・プラント戦争にてオーブ軍に参戦したMS、戦争に参戦したこの機体は3機、圧倒的なチームワークで繰り出す「ジェットストリームアタック」は数々のザフト兵を撃ち落としてきた

ドムトルーパー改式はそれを更に改良し、武装面を増やし、走行を固くした機体である

特徴としては、普通のドムトルーパーより、やや紫色の配色が濃く、背中にプロペラントタンクが2本付いている

 

そして、ゲイツR-12(ゲイツRトゥエルブ)

かつてのゲイツRを可能なまでに改良した機体である

高起動・装甲強化・武装強化など、かつてのガンダムタイプと大差ない程の機体に仕上がっている

 

 

それに対して、ここの基地の戦力は 支援特化型アストレイⅡ アストレイⅡ アストレイⅢ先行型 ムラサメ弍型 などだ

 

支援特化アストレイが肩部に装備しているミサイルランチャーをこちらは向かっているドム改に向かって撃つ

ミサイルはドム改に当たり、爆破した がしかし、爆炎の中からドム改が飛び出してきた

ドム改はエトワールグレネードランチャーを取り出し、基地の施設を破壊していく 連合軍の歩兵達が爆発に巻き込まれていく

 

『こっちまで来い!巻き込まれるぞ!』

一機の支援特化アストレイが爆破された施設から逃げる兵士達を誘導する

 

すると、支援アストレイの後ろにある倉庫からゲイツR-12が壁を突き破って飛び出してきた

 

『な!?しまった!!』

 

 

『歩兵を気にかけるとは!素人め!!』

ゲイツR-12のパイロットが声を上げる

 

『このぉ!!』

支援アストレイは腰元に装備されてあるビームサーベルを起動させ、ゲイツR-12を狙おうとするがゲイツR-12にビームサーベルを持つ腕を掴まれてしまう

支援アストレイはバルカンを使い、腕を掴むゲイツR-12を撃つが PS装甲の付いているゲイツR-12には効かない

ゲイツR-12は片手でビームサーベルを起動して、支援アストレイのビームサーベルを持つ腕をゆっくりと切断していく

そして支援アストレイのコックピットがある腹部を蹴った

 

支援アストレイのコックピットは凹み、支援アストレイは倒れる

 

「うわあああ!!」

 

「倒れるぞ!!」

 

逃げてきた兵士たちは支援アストレイの転倒に驚き投げ出す

 

 

 

 

 

 

 

 

「マズいな…、時期にここも戦場になる」

シンジは基地側の様子を見てそう言う

 

「ガルベス、急ぐぞ」

 

 

「おう、おいおっさん、手を引っ張ってやるからついて来い」

 

 

「無茶言わないでくれ!何も見えないんだぞ!?」

目隠しをされ、産まれたての子鹿の様な動きをするマジロ

 

3人は建物から出て、外の通路を見る

 

「ここから検問所までかなりの道がある、おっさんを連れて歩くなんかしたら戦火に巻き込まれるぜ?」

 

 

「マジロ氏、目隠ししながらも走る事はできるか?」

 

 

「無茶言うな!!無理に決まってるだろう!?」

 

 

「このままでは俺達は死ぬ、無理でもやってもらう」

 

 

「何だねこれ、地獄か?」

 

 

 

 

 

 

「おっさん手離すじゃねぇぞ!」

シンジ達は建物から出ると、瓦礫があまり落ちていない道の真ん中をゆっくりと走り始めた

 

「まだ多少の余裕はあるがのんびりはしてられない、マジロ氏には悪いが、しばらく走ってもらうぞ」

すると、上空から音が聞こえた

その音は戦闘機、もしくはは飛行機などのエンジンの音だ

 

シンジは走りながら、チラッと上を見る

雲より少し低い場所に輸送機が飛んでいる

 

「連合の輸送機…?」

連合の輸送機の色は基本的に白や黄色などの明るい色が多い、それに対してノウム・ザフトの輸送機の色は黒や紺色などの暗い色が多い

 

しかし何故今上空に輸送機が?偶然通り過ぎただけか?

 

輸送機を見ていると、輸送機から何かが出てきた

 

まだ遠くなのでよくわからないが、三つだ

三つの何かが降りてくる

 

少しずつ近づいてきてやっとその正体が分かった

 

 

MSだ、上から落ちてくるのはMSだ

 

 

「…連合の増援か?」

 

 

「シンジ!車だ!車があるぜ!これに乗ろう!」

すると、ガルベスが声を上げた

シンジは一旦立ち止まり、ガルベスの方を見ると、そこには一台の車があった

 

「ガソリン車か…これまた随分と古い物を…」

今の時代は全て電気自動車、ガソリンを必要とする車などこの世界ではとても珍しいのだ

 

 

「動きそうか?」

ガルベスが車のボディを撫でて言う

 

 

「…埃を被っているが、動きそうだな」

 

シンジはエンジンに鍵を刺し、鍵を捻り、エンジンをかける

数回捻るとエンジンの音が聞こえ、後ろの排気管から煙が出てくる

 

「俺が運転するぜ、シンジ、マジロさんを乗せてやってくれ」

 

 

「ああ マジロさん、さぁ乗って」

シンジはマジロの手を引き、車ドアを開けてやった

 

 

「ありがとう…暗くて何も見えん…」

マジロは恐る恐る椅子に座った

 

 

「よし、発進してくれ」

シンジもガルベスの隣に座った

 

「よっしゃ!任せとけ!」

 

ガルベスはエンジンペダルを思いっきり踏み、車を急発進させた

 

 

流石車だ、走ってあそこまで向かえば一体何時間になるか

 

シンジは車の揺れに耐えながら、先程輸送機がいた空を見上げた

 

すると、上空に三つの点が見えた

 

 

「…?」

目を凝らしてよく見てみると、それは点ではなかった

 

 

「…MS…?」

上からMSが降ってきてるではないか

何故このタイミングで?連合の増援か?

 

徐々にMSが近づいてきて、その姿がよく見えてくる

 

 

一機目は緑色の大きな機体、インフィニティよりも一回りは大きい

 

二機目は背部に翼の様な物がある蒼い色の機体だ、

 

三機目は一回り小さい、17、16メートルぐらいであろうか、蒼い機体と同じように背部にオレンジ色の花の様な物が四枚ある

 

 

「(緑色の機体…、口元は少し違うが…インフィニティと同じ顔…つまりあの機体も、ガンダムタイプなのか…?)」

 

他の二機はバイザータイプだ、目元だけではなく、顔の表面が全てバイザーの顔だ

 

 

 

上から落ちてくるMSの存在に気付いたのか、ノウム・ザフトのMS達は、落ちてくるMSに対してビームライフルやビームキャノンを撃つ

 

すると、緑色のガンダムタイプの背部から何かが放出された

 

「あれは…」

それは板だ、半透明の板であった

色は水色、水色の半透明

ガラスかと思ったが、違う

 

そして、その板はMSが落下するよりも速く真下向かっていった

 

すると、ガンダムタイプの下に板が来た

 

板は板同士で繋ぎ合い、そして大きな盾の様になった

 

盾の様になった板は、ビーム攻撃や、実弾を弾いていく

 

 

 

そして、落ちてきた三機はバーニアをフル稼働させ、落ちるダメージを最大限に減らした

 

 

三機の機体が地に立った

 

ノウム・ザフトのMSは三機に向かって銃を撃ち続けるがしかし、板が邪魔をして、攻撃が通らない

 

 

「(ドラグーン…だな、あれは…)」

 

ドラグーンシステム「Disconnected Rapid Armament Group Overlook Operation Network・system(訳:分離式統合制御高速機動兵装群ネットワーク・システム)」

パイロットの神経を使い、動かす特殊な武装である

従来のドラグーンはビームを放つのが主だったが、この板は違う様だ

 

シールドとして機能するできる事の他、どうやら武器としても使える様だ

 

ライフルを撃つジンが背部に何らかの衝撃を受けて前に倒れる

ジンの背部に刺さっていたのは、緑色のガンダムのドラグーンであった

 

 

「なるほど、ああいう使い方もあるのか」

シンジが感心してると

 

 

 

『ハハァ!どうだN・ザフト共!!潔く死にやがれぇ!!」

緑色のガンダムから声が聞こえてくる

 

 

「おいおい、オープンチャットが外まで聞こえるようになってんぞ」

運転しながらそう言うガルベス

 

「!?ガルベス前方からドムが出てきたぞ!」

 

もう少しで出口が見えてくると言うのに、前方からドムトルーパー改式が飛び出してきた

 

 

「おいおい!どうする、止まるか!?」

 

 

「このまま突っ切れ!」

 

 

「MSにぶつかれっつうのかよ!?」

 

 

「大丈夫だ、ドムの狙いはあの三機だ」

 

 

「…分かった、股の下をすり抜けるぜ」

 

 

 

ドムは腹部にある小型ビーム砲のハッチを開き、片手でヒートサーベルを持った

 

すると、緑色のガンダムはスラスターを吹かせ、ドムの方に向かい走り始めた

 

「!?ガルベス!飛ばせ!あのガンダムに轢かれるぞ!」

 

 

「90キロ以上は無理だ!!瓦礫がや障害物が多すぎる!」

走る道路には建物から落ちただろう大量の瓦礫が落ちていた

 

 

すると、緑色のガンダムの板状のドラグーン2枚が背部から展開して

ドムに向かって飛んで行った

 

ドラグーンはドムの頭部とヒートサーベルを持つ右腕に直撃した

 

ドムはその衝撃で後ろに倒れていく

 

 

「倒れるぞ!急げ!」

やっとドムの股下に入った車

だがドムは徐々倒れてるではないか

 

 

「アクセル踏んでる!あとは神にでも祈れ!!」

 

 

「生憎神などは信用してない!自分の運を、仲間を信じるだけだ」

近づいてくるドム、ドムの胴体が手の届く場所にまで近くに倒れてきている

 

「あともう少しだ!」

 

 

 

そして、切り抜けた

 

ドムが倒れた事により、近くの脆くなっだ建物が崩壊し

砂埃が舞う

 

 

「しゃあッ!!切り抜けてやったぜ!!」

何とか巻き込まれず切り抜ける事に成功したシンジ達一向

しかし、まだ安心するには早かった

 

 

「!?ガルベス!少し左にハンドルを切れ!!」

シンジが何か嫌な感覚を感じ、体を震わせた

咄嗟に運転者のガルベスにそう言った

ガルベスは信じるに言われた通り、やや左にハンドルを切った

 

 

すると、何かが飛んできて建物に直撃した

 

建物は爆発し瓦礫が飛び散る

 

 

「あっぶね!!」

 

 

「危なかったな、そのまま真っ直ぐ行ってればあの瓦礫の下敷きになっていたかもな」

 

 

「何だったんだ!?今の!?」

 

 

「おそらくミサイルが砲弾のどっちかだろう、どこかに支援機がいるはずだ」

 

シンジの言った通り、今の攻撃はノウム・ザフトの支援機による物だ

支援用ジンが装備している脚部付属グレネードランチャーによる物である

 

支援用ジンは直接基地を攻める事はできないので、ウェイブライダーに乗り海上から支援をするのが目的である

 

 

 

『チッ、俺の機体じゃあの支援機は撃てねぇ!出番だラック!!』

緑色のガンダムがそう言うと

一機のMSがかなりのスピードで緑色のガンダムの頭上を飛んでいった

 

『おう!任せとけ!!』

 

蒼色の機体は猛スピードで海上にいるノウム・ザフトMSに近づいていく

ノウム・ザフトMS達は撃ち落とそうと自動追跡ミサイルを発射する

 

発射されたミサイルは蒼色の機体を追跡していく

蒼色の機体はミサイルを振り切るために右に飛んだり左に飛んだりするが、なかなか振り切れない

 

すると蒼色の機体は急に高度を上げていく、ミサイルもそれに続き、高度を上げて追跡していく

 

きた機体が雲を突き抜けたその先で、機体はブーストを止めた

 

機体は落下していく

 

急な降下について行く事ができないミサイルはそのまま空に向かって飛んでいく

蒼色の機体は背部に装備してある、2丁ビームアサルトライフルを持ちミサイルを撃ち抜く

ミサイルは空で爆発する

 

蒼色の機体は向きを変え、再び支援機に向かって飛んでいく

 

二丁のビームアサルトライフルを一機のジンに向かって撃つ

背部に付属してある一本のプロペラントタンクに当たり、ジンは爆散する

 

『まずは一機!あと二機!!』

再びジンに向かって飛んでいく

 

 

一機のジンは片手でビームライフルを撃ち、さらに両足に装備してあるミサイルを発射する

 

ビームライフルやミサイルを避けながら二丁のビームアサルトライフルを撃つ事は流石に難しいのか、蒼色の機体は回避行動を取りながらミサイルをビームアサルトライフルで撃ち抜く

 

 

『遠距離戦ではこっちの方が不利か、なら!!』

蒼色の機体は二丁のビームアサルトライフルの向きを逆にし、銃口を自分の肩に負ける様にビームアサルトライフルを持つ

そしてジンに向かって急接近していく

 

蒼色の機体は持つビームアサルトライフルの一部が熱を放ち、大型のナックルの様になる、見方によればトンファーにも見える

 

ジンはビームライフルを撃ち続けるが、あっという間に蒼色の機体に近づかれてしまった、そして腹部に大型ビームナックルを喰らっしまい

ジンは爆散した、海にその残骸が落ちていく

 

 

残った一機のジンは、ミサイルやプロペラントタンクを切り離し(パージ)、ヒートサーベルを構える

そして、蒼色の機体に向かってウェイブライダーを加速させる

蒼色の機体もジンに向かって飛んでいく

 

そして、二機がぶつかった

 

蒼色の機体はジンのコックピットを貫き、ジンは蒼色の機体の肩部を貫いた

 

ジンのモノアイは徐々に消えていき、そしてジンは機能停止した

 

ジンはまるで抱きつく様に蒼色の機体に倒れた

蒼色の機体は倒れたジンを足蹴りし、海に落とした

 

『左腕破損、レインちゃんそっちに戻るから修復頼む』

 

 

『は、はい!』

そう返事したのは、オレンジ色の4枚羽を持つ機体

 

 

蒼色の機体が基地の方に戻ると、羽を持つ機体が持っているロッドの様な物を構える

すると、そのロッドの様な物の先端が変形し光の粉の様な物を出し始めた

その光の粉を蒼色の機体に振りかけると、ジンによって貫かれ、大きな穴があいてしまった肩部が修復されていく

 

 

 

「!?おいおい!?なんだありゃ!?破損した部位が治っていくぞ!?」

ガルベスがそう言った

 

 

「前を見て運転しろガルベス!」

 

 

 

 

『修復完了です、ペガサスはちゃんと動きますか?』

 

 

『おかげさまでね、話には聞いていたけど、どうなってんの?そのロッド』

 

 

『えっと、ナノマシーンを大量に放出しているんですよ、放出されたナノマシーンが登録された機体をその登録通りに修復していく、という原理です』

 

オープンチャットにより、周りに聞こえてしまっている 連合ガバガバ過ぎるぞ

 

『なるほど、4枚羽で華麗に飛び回り、MSを回復していくその姿はまさしく"フェアリー"だな』

 

 

 

 

 

「連合の兵士どもはバカばっかりか!?チャットが外にまで聞こえてんぞ!?」

 

パイロット達のアホさ?に叫ぶガルベス

 

「ガルベス!もうすぐ門だ!このまま突っ切るぞ!!」

 

 

「おう!アクセル踏み込むぜ!!舌噛むなよ!!」

 

 

「ちょっと!?今どうなっているのだね!!?」

視界が塞がれて何も見えないが、車に乗りかなりのスピードで走行していくと言う事が見えなくてもわかるので、流石に困惑するマジロ氏

 

 

「門に突っ込むところだ!!」

 

 

「…え?」

 

猛スピードで門を突き破り、街の外への脱出した

 

 

 

 

「ハッハァ!!おっさん!こんか体験無いだろう!!アトラクションでしかこんな体験できないぜぇ!!」

ガルベスがハンドルを安定させながらそう言う

 

 

「二度とこんな体験はしたく無いね!!何なら見えない!!」

 

 

「まだ街から脱出しただけだ!安全地帯まで突っ切るぞ!」

 

 

シンジ達一向はそのまま道を進んで行った

 

 

 

 

 

 

 

『あの車、民間人か?』

 

 

『まだこの街に人がいたとはね、びっくり』

 

 

『大丈夫かな…?女の子も乗っていたみたい』

 

 

 

『俺達が気にする事じゃねぇ!俺達の任務はここにいるノウム・ザフト共を全てぶっ殺す事だ!!』

 

 

すると、空中からゲイツR12が降りてくる

 

『お、わざわざあっちから降りて来てくれたみたいだよ』

 

 

『隊長機か、お前ら!あれは俺の獲物だ、俺がアイツを墜とす!!』

 

 

『はいはい、んじゃよろしくー』

 

 

『が、頑張ってね…』

そう言って二機はその場から離れていった

 

そして緑色のガンダムは大型ビームアックスを持ち、構える

 

ゲイツR12もビームサーベルを構える

 

 

先に動き出したのは、ゲイツR12であった

 

それに対し、緑色のガンダムはドラグーンを展開した 

ドラグーンはかなりのスピードでゲイツR12に向かっていく

 

 

ゲイツR12は向かってくるドラグーンに対処する為に、背を低くする

そして装備してある盾を構え、ドラグーンを受け止め、受け流す様にドラグーンを飛ばす

 

 

二つ目のドラグーンが飛んでくるが、それは構えていたビームサーベルでドラグーンを真っ二つにして、そのままガンダムに向かっていった

 

ガンダムは背部にあるもう二つのドラグーンを展開させ腕に装備した

 

それに気づいたゲイツは持っている盾を前に構えて、そのままガンダムに向けて走った

 

 

そして、ゲイツとガンダムがぶつかった

 

ガンダムはゲイツの盾をドラグーンを装備してある右手で受け止めた

 

ゲイツはその隙に左手に持っていたビームサーベルをガンダムに振り落とそうとするが、ガンダムの左手に腕を掴まれてしまった

 

攻撃を塞がれてしまい、すぐに離れようとするゲイツだが ガンダムに左手を掴まれてしまっているので身動きが取れないゲイツR12

 

すると、ゲイツに衝撃が走る

 

 

ゲイツR 12の背部にガンダムのドラグーンが突き刺さったのだ、

 

致命的損傷を受けたのか、ゲイツR12の背部は火花を散らし

動きが壊れたロボットの様に遅くなる

 

 

ガンダムはゲイツから離れる

そして、再びビームアックスを構え ゲイツに向かって振りかぶり

そして、振り落とした

 

ゲイツR12は縦に真っ二つに切断された

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    

 

 

 

 

「こちらシンジ・ヒロセ、ターゲットの救出に成功した」

 

シンジ達は車を安全地帯に止め、本部に輸送機手配の連絡した

 

『了解、今すぐに小型輸送機を向かわせるわ』

 

 

 

「とりあえず、ミッション成功だ、お疲れさん」

頬に冷たい何かが当てられ、ビクッとなるシンジ

 

「!?…ガルベスか」

 

ガルベスが両手に缶ジュースを持ち、そこにいた

 

 

「いやぁ、生身でMS同士の戦いに巻き込まれるのはキツいなぁ…今日だけで何回"死ぬ"と思った事か…」

 

シンジは缶ジュースを受け取り、缶ジュースを開けた

「まさか連合がナノマシンを使った技術をMSに導入するとはな…」

 

 

「大体、理論上可能なのか?ナノマシンでMSを修復なんて」

 

 

「普通に考えたら厳しい、だがF.Eを使えば…」

 

 

「F.E便利過ぎんだろ…なんでもありだな…」

 

 

「F.Eはまだ葯12%しか解明していない 何しろ"宇宙の未知のエネルギー"だ、まだ分からない事だらけだ」

 

シンジは缶ジュースを飲み干した

 

「ならなんで未知のエネルギーをMSなんかに使ったんだよ…そういうのは色々調べてからやらねぇと、危険なんじゃねぇのか?」

 

 

「本当ならそうだろうな、だがF.Eのお陰でコスト削減や性能の向上は確かな事だ、連合も背に腹はかえられぬという事だろう」

 

缶をゴミ箱に向けて投げた

缶はゴミ箱に入った、錆びた缶入れに投げ入れられた缶はカランコロンと音を立てる

 

 

「そういえば、マジロ氏はどうした?」

 

 

「あ?おっさんなら気絶してるぞ、さっきの運転で気絶したっぽいな」

 

 

「ガルベス、二次連合・プラントの戦争の事を聞かせてくれないか?」

 

 

「どした、藪から棒に」

ガルベスは缶コーヒーを少し飲みながらシンジの方を見た

 

 

「この前の時、時間が無くて話してくれなかっただろう?できれば聞いておきたい、無論嫌ならば話さなくていい」

 

 

「…あー、そうだなぁ この前俺はとある二機が印象的だったって言ったよな」

 

 

「ああ、どんな機体だったんだ?」

 

ガルベスは缶コーヒーを口から離した

 

 

「シンジも資料見たなら知ってるかもしれねぇが、"フリーダム"と"ジャスティス"って知ってるか?」

 

 

「資料で見たぞ、二機とも"伝説の機体"と呼ばれているらしいな」

 

 

「んじゃ、パイロットは知ってるか?」

 

 

「確か、フリーダムの方が"キラ・ヤマト"でジャスティスの方がアスラン・ザラだった記憶がある」

 

 

「お、すげーな よく勉強してるな」

 

 

「まさか…その2人がそうなのか? まぁ、薄々気づいてはいたがな…」

 

 

「すごかったぜ、フリーダムの方はさっきのドラグーンで弾幕貼りまくるわ、ジャスティスなんかあの時代では考えられない程の機動力で切り裂くわでまさに地獄絵図だったぜ」

 

 

「そんな中でよく生き抜いたな…」

 

 

「悪運だけは強いからな、俺」

 

 

「キラ・ヤマトとアスラン・ザラか…今はどこで何をしてるのか…オーブにまだいるのか それとも誰も知らない場所で隠住しているのか…」

 

 

「どっちでもいいさ、俺たち(W.P.P.O)の敵にならなきゃどっちでもいい」

 

 

「そうだな、俺もそんな奴らとは戦いたくないな」

 

 

「言っとくけどお前も大概だぞ」

 

 

「?何がだ?」

 

 

「いや、流石に分かってるだろ…」

突然の空からの音に声を遮られる

 

 

 

『降下します!車を少しずらして下さい』

 

「ガルベス、頼む 俺は運転できない」

シンジは13歳、この国の法では車の運転できる年齢は15歳なのだ

知識こそはあるが、国の法には逆らえない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2人は気絶したマジロ氏と共に輸送機に乗った

 

 

 

「あー…、疲れたぜー…本部に帰ったらシャワー浴びて寝るか…」

眠そうに体を伸ばすガルベス

その横でスマートコンピュータを弄るシンジ

 

「…?調べ物か?」

 

 

「いや、今日見た連合のMSの事をまとめているだけだ もしかしたら次のアイデアに繋がるかもしれない」

と言って黙々と作業するシンジ

 

すると、その手をガルベスが止めた

 

「ガルベス…?どうかしたのか?」

 

 

「シンジ、手 震えてるぞ」

 

自身の腕を見ると確かに手が震えていた

 

「薬の効果が切れたんだろう、薬を飲めば大丈夫だ」

シンジは真顔でそう言った

声からも恐怖も絶望感も感じられない、いつもの事だとシンジは言った

 

しかし、ガルベスはそんなシンジを見て心が締め付けられるように感じた

 

 

「いや…休め、俺がMSの事まとめといてやるから、お前は寝ろ」

 

 

「…そうか、頼む…」

シンジは椅子にもたれる

 

「特徴とか、武装とかを書いとけばいいんだろ?」

 

 

「ああ、あとできれば、見た目も…」

 

 

「ああ、わかった、おやすみな、シンジ」

 

 

 

 

 

「悪いな…」

 

そのままシンジは眠りについた

 




かるく機体解説

GAT-N56 デーモン(ガンダム)

かつてのガンダムタイプのデータをもとに"重装甲" "高威力"を目指し開発された機体である
重装甲を意識した事により歩く事や走る事はほぼ不可能である為に、ホバー移動になっている

主な武器の大型ビームアックスは大型という名の通りそのビームの刃はかなり大きな物で、斬られた者はタダでは済まないだろう

背部に収納されてあるドラグーンユニットはパイロットの脳波を感じ取り動く従来の物と変わらないが、ドラグーンを半透明のガラスの様な板状の形になっている所が従来のドラグーンと異なる点の一つである、
通常のドラグーンは"ビームしかできない"武器であったが、このドラグーンは直接ドラグーンで攻撃するというのがこの武器の攻撃方法である。
ドラグーンはかなりの耐久性を誇る為、正規の方法ではないがドラグーンを防御に使う事もできる
他にも腕にドラグーンを付け、打撃武器として利用するのも可能である


GAT-S25 ペガサス

重装甲を意識したデーモンに対してペガサスは"機動力"を意識したペガサス
かつてのザフトのMSディスティニーのデータをもとに開発された機体であるが、ガンダムタイプという訳ではない

ディスティニーがもとになっているので、背部には白い翼の様な背部ユニットがある
武装面はビームナックル付きビームアサルトライフル×2
ビームサーベル×2
バルカン(強化型)

GAT-S30 フェアリー

効率の良い機体修復方法を考えた結果生まれてしまったMS
背部にある4枚の花はオレンジ色で、その4枚の羽とまるで女性の様な丸っこい体、オレンジや黄色という色で構成されてある事から妖精の様だと言われ、フェアリーという名となった

この機体はかつての連合の機体、ストライクダガーが元になっている

この機体の主な武器であるナノロッドがメインである為、フェアリー自体の装甲面や武装面は残念な事になっている
というのも、ナノロッドの生産がとても難しく、量産すると予算がバカにならないのでフェアリー自体を作るのは難しい事ではないが、ナノロッドがメインであるこの機体にとって武装を増やすのは難しいのだ

武装面は
ナノロッド
ビームハンドガン



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