笑えよ!笑ってくれよぉ!(懇願) (ノイフェル)
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ウマ娘?うっそだろ。ほんと?ウマってくるわ

とりあえず温めていたので、いつも通り投げてみる

スナック感覚でどうぞ(なお、味についてはお察しレベルである)


某県某所。とある出版社の会議室にて

 

 

 

何故だ、何故こんな事が

 

巡り合わせとでも言えば良いと!

 

粉バナナ

 

 

 

大変です!部長が白目剥いてますよ、皆さん!

 

 

 

その場は重苦しい空気に満ちていた

 

 

 

 

ここは〇〇出版

 

出版業界においては大手いや中堅?

いやいや、零細と言っても過言ではない会社である

 

 

 

この会社のモットーは『本で人を幸せにする』というものであり、堅苦しい経済小説などは一切手掛けない事である意味では有名(変わり者)であった

 

 

 

今回集まったのは、社長に副社長。常務に専務。部長に課長と、そして

 

 

 

やっちまったゼ☆

 

 

と歳を考えずにテヘペロをするアラフォーの男だった

 

 

 

 

 

あのねぇ、〇△君。そんな冗談を言っている場合なのかね?

 

 

専務はアラフォーの男に非難めいた視線と発言をした

 

というか、普通に非難しているのである訳だが

 

 

 

既に終わった事でしょう?

であれば、これに(・・・)どう対応するかが問題ではありませんか?

 

 

 

た、確かに

 

そうだが

 

だが、しかしだな

 

 

 

 

開き直りにも聞こえる彼の発言に対して他の者達も戸惑いつつも概ね賛成の様であった

 

 

 

 

 

 

本日の議題を語る前に『ウマ娘』というものについて、少しばかり説明させてもらいたい

 

 

 

ウマ娘とは名の示す通り『娘』であるからして、女性である

更に特徴的なのは耳と尻尾をあわせ持つ事にあろう。更に身体能力という一点においては成人男性のそれを遥かに凌駕する。例えそれが高校生の年頃のウマ娘だったとしても、だ

 

 

更によく食べる

 

運動量に比例するかの如く、とにかくよく食べるのだ。比喩ぬきで個人経営の食堂にウマ娘が4人も入り、満腹になるまで食べるとなると、その食堂には何も残らない程に

 

 

 

現在ではウマ娘達による競バが各地で開催される様になった為に世間の注目を集めている

 

 

 

とはいえ、この出版社は雑誌などを手掛けている訳ではないし、編集部としてもゴシップ誌などは手掛けるつもりなどない

 

 

にも関わらず、ウマ娘の紹介をする事に疑問を持たれると思われるが、キチンとした理由がある

 

 

 

 

しかしなぁ、俄かに信じられる話でもあるまい。かのシンボリルドルフ(世代最強と呼ばれる皇帝)からのファンレターなどとは

 

しかしですね、社長。間違いなく府中トレセン学園の住所から送られてきております。加えて、内容も明らかにあれ(・・)を読んでいるとしか

 

・・・流石に無理がないだろうか?かの皇帝とも呼ばれるウマ娘がアレ(・・)を読むなどと

 

うむむむ

 

 

 

場に再び沈黙が落ちる

 

 

 

 

 

 

ウマ娘 シンボリルドルフ

 

 

府中トレセン学園において、シンザンやミスターシービー、カブラヤオーにレイクスプリンターなどを始めとした第一世代(始まりの世代)と呼ばれるもの達がいた

 

トレセン学園の創設時から関わっていたシンザンとミスターシービー。この二人はまさに『双璧』と呼ぶに相応しい活躍を見せた

 

シンボリルドルフはその『双璧』と並び立つとも言われるほどの実力者である。それと共にトレセン学園においてナリタブライアンとエアグルーヴと二代目トレセン学園生徒会として、様々な新しい試みを行うべく奮闘している

 

ウマ娘によるレースでもその実力をいかんなく発揮し、次世代を代表するウマ娘としてメディアでも取り上げられる程だ

 

 

 

そんな多忙を極めるシンボリルドルフが無名とも言える、〇〇出版社にファンレターを送ってくるなどと果たして社内の誰が想像出来ようか?

いや出来まい(反語)

 

 

 

 

まして、この会社は同業者やある程度内情を知るもの達からは『蠱毒』だ『闇鍋』だの『コアな人向け(特殊性癖向け)』だのと言われている

 

一番浸透しているのは『出版業界の魔窟』と言うお世辞にも褒められない評価であった

 

 

 

 

というのも、此処から世に送り出される書物はお世辞にも一般向けとは言えない代物ばかりなのであるからして、仕方ない事でもあった

 

 

 

宇宙的恐怖(コズミックホラー)を題材とする自称、真理の追求者(狂信者)

人の性癖を歪めようとする自称伝道者(ヤベー奴)などが代表格ともなれば、此処のヤバさは押して知るべしだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にわかには信じられない話だなぁ。

 

と男は内心こぼす

 

 

 

彼は今回、シンボリルドルフからファンレターを貰った当事者であり、この出版社で何冊か本を出版させてもらっている

 

この会社のトップエース(最高レベルの変人達)に比べると彼はよほどに理性的であり、SAN値にも異常はない。

多分、おそらく、メイビー

 

 

 

彼の出している本については、『微妙』との評価が相応しいものが多く良くも悪くもパンチがない(没個性)との評価を受ける事が多かったりする(あくまでも社内での評価であり、世間の評価では決してない)

 

当然だが賞を取るなど夢のまた夢であり、彼の著書がメディアに取り上げられた事もあろう筈がない

 

 

 

なかったのだが、この件が外部に漏れたなら間違いなく騒ぎになる事は疑いのない事実

 

 

相手は下手なアイドルや政治家よりも人気と勢いのあるウマ娘。その中でもトップクラスの皇帝(シンボリルドルフ)なれば容易に想像もつこうというもの

 

 

それに対するは日の目を見ないどころか、アングラまっしぐらの方向性が迷子な物書きである

辛うじて小説家として(本職で)飯を食べて来れているが、知名度もない様なもの。当たり前だが、比較するのもバ鹿らしくなるだろう

 

 

 

 

何より問題とすべきは、仮に報道関係者(ハイエナども)にこれを嗅ぎ付けられた日には面倒ごと(無秩序な取材)が起きるだろう事

 

 

この会社は地元の住民と上手く関係を築いており、今まで問題かあったとしても大事には至らなかった

話題性という意味において、此処で出版する者たちはそこまでのモノを持ち得ないから

 

 

その代わり強烈すぎる個性(狂信者と伝道者など)が複数内在するという、一種の混沌とした空間(カオスワールド)

 

此処で頭を抱えているもの達は、そんな中で普通に泳ぎきれる連中なのだ。

これをマトモなどというならば、言語学者が青筋を立てて辞書で殴りつけてくる事請け合いである

 

 

 

 

 

閑話休題

 

 

そもそもシンボリルドルフがファンレターを送ってくる事になった本は既に自主回収を始めている

 

この件に関しては、社長と著者は可及的速やかに回収すべし(方法は問わないから、全力で最速で回収)との共通見解を持っている

 

のであるが、彼の著書の愛読者達は基本的に出版社に取り寄せ注文する猛者が多い。当然だが、受け取りも最速である

 

発送してから我にかえったとしても、色々と手遅れであった

 

 

通常の本ならば良い

がこの本だけは世に放ってはならないのだ

 

 

『人生を豊かにする本』

 

名前だけを見れば、問題ない様にも見えなくもない

本についてる帯にも『複雑な人間関係に悩む貴方に。〇△氏渾身の一冊』となんかそれらしく(・・・・・)書いてある

 

 

のだが、この本

実は著者と編集部が悪酔いしたときに書き切ったものであったりする。物書きとして、意識があまりないにも関わらず、曲がりなりにも本としての体裁を整えられた事を誇るべきなのかもしれない

 

 

 

物書きとしての力量的にはあったとしても、深酒のうえでの乱行となれば社会人としての誹りは免れない。それに折角自身の作品を見てくれている読者に対しても失礼であると彼は考えた

 

 

故にこそ、自主回収を自腹で行なう事としたのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、なんの因果か数少ない一般に流通させている物で、自主回収を免れた物がかのシンボリルドルフの手に渡ってしまった訳である

 

 

これには同僚の狂信者も邪神の加護とニッコリ。伝道者はこれもまた試練とニンマリ不可避

 

 

 

 

 

自主回収出来なかった本は僅か7冊

 

 

つまり、シンボリルドルフは発刊1,000冊の中で固定ファン(コアな読者)の予約注文を除く一般の流通分200冊。その中で自主回収を免れた7冊

 

確率にすれば200分の7をシンボリルドルフは引いた事になる

 

 

 

流石は皇帝と感嘆すべきか、それとも運が悪かったとでも言うべきか。その本を執筆しておきながら、当の本人(著者)は取り止めのない考えにふけっていた

 

 

 

 

言うまでもないが、普通に現実逃避である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この(黒歴史)が後に大きな流れを作る事になるなど、当事者たる出版社各位も物好きな読者(シンボリルドルフ)も元凶たる著者本人にすら想像できなかったのである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時はウマ娘のレースが世間に漸く認知され始めた頃

トレセン学園が開校して4年目の事であった

 

 

 

 




という訳で、リア友から「書き直してみ?」と言われたのと、入院中暇だったので書いてみた謎文書を投稿してみる


全13話を予定しているので、よろしければお付き合いください


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まさか、そんなバ鹿な!(byトレーナー)

さて、そろそろ元の小説と剥離し始めます

ま、元々微妙だったから大丈夫でしょ

お気に入りがついてガクブルですが、道筋できているので早々に書き切る次第です


相変わらずの独自設定などがメガ盛りですので、そこはご堪忍下さいます様


ウマ娘、シンボリルドルフ

 

 

トレセン学園二代目の生徒会長であり、偉大な先達である『双璧』シンザンとミスターシービーの教えを受け継ぐ者だ。その上で彼女自身が新しいトレセン学園をウマ娘たちの明日を創ろうと常に全力で取り組んでいる

 

 

本来であれば、トレセン学園一年目で頭角をあらわすのは難しいとされている。何故なら、トレセン学園の方針は一年目は基礎固めと一般教養等を重点的に教えるからだ

ともすれば、偏執的とすら言えるほどに

 

 

一般教養は世間から少しばかり剥離しつつあるウマ娘達の常識を修正するためのものであり、喫緊の課題ともいえた

 

確かにシンザン以下先達により、ウマ娘という存在が世間に認知される様になってはいる。いるのだが、それ以前にウマ娘は伴侶(つがい)を得るために(身体能力)に任せて軽犯罪をしていた者もいたのであるから

 

 

世間に出てくるのは大体が悪いニュースである

良いニュースとして、偶にウマ娘の特集が組まれる事もあるだろう

 

が、それでもウマ娘というものは『走ってなんぼ』というイメージが世間には根強い。ウマ娘達によるレースは迫力があり、見た目も良い女性達ともなれば人気は出る。が、それとていつまで続くかわからないものであり、『勝ち続ける』から『強い』から人気では宜しくない

 

 

どれだけレースをしようとも、殆んどのレースにおいて勝者は一人

 

年間G1からG3(主要レース)を全て合計したとしても年間300回もないだろう。それにいつも異なるウマ娘が一位になるとも限らない

芝、ダート、短距離、中距離、マイル、長距離。晴れ、曇り、雨、雪。追い込み、差し、先行、逃げ等様々な要因が絡む

 

 

であればこそ、特定の環境下において実力を発揮できるウマ娘というのもいる

 

というよりも、様々な距離や走り方に精通出来るウマ娘というのは稀であり、かの皇帝(シンボリルドルフ)とてダートでのレースにおいては常の実力を発揮し得ない

 

毎週レースに出走しようものならば、ウマ娘に対する負担は尋常でなく、競技者としての寿命を縮めよう事は明白

 

 

引退したウマ娘にも確かに仕事はあるだろう

だが、それとてやはりレース関係の仕事である事が多く、そうであるからこそ、どうしても現役時代に実績のある者が重視されやすい

 

 

 

 

 

 

だが、それでは殆どのウマ娘(勝てなかったウマ娘)はどうするというのだ?

 

それこそ、自身の二度とない貴重な時間を使ってまで日々トレーニングに明け暮れ、ひたすらがむしゃらに手を伸ばす(勝利を求める)

 

 

確かにウマ娘のレースは実力の世界

結果が出せない方が悪い。そういう意見もあるだろう

 

 

 

だが、彼女達はウマ娘(人とは違う生き物)なのだ

プロのスポーツ選手が引退するのとは事情が異なる

 

 

先ずはトレーニングに必要な経費

効率的なトレーニングを求めていくならば、一定水準の設備が必要になってくる

当然だが、ウマ娘という高い身体能力を持つ者の能力を更に高めようとするならばそれ相応の設備が必要なのは当然

 

そんなものは数が多いはずもなく、費用も相応にかかる

 

 

 

 

ウマ娘の日頃からの体調管理

 

 

人と決定的に異なるわけではないが、未だもってウマ娘の身体能力の秘密が解明されたわけでなし。これも町医者レベルでは手に余る

体調も自己申告などさせようものなら、無茶をしかねない以上、指導する側が管理する他ない

ないのだが、前述した通り専門家(医療関係者)であっても分からないことの多いウマ娘の事を指導者に全て理解しろというのは不可能に近い

 

人とて体調の具合は本人しかわからないのだ。ウマ娘ならば尚更だろう

 

しかも、彼女たちは『疾く走る』事に対して並々ならぬ熱意を傾ける者が多い

それはトレーニング中にも表面化する事がしばしば見られ、指導する側にとっての悩みの種となる事も良く見られる

 

 

ウマ娘からすれば、可能な限りトレーニングしたい。そうすれば疾く走る可能性も上がるから

 

指導者としても、出来るならばトレーニングの量を増やしたいと思うだろう。

 

 

一見すれば両者の考えは一致しているかにも見える筈

 

 

しかし、トレーニングするのはウマ娘であり、トレーニングの量を決めるのは指導者側

そして、とかくウマ娘の指導にはお金などが色々かかってしまう

当然だが、夢の為に努力するとしても、現実問題としてお金は必要

 

それをどうにかする為にもウマ娘に怪我などをさせる訳にはいかない

 

 

そこで指導者側は更なるトレーニングに躊躇してしまう。勉強不足と言うことなかれ

ウマ娘について深く理解する為には長くウマ娘と関わる必要があるのだ

から

 

それこそ、アグネスタキオンとそのトレーナー(探究者とモルモット)の様に幼い頃から付き合いがないと細かい事まではわからないだろう

 

 

 

そして、更なるトレーニングを躊躇する指導者にウマ娘は自分がまだトレーニング出来ると主張する

 

 

受け入れなければ、ウマ娘と指導者の信頼関係にひびが入るだろう

受け入れて、何事もなければ良い。何かあった場合、両者に拭い難い傷を残すだろう

 

 

立場の違い故にウマ娘と指導者側で認識にズレが出るのは当然。だが、真に問題なのは、個人として指導者がウマ娘にできる事に限界があると言うこと

 

 

 

そして、名門と呼ばれて所はその辺がうまく出来る様に様々なサポートがある

 

 

そうなれば、レースという結果にその違いが明確に出てしまう

 

 

指導者は自身の努力が及ばないせいでウマ娘に負い目を感じ、ウマ娘は結果を出せぬ事に焦りを覚える

 

お互いを大事に思うが故にすれ違う

 

 

 

 

そして、そのウマ娘が引退する頃にはウマ娘の結果を出せぬ事(罪悪感)は頂点に達する

 

 

あの人は色々してくれていたのに、自分は結果を残せなかった

自分をしっかりと見てくれていたのに

 

 

そしていつしか、その感情は罪悪感と合わさり指導者への強い、しかし歪な感情へと変化する

 

 

 

それでも、それに蓋を出来るウマ娘が殆どだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが

 

 

指導者とて人間であり、異性との交流もある

特に指導者が男性の場合、異性との交流を見てしまったウマ娘は

 

 

 

錯覚してしまう

いや願ってしまうのだ。

 

指導者(この人)はいつだって私を見てくれる。と

 

 

だからこそ

どうしてそんな()を見るの?

と思ってしまう

 

 

 

こうなると、最早指導者にも周囲にも止められない

基本的にウマ娘と指導者。身体能力において、圧倒的に前者が勝るからだ。無論、話し合いをしようとするだろう。だが、ウマ娘としての自信を失いつつある者にとって指導者(常に共にいた存在)の喪失は耐えうるものではない

 

 

例えそれでウマ娘と指導者が結ばれたとしても、幸せになる事はほぼないだろうが

 

 

 

 

 

 

シンボリルドルフはそのようなケースをたくさん知っている。先達であるシンザンやミスターシービー、カブラヤオーなどから聞いているからだ

 

一方で同期のアグネスタキオンとその幼馴染兼トレーナー(探究者とモルモット)の様なある意味では(・・・・・・)理想的な関係を持つに至ったケースも直接見ている

 

シンボリルドルフは聡明であり、優秀なウマ娘だ

それと共に彼女は非常に欲張りでもある

 

 

シンボリルドルフは今の様なウマ娘を取り巻く現状をどうにかしたいと考えている

 

人から畏怖されず、人と共に歩いていける。そんな社会に

 

 

 

 

 

とは言っても、今のシンボリルドルフはトレセン学園の生徒会長であるが、それだけなのだ

 

確かに社会にメッセージを発信は出来るだろう。だが、果たしてどれだけの人々がマトモに取り合ってくれると言うのか?

 

確かにウマ娘育成では唯一といえるトレセン学園での生徒会長。決して埋没する様な立場ではない。学生としては(・・・・・・)

 

 

だとしても、シンボリルドルフの願いの為にはウマ娘のみの協力ではダメなのだ。トレーナー(ウマ娘関係者)のみでなく、社会全体に普及すべきなのだ

 

 

 

そうであるからこそ、ある界隈で有名(トレセン学園生徒会長)ではあまりにも弱い(無力)

 

実績が。ウマ娘や関係者のみならず、ウマ娘の事に興味を持たない人々にも知られなければならない

いや、寧ろそう言う人たちにこそ、ウマ娘の事を知ってもらわねば事態は一向に良くならないとすらシンボリルドルフは考えている

 

 

だが、トレセン学園生徒会長としての日々の仕事とウマ娘としての日々の鍛錬。それを両立させるのは並大抵の努力ではなし得ない難事であるのは誰から見ても明白だった

 

それが文武両道なシンボリルドルフであったとしても、だ

そも、どうしても生徒会長としての仕事がある以上はトレーニングの時間は他のウマ娘よりも減るは自明

如何に同世代の中で抜きん出た実力を持つとされるシンボリルドルフ(皇帝)であったとて、疲れが出るのは極当たり前の事だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出版社での狂騒より少し前

 

 

トレセン学園生徒会長シンボリルドルフは生徒会室にて日々の仕事を片付けていた

 

 

ふぅ

 

お疲れ様、ルドルフ。

 

 

本来なら、其処にいるのは生徒会メンバー(ナリタブライアンとエアグルーヴ)である筈

 

しかし、疲労の色が強いシンボリルドルフ(会長)を心配する二人は敢えて席を外し、彼女のトレーナーと二人きりとさせていた

 

 

勿論、シンボリルドルフのトレーナーは難色を示したが、二人より会長の為と言われてしまい、結局は生徒会室に来たのだ

 

シンボリルドルフとかのトレーナーの付き合いは既に2年ほどになる。ルドルフがシンザンやミスターシービー(先達達)に見出された頃、偶々、同年代のウマ娘(アグネスタキオン)とある日出会った

 

その時既にアグネスタキオンはトレーナー(相棒)を見つけていた

 

いや、見つけたと言うよりも最初から居た(幼馴染をトレーナーとして育てた)というほうが正確だろうが

 

 

曰く

トレーナー(相棒)が欲しい?いやいや、シンボリルドルフ君、違うよ。欲しいのであれば、創り出すのさ

 

との事

 

 

相手の事を尊重するシンボリルドルフにとって、相手の考えを無視する様に一見すると見えるアグネスタキオンの発言は眉を顰めるに充分だった

 

 

だが、それを見たアグネスタキオンは

 

誤解している様だけども、私は幼馴染()の意思を無視してこの様な事をしているわけではないんだけどね?

 

やや呆れた様に訂正した

 

や、何か誤解あるみたいだけども、シンボリルドルフさん。俺は幼馴染(アグネスタキオン)を支えたいからこの道(トレーナー)を目指したんだ。別に強制された訳でもないよ?

 

とタキオンのトレーナー(幼馴染)もやんわりと訂正した

 

 

そうなのか?それはすまない

 

ルドルフもそう言われると自身の思い込みが酷いと思った為に素直に謝罪した

と共に思った

 

羨ましい、と

 

 

ルドルフの前にいるアグネスタキオンと幼馴染で彼女のトレーナーでもある彼の距離は特筆する程に可笑しくはない

だが、明らかにアグネスタキオン(彼女)はリラックスしているし、彼もまた笑顔である

 

ルドルフは間違いなく失礼な誤解をしていただろう

 

 

にも関わらず、二人は気分を害した様子もない

寧ろ気にしてない(そういう事もあるよな)と言った感じすら受ける

 

 

一つ聞いてもいいかい?

 

だから、気になったのだ

 

うん?何かな

 

何でしょうか?

 

異口同音(息を揃えて)返してくる二人

 

 

 

仲がいいのだね。正直、羨ましく思うよ

 

 

 

これはシンボリルドルフの正直な感想だ

 

相互理解するのが難しいもの同士(ヒトとウマ娘)

それが当たり前の様に(・・・・・・・)何の障害も隔意もなく側にいるのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、それから暫く後に

シンボリルドルフは出会った

 

最良の相棒(トレーナー)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうしたんだ?ルドルフ

 

あ、ああ。少しぼうっとしていた

 

 

少しばかり昔の事を思い返していたルドルフはトレーナーの声で我にかえった

 

 

無理してないだろうな?

 

それこそまさかだ。無理はしないと約束したからね

 

・・・・・なら良いが

 

 

トレーナーもルドルフの言葉にそれ以上言う事は出来なかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして

 

 

悩み、か?

 

どうにも私は親しくするには難しい雰囲気があるらしくてね?それは私の望むところではないのだけど

 

うーん。彼の相手(アグネスタキオン)もそうだと思うけどなぁ

 

確かにそうだろう。しかし、彼女は意にも介してない

 

 

ルドルフのトレーナーは同僚であり、年下である人物の相棒であるアグネスタキオンの事を話したが、少しばかり的外れだった様だ

 

というよりもアグネスタキオンからすれば、幼馴染(1番の理解者)

いるのであれば、問題にする理由はない

 

マンハッタンカフェ(彼に次ぐ被害者)と話はするし、ルドルフとも話はする程度には親しい仲だ

 

 

が、彼女からすればそれ以上を望むつもりはない

 

 

 

だが、シンボリルドルフは様々な意見や感情を見るべきだと思っている。だから、他者とのコミュニケーションをしたいと常々考えているのだが

 

 

なるほどな。中々ウマく(・・・)いかないか

 

そうみたいだ。どうにも私は皆から避けられているのだろうかとすら思ってしまうな

 

勿論、そんな事実は一切ない

ただ容姿端麗で頭脳明晰な上、運動神経抜群でカリスマ溢れるシンボリルドルフ(会長)と話をすることに躊躇するウマ娘がおおいだけなのだが。そんな事をルドルフ当人が知る由はない

 

 

だとすると、共通の話題とかか?

 

妥当なところではある

あるのだが

 

では、ドラマとか漫画とかかな?

 

どうにも現実主義のシンボリルドルフにとって、都合の良い世界(ご都合主義の創作)は肌に合わないらしい

 

ある意味では仕方ないのかも知れない。逃げず、折れず、ただ直向きに現実を変えようと歩き続ける彼女からすると感情移入しづらいのだろう

 

 

となると、読書とかか?

 

読書か。確かにそれなら選択の幅もあるね

 

 

シンボリルドルフの目が輝いた

トレーナーである彼はこのルドルフの(表情)が何よりも好きだった

いつも大人びている彼女が時に見せる(魅せる)幼い顔。彼女の生の感情

 

 

 

 

 

だが、彼は後にこう語る

 

 

 

アレ(・・)はやってはならない選択だった

 

 

 

 

 

 

 

 

そして

 

 

善は急げと言う。どうだろうか?今日のトレーニングの後に買い物付き合ってはくれないかな?

 

ルドルフからのお誘いだが

 

すまないな。今日はどうしても外せない会議がある

 

そう、だったね

 

ルドルフの顔が曇る

 

 

彼としてもルドルフのたまにしか言わないお誘いを断りたくはない。しかし、今日はトレセン学園所属のトレーナー達が集まっての半年に一度の会議なのだ

流石にこれをエスケープする訳にはいかなかった

 

それをルドルフも思い出したのか

 

間が悪いものだね。とりあえず今日本屋に行ってくるよ。また買い物には付き合ってほしいが、構わないかな?

 

と苦笑混じりであった

 

ああ。必ず付き合うよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

此処が二度目の分岐点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして彼女は運命(魔書)に出会う事になる

 

 

 

 

 

 

 

 

とは言ったものの、さてどの様な本がいいのだろうか?

 

とルドルフは本屋にて途方に暮れていた

 

本屋に頻繁に行く様な性質(たち)ではないルドルフは迷ってしまう

 

 

此処は本屋であり、それこそ店内に本は山程ある

それから自分に合う本を探すとなるとかなりの重労働だ

 

 

 

しかし

 

ふむ?店長おすすめか。何々、タイトルは『人生を豊かにする本』か。中々心惹かれるタイトルだね

 

お願いですから、心惹かれないで下さい!

と恐らく元凶《著者》がその場に居れば土下座する勢いで言いそうではある

が、その訴えなど届くはずもなく

 

 

 

 

 

おや?お客さん。こちらをお買い上げに?

 

ええ。タイトルに心惹かれまして

 

いい本(・・・)ですよ?

 

楽しみです

 

 

そう言ってルドルフは知らぬままに(魔書)を手に入れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その晩、トレセン学園自室にて

 

 

なるほど。そんなことがあるのか!

 

シンボリルドルフは一つの道標を得ることになる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




というわけで道標(正しさは保証しないものとする)を手にしてしまったシンボリルドルフであった

なお、予想できるかと思いますが、本屋の店主は魔書の著者のコアなファンです

自身の本屋で観賞用と布教用を店頭においているファン屈指の変人枠だったりする

ルドルフが買っていった後、カウンターの裏でガッツポーズしてたりもする


ではご一読ありがとうございました


差し支えなければ感想いただけると幸いです


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 難しい事を言ってる場合か!

魔書の理不尽な魔力がシンボリルドルフとそのトレーナーを襲う!

はたして両者の運命は?


なお話
の筈が、色々と裏側ばかりな気がしないでもない


ま、開き直って逝くぞー


お気に入り登録増えてて嬉しい


いつも通りな出来ですが、よろしければどうぞ


シンボリルドルフのトレーナーである彼は困惑していた

 

 

と言うのもである

 

やぁ、トレーナーくん。今日も今日とで元気かな?ところで京都(・・)に行きたくはないかな?

 

何じゃ、こりゃあ!

 

早朝トレーニングの為に学園のコースに来て初めての発言がコレ(・・)である

彼の驚愕具合は推して知るべしであろう

 

 

 

確かに昨日、ルドルフの誘いを受けてやらなかった

それに罪悪感を感じていたのも事実だろう。その事をアグネスタキオンのトレーナーに普通に見破られ

 

あのさぁ、何してんすか貴方は

 

とため息混じりに呆れられた。

彼は会議があるだろう。と言うと

 

 

会議なんぞ、最悪理事長なり、駿川秘書なり、私なりに言ってくれればそれなりに対処しますって

周り見てくださいよ?全員居ないでしょ?(居ないのも居ますよね?)

つか、トレセン学園に所属する際の説明忘れたんですか?

 

と常になく不愉快そうに言ってきた

彼は年上ばかりのトレーナー生活であるが故に敬語を日常的に使っている

その方が色々良いからだ(面倒がないからだ)という理由で、だ

 

その彼が明らかに言葉遣いを崩してまで、怒りを露わにした

 

 

確かに秋川理事長は

 

此処(トレセン学園)で諸君らが重視すべきは担当するだろうウマ娘達との関係であって、私達との関係ではないっ!

嘆願っ!彼女達(ウマ娘の皆)支え(理解者)になって欲しいっ!

 

と言っていたのを今更ながらに思い出したのだ

 

 

 

とはいえ、会議中に中座した(追い出された)シンボリルドルフのトレーナーであったが、だからと言って直ぐに彼女と会えるわけでもなかった

 

 

トレセン学園の近くに本屋はそれなりの数があるためだ

 

 

トレセン学園建設前よりある、近くの商店街に店を構える昔ながらの本屋

トレセン学園建設に伴う大規模な宅地造成により誘致されたとある大手の書店

学園関係者や近くの市町村の客を見越して作られた郊外型の大型ショッピングモール。そこにある書店

 

彼が知るだけでもこれだけの選択肢があるが故に

 

 

 

と言っても、三つ目の選択肢は取りようもないと彼は判断していた

確かに近隣の理解を得ているとは言っても、ウマ娘。しかもそこで数少ないトレセン学園生徒であり、顔が世間に知られているシンボリルドルフともなれば、人通りの多いショッピングモールなどに行こうものなら混乱を招きかねない

それはルドルフにとって許容できる話ではないだろう

 

 

では選択肢は残り2つとなる

 

 

品揃えを考えるのであれば、大手の店だろう。だが、こちらもショッピングモール内の店舗に比べたら人通りが少ないと思われるが、さりとて大手の書店だ

利用者が多いのは容易に想像できよう

 

 

となれば、近所に新しく品揃えの良い書店が出来てしまい、客足が遠のいているであろう商店街の本屋ではないかと彼は考えた

 

 

 

彼にとって不運だったのは、この候補とした二つの店舗の距離が離れていた事。そして、前者はともかくとして、商店街の本屋は駐車場がなかった事だろう

 

商店街が契約している駐車場はあるにはある。だが、狭い路地にある上止められる車の台数も少なかった

 

 

 

それでも、彼はシンボリルドルフの姿を求めて商店街の本屋に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

が、悲しいかな

 

彼は少しばかり情報収集という一点において、シンボリルドルフに劣っていたのだ

 

 

 

確かにトレーナー氏が考える通り、シンボリルドルフは大手の店舗に行く事はないだろう

 

それに比べると、商店街の本屋とは選択肢として妥当にも見える

 

 

 

 

が、基本的にトレーナーにせよ、シンボリルドルフにせよこの地は不案内なのである

 

此処(トレセン学園)に2人とも住んでいる。トレーナーはトレーナー専用の独身寮。シンボリルドルフはウマ娘の寮の一つ栗東寮に

一年以上、此処で生活しているとはいえども、基本的に学園外に出る事を推奨されていない

 

 

であったとして果たしてシンボリルドルフは誰にも聞かない(・・・・・・・)という選択をするだろうか?

 

 

答えは否

 

このトレセン学園には地元出身であるナイスネイチャがいるのだ

そして、彼女とは幼い頃から商店街の近くで育ったウマ娘。穴場くらいは把握している

 

 

自身もまた目立つウマ娘であるナイスネイチャだ。シンボリルドルフの考え(必要以上に目立たない事)に理解を示すのはごく自然な事であっただろう

 

 

であるならば、とナイスネイチャは自身の古い付き合いである本屋(隠れ家的本屋)を紹介したのだ

 

 

 

トレーナーの中には専属の者もいれば、チームを指導する者もいる

 

だが、そうじて担当するウマ娘以外との交流は控えめとなる傾向がある

 

 

これは単に担当トレーナーや当事者であるウマ娘に配慮する面も確かにある

 

が、それ以上にただでさえ適切な距離感を保つのが難しいウマ娘相手に余計な事(・・・・)をすべきではない。そういったトレーナー達の暗黙の了解が存在している

 

 

 

幼少期よりウマ娘と交流があるトレーナーなどは桐生院葵トレーナーやアグネスタキオンの幼馴染でもあるトレーナーくらいである

 

 

前者はトレーナーにおける名家である桐生院であるが故に。将来(さき)を考えた上で幼少期より関わらせると桐生院の家で通例となっている

 

 

後者はただひたすらにアグネスタキオン(幼馴染)の力になりたいと願う彼の想いと(幼馴染)と離れたくないというアグネスタキオンの想いが重なった結果である

 

であるがこそ、アグネスタキオンのトレーナー()は一挙一動に気を払い、彼女の邪魔にならぬ様努めている

 

 

 

 

両者とも思惑はさておき、ウマ娘というものに対して他のトレーナーよりも感情面でも理解しており、これは担当ウマ娘(ハッビーミーク、アグネスタキオン)のみならずとも非常に好意的に受け止められていた

 

 

 

有名になりつつあるウマ娘。それに伴い社会的地位の向上や有名になりつつあるトレーナー

 

であるがこそ、常に高い意識と自覚を持ち問題(トラブル)を未然に防がねばならない責務を負う

 

多感な年頃の少女であるウマ娘

しかし、彼等彼女らはその道を選んだのだから

 

 

 

 

 

 

 

残念ながらシンボリルドルフのトレーナーはその日のうちに彼女と会う事は叶わなかった

 

彼が彼女が立ち寄ったと考えていた本屋にいくものの、当然ながら彼女はいなかった

 

そして待つにしても、すでに夜の帳が下りる時間

商店街にある店らしく、この店も店を閉める時間は早い

 

いつまでも留まる事は出来なかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

余談ではあるが、ウマ娘とそのトレーナーについての補償は非常にデリケートな問題である

 

確かに国民皆保険制度は適用されるのだが、さりとて個々の保険制度についてはまだまだ十全とは言い難いものであった

 

 

というのも、過酷なトレーニングを課し、尚且つ故障のリスクの高いウマ娘によるレース

 

建設作業員などの中でも鳶職や特定の業種を従事する人が一部保険に入れない様に高いリスクを伴う人々は一般的な保険加入が難しい

 

 

となれば、当然ウマ娘達がもしもの為に入る保険というものも特殊なものにならざるを得なくなる

 

何せ軽度の怪我で済むのは日常的に行われるであろうトレーニングであり、レースにおいては高速で走るが故に重大な怪我につながりやすい

 

勿論、保険料を高めに設定する事で保険制度を民間企業が充実させら事も出来なくはないだろうが、困難を極める

 

 

もしもの時の補償額がどれだけのものになるのか?それは保険屋にとって考えたくもない話であったから

 

 

 

 

そして、ウマ娘のトレーナーもまた実は保険加入にかなり難しい制限がかかる

 

ウマ娘と違い、リスクは少なそうに傍目からは見える

 

 

だが、感情が昂ったウマ娘が指導していたトレーナーについ(・・)手が出る事もしばしばある

 

更にウマ娘に対してセクハラをするトレーナー(不心得者)も残念ながら少数存在する

 

 

後者は自業自得だが、前者についてはかなり問題である

確かに人からすればかなりアレ(・・)だが、ウマ娘からすればそれこそコミュニケーション(じゃれあい)程度である事はとてもよくある

 

 

当然、問題にすることなどない。ないが怪我の具合によっては診察を受けざるを得ないのも事実

 

重傷こそなくとも、頻繁に軽傷程度の怪我のリスクがあるのであった

 

 

当然、安い補償とはいえども回数が増えれば保険屋にとって負担になるし、頻繁に保険を利用されるとなれば人も動かねばならなくなる。つまり人件費も自然とかかるわけである

 

 

その様な事情であるからして、トレーナーに対して保険屋は保険加入を勧めようとしない

現状でトレーナー専用の保険は設定されていない以上、トレーナーの実収入はそこまで高くなかったりする

あまり知られていない事ではあるのだが

 

 

 

まぁ、そんなトレーナー達の中にも異端というべき猛者(もさ)もいる

 

先ずは通称モルモットトレーナー(アグネスタキオンの幼馴染)。幼少期より彼女の無茶振りに適応し続けた訓練された人物(タキオン専用ドM)である

 

次にそのモルモットトレーナーに色々と教えを受けているトレーナー候補生

彼はウマ娘を育てる以上、トレーナー(指導する側)も高い身体能力が必要と考える人物だ

年下である筈のモルモットトレーナーに躊躇いなく師事する辺り、相当覚悟を決めている(ガンギマリ)

後に彼はゴールドシップ(ウマ娘界一の暴走特急)の担当トレーナーとなるが、彼女はG1レースに勝つと必ずトレーナーに飛び蹴りを見舞う

が、彼は平然とそれを受け止めるフィジカルの高さを見せつける(魅せつける)パフォーマンスを見せた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

閑話休題(それはともかくとして)

 

 

 

言い知れぬ不安を抱えたまま、シンボリルドルフのトレーナーはその日眠れない夜を過ごした

 

 

 

 

 

 

そして、冒頭の話に戻る訳だ

 

 

 

 

 

 

ル、ルドルフ?どうしたんだ

 

ふむ?少しわかりにくかったかな。では芝はしばしば(・・・・)手入れしないとね

 

違う、そうじゃない!

 

そう叫びたかった己を必死で律した彼である

 

 

 

トレーニングに向かう道中も

 

そうだ。昨日テレビで見たのだがね?仮に狩り(・・)をするならどこですべきだと思う?

 

だの

 

昨日、珍しく従姉妹(トウカイテイオー)から連絡があってね?彼女がついに錦糸巻禁止(・・)を解いたらしいよ?

 

楽しそう(・・・・)に言って来るのだ

 

ルドルフゥゥゥゥゥ!

と内心絶叫した彼を誰が責められようか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ともあれ、朝のトレーニングが終わるまでに彼の精神的疲労は無視し得ないレベルまで上昇したのは言うまでもない事だろう

 

 

 

 

 

 

 

シンボリルドルフが授業に向かった後、憔悴した彼はアグネスタキオンのトレーナー(モルモットトレーナー)に出会った

 

 

その際、彼に愚痴ったのだが

 

 

そりゃ大変でしたね、お疲れ様です

 

と普通のリアクションが返ってきた

 

 

詳しく説明して、弱音を吐くと彼は

 

 

いいですか?

 

と彼の肩を掴んで真剣な顔をして

 

ゲーミング式(七色に発光する)よかマシでしょ?

 

と真顔で言ってきたのだ

 

 

アッハイ

 

 

 

 

トレセン学園第三期トレーナー部門(変人部門)筆頭は伊達ではない

 

 

彼は内心嘆息した




トレセン学園変人枠
その中では埋没していたはずの生徒会長。まさかのエントリー


しかし、上位陣はとんでもないという事実


次回は出版社視点になる予定

ではご一読ありがとうございました


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