矛盾した世界のつまらない日常 (ユノ・アスタライズ)
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理不尽な状況

初めてなので期待は程々に


1話

「疲れた…もう、限界だ…」

 

「おい廃世《ハイセ》うだうだ言ってないで早く働け、人手がないんだ…」

 

隣の席の同僚に声をかけられるあ〜はいはい

 

「君さ、よくこの仕事苦もなく出来るよね尊敬するよ。」

 

僕もう胃腸限界よ?

 

「いや、正直に言うと今すぐ帰りたい、だけど給料が減るのは嫌だ。」

 

「だよなあ〜その精神に漬け込んで労働時間17時間ってブラック企業にも程があるだろ!」

 

「仕方ないw諦めようwww」

 

同僚が壊れたよ、うん

 

「まぁ、いいか仕事仕事」

 

………それしかやることないし

 

─────────────

 

「………ここ、どこ?」

 

いつの間にか居たのは派手な格好した爺さんの前だった

 

「よく来てくれた。勇者よ」

 

…………は?ゆうしゃ?何それぇ〜

 

えっと状況を整理しようたしかあのあと………

 

────────────────────

 

「やっと終わったぁ〜帰ろ帰ろ」

 

確か会社出て帰ろうと思ったら

 

「………眠いな、なんか起こす前に帰ろ」

 

ドゴォン

 

あ、思い出したあのあと派手に轢かれたんだー良かったぁ思い出して

 

…………良くねぇよ!なんで寄りによって問題起こす前に帰ろうとしたら逆に問題起こしてんだよ!てゆうかそもそもなんで生きてんだよォ!!!!!生きてるのいいことだけどやっぱ人間だから理由知りたいじゃん!!!!!

 

「勇者よ頼みがある。」

 

フル(・_・ 三・_・)フル

 

「お主しかおらんじゃろ」

 

僕しかいないらしい。少し待って!状況飲み込むの早い方だけどこれは予想外に過ぎるわ!

 

……………なんて言う勇気ないんだけどね?

 

「は、はぁ、なんでしょう?」

 

「頼む、魔王を倒しこの国を救ってくれ!」

 

………は?

 

「お主も分かるようにこの国は魔王軍の進軍で大分苦しくなっておる」

 

いや、分かんねぇから首傾げてんだよ、爺さん

 

「だから頼む!!!!!この国を救ってくれ!」

 

「…………ちなみに拒否したらどうなります?」

 

「その時はやむを得ん、お主を殺すしかない。」

 

お願いという名の強制労働じゃねぇか

 

「……ちなみに給料はいくらですか?」

 

「きゅうりょう?なんだそれは」

 

えぇ、給料すらないの?

 

「まぁいい、どうか頼む!!!!!この国を救ってくれ!」

 

『お願いします!!!!!』

 

外堀固められたね、うんって言うかいつの間に居たお前ら

 

拒否したら死ぬし周りの期待は厚い、さすがにこの国空気で拒否できるほど勇気ない

 

…………詰んだね

 

期待されて辛いことなんて初めて。これなら期待されないブラック企業の方がまだ良かった…………いや、どっちもどっちか。

 

「………はい、分かりました…………」

 

こうして僕の旅が始まった…………

 

 

 

 

 



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スキルの確認

2話

「さっそくじゃが、お主にはスキルを確認してもらいたい」

 

「スキル?」

 

「人が誰しもひとつは持っているギフトのようなものじゃ。勇者はそのランクが高いものが多い」

 

「ランク?」

 

「スキルにはそれぞれC〜Sまでのランクがついているそれが高いほど効果が高い」

 

……自信がない

 

「早速だがこの紙に触れてくれ」

 

「は、はぁ」

 

突然紙に文字が浮かび上がる

 

「!?」

 

「何を驚いている、鑑定紙くらい普通であろう」

 

………どうやら普通のことらしい。まぁいい多分これでスキルとやらがわかるんだろう。期待はしてないがそれでも楽しみだ。

 

「なるほど、少し見てみろ」

 

爺さんに紙を渡される自分で確かめろってことか

 

神野 廃世 Lv15

 

称号『異世界転生者』

 

『多言語翻訳』

 

『隠密行動S』

 

『鑑定C』

 

『呪耐性A』

 

『毒耐性A』

 

『交渉術B』

 

……………うん、なにこれ

 

全部戦闘役に立たなそう!!!!!

 

ってゆうか鑑定あるなら鑑定紙いらないじゃん!周りのみんな微妙な顔してるじゃねぇか‼

 

説明は…………

 

『多言語翻訳』

あらゆる言語が自分が読める文字のように読めるまた、そのように聞こえる。

 

これは使えるな!!!!!色んな場面で

 

『隠密行動S』

道中、魔物に気づかれにくいまた、戦闘中も攻撃対象にされにくい。

 

うっわぁ、1人だから役にもクソにもたたねぇ

 

『毒耐性』

毒状態になりにくい。また、なったとしてもダメージが少ない。

 

これは案外使えそう…………籠城に

 

『鑑定C』

自分と自分よりLvが下の者のスキルやステータスが見える。

 

これは案外使えそう。ちなみに僕のステータスは?

 

神野 廃世 Lv15

筋力45 耐久67 俊敏36 魔力35 MP25

全体的にバランスがいいつまり中途半端か、

 

まぁいい次見よう

 

『呪耐性A』

呪にかかりにくい。また、かかったとしても効果が低くなる。

 

これはそこそこ使えそう

 

『交渉術B』

交渉が結構上手い。

 

なんか適当だな。まいっか、

…………改めてそんな攻撃に使えない。なちょっと待てこれは勇者にしては陰湿すぎやしないか?

 

「ふむ、中々いいスキルじゃ」

 

ホントかなぁ〜そうゆう顔に見えないんだけど

 

「は、はぁそうですか」

 

ここは話に乗っとこう。いや、そう言うことにしておこう………自分のメンタルのために

 

「では装備を授ける。着いて参れ」

 

「分かりました」

 

────────────────────

 

「ではこれを」

 

──剣と鎧と盾を貰った

 

「うぉ!なんだ!?」

 

「どうかしたのか?」

 

「いや、なんか今変な声聞こえませんでした?」

 

「……何を言っておるんだ?」

 

………どうやら聞こえるのは僕だけらしい

 

ちょっと待て今考えたら僕剣使えないじゃん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

終わった…………

 

 

 



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もしも願いが叶うなら強靭な胃をください

そろそろ勘違いのタグ発動させるつもりです


3話

 

あれから1ヶ月。色々学んだ1つ目は剣が合わないことこれは色々な武器お試しで使ってみたら分かった、王国から貰ったのは売ってナイフを買った王様すげー微妙な顔してたなー。あとは勇者について学んだ。どうやら勇者は1つの世界に4人しかいてはならず、僕は2番目の勇者らしい。そして勇者の力は世界によって出せる所と出せない所があるらしい。どうやら勇者は世界に1人しか出てこない。だから残りの3人は違う世界から出すしかないらしい。…………おかしくね?世界によって勇者の力出せないって軽い差別だ!!!!!世界線差別だ!!!!!まぁそもそも勇者になんかなりたくなかったんだけど。あと死んだら生き返るらしい自分の現金の半分と引き換えに。結構安いな、勇者の命。そんなこんなで今王様から呼び出されてます。

 

「勇者よ。もうここの生活は慣れたか」

 

「まぁ、それなりには」

 

「そうかそうか、では早速お願いがある」

 

……嫌な予感しかしない。

「最初の勇者に会って来てくれないか」

 

はい、予感的中。

 

「………はい、分かりました」

 

こう言うしかないよね

 

─────────────────────

 

と、言うわけで今、この国で一番でかい都市オリオンに来ていマース

 

「はぁ、めんどくせぇ」

 

今、最初の勇者、つまりこの世界で産まれた勇者に会いに来てる訳だがいかんせん見つからない。たしか名前はアベルとか言ったかな?

 

「どうかしたのか?」

 

なんか派手な兄ちゃんに話しかけられた。どのくらい派手かと言うと赤髪に赤い目190はあるんじゃないかっていう高身長。どうしたらいい?こうゆうとき。僕コミュ力ないよ?

 

「いえ特に何も…」

 

「そうか?ならいいが」

 

どうする、勇者のこと聞くか?いや、でも聞づらいなぁ。

「じゃあ、俺行くから、なんかあったら言ってくれ。なんたって勇者だからな。」

 

「ん?今勇者って言った?」

 

「言ったが、どうかしたのか?」

 

どうやら声に出てたらしい、ちょうどいいこれを幸いに話しかけ…………れるほど勇気ないな、うん。

あれ?待てよプライベートで話すんじゃなくて仕事で話すんなら行けるんじゃないか?…………試してみるか

 

「えっと、僕は今王様からのお願いで勇者に会いに行くようゆっくり言われたんですが……」

 

「お、そうなのか?俺もちょうど会いに行ってたんだが、どうやら入れ替わってたようでな。俺はアベルだ、よろしくな。お前は?」

 

「僕は廃世です。よろしくお願いします。アベルさん」

 

「硬いなぁ、アベルで良いって」

 

うぉ!びっくりしたぁ〜いきなり肩組まないで!硬いって、仕方ないじゃん社畜モード入らないとまともに話せないんだから!あと苦手だ、このタイプ苦手だ、人類みんな友みたいな、名前知ったらもう友達みたいな人達。当然悪い気はしない、ただ混乱するの、あと僕がコミュ力無いだけなの。なんか申し訳なくなるんだよあっちがきちんと目を見て話してくれてんのにオーラに押されてまともに目を見れないから。

 

「まぁ、いいか、早速王様に会いに行こうぜ。」

 

「あ、そうだね」

 

頑張った、僕頑張ってタメ口使ったよ。……………名前は無理そうだけど

 

──────────────────────

 

「会いに来たぜぇ、親父」

 

は?親父?

 

「言ってなかったか?ここの王様俺の親父なんだよ」

 

「初耳なんだけどじゃあなんでさっき街で王様って読んでたの?」

 

「そりゃ公共の場だし」

 

変なところしっかりしてるなー

 

「はぁ、ならここでもそう読んで貰いたいものだ」

 

「え〜なんか他人っぽくない?親父に向かって王様って言うの。なぁ、廃世」

 

僕を巻き込むな、アベルくん

 

「これ、人を無闇に巻き込むでない、アベルよ」

 

「へいへい、それで俺達何すりゃいいの?」

 

「そうだなそろそろ本題に入ろう。…………勇者達よ、これから旅を初めて欲しい最初はある洞窟に行って欲しい、そこで子供が魔物にさらわれた。それを助けに行って欲しいもちろん報酬は用意する」

 

「よし、行こうぜ!廃世」

 

……神様僕はこの人のノリに耐えれるでしょうか

 

「そういえばお前何Lv?俺12Lv」

 

「……15Lv」

 

「へぇー、俺より高いんだ」

 

この人僕より低いんだ確か『鑑定』でLv低い人のステータス見えたよな?ちょっと見てみよう

 

アベル Lv12

 

筋力60 耐久70 俊敏24 魔力42 MP30

………俊敏以外何一つ勝ってない。これで僕よりLv下なの?じゃあスキルは………

 

アベル Lv12

 

『煉獄S』

 

『自己再生A』

 

『身体能力強化B』

 

『第六感A』

 

概要は………

 

『煉獄S』

魔法とは別に強力な炎を出す事が出来る

 

『自己再生A』

一定時間で自分のHP1/4回復する

 

『身体能力強化B』

一定時間筋力と俊敏を10%上げる。ただし、その後しばらく筋力と俊敏が10%下がる

 

『第六感A』

攻撃の回避率が上がる

うわ、強ぇ

何この格差、酷くない?まぁ、仕方ない諦めよう。神様は優秀な人に二物も三物も与えるもう知ってるじゃないか。

 

「お、着いたぞ、ここか!」

 

前にはでかい洞窟があった

 

「早速入ってみようぜ!」

 

は?ちょっと待て!

「ちょっと待って、罠あるかもしれないじゃん。」

 

「どうしてだ?」

 

「いや、拠点に何かしら罠か抜け道かなんか作らないといざってときやばいでしょ。」

 

「大丈夫だって」

 

「根拠は?」

 

「直感!!!!!」

 

ダメこりゃー

 

「行ってくるー」

 

「あ、ちょっと待って!……速いな、おい」

 

これでホントに俊敏僕より下かよ

まぁ、仕方ない。行こう

「お、やっぱ来たか」

 

「来るに決まってるでしょ、そうゆう風に言われてるし」

 

洞窟の中は意外と明るい、それでなんにもない

 

「あそこに魔物がいるぞ!一緒に倒そう。」

 

………いきなりかよ。めんどくせぇ

 

──────スライムが3匹現れた

 

また謎の声がする。もう突っ込まんぞ

 

ん?なんでさっき1匹だけなのに3匹もいんの?

「俺から行くぞ!オリァ!」

 

───スライムにきついダメージ。スライムは倒れた。

 

とりあえず、気づいてないみたいだし。アベルくんに攻撃するタイミングに合わせて後ろから斬るか。

 

ザシュ!

 

───スライムは倒れた。

 

(なんだ、今の攻撃俺も気づかなかったぞ?)

 

※廃世の影がスキルで薄くなっただけです。

 

不意打ちって結構効くんだな。

 

───廃世は不意打ちを覚えた。

 

あ、覚えるシステムとかあるんだ。後でアベルくんに聞いてみよ。

 

───廃世は経験値を手に入れた。アベルは経験値を手に入れた。

 

………経験値ってそんな簡単に手にはいんの?

 

「お、宝箱落としてんじゃん」

 

は?おかしくね?なんでさっき倒したのよりでかい宝箱

があるんだよ。

 

───アベルは回復草を手に入れた

いやいや、なんでその回復草使わなかったのさっきのスライム。ツッコミどころが多すぎる。

 

「おーい、行こうぜ。」

 

「ああ、ごめん」

 

「あ、宝箱だ!」

 

そう言ってあったのは、派手な宝箱だった

 

いや、なんで!?洞窟に忘れ物ならわかるけど。なんで宝箱!?

 

───アベルは鎧を手に入れた

 

なんで鎧?しかも宝箱とサイズ合わないし。

 

「あ〜これ捨てとくか、持っといいの着けてるし。」

 

「どこに!?」

 

「うぉ!びっくりしたぁ」

 

「あぁ、ごめん」

 

「大丈夫だけどよ、で何がどうしたんだ?」

 

「いや、鎧ってどこに着けてんのかなーって」

 

実際着けた時を見た事無い

 

「知らん。」

 

「えぇ」

 

うん、諦めよう。ブラック企業よりは大分マシだ

 

────────────────────

 

「ケッケッケェ、よく来たな勇者達よ」

 

「何者だ!」

 

ありがちなパターンだ、アニメとかでよく見たことある。

 

「子供たちはどこにいる!」

 

「そんなことはどうでもいい!私はお前たちを倒しに来たんだよぉー魔王様に言われてなぁー!」

 

うぉ!いつの間に居たの

 

───ゴブリンが1匹現れた。ブラックバットが現れた。

 

もうめんどくせぇ。後ろから刺しちゃえ。

 

ザクッ!

 

「うぐっ!」

 

────ゴブリンにかなり痛いダメージ。

 

もいっちょ行っちゃおー。

 

「せい!」

 

「!?」

 

───廃世にちょっと痛いダメージ

 

何がちょっとだ、少なくとも体当たりされた程度には痛いぞ。

 

「よくも!うぉぉ!」

 

ザシュ!

 

───ブラックバットにかなりきついダメージ。ブラックバットは倒れた。

 

「喰らえ!」

ダァーン!

 

───アベルにちょっと痛いダメージ。

 

こいつもう首切っちゃえ。

 

ザシュ!

 

───ゴブリンにかなりきついダメージ。ゴブリンは倒れた。

 

───廃世は経験値を手に入れた。アベルは経験値を手に入れた。

 

疲れた。帰りたい

 

──────────────────────

 

「ありがとう!お兄ちゃん達!」

 

ダダッ

 

あれからしばらくして無事見つけた。それよりあの子足速くない?僕より速いよ?それに………

 

「なんか無表情でとっとと走って行ったけど。」

 

「よっぽど家に帰りたかったんだろうな。」

 

うんうんとしみじみと頷いてる。そんな感じじゃなかったような………めんどくせぇからいいや

 

「一先ず帰って寝よう。」

 

「そうだな」

 

こうして僕達は家に帰った………

 




ちなみに廃世は175cmです。戦闘シーン難しいってよく言うけどそれを身に持って感じた


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手がかりを見つけて

ちょっとの間仲間探しです。


4話

 

…………あれからしばらく経って。あの後特に用事も何も無かったので……………

 

「「釣れねぇ………」」

 

ずっと釣りしてました。

 

 

いや、一応理由はあるんだよ?暇すぎてやることないから何しようかって話した時最初鍛錬しようとしてたんだけどね。王様が…………

 

『怪我したら困るからやめてくれ』

 

って言うしだからといって近くの魔物退治しようにももう弱すぎて相手にならない。だってスライムしかいないもんそれも3Lvとかそこら辺のだからなんか対決して気を紛らわせようって言い出したから。運が作用する釣りにしたんだが………現在どちらも0匹しょうがないから先にかかった方が勝ちにしてもかからない。いいこともある。なんかアベルと仲良くなった今ではタメ口でしかもくん付けなしで行けるくらいにお互い空気読めない同士だシンパシーか何かがあったんだろう。

 

「アベル、もう帰ろう?」

 

「Zzzz」

 

寝てんだ。初めて見たよZzzって寝てる時に言うやつアニメだけだと思ってた。

 

「起きろー」

 

「Zzz」

 

こうなったらもう起きない。前に1発デコピンしてみたが全然起きなかった。

 

もう1人で帰ろうかな………いや、なんか罪悪感があって帰れない。しょうがないもう少し待とう。

 

────────────────────

 

そうやってアベルが起きたのは3時間後だった………

 

「いやぁ〜、悪かった悪かった」

 

「もう夕方だ帰ろう」

 

そろそろ夜になる頃大体5時くらいだろうか。

 

「そうだな。もう帰って寝よう」

 

まだ寝れんのかよ…………

 

────────────────────

 

「お主らに頼みがある。」

 

「まじか、やったぁ!」

 

何故だろう、ずっと暇だったのか仕事が来たのがすごく嬉しい。

 

「まぁ、聞け。…………お主らには3人目の勇者にあってもらう。」

 

「お、やっとか。どこにいるんだ?3人目は」

 

「3人目はアルターク王国にいる。」

 

「分かりました。最善を尽くします」

 

──────────────────────

 

というわけで今僕達はアルターク王国にいる。

 

「とりあえず、まずは事情聴取だ。」

 

そう思い歩いた先にはとんでもないものがあった。…………そこにはアベルが人の家の中のタンスをあさっていた………………………

 

「なにやってんの!?」

 

「何って、タンスあさってるんだが。」

 

「いや、ダメでしょ家の人に許可取らなきゃ」

 

「そうなのか?」

 

「そうでしょう。ねぇ?」

 

「ごめんなさいねぇー、今主人のご飯作ってて手が離せないの。」

 

「いや、そうじゃなくて」

 

「ごめんなさいねぇー、今主人のご飯作ってて手が離せないの。」

 

「いや、だから……」

 

「ごめんなさいねぇー、今主人のご飯作ってて手が離せないの。」

 

か、会話が成立しない!?まさか上司以上に話を聞かない人がいたとは!

 

………もしかして勇者がタンスをあさっていいって言うのは暗黙の了解ってやつなのか?うん、もうそういうことにしておこう。これはツッコンでもキリがないそんな気がする。

 

「勇者か、それなら青い髪した魔法使いって噂を聞いたよ。」

 

「ありがとうございます!」

 

やっと話が通じる人がいた!

 

「で、その人は今どこに………」

 

「勇者か、それなら青い髪した魔法使いって 噂を聞いたよ。」

 

この人もか………

 

────────────────────

 

あれから色々な人に聞いて回った。ちなみに全員話が通じなかった…………

 

えっと、今集まってる情報を整理すると

 

・青い髪した魔法使い

 

・かなり卑屈

 

・女

 

・いつも一人でいる

 

・召喚されたのは1ヶ月前

 

って感じか……

 

「頑張って探すか………」

 

大丈夫だ僕だって同じくボッチだ、ボッチが行きそうな所なんて手に取るようにわかる。

 

わかる、分かるぞぉー(大ボケ中)

 

「嘘でしょ、なんで見つかったの………」

 

ホントにいたよ。ふざけてたのに、青い髪なんか滅多にいないから探しやすい。………なんで青い髪?僕とはまた元にいた世界が違うのかな…………

 

なんて話しかけよう………

 

アベル呼ぶか?やめとこう。アベル呼んだらドン引きするだろうな……あの人僕と同じでノリが壊れてるから。

 

「…………何してるんですか?」

 

気づかれた。話しかけなくてもいいと言う安心感と共に緊張感がやってきた。………女子と話すの久々なんだよなぁー

 

「えっと、実はある人を探していて………それで、失礼なんですが、あなたは勇者ということで間違え無いでしょうか?」(←仕事スイッチオン)

 

「えっ、あっ、はい、そうですけど…………」

 

よっし!当たった!

 

「失礼しました、僕は廃世と申します。」

 

「えっと、オールです………」

 

「実は、先程も申し上げた通り僕はアスラエル王国で召喚された勇者でして、もう1人の勇者と共にあなたを探していて合流しろという任務を授かりましたのですが」

 

「そう、なんですね、ちなみにもう1人の勇者さんは……」

 

「多分、今頃寝てますよ。」

 

もう夕方だし………

 

「そう、なんですね。」

 

「ところで、何か悩み事ですか?」

 

「ど、どうしてそう思ったんですか!?」

 

図星か。分かった理由?そんなもん僕も悩み事あったらこうゆうところに行くからに決まってるだろう。 (実体験)…………そんなこと言えないけどね!

 

「いえ、単純にそう思っただけですよ。」

 

……今の内に見ておくか、スキル見れるか分からないけど

 

オール Lv14

 

『魔法適正S』

 

『テレポートA』

 

『透視A』

 

『自己再生B』

 

概要はどんな感じだ?

 

『魔法適正S』

 

魔法を覚えやすくなりさらに、使用するMPも減る

 

『テレポートA』

 

行ったことがある街に瞬間移動出来る。(戦闘中を除く)

 

『透視A』

ものを透かして見ることが出来る。(半径5メートル以内)

 

『自己再生B』

 

一定時間で自分のHP1/6回復する

 

再生系を持ってないのが僕だけ…………

 

ステータスは………

 

筋力32 耐久52 俊敏48 魔力83MP30

 

「ど、どうかしたんですか?」

 

「いえ、何も…………」

 

「えっと、実は私、こんな性格だからなかなか馴染めなくて…………」

 

何の話?あ、そうかさっきの続きか。自分から振っておいて忘れてた

 

「廃世さんはいいですよね。こんなにいっぱい知らない人と話せて…………私なんか目を合わせただけで倒れそうですよ……………」

 

いやいや、そんなことないって僕も今現在久々の女子に胃を痛めてんだからさ。

 

「だから、お願いします。私に、人との接し方を教えてください!」

 

は?

 

「………そうゆうのは僕じゃなくてアベルに聞いてください。僕もあまり人との接し方分からないので。むしろ僕が教えて欲しいですよ。」

 

「アベル?誰ですか?それ」

 

「もう1人の勇者です。」

 

「分かりました。」

 

────────────────────

 

「………この人がアベルさんですか?」

 

「そうですよ。」

 

………………あれからしばらくして、僕達はアベルに合流するために今朝念の為に取っていた宿に行ったら……

……………部屋のど真ん中に大の字で寝ていた。いや、分かってたんだよ?多分そうだろーなーってでも期待するじゃん。こうゆう時に起きてさっさと紹介してさっさと寝たいなって思ってたよ?その希望が絶たれた………

………しょうがない。もう寝よう。

 

「もうこんな時間ですし、もう寝ませんか?」

 

「あ、はい。そうですね。」

 

「ちなみに泊まってる宿とかあります?」

 

「はい、一応ありますけど……………」

 

「なら良かった。おやすみなさい」

 

「はい、ではまた明日」

 

────────────────────

 

「いやぁ〜、ごめんな、寝てたわ」

 

うん、知ってる。

 

「で、その子が新しい勇者?」

 

「は、はい、オールと申します。」

 

「俺はアベル。よろしく」

 

「よろしくお願いします。アベルさん」

 

「なんでそう硬い人が多いのかな?アベルでいいよ」

 

そんな簡単にできないよ呼び捨てなんて

 

「えっと、初対面の人をいきなり呼び捨ては………ちょっと…………」

「そう?ならいいけど」

 

「すみません……」

 

「謝る必要はないよ。人にはペースってものがあるし」

 

「はい、ありがとうございます……」

 

────────────────────

 

「で、それで親父がさ………」

 

道中、僕達は話しながら帰ってた。(主にアベルとオール)あれからわかったが、オールは案外ノリがいいのかもしれない(少なくとも僕よりは)だが、それよりも…………

 

「なんで縦に並んで歩いてんの?」

 

そう、今僕達は1列に並んでいる小学校の遠足みたいにアベルと2人の時は別に気にならなかったが(アベルがなかなかおかしな奴だったので)さすがに3人だと目立つ。

 

「知らないのか?これが1番魔物に狙われやすいんだぞ?」

 

「大体の魔物は、縦に並んだものを攻撃する修正がありますからね。」

 

そうなんだ………ってダメだろ!僕見つかりにくいのに目立っちゃ。あ、そういや2人とも知らないんだった。僕が『隠密行動S』持ってるの。

 

「にしても魔物いないな、街に近いならまだしも、ここ結構遠くまで来たぞ。」

 

「確かにそうだな」

 

確かにそうだ、魔物に一切会わないのである。普通ならはぐれくらいに会ってもおかしくないんだが、それもない。なんか、やな予感がするな、何か、面倒事に巻き込まれるような………

 

 

「ケッケッケェ勇者どもよ。貴様らは、魔王様の為に死んでもらう。」

 

予感的中。帰りたい。

 

 

 

 

 




廃世以外の名前はほぼ適当なので気にしないでください
ちなみにこの世界での勇者はあくまで称号で職業とは関係ないです。なのでぶっちゃけ魔王は勇者なしでも行けなくはない。(ただ勇者みたいに生き返るとかないし、被害も予想できないから)


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面倒事

4人目の勇者登場します


5話

ケッケッケェ!って笑い方魔物の間で流行ってんの?今のところ会話出来る魔物全員その笑い方だよ。

 

「大丈夫だ、力を合わせれば勝てる!」

 

「そうですね!」

 

さっきも思ったがノリいいな、オール。あんなに僕とは話さなかったのに。やっぱりアベルと相性いいのかな?

 

───────ゴブリンが2匹現れた。サイクロプスが現れた。

 

うわぁー1人ごついのいるー。さっきまでいなかったのにー。

 

…………鑑定って魔物にも使えんの?

 

ゴブリンA Lv12

ゴブリンB Lv12

 

サイクロプス Lv10

 

どうやらLvしか見れないらしい。そんな万能じゃなかった。……………僕だけの特権だから別にいっか。

 

そんなこと考えてたらゴブリン(多分B)が僕目掛けて攻撃してきた。………え?いきなり?狙われにくいんじゃないの?あ、今思いついたのちょっとやってみようかな。ゴブリンの攻撃に合わせて1、2、3ホイッ

 

ザシュ!

 

「な、に!」

 

────────ゴブリンBにきついダメージ。ゴブリンは倒れた。

 

Bであってた。別に嬉しくねぇけど。

 

──────────廃世はカウンターを覚えた。

 

(((な、なんだ?今の?!)))

 

(前々から思ってたけど、廃世って実は結構強い?)

 

(廃世さんって………目立たないけど普通に強い。)

 

※廃世がボケッとしてて攻撃し忘れただけです。

 

あ、今ちょうどカウンター覚えたな、これは使えそう。

あ〜でも無理な使い方しすぎて刃こぼれしちゃったな後で買い換えよ。

 

「っは!ぼさっとしてる暇なかった!うぉぉ!」

 

ザシュ

 

──────────サイクロプスにかなり痛いダメージ。

 

「オォォォ!!!!」

 

──────────アベルにそこそこ痛いダメージ

 

「くうっ、やるな。」

 

なるほど、あいつ物理型か。

なら魔法が効くな。確かオールが使えたよな。

 

「オールさん、あいつに向かって魔法打ってくれる?攻撃系ならなんでもいいから。」

「あ、はい、分かりました!」

 

うぉ!急に明るくなったな…………複雑な気持ちだ、話やすくなって嬉しい気持ちと、同類だと思ったら全く違うっていう少し寂しい気持ちと、まぁ、素直に喜んでおこう。

 

「───────ファイアボール!!!!」

 

「オォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!」

 

うわっ!うるせ!

 

──────────サイクロプスにただじゃすまないくらいのダメージ。サイクロプスは倒れた。

 

ただじゃすまないくらいのダメージってどのくらい?

 

「やった!やりました!」

 

「「いぇーい!!!!」」

 

ほっんとノリいいな、この人たちてか、まだ敵残ってるっての。ま、唖然としてるし後ろからこっそりやるか。

 

ザクッ!ザクッ!ザクッ!

 

「ぐふぅ!」

 

はい、最後にストンと首落としてぇ〜

ザシュ!

 

終わり!

 

──────────ゴブリンAに死ぬほどのダメージ。ゴブリンAは倒れた。

 

((うわぁ、残酷))

 

──────────廃世のLvが上がった。アベルのLvが上がった。オールのLvが上がった。

 

──────────廃世はLv16になった。アベルはLv15になった。オールはLv15になった。

 

え、アベルいつの間に?いつの間にそんなLv上がったの?僕がちゃんとLv上げてなかったのかな?

 

────────────────────

 

あの後僕達は泊まるところもないので野宿することになった。

 

 

「だよなぁー。それをあいつがさ…………」

 

ご覧の通り、アベルとオールはとても打ち解けてる。卑屈だって言ってたのが嘘みたいだ。(多分噂だろうけど)」

 

「おーい、聞いてるのか?」

 

「ごめん、考え事してた。」

「どんな事考えてたんだ?」

「色々と………」

 

「そういえば、この後どうする?」

「えっと、そういえばそうですね。…………一旦アベルさん達の国の王様に会いに行きます?」

 

「それが無難だね。」

 

「もう寝よう。気づいたらアベル寝てるし。」

 

「そうですね。おやすみなさい、廃世さん。」

 

「おやすみ」

 

────────────────────

 

「勇者達よ無事合流したな。」

 

「一応難なく終わったぜ!親父!」

 

「なら早速だが、4人目の勇者合流しててほしい。」

「いきなりですか?」

 

「しばらくは休んでくれても構わん。過労でぶったおられたら大変だからな。」

 

「では、一週間後でどうでしょう。」

 

「そうじゃな、では、一週間後に4人目の勇者を探せ、これはその準備のための費用じゃ。」

 

──────────廃世は10000ゴールド手に入れた。

 

──────────オールは10000ゴールド手に入れた。

 

──────────アベルは10000ゴールド手に入れた。

ちょうどいいやナイフがガタがきてるから買い換えよう。

 

────────────────────

 

「2人はもらったお金で何買うの?」

 

「私は、杖を新しくしようかと。」

 

「俺は剣を新しくして、回復草などを買いためておこうと思う。」

 

「分かった、じゃあ僕は色々と見たいから別行動ね。無駄遣いしないようにねー。」

 

──────────────────────

 

あ〜やっぱ1人って気が楽!いや、皆と居たら楽しいよ?そりゃ、でも、たまには欲しいのよ一人の時間。人って一人の時間あった方がリフレッシュしやすいじゃない?気が楽だから。にしてもなかなかないなぁ〜いいのが。ん?あれは……

 

「鉈か?」

 

これ結構いいな、買っとこう。僕の勘が買った方がいいって言ってる。

 

鉈 6000円 (多言語翻訳発動中)

 

保持金 30000円

 

うん、特に問題ないな。買おう

 

アリガトウゴザイマシター

 

さて、次はナイフだ。あ、これかな

 

ナイフ 6000円

 

保持金 24000円

 

よし、買いましょ

 

アリガトウゴザイマシター

 

………一通り買い終わったな、よし、様子でも見に行こう。

 

あ、あれはオールか、

 

「あ、廃世さん。どうかしたんですか?」

 

気づいてくれた、話しかけるよりはいい。

 

「………いや、自分の買いたいもの買ったからフラフラしてた。」

 

「なるほど………」

 

何とかタメ口はできるけど、やっぱりアベルいないと話しづらい。よし、話題を変えよう。

 

「………何買ったんだ?」

 

「私は、さっき言った通り新しい杖と、回復草ですね。」

 

「………ついて行っていい?」

 

「どうぞ………」

 

──────────────────────

 

と、言うわけで僕は今オールと2人きりだが早速後悔してる。なんで、あの時テンパってたとは言えついて行っていい?なんて聞いたんだろうか。

「「………………………」」

 

((気まずい………………))

どちらもあまり自主的に会話するほうじゃ無いからな、無理はないか。アベルって結構大きい役割果たしてたんだな。これからはアベルに感謝しなくちゃ。

 

「えっと、ちなみに廃世さんは何を買ったんですか?」

 

「一応新しいナイフと、鉈を……………」

 

「そう、なんですね………」

 

く、空気が重い。

 

ア、アベルなんでこうゆう時に来てくれないんだ……

「あ、おーいふたりともなにしてんだー」

 

ア、アベル信じてたよ、あんたはこうゆう時にこそ来てるれる救世主だって!(大嘘)

 

まぁ、冗談はいいとして、ホントに助かる。

 

「なぁ、もうお前ら買い物終わったか?」

 

「まぁ、買いたいものは買った」

 

「私も、そうですね。」

 

「なら行こうぜ」

 

────────────────────

 

「勇者達よ。よく戻ってきた。」

 

はぁ〜疲れた。

 

「ところで勇者達よ。最後の勇者の情報がてにはいったのだが…………」

 

「お、今回は早いな」

 

「我々はそれだけ急いどるということじゃ。」

 

「その勇者さんはどこに……」

 

「それが、もうここに来ておる。」

 

「情報も早けりゃ行動も早いな、その人」

 

「お、ちょっと上手いこと言ったな!」

 

「入って良いぞ。」

 

「フッ、呼んだか。」

 

うわ、絶っ対めんどくせぇ奴だ。

 

「我は封印されし暗黒の邪神龍を右腕に宿すもの、リギルである!」

 

そう言って出てきたのは僕と同じくらいの身長で、髪は紫色で右腕に何故か赤い包帯を巻いていて右目黒で左目赤のオッドアイが特徴の厨二病だった……

 

ハッ、衝撃的すぎて放心状態だったさっさと鑑定鑑定

 

葉隠 翔真 Lv15

 

もう名前の時点で違ってる!

 

『多言語翻訳』

 

『格闘術S』

 

『自己再生A』

 

『防御貫通A』

 

『危機回避本能B』

概要は…………

 

『多言語翻訳』

あらゆる言語が自分が読める文字のように読めるまた、そのように聞こえる

 

これは僕と同じ

 

『格闘術S』

格闘術を覚えやすく、使用するMPも減る。

 

 

『自己再生A』

一定時間で自分のHP1/4回復する

 

これはアベルと同じか、

 

『防御貫通A』

相手が守りの体制に入ったり、守る技を使ったりしていたらそれを50%で貫通する。

 

普通に強い。

 

『危機回避本能B』

不意打ちや、カウンターを回避出来る。

 

ステータスは……

 

筋力55 耐久52 俊敏58 魔力35 MP27

 

バランスいいな。

 

「俺はアベルよろしくな。リギル」

 

言った方がいいんだろうか。いや、言わないでおこうきっとそれが翔真のアイディンティティなんだ。

 

「リギルさん、よろしくお願いします。オールです。」

 

「廃世です。よろしくお願いします。」

 

「ああ、よろしく頼むぞ。」

 

──────────こうして、わけの分からない4人組が完成した。

 

 




ちなみにオールとアベルの話が合うのは世界線が似てるから、それとオールのノリが割といいからノリがいいアベルの方が親しみやすいからです。魔法の名前は適当(ほぼパクリ)


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世の中はほとんど残酷

ついに最後の勇者が揃って冒険へ!


6話

あれから数日後僕達はリギル(もとい翔真)と少なくとも雑談が続く程度に仲良くなった(僕以外)あと途中で戦闘があったけどなんかその時全員に引かれた…………魔物って食べたら美味しいのかなって思って鉈で解体しただけなのに(ちなみにその時食べたスライムは弾力の強いゼリーみたいでちょっと美味しかった)………まぁ、そんなこんなで今、砂漠で死にかけてます…………

 

2日前──────────

あれは、翔真と旅に加わって5日目のことだった。

 

「お主らに頼みがある。」

 

「頼み?またか。」

 

そう、最近はずっと働きっぱなし1週間に1回休みがあるかないかくらいのペースだ。ま、社畜時代に比べたらこっちのがだいぶ精神的に楽だけど。

 

「最近は魔物が活発化してきている。だからわしらもそこそこ慌ててるんじゃ。」

 

「そうなんだ、そう言うことなら納得した。」

 

「フッそれでこそ我の力を存分に振るうことができるな。」

 

お前割と戦闘できるからな。ちなみに言うと僕たちの戦闘に置いてのパワーバランスはほぼほぼ均等。皆それぞれタイプが違うし。(ちなみに僕はアベルと相性良くて翔真と相性が悪い。オールとは普通運が良かったら勝てるかな?って感じそれ以外はほぼほぼ相打ち)

 

「それで、頼みってなんですか?」

 

話が脱線しかけたところでオールが言う。ナイス!

 

「そうじゃな、実はある砂漠に言ってきて欲しい。」

 

「ある砂漠?」

 

「ああ、かつて魔王が破壊した、朽ちた大地という場所に」

 

朽ちた大地?随分カッコイイ名前だな!厨二心をくすぐりそう。

 

「でも、そこって誰も渡りきったことがないって噂だぜ?親父。」

 

「ああ、渡るには馬車が必要なのだが、何かとその工程がめんどくさいからと言って馬車なしで行って死ぬバカが多い欲しいのは馬鹿でなく馬車だとゆうのに………」

 

ちょっと上手いこと言ったな。

 

「それで?そのためには何処え?」

 

さっさと本題に入ろう、無駄に時間食うのはお互いに惜しい。

 

「ああ、そのためにはスピカ村に行ってきてはくれんか、さすれば馬車が手に入るだろう。…………言ってくれるな?」

 

「「「「了解(した!)」」」」

 

────────────────────

 

「スピカ村はここか?」

 

「そうじゃないですかね?」

 

「その可能性は高いと見れる。琲世よ」

 

「ま、どちらにしろ一応行ってみよう!」

 

「そうですね!悩んでてもなにも変わりません。行かずに後悔より行って後悔の方がいいですもんね!」

 

「オールよ、なかなかいいことを言うでは無いか、それは我も同意しよう。」

 

「じゃあ、出発!!!!」

 

「「おー!!!!」」

 

ダッダッダッ

 

「あ?え、ちょっと……」

 

って、みんないねぇ!皆速いよ、仕方ない走るか、

 

ダッダッダッ

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

結局すぐ合流した。

 

「しかし、そんな簡単に馬車なんかあるのかねぇ、」

 

「だがそれがないと朽ちた大地を通れない。どうにかして探すしかあるまい。」

 

「でも、このままフラフラしてるのも効率的じゃないですし………」

 

「ま、細かい事考えても仕方ない、気楽に行こう、気楽にさ、」

 

「「行け(るわけないだろう)ねぇよ!」」

 

お、珍しく意見一致もしかしたら僕と翔真って気が合うのかな。

 

「いい時も、悪い時も、常に疑い、探り、慎重に行かなければならない。これは何事でも一緒だよ。」

「その通りだ。確かに、突っ走らなければならない時ってのは存在するだが、今はそうでは無い、慎重になれる時こそ、慎重になるべきだ。」

 

「お、おう……」

 

「あ!あれじゃないですか?」

 

マジで!もう見つかった?

 

「よーし行くぞぉ!」

 

「あ、ちょっと待て、我が友よ!」

 

…………なんか、嫌な予感がする。

───────────────────

 

 

「クヒッ、クヒヒヒヒヒヒヒヒヒ」

 

────────そこに居たのは、馬車かもしれないものと真顔で魔物に襲われている男の人だった。

 

………………え?なんで真顔?せめて動揺の色は見せろよ、あれかな?顔に出ないタイプかな?…………いや、だとしても普通は鎧に剣向けられたら汗はかく。そうじゃないのは歴戦の戦士か、感情がないかだ。…………ん?感情がない?……………なんか闇を見た気がする考えんのやめよ。

 

「やめろぉぉぉ!!!!」

 

ガァキィン!!!!

 

剣と剣がぶつかり合い火花が散った。

あ、僕達の主人公怒りだした、最近目立ってないけど。

 

「フッハッハ。貴様が勇者か、よかろう、我の剣の錆にしてやる。」

 

──────────さまようよろいが現れた。

 

あぁー、あいつさまようよろいか、資料で見たけど中身ないから食えないんだよなぁー。

 

ま、いっか。レベルは、

 

さまようよろいLv25

 

たっかいなぁー、それにさまようよろいって結構強いんだっけ?勝てるか?

 

「私から行きます!『ファイアボール』」

 

「あ、ちょっと!」

 

「無駄無駄ァ」

 

─────────さまようよろにちょっとのダメージ

 

「さまようよろいって基本的に魔法そんな効果ないんだよね。」

 

「そうなんですね、すいません………」

 

「いや、大丈夫だから次からサポート回ってくれたらいいから。」

 

「………わかりました。」

 

「なら我が行こう。『破錠拳!』」

 

それはいい判断。あいつ火力高いから。ただ………

 

スカッ!

 

────────ミス、攻撃が外れた

 

当たればね………

この人って『格闘術S』持ってるし、『防御貫通A』も持ってるからこの場合1番火力出るけど、命中精度が低いのかまったく当たらん。いわゆる当たらなければどうということはないって奴だ。

 

「スマン、また外れた。」

 

「大丈夫です!次当てればいいんですから。」

 

はぁ〜、ま、不意打ちでいいか。

 

ガイィン!

 

あ、弾かれた……

 

─────────さまようよろいにチクッと刺さる程度のダメージ

 

「甘いわァ!」

 

ドゴオォン!

 

「ぐふぅ!」

 

─────────廃世にきついダメージ

 

い、痛い……受け身取ってなかったら死んでた。鎧で腹パンって思ったより痛かった………

 

「廃世!オマエェェエェ!!!!」

 

ガァキィン

 

────────さまようよろいに少し痛いダメージ。

 

「ほう、なかなかやりよる。」

 

「廃世さん!!!!大丈夫ですか!回復《ヒール》」

 

────────廃世が少し回復。

 

「あ、ありがとう。」

 

「くっ、そんなことよりもどうする。相当硬いぞ、あいつ」

 

アンタが当てれば解決するんだよ!………なんて僕には言う勇気も余裕もなかった。

 

「せいっ!」

 

スカッ!

 

────────ミス、攻撃が外れた。

 

ガードしとこ、死なないために。

 

─────────廃世は、守りの体制に入った

 

「はぁ!」

 

「ぐッ!!!!」

 

────────翔真にそこそこのダメージ。

 

「く、本当にどうする?硬いし攻撃も強いぞ。」

 

「………。」

 

「おい、聞いているのか、」

 

…………あ!」

 

「「「∑(O_O;)ビクッ」」」

 

やべ、声に出てた、それよりも。

 

「アベルって『煉獄S』持ってたよね?」

 

「あ、あぁ。でも使ったことないし……」

 

「それであいつに攻撃してみて。」

 

「よく分からんが、分かった!」

 

『行くぞ!『煉獄』』

 

────────アベルの剣は、炎を纏った

 

「ウォォォォォォォ!!!!」

 

ジャキィイン!!!!

 

──────────さまようよろいにきついダメージ。さまようよろいは倒れた。

 

「バ、馬鹿な!!!!」

 

──────────こうして今日の長い戦いは終わった。




廃世の実家は肉屋だから構造さえ分かれば捌ける…って設定。おそらく王国もそうゆうの調べるとかしてると思うので………するよね?普通。後、僕達の主人公の意味はアベルです。後翔真の当たらないは、攻撃が遅いのではなく攻撃する瞬間に目をつぶるくせがあるから距離感がつかめなくて当たらないんです。


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唐突(魔王side)

ひとまず魔王で繋げます。
魔王の周りの状況はほぼパクリです。引用元が分かっても突っ込んだり指摘したりしないでください。(切実?な願い)


7話

 

 「…………はぁ。」

 

 魔王城の玉座に座った、魔王ガイル・クロードのため息の音が広間に響いていた

 

 ……どうしてこうなった。

 

 勇者がさまようよろいを対処しているとき、魔王もといガイル・クロードは困っていた。 

 

 ことの経緯は三日前まで遡る。

 

─────三日前

 

 「親父!しっかりしてくれ‼」

 

 親父は病に伏していた。

 

 「ガ、ガイル」

 

 「な、何だ?何かあるのか!?」

 

 「お、お前に言い残すことは……………」

 

 「…………」

 

 「言い残すことは…………………」

 

 「……………………」

 

 「あれ?特にない」

 

 「」

 

 

 やっぱりそうか…………親父はこのようにのりや勢いだけで物事を進めようとするところがある。

 

 「ハァー、どうせ死にそうだから息子呼べっていったのも嘘なんだろ?」

 

 「いや、それは本当」

 

 「はぁ!?」

 

 「よって、私の力継がせます。右手出して」

 

 「あぁ」

 

 そう言って出した右手を親父が左手を乗せた

 

 なんか力が溢れる。力が継承されたのか。

 

 「これで安心してあの世に行けるよ。」

 

 なんか急に実感湧いてきたな。泣きそうになってきた。

 

 「アーディオス!!!さらばこの世よ!!!」

 

 ……こうゆう人だった。わかってはいたこの人はしんみりムード作っても自分でそれをぶっ壊す人だと。

 

─────そして現在に至る。

 

 そして力を継承した俺は、魔王の座と遺産を引き継いだ。のだが……

 

 「貴方は、一年後死にます。」

 

 俺はさっそく死亡宣告されるのだった。

 

 「なぜ?」

 

 心の底から出た疑問を目の前にいる少女えと向ける

 

 「本当です。予言書である私が言うんですから。」

 

 そうこの少女は人間のような見た目をしているが、れっきとした予言書である。通称伝説の魔導書アルタイル。親父の残した遺産の一つだ。 

 

 「そう言われても、いまいち実感がわかないというか…」

 

 「とにかくあなたは死ぬんです。思いっきり。」

 

 「そうなのか…」

 

 「なので。いっそのこと今自殺してみては?」

 

 「なんてそうなる!?」

 

 「いえ、人間に殺されるよりは自分でザクッとやっちゃったほうがいいでしょう。」 

 

 「んなわけあるかぁ!!!」

 

 「では他に何をするんですか?」

 

 「そ、それは、その…」

 

 「ないなら殺っちゃいましょうザクッと」

 

 「俺は上司だぞ!?」

 

 「だからなんですか?」

 

 「お前なんなの!?俺のこと殺したいの!?」

 

 「いえ、別にただ……」

 

 「…そっちのが面白いかなって思いまして。」

 

 「うっわ、ひっでぇ理由。」

 

 「だって私、特にあなたに思い入れありませんもん。」

 

 「それはそうだな。」

 

 そう、あくまでコイツを拾ったのは親父で、俺ではない。むしろ、いきなり死んだので仕える人変えてくださーいって言われても、簡単に納得できるはずがないのだが…………。

 

 「いや、だとしてもその言い分は酷い。」

 

 あっぶね、危うく納得しそうだった。

 

 「何度もいうが、一応これでも上司だ。敬語をいちいち使わなくてもいいが、発言はわきまえてくれ。」

 

 「分かってますよ、それくらい。」

 

 「ならいいのだが……」

 

 不安だ………

 

 「ひとまず状況を整理しよう。」

 

 「俺は三日前魔王の座を継承した。そこまではいいか?」

 

 「はい。」

 

 「それで俺は一年以内に死ぬと。」 

 

 「はい。」

 

 「なんで?」

 

 「なんでと言われましても。そうゆう運命ですからとしか言いようがありません。」

 

 「ちなみにそれって変わることは無いのか?」

 

 「ありません。99,9%ありません。」

 

 「釈然としない。」

 

 「仕方ありませんね。そうゆう運命なんですから。」

 

 は?ふざけやがって。俺何もしてないのに?なんか苛ついてきた。

 

 「一応聞くが理由は?」

 

 「あなたが魔王だからです。」

 

 薄々予想はしていた。でもやっぱり苛つくもんは苛つく。

 

 「何故、魔王だからといって殺されなきゃならない?」

 

 「魔王が悪の象徴。つまりいち早く殺すべき相手だからです。」

 

 「俺が何もしていなくてもか?」

 

 「えぇ。あちらにとっては魔王は魔王に変わりないんですから。」

 

 「そうか…」 

 

 確かに魔王は悪役なのかもしれない。だがそんな理由で殺されるのはまっぴらゴメンだ。それに、そんな簡単に勇者が勝つ物語を造ってたまるか。

 

 「決めた、俺は何が何でも生き残る。」

 

 「………そうですか。」

 

 「では早速四天王に襲撃させよう。」

 

 「な、何故だ?」

 

 「魔王になって日数が少なく、部下からの信頼もそんなにないからです」

 

 「うぐっ」

 

 「それに、四天王は曲者揃いです。最近魔王になったばかりのガキンチョの言うことなんて聞くわけ無いでしょう。」

 

 おっしゃるとおりです。はい

 

 「では魔物に襲撃させ─────」

 

 「それも出来ません。」

 

 「一応聞くが何故だ?」

 

 「それなりに強い魔物は基本自由で見つけるのが大変だからです。」

 

 「そうなのか!?」

 

 「はい、四天王まで行くとそうではないんですが、それなりに強い魔物は縄張り意識が薄く、行動範囲もそこそこ広いので見つけるまでが一苦労です。」

 

 「ならどうすれば………」

 

 「まぁ、せいぜい頑張ってください。応援しないで待ってるんで。」

 

 「本当にいい性格してるよ。お前」

 

 「それほどでも」

 

 「嫌味だよ‼」

 

 「知ってます。」

 

 もうヤダこの部下。

 

 「こうなったら最後の手段だ、勇者について行く」

 

 「は?」

 

 「だから、勇者について行って妨害すんの。」

 

 「ついに死にに行きました?」

 

 「違うわ!まぁいい、じゃあまず王国行くぞ。場所はどこだ?」

 

 「あそこです。」

 

 そう言ってアルタイルが示したのは魔王城の窓の外─────そこに見えた、豪華な城だった。

 

 「はぁ!?近ッ!?」

 

 どのくらい近いかというと、海挟んですぐである。

 

 「ちょっと待て、こんだけ近けりゃ相手はいつでも攻めれたよな?」

 

 「それができたらコッチだってとっくの前に攻め込んでますよ。理由は海です。」

 

 「海?」

 

 「はい、入ったら最後必ず生きて帰れないという通称魔の海域です。」

 

 「何それ恐ぇ。」

 

 「というわけで遠回りしないと行けないのです。」

 

 「空飛んで行けないのか?」

 

 「行ったら波に飲み込まれます。」

 

 「恐ぇよ‼」

 

 「それはおいといてさっさと行きましょう。まる二日かかるので。」

 

 「そうだな……………」

 

 そう言って俺は歩き出すのだった。

 

────────────────────────────────────────────── 

 

 「もう、限界だ、キツイ」

 

 「そう、ですね、少しッ、休憩しましょう。」

 

 なかなかどうして、世の中はうまく行かないのである。考えてみればわかることだった。魔王城にずっと引きこもってた二人が、いきなり登山しましょう?答えは簡単だ、無理難題である。 

 

 ヤバい、足に力が入らないッ。 

 

──────その日二人は倒れるように眠りにつき、次の日から筋肉痛でまともに動かない足を引きずって歩くのだった…………。 

 

 

 




 魔王ガイル・クロード

 2代目魔王。見た目は魔族なのにほぼ人間。(通常魔族は角が生えていたり羽根があったりする。
 年齢:不明。
 スキル:不明。
 身長:175くらい 
 黒い髪、黒い瞳。若干痩せている。
 発言がまともな常識人。ただ父親に似てか思い切りはいい。父親と違って体術はあまり得意ではない。父親がバケモンなので若干劣等感を感じてる。(息子も息子で魔法の才能は先代を超えている)
 戦闘スタイルは先代が近接戦闘をしつつ魔法を打っているのに対し、魔法をいくつも同時に重ねて打って威力を底上げするという割と強引なスタイル。ちなみに最大10連発(補助ありだと15連発)。魔法はめちゃくちゃ集中力必要なのでかなりキツイ。先代魔王はそれをできない。

 先代魔王ゼノ・クロード
 初代魔王魔王軍を一ヶ月で大国に匹敵するくらいの武力を揃えたカリスマ性と才能のバケモン(当時120歳。人間年齢だと12歳くらい。)
 享年:839歳人間年齢だと83歳くらい
 スキル:不明
 身長:163くらい
 白髪で赤い瞳頭に二本の角が生えている。魔法は言わずもがな、体術もイケるタイプ。 
 戦闘スタイルは先程も言ったとおり体術での近接戦闘中に相手の胴体に高威力の魔法を打つというスタイル。やられるとかなりウザい。魔法は最大3連発まで可(魔族だとこれが普通)

 予言書アルタイル
 先代魔王の遺産のうちの一つ。主に魔法や身体能力の補助を役割としている。
 年齢:不明
 スキル:不明
 身長:156くらい 
 金髪碧眼全体的にスレンダーなロリっ子。いうべきことはハッキリと言うというタイプ。(それが上司でかなり失礼なことでもオブラートに包まずきっぱり言う。仕事はできるがやれと言われたことしかやらないという難ありな性格をしている。それと、仕事をしているときは真面目だが、そうじゃないときは基本上司もといガイルをイジっでいる。

 このまま廃世の説明します。

 勇者神野 廃世
 二人目の勇者。周りについていけない。
 年齢:24歳
 スキル:『隠密行動S』『多言語翻訳』『鑑定C』『呪耐性A』『毒耐性A』『交渉術B』
 身長:175くらい
 白髪混じりの黒髪、黒い瞳。痩せ型。親の蒸発で大学中退(当時20歳)その一年後会社に就職するも、そこがブラック業者だった。トラックに突っ込まれて死亡。その後気づいたら異世界にいた。本人は気づいていないが実はドSのサイコパス。

 これ書いて薄々思った。もうこれ魔王が主人公でいいんじゃない?って
 
 それと外見の想像は自由にどうぞ。僕も決まったイメージないので(魔物以外)


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感覚麻痺

 はい、なんにも思いつかなかったんで魔王side挟んで考えようかと思ったけど何も思いつきませんでした(笑)なのでおかしいところがあるかもしれません

 さて、いよいよ砂漠に突入!


8話

 

 「あっちー、死ぬ」

 

 「じゃあ脱げや、その服」

 

 「脱がねーよ、てか脱げねーよ。」

 

 と、砂漠に厚着で来たバカが行った。脱げない?なんで?

 

 …そう思ってると、アベルが目線をオールに指す

 

 『ああ、なるほど。女子いるからうかつに脱げないのね。…って、思春期か!お前もう21歳だろ』(アイコンタクト)

 

 『仕方ねーだろ!女の子は慎重に接しろって姉さん達言われてんだよ!』(アイコンタクト)

 

 慎重の意味違うだろそれ。ってそういえばコイツ3人姉いたな!てかなんで僕たちアイコンタクトで会話できんの?

 

 「てか、オレ厚着ってんならここにいる全員そうだろ。」

 

 軽く服装を説明すると、廃世は長ズボンに黒いTシャツ、腰にでかい鉈と数本のナイフを差し、上にローブを羽織っている。アベルは長袖の服の上に赤色で襟がオレンジ色のスーツのようなものの腕のところを切ったようなものをボタンを全部開けて羽織り、やはり腰にデカイ剣を差している。オールはさも魔法使いのような服装をしているそれにクソでかい杖を持っており、なぜかその杖の上に結晶が浮いている。翔真は殺し屋のスーツを想像してくれ。

 そんなこんなで、全員厚着でみんなクソ暑いのである。

 

 「廃世よ、次なる町はまだか?」

 

 「まだまだ全然先ですよ、それに近くにあっても調査がまだの残っているんですから行くのは難しいですね。」

 

 「そういえば私達調査で来てましたね。」

 

 「あぁ、そうか、調査が残ってたな………。」

 

 当たり前だ、じゃなかったらそんなとこ通らな………いや、待て。どっちにしろ行くわ、次の町に行くルートここしかないわけだし。

 

 調査、調査かぁー。やりたかねぇな〜正直。

 

(廃世、それは全員が思ってる。)

 

こいつ直接脳内に…!

 

「ん?」

 

「どした?」

 

「いや、なんかあっちになんか居ない?」

 

「どこだ?」

 

「あそこ。」

 

そこにいたのは、なんか本を砂漠のど真ん中で見ている見た目の年齢は僕のちょっと下くらいの雪山できるの?ってくらい厚着のコートをこの砂漠で着る女の人だった。

 

多分魔族だよな、この様子だと羊みたいな角生えてるし。

 

「…!」

 

あ、気づいた。

 

シュッ!!!!

 

ドーンッ!!!!

 

真上からのド派手な登場。これ人間がやったら足砕けるな。

 

「なんだ!?」

 

「ハッハッハァ!よく来たな、勇者達よ!」

 

いいセリフ、でもね、僕にはわかるよ、それ、台本だよね、なんか棒読みだし、何故か、不自然に砂が盛り上がってると思ったらそこをチラチラ見てるし、多分盛り上がった砂のところに台本置いてるよね?さしずめあれかな?何度も練習したけど不安だから読みながらやってんのかな?

 

「私の名は四天王1柱魔王軍第5位!!!!砂の死姫ハデス!勇者達よ!かかって来なさい!」

 

「まさかの四天王か、みんな、行くぞ!」

 

 

「「おぉー!!!!」」

 

戦うのやだなぁ、やる気出ない。

 

──────四天王、ハデスが現れた。

 

気配隠して後ろから鉈でぶった斬ればいいか。

 

──────廃世は気配を隠した。

 

「私から行きます!"シャイニングブレード"」

 

──────光の剣が現れた。

 

─────ハデスに少しのダメージ。

 

「俺も続ける!!!!はぁ!」

 

 

そろそろ行くか。

 

─────廃世とアベルの合体攻撃。

 

 

─────ハデスにそこそこのダメージ。

 

─────廃世は辻斬りを覚えた

 

お、新しいの覚えた。手応えも結構ある。行けるか?

 

 

「我も続く!!!セイッ!」

 

─────翔真の正拳突き

 

─────ハデスにそこそこのダメージ

 

お、珍しく当てた。

 

「やりますねぇ。ですが無駄無駄!"超再生"!!!!」

 

─────ハデスは結構回復した

 

─────ハデスは全回復した

 

だよなぁーそう上手くいかないよなぁ〜

 

「くっまだまだァー」

 

─────アベルの攻撃

─────ハデスに少しのダメージ

 

「セイッ!」

 

─────翔真の攻撃

 

─────ミス、攻撃は外れた。

 

はぁ〜やっぱ外した。なかなか幸運とは続かないものである。

 

「"シャイニングブレード"」

 

─────光の剣が現れた。

 

─────ハデスに少しのダメージ

 

そろそろかなっと!

 

─────廃世の辻斬り

 

─────ハデスに少しのダメージ

 

やっぱキツイな。

 

「無駄無駄!これでも喰らいなさい!」

 

─────ハデスの全体攻撃

 

─────廃世にきついダメージ

 

─────アベルにきついダメージ

 

─────翔真にきついダメージ

 

─────オールにかなりきついダメージ

 

─────オールは倒れた。

 

「オール!!!!」

 

「クソっ!ウォォォォォォォ!!!!」

 

─────アベルの剣は炎を纏った。

 

─────アベルの攻撃。

 

─────ハデスにそこそこのダメージ

 

ああ、クソ!痛ぇな!オラ!

 

─────廃世の攻撃

 

─────ハデスに少しのダメージ

 

「ハァ!!!!」

 

─────翔真の攻撃

 

─────ハデスに少しのダメージ

 

「無駄無駄無駄ァ!」

 

─────ハデスの全体攻撃

 

─────廃世にきついダメージ

 

─────アベルにきついダメージ

 

─────翔真にきついダメージ

 

─────廃世は倒れた

 

─────アベルは倒れた

 

─────翔真は倒れた

 

─────パーティは全滅した

 

 

────────────────────

 

「おお、死んでしまったか。」

 

「そうだな、親父」

 

「まぁ、いい。今日はゆっくり休め次行くのは明日からで良い。」

 

こうゆうとき、また行くんだって思った僕はおかしいのだろうか。

 

────────────────────

 

「あら?負けてしまったの?」

 

なんか城の廊下1人で歩いていたら話しかけられた。

 

あぁ?なんだっけこの人……………

 

あ、思い出した。アベルの姉の1人だ確か三女のソフィアだったっけ?見た目は赤髪で赤目身長はオールよりちょい高いくらい。髪の長さは大体肩にかかるくらい。年齢は確か僕と同い年。そういえば前々からちょくちょく声はかけられてた。

 

「申し訳ございません。今回に関しては私たちの力不足でした。」

 

「あら?そうかしら?よろしければ助言をして差し上げましょうか?」

 

「助言ですか?」

 

「ええ、そのままちまちまレベルをあげるより良い強化方法を知ってるんです。」

 

「なんですか?それれは」

 

「魔剣の噂です。」

 

「魔剣?」

 

「ええ、なんでも。満月の夜に暗獄の洞窟が現れて、そこに魔剣が存在するとか。」

 

「なるほど。ありがとうございます。」

 

「ええ、それほどでも、ないわよ?//////」

 

今日は満月ちょうどいい。アベル誘って行くか。

 

────────────────────

 

「本当にこんなとこにあんのか?魔剣」

 

「噂だかね、ただ、試す価値はある。」

 

「まさかほんとにあるとはな、暗獄の洞窟」

 

「ああ、それに関しちゃ僕もびっくりだ。」

 

なんか本来座標上存在しなさそうなところを探したらあった。

 

「入って見るか!」

 

「そうだな。」

カチッ

 

ギュゥゥン!!!!

 

─────────────────────

 

「え?」

気づいたら真っ暗な洞窟で1人でいた。

 

え?アベルは?

 

『よく来たな、挑戦者よ。』

 

は?

………僕はまた何かやらかしたのか?




ハデスの種族は羊角族とアンデッド族のハーフです。なので、温度感覚が鈍いので、砂漠にコートを来てても平気です。逆に、雪山に全裸でも大丈夫です。(暑さにも寒さにも異常に強いというだけで、死ぬ時は死にます。)

ちなみに魔王軍のランキングは魔王抜きです。当然魔王が1番強いのでハデスは魔王入れると上から6番目です。後、ランキングの10位から7位は小細工とかすれば実力差は埋まりますが、7位が5位以上のやつと戦おうとするともはや戦いにならないレベル

ちなみにランキングそのものは1〜10位まであり。今名前を出せるのは

10位アルタイル

9位さまようよろい突然変異個体(6話登場)

8位????

7位?????

6位?????

5位ハデス

4位?????

3位?????

2位?????

1位?????

ってところです。こんなに判明してんなら書かなきゃいいのに……って我ながら思います。また判明したらやります。



ちなみに第9位の突然変異個体のさまようよろいに勝ったのは相性です。(突然変異個体と普通のさまようよろいの違い。知能指数、鎧の硬さ、他者の魔力の抵抗値それら含めて大体10倍くらい違う。今の時代にいたらアメリカの特殊部隊1つにギリ勝てる戦力を持ってる。)なので、消してさまようよろいが弱い訳ではありません。ただ単に物理でも魔法でもない『煉獄』に抵抗が全く無かっただけです。最高ランクのSですし

この話書いた時の感想。似合わないことはするべきじゃないと思った。



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魔剣の試練そしてその後

この回で廃世のイカレっぷりが分かります。


9話

 

『我は名もない魔剣なり、我の力を使いたければ、そなたを我に認めさせろ。』

 

なるほど。そう言うことか。

 

「そういえば、アベルはどこに?」

 

『あやつは我にふさわしくない。よって弾いた。』

 

なるほど。確かにアベルにこいつは合わなそうだ。

 

「それで、何すりゃいいの?何すれば君の姿を見れる?」

 

『簡単な話だ。質問に答えてもらう。』

 

「質問ねぇ」

 

『貴様は1度仲間共々死んだのであろう?その時どう思ったのだ?』

 

「何にも?ただ死んだって思っただけだった。特に心が痛むとかはなかったな。」

 

『ほう。では貴様は村人100人と自分の命どちらかしか助けられないならどちらを選ぶ?』

 

「速攻で自分の命を選ぶ。」

 

『たとえその中に貴様の知り合いがいてもか?』

 

「当然。今の…いや、昔から僕は自分が1番さ。自分さえ助かっていればあとはどうでもいい。」

 

  『たとえそれが今洞窟の前で待っているアベルとかいう若造でもか?』

 

  「話し相手がいなくて寂しいとは思う。あと、数日はへこむだろうね。でも数日経てば多分ケロッとしてるよ。」

 

『お前、本当に勇者か?』

 

「これでもね。」

 

『なるほど。では最後の質問だ』

 

 『そんな貴様がなぜ我を求める。』

 

「何も。理由なんてない。」

 

『何?』

 

  「強いて言うならば仕事を果たすために強くなりたい。」

 

『クックックッ。面白い、我が力を使わしてやる。』

 

 「いいんだ。」

 

『どうした?』

 

「いや、断られるかと思って。一応聞くけど。なんで?」

 

『簡単な話よ。貴様に興味が湧いたそれだけよ。』

 

「なるほどね。ところで、名前ないんだっけ?」

 

『そうだが?どうしかしたのか?』

 

「なら僕がつける。よし、君は今日からルースだ。無情はruthless(ルゥースリィス)そこからとってルースだ。」

 

『ほう。無情とな、ではこれから貴様の情報を元に剣を造る少し待っておれ。』

 

辺りが光に照らされ出て来たのは、ブレードのところに赤い血管のような雷のような模様が付いた、真っ黒な剣だった。

 

一応『鑑定』できるか見ておこう。

 

邪剣ルース

 

『身体能力上昇』

 

『耐性無効』

 

『防御貫通』

 

『相手の能力上昇無効』(触れている時限定)

 

お、出来た出来た。

 

うわ、まんま無情。その名にふさわしいな。ってか邪剣なんだね。知ってたけど。邪剣扱う勇者ってそれはそれでどうなんだ?

 

『それは今更と言う奴だろう。100人の村人より自分を優先している時点で勇者としては終わりだ。』

 

ご最もです。

 

てか、わかるんだ心の中

 

『当たり前だ。我と貴様は今魂で繋がった状態。これぐらい息をするよりも簡単だ。』

 

で、いつ帰れんの?

 

『少し待っておれ、今返してやる。ん?これは…………』

 

 「どした?」 

 

────────────────────────────────────────────────────────────────────────────

 「うぉ!ビックリしたー」

 

 『ここは試練の間だ。勇者よ』

 

 「え?でも廃世は?」

 

 『アイツは俺に合わん。それにすでに他の試練を受けているからな。呼びたくても呼べん。』

 

 「そうか、なら俺にも試練を受けさせてくれるのか?」

 

 『その通りだ。』

 

 「何をするんだ?試練ってのは。」

 

 『何、質問にこたえてもらうだけだ』

 

 「なるほどな。」

 

 『貴様は1度仲間共々死んだろ?その時どう思った?』

 

「とても悔しかったよ。今でも思い出すだけであの時何もできなかった自分に腸が煮えくり返る」

 

『へぇ。ではお前は村人100人と自分の命どちらかしか助けられないならどちらを選ぶ?』

 

「どっちもだ。」

 

『は?』

 

「どっちも選ぶ。」

 

 『どうやってだ?』

 

「その状況から抜け出せるくらい俺が強ければいい。」

 

『強欲だな、本当に勇者か?』

 

「勇者だからだ。」

 

『では次の質問だ。もし、自分のせいで人が死んだらどう思う?』

 

「そしたら俺は、それよりも多くの人を助ける。」

 

 『薄情だな割と。』

 

 「そうか?」

 

『まあいい。では最後の質問だ』

 

『お前なぜ俺を求める。』

 

「俺が一人でも多く救い、守れるためだ。」

 

『なるほど。強欲、傲慢ときたか』

 

「悪いか?」

 

 『ハハ。面白い、俺の力を使わしてやる。』

 

 現れたのは真っ白な剣だった。

 

 「お前は今日から聖剣ヘールだ。」

 

 『勝手だな〜しかも自分で聖剣って。』

 

 「さて、もとの場所に戻してくれ」

 

 『ハイハイ』

 

────────────────────────────────────────────────────────────────

 

 お、戻ってきた。

 

 『やはりな。』

 

 やはりって何が?

 

 『いや、先程他の魔剣の気配を感じて、もしやと思ったが、やはり試練を受けていたか。』

 

 なるほどね。

 

 「おーい。アベル平気だった?」

 

 「廃世!戻ってたのか。」

 

 「まぁ、先にね。…その剣は?」

 

 「あぁ、これが俺の魔剣。聖剣ヘールだ。」

 

 へぇ。なら早速鑑定鑑定。

 

 『味方のものに鑑定するのか?貴様の場合どうしてもクソみたいな理由しか浮かばん。』

 

 …これって聞こえないよね?

 

 『基本はな。』

 

 いや、敵に寝返ったとき対策とか立ててんの。

 

 『やはりそうか。何故神はこのようなやつを勇者にしてるのかがわからん。』

 

 まぁいい、気を取り直して鑑定鑑定。

 

 聖剣ヘール

 

 『魔力切断』

 

 『身体能力上昇』

 

 『魔法攻撃耐性付与』

 

 『防御貫通無効付与』

 

 ハハッ僕の天敵かよ。

 

 『我自身が能力を持っているのと違い、そやつは剣が主人に能力を与えるというタイプか』

 

 『魔力切断を持っているな。』

 

 ついでに良かったらそれ教えてくんない?なんか概要見れないし。

 

 『良かろう、何を教えればいい?』

 

 魔力切断だけでいいよ、他はだいたい予想できる。

 

 『魔力切断は一定の確率で刀身に触れた魔力を切断できる。それだけだ。』

 

 エッ、超つえーじゃん。魔力ってことは攻撃魔法とか呪いとか洗脳とか加護とかいろんなものが斬れる、つまり無効化できるってことでしょ?つえーじゃん

 

 『ただその分規制が多い。まず、魔法など魔力を元にする術には核というものがある。』

 

 急にどうした?

 

 『黙って聞け。話をを戻すと、その核を斬ることで魔力を斬るということが事実上可能になる。』

 

 分かりづらいな。

 

 『貴様は注文が多いな、……簡単に例えると魔力が卵、魔法が目玉焼きだとする。』

 

 え?なんで?

 

 『黙って聞け。目玉焼きを作ろうと卵を取ったとき内側の黄身だけが斬られ、フライパンに落としたとき少なくとも目玉焼きではくなる。そういうことだ』

 

 なるほどね。じゃあ無効化ってより無力化に近いのか?

 

 『その通りだ。』

 

 はえー。でもすごいな。

 

 『まぁ、難易度が高いだけでかなり有能ではあるな。』

 

 「おーい、何ボーっとしてんだ?」

 

 あ、いっけね。会話に没頭しすぎた。

 

 「なんにもないよ、ただ少し考え事をしてただけ。」

 

 「そうか?ならいいが」

 

 「さて、そろそろ帰るか。」

 

 「おい、お前の魔剣の名前俺聞いてないぞ!?」

 

 「ルースだよ邪剣ルース」

 

 「邪剣なんだな。」

 

 「使えりゃいいだろ、使えりゃ」

 

 「それもそうだな。」

 

 「さて、気を取り直してもう帰ろう。」

 

 「そうだな。」

 

 こうして、僕の長いようで短い試練が、幕を閉じた。

 

──────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────

 

 「はぁー疲れたぁー」

 

 『大して疲れることはやってない気がするが?』

 

 うっせ。それより、僕剣使ったことないから使えないんだけど。

 

 『よくそれで魔剣の試練を受けに来たな。貴様は』

 

 いや、手に入れんのアベルだけかなぁーって思って

 

 『案ずるな。我が戦闘中に思念でなんとなく剣の型を必要に応じて教えてやる。』

 

 分かった。ならもう寝る。おやすみ

 

 『切り替えが早いな。まぁいい。かまわん寝ろ』

 

 「zzzzz」

 

 『もう寝たのか……』

 

 

 




魔剣とは2つあり、

1つはこの話のやつみたいに最初の契約者の情報から剣を造りその剣に魂を宿すタイプこれは契約者に能力が依存する。

2つ目は元々普通の剣が魂を宿すタイプ。この場合は宿った魂に能力が依存する。

 あと、魔剣は魂を宿した剣のこと。なのでその魂の質で能力が変化する、それが後に邪剣やら聖剣なんていう称号を与えられたりする。後、試練の内容、合格ラインは魔剣の魂の性格よって違う。

 聖剣ヘールの語源は無垢をヘブライ語でタヘールそこからとってヘール。能力の意味としては無垢=邪なことを知らない=特定のことしか知らない=自分の主人の魔力しか知らない=他の魔力を受け付けない。という感じです。実際は少し違うんですが、わかりやすくするとこんな感じです。

 あと基本ヘールはアベル視点のときしか喋りません。あと、聖剣の試練を受けに外出したのはだいたい午後9時くらい。戻ってきたのはその2時間後くらい。


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中二病患者と唯一の正常者

 予定はなかったけど書きたくなった。


10話

 

 私の名前はオールです。私は勇者としてパーティーに入れさせてもらってます。ですが私は一番初めに殺られてしまったので皆に迷惑かけてないか最近不安になりました。でも今更ですけどうちのパーティーって癖強いですよね。アベルさんはともかく廃世さんは普通に強いですし。でもなんか少し怖いというか、底が見えないというか。戦闘中にいきなりいなくなったと思ったら不意打ち決めてるし。サラッと連携とかもできるし。あの人何者?リギルさんは攻撃が当たればだいたいダメージ通りますし。なにげに単体で一番四天王のハデスさんにダメージ与えてたし。……まあ、当たればですけどね。それはともかく、なんか廃世さんとアベルさんが出ていったので私と翔真さんは暇なわけです。

 

 「はぁ〜」

 

 「オールよ、これ強そうじゃないか?」

 

 「なんですか?」

  

 リギルさんは手甲をつけてました。え?でもその手甲って………

 

 「あぁ、こないだの鎧から剥ぎ取った。どうやら持ってはいたが装備はしていなかったから前回では使えなかったが……」

 

 なんで心が読めたんです?まだ声に出してませんよ?

 

 「顔に書いてあった。それだけだ。」

 

 はい、もうツッコミません。

 

 「ところで、それってつけて大丈夫なやつですか?明らかにヤバそうなんですけど………」

 

 「あぁ、だだだだ、大丈夫だ。」

 

 「いや、明らかに大丈夫じゃ……」

 

 ドサッ!

 

 「え?」

 

 なんかいきなりリギルさん倒れたんですけどぉぉぉ!

 

──────────────────────────────────────────────────────

 

 は?ここどこ!?(素の反応)

 

 「ここはお前の精神世界だ。そして俺は鎧の残り火だ。」

 

 そう言ったのは前にアベルが倒した鎧だった

 

 「感謝するよ、お前のおかげでまだ結果的に生きれるんだからな。」

 

 「そう、なのか?でも俺のおかげってどうゆう……」

 

 「何、簡単な話だ、俺は一度死んだが、お前が拾ってくれたおかげで余った力振り絞ってお前に半強制的に契約を結べたんだ、不完全ながらな。」

 

 「不完全?」

 

 「そうだ、まず第一にお前と結んだ契約はあくまで予定を立てただけだ。だから俺の存在が保証されている。」

 

 「なるほど」

 

 「そして、それにも当然期限がある。それは3日だ。3日以内に契約しなければ、俺は消滅し、お前も巻き添えでナニかを失う。」

 

 「そのナニかってのは?」

 

 「それは知らん。」

 

 「というか、何故我はそれに巻き添えにされるんだ?」←平常運転に戻った

 

 「契約を結んだ際あまりにも強引すぎてお前の魂一部取り込んじまった。」

 

 「おい!?」

 

 「しかも俺とお前は魂の相性がいいらしくすぐに馴染んだよ。おかげで俺がお前のかけたぶん補うしかなくなっちまって、おかげで俺が消滅したら補った分が無くなるからお前はもしかしたら狂っちまうかもしれない。」

 

 「ぶん殴っていいか?」

 

 「やりたきゃやれ」

 

 ブンッ!

 

 スカッ!

 

 「ぷっwww」

 

 「クッ!」  

 

 「まぁいい、本題だ。俺とやることは一つ決闘だ。」

 

 「決闘?なるほどわかりやすい。つまり勝ったほうが優先的に契約を結べる。そうゆうことだな?」

 

 「あぁ、そうだ。安心しろ、今の俺はかなり弱体化してる。今のお前でも当てれば勝てるよ。」

 

 「ッハ。簡単だな」

 

─────────数分後

 

 (ぜ、全然当たんねぇ。)

 

 あらからずっと打ち込んでるでも全然当たらない。どのくらいかというと、もはやすり抜けてるんじゃないかなってレベル。

 

 「さ、て、と、そろそろ反撃」

 

 ドゴォ!

 

 「グフッ!」

 

 お、重い弱体化しているとはいえ、ここまで重いのか…!

 

 「ぜ、全然きかんな、ご自慢の剣用意したほうがいいんじゃないか?」

 

 「嘘付け痩我慢。このくらいで倒れるとは思ってないが、それなりには食らったはずだぞ?あと、自慢の剣は使えねぇよ、剣は当然だが、剣は装備で俺の肉体?の中には入ってないからな。」

 

 いや、皮肉だよ。何普通に答えちゃってんの。

 

 「さて、もう一発!」

 

 考えろ、何でもいいから考えろ。………そうだ!

 

 シュッ!

 

 「ホォ、避けるか」

 

 よし、体勢崩れた。このまま顎に打ち込む!

 

 ドゴォ!

 

 「カハッ!」

 

 「やったか!」

 

 「クク、いいねぇ。カウンターか」

 

 「オラッ!」

 

 「すかさず追撃か、懲りないねぇ…なんて言うと思ったか?」

 

 ブンッ!

 

 「危ね」

 

 スカッ!

 

 「ッチ!」

 

 油断してると思ったのに!

 

 「残念、油断なんかしないさ、なんせ一回油断して死んでるかならな!」

 

 ブンッ!

 

 

 スカッ!

 

 「オラッ!」

 

 ブンッ!

 

 「二度目も同じ手食らうかよ!」

 

 スカッ!

 

 クソ、ハズレた!仕方がない、スキルを手に入れてから薄々できるんではないかと思っていたが勇気がなくて使えなかったあの技を使うしかない!

 

 「食らえ!」

 

 イメージしろ、そうだ、小学校のとき見てたアクションゲームの技をイメージしろ。

 

 ブンッ!

 

 スカッ!

 

 「は?」

 

 その時、姿が消えた。いや、姿が見えなかった。

 

 「まさか……」

 

 「ああ、そのまさかだ。」

 

 足を掴んでむりやり投げる!

 

 ドシャ!

 

 体制崩した、このまま馬乗りになってボコボコにする。

 

 「オラッ!」

 

 ボゥ!

 

 その時いきなり俺は吹っ飛ばされた。

 

 「このっ!」

 

 「あ~勘違いすんな今のは俺じゃない。儀式が終わった合図だ。」

 

 「合図?」

 

 「ああ、つまり、お前の勝ちだ。」

 

 「よっしゃぁぁぁぁぁぁ!」

 

 「契約の順位お前が上で決まった。」

 

 「契約の順位って何だ?」

 

 「簡単に言うと、俺はお前の命令に基本的に従うってこと。」

 

 「なるほど。もう戻っていいか?」

 

 「いいぞ別に。」

 

──────────────────────────────

 

 「やっと戻って来ましたね!?心配させないでください!」

 

 「ぬ、すまん」

 

 「分かったらいいんですよ。さ、行きましょ国王様が待ってます。」

 

 「え?」

 

─────────────────────────────── 

 

 「よく来たな、二人とも………おや?その手甲は?」

 

 「我の新しい武器だ」

 

 「左様か、ならばちょうどよい。…………オールよ、お主伝説の杖が欲しくないか?」

 

 「え?まぁ、あればほしいですけど………」

 

 「何、アベルと廃世が魔剣を取りに行くというので提案しただけだ。リギルはどうすればいいか考えていたが、すでに自分で見つけたようだ。どうだ?ほしくないか?」

 

 「欲しいです!」

 

 「ならわかった。持ってこい」

 

 そう言って出てきたのは灰色でその上に赤い宝石が浮いてる杖でした。

 

 「これは?」

 

 「それは国宝アーシュ。使いこなせるかどうかはお主次第だ。」

 

 「あ、ありがとうございます!」

 

 「もう下がって良いぞ」

 

 「「はい!」」

 

────────────────────────────────── 

 

 そういえば、何故傷が無いんだ?あれだけぼろぼろだったのに

 

 『簡単な話だ、精神世界だからだ。というか、じゃなかったら俺もお前を殺そうとしない。』

 

 それもそうか。

 

 『全く、鋭いのか鈍いのかはっきりしてくれ。』

 

 お、二人とも帰ってきたではないか。

 

 『人の話を……いや、俺が言えた義理ではないな』

 

 

 二人にお帰りを言いにリビングにいたらいなかったので、もしやと思い二人の部屋を見に行ったらすでに二人は自分の部屋ベッドで爆睡していた。

 

 これは疲れていたとはいえ、かなり早くないか?!移動速度とかも速すぎる!それに足音とか一切しなかったぞ!?

 

 『これは俺でも驚くぞ。どうやってここに来たんだ?』

 

 まぁいいか、我も部屋戻って寝よ。

 

 いざ部屋に戻ってベッドに入っていたら思いの外疲れてたのかすぐに眠くなっていった。

 

 『そりゃあ精神世界とはいえあんだけボコボコにされたらそうなるだろ。』

 

 そうゆうものなのか?まぁいいか、寝てしまおう。

 

 「おやすみ」

 

 そう言って我は意識を少しずつ落としていった……………

  




登場人物の異常度(1から10まで)

廃世異常度10
 人間のゴミ。異世界転生するべきでなかったクズ

アベル異常度7
 結構異常

オール異常度0
 数少ない正常者

翔真異常度5
 これは言わずもがなでもこれでも低い方。素だと一人称が俺になる

魔王異常度1
 普通に常識人

アルタイル異常度3
 意外と低い

──────────────────────────────────

 手甲リベリオン

 『半自動攻撃』…勝手に標準合わせてくれる。←命中率アップ

 『自動装甲展開』…防御体勢に入ったとき装甲を一部展開する。←防御力アップ

 『強者の気迫』…相手レベルが所有者より一定以上低い場合一定上の確率で怯ませる

 『魔法攻撃半減』…魔法の威力を半減させる。

 語源…反逆を英語で言ったやつをそのまんま

──────────────────────────────────────

 国宝アーシュ

 『魔法攻撃射程増加』…魔法の射程距離が伸びる

 『MP増量』…MPの最大値が増える。

 『MP自動回復』…MPが一定時間で一定の量回復する

 『魔法融合』魔法同士を融合し放つことができる。お互いの属性の相性が良ければいいほど威力が増し、逆に悪ければその分下がる。

 語源…灰を英語で言ったやつを若干濁らせて。


 ちなみに主人公のパーティーは皆同じ家に住んでてそれは城のすぐ近くです。(何なら国王の持ってる土地の敷地内にある)

 最初のシーンがリビングちなみにリビングの他に4つ部屋があり。アベルと廃世が同じ部屋、オールと翔真にはそれぞれ人部屋ずつあります。


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部下と環境が胃の大敵(魔王side)

 前回で結構気に入った魔王side。
 ……魔王が主人公の番外編でも書こうかな…。

 苗字がないという設定消しました。すみません、こんな設定あったなってこと忘れてました。


11話

 

 「ハァハァ、やっと…やっと町か…」

 

 「そ、そう…ですね。」

 

 俺たちは丸三日かけてやっと朽ちた大地の手前の町まで行けた。なかなか…いや、少なくとも引きこもりにはかなりキツイ旅路だった………。まる二日じゃないのかよ!?

 

 「普通で…あればです。」

 

 「おま…お前に…とって…普通って、どのへんだよぉ。」

 

 「わか、わかりませんが、少なくとも…先代ほど身体能力があれば…まる二日です」

 

 あんなバカみたいな身体能力持ち合わせてるわけねぇだろぉ、おい

 

 「ちな、ちなみに。あとどのくらい、掛かりそうだ?」

 

 「こ、このままですと、あと最低でも2日です。」

 

 「そ、そうっ、か。」

 

 「お待ちしていました。ガイr…魔王様」

 

 迎えてくれたのは、魔王軍第一位で、魔王側近かつ魔王代理の魔族……名をアイン・プロクスィ

 

──────────────────────────────────────────

 

 とりあえず町に入って休んだ。

 

 「すまないな、出迎えてもらって。」

 

 「いえいえ、それほどでも」

 

 何故お前が言う。

 

 「魔王様、長旅ご苦労さまです。」

 

 なぜだろう。これが当たり前の対応なのに、急に目頭が熱くなってきた。

 

 「ありがとうっ。」

 

 心のそこからそう思った。むしろ思いすぎて泣きそうだった。俺の隣には、いつもクソみたいな部下しかいないから。……そう考えると無茶苦茶ムカついてきた。

 

 「なんで泣きそうなんですか?(笑)」

 

 笑ってんじゃねぇ?!お前のせいだろ!

 

 「それはともかく、ここは民家だろう?それに小さいとはいえ人間の集落だ、入って大丈夫か?」

 

 「心配なさらず、ここは四天王のハデスが管理していますゆえ、特に魔族が入っても問題はありません。」

 

 「そうか、ならいいんだが。」

 

 相変わらずしっかりしてるな、さすがあの親父という問題児がいる魔王軍をしっかりまとめた男。感心どころか尊敬しそうである。

 

 「それはさておき、もう寝ますよ。私は」

 

 「そうか…おやすみ」

 

 「はい、夜ふかしは肌の天敵なので」

 

 「聞いてねぇ!」

 

 「嘘ですけどね。私人間に近い構造してますけど、かなり頑丈なので、ちょっとやそっとの夜ふかししても肌荒れません。」

 

 「もっと聞いてねぇ!」

 

 クソッ、調子が狂う!

 

 「では、おやすみなさい。」

 

 バタン

 

 「仲がよろしいんですね。」

 

 「なぜだ?」

 

 「少なくとも先代のときはあんなふうに冗談言ったりしませんからね。彼女」

 

 「ならそっちのが断然良かったよ。」

 

 これは本心。

 

 「まあ、そう言わず。…………ところで、事情は聞いていますが、これからの具体的な計画などはあるんですか?」

 

 「あるにはあるが……………」

 

 「なるほど、不測の事態が多いと。」

 

 「うぐっ」

 

 そのとおりだから何も言えねぇ!

 事実、そうなのだ不測の事態が多いいや、むしろ不測の事態しかないと言っても過言では無い。

 なぜかって?簡単だ、俺は経験皆無だし。アルタイルはその直前まで未来見えないし。データを元に予測できるけどそれ親父のデータだし、書き換えはもう少し時間かかるらしい、これに関しては攻める気はない。

 

 「では、このアイン、魔王様の旅を影でサポートいたします。」

 

 「そうしてくれ、ぜひ」

 

 「承知しました。」

 

 「だが、お前人間の集落に入って大丈夫か?」

 

 「安心してください。私がやるのはあくまでもサポートで、それ以上は致しません。過保護は魔王様の成長に繋がりませんしね。」

 

 何故だろう、泣きそうになってきた。

 

 「ところで、真面目な話に戻りましょう。」

 

 「な、何だ?」

 

 突如張り詰めた真面目な空気に俺も少し乗るのが遅れた。

 

 「さまようよろい─────もとい、カニスが殺られました」

 

 「何?」

 

 会ったことはないが、噂だけは聞いたことがある。突如現れ、生まれたばかりでありながら当時の魔王軍第9位を殺害し、四天王まであと一歩というところまで上り詰めたあのカニスが?

 

 「信じられないな………」

 

 「ですが本当です。実際に見てきました。」

 

 「ちなみに何で殺られた?」

 

 「炎で焼かれたあとがありました。あの様子だと、魔法ではないですが……」

 

 「なるほど、一切わからないと。……それで、遺体はどうした?」

 

 「埋めました、ですが、何故か手甲の部分だけ欠損していて………」

 

 「手甲?!な、何故だ?!」

 

 「魔王様、気持ちはわかりますが少し抑えてください。」

 

 「ソ、そうだな、スマン」

 

 あまりにもよくわからん部分が欠損していたので少し驚いた。……おそらくそれをとったやつは相当の馬鹿だろう。乗っ取られる可能性を考慮してないからな。

 

─────────────────────────────────

 その頃違う場所。

 

 「クシュン!」

 

 『どうかしたか?』

 

 「いや、急に鼻が痒くなって……」

 

 『それはいいが、俺にはかけんなよ。』

 

 「ああ、分かってる。錆びても困るしな」

 

 『いや、そんなかんたんに錆びやしないが気持ち悪いから気をつけろ』

 

 「ド正論だな…………。」

 

───────────────────────────────

 

 「ところで、もう遅いです。魔王様。失礼ながら、もう寝たほうがよろしいかと。」

 

 「そうだな………」

 

 そういえば、もうそんな時間か。

 

───────────────────────────────

 

 ああ、よく寝た。最近野宿だったからよく寝れた。

 

 「ベッドと毛布は素晴らしい発明だと思いました。」

 

 「それに関しては同意だ。」

 

 珍しく意見が合った。きっと普段だったら突っ込んでるような気がしなくもないが、今の俺にはそんなことできない。だって、ベッドと毛布の心地よさを久々に味わったから。

 

 「魔王様、朝食の用意ができました。」

 

 「あぁ、すまないな。」

 

 「……………………。」 

 

 「……………………。」

 

 「どうしたのですか?魔王様。」

 

 「いや、うーん」

 

 出されたのは料理?だよな?なぜ疑問系かというと、単純に料理とは言い難い見た目をしていたからだ。

 

 「結構美味しいですよ?」

 

 「ちょっと待っててくれ。」

 

 「?承知しました。」

 

 「おい、どういうことだあれ」注︰違う部屋に移動した。

 

 「どういうって、朝食でしょう。………少なくとも彼にとっては。」

 

 「あれ食べても大丈夫か?」

 

 「味覚的なものですか?それとも体ですか?」

 

 「どっちもだ。」

 

 「体は大丈夫です。なんともありません。」

 

 「本当か!?」

 

 「ええ、上位魔族であれば大丈夫です。」

 

 「ちなみに食べるのが人間なら………」

 

 「死ぬほどひどい食中毒になります。」

 

 「てことは味は…………」

 

 「おそらく口に入れた瞬間気絶するかと。」

 

 「そんなに!?」

 

 「ええ、現に先代魔王様はアインには絶対に料理を作らせるなと言ってました。何なら泣きながら土下座すらしてました。」

 

 「マジか……」

 

 親父の土下座なんてたくさん見たが、泣きながらは初めてだ……

 

 「さっさと出発すれば関係ないですけどね。」

 

 「ダメだ、それだけは」

 

 「……何故です?」

 

 「作ってくれた本人に悪いだろう。」

 

 「魔王なのにそこ気にします?普通……」

 

 「親父に出されたものは血反吐はいても全部食えと習っている。」

 

 「そういえばそんな事言ってましたね………」

 

 「もう流石に行って食ってくる。お前はどうする?」

 

 「私も付き合いますよ。」

 

 「ありがとう。」

 

 コイツ、普段はムカつくけどこういうときは普通にいいやつなんだよな。

 

 「待たせたな、アイン」←戻ってきた

 

 「食欲がないのであれば無理しなくてもいいですよ?」

 

 食欲なんて湧くわけ無いだろう。こんな見た目だし。始めてみたよ?紫色でブクブクいってる料理。3つある内パン以外全部液体だし。残り2つはおんなじ見た目で分かりづらいな。料理名すらわからん。聞けばいいって?本人に失礼だろ。絶対に嫌そうな感じを感じ取りそうだからな!アインは。なんでこいつこんなに有能なの!?親父がアインに料理作らせない気持ちが心底わかる。味覚的にも精神的にもきついからな!

 

 「「いただきます。」」

 

 口に入れた直後、舌の上で味の戦争が起きてると思った。あらゆる味が舌の上で暴れまわり、こんがらがる。しかもどれもきつい味付けでそれがとてつもない不調和音を奏でてる。よくわからん味だがこれだけは言える。これは生物が食っていいものじゃない。

 

 俺は吐きそうになるのをこらえながらかっこみ、全部を拒絶反応と戦いながらようやくの思いで飲み込む。そしてパンに貪りついた。ああ、パンってこんなにうまかったんだな……。

 

 「「ごっ、ごチソ、ウサマデシタ」」

 

 どうやらアルタイルも全部食べたようだ。ああ、限界だ。

 

 バタン!!

 

 ──────────俺たちは起きたばかりというのに、また意識を落とした。

 

 「魔王様?!アルタイル?!」

 

 




 アイン・プロクスィ
 年齢:不明
 スキル:不明
 身長180くらい
 肩書き︰魔王軍第一位、魔王側近、魔王代理
 髪の色は白、目の色は金色。背中にちっちゃい羽がある。見た目20代後半のイケメン。強さで成り上がった先代のサポート役、というか、実質この人が魔王軍の要だった。先代は強さとカリスマ性だけで成り上がったので学がなく、金銭感覚も全くなかった。そのため、ルート整備、資金調達、資金管理、情報収集は全てこの人持ち。ちなみに先代と出会ったのは割と最近(魔族感覚なので人間感覚だとかなり長い)ちなみにガイルの小さいときの教育係。そのため、その時の癖でガイル様と言いそうそうになるときがある。魔王には基本従順。ガイルにもそれは変わらない(てかそれが普通)つまりガイルの周りにいる数少ない心の洗浄剤。実は新婚。奥さんも当然美女(出す予定はまだない)戦闘スタイルは不明。先代と違い部下の名前をほぼ全員覚えてる。料理はクソド下手しかも味音痴だから気づけない。なお奥さんは料理の腕は普通

 元さまようよろい(突然変異体)現リベリオンの元の名前がカニスだった。

 ………なんか最近リベリオンの過去をずっと持ち上げてる気がする。魔王sideってなんかコメディっぽくなるんだよなぁー


 注︰魔王軍ランキングは10位〜6位までは適当、だって状況次第で勝てるから。だから権力にほぼ差はない、なので基本的に10位〜6位までなら移動しようとしない。ただ、5位〜1位になってくると、強さが明確になってきて、上に上がるたびに権力も上がる。なお、ランキングは魔王軍内で正式に決戦し、下位のものが敗北を認めた場合ランキングは変わらず、上位のものが敗北を認めた場合は上位のものと、下位の者のランキングが入れ替わる。(リベリオンの場合は異例。産まれたてでハイになってうっかり近くにいた当時第9位殺ちゃってそれを知った先代魔王が魔王軍第9位としてスカウトした。ちなみに拒否したら鉄くずになってた。)


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再戦!

 最近方向性がわからなくなってきている気がする


12話

 

 やっと、やっとダァ。あの四天王の復讐の時だぁ。ヒャッヒャツヒャァー!

  

 

 ………まぁ、冗談だけどさ。復讐したいとかは思わない、泣きっ面見て見たいとは思うけど。

 

 あと、前も言ったんだけど…あっつい。すげー暑いローブ脱ぎたいくらい暑い。脱いだら戦闘の直前に着ないといけないからめんどくさくてしないけど。

 

 そういえば、なんで翔真くんはチートキャラになってんの?あの鎧から手甲剥ぎ取ったって知ったときは馬鹿じゃねぇのコイツって思ったけど、まさかの乗っ取られずに服従させてるとは……

 

 『あれは我でも驚いた、カニス…いや、リベリオンと言うべきか。どちらにしろ、アイツが人間に服従するとはな。』

 

 あの鎧の名前カニスって言うんだ…………

 

 『知らなかったのか?いや、知らんはずか。』

 

 細かいことはいいとして、とにかく暑い。

 

 『汗を我につけるなよ気持ち悪いし錆びても困る。』

 

 

 君って錆びたらどうなんの?

 

 『切れ味が悪くなるな、当然のことだが。』

 

 喋れなくなるのかと思った。

 

 『剣そのものが折れたりしなければ喋ることはできる。』

 

 ちなみに会話ができる範囲とかあんの?

 

 『あるぞ、我から半径5メートル以内から出ると会話ができなくなる。』

 

 へ〜、なるほどな〜

 

 「おい、何ぼーっとしてんだ?」

 

 「悪い、少しルースと世間話をしてた。」

 

 「そか、てっきり暑さでイカれたのかと思って心配したぞ?」

 

 「そうなりそうなくらい暑いからなー、突っ込めねぇ」

 

 「うむ、その通りであるな」

 

 「てゆうか、私以外皆武器と話せますよね?」

 

 「「「そうだ(である)な。」」」

 

 ハモりましたねぇー 

 

 「皆さんズルいです。何でいつも私だけ……」

 

 「「「いや、話せないほうがいいときもあるぞ。」」」

 

 またハモった。きょう珍しい日だなぁー

 

 「そうなんですか?」

 

 「そうだ、たまに関係ないこと話すときあるし。」

 

 「うちはそれないな。」

 

 「うむ、我もないぞ。」

 

 「あれぇ?!」

 

 「ただ、そうであるな、冗談とかジョークとかに真面目に答えられると少し気まずいな。」

 

 「それもうちはないな。」

 

 「俺もない。」

 

 「本当か?」

 

 ていうか、意外…というよりシュールだな。あの鎧がジョーク答えるシーンって。

 

 「ああ、でも。いきなり話しかけられるとやっぱりビックリするな。日常ではいいんだが、戦闘中だと気が紛れそうで少し怖い。」

 

 「「あぁ〜よくあるやつ(だな)。」」

 

 

 「………それはよくあることなんですね。それより、やはり人も武器も性格違うんですね。」

 

 そう言われてみれば、そうだな。

 

 『あたり前だ、それに性格が全て同じだったらつまらんだろ。』

 

 ま、そうだな。人間違うから観察のするかいがあるってもんだ。同じなら観察する必要なんかないし、そもそも観察するって考えにもいたならい。科学や技術なんかも発展しない可能性も十分にある。…………ま、同じだったら言語も同じだからそれはそれで楽だが。

 

 「それはそうと、まだつかないのか?さっさとリベンジ済ませたいんだが。暑いし」

 

 「我も探している。だが見つからんのだ。」

 

 「なかなか見つからないですねぇ、さすが四天王。隠れるのが上手いです。」

 

 いや、そこにいるんだよ。みんな気づかないだけで。ただ、声かけづらいんだよなぁ。だからみんな。はよ気づけ。

 

 『他人任せだな。教えてやればいいだろ。』

 

 ヤダね。何なら素通りしたいし、シンプルに教えるのがめんどい。

 

 『やはり貴様はそのようなことを言うと思っていた。』

 

 恐縮です。部長。

 

 『褒めてないが……あと部長とはなんだ!?』

 

 知ってるよ。褒めてないのは

 

 『いや、部長について教えろ、まず。』

 

 めんどいからヤダ。

 

 『貴様だんだん我の対応雑になってないか!?』

 

 そんなことないですよ〜、部長。

 

 『だからそれはなんだぁ!』

 

 ふぅ、おちょくるのはもういいとして。そろそろだよな?

 

 『人を勝手にッ………まぁいい。そうだな、そろそろだな。』 

 

 シュッ!!!

 

 

 ドーンッ‼!

 

 「また来ましたね!勇者達よ‼」

 

 ……相変わらず台本だなぁー、もしかして予め作っていたのではないだろうか。だとしたら相当真面目だなぁー

 

 『お前、随分余裕だな。戦闘中にこんな余計なこと考えてるやつはおそらく相当少ないぞ。』

 

 そんなこと言われてもなぁー。………ま、いいや。いつもどうり隠れて不意打ちでいいか。

 

 『………普通に卑怯だな。』

 

 それ承知できたんじゃないんですかい?アンタは。

 

 『その通りだな。』

 

 ───────廃世は、気配を隠した。

 

 「行きます!"オーブシールド"!」

 

 ─────光の盾が現れた。

 

 「行くぞぉ!オラァ!」

 

 ────アベルの攻撃

 

 「ッ!なんのこれしき!」

 

 ──────ハデスに少しのダメージ

 

 「セイッ!」

 

 ──────翔真の攻撃

 

 「クッ!」

 

 ──────ハデスにそこそこのダメージ。

 

 お〜攻撃当たるようになってるじゃん。

 

 ……そろそろかな。

 

 ──────廃世の攻撃

 

 「まだまだぁ!」

 

 ─────ハデスに少しのダメージ

 

 なるほど前にも思ったが、食らってはいるがあまり効いてない。硬いってよりHPが果てしない感じだ

 

 『恐らくアンデッドなんだろう。だが、だとしてもこれほどは異常だ。考えられるのは他の種族と混ざって濃くなったか。』

 

 そんなことあんの?

 

 『その種族同士の相性が良ければな。魔法融合と同じだ。』

 

 あの見た目じゃ、多分羊角族も混ざってるだよな?

 

 『そうだな。確か、羊角族は冥府が見えると言う、それで相性が良いのか。』

 

 ハェー、面白いなぁ、そうゆうの。今度実験データでも取っとくか?

 

 『貴様の場合本当にやりそうで少し怖いんだが。』

 

 嘘嘘、だってデータ取る対象いねぇし。

 

 『いたらやるんだな…………。』

 

 「無駄です!超・再・生‼」

 

 ───────ハデスは超再生を使った。

 

 ───────ハデスは全回復した。

 

 うわぁーすげー厄介どうしようかね。

 

 『袈裟斬りじゃなくて輪切りにでもしたらどうだ?』

 

 太刀筋変えてもあんま意味なくね?

 

 『もうなんでもいいからやってみろ話はそれからだ(対応に疲れたのでやけくそ気味)』

 

 じゃ、遠慮なく

 

 ────────廃世の攻撃

 

 「あなたの影の薄さはもう慣れました!」

 

 スカッ! 

 

 ────────廃世の攻撃はハズレた

 

 やべっ────

 

 ────────ハデスのカウンター

 

 ────────廃世結構なダメージ。

 

 は?  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      

 

 殴られたのか?今

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 は?

 

 

 

 

 

 

 

 

 ?????????

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 潰す!潰す!潰す!潰す!潰す!

 

 「へ?」

 

 僕のは即座にハデスを押し倒し、馬乗りになって殴り続ける。

 

 「このッ、クソがァッ!、今までッ、我慢してきたのによぉ!、クソッ、クソッ、クソォォォォォォ!!!!!」

 

 (((うわぁ。)))←ドン引き

 

 『『『うわぁ。これは…流石に。』』』←ドン引き

 

 ──────30分後

 

 ──────ハデスを倒した。

 

 ふぅ、スッキリした。

 

 あれ?なんでみんな距離取ってんの?

 

 『自分で考えろ。我も思うが、あれは流石に無い。ありえない。』

 

 「頼む………俺にお前を仲間に入れたことを後悔させないでくれ。」

 

 なんでみんな首縦にふってんの?

 

 「そういえば、ハデスはどうなったのだ?」

 

 「なんか砂ん中に消えたよ?運よか生きてんじゃない?」

 

 (((なんかすげぇ悪役っぽい。この人。)))

 

 『お前…………イカれてるとは知っていたが、ここまでとは思っていなかった。』

 

 「お前、なんかアイツに恨みでもあんのか?」

 

 「いや、全然。」

 

 「そうか…………。」

 

 何故かその後、みんな口を聞かなくなった。

 

 ─────その頃のハデス

 

 「ま、まさかあんなイカれた人間がいたなんてッ!」

 

 「でも、あれはあれで………なんかいい。」

 

 「////」

 

 新たな可能性の扉を開いたハデスであった。

 

 ─────────────────────

 

 「ックシュン!」

 

 『どうかしたのか?』

 

 いや、なんか悪寒を感じた。

 

 『そうか………………。』

 

 なあ、なんでみんな引いてんの?行くときにぎやかだったのに。

 

 『………………。』

 

 なあ、おいって!

 

 ─────────なぜだかその日、誰も口を聞いてくれなかった………。




 魔法の名前が出てこねぇ。だからいつも適当になる。アドバイス、カモン。まじで猫の手も借りたい。

 魔族の補足

 アンデッド……空気中の魔力を何らかの方法で取り込んだ死体。死体の状態にもよるけそんなにグロくない。あとそんな腐ってない。せいぜい顔色が生きてると思えないくらい悪い程度。状態を例えるなら脳死の延長線。なので、大抵が生きてた頃の行動をなぞることしかできない。その他の特徴は本編でも説明した通りHPが多い。それと魔力に抵抗があり、ちょっとやそっとの魔法じゃダメージがほぼ無い。あと暑い寒しの感覚がイカれてるため雪山で素っ裸でも平気。(ただし、溶岩に落としたら当然のごとく一瞬で焼け死ぬ)なお、突然変異個体が存在し、その個体の殆どが自我を持っている。ただし、自我を持つ個体は自我を持つ代償か、生前の記憶、性格が反映されない。なのでどちらにしろアンデッドになったやつは死んだも同然。それに加え、突然変異個体は従来型より再生力が段違いに高い高い。ただし、自分の意志で再生をコントロールしないといけないため、それをやる前に倒せば問題なし。………そんなことできるやつはほとんどいないが。ちなみに、頭吹っ飛んだ場合は自動で回復してくれる。ちなみに、突然変異個体の子孫は皆突然変異個体になる。ハデスは父親がアンデッドの突然変異個体だった。なお、従来型の場合はそもそも肉体の機能が生きるために最低限のものしか機能しないので子孫を残せない。(なお、飲食は必要ない様子。)

 羊角族………見た目は人間に羊の角が生えた感じ。悪魔の子孫と言われており(諸説あり)、死者の魂が見えるらしい(冥府が見えるといったのはそれが理由。他にもそう言ったほうがかっこいいといった作者の個人的な理由もなきにしもあらず………)謎が多い種族であり、(というより魔族そのものが謎だらけ。)意外と頭いい人がたくさんいる種族でもある。魔族の中でも比較的に友好的な方。ただし、詐欺師もそこそこ多い種族で、少なくとも人前に出てるのはほぼ詐欺師であり、あらゆる国の上層部に信用されてない。

 廃世………けっこうキレやすい、タイミングがわかれば我慢できるけどわからないとブチ切れる。その怒りはコマンドを順番でやるという小説内の絶対的な概念を否定するほど。

 ハデス………適応力が高すぎたがゆえに廃世の逆鱗をベタベタ触った悲しき存在。まともなキャラの予定だったのに作者が面白いという理由だけで異常者になっだ存在でもある。


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反省会(三人称視点)

気を取り直していきまーす。


13話  

 

 朽ちた大地でハデスを倒した後、調査で見に来た町の宿に泊まり、廃世除く3人が会議をしていた…………。(廃世本人は寝た)

 

 「今回の議題は言わずもがな、そこで寝ている廃世さんのことです…………。」

 

 「うん、あれは流石に…………………。」

 

 「ですね………………。」

 

 「あいつは絶対にブチギレしては行けないタイプだと思った瞬間でもあったな。」

 

 「そうです。なので、これから廃世さんの逆鱗考察しないといけません。そのための会議です。意見は?」

 

 「「ありません。」」

 

 「ですよね………………。」

 

 「当たり前だ、あんなの見たら人によってはトラウマになるぞあの変わりよう。」

 

 「あれは勝った気がしなかった。むしろ罪悪感に襲われた。」

 

 「zzzzz。」

 

「にしてもよく寝てんなぁ、コイツ。」

 

 「あはは。」

 

 「まあ、話を本題に戻して、早速言動などから考察を立てようではないか。」

 

 「賛成ー。」

 

 「意義なし。」

 

 「我慢していたと言っていたな、ということは、いつもキレるの耐えてたということか?」

 

 『我慢してる分キレると凄いっやつか?』 

 

 「我慢してる分キレると凄いっやつか?」

 

 珍しい組み合わせが同じことを言う。だが本人にとっては内側と外側

 

 「同じことを言うな、紛らわしいではないか。」

 

 「「??? 」」 

 

 「こちらの話だ。」

 

 「まぁ、リギルさんの立てた考察のほうが現実的ですね。」

 

 「そうか?あいつそんなふうには感じなかったけどな〜」

 

 「そう言われてみればそうですね…………。でも、廃世さん割と嘘つくのうまいと思いますよ?」

 

 『性格も意外と悪そうだよな〜。腹黒そうだし。』

 

 「君は黙ってなさい。ややこしくなるから。」

 

 「「????」」

 

 「いや、大丈夫、こっちの話だ。」

 

 「なるほどな。」←察した

 

 「そう、なんですね?」←ちょっとピンときてない

 

 「zzzz。」

 

 「しっかしよく寝るなこいつ。」←コイツ人のこと言えない

 

 「あはは………」←苦笑い

 

 「いいではないか、それくらい。それより、我はもう寝る。」

 

 「そうだな、俺も眠たくなってきた。そろそろ寝るか。」

 

 「ですね。」

 

 こうして、全員は眠りについた─────────────

 

 が、

 

 ドゴォォォン!!!!

 

 「「「!?!?!?!?!?」」」

 

 「ヴァー‼」

 

 そこにいたのはアンデッドだったそれもざっと50体くらいの

 

 次の瞬間廃世を除いた全員が全力で馬車のある場所に向かって走った。(本人まだ寝てる。)

 

 「ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!」

 

 「なななななッ何故あんな数が!?」

 

 普通なら当然出る疑問を翔真が言う。

 

 『恐らく町で飼ってたか、それともあのハデスって奴が管理してたんだろう。それくらいしか考えれん』

 

 動揺している翔真とは対象的に、リベリオンが冷静な回答をする。

 

 「冷静な解説ありがとう。だが助けてはくれないのか?」

 

 『いや、無理だろ、あの数は。魔物時代の俺でもきついぞ。』

 

 「マジかよ…………。」←素

 

 それを聞いたとき、普通に絶望した翔真。

 

 「なぁ、あれなんとかなんねぇ?」

 

 そんな翔真の会話からなんにも察せなかったアベルが自らの魔剣に話しかける。

 

 『今の会話の雰囲気で察せ!あいつでも無理なら出来ねぇよ!』

 

 「マジかよ………………。」

 

 『全くおんなじこと言ってんじゃねぇ!?テメェが死んだら誰が俺使うんだボケェ、さっさと逃げろぉ!』

 

 「うわ、口悪ぃな、聖剣なのに。」

 

 『テメェが勝手に聖剣にしたんだろうボケェ!』

 

 「そうなの?」

 

 『そうだよ!ってか、廃世ってやつはどこいった!?全然魔力感じねぇんだが!?』

 

 「まさか…………………………まだ寝てる?」

 

 アベルが、問に対して答えると、今度はそれが聞こえてないのか、オールが疑問を言う。

 

 「あれ?廃世さんは?」

 

 「まだ寝てるんじゃないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ちょっと待って、連れてこなきゃやばくないか?コレ」

 

 

 翔真がそう言うと、今度は全員が、元いた場所に向かって全力疾走した。

 

 「ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!」

 

 ─────────だが、そこにあったのは、アンデッド10体くらいを血祭りに上げてる廃世だった。

 

 「人の眠り妨げやがって、クソが!!」

 

 (((えぇ……………。)))←軽く引いてる

 

 『『うわ、すげぇな、コイツ。』』←感激

 

 流石にこの短時間でアンデッド10体血祭りに上げたのにはヘールもリベリオンも感激した。

 

 『お前の眠りに対する執着、すごいな。』

 

 「んなこと知らんよ。それより今は機嫌が悪い。あと2,30体は締めとくか。」

 

 『勝手にしろ。サポートはしてやる。』

 

 「はいよ。」

 

 ───────結局全員でアンデッド狩りをし、その狩りは5時間後には終わった。

 

 「zzzz。」←廃世また寝た。

 

 「「「zzzz。」」」←その他も全員寝た。

 

 ────────────────────────────────

 

 「ご苦労だった。勇者達よ。まさかあの町を四天王が支配していたとは………………。」

 

 実際には支配ではなく管理に近いが、まあ、仕方ないことである。

 

 「そうだな………………。」

 

 「どうかしたのか?元気がないぞ?」

 

 「いや、ちょっと疲れた…………………。」

 

 「ならもう休め、聞きたいことは一通り聞いたからな。」

 

 「そうさせてもらうよ。」

 

 ───────────────

 

 「昨日はなかなかハードでしたね………………。」

 

 「ああ、連日であのイカれようは流石にキツイアンデッドの戦闘中だって…………」

 

 ─────────回想

 

 「クヒヒヒヒヒwwwヒャッハー!死体共!僕のストレス解消のために死に晒せぇー!!!!今ハイになっててめちゃくちゃ調子良いんだよぉ!もっと暴れさせろよぉ!オラァ!」←キャラ崩壊

 

 大量のアンデッドを斬りながら廃世は笑ってた

 

 (((うわぁ)))←ドン引き

 

 『『これは…すごいな。』』←ドン引き

 

 ─────────回想終わり

 

 「あれはもはや狂気でした。」

 

 「…………だな。」

 

 当然過ぎるので、アベルはうなずくしかった。

 

 「ところで、廃世はどうしたのだ?」

 

 「寝た。」

 

 「また!?」

 

 「いや、何気に帰るときのルート整備とか交渉とか全部あいつがやってんだよ。………だから、疲れたんじゃねぇの?」

 

 「そうだったのか…………。」

 

 「行くときに使ったルートじゃだめだったんですか?」

 

 「それでも行けたんだが…………疲れ切ってるときに朽ちた大地なんか通れるかってことで遠回りした。」

 

 「なんで交渉が必要なんですか?」

 

 「なんか本人いわく、簡単に言うと正規ルートと裏ルートがあって、正規ルートだとめちゃくちゃ手続きに時間かかるらしい。それに比べ、裏ルートは正規ルートよりも距離近いし、金と話術さえあれば行けるらしい。その分金は高いらしいが………。それはなるべく抑えるってよ。」

 

 「いくらだったんです?」

 

 「30万」

 

 「高っ!道通るだけで!?」

 

 「これでも最初は50万だったらしいぞ?」

 

 「かなり抑えましたね………それでも高くないですか?」

 

 「不公認だから仕方ないでしょう。」

 

 「「「うわああああああああ!!!???」」」

 

 突然声をかけられ、みんなが驚いて声を上げる。

 

 「今起きました。」

 

 「びっくりしたぁ!せめてひと声かけて!?」

 

 「かけましたよ?今。」

 

 「そうゆうことじゃなくてさ…………。」

 

 「?」

 

 不思議そうに首を傾ける廃世に、アベルたちは思いっきりため息をついた…………。

 

 「ってゆうか、非公認って平気なんですか?」

 

 「ああ、バレなければ平気です。」

 

 「「「それって平気じゃない(ですよね!?)(だろ!?)よな!?」」」

 

 「どんな犯罪も、バレなければいいんです。大事なのは、バレないためにどう行動するかです。」

 

 「具体的にどんなことしたんだ?」

 

 「簡単です。朽ちた大地ルートと、同じくらいの時間帯につかせましたし、裏ルート通るときも馬車の気配はなるべく消しましたし、それに囮で朽ちた大地に僕たちに変装した馬車に通らせました。これであとは同じ場所に集合し、変装を解いてもらい給料払って馬車を行かせれば解決です。」

 

 「それって協力してもらった人たちに裏切られたら終わりじゃ…………。」

 

 「彼らもプロです。よっぽどのことがなければ口割りませんし、万一捕まったら口封じします。」

 

 「おい!?それ絶対やめろよ!?それやったら俺もうお前のこと仲間って思えなくなる!」

 

 周りのみんながアベルの言葉に頷く。

 

 「冗談ですよ。先程も行った通り彼らもプロです。逃げ道くらい用意してありますよ。」

 

 「だといいんだが…………。」

 

 コイツなら本当にやりかねないな…………そう思いながらも、みんなは黙ってた………………………。

 

 




魔法がァ何度も言ってるけど魔法の名前がァ


補足…魔剣の意思と会話してるときは脳内に直接伝わります。

イメージ…普通の会話は、鼓膜が音を拾う→脳に伝わる→理解するですが、魔剣の意思との会話は、直接音を脳に伝わる→理解というふうに、鼓膜で音を拾うというのをスキップしてます。(内側って言ってたのはこういうこと。)なので、耳が聞こえなくても魔剣とは会話ができます。ちなみに、同時に喋られるとかなりややこしくなりがちです。


最近思ったこと、アベルのキャラがつかめなくなってる。


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真面目な人ほど変化したときのギャップがすごい(魔王side)

 迷ったらまず魔王sideってところがあるきがする


14話

 

 あの地獄みたいな料理を食べたあと、しっかり眠り、(本当は気絶したまま半日寝た。)気づいたら夕方で、今朽ちた大地を歩いて四天王の一人、ハデス・テラフムスに会いにいっていた………………。

 

 だが……………………………

 

 「暑い……………………」

 

 俺全身黒いローブだからくそ厚着で暑いんだよ!

 

 「ヒュー、ヒュー」

 

 こいつに至っては俺より涼しそうなのにずっとヒューヒュー言ってるよ!

 

 「まだ、なのか、ゲホッゴホッ」

 

 「カヒュー、カヒュー」コクコク

 

 もはや話すのすら辛いと。あいにくだな、俺もだ。

 

 「お、おい……………人影がッ、見えてきたぞッ。」

 

 「ヒュー、ヒュー」コクコク

 

 ダメだ……………もう意識が………………

 

 「クソ、こうなったら。」

 

 装備やアルタイルの補助はないが、やってやる!

 

 「夜空(カエルム・ノクティス)‼」

 

 その瞬間。朽ちた大地には夜空が広がった。

 

 よし、月がでた。これで少しマシになるはず。

 

 「ヒュー、さ、さすが魔王。補助無しでも夜再現できるんです、ね。範囲、小さい、ですけどっ。」

 

 「うるっ、セエな。これでもっ、頑張ったほうだぞ。」

 

 そう、補助なりなんだかあればさっきいた街くらいは範囲広げられたが、今は無いし、集中力保つために範囲絞って朽ちた大地の半分埋めれるかどうかくらいしか無い。これ以上広げられないわけではないんだが、集中が途切れても困るからな。これで行こう。

 

───────────────────────────────────

 

 「やっとついたか…………」

 

 「そ、そうですね。」

 

 「ここに眠ってんだな。」

 

 「ハイ。」

 

 「死んでたりは…………」

 

 「しませんよ。多分」

 

 多分って…………まぁ、いいやとりあえず掘るか。

 

 「よっこらせっと。」

 

 お、いたいた早速軽く揺すって見るか、

 

 「おい。おい起きろ〜」ユサユサ

 

 反応なし

 

 「もうちょっと強くやったらどうですか?」

 

 「いや、いや。相手部下とはいえ一応女性だぞ?歳上だし。」

 

 「それ言ったら私も歳上の女性なんですけど……………」

 

 「いや…………それは…………」

 

 コイツ見た目的に女性って言っていいか微妙なんだよなぁ、それに親父が封印解いて拾ってきたのが結構最近だからなぁ。ちょっとそういうふうには思えない。失礼だが。

 

 「今ちょっと見た目とか会った時期とかでそういうふうには思えないって思いました?」

 

 「………………………………。」

 

 「図星ですね。」

 

 「スマン…………………。」

 

 なんでわかったの?!口に出してないんだけど!?

 

 「女の勘です。」

 

 マジで?!女の勘って恐ぇ。

 

 「冗談はとにかく、さったと起こしませんか?」

 

 「ああ、そうだね。」

 

 「ほら、起きてください。」ドスドス

 

 そう言ってアルタイルはハデスを蹴って起こして………………

 

 

 

 

 ん?蹴って?

 

 

 

 

 

 「おい?!やめてやれ?!」

 

 冷静に考えたらいや、冷静に考えんでもそれはまずい気がする。

 

 「でもこの人、喜んでますよ?」

 

 「んなわけ…………」

 

 「ハァハァ////」

 

 「ホントだ?!」

 

 「でしょ。でも前から素質はあるなぁーとは思いましたけど………ここまでではなかったですね。SMプレイでも強制されました?」

 

 「おいやめろ?!」

 

 この作品そういう系の作品じゃないから!(クソメタな話)

 

 「まあ、冗談はともかく、何があったかは教えてくれ。」

 

 「えっと、私の領地に来た勇者たちを殺そうとして、1回目は成功したんですけど………リベンジマッチやって………それでお互い戦闘が盛り上がったときに勇者の一人が常識破るようなことしだしてぇ。ハァハァ////」

 

 「うん、もういいや。とにかく負けたのねハイ。」

 

 「あれ?もう行くんですか?」

 

 「あれ以上いたらアイツに冷ややかな目しか送れなくなる。」

 

 「………そうですね」

 

 朽ちた大地を進んでいる途中、俺の心境を知っていたかのようにアルタイルは珍しくおちょくってこなかった………

 

───────────────────────────────

 

 「えっと、これであとは王国に行くだけか………」

 

 「あなたって交渉得意でしたっけ?」

 

 「いや、そんなにだが………どした?いきなり。」

 

 「いや、これから必要なのは運と金と話術なので。」

 

 「???」

 

 「察し悪いですね。裏ルート通るから話通じる相手探せる運と、それを雇うための金、そしてそのお金をできる限り減らす話術が必要なんですよ。」

 

 「そうなんだな………………てか裏ルート通るのか?」

 

 「当たり前でしょう。魔王通らせてくれって言って聞こえるのは承諾の声じゃなくてサイレンだけですから。」

 

 「普通は考えりゃそうだな。そりゃ。」

 

 魔王軍が管理してる国以外はそうだろうな。

 

 「ですので裏ルート通ります。お金いくら持ってます?」

 

 「えっと、確かアインに渡されたのが………100万くらいあるな。」

 

 「さすがアイン。こうなること見越して多めに用意してくれましたね。」

 

 「ああ、やけに金額多いなって思ったらそれでか。」

 

 あいつは優秀だなぁー料理以外は。おぅえ。あの料理の味思い出したら吐きたくなってきた。

 

 「さっさと行きましょう。時間が惜しいです。」

 

 「そうだな…………………。」

 

───────────────────────────────

 

 「無理だよ兄ちゃん、もう少し金積んでくれないと、この条件は。」

 

 若干くたびれた雰囲気を纏ってる痩せた男と、小太りの男性が何かの話をしていた。恐らくは交渉だろう。

 

 「そこをなんとか、お願いします。」

 

 「いや、ねえ。そう言われても……………」

 

 「で、ではあとどれほど積めば………」

 

 「そうだねぇ、あと30万くらいかねぇ、」

 

 「わかりました…………では、あと10万までは出せます。」

 

 「10万かぁ、少しキツイな。」

 

 「いえいえ、それだけではありませんよ。ほら。」

 

 そうして痩せた男が渡したのは、橙色の宝玉だった。

 

 「なっ、これはっ、どこで見つけたんだ!?」

 

 どうやら貴重なものらしく、小太りの男は目をみはっていた。

 

 「朽ちた大地で見つけた人から剥ぎ取─────んんッ、もらったんです。」

 

 「そうか………………」

 

 なんか察したのか、小太りの男と会話を聞いている俺は、なんか微妙な顔になってるに違いない。

 

 「…とにかく、それあげるんで今回だけ許してください。」

 

 「あ、ああ、わかった。」

 

 「今の勇者ですね。」

 

 「!?」

 

 「なんですか?」

 

 「いたの!?なら声かけて!」

 

 ビックリしただろうが!

 

 「だからかけましたよ?今。」

 

 「そういう意味じゃねぇよ!!」

 

 「?」

 

 「ハア、それより、なんか今アイツのことを勇者呼んだか?」

 

 「ええ。間違いなく。」

 

 「マジで!?」

 

 絶対違うと思ってた。

 

 「どうやら王国に向かうみたいですね。」

 

 「そうみたいだな。」

 

 「ならチャンスです。送ってもらいましょう。」

 

 「どうやってだ?」

 

 「道案内の人とすり変わればいいんです。」

 

 「なんて?」

 

 今すり変わるって聞こえたんだけど。気のせい?

 

 「いえ?実際に言いましたよ?」

 

 もうツッコまないぞ、流石に。

 

 「そうしてくれると幸です。」

 

 「…………………。」

 

 「なんですか?」

 

 「ところで、どうやってすり変わるんだ?」

 

 「話題そらしましたね。簡単です。後ろからガイド殴ればすぐですよ。」

 

 だと思った。

 

 「で、問題は、道案内なんてできんのか?」

 

 「できますよ?『検索』使って道調べれば。」

 

 そいやそんな機能あったなぁ、こいつ。でもさ、思った、それもう予言書じゃなくて魔導書じゃね?って

 

 「予言書ですよ。ハイブリットな」 

 

 もういいや、そういう事にしとこ。

 

 「そういう事にするとかしないとかの問題じゃなくて実際にそうなんですよ。」

 

 もういいや…………。

 

 ───────────────その後俺たちは、ガイドぶん殴ってすり変わって、無事王国に着いた………………………。




 この作品ででてるやつみんな厚着じゃね?

 ガイルが使った魔法は夜空をラテン語で直訳調べて良かったやつ使わせてもらった。

 豆知識…ガイルとか先代とかは月が出ると体力回復早くなる。ちなみにそのおかげでガイルは意識保てた。あと、もう日が暮れてもおかしくない時間だったので、ダミーの馬車は早めに日が沈んでくれてラッキーくらいしか思ってない。

 ガイル・クロード 
 LV75
 スキル︰『夜の王』…夜の間自己再生付与。さらに魔力回復。『魔法適正影・闇S』影・闇の魔法しか覚えられないがその代わり威力が上がり、低レベルでも覚えやすくなる。さらに、使用時の消費MPも大幅に減る。 『強者の気迫』…相手レベルが自分より一定以上低い場合一定の確率で怯ませる

 アルタイル
 Lv 68
 スキル︰『解析S』…控えめに言って『鑑定』の上位互換。『鑑定S』の効果に加え、相手のその時の精神や肉体の状態が見れる。(ちなみに『鑑定S』は相手がLvだろうと見れる。)『魔法詠唱補助』…特定の者の詠唱を代わりに受け持てる。(なお、連続詠唱の場合は自分が唱えることのできない量はできない。)『状態異常無効S』…ほとんどの確率で状態異常にならない。『検索』…あらゆることを調べられる。(個人情報の場合は制限あり)『予測』…自分が取ったデータを元にあらゆる事の予測ができる。例︰目的地までの到達時間、次の相手の一手など……………。

 当然察してると思うけど宝玉はボコボコにしたハデスから剥ぎ取った。


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VS四天王

もうネタも途切れ途切れなのでいっそのことここでスパートかけます。無理にでも詰め込むので今までのと比べたら長めになるかもしれません。

今回は食事中はあまり見ることをオススメしません。


15話

 

「勇者たちよ、よく集まってくれた。」

 

そりゃ集まるでしょうよ。あなたから呼び出されていかないやつってよっぽど肝据ってますよ。

 

「んで、親父。なんかあんのか?」

 

もう恒例になりつつあるな、このやり取り。

 

「ウム、実はお主らに良い話がある。」

 

「良い話ってなんですか?」

 

オールってナゼかこういうときにほとんどの確率で聞き返してるよなぁ…………………。

 

「ウム、それはな……」

 

給料引き上げだったら嬉しい。

 

「お主らをバカンスに連れていこうとな……。」

 

え?今なんて?

 

「バカンス?どこに?」

 

「南の島じゃよ、当然。」

 

聞き間違えじゃないらしい。

 

「バカンスって、何乗っていくんですか?」

 

「それは当然船じゃよ。ああ、そうだ。ついでにパトロールもしてくれんか、パトロールといっても、お主らが通るルートでたまに双眼鏡で見る程度でよいからな。」

 

絶対それが本題でバカンスがついでだろ。だって南の島いくのに魔の海域避けなきゃいけないから1個しか道がないし。ちゃっかりしてんなぁ。

 

「ああ、それくらいならやつても良いぜ。親父。」

 

「感謝する。勇者たちよ。」

 

──────────────────────

 

ヤバい。かなりヤバい。何とかしてこれを辞退しなければ………

 

「楽しみだなぁ、海。初めてだし。」

 

「そうなのか?以外だな。」

 

「なんか親父がお前は長男だから危ないことはダメだって、許してくれなかったんだよ。

 

「そういえばお前は王族のお坊っちゃんだったな………意外だが…」

 

「そうか?そんなことないよな?オール。」

 

「いや、その、アハハ…」(苦笑い)

 

「本人が聞くなよ。言いづらいだろ。」

 

「なあ、廃世はどう思う?」

 

「だからそれを本人が聞いちゃ答えづらいだろ。」

 

ヤバい。何とかしなければ……

 

「おい?オーイ?」

 

『おい、聞かれてるぞ。答えなくて良いのか?』

 

「うお!」ビクッ!

 

「ウワッ!チョ!なんだよ、びっくりするなぁ。」

 

「ああ、ごめん。それで、何?」

 

「いや、もう良いよ。その様子だと疲れ貯まってんだろ。先に部屋行って休んどけよ。」

 

「わかったよ、じゃあね。」

 

ラッキー、これで対策考えられるな。

 

────────────────────

 

『で、対策とは何の話だ?』

 

何で知ってんの……って、確か僕のこの声聞こえてんだよね。

 

『そう前にも言ったはずだぞ?そんなことよりも、さっきから言ってる対策とは何だ?』

 

いや、その…………

 

『何だ、もったいぶらずにさっさと言え。』

 

………君もずいぶん性格変わったね。

 

『そうかもしれんな。だが、そんなことはどうでも良いからさっさと教えろ。』

 

言っても笑わないって約束できるか?

 

『ああ、約束してやるからさっさと言え。』

 

僕って、乗り物超弱いんだよね。

 

『は?』

 

いや、だから。僕は乗り物に弱いんだよ。昔から。

 

『なに言ってるんだ?乗り物に強い弱いなんてないだろ。戦わせるわけではあるまいし………レースでもやるのか?乗り物と、ならやめとけ。負けるから。』

 

あ、そういう意味!?単純に乗り物に弱いって言葉の意味がわからないにパターンね!?あと誰も乗り物とレースなんかするなんて言ってねぇよ!

 

『ならどういう意味だ?』

 

単純に言うと……

 

『いや、説明しなくて良い。お前の記憶を見る。』

 

怖!?そんなこと出来んの!?

 

『ああ、出来る。といっても、本人が許可した記憶しか見えないがな。』

 

だとしても十分恐ろしいよ。

 

『………なるほど、乗り物と相性が悪いということか。確かに、お前の記憶を見るに、乗り物にあまり言い思い出はないな。だが、自転車?という乗り物だけは乗れてるな、どういうことだ?馬車も乗れていだが……』

 

ああ、それね。歩きで行ったら遠い会社や高校を電車で行ったら酔っちゃって授業や仕事にしばらくはなんないからよく自転車使ってたな。会社の近くに引っ越すまでは。………思えばあの時期が体力一番あった時期かもしれない。

 

『なるほど……………で?自転車や馬車だけ乗れるのは何故だ?』

 

いや、その………うん。僕にもよくわからない。それにね、ルース。物事には例外が少なからずあるんだよ………。

 

『貴様、今絶対説明するのがめんどくさいからあやふやにしたろ。』

 

良いだろ!別に!実際説明できないんだから!

 

『ならもういい、で?どうするんだ?醜態晒したくないんだろ?』

 

もう良いや、仮病使おう………。

 

『仮病?仮病とはなんだ?』

 

もう良いよ…………めんどくさいから…………

──────────────────

 

「ごめん。ちょっと僕留守番してるよ。」

 

結局仮病はやめた。具合悪いの演じられる自信ないから。

 

「え?なんでですか!?」

 

「いや、ちょっとやりたいことがあって。」

 

ここはもう多少苦しくてもこれで押しきる!押して押して押しまくる!

 

「ならしょうがねぇ、中止って親父に言ってくる。」

 

え?中止!?

 

「えっ、なんで中止?」

 

「いや、だってお前がいなかったら誰が金を管理すんだよ。俺たち結構金使い荒いんだよ。知ってんだろ?」

 

そ、そうだったッ!忘れてた!アベルはお坊っちゃんだから金銭感覚狂ってるし、オールは押しに弱いしお人好しだから直ぐ詐欺引っ掛かるし、翔真も単純でなおかつ金があったら直ぐに使うタイプだったッ!

 

「「「ハア…………。」」」ズーン

 

なんだろう……申し訳ない事した気分になる。

 

『なら行けば良いだろう。』

 

嫌だよ………借り物の船で嘔吐したくない。

 

『ならずっと罪悪感抱えるか?多分しばらく残るぞ?』

 

だよなぁ………。

 

───────────────────

 

はい、結局来ましたよ。船場に。

 

『嘔吐したら我にかけるなよ。』

 

わかってるよ。気を付ける。

 

「楽しみだなぁ、海。」

 

「そうだね………。」

 

「どうした?具合でも悪いのか?廃世よ。」

 

「まだ出航まで先ですし、休んでて良いですよ?」

 

「ありがと……でも良いよ。」

 

それに具合悪くなるのこれからだし。

 

ハア、吐かないといいけど……。

 

───────魔王side

 

「おい、これはどういうとこだ?」

 

「どういうって船員ですよ。さっきすり代わった。」

 

「いや、わかるからこそ意味がわからないんだが。」

 

俺たちは前回と同じ方法で、ある船の船員と入れ替わっていた。

 

「そう言わないで下さいよ。これでもきちんと意味はあります。」

 

「どういうことだ?」

 

「実は、この船勇者達が乗る船なんですよ。」

 

「ハア!?マジで!?」

 

なんてもんに乗せてやがんだ!!

 

「それで、この船の通るルートって水の四天王、そして魔王軍第4位のロマノフ・グラエースの縄張りなんですよ。実は。」

 

「なんでそんなとこを通るんだ?」

 

「それはあの人が大体昼は酒かっ食らって爆睡してるからですよ。夜は鍛練と酒に集中してますし、それを邪魔するような爆音で海を通るとたちまち海の藻屑です。なので、割と知られてません。魔王軍でも知ってるのはランキング入った事がある人くらいです。」

 

「なるほど………最初のやつは聞かなかったことにしよう。」

 

「?そうですか。」

何故だろう。やな予感しかしない。

 

────────────再び主人公視点

 

ヤバイ、やっぱ無理……

 

「だ、大丈夫ですか?」

 

「………。」コクコク

 

ぶっちゃけ大丈夫じゃない…ヤバイ、頭揺らしただけでも気持ち悪い。

 

『我にはかけるなよ。』

 

わかってるよ……………善処はする。

 

「無理はしなくて良いから、あそこの休憩スペースで休んでこいよ。」

 

わかった………。

 

正直一言発するのがやっとだったから少し、いやかなりありがたい。

 

────────────────三人称視点

 

廃世は、言われた通り休憩スペースにいると、すでに船員の格好をした先客が一人いた。

 

……ここ、良いですか?

 

座っている人の隣に席を指しながら、吐きそうなのをやっとの思いで言った。

 

どうぞ……。

 

普通に席を開けてくれた。だが、その船員らしき男も酔ったらしく、顔が廃世のように青白い。

 

察している人もいない人がいるだろうが、この船員は魔王である。初めて乗って出航したら割と早めに酔っていた。まあ、乗り物に乗ったのが初めてだから仕方がないといえば仕方がないのだが。

 

「…………。」

 

((気まずい、そして居づらい……。))

 

別に二人が仲良くする必要もないし、話しをしなければならないなどとの決まりもない。だが、それは無言による気まずさ、居づらさなどを消す理由にはならなかった。だが、それらを軽くするには、会話をし、ある程度盛り上がらなければならない。二人に初対面の人にそんな事が出きるほどの会話力は持っていない。それに、二人とも船酔いによる吐き気と戦い、すでに満身創痍である。とても会話などできる状態ではない。だが、二人は決心した。片や、同じ失敗を繰り返したくないと言う思い。片や、王としての尊厳を守るため。二人は、この気まずく、居づらい空気に耐え、吐き気と全力で戦うことを決めた。本人達には大事な決心だが、端から見たらクソくだらない決心である。

 

((絶対に、絶対に吐かない!!))

 

ガコンッ!!

 

そんな二人に、血も涙もない大きな揺れが襲う。それにより、二人の胃の中身が一斉に帰省を始める。

 

「「ウぷッ………」」

 

ゴクンッ!

 

((あ、危ねぇぇぇ。))

 

何とか飲み込んで九死に一生を得た勇者と魔王。

 

そんなときにアベルがいきなり休憩室の中に入って来た。

 

バンッ!!

 

「「!!!」」ビクッ!

 

「おい、ヤバイぞ廃世!!こっち来い!!」

 

「ちょっ、止めて……揺らさないで……」

 

ちなみに、二人ともアベルが来たときびっくりして少し吐き気が取れた。

 

───────────再び主人公視点

 

「ワッハッハ!!貴様らか!勇者達は!!!」

 

休んでる途中で呼ばれたのでいったら、なんかキレ性っぽいデカイ爺さんだった………。

 

「そうだが、貴様は誰だ?いきなり海から出てくるなり船の上に飛び乗りたり。まさか、魔族か?」

 

いや、むしろそれ以外何があるんだよ。海から出てきたんだったらほぼ確定だろ魔族なのは。

 

『基本はそうだな。よくよく見ると鱗もあるな、恐らく魚人の一族だろう。珍しいな、魚人でここまで人間に近いのは。』

 

確かに、鱗さえなければ人間と格差ないよな。ちょっと肌の色おかしいだけで。

 

「その通りよ!儂は海皇!!ロマノフ・グラエースである!!!四天王にして!!魔王軍第4位!!さらに海皇の称号を持つ男!!!勇者達よ!!!儂と勝負せい!!!返事は聞かん!!!」

 

元気そうだな!!この爺さん!!戦え?無理だよ!!今船酔いで精一杯なのに!!!無理難題言うなよ!!!あと返事くらい聞けぇぇぇぇ!!!!

 

「返事なんてしなくても、俺たちの答えは決まってるッ!!行くぞ!みんな!」

 

お前もお前で勝手に僕の答えを決めてんじゃねぇよ!これで後戻りできなくなったじゃねえか!

 

『終わったな。まぁ、精々頑張れ。』

 

いや、まだ2人がいる!二人が反論してくれればそれに便乗して逃げられるッ!

 

「ハイッ!!」

 

「当然だろ!やるに決まってる!!」

 

なんだよぉ!!なんで同意してんだよぉ!

 

『頑張れ。』

 

クソヤロォォォォォォォォ!!!!

 




ロマノフ・グラエース
830歳、身長185cm、イメージはフェアリーテイルの本気だしたオーガスト。好きなもの酒、酒に合うもの。
スキル…『魔法適正水・氷S』水・氷の魔法しか覚えられないがその代わり威力が上がり、低レベルでも覚えやすくなる。さらに、使用時の消費MPも大幅に減る。
『格闘術S 』…格闘術を覚えやすく、使用するMPも減る。
概要…スキルが2つしかないが、それをすべて極限まで極めてる技と体をあわせ持った魔族。ただし、重度の酒好きのため、心・技・体の心だけ持ってない。あと先代魔王と仲が良かったらしく、よく一緒に酒飲んでたらしい。

なるべく気分を害さないように頑張りました。苦手な人はすいません。


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VS四天王。開戦

船酔いでフラフラな主人公。さて、どうするのか……


16話

 

───海皇ロマノフが現れた。

 

「みんな行くぞ!」

 

「「応!」」

 

いや、応じゃないよ。少なくとも僕は戦えないよ。

 

『貴様はその状態だしな。』

 

 まあ、とりあえず基本は防御、隙があったり余裕ができたら気配を隠して不意打ちしよう。

 

『それが無難だな。激しく動いて吐かれても困る。』

 

────────廃世は守りを固めた。

 

「おい、今日ホントにどうかしたのか?さっきから顔色も悪いし。」

 

 やっぱりいつものスタイルと違うと怪しまれるな。

 

「いや………大丈夫。それより集中しないと。あの爺さんかなり手強そうだよ。」

 

 もう誤魔化すしかない。少し苦しくても、これで押し切る!

 

「お、おう。そうだな………。」

 

 よっしゃーッ!なんとか話しても問題ないくらいには回復して良かった〜ッ!ここまで嬉しいのは人生で中々なかったぞ。

 

「邪魔じゃ!この声!鬱陶しいわい!」

 

 え?マジ?

 

『………天の声消したの?マジ?』

 

 おいおいルース、当たり前だと思ってたのが消えたからってキャラ忘れんなよ………………。

 

『え?これから天の声出ないのか?』

 

 そんなこと今はどうだっていいだろ。………それより、翔真が攻撃の姿勢に入ったな。

 

「先手必勝!!」

 

 バシッ!

 

「「「!?」」」

 

 マジか、あの爺さん片手で軽々と止めやがった。

 

『天の声も出てないだと!?』

 

 それまだ引きずってんのね……………僕は正直助かったな、あれ……天の声だっけ?あれさ、頭に直接響くから気持ち悪いの。

 

「甘いわ!」

 

「グホッ!」

 

「カッ!」

 

 爺さんの拳もろ腹に喰らったっ!……って!翔真は分かるがなぜ僕までっ!

 

 …………ヤバい、吐きそう!

 

『オイオイ、待て貴様!このままだと完全に我にかかるぞ!?それだけはマジでやめろよ貴様!』

 

 分かってる!僕は吐かない!

 

『そうだ!そのいきだ!そのまま耐えろ!』

 

 そうだ…僕は………

 

『(我は…………)』

 

「『吐い(かれ)てたまるかァァァァァァァァァ!!!!!』」

 

────────三人称視点────────────────────────

 

 廃世は何故か意味不明な事を言い、いきなり光りだした。その時の全員は頭の中は?でいっぱいだった。

 

「『…………。』」

 

「え?えっと……………大丈夫か?」

 

 そう声をかけるのも無理は無い。何故なら、相変わらず顔面蒼白だからだ。心なしか更にひどくなった気もするほどに。

 

「『大丈夫なわけ無いだろ…………』」

 

 まるで蚊の鳴くような声でいうので、

 

 (?…………何だ?小童4の姿が突然変わったと思ったら突っ立って、隙だらけだぞ?)

 

「隙だらけじゃぞ!小童4!!」

 

 当然、突っ立ってるだけで廃世の隙を見逃すはずもなく、拳で攻撃する。

 

「『だからどうした!』」

 

 すかさずカウンターを食らわせた廃世(ルース)、その反応速度と反射神経にみんなびっくりした。そしていきなり変わった彼の口調と雰囲気にアベルたちは驚いた。

 

「『今度は僕の番だ!喰らうがいい!《バーティカルクラッシュ》!!』」

 

 ドンッ!

 

「グホッ!」

 

 軽く吹っ飛んで宙に浮いている状態にすかさず強烈なショルダータックル。ロマノフはそれが結構効いたらし。そして…………

 

「『(まずい………調子に乗り過ぎた………気持ち悪い………)』」

 

 ………ショルダータックルによる激しい揺れは、廃世(ルース)の胃にかなりのダメージを負わせ、廃世(ルース)の吐き気にトドメを刺した。

 

「『(このままだと間違いなく吐くっ!クソッ!)』」

 

 そう言うとまた光りだし、今度は剣になった。

 

((((?????は?どゆこと?))))

 

 流石にそれは全員がキャラを忘れた。それほどまでにインパクトのある光景であった。

 

「え?どういうことだ?」

 

「わからん。………って、おい!オール!?」

 

「……………。」フラフラ

 

 オールが杖を放り、フラフラしながら剣のもとに向かって歩く。もうわけがわからず、その光景はカオスなどとは程遠い状況だった。

 

「………。」チャキ

 

 オールが剣を構える。

 

「(ん?なんだ?小童2の雰囲気が変わったぞ?心なしか、先程の小童4と雰囲気が似ておる!何らかの方法で操ったのか?どちらにしろ、警戒しなければ……)」

 

 

「『氷竜(ブリザード)』!!」

 

 氷で作られた竜がオールを襲う……

 

「………。」

 

 シュ!

 

 ズバババババッ!!

 

 ……思いっきりそれを、思いっきり斬り刻んだ。それも、普段の動きからは想像できないくらい速く、正確な動きにアベルたちは驚愕してた。その時の二人は………

 

((もう、これ以上情報量を増やさないでくれ…………))

 

 かなり切実な願いを持っていた。だが、その願いは叶うことはない。何故なら…………

 

「『(感ッ激!まさか乗り物酔いしない事がッ!こんなにも嬉しいことなんてッ!僕はとても感動しているッ!最高だァァァァァッ!!!!)』」

 

 ……やはり、彼女は剣となった廃世(ルース)に操られていた。しかもハイになってた、こうなったらちょっとやそっとじゃ止まらない。………もうヤケクソだ。

 

「『ハッハッハ!!僕の至高の一撃を喰らうがいい!《ジェノサイドインパクト》!!!』」

 

 突然、剣のブレード部分から赤黒いブレードが出現し、そのブレードで思いっきりロマノフを斬った。

 

「ゴハッ!」

 

 ……だが、やはりロマノフの鍛え上げた肉体は伊達じゃない。その一撃は確かにダメージは入るが、斬れてない。斬れてないのに何で斬ったと言う表現を使ったかという疑問はそっとしておいてください。

 

(え?エッ!ちょ!何してるんですか!)

 

「『グァ!クソ!弾き出された!』」

 

 廃世(ルース)は正気に戻ったオールに思いっきり弾き出された。ハイになってるからって何でも許されるはずはない。当然の結果である。一方その頃………

 

(((何なの?コイツら。)))

 

 もうもはや全員がキャラを放棄し、ひたすら疑問に思った。

 

わ、私は………なぜあんなことを……」プシュゥゥゥゥ

 

 オールは、先程の状況をほぼすべて覚えており、それによる羞恥心でオーバーヒートしていた。心なしか、頭から煙も見える。

 

「ッハ!そうだっ!廃世!もういっちょ剣になってくれ!」

 

 正気に戻ったアベルが、廃世(ルース)に対して呼びかける。

 

「『ハァ?なぜ僕がそんな事を、僕と貴様は相性が悪い。しかも、貴様は魔剣を持っているだろう、それを使えばいい。……それに、僕の思い通りに動かない者に、僕を使う資格はない。』」

 

 ……もう気づいている人も多いだろうが、今の廃世はルースと性格や言動が混ざっており。具体的には自己中心的かつキレやすく、キレるともうもはや手のつけられない状態になっている。

 

「何言ってんだよ!?今日お前おかしいぞ!?それに、資格何て関係ない!お前の力が必要だから言ってるんだよ!」

 

「『僕に命令するんじゃない!!』」

 

 ドカッ!

 

「グエッ!」

 

 アベルは、思いっきり顔をぶん殴られた、そして気絶した。。ロマノフは思った。

 

(………仲間割れだと?何がしたいんだコイツらは………)

 

 それでも律儀に茶番が終わるまで待つロマノフ。

 

「……なんか、ウン、もう黙っとけ。」

 

「『何を───────』」

 

 ドゴォ!

 

「『カハッ!』」バタッ

 

 廃世(ルース)は翔真に気絶させられた。当然である。

 

「数々の無礼、失礼しました。………さて、はじめようでは無いか、ラウンド2だッ!」

 

「いいだろう!では始めようか!儂らのクライマックスを!!」

 

 この場で唯一マトモに戦えるが原因不明の不完全燃焼に陥った武闘家たちの戦いが始まった。

 

────────────────────────────────

 

 始まった戦いは、ざっくり言うともはや喧嘩となっていた。序盤は、それこそお互い格闘技などを駆使して戦っていたものの、途中からそれを辞め、技もクソもないただの喧嘩になったのである。ただ、それでも差は十分にあるのだが、廃世(ルース)が結構削ってくれたおかげで勝負にはなっていた。

 

 ズドッ!

 

 翔真が蹴りを入れた。体勢が若干崩れたロマノフに向かって、さらに追撃をしようと間合いを詰めるが………………

 

「甘いわ!若造が!」

 

 ドゴォ!!

 

「ッ!!!」

 

 ロマノフは、全体重を乗せた正拳突きを放つ………が、それをリベリオンを使いギリギリでガードした。

 

「今のを受けきるとは………なかなかじゃのう!」

 

「…………なぜ貴様はさっきほどから魔法を使っていない。出し惜しみか?ならやめてくれ。」

 

「年甲斐にもなく無理しすぎたからのう、それに………今は久々に拳で語り合いたいんじゃよ!!!」

 

 こうして、肉体言語による語り合いは続く。それは壮絶な殴り合いだった、心なしか、お互いに友情にも近い何かが芽生えるような感じもした。そして…………

 

「これで終わりじゃ!小童3!!!!」

 

「それはこちらのセリフだ!!海皇!!!」

 

「「ウォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!」」

 

 お互いが全体重を乗せた拳を放つ。

 

 ゴシャ!

 

 …………翔真の拳が顎にヒットし、ロマノフは吹っ飛ばされた。

 

「勝ったぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

 船の中で、翔真の雄叫びが響く。

 

 長く、混沌とした戦いは、ようやく幕を閉じた………………




フルリンク…廃世とルースが共鳴して同化する現象。これは魔剣の本質が思念だからこそ出来る芸当。廃世の肉体にルースが混ざる廃世ベースと、ルースの剣に廃世の意識が混ざるルースベースがある。廃世ベースの場合は剣ごと廃世の肉体に取り込まれ身体能力、魔力、肉体の精密性が大幅に上がる代わりに剣が出せなくなる。ルースベースだと廃世の肉体が魔力そのものになり剣に取り込まれる。(イメージはエクストリームメモリに取り込まれたフィリップ)こちらは当然体の精密性が大分落ち、出来て相手に刀身向けて突進だけである。(それでも乗り物酔い等はしなくなるので、メリットはある。)ちなみに、ルースベースの状態の剣を持つと廃世のスキルを付与される。そして身体能力もかなり上がる。その代わり、乗っ取られる可能性がかなり高い。(ちなみに、相性が良ければある程度近づくと意識を朦朧とさせ、剣を半強制的に持たせる事を可能とする。)どちらも口調や性格、思考などは二人が混ざった感じになる。作者のスペックによりフルリンク状態での廃世もしくはルース視点は無理。見た目は廃世ベースだと白いオーラを纏いどっから出てきたかわからない黒いスーツと白い上着を着る。イメージは『東京喰種』の捜査官の0番隊の制服、ただし、ネクタイはしておらず、上着のボタンも前開け。(ちなみにスーツのデザインは廃世のイメージを具現化して上着はルースがカッコイイと思った服装を具現化。)ルースベースはドス黒いオーラを纏いリーチが若干長くなる。2つの共通点はどちらもめちゃくちゃハイになること。なので言動がとてもイカれてる。ちなみに、ブレードの周りにドス黒いブレードを魔力を具現化して出せる。そして、呼び方は廃世かルースどちらかを呼べば普通に反応する。ちなみに廃世ベースで三人称視点の表記は基本廃世(ルース)、誰かの視点では廃世。ルースベースでオールを乗取ってるときの三人称以外の視点ではオール?になる。ちなみに、フルリンクの時の記憶は廃世とルースははっきり覚えてなく、思い出したら羞恥心でのたうち回る。そして二人の恐らく人生最大の黒歴史が出来上がる。ちなみに乗っ取られたオールはめちゃくちゃ覚えてる。

《バーティカルクラッシュ》…フルリンクの廃世ベースで行ったショルダータックル。ルースのスキルを持ってるので防御不能。更には身体能力もバカ上がりという始末…そのため、とてつもない威力を持つ。ルースがカッコイイと思ったイントネーションを即席で付けただけであり、特に意味はない。

《ジェノサイドインパクト》…フルリンクのルースベースで行う突撃。単体でも出来るが持ってもらったほうがブレードを出して攻撃出来るのでオールに持たせて行っている。オールに持たせる理由は単純に他のやつだとヘールやリベリオンがいてうざいし上手く体を乗っとれないから。(なお、乗っとれたとしても弾き出すことは強い意志があれば可能。今回のオールは強い羞恥心から無理矢理追い出した。なお、追い出されると強制的に廃世ベースに戻る。)ちなみにこちらは廃世がカッコイイと思ったイントネーションを即席で付けただけであり、特に意味はない。

ロマノフが言う小童1がアベル、2がオール、3が翔真、4が遅れてきた廃世。

ちなみに天の声は廃世の転生特典みたいなもん。

んで、改めて見て何?この回。迷走してない?かなり酷いやつ。


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次の目的地

前回はマジで意味わからなかった。




17話

 

あれから半日かけて王国にUターンした。僕は吐かずに生き残った。だが、なんっか微妙に記憶がぼやけてよく思い出せない。周りからは思い出さない方が身のためだ的なこと言われるし。ルースも覚えてないって言うし。

 

「勇者達よ、ご苦労だった。」

 

「ホントにな………」

 

アベルが、げっそりしながら答えた。

 

「ハハハ………。」

 

オールが、どこか遠い目をしていた。

 

「…………。」

 

一番ボロボロで喧嘩したあとみたいになってた翔真は、力強く頷いた。

 

僕は……………特に何もしなかった。

 

「まぁ…よい、ゆっくり休め。」

 

何かを察したかのように王様が言い、その様子にアベルが涙ぐんでた。そんなにハードだったの!?

 

──────────────────

 

「次どこ行くんだっけ?」

 

 休めとか言いながら次の日に実質出張をスケジュールにぶちこむとか頭おかしいんじゃない?って思った。絶対使い潰す気満々だよ。

 

『確か風の谷だな。』

 

 なにそれ、ナウシカ?

 

『違う。あとなんだそれは?』

 

 僕の脳内から情報見ろ。

 

『分かった。暇ならな。』

 

 ………ところで風の谷って遠い?

 

『まあ、なかなか距離はあるな。朽ちた大地よりちょっと遠いくらいだ。』

 

 結構あるじゃねぇかよ。………ん?風の谷ってホントにナウシカだっけ?ラピュタのような気もしてきた。

 

『………調べたところナウシカだな。』

 

 ……君僕が忘れたものまで調べられんの?

 

『いや、単純に貴様の記憶を直接調べたら出てきただけだ。貴様が大幅に記憶を改変してない限りは真実が出てくる。今回は疑問程度だったから少々霞む程度ですんでいた。』

 

 君もだいぶフランクになったねぇ。前はもうちょっとケチだったのに。

 

『………そうか?今と変わらない気がするが。』

 

 ………やっぱりそうでもなかったかもしれん。スマン忘れろ。

 

『貴様はいつの間にか偉くなったな。この俺に命令口調とは。』

 

 マジ?ならあのむかつく部長ボコボコにする事こと出きるかな。

 

『そういう意味じゃない!貴様アホになってないか?』

 

 人は変わるんだよ~無情にも……さて、次の戦いに向けてもう寝ますか。

 

『貴様は前まで戦いに意欲的じゃなかったよな?なんなら逃げたがってたよな?』

 

 いや、もうこの際僕の使命を全うしようと思って。

 

『使命だと?』

 

 いやぁ~よく考えたんだけど。僕たちは所詮魔王軍と戦うことを求められた者達だろ?そのために強大な力をもらい、王国に尽くす。でもさ、よくよく考えれば、僕たちは恐怖の存在にもなりうる。なぜだか分かる?ルース

 

『死なないからか?』

 

 そ、死なないってことは死を恐れる必要はない。痛みを恐れても、死を恐れることはなくなる。もし、そんな集団が悪さをしたら?反乱を起こしたら?

 

『まぁ、出られないようにするしか無いな。それこそ監獄にぶちこむとか。』

 

 その通り。誰だってホントは首輪を着けたいんだ。特に自分より強いものや規格外の力を持つものにさ。………でも、僕はもう首輪をつけられるのはごめんだね。誰にも縛られることなくのんびり生きたい。1日1日をいちいち覚えて無いくらいの味気ない人生を送りたい………たまには刺激が欲しいけどね。

 

『そのためにさっさと魔王軍を倒すという役割を果たすと?………だが、そうなると勇者達は必要なくなるぞ?王子であるアベルは別として、それ以外は?お互い特に思い入れが無いぞ?何せ、魔王軍がいなくなれば用済みも良いととこだぞ?』

 

 まぁ、口実つけて縛り付けては来そうだね。それこそ騎士団に入団させるとか。

 

『どうするつもりだ?縛られるのは嫌なんだろ?』

 

 そこら辺は交渉だな。王がすぐ人を信じるほど愚かなら良いけど………見たところそうじゃなさそうだ。

 

『………お前、かなり悪どいこと考えてないか?』

 

 ………いや、ちょっと上層部脅して味方増やそうかなと思っただけさ。王様はともかく、それ以外は5割位クロの匂いしかしないからね、この国。

 

『……大丈夫なのか?この国。少し心配になってきた。( ´Д`)』

 

 おや、意外だね。君がこの国を心配するなんて。

 

『一応母国だしな。軽い心配位はする。』

 

 僕はいよいよ君のことが分からなくなりそうだ。

 

『安心しろ、俺も貴様の事が理解できなくなったところだ。』

 

 お互い様だな。そこらへんは。

 

『………さて、もう寝よう。俺はつかれた。』

 

 なら最初から寝かせろよ。………おやすみ。

 

『おやすみだ。』

 

────────────────

 

 あ~良い朝だ。爽快爽快……ホント、ムカつくほどになぁ!

 

『……どうかしたのか?地味にうるさいぞ。』

 

 イヤ、最近良い朝ばかりで逆に憂鬱になるなと。

 

『なら雨が降れば良いのか?』

 

 雨は嫌いだ。曇りくらいがちょうど良い。

 

『わがままだな……だが地味にその気持ちが理解できるのが実に腹立たしい。』

 

 コンコン

 

「お~い、そろそろ出発するぞぉ~。」

 

「大丈夫です。間に合ってます。」

 

「ハァ!?どゆこと!?なにいってんの!?」

 

 あ、ヤベ。宗教勧誘と同じ流しかたしちゃった。

 

 ガチャ

 

「あ、あ~ごめん。ちょっと寝ぼけてたみたい。」

 

「お、おお?そうか?なら、良いんだけど……」

 

 ヨシッ!ギリギリセーフ!

 

『アウトゾーンに片足入ってた気もするが……』

 

 それでもセーフはセーフなんだよ!黙ってろ!ぶん殴るぞ!?

 

『貴様……そんな狂暴だったか?最初からイカれてはいたが……』

 

 ハハ!ついに気がふれたんじゃね?知らんけど。

 

『……冗談無しでそう感じてきた。』

 

「お~い!聞いてるか?」

 

「ア?あ、あぁ、ごめん。ボーッとしてた」

 

 ヤベッ!いま人と話してた。失敬失敬。

 

『お前……そのうち愛想つかされるぞ?』

 

 お、珍しいね、僕の心配とは。

 

『……それより話し聞かなくて良いのか?』

 

 そうだね。スマンスマン。

 

「で、なんだったっけ?話って。」

 

「だから、これから風の谷行くぞ?」

 

「え?あ、あぁ、そうか。ナウシカ行くの今日か。」

 

「ナウシカ?なんだそれ?」

 

「あ、気にしないで、こっちの話だから……」

 

「なら良いや。さっさといこうぜ。みんな待ってる。」

 

─────────────────────

「…………。」

 

 馬車……だと?あなた方、僕が乗り物弱いって知らせなかった?

 

「イヤ、知らんだろ。それに、前に馬車乗ってたろ。朽ちた大地の時。」

 

 ウン。それは平地が多かったから平気なんだよ。少なくともこんな凸凹の道でグラグラ揺れまくってる馬車は無理だ。船ほどじゃないにしろはきそう。

 

『いや、船の方が揺れてなかったろ。』

 

 それは…あれだよ。精神的な理由だよ。

 

『なるほど、自分でもよく分かってないと。』

 

 ……ノーコメントで。

 

「そう…ッ言えば。風の谷になにしに行くんだ?」

 

 ヤベッ!行きなり喋ったから吐きそうだった。

 

「我は先ほど聞いたが、どうやら魔王城に行くために伝説のデカイ鳥捕まえるらしい。」

 

「へ?どういうこと?」

 

「あれですよ。海は魔の海域でムリ。陸は遠回りになる。なら、いっそのこと伝説の鳥空飛んで行こうってことですよ。」

 

「ほえ~何度聞いてもさっぱりが意味分からん。」

 

 アベル…それに関しちゃ同意だ。遠回りくらい了承しろよ。絶対伝説の鳥使いたいだけだろ。僕のところだと絶対動物愛護団体が黙ってないぞ!ま、僕アイツら嫌いだけどな!何故かって?それ見てると人間のエゴを間近で見てる気分になるから。捨てられたならもうほっとけよ、って思ってしまう。だってそうだろう?結局死ぬなら好きなことさせりゃ良いじゃないか。確かに、捨てた飼い主に思うことがない訳じゃない。拾った、産まれた、買った、懐かれた、様々な理由があれど…飼うと決めたならキチンと死ぬまで育てるべきだ。(致し方ない事情があるなら仕方がないが……)ま、極論言うとエゴがウザい。

 

『貴様一回刺されろ。』

 

 えぇ……そこまで?

 

『そこまでだバカ!アホ!クズ!こんなことを俺に言わせるな!貴様絶対反感買ったぞ?おそらくその思いを全人類が知ったらそのうちの7割には絶対ゴミを見るような眼で見られるぞ!』

 

「どうやら、目的地についたようだ。」

 

「へぇ、ここが風の谷ね。」

 

 結論。普通の谷があるだけ。

 

「で?デカイ伝説の鳥は?」

 

「あ、あの卵じゃないですか?………って、え?」

 

「「「「デカッ!!」」」」

 

 なんと、目の前には大体8メートルは高さのある卵が在ったのだ。

 

「……たぶんこれで良いんだよな?」

 

「は、ハイ。伝説の鳥は、卵のなかで勇者が来るのを待ち続ける……って在りましたから。」

 

「なんだそれ?初耳なんだけど……」

 

「イヤ、そんなことはどうでも良いんだ。それよりは………」

 

「たぶん、思ってることはみんな同じだよな?」

 

「あぁ、」

 

「そうですね。」

 

「「「「この卵、どうする?」」」」

 

 ハイ、きれいにハモった。

 

 でも分かるよ。でかいもん、それほどまでに。

 

「……もういっそのこと割っちゃうか。」

 

『……お前、アホか?』

 

 だって、この中雛鳥じゃなくて眠ってる伝説の鳥だろ?なら………ん?雛鳥じゃない?………あ!思い付いた!

 

『……おいおい、まさかとは思うが…』

 

「ヨシ!この卵ぶっ叩いて中の鳥無理矢理でも起こすぞ。」

 

「ハ、ハァ!?なに言ってんの!?」

 

「………なるほど、一理あるな。」

 

「イヤ、ないですよ!?アホなんですか!?」

 

「もう、それくらいしかないだろ。この卵運ぶ方法。」

 

「イヤッ、ここ四天王の縄張りの近くですよ!?危険です!」

 

「うわ、また出たんだけど衝撃の新情報」

 

 まじかよ。ええい!だが、背に腹は変えられん!

 

「ヨシ!全員構えて!」

 

「分かった!」

 

「それくらいしかやることないしなぁ!」

 

「私の周り脳筋ばかりじゃないですか!?えーい、ままよ!こうなりゃヤケクソです!行きましょう!せぇ~の!」

 

「「「「ハァァァ!!」」」」

 

 ドッゴォォォォン!

 

 ドン!←卵は無傷。ヒビひとつなし。

 

「「「「………。」」」」

 

『………これは…想像以上の固さだ…』

 

「もう一回行くぞぉ!」

 

「「「オォォォォォォォ!!!!!」」」

 

「せーのでいくぞ!せーのっ!」

 

「「「「セイヤァァァァァァ!!!!」」」」

 

 ドッゴォォォォン!

 

 ドン!←また卵は無傷。ヒビひとつなし。

 

 ~しばらく繰り返し~

 

「「「「ゼェ、ゼェ、ゼェ……」」」」

 

「もう、いっちょやるぞ。」

 

「「「ハイ!」」」←完全にノリに流されている状態

 

「「「「オンドリァァァァァァァ!!!!」」」」

 

 ドッゴォォォォン!

 

 シュゥゥゥゥゥゥ

 

 瞬間、あまりにも激しすぎて砂煙が舞った。

 

「「「「ハァ、ハァ、ハァ、やったか!?」」」」

 

 ピカーン!←無傷。かすり傷の1つもない。

 

「あ、あぁ、アァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!もうヤダァァァァァァァァァ!!!腕痛ァァァァァァァァイ!」

 

「ヤバイ!アベルが壊れた!どうすれば良いのだ!廃世よ!」

 

「とりあえず斜め45度からぶん殴れ!」

 

「なんでですか!?」

 

「何となくだ!」

 

 壊れたら45度の角度で殴りゃぁ良いんだよ!かの有名なのび太の母さんも言ってた!(言ってない。テレビは言ったけどそれ以外は言ってない。)

 

「分かった!」

 

「リギルさん!?そこ分かっちゃいけないですよ!?」

 

「すまん!」

 

 そういい、翔真が思いっきり後頭部の斜め45度からアベルをチョップを食らわせた。

 

 ドシュ!

 

「カハッ!」

 

 バタッ!

 

「……気絶したんだが、どうしたら良いんだ?」

 

「さあ?水でもかけて叩き起こせば?」

 

「分かった。」

 

「もう、私はなにも言いません。」

 

 バチンッ!

 

 翔真がアベルの頬をひっぱたいた。

 

「いってぇ!?何!?」

 

「卵最後の一回叩くから起きて。」

 

「え?あぁ、そうなのね。分かった。」

 

「まだ……私のやるんですね。」

 

「それしかやることない。」

 

「俺もそこは同意する。」

 

「ハイ、みんな位置ついたァ?最後だから全力振り絞るよぉぉ!せーの!」

 

「「「「オンドラァァァァァァァ!!!!」」」」

 

 ドッゴォォォォン!

 

 シュゥゥゥゥゥゥ……

 

 やはりまた砂煙が舞った。

 

「今度はたてないぞぉ、フラグ。」

 

 ピキ!

 

 お、まさか?この反応は?

 

 ピキピキ

 

「つ、ついに……ですか……」

 

 ピキピキ

 

 バキーン!

 

「トリィィィィィィ!!!!」

 

「「「「は?鳥の鳴き声ってこんなの?」」」」

 

「トリィ!(こんなのとはなんや!こんなのとは!)」

 

「「「え?鳥って喋れんの?」」」

 

『……どうやら、勇者の共通のスキル。『多言語翻訳』が機能しているらしいな。』

 

 え?あのスキルって勇者共通なの?でも、鑑定で見たときはなかったような……

 

『それは、共通の能力ゆえにわざわざ読み取らなかったのだろう。知ったところで大したことないしな。』

 

 はぇ~そういうもんか?

 

『知らん。』

 

 いや、知らねぇのかよ………

 




全然役立たない豆知識…最近廃世は剣で全力で攻撃するとき奇声を上げるようになり。そのせいで一部の王国の人からバトルジャンキーだと思われてる。

違和感ハンパなかったんで今更ながら一部修正しました。

…廃世って、どんなキャラだったっけ?



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伝説のデカイ鳥

久っぶりに投稿できました!……最初の頃の原型どこ行ったんだよって感じの小説ですね、この小説。


18話

 

「……つまり、うるさすぎて寝れないから仕方なく出てきたと?」

 

「トリィ!(せやで!卵の殻をガンガン叩きよって!うるさすぎて寝れんわ!)」

 

 う~ん、それは悪いと思ってるけどそれよりは鳴き声の長さと文字の長さが一致してなくね?

 

『そこは気にするな。大体、貴様の記憶見てわかったが、お前のところだと国が違ったら同じ意味でも音の長さが違う時があるだろ、それと同じであろうが……おそらく。』

 

 納得。

 

「それはすまなかった。僕……いえ、私がが代表して謝罪します。」

 

 そう言って、僕は頭を下げた。もう頭下げるしかねぇよ、こういう時。

 

『貴様地味に凄いな。心の中はめんどくさいからとりあえずやっとけって感じだが、それを知らなかったらきちんと誠意があるように感じる。』

 

 フッ、これでも交渉術のスキル持ってるんで!やっと使えたぞこのスキル!

 

『今までバカみたいに戦ってたからな。何度戦いで交渉術使えと思ったことか。』

 

 え~、破綻する確率が限りなく高い交渉するよりさっさとぶっとばした方が早くね?

 

『脳筋かよ……しかもそのくせ貴様ほとんど戦ってないだろ。』

 

 みんな強くなってきたからなぁ~僕が不意打ちするまでもないわ。それに、僕は後方支援型なんで。

 

『貴様は後方支援できるような技持ってないだろ……全部近接じゃないか…唯一使える強化も自分限定だろ。』

 

 うるさいな!ヒーローと幽霊部員は遅れてやってくるって良く言うだろ!?

 

『前者はともかく後者の方はお前の記憶見たが…言ってないぞ?おそらくだが貴様の一方的な偏見だろう?それは。それに、貴様はヒーローとは程遠いぞ。性格も、行動も。』

 

 う~ん、あ、話聞かなきゃごめんね。

 

『話をそらしやがった…』

 

「トリィ!(まぁええで!めちゃくちゃ笑えたからなぁ~、まさか卵をぶっ叩いて割るっちゅう発想はww)」

 

 駄目だぁ、いくら聞いても音と一致しない~ど~ゆ~こと~

 

『考えるな!世の中には気にしなければ良いこともある!』

 

 ドッゴォォォォン!

 

 何かいきなり轟音が響いた。え?これまさか……

 

「ちょっと!なにやってんの!あんた人ん家の近くで!ガンガンガンガン音響かせて!寝れないじゃない!?」

 

「あ、あぁ、すみませ────」

 

 ガッ!

 

 僕は、振り返ろうとしたアベルの肩を掴み、大声で言った。

 

「振り返るなぁ!世の中には見ない方がいい現実もある!」

 

 ウン、だってこの人多分四天王でしょ?分かるよ?話の流れで。なんならオールがここ四天王の縄張りの近くって言ってる時点でフラグたってるから。

 

『わかっていたなら叩くの辞めて帰ればよかったろうが。』

 

 ……いや、ストレス発散したくて。余計ストレス溜まったけど。

 

『それでは起こされた方はたまったものではないな、謝れ。土下座だ。土下座しろ土下座』

 

 なんでとりあえず土下座しとけって絶対誠意のない謝罪の代名詞知ってんだよお前。

 

『貴様の記憶から抜粋、お前の同期がそれを乱用しすぎて蹴落とされたのも同時に見た。』

 

 だと思った……てか蹴落とされたのも見たならやめろや。今回に至っては死ぬぞ?生き返るとは思うけど。

 

『いや、勇者全員死ななきゃムリだぞ?』

 

 うげっ、めんど。

 

「オイィィィィ!!!その言葉には同意するが今回ばかりは現実見ろやァァァァァ!!!巻き込まれた恨み!晴らしてやる!そして私の昼寝時間を返せぇぇぇぇぇ!!」

 

 ………すまん。

 

『いや、口で言えよ。』

 

 こういうタイプは下手に謝ったら首が飛ぶ。リアルで。

 

「イヤ、ホンットにすみません、まさかこんなとこに住んでいるとは思ってなくて……」

 

 イヤ、気づけよ。そいつ四天王……最低でも魔王軍だぞ?じゃなきゃこんなとこに住まねぇから。唯一のマトモ枠であるオールでさえ頭下げてんじゃん。あ~、これ全員が雰囲気に押されてますねぇ……

 

『つまり、押されていない貴様は空気が読めない奴と?』

 

 その通り!そしてちゃっかり気配消して君を構えて背後とってる!つまり、これが表すことは~?

 

『(暗殺準備OK!)』

 

 お、珍しいじゃん。こういうノリに乗るって。

 

『もう諦めた……それに、貴様に振り回されるよりかは一緒に全員を振り回した方が面白いことに気づいた。』

 

 う~ん、どこ狙お、やっぱり首筋?

 

『暗殺は基本的にそうじゃないか?それか心臓。』

 

 ヨシ、楽な首筋ぶった切ろ。

 

「コソコソすんな!鬱陶しぃ!」

 

 !?

 

 ビュフォォォ!!

 

 ……え?今、後ろからやったよね?完璧だったよね?なのになんで風で吹っ飛ばされてんの?僕達

 

『あ、あぁ、そのはずだ……あと前回と違い冷静なのな。』

 

 あ、あぁ、今は不思議とな。

 

「は、廃世!?何やってんだ!?」

 

 ……どうするよ、この空気

 

「あ、コイツ多分四天王だよ。」

 

「ハァ!?何言って………」

 

「チッ!何で分かった!?」

 

 あ、認めちゃうんだ……

 

「合ってたのか………さすがだな。」

 

「いや、だからと言っていきなり不意打ちは……」

 

 不意打ちはとは人聞きの悪い。合理的で効率的な先制攻撃と言ってくれ。

 

『言い方がややこしいだけでバリバリ不意打ちじゃないか………』

 

「いや、僕騎士じゃないから……勇者だから。」

 

「いや人としてどうなのって話ですよ!?」

 

「……で?君名前は?」

 

「無視ですか!?」

 

「ハァ!?なにいってんのアンタ!?名乗る義理ないわよ!」

 

「お嬢さん、そういわずにさ、ゆっくり話そうよ……」

 

 隙を見て殺る!

 

『ナンパ口調の裏でえげつないこと考えてるな……』

 

「んな殺気ダダ漏れの奴と話せるか!」

 

 バレてる~、するど~い。

 

「漫才をやってないで戦わないのか?」

 

「戦いって指摘されて戦うもんだっけ?」

 

「……さぁ?分かりりませんよ。」

 

「Yo、Yo……でてこないからパス。」

 

『ラップを始めようとするな。……そしてでてこないから言うな。』

 

「???」

 

「???」

 

「???」

 

「我もラップできないから気持ちが分かるなぁ………」

 

 翔真にしか通じてね~、悲しい。

 

『むしろ翔真だけにでも通じたのが奇跡だぞ?』

 

「かかってこないならこっちから行くわ!」

 

「やべっ!また風来るぞ!」

 

『逃げるか?』

 

「逃げられるかよ!」

 

 仮にもここまで来たんだ!やってやるとも!

 

 ………不意打ちを!

 

『』ガクッ

 

『そこは覚悟決めて正面突破だろ……』

 

「させません!『フラッシュ!』」

 

「ぐあっ!目が……」

 

「今のうちに袋叩きにしましょう!」

 

「お前性格変わってない!?なぁ、リギル。」

 

「あ……あぁ。」

 お、ヤッタネ!これで殺れる!

 

『……おう、好きにしろ。』

 

 ヒャッハー!ZI☆KO☆DA☆ZE!

 

『ずいぶん小規模な事故だな……』

 

 オラオラ叩けぇ!

 

 バコン!バコン!

 

「イタッ!ちょ、やめ!」

 

 オラオラオラオラ!

 

『……あの、剣の横の部分で叩くの止めてくれないか?普通に斬らないか?』

 

 え~、めんどい。それにいま気分じゃない!

 

『……そうかい。』

 

 なんか態度変わってきてない?

 

『気のせいだ。』

 

「お、おい!そろそろやめてやれ!気絶してんぞ!」

 

 え?……あ、ホントだ。

 

「フゥ……ってことでさっそく乗って帰ろうぜ!鳥!」

 

「トリィ!(ええで!背中乗り!でも鳥って呼ぶのはやめてや!)」

 

「……鳥じゃん。」

 

「トリィ!(せやけど!せやけどね!名前くらい付けてくれたってええやん!)」

 

「……ならもう今日から君の名前は砂肝ね」

 

『貴様絶対食う気満々じゃねぇか!』

 

「……鳥の名前を部位で付けるやつはじめてみた。」

 

「トリィ!トリィィ!(ずいぶんとひっでぇネーミングセンスやな!)」

 

「トリィはどうですか?」

 

 お、珍しくオールが意見だした。…すごい安直だけど…

 

『貴様の砂肝よりはマシだ。』

 

 ほっとけ

 

「では、一旦王国まで帰りましょう……」

 

「「「異議なし」」」

 

 僕たちは王国に帰った。ちなみにめっちゃ酔った。




逆鱗に触れたのに前回と違い冷静な理由……怒りより驚きの方が勝ったのと前回と違いあまりストレスが溜まってなかったから。


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