比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる! (生焼け肉)
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プロローグ
新人トレーナー、比企谷八幡!


皆様、1週間ぶりの挨拶になります!生焼け肉です!

この1週間、取り敢えずお休みを頂いておりましたが、不思議と長く感じました。少しだけ書いてみようかなぁ〜とか思っていました。(そう思ってるのなら書け!って思いますよね………)

さて、前回作である【俺、実は彼女がいるんだ………】の後書きと活動報告に記載した通り、ウマ娘プリティーダービーの連載をスタートさせます!!

以前アンケートを出してもらい、58名のユーザー様からのアンケート回答の結果、【やはり俺の青春ラブコメは間違っている】の比企谷八幡をトレーナーとして出す事に致しました。

アンケートに答えて下さった、LCRCL(エルマル)様、六道駁様、花摩訶様、ゼフィランサスより様、のむら様、fumo666様、霧闇煌炎様、はっちゃけ王子様、パワコン様、高雄様、リョウ・スカーレット様、ヒロアキ141様、ジェリオール様、ラミアキッド様、Kuraun1610様、妖怪狐様、Rayland様、ぱぷお様、siramo様、黒薔薇の堕天使様、せふぃ様、つばさ隼様、ハクエモン様、compact様、MAXCoffeeLove様、ryusei495様、サクラサク様、lost life様、1213様、雪尾様、GADWG様、studioego様、ミチェ丸様、猛者必死様、バンドリーマー様、magister様、八雲千様、異次元の若林源三様、雷狼輝牙様dragonヤマダ様、ブラッド様、taiga@夕立様、逆廻椛たん様、ガム【s32099】様、真剣 波切様、霧雨セラ様、葛葉様、鶴田和彦様、黒猫うたまる様、リンゴチョップ様、はらお様、sakai様、D51型245号機様、炎の剣士様、マサムネ18様、千本桜×リムル様、DARC様、taka-yuki様、

アンケートへのご回答ありがとうございました!!

それでは第1話スタートです、どうぞ!!


八幡side

 

 

長かった………本当に長かった。試験、本当に色々あったが、漸くこれで俺もトレーナーだ。本当ならなる気なんてなかったが、あの人のおかげで今の俺があるんだし、少しは聞いてやらないとダメだよな。だが不安もある。こんな見た目の俺を受け入れてくれるようなウマ娘はいるのかどうか、とかな。

 

っと思ってる内に着いたな、此処が【トレセン学園】か……… 正式名称【日本ウマ娘トレーニングセンター学園】か。全国津々浦々にあるトレーニング施設の中でも最新鋭かつ最大規模の施設であり中高一貫の教育機関だ。しかし、資料でも一通り全国にあるトレセン学園は見たが、この東京都府中市は段違いだ。施設もさる事ながらこの広さもそうだ。ウマ娘にはもってこいの環境だろうな。

 

 

八幡「っと、俺もこうしちゃいられないな。俺も自分の担当ウマ娘を探さないとな。確かコース場はこっちだったよな。」

 

 

ーーーコース場ーーー

 

 

いる……かなりの数のウマ娘が。成る程な、此処でトレーニングするウマ娘もいれば、学内のトレーニングルームで鍛えてるウマ娘もいるって訳だ。だが、良いウマ娘を探すのにはかなりの目、相マ眼が必要だ。折角の機会だし、既に所属しているウマ娘でも良いからタイムでも計測してみるか。

 

 

八幡「………やっぱトレーナーがいると質も上がってくるもんなんだな。」

 

???「失礼、もしかすると君は新人トレーナーの者かな?」

 

八幡「え?あぁ、そうですけど……」

 

???「そうか。見慣れない顔だった者でな、声を掛けさせてもらった。申し遅れた、私はシンボリルドルフ。このトレセン学園の生徒会長をしている者だ。分からない事があれば、気軽に聞いてくれ。」

 

八幡「俺……いや、比企谷八幡です。よろしくお願いします。」

 

ルドルフ「ふむ、比企谷トレーナーだな。これからよろしく頼む。それと私に敬語は不要だ。それと質問なのだが、君は今タイムを測っていたようだが、その理由を聞いてもいいかな?」

 

八幡「単なる好奇心だ、育っているウマ娘はどんなものなのかと思ってタイムを測っていただけだ。」

 

ルドルフ「そうか……だがそれを良しと思わないトレーナーもいる。これからはそういうのは控えた方が良いだろう。」

 

 

おぉ、これは良い事を聞いた。無闇にストップウォッチを出すのは良くないかもしれないな。今度から気を付けよう。

 

 

ルドルフ「君も知っているとは思うが、この学園は互いに切磋琢磨し合い、試行錯誤を繰り返し、獅子奮迅が如く頂点を目指す者達が集まっている。君も自分に見合うウマ娘に出会える事を祈っているよ。」

 

八幡「……それは、お前をスカウトしたいって言っても受けてくれるのか?」

 

ルドルフ「っ!………くっ、はははは!いや、済まない。決して君を笑ったわけではない。ただそんな風にいきなり言うとは思わなかったものでね。ふむ……そうだね、私をスカウトするのに見合う理由を述べ、私を納得させる事が出来れば、君のスカウトに応じよう。」

 

 

要するにテストみたいなものか………だが今の時点ではコイツの美点が分からない。今スカウトしても無駄だな。

 

 

八幡「まぁ、今の時点では情報が少な過ぎる。お前をスカウトするのは無理そうだし、やめておこう。第一、お前の事何も知らないし。」

 

ルドルフ「成る程、君は慎重な性格なのだね。何も考えずに猪突猛進するトレーナーよりは好感を持てそうだ。担当にならずとも、君とは上手くやっていけそうな気がする。」

 

八幡「一応、褒め言葉と受け取っておく。」

 

ルドルフ「素直ではないのだな、これでも私なりに褒めたつもりなのだが。」

 

???「会長、こちらにおいででしたか………そちらの方は?」

 

ルドルフ「今日からこの学園で新人トレーナーをする事になった、比企谷トレーナーだ。比企谷トレーナー、彼女はエアグルーヴ。生徒会副会長にして、私の右腕だ。」

 

八幡「エアグルーヴ……分かった、よろしくお願いします。比企谷八幡です。」

 

エアグルーヴ「ほう……初対面の相手に敬語を使う辺り、その辺のトレーナーよりは多少なりとも教養があるようだ。改めて名乗ろう、私はエアグルーヴだ。言っておくが、よろしくするつもりはないぞ。それと、その言葉遣いも不要だ。お前の普段通りの口調で構わない。」

 

 

おぉ……性格少しキツめなんだな。やっぱ色んな性格のウマ娘が居るんだろうな。

 

 

八幡「そうさせてもらう。それとお前、会長を探していたんじゃなかったのか?」

 

エアグルーヴ「っ!そうでした。会長、まだ担当の決まっていないウマ娘達の模擬レースの事なのですが、日時は明日でよろしかったでしょうか?都合が悪ければ、日を改めますが………」

 

ルドルフ「いや、その必要はない。それにだ、目の前にそれを目的でくるトレーナーも居るのだ。日時を改めるわけにはいかないだろう?」

 

 

まぁ確かにそうだな。実際に走りを見てみない限りには、スカウト出来ないからな。ちゃんと走り見る必要がある。

 

 

ルドルフ「と言うわけだ。明日、担当の決まっていないウマ娘の模擬レースが行われるんだ。君も是非来るといい、君の目に叶うウマ娘が現れるかもしれないぞ。」

 

八幡「そうする。明日は瞬きする事も許されなさそうだしな。」

 

エアグルーヴ「精々、目を凝らしながら目利きをする事だな。」

 

八幡「もし、お前をスカウトするって言ったらどうする?」

 

エアグルーヴ「お前が私に相応しいかを見定めてやるまでだ。まぁ、私がお前を選ぶ理由は今の所無いに等しいがな。」

 

八幡「実績や為人にトレーニング法、自身の掲げる目標を叶えてくれる事やら何から何まで何も知らないから、か?」

 

 

すると2人は驚いたような顔をしていた。俺、何か変な事を言ったか?このくらい当然だし誰でも分かる。何せ初対面だ、それで分かる方が気持ち悪い。

 

 

ルドルフ「……君は今の自分に正当な評価を下せているようだね。いや、この言い方は君に失礼か。済まない。」

 

八幡「いや、別にいい。無名のトレーナーなんてそんなもんだろ。」

 

ルドルフ「ふふふっ。エアグルーヴ、これは私達の方が1本取られてしまったようだ。このトレーナーは君が思っているよりも、遥かに良いトレーナーかもしれないぞ。」

 

エアグルーヴ「………まぁ、今の自分を理解出来ている所や過信し過ぎない所は高く評価しましょう。」

 

ルドルフ「君も素直ではないな……では比企谷トレーナー、私達はこれで失礼する。明日の模擬レース、君にとって有意義な時間になる事を祈っている。」

 

八幡「あぁ、ありがとな。」

 

 

そう言ってシンボリルドルフとエアグルーヴは去って行った。今日、ここから始まるんだよな。俺のトレーナー生活が。

 

 

八幡「よし、その為にも先ずは明日の模擬レースだな。」

 

 

 

 

 

 

 




はい、1話目はこんな感じになりました。

一応、30話まではプロローグとして進めていきたいと考えています。

新たに始まりました、【比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!】をよろしくお願いします!


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新たな拠点と同業人

2作目です!

一応コメント欄の感想でお伝えした方もいるのですが、こちらでもお知らせしておきます!

・シナリオ的には、史実とゲームを合併したのを出します。
・八幡以外の俺ガイルキャラは今後考える予定です。

今、お答え出来るのはこんな所です。疑問点などあれば、感想欄やメールでお待ちしております!

では、どうぞ!


八幡side

 

 

此処がトレーナー専用の寮か………やっぱ東京にはこういう施設も存在するんだな。他のトレセン学園は学園の事は載ってあっても、こういう職場に関しての資料は無かったし。

 

 

八幡「すいません。今日付けでトレーナーになりました、比企谷八幡です。」

 

???「お待ちしておりました、比企谷トレーナーさん!心より歓迎致します!私は当学園理事長の秘書を務めさせて頂いております、駿川たづなと申します。以後、よろしくお願いしますね。」

 

八幡「よろしくお願いします。」

 

たづな「では、比企谷トレーナーのお部屋までご案内致しますね。この寮は男女で区分は違いますが、同じ屋根の下で過ごす事になっています。なので、間違って女性トレーナーの方向に行かないように気を付けてくださいね。」

 

八幡「はぁ………」

 

 

同じトレーナーっていっても、それなりに歳を取った人しか思いつかない。確かに最近では若い連中がトレーナーになる事を目指すのも増えてきてるが、まだ存在が薄い。この学園ではどうなのだろうか?

 

 

たづな「到着しました。此処が比企谷トレーナーのお部屋になります。今は寝泊まりするのに必要最低限な物しかありませんが、これからは比企谷トレーナーの自由にコーディネートして下さいね。」

 

八幡「分かりました。」

 

たづな「それで、比企谷トレーナーは明日のご予定はお決まりでしたか?もしお決まりでなければ、オススメ出来るイベントがあるのですが。」

 

八幡「明日は担当トレーナーの決まっていないウマ娘の模擬レースを観に行こうと思ってます。あわよくば担当を作りたいです。」

 

たづな「あら、模擬レースの事をご存知だったんですね!ならば話は早いです、明日は色々な意味で重要な日です。比企谷トレーナーにとっても見逃せない日になる事間違いなしです!色々なトレーナーが自分の好みに合ったウマ娘を探しに行きますので、比企谷トレーナーも遅れないように頑張って下さいね!」

 

八幡「ありがとうございます。」

 

 

やっぱ明日の模擬レースはトレーナーの中でも重要視されてるんだな。駿川さんが此処まで推してるのもその理由の1つだろう。

 

 

八幡「けど先ずは、自分が担当するウマ娘を確保しないとな。そうしなきゃ始まらない。1人で頑張ってもウマ娘が居ないんじゃ意味ないしな。」

 

 

ーーー食堂ーーー

 

 

八幡「………」モグモグ カキカキ

 

 

これだとハード過ぎるか?だとしたら夏合宿のメニューにするのが良いかもな。普段はもう少し抑え目にして………

 

 

???「あの、お隣よろしいですか?」

 

八幡「?どうぞ。」

 

???「ありがとうございます。」

 

八幡「………」カキカキ

 

???「………凄い。」

 

八幡「?」

 

???「あっ、すみません覗き見しちゃって。私も最近、このトレセン学園のトレーナーになったんです。えっと、桐生院葵といいます、よろしくお願いします。」

 

 

桐生院………トレーナー業の名家か。まぁ中央にはその家系の人間が居てもおかしくはないな。

 

 

八幡「……比企谷八幡です。こちらこそ、よろしくお願いします。」

 

葵「比企谷トレーナーですね、覚えました。それにしても、どうやってこんなメニューを?独学で?」

 

八幡「まぁ、そんな感じです。今組んだのは少しハード過ぎたので、夏用メニュー行きになりますけど。」

 

葵「凄い………私もメニューを組んだりしますけど、こんな風には考えた事なかったです。考え方が柔軟なんですね。」

 

八幡「いや、そんな事は………」

 

 

初めてこんな事言われた………俺が研修生の頃に提出したら、教授とかには『これは独自性が強過ぎる。』とか『バランスが取れてない。』とか『突飛過ぎる。』とか色んな事をダメ出しされたもんだ。

 

 

???「へぇ……中々面白いメニューね。」

 

八幡「?」

 

葵「あっ、ハナ先輩!」

 

 

桐生院がハナ先輩と言った人は、グレーのパンツスーツに黒のワイシャツを着こなしていて、長い髪をポニーテールにして白縁の眼鏡に赤いイヤリングが特徴の知的な女性だった。

 

 

東条「お疲れ様、葵。それと貴方は?」

 

八幡「今日からこのトレセン学園でトレーナーをします、比企谷です。」

 

東条「比企谷君ね。私は東条ハナよ、貴方と同じトレーナーであり、この学園の教職員でもあるわ。」

 

 

へぇ……トレーナーでもあり職員でもあるのか。

 

 

東条「それで貴方のメニュー、勝手に見たのは謝るけれど、面白いわね。私も今まで何度もメニュー作りはしてきたけど、こんなメニューを見たのは初めて。」

 

八幡「それって良い意味でですか?それとも悪い意味でですか?」

 

東条「わざわざ悪態つける為に話しかけに来るわけないじゃない。良い意味でよ。貴方の脳みそを貸してもらいたいくらい、ね。」

 

葵「凄いですよ比企谷トレーナー!ハナ先輩から褒められるなんて!」

 

八幡「そ、そうなんですか?」

 

葵「ハナ先輩はトレーニングもダンスも厳しいで有名なメニューを組むので有名なんです。そんな人から褒められるなんて凄い以外ありませんよ!」

 

東条「持ち上げ過ぎよ、葵。まぁ、困った事があったら相談しに来なさい。流石に寮の個室まで来いとは言えないけど、公共の場でなら乗ってあげるわ。」

 

八幡「ど、どうも……」

 

東条「じゃ。」

 

 

そう言って東条トレーナーは行ってしまった。だが、相談相手が出来たのは少しありがたい。

 

 

 

 

 

 




今回は、理事長秘書の駿川たづなさん、トレーナーの桐生院葵さん、東条ハナさんが出ましたね。たづなさんと桐生院さんはゲームで、おハナさんはアニメでのキャラとなっています。たづなさんはアニメでも少しだけ出ますけどね。



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模擬レース当日

3話目です!

今回の話ではウマ娘は登場しません。




八幡side

 

 

トレセン学園に来て1日が経って、気持ちの良い朝を迎えている。昨日はあれから少し話した桐生院(実は同期だった。)と東条先輩、そして男のトレーナーの人達に随分と世話になった。そして今日は模擬レースの日なのだが、始まるまでまだまだ時間がある。俺は何をするべきか………

 

メニュー作りをするのも良いが、学内を見るのも悪くはない。それに俺はまだこの学園の理事長に会ってない。だから挨拶に行く必要もあるだろう。ともなれば………学園長へ挨拶に行くのと、この学園の把握だな。その方が理に適ってる。街も見て回りたいが、まぁそれは今でなくても大丈夫だろう。

 

 

ーーートレセン学園内ーーー

 

 

コースは見て回ったが、学内を見るのは初めてだったな。やっぱ校内見取り図を見た方が手っ取り早いよな。今日もウマ娘達は授業があるから、なるべく教室のある通りは避けるようにしないとな。

 

 

たづな「あら、比企谷トレーナー!おはようございます!」

 

八幡「っ!あぁ駿川さん、おはようございます。」

 

たづな「このような場所でどうされたのですか?」

 

八幡「いや、一応俺もトレーナーになったんで、この学園内の事を覚えようと思って………それで先ずは何処に何があるのか見てみようと思って見取り図を見てたんです。」

 

たづな「成る程、そうだったんですね。なら丁度良かったです!比企谷トレーナー、私はこれから理事長室に行くのですが、よろしければご挨拶しに行きませんか?」

 

 

寮から出る前に決めておいた事でもあるし、昨日は出来なかったからな、今しておいた方が良いだろう。

 

 

八幡「はい、お願いします。」

 

たづな「はい、分かりました。ではご案内しますね。」

 

 

ーーー理事長室ーーー

 

 

たづな「こちらが理事長室となっております………理事長、たづなです。」

 

理事長『許可っ!入ってよろしい!』

 

たづな「失礼します。」

 

八幡「失礼します。」

 

理事長「質問っ!たづなよ、そちらに居るのはどちら様かな?もしや先日言っていた新トレーナーか?」

 

たづな「はい、昨日よりトレーナー資格を得た比企谷八幡さんです。このトレセン学園に配属されました。」

 

八幡「比企谷八幡です、昨日は挨拶できなくてすみませんでした。」

 

理事長「無用っ!!謝罪の必要はない!!君にも都合があったのだろう、今日来てくれたから問題ないっ!!私はこの学園の理事長をしている秋川やよいだ!!」

 

 

独特な言葉遣いをするんだな………

 

 

八幡「よろしくお願いします。」

 

秋川「歓迎!!」

 

たづな「それと理事長。比企谷トレーナーはこの学園には昨日来たばかりです。なので、私がこの学園内を案内してもよろしいでしょうか?」

 

 

え?

 

 

秋川「採用っ!!その方が比企谷トレーナーも覚えやすいと思う!たづなよ、任せたぞ!」

 

 

こうして俺は駿川さんに学園を案内してもらう事になったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たづな「では、何処から参りましょうか………比企谷さんは知りたい場所や行ってみたい場所はありますか?」

 

八幡「昨日はコースを見たので、室内でトレーニングできる場所を見ておきたいです。」

 

たづな「分かりました、ではご案内します。」

 

 

ーーートレーニングルームーーー

 

 

たづな「こちらは筋力アップを中心に行うトレーニングルームです。主に怪我をして走れないウマ娘が使用する事が多いですが、それ以外にも使うウマ娘達はいますので、此方に訪れる頻度は少なくないと思います。」

 

八幡「成る程………」

 

 

ーーープール施設ーーー

 

 

たづな「こちらはプール施設です。長水路50mプールに飛び込み台付きとなっています。持久力を鍛えるのにもってこいですよ!それと比企谷トレーナーなら大丈夫だとは思いますが………」

 

八幡「?何ですか?」

 

たづな「幾らトレーナーだからといって、ウマ娘の身体を凝視し過ぎないようにして下さいね?」

 

八幡「………そういうトレーナーが過去に居たと?」

 

たづな「残念ながら。」

 

八幡「分かりました、気を付けましょう。」

 

 

ーーー図書室ーーー

 

 

たづな「此処は見ての通り図書室です。レースの本は勿論の事、それ以外にも様々な本がありますので、勉学をするのには最適な空間となっています。」

 

八幡「ふむ………」

 

たづな「それと、この室内では大きな声を出さないようにお願いしますね。」

 

八幡「まぁ、図書室では常識ですね。」

 

 

ーーー保健室ーーー

 

 

たづな「こちらは保健室です。こちらでは怪我をしてしまったウマ娘を応急処置ではありますが、治療する事ができます。もし軽い怪我がありましたら、すぐに此処に来て下さいね。」

 

八幡「因みに治療は誰がするんですか?保健医が居るんですか?」

 

たづな「居るのですが、出来ればトレーナーがしてあげるのが1番ですね。担当ウマ娘に関して1番分かっているのは担当トレーナーですから。」

 

八幡「まぁ、異性に触られるのが嫌いでなければそうしましょう。」

 

 

ーーー食堂ーーー

 

 

たづな「こちらは食堂となっています。ウマ娘達の昼食がメインとなっていますので、トレーナーの皆様はこちらでは滅多に召し上がりません。食べる方もいますが、ご自身のお弁当をご持参してというパターンが多いです。」

 

八幡「そのトレーナー達はお昼何処で食べてるんですか?」

 

たづな「用意されているトレーナー室で取るのが殆どですね。」

 

八幡「じゃあこれからは俺もそうなりそうだな。」

 

 

ーーーコースーーー

 

 

たづな「昨日来ていたのでご存知だと思われますが、トレーニングコースです。坂路、ウッドチップ、芝、ダートの4種類があります。」

 

八幡「遠くから見てても分かりましたが、本当に良い設備ですよね。」

 

たづな「はい!当学園自慢のポイントですから!」

 

八幡「今日の放課後は、此処で模擬レースが行われるんですよね。」

 

たづな「はい。今日は大切な模擬レースの日ですから、比企谷トレーナーにとっても重要な日になりますよ。」

 

 

ならしっかりと、ウマ娘達の走りを見ておかないといけないな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、今回はゲームでお馴染みのちびっこ理事長の秋川やよいさんでしたね。無茶苦茶な事してるのに、憎めないキャラしてますよねww

たづなさん、大変でしょうけど頑張って下さい。



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昼食と新たな理論

4話目に入ります!

今回はあの有名な3人が出て来ますよ〜!


八幡side

 

 

たづな「以上がトレセン学園内の施設となっております。先程ご紹介しました、比企谷トレーナーさんのトレーナー室もご自由に使って下さいね。あの場所が比企谷トレーナーさんの城でもありますから。」

 

八幡「分かりました。」

 

 

予想はしていたが、かなりの広さだった。流石はトレセン学園だ………

 

 

たづな「ところで比企谷トレーナーさんは昼食はお決まりでしたか?」

 

八幡「いえ、特には。それに今日は弁当を作る暇も無かったので。」

 

たづな「比企谷トレーナーさんは料理もなさるのですね………素敵です!」

 

八幡「ど、どうも………ま、まぁ今日は食堂で食べる事にしますよ。因みに聞きますけど、量とか大丈夫ですか?ウマ娘達の基準で盛り付けられても、俺は食べ切れる自信ありませんよ?」

 

たづな「それは大丈夫です、ウマ娘だって千差万別。よく食べる子もいればそんなに食べない子もいます。栄養バランスを計算して食べる子だっているんですから。」

 

 

成る程、良い身体作りは良い食事からっていうのも聞いた事あるしな。俺も少し料理に凝ってみるか?スパイスとか使うまではいかないけど。

 

 

たづな「では、食堂へ参りましょう!」

 

 

ーーー食堂ーーー

 

 

ほう………お昼時だからか、ウマ娘達が沢山いるな。しかし、やっぱ男の俺が居るからか、少しだけ視線が集まる。やはり次からはトレーナー室で食べる事にしよう。一々こんな視線を浴びせられたら、食事に集中出来ないしな。

 

 

たづな「比企谷トレーナーさんは何になさいますか?」

 

八幡「よく分からないので、駿川さんと同じ物を。次来た時にじっくり見ます。」

 

たづな「分かりました。」

 

 

………あっ、一緒に行けばよかった。それに駿川さんに任せてしまった………何やってんだ俺は。

 

 

「あの………」

 

八幡「ん?何か?」

 

「もしかして……トレーナーさん、ですか?」

 

八幡「そうですけど………て言ってもなったばかりですけど。」

 

「じゃあ今日の模擬レースを観て、スカウトするウマ娘を決めるって事ですよね!?」

 

八幡「まぁ……そうなります。」

 

「じ、じゃあ私の走りを是非観て下さい!」

 

 

な、何だこの娘は?いきなり自分を押し売りか?まぁ観るだけ観るつもりだけどよ。

 

 

八幡「分かりました。けどスカウトするかどうかは俺次第ですからね。」

 

「はい!よろしくお願いします!」

 

たづな「あら、ふふふっ、逆スカウトされていたんですね。」

 

八幡「いや、あれはそういうのじゃないでしょう。」

 

たづな「ふふふ。」

 

 

俺がウマ娘と話している間に駿川さんが注文を済ませてくれていた。どう注文するのか見られなかった………やっぱり一緒に行くべきだったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「………」モグモグ

 

たづな「………」モグモグ ジー

 

八幡「……いや、これはこうじゃないな。この後はウッドかダートの方が良いかもな。芝だと追い込めてないな。やってみてだな。後は………」

 

たづな「比企谷トレーナーさんはとても熱心な方なのですね。」

 

八幡「え、そうですか?」

 

たづな「はい。それに今時珍しいと思います。タブレットやPCを使わず、自分の手でメニューを組むなんて。」

 

八幡「俺をこの道に勧めてくれた人の1つの癖みたいなものですよ。その人は指で打つようなのは嫌いみたいで。だからメニューを組むにしても何をするにしても全部手書きする人でして。俺はそこまでじゃないですけど、こっちの方が色々と書けますので。タブレットやPCだと必要な事しか書けないので。」

 

たづな「その方は比企谷さんのお師匠さん、なのですか?」

 

八幡「……ちょっと違いますね。まぁ簡単に言うと、恩人ですね。俺も一応、色々ありましたから。」

 

???「……済まない、このメニューを少しだけ見させてもらっても構わないだろうか?」

 

八幡「ん?」

 

 

俺の後ろから話しかけて来たのは、白いウェーブのかかった長髪に赤縁の眼鏡をかけていて、そのレンズの奥には金色の瞳をしている理知的なウマ娘だった。

 

 

八幡「あぁ、どうぞ。」

 

???「ありがとう、拝見する。」

 

???「何々!?どうしたのハヤヒデ?」

 

???「またお得意の理論メニュー?」

 

???「違う。このトレーナーのトレーニングメニューを拝見させてもらっているだけだ。」

 

???「ふぅ〜ん………見た目あんま凄そうなトレーナーには見えないけど。」

 

 

失礼な……いや、事実か。見た目そんな拘りねぇし。

 

 

???「………今まで無い理論だ。」

 

八幡「?」

 

???「私が今まで汲み上げてきた理論の中に無い可能性を感じさせるメニューだ。済まないがこのメニュー、私の手帳に写させてもらっても構わないだろうか?」

 

八幡「それは別に構いませんが、そんなに凝ったメニューじゃ無いと思いますが?」

 

 

するとハヤヒデと呼ばれたウマ娘は、俺の言葉に耳も傾けずに自身の手帳を取り出すと、俺のノートに書かれている内容をそのままメモ帳に写していた。ていうかそのまま?

 

 

???「……よし。ありがとう、とても良い理論が作れそうな気がする。」

 

八幡「いや、それは構わないですけど………あぁ、俺は比企谷八幡。新人のトレーナーです。それで、君は?」

 

???「あぁ、名乗らずに済まなかった。私はビワハヤヒデという。そのままでは長いからハヤヒデと呼んでくれて構わない。よろしく頼む。」

 

???「アタシはウイニングチケット!アタシの事はチケゾーで良いよ!」

 

???「……ナリタタイシン、よろしくするつもりはないけど、呼ぶ時はタイシンでいいから。」

 

 

おぉ、一気に来たな。ビワハヤヒデにウイニングチケット、ナリタタイシンか………覚えておこう。

 

 

ハヤヒデ「それと、話し方は君のしたいようにしてくれて構わない。敬語でなくても私は気にしない。」

 

八幡「じゃあそうさせてもらう。」

 

ハヤヒデ「では、我々も食事を取るので失礼させてもらう。」

 

チケゾー「ばいばーい、トレーナーさん!」

 

タイシン「……じゃ。」

 

 

タイプの違う3人だったが、かなり仲が良さそうだったな。同期だったりするのか?

 

 

たづな「凄いですよ比企谷トレーナー!まさか来て2日でBNWの3人に会えるなんて!しかもその中でも1番強いとまで言われているビワハヤヒデさんから気に入られるなんて!」

 

 

いや、気に入られるも何も、俺そのウマ娘がどんな奴なのかさっぱり何ですけど?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




というわけで、今回はBのビワハヤヒデ、Nのナリタタイシン、Wのウイニングチケットが出てきました!

この3人(頭?)のライバル関係は競馬やウマ娘をやっている方なら、誰でも分かりますよね。



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噂とメニュー作り

5作目、突入!

噂とは一体……?


ーーーーーー

 

 

「ねぇねぇ知ってる?昨日からこの学園に配属されたトレーナーが居るんだって!」

 

「えぇ〜何それ?そんなの珍しくも何ともないじゃん。トレーナーが来る事なんて今時期普通でしょ。それがどうしたの?」

 

「それが普通のトレーナーじゃないんだって!何でも、あのビワハヤヒデ先輩がそのトレーナーが作ったメニューを手帳に丸写しする程だったんだって!」

 

「えぇっ!?ビワハヤヒデ先輩が!?」

 

「あっ、それ私も知ってる!それに私チラッと聞いちゃったんだけど、多分私のもそのトレーナーだと思う!」

 

「何々!?何聞いたの!?詳しくっ!!」

 

「実は昨日、会長と副会長が一緒に歩いている時に話してたんだけど、こんな会話してるの聞いちゃったの!」

 

 

ーーー回想ーーー

 

 

「あっ、会長と副会長だ!今日も凛々しいなぁ………」

 

 

ルドルフ『今年は中々見所のあるトレーナーが来てくれたとは思わないか、エアグルーヴ?』

 

エアグルーヴ『……まぁ、多少なりは。しかし、トレーニングでそれが発揮できるかどうかとは、また別問題です。』

 

ルドルフ『そうかな?これは私の憶測でしかないが、彼なら私達の癖やちょっとした仕草も見逃さないと思う。もし私が彼にスカウトされたら、理由は単純でも受けてしまうかもしれない……いや、こちらからお願いしてしまうかもしれないな。』

 

エアグルーヴ『!?か、会長がですか!?』

 

ルドルフ『あぁ。君にも彼の魅力は伝わっていると思っていたのだが……果たしてどうなのだろうな?』

 

エアグルーヴ『………』

 

 

「……嘘、あの会長が?」

 

 

ーーー回想終了ーーー

 

 

「って言ってたの!!会長もあの人にスカウトされたら受けるかもって!!」

 

「嘘っ!!?それって本当に凄いトレーナーって事じゃん!!」

 

 

比企谷八幡という名前は知られてはいないが、昨日から来たという新人トレーナーという噂はウマ娘達の間ではすっかり有名になっていた。

 

曰く『シンボリルドルフが逆スカウトしたい程の凄腕トレーナー。』

 

曰く『ビワハヤヒデが丸写しする程、緻密に組み込まれたメニューを作る事が出来るトレーナー。』

 

 

これだけでも噂になるには充分過ぎる程だった。そして当の本人はというと………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「………」カキカキ

 

 

本と睨めっこをしながら書き物をしていた。いや、メニュー作成と言った方が良いだろう。だが本の内容はトレーニング専門の本もあればそうではない本もあった。

 

 

『ウマ娘でも分かる距離適性からの始め方』

 

『競バ場で違う走り方とポイント』

 

『芝とダートで違う足の使い方』

 

 

3冊の本を読みながらメニューを組み立てていた。PCでなら組み立ても早いだろうが、八幡は手書きという癖がついてしまっている為、PCでの組み立てはしない。

 

 

八幡「よし、阪神は終わった。あと残ってるのは地方は全部と中央が……中山だけか。じゃあ中山だな。」

 

 

ガラガラッ

 

 

葵「あっ、比企谷君!今日からこの部屋なんですね。」

 

八幡「桐生院?お前もこの部屋だったのか?」

 

葵「はい。よろしくお願いしますね。」

 

八幡「あぁ、よろしく頼む。」

 

葵「ところで比企谷君は何を書いてるんですか?」

 

八幡「ただのメニュー作りだが?」

 

葵「でもコレ、トレーニングじゃなくてバ場とか距離適性の本ですよね?それでメニューを組み立てられるんですか?」

 

八幡「まぁな。見て分かった事だが、このトレセン学園のコースは真っ平らだ。上り坂も下り坂もない。だからこそ必要なのは平らなコースでも坂があると思えるような走りを身につける事が必要だと思ってな。まぁ学園外でも練習できそうな所はあるんだろうが、来たばかりの俺にはどこにどんな場所があるのかなんて分からない。それは追い追いにしていこうと思ってる。まぁ結論はそれぞれのコースの走り方だな。」

 

葵「考えた事もなかった……そういえば確かにトレセン学園のコースって斜面がなかったかも。」

 

八幡「だから俺は今、各競バ場毎に違うメニューを作ってる最中だ。今は東京、京都、阪神、中京、新潟、福島、函館、札幌、小倉が終わって次は中山でその次が地方の競バ場だ。」

 

葵「と、途方も無いですね………そこからメニュー作成ですか?」

 

八幡「半分正解だ。その次が距離適性と合わせたトレーニングメニューの作成だ。最初は基礎体力を見てから、距離適性がどれだけあるのかを見定めて、それから本格的な指導だな。」

 

 

この時、葵は八幡の言葉を聞いて自分も頑張らないと!っと心の中で自分自身を鼓舞していたのであった。

 

 

八幡「あっ、書く音が耳障りだったら言ってくれ。違う場所で書くから。」

 

葵「いえ、大丈夫です。あっ、そういえば比企谷君。」

 

八幡「ん?」

 

葵「比企谷君、ウマ娘達から凄く注目されてましたよ。ルドルフ会長やハヤヒデさんも注目している凄腕のトレーナーだって。」

 

八幡「………誰がそんなデマを?そんな注目勝手にしてもらっても困るんだがな。」

 

葵「でも私は分かる気がしますよ。比企谷君の注目の理由。今書いている競バ場毎に違うメニューをハヤヒデさんに見せたら、きっとまた書き写すと思いますよ。」

 

八幡「そうには思えないがな………じゃあ試しに餌として持ってくか。会えるかどうかは知らんけど。」

 

葵「ふふふ、餌って……」クスクス

 

 

2人は談笑を続けながらも自身のやりたい事を続けていたのだった。

 

そして模擬レースの時間も刻々と迫っているのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ま、まさかルドルフもあんな事を言っていたなんて………

それ程、八幡は注目されているという事なんでしょうか?

チョコっとマメ知識!

現在日本に存在する競馬場は中央と地方に分かれていて、中央に10ヶ所、地方に15ヶ所となっています。その内、札幌だけは中央と地方どちらにも入っているという、ちょっとだけおかしな競馬場となっています。


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模擬レース前

ごめんなさい、遅れました!6話、行きます!


八幡side

 

 

授業の終了を知らせるチャイムが鳴り、放課後となった。16時からいよいよ模擬レースが始まる。俺にとっては1番重要なレースになる。ウマ娘達の走り方やフォーム、脚の使い方をしっかりと観察しておきたいし、めぼしいウマ娘も決めておきたいしな。だが、当日になるまで誰がどのように走るのを知らせないとは、中々に手の込んだ事をする。

 

 

葵「比企谷君、時間になりましたね。私達も準備を始めませんか?」

 

八幡「そうだな。ストップウォッチに出バ表とペン。後は………このくらいか。」

 

葵「あれ、出バ表ってありましたっけ?」

 

八幡「いや、これはさっきPCで作った。作ったって言っても、名前欄と記入スペースをエクセルで作っただけの簡単なヤツだけどな。それに走るとしてもあのコースだと最大で10人くらいだろうから、10枠作ってそこに名前を記入するようにしていこうと思ってる。後は走りを見て良いと思った奴だけのタイムを測るって感じだな。」

 

葵「比企谷君は1着のウマ娘を選ばないんですか?」

 

八幡「1着だけを選んでも意味なんてない。中には『こんなレースで1着を獲っても意味なんて無い。』なんて思って手を抜くウマ娘だっているかもしれないしな。確かにウマ娘の世界は勝負の世界だが、それは本当のレースでしか意味を成さない。幾らこの学園で良い走りが出来たとしても、本場で出来なきゃ意味が無いしな。模擬レースには出ても、実力を出さないウマ娘もいるかもしれないしな。」

 

葵「………比企谷君からは学ばされてばかりですね。」

 

八幡「そうか?ただの自論を述べてるだけだぞ?」

 

葵「それでも学ばされます。」

 

八幡「……そうか。」

 

葵「あっ、比企谷君!その紙、私にもくれませんか?」

 

八幡「裏表10枚だから上手く使えよ?こんがらがっても知らないぞ?」

 

葵「分かってますよ!こう見えても私、トレーナーなんですから!」

 

 

そんなやり取りがあって、俺は桐生院と共にトレセン学園のコースへと向かった。

 

 

ーーーコースーーー

 

 

葵「既にいっぱいのトレーナーが居ますね……」

 

八幡「だな。まぁでも、中堅やベテランのトレーナーは大体決まってると思うぞ。走る奴が出て来たら目の色が変わるだろうしな。」

 

???「来てくれたようだね、比企谷トレーナー。」

 

八幡「?おぉ、シンボリルドルフか………その格好、お前も走るのか?」

 

 

背後から俺の苗字を呼んだのはシンボリルドルフだった。だが昨日見た制服姿ではなく、ジャージを着ている。

 

 

ルドルフ「あぁ、私もトレーナーが決まっていなくてね。この場を借りて専属のトレーナーを得ようと思っているんだ。君にもチャンスはあるかもしれないぞ?」

 

八幡「まぁ、それはお前の走りを見てからだな。それよりも出バ表とか無いのか?あれば助かるんだが。」

 

ルドルフ「それなら私が持っているのを貸そう。長く使う予定かな?」

 

八幡「いや、枠と名前が分かればそれでいい。顔とかは見て覚える。少し借りるぞ、シンボリルドルフ。」

 

ルドルフ「構わない。それから私の事はルドルフと呼んでくれ。フルネームでは呼び辛いだろう。」

 

八幡「別に呼び辛くはないが、お前がそういうならそうする。覚えてたらな。」カキカキ

 

エアグルーヴ「会長、此方に居ましたか。むっ………何だ、やはり貴様も来ていたのか。」

 

八幡「俺みたいな新人、こうして観にでも来ないとウマ娘なんて来てくれないだろ………ん?お前も模擬レースに出るんだな。」カキカキ

 

エアグルーヴ「何だ、意外か?」

 

八幡「いや、別に。」カキカキ

 

ルドルフ「所で比企谷トレーナー、こんな噂を耳にしたんだ。新人のトレーナーの組んだメニューをビワハヤヒデが丸写ししていたと。」

 

八幡「あぁ〜食堂の時な、それ俺だわ。ていうか噂になる程の事なのか?それに思った事だが、それはそんなに凄い事なのか?」カキカキ

 

ルドルフ「彼女はレースだけでなく食事やトレーニングでも理論を武器にするウマ娘でね、恐らくその頭の良さはこのトレセン学園内随一だろう。そんな彼女が誰かのメニューを自身の持つ手帳に丸写しする事なんて今までになかった事だ。その意味が分かるかな?」

 

八幡「………さぁ?」カキカキ

 

エアグルーヴ「少し考えれば分かる事だ。つまり中堅やベテランのトレーナーの組んだメニューよりも、お前の組んだメニューの方が優れているという事だ。」

 

八幡「そんなの分かんないだろ。俺の書いていたメニューを見て面白いと思っただけかもしれないしな。よし、終わった。助かった。」

 

ルドルフ「このくらいの事何でもないさ。だが比企谷トレーナー、覚えておくといい。私は君の性格を好ましく思っている。だが時として、君の口から出る謙遜は相手によっては嫌味に聞こえてくる場合もある。用心しておいた方がいい。」

 

八幡「忠告として受け取っておく。」

 

ルドルフ「では、我々もアップを始めるので失礼する。」

 

エアグルーヴ「………ではな。」

 

 

謙遜は嫌味、か………少し気をつけるか。ていうか………

 

 

八幡「桐生院、お前いつまで固まってるんだよ。起動しろ。」

 

葵「っ!?わ、私は一体………」

 

八幡「ほれ、出バ表書いといてやったから今の内に書いとけ。レースになったら間に合わんぞ。」

 

葵「あ、ありがとうございます!凄く助かります!」

 

 

しっかし、あちらこちらから視線を感じるな。大体がウマ娘だが、トレーナーが居る方からも視線を感じる。俺じゃなくてウマ娘を見ろよ。今日1番大事なのはアイツ等だろうに。俺に注目しても仕方ないでしょうが………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次から漸く色々なウマ娘達を出せますよ〜。



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模擬レース!(短距離編)

さて、いよいよ始まります模擬レース!

ですが皆さんの思ってるような内容ではないと思います。今後の事も考えた上でこの形にしました。

では、どうぞ。


八幡side

 

 

ようやく始まった模擬レース。担当トレーナーの居ないウマ娘達がトレーナーを得る為に設けられたイベントだ。その為、周りには俺と同じトレーナーがそこら中にいる。そしてレースは短距離、マイル、中距離、長距離の4部門に分けて、それぞれ3レース行う形になっている。ちなみに今回はダートレースは参加者が少なすぎた為、行わないとの事だった。

 

俺は桐生院と別れて見渡しの良い所に居る。その方がウマ娘の動きを見やすいからだ。あまり近くに行き過ぎると、他のウマ娘達の動きやタイムを測れない。俺に話しかけて来たウマ娘達は殆どが中長距離にエントリーしている。と言っても、知り合ったウマ娘なんてたったの6〜7人だけだけどな。

 

 

「それでは、短距離第1レース……スタートします!」

 

 

おっと、レースに集中しないとな。

 

 

ガッコンッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

短距離部門を見た中で俺が良いと思ったウマ娘はかなり居たが、その中でも1番飛び抜けていたのは第3レースで1着だったサクラバクシンオーというウマ娘だった。アイツの脚質、今回は先行だったが、アレは逃げでも充分に戦える。

 

第1レースで2着だったマルゼンスキーも中々の走りだった。距離も中距離までなら大丈夫そうな走りだった。今回は展開が早過ぎたから負けたような感じだが、あの走りは意外とオールラウンダーなのかもしれないな。走りにまだ余裕があった感じがある。

 

第1レース1着のタイキシャトルもかなりの素質だ。恐らくサクラバクシンオーに負けてはいないだろう。サクラバクシンオーが短距離専門だとするなら、タイキシャトルの走りは短距離からマイルまでを専門とする走りだった。間違いなく一線級の素質である事は間違いない。

 

最後に第2レースの1着だったピコーペガサスだが、走りは悪くない。悪くないんだが、あれは一体何と戦ってるんだ?2着のカレンチャンもビコーペガサスと負けてないくらいの良い素質を持ってるウマ娘だったな。うぅむ、悩むな………

 

 

???「おやおや、難しいお顔をしていますね〜。眉間に皺が寄ってますよ〜?」

 

八幡「………ん?え、俺?」

 

???「そうそう貴方ですよ〜トレーナーさん♪考え過ぎはダメですからね〜。」

 

 

誰だこの娘は?格好から見るにレースに出るんだろうが、名前が分からない。

 

 

八幡「俺は新人だから、こうでもしないと好スタート出せないどころか、出遅れるので。」

 

???「まぁ!新人さんだったんですか〜。じゃあ初めましてですね〜、私はスーパークリークっていいます、よろしくお願いしますね〜。」

 

 

……何だろう、話し方といい見た目といい母性を象徴しているかのようなウマ娘だな。保育園の先生とかに居そうだ。もしかしたらだが、ウマ娘の世話係なのかもしれないな。

 

 

八幡「比企谷八幡です、よろしくお願いします。」

 

クリーク「はい、覚えましたよ〜。それと、私に対しては敬語でなくても大丈夫ですからね〜。というよりも、この学園のウマ娘達に敬語は必要ないと思いますよ?だって皆学生さんなんですし、トレーナーさんの方が年上ですから〜。」

 

 

………そうですね。

 

 

八幡「じゃあ敬語無しで。所でお前もレースに出るんだろ?確か……長距離部門だったな。」

 

クリーク「そうですよ〜。トレーナーさん達に良い所を見せてあげなくちゃいけませんから〜。」ナデナデ

 

八幡「………何故頭を撫でる?」

 

クリーク「あらあらごめんなさい、私の癖みたいなものなので、気にしないでください。」

 

???「クリーク!何やこんな所におったんか!」

 

???「探したんだぞ、どこを探しても見当たらなかったから。」

 

???「それはこっちの台詞や!オグリの方向音痴にはホンマ困らされたわ!」

 

クリーク「あらあら、タマちゃんにオグリちゃん。ごめんなさいね〜このトレーナーさんとお話ししてたから〜。紹介しますね、こっちの関西弁を話す芦毛のウマ娘がタマモクロスのタマちゃんです。そしてもう1人がオグリキャップのオグリちゃんです。」

 

八幡「タマモクロスにオグリキャップだな、俺は比企谷八幡。新人トレーナーだ。よろしく頼む。」

 

タマ「タマちゃん言うなやクリークっ!それに……クリーク、もう唾つけたんか?せやけどこのトレーナー、そんな凄そうやないで?やめといた方がええんちゃう?」

 

クリーク「もう、タマちゃん!そんな事初対面の人に言ったらメッ!ですよ!」 

 

タマ「じょ、冗談やって。」

 

八幡「お母さんに怒られてる子を見ているような気分だ………そしてそれを見守る姉。」

 

タマ「せやせや、ウチが悪い事したからおかんに………って誰が子供やねん!!しかもオグリが姉かいな!?」

 

八幡「何か漫才を見てる気分だ………それよりお前達もそろそろアップでもしておけ。オグリキャップはマイル、タマモクロスは中距離、スーパークリークは長距離だろ?早くしておかないと身体が動かないままスタートしちまうぞ?」

 

オグリ「むっ、それもそうだな。クリーク、タマ、アップをしよう。」グウゥゥー

 

八幡「………お前、腹減ってんの?」

 

タマ「オグリの腹の虫が鳴るんは日常や、気にせんといてや。」

 

 

いや、それにしてはメッチャ腹鳴ってるけど?どんだけ腹減ってんだよ………ていうか日常レベルで鳴ってるって結構ヤバくね?

 

 

八幡「はぁ……ほら、これでよかったら舐めてろ。ただの飴だけどな。レースになったら捨てるか砕いて飲み込めよ?」

 

オグリ「っ!!か、感謝する!タマ、クリーク、このトレーナーは良い人だぞ!」

 

タマ「アンタの場合、食い物くれる人は大概良え人やろ………」

 

クリーク「じゃあそろそろ行きましょうね〜。比企谷トレーナーさん、見ていて下さいね〜。」

 

 

………性格はバラバラだが、息の合ってる3人組だったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、今回は【芦毛の怪物】オグリキャップ、【白い稲妻】タマモクロス、【平成三強】の一角スーパークリークが登場です。

競馬ブームを巻き起こした世代のウマ娘達ですね。

名前だけ登場したウマ娘もいますが、そちらは省きますね。ごめんなさい。

チョコっとマメ知識!

競馬とウマ娘の距離感は少しだけ異なっています。

ウマ娘
1000〜1400が短距離
1500〜1800がマイル
1900〜2400が中距離
2500〜が長距離

となってますが、実際の競馬ではこのようになってます。

1000〜1300が短距離
1400〜1800がマイル
1900〜2100が中距離
2200〜2800が中長距離
2900〜が長距離

という風になっています。厳密にはまだ距離名があるのですが、ゲームで細かくし過ぎたら面倒ですからね。短いのは短い、長いのは長いっていうのがちょうど良いですよね。


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小休憩

次のレースに行く前にちょこっと挟みます。




八幡side

 

 

短距離部門のレースが終わって小休憩を挟んでいる。次はマイルレースの1600mだ。因みにマイルレースは1401m〜1800mまでがそう呼ばれている。因みに

 

 

短距離…1000以下〜1400m

 

マイル…1500m〜1800m

 

中距離…1900m〜2400m

 

長距離…2500m以上の距離

 

 

とされている。もっというと、1401mからマイルになるのだが、そんな細かい距離で走ってもって思うしな。だがタイキシャトルとマルゼンスキーは少し勿体なかったかもな。あの2人なら距離が伸びても良いレースをしていた筈だ。

 

短距離の中ではタイキシャトルとマルゼンスキーはその色が強かった。だから最高でもタイキシャトルは1600m、マルゼンスキーは中距離、このくらいの距離は走れるだろう。俺の見立てではだが。

 

 

ルドルフ「やぁ比企谷トレーナー、調子はどうかな?」

 

八幡「ルドルフ、それにエアグルーヴか……まぁボチボチだな。けど流石は中央トレセン学園だ、レベルの高いウマ娘が多いな。」

 

エアグルーヴ「当然だ。トレーナーが決まっていないといっても、日々の鍛錬を怠ってなどいない。教員達がメニューを作ってそれをこなしているのだ。」

 

八幡「ほぉ………そんで、俺から見て左にいる娘は誰だ?俺は比企谷八幡って言うんだが、よければ名前を教えてくれないか?」

 

???「っ!……お前が姉貴の言ってたトレーナーか。」

 

 

姉貴?

 

 

???「私はナリタブライアンだ。因みに私の姉はビワハヤヒデだ。」

 

八幡「っ!お前ハヤヒデの妹なのか………だが、似てはいないな。」

 

ブライアン「一言余計だ。」

 

エアグルーヴ「だがコイツのトレーナーとしての素質は中々のものだぞブライアン、お前も恐らくは無視できない程のものだと思うぞ。」

 

ブライアン「………」

 

八幡「別に素質なんて関係無いと思うがな。トレーナーはウマ娘の能力を磨き上げる、謂わば研磨剤なんだからな。」

 

ルドルフ「それにしては、ウマ娘の事をよく観察しているようだ。短距離部門だけでもこれだけの情報量を書けるトレーナーはそう居るものではない。頭では理解出来ていても、実行に移すのは難しいものだからな。」

 

エアグルーヴ「……っ!」

 

ナリタブライアン「………」

 

 

ルドルフが俺の持ってるボードの紙を見て評価を下したと思ったら、急に2人もそれを覗き込むかのように見てきた。けどこんなの普通だろ?確かに1着を求めるのは普通の事だが、それ以外の事だって見なければならない。そうでなければここに来た意味がなくなってしまう。

 

それと少し離れてください。興味があるとはいえ、距離が近過ぎるから。

 

 

ルドルフ「短距離という短いコースでこの情報、であれば距離が長くなればなる程、情報は多くなる。比企谷トレーナー、模擬レースが全て終了した後、よければその用紙を見させてもらいたい。君からの視点の私がどう映るのか気になるからね。」

 

エアグルーヴ「っ!ならば私も頼む、お前の観察眼はそれなりに信用出来る。足りないものが見つかるかもしれない。」

 

ブライアン「………私にも見せて欲しい。」

 

 

何でこんなに?他のトレーナーには寄り付いて無かっただろお前等………俺はいいのかよ?どして?

 

 

八幡「分かった分かった、終わった後な。一応言っておくが全部なんて見られないからな?全てのウマ娘を観察しているんだ、一点だけに集中なんてしないからな?」

 

エアグルーヴ「ふんっ、当然だ。そうでなければトレーナーは務まらん。」

 

 

いや、まぁそうなんだけどさ………何で偉そうなの?

 

 

ルドルフ「感謝する。では私達もそろそろ失礼するよ。君が見て書く内容を楽しみにしている。」

 

 

………また変な事を引き受けちまったな。

 

 

男性トレーナー「凄いな比企谷、いきなり【皇帝】と【女帝】、それに【怪物】にまで声を掛けられるなんてな………」

 

八幡「はぁ……けど、ルドルフとエアグルーヴは先日会ってるんで。ブライアンは初めてっすけど。」

 

男性トレーナー「いやいや、それでも凄い事だぞ。あの3人はこのトレセン学園の中でもトップクラスの実力なんだ。特にシンボリルドルフはトップどころの実力ではない、桁が違うって話だ。」

 

八幡「そうなんすか。」

 

男性トレーナー「まぁ、その走りは今日見れるからな。じっくり観察させてもらうさ。じゃあな。」

 

八幡「はい。」

 

 

オーラは違うとは思っていたが、そんなに実力上位なのかよ、あの3人。エアグルーヴが中距離で……ルドルフとブライアンが長距離か。

 

 

ハヤヒデ「おや、比企谷トレーナー。昼食振りだね。」

 

八幡「おぉハヤヒデ、さっきお前の妹に会ったぞ。」

 

ハヤヒデ「ブライアンに?会って理解したと思うが、妹はあんな性格でね、何か粗相をしなかっただろうか?」

 

八幡「いや、別に?所で何か用か?」

 

ハヤヒデ「いや、見知った顔が居たから挨拶をしようと思っただけだ。他意はない。」

 

八幡「そうか……っと、悪い。」

 

ハヤヒデ「大丈夫だ、問題………これは君が?」

 

八幡「ん?あぁ、競バ場別のトレーニングメニューだ。色んなバ場があるからな。トレセン学園だけじゃ感覚掴めないだろ?だからバ場や距離、走り方とかで構成したメニューだ。」

 

ハヤヒデ「………」ジィ~

 

 

………聞いてたのかな、今の?

 

 

八幡「……欲しいのならやるぞ?」

 

ハヤヒデ「っ!!い、いいのか?」

 

八幡「そんな物欲しそうな顔してた上に、夢中になって見てたら誰だって分かる。それはやるよ。どうせコピー取ってあるしな。」

 

ハヤヒデ「………なぁ君、もしや他の競バ場で構成されたメニューもあるのでは?」

 

八幡「あ〜まだ途中だが、中央のヤツなら全部やり終えたな。少し時間は掛かったが………っておい、何だその目は?まさか見たい、なんて言わないよな?今は無理だぞ?今持ってるのはその東京のメニューだけだ。」

 

ハヤヒデ「そ、そうなのか………ならば模擬レースが終わった後でも構わない。それを見せてもらっても構わないだろうか?」

 

 

ルドルフ達との約束もあるが、まぁそんなに長くは掛からないだろうから、いっか。

 

 

八幡「分かったよ、じゃあ終わった後な。だが少しだけ時間をもらうかもしれないが、それでもいいか?」

 

ハヤヒデ「あぁ、勿論だ!感謝する比企谷トレーナー!」

 

 

ハヤヒデは上機嫌になりながら去って行った、尻尾を振りながら。そんなに嬉しいのかね?俺には分からん、多分一生。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、今回は【シャドーロールの怪物】ナリタブライアンでした!5頭目の3冠馬としても有名ですね。しかしなんと言っても有名なのは、阪神大賞典ですね!あのレースはとても熱くなれる名勝負ですよ、はい。

それと別件ですが………ウマ娘で新しいイベントが始まりましたね。1ヶ月早いハロウィンのイベント(10月入るからかな?)でしたね。ライスが可愛過ぎて………もう生まれて来てくれてありがとう(号泣)


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模擬レース!(マイル編)

9話、行きまーす!!

次はマイルレースとなります!


八幡side

 

 

小休憩が終わって、次はマイルレースになる。このコースでは1600mを走る事になってる。まぁマイルならオーソドックスな距離だな。1番無難と言ってもいい。だがその分、スピードとパワーがかなり重要になってくるって事だ。

 

 

八幡「さて、マイルではどんなウマ娘が居るのやら………」

 

東条「貴方もマイル狙いで行くのかしら?」

 

八幡「っ!東条さん、どもっす。別にそういうわけではないです。どんな奴がいるのかなって思って言っただけです。東条さんは目星ついてるんですか?」

 

東条「私はそれなりに此処に居るから、大抵の子なら分かるのよ。」

 

 

羨ましいこって。だがまぁそれはキャリアの差だよな。俺は来てたったの2日だ、それを埋めろと言われても無理だ。

 

 

八幡「因みにその目星のウマ娘を教えてもらうのは?」

 

東条「無理ね、同業者とはいえライバルだもの。こんな事軽々とは言えないわ。敵に塩を送るようなものよ?」

 

八幡「そうっすよね。とりあえずは観察しながら決めますよ。」

 

東条「やっぱり貴方は書くタイプだったようね。この前のメニューを見た時も思ったけれど、タブレットやPCは使わないのかしら?」

 

八幡「使うときは使いますけど、俺は殆ど使いませんね。こんなのを作る時くらいしか使いません。」

 

 

使いやすいとは思うんだが、なんかもう慣れたんだよな。あの人がこういう性分だったから、俺も真似したらいつの間にかこれが当たり前になってたってヤツだ。今となっては直す気もない。それに気に入ってるしな。

 

 

八幡「さっ、そろそろ始まりますよ。」

 

東条「えぇ、見させてもらおうかしら。」

 

 

ガッコン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マイル部門も短距離同様に中々のハイレベルなレースだった。だが短距離とは違ってペースを考えないとすぐバテるし、中距離と違ってスロー過ぎても後に伸びなくなる。スピードもそうだが、1番重要なのはレース展開によるスピードの流れと言ってもいいだろう。

 

 

さっき知り合ったオグリだが、2レースで1着だった。正直あれはかなり走るな。バネもそうだが、恐ろしいのはあの力強さだ。あの脚なら中距離でも通用する。長距離のGIの中でも最短の有マ記念なら良い勝負出来ると思うぞ、あれは。

 

1レース1着のウオッカも中距離でも良い走りをしそうだ。しっかしあのウマ娘もかなりのバネだな。相当鍛えられてるんだろう。でなければ後ろからあんな追込は普通出来ない、囲まれてたってのに。

 

3レース1着のフジキセキはレース運びから何から何まで完璧だった。3レース全てにおいて、1番マイルとはどういうコースかというのを分かっているウマ娘だと思う。底が知れないウマ娘と言っても良いだろう。

 

 

こっからは2着と注目したいウマ娘の名前を出していくぞ。

 

2着

1レース:ダイタクヘリオス

2レース:ニシノフラワー

3レース:バンブーメモリー

 

注目

アイネスフウジン

シーキングザパール

ミホノブルボン

 

 

とまぁこんな所だ。この中で選ぶとしたら、オグリとフジキセキ、そしてニシノフラワーだな。オグリとフジキセキは可能性が未知だから、どこまで行けるのか育ててみたいっていうのがあるな。ニシノフラワーはどちらかというと短距離寄りの方だからそっち方面で育てたい。

 

その中でも特にオグリを育ててみたい。理由はさっきも言ったが、惚れ込んだ理由はもう1つある。それは………

 

 

オグリ「トレーナー、戻ったぞ。」

 

八幡「いや、俺はお前のトレーナーではないんだが?」

 

オグリ「そうだった、済まない。所で1つ聞きたいんだが、いいだろうか?」

 

八幡「何だ?」

 

オグリ「飴玉はまだあるだろうか?お腹が空いてな。」

 

八幡「お前マジ?………ほれ、全部やるよ。3つしかないけどな。1着祝いだ。」

 

オグリ「か、感謝する!」キラキラ

 

八幡「それよりもお前、シューズ履き替えてこい。あちらこちら破けてんぞ。」

 

オグリ「むっ、そうだった。じゃあトレーナー、私は履き替えてからまた来る。」

 

八幡「いや、だから俺は………はぁ、まぁいいか。」

 

 

俺がオグリを育てたい理由、分かった奴も居たとは思うが、あのバネの強さは異常だ。1度走っただけで、あのシューズは普通あんなにボロボロになったりはしない。ウマ娘の履いているシューズは俺達が履いているスニーカーや運動靴よりも遥かに強度がある。ウマ娘の身体能力に合わせて作られてるから当然だな。

 

それなのにオグリは今日走っただけだというのに、シューズがあの有様だ。とんでもないバネだ………そんな走りをしたというのに、当の本人は何ともないような顔をしている。それがさも当然かのように。もしあのシューズがゴールするまで無事だったら後続をどれだけ離していたのかも分からない………

 

 

八幡「まだ2部門終わっただけだってのに、色んなウマ娘に目移りしちまう程に良いウマ娘が居るな。決められなかったらどうしよう俺。」

 

 

その時は逆スカウトでも待ってみるか?ハヤヒデとかなら来そうだからな………いや、無理か。他のトレーナーが黙ってる筈ないよな。つーか逆スカウトされたトレーナーっているのか?『私、貴方に育てられたいです!!』的な感じでさ。いや無理だな、そもそも新人のトレーナーに担当されたいっていう奴が居るとは思えない。余程の物好きくらいだろうな、ソイツは。

 

それに聞いた事ないよな………それとは別にチームとかなら加入って形になるから分かるんだが、個人でスカウトってのはどうなのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




以上、マイルレースとなりました。

今回は特にご紹介するウマ娘は居ませんでしたので、簡単な説明はなしにします。


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模擬レース!(中距離編)

お次は中距離編となります。

どんなウマ娘が出てくるんでしょうね?


八幡side

 

 

休憩が終わって次は中距離部門になる。正直このレースが1番の注目だろう。何せ、長距離も走れる奴もいれば、マイルもいける奴も居るだろうからだ。短いタイプの中距離タイプも居れば長いタイプも居る。両方使いも居ると聞く。

 

さて、このレースで俺の知ってるウマ娘はエアグルーヴ、タマモクロスの2人だ。エアグルーヴは一目見た時からかなりの素質を感じさせる雰囲気があった。恐らくこのレースでは断トツだろう。まぁ他のウマ娘は知らんからこんな事が言えるだけだが。

 

タマモクロスはまだ分からん。実力があるのは確かだ、だがそれがどんな風に表れるのかが未だ予測できない。だがオグリと仲が良い事からしても、相当な実力なのだろう。

 

 

オグリ「次はタマが出るのか……目立った応援はしてやれないが、心の中で応援はしておこう。同じ芦毛の仲だからな。」

 

八幡「なんでもいいが、お前はどうして此処に居るんだ?」

 

オグリ「む、ダメだったか?」

 

八幡「いや、ダメではないが………」

 

オグリ「ならば一緒に見ていてもいいだろう?」

 

 

何故かオグリが俺の隣に陣取っている、飴を舐めながら。この娘は飴をやった時から妙に親しげにしてくるな……怪しい奴にホイホイついていかないか心配になってくる。

 

 

オグリ「トレーナー、めぼしいウマ娘は見つけたのか?」

 

八幡「それは全体を通してか?それともこのレースでって事か?」

 

オグリ「………全体だな。まだ2部門しか走ってないが、トレーナーなら決めているのではないかと思ってる。」

 

八幡「………短距離ならサクラバクシンオーかマルゼンスキーだ。マイルならフジキセキとお前だ。」

 

オグリキャップ「む、私か?」

 

八幡「あぁ、お前の脚のバネは異常なくらい強い。それこそシューズが1600m走ってダメになるくらいな。俺はその脚、間違いなくGI級だと思ってる。シューズも特注のを注文して、より頑丈な物にしないとダメなくらい良い脚をしている。」

 

オグリキャップ「……そう褒められると悪い気はしないが、照れ臭いな///」

 

 

照れるなよ、こっちが恥ずかしくなるだろうが。

 

 

オグリ「そろそろみたいだ。トレーナー、準備をしておいた方がいいぞ。」

 

八幡「言われなくても準備は万端だよ。てか、俺はまだ………いや、もういいわ。」

 

 

ガッコン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

内容としては……まぁ、かなり強弱のある感じだったな。中距離とはいっても2000mだ、距離的には当たらずも遠からずって所だ。

 

1レースで1着だったサイレンススズカ。あれはスゲェ。あんだけ逃げてるのにスピードが全く落ちてねぇ。スタミナというよりも速度維持能力が高いおかげで脚を長く使えるんだろうな。あれは他のレースで対立したとしたら脅威だな。

 

2レースはタマモクロス。オグリが勧めるだけはあるな。追込からの直線一気は目を見張るものがあった。しかも外を回してから一気に、だったからな。余計にインパクトを感じた。

 

3レースは予想してた通り、エアグルーヴだった。というよりも、4コーナーから既に先頭だったし、勝負にすらなってなかった。それにタイムもこれまで測ってきた中で最速タイムになってる。これも育て甲斐がある。

 

 

2着

1レース:アグネスタキオン

2レース:エルコンドルパサー

3レース:ダイワスカーレット

 

注目

グラスワンダー

スペシャルウィーク

 

 

まぁこんな所だな。エアグルーヴが1番目立って見えたよな………勝ち方も1番映えてた。計算してるっていうのもあるが、強い勝ち方もしてた。

 

 

オグリ「どうだったトレーナー?」

 

八幡「………中距離ではエアグルーヴかサイレンススズカだな。どちらを選ぶかって言われたらエアグルーヴを選ぶ。」

 

オグリ「むぅ、タマは選んでくれなかったか……残念だ。」

 

八幡「確かに最後の直線は目を見張るものがあったが、アイツ途中で掛かっただろ?持ち直したのはいいが、俺にとってはマイナスポイントだ。何かに触発されたんだろうが、アレは致命的だ。」

 

 

掛かりは体力を余分に持って行かれる。短距離ならまだしも、距離の長いマイルや中長距離ではそれが致命傷になる事だってあるからな。

 

 

エアグルーヴ「見ていたか、私の走りは?」

 

八幡「ん?おぉ、エアグルーヴか。お疲れさん。人並み程度の言葉しか贈れないが、良い走りだった。中距離では間違いなく1番の走りだった。」

 

エアグルーヴ「当然だ。私は【女帝】として、全てのウマ娘の理想を体現する為に走っているのだ。この程度、余裕でこなせなくてはな。」

 

 

………だからなのか、コイツがこんなにも強いって思えるのは。相当なプレッシャーなのだろう。その中で走ってるんだ、緊張は他のウマ娘の比ではないな。

 

 

エアグルーヴ「何だ、何を見ている?言いたい事があるのならハッキリ言え。」

 

八幡「いや、なんつーか……なんて表したら良いか分からんが、まぁ、アレだ………綺麗だと思った。」

 

エアグルーヴ「なっ!!?き、貴様は突然何を言うかっ、このたわけっ!!いきなり異性を口説く奴がいるかっ!!」

 

八幡「いや、だから言っただろ?なんて表現したらいいか分からんって。お前の在り方が綺麗だって思っただけだ。」

 

エアグルーヴ「ならば最初からそう言わんか、バカ者っ!!紛らわしい事を言うなっ!!」

 

 

俺、そんなに怒らせるような発言したか?でも尻尾は振ってんだよなぁ………コレどっちの感情が正解なんだ?これってやっぱ照れ隠しか?

 

 

オグリ「トレーナー、私もさっき褒められたのは嬉しかったぞ。」

 

八幡「お前は黙って飴舐めてろ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




オグリの天然、上手く出せてたかなぁ?

エアグルーヴのデレ(?)、まだ早過ぎたかなぁ?


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不幸を呼ぶウマ娘

不幸を呼ぶウマ娘といえば………どのウマ娘でしょうか?


八幡side

 

 

何故かエアグルーヴに怒られたが、あの後は特に何もなかった。中距離が終わって次は漸く最後の長距離部門だ。このレースにはハヤヒデ、クリーク、ブライアン、ルドルフの4人が出る。だが見た所、他にも粒揃いのウマ娘がチラホラと居る。特にあの芦毛の2人だ。

 

紫がかった芦毛の方は均整の取れた良い身体をしている。それに何処となく気品を感じさせる、ひょっとしてお嬢様か?もう一方の芦毛は………一体何やってるんだ?囲碁?将棋?なんか打ってるんだが………レース前にあんな事して意味あるのか?普通なら戦略練る時じゃね?

 

 

オグリ「トレーナー、長距離ならクリークが良いぞ。クリークは私と違ってかなり長い距離を走れるんだ。」

 

エアグルーヴ「おい待て、それを言うなら会長も同じだ。いや、会長なら全ての距離を卒なくこなせるが、本領は長距離だ。おい比企谷、会長の動きをよく見ておけよ。」

 

八幡「いや、そういう情報を教えてくれるのはありがたいから良いんだけどよ………なんでお前等まだ此処に居るわけ?行くとこないの?」

 

エアグルーヴ「私は貴様と約束があるからな、だが会長を差し置いて自分だけ先に結果を知るのは忍びない。会長のレースが終わるまで、此処で待っていようと思っただけだ。」

 

オグリ「私は特に理由は無いが……トレーナーと居ると故郷の事を思い出して居心地が良いんだ。」

 

 

何でだよ!?それなら別に此処でなくても良いだろ!?別の場所に行けよ!此処でなくとも見える場所幾らでもあるだろ!

 

お前は飴やっただけで懐き過ぎだ!!俺お前の故郷知らんし!!もう無いんだからなっ!頭働かせる為に持ってきた糖分だったのに!!

 

 

八幡「はぁ………」

 

オグリ「むっ、どうかしたのかトレーナー?いきなり溜息なんて。溜息をつくと幸せが逃げるんだぞ?」

 

八幡「そしたら俺は何日分幸せを無駄にしてるんだろうな?今に始まった事じゃないから別にいいけどよ。」

 

エアグルーヴ「次のレースが始まる前だというのに、そんな辛気臭い顔をするな。これから走る者の妨げになるだろ。」

 

八幡「はいはい、悪かったよ。」

 

 

ちょっと自販機にでも行ってくるか、集中を切らしたら元も子もないからな。

 

 

八幡「……飲み物を買ってくる。欲しいのはあるか?」

 

エアグルーヴ「……いいのか?」

 

八幡「1本ならな。」

 

エアグルーヴ「………ではお言葉に甘えさせてもらう。私はスポーツドリンクを頼む。」

 

オグリ「1番量が多いのを頼めるだろうか?」

 

八幡「お前ならそう言うと思ってたよ、じゃあ待ってろ。」

 

 

ーーー自販機前ーーー

 

 

八幡「トレセン学園の自販機って初めて見たが、2リットルのもあるのかよ……スゲェな。まぁオグリは2リットルのコーラとして、エアグルーヴはスポドリだったな。トレセン学園にマッ缶なんてあるわけねぇし、俺は………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「よ、避けて下さぁ〜い!!」

 

八幡「え?」

 

 

スコォーンッ!!

 

 

八幡「イッテェ!!!」

 

 

俺が声のする方を向くと、その方向からシューズが飛んで来て、額辺りにクリーンヒットした。しかも運の悪い事に蹄鉄が付いてる靴裏の部分が当たってしまった。

 

 

???「ご、ごごご、ごめんなさい!!履き心地が悪かったからちょっとだけ脚を振ってたら前に飛んじゃって………」

 

八幡「つぅ〜……い、いや、大丈夫だ。お前も模擬レースに出るのか?」

 

???「ううん、ライスは出ないんだ。ライスが走ったら、皆に迷惑が掛かっちゃうから………」

 

 

ん?どういう事だ?

 

 

???「あ、ごめんなさい!えと、えっと………ラ、ライスはライスシャワーっていいます。」

 

八幡「お、おう……俺は比企谷八幡だ。一応新人のトレーナーだ。あまり詮索しない方がいいんだろうが、迷惑が掛かるってどういう事なんだ?」

 

ライス「………ライスが誰かの近くに居るとね、その人が必ず不幸になっちゃうの。だから………ライスは走らないの。その人まで不幸にさせたくないから。」

 

八幡「……その不幸ってのは、今のもそうだって事か?シューズが飛んで来たのも?」

 

ライス「………うん、そうだよ。だから「それは違うだろ。」………ふぇ?」

 

八幡「流石にさっきのがお前のせいだってのは言い過ぎだろ、偶然に決まってる。過去に何回もあったってんなら話は別だけどよ、あんま気にすんなよ。」ナデナデ

 

ライス「………えへへ〜、そう言ってもらえたの初めて。あの、ありがとうございます。嬉しかったです。」

 

 

………そう言ってライスシャワー、もといライスはぎこちないながらも俺に笑顔を見せてくれた。何だろう、違う意味でこの娘を育てたくなってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「悪い、待たせた。ほれ、ご依頼の品だ。」

 

エアグルーヴ「随分と遅かったな?漸く来た………おい、何故ライスシャワーを連れて来ている?」

 

八幡「偶然会ったから。」

 

ライス「あ、あの……トレーナーさん、ライスはいいからレースを「それは言うなって言っただろ?」あうぅ……」

 

八幡「どうして担当も決まってないのに模擬レースに出ないのかは気になるが、そこはお前の事情もあるんだろう?しつこくは聞かない。だがさっきのはこれでお前も了承したろ?」

 

ライス「そ、それはそうだけど………でも、本当にこれだけでいいの?」

 

八幡「あぁ、これだけでいい。」

 

オグリ「むぅ、話が見えないな。何があったんだ?」

 

 

俺は事の経緯とライスを連れて来たわけを説明した。まぁ要するに、俺のただの自己満足だ。連れて来た理由は、ライスがさっきのシューズの件で罪滅ぼしをしたいって言うから、頭撫でさせるで了承させたのだ。

 

 

エアグルーヴ「………少し頭が痛くなって来た。貴様はバカなのか?」

 

八幡「バカで結構だ。けどコイツの髪撫でやすいんだよ。癖強そうなのに意外とサラサラな所もあるんだよなぁ〜。」ナデナデ

 

ライス「あうぅ〜……」ピョコピョコ

 

 

うん。耳も嬉しそうに動いてるし、尻尾もフサフサと動いてる。顔は恥ずかしそうにしているが、決して嫌ではないんだろうな。

 

 

オグリ「ふむ、トレーナーは頭を撫でるのが上手いのだな。」

 

八幡「妹にやってたからな、それで慣れているのかもな。」

 

オグリ「なら今度は私にもして欲しい。」

 

八幡「飴舐めてろ。」

 

オグリ「それはさっき聞いたぞ?」

 

 

………コイツに会ってからつくづく思うが、天然って恐ろしい。

 

 

八幡「エアグルーヴは………したら怒鳴られそうだな。」

 

エアグルーヴ「当然だ。勝手にしていい事ではない。」

 

八幡「する気はないけどな。」

 

 

絶対『たわけ』か『バカ者』って言われるのが目に見える。

 

 

ライス「え、えっと……トレーナーさん。ライスはどうしてたらいいのかな?」

 

八幡「そうだなぁ………じゃあタイム測ってくれたりするか?」

 

ライス「う、うん!任せて!ライス頑張るね!」

 

八幡「良い子だ、この子絶対良い子だ………」

 

エアグルーヴ「貴様はやはりバカだったようだな。」

 

 

 

 

 

 

 




はい、今回はライスシャワーが出てきましたね!!!!!はぁ〜〜ようやく出せたぁ!!!前々からこの展開を考えてたんですけど、ホント可愛い………(ちなみに作者はライス一推しです。)

ライスシャワーといえば菊花賞と天皇賞・春の偉業阻止とレコード更新が有名です。ホント、良い馬(ウマ娘)ですよ………本当なら熱く語りたい所なのですが、本文よりも長くなりそうなので、ここは抑えます。

次回はいよいよ模擬レース最後の長距離編です!


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模擬レース!(長距離編)

八幡side

 

 

休憩中にゴタゴタがあったが、時間に遅れる事なく次のレースを観察する準備が出来た。といっても走り方とかを見るだけだが。だが次は長距離だ、長いとはいえ道中の走り方もしっかりと見なければならない。スタミナの温存の仕方と脚の溜め、そして最後まで走り切る根性なんかも必要だ。

 

だが、やはり………

 

 

八幡「見ていても分かるが、ルドルフが頭1つ抜けてるな。いや、1つどころじゃないな………次元が違う、と言った方が正確だな。」

 

エアグルーヴ「ほう、やはり分かるのか?」

 

八幡「見た感じはな、アレが本当にウマ娘独自で整えたコンディションか?アイツにトレーナーって要るのか?」

 

エアグルーヴ「居なければレースにも出られんだろう。」

 

八幡「トレーナー居るだけでいいんじゃね?あの仕上がりはどのトレーナーでも作り上げるのは難しいぞ、それをアイツは1人でかよ………とんでもないな。」

 

オグリ「トレーナー、最初のレースが始まるぞ。会長を評価するのもいいが、レースの準備をするべきではないか?」

 

八幡「おぉ、そうだな………すまんオグリ。じゃあ、また見ますか。」

 

 

ガッコン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長距離のレースなだけあってどのウマ娘もしっかりペース配分をしていたが、下手な奴は途中でスタミナ切れ、上手い奴は最後まで使える脚を残して余力まで残す、といった感じだ。

 

1レース1着はメジロマックイーンだ。アイツメジロ家の御令嬢だったのかよ……道理で気品があるわけだ。だがその気品さとは裏腹に走ってる時の闘志やスタミナ、スピードは申し分ない。正直、磨けば伸びる素質なのだが、アレで発展途上だ。今後どれだけのものになるのか………

 

2レースはハヤヒデ。アイツの事だ、レース前から対戦相手の事を徹底的に調べたのだろう。でなければあんな風に仕組まれたかのようなレース展開にはならない。メジロマックイーンの時と比べても遜色ない程のスピードとスタミナを持ってる上に理論という武器もある。

 

3レースはルドルフ。正直に言う、欠点らしい欠点が見つからなかったし、良い部分しか目立たなかった。あの走り、どの距離でも応用が効くぞ。エアグルーヴの言ってた通りで本領は長距離みたいだが、それ以外の距離でも難なく走れるオールラウンダータイプのウマ娘だ。正直に言うと、ヤバい。マジで桁が違う。

 

 

2着

1レース:クリーク

2レース:ゴールドシップ

3レース:ブライアン

 

注目

エイシンフラッシュ

セイウンスカイ

マヤノトップガン

 

どのレースも良い走りをしているウマ娘ばかりだが、やはりルドルフの走りがチラつく。まさかあんなに速いとは思わなかった、道理で1人だけ違う雰囲気を出すわけだ。だが………気になる所もあった。

 

 

クリーク「あらら〜2着でした〜。1着じゃなくて残念です………」

 

ハヤヒデ「計算通りだったが、ゴールドシップがあそこまで追い込んできたのは計算外だった、見直す必要があるな。」

 

ブライアン「流石は会長だ、影すら踏めなかった………」

 

ルドルフ「ふふっ、まだ負けるわけにはいかないからね。」

 

 

………そして何故かさも当然かのように俺の所に帰ってくる長距離の顔見知り面子。何で?

 

 

ルドルフ「さて、比企谷トレーナー。どうだったかな、私の走りは?良ければ感想を聞かせて欲しいのだが。」

 

八幡「………言っていいのか分からんけど、そもそもお前にトレーナーっている?」

 

ルドルフ「………ふふふ。そのような評価を貰えるとはな。だが悪い気はしない。だが走りはどうだと言う質問には答えてはくれないのかな?」

 

エアグルーヴ「私が見る限りでは会長が変な走りをしているようには見えませんでしたが、何かしたのですか?」

 

ルドルフ「さて、どうだろうね?答えてくれるかな、比企谷トレーナー。」

 

 

これ言っていいのか?けど向こうからの要望もあるし………仕方ない、正直に言うか。

 

 

八幡「じゃあ1つだけ。お前、何でスパートを逆の脚でかけた?」

 

「「「「「「!?」」」」」」

 

八幡「スパートをかけた時、お前の重心がほんの少しだけ外側によれた。それを気づかせないようにする為に外に出したんだろう?だがお前がそんな無駄な事をするような奴にはとても思えないしな。気にはなっていたんだが、どうだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パチパチパチパチ

 

 

するとルドルフは下げていた両手を胸の位置まで上げて拍手を始めた。しかも何だか嬉しそうな顔をしながら。

 

 

ルドルフ「……素晴らしいよ、比企谷トレーナー。まさかそんな所まで見ていたとは、君の観察力には恐れ入ったよ。」

 

ライス「じ、じゃあ本当に?」

 

ルドルフ「うむ、意図的に逆脚でスパートをかけた。だが見破られるとは思わなかったよ。他のトレーナーは気付いた様子はなかったから、上手く誤魔化せたと思っていたのだがね………」

 

ライス「す、凄い、トレーナーさん!………」

 

オグリ「あぁ、まさかそんな細かい所まで見ていたとは………」

 

エアグルーヴ「私でも気付けなかったというのに………なんて奴だ。」

 

クリーク「これは………ひょっとしたらとんでもないトレーナーさんかもしれないですね〜。」

 

ブライアン「なぁ姉貴、このトレーナー………」

 

ハヤヒデ「あぁ、我々の予想を遥かに上回っている。とても新人トレーナーとは思えない………その域を凌駕している。」

 

 

やめて、そんなに俺を褒めないで………俺褒められ慣れてないから。ポーカーフェイス崩れちゃうからやめて。俺に耳と尻尾が生えてたら間違いなく振りまくりだろうから。

 

 

八幡「トレーナーなら気付けて当然だろ?」

 

ハヤヒデ「それはあり得んよトレーナー君。担当しているならまだしも、未契約のウマ娘の走りをそこまで理解するのは至難の業だ。いや、契約していたとしても理解するのには短くない時間を要する。」

 

エアグルーヴ「至極当然な論だな。」

 

ルドルフ「だが比企谷トレーナーはそれ程までに私の走りを見ていてくれたという事で間違いないのだろう?魅せられる走りが出来たようで何よりだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




模擬レース、終了しました!ウマ娘の皆さんお疲れ様でした!



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模擬レース後

八幡side

 

 

模擬レースも終わって各トレーナーは様々な行動に移っていた。スカウトをしに行ったり、データ分析をしたり、トレーニングを開始したりと本当に人それぞれだった。ん、俺か?俺はこの後にやる事があるから、自分のトレーナー用の部屋に向かってる最中だ。

 

 

なのだが………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルドルフ「普段、こちらに来る機会はそうそう無いから良い機会だ。比企谷トレーナーに走りを見てもらった甲斐があったな。」

 

エアグルーヴ「えぇ。それにこのトレーナーがどんな事を書いているのかも気になりますしね。」

 

ブライアン「………」

 

ハヤヒデ「トレーナー君はそんな事まで頼まれていたのか。ならば私のも是非頂きたいものだ。」

 

クリーク「ふふふっ、トレーナーさんは来たばかりなのに人気者ですね〜。」

 

オグリ「トレーナーのおかげでお腹はならないが、お腹が空いたな………部屋に着いたら何かあるだろうか?」

 

ライス「ついてく、ついてく……」

 

 

増えてる………なんかウマ娘の数が増えてる。何で?ねぇ何で?俺招待した覚えないんだけど?してもねぇし!ルドルフやエアグルーヴ、ブライアンとハヤヒデは分かるがそれ以外の2人は何故ついてくる?あっ、ライスは除いてな?ライスは俺が付き合わせてるだけだし。

 

このまま行ったら絶対に桐生院を驚かせる事になるだろうな。いやでもどうしよう………

 

 

八幡「なぁ、ルドルフとエアグルーヴとブライアンとハヤヒデは分かるが、残りの2人は何故ついてくる?」

 

ライスシャワー「あっ……そうだよね、ライスは関係ないからついてこなくてもいいもんね……「いや、ライスは絶対に要るからついてきていい。どうしてか気になってるだけだから。」そ、そうなの?」

 

 

そう来る?そう来ちゃうの?ダメだよ俺にそんな風に切りかかったら。お兄ちゃんそういうのダメなんだよ………しかもさっき2人って言ったのに、ライスはそのうちの1人だって無意識に自覚してやがるのかよ………俺ライスの方を向いて言ってねぇのに。

 

 

八幡「まぁいい、とりあえずついて来ればいい。たいしたおもてなしはしないけどな。」

 

エアグルーヴ「貴様、男としてその対応はどうなのだ?」

 

八幡「じゃあお前はオグリを部屋に入れたら大量の飯を用意出来るのか?俺には無理だ。」

 

エアグルーヴ「………私にも無理だが、考えが極端過ぎるぞ。」

 

オグリ「む?私の事は気にしなくていいぞ。」

 

八幡「なら先に言っておくが今から行く所には健康補助食品しかないぞ?まっ、あげないけど。」

 

オグリ「………」グウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ

 

八幡「……………あぁ〜分かったよ、やるからその腹の虫を早くどうにかしろ。」

 

オグリ「す、済まない………」グウゥゥゥゥゥゥ

 

クリーク「トレーナーさんはオグリちゃんを手懐けるのが早いですね〜。」

 

八幡「手懐けた覚えなんてねぇよ……それにこんな方法で手懐けたくもなかったし。」

 

 

ーーートレーナー室ーーー

 

 

八幡「………ん、やっぱ居たか。」

 

葵「あっ、比企谷君お帰りなさい!どうでした?」

 

八幡「あぁ、やっぱレベルの高い奴等ばかりだな。つくづくそう思った。それと、何人か生徒が入るんだが、いいか?すぐに済む要件なんだが………」

 

葵「はい、大丈夫ですよ。」

 

八幡「そうか、じゃあいいぞ。」

 

ルドルフ「失礼させてもらうよ、桐生院トレーナー。」

 

葵「………え?」

 

エアグルーヴ「失礼させてもらう。」

 

ブライアン「………」

 

ハヤヒデ「ブライアン、挨拶くらいしろ。」

 

クリーク「失礼しますね〜。」

 

オグリ「失礼する。」

 

ライス「お、お邪魔しましゅ!あうぅ〜……」

 

 

あっ、固まってる………まぁ当然か、普通に見れば豪華メンバーな上にさっき走った模擬戦で1、2着(1人を除いて)しか取ってない連中だしな。

 

 

八幡「じゃあ待ってろ、書いたのとメニューのコピーするから。それとオグリ、お前はこれな。」

 

オグリ「ありがとうトレーナー。」キラキラ

 

 

………あんなので目をキラキラさせる奴、俺は初めて見た。

 

 

ーーー5分後ーーー

 

 

八幡「ほら、欲しがってたのだ。」

 

エアグルーヴ「では拝見させてもらうぞ。」

 

 

俺の書いた紙を貰った奴等は、真剣に見ていた。その間俺は………

 

 

八幡「桐生院、起きろ。固まっても目の前の事実は変わらないから。」

 

葵「はっ!!ひ、比企谷君、これは一体!?」

 

八幡「話すと長い。掻い摘んで説明すると、俺の書いた内容が気になるからそれを見せて欲しい、以上だ。」

 

葵「ほ、本当に簡単ですね………でもこのメンバーって。」

 

 

うん、分かる。言いたい事は分かる。けど言わないで欲しい。

 

 

八幡「なぁ、ライスはどんな距離が得意なんだ?できれば教えて欲しいんだが。」

 

ライス「え、えっと……ライスはね、長い距離が得意だよ。」

 

八幡「長距離か……なぁ、今度走りを見せてもらってもいいか?少し見てみたい、距離は3000mがいいんだが……頼めるか?」

 

ライス「う、うん!ライス頑張るね!」

 

 

………もうこの娘育てようかな。

 

 

ハヤヒデ「トレーナー君。」

 

 

振り向くとそこには模擬レースを終えた面々が俺に顔を向けていた。

 

ハヤヒデ「君の纏めたこの用紙とメニュー、拝見させて貰った。勝手ではあるが、此処に居る全員にも拝見済みだ。」

 

八幡「そうか。」

 

エアグルーヴ「その上での評価をお前に伝える………その、お前はどのトレーナーよりも優れていると感じている。」

 

ルドルフ「やれやれ、君は素直ではないねエアグルーヴ。」

 

エアグルーヴ「か、会長!?」

 

ルドルフ「簡単に言うとだよ比企谷トレーナー、君程のトレーナーを今までに会った事がない。それ程、君の目やトレーニングメニューは素晴らしい。」

 

 

ベタ褒めじゃねぇか………悪い気はしないが、そんなに褒めないでくれよ。

 

 

ルドルフ「そしてその上で我々は決めた、恨みっこ無しの選択だ。比企谷八幡トレーナー、私のトレーナーになって欲しい。共に頂点へと君臨する為に。」

 

八幡「……え?」

 

エアグルーヴ「お前の事は知り合ったばかりで何とも言えんが、その才能だけは確かだと認めさせられた。故に私も貴様が私のトレーナーになってくれる事を希望する。」

 

ハヤヒデ「君のメニューを一目見た時、他のトレーナーとは違う何かを見た。そして今それが確信に変わった。君となら私は勝利の方程式を組み立てられる。私の担当トレーナーになって欲しい。」

 

ブライアン「………今日会ったばかりだが、お前は私を【怪物】という風に見なかった。知らなかったという事もあるだろうが、私は嬉しかった。私もお前がトレーナーなら文句はない。」

 

クリーク「何だかトレーナーさんと一緒だと楽しい事がいっぱいありそうです。なので私からも逆スカウトさせて下さい。」

 

オグリ「トレーナーから見る私がどういうものかは分からないが、私はトレーナーが信頼に足る人だと確信した。だから私の担当トレーナーになって欲しい。」

 

 

………嘘でしょ?まさかの逆スカウト?しかも6人のウマ娘から同時に?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




八幡、まさかの6人からの同時逆スカウト!!しかもこりゃまたすんごいメンバー!!


ライス「トレーナーさん、大丈夫かなぁ?」

生焼け肉「まぁでも八幡だからね、しっかり考えた上で結論を出すと思うよ?」

ライス「………そうだよね、トレーナーさんなら大丈夫だよね!」

生焼け肉「因みにライスは?八幡にアタックしないの?」

ライス「で、でもライスはダメな子だから………」

生焼け肉「けどさ、1回くらいはアタックしてみたら?ダメなライスから少しは成長できるかもよ?」

ライス「う、うん……ちょっとだけ頑張ってみるね。」

生焼け肉「頑張ってね。(ホント可愛い♪)」


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苦悩とコーヒー

八幡side

 

 

八幡「はぁ………」

 

 

どうするべきか……模擬レースが終了して俺の纏めた紙を見せて、ハヤヒデに渡したトレーニングメニューを見ただけで、一気に6人ものウマ娘が俺に逆スカウトして来た。しかもだ、生徒会長にその右腕、異名かどうかは分からんが【怪物】にBNWの最強格、母性たっぷりウマ娘に腹鳴り過ぎ娘、どのウマ娘も将来性抜群だ。

 

 

八幡「はぁ、どうしたもんかなぁ……」

 

???「そんなに悩んでどうかしたんですか?何か困り事ですか?」

 

八幡「あぁ、南坂さん。いえ、今日はちょっと色々ありまして………」

 

南坂「もしかして、さっきの模擬レースの事ですか?」

 

八幡「まぁ……はい。」

 

 

この人は数年前にこのトレセン学園のトレーナーになった南坂さん。チームも組んでるからそれなりに実績があるのだろう。この寮内では俺と歳の近い男性トレーナーだ。

 

 

南坂「上手く行かなかったんですか?」

 

八幡「いや、そういうわけじゃないんですよ。言ったらちょっと……反感を買うかなぁって。」

 

南坂「?」

 

八幡「逆スカウトを受けまして……6人から。」

 

南坂「6人!?凄いじゃないですか、そんなに多くのウマ娘から声を掛けられるなんて!」

 

八幡「ありがとうございます。でも少し声を抑えてもらえません?」

 

南坂「あぁすみません………けどそれの何処が反感を買う理由になるんですか?確かに新人トレーナーにしてはあり得ない数字ですが、別に反感を買われる理由は何処にもありませんよ?」

 

八幡「その、メンバーが濃くて………」

 

南坂「その6人の、ですか?」

 

八幡「………」カキカキ

 

 

流石に口では言えないから、いつも常備してあるペンとメモ帳にスカウトして来た奴の名前を書いた。

 

 

八幡「このメンバーがそうです。」

 

南坂「………ひ、比企谷君。えっと………これって本当なのかい?」

 

八幡「嘘だったらこんな風になってませんよ。配属初年度は担当を1人しか持てないって話じゃないですか、それなのにこのメンバーは選択の重みがヤバ過ぎますよ………」

 

南坂「た、確かにこの中から選び抜くのはかなり勇気がいりますね。」

 

八幡「この中から1人だけ逆スカウトだったら良かったのに、6人って………」

 

南坂「人並み程度の言葉しかかけられないですけど、頑張って選んで下さい。」

 

八幡「本当に人並みだし慰みにもならない言葉ですよね、ソレ。」

 

 

ーーー自室ーーー

 

 

八幡「はぁ………どうすっかなぁ。」

 

 

あのメンバー、俺には勿体無いくらいの将来有望なウマ娘ばかりだ。そんな奴等から逆スカウトされたなんて、光栄以外の何でもないのだが、逆スカウトされたのは2日前にトレセン学園に配属になった新人トレーナーだ。南坂さんはそんな反応しなかったが、これがもしプライドの高いトレーナーだったら、その人からのやっかみなんて相当なものだろう。

 

 

八幡「はぁ………どうすりゃいいんだ。けどまだ見てないウマ娘だって居るんだ、それに今日はライスの動きだって見るって約束したしな。まだあの6人の中から絞らなきゃいけないなんてルールでも無いしな。」

 

 

けどなぁ………マジでどうしよう。このままだとメニュー組むどころじゃねぇ。少し気分転換でもするか。

 

 

ーーートレセン学園・ベンチーーー

 

 

八幡「……ん?誰か居る?」

 

 

そのウマ娘は漆黒の髪をしていて黄色い目を光らせ、コーヒーを飲みながらベンチに座っていた。まるで梟みたいな奴だな………

 

 

???「………」

 

 

アイツ、この時間にコーヒー飲んでるのか?人やウマ娘にもよるが、寝付けなくならないのか?

 

 

???「………っ!」

 

八幡「あっ。」

 

???「………どうも。」

 

八幡「あ、あぁ、どうも。」

 

???「………よかったら、どうぞ。」

 

八幡「あぁ、はい………」

 

 

俺はそのウマ娘に促されるままに隣へと座った。特に用事なんて無いんだが、断るのはどうかと思うし………それにしてもコイツ喋らんなぁ。いや、話題を待ってるわけじゃ無いんだけどよ。

 

 

???「………悩みでもあるのですか?」

 

八幡「え?」

 

???「………浮かない顔をしていました、もしやと思ったので。」

 

八幡「あーまぁな。今年から此処に配属されて模擬レースを見て自分なりにそのウマ娘の走り方や特徴なんかをレポートしたのを頼まれてたウマ娘達に見せたんだが、そのウマ娘達から逆スカウトされてな。だからすげぇ悩まされてるってわけだ。」

 

???「………なるほど。」

 

八幡「ソイツ等、この学園内でもかなり有望な奴等でな。どう選べばいいのか分からずにいるんだ。」

 

 

ホント、どうやって選べばいいんだ………その6人でなきゃダメだってルールは無いが、ああいう風に全員からスカウトされたら、他の奴なんて選びにくい。

 

 

???「………コーヒーも一緒です。」

 

八幡「……は?」

 

???「………コーヒーにも色々な種類があります。そのコーヒーを淹れるお湯の温度で味が変わったり、量によっても変化します。私もどれが1番好きかと聞かれても、どれが1番良いかなんて答えられません。その淹れ方によって1番は変わるのです。」

 

八幡「お、おう………」

 

 

なんかコーヒーに例えられたんだが………アレか?良さは人それぞれですってか?

 

 

???「………貴方はコーヒーを飲みますか?」

 

八幡「……まぁ、甘いのなら。」

 

???「………では、どうぞ。」

 

 

するとその青鹿毛のウマ娘は俺に缶コーヒーを渡した。微糖であるのは助かる所ではあるが………

 

 

???「………私は毎週この曜日にこうしてコーヒーを飲みに来ます。来たくなったらどうぞ。私はマンハッタンカフェといいます。」

 

八幡「あぁ、名前言ってなかったな。俺は比企谷八幡だ。」

 

カフェ「………あぁ、貴方が学園内で噂のトレーナーさんでしたか。」

 

八幡「どんな噂かは知らんが、噂を立てられてるのは事実だな。」

 

カフェ「………それでは門限もありますので、私はこれで失礼します。」

 

 

そう言ってマンハッタンカフェはベンチから立ち上がって、ウマ娘の領がある方向へと歩いて行った。

 

なんか不思議なウマ娘だったな。今までに居ないタイプだったな。

 

 

カフェ「あぁそれから………」

 

八幡「ん?」

 

カフェ「よければお話し相手になってあげて下さい。その子も貴方に興味を持っているみたいなので。」

 

 

………え?誰の事?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はチームカノープスのトレーナー南坂さんに、【摩天楼の幻影】マンハッタンカフェでした!

南坂さんは競馬界の中でも実力はあるが、GⅠになると勝ちきれないスターホース達のウマ娘版でのトレーナーですね。

マンハッタンカフェは勝ち鞍こそGⅠ3勝と名馬と呼ばれるには今一つに感じられると思われがちですが、菊花賞、有馬記念、天皇賞・春のGⅠレースを連続勝利したという大記録を持っています。この記録は同馬と【皇帝】シンボリルドルフの2頭しか保持していないとてつもない記録です。

あの【シャドーロールの怪物】ナリタブライアンや【英雄】ディープインパクト、【金色の暴君】オルフェーヴルといった3冠馬達や、【黄金の不沈艦】ゴールドシップ、ビワハヤヒデ、キタサンブラックといった名馬達でもこの記録は達成出来ていないのです。

GⅠを勝つだけでも凄い事ですが、この3つのタイトルを連続勝利で手に入れる事はとても難しい事だというのが分かります。3頭目はいつ現れるんでしょうかね?


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どうすりゃいいの?

八幡side

 

 

あれから一晩経ったが、結論から言うと何の進展もなかった。そりゃそうだ、俺今まであんな沢山の告白(逆スカウト)受けた事ねぇもん。はぁ………どうすりゃいいんだよ全く。

 

 

???「何だよ比企谷、朝から浮かない顔だな。悩みでもあんのか?」

 

八幡「はい、金欠なのにバーに行って東条さんに奢ってもらってる人に話しかけられてるのが悩みです。」

 

???「お前も中々に酷いな………」

 

???「ならもう少し私生活を見直してみる事だな、お前の私生活には穴があり過ぎる。」

 

八幡「いや、だからって詰め過ぎるのもどうかと俺は思いますけどね。」

 

 

俺に話しかけてきたのは、このトレセン学園で長くトレーナーをしている2人で、1人は黄色のワイシャツにベストを着ていて、後ろに束ねた茶髪が特徴の【チーム・スピカ】を率いる沖野トレーナー。

 

もう1人が色付きサングラスに黒いハットと上下白のジャージに何故かチャック全開で鍛えている身体を見せて、首には赤い勾玉の首飾りをしている黒沼トレーナー。

 

2人共、この学園でチームを率いているベテランのトレーナーだ。まぁ、一癖二癖のあるトレーニングをするようだが。

 

因みに沖野さんは東条さんによくバーでの支払いをよく頼み込んでいるのだ。初めて会った時に東条さんが愚痴ってた。初めて会う俺に愚痴を言うって事は相当なんだろうなってその時は思った。

 

 

沖野「んで比企谷、朝から辛気臭い顔してどうしたんだ?同じトレーナーで男同士のよしみだ、聞くだけ聞いてやるぞ?」

 

黒沼「後輩を育てるのも先輩の務めだからな、悩んでる事があるのなら言え。」

 

八幡「悩みっつうか………2人は今年、逆スカウトってされました?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

沖野「比企谷よぉ。知らないようだから一応言っておくが、ウマ娘の方からトレーナーへスカウトするなんて滅多にない事なんだぜ?それこそ、ソイツの腕を知っていなければあり得ない事だ。」

 

黒沼「沖野の言う通りだ。東条の奴も自分のチームに入りたい奴を募って、見込みのある奴だけをチームに入れてるからな。アイツのチームでも逆スカウトで入った奴は居ないだろう。」

 

 

うげっ、そうなのか………なんかヤバいかもしれんな。この話の流れ。

 

 

沖野「それを聞くって事は、お前まさか逆スカウトされたのかよ!?」

 

八幡「ま、まぁ……一応。」

 

沖野「大したもんじゃねぇか。余程気の合う奴が信頼をされてないとあり得ないぜ?んで、それで何を悩んでんだ?受ければ済む話だろ。」

 

黒沼「………」

 

八幡「えっと………」

 

南坂「おはようございます、皆さん………あぁ〜もしかして比企谷君、昨日の事ですか?」

 

八幡「おはようございます。実はその通りです、南坂さん、どうすればいいですか?」

 

南坂「あはは………物は試しに相談してみたらどうです?この2人なら大丈夫だと思いますよ、良い先輩ですしね。」

 

 

………黙って1人で考えるよりかはマシか。

 

 

八幡「……このメンバーなんです、俺に逆スカウトして来たウマ娘。」

 

沖野/黒沼「………」

 

 

………あれ、固まったままなんだが?

 

 

沖野「………まぁ、アレだ比企谷。頑張れよ。」

 

八幡「え?」

 

黒沼「俺達は応援だけはしておいてやる。後はお前次第だ。じっくり考えろ。」

 

八幡「え?アドバイスとか無いんすか?」

 

沖野「悪いが、この面子を相手にアドバイスなんて大それた事は俺には出来ねぇ。悪いな。」

 

 

えええぇぇぇぇ………頼みの先輩トレーナーでさえもコレかよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

葵「それで朝から悩んでるんですか………何というか、逆に何も言えなくなってしまいます。比企谷君が凄過ぎて………」

 

八幡「やめろよ、そういう事を言わないでくれ。それにもし仮にその誰かが俺と契約したとしても、本当にそのメニューや俺のやり方が担当したウマ娘と合っているのかどうかなんて分からないだろ?」

 

葵「確かにそうですね。あの娘達は比企谷君のメニューを見て判断しただけですしね、内容は分かっていても比企谷君のやり方というのがありますしね。」

 

八幡「それが合ってなければ本末転倒もいい所だ。笑えない話になる。そういや、お前は決めたのか?」

 

葵「はい!少しマイペースな所もありますが、とても良い娘が見つかりました!」

 

 

良いなぁ〜もう決まってて。はぁ〜………

 

 

葵「あれ、あそこに居るのはビワハヤヒデさんとナリタブライアンさんじゃないですか?」

 

八幡「ん?」

 

 

あっ、ホントだ。確かにハヤヒデとブライアンだ。朝練だろうか?それにしては少し遅い時間だな。何やってんだ?

 

ん?あの走法にあのフォーム……それに用意してある器具もそうだ、あれは俺が昨日競バ場や距離別で組んだメニューの1つで長距離用のメニューだ。

 

 

ハヤヒデ『よし、コンディションは良好だ。身体も良く動く………3000m、しっかりと走ろう。ブライアン、頼むぞ。」

 

ブライアン『………あぁ、分かってる。』

 

 

近くに居たブライアンがスタートの合図をすると、ハヤヒデはゆったりとしたペースで走っていた。アレは3000mか?そしてあっという間に2000mを超えて第3コーナーに向かっている。

 

 

ハヤヒデ(よし、ここでスパートだ!!)

 

 

ハヤヒデが一気に加速し、第3と第4コーナーの境目でかなりのスピードだった。しかもそれでいて更にスピードを上げている。

 

 

ハヤヒデ(あり得ない………これだけ違うものなのか?あのトレーナー君から貰ったメニューをこなしただけでこれだけの差が出るのか!?)

 

 

そして走り終えると、ブライアンも驚きの顔をしていた。きっと前に測ったタイムよりも大幅に良かったのだろう。ハヤヒデの奴も満足そうな顔をしていた。

 

 

葵「凄い速かったですね、今の走り………」

 

八幡「あぁ………だがあのメニューを渡したのは不味かったかもな。」

 

葵「え………もしかして昨日渡してたトレーニングメニューの事ですか?」

 

八幡「あぁ。これだと俺のやり方が流出しているようなものだ。釘を刺しておかないとな。今の走りがこの学園中に触れ回ってなければ良いんだが………」

 

葵「ですが一目見ただけで分かるなんて凄いですね。」

 

八幡「当たり前だ。あのメニューを誰が考えたと思ってるんだ?作案者が1番に理解してないでどうするって話だよ。まぁ兎に角、俺達も学園に行こうぜ。」

 

葵「そうですね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「ステータス『驚愕』を確認。あれは凄い走りでした………あの走りを伝授した方は一体?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




チームスピカの変態トレーナー沖野さん(名前不明なので)と、スパルタトレーナーの黒沼さんでした!

沖野トレーナーのウマ娘に対する情熱はとても良いと感じています。あれくらいの熱を持ってないとトレーナーなんて出来ませんよ、きっと。

黒沼トレーナーもアニメではブルボンのトレーナーをしていましたね。ブルボンへのハードトレーニングも凄まじいものでしたが、アレも元ネタを引用しているのでしょう。


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此処にも居たか、同志!

タイトル、意味分かりませんよね。

大丈夫です、後になったら分かります。


八幡side

 

 

『ねぇねぇ、今朝の見た!?ビワハヤヒデ先輩の3000m!凄い速かったよね!』

 

『うん!!偶々居合わせてたけど、最後のコーナーから一気に加速してた!!ぐ〜んって!!』

 

『もしかしてだけどさ、ハヤヒデ先輩のあの走りって例のトレーナーが関係してるんじゃない?』

 

『あり得るかもっ!!』

 

 

バチコリ噂になっとりますやん………え?まだ朝だよね?何でこんなに噂が広まるの早いわけ?嘘だろ?そんなに見てたウマ娘居るの?

 

 

八幡「こんな事になるのなら、朝はもっとゆっくりしておくんだった………」

 

ルドルフ「そんなつれない事を言わないで欲しいな。」

 

八幡「………朝の噂については?」

 

ルドルフ「既に耳にしている。相席構わないだろうか?」

 

八幡「あぁ、構わない。」

 

ルドルフ「感謝する。彼女の走りは既に学園内では噂になっている。まだ未契約の彼女があれだけの走りをしたんだ、当然噂にもなる。その後は姉妹揃って勧誘やらで忙しかったようだがね。」

 

八幡「こうなるんだったらメニューを渡すんじゃなかったと思ってた。俺のメニューが筒抜けになる。自分の蒔いた種とはいえ、昨日俺のメニューを渡した奴には釘を刺しておかないとな。」

 

ルドルフ「ならば私も気をつけておこう。エアグルーヴやブライアンにもそう伝えておく。」

 

八幡「そうしてくれ。」

 

 

よかった、俺が苦労してアイツ等に会わなくても済みそうだ。会うとすればオグリとクリークだな。後ハヤヒデ。

 

 

ルドルフ「ところでトレーナー君。」

 

八幡「ん?」

 

ルドルフ「スカウトの件は考えてくれたかな?」

 

八幡「っ!?」

 

 

コイツ、こんな所で何を平然と聞いてやがる!?他のウマ娘の目や耳もあるんだぞ!?その中で何つー事聞きやがる!?ほら、見てるよ?周りのウマ娘達こっちを凝視してるよ?マズい雰囲気だよ?

 

 

八幡「………今言わないとダメか?」

 

ルドルフ「私とて1人のウマ娘だ、私の他に5人も有力なライバルがいれば気になってしまうものさ。群雄割拠、我々は今1人のトレーナーの担当になる為に対立しているのだからね。」

 

八幡「頼むからその話はこの場所でするのやめてくれ。ただでさえ他のウマ娘の視線が痛いんだ、多分殆どのウマ娘が察しついてるぜ?ハヤヒデが速くなった理由。」

 

ハヤヒデ「私の話か?」

 

 

前にはハヤヒデとウイニングチケット、ナリタタイシンが居た。この3人の組み合わせは昨日も見たな。

 

 

八幡「あぁ、今朝のアレの事でな。」

 

ハヤヒデ「やはりそうだったのか……トレーナー君のを試したのだが、アレは日常的に行うトレーニングではないな。注目を浴び過ぎる。」

 

八幡「まぁそうだろうよ。あのメニューは普通の長距離メニューでは考えられない方法だからな。」

 

チケゾー「ねぇねぇ!!トレーナーってさ凄いメニュー作れるんだってね!!ハヤヒデが珍しくベタ褒めしてたよ!!」

 

ハヤヒデ「こ、こらチケット!」

 

 

あぁ……この娘は隠し事が出来ないタイプの娘か。これでもうハヤヒデの速さの正体がバレてしまったか。

 

 

八幡「あぁ、そうなの………なぁチケゾー、こういう言葉って知ってるか?口が軽いって?」

 

チケゾー「え?うん知ってるよ!何でも良く喋っちゃう人の事でしょ?それが何?」

 

八幡「………ハヤヒデ、頼んでいいか?」

 

ハヤヒデ「あぁ、朝食が終わったら実行する。」

 

チケゾー「え、何々?何するの?」

 

ハヤヒデ「安心しろチケット、楽しい事さ。お前と私とでな。」

 

チケット「わぁ〜い、やったぁ〜!!」

 

タイシン「幸せな奴………」

 

 

よし、チケゾーは終わった。チケゾーのおかげで要らん情報まで出回ってしまったからな、悪く思うなよ?

 

 

ルドルフ「君は存外、悪い性格をしているのだな。」

 

八幡「俺が良い性格の持ち主に見えるか?だとしたら見る目がないな、俺の性格は悪い方だ。」

 

ルドルフ「そうかい?私には君が悪い性格の人にはとても見えないが?」

 

八幡「何でそう思う?」

 

ルドルフ「昨日、あれだけのウマ娘に関しての走り方や動きを見ている上に私の動きまで見落とさなかった。それだけ君は細心の注意を払いながらウマ娘を見ていると取れる。違うかな?」

 

八幡「さぁな。」

 

ルドルフ「ふふふっ、君と居るとやはり退屈しないな。」

 

 

ホント、退屈しない学園に来てしまったもんだよ。たった3日でこんなに騒ぎになっちまうんだからな。この学園は面白い噂には事欠けないらしいな。

 

 

エアグルーヴ「会長、おはようございます。それからトレーナーもな。」

 

ルドルフ「あぁ、おはようエアグルーヴ。」

 

八幡「おはようさん。」

 

???「へぇ〜この人がグルーヴさんの言ってたトレーナーさんなんだ〜。なんか今まで会ってきたトレーナーさんとは雰囲気違うね。」

 

エアグルーヴ「お前もそう思うだろう。何せコイツからは他のトレーナーとは違って覇気が感じられん。その上に姿勢も口調も悪い、直す所は多々ある。だが、観察能力とトレーニング知識なら一級品だ。」

 

八幡「貶すのか褒めるのかどちらかにしろ。俺はトレーナーの比企谷だ、お前は?」

 

???「私はファインモーションっていいます!アイルランドから留学して来たんです!」

 

 

ほう、留学生か………まぁ昨日のエルコンドルパサーやグラスワンダー、タイキシャトルはアメリカからだからな、そういうウマ娘が居ても不思議じゃないか。

 

 

ファイン「早速なんですけど、トレーナーさんはラーメンって食べた事ありますか?」

 

八幡「あぁ、高校の時っつーか今もよく食うが、それがどうした?」

 

ファイン「でしたら今度、おすすめの場所に連れて行ってください!私、ラーメンが大好きなんです!!トレーナーさんのおすすめのお店で私も食べてみたいです!」

 

八幡「……この学園のは食ったのか?」

 

ファイン「はい、全種類に合わせて麺の硬さまで全部コンプリートです!」

 

八幡「ほう……なら今度行くか。因みに俺は濃厚コッテリが好きだが、お前はどうだ?」

 

ファイン「そそられますね〜その提案、乗りました!」

 

 

まさか身近にラーメン好きが居たとはな、朝から気が落ちるかとも思ったが、どうやらそうでもないらしい。

 

 

ルドルフ「2人だけの世界に入ってしまったね………」

 

エアグルーヴ「まさかこの男もとはな、はぁ、行き過ぎなければいいが………おいファイン、幾ら好物だからといって食べるのは程々に「研究も兼ねて週4回でどうでしょうか?」食べ過ぎだ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




というわけで、同志はファインモーションさんでした〜。アイルランド生まれのお馬さんですね。

この馬の特徴は何と言っても無敗の6連勝!!別に珍しくもないとは思いますが、デビューして5戦目の秋華賞で無敗のGⅠ馬になると、その後のエリザベス女王杯も制してしまいました。デビュー6戦目で古馬参加のGⅠに勝利したのは史上最短の記録であり、その期間も僅か1ヶ月しかありません。この記録は未だ破られていません。

だからこそ思います、この時代の馬ってスゲー。


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頼みとサイボーグ?

サイボーグといえば………彼女ですよね〜。


八幡side

 

 

ついつい語ってしまった……だが朝から気分下斜めだったのが一気に斜め上へと変わった。ラーメン好きが居たとは思いもしなかった。今度一緒に食べに行きたいものだ。

 

さて、俺は部屋に行って業務でもこなしますかね。メニューは作り終わったが、距離別というのがまだある。俺のトレーニング法は普通の人から見るとかなり変わっているらしく、俺を育ててくれたあの人も『面白いを通り越して、呆れも通り越して、言葉が出ないって事だな。俺には考えつかねぇ!』っていう評価を貰った。よく分からんが、別に悪く言ってたわけじゃないから間違ってはいないんだと思う。

 

 

八幡「さて、長距離のは出来てたから次は中距離だな。やっぱ2000mを軸にした距離で………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

 

八幡「ん?もう昼か……」

 

葵「比企谷君、私がこの部屋に入ったのって知らなかったですよね?」

 

八幡「………え、いつ来たの?」

 

葵「やっぱり!反応が全くなかったからもしかしたらと思いましたけど、どれだけ集中してたんですか!?」

 

八幡「あぁ〜済まん。俺のこの業界に入ってからの癖でよ、集中すると周りの音とか全く聞こえねぇんだわ。肩とか叩かれたり、今みたいに予鈴が鳴ると反応出来るんだが、他はどうにもなぁ〜。」

 

葵「凄いですねそれ………」

 

八幡「気のせいかもしれんが、お前って俺関係でよく引いてるよな。」

 

葵「き、気のせいですよ………」

 

 

おい目、目が泳いでるぞ〜。

 

 

八幡「まぁいい、お前はどうすんだ?学食行くのか?」

 

葵「はい、担当になった娘と打ち合わせも兼ねて。」

 

八幡「そうか。まぁ俺は南坂さんとかと食う事になるかもな。あっ、でもトレーナーってあんまりあの学食使わないもんな………」

 

 

ーーー食堂ーーー

 

 

さっきの俺の言葉通り、来ていたトレーナーは1人も居なかった。なので俺は1人で食事を摂っているわけだが、周りからの視線やヒソヒソがどうにも気になる。

 

 

八幡「………」モグモグ

 

 

だが、気になるというだけで別にどうにも思わない。話相手がいればそれに乗っかるが、俺は1人でも食べれる人間だから大丈夫だ。

 

 

ライス「こ、こんにちは、トレーナーさん!」

 

八幡「ん?おぉライスか、授業お疲れさん。」

 

ライス「うん!あの、ライスも此処で一緒に食べてもいい?」

 

八幡「あぁ、いいぞ。」

 

ライス「じ、じゃあ失礼します………」

 

 

………見た目の割によく食うんだな、ライスは。結構盛り付けられてる。うん、いっぱい食べて大きくなるんだぞ。どの目線だよ俺は。

 

 

ライス「あの、おに……トレーナーさん、昨日言ってた走り方の事なんだけどね、今日の放課後って大丈夫?ライスね、トレーナーさんにライスの動きを早く見てもらいたくて………」

 

八幡「おぉ、いいぞ。じゃあ今日の放課後な。昨日言ってた距離は3000mだが、どうする?お前が決めてもいいぞ。」

 

ライス「じゃあ3000mのままで行くね。トレーナーさんが言うから、そのままで走りたいの!」

 

八幡「分かった。じゃあそれで行くか。コース場で待ってるからな。」

 

ライス「うん!」

 

???「突然の訪問失礼します、お伺いしてもよろしいでしょうか?」

 

八幡「?何だ?」

 

???「オペレーション実行、これより【質疑応答】を開始します。貴方はトレーナーと判断します。その上でお聞きします、今朝のビワハヤヒデさんのメニューを作成、及び伝授したのは貴方でしょうか?」

 

 

………また妙なキャラをしたウマ娘が現れたな。ロボットみたいだ。

 

 

八幡「あぁ、俺で合ってる。だが一応言っておくぞ、あのメニューを教える気はないぞ。アレはハヤヒデが欲しいと言ったから渡しただけで、あんな形で実行するとは思わなかったからな。だから内容を教える気はないぞ。」

 

???「………バッドステータス【残念】を確認。それは非常に残念です。」

 

ライス「ライスもちょこっとだけ知りたかったなぁ〜……」

 

八幡「お、おう、それは悪かったな………ん?お前、ミホノブルボンか?」

 

ブルボン「確かに私はミホノブルボンですが、私の名前を貴方に教えた記憶はございませんが?」

 

八幡「昨日の模擬レースにマイルで出走してただろ?結果はそんなに良くはなかったが、良い走りをしていたから覚えている。」

 

ブルボン「っ!因みに貴方から見て私はどのような感じでしたか?」

 

八幡「そうだな………あの走りはスプリント向きだと思う。お前の脚はまだ残っていたが、スタミナが追いつけていないように見えた。」

 

 

ブルボン(………やはりこのトレーナーも他のトレーナーと同じように「だがそこは坂路トレーニングをすれば補えるだろう。」っ!!)

 

 

ブルボン「今、何と?」

 

八幡「だから坂路トレーニングをやれば補えるって。あの走りはスプリント向きだが、ペース配分やスタミナ、走法を変えればマイルでも充分に走れる。あの時のお前はペース分からずに先頭突っ走ってたような感じだったからな。」

 

ブルボン「………」

 

 

………あ、あれ?なんか固まってるんだけど?

 

 

ブルボン「………ステータス【高揚】を確認。私は今、この学園に来て初めて欲しいアドバイスを頂きました。」

 

八幡「そ、そうなのか?」

 

ブルボン「はい……再度質疑をします。貴方のお名前は何といいますか?」

 

八幡「あぁ、言ってなかったな。俺は比企谷八幡だ、一昨日来たばかりの新人だ。」

 

ブルボン「比企谷八幡………脳内メモリーに保存しました。それでは貴方にお願いがあります。」

 

八幡「ん?何だ、走りを見て欲しいのか?」

 

ブルボン「………驚きました、何故私の言おうとした事が分かったのですか?」

 

八幡「この話から来る流れはそうとしか思えないからな。別にいいぞ、こっちに居るライスもその予定だからな。お前も来ればいい。」

 

ブルボン「新たにミッション【放課後にトレーナーに走りを見てもらう。】を追加。よろしくお願いします。」

 

八幡「分かった。」

 

ブルボン「では、失礼させて頂きます。」

 

 

ブルボンはそう言うと、俺の隣の席に座って食事………というよりもゼリーを取り出して飲み始めた。

 

 

ライス「あの、ブルボンさん?お昼ご飯ってそれだけなの?」

 

ブルボン「必要エネルギーは摂取出来ているので、問題ありません。」

 

ライス「そ、そうなんだ………」

 

八幡「なぁ、ブルボンはこう言ってるが、本当にこれでいいのか?栄養素は一応摂れてはいるが、アレ補助食品だぞ?」ボソッ

 

ライス「ライスも食べない時はあるけど、それでも人と同じくらいは食べるよ?ブルボンさんのアレは………足りてないと思うんだけど、大丈夫かなぁ?」ぼそっ

 

 

俺も心配になってきたぞ、ブルボン。本当にそれで走れるのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は【サイボーグ】【坂路の申し子】と名高いミホノブルボンでした!デビューからダービーまで無敗の記録を持っている馬ですね。過去に無敗の2冠を得た競走馬はミホノブルボンを含めて4頭存在しますが、ミホノブルボンから現在に至る29年間、1頭も現れてはいません(無敗の3冠馬を除いて。)

またこんな馬が現れて欲しいものですね。


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青いバラとお兄様

僕も呼ばれたい………


八幡side

 

 

時刻は15時半となり、ウマ娘達はそれぞれのトレーナーの元でトレーニングをするか、教員達の組んだメニューをするか、お休みで出掛けたり寮でゆっくりする等、行動は様々だ。そして俺も約束がある。それはライスとブルボンの走りを見る約束だ。あくまでも走りを見るだけだ、それ以外は特にない。

 

だが………

 

 

八幡「少しのアドバイスなら、構わないよな。」

 

 

ーーーコース場ーーー

 

 

コース場に来たが、ライスとブルボンの姿はまだ見えない。他の連中がチラホラと居るが、気になる程の人数ではなかった。今日は元々使う人数が多くなかったんだな。

 

 

八幡「まっ、いいか。さて、ライスは3000mだが、ブルボンは………取り敢えず1600mでいいか。昨日も良い走りをしてたってだけで良い部分はそこまで見えてなかったし。」

 

ライス「お兄……トレーナーさ〜ん!!」

 

ブルボン「お待たせしました、トレーナー。」

 

 

おっ、来たみたいだな。ブルボンも一緒か。

 

 

八幡「よっ、授業お疲れさん。」

 

ライス「うん、ありがとう。」

 

ブルボン「労いの言葉を確認、ありがとうございます。」

 

八幡「さて、じゃあ早速走りの方を見ていくわけだが、まずはアップからだ。いつも自分がやってるアップをこなしてくれ。そこから走りを見る。」

 

ライス「えっと……それって先生達が組んでるメニューのアップでも良いの?」

 

八幡「あぁ、構わない。兎に角まずは運動できる身体を作ってからだ。いきなり走ったりなんてしたら筋肉だけでなく筋繊維や骨も痛める。ストレッチも入念にな。」

 

ブルボン「オーダーを受理。」

 

ライス「うん、頑張るね!」

 

 

そこから俺は2人のアップの様子を見守っていた。やはり教員達が組んでいるメニューという事もあってか、内容としては及第点でも物足りなさは感じる。だが俺がこの場で口出しするわけにもいかない。あの2人の正式なトレーナーってわけじゃないからな。

 

 

ーーー30分後ーーー

 

 

ライス「トレーナーさん、準備できたよ!」

 

ブルボン「指示通り、アップを済ませてきました。」

 

八幡「よし、じゃあこれからお前達の走りを見る。まずはライス、お前からだ。距離は3000m、ゴールはあの板だ。」

 

ライス「うん!」

 

八幡「ブルボンは暖まった身体を少しでも維持しておいてくれ。ただし、思い切り走るのは厳禁な。」

 

ブルボン「オーダーを受理。」

 

 

ーーースタート地点ーーー

 

 

八幡「よし、じゃあいくぞ。よぉ〜い………ドンッ!!」

 

 

ダッ!!!

 

 

ふむっ、スタート合図からの反応は良い。だが今回は1人で3000mを走るという事になってるが、ペースメーカーが居ない中でどれだけ走れるかな?

 

だが走りは安定してるな……意外としっかりしてる。長距離特有の体幹がブレない走り方をしている。それにペース配分も分かっているみたいだ。落ち着きがあるし、今は誰も居ないが前に行こうとする仕草もない。だが此処からだ、長距離では中間を過ぎてからのスパートが重要ポイントだ。さぁお前ならどうする?

 

 

ライス(まだ……ココじゃない……ココでもない………………今っ!!!)ダッ!!!

 

 

八幡「っ!ほう………」

 

 

これも中々の逸材だな……

 

 

ピッ!

 

 

ライス「はぁ……はぁ……ふぅ……ふぇ〜……ど、どう、だったかな?」

 

八幡「あぁ、かなり良い走りをしている。日頃から走っていなければあの体幹のブレない走りを身につけるのは無理だ。お前、かなり走り込んでるだろ?それも1日に5,000や10,000なんて距離じゃないな?ランニングでフォームがブレないように意識しながら走ってたりしてないか?」

 

ライス「わぁ………せ、正解だよ!凄いお兄様!ライスのやってる事、まるで見てきたみたいに言い当てたよ!」

 

八幡「当たりか……改善、というよりもお前ならもっと本気を出せていたんじゃないのか?」

 

ライス「はぅ………お兄様には隠し事出来ないね。うん、ちょっと余裕があったかも。」

 

八幡「今話しても意味がないかもしれないが、3000mの競走に出るとしたら、もっと早いタイミングでスパートをかけても問題はないな。取り敢えず総評。」

 

ライス「ドキドキ…ドキドキ…」

 

 

………声に出しながら言うのホント可愛い。

 

 

八幡「長距離の才能はズバ抜けてる。完全なステイヤータイプだな。俺から見てもあれはかなり良い走りだった。正直に言うと、また候補が増えてしまった事が残念でならない。」

 

ライス「ふぇ、候補って?」

 

八幡「俺が担当にしたい候補って事だ。」

 

ライス「………ホント?ライスを担当にしたいってホント?」

 

八幡「あぁホントだ。模擬レースに出てたら絶対声かかってたと思うぞ?今言ってもアレだが、勿体ない事したと思うぞ?走ってたら今頃担当ついていたかもしれないぞ?」

 

ライス「………」ウルウル

 

八幡「まっ、俺としては吟味しなくちゃいけない相手が増えた形になるが、それだけの価値がお前にはある。」

 

ライス「………ふ、ふぇ……」ウルウル

 

八幡「ふぇ?」

 

ライス「ふええぇぇぇぇん!!!」ポロポロ

 

 

え!?な、泣いた!?何で!!?俺何か悪い事でもしたか!?

 

 

八幡「え、ど、どうした!?俺何か気に障るような事言ったか!?」

 

ライス「グズッ……ラ、ライスね……初めて、そんな風に、言って、もらえたの。だ、から、嬉しくて………うぅぅ。」ポロポロ

 

八幡「そ、そうなのか………ま、まぁアレだ。お前の走りを見たら誰もが『自分は節穴だ。』って思うだろ。」

 

 

そうだ。俺も昨日の模擬レースだけしか見ていない。実際には走っていないが、実力のあるウマ娘だって居るかもしれないんだ。だから俺はあのレースだけが全てだとは思わない。

 

 

ライスの嬉し泣きが止んだ頃、顔を上げた彼女はとてもスッキリしたような表情をしていた。

 

 

ライス「えへへ、いっぱい泣いちゃった………でもライス、凄く良い気分なの。全部お兄様のおかげだよ。」

 

八幡「あぁ。ところで、そのお兄様って何なんだ?さっきも言われたが………」

 

ライス「え、えっとね、ライスの好きな絵本に出てくるお兄様がいるんだ!とっても優しくて、穏やかに笑う人!何だかお兄……トレーナーさんがそのお兄様に良く似ていたから………それで………あ、あの、トレーナーさん!」

 

八幡「な、何だ?」

 

ライス「トレーナーさんが嫌じゃなかったらだけど、トレーナーさんの事、お、お兄様って呼んでも良〜い?」

 

 

………多分、ウマ娘にこんな呼び方させてるって噂になったら俺の黒歴史が増えるかもしれない。だが………

 

 

八幡「あぁ、好きに呼べば良い。」

 

ライス「う、うん!じゃあ……お兄様………えへへ♪」

 

 

こんな風に笑うんだ、本人が嬉しそうにするのなら、俺の問題なんて些細なもんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!

贔屓してるつもりなんてない(推してる時点でしてる………)のにライスが可愛い〜!!!!!


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トレーナーとして

シンボリルドルフside

 

 

………ふぅ、今日の業務も終わりそうだ。エアグルーヴもブライアンも良く働いてくれている。この2人がいなければ、この生徒会も成り立ってはいないだろう。特にエアグルーヴ、彼女の存在は必要不可欠となっている。流石は私の右腕だな。

 

 

エアグルーヴ「会長、本日の業務は全て終了しましたが、今後はどうされますか?」

 

ルドルフ「ふむ、今後は特に急を要する予定は無い。ならば久し振りに休みを取っても良いのではないか?時には身体を休める事も必要だ。」

 

ブライアン「………アンタが言う事か。」

 

エアグルーヴ「おいブライアン。」

 

ルドルフ「ふふ、構わないよ。それに「レース場であの噂のトレーナーがライスシャワーさんとミホノブルボンさんの走りを見てるんだって!」……む?」

 

「え、ホント!?けど何でその2人?」

 

「分かんない。けど次はブルボンさんの走りを見るみたいだよ!」

 

「ホントッ!?じゃあ早く見に行かなきゃ!」

 

 

………ほう。

 

 

ルドルフ「興味深い事をしているようじゃないか、比企谷トレーナーは。私はそちらを見に行くとしよう。」

 

エアグルーヴ「会長、私も気になりますのでご同行させて頂いても?」

 

ブライアン「………あたしも気になる。ま、勝手に行くだけだが。」

 

ルドルフ「ならば行こうか。」

 

 

シンボリルドルフsideout

 

八幡side

 

 

八幡「よし、じゃあ次はブルボンな。昨日の走りを見た限りで言うが、お前の走りは短距離向けだ。そのお前がマイルを走っている理由は知らんが、一時的にフォームの改善点を教えてやる。スパートは自身で考えろ。」

 

ブルボン「分かりました。」

 

八幡「よし、じゃあフォームからな。まずは………」

 

 

俺は自分の持っているマイル走法の知識をブルボンに教えた。後は彼女がどう走るかだ。昨日のレースでは良いとこ無しの結果だったが、これで少しは変わると思うが、走ってみないと分からんな。

 

 

ブルボン「では、準備に入ります。」

 

八幡「分かった。ライス、スタートの合図をしてもらってもいいか?手を上げて下ろすだけでいい。」

 

ライス「うん、分かったよお兄様!」

 

 

………ホント素直な良い子。

 

 

ライス「い、いちにちゅいて………よ、よぉ〜い………りぉん!!うぅ〜/////」

 

 

………上げて下すだけでいいって言ったのに。

 

だが何はともあれブルボンは良いスタートを切った。だがかなりスピードを上げてるな。おっ、少し抑えた。つーことは………逃げを想定してるのか。だがそれでもペースが速い。

 

 

ブルボン(トレーナーの言っていた事をロード………完了、及び実行。)

 

 

八幡「………どうやらさっき俺が言ったのは理解出来ていたようだ。さて、後は直線だな。逃げバテしなければ良いがな。」

 

ブルボン「ふっ…ふっ…ふっ…」

 

 

ピッ!

 

 

ブルボン「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

八幡「ん、お疲れさん。どうやら昨日よりは走れたようだな。」

 

ブルボン「はぁ……はい。トレーナーのおかげです。それで、如何でしたか?」

 

八幡「ん、今の走りなら1800mを目指しても大丈夫だな。そしてそれから徐々に距離を延ばしていけば、走れる距離の幅は増えると思うぞ。」

 

ブルボン「っ!本当ですか?」

 

八幡「あぁ。その代わり、メニュー内容がほぼ坂路ばかりの鬼メニューになるけどな。普通のトレーニングとは違ってキツいものになると思うぞ。自身の適性距離を伸ばすってのは想像以上に険しい道だからな。」

 

ブルボン「そうですか。」

 

八幡「まっ、お前も今のでマイルでもそれなりに走れるっていうのは分かっただろう。今までのお前の走りには改善点が多くあった。それを直すだけでも糸口ってのは見えてくるもんだ。」

 

ブルボン「っ………トレーナーの今の言葉を保存。」

 

八幡「え、何で?」

 

 

何故保存する?俺何も格言っぽい事なんて一言も言ってないぞ?

 

 

八幡「まぁいい。じゃあ2人はダウンに入れ。全力で走ったからストレッチも入念にしておけよ。」

 

ブルボン「分かりました。ではライス、行きましょう。」

 

ライス「う、うん!」

 

 

………ふぅ、まだ荒削りだが良い素質はある。ライスの場合、最初は活躍出来るレースが限られるだろうが、距離が延びてくると覚醒するだろうな。

 

ブルボンも最初は能力の幅を増やすのに苦労をしそうだが、それをこなしていけばクラシックディスタンスのレースも夢じゃない。

 

 

八幡「ったく、何でこうなったんだか……さて、じゃあ………えぇ?何だこれ?」

 

 

気付いたら後ろには大勢のウマ娘達やトレーナーが遠巻きにこちらを見ていた。まるで見物や観察をしているかのように。嘘だろ、なんか少ないなぁとは思ったが、こういう事だったのか………

 

 

ルドルフ「やぁ、精が出るね。」

 

八幡「見てたのか……」

 

ルドルフ「生徒が君の事を口にしていたものでね、気になって様子を見ていたのさ。しかし酷いな、私達の走りは見てくれないのかい?」

 

八幡「それは昨日見た。」

 

エアグルーヴ「それは他の生徒も交えてだろう。もっとよく見ようとは思わんのか?」

 

八幡「思わん。担当ならまだしも、まだ決めてもいないウマ娘の走りを見てもな。それに俺の場合、見るのは1度だけで良い。」

 

ブライアン「………何故だ?」

 

八幡「さぁてな。教えて欲しかったら担当になれるように頑張れ。俺がこんな事言うのは筋違いだがな。」

 

ルドルフ「通例ならば、な。だが私達は君に担当になって欲しいと頼んだ身だ。なら私達はそれに応えるようにするのみさ。」

 

八幡「そうかい……ん?」

 

 

ブルボンの奴………

 

 

八幡「………」スタスタ

 

エアグルーヴ「っ!お、おい!」

 

 

隠してたのか?いや、それともレース後か?

 

 

八幡「ブルボン、その左脚はいつからだ?」

 

ブルボン「っ!走りを終えた後です。大した痛みでは無かったので、報告する必要は無いと「お前は何を考えている!!」っ!!」ビクッ

 

八幡「今は軽い痛みかもしれん……だがその軽い考えが重症にも繋がるんだぞ!今までに何人ものウマ娘がその餌食になってる!?お前はデビューを迎える前に走れなくなりたいのか!」

 

ブルボン「っ………」シュン…

 

八幡「……悪い、熱くなった。少し患部を診るぞ。触られるのが嫌だとか気持ち悪いとかは禁止だ。」

 

 

………やっぱり左脚の跛行か、だが本当に軽くて良かった。それにレース後だというのも不幸中の幸いか。

 

 

八幡「取り敢えずはテーピングをしておく。いいか、今日から1週間は走るのは禁止だ。ランニングもだぞ?トレーニングをするのなら筋力トレーニングのみだ。ただし足に負荷が掛かるものはダメだ、いいな?」

 

ブルボン「………オーダーを受理。トレーナーからの厳命だと判断しました。」

 

八幡「ならいい………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「よし、取り敢えず応急処置は済ませた。だが一応病院で診てもらえ。今日はもう無理だが、明日は大丈夫だろう。連絡は俺が入れておく。」

 

ブルボン「………分かりました。」

 

 

……少し落ち込んだか?だがあのくらい厳しく言わないと怪我の恐ろしさってのは伝わらんだろうし………けど相手はまだ中高生だから、あの言い方はマズかったか。

 

はあぁぁぁ〜…………気は進まんが、仕方ない、やるしかないか。

 

 

ブルボン「っ!」

 

八幡「さっきは済まなかったな、怒鳴るように怒って。言い方は悪かったかもしれないが、それだけお前達ウマ娘にとって怪我ってのは恐ろしいものだってのは理解してもらいたい。」ポンポン

 

ブルボン「………」

 

八幡「まぁアレだ、今後は気を付けろよ。」

 

ブルボン「………ステータス【安心】を確認。トレーナーの手はとても落ち着く上に安心します。」

 

八幡「そ、そうか………」

 

 

いやただ手を頭に乗せてるだけなんだが?

 

 

八幡「ほら、お前達も着替えて寮に戻れ。ライス、済まないがブルボンの付き添いを頼む。無理はしないと思うが、念の為にな。」

 

ライス「うん、分かったよ。」

 

 

………取り敢えずは一安心、か。

 

 

エアグルーヴ「………ランニングで気が付いたのか?」

 

八幡「ん?あぁ。僅かではあったが身体が前のめりになってた。それを見逃せないようじゃトレーナーなんて出来ねぇよ。」

 

エアグルーヴ「しかし、貴様の観察力は大したものだ。一目見ただけで分かるとはな。」

 

八幡「あぁ、だからさっき言っただろ。見るのは1度だけでいいって。」

 

ルドルフ「1度見ればそのウマ娘の歩行や走法を覚えられるから、かな?」

 

八幡「まぁそういう事だ。今回は気付くのに遅れちまったけどな。」

 

ブライアン「………つまりは、我々の動きも見ているから、僅かな変化でも異常があるのは筒抜けになっているという事だな?」

 

八幡「あぁ。分かってるとは思うが、あの言葉はブルボンだけに言った言葉じゃないからな。当然お前達やこの学園にいるウマ娘全員に言ったつもりだ。そうでもなければ、こんな痛み、この程度、このくらいならって考えで学園だけでなく、ターフやダートからも去る事になるかもしれないんだからな。」

 

ルドルフ「………君の言葉の重みが伝わったよ。今後は気を付ける事にする。どうやら教訓がまた1つ増えたようだ。軽い考えが大きな誤ちを呼び寄せる、軽率短慮は厳禁だ。」

 

エアグルーヴ「………はい、会長。」

 

ブライアン「あぁ……」

 

 

そういう風に気を付けてくれるのならトレーナー側も安心だろう。知ってて黙ってるのは最悪のパターンだけどな。

 

 

八幡「だがこのくらいの事、トレーナーとして当然の事だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




八幡がケガを隠していた事で怒………まぁ、分からなくもありませんが、そこまでするかい?


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悩みの末の回答

ブルボンside

 

 

………あんな風に怒鳴られたのは生まれて初めてでした。父にすらあんな風に叱られた事はありませんでしたし、この先そういう事も起きないだろうと思っていました。しかし今日、私の脚の違和感を……いえ、怪我を報告しなかった事でトレーナーは私に怒りとも呼べる注意をしました。そしてあの言葉が胸に刺さりました。

 

 

八幡『お前はデビューを迎える前に走れなくなりたいのか!?』

 

 

ブルボン「………それは、とても嫌です。」

 

 

ーーー栗東寮・食堂ーーー

 

 

心なしか、場の雰囲気が少しだけ暗く感じます。何故でしょう?それに何故か視線も感じます。どうして………っ!理解、先の事を見ていたからでしょう。私の怪我やあのトレーナーの言葉の事で私に注目をしているのでしょう。しかし私はあのトレーナーが悪人だとは思いません。むしろ悪いのは私です。

 

私がトレーナーに報告をしていれば、あのような事にはならなかったのですから。

 

 

???「やぁ、少しお悩みのようだね?私でよかったら相談に乗るよ、ブルボン。」

 

ブルボン「………寮長。」

 

???「あはははっ、君は相変わらずだね。私の事はフジで良いと言っているのに。」

 

 

彼女はフジキセキさん。この栗東寮の寮長を務めている方です。そして先日の模擬レースでも圧倒的な力で1着を取った方でもあります。

 

 

ブルボン「悩み、ではないのですが、今日の事で少し………」

 

フジ「あぁ、あのトレーナーさんの事かい?僕も見てはいたけど、ちょっと言い過ぎにも感じたね。注意するのは良いとしても、いきなりバカは頂けないね。」

 

ブルボン「いえ、あれは私がトレーナーに報告をしていれば問題無かったのです。あのトレーナーの言う通り、私は怪我というものを甘く見ていたのかもしれません。なので、ああ言われて当然です。」

 

フジ「君がそう思うのならこれ以上私からは何も言わないけど、そうじゃないとしたら、君は何に耽っているんだい?」

 

 

私が悩んでいる理由………

 

 

ブルボン「………分かりません。私は一体、何に悩んでいるのでしょうか?」

 

フジ「……成る程、君自身もまだ分かっていなかったみたいだね。でも急ぐ必要は無いと思うよ。けどもし、悩みがあったらいつでも言うんだよ?これでも私はこの寮を預かる寮長だからね。」スタスタ

 

ブルボン「………了解。」

 

 

ーーー栗東寮・自室ーーー

 

 

私は、何故、いえ……何に悩んでいるのでしょうか?それが分かりません。しかし、そのせいで原因不明のモヤモヤを確認しています。とても落ち着きません………

 

 

???「ブルボンさん、大丈夫ですか?」

 

ブルボン「っ!すみませんフラワーさん、大丈夫です。ご心配をおかけしました。」

 

フラワー「いいえ、寮長からも言われてたんです。ブルボンさんの様子を見てあげて欲しいと!」

 

 

彼女は私と同部屋のニシノフラワーさん。とても優しく、人当たりの良い方です。そして噂では、彼女の写しているノートは教師の教え方、板書よりも分かりやすいのだとか………

 

 

フラワー「無理はしないでくださいね?」

 

ブルボン「はい。」

 

フラワー「そういえばブルボンさん、今日の走りとても凄かったです!昨日よりも格段に速くなっていました!」

 

ブルボン「はい、トレーナーのおかげで速く走れるようになりましたから。」

 

フラワー「そうなんですか〜……そんな人が担当になったらとても心強いですね。」

 

ブルボン「っ!」

 

 

今、心が一気に軽くなった気がしました。あのトレーナーが担当になってくれたら?私のトレーナーに?

 

トレーナーとしての技術はまだ分かりませんが、私の事を速く走れるようにしてくれました。それだけでなく、私の身体の事まで気遣ってくれる方………

 

 

ブルボン「ミッションを追加【明日、件のトレーナーの元へと向かい、想いを伝える。】学園へ向かうの次に最優先事項だと判断。トレーナーを見つけ次第、ミッションに移行します。」

 

フラワー「えっと、ブルボンさん?」

 

ブルボン「フラワーさん、ありがとうございます。貴女のおかげで心のモヤモヤが無くなりました。」

 

フラワー「は、はぁ………」

 

 

私はらしくもなく、明日が楽しみになっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、私は学園に行く準備を済ませて寮を出ました。あのトレーナーを探す為に少しだけ早く寮を出ましたが、何処にいるのか分からない為、現在再計算中………その結果、昨日のコース場へと向かう事にしました。

 

 

八幡「………」

 

ブルボン「……見つけました。」

 

 

オペレーション、実行。

 

 

ブルボン「すみません。」

 

八幡「ん?おぉ、ブルボンか。脚は大丈夫か?」

 

ブルボン「はい、問題ありません。」

 

八幡「そうか、ならいい。これから授業だろ、どうした?」

 

ブルボン「はい。私が昨日、感じた事をトレーナーに伝えたかったので、こちらに足を運びました。」

 

八幡「そうか………それで?」

 

ブルボン「私は走りを終えた後、寮で悩んでいました。理由は分かりません。何故かは分かりませんでしたが、とにかく悩んでいました。心の中がモヤモヤしていました。寮長や同室の方にもご迷惑をお掛けしました。しかし、ある出来事によって私はそのモヤモヤが消えました。」

 

八幡「そ、そうか……それは良かったな。」

 

ブルボン「はい。その出来事がトレーナーの事だったのです。」

 

八幡「………どのトレーナーだ?」

 

ブルボン「貴方です。同室の方と昨日の走りについてお話をしたのですが、走り方を教わっただけで速くなった私を褒めてくれました。そしてその後にトレーナーの腕も褒めていました。その後にこう言ったのです、『そんな人が担当になってくれたらとても心強いですね。』っと。そして私の心のモヤモヤがは消えて、1つの願いが芽生えました。トレーナー、私は貴方に希望します。私のトレーナーに、つきましては私のマスターになって欲しいです。」

 

 

この人以外に、私を育ててくれるトレーナーは居ないと判断しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ブルボンまでもが八幡へ逆スカウトを………八幡ったら罪な人!!

少しではありましたが紹介っ!

今回出てきたのは、【幻の3冠馬】フジキセキとGⅠ3勝のニシノフラワーです。

フジキセキはサンデーサイレンス初年度産駒としても有名です。引退するまで全勝した馬ですが、怪我により引退………関係者の話では『無事に引退できていれば3冠を獲れていた。』と断言する程の馬だったそう。

ニシノフラワーは阪神3歳牝馬S(現在は阪神JF)、桜花賞、スプリンターズSを勝利した名牝です。この頃は短距離レースにまだ代表とも言える馬が現れていなかったのであまり注目はされていませんでした………しかし、史上最強スプリンターとも呼ばれているサクラバクシンオーや、安田記念連覇のヤマニンゼファー、マイルCS優勝馬のシンコウラブリイと激戦を繰り広げ、牡馬と五角に渡り合う程の牝馬でした。(シンコウラブリイは牝馬ですけど。)


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こういう事もあるのか

八幡side

 

 

八幡「はぁ………」

 

葵「その、比企谷君……大丈夫ですか?」

 

八幡「何も大丈夫じゃない………また増えた。いや、増やしてしまった。迂闊に走りなんて見るんじゃなかった、これでもう7人目だぞ?」

 

葵「あはは………」

 

 

ブルボンからの逆スカウトを受けた俺。当然その時の返事は保留。他のウマ娘の走りを見たいからという理由で保留にしたが、正直それももう限界だろう。だってこの学園内でも注目されているウマ娘達からの逆スカウトを連続でされてるんだぞ?これでまだ先延ばしにしていたら、他のトレーナーからも叩かれかねない。

 

 

八幡「決めないといけないのかなぁ……」

 

葵「急ぐ必要は無いと思いますけど、のんびりすればするだけ、自身の収入は無いままですからね。最低限の賃金は貰えますが、遊びに行くようなお金は貰えませんから。」

 

 

そうなのである。この学園は普通の会社とは違って、働いてても給料は発生するのだが、それはこの学園の職員だけである。俺はトレーナーだからその括りには入らない。例えば東条さんはトレーナーでもありながら教職員としても働いているから、収入は普通の職員よりも多い。南坂さんや沖野さん、黒沼さんはトレーナー一筋だから収入はウマ娘の成績及び実績に関わってくるのだ。初年度配属のトレーナーは担当が決まっていないから、ある程度の保証はしてくれる。だが2年目以降は担当を持っていなければ、収入は無いどころか、月の給料が発生しなくなるのだ。

 

 

八幡「腹括って決めるしか無いのか………」

 

葵「候補は絞ってるんですか?」

 

八幡「一応8人だな。ルドルフ、エアグルーヴ、ハヤヒデ、ブライアン、オグリ、クリーク、ライス、ブルボンだな。選ぶとするならこの中の誰だろう。」

 

葵「胸焼けしそうな面子ですね………」

 

 

言うなよ、俺が1番そう思ってんだから。

 

 

ーーー食堂ーーー

 

 

八幡「なんかここで食べるのが普通になってきたな。俺も早く自炊してトレーナー室で食わないとな。」

 

 

けど此処の飯って美味いんだよなぁ………流石はトレセン学園、味の付け方も最高みたいだ。

 

 

沖野「よぉ比企谷、此処良いか?」

 

八幡「……どうぞ。」

 

沖野「ありがとよ!んでどうよ、担当ウマ娘の方は?順調か?」

 

八幡「まぁ候補は絞りましたよ、逆スカウトして来た奴等と走りを見て良かったと思った奴の中から決めます。」

 

沖野「まぁそうだろうな。」

 

八幡「……アレ、そういえば沖野さんってゴールドシップを担当にしてましたよね?なんであの日走ってたんですか?」

 

沖野「あぁ、あれはアイツが出たいって言ったから走らせただけだ。別にあの模擬レースは担当が決まってないウマ娘だけしか走ってはならないって決まりは無かったしな。俺は別にこの路線のみって考えはないからな。そのウマ娘が走りたいレースを走らせる為にそのサポートをするだけさ。」

 

八幡「成る程………」

 

 

この人普段はダメダメなんだが、ウマ娘の事になると本当に熱くなる人だ。その部分は本当に尊敬出来る人だ。まぁ普段がダメなのが傷なんだが、それもあるから憎めない人物なのだろう。

 

 

八幡「俺もそろそろ「何故だシンボリルドルフ!?」ん?」

 

沖野「……ありゃ△△とシンボリルドルフだな、何騒いでんだ?」

 

八幡「さぁ?」

 

△△「俺は前からお前に声を掛けていたんだぞ!?なのに何故!?何故……俺ではなく来たばかりの比企谷に逆スカウトなんてしたんだ!?」

 

 

………あのトレーナーは一応、俺や桐生院と同期のトレーナーで、自己紹介した時で分かったが、かなりの自信家のように見えた。それよりもあのトレーナー、どこでそれを聞いたんだ?いや、昨日はルドルフが飯食ってる時に俺に言ってたな。でもあの声量はウマ娘なら聞こえていても、人間には聞こえないくらいだと思うが………

 

 

ルドルフ「その前に1つ質問に答えて欲しい。私が比企谷トレーナーに担当になって欲しいという情報を何処から手に入れたのかな?」

 

△△「昨日、アイツが2人のウマ娘のトレーニングを見ていた時、お前とエアグルーヴ、ナリタブライアンの3人で近寄っていただろう、その時だ!」

 

 

あぁ〜あの時かぁ〜………確かにかなりの人数が居たしなぁ。仕方ないか。

 

 

ルドルフ「成る程、理解した。そして先程の君の質問の答えだが、私の目指す道を叶える為には、比企谷トレーナーと共に歩むのが最も可能性を感じたからだ。君には申し訳ないが、これが理由だ。」

 

△△「くっ、くうぅぅ……!」

 

ルドルフ「スカウトしてくれた事は嬉しく思う、私の才能を見込んでの事だろう。だが、私にも目指す道があるのだ。それを共有できる者でない限り、共に道を、理想を追い求める事はできない。」

 

△△「……こ、このぉ!!」

 

 

っ!!あの野郎!!

 

 

△△「黙ってれば良い気になりやがって!!」

 

ルドルフ「っ!?」

 

エアグルーヴ「会長っ!?」

 

 

バコッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「………」

 

ルドルフ「ひ、比企谷トレーナー………」

 

エアグルーヴ「お、お前、血が………」

 

八幡「………おいお前、自分が何しようとしたか分かってんのか?年下の女子、しかも学生に手を上げようとした意味分かってんのか?」

 

△△「う、うるせぇ!!ソイツが俺の担当にならないからだろうがっ!!」

 

八幡「担当が誰になるかはトレーナーとウマ娘、両方の同意が必要だ。一方的な契約なんて違反行為そのものだぞ?それどころかウマ娘に手を上げる行為だって厳禁されてる筈だが?」

 

△△「黙れっ!!俺よりも遅く赴任して来た奴が生意気を言ってんじゃねぇ!!」

 

黒沼「生意気言ってんのはテメェの方だろうが。」

 

△△「ガッ!?」

 

黒沼「公衆の面前でこれだけの騒ぎを起こしやがって……ウマ娘を、しかも生徒の長であるシンボリルドルフに未遂とはいえ手を上げようとしたのは黙ってはいられないというのに、同業者に手を出すとはな………この事は理事長にキッチリと報告させてもらうぞ。」

 

△△「くそっ、離せ黒沼!!」

 

黒沼「仮にも俺は先輩なんだがな………まぁいい、このまま大人しくついて来てもらうぞ。おい、お前等手伝え。」

 

「「は、はい!!」」

 

 

黒沼さんは△△トレーナーの両腕を背中に回して自由を封じると、トレーナーを数人連れてそのまま理事長室へと向かっていった。

 

いっつ………唇だけじゃないな、口の中も切れたな。

 

 

八幡「怪我はないか、ルドルフ。」

 

ルドルフ「私は平気だ、それよりも比企谷トレーナーの方が………」

 

八幡「唇と口の中を切った程度だ、別に何でもない。」

 

エアグルーヴ「何でもないわけあるか!!今すぐ保健室へ向かうぞ!すぐに治療しなくては大変な事になる!!」

 

 

ーーー保健室ーーー

 

 

エアグルーヴ「よし、治療は済んだ。」

 

八幡「悪い、助かった。」

 

エアグルーヴ「礼を言うのはこちらの方だ、貴様があの時前に出ていなければ、会長があの男に殴られていた。」

 

ルドルフ「比企谷トレーナー、貴方のおかげで助けられた。おかげで私は無傷だ、身体を張って助けてくれた事に礼を言おう。ありがとう。」

 

八幡「気にすんな、俺がしたかっただけだ。それにどう考えてもアウトだろ、法律的にもそうだが、大人が学生を殴るなんてよ。」

 

エアグルーヴ「私は理事長室へ向かう。恐らくあの男も一緒だろうからな。会長、申し訳ありませんが、このトレーナーの事をお任せしてもよろしいでしょうか?」

 

ルドルフ「うむ、心得た。」

 

エアグルーヴ「ありがとうございます、では失礼します。おい、一応言っておくが、会長と2人きりだからと言って変な気を起こすなよ?」

 

八幡「起こすかよ、早く行け。」

 

 

こんな雰囲気でんな事出来るわけねぇだろ。しかし、居るとは思ってたがスカウトされてたんだな。にしても………

 

 

八幡「俺、お前の目指す道について聞いた事なかったんだけど?」

 

ルドルフ「済まない、あぁでも言わないと納得してもらえないと思ったからだ。勝手な事をしたのは謝罪する。」

 

八幡「いや、別にいい。だが相手を選んで言葉を選んだ方が良いかもな。ああいう手合いには冷静な言葉はかえって逆効果だ。論破したとしてもすぐに手が出る。」

 

ルドルフ「見て来たような言い方だな。」

 

八幡「そりゃさっき見たからな。」

 

ルドルフ「ふふっ、違いないな。」

 

 

………コトッ

 

 

八幡「っ!ル、ルドルフ?」

 

 

ルドルフは俺の俺の胸に顔を埋めるように倒れかかって来た。

 

 

ルドルフ「済まない、少しの間こうさせて欲しい。私も女だ、さっきの事が少し怖くてね……」フルフル

 

 

そういうルドルフの足は少しだけ震えていた。

 

 

八幡「気にすんなよ。そうなって当然だ、むしろ泣かなかっただけ大した胆力だよ。」

 

ルドルフ「君は慰めるのが下手だな。」

 

八幡「ほっとけ。」ナデナデ

 

 

ルドルフ(今、私は頭を撫でられているのだろうか?この感触、とても久しぶりだ………昨日のトレーニング後にミホノブルボンもされていたようだが、このような気持ちだったのだろうか?)

 

 

ルドルフ「だが、その不器用な所も君の長所に感じるよ。続けてくれるかい?」

 

八幡「お前が良いのならな。」ナデナデ

 

 

こんなもんで落ち着けるのなら、幾らでもやってやるよ。もう大丈夫そうだからやらなくても良いとは思うが、そんな野暮な事は言わないでおこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




………ありませんよ?ウマ娘界でこんな事絶対に無いですよ?


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ご飯は大事!

今回コメント欄で色々とありましたが、僕としての見解はこうです。

気になったら読んでみる。面白ければ読み続け、違うと思えばページを閉じる、です。

僕やこの作品が気に入らないのなら、わざわざコメントなんてする必要なんてありませんし、ただページを閉じるかブラウザバックをすればいいだけの事です。思った事を文字にする必要はないと思います、だって無駄ですし。

こうあるべきだという考えがあるのは素晴らしいとは思いますが、相手を不快にしてまで主張する事では無いと僕は思ってます。胸の内で思う程度でいいと思いますけどね、僕ならそうします。

以上、僕なりの答えです。僕に限らず、他の作者や作品に対してあまり意味を成さないコメントや感想が減る事を祈ります。


それからこれは余談ですが、僕が八幡を軸にして書いている理由は、原作八幡が少し不憫な扱いを受けているのを見たり読んだりしたので、自分の作る作品の中でくらいは強い存在として出したいという気持ちがあったからです。「HACHIMANだろ。」と言われればそれまでですが、最初はそのつもりで書いていましたので。今はキャラをできるだけ崩さないようにしながら書いています。

長くなりまして申し訳ありません。では、本編をどうぞ。


八幡side

 

 

ルドルフ「済まない比企谷トレーナー。つい世話になってしまった。」

 

八幡「別に。あんな風に迫り来られたら普通は怯むもんだ。それに比べたらお前は立派に相手してた方だ。」

 

ルドルフ「相手を間違えなければ、だろう?」

 

八幡「まっ、そうだな。」

 

 

俺とルドルフは今、保健室を出て理事長室へと向かっている。きっと黒沼さんやエアグルーヴ、それに△△先輩が居るだろうからだ。規模が小さかったとはいえ、大勢の生徒とトレーナーがいる前であの騒ぎが起きたんだ、当然騒ぎの発端になったルドルフや被害者の俺も話に加わらなければならない。

 

 

八幡「はぁ……まさか配属して3日目でこんな形で2回目の理事長室に向かう事になるとは思わなかった。それもこんな形で。」

 

ルドルフ「気が滅入るだろうが付き合って欲しい。君も無関係ではないからね。」

 

八幡「分かってるよ。」

 

 

ーーー理事長室ーーー

 

 

秋川「よく来てくれた、シンボリルドルフ君に比企谷トレーナー!確認っ!!比企谷トレーナー、怪我の方は大丈夫かな?」

 

八幡「はい、大丈夫です。それと、△△トレーナーは居ないんですか?」

 

たづな「△△トレーナーなら今拘束中です。黒沼トレーナーを含む3人のトレーナー方に加えてエアグルーヴさんとナリタブライアンさんの協力の元、監視してもらっています。」

 

秋川「要求っ!!シンボリルドルフ君、何があったのか説明を求む!」

 

ルドルフ「分かりました、ご説明させて頂きます。」

 

 

ルドルフは食堂での出来事を事細かに説明をしていた。しかしよく覚えているものだ。あんな事があったから少しは覚えていない箇所もあったと思うものだが。

 

 

秋川「成る程……彼が赴任してから少し行動がおかしいとは思っていた。ウマ娘達からの評判もあまり良い方ではなかった………たづなよ、これをどう処理する?」

 

たづな「そうですね……赴任早々になりますが、やはり地方の学園へ異動でしょうか。しかしそうなった場合は異動先での行動が気掛かりになりますし………」

 

秋川「加えて比企谷トレーナーへの暴力行為も看過できるものではない………やはり追放だろうか。」

 

 

おぉう、かなり凄い方向で進められている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局あの場では処分は決まらず、また日を改めて職員等で話し合いをした後に決める事にした。それまで△△トレーナーは現住宅で謹慎との事だった。俺には関係ない事だが、軽過ぎる罰はやめて欲しいな。

 

 

ルドルフ「最後まで付き合わせてしまって悪かったね、比企谷トレーナー。食事の途中だっただろうに。」

 

八幡「それ言うならお前は1口も食べてないだろ。どうすんだよ?」

 

ルドルフ「心配要らないさ、1食欠かす事になってしまうが、問題は無い。」

 

八幡「………はぁ、ついて来い。」

 

ルドルフ「?何処へ?」

 

八幡「トレーナー室に行く。この時間なら桐生院も居ないからちょうど良いだろう。」

 

 

ーーートレーナー室ーーー

 

 

八幡「適当に座って待ってろ。それにお前はさっきの件で授業とかに出られる状況じゃないのは教師の連中も理解してんだろ。飯くらいはちゃんと食わないと力は出ない。」

 

ルドルフ「それは最もだが、一体何をするんだい?」

 

八幡「今から作るに決まってんだろ。超簡単な料理だけどよ。」

 

ルドルフ「何?君は料理も出来るのか?」

 

八幡「これでも俺はトレーナーだぞ?ウマ娘を育てるなら栄養面もしっかり勉強しとかないとなれないだろ。それに、夜食用に取っておいたアレがあるから使えるしな。」

 

ルドルフ「?」

 

 

ーーー10分後ーーー

 

 

八幡「ほい、出来たぞ。多分お前ならこれでもすこし足しになるだろう。」

 

ルドルフ「比企谷トレーナー、これは?」

 

八幡「焼き鳥丼ってヤツだ。味噌汁とサラダもあるから焼き鳥丼定食ってところだろうな。腹が減っては戦もレースも書類整理も出来ん、食べれる時は食べろ。」

 

ルドルフ「鶏肉を焼いた香ばしい良い香りだ……では、ありがたく頂こう。」

 

 

別に料理の腕に自信があるわけじゃないが、このくらいの料理なら誰だって出来る。焼き鳥買って軽く焼いたのを丼によそった白米の上に盛り付ければ完成だしな。ちなみに米はパックのを使っている。時間無いし、その辺は我慢してもらおう。

 

 

ルドルフ「っ!美味しいな………」

 

八幡「なら良い、作った甲斐がある。簡素で申し訳ないがな。」

 

ルドルフ「いや、私は作ってもらった側だ。そのような事はないさ。しかしこれでは比企谷トレーナーの夜食がないのでは?」

 

八幡「別に今日夜まで居ようって目的はないから安心しろ。もしかしたら必要になるかもしれないと思ったから用意してあっただけだ。」

 

 

ルドルフは気に入ったのか、時間を気にしているのかは分からないが、あっという間に平らげた。味噌汁もサラダも残さずにだ。ちょっと嬉しい。

 

 

ルドルフ「ご馳走様、とても美味しかったよ。また食べたいものだ。」

 

八幡「こんな簡単な料理をか?学食の方が断然美味いと思うけどな。」

 

ルドルフ「手料理だから良いのだよ。君が作ってくれたという事が何よりの証明だ。学食では誰が作ったかなんて分からないからね。」

 

八幡「そんなもんか………」

 

ルドルフ「さて、私も教室に戻らないとな。次の授業からは出席しなければならないしな。」

 

八幡「あぁ待て、焼き鳥焼いたんだ。炭火じゃないとはいえそのままじゃ匂う。少し消臭剤かけてくぞ。」

 

ルドルフ「君は細かい気遣いが出来る人なのだね。うん、ますます君の担当になりたくなったよ。君と過ごす日々は楽しそうだ。」

 

八幡「ったく、こっちは誰にするか悩んでるってのによ……選ばれなくても恨むなよ?」

 

ルドルフ「分かっているさ。それでは失礼するよ、改めてご馳走になったよ。」

 

 

そう言ってルドルフは部屋を後にした。さて、じゃあ俺も適当に何か食うか。けど他に何がある?

 

俺はもう1度冷蔵庫の中を見てみたが、その中には何も入っていなかった。どうやらあの焼き鳥だけだったらしい………他に何も買ってなかったのかよ、買い物に行ってた時の俺。

 

 

八幡「………仕方ない、昼は飲み物で我慢するか。晩飯はラーメンでも食いに行く事にして、暇だったらファインモーションも連れてこう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー ーーー

 

 

ファイン「え!?良いんですか!!?」

 

八幡「あぁ、晩飯の材料が無かったから食いに行こうと思ってたんだ。そしたら今朝の事思い出したからよかったらと思って誘ってみてる。」

 

ファイン「行きたいです!それで、トレーナーさんの行くラーメン屋さんって何処なんですか?」

 

八幡「○○○○○って所だ、行った事あるか?あるなら別のとこにするが?」

 

ファイン「わぁ〜行った事ないです!是非一緒に行きましょう!」

 

八幡「おう、じゃあ夕方にな。6時くらいに校門前でいいか?」

 

ファイン「はい、楽しみにしてます!」

 

 

元気な奴だ、流石は留学生だ。いや、関係ないとは思うが………

 

 

八幡「さて、じゃあ俺も仕事するか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




焼き鳥丼、食べたくなってきちゃいました………でもラーメンも捨て難いなぁ〜………飯テロってこういうのをいうのかなぁ?(別にダイエットも食事制限もしていませんけどwww)


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ラーメン屋へ

八幡side

 

 

八幡「………なぁファインモーション、こりゃ一体どういう事だ?」

 

ファイン「えっと、ごめんなさいトレーナーさん。私がトレーナーさんと食事をしに行くって言ったら、私も行くって聞かなくて………」

 

エアグルーヴ「まさか今日知り合ったばかりの奴をその日の夕食に誘うとは思わなかったぞ。貴様はナンパが趣味のようだな?」

 

八幡「何でそうなる……ただ飯食いに誘っただけだろ?それに何でお前までついて来るんだ?」

 

エアグルーヴ「私とファインは同室なのでな。少し気になっただけだ。」

 

八幡「……まぁいい。そしてお前は確か模擬レースにも出てたな。名前は……」

 

???「ハウディ〜トレーナーさん!!アタシの名前はタイキシャトルといいマース!タイキと呼んでくだサーイ!ヨロシクお願いシマースっ!!」

 

八幡「お前も食べに行きたいってクチか?エアグルーヴにも言っておくが、俺とファインモーションが行く店はオシャレな店じゃないぞ?」

 

エアグルーヴ「ラーメンなのだろう?」

 

八幡「………ファインモーションから聞いたのか?」

 

ファイン「トレーナーさん、ファインでいいですよ。グルーヴさんはトレーナーさんとご飯を食べに行くって私が言った時から分かってたみたいなんです。」

 

八幡「ほぉ〜……」

 

 

流石は生徒会副会長、生徒の事をよく見ておられるようで。まぁ今日の朝にあんだけ語り合ってたしなぁ〜。

 

 

エアグルーヴ「それよりも早く行くぞ。時間は有限だ、門限を過ぎて外泊では副会長の面子が立たん。」

 

八幡「なら来なければいいだろうに。」

 

エアグルーヴ「貴様が変な店に連れ込まないか監視する為でもある。」

 

八幡「俺ってどんだけ信用ねぇんだよ………」

 

タイキ「トレーナーさん!エアグルーヴはさっきこう言ってマシタ!『最近ラーメンを食べていないし、丁度いい。』っと言ってたデス!なので満更でもないデース!!」

 

エアグルーヴ「タ、タイキ!!余計な事を言わなくてもいい!!」

 

 

………素直じゃねぇなぁ。

 

 

八幡「まぁいいや、んじゃ行くぞ。」

 

 

ーーー ーーー

 

 

タイキ「そういえばトレーナーさん、この前の模擬レースはどうでシタカ?アタシ1番にゴールしまシタ♪」

 

八幡「タイキは短距離とマイルでなら大きく活躍できると思うぞ。今回の模擬レースでは短距離だったが、多少の距離が伸びても問題無いと思う。」

 

タイキ「WAOっ!ありがとうございマス!よく見てマス!」

 

八幡「これでもトレーナーだからな。」

 

エアグルーヴ「そのトレーナーが夕食にラーメンを食べに学生を誘うのはどうなのだ?」

 

八幡「何だよ満更でもないくせに。お前だってついて来てるだろ。」

 

エアグルーヴ「たわけっ!!監視の為だと言っているだろう!!」

 

 

さっきのタイキの言葉聞いちゃったからなぁ〜それを聞くと、言い訳にしか聞こえねぇ。

 

 

八幡「にしてもファインがラーメン好きだとはかなり意外だったぞ。」

 

ファイン「え、どうしてですか?」

 

八幡「いや、だってお前ファイン家の令嬢だろ?なら向こうでデビューとかしても良かっただろうに、それをわざわざ日本に来てよ。それに、食べ物も向こうとは違うんだろ?」

 

ファイン「そうですね。私こう見えてかなり箱入りだったので、外の世界とかよく分からなかったんです。だから日本に留学して思いっきり外の世界を楽しもうって思ってたんです!」

 

八幡「そうだったのか……」

 

ファイン「それで最初に出会った日本の食べ物がラーメンだったんです!あの時のラーメンは美味しかったなぁ〜。」

 

八幡「まっ、今から行くラーメン屋も良い店だと思うから期待しとけ。」

 

 

ーーー○○○○○ーーー

 

 

八幡「うし、着いたな。」

 

エアグルーヴ「此処がそうなのか?」

 

ファイン「へぇ〜こんな感じなんですね!」

 

タイキ「此処がラーメン屋デスネ?楽しみデス!」

 

 

ガラガラ〜

 

 

「いらっしゃい!」

 

 

俺達はテーブル席へと移動してメニュー表を見た。俺の頼むメニューは決まっている。

 

 

ファイン「あの、トレーナーさんは何を頼むんですか?」

 

八幡「俺か?俺は醤油の卵トッピングに背脂多めにしてもらう。言っておくがあんまりオススメはしないぞ、美味いけど脂浮いてるから。」

 

エアグルーヴ「お前はよく食べられるな。」

 

八幡「高校の時の教師にな。俺は元々千葉に居たんだが、そういうラーメンがある店があってな。よく食わせてもらった。特に背脂が多いのをな。それからか普通のじゃ物足りなく感じるんだよ。」

 

ファイン「じゃあ私もそれで!」

 

八幡「……お前正気か?」

 

ファイン「はい!トレーナーさんの認める味を味わってみたいです!」

 

 

俺とファインは醤油の卵に背脂多めで、エアグルーヴとタイキは普通の醤油ラーメンを注文した。

 

 

エアグルーヴ「おい貴様、そろそろ決めたのか?誰を担当にするのかを。」

 

八幡「絶賛お悩み中だ。候補は絞る事にしたが、それでも多過ぎる………というよりも有望な奴しか居ない。」

 

エアグルーヴ「何だまだ決まっていなかったのか、お前と同期の桐生院トレーナーはもう担当を決めているというのに。」 

 

タイキ「トレーナーさんはまだ担当が居ないんデスカ?」

 

八幡「まぁな。所謂逆スカウトで悩まされてる。普通ないだろ、新人トレーナーに将来有望なウマ娘が複数逆スカウトするなんて現象。」

 

ファイン「へぇ〜じゃあトレーナーさんって凄いんですね!」

 

エアグルーヴ「お前も1度、コイツに走りを見てもらうといい。的確なアドバイスを貰えるだろう。昨日のブルボンの話は知ってるな?スタミナの無い彼女がマイル距離で好記録を叩き出したのは。」

 

タイキ「ハイ!驚きマシタ!!」

 

ファイン「え、じゃあもしかして………」

 

エアグルーヴ「そうだ、コイツの仕業だ。」

 

八幡「仕業って何だ人聞きの悪い。これだからプライドの高い美人女帝様は……」

 

エアグルーヴ「な、何だときさ……おい、今何と言った?」

 

八幡「プライドの高い美人女帝様。」

 

エアグルーヴ「………一言余計だ///」

 

八幡「美人女帝様?」

 

エアグルーヴ「“美人”が余計だと言ったのだ!!ウマ娘の容姿は皆等しく淡麗だっ!!」

 

タイキ「オゥッ!!これがニッポンでいう、ツンデレってヤツデスネ!!」

 

エアグルーヴ「違うっ!!」

 

ファイン「えぇ〜私から見てもグルーヴさんは美人だと思うけどなぁ〜。フジさんや会長さんはカッコいい系だけど、グルーヴさんは美人とか麗人に入るって思ってますし。」

 

エアグルーヴ「お前達、私を揶揄ってそんなに楽しいか?」

 

八フタ「え、事実を言っただけだが?(ですけど?)(だけデース!)」

 

エアグルーヴ「………此処にはバカ者しか居ないのか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、アメリカ生まれの名スプリント&名マイラーのタイキシャトルです!!

生涯13戦11勝で2着1回3着1回のとんでもない成績です!3歳でデビューしてその年にスプリンターズSとマイルCSを制覇、古馬を寄せ付けもしない強さでした!しかし凄いのはここから!!4歳になって京王杯から安田記念を勝利すると、フランスのマイル路線最高峰とも言われているジャック・ル・マロワ賞を優勝した大実績&大偉業を持っています!このレースを制した日本馬はタイキシャトルただ1頭のみです!その後は再びマイルCSを勝利して春秋マイル連覇を達成しました!

近年ではたてがみを切り取られた事でも有名になりました………許すまじっ!!!!


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