クルーゼ戦記 (連邦士官)
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クルーゼ戦記

 私が何をしたと言うんだ!この原始世界にやってきてしまった!気が付いたら帝国と言う国の孤児として軍隊に配備された。こんな世界!許せるわけがない!私は、やっと普通の体を手に入れてテロメアと忌々しいフラガの呪縛から開放されたというのに!!

 

「これが人の業を裁いた罪の贖罪だとでも言うのか!」

湿っぽい土の中でじゃがいもと腐ったような乾パンを噛み砕く。顎の下を押して唾液を出す。水すらつかない気が狂った国家だ!倫理感は狂ってはいたがC.E.ではここまでの飢餓は無かった。私の怒りに対する精神的な飢餓はあったが。

 

「新入りの一等兵!何を言ってやがる!伝令だ!お前は前線に行ってこれを届けてこい!お前で4人目だから、確率的には生きて帰れるはずだ!」

 原始人は目の前に広がる野砲と爆撃が作る鉄のカーテンが目に入らないようだ。やはり、人は救われない!救われてはならない!私は半自動小銃でもない火薬式のボルトアクションライフルを手にすると塹壕から塹壕に飛び移る。

 

「君たちが攻めてきたからいけないのだよ!」

 構えずにボルトアクションを連射し、協商兵が落としたライフルを奪い、弾が無くなったライフルを銃剣を取ってから捨てる。弾が無い銃などナチュラルのいつかは助かると思いこんでいるのような弱者の妄想程度の価値しかあるまい!

 

 人間というものは戦いの合間に脳内物質が出る。だから、エンドルフィン等を頭に繋がれて強化された人間はC.E.にも良くあった。卑しい人間の本性だとも!外した銃剣を倒れた協商兵の頭に投げて首をブーツで踏み抜く。トドメを刺さないのはコーディネーターなどの慢心と同じだ。ナチュラルにも勝てない優秀な劣等種であるコーディネーターとな!

 

「見えているのだよ!」

 飛んできた手榴弾を蹴り飛ばし、敵の塹壕に入れる。自ら引き金を引いて、引き金を引き返される等とは思うまい!人間が陥る愚かな妄想だ!

 

 塹壕に入ると兵士たちが傷付いて、無惨な姿を晒していた。

 

「降ふ‥‥。」

 私は拳銃を引き抜くと兵士たち12人余りを射殺した。ふざけるな!今更降伏が許されるわけがないだろうに!お互いの本分がある。私と協商は殺し合う立場ならば殺すしか無いだろう。捕虜になんの価値がある!

 

「価値もないのは私も同じか。このような死ににいく任務をさせられて!銀翼!ネピュラよりも今は価値がある!人は望めば君のようになりたいと思うだろう!ターニャ・デグレチャフ!いや、魔導師!ならば、私はこの世界を裁く権利がある!許さない!」

 迫撃砲を肩に担いで異変に気が付いた協商兵を吹き飛ばし、備え付けられていた機銃を両手で持ち上げ、薄汚い原始人たる奴らに鉛玉を味わわせ、先程射殺した兵士たちの指揮官からサーベルを奪うとスライディングで、塹壕に近づく奴らの部隊の内側に潜ると切り捨て、拳銃を頭に当てられるがCQCでその拳銃を奪い、相手を撃つと痛みで落ちた頭にサーベルを叩き込み、殺す。

 

「まだ遠いな!厄介だな!野砲というやつは!」

 榴弾の雨がどこに来るかを勘と計算をして、破片を避けて、それでも迫撃砲が飛んでくる!信管を避けてサーベルの鞘で叩き返すと迫撃弾が敵の塹壕を強かに爆発させる。

 

「ふざけるな!私には私の考えがある!貴様らごときに止められるわけもない!」

 そのまま、元味方の塹壕に入ると扉を蹴り飛ばす!

 

「諸君!捕虜で休む時間は終わったぞ、そこらにある死体から武器を取れ!我々は帝国人だろう!ならば戦い!抗い!奪い!奴らに帝国を教えてやれ!戦争こそが解決手段なら我々は戦争は強いと足りない脳髄に流し込み、奴らの頭に教えてやれ!」

 捕虜達を武装させた。あと、一ライン越えたならば伝令は成功だ!叫び声が聞こえる。勝てないと思ったのか協商兵が突撃してきた。

 

「愚かだな!人類は愚かに過ぎないというやつだな!」

 迫撃砲の弾をそのまま、投げつけ突撃の勢いを削ぐとボルトアクションライフルの弾倉に何も無くなるまで撃ち込み、協商兵の死体から奪った拳銃8丁を二丁拳銃として弾が無くなるたびに計4回撃ち尽くし、白刃で残りを切り裂く。

 

「たすけ‥‥。」

 頭を蹴ると喉元をサーベルで刺し抜く。許すも許されるもないだろう!

 

「一等兵。今、奴は降伏をしてなかったか!?」

 捕虜になった分際で私と同じ立場か?

 

「降伏するなんて一言もコイツは言ってない。助けてだけだ。それは降伏にはならない。捕虜から開放した私と捕虜にしていた協商、どちらを信じる?」

 頭に電流が走るような感覚が来る。バックステップを私は直ぐにすると、死んだ兵士が持っていた手榴弾が炸裂し、捕虜だった話し相手が赤くなった。

 

「だから、言っただろうに。戦場では優しさは欠点に過ぎない。それも致命的な。」

 無事、突破を済ませ味方の陣地に着くと、伝令を無事済ませた。しかし、功績は全て、私を派遣したあの軍曹が持っていくらしい。やはり、原始人には文化・文明が早すぎたのだ。

 

「お前のおかげで軍曹から准尉になる事になった。だから、褒美をやろう。その反抗的な目をする顔にな!修正してやるよ!」

 殴られる周りの兵士も嘲笑う。私はここに決めた。魔力検査を受けると。陸に縛り付けられた愚かなナチュラルは所詮この程度だ。神は居ないのだ。居たとしたら愚かで汚いゴミのような奴だろう。

 

 夜間、占領地で売春婦を買う軍曹を付けて事が終わって寝ているところに隠していた協商兵の拳銃で頭を撃ち抜く。震える売春婦を軍曹の拳銃で撃ち抜いた。これで終わりだ。

 

 それ以外の奴らも殆どが【ゲリラによる戦死や病死】をして、部隊は解散となり再編として本土に呼ばれる。ここからが、私の舞台だ。この世界を裁いてやる!

 

 英雄としてゲリラ狩りをして昇進した私に、軍は士官教育をさせるらしい。また一歩、計画に近づいた。しかし、この世界の軍事教練は未熟、高高度からの急降下、ナパームによる塹壕の窒息死など様々な方法を教えてやるさ。武器の進化も早め、理性が育ってない中で、赤ん坊におもちゃを与えるがごとく、兵器を開発させてやる。

 

 これで人々はより戦いを激しくし、恨みと憎しみは連鎖し、この世界を倒せる。

 

「クルーゼ軍曹。この貴殿が言う塹壕戦における飽和攻撃とは?」

 教官たちはこぞって私の論文を読む!やがてそれがこの国を滅ぼすとも知らず!

 

「敵の防御限界を超えるほどの連撃です。人的資源の消耗をさせますが、協商捕虜たちに武器を持たせて前線に立たせればいい。彼らの名前を一人ひとり、裏切ったとして。協商占領地に徴兵制を敷きましょう。ゲリラをできる人間が減れば治安維持のための憲兵も戦力に回せます。」

 教官たちは頷く。やはり、倫理感はないのだ!キラくん!見ろこれが人間の姿というものだよ!

 

「しかし、反乱を起こす可能性が‥‥。」

 簡単な話でしかない。

 

「教官殿。民族を奮起させるのです。我々とお前たちは同じ優秀人種であるとかね。人種で縛り付けて協力させればいい。彼らも優秀な人種として不満を発散させる。我々は戦力が手に入る。お互いが得をする外交とはこうするものですよ。」

 聞き入る教官たち。やはり、素晴らしいものだな戦争とやらは!賢い人間も愚鈍な人間も同じ地点まで、達してしまう。平等というものだ!

 

「しかし、我々は多民族国家だ。君の言うような民族を奮起できるものは‥。」

 愚問だよ。人は信じたいものを信じる。魔法はなくても数百年未来でもそうだった。だからこそ、コーディネーターやアル・ダ・フラガのような思い上がりを生む!信じたいように信じさせれば良いだけさ。

 

「教官殿。人は信じたいことを信じたいようにしか、信じられない生き物です。だからこそ、協商は我々に喧嘩売ってきたのです。我々は合衆国や連邦が我々に宣戦布告をしないと都合がよく解釈しています。では、無学な人間がそうはならない訳はないわけです。それっぽい学論を新聞やラジオで流して、敵は連邦とやるのです。」

 史実では独ソ戦だったが帝国と連邦の戦争をしようではないか!殺し殺される戦争だよ。

 

「確かにな。しかし、どんな民族を掲げるのだ?」

 民族なら簡単だ。拡大も出来て地中海を全て、戦火にできるものがある。

 

「ローマン・マケドニア民族です。地中海すべてが我々の影響下に入ります。それこそが意味がある行為です。交易網からもアジアまで進出する大義名分があります。連邦をタタール帝国の再来と位置付けて欧州十字軍を結成するのも容易い状況を作るのです。」

 共産主義に帝国が負けて宗教的な理由から交戦を続ければ大陸は共産主義に包まれ、合衆国と連邦の直接的な戦争が起きるだろう。全く、人間の欲望とやらは度し難いな!

 




 上手くかけているかわかりませんが書いてみました。


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