トロピカル~ジュ!アドベンチャー02 (のぞむ)
しおりを挟む

序章:別れと旅立ち

最近トロプリとデジモンにハマってるので
描き始めました!

それでは本編へどうぞ!


南乃島と呼ばれる島…

その島にある一軒家で

トランクに荷物をつめている少女がいた

 

 

 

 

「よーし!荷物はこれでよしと!

 トランクを閉じて…んんんんんん!

 トランクが中々閉まらない…この~っ!」

 

 

バコーン!

 

 

少女がトランクに大量の荷物を入れようとするが

入りきらずトランクが開き

衣服が散乱してしまう

 

 

「いててて…あ~…

 服がたくさん出ちゃって

 また入れ直しだよ~…」

 

 

少女はもう一度衣服をトランクに入れ

トランクをヒモで縛る

これにより荷物が飛び出す心配は

ひとまずなくなった

少女は荷物を背負う

 

 

「お~い!まなつ~!

 そろそろ船が出るぞ~!」

 

まなつ「は~い!…っととと!」

 

 

まなつと呼ばれた少女は

荷物の重さでバランスを崩しそうになるが

すぐに体勢を立て直す

 

 

まなつ「今行きま~す!…とっとと!

    いけない!」

 

 

まなつは机に老いてあった

リップを手に取る

 

 

まなつ「お母さんからもらったリップ!

    大事な物は忘れないように…」

 

 

まなつはリップをポケットにしまい

家を出て、船が待つ港まで走っていく

 

 

まなつ「あ~!あおぞら市、楽しみ~~!!」

 

 

そうして港にやってきたまなつ

周りにはまなつを見送る為に来た

島の住民達がいた

 

 

「都会に行っても頑張るんだよ」

 

「島の事、忘れんな!」

 

「応援しとるよ」

 

まなつ「えへへ!

    みんなありがとう!」

 

大洋「まなつ!」

 

 

まなつの父、大洋が

まなつの元へ来る

 

 

まなつ「あ!お父さん

    1人で大丈夫?」

 

大洋「おう!心配すんな!

   俺はこの島でやりたい事があるからな!

   だからまなつも」

 

まなつ、大洋「「今一番大事だと思うことを

        やれ!」」

 

 

まなつと大洋は同時に同じ言葉を言う

 

 

大洋「そういえばお母さんから聞いたんだが

   なんでも親戚の男の子が

   お母さんの家に居候するらしいんだ」

 

まなつ「っていうことはその男の子と

    一緒に暮らすって事!?

    なんだか楽しみ~!」

 

 

そしてまなつが乗った船は

出港を始めた

 

 

大洋「それじゃあなまなつ~!

   お母さんの事、頼んだぞ~!

   元気で頑張って来いよ~!」

 

まなつ「うん!

    みんな~!また会いに来るからね~!」

 

 

島の者達に見送られながら

まなつは元気よく船の塀を鉄棒のように回った

 

 

まなつ「よし…夏海まなつ!

    やる気全開、トロピカってきます!!」

 

 

こうして、夏海まなつの新たな生活が

始まろうとしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、お台場のマンション

その一室のベッドの上で

ボサボサ頭の少年が爆睡していた

 

 

「大輔!起きてよ大輔!」

 

大輔「う、う~ん…ブイモン…?」

 

 

大輔と呼ばれた少年は寝惚けながら目を覚ます

大輔を起こしたのはブイモンだ

 

 

ブイモンはデジタルモンスター

通称デジモンと呼ばれる生き物だ

大輔は今から3年前、仲間と共に

デジモン達が住む世界、デジタルワールドを

救う為、選ばれし子どもの1人として

戦いを繰り広げた

そして世界中の選ばれし子ども達と力を合わせ

元凶であるベリアルヴァンデモンを倒し

デジタルワールドと現実世界を救ったのだ

 

 

あれから月日が経ち

大輔は中学生へと成長した

 

 

ブイモン「大輔、今日から新しい家に

     引っ越すんだろ?

     早く起きないとまずいでしょ?」

 

大輔「……ああ!そうだった!!」

 

 

大輔は一気に覚醒し

パジャマから私服に着替え

トレードマークのゴーグルを首に下げる

大輔は自室を出る

リビングでは家族がダンボールに

荷物をつめており、忙しそうにしていた

 

 

ジュン「あ!大輔やっと起きたの!?

    もっと早く起きなさいよね!」

 

大輔「うっせーな姉貴!」

 

 

大輔は姉、ジュンの愚痴に対して

そう返す

 

 

大輔の父「大輔!ブイモン君!

     悪いが手伝ってもらっていいか?」

 

大輔「ああ!」

 

ブイモン「もちろん!」

 

 

大輔とブイモンは荷物を

ダンボールに詰め始める

 

 

そうしている内に家の荷物は

ダンボールに詰め終わった

 

 

大輔「よーし!終わったぞ~!」

 

ブイモン「あ~!疲れた~!」

 

 

大輔とブイモンが安堵していると

大輔の母が時計を見てはっとなる

 

 

大輔の母「大輔!ブイモンちゃん!

     早く行かないと

     船が出港するわよ!」

 

大輔「うわっ!?マジっ!?」

 

ブイモン「大輔!急いで準備しよう!」

 

大輔「ああ!」

 

 

大輔とブイモンは自室に戻り

急いで荷物をトランクに詰める

必要な物をだいたい入れ終えた大輔とブイモンは

自室を出ようとする

 

 

大輔「おっと!いけね!」

 

 

大輔ははっとなり

机に置いてあったデジヴァイス

『D-3』を手に取り、ズボンのベルトにつける

 

 

大輔「それじゃあいってきま~す!」

 

ブイモン「あっちに行っても元気でね~!」

 

 

大輔とブイモンは家族にそう言い家を出る

 

 

父と母と姉のジュンはアメリカに引っ越すが

大輔とブイモンは違う街に引っ越すのだ

大輔達も元々一緒に行くことになっていたが

大輔とブイモンの希望で2人は日本に

残ることになった

大輔とブイモンは親戚の家に居候することになり

今から船で親戚が住む街に行くところなのだ

 

 

大輔とブイモンは猛ダッシュで走り

お台場の港にたどり着く

船は出港する寸前だった

大輔とブイモンはなんとか乗船できた

 

 

大輔「はぁ……はぁ……

   間に合ったぁ~!」

 

ブイモン「俺、もう疲れた~…」

 

 

大輔とブイモンは座り込み息を整える

息を整えた大輔は立ち上がり……

 

 

大輔「よ~し!待ってろよあおぞら市!」

 

 

本宮大輔はお台場を出て

新しく住む街に胸踊らせた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

海の底にある王国、グランオーシャン…

そこでは多くの人魚と海洋生物が暮らしていた

 

しかし人魚達はやる気を失くしたように

ぐったり倒れていた

 

 

「これからどうすれば……」

 

 

その中で唯一の生き残りであろう

人魚の少女がいた

 

 

「女王様の所へ行かなきゃ!」

 

 

人魚の少女は

グランオーシャンの女王がいる王宮に向かう

少女は王宮に入り女王の目の前に来る

 

 

女王「ローラ、無事だったのですね…

   あなただけでも無事で良かった…

   しかし、またいつ敵が現れるか

   わかりません…」

 

ローラ「女王様!私に何か出来る事はある?」

 

 

ローラと呼ばれた人魚の少女は

女王に自分のやるべき事を問う

 

 

女王「もちろんですローラ

   これを持って人間の世界へ行きなさい」

 

 

女王はコンパクトのような物と

手のひらサイズの剣を

ローラに渡す

 

 

ローラ「えっ、人間?」

 

 

ローラはコンパクトを開けようとするが

開かず、剣の方は何の反応も示さない

 

 

ローラ「開かないよ?」

 

女王「それを開ける事が出来る人間と

   剣に選ばれし人間を探すのです」

 

ローラ「人間が鍵を持ってて

    剣を使えるの?」

 

女王「そうです。心の中に煌めく太陽を

   持った人間、そしてどんな困難にも

   果敢に立ち向かう勇気を持った人間と

   私達人魚の心が通じ合った時

   鍵が現れ、剣も光を放つでしょう…」

 

ローラ「なんで人間なんかの助けを…」

 

 

当のローラは人間に助けを求めることに

あまり乗り気にはなれないのか

小声で呟く

 

 

女王「あとまわしの魔女の手が

   人間の世界にまで伸びようと

   しています。早く鍵を持つ人間

   『プリキュア』とその対となる戦士

   『電獣ナイト』を見つけ

   世界を守るのです」

 

ローラ「ねっ!そしたら私

    女王様になれる?」

 

女王「それは、あなた次第です」

 

ローラ「本当!?任せといて~!」

 

女王「頼みましたよ」

 

 

こうして、ローラは

人間の世界へと旅立っていった…

 

 

 

 

 

 

 

はたしてプリキュアと電獣ナイトとは

何なのか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今、冒険のゲートが開く……




この作品での大輔のCVは
田村睦心さんをイメージしています


次回も楽しみに待っていてください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

人魚のローラとの出会い

補足説明ですが
この作品の大輔とまなつは
はとこという設定です


それでは本編へどうぞ!


海の底からポットのような物が

泳いできていた

ポットの中からなんとローラが出てきて

海面から顔を出した

 

 

ローラ「ぷはっ!あ~長かったぁ…

    あれが人間の世界…」

 

 

ローラが見ているのはあおぞら市であった

そこへ汽笛が鳴ってきて

ローラが後ろを向くと船が来ていた

その船にはまなつと大輔とブイモンの姿があった

 

 

まなつ「うわぁ!すご~い!

    ビルがいっぱい!島とは違う大都会!

    やる気高まるー!」

 

 

まなつは船のデッキから

あおぞら市を見ていて

 

 

大輔「うわぁ~!

   あれがあおぞら市か~!

   ビルがいっぱいだな~!」

 

ブイモン「だな~!」

 

 

大輔とブイモンも同じ光景を見て

まなつと同じ感想を言う

ちなみにブイモンはぬいぐるみのフリを

しているため大輔に抱かれていた

 

 

大輔「ん?」

 

まなつ「おっ?」

 

 

大輔とまなつは互いに目が合う

まなつは大輔に近寄る

 

 

まなつ「ねぇねぇ!あなたもあおぞら市に?」

 

大輔「あ、ああ!

   親戚があおぞら市に住んでて

   その人のところに居候するんだ!」

 

まなつ「そうなんだ~!…あれ?

    ってことはあなたが私と一緒に暮らす

    親戚の男の子!?」

 

大輔「えっ!?マジ!?」

 

まなつ「凄い偶然だね!

    私、夏海まなつ!あなたは?」

 

大輔「俺、本宮大輔!よろしくな!」

 

まなつ「よろしく大輔!…

    あ、大輔って呼んでもいいよね!」

 

大輔「ああ!

   俺もまなつって呼ぶからさ!」

 

 

大輔とまなつは互いに自己紹介をする

するとまなつはふと大輔が抱いてるブイモンを見る

 

 

まなつ「大輔!そのぬいぐるみ

    すっごく可愛いね!」

 

大輔「か、可愛い?」

 

ブイモン「俺可愛いって言われても

     嬉しくな…ムグッ!?」

 

 

ブイモンが喋りだしてしまい

大輔はさっとブイモンの口を手で塞ぐ

 

 

まなつ「どしたの?」

 

大輔「い、いや、なんでもねぇ!

   ところでまなつはどこから来たんだ?

   俺はお台場からだ」

 

まなつ「私は南乃島から来たんだ!

    島と違う大都会に

    やる気が高まってるところなんだ~!

    ハッ!でもこの前テレビで………」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

『都会の危険が、あなたを襲う!』

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

まなつ「ヒィーー!

    不良とかに絡まれたくないよ~!!」

 

大輔「不良だって!?

   なんか不安になってきたぁ…」

 

 

以前見たテレビの事を思い出したまなつは

一気に不安になり

まなつの言葉を聞いた大輔も不安になる

そんな2人を見てブイモンは呆れ顔になる

 

 

まなつ「そうだ!こんな時は!」

 

 

まなつはポケットからリップを取り出す

 

 

大輔「それは?」

 

まなつ「お母さんから貰ったリップ!

    私の大切な物なんだ!」

 

大輔「大切なモンか…」

 

 

大輔は首に下げてるゴーグルに触れる

このゴーグルは3年前、尊敬している先輩

『八神太一』から譲り受けた物だ

まなつの大切な物が母から貰ったリップなら

大輔の大切な物はこのゴーグルだ

 

まなつは自分の唇にリップを塗り

気持ちを落ち着かせる

 

 

まなつ「よし!これで大丈」

 

 

ドン!

 

 

まなつ「うわっ!?」

 

大輔「うわぁっ!?」

 

 

船が揺れてしまい

その拍子でまなつはリップを手放してしまった

 

 

まなつ「ああっ!」

 

大輔「ヤバい!」

 

ブイモン「任せろ!」

 

 

ブイモンが船から飛び降り

まなつのリップをキャッチし

大輔が両手でブイモンの両足を掴む

 

 

大輔「ナイスブイモン!」

 

ブイモン「へへっ!」

 

 

ツルッ!

 

 

ブイモン「あっ……」

 

 

しかし、ブイモンが手を滑らせてしまい

リップを手放してしまう

 

そしてそのままリップは海に落ちてしまった

 

 

まなつ「ギャアアアーー!!

    大切なリップがぁ……」

 

 

まなつはガックリと落ち込んでしまう

 

 

大輔「わりぃまなつ……」

 

ブイモン「ごめん……」

 

 

大輔とブイモンもガックリしながら謝る

しかし、まなつははっとなり

大輔とブイモンを見る

 

 

まなつ「ぬ、ぬいぐるみが喋ったあああああ!!」

 

 

まなつは驚いてしまい大声を上げる

ブイモンはしまったと言わんばかりの顔をし

大輔は顔に手を当てる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみにまなつが落としたリップは……

 

 

ローラ「なにこれ?これも人間の物?」

 

 

ローラが手に取っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大輔「…というわけで

   ブイモンはデジモンっていう

   デジタルワールドに暮らす

   生き物なんだよ」

 

 

大輔はまなつにデジモンの事を

説明していた

 

するとまなつは興奮し

鼻息を出す

 

 

まなつ「すご~い!デジタルの世界の

    生き物がいるなんて

    すっごくトロピカってる~!」

 

大輔「ト、トロピ…?」

 

ブイモン「えっ?何だって…?」

 

 

まなつから飛び出た謎の単語に

大輔とブイモンは首をかしげる

 

 

まなつ「ブイモンもよろしく!」

 

ブイモン「ああ!よろしくまなつ!」

 

 

そうこうしている内にあおぞら市が

目前に迫っていた

 

 

ブイモン「大輔!まなつ!

     もうちょっとで着きそうだよ!」

 

大輔「あっ!ホントだ!」

 

 

 

あおぞら市の港に船が止まり

大輔とまなつが船から降りる

ブイモンはさっき同様ぬいぐるみのフリをし

大輔に抱かれていた

 

 

まなつ「きたー!都会トロピカってる~!」

 

 

船から降りたまなつは

母、碧を見つける

 

 

まなつ「お母さ~ん!」

 

碧「まなつ~!」

 

まなつ、碧「「会いたかったよ~!」」

 

 

バサッ

 

 

まなつの持っていた荷物は投げられ

その拍子で荷物の中身が飛び出してしまう

 

 

大輔「うわっ、スッゲェ荷物…」

 

ブイモン「っていうか大輔と同じくらい

     詰めかた下手じゃないか?」

 

大輔「ほっとけ!」

 

 

大輔とブイモンがそんな会話をしていると

碧が大輔を見る

 

 

碧「あら!あなた大輔君ね!

  随分大きくなったわね!」

 

大輔「え?俺の事知ってるんすか?」

 

碧「ええ!あなたが赤ちゃんの頃に

  何度か会ってるのよ

  私は夏海碧!まなつの母で

  あなたのお母さんとは従姉妹同士よ

  それはそうとまなつ…こんなに荷物

  持ってきたの?」

 

まなつ「うん、くちゃくちゃにして入れて

    荷物が閉まらなくなっちゃって

    ヒモで縛ったんだ…」

 

碧「正しい畳み方でやれば

  ちゃんと入るはずなんだけど…

  まあいいわ、半分持ってあげるわ」

 

大輔「まなつ!俺も手伝うぜ!」

 

まなつ「ごめんね~…」

 

碧「そうだわ!これから私が働いてる

  水族館まで向かうけどいい?

  大輔君もいいかしら?」

 

まなつ「ホント!?行く行く!」

 

大輔「はい!もちろん!」

 

 

大輔とまなつ(とブイモン)は碧と一緒に

あおぞら水族館に向かい始めた

 

 

その道中、碧は

大輔が抱いているブイモンをじっと見る

 

 

碧「それにしても大輔君

  変わったぬいぐるみ持ってるのね」

 

大輔「は、はい!俺のお気に入りの

   ぬいぐるみなんです…」

 

まなつ「お母さん違うよ!

    この子はぬいぐるみじゃなくて

    ブイ…ム~!」

 

大輔は慌てながら

まなつの口を塞ぐ

 

 

大輔「このぬいぐるみにブイって名前

   つけてるんすよ!

   イヤー!ワレナガラスバラシイ

   ネーミングダナー…」

 

碧「そ、そうね…」

 

 

碧は若干引き気味にそう返す

大輔はまなつに小声で話しかける

 

 

大輔(まなつ…頼むから他の人には

   デジモンの事は話さないで

   くれねぇか?)

 

まなつ(う、うん…ごめんなさ~い…)

 

 

そんなこんなで一行は

あおぞら水族館にたどり着いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーあおぞら水族館ー

 

 

 

 

まなつ「うわぁ~!ジンベエザメだぁ~!」

 

大輔「デッケェー!」

 

 

大輔とまなつはジンベエザメを見て

興奮する。ブイモンも

声を出すのを堪えながら興奮していた

 

 

碧「島の海にもいない魚が

  たっくさんいるのよ!」

 

まなつ「すご~い!」

 

 

大輔とまなつ達はいろんな魚を

見て回る

 

そんな中、大輔とまなつの目に入ったのは

 

 

まなつ「あ!こっちはイルカ!…じゃない?」

 

大輔「えっと…何だっけ…?」

 

「その子はジュゴンよ

 元気な子達ね」

 

まなつ「え?」

 

 

そこに女性がやってきて

ジュゴンを紹介する

 

 

大輔「えっと…?」

 

碧「この水族館の館長さんよ」

 

「こんにちは」

 

まなつ「こんにちは!私、夏海まなつです!」

 

大輔「俺、本宮大輔です!」

 

まなつ「館長さんのお名前は?」

 

まふね「平林まふねよ

    よろしくね」

 

まなつ「よろしくお願いしま~す!」

 

 

館長、まふねは微笑みながら

自己紹介をする

 

 

まふね「ジュゴンはね、大昔はよく

    人魚と間違われたんだそうよ」

 

大輔「人魚って、おとぎ話とかに

   出てくるあの人魚ですか?」

 

まなつ「人魚って本当にいるのかな?」

 

まふね「フフ、人間はまだ5%しか

    海の事をわかってないって

    言われてるのよ

    だから、どこかに人魚の国があっても

    おかしくないんじゃないかしら?」

 

まなつ「人魚の国かぁ…

    会えるなら会ってみたいなぁ~!」

 

碧「…あ、それじゃあ私は仕事に戻るけど

  まなつと大輔君は街の見物でも

  してきたらどうかしら?」

 

まなつ「うん!大輔、行こ!」

 

大輔「ああ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あおぞら市の商店街

人々が通ってる中

そばにある水路にローラが隠れていた

 

 

ローラ「ふーん…これが人間…

    それにしても、心の中に

    煌めく太陽を持った人間と

    どんな困難にも果敢に立ち向かう

    勇気を持った人間ってどこにいるのよ…」

 

 

ローラが人間達見ている中

大輔、まなつ、ブイモンが

街中見物をしていた

 

 

まなつ「あは~っ!都会だ都会~~!」

 

大輔「おーいまなつ~!待ってくれよ~!」

 

ブイモン「凄くはしゃいでるなまなつ」

 

 

大輔達は様々な場所を見て回った

次に大輔達がやってきたのは

コスメショップであった

 

 

大輔「コスメショップか…

   俺には無縁だなぁ…」

 

ブイモン「なんで?」

 

大輔「コスメショップってのは

   女の子が来るとこなんだよ」

 

 

大輔がブイモンにコスメショップの

説明をする

大輔とまなつはふと中を覗く

 

 

「ん?」

 

 

するとコスメショップの中にいた少女と

目が合う

 

 

まなつ「う…」

 

大輔「あ…」

 

「んん?」

 

まなつ「え…えへへへ…」

 

大輔「はははは…」

 

「?」

 

 

大輔とまなつは苦笑いを浮かべながら

その場から去っていった

 

 

「さんごちゃん?どうかした?」

 

 

するとコスメショップの中にいた1人の少年が

先ほどの少女、さんごに話しかける

少年は頭にゴーグルをつけていた

 

 

さんご「あ、タツヤ君

    さっきね、知らない女の子と

    男の子と目が合ったの」

 

タツヤ「引っ越してきた人かな…?

    どんな子達だったの?」

 

さんご「えっとね…女の子の方は

    茶髪にポニーテールで

    男の子の方は髪がボサボサしてて

    大きなぬいぐるみを持ってて…

    あ、それと首に

    ゴーグルをぶら下げてたよ」

 

タツヤ「ゴーグルを?

    俺みたいに持ってる人が

    いるんだなぁ…」

 

 

後々この2人は

大輔とまなつに会うことになるが

それはまた別の話…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方ローラは

海岸の方で休んでいた

 

 

ローラ「はぁ…どうやって探せば

    いいんだろ…プリキュアと

    電獣ナイト…」

 

 

そして、ローラがいる海岸の近くに

大輔とまなつとブイモンが歩いてくる

 

 

まなつ「あ~~!

    ちょっと休憩しよ~…」

 

大輔「まなつ…お前ちょっと

   はしゃぎすぎだろぉ…」

 

ブイモン「なに言ってんだよ

     大輔だって途中からまなつに

     負けないくらいはしゃいでたじゃん」

 

大輔「え?マジ…?」

 

ブイモン「マジ」

 

 

大輔達は雑談しながら

海岸の岩に座る

 

 

すると……

 

 

ローラ「えっ?」

 

大輔、まなつ、ブイモン「「「えっ?」」」

 

 

大輔とまなつ、ブイモンは

ローラとバッチリ目が合う

 

 

ローラ「(まずい!)あ~~!」

 

大輔、まなつ、ブイモン「「「えっ?」」」

 

 

ローラは遠くに指を指し

大輔達がそれに掛かった隙に飛び出した

大輔達が目線を戻すとローラの姿はなかった

 

 

大輔「あれ…?」

 

ブイモン「なんか…女の子がいたよな?」

 

まなつ「もしかしたら溺れたのかも!

    大丈夫!?……ん?」

 

 

まなつは近くの岩穴に挟まっている

魚のヒレを見つける

もちろんその正体はローラだ

 

 

まなつ「魚が岩に引っ掛かってる!?

    待ってて!今助けるから!」

 

 

まなつは岩穴の方へ駆け寄る

 

 

大輔「ブイモン!俺達も!」

 

ブイモン「ああ!」

 

 

大輔とブイモンも岩穴の方へ駆け寄る

3人はヒレを掴み引っ張り始める

 

 

ローラ「イタタタタ!!」

 

まなつ「えっ?」

 

大輔「この声は…?」

 

 

スポッ

 

 

『うわぁ~!!』

 

 

なんとか岩穴からローラを引っ張り出したが

その拍子で全員海辺に落ちる

 

 

まなつ「あいたた…」

 

大輔「だ、大丈夫かブイモン…」

 

ブイモン「な、なんとか…」

 

ローラ「ちょっとあなた達!」

 

大輔、まなつ、ブイモン「「「え…?」」」

 

 

大輔とまなつとブイモンは

声が聞こえた方を見る

するとそこには人魚、ローラがいた

 

 

ローラ「何力ずくで引っ張ってんのよ!

    私を何だと思ってんの!?」

 

 

 

 

『………えええええええええーーーー!!!!』




次回、大輔とまなつが戦う力を授かる


お楽しみに!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

常夏と勇気!キュアサマーとナイトブレイブ

ローラに危機が迫る時
大輔とまなつが力を手にする


今、冒険のゲートが開く


まなつ「まさかホントに人魚に

    会えるなんて!凄いよ!

    ねぇ!これって衝撃の出会いだよね~!?」

 

ローラ「…」

 

まなつ「しょ、衝撃の出会い!

    衝撃だよね~!?」

 

ローラ「…何言ってるの?人間」

 

まなつ「人間?」

 

 

興奮気味に話すまなつと違い

ローラは素っ気なさそうに返す

 

一方大輔とブイモンは目の前にいる人魚に

驚愕していた

 

 

大輔「ブブブブ、ブイモン!

   人魚だ!人魚がいるぞ!!」

 

ブイモン「スッゲー!

     これがさっき話してた人魚か~!

     下半身が魚の尻尾だ!」

 

大輔「人魚ってホントにいるんだな!

   スッゲ~!!」

 

ローラ「ちょっとそこの人間と変な生き物!

    さっきからうるさいわよ!!」

 

ブイモン「へ、変な生き物!?」

 

 

変な生き物呼ばわりされたブイモンは

軽くショックを受ける

 

 

大輔「おい!いきなり変呼ばわりしたら

   失礼じゃねぇかよ!」

 

ローラ「なによ?変なんだから別にいいじゃない

    そういうあなたこそ

    なんだか子どもっぽいし

    頭も悪そうだし」

 

大輔「だーーーーーっ!!

   言わせておけば

   言いたい放題言いやがって!」

 

 

大輔はギャーギャー騒ぎながら怒る

ローラはふいっと首を降る

 

 

まなつ「…あ、私の名前は夏海まなつ!

    こっちは大輔とブイモン

    あなたの名前は?」

 

 

まなつは話題を変えるように自己紹介をし

ローラに名前を聞く

 

 

ローラ「…私はローラ・アポロドーロス・ヒュギーヌス・ラメール」

 

まなつ「ローラ・アポロピロピロ…

    長くて素敵な名前だね!」

 

ローラ「だって私、人魚だから」

 

まなつ「それにしても可愛い~!

    髪なんかツヤツヤ~!」

 

ローラ「ま、まぁ可愛いのは当然よね!

    だって私、人魚だし!」

 

ブイモン「なぁ大輔。可愛いのと人魚だって事

     関係あるのか?」

 

大輔「いや、多分ないんじゃないのか?

   よくわかんねぇけど…」

 

ローラ(…ハッ!いい気になってる

    場合じゃないでしょローラ!

    私の目的は任務を果たして

    女王様に認められ、

    次の女王になることよ!

    そう!人間の子なんて、

    私が女王になるための捨て駒~!!)

 

まなつ「いだだだだだだ!!」

 

大輔「お、おい!締め付けてるって!」

 

ローラ「あら、失礼」

 

 

ローラはいつの間にかまなつを

尻尾で締め付けていた

ローラはまなつを解放する

 

 

まなつ「急にどうしたの!?

    ひょっとしてホームシック?

    だよね~!知らない街で1人って

    心細いよね~!」

 

ローラ「はぁ?そんなわけないじゃん」

 

 

ローラはホームシックを否定するが

まなつはお構い無しに喋り続ける

 

 

まなつ「わかるよ!実は私も

    ちょっとだけ不安になったんだ

    でも大丈夫!素敵な魔法が

    あるんだよ!」

 

ローラ「魔法?人間は魔法が使えるの?」

 

まなつ「そう!メイクって魔法!

    勇気が出ない時はメイクで

    気合いを入れて、よし!

    頑張るぞ~っ!ってやる気を

    上げるんだ!…あれ?」

 

 

まなつはポケットに手を入れるが

取り出したい物が見つからない

 

 

大輔「ま、まなつ…あのリップは

   船にいる時に海に…」

 

まなつ「そうだった~!トホホ…」

 

ローラ「…もしかしてこれ?」

 

 

ローラは海にいる時に拾ったリップを

見せる。まさしくそれはまなつのリップだ

 

 

まなつ「それ~~!ローラが拾ってくれたの!?

    ありがと~~!!」

 

大輔「よかったなまなつ!」

 

まなつ「うん!ねぇ!ローラもちょっと

    やってみる?」

 

ローラ「えっ?私は別に…」

 

まなつ「遠慮しなくていいから!」

 

 

まなつはローラの唇にリップを塗る

 

 

まなつ「どう?勇気がわいてこない?

    トロピカるぞ~!って感じで!」

 

ローラ「トロピカるってなに?」

 

大輔「あ、それ俺も気になってた」

 

ブイモン「俺も俺も!」

 

まなつ「トロピカるぞ~!っていうのはね

    常夏の太陽みたいにキラキラまぶしい

    幸せな気持ちが胸の奥からこう

    ブワーッとわきあがってくるような感じ!」

 

大輔「へぇ~!…」

 

ローラ「…ひょっとして…あなたが

    伝説のプリキュアなの?

    それとも電獣ナイト?」

 

まなつ「え?プリ…キュア?」

 

大輔「デンジュ…え?なんだって?」

 

ローラ「…人間

    あなた勇気って持ってる?」

 

 

ローラは大輔の方を向いてそう聞く

 

 

大輔「俺?あんまし意識はしてないんだけど

   持ってるんじゃないのか?

   俺、小学生の頃に普通とは違う事を経験してさ

   いろいろ大変だったけど

   どんな困難にも立ち向かえたんだよ」

 

ローラ「…それじゃあ、あなたが電獣ナイト?」

 

ブイモン「大輔がナイト?

     なんか似合わないな~」

 

大輔「うるせぇ!」

 

 

ゴン!

 

 

ブイモン「いって~!」

 

 

大輔がブイモンの頭に拳骨をおみまいする

 

 

そんな2人をほっといてローラは

海の移動に使ったポッド

『マーメイドアクアポッド』から

コンパクトと手のひらサイズの小さな剣を取り出す

 

 

ローラ「開けてみて!」

 

 

ローラはまなつにコンパクトを渡し

 

 

ローラ「あなたはこれを持って!」

 

 

大輔に剣を渡す

 

 

まなつ「トロピカルな感じだから

    トロピカルパクトだね!

    んぐぐぐぐ!ぎぃー!

    あ~!開かない…」

 

大輔「何にも起きねぇけど

   なんなんだよこの剣?

   すごく小さいし…」

 

ローラ「やっぱり違うわね…

    なら用はないわ」

 

 

ローラは大輔とまなつから

トロピカルパクトと剣を取る

 

 

まなつ「ええ!?もっと話そうよ!」

 

ローラ「私は忙しいの!じゃあね人間と

    変な生き物。私と会ったことは

    他の人間には内緒よ」

 

 

ローラはそう言い海に飛び込んだ

 

 

まなつ「わかった!私達だけの約束だね!

    また会おうね~!」

 

大輔「またな~!」

 

ブイモン「今度会ったら

     ちゃんと名前で呼んでくれよ~!」

 

 

大輔、まなつ、ブイモンは手を降った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくの時間が経ち

ローラは海の水面に浮かんでいた

 

 

ローラ「考えてみたら

    行くところないわ…」

 

 

ローラはふと手鏡をとりだし

自分の唇を見る

先程まなつが塗ったリップは

海に入った時に落ちてしまっていた

 

 

ローラ「落ちちゃった…それにしても

    変な子達だったわ…」

 

 

ローラがそう呟く

 

 

「わっせ!わっせ!わっせ!」

 

 

すると遠くから男達のかけ声が

聞こえてくる

格好的になにかのスポーツチームのようだ

ローラは海岸に隠れる

 

 

ローラ「お!わりと強そう!」

 

「いいか!気合い入れていくぞ!!」

 

「オッス!!」

 

 

男達はやる気に満ち溢れており

大きな声で返事をする

 

 

「そのやる気パワー、いただくぜ」

 

「え?」

 

 

すると突然声が聞こえてきた

そして海から蟹の怪物

チョンギーレが現れる

 

 

ローラ「あいつは…

    まさかあとまわしの魔女の部下!?」

 

チョンギーレ「けっ、かったりーぜ

       あれを使うか……」

 

 

チョンギーレは黒い球体のような物を

取り出す

 

 

チョンギーレ「出てこい!ヤラネーダ!!」

 

 

それを近くのヤシの木に投げる

 

 

ヤラネーダ「ヤラネーダ!!」

 

 

なんとヤシの木は怪物、ヤラネーダに

なってしまった

 

 

「早く逃げろ!」

 

 

男の1人がメンバーにそう言う

 

 

ヤラネーダ「ヤラネーダー!」

 

 

しかしヤラネーダはヤシの実を

男達に放っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方大輔、まなつ、ブイモンは

これから住む家、つまりまなつの母

碧の家にいた

大輔とまなつはそれぞれ自室となる部屋におり

部屋には荷物が置いてあった

 

 

大輔とブイモンが

荷物を取り出していた所に…

 

 

まなつ「大輔!ブイモン!」

 

 

まなつが慌てながら部屋に入ってくる

 

 

大輔「まなつ?」

 

ブイモン「どうしたんだ?」

 

まなつ「外見て!窓の外!」

 

大輔「窓の外?……なんだあれ!?」

 

 

窓の外を見ると街の一部が

紫色のなにかに覆われていた

 

 

ブイモン「あそこって…

     確かローラがいた海岸の近くだ!」

 

大輔「なんだって!?」

 

まなつ「大変!ローラ~!!」

 

 

まなつは家を出て走っていった

 

 

大輔「ブイモン!俺達も行くぞ!」

 

ブイモン「ああ!」

 

 

大輔とブイモンも家を出て

まなつと共に走って

ローラがいるであろう場所に向かった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして目的の場所にやってきた大輔達

道端には先程

ヤラネーダに襲われた男達が倒れていた

男達はヤラネーダにやる気パワーを吸われ

ダルそうな倒れ方をしていた

 

 

大輔「なんだぁ!?人がめっちゃ倒れてる!?」

 

ブイモン「なんか…みんなダルそうだよ…」

 

まなつ「ローラ~!どこ~!?

    ローラ~!!」

 

 

一方ローラは海岸に隠れながら

大輔達を見つけた

 

 

ローラ「さっきの人間達に変な生き物!?

    なんでこんな時に…!」

 

チョンギーレ「ん?誰だ?」

 

 

ローラが声を出してしまい

チョンギーレに見つかってしまう

 

 

ローラ「うわっ!?見つかった!」

 

チョンギーレ「なんだぁ?

       人魚が人間の世界で

       何してんだ?」

 

ローラ「ヤ、ヤバッ!……うわっ!?」

 

 

海に飛び込もうとしたローラだったが

ヤラネーダに掴まれてしまった

 

 

 

 

 

少し離れた所にいる大輔達も

ローラが捕まっていることに気づく

 

 

大輔「なんだあれ!?」

 

ブイモン「大輔!あいつデジモンじゃない!」

 

大輔「そりゃなんとなくわかる!

   それよりローラがやばそうだ!」

 

まなつ「ローラ!」

 

 

まなつはヤラネーダの元へ

駆け出していった

 

 

大輔「おいまなつ!

   ブイモン、進化だ!」

 

ブイモン「ああ!…ダメだ

     腹減ってるから進化出来ない…」

 

 

ブイモンはそう言うと

疲れたように尻餅をつく

 

 

大輔「そっか…そういや朝から

   何も食べてなかったな…」

 

 

大輔は自分の首に

ぶら下げているゴーグルを握る

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

太一『俺のゴーグル、使えよ!』

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

大輔は3年前、太一からゴーグルを

譲り受けた時の事を思い出す

そして意を決したように

表情を変え、ゴーグルを頭につける

 

 

大輔「ブイモンは休んでろ!」

 

ブイモン「だ、大輔!?」

 

 

大輔もヤラネーダの方へ駆け出していった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チョンギーレ「やる気パワーも集まったし

       もう帰りてぇが…せっかくだ

       人魚のやる気パワーを

       吸い取っちまえ!」

 

ヤラネーダ「ヤラネーダー!」

 

ローラ「くっ…!」

 

 

ヤラネーダはローラのやる気パワーを

奪おうとする

 

 

まなつ「やめてぇ~~~~!!」

 

大輔「やめろぉーーーー!!」

 

 

まなつと大輔はヤラネーダに突進していく

しかしヤラネーダにぶつかった拍子で

倒れてしまう

 

 

チョンギーレ「なんだぁ?」

 

ローラ「な、何やってんのよ!?

    人間は逃げなさい!」

 

チョンギーレ「そうとも、俺はもう

       引き上げる所なんだよ

       あっちいけ!」

 

まなつ「ローラを離して!

    嫌がってるでしょ!」

 

大輔「まなつの言うとおりだ!

   さっさと離しやがれ!」

 

チョンギーレ「かったりぃなぁ…

       俺はただやる気パワーを集め…」

 

まなつ「離して離して離して~!」

 

大輔「こいつ!離しやがれ!」

 

 

まなつはポカポカとヤラネーダを叩き

大輔はヤラネーダにタックルをする

 

 

チョンギーレ「俺はただやる気パワーを…」

 

まなつ「離せ離せ離せ~!」

 

大輔「この~!」

 

チョンギーレ「やる気を…」

 

大輔、まなつ「「離せ~~~!!」」

 

チョンギーレ「うるせぇ!!」

 

 

バン!!

 

 

大輔、まなつ「「うわぁーーー!!」」

 

ブイモン「大輔!まなつ!」

 

ローラ「人間!」

 

 

大輔とまなつはヤラネーダの尻尾に

吹っ飛ばされる

しかし大輔とまなつはなおも立ち上がる

 

 

チョンギーレ「しつこい奴らだな…

       自分と人魚のどっちが

       大事なんだよ?自分だろ!?」

 

まなつ「何が大事が自分で決める!」

 

大輔「今は自分よりローラに決まってんだろ!

   悪い奴に捕まってるから助ける!

   それだけだ!」

 

まなつ「今一番大事な事は…

    大事な事はぁーーーー!!」

 

大輔「俺はローラを…

   友達を助けるんだぁーーーー!!」

 

 

ピカアアアアアアアアアア!!

 

 

突然まなつの指と大輔のD-3から

光が放たれる

更にローラが持っていたトロピカルパクトと

剣からも光が放たれる

 

 

チョンギーレ「な、なんだ…!?」

 

 

するとまなつの薬指にリングが現れ

大輔のD-3に何かを入れると思われる

穴が出来ていた

 

 

まなつ「なに…?」

 

大輔「D-3に穴が…?」

 

ローラ「あっ!コンパクトと剣が!?」

 

 

ローラが持っていたトロピカルパクトと剣が

ローラから離れ、まなつにトロピカルパクトが

大輔に剣が来る

 

 

まなつ「えっ!?ええっ!?」

 

大輔「ど、どうなってんだ!?」

 

ローラ「人間それよ!

    そのリングがパクトの鍵なのよ!」

 

まなつ「鍵…?」

 

ローラ「あなたも!それに剣を刺せば

    剣を使えるはずよ!」

 

大輔「D-3に剣を…?」

 

ローラ「パクトを開けてプリキュアに!

    剣を刺して電獣ナイトに

    変身するのよ!」

 

まなつ「私がプリキュアに…

    わかった!」

 

大輔「…よし!やってやる!

   行くぜまなつ!」

 

まなつ「うん!ローラ!

    今助ける!」

 

 

 

 

 

まなつと大輔はそれぞれ変身を始める

 

 

 

まなつ「プリキュア!トロピカルチェンジ!!

    レッツ・メイク!キャッチ!!

    チーク!アイズ!ヘアー!リップ!

    ドレス!」

 

 

まなつはメイクで姿を変えていく

白を基調にしたドレスを身に纏い

髪はピンクが混じった金髪に変化する

 

 

「ときめく常夏!キュアサマー!!」

 

 

 

まなつはキュアサマーに変身した

 

 

 

大輔「D-3!ソードオン!!」

 

 

大輔はD-3に剣を刺す

剣が放つ光は更に強くなる

大輔はD-3から剣を抜く

 

 

すると剣は通常サイズになり

炎を思わせるような形になる

 

 

大輔「ナイトチェンジ!!」

 

 

更に大輔も光輝く

 

 

光が収まると大輔の姿が変わっていた

頭のゴーグルはそのままあり

服装はゲームの勇者を思わせるような物になり

髪はオレンジ色に変化した

 

 

「燃え上がる勇気!ナイトブレイブ!!」

 

 

大輔はナイトブレイブに変身した

その際に剣は背中の鞘に納められた

 

 

チョンギーレ「なんだあいつらは…!?」

 

ブイモン「大輔とまなつが…変身した!?」

 

ローラ「あれが…伝説の戦士

    プリキュアと電獣ナイト!」

 

チョンギーレ「やっちまえ!ヤラネーダ!!」

 

ヤラネーダ「ヤラネーダ!」

 

 

ヤラネーダはヤシの実を飛ばしてくるが

ブレイブとサマーはそれをかわす

 

 

ヤラネーダ「ヤラネーダ!」

 

 

ヤラネーダはサマーにパンチするが

サマーはパンチを受け止める

 

 

チョンギーレ「ヤラネーダのパンチを止めた!?」

 

サマー「おりゃあ~~~~!!」

 

 

サマーはジャイアントスイングで

ヤラネーダを吹っ飛ばす

 

 

ローラ「うわあああ!!」

 

 

その拍子でヤラネーダはローラを解放した

 

 

ブレイブ「うおりゃあ!!」

 

 

ドカッ!

 

 

ブレイブはすかさずヤラネーダに

パンチをおみまいし、ダメージを与える

ヤラネーダは海岸に叩きつけられる

 

そしてローラは水面に飛び込んだ

 

 

ローラ「もうっ!私がいることを

    考えなさいよ!!…ん?」

 

 

ローラはマーメイドアクアポッドを取り出す

マーメイドアクアポッドは光っていた

ローラはマーメイドアクアポッドの上の部分を押す

 

するとマーメイドアクアポッドに

ヤラネーダが表示され

やる気パワーが溜め込まれた部分が写される

やる気パワーが溜められた部分は

赤く表示された

 

 

ローラ「赤…これ…あの怪物が人間から奪った

    やる気パワーが見えてるんだわ!」

 

 

ローラはマーメイドアクアポッドを使い

ヤラネーダの中に溜まっていた

やる気パワーを吸収した

 

 

ローラ「やる気パワーが戻ってきた!?」

 

チョンギーレ「コラ!ヤラネーダ!

       さっさと起きろ!」

 

ヤラネーダ「ヤラネーダ!」

 

 

ヤラネーダは起き上がる

 

 

チョンギーレ「こうなったらあいつらだ!

       あいつらのやる気パワーを奪え!」

 

ヤラネーダ「ヤーラネーダ!!」

 

 

ヤラネーダは目を赤く光らせる

ブレイブとサマーのやる気パワーを

奪おうとしているのだ

 

 

チョンギーレ「よーし!いいぞ!

       ん…!?やる気が吸いとれてねぇ!

       なんでだ!?」

 

サマー「私のやる気はムテキなの!

    やあ~~っ!!」

 

ブレイブ「こんなもんじゃ

     俺は止めらんねぇぞ!

     うおーーーっ!!」

 

 

ブレイブとサマーからはやる気パワーを

吸いとれなかった

 

 

するとサマーのリップがポケットから出て

ロッドのような物に変化した

 

 

サマー「リップが変わった!」

 

ローラ「プリキュアのアイテムだわ!」

 

サマー「ロッド状のアイテムで

    ハートがモチーフ…

    名付けるなら

    ハートルージュロッドだね!」

 

ヤラネーダ「ヤラネーダ!!」

 

 

ヤラネーダはブレイブとサマーに

次の攻撃を仕掛けようとする

 

 

ブイモン「ブイモンヘッド!!」

 

 

そこへブイモンが必殺技の

ブイモンヘッドをヤラネーダに喰らわせる

腹を空かせているため、威力は小さめだが

ヤラネーダを怯ませるには充分だった

 

 

ブイモン「今だブレイブ!サマー!」

 

ブレイブ「サンキューブイモン!

     いくぜサマー!」

 

 

ブレイブは鞘から剣を抜き、構える

 

 

サマー「うん!ハートルージュロッド!!」

 

ブレイブ「うおお……!」

 

 

 

サマー「プリキュア!

    おてんとサマーストライク!!」

 

ブレイブ「ブレイブスラッシュ!!」

 

 

 

 

 

ブレイブとサマーはそれぞれの必殺技を

ヤラネーダにぶつける

 

 

 

 

 

 

 

 

ブレイブ、サマー「「…ビクトリー!!」」

 

 

ドカーン!!

 

 

 

 

 

ヤラネーダは倒され、元のヤシの木に戻る

マーメイドアクアポッドから

やる気パワーが出てきて

持ち主達の元へ戻っていった

 

 

「あれ……?」

 

「なにしてたんだ……俺…?」

 

 

 

チョンギーレ「ちっ…かったりぃ…帰るか」

 

 

その様子を見ていたチョンギーレは

その場から去っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして夕方になり

大輔、まなつ、ブイモン、ローラは

海岸にいた

 

 

まなつ「あれがプリキュアかぁ……」

 

大輔「電獣ナイト…すっげぇ力が湧いてたな…」

 

ブイモン「あ~!もう腹ペコだ~!」

 

ローラ「なかなか…」

 

大輔、まなつ、ブイモン「「「え?」」」

 

ローラ「なかなかカッコよかったわよ…

    まなつ!大輔!ブイモン!」

 

まなつ「えへへ!…あれ?」

 

大輔「今、名前で呼んだよな!?な!?」

 

ブイモン「うん!呼んでた!」

 

ローラ「べ、別にいいじゃない!

    嫌ならまた人間って呼ぶわよ?」

 

まなつ「名前でいいよ!その方が自然だし!」

 

ローラ「…まぁいいわ、というわけで!

    これからは私の元で

    戦ってもらうから!よろしくね!」

 

まなつ「よろしく!…ん?戦う?

    待って!どういうこと!?」

 

ローラ「あ~良かった~!

    これで女王に一歩近づいたわ!」

 

まなつ「なになに!?どういうこと!?」

 

ローラ「後でまとめて教えるわ

    それより大輔!」

 

大輔「な、なんだ?」

 

ローラ「あなた、私の事を友達だって

    言ってたけど私、大輔と

    友達になった覚えはないから!」

 

大輔「ええ~!?なんでだよ!?

   いいじゃんか友達でさ!」

 

 

この場での賑やかな会話は

しばらく続いたとか………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、あとまわしの魔女の住みか

 

 

「あとまわしの魔女様

 邪魔者が現れたようです

 次なる作戦を立てねばなりません…

 いかがいたしましょう?」

 

 

タツノオトシゴの姿をした怪人

バトラーはあとまわしの魔女に聞く

 

 

あとまわしの魔女「んんん…うぉぉあああ…!!」

 

 

あとまわしの魔女はうめき声をあげる

 

 

あとまわしの魔女「……明日にするわ」

 

バトラー「承知いたしました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、どこかの川岸に

長髪の少年が焚き火のそばに座っていた

 

 

「へぇ…あとまわしの魔女達が動き出したんだ…

 それよりも、まさかあいつが出てくるなんてね…」

 

 

少年は不敵な笑みを浮かべる

 

 

 

「本宮大輔……いずれ会いに行くよ…」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

あおぞら中での出会い

大輔とまなつはあおぞら中学校に
入学、転入する


今、冒険のゲートが開く


大輔が電獣ナイト、まなつがプリキュアに

変身した次の日

 

ローラはマーメイドアクアポットの中におり

そばにはトロピカルパクトと剣が

それぞれ3つ置いてあった

 

 

ローラ「伝説の戦士…プリキュアと電獣ナイト

    それぞれ1人は見つけたけど

    パクトも剣もあと3つか…

    ま、人間が多そうな場所を探せば

    よさそうね」

 

まなつ「へぇ~、中はそうなってるんだ~

    便利なポットだね~」

 

大輔「まなつ~!俺にも見せてくれよ~!」

 

ブイモン「俺も俺も!」

 

 

まなつがマーメイドアクアポットの中を覗く

まなつが中を見ているため、大輔とブイモンは

中を見れなかった

 

ちなみに大輔とまなつは

学校の制服と思われる物を着ていた

 

 

ローラ「女王様がくれたの

    私、女王様にはすごく信頼

    されてるから!」

 

 

ローラはそう言うと髪から

綺麗に装飾された鏡を取り出す

 

 

ローラ「そしてこのオーシャンプリズムミラーも

    女王候補の証!私の夢は

    人魚の国、グランオーシャンの

    女王になることよ!!」

 

 

ローラは高らかに自分の夢を言う

 

 

碧「まなつ~!大輔君~!

  早くしないと遅刻するわよ~!」

 

まなつ「は~い!」

 

大輔「今出ま~す!」

 

 

大輔とまなつはカバンを持ち

学校に行く準備をする

 

 

ローラ「ちょっと!人の話聞いてる!?」

 

大輔「わり、今日から俺達学校に行くんだ」

 

まなつ「うん!今日は入学式なんだ~!

    私の夢は、都会の学校に通って!

    でもって、放課後は楽しく部活!

    あ、学校の皆やお母さんには

    ローラの事、内緒の方がいいんだよね?」

 

ローラ「当たり前でしょ?これは女王様からの

    極秘のミッション!人間の世界に行って

    伝説の戦士を探しに…」

 

まなつ「じゃあね!いってきま~す!」

 

大輔「まなつ待てよ!

   そんじゃブイモン!ローラ!

   行ってくるな!」

 

ブイモン「いってらっしゃい!」

 

ローラ「いってらっしゃ~い!…

    って聞きなさいよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学校に向かっている道中の出来事

 

 

まなつ「ねぇ!大輔は学校に行ったら

    どんな部活に入るの?」

 

大輔「俺は…やっぱサッカー部だな!

   前の学校でもサッカー部だったしな」

 

まなつ「サッカー部か~!

    チームのみんなと一緒に

    シュート!トロピカってる~!」

 

 

まなつは片足を上げ

ボールを蹴るような仕草をする

 

 

まなつ「ねぇ大輔!同じクラスになれるといいね!」

 

大輔「あれ…?もしかして、言ってなかったか?」

 

まなつ「え?何が?」

 

大輔「俺今日から2年生になるから

   まなつと同じクラスにはなれないぜ?」

 

まなつ「……えええええええええ~~!?」

 

 

大輔から告げられた言葉に

まなつは大声で驚く

 

 

まなつ「大輔って私より年上だったの~!?」

 

大輔「わり、言ってなかったみたいだな…」

 

まなつ「聞いてないよ~~!」

 

大輔「わりぃわりぃ…おっ!急がねぇと遅刻すっぞ!

   いくぜまなつ!」

 

まなつ「あっ、うん!」

 

 

大輔とまなつは駆け出していき

学校に向かった

 

 

 

 

 

ーあおぞら中学校ー

 

 

1年5組の教室にまなつと他の入学生と

担任の先生がいた

 

 

「皆さん、入学おめでとうございます

 担任の桜川です。これから1年

 皆さんと一緒に仲良く楽しく

 勉学に励んでいきましょう!ではさっそく

 順番に自己紹介を…」

 

まなつ「はい!」

 

 

まなつが手を上げる

 

 

桜川「では、一番後ろのあなたから」

 

まなつ「やった!」

 

 

まなつは席から立ち上がる

 

 

まなつ「夏海まなつです!南乃島から

    あおぞら市に来たばかりです!

    中学に入ったら部活を

    目いっぱい楽しみたいです!

    友達もたっくさん作って

    思いっきりトロピカろうと思います!」

 

 

まなつは元気よく自己紹介をする

しかし、クラスメイトと桜川先生も

唖然としていた

 

 

桜川「トロ…ピカ…?」

 

まなつ「あれ…?トロピカりそこねた?」

 

桜川「な、夏海さん、ありがとう!」

 

「フフッ、よろしくね、夏海さん」

 

まなつ「ん?……あ~!!」

 

 

まなつは話しかけてきた少女を見て驚く

その少女は昨日大輔とまなつが

コスメショップで見かけた少女

凉村さんごだった

 

 

桜川「夏海さん?どうしたの?」

 

まなつ「あ、なんでもないです!」

 

桜川「では次、順番に前へ」

 

 

桜川先生がそう言うと

さんごが立ち上がる

 

 

さんご「凉村さんごです

    オシャレとコスメが大好きです

    よろしくお願いします」

 

 

さんごは微笑みながら自己紹介をする

さんごが自己紹介を終えると

次に前にいた少年が立ち上がる

少年は昨日さんごと一緒に

コスメショップにいた少年、七海(ななみ)タツヤだ

 

 

タツヤ「七海タツヤです!好きなことは

    サッカーをすることです

    よろしくお願いします!」

 

 

タツヤも自己紹介をする

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、2年2組の教室では…

 

 

「みんな!進級おめでとう!

 さっそくだけど、今日からこのクラスに転入する

 新しい仲間を紹介するわね。入っていいわよ!」

 

 

このクラスの担任、紅葉原秋葉(もみじはらあきは)

入ってくるように言う

教室に入ってきたのはもちろん大輔だ

 

 

大輔「本宮大輔です!お台場からあおぞら市に

   引っ越してきました!

   よろしくお願いします!」

 

 

大輔は元気よく自己紹介をし、

クラスメイトになる生徒達は大輔に拍手を送る

 

 

紅葉原「自己紹介ありがとね

    それじゃあ本宮君の席は…

    一之瀬さんの隣が空いてるわね

    あのメガネをかけた子よ」

 

大輔「はい!」

 

 

大輔はボブヘアーでメガネをかけた少女

一之瀬みのりの隣に座る

 

 

大輔「よろしく一之瀬さん!」

 

みのり「よろしく…」

 

 

みのりは物静かな感じで返事をする

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、今日は入学式のため

午前で下校時間になった

 

まなつ、さんご、タツヤは

一緒に下校していた

 

 

まなつ「まさかクラスメイトになるとは

    思わなかったなぁ~」

 

さんご「覚えててくれたんだ、嬉しい!」

 

まなつ「当たり前だよ!昨日はなんか緊張しちゃって

    お店には入れなかったけど…」

 

タツヤ「昨日さんごちゃんが言ってた子って

    夏海さんだったんだね」

 

まなつ「ねぇ!2人は部活は決めた?

    私はやりたいことたっくさんありすぎて

    どの部にするか悩んじゃう~!

    さんごとタツヤは…あっ

    さんごとタツヤって呼んでもいいよね!」

 

さんご「うん、もちろん!

    よろしくね、まなつちゃん」

 

タツヤ「俺もそれでいいよ

    よろしくまなつさん」

 

まなつ「よろしく!さんごはやっぱりコスメ部とか?」

 

さんご「いいね、コスメ部!」

 

まなつ「でも中学校に

    コスメ部ってあるのかな?」

 

タツヤ「確かに…」

 

さんご「明日の部活オリエンテーションに出れば

    わかるんじゃないかな?」

 

まなつ「そうだね!

    タツヤはやっぱりサッカー部とかかな?」

 

タツヤ「うん、サッカー部に入るつもりだよ」

 

まなつ「じゃあもしかしたら

    大輔と同じ部活になれるかもしれないね!」

 

タツヤ「大……輔……!?」

 

 

大輔の名前を聞き

タツヤは信じられないと

言わんばかりの表情になる

 

 

さんご「ま、まなつちゃん…

    その、大輔さんって

    昨日一緒にいた男の子のこと?」

 

まなつ「そうだよ!私の親戚で

    一緒に暮らしてるんだ!

    学年は私たちより上の2年生だから

    教室にはいなかったけど…」

 

さんご「まなつちゃん…その人の名字って」

 

大輔「まなつー!」

 

 

そこへちょうど大輔がやってくる

 

 

まなつ「あ、大輔~!」

 

タツヤ「や、やっぱり大輔って……!」

 

さんご「タ、タツヤ君!」

 

 

大輔が見えてきた途端、タツヤは近くの木に隠れる

 

 

大輔「わりぃ、遅くなって!

   あれ、君って確か昨日

   コスメショップにいた…」

 

さんご「あ、凉村さんごです

    まなつちゃんのクラスメイトです

    よろしくお願いします」

 

大輔「俺は本宮大輔!

   よろしくさんごちゃん!

   ところで…さっきから木に隠れてるあいつは?」

 

さんご「えっと…タツヤ君、頑張って…!」

 

 

さんごはタツヤにエールを送る

それを受けたタツヤはガチガチに緊張しながら

大輔の元へ歩く

 

 

タツヤ「だ、大輔さん!お、俺、七海タツヤって言います!

    俺、大輔さんに憧れて

    サッカーを始めたんです!」

 

大輔「えっ?俺に…?」

 

タツヤ「はい!その…よろしくお願いします!」

 

 

タツヤは大輔に手を差し出す

大輔はその手を取り、握手をする

 

 

大輔「俺もそう言ってくれて嬉しいぜ!

   よろしくなタツヤ!」

 

タツヤ「は、はい!

    俺、この手を一生洗いません!」

 

大輔「いや、せめて飯の前では

   洗ったほうがいいんじゃないのか?」

 

タツヤ「で、ですよね~…」

 

さんご「ふふっ、よかったねタツヤ君」

 

タツヤ「うん!」

 

 

憧れの人物が目の前におり

タツヤの興奮は冷め知らずだった

 

 

そして大輔もまなつ達に加わる

 

 

まなつ「でもさんごって凄いよね!

    あんなお店に1人で入れちゃうんだもん!」

 

さんご「ふふっ、実はあそこ

    私のお母さんのお店なの」

 

まなつ「えええ~~!?」

 

大輔「マジ!?」

 

さんご「うん、それに昨日は

    私だけじゃなくてタツヤ君もいたよ」

 

大輔「え?タツヤって男だよな?

   なんでコスメショップにいたんだ?」

 

タツヤ「いやぁ…俺はたださんごちゃんに

    似合いそうな物を探してたというか…」

 

大輔「へぇ…」

 

 

タツヤはどこか歯切れが悪そうに答える

大輔は何かを察したのか

ニヤニヤしながらそう返す

 

 

さんご「よかったら、帰り道にちょっと

    寄ってもいいよ」

 

まなつ「いいの!?行く行く!」

 

 

さんごの誘いにまなつは嬉しそうにそう言う

 

 

大輔「なぁタツヤ、よかったらさ

   どこか広い場所でサッカーしないか?」

 

タツヤ「えっ!?いいんですか!?」

 

大輔「ああ!で、どうすんだ?」

 

タツヤ「も、もちろんです!

    よろしくお願いします!

    大輔さんとサッカーできるなんて

    感激です!」

 

大輔「よし!決まりだな!

   ってわけだから、俺とタツヤは

   サッカーしてくるな」

 

まなつ「うん、わかった~!」

 

タツヤ「それじゃあさんごちゃん!

    また明日!」

 

さんご「うん、またねタツヤ君」

 

 

まなつとさんごはコスメショップへ

大輔とタツヤはサッカーが出来る場所へ

向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あおぞら市にある野外のフリー広場に

大輔とタツヤがやって来た

 

 

大輔「そんじゃ、相手の陣地に

   ボールを持ってきた方の勝ちってのはどうだ?」

 

タツヤ「それで大丈夫です!」

 

 

そして大輔とタツヤはジャンケンで

攻める人を決める

ジャンケンの結果、タツヤが勝ち

ボールはタツヤが蹴ることになった

 

 

大輔「よーし!来いタツヤ!!」

 

タツヤ「はい!」

 

 

タツヤはドリブルで大輔の陣地に走っていく

大輔がタツヤの前に立ちはだかる

 

 

タツヤ「!」 

 

 

タツヤはボールを取られないようにする

 

 

大輔「っ!?(これって...!?)」

 

 

大輔がタツヤのプレイを見て

どこか既視感を感じた

しかし大輔は考えるのやめる

 

苦戦をしたがついに大輔は

タツヤからボールを奪った

 

 

タツヤ「しまった!」

 

大輔「うおおおおおーーーっ!!」

 

 

大輔はそのままドリブルで走り

タツヤの陣地にたどり着いた

 

 

大輔「よっしゃ!俺の勝ち!」

 

 

大輔はガッツポーズをする

タツヤは尻餅をつき、息を整える

 

 

タツヤ「はぁ~~!やっぱり大輔さんは

    凄いなぁ…」

 

大輔「いやぁ~!それほどでもないって~!」

 

 

大輔はここまで誉められることが

滅多にないため、満更でも無さそうだ

 

 

大輔とタツヤは近くのベンチに座り

水分補給をする

 

 

大輔「なぁタツヤ

   さっきのプレイのことなんだけど

   あれってもしかして…」

 

タツヤ「はい!俺、大輔さんのプレイを

    覚えるまで何度も見て

    それを参考にして

    サッカーの練習をしてたので

    いつの間にかプレイスタイルが

    似たんだと思います」

 

大輔「み、見ただけで覚えたのか…?」

 

タツヤ「はい…実は俺、元々泣き虫で

    スポーツも苦手だったから

    よくいじめられてたんです

    だけど半年前にふとサッカーの試合を

    見に行った時に1人のサッカー選手のプレイに

    心打たれました…それが大輔さんだったんです!

    あれから半年間、大輔さんに憧れて始めた

    サッカーに夢中になって、自分に自信を

    持てるようになったんです!」

 

 

タツヤは熱く大輔への尊敬の思いを語る

するて大輔は肩を震わせる

 

 

大輔「…ありがとなタツヤ!

   俺がやってる事で

   救えてる奴がいて、スッゲー嬉しいぜ!!」

 

タツヤ「お礼を言うのは俺の方ですよ

    俺に勇気と自信をくれて

    ありがとうございます!!」

 

大輔「なに、いいってこと!

   ところで…ちょっと聞きたいんだけど…」

 

タツヤ「はい!なんでも聞いてください!」

 

大輔「お前…さんごちゃんの事

   好きなんじゃないのか?」

 

タツヤ「……えっ!?////」

 

 

タツヤは大輔からの思わぬ質問に

顔を赤くする

 

 

タツヤ「あ、いや、その…

    さんごちゃんはただの幼なじみで…//」

 

大輔「なんだなんだ?顔が真っ赤だぞ~?」

 

タツヤ「だ、だから違うんですよ~~!!///」

 

 

ここからしばらく大輔は

タツヤをからかったとか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃まなつとさんごは

さんごの母が経営しているコスメショップ

『プリティーホリック』にやって来ていた

 

 

まなつ「うわぁ~!トロピカってる~!」

 

 

まなつは店内のコスメ商品を見て

テンションが上がっていた

 

 

「あら、おかえりさんご

 もうお友達が出来たのね

 ようこそ、コスメショップ

 『プリティーホリック』へ」

 

 

そこへさんごに似た女性がやってくる

 

 

さんご「この人が私のお母さん!」

 

まなつ「初めまして!夏海まなつです!

    よろしくお願いしま~す!

    お母さんのお名前は?」

 

「うふふ、私は凉村みゆき

 面白い子ね、まなつさん」

 

まなつ「あの!私にピッタリなコスメって

    ありますか?」

 

みゆき「そうね…まなつさんは元気な子だから

    これはどうかしら」

 

 

みゆきはまなつに

商品のネイルを見せる

 

 

まなつ「これは…ネイルですか?」

 

みゆき「そうよ、試してみる?」

 

まなつ「はい!お願いします!」

 

さんご「フフ…」

 

 

その後まなつとさんごは

2階にあるカフェスペースで

ゆっくりしていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、夏海家にいるローラとブイモンは…

 

 

ローラ「遅い…何やってんのよ

    まなつと大輔…」

 

 

ローラはまなつの部屋に置いてある

マーメイドアクアポットの中で暇そうにしており

 

 

ブイモン「やっぱり美味しいなぁ~!」

 

 

まなつの部屋にいるブイモンは

チョコレートを食べていた

 

 

ローラ「ブイモン、さっきから何食べてるの?」

 

ブイモン「チョコレート

     ローラも食べるか?」

 

ローラ「いらない。っていうか

    食べかけじゃないそれ…

    ところで、ブイモンって

    どういう生き物なの?」

 

ブイモン「俺?俺はデジモンだよ!」

 

ローラ「デジモン?」

 

ブイモン「デジモンはデジタルワールドって言う

     世界に暮らす生き物なんだ」

 

ローラ「ふ~ん…あ~も~!

    それよりここにずっといるのも

    退屈!外に出るわ!」

 

 

ローラはマーメイドアクアポットから

出てくる

 

 

ブイモン「ロ、ローラ!

     出てきたらマズイって!」

 

ローラ「だって退屈なのよ!

    水がある場所に行ってくるわ!」

 

 

ローラはまなつの部屋から出る

 

 

ブイモン「待ってよローラ~!」

 

 

ブイモンも部屋を出て

ローラを追いかけていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まなつ「ただいま~!」

 

 

夕方になり、まなつが帰ってきた

まなつは自室に入る

 

 

まなつ「遅くなってごめんねローラ!

    あれ?ローラ?」

 

 

まなつはマーメイドアクアポットを覗くが

ローラはその中にはいなかった

 

 

まなつ「ん?」

 

 

まなつはふと床の方を見る

床は湿っておりそれは部屋の外まであった

 

 

大輔「ただいま~!」

 

 

そこへ大輔も帰ってきた

 

 

まなつ「あっ、大輔」

 

大輔「まなつ?どうしたんだ?」

 

まなつ「これ…」

 

 

大輔はまなつに言われ床を見る

 

 

大輔「濡れてる…確かあそこって

   風呂場だったよな?」

 

まなつ「うん…もしかして!」

 

 

大輔とまなつは濡れてる道を走る

そして風呂場に行くと

案の定ローラが風呂に入っており

ブイモンも身体を洗っていた

 

 

大輔、まなつ「「やっぱり!」」

 

ローラ「あら、まなつに大輔

    おかえり」

 

ブイモン「おかえり~!」

 

大輔「ただいま…じゃねぇ!」

 

まなつ「なんでお風呂に!?ブイモンも!」

 

ローラ「だって、まなつと大輔

    なかなか帰ってこないから

    退屈だったし…」

 

ブイモン「ローラにやめるように言ったけど

     全然聞いてくれないんだよ

     でも、せっかくだから

     身体洗おうと思って…」

 

大輔「お前らさぁ…碧さんが帰ってきたら

   大騒ぎに「ただいま~!」げっ!?」

 

 

大輔がそう言うと

碧がちょうど帰ってきた

 

 

碧「まなつ?大輔君?

  帰ってるの~?」

 

大輔「あ、は~い!」

 

まなつ「帰ってるよ~!

    ローラ!早くポットの中に戻って!」

 

大輔「ブイモンも充分身体洗ったろ!」

 

ローラ「やだ、もうちょっとここにいる」

 

ブイモン「俺、もうちょっと洗いたいな~…ダメ?」

 

大輔「ダメだ!」

 

まなつ「お母さんに見つかっちゃうよ~!

    あ、そうだ!後でお風呂より

    もっといいところ連れてってあげるから!」

 

ローラ「…わかったわよ」

 

 

ローラはマーメイドアクアポットの中に戻る

ブイモンも身体の泡を流し、風呂場から出る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、タツヤの自宅にて…

 

 

タツヤ「ただいま~!」

 

 

タツヤは自室に入る

 

 

「あ、おかえりタツヤ!」

 

 

部屋にはなんと恐竜のようなデジモンがいた

身体は白く、成長期デジモンくらいの大きさだった

 

 

タツヤ「ただいまガンマモン!

    今日さ、憧れの大輔さんと

    サッカーしたんだよ!」

 

ガンマモン「大輔って…タツヤがよく話してた奴だろ!?

      よかったじゃん!」

 

タツヤ「うん!」

 

 

タツヤはカバンを机に置き、荷物を出す

 

 

 

 

その中に、白と紺色のD-3があった…




昨日、デジモンアニメ最新作
「デジモンゴーストゲーム」の最新情報が
解禁されましたね!
しかも主人公の天ノ河宙(ひろ)の声優さんが
この作品の大輔のイメージ声優である
田村睦心さんだという…凄い偶然だったので
びっくりしました!

というわけでオリキャラ、タツヤの
設定です


七海タツヤ

あおぞら中学校1年

パートナー:ガンマモン CV:沢城みゆき

CV:高橋李依


次回、まなつとローラの仲に亀裂が!?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

どっちのダイジが一番大事?

ヤラネーダの脅威が再び迫る
その時、まなつとローラは…


今、冒険のゲートが開く


あおぞら水族館にある無人のプール

そこに大輔、まなつ、ローラ、ブイモンが

来ていた

時間帯は夜のため、空は暗かった

 

 

まなつ「お母さんから聞いたの

    今は使われていない

    水族館のプール!

    ここなら誰もこないよ!

    海よりは狭いけどね~…」

 

ローラ「まぁ…悪くないわね」

 

ブイモン「なぁなぁ!

     ローラがいた人魚の国って

     どんなところなんだ?」

 

まなつ「あっ!私も気になる!」 

 

大輔「俺も俺も!」

 

 

3人はローラに人魚の国の事を聞く

 

 

ローラ「…深海にひっそりとある小さな国

    人魚と海の妖精が住んでるの

    とっても綺麗で、楽しい所…」

 

まなつ「楽しそ~!私も行ってみたいな!

    人魚の国!」

 

大輔「なんか…話聞いたら

   俺も行ってみたくなったかも!」

 

ブイモン「俺も!」

 

ローラ「…いいわよ

    今度一緒に行く?」

 

大輔「ホントか!?」

 

まなつ「約束だよ!」

 

ローラ「でもその前にあとまわしの魔女を

    倒してからね

    あとまわしの魔女が人間達のやる気を

    奪ってるのを阻止しないと!」

 

まなつ「魔女ってどうして人から

    やる気パワーを奪うなんて

    ひどいことをするの?」

 

ローラ「さぁ?みんながやる気で

    溢れてるのが嫌なんじゃない?」

 

まなつ「なんでなんだろう…

    何かあったのかな?」

 

大輔「う~ん…確かに気になるけどさ

   今そんな事考えても

   しょうがないじゃん」

 

 

大輔は立ち上がる

 

 

大輔「俺達は、あとまわしの魔女を

   ぶっ飛ばせばいい!

   やる気を奪ってる理由だって

   いずれわかるはずだしさ」

 

まなつ「大輔…」

 

ローラ「…大輔って結構ポジティブよね」

 

大輔「え?そーか?」

 

ブイモン「でもそれでこそ大輔だ!」

 

ローラ「…とにかくここで頑張って

    プリキュアと電獣ナイトを見つけて

    女王様に気に入られて!」

 

 

ローラは高く飛び上がる

 

 

ローラ「次期女王になるっていう

    私の夢を叶えるの!!」

 

 

ザブーン!!

 

 

ローラはプールにダイブする

その時に出来た水しぶきが

大輔、まなつ、ブイモンに当たり

3人は濡れてしまう

3人はぶるぶる身体を震わせ、水を飛ばす

 

 

まなつ「夢…やりたい事なら私にもあるよ!」

 

ローラ「今朝話してた奴?

    学校で部活…だっけ?」

 

まなつ「そう!友達いっぱい作って

    楽しい中学生活!」

 

ローラ「…そんな事言わずに

    伝説の戦士プリキュアになったんだから

    カッコよく世界の危機を救っちゃおうよ!

    大輔も、プリキュアと同じ伝説の戦士

    電獣ナイトになったのよ!」

 

大輔「電獣ナイトか…なぁ

   ローラも一緒に戦わないのか?」

 

ローラ「はぁ?だって私、人魚だもん

    人魚はプリキュアにも

    電獣ナイトにもなれないの」

 

まなつ「なんで?」

 

ローラ「そんなの知らないわよ

    女王様からそう言われたんだし」

 

まなつ「じゃあ、私と大輔は

    何でなれたんだろう?」

 

ローラ「それは…」

 

 

ローラは考え、女王が言っていた事を思い出す

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

女王『心の中に煌めく太陽を持った人間

   そしてどんな困難にも

   果敢に立ち向かう勇気を持った人間と

   私達人魚の心が通じ合った時

   鍵が現れ、剣も光を放つでしょう…』

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

ローラ「…人間と人魚の心が通じ合ったからよ!」

 

大輔「心が通じ合ったから?」

 

まなつ「って事は、私達3人のトロピカった

    熱い友情のおかげだね!

    あっ、そうか!それでこのリップも

    友情パワーでトロピカルチェンジしたんだ!」

 

 

まなつはリップを取り出しそう言う

 

 

ローラ「かもね!」

 

大輔「まなつってさ

   ホント面白い奴だな!」

 

ブイモン「さすが大輔の親戚だな!

     そういうところ

     大輔にそっくりだ!」

 

 

大輔、まなつ、ローラ、ブイモンの笑い声が

響き渡った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

 

大輔、まなつ「「寝坊したぁ~~~~!!」」

 

 

大輔とまなつは揃って寝坊してしまい

慌ててそれぞれの部屋で

学校に行く準備をする

 

 

ブイモン「やっぱりこの2人

     似た者同士だな…」

 

 

ブイモンはジト目になって呟く

 

 

ローラ「ねぇ!私も学校に行きたい!」

 

 

そんな中、まなつの部屋にいるローラが

まなつにそう言う

 

 

まなつ「えっ?ひょっとして

    ローラも部活やりたくなった?」

 

ローラ「そうじゃなくて

    学校に行けばプリキュア候補と

    電獣ナイト候補が見つかるかも

    しれないじゃない?」

 

まなつ「う~ん…でもみんなに見つかると

    色々大変だしなぁ…」

 

ローラ「え~!なんで!?

    行きたい行きたい~!」

 

まなつ「う~ん…わかったよ

    連れてってあげる!

    でも勝手にポットから出たりしたら

    ダメだからね?」

 

ローラ「もっちろん!わかってるって!」

 

大輔「まなつ~!行こうぜ~!」

 

まなつ「今行く~!」

 

 

 

 

 

 

 

そして、あおぞら中にやって来た大輔とまなつ

ローラはアクアポットの中におり

アクアポットはまなつのカバンに入っていた

 

ローラはアクアポットの中から

プリキュア候補と電獣ナイト候補になる

生徒達を観察していたが

どの生徒もローラの目に留まらなかった

 

 

まなつ「おはよ~、さんご!タツヤ!」

 

大輔「おはよう!」

 

さんご「まなつちゃん!大輔先輩!

    おはよ~」

 

タツヤ「お、おはようございます!」

 

 

タツヤとさんごが一緒に登校しており

大輔とまなつは2人に駆け寄る

4人は校舎にたどり着くまで

楽しそうに会話した

 

 

 

 

一方、あとまわしの魔女の住みかでは…

 

 

バトラー「シェフ、チョンギーレ」

 

チョンギーレ「ん?」

 

バトラー「食事の支度は出来たのですか?」

 

チョンギーレ「そこに置いてあんだろ」

 

 

チョンギーレはそばに置いてあるラーメンに

ハサミを向ける

 

 

チョンギーレ「あとまわしの魔女様に

       食わせてやんな

       食べるのをどんだけ後回しにしても

       麺がのびない特性ラーメンだ」

 

バトラー「これはこれは、とても美味しそうだ!

     それで、人間達のやる気パワーの方は

     どうしました?」

 

チョンギーレ「ちっ…また俺が行くのかよ

       かったりぃ…」

 

 

チョンギーレは面倒くさそうに

人間の世界へ向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、あおぞら中では大輔とまなつが

アクアポットの中にいるローラと話をしていた 

 

 

ローラ「すっごい退屈なんだけど…」

 

まなつ「仕方ないでしょ

    外に出るわけにはいかないんだから…

    それでも学校に行きたいって言ったのは

    ローラだよ?」

 

大輔「もうちょっと辛抱してろって」

 

「あっ、夏海さ~ん!」

 

タツヤ「大輔さ~ん!まなつさ~ん!」

 

 

そこへタツヤとさんごと

2人のクラスメイト達がやってきた

 

 

大輔「あわわっ!」

 

まなつ「な、なに?」

 

「部活オリエンテーション

 そろそろ始まるよ」

 

さんご「まなつちゃんも行くでしょ?」

 

タツヤ「大輔さんも行きますよね?」

 

まなつ「もちろんだよ!一緒にいこ!」

 

大輔「ああ!俺転校してきたから

   ここの部活のこと知らねぇからな」

 

 

大輔とまなつは

タツヤ達についていく

 

 

まなつ「ローラ、これから

    部活オリエンテーションなの!

    もうちょっと我慢して…」

 

ローラ「部活オリエンテーション?」

 

大輔「新入生の前で

   色んな部活がパフォーマンスを

   するんだよ」

 

さんご「誰と話してるの?

    まなつちゃん?大輔先輩?」

 

大輔「な、なんでもない!な、まなつ?」

 

まなつ「う、うん!えへへ…」

 

さんご「?」

 

 

大輔とまなつはさんご達の方へ駆け出していく

 

 

 

しかしその際にまなつのポケットから

アクアポットが落ちてしまった……

 

 

 

 

 

 

 

そして体育館にて部活オリエンテーションが

始まった

 

まず始まったのは

手品部のパフォーマンスだ

 

 

まなつ「手品部なんてあるんだ~!」

 

さんご「楽しそうだね!」

 

大輔「スッゲー!!」

 

タツヤ「本格的だなぁ~!」

 

 

大輔達は興奮しながら

手品部のパフォーマンスを見る

 

 

まなつ「……あれ?」

 

 

まなつはスカートのポケットに手を置くと

ある違和感を感じる

その違和感にまなつはすぐに気づく

 

 

まなつ「ローラがいない!!」

 

大輔「なんだって!?」

 

さんご「えっ?ローラ?」

 

大輔「あ~…いや」

 

まなつ「なんでもない!

    ちょっと教室に忘れ物っていうか…

    取りに行ってくる!」

 

大輔「俺が部活見といてやるから

   早く戻ってこいよー!」

 

まなつ「うん!」

 

 

まなつは体育館を出て

ローラを探していた

 

 

「人魚だ!人魚が出たんだ!!」 

 

「なんで池に人魚?」

 

「本当に見たの?」

 

「マジ!尾ひれついてたし!」

 

 

するとまなつの耳に

人魚が出たという声が

聞こえてきた

 

 

まなつ「ローラ!

    ど、どうしよ~!…ん?」

 

 

まなつは学校にある池の近くに落ちている

アクアポットを見つける

そこへ走っていくと池にローラがいた

 

 

ローラ「てへっ♪見つかっちゃった…」

 

 

 

 

 

 

 

しばらく経ち、まなつとローラは

人気のない場所に来ていた

 

 

まなつ「勝手にポットから出ちゃダメって

    言ってるのに!」

 

ローラ「だってポットの中じゃ

    周りもよく見えないし

    私にはまだ他のプリキュアと

    電獣ナイトを見つけるって使命があるから…」

 

まなつ「だからって、ここは学校なんだよ!

    見つかって大騒ぎになったら

    それどころじゃなくなっちゃうよ!」

 

ローラ「まなつは呑気すぎ!

    もっとプリキュアとしての自覚を

    持ってもらわないと!」

 

まなつ「自覚とか知らないし!

    あんな騒ぎ起こしておいて

    なに勝手な事言ってるの!?」

 

ローラ「勝手なのはまなつの方じゃない!

    世界がピンチって時に部活とか

    してる場合!?」

 

まなつ「私にだって…私にだって

    大事な事があるの!!

    ローラなんてもう知らない!!」

 

ローラ「わかった!もういい!

    他のプリキュア見つけてくるから!!」

 

 

そう言ってローラは

池の中に潜り、去っていった

 

 

まなつ「あっ……知らない!」

 

 

まなつもこの場から去っていった

 

 

しばらく経ち、まなつは体育館に戻ってきて

席に座る

 

 

さんご「忘れ物、大丈夫だった?」

 

まなつ「うん…」

 

タツヤ「まなつさん?」

 

まなつ(悪いのはローラ…

    私のせいじゃないもん…)

 

大輔「…あっ!そういや俺も忘れ物があった!

   ちょっと取りに行ってくるから

   見ていてくれ!」

 

タツヤ「あっ、わかりました」

 

 

大輔は席から立ち上がる

すると大輔はまなつのそばに止まる

 

 

大輔「コソッ)ローラとの事には

   なんも言わねぇ

   だけどこの事で後から後悔しないように

   しろよ」

 

まなつ「えっ…?」

 

 

大輔はまなつに小声でそう言い

体育館から出る

 

 

 

 

 

 

 

そして、ローラの方は

街中の池から人間達を見ていた

 

 

大輔「あっ!いたいた!」

 

ローラ「大輔…」

 

 

そこへ学校から抜け出してきた大輔が

やってくる

 

 

大輔「…まなつとケンカしちまったのか?」

 

ローラ「大輔には関係ないじゃない…」

 

 

ローラはそっぽ向きながらそう言う

すると大輔は地面に座り込む

 

 

大輔「俺もさ、ブイモンとしょっちゅう

   ケンカしてるんだ…

   それもお互いのお菓子を勝手に食べたのが

   だいたいの原因でよ…しょうもないだろ?」

 

ローラ「…凄くしょうもないわね」

 

大輔「だろ?そんで2人揃って

   母さんに怒られてさ

   しばらく頭冷やしたら

   なんだかケンカした理由が

   互いにどうでもよくなるんだよ

   それでいつも仲直りしてるんだよ」

 

 

大輔は少し笑いながらそう言う

 

 

大輔「太一さん…俺の先輩が言ってたんだ

   『ケンカもしないでいたら

    一生友達になれない

    だからどんどん

    ケンカした方がいい』ってさ

    でもそれはあくまで先輩の考えだ

    ケンカするのは自由だ

    けど、ずっとケンカして

    そのまま仲直りできないのは嫌だ!」

 

ローラ「大輔…」

 

大輔「ローラはどうなんだ?

   このまままなつと仲直り

   しないつもりなのかよ?」

 

 

大輔の問いにローラは無言になる

 

 

ローラ「私は……」

 

 

ローラが答えを出そうとしたその時だった

 

 

 

 

 

ヤラネーダ「ヤラネーダ!!」

 

 

街中に再びヤラネーダが現れた

ヤラネーダはパラソル付きのテーブルの姿を

していた

ヤラネーダの頭上にはチョンギーレもいた

 

 

チョンギーレ「今度こそお前らのやる気パワー

       持って帰らせてもらうぜ」

 

ローラ「またあいつ!」

 

大輔「おい!今話してたんだから

   空気読めよな!」

 

チョンギーレ「なんだぁ?また人魚とガキか

       邪魔すんじゃねぇ、かったりぃ…」

 

ローラ「大輔!変身しなさい!」

 

大輔「ああ!………あれ?」

 

 

大輔はポケットの中に手を入れる

しかし急に大輔は顔を真っ青にする

 

 

大輔「…D-3と剣がない」

 

ローラ「ええええええーーっ!?」

 

 

 

 

その頃、夏海家で

留守番をしているブイモンは…

 

 

ブイモン「あ~!やっぱりチョコは

     美味しいな~!」

 

 

大輔の部屋でチョコレートを食べていた

 

 

ブイモン「よし!大輔の漫画読も!」

 

 

チョコレートを食べ終えたブイモンは

漫画が置いてある本棚に向かうために

立ち上がる

 

 

ブイモン「あれ?」

 

 

ブイモンは大輔の机を見る

机にはD-3と剣が置いてあった

 

 

 

 

 

 

 

そして、場所は大輔達がいる方に戻る

周りにはやる気を奪われた人達が

倒れていた

 

 

ローラ「剣とD-3を家に忘れるなんて!

    大輔も電獣ナイトとしての自覚が

    足りないんじゃない!?」

 

大輔「仕方ないだろ!

   今朝寝過ごして

   スッゲー慌ててたんだからよ!」

 

チョンギーレ「なんだぁ?仲間割れか?

       ヤラネーダ!あいつらのやる気も

       奪っちまえ!」

 

ヤラネーダ「ヤーラネーダ!!」

 

 

ヤラネーダは大輔とローラに迫ってくる

 

 

大輔「ローラ!」

 

 

大輔はローラをお姫様だっこする

 

 

ローラ「ちょっ!?大輔!?///」

 

大輔「しっかり掴まってろよ!」

 

 

大輔はローラをお姫様だっこしながら

この場から走りだす

 

 

ヤラネーダ「ヤラネーダ!!」

 

 

しかし、ヤラネーダは大輔達に

椅子を飛ばしてきた

 

 

大輔、ローラ「「!?」」

 

 

 

 

 

 

その頃まなつは部活オリエンテーションを

見ていたが今はローラの事で頭がいっぱいだった

 

 

まなつ(プリキュア、電獣ナイトって

    そればっか…私は楽しい学校生活を

    送りたいだけなのに…でも)

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

まなつ『ローラなんてもう知らない!!』

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

大輔『ローラとの事には

   なんも言わねぇ

   だけどこの事で後から後悔

   しないようにしろよ』

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

まなつ(あれが最後になるなんて…

    嫌だ…!)

 

 

ピカアアアアアア!!

 

 

するとまなつのハートクルリングが

光を放ち始める

まなつの顔は意を決した表情になる

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤラネーダの攻撃が当たり

大輔とローラは倒れていた

 

 

チョンギーレ「どうした?この前みたいに

       変身しないのか?

       もう1人の方もいねーみたいだな」

 

大輔「まなつはゼッテーここにくる!

   俺はあいつを信じてる!」

 

チョンギーレ「いいねいいね…その無駄な

       やる気パワー、いただいちまうか」

 

ヤラネーダ「ヤラネーダ!!」

 

 

ヤラネーダは大輔とローラから

やる気パワーを奪おうとする

 

 

ブイモン「ブイモンヘッド!!」

 

ヤラネーダ「ヤラネーダ!?」

 

 

そこへブイモンが駆けつけ

必殺技をヤラネーダにおみまいする

 

 

大輔「ブイモン!」

 

ブイモン「大輔!ローラ!

     大丈夫か!?」

 

まなつ「ローラ!大輔!」

 

 

そこへまなつもやってきた

 

 

まなつ「遅くなってごめん!」

 

ブイモン「まなつとはここにくる途中で

     会ったんだ」

 

大輔「な、来てくれたろ?」

 

ローラ「まなつ…」

 

まなつ「私、決めたの…

    後悔はしたくないから!

    ローラとずっと友達でいたいから!

    ローラの事が大事だから!

    私、学校もめいっぱい楽しんで

    プリキュアもめいっぱいやる!!」

 

ブイモン「大輔!」

 

 

ブイモンは大輔にD-3と剣を投げる

大輔は左手でD-3を、右手で剣を掴む

 

 

大輔「サンキューブイモン!

   ローラ!俺、確かにまだ

   電獣ナイトとしての自覚は

   足りてないと思う…

   だけど俺は、大切な人を

   守るために戦う!!」

 

 

大輔とまなつはそれぞれ構える

 

 

まなつ「プリキュア!トロピカルチェンジ!!」

 

大輔「D-3!ソードオン!!」

 

まなつ「レッツメイク!キャッチ!!」

 

大輔「ナイトチェンジ!!」

 

まなつ「チーク!アイズ!

    ヘアー!リップ!ドレス!」

 

 

サマー「ときめく常夏!キュアサマー!!」

 

ブレイブ「燃え上がる勇気!ナイトブレイブ!!」

 

 

2人は変身する

ブレイブはブイモンの方を見る

 

 

ブレイブ「ブイモン!今日は腹減ってないな?」

 

ブイモン「ああ!」

 

ブレイブ「よーし!ブイモン、進化だ!!」

 

ブイモン「おう!」

 

 

ブレイブのD-3から光が放たれる

その光をブイモンが浴びる

 

 

 

 

「ブイモン進化!エクスブイモン!!」

 

 

 

ブイモンはエクスブイモンに進化する

 

 

チョンギーレ「なんだぁ…あいつは…?」

 

ローラ「ブイモンが…大きくなった!?」

 

ブレイブ「ブイモンは進化して

     エクスブイモンになったんだ!」

 

サマー「すご~い!トロピカってる~!」

 

エクスブイモン「行くぞ、ブレイブ!サマー!」

 

ブレイブ「ああ!」

 

サマー「うん!」

 

 

ブレイブ、サマー、エクスブイモンは

ヤラネーダに向かっていく

 

 

サマー「私達の本気!」

 

ブレイブ「見せてやる!」

 

 

サマーがヤラネーダにパンチして

ヤラネーダを怯ませる

その隙にブレイブがヤラネーダを

近くのヤシの木に蹴り飛ばす

 

 

ヤラネーダ「ヤラネーダ~!!」

 

 

しかしヤラネーダはヤシの木から

跳ね返ってくる

 

 

エクスブイモン「うおりゃあああーー!!」

 

 

エクスブイモンはヤラネーダを掴み、

地面に叩きつける

 

 

ブレイブ「今だローラ!」

 

サマー「奪われたやる気を!」

 

ローラ「オーライ!マーメイドアクアポット

    サーチ!」

 

 

ローラはアクアポットでヤラネーダの中にある

やる気パワーをサーチする

 

 

ローラ「青!やる気パワー、カムバック!!」

 

 

ローラはやる気パワーを

アクアポットの中に吸収する

 

 

ブレイブ「サンキューローラ!

     これでとどめだ!」

 

エクスブイモン「ああ!」

 

サマー「ハートルージュロッド!」

 

 

 

ブレイブ「ブレイブスラッシュ!!」

 

サマー「プリキュア!

    おてんとサマーストライク!!」

 

エクスブイモン「エクスレイザー!!」

 

 

3人の必殺技はヤラネーダに直撃する

 

 

『ビクトリー!!』

 

 

ドカーン!!

 

 

ヤラネーダは倒され、やる気パワーは

人々に戻っていった

 

 

チョンギーレ「かったりぃ…帰るか」

 

 

チョンギーレはこの場から去っていった

 

 

 

 

 

その後、ブイモンは人に見つからないように

家に帰っていき、大輔とまなつは

あおぞら中の体育館に戻ってきた

 

 

ローラ「…ありがとう

    まなつ、大輔」

 

大輔、まなつ「「え?」」

 

 

アクアポットの中にいるローラが

2人に礼を言う

声が小さかったため、2人にはよく

聞こえなかった

 

 

ローラ「な、なんでもない!

    これからもよろしくね!」

 

まなつ「…うん!」

 

大輔「ああ!」

 

 

大輔とまなつは席に戻り

部活オリエンテーションの続きを

見たのだった

 

 

 

 

その日の夜、夏海家にて…

 

 

大輔「そういやさ

   俺の剣ってまだちゃんとした名前が

   ないよな」

 

 

大輔が自室でそう呟く

大輔の部屋にまなつ、ローラ、ブイモンがいた

 

 

ローラ「そういえばそうね…」

 

まなつ「う~ん…なんて呼べばいいのかな~?」

 

ブイモン「…あっ、じゃあさ

     デジタルソードっていうのは?」

 

ローラ「デジタルソード?」

 

ブイモン「電獣ナイトの電獣ってさ

     たぶん俺達デジタルモンスター

     通称デジモンの事を

     意味してるんじゃないかって

     思うんだよ

     デジタルモンスターのデジタルを入れて

     デジタルソード!」

 

大輔「そう言われればそうだな

   全然意味を考えなかったし…」

 

まなつ「じゃあ大輔の剣の名前は

    デジタルソードで決まりだね!」

 

大輔「ああ!」

 

 

大輔の剣の名前が

デジタルソードに決まった中、ローラは1人

考えていた

 

 

ローラ(もしかしたら、残りの電獣ナイトも

    大輔みたいにデジモンを連れてるかも…)

 

 

その後、まなつとローラは

まなつの自室に戻っていった…



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

休日のお出かけ

休日になり、大輔とまなつは
さんごやタツヤ達と出かける事に


今、冒険のゲートが開く


まなつ「ふんふんふふ~ん♪」

 

 

まなつは自室で鼻歌をしながら

出かける準備をしていた

 

 

ローラ「どこ行くのよ?」

 

まなつ「今日はクラスの友達と

    ショッピングモールに行くの!

    大輔も一緒に行くんだよ!」

 

ローラ「ふ~ん…」

 

まなつ「大人しくしてるなら

    連れてってあげるけど?」

 

ローラ「行かな~い…」

 

まなつ「えっ?プリキュアと電獣ナイトを

    探さなくていいの?」

 

ローラ「たまには体を休めないと…

    まぁでも…どうしてもって

    いうなら「わかった!」えっ?」

 

まなつ「じゃあお互い楽しい日曜にしよ!

    私もおもいっきり

    トロピカってくるぞ~!!」

 

 

まなつは部屋を出る

 

 

ローラ「ちょっと!うわっ!?」

 

 

ローラが座っていた椅子が倒れ

その拍子でローラも倒れてしまう

 

 

ローラ「ぶぅ~…」

 

大輔「おいまなつ~!俺まだ

   準備できてないんだけど!」

 

まなつ「あ、ごめ~ん!」

 

 

部屋の外からそういった会話が

聞こえてきた

 

 

 

 

 

 

 

 

大輔とまなつは

あおぞら市のショッピングモール

『マリンモール』に到着する

 

 

まなつ「到着~!」

 

大輔「デッケー!」

 

まなつ「みんなが来るまで

    見て周ろうよ!」

 

大輔「賛成!」

 

 

大輔とまなつは

まなつのクラスメイト達が来るまで

マリンモールの中を見て周った

 

 

「「「まなつ~!本宮先ぱ~い!」」」

 

大輔、まなつ「「おっ?」」

 

「「「おっは~!」」」

 

さんご「おはよう」

 

タツヤ「おはようございます大輔さん!

    まなつさんもおはよう!」

 

 

そこへタツヤとさんごと

まなつのクラスメイトのきりこ、なおみ

ゆみがやってくる

 

 

大輔「おはよう!」

 

まなつ「ヒュー!オシャレ~!

    おはおは~!」

 

きりこ「こっちこっち!」

 

なおみ「いいお店見つけたの~!」

 

ゆみ「行こ!」

 

まなつ「ラジャ!」

 

 

 

 

 

中に入った大輔達はそれぞれ

男子チームと女子チームに分かれる

 

 

まなつ達女子チームは

ファンシーショップに来ていた

 

 

きりこ「見て見て!」

    

ゆみ「じゃじゃ~ん!」

 

なおみ「これどう?」

 

まなつ「おお~!いい!

    凄くトロピカってる~!」

 

さんご「かわいい~!」

 

 

3人が見せてきたのは

可愛らしいキャラクターのストラップだった

 

 

きりこ「みんなで買わない?

    お揃いで!」

 

さんご「うん、いいね」

 

まなつ「それもいいけど~…」

 

 

まなつは素早く移動しながら

商品らを見る

 

 

まなつ「これもそれもあれも!

    でもでも!こっちのも

    ぜ~んぶ買いた~い!」

 

きりこ、なおみ、ゆみ『無理だって!』

 

まなつ「う~ん、残念…」

 

 

きりこ、なおみ、ゆみは

まなつにツッコミを入れる

さんごはそんなまなつを見ていた

 

 

 

 

一方大輔とタツヤはスポーツショップで

サッカー用品を見ていた

 

 

大輔「あっ!このスパイク良さそうじゃん!」

 

タツヤ「このスパイクって確か最近出た

    新製品ですよ」

 

大輔「マジで!?そんなら買った!」

 

 

大輔は会計を済ませる為に

店のレジに向かい始める

 

 

タツヤ「俺、もう少し見てま~す!」

 

大輔「わかった~!」

 

 

大輔は返事をする

タツヤは歩きながらサッカー用品を見ていた

 

 

ドン!

 

 

タツヤ「あ、すみません!

    よく見てませんでした!」

 

「いや、僕の方こそごめん」

 

 

タツヤは少年と軽くぶつかってしまう

少年は黒髪でタツヤと同い年か

1つ年上くらいの背丈だった

 

 

「サッカー、やってるのかい?」

 

タツヤ「あ、はい!」

 

「そうなんだ

 僕もやってるんだ、サッカー」

 

タツヤ「そうなんですか?」

 

 

タツヤは少年と話をしていた

 

 

タツヤ(あれ?そういえばこの人

    どこかで…)

 

 

タツヤはふと考える

 

 

大輔「タツヤ~!待たせたな!」

 

 

そこへ大輔が戻ってくる

 

 

タツヤ「あ!大輔さん!」

 

大輔「いや~!レジが結構混んでてさ~!…ん?」

 

「えっ?」

 

 

大輔と少年の目が合う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大輔「賢!お前何でここにいるんだ!?」

 

 

 

賢「大輔!そういう君こそ何で!?」

 

 

 

そう、少年の名は『一乗寺賢(いちじょうじけん)

大輔と同じ選ばれし子どもで

大輔にとって一番の親友でもある

 

 

タツヤ「け、賢さんって…」

 

大輔「俺、最近あおぞら市に引っ越してきてさ

   一緒に住んでる親戚の子と

   そのクラスメイト達と一緒に

   買い物に来たんだよ!

   それにしても、久しぶりだな~賢!」

 

賢「ああ!お台場から引っ越したって聞いていたから

  また君に会えるなんて思わなかったよ!」

 

大輔「だよな~!俺も当分会えないって

   思ってたから嬉しいぜ!

   あっ、紹介する!後輩の七海タツヤだ

   タツヤ、こいつは」

 

タツヤ「一乗寺賢さんですよね!?」

 

大輔「そうそう!……えっ?

   なんで知ってんだ?」

 

タツヤ「俺、去年の大輔さんのチームと

    賢さんのチームの試合を

    見ていたから賢さんの事は

    知ってたんです!

    あ~!まさか大輔さんだけじゃなくて

    賢さんにも会えるなんて…感激です!」

 

大輔「こいつさ、俺のファンなんだってよ」

 

賢「そうなんだ

  よろしく、タツヤ君」

 

タツヤ「は、はい!」

 

 

賢はタツヤに手を差し出し

タツヤはその手を取り、握手をする

 

 

その後、買い物を済ませた大輔

タツヤ、賢はモール内を歩いていた

 

 

大輔「ええっ!?賢も引っ越してきたのか!?」

 

賢「ああ、だから今日は街の見物がてら

  マリンモールに来たんだ

  明日からあおぞら中に通う事になってる」

 

大輔「へぇ!なら同じクラスに

   なれるといいな!」

 

賢「そうだな」

 

タツヤ(凄い…試合の時は

    激しくぶつかり合ってた2人が

    こんなに仲がよかったなんて)

 

まなつ「あっ!いたいた!

    大輔~!タツヤ~!」

 

 

大輔達が楽しそうに会話をしていると

まなつ達が近づいてきていた

 

 

大輔「あいつが俺の親戚の子だよ

   よかったら賢も一緒に来るか?」

 

賢「僕は遠慮しておくよ

  他に行きたい場所があるからさ」

 

大輔「そっか…じゃあ学校に通い始めたら

   また一緒に行こうぜ!」

 

賢「うん、それじゃあ!」

 

 

賢は大輔とタツヤの元を去る

 

 

まなつ「ねぇ大輔、今一緒にいたのって?」

 

大輔「あいつは一乗寺賢!

   俺の大親友なんだぜ!」

 

タツヤ「明日から俺達の学校に

    通うらしいよ」

 

まなつ「そうなんだ~!」

 

大輔「ところで次はどこに行くんだ?」  

 

さんご「今からアイスを買いに行くって

    話になってて

    みんなで大輔先輩とタツヤ君を

    探してたんです」

 

大輔「アイスか!俺も食べたいな!」

 

タツヤ「俺も!」

 

きりこ「それじゃあ決まり!」

 

まなつ「アイス屋にレッツゴー!」

 

 

大輔達はアイス屋に向かい始める

 

 

その途中、大輔達は

見覚えのある2人の女性を見つける

 

 

まなつ「桜川先生!」

 

大輔「紅葉原先生!」

 

 

片方は大輔のクラスの担任の紅葉原秋葉

もう片方はまなつ達1年5組の担任の桜川咲だった

 

 

紅葉原「あら、本宮君じゃない!」

 

桜川「夏海さん達も!…ってうわわっ!」

 

 

桜川先生のそばにあったマネキンが

倒れてくる

それを紅葉原先生が支える

 

 

紅葉原「おっと!気を付けなさい咲」

 

桜川「あ、ありがと~秋葉ちゃん…」

 

大輔「なんかやけに親しそうですね」

 

紅葉原「私達、小さい頃からの友達なのよ

    昔から咲のドジには振り回されたわ」

 

桜川「秋葉ちゃん!

   みんなの前でやめてちょうだい!////」

 

 

2人のやりとりを見ていた1年生組は…

 

 

なおみ「桜川先生、いいね!」

 

きりこ「ドジっ子なとこも素敵!」

 

さんご「え…うん、すっごく可愛い…」

 

タツヤ「……」

 

 

さんごは友達と無理に合わせてそうな感じだった

タツヤはその事に気づいていたが

なにも言わなかった

 

 

 

そして大輔達はアイス屋にたどり着いた

 

 

さんご「どれがいいかな?」

 

きりこ、なおみ、ゆみ『ストロベリーチョコ

           ください!』

 

さんご「あ…じゃあ私も…」

 

まなつ「決めた!トロピカルマンゴー!」

 

なおみ「マンゴーも美味しいよね~!」

 

大輔「俺、チョコで!」

 

タツヤ「バニラください!」

 

 

アイスを買った大輔達は

歩きながらアイスを食べていた

 

 

まなつ「ん~っ!美味しい~!」

 

大輔「うめ~!(ブイモンにはなんか

   わりぃな)」

 

 

そんな中、さんごがふとアイス屋を見ると

小さい女の子がいた

 

 

「妹がね、それが好きなの…」

 

「ごめんね…ストロベリーチョコ

 さっき売り切れちゃって…」

 

「わかりました…」

 

「えっ?他のも美味しいよ?」

 

 

女の子は落ち込みながらアイス屋から離れる

するとさんごが女の子の方に行く

 

 

さんご「これ、あげる」

 

「えっ?いいの?」

 

さんご「うん、どうぞ」

 

「わぁ!ありがとう!」

 

さんご「妹ちゃんと仲良くね」

 

「うん!」

 

 

女の子は喜びながらこの場から去る

 

 

タツヤ「さんごちゃん」

 

 

するとタツヤがさんごに近づく

タツヤの手にはまだ食べていない

バニラアイスがあった

 

 

タツヤ「これ食べなよ

    ストロベリーチョコじゃないけど…」

 

さんご「えっ?でもタツヤ君のが…」

 

タツヤ「俺のはいいよ。ほら」

 

 

タツヤはさんごの手にバニラアイスを

持たせる

 

 

さんご「…ありがとう」

 

タツヤ「どういたしまして」

 

 

この2人のやりとりを見ていた大輔とまなつは

笑みを浮かべていた

 

 

 

 

 

 

 

 

一方大輔達と別れた賢は

マリンモール内の本屋に来ていた

賢が見ていたのは小説のコーナーだった

 

 

賢「…これにしてみよう」

 

 

賢は目についた本を取ろうと

手を伸ばす

 

するとそこにもう1人の手が伸びてくる

 

 

賢「ん?」

 

みのり「あ…」

 

 

手を伸ばしたのは

大輔のクラスメイトのみのりだった

みのりも賢が取ろうとした本を

手に取ろうとしていたのだ

 

 

賢「よかったらどうぞ」

 

 

賢はみのりに本を譲ろうとする

 

 

みのり「いいの?」

 

賢「うん、他にも見てみたい本は

  たくさんあるから」

 

みのり「ありがとう…」

 

 

みのりは本棚から本を取る

するとみのりは賢の方を見る

 

 

みのり「…あなた、もしかして3年前に

    話題になってた一乗寺賢君?

    天才少年の…」

 

賢「っ…」

 

みのり「ご、ごめんなさい…

    嫌な事だったのね…」

 

賢「いや、いいよ…

  確かに天才少年って呼ばれてた時は

  あったよ…」

 

みのり「やっぱり…でもどこか違う」

 

賢「え?」

 

みのり「テレビで見た時はなんだか…

    いい人を演じてて、心の中では

    他人を見下してる感じがした…でも

    今のあなたは、優しい目をしてるから

    あの頃と違うって思ったの」

 

賢「…ありがとう

  確かにあの頃は自分が一番

  それ以外はムシケラに等しいって思ってた…

  でもそれは間違いだった…

  そのせいで、かけがえのない友達を

  死なせてしまったんだ…

  だけど、そんな僕に寄り添ってくれる奴が

  いたんだ。普段は友達から

  からかわれてるような奴だけど、誰よりも純粋で

  誰よりも友達を信じてるんだ、彼は…」

 

みのり「……」

 

 

賢の話をみのりは静かに聞いていた

 

 

賢「あ、ごめん…

  初対面なのに話を聞いてもらって…」

 

みのり「大丈夫…それじゃあ行くね」

 

賢「うん、わかった」

 

 

みのりは会計を済ませにレジへ向かう

するとみのりが足を止める

 

 

賢「?」

 

みのり「私は、あおぞら中学校2年の

    一之瀬みのり。よろしく…」

 

賢「…うん、よろしく一之瀬さん」

 

 

自分の名前を名乗ったみのりは

今度こそレジへ向かった

 

 

賢「…そういえば

  あおぞら中学って事は

  同じクラスになるかもしれないな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方大輔達はマリンモールを出て

あおぞら水族館の入り口前に来ていた

 

 

大輔「さっきから思ってたんだけどさ

   タツヤってやけにでかいカバンで

   来てるんだな。重くないのか?」

 

 

そう、今日のタツヤはやたらと大きいカバンを

肩に背負っていた

 

 

タツヤ「だ、大丈夫です!

    たいして荷物入れてないので!」

 

大輔「そ、そっか…ならいいんだけどよ…」

 

 

水族館に入った大輔達は

色々と見てまわっていた

 

 

きりこ「水族館と言えば

    やっぱ熱帯魚よね~!」

 

ゆみ「私はクラゲが好き~!」

 

なおみ「なんたってペンギンでしょ~!」

 

まなつ「私のイチオシはこれ!

    ダイオウグソクムシ!

    可愛いでしょ?」

 

きりこ、なおみ、ゆみ『いいえ、あんまり…』

 

まなつ「え~?」

 

大輔「可愛いかどうかはわかんねぇけどさ

   結構面白い見た目してるよなぁ」

 

さんご「……ん?」

 

 

さんごは近くにいた女性が

財布を落とすところを見る

 

 

さんご「あの、これ落としましたよ」

 

「まあ、ありがとう!」

 

 

 

まなつ「カエルアンコウはどう?」

 

きりこ、なおみ、ゆみ『いやいや…』

 

まなつ「ぶぅ~…」

 

大輔「…あれ?さんごちゃんは?」

 

大輔以外『え?』

 

 

この場に先程までいた筈のさんごが

いつの間にかいなくなっていた

 

 

タツヤ「俺、探してきます!」

 

大輔「おう!」

 

 

タツヤはさんごを探しに

この場から離れた

 

 

 

 

 

 

 

一方さんごは

人気のない通路を歩いていた

 

 

さんご「どうしよう…はぐれちゃった…」

 

タツヤ「さんごちゃ~ん!」

 

 

そこへさんごを探していたタツヤがやってくる

 

 

さんご「タツヤ君!」

 

タツヤ「探したよ、みんなの所に戻ろ」

 

さんご「うん……あれ?」

 

タツヤ「ん?」

 

 

タツヤとさんごは首をかしげる

通路の奥にあるドアから

歌声が聞こえてきていた

 

 

さんご「歌?キレイな歌声…」

 

タツヤ「うん…」

 

 

2人はドアを開ける

そこは現在使われていないプール

 

 

 

そのプールに、歌を歌っているローラがいた




ローラと出会ったタツヤとさんご
はたしてこの出会いが意味するものとは…


次回もお楽しみに!


感想お待ちしています!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

自分を信じ、純粋に!キュアコーラルとナイトピュア

ローラと出会ったタツヤとさんご
この出会いが意味するものとは…?


今、冒険のゲートが開く


ローラ「はぁ~!気持ちいい!

    1人でも全然楽しいし~♪」

 

 

ローラはあおぞら水族館にある

無人のプールにいた

 

 

タツヤ、さんご「「……?」」

 

 

それをタツヤとさんごは見てしまった

 

 

ローラ「げっ!?人間!」

 

さんご「人魚…?」

 

タツヤ「だと…思うけど…」

 

さんご「……可愛い」

 

ローラ「えっ?あら何?急に♪」

 

 

可愛いと言われ

満更でもなさそうにするローラ

 

 

さんご「あっ、ごめんなさい!

    あんまり可愛かったから…」

 

ローラ「いいのよ!

    私は可愛いから

    仕方ない事よ♪」

 

さんご「…それ、作り物?」

 

 

さんごはローラの尾ひれを見て

そう聞く

 

 

ローラ「失礼ね!本物よ!」

 

さんご「ほ、本物!?」

 

ローラ「ほら、触ってみて

    なんだったらあなたも触る?」

 

タツヤ「あ、それじゃあ…」

 

 

タツヤとさんごはローラの尾ひれに

手を触れる

 

 

さんご「凄い!本物の人魚!」

 

ローラ「だから言ってるでしょ?」

 

さんご「いたんだ人魚…

    しかもこんなに可愛い!」

 

ローラ「あらもう!正直ね♪」

 

 

さんごとローラが盛り上がっている中

タツヤは1人考えていた

 

 

タツヤ「ねぇ、ちょっと聞きたいんだけど」

 

ローラ「何?」

 

タツヤ「君って…デジモンじゃないんだよね?」

 

さんご「デジモン?」

 

ローラ「はぁ?私があんなヘンテコな生き物なわけ

    ないじゃない」

 

 

 

「誰がヘンテコだ!誰が!!」

 

 

 

さんご、ローラ「「えっ?」」

 

タツヤ「ちょ、ちょっと!静かにしててよ!」

 

 

突然声が聞こえてきて

さんごとローラは驚く

タツヤが持っていた大きめのカバンが

何故か揺れていた

 

 

そして、そのカバンから

タツヤのパートナーデジモン

ガンマモンが出てきた

 

 

ガンマモン「もういっぺん言ってみろよ!

      もういっぺん!」

 

ローラ「デ、デジモン…!?

    あなたもデジモン連れてるの!?」

 

タツヤ「う、うん…(あなたも?)

    さ、さんごちゃん、これは…」

 

さんご「…可愛い」

 

ガンマモン「か、可愛い…?」

 

さんご「あ、ごめんね

    あなたが可愛いかったからつい…」

 

ガンマモン「気にしなくていいぞ~」

 

タツヤ「さんごちゃん、今まで黙っててごめん…

    その…怖くない?」

 

さんご「ううん、すごく可愛いよ!」

 

タツヤ「よかったぁ…」

 

さんご「あなた、なんていう名前なの?

    私、凉村さんご」

 

ガンマモン「俺、ガンマモン!

      よろしくなさんご!」

 

さんご「うん、よろしくね」

 

 

タツヤ、さんご、ガンマモンが

会話をしてる中、ローラがはっとなる

 

 

ローラ「ねぇ!あなたプリキュア

    やってみない?」

 

さんご「えっ?プリキュア…?」

 

ローラ「あなたも電獣ナイトやる気ない?

    D-3持ってるわよね?」

 

タツヤ「D-3?…ああ、デジヴァイスの事?

    持ってるよ」

 

 

タツヤはD-3を取り出す

配色は白と紺色だ

 

 

ローラ「じゃあこれ持ってみて

    あなたはこれを持ってみて」

 

 

ローラはタツヤにデジタルソードを

さんごにトロピカルパクトを持たせる

 

 

しかし、何も起きなかった…

 

 

ローラ「変化なし…やっぱりダメか…」

 

 

ローラはデジタルソードとトロピカルパクトを

返してもらった

 

 

タツヤ「え?」

 

さんご「ダメって?」

 

ローラ「ああ!いいのいいの!

    私に会ったことは秘密に…」

 

まなつ「さんご~?」

 

大輔「タツヤ~?」

 

 

タツヤ達がいる場所から離れた場所に

2人を探している大輔とまなつ達がいた

 

 

ローラ「えっ!?まなつ!?大輔!?

    まずい!」

 

 

ローラは即座に隠れる

 

 

さんご「みんな!ねぇ

    あなたの事紹介し…あれ?」

 

タツヤ「いない…」

 

 

タツヤとさんごは疑問に思ったが

とりあえずガンマモンをカバンに戻し

大輔達の元へ戻る

 

 

まなつ「あ、いた!さんご~!タツヤ~!」

 

大輔「おーい!」

 

さんご「ごめんなさ~い!」

 

タツヤ「心配かけてごめ~ん!」

 

なおみ「よかったぁ~」

 

ゆみ「何してたの?」

 

さんご「今、人…あ、ううん!

    なんでもない!ね、タツヤ君?」

 

タツヤ「う、うん!」

 

 

大輔達と合流したタツヤとさんごは

次にジュゴンを見に来た

 

 

まなつ「ジュゴンちゃ~ん!」

 

ゆみ「昔の人はジュゴンを見て

   人魚と間違えたんだって!」

 

なおみ「え~!人魚って絵本だともっと

    可愛いじゃない!」

 

さんご「そ、そうだよ

    人魚は凄く…」

 

きりこ「わかった!ホントは人魚も

    ジュゴンみたいな面白顔なんだよ!」

 

さんご「え…?」

 

ゆみ「アハハ!ウケる!

   人魚面白い顔説!

   さんごもそう思わない?」

 

さんご「えっ…う、うん…そうだね

    きっと面白顔だよ…」

 

タツヤ「…俺は違うと思うな」

 

さんご「えっ?」

 

タツヤ「実際に見てないからわからないけどさ

    ジュゴンと人魚は違う生き物なんだから

    人魚が面白顔かどうかわからないでしょ?」

 

きりこ「ええ~、面白顔だと思うんだけどなぁ…」

 

タツヤ「もちろん君たちの考えを

    否定してるわけじゃないよ

    あくまで俺の考えを言ってみただけだから」

 

さんご「…」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ー4年前ー

 

 

タツヤ『ヒッグ……エグ……』  

 

さんご『タ、タツヤ君…どうしたの?』

 

 

小学校の校庭の隅で

少し服が汚れたタツヤが泣きじゃくっており

それを見たさんごはタツヤの元へ行く

 

 

タツヤ『…さっき、いじめっ子達に

    弱虫タツヤって言われて…

    何回も叩かれた…』

 

さんご『ひ、ひどい…』

 

タツヤ『…さんごちゃん

    俺の事は気にしなくていいよ…

    俺と一緒にいたらさんごちゃんも

    あいつらに目をつけられるから…』

 

さんご『で、でも…』

 

タツヤ『いいからほっといてよ!』

 

 

タツヤはその場から走り去っていった

 

 

さんご『タツヤ君…』

 

 

そんなタツヤをさんごは見ている事しか

出来なかった

 

 

 

そして、タツヤに転機が訪れたのは

それから3年後の小学6年生の頃だった

 

 

たまたま見に行ったサッカーの試合で

タツヤは運命的な出会いをする

そう、大輔のチームの試合の時だ

ずば抜けて上手いわけでもないが

タツヤは大輔のプレイに魅了されていった

その影響でタツヤもサッカーを始めた

最初は上手く出来なかったが

徐々に上手くなっていった

 

そして、サッカーを始めて

2週間後の出来事…

公園でいつも通りサッカーの練習を

していた

 

 

『おう!弱虫タツヤ!』

 

タツヤ『!?』

 

 

そこへタツヤをいじめている

いじめっ子達3人がやってくる

もちろん小3の時にさんごに話していたいじめっ子達だ

 

 

『サッカー始めたってホントだったんだな~!』

 

『スポーツど下手のお前に

 サッカー出来るわけねぇっつの!』

 

タツヤ『…君たちには関係ないだろ?』

 

『ああん?』

 

 

いつもならなにも言い返せないが

今のタツヤは違った

 

 

『弱虫タツヤの癖に生意気じゃねぇか?ああっ?』

 

 

いじめっ子の1人がタツヤの肩に手を置く

その腕をタツヤは掴み、力を込める

 

 

『っ!て、てめえ!』

 

タツヤ『俺は今サッカーの練習してるんだ!

    どっかに行ってくれ!』

 

『~~~~っ!』

 

 

頭に血がのぼったいじめっ子は

タツヤに殴りかかろうとする

 

 

さんご『先生!こっちです!』

 

『あっ!凉村が先生呼んでるぞ!』

 

『ま、まずいって!』

 

『ちっ!覚えてろ!』

 

 

いじめっ子達は慌ててこの場から逃げる

 

 

さんご『タツヤ君!大丈夫!?』

 

タツヤ『う、うん…あれ?先生は?』

 

さんご『フフ…あれ、嘘だよ』

 

タツヤ『ええっ!?』

 

さんご『タツヤ君があのいじめっ子に

    絡まれてるのを見て

    咄嗟に…』

 

タツヤ『そ、そうなんだ…ありがとう』

 

さんご『どういたしまして…

    タツヤ君、最近笑うことが

    多くなったよね?

    なにかいいことがあったの?』

 

タツヤ『…うん!話してあげる!

    俺に勇気と自信をくれた人の事を!』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

さんご(タツヤ君…昔と違って

    自分の意見を言えるようになってる

    やっぱり、大輔先輩のおかげなのかな…)

 

 

さんごは大輔の方をチラッと見る

 

 

まなつ「あっ!ペンギンショーが始まる!

    みんな急いで!」

 

大輔「あ!待てよまなつ~!」

 

きりこ、なおみ、ゆみ『待って~!』

 

タツヤ「行こ、さんごちゃん」

 

さんご「う、うん」

 

 

大輔達はペンギンショーがある会場に向かった

 

 

 

 

その後夕方になり、大輔達は各自解散となった

 

 

 

 

 

 

 

翌日、あおぞら中学校

2年2組の教室にて…

 

 

紅葉原「みんな!先週本宮君が転入してきたけど

    なんともう1人、このクラスに

    新しい仲間が増えるわ!入っていいわよ!」

 

「はい」

 

大輔(お、この声…)

 

みのり(もしかして…)

 

 

大輔とみのりは同じ人物を予想していた

その予想通り、教室に入ってきたのは賢だった

 

 

賢「一乗寺賢です。田町から引っ越してきました

  よろしくお願いします」

 

 

賢は丁寧にお辞儀をする

生徒達は賢に拍手をする

 

 

紅葉原「自己紹介ありがとう

    それじゃあ席は…本宮君の後ろが

    空いてるわね。あの席でいいかしら?」

 

賢「はい」

 

 

賢は席に座る

 

 

 

それから授業が始まった

人並み以上には勉強が出来る賢は

出された問題も難なく正解できた

 

 

 

そして、昼休みになった

 

 

大輔「いや~!まさかホントに賢と同じ

   クラスになれるなんてな!嬉しいぜ!」

 

賢「僕もだよ

  これからよろしくな、大輔」

 

大輔「ああ!」

 

みのり「一乗寺君…」

 

 

大輔と賢が会話をしていると

みのりが賢に話しかけてくる

 

 

賢「一之瀬さん?どうしたんだい?」

 

大輔「賢、一之瀬さんと知り合いなのか?」

 

賢「うん、昨日大輔とタツヤ君と別れた後に

  本屋で知り合ったんだよ

  それで、なにか用かい?」

 

みのり「これ…貸したくて」

 

 

みのりは一冊の本を賢に差し出す

昨日賢がみのりに譲った小説だ

 

 

賢「いいのかい?」

 

みのり「ええ、もう昨日の内に読んだから…」

 

賢「…ありがとう」

 

 

賢は小説を受けとる

 

 

大輔「そんじゃあ賢、一緒に昼飯食わねぇか?

   どっかいい場所探してさ」

 

賢「ああ、是非行かせてもらうよ

  一之瀬さんもどう?」

 

みのり「私はいい…」

 

賢「そうか…それじゃあまた後で

  行こう大輔」

 

大輔「ああ」

 

 

大輔と賢は教室を出て

昼食を食べる場所を探していた

 

 

まなつ「あ、大輔~!」

 

タツヤ「大輔さ~ん!賢さ~ん!」

 

 

そこへまなつ、タツヤ、さんご

きりこ、なおみ、ゆみが来る

 

 

大輔「あ!まなつ!みんなも!」

 

まなつ「あ、昨日大輔と一緒にいた人ですよね!?

    私、夏海まなつです!えっと…確か…

    いちじょ…じょ…」

 

賢「一乗寺賢、大輔とは友達同士だよ

  よろしく夏海さん」

 

まなつ「まなつでいいですよ!

    よろしく賢先輩!」

 

賢「わかった、よろしくまなつさん

  君たちもよろしく」

 

さんご「よ、よろしくお願いします」

 

きりこ、なおみ、ゆみ『よろしくお願いしま~す!』

 

 

そしてしばらく歩いていると

階段の所にたどり着く

 

 

まなつ「ねぇねぇ!屋上で食べようよ!」

 

大輔「賛成!」

 

タツヤ「俺も!」

 

賢「僕も行くよ」

 

きりこ「え~…」

 

なおみ「今日暑いし…」

 

ゆみ「私達はパス…」

 

まなつ「そっか…じゃあ私

    トロピカってくるね!」

 

 

まなつは屋上に行こうとする

 

 

さんご「…あの、一緒に行ってもいい?」

 

まなつ「えっ?もっちろ~ん!」

 

タツヤ「じゃあ一緒に行こ、さんごちゃん」

 

さんご「うん」

 

 

さんごは大輔とまなつ達についていく

 

 

そして屋上にやってきた大輔達は

昼食を食べ始めた

 

 

まなつ「ん~っ!

    外で食べると気持ちいいね~!」

 

大輔「そうだな!」

 

さんご「あ、あの…」

 

まなつ「ん?」

 

さんご「私、まなつちゃんが羨ましい…

    タツヤ君も大輔先輩も…」

 

タツヤ「え?」

 

大輔「何がだ?」

 

さんご「いつも、自分が一番好きな事を

    迷わず出来るでしょ…?」

 

まなつ「さんごは違うの?」

 

さんご「うん…私、自分には無いものを

    持ってる人って羨ましく思うんだ…

    私が幼稚園の時にね

    みんなでチューリップの球根を

    植えた事があって、好きな色を

    選べたの…それで、私は紫が一番可愛いと

    思ったんだけど…紫を選んだのは

    私だけだったの…

    みんなは気にしてなかったけど

    私もピンクにすればよかったって

    凄く後悔した…」

 

まなつ「そんな事があったんだ…」

 

大輔「タツヤは知ってたのか…?」

 

タツヤ「…その事なんですけど」

 

ローラ「く~っだらない!!」

 

さんご「えっ?」

 

 

そんな時、ローラの声が聞こえてきた

まなつのポケットにあったアクアポットは

地面に落ちる

 

 

ローラ「自分の可愛いが

    信じられなくてどうするのよ!?」

 

賢「この声って…?」

 

まなつ「なに勝手に出て喋ってんの~!?」

 

さんご「あなたは…」

 

タツヤ「もしかして、昨日の…?」

 

大輔「えっ?それってもしかして…」

 

賢「待った、ここじゃ不味いだろ?

  どこか人がいない場所に行こう」

 

大輔「お、おう…」

 

 

大輔達は人がいない場所にやってくる

 

 

まなつ「まさか3人が昨日会ってたなんて…」

 

大輔「…っていうかローラ

   お前昨日うちで休んでるんじゃ

   なかったのか?」

 

タツヤ「ローラって言うんだ…」

 

さんご「ちっちゃいとますます可愛い!」

 

ローラ「そうそう!

    自分の可愛いを信じなくちゃ」

 

さんご「自分の可愛いを信じる…」

 

賢「それにしても、まさか人魚が

  実在してるなんて…」

 

大輔「驚いたろ?俺だって最初は

   驚いたんだからな」

 

賢「うん…ローラだったよね?

  僕は一乗寺賢。よろしく」

 

ローラ「…よろしく、人間」

 

賢「人間?」

 

大輔「あ~、気にすんな

   初対面の奴にはこんな感じだからさ」

 

まなつ「…そうだローラ!さんごってプリキュアに

    向いてると思わない?凄く優しいし

    誰とでも仲良くなれちゃうし!」

 

さんご「あの、プリキュアって…?」

 

タツヤ「昨日ローラが言ってたよね?

    あと、電獣ナイトとかって…」

 

まなつ「プリキュアと電獣ナイトはね!

    あとまわしの魔女から世界を救う

    伝説の戦士なんだよ!

    ローラはプリキュアと電獣ナイトを探しに

    人魚の国からやってきたの!」

 

大輔「そ、まなつがプリキュアで

   俺が電獣ナイトなんだぜ!」

 

賢「君が伝説の戦士?

  なんだか想像出来ないな…」

 

大輔「おい!何ブイモンみたいな事

   言ってんだよ!」

 

タツヤ「ブイモン?」

 

大輔「あ、いや…そのだな」

 

タツヤ「…あの、もしかして大輔さんも

    パートナーデジモンがいるんですか?」

 

大輔「…え?まあ、いるけど…」

 

ローラ「彼、大輔みたいにデジモン連れてたのよ」

 

タツヤ「今は家で留守番してますけど…」

 

 

タツヤがそう言うとタツヤはD-3を取り出す

 

 

まなつ「あ、D-3!」

 

大輔「マジかよ!」

 

賢「…あの、実は僕にも

  パートナーデジモンがいるんだ」

 

 

すると賢もD-3を取り出す

賢のD-3な黒が基調のデザインだった

 

 

さんご「あ、タツヤ君が持ってた機械…」

 

大輔「…そうだ!

   さんごちゃんはプリキュアでいいけどさ

   賢とタツヤに電獣ナイトやらせたらどうだ?

   D-3持ってんだし!」

 

タツヤ「えっ?」

 

賢「僕が電獣ナイト…?」 

 

ローラ「ダメよ。そっちの彼はわからないけど

    そこの2人はトロピカルパクトも

    デジタルソードも光らなかったし無理~」

 

まなつ「そうかなぁ?」

 

大輔「いけると思うんだけどなぁ…」

 

さんご「うん…私にはそんな勇気も

    自信もないから…」

 

まなつ「そんな時にはこれだよ!」

 

 

まなつはポケットからリップを取り出す

 

 

まなつ「メイクで気合いを入れるの!

    そしたらトロピカるぞ~って

    気分が上がるから!」

 

さんご「まなつちゃんもメイク持ってるんだ…」

 

まなつ「うん!お母さんから貰った

    大事なリップなんだ!」

 

 

まなつの言葉を聞き、さんごは考える

 

 

そんな中、タツヤも考える仕草をしていた

 

 

大輔「どうかしたか?」

 

タツヤ「あ、いえ…俺も電獣ナイトになって

    大輔さんとまなつさんの力になれたらなって…」

 

大輔「…タツヤはさ、俺の勇気の原動力は

   なんだと思うんだ?」

 

タツヤ「えっと…すみません

    わからないです」

 

大輔「それは、これだ」

 

 

大輔は自分の頭につけているゴーグルを

指差す

 

 

タツヤ「ゴーグル…ですか?」

 

大輔「このゴーグルは俺が尊敬してる先輩から

   譲り受けた奴なんだ。先輩にも

   パートナーデジモンがいてさ

   デジタルワールドを他の先輩達と一緒に

   救ったことがあるんだぜ!

   それからゴーグルは先輩から俺に

   受け継がれて、いつでもそばで

   俺を見てくれてた…だからゴーグルは

   知ってるんだぜ、戦いと勇気の意味をさ!」

 

タツヤ「戦いと、勇気の意味…」

 

大輔「タツヤのそのゴーグルはさ

   いつから持ってるんだ?」

 

タツヤ「えっと…幼稚園の頃からです」

 

大輔「だったらそのゴーグルは

   タツヤの事を一番よく知ってる筈だ

   だからゴーグルに聞いてみろよ

   自分の事をさ」

 

タツヤ「自分の事を…」

 

 

タツヤは大輔の言葉の意味をよく考える

すると賢が自分の腕時計を見てはっとなる

 

 

賢「みんな!そろそろ授業時間だ

  教室戻ったほうがいいよ」

 

大輔「マジで!?」

 

まなつ「それじゃあ大輔!賢先輩!

    またあとでね~!」

 

さんご「待ってまなつちゃん!」

 

タツヤ「では!」

 

 

まなつ達は教室に戻っていき

大輔と賢も教室に戻っていった

 

 

 

そして放課後になり

大輔、まなつ、タツヤ、さんご

きりこ、なおみ、ゆみが下校していた

賢は部活の見学をするため、学校に残っていた

そのため、デジタルソードを触らせる時間がなかった

その道中、人魚の銅像を見つける

 

 

ゆみ「人魚だ!」

 

きりこ「美人すぎるよ」

 

なおみ「もっと面白い顔じゃないとね~」

 

さんご「…」

 

 

「助けて~!!」

 

「怪物だ~!!」

 

 

そんな中、人々が悲鳴があげながら

逃げてきていた

 

 

なおみ「怪物って…」

 

きりこ「また出たの!?」

 

まなつ「…私、急用思い出した!」

 

大輔「俺も!」

 

 

大輔とまなつはこの場から走り去っていく

 

 

きりこ、なおみ、ゆみ『えっ!?まなつ!本宮先輩!』

 

タツヤ「大輔さん…まなつさん…」

 

なおみ「…そういえばさ、モンスターの現れた現場に

    人魚がいたんだって」

 

ゆみ「えっ?人魚がモンスターを

   操ってるとか」

 

きりこ「悪者じゃん、それ…」

 

なおみ「それと人魚だけじゃないんだって…

    なんでもドラゴンみたいな怪獣も

    いたんだって…」

 

ゆみ「それって、3年前に

   世界中に現れたっていう怪獣じゃ…」

 

きりこ「私覚えてる!

    怪獣のせいでたくさんの建物が

    壊されたってニュースでやってた!」

 

なおみ「怖~い…」

 

 

 

 

 

 

 

 

さんご「…違うよ」

 

きりこ、なおみ、ゆみ『えっ?』

 

さんご「人魚も怪獣も悪者じゃないし…

    ホントはすっごく可愛いんだよ!」

 

 

さんごは自分の本心をハッキリ言う

それを聞いた3人は黙り混む

 

 

さんご「あ、私も急用思い出した!」

 

タツヤ「さんごちゃん!」

 

 

さんごは大輔達が向かった方向へ

走っていく

 

 

タツヤ「…さんごちゃんが言っていたこと

    しっかり考えてみてくれ」

 

 

タツヤもこの場から走り去っていった

 

 

 

 

 

 

 

ヤラネーダ「ヤラネーダ!」

 

ブレイブ「おりゃあ!!」

 

サマー「ハァッ!!」

 

 

タツヤとさんごはヤラネーダがいる場所に

たどり着く。既にブレイブとサマーが

ヤラネーダの相手をしていた

ローラは近くの水場にいた

 

 

タツヤ「大輔さんとまなつさんだ!」

 

 

タツヤとさんごは隠れながら2人を見つける

 

 

ローラ「取られたやる気、返してもらうわよ!」

 

チョンギーレ「させねぇぜ!

       まずは人魚をやっちまえ!」

 

ヤラネーダ「ヤラネーダ!」

 

ローラ「えっ!えええ!?」

 

 

ヤラネーダの攻撃がローラに迫る

 

 

ブレイブ「危ないローラ!」

 

 

ブレイブがデジタルソードで

ヤラネーダの攻撃をはじき、ローラを守る

 

 

そしてブレイブとサマーの戦いを見ていた

2人は…

 

 

タツヤ「あれが電獣ナイト…

    凄くカッコいい…!」

 

さんご「可愛くてカッコいい…

    これがプリキュア…」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

まなつ『さんごってプリキュアに向いてると

    思わない?』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

さんご「そんな勇気も自信も、私には…」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

まなつ『そんな時にはこれだよ!

    メイクで気合いを入れるの!』

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

さんご「私にも…」

 

 

 

そして、タツヤは自分のゴーグルに触れる

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

大輔『ゴーグルは知ってるんだぜ

   戦いと勇気の意味をさ!』

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

タツヤ「大輔さん…」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

大輔『だからゴーグルに聞いてみろよ

   自分の事をさ』

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

タツヤ(そうだ…このゴーグルは俺の事を

    一番見てくれていたんだ

    楽しい時も、悲しい時も

    俺がサッカーを始めた時も…

    大輔さんみたいに

    なりたいっていう純粋な気持ちを

    一番知ってるんだ!)

 

 

 

ヤラネーダ「ヤラネーダ!」

 

サマー「うわぁー!!」

 

ブレイブ「サマー!!」

 

 

サマーはヤラネーダの攻撃を受け、

ローラがいる水場に落ちてしまう

 

 

さんご「私は…信じる!」

 

タツヤ「俺は…大切な人達を助ける!

    大輔さん!」

 

さんご「まなつ!ローラ!」

 

 

タツヤとさんごは隠れていた場所から

飛びだしていった

 

 

サマー「さんご!?」

 

ブレイブ「タツヤ!?

     なんでお前らここにいるんだよ!?」

 

チョンギーレ「あん?なんだお前ら?」

 

ローラ「何やってんの!?

    逃げなきゃ危ないわよ!」

 

タツヤ「俺は…」

 

さんご「私は…」

 

 

 

 

 

タツヤ、さんご「「逃げない!!」」

 

 

 

 

 

ピカアアアアアアアアア!!

 

 

 

 

タツヤとさんごの思いに答えるように

タツヤのD-3とさんごの指が光りを放つ

タツヤのD-3にデジタルソードを刺す穴が

さんごの指にハートクルリングが現れる

それと同時にタツヤの元にデジタルソードが

さんごの元にトロピカルパクトがやってくる

 

 

さんご「えっ?」

 

タツヤ「これって…?」

 

ローラ「見つけた!

    2人目のプリキュアと電獣ナイト!」

 

さんご「私が…プリキュア」

 

タツヤ「俺が電獣ナイト……

    行くよ、さんご!!」

 

さんご「うん、タツヤ!!」

 

 

 

 

 

さんご「プリキュア!トロピカルチェンジ!!」

 

タツヤ「D-3!ソードオン!!」

 

さんご「レッツメイク!キャッチ!!」

 

タツヤ「ナイトチェンジ!!」

 

さんご「リップ!アイズ!ヘアー!チーク!ドレス!」

 

 

 

「きらめく宝石!キュアコーラル!!」

 

「轟く純粋!ナイトピュア!!」

 

 

 

タツヤはナイトピュアに、さんごはキュアコーラルに

変身した。ピュアは茶髪が青色の髪になり

青が基調の衣服を身に纏い、デジタルソードは

イナズマを連想させる形になっていた

 

コーラルの髪は伸び、紫色になり

水平帽を被り、衣装は紫が基調のドレスに

なっていた

 

 

チョンギーレ「なにっ!?」

 

ブレイブ「ナイトピュア!」

 

サマー「キュアコーラル!」

 

ローラ「やった!あなた達は

    プリキュアと電獣ナイトに

    なったのよ!」

 

コーラル「これが私…?」

 

ピュア「凄い…力が湧いてくる!」

 

サマー「キュアコーラル、可愛い~!」

 

コーラル「ありがとう」

 

ブレイブ「ナイトピュア、カッコいいぜ!」

 

ピュア「あ、ありがとうございます!」

 

ヤラネーダ「ヤラネーダ!!」

 

 

そこへヤラネーダの攻撃が迫る

 

 

コーラル「危ない!」

 

 

ペケッ!

 

 

それをコーラルが×印のシールドで防ぐ

 

 

サマー「凄いよコーラル!」

 

ブレイブ「さあ!一斉攻撃だ!」

 

ピュア「はい!」

 

 

ブレイブ達は飛び上がり

4人でヤラネーダを攻撃した

 

 

ヤラネーダ「ヤラネーダ~!?」

 

ブレイブ「ローラ!」

 

ローラ「オーライ!マーメイドアクアポット!

    サーチ!」

 

 

ローラはヤラネーダの中にある

やる気パワーをサーチする

 

 

ローラ「黄色!やる気パワー、カムバック!!」

 

 

ローラはやる気パワーを

アクアポットに吸収する

 

 

コーラル「私はもう逃げない!」

 

 

するとサマーのリップが分裂し

紫のリップがコーラルの元に行く

 

 

サマー「さぁコーラル!」

 

ブレイブ「いけぇピュア!」

 

コーラル「うん!私は私を信じる…だって

     これが私の可愛いだから!

     ハートルージュロッド!」

 

ピュア「俺は…これからも憧れの人に

    追い付けるように頑張る!

    純粋な気持ちを忘れずに!

    デジタルソード!」

 

 

 

コーラル「プリキュア!

     もこもこコーラルディフュージョン!!」

 

 

ピュア「サンダーストライク!!」

 

 

ピュアとコーラルの必殺技が炸裂する

 

 

 

 

 

ピュア、コーラル『ビクトリー!!』

 

 

ドカーン!!

 

 

ヤラネーダは倒され

やる気パワーも人々の元へ戻っていった

 

 

サマー「やったね!コーラル!ピュア!」

 

コーラル「うん!」

 

ピュア「ああ!」

 

ブレイブ「これでひとまず、一件落着だな!」

 

ローラ「これでまた一歩、女王に近づいた!

    ウフフ♪」

 

 

チョンギーレ「ちっ、かったりぃ…」

 

 

チョンギーレはこの場から消えていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

きりこ、なおみ、ゆみ『さんご!ごめん!』

 

さんご「え?」

 

 

大輔達が3人の元へ戻ると

3人がさんごに謝ってきた

 

 

きりこ「私達、さんごの気持ちを考えてなかった!」

 

なおみ「人魚が面白顔とか…人魚と怪獣が

    悪いことしてるって言っちゃって…」

 

ゆみ「人魚も怪獣も

   みんなを助けようとしてたんだよね?」

 

さんご「…うん!人魚も怪獣も

    みんなのために戦ってる

    それにとっても可愛いよ♪」

 

 

このやり取りを見ていたタツヤは

安堵の息をはいた

 

 

 

 

 

 

 

そして数日後の休日

前の休日の時と同じメンバーで

買い物にきていた

 

 

なおみ「あ、これいい!」

 

きりこ「可愛い~!」

 

ゆみ「流行りそ~!」

 

さんご「ホントだ、可愛い♪」

 

タツヤ「そうだね」

 

さんご「でも…こっちのも可愛いと思う」

 

きりこ「わぁ!ありかも!」

 

なおみ「可愛いよ!」

 

ゆみ「いいね!」

 

きりこ「中も見ようよ!」

 

ゆみ「オッケー!」

 

 

3人は店内に入っていった

 

 

まなつ「ちゃんと言えたね、自分の可愛い」

 

さんご「うん!でも

    なんだかまだ信じられない…」

 

まなつ「プリキュア、一緒に頑張ろうね!

    なんなら部活も!」

 

大輔「まなつ、部活決めたのか?」

 

まなつ「あっ、まだだった…

    まぁ、これからよろしくね、さんご!」

 

さんご「私の方こそ、よろしく、まなつ!」

 

 

まなつとさんごは握手をする

 

 

大輔「さ!俺達も入ろうぜ!」

 

まなつ「うん!」

 

 

大輔とまなつは店内に入っていった

 

 

タツヤ「よかったね、さんご」

 

さんご「うん…タツヤ」

 

タツヤ「ん?」

 

さんご「えっと…あのね」

 

大輔「タツヤ~!さんごちゃ~ん!

   早く来いよ~!」

 

タツヤ「あ、は~い!

    俺達も行こっか」

 

さんご「う、うん」

 

 

中に入ろうとする中

さんごはチューリップの時の事を思い出す

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

さんご『…』

 

 

幼いさんごは涙目になりながら

自分のチューリップを見ていた

 

 

タツヤ『どうしたの?』

 

 

そこに幼いタツヤがやってくる

 

 

さんご『…誰?』

 

タツヤ『僕、ななみタツヤ

    明日からこの幼稚園に通うから

    けんがくに来たんだよ

    …なんだか、泣きそうだよ?』

 

さんご『…チューリップ、みんなピンクを

    選んでて、私だけ紫だったの

    私もピンクにすればよかった…ヒッグ…っ!』

 

 

さんごはポロポロと涙を流す

 

 

タツヤ『…僕は、可愛いと思うよ

    紫のチューリップ』

 

さんご『えっ…?』

 

タツヤ『だって、こんなに綺麗な色なんだよ?

    僕も紫のチューリップが欲しいなぁ…』

 

さんご『…ほんとう?』

 

タツヤ『うん!』

 

さんご『…ありがとう!タツヤくん!』

 

タツヤ『うわぁ!』

 

 

さんごはタツヤに抱きつく

 

 

さんご『私、すずむらさんご!

    よろしくねタツヤくん!』

 

タツヤ『う、うん!

    よろしくねさんごちゃん!』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

さんご(そう…あのチューリップのおかげで

    私とタツヤは仲良くなれたんだよね…)

 

 

さんごは前を歩くタツヤを見る

 

 

さんご(私、必ず伝えるよ…本当の想いを…

    待っててね、タツヤ……///)

 

 

タツヤを見るその顔は

ほんのりと赤くなっていた…




初めて一万字まで描いてしまった…


それはそうと次回から
賢とみのりのストーリーです!


お楽しみに!


感想お待ちしています!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

物静かな少女

プリキュアと電獣ナイトの事を調べに
学校の図書室へ向かった大輔達
そこにいたのは…


今、冒険のゲートが開く


まなつ「はぁ~~…

    今日も部活決められなかった…」

 

さんご「私もだよ…」

 

大輔「まだ部活決めてなかったのか?」

 

 

大輔、まなつ、タツヤ、さんご、賢は

プリティーホリックのカフェスペースに来ていた

 

 

まなつ「テニスでしょ、バスケに水泳

    ハンドボール、新体操もいいよね~

    文科系なら演劇部や吹奏楽部も

    楽しそう!あ、後応援部に手品部!

    みんなトロピカってて選べないよ~!

    あれもやりたい!これもやりたい~!

    いっそ好きな事が全部出来ちゃう部が

    あればめっちゃトロピカっちゃうん

    だけどなぁ~…」

 

賢「好きな事が全部出来る部って…」

 

タツヤ「さすがにないと思うなぁ…」

 

ローラ「無ければ作れば?

    グランオーシャンじゃ

    無ければ自分で作るが基本よ」

 

 

アクアポットの中にいるローラが

そう発言する

 

 

まなつ「自分で…そうか!

    その手があった!

    けど何部にしようかな…」

 

ローラ「そうだわ!いっそ

    プリキュア&電獣ナイト部ってどう?」

 

まなつ「プリキュアも電獣ナイトも

    部活じゃないよ~!」

 

ローラ「いいじゃない

    プリキュアと電獣ナイトと部活を

    同時に出来るわよ」

 

まなつ「だからプリキュアと電獣ナイトは…

    そもそもプリキュアと

    電獣ナイトって何?」

 

賢「確か、この前話してたよね

  伝説の戦士だって…」

 

ローラ「そうよ!グランオーシャンに伝わる伝説

    人魚の世界と人間の世界を救った2つの戦士

    それこそがプリキュアと電獣ナイト!」

 

まなつ「聞いた事ないよ…」

 

大輔「俺も…」

 

 

大輔とまなつはそう呟く

他の者も知らないと言っていた

 

 

賢「…それじゃあ

  本とかで調べてみるのはどうかな?」

 

ローラ「それよ!プリキュアと電獣ナイトの事を

    調べれば自然と新しいプリキュアと

    電獣ナイトも見つかるはずだわ!」

 

さんご「あの…部活の話は?」

 

タツヤ「この感じだと

    完全に忘れてると思うよ…」

 

大輔「でもよ、いったいどこで

   調べるんだ?」

 

まなつ「う~ん…学校の図書室とか!」

 

タツヤ「そんなに都合よくあるのかな…

    それも学校の図書室に…」

 

大輔「ま、物は試しだ!

   明日行ってみようぜ!」

 

ローラ「…そうだわ!

    あなたにデジタルソードを触らせるの

    忘れてた!」

 

賢「僕に?」

 

ローラ「あなた、パートナーのデジモンが

    いるのよね?」

 

賢「う、うん、ワームモンっていうデジモンだよ」

 

ローラ「それじゃあ触ってみて」

 

 

ローラは賢にデジタルソードを持たせる

 

 

 

しかし、何も起こらなかった…

 

 

ローラ「…反応無し、ダメね」

 

 

ローラはデジタルソードを

返してもらう

 

 

大輔「ちぇっ!賢ならいけるって

   思ったんだけどなぁ…」

 

賢「ごめん、力になれそうになくて…」

 

大輔「気にすんなって!

   俺やまなつ達だって

   最初はなんも起きなかったけど

   今は変身出来るんだぜ!

   そのうち賢もなれるって!」

 

賢「大輔…」

 

 

その後大輔達は各自家に帰っていった

 

 

 

 

次の日、あおぞら中の図書室にて…

 

 

まなつ「プリキュア…プリキュア…」

 

タツヤ「電獣ナイト…電獣ナイト…」

 

さんご「う~ん…やっぱりないね…」

 

 

まなつ達は手分けして

プリキュアと電獣ナイトに関する本を

探していた。大輔と賢は別の棚で本を探していた

 

 

まなつ「…じゃあ人魚とか海の妖精は?」

 

さんご「人魚姫なら読んだことあるよ」

 

まなつ「あ~!それならあるかも!」

 

タツヤ「まなつ!前!」

 

まなつ「え?」

 

 

ドン!

 

 

まなつは前を見ておらず

前にいた女子生徒とぶつかってしまう

ぶつかったのはみのりだった

 

 

まなつ「あ、ご、ごめんなさい!」

 

さんご「大丈夫ですか?」

 

みのり「私なら大丈夫…気にしてないから…」

 

さんご「あなたもここで本を

    探してたんですか?」

 

みのり「あ、えっと…」

 

タツヤ「あ、その本…」

 

 

タツヤはみのりが持っていた本を見る

本には『人魚姫』というタイトルが表記されていた

 

 

大輔「おーい!なんかあったか~?」

 

賢「大輔、図書室で大きい声を出すなよ」

 

 

そこへ別の棚を見ていた大輔と賢が

戻ってきた

 

 

大輔「あっ、わり…って一之瀬さん?」

 

みのり「本宮君、一乗寺君…」

 

タツヤ「知ってるんですか?」

 

賢「ああ、僕と大輔のクラスメイトだよ」

 

まなつ「って事は先輩!?

    私、1年5組、夏海まなつです!

    あなたは?」

 

みのり「私は、2年2組、一之瀬みのり…」

 

まなつ「あの!みのりん先輩って

    呼んでもいいですか?」

 

さんご「ちょ、ちょっとまなつ…」

 

みのり「別に構わないけど…」

 

タツヤ「あの、みのりさんが持ってる本って

    人魚姫ですよね?」

 

みのり「ん?これ?」

 

タツヤ「はい。その…なかなか人魚や

    妖精の本が見つからなくて…」

 

みのり「…そこはノンフィクションの棚」

 

まなつ「のん……へくしょん?」

 

賢「ノンフィクションだよ…」

 

みのり「つまり本当にあったこと

    作られた物語を探しているなら

    そこにはないわ…どうぞ」

 

 

みのりはまなつに人魚の本を渡した

 

 

まなつ「えっ!?いいの!?」

 

みのり「ええ」

 

まなつ「ありがとう!」

 

みのり「人魚や妖精のお話、好きなの?」

 

まなつ「はい!みのりん先輩も

    人魚姫が好きなんですね!」

 

みのり「…そうね。人魚姫は人間に恋をした人魚が

    魔女の力で美しい声とひきかえに

    脚をもらうって話なの

    ラストは少し残酷な気もするけど、私は大好き…」

 

まなつ「なるほど~!そういえば

    みのりん先輩は人魚や妖精って

    信じますか?」

 

みのり「えっ?」

 

賢「一之瀬さん?」

 

 

みのりの表情が少し変わり

それに気づいた賢が首を傾げる

 

 

みのり「…お話としては好きだけど

    あくまでおとぎ話だから

    実際にいるのかっていうと

    どうかな…それじゃあ…」

 

 

そう言うとみのりはこの場から去っていった

 

 

 

 

 

一方その頃、あとまわしの魔女のすみかにて…

 

 

 

チョンギーレ「いってぇー!!」

 

「料理中に手を切るなんて、お馬鹿さんねぇ…」

 

チョンギーレ「黙って治療しろ!ドクターヌメリー!」

 

 

料理中に怪我をしたチョンギーレは

ドクター、ヌメリーの治療を受けていた

 

 

ヌメリー「はい出来た。あなたみたいな人が

     うっかり怪我をしたせいで

     私の仕事が増えちゃって

     大変なんだから」

 

チョンギーレ「う、うるせぇ!」

 

バトラー「その傷での仕事は難しそうですね…」

 

 

そこへバトラーがやってくる

 

 

チョンギーレ「バトラー!」

 

バトラー「今回は別の方に

     お願いしましょうか」

 

 

バトラーはヌメリーを見る

 

 

ヌメリー「私ドクターなんだけど…

     ま、仕方ないわねぇ…フフッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大輔達は学校から出て下校していた

 

 

さんご「みのりん先輩って

    本当に人魚のお話が大好きなんだね」

 

賢「うん。僕も初めて知ったよ」

 

まなつ「そうだ!みのりん先輩

    プリキュアになれるんじゃないかな?」

 

さんご「プリキュアに?」

 

ローラ「どうかしら?

    ちょっと頼りない感じじゃない?」

 

大輔「でも仲間になったら

   頼りになりそうだよな

   一之瀬さん、賢と同じくらい頭いいし」

 

賢「大輔…とりあえず明日

  先生に一之瀬さんの事を聞いてみよう」

 

さんご「そうですね」

 

 

 

そして次の日、大輔と賢は

クラスの担任の紅葉原に

みのりの事を聞いていた

 

 

紅葉原「一之瀬さん?前は

    文芸部に入っていたわよ」

 

大輔「文芸部?」

 

紅葉原「ええ、確か文芸部の雑誌にも

    文書を書いていたはずよ」

 

賢「そうですか

  教えてくれてありがとうございます」

 

紅葉原「どういたしまして

    またなにか困った事があったら

    遠慮しないで聞いてちょうだい」

 

 

大輔と賢はその後

まなつ、タツヤ、さんごと合流した

3人も桜川にみのりの事を聞いていた

 

 

大輔達は図書室に行き

みのりが書いた小説を読むことにした

 

 

まなつ「凄い!人魚と人間の女の子のお話!

    めちゃトロピカってる~!!」

 

大輔「俺小説とかあんまし読まねぇけど

   結構面白いじゃん!」

 

賢「……」

 

大輔「どうした賢?」

 

賢「あ、ちょっとね…

  確かにストーリーは面白いよ

  だけど…いや、これは書いた本人に

  言うよ」

 

大輔「あ、ああ…」

 

ローラ「ふ~ん…まあまあやるわね」

 

まなつ「まあまあなんかじゃないよローラ!

    凄いよみのりん先輩!」

 

ローラ「あ~~~~~!!」

 

 

まなつはローラが入っているアクアポットを

ブンブン振り回す

 

 

さんご「ま、まなつ。ローラが…」

 

みのり「ローラって?」

 

 

すると後ろからみのりの声が聞こえてきて

大輔達は振り向く

 

 

大輔「い、一之瀬さん!?」

 

タツヤ「な、なんでもないです!」

 

みのり「あ、それって…」

 

 

みのりはまなつが持っている本に

目を向ける

 

 

まなつ「あ、みのりん先輩の小説

    マーメイド物語!

    すっごくトロピカってる!」

 

みのり「えっ?トロ…ピカ…?」

 

まなつ「うん!人魚と人間の女の子が

    世界を旅する大冒険!

    こんな凄い物語が書けるなんて

    本当に凄いです!」

 

みのり「えっ…」

 

まなつ「海で溺れたドジな人魚と

    助けた人間の女の子

    仲良くなった2人は凶悪なドラゴンから

    世界を救うため7つの海を巡る旅に出る!

    ドラゴンの目的は世界中のフルーツを

    食べ尽くす事!フルーツが大好きな女の子は

    勇敢に立ち向かう!この伝説のパパイアは

    絶対あなたには渡さない!」

 

みのり「やめて!!」

 

 

まなつが小説の内容を熱く話していると

突然みのりが声を上げる

 

 

まなつ「えっ…?」

 

タツヤ「みのり…さん?」

 

みのり「そ、それは…私が勝手に空想した話だから!

    人魚なんて現実にはいないし…

    私の小説もつまらないただのおとぎ話だし…!」

 

 

みのりはハっとなる

 

 

みのり「ご、ごめんなさい…それ、昔書いたものだし

    それに今はもう

    文芸部もやめちゃったから…」

 

まなつ「でも!本当に面白かった!

    私、この続きを読みたいって

    思いました!それに

    こんなに人魚の事が好きなら!」

 

みのり「ごめんなさい…

    この話はもういいの…」

 

 

そう言うとみのりは

逃げるようにこの場から去っていった

 

 

大輔「お、おい!」

 

賢「大輔」

 

 

大輔はみのりを追いかけようとしたが

賢に止められる

 

 

賢「今は、1人にしてあげるべきだ…」

 

大輔「賢…」

 

ローラ「…あれじゃ、やっぱりダメね」

 

 

 

 

 

その後、夏海家に帰ってきた大輔は

自室のベッドの上でサッカーボールを

天井に向けて軽く投げ、それをキャッチして

同じ事を繰り返していた

ちなみにまなつは今水族館に行っており

家にはいなかった

 

 

ブイモン「大輔、何か悩んでるのか?」

 

大輔「いや、そういう訳じゃない

   ちょっと気になってな」

 

ブイモン「なにが?」

 

大輔「…クラスの女子で勉強が得意な子がいてさ

   その子、小説書いてたらしいんだけど

   どういう訳かやめちまったらしいんだよ

   それが気になってさ」

 

ブイモン「そうなんだ…」

 

大輔「…でも、考えててもしょうがないよな!

   そのうちわかるんだしさ」

 

 

大輔はベッドから起き上がる

 

 

ブイモン「そういえばまなつは?」

 

大輔「あいつなら今

   水族館にいるはずだけど…」

 

まなつ「ただいま~!」

 

ブイモン「あ、帰ってきた」

 

 

ガチャ!

 

 

まなつ「大輔~!」

 

 

帰宅したまなつは

いきなり大輔の部屋に入ってきた

 

 

大輔「ま、まなつ!

   ちゃんとノックしてくれよ!」

 

まなつ「えへへ、ごめん

    それよりこれ!」

 

 

まなつは大輔になにかのチケットを見せる

チケットには人魚展と書かれていた

 

 

大輔「人魚展?」

 

まなつ「うん!水族館の館長さんから貰ったんだ!

    ちょうど5人分あるから休みの日に

    さんごとタツヤ、大輔と賢先輩も

    誘いたいんだ!どう?」

 

大輔「ああ、いいぜ」

 

ブイモン「なぁ大輔!俺も行きたい!

     ちゃんと大人しくしてるからさ!」

 

大輔「それなら大丈夫か…いいぜ

   ちゃんと大人しくしてろよ」

 

 

 

こうして大輔達は休日に

博物館に行く事になった

 

 

 

 

 

その頃、一乗寺家では…

 

 

賢「……」

 

 

賢は椅子に座り、紙になにかを書いていた

 

 

「賢ちゃん、なにしてるの?」

 

 

そこへ芋虫のような姿をしたデジモンが

話しかけてくる

デジモンの名は『ワームモン』

賢のパートナーデジモンだ

 

 

賢「ああ、ちょっとね…」

 

ワームモン「?」

 

賢の母「賢ちゃ~ん、ワームモンちゃ~ん

    ご飯出来たわよ~!」

 

 

そこへ母からの声が聞こえてきた

 

 

賢「は~い!行こ、ワームモン」

 

ワームモン「うん」

 

 

賢とワームモンは自室を出て

リビングに向かった…




今日のデジモンゴーストゲーム
面白かったな~!

それはさておき次回
新たな戦士が姿を現す!


お楽しみに!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

キュアパパイアとナイトテンダーネス!これが2人の物語!

人魚展にやってきた大輔とまなつ達
そこへ再びヤラネーダが現れる


今、冒険のゲートが開く


休日の夏海家

大輔とまなつがそれぞれの自室で

出かける準備をしていた

 

 

ローラ「今度はどこに行くのよ?」

 

まなつ「人魚展!」

 

ローラ「人魚の展示場?あんなのデタラメに

    決まってるじゃない」

 

まなつ「そんなことないよ!

    もしかしたらホントに

    実在してるかもしれないじゃん」

 

ローラ「……」

 

まなつ「あれ?行きたくなっちゃった?」

 

ローラ「べ、別に…」

 

まなつ「じゃあローラもレッツゴー!」

 

ローラ「ちょ、ちょっと!?」

 

 

まなつはローラが入っている

アクアポットをカバンに入れ、部屋を出た

 

 

そして大輔とまなつは

人魚展をやっている博物館の前にやってくる

博物館にはすでにタツヤとさんごが来ていた

 

 

大輔「よお!」

 

まなつ「お待たせ!」

 

さんご「あ、まなつ、大輔先輩」

 

タツヤ「大丈夫ですよ

    俺達も今来たので」

 

大輔「あ、そうだ!

   タツヤとさんごちゃんに紹介しとくか」

 

 

大輔は自分のカバンのチャックを開ける

 

 

ブイモン「ぷはぁ!」

 

 

そこからブイモンが顔を出した

 

 

さんご「この子は…デジモン?」

 

大輔「こいつはブイモン!

   俺のパートナーデジモンさ!」

 

ブイモン「タツヤとさんごだよな?

     大輔とまなつから話は聞いてる!

     よろしくな!」

 

さんご「うん、よろしくねブイモン」

 

タツヤ「よろしくブイモン!

    そうだ!出てきていいよ」

 

 

タツヤも自分のカバンのチャックを開ける

 

 

ガンマモン「とっ!」

 

 

そこからガンマモンが飛び出してくる

ガンマモンは地面に着地する

 

 

ガンマモン「俺、ガンマモン!

      よろしくな!大輔!まなつ!」

 

大輔「おう!よろしくな!」

 

まなつ「よろしく~!」

 

 

自己紹介を終えたガンマモンは

タツヤのカバンに入り顔だけ出す

 

 

ブイモン「そういえば賢は?」

 

さんご「賢先輩はまだ来てないよ」

 

大輔「そっか…」

 

賢「お~い!」

 

ブイモン「あ、来た!」

 

 

そこへ賢がやって来る

 

 

賢「ごめん、待たせちゃって…」

 

大輔「気にすんなって!

   俺やまなつも今来たとこだしさ」

 

賢「ありがとう

  ブイモン、久しぶりだね」

 

ブイモン「ああ!久しぶり賢!」

 

賢「タツヤ君、そのデジモンが

  君のパートナーデジモンかい?」

 

タツヤ「あ、はい!ガンマモンです!」

 

ガンマモン「よろしくな!」

 

賢「よろしく

  そうだ、今日はワームモンも

  連れてきてるんだ

  せっかくだから紹介するよ」

 

 

賢はカバンのチャックを開ける

そこからワームモンが顔を出す

 

 

ワームモン「は、初めまして

      僕、ワームモンです」

 

まなつ「わ~!可愛い~!」

 

大輔「ワームモン!久しぶり!」

 

ワームモン「あ!大輔!ブイモン!

      久しぶり!」

 

ブイモン「ああ!久しぶり!」

 

 

賑やかになってる中

さんごだけ顔を青ざめながら震えていた

 

 

まなつ「あれ?さんご?」

 

ワームモン「ねぇ?どうしたの?」

 

さんご「い、いやああああああああ!!」

 

 

さんごは突然悲鳴を上げ

タツヤに抱きついてくる

 

 

タツヤ「さ、さんご!?////」

 

 

突然さんごに抱きつかれたタツヤは

顔を赤くする

 

 

さんご「む、虫ぃ!いやああああああああ!!」

 

大輔「えっと…大丈夫か?」

 

タツヤ「そ、その…さんごは虫が大の苦手なんです」

 

ワームモン「む、虫!?僕デジモンだよ!?」

 

大輔「いやその…ワームモンには悪いけど

   どっからどう見ても虫だぞ…」

 

 

大輔の言葉でワームモンはショックを受け

落ち込んでしまう

 

 

まなつ「ダメだよ大輔!

    ワームモン落ち込んでるよ!」

 

大輔「わ、わりぃ…」

 

さんご「うぅ…」

 

タツヤ「さんご、大丈夫だから…ね?」

 

 

さんごはタツヤの後ろに隠れながら

怯えていた

 

 

大輔「と、とにかく!

   早く中に入ろうぜ!」

 

タツヤ「そ、そうですね…」

 

 

ブイモン達はもう一度カバンに入り

大輔達は博物館の中に入ろうとする

 

 

ガシッ!

 

まなつ「わわっ!」

 

 

まなつがつまづいてしまい

地面に倒れそうになる

 

 

大輔「まなつ!」

 

 

大輔は慌ててまなつを抱えようとする

 

 

「おっと」

 

 

その前に1人の少年がまなつを支える

少年は長い黒髪を後ろに縛っており

頭にキャップ帽を被り

大輔達より少し背が高かった

 

 

「平気か?」

 

まなつ「あ、はい!大丈夫です!」

 

「もう転ぶなよ?」

 

まなつ「わかりました!

    危ない所にありがとうございました!」

 

「礼なんていいって

 それに俺がいなくても

 そいつが助けてたぜ」

 

 

少年は大輔の方を見る

 

 

大輔「いや、助けたのは

   あんたの方が早かったから

   助けられたかどうか…

   とにかくありがとな!

   俺、本宮大輔!あんたは?」

 

「俺?俺は白伏恵太(しろぶしけいた)

 あおぞら中の3年だ

 よろしくな」

 

大輔「ああ!よろしくな恵太!」

 

 

大輔と恵太は握手をする

 

 

賢「大輔、その人は僕達の先輩なんだから

  いきなり呼び捨ては…」

 

恵太「俺は構わないぜ

   それより…」

 

 

恵太は大輔のズボンについているD-3に

一瞬だけ目線をうつす

本当に一瞬だったため

大輔はそれに気づかなかった

 

 

大輔「それより…どうしたんだ?」

 

恵太「…いや、何でもない

   人魚展、楽しめよ」

 

 

恵太はそう言い残し

大輔達の元を去っていった

 

 

 

 

 

そして、人気のない路地へやってきた恵太

 

 

恵太「…出てきていいぜ」

 

 

恵太はカバンのチャックを開ける

そこから何かが飛び出してくる

 

 

「ちょっと恵太!この私を

 あんな狭いカバンに入れ続けるとは

 どういうつもりですの!?」

 

 

飛び出してきたのは

クラゲを連想させるようなデジモンだった

 

 

恵太「悪いなジェリーモン

   家に帰ったら好きなだけ

   ご馳走食わせてやっからよ」

 

ジェリーモン「…まぁそれなら

       許してあげなくもなくてよ?」

 

恵太「そっか、じゃあさっさと帰るか

   つーわけでジェリーモン様

   この中にお入りくださいw」

 

ジェリーモン「きぃぃぃぃ!」

 

 

恵太に軽く挑発されたジェリーモンは

悔しがりながらカバンの中に戻る

恵太は路地から出る

 

 

恵太「あっ」

 

「…」

 

 

路地から出た恵太は

長髪に赤い髪の少女と鉢合わせる

背丈的には恵太と同い年位だ

 

 

恵太「こんなとこで奇遇だな

   散歩か?」

 

「ああ…」

 

 

少女は恵太の問いに

素っ気なく返事をすると

恵太の横を通りすぎていった

 

 

ジェリーモン「よろしくて?」

 

 

カバンの中にいるジェリーモンは

恵太にそう聞く

 

 

恵太「俺からは何も言わねぇよ

   これはあいつ自身が

   どうにかするべきだ」

 

 

そう言うと恵太は歩きだした

 

 

 

 

 

 

一方大輔とまなつ達は

人魚展のコーナーにいた

 

 

まなつ「人魚だらけだぁ~!」

 

ローラ「まったく…早くプリキュアと

    電獣ナイトを探したいのに…」

 

大輔「そう言うなって

   たまには休まないと」

 

賢「世界の人魚伝説

  船を座礁させた…」

 

まなつ「ちょっとこわっ…」

 

ローラ「いやいや、そんなことしないし…」

 

まなつ「あ!見て見て!人魚のミイラ!」

 

さんご「あ、ホントだ!」

 

ローラ「はぁ~!?これのどこが人魚なのよ!

    こんなの人間の勝手なイメージだわ!」

 

 

ローラはアクアポットから出て

人魚のミイラに対して文句を言う

 

 

タツヤ「ロ、ローラ!

    勝手に出たらまずいよ!」

 

 

「ん?」

 

 

さんご「誰か来たよ!」

 

大輔「ど、どうすんだよ!?」

 

ローラ「もう!こうなったら!」

 

 

ローラは展示品の中に紛れ込み

展示品のふりをする

 

 

みのり「あ…」

 

 

やってきたのはみのりだった

 

 

まなつ「あ、みのりん先輩…」

 

賢「一之瀬さん…」

 

みのり「あなた達も来てたの…」

 

さんご「はい…」

 

みのり「昨日はその…ごめんなさい…」

 

大輔「…俺達の方こそごめんな

   小説勝手に読んじまって」

 

みのり「いいの…あなた達は悪くない」

 

 

この場は少しばかり

気まずい空気になってしまう

 

 

みのり「あれ…?」

 

 

みのりは展示品のふりをしている

ローラを見る

 

 

みのり「凄くリアル…」

 

まなつ「そ、そうですね~!

    言われてみれば~!」

 

大輔「い、いや~!

   スッゲー作り込まれてんな~!」

 

タツヤ「ほ、本当ですね~!」

 

さんご「本当に人魚が好きなんですね!」

 

みのり「うん…」

 

賢「ふぅ…」

 

 

何とか誤魔化すことができ

賢が一息ついた

 

 

賢「ところで、一之瀬さんは

  どうして人魚が好きなんだい?」

 

みのり「…幼稚園の頃に読んだ人魚姫がきっかけ

    魔女の力で人間になった人魚姫は

    脚と引きかえに声をなくしたの

    だから王子に想いを伝えることが

    出来なかった…それで王子は

    人魚姫の気持ちを知らないまま

    他の女性と結婚してしまうの…

    絶望した人魚姫に魔女はこう言うの

    再び人魚に戻りたければ

    王子の命を奪いなさいって…

    でも、愛する人の幸せのために

    覚悟を決めた人魚姫は

    海に飛び込み、泡となって消えてしまうの…」

 

さんご「そうなんですね…」

 

 

ローラ「はぁ!?人間の為に消える!?

    なにそれ!?」

 

みのり「えっ?」

 

大輔「おいぃ…」

 

みのり「え…えぇ~~!?」

 

 

 

 

 

 

 

大輔達はローラをアクアポットに戻し

展示場から離れた

 

 

みのり「人魚が…本当に…」

 

ローラ「なんなら、尾鰭触ってみる?」

 

みのり「ほ、ホント…?」

 

 

ローラに言われ

みのりは尾鰭を触ろうとする

 

 

みのり「あっ…やっぱりいい!」

 

大輔「なんでだよ?触ればいいじゃん」

 

みのり「……」

 

 

大輔の言葉にみのりは何も返さない

 

 

まなつ「まぁ…とにかくそういうわけなので

    みのりん先輩もプリキュアに

    なっちゃいませんか?」

 

みのり「えっ、何それ…?」

 

まなつ「世界を救う伝説の戦士!

    それがプリキュア!」

 

大輔「そんで俺とタツヤは

   プリキュアと同じ伝説の戦士

   電獣ナイトだ!」

 

ローラ「う~ん…ちょっと頼りないけど

    その人魚好きってところだけは

    評価するわ」

 

 

ローラはトロピカルパクトを取り出し

みのりに渡す

 

 

 

 

 

 

しかし、パクトは何の反応も示さなかった

 

 

ローラ「やっぱり光らないかぁ…」

 

みのり「プリキュアなんて…私には…」

 

さんご「きっと大丈夫だと思います!」

 

タツヤ「そうですよ!」

 

まなつ「人魚が大好きで

    あんな物語が書けるなら!」

 

みのり「私には無理!出来ない!

    空想と現実は違う…

    私は漫画の主人公じゃないもの!」

 

まなつ「自信がない時はこれ!」

 

 

まなつは自分のリップを取り出す

 

 

まなつ「メイクで気合いを入れるの!

    みのりん先輩もやってみませんか?

    そしたらトロピカるぞって感じと

    勇気が出るの!」

 

みのり「勇気なんて、私には…」

 

大輔「だあああああっ!!

   さっきから何うじうじ言ってんだよ!」

 

みのり「っ!?」

 

 

大輔が声を張り上げる

みのりは驚きビクッとなる

 

 

大輔「お前に何があったか知らねぇけどな!

   ちょっとは自分に自信を持ったら

   どうなんだよ!?このまま逃げ続けたら

   絶対後悔することになる!

   だからもう逃げるな!俺は信じてる!

   一之瀬さんに…みのりに勇気があることを!」

 

みのり「本宮君…」

 

 

大輔はみのりを叱咤する

 

 

 

 

そんな時……

 

 

「うわあああ!!」

 

「きゃあああ!!」

 

 

突然人々の悲鳴が聞こえてきた

 

 

大輔「な、なんだ!?」

 

賢「向こうからだ!」

 

 

大輔とまなつ達は

悲鳴が聞こえてきた場所へ向かった

 

 

そこには展示物の姿をしたヤラネーダがおり

空中には小船に乗ったヌメリーがいた

 

 

さんご「あれは!」

 

ヌメリー「ヤラネーダ…優しくやる気パワーを

     吸い取ってちょうだい」

 

ヤラネーダ「ヤラネーダ!!」

 

 

ヤラネーダの目が赤く光り

人々はやる気を吸いとられた

 

 

賢「あれがヤラネーダか!」

 

タツヤ「やるしかないですね!」

 

大輔「ああ!ブイモン!」

 

タツヤ「ガンマモン!」

 

賢「ワームモン!」

 

『おう!(うん!)』

 

 

3体のデジモンが

カバンから飛び出してきた

 

 

ローラ「まなつ!大輔!さんご!タツヤ!」

 

『ああ!(うん!)』

 

 

 

まなつ、さんご『プリキュア!

        トロピカルチェンジ!!

        レッツメイク!キャッチ!!』

 

大輔、タツヤ『D-3!ソードオン!!』

 

まなつ「リップ!」

 

さんご「チーク!」

 

大輔、タツヤ『ナイトチェンジ!!』

 

まなつ、さんご『ドレス!!』

 

 

 

サマー「ときめく常夏!キュアサマー!!」

 

コーラル「きらめく宝石!キュアコーラル!!」

 

ブレイブ「燃え上がる勇気!ナイトブレイブ!!」

 

ピュア「轟く純粋!ナイトピュア!!」

 

 

4人は変身する

 

 

エクスブイモン「ブイモン進化!エクスブイモン!!」

 

ベテルガンマモン「ガンマモン進化!

         ベテルガンマモン!!」

 

スティングモン「ワームモン進化!

        スティングモン!!」

 

 

デジモン達も進化した

 

 

『はああああああっ!!』

 

 

4人はヤラネーダをパンチする

 

 

ベテルガンマモン「うおおおおおおお!!」

 

 

ガンマモンが進化したベテルガンマモンも

ヤラネーダをパンチする

 

 

みのり「あれが…プリキュア…

    それにあの怪獣達…

    3年前にニュースでやってた…」

 

賢「彼らはデジモン

  僕達の頼もしい仲間で、友達だよ」

 

みのり「デジモン…」

 

 

空中にいるヌメリーは

ブレイブ達とエクスブイモン達を見る

 

 

ヌメリー「あれがチョンギーレの言ってた

     怪獣ね…」

 

ブレイブ「誰だお前!?」

 

ヌメリー「初めまして、私はヌメリー

     たっぷり可愛がってあげる…」

 

ヤラネーダ「ヤラネーダ!」

 

 

ヤラネーダは回転しながら

ブレイブ達に向かってくる

 

 

コーラル「危ない!ペケッ!」

 

 

コーラルはバリアで防ごうとするが

防ぎ切れずバリアが破られる

 

 

スティングモン「はあああっ!!」

 

ヤラネーダ「ヤラネーダ!?」

 

 

そこへスティングモンがすかさず

ヤラネーダをキックする

ヤラネーダは吹っ飛んでいく

 

 

スティングモン「大丈夫か?」

 

ブレイブ「ああ!

     サンキュースティングモン!」

 

コーラル「…あ、あの」

 

スティングモン「話は後だ

        まずは奴を倒すぞ!」

 

コーラル「う、うん!」

 

 

ヤラネーダは起き上がり

再びブレイブ達に攻撃を仕掛ける

ブレイブ達はヤラネーダの攻撃に翻弄され

中々攻撃に移れなかった

 

 

賢「不味いな…大輔達が押されている」

 

みのり「っ…」 

 

ローラ「助けたいんでしょ

    だったら、あなた達が行きなさい!」

 

賢「えっ?」

 

 

アクアポットの中にいるローラの言葉を聞き

思わず賢は声を漏らす

 

 

みのり「でも、私には…」

 

ローラ「またなにもできない?

    そんなのばっか!」

 

 

ローラはアクアポットから出てくる

 

 

ローラ「私には無理、出来ない

    どうせ私なんか…

    だけどまなつと大輔は信じてる!

    あなたならプリキュアになれるって!」

 

みのり「っ!」

 

ローラ「もっと自分を信じてみたらどうなの!?

    大輔も言ってたじゃない!?

    最初から決めつけないでやってみなさいよ!

    あなたがいないって決めつけてた人魚だって

    ここにいるし、自分の作った小説だって

    まなつ言ってたでしょ?面白いって!」

 

みのり「!」

 

ローラ「勇気を持って踏み出せば

    なんだって出来る!

    その足は何のためについてるの!?」

 

みのり「…」

 

賢「一之瀬さん!」

 

 

賢はみのりに声をかける

 

 

賢「僕達も一緒に戦うんだ!

  このままだと大輔達が危ない

  ローラの言ってる通り

  一歩踏み出せば必ず大輔とまなつさん達を

  助けられる!君はどうしたいんだ?」

 

みのり「私…私…

    私、助ける!みんなを!!」

 

 

ピカアアアアアアアア!!

 

 

みのりが意を決した瞬間

手に持っていたトロピカルパクトが

光を放つ

みのりの指にハートクルリングが現れる

 

 

賢「ローラ!デジタルソードを!」

 

ローラ「オーライ!」

 

 

ローラはデジタルソードを賢に投げ渡し

賢はそれをキャッチする

 

 

ピカアアアアアア!!

 

 

以前触った時と違い

デジタルソードは反応を示し

賢のD-3に剣を突き刺す穴が出来た

 

 

みのり「…助けてみせる!」

 

賢「僕達が!」

 

 

 

 

 

 

 

みのり「プリキュア!トロピカルチェンジ!!」

 

賢「D-3!ソードオン!!」

 

みのり「レッツメイク!キャッチ!!」

 

賢「ナイトチェンジ!!」

 

みのり「チーク!リップ!ヘアー!

    アイズ!ドレス!」

 

 

 

 

 

 

「ひらめくフルーツ!キュアパパイア!!」

 

「疾風の優しさ!ナイトテンダーネス!!」

 

 

 

賢とみのりはそれぞれ

ナイトテンダーネス、キュアパパイアに変身する

 

テンダーネスは髪の色が紫になり

衣装も紫を基調とした物になり

背中の鞘にデジタルソードをしまっていた

 

パパイアはオレンジ色の髪に

黄色を基調とした衣装を身に纏い

耳飾りはキウイフルーツだった

 

 

テンダーネス、パパイア『はああああああ!!』

 

 

ドカ!

 

 

ヤラネーダ「ヤラネーダ!?」

 

 

2人はヤラネーダを攻撃する

 

 

パパイア「す、凄い力…!」

 

テンダーネス「ああ…!」

 

サマー「キュアパパイア!」

 

ブレイブ「ナイトテンダーネス!」

 

コーラル「わぁ!」

 

ピュア「カッコよかったです!」

 

ローラ「やるじゃない!」

 

スティングモン「やったな賢ちゃん

        いや、テンダーネス!」

 

テンダーネス「うん!」

 

ヌメリー「あらあら、ヤラネーダ」

 

ヤラネーダ「ヤラネーダ!!」

 

 

ヤラネーダはブレイブ達に攻撃しようとする

 

 

パパイア「ここは任せて!」

 

 

パパイアはキウイフルーツを取り

それを目に近づける

 

 

パパイア「はあああああああ!!」

 

 

パパイアはヤラネーダにビームを放つ

 

 

ヤラネーダ「ヤラネーダ~!?」

 

パパイア「テンダーネス!」

 

テンダーネス「ああ!」

 

 

テンダーネスは超スピードで

ヤラネーダに近づく

 

 

テンダーネス「はあああああ!!」

 

 

ドカッ!

 

 

ヤラネーダ「ヤラネーダ!?」

 

 

テンダーネスはヤラネーダをパンチし

転倒させる

 

 

ブレイブ「ローラ!やる気パワーを!」

 

ローラ「オーライ!マーメイドアクアポット!

    サーチ!」

 

 

ローラはアクアポットで

やる気パワーの場所をサーチする

 

 

ローラ「やる気パワー!カムバック!!」

 

 

ローラはやる気パワーを

アクアポットに吸収する

 

 

パパイア「凄い…まるで空想のお話みたい…

     でも、これが私の…リアル!」

 

 

その言葉に応える様に

サマーのハートルージュロッドが分裂し

それがパパイアの元へ行く

 

 

パパイア「私も…みんなを助けたい!」

 

テンダーネス「ああ!行くぞパパイア!」

 

 

テンダーネスは鞘から

水色になっているデジタルソードを抜く

 

 

パパイア「ええ!ハートルージュロッド!!」

 

テンダーネス「デジタルソード!!」

 

 

2人は必殺技を放とうとする

 

 

パパイア「プリキュア!

     ぱんぱかパパイアショット!!」

 

テンダーネス「ウインドブレイク!!」

 

 

テンダーネスはデジタルソードを振り上げ

強力な風を起こす

パパイアはフルーツの種で攻撃する

 

 

 

 

 

 

テンダーネス、パパイア『ビクトリー!!』

 

 

 

 

 

ドカーン!!

 

 

 

2人の必殺技でヤラネーダは倒され

やる気パワーは人々に戻っていった

 

 

ヌメリー「楽しかったわ

     じゃあまた…」

 

 

そう言ってヌメリーは

この場から姿を消した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ローラ「どう?一歩踏み出した気分は?」

 

みのり「どうかな…でも、なんだかいい気分」

 

まなつ「みのりん先輩!

    それをトロピカってるって言うの!」

 

みのり「これが…そっか…」

 

ローラ「もう一度聞くけど…尾鰭に触る?」

 

みのり「…うん」

 

 

みのりなローラの尾鰭に触れる

 

 

みのり「あ…凄いリアル!」

 

ローラ「はあ!?何その感想!」

 

賢「フフ…あ、一之瀬さん」

 

みのり「何?」

 

賢「会えたらこれを渡そうと思ってたんだ」

 

 

賢は1枚の紙をみのりに渡す

 

 

みのり「!」

 

 

それはみのりが書いた小説の分析表だった

小説の良いところ、ダメな所

改善するべき箇所等が細かく書き込まれていた

 

 

大輔「うわっ、スッゲー細けぇな…」

 

さんご「私だったら

    気づかない箇所も書いてあるよ…」

 

 

みのりの横から紙を見た大輔とさんごは

思わずそう吐露する

 

 

みのり「これ…わざわざ書いてくれたの?」

 

賢「うん、お節介だったかもしれないけど…

  もし一之瀬さんがまた小説を書くんだったら

  参考にしてほしい

  もう小説を書かないんなら

  その紙は捨てても構わないから…」

 

みのり「…とう」

 

賢「え?」

 

みのり「…ありがとう

    小説、また書くかは

    わからないけど

    ありがたく貰うわ」

 

賢「…どういたしまして、一之瀬さん」

 

みのり「…みのりでいい

    私も賢って呼ぶから」

 

賢「…わかった

  よろしく、みのり」

 

みのり「えぇ、よろしく、賢」

 

 

みのりは大輔の方を見る

 

 

みのり「…本宮君もありがとう

    私の為に怒ってくれて…」

 

大輔「いやぁ…さっきはごめんな

   俺、すぐ熱くなっちまうから…」

 

みのり「ううん、本宮君の言ってた通り…

    なんでも最初から出来ないって

    決めつけて、逃げ続けてた…

    だけど、本宮君とローラに言われて気づいたの

    ちゃんと自分を信じないとって…」

 

大輔「そっか…」

 

みのり「だから…これからもよろしく

    大輔」

 

大輔「ああ!よろしくな!みのり!」

 

 

こうして、新たな戦士が2人加わった

 

 

残るプリキュアと電獣ナイトは

それぞれあと1人だ

 

 

 

-オマケ-

 

 

あれからしばらく経ち

大輔達はそれぞれ帰宅しようとしていた

 

 

さんご「ワ、ワームモン…」

 

 

さんごがワームモンに話しかける

 

 

ワームモン「どうしたの?」

 

さんご「さっきは怖がってごめんね…

    それと、助けてくれてありがとね」

 

ワームモン「ううん、もう気にしてないから

      大丈夫だよ。助けたのだって

      当然の事をしただけだから」

 

さんご「うん…そうだよね

    本当にありがとう」

 

ワームモン「どういたしまして!」

 

 

ワームモンはさんごに近づく

 

 

さんご「ヒャッ!?」

 

 

しかしさんごは思わず後ろに下がってしまう

 

 

ワームモン「…ごめん」

 

さんご「ううん…私もごめんね」

 

 

 

さんごがワームモンに慣れるのは

まだ先になりそうだ…




『オリキャラ紹介コーナー』


白伏恵太(しろぶしけいた)

あおぞら中学校3年

パートナー:ジェリーモン CV:嶋村侑

CV:内田雄馬


今さらですがこの作品の賢のCVは
原作02と同じ朴璐美さんです


次回、4人目のプリキュア候補と
電獣ナイト候補が現れる…?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

2人の先輩

大輔とまなつは1人の少女と出会い
プリキュアに誘おうとするが…


今、冒険のゲートが開く


ある日の放課後

まなつは学校から帰ろうとしていた

大輔は帰ろうとした途中で

忘れ物を取りに学校に戻っていた

 

 

まなつ「あ~!早く部活した~い!

    みのりん先輩も入ってくれるって

    言ってたし、楽しみ~!」

 

ローラ「プリキュアも電獣ナイトも

    あと1人!順調順調~!」

 

 

アクアポットの中にいるローラも

上機嫌になっていた

 

 

まなつ「ねぇ!近頃私達

    いい感じでトロピカって

    来たんじゃない?」

 

「なんじゃとぉ~~!?」

 

まなつ「えっ?」

 

 

まなつがそう言っていると

番長と思われる男と2人の子分が

まなつに近づく

 

 

番長「今わしの事を

   ツルピカってるって言ったろ!?」

 

まなつ「ええっ!?違います!

    今ローラと話してて…」

 

番長「あ~ん?」

 

「こいつ舐めてますよ!」

 

「許せませんぜ!」

 

まなつ「あわわ…」

 

 

番長と子分達が

ジリジリとまなつに近づく

 

 

 

 

 

 

 

 

「待ちな!」

 

 

 

 

番長「あん?」

 

 

そこへ声が響いてきた

この場に現れたのは

赤い長髪の少女だった

 

 

少女は番長達に近づき

まなつを庇うように片手を伸ばした

 

 

番長「なんだお前!?」

 

「この子に何か用?

 良ければ代わりに聞いてあげるけど?」

 

番長「関係ない奴は引っ込んでやがれ!」

 

『引っ込んでやがれ~!』

 

 

2人の子分は少女に殴りかかる

 

 

ドカッ!

 

 

『痛てぇ~!?』

 

 

しかし少女はそれをかわしていた

子分達のパンチはそれぞれ顔面に

くらっていた

 

 

ローラ「早い!」

 

番長「おんどりゃ~!許さねぇ~!」

 

 

番長は少女に殴りかかろうとする

少女はそれもかわそうとする

 

 

「伏せろ!」

 

「!?」

 

 

突然声が聞こえてきて

少女は驚きながら伏せる

 

 

番長「ふぎゃっ!?」

 

 

飛んできたサッカーボールが

番長の腹に当たる

 

 

ボールを蹴ったのは大輔だった

 

 

まなつ「大輔!」

 

大輔「今だ!やっちまえ!」

 

「あ、ああ!」

 

 

少女は怯んでいる番長を

ジャイアントスイングし

子分もろともふっ飛ばした

 

 

「女の子1人に寄ってたかって…

 そういうのが許せないんだよ!!」

 

『ひええ~~~~!

 すみませんでした~~!!』

 

 

番長達は逃げていった

少女は大輔の方を見る

 

 

「あんた、なかなかやるな」

 

大輔「いやぁ、でもそういうあんたこそ

   俺が何もしなくても

   あいつらくらい余裕だったろ?」

 

まなつ「あ、あの!

    助けてくれて

    ありがとうございます!」

 

「別に…じゃあ私はこれで」

 

 

少女はこの場から去ろうとする

 

 

まなつ「私は夏海まなつです!」

 

大輔「俺、本宮大輔!

   あんたは?」

 

「…名乗るほどじゃないけど

 滝沢あすか」

 

 

少女、あすかはこの場から去っていった

 

 

まなつ「滝沢先輩…!」

 

大輔「俺、ちょっとしか見てないけど

   凄かったな」

 

まなつ「そういえば大輔

    何でサッカーボール

    持ってたの?」

 

大輔「ああ、さっき言った忘れ物

   これだったんだよ

   それで戻ったらさっきの状況

   だったんだよ…ところでさ

   新しく部活作るんだろ?」

 

まなつ「うん!そうだよ」

 

大輔「…賢とタツヤと話し合ったんだけど

   その部活に俺達も入れてくれねぇか?」

 

まなつ「ええっ!?

    大輔達ってサッカー部に入るんじゃ

    なかったの!?」

 

大輔「最初はそう思ってたんだけどさ

   まなつ達がどんな部活をするのか

   気になってさ

   そんでどうだ?」

 

まなつ「全然大丈夫!むしろ大歓迎だよ!」

 

大輔「そっか!あんがとな!」

 

 

そうして大輔達は

自宅に帰っていった

 

 

 

 

翌日、学校の廊下にて

 

 

賢「へぇ、昨日そんなことが…」

 

大輔「ああ!スゲー身のこなしだった

   滝沢あすかっていうんだぜ」

 

みのり「私も滝沢先輩は知ってる…」

 

 

大輔、賢、みのりは

昨日の話をしていた

 

 

まなつ「大輔~!賢先パ~イ!

    みのりん先パ~イ!」

 

 

そこにまなつ、タツヤ、さんごが

やって来る

 

 

大輔「お~、どうした?」

 

まなつ「今から滝沢先輩を

    プリキュアに誘お」

 

賢「しーっ!まなつさん

  ここでプリキュアとか電獣ナイトの話は

  やめたほうがいい」

 

まなつ「あ、ごめん…」

 

 

そう、大輔達が今いるのは学校の廊下で

生徒もたくさんいる

 

 

大輔「とにかく、あすかを誘うんなら

   行ってみようぜ」

 

賢「うん(また呼び捨て…)」

 

みのり「ごめん

    私、行きたいところがあるから…」

 

大輔「わかった!じゃあ行こうぜ!」

 

 

大輔は早足で歩いていく

 

 

タツヤ「だ、大輔さ~ん!

    滝沢さんがいるところ

    わかるんですか~!?」

 

大輔「あ……どこにいんだ…?」

 

賢「相変わらずだな君は…」

 

さんご「えっと、体育館裏に

    いるみたいなんです」

 

大輔「体育館裏だな!

   早く行こうぜ!」

 

 

 

大輔とまなつ達はあすかがいるであろう

体育館裏にやって来た

そこにあるベンチにあすかが座っていた

 

 

まなつ「滝沢先パ~イ!」

 

あすか「あんた達…昨日の…」

 

大輔「実はあんたに頼みたいことがあるんだ!」

 

 

大輔がそう言った瞬間

ローラがアクアポットから出てくる

 

 

ローラ「あなたをスカウトしに来たわ!」

 

あすか「え…………人魚!?」

 

 

 

 

 

 

大輔とまなつ達はあすかに

プリキュアと電獣ナイト

人魚の事を話した

 

 

ローラ「というわけで!

    あなたプリキュアになって!」

 

あすか「いや…人魚とかプリキュアとか

    電獣ナイトとかワケがわからない…

    とにかく、他を当たってくれ」

 

ローラ「待って!あなたとっても

    向いてると思うの!」

 

タツヤ「お願いです!

    力を貸してください!」

 

さんご「人魚の国を救うためなんです!」

 

ローラ「そして私が人魚の国の

    女王になるの!」

 

あすか「…気にいらないな

    あんた、自分が偉くなりたいだけなんだろ?」

 

ローラ「それのどこがいけないの?

    そうすれば人魚の国も人間の国も

    救えるのよ?いいこと尽くめじゃない」

 

あすか「はぁ?」

 

ローラ「とにかく!これであなたも

    プリキュアの仲間入りよ!」

 

 

ローラはあすかにトロピカルパクトを

持たせる

 

 

あすか「…仲間?」

 

 

仲間というワードを聞き

あすかはピクッと反応する

 

 

まなつ「そのトロピカルパクトでメイクして

    気合いを入れるの!プリキュアを

    やる時も、よしやるぞ~!って」

 

あすか「もういい」

 

まなつ「え?」

 

 

あすかはローラにトロピカルパクトを返す

 

 

あすか「私は誰ともつるむつもりはない」

 

 

そう言ってあすかはこの場から

立ち去っていった

 

 

大輔「おい待てよ!」

 

「…まぁ、こうなるよな」

 

さんご「え?」

 

 

突然後ろから声が聞こえてきて

大輔達は後ろを向く

 

 

恵太「よっ」

 

 

後ろにいたのは先日博物館で知り合った

3年の恵太だった

大輔達と違い制服の上にパーカーを

着ていた

 

 

賢「恵太先輩!?

  どうしてここに!?」

 

恵太「お前らがあすかの所に行くのを見かけてさ

   ちょっとつけさせてもらったんだ」

 

さんご「恵太先輩、あすか先輩の事

    知ってるんですか?」

 

恵太「知ってるも何も

   小学校の頃からの腐れ縁だよ

   それより、話は全部聞かせてもらったぜ

   プリキュアと電獣ナイト

   それとそこの人魚の事もな」

 

ローラ「え?」

 

 

恵太はローラを見る

 

 

恵太「…なんならその電獣ナイトって奴に

   俺がなってやってもいいぜ?」

 

大輔「ほ、ホントか!?」

 

恵太「ああ」

 

ローラ「無理ね」

 

大輔「何でだよ?」

 

ローラ「わからないの?

    今までの電獣ナイトは

    みんなパートナーのデジモンを

    連れてるじゃない」

 

大輔「あ、そういえばそうだな…」

 

賢「気づいてなかったんだ…」

 

ローラ「多分デジモンがいない人間は

    電獣ナイトにはなれないわ

    ま、あなたにパートナーのデジモンが

    いるのなら話は別だけど?」

 

恵太「いるが?」

 

ローラ「ほら見なさ……いるの!?」

 

恵太「ああ、これが証拠だ」

 

 

恵太は自分のD-3を大輔達に見せる

配色は白と真紅だった

 

 

タツヤ「D-3だ!」

 

恵太「どうだ?これなら文句なしだろ?」

 

ローラ「そうね…じゃあこれ持ってみなさい」

 

 

ローラは恵太にデジタルソードを渡す

 

 

しかし例のごとく、デジタルソードは

何の反応も示さなかった

 

 

ローラ「…ダメね、反応なし」

 

 

ローラは恵太からデジタルソードを

返してもらおうとするが

恵太はデジタルソードを返そうとしなかった

 

 

恵太「悪いな、俺はこう見えて

   諦めが悪いんだ

   反応するまで俺が貰っとくぜ」

 

ローラ「はぁ!?」

 

賢「ローラ、今までの例があるんだ

  しばらく様子を見よう」

 

ローラ「…それもそうね

    だけど何も起きなかったら

    すぐに返してもらうわよ!」

 

恵太「へ~い」

 

大輔「よーし!そんじゃ早いとこ

   あすかを誘いにいこうぜ!」

 

まなつ「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

大輔達は校内の廊下であすかを追っていた

 

 

まなつ「先輩~!待ってくださ~い!」

 

「夏海まなつさん」

 

まなつ「あ、はい!」

 

 

突然1人の女子生徒がまなつに

話しかけてくる

 

 

「…」

 

恵太「…」

 

 

その時に女子生徒は一瞬恵太の方を見るが

すぐに目線を戻す

 

 

大輔「あんた確か…生徒会長の」

 

「白鳥百合子よ

 この学校に転校してきて以来ね

 本宮大輔君…それはそうと夏海さん

 先日提出していただいた

 この部活申請書の事なんですけど…」

 

 

百合子は1枚の紙をまなつに差し出す

 

 

さんご「まなつ、もう出してたんだ」

 

まなつ「うん!バッチリ!」

 

さんご「…部活名、`これから決めます´」

 

タツヤ「…活動内容、`学校生活を

    とにかく楽しくする部´…って」

 

さんご「何だか色んな可能性を秘めてるね」

 

まなつ「でしょでしょ!」

 

賢「いや…いくらなんでも

  これは大雑把すぎるよ…」

 

大輔「だよな…」

 

 

さんごはまなつに気を遣うが

大輔と賢はハッキリとそう言う

 

 

百合子「彼らの言う通りです

    こんな何も決まってない部

    許可することは出来ません」

 

まなつ「えぇ~!そんなぁ…

    あ、じゃあすぐ書き直します!」

 

百合子「いえ、それには及びません

    そもそも空きの部室がないので

    これ以上新しい部活は作れないんです」

 

大輔「マジで!?」

 

 

 

 

 

恵太、あすか『それはおかしいだろ』

 

 

 

そこへ2人のハモった声が聞こえてきた

声を発したのは恵太と

こちらに戻ってきたあすかだった

 

 

百合子「あら、なにがおかしいの?

    滝沢あすかさん、白伏恵太君」

 

あすか「部室の空きがないのは

    その子のせいじゃない」

 

百合子「そんな事言われても

    こちらにはどうする事も出来ないわ」

 

恵太「そんなの空きの部屋を

   探せばいいだけだろ?

   そんなことも思いつけないなんてよ

   生徒会の先が思いやられるぜ」

 

百合子「随分な物言いね…

    じゃあ、あなた達が

    部室を用意出来るって言うの?」

 

あすか「ああ」

 

恵太「やってやるよ」

 

さんご「先輩!協力してくれるんですか!?」

 

まなつ「やった~!」

 

あすか「なっ…勘違いするな!

    私はあんた達とつるむつもりはない!」

 

大輔「あんた素直じゃねぇな」

 

恵太「まぁ心配すんな

   ああ言ってるがなんだかんだで

   付き合ってくれっから」

 

あすか「聞こえてるぞ?」

 

恵太「おっと、そりゃ失礼」

 

百合子「…」

 

 

 

こうして、大輔とまなつ達の

部室探しが始まった




次回、遂に4人目のプリキュアと電獣ナイトが
その姿を現す!


お楽しみに!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

W先輩参上!キュアフラミンゴとナイトビリーフ

遂に、4人目のプリキュアと電獣ナイトが
その姿を現す!


今、冒険のゲートが開く


あれから学校の空き部屋を探していた

大輔とまなつ達だったが

ほとんどが部室として使われていた

 

 

そんな中、みのりから空き部屋が見つかったと

聞かされ、一行はその空き部屋に向かった

 

 

みのり「この小屋、長い間

    使われていないらしいの」

 

あすか「入ってみよう」

 

恵太「ああ」

 

 

大輔達は小屋の中に入る

しかし中は暗く、周りはよく見えなかった

 

 

さんご「暗くてよく見えないね…」

 

あすか「いや、カーテン開ければ?」

 

 

あすかがカーテンを開け

部屋の中が見えるようになった

 

部屋の中は色んな物で散乱していた

その中にはペンギン地蔵なる物もあった

 

 

大輔「これって…ペンギンの地蔵?」

 

あすか「なんでこんな物まで?」

 

恵太「さぁ?」

 

賢「捨てられていない

  不用品みたいだな…」

 

恵太「確か…町のリサイクルセンターなら

   ここから歩いて行けたよな?」

 

あすか「ああ」

 

みのり「ホコリっぽい…」

 

タツヤ「そうですね…ゴホッ!」

 

まなつ「でもここキレイにしたら

    部室として使えるかも!」

 

大輔「だな!さっそく片付けようぜ!」

 

賢「待った、その前にちゃんと

  先生から許可を貰わないと」

 

大輔「あ、そっか」

 

タツヤ「それじゃあ

    桜川先生に聞いてみます」

 

 

 

 

大輔達は桜川に小屋の事を話した

小屋の掃除が終われば部室として

使っても良いということになった

 

 

しかし、小屋にあるゴミは山のようにあり

1日で終われそうになかった

大輔とまなつ達はデジモン達も交え

放課後に大掃除をすることにした

 

 

 

次の日、大輔とまなつ達は

小屋の前にやってくる

 

 

大輔「よーし!出てきていいぞ!」

 

 

大輔の呼び掛けでデジモン達が

いっせいにカバンから出てきた

大輔のカバンからはブイモン

賢のカバンからはワームモン

タツヤのカバンからはガンマモン

恵太のカバンからはジェリーモンが出てきた

 

 

ブイモン「あ~!やっと出れた~!」

 

ガンマモン「おお~!これが部室って奴か~?」

 

ワームモン「ブイモン、ガンマモン

      声がでかいよ」

 

ジェリーモン「全く、はしたないですわね」

 

ブイモン「ムッ…お前誰だよ?」

 

ジェリーモン「私はジェリーモン

       そこにいる恵太の

       パートナーデジモンですわ

       よろしく」

 

ブイモン「ああ…」

 

大輔「なぁ恵太

   お前のパートナーって

   いいとこの育ちなのか?

   結構丁寧な喋り方だけど…」

 

恵太「さぁ?初めて会った時から

   あんな喋り方だったから

   そこんとこは知らねぇよ」

 

あすか「それにしても

    デジモンを連れてる奴が

    こんなにいたなんてな…」

 

大輔「デジモンの事知ってたのか?」

 

あすか「ジェリーモンと時々会ってたからな

    さ、始めるぞ」

 

大輔「おーし!やるか!」

 

 

大輔達は小屋の中に入り

中にある不用品の片付けを始める

 

 

まなつ「せーので持ち上げて!」

 

みのり「うん」

 

 

まなつとみのりは大きめの物を

2人で持ち上げる

 

 

あすか「ぐぬぬ…!重い…」

 

 

あすかはペンギンの地蔵を

持ち上げようとするが

かなり重く持ち上がらない

 

 

ローラ「気を付けて運ぶのよ」

 

 

ローラがアクアポットから出てくる

 

 

あすか「人魚、そこにいたのか」

 

ローラ「ほら、大輔も手伝いなさい」

 

大輔「何で俺なんだよ?」

 

ローラ「つべこべ言ってないで

    手伝ってやりなさいよ」

 

大輔「まぁ別にいいけどよ」

 

 

大輔はあすかと一緒に

ペンギン地蔵を掴む

 

 

ローラ「せーので持ち上げるのよ

    その方が運びやすいんだから」

 

大輔「わかった!いくぞ!」

 

あすか「ああ!」

 

大輔、あすか「「せーの!」」

 

 

するとペンギン地蔵は持ち上がった

 

 

ローラ「ほらね、私の言った通りでしょ?」

 

あすか「上から目線な奴だな

    ちょっとは手伝ったらどうだ?

    そこにあるものをまとめたり…」

 

ローラ「そういう事はしないの

    私、人魚だし」

 

恵太「それ関係ないんじゃないのか?」

 

あすか「おい、何であんなワガママ人魚と

    つるんでるんだ?」

 

まなつ「ローラは自分の思った事を

    そのまま言っちゃうだけ」

 

あすか「そのままって…」

 

大輔「でもさ、ローラの言葉で

   自信が出来た奴もいんだよな

   ローラがあすかをプリキュアに

   スカウトしようとしたのも

   スッゲー頼りにしてるって

   ことなんだよ、きっとさ」

 

あすか「ふ~ん…ま、悪い奴ではない…のか?」

 

 

あすかは疑問系になりながらも

そう返す

 

その後大輔達は次々と不用品を

外に出していった

 

 

あすか「おっと、おい、気を付けろ」

 

まなつ「あっ、ありがとう!」

 

 

まなつのポケットからアクアポットが落ち

それをあすかが掴み、まなつに返す

 

 

あれからゴミが一通りまとまり

後はリサイクルセンターに持っていくだけだった

 

 

タツヤ「一通りゴミはまとまりましたね」

 

大輔「だな!」

 

あすか「一之瀬、一乗寺

    一緒にゴミ出しついてきてくれる?」

 

みのり「あ、はい」

 

賢「今行きます

  ワームモンはここで待ってて」

 

ワームモン「うん」

 

恵太「俺も行くよ

   ゴミ多そうだし」

 

あすか「…勝手にしろ」

 

 

あすか、みのり、賢、恵太は

不用品を運びながらリサイクルセンター向かう

 

 

あすか「結構あるな…」

 

賢「そうですね」

 

みのり「まだまだ先は長い…」

 

 

するとあすかは

道中にあったテニスコートを見る

その時のあすかの表情はどこか暗かった

 

 

みのり「どうしたんですか?」

 

あすか「あっ……何でもない」

 

恵太「……」

 

 

このやり取りを恵太は静かに見ていた

恵太の表情もどこか複雑そうだった

 

 

 

 

そして夕方になり、大輔とまなつ達は

購買で買ったトロピカルメロンパンを食べ始めた

 

 

さんご、みのり、ローラ『美味しい~!』

 

ブイモン「なかなか美味しいな~!」

 

ワームモン「そうだね!」

 

ガンマモン「うんめ~!」

 

タツヤ「ガンマモン

    落ち着いて食べなよ」

 

賢「あの、恵太先輩

  メロンパンにかけてるそれは…」

 

恵太「生クリーム

   お前のにもかけようか?」

 

賢「いえ、大丈夫です…」

 

大輔「ん?…」

 

 

大輔は1人柱にもたれかかりながら

メロンパンを食べるあすかを見る

 

 

大輔「あすか~!」

 

あすか「本宮?」

 

大輔「1人で食べてないでさ

   みんなで食べようぜ!」

 

あすか「…言った筈だ

    私は誰ともつるむ気はない」

 

大輔「…前になんかあったのか?」

 

あすか「!…」

 

 

大輔の問いにあすかは少し反応する

 

 

大輔「…あのさ」

 

 

大輔はあすかに聞こうとする

 

 

まなつ「先輩!マンゴー味メロンパン!」

 

 

そこへまなつがやってきて

自分のメロンパンを見せる

 

 

大輔「ま、まなつ…」

 

まなつ「あれ?どうしたの?」

 

大輔「あ~いや、なんでもない!

   な?」

 

あすか「あ、ああ…

    これ、ありがとう」

 

まなつ「美味しいでしょ?

    私、このマンゴー味が

    大大大好きで!」

 

あすか「…私もマンゴー味が一番好きだな」

 

まなつ「じゃあ交換する?」

 

あすか「いや、いい」

 

まなつ「…あすか先輩は、部活やらないの?」

 

あすか「私には仲間なんて必要ない…

    夏海は何で部活をやりたいんだ?」

 

まなつ「私、地元に年の近い友達が

    いなかったから…仲間と一緒に

    毎日トロピカるぞ~!って決めてて!」

 

あすか「…仲間なんて、意味あるのか…?」

 

まなつ「え?意味?」

 

 

あすかの問いを聞き、まなつは考える

 

 

まなつ「あっ!私達って

    今一緒にメロンパンを食べる

    メロンパン仲間!」

 

あすか「えっ?」

 

まなつ「えへへ!な~んて!

    先輩!掃除まで手伝ってくれてありがとう!

    すっごく助かっちゃった!」

 

 

そう言ってまなつは離れていった

 

 

大輔「…仲間がいることに

   意味なんていらねぇんじゃないかな?」

 

 

大輔が呟いた言葉を聞き

あすかは大輔の方を向く

 

 

大輔「お前に何があったかなんて

   無理矢理聞きはしねぇよ

   でもよ、仲間ってのは

   いるだけでいいんだぜ

   会話は楽しいし、食べ物も

   みんなで食べれば美味くなるしさ

   良いこと尽くめじゃん

   そんじゃ、明日からまたよろしくな」

 

 

大輔はその場から去り

まなつ達の所に戻った

 

 

あすか「いるだけでいい…か」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、あっという間に時間が経ち

この日で全ての不用品を

リサイクルセンターに運び終えれそうだった

不用品は荷台に積んであり、デジモン達は

それぞれのパートナーのカバンの中にいた

 

 

まなつ「後はリサイクルセンターに行くだけ!」

 

みのり「ここからは私達で運べそうです」

 

あすか「そうか」

 

タツヤ「あすかさん!

    今日まで手伝ってくださって

    ありがとうございました!」

 

大輔、恵太以外『ありがとうございました!』

 

大輔「あんがとな!」

 

 

そうして大輔達はリサイクルセンターに

向かいだした

 

 

そんな中、恵太はあすかの方を向いた

 

 

恵太「気を付けて帰れよ、あすか」

 

あすか「…お前も気を付けてな、恵太」

 

 

恵太とあすかは少し微笑みながらそう言い合った

 

 

 

あすかは大輔達の部室となる小屋へ

自分のカバンを取りに戻った

すると机の上にメロンパンが入った袋があり

袋の下には置き手紙も置いてあった

あすかは置き手紙を手に取る

 

 

 

ーあすか先輩!

  また一緒に、メロンパン食べましょう!ー

 

 

置き手紙を書いたのはまなつだった

 

 

あすか「わざわざこんな置き手紙まで…

    フッ、面白い奴だな」

 

 

あすかはメロンパンを取り

静かに微笑んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、ゴミの山でたまっている場所

その上空にヌメリーがいた

 

 

ヌメリー「どんなヤラネーダを

     作ろうかしら?…決めた!」

 

 

ヌメリーは不用品の中にあるトーテムポールに

目を付ける

 

 

ヌメリー「出てらっしゃい!ヤラネーダ!!」

 

 

ヌメリーはヤラネーダの元を

トーテムポールに投げる

 

 

ヤラネーダ「ヤラネーダ!!」

 

 

トーテムポールはヤラネーダへと変化した

ヤラネーダはリサイクルセンターの

従業員達のやる気を奪う

 

 

その様子を大輔とまなつ達が目撃する

 

 

さんご「あ、あれは!」

 

タツヤ「ヤラネーダ!」

 

恵太「あれが…!」

 

ヌメリー「あら?来たわね」

 

大輔「いくぜみんな!」

 

まなつ、さんご、みのり『うん!』

 

賢「ああ!」

 

タツヤ「はい!」

 

 

大輔の呼び掛けに全員が答える

それと同時にブイモン、ガンマモン

ワームモンがカバンから出てくる

 

 

恵太「ジェリーモン!……あれ?」

 

 

恵太はジェリーモンを呼ぶが

カバンから出てこなかった

恵太はカバンの中を見る

その中にはジェリーモンがおらず

代わりに置き手紙が入っていた

 

 

ーおやつの時間ですので

 先に帰りますわー

 

 

手紙にはそう書かれていた

 

 

恵太「あんにゃろ…」

 

 

恵太は紙をクシャリと握り潰す

 

 

そんなこんなしている間に

大輔達は変身を終えていた

 

 

サマー「ときめく常夏!キュアサマー!!」

 

コーラル「きらめく宝石!キュアコーラル!!」

 

パパイア「ひらめくフルーツ!キュアパパイア!!」

 

ブレイブ「燃え上がる勇気!ナイトブレイブ!!」

 

ピュア「轟く純粋!ナイトピュア!!」

 

テンダーネス「疾風の優しさ!ナイトテンダーネス!!」

 

 

エクスブイモン「ブイモン進化!エクスブイモン!!」

 

ベテルガンマモン「ガンマモン進化!

         ベテルガンマモン!!」

 

スティングモン「ワームモン進化!スティングモン!!」

 

 

 

 

その頃あすかは

紫色のオーラに包まれた場所を見てしまう

 

 

あすか「あっちの方角は…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブレイブ達はヤラネーダと応戦していたが

トーテムポールの姿をしているため

攻撃しても分裂するだけだった

 

 

ヤラネーダ「ヤラネーダー!!」

 

 

ヤラネーダはブレイブにビームを放った

 

 

ブレイブ「うわああ!!」

 

サマー「ブレイブ!」

 

ローラ「不味いわね…」

 

 

その様子を見ている事しか出来なかった恵太は…

 

 

恵太「ちくしょう…後輩達が戦ってんのに

   俺はなにも出来ねぇってのかよ…!」

 

 

恵太は悔しそうに握り拳をする

 

 

恵太(いや…俺は、あいつらの力になるって

   言ったんだ…ここでその信念を曲げたら

   電獣ナイトになれないどころか

   あいつらの力にもなれねぇ!)

 

 

恵太は静かに構える

 

 

恵太(俺は…絶対に俺の信念を曲げねぇ!!)

 

 

 

 

ヌメリー「おとなしくしていれば

     怪我しなくて済むのに…

     ヤラネーダ、とどめよ」

 

ヤラネーダ「ヤラネーダ!!」

 

テンダーネス「くっ…!」

 

 

 

 

 

恵太「そいつは、どうかな!!」

 

 

 

そこへ恵太が駆け出してきた

 

 

 

ドカッ!!

 

 

ヤラネーダ「ヤラネーダ~!?」

 

 

なんと恵太は生身の状態で

ヤラネーダを殴る

そのパンチはかなりの威力があったらしく

ヤラネーダは倒れてしまう

 

 

ローラ「な、生身でヤラネーダを殴り倒したの!?」

 

サマー「恵太先輩すご~い!」

 

ヌメリー「あらあら、なかなかやるじゃない

     やっちゃって、ヤラネーダ」

 

ヤラネーダ「ヤラネーダ!」

 

 

ヤラネーダは起き上がり

恵太に攻撃しようとする

 

 

 

 

 

あすか「待ちな!!」

 

 

 

 

 

 

するとそこにあすかも駆けつけた

 

 

ブレイブ「あすか!」

 

あすか「人魚!その力、貸しな!」

 

ローラ「その気になったのね!」

 

 

ローラはトロピカルパクトをあすかに渡した

 

 

あすか「あんたの為じゃない!

    私がこうしたいってだけだ!」

 

 

 

ピカアアアアアアアアアア!!

 

 

 

するとあすかの指にハートクルリングが

出現した。それと同時に恵太のデジタルソードと

D-3が光を放ち、D-3にソードを突き刺す穴が出来た

 

 

恵太「いっちょかましてやろうぜ、あすか!」

 

あすか「…ああ!」

 

 

 

 

 

 

あすか「プリキュア!トロピカルチェンジ!!」

 

恵太「D-3!ソードオン!!」

 

あすか「レッツメイク!キャッチ!!」

 

恵太「ナイトチェンジ!!」

 

あすか「チーク!アイズ!リップ!ヘアー!

    ドレス!!」

 

 

 

 

 

 

 

「はためく翼!キュアフラミンゴ!!」

 

「突き抜ける信念!ナイトビリーフ!!」

 

 

 

 

 

2人はそれぞれプリキュアと電獣ナイトに

変身した。ビリーフは黒髪が茶髪に変わり

衣服も黄土色が基調になっており

デジタルソードを背中の鞘にしまっていた

フラミンゴは赤髪が明るめになり

赤を基調とした衣服を身に纏っていた

 

 

ピュア「ナイトビリーフ…キュアフラミンゴ…!」

 

ブレイブ「やっと揃ったな!

     電獣ナイトとプリキュア!」

 

ローラ「ええ!」

 

ヌメリー「あら、気の強そうな子…

     私ちょっと苦手だわ」

 

ヤラネーダ「ヤラネーダ!」

 

フラミンゴ「あんたの相手は…」

 

ビリーフ「俺達だ!!」

 

 

ビリーフとフラミンゴは

ヤラネーダを蹴り飛ばす

 

 

ローラ「やるじゃない!」

 

パパイア「そうだ!みんな!

     ヤラネーダを一ヶ所に集めて!」

 

フラミンゴ「よし!片付けの時みたいに

      呼吸を合わせるんだ!」

 

コーラル「了解!」

 

ブレイブ「いくぜみんな!」

 

テンダーネス「ああ!」

 

サマー「いち、にの…さん!」

 

 

ドカッ!

 

 

ヤラネーダ「ヤラネーダ~!?」

 

 

ブレイブとサマー達とエクスブイモン達は

ヤラネーダをぶっ飛ばし、一ヶ所に集めた

 

 

ブレイブ「ローラ!」

 

ローラ「オーライ!マーメイドアクアポット!

    サーチ!」

 

 

ローラはヤラネーダの中にある

やる気パワーをサーチする

 

 

ローラ「水色!やる気パワー、カムバック!!」

 

 

ローラはヤラネーダから

やる気パワーを取り返し、アクアポットに入れた

 

 

フラミンゴ「やるな人魚!」

 

ビリーフ「やれば出来るじゃねぇか!」

 

ローラ「まぁね!」

 

フラミンゴ「とにかく…私の後輩を

      傷つける奴は…許さない!」

 

 

するとサマーが持っていたリップが分裂し

フラミンゴの元に行った

 

 

ビリーフ「腹括りなよ!

     デジタルソード!!」

 

 

ビリーフは鞘から

黄土色になっているデジタルソードを抜いた

 

 

フラミンゴ「ハートルージュロッド!

      プリキュア!

      ぶっとびフラミンゴスマッシュ!!」

 

ビリーフ「クエイクブレイド!!」

 

 

2人の必殺技は

ヤラネーダに見事命中する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビリーフ、フラミンゴ『ビクトリー!!』

 

 

 

ドカーン!!

 

 

2人の必殺技でヤラネーダは倒され

やる気パワーも無事持ち主の戻っていった

 

 

ヌメリー「次はもっと優しくしあげる…」

 

 

ヌメリーそう言ってこの場から退散した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ローラ「これでプリキュアと

    電獣ナイトが4人!」

 

さんご「やったね!」

 

まなつ「部室も見つかったし

    いよいよ部活が出来る!

    あすか先輩!恵太先輩!

    プリキュアや電獣ナイト

    それと部活もこれからよろしくです!」

 

恵太「おう!任せときな」

 

あすか「おい!私は部活に入るとは

    言ってないからな?」

 

大輔「んなこと言うなって

   それに俺達、ついさっき一緒に

   戦ったんだぜ?俺達はもう仲間だ!

   お前がなんて言おうとさ」

 

恵太「…だそうだ

   どうすんだ?」

 

 

恵太はあすかに問う

 

 

 

 

あすか「…フッ、もう一度信じてみるか…

    仲間って奴を…」

 

 

あすかはそう呟いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、どこかの川岸に長髪の少年が

座り込んでいた。顔は前髪が隠れて

よく見えない

 

 

そんな中、中性的な顔立ちをした少年が

長髪の少年の元へ行き、ひざまずいた

 

 

「ユウキ様

 プリキュア及び電獣ナイトが

 全て揃ったようです」

 

ユウキ「ふ~ん…思いのほか早かったな」

 

 

長髪の少年、ユウキはそう呟く

 

 

ユウキ「それでトキオ

    あいつはどうだった?」

 

トキオ「大輔様ですか?

    プリキュアと電獣ナイトに関しては

    大変お喜びになられていました」

 

ユウキ「そっか、大輔らしいな

    いずれ『あれ』を

    使えるようになる日が楽しみだよ」

 

トキオ「ええ…大輔様が『覚醒』すれば

    俺とユウキ様の悲願が

    達成させられるでしょう」

 

ユウキ「ああ…楽しみだ」

 

 

 

ユウキは不敵な笑みを浮かべながら

静かに呟く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユウキ「人間共を……一人残らず滅ぼす日が」




『オリキャラ紹介コーナー』


ユウキ

CV:三瓶由布子


トキオ

年齢:15歳

CV:小松未可子



次回もお楽しみに!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

部活設立に向けて

大輔とまなつ達は
新たに設立する部活の活動内容を
決めようとするが…


今、冒険のゲートが開く


無事に部室を

見つける事が出来た大輔とまなつ達

まず大輔とまなつが桜川に

部活の顧問をしてくれないかと

相談をしに職員室に行っていた

 

 

桜川「いいわよ顧問!

   どんな部か知らないけど

   一度やってみたかったの!」

 

まなつ「やったぁ!」

 

大輔「ありがとうございます!」

 

「あら、新しく部活を作るの?」

 

 

すると声が聞こえてきた

話しかけてきたのは大輔の担任の

紅葉原だった

 

 

大輔「あ、紅葉原先生!」

 

紅葉原「ところでどんな部活をするの?」

 

まなつ「その…まだ決めてません」

 

桜川「そうなの?」

 

紅葉原「まずは部員のみんなと相談して

    決めなくちゃいけないわね

    もし無事に部活動を認められたら

    私も副顧問として入らせてもらうわ」

 

大輔「えっ?いいんすか?」

 

紅葉原「ええ

    私も顧問には興味あったから」

 

桜川「あ、ありがとう秋葉ちゃん!」

 

紅葉原「桜川先生、今は学校内にいるのだから

    プライベートでの接し方は

    極力控えてください」

 

桜川「は、はい…(シュン)」

 

大輔(そういや紅葉原先生と桜川先生って

   子供の頃からの友達なんだっけ…)

 

 

顧問と副顧問が決まり

大輔とまなつは職員室をあとにした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして午後の時間になり

屋上に全員集合した

 

 

大輔「そんじゃ!

   さっそく部活設立に向けた会議を

   始めようぜ!」

 

まなつ「まず部員は私、夏海まなつ

    大輔、さんご、タツヤ

    みのりん先輩、賢先輩

    あすか先輩、恵太先輩!」

 

ローラ「私は?プリキュアと電獣ナイトも

    無事に全員揃った事だし

    私もその部活っていうのに

    参加してあげないこともないわよ」

 

恵太「お前、うちの生徒じゃないだろ?」

 

まなつ「じゃあ仮部員ってことで」

 

みのり「顧問の先生はどうするの?」

 

大輔「それなら桜川先生が

   やってくれるってさ。

   俺達の担任の紅葉原先生もそれ聞いて

   副顧問をやってくれるって言ってたぜ」

 

まなつ「それから部長は、あすか先輩!」

 

あすか「私が!?」

 

まなつ「だって強いし!」

 

みのり「3年生だし」

 

さんご「あとカッコいいし!」

 

あすか「いやいや!

    3年だったら恵太でもいいだろ!」

 

恵太「わりぃな

   あらかじめ部長に推薦しないよう

   言っといたんだよ

   そういう面倒事苦手だしよ」

 

あすか「おい…」

 

大輔「いいんじゃんか!

   あすかだったらやれるさ!部長!」

 

ローラ「嫌なら私がやってあげてもいいわよ?

    人魚の国の女王になるために

    まずは小さなとこから練習台として…」

 

あすか「わかった。人魚に部長を

    やらせるわけにはいかないしな」

 

恵太「ごもっとも」

 

ローラ「えぇ~!」

 

あすか「やるよ、部長!」

 

まなつ「やったぁ~!」

 

賢「それじゃあ、僕からもいいかな?」

 

 

賢は挙手をする

 

 

まなつ「はい!賢先輩!」

 

賢「せっかくだから

  副部長も決めようと思うんだ」

 

あすか「確かに、副部長がいてくれたら

    何かと助かるしな」

 

賢「その副部長を……大輔にやってほしいんだ」

 

大輔「……………はぁっ!?俺!?」

 

 

突然の指名に大輔は困惑してしまう

 

 

まなつ「いいねそれ!」

 

さんご「大輔先輩、頼りになるからね」

 

タツヤ「俺も賛成です!」

 

みのり「大輔ならやれると思う」

 

恵太「いいんじゃないか?

   お前、なかなか度胸もあるしよ」

 

大輔「あ、あのさ!みんなが

   そう言ってくれるのはありがたいけどよ

   俺、そういうのしたことないしさ…」

 

賢「君だから僕は推薦してるんだ

  君の他者を思いやり、信じぬく心に

  僕は救われたんだ

  現にあの戦いも大輔がいなかったら

  勝てはしなかったよ…」

 

まなつ「あの戦い?」

 

賢「詳しくはまた今度話すよ

  とにかく僕は君にやってもらいたいんだ

  副部長を…」

 

大輔「う~ん…」

 

ローラ「まぁ、やらないんだったら

    私が副部長をやってあげても…」

 

大輔「わかった!やるよ、副部長!」

 

ローラ「えぇ~!結局やるの~…」

 

大輔「わりぃなローラ…

   とにかく、部活が出来た時はよろしくな

   あすか部長!」

 

あすか「ああ、頼りにしてるからな

    大輔副部長!」

 

 

 

こうして部の部長はあすかに

副部長は大輔に決まったのであった

 

 

 

 

 

場所は変わり、大輔とまなつ達は

部室となる予定の小屋に来ていた

 

 

まなつ「それでは!これから部活の内容を

    何にするか、みんなで話し合いたいと

    思いま~す!」

 

あすか「そこをまだ決めてなかったのか!?」

 

まなつ「だから!それをみんなで話し合って

    決めるんですよ!」

 

あすか「はぁ…しょうがないなぁ…」

 

大輔「そんじゃ、誰かいい案ないか?」

 

さんご「何か楽しい事をしたいよね」

 

みのり「みんなが好きそうな事とか…」

 

まなつ「そうそう!毎日放課後

    みんなで何かやって

    すっごく楽しいのがいい!」

 

みのり「毎日、放課後、楽しく…」

 

ローラ「トロピカルメロンパンを

    食べるとか!」

 

賢「そんな部活ないよ…」

 

ローラ「メロンパン部にするっていうなら

    私が味見役になってあげてもいいわ」

 

タツヤ「それ、ローラが食べたいだけでしょ?」

 

さんご「ローラ、メロンパン気に入ったんだね」

 

みのり「人魚の国には

    メロンパンはなかったの?」

 

ローラ「グランオーシャンには

    パン自体がないのよ」

 

大輔「そういや人魚の国は

   海の底にあるんだったよな…

   パンが水浸しになって食えたもんじゃないな」

 

あすか「そういう問題か?

    そもそもまなつは何がやりたいんだ?」

 

まなつ「えーっと…テニスもバスケもサッカーも

    バドミントンも卓球もダンスも演劇も

    手芸もクッキングも!とにかく全部やりたい!」

 

ローラ「じゃあ、それ全部やる部にすれば

    いいんじゃない?」

 

まなつ「そうか!それだ!」

 

賢「いや、それだじゃないよ…」

 

まなつ「その方向で生徒会に書類出してくる!」

 

 

まなつは書類を持って

部室から出ていった

 

 

タツヤ「ま、まなつ!それだと無理…

    行っちゃった…」

 

あすか「ローラ、簡単に言ってるけど

    よく考えて発言しろよ…」

 

ローラ「いいもん別に

    思った通りにすれば」

 

恵太「ま、無理だろうな…」

 

 

 

 

 

 

 

しばらく経ち

項垂れながらまなつが戻ってきた

 

 

まなつ「ダメだった…」

 

さんご「やっぱり…」

 

大輔「ダメだったかぁ…

   確かに結構あやふやだったけどよ」

 

みのり「せめてきちんと計画を立てればどう?

    最初の1週間はバスケ部

    次の週は手芸部、その次は

    バドミントン部って感じで」

 

まなつ「お~!さすがみのりん先輩!」

 

みのり「それぞれの1週間も更に細かく

    計画を立てて、月曜と火曜は

    基礎練習、水曜は練習試合

    木曜は…」

 

ローラ「プリキュアと電獣ナイトの活動も

    忘れないでよ」

 

まなつ「じゃあ、日曜の朝は

    プリキュアと電獣ナイトで!」

 

大輔「あ、日曜の朝はアニメ見てっから無理」

 

みのり「…そんなふうにして

    1年分の活動計画を

    線密に立てていくの」

 

賢「でも少し線密すぎないかな?」

 

さんご「あっ、その日はお母さんの誕生日だから

    早く帰りたくて…」

 

大輔「じゃあさ、この日はクッキング部で

   サプライズのバースデーケーキを

   作るのはどうだ?」

 

あすか「いいんじゃないか」

 

ローラ「それいいわね」

 

さんご「ありがとう!」

 

大輔「どういたしまして!」

 

みのり「手作りプレゼントも必要ね」

 

 

 

 

 

そうして大輔とまなつ達は

1年の活動計画を立てていった

 

 

まなつ「よ~し!出来た!」

 

大輔「結構いい感じだな!」

 

賢「でも、上手くいくのかな…」

 

さんご「みんなで相談して決めた

    活動内容ですから

    きっと採用してくれると思いますよ!」

 

あすか「でも、あいつが認めてくれるのか?」

 

大輔「あいつって…生徒会長のこと?」

 

あすか「ああ…」

 

恵太「…」

 

まなつ「そんなのわかりませんよ!

    認めてくれると思いますよ!」

 

 

まなつは再び書類を持って

部室から出た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まなつ「ダメだった…

    1つに絞ってって…」

 

 

まなつは項垂れながら戻ってきた

 

 

あすか「あれでも無理か…」

 

大輔「あの生徒会長、頭堅すぎだろ~…」

 

まなつ「1つに絞れって言われても…

    私はただ、みんなでトロピカりたい

    だけなのに~!」

 

恵太「トロピカるねぇ…」

 

まなつ「みんなもあるでしょ?

    これがやりたい、これをやれば

    めっちゃトロピカれるって事が!」

 

みのり「なくはないけど…」

 

あすか「ああ…」

 

さんご「う~ん…」

 

大輔「俺は…やっぱサッカーとか

   ゲームやってる時だな!」

 

タツヤ「俺もサッカーをやってる時です」

 

賢「僕は…サッカーもそうだけど

  最近心理学の勉強にもハマってるから

  それかな」

 

恵太「俺は…スイーツ食ってる時だな」

 

 

男子組はさらっと言ったが

女子組はどこか言いにくそうにしていた

 

 

ローラ「さんご達、なんか言いにくそうよ」

 

まなつ「じゃあ、名前は書かないで

    アンケートを取ろう!みんながこれなら

    めっちゃトロピカれるってことを

    書いてここに入れて!」

 

 

まなつは紙を入れる箱を用意する

 

 

さんご「私達がやりたい事かぁ…」

 

あすか「悪くはないけどなぁ…」

 

みのり「そもそも名前書かなくても

    大体わかっちゃうのでは…」

 

タツヤ「確かにそうですね…」

 

ローラ「私もいいかしら?」

 

まなつ「いいよ!」

 

 

 

こうしてさんご、みのり、あすかは

アンケートを書き、箱の中に入れた

 

 

 

アンケートの中に読書

女王様になるレッスンがあり

さっそくやってみた一同だったが

トロピカるとはなにか違っていた

 

 

そんな中、まなつは次のアンケートを

箱をから取り出す

 

 

まなつ「えっと~…ウサコと友達になる!」

 

大輔「ウサコ…なんだそりゃ?」

 

みのり「『仲良しウサウサ村』というゲームに

    出てくるキャラクターの名前だと…」

 

賢「みのりが書いたのかい?」

 

みのり「私のはさっき引いたし…」

 

まなつ「じゃあさんご?」

 

さんご「ち、違うよ

    私も持ってるけど

    書いたのは私じゃないよ」

 

大輔「ってことは…」

 

 

大輔達はあすかの方を見る

 

 

あすか「名前を書かなかった意味がないよ!」

 

大輔「へぇ、あすかって

   そういうゲーム好きだったんだな」

 

恵太「驚いたろ?あすかって

   なかなか可愛い奴なんだよな~」

 

あすか「う、うるさいな!///

    だいたいあのゲームをくれたのは

    恵太だったろ!?」

 

恵太「なんのことか

   さっぱりわかんないな~?」

 

あすか「惚けるなぁああああ!!」

 

 

 

 

その後大輔とまなつ達は

ローラがよく来る水族館の無人プールに行き

あすかのゲームを見て楽しめたが

学校でゲームは出来ないため

これも無しになった

 

 

まなつ「次いってみよう!

    最後のトロピカる!」

 

 

まなつは箱から紙を取り出す

紙にはコスメ部と書いてあった

 

 

タツヤ「これは…もちろんさんごだよね?」

 

さんご「うん、やっぱりこれしかないと思って」

 

ローラ「名前を書いてない意味…」

 

大輔「この際もういいだろ」

 

賢「…さんごさんには悪いけど

  コスメ部は無理だと思う」

 

さんご「えっ?」

 

タツヤ「どうしてですか?」

 

賢「学校の校則で

  化粧は禁止されてた筈なんだ

  転校してきた時に見た校則欄に

  そう書いてあったから」

 

さんご「そうですか…

    少し残念です」

 

大輔「……そうだ!

   いろんなとこを観察するのはどうだ?」

 

恵太「観察?」

 

大輔「そ!町の中にある動物園とか

   花がたくさん咲いてる公園とかを

   見てまわるんだよ!」

 

賢「それは…」

 

みのり「ただ遊んでいるだけだと思う…」

 

まなつ「いいと思う!すっごくトロピカってる!

    さっそく明日生徒会に

    書類を持っていこう!」

 

大輔「まなつ、せっかくだから

   俺も行ってもいいか?」

 

まなつ「いいよ!大輔の案だしね!」

 

あすか「…本当に大丈夫なのか?」

 

恵太「ま、明日になればわかるだろ」

 

 

大輔達はここで解散し

各自自宅に帰っていった

 

 

 

次の日、大輔とまなつは生徒会室に行き、

生徒会長の白鳥百合子に書類を提出した

 

 

百合子「……」

 

まなつ「というわけで町中観察部です!

    これならトロピカれますよね!?」

 

百合子「却下」

 

まなつ「ええ~!」

 

百合子「私から見たらただ遊ぶだけにしか

    見えません」

 

大輔「ちぇ、いいと思ったんだけどな…」

 

百合子「…いつまでもこんなことを

    やっていても無駄ね

    期限を切りましょう

    明日の放課後、帰りのチャイムが

    なるまでにまともな部活内容を決めて

    提出しなさい。間に合わなければ

    新しい部活を作ることは却下します」

 

まなつ「そんな~!」

 

大輔「ちょっと待てよ!

   それはいくらなんでも厳しすぎるだろ!」

 

百合子「当然です

    彼女が今まで提出してきた部活内容は

    とてもまともとは言えないわ

    これ以上は時間の無駄でしかありません」

 

大輔「…だったら、明日の帰りのチャイムまでに

   納得できる部活内容を決めてやるよ!

   そんであんたをギャフンと言わせてやる!」

 

百合子「…せいぜい頑張ることね」

 

大輔「ああ!明日を楽しみに待ってろよ!」

 

 

バチバチバチッ!

 

 

大輔と百合子は互いに火花を散らし合う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、夏海家では……

 

 

 

ブイモン「大輔達新しい部活作れたのかな…

     それにしても、やっぱりチョコは

     うまいな~!」

 

 

ブイモンは大輔達とは真逆で

とてもゆったりしながらチョコを食べていた




なんてこともない事なんですけど
賢と百合子会長って髪型が
ほとんど同じですよね。違いは前髪とか
髪の長さくらいですし…


次回、ついに部活誕生?
お楽しみに!


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。