ブラック・ブレット―仮面使い― (島夢)
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1話

原作一巻を読み、現在二巻を読んでいるのですが、面白くて、書きたい!
と思って書いた作品です

楽しんでくれると幸いです!




この世界はかわった。

 10年くらい前まで平和で、普通の日常だったのにな…俺には関係ないし、どうでもいいことだけれど…。

 

 まだあの戦争から十年。そして…俺が『転生特典』を手に入れて十年だ。どうせなら…もっとはやくほしかったもんだな。

 

 フッと自嘲気味に笑う

 

 

「まったく…面白くないな」

 

 

 この転生特典でできること、使い方は今でも日々練習中だ。そこそこ使えるようにはなってるけどな。

 あ、ここまで言えばわかると思うが、転生者だ。前世については…めんどいから割愛することにする。

 

 

「することがない、その前にだな、今日は仕事の日か…することがあったな…」

 

 

 携帯に来たメールを見ながら言う

 俺はとある闇金事務所で働いている

 ん~働いているというか…今は雇われてる感じかなぁ…

 まあ、はじめのほうこそ、生きるために必死だった俺は、能力使って脅していたが、今では元仕事仲間と仲良くやっている。

 

 実はみんないい人ばかりだ

 本当、なんであんな人たちが闇金なんてやってんだ?

 まあ、見た目はばっちり合ってるけど…超いかついけど…

 

 

「ふむ…」

 

 

 そういえば…今の仕事場の下の階って民警だったな…。

 もしものときは依頼しようかな。

 

 この世界はブラックブレットという世界らしい…

 うん、正直まったくわからん、ブラックブレットってなに?って感じだ

今は原作開始2、3か月前といったところらしい…転生する前神様に教えてもらった

 

 右手に持った銃状の道具を見る

 べつにこれから弾丸が出るわけじゃない

相手に向けるための武器でもない

 

『自分に向ける武器だ』

 

 

「さて…護衛に行きますか」

 

 

俺は銃を袖にしまい、歩き出す

俺の仕事は簡単

ガストレアから闇金事務所の方たちを守ること

 

お金を借りて、そのまま返さない人たちには容赦ないが、根はいい人たちな仕事仲間を守る簡単なお仕事です

 

事務所に向けて歩き始める

 

 

 

 

 

しばらく歩いたところ…川沿いを歩いていたとき…

 

後ろから低いうなり声が聞こえる

 

うん、まぁ…大体予想はつくけど…

 

 

「ガストレア…か…」

 

 

(こんなにばったり会うのはすげぇ珍しいと思うのだが…どう思う?)

そう『もう一人の自分』に問いかけるが返事はない

 

寝ているのだろうか

 

俺の場合はもう一人どころか、十二人ほどいるのだが…

 

俺は右手を少し振る

すると袖から剣が出てくる

バラニウムで加工された剣

どこで手に入れたか?企業秘密だ

闇金にかかわってりゃ結構色々できるからな

 

一応左手も振って左手の袖から銃を出す

 

『召喚機』

 

俺の転生特典を使うために必要な、特殊な銃

相手にむけるのではなく、自分に向ける銃

 

 

「まあ、ステージⅠの雑魚に使うつもりはないけどな」

 

 

この世界は危険に満ちている

俺が六歳のとき、この世界の俺の両親は俺の目の前で食われた

 

その前から、この世界が危険だとわかっていた俺は体を鍛えていたが…七歳児の体などガストレアの前では無意味だった

 

良い両親だった、優しく、少し悪戯っぽいところもあったが、大事な話のときにはちゃんと本当のことを言って…

 

とても…いい親だった、人として尊敬できる…な

 

 

話がそれたな、まあ、今言いたいことは…体も鍛えてるってことだ

 

 

「ふっ!」

 

 

距離を詰め、右手に持った剣で左斜めから右斜めへの軌道でぶった切る

何の動物なのか?

そんなことはわからない

正直、生物には興味はない

 

まあ、とりあえず…気持ち悪い生物だった

ガストレアは基本気持ち悪い見た目の気がする…

 

振り抜いた剣をそのまま返してもう一度斬る

 

そのまま連続で斬っていく

 

 

「敵に数がいないときは完全に死んだと思えるまで斬りまくる…まぁ、常識だな」

 

 

もう体の原型がないほど切り刻んだあと剣を一回振って血を落とし、袖に戻す

ちなみにこの剣、折り畳み式で袖に入るようになっている

袖の中にはさやが入っている

 

なんで民警でもない俺がガストレアの駆除なんてしなきゃいけないんだ

 

まあ、襲われたらやばいしなぁ…

正当防衛ってことで…

 

誰かに見られる前に逃げるか…

 

 

「!」

 

 

後ろから視線を感じた

後ろを振り向くと、黒髪の俺と同い年くらいの青年と少女がたっていた

ふむ…実に犯罪っぽいな

 

今の時代では結構規制きつくなってるから、彼らは気をつけなきゃな…

 

とかどうでもいいことを考える

それともう一つ気づいたのは…彼らは俺の働いてる事務所の下のかいにある民警の会社の二人じゃないか…

向こうもそれに気づいたようだ…

 

 

「あんた…」

 

 

黒髪の青年が話しかけてくるが…

こっちも仕事がある

 

少女と青年は多分民警なんだろう

ガストレアの死骸を見ても驚いていないからな

 

 

「この死骸…あんたがやったことにしてくれないか?」

 

 

何か言おうとしていた青年にそういう

それだけ告げてダッシュで逃げる

 

そこそこ鍛えてるから追いつかれないと思うし、何よりガストレアの死骸があるからな…

 

まあ、あの少女には多分追いつかれるが…

 

彼らが民警だとすれば、彼女がイニシエーターだろう…

 

だがそんな心配も杞憂だった

青年の方がガストレアの死骸のほうを見て、電話をかけている

 

 

(面白そうな二人だったね)

 

頭の中で声がする

アリス…もう一人の自分

 

 

俺はそのまま、彼らが見えなくなるまで走り、そのあと歩いて事務所に向かった




主人公の武器は袖に隠してあります
主人公はペルソナ使いですが、元々の身体能力も高いです

ずっと昔から鍛えて、剣の腕も鍛えたのと、元々天才並の才能があったから強いですね



感想、質問待ってます!


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2話

ブラックブレット、四巻くらいまで読みました

面白いし、二次創作を書きたくなるし、どんどん読み進められます!

雪華さん、感想ありがとうございます!

では、ゆっくりしていってください!


仕事が終わって帰る途中

 

俺の今の仕事は簡単、お金返してもらいに色んな家に行く仕事仲間の人についていき…それを見守る

 それだけだ

 ガストレアが来るなら別だが…

 まあ、その仕事も今日までだ

 

 というか、俺は二年前くらいから『なんでも屋』をやっている

 

 二年前に彼ら、闇金事務所の人たちとの仕事仲間関係は崩れたが、今回は雇われていた

 はぐれガストレアが入ってきたという報告を受けて、念を入れて…ということらしい

 

 無論、もっと金をもらえる仕事が入ったらこちらの仕事はキャンセルし、別のクライアントのもとに行くけどな

 

 で、その契約期間も今日で終了だ

 

 まあ、高額ふっかけたからなぁ…

 そんなに長い間雇うことはできなかっただろうし…

 

 まあ、なんにせよ、しばらくは金に困りそうにないな…

 

 そう思いながら歩いていると公園のあたりまできた…

 10メートルくらい前に少女がいた

 少女…?まあ、10歳くらいの少女

 

 ベンチに腰を下ろしており、こちらをて、お腹減ったのジェスチャーしてくる

 いやいやいや、待て待て待て…

 え? なにが? 腹減ってるのはわかったけどさ

 

 めっちゃこっち見てるぅ…

 

 う、うぅむ…困った少女を置いていくのもなぁ…

 はぁ…仕方ないな…

 

 俺はそう思い、俺を見ている少女のもとへ歩く

 

 

「なぁ…」

 

「ん…」

 

 

 少女に話しかけると、俺の顔をじーっとみてくる

 そして…おもむろに携帯に手を伸ばし…

 

 そして…1、1、0、の番号をゆっくりと、順番にプッシュしてぇぇええええええええええええええええ!?

 

 

「ちょっ! ちょっと待て! 」

 

「はい、なんですか?」

 

 

 少女はその小さな首をかしげる

 いやいやいやいやいや!!

 

 

「今どこに電話かけようとした!?」

 

「警察ですが…?」

 

「なんで!?」

 

「ここにロリコン犯罪者がいるので…」

 

「ちょっと待とうか、なぜそう考えたのかお兄ちゃんにゆっくりと説明してくれ…」

 

 

 あ、あまりに焦ったので、しばらく何も考えずに会話していたが…

 まさかいきなり通報されかけるとは思わなかったぜ…

 マジ恐ろしい…

 

 

「私のような少女が一人のとき、いきなり話しかけられたのです…この時点で危険だと判断したのですが…どうでしょう?」

 

「いや…どうでしょうじゃねぇだろ…」

 

 

 まあ、とりあえずは電話するのをあめてくれたのでいいということにしよう…

 危うく通報されて冤罪でつかまるところだった…

 一部の俺の知り合いが爆笑しそうで怖いぜ…

 主に死体を恋人と言い張るとある大学の先生とかな…

 

 

「で?腹減ってんのか?」

 

 

 俺が少女に聞くと、少女はこくっと首を縦に振ってこたえた

 まあ、話しかけちまったんだから…なんかやるか…

 

 

「なんか食いたいものあるか?」

 

「あれが食べたいです」

 

 

 そういってクレープ屋をさす

 ふむ…クレープか…

 まあ、仕事終わりで金はあるし…いいか

 

 

「買ってくるから待ってろ…」

 

 

 なんだかふわふわとした感じのしゃべり方だな…

 全部投げ出してる感じかな…

 

 不思議な感じだ…

 

 それにこの子…多分…

 いや、別にいいか、そうだったとしてもどうでもいいし

 

 少女は俺がチラッと見たことに気づき、少しうつむく

 あ…これどっか行かれるわ…

 と察した俺はクレープを全力で急いで買いに行き、急いで戻る

 思った通り、少女は立ち去ろうとしていた

 

 

「おい待てよ…買ってきたクレープ、無駄になっちまうだろ? 食わないのか?」

 

 

 背中を向けた少女はこちらを見て、ベンチに座り直す

 

 一瞬迷ったそぶりを見せたが座った

 なにを迷ったのかは俺にはわからないけどな…

 

 クレープを渡して俺は少女の隣に腰を下ろす

 

 もくもくとクレープをたべていた少女が食べ終わったのかこちらを見てくる

 

 

「気づきましたか?」

 

 

 表情はほとんど動かず…だがどこか悲しそうな顔で俺に聞いてくる…

 気づいた…というのは…多分…

 

 

「お前はイニシエーターだということか?」

 

「ええ…そうです」

 

 

 少女は頷く

 むしろそれ以外になにがある?とでも言いたげな顔だ

 

 

「わかっているのに…どうして一緒にいるんですか? 怖くないのですか?」

 

 

 少女は俺の顔を見つめ、そう聞いてくる…

 俺は後ろ髪を書きながら少女に言う

 

 

「怖くないのか…ってお前がか?」

 

 

 俺がそうきくと少女は首を横に振り、もう一度口を開く

 

 

「正確に言えば、私たち呪われた子供たちが…です…」

 

 

 そこで言葉を区切り、俺の目を無気力な瞳で見つめ、話し出す

 

 

「あなたは奪われた世代のはずです…彼らの…いえ、あなたたちの世代の多くは私たちに良い感情を抱いていません…。

 ガストレアショックを起こす方たちも少なくありません…。

 でも…あなたはそんな様子が微塵もない…私にはそれが不思議でたまらない」

 

 

 不思議でたまらない…か

 本当に不思議そうで…答えを聞きたい…でも少し怖い…そんな微妙な表情をした少女は変わらず俺から目をそらさず見ている…

 俺は後ろ髪を書きながら答える

 

 

 

「正直『どうでもいい』…俺にとってはな…」

 

 

 どうでもいい、そう言ったとき、少女はとても驚いた顔をしていた

 こんな答えを返してくるとは思っていなかったのだろうか?

 俺がそんなことを考えていると、少女は一瞬迷ったそぶりを見せるが、俺に聞いてくる

 

 

「ですが…あなたも大切な方を失ったのでは?」

 

 

 少女は聞いてから、(しまった、踏み込みすぎた…)というような表情を浮かべていたが…俺は気にせず話す

 いや…少し怒気が混じっていたかもしれない…

 

 

 

「まあ、確かにその通りだ、俺の親は俺の目の前でガストレアに喰われた…

 両親を喰ったガストレアが憎くて憎くて仕方がない…!」

 

 

 俺はこの世界に来てからの親も、前世の親と同じくらい好きだった

 良い両親だったから

 愛情も知識も環境も幸福も…全部全部与えてくれた…

 

 いつも優しく、聡明で時々子供っぽいことをする母さん

 無口で何を考えているかわかりずらかったけどいつも俺と母さんのことを考えていてくれた優しい父さん

 

 

「一時期は俺の持てるすべての仮面()で殲滅してやろうとも考えたさ…

 今だにガストレアが憎くてしょうがない…」

 

 

 静かに…しかし確かに憎悪を吐露する俺を見て、少女は俯く…

 心の優しい少女だな

 

 自分がやったわけでもないのに罪悪感を感じるなんて…でも、罪悪感を感じる必要はないんだけどな

 そう考えながらまた口を開く

 

 

「でもな、それがお前らになんの関係がある? お前らはただの十歳の少女だろ? ただ体内にガストレアウィルスを保菌しているだけの…ただの少女だ

 そんな少女に恐れを抱き、差別し、このドス黒い憎悪を向けるほど…堕ちた覚えはねぇよ」

 

 

 俺はそう言うと、少女は目を見開いて驚いている

 そんなに驚くことかね…そう呟きながら空を見上げる…

 少女が声をかけてきた

 

 

「ありがとう…ございます…」

 

 

 いきなり礼を言われた…

 少し驚きながら俺は返す

 

 

「なんで礼を言ってんだよ…俺の思ってることを言っただけだ…」

 

 

 俺はそういいながらベンチから立ち上がる

 さてと…そろそろ帰ることにしよう

 

 

「それでも…私はあなたの言葉に救われたので…」

 

 

 俺はその言葉を聞きながら歩き出す

 前を見て地を踏んで一歩一歩進む

 少女はさらに声をかける

 

 

「私の名前は千寿 夏世です…よければ…あなたの名前も教えてくれませんか?」

 

 

 俺はその声をききながら、しばらく進み…

 立ち止まって振り返らずに答える

 

 

「桐夜……桐夜 仮夢(きりや かりむ)だ、またな(・ ・ ・)、夏世」

 

 

 名乗ったその瞬間頭の中で何かが弾ける…

 

そして頭の中に声が響く…

 

 

 

 

       ―――我は汝・・・、汝は我・・・

          汝、新たなる絆を見出したり・・・

          汝、”愚者”のペルソナを生み出せし時、

          我ら、更なる力の祝福を与えん・・・―――

 

 

 

 

   オルフェウス―新しいペルソナの名前だろうか…頭にいきなり浮かんだ名前だ

 

 

 俺は歩き出す

 夏世は俺が見えなくなるまでベンチから動かなかった…




うちの主人公なかなか戦わないね…

まあ、ペルソナの数もまだそこまで多くないですし…

感想待ってます!

次回も頑張って編みます!


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3話

俺は今人気のないところを一人で歩いている

夜だが…

夏世と公園でわかれて数時間…

 

なんか…今日は色々あったなぁ…

そう考えながら人気のない夜道を歩く

 

 

「はぐれガストレアと遭遇して…仕事して…夏世と出会って…そして」

 

 

俺がそこまで言った瞬間俺はしゃがむ

そして、しゃがんだ瞬間、俺の首のあった位置を小太刀が一閃…

しゃがまずにそのままだったら今頃俺の首はそこらに転がってたなぁ…

 

などと、他人事のように考えながら後ろを向く

 

 

「パパぁ~斬れなかった」

 

「ん? そうだね…ふむ…なぜ今の攻撃がわかったのかな? 『仮面の道化師』くん?」

 

 

振り向いた先には少女と怪人がいた

少女は黒いドレスを着ている…まだ十歳くらいだろう…目が赤いのでイニシエーターだな

タキシードにシルクハット、顔にはマスケラ…ここまで見て気づく…

 

 

「ああ…あんたら…蛭子 影胤と蛭子 小比奈か」

 

 

確か…俺の記憶では…再三の犯罪により、民警ライセンス停止・序列凍結中の元プロモーター。ライセンス停止前のIP序列は134位

 

134位……かなりの高ランク…

 

今の攻撃で敵意があることは確認済み…

 

 

「うん? 私たちの名前を知っていてくれるとは驚きだ…我々の世界では君の名前は有名だよ? いや…本名ではなく、『仮面の道化師』という名前だがね…」

 

 

仮面の道化師

それは俺が営んでいる『なんでも屋』の名前

 

俺が望む報酬が貰えるなら、まさしくなんでもする

 

殺し、護衛、ガストレアの駆除から買い物、子供のおもりまで…

 

まあ、これでも有名になれるくらいには儲かっている

こんな風に狙われることもよくある…

 

まさかここまでの実力者に狙われるのは…いや、前にもあったか…?

まあいい…

 

 

「パパ、斬っていい? もう斬ってもいいよね!」

 

「はははっ! 元気な子供だなぁ…斬るか…やってみろよ」

 

 

俺は少女を挑発してみる

そういいながら「ペルソナセット、アリス」と呟く

どうやら二人にはつぶやきはきこえてなかったようだ

イニシエーターか…どれくらいの身体能力か…さっきの俺の首を狙った一閃でわかったし…

問題なく対処できる

 

袖から折り畳み式の片手剣をだし、展開して俺は笑う

 

 

「いいよ小比奈、斬りなさい」

 

 

そう蛭子影胤がささやいた瞬間、弾かれたように蛭子小比奈は距離を詰める

うわぁ…人外な速度だな…

 

たった十歳の少女の動きを見ながら俺はそう思う

頭の中で声が俺に話しかけてくる

 

(でも、君なら問題ないよ)

 

ああ、当たり前だ

ん?…アリス…いつごろから起きていたんだ…?

まあいい、今はそれよりも…

 

そう考えながら蛭子小比奈の振るう小太刀を体を右にそらし、わざとぎりぎりでよける

小比奈は刃を返し、斬り払いをする

 

上体をそらしつつ避け、懐に飛び込み、掌底を放つ

 

 

「うっ!?」

 

「ほう…」

 

 

掌底は吸い込まれるように少女の腹部に直撃、少女を吹っ飛ばす

蛭子影胤は自分のイニシエーターが吹っ飛ばされたというのに、面白そうに、そして少しの驚愕、歓喜を混じらせた目で俺を見る

いや、本当は表情で判断したかったけどマスケラでまったく見えない…

 

 

「面白いな、君は本当に人間かい?」

 

「ああ、これでも人間だ」

 

 

そりゃそうだ…そういう反応になるだろう

生身の人間がイニシエーターを吹き飛ばしたんだからな

 

まあ、俺自身も体を鍛えてるし、ずっと戦い続けた恩恵で強いとは思うが、やはり一番の理由はペルソナをセットしていることによる身体能力の強化だ

 

 

「ヒヒヒ…ずっと疑問だったんだがね…どうして仮面の道化師なんだい?」

 

「そうだな…俺に本気を出させたらわかるんじゃないか?」

 

「そうかい」

 

「じゃあ、俺からも質問だ…俺を狙う理由は依頼でもされたんだろう? 依頼主は天童のジジイか? もしそうなら言っておいてくれ、糞爺、いい加減にしねぇと殺しに行くぞって」

 

 

まあ、俺を狙うやつならたくさんいるが…こういうやばいのとかかわりを持てそうなのは糞爺だけだからな…

 

依頼主があてられたのが驚きだったのか頭の上に ! マークでも浮かべそうな反応だ

まあ、結構ふざけてるみたいだな

 

 

「シッ!」

 

 

小比奈が後ろから横一線で斬りかかってくるのをしゃがんでかわしつつ、振り切った腕を取り、丁寧に組み伏せる

 

 

「あぅっ!」

 

 

なんか…幼女を組み伏せるのって罪悪感が半端ないな

 

yesロリータ! noタッチ!

 

だよな、普通

 

通常、イニシエーターの方が身体能力、力…すべて上のはずだが、ペルソナをセットし、強化された俺の身体能力なら問題なく抑え込める

 

 

「ヒハハハハハ! 面白いね…本名を教えてくれないかい? 仮面の道化師くん」

 

「いいぜ…桐夜 仮夢…仮夢って呼んでくれ」

 

「ずいぶん友好的だね」

 

「あんたが俺のクライアントになる可能性だってあるからな」

 

 

俺はそういいながら、左手で小比奈を拘束しながら右手で電話番号と名前がかいた名刺を影胤のほうへ飛ばす

影胤はそれを受け取り…

 

 

「ハハハハハハハ!! いいね! 面白いよ、仮夢くん私は君を気に入った! 小比奈、戻ってきなさい」

 

 

そう影胤がいったので俺は影胤の想ってることを先読みし、拘束を解く

 

 

「仮夢くん、小比奈の拘束を………もう解いてるね…」

 

「気が利くのは何でも屋の絶対条件だからな」

 

「ますます面白い! 今日のところは引くとしよう、ここで君を殺すのは面白くないし、なにより殺せるかわからないのでね…」

 

 

影胤はくるっと方向を転換し、歩き出すが、小比奈はこちらを見つめたままだ

じーっとこっちを見てくるので、俺もじーっと見つめる

すると、少し照れて顔を赤くし…

 

 

「仮夢はいつか私が斬るから! 私以外に斬られちゃダメだよ!」

 

「ああ、いいぜ、いつでも来な…お前が俺を殺せるくらい強くなったら、喜んで殺されてやる、お前みたいな可愛い子に殺されるならそこそこ本望だ」

 

 

俺はそうおどけて見せるが、小比奈は顔を隠すように急いでたったったっと影胤の後を追って、闇へ消えた…

頭の中に声が響く

 

 

 

           我は汝・・・、汝は我・・・

          汝、新たなる絆を見出したり・・・

 

         汝、”死神”のペルソナを生み出せし時、

           我ら、更なる力の祝福を与えん・・・

 

 

 

そして頭の中に名前が思い浮かぶ…

『タナトス』

 

新しいペルソナか…

 

(うん、僕はタナトス…君は僕で、僕は君だよ…よろしくね)

 

「ああ、よろしくな」

 

 

俺はそう呟きながら夜の街を歩き出す

さ~てと…そろそろ眠くなってきた…早く帰ってねよっと




ペルソナ使いの身体能力の底上げはちょっと独自解釈です
すいません

でもペルソナによってステータスが変わるので、あってるかなぁと思います

イニシエーターと戦えるレベルの身体強化…
しかも物理はじゃないアリスでその強さ…

ならタナトスはどうなるんだ…
しかもこの作品のタナトスは武具の心得を持っているので、武器の扱いも上手くなる

化け物め!

あと、この作品の小比奈ちゃんはちょっと普通の少女っぽいところがあります、おかしかったら教えてください

感想、待ってます!
感想書いていただけるととても嬉しいです!
というか、感想があるとやる気がでます!

次回も頑張って編みます!


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4話

今回はちょっと短いです、すいません

今回は。を入れてみました
みにくかったら教えてください!

感想ありがとうございました!

ゆっくりしていってね!


「ね~、パパ」

 

「なんだい? 小比奈」

 

「私ね、夢ができたんだ」

 

「どんな夢だい?」

 

「仮夢を斬るっていう夢!」

 

「そうかい…いい夢だね、彼は強いから、小比奈も強くならないとね」

 

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぇっくしょん!」

 

「風邪ですか? 仮夢さん」

 

「いや…誰かが噂してるんだろう…多分」

 

 

 俺はそう言いながら空を見上げる…。

 ここは夏世と出会った公園のベンチ、そこに腰かけでいる…

 俺の隣には夏世が座っている…くしゃみと同時に寒気もしたからもしかしたら本当に風邪かもしれないなぁ…。

 風邪はいやだなぁ…だって体調悪くなったら夏世に会いにこれないし、仕事できないし…。

 

 

「仮夢さんはいつでも暇なんですか? 私が暇なときに来ると、いつもここにいます…まあ、まだ出会って数日なのですが…」

 

 

 そう、夏世と出会って数日たった。暇だなんだと色々言われているが…事実暇なのだ…。あんまり俺の望む報酬を払ってくれるような仕事が来ないんだよなぁ…。

 

 

「ん~そうだなぁ…仕事も入ってないしなぁ…」

 

「仕事…仮夢さんは何の仕事をしているのですか?」

 

「えぇと…なんでも屋かな」

 

 

 一応裏の世界じゃ有名だしなぁ…俺、まあ、色々やったからな…。

 夏世は「なんでも屋…」と呟いている…。もしかして知ってたかな?まあ、夏世も多分民警やってるんだろうから、知ってても不思議じゃないな…。

 

 それからしばらく夏世と会話していると…夏世の携帯がなった…。夏世はそれに出てから電話相手と会話して。

 

 

「すいません、仮夢さん…仕事が入りました、またここで会いましょう」

 

「ああ、わかった、またな」

 

 

 夏世はとことこ歩いて行ってしまった。仕事じゃあ仕方ないので、俺は家に帰ろうかと思ったのだが…電話がかかってきた。

 仕事用の携帯にかかってきたので…

 

 

「はい、こちら『仮面の道化師』です」

 

 

 敬語で話す…。誰からかかってきたかはわからない…非通知だったからな…というか大概の場合非通知だ。

 

 

『こんにちは、仮夢さん』

 

 

 うわぁ…思いっきり俺の名前呼んでやがる…。

 仕事の話なのに…この人、俺が本名隠してるの知ってるはずだろ?

 

 

「聖天子か…あんた…なんで俺が仮面の道化師って名乗ってるか知ってるか?」

 

『あっ…すいません、つい…』

 

「まあ、別にいやじゃないけどさ…さてと…仕事の話をしましょうか?」

 

 

 俺はしゃべり方を敬語に直す。

 仕事の話だからな、敬語使わないと…

 

 

『菊之丞さんが違うエリアに行っているのは知っていますよね?』

 

「ええ、もちろんです」

 

『菊之丞さんの留守の間護衛してくれませんか?』

 

 

 絶対この人の独断だろ…?じゃなきゃあの糞爺…もとい菊之丞様(仮にも依頼主の知り合いなので…)が俺に依頼を出すわけがない。

 なぜって?俺が聖天子を護衛したとき…ちょっと色々あってな…護衛対象である彼女を危険な目に合わせちまったんだ…。

 そのときのこととか、その他もろもろで菊之丞様とは仲が悪いからだ。

 かわりといってはなんだが、聖天子には気に入られているみたいだけどな。

 

 

「私では少し役者不足では?それ以前にあなたの周りの方たちが看過することはしないと思うのですが…」

 

『いえ、あなたの実力は本物ですから…』

 

 

 いや…俺はそういうことをいっているわけじゃないんだが…。まあいい、どうせ暇だったしな…。受けるとするか

 

 

「わかりました、お受けしましょう…報酬は…」

 

『ええ、わかっています、お金…でしょうか?』

 

「いえ…今回はお金ではなく、私の欲しいものでどうですか?」

 

『えっ…』

 

 

 予想していなかったのか、驚いているようだ。

 まあ、俺の報酬は金だけじゃないからな…

 

 

『わかりました、それでいいです、では改めて依頼します…私の護衛を務めてください』

 

「はい、かしこまりました、我が主」

 

 

 俺は静かにそう言って電話をきり、ベンチから立つ。

 さてと…仕事だ仕事、久しぶりのでかい仕事だ!





感想待ってます!

感想をくれるとやる気が上がります!

次回も頑張って編みます!


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5話

「冗談みたいに手荒い歓迎だ」

 

 

 俺はなぜかいきなり突っかかってきた変な集団を怪我を負わせないようにぼこぼこにしながら呟く…。

 誰だこいつらは…なんでいきなり襲われなきゃならんのか………うん?そういえばなにか言っていたような気がするが、いきなり銃を突き付けてきたので思わずやってしまったが…まあ、向こうから先に手を出したんだからいいか…。

 

 

「ぐっ…クソッ…」

 

「あんたらなんなんだ?俺は仕事に来ただけなんだが」

 

 

 倒れている人たちに向かって言う。

 そういや、聖天子の護衛官とかいたな…こいつらか?だとしたら弱すぎて話にならねぇ…影胤レベルの奴が殺しに来たとき、どうするつもりだよ…。

 ん?いや、普段は糞爺が一緒だなら大丈夫なのか…。

 

 とかどうでもいいことを考えながら倒れている護衛官たちを無視して、聖天子に呼ばれている部屋へ向かって歩き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お久しぶりですね、聖天子様」

 

「ええ、お久しぶりです…」

 

 

 俺は今聖天子様の前にいる…部屋に護衛っぽいのがいたのだが、聖天子様が外に出ていろという感じの命令を出したので外に出ていて今はいない。

 

 聖天子様は微笑を浮かべている…。俺も微笑を浮かべている。

 

 

「直に会うのはお久しぶりですが、連絡はいつも取り合ってますね」

 

「ええ、いつもメールか電話がかかってきますね…流石に忙しいときは連絡が途絶えますが…」

 

 

 そう、この聖天子様、結構な頻度でメール、電話とかしてくるのだ。いや、うれしいけどね?こんな可愛い女の子と連絡しあってるってのは嬉しいけどね!

 でも、俺は嬉しくても彼女がもたないんじゃないかなぁと思うんだよなぁ…。

 

 

「仕事の合間にれんらくをくれるのは嬉しいのですが、無理をしていませんか? 疲れているのなら、私との連絡よりも疲れをとることを優先していただいた方がよろしいのですが…」

 

「いえ、あなたと連絡を取ると疲れも取れますし、とても楽しいですから」

 

 

 それはどういう超常現象なのだろう…?明らかに仮眠をとったりする方が疲れはとれるだろうに…。

 変なところで頑固なのでこの辺は置いておくことにしよう…。糞爺は帰ってくるのは二日後だったな。

 ならそれまでの依頼期間かな?

 

 

「依頼内容の確認をいたします、よろしいでしょうか?」

 

 

 聖天子様は俺に向かってそう言う、これを聞かなきゃはじまんないもんね…。

 

 

「ええ、どうぞ」

 

「依頼内容は私の護衛です、詳細は菊之丞さんのいない二日間の護衛です」

 

 

 ふむ、予想通り…まあ、そこまで苦労する内容でもないだろう…。

 聖天子はめっちゃ堂々としている…菊之丞様がいない間の保険みたいなものだろうなぁ…俺の立ち位置…。

 まあ、もちろん全力でやるけどな。

 

 

「お気づきかと思いますが、あなたは保険のような存在です、二日間、菊之丞さんの代わり…といってはなんですが、そのような立ち位置になっていただきます」

 

 

 まあ、だろうね…聖天子暗殺なんて考えるところはないだろうし…。ん?これもしかしてフラグ?

 

 いや、考えないようにしようか…。

 

 

「はい、わかりました」

 

「では、よろしくお願いします」

 

「ええ、必ず守りますよ、何があってもね」

 

 

 俺は微笑みながらそういう。

 まあ、前回護衛についたときは予想外すぎる事態が起こって怪我させかけたし、俺自身も死にかけたしな…今度は完璧に守るさ。

 もし完璧にできなくても彼女だけは絶対に守るさ、俺一人の命と国家元首の命…どっちが重いかなんて一瞬でわかるしな。

 

 

「え?」

 

「え?」

 

 

 え?って言われたのでえ?って聞き返しちゃった…!

 えぇと…もしかして嫌だった?俺に守られるの…やばい、ちょっと悲しい…。

 あ~…調子にのって必ず守りますとか言わなきゃよかったなぁ…あ~…恥ずかしいなぁ…マジで恥ずかしいなぁ…。

 聖天子様を見ると顔を少し赤くしながら目をそらし、少し動揺しながら俺に話しかけてきた

 

 

「はじめて護衛をしてくださったときも同じことをおっしゃっていましたね」

 

 

 ああ…いや、まあ…あのときは舞い上がっちゃっててドヤぁ!って感じで言ったんだけど、そのあとまさか死にかけるとはな…うん、あれはガチでやばかった…。

 正直、あの土壇場で聖天子様とコミュ築けてよかった…あれがなかったら死んでた…うん…。

 

 

「はい…あのときは、私の力が及ばず、危うく怪我を負わせるところでした、申し訳ありません…」

 

「いえ、責めているわけではありません、あのときは私を命がけで守っていただきましたから…とても感謝しています」

 

 

 いや…聖天子様のこういうまっすぐなところは好きなんだけど、この人、他人のためなら自ら危険に突っ込んでいくから冷や冷やするんだよなぁ…。

 

 だからこそ守ろう、守りたいと思えるのかもしれんがな…。

 

 気づけば聖天子様の赤面も治っていたので話の続きができるな…。

 

 

「では、よろしくお願いいたします、仮夢さん」

 

「いえいえ、今はお仕事中ですので『仮面の道化師』ですよ、聖天子様」




主人公と聖天子様のはじめての出会いの話は次回、書きます





聖天子様護衛の際、襲っていきたのはガストレアではなく……ペルソナ関係の敵ですね

奴ですよ…俺にとってはトラウマです、はじめて会ったときはマジびっくりしましたし、普通に全滅させられましたからね…(泣)

この説明で分かった人、あなたはすごいです

感想待ってます!

次回も頑張って編みます!


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6話

みんなのトラウマやべぇ奴!

死神タイプのあの子が出ます!
まあ、今回は登場だけですけどね…

感想本当にありがとうございます!

ゆっくり楽しんでいってください!




「あなたが私の護衛についてくれるとあの時のことを思い出します…」

 

「ええ…あの時は本当に申し訳ありませんでした」

 

「いえ、結果的に守っていただいたのですから、あなたが謝る必要はありません」

 

 

 車の中で聖天子様と会話しながら思い出す…。あの時のこと…約一年前のこと…俺がまだ15歳だった…。

 なんでも屋をはじめて…まだ1年たったと言った頃…。

 色々な依頼をこなして結構知られるようになって…そして、聖天子様護衛の仕事を受けた俺は、彼女の護衛をしていた…。

 襲撃者もなく…このまま何事もなく終わると…そう思っていた…。

 

 『25時』が訪れるまでは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                ―――回想―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これは…空の色が…おかしい?」

 

 

 俺は空を見上げながら呟く…。

 棺桶のようなオブジェが立ち並び、俺と聖天子様しかここにはいない

 

 途中まで一緒だった聖天子様の護衛十数人…どこにいったのか…0時を迎えた瞬間に訪れたこのわけのわからない空間…。

 

 

「なんでしょう…この空…この棺桶のようなものは…」

 

 

 聖天子様はいつも通りの口調で話そうとするが、少しだけ声が震えている…。自分を抱くように両腕を組んでいる。

 まあ、そりゃ怖いだろうな…。

 だが、俺はなんとなくいつか来るんじゃないかと予想できていた。

 

 俺が貰った能力はペルソナだったからだ…それもペルソナ3の…な。

 なら影時間が来ても不思議じゃない…いや、正確には影時間は来たらおかしいのだが…予想はできていた。

 しかし影時間ができる前からペルソナはあったので…関係はないとは言わないが、ペルソナがあるからといって影時間が来ることはないと思っていた…が予想だけはしていた

 

 まさかこのタイミングとはな…。

 

 聖天子様の護衛中に来ることになるとは思わなかった。

 

 

「聖天子様、これは少し異常事態ですね…とりあえずはぐれた人たちと合流を…」

 

 

 俺がそこまで言ったとき、聖天子様は俯きながら…小さな小さな…ほんの少しの雑音で掻き消えそうなそんな声で尋ねてくる。

 

 

「あなたは…どうしてそんなに落ち着いていられるのですか…? ここは…明らかに普通じゃないのに…あなたは…怖くないのですか?」

 

 

 流石、若干15歳にして国家元首…この光景を見て取り乱さずに俺に質問できるなんてな…。

 でも…やっぱり怖いか…。

 なんとか元気づけてやりたいなぁ…。

 俺に言えることだけ言うとしようか…。

 

 

「最初に護衛につくときに言ったでしょう? 『必ず守ります』って」

 

「!」

 

 

 聖天子様はその整った綺麗な顔をバッとあげ、俺の顔を見る。

 俺は微笑みかけながら続ける

 

 

「その守る立場の俺が、今も怖くても耐えているあなたより怖がってどうするんですか? 少なくとも、そんなんじゃあなたを守れないでしょう?」

 

 

 そりゃ俺だって怖いさ、影時間なんてはじめての体験だからな…。

 予想はしててもこんなに気味が悪いとは思っていなかったし、何かが来るかもしれないと考えると気が気じゃない…。

 

 けど彼女を守らなきゃならないしな…。怖がってても仕方ねぇし…。

 

 

「ありがとう…ございます」

 

 

 聖天子様は俯いてそういった…まだ怖がっているのかな?と思ったけれどどうも違うようだ…顔を赤くしていた。

 

 それからしばらく、とりあえず移動はせず、体力の消費が激しい影時間の中なので休むことにした。聖天子はベンチに座らせている。

 彼女が座るとまさしくちょこんって感じの効果音が付きそうな…いや、どうでもいいか…。

 しばらく休んでいると…

 

 

 突如、銃声が聞こえてくる。

 

 

「銃声?」

 

 

 俺は顔を上げ、銃声が聞こえた方を睨み付ける…。どうやら曲がり角の向こうから聞こえてくるようだ…。

 

 銃声は断続的に続いている…。いくつかのハンドガンが何回も発砲されているようだ…。

 

 曲がり角からこっちまでは十数メートルある…。

 

 

『う、うわぁぁぁあああああああああああああああああああああああ!!』

 

 

 悲鳴!? 弾かれたように袖から剣を出す、それと同時に聖天子も弾かれたようにベンチから立ち上がる。俺は今にも曲がり角まで走って行ってしまいそうな顔で曲がり角を見ている聖天子様を冷や冷やしながら見る。

 

 曲がり角から誰かが走ってきた…なにかから逃げているかのようだ…逃げてきたのは…。

 

 

「護衛の人?」

 

 

 俺は思わずつぶやく…この時間に入った瞬間はぐれた護衛の人の一人だった…。

 なんだ?何から逃げている?いやな予感がする…。

 

 それに銃声は『複数』聞こえたはずだ…ならばなぜ彼一人しかいない?

 ほかの人たちは…?

 

 曲がり角の向こうからは『鎖を引き摺る様な』不気味な音が響いてくる…。

 

 

「た、たすけ」

 

 

 彼は俺たちを見てそういったが、彼の声を最後まで聞くことは叶わなかった…。

 

 彼は言い終わる前に長く大きい猟銃に心臓部分を『貫かれて』絶命した。

 そして彼の命を『刈り取った者』は彼の後ろにいた…。

 

 脚の無い人間がボロキレのようなコートを着込み、布で顔を覆って眼だけを出し、長く大きい、普通の人間では到底扱えるはずのない銃を両手に持ったその者の姿は…

 

 

 

 

 

 

 

         俺の目にはまさしく…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

           死神に見えた…。






みんなのトラウマ死神タイプの刈り取るものさんです!
それにしても、刈り取るものさんよぉ…銃使えよ…なんで銃で胸を貫いてんだよ…というツッコミはなしの方向で…!

さて…これからどうなるんでしょうね?

奴はペルソナのゲームの中でも最強ランクの敵…さて、どうするか…



感想待ってます!

次回も頑張って編みます!


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7話

刈り取る者強いし…怖いし…


ということで刈り取る者とのバトルです


感想、本当にありがとうございました!


ゆっくりしていってね!


 護衛の彼を殺した刈り取る者はこちらを見る…。

 見られただけでも動けなくなるほどの恐怖…ゆっくりと猟銃が聖天子に向けられる…聖天子は恐怖で硬直し、動けてない…。

 ただずっと刈り取るものを見つめて目を見開き、体を震わせている。

 

 俺も体がほぼまったく動かない…。

 動け動けといくら命令しても体はまったく動かない…。

 

 刈り取る者の猟銃のトリガーにゆっくりと指がかけられる…。

 

 やばいやばいやばいやばい…!

 

(仮夢!)

 

 突如頭の中に響いた声、その声を聴いた瞬間体が弾かれたように動き出す…刈り取る者は銃のトリガーを引き、聖天子へ弾丸が飛ぶ。

 俺は右手に持った剣で聖天子へ飛ぶ弾丸を斬り、そのまま刈り取る者との距離を詰める。

 

 刈り取る者は俺の方へ銃口を向けるが、銃を向け、引き金を引くより早く、俺は銃を剣でぶっ叩く。

 

 いや、本当は斬るつもりだったのだが、あの銃、めっちゃ硬かった…。ので斬れずに叩いた形になってしまった…。

 

 銃を叩いて弾くと、刈り取る者はふわっと重力を感じさせない動きで俺との距離をとりつつ、俺に銃口を合わせてくる。

 

 まだ、スキル系のは撃ってきてないからな…今俺がもってるペルソナに戦闘系のペルソナはいない…。

 

 勝てる確率は…まあ、ほとんどないだろうな…。

 

 まあ、取り合えず、動けるようにしてくれた相棒に礼を言わないとな

 

 

(アリス、助かった、ありがと)

 

 

 心の中で、俺の心の中にいる金髪の少女に語り掛ける。

 彼女はアリス…もう一人の自分…みたいなものだ。

 

 

(お礼なんていらないよ、仮夢が死んじゃうと、私悲しいから…だからそうしただけだもん)

 

(助けてくれたのは事実だ、礼くらい受け取れよ)

 

(うん、じゃあ、ここから生きて帰れたらね)

 

 

 俺はそれを聞いて、にやっと笑って答える。

 

 

(おう、生きて帰ってやる、礼は受け取ってもらうぜ)

 

 

 眼前にいる刈り取る者を睨み付ける…刈り取る者はゆったりとした動きで、引き金を引く。それを見ながら銃口から体をそらしつつダッシュして距離を詰める。

 

 

「ふっ!」

 

 

 切り上げつつジャンプし、顔を横なぎにぶった切る…、そして斬った瞬間相手の胴体を蹴って後ろに跳び、距離を開ける…。

 あれ効いてんのか?

 

 全然傷跡もついてないし…ダメージ受けてんのか微妙だなぁ。

 

 

―――ゴゥ―――

 

 

 生物が出すとは思えない声が聞こえた瞬間、相手は俺のすぐ近くにいた…!

 マジか!?速すぎて見えなかったぞ!?銃が振り上げられる、超近距離で銃が発砲されるが、なんとか銃口をそらして防ぎつつ蹴りを入れる…。

 

 全然効いてねぇ…というかびくともしない…。

 

 

 銃口は俺の頭に定められているが、俺は射線から頭をそらし、胴体を斬る、斬るというより叩くという状態になっているが…。気にしない!

 

 

「効いてねぇ!!」

 

 

 思わず叫ぶ、本当に効いてねぇ!もしかしたらダメージにはなってるかもしれないけど、全然効いてないように見える。

 刈り取る者はふわっとした動きで俺から距離をとった。

 

 刈り取る者は相も変わらずふわふわと浮きながら俺に銃口を合わせようとする。

 銃の相手は近づいて銃口をそらしつつぶった切るってのが俺の戦い方だが…こいつはいくらぶった切っても効いてるのかわかんねぇしな!

 

 そう思いながらも距離を詰める、刈り取る者は右手の銃を振り、俺をぶっ叩こうとしてくる、そういう使い方かよ!

 と思いながらも体を右にそらしつつ冷静によける、避けた先には左手の銃による突きだったが、剣で弾く、刈り取る者はそのままふわっと一回転する…。

 回転する速度が速いのですごい速度で銃が振り回される。

 

 しゃがんでかわし、頭上を銃が通り過ぎた後、切り上げで斬る…やはり効いているのかまったくわからない。

 

 切り上げの後、蹴りを入れて体制を崩そうとするがびくともしない、それどころか俺のけりを無視して、刈り取る者の銃口は真横に向いている…。

 なぜ?と思い、銃口の向いている方向の先を見る。

 

 

「!?」

 

 

 銃口の先にはまだ恐怖で動けてない聖天子がいた…。

 まずい!そう思い、銃を弾こうと剣を振るが、奴はふわっと後ろへ下がり、それを回避する…。

 

 銃口は俺の方を向いている…回避できないわけではない…十分避けることが可能だ…だが、俺がよければ放たれた弾丸は寸分の狂いもなく聖天子に当たる…。

 

 そこまで理解した瞬間、刈り取る者の銃口から火花が散る。

 

 動けない、いや動けるが動けば弾丸は聖天子の体を貫く…弾丸を斬る、それは無理だ。銃を弾こうと剣を振り切った体制からまだ立て直せていない

 

 なぜだろう、周りの風景がとてもゆっくり見える…。戦闘時のアドレナリンの大量分泌でこういう光景になると聞いたことがあるな…。そんなことを他人事のように考えながら銃弾を見る…。

 そう、ゆっくり、ゆっくりと銃弾が俺の腹部に向かう…。

 

 ゆっくりと飛んできた弾丸は…俺の腹部に突き刺さった。

 

 

「がふっ!!」

 

 

 俺の腹部から鮮血が溢れ出す…。

 そして遅れて腹部に激痛が走る…意識が飛びそうになるのを必死に意識をつなぎとめる。

 

 弾丸が直撃した衝撃で一気に後ろに吹っ飛ばされる…。

 地面を一回バウンドし、聖天子の前くらいに転がっていく…。

 

 なんでよりによってそっちに飛ぶんだよ…怖がらせちまうだろうが…。

 

 腹からの血が止まらない…やばい…死ぬ…かも…。

 

 

「あ…ぁ…ごめん…なさい…ごめんなさい…私のせいで…」

 

 

 射線上に自分がいたことに気づいていたのか、何度も涙を流しながら謝ってくる…俺は右手で傷口を抑えているが、血が全然止まらない。

 

 女の子一人守れねぇか…俺…。

 

 こんな可愛い女の子泣かせちまったぜ…なんて他人事のように考える…一周回って頭ん中すっきりしてる…。

 目だけ動かして、聖天子を見ながら俺は口を開く…しゃべると腹が痛むけど、目の前で女の子が泣いてるのにほっとけるかってんだ…。

 

 

「お…い…」

 

 

 俺が声をかけると、彼女は俺の顔を見た…涙を流しながら…それでも彼女は顔をそらさず、俺をまっすぐ、悲しそうな目で見つめる…。

 

 

「こ…んな…ざまに…なっとい…て…説得…力…な…い…かもしれねぇ…けどよ…約束は…守るから…信じて…くれよ…」

 

 

 敬語が無くなっちまってるが、今はそんなこと気にしていられねぇ…。

 

 俺は左手で…震える手つきで懐から銀色に輝く銃を取り出す…。

 

 

「あんた…が…信じて…くれる…なら…お…れは…ま…だ……………戦えるから」

 

 

 口からも血が出始めた…視界がかすむ…だけど…諦めるわけにはいかねぇ…!

 まだ死にたくないし、何より、女の子を守れずに死んだなんて、あの世にいる前世の両親、この世界の両親のどちらにも顔向けできねぇからな…!

 

 

「私は…」

 

 

 彼女は震える声で話し出す…。

 刈り取る者はゆっくりと俺に銃口を合わせる…。

 

 俺もゆっくりと銀の銃の銃口を自分の側頭部にあてる…。

 

 

「私は…まだ死ぬわけには行きません…」

 

 

 震える声でそういって…。

 一度言葉を区切る…。

 

 そして、彼女は強い意志のこもった眼をする

 

「ですが…そんなことは関係なく…今は…あなたのことを…信じます」

 

 

 彼女は震える声ではなく、はっきりとした口調でそういった…。

 若くして国家元首になったとか、そういう肩書抜きで、彼女自身がそういう人なんだなと理解できる…。

 

 頭の中に声が響く…

 

 

 

              我は汝・・・、汝は我・・・

             汝、新たなる絆を見出したり・・・

 

            汝、”審判”のペルソナを生み出せし時、

             我ら、更なる力の祝福を与えん・・・

 

 

 

          さあ、我が名を呼べ…もう一つの名を…

 

 

 

 

            我が名は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺はそこまで聞き、引き金に指をかけ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

               精一杯の力で引き金を引く 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「         ペ      ル      ソ     ナ           

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                     メサイア          」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




聖天子様コミュは審判、そして手に入ったもう一人の自分はメサイア…


さて、ここから先、どうなるのでしょうね?



感想お待ちしております

次回も頑張って編みます!


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8話 白き救済者

 俺の目の前には白き救済者…メサイアがいる…。

 

 

 刈り取る者から放たれた弾丸はそいつによって防がれた。

 

 早くしねぇと俺が出欠多量で死ぬ…!

 回復魔法とかしてほしいなぁ…と思ったが、そんなことしてる内に刈り取る者に攻撃されたらその時点でアウトだ…。

 

 なら、急いであいつを倒す…とまでは行かずとも、撃退しなければならない。

 

 

「あれは…」

 

 

 聖天子は俺の枕元にへたり込んで茫然とメサイアを眺めている。

 

 俺は未だに地べたに仰向けで倒れたまま、メサイアと刈り取る者を見ている。

 

 声は掠れて何を言っているのか自分でも聞き取りづらいし声を出すと全身…特に腹が痛いが、それでも声を出す。

 

 

「メサイア………ぶっ飛ばせ」

 

 

 それくらいのお願いしかできなかったがメサイアはきちんと理解してくれたようだ…。俺の傷を治そうとすれば、その隙に刈り取る者は俺か聖天子を殺すことができる。

 だから、そいつを撃退するしか、俺が助かる道がない…。

 

 普通なら死んでるであろう出血量だが、なぜか死なない…ペルソナ能力の恩恵だろうか?しかし、そろそろ視界も霞んできたし、体が言うことを聞いてくれない…。

 唯一の救いは…まだ弾丸に打ち抜かれた腹が痛い…ということだろうか?

 痛いということはまだ生きている証だからな。

 

 メサイアは手を挙げ、羽を広げる…そして空を仰ぐ。

 

 すると三つの青白く光る、力の塊が天から落ちてきて、絡み合いながら地面で激突する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ピンッ…という音が響いた瞬間

 

 

  ドヴァッ!!

 

 

 

 

 

という爆発音のような…でもまったく別の何かということを感じさせる音が響く、視界は紫と白と青を混ぜたような鮮やかな閃光を放つ。

 メギドラオン…万能属性の最強技…。当たりの物はすべて吹き飛ばされ、消し飛ばされる…俺と聖天子はなぜか無傷だが…ペルソナに原理求めちゃいかんのだろうか?

 刈り取る者はそれを受け、怯む…。

 そして立て直し…しばらくこちらを眺めていたが、刈り取る者はなぜか背を向け、どこかへ消え入るようにいなくなってしまった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――おめでとう、奇跡は果たされた―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その瞬間…世界はすべてがもとに戻った…。空の色、ところどころにある血がたまったような地面の色、近くには棺桶のオブジェはなかったので、棺桶のことはわからないが…。

 

 気づけばメサイアも消えていた。

 最後に脳裏をかけた言葉…あいつと対峙しておきながらの生還…まさしく奇跡だったのだろうな…。

 

 

 助かった…そう思った瞬間、喉の奥から生暖かいどろりとしたものがのぼってくる…こらえきれずに口から吐き出す、その液体は真っ赤だった…。

 

 って…これ…血じゃねぇか…。やべぇ…これは…。

 

 意識が遠のく…。俺の周りは血だまりができていて、自分でもかなりやばい状況だということがわかる。

 聖天子が着ている純白の服が俺の血で汚れるのも気にせずに俺の顔を覗き込み、必死に…涙を流しながら何かを叫んでいる…けど聞こえない…。

 

 

「――――! ―――あ――の―――聞いて無―――! ―――生きてください!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 聞こえないはずなのに、生きてくださいはやけにはっきり聞こえたなぁ…。視界がかすんでいき…どんどんどんどん…落ちていく感覚がする…意識は水の底へ沈むような感覚で…。

 

 そして俺は…意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん…いてぇ…」

 

 

 ゆっくりと目を開けるが、その瞬間脇腹に激痛が走る…、ここはどこだろう…?

 そう思い、あたりを見回す…白い部屋、そして白い簡素なベット、腕にはなんか点滴…。

 そこまで見渡して気づく…。

 

 ああ、ここ病室か…。

 

 

「すー…すー…」

 

 

 俺の声とは違う声でとても穏やかな…でもどこか心配そうな寝息が聞こえる…。

 ベットの脇に、もたれかかり、寝ている白い髪の美しい少女がそこにはいた。

 

 寝顔は穏やかだ…時折顔をしかめることから、あまりいい夢を見ているわけではないらしい。

 

 少し迷ったが、寝ている聖天子の頭の撫でてみる。

 髪の毛はさらさらでずっと触っていたくなるくらいの気持ちよさだ。

 

 ちなみに迷ったのは国家元首の頭を撫でても不敬罪とかにならないだろうか?とかどうでもいいことを考えたからだ。

 

 

「おはよう…心配かけたみたいだな…ごめん」

 

 

 俺は仮面の道化師としてではなく、一人の個人、桐夜仮夢として話す。

 こんなに馴れ馴れしくしてもいいのかとは思うが、今ぐらいはいいだろうと、思う…。

 頭を撫でていると、穏やかな寝顔になったので、俺は病室を見渡す…。すると、俺の荷物がすぐそこのテーブルにおいてあった。

 召喚機もあったので、それを手に取る…。よくこんな危ないものを病室に入れてもいいって許可が下りたな…見た目は銃だから駄目だと思うんだが…。

 聖天子あたりがなんとかしてくれたのだろうか?

 

 まあ、ここに召喚機があることに感謝しよう…。

 

 召喚機を側頭部に持っていき、引き金に指をかける…。

 

 

「ペルソナ アリス」

 

 

 そういいながら引き金を引く。

 アリスがベッドの脇にひょっこり出てきて、無邪気に笑う。

 

 

「約束、守ってくれたね!」

 

 

 約束…生きて帰るって奴か…。

 まあ、そりゃあ守らなきゃ俺死んでたし。

 

 

「当たり前だ、そう簡単に死んでたまるかってんだ」

 

「うん…そうだね………じゃあ、そろそろ治そうか…ディアラハン」

 

 

 アリスがそういった瞬間、俺の腹の傷は大体治る…。

 ディアラハン…生命力の回復をする魔法…喪われた四肢などの再生はできないが、こういう怪我ならちゃんと効く。

 普通に動いても支障がないくらいには治った…。傷跡は残りそうだな…。まあ、気にしないけど。

 さてと…行くか…。廊下を通ったら多分誰かに止められるから…窓から外に出よう…。これならだれにも止められないだろうしな。

 アリスは丁寧にお辞儀して消えていった。

 

 窓に足をかけ、飛び降りようとしたとき…

 

 

「待ってください! まだ危険です!」

 

 

 うわぁ…起きちゃったよ…。

 チラッと後ろを見る…ベッドにもたれかかって寝ていたはずの聖天子はしっかり起きていた…。

 どうしようかなぁ…。

 

 

「いえ、傷はもう治りましたので…それに、今日で依頼(オーダー)は終了です。菊之丞様も今日ご帰還であると依頼内容にもあります」

 

 

 仕事モードで会話する。このまま帰らせてもらうのが一番なのだが…めっちゃ怪我のことを心配してらっしゃる聖天子様にどう説明したものか…。

 

 

「そ、そんなすぐに傷が治るはずありません!」

 

 

 信じてくれそうにない…仕方がないので傷が見えるように服を上げる…。聖天子様は顔を赤くしたが、それと同時に傷が治っていることに対してすごく驚いている…。

 まあ、普通はこんなすぐ治らんわな…。アリスに感謝しなきゃなぁ。

 

 

「そういうわけです、では、仮面の道化師、依頼達成いたしました、今後ともご贔屓に」

 

 

 そういい、丁寧にお辞儀する。

 さて、行くか…そう思い、飛び降りようとすると…

 

 

「待ってください!」

 

 

 呼び止められた…そろそろ行かせてほしいんですが…。

 と思いつつもちゃんと止まってしまう…体が勝手に動くんだ!なんでも屋やってると勝手にこうなるんだって!別に美少女に言いとめられてるからとかじゃないから!

 

 

「はい?」

 

 

 振り向かずに、すぐに窓から降りれるように準備する…ちなみにここは結構高いところにある部屋みたいだ…この病院クソでけぇな…。

 

 

「あ、あの…名前…教えてくれませんか…?」

 

 

 ?どういうことだろう…?名前…というなら仮面の道化師…と呼んでくれればいいのだが…。と思いつつ、沈黙で返すと、聖天子は少し慌てたように言う

 

 

「い、いえ…あの…なんでも屋としての名前ではなく…あなた個人の名前を教えてくれませんか? 馴れ馴れしく感じたのなら謝ります…でも、どうしても聞いておきたくて…」

 

 

 俺は聖天子の前のベッドに落ちるように二枚の名刺を投げる。

 聖天子は、その名刺を見る…。

 投げた名刺は…片方は…なんでも屋、『仮面の道化師』の連絡先。

 

 もう片方は…。

 

 

「桐夜…仮夢さん…」

 

 

 俺のプライベートの連絡先…電話番号とメールアドレス…。

 俺はプライベート用と仕事用でケータイを二つ持ってるからな…。

 

 

「そうだ、桐夜仮夢だ、暇だったら電話かメールでもしてくるといい、こっちは年がら年中暇で、たまに来る依頼くらいしかすることはないんだからな」

 

 

 俺は知り合いに話すかのような口調で聖天子に話しかける…なんでも屋、仮面の道化師ではなく、俺個人、桐夜 仮夢として…。

 

 聖天子はそういう意図がわかったのか、少し嬉しそうな声で言う。

 

 

「はい! ありがとうございます!」

 

 

 俺はそれを聞いてから、振り向き、深く優雅に一礼しながら…

 

 

依頼(オーダー)、ありがとうございました、依頼主(クライアント)様、今後ともご贔屓に」

 

 

 そのまま後ろ向きに、窓で倒れこむように落ちていく、落ちながら体制を建て直し、ペルソナ能力とか色々駆使して、その場から速やかに去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

         ―――回想終わり―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「仮夢さん?」

 

「ん?どうかしましたか?」

 

「いえ…何か考えているご様子でしたので…」

 

 

 少し思い出すことに没頭しすぎていたようだ…。

 まあ、そんなことがあったわけだ…。

 ん?アリスへのお礼?ああ…なんでも一つ言うことを聞く…って言うのがお礼だったのだが…まあ、何をお願いされたかは後々わかるだろう…。

 今はそれよりも…そう思い、思考を切り替える。

 

 

「すいません、緊張感が少しかけていましたね…」

 

「そんなことはありませんよ、大丈夫です」

 

 

 そう、今は仕事に集中しなきゃな…このまま何もなければ終わり、襲撃とかがありゃ…聖天子を守る。

 それだけだ…頑張るとするか!





刈り取る者に勝ったとはいいがたいですが、生き残れただけましと考えましょうか…。

護衛対象ありでの戦闘で生き残れたのですし、さらに新たなペルソナに目覚めたのですから、まあ、よかった…のでしょうかね?
大けがしましたけど…


     感想、待ってます!
ちなみに感想をくれるとやる気がUPします(笑)

次回も頑張って編みます!


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9話

 一日目の護衛は何事もなく終わった…強いて言えば、保脇という聖天子付き護衛の視線が明らかに敵意…いや、殺意のこもったものだったことくらいだろうか…?

 

 あいつには少し警戒しておかないとな…そう思いながら自分の家の玄関を開ける…すると?

 

 

「お帰りなさい、仮夢」

 

 

 金髪で真っ白い肌の幼女が笑顔で出迎えてくれた…。その笑顔は一発で昇天しそうになるくらいに可愛かった、ロリコン?いやいや、この笑顔見たらみんなそう思うって…。

 

 

「…ただいま、『アリス』」

 

 

 俺はそう返す…そう、アリスなのだ…あのアリスだ、死んでくれる?で有名なあのアリスだ。

 これがお礼だ、なんでもひとついうことを聞く、そして言われたことが…「私、もっとお外で過ごしたいの…できるだけでいいから、仮夢に無理がない程度で私を外に出してくれない?」だそうだ…。

 

 俺はペルソナ使用の練習にもなるのでそれをOKした。

 最初の方こそ、30分くらいでバテて、回復したらまら召喚を繰り返していたが、徐々にじわりじわりと召喚時間が延び、今ではほぼずっと召喚をしている。

 

 アリスを召喚して、今日で5日目だ…。それにあんまり疲れ無くなってる、今のところ限界は一か月間ずっと召喚ってのが限界だ。

 

 我ながら頑張ったと思う…。

 

 

「アリス、今日の晩御飯何がいい?」

 

「仮夢の作るものならなんでもいいよ?おいしいから」

 

 

 今の会話で大体わかったと思うが、アリスはなぜかご飯を食べるのだ…そう、食べるのだ…普通の女の子くらいの量を食べる。

 

 実は普段あんまり仕事の来ない桐夜家の家計は結構やばいのだ…今回の依頼も、金ではなく、違うものを要求したので色々やばい。

 

 まあ、闇金事務所の方の仕事の報酬がまだ残っているからしばらくは大丈夫かな…と思いつつ、ご飯を作る。

 

 

 

 普通に味噌汁と、野菜炒め、ご飯…そんな感じのご飯を作り。

 アリスがそれを運んで並べ…。

 

 二人で座る…。

 

 

「「いただきます」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ…仮夢の料理はなんでこんなにおいしいの?」

 

「知るかよ…アリスがそう思うからおいしく感じるんだろ?」

 

 

 アリスがご飯を食べ終わってから聞いてきた…そんなこと知らんのでそう返す…。

 アリスは人差し指をあごに当てて考える動作をする…。

 

 

「そうだね、仮夢が作るからおいしいのかもね」

 

「なんじゃそりゃ? まあ、どうでもいいけどさ…」

 

 

 俺はそう呟きながら紅茶を飲む…ちなみに紅茶は偉大な飲み物だと思う、カフェインを摂取することで眠気を飛ばせるし、何よりおいしい…。

 

 本当に偉大な飲み物だ…たまに高いのがあって、それを見ると買ってしまい、家計に響くが…まぁ、仕方のないことだろう…。

 

 アリスも紅茶が好きだ…だからいつも二人で色々話しながら紅茶を飲んでいる…のだが、いつも困ったことが起きる…それが何かって?

 すぐわかるさ…。

 

 

「ふ~…おいしかったぁ…」

 

 

 そういってコップを台所へ持っていくアリス…俺はまだ紅茶があったので飲んでいる…紅茶うめぇ…。

 とか思ってるとアリスがとことこ歩きながら帰ってきて、ばたんきゅーして、俺の膝を枕にして寝だした…。

 

 これだよ…アリスは紅茶好きなのになぜか紅茶を飲むと寝る…。

 カフェイン…入ってるはずなんだけどなぁ…。

 

 俺は紅茶のなくなったコップを机に置き、アリスをお姫様抱っこして部屋に運ぶ…。

 穏やかに眠っているが、紅茶飲んで眠るって…睡眠薬でも入ってたのだろうか?アリスはいっつも寝るからなぁ…。

 

 アリスをベッドに寝かせて、コップをしまいに戻り、しまい終わったら…。

 

 

―――トゥルルルル―――

 

 

 携帯電話の音が鳴る…プライベート用の方の…。

 電話の画面には『聖天子』と書いてある。携帯電話に出ると…。

 

 

『仮夢さん、今お時間よろしいでしょうか?』

 

「ああ、いいタイミングだよ…アリスも寝たしな」

 

『そうでしたね…アリスさんは仮夢さんと一緒に………羨ましい…』

 

 

 電話の向こうからそんな声が聞こえてきた…小声で言ってたが、聞こえた…いやいや、聞こえないようにしろよ…まったく。

 

 というか、どこか嬉しがってる自分もいるので、なんだか自己嫌悪に陥りそうだぜ…。

 まぁ、聖天子は可愛いからな、仕方ないな(確信)

 

 

「どうしたんだ?聖天子」

 

『いえ、お時間があるのなら、少し話しませんか?』

 

「別にいいぞ、暇だったし」

 

 

 そう言って、俺と聖天子は雑談をし始める…。

 

 

 

 

 

 

 ニュースとかでよくやってる政治的な問題についどう思うかとか訊かれたりする。

 俺はそれについて自分の考えを言ったりする…俺の考えをそのまま言うだけなのに、聖天子は「参考になりました」って言うんだよなぁ…しかもなぜか嬉しそうに…。

 

 そうだ、なんで嬉しそうなのか聞いてみよう、今も丁度俺の考えを聞かれて答えたところだったしな。

 

 

「なんで嬉しそうなんだ?」

 

『えっ?…その…ですね』

 

 

 ん?聖天子が言いよどむなんて珍しいな…。

 そう思いながら、聖天子がこたえを発するのを待っている。

 5秒間くらい言いよどんだあと、聖天子は答えた。

 

 

『えーっとですね…仮夢さんが、私と同じ意見で、嬉しいなと思ってしまってですね…。

 そ、それに、私には気づいていないところまで気づかせてくれるので…そ、その…えぇと…あぅ…』

 

 

 何この国家元首ちゃん、可愛い…。めっちゃ可愛い…ちょっと待て、よくよく考えたら俺の周り可愛い子ばかりじゃないか!

 なんていう役得! 一緒に住んでいるアリスをはじめ、友達の聖天子、暇なときに公園に行くと出会える夏世に命狙ってくる小比奈

 

 みんな美少女じゃないか!一番最後がなんか物騒だったけど気にしない、聖天子以外十歳くらいだけど気にしない!

 俺は決してロリコンじゃない!可愛いものが好きなだけだ、可愛いのはみんな好きだろう?そういうことさ…。

 

 

 こんなどうでもいいことを考えている間も聖天子は混乱して、何言ってるのかわからなくなってる…。

 完全に国家元首の面影なしだな…。

 

 

「聖天子、落ち着け…というか、今日はもう寝ろ…どうせ明日会えるだろ?」

 

『ぁう…そ、そうですね…今日はもう寝ます…で、では仮夢さん…また明日』

 

「おう、また明日な」

 

 

 そう言って電話をきる…。

 俺もそろそろ寝るとしようか… そう考えながら、ベッドに向かう…。

 

 さて、寝るか…俺は寝付きがいい方なので、ベッドに寝転がってすぐに寝た…いい夢が見れたらいいなぁ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「我は汝、汝は我   我は汝の心の海より出しもの、幽玄の奏者  オルフェウスなり

 

 タナトス、メサイア、アリス…この面子だと我はまったく役に立てない…(´・ω・`)

 

 

 コミュMAXはよ!はよはよはよはよはよはよはよはよはよはよはよはよ!!」<バンバン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ!? なんて夢だよ…」

 

 

 なんかオルフェウスが机バンバン叩きながら駄々こねてる夢見た…なんか微笑ましかったが…本当に思ってるんだろうか…?

 まぁ、確かにあんまり使いどころ無いよな…あいつ…ほかの奴らが強すぎて…。

 

 とか考えていると、なんだか布団の中に自分以外にもう一つふくらみがあるのと、なんだか暖かい…。

 

 まさかと思い、バッ!と布団をめくると…。

 

 

「はぁ…またお前か、アリス…」

 

 

 アリスが「すー…すー…」と寝息を立てていた…。すごく穏やかな寝顔で、凄まじく可愛い…。

 頭を撫でてやると、気持ちよさそうに少し微笑む…。

 

 

「まぁ…いいか…いい夢見ろよ、アリス」

 

 

 俺はそう呟いて、アリスに布団をかけて、自分もそのままもう一度意識を手放した…。
















感想待ってます!


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10話

更新遅くなってすいませんでした…!
待っている方がおられたら本当に申し訳ない!


感想ありがとうございました!


ゆっくりしていってね!


 みなさんは修羅場って知ってるか? いや、俺は知らなかったんだが本能でなんとなくわかってしまったよ…。

 

 今俺は聖天子様の護衛のために一緒の車に乗っている、真正面には聖天子様のがニコニコとした天使のような微笑みを浮かべながら俺を見ている。

 

 そして、俺の隣には金髪の少女、アリスが俺の腕を組み、ニコニコしながら笑顔で聖天子に見せつけるように引っ付いてくる。

 

 

 ど う し て こ う な っ た !

 

 

 怖い、何が怖いって?聖天子の微笑みとアリスの笑顔だ!

 

 

「アリスさん? 少し引っ付きすぎでは? 仮夢さんがいざというときに動けないと仕事できませんよ?」

 

「大丈夫だよ、聖天子。いざというときはちゃんと離れるから」

 

「そうですか…ならば心配はありませんね」

 

 

 怖い…聖天子の微笑みが怖い…アリスの笑顔が怖い…。

 二人の間に火花が散って見える…!

 マジ怖い…。

 

 というか、運転手さんの顔がすごいことになってる、めっちゃ緊張していらっしゃる。危なすぎる…。

 

 俺はあくまで平静を装って話す。

 

 

「聖天子様、もうすぐ目的地に着きますので、準備をしてください」

 

「はい、わかりました」

 

 

 聖天子も平静に…そう、めっちゃ冷静に返す…逆に怖い…。

 アリスもアリスでなぜか機嫌が悪くなるし…。というか、アリス、お前は死神のペルソナだから、起こるとしゃれにならんのだ!その辺ちゃんと理解しているかいyou!

 

 まあ、冗談じゃないけど…。プライベートな話はここまでにして…。

 

 いやな予感がするなぁ…。

 まあ、今回聖天子が会いに行く…話し合いをする相手がちょっとやばいやつというせいもあるのかもしれないけどさ…。

 

 というか…殺気を感じる気がしないでもないんだよなぁ…警戒しておくとしようか…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とまあ、色々警戒したものの、何も起こらなかった。今のところは…だけどな。

 目的地にはついたものの、しばらく待たなければならないらしい…。

 

 まあ、目的地とはいってもここは東京エリア、そこまで危険もないだろう…。流石にほかのエリアに行くのならちょっと危険もあるかもしれんが…。

 

 客間のようなところで聖天子に少しの間待ってもらう必要があるらしい…。

 ちなみに今回聖天子が合う予定の相手は、久津輪 創見(くつわ そうけん)、64歳、「呪われた子供たち」差別主義者の筆頭とも呼ばれるクズ爺。

 会ったこともあるし、依頼を申し込まれたこともあったが依頼内容が胸糞悪い内容だったから依頼を断った。

 

 結構ひどい断り方をしたので、めっちゃ嫌われている。まあ、正直、俺も久津輪は死んでもいい人種だと思う。

 俺は善人じゃないから、死んでもいい人間なんてのはいると思ってるからな…。

 

 聖天子は「呪われた子供たち」への差別をなくそうとしている…久津輪は「呪われた子供たち」差別主義者…まあ、言わなくてもわかるな?

 

 警戒しておいて損はないわけだ。

 

 俺は客間のような…豪華な装飾の施された部屋、そして広い部屋だが…まぁ色々豪華すぎて下手に触れないので、壁に背中を預けて立っている。

 アリスと聖天子は会話の聞こえない程度に離れたところで二人で座って会話している。

 なぜか近づくと「今は大事な話をしているので少し離れていてください!」「そうだよ!女と女の話を男がきくのはナンセンスだよ!」って言われたのである程度離れている。

 まあ、アリスはペルソナで人より感覚や身体能力に優れている…。そこら辺のイニシエーターにもひけをとらない強さだし、危機察知能力はかなり高いので、護衛向きだしこれくらい離れていても大丈夫か…。

 と、考えている。

 

 

「さてと…」

 

 

 俺は少し呟きながら、壁に預けていた背中を壁から離し、自分の足だけで立つ。

 アリスに「ちょっと出かけるから、悪いけど聖天子の護衛…任せたぞ?」と言って部屋から出る。

 

 俺は歩きながら、ペルソナ能力で強化された感覚を研ぎ澄ませて殺気、敵意を探る。

 

 車の中で感じた殺気を探しているのだ…。

 

 とりあえずまず初めに感じたのが、保脇たち聖室護衛隊の殺気。

 これもう明らかに敵意より上の殺気を感じる…。

 一応ついてきてはいるが、客間は別のところにわけられ、大変イライラしているのが手に取るようにわかる…。

 そしてもう一つが…。

 

 そう考えながら俺は前を向く。

 

 目の前には清掃員さんかな?掃除道具一式を持っている男性が歩いている…。

 

 俺がすれ違った瞬間、男性清掃員の手に持たれていた、モップから剣が引き抜かれいきなり後ろから斬りかかってくる…。

 大体予想済みだったので、ギリギリで回避しながら、振り向き、袖から折り畳み式の剣を出し、展開しつつ、峰で顔面をたたき、ひるませた瞬間仕込みモップを持った腕を関節を決めて捻りあげ、人通りの少ない所に無理やり連れていく…。

 

 

「よし、ここならいいだろう…話せ、誰の差し金か…まあ、大体予想はつくんだけどな…」

 

 

 どうせ久津輪だろ…?そう思いながら、『召喚機』を相手の側頭部に当てて脅す…。

 

 

「まあ、言うとは思ってないぜ? 目的は…そうだな、聖天子の暗殺じゃねぇか? 菊之丞様がいない今を狙って…さ」

 

 

 俺はにやにやしながら聞く…。

 召喚機をぐりぐり押し付けながら…。

 

 まだ関節を決めたままの腕をそのままひねりあげて腕が外れる寸前までやる…。

 

 

「あがっ!」

 

「ふ~ん…言わないのか…」

 

 

 となると…忠誠心が高いか、家族が人質か、それとも殺しのプロか…。

 この強さからしてプロはないな…。忠誠心か、人質か…。

 久津輪が忠誠心を得られるとは…思えないな…なんか、ほかのエリアの連中とつながってるって噂もあるし、金や権力は持ってるがな…。

 

 となると、人質だな…。多分だけど…。

 

 

「プロ雇わずに捨て駒にしたってことは…」

 

 

 ああ、こいつは陽動か…ってことは、今…本体が向こうに向かってるのか…。ちょいとまずいな…。

 陽動というより保険だったかもしれんし、捨て駒を一応という形で入れたのかもしれんが今はそんなの関係ない…。

 俺は男の腕を外し、首筋に手刀を振り下ろし、気絶させて物置のようなところに放り込み、閉じ込める…。

 

 殺した方がよかったかもしれんが…まぁ、人質で動かされているのなら、殺すと後味が悪いからな…。

 

 アリスが護衛についてるが、もしかすると…な?

 

 俺は急いで走り出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 見つけた…! 今まさに扉を開けようとしている…。

 というか、殺気を振り巻きすぎだ…!中のアリスも気づいていることだろう…。

 俺は走りながら呟く…。

 

 

「ペルソナチェンジ、タナトス」

 

 

 右手で折り畳み式の剣を展開しつつ、左手で召喚機を出し、自分の側頭部に銃口を当てる…。

 悪いけど消し飛ばす…!

 俺はそう考えながら、引き金を引く…。

 

 ペルソナを出すときのパリンッという何かが割れる音と足音で気づいた男はこちらを驚きながら見て、銃を向ける。

 

 まあ、いきなり走ってこられたらそら銃向けるわな…。何より、後ろにいるタナトスが怖いんだろうなぁ…。

 

 サプレッサーのついたハンドガンで撃たれるが、タナトスが勝手に銃弾を弾き落としてくれる。

 その男の右手にはペンタグラムが書いてあり、その上に一枚の羽根が書いてあった…。

 なぜか、覚えておかなければならない気がして、頭にくっきり残ったが…。俺はそのまま…。

 

 

「ブレイブザッパー」

 

 

 そう呟く…。タナトスは手に持ったその刀を振りかぶり…。

 

 次の瞬間には男の体は消えてなくなっていた…。

 ブレイブザッパー…威力高すぎだろ…。

 まあ、死体が残らないように結構力こめて撃ったからな…。

 

 

「流石に…ペルソナを二人同時に召喚するのはつらないな…」

 

 

 タナトスが具現化を解かれ、消えていった。

 俺は扉を開け、聖天子とアリスのいる部屋に戻る…。

 

 そういえば、使い捨てに使われたあの男はどうしようか…? いや、あいつも後ろめたいことがあるのだし、俺のことは言わないかな?

 まあ、放置しておいてもすぐに見つかるだろう…。

 

 部屋に入った瞬間、アリスに抱き付かれた…。どうやら女同士の会話とやらは終わったらしい…。

 聖天子が不思議そうにこちらを見て言った。

 

 

「どこに行っていたんですか?」

 

「少しトイレにな…。悪いな、護衛を離れちまって…」

 

「いえ、大丈夫です」

 

 

 とりあえず誤魔化しておく…。余計なことを心配させたりするわけにもいかんし…。菊之丞様には今度報告しておいたほうがいいかもしれんが…。

 いや、大丈夫…か?

 菊之丞様が知らない…ということは少し考えにくいな…。

 

 まあ、いい、それよりもそろそろ来るだろう…あのクズ爺…。

 さっき人を一人殺したことは…あとで存分に悔やむとしよう…今悔やんでも仕方のないことだし…な。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 流石に話し合いの場には政治家でもない俺が行くのは無理みたいなので、部屋の入り口でまたされている…。

 

 アリスは俺の服の裾を掴んで、ぼーっとしている。

 

 それにしても、久津輪のここに来た時の顔が…な。

 不思議そうな顔をしていた、大方、成功しても失敗しても大騒ぎになると踏んでいたのだろうが、騒ぎになっていないことに対して疑問を抱いたのだろう…。

 

 そして気になることが一つ…あの男の腕にあった、ペンタグラムに一枚羽…。

 はぁ…まだまだ面倒くさそうだ…本当の敵はガストレアなんかより、膨れ上がった人間の欲望と憎悪かね…。

 

 正直、ガストレアも人間も、どちらも怖いことに変わりはないものな…。

 

 今日で護衛は終了…聖天子の隣には菊之丞様が戻り、にらみをきかせるから安全…だろう。

 まあ、襲撃らしい襲撃は今回のあれだけだったからな…。

 

 とりあえず、今回わかったのは久津輪とペンタグラムに羽は関係がありそう…といったところか…。

 このマーク(ペンタグラムに羽)がなんなのか、知る必要があるな…。

 

 俺はそんなことを考えながら、聖天子と久津輪が出てくるまでの時間を過ごした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今回はありがとうございました」

 

依頼(オーダー)、ありがとうございました、依頼主(クライアント)様、今後ともご贔屓に」

 

 

 俺は聖居で聖天子とそんな会話をしている…。

 俺は言いながらしっかりとお辞儀する、アリスも隣でお辞儀している。

 

 聖天子は微笑を浮かべた後。

 

 

「ええ、またお願いするかもしれません」

 

「そのときはまたよろしくお願いします」

 

 

 俺も微笑を浮かべ、会話する。

 そして、聖天子に背を向け、歩き出す。

 

 アリスが満面の笑みで「またねー!」と言っている、聖天子とアリスって仲がいいのか悪いのかわからんな…。

 後ろを向いているのでわからないが、聖天子もニコニコしながら手を振っていることだろう…。

 

 さ~てと、ペルソナの二人同時召喚使って疲れたから、家に帰ってさっさと寝よう…。

 

 そう考えながら俺はアリスと一緒に帰路を歩いて行く。


















今回は少し五翔会のことを知った…
さて、仮夢さん…どう動くかな?

そろそろ原作開始すると思います!

感想待ってます!

次回も頑張って編みます!


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