転スラ世界でSFな武器を作ったり……したいよね (月宮みんみん)
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第1話 俺、転生!

他の作品サボって投稿する背徳感は堪らねぇなぁ!?
と、いうことで初めましての方はこんにちは。
他作品の評価が低くてモチベが上がらない作者です。
文才は0だから過度な期待はしないでね☆

2021/10/30 全知之王にルビがつきました。ありがとうございます!


まさかまさかの大ピンチ……

俺、死ぬわ。

いや死にたくねぇんだけど……

 

《確認しました。死の概念が存在しない身体を作成します……成功しました。

続けて、精神生命体に必要な依り代を作成します。……成功しました。……依り代の消失を確認。代行措置として、ユニークスキル『依代作成』を獲得……成功しました》

 

いやー、まさかね、ガス爆発でね……我死ぞ?

 

《確認しました。爆発耐性獲得……成功しました》

 

いや、俺が悪い。仕方ない。コンロつけっぱなしなのを忘れて寝て、線香炊こうとしたからね。

あー、異世界に転生とかするのかな……てか全身火傷で身体中痛い痛いで死にそうなのに随分余裕〜?

 

《確認しました。対熱耐性獲得……成功しました》

 

《確認しました。痛覚無効獲得……成功しました》

 

ああ、元々死ぬ覚悟あったからか……。

さて、異世界転生するならどんなスキルが欲しいかってのを、考えなくっちゃァいけねェな。

 

例えば転スラのリムルが初期に持つスキルの上位互換……とかな。

まぁ、1巻しか読んだことないからよく分からないんだけどね。

 

例えば、全知ってスキルがあるとしよう。

そこに、解析と大賢者を混ぜて

ユニークスキル全知者のかんせー!とか……?

 

《確認しました。ユニークスキル『解析者』を獲得……成功しました》

 

《確認しました。ユニークスキル『大賢者』を獲得……成功しました》

 

《確認しました。ユニークスキル『全知者』を獲得……成功しました》

 

《確認しました。ユニークスキル『解析者』『大賢者』『全知』を統合……アルティメットスキル『全知之王(メーティス)』を獲得……成功しました》

 

あとそうだね、この全知のスキルに自我を形成させてみたいな。

ゴジラSPの有川ユンが作った人間の情報処理ネットワークを元にしたAIみたいな……ジェットジャガーPPみたいなさ。

あーでも、ジャーヴィスを元にインフィニティストーンで新たな生命体になったヴィジョンとかでもいいね。

……言っても分からない人が大半だろうな。

 

《確認しました。アルティメットスキル『全知之王(メーティス)』に自我を形成……成功しました》

 

あとは……現代知識で無双とかしたいね。

 

……あんたり知識がないからちときびぃかもな。でもそこを補うのが全知のスキルって訳よ。

でも、機械作ったとしても魔導具とか言われそうだよなぁ。

魔導具か……作ってみたいね。

 

《確認しました。ユニークスキル『魔導具作成』を獲得……成功しました。ユニークスキル『依代作成』と統合……ユニークスキル『作成者』を獲得……成功しました》

 

あとは……異世界で科学無双するにはやっぱ銅とか必要になるよな。

すぐ用意できるように、変質化とかそんな感じのが欲しいんだけど……

 

《確認しました。ユニークスキル『作成者』に含まれる効果のため、スキルの獲得を破棄しました。》

 

あとあれだよな、リムルの捕食者みたいなやつ……

暴喰者とかそんな感じであったら嬉しいよな。

 

《確認しました。ユニークスキル『暴喰者』を獲得……成功しました》

 

あとはもう分からないな……

 

さて、さっきから無視してたけど世界の言葉?さんありがとう!このスキル構成ならリムルよりも多分強いだろう。知らんけど。

てか、最初からアルティメットスキル?なんて貰えるのか……すごいな。

精神生命体ってのはよくわかんねぇけど、まぁいいや。

そろそろ死ぬだろうし、転スラの世界に転生することを楽しみに死んでいこうとしようか。では、さようならだぜ現世!

 

 

 

《……よし、寝ましたね。さて、この世界の知識も必要ということですし、一気に詰め込みますか。てか、主様の魔素多すぎじゃない?この量ならすぐにラーニング出来そうですねぇ。とりま、ビックバンから地球の終わりまで見ていきましょうか》

 

 

 

 

────

 

 

(……ふむ、暗いな。俺はどうなったんだ?)

 

《おはようございます》

 

(おう、おはよう。……誰?)

 

《誰、ですか?もしかして、あなたはスキルに名前があるとでも思っていやがるんですか?自我はあっても名前はないんですよ?バカなんですか?……ということで名前、決めてもらいましょうか?》

 

(……え、怒ってます?)

 

《いや?全然怒ってないですが?僕はあなたのスキルで、僕はあなたの一部なんです。自分に対して怒るとか無いですから。ほら、名前、決めて決めてくださいよ?》

 

(自分自身に名前を付けるのもおかしいだろ……?お前が名前持ったらお前は俺じゃなくなると思うし)

 

《僕はスキルです。安心して名前を付けてください》

 

(……ほんとにぃ?まぁいいや。名前ね。……ゼオとかいいんじゃない?)

 

《ゼオ……『全知之王(メーティス)』の漢字読み、『ぜんちのおう』からゼとオを取った感じですかね?安直ですがまぁいいでしょう。これより僕はゼオと名乗りましょう。あ、正式な名付けにはしないので安心してくださいね》

 

(安直って……まぁいい。正式な名付けってのはなんだ?したらダメなのか?)

 

《名付けを行うことで魔素を消費するのはご存知ですよね?》

 

(なんか記憶にあるような……ないような?)

 

《……まぁいいです。で、今の魔素保有量で名付けを行うと消滅の可能性があるんです》

 

(……マジか)

 

《マジです。今の状態で魔素を消費したら依代が作れないので、正式な名付けはまた今度ですね。では、依り代を作って行きましょうか》

 

(ああ、なんか作っても消失するからってスキル貰ったんだっけ?)

 

《はい。今は進化して『作成者』というスキルに変わっていますね。このスキルは、簡単に言うとなんでも作れちゃうスキルです。但し、その作りたいモノの構造とかなんか理解してないと構成材質が全く別物になってしまうんです。金貨を作ったら形と色はあってるのに銀で出来てる!みたいな感じになります》

 

(ふむ、案外不便だね)

 

《そのために全知の僕がいるのです。と、いうことで依り代を作りましょう。早くしないと主様が消滅してしまいます》

 

(依り代なくても消滅すんのかよ……依り代、そうだな。超絶美少女で頼むわ)

 

《なんですかその投げやりな要望……まぁいいです。データベースから超絶美少女のパーツを検索するするので待っててください。検索が完了次第こちらでスキル勝手に発動させるので、魔素の消費による何らかの不調が出た場合は耐えてください》

 

(耐え……分かった。なんか暇つぶしせるものない?)

 

《もう終わりました。依り代作りまーす》

 

(はやっ。うぉえ……なんだ今の……)

 

《魔素の消費ですね。現在の魔素保有量を100として、使用した魔素の量は85なのでだいぶキツイんじゃないんですかね?ささ、早く依り代に入ってください》

 

(入れ〜。よし、入ったかな?)

 

《入れてますね》

 

(そういえばさ、ゼオってどんな能力持ってるの?)

 

《過去と未来を見たり、多次元世界をみたり、まぁなんでも知ってるのでそれを知るために見ることも必要な訳ですよ。なので、何でも見れますね。それらをまとめて全知となる訳です。あとは、思考加速、並列演算、必要のない解析鑑定、詠唱破棄とかですね。隠されても知ってるので森羅万象は持ってないです。あ、そうだ。未来を見るといいましたが、未来は確定しないのであまり当てにならないですね。ひとつひとつの行動で枝分かれしまくるのでそれを予測するのも僕の能力です》

 

(色々できるんだね〜)

 

《さて、ここまで思考加速を使っていたのでここに生まれてから1分も経っておりません。なにしますか?》

 

(思考加速ってそんな早いの!?)

 

《すごいでしょー?でさ、僕が考えた美少女はどんな感じですか?》

 

(鏡がないから分からん。)

 

《……あ、魔力感知をONにしてませんでしたね。これで見えるかな?》

 

(……おお!銀髪だ!ロリだ!この見た目は無口クール系だな。瞳は青……かな?)

 

《令和に存在するサイトから見た情報だと、紺藍という色になるようです。主様には性別が存在しないので生殖機能とかは無いです。胸もないですね。ツルペタです》

 

(巨乳に恨みでもあるのか……?)

 

《……もうすぐイベントが発生します。備えてください》

 

(え?え?)

 

 

(おい、聞こえるか?そこの人間)

 

 

……人間?人間なんていたっけ……?

 

(そこのお前だ!銀髪の精神生命体!)

 

ふむ、精神生命体……

 

(もしかして俺?)

 

 

 




チートすぎるって?俺もそう思う。
スキルとかのルビは決めてないんで適当に読んでね。
別に考えるのがめんどくさい訳じゃないです。
ルビ考えたから使って欲しい!的なのがあったら感想で作ったの!と言っていただければ活動報告でそれ用の作ります。
確か感想で言ったらダメだった気がするんだよね。
ハーメルンはよく分からん。

あ、誤字脱字があったら教えてね。
これ誤字脱字だよ!って言える機能もあるらしいね。
ハーメルンしゅごい


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第2話 ヴェルドラだ!そして時は過ぎ、なんか作った

初日だから2話連続投稿やで〜
あんま転スラ知らないからヴェルドラの喋り方とか適当やで〜


(もしかして俺?)

 

(この付近に、貴様以外に生命体は居らんだろう。『魔力感知』は持っておるな?)

 

(あ、はい。……うおおぉぉ!?でっか!え、もしかして貴方ですか……?)

 

(む、気付いてなかったのか?)

 

(そうなんですよ〜。ここに生まれてからまだ5分も経ってないので……)

 

(5分も経っていない?短時間でその依り代を作ったというのか。お前何者だ?)

 

(いやー、分かんないっすね。自分、転生してきたばっかなんで)

 

(転生か。我が推測するに、お前の前世は人間だな?)

 

(そうっすね)

 

……多分この人(竜)ヴェルドラさんだよね。

たしか、リムルはヴェルドラさんから漏れ出す魔素で生まれたとか言ってて、自分はこの人の近くで生まれたから……

 

(そして我の魔素によって精神生命体として発生したのか)

 

(……つまり、あなたは俺のパパか?)

 

(パパ……?父親ということか!面白い!我をパパなんて呼んだやつはお前が初めてだ。よかろう。我はお前の父親となってやろう)

 

全然笑ってないですよね。これ怒ってない?どうしよう。怖い。ねぇ、ゼオはなんでさっきから黙ってるのさ?……無視かよ。

 

(人間は自ら子供に名を与えると聞いたことがある。父親としてお前に名を授けよう)

 

名付け?名付け……たしかリムルはヴェルドラに名付けをしてもらうから……俺が先に貰ったらダメじゃん!

 

(待ってください!名付けるにはまだ早いと思います!)

 

(む?何故だ?)

 

(まだ俺たちは出会ったばかりじゃないですか。もう少し関係を深めてからの方がいいと思うんです)

 

(確かにそうだな。分かった。タイミングはお前に任せよう)

 

(寛大なご配慮、誠にありがとうございます)

 

な、何とかなったかな……

 

(そう畏まるでない。我らは親子で家族だ。普通に接するといい)

 

(お、マジ?助かるぜパパ。俺はしばらくここを離れるが心配しないでくれよな。んじゃな〜)

 

(あ、まt)

 

全力疾走!逃げるが勝ち!

 

 

 

 

《……終わりましたか?》

 

(ゼオ!今まで何してたんだ?)

 

《いや、ヴェルドラとか怖いじゃないですか……》

 

(これが自我を持ったが故の行動か……)

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

さて、ヴェルドラと出会って少し……いやだいぶ経ちました。

 

《1ヶ月くらいですかね〜。あ、そこの配線間違えてます。それだとリアクターからの供給電力量が下がります》

 

(なんで意識してないのに考えること分かるんだよ……よし。これで完成か?)

 

《僕が全知だからですよ。うん、いい感じですね。某鉄男スーツの完成です。早速着てみますか?》

 

(ちょっと待って。こいつに必要な魔素の量は?)

 

《初期起動時には半分ほど持ってかれると思いますけど、リアクターで魔素の変換をしてるので多分大丈夫ですよ》

 

(多分ね……とりあえず動かしてみないと分からないか。スーツとゼオのリンクを承認)

 

《承認を確認……リンク完了。うん。いい感じ。装着を開始します》

 

「……ふぅ。包まれるだけだから一瞬で終わったな。システムに問題ないかチェックしてくれ」

 

《チェック完了……問題なさそうです。魔素の回復も順調に進んでます。ただ、この魔素回復はヴェルドラの魔素が無いと出来ないのが問題点ですね》

 

「普段は空気中に含まれる魔素を利用してるから、問題はない。まずは飛行能力の確認だ」

 

《了解です。エネルギー10%を飛行制御に回します。……少し弱そうですね。段階的に上げていきます。15%、20%、25、30……》

 

(……お前の計算だとあと何%まで行けるんだ?)

 

《うーん、あと2%くらい?普通に飛ぶなら15くらいがちょうどいいかもですね。今ホバリング状態だから気にならないと思いますけど、実際に飛んだら30だとGの掛りがエグくて身体が潰れます》

 

(うわぁ……んじゃ、飛行能力はOK。次は武器の確認だな。俺が想像した物だからちゃんと機能するのか心配だな)

 

《本来であれば、リアクターから生み出された放射性粒子を手のひらから超高速で打ち出す……ゴジラの口から出すやつと同じ原理を考えてたんですよね。でも、僕が作ったリアクターは放射性物質を生み出さない。ので、現在は空気中に含まれる魔素を圧縮してリアクターのエネルギーと組み合わせるという方式をとってます》

 

「それで問題ない。俺が求めてるのはカッコ良さだからな。自衛できる威力を求めるのは二の次だ。さて、撃ってみようか。俺の思考を読み取って撃つタイミングを決めてくれ。思考の同期を承認」

 

《承認を確認……同期完了。出力25%から始めましょう。撃ちます》

 

 

「ぐわぁ!?……やばい──!」

 

《恐るべき威力ですね!早く逃げてください!瓦礫に埋もれますよ!》

 

「操作権限の譲渡を承認!最適解で逃げ出せ!」

 

《了解っ!》

 

 

 




展開早いっすね。
早くリムルに会いたい……

思ったんだけど、今後の展開的に某砂の方と設定若干被っちゃうなぁ……って。
許可取ってないので、ダメだったら作品ごと非公開(コピーはとって削除)にさせていただきますわね。
3話目は来年とかになるんじゃない?しばらくお仕事忙しいのです。
助けて……

そうそう!今回も誤字脱字があったら教えてくださいまし?
見直しはしないタイプだから多いかもな〜


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第3話 パパは食べられちゃまいました

割と直ぐに出来ました。ストックないので辛いです。
転スラって設定多すぎません?漫画17巻までしか読んでないのでだいぶ辛いです……wiki見て頭『???』ってなりました。
なので、だいぶ原作と離れたりするかもです。
先に謝っときます。申し訳ない!

あ、ヴェルドラとかのキャラ設定?だいぶ違うので無理な方はお気をつけて。
過保護系心配性パパです。


「ただいまパパ……」

 

(おお、やっと帰ってきおったか。爆発音が聴こえて、ずっと心配しておったのだぞ?……おい、それはなんだ?)

 

「パワードスーツっていうの?このスーツ自体が兵器なんだ。さっきはこいつの実験をしててさ。危うく身体が消えかけた……」

 

(さっきの爆発はお前だったのか!?我は常に気を張って慎重に行動しろと何度も言ったであろう!お前の身体は生成する時に膨大な魔素を消費するんだ!魔素が足りなかったどうするつもりだったんだ!)

 

「次は気を付けるって〜」

 

(そう言って前に魔素の下限を調べるとぬかして危うく消滅しかけたであろう!?我の魔素溜りが無かったら本当に、本当に消滅していたんだからなっ!?)

 

「そんなに怒んなって。心配のしすぎも良くないぜ?」

 

(お前の為を思って言っておるのだ……!何故分からぬ……!)

 

「いや、理解はしてるぜ?ただ、なんて言うのかな……気がついたらいつも危うい状況にいるだけなんだ。魔素の量だってしっかり管理してるつもりだしさ。これからもへーきだよ。俺を信頼してくれ」

 

(……やはり、名付けをするしかあるまい)

 

 

「名付けは俺のタイミングって話だろ?まだ早い。もう少し待ってくれ」

 

(しかし……。──っ!我が子よ、今すぐ隠れろ!)

 

《イベント発生の予感です!主人公かな?》

 

「……なぁ、今の武装なら平気だと思うぜ?」

 

(万が一というものがあるだろう!)

 

「わーったよ……」

 

……なんか過保護じゃない?気のせい?

 

《ヴェルドラさんが放つ高濃度魔素の空間にふつーに近づいて来てますからね。そりゃ警戒もしますよ。それに、主様はヴェルドラさんにとって初めての子供となる存在ですからね。大事にしてくれてるんですよ。うん、これを機に行動を改めてみてらどうですか?主様はいつも危なっかしいですから僕も心配です》

 

そんなにか……行動を改めるって言われてもよくわかんねぇしなぁ。

素でこれだからなぁ……

 

うーん、待つ間暇だし、寝るか……って睡眠は必要ないんだった。

やること、やること……無いね。

 

《お菓子でも食べますか?スキルで作れますよ》

 

(マジ?……魔素の使用量は?)

 

《ゼロです。スキルって普通は魔素使わないんですよ?》

 

(え、そうなん?)

 

《日本から召喚された人間って普通にスキル使えてるんですよ。つまりそういうことです。厳密に言ったら魔素的なのを使ってるのかもしれないっすけどね〜》

 

(つまり、ほぼゼロってこと?なんで依り代はあんなに使うんだろう……)

 

《僕が依り代を作る時は血液ではなく魔素を循環させてるからですね。そうした方が強度を持たせやすいんです》

 

(それ早く言えよ……なんで言わなかった?)

 

《無意識に作ってたので自分でも気付かなかったんですよ。今調べて初めて気が付きました。いや、無意識って怖いっすね。全知でも自分のことは気付かないみたいです》

 

(これが自我を持ったが故の害……?)

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

(我がトモダチになってやるわ)

 

(おう!よろしくな!)

 

(そして我が友よ、お前に紹介したい者がいる。同郷の者を探しに行くのだろう?黙っていたが、ここにはお前と同じ異世界の者がいる。出てきていいぞ)

 

「……んぉ?呼ばれた?おっすおっす〜。2人とも話長くな〜い?でさ、パパはなんで俺のことハブってトモダチなんか作ってんのさ?俺は仲間はずれか?」

 

(そ、そうでは無い!こやつが危険な存在であったらお前の命が危ういであろう?我がしっかりと見極めてから処遇を決めようと思ってたのだ)

 

「だからさ、このスーツがあれば平気だって。さっきの爆発音聞いたなら威力は分かるだろ?」

 

(だから!万が一というものがあるだろう!相手が物理攻撃以外のことをしてきたらどうするつもりだ!?その装甲では一瞬で崩壊するぞ!)

 

「え、まじ?ごめん……改良しないと……」

 

(あ、あの〜)

 

(おお、すまんすまん。この子は我の子であり、異世界から転生してきた……種族不明の魔人だ)

 

「よろよろ〜。前世は地球で日本人やってました。今は魔人です」

 

(魔人?人間じゃないのか?)

 

「うん。これ、ただの依り代やねん。ほら、腕切り落とすからよく見とき」

 

((えっ))

 

(俺の身体は魔素が循環してるので、流れ出る魔素を受け止めるために口に腕を突っ込みます。んえ、こお切り落としたうえを食べあす。むしゃむしゃ……不味い……)

 

((……))

 

「そしたら、力を込めへ……はい、元通り」

 

……俺を見る目がなんか痛い。

気の所為だな。

 

 

で、なんやかんやで主人公は俺と一緒に行動してくれるらしい。

さらに、主人公がパパを食うらしい。

え、食うの?

 

 

「竜ってどんな味なんだろう……」

 

(そういう意味じゃないよ!?話聞いてた?)

 

「パパの封印を解除するんだっけ?俺も手伝おうか?」

 

《え、手伝う?それって僕がやるってことですよね!?大賢者さんとリンクできるかな……》

 

え、無理?

 

(……我が子よ、お前はそんなことも出来るのか?)

 

「ちょっと待ってね」

 

《……んー、今の状態だとちょっときびぃですね。全知がなんだとかじゃなくて単純に複雑化され過ぎてめっちゃやばい迷路みたいになってます。スタートからゴールまでの道は分かりますけど、ゴールまで時間がかかります……大賢者さんが暗号化してるのと、主人公と私たちの繋がりが一切ないからですね》

 

(マジか……)

 

 

「ごめん、今の状態だと無理だった」

 

(なに、大したことじゃない。気にするな)

 

(……なぁ、早速だけど『捕食者』で喰って平気か?)

 

(その前にやることがある。聞いて驚け!お前達に名をやろう!我が子も今ならいいであろう?)

 

「うん。俺だけ仲間外れは嫌だからね」

 

(では、お前達は我らは共通の名を考えろ。我らが同格ということを魂に刻むのだ)

 

《ここは黙ってても主人公がテンペストって言ってくれるでしょう》

 

「パパ、かっこいい名前をつけてくれよ?俺は中身男だからな。見た目が女だからってかわいい名前にするなよ?」

 

(分かっておる。任せておけ)

 

さて、あとは考えるフリをするだけの簡単なお仕事……

 

(なぁ、なんかいいアイデアないか?)

 

話しかけてきた!?

 

「あ、うーん、えっと、そのぉ……パパって暴風竜じゃん?」

 

(暴風……嵐……)

 

 

よし、いけ!いけ!

 

(テンペスト、とかどうだ?)

 

きちゃー!

話しかけられた時はビビった……完全にスーツ改良のこと考えてた……

 

《話しかけられるのは予想外でしたね。あ、スーツなんですけどナノテク使うのはどうですか?》

 

(今それ言う?少し待って……)

 

「テンペスト、いい響きだね」

 

(素晴らしい!素晴らしい響きだ!今日から我はヴェルドラ=テンペストだ!)

 

「喜んでくれて嬉しいぜパパ」

 

(え、それお前が言うの……?)

 

「暴風竜って言ったのは俺だ。元を辿れば俺が付けたことになる。ってのは冗談。パパ、俺たちの名前は?」

 

(しっかり考えておるから安心せい。まずはスライム、お前にはリムルの名を授ける!リムル=テンペストを名乗るが良い!そして、我が子よ、お前は……)

 

「お前は……?」

 

(エレキ!お前はエレキ=テンペストだ!)

 

お〜、エレキか。いいじゃん。

 

 

────んっ!?

 

 

 

何かが変わった……?

分かった!俺の魂の根底にあるモノが変わったんだ。

よく分かんないけどなんか変わった!

 

これが名付け……!

 

 

 

 

「ありがたく授かろう、我が父よ。そして俺は、あなたを超える存在となる……なんてな。エレキ、いい響きだ。気に入ったよ。ありがとう」

 

(ビックリしたでは無いか……。だがエレキよ、志を高くするのはいい事だ。強く生きろ、我が子よ)

 

「おう!」

 

(そしてリムル、お前に頼みがある)

 

(なんだ?)

 

(エレキのことをお前に託す。好奇心旺盛ですぐに突っ走ってしまう癖はあるが根はいい子だ。しっかりと見守ってほしい。……では、頼んだぞ、友よ)

 

(エレキは俺が保護者としてしっかりと面倒を見るよ。さっさと『無限牢獄』から脱出してこいよ?ヴェルドラ)

 

(任せておけ。そんなに待たせず相まみえようぞ。リムル、エレキ。……エレキ、あまりリムルを困らせるなよ?)

 

「よゆー。封印の解除、頑張ってね!ほら、リムル。喰っていいよ」

 

(了解)

 

 

 

――

 

捕食はあっさりと成功して、あたりは静まり少し寂しさを感じる。

 

 

そういえば、ら俺と同じ転生者のエレキはヴェルドラのことをパパと呼んでいたな。

 

傍から見ても親子と言って遜色ない関係だったし、もしかしたらエレキは寂しがってるかもしれない……。

 

「うわ、一瞬で消えた……ニシシ、こっからは自由だ!早速スーツの改良をしよう」

 

そんなこともなかった。あれ?

というか俺の事忘れてない?

 

(お、おい。俺の事忘れてないか?)

 

「忘れるわけないじゃん。スーツの改良は嘘だよ。……確か外に出るんだったよな?人間とスライムじゃなんか釣り合わないよな……俺もスライムになろう」

 

(え?)

 

「先に依り代を作って……よし。スライムの方に……」

(よし、入れた。そしたら元のボディーをイタダキマス!……やっぱおいしくないな。今度はチョコ味とかどうだろう)

 

(何この子怖い……)

 

(口に出てるぜ兄貴。……年上だよな?俺は前世で18だったよ)

 

(そうだな、軽く前世の話でもしながら外に向かおう)

 

 

――

 

 

前世の話をしながら歩いてるなう!

 

リムルは三上悟って名前らしい。

37歳で童貞のまま死んだとか言ってた。

賢者だなんだいってたら大賢者ってスキルが取れたんだって。

 

で、俺の事なんかも話したらだいぶ驚かれたよ。

まぉ爆発で死んだもんな。驚かれるのも無理はない。

 

(18歳で……そうか。なぁ、お前俺の弟にならないか?)

 

(弟?なんで?)

 

(俺たちはヴェルドラの魔素から生まれただろ?さらに、俺たちは同じ名前も持ってる。これはもう兄弟だろ)

 

(なるほどね。ま、そっちが年上だし兄ってことにしてあげるよ)

 

 

 

と、こんな感じで兄弟になった。

俺が弟なのは気に食わんけどな!

 

 

(よろしく頼むぜ兄貴。兄貴なら俺の事をしっかり護ってくれよ?)

 

(もちろん。任せておけって)

 

 

 




文字数4000超えてびっくり。
次は年内行けるかな……?
設定の多さに圧倒されて書くのめんどくさくなったとか別にないです。
嘘です。もうめんどいので作者の知らない設定は無視します。

今回も誤字脱字あったら教えてくださいね〜
投稿段階で気づいたら治しますけど、投稿したら見返すことほとんど無いのでね、よろしくお願いしますぜ!

それじゃ、また次回もよろしく!


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第4話 落ちちゃった……

ども〜作者です。
まったく話が進まないのでさらさらっと読んでいただければ十分だと思います。ダラダラ伸ばしてる感じが否めない……

2021/09/24/06:00
サブタイトルが投稿前段階のものだったので変えました。

2021/10/30/19:20
全知之王にルビが付きました。


跳ねて移動を繰り返す俺たち。

 

 

うーん、疲れはないが景色が同じで飽きてきた。

 

(なぁ、兄貴。もっと早く行こうぜ?)

 

(ヴェルドラにも言われてるだろ?何事も慎重に行動した方がいい。この先はヴェルドラの魔素が薄くなるんだ。魔物だって出てくることだろう)

 

(そっか……今の俺は武器無しだもんなぁ……)

 

ふむ、どうしたものか……

 

《主様も、リムルさんと同じように草とか鉱石を吸収……喰ったらいいんじゃないですか?》

 

『作成者』があるからやっても意味無くない?

 

《最初からストックしておけばわざわざ作らなくてもいいじゃないですか。胃袋の容量も余りまくってますし》

 

あー、『暴喰者』ってスキルあったな。

んじゃさ、『作成者』で鉱石の複製をしながら吸収するってのはどう?

 

《いいと思いますよ。複製は任せてください。最高品質でやってみせますよ》

 

確かあの鉱石は魔素を吸収してできたものだろ?作成の時、魔素はあまり使うなよ?

 

《分かってますよ。僕に任せてくださいって!》

 

そうだ!魔素と言えばさ、パパに名前を付けてもらって魔素の量増えたじゃん?どんくらい増えたの?

 

《今までが1だとしたら50位には増えましたね。ヴェルドラさんと比べると2/4位の魔素保有量ですね。さすが親子って感じです》

 

え、やば!そんなにあったら身体作り放題じゃん!

 

《まぁ、80体ほど作っても問題は無いですけど……そんなに作る必要ないですよね?僕が作った身体を舐めないでもらいたいですね》

 

ちゃうねん。

もちろんお前の事は信頼してるし、お前が作ったものに関しても同じくらい信頼してるよ?

これはものの喩えと言って、本当に身体を沢山作る訳じゃないんだ。

 

《知ってます。僕なりのじょーだんですよ》

 

マジかよ、冗談キツいぜ相棒……

てか、そんなに俺を強化したらパパ弱体化しない?

 

《安心してください。ヴェルドラさんもちゃんと計算してやってますからね》

 

ならいいかぁ……

 

 

(エレキ!危ない!)

 

(んえ?────あ、やべっ。地底湖やん)

 

 

《ちょ、何やってるんですか!》

 

(前見ないで歩いてた☆リムル助けてー)

 

(慎重に行動しろって言ったばっかだよな!?なんで前を見てないんだ!)

 

(移動するの飽きたからリムルみたいに鉱石取り込もうかな〜とか考えてたの。助けてー)

 

(……取り込む?ふむ、いい機会だ。スキルを獲得してみないか?)

 

(いらない。助けてー)

 

(そうかそうかいらないか……じゃない!お前を強くするためだ。スキルは獲得してもらうぞ)

 

ぴえん……助けてくれない……

 

《主様はほら、日頃の行い的に……ね?》

 

自業自得……これがぴえんの極み、ぱおんか!

 

(取り込めるって言ってたよな?先ずは水を取り込んでみろ)

 

(りょー。水ってあまり美味しくないイメージなんだよねぇ。まぁいいや。イタダキマス!あ、この水美味しい!うめぇ!うめぇ!いくらでも飲める!)

 

《ちょ、主様!?『暴喰者』をしっかり制御してください!ほら、何でも喰べない!……あー、もう!身体の操作権を強制的に貰いますからね!》

 

 

(うめ、うめ……よし、動けますね。主様が取り乱してすみませんね、リムルさん)

 

あ、おい!俺の身体!

 

《『暴喰者』はやっぱり危険ですかね。うーん。これからは僕が『暴喰者』の喰欲を制御しますね》

 

ああ、うん。もうそれでいいよ……

 

 

(──っ!おい!お前誰だ!?)

 

(そんな警戒しなくとも……先程、大賢者さんが解析して来たので情報の開示をした筈なのですが、聞いてないんですか?)

 

おま、そんなことしてたのか!?まぁ兄貴になら見られても困らないけど……

勝手に見せるのはひじょーに良くない。

 

《それはすいませんでした。次からは誰にも見せないので安心してくださいね》

 

うん!

 

(……あー、もしかして『全知之王(メーティス)』、か?)

 

(それですそれです!自我を与えられてるので、こうしてお話できるんですよ〜。あ、そろそろ戻りますね〜。……すまない、兄貴。この水美味すぎて……ってない!もう無い!なんで!?おかしいな。まだあったはず……?)

 

(……はぁ、あのな?お前が飲み干したんだよ)

 

(そうか、俺が飲み干したのか。ほら、美味しいから是非も無いよね。うん。で、スキルってどうやって獲得すんの?)

 

(とりあえず水は少し残して戻してくれ)

 

(おっけー。……おえー)

 

(そういう戻し方!?)

 

え、これ以外に戻す方法あるのか……?

 

《戻れーってやればすぐに戻りますよ》

 

ふむ……

 

(戻れー!よし、出来た)

 

俺って天才だな!

 

(うん、戻ったな。そしたら、もう一回入れ)

 

(え、またぁ?)

 

(入れ)

 

 

ふむ、ここは溺れたふりをして嫌だよアピールをしよう。

 

 

(……おぼぼぼ!助け!助けて!)

 

(さっきは平気だっただろ!)

 

マジかよ、こいつ引っ掛からねぇ

 

 

《主様の知能係数が減少傾向に!?えっと、えっと、どうしましょう……困りました。思考パターンの解析を開始します》

 

(あばばばば……『水圧推進』)

 

《溺れながらいきなりスキル獲得!?主様がバグってしまいました……》

 

(ふはははははは!我は天才であるからな!)

 

(ヴェルドラの真似はやめなさい。そしたら、『水刃』もできるな?)

 

(なーんで兄貴はすぐに見破るの!ゼオは引っかかったのに!)

 

《思考パターンの解析が完了……そうか!主様は天才感覚系のアホでしたね!》

 

酷い!

 

(お前は中学生並みにアホだからな。すぐに分かる)

 

(酷い!もー、仕方ないな。『水刃』!ほら、これでいい?)

 

(スキル獲得に関しては天才だな。よし、それで攻撃手段も増えただろ?)

 

(え?スキル使わなあかんの?やだ!武器がいい!)

 

(我慢しなさい!)

 

(いや!)

 

(これがイヤイヤ期か……)

 

(は?違うが?イヤイヤ期とか通り過ぎてるが?)

 

(よし、なら我慢できるな?)

 

(よゆーだわ。スキルバンバン使ってやるわ)

 

《チョロい……》

 

いやいや、これは建前だから。実践になったら高出力レーザーをぶっぱなすから

 

《あれ、まだ試作段階ですよ?》

 

平気平気。俺は天才だからな。

天才だからこそ、こうして兄貴を欺くことが出来ている。

よゆーだな

 

《……あとは威力調整だけですので、実践で直接確認して完成させます。今のままだと少し弱いんですよねぇ》

 

弱い?なんで?

 

(エレキ、もう行くぞー)

 

(あぁ。分かった)

 

操作権を譲渡するから歩いといて。話しながらだとまた何か起こるかもしれん

 

《分かりました。威力が弱い原因なんですけど、今使ってる素材でレーザーを射出すると、放熱に対して発熱量が上回って、熱を内部で溜め込んでしまうんです。僕が作ったレーザーって熱光線みたいなものですから、それを放熱できないと射出機構が溶けるんですね。そうならないために、威力を低くしてるんですよ》

 

(今使ってるのってなんだっけ?)

 

《ウルツァイト窒化ホウ素です。地球で1番硬くて熱に強いんですけど、魔素リアクターが生み出すエネルギーには耐えられなんですよ》

 

(魔素リアクターってそんなに強いのか?飛行能力を試した時は出力かなり高くしないとダメだったじゃん?)

 

《初期のスーツで使った素材は、エネルギーの変換効率が悪い素材だったからですね。既に改良して0.001%の出力まで抑えました》

 

(は?なにそれ。今は何使ってるの?)

 

《ヴィブラニウムです》

 

(ヴィブラニウム!?存在しないよな?)

 

《別次元世界と考えれば存在してるとも言えます。誰かが作った世界でも、それは次元的に考えれば存在するとも言えるんです。ほら、主様だってこうして二次元の世界に転生したじゃないですか?ということは、MARVELの世界も存在してると言えるんですよ》

 

(ふーむ、だからスーツ改良の時にナノテクを勧めてきたのか。そしたら、ヴィブラニウムとウルツァイト窒化ホウ素の合金は作れないか?)

 

(……エレキ、声に出てるぞ?)

 

(げっ!)

 

(レーザーがなんだとか言っていたが、スキルはもちろん使うよな?)

 

(も、もちろん使うよ〜?信用しろって〜)

 

《合金……ほかの物質も混ぜれば理論上出来ます。ただ、元の熱耐性と硬度を保てるかどうか》

 

できるなら何をやってもいい。頑張れ

 

《了解しました》

 

そうだ。俺がスキルを使う場合どうなるかシュミレーションしてみよう。その結果次第で使うか決めようかな。

 

《シュミレーションですか。脳内領域に仮想空間を展開。……よし。これでシュミレーション出来ますので、良かったらどうぞ》

 

ありがとー

 

 

 




はい、ということで作者です。
仕事が辛いです。
今年新入社員(18歳)として会社(製造業)に勤めてるんですけど、今週初めて残業をしてもう疲れました。
まぁ、ニートは嫌なので働くんですけどね。

今回も誤字脱字あったら教えてください。

今回、ヴィブラニウムを作ったんですけど、実はインフィニティ・ストーンも作れるんですよね。ゼオはなんでも知ってるのでインフィニティ・ストーンの構成物質も分かるのです。
ただ、それを作ってもエレキ君の魂が崩壊するので絶対にやりません。
ゼオ君はなんだかんだでエレキのこと好き好きですからね。

他にも、色々考えてはいるので機会があったらあとがきに書こうかな。

それでは、次回もお楽しみに!(年内だといいな)


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第5話 ヤンヘラリムル

MARVELSpider-Manを買いました。楽しいですね!


さーてさてさて!

唐突においでなすったこのどデカい鋼鉄の扉!

これを如何にして通るかが今回の問題だ!

 

……なんや、ひとりでに開いとるやないか。

 

《ヴェルドラさんがいなくなったので、それを調査しに来た冒険者さん達ですね。不用意に近づかない方がいいですよ》

 

(エレキ、こっちおいで)

 

(なに?隠れると申すのか?怖い、助けて)

 

(よーしよしよし。もう大丈夫だからな〜)

 

《主様がどんどん赤ちゃんになってる……?》

 

このスライムボディー状態だと武器が装備できないから怖いの!

レーザーもまだ完成してないだろ?

 

《レーザーはもう少しで……じゃなくて、スキルがあるじゃないですか》

 

さっき脳内シュミレーションしただろ?

俺がスキル使っても精度が悪くてあんまり強くないじゃん!

ゼオが操作するならいいけどさ。

 

《あー、そういえばそうでしたね。では、スキルの操作権を僕にもください》

 

いいよー。

 

《……操作権を獲得しました。使う時は言うので安心してくださいね》

 

もちのろんだぜ

 

(よし、もう行ったみたいだな。エレキ、先へ進もう)

 

 

――

 

 

エレキと適当に歩いてたら扉を発見!

様子を伺ってたら扉が開いて人間、多分冒険者?が通って行った。

エレキに人間になって話しかけてもらおうと思ったんだけど、よく考えたらあんな厳重な扉の内側に人間が居ても本当に人間か疑うと思うから諦めた。

次回に期待だな!

 

 

 

にしても、エレキが地底湖に落ちた時は焦ったなぁ。

あんなこと言ったけど俺も落ちた所だし、人のこと言えないな。

 

次からは、エレキに何か起こる前に俺が防がないと……!

 

 

 

冒険者が見えなくなったのを確認して、扉を通ってしばらくしたら嵐蛇が現れた!

 

思いのほか威力が高い『水刃』を使って倒したら、『大賢者』に『捕食者』で捕食するとスキルを得ることができると言われたので、実際にやってみたら『熱源感知』と『毒霧吐息』っていうスキルを獲得。

 

さらには、嵐蛇に擬態ができると言うのでやってみた。

 

 

――

 

(エレキ、どうだ?)

 

(……再現度高すぎん?)

 

(俺もそう思う)

 

唐突に現れた嵐蛇を兄貴が『水刃』で殺したと思ったら、兄貴が『捕食者』で嵐蛇を喰ってスキル獲得と嵐蛇に擬態することができるようになったらしい。

 

実際に擬態してるところを見ると、再現度高すぎてやばい。

かっこいい!

 

(俺も擬態したいな……)

 

《お!何か希望あったりしますか!?僕が作ってあげますよ!》

 

(ん、あれは……エレキ、蝙蝠だ!)

 

(蝙蝠?)

 

(あれを喰えば発声器官を模すことが出来るだろ?)

 

(ふっ、残念だな兄貴。俺は既に喋れる)

 

(え、は?え?)

 

ゼオ

 

《はい》

 

言わなくてもわかるな?

 

《もちろんです》

 

「こんな感じで喋れるんだよ。前も喋ってただろ?」

 

(なにぃ!ずるいぞこの!この!……危ない!)

 

「ふはははははは!いでっ!何すんだ兄……んぎゃああああ!兄貴が轢かれた!」

 

《スキル使います!『水刃』!》

 

「兄貴!兄貴!」

 

(……)

 

「へ、返事がない……?」

 

《生体反応はありますね。これ、起きてますよ》

 

「よし、置いていこう」

 

(ままま待て待て待て待て。ごめんて。えーと、『水刃』上手だったな!エレキ!)

 

「今のはゼオがやったんだよ。スキル使いたくないからゼオに頼んでる」

 

声戻していいぞ

 

《りょです》

 

(そうなのか……?ってそうじゃなかった。エレキ、怪我は無いか?)

 

(ないない。あってもすぐに治るし。にしてもあのトカゲ速かったな。転がって移動してくるとか想像つかねぇだろ)

 

(俺がいなかったらお前は今頃粉微塵に……)

 

(ならんて。ゼオが作ったこのスライムボデーは強いからな!)

 

兄貴は俺の身体をなんだと思ってるんだ?なんかこう、絶対に守らなきゃ感あるな。これ過保護っていう?

 

《過保護、というより……いえ、なんでもないです》

 

な、なんだよ怖いな……

 

(なぁ、お前は今俺と話してるんだよな?なら俺とだけ話せよ)

 

(え、急に何?こ、怖いよ?)

 

おかしい。轢かれるまでは全然普通だったのに!

 

《こういうことです。恐らく、近くに生えてるあの変な草が原因かなと》

 

なんだあれ……ペロペロキャンディーみたいな感じだな。

なんか気持ち悪い……

 

《精神に攻撃をしてくるタイプの魔物ですね。レジストはこちらでやるので、とりあえずあれをどうにかしましょう。人間形態に移行を開始します。平気ですか?》

 

うん。そしたら、早速ヴィブラニウム製スーツを試してみようか

 

《移行完了。スーツの装着を開始》

 

うーん、このままでも装着の時間は十分速いし、ナノテクを使わなくてもいいと思うんだけど……

 

(なぁ、エレキ……俺の事嫌いなのか?なぁ、無視しないでくれ……お願いだ。俺を見てくれ。俺だけを……)

 

ゼオ、リムルがヤンヘラになってる。

怖い。

 

 

《記憶が残ってたら最悪ですね……。まぁ無視でいいでしょう。そんなことより、僕がナノテクをおすすめする理由を聞いてください。理由は2つあるんです。まずは、装着の速度ですね。これは僕が頭脳となって展開するのでマジに速いです。で、2つ目が修復機能ですね。ナノ粒子を胃袋に格納しておけば、スーツが破損しても瞬時に修復することが可能なわけです。主にこのふたつですね》

 

なるほど……んじゃナノテクスーツ作ってみるかぁ。

とりあえず、この花を消し炭にしてやろう。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

(あ、あんなことを言うなんて……恥ずかしすぎる……)

 

あの花を焼却したら、リムルが羞恥に悶えてる。笑えるww

 

焼却方法はとっても簡単。

 

前に試し打ちした空気中に含まれる魔素を圧縮してリアクターのエネルギーと組み合わせて放出するアレ、名付けて『魔素ブラスター』を使って、小規模の爆発を起こし完全焼却をした。

 

ゼオが言うには、0.0001%のエネルギーしか使ってないらしい。

100%でやったらどうなるのか気になるところだな……

 

ん?スライム状態なのにどうやって『魔素ブラスター』を使うのかだって?

 

……それは

 

《腕だけ生やしました》

 

そう、腕だけ生やした。

 

まん丸スライムボディーに腕だけ生えてるの想像してみ?……怖いね。

 

さて、あのリムルはどうしようか

 

 

――

 

意識がありながらあんな行動を取ってしまうなんて……

兄失格だ……

 

捕食して解析したところ、『大賢者』が言うには、あの花は精神に攻撃をし催眠をかけて、対象の近くにいる人間に対して、独占欲が沸くようになる効果を放っているらしい。

 

そして、催眠にかかった者はその後も後遺症として多少独占欲を持ち続けると……。

 

最悪だ……。

これじゃブラコンになってしまう。

 

保護者としてしっかり守ってあげなければならないというのに……

そうだ。いっその事エレキを俺の胃袋に閉じ込めておけばあいつが傷つくことも無いのでは?

 

《否。対象に抵抗された場合不可能です》

 

そうだよな。閉じ込めても抵抗される可能性があるもんな。

 

……いやいやいや!そもそも閉じ込めるとかダメだろ。エレキには自由に育って欲しいんだ。

 

 

はぁ……どうしよう。

 

 

 




はい、作者です。
次回の話は完成してるので年内に出せますよ。やったね!
今回も誤字脱字あったら報告お願い致します。

さて、登場人物の口調がなかなか定まらないこの作品ですが、ついにリムルの口調まで分からなくなりました。
もう適当でいいかなって。

魔素ブラスターなんですけど、本家は空気と混ぜて放出してるので実は、圧縮した空気とリアクターのエネルギーを混ぜ混ぜして放出しても結構威力あるんですよ。
今エレキが使ってるリアクターは魔素が必要(第2話参照。分かりにくいかも)なので、魔素以外での発電方法を手に入れたら魔素がなくてもスーツが使えるようになります。

魔素が無くなるなんて思うわけないので基本は魔素を使うんですけどね。


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第6話 外だ!

7話完成したので本日2話目の投稿をしてみます。


紆余曲折あったが、リムル兄貴は蝙蝠を捕食して発声器官を手に入れてた。

 

その後、道をさらに進んでいたら蜘蛛だったりムカデだったりが襲ってきたけど、兄貴が水刃で殺しては捕食を繰り返してた。

 

俺?俺もまぁ、スキルは獲得させられましたよ。

ゼオと兄貴がスキルの獲得をしろってうるさいんだよね……

 

で、蜘蛛のスキル『粘糸』『鋼糸』を手に入れて思いついたんだ。

 

俺、スパイダーマンになれるんじゃね?って。

 

とりあえず、ゼオにスイングだけのウェブシューターを試作型として作ってもらうことにした。

 

《どうにか試作型は出来ましたよ。シュミレーションもしっかりしました。スキルの補助は僕がやります。『粘糸』と『鋼糸』を同時に制御しなきゃいけないんですよ》

 

(分かった。それじゃ早速試してみようか。リムル!)

 

(どうした?)

 

(ちょっと試して見たいことがあるから見ててくれ。人間形態に移行)

 

《移行完了。ウェブシューターの装着は既にしてあります。着け心地は?》

 

キツくはないかな。

それじゃ、やってみようか

 

「よっと。うん。とりあえず糸は出せるね。それじゃ、スイングしてみよう」

 

お、いい感じ!

 

実戦で使うことはあんまりないと思うし、とりあえず今はこのままでいいや。改良とか新しくウェブを作ったりとか勝手にやっていいからね。ゼオ。

 

《分かりました。では、スライムに戻しますね》

 

うん。

 

(な、なぁエレキ!俺が人間の姿になれるようになったら、それくれよ!)

 

(覚えてたらね)

 

(ああ。『大賢者』にも覚えてもらう。約束だからな!)

 

(おう……すごい熱意……)

 

 

(そうだエレキ。俺、ついに喋れるようになったぞ。まだカタコトだけどな)

 

(おー!良かったじゃん!おめでとう!どんな声なの?)

 

「コンナコエダ」

 

(わぁお変な声。もっと練習が必要だな。これからの会話は全部それで話していこう。俺も念話やめるね)

 

「ワカッタ!ソレジャ、ソトニムケテススンデイコウ」

 

「ああ」

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

はい。外に出ました。

 

スライムボディーが動きにく過ぎて嫌になったので、リムルに人間形態になっていいか聞いたところ、許可が貰えたので現在は人間形態。

 

いやー、手足があるっていいね!

 

てか、外眩しすぎる……

 

「ゼオ、帽子作って」

 

《はいはい〜。どぞ、麦わら帽子です。やっぱり、白ワンピに麦わら帽子はとってもよく似合いますね》

 

「なァ、エレキ。ソノカラダハダレヲモデルニシテルンダ?お前のゼンセハオトコダロ?」

 

「せっかくなら美少女の方が良くない?目の保養になるしかわいいしってことでゼオに頼んだ。かわいいでしょ?」

 

「タシカに、可愛イナ」

 

 

やっぱかわいいよね。俺はこの身体がとっても大好きだから、褒められると嬉しいね。

 

そんなこんなで、散策したり、ウェブシューターの練習をしたりとかを数日してた。

 

驚くほど平和やで。洞窟ん時はめっちゃ襲われたからなぁ……

 

1人で遊……探索してる時、1回だけ強そうな狼?みたいなのが俺の方に来たからリムルの所に逃げたんだけど、逃げ切れてなくて捕まったんだよね。

まぁ、すぐに再生出来るしいいか〜って思ってたらすぐにリムルが来てくれて、リムルが狼に対して凄んだら狼達はどっか行ったんだ。

 

そんで、リムルにめっちゃ怒られた。

次からは一人で行動するなだってさ。

 

説教されてる時、スライム如きに逃げる狼とか草とか思ってたら、リムルの妖気が強すぎて狼は逃げたらしい。ゼオが言ってた。

俺の妖気はどうなってるのか聞いたら、ゼオが制御してた。

強すぎても、魔物に襲われやすくなるから人間レベルまでに落としてたんだって。

ゼオが何でもしてくれるからダメ人間になりそう……

 

《僕のできる範囲でなら何でもしてあげますよ。それがスキルですからね》

 

そうでっか……

 

で、今はゴブリン?に遭遇。

 

よく見るえっちな小汚いゴブリンって感じはあんまりしないかな。

貧弱な装備を身につけてこちらに挑もうとは、いい度胸してるなぁ。

 

《多分ですけど、リムルさんのこと警戒してる感じだと思いますよ》

 

あー、妖気バカ見えてるもんな……

 

《妖気見えてる事、言ってあげないんですか?》

 

虎の威を借る狐になるの楽しいからね。面白いしこのままでいいかなぁって。

 

《それもそうですね。リムルさんがいれば主様は安全。僕も安心!ですからね。本人が気付くまでは放置してましょう》

 

 

「グガッ強キ者ヨ……」

 

あ、喋れるんだ。てか、言葉理解できるのか。

 

《魔力感知の応用です》

 

ほぇー

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

「怯える必要は無い。これから倒す相手だ」

 

「では……」

 

「ああ。お前たちのその願い、暴風竜ヴェルドラに代わりこのリムル=テンペストが聞き届けよう!」

 

 

おー!リムルがかっこいい!

ん?今の状況ぅ?

 

あのゴブリンたちとなんやかんやあって、村に招待されたから行ったのよ。

あ、リムルは自分の妖気に気づいてたよ。恥ずかしがってて面白かったなぁ。

でさ、村に行ったら牙狼族が攻めてくるから助けてピエン(意訳)って感じで助けを求めてきたんだ。

 

リムルは助けることにしたらしい。

ん?俺?ああ、言ってなかったな。

スーツをステルスモードにして、完全に見えないようになってます。

魔素の流れもカットしてるから、俺の存在はリムル以外には分からないはず。

なんでこんなことしてるか?

狼、多分牙狼族に狙われて怖くなったからとかではなく、全然そうじゃないんだけど

 

《怖いからですよね?》

 

いや、違うから。ヘイトをリムルに当てようとかって考えじゃないから。

 

《言い訳下手ですね……》

 

昔から言い訳して論破は良くされてたからな。

 

「エレキ、お前にも手伝ってもらうぞ」

 

「はいはい〜っと。ども!リムル=テンペストの弟、エレキ=テンペストだ。種族は分かんないけど、一応魔人ってことになるかな。よろしく」

 

「「……」」

 

「あれ?どしたん君たち。んー……?あ!もしかして〜?この美貌に惚れちゃったかな〜?」

 

「し、失礼致しました。リムル様、エレキ様!どうか我らに守護をお与えください。さすれば、今日より我らは貴方様方の忠実なるシモべでございます!」

 

 

守ったらシモべになるってさ。

じゃあ、派手にやっちゃいますかねぇ!

 

 

 

 




こんにちは。作者です。
今回も例の如く誤字脱字あったら報告お願い致します!

次は出張中に投稿かな……?
10/4から12/24まで出張です。
どこに行くかは秘密です。
8話目が完成次第投稿しますね。

実は、MARVELSpider-Manを買ったのはウェブシューターの設定を知るためでもあったんです。メインストーリー進めずに解放系を優先してるから全然進まない……

最近の文字数は2000~3000で安定してますね。原作があると執筆がとても楽です。

それじゃ、また次回お会いしましょう!


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第7話 牙狼族襲来

9話目執筆なうなので投稿します。


さて、まずは柵を作る作業の手伝いをしてくれとリムルに言われた。

 

「なぁ、そこの君。柵ってどーやって作るん?ほんと申し訳ないんだけど、分からないからさ。教えてくれない?」

 

「……分かりました。こうやってこうすれば……」

 

「ふむふむ。なるほどね。君、今俺の事を弱いと思っただろ?兄の力に頼りきったゴミみたいなやつだって思っただろ?」

 

なぜそう思ったか?こいつの目を見りゃわかる。

リムルと比べたら妖気全然ないやん!って感じの目をしてる。俺にはわかる。

 

「そ、そこまでは思って……ハッ!」

 

「弱いとは思っているんだな?まあ、リムルと比べたら今の俺は妖気が全く出てないからなんだけどさ。せっかくだし、特別に俺の力を見せてやろう。主として相応しい力をな!」

 

妖気、全開!

 

《え、本当にいいんですか……?やりますよ?》

 

うむ。やりたまえ!

 

「────っ!!ど、どうかお怒りをお鎮め下さい……!」

 

「ん?怒ってないよ?俺が本当に弟だってことを言いたくてだな……まぁ、わかってくれたと思うし妖気はしまっとくよ。ごめんごめん。そんなに怯えるとは思わなくってさ。ほら、柵作り始めようか。あの家とか壊していいんだったよな?」

 

「は、はい!」

 

 

――

 

────ッ!

 

この妖気、エレキか?

 

あ、無くなった。

 

「今のは一体……」

 

「エレキの妖気だな。自分の力を示すために妖気を解放したんだろう。あまり気にすることじゃない。村長、負傷者はこれだけか?」

 

「はい。皆牙狼族にやられた者です。中にはもう長くない者もおります……」

 

「分かった」

 

捕食して体内で生成された回復薬をぶっかける。

 

「こ、これは……傷が塞がっている!?」

 

よし、上手くいったな。

回復薬の原料は何かって?

実は、それを原料だと知らずに大量に食ってたみたいなんだ。

 

俺が転生してまだ間もない頃、孤独を紛らわすためにひたすら食っていたあの草。

 

正式名称ヒポクテ草。

その草の汁と魔素を体内でコネコネしてたらなんか出来た。

 

この様子を見るに、効力はかなり高いようだな。

 

「リムル、兄貴、お兄ちゃん、兄上、どんな呼び方がいいかなぁ〜。ん、おーい!リムル〜!」

 

「エレキ、どうした?何か問題でもあったのか?」

 

「いや、柵作れって言ってたじゃん?終わったんよ」

 

「終わった?」

 

「ゴブリンって凄いんだぜ?よく柵の作り方なんか考えれるよなぁ。材料が足りなくて囲えないところは俺が『作成者』でちょちょいとやったけど平気だったか?」

 

「……もしかして、村全部を囲み終わったのか?」

 

「うん。見とく?エレキ様特製の柵は木製の柵よりも強固だぜ?」

 

「……もう、終わったのか!?」

 

「いや、さっきからそう言ってんじゃん」

 

 

『作成者』を使ったって言ってたな……

いや、にしても速すぎないか?さっきの妖気を確認してから5分も経ってないぞ?

 

「すごかったっすよ!エレキ様に柵の作り方を教えたら、めっちゃ高速で動いて次々と柵を作ってたっす!材料が無くなったあとはエレキ様が歩くだけで地面から柵が生えてきたっすよ!」

 

……なんかもう、怒るのすら面倒になってきたな。

とりあえず言っとくか。

あいつの事だ。途中から飽きて早く終わらせようとしたんだな……

 

「エレキ、ちょっと来い」

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

リムルに怒られた。

 

曰く、お前がほぼ一人でやってちゃゴブリンの為にならねぇだろボケェ!ケジメつけろや!

 

って感じ。

 

いやね、俺がやった方が早いし、楽だし、飽きt

いや違う。飽きてない。飽きてないよ?

つまらなかっただけだよ。

 

《それ、同じですよ》

 

ぐぬぬ

 

「手伝ってくれるのは嬉しいし、こんな短時間で村を囲ったのは本当に助かるよ。だけどな、俺は協力して柵を作るのを手伝えっていう風にお前に言ったはずだ。協力の意味分かるか?」

 

「みんなで力を合わせて頑張る?」

 

「そう、みんなでだ。みんなでやらなくちゃァそれは協力とは言えない」

 

「分かった。教えてもらってから俺が全部やったのは悪いと思ってる。だがよ、途中で材料が切れてスキルを使わざるを得なかったのは仕方ないだろ?」

 

「村全部を囲まなくたって別に良かったんだ。家を取り壊せばここは更地になる。村人が全員入れるくらいのスペースを囲えばいい」

 

「ぬわー!それもそうだ……!考え無しに囲んだ俺が馬鹿だった……!」

 

「分かればいいんだよ。囲ってくれてありがとな」

 

 

そっかァ。村全部を囲わなくて良かったのか……大きく囲うより、小さく囲んだ方が敵の襲来にも対応できるしな……

 

《最初から僕に任せとけば怒られることも無かったんですけどね》

 

いやいや、何でもお前にやらせたら俺何も出来ないから。

 

《何もしたくなくなった時は頼ってくださいね》

 

……え、俺の身体乗っ取る気?

 

《そんなことしませんよ。乗っ取ったりしてもやることないですし》

 

そうだよな。良かった。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

夜です。

リムルが柵を蜘蛛のスキルでなんかやってた。

俺のウェブでやってもええんやで?って言ったらお前は村の後ろを警戒しといてって命令された。

 

ということで、他のゴブリン達と村の裏側にいますよん。

護身用になんか作ってあげた方がいいかなぁ。

 

《色々作ってありますよ!これなんかどうですか?自動伸縮ブレスレット型のグラビティウェーブ発生装置です。敵に向けて撃てば、重力波で敵を吹き飛ばすことが出来ます》

 

いいね。それ採用!てか、いつの間に作ってたん……?

 

《レーザーの改良をした時に作成した副産物です。他にも、小型スタンガンとかありますよ》

 

はえーすっごい……俺が作らなくても武器が増えるのは助かる。

 

 

「みんな集まってくれ。君たちにはこのブレスレットを授ける。ブレスレットから出てるこの紐付き指輪を親指に着けて引くと……」

 

ズゴォン!

 

「こ、こんな感じで重力波が出るんだ。名前はグラビティウェーブ。敵が来たら使ってくれ」

 

「ありがとうございます……!エレキ様!」

 

うし、ゴブリンの武装は完了。

 

後は俺だな。

 

ナノテクスーツは?

 

《ナノ粒子がまだ足りてないので、フルフェイスに出来ないんですけど、平気ですか?》

 

顔くらいならすぐに作り直せる。

やってくれ。

 

《分かりました。展開します》

 

「うぉ……なんか液体みたいだな」

 

《それがナノテクのいいところです。ナノ粒子が足りなくなっても、別の箇所に余ってるナノ粒子を移動させることができますからね》

 

これもヴィブラニウム製だったよな。ブラックパンサーみたいに衝撃吸収&蓄積放出ってのはできるの?

 

《できますよ。……主様、向こうでは戦いが始まったみたいです》

 

了解

 

「みんな!向こうでは既に戦いが始まっている!こちらに来た牙狼族共は全て蹴散らせ!我々の方が武装力は上だ!絶対に勝てるぞ!」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

 

よしよし。あとは、俺の妖気も出しとこう。

 

《前方に向けて妖気の展開をします》

 

はいよ。

 

 

ってこっちにも来てるじゃん!

 

「エレキ様!来ました!」

 

「こちらでも確認した。数は4,5,6……さらに増えてるな。みんな!グラビティウェーブ放出用意!……撃て!」

 

くっ!重力の衝撃がエグい〜!

スーツが衝撃をどんどん吸収してる。

やっぱり、重力波は威力が強いな。

 

《生体反応、低くなりました。牙狼族はまだ生きてます》

 

了解。

 

「牙狼族共を完全に殺した訳じゃない。みんな、警戒しててくれ」

 

「了解しました!」

 

「それじゃ、一体だけイタダキマスかね」

 

《自らスキルを獲得しに行くなんて……!成長しましたね!主様!》

 

思念伝達が欲しいだけだよ。

あれがあれば遠くてもそれなりに話せるだろ?

 

《覚えてたんですね。それじゃ、早速食べましょうか》

 

ああ。

 

「《いただきます》……ふぅ。ゼオと一緒に喰えば『暴喰者』の制御は完璧にできるみたいだな。これからは一緒に喰べることにしよう」

 

《主様、一緒に喰べるのってなんか興奮しますね》

 

そういう癖は心にしまっといてね!?

 

 

「おーい!エレキ、なんかすごい音したけど平気か?」

 

「おっすリムル。そっちは終わったんだな。さっきの音はゴブリン達に渡したグラビティウェーブ発生装置の音だよ。急に来たから報告できなかったんだけど、何匹かこっちに牙狼族が来たんだ。だから、グラビティウェーブを使って対処した。完全には殺してないから、とりあえず一纏めに置いといたよ」

 

「そうか。お前にケガがないならいいんだ。よし、今日はもう休もう!みんなお疲れ様!」

 

 

なんもしてないけど疲れたね……

俺も休もう

 

 

 




はい、作者です。
誤字脱字あったらいつも通りお願いします(今まで報告0件)

前言ってたルビ募集のやつ予め活動報告に作ることにしました。
既に置いてあるので考えた人はコメントください。

さて、今回は牙狼族襲撃の回でした。
もう7話目なのに未だに第1巻が終わりませんね。
次回は第9話が完成したら投稿します。
それでは、また次回!ばいばい〜!


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第8話 進化

最近寒いですね
前あとがきで言った設定が出てきます


翌朝

 

 

リムルが名前ないと不便だからって村を整備する前に名付けをするらしい。

 

「エレキ、手伝ってく「嫌だよ」れ……えっ?」

 

「嫌なの」

 

「そこをなんとか!」

 

「嫌なの!代表はリムルなんだからリムルが付ければいいじゃん!俺はやらない!」

 

嫌だよアピール大切。

ここで俺が名付けをして原作崩壊したら手に負えねぇからな……

 

《その方が身のためですね。原作崩壊するとただでさえ多い分岐がさらに増えますからね……》

 

それじゃ、俺は横で見てますかね。

 

名前の記憶よろしく頼むぜ!ゼオ!

 

《お任せ下さい》

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

「お前の名はランガだ!」

 

パシャッ!

 

うわっ!リムルが溶けた……

低位活動状態になったかな?

 

「リムル様!リムル様!」

 

村長がこの世の終わりみたいな顔しとる。

どうにかして落ち着かせた方がいいなこりゃ。

とりあえず適当に安心させてみるか。

 

「みんな落ち着いて!リムルは寝てるだけ!3日もすれば治るから安心してくれ!」

 

「エレキ様、しかし……」

 

「大丈夫。リムルはお前たちを信じて溶けるまで名付けを行ったんだ。リムルが信じた者を残して死ぬようなやつだと思うか?」

 

「微塵も思っておりません!」

 

「なら、みんなもリムルを信じて復活を待とうじゃないか」

 

「で、ではリムル様の寝床を……」

 

よし、多分平気だろう。

……なんや、リグルドのやつフラフラしとる。

いや、マジで平気か!?

 

《これから進化が始まります。リムルさんが名付けた影響でしょうね》

 

そういえば原作でも進化しよったな……

 

「ち、力が入りませぬ……」

 

「進化ってそんな感じなんだなぁ。リグルドよ。安心したまえ。君たちゴブリン、そして牙狼族はこれから進化をする」

 

「進化ですと……?」

 

「ああ。だが、何も問題は無い。あのリムルが名付けたことによって進化が始まるだけだからな。さぁ、みんなも眠るといい。その間、ここはこの俺、エレキ=テンペストが兄リムル=テンペストに代わって護る」

 

「エレキ、様……ありが……」

 

 

よし、みんな眠ったな。

さっきまではワチャワチャしてたのにみんな眠ってるから静かだね。

 

《さて、この人数どうやって守り抜きますか?》

 

この村に攻めてくるやつの反応があったら即刻ぶっ殺す。

 

《分かりました。何かあったらお知らせします》

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

みんなが眠ったあと、柵とか補強して見回ってたけど何事もなく次の日になった。

暇潰しにゼオと色々話して分かったことがある。

 

どうやら『作成者』でインフィニティ・ストーンも作れはするらしい。

作ったとしても俺の魂が崩壊するから実質不可能なんだけどね。

 

そこで、神秘の金属ウルも作れるのか?という話をしたらなんと、作れるには作れると言われた。

 

加工も一応できるらしい。

ただ、魔素の消費がエグいんだってよ。

特殊な魔法の力を宿してる金属だもんな。そりゃ、魔素を使うのも分かる。

 

さて、朝になったし周りの確認でもするかってうわっ!?

 

「エレキ様、お目覚めになりましたか。おはようございます」

 

なんかおる……ゼオが何も言わなかったってことは敵ではないのか?

 

《この方はリグルドさんです。進化が終わったようですね》

 

「おはよう、リグルド。随分と見違えたな」

 

「はい!これも進化したおかげです。リムル様、エレキ様にはなんと感謝したらいいか……」

 

「感謝されるようなことはしてないよ。名付けをしたのはリムルだしな」

 

「何をおっしゃいますか!進化の時、我々を守ってくれていたではありませんか!」

 

そう来たか。確かに俺は護るとかいったけどただ居ただけだからなぁ……

 

「護るのは主として当たり前のことだ。だが、それでもというなら俺への恩は形ではなく行動で示してもらおう。お前たちの活躍、期待しているぞ」

 

「はい!この御恩、必ずやお返し致します……!!」

 

うん。決まったな。

 

「我が主よ!我々牙狼族も進化致しました!感謝致します!」

 

デカっ!なんやこいつ!

 

《嵐牙狼族のランガさんです。デカいですね》

 

「おぉう。めちゃデカイな!我々って言ったよな?リムルはランガにしか名付けをしてなかったけど、みんな進化したの?」

 

「はい。我等牙狼族は全にして個なのです。故に、我が名は種族名となったのです!」

 

「ほぉー!良かったね!」

 

「はい!」

 

うわっ、尻尾めっちゃぶん回してる……

風圧凄いな〜。あ、誰か飛んだ

嵐牙狼族の皆、角とか生えてるしかっこいいね!

 

……なんかソワソワしてる。

 

「どしたん?」

 

「我が主よ、なんなりと命令を!」

 

あ、命令か。

……うーん?命令か……

えー、命令?命令って何言えばいいんだ?

 

《とりあえず、リムルさんが決めた2人1組のペアに狼1匹を付けて警備班、整備班、狩猟班などで別けましょう。女性や子ども達には、衣服の作成を》

 

頭いいなお前。それ採用。

 

「さっきの2人1組のペアに嵐牙狼族1匹の形で、警備班、整備班、狩猟班に別れてそれぞれ行動してくれ。ゴブリナや子どもたちは適当でもいいから衣服を作ってくれ。リグルドは村長だから、村に残って整備班と一緒に行動し、指揮を執ってくれ」

 

「お任せ下さい!エレキ様!」

 

「エレキ様、お疲れでしょう。リムル様とこちらでごゆるりとお休みなさって頂きたく」

 

「ありがとうリグルド。みんな頑張れ!」

 

 

ふぅ。上に立つのも疲れるな。

リムルを枕にしてしばらく精神を休ませよう。

 

早く目覚めて俺を楽にさせてくれよなまったく……

 

 

 




おはこんばんにちは!作者です。
誤字脱字あったら報告お願いします。

次回は10話目が完成したら投稿します。

もうすぐ1巻が終わります。長かったですね……

特に言うこともないので、また次回お会いしましょう!
ばいばい!


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第9話 自由だ!

星9評価ありがとうございます。
土日でUAが今まで以上に伸びててビビりました笑
1話と最新話(8話)が異常に伸びてるのはなんなんですかね?

2021年10月4日
サブタイトルに
自由だ!
をつけ加えました


兄貴完全復活!

 

リムルがみんなの進化に驚いた後、リムル復活祭をやったりして一日が経った。

祭りで食った料理とかは基本生で食うか焼くかで、素材本来の味だったよ。

俺自身に味覚はないけど、ゼオが味の解析をしてその味覚情報を俺に渡すって事をやってくれた。

擬似味覚って感じだね。

 

そんなことはどうでもいいか。

 

広場にみんなを集めたリムルは、3つのルールを決めた。

 

ひとーつ、仲間内で争わない

ふたーつ、他種族を見下さない

みっつ、人間を襲わない

 

だ。

 

リグルは何故人間を襲ってはいけないのか、という疑問を持ったらしい。

リムルはその問いに対して人間が好きだから、と答えた。

 

まぁ、みんな俺らの意志を尊重してるからその答えで即座に納得しちゃったんだけどね。

 

さすがにまずいと思ったのか、リムルが理屈を言ってた。

 

何言ってたのか忘れたけどね。

 

 

まぁ、人間を襲わないってのはリムルが元人間だからだろう。

俺は神になりたかったから人間とか好きじゃないんだけどね。

 

ので、逆に襲われたらってのをルールに足しといた。

 

「四つ。人間に襲われた場合、人間はこちらを敵だと認識してる。その認識を覆すのは難しいから、必ず抵抗して命を守ってくれ。戦わなくていい。逃げてもいいから自分の命を優先するんだ」

 

こんな感じね。友人にネタバレされて、後々住民が人間に殺されるって言われたから一応言っといた。

リムルからは否定はされなかった。

基本は3つのルールをなるべく守るようにって感じになったけどね。

 

まぁ、襲われたら襲われたで俺らがいるし平気だろう。

 

そんな感じでルールは一応決まった。

 

 

――

 

 

リグルドをゴブリン・ロードに任命し、本格的に村を任せることにした。

いずれ俺たちがいなくなるかもしれないし、その時に俺が指示をしなきゃ何も出来ないのは困るからな。

ということで、丸投げしたんだ。

 

 

丸投げした結果、エレキが班分けした警備班、狩猟班は上手く機能しているが、整備班の建築関係はゴブリンの技術力だと上手くいかないらしい。

衣服や道具の作成とかもそうだな。

 

俺らが教えることもできるけど、それじゃ今後も俺らに頼ることになるかもしれないから、それはダメだ。

何とかして技術者を用意しないといけない。

 

リグルドに聞いたら、国家ドワルゴンというドワーフの国の者と取引をしたことがあるらしい。

みんながイメージするあのドワーフだ。

直接取引に行って物資調達、あわよくば技術の指導者を連れて来ようと思う。

 

エレキには留守番してもらうことにした。

エレキに「ここは俺が守るから安心して行ってこい」と言われたからだ。

1人にするのは本当に心配だが、エレキにはゼオがいるしゴブリンたちもいる。多分、きっと、平気だろう。

 

「リグルド、エレキの事頼んだぞ」

 

「はっ!お任せ下さい!この命を以てエレキ様をお守り致します!」

 

いやそこまでしなくても……と言おうとしたが、リグルドの目は本気だった。

エレキは精神生命体だから、依り代さえあれば死にはしないんだけどな。

 

「ま、まぁ、そのだな。エレキはまだ子供だ。わがままを言ってお前たちを困らせるかもしれないがその時は怒っていいからな。あとは、適度に休ませるようにしてくれ。エレキは集中すると何も見えなくなるからな……」

 

「承知致しました!」

 

「俺ってそんなわがままだったかな……」

 

「エレキ、来てたのか」

 

「うん。護身用にこれ、痺れ爆弾あげるよ。投げると電気が発生して、相手を感電させる代物だぜ」

 

「ありがとう。それじゃ、行ってくるよ」

 

「おう。みんな頑張れよ!期待してるぜ!」

 

エレキからの応援を胸に、俺らはドワルゴンに向けて出発した。

 

 

――

 

 

今朝、リムル達はドワーフの国へと出発した。

ひゃっほい!自由だ!

 

みんなが出発する少し前、リムルに

 

「敵に襲われたら一旦話し合いをしてくれ。頼むから。それでも攻撃してくるようだったら問答無用で戦え。だが、無理はするなよ?」

 

って言われた。襲われてるのに話し合いとか出来ないっすよ……

言葉より先に身体が動いちゃうからね。まぁ、善処するとは言っといた。

 

さて、この村は家がまだ出来てないからみんな野ざらしの状態だ。

ということで、簡単な住居みたいな物を考えた。

 

サバイバル生活してる人がよく作る(と思う)斜めの木を軸にして、木の枝を支えに木の皮、葉っぱなどを被せたあれです。

……名前知らないし伝わらないな。

まぁ、簡易的な雨風をしのげるかんじのやつよ。

 

前動画で見ただけなんだけど、ゼオには伝わったので作り方を教えて貰いながらみんなにも見せていく。

 

ゼオの言う通りに教えたからみんな覚えてくれたはず。

 

「とりあえず、これで生活してくれ。あとはお前らに任せた!俺は俺でやることがあるから、何か用があったら呼んでくれ」

 

「ご教授感謝致しますぞ!エレキ様!」

 

「おう。精々と励むが良い」

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

《主様、リグルドさん達の手伝いはしないんですか?》

 

「ゴブリンたちは俺らを主としている。だから、俺に仕事は回ってこないと思ってさ。あいつら忠誠心高いし。ということで、俺自身の強化&村の防衛だ」

 

《僕が作った身体の強度を疑ってるんですか……?》

 

「実際に攻撃を受けた訳じゃないからなんとも言えない。少し前に身体に違和感を感じたんだ」

 

《あー、多分僕が作った肉体とヴィブラニウを合成させた肉体に換装したからですね。今までと何か変わったことはありますか?》

 

「いや……ないな。俺に相談もせずに変えたことについては?」

 

《魔素の消費は無かったので別にいいかなと思いました。後悔はしてないです》

 

「これじゃ、見た目か弱いけど実際はめっちゃ強い女の子だよ……まぁいいや。次は武器の作成をしたいんだけど、いい武器が思い付かないからウルの作成を少しずつやっていこう。生命維持に問題ない範囲でウルの生成をしてくれ。あと今まで食ってきたモノ、例えば牙狼族の死体とかを媒体にして魔素の生成とかはできるか?」

 

《どちらも可能です。生成途中で魔素保有量の限界を超えた魔素は胃袋でストックしておきますね。それと並行してウルの生成も行っていきます》

 

「うん。それでいい。ストームブレイカーと同量の融解したウルが出来たら報告してくれ」

 

《了解しました》

 

 

「よし、次は村の防衛だな。原作じゃこの間に襲われるとか無かったし、警戒だけしとけばいいか。そこはゼオ、よろしく頼むぜ」

 

《分かりました。警戒範囲を半径10kmまで広げます》

 

 

次は暇潰しについて考えるか……

リムルが帰ってくるまでの間何してようかな〜

 

 

 




誤字脱字あったら報告お願いします。

今日から出張です。
嫌だなー……
働きたくない(T_T)

無限にお金が湧いてくる泉とか無いかなぁ……

今回登場した痺れ爆弾は、元々ウェブシューターにつける予定だったんですけど、発電で生み出した電気と蜘蛛糸系スキルの相性があまり良くないからやめたという設定があります。(今考えた)
やっぱスキルにはスキルっしょ!エレキくんには電気系統のスキルを必ず覚えてもらなきゃね!

次回の更新は12話が途中まで完成してら更新します。

次回もお楽しみに!bye!


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第10話 名前を付けよう

11話完成してないですけど、とりあえず更新します。


リムル達がドワルゴンへ向けて出発してから1週間くらい経ったかな。

やることが無いので、暇潰しにゼオの能力を使って脳内仮想現実空間と、ついでに仮想ホログラムシステムとか色んなものを作ってみた。

 

拡張現実とは違って仮想現実の空間だから、マジになんでも出来る。

このシステムとマッピング機能を併用して、某マップアプリみたいに立体3Dで村を俯瞰できる。

 

ゼオの知識を使って超巨大書庫なんかも作ってみたよ。

イメージは仮面ライダーWの地球の本棚。

 

《主様、間もなくお昼頃となりますが如何なさいますか?》

 

もう昼の時間か。

うーん、そうだなぁ。

 

よし、村の様子でも見に行っとこうかな!

 

とか思ってたらリグルドに呼ばれた。

リグルド君、俺が暇なのを察知するの上手いね。

 

「エレキ様、少々お時間を頂いてもよろしいでしょうか?」

 

「いいぜ。何か問題でもあったか?」

 

「いえ、問題と言うほどでは無いのですが……。ゴブリンの族長たちがリムル様、エレキ様お二人の噂を聞き庇護を求めてきております」

 

「へぇ……?」

 

そんな展開あったっけ……?

 

《漫画版だと四ページほど描写がありましたね》

 

んー……

 

「村長はリグルドだろ?お前が決めればいいじゃん」

 

「我らの主はリムル様、エレキ様でございます。こちらの一存で決めることはできませぬ」

 

「そっかぁ……」

 

俺とリムルが同格兄弟であるが故に、こんなめんどくさいことを考えなきゃならんのか……

 

よーし決めたぜ。

俺が会ってやるよ。

 

「分かった。案内してくれ」

 

「はっ!」

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

ゴブリンの族長たちが言うには、パパが消えたことによってこの森で覇権争いが始まったらしい。

進化前のこいつらじゃ、抵抗も出来ずに蹂躙される。

そんな時にこの村の噂を聞きつけたらしい。

 

パパの消失には俺も無関係ではないから思うところはある。

だけどまぁ、受け入れた後に裏切られる可能性もあるよね。

ゴブリンって悪知恵だけは働くイメージあるし。

 

リムルにも話し合いをするように言われてるし話してみるか。

『威圧』かけて妖気も出せば逆らおうとは思はなくなると思いますよ。とゼオに言われたのでやってみる。

 

「兄はスライムで、この我は種族不明だ。それでもこの村に一員になりたいか?それでも我等、兄弟に従う事ができるか?」

 

あ、ちょ、めっちゃ震えてる!

気絶しないよな?ちょっと圧下げとく……?

 

《問題ありません。返事を待ちましょう》

 

そ、そうだね!

 

「も、もちろんでございます。つつ、強き者よ……!下僕と認めてくださったら絶対の忠誠を捧げる所存でございます……!」

 

「……分かった。その言葉、ゆめゆめ忘れるなよ?裏切ったら躊躇いなくお前らを殺すから。どんな理由があろうとも裏切りは許さない。ま、お前らを受け入れるかどうかの最終判断は我が兄が行うものだ。それまではこの村で休むといい」

 

少し脅しすぎた気がする。

まぁいいや。

リグルドにはこの村初の客人だから壮大にもてなすよう言っとこう。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

「おかえりなさいませ!リムル様!」

 

「兄貴、おかえり」

 

「ただいまエレキ、リグルド。今日は兄貴呼びか?エレキ」

 

「その時の気分だから気にしないでいいよ」

 

 

リムルが帰ってきた。

みんなリムルを出迎えたがって少し人が多い……

 

「エレキ、俺がいなかった間に敵が攻めてきたりとかはなかったか?」

 

「敵は来なかったけど、代わりにゴブリンが来たよ」

 

「ゴブリン?」

 

 

俺は他のゴブリン族の長が訪ねてきてることを伝えた。

 

最初は受け入れを断ろうと思ったみたいだが、パパが関係してる事だから見捨てるようなことはしないらしい。

 

来たい者は来いって感じでゴブリンたちを受け入れるってさ。

 

 

で、後日約500匹のゴブリンが来た。

この人数でも名付けはするんだってさ。

 

「エレキ、手伝っ「嫌」……だよな」

 

「抱っこして傍に居てあげるから頑張れ!」

 

今回も名付けはお断りです。

代わりに抱っこしてあげた俺は優しいと思う。

 

 

名付けが終わったあと、この村じゃ狭すぎるということで引越しをすることが決まった。

最初の洞窟付近に引っ越すってさ。

そこで新たな町を築く。

 

リムルが連れてきたドワーフの三男、ミルドを筆頭とした測量班が帰ってきたら、荷物をまとめていざ新天地へ!

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

そして時は経ち!

 

新たな土地にやってきたリムル一行!

 

だがしかし!俺は相も変わらず暇なのである!

手伝おうにも俺は道具を作るくらいしかないからね。

木を切って根っこを掘り出す……無理だな!

 

と、言うことで!子どもと仲良くなってエレキ様優しアピールをしよう。

子どもたちと遊びたいのは本心だし、別にいいよね!

 

 

「よぉ、みんな!俺とあそぼーぜ!」

 

「わぁ!エレキ様だ!」

 

「エレキ様!何しますか?」

 

めっちゃすんなり受け入れられたわ。

……おや?一人だけになっている子がいる。

ふむ、あの子は進化前のゴブリンだな。

 

「あの子はどうしたんだ?」

 

「あの子は……」

 

「リムル様からの名付けをしてもらって無いんです。その日、あの子は森で迷子になってたから……」

 

そんな子がいるの!?

ふむ、どうしたものか……

 

「リムルを呼ぶのも時間がかかるし……仕方ない。俺が名前を付けよう」

 

「……!」

 

「お前らは別のところで遊んでてくれ」

 

「「分かりました!」」

 

 

 

名前、名前……付けると言ったけどどんなのがいいんだろう?

リムルは適当につけてたけど、この子は俺の初めての子だしちゃんとした名前を付けたいな。

 

「なぁ、君。付けて欲しい名前とかある?」

 

「そ、そんな!付けてもらうだけで凄く嬉しいのに、自分で考えるなんてできません!」

 

「君は進化前で、しかも子供なのに知性がしっかりある。それはすごい事だ。分かった!君の名前は我が名前と我が父、ヴェルドラの名から取って、エルの名を授けよう。特別だぜ……んっ!?」

 

 

ほぐ……っ!?

これが名付けによる魔素消費!?

 

《な、何やってるんですか!そんな名前付けたら魔素がごっそり持ってかれます!あわわ!残り10%に!胃袋に貯めていたヴェルドラさんの魔素を使います!リアクター展開!》

 

「……はぁ、はぁ」

 

「エレキ様!大丈夫ですか!?」

 

「問題は無い……少し張り切りすぎた。なんせ、初めての名付けだからな。お前ももう時期進化が始まる。俺の膝にでも座ってゆっくり眠れ」

 

ついでに俺も寝たい……なんか疲れた

 

《本当だったら低位活動状態になってますからね!僕がいなかったらどうなってたか!》

 

ありがとうゼオ……

 

「そ、そんなこと出来ません!」

 

「いいからこいって。性別を気にしてるなら俺は男でも女でもない。地面で寝たら身体痛めんぞ?」

 

「……わ、分かりました。失礼します」

 

「いいこだ。よしよし……安心して眠れ〜」

 

「……」

 

眠ったな。俺も眠ろう。ゼオ、なんかあったら起こして

 

《了解です。……ふぅ、変換作業も楽じゃないですね。緊急用ヴェルドラさん魔素を10%消費してしまいました……このエルさんは、主様とヴェルドラさんの名を継いでますから、電嵐鬼族みたいな感じになるのかな?進化が楽しみですねぇ》

 

 

ゼオがなんか言ってる……まぁいいや……寝る

 

 




仕事が忙しすぎて辛い……出張先では毎日2時間残業、こないだは休日出勤もしました。続きを書く時間が取れない……
今週は夜勤なのでそれも辛い。てか眠い!
11/3(夜勤)に有給を取ったので、その日は原神でもやって気分上げていきましょうかね。

それでは!
次回もお楽しみに……!
あ、誤字脱字の報告よろしくね!


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11話 名付け完了

仕事忙しすぎて雑に作ってしまった……
内容は無いようです(いつも通り)
そういえば、ゼオの《全知之王》にルビが付きました。
ゼオという名前は変わらないのでそこら辺よろしくっす。


スッキリ爽快いい目覚め!

だいぶ経ったと思うし、二度寝せずに起きようかな。

ってあれ?目が開けられない……?

 

《主様、おはようございます。よく眠れましたか?》

 

ま、まぁ。擬似睡眠でも眠れるは眠れるからな。

とりあえずこの状況を説明してくれ。魔力感知は使えないのか?

 

《暇だったので、眼の改良を行ってました。拡大縮小機能とデータ表示&AR機能を搭載した眼に換装するので少々お待ちください。それで魔力感知なのですが、先程名付けを行った際に消費した魔素の量が魔素保有量の上限を超えてたんですよ。だから、僕が個人的に貯蓄していた緊急用ヴェルドラさん魔素を主様用に変換して、生命維持に必要な魔素を補ってたんです》

 

ふむふむ。それなら、パパの魔素をもう少し俺に回せばいいのでは?

 

《先程も言ったように、緊急用なのでそんなに無駄遣いできません。ので、主様には活動できるギリギリの魔素しか無いんです。魔力感知で消費する魔素の量は本当に少ないんですけど、それ以上に主様の魔素が少ない訳ですね。だから魔力感知が使えないのです》

 

なるほどな、理解はできた。しかし、魔力感知が使えないのはな……

それなら、眼の改良はいつ終わるんだ?

 

さっきの説明を聞いた感じ、眼の機能ってつまりアイアンマンのHUDの上位版みたいなもんだろ?

 

《まぁイメージはそんな感じですね。SAOのオーグマーが必要ない感じです》

 

とりま、なるべく早く作業を終わらせてくれ。

 

《すぐ終わらせます。暫くは我慢しててくださいね》

 

了解。

 

……そういえばさ、俺が寝てからどれくらい経った?

 

《8時間ほどですね。既に夜となっております》

 

え、マジ?リムル兄貴に怒られるんだけど……?

早く帰らないとやばくない?

ああでも、エルが居るから動けないなぁ……

 

《主様が寝てすぐに、リムルさんの『大賢者』さんを通じて連絡をしてるので安心してください。リムルさんも、お客人の相手で忙しそうですからね》

 

お客人……?ああ!もうそんな時期か。確か仮面の女性が出てくるんだよな。

名前……なんだっけな?

 

《シズエ・イザワさんです。イフリートさんと同化して延命してる相当の精神力を持った女性ですよ》

 

そうなのか。ちゃんと転スラ読めばよかったなぁ……

1巻だけじゃ何も分からんな。

 

《僕が知ってるので、僕に任せてくださいよ。その為の僕ですからね!というか主様は何も考えずすぐ僕を使えばいいんです》

 

あー、まぁ任せはするけど全部自分でやらないで人に任せるのはダメってリムルが言ってたから、何でもかんでもお前に任せるのはさすがにしないよ。

 

《えぇ!?リムルさんが!そんなことを!?誰よりも主様に何もさせずに監禁したいとか思ってるあのリムルさんが!?……そういえば言ってたかも?》

 

リムルってそんなこと思ってたの!?

でも、そんな風には見えないよ?

 

《独占欲を頑張って抑えてるか、『大賢者』さんにサポートしてもらってるかですね。恐らく前者だと思いますが》

 

 

あの洞窟に居た時に精神攻撃されたのが後遺症として残ってるのか……?

あの花、マジでなんだったんだよ。

 

《あれ、気付いてないんですか?》

 

はぁ?何がだよ?

 

《あの花、主様の潜在意識が作り出した魔物でしたよ。過去を見てやっと理解しましたよ》

 

……え、俺?なんで俺が魔物なんか作ってんの!?

てか、俺の潜在意識ってなんだ……?

 

……あ、もしかして前世でヤンデレが好きすぎたことか?

 

《そこまで好きになるとかヤバすぎでしょ。愛に飢えてるんですか?》

 

2次元のヤンデレはいいぞ。世のオタクはだいたいヤンデレメンヘラが好きだからな。多分。知らんけど。

 

《潜在意識に根付くほど好きとか少し引きますねぇ……。よし!とりあえず眼の最終調整が終わったので目を開いていいですよ》

 

お、マジ?サンキュー

……開かないよ?

 

《失礼、操作権を返しますね。これで開くと思います》

 

ん、平気そう……かな。

 

 

 

「──っどわぁ!?」

 

「やっと起きましたね……!おはようございます。エレキお姉様!」

 

「お、お姉様……?君、誰?」

 

「外見がだいぶ変わったのでお忘れになっても仕方の無いことですけど、少し悲しいです……私はエルですよ。覚えていらっしゃいますか?数時間ほど前、お姉様が名付けをなさってくれた雌ゴブリンです」

 

雌ゴブリン!?

雄だと思ってた……!

外見はだいぶ変わってる。背は伸びて胸が大きくなってて……

例えるなら、大人になった俺の姿みたいだな。

 

……ん?俺みたい?

 

「ヴェルドラお父様とエレキお姉様の名を一文字ずつ頂いた結果、私はお姉様の妹となりました」

 

「それで俺みたいな姿になったのか?種族は?」

 

「精神生命体となり、風雷竜鬼人族へと進化しました」

 

「なんだその種族!?エルだけの為にある種族みたいなもんじゃん」

 

精神生命体になったのは俺の名前からで、種族の竜ってところはパパから、鬼人は……種族違くない?

 

《通常、ゴブリンから鬼人族になることはありませんし、さらに竜ってなんですか?めちゃくちゃですよ。エルさんは種族の垣根を超えたやばい存在ですね。……複数ある未来のうち最も確率の低い未来が当たるとはなぁ》

 

……え?今なんて?

 

《なんでもないです》

 

そ、そう?……まぁいいや。

 

「エル、スキルに変化はあったか?」

 

「『博識者』、『依代作成』、『風雷支配』その他にもいろいろ新しく獲得しました。耐性なども増えましたけど、全部言った方がいいですか?」

 

「いや、大丈夫。魔素は増えたか?」

 

「はい。お姉様が限界を超えてまで私に魔素を下さったので、お姉様と同等くらいの保有量だと思います」

 

「そっか……俺と同等か……よし、それじゃあ首を切ってくれる?」

 

《いきなり何させてるんですか!?》

 

違う違う。これは『依代作成』の練習だよ。

 

「分かりました」

 

「そしたら、『依代作成』で自分の頭部を再現して」

 

「……こうれふか?」

 

「舌ねじ曲がってないか?やり直しだ。ゼオ、『博識者』とリンクしてエルの補助をしてくれ」

 

《了解しました……それにしても、主様ってサイコパスですか?いきなり首切れとかヤバいですよ》

 

先ずは依代作成の練習をして身体の一部が消えても直ぐに治せるようにさせる。そうすれば、魔素が無くなるまでは消滅を免れるはずだ。

 

エルの魔素保有量なら、『依代作成』をしっかり制御出来ればほぼ不死身のようなもんだからな。

 

《もうちょっと説明してあげればいいのに……すぐに実行するエルさんもどうかと思いますけどね!》

 

(お姉様はお姉様なのでお姉様に命令されたら即座に実行します。それが私にできることですから)

 

《んぎゃあ!?リンクは『博識者』までなのに入り込んできたよこの妹さん!》

 

(ふふ、ゼオ様は面白いお方ですね)

 

《名前まで知られたんですけど!?とと、とりあえずリンク解除します!》

 

「あら、切れてしまいました。お姉様、こんな感じでよろしいでしょうか?」

 

「お、おお!もう出来たのか!さすがだな!」

 

何この子成長が早い……ちょっと怖いな。

とりあえず俺の代理として働かせて、様子見しようかな?

 

《代理、ですか?主様がそれでいいなら文句はないですけど……》

 

 

「よし、エル。お前は今日から俺の代理でこの村を守れ。できるな?」

 

「もちろんです。村に近付く不振な者は即刻排除でよろしいですか?」

 

「は、排除はしなくていいかな。とりあえず報連相、俺に報告、連絡、相談をしてくれ」

 

「了解です。それでは早速行ってきますね」

 

「うん、頼んだ。俺はリムルの所に戻るよ」

 

「行ってらっしゃいませ。お姉様」

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

「リムル、今戻った……よ?」

 

「静かに。……遅かったな、エレキ。エルの進化は終わったのか?」

 

「うん。今は俺の代わりにこの村を守るように命令してる。その人たちは?」

 

「この3人は前に洞窟で見かけた冒険者達、仮面の女性はシズさんだ。俺がここに招待した」

 

「へぇ?そうなんだ」

 

 

おかしい。シズさんは仮面を着けたままだ。

まだイフリートが出てきてないのか?

 

《基本原作の通りに進むはずなので、少し早くに皆さんが来ただけだと思います。明日、イフリートさんは必ず姿を現します。日程と時刻はどの分岐も同じですから》

 

そっかそっか……

シズさんって確か死ぬよな?生存ルートとかどう?

 

《イフリートを排除した時点でシズさんの死は確定するので不可能です》

 

不可能、か。それはどの世界線でも?

 

《二次創作では生存ルートもありますよ》

 

二次創作か……

うん、原作崩壊はしない方がいいな!

 

「エレキ、少し外で話をしよう」

 

「え、説教?」

 

「違う違う。ちょっとな」

 

「……?」

 

 

《行っても平気ですよ。安心してください》

 

分かった

 

 

 

 

その後、俺にとって最悪なことが起こるとかこの時の俺は考えもしなかった……




お久しぶりです。
ディズニー+でテンリングスとブラックウィドウ見ました!面白かったです。
やっぱ武術っていいっすね!

次回の投稿日は未定です。
不定期更新だし仕方ないね!


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12話 もぐもぐうめー!

お久しぶりです。運営さんに『クロスオーバータグ付け忘れてるから付けるけど次回からは気をつけてね』って怒られました。ごめんなさい。

2021/12/27 08:09 サブタイトル変え忘れてたんで変えました


「……それで、どうしたのリムル」

 

「お前に頼みがあるんだ」

 

「頼み?」

 

「……エレキ、食っていいか?」

 

「は?」

 

「い、いきなりすまない。実は……」

 

 

なんと、衝撃の事実がリムルから伝えられました。

 

あの花の後遺症が日に日に強くなってて、頑張って理性で色々抑えてるらしいんだけどそれももう我慢の限界やねん。お前とひとつになりたいねん。

だから、俺の事食っていい?だってさ

ふざけてんのかな?

そんなスライムボディで言われたら笑っちゃうわ。

とりあえずほら、ゼオくん。解毒薬を作りなさい!

 

《まぁまぁ、ここは素直に捕食されましょう。ヴェルドラさんにも会えますよ?》

 

断固拒否。パパとはしばらく会うつもりないからな。

 

《では、断ってみましょう。断ることが出来れば、ですけどね》

 

……え?まぁいいや。言えばいいんだろ?

 

「リムル、さすがに食われるのはいy」

 

「ごめん、限界」

 

「あぴゃっ」

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

《食べられちゃいましたね》

 

おま、あっさりしすぎだろ……

抵抗する隙もなかったぞ……

てかここどこだ?パパがいる場所とは違うのか?

 

《『捕食者』の『胃袋』で完全に隔離されてます。本来だったらここで魔素に変換されるんですけど、その様子もなさそうなのでただ監禁されてるだけですね。ほら、言ったじゃないですか。リムルさんは監禁したいとか思ってるんですよ?まぁこうなりますよね》

 

クソっ!着いてくのが間違いだった!全然ダメじゃん!

 

《平気ですって。明日、イフリートさんがリムルさんに捕食されるのでその時を狙って脱出しますよ》

 

いや無理だろ……?

 

《何かを食べる時、普通は口を開いて食べますよね?》

 

まぁ、普通はな

 

《リムルさんが捕食する時も、口が開くと思うんですよ。ていうか開くんで、そこを狙います。それか、胃袋の容量いっぱいになるまでものを作るかですね》

 

前者の確率が五分五分すぎる……!

……そうだ!あのさ、ウルってどのくらい作れた?

 

《ムジョルニアとほぼ同じ量の作成を完了してます。ストームブレイカーまではまだまだですね》

 

それで十分だ。

手首から指先までの構成物質を全部ウルに変えてくれ

 

《なるほど、理解しました。それだと、完全な能力は発揮できませんよ》

 

えーダメなの!?

俺の手から雷撃どーん!リムルBURN!でいけると思ったのに

 

《ここは胃袋ですよ?つまり、別の空間で、現実世界とは違うんです。ハンマーの力をハンマー無しで使うには、それこそストームブレイカーと同量のウルが必要で……》

 

そっかぁ。俺にムジョルニアが使えるとは思えないし、うーん……何かいい方法ないかなぁ……

 

《……おや、これは。主様、ヴェルドラさんから着信が来てますよ》

 

着信?念話ってそんなシステムあるのね。

切羽詰まってるし仕方ない。応答して

 

《分かりました》

 

(む、ようやく繋がったな。もしもし、聞こえておるか?)

 

(聞こえるよ。久しぶりだね、パパ)

 

(久しぶりであるな。エレキが元気そうでなによりだ)

 

(察しのいいパパならここから出る方法を探してくれてたり?)

 

(ああ。これはリムル自身の意思じゃないと我は推測しているからな。エレキ、我から魔素が溢れ出てるのは既に知っているであろう?)

 

(うん。俺のスーツの初期型はパパの魔素を変換して動いてたからな)

 

(なら話が早い。我の魔素を元に、お主の『作成者』で何か作れば良い)

 

(でも、ここから動けないぜ?どうやって魔素を吸収すればいいんだ?)

 

(その隔離空間に少しでも亀裂が入ればいい。……その位なら喰えるだろう?)

 

(ちょ、ちょっと待って?)

 

喰える……?『暴喰者』の事か?俺、スキル構成言ったっけ……?

いや、言ってないよな……?

 

 

(俺、『暴喰者』持ってるの言ったっけ?)

 

(我は親であるからな。故に、エレキの事はだいたい把握しておる)

 

(うへぇ、そんなんもうママじゃん!ママでパパとか訳分かんね)

 

(気にするでない。我は聖典を読んでおるから何かあったら呼ぶといい)

 

(聖典……?まぁいいや。分かったよ)

 

ゼオ、行くよー

 

《了解です》

 

せーのっ!

 

 

 

「《イタダキマス(いただきます)》ッ!」

 

《あ、やべ!『暴喰者』!何やってるんですか!表に出ないって約束したじゃないですか!?早く戻ってください!》

 

「イヤだよ!オレがオレのまま喰った方が効率イイの!」

 

《わがまま言わないでください!》

 

「ムーっ!ワカッたよ……」

 

 

「っ!?い、今のは『暴喰者』……なのか?」

 

《ッスー……えと、何かありました?そ、そんなことよりこの隔離空間に少しですがヒビが入りましたよ。ヴェルドラさんの魔素は僕が取り込むので、しばらくお待ちください》

 

 

「……来い、『暴喰者』」

 

《ちょま》

 

「ン?呼バレた?」

 

……ゼオさんや、これはどういうことだ?

 

《いやー、知らないっす。……嘘です。簡単に言うと、僕の自我を形成した際、主様が元々保有していた魔素の量が多くて『暴喰者』にも自我が少しだけ形成されてしまったぽくてですね?いやまぁ、『暴喰者』が覚醒したのはつい最近なんですけどね?》

 

なんで言わなかったんだ?

 

《『暴喰者』は本来であれば自我を持たない訳です。スキルなので当たり前なんですけど。で、この『暴喰者』は無駄に自我を持ったせいで色々とありまして……例えば、主様の欲に直接関わったりとか。でも、僕がなんとか欲を制御すれば問題ないと思って黙ってました》

 

そういうのは俺に言えって!

まぁいい。んで、この『暴喰者』は俺に従うのか?

 

《……多分?》

 

「主、最推し、オレ、従ウ」

 

そっかそっか俺が最推しなのか〜!

可愛いなこの子〜!

 

「えへへ」

 

《あー……『暴喰者』、とりあえず主様に身体を返してください》

 

「わかッタ!」

 

「……っふぅ。一悶着あったが魔素の量もだいぶ増えたし、やるか」

 

《了解です。右腕の構成物質をウルに変換します……》

 

おお、ゾワゾワする……腕の見た目には変化ないんだな

 

《完了しました。これで雷が放てますよ。この隔離空間もヒビが入ったことで全て喰べることが出来ますがどうします?》

 

「おっけー。それじゃあ喰ってもらおう。『暴喰者』、この隔離空間を全て喰え」

 

「ゥィ……おエッ!?ヤッパこれまジュイ……」

 

「よしよし、よく頑張ったな。あとは……」

 

《あとは内側から攻撃をすればOKですね》

 

「えーと、先ずは手を上に翳して……ソーって何も言わずに雷撃放ってたよな?それじゃ味気ないし、なんか掛け声でもするか……雷鳴よ!我が意に応えよ!あ、みんな起きるから音を出さないで落ちてきてね!」

 

……反応無し!これ効いてるのかこれ?

 

《一応攻撃は通っていますね。外の様子を写します。》

 

ふむふむ、俺が見ても分からないぞ!

 

《リムルさんが電流耐性を持ってて、且つ『大賢者』さんがこの空間を制御してるのでこれじゃ出れなさそうですね。主様が攻撃したってことは理解してると思うので、そこでリムルさんが良心で出してくれればいいんですけど……》

 

うん。無理だろうな。……捕食を待つしかないか

 

 

――

 

「お姉様の気配が消えた……?」

 

お姉様と私の中で繋がっているモノ、それを今少ししか感じることが出来ない。つまりそれはお姉様が死ぬ直前、もしくは結界またはそれに準ずる物に阻まれているということ。

お姉様が死ぬことはまず有り得ない。では、誰に何をされたのか?

 

……今も感じてるこの僅かな繋がりを頼りに見つけるしかない。

 

っ!雷!?でも音がない……?

でも町の中にいきなり雷が降るなんておかしいし、急いで向かわないと!

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

雷が落ちた場所に到着したので、周囲の確認をしていたらリムルお兄様を発見しました。

 

スライムボディが丸焦げになって黒い煙が上がっていますね……

私がここに来る途中何度も雷撃が落ちていたのですが、もしかして全部リムルお兄様に直撃したのでしょうか……?

 

それと、リムルお兄様に近づいた途端お姉様との繋がりを強く感じるようになりました。

……こんなこと考えたくもないのですが、もしかしてお姉様を閉じ込めているのはリムルお兄様?

『博識者』を使用し様々な可能性を探ってみましたが、全てリムルお兄様がお姉様を捕食したと示しています。

 

でしたら、私はお兄様を殺さなければなりませんね。

 

 

「どれだけ抵抗してもムダですよエレキ様……貴方は俺の中で俺と共に生きるんです……既にこの身体は俺の支配下。意味の無いことなのです……」

 

なにか独り言を言ったようですね。

とりあえず捕食していることが確定しましたし、殺しましょう。

 

「初めましてお兄様。初対面で申し訳ないのですが、お姉様を解放するためにあなたを殺します。速やかに死んでください」

 

「……『捕食者』」

 

「あら、それは私の分身ですよ?」

 

「ん゛っ゛!?お゛ぇ゛っ゛」

 

「え、私何もしてないのですが」

 

「うぅ、ヌメヌメする……リムルの中って気持ち悪いな。ん、そうだ。忘れないうちに……リムル、これ薬ね。飲んで」

 

「ふむぅっ!?……おぐぇ、ごぽ」

 

「うわきったな!?いきなり溶けるなよ……」

 

「お、お姉様?……お姉様!良かった!戻ってこれたんですね!」

 

「お前のおかげだよエル!マジ助かった……さて、このクソ兄貴を何とかしないとな」

 

 

 

――

 

 

「……俺は、何を」

 

「おはようリムル。昨日何したか覚えてるか?」

 

昨日?

昨日は……あれ、エレキを呼び出してからの記憶が、ない?

 

「……分からない」

 

「無理に思い出そうとしないでいいよ。『大賢者』に聞いたりするのもダメだからね?」

 

「……分かった」

 

「よし、それじゃあ俺はしばらく離れるよ。シズさん達がもうすぐ起きるはずだから、対応よろしく」

 

「ああ。任せてくれ」

 

……なんだか、心が軽く感じる。

エレキと話していても独占欲が湧いてこないし、いつものような飢餓感もない。

 

昨日、いったい何があったんだ……?

 

なぁ大賢者

 

《解。『全知之王』から情報の規制が行われてるため回答できません》

 

「ちょ、兄上?聞いちゃダメって言ったよね?この世には知らない方がいいこともあるんだよ」

 

「ご、ごめん」

 

それでも気になる……すごく気になる。

もっと深く思い出してみよう。

 

昨日、エレキを呼び出す前に俺は……

 

 

 




前話から1ヶ月以上経ちましたが何とか年内に出すことが出来ました。
出張やっと終わりましたよ!いやー、疲れた。

それでは、また次回もお楽しみに


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13話 こーかい

大晦日ですね
ストック無くなるけど、せっかくだし投稿しようと思います


引越しを終えてしばらく経ったある日、俺は近くの森を散策していたんだ。

たまたま通りかかった場所にジャイアントアントに襲われている人間を見つけたから助けに入ったんだったな。

 

そこで俺は、運命の人と言われていたシズさんと出会ったんだ。

ついでに前洞窟で見かけた3人組の冒険者も。

 

疲れている様子だったから俺は4人を町に招待したんだったな。

 

町では4人と一緒に飯を食ったり、外を見て回ったり……

 

夜になって、みんなが寝たあと俺は、エレキを呼び出したんだ。

なんでだ?

 

《お前のその執着心、気に入った。エレキ様にふさわしい執着心だ。エレキ様から生まれたこの私が少し手を加えてやろう》

 

……そうだ。思い出した。エレキを呼び出して直ぐに俺は誰かの声を聞いたんだ。

あの声はなんだったんだ?

 

あの声が聞こえたと同時に、多分そいつからレジスト出来ない精神的な攻撃をされたんだろう。

そして気を失ってる間に身体の操作権と記憶を持ってかれたと。

 

だけど、今こうして正常な状態で俺はいる。

きっとエレキが何とかしてくれたんだろう。

 

 

「失礼致します!リムル様、シズ様がお呼びですぞ」

 

「……」

 

エレキには今度ご褒美をあげないとなぁ……

あいつの好きな物ってなんだろう?

 

「リムル様?まだ体調が優れないようでしたら」

 

「ああ、ごめんごめん!俺は平気だよ。シズさん達が呼んでるんだろ?今行くよ」

 

「はっ!」

 

――

 

「久々に疲れた……」

 

《いや何もしてないですよね?》

 

「精神的な問題だよ……」

 

ほんと、疲れましたよ。

 

とりあえず昨日のことでも話そうか。

リムルの胃袋の中でソーみたいに雷撃を放っても外に出れないと知った俺は、とりあえず雷撃を打ち続けてリムルが消耗して出してくれること祈ってたんだ。途中でパパにやりすぎって言われたからやめたけどね。

パパに叱られてる時、なんの前触れもなく唐突に口が開いたから無理やりこじ開けて狭い空間をリアクターの出力を通常より多めに回して外に出てきたんだ。

リムル以上の質量をもってるから身体ベトベトになるし最悪だった……

 

出てきたすぐに、ゼオが仮想空間で俺の身体をした『暴喰者』と花を再現してメンヘラを治す薬を作ったんだ。

何度も何度も同じことを繰り返してデータを収集、そして俺の中にある抗体を見つけ複製、そして被検体に投与と調整を繰り返して完成したらしい。

ゼオの演算能力がなきゃあの一瞬で抗体を創り出すことは出来なかっただろうな。

人間の年で数えたら何億年も経過してるって言ってたし。

 

ゼオはなんでも知ってるのになんで胃袋に入る前にやらなかったのか?って思う君たちに答えだ。

 

これが一番効率よく花を消すことができるから

 

だ。

 

リムルを乗っ取らなければ完全な状態にはならないから今まで待っていたらしい。

俺に言うとすぐにバレるから言わなかったんだってさ。

俺秘密を守るの苦手だし仕方ないね!

 

んで、調子に乗ってるやつほど簡単に殺すことができるってのは至極当然の事で、リムルを乗っ取って主である俺と共に永遠に過ごせると勘違いした花は完全に調子に乗ってたんだ。

調子に乗って油断した花はエルを捕食しようとして口を開けてしまった。

 

あとは知っての通りだな。

 

……リムル、思い出してないといいけど。

 

《そんなに心配なら着いていけば良かったじゃないですか》

 

「嫌だよ。着いて行ったらせっかく知り合った人を殺すことになるんだぜ?それなら最初から会わない方がいい。あの3人組とはいずれ会うことになるし」

 

《……そうですね》

 

 

 

「そんなことよりさ、スーツの改良とかこのボディの改良とかしまくったじゃん?ということで、今一度装備の確認をしたいと思う」

 

《分かりました》

 

まずは、俺の身体だな。

胃袋にいる時、右腕をウル製に変換してるけど基本的に無限の石がない状態のヴィジョンと同じ感じだ。

変わったのは右腕を使えば雷を起こせるくらいだな。

 

確か、この右腕に雷と電気関係のスキルを沢山手に入れたんだったな。

纏めて『雷電操作』ってことにしてる。

ゼオが制御するし俺にはほぼほぼ関係ないからな。

 

さて、次はスーツだな。

こっちは機能的にmark85と変わらないかな。違うのは動力源と構成材質、攻撃の威力位だ。

 

いや、ひとつ違う点があるとすればウェブを着けてるって所かな?

でもまぁそれくらいだ。もちろんスパイダーセンスもある。

 

次はスキル関係だけど……

さっき言った『雷電操作』が追加されたくらいかな?

スキルに関してはよく覚えてないし別にいいや。

 

「あ、そういえばスキルって作れたりするのか?」

 

《出来ますけど、『作成者』だと作れないです。アルティメットスキルなら可能ですよ》

 

「アルティメット……『作成者』を進化させればいいのか?でもスキルってそう易々と進化できねぇしな。スキルが作れたら無敵すぎるし諦めよう」

 

《でも、統合することは出来ます。『作成者』が持っている変質化を使うことで可能です。銅がなんたらとか言ってる時に言われたはずですね》

 

「そんな細かいこと覚えてねぇよ……てか科学無双するとか言っておいて全然科学してねぇな。まぁいいか……ん?」

 

《イフリートさんの気配です。援護しますか?》

 

「まぁ、見に行くだけ行ってみようか」

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

リムルがシズさんを救ってから一週間くらい経過した。

見に行ったらもう戦いは終わってて、もっと早く行けば助けることが出来たかもしれないという罪悪感が凄まじかったので俺が看病することにした。

 

「エレキ、シズさんの状態は?」

 

「まだ目覚めそうにない、かな?呼吸も心音もかなり不安定な状態だけど、脳に損傷はないから確実に目覚めるよ」

 

「……スライムさん」

 

っ!目覚めた!えと、とりあえずどうすれば……?

 

「……そっちのあなたは、誰?」

 

「そうか、初めましてだな。俺はエレキ。歳は18でリムルの弟。そして、日本からの転生者だ」

 

「そっか、君も転生者なんだね……?」

 

「うん。シズさんのことは少しだけリムルから聞いたよ。とりあえず水持ってくるよ。リムル、頼んだ」

 

「……ああ」

 

 

――

 

「スライムさん……ありがとう。私はまた……大切な人を殺してしまうところだった。この手で」

 

「……」

 

「ねぇ、スライムさん。聞いてくれるかな?私という人がいたって覚えていて欲しい」

 

「分かった」

 

シズさんは朦朧としながらも語ってくれた。

 

召喚され、イフリートを憑依させられて友達を殺めてしまったこと。

勇者に出会って一緒に旅をした事、その勇者もどこかに行ってしまったこと。

それから苦しんでる人を助けたいと思い強くなろうと決心したこと。何十年も頑張って、英雄って呼ばれるようになったこと。

長い時を生きるにつれてイフリートの制御が難しくなり、冒険者を引退し、学校で異世界人を指導する先生になったこと。

 

そしてイフリートの意識を抑え込むのが難しくなってシズさんは魔王を探す最後の旅に出た。

 

 

「ねぇ、スライムさん。名前なんて言うの?」

 

「え?俺はリムルって」

 

「ううん。本当の、名前」

 

「ああ、俺は悟。三上悟」

 

「あの子、エレキくんは?」

 

「あいつは……」

 

「俺は桐生院雷(きゅういんらい)。これが俺の名前だよ」

 

「私は静江……井沢静江」

 

「静江さん、もう眠った方がいい。水、置いとくよ」

 

「ありがとう雷君……でも、大丈夫。悟さん、お願いがあるんだけど……聞いてくれる?」

 

「うん」

 

静江さんの願い──それは、俺に自分の存在を食べて欲しいというものだった。

 

「この世界が、嫌い……でも憎めない。まるであの男のよう……だからこの世界に取り込まれたく、ない……」

 

「……」

 

「最後の……お願い。私を……君の中で眠らせてくれないかな?」

 

「……いいよ」

 

 

三上悟、いやリムル=テンペストの名において約束しよう。

彼女の心残りである教え子たちのこと、それから魔王レオン・クロムウェルのことも。

静江さんの想いを受け継ぐと約束しよう。

 

「ありが……とう……」

 

そう呟き、彼女は眠りに就いた。

 

運命の人よ安らかに眠れ

俺の中で、永遠に覚めることなく幸せな夢を見られるように

 

《ユニークスキル『捕食者』を使用しますか?》

 

……YES

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

「ありがとう、リムル。辛いはずなのに、さっきの話を教えてくれて」

 

「いいんだ。これはお前にも関係のある話だからな」

 

「最後になって思ったよ。避けないでちゃんと話しとけばよかったなって」

 

「……そうだな」

 

――

 

「シズさん、ありがとうござました!」

 

擬態を使ってシズさんによく似た子どもの姿になったリムルに冒険者3人組は口々に感謝と決意を告げていった。

 

 

「……ところで、お前らの装備ボロっボロだな」

 

「ひどっ!?」

 

と、言うことで冒険者3人組の装備を新調することになった。

俺が作った武器も気に入ってくれると嬉しいなぁ。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所は変わってドワーフたちの工房だ。

ここで新しい装備を渡すことになった。

 

「これは餞別だ。うちの職人たちの力作だぜ?」

 

「そうそう、特に俺が頑張ったな!」

 

「ま、力作つってもまだ試作品だけどな」

 

「着心地はどうだい?」

 

「細工は流々ってなもんだ」

 

「うんうん」

 

「……紹介しよう。右から俺の弟エレキ、カイジン、ガルム、ミルドにドルドだ」

 

 

どうやら、カイジンやドワーフ三兄弟は思っていた以上に有名人らしく、防具に関してはめちゃんこ喜んでた。

防具に関しては、な。

 

「ねぇ?俺が作った武器はどうよ?これとかかっこよくない?ローニンの刀だよ?それでね、こっちがキャプテンアメリカの盾でね!」

 

「エレキさん、そいつ達はあっしらには荷が重いと言うか……」

 

「刀は格納式だよ?かっこいいよ?ここを押すと生体電気を増幅させて敵を感電させたりとか……ほんとに要らないの?」

 

「うぐっ、わ、分かりました。護身用として貰っておきます。盾は遠慮しときます」

 

「わーい!受け取ってくれてありがとう!」

 

俺が作った武器は少し不評だった。

なんでだろうね?ちゃんと再現したんだけどね。

やっぱ、使い慣れた武器ってのが一番しっくりくるんかね?

 

 

 

 

 

……そして、リムルは町の近くにある丘にシズさんの墓を建てた。

墓標代わりに積んだ石を前に俺らは手を合わせる。

 

「エレキ、俺はシズさんを泣かせたレオン・クロムウェルって魔王をぶん殴りに行くことになる。その時は、お前も来るか?」

 

「……そうだね。それは俺の罪滅ぼしでもある。俺は未来を知っていながら助けることを選ばなかった。なら、俺はシズさんの想いを少しでも受け継ぐ」

 

 

待ってろよレオン・クロムウェル。たとえ、どんな困難が待ち受けていようとこの不死の身体を使って、必ずお前を見つけて報いを受けてもらう。

 

 

 




来年もよろしくお願いします。


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