中津の四季島皇帝生活 (阿鬼羅)
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明治38年での設定

四季島帝國

国家元首中津阿修羅

 

お馴染みの主人公中津が治める本気になると世界で一番やばい国家時間断層無人工廠を保有し管理をするデイムロラン曰く二次大戦で週刊主力戦艦日刊正規空母を基本にして半日で巡洋艦3時間で駆逐艦10分で1万トン級輸送船を完成させれるとの事、そのため中津自身(作者も)一次大戦はどうするか置いておいて二次大戦で何をするかを迷っている(作者には決めれないからアンケート次第で決まるとの事)兵士が足りない?クローンを量産すればいいじゃないか中津プランでは年間100万のクローン兵を1935年から作り続けるらしい。もしソ連と開戦したらソ連の人海戦術をクローンの人海戦術で押し返すとの事

 

 

アメリア合衆国

 

史実のアメリカ合衆国だがアラスカと言う冷凍庫を四季島に購入された、その事は苛ついているがアラスカ宛の輸出が好調だったりするので友好関係を築いている。二次大戦で敵対するかは未定(これもアンケート取ろうか作者は悩んでいる)

 

 

エングランド帝国

 

史実のイギリス大英帝国というのになぜか王がトップという謎を抱えている、現在作者が取っているアンケートにより今後が変化する一番の国家作者的には敵でも味方でもろくなことをしないと思っている

 

フランカ共和国

 

史実のフランス国名を考える際作者によりフランカとか言うロシア製の戦闘機みたいな名前をつけられた元の予定ではガリア若しくはガレアなのだが漢字で仏が使えないために却下された、正直同盟国でもなければ四季島から見て重要な国でもない。二度の大戦を生き残れるかは今の所決まっていないし作者も扱いに困っている。

 

 

ドイツ帝国(旧プロシア)

 

史実のドイツ帝国、初期はプロシアであったがプロイセンがドイツになったんだからプロシアからドイツに変えてもいいだろと変更された現在のアンケート次第で第二帝政続行か第三帝政か変わることになる

 

 

ロマノフ朝ルーシ帝国

 

史実ロシア帝国いつもどおり革命される、作者としてもさっさとソ連になって欲しい作者はスターリンはリスペクトするにふさわしい人物な気がするらしいそして綺麗なスターリンを作ると決めている

 

 

イタロス王国

 

史実のイタリア作中ではまだ影も形もないとても薄い国と言うかこの設定で初めて名前を出した気がしてきている、作者的にはどうせ四季島が戦勝国になれば寝返ると思っているので介入らしい介入はしないとの事。ただし食に関しては別らしい

 

 

カナダ自治領

 

アラスカのお隣さん四季島との貿易で儲けている

 

 

オツマントルコ

 

史実のオスマン・トルコ帝国名前からしてやっつけ感がするが仕方ないかトンベースで米より安くフリゲートやコルベットを四季島から大量に購入している。最近では四季島から扶桑型装甲艦を購入できないか聞きに来ている

 

 

 

史実の清四季島に負けた事により海軍にとんでもない制限を掛けられている、まあ掛けられてなくても海軍にかける金はないのだが、そのため四季島に船やら武器やらを売って欲しいと頼んでいるが賠償金払い終わってからと言われている(ただしルーシとの戦費によっては陸戦用の武器は売るらしい)

 

 

ベルギウム王国

 

史実のベルギー道路扱いされることで有名作者はアルベール1世を尊敬しているらしい、一次大戦でどちらにつくにしてもベルギウムを通らずに戦えたらいいと思っている

 

 

ネーデルラント連邦王国

 

史実のオランダ王国一次大戦で何をしていたのか、作者の記憶に残っていないそのため二次大戦まで放置されるらしい

 

ルクスブルク

 

史実のルクセンブルク、独立して10年程度一応在ルクセンブルク四季島大使館はあるが大使と警備担当主任、警備員2名、駐在武官、同武官補、大使の家族以外の四季島人は居ない、なんの為にあるかもなぜ作られたかも不明。まあポスト的なものである

 

その他有象無象

 

国名もどうするか決まっていない国が大半介入するかどうかも未定、まず登場するかも怪しい、登場しても併合したとか内乱が起きた程度になるだろう




そろそろアンケート終了かな、新しいアンケートも順次用意します


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転生準備

中津「おや、ここは、なるほど、いるのかね主神殿」

 

主神「やあ中津君久しぶりだね、直接会うのは150年ぶりかな」

 

中津「随分長生きしましたからね、まさか世界記録に載るとは思いませんでしたよ」

 

主神「年齢170歳か世界最年長だね」

 

中津「そうですね、でなんの御用ですか?」

 

主神「新しい世界に行ってくれないかな」

 

中津「どのような世界で?」

 

主神「どうするかな、選択肢は結構多くてねどんな世界がいいかな、まず、ゲームの世界にするかね、選択肢はウマ娘でどうかな」

 

中津「あの、私の持ってる時間断層、資源庫、クローン製造機、人類の叡智でその世界で何をすればいいのですか?」

 

主神「、、、、、、、、、違う世界にするか、できれば戦闘できる方がいいね、艦これ?」

 

中津「その、資源庫位しか役に立たないのですが」

 

主神「、、、、、、、、、そうだな、艦娘は時間断層で製造できないからな、だとすると魔法ありの世界かな、グリモア〜私立グリモワール魔法学園はどうかな、君も前前世で遊んでたようだし、お気に入りのキャラと学園生活というのもいいのではないかな」

 

中津「その、グリモア 世界に行くのはもう少し後ではいけませんか?」

 

主神「君の今の信仰と力では不足か、では未発達世界にするかい?」

 

中津「未発達世界、、、ですか」

 

主神「そう産業革命の息吹が吹き始めた程度の初期から二次大戦終戦までの期間の世界さ」

 

中津「その世界で何をすれば」

 

主神「信仰を得てもらおうかな、神のような役目をして」

 

中津「神になれと」

 

主神「君がグリモア世界に行こうとしないのは力が足りないと、彼女達を救う力が、そう思ってるからじゃないかな」

 

中津「間違っていません、グリモアをサ終まで遊びました、裏世界の風子は生徒たちは救われなかった、もし私が今あの世界に行ったとしても何もできないでしょう、できたとしても大量の兵を用意するだけです、それでは意味が無い、四季島皇国1の商人、政治、軍事のブレインその地位にいた私ですら世界で苦しむ人を救えなかった、グリモア世界に行けば私は学生となるでしょう、それでは商人時代の私より力は遥かに劣る、魔法は使えるでしょうが強いかどうかもわからない」

 

主神「だから君をこの世界に送るのさ、信仰とは力、信仰とは救い、信仰とは支え、信仰により得た力は他の世界に行っても使える、だから掴め、会得しろ信仰を力を、そして導け人々を信者として」

 

中津「私にできるでしょうか」

 

主神「できるさ君なら、それに君はすでに信仰を得ている、四季島皇国、フィラルド等の北欧諸国、北米西海岸、東南アジア諸国、この辺りでは君は商売の長寿の神として崇められている、天使を作れるほどになっているのさ」

 

中津「天使を、ですか」

 

主神「そうさ、さあ作って御覧、君の下僕を、願って御覧、君の手足となって動くものを、あ、呪文用意しないとね、ちょっと待ってて」

 

?「ここにありますよ、詠唱文と生成陣の図表」

 

主神「おや、法天使シャームナリスかご苦労」

 

シャームナリス「どうも中津様、こちらが生成陣で立つ場所はこの位置になります。で、中央に血と触媒を、触媒は何でもいいです、ちなみに私の触媒は法律の本でした、なので法天使なのです」

 

中津「触媒で天使の種類が変わるのですか?」

 

主神「そうなるね武器なら武天使、死の概念なら死天使となるよ、あと農機具なら農天使、水関連なら水天使とまあ属性天使は属性器を用意すれば作れるよ、とはいえ最初は秘書や天使長、まあ君の知るところで言うミカエルに当たる最高位の天使を作るべきだろうね、最高位の天使名前は任せるよ、まぁ大体の天使は、1文字か2文字天使の前になにかついてるが、ちなみに僕の天使筆頭は神天使、神に類する天使さ、まあ下級の神なら秒で片付けられるからね、君と戦ったら君が勝つかな、何せ下級の神の信仰は正直小国の国民が捧げる信仰程度だから、君は上級寄りの中級神レベルかな、まあ分野によって違うが、商業に関しては君より上の神は両手で数えれると思うよ、さてそろそろ作ろうか天使、天使の種別はどうする?」

 

中津「私の筆頭天使は天使長で名はマックレーネ」

 

主神「いいね、さて儀式さ、血と、触媒、この場合触媒は君の1部だ髪の毛とか爪とか後はなにか身につけているものだね」

 

中津「ては血と、髪と爪後この杖かな」

 

そして十二芒星の陣の中央に杖を、各頂点に血をそして十二芒星の左右上下線が重なる場所に髪の毛とか爪をそして中津が唱える

 

中津「我が血肉を、杖を触媒として現れよ全てを司り我が右腕として我が天使達を管理まとめる者よ、今我が前に現れよ汝の名は筆頭天使、天使長マックレーネ」

 

ピカーーン

 

マックレーネ「汝の呼びかけに答え参上した我が名はマックレーネ、主よ貴方に使える天使だ」

 

そこにいたのは長身の羽のある美女であった美しいロングの金髪、出るとこは出て引っ込むところは引っ込んだ素晴らしい肉体顔は完全なるものと言えた、少し釣り気味の眼青みがかった瞳、そして何故か服を纏っていなかった、いや纏ってはいるのだが羽の出るように加工されたマントのみこれは服とは言えない、とりあえず中津は服を作り出し彼女に着せた

 

マックレーネ「感謝するぞお父様」

 

中津「父!?」

 

マックレーネ「そうだぞ私は君の血肉を糧に生まれたのだからなあなたの娘であろう」

 

 

主神「たしかにそうだ、中津君なかなか面白い子が筆頭天使になったね、あと何人か作るといいよ、おすすめは武天使と法天使、農天使、医天使かな、文明を強化して発達させて強くなるにはこの辺りは必要だね」

 

シャームナリス「国を強化するなら行政関連の法天使は複数人必要です、それと武天使はそれぞれ異なる武器を使う者と指揮ができる将校格を作るといいですよ、後は雑務天使は相当数入りますよ」

 

結果として叡天使メリアーネ、武天使筆頭アルトエル、次席マホエル、中級武天使アギリル、ザトエル、下級武天使8名と法天使筆頭桐絵、次席霜雪、中級法天使レザトース、マトリレーナ、下級法天使12名に農天使筆頭イナバ、次席ダイコク、中級農天使トヨエル、ハトエル下級農天使12名それに医天使筆頭エリーネリス、次席エーリゼ、中級医天使ラトミル、サタミル、下級医天使4名が作り上げられた、それ以外にも雑用担当の雑務天使24体と天使ではなく勇士12名が作られた

 

中津「勇士?」

 

主神「そう勇士、まあ戦闘員だよ、武天使とともに戦う、さてどの原始世界に送ろうかな、ここだな、世界ナンバーM112411に送るよ、後はここ世界の説明だね、まず君の降りる場所だが日本列島になる、大きさは3倍になってるが、で降りる場所は東京辺りになるよ、で世界征服するもよし君に任せよう。」

 

中津「なるほど、で信仰とはどのように得れば」

 

主神「基本は祈りを捧げられることだ、あと神殿とか教会とか寺社仏閣みたいにそう言った建築物やらを作られることで得られるよ」

 

?「悩んでるみたいね」

 

主神「おや水神メルクリーネか」

 

メルクリーネ「はじめましてね、中津君」

 

中津「はじめまして」

 

メルクリーネ「さて君に先輩としてアドバイスしよう、なにか君を示すものを作るといいよ、聖書で言うところの十字架みたいなものを私はこれだよこの杖さ」

 

そう言うとメルクリーネは青みがかった大きめの宝石が上についた杖を出した

 

メルクリーネ「信者たちが持ってるのはこれを小さくした物だけどね、私の勇士達はどちらかと言えば後方系だからねこう言った物のほうがいいんだよ」

 

中津「なるほど、では私のは首飾りにしますかね、二首の龍が絡み合ったデザインの」

 

主神「いいんじゃないかな」

 

メルクリーネ「さて、そろそろ行くのかしら」

 

主神「そうだねそろそろ送る支度をするね」

 

中津「ではお世話になりました」

 

ピカーーーン

 

新世界

 

中津「ここが新しい場所か、信仰を得る、ふん、必ずや得ねばならぬあの世界を救うためにも」

 

?「そうだなお父様」

 

中津「何故いるのだ、マックレーネ」

 

マックレーネ「あたしゃ親父殿の娘で天使長だぞ親父殿の横が定位置だろ」

 

?「そうですわよ、お父様」

 

中津「おい、君も来たのかメリアーネ」

 

メリアーネ「はい、お父様、私は叡天使、国を作るのなら人々に知恵を与える私が必要ですわ」

 

マックレーネ「そりゃそうだ、さあ行こうぜ、神話の始まりの場に」

 

中津「神託は降りてるからな、上からゆくぞ」



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降臨、そして新たな歴史の始まり

中津「さあ上から行くぞ」

 

タッ

 

その一言と共に中津はマックレーネ達を連れ飛び上がる

 

神官「ありゃなんだ」

 

神官長「皆の者参られたのじゃ神託のお方が」

 

スタ

 

そして神殿のの中央広場にに中津が降り立つと、神官長が駆け寄り平伏した

 

神官長「貴方様が神様であられましょうか」

 

中津「そうなるね、一応名乗ろう我が名は中津、創造の神だ」

 

マックレーネ「あたしはマックレーネ、創造神の部下筆頭よ」

 

中津「さて神官長今の状況を教えてくれるかね」

 

神官長「はい」

 

神官長の説明を聞いた後駆けつけた皇帝代理より帝位を得た中津は国の状況を確認し発展計画を立てた

 

中津(ふむ、国民は約7500万人程軍艦は蒸気式の戦列艦7隻フリゲート艦27隻コルベット艦49隻、兵士270000人かさてクローン製造を急ぐかせめて準弩級戦艦16隻装甲巡洋艦16隻兵士1000000人程度は次の戦争までに保有したいね)

 

そして中津は帝位についた後国内の粛清を実施邪魔となる貴族や反対派を潰し内部を固め大量のクローン貴族を作り上げると内政改革、軍政改革を実施現代的な軍を設立歩兵の主兵装を火縄銃からスナイドル銃に砲兵隊の主兵装を牽引式75㎜野砲(4斤野砲及び山砲、それを軽量化した騎砲史実4斤砲の砲弾を75㎜に変え重量を4斤に変更した物)に騎兵隊には馬に鎧を着せて鉄騎兵にそしてガトリング砲を開発し歩兵大隊に配備すると同時に部隊編成を統一今までなかった師団を創設し指揮系統の統一を行った

 

歩兵師団編成

歩兵3個連隊

砲兵1個連隊

本部警備隊

本部大隊

師団合計15000名

 

歩兵連隊編成

歩兵3個大隊

連隊砲中隊(4斤山砲装備)

連隊本部

連隊合計3500名

 

歩兵大隊編成

歩兵4個中隊

大隊砲中隊(9㎝青銅臼砲装備)

ガトリング砲中隊

大隊本部

大隊合計1000名

 

砲兵連隊編成

砲兵3個大隊(4斤野砲装備)

連隊本部

連隊合計3500名

 

砲兵大隊編成

砲兵4個中隊

大隊本部

輸送隊

大隊合計1000名

 

攻城砲兵連隊

攻城砲兵2個大隊(28㎝砲榴弾砲)

連隊本部

連隊合計3500名

 

攻城砲兵大隊編成

攻城砲兵2個中隊

砲床敷設隊

輸送隊

大隊本部

大隊合計1000名

 

騎兵旅団編成

騎兵3個連隊

騎砲1個連隊

旅団本部

旅団合計4500名

 

騎兵連隊編成

騎兵8個中隊

騎砲1個中隊(4斤騎砲装備)

連隊本部

連隊合計1000名

 

騎砲連隊編成

騎砲8個中隊(4斤騎砲装備)

騎兵1個中隊

連隊本部

連隊合計1000名

 

軽歩兵師団編成

軽歩兵2個連隊

軽砲兵2個大隊(4斤山砲)

師団本部

本部警備隊

師団合計10000名

 

軽歩兵連隊編成

軽歩兵3個大隊

軽砲中隊(9㎝青銅臼砲装備)

連隊本部

連隊合計3500名

 

軽歩兵大隊編成

軽歩兵4個中隊

軽砲2個小隊

大隊本部

大隊合計1000名

 

警備隊編成

警備2個大隊

警備隊本部

警備隊合計2500名

 

警備大隊

警備4個中隊

軽砲1個中隊(4斤山砲装備)

大隊本部

警備大隊合計1000名

 

 

慶応2年4月5日(西暦1866年)帝都東京豊原宮城

 

この日宮城では閣僚や最上級天使が集まり会議を行っていた

 

参加者一覧

皇帝中津

財務大臣マックレーネ

陸軍大臣ラルフ・メーリトラン

海軍大臣小鳥遊一鉄

内務大臣アルフレッド・ヘールシュタイン

外務大臣高橋春輝

運輸大臣南条忠顕

逓信大臣ロイ・バウンスゴールド

農務大臣ロレント・アルトマン

文部大臣メリアーネ

法務大臣マレウス・ウォッフ・レンネマン

開拓庁長官ユリウス・ミンツ

技術開発局局長イネスタキオン

時間断層工廠長デイムロラン

総力戦研究所所長ジャン・フレッド・マイントイフェル

統合参謀本部議長グライゼル・オフェンブルク

近衛軍司令官マホエル

風紀秩序維持局エリザベート・カトリーネン

天使

天使長マックレーネ(財務大臣)

最上級天使イネスタキオン(技術開発局局長)

     アルトエル(統合参謀本部議長)

     デイムロラン(時間断層工廠長)

     マホエル(近衛軍司令官)

     メリアーネ(文部大臣)

 

 

マックレーネ「では御前会議を開始します、陛下」

 

中津「うむではメーリトラン陸軍大臣」

 

メーリトラン「はい」

 

中津「陸軍の状況は?」

 

メーリトラン「はい現在歩兵師団60個騎兵旅団20個攻城砲連隊10個軽歩兵師団18個警備隊12個が戦列に入っております」

 

中津「そうか、小鳥遊海軍大臣」

 

小鳥遊「はい」

 

中津「海軍の現状は?」

 

小鳥遊「はい、扶桑型装甲艦18隻エリス型装甲フリゲート艦37隻装甲コルベット61隻水雷艇母艦28隻艦載水雷艇560隻航洋水雷艇53隻が戦列に入っております」

 

中津「そうか、マックレーネ、アラスカ買収は上手く行ったか」

 

マックレーネ「はい金額は1500万帝國メゼル、アメリアドルに換算すると金本位制比率メゼル1.5対して1なので1000万アメリアドル相当となります」

 

中津「史実のやく1.5倍か、だがあそこにはそれだけの価値がある、メーリトラン陸軍大臣」

 

メーリトラン「はい」

 

中津「直ちに第2軍をアラスカに送れ、ミンツ開拓庁長官」

 

ミンツ「はい」

 

中津「予のクローン開拓団20万と開拓に応募してきた開拓民をアラスカに送り込め、取り敢えずカナダとの国境と史実のアンカレッジに拠点を置け、本土からも物を送るが足りぬ分はカナダから仕入れろよいな」

 

メーリトラン、ミンツ「御意」

 

マックレーネ「では予算を振り出しておきます」

 

中津「頼む、イネス」

 

イネスタキオン「はい」

 

中津「連射可能銃の研究はどうなっている?」

 

イネスタキオン「図面を引き始めたばかりで完成の目処は立っていない」

 

中津「そうか、デイム」

 

デイムロラン「はい」

 

中津「現在のスナイドル銃の製造ラインはいくつある」

 

デイムロラン「現在40工場で83ラインです」

 

中津「よろしい、イネス基礎研究含め20年で形にしてくれ、デイム、ラインは新式銃の完成までに100工場300ラインまで増設してくれ」

 

イネスタキオン、デイムロラン「御意」

 

中津「南条運輸大臣」

 

南条「はい」

 

中津「鉄道の敷設状況は?」

 

南条「はい、まず東京から大阪間の東海道線大阪から山口までの山陰山陽の2線大湊までの東北線の複線化工事は終了しております、また北海道鉄道は現在函館から室蘭を結んでおります、このまま札幌まで3年で延伸する予定となっております」

 

中津「そうかアラスカにも鉄道を引いてくれアンカレッジからスワード後カナダ国境まで、ルートは任せる、最悪カナダ国境までの路線は厳しいなら引かなくても良い、そこは検討だけしてくれ」

 

南条「御意」

 

中津「カトリーネン」

 

カトリーネン「はい」

 

中津「警察や憲兵、風紀官の数は足りているか?」

 

カトリーネン「はい、警察、憲兵は足りておりますが風紀官は未だ組織の上層しか完成しておらず末端や中堅が不足しております」

 

中津「そうか、勇士とクローンを何人廻そうそれで様子を見てくれ」

 

カトリーネン「御意」

 

中津「他に報告は?」

 

マックレーネ「無いようです」

 

中津「そうか、では御前会議を終わる」

 

慶応2年5月3日アラスカ開拓府アンカレッジアラスカ開拓府庁

 

ミンツ「ここがアラスカか、5月でこの寒さか」

 

?「ミンツ長官」

 

ミンツ「桐生アラスカ開拓局長か」

 

桐生「はい」

 

ミンツ「状況はどうだ」

 

桐生「農業はほぼ不可能です、基苗半島(史実キナイ半島)でならジャガイモとか大根や小カブ等はどうにか育ちそうです、どちらかと言うと漁業と林業、トナカイなどの畜産業に力を入れたほうがいいかと」

 

ミンツ「そうか、このあと開拓府庁の財政課でも見るがカナダからの食料輸入はやはり多いか?」

 

桐生「そうですね北海道開拓で北海道の食料生産余剰が出始めるまでは大半がカナダからの輸入になるかと」

 

そう聴くとミンツは桐生に顔を近づけるようにジェスチャーするとここだけの話をした

 

ミンツ「これはここだけの話だがエングランドを通じてカナダとの大規模食料輸出計画が持ち上がっている」

 

桐生「それは」

 

ミンツ「本国、いや陛下はエングランドを味方につけたいらしいその前段階としてカナダの余剰な食料や嗜好品を大量に仕入れたいと先方に伝えたようだ」

 

桐生「斉との一件でしょうか」

 

ミンツ「らしい、それにアメリアもな」

 

桐生「アラスカ買収時にチョッカイを掛けてきたとか」

 

ミンツ「うむ、陛下はカナダをアメリアとの盾に使う気なのだろう」

 

桐生「それにはカナダの国力増強と外貨獲得が必須」

 

ミンツ「外貨は帝國メゼル、国力はアラスカ宛の輸出と四季島本土との貿易」

 

桐生「陛下はすごいですね、アラスカ買収でここまでの戦略とは」

 

ミンツ「さて話は終いだ、このあとの予定は?」

 

桐生「はい、この後は敷設中のアラスカ鉄道の視察とアンカレッジ港の視察となります」

 

ミンツ「そうか、では行くかね」

 

慶応2年アラスカ開拓と国力増強が始まったそして慶応4年2月元号を明治に改めた



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明治20年

明治20年アラスカ開拓府スワード半島スワード射爆場

この日この極寒の射爆場で安形少佐率いる第7技術試験隊が新式歩兵銃の試験が行われていた

 

タン

 

安形「駄目か」

 

技術士官「駄目ですな」

 

四季島兵「またはずれた」

 

安形「アラスカの極寒地じゃこの銃は使えんな」

 

技術士官「報告書上げますか」

 

安形「そうだな」

 

ドカーン

 

緒方「なんだ!」

 

四季島兵「う、うぁ」

 

安形「衛生兵」

 

技術士官「担架、担架を」

 

緒方「暴発したのか」

 

 

技術試験報告書

 

新型連発式歩兵銃仮称20年式は、帝國内の標準的な地域においては素晴らしい性能を発揮するがアラスカ開拓府スワード射爆場において多数の不具合を確認せり、また同射爆場においての暴発事故については極寒地の寒さにより銃身の強度低下と試験における銃弾300発の連続射撃により銃本体が射撃による衝撃に耐えられなかったものと推定される、また銃本体についても寒さによる装填、排莢不良が多発、寒冷地に置ける耐久性の事前数値5000発の射撃に耐えうる、との書類にも疑問を持たざるを得ない。

それと銃の反動大にして連発時の命中精度甚だ低下せり、また所持可能弾薬についても現状80発と少ないよって、反動低減のための使用弾薬の小口径化とそれに伴う所持可能弾数の増加を求む。

また同新式歩兵銃は銃身が長く試験中の移動において取り回しに苦労する事多々であり。

それと同時に火薬についても現在の褐色火薬では連射時の白煙により視界を遮られ命中精度に難を認めるため変更を求む

最大の欠陥として長方形の箱型弾倉であるが20発入のこの弾倉は高さ5㎝長さ120cm銃身方向から銃本体下部に装着する方式であるが弾倉への装弾は用意であり二人一組で片方が装弾に専念するのならば1丁で弾幕を貼ることが可能であるが弾倉の装着は伏せ状態では厳しく中腰、立ちの状況でなければ装着は厳しく銃剣装着時には装着にもたつくため設計の変更を求む。

また同時に採用予定の針型銃剣(スパイク型銃剣)は針の長さ銃先端より15㎝と短く針型のため突く以外の使用用途に欠け用兵の柔軟性を失わせる可能性大であり可能ならば取り回しに優れ突く以外に払いの出来る刀型若しくは両刃型の銃剣の配備を望む

 

 

明治18年4月3日帝都東京豊原宮城

 

マックレーネ「以上が試製20年式連発歩兵銃のアラスカ、スワード射爆場評価です」

 

中津「イネス、対処法は?」

 

イネスタキオン「耐久性については銃身を厚くすることで対処可能さ、銃剣は針型から片刃短刀型に設計変更を行っているが火薬については無煙火薬に未だ目処が立っていない、仕方ないが単発式に直して製造するのが最良かと」

 

中津「仕方あるまい無煙火薬の完成まで18年式から連発機構と弾倉を除いた歩兵銃を急ぎ開発してくれ」

 

イネスタキオン「かしこまりました、お父様」

 

 

 

 

 

翌4日東京豊原宮城

 

中津「でイネス、目処が立ったのだね」

 

イネスタキオン「はいお父様、目処が経ちました」

 

中津「では新型は連発式で頼む」

 

イネスタキオン「御意」

 

 

翌5日帝國技術本部

 

イネスタキオン「では銃身は10㎜厚くする事でいいかな」

 

技術士官「はい」

 

イネスタキオン「銃剣だが片刃型にするか刀型にするか意見を聞きたい」

 

技術士官「反りの無い刀型でどうでしょう」

 

歩兵士官「それなら着剣しなくても使えるようにして頂きたい」

 

騎兵士官「騎銃として使うのだろうかならもう少し短くしてくれ」

 

歩兵士官「騎銃用には同弾薬を使う改装型を作ると聞いている、短くするのには賛成だが短すぎるのは命中精度に問題が出る」

 

技術士官「それに機構を小型化しなければならん、整備性の低下につながる」

 

イネスタキオン「陛下は性能より整備性と生産性に重点を置く歩兵銃にしてくれとの事だその事を留意してくれ」

 

「「「はい」」」

 

同年6月3日伊良湖岬射撃試験場

 

タン

 

安形「命中か」

 

タン

 

緒方「排莢不良も無いようです」

 

安形「耐久性も問題なさそうだな」

 

緒方「はい既に100発撃ってますが異常ありません」

 

安形「弾薬はどうだ?」

 

緒方「はい9㎜×45SR弾は以前の12.7㎜×55SR弾に比べ直進性に優れています」

 

安形「そうか」

 

技術少尉「少佐殿、銃剣の試験が終わりました」

 

安形「結果はどうか?」

 

技術少尉「切れ味や着剣に問題はありませんが、両刃型の方は少々使い難いかと」

 

安形「だとすると反りの無いの刀型だろうな、手持ち武器としてはどうだ?」

 

技術少尉「全く問題ありません」

 

安形「報告書を纏めて上に提出するか」

 

技術試験報告書

 

試験中の新式連発歩兵銃について、同銃は以前の連発式試作歩兵銃に比べ弾倉の小型軽量化に成功しまた使用弾薬の小型化により所持可能弾数も増加、それによる継戦時間の増加が期待できる、また本体の長さについてであるが前試作品の158cmから130cmと取り回しに優れ重量も3.82㎏と前試作型より900㎎の軽量化により長距離行軍に支障を与える可能性を無くしている。

耐久性については銃身を厚くすることで耐久性を上げ使用弾薬の小型化により銃身に与えられる圧力を減らして事により規定されていた5000発の射撃に耐えうる強度を確保している

なお銃剣についてであるが今回試験した4種(反りの無い刀型1型全長51㎝刃渡り32cm、2型短刀型全長35cm刃渡り15cm、3型両刃型の長剣全長55cm刃渡り38cm、4型両刃型短刀全長28cm刃渡り18cm)のうち1型を最優2型を次善と評価する、なお今後の銃剣選定においては突く以外の使用法を持たぬ針型銃剣や両刃で持ち難い両刃型銃剣より反りの無いの打刀や短刀型を試作評価する事を強く望む

 

 

明治18年4月10日帝都東京豊原宮城

 

マックレーネ「試製20年式連発歩兵銃の評価となります」

 

中津「見事、デイムすぐに生産ラインを組んでくれ来年中に全軍に配備だ」

 

デイム「はい」

 

中津「マックレーネ、定数を確保したら他国に輸出するようにしてくれ、輸出先は斉と半島さえ除いておけばよい」

 

マックレーネ「御意」

 

中津「さて誰が買うかな」

 

 

所変わり四季島帝國在エングランド大使館の一室で駐在武官から在四季島エングランド大使たるサー・フランシス・プランケットは報告を受けていた

 

プランケット「それほど強力か四季島の新型歩兵銃は」

 

駐在武官「はい、5発装填の連発式歩兵銃で我軍のヘンリーより性能は良いようです」

 

プランケット「そうか、もしも、もしもだ、仮に我が国が輸入要請を出したら四季島はどう答えるかね」

 

駐在武官「………条件次第かと」

 

プランケット「問い合わせをしてくれ」

 

駐在武官「了解しました」

 

 

このように各国大使館、公使館ではにた会話がなされていた

 

そして5月10日20式歩兵銃が正式採用即座に四季島各地の工場で月100000丁が生産され各歩兵師団に充足されていったそして5月20日にエングランド大使館から歩兵銃の注文が届いていた注文量は2000丁理由をアジア戦隊の陸戦隊配備とされていた

 

 

豊原宮城

 

中津「ふむ、エングランドから販売の要請か」

 

マックレーネ「はい、後カナダ自治領も購入の意志を示しています」

 

中津「ふむ、売るべきかね?」

 

マックレーネ「はい、そのほうが他国への輸出がしやすくなるかと」

 

中津「そうか、ではそのように」

 

明治20年四季島帝國は新式歩兵銃のエングランド及びカナダ自治領に輸出、同年9月に追加発注を受け合計で25000丁を輸出、その売り金を元に中津は軍備拡大を命令明治25年までに30.5㎝連装砲搭載の戦艦4隻の建造を目指した

 

 



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開戦前夜

明治24年四季島帝國帝都東京豊原宮城

 

中津「さて御前会議を始めよう、まず陸軍から報告をしてくれ」

 

メーリトラン「はいまず歩兵師団60個野戦砲兵師団18個攻城砲兵連隊10個騎兵旅団20個軽歩兵師団20個警備隊24個独立混成旅団6個を配備しております」

 

中津「海軍はどうだ」

 

小鳥遊「はい現在13000トン30.5㎝連装砲2基4門15.5㎝単装砲12門12.7㎝単装砲24基24門速力19ノットの安芸型戦艦4隻4200トン15.5㎝連装砲2基4門12.7㎝単装砲12門45㎝連装魚雷投射機2基4門速力22ノットの浪速型巡洋艦26隻890トン12.7㎝単装砲2基2門45㎝連装魚雷投射機2基4門速力24ノットの雷型駆逐艦60隻及び既存の扶桑型装甲艦20隻エリス型装甲フリゲート艦43隻装甲コルベット68隻水雷艇母艦28隻艦載水雷艇560隻航洋水雷艇62隻6000トン級軍用輸送船240隻それ以下の雑多輸送船380隻が全戦力となります」

 

中津「そうか、イネス、飛行船計画の進捗は?」

 

イネスタキオン「1号艦がテスト段階を終えて実戦配備可能になったよ」

 

中津「そうか2号艦以降はどうかデイム」

 

デイムロラン「はい2号艦〜24号艦は時間断層工廠で建造中です3ヶ月ほどで完成するかと」

 

中津「そうか、48番艦までをXDAYに戦列入り出来るように頼む」

 

デイムロラン「御意」

 

中津「次アラスカ開拓についてミンツ長官どうかね」

 

ミンツ「はい現在ウラナスカ島に海軍根拠地を設営しておりますまたアンカレッジ近辺に飛行船駐機場を整備しております、ですが鉄道は残念ながら引くことは厳しく」

 

中津「そうか、やはり厳しいか」

 

ミンツ「はい、あの寒さに耐えうる機関車が無く」

 

中津「ならば仕方なし、アラスカ鉄道計画は無期限停止とする、代わりとして港湾施設の整備を急げ」

 

ミンツ「御意」

 

中津「次斉軍の戦力についてアルトエル」

 

アルトエル「はいまず海軍から斉海軍は鎮遠クラスの戦艦が3隻に雑多な装甲巡洋艦が7隻防護巡洋艦が19隻砲艦等の雑多艦が多数となっております、陸軍も前装式のマスケットが大半でボルトアクションライフルは少なく、数こそ100万程と多いですが質はパラバラで練度も低く、我が陸軍に殲滅されると思われます」

 

中津「そうか侵攻計画はどうなっておる?」

 

アルトエル「はい、まずシェナ半島南部大邱辺りまでを制圧し敵の半島南下を誘い敵野戦軍が太田辺りに集結し始めたところに半島北部の羅先に上陸騎兵旅団の快速を持ち38度線以北を制圧その後は史実朝鮮戦争序盤の進軍路を通り敵野戦軍を包囲撃滅します、また斉本国ですが羅先より進撃奉天辺りで敵野戦軍を撃破そのまま北京を包囲します」

 

中津「海軍はどうする」

 

アルトエル「はい海軍は戦艦4巡洋艦12駆逐艦24隻で編成した第1艦隊を持って黄海に進出し敵北洋水師を激滅、また巡洋艦4装甲艦4駆逐艦12隻を1個艦隊とし同3個艦隊で四季島海及び支那海岸線付近からの兵員輸送船団を捕捉撃滅を狙います」

 

中津「残りの艦はどうする巡洋艦2隻に扶桑型装甲艦8隻エリス型装甲フリゲート艦43隻装甲コルベット68隻水雷艇母艦28隻艦載水雷艇560隻航洋水雷艇62隻が残っておるが」

 

小鳥遊「それについては海軍としてはフリゲート艦8コルベット12航洋型水雷艇12隻を1個艦隊として同4個艦隊を持って羅先佐世保間の航路防衛を行います、また残りの艦艇は各鎮守府、警備府、要港部、泊地に展開通常業務を行います」

 

中津「そうか、なればその案を対斉戦争の基本として扱う、各自各々の職責を忘れず職務に励み帝國の発展の礎とならん事を切に願う、よいな」

 

「「「御意」」」

 

中津「ああ、マックレーネ、イネス、デイム、アルトエル以上4名は残ってくれ、残りは退出して構わん」

 

ザッサッザパタン

 

中津「さて、今後の軍の指針について決めたい」

 

アルトエル「指針ですか」

 

中津「そうだ、とくに機動戦力、まあ陸軍なら戦車装甲車海軍なら空母機動部隊空軍は全般的に機動戦力か、まあ空母機動部隊は1920年代にならねば設立は厳しかろう、空軍はまだ設立してないが航空機開発を急がせたまえ」

 

イネスタキオン「了解です、戦車装甲車は急がせますか?」

 

中津「うむできれば装甲車は1900年には小規模部隊の設立を目指したい。戦車は1914年、一次大戦開戦頃の完成生産を目指してほしい」

 

イネスタキオン「性能はどの程度で?」

 

中津「うむ、全長4〜5m全幅3m全高2m武装37〜47㎜砲1門機関銃2挺速度時速20㎞装甲車体前面20㎜側面18㎜後部15㎜砲塔全周20㎜この程度だ」

 

イネスタキオン「なかなか厳しいね、この性能を可能にするには軽量大出力発動機が必要になるよ」

 

中津「そこでだ航空機開発局で開発中の液冷発動機を元にした発動機を作れればと思う」

 

イネスタキオン「可能だね、だが予算は?」

 

中津「でだ、マックレーネ頼めるかね、名目上は宮廷予算として処理するように、取り敢えず年10000帝國メゼル(1帝國メゼルは現代の5000円に相当)として足りぬ分を臨時予算として財務予備費から出すように」

 

マックレーネ「ですが航空機開発予算もと考えると相当な費用となりますが」

 

中津「そこだが航空機予算の1部を飛行船関連予算から引き抜けばよいし、戦車用の装甲も新式装甲板開発として3軍いや空軍もいれて4軍(陸海空近衛の4軍)か、それに車載砲も小型野戦砲開発や新型対水雷艇用砲として車載機関銃もガトリング砲の後継開発として研究させたまえ、無論成果は各軍にも渡る」

 

マックレーネ「なるほど、確かにそれならば宮廷予算の増加をわかりにくくできます」

 

中津「イネス戦車は14年までにだが装甲車は1900年には完成させてくれ、対ル戦までには部隊配備を済ませたい」

 

イネスタキオン「無茶を言うが、性能は」

 

中津「速度は整地で時速60㎞不整地なら時速35㎞武装は機関銃3挺装甲は最低でも全周5㎜できれば8㎜銃塔を上部につけ銃塔の装甲は最低で8㎜できれば10㎜が望ましい、こんな感じのを頼む」

 

イネスタキオン「全く、時間宮の電子式計算機を借りるよ、あれがあるだけで面倒な計算から開放される」

 

中津「許可しよう、可能な限り早く頼むぞ」

 

時間宮の計算機それは中津が計算機の質が高ければ高いほどは研究速度が上昇するとの考えで開発設置された物、見た目や性能は真空管式コンピューターZuse Z3であり時間宮には200基が配備され専属の天使やクローンにより日夜研究等に使用された、中津は真空管の特許を直ぐには出願せず1900年に出願させジョン・フレミングが出すより早く、だができる限り隠匿する事を命じていた、しかしこの計算機による研究速度の上昇は装甲車の早期完成という成果を叩き出したこの車両は翌25年に25年式装甲車として正式採用、同年自動車の軍事利用の前支度として自動車自動貨車法施行自動車免許制度の制定や帝都における過度な自動車使用の禁止を定めた、同日公共交通機関支援法施行帝都における過度な自動車使用に対するものとして帝都における公共交通機関の充実と補助金の交付を行った

 

明治26年1月帝都東京宮原宮城

 

中津「開戦が近くなってきよったな」

 

マックレーネ「はい御父様」

 

中津「この戦争は前座だ対ルーシ戦のな」

 

マックレーネ「はい」

 

中津「アルトエル、各軍の状況は?」

 

アルトエル「はい、陸軍は第1から第10まで各軍いつでも動けます海軍は全艦隊出撃準備完了御命令あらば何時でもいけます、飛行船部隊も出撃可能です」

 

中津「ならばよい、開戦は翌年東学党の乱の終結後だよいな」

 

「「御意」」



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開戦四季斉戦争

ええ、前作と変わったところは少ないです


明治27年2月シェナ半島にて東学党の乱が発生斉国陸軍が3月末に李氏大シェナ王国に進駐天津条約(史実より遅れたが史実通り締結)により4月中旬に四季島帝國陸軍は高島少将を旅団長とする独立混成第3旅団(8000名)を派兵同時に海軍第3艦隊を四季島本島西部の佐世保鎮守府に展開臨戦態勢を取った

 

5月19日

史実とは違い斉国が追加派兵シェナ半島には斉陸軍7700名四季島帝國陸軍8000名が展開

 

6月13日

李氏王朝が東学党と和睦、斉、四季島両国に撤兵を求めたそれに対して斉国は四季島の撤兵後撤兵を宣言、四季島帝國は未だ李氏王朝における内乱の完全な終了まで撤兵は無いと宣言6月27日エングランドの仲介の撤兵案が決裂するが四季島帝國はせっかく仲介してくれたエングランドの顔を立てるとし独混3旅を釜山に下がらせた、この件によりエングランドの面子は保たれたもののエングランド国内には斉国に対する不信感が生まれていた、

 

7月1日

斉国は李氏王朝に対する追加派兵を決定この事をプロシアが四季島帝國及びエングランドに通報通報受けた四季島帝國は駐四エングランド大使に追加派兵をする旨を伝える、翌日第3師団歩兵第8連隊を派兵釜山に向かわせた

 

7月5日

漢城に駐留する四季島帝國軍陣地に銃弾が数発撃ち込まれる、四季島帝國軍歩哨が反撃斉軍兵2名を仕留める

 

7月6日

四季島帝國斉国に対して謝罪と撤兵を要求

 

7月18日

斉四季島両国の交渉が決裂四季島帝國は遺憾の意を表するとともに御前会議にて開戦を決意シェナ半島居留四季島臣民の安全確保を名目に斉国に宣戦を布告

 

 

7月21日四季島海(史実日本海)第3艦隊旗艦巡洋艦設楽艦橋

 

艦橋要員「提督入られます、敬礼」

 

ヨークリズ「ああ諸君そのままでいい、参謀長何か報告はあるかね」

 

参謀長「今の所はありません、静かなものです恐ろしいほどに」

 

ヨークリズ「敵主力は黄海近辺だろうが水雷艇はおるやもしれん警戒を厳としてくれ」

 

通信士「先遣艦夕霧より入電、斉海軍艦艇見ゆ」

 

ヨークリズ「何?」

 

参謀長「数は」

 

通信士「防護巡洋艦2水雷艇1輸送船2半島方面に向け航行中」

 

参謀長「提督」

 

ヨークリズ「十中八九半島への増派部隊を運んでおるのだろう......逃がすわけにはいかん戦闘旗掲げ戦闘用意」

 

参謀長「了解、戦闘旗掲げ戦闘用意」

 

海軍兵「戦闘用意」

 

砲術長「照準合わせ」

 

伝声管から報告が来る

 

砲員《砲撃用意よろし》

 

 

同時刻斉海軍防護巡洋艦武遠艦橋

 

指揮官「異常はないな」

 

艦長「はい指令異常ありません」

 

指揮官「開戦から3日四季島軍とは合わんな」

 

艦長「そうですな」

 

観測員「うん?アレは、て、敵艦みゆ、か、数約30」

 

艦長「なんだと」

 

指揮官「全艦反転勝ち目は無い逃げるぞ」

 

艦長「了解」

 

ヒューーウ

 

ドカーン

 

艦長「被害報告」

 

伝令「艦左舷被弾」

 

観測員「敵艦から発光信号『降伏サレタシ』です」

 

指揮官「勇武はどうなっている」

 

観測員「戦列より離脱しておりますが逃げられかどうかは」

 

艦長「指令、機関室から応答がありません」

 

指揮官「仕方ないか、降伏する白旗を掲げよ」

 

艦長「はい」

 

 

巡洋艦設楽艦橋

 

観測員「敵艦に白旗みゆ」

 

艦長「そうか」

 

ヨークリズ「端艇降ろせ、接収するぞ」

 

艦長「はい、武装隊出撃、指揮は副長に一任します」

 

副長「お任せあれ」

 

観測員「前方に輸送船、あれはエングランド商船旗を掲げています」

 

ヨークリズ「停船させろ」

 

 

高陞号艦橋

 

艦橋要員「四季島艦からです停船せよと」

 

トーマス・ゴールズワージー艦長「停船する、錨を降ろせ」

 

副長「斉兵が暴れますかね」

 

トーマス・ゴールズワージー艦長「だろうな」

 

副長「脱出準備をしておきます」

 

トーマス・ゴールズワージー艦長「頼む」

 

 

エングランド商船高陞号史実では高陞号事件を引き起こす船となったが、この歴史でも斉軍士官を抑えきれずエングランド人を救助撃沈となった

 

この一件はエングランド国内で問題視されたが戦時国際法に基づいた行動であることであり問題は無いこの意見がタイムズ紙に掲載されると批判は収まっていった

 

 

同日シェナ半島釜山独混3旅本部

 

高島「斉軍の増援はどのあたりか?」

 

参謀「数日で漢城に来るかと」

 

高島「よし作戦通り釜山で待つか」

 

この時斉軍27000名が漢城に集結後方の平壌にも45000名が集結しつつあり釜山にも3000名程度の部隊が先遣隊として向かっていた、対する四季島帝國軍は急いで第3師団の残りを釜山に上陸させた、その後周辺住民に戦場となることを伝え退去を勧告しつつ漢城を脱出した特使とその護衛の収容を行っていた

 

7月23日第1、第2、第4歩兵師団が釜山近隣に上陸これにより釜山近隣には歩兵4個師団独立混成旅団1個合わせて68000名が展開する事となった

 

7月26日蔚山に第4歩兵師団が斉軍3000名を撃破蔚山を制圧現地民に食料をばら撒きつつ防衛線を貼ったこれに対して斉軍は李氏シェナ軍内の親斉派の部隊約3000を義勇軍の名目で徴用後発の援軍含め約60000名で蔚山奪還のために前進を始めた

 

7月28日釜山に第5、第6師団が上陸

 

7月30日蔚山まて3㎞の地点で四季島陸軍第4師団歩兵第11連隊と第4師団砲兵連隊第2大隊4500名と斉軍7000名が激突したが斉軍は急ぐあまり砲類等の重火器を持たず四季島砲兵の猛射により混乱をきたし敗走この報を聞いた斉軍シェナ半島救援軍司令官金英炎はさらなる援軍を本国に要求、その結果シェナ半島に斉軍120000名が集合し。

この報を聞いた四季島軍大本営は満洲上陸作戦を決意第2、第3艦隊の護衛の元第2軍を近隣の羅先に上陸させ満洲にむかった、この報に驚いたのは斉王朝や軍首脳部であった満洲方面にいた部隊は最低限を除いて半島に回していたためであった第2軍第8師団は先行し奉天にて斉軍10000を撃破満洲全域を制圧しつつそのまま北京を目指していたここに至り斉王朝内では海軍により一矢報いての電撃和睦を主張する一派が騒いでいたこの動きを受け北洋水師が黄海に向け出港、黄海方面に進出しつつある第1艦隊との決戦を求めた

 

そして8月1日満洲ルーシ国境に治安維持として第6軍6個師団と軽歩兵2個師団、騎兵4個旅団が展開斉軍残党を狩りながら治安維持に努めた

 

8月5日四季島陸軍が前進大邱浦項を結ぶラインに防衛ラインを引きつつ西側の守りとして晋州に独混3旅を配置した奇しくも朝鮮戦争当時の釜山円陣に近い布陣となっていた

対する斉軍は迷っていたすでに奉天会戦で敗北し北京に敵が向かっているとの報が司令部に入り司令部内でこのまま南下して大邱浦項ラインを抜く意見と後退しつつ羅先を落とし四季島軍の補給を断つ意見て司令部内で対立が起きていた、この結果シェナ半島救援軍は貴重な時間を3日無駄にしたのであった、結果として平壌に居る20000を羅先に向かわせ、残りの100000で大田に進出し少白山脈を超えて大邱に迎う事となった

 

そして8月10日李孟翼将軍指揮する斉軍25000名が大邱北方の洛東江の対岸にてダウンズ中将指揮下の四季島軍第6師団を確認交戦状態に入った

 

 

8月10日慶尚北道洛東江東岸四季島軍第6師団司令部

 

ダウンズ「参謀長敵は渡河を開始していないのだな」

 

参謀長「はい、砲兵に攻撃を開始させますか?」

 

ダウンズ「そうするか」

 

伝令「伝令、敵が渡河を開始しました、小舟等を使用しております」

 

ダウンズ「そうか、攻撃開始、撃ちまくれ奴らを岸に上げるな」

 

参謀長「了解、全砲門撃て」

 

ドンドンドン

 

ヒューーウヒューーウ

 

ドカーーンドカーーン

 

13時7分斉軍25000が渡河を決行対する第6師団は持てるすべての火砲を撃ち掛けた

 

ヒューーウ、ドカーーン

 

李孟翼「くそ、一方的だぞ我軍砲兵は何をしている?」

 

斉士官「撃ち返しておりますが数が少なくまた敵の方が正確に撃ち込んできております」

 

李孟翼「くそ、どうにか渡河しろ」

 

斉士官「駄目です彼我の火力差がありすぎます」

 

 

今年は長梅雨となったため洛東江は例年より水の量が多かったそれと同時に渡河の為の舟艇も少なくその為西岸に近ければ師団砲兵の砲弾が東岸に近づけば各歩兵中隊に配備された27年式機関銃により蜂の巣とかしていた対する斉軍も砲兵による渡河支援を行っていたが少白山脈を超えるさいにいくつかの砲を後方に置いてきたため火力不足になっていた

 

日が暮れ夜になると斉軍は再度渡河を敢行夜陰に紛れ上陸し浸透を図ったが四季島軍は新兵器のサーチライトと照明弾を動員し夜間戦闘で優位性を確立していた

 

李孟翼「兵はどの程度残っている?」

 

斉士官「15000を割っているかと」

 

李孟翼「そうか」

 

孟翼は悩んだ攻めるか引くか、引くにしてもせめて一太刀浴びせねば自分の進退に関わるのは確かそう悩む孟翼の元に少数の部隊が後方の星州に渡河を終えて展開攻勢準備をしているとの事であった、この報を聞いた孟翼は危機感の前にチャンスを得たと思った渡河できずともこの部隊を叩けば降格はあっても命に関わることはないと判断したのであった、偵察の結果敵は2000程度砲は少数か無しと判断し兵5000を率いてこの部隊の撃滅に向かった、この時星州に展開していたのは第5師団第14歩兵連隊に師団砲兵1個大隊第1軍本部直轄機関銃2個中隊に騎兵1個中隊で編成された岩倉大佐率いる岩倉支隊5100名であった支隊は霊鷲山付近に展開し斉軍を待ち構えていた

 

翌8月11日斉軍は岩倉支隊に攻撃を開始事前情報通りなら数的優位を持って叩き潰せる予定であったが高地に陣取り136挺の27年式機関銃が突撃してくると想定された位置に火線を集中させ第一波を防ぎつつ騎兵中隊を使い敵の後背を付かんと動かしていた

 

李孟翼「どうなっている敵は2000のはずではこの火線の量は師団規模ではないか」

 

ドカーーン

 

斉士官「閣下頭を低く」

 

李孟翼「くそ、俺がこんなとこで終わるわけに」

 

孟翼は最後まで言葉を発することは無かった砲兵の放った75㎜砲弾が孟翼のいた簡易指揮所に直撃孟翼とその幕僚達をこの世から消し飛ばしたのだった

 



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羅先防衛戦

羅先シェナ半島の付け根に位置し現在は四季島軍満洲方面軍の補給拠点となっていたこの街は南北に伸びる街道と西側に低めの丘があった8月12日時点で守備隊として第28師団第83歩兵連隊師団砲兵1個大隊軍本部付機関銃1個中隊第7騎兵旅団第20騎兵連隊第3騎兵中隊で編成されたジャニングス大佐率いるジャニングス支隊(4900名機関銃106挺野砲12門山砲4門9㎝臼砲12門装備)が展開していた、また海軍第8警備隊(400名機関銃12挺75㎜高角砲12門47㎜速射砲8門装備)海軍第2設営隊(600名機関銃4挺)そして港内には前日輸送船と共に到着した第2護衛隊所属の装甲フリゲート艦ロードリッツ、マーチロングの2隻と水雷艇4隻が停泊していた

 

 

 

同日11時半に哨戒中の飛行船が斉軍20000を捕捉羅先守備隊に通報ジャニングス大佐は戦闘準備を下令すると同時に海軍設営隊指揮官の門前大佐と海軍警備隊指揮官の岡本中佐に事前の取り決め通り指揮下に入るように伝えると同時に停泊中の艦隊に砲撃支援を依頼したこの日四季斉戦争屈指の死戦と言われる羅先防衛戦が開始された

 

 

12時10分飛行船3隻による空襲を敢行高射砲や高射機銃を持たぬ斉軍に打撃を与える

 

 

16時15分周来遠率いる斉軍17000が羅先近隣に展開降伏勧告の使者を羅先守備隊に送るも18時丁度に拒否される

 

 

羅先近郊斉軍司令所

 

来遠「敵は拒否したか」

 

参謀「はい」

 

斉士官「ここは攻めるべきです」

 

参謀「いえ明日にすべきです、日暮れが近い今からでは夜戦となります、そうなれば砲兵の効果的な支援は期待できませんし下手をすれば同士討ちも」

 

来遠「たしかにそうだ」

 

参謀「それに敵は画期的な夜戦支援機材を洛東江の戦闘で使用して李孟翼将軍の隊を撃破しております」

 

来遠「孟翼は猛将だそれを打ち破った夜戦支援機材か、攻撃は明朝とする、それまでに将兵たちに休息を取らせろ、よいな」

 

「「「はい」」」

 

来遠(明朝決戦かだが四季島がそれまで動かんか?、周辺警戒はやらせるか)

 

参謀「閣下いかがされました?」

 

来遠「参謀かいや四季島の連中が夜陰に隠れてなにかやるのではないかと思ってね」

 

参謀「周辺には警戒部隊がおりますが」

 

来遠「一応厳重に監視するように伝えてくれ」

 

だが事件はその日の夜起きた

 

ドン

 

来遠「どうなっておる何故敵の侵入を許した」

 

参謀「ですが警戒は完璧です」

 

来遠「完璧、完璧だと、では何故第2弾薬集積所と糧秣集積所を破壊された」

 

参謀「敵が狡猾だったとしか思えません」

 

来遠「まあよい、警戒を厳重にしろそれと、明朝の攻撃は、手を緩めるでないぞよいな!」

 

「「はい」」

 

翌13日8時斉軍の砲撃が行われたが塹壕に籠もっている四季島軍にこれといった被害を与えれなかった

 

これに対して斉軍は南北両側より突撃を敢行するが南側は道が細く事前に敷設されていた乱杭逆茂木鉄条網に阻まれ侵攻路を限定され密集した所を機関銃により殲滅されていった北側は距離の問題で部隊は少数であり勢いもそこまでなかった

 

第1次攻撃の失敗に落胆する斉軍司令部であったが。来遠は戦場での報告から敵の西側の手際が悪いことに気付いた、ここに展開しているのは岡本中佐率いる海軍警備隊と設営隊の戦闘部隊100名であった、陸戦教練を受けているとはいえやはり本職の歩兵には若干見劣りするものであった、無論その事は部隊を指揮している岡本中佐や総指揮を取っているジャニングス大佐も理解していたその為ジャニングス大佐は軍本部から与えられた装甲車4両を急遽警備隊支援に回していたこの4両で機関銃12挺を搭載していた、だが斉軍の攻撃は苛烈になっていた、南側の障害物の2割程が破壊され第1陣地を放棄その際第1大隊第2中隊長が戦死第3中隊長も重症を負った

 

 

ジャニングス支隊本部

 

伝令1「南防衛第2陣障害物3割が無効化されました」

 

伝令2「北側の敵は艦隊の砲撃で崩れつつあります」

 

ジャニングス「西の斜面に敵は?」

 

参謀「少数の敵が攻め掛かったようですがどうにか対処できていると」

 

ジャニングス「この夜が峠だな、それさえ乗り切れば近隣に展開している第7騎兵旅団が駆けつけよう、全軍に通達灯りを絶やすな照明弾やサーチライトだけでは無い松明や蝋燭を使って敵を見張るのだ」

 

「「了解」」

 

ジャニングス(そうだ今日の夜、夜さえ乗り越えれば予定なら騎兵旅団到着する、それに近隣に展開しているの第3艦隊も来援してくれるはずだ)

 

 

16時25分南側第2防衛陣が敵騎兵約100の突破を許したその後も敵騎兵による浸透攻撃を受けたその都度ジャニングスは副連隊長の春岡中佐や副官のアーリトン大尉に率いらせた臨時戦闘班(連隊本部や各大隊本部の炊事兵や経理係や港の補給部門や海軍設営隊非戦闘部隊500名)を投入し戦線を立て直した

 

18時を過ぎると両軍死屍累々となっていたこの時点で斉軍戦死者7500名あまり、四季島軍1500名あまりとなり一時的とはいえ再編のため双方は自然休戦状態となっていた、その間にジャニングスは精兵200名を選抜し挺身攻撃隊を編成斉軍砲兵陣地や野営地に攻撃させた

 

19時丁度斉軍砲兵が砲撃を開始するも10分程で挺身隊の攻撃を受け野砲40門を破壊されるその後も挺身隊は断続的に斉軍野営地陣地等を襲撃した

 

21時過ぎ斉軍司令所

 

来遠「またか、警戒部隊は?」

 

参謀「全員殺られました、首を全員斬られています」

 

来遠「被害の報告を頼む」

 

参謀「現時刻までに野砲68門兵員97名が失われました」

 

来遠「兵員はまだしも野砲がそんなにやられたか」

 

参謀「それに軍馬39頭が行方知れず81頭が殺害され糧秣約20日分が焼き討ちされました」

 

来遠「軍馬は奪われたのだろうな、糧秣も焼き討ちの他に持ち去られもしたのだろう」

 

参謀「それは」

 

来遠「すき放題させてしまったな、警戒を更に厳重にしろ、これ以上やらせるな、よいな!」

 

参謀「はい!失礼します」

 

バタン

 

来遠(にしても四季島軍め嫌な所を突いて来よる、軍馬120頭の喪失これが痛いな騎兵隊は今日の突撃で相当数が失われた、残りは300あまり、下手なとこで出せば全滅してしまう、夜戦か、最後の望みはそれしかないな)

 

来遠「誰か誰かおらんか」

 

従兵「閣下いかがなさいましたか?」

 

来遠「参謀を呼んでくれ」

 

従兵「はい、直ちに」

 

参謀「失礼します、何かありましたか」

 

来遠「うむ、参謀敵の援軍が近いと俺は思うが貴様はどう思う」

 

参謀「近いと思います、今日で2日目、早ければ明日の昼には来ると思っております」

 

来遠「そうか、攻めるぞ、全軍突撃用意夜戦だ」

 

参謀「了解しました」

 

 

22時過ぎ斉軍8000が夜襲のために前進南側第3陣地まで500mの所に展開し突撃体勢を取ったそして23時丁度突撃を敢行

 

 

来遠は剣を掲げ振り下ろしながら叫んだ

 

 

来遠「全軍突撃!!!足を止めるな」

 

「「「「わあーーーー」」」」

 

 

四季島大尉「敵だ!全員戦闘用意、司令部にこの事を伝えろ」

 

通信士「はい、直ちに」

 

四季島軍曹「撃て、近寄らすな」

 

タンタンタン

 

ダダダダダダダ

 

斉兵1「グハァ」

 

斉兵2「喰らえ」

 

タンタンタン

 

四季島兵1「グハァ」

 

四季島兵2「くそ死ね」

 

 

グサ

 

 

四季島中尉「探照灯を点けろ敵を照らし出すのだ」

 

四季島伍長「はい」

 

 

この夜襲は相当数の死者をそして混乱を双方に出していた

 

 

ジャニングス「戦況は」

 

参謀「まったくもって不明としか、現状では南第3陣地にて戦闘中としか」

 

ジャニングス「うむ、第3陣地には第2大隊2個中隊と機関銃1個小隊であったな」

 

参謀「はい」

 

ジャニングス「援軍をおくるしかないか、本部警備隊50名を送り出せサーチライトと照明弾は使っているな?」

 

参謀「はい」

 

ジャニングス「なんとしても持たせろ、いいな」

 

参謀「はい」

 

 

前線

 

 

四季島大尉「ええい、死ね」

 

パンパンパン

 

四季島曹長「大尉無事ですか」

 

四季島大尉「曹長かそっちも無事そうだな」

 

四季島曹長「はい、全く奴らどれだけ多いんだ」

 

四季島大尉「泣き言を言うな曹長、手を動かせ」

 

四季島曹長「了解です大尉」

 

 

夜戦は日を跨ぎ翌2時過ぎに斉軍に異変が起きた

 

パン

 

来遠「グハァ」

 

参謀「閣下」

 

斉士官「閣下」

 

来遠「参謀」

 

参謀「閣下、お気を確かに」

 

来遠「届か、なんだな」

 

参謀「かっ閣下!」

 

14日2時18分斉軍指揮官周来遠が狙撃兵の一撃を胸部に受けそのまま死亡、来遠の人望と武威によって成り立っていた斉軍の士気は崩壊指揮系統の受け継ぎも出来ずに四分五裂となり小部隊毎戦場を離脱し始めたその時

 

ドドドドド

 

ヒヒーン

 

四季島陸軍第7騎兵旅団が撤退する斉軍後方に展開し攻撃を開始した

 

坂島旅団長「全軍突撃1兵足りと生かして返すな」

 

「「「おお!!!」」」

 

四季島騎兵1「そら」

 

ザク

 

四季島騎兵2「喰らえ」

 

タン

 

 

ジャニングス「そうか第7騎兵旅団が来てくれたか」

 

参謀「はい」

 

門前「これで勝てますな」

 

ジャニングス「そうだな」

 

 

羅先の戦いは四季島軍の勝利で終わったが戦死傷者2700名を出す被害となった特に第1大隊は14日昼の段階で戦闘可能人数248名に減っていた対する斉軍は戦死傷者14000名以上となっていた。この報告を聞いたシェナ半島に展開する斉軍司令部は太田に展開する部隊から10000を引き抜き北方防備を命令するとともに本国に増援を要請した



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半島の戦い

明治27年8月16日漢城に羅先からの敗残兵2000が到着同日南方からの転戦部隊10000と本国からの増援8000が到着防衛線の構築を開始した

 

そして19日四季島軍は開戦前の計画通りシェナ半島を38度線以北を制圧その後半島を制圧するべく羅先より南進3時間で平壌を落とし開城に迫っていた対する斉軍はシェナ王朝軍5000を義勇兵扱いで強制動員開城、高浪浦に合わせて直轄軍7000を配備漢城の入り口たる議政府にシェナ義勇軍4000が展開これに対して四季島軍は満洲から転用した第6軍の中から第27歩兵師団第28歩兵師団第29歩兵師団第6装甲車旅団を先遣隊として投入したのだった

 

最初に動いたのは第29師団であった師団長のディーン中将は開城正面を第86歩兵連隊に攻撃させ側面に第87歩兵連隊を回り込ませ開城を3時間で陥落させたそのまま臨津江を渡河しようとするが第29師団にシェナ義勇軍の白将軍率いる部隊が後退してくる斉軍を回収しつつ攻撃初日は臨津江を渡れなかった。

同時に春川方面に第27師団が攻撃を開始するが劉保登隊5000は防衛線を春川前面に張るとそこまでに徹底した遅滞戦闘を敢行しつつ落とし穴や信管の古い砲弾で地雷を設置侵攻する第27師団は犠牲こそ少ないものの進撃はゆっくりとしたものになり春川第1防衛戦にたどり着いたのは8月22日の事であった。

その頃鉄原を落とした第28師団はそのまま議政府にむけ進撃第82連隊と師団砲兵第2大隊及び第18機甲連隊を東豆川方面から議政府を第83連隊と師団砲兵第3大隊及び第17機甲連隊を抱川方面から議政府を目指した

 

当時議政府守備隊4000の内東豆川方面に1500抱川方面に1500議政府1000が展開していただが大挙して迫る四季島軍には無力であった。その中でも東豆川の部隊はその日の夕方まで戦線を維持出来ていたが抱川失陥の報に後退を決意議政府まて後退した、その後退のきっかけとなった抱川方面であるが装甲車を見た瞬間守備隊はパニックに陥りすぐさま遁走、漢城にいる斉軍シェナ半島方面軍司令官張伯円は増援の兵8000と大邱方面に展開していた李庚申の25000を北上させ残りの兵員40000で大邱方面に展開する四季島第1軍を食い止めるように展開させた、その後本国に援軍を要請、斉王朝首脳部は北洋水師の護衛の元兵員8000を仁川に輸送第2陣を準備している間に四季島海軍第1艦隊が黄海に進出している事を確認これを撃破すべく索敵を開始した

 

8月22日四季島軍第30歩兵師団が第28師団に合流そのまま東豆川方面に展開第28師団は祝石嶺に展開している李蒙順率いる2000名を撃滅、後退すらままならず、議政府を守る斉軍司令官周伯乱にはその報告が届いていなかった、これに対して張伯円は四季島軍の数を議政府方面に1個師団臨津江方面にも1個師団の計2個師団が進行してきたものとし増援は無いものと断定、反撃を命じた周伯乱の隊5000と敗残兵を再編した李承翼隊2000を東豆川方面に進出祝石嶺に展開する李蒙順隊に来援軍としてきた陳風鉄隊5000を追加して抱川方面に進出させる作戦であったがこの時既に李蒙順隊は敗北していただがその事を知らぬ陳隊は23日2時頃に祝石嶺で第28師団に奇襲され陳風鉄は戦死部隊も3000強を失う大被害となった、この時周伯乱隊は東豆川を奪還していたのだがこの報告受け議政府に後退そして報告を漢城て聞いた張伯円は檄を飛ばす

 

張伯円「なんとしても議政府を死守しろ、議政府を抜かれれば漢城は目と鼻の先だぞ、なんとしても死守させろ」

 

参謀「将軍李承翼将軍から援軍を求める書簡が」

 

伯円「何?」

 

書簡の内容は祝石嶺から議政府に向かう回廊を守備するための兵の補充要請であった、これに対して伯円は手持ちの兵1000と蒙順隊や風鉄隊の生き残りを集めさせた臨時部隊3000を劉湯円に指揮権を与え議政府に向かわせたが24日11時に議政府に四季島軍2個師団が猛攻を敢行今日までの戦いで砲類を多数損耗していた斉軍は議政府を持たせることができず日暮れ頃に議政府を失陥周伯乱も後退時戦死していた、そしてそれは臨津江戦線の側面ががら空きとなったため白将軍率いるシェナ義勇軍と開城守備隊残党は急ぎ漢城方面に撤退した

 

26日に張伯円は議政府方面は白石川に防衛線を張りそこに李承翼隊と自分の直轄隊に周伯乱等の隊の残党を掻き集めた12000を配置そして開城方面は奉日川に防衛線を張りそこに劉湯円隊3000と来援軍3000白将軍のシェナ義勇軍2000を合わせた8000で防備を固めた、そして南からは続々と部隊が集まってくるためそれを予備部隊として迎え撃つ構えを取った。

 

しかし四季島軍は29日になっても動かなかったその頃斉軍は2つの輸送船団を用意し兵員の輸送を急がせたがこの片方の船団が四季島海軍第1艦隊より攻撃され全滅させられた、ここに至り張伯円は自分が嵌められたことに気づいたのだ、シェナ半島に蓋をし海路でくる援軍を洋上で撃滅し北洋水師の撃滅を狙っていると判断この事を伝えたがそれが北洋水師の根拠地に届いた頃には北洋水師は第1艦隊を補足していた

 

8月31日黄海洋上北洋水師旗艦定遠艦橋

 

丁汝晶「敵は見えたか」

 

参謀「はい本艦隊前方に展開しております」

 

丁汝晶「数は?」

 

参謀「戦艦4隻巡洋艦12小型艦24」

 

丁汝晶「なんだと」

 

参謀「閣下後退しましょうこちらは戦艦3に巡洋艦7水雷艇9、勝つ見込みはほぼ無いかと」

 

丁汝晶「やるしかあるまい全艦横一文字前進」

 

参謀「了解」

 

 

四季島第1艦隊旗艦戦艦メイビス艦橋

 

観測員「敵艦隊横陣を組み前進」

 

伊藤「そうか、戦艦隊巡洋艦隊は単縦敵の頭を押さえる、駆逐隊は各水雷戦隊の指揮下すきを狙い突撃せよ」

 

参謀長「どの程度の距離で撃ち始めますか?」

 

伊藤「8000でいいだろう、第1目標は敵の定遠型戦闘艦*1

 

参謀長「了解」

 

砲術長「照準合わせ」

 

観測員「距離11000」

 

黄海海戦戦闘図

四季島艦隊        斉艦隊

 

 

 ↗           ←

↑            ←

↑            ←

↑            ←

↑            ←

 

 

艦隊は上記の図のように四季島艦隊が単縦陣を組みながら斉軍を包囲しようと動いた

 

距離10000で斉艦隊の15㎝砲が砲撃を始めるがその発射速度の遅さと練度の低さでこれと言った被害を与えれなかった8000を切ると四季島艦隊の砲撃が始まった、メイビス以下戦艦4隻巡洋艦12隻の猛射にたちまち斉艦隊から見た右翼の巡洋艦1隻と水雷艇4隻が直ぐに撃沈された、また左翼も撃沈された艦は水雷艇3隻のみであったが巡洋艦の榴弾により艦上で火災が多発戦闘能力を喪失しつつあった

 

 

定遠艦橋

 

丁汝晶「くそ一方的だぞ、撃ち返せ」

 

参謀「閣下右翼が食い破られております、また左翼も少しずつ破られかけております」

 

丁汝晶「そんな事はわかっている、なんとしても敵艦隊に痛打を与えるのだ」

 

ドカーーーーン

 

丁汝晶「なんだ」

 

艦長「あぁ、何という事だ」

 

艦橋要員「鎮遠が、あの鎮遠が沈むのか」

 

参謀「鎮遠撃沈されました」

 

丁汝晶「何という事だ、臣遠はどうなっておる」

 

艦橋要員「艦構造物上で火災多数発生の模様」

 

参謀「閣下、後退をこのままでは旅順や威海衛の維持が出来ませんぞ」

 

しかしそこで丁汝晶は軍事上ありえない指示を出した

 

丁汝晶「致し方ない、全艦反転180度離脱する」

 

参謀「閣下敵に腹を見せることになります、ここは敵の左翼に突撃しながら反時計回りに反転を」

 

丁汝晶「すまん参謀、取り乱した、全艦敵左翼に突撃しつつ反時計回りに旋回し後退する」

 

参謀「了解」

 

 

メイビス艦橋

 

観測員「敵艦隊本艦隊後方に向け突撃」

 

参謀長「奴ら死ぬ気か、閣下」

 

伊藤「生きるための突撃か、後方部隊に伝えろ、道を開けてやれと」

 

参謀長「よろしいのですか?」

 

伊藤「定遠型戦闘艦2隻と巡洋艦多数を失った北洋艦隊に脅威は無い、この後旅順と威海衛の包囲さえすれば北洋艦隊は無力化できる」

 

 

8月31日北洋水師敗北稼働艦艇5隻のみ黄海制海権喪失この報告を受けた斉王朝はパニックに陥った、勝てるだろうと思っていた北洋水師が破れシェナ半島に援軍を送れなくなりシェナ半島方面軍約100000は敵中に孤立しつつあった

 

この事を知った張伯円は援軍としてどうにか海路できた李天鶴隊4000に春川に展開する劉保登隊4000の退路を維持する事を命じた、伯円としては無傷に近い劉保登隊を議政府奪還の切り札としたかった

 

9月2日四季島軍の猛砲撃が白石川防衛線を襲ったが斉軍はなんとか持ちこたえ翌3日第17機甲連隊を先頭に第30師団が白石川防衛線に攻撃李承翼は倉洞を防衛線として後退するが疲労困憊になっていた李承翼隊は第28師団が攻勢に加わると敗北李承翼は後退中に戦死、これに対して伯円は李天鶴隊を彌阿里峠に防衛に回した

 

彌阿里峠に到着した李天鶴は撤退してきた李承翼隊の残党を配下に入れ兵員13000で峠を守った、同日李庚申隊が漢城南5㎞に到着したが兵員25000のうち5000程を飛行船による空爆で失っていた、この隊の到着により漢城近隣には兵員39000か展開する事となった

 

 

その頃大田に展開する周鎮翼率いる半島南部防衛隊40000は敵四季島陸軍第1軍の動きを警戒していた、とはいえ鎮翼は攻勢に出る予定はなかった、第1軍総勢約100000とやり合うには戦力が不足していたのであった、そのことを考え鎮翼は大白頭山、小白頭山に防衛陣を構え敵の攻撃に柔軟に対応する構えを取った、対する第1軍司令官ロイ・アーチボルド大将はこの第6軍と鎮翼の動きに呼応する事なく大邱に司令部を置き攻める気は無かった

*1
四季島軍においての艦種別定義10000トン以下の排水量で12inchクラスの砲を搭載する艦艇の総称



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四季斉戦争終結

明治27年9月12日北京

 

光緒帝「で負けたのかまた、北洋水師はなにをしておった、輸送に失敗し、海戦で破れ、この責任どう取る気か」

 

重臣「提督たる丁汝晶は自死を持って責を取ると」

 

光緒帝「そのような問題では無い、野蛮な国如きに敗北を続けておるのが問題だと言うのだ、で陸は勝てるのか敵は奉天を超えたのであろう」

 

重臣「はい、現在海城付近に展開し迎え撃つ構えを取っております」

 

光緒帝「次は勝てよ、負ければ指揮官は一族皆殺しぞ」

 

「「「御意」」」

 

 

9月13日四季島帝國帝都東京陸軍参謀本部

 

メーリトラン「では次の作戦は第2軍による北京打撃作戦北1号でよろしいか?」

 

レギオス「それでいいかと」

 

島原「ええ、話は変わりますが、アーチボルド大将の第1軍はどうなさるおつもりで、大邱から動かず大白山小白山に防衛線を貼っていますが」

 

メーリトラン「その事だが第3第4師団を引き抜き第1近衛師団とともに遼東半島と山東半島攻略に充てる」

 

レギオス「なるほど北洋艦隊にとどめを刺すと」

 

メーリトラン「そうなる、攻略予定拠点は旅順、威海衛、大連位だろう」

 

島原「海軍の支援はどの程度ですか」

 

メーリトラン「第3、第4艦隊と例の上陸支援艦が参加する予定だ」

 

参謀「なるほど」

 

 

9月16日第3艦隊及び上陸支援隊に護衛され第3、第4師団が金州に上陸金州城守備隊500は上陸支援艦の艦砲射撃により壊滅、これに対して旅順守備隊は騎兵1500歩兵2000を迎撃に差し向けるが艦砲の射程に迂闊に入り艦砲射撃により粉砕されていった、旅順守備隊は第3師団の包囲下に置かれた、第4師団は大連を攻略第4艦隊と第1近衛師団が威海衛を攻略北洋艦隊のうち動ける艦艇は脱出を図るも第4艦隊に追尾包囲されついに降伏した

 

この報告を受けた斉王朝上層部は恐慌状態に陥ったシェナ半島に援軍を送ることが出来なくなるどころか敵の補給路を断つことも出来なくなったためであった、それと同時に光緒帝は重臣らの講和論に押され諸外国に和睦の仲介を依頼した

 

対する諸外国の反応は冷ややかなものであった以前の仲介で無理を言ったのは斉側であったのだこの時の仲介を受け入れていればこうならなかった一部重臣はそう愚痴った

各国の反応は以下の通りである

エングランドは前回の仲介で文句を言って拒否したのはそっちだよなと仲介を拒否

フランカは仲介の旨味のなさと以前からの確執により拒否

プロシアは四季島との関係悪化を恐れて拒否

イタロスはまず四季島とそこまで仲がいいわけじゃないとして拒否

ルーシは条件的に不可能と回答

 

ルーシの外交官曰く「この条件は無理だろ、講話は吹き飛び仲介国が四季島に睨まれる」

 

この一言に尽きる

 

内容は台湾割譲と少額の賠償金の支払いであった

 

一応プロシア外務省が四季島帝國外務省に講話するとしたら条件は?と雑談程度に確認したところシェナ半島の割譲を始めとして上海等に租界、遼東半島、台湾、澎湖諸島など付属諸島嶼の主権ならびに該地方にある城塁、兵器製造所及び官有物を永劫四季島帝國の物と認める。賠償金として25億帝國メゼルの支払い捕虜の交換、シェナ半島、遼東半島、台湾、澎湖諸島など付属諸島嶼に住む住民の強制退去を条件としてプロシア外務省宛に回答された、また仲介した国に対してある程度の利権を与えるとしていた、この利権に食い付いたのはプロシアとフランカそれにルーシであった、利権としては四季島帝國領内のアガレメウス島(小笠原諸島南30㎞にある史実には無い島)のアベラウゼス金山とフライゼント銀山それにラトライア炭鉱の産出量の5%の利益若しくは現物を入手する権利を与えるとしていた

 

この利権に食い付き仲介を買って出たのがプロシアであったプロシアとしては四季島との関係を深める狙いもあった、そしてプロシア外務省はまず四季島政府にどこまでなら引けるかを確認、四季島外務省の回答は次の通りであった【我々としては38度線以北と大邱までの占領地の割譲と遼東半島、台湾、澎湖諸島など付属諸島嶼の主権ならびに該地方にある城塁、兵器製造所及び官有物を絶永劫四季島帝國の物と認める。賠償金として25億帝國メゼルの支払い捕虜の交換】以上を条件としつつも賠償金の額については要相談とした

 

プロシア特使が北京にて斉王朝重臣らや光緒帝と話し合う間にも戦況は四季島有利となっていく9月30日に四季島航空隊が北京近郊の陸軍基地を空爆被害は微小なれど光緒帝等王朝上層部の心胆を寒からしめた

 

10月2日飛行1個艦隊20隻による大規模空爆を敢行この空爆で北京守備隊指揮官周沢来が幕僚毎戦死司令部施設も壊滅した、ここに至って光緒帝は一撃決戦電撃講和掲げ、決戦の為に奉天方面に展開している第2軍との決戦を命じた

 

10月8日斉軍72000が陣地構築を終わらせ第2軍本隊到着を待っていた第10歩兵師団と第6工兵連隊及び第1独立混成旅団に接敵

この時指揮官の林来虎には2つの選択肢を取れた1つは野戦陣地を構築し敵と睨み合いを続ける、もう1つが敵を粉砕し陣地を奪い取る、林来虎が取ったのは後者であった、来虎としては面倒な陣地構築をするより眼前の陣地を奪い取り改修した方が速く布陣出来るとの判断であった

 

その考えを読んだ第10師団師団長長谷川中将は中央後方の砲兵陣地から離れ鉄条網が手薄な左翼第3壕陣地を守る第30歩兵連隊に主攻線を貼りつつ右翼第2壕陣地を守る第28歩兵連隊に第2線を張り戦力の分断を図ると仮定、中央第1壕の第29歩兵連隊に両翼陣地援護を命じると同時に第1独立混成旅団から1個大隊を引き抜き第3壕陣地の増強をした

 

そして10時丁度左翼陣地に斉軍は公馬岳率いる騎兵隊2000を先頭に歩兵15000が突撃を刊行した、それを援護するために中央と右翼にそれぞれ歩兵10000ずつを突撃させた、それに対して各陣は機関銃の掃射と海軍からパクった47㎜速射砲の速射で対応していた

 

ドカーーンドカーーン

 

ダダダダダダダダダダダダダダ

 

斉兵「くそ火力が違いすぎる」

 

斉士官「ええい砲兵はなにをしている!何故撃ち返さない」

 

斉伝令「だめです敵の砲兵と撃ち合ってこっちの支援は出来ないと」

 

斉士官「くそ、ええい撃ち返せ、突撃しろ」

 

「「「わあーーーー」」」

 

ドカーーンドカーーン

 

ダダダダダダダダダダダダダダ

 

 

林来虎「ぬう、なんと堅い野戦陣地を、砲兵はどうした」

 

参謀「敵の砲兵により既に3割がやられました」

 

林来虎「公馬岳の騎兵隊はどうした!」

 

参謀「敵の猛射に退けられました」

 

斉士官「将軍、中央と左翼(四季島軍から見た右翼)部隊から援軍を求めてきています」

 

林来虎「両隊に5000ずつ増援をだす、それと本隊も前進主攻線に参加するここには、砲兵と、それの護衛合わせて20000を残せばよい」

 

「「「はい」」」

 

13時27分本隊含め3方に合計15000が援軍に向かうがそれと同時に第3陣地攻撃中の公馬岳が戦死騎兵隊も100余りを残す程度になっていた、その頃長谷川は敵主力が前進してきたのを確認し勝利を確信した、何故なら長谷川の下に第8第9師団が迂回して敵の後背を突くことが伝えられたからであった

 

 

林来虎「まだか、まだ取り付けないのか」

 

参謀「はい」

 

伝令「将軍た、大変です」

 

林来虎「どうした!」

 

伝令「後背に敵多数、砲兵隊が撃滅されました」

 

林来虎「護衛の兵はどうした!」

 

伝令「敵は20000を超える大軍で奮戦虚しく破れました」

 

参謀「将軍、どういたしますか」

 

林来虎は軍刀を握り鞘から抜くとそれを掲げ振り下ろしながら叫んだ

 

林来虎「全軍突撃、前方陣地を制圧、然る後反転北京に帰還する」

 

参謀「将軍」

 

林来虎「逝くぞ参謀、全軍俺に続け!」

 

そう叫ぶと林来虎は軍刀を振りながら突撃

 

「「「わあぁーーーー」」」

 

ダダダダダダダダダダダダダダ

 

 

四季島大尉「怯むな撃ちまくれ」

 

四季島兵「くたばれ」

 

タンタンタンタンタン

 

ダダダダダダダダダダダダダダ

 

ドカーーンドカーーン

 

四季島大尉「軍曹」

 

四季島軍曹「はい、なにか?」

 

四季島大尉「貴様確か狙撃の成績よかったよな」

 

四季島軍曹「はい」

 

四季島大尉「あの指揮官を狙え」

 

四季島軍曹「了解」

 

四季島大尉「頼むぞ」

 

四季島軍曹「そこだ」

 

カチ、ダン

 

 

林来虎「グハァ」

 

参謀「将軍、将軍!」

 

斉士官「将軍!」

 

林来虎「参謀、指揮権を李、李翼雲に継承する」

 

そう告げると林来虎は息を引き取った、指揮権を引き継いだ李翼雲は撤退を決意後方の敵突破して北京戻るように命令を出したが指揮系統の混乱から相当数の部隊がそのまま敵陣に突撃を続行後方に向かったのは李翼雲指揮下の兵など約6000程度であった、この脱出部隊を第8第9師団は斜線陣を組突撃してくる脱出部隊を受け流しつつ殲滅していった、最終的に脱出出来たのは2000を切っていた。

 

そして10月12日四季島第2軍北京を包囲翌13日北京守備隊降伏、翌日光緒帝は条件付き降伏文書に調印、内容は

38度線以北と大邱までの占領地の割譲と遼東半島、台湾、澎湖諸島など付属諸島嶼の主権ならびに該地方にある城塁、兵器製造所及び官有物を絶永劫四季島帝國の物と認める。賠償金として20億帝國メゼルの支払い捕虜の交換上海、天津等に租界の設置海軍軍備の制限がなされた

 

 

 

 

艦艇紹介

 

上陸支援艦

常備排水量4,900トン

全長 114.2m

水線長 112.4m

全幅 14.91m

吃水 5.44m

最大速力24.3ノット

航続距離14ノット14000海里

燃料石炭1900トン

乗員580名

兵装

40口径25.4㎝連装砲2基4門

40口径 7.5㎝単装高角砲6基6門

9㎜機関銃10挺



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四季斉講和条約締結、そして軍事増強

明治27年10月四季斉講話条約通称プルタレス条約(仲介のプロシア外交官ヤーコプ・ルートヴィヒ・フリードリヒ・ヴィルヘルム・ヨアヒム・フォン・プルタレスに由来)内容はシェナ半島の38度線以北(現在の北朝鮮相当)と大邱までの占領地の割譲と遼東半島、台湾、澎湖諸島など付属諸島嶼の主権ならびに該地方にある城塁、兵器製造所及び官有物を絶永劫四季島帝國の物と認める。賠償金として20億帝國メゼルの支払い捕虜の交換上海、天津等に租界の設置海軍軍備の制限(いかなる艦艇であろうと12000トンを超えることを禁ずる、10000トン以上12000トンまでの艦艇所持の4隻まで備砲は単艦10inch以上12inchまでの砲4門までその他の備砲は8incs以下ならば制限を無しとする8inch以上10inch以下の砲搭載艦の制限排水量45000トンまで個艦は5000トン以上10000トン以下の艦数は5隻までそれ以下の備砲装備艦は、総排水量150000トンまで、なお排水量300トン以下備砲が75㎜まで魚雷未搭載の艦は制限無しなれど300トン以下の艦で魚雷搭載可能艦は3000トンまでとする)

この中で1番大きかったのは現在の日本円に変換すると10兆相当額賠償金であった、支払いは10年払い利子は原初元金の1%で総支払額20億帝國メゼル金本位制により純金換算2200トン相当の銀などでの支払いとなった

 

10月28日大邱第1軍司令部

 

アーチボルド「ふう、撤収の準備はどうなっていますか?」

 

参謀「はい、現在第2師団が撤収完了第5第6師団も完了しております」

 

アーチボルド「シェナ半島、いやメレマイス半島に名称が変わるんでしたね」

 

参謀「はい」

 

アーチボルド「駐留部隊は2個独立混成旅団に1個装甲旅団ですか」

 

参謀「そうなります」

 

 

11月9日四季島帝國豊原宮城

 

中津「ルーシとフランカがか、半島南部と遼東半島か、まあよかろう、ただし釜山周辺は確保しろよいな」

 

高橋「御意」

 

 

11月13日プルタレス条約に変更が加えられた遼東半島及び釜山周辺を除いた38度線以南占領地は斉側に返還されたその代わり賠償金として追加で15億帝國メゼルの支払いがルーシ、フランカ両国に課せられた

 

年を越し27年2月四季島帝國南部鹿屋飛行場にて公式的に世界初の動力飛行機械による飛行試験が世界中の記者や軍人政治家にお披露目された

 

プルタレス「飛んだ、飛行船では無いあのような物が」

 

プロシア軍人「飛びましたな外交官」

 

記者「写真だ写真撮れ、こりゃ凄い、号外だ号外」

 

フランカ軍人「飛行船より小型で少人数で使えるのか」

 

 

この報告を聞いた各国軍首脳部は四季島帝國から資料を取り寄せようとしていたが、先のニ国干渉により関係悪化の一途を辿っていたルーシ、フランカは入手に手こずりその間にもプルタレス条約仲介国のプロシア、アラスカ開拓関連とカナダとの貿易で友好関係を気づきながな同盟を狙うエングランド、開国以前からの付き合いのあるベルギウム、ネーデルラントは初歩的な飛行機設計資料を入手していた

 

2月9日四季島帝國空軍飛行偵察隊設立時速90㎞で300㎞飛べる偵察機27年式偵察機を正式採用同時に東京、横須賀、佐世保、舞鶴、大湊、霞ヶ浦、大津、千歳、鹿屋、台北、開城に飛行場を設置、それに鹿屋、霞ヶ浦、大津、横須賀の4箇所に航空士育成機関を開校陸海空軍から集められた将卒が2年間の航空教育を受けた、また士官学校や兵学校にも航空科が設置4年間で航空士官、下士官の育成が進められた

 

明治28年4月動員令解除同時に御前会議にて陸軍の縮小と質の強化が決定3個軍を解体2個軍を組織改編即応性の向上と局地戦特化にそれに海軍は防護巡洋艦(4隻建造)や駆逐艦(12隻建造)の増強しつつも装甲フリゲート艦装甲コルベットの1部退役を決定、1部の艦艇はトルコにほぼ無償*1で売却されていった

 

同年6月空軍設立と同時に第1第2飛行船隊による都市爆撃演習実施翌7月空軍防空司令部設立同時に各地に地上防空団設立75㎜高射砲や28年式高射機関砲(9㎜弾使用)が配備されるも高射機関砲の射程不足を受け新型高射機関砲開発計画を発令使用弾薬の大口径化と弾薬の長さを長くする事となった

 

翌29年2月空軍飛行戦闘機械開発委員会が発足飛行船迎撃と敵偵察飛行機撃退用の機体の開発を開始翌30年に27年式偵察機に武装した試作機を完成させるも能力不足により廃案それ以降40年まで試作と廃案を続ける

 

そして明治30年御前会議にて海軍増強法案として88艦隊計画通称芝原計画(当時の海軍作戦局長芝田発案のため)可決内容は明治36年までに17000トン級戦艦8隻10000トン級装甲巡洋艦8隻4500トン級防護巡洋艦16隻950トン級駆逐艦72隻150トン級航用型水雷艇60隻1000トン級哨戒通報艦16隻計180隻計381400トンを計画また陸軍においても4斤砲に変わる火砲の開発を開始翌31年には31年式野砲、山砲、騎砲が完成この砲は液気圧式駐退復座機を備えた最新鋭の火砲であった、この機構は前年にフランカで採用されたM1897野砲で採用された物だがこの機構を31年式に取り入れるに当たってフランカからの技術提供があったとされている、フランカ政府としては四季島政府との関係改善を狙うと共に技術提供の見返りとして初歩的な飛行機設計資料を得たようである

 

その後四季島陸軍砲兵本部は野戦重砲や攻城砲の開発を統合参謀本部や陸軍省に申請対ルーシとの戦争を決めていた中津の後押しを得て野戦重砲としての10.5cm15cm砲攻城砲としての30.5cm砲の開発と諸外国からの購入を決定プロシア帝国クルップ重工社から10.5cm砲15cm砲を購入するも10.5cm砲は採用確定となるが15cm砲については大阪砲兵工廠によって開発された13口径15.5cm砲を採用するべきとの意見に押されクルップ15cm砲は没となった採用された15cm砲は射程10500mと良好な射程と重量2トンと言う繁殖に成功した筑波重馬なら4頭輓曳が可能な重量が評価された

 

そして明治34年4月横須賀海軍工廠にて新型戦艦薩摩竣工武装に45口径30.5㎝連装砲2基4門45口径20.3㎝連装砲4期8門内2基を主砲後方に背負式配置するなど他国の戦艦を超える性能を持っていた同年6月に呉海軍工廠で2番艦阿波舞鶴海軍工廠で3番艦ストレラが竣工9月に佐世保海軍工廠で4番艦アサルムが竣工また同年8月には新型装甲巡洋艦出雲が竣工武装に45口径20.3㎝連装砲2基4門45口径15.5㎝連装砲4基8門門内2基を主砲後方に背負式配置するなど薩摩に似た設計がされていたそして同月中に2番艦八雲3番艦ラントクレイス9月に4番艦マストレイヤーが竣工その他吉野型防護巡洋艦や磯風型駆逐艦や3型航用型水雷艇涼島型哨戒通報艦が次々と竣工対ルーシとの全面対決姿勢を取った。

対するルーシ帝国もボロジノ級を史実より多い8隻を建造それ以外にも10000トン級の海防戦艦4隻を建造租借した旅順港に太平洋艦隊として戦艦6隻とともに配備四季島帝國は20隻を超える戦艦(海防戦艦含む)に対して半数未満の12隻で戦うことに不安を覚えた、これに対して皇帝中津は新型機雷によるウラジオ、旅順封鎖作戦新型潜水艦隊による紅海もしくはマラッカ海峡雷撃作戦を構想敵艦隊の進路上に多数の新型潜水艦による飽和雷撃によって来援するルーシ艦隊を撃滅する事を想定したそれに対して海軍軍令部は野心的であると中津を諫めつつウラジオは機雷と巡洋艦以下の既存艦で対処するとし旅順艦隊は潜水艦隊と主力艦隊で来援艦隊の到着前に撃滅する事を上奏しつつ陸軍に旅順攻略とウラジオ攻略作戦の立案を依頼した。

 

依頼を受けた陸軍は対斉戦争時の旅順要塞と今の旅順要塞の規模を調査攻略には1個軍と開発した34式305㎜砲40門が必要と判断したが現状で34式は3門が完成7門を製作中40門揃うのは38年までかかると判断またこの計算では他の軍やアラスカ要塞等の要塞に配備しない前提となり物議を醸した、困り果てた陸軍は空軍の飛行船部隊に協力を求めた。求められた空軍もルーシ本土空襲やシベリア鉄道空襲に大半の戦力を割かねばならず旅順攻略軍に回されたのは1500㎏まで爆装可能の2型攻撃型飛行船8隻と新型で250㎏爆弾搭載可能な4型攻撃型飛行船2隻が割り当てられたがそれを持ってしても火力不足を想定していた。四季島陸軍は旅順要塞をアラスカ要塞に準ずるとしていただが実際は過大評価であったルーシ帝国との戦争のためにアラスカノームやコッツビュー等の沿岸部に張り巡らされたアラスカ要塞は最低でも鉄筋コンクリート厚さ3m各指揮所は厚さ8mに厚さ1mの鋼鉄装甲を取り付けられ要塞砲として海軍提供の45口径25.4㎝連装砲75基150門その他各種合計1000門を誇る大要塞であった。攻略には34式200門以上戦艦40隻飛行船50隻は必要とされていたこれに対して旅順要塞には砲500門未満が配備されていたが四季島軍は少なくとも600門多ければ800門を配備しコンクリートの厚さは3m近いと考えていた。ここまで過大評価される要塞も珍しいものである、悩みに悩んだ陸軍参謀本部は中津にどうすればいいかを聞くために宮城に参宮した

 

宮原宮城

 

中津「そうか」

 

メーリトラン「陛下残念ながら今の陸海空軍では旅順を落とせないかと」

 

中津(どうしよう、旅順要塞史実と変わりないよ34式6門と旧型の飛行船で落とせるんだけど、どうしてこうも過大評価されたんだろうな厚さ3m近いコンクリートなんてあるはず無いんだよなどうするかな)

 

メーリトラン「陛下何卒3個軍総攻撃の許可をいかなる犠牲を払おうとあの要塞を落としてみせます、被害が多い場合は小官の首を持って臣民に詫ますゆえ」

 

中津「わかった」

 

メーリトラン「では」

 

中津「わかったのはお主が途方も無いドアホだということがなこんなチンケな要塞1つとお主の首が釣り合うのもか貴様の首は少なくともルーシの皇帝の首に釣り合うと思え」

 

メーリトラン「陛下」

 

中津「旅順はお主が思うほど硬くはない34式10門と飛行船10隻で落とせる、それにアラスカ要塞には対空火器があるが奴らの要塞には無いつまりここに書いてある飛行船の損害はこの数百分の1以下となるよいな」

 

メーリトラン「御意」

 

明治35年4月2日四季島帝國はエングランド帝国との5年間の相互軍事同盟を締結内容は片方が宣戦布告されて場合もう片方が宣戦布告の自由をえると言った単純なものであったがこれによりルーシ帝国は四季島と開戦した場合いつエングランドから宣戦布告されるかわからない状況となったのであった

*1
3000トン級フリゲート艦1隻辺り54000帝國メゼル1トン当たり90帝國メゼルと米相場1トン当たり100帝國メゼルよりも安く売却されていった1300トン級コルベットの場合それより安く1トン当たり80帝國メゼル



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出師の表

明治35年8月8日この日聯合艦隊旗艦に戦艦薩摩が任命同時に第1艦隊を聯合艦隊司令部直属となった。そしてこの日薩摩会議室に各艦隊司令官が集められた

 

参加者一覧

聯合艦隊司令長官長谷川晴忠大将

聯合艦隊参謀総長ウィリアム・ズムウェル中将

第1艦隊司令官トム・ラントリス中将

第2艦隊司令官伊藤忠直中将

第3艦隊司令官スコット・ヨークドル中将

第4艦隊司令官シュバリス・マルトス中将

第5艦隊司令官佐田明秀中将

統合参謀本部作戦課員杉村貞一准将

 

聯合艦隊旗艦薩摩会議室

 

長谷川「うむでは各艦隊司令官諸君知っての通り次の敵はルーシとなる参謀総長敵艦隊の規模を」

 

ズムウェル「はい、まずウラジオに装甲巡洋艦3防護巡洋艦2武装貨客船1水雷艇12旅順に戦艦9巡洋艦10水雷艇25その他多数が展開また来援する艦隊は戦艦10海防戦艦3装甲巡洋艦2防護巡洋艦9その他20隻と思われる」

 

長谷川「これに対して我々は戦艦12装甲巡洋艦8防護巡洋艦42駆逐艦132航用型水雷艇132となるがその他装甲艦16装甲フリゲート艦20コルベット36哨戒通報艦20がいるが陸軍の補給船団を守るために装甲艦や装甲フリゲート艦、コルベットは護衛に廻さねばならん。また哨戒通報艦も敵艦隊捕捉のために各地に展開させるその他アラスカにも小艦隊を配備するその為に防護巡洋艦2駆逐艦24装甲艦4装甲フリゲート艦4をアラスカ要塞泊地に廻すこととなる。よって残りの戦艦12装甲巡洋艦8防護巡洋艦40駆逐艦108航用型水雷艇132これが敵主力艦隊に当てれる兵力となる」

 

伊藤「うむ、戦艦は我が方の約2倍巡洋艦以下の戦力ではこちらが優勢とはいえ」

 

ヨークドル「下手をすれば押し切られますね」

 

マルトス「その前に巡洋艦が足りんなウラジオ艦隊捕捉と殲滅には新型の1個装甲巡洋艦戦隊と2個防護巡洋艦戦隊はほしいどうにかならんか?」

 

佐田「確かに装甲巡洋艦は無理でも防護巡洋艦ならどうにかなりそうですが」

 

ラントリス「艦本に聞くか」

 

杉村「増やそうと思えば増やせますが指揮はどなたが取られるので、小官はアントエル統合参謀本部議長から2個艦隊の増設は陛下からの御許可を頂いていると聞いております」

 

伊藤「坂崎栗秋中将はどうだろうかアラスカ駐留艦隊司令の」

 

ラントリス「ならもう1個艦隊はファルマン中将でどうかな」

 

ズムウェル「先年トルコ派遣艦隊司令官を務めたあのファルマン中将か?」

 

ラントリス「そのシャートル・ファルマン中将だ」

 

長谷川「ならば両名にそれぞれ第6第7艦隊を率いてもらおう」

 

翌9日新たに2個艦隊分の防護巡洋艦16隻のみを建造するはずであったが中津は艦本に第4艦隊以降の各艦隊に指揮設備を増設した4800トン級防護巡洋艦の建造を命じたこの防護巡洋艦は多摩型と命名され薄いが舷側装甲装備するなど防御性を高める設計をされていた

 

 

同年10月艦隊を再編成1部未就役艦を含むが未就役艦

聯合艦隊編成表

 

第1艦隊

司令官ラントリス中将

薩摩型戦艦8

出雲型装甲巡洋艦4

吉野型防護巡洋艦4

磯風型駆逐艦24

 

第2艦隊

司令官伊藤中将

出雲型装甲巡洋艦4

吉野型防護巡洋艦4

磯風型駆逐艦12

 

第3艦隊

司令官ヨークドル中将

安芸型戦艦4

吉野型防護巡洋艦4

磯風型駆逐艦12

 

第4艦隊

司令官マルトス中将

多摩型旗艦級防護巡洋艦1

吉野型防護巡洋艦7

磯風型駆逐艦12

 

第5艦隊

司令官佐田中将

多摩型旗艦級防護巡洋艦1

吉野型防護巡洋艦7

磯風型駆逐艦12

 

第6艦隊

司令官坂崎中将

多摩型旗艦級防護巡洋艦1

吉野型防護巡洋艦1

浪速型防護巡洋艦6

雷型駆逐艦12

 

第7艦隊

司令官ファルマン中将

多摩型旗艦級防護巡洋艦1

吉野型防護巡洋艦1

浪速型防護巡洋艦6

雷型駆逐艦12

 

アラスカ駐留艦隊

司令官島崎一鉄中将

浪速型防護巡洋艦2

武装砕氷艦6

雷型駆逐艦24

扶桑型装甲艦4

エリス型装甲フリゲート艦4

 

第1護衛艦隊

司令官山田広重少将

扶桑型装甲艦4

エリス型装甲フリゲート艦4

リア型コルベット12

 

第2護衛艦隊

司令官ケーニス・ドランスト少将

扶桑型装甲艦4

エリス型装甲フリゲート艦4

リア型コルベット12

 

第3護衛艦隊

司令官ジャック・メレヤス少将

扶桑型装甲艦4

エリス型装甲フリゲート艦4

リア型コルベット12

 

予備艦隊

浪速型防護巡洋艦16

雷型駆逐艦24

エリス型装甲フリゲート艦4

1型航用水雷艇36

2型航用水雷艇36

3型航用水雷艇60

 

哨戒艦隊(各地に展開司令部は聯合艦隊司令部に隣接)

司令官春島輝秀中将

涼島型哨戒通報艦16

晴島型哨戒通報艦4

徴用哨戒通報艦40

特設巡洋艦8

 

統合参謀本部直属

司令官アルトエル統合参謀本部議長が兼任

関東型工作艦4

機雷敷設艦12

砲艦16

 

第1練習艦隊

司令官ロドネル・パースト中将

笠間型練習巡洋艦4

白百合型航用練習艦16

 

第2練習艦隊

司令官風切秀徳中将

笠間型練習巡洋艦4

白百合型航用練習艦16

 

潜水艦隊

司令官オットー・マインリフ中将

1型潜水艦8隻(排水量600トン級45㎝魚雷発射管2基搭載魚雷6本)

2型潜水艦12隻(排水量750トン級45㎝魚雷発射管4基搭載魚雷16本)

 

輸送艦隊

5000トン級輸送艦200

3500トン級輸送艦450

 

基地航空隊

27年式偵察機72機

偵察飛行船20隻

 

 

同年10月2日陸軍参謀本部

この日各軍司令官達が集まり会議を行っていた

参加者一覧

陸軍大臣ラルフ・メーリトラン元帥

陸軍参謀総長ランドマン・レギオス大将

参謀副長島原左心中将

第1軍司令官ロイ・アーチボルド大将

第2軍司令官カール・マルチアス大将

第3軍司令官名島長白大将

第4軍司令官秋山虎徹大将

第5軍司令官レオン・カールスマン大将

第6軍司令官ジェフリー・ギャランドゥー大将

第1機動軍司令官フランドール・メイルマン大将

第2機動軍司令官中村金明大将

騎兵統合戦闘団司令官穴山勝氏大将

野戦風紀秩序委員リア・マイリフ上級委員(中将待遇)

 

メーリトラン「予定通りアーチボルド大将の第1軍は遼東半島に展開し旅順を孤立させるマルチアス大将の第2軍は半島に展開し展開しているルーシ軍を撃破その後鴨緑江を超えて奉天に展開名島大将の第3軍は海軍第5艦隊と共同で樺太を制圧秋山大将の第4軍は旅順要塞を攻略カールスマン大将、ギャランドゥー大将の第5第6軍は内地にて待機メイルマン大将の第1機動軍はマルチアス大将の第2軍に追従中村大将の第2機動軍は内地にて待機穴山大将の騎兵統合軍は満州に広く分派し南下するルーシ軍を漸減せよ」

 

レギオス「それとですがマイリフ上級委員の野戦風紀秩序委員は隷下の憲兵隊と共に占領地の治安維持に当たっていただきたい」

 

マイリフ「了承しました」

 

長島「この作戦案に異論のあるものはいないか?」

 

アーチボルド「異論なし」

 

秋山「1つ聞きたい、よろしいか?」

 

メーリトラン「構わん」

 

秋山「では、旅順要塞は頑強な要塞です我が第4軍の第4野戦砲師団のみでは攻略は厳しいかと」

 

メーリトラン「その件だが34式30.5㎝列車砲を6門用意したこれを持ち要塞に風穴を開けろとの事だ」

 

秋山「例の大型列車砲でですか、ですが6門では」

 

メーリトラン「うむ、それについては15口径28㎝砲を装備した第1第2攻城砲連隊を廻す、両連隊合わせれば24門となる先の34式と合わせれば十分に要塞攻略が可能だと統合参謀本部は見ている」

 

秋山「了解しました」

 

メーリトラン「それと半年で落としてほしいとの事だ」

 

秋山「半年ですか」

 

メーリトラン「うむ、攻城砲については内地から可能な限り送り込むとりあえずそれらが届くまでは今分配した砲で対処してくれよいな」

 

秋山「了解しました」

 

長島「他になにか聞きたいことのあるものはいるか?」

 

メーリトラン「おらんみたいだな、では会議は終いとする、諸君等の両肩に我が陸軍の延いては帝國の将来がかかっておるその事を忘れず奮戦する事を期待する」

 

「「「はい!」」」

 

陸軍編成表

第1軍司令官ロイ・アーチボルド大将

第1第2第3第4第5第6歩兵師団

第1野戦砲師団

軍本部

第1第2補給隊

第2軍司令官カール・マルチアス大将

第7第8第9第10第11第12歩兵師団

第2野戦砲師団

軍本部

第3第4補給隊

第3軍司令官名島長白大将

第13第14第15第16第17第18歩兵師団

第3野戦砲師団

軍本部

第5第6補給隊

第4軍司令官秋山虎徹大将

第19第20第21第22第23第24歩兵師団

第4野戦砲師団

第1第2攻城砲連隊(臨時編入)

列車砲隊(臨時編入)

第5軍司令官レオン・カールスマン大将

第25第26第27第28第29第30歩兵師団

第5野戦砲師団

第6軍司令官ジェフリー・ギャランドゥー大将

第31第32第33第34第35第36歩兵師団

第6野戦砲師団

第1機動軍司令官フランドール・メイルマン大将

第1第2第3第4装甲車師団

第2機動軍司令官中村金明大将

第5第6第7第8装甲車師団

騎兵統合戦闘団司令官穴山勝氏大将

第1第2第3第4第5第6騎兵旅団

 

 

そして明治37年2月8日史実と違い四季島帝國はルーシ帝国に対して宣戦を布告ついに四季ル戦争が開戦した



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開戦四季ル戦争

明治37年2月8日四季島帝國はルーシ帝国に宣戦を布告同日第5艦隊と第3軍が樺太に上陸アバロフスキー大佐守備隊3500名を3月8日までに残敵を掃討停泊していた補助巡洋艦アルバーニ号を拿捕した

 

同日第1第3艦隊の駆逐艦隊24隻が旅順港を襲撃戦艦ツェサレーヴィチ、レトヴィザン防護巡洋艦パラーダを大破撃沈し水雷艇13隻を撃沈乃至大破せしめた、翌7日羅先に第1第2第4軍が続々と上陸鴨緑江に展開するザスーリチ将軍率いるルーシ軍27000と交戦3軍合わせ360000と言う大兵力と大量の火砲に物をいわせルーシ軍をすり潰した、観戦武官曰くまるで火力と人の波がルーシ軍を飲み込まんとしていたとの事

 

2月20日ザスーリチ将軍率いるルーシ軍鴨緑江守備隊の敗残兵は奉天に展開するストラリスキー少将率いる師団から3000の来援を受け沙河に後退この時の残存兵力は12000に低下していた翌21日突如遼東半島東岸にアーチボルド大将率いる第1軍が上陸南山、金州城に展開するアクロスキー大佐の守備隊2500を25日までに掃討3月1日に第4軍が旅順近郊に展開旅順を包囲下に置いた、これに焦ったクロパトキン大将は旅順救援に37000をベスーリア中将に与え南下させたこれに対してアーチボルド大将は得利寺にて迎え撃つ構えを取り第1第2第3師団を太平湾方面に展開させ残りを内陸に展開させたアーチボルドとしては敵は太平湾側を通ると推測していたが確証は持てていなかった。対するベスーリア中将は旅順から敵主力は未だ旅順を包囲していると報告を聞き敵の後背をつけると思い警戒せず太平湾側の街道を邁進していたベスーリアは第1軍と第4軍の2個軍が上陸しているとは思わなかったのである。そして3月10日ベスーリア軍37000は得利寺にて会戦ベスーリアは麾下の騎兵隊を突撃させ白兵戦に勝機を掴もうとしていた。戦前からルーシ軍将校の中には白兵戦至上主義が蔓延していたその事もあり砲弾より肉弾を持って敵陣を粉砕すると言った機関銃が戦場に登場した今となっては前時代的な考え方と戦い方がルーシ軍の戦い方となっていた、対する四季島軍は火力至上主義とでも言える状況となっていた、兵士1人を作るのに18年〜22年(四季島の兵役は中高卒は18歳から大卒は22歳から学業卒業後に2年となっている)弾丸は1日で相当数と弾丸の方が安上がりとなるため弾を惜しむな命を惜しめをモットーにいかに火力を底上げして犠牲を減らすかに焦点を当てていた、その為各師団砲兵が扱う31年式野砲は1門辺り800発の砲弾を会戦前に砲兵隊及び師団本部は蓄える事となり小銃弾は歩兵1人辺り常備150発予備後方備蓄500発歩兵中隊付機関銃1銃辺り常備960発予備後方備蓄3600発機関銃中隊所持機関銃1銃辺り1200発後方備蓄4200発と弾丸だけ1師団に約500万発を補給運搬していた。結果突撃したコサック騎兵はそのサーベルを振るう事なく次々と物言わぬ骸にと成り果てていった、これに驚いたのはトルコ人観戦武官達であったルーシと長年争ってきた彼らはコサック騎兵の恐ろしさを骨の髄まで知っていたその彼らを四季島軍いとも簡単に殲滅していったのだからである。

これに対してアーチボルドは予備として用意していた第6師団を敵後方に移動包囲殲滅する形を取ったこれにベスーリアは気づいたがどうしようもなかった前後を敵に西は海に東は山岳と完全に包囲されたのであった。ベスーリアはどうにか突破できそうな東の山岳に部隊を逃し始めたが突破して部隊を待ってましたと言わんばかりに第2騎兵旅団が襲撃最終敵に旅順包囲陣の外側に到着できたのは僅か1000に満たなかった

 

話は変わりウラジオストックにはウラジオ巡洋艦隊と義勇艦隊の補助巡洋艦モスクワ以下補助巡洋艦4隻が展開していたそして3月12日ウラジオストックに展開する巡洋艦隊は史実より幾分か増強を受けていた(装甲巡洋艦3防護巡洋艦3補助巡洋艦2水雷艇10)そして砕氷船の支援を受け対馬海峡への出港準備を整えていた。

 

旗艦装甲巡洋艦ロシア艦橋

 

スタケリベルク「サハリン(樺太)が落ちたか、出港急げよ対馬海峡で暴れて敵の補給線を寸断するのだ」

 

参謀長「はい」

 

伝令「監視所から伝令」

 

スタケリベルク「何事だ」

 

伝令「て、敵艦隊見ゆとの事」

 

参謀長「なんだと」

 

スタケリベルク「数は」

 

伝令「約40との事」

 

参謀長「我が方の数倍はいますぞ」

 

スタケリベルク「落ち着けこのウラジオストックの防衛網抜けるのなら抜いてみろ、思い上がった四季島軍め」

 

伝令「敵飛行船多数接近何かを投下しているようです」

 

スタケリベルク「何かだと、報告は正確にしろ」

 

参謀長「もしや機雷では」

 

スタケリベルク「空中散布可能な機雷だとありえん、だが事実なら厄介な」

 

参謀長「いかが致しますか?」

 

スタケリベルク「掃海だ水雷艇を出せ、そうしなければ我が艦隊はウラジオストックを出れなくなるぞ」

 

ドカーーーン

 

参謀長「なんだ!」

 

観測員「て、敵の砲撃です、港湾部に命中しました」

 

スタケリベルク「ありえん、この距離だぞ」

 

ドカーーーン

 

参謀長「なんてことだ」

 

スタケリベルク「全艦発進敵艦隊を叩き潰す」

 

参謀長「ですが、閣下」

 

スタケリベルク「このままなぶり殺しに合うくらいならせめて一矢報いる方がましだ、停泊中の義勇艦隊にも出港要請を出せ」

 

 

ウラジオストック沖第2艦隊旗艦装甲巡洋艦出雲艦橋

 

通信士「飛行船竜王丸2世より入電敵艦隊出港せり」

 

参謀長「閣下」

 

伊藤「うむ、合戦用意、支援隊に打電退避されたし」

 

通信士「了解」

 

参謀長「にしてもあの艦がここまで強力とは」

 

伊藤「扶桑型装甲艦の主砲類を取り外して34.3㎝の巨砲を1門積むか、陛下は面白いことをなさるな」

 

参謀長「はい、あの巨弾を食らえばこの出雲とて大破は免れませんな」

 

伊藤「だがその代償に発射速度は低く武装もアレ以外には水雷艇対策の47㎜4門のみだ」

 

通信士「支援隊より入電最終射撃終了これより退避する」

 

伊藤「通信士竜王丸2世に出撃してきている敵の詳細戦力を送らせろ」

 

通信士「了解」

 

 

そして30分後ウラジオ巡洋艦隊及び義勇艦隊はウラジオストックを出港沖に展開する第2艦隊との合戦状態に突入した

 

装甲巡洋艦ロシア艦橋

 

観測員「敵艦隊見ゆ数約20」

 

艦長「20?40では無いのか?」

 

観測員「はい大小合わせ20程です」

 

スタケリベルク「分離したか、しまった敵の狙いはナホトカか」

 

参謀長「ナホトカですか」

 

スタケリベルク「我々を誘い出しナホトカを落としてウラジオストックを攻略する気だ。発光信号でウラジオストックにこのことを伝えよ」

 

艦長「は、はい」

 

ロシアの要員が行おうとしていたその時

 

ドカーーン

 

観測員「リューリク被弾」

 

副長「ヤロスラフより発光信号、ワレ煙突基部ニ被弾セリ」

 

スタケリベルク「撃ち返せルーシ海軍魂を負け続けの陸軍に見せてやるのだ」

 

ドカーーーーーン

 

艦長「なんだ」

 

観測員「ヤ、ヤロスラフば、爆沈」

 

砲戦開始15分後ボガトィーリ級防護巡洋艦7番艦ヤロスラフは破断した煙突基部から機関室に突き刺さった15.5㎝砲弾によりボイラーが水蒸気爆発を起こし爆沈した、ルーシ帝国ウラジオストック巡洋艦隊の悲劇はこれに留まらないその3分後に補助巡洋艦アヴォーラス号が舵を破壊され操舵不能に補助巡洋艦ナホトカ号が空中散布された機雷により浸水転覆補助巡洋艦スモレンスク号ツィレーザ号が多数の直撃弾により戦列を離脱

 

ロシア艦橋

 

スタケリベルク「義勇艦隊は壊滅か四季島艦隊は一度下がったか」

 

参謀長「残念ながら」

 

スタケリベルク「参謀長残存艦は何隻か」

 

参謀長「本艦と防護巡洋艦2艦のみです他の艦は沈むか戦列を離れました」

 

スタケリベルク「進路反転ウラジオストックに引き籠もる」

 

参謀長「それは至難の技かと一度引いたとはいえいまだに敵は至近です下がろうとすればそのまま突入されウラジオストックに侵入されるかと」

 

スタケリベルク「そうだろう、よって本艦は殿を務める、艦長新兵共を退艦させろ」

 

参謀長「僚艦に救助を依頼します」

 

艦長「了解しました」

 

スタケリベルク「初陣で新兵を死なせるのは俺も嫌なのだよ」

 

副長「新兵の退艦完了しました」

 

スタケリベルク「前進、ルーシ太平洋ウラジオストック巡洋艦隊の意地を見せてやれ」

 

「「「了解」」」

 

 

出雲艦橋

 

観測員「敵艦1前進を開始」

 

伊藤「退艦しているから艦の放棄かと思ったが新兵や若いのを逃していただけかな」

 

参謀長「そう思われます」

 

伊藤「敵艦隊に発光信号降伏を勧告してけれ」

 

参謀長「閣下、意味はないかと敵は死ぬ覚悟をしております」

 

伊藤「やはりか、仕方あるまい、なら武人として見事な死を与えよう」

 

艦長「砲撃準備よし」

 

伊藤「全艦主砲斉発、撃て」

 

ドンドンドン

 

ヒューーーウ

 

ドカーーーンドカーーーンドカーーーン

 

 

ロシア艦橋

 

艦長「被害報告」

 

伝令「左舷に被弾、火災発生」

 

副長「主砲射撃不能、副砲群大半が沈黙」

 

スタケリベルク「艦長この艦はまだ戦えるかね?」

 

艦長「残念ながら」

 

スタケリベルク「そうか、皇帝陛下万歳」

 

タン

 

そう言うとスタケリベルクは拳銃を頭に当て引き金を引いた

 

艦長「閣下は名誉の自決をなされた、機関停止降伏する」

 

参謀長「艦長、閣下が自決した事も四季島艦隊に伝えよ」

 

3月12日ウラジオストック巡洋艦隊は壊滅した防護巡洋艦2隻は生き残ったものの修復には1年以上かかるとされた事と必要な資材が満州防衛に回された事により無期限延期の上終戦を迎えた

 



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旅順攻囲戦そしてルーシ太平洋艦隊の終焉

明治37年4月1日旅順第4軍司令部

 

参謀長「5.4.3.2.1、時間です」

 

秋山「全軍砲撃開始」

 

砲兵士官「砲撃開始」

 

この日第4軍は旅順攻略は開始砲兵は持ちうるすべての火砲を旅順に全力射撃していたこの日の為に集められた砲は34年式30㎝列車砲6門28㎝砲24門15cm砲72門10㎝砲24門75㎜砲216門9㎝臼砲864門海軍式15.5㎝砲24門海軍式47㎜速射砲48門兵員海軍砲兵込で150000名また海軍第1艦隊が旅順沖に展開空軍の攻撃型飛行船12隻が空中攻撃を敢行していた、さらに本土から新兵器として37年式多連装噴進砲が用意されたこれは6本の発射レールの上下にロケット弾頭を取り付け発射するもので簡素な構造により急ぎ正式採用がされこの旅順に5基が配備されていた弾着地点はばらつきが出るが射程7200mと良好な射程を誇っていた、また砲弾薬爆弾も30cm砲弾1800発28㎝砲弾72000発15㎝砲弾72000発10㎝砲弾24000発75㎜砲弾172800発9㎝砲弾259200発海軍式15.5㎝砲弾9600発海軍式47㎜砲弾19200発250㎏爆弾720個100㎏爆弾1800個ロケット弾60000発9㎜小銃弾2000000000発と旅順要塞を落とす事が可能な量を本土各地から輸送していた、

 

ヒューーーウ、ドカドカドカドカドカーン

 

観戦武官は語るまるで山が噴火したような光景であったと

 

旅順ルーシ軍司令部

 

ステッセル「被害はどうなっておる」

 

参謀「東鶏冠山北堡塁に攻撃が集中」

 

幕僚「大孤山や203高地、南山坡山前進基地は大半が破壊され防衛不能です」

 

コンドラチェンコ「まずいぞあの辺りを取られると観測所として利用される、艦隊がやられるかもしれん」

 

海軍士官「奪還は行われますか?」

 

ステッセル「厳しいな、敵は100000以上の大軍だ下手に打って出れば返り討ちに合うぞ」

 

海軍士官「ステッセル閣下は海軍に動けぬまま死ねとおっしゃるのですか」

 

コンドラチェンコ「貴官、口が過ぎるぞ」

 

海軍士官「申し訳ありません、艦隊の危機に興奮しすぎました」

 

ステッセル「構わん」

 

参謀「とはいえ敵は砲撃するだけで歩兵を突入させてきません」

 

ステッセル「このままではなぶり殺しか」

 

コンドラチェンコ「打って出るべき、と言いたいですが要塞の早期陥落はなんとしてでも阻止せねばなりません、それと海軍には出撃していただきたいのだが」

 

海軍士官「提督にはお伝えしておきます」

 

開戦当時の旅順には史実より多い戦艦11装甲巡洋艦2防護巡洋艦10駆逐艦12水雷艇15の太平洋艦隊と補助巡洋艦7水雷艇10砲艦10の義勇艦隊が展開していた、無論開戦劈頭の攻撃で損耗をしていたとはいえ充分に有力な艦隊であった

 

ステッセル「ともかく数日間は様子を見る、海軍も数日間は湾内に立て籠もり防衛していただきたい」

 

海軍士官「提督にお伝えします」

 

ステッセル「よろしく頼む、諸君敵は我々の数倍いる陸海の念密な連携を持ってこの要塞を死守!本国からの増援を待ち然る後反撃に転じるよいな」

 

「「「了解」」」

 

会議は数時間に渡り行われこのままできる限り陣地に籠もり持久戦を行いつつ四季島軍の出血を強いるとされたが、四季島軍は砲撃を行うのみで歩兵突撃を敢行しなかった

 

5月5日旅順ルーシ軍司令部

 

コンドラチェンコ「ええい、四季島軍め正々堂々戦え」

 

ステッセル「昨日までの被害はどうなっておる」

 

幕僚「はい大孤山奪還部隊は壊滅付近の前進基地は完全に制圧されましたがそれ以外の陣地には敵は突撃してきません」

 

海軍士官「海軍は戦艦ポベーダ中破水雷艇7隻撃沈されました、このままではなぶり殺しに」

 

コンドラチェンコ「海軍は出港して戦ってはいかがか?」

 

海軍士官「コンドラチェンコ少将、少将は我々海軍に死ねとおっしゃるのですか!」

 

コンドラチェンコ「そうは言っておらん」

 

ステッセル「だがこのままなぶり殺しに合うくらいなら出撃してはどうかな、マカロフ提督に聞きてくれるかな」

 

 

旅順港内戦艦ペトロパヴロフスク艦内

 

マカロフ「出撃か、確かに」

 

参謀長「いかがなさいますか?」

 

マカロフ「うむ、だがな」

 

マカロフは悩んだ栄えあるルーシ帝国太平洋艦隊をなぶり殺しに合わせるより打って出て一太刀を浴びせるほうが来援艦隊や陸軍の戦意高揚になるのはマカロフも理解していたしかし見るも無惨に敗れれば戦意は地に落ち栄えあるルーシ帝国海軍の名に傷をつける事にもなる。しかし、悩むマカロフの下に皇帝ニコライ・アレクサンドロヴィチ・ロマノフより督戦命令としての出撃書類が届いたのは6月12日の事であった内容は旅順停泊中の艦艇は武装非武装に関わらず全力出撃四季島艦艇を撃沈すべし。これにより6月15日マカロフは残存艦隊に出撃を命じた、目標はウラジオストック軍港、ここに立て籠もりつつ北海道近海での輸送船撃沈を狙う事となった。しかしその前にマカロフは30歳以下の及び親が生きていて兄弟の居ない者子の幼い者新婚の者を別任務を与え離艦させたそれにより戦力の低下となったが艦隊司令部や旅順要塞司令部はなにも言わなかった

 

6月17日マカロフ率いる旅順脱出艦隊は戦艦7装甲巡洋艦1防護巡洋艦8駆逐艦9水雷艇5義勇艦隊の補助巡洋艦5水雷艇9砲艦5輸送船3で編成されていた。艦隊内に足の遅い輸送船がいる事や異なる2つの指揮系統を持っていたと後世の歴史家や軍事評論家は批判するが、それはマカロフを愚将と言うより海軍に無知な皇帝ニコライ・アレクサンドロヴィチ・ロマノフの命令書に忠実に従った結果であった。

そして艦隊は速力14ノットで旅順への最短航路を取ったがその様子はすぐさま偵察に出ていた飛行船飛鳥丸4号に捕捉され聯合艦隊司令部のある戦艦薩摩に通報された、長谷川大将は第1第3第4第5の4個艦隊で旅順艦隊を迎撃しつつ北方への遁走を阻止する事を決め黄海沖で迎え撃つこととした。そして6月19日10時8分黄海洋上にて両軍相まみえる事となる

 

 

 

明治27年黄海海戦布陣図

太矢印ルーシ艦隊細矢印四季島艦隊

  →→

                ←←←←←←

 

→      ⇒          

→     ⇒⇒⇒⇒

→      ⇒                     

 

               ↖

                ↖

 

ルーシ艦隊は真後ろに第5艦隊後方左舷方向に第4艦隊前方左舷方向に第1艦隊前方右舷方向に第3艦隊に包囲された形となった、マカロフは決意した

 

戦艦ペトロパヴロフスク艦橋

 

マカロフ「全艦に伝えよ艦隊右舷回頭前方右舷の敵艦隊を突破しかる後転進1隻でもよい生きて友軍の勢力圏にたどり着け、命令は以上だ、皇帝陛下万歳、諸君等と共に戦えた事光栄に思うぞ」

 

参謀長「司令長官閣下に敬礼」

 

ザッ

 

マカロフ「さて全戦艦装甲巡洋艦前へ他の艦を逃がすぞ」

 

艦長「砲術狙わんでいい撃ちまくれ、よろしいですな閣下」

 

マカロフ「構わんどうせこの戦いで最後だ後生大事にしておく意味もあるまい」

 

艦長「聞いたな砲術」

 

砲術長「はい」

 

ドンドンドンドンドンドン

 

ドカーーンドカーーン

 

 

戦艦薩摩艦橋

 

長谷川「敵は艦隊を分けたか」

 

ズムウェル「そのようで」

 

ラントリス「長官本第1艦隊はこのまま前進敵戦艦隊と撃ち合いますが他の艦隊はどうなさいますか」

 

長谷川「ラントリス提督そう遜らんでもよいぞ我々聯合艦隊司令部は間借りだからね、参謀総長第3艦隊と第5艦隊で逃げ出してる艦隊を叩いてもらえ第4艦隊は敵戦艦隊を後方から叩かせてくれ」

 

ズムウェル「了解しました」

 

長谷川「にしても粘るな敵も」

 

  →→

                ←←←←←←

 

↘         ⇒⇒      

↘        ⇒

↘                            

 

        ⇒      ←

         ⇒      ↖

 

12時30分を過ぎるとルーシ艦隊は1隻また1隻と沈んでいくだがこの日は波は穏やかで風も無風に近くなかなか沈んでいかなかったしルーシ艦隊も諦めずに砲を撃ちはなっていたこれもマカロフの人徳によるものであったが13時00分ペトロパヴロフスクは被弾艦橋にも被害を受けた

 

戦艦ペトロパヴロフスク艦橋

 

兵士「消化しろ」

 

マカロフ「ひ、被害を報告しろ」

 

参謀長「閣下御怪我を」

 

マカロフ「私のことはいい、そういえば艦長はどうした」

 

マカロフらがあたりを見渡すとそこには物言わぬ骸になった艦長と砲術長や1部参謀達がいた

 

マカロフ「ぬう、被害を報告しろ」

 

副長「左舷に被弾15㎝砲射撃不能です」

 

マカロフ「そうか、副長、貴官が艦の指揮をとれよいな」

 

副長「了解しました」

 

観測員「戦艦ヴァストーク轟沈」

 

副長「装甲巡洋艦バーヤン航行不能」

 

マカロフ「戦艦カメーゼスも厳しいか」

 

参謀長「はい」

 

マカロフ「艦隊の脱出はどうなっておる」

 

参謀長「駆逐艦2水雷艇5補助巡洋艦2が脱出確実かと」

 

マカロフ「残りは皆沈んだか」

 

参謀長「はい」

 

マカロフ「参謀長私はな反対だったのだよ対四季戦争に、なぜだかわかるかね」

 

参謀長「いえ」

 

マカロフ「最初はアラスカを彼の国が買ったときだった、財力で彼らを私は恐れた、財力は軍事力に直結する。そして斉との戦でその恐れは恐怖に変わった彼の国の海軍はとても強力だとね。出来れば手を取り合いたかったよ」

 

参謀長「閣下」

 

それはマカロフの真の思い出あり願望でもあった

 

マカロフ「見よ参謀長あの見事な洋上艦隊包囲陣を我が海軍では真似できぬよ。参謀長今後の海戦は二次元では見れん空中監視を多用した三次元の戦となるだろうな。参謀長脱出しろ捕虜になっても構わん、そして本国に伝えるのだ飛行船や飛行機の開発と配備を急げと出なければ四季島に彼の国の航空技術を得た国々に勝てぬと」

 

参謀長「閣下それは閣下が」

 

マカロフ「私はもう長くない、自分の体だから分かる、参謀長最後の命令だく、国を祖国を頼む」

 

そう告げるとマカロフは静かに息を引き取った享年55歳最後まで海に生き海で死んだ。

マカロフの死は太平洋艦隊の士気を打ち砕く、マカロフの想いを受け取った参謀長は全艦に降伏を命じた

 

参謀長「四季島艦隊に発光信号我降伏スとな」

 

副長「了解」

 

14時1分ルーシ帝国太平洋艦隊は四季島聯合艦隊に降伏最終的に脱出したのは補助巡洋艦2駆逐艦5水雷艇2だけであったそしたその大半が中立国にて抑留されていた。長谷川はマカロフの死を知るとそうか、と一言つぶやき本国に遺体を冷凍保存して送るように伝えるとそのまま苦しみながら意識を失った、それに周りが騒然となるも副長官の東郷平八郎が指揮権を継承3日後の6月22日に長谷川大将は狭心症により勇退。治療の為入院となったその後新長官は東郷平八郎海軍中将を大将に昇進の上任命ここでウィリアム・ズムウェルト中将を推す声もあったが中津は強権を発動し東郷平八郎を聯合艦隊司令長官に任命した。

一方のルーシ帝国ではパニック状態に陥っていた。太平洋艦隊の壊滅によりルーシ帝国は四季島近海における制海権を喪失一応ウラジオストックに巡洋艦隊の残党が残っているが修理剤の不足から修復完了は未定となり遮るもののなくなった四季島輸送船団は大挙して羅先の大規模港湾施設に展観大量の物資を運び込んでいた。これを見た観戦武官は四季島軍はルーシ帝国奥深くまで進撃すると勘違いするほどだった。そしてこの物量を持って遼陽への道を切り開くべく第1第2軍は前進を開始対するルーシ帝国軍もザスーリチ、ケルレル等の諸将に兵を与え迎撃体制を取った



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遼陽の会戦

四季島軍は8月5日遼陽近郊にたどり着きつつあった第1軍は途中大石橋、大孤山でザスーリチ中将率いるルーシ軍を撃破するも撃滅には至らなかったが遼陽近郊までも道を切り開き前進第2軍は摩天嶺でケルレル中将率いる師団を撃滅ケルレル中将は戦死した。これに対してクロパトキン大将は敵を食い止めるべく各地からかき集めた兵力約180000を遼陽に結集させ陣地の構築を行っていた。

 

紅沙嶺ルーシ軍陣地

 

ザスーリチ「急げ、四季島軍は眼前に迫っておるぞ」

 

大尉「閣下、第2砲兵陣の塹壕構築終わりました」

 

ザスーリチ「うむ」

 

参謀「閣下この陣とこの兵数で四季島軍を防ぎきれましょうか」

 

ザスーリチ「やるしかないのだこの数で」

 

ザスーリチに与えられたのは10000兵数こそ揃っていたもののその半数は訓練をまともに終えたばかりの新兵2000はザスーリチと共に開戦から戦い抜いてきた歴戦の勇士そして残りは壊滅した部隊から掻き集められた敗残兵であった。ザスーリチは開戦以来負け続けていた鴨緑江大孤山と負け続けていたその事が今回与えられた部隊に影響していた。いわば死んでこいそういう事だったその事を理解しているザスーリチはここで華々しく戦い死ぬ気であった。そして8月9日四季島軍が布陣会戦の火蓋が切って落とされた。先に動いたのは四季島陸軍第2師団であった師団長の原野中将は師団の持てるすべての火力を紅沙嶺に展開するルーシ軍10000に向けたこれに対して紅沙嶺に守備するザスーリチ中将はお返しと言わんばかりに砲撃を敢行するが配備されていたM1877野砲軽量型は射程6000mと短く射程8000mを誇る31年式75㎜野砲や10000mを超える33年式15㎝榴弾砲により射程外より打ち負かされた、それにM1877には榴弾が用意されておらず最大射程で撃てば威力の低い榴散弾しか配備されず増援としてやってきた第4師団が戦線に参加すると圧倒的劣勢に陥った

 

ザスーリチ「怯むな、それでも栄えあるルーシ帝国軍人か」

 

中佐「しかし閣下彼我の火力差は如何ともし難く」

 

ザスーリチ「泣き言を言う暇があるなら貴様も砲兵の手伝いをしてこい、これ以上負けるわけにはいかんのだ」

 

伝令「閣下、第2砲兵陣が壊滅いたしました」

 

ザスーリチ「くそ、増援はまだか!」

 

参謀長「先程2000程が到着いたしました」

 

ザスーリチ「たったのか?」

 

参謀長「はい」

 

ザスーリチ「なんだと、たったのたったの2000だと正面の敵は2個師団だぞせめて後10000を廻すようにクロパトキン閣下に伝令を出せ、ここを抜かれれば遼陽近郊で包囲殲滅されるぞ」

 

ザスーリチの言い分も最もであったここを抜かれれば快速を誇る四季島騎兵旅団や装甲車師団に本隊後背を付かれる恐れがあった、だがクロパトキンは動かせない動かせば正面に布陣しつつある第2軍の総攻撃を喰らいかねないとはいえクロパトキンはザスーリチの来援要請を断ることも厳しかった。これによりクロパトキンは歩兵2000と砲兵500を追加で廻しコーリフ少将率いる敗残兵を掻き集めた部隊5000をも廻しつつザスーリチに改めて死守するように伝えた

 

伝えられたザスーリチは苦い顔をしながらもどうにか防衛線を維持していたが四季島第1軍を率いるアーチボルドは第3師団を戦線に投入3個師団の砲兵は全力で砲撃を続けさせ歩兵は3個師団の内2個師団の歩兵連隊を戦わせ残りの1個師団に休息を取らせる戦術でザスーリチ軍を少しずつ追い詰めていった

 

第1軍司令部

 

アーチボルド「このまま攻撃を続けてください第2師団はどうなっていますか?」

 

参謀長「原野中将は全連隊再出撃は可能だと」

 

アーチボルド「第4師団を下がらせて第2師団を前に出してください」

 

参謀長「了解」

 

アーチボルド「なかなか抜けませんね。敵将もなかなかやるものです」

 

参謀長「とはいえここまでかと飛行船隊が爆撃体制に入っております」

 

アーチボルド「そうですか、陸で決着を付けたかったのですがね」

 

参謀長「はい」

 

 

紅沙嶺上空覇竜丸4号

 

船長「爆撃手位置はどうか」

 

爆撃手「あと針路右2度修正」

 

船長「操舵右2度修正」

 

操舵手「右2度修正」

 

爆撃手「針路よし、投下投下」

 

 

地上ルーシ軍陣地

 

大尉「あれは?」

 

少佐「四季島のひ、飛行船だ」

 

ザスーリチ「くそ、総員退避、退避だ」

 

 

ヒューーーウ

 

ドカドカドカドカドカーン

 

 

ルーシ軍司令部

 

クロパトキン「なに!で被害は、ザスーリチは無事か?」

 

大佐「ふ、不明です」

 

伝令「伝令、ザスーリチ中将からです【我未ダニ迎エノ天使ハ訪レズ】です」

 

クロパトキン「そうか、とはいえは厳しいな」

 

参謀長「前方に展開する敵軍総攻撃に出ました」

 

クロパトキン「なんだと!持ちこたえよザスーリチが踏ん張っておるのだ本隊が抜かれるわけにはいかん」

 

ルーシ軍の苦戦は終わらない四季島軍はルーシ軍を撃滅するは今と言わんばかりに大量の噴進弾をルーシ軍守備陣に打ち掛けた

 

クロパトキン「怯むな、栄えあるルーシ帝国軍人としての責務を果たせ」

 

伝令「ジュームス少将戦死」

 

幕僚「ブジョーニス少将麾下の騎兵隊壊滅」

 

参謀「弾薬集積所にて火災発生誘爆しております」

 

クロパトキン「消火はどうなっておる」

 

参謀「誘爆の勢いが強く手がつけれません」

 

マチュニク「閣下、敵軍前衛防衛線を突破浸透してきています」

 

伝令「ザスーリチ中将かやです、防衛線を維持出来ないと」

 

クロパトキン「遺憾ながら遼陽防衛を不可能と鑑み後退を決定する。全軍奉天まで後退せよ。全軍にこの事知らせい」

 

「「「了解」」」

 

後退命令を受けたルーシ軍は各々奉天に後退しようとするがそれを見逃す程第1第2軍の司令部は甘くないすぐさま統合騎兵戦闘団による追撃が始まる

 

マルチアス「追撃の手を緩めるな1兵であろうと奉天に帰らせてはならんぞ」

 

参謀長「敵の1隊が前方に布陣頑強に抵抗し追撃を防いでおります」

 

 

ダダダダダダダ

 

ザスーリチ「行かせるな、なんとしても本隊を奉天に逃すのだ」

 

参謀「ヤジャーロフスキー大佐戦死。閣下これまでです後退を」

 

ザスーリチ「駄目だまだ本隊は後退していない、本隊が後退しきるまでここを維持するのだ」

 

参謀「ですが」

 

ザスーリチ「参謀、俺は何時も、何時も逃げていた鴨緑江では敵を舐めて掛かり大石橋では陣地に慢心し強襲され大孤山では2日と足らず抜かれた、これ以上俺は逃げない、俺は臆病者じゃない」

 

参謀長「閣下援軍ですコブスキー少将の隊が援軍に来ました」

 

ザスーリチ「コブスキーに伝えろ殿は俺が務めるからさっさと奉天に下がれと」

 

伝令「コブスキー少将からです、負け続けなのは我々も一緒ともに武勇を見せようぞと」

 

ザスーリチ「そうか、全軍撃ちまくれ弾の心配はいらんすべて撃ち尽くせ」

 

ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ

 

タンタンタンタンタンタンタン

 

ドカーーンドカーーン

 

 

クロパトキン「ザスーリチが!?」

 

参謀長「はい」

 

マチュニク「ザスーリチ中将は死ぬ気か」

 

クロパトキン「私の私のせいだ私がザスーリチに死守など命じたから」

 

マチュニク「閣下ザスーリチ中将はもとよりその気だったかと、中将は鴨緑江、大石橋、大孤山と負けて逃げた事を悔やんでおりました。閣下に紅沙嶺守備を命じられたとき腹をくくったのだと思います」

 

参謀長「閣下急ぎ後退をザスーリチ中将が稼いだ時間を無駄にせぬためにも」

 

クロパトキン「そうだな、全軍後退急げ、重量物は捨て置いて構わん」

 

ザスーリチの奮戦は四季島軍の追撃を防いだマルチアス大将はザスーリチ隊約6700に猛撃を加えるもザスーリチは敵砲兵にやられぬように白兵戦を挑んだこれにより先頭を進む第8師団は3個歩兵連隊の第23連隊長が戦死連隊の3割を失う大被害を出していたそれに第1騎兵旅団は旅団の2割が戦死多数の馬が戦線から離脱したそして4時間に渡る防衛戦の結果ザスーリチ中将は突っ込んできた騎兵3騎を撃ち殺し2騎をサーベルで斬り殺し5騎の騎兵に刺されながら拳銃の引き金を引き1騎を撃ち殺しそのまま戦死した。この奮戦の結果ルーシ軍71000は奉天に後退四季島軍も追撃を断念した。開戦以来負け続けのザスーリチ中将はこの奮戦をルーシ皇帝ニコライ・アレクサンドロヴィチ・ロマノフに認められ葬儀は国葬を執り行われた。敵であった四季島軍はこの奮戦を評され遺体は丁重に扱われ冷凍保存され戦後ルーシ帝国に引き渡されたとともに中津にその武勲を評され優れた武人に渡される金剛金獅子勲章*1を遺体返還時に遺族に渡された。諸外国でもこの中津の武人を尊ぶ精神に魅せられる者が増えルーシ宮廷内では親四季島派が増えるきっかけとなった

*1
純金製十字型で真中に純金の獅子四方にダイヤモンドか付けられている



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沙河の戦い

遼陽の会戦に勝利した9月1日四季島軍は満州への進撃を開始対するルーシ陸軍は沙河にマチュニク中将率いる20000を奉天にクロパトキン将軍率いる本隊52000が集結さらに本国からの増援15000また追加で200000の増援が到着する予定であったがそれは年暮から年明けにかけてであり到着までこの戦力で維持しなければならなかったそしてこれ以上の突破を許す事のできないクロパトキンはマチュニクに10日持たせるように告げた、対する四季島軍は20000のマチュニク隊に対して遼陽の損害が少なかったアーチボルド大将率いる第1軍約100000に新たに上陸したジェフリー・ギャランドゥー大将率いる第6軍120000そして同時に満州方面軍司令部を設立司令官には南郷晴久大将(前宮城警備総監)を上級大将(戦時特別階級動員解除後は元の階級に戻る)に任命し満州方面における全ての指揮を委ねた

 

9月5日沙河防御陣を視察していたクロパトキン大将の小部隊と地形確認中のアーチボルド大将の小部隊が接敵双方が戦闘体制に入る中500程の満州馬賊が襲来双方は致し方なく共闘その最中クロパトキンを庇い桐田第1軍参謀長が負傷その後戦死クロパトキンも白兵戦を挑んできた馬賊により負傷四季ルー双方の救援がたどり着く頃には大半の馬賊は戦死双方とも負傷者や死体を回収の後手を出さずに帰還その後クロパトキンは今回の傷が元で辞任する旨を皇帝ニコライ・アレクサンドロヴィチ・ロマノフに伝えた皇帝ニコライは辞任を許可後任にオスカル・フェルディナント・グリッペンベルク大将を送ると共に中立国経由でクロパトキンを庇い戦死した桐田中将に勲章を授与した

 

10月3日グリッペンベルク大将が着任グリッペルベルクは諸将を集めこう訓示した「我々は今まで負け続けていた指揮官が悪かった?(間を起き)そんな事はない私の前任のクロパトキン大将はよくその任を全うしていたし死んだザスーリチ将軍やケルレル将軍も自らの責務に殉じ最後まで勇猛果敢に戦い戦死した、我々は彼らの献身を忘れてはならないし無駄にしてもならない。よって我々は勝利する。それが我々の責務であり義務なのだから」こう訓示したあとグリッペンベルクは沙河防衛陣地を視察し兵力不足と大砲の不足を確認するとすぐさま兵70000と野砲400門を配備防衛線を強化した

 

10月15日満州方面軍司令部は立案された冬季攻勢計画を不可能と判断沙河に陣を構え越冬する事を決断し春までに旅順を落とすことを第4軍に通達した。

 

10月21日エングランド沖ドッガーバンクにてルーシ帝国バルチック艦隊がエングランド漁船団を四季島水雷艇団と誤認これに対して砲撃加え漁船2隻を撃沈史実より多い17名の死者を出し砲撃したのを漁船団と確認した後も救助せずドーバー海峡を通過。トラファルガー海戦記念日に発生したこの事件に対してエングランド世論は激高した。

 

群衆はトラファルガー広場に集まり、野蛮人ルーシ海軍どもに対して断固たる措置を取るよう要求しデモを行った。新聞はバルチック艦隊を「海賊」「狂犬」と非難し、国王エドワード7世も「最も卑怯な暴行事件である」と報告書の余白に書き加えた

 

この事を知った駐エングランド四季島大使の中原久秀はハルに急ぎ向かうと犠牲者の葬儀に参列哀悼の意を述べるとした。

 

エングランド国内の世論に動かされたエドワード7世は王立海軍首脳部を召集バルチック艦隊追跡を命じたこれを受け直ちに巡洋艦隊が出撃エスパーニャ王国ビーゴ港まで追跡エングランド政府はエスパーニャ政府にバルチック艦隊へ石炭はおろか真水さえも供給するなら中立違反と考えるとの警告を送った。

 

そして11月5日四季島軍は世界情勢を鑑みつつ第4軍が旅順要塞への総攻撃を敢行11月5日から連日連夜に行われた砲撃によりコンドラチェンコ少将が戦死、必死に建築した防衛線の大半が灰燼に帰したルーシ軍旅順守備隊は11月7日降伏約10000のルーシ兵は捕虜となった。

 

12月に入ると寒さにより戦線は膠着沙河にてにらみ合う形で陸は落ち着いたが四季島空軍は投入可能な全ての最新鋭4型攻撃型飛行船編成の飛行戦隊120隻をシベリア鉄道攻撃に投入シベリア鉄道の満州鉄路のすべてを破壊し尽くした、その後1個飛行戦隊12隻が奉天の補給物資集積所攻撃多数の物資を焼き払った

 

年が明け1月1日四季島軍満州方面軍司令部は2月初頭に沙河、奉天を攻略する月1号作戦を立案第1第4第6の3個軍に第1装甲車軍騎兵統合戦闘団を持ち一気に奉天まで敵陣を突破する事とした。

 

その作戦案に冷水を浴びせたのはルーシ軍コサック騎兵約70000であったグリッペルベルク大将は冬に籠もるだけではなくコサック騎兵による物資集積所焼き討ちによる敵攻勢の阻止を狙ったのだ

 

最初にコサック騎兵の攻撃を受けたのは最左翼に展開するリステマン中将率いる第36師団に襲いかかった

 

1月5日第36師団本部

 

リステマン「敵はコサック騎兵約50000以上か」

 

参謀長「はい」

 

リステマン「第6軍司令部と満州方面軍司令部に救援を要請してくれ、後隣の師団にもだ」

 

救援要請を受けた第35師団は第104歩兵連隊を急行させたそしてコサック騎兵襲来の報を受けた満州方面軍司令部は第2騎兵旅団を急行させると同時に旅順から北上してきたばかりの列車砲隊にルーシ軍沙河防衛陣に対する牽制砲撃を命令全軍に臨戦態勢を取らせた。砲撃を受けたルーシ軍司令部も直ちに反撃態勢を取らせ

た、双方とも決戦の火蓋を切る気は無いハラスメント的な攻撃が全面戦闘状態に突入した

 

双方の司令部が腹をくくった後双方が指示したのは砲撃を強め敵陣を粉砕その後歩兵と騎兵によって敵陣を突破する事だった、グリッペルベルクとしては大量の野砲を持って戦線の一点に風穴を開ける予定であったがその砲兵陣地に36門の30㎝列車砲により大半の野砲榴弾砲が破壊された、グリッペルベルクはこの報告を聞くと即座に沙河の放棄と奉天への後退を指示、後退を開始するルーシ軍に36隻の5型攻撃型飛行船が襲いかかるこの飛行船は対地攻撃用に4連装噴進弾発射管を2基8管装備速射性も効くことから多数のルーシ兵を物言わぬ骸に変えていった

 

 

飛行船天鳳丸5世艦橋

 

斯波「脆いな、そう思わんか船長」

 

船長「仕方ありません中将敵には我軍のような高射砲や高射機関砲がありませんので」

 

斯波「そういうものか、兵が可哀想だな」

 

通信士「司令部からです」

 

船長「読め」

 

通信士「第501〜503飛行戦隊ハ敵陣深ク侵攻シ後退スル敵軍ヲ突キ崩セ、であります」

 

斯波「そうか全船に発光信号我ニ続ケ以上だ、船長高度を少し下げよう船首に取り付けた新型の25㎜の威力を見たいできるかね?」

 

船長「そこはやれとおっしゃっていただきたいものです」

 

斯波「そうかでは言おう命令だ可能な限り高度を落として25㎜砲で敵を粉砕しろ」

 

船長「仰せのままに」

 

斯波義晴中将指揮下の3個飛行戦隊36隻はそのままルーシ軍を猛追大量の噴進弾により推定50000人は殺傷したと言われている

 

 

ドカーーンドカーーン

 

ダダダダダダダダダダダダダダ

 

マチュニク「くそ本国のアホどもめ何処が飛行船は脅威になりえないだ、列車砲以上の脅威ではないか、飛行船を撃ち落とす兵器を廻しやがれってんだ」

 

幕僚「中将後退を」

 

マチュニク「わかっている、重量物は捨てていけよ、ライフルやサーベルも無理だと思えば捨てておけ奉天で新しいのを支給させるからな」

 

兵器の投棄や補給物資投棄による鹵獲量は四季島軍をある意味困らせた。放置しておけば満州馬賊に拾われ利用される事を考えれば回収は出来る限り行わねばならぬが前線部隊にそれを行わせれば進軍に関わるし補給部隊に行わせれば補給線に影響が出る。困った満州方面軍司令部は現地に展開している憲兵隊や風紀委員達にそれらの回収を命じた命じられた彼らは可能な限り集めた無論1部は馬賊や現地民に回収されたか未発見であるが回収されただけでモシンナガン小銃150000丁マキシム機関銃150丁サーベル20000振りM1877野砲500門M1900野砲300門M1902野砲80門M1877.107㎜カノン砲100門M1877.152㎜カノン砲80門糧食5000トン軍馬720頭輓馬1500頭輜重車200台その他石炭木炭大量。羅先軍港にて回収された物品の数量確認に立ち会った水月咲希風紀官曰く「2個軍を編成できる」と言わしめたし近衛を合わせた4軍首脳部にこれだけの戦利兵器の使い道を悩ませることとなった。対して兵器や補給物資を失ったルーシ軍司令部も兵器不足に悩むこととなるし特に燃料たる石炭や木炭の不足により兵に暖を取らせにくくなっていた。とはいえはこの物資投棄により身軽になったルーシ軍約70000は奉天に撤退を完了したとはいえは進撃したコサック騎兵70000の内帰還できたものはたったの5000騎あまりであった。そして四季島軍満州方面軍司令部はこの戦果を見て1月10日に奉天攻略作戦月2号作戦を開始ここに四季ル戦争陸の決着と言われる奉天大会戦の火蓋が切って落とされたのだった




まだ沙河だよ何時になったらバルチック艦隊フルボッコに出来るのやら
今後の展開についてのアンケート設置中


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奉天会戦前夜

明治38年1月21日奉天ルーシ軍司令部

この日グリッペルベルク大将は全軍にこう訓示した

 

グリッペルベルク「全軍将兵に告ぐ先の沙河での敗戦は私の不徳の致すところにあるその事は認めようだが我々はこれ以上負けてはならないここで敵を食い止めバルチック艦隊や本国からの来援までこの奉天を死守する。数では未だ我々は敵に優っているそれにあの飛行船を撃ち落とすために新兵器も届いている恐るる事はない勝利は我等とともにあり」

 

マチュニク「皇帝陛下万歳」

 

「「「皇帝陛下万歳」」」

 

グリッペルベルク「さて参謀長、各陣地の進捗は?」

 

参謀長「はい、まず第1陣群は完成しましたが列車砲には耐えれぬかと」

 

グリッペルベルク「仕方あるまいあれに耐えるには厚さ3mのベトン陣地が必要だろう」

 

参謀長「はい」

 

マチュニク「閣下、歩兵ライフルが不足しております」

 

グリッペルベルク「なんだと!どのくらい足りないのだ」

 

マチュニク「約200000丁程足りません」

 

グリッペルベルク「そんなにか」

 

マチュニク「はい」

 

グリッペルベルク「各地の武器保管庫から掻き集めれないのか?」

 

マチュニク「それが武器保管庫の大半は旅順や鴨緑江沙河にありましたので」

 

グリッペルベルク「そうか、本国に補給を要請してくれ」

 

マチュニク「はい」

 

グリッペルベルク「敵が来る前に届けばいいが」

 

 

ルーシ軍の武器不足遼陽や沙河の敗走で重量物どころかライフルやサーベルを放棄した事により兵士は居ても武器が無い状態となっていたグリッペルベルクとしては最悪スコップ片手に白兵戦を行わせる覚悟をしていた。

 

 

対する四季島軍はルーシ軍のあまりの多さにどう叩くかの会議をしていた

 

満州方面軍司令部

 

南郷「約500000か、これで最低数だというのだな」

 

総参謀長「はい多ければ600000を超えるかと」

 

南郷「さてどうしたものか、我が方の戦力は3個軍に装甲車軍騎兵統合戦闘団に軍直轄部隊含めて400000になるかどうか」

 

総参謀長「空軍による攻撃でどうにかと思いますが」

 

斯波「空軍としては厳しいとしか言いようがないな敵は37㎜クラスの対気球撃墜砲を少数配備したらしい」

 

南郷「そうか、だとすると正面決戦しかないな」

 

アーチボルド「なら列車砲で釣瓶撃ちにするのはどうですかな、それに例の特戦隊に対空砲を破壊させるのもよいかと」

 

南郷「仕方あるまい、その手でいこう」

 

 

1月28日満州方面軍司令部は特戦隊2000名をルーシ軍奉天陣地に侵入彼らはルーシ語を話すことができた。

 

 

ルーシ軍砲兵陣地

 

砲兵1「士官殿いかがなされた?」

 

ルーシ士官?「いや増援としてこっちに来たのだが迷ってな弾薬庫は何処かな?上官にそこに集合するように言われてな」

 

砲兵1「弾薬庫なら向こうです」

 

ルーシ士官?「そうか、向こうか、ありがとう」

 

タッタタッタ

 

砲兵2「どうした」

 

砲兵1「迷子の士官が来ただけだ」

 

砲兵2「本国から来た援軍の士官かな」

 

砲兵1「らしいな、弾薬庫前に集合しろって言われたみたい」

 

砲兵2「さっきも迷子の士官が来たなアレは砲撃指揮所に視察に来たみたいだったが」

 

砲兵1「そうなのか」

 

このような会話がルーシ軍陣地では増えていた。そう先の士官もその前の士官も侵入した特戦隊であったのだ。

侵入した彼らは鹵獲したルーシ軍の軍服を装備し増援として各地より参集したルーシ軍兵に化け迷った士官や視察中を装い各陣地を廻り対空砲や重陣地に時限起爆システム付の爆薬を設置食堂に忍び込みひまし油を混入させるなどの妨害を行うと何らかの任務を偽装し陣地より撤退1月30日に爆薬が起爆これにより対空砲の約9割を破壊若しくは使用不能にし弾薬庫や砲撃指揮所観測所を破壊し防衛能力を削いで行った

 

 

ルーシ軍司令部

 

参謀「破壊された気球砲72門野砲49門カノン砲31門砲撃指揮所7箇所観測所19箇所弾薬庫5箇所何らかの薬物により腹痛などを訴えている者士官157名下士官81名兵卒248名補給物資500トン焼失。被害は以上となります」

 

グリッペルベルク「手ひどくやられたな、気球砲で動かせるのはたったの3門か」

 

参謀「はい、敵飛行船が来た場合対抗する手段を失いました」

 

グリッペルベルク「警戒を厳重にしろ。迷子になる士官など存在せんよいな」

 

参謀「はい」

 

参謀長「とはいえ閣下、何分参集したばかりでは迷うのも致し方ないかと」

 

グリッペルベルク「ともかく警戒は厳重にそれしかない」

 

 

そんなグリッペルベルクに衝撃的な報告がもたらされる

 

グリッペルベルク「講和、宮廷内で講和について議論されているだと!間違いないのかマストツキー中将」

 

マストツキー「はい、間違いありませんその中には皇太子殿下もいらっしゃるらしく。なにせ四季島軍により我軍は連戦連敗先日の飛行船によるウラジオストック攻撃もありましたので、それに宮廷の1部ではドイツ帝国*1が四季島と同盟を結ぶのではないかとの噂が立っておりますので」

 

グリッペルベルク「ドイツ領から飛行船を使えばサンクトペテルブルクを攻撃可能か」

 

マストツキー「はいシベリア奥地まで攻撃できますので可能になります」

 

グリッペルベルク「そうなれば講和もやむなし、条件は厳しいものになるだろうな」

 

マストツキー「はい、帝都攻撃を許せば満州は愚かウラジオストックや樺太太平洋に面する全域は最低でも持っていかれるでしょう、最悪ヤクーツク辺りまでと推定されています。宮廷内ではその前に講話と」

 

グリッペルベルク「馬鹿な未だ我軍は奉天を守っておるし、バルチック艦隊とて未だ向かっておる」

 

マストツキー「だからです、四季島艦隊に破れぬうちに講和すべしと」

 

グリッペルベルク「負ける前提か」

 

マストツキー「ここだけの話ですがどうにも士気が上がらぬと、ドッガーバンクの一件でエングランド政府は四季島寄りの態度フランカも中立ではありますが四季島寄りドイツは完全に四季島側に立っておりますので」

 

グリッペルベルク「補給か」

 

マストツキー「はい無煙石炭は入手不能です。それどころか水や食料も厳しいとの事、エングランド政府がバルチック艦隊には水食料の補給も微々たる量しか認めぬと」

 

グリッペルベルク「たどり着けぬかこのままでは」

 

マストツキー「1部の艦を本国に戻し戻す艦から物資を移譲する話も出ているようで」

 

グリッペルベルク「どのくらいこちらに廻されるのだ」

 

マストツキー「戦艦、海防戦艦14装甲巡洋艦2防護巡洋艦13駆逐艦12補給艦病院船12だとか」

 

グリッペルベルク「勝てぬぞ四季島海軍は戦艦12装甲巡洋艦8それ以下の艦多数を誇るのだぞ」

 

マストツキー「はい、だから講和と」

 

グリッペルベルク「負けれなくなったな、せめて海で負けても陸ではこの奉天では負けれん」

 

マストツキー「はい」

 

 

1月31日斯波空軍中将率いる15個飛行戦隊が奉天陣地を夜間空襲マストツキー中将が戦死多数の堡塁が破壊損傷したそれに対してルーシ側は破壊工作を逃れた対気球砲で対抗するも夜間による視界不良により見当違いの場所を攻撃全く役に立たなかったこの事によりルーシ軍では対空火器の開発より重飛行船による飛行船撃墜を主に置くこととしたこの事により対空火器の発達は遅れに遅れた、その後も連日連夜に渡る空襲により多数の死傷者と陣地に被害が出ていた。

 

2月1日時点での奉天防御陣の稼働率は47%不足するライフルは75000丁立て籠もる将兵425000名野砲等の大砲720門対する四季島軍将兵372500名列車砲36門を含め大砲3800門(迫撃砲代わりの小型臼砲含む)兵の数ではルーシ軍に采配が上がるが持ち込んだ大砲の数では四季島軍が圧倒していた。

 

2月3日満州方面軍司令部はついに月2号作戦発動を宣言先陣として斯波中将率いる飛行船36隻がルーシ軍陣地を空襲した

*1
明治38年プロシア帝国から改名




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決戦奉天会戦

明治38年2月5日この日ロイ・アーチボルド大将率いる四季島陸軍第1軍約100000は月2号作戦の前衛として奉天に進撃ルーシ軍の名将グリッペルベルクの構築した堅陣を抜かん進撃していた、それに対しグリッペルベルクは複数個の小集団のコサック騎兵による一撃離脱戦法をとり奉天陣地群にたどり着くまで第1軍に出血を強要していた。これに対してアーチボルドは2度目の攻撃でグリッペルベルクの戦術に対処をはじめ4度目には襲いかかってきたコサック騎兵200騎を機関銃のクロスファイアポイントに誘い込み殲滅これによりグリッペルベルクが送り出した12波合計1800騎のコサックの内1000騎余りが討ち取られた。

 

2月7日奉天ルーシ軍司令部

 

グリッペルベルク「遂に来たか」

 

幕僚「はい、敵数約100000との事、前衛だと思われます」

 

グリッペルベルク「前衛に100000か参謀長」

 

参謀長「はい」

 

グリッペルベルク「どれだけ動けるか」

 

参謀長「兵力420000名いつでも動けます」

 

グリッペルベルク「違う、全力で戦えるものはどれだけおる。この物資欠乏状態で何時間どれだけの兵が戦えるのかそれを聞いているのだ」

 

参謀長「……約3日動けて300000を少々上回る程度かと」

 

グリッペルベルク「そうか、寒いな」

 

参謀長「確かに寒い戦です」

 

グリッペルベルク「とはいえこの戦力で勝たねばならぬ、いや負けたとしても我々はよくやったそう言われる戦にしなければならん。よりよい講和の為に」

 

参謀長「はいよりよい講和の為にも」

 

グリッペルベルク「全軍に伝えよ射程に入り次第撃ち方始め、時間は掛けれん掛ければ我らの負けとなる」

 

 

10時丁度展開を終えた第1軍は砲撃を開始ルーシ側も対抗して砲撃を開始するが事前の空襲により多数の砲類弾薬庫を破壊されたルーシ側の火力は少なくまた1部砲類は築城資材不足や時間不足により露天陣地配備されていた。そのため11時過ぎより戦線に参加した第401.402.403.404.405.406.407.501.502.503の10個飛行戦隊により次々と破壊されていった

 

 

グリッペルベルク「くそぉ〜、忌々しい邪竜共め!」

 

参謀長「第2砲兵陣地壊滅」

 

幕僚「第1防衛線壊滅状態敵地上部隊突破してきます」

 

マチュニク「閣下残存部隊を第2防衛線に」

 

グリッペルベルク「わかっておる。第1防衛線の残存部隊は第2防衛線に下がらせよ、それと予備の部隊も前線に投入しろ、ここが正念場だなんとしても耐え抜くのだ」

 

グリッペルベルクの激にも関わらず戦況はルーシ軍不利となっていた

 

ルーシ大尉「くそ四季島めどれだけの砲弾を備蓄してやがる」

 

ルーシ中佐「泣き言など言うな今は目の前の敵を撃ち殺すことに全神経を使え」

 

ルーシ伍長「駄目だ防ぎきれない」

 

ルーシ中佐「白兵戦用意」

 

ルーシ兵1「スコップは何処だ」

 

ルーシ兵2「此処にあるぞ」

 

ルーシ中佐「構えろ」

 

 

ヒューウ

 

ドカン

 

ルーシ大尉「う、うう、誰か生きてないか?中佐、伍長、全滅か」

 

わぁーーーぁ

 

ルーシ大尉「来やがれ」

 

パンパンパン

 

タン

 

ルーシ大尉「ぐはぁ」

 

 

各陣地には接近してきた四季島軍に対して白兵戦を用意していたが四季島軍は9㎝臼砲を至近距離で投射各陣地を一箇所一箇所丁寧ね殲滅していった

 

とはいえルーシ軍の反撃も激しく四季島軍も先陣を切った第2師団は第5連隊長の中岡大佐が戦死副長のファウスマン中佐が指揮を引き継ぐも兵員2000名近くを失うなど参加した第1軍の各師団の損害が2割を超えかけた所でアーチボルドは攻撃中止を命令奪取した第1陣地群を起点に攻撃に移れるように待機し本隊の到着を待った。その夜グリッペルベルクは四季島軍の夜襲に備えある程度の部隊を寝ずに備えさせた、グリッペルベルクとしては四季斉戦役の羅先の戦いにおける四季島軍の夜戦能力を過大に評価していた。グリッペルベルクの頭の中には奴らは必ず来るとそう思い込んでいた。対するアーチボルド大将は夜戦は同士討ちしやすいと軍規模での夜戦には反対する立場であった、そのためグリッペルベルクの備えは無駄に終わりある程度の寝不足の兵士を量産することとなった。

 

翌2月8日四季島軍本隊が奉天に到着すぐさま南郷晴久満州方面軍司令は攻撃を命令同日9時第6軍第32師団を前衛に突撃多数の戦死者を出しつつルーシ軍を圧迫一時は戦局の劣勢に焦ったグリッペルベルク自ら陣頭に立ち指揮をとりどうにか持ちこたえていた。そして南郷晴久も今日で落ちぬと見るやすぐに後退を命令17時過ぎには戦場は静かになっていた。

 

四季島軍満州方面軍司令部

 

参謀「我が方の戦死者行方不明者合計17254名負傷者34571名損壊乃至使用不能な火砲127門装甲車72両となります」

 

南郷「また派手にやられたものよ。芝村後方参謀砲弾はどの程度残っておる」

 

芝村「物にもよりますが列車砲弾は1門当たり90発15㎝砲120発10㎝砲150発野砲弾は200発臼砲は150発程度となります」

 

南郷「補給はどうなっておる」

 

芝村「厳しい状況です大陸の物資集積所から約600㎞内地から1000㎞以上と補給は細くなっております。予定では明日の朝と夕方にそれぞれ補給が届きます。その内銃砲弾は列車砲弾720発15㎝砲弾2000発10㎝砲弾500発75㎜砲弾15000発9㎝砲弾300000発小銃弾1500000発噴進弾15000発となります」

 

南郷「厳しいな」

 

そう言うと南郷は考えながらチラチラと斯波中将を見た

 

斯波「南郷閣下そうチラチラ見られたとしても空軍にも余力は少ないですぞ」

 

南郷「無理か?」

 

斯波「出来て威圧行為と嫌がらせ程度の爆撃が精一杯です。爆弾も残り少ないので」

 

南郷「そうか、どうしたものか」

 

ギャランドゥー「此処は一挙夜戦を仕掛けてはどうか?」

 

アーチボルド「無理でしょうな。大隊や連隊規模での夜戦ならともかく軍規模での夜戦など前代未聞です。同士討ちを起こすおつもりですかな?」

 

ギャランドゥー「ならどうする補給が届くまでここで待つ気か!」

 

秋山「ならこうしてはどうだろうか。全砲火を一点に集中して防衛陣の一角を崩しそこに騎兵と装甲車を全力投入勢いそのまま敵の本営を討つ」

 

穴山「無理だ、そこまで騎兵統合戦闘団に余力は無い」

 

メイルマン「私の機動軍もよここまでの戦いと行軍軍定数864両の内200両程スクラップになってるのよそれに1個師団は敵コサック警戒に回さねばならないから実際は2個師団以下の部隊よ。ただでさえ補充が少ないのに」

 

斯波「仕方ないか、輸送型飛行船を使って爆弾の補給を急ぐように本国に伝えよう、爆弾の補充が済み次第全力で爆撃を敢行しようと思う。それまでは陸軍だけで対処してほしいのだがどうかな?」

 

アーチボルド「ふむ、私としては賛成です」

 

穴山「それしかないだろうな」

 

メイルマン「賛成します」

 

秋山「砲弾がないのではそれしかないだろう」

 

ギャランドゥー「斯波中将何時頃届きそうかね爆撃は」

 

斯波「明日の昼頃の便で内地を出ることになっておる。まあ2、3日程度だろう」

 

中原「ではそれまでは散発的な砲撃と敵の逆襲に備える、そういう事でどうでしょう」

 

南郷「それでよいと思うぞ中原参謀長」

 

ギャランドゥー「参謀長に同意だ」

 

アーチボルド「それで行きましょう」

 

 

2月11日ズカリット少将率いる補給飛行船24隻が到着240トンの各種補給品を受領斯波中将は翌日より空襲を再開する事を満州方面軍司令部に通達、この飛行船隊が四季島陣地に何かをした事を確認したグリッペルベルクは空襲を警戒自分の権限で集めきれるだけ集めた気球砲27門を配備迎撃する構えを取った

 

2月12日天鳳丸5世

 

斯波「時間だ全船前進爆撃を開始せよ」

 

午前8時飛行戦隊3個36隻の飛行船による爆撃が敢行された斯波は数が少ないため敵陣の破壊では無く最新鋭の5型飛行船による敵司令部破壊を狙った

 

ドカーーンドカーーンドカーーン

 

斯波「敵の対空砲か」

 

船長「そのようです」

 

斯波「高度を上げろ上昇高度3500に全船に通達我ニ続ケ」

 

船長「了解上昇、通信士全船に打電だ」

 

通信士「了解、我ニ続ケ」

 

 

ルーシ軍満州方面軍司令部

 

グリッペルベルク「邪竜共はどうなっておる」

 

参謀長「敵飛行船ほ、本営に向かっております」

 

グリッペルベルク「な、何?敵の攻撃目標はここだと!」

 

参謀長「爆撃せず来ておりますのでそうかと」

 

グリッペルベルク「退避総員退避だ予備司令部に移動する、急げ」

 

「「「はい」」」

 

 

 

砲中尉「撃て、砲身が焼き切るまで撃ちまくれ」

 

砲兵1「仰角下げろ、装填するぞ」

 

砲兵2「誰だよ、砲を水平にしなきゃ装填できないように設計したバカは」

 

砲軍曹「泣き言を言うな。これしかないんだから仕方ないだろ」

 

 

当時のルーシ軍高射砲たるM1902.37㎜気球砲(エングランドQF1ポンド砲を元に開発)はクリップ式装填で4発の37㎜砲弾を1度に装填し高度3200mから3600mまで砲弾を届かせたが装填時水平にしなくてはならないと言う弱点を抱えていた、気球相手であればそれでよかったのだが低速とはいえ移動する四季島空軍の飛行船を撃ち落とすには性能不足としか言いようのなかった。

 

とはいえはこの奮戦により飛行船晴雲丸2世、マルトレーダの2隻を大破4隻を中小破させる戦果を上げたがその代償として27門中25門が陣地毎噴進弾により粉砕された

 

 

天鳳丸5世

 

斯波「2隻大破か敵もやるな」

 

爆撃手「針路よし投弾コースそのまま、投下今」

 

ヒューーーウ

 

ドカドカドカドカドカーン

 

斯波「どうだ」

 

観測員「敵司令部施設に命中多数の模様」

 

船長「閣下」

 

斯波「うむ、全船高度4000mまで上昇帰投するぞ」

 

 

ルーシ軍司令部は爆撃には36隻中28隻の飛行船が爆撃に成功6隻が爆撃前に退避2隻が見当違いの場所を爆撃した。これにより司令部は壊滅。司令官のグリッペルベルクはどうにか予備司令部に移動できたものの指揮系統を一時的に喪失その指揮系統の空白を突き四季島満州方面軍司令部は総攻撃を開始砲弾を残すなと言わんばかりにありとあらゆる火砲が火を拭きルーシ軍陣地を耕し始めた。

 

司令部との指揮系統を破壊されたルーシ軍は諸将のもと対抗したが砲兵との連携を取れなくなった歩兵隊は各陣で砲兵の援護を受けた四季島歩兵隊と衝突少しずつ押し込まれつつも戦線を維持していた。

 

そしてグリッペルベルクが指揮系統を再建したときには第2防衛線の大半と第3防衛線の1部が突破され最終防衛線を残すのみとなっていた。

 

グリッペルベルク「くそここまでか」

 

参謀長「はい、もはや立て直しは不可能かと」

 

グリッペルベルク「仕方あるまい、全軍後退だハルピンまで後退しろそこを起点に防衛線を貼り直せ」

 

参謀長「了解」

 

 

 

四季島軍第5師団本部

 

参謀長「ヴァイツ師団長敵が後退をはじめています」

 

ヴァイツ「何?」

 

伝令「伝令、司令部からです」

 

参謀長「なになに、師団長、追撃しろと」

 

ヴァイツ「よし前進ルーシ軍のケツに蹴りを入れてやれ」

 

「「「はい!」」」

 

同時刻列車砲陣地

 

幕僚「島中将、司令部から後退するルーシ軍を吹きとばせと」

 

島「そうか、着弾観測は?」

 

幕僚「空軍の春鷹丸4世が担当すると」

 

島「よろしい、角度修正急げ叩き込め」

 

ドーーンドーーンドーーンドーーン

 

ヒューーーウ

 

ドカーーンドカーーンドカーーンドカーーン

 

 

列車砲の砲撃は後退するコサック騎兵に突き刺さり各地より参集したコサック20000騎の大半を黄泉に送った。そして対空砲火のなくなった戦場に動ける飛行船47隻がとどめを刺さんと進撃爆弾を消費尽くした機は陸海軍から掻き集められた9㎝砲弾や47㎜砲弾を爆弾の代わりに投下これによりハルピンに後退できたのは120000を切っていた。この責任を取りグリッペルベルク大将は解任されたが後任の人事は難航した、そのため後任が派遣されるまではマチュニク中将が指揮を執る事となった。マチュニクには最悪ハルピンを放棄しアムール川を防衛線に設定するように命令されていた。

 

奉天陥落の報を受け取ったルーシ宮廷内では講話の機運が高まっていたとはいえは派遣しているバルチック艦隊とさらなる増援艦隊に持ってウラジオストックを根拠地に補給線を脅かしてからの講話を最良とするとしてバルチック艦隊に全てを託すとしていた



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奉天会戦後の各国の動き

明治38年3月10日四季島帝國帝都海軍軍令部

 

この日海軍におけるバルチック艦隊索敵迎撃作戦の会議が行われていた

 

参加者

海軍大臣小鳥遊一鉄

軍令部総長マクスウェル・ルーデンリヒ大将

聯合艦隊司令長官東郷平八郎大将

聯合艦隊参謀総長ウィリアム・ズムウェル中将

哨戒艦隊司令官春島輝秀中将

潜水艦隊総司令官オットー・サイレンス大将

海軍飛行隊司令官浜秀仁大将

統合参謀本部次官芹沢鉄次郎中将

 

 

小鳥遊「さてついにバルチック艦隊がインド洋に進出した」

 

ルーデンリヒ「はい」

 

小鳥遊「まず索敵はどうするかな」

 

春島「索敵は哨戒艦隊と潜水艦隊の共同で行いたい」

 

サイレンス「賛成だ、出来れば飛行船による索敵も行いたい」

 

浜「厳しいな、大半を大陸戦線に派遣しておる」

 

芹沢「こうなれば近海で迎え撃つ方がいいのでは」

 

東郷「その手もありかもしれん、どうせバルチック艦隊はウラジオストックに行くしかない」

 

ズムウェルト「だとすると敵は対馬海峡か」

 

サイレンス「津軽海峡や宗谷海峡の可能性も捨てきれない」

 

芹沢「津軽海峡はまだしも宗谷海峡は無理だろう、太平洋上で石炭補給をしなければならんしアラスカ駐留艦隊や飛行船の攻撃を受けるぞ、それに宗谷海峡には列車砲台が展開しているこれを突破することは至難の業だ」

 

ルーデンリヒ「津軽海峡も厳しかろうあそこは水雷艇部隊の1大根拠地だ」

 

小鳥遊「それと敵戦力だが情報部の情報だど合流する艦隊を含めて戦艦9隻海防戦艦4隻装甲巡洋艦3隻巡洋艦8隻その他42隻だそうだ」

 

ルーデンリヒ「対する我が方は聯合艦隊戦艦12隻装甲巡洋艦8隻防護巡洋艦44隻駆逐艦96隻潜水艦隊20隻哨戒艦隊48隻航洋型水雷艇132隻戦艦の数こそ負けていますがそれ以外では敵の数倍を保有しております」

 

小鳥遊「数は勝っておる、練度も負けておらんだがこれだけの艦隊を指揮統括出来るかだ」

 

東郷「それについては実際に艦隊を動かして演習し対処しとります」

 

小鳥遊「ならよいのだが」

 

ルーデンリヒ「とりあえず敵艦隊の航路を対馬海峡通過してからウラジオストック入港でよろしいかな?」

 

東郷「異議は無い」

 

サイレンス「その航路が妥当かと」

 

小鳥遊「ならば索敵線を早急に貼ってくれ。」

 

 

翌11日横須賀から輸送機により聯合艦隊司令部に戻った東郷は各艦隊司令官を呼びバルチック艦隊の概要と迎撃予定地点を対馬海峡に決め艦隊根拠地を佐世保に置き対馬海峡周辺に哨戒部隊を展開させた。

 

3月18日2型潜水艦8隻が戦列入り索敵線に加わった翌19日に統合参謀本部海軍部において予備艦隊や飛行船の索敵線投入が議論された

 

参加者

統合参謀本部海軍統括官ザトエル大将

統合参謀本部海軍統括次官アンリ・シンプソン中将

海軍軍令部作戦課課長大沼大輝大佐

予備艦隊管理官ロイド・セルブストー大将

聯合艦隊参謀赤山忠直大佐

海軍飛行隊司令官山本喜一郎少将

 

山本「確かに飛行船なら艦隊を動かすより楽に動かせるでしょうが数が足りません」

 

セルブストー「予備艦隊を動員するのはいいが動かせる艦はそこまで多くないぞ艦はあっても人が足りん」

 

ザトエル「それは知っている飛行船はどれだけ足りない?それと予備艦隊は何隻動かせるか?」

 

山本「飛行船は後20隻はどうにか」

 

セルブストー「動かせるのは防護巡洋艦7隻駆逐艦12隻水雷艇隊の大半は津軽海峡に展開していますので参加は不能です」

 

ザトエル「厳しいな、シンプソン中将どう思う?」

 

シンプソン「やはりこの戦力では索敵線を3重に貼るのは厳しいでしょう。最低でも電信設備を搭載した洋上艦120隻は必要です」

 

ザトエル「多いな後60隻は必要か」

 

赤山「聯合艦隊としては第4から第7艦隊を1個艦隊ずつ偵察に張り付かせてはどうかと」

 

ザトエル「提案はありがたいけど駄目よ、今聯合艦隊から1個艦隊であっても引き抜かないわ。…シンプソン中将民間から徴用できるかしら」

 

シンプソン「可能な限り行います」

 

 

翌20日帝國政府は優良船舶保有企業に電信設備搭載艦のリスト提出を要求、各企業から出されたリスト97隻から41隻を選択肢徴用、必要量の3分の1を用意しつつ時間断層工廠をフル稼働させ80隻を建造速やかに索敵線を展開させた

 

4月に入るとバルチック艦隊索敵に参加したいといくつかの遠洋漁船団を擁する複数の漁業組合が政府に訴えかけた。これを受け247隻の遠洋漁船が参加そしてバルチック艦隊索敵線を更に厚くすべく四季島政府は諸外国船舶に情報提供を呼びかけた

 

 

4月10日ルーシ軍アムール川防衛陣地に奉天より出撃した第501飛行戦隊12隻が襲来無天蓋陣地多数を破壊せしめた、その後も1個飛行小隊4隻が連日襲来爆撃偵察を行うだけでなく何もせず飛行するなど行っていた。対するルーシ軍は飛行船が襲来するたびに陣地構築を止め退避するしかなく。対気球砲配備を推進したグリッペルベルク解任された事もあり対空設備は非常に貧弱であった。これによりアムール川防衛陣地の構築遅々として進まなかった。

 

同時期アメリア合衆国ワシントンDCホワイトハウス

 

この日この館の主であり合衆国大統領のセオドア・ルーズベルトは財界や軍部より手元に届いた書簡を見ながら悩んでいた

 

ルーズベルト(講和仲介か、財界はチャイナの地に投資したがっている。その中間点はフィリピンでは不足、いやどちらかと言えば船舶の停泊地か今のチャイナにそれが無い。四季島の大規模港湾設備それが彼の地には不足している。そして軍部からの飛行船開発予算申請と四季島への視察依頼の申請、四季島空軍の飛行船は強力だまるで平面のチェスが三次元に変わったようだ、対策しなければ意味が無いか。その点も四季島から入手したがっているのか軍部は、交渉の糸口はやはり講和の仲介四季島は何を望む、満州ウラジオストックの割譲かそれともルーシの太平洋沿岸部か何かによって変わるだろうな、最善は尽くさねばならん)

 

ルーズベルトは駐米四季島大使を呼ぶように伝えると講和斡旋のために動き始めた。時を同じくしてエングランド銀行団が四季島に来四季新しく財務大臣に就任した中山研秀と面会戦時国債の発行について話し合った、四季島の戦時国債は100万帝國メゼル現在換算50億円相当年利2%5年後返済とされた、エングランド銀行団としては利益を求めてさらなる戦時国債を発行するのかについて話し合うための面会であった。国債の3割は国内残り7割が国外であり全体の4割をエングランド銀行団が購入していた事もあり、戦費が足りているのかどうかの確認とさらなる発行はあるか、その事を確かめるために急ぎ来四季していた。対する四季島政府の回答は戦時国債はこれ以上発行しないが戦後獲得した領土の開発債とさらなるアラスカ開拓債の発行を予定している。それが回答であった

 

各国が戦後に動く中ルーシ軍特に海軍ウラジオストック残存艦隊は徹底抗戦を叫んでいた、とはいえは開戦劈頭に第2艦隊により多数の艦艇を失った彼らに残された艦隊戦力水雷艇3艇木造船2隻と何もできない状態であった。彼らに残された希望は5月頃に来援するバルチック艦隊であった。そして陸軍もアムール川の渡河を阻止する為に全力で構築するもシベリア鉄道に対する反帝政主義者の破壊工作や四季島空軍の空爆により建材の供給は満足に無く1部では木材やハバロフスクで調達したレンガで陣地構築せざるを得ない状況となっていた。

 

 

5月22日四季島帝國海軍聯合艦隊司令部はバルチック艦隊迎撃作戦滅号作戦を承認第1から第7艦隊160隻が出撃体制に移行。そして5月26日バルチック艦隊を索敵中の徴用船信濃丸が捕捉それを報告した。そして戦艦薩摩を旗艦とした聯合艦隊160隻全てが出撃した




これでやっとバルチック艦隊と戦えるな


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開戦四季島海海戦

メリークリスマス、クリスマスの日に上げるものじゃないねこれ


明治38年5月27日四季島海

 

戦艦薩摩艦橋

 

通信士「信濃丸より入電敵艦隊対馬海峡を通過する針路を取る」

 

ズムウェルト「長官敵は予定通りの針路を取ったようです」

 

東郷「そうだな、全艦隊に通達滅号作戦発動全艦戦闘用意」

 

ズムウェルト「全艦隊戦闘用意」

 

艦長「艦前進、針路は対馬海峡、予定通り動け」

 

 

第2艦隊旗艦出雲艦橋

 

伊藤「そうか全艦前進対馬海峡に」

 

 

聯合艦隊に所属する各艦隊は瀬戸内海や北九州の豊前基地より出港下関を超え一路対馬海峡に向かった

 

対するルーシ海軍バルチック艦隊は信濃丸に発見通報されたことを確認すると四季島海軍に対馬海峡を封鎖されぬように最大船速で遁走するがバルチック艦隊が到着した頃には聯合艦隊は布陣を完了していた、陣形はバルチック艦隊が3列縦陣に対して四季島艦隊は第1第2艦隊がバルチック艦隊の左舷側に並走中央に第3艦隊両側に2個艦隊ずつを配備する一種の鶴翼陣を組んでいた

 

 

戦艦スヴォーロフ艦橋

 

観測員「敵艦隊左舷及び前方に展開」

 

ロジェストヴェンスキー「戦闘旗掲げ、全艦突撃」

 

コロング「閣下、それは」

 

ロジェストヴェンスキー「1隻でもいい、なんとしてもウラジオストックに到着するのだ」

 

参謀長「了解」

 

 

薩摩艦橋

 

観測員「敵艦隊増速陣形中央に突撃します」

 

東郷「第1第2艦隊面舵40敵に接近し敵艦隊を粉微塵に砕け」

 

ズムウェルト「よーそろ」

 

ラントリス「長官、本第1艦隊をもう少し敵に接近すべきかと薩摩型の装甲ならば敵弾が当たったとしても被害は少なくできます」

 

東郷「その手もたしかに取れる、だが接近しすぎれば敵の陣を寸断し逃げ切られるやもしれんのだ」

 

ラントリス「なるほど」

 

砲術長「射程に入った」

 

ラントリス「よろしいですか?」

 

東郷「うむ」

 

ラントリス「全砲撃て」

 

その瞬間薩摩型8隻から32発の30.5cm砲弾がバルチック艦隊に叩きつけられた

 

 

スヴォーロフ艦橋

 

艦長「被害報告」

 

ロジェストヴェンスキー「撃ち返せ」

 

副長「左舷速射砲7門使用不能」

 

艦橋要員「左舷後部に火災」

 

艦長「消火急げ」

 

 

この日は史実通り天気晴朗なれど波高しであり双方の砲弾は風に吹かれ予想着弾点よりズレ船は揺れ四季島海軍より小型のルーシ海軍水雷艇の主砲はまともに撃つこともできず1部の艇は高波により転覆仕掛けたところに砲撃を受けそのまま沈んでいった。

 

 

スヴォーロフ艦橋

 

参謀長「水雷艇2隻沈没」

 

ロジェストヴェンスキー「ええい、やはり水雷艇を連れてきたのは失敗だった」

 

ロジェストヴェンスキーがそう口にした瞬間後方から大規模な爆発を感じた

 

観測員「ナヴァリン、ば、爆沈」

 

ロジェストヴェンスキー「なんてことだ」

 

副長「アドミラル・ナヒーモフ戦列を外れる」

 

艦橋要員「主砲付近にて火災発生」

 

艦長「消火急げ、艦後方の火災どうなっている」

 

副長「鎮火しました」

 

混乱する戦局の中ロジェストヴェンスキーはどうにか艦隊の指揮系統を立て直そうとしたが元より急造の艦隊ゆえに旧式艦主体の第3太平洋艦隊との連携を取ることができなくなっていた、ここにきてロジェストヴェンスキーは艦隊の統一した指揮を断念各戦隊事に指揮系統を再編させようと信号旗を使って各艦に伝達するも煤煙により信号旗は見づらく命令を確認できぬ艦が続出した

 

 

戦艦薩摩艦橋

 

ラントリス「敵の動きが乱れた混乱しているのか、長官ここは一気に決める時では?」

 

東郷「それも手ではあるがその混乱に我々も巻き込まれる可能性もある」

 

ズムウェルト「これだけの艦隊で混乱を起こせば突破されかねません」

 

東郷「うむ、それはまずいのだ」

 

ラントリス「では現状を維持で」

 

東郷「その方がよかろう」

 

 

東郷が現状を維持しつつバルチック艦隊を削り取るように指示を飛ばしていた頃スヴォーロフではとんでもない事態となっていた

 

スヴォーロフ艦橋

 

ロジェストヴェンスキー「被害はどうなっている」

 

艦長「後部主砲塔大破左舷速射砲及び右舷前部速射砲全損」

 

副長「艦各所にて火災発生するも消火可能です」

 

ロジェストヴェンスキー「なんという被害だ、艦長この艦はまだ戦えるかね」

 

艦長「前部主砲及び右舷後部速射砲はまだ使えますのでどうにか」

 

観測員「オレーク、戦列を離脱オスリャービャ撃沈」

 

コロング「水雷艇8隻撃沈されました」

 

 

第2艦隊旗艦装甲巡洋艦出雲艦橋

 

観測員「巡洋艦カンペーネス戦列離脱巡洋艦メトロシューロに火災発生」

 

副長「装甲巡洋艦八雲損傷駆逐艦夕凪、朝凪戦列離脱ハードリア大破スベリネス損傷」

 

伊藤「敵もやるな、撃ち返せ、はるばる欧州からお越しになったのだ派手にもてなしてやらんとな」

 

「「「はい」」」

 

第4艦隊旗艦防護巡洋艦多摩艦橋

 

副長「左舷被弾火災発生」

 

艦長「消化しろ」

 

マルトス「怯むな撃ち返せ、参謀長被弾した巡洋艦ランクリーズはどうなっている」

 

参謀長「左舷速射砲全損副長戦死との事」

 

マルトス「そうか」

 

観測員「敵巡洋艦撃沈水雷艇2隻も撃沈しました」

 

マルトス「このまま押し切れるな」

 

参謀長「はい」

 

 

総旗艦兼第1艦隊旗艦戦艦薩摩艦橋

 

ズムウェルト「バルチック艦隊の戦列乱れる」

 

東郷「ここが攻め時だな、全艦隊に伝えよ総攻撃に出よと」

 

ズムウェルト「はい」

 

ラントリス「全艦撃ちまくれ」

 

 

17時過ぎバルチック艦隊の戦列が乱れた事を確認した聯合艦隊司令部は総攻撃を決意両翼の4個艦隊が前進戦列の崩れたバルチック艦隊を叩き潰さんとした

 

そして18時を過ぎた頃日が暮れたこともあり夜戦に突入四季島海軍水雷戦隊は次々と魚雷を投射この攻撃により海防戦艦シソイ・ヴェリキーが撃沈ネボガトフ少将座上の海防戦艦インペラートル・ニコライ1世はゲネラル・アドミラル・アプラクシン、アドミラル・セニャーヴィン戦艦オリョール防護巡洋艦イズムルートらと退避するも翌日の昼頃第1第6艦隊に包囲され降伏した海防戦艦アドミラル・ウシャコフは退避する艦列より落伍隠岐の島に座礁その後第2水雷艇隊と隠岐の島陸軍警備隊に生き残った艦搭乗員は降伏艦も鹵獲された装甲巡洋艦ヴラジーミル・モノマフは薩摩の砲撃により艦橋と1番主砲を破壊され戦列を離脱その後第7艦隊に降伏防護巡洋艦スヴェトラーナ大破翌日対馬に座礁四季島海軍に鹵獲水雷艇ベズプリョーチヌィは被弾の衝撃により羅針盤を破損翌日の昼過ぎに残敵掃討中の第4艦隊と遭遇そのまま降伏水雷艇ブレスチャーシチーも砲撃により損傷艦首脳部壊滅翌日第5艦隊に降伏、その他多数の艦艇も撃沈降伏を余儀なくされた、翌日ロジェストヴェンスキーが指揮下に置いていたのは座乗艦たるスヴォーロフと戦艦ボロジノ水雷艇3隻を除き生存確認すら取れていなかった

 

スヴォーロフ艦橋

 

ロジェストヴェンスキー「現在位置は?」

 

航海参謀「シェナ半島沖としか。少なくともこのまま北上を続ければウラジオストックには着きます。しかし四季島艦隊の追撃と待ち伏せは考慮すべきかと」

 

コロンゴ「提督、もし敵主力と鉢合えば降伏もやむなしかと」

 

ロジェストヴェンスキー「………艦長この艦は何ノット出せる?」

 

艦長「…出せて…7ノットかと」

 

ロジェストヴェンスキー「そうか…………全艦前進、四季島艦隊に捕捉されるまでは神の加護を信じウラジオストックに向かう。しかしもし発見された場合は即座に機関停止白旗を揚げ降伏する。よいな」

 

航海参謀「か、閣下それは、ウラジオストックを見捨てると」

 

ロジェストヴェンスキー「そうでは無い我々が降伏すればある程度の艦艇を我々の監視こと護送に割かねばならんそれだけ敵の追撃も緩む、そこを生き残った他の艦が突破できるだろう」

 

航海参謀「そういう事ですか」

 

コロンゴ「閣下、前方に煤煙多数を見ゆと」

 

ロジェストヴェンスキー「敵艦隊か?」

 

コロンゴ「艦影から敵アキ級戦艦4隻を確認」

 

ロジェストヴェンスキー「アキ級戦艦4隻……四季島第3艦隊か白旗を掲げろ機関停止」

 

 

第3艦隊旗艦戦艦安芸艦橋

 

艦長「敵艦隊機関停止白旗を確認」

 

ヨークドル「降伏するのか」

 

参謀長「そのようです」

 

艦長「閣下陸戦隊を送り込みたいと思います」

 

ヨークドル「そうしてくれ」

 

5月28日午後3時ロジェストヴェンスキーは降伏、そしてバルチック艦隊の大半が撃沈乃至降伏したウラジオストックに到着したのはグローズヌイなど6隻が到着中立国にも6隻が到着それ以外の艦艇は17隻が降伏した。

 

6月6日四季島海軍司令部はバルチック艦隊の壊滅と無力化を宣言同時に陸軍司令部はアムール川周辺に展開するルーシ軍撃滅のための作戦を準備中と発表これで講話すると思っていた各国の外交関係者や首脳部を驚かせた。



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バルチック艦隊壊滅後の各国の動き四季島の動き

本年最後の投稿となります。また来年もよろしくお願いいたします


バルチック艦隊壊滅の報は世界各国を駆け巡った。

ルーシ帝国においては皇帝ニコライ二世は再確認を取り報告が事実であると知ると海軍高官らを呼び出し叱責した。その後講和の仲介国を探すように伝え、交渉においては一握り土地も1ルーブルたりと渡すなと無茶な注文をつけていた

 

ドイツ第二帝国においてはヴィルヘルム二世が四季島脅威論を唱える政府高官らや軍人と会議を持ち脅威は脅威であるが対ルーシ対フランカとの共同歩調を取れるように外交努力を始めていた

 

アメリア合衆国ではフランクリンではないルーズベルトことセオドア・ルーズベルトが頭を悩ませていた

 

ルーズベルト「講和の仲介とはいえはどんな条件を出す。それこそルーシ海軍の主力と陸軍50万を文字通り殲滅した訳だ、最低でもハバロフスクやウラジオストックは確定だろうどうしたものか」

 

 

エングランドにおいては首相アーサー・バルフォアが外務省や財務省、海陸軍関係者と四季島との同盟続行について協議していた

 

バルフォア「四季島との同盟続行はアジア地域の安定に必須である。またカナダ自治領の経済は四季島領アラスカに対する輸出で好調であるがこれはカナダからの製品に四季島が関税を引き下げているからでもあるもし同盟が切れれば関税は他と同等となるだろうそれはカナダ自治領からの税収にも影響する」

 

外務官僚「ではシンガポール等の関税引き下げを?」

 

財務官僚「それは困るな税収を下げるわけには」

 

海軍将官「海軍としてはアジア地域の安定には四季島との同盟は必須である。これが無い場合は新鋭戦艦6隻を含む30隻〜60隻の一級線艦艇が必要である」

 

陸軍将官「陸軍としても仮に四季島と開戦して場合カナダ自治領防衛に20〜40万人他のアジア地域防衛に50万人は必要である。また練度と装備も本国軍に匹敵する必要があると同時に反撃に転じ四季島本土攻略には100万〜150万の兵士と最低70万の戦死者は覚悟して頂きたい」

 

財務官僚「それは現状アジア方面の軍と合わせてと言うことでよろしいか」

 

海軍将官「追加でである」

 

陸軍将官「陸軍も追加でこの程度必要である、またカナダ自治領より進撃する際は確実に堅固な要塞攻略戦が発生するため巨砲を多数要請するできれば30門は欲しい」

 

財務官僚「無茶です。そのような軍備を増強すれば財政が破綻します」

 

バルフォア「だろうな、それ故に四季島との同盟は頑強なものにしなければならない」

 

 

話題に上っている四季島帝國内でも鹵獲した艦艇や装備をどうするかについての議論や戦訓を元にした兵器の開発についての議論が絶えなかった

 

聯合艦隊参謀「まず旅順艦隊から鹵獲した戦艦ペトロパヴロフスク、カメーゼス装甲巡洋艦バーヤン駆逐艦4隻バルチック艦隊から鹵獲した海防戦艦インペラートル・ニコライ1世、ゲネラル・アドミラル・アプラクシン、アドミラル・セニャーヴィン、アドミラル・ウシャコ戦艦スヴォーロフ、ボロジノ、オリョール装甲巡洋艦ヴラジーミル・モノマフ防護巡洋艦イズムルート、スヴェトラーナ駆逐艦5隻の合計20隻となります」

 

財務官僚「これらの保守整備費は莫大な費用が掛かります。よって全て解体すべきです」

 

海軍省将校「馬鹿なことを言うな。せっかくの戦利艦を全て解体など出来るか!特にボロジノ級は最新鋭艦だ」

 

造船将校「その最新鋭艦たるボロジノ級は復元性の低さが問題となりますがそれでも使われると?」

 

聯合艦隊参謀「聯合艦隊としては主力艦隊での使用は拒否させていただきたい」

 

外務官僚「外務省としては友邦国への売却を提案したい。海軍省でも話題となっていると聞きますがオツマン・トルコからの戦艦売却依頼。これに鹵獲したボロジノ級を使いたいと思います」

 

財務官僚「財務省としては外務省の提案に賛成である」

 

聯合艦隊参謀「聯合艦隊としては外務省の提案に賛成である」

 

造船将校「造船局としては最低限の改修後という条件のもと賛成である」

 

海軍省将校「致し方あるまい、海軍省としては外務省の提案に賛成である」

 

財務官僚「次に陸軍の鹵獲兵器についてだがどの程度に?」

 

陸軍省将校「現在までに確認できているだけでモシンナガン小銃220000丁マキシム機関銃450丁サーベル40000振りM1877野砲800門M1900野砲450門M1902野砲180門M1877.107㎜カノン砲250門M1877.152㎜カノン砲200門M1902.37㎜気球砲100門糧食8000トン軍馬1520頭輓馬4700頭輜重車800台その他石炭木炭等の燃料類15000トン酒類などの嗜好品は回収できたものはウオッカ40000瓶ですが一部は士官兵卒が接収時に持ち去ったと思われます」

 

冬原「仕方ありません。監視に当たる風紀官の人数が不足していた事にも問題があります。よって今回の一件は不問に付しますが。次はありません、よろしいか」

 

陸軍省将校「寛大な処理に感謝する冬原風紀委員」

 

財務省官僚「にしてもこれだけの武器をどうするかです。燃料や馬科にウォッカは民生としても使えますが、小銃や砲類はいかようにすべきか」

 

外務省官僚「オツマン・トルコに売却するというのは手ですが」

 

財務官僚「そこまで彼の国に金があるのか?」

 

陸軍省将校「まずどうするかは後で考えてはいかがか。オツマン・トルコが欲するかどうかもわからん」

 

外務省官僚「とにかくオツマン・トルコに問い合わせをするしかありません」

 

陸軍省将校「だろうな、さて次の議題だが。ルーン軍の対空火器についてだが」

 

空軍技術者「低高度においては脅威となりえますが開発期中の新型飛行機械には対処できないでしょう」

 

陸軍防空団将校「防空団司令部としても37㎜対空砲は脅威とはなりえないと思われます。また発射装弾機構についても、装填時は砲身を水平にしなければ装填できず、また砲自身は固定式で移動には砲架を砲車に載せなばならず載せている間は砲は撃つことができません」

 

陸軍省将校「なんと使いにくい砲だ」

 

陸軍歩兵将校「しかし砲は軽いため駄馬一頭で運搬可能です」

 

陸軍省将校「それ以外に利点はないのだな」

 

陸軍技術者「はいありません」

 

陸軍省将校「我軍の対空火器より遅れているのだな」

 

陸軍技術者「はい」

 

会議の結果外務省はオツマン・トルコに兵器購入を打診することとなる。購入打診を受けたオツマン・トルコ帝国は購入を決意3隻のボロジノ級と装甲巡洋艦バーヤンは一部改修され欠点たる復元性の悪さはバルジの増設により四季島基準では使えるようにされると兵装を換装

兵装

Pattern 1895 30.5cm(40口径)連装砲2基

Pattern 1892 15.2cm(45口径)連装速射砲6基

Pattern 1892 7.5cm(50口径)単装速射砲20基

オチキス 4.7cm(43.5口径)単装速射砲20基

マキシム 7.62mm機銃4基

38.1cm水上魚雷発射管2門

38.1cm水中魚雷発射管2門

パラノフシキー 6.35cm(19口径)野砲2基

機雷50個

改装後

四季島式30.5cm(45口径)連装砲2基

四季島式15.5cm(45口径)連装速射砲6基

四季島式7.5cm(50口径)単装速射砲24基

マキシム 7.62mm機銃4基

 

兵装

1885年型 20.3 cm(35口径)連装砲4基

1877年型 15.2 cm(35口径)単装砲10基

オチキス 4.7cm(23口径)機砲12基

オチキス 1879年型 3.7cm(23口径)機砲6基

1880年型 6.4cm(19口径)野砲2基

38.1cm水上魚雷発射管単装3基

機雷40発

改修後

四季島式20.3 cm(45口径)連装砲4基

四季島式15.5 cm(35口径)単装砲10基

オチキス 4.7cm(23口径)機砲12基

オチキス 1879年型 3.7cm(23口径)機砲6基

四季島式9㎜機関砲8基



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講話四季ル戦争

明治38年7月中立国アメリア合衆国ポーツマスにて第一回講話事前協議が行われた

 

アメリア合衆国代表セオドア・テディ・ルーズベルト

四季島側代表アルフレッド・長浜・バハロ

ルーシ側代表セルゲイ・ユリエヴィチ・ウィッテ

 

バハロ「ルーズベルト大統領、お聞きするが今日は顔合わせと双方の条件の提示のみと捉えて良いのかね」

 

ルーズベルト「そのあたりについては決めていないが四季島側はそれがお望みかな」

 

バハロ「条件をしっかりと確認するのは一番重要なのでね」

 

ウィッテ「ルーシ側としては異論は無い」

 

バハロ「ならば次の協議は翌週としたいのだが、ルーシ側としてはいかがかな?」

 

ウィッテ「異論は無い」

 

ルーズベルト「ではそのようにするとしよう」

 

閉会した議場を後にするウィッテは部下にバハロは手強いと伝えた。部下が弱腰に見えたというとウィッテは猫をかぶってるだけだ、あれは相当の曲者だぞ、奴の発言を思い出せ今日は顔合わせと条件の提示のみ、これで四季島はまだ戦えると宣言しよった、焦ってないとな。厄介な事だと言いこれは長引くと伝えた

 

対するハバロはウィッテをよさそうな相手と評した、部下が馬鹿なのですか?と聞くと。馬鹿間抜けなら逆に交渉しにくいわ、ウィッテは馬鹿間抜けでは無い手強い人物だこういった人物の方が現実が見えてるから良いのだよ

 

双方の条件は四季島側現代で言うところの沿海州アムール州カムチャツカ地方ハバロフスク地方マガダン州樺太の割譲関東州(旅順・大連を含む遼東半島南端部)の租借権を四季島へルーシ帝国が保有する満洲利権を四季島に譲渡賠償金8億帝國メゼル(約4兆円)の支払い4年払い捕虜の全返還対するルーシ側はルーシは東清鉄道の内、旅順-長春間の南満洲支線と、付属地の炭鉱の租借権を四季島へ譲渡する。

ルーシは関東州(旅順・大連を含む遼東半島南端部)の租借権を四季島へ譲渡する。

樺太の帰属権を永劫に四季島の物とする賠償金は無し。鹵獲兵器の返還

 

と賠償金の支払いを求める四季島と支払いを拒否するルーシ側だもめにもめた、ルーシ側が平和を乱すのかと言えば満洲撤兵を反故にし平和を乱したのはルーシ側だと四季島側は反論した

 

2回目3回目と議論を続けていくとハバロは戦争犯罪についてどうするかと発言した、ウィッテはそんな物は無いと言うがハバロは貴国のバルチック艦隊がドッガーバンクで起こした悲劇をお忘れか?と聞くと、それはまだ、と口ごもった。史実では解決していたが今世においてはルーシ側なは海軍増強に資金をつぎ込んだため解決が遅れていた

 

ウィッテ「それについては未だ決着はついていないが貴国になんの関係があるのか」

 

ハバロ「ありますとも、我が国はエングランドと同盟を結んでおります。同盟国の貴国と我が国戦争になんの関係の無い市民が犠牲になっていますからね、未解決なら解決の為に骨を折るのもやぶさかではない」

 

ルーズベルト「一応お聞きするがルーシ側としてはいかがするつもりかな」

 

ウィッテ「賠償金の支払いはする予定だ」

 

ハバロ「賠償金の支払いですか、沈めた船の代船やいくつかの調査で判明しているカムチャツカ号艦長等の役職者に対する戦争犯罪や艦隊司令官たるジノヴィー・ペトロヴィチ・ロジェストヴェンスキー提督やその為艦隊司令部要員の管理義務違反を罰せぬと貴国は言うのですかな」

 

ウィッテはそう言われるとしばし黙り本国に解答を求めその後解決に取り組むため時間を頂きたいと言うとハバロは3週間でよろしいかとききウィッテがそれでよいと言うとまた閉会した

 

ウィッテがドッガーバンク事件解決に奔走している間にハバロや四季島使節団はポーツマス近隣の孤児院訪問や孤児や貧困層の子供達を招いてのパーティーやアメリア合衆国議会の見学や財務官僚や財界関係者はアメリア合衆国の財界と会談満洲解放について協議するなどしていた随員の海軍軍人で四季島海海戦に参加したオットー・ネガリス中佐はアナポリスにて講演を行ったり講義の様子を見学するなど忙しい日々を過ごし陸軍第1軍の参謀として勤務しアーチボルド大将にアレは私の左腕、いつもは使わないがここぞという時に役に立つと言われた参謀栗宮道定大佐はウェストポイントを訪問し奉天での苦労話を学生らに聞かせるなどウィッテが解決に走り回る間にアメリア合衆国感情を親四季に傾けたり各国大使らと交流するなどイメージ戦略を理解していたハバロはエングランドのタイムズ紙やアメリア合衆国のワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズ、ロサンゼルス・タイムズ、軍事等には畑違いのウォール・ストリート・ジャーナルなどの大規模新聞社の記者だけでなく個人や小規模、地方新聞社の記者らを招き何度も会見を開いた記者会見の時間は1時間〜2時間とされていたがよく延長され最初の記者会見では14時開始21時終了するなど長い事で有名となったハバロ以外にも大使補の大沼喜次郎は大規模な記者会見は開かないが個人記者の訪問を受け入れ1コマ45分1日10コマのコマを用意し丁寧に対応した。この事もあり各新聞社は故人記者が持ち込んだ記事や毎日の様に行われる四季島側の会見で書かれた記事を新聞にするなどまさに不夜城と呼ばれるほどの激務となった。記者会見の場ではハバロは顔見知りの記者が質問をすると元気だったか、とか子供産まれてらしいが元気か?とか気さくに発言していた、これにより記者会見を開かなかったウィッテの評価は相対的に下落し開きまくり時には私的な話や気さくに話しかけるハバロなどの四季島側の評価は上がっていた

 

どうにかしてドッガーバンク事件纏めたウィッテが四季島側の行動を聞き苦い顔をするしかなかった、ドッガーバンク解決に奔走し記者会見を怠ったのはウィッテ自身であったためである、他のルーシ側使節はイメージ戦略の理解が乏しく記者会見も型にはまった内容をただ発表するだけとなっていた

 

この事もあり新聞には四季島を擁護しルーシを平和を乱す権化と貶していた

 

そして迎えた第5回講和条約会議にて四季島代表のハバロは我が四季島は早期講話を考え条件の緩和いたします

 

そうハバロは発言すると新たなる講和条約案を提出した

内容は

沿海州ハバロフスク地方樺太の割譲関東州(旅順・大連を含む遼東半島南端部)の租借権を四季島へルーシ帝国が保有する満洲利権を四季島に譲渡賠償金7億帝國メゼル(現代換算3兆5000億円)の支払い5年払いカムチャッカ半島周辺における規定量の漁業権の付与捕虜の全返還

 

領土要求を減らし賠償金の額を下げ支払期限を伸ばすなど相当の緩和を行った。対するウィッテは関東州(旅順・大連を含む遼東半島南端部)の租借権を四季島へ譲渡する。

樺太の帰属権を永劫に四季島の物とする賠償金は無し。鹵獲兵器の返還と以前の変わらぬ条件を主張し会議はまた膠着した

 

そしてウィッテが条件を緩和しない事はハバロの想定通りであった、ハバロはウィッテやルーシ帝国上層部を平和を乱す者と批判した曰く「我が四季島は平和を取り戻しすため早期講話を考え条件の緩和を行った、要求する領土も減らし賠償金の額も減らした、それどころか支払期限を延ばすなど受け入れやすいように変更したのだ。しかしルーシ帝国代表団は条件に目を通しすぐに受け入れられぬと突っぱねた、彼等には平和を生み出し維持しようとする意思と平和に対する義務を持とうという思いはないのか!」と強い論調で世論に訴えかけた

 

その翌日の朝刊には

平和の敵ルーシ帝国

 

ルーシ帝国には妥協という言葉は無いのか

 

それを見たウィッテは朝刊を机に叩きつけた

 

ウィッテ「なんと言うことだ、世論は敵に回ったのか、四季島めなんとうまい世論誘導か、これでは対処仕様がないではないか」

 

随員「それはどう言う」

 

ウィッテ「わからんのか、講話条件を貴様はどう見る」

 

随員「到底受け入れられぬものです」

 

ウィッテ「そうだな最初の案も今回の案もだ、しかしそれは我々から見た場合だ」

 

随員「周辺からは違うと?」

 

ウィッテ「忌々しいことにな、周辺から見れば四季島は条件を緩和したそれによって平和の維持に貢献したと」

 

随員「そんなバカな」

 

ウィッテ「今回突っぱねだだろう、それによって四季島は平和を維持しようとしていてルーシ帝国は平和を乱す悪になっている。これは非常に不味いどうにか条件を緩和しなければ、本国に至急連絡をしろこれ以上劣勢になるわけにはいかん」

 

ウィッテの動きは速かったしかし一歩遅かったウィッテが手を打った同時期にニコライ二世の下に血縁関係のあるドイツ第二帝国皇帝ヴィルヘルム二世からの親書が届いていた。内容は「抑えてはいるが国内にて四季島と組んでルーシ打倒を訴える連中が増えてきている、講話を急ぎまとめたほうがよい。開戦派は条件緩和した四季島が平和を維持しようとしている主張しつつルーシ帝国を平和を乱す悪だと断言している、平和を取り戻すために開戦やむなしとも言っている急ぎ講話を纏められたい」

 

この文書をみたニコライ二世は恐怖した、ただでさえ東で多数の陸軍を失い中央や西部から兵を引き抜き防備を固めているというのに下手をすれば西部にも敵が現れるかもしれない。ニコライ二世はウィッテに条件緩和と即刻の講話締結を命じる文書を書くと急ぎ送った

 

ウィッテの下にその命令書が届いたのは9月の暮れ9月27日の事であった

 

ウィッテは名誉の為とし賠償金という名称を使わない方法で賠償金を払うこととした

 

9月30日四季ル講話条約通称ポーツマス条約が締結内容は

沿海州ハバロフスク地方樺太の割譲関東州(旅順・大連を含む遼東半島南端部)の租借権を四季島へルーシ帝国が保有する満洲利権を四季島に譲渡捕虜厚遇金5億帝國メゼル(現代換算2兆5000億円)の支払い5年払いカムチャッカ半島周辺における規定量の漁業権の付与捕虜の全返還であった



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明治39年からの世界情勢

明治39年8月7日帝都東京統合参謀本部

 

アルトエル「このドレッドノート級に対抗する戦艦についてだ」

 

造船将校「まず薩摩型の後期艦4隻を改装するというのはどうでしょう前後主砲に挟まれた2基の副砲を45口径30.5㎝連装砲換装してはどうだろう」

 

バウンスリズ造船中将「それに加えて既存の主砲を3連装砲に換装するのも手だ」

 

東郷「その改装にはどのくらい時間がかかりますかな」

 

バウンスリズ「半年は見てほしいな」

 

 

諸元

基準排水量19000トン

全長 150.2m

垂線間長147.6m

全幅 25.5m

吃水 13.99m

兵装

30.5㎝連装砲2基4門

   同3連装2基6門

20.3cm連装砲2基4門

15.5㎝単装砲12基12門

75㎜単装高角砲12基12門

9㎜高射機銃連装12基24挺

     3連装10基30挺

       単装20基20挺

艦名河内、メリストラム、摂津、ペトラスト

 

東郷「で高速軽装甲艦についてはどうなるのか」

 

バウンスリズ「延期になるだろうな、昨今の軍事技術の進歩は速い今作ったとてすぐに旧式化するだろう」

 

アルトエル「でしょうね。よって計画は凍結します。次」

 

空軍将校「次ですが空軍の迎撃航空機についてです」

 

アルトエル「完成はまだかね?」

 

空軍将校「現在試験機が完成来年の採用を目指し試験中です」

 

アルトエル「速度はどの程度でる?」

 

空軍将校「時速100㎞程」

 

アルトエル「武装は?」

 

空軍将校「9mm機銃を2挺10kgの爆弾を2個です」

 

アルトエル「そうか、よろしい、偵察機は?」

 

空軍将校「現在時速100km航続距離450kmの機体を開発しています」

 

アルトエル「完成の目処は?」

 

空軍将校「後3年、いや2年くださいそれまでに試作機を完成させます」

 

アルトエル「よろしい。次」

 

陸軍将校「陸軍についてですが、装甲車の補充は終わっております、また新型についても装甲を2㎜厚くし空軍が飛行船に載せている25㎜砲を機銃塔に設置しております」

 

アルトエル「既存車両すべてを更新するわけではないのだな」

 

陸軍将校「はい、それと各装甲車大隊は48両編成から36両編成に変更されます。それと同時に各歩兵師団に1個大隊の装甲車隊を配備し各歩兵師団の装甲化を敢行します」

 

アルトエル「運用はどうする」

 

陸軍将校「師団本部付とし各連隊に1個中隊12両内3両は25㎜搭載の砲戦型となります」

 

アルトエル「なるほどだが進軍はどうするのだ、徒歩歩兵と装甲車では装甲車の方が数倍以上速いぞ」

 

陸軍将校「それについては以前から計画されていた全師団の自動車化。これを持って機動力を上げようかと」

 

アルトエル「却下、装甲車の歩兵師団配備は認めよう、だが全師団の自動車化は予算問題によって拒否とする。他は?無いようね。知っての通り我々の次の敵は未定だしかし、国際情勢はどうなるかわからん。よって今年より兵一人一人の質の底上げを行うよいな?」

 

「「「はい」」」

 

 

明治40年(西暦1907年2月)四季島海軍は薩摩型戦艦4隻について改装工事により30.5㎝砲10門を搭載する新型戦艦に改造されたと発表同時に残りの4隻も国際情勢の変動により改修する可能性があると宣伝した。これに驚いた世界は弩級戦艦の建造を急がせた。そしてエングランド海軍においては4隻の弩級戦艦に恐怖を覚えていた。自国はドレッドノート1隻向こうは薩摩改級4隻、なにか起きれば更に4隻の8隻改修期間は半年でできるとの話もあり。一時的にしろ海軍力で四季島に遅れを取ることとなった。エングランド海軍に次の弩級戦艦が配備されるのは急いでも1909年に4隻1910年に2隻そして装甲の薄いインヴィンシブル級巡洋戦艦3隻が1908年に完成するとの報告を受けたこれにより3年で8隻が戦列に入ることでエングランド海軍は安心したが、ここで四季島が新しく建造しないとは思えないと1部の将官の中で噂された。急ぎ調査を始めるエングランド海軍にもしかしたら2隻巡洋戦艦作られる可能性があるとの報告が入るとエングランド海軍は政府に泣きついた。

泣き付かれた政府は四季島に対して海軍力で話し合いをしたいと持ちかけた。持ちかけられた四季島政府も話し合いに応じ双方で弩級戦艦についての協議が持たれたその結果。四季島は弩級戦艦を6隻保有する、保有する6隻のうち4隻は薩摩型である、2隻は新規建造とする。

四季島は戦争に巻き込まえる可能性が上がれば薩摩型4隻を改修する。

そして新しく建造する際には(予定されている2隻を除き)建造する事を伝える。

その代わりにエングランドは四季島が戦争に巻き込まれないように外交的軍事的努力をする。

そして巡洋戦艦に四季島海軍軍人を見学させる(年2回まで)。

また戦艦を輸出する際は単艦あたり18000トンを超えないようにする。

超える場合は建造国は相手国(エングランド若しくは四季島)に通告する。また何らかの圧力が加わり取引に支障が出ないように両国は努力する

とした四季島から見れば損しか無いような協定ではあるが、これにより他国による戦艦建造妨害の対処をエングランドに押し付けることができるようになった。またエングランドとしても弩級戦艦は6隻を超えないためまた建造には一年半はかかると考えたため1909年頃6隻になると想定したこれにより四季島海軍に弩級戦艦の数で負けることはなくなった、外交関係者の負担は大きくなるがその代わりに軍事費をいたずらに増やさずに済んだのだった。

 

弩級戦艦を保有し今回の四季島エングランド海軍協定()1910年内まで有効を結べた両国以外の列強諸国は急ぎ弩級戦艦の建造を始めていた。そして親四季島国たるトルコにおいては四季島に18000トン級弩級戦艦の建造を依頼していた。

 

この依頼を受けた四季島政府は予算と期間についてトルコ政府に確認を取った。

 

外務官僚「予算、期間はこの程度となります」

 

財務官僚「無理だ、建造費を考えれば完全な赤字となる」

 

造船将校「海軍としても無理ですな。時間が足りません」

 

外務官僚「ですがトルコは友邦国、頭ごなしに拒否するわけにも」

 

造船将校「中古、いや未完成の戦艦のような物が実はありまして」

 

財務官僚「あの艦ですか」

 

造船将校「うむ、あれなら中古扱いで安く出せるだろうし期間は厳しいですが」

 

外務官僚「期間についてはこちらでも譲歩を引き出せるように努力します」

 

造船将校「頼みます」

 

結果としてトルコは四季島製の弩級戦艦メフメト1世を購入

 

諸元

基準排水量18000トン

全長 148.2m

垂線間長147.6m

全幅 24.5m

吃水 13.99m

兵装

30.5㎝連装砲4基8門

20.3cm連装砲2基4門

15.5㎝単装砲12基12門

75㎜単装高角砲6基6門

25㎜両用機関砲単装8基8門

9㎜高射機銃連装12基24挺

       単装40基40挺

 

性能としてみれば3連装砲を連装砲に戻し高角砲と機銃を取り外した代わりに新型の25㎜砲を搭載、装甲を一部薄くする事で大本の薩摩より1000程軽くする事になった(甲板89㎜から70㎜)引き渡しは伊土戦争直前の1910年1月に行われイタロスとの伊土戦争においてはイタロス海軍のイスタンブール砲撃を防ぎトリポリ攻撃に成功その結果史実とは違いトリポリタニア、フェザーンは失ったもののキレナイカの維持とドデカネス諸島のイタロス軍の駐留阻止を行った。これにより第一次バルカン戦争が勃発結果としては失う領土はクレタ島以外は史実通りであったが購入という形でトルコ側に相当量支払う羽目となった。これによりトルコは四季島に対して新型戦艦の建造を依頼これによりメフメト3世級戦艦の建造を決定同時期に建造していた35.6㎝3連装砲4基12門を搭載する扶桑級戦艦と35.6㎝3連装砲3基9門を搭載する金剛型巡洋戦艦の設計を元に35.6㎝連装砲2基同3連装砲2基を搭載した25000トン級戦艦として完成メフメト3世、メフメト4世と命名され1912年12月に引き渡し一次大戦を戦い抜いた。これによりトルコ海軍は弩級戦艦1隻超弩級巡洋戦艦2隻を保有する周辺国で随一の海軍国家となった

 

1912年四季島海軍初の航空機搭載母船鳳凰丸が完成搭載する機体は新型の44年式艦上迎撃機10機であった。同年空軍飛行船部隊縮小、同軍爆撃機部隊拡張によるものでこの爆撃機は600kgの爆弾を搭載し時速150kmの速度を出し飛行できた。そして世界情勢推移するなか、1914年サラエボにて

 

青年「死ね!」

 

ドン

 

一発の凶弾が歴史の針を進めていた




次回開戦世界大戦


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開戦世界大戦

1914年6月サラエボにてフランツ・フェルディナント、オーストリア大公夫妻凶弾に倒れる。この出来事は世界中を駆け巡った

 

そして8月1日ドイツ第二帝国はルーシ帝国に宣戦布告翌2日フランカ共和国ルクスブルクにドイツ第二帝国が宣戦布告

4日ドイツ第二帝国ベルギウムに宣戦布告同日エングランドはドイツ第二帝国に対して宣戦布告。

同時に四季島帝國ドイツ第二帝国のベルギウム侵攻を批難、在ドイツ四季島大使館から大使婦人などの女子供及び最低限の人員を除いた人員を引き揚げ、エングランド等の欧州各大使館の警備隊600名及び四季島風紀委員会強行鎮圧部隊30名をベルギウム陸軍に義勇軍として編入。これに対してドイツ第二帝国は批判を行うもこの批判に対して平和を乱す愚か者の世迷言と一蹴した。またオツマン・トルコ帝国はベルギウム防衛の為に陸軍から有志を募り組織した義勇軍の派兵を宣言。イタロス局所的中立を再宣言そしてエングランド政府は四季島帝國に対して四季エン同盟に基づいた参戦を要請

 

8月22日四季島帝國帝都東京豊原宮城

 

中津「ふむ、現地部隊はどうして居る?」

 

マックレーネ「現在強行鎮圧部隊がベルギウムの後方支援として陸戦隊は前線に展開しております。小銃はすべて新型の38年式歩兵銃(口径7.7㎜史実の99式小銃に相当するが銃身は長い)に更新されております」

 

中津「エングランドは参戦要請してきているか」

 

マックレーネ「はい」

 

中津「金剛型と扶桑型は動けるかね?」

 

アルトエル「金剛型4隻扶桑型2隻は動けます、残りの扶桑型2隻は来年初頭には」

 

中津「空母は?」

 

アルトエル「鳳凰丸および鳳翔、竜王の3隻が動けます。また水上機母艦秋津洲、鈴原、バルリッツ、ホーンヘッドの4隻が動けます」

 

中津「陸軍はどこまで動かす?」

 

アルトエル「1個軍(歩兵5個師団砲兵2個師団1個装甲旅団)を動かします」

 

中津「ふむ、装甲旅団か確か編成は1個装甲車連隊に1個重装甲車大隊だったかね」

 

アルトエル「はい」

 

中津「1個師団はベルギウムに派遣してくれ」

 

アルトエル「はい」

 

中津「戦車は?」

 

イネスタキオン「現在試験車両が試験中です」

 

中津「完成はいつ頃か?」

 

イネスタキオン「来年初頭。部隊配備は来年中盤頃かと」

 

中津「実戦投入は再来年かね?」

 

アルトエル「配備、訓練、移動となりますと。そうなるかと」

 

中津「そうか、ふむ、ならば初期戦車隊はクローン部隊に運用させよ。指揮は大山孝平中将に一任する、後は派遣艦隊についてだな戦艦、巡洋戦艦等海軍は何隻動かせる?」

 

アルトエル「薩摩型改弩級戦艦4隻筑波型弩級巡洋戦艦2隻(30.5㎝連装砲4基8門搭載)扶桑型超弩級戦艦2隻金剛型超弩級巡洋戦艦4隻空母鳳凰丸鳳翔型空母2隻(艦載機36機)秋津洲型水上機母艦4隻(艦載機24機)出雲型改装甲巡洋艦8隻(薩摩同様副砲2基を主砲に換装)多摩型旗艦級防護巡洋艦6隻天龍型防護巡洋艦4隻(史実天龍型軽巡洋艦武装15.5cm連装砲3基装備)吉野型防護巡洋艦28隻浪速型防護巡洋艦18隻笠間型練習巡洋艦8隻峯風型駆逐艦24隻(武装を除き史実と差異なし)磯風型駆逐艦60隻雷型護衛艦36隻(雷型から武装の一部を撤去し対潜爆雷と対潜ソナーを搭載)桑型護衛艦48隻水雷艇48隻潜水艦72隻白百合型航用練習艦32隻航洋型砲艦12隻輸送船120隻砕氷船8隻その他雑務艦艇24隻となります」

 

中津「そうか、知っての通りドイツ第二帝国海軍は色々と裏から手を回した為に史実より強力だ。Uボートによる船団襲撃も史実より増えるだろう」

 

デイムロラン「時間断層工廠はいつでもフル稼働出来ます。時間さえいただければ護衛艦艇の充実も可能です」

 

中津「取り敢えず輸送船と建造中の大型護衛艦と桑型護衛艦を増産しろ。それと今の編成は?」

 

アルトエル「こちらとなります」

 

帝國海軍編成

 

聯合艦隊司令部直率

秋津洲型水上機母艦2隻

多摩型旗艦級防護巡洋艦2隻

浪速型防護巡洋艦8隻

雷型護衛艦20隻

水雷艇24隻

水上機48機

 

第1艦隊

扶桑型超弩級戦艦4隻(2隻未就役)

出雲改型装甲巡洋艦2隻

吉野型防護巡洋艦4隻

天龍型防護巡洋艦4隻

秋津洲型水上機母艦2隻

峯風型駆逐艦24隻

水上機48機

 

第2艦隊

金剛型超弩級巡洋戦艦4隻

出雲改型装甲巡洋艦4隻

吉野型防護巡洋艦8隻

磯風型駆逐艦24隻

 

第3艦隊

薩摩改型弩級戦艦4隻

吉野型防護巡洋艦4隻

磯風型駆逐艦12隻

 

第4艦隊

多摩型旗艦級防護巡洋艦1隻

鳳凰丸

鳳翔型空母2隻

吉野型防護巡洋艦4隻

磯風型駆逐艦12隻

艦載機82機

 

第5艦隊

筑波型弩級巡洋戦艦2隻

出雲改型装甲巡洋艦2隻

吉野型防護巡洋艦4隻

磯風型駆逐艦12隻

 

第6艦隊

多摩型旗艦級防護巡洋艦1隻

吉野型防護巡洋艦2隻

浪速型防護巡洋艦5隻

桑型護衛艦12隻

 

第7艦隊

多摩型旗艦級防護巡洋艦1隻

吉野型防護巡洋艦2隻

浪速型防護巡洋艦5隻

桑型護衛艦12隻

 

アラスカ駐留艦隊

多摩型旗艦級防護巡洋艦1隻

桑型護衛艦12隻

砕氷船4隻

 

ウラジオストク駐留艦隊

多摩型旗艦級防護巡洋艦1隻

桑型護衛艦12隻

砕氷船4隻

 

旅順駐留艦隊

雷型護衛艦8隻

水雷艇12隻

 

小笠原諸島防戦隊

雷型護衛艦8隻

水雷艇12隻

 

統合参謀本部直属

関東型工作艦8隻

航洋型砲艦12隻

水雷艇24隻

雑務艦艇24隻

 

第1練習艦隊

笠間型大型練習艦4隻

白百合型航用練習艦16隻

 

第2練習艦隊

笠間型大型練習艦4隻

白百合型航用練習艦16隻

 

潜水艦隊

潜水艦72隻

 

 

中津「第6第7の2個艦隊を船団護衛艦隊として派遣しろ。それと第5艦隊もベルギウムに派遣しろ、なんとしても友邦ベルギウムを死守するのだ。それと空軍は!航空隊はどれだけ廻せるのだ」

 

アルトエル「現在戦闘機3個飛行隊108機爆撃機2個中隊24機を派遣する計画となっております。また来年の初頭には更に2個戦闘機飛行隊72機1個爆撃機飛行隊36機を派遣します」

 

 

中津「指揮は?」

 

アルトエル「パルスマン・ブルーナー空軍大将が取ることに」

 

中津「そうか、全軍の遣欧軍の指揮は誰が取る?」

 

アルトエル「統合参謀本部副本部長の畠山成房元帥が取る予定です」

 

中津「そうか、とにかくエングランドからの要請には準備でき次第大戦参加と答えたるように」

 

「「「御意」」」

 

 

8月28日四季島帝國政府はドイツ第二帝国に宣戦布告同日青島攻略作戦を下命第2第4艦隊と陸軍第2第3第4歩兵師団第1砲兵師団新型の25.4cm攻城砲装備の第1特砲兵連隊合計65000を派遣エングランドもカナダ自治領軍3500を派兵対するドイツ、オーハン青島守備隊6000名を持って抵抗することとなった

 

 

青島要塞司令部

 

フッケバイン「諸君知っての通り四季島軍が迫っている。敵戦力は約70000との事だ」

 

フォルケシュタット「本国のバカ共がなぜベルギウム侵攻など、アレがなければ後2ヶ月は後ろ倒しに出来たものを」

 

フッケバイン「それを言うなフォルケシュタット海軍准将」

 

フォルケシュタット「ですがフッケバイン陸軍少将、現状の戦力では」

 

当時青島にはドイツ第二帝国軍と同盟のオーハン軍6000名30㎝砲2門15㎝砲12門その他37門旧式巡洋艦1隻駆逐艦3隻水雷艇5隻航空機7機気球2機が配備されていた

 

 

9月12日四季島帝國軍は青島を包囲第4艦隊の航空隊がドイツ軍飛行隊と交戦タウベしか持たないドイツ飛行隊を新型3年式艦上戦闘機を扱う四季島帝國航空隊は1機残らず殲滅制空権を得た。

 

翌13日第2艦隊が出撃してきたドイツ艦隊と交戦水雷艇1隻を残し全艦を撃沈

同日空軍飛行船部隊48隻が青島防衛陣地を空爆切り札の30㎝砲を破壊せしめた。

勢いに乗る四季島帝國軍は持ち込んだ攻城砲を雨霰と撃ち込んだこの攻撃により弾薬庫を破壊され要塞司令官ウルフ・フッケバイン陸軍少将は降伏を決意。すぐさま生き残った水雷艇を自沈処分させ四季島帝國軍青島攻略軍に降伏した。勢いに乗る四季島軍はその後南洋諸島各地のドイツ軍拠点を電撃制圧その後ドイツ軍の抵抗激しいニューギニア島の戦いに参加劣勢にあったオーストラリア軍と共同しドイツ軍を降伏させ太平洋におけるドイツ軍の拠点を12月中旬に制圧しきった。

 

同時期ドイツ、オーハン両帝国海軍は艦載艇や小型水雷艇を利用し地中海を荒らし回った。史実に無いこの戦術は四季島帝國との軍事交流によってもたらされていた。開戦から年内で輸送船49隻380000総トンを喪失思わぬ被害に焦るエングランド、フランカ両国は太平洋平定を終えた四季島帝國に派兵を要請、要請に答えた四季島帝國政府は第一陣として第6艦隊と新設した第1護衛艦隊を派遣地中海航路安定を図った。地獄の釜は未だ血を欲する。

 

第1護衛艦隊編成

多摩型旗艦級防護巡洋艦1隻

松型大型護衛艦3隻

桑型護衛艦16隻



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死闘欧州大戦

大正4年1915年地中海にて連合中央同盟の海軍は熾烈な通商破壊防衛戦により多数の艦艇を失っていった、特に1月3日にはテゲトフ級2隻と多数の艦載艇水雷艇による襲撃により前弩級戦艦ゴライアスが大破底着フォーミダブル、イレジスティブル、オーシャンが撃沈インプラカブルがオーハン軍に鹵獲された。エングランド海軍が被害を被るのを横目にフランカ海軍はマルセイユ目前でシャルルマーニュとゴーロアを撃沈されエングランドを笑えなくなっていた。そんな中四季島第6艦隊および第1護衛艦隊派遣軍の先遣隊を乗せた輸送船団が地中海に出現手薬煉引いて待っていたオーハン艦載艇部隊を松型搭載の3年式40㎜機関砲(史実ボフォース40㎜)で薙ぎ払った。木造船体の艦載艇は40㎜弾のシャワーによりいともたやすく蜂の巣にされていった。

 

四季島海軍を1番の脅威と認識した中央同盟艦隊はテゲトフ級2隻と鹵獲したインプラカブルを主力とした艦隊を四季島艦隊にぶつけようとしていた。対する四季島軍はこの動きを察知本国よりベルギウムのに向かう途中の第5艦隊と合流その後エングランド海軍所属の超弩級戦艦モナークとANZAC軍団輸送船団(オーストラリア・ニュージーランド軍団)と合流輸送船や護衛艦艇合わせ200隻ほどの部隊をオーハン軍は襲撃するも頼みの綱のテゲトフ級とインプラカブルは快速で斬り込んでくる第5艦隊に戦列を乱されモナークの攻撃にさらされた。突撃を敢行する艦載艇水雷艇部隊は四季島艦隊の40㎜機関砲や輸送船の25㎜対物砲の弾幕射撃により戦列を乱されてください離脱せざるを得なかった。

 

2月1日オーハン海軍は鉄路によりドイツから輸送された艦載艇小型水雷艇200隻を地中海に投入、インドシナから輸送されていたフランカ軍船団を襲撃護衛艦艇4隻と20隻の輸送船すべてを撃沈した。

これに恐れを抱いた連合各国は四季島帝國に護衛艦隊の追加派遣を要請。フランカは四季島に護衛艦艇を発注、発注された四季島帝國は急場しのぎとして桃型護衛艦(桑型の輸出モデル)12隻を売却。

 

とは言え対処療法では通商路維持は難しくマルタ島に司令部を置く四季島帝國海軍地中海艦隊司令部は敵根拠地トリエステ攻撃を

連合軍司令部に提案するもドイツの潜水艦対策に追われるエングランド、フランカ両国は作戦参加を拒否、仕方なく作戦は延期された。

その頃欧州戦線に四季島陸軍先遣隊1個軍が到着すぐさまベルギウム戦線に投入された。投入されたのはロイ・ユング大将率いる第3軍ですぐさまイーペルを奪還そこを起点にブリュージュを奪還し戦線最北方に防御陣を構築した。これによりフランカ領内では史実に近い形で戦線を構築する事となったがベルギウム領の完全制圧にはならなかった。その頃を西部戦線中央及び南部ではドイツ航空隊が猛威を奮っていた。

 

史実より速くフォッカーの懲罰が発生偵察機しか持たぬ連合軍航空隊は壊滅的な被害を被っていたしかし四季島44年式を購入していたベルギウム航空隊はなんとか奮戦するも時速100㎞しか出せない44年式は敗北。唯一抵抗できていたのは四季島軍から有償援助された3年式12機であった。

しかし中央南部で航空優勢をとるドイツ航空隊は北部に展開する四季島空軍との空戦により多数の出血を強いられていた

 

ドイツ航空隊参謀「先日までに97機。手酷い被害だ」

 

ドイツ航空隊指揮官「四季島の補給能力はどうなっていやがる、こっちも同数、いや各国に有償寄与された機体を含めば戦闘機だけでも200機は撃ち落としてぞ」

 

ドイツ陸軍参謀「ともかく制空権を得てくれとは言わん、せめて優勢は保ってほしい、四季島の爆撃機の猛威を振るっているんだ」

 

ドイツ航空隊参謀「それはわかっている、だが今の機体じゃ互角は可能でも優勢は取れん」

 

ドイツ航空技術士官「今以上の機体を出せとは現状では不可能です。既存機種の増産で手一杯なんです。」

 

ドイツ航空隊参謀「ここまで損害が増えたのは海軍にも責任がある、出撃しない海軍の資材を航空機生産に向けたいのですが?」

 

ドイツ海軍参謀「なんだと!海軍になんの責任があるのだ」

 

ドイツ航空隊参謀「地中海とドーバー海峡の輸送路を寸断できていないではありませんか、アレらを寸断出来れば四季島の補給線を破壊できると言うのに」

 

ドイツ海軍参謀「無茶を言うな、四季島の護衛体制は万全に近いのだぞ、貴官は海軍に死ねというのか」

 

ドイツ航空隊参謀「そこまでは言って無いが、せめて岸壁の花となっている戦艦を出さずに出来ないなどとは言ってほしくはないな」

 

ドイツ海軍参謀「大洋艦隊(ホーホゼーフロッテ)にはエングランド本国艦隊牽制という任務があるのだ。補給線寸断に出せるものは無い」

 

ドイツ陸軍参謀「海軍を庇うつもりはないが、航空隊で輸送船は沈めれないのかね?」

 

ドイツ航空隊参謀「無理だ、我が航空隊は洋上飛行などやらせた事がない」

 

会議とは名ばかりの責任の押し付け合いなすりつけ合いは数日間続き最終的には全力を上げてタイプ3(3年式)鹵獲を目指す事とした。

 

5月3日ドイツ航空隊は全面攻勢にでた俗に言う5月大空戦の開始であった。この空戦には当時のドイツ航空隊の6割に相当する1800機を投入対する連合軍航空隊は2400機を投入したがフォッカーに対処できるのは四季島の3年式のみでありその3年式も四季島空軍の108機ベルギウム航空隊の24機エングランド陸軍航空隊の36機の合わせて168機と数的劣勢であった。

勢いに乗るを中央同盟航空隊の飛行船が5月10日にパリを空襲3隻が参加したのみであったため被害は少なかったがフランカ軍は前線より飛行隊を引き抜かざるを得ず。それにより中部戦域の制空権は完全に中央同盟に奪われた。しかし北部戦域では3年式2型が配備されると完全に中央同盟航空隊は殲滅されかけていた北部には600機のフォッカーを配備したものの四季島軍とのキルレは1:5〜1:10と圧倒的に劣勢に陥っていたそれどころか44年式3型を装備したベルギウム航空隊36機と3年式1型を装備したエングランド海軍飛行隊42機が参加すると防衛線を食い破られかけていた。後の歴史家と戦史家はこの状況中部と南部の制空権を中央同盟が保持していなければ戦争は早ければ16年の夏には終わっていたと評した。

 

15年6月10日ドイツ軍司令部は航空戦の中止を宣言した。中央同盟損害672機連合軍損害1724機キルレ約1:3を達成した。が北部でのキルレは12:1と北部に送られた機体672機中撃墜されたもの361機撃墜したもの32機と圧倒的なスコア差を叩き出されていた。

 

6月11日イタロス軍攻勢を開始するもオーハン軍の防衛線に阻まれ停滞。

 

6月20日四季島遣欧軍第2陣として第1第2軍到着同時に3年式2型装備の2個戦闘飛行隊72機4年式双発爆撃機装備の1個爆撃機飛行隊36機が到着イーペル近郊に展開した。

 

この報告に恐れを抱いたドイツ軍はベルギウム戦線にさらなる増援を派兵したかったが東部戦線のルーシ帝国軍が進撃を開始した為現状の戦力で持ちこたえなければならなかった。一応参謀本部は前線後方10kmに予備陣地を構築後退の裁量を前線司令部に与えるなど後退しやすいように準備していた。

 

同時期フォッカーによる中部南部戦域の連合軍航空隊の損害が2500機を突破あまりの被害に連合各国は四季島に3年式の輸出を要請要請された四季島は3年式800機を輸出20隻の航空機運搬艦と護衛の第2第4艦隊第2第3護衛艦隊が本土より出港。

 

船団は途中シンガポールでエングランド東洋艦隊やフランカ太平洋艦隊からの護衛とANZAC軍団やインド軍団インドシナ軍団が乗った輸送船や民間商船と合流最終的に船団編成は以下のようになった

 

艦隊編成

四季島艦隊

 

船団旗艦水上機母艦鈴原

浪速型防護巡洋艦2隻

雷型護衛艦12隻

航空機運搬艦24隻

輸送船15隻

水上機24機

積載航空機960機(補給増援機体含む)

 

第2艦隊

金剛型超弩級巡洋戦艦4隻

出雲改型装甲巡洋艦4隻

吉野型防護巡洋艦8隻

磯風型駆逐艦24隻

 

第4艦隊

多摩型旗艦級防護巡洋艦1隻

鳳凰丸

鳳翔型空母2隻

吉野型防護巡洋艦4隻

磯風型駆逐艦12隻

艦載機82機

 

第2護衛艦隊

多摩型旗艦級防護巡洋艦1隻

松型大型護衛艦3隻

桑型護衛艦16隻

 

第3護衛艦隊

松型大型護衛艦4隻

桑型護衛艦16隻

 

エングランド艦隊

旗艦戦艦クイーン・エリザベス

巡洋艦3隻

駆逐艦12隻

ANZAC軍団輸送船20隻

インド軍団輸送船28隻

 

フランカ艦隊

旗艦戦艦ダントン

ダントン級2隻(旗艦含む)

巡洋艦2隻

駆逐艦10隻

桃型護衛艦24隻

インドシナ軍団輸送船28隻

 

商船46隻

 

合計330隻

 

 

船団はインド洋を通過しスエズに7月25日に到着補給と整備を済ませ7月31日にスエズ運河を超え地中海に進出。これを察知していたドイツ地中海艦隊とオーハン艦隊は出撃艦隊は弩級戦艦3隻準弩級戦艦2隻弩級巡洋戦艦1隻巡洋艦5隻駆逐艦12隻艦載艇150隻小型水雷艇80隻潜水艦15隻航空機27機水上機3機と護衛艦隊と真っ向勝負することは厳しい編成であった。




次回地中海の死戦


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欧州大戦2

この作品ではお久しぶりです


1915年8月1日東地中海船団旗艦水上機母艦鈴原艦橋

 

マルベス「参謀長敵は見つかったかね?」

 

参謀長「はい、弩級戦艦3隻準弩級戦艦2隻弩級巡洋戦艦1隻を中核とする艦隊が展開しているようです」

 

参謀「超弩級戦艦超弩級巡洋戦艦5隻を保有する我が方の敵ではありません」

 

マルベス「敵の小型艇を忘れてはいないかねアレラの相手には松型や桑型の方が有効だ下手に近寄られて戦艦を喪いましたとはいえんからな、警戒を厳重にしろ対潜警戒もだ輸送船団には指一本たりと触れさせてはならない」

 

「「「了解」」」

 

通信士「前衛の第2護衛艦隊から敵小型艇多数接近すと」

 

マルベス「第4艦隊に下命航空隊対小型艇装備で発艦反復攻撃の支度も忘れるなよよいな?後本艦の航空機も出せ回収が難しければマルタの第27水上飛行隊に合流させろ」

 

航空参謀「お任せあれ」

 

10時丁度3隻の空母から36機の3年式艦上戦闘機と水上機母艦から24機の2年式水上観測機が発進編隊を整え一路同盟艦隊攻撃に向かった

 

そんなことは知らずに前進を続ける同盟軍艦載艇隊と水雷艇隊は戦闘機隊の支援もなく上空に乱舞し始めた四季島航空隊に何ら対処するすべを持たなかった

 

水雷艇艇長「拳銃でもライフルでもいい撃ちまくれ」

 

水兵「無茶ですこんな揺れる艇の上で当てろなど」

 

水雷艇艇長「当てなくていいとにかく撃つんだ」

 

水兵「りょ、了解」

 

一部の艇からは拳銃ライフルなどで対空射撃を開始したが全く見当違いな方向に撃つものや拳銃ては射程圏外のため届かないなど意味をなさなかった

 

14時が過ぎる頃には艦隊の内戦闘可能な艇は水雷艇12隻艦載艇31隻にまで減少していた

 

 

巡洋戦艦ゲーベン艦橋

 

スション「そうか、水雷艇隊を下がらせろUボート隊を前に出せ」

 

参謀長「了解」

 

スションの命令によりUボート隊が前進を開始対する四季島艦隊は第2護衛艦隊を戦隊事に展開させ接近するUボートに備えた

 

U81艦橋

 

聴音士「敵艦近づく4軸中型艦1、2軸小型艦4」

 

副長「艦長どうしますか?」

 

艦長「見つかっているか?」

 

聴音士「敵の動きは索敵をする動きだと思われます」

 

艦長「ダウントリム15、20下に潜り敵をやり過ごす」

 

副長「ダウントリム15」

 

 

護衛艦ロドス艦橋

 

聴音士「聴音に感ありUボートだと思われます」

 

艦長「位置は?」

 

聴音士「方位310距離約800」

 

艦長「対潜戦闘用意司令部及び僚艦にも伝えい」

 

通信士「了解」

 

聴音士「敵潜潜航したもよう」

 

艦長「爆雷投下」

 

艦長の命令により爆雷投下軌条により6個の対潜爆雷が投下された

 

 

ドカーーンドカーーンドカーーン

 

 

U81艦橋

 

艦長「近いな、敵はどうやら耳がいいらしい、被害は?」

 

副長「ありません、しかし酸素の残りが」

 

艦長「あとどのくらいだ?」

 

副長「持って20分」

 

ドカーーン

 

艦長「何事だ」

 

艦要員「艦尾付近で爆雷爆発浸水発生」

 

副長「応急処置急げ」

 

艦長「パイプ類の総点検危ないところは全て閉めろ」

 

副長「艦長、先の衝撃で舵が破損したようです」

 

艦長「致し方ないか、メインタンクブロー浮上せめて護衛艦に一矢報いるぞ水上戦用意」

 

副長「り、了解」

 

 

護衛艦ロドス艦橋

 

観測員「敵潜水艦浮上左舷です」

 

艦長「砲撃戦をしようというのか、砲撃用意僚艦にも伝えい」

 

副長「了解」

 

艦長「いやまて、発光信号用意敵Uボートに対してだ降伏されたし汝士官ならば兵の命を大切にされたしとな」

 

通信士「了解」

 

 

U81露天指揮所

 

副長「四季島艦より発光信号、これは投降勧告です」

 

艦長「包囲されたか、勝てんな、白旗を掲げろ」

 

U81を始めとした潜水艦隊は第2第3護衛艦隊の対潜警戒網に捕まり次々と撃沈拿捕の憂き目にあっていたこれを突破し無事船団にたどり着けたのは僅か2隻であった

 

U83艦橋

 

艦長「聴音本艦以外に友軍は確認できるか」

 

聴音士「1隻らしき音を確認できていますがそれ以外は」

 

艦長「大西洋とは大違いだなこれが四季島帝國の対潜防御網か、雷撃用意何でもいい1隻でも海の底に沈めてやれ」

 

水雷長「発射管注水完了」

 

艦長「魚雷撃て」

 

 

 

巡洋戦艦霧島艦橋

 

観測員「左舷雷跡2」

 

艦長「面舵15僚艦にも雷跡のこと伝えい」

 

操舵手「おも〜か〜じ15」

 

艦長「戻せ」

 

操舵手「もど〜せ〜」

 

観測員「駆逐艦レイヴィル、グラーコス迎撃に向かいます」

 

 

U83艦橋

 

聴音士「敵駆逐近づく爆雷来ます」

 

ドカーンドカーンドカーンドカーン

 

パリン

 

副長「艦尾に浸水」

 

艦長「修復しろ」

 

副長「な、なんだ」

 

航海士「艦尾上昇姿勢制御出来ません」

 

艦長「手空きの要員と重量物を艦尾に移動させろ」

 

副長「後部にてガス発生」

 

艦長「仕方ない、メインタンクブロー浮上、その後降伏する」

 

副長「タンクブロー浮上」

 

機関長「機関停止しました電池も駄目です」

 

艦長「そうか、深度は?」

 

航海士「深度25現在浮上中」

 

 

駆逐艦夕凪艦橋

 

聴音士「敵艦よりブロー音、浮上してきます」

 

副長「艦長砲戦でしょうか」

 

艦長「降伏かもな、聴音士位置は?」

 

聴音士「本艦左舷前方」

 

艦長「主砲旋回左舷前方だ」

 

副長「艦長」

 

艦長「万が一もあり得る僚艦と司令部にこのことを報告」

 

副長「了解」

 

観測員「敵潜浮上、敵潜に白旗見ゆ」

 

ドカーーン

 

艦長「何だ!!」

 

副長「どうやら反対でもう1隻沈めたようです」

 

艦長「これで潜水艦はすべて処理したかな」

 

聴音士「そのようです敵潜の音は聴こえません」

 

スションの切り札たるUボート隊は対潜防衛網により殲滅された、これにより中央同盟地中海艦隊は要地に引きこもり船団を見逃すしかなくなってしまった

 

 

そして船団はジブラルタル海峡に展開するエングランド艦隊と合流先導を受け大西洋に進出そして各地で800機の3年式1型戦闘機を降ろしそのまま残った機体をベルギウム戦線に投入した

 

新たに投入された第二次増援部隊4個飛行隊144機に加えに先遣、第一次増援として展開している216機を5個飛行隊事に再編成した第1、第2航空戦闘団として再編されると同時に爆撃機2個飛行隊72機が戦線に投入され同盟軍を苦しめ始めた

 

 

ベルギウム王国軍飛行隊指揮所

 

中尉「中佐新型機材の受け取り完了しました」

 

中佐「そうか、リスト通り36機あるかね」

 

中尉「それが……」

 

中佐「どうした?数が合わんのか?」

 

中尉「はい、36機ではなく予備機含め48機を受け取りました、パーツは50機分です」

 

中佐「そうか、我が航空隊はまた強力になったな」

 

中尉「はい、瞬間的にエングランドやフランカを超えることになりました」

 

中佐「爆撃機は?」

 

中尉「明後日4年式12機が到着します」

 

4年式爆撃機複葉双発軽爆撃機として開発された

全長10.50 m

全幅15.80 m

自重 1800 kg

全備重量 3,800 kg

最大速度 185 km/h

航続距離550㎞

武装7.7㎜機銃3挺

爆弾 1000 kg

乗員4名

 

10月12日補給を受けた四季島帝國空軍は大規模空襲を敢行、投入された爆撃隊はドイツ軍の塹壕やトーチカに大量の爆弾を叩きつけたそれどころか戦闘機隊も機銃やロケット弾を叩きつけた

 

空襲を受けるドイツ軍も果敢に反撃した

 

ドイツ中尉「撃て、撃ちまくれ」

 

ダダダダダダダダダダダダダダ

 

各塹壕陣地に配置されている機関銃で無理やり対空戦を行ったがエンジンの換装により時速195㎞で飛行する3年式戦闘機2型を撃ち落とすことは出来なかった、頼りの戦闘機隊はベルギウム方面にはたった142機が展開するのみで総数360機の四季島空軍や新旧合わせて107機の戦闘機を保有するベルギウム空軍に対応することはできなかった、彼らにできたのは飛行場が攻撃される際に1機でも多く発進し空中退避することであった。そして決定打に欠ける両軍は塹壕を掘りにらみ合うことになる



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欧州大戦3.ユトランド沖海戦

1916年4月21日エングランド、スカパ・フロー

 

この日スカパ・フローに坂本龍玄海軍大将率いる四季島帝國海軍第1第2連合艦隊及び補助艦隊司令部直卒艦隊計160隻が入港エングランド本国艦隊との共同演習を開始した

 

司令官直卒艦隊

司令官坂本龍玄大将

改金剛型超弩級巡洋戦艦2隻(トルコ購入予定のものを2割増しの金額で買い取り終戦後返還予定)

金剛型超弩級巡洋戦艦4隻

浪速型防護巡洋艦4隻

長良型軽装巡洋艦4隻

龍驤型航空母艦2隻(48機搭載)

神風型駆逐艦24隻(新規建造)

艦載機96機(戦闘機48機、攻撃機24機爆撃も兼用、偵察機24機)

 

第1艦隊

司令官大宮勝太中将

扶桑型超弩級戦艦4隻

出雲改型装甲巡洋艦2隻

吉野型防護巡洋艦4隻

天龍型防護巡洋艦4隻

秋津洲型水上機母艦2隻

峯風型駆逐艦24隻

水上機48機

 

第2艦隊

司令官エドワルド・べムス中将

金剛型超弩級巡洋戦艦4隻

出雲改型装甲巡洋艦4隻

吉野型防護巡洋艦8隻

磯風型駆逐艦24隻

 

支援艦隊

司令官アドマイエル・バジー中将

丸島型給油艦8隻

時瀨型給炭艦15隻

特設巡洋艦ストーロフ

雷型護衛艦16隻

 

そして5月2日ドイツ第二帝国が中央戦線において攻勢を強めた魔の悪いことに展開していたエングランド、フランカ両軍は補給のため兵力の減少が起こっており、戦線突破を許すことになった、また情報の錯綜により戦線を貼り終えたときにはドイツ軍は西はソンム川周辺や沿岸部まで塹壕を掘り東側はダンケルク周辺にまで迫っていたのだ

 

これに対して四季島帝國陸軍は第5及び第6歩兵師団第1装甲車大隊をダンケルク方面に派遣同時にベルギウム第2師団ネーデルラント義勇軍3000も戦線に到着した、とはいえ四季島帝國遣欧派遣陸軍はベルギウム領内に閉じ込められる形となった

 

5月11日エングランド軍ソンムにて攻勢を開始その中で開発が終わっていた戦車markⅠ37両を投入対するドイツ軍は対装甲車用の22㎜速射砲を用いて11両を撃破、擱座させた、陸での失態を取り戻そうとするエングランド政府は海軍に艦隊決戦をもってドイツ艦隊を撃破するように下命、同時に四季島艦隊にも参加要請が出されていた、遣欧艦隊司令官坂本龍玄大将はこれを承諾したが、現在主力となりうる第1艦隊はダンケルク方面に派遣され艦砲射撃にてドイツ軍沿岸陣地攻撃を行っていた。

そして5月30日エングランド海軍151隻四季島艦隊80隻(第1艦隊はベルギウム戦線で足止め)対するドイツ艦隊は105隻(史実より早くバイエルン級2隻が戦列入り及びカイザー級とデアルフリンガー級が2隻ずつ追加建造されたことによる増加)

 

 

 

5月31日ビューティー提督率いる巡洋戦艦隊はユトランド沖海戦に到着すぐさまヒッパー提督率いるにドイツ偵察艦隊と交戦するも7隻の巡洋戦艦を有するピッパー艦隊に数的劣勢となっていたが質的には優勢を保っていたが、15時17分インディファティガブルが轟沈その後すぐにタイガーもAB両砲塔付近にて火災その後艦橋に命中弾を受け戦列を離脱

16時12分第5戦艦戦隊が戦列に参加、それを確認したピッパーは誘い込むために後退を命じた戦局を優位に進め始めたビューティーの元にタイガー、クイーン・メリーが轟沈したと報告が入った

 

ビューティー「な、そんなばかな、何が起きた?」

 

幕僚「不明です」

 

ビューティー「くっ、我が艦隊は今日は何かおかしいんじゃないか」

 

ビューティーが悪態をつくなか戦局は更に悪化した第5戦艦戦隊のマレーヤのB砲塔が被弾それによりB砲塔が機能停止となってしまった、何事かと確認するビューティーの眼下にバイエルン級超弩級戦艦2隻を先頭に大洋艦隊主力が姿を表す

 

なぜこんなに近づかれたと驚愕するビューティー、その時ビューティーの頭にある、そしてとても恐ろしい想定が産まれた

 

ビューティー(まさか、敵の狙いは本隊ではなくこの前衛の巡洋戦艦隊、その場合、我が艦隊は罠に自ら突っ込んだのか)

 

ビューティーの想定は当たっていた大洋艦隊を率いるシェア提督はエングランド本国艦隊本隊の撃破をハナから考えず(撃破したところで四季島艦隊が出張ってくるため)巡洋戦艦隊の撃破による重武装快速部隊の撃滅による制海権確立もしくはエングランド沿岸部警戒網の弱体化を狙っていた

 

ビューティーに悲報が立て続けて入る増援の第3巡洋戦艦戦隊のインフレキシブルとインヴィジブルがドイツ第3戦隊に捕まり撃沈されたとの報告が入る、続けて第1巡洋艦戦隊の装甲巡洋艦ディフェンス、ウォーリア、デューク・オブ・エジンバラが撃沈されブラック・プリンスが戦列を離れた離れざるをえなかった、また包囲されているビューティーの部隊も軽巡洋艦ファルマス駆逐艦ディフェンダー、アケロン、アリエル、アタックが撃沈されたと報告され、少しずつ戦力を削られていった。

 

そんな中ドイツ第3戦隊の弩級戦艦カイゼリンとプリンツ・レゲント・ルイトポルトが急行してきた四季島第2艦隊により撃沈されると戦局は傾きを戻した、この時戦線に参加したのは第2艦隊の先遣隊巡洋戦艦霧島を旗艦とする巡洋戦艦2装甲巡洋艦1駆逐艦8隻のささやかな艦隊であったがビューティーにはそれで充分であった。

 

来援を得たビューティーは艦隊に北進を下命したがそのときには第1駆逐連隊はゴスホーク、ラッピングを残し壊滅また第2艦隊も駆逐艦レギンか大破メリービリスが中破する被害を被っていた

 

17時2分べムス中将率いる第2艦隊本隊が到着大洋艦隊の包囲をこじ開けビューティー艦隊を救助した

 

ビューティー艦隊救助の報告受けたジェリコーは艦隊を前進させた、これを受けシェア提督は陣形を再編しつつ後退撤退を開始した、撤退に気づいたジェリコーは追撃を開始先頭を切ったのは第5戦艦戦隊であった、緒戦で全く見せ場を持てなかったこともあり追撃戦と聞き即座に進撃に移ったのである。

 

それに対してシェア提督はバイエルン級とケーニヒ級を最後尾に置きこれに対処マレーヤを欠きヴァリアントも損傷していたこともあり劣勢となっていた

 

それを支援するためにビューティーは座乗のライオンとプリンセス・ロイヤルそれに第13水雷戦隊を率いて援護に回った

 

18時過ぎシェアは総撤退を改めて命令それに対してビューティーは食らいついたがプリンセス・ロイヤルが大破の第2巡洋艦戦隊ハンプシャー、マンノイーターが撃沈され脚が止まったそのスキを付き脱出するドイツ艦隊に四季島第2艦隊その後方から司令部直属艦隊が猛追カイザーが大破リュッツオが轟沈モルトケ、フォン・デア・タン、ザイドリッツが中破以上の損害を受けたこの被害に顔を真っ青にするシェア

そして追撃を続ける四季島艦隊の前にバイエルン級超弩級戦艦バイエルン、バーラム、カイザー級弩級戦艦ドラゴニル、ビスマルク、デアルフリンガー級弩級巡洋戦艦アルミニウス、フリードリヒ・カールが立ち塞がる

 

シェア「何をしているのだ!?彼らは」

 

観測員「バイエルンから発光信号、我殿ヲ務メル、帝国二勝利アレ、です」

 

シェア「すまん」

 

涙を浮かべ拳を握るシェア

 

シェア「彼らの犠牲を無駄にするな全艦最大船速」

 

バイエルン艦橋

 

バールリッツ少将「済まんな、諸君の命私に預けてくれ、無理なら脱出してくれて構わん」

 

艦長「水臭いですぜ提督」

 

副長「被害対策よし」

 

砲術長「副砲弾の保管期限が切れそうなんで撃たせますね」

 

水雷長「どうせ使わない可能性高いんで今のうちに魚雷撃たせますね」

 

バールリッツ「お前ら、済まん、僚艦に伝えよ我殿ヲ務メル全艦離脱セヨ」

 

観測員「バーラムより発光信号水臭シ我貴艦二ツヅク、ドラゴニル、ビスマルク、アルミニウス、フリードリヒ・カールからも同様に」

 

バールリッツ「そうか」

 

艦長「さあーて、四季島艦隊に蹴りを入れますかな」

 

パールリッツ「そうだな、主砲目標敵コンゴウクラス当てていて、副砲群自由射撃、砲弾を惜しむな、水雷適当にばらまけ、当たらんでもよい敵の戦列を崩せ」

 

「「「Jawohl Unser Admiral(了解、我らが提督)」」」

 

砲術長「撃ちまくれ」

 

ドンドンドン

 

パシュパシュ

 

改金剛型超弩級巡洋戦艦グランドアーク艦橋

 

観測員「敵艦6殿を務めています」

 

副長「軽装巡洋艦長良戦列を離れる」

 

艦長「怯むな撃ち返せ」

 

坂本「敵もやるものだな、そう思わんかね、ビーラス参謀長」

 

アルフレッド・ビーラス「はい、ですが大勢は決したと」

 

坂本「決したよ、だがそれでも足掻くものらはいるのだよ、直属艦隊全艦砲火をあの6隻に集中せよ、敵本隊追撃は第2艦隊に」

 

ドカーーン

 

坂本「どうした!?」

 

参謀「シャイニーアークが!火災発生被害甚大のもよう」

 

坂本「シャイニーアークが!?」

 

通信士「シャイニーアークより入電3、4番砲使用不能各所で火災発生、機関推力低下追従不能戦列を離れる」

 

坂本「先の命令変更エングランド艦隊に通信、我敵殿ヲ殲滅セントスル、本隊追撃ハ貴艦隊ニ任セル、第2艦隊に伝えろ敵殿ヲ殲滅セヨ、いいな、それと軽装巡洋艦五十鈴駆逐艦神風、春風はシャイニーアークを護衛先に離脱した長良と合流退避中の空母と共に離脱するエングランド艦隊に続きスカパ・フローに帰還せよ」

 

「「「了解」」」

 

殿の6隻が猛撃を受ける中第1第3魚雷艦隊及び第5魚雷艇隊がバイエルンらに続けとばかりにエングランド本隊に吶喊撤退する本隊の支援をうけ全滅するも第4戦艦隊を壊滅させ第6戦艦隊ハーキュリーズを撃沈することに成功した

 

そして19時17分最後まで抵抗した超弩級戦艦バーラムが四季島艦隊に降伏

 

史実よりも多数の艦艇を双方失ったエングランド艦隊は弩級戦艦4超弩級巡洋戦艦3弩級巡洋戦艦2装甲巡洋艦6軽巡洋艦2駆逐艦15を撃沈され超弩級戦艦4弩級戦艦2超弩級巡洋戦艦1その他多数を損傷戦死1万2714名負傷1241名

四季島艦隊も防護巡洋艦1駆逐艦9を喪失超弩級巡洋戦艦5装甲巡洋艦2軽装巡洋艦2駆逐艦7が損傷戦死1412名負傷1751名

ドイツ艦隊は超弩級戦艦1弩級戦艦4弩級巡洋戦艦3前弩級戦艦2駆逐艦11隻を喪失超弩級戦艦1を拿捕され弩級戦艦2弩級巡洋戦艦5その他多数を損傷戦死7241名負傷2419名

 

これを受けエングランド海軍第一海軍卿以下海軍上役や政府は頭を悩ませることになる、エングランド海軍の超弩級弩級巡洋戦艦はほぼ全てがドック入りすることになり未だ健在なデアルフリンガー級2隻に対する備えを失ったのである、これは大西洋な制海権に多大なる影響を与えることになる、またザイドリッツも被害軽微との報告があり3隻の弩級巡洋戦艦に対するカードはニュージーランド1隻のみ、これを受け四季島艦隊に航路防衛のために金剛型もしくは筑波型の大西洋パトロールを要請

 

要請を受けた四季島遣欧艦隊司令部は地中海から第5艦隊を呼び寄せ先の海戦で無傷な比叡、ヤノーシェ、金剛、傷の浅い霧島を海域警戒に派遣予備としてスカパ・フローにグランドアーク、メリーブランド展開させ、榛名、ペールベルク、カルメス、ガラード・レムをスカパ・フローで修復しようとするもエングランド艦隊を優先せざるを得ず、フランカ領ブレスト、ロリアンにて2隻ずつ修復することとなった。



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欧州大戦4.発動天元作戦

この作品ではお久し振りです、このあたりから歴史が滅茶苦茶壊れ始めます


1917年2月1日ドイツ第二帝国無制限潜水艦作戦を再開、対する連合国海軍は各航路上にて船団護衛を開始するもエングランド、フランカ海軍は対潜戦術の未熟さ故に多数の護衛艦艇を喪失1月で17隻の駆逐艦と41隻の輸送船舶を喪失する結果となった。

これにより両国は四季島帝國にさらなる護衛艦隊の派遣を要請、要請を受けた四季島帝國政府は新設された第4第5第6護衛艦隊を派遣、この艦隊には輸送船に飛行甲板貼り付けたMACシップが各護衛艦隊に2隻が配備され対潜哨戒、飛行船警戒の任に当てられていた

 

大西洋アイスランド沖第5護衛艦隊航空運用艦晴潮丸

 

通信士「ハ3号より敵潜発見とのこと」

 

艦長「ハ4号と即応待機中のハ5号を回せ」

 

U12指揮所

 

艦長「だめだ、見つかった、潜望鏡降ろせダウントリム15急速潜航」

 

副長「急速潜航」

 

艦長「ここまで濃密な対潜防護網では手が出せん」

 

副長「航空機、四季島艦隊でしょうか」

 

艦長「それ以外あるまい、致し方ない針路反転なんとしてでも生きて帰るぞ」

 

副長「了解」

 

このように撃沈出来なくとも船団に近づくことを抑止する事により船団護衛を行っていた

 

2月11日四季島軍遣欧派遣軍司令部はダンケルクを包囲するように展開し後方遮断するドイツ野戦軍撃破及び戦局打開のために天元作戦を敢行膠着する盤面に一石を放り戦局の転換を狙った。

五段階に及ぶ作戦の第一段階蟹の鋏落とし作戦にはダンケルクに籠もる第5師団を除いた第1軍4個歩兵師団それに第1第2戦車連隊、混成第1近衛旅団第1第2第4艦隊及び司令部直属艦隊空軍遣欧航空団、それにベルギウム歩兵2個師団エングランド第9師団ネーデルラント義勇兵団が参加作戦としては艦隊の攻撃でダンケルク周辺のドイツ軍陣地を攻撃特に防備の薄いロオン=プラージュ近辺に猛撃を加え第1師団の露払いを行いその後航空攻撃で小規模陣地に襲撃を敢行そして地上部隊を鋏の両側そして腕に攻撃しダンケルク攻囲を解くとした、特に腕の部分は西からエングランド軍東から第4師団による挟撃を行い可及的速やかに陣地を奪取しダンケルク攻囲軍を包囲する役目があった

 

2月11日ダンケルク沖午前1時20分

 

ダンケルク沖超弩級戦艦扶桑艦橋

 

大宮「時間だな、全艦砲撃始め」

 

この時第1艦隊及び第2艦隊の行動可能な超弩級戦艦超弩級巡洋戦艦合わせ11隻がダンケルク近郊ロオン=プラージュのドイツ軍陣地に猛撃開始そして

 

午前3時40分

 

空母龍驤艦橋

 

原兼久中将「全機発艦」

 

そして二の矢として原兼久中将が指揮する司令官直属艦隊及び第4艦隊の空母5隻とMACシップ4隻と遣欧航空隊等四季島航空隊計586機とベルギウム空軍79機による航空攻撃で始まった。

 

ダンケルク西方ドイツ軍対空陣地

 

ドイツ砲兵中佐「急げ敵は近いぞ」

 

ドンドンドン

 

艦砲射撃を生き残ったドイツ対空陣地も鹵獲した四季島製52㎜高射砲や9㎜機銃ルーシ製37㎜対空速射砲エングランド製1ポンド砲フランカ製8㎜機銃で抵抗するも夜間であったこともあり練度の低いベルギウム軍機7機を撃墜するにとどまったそして

 

 

午前6時10分ダンケルク西方30㎞の地点第1師団砲列

 

四季島砲兵中佐「よし、砲撃開始」

 

午前6時10分第1師団所属の野戦重砲連隊及び第1軍軍砲兵及び第1砲兵師団が砲弾の釣瓶撃ちを敢行

 

ドンドンドンドンドンドンドンドンドン

シャァーーーー

 

撃ち出される砲弾と噴進弾が10㎞の距離にあるドイツ軍前衛塹壕陣地を吹き飛ばした

 

四季島歩兵少佐「今だ総員着剣突撃」

 

わあーーーー

 

午前7時20分第1第2歩兵連隊とベルギウム歩兵第1師団が突撃を開始対するドイツ軍は新兵器として戦車A7V9両に鹵獲したMark.Ⅰ7両やRW11装甲車21両を投入したが四季島軍も第1戦車連隊の新兵器4年式戦車の前に骸を晒すこととなった

 

四季島車長「正面700に敵ブリキ缶弾種徹甲撃て」

 

ドン

 

ドカーン

 

対戦車戦闘をあまり考慮していないドイツ軍戦車装甲車部隊に対して最初から対戦車耐装甲戦闘を考慮し40口径37㎜戦車砲を装備し前面装甲25㎜と厚くなっているためドイツ軍の22㎜対装甲ライフルを弾くことに成功していた

 

ドイツ戦車車長1『くそ、こっちの主砲じゃ歯が立たん』

 

ドイツ戦車車長2『4号車が殺られた』

 

ドイツ戦車隊少佐『怯むな撃て』

 

ドイツ軍通信兵『敵の大攻撃です、援軍をこのままでは持たない』

 

 

 

このとき戦線には2個戦車大隊72両が突入しドイツ軍前線を突破その後方から2個連隊が強襲戦線を抜かれたドイツ軍戦列は崩壊遂に数カ月間陸地から孤立していたダンケルク攻囲の一角を崩すこととなった

 

 

ダンケルク攻囲の一角が崩れた同時刻ダンケルクベルギウム方面を守るドイツ軍にも四季島軍が襲いかかるこの攻撃には第2第3師団所属の5個歩兵連隊に混成第1近衛旅団と第2戦車連隊が参加それ以外にもベルギウム第3師団とネーデルラント義勇兵団が参加戦線の崩壊を狙うが縦深陣を敷いたドイツ軍相手に手こずった。そこでにらみあう双方にとんでもない報告が飛び込んできた、それは鋏では無く腕の部分を守っていたドイツ軍陣地が抜かれた今度はドイツ軍が包囲されることとなった。

包囲下に置いたとはいえドイツ軍の深さ5㎞の縦深陣に睨み合わざるをえなかったこの極度の緊張状態に耐えきれず攻勢に出たのはカール・カルテンスト少将率いるドイツ軍装甲戦闘団であった

 

カルテンスト「突撃、防御陣を突破して本国に帰るぞ」

 

装甲戦闘団は驚くべき速度と火力の集中によって包囲の一翼を担う混成第1近衛旅団の防御陣を抜きにかかった

 

しかし決死の攻勢は勇気と人命の悲劇的な浪費であったのだ装甲戦闘団は反撃の砲火に耐えながら前線の第2陣を抜いたがそこで行動の限界を迎えてしまった、この一瞬の空白を旅団長マホエル・セントラルポートは見逃さなかった

 

マホエル「今だ砲火を集中させ敵陣を突き崩せそして然る後全戦車突撃歩兵隊はそれを援護一気に押しつぶす」

 

参謀「了解」

 

ドカーンドカーン

 

 

その手際の良さと火力集中ぶりは敵味方から称賛され戦後において戦術教本に乗ることになる

 

 

 

カルテンスト「あ、ああ」

 

副官「閣下敵に四方を囲まれつつあります」

 

伝令「ザッテス大佐戦死」

 

少佐「装甲車隊壊滅」

 

副官「閣下脱出を」

 

カルテンスト「だっ、脱出?そうだ脱出するぞ急げ」

 

大尉「だめです四方を包囲されました」

 

ドカーーンドカーーン

 

カルテンスト「そ、そんな、そんなバカ」

 

ドカーーン

 

彼は最後まで言い切ることなく戦死した。守りの要を失ったドイツ軍ダンケルク攻囲部隊はどうにか突破した騎兵隊を残し降伏、ここに蟹の鋏は切り落とされた

 

鋏を切り落としたと同時に第二段階蛍火が発動この日のために派遣された7型重装強行突撃攻撃型飛行船48隻がリエージュ、アーヘンを空襲ドイツ軍ベルギウム方面軍の兵站拠点となっていた両地を空襲により混乱させたところに遣欧航空隊が各地ドイツ軍部隊を空襲敢行した

 

混乱するドイツベルギウム戦線軍は敵の狙いがブリュッセルと考えイーペル、オーストエンデの両面から進撃しヘントで合流しブリュッセルを攻略すると考えイーペル方面はリールとトゥールネから兵力を転用しコルトレイクで引き止めオーストエンデ方面はブルージュで食い止め本国からの援軍を求めるとしたそんな司令部に悲報が届いた

 

ブリュッセルドイツベルギウム戦線司令部

 

リッテルマーズ大将「なんだと、誤報ではないのか」

 

参謀「間違いないと」

 

リッテルマーズ大将のもとに届いた報告はクノックヘイストに四季島軍が上陸しブルージュに進撃しているというものであった

 

3時間前クノックヘイスト監視所

 

ドイツ軍曹「はあ、ひまだな」

 

ドイツ少尉「ぼさっとすんな」

 

ドイツ軍曹「ですか、少尉ここに敵なんて来ませんよ、だよな、伍長、伍長?」

 

ドイツ伍長「あ、あ、アレ、アレは、て」

 

「て?」

 

ドイツ伍長「敵敵のた、大軍だ」

 

ドイツ少尉「なんだと」

 

ドイツ軍曹「まじかよ」

 

ドイツ少尉「け、警報、警報を鳴らせ」

 

 

 

第三段階翠龍轟雷発動第2艦隊巡洋艦戦隊と水雷戦隊に護衛された第1近衛師団完全に機械化された混成第2近衛旅団が輸送船を座礁させエングランド各地から買い集めた漁船を浜に港に突入させ上陸轟雷のごとく進撃しクノックヘイスト守備の中隊を粉砕海岸線に橋頭堡を構築第1近衛師団が橋頭堡を守る中混成第2近衛旅団が防備の整わぬブルージュを強襲そこを守っていたオーハン軍を撃滅これによりブリュッセルへの道は開かれた。

 

そして日が変わり2月14日第四段階鴉天狗発動切り札として派遣された280m級強襲揚陸型飛行船による第1装甲空挺団3000名戦車36両がドイツ軍ベルギウム方面軍司令部のあるブリュッセル後方に展開しブルージュより前進を開始した第3軍と合同でブリュッセルを攻略その後第五階疾風迅雷が発動主要幹線を使いベルギウム全土解放のために進撃を開始した

 

 

2月15日

 

リエージュドイツ軍駐屯地

 

ドイツ軍大佐「急げ敵は近いぞ、閣下!」

 

ヘルベルト・マインホフ少将「大佐撤退はどの程度進んでいる?」

 

ドイツ軍大佐「元いた部隊はほぼ終わりましたが、何分敗残兵が多く戻ってきておりますので」

 

伝令「て、敵襲後3時間程でリエージュにたどり着くと」

 

マインホフ「迎撃」

 

ドイツ軍大佐「閣下、現在動けるのは歩兵2個中隊程度かと」

 

マインホフ「仕方ない、敗残兵の中から動けるものをかき集め臨時中隊を編成せよ」

 

ドイツ軍大佐「了解」

 

3時間後マインホフは5個臨時歩兵中隊を編成しリエージュ防衛隊として7個歩兵中隊1300名砲兵220名野砲3門高射砲1門機関銃27挺その他装甲車2両憲兵27名偵察機1機が防備を固めるリエージュに第37歩兵連隊と戦車12両が5㎞の地点に進出そこで停止すると降伏勧告を行なった

 

マインホフ「降伏勧告か、余裕を見せよって」

 

ドイツ軍大佐「閣下、いかがなさいますか」

 

マインホフ「する予定は無い」

 

伝令「て、敵機来襲」

 

ドイツ軍大佐「何だと!?閣下!」

 

マインホフ「落ち着け、敵機の数は?」

 

伝令「4機全機爆撃機です」

 

ドイツ軍大佐「味方の戦闘機はどうしたというのだ」

 

マインホフ「そうか、落とされたのだな、対空戦闘用意、機関銃は可能な限り対空射撃だ」

 

このときリエージュに襲来した機体は全機降伏勧告のビラを散布、それと同時にリエージュに居る反ドイツ義勇軍に決起を促すものであった

 

2月15日18時過ぎリエージュドイツ軍駐屯地

 

ドカーンドカーンドカーン

 

マインホフ「何事か」

 

副官「し、市内各所で爆発と火の手が」

 

マインホフ「なんだと、し、しまった敵の破壊工作員だ」

 

伝令「て、敵襲、市内各所にてし、市民が決起」

 

マインホフ「なんだと、はっ」

 

その瞬間マインホフは昼間の爆撃機の意味を理解した

 

マインホフ「あの爆撃機はビラを撒きに来ただけではなかったのか、迎撃せよ敵を指揮所に近寄らすな」

 

「「了解」」

 

マインホフの命令を受け憲兵11名歩兵150名が鎮圧に乗り出した、これに対して決起側最初たった20名余りであった、これにより鎮圧部隊を指揮するワーレス大尉はすぐさま突撃を命令、彼の予想では小銃すら欠いている考えていたがその考えが間違いであるということを認識するのは突撃した部隊が砲撃により壊滅したときであった

 

ワーレス「な、なんだと、て、敵は大砲を持ち込んだのか」

 

ドイツ軍歩兵「大尉、どうなさいますか」

 

ワーレス「く、増援をよべ」

 

ドイツ軍歩兵「了解」

 

ワーレスが増援を要請している間に蜂起したレジスタンスは総数雪だるま式に増え発生時20名だったものが30分で300名増援が到着したときには800名を超え武器も全員分の小銃四季島がドイツ軍補給部隊に紛れ込ませ運び込んだ37㎜砲や迫撃砲、機関銃が持ち込まれ9m拳銃弾を使う短機関銃装備の四季島軍特戦隊50名も紛れていた

 

 

 

ドイツ軍駐屯地

 

マインホフ「なに?、敵が大砲や機関銃を持ち込んでいるだと!?」

 

ドイツ軍大佐「はい、それに規模も1000名近いかと」

 

マインホフ「前線から1個中隊と野砲1門引き抜き蜂起連中を鎮圧せよ、幾ら武装しているとはいえ市民だ砲撃で蹴散らせ」

 

マインホフの命令により前線から1中隊を引き抜き鎮圧にかかるが20時過ぎに駐屯地近辺にまで追い詰められていた、そして

 

四季島特戦隊大尉「行くぞ突入」

 

ドン

 

タタタタタタタ

 

四季島大尉「降伏しろ」

 

マインホフ「貴様ら四季島軍か」

 

四季島大尉「そうだ、四季島陸軍特戦隊大尉だ」

 

マインホフ「ふん、貴様らの手の平で踊らされたか、いいだろう降伏する」

 

21時30分ドイツ軍リエージュ守備隊降伏その後四季島陸軍第3軍ベルギウム軍はベルギウム全土を解放、これによりドイツ軍の前線は南はスイス国境線、リヨン、オーセール、トロア、ランス、スダン、ルクセンブルク国境からドイツ国境を結ぶ線まで後退、四季島の天元の一石は見事に盤面を動かした

 

 

 

 

兵器紹介

RW11装甲車Rüstung、Wagen11

 

1911年採用の軍用装甲車、武装に砲塔式にMG08、2挺を装備している



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欧州大戦5.フランカ軍大敗北パリ炎上

1916年四季島帝國帝都東京

 

中津「なに?フランカ軍が攻勢用意をしているだと」

 

マックレーネ「はい、10万以上の兵力でリオン奪還を目指しているようです」

 

中津「なぜかね?」

 

大原久秀陸軍大臣「先の天元作戦で勝ちすぎたせいかと」

 

中津「勝ちすぎた?………まさか」

 

大原「陛下の予想通りかと」

 

中津「市民の軍への不満が暴発したのか」

 

大原「開戦以来フランカ軍は後退を続けておりますので」

 

中津「陸で負け海と空も勝てておらんな」

 

大原「はい」

 

中津「フランカ政府はなにか言ってきているかね?」

 

アルフレッド・長浜・バハロ外務大臣「なにも、ただ4年式の輸出要請は来ております」

 

マックレーネ「いかが致しますか?」

 

中津「余剰在庫は無いな?」

 

デイムロラン「全くありません」

 

中津「ならば答えは決まっておる、輸出不可とね、さて話を変えよう、例の新型戦艦と空母は?」

 

シュタイル・バーネベルト海軍大臣「はい、N型超弩級戦艦4隻S型航空母艦4隻何れも建造途中であります」

 

 

 

1916年7月9日パリ

 

その日も市民達はベルギウム戦線で活躍する四季島軍の話をしていた

 

市民1「にしても四季島軍は強いな」

 

市民2「ドイツのポテト野郎相手に連戦連勝」

 

市民3「それに比べてわがフランカ軍は」

 

市民4「連戦連敗、陸も海も空も負け続けてる、全くポテト野郎に負けるとか意地は無いのかよ」

 

 

そんな声が聞かれる中フランカ軍はリオン奪還のために大規模攻勢を計画目標はリオンを奪還しリオン近郊にあるサン=テティエンヌ造兵廠の安全確保であった

 

7月13日リオン前面にフランカ軍15万人が攻撃を開始した。これに驚いたのは攻撃を受けたドイツ軍でなく共戦国の四季島とエングランドであったフランカ軍は両国に知らせず独自の攻勢を開始していた

 

攻勢を受けたドイツは驚きもしなかった、攻勢の情報はフランカ各地に展開するスパイにより判明し物資の運搬兵力の移動情報から攻勢目標がリオンだと断定その結果ドイツ軍は2週間前には部隊再配備を完了し手薬練引いて待ち構えていた

 

フランカ大佐「今だ突撃」

 

わあぁぁぁぁーーーー

 

 

 

ドイツ軍少佐「ふん、撃て」

 

ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ

 

 

フランカ兵「ぐ、ぐわぁ」

 

フランカ少尉「く、くそ、撃て撃て」

 

タンタンタン

 

ドカーーン

 

フランカ少尉「くそ、何故こんなことに」

 

 

苦戦するフランカ軍前衛をみて司令官ドガルス中将は切り札のサン・シャモン突撃戦車41両シュナイダーCA1戦車91両を投入した

 

フランカ戦車隊指揮官「信号手、全車突撃の旗を掲げろ」

 

信号手「了解」

 

無線機を装備しないフランカ戦車隊は手旗に合わせて全車突撃を敢行した

 

だが

 

パス、ドカーン

 

フランカ戦車隊指揮官「な、なに」

 

信号手「指揮官、最低でも20両程がやられました」

 

 

フランカ戦車隊を襲ったのはドイツ軍の切り札Pak16.37㎜対戦車砲であった。四季島軍の4年式戦車は側面でなければ22㎜対装甲銃で貫徹できずまた反動制御が脆弱であったことから四季島の4年式の装甲を正面からかち割るために開発されたのがPak16であった。この砲300mで28㎜の装甲を貫徹できたため正面装甲25㎜の4年式に対処できた。そしてその砲は今回装甲の薄いフランカ戦車隊に牙を向いた

 

フランカ戦車隊指揮官「ひ、怯むな信号全車突撃を続けよ」

 

信号手「りょ了解」

 

 

前進を続けるフランカ戦車隊に地雷原が襲いかかる

 

ドカーン

 

この時点で132両中67両が撃破擱座させられていた、半数を切ったとしてもフランカ戦車隊は前進をやめない、しかし遂にその前身は止まる

 

キュルキュルキュル

 

フランカ戦車隊指揮官「な、なんだ何がおきた?」

 

操縦手「わ、わかりません、ですが履帯が」

 

フランカ戦車隊に襲いかかったのは対戦車鉄条網として配備された高さ20cm足らずの鉄条網であった、歩兵隊には効かないが戦車の履帯には効果抜群であった、履帯に鉄条網が絡まり停止する戦車隊、そこに対戦車砲が集中弾幕射撃で殲滅にかかる

 

配備された12門のPak16の猛射撃と22㎜対装甲銃の狙撃により戦車隊は30分で57両を撃破擱座させられ壊滅的な被害を受けた

 

さてやられたらやりかえすのがドイツ軍の流儀と言わんばかりにドイツ軍陸軍航空隊は全力でパリ空襲を計画7月21日戦闘機172機飛行船36隻のパリ特別攻撃隊が出撃一路パリへと向かった。

 

攻撃隊旗艦飛行船ツッペリン12号

 

観測員「異常無し、船長異常ありません」

 

船長「そうか、予想よりフランカの航空隊は疲弊しているようだな」

 

副長「先日からの航空漸減作戦で相当数のタイプ3やニューポール、ソッピースを撃ち落としましたからな」

 

バーナ・ブレイメンフェルス司令官「アルバトロスD.Ⅲかいい機体だ」

 

船長「これは、司令官、お目覚めですか」

 

ブレイメンフェルス「あとどのくらいでパリかね?」

 

船長「大体2時間程度です」

 

ブレイメンフェルス「ふむ、フランカ軍の防空網は穴だらけだな、既にフランカ領内であろうに」

 

船長「その話をしてましたが航空漸減作戦で殲滅されたのではと」

 

ブレイメンフェルス「なるほどな」

 

ブレイメンフェルス率いる飛行船隊はなんら妨害を受けることなくパリ目前に迫った。この飛行船隊を最初に補足したのはフランカ軍練習飛行隊の飛行訓練生であった

 

フランカ飛行訓練生「うん?アレは………嘘だろ、教官」

 

フランカ飛行教官「どうした」

 

フランカ飛行訓練生「2時上方」

 

フランカ飛行教官「うん?2時上方だと?………おいおいおいおい、クソッタレが」『教官機より護衛機聴こえているか?』

 

護衛機パイロット『聴こえている、何事だ』

 

フランカ飛行教官『敵飛行船多数を確認本機から2時上方数不明』

 

護衛機パイロット『なんだと、ま、まじかよ』

 

パリ防空隊指揮所に一報が届いたときには飛行船隊は既にパリまで30分の距離にたどり着いていた

 

パリ近郊飛行場

 

飛行隊少佐「準備ができた機体から発進しろポテト頭共をパリに入れるな」

 

いくら急いだところで間に合うわけがないそして迎撃に上がったフランカ軍機に護衛のアルバトロスD.Ⅲが襲いかかる

 

ダダダダダダダ

 

ドカーン

 

フランカ少佐『飛行船を落とせパリを焼かせるな』

 

フランカパイロット1「くそ、駄目だ」

 

フランカパイロット2『お、追われてる助けてくれ』

 

ツッペリン12号

 

観測員「7番船沈みます」

 

ブレイメンフェルス「これで3隻目か」

 

船長「敵の戦闘機は脅威になりませんが対空砲が効きますな」

 

ブレイメンフェルス「仕方あるまい、爆撃目標はあの辺りの鉄路と工場でよかろう、エッフェル塔を破壊できんのは心苦しいが爆撃できんよりはよい、全船に伝えよ、よいな?」

 

参謀「了解しました」

 

爆撃手「針路よし、投下」

 

ヒューーーーウ

 

ドカーンドカーンドカーンドカーンドカーンドカーン

 

フランカパイロット3『畜生、パリが俺たちの街が』

 

フランカパイロット4『許さねえぞ』

 

フランカパイロット5『奴らを生かして返すな全機続け』

 

ドイツパイロット1『首都を爆撃された間抜け共を血祭りに上げろ』

 

ドイツパイロット2『落ちろ』

 

ダダダダダダダダダダダダダダ

 

ドカーン

 

誰かが言った空戦では頭に血の登ったやつから落とされていくと、パリを空爆され頭に血の登ったフランカ軍を撃ち落とすのはとても簡単であった

 

頭に血が登り扱う機体もニューポール11や17ではドイツ軍のアルバトロスD.Ⅲに勝てるわけがなかった、ドイツ軍は多少の被害を受けながらの悠々とドイツ本国に帰還していった

 

 

 

帝都東京

 

マックレーネ「フランカ軍の被害ニューポール11、27機ニューポール17、12機ソッピース17機、高射砲7門兵員247名、パリ市内の被害工場17棟鉄路20㎞機関車19両客車30両貨車40両住居72棟死者497名負傷者推定1000名以上」

 

中津「手酷いな」

 

マックレーネ「はい」

 

中津「フランカ軍の防空網がここまで穴だらけとは」

 

マックレーネ「それもそうですが、フランカ軍自体中南部での航空漸減戦で最低でも800機程喪ったようです」

 

中津「なんとも手酷い被害だ、フランカ空軍は壊滅じゃないか」

 

マックレーネ「はい、既に飛行訓練生の成績優秀者が前線に回されているようで、また先のパリ防空戦にも近隣の練習飛行隊が駆り出されたようです」

 

中津「マックレーネ」

 

マックレーネ「はい」

 

中津「向こうに新たに派遣している防空隊の一部をフランカ防空に特にパリ防空に回せ、下手を打つとパリで反乱が起きかねん、下手をすればそこでフランカが戦争から脱落する可能性すらある」

 

マックレーネ「そんな」

 

中津「無論可能性だ、だがありえんとは言えん前例もあるからな」

 

マックレーネ「前例、普仏戦争ですか」

 

中津「そうだ、あの時帝制を捨てて泥沼の戦争を始めてしまった」

 

マックレーネ「まさか、帝政復古」

 

中津「であればよいがな、コミュニスト共が動かねばよいが」

 

マックレーネ「わかりました、近衛防空隊を送り込みます」

 

7月31日四季島帝國遣欧派遣軍司令部はパリ近郊に第3近衛高射砲大隊(40口径75㎜高射砲12門)と独立飛行第2迎撃中隊(新型の4年式迎撃機12機)を派遣しパリ空襲に備えた

 

4年式迎撃機

全長: 5.84m

全高: 2.90m

全幅: 7.91m

発動機松風11型280hp

武装7.7㎜機関銃2挺

  75㎜空対空噴進弾6発

上昇力7.5m/s

速度198㎞



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欧州大戦6.対独攻勢作戦バルト海上陸

1917年5月四季島帝國帝都

 

中津「で、エングランド海軍はこれらを使ってバルト海攻撃を行うつもりだと、そしてエングランド、フランカ両陸軍はキール方面に戦線を構築するつもりと」

 

海軍連絡士官「は、はい、これらの艦艇群と上陸部隊を持ってドイツ国内に新たな戦線を構築するつもりかと」

 

中津「やることは天元作戦の焼き増し、いや航空戦力や目標からして劣化品か、マックレーネ、エングランド、フランカの目的は?」

 

マックレーネ「やはり名声と戦果かと、天元作戦にフランカ軍は参加せずリヨン攻勢やニヴェル攻勢の失敗あまつさえパリを空襲されておりますまたエングランド陸軍も参加したと言ってもたかだか一個師団を回したのみそして海軍は参加せず外務省と民間船舶担当者が漁船などの上陸舟艇購入の仲介を行ったのみですので」

 

中津「なるほどな、つまりエングランド海軍とフランカ軍は戦果を欲しているのか、とはいえ、これらでそれが本当に可能なのか?」

 

中津は手元の資料に目を通しながら並み居る天使や陸海空の高級将校に問い掛けた

 

まず声を上げたのはイネスタキオンであった

 

タキオン「技術的には可能だが実際は不可能だろう、ただし技術的にではない、そもそもエングランド海軍にバルト海に展開するドイツ艦隊から上陸船団を死守できるのか?資料にある通りだと漁船まで使うようだが」

 

パルムグレス海軍作戦2課課長「現実的に見て不可能です、まずバルト海には未だにドイツ大洋艦隊の残存戦力としてデルフリンガー級2隻やケーニヒ級カイザー級といった先のユトランド沖海戦の生き残りが展開しています、また未確認ですがバイエルン級の建造が急ピッチで行われているようです」

 

中津「とすると、厳しいな、エングランド海軍の投入戦力は?」

 

マックレーネ「概算ですがクイーンエリザベス級3隻リヴェンジ級3隻その他にアイアン・デューク級4隻キング・ジョージ5世級3隻そして特注の大型軽巡洋艦2隻その他巡洋艦駆逐艦多数かと」

 

中津「対するドイツ軍の大洋艦隊以外の兵力は?」

 

パルムグレス「多数の艦載艇や艦載水雷艇、Uボート等が多数」

 

鈴島陸軍参謀「また多数の沿岸砲や旧式の艦載砲を沿岸部に配備しておりますし、一部列車砲も展開しております、また仮に乗れたとしてもキール運河無傷で占領しなければ補給が持ちません」

 

パルムグレス「海軍としても陸軍に同意見です、エングランド海軍の現状ではキール運河を攻略し補給線に組み込まなければバルト海に大量に展開する小型艇の攻撃で補給線を破壊されます」

 

鈴島「また地上戦力も不足しています、この資料ではエングランド陸軍歩兵9個師団砲兵3個師団戦車300両フランカ陸軍11個師団戦車200両対してドイツ軍はドイツ国内に30個師団戦車150両装甲車800両程が展開しております」

 

中津「流石に全部は回さんと思うが15師団は考えたほうがいいかね?」

 

鈴島「はい、陸軍参謀本部としてもそう考えております。そして作戦は失敗し投入される地上部隊の大半が失われると」

 

中津「本土から編成を終えた第4軍を欧州に派遣しろ、ここでこれだけの兵力を失えば中央南部戦線に風穴が開くぞ、これだけの戦力、下手をすると予備戦力を投入した可能性がある」

 

中津の予想は外れていたがそれは中津の想定よりも酷いものだったエングランド陸軍9個師団の内3個師団は前線から引き抜かれており、その穴埋めには訓練未達の歩兵師団が動員されフランカ陸軍11個師団の内9個が戦線から引き抜かれた精鋭部隊でありその穴埋めには7個の新兵師団と囚人兵や警官などをかき集めた、見栄えだけの部隊であった、

 

失敗が予想される中エングランド、フランカ両軍はバイキング作戦を決行17年6月7日バルト海強襲のために超弩級戦艦ロイヤル・オークを旗艦とし超弩級戦艦13隻弩級戦艦前弩級戦艦8隻大型軽巡洋艦2隻巡洋艦駆逐艦合わせ41隻で編成された前衛艦隊と巡洋艦駆逐艦合わせ97隻スループ41隻輸送船378隻徴用漁船371隻で編成された輸送船団をバルト海に突入させた、対するドイツ軍はスカゲラック海峡に多数の小型艇隊を投入し弩級戦艦コロッサス、ネプチューン前弩級戦艦カノープスを撃沈超弩級戦艦アイアン・デューク、クイーン・エリザベスを大破させその他にも巡洋艦1隻駆逐艦9隻スループ4隻輸送船24隻徴用漁船49隻撃沈しバルト海の藻屑にした、被害を受けつつも部隊は前進を続けフェーマルンに上陸そこからキール軍港キール運河を目指し進撃を開始したがノイシュタット・イン・ホルシュタインとベーレンスドルフを結ぶ線に張られた防衛線にぶつかり戦線は膠着していた

 

そしてこれに対してドイツ海軍はキール軍港からUボートや小型艇隊を大量に送り込み多数の輸送船を襲撃護衛の駆逐艦やスループをも沈め補給線に穴を開けていた

 

 

エングランドキール方面軍司令部

 

司令官ジョッフェル大将が本国との四季島から超高額で購入配備された無線通信器で音声通話をしながら怒鳴っていた

 

ジョッフェル「とにかく増援だ補給だ、とにかくどんどんと送ってくれ」

 

本国将校『分かっているが無茶を言わないでくれ、予備の戦力も西部戦線に回しているんだぞ』

 

ジョッフェル「この際植民地兵や1山いくらのチャイナ人でもいいライフルを扱えて穴掘りができるだけでいいんだ、それ航空支援を、高性能なこいつの集音性なら聴こえてるだろう、さっきからの爆発はドイツの爆撃機によるものだこのままだと全滅するぞ」

 

ジョッフェルの言うとおりドイツ軍の砲撃と爆撃は苛烈であった、上陸時17個師団の歩兵師団と2個の砲兵師団を揚陸した連合軍であったが飛行場の敷設が遅れなんとか4隻の水上機母艦から発艦するソッピース・パップ37機で防空をしていた

 

バルト海エングランド海軍補給船団

 

船団旗艦エリザベート号艦橋

 

観測員「て、敵機来襲」

 

船長「迎撃しろ」

 

船団長「パップを上げろ急げ」

 

ダダダダダダダダダダダダダダ

 

ドイツパイロット「当たるかよ、そんなへなちょこ弾、喰らえ」

 

パシュパシュパシュパシュ

 

ヒューーーウ

 

ドカドカドカドカドカーン

 

 

エリザベート号艦橋

 

副長「輸送船メリスマート号炎上」

 

船団長「戦闘機隊はどうした!?」

 

船長「全滅しております」

 

観測員「左舷に雷跡多数」

 

船長「か、回避」

 

操舵手「間に合いません」

 

ドカーーン

 

 

ドイツ軍航空隊とUボート、小型艇部隊はバルト海を暴れまわり多数の輸送船を撃沈させていった、また連日連夜の飛行船爆撃を敢行連日の損耗により6月中旬には歩兵6個師団が壊滅他の師団も半壊したものが11個あるという状況になっていた。

そんな中永らく中立を宣言していたアメリア合衆国が参戦を決意7月1日にキール方面に歩兵10個師団を派兵多数の巡洋艦や駆逐艦による対潜対小型艇対策を開始した

、だがアメリア軍が投入されたとしても戦力の増加にはなり得なかった永らく海外遠征などせず塹壕戦の知識の乏しいアメリア軍は投入から1週間で2個師団を喪うことになった

 

 

そして10月1日ドイツ軍は前線5㎞後退させ時間を掛け構築していた要塞線に立て籠もると連合軍の損害は跳ね上がった。

 

10月15日アメリア軍さらに24個師団を投入ここに至ったフランカ軍は西部戦線中央部の戦力不足により四季島帝國軍に来援を依頼、依頼を受けた四季島軍は第4軍と第3戦車旅団を派遣同時に欧1号作戦の準備を開始した

 

 

11月1日四季島第5第6歩兵旅団がキール方面に上陸崩れかかっている東側に主攻線を敷きドイツ軍1個師団を粉砕これにより連合軍はさらにドイツ領深く進撃することとなったが11月7日ルーシ帝国で革命が発生戦線は膠着することとなる



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欧州大戦7.バルト撤退作戦

1918年1月5日柳輝栄風紀大将率いる四季島帝國風紀第3統合戦闘団(戦車72両装甲車36両自動車60両自動貨車180両牽引車40両機動砲40門機動歩兵2000機動砲兵400戦車装甲車搭乗員324戦闘団本部40)バルト戦線に展開劣勢になりかけている戦線の維持に投入された

 

1月16日ドイツ軍中央と東部を15㎞後退させ連合軍を引き込み始めたこれに四季島エングランド両軍は不審を覚えるも散々やられてきたアメリア軍とフランカ軍特にフランカ軍は減罪を餌にかき集めた囚人兵や逮捕した犯罪者を大量に動員物量に物を言わせ遮二無二突撃させドイツ軍を追撃したまたそれに一部のエングランド軍が吊られ進軍を開始これにより前線と橋頭堡に間隙が生まれることになった、そしてこの間隙こそドイツ軍が欲していたものであった。

ドイツ軍はこの間隙に騎兵と装甲車で編成した特別強襲部隊を投入側面を守るエングランド軍第11歩兵師団とアメリア第4師団は疲弊していた事もあり即座に潰走突撃した部隊9個師団と複数の突撃隊を包囲下に置いた、ここに至って連合軍司令部はキール方面の放棄と部隊の撤退を承認した。

 

 

1月29日バルト海四季島帝國第1艦隊旗艦超弩級戦艦扶桑艦橋

 

艦長「閣下、艦隊バルト海に突入しました」

 

大宮「そうか、思えば遠くへ来たもんだ、そう思わんか艦長」

 

艦長「確かにとても遠くに来ました」

 

観測員「左舷に多数の小型艇、ドイツの水雷艇多数襲来」

 

大宮「迎撃せよ近づけさせるな」

 

艦長「了解」

 

砲術長「砲撃開始撃て」

 

ドンドンドンドン

 

ダダダダダダダダダダダダダダ

 

このとき襲いかかったのはヨハン・マテウス大尉率いる艦載艇隊37隻であった、この部隊はそれまでにも11隻の駆逐艦49隻の輸送船を撃沈していた精鋭部隊であったが、今回ばかりは相手が悪かった、扶桑以下4隻は対空用に配備された対空散弾を攻撃に使用、多数の鉄片がドイツ艦載艇隊を貫き35隻を葬り去った

 

危機を乗り越えた艦隊と回収船団41隻とその護衛艦隊はフランカ、エングランド、アメリアの船団と合流する予定であったが、会合ポイントにフランカ、アメリア船団は現れなかった

 

扶桑艦橋

 

観測員「フランカ、アメリア両船団現れません」

 

通信士「エングランド艦隊より入電フランカ、アメリア両船団を確認できないと」

 

大宮「参謀長どう思う?」

 

参謀長「遅れているなら良いのですが、襲撃された可能性も」

 

大宮「無いとは言えんな」

 

観測員「左舷艦影確認、アレはアメリア船団数約20いや30」

 

参謀長「30だと!間違いないのか」

 

観測員「間違いありません」

 

参謀長「提督、これは」

 

大宮「だろうな、、アメリア船団に通信、船団損害いかほどなり?と」

 

通信士「了解」

 

大宮の下に集まった情報は想定よりもひどいものであった

 

まずアメリア船団は予定の護衛艦艇27隻撤退船団71隻中護衛艦艇9隻撤退船20隻を除き全艦が撃沈されたそして遅れていたフランカ船団は護衛艦艇4隻避難船11隻を残し全滅するなど船舶が足りない状態となった、これを受け大宮は各船団の指揮官達と話し合い船舶の足りている四季島、エングランド船団の一部をアメリア、フランカ軍将兵に割当可能な限り撤退させることにした、そして、シェーンブルクに孤立する四季島軍2個中隊を救助するべく水上機母艦日進駆逐艦4隻が艦隊から離脱

 

扶桑艦橋

 

大宮「対空対潜監視を厳重に直掩機を絶やすなよ」

 

参謀長「来るでしょうか」

 

大宮「くる、確実にな」

 

参謀長「ですが、この監視網の中敵など来ないのでは、きたとしたらとんでもないバカですよ」

 

大宮「バカは来る」

 

通信士「て、敵機来襲、機種はアルバトロス数20後方にタウベ10との事」

 

参謀長「ほ、本当にきた」

 

大宮「対空戦闘開始、敵を近寄らすな」

 

ダダダダダダダダダダダダダダ

 

ドカドカドカドカドカーン

 

 

この時襲来した中にはレッドバロンつまりマンスレート・フォン・ リヒトフォーヘンもいた

 

マンスレート「居たぞ、落ちろ」

 

タタタタタタタタタタタタタタ

 

マンスレート「当たっても落ちない、まさか、噂の装甲型」

 

 

大岩「当ててくるな、赤い機体、レッドバロンか、おもしれえな」『バレット1よりバレット各機、レッドバロンがお越しだ』

 

バレット2『本当ですかいバレット1』

 

バレット3『花束忘れてきちまった』

 

大岩『バレットAチームは着いてこいBC両チームは艦隊防空行くぞ』

 

バレット各機『『『バレットズ了解』』』

 

 

大岩「落ちろ」

 

ダダダダダダダダダダダダダダ

 

マンスレート「あ、危ない、こいつらチーム戦か、まえ、落ちろ」

 

タタタタタタタタタタタタタタ

 

ドカーーン

 

大岩「逃げなら前を飛んでたスパットを落としやがった、なんて野郎だ」

 

バレット2『バレット1艦隊から帰還信号』

 

パスパスパス

 

大岩「時間切れか」『バレットAチームずらかるぞ』

 

 

マンスレート「引き上げていく、爆撃隊は、やられたのか」

 

 

マンスレートの眼下には撃墜されたタウベと悠々と航行する連合軍艦艇の集団が映っていた、とはいえ未だに戦線には四季島陸軍4個中隊とエングランド陸軍1個大隊フランカ軍2個師団と突撃隊17000名にアメリア軍3個師団が取り残されており、猛烈な砲火の下にいた。これを救助すべくエングランド海軍は第二次撤退作戦を発動、特に新たに建造された大型軽巡洋艦4隻(キャンパーダウン、アドミラル・ドレイク、コリングウッド、サンス・パレイル)には期待していた

 

 

しかし、二度目の作戦は成功しなかった、多数のタウベで張り巡らせ索敵をしていたドイツ軍はバルト海に侵入したエングランド艦隊を捕捉40隻のUボートと数百隻の小型艇が襲いかかり多数の艦艇を損傷させた

 

 

2月11日スカパ・フロー泊地四季島帝國海軍遣欧派遣艦隊司令部

 

大宮「それでエングランド艦隊は引き返してきたと」

 

坂本「そうだ、そして地上部隊の大半が壊滅している、生き残っているのは家の陸軍2個中隊とエングランド陸軍3個中隊フランカ軍1個大隊と飛行場部隊アメリア軍の1個連隊がすべてのようだ、定数割れして総数4500ほどのようだがな」

 

大宮「もはや風前の灯ではないですか、早急な救助が」

 

坂本「わかっているが、余剰な輸送船舶が無いのだよ」

 

大宮「総司令、ならば駆逐艦や水上機母艦を投入すれば」

 

坂本「だが先の脱出作戦に使用した水上機母艦日進は機雷に触雷し工廠で応急修理している、他の水上機母艦も輸送や護衛任務に駆り出され残っているのは旧型の若宮ただ1隻だ、それに駆逐艦も多数が損耗しておる、投入できるのは儂の司令部直属第2第3駆逐隊8隻だけだ、護衛艦隊に声をかければ護衛艦を融通してくれるやもしれんが」

 

大宮「ならばそれに基幹に我が第1艦隊の出雲、天龍、エピメリスこれは各艦1000は救えます、若宮も空荷で行けば600は硬いでしょう、後の900は駆逐艦と護衛艦でどうにでもできます」

 

坂本「大宮中将、君がそこまで言うのなら儂は作戦を許可する、その代わり」

 

大宮「その代わり?」

 

坂本「1隻たりと沈めるな、全艦無事な帰還をもって作戦の成功とみなす」

 

大宮「はい!早速支度をします」

 

 

タッタッタッタ

 

坂本「全く、誰に似たのやら、せめて航空援護はしてやらねばならん儂の直属の空母と第4艦隊纏めて運用するとするかの」

 

 

許可を得た大宮はすぐさま指揮官を選定、選定されたのは天龍を旗艦とする第1水雷戦隊司令の水町真也少将であった、彼は前職にアラスカ駐留艦隊砕氷戦隊司令として勤務しておりその経験を買われての選定であった

 

 

2月15日急ぎ支度を終えた水町は将旗を天龍に掲げると21ノットでバルト海方面に進出、艦隊は旗艦を軽装巡洋艦天龍とし装甲巡洋艦出雲、軽装巡洋艦エピメリス、水上機母艦若宮神風型駆逐艦8隻桑型護衛艦8隻で編成される救助隊とそれを援護する第4艦隊を基幹に超弩級巡洋戦艦シャイニーアーク、龍驤型航空母艦2隻とMACシップ1隻に桑型護衛艦4隻で編成された機動部隊で編成されていた

 

 

天龍艦橋

 

水町「参謀、後どのくらいでバルト海か」

 

参謀「後3時間でバルト海封鎖中のエングランド艦隊と接触するかと」

 

水町「そうか」

 

そんな救助隊の出撃を察知したドイツ海軍はこの艦隊を軽視していた、曰く「戦艦のいない艦隊などバルト海に来るはずがない」とそして一応と貼り付けていた航空隊も突如活発化したベルギウム方面の四季島航空隊迎撃のために外されバルト海沿岸の監視所も機動部隊による奇襲攻撃により機能不全となっていた、そしてその報告を受けた水町は一言命じた

 

「天佑我にあり、全艦突入せよ」

 

その一言で艦隊は加速する2月21日深夜艦隊はドイツ軍に見つからず撤退ポイント通称D到着にすぐさま若宮に満載した艦載艇を発進させ撤退に当たる

 

 

天龍艦橋

 

水町「参謀今何時だ?」

 

参謀「標準時間3時半過ぎ」

 

水町「そうか、急がせろよ、早起きなドイツ偵察機が来るかもしれん」

 

参謀「はい」

 

伝令「伝令、後アメリア軍1個中隊で収容が終わります」

 

水町「そうか、あの6隻か」

 

観測員「て、敵機来襲」

 

水町「対空戦用意」

 

参謀「収容終わりました、これより艇を引き上げます」

 

水町「そんな時間は無い、艇を遺棄せよ、それと最大船速だずらかるぞ」

 

 

水町の判断は早かった、艦隊を発見したドイツ軍タウベは物資をおろしに来たと考え遁走する艦隊より浜に置かれた物資破壊を優先した

 

ドイツ軍が連合軍撤退を知るのは夜が明けて準備砲撃を行ったあと塹壕に突入したときであった

 

ドイツ兵「て、敵はどこだ」

 

ドイツ大尉「どうなってる、夜明け前に補給を受けたはずだ」

 

連合軍消滅はドイツ参謀本部にまで混乱をもたらした、どこかに転進したという者も居れば、どこかに穴を掘りかくれていると言う者すらいた、そんな中タウベのパイロットが、補給しにきた艦隊に多数の陸兵らしいのが載っていたと発言すると、参謀本部は結論を出した、敵は重装備を海に投げ捨て身一つで撤退したと判断した



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欧州大戦8.開幕春季大攻勢

バルト撤退を終えしばらくたった1918年3月21日ドイツ軍はソアソンに攻勢を開始、展開していたエングランド第27師団ANZAC2個師団は奮戦虚しく敗走このドイツ軍の猛勢はドイツベルギウム国境線を守る四季島第3軍各師団にも向けられていた

 

第14師団司令部

 

リヒテンバーク「落ち着け敵の規模は!?」

 

参謀長「約10万、国境線各地より浸透」

 

リヒテンバーク「各連隊に防衛を指示危うくなったら第2線まで下がらせろ、それと軍司令部に戦車隊の派遣を要請しろ、対戦車ライフルと対戦車砲だけで食い止めれぬやもしれん」

 

リヒテンバークの感は冴えていたドイツ軍はキール戦線で鹵獲したり座礁した輸送船に残されていた大量のルノーFT17をレストアし約200両をベルギウム方面に投入していた、特に第14師団が守るケルミスにはルノーFT17、80両A7V40両を投入対する四季島軍は第3戦車師団第11連隊72両を投入、ここに今大戦初めての大規模戦車戦が開始された

 

開戦の号砲を鳴らしたのは四季島軍であった初速720m/sの37㎜戦車砲の一斉射で18両を撃破

出鼻を挫かれたドイツ軍も鹵獲した徹甲弾で反撃するも、殆ど命中せず、そして当たった砲弾も厚さ25㎜の装甲に砕かれる結果となった

 

対する四季島軍の徹甲弾は800mで30㎜と大戦中最強の貫通力を誇っていた

 

ドイツ戦車兵「7号車撃破されました」

 

ドイツ戦車車長「ひ、怯むな撃て」

 

パス、ドカーーン

 

四季島戦車隊の奮戦に主導権を奪われ始めるドイツ軍は急ぎ突撃隊を投入MP18の連射力に物を言わせて突破を図るも欧州の戦局を重く見た中津により派遣された工場艦筑紫、ベルフェスト、クリーゲル、ファルステの艦内工場で製造された6年式小機関銃(見た目はステンガン)を各大隊に50丁配備し弾丸をばらまき、弾幕を形成し突撃隊の足を止めた

 

ドカーーンドカーーンドカーーン

 

足を止めたドイツ軍に第3砲兵師団や各師団砲兵の15.5㎝砲や持ち込まえた30.5㎝列車砲が叩き込まれる

 

ドイツ軍のベルギウム国境攻勢が頓挫し逆に欧州方面航空隊の猛爆撃を受けている頃西部戦線中央では連合軍の圧倒的劣勢となっていた、既にパリまで20㎞まで近づかれたフランカ、アメリア、エングランドの3軍は四季島軍に増援を要請、要請を受けた四季島軍欧州方面軍司令部はすぐさまリオン方面に展開する第4軍から2個師団を引き抜き派遣、空いた穴は第3混成旅団と新たに上陸したANZAC1個師団とインド2個師団で埋められることとなった

 

 

そして空でも激闘が繰り広げられる大量のフォッカー D.VIIを投入したドイツ航空隊に対して北部及び南部に展開した四季島空軍は時速201kmで飛行可能な5年式戦闘機を投入し同等以上にやりあったが中部ではパイロット不足に喘ぐフランカ、アメリア航空隊と精鋭部隊をバルト戦線で失ったエングランド軍飛行隊は精鋭を掻き集めたドイツ精鋭戦闘団に大敗既にパリ近郊の制空権を維持できなくなっていた、そんな空に新たな部隊が飛来した

 

 

ドイツパイロット1「連合の雑魚どもが、落ちろ」

 

タタタタタタタ

 

ドカーン

 

ドイツパイロット1「撃墜スコア1か、まるで赤子の手をひねるようなものだ」

 

ドカーーン

 

ドイツパイロット1「な、なんだ!?て、敵の新手か」

 

ドイツパイロット2「お、追われてる助けてくれ、恐ろしく速いやつだ」

 

四季島空軍最新鋭機6年式制圧機5年式を強化し時速235㎞で飛行し陸軍で採用されている3年式12.7㎜重機関銃4挺を装備した新型機、戦闘機としてではなく制空権を制圧する制圧機として採用されたこの機体は全機が本国防衛の近衛飛行隊か精鋭を集めた親衛飛行隊にのみ配備された、今回のパリ防空に参加したのは親衛第1第2飛行隊72機であった

 

ドイツパイロット1「な、なんなんだこいつら、速い」

 

ダダダダダダダ

 

ドカーーン

 

杉白大尉「ふん、弱いな、全機無事か!?」

 

フェルス少尉『隊長全員生きてますよ』

 

杉白「そうか、弱いな鎧袖一触とはまさにこのことだな、各機着いてこい、ドイツ人共も叩き落とす」

 

『『『了解』』』

 

ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ

 

この日ドイツ飛行隊は50機のフォッカー D.VIIを喪失、これはこの日投入したフォッカー D.VIIの半数に上った

 

5月に入るとベルギウム国境線では多数の5年式や少数の6年式が乱舞しドイツ航空隊を圧倒遂にベルギウム戦線の制空権を喪失それにより5年式単発爆撃機や6年式襲撃機による対地攻撃が頻繁に行われた、ドイツ軍防空隊も奮戦に奮戦を重ね多数の襲撃機を撃退するも四季島領アラスカからカナダ経由で大西洋を渡海する大西洋航路が安全になったことにより大量の戦闘機や対地攻撃機、戦車、武器弾薬食料燃料がベルギウム各地の陸揚げ地点に揚陸、その後前線に運ばれていった。

あまりの多さに前線では被弾した機体の修理を要求するパイロットに「これを修理するより、あそこに新品の代替機が山の様に到着しているので乗り換えてくれ」と言われることが多かった。一説には燃料弾薬満タンの代用機を大量に用意し出撃効率を高めている基地もあった、流石に空襲の危険性から5月初旬には登場者不在機への爆弾搭載は禁止された。

これは他の兵器でも行われ戦車は履帯の交換より乗り換え砲弾や燃料の補給より乗り換えたほうが速いと言われ、各国に対しては大量に届く四季島製装備の受け取りに喜ぶ前線と確実に積み重なっていく支払いに頭を抱える後方という図が出来上がっていた

 

しかし北部戦線で押されるドイツ軍は北部は国境線防衛に努め中央南部で攻勢を強化それにより5月18日ドイツ軍第一線はパリまで5㎞の地点まで進出したこれによりパリにはパリ砲以外にも長距離砲による砲撃が敢行された

 

 

5月20日四季島帝國帝都

 

中津「予想よりも戦局は悪いな、ローバセット陸軍大臣どうするかね?」

 

ローバセット「九十九作戦を発動すべきです、アーヘンからケルンを抜き一挙にドイツ心臓部を突くべきです」

 

中津「ドイツ心臓部をか、ジャクリーゼ空軍大臣、君はどう思うか、この作戦には空軍の制空権獲得が必要だ」

 

ジャクリーゼ「私も賛成します、既にベルギウム各地の物資集積所には数千機の予備作戦機が保管されております、ベルギウムのパイロットやネーデルランドからの義勇パイロット達にも協力させ一挙に叩くべきかと」

 

中津「ふむ、だがこれはパリ前面や西部戦線中部南部で持ちこたえている第4軍や連合各国軍を見捨てることになるぞ」

 

ローバセット「ならば第3軍と新たに派遣した第2軍を南下させルクスブルクを解放そのままスイス国境まで進撃し包囲殲滅は如何でしょう」

 

中津「だが、第2第3軍を引き抜き第1軍単独でドイツ心臓部を突けるのか」

 

ローバセット「それは、ならば現地に展開している風紀第2第3統合戦闘団と海軍装甲陸戦隊をお貸しいただきたい、あれらと第1装甲旅団及び第1戦車師団等の第1軍の機甲兵力を持って機動性を武器とし見事貫いて御覧に入れましょう」

 

中津「………」

 

ドン

 

ローバセット「陛下、これは最後のチャンスです、ここを逃せば下手をするとパリが落ちます」

 

中津「よかろう、九十九作戦の発動を許可する、その代わり必ずやドイツ心臓部を穿ち槍の穂先で周囲の血肉を抉り取れ」

 

ローバセット「御意」

 

5月25日未明ベルギウム首都ブリュッセル四季島欧州方面軍司令部

 

畠山成房欧州方面軍司令「遂にか」

 

アーク・リンフェルス欧州方面軍参謀長「はい」

 

畠山「時計合わせ」

 

副官「5、4、3、2、1作戦開始時刻です」

 

畠山「攻撃、開始!」

 

5月25日午前3時四季島陸軍欧州方面軍に所属する3個軍がドイツ軍に攻撃を開始ここにドイツ心臓部を突き刺す九十九作戦の火蓋が切って落とされた



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欧州大戦9.発動九十九作戦

1918年5月25日ベルギウムドイツ国境ドイツ軍監視トーチカ

 

ドイツ軍曹「異常無し、砲撃が行われたときはどうなるかと思ったが静かなもんだ」

 

ドイツ伍長「軍曹殿コーヒーが入りましたよ」

 

ドイツ軍曹「Bohnenkaffee(豆コーヒー)か?」

 

ドイツ伍長「残念ながらBohnenkaffee(豆コーヒー)でなくて昨日届いた代用のどんぐりコーヒーです」

 

ドイツ軍曹「またか、いい加減飲み飽きたぞ、全くコーヒーのことについてはキール戦線の時代が懐かしいよ、あの頃は敵の塹壕を一箇所落とすだけでもコーヒーが山のように積まれていたからな鹵獲品のコーヒーをくすねてよく飲んだもんだ、特に四季島軍の陣地には1トン近くあるときもあったからな、大隊長殿も熱狂的なコーヒー党でな、くすたコーヒー豆の袋を見ても、後で俺のとこに一部運んでおけ、それで許してくれたからな」

 

ドイツ伍長「そいつはいいですな、そういえば軍曹殿はキールからの転進組でしたか、向こうはどうでした?」

 

ドイツ軍曹「俺ははじめから向こうだったからな、最初の一時期特に四季島の艦隊や航空隊が渡洋爆撃している時期は地獄だったよ、そうあんな風に四季島の爆撃機が毎日………?爆撃…機?ま、まさか、あ、あ…………アレは四季島の爆撃機だ!伍長警報鳴らせ」

 

ドイツ伍長「は、はい」

 

ドイツ軍曹「おい、お前、中尉殿を起こしてこい」

 

ドイツ1等兵「りよ、了解」

 

ドイツ中尉「何があった」

 

ドイツ軍曹「中尉殿起きておいででしたか、四季島の爆撃機が大群で」

 

ドイツ中尉「何だと、あ、なんてことだ、警報鳴らしたか!?」

 

ドイツ伍長「今鳴らします」

 

 

ウーゥーーーーウーー

 

ドイツ軍前線司令部

 

フェッフマン少将「敵の大爆撃機隊だと間違い無いのか」

 

参謀「間違いありません少将」

 

フェッフマン「何ということだ、戦闘機を上げさせろなんとしての敵の爆撃機を撃墜するのだ」

 

フェッフマンの命令を受けた戦闘機隊は急ぎ発進したが集結を待たずに五月雨式に襲いかかるも護衛を務めている欧州方面航空隊に次々と叩き潰されていった。この日第一波として投入された航空機数は2個航空戦闘団戦闘機12個戦闘飛行隊432機襲撃機2個襲撃飛行隊72機爆撃機6個爆撃飛行隊216機の720機にベルギウム飛行隊戦闘機91機襲撃機37機爆撃機42機の170機ネーデルランド義勇飛行隊戦闘機36機襲撃機12機爆撃機12機の60機全軍合計980機が投入されたこれに対してドイツ飛行隊はファルツ D.Ⅲ88機、フォッカー D.Ⅶ271機アルバトロス D.V341機の合計700を投入した

 

戦闘機の数ではドイツ軍は確かに圧倒していたがこの数はこの日投入された機体数であり第一波迎撃にあたったのは各種合わせ100機に満たなかった、そして四季島欧州方面軍は二の矢を放った、本国より到着してばかりの第4航空戦闘団360機とエングランド飛行隊120機なけなしのフランカ飛行隊39機アメリア飛行隊102機が襲来第一波の迎撃で余力のないベルギウム方面ドイツ飛行隊にとどめを刺した

 

ゲーリング「くそ、なんて数だ、落ちろ」

 

タタタタタタタ

 

ドカーーン

 

ゲーリング「足りなくなったパイロット補充のためにこっちに来たらこれかよ、恨みますよ隊長」

 

ヘルマン・ゲーリング、彼は現在多数のパイロットを失ったマンフレート・フォン・リヒトホーフェン率いる飛行隊再建のために使えそうなパイロットの引き抜きをすべく最近静かなベルギウム方面に居たが大規模反抗作戦九十九作戦による大規模空戦にすぐさま参加すべく有線電話で上官のリヒトホーフェンに話をつけ、足として使っていたアルバトロスD.Ⅲに飛び乗るとすぐさまスパッド S.XⅢ2機撃墜しニューポール 28に追われる友軍機を救うなど奮戦を続けたが、その奮戦を止めるべく永瀬大尉率いる第1航空戦闘団の精鋭部隊第1戦闘飛行隊第1中隊が襲来

 

永瀬「バートル1より各機眼前のやつが話に聞いたエースだ」

 

バートル2「おいおい敵機はアルバトロスⅢじゃねえか全くスパッドやニューポールの新型であの旧式に落とされるとかフランカやアメリアのパイロットはアホか」

 

バートル3「仕方ないだろうバートル2奴さんらは相当パイロットを失ってるからな」

 

永瀬「バートル1よりバートルA各機叩きつけるぞBCは周辺の残敵処理、掛かれ」

 

ダダダダダダダダダダダダダダ

 

ゲーリング「不味い、くそ、こいつら全員エースか当たるわけには」

 

バートル4「くそ、こいつちょこまかと」

 

永瀬「深追いするなバートル4」

 

ゲーリング「今だ、当たれ」

 

タタタタタタタタタタタタタタ

 

パスパスパスパス

 

バートル4「う、うわぁ」

 

ドカーーン

 

永瀬「バートル4!!」

 

バートル3「まじかよ、バートル4がヴァエスの奴が」

 

永瀬「なんて野郎だバートルBC両隊合流しろ中隊で奴を落とす」

 

 

ゲーリング「くそ、こいつらなんて連携だ」

 

 

永瀬「バートル9、10喰らいつけ」

 

ダダダダダダダダダダダダダダ

 

ゲーリング「落とされてたまるか、落ちろ」

 

タタタタタタタタタタタタタタ

 

バートル9「くそ、こいつこんな旧式で」

 

バートル10「バートル11後ろだ」

 

バートル11「こいつ、上手い」

 

永瀬「バートル1からバートル各機攻撃隊が引き上げ始めた、各機ずらかるぞ、バートル4の敵討ちはまただ」

 

バートル3「了解、くそ覚えてやがれあのパイロット必ず見つけてヴァエスの仇を打ってやる」

 

 

ゲーリング「引き上げてくれたか、にしてもあれが四季島の精鋭バートルサーカスか強いとしか言いようがないな」

 

11時丁度第2師団及び風紀第2第3統合戦闘団を前衛に四季島欧州方面軍はベルギウムドイツ国境線を越境遂にドイツ本国に連合軍が侵入した

 

対するドイツ軍は春季攻勢でベルギウム方面軍の過半数を喪い定員割れした師団7個と雑多な鹵獲戦車200両以上を迎撃に差し向けた

 

そしてケルン近郊フレッヒェンにて号砲が鳴り響くかき集められた200両を超えるドイツ戦車隊対するは風紀2個統合戦闘団が保有する4年式と最新鋭6年式殲滅型戦車合わせ144両特に殲滅型戦車には最新の6年式37㎜砲を旋回砲塔に収め車体に75㎜固定砲を持つ強力な戦車であった、特に6年式37㎜砲は貫徹力800mで35㎜と凶悪な既存の37㎜砲を強力にした代物であった

 

ドイツ戦車長「何だ、あの化け物は」

 

「こっちの主砲じゃ歯が立たない」

 

「6号車爆発」

 

ドイツ戦車長「ひ、怯むな撃ちまくれ」

 

カンカンカンカン

 

ドーーン、パスドカーーン

 

ドイツ戦車長「な、なんなんだあの化け物は」

 

「か、勝てるわけねえ」

 

ドイツ戦車長「こ、後退する」

 

 

ブーーーン

 

 

「この音は」

 

ドイツ戦車長「てっ敵機だ」

 

後退を始めるドイツ戦車部隊に6年式襲撃機が猛禽の群れの如く襲いかかる両翼に40発装填の12.7㎜対戦車ライフル計2丁を搭載したこの機体は薄い上面装甲を貫き多数のドイツ戦車を破壊していった

 

制空権を奪われ攻勢のために移動していた部隊は襲撃機による断続的な空襲に戦力をすり減らされていた、皇帝中津の考え通り制空権を獲得したことによるドイツ部隊は定数割れを引き起こし戦線は崩壊し始めていた、そして第2第3軍がルクスブルク守備隊を殲滅ルクスブルクを解放し南下を開始前線に移動している途中の3個師団と装甲車部隊が南下阻止のために北上するも爆撃機の絨毯爆撃と襲撃機の波状攻撃に部隊は四分五裂となり2個軍は微々たる抵抗を跳ね除け遂にスイス国境にたどり着いた、これによりドイツ野戦軍の主力は包囲された

 

包囲されたドイツ野戦軍主力はすぐさま反転包囲網の突破を図るも失敗、そして続々とベルギウム回廊を通りアメリア陸軍が包囲網に参加した、だがそれは弱点を作ることになる

 

6月10日スイス国境付近に展開するアメリア陸軍2個師団がドイツ野戦軍10個師団による猛攻撃の前に敗北すぐさま付近にいたカナダ陸軍部隊及びANZAC師団が駆けつけるも衆寡敵せず敗北、報告を受けた第2軍司令部は第8第9歩兵師団と第2戦車師団(戦車4個連隊基幹)に司令部直属の特殊部隊を派遣、部隊は先発していた第2工兵旅団及びカナダ部隊及びANZAC師団の残存部隊が掘った塹壕に展開しドイツ野戦軍を迎え撃った

 

第8師団本部

 

マーチン・ヴェッハ中将「よし撃ち方はじめ」

 

12時丁度2個砲兵連隊及び機械化砲兵連隊の大規模砲撃が開始された、これにたいしてドイツ軍は塹壕を掘ることすらせずに砲爆撃でできた穴に飛び込むなどし突撃を敢行、相手が白兵戦論者のフランカや戦意の低いアメリアには通用したが今回の相手は優勢火力ドクトリン信奉者の四季島陸軍であった、中津の軍制はとにかく火力を火線を増やし敵を圧倒する事を根幹に置いていたそのため各師団に専任の完全機械化された補給連隊や各軍に専属の鉄道敷設隊や建設部隊が配備されるなど補給を重視されていた

 

遮二無二突撃を敢行するドイツ軍であったが老練なヴェッハの張り巡らせた罠にハマっていった、ヴェッハは塹壕を上から見た場合逆ハの字型になるように掘らせドイツ軍部隊の陣形を先細りさせ紡錘のように密集させていった、そして

 

ヴェッハ「今だ全機関砲撃ち方はじめ」

 

ヴェッハの号令に運び込まれ設置された40㎜対空機関砲による水平射撃と特殊部隊が保有している車載式25㎜ガトリング砲の猛射撃が開始された人体に大口径弾が命中すれば瞬時に体を引き裂いた、こんなものを大量にくらったドイツ兵は次々と物言わぬ骸とかしていった

 

6月12日ドイツ参謀本部は包囲下に置かれた部隊は壊滅したと断定本国に残る部隊を参集させ始めたがそんな中アメリア陸軍欧州派遣軍にて多数の未知の疫病患者が大量に発生、この報告を受けた中津は来るべきものが来たと思いいつすぐさま欧州方面軍に進撃の停止と防疫措置を命令内地に残していた疫病対策部隊の派遣を開始そして7月1日四季島帝國欧州方面軍は帝國軍最高司令部に疫病による非常事態を宣言、報告を受けた最高司令部は作戦中止を中津に上奏、上奏を受けた中津はすぐさま作戦中止を許可すると同時に緊急会議を決定した




そろそろ一次大戦終わるかな、その後はみんな大好き政治と軍縮ね


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欧州大戦10.降りかかる死病スペイン風邪大襲来

7月3日四季島帝國帝都特設会議室

 

ヘルマン・シュタイヘル帝大医学教授「現状までの死者世界全体で約50万人を超えたと思われますが、致死性は普段のインフルエンザよりやや強いレベルです、しかし今後の変異により感染力は数倍に達すると思われます」

 

中津「なるほど、シュタイヘル教授、このインフルエンザ、現在スペイン風邪と言われているこれは変異すると思うかね」

 

シュタイヘル「はい、確実に変異すると、それも致死性や感染力を上昇させ」

 

中津「そうか、………マックレーネ」

 

マックレーネ「はい」

 

中津「各省庁の予備費から特別予算を執行してくれ、足りなければ帝室資産を使用しても構わん、イネス」

 

イネスタキオン「はいはい、何かな」

 

中津「すぐさま治療薬の研究を開始しろ時間宮の使用も許可する、9月には治験に入れるように」

 

イネスタキオン「無茶を言うね帝大と京大の医学部あと近衛医療部の研究員すべて借りるよ」

 

中津「よかろう、資金は先の費用の他に予定していた長門型戦艦5番艦〜8番艦E型巡洋戦艦の1番艦〜4番艦及びD型水上機母艦の建造を取りやめその余剰資金を充てよ」

 

シュタイル・バーネベルト海軍大臣「陛下それは!」

 

中津「バーネベルト大臣、新型の巡洋戦艦4隻はいらん金剛型とその改良型の10隻で十分だそれに長門型まで8隻揃える必要はない、既に我が海軍には超弩級以上の戦艦巡洋戦艦鹵獲したバーラムを含め19隻存在している、さらに8隻加えると27隻、これは多すぎるのだ、水上機母艦もだ機体を破棄することを前提としている水上機母艦に君はどれだけ入れ込んでいるのだ、空母機動艦隊の予算を考えたまえ君はどれだけの国費を海軍に使えと言うのだ、とにかく戦艦や巡洋戦艦はバーラムを含む19隻のみだ薩摩型や筑波型は戦後に解体させる、アレラもそう長くは使えないからな、だが耐えるのも収束までだ収束後は君の望むA型高速戦艦やT型重戦艦の建造費工面する、だから今は納得してくれ」

 

バーネベルト「わかりました、その代わり時が来ましたらA型高速戦艦4隻T型重戦艦4隻の予算をお認めいただきたい

 

マックレーネ「バーネベルト海軍大臣!!それだけの艦艇は維持費何処から捻出するつもりか!!」

 

バーネベルト「その代わりA型が完成しましたら、バーラムや水上機母艦の大半及び金剛型で耐久に難のあるものを全て廃艦もしくは諸外国に売却にいたします」

 

マックレーネ「そんな虫のいいことを」

 

中津「控えよマックレーネ」

 

マックレーネ「しかし、陛下」

 

中津「よかろう、だがバーネベルト全ては許可せん、T型は2隻のみとする、よいな」

 

バーネベルト「寛大な御判断に感謝いたします」

 

 

御前会議の結果四季島帝國は医療緊急事態宣言を発令防疫対策を開始、入国帰国者に対して潜伏期間中の隔離を決定、この決定に驚きつつも斉王朝は同様の処置を決定、しかし陸上国境や入国管理官の汚職により防疫線は崩壊そして8月に第二波が襲来ヘルマン・シュタイヘル教授の想定通り第一波より脅威を上げたスペイン風邪は世界を死の渦に叩き落とした9月にはアジア方面にも襲来四季島帝國は水際防衛を決定海外船舶の入港可能箇所をアラスカノートン湾港、大連港、裏塩港、長崎港、名古屋港、室蘭港に制限、他の湊は国内線のみと制限し船員一人一人を検査の対象としたまたこれによる国内企業の損害は調査の上帝國政府が補填すると発表

 

そんな防疫を行う四季島帝國にたいしてエングランド、フランカ、アメリア三軍は攻勢を開始ドイツ国境線要塞陣地に攻めかかるもおびただしい数の戦死傷者を出すことになるそして少しまた少しとスペイン風邪疾患者が増え始めた10月7日までに前線に展開する3軍で50万人を超える患者と20万人を超える病死者が出ていた

 

そして11月には連合首脳部会議にてドイツ第二帝国との停戦が決定11月21日ドイツ第二帝国国内で停戦協定にサインその後、1919年1月第一次世界大戦は終戦を迎えた、そして史実同様ヴェルサイユ条約が締結されたしかし賠償金額は史実よりも多く、特にフランカは史実の2倍を要求しようとしたが、四季島代表の

「我が国より働かなかったのにその金額を要求するのですかなぁ、それだけの金額を受けるのなら我が国が予定している欧州復興プランには不参加でよろしいようですな、我々としては構いませんよ、貸す金を減らして長い付き合いのあるベルギウムやドイツに注力できますからな」

 

この一言に顔を青ざめるフランカ代表とホッとした顔をするドイツ代表、この発言によりフランカの獲得賠償金は史実よりも減ることとなり、更に四季島は自らに割り当てられた賠償金獲得量(総額の20.5%270.6億金マルク)のうち平和に対する義務として260億金マルクまで減らして請求すると宣言、これを受けエングランドも3%削減を宣言したこれにより史実よりドイツは楽になるがフランカは物納賠償を史実よりも強めた、これにすかさず四季島代表がドイツが開戦時四季島に預けていた資金や物資を帝区に政府への投資とみなし金利をつけてお返しすると発言、そしてドイツフランカ両国が望むのならばフランカの物納賠償を帝國が金銭査定した上この金利から支払ってもいいですが?

と発言、これにフランカ代表は支払いはメゼルかどうか聞いてきた、それに四季島代表がメゼルだと答えると、国民を納得させると発言しこの日は閉会となった

 

メゼル払いにフランカが拘るのは四季島から借りたメゼルの返済が近いからであったフランカは今大戦で護衛艦艇80隻航空機2000機装甲車などの戦闘車両5000両、小重火器弾薬など多数を四季島から購入していた、そしてその支払いはメゼル建てさらに借財としてしょりされていた、その総額はフランカの国家予算2年分、ただし物納返済可能であった

 

そのためフランカは1マルクでも多く1グラムでも多くドイツから搾り取ろうとしていた、そして戦争犯罪についてもフランカ代表がヴィルヘルム2世を裁こうとするのに対して国家元首だからといって裁くことは不法とし、政治に関わらないことを誓うもしくはドイツを出国し帝位継承権を捨て他国にて生涯を送ると誓えばいいとした

 

そして長い議論の末ヴィルヘルム2世とその家族は四季島に移住、移住後は政治的活動を一切しないこととドイツ帝位継承権の破棄を宣言することとなった

 

そしてついに終戦宣言が出され長きにわたり続いた世界大戦は終わりを告げた、そして戦後、スペイン風邪に侵される世界、四季島政府は抗生物質の量産を開始、各国に輸出されたこともあり、21年にはスペイン風邪の収束が宣言された



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