イタチが一族抹殺なんか放り出してイズミといちゃいちゃする。そんな話 (ポンデリング)
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水木イタチ

考えないで、感じて


「やってられるか……」

 

 彼の頭の中で何かが弾けた。

 

「え?」

 

 五大国の一つである木の葉の里、その中枢の闇を背負う老獪・志村ダンゾウは自身の目の前で片膝をつく男の予想だにしない言動に思わず呆然とした。

 さらに男の言葉は続く…

 

「はぁ……普通に暮らしたい…」

 

「え?」

 

「写輪眼が欲しいのか?なら眼球抉って渡してやろうか?」

 

「え?」

 

「ちゃんと代替えの眼球用意してくれるんだろうな?普通の生活の保障を求む」

 

「うちは一族は?」

 

「知るか。潰し合いなら勝手にやってろ。俺は国の辺境で静かに暮らす」

 

「うちはイズミがどうなっても………」

 

「俺の嫁な。当然連れて行くぞ?」

 

 ダンゾウの脅しの言葉にも一切の動揺を見せない男は呆れた目でダンゾウを見る。

 

「いや、あの…」

 

「あぁ?」

 

「いえ……何でもないです」

 

「そうか……なら俺は帰る」

 

「(何なのだ……っ。何がお主をそこまで変えたのだ………!!)」

 

 自身の責任から逃れられず、操りづらい男であるがその弱点を突けば自身の望み通りの行動をとる男だと、ダンゾウは目の前の男をそう評価していた。

 

「てか、おい…」

 

「はいぃぃ!!」

 

 ダンゾウは男の紅く光るその強い眼光につい悲鳴のような返事をしてしまった。

 

「シスイ死んでいるんだが……どうしてくれるんだ?」

 

「………………とりあえず目、返します」

 

 ダンゾウには最早抵抗する意思は無かった…

 

 

 

 

 

そして6年後……

 

「あぁ〜!!イズミぃ〜!かわいいよぉかわいいよぉ〜!!くんかくんか……」

 

 18歳になるうちは一族の男・うちはイタチは妻である同族の女性・うちはイズミという底無しの沼にはまり込んでいた。

 

「ちょっ……こら!イタチくん!!」

 

 イズミは腰に腕を回すように飛び付いてきたイタチから必死に逃れようと彼の頭を押し込む。

 

「フレグランス!フレグランスの香りだ!」

 

 馬鹿丸出しの満面の笑顔でイタチはイズミを見る。

 

「いつもそうよ!」

 

「いや、いつもはもっとこう……ふむ…」

 

「何よ!何が言いたいのよ!」

 

「いや、これは俺が一つの原因を作っているんでな………」

 

「げ、原因?それが香りと関係なんて……」

 

「いや、ここ最近毎日のようにイズミとのニパニパ!!夜の大運動会で若干俺のにお………」

 

「いい!いいから!言わなくていいから!」

 

「そうか………」

 

「もー!イタチくん真面目な顔でとんでもないことを直ぐに言うから」

 

「まずとんでもない事の基準とは?」

 

「めんどくさい子みたいな事言わないの!」

 

「解せない」

 

「……………イタチくん変わったね…」

 

  6年前、夜中にイズミ宅に突然訪れたイタチは「忍びやめるんだもん!」と玄関先でぐずり始め……現在に至る。

 

「変わった?イズミへの愛は一時たりとも絶えた事はないし寧ろ年々増しているだが?」

 

「そう言うところよ!!」

 

「……だがな、イズミ……俺は思うんだ…」

 

「………?」

 

「両目万華鏡のカカシさんは……不自然」

 

「何の話よ!!」

 

「俺にほうれい線のようなやつがあってこそイタチであるように、カカシさんも黒目と写輪眼を両立してこそカカシさんなんだ。わかるか?」

 

「……頭痛くなってきたわ…」

 

「さらに言うならカカシさんにはマスクも必須だ。確かにあのフルフェイスが公式に発表された時は興奮した。期待を裏切らなかった。しかしだ!カカシさんにはやっぱりマスクなんだ!口もとのホクロよりマクスなんだよ!」

 

「何でこの人について来ちゃったんだろ…」

 

「しかしこれは岸影様の方針…自論を持てど否定はするまい……イズミはどう思う?」

 

「え、わたし!?…………いいと思うよ!」

 

「やっぱりそう思うか!!」

 

「うん(ごめん聞いてなかった)」

 

 イズミは全てを諦めていた。

 

 

コンコンコンッ

 

 

「あ、お客さん!わたし出るね!?」

 

 イズミは救いがやってきた事への歓喜の表情をして直ちに玄関へと向おうとする。

 

「ああ頼む。おはじきさんだろう。先程収穫したトマトも分けてあげてくれ」

 

 おはじきさんとはイタチがここに住み始めてから色々とお世話になっている近所のお婆さんだ。ついでに彼女の本名は「ハジキ」なのだが、頭に「お」をつける人が多いことから『おはじき』の愛称で知られている。

 

「分かった!」

 

「頼んだゼーット!!」

 

「なにそれ………じゃあ行ってくるから…」

 

「(………冷めた!?冷めたのか!!?)」

 

 玄関へと向かおうと背を向けるイズミの冷たい目を見てイタチは離婚の危機を感じて焦り始めたが、頭のネジが飛んだイタチはそんな危機感もすぐに消え去り、テレビの電源を付けて寝転んだ。

 

 

 

 

しばらく経つと……

 

「イタチくん…………」

 

 イズミは後ろから声をかけたが、放送されているテレビ番組「ポツンと一軒里」に夢中であるイタチは視線はテレビに向けたまま、背を向けてイズミに応答する。

 

「ん、どうしたイズミ?ハジキさんにトマトは渡したか?」

 

「あ、ん……その……」

 

「どうした?その『あ、ん……』ってのは若干興奮しかけたぞ?間に句読点が無ければ更に良し!」

 

「兄さん…………」

 

「誰が兄さんだ。確かに兄さんの兄さんは少しばかりお兄さんになりかけたが、お前にとっては旦那さma………」

 

 興奮にテレビどころでは無くなったイタチが鼻を膨らませ振り返るとそこにいたのは…………

 

「いや、弟だゼーット!!」

 

「ひぃっ!!?」

 

「やめなさい!!」

 

 イミズは手に持ったスリッパを渾身の力でイタチの頭に振り下ろした。




て、話が頭の中でチラついたので書き出しました。スッキリしたし後悔もしてない。そして続かないかも


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グフフフッ

 今回は試しにイタチ視点+下ネタ強めて書きました
 頭を空っぽにして読んでくださいね


 先日のサスケ訪問は3代目火影・ヒルゼンが俺を呼び出したいとの旨を伝えるものだったらしく、面倒な事だが現在俺は火影室にて三代目と対面している。

 あー早く帰りたい、畳の上でゴロゴロゴロゴロ転がって、勢いそのままにイズミ太ももで膝枕と洒落込みたい。

 

「聞いているのか?イタチよ」

 

三代目のシワシワのまぶたに挟まれた鋭い瞳が俺を捉えた。

 

「あ……すいません。イズミのおっぱいの事を考えていました」

 

「あ……うん。気をつけようね?」

 

「はい………ところで三代目………」

 

「なんじゃ?」

 

「俺が里に連れ戻された……という事はつまり……」

 

「うむ………」

 

 三代目の真剣な表情に俺は一息置いてから口を開いた。

 

「また搾乳ですか……」

 

「何を言っておるのだ!?」

 

「イズミから搾乳したヤツをご所望なのでは?」

 

「いや、最低じゃんワシ。な訳ないじゃん。てか『また』って…リピーターじゃんワシ」

 

「三代目言葉遣いがヤングですね。俺はそんなヤングよりペヤングが好きです」

 

「なんの話をしておるのだ?」

 

「いかにしてハエを効率よく叩き潰すかの話です」

 

「支離滅裂じゃな……どうした?お主はそんな奴ではなかった」

 

「イズミの乳房……ゴホッ!…おっぱいが俺を変えてくれました」

 

「なぜ言い直した…」

 

「それ以上にイズミの腋は最高です!」

 

 大切な事だから言っておくが「脇」じゃない、「腋」だ!

 

「それ以上喋って欲しく無いワシがいる…」

 

「壮大なこと乳の如く、桃色なること輪の如く、魅了すること美の如く、甘美なること味の如し……」

 

「き、急にどうした?」

 

「乳輪美味です」

 

「最低じゃな」

 

「イズミの背後に這いよる混沌……ツクヨミホテプですから」

 

「何故わざわざ這い寄る…」

 

「グフフフフ………」

 

「怖……」

 

バンッ!!!!

 三代目との会話を遮るように何者かが扉を乱暴に開いた。俺は入室してきた人物の姿を見逃さず…

 

「兄さぁ「八卦六十四掌!!」」

 

「ん…………」

 

「許せサスケ…これは序章だ。お前は既に俺の八卦の領域内にいる」スッ…

 

(あの構えは………!!)

 

「八卦……百二十八掌!!」

 

(あ、アニメ版!!)

 

「グアァ!!!」

 

 悪いなサスケ………爆ぜろ

 

「ふう……さぁ、話の続きを……イズミとの妊活の話でしたね」

 

「違うから!!」

 

「ふぐっ!!?」

 

 飛ばされたのは…俺もだった。

 火影室に入室したイズミは流れるような動きで背後に近づき足蹴りで俺を吹き飛ばした。

 

「もう!どうせ碌な会話してないと思ってたよ!イタチ君!もう帰るからよ!」

 

「イズミの足蹴り……最…高……蹴り直しを所望する……素足ならなお良し…」

 

「やらないから!」

 

「少し落ち着け、後でイズミたんの点穴もついてやる……2つしか無いがな、グフフッ」

 

「あぶねぇってばよ!」

 

 突然やってきた3人組の内の一人、口は悪いが狐面した3本線×2のクソガキが俺とイズミたんの神聖な会話に邪魔しやがった。許せねぇ……やっぱり俺はお前を許せねぇ……

 

「突然入ってくんじゃねェ!!八卦空掌!」

 

「イタチ君!!?」

 

 俺の技によって吹き飛ばされた金髪の少年は綺麗な円を描いてすでに脱落しているサスケの上に積み上がった。

 そしてここで決め台詞ッ!!

 

「てばよって何だよ。使い方の法則がわからないんだってばよ……あ、こうか」

 

 主人公ぽいのが爆散した以上、来週からはITACHI成年編の開始だな。青年じゃない、成年だ。イズミとのなの……グフフッ!

 



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え?なんだって?

台本形式で書いてみました。
感じ取って下さい。


「俺には友達がいない」

 

「いきなりどうしたの……」

 

「二重スパイやなんならで働き詰めだった俺にはシスイ亡き今、友達が一人としていない事に気付いた。今し方ッ!!」

 

 いろいろツッコミたい喋り方だけど……とイズミは呆れながらも話しの相手をする。

 

「で、どうしたいの?」

 

……次はなんか冷たい

 

「はがない状態を脱却する策を練る。イズミ、なんか案をくれ」

 

「友達は自分から作りにいくものだよ。その人任せの姿勢が駄目なの」

 

「他力本願寺が俺の本拠だ」

 

「他力本願が俺のモットーだ、でしょ」

 

「え?なんだって?」

 

「ぶん殴るわよ」

 

「拳を収めろ。内なる小鷹が出ただけだ。ちなみに内なる小鷹は友達が少ない」

 

「知ってるわよ!」

 

「そのツッコミはボケ寄りだぞイズミ」

 

「イタチくんのせいで頭がおかしくなりはじめてるのよ!」

 

「いい傾向だ」

 

「よくないよ!」

 

「この調子でサスケの小鳩性転換フェーズへと移ろう。あぁ…駄目だ、あいつ鷹だったわ!ハハハハハハッ!!………ん?待てよ…レイシス・ヴィ・フェリシティ・鷹の改名ならアリかもしれないな。次に方言、金髪、ロリと移行する……この角度からの小鳩化なら……よし、それでいこう!!イズミ、サスケを呼べェェェ!!」

 

「一人でなに言ってるの!?」

 

「兄さん!」

 

 こいつなんで毎回ドア蹴破って出てくるんだよ。よし、デコトンしてやろう…拳で

 

「誰が兄さんじゃあぁ!あんちゃんと呼ばんかぁぁぁい!!!」

 

「ふぐぅぅッ!!」

 

「イタチくん!?」

 

「この愚弟がァ!!何をしに来た!!」

 

「兄さんの……作っ……た…トマト……貰いに…」

 

「何がトマトだ!小鳩は黙って処女の生き血だろうが!」

 

「…小……鳩?」

 

「そうだ!……ん!?おいサスケどうしたんだ!?左右の目が同じ色だぞ!」

 

「それが普通だから!」

 

「このヤロォ……そんな目なんてうちはお馴染みの移植手術でオッドアイにしてくれるわ!!」

 

「やめろォォォォォォォォ!!!」

 

「グフフッ…愚かなる妹よ……安心しろ、俺もすぐにイク」

 

「何が!?」

 

「ナニも含めて何もかもだ(……だが、)」

 

「サスケ弄りは飽きたな。議題を俺の友達についてに戻そう」

 

「身勝手もいいところね」

 

「え?なんだっ…ぐふぅがァッ!!?」

 

「ぶん殴るって言ったよね?」

 

「ぐ………最近のイズミは些か攻撃的だな………………嫌いじゃないよ!」

 

「うわぁ…マジですかこの人」

 

「マジだ。もう最近は気持ち良いまである」

 

「……頭が痛くなってきたよ」

 

「偶然だな、俺もガチガチになり過ぎて痛くなってきたところだ」

 

「もうツッコまないから」

 

「なら俺がイズミに突っ込もう!グフフッ」

 

「……もう嫌」

 

「………もしかして俺…忘れられてる?」

 

「サスケェェェ!」

 

「うるさい!」

 

「グフゲェェェェッ!!?」



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ご近所さん

途中からイズミ視点に代わります


「なら…行ってくるよ、イズミ」

 

 普段なら畑のトマトの手入れをして残りの1日を気ままに過ごすはずのイタチは先日の三代目との会談で受諾したある依頼のため、里へと赴こうとしていた。

 イタチの格好は6年ぶりに押し入れから忍装束を引き出し身に付けていた。それを見たイズミはかつてのイタチの姿を思い出すと共に現在の夫の有様に何とも言えないやるせ無さを感じるようにため息を吐き、里へ赴くイタチへと言葉をかける。

 

「はい、いってらっしゃい」

 

「……なんだかそっけないな……………不倫か!?不倫をしてるのかイズミィ!?」

 

「うざ………はぁ……」

 

 そんな態度を取りながらも実際のとこは誰よりもイタチを愛している自身も大概頭がおかしいのでは無いか、と少しへこみながらイズミはイタチを見送った後、部屋の中へと戻っていった。

 

 イズミもイタチと共に忍の仕事から遠ざかってからの生活は一新してイタチが畑仕事の側ら家事、時にはイタチの手伝いをするなど初めの頃は慣れなかった生活にも慣れ、それなりに充実した日々を送っている。

 忍時代のノースリーブの様な装束はやめ、肌を隠した余裕のあるゆったりとした服を着る様になった。肌を隠すのにはそうしなければイタチが真っ昼間でも興奮し続けてしまうからと言うもう一つ理由があるのだが、例えどんな格好であろうと自身の妻に四六時中発情する…それが現在のイタチであるので何の意味も無くなっていた。

 

「まあ、嬉しくはあるんだけど………あ…」

 

 ふとした独り言にやはり自身もおかしくなり始めているのでは?とイズミは頭を抱えた。

 

 

♢♢♢

 

コンコンッ

 

 日課の家事仕事を終えて、一息つこうと私は今期に一番の楽しみにしている風ドラ(風の国のドラマ)「砂で不時着」を見ようとテレビにリモコンをつけようとすると玄関の戸を叩く音が聞こえた。おはじきさんなら一緒にドラマを見て盛り上がれるから良いのだが、もし知人ではない誰かであったならそうはいかない為少しばかり面倒だな思った。

 

「はじめまして。私近所の家に越してきた者です!美瑠といいます」

 

 玄関の戸を開け目の前に立っていた美瑠と名乗る方は25歳程度だろうか、栗毛の髪に柔らかげな表情をした綺麗な大人の女性だった。

 予想は悪い方が当たった。これは少し時間がかかりそうだ。

 

「あ、わざわざありがとうございます!私はうちはイズミと申します」

 

 当然私だって18の大人の女、邪な考えは表には出さずに社交辞令には社交辞令を以って対応する。

 

「うちはと言えば……あの?」

 

「ははは………うちの旦那さんは変わり者で此処に越してきたんですよ」

 

 何も間違った事は言っていない、実際その通りであるし……と誰かが疑っているわけでも無いに乾いた笑い声と一緒に心の中で言い訳をする。

 

「そうなんですか。実は私達も籍を入れてから各地を転々としていて…そろそろ一つの場所に落ち着こうと思ってこちらに新居を買って住むことになったんですよ」

 

「旦那さんは何のお仕事を?」

 

 各地を転々とする仕事と言えば行商などだろうか?この辺りがいくら田舎と言っても一戸建ての価格はなかなかのものだ。特にこの辺りでは農業を生活の糧にする人が殆どであるのでそれなりに広い土地が必要になる。

 暗部で部隊長を務めていたイタチ君だって今の家を買った時、「尻の毛まで抜かれるとはこの事か……イズミを悦ばせる玩具を買う余裕もない。悪いな……だがしかし!俺にはまだイズミの大好きな自前の玩具が残っている!」と馬鹿みたいな事を叫んでいた。そう考えると美瑠さんの旦那さんの仕事はかなり景気の良いのだと思う。

 しかし、彼女からは意外な答えが返ってきた。

 

「私も夫も忍です。でも私達は別の国から越して来ているので今後忍の仕事が出来るか分かりませんが……」

 

「(それって抜け忍だよね?……)この地域には忍として生活している人はいませんから気にすることないですよ。あ、私の夫が作ったトマト持っていきます?」

 

 え、それって抜け忍じゃない?と頭の中で過ったが言えるはずもなく、話を少しずらしながら私はこの場を早々に終わらせる事を決めた。

 

「いいんですか!ありがとうございます!」

 

「いえいえ……あ、そろそろ夕食の準備をしないといけなのいで私はこれで」

 

 もちろん嘘だ。私は「砂で不時着」を早く見たいのだ。

 

「呼び止めてしまってごめんなさい。またお伺いします。これから夫共々よろしくお願いします」

 

 

♢♢♢

 

その夜…

 

「ふむ。ここに越してくるのは珍しいな。堂々と抜け忍宣言して、馬鹿なんじゃないか?」

 

 馬鹿が他人を馬鹿にするなよとは思ったが、珍しく真っ当な意見を述べるイタチ君に賛同して、続けて美瑠さんとの会話の内容を教えた。

 

「うん。私も思ったけど………あの霧の追い忍撒いてここまで逃げてきたんだから旦那の鬼鮫さんは実力者なのかもね」

 

「鬼に鮫とはやけに強そうな名前だな。鬼鮫…鬼鮫…」

 

 鬼鮫さんの名前を聞くたイタチ君の動きがピタリと止まった。

 

 

 

「…………………ん?鬼鮫?」

 

「そう鬼鮫さん。干柿鬼鮫さん」

 

「ホシガキキサメ?」

 

「………………………」

 

「どうしたの?」

 

「………………………」

 

「………イタチくん?」

 

「イズミのお身体にさわりますよぉぉ!!」

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁ」

 

この後めちゃくちゃ天照した。

 



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タコと鮫

読切面白かった


「毎日の肉体労働は心が洗われるな」

 

 イタチは生業としている農作業に汗水流して働く事に満足感を得ていた。イタチは暫く仕事に集中していると背後で動く影が気になり後ろを向いた。

 

「ん?」

 

「今日からアナタと組む事になった者です」

 

 イタチは目の前のサメの様な顔つきに青い肌をした男を見て、先代忍刀七人衆の一人を殺害し、その武具「鮫肌」を強奪したS級犯罪・干柿鬼鮫であると、忍時代にみたビンゴブックの記憶を引っ張り出した。

 

 干柿鬼鮫という男は曰く…「お身体に触りますよォ!!」…曰く…「早く帰って美瑠さん……触りますよォォ!!」……この二種類の奇声しか上げない男だとビンゴブックに特徴として記載されている。

 

「知らん。帰れ」

 

「ククク……手厳しい」

 

「どこがだ。見知らぬ男への対応としては100点満点だ」

 

「団子持ってきました、一緒にいかが「仲良くしようじゃないか」

 

 二人には互いに簡単な自己紹介をする。

 

「鬼鮫は……モチャモチャ…忍モチャ…の仕事…を…モチャチャ…続けるつもりか?」

 

「汚いですね……」

 

「団子を口いっぱいに頬張る感覚はとても口で言えるもんじゃありませんよねェ……鬼鮫さん…モチャモチャ」

 

「言えないでしょうね。口が団子でいっぱいですから…あと私の口調を真似しないでいただきたい」

 

「うずまきすまなルト」

 

「何ですかそれは……」

 

「木の葉流の謝罪だ。これを知っとかないと直ぐに他国の者だと勘付かれるぞ」

 

「覚えておきます」

 

「イタチ君!お昼ご飯できたよー」ドンッ

 

「おや…これはうずまきすまなルト」

 

「何ですかそれ…」

 

「いえ、イタチさんが…」

 

「イズミ気にするな、鬼鮫は少し頭が弱いんだ」

 

「!!?」

 

「へー……」

 

「誤解しないで下さい。イタチさんの罠に掛かったんです…」

 

「嘘付いただけだ。俺はイズミ以外に罠を仕掛けた覚えはない。そして今夜も罠を貼りズブズブと快楽の沼へと沈めていくのだ。グフフッ」

 

「最低ですねェ……アナタとは気が合いそうです」

 

「どこが!?」

 

「イズミさんからも美瑠さんと同じ匂いを感じます。ツッコミのキレも良い…」

 

「ああ…(鬼鮫さんもイかれてるんだ…)」

 

「ああん?俺のイズミたんとてめぇの鮫嫁のどこが同じだって?卸すぞコラ」

 

「ククク……聞き捨てなりませんねェ……」

 

「あ?やんのか?」

 

「いいでしょう…イタチさん…アナタは削り甲斐がありそうだ……」

 

「俺は鰹節じゃない、人間だ。なんでも魚で例えて話するなよ」

 

「………いきますよォ!!」

 

「来いやぁぁ!!雑魚が!!」

 

「水遁『五食鮫』!!!」

 

「ハッ!!また魚ネタかよ!死ねぇやァァ!火遁!!」

 

「うちは一族の十八番とはいえ、私の水遁に火遁とは……見誤りましたねェ……」

 

「『タコ殴り』!」

 

「ぐはァァ!!?」

 

「火遁・タコ殴り…打撃箇所がたちまち燃える様に赤く腫れる……そう言う事だ」

 

「馬鹿ね」

 

「イズミ、安心しろ火遁・『五月雨突き』は温存しておく…今夜にな!グフフッ!!」

 

「…………」

 

「真面目に闘っているこちらが馬鹿みたいですねェ……」

 

「鬼鮫さん……」

 

「……何しょう?」

 

「やっちゃって……」

 

「イズミ!!?」

 

「惨めですねェ……」

 

「イズミ!?そんな鮫公がいいのか!?確かに奴の棒には小ちゃな返しが付いてそうで其れが痛気持ちいいのかも知れないが俺の月読スティックだけがイズミを満足させられグハァァッ!!?」

 

「ごめんね鬼鮫さん。我慢できなかった」

 

「構いません。興醒めしましたので…」

 

「鬼鮫さん!」

 

「おや…美瑠さん、どうしましたか?」

 

「挨拶にしては帰りが遅いから心配になって…」

 

「安心して下さい。私も鮫肌もそして私の鮫肌も無事です」

 

「あ、やっぱりこの人も馬鹿なんだ」

 

「よかった……鬼鮫さんの鮫肌は……………忍界一だから………」

 

「!!?」

 

「クククッ……滾りますねェ……」

 

「………もう嫌」



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