怠惰な愚者は霊能力と殺意を持って (ワンフォーワン)
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彼はとても怠惰な愚者である。
この作品、最近、APEXにハマっていたんですが、アップデートが来て鯖落ちしてしまって、萎えたので小説を書こうとして思いついた作品です。
説明長くてごめんね☆
……はい、すみませんでした。
前書き長くなってきたのでそろそろ終わります。
どうぞ!
もし、僕の心を理解できる人間がいるのであれば、一度話してみたい話題がある。
『夢』とはなぜ必要なのか、と。
皆も経験があるのではないだろうか?幼稚園で「できるだけ大きな夢を持ちなさい」と言われ、小学校で「夢を叶えられるために努力しなさい」と言われ、中学校で「現実を見なさい」と言われる。
小学校まで散々夢を見ろ、と言っていた大人達が手のひらを返すかのように「現実を見ろ」と言ってくる。
それが最初の小さな疑問だった。
小学校の頃に、兄に言われた一言でその疑問を持ってしまった。
とてもくだらない愚かな決着の付かない小さな疑問だ。だが、何事も悲劇とは小さな出来事から始まる。
そこから僕は腐っていった。勉強する意味が分からなくなり、生きる意味が分からなくなり、次第には言葉を発する必要性が分からなくなった。
病は気から、とはよく言ったもので、勉強をしようとすれば吐き気が襲い。生きる意味を考える度に鈍器で殴られるような激痛が頭に走る。言葉を発することも苦手になっていった。
そこから色々あり、椚ヶ丘中学校3年E組の中で唯一の不登校である僕がいる。
どうしてこうなってしまったんだろう。そう考える度に僕の中の僕にこう言われる。
君が愚かで怠惰だったからだ、と。
努力を怠り、自分の身を守る為に殻に閉じこもったからだ、と。そんな愚者に世界は優しくはしてくれるはずがない、と。
ピンポーン
……まただ。
親はおらず、部屋は電気も付けず、カーテンで閉め切っているため太陽光すら入らず、どこか異臭を放ちながらホコリが舞っている。
そんな僕の家に何故か最近になって頻繁にインターホンがなる。夕方頃、普通の学生なら帰ってきてゆっくりしてるであろう時間に。
それが2週間毎日続き、そろそろ迷惑になってきたので出てみようかな、と思いながらも足が重い。
そりゃそうか、普段歩いたりしないしな。
憂鬱な気分の中、重い足取りで客人に対応するべくインターホンのカメラの元へ向かう。
通話をオンにし、一ヶ月ぶりに声を出す。
「はぃ…、もし、もし」
我ながらか細い声だ。声変わりをする筈の声は何故か低くならず、低身長な僕に相応しい声だとも言える。
『防衛省の烏間だ。こちらが神宮寺賢也君の家だと聞いたのだが……』
「ぁ、はい…そぅで、すが……」
『とても大事で内密な話があるのでできれば家の中で話したいのだが大丈夫だろうか?』
防衛省の方がなんのようだろうか?などの疑問が湧いてくるが面倒なので飲み込んでおく。
「あの…とて、も、散らか、ってま、すが、だいじょぅぶ、で、すか?」
『ああ、問題ない。』
「では、少し、お待ち、を」
久しぶりに発声したため、上手く喋れなかったが相手は焦らすことなく聞いてくれた。というよりはそれほど大事な話なのだろう。
扉の前までフラフラの足で頑張って行き、鍵を開ける。玄関ドア越しに「どぅ、ぞ」と言うと数秒した後、ドアが開いた。
…烏間Side
最初、彼の姿を見た時に、俺は息を呑んだ。
あまりにも弱々しい。それが彼に最初に抱いた印象だった。話には聞いていたが想定以上だった。
「どぅも、始めま、して……神宮寺、賢也、です……」
インターホン越しに聞いた声は目の前で聞くと更に弱々しく感じられた。上手く発声できず、喉を抑えたりしたりしている。
「ああ、改めて。防衛省の烏間だ」
「はぃ…それ、で。なんの、御用で…しょぅか…?」
彼が聞いた問に、俺は久しぶりにする説明をした。
少し前に、月が爆破し、7割程消し飛んだ事件が発生したこと。そして、その事件の犯人が椚ヶ丘中学校3年E組の教師をしていること。国が勢力をあげて殺そうとしたが殺せなかったこと。殺せば報奨金として100億円が贈呈されること。その担任教師の要望で神宮寺賢也君にも授業に参加してほしいこと。ターゲットの情報なども見せた。
その他諸々話し、彼の返答を待つ。
「…なる、ほど…いく、つか質問…して、もいいで、すか?」
「ああ、ゆっくりで問題ない。」
俺は神宮寺君にそう答えて、質問を待つ。
「まず…な、ぜ僕なの、でしょう…か?見ての、通り、僕に、は暗殺でき、るほどの、力が、ありま、せん」
「担任教師の要望だ。コイツのな。」
そう言って、俺は先程見せたターゲットの写真を再び見せる。
「そぅ、です、か。では、一言だ、け。先生、に伝え、てくださ、ぃ」
「ああ、分かった」
「僕は、現代、社会に殺、されま、した…そん、な僕が、学校、なんて行きたく、ない、と」
とてつもない殺気を放ちながら、彼はそう言った。怒りや憎しみがこもった声で。
「………了解した」
「それ、では。暗ぃので、お気をつけ、て…」
「ありがとう。それでは」
俺は彼の言葉を思い返しながら帰宅する。
現代社会に殺された、か。
さて、どうでしたでしょうか。
思いつきの割には頑張ったかなぁと。あ、シリアス多めですけど頑張ってギャグも入れるからよろピクね☆
ほんと、すんません。
あ、感想とお気に入り登録くれるとめちゃくちゃ嬉しいよ☆お願いね☆
ほんと、ごめんなさい…
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不可視の攻撃
あ、前回感想2件来てめちゃくちゃ嬉しかったです!ワンフォーワンです!また今回もくれると嬉しいな!(強欲)
それではぁ、どうぞ!
ある日、いつも通りに夕方の4時頃に起きると同時にインターホンがなる。伝言を頼んだ翌日に来るのか……。
そういえばこのナイフが効くって言われたから数本貰ったけどホントにこんなの聞くの?簡単に曲がるしグニグニしてる……ゴムみたいな感じなのか?
昨日と同じように対応し、部屋が散らかっていることを伝えるが『大丈夫ですよ』と言ってきたのて入らせる。
写真で一度見たことはあるが、実物を見るのは初めてだ。黄色い丸顔(ホントに丸い)に、黄色の触手、ハロウィンのコスプレにありそうな教師の服装、足のような触手は何本もある。その背後には烏間先生もいた。国家機密なので、念の為だそうだ。
「君が神宮寺賢也君ですね。初めまして、今年から君たちの担任になった殺せんせーです」
「どぅ、も、神宮寺、賢也…で、す…」
そう言って、差し出された黄色い触手を握る。ブニっとした触手はなんというか不思議な感触だった。
「それ、で。なん、の、用で、すか?」
「矢田桃花さん」
「……?」
「おや?ご存知ありませんか?」
「はぃ…記憶に、なぃ、です……」
頑張って思い出そうとするが、何も思い出せない。矢田桃花……誰だろうか。
「実は彼女に君の事を聞いたら会いたいと言っていましてね…」
「そぅ、ですか……」
こんな僕に会いたいなんて変わり者にも程がある。僕の財産目当てだろうか?
「彼女が3年E組にいるのですが、会いに来てくれませんか?」
「残、念です、が…気乗り、しないの、で、嫌で、す」
「そうですか……それはやはり君の過去が関係しているのですか?」
殺せんせーは残念そうな顔をした後、そう聞いてきた。過去…確かに僕は引きずってるのかもしれない。でも、それは気軽に触れていいものではない。
「殺せんせー…でし、たっけ?」
「はい、合ってますよ」
「人に、は…触れて、いけな、い領域、がある、ものです」
僕がそう言うと、殺せんせーは少し考え込むように顎…顎?に手を当てたあと、口を開く。
「現代社会に殺された」
それは昨日、烏間先生に伝言として伝えるように頼んだ言葉だ。発声するのが途中で面倒になったので簡略して言ったのだが、伝わりづらいな。
「その言葉を聞いて、先生勝手ながらに調べさせていただきました!」
ホントに勝手だな……プライバシーなんてあったもんじゃない。ていうか調べようとして調べられる物なのだろうか……いや、国家機密だからできてもおかしくはないな。
「君の過去について、疑問に思っていること、わからないことがたくさんあるんじゃありませんか?」
……思うことはたくさんある。なぜ?どうして?そんな疑問や問が湧いてくる。調べても問に辿り着けなくて、それで諦めた。今更何を…
「先生はその問の答えを知ってます」
……は?
「知りたいですか?ならば、先生を暗殺し「父さん」!?」
僕が呼ぶと同時に、殺せんせーの触手が一本弾けとんだ。
…烏間Side
「ニュヤ!?」
ヤツの触手が弾け飛ぶと、ヤツはマッハの速度で後ろへ下がる。
……これが報告にあった彼の異能か。
「母さん」
彼がそう言うと、数秒後に立ち止まっていたターゲットの足が飛ぶ。
「何が、起こっ、たか…分か、らない…そんな、表情で、すね…」
彼がそう喋っている間に、彼の周りに4本の対先生ナイフが日本、宙にフワフワと浮き始める。それは言い切ると同時にヤツに刃先を向ける。
「お姉ちゃん」
彼がそう言うと、同時にヤツがマッハで更に後ろに下がる。まるで避けるかのように
「!?…見え、るの…?」
「いえ、見えません。が、君のその不可視の攻撃、もう先生には効きません」
「何を、言っ、て…そん、な、わけが、ない……父さん!」
ヤツの言葉を否定するように叫ぶが、ヤツにダメージはない。彼の異能の正体をもう見破ったのか…。
「そん、な…」
「君の異能。それはポルターガイスト、のような物ですね?」
当たりだ。彼の異能力、説明し難いがポルターガイストに近いのでポルターガイストと呼んでいる。
「!?…で、も!なん、で、見え、るの!父さん!母さん!お姉ちゃん!お兄ちゃん!」
「ホコリです」
確かに、ヤツと彼の戦闘で部屋のホコリが舞っているが……なるほど、そういうことか。
「ホコ、リ……あ…」
彼も気づいたようだ。ホコリが舞ったことにより、彼から見えない透明な腕のような物が8本出ているのが見えてしまっている。これがポルターガイストの正体か。
「そん、な…」
「ヌルフフフフ、この家が手入れされていればもう少し気づくのに遅れてたかもしれませんが」
「………」
「どうです?行きたくなってきましたか?」
ヤツがそう説得するが、彼はまだ決心ができないようだ。自分の力が通じないこと、過去のこと、色々な葛藤をしているのだろう。
「……わか、りまし…た。行、きます」
彼は数分悩んだ後、行くことを決意したようだ。
「ところ、で…場所、が…分からない、ん、ですが」
「あ……そ、そこはですね!烏間先生が上手いこと…」
「明日は会議がある」
「……わかりました。先生が送ります」
あ、能力のイメージ像としてはリゼロのペテルギウスの見えざる手的な感じです。
書いたの久々過ぎて下手っぴだけど許してね☆
……ホントごめんなさい。
それではまた次回で!
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静かに冷たく寄り添うモノ
意外とこういう系の方が書きやすいかな?と考えている今日この頃……いや、始めたての頃はオリ主の設定がフワフワしてて今になって書きづらいだけっすねw
えー、皆様、ここで4話目を書いている作者からのお知らせです。4話目のタイトルに困ってるそうです。タイトルが変になっても気にしないでください。
あ、それと後書きでは自分自身は登場しないので悪しからず。
ご感想などできたらしてくれると嬉しいぴょん☆
…ごめんなさい。
まあ、あの…書きたくなったらでいいです、はい。ただ、来てると投稿が早くなります。モチベーション爆上がりなので、はい。それでは!どうぞ!
翌日、約束通り殺せんせーが来た。朝の8時に外出なんて大変だな…。
僕はスタミナがあまりなく、肌の関係上、太陽光も長時間浴びれないので日傘を立ててある車イスに乗っている。
この事を殺せんせーにはもう説明しているので、玄関ドアを開けてお互いに挨拶を交わす。
「おや?何やら眠たそうな顔ですねぇ」
「寝て、ないから」
2日間発声の練習をしたので多少聞こえやすくはなっているだろう。生麦生米生卵反復練習法いいな。
「むむむ、それはいけませんねぇ」
殺せんせーはそう言って、顔を紫色にし、バツマークが浮かぶ。その体の構造どうなってるんだろ…。
「ちゃんと夜にしっかりと寝ましょう。あ、それはそうと、学校まで先生が徒歩で付いていきます。一緒に行きますよ」
「マッ、ハで、行かない、の?」
「場所を覚えるんでしょう?マッハで行ったらわからないじゃないですか」
くっ…明日もそれを理由にして行かせてもらおうと思ったのに……。
「チッ」
「え!?舌打ち!?なぜ!?」
僕の舌打ちに困惑する先生を後ろに、先生に僕の車イスを押してもらう。道中、人通りが多くなるところで先生は肌の色を肌色にし、カツラをかぶる。
「なん、の芸?」
「芸!?変装ですよ!」
と言ってドヤ顔するが全然似てない。
「クオ、リティ…低、い」
「ニュヤ!?どこがですか!この肌の色の再現!適度に生えた髪!何が違うんですか!」
「鼻、が変。身長、が、高い。関節、が、変。まだ、聞く…?」
「…いえ、もう充分です……」
僕が指摘すると、殺せんせーは相当自信があったのか、げんなりと落ち込む。
「ん、でも、頑張、って真似ようと、する、のは、偉い」
頑張ってフォローすると、殺せんせーのどんよりとした雰囲気が少し和む。
そうこう会話しながらしばらく歩いていると、校舎の前まで着く。だが、殺せんせーは校舎の前を素通りして、山の方に向かう。
「殺せん、せー…校舎、過ぎた、よ?」
「ええ。ですがE組の校舎はこの山の方ですよ」
と言って、山の方に車イスを引いていく。デコボコとした道を触手で整備しながら、殺せんせーはゆっくりと歩いていく。
「どうです?いい風景でしょう?空気も美味しいですねぇ」
「AP○X、したい、なぁ」
「聞いてないー!?」
「嘘、だよ。悔し、いけど、僕も、そう思う、よ」
ホントに悔しながらそう思ってしまう。外という空間に嫌悪感を抱いていたのに、少しこの空間にいてもいいかもしれない、と思える。
「そうですか。それは良かったです」
安心したように殺せんせーがそう言うとボロい校舎のような物に着いた。でも、ちょっとボロいし物置かな。
「物置、です、ね」
「校舎ですよ!」
あ、校舎だったんだ。殺せんせーに車イスから下ろしてもらい、職員室に向かう。殺せんせーに教室やらトイレやらを案内してもらい、職員室に入る。
「んー?それが転校生?」
無言で黙々とPCと向き合っている烏間先生と、足を組んで暑そうに手をパタパタしている金髪の巨乳美女がいた。
「へぇ、結構アンタかわいい顔してるわね」
「そぅ…です、かね」
「転校生って女子だったの?聞いてないわよ烏間」
「あ、の…僕、男子なん、ですけど…」
女子とは失礼な……と言いたいところだが、この見た目なら仕方ないところはある。ボサボサの暗めな紫の長い髪、やせ細ったガリガリの体に小さい背丈。むしろ男には見えないまである。
「ふーん…これが転校生の殺し屋ねぇ、私でも殺せてないのに殺せるのかしら?」
「お前よりは可能性があるだろうな。彼はヤツの触手を2本飛ばしている」
「え!?ホントに!?」
そう言ってがっつくように僕に迫ってくる。鬼気迫る表情なので少し怖い。
「そう、ですよ…殆ど、奇襲、でした…けど…」
「そう……それならできなくもないわね」
「お前も奇襲のような殺し方だっただろう」
「キー!うるさいわよ烏間!」
「まあまあ、イリーナ先生。ここは一つお茶でも飲んで…」
「私のおっぱいを風景に飲むんじゃないわよ!」
顔色をピンクに変えながら、お茶を立てて飲む殺せんせーと、殺せんせーに対してキーキーと怒る金髪の美女の二人に呆れる烏間先生。なんというか…馴染みづらい…。というかノリがわからん。
「イリーナ、先生…ですか…?」
「!?…そうよ!私はイリーナ・イエラ・ヴィッチ!」
「そう、ですか。僕は、神宮寺賢也、です。これから一年、よろしくお願い、します…イリーナ、先生」
「何よ!アンタ可愛いじゃない!気に入ったわ!」
はて?一体どこを気に入ったのだろうか。まあ、気に入られたのならいいだろう。なんだかんだイリーナ先生は生徒に好かれそうなキャラだ。その先生に気に入られたという事は、クラスの人とも友好な関係を築ける可能性が高くなる。そうすれば……
……もう、あんな事にはならないよね。
ねぇ、そう思うよね。彩ちゃん。
また一つ、何か嫌なものが湧き上がる気がした。いつの間にか、それはそこにいて、静かに冷たく寄り添ってきた。
そうか、君も僕を守ってくれるんだね
生麦生米生卵反復練習法をする神宮寺の図
1回目「な、まむぎ。なま…ご、め、なまたま、ご…」
10回目「生、むぎ、生ご…め、生た…まご」
30回目「生、麦、生…米、生、卵」
31回目「飽き、た」
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作者は4話目にしてタイトルが思いつかないらしい
実はゲームのサーバーが元に戻りまして、目標としてたラインまで行けたのでまた書いてます。
思ったんだけどこの主人公の能力、奇襲性能高くない?チート感すごいなぁって思いながら書いてますw
久しぶりに書くから言葉が上手くまとまらないよぉ……はい、前書きはこの辺で……それでは、どうぞ!
街中の商店街にて、彼の姿を見た者は口を揃えて彼をこのように例える。
曰く、病人のようだった、と。
その姿は病弱その物であり、触れれば壊れてしまいそうなほどか弱い。だが、こうも供述されている。
あまりにも美しい、と。
闇を体現したかのような暗い紫色の髪。何も写らない虚ろで冷たい蒼色の瞳。幼く見えるが整った顔立ちは人形のような可愛さと美しさがある。それらが合わさり、どこか妖しく、それでも美しい姿になっていた。何をしてでも手に入れたいと思ってしまうくらい。
気だるげな表情、何も写さない瞳を自分だけの物にしたい、と。
そして、その欲深き者が望みを叶えようと行動した結果どうなったか、その真相は明らかではない。
「あー、そろそろホームルームの時間ですね。神宮寺君、教室の扉の前で呼ぶまで待機していただけますか?」
「はい…わか、り、ました。」
それにしても、中学生か……一体どんな人たちなのだろうか。なるべく社交的かつ、多少の賑わいがあるくらいがいいな。そう、例えるなら異世界転生した直後の村くらいには賑わいがほしい。
「気をつけ!礼!」
ダダダダダダダダ!!!
号令と共に激しい銃撃音が鳴り響く。……これが暗殺教室かぁ(遠い目)
数分の後、銃撃音が鳴り止み、殺せんせーが出席を終える。大丈夫だろうか、殺伐とした歴戦の狩人みたいな集団だったらどうしよう。てか、眠い。モンハンでクソ強そうなキャラクター作ろうとしてできたみたいな人だらけだったらどうしよう。待って、まじ眠い。
「今日から皆さんの仲間になる転校生が来るのは烏間先生から聞いてますね?それでは入ってきてください」
殺せんせーのその合図と共にクラスがザワつく。
「どんなやつなんだろう」やべ眠い。
「女子!?女子か!?」女子じゃないよ……眠い…
「写真送って貰ったけど可愛かったぜ?」……
「お、マジか!」………
「あれ?遅くね?」
「ちょっと神宮寺君!?遅いですよ!?開けますからね!どんな出オチをしても先生は責任を……」
「「「「ね、寝てるー!!?」」」」
「んあっ…おは、よう」
やべ、今何限だ?て聞いてくる奴昔いたなぁ…放課後って行ったら帰ったっけ。
「なんで寝てるんですか!」
「先生…今朝、寝てないって…いっあ…じゃんあ…」
「呂律!呂律回ってませんよ!」
うるさいなぁ…キーキーキーキーと……
「とう…さん…」
ブチャッ…と、何かが潰れる音と共に床からビチャビチャと魚が陸で跳ねるような音が聞こえる……あ、父さん呼んでた…帰っておいで。
「「「「!!!?」」」」
「あー…ご紹、介が…遅れ、ましたぁ…神宮寺賢也、です…チョーク面倒…先生書いて〜」
て、先生触手弾けてんじゃん……父さんがやったのかな…
「父さん…代わりに書いて…」
僕がお願いすると、父さんは渋々と行った感じでチョークを持ち、僕の名前を書く。さすが元教師、チョークで書くの上手だね。
「「「「えぇ!!!?」」」」
「急に殺せんせーの触手が弾け飛んだよね!?」
「なんで!?」
「どうやってやったんだ!?」
「何も見えなかったよな?」
ところでさっきからなんで皆驚いたような表情してるんだろ……あー…傍から見たら急に殺せんせーの触手が弾け飛んで、急にチョークが浮いたように見えるのか。なるほどぉ。
「あの!」
ん……あの子は……誰だ?
「ん…どう、した…の…?」
「私のこと!覚えてる?」
………見覚えあるような?ないような?
「……いや、覚えて、ない…ごめん、ね…」
「…そっか……私の名前は矢田桃花!よろしくね、賢也君!」
「ん、よろ、しく」
やけに積極的な子だな。大丈夫なのかな。怪しい商売とかに引っかからないか不安だよ。いきなり下の名前だし…
「ん…先生〜…席どこ?」
「あー、では矢田さんの隣がちょうど空いてるのでそこで」
「りょう、かい…」
ふわぁ……眠い…ちょうど太陽光が当たって気持ちいいなぁ…
僕が眠気と戦っていると、横から視線を感じたので横を向くと矢田さんが僕をじっと見ていた。
「あの…なにか、?」
「なんでもないよ〜。ただ、あの頃と同じ顔だなぁって」
あの頃?なんの事だ?
「あの頃…って、?」
「んー?いや、私の話。気にしなくていいよ」
そう言ってニコニコと笑いながらやけに上機嫌になる矢田さん。まあ、どれだけ聞いても教えてくれはしないだろう。
(((あれ?もしかして今自分たち空気になってる?)))
上機嫌な美少女の笑顔っていいものだな、と自分らしくもない事を思ってしまった僕だった。
ちなみに神宮寺君は過度のストレスと睡眠不足、不健康な生活により、あまり成長してません。身長も145あるかないかぐらいです……肌はスベスベなのにね、不思議だね(うらやま)
タイトルは適当です。書いてて思ったありのままを書いてますw
感想くれると嬉しいです!あ、前回、前々回、前前々回、感想を書いてくれた方ありがとうございます!ちゃんと読ませていただいてます!返信もさせていただきました!
今回も感想とか来るかなぁ…ソワソワ
……はい、調子乗りました。すみません
それでは!また次回で!
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彼は未だに子供である
最近、動画編集にハマってしまって全然書いてなかったです。ごめんなさい
それでは!どうぞ!
これは、私が彼と出会う……いや、惚れた日の思い出。
彼は孤独な私を救ってくれた。
嫉妬と憎悪、そんな悪意から彼は私を守ってくれたのだ。
そんな相手を好きにならない理由がない。
例え、彼の眼中になかったとしても。
僕は今、殺せんせーの授業を受け、その後の休み時間にいるわけだが……
「なぁ、神宮寺。お前どうやって殺せんせーの触手を切ったんだ?」
「どうやってチョークを浮かしたの!?」
「ボソボソ言ってたけどなんかの呪文!?」
「まさかスタンド使い!?」
スタンドとは何だろうか……分からないなぁ。呪文……は近いのかな、多分近い?
「眠、い……」
とても眠い中、クラスメイトに囲まれている僕。めちゃくちゃ眠い。質問返信とか受け付けてないから。アトム法律事務所とかに出してあげて。ほら、国家機密が殺せるといいですねぇって言いながら授業をするのは犯罪ですか?とかさ。
「どうしたの殺せんせー?」
「今とても悪寒がしました……」
「えぇー、風邪とか?大丈夫?」
と言いながらブルブル震えている殺せんせーに切りかかるショートカットの女子。何このクラス怖い。
「賢也くんが困ってるじゃん。少し時間を置いたりしてあげよ?」
やだこの矢田さんっていう美少女超優しい。ドラクエだったら神宮寺賢也の好感度が1上がった、とか出てくるよ?好感持てる。てなわけでおやすみなさい。
「賢也くん、放課後ちょっと話したいから一緒に帰ろう?」
僕が本気で寝ようと目を閉じた時、右耳にボソボソと囁かれる。この声は……矢田さんか。まあ、彼女なら大丈夫だろう。もし、いつものだとしても対処できる。
「父さん」
ボソッと小声で父さんを呼んで、クラスメイトの間をかいくぐり、矢田さんのノートを開く。筆箱からシャーペンを拝借し、「了解」と書く。しかし……
……矢田さんが全く驚かず、手の動きを視線で追えていたのは何故だろうか?
…Noside
殺せんせーの授業やクラスメイトとの絡み、その他諸々濃い日だったが神宮寺賢也にとっては今からが本命。放課後、足早に教室を抜け出し、車椅子を矢田桃花に引いてもらいながら帰っていく。
二人は少しずつ世間話に花を咲かせながら、どこか気まずそうにしていた。二人とも家が遠く、車椅子でゆっくり帰っていたこともあり、家の近くにつく頃にはもう夕方だった。
「もう夕方だね〜」
「ぅん…そう、だね」
「そろそろ喋るのも慣れてきた?」
「おかげさま、で」
「そっかそっか!それは良かった〜」
神宮寺は相変わらず眠たそうに、矢田は心から嬉しそうに微笑みながら、帰路を歩く。そして…
「さて、矢田…さん」
「どうしたの神宮寺君?」
「ちょっと…止めて、くれる?」
矢田は言われたとおり、車椅子を止め、神宮寺がゆっくりと立ち上がる。ゆっくりと矢田の方へと振り返り…
「君は…何者、なの?」
クマがこびりついた濁った目で矢田を睨み、黒き腕を呼び出す。その腕は呼び出した神宮寺の意思に対応するように力を込める。
「……賢也君」
「……答え、て」
神宮寺の言動に矢田はとても悲しそうに目に涙を浮かばせながら、それと同時に暖かく優しい目で神宮寺を見ていた。
「……ちょっと言葉にしづらいかな…」
「そうか……残念、だね…」
と言いながら、濁った目で黒い腕をゆっくりと矢田に近づけていく。ゆっくりと少しずつ矢田の体をその手で握り潰そうと動く。
「でも、私は賢也君の敵じゃない」
「……根拠が、ない」
「なんで賢也君は、そんなに寂しそうなの?」
ゆっくりと忍び寄っていた黒い腕がピタリと動くのをやめる。
「……何を、言ってい…るのか分か、らない」
「私は、あれから賢也君に何があったのか知らない」
「あれ…?あれって、何?」
「私は賢也君に守られてた。直接じゃないし、聞いても答えてはくれなかったけど君が守ってくれてたのに気づいてた」
矢田が口を開き、言葉を紡ぐ度に黒き腕は矢田から離れ、神宮寺の元へと戻っていく。まるで包み込むように、優しく慰めるよう親の様に、その腕は神宮寺を守っている。
「君はいつも眠たそうな目をしてて、つまんなそうな顔をしながら、難しそうな本を読んでボーッとしてた。……でも、そんな目をしてなかった」
「………」
プルプルと怯えるかのように震え、頭を抱えている神宮寺を優しく黒い腕が包み込む。そんな神宮寺に矢田は歩み寄っていく。
「そんな寂しそうじゃなかった。悲しそうじゃなかった。我慢してそうじゃなかった。今にも泣いてしまいそうじゃなかった」
真っ直ぐな目で神宮寺を見て、言葉を発しながら確かな足取りで近づいていく。黒い腕が守るように出てくるが、その目を見てか警戒するのをやめる。
「え、かあ、さん…?父さん…?なんで?どうして?」
「大丈夫、あの時の約束を忘れたならもう一度約束してあげる」
「何、これ…?水?雨?なんなの…わからない…」
ぽろぽろと涙を零す神宮寺に、黒い腕は静かに消えていく。自分の出番ではない、と表すかのように。
「私が辛い時、君が私を守って。そして、君が辛い時、私が君を守る」
そう言いながら抱きしめる矢田に、神宮寺は寄りかかり涙を零した。
えー、というわけでどうもワンフォーワンです。
三人称?っていうんだっけ?あんまり書かないので慣れないですねぇ……まあ、頑張ります、はい。
いつもどおり深夜に書いてるので語彙力死んでます。ごめんなさい。
それでは、また次回でお会いしましょう。
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