Re:ゼロから始める喰種生活 (*嗤福⌘)
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原作開始前
Prologue
それではどうぞ
「――ハァ……ハァ……やっと、やっとアイツを殺せた……」
――今思えば僕と妹は嘉納の掌の上だったのだろう。僕たち兄妹は幼い頃に両親を亡くし、寄る辺のない俺たちは養護院に入った。
そこでの生活は両親を亡くした俺たちでも幸せだった。
――ある時、優しそうな男の養子になった……
僕も妹も、亡くなった家族を忘れることはできなかったが幸せになろうと誓った。
新しい家族ができて一見幸せそうに見えた。
――だが――
そこでは人体実験が繰り広げられていた。
――とても辛かった。
――とても痛かった。
どれだけ泣き叫んだかわからない。どれだけ死のうと思ったかわからない。
けど、妹にこんな痛い思いさせたくないだろう?と言われては我慢するしかなかった。
自分だけ耐えれば妹は――仮初ではあるが幸せだと思ってた。
ある実験を境に普通の食べ物が食べれなくなった…
肉を食べれば血の味がした。
スープを飲めば温かい泥水を飲んでるようだった。
僕は不安になり嘉納に相談した。
嘉納は狂気的な笑みを浮かべ、
「遂に成功した!!あの少年から二度目の成功例だ」
「君は部屋に戻り休んでいたまえ」
と言っていた。
僕は部屋に行った後、成功例とは?少年って誰だ?
――ただ疑問が尽きなかった。
あれから5日後くらいのことだ。
気が狂いそうな飢餓が襲ってきた。
オナカスイタ、ナンデモイイカラタベタイ。
気が狂いそうだった。
――その時今まで閉まっていたドアが開き、この世の物とは思えない芳醇な香りがしてきた。
僕は無我夢中で走った。
――そこには磔にされ、猿轡をし泣いている妹がいた。
意味が解らなかった。同じ肉親に対して、同じ人間に対して食欲が湧いたことが意味が解らなかった。
嘉納が
「腹が減っているんだろう?食べたらどうだい?」
と意味のわからない言葉を行っていた。
――けど――
身体が勝手に動いていた。
妹の首を絞め妹を喰った。
理性では喰うな、もう二度と人に戻れなくなると言っているのが分かった。
――でも食べた。
――今でもこの手には感覚が残っている。
――今でも妹の絶望の表情が忘れられない。
そこからの記憶は曖昧だ。
気が付き起きてみると、アンティークと言う店にいた。
そこにはトーカというお姉ちゃんとカネキというお兄さんがいた。
僕は嘉納に復讐するため戦う力を習った。
――2年後――
僕はカネキ兄と一緒に嘉納のもとに行き戦った。
嘉納は殺した。
復讐をやり遂げた。
嘉納が最期の瞬間に自爆した。
カネキ兄をかばい、重傷を負った。
普通なら助かる、けど僕は人を……妹を喰ったときから同族以外喰っていないし、戦いでの傷を片っ端から治していたから、回復が追いつかなかった……
カネキ兄は意識を失っているし、悲しむ人はいない。
――もう死ぬかな…
――意識が遠くなる……
* * * * * * * * * *
「――姉様、今にも死にそうな人がいます。どうしますか?」
「一応、助けましょう。なぜここにいるのか、聞きたいことがあるもの。それに私達ぐらいの子がこの怪我はおかしいわ。魔獣がいるとはいえこの切り傷、何かに巻き込まれた可能性があるわ。レム、応急処置をしてベアトリス様のところへ」
「分かりました」
続く
どうでしたか?
続いたら良いな、とか思ったら感想を!!
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気がつくとそこは……
ありがとうございます。
それではどうぞ
――ここはどこだろう?――
――暗い――
見ていると飲み込まれそうな空間にいた。
そこに一筋の光が現れた。
――あっちに明かりがある。行ってみよう――
秦は、光の方へと進んでいこうとした。
――だが――
動けなかった。――否、足が掴まれ動けないのだ。
秦の足を掴んでいたのは、喰った
――お前は何で生きようとしている?お前は俺たちと地獄に行くんだ――
――憎い、憎い、ゼッタイニコロシテヤル!!――
――死んだ俺は妹を――
秦は目を見開いた。
――そこには半身が腐り、憎悪の眼をする妹がいた。
生前の姿からかけ離れていたがすぐに分かった。
――オニイチャンは、私がイナイとダメだモンね。アノ時ダッテ私のオカゲでイキレタンだから。オニイチャンはモウ離さナイカラ――
――僕は知らない!!こんな妹は知らない!!止めろ!!離せ!!嫌だ!!――
* * * * * * * *
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
はぁ、はぁ、はぁ、はぁ
夢……なのか?
死んだ妹がいた。
妹は……俺を恨んでいるだろうか?
――恨んでいるだろうな。信頼していた兄に殺されたのだから…‥
「姉様姉様、お客様が目を覚ましましたがなんだか怖いです」
「レムレム、確かに怖いわ。まるで魔獣ね」
目の前を見てみるとメイド服を着た2人の女の子がいた。
見た目からして双子のようだけど、さっきから怖い怖いって……
嗚呼さっき叫んでしまったんだな。
「突然目を覚ますなり怖い思いをさせてしまいました。申し訳ないです」
「いえいえ、レムはともかく姉様は大丈夫だと思います」
「いえいえ、ラムはともかくレムは大丈夫だと思うわ」
「――そうですか。仲がいいんですね。それで聞きたい事があるのですが、ここはどこなのでしょうか?」
「ここはロズワール様のお屋敷です。お客様」
「ここはロズワール様の屋敷よ。お客様」
「ロズワール様?――それに屋敷?」
名前からして外国の方だろうか?
――けど屋敷は嫌いだ、アイツを思い出す。
まぁ良い、アイツは殺した。
そんなクズよりもこの状況を確認しよう。
「他にも質問をしても良いですか?」
「レムは大丈夫です。お客様」
「ラムに聞かないでレムに聞きなさい。お客様」
「では、この国の名前は?そして私の怪我がなぜ治っているのですか?あの怪我では死んでいたはずです」
「まずこの国の名前はルグニカ王国です。親竜王国または、魔獣王国の二つ名を持っています。次にお客様のお怪我は大英霊であるベアトリス様に治していただきました」
「この国はルグニカよ。お客様の怪我はベアトリス様が治したわ。感謝しなさい」
なんかこのピンク髪の子、言葉遣いがすごいな……
「――そうですか。では、ロズワール様とベアトリス様に感謝を伝えたいので会わせていただけますか?」
「ロズワール様はもうすぐ来られるのでお待ち下さい。ベアトリス様はレムや姉様では会わせられません。お客様」
「ロズワール様はもうすぐ来るわ。後はだいたい同じよ。お客様」
だいたい同じって喋るのがめんどくさくなったのかな?なんか性格が出るな……
続く
どうでしたか?
続きが読みたいと思ったのなら感想を!!
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出会い
「どーぉやら目覚めたよーぉだね、お客人」
この人がロズワール様?――ではないかな。流石にこんなピエロみたいな格好してるわけ無いし
「お客様、この方がロズワール様です」
「お客様、この方がロズワール様よ。ひれ伏しなさい」
――は?え?この人がそうなんですか?
「――怪我を追っていた私を助けていただき誠にありがとうございます」
「そぉーんな、跪く必要なんてなぁーいんだぁーよ?」
「そうですか、分かりました」
「そぉーれで君は一体何者かぁーな?」
「僕――私は早瀬川秦と申します。確か今年14になったかと記憶しております」
僕がグールであることは人間であるこの人達には言えない――
僕の正体がバレる前にここから逃げないといけない――
仲良くなったとしても、ヒトを喰わないと生きてられない僕らは彼らを殺してしまうかもしれない――
でも、カネキ兄とトウカ姉にはヒトの友達がいたっけ?確かヒデというヒトと依子だったかな。
――それにくそニシキ兄にもいたな。
まぁいいや僕関係ないし――
「早瀬川なんてめぇーずらしい名前だねぇー」
「――いえ、秦が名前です」
今の外国でも日本人は姓、名前の順と知られているはずだけど――
もしかして、別の世界に行ったみたいな感じなのか?
このピンクの髪の娘とか、地球ではありえない――
ということは異世界転移というやつなのか?
違和感に納得した。
カネキ兄の本で一度見たことがあるけど、自分がそんな目に遭うとは――
「そぉーなんだね。それで秦君食事なんてどぉーかな」
――食事、食事か、一応食べてみようかな。この世界の食事が食べれないと決まったわけではないし――
* * * * * * * *
「どうかぁーな?美味しいかい?」
一口だけ普通に食べてみた。
――不味い、とても不味い、このサンドウィッチは無味無臭のスポンジみたいだ、それにこの野菜は鼻の奥まで青臭くなる。
この世界でもヒトを食べるしか無いみたいだ……
店長に習った食べ方をしよう。
一口で噛み切り飲み込む、そして咀嚼している真似をする。
「とても美味しいです。この料理を作った人は腕がいいのですね」
「それで、君はこの後どぉーするのかぁーな?」
「――私がいては迷惑だと思いますのですぐに出ていこうと思います」
「それは、君の身体のことが関係しているのかぁーな?」
「――何のことでしょう?」
「君は気づいてないのかぁーな?
――右目が今さっきと色が変わっていることに」
右目が変わっている?まさか――
バレてしまったか。早々に逃げよう――
「――気がづいてしまいましたか。即刻出ていきましょう。この体質は厄介ですので」
「はぁーなしてみないのかぁーな?
――治る可能性があるかもしれないだろう」
「――治るわけがないでしょう!!僕は普通の食事もできないのにどんなに悩んできたのか分からない貴方が言わないでください!!」
「お客様、落ち着いてください」
「お客様、落ち着きなさい」
「――貴方にも謝罪します、すみませんでした」
「こちらこぉーそすまないねぇー。それで話してみてくれないかぁーな?」
* * * * * * * *
僕は養護院に入る前から今までのことを話した。
「――そぉーかい、ヒトを喰わないと生きていけない人なんだねぇー」
「――気味が悪いでしょう?殺されても文句なんて言えません」
「殺さないとも――今はまだ」
「なにか言いましたか?それで私はどうなるのでしょうか?」
「そうだぁーね、ここで使用人にならないかぁーな?」
「――ヒト喰いをですか。いつか喰われるかもしてませんよ?」
「君は私達を喰わないよ。こぉーれだけは確信しているとも」
「――そうですか」
異世界から来たことに疑問を待たれなかったし、このヒトは不気味だ。
続く
どうでしたか?
続きが見たいなら感想を!
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使用人1日目
反省も後悔もしていない!!
変更
一人称を俺から僕にチェンジしました。
Prologueとか俺とか僕が混じってたので改めました。
そしてキャラ的にあわないなと感じたので
どうぞ
僕はロズワール様の屋敷で使用人をすることのなった。
グールの自分を近くに置くとかどうかしていると思う――いや、あの人は僕と同じでどこか壊れてる。僕が妹に執着しているように、あの人もなにかに執着している。
それが何か分からないが気味が悪い。
僕とあの人は生きていながらも死んでいる……
――亡者だ――
* * * * * * * * *
「犬の服は、ラムかレムの服で良さそうね。いやらしい」
「そうですね。姉様は慧眼です」
「そう――えっ、それって女性用では?そしてなぜ犬なんですか?」
「自分で考えなさい。服については冗談よ、穢らわしい」
「――それで服の方はどうなるのでしょうか?」
「服は執事服を用意しているからそれを着なさい。似合わない可能性も考えて――いや、貴方に執事服は似合わないわね。――貴方が着ていた血まみれの服をきれいにして2着複製しているからそれを着なさい、絶対執事服なんて着ないで」
「――分かりました」
でもめちゃくちゃ言うやん。確かに僕に執事服は似合わないだろうけど...
「仕事については?」
「レムに聞きなさい」
「では教えていただけますか?レムさん」
「分かりました。では行きましょう。秦君」
――でも何で犬って呼ばれてるんだろう?
* * * * * * * * *
「まず得意なことを聞いてもいいですか?相談したりするかもしれないので」
「――レムは基本的に家事全般が得意です、掃除・洗濯も得意です。姉様より。なので大体はレムに聞いてください」
……ラムって娘の存在意義が消失してない?それとも――いや、そんなはずはないな。
「分かりました。それでは最初の質問ですが――」
* * * *ラム視点 * * *
あの子がグールとかいう人を喰う亜人だとは思わなかったけど、あの子を支えたいと思ってしまった。
何故なのだろうか?
――幼くして両親を亡くしたから?
――人体実験を繰り返し行われたから?
――妹を亡くしてずっと孤独だったから?
――否、どれも違うだろう。
幼くして両親を亡くすことはよくあることだ。人体実験は新たな薬開発という名目で行われている。妹だけでなく肉親を亡くすことなどありふれている。
――多分だけど、妹を...肉親を自らの手で殺し、その手で喰べたことだろう
でもそれだけなら自業自得であると鼻で笑うだろう。
――その事を話していた時の表情が原因だ。
――今にも壊れそうなほど儚く
――子供のような表情でありながら世界の全てに絶望したような表情で
――自嘲気味に嗤っていた。
その表情は自分では気づいていないのだろう。自分を戒め、今にも消えそうだったその顔を見て
――何故か救いたいと思ってしまった。
きっとレムも同じだろう。
その話を聞いていたレムの顔は今にも取り乱してしまいそうだった。
その時にレムは――年齢は近いけど弟のように接しようって決心したと思う。
それはラムだって同じ――
――絶対にその地獄から救い出してみせる。
おや?ッと思った貴方、そう!ラムがヒロインになるかわからないけど一応フラグを建てました。この後どうなるんでしょうかね?自分にもわからない!!
わしんがラムになぜ犬とよばれているのか?説明
わしんのしを無くしてわん→犬といえばワン、なので犬です。
でも呼び方が変わるかもしれないし変わらないかもしれない。
この話どうなるんだろう?
作者にもわからない。
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襲撃 前編
僕が使用人になって1ヶ月が過ぎた。
ハーフエルフであるエミリア様と大精霊パック様、ベアトリス様とも少し話した。
エミリア様は自分がハーフエルフだからなんたらかんたら言っていたが正直どうでも良い。
ハーフエルフだから何なんだろう?ってしか思わないし、サテラとかいう魔女とエミリア様は全くの別人だろう。
そんな悪人と同じ種族だからってエミリア様を嫌う理由にはならない。
自分は自分だし、他人は他人だからね。
パック様はこのやり取りを聞いて驚いていた。
そしてよく触らせてくれる。大変素晴らしい毛並みをしている。なんとも言えないもふもふ感が――っといけない思いが溢れてしまった。
まぁ今では1週間に1回の楽しみだ。
ベアトリス様は興味深いことを言っていた。
なんでも僕には『加護』があるらしく『
不食の加護は1ヶ月に一度の食事で良いらしい。僕は嘉納を殺すために直前に喰ったから餓えることは後7日程あとになりそうだ。普通の人を喰うとか嫌だから良かったけどこの問題をどうにかしなけれだならない。
そして愛憎の加護については解らないらしい。何でも情報が少なすぎるからだそうだ。
最後にピーマルを入れるなと言っていた。
僕は嫌がらせ――じゃなくて好き嫌いはいけないからピーマルをマシマシで料理を作った。
ベアトリス様はしかめっ面で黙々と食べてました。なんかマスコットみたいで可愛かったです。
料理は一応できる、というより店長に教えてもらった。店長は何でも出来るし凄く化け物だと思う。
まぁそんなこんなで1ヶ月が過ぎたけど平和って良いモノだな。
* * * * * * * *
「レムさん、この後手伝うことはありますか?」
「いいえ、大丈夫です。それよりもさんはつけなくてもいいですよ?――何だったらお姉ちゃんって呼んでくれても良いのに……」
「――いえ、遠慮しておきます」
小さい声でもグールには聞こえるし、レムさんは何故かお姉ちゃんと呼んでほしいらしい。何でだろ?
「そうですか……」
唐突にドンッと音がした。
「――!!秦君はエミリア様のところへ行ってください!!」
「――分かりました、レムさんも気をつけてくださいよ!!」
「分かってます」
* * * * * *
さっきからこの黒ずくめの人間は何なんだ?
攻撃1つ1つ重いし、速い、全員が手練のようだ。
コレじゃ厳しいな……
――赫眼を使うしか無いのか?だが
いや、赫眼だけでも使っておこう。Rc細胞を全身に巡らせるだけでも変わるから。それに少しだけならば尾赫を出せるかもしれない…
「エミリア様!!ご無事ですか!?」
「ええ、私はパックが守ってくれたから大丈夫だけど…ワシンの目は大丈夫なの?赤くなってるけど……」
「この眼があの時言っていたものなので大丈夫です、それより早く逃げましょう」
「分かったわ。ワシンがいたらすごーく安心ね」
「そうですか。ベアトリス様は……」
「――ベティーは行けないよ、ワシン。契約だから……それに禁書庫にいるほうが安全だよ」
「それも――そうですね、パック様」
「うん、じゃあ行こうかリア、ワシン」
* * * * * * * * *
「エミリア様、もう少しです。周りに気をつけていきましょう」
「分かったわ――」
「エミリア様、下がってください!!」
「得体のしれないものを警戒する…実に実に実にィ勤勉デスね」
「お前は誰だ!!お前がこの襲撃の首謀者なのか!?」
「嗚呼、ワタシとしたことが名前を言っていなかったのデス。ワタシは魔女教大罪司教『怠惰』担当ペテルギウス・ロマネコンティ、デス!!」
続く
嗚呼、出てきてしまった……ぺテ子君(ペテルギウス・ロマネコンティ)
秦君って赫子2つ持ちだった!?そしてとても万能な赫子ですね……
まぁ設定は人体実験で2つ移植されたみたいな感じです。
そして新事実、レムはちゃんと秦と発音できている。スゴー
スバルはアンケートを取ってますが10月9日までです。
出るとしても、もう少し後です。
次の更新も宜しくな!!
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襲撃 後編
「魔女教?エミリア様はなにか知ってますか?」
「知らないわ…ごめんなさい…」
「そうですか…」
魔女教…魔女を冠する宗教だから碌な奴らではないと思うけど…
「――魔女教はサテラを信望する異常者の集団だよ、ワシン」
「異常者の集団ですか」
元の世界のピエロ集団みたいなのかな?目的は何なのだろうか?
「お前らの目的は何なんだ、場合によっては問答無用で殺す」
「半魔を見に来たのデス。ワタシは試練を行うことでサテラの愛…寵愛に溺愛に恋愛に親愛に友愛に仁愛に最愛に相愛に自愛に慈愛に純愛に答えなければならないのデス」
半魔――エミリア様のことか!!安全な場所に逃さなければ!!
「エミリア様は遠くへ逃げてください!!こいつらは貴方様を狙っています!!」
「2人で戦ったほうが――」
「僕が戦う場合は周りに配慮できません!!僕が時間を稼ぎますから早く!!」
「でも――」
「リア、ワシンの言うことを聞いておいたほうが良いよ。早く行こう」
「う〜、分かったわ……ワシンも危なくなったら必ず逃げるのよ!!」
「――やっと行ったか。それで何で追わないんだい?」
「今回は見に来ただけと言ったではありませんか」
「――そう、じゃあ死んでもらおうか」
赫眼を使ってみて分かったが鱗赫なら出せそうだ。
「我が指先よ、殺しに行くのデス!」
1、2、3、4……ここには8人か。得体のしれないとはいえ僕も舐められたものだ。
「――これだけかい?僕を殺すなら…後50人は連れてこい」
「流石なのデス。我が指先を瞬殺するとは…それに腰部周辺から出ている触手は何なのデスかね?とても気になるのデス、一緒に来てほしいのデス」
「何で行かないといけないんだい?僕にメリットが無い…それに異常者のもとに行くわけ無いだろう」
「それが答えなのデスね?――仕方がないのデス、連れてくるのデス」
連れてくる?誰を?エミリア様か?でもパック様がいるしちゃんと逃げれたはずだ。
「――!!レムさん!!」
「秦君…ごめん……なさい…まさか魔女教に……あんな者がいるなんて…」
「すぐにそいつらから開放するので待っていてください!!」
こいつらは絶対に殺す!!ヒトかもしれないけど……喰い殺してやる!!
「お前らは必ず殺してヤル!!」
コレは?顔に仮面のようなモノが…まぁなんでも良い。
「おや?良いのデスか?この少女を殺しても?」
「――くそっ、要求は何ダ」
「アナタにはついてきてもらうのデス」
「――そうか、だがこちらも条件がアル。ソレを呑めないのナラ自滅覚悟で暴レル」
「条件次第デスね。それでその条件とは何なのデスかね」
「レムさんタチに危害を加えないコト。ただソレダケだ」
「まぁ良いのデス。危害は加えませんとも――今回は」
「分かっタ。ナラついていく」
「秦君…行かないで……ください……」
「大丈夫ですから、ちゃんと帰ってきますよ。レムさん――いや、お姉ちゃん」
声が直っている…
「ッ行かないで!!」
レム姉ちゃん、エミリア様、ラムさん、今までありがとうございました。
僕が帰ってくることは多分無いでしょう。
僕のことは忘れて心安らかに過ごしてください。
僕と関わった全ての人に安寧があらんことを――
「それでは行きましょうか」
「そうデスね。行くのデス」
続く
次回、レムたちの心情か、この話を続けるか、どちらが良いと思います?
そして最後なにげに感動するわ。
時系列としてはスバルが出てくる前のところですね。
モチベ維持のため感想があればください。
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――喰い殺してやる
「僕は――何をすれば良い?異常者」
「まずは逃げられないように拘束させてもらうのデス。まぁアナタは自分の意志で逃げれないのデス、あの者たちがいる限り。それにワタシのことはペテルギウスと呼んで良いと言っているのデス。
――ワタシとアナタは似た者同士なのデスから」
「そんなことはどうでも良いが拘束か……」
拘束とこの部屋の雰囲気は嘉納を思い出すな…
確かあのときは手術台に拘束されて…タタラとか言う人とリゼとか言う人の赫包を移植されたんだっけ?
でも――いや、その時にはアオギリの樹と協力してたってことか……
そんな事を考えている間に拘束された。
この感じからすると中世あたりに使われたものか。――これなら逃げることはできそうだ。
「拘束もできたのデス。まずは再生力から見ていくのデス、足を潰して、千切って、すり潰して、爪を剥ぐのデス」
無骨なペンチ……
「アアアアアアッッッッッッッッ!!!!!!」
くそ、めちゃくちゃ痛い…痛い痛い痛い痛い痛い。
「ふむ、痛みは感じるようデスね。まだまだ続くのデスから壊れてはいけないデスよ?」
ケタケタという嗤い声が部屋中に響いている。
痛い、痛い痛い痛い痛い痛いイタイイタイイタイイタイ――
* * * * * * *
――あれから何日経った?もう痛みなんて感じなくなってしまった……ソレにお腹が空いた……
――お兄ちゃん、全部壊そうよ。私達を壊そうとする全てを――
――私達が壊される前に――
「ふむ、壊れたのデスかな?――20日、潮時の様デス、ここは血で汚れてしまったので放棄するのデス」
「――逃がすわけ無いだろう?」
そこには髪が雪のように白く、対象的に血のような色をした眼を持つ秦が嗤っていた。
「何を言っているのデス?――ここは放棄するだけ、アナタのようなものは実に実に実に実にィ稀有なのデスから」
「アハッ、血、肉、新鮮なお肉、君たちは素敵だよ」
「――話を聞いていないデスね?ワタシが喋っている間に我が指先を9人殺しているのデス。アナタは魔女教の脅威となる可能性があるのデス、ここで死んでもらうのデス!!
――我が怠惰たる権能『見えざる手』!!」
「胴体に穴あけられた程度の痛みで僕が止まるとでも?それに見えてるじゃないか、見えざる手とやらは。見えちゃう手に名前変えたら?」
「――!!あってはならないのデス!!見えざる手が見る見える見られる者がワタシ以外にいてたまるものか!!」
「――桜、そこにいるんだろう?出てきたらどうだい?」
『あははっ、お兄ちゃんカッコいい姿になったねぇ、人だった時の姿もカッコよかったけど今のほうが良いねぇ』
「それで、桜が何故見えるんだい?僕が喰い殺したはずだ」
『それはね、愛憎の加護のおかげ』
ベアトリス様が言っていた正体不明のやつか…
「ワタシを無視するとは何たる傲慢!!――」
「ちょっとうるさい」
秦は鱗赫で薙ぎ払った。
『良いの?あの人死んだよ?』
「へっ?死んだ?まぁ良いや」
* * * * * * * * * * *
一応ロズワール邸に戻ってきた。僕を探してるかもしれないから
「秦君――!!」
「久しぶりです」
「無事で良かった…レムのせいで秦君が死んだらどうしようって思っていて――」
「――僕はロズワール様のところには戻りません。やることができてしまったので」
「何でですか!?レムの何処が行けなかったのですか!?レムに直してほしい所があるなら言ってください!!」
「そんな所あるわけないじゃないですか、僕はもう行きますから。――レム姉ちゃん、バイバイ」
「待って秦君!!レムを置いていかないで!!」
「――それでいいのね?犬――いや、ワシン」
「ラムさん…僕は後悔したくないですから」
「そう、なら行きなさい。それと今度会うときはラムのこともお姉ちゃんと呼びなさい、コレは決定事項よ」
「はぁ、分かりました」
レムたちの思いを入れようかなと思ったんですが、やっぱり想像にお任せしたほうが良いかな?と思ったのでやっぱり入れません。想いは個人で想像してニヤニヤしてください。
本と魚様
感想で入れると思うと書きましたが入れませんでした。本当に申し訳ないです。
引き続き応援してくださると嬉しいです。
モチベ維持のため感想をよろしくおねがいします。
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????討伐 前編
僕はロズワール邸から出た後、王都へ向かうべく準備をした。
「――それで、桜と話せるのは何故なんだい?それに僕を恨んでないの?」
『話せるのは愛憎の加護のおかげ、お兄ちゃんを恨んではないよ。』
「そう、なんだ。それでその愛憎の加護が分かんないんだけど…」
『詳しく説明すれば長くなるから省くけど、愛憎の加護で私は火と風の精霊になった。今まで出てこれなかったのは精霊になる事と私自身が定着しなかったからだね』
「桜が愛憎の加護で精霊に?それも火と風の?属性はひとつなんじゃないの?」
『まぁまぁ、細かいところなんてどうでもいいじゃん?それよりこの後どうするの?』
「詳しくは分かってないんだね…まぁ良いや。この後は王都ルグニカへ向かうよ」
『そうなんだね!じゃ、出発進行!!』
桜が僕を恨んでなくて良かった。桜と違う形とはいえ旅をできることにも感謝だ。
* * * * * * * *
「我らは今日、白鯨討伐へ向かう!!白鯨に恨みを持つ者、理由は様々だろう。だが、ここに集まってくれた卿らに感謝する!!それでは行くぞ!!」
「「「おおーー!!」」」
「――クルシュ様、白鯨に復讐する機会を下さったことに最大級に感謝を」
「ヴェルヘルムか…そんな事気にするな」
「ですが――」
「気にするなと言っている。さぁこの話は終わりだ。ヴェルヘルムがこの作戦の要となる。休んでいろ」
「ハッ、了解しました」
* * * * * * * * *
「――クルシュ様ッ!!白鯨が現れました!!」
「そうか…総員戦闘準備!!」
「―――ッッッ!!!」
「――十四年」
――真っ直ぐにひた走った剣閃が、その魔獣の鼻先を縦に深々と割った。
銀色が白い岩肌を易々と切り裂く光景に、轟音が鳴り響いていた戦場の音が確かに止まる。それは魔法でも、魔力を込められた鉱石によるものでも、形を持たない刃がもたらす破壊でもなく、形を持った鉄の塊が人の手によって振るわれた証。
長きにわたる人生の、その大半を費やした人間の境地が、霧を生み世界を白く染め上げる魔獣の鼻先に確かに届いたという、その証だ。
割った鼻先に剣を突き立て、人影がしゃがみ込みながらぼそりと呟く。
振り切ったのと反対の剣を突き立てて姿勢を維持し、斬撃を与えて刀身を濡らす血を払う鍛えられた背中――そこに、大気が歪むほど迸る剣気をまとい、
「ただひたすらに、この日を夢見てきた」
背を伸ばす影に白鯨が身をよじる。自身の鼻の先端に乗るそれを振り落とそうとするように、中空で身をひねる白鯨の巨体が大気を薙ぎながらバレルロール
豪風が街道の空を吹き荒び、巨躯の遊泳の結果に誰もが息を呑んで目を見開く。
だが
「――――!!」
ひねった身を先の位置に戻した白鯨が痛みに喉を震わせ、尾を振り乱しながら鮮血をこぼす。先ほど縦に割られた傷には追加で横に一文字の傷が加えられ、十字の傷口を額に生んだ白鯨の背を、軽い足音を立てて影が踏む。
――剣鬼がにやりと、その皺の浮かぶ頬を酷薄に歪めた。
「ここで落ち、屍をさらせ。――肉塊風情が」
言い捨てて、剣を両手に構えるヴィルヘルムの体が風を切る。
頭部側から尾の方へ背中を駆け抜け、その途上の白鯨の岩肌を振り回される刃が滅多切りにしていく。固く、強靭なはずの岩肌をなんなく切り裂き、どす黒い血霧を空にばら撒きながら疾走するその姿、まさに『剣鬼』。
「総員!!ありたっけの魔法を打ち込――ッ!?」
「後続と分断されました!!」
「クソッ!!ヴェルヘルム!!後退戦へ切り替える!!」
「ですが――」
「ここで死んでしまっては、元も子もないぞ!!」
「――分かりッ……ました…」
白鯨がクルシュに向かい体当たりをした。
「――ッ!!」
「クルシュ様!!」
ヴェルヘルムはクルシュに死の鉄槌を下そうとする白鯨へ駆け出した。
「ここで私が死んでも、あの御方だけは助ける!!」
「――鯨風情が邪魔だ」
ヴェルヘルムが――
クルシュが――
死を覚悟した時――
秦が現れた。
続く
アッサリといなくなる後続、悲しいですな。
次の更新もよろしくおねがいします。
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????討伐 中編
僕の攻撃によって驚いたのか白鯨は空高く登ってしまった。
この間に白鯨について聞いてみようかな…まぁ桜があまり知ってるとは思ってないけど……
「桜、この鯨って禁書庫に有った本に書いてあった三大魔獣とかいうやつだよね?」
『そうだね。ダフネが生み出した三大魔獣が一角だよ。他にも大兎、黒蛇がいるね。この白鯨の特徴は岩盤みたいな皮膚を持ってる事。2つの特徴を持つ霧、1つ目は自分が隠れるため、2つ目は消滅させる霧だね。後はマナを分散させる体毛、2体までの分身だね』
「そこまで詳しく聞いたわけではないんだけど…桜は何故そこまで知ってるの?」
『この世界の精霊になったからかな?』
「そこも詳しくは知らないんだ……」
『そんなことよりお兄ちゃんなら瞬殺まではいかないけど殺せると思うよ?今のお兄ちゃんは赫者だからね』
「――赫者ね、なんでそんなことまで知ってるのかな?」
『――お兄ちゃんは知らなかったね。何故知ってるかと言うと私は半人間っていうやつだった。まぁ今は精霊だけどね。で、お父さんがグールだから……あっ、安心して、お兄ちゃんはちゃんと両親ともに人間だから』
「――そうなんだ。色々と聞きたいことがあるけど、今はあれを殺そうかな」
赫子が秦の顔を覆い仮面を造る。
不思議と戦い方が分かるような気がする。いつもより身体も軽いし調子が良いみたいだ。
あれも生きているだけ、でもあの人達の驚異となりそうなものは――
――全て消滅させる――
あれがロズワール邸近くに出たりでもしたらレム姉ちゃんは子供を守って戦い、大人たちは村で戦い、子どもたちだけはと領主の屋敷へ逃がすだろう。そしてその逃げた先にも絶望は襲いかかり、結末は変わらないという結果を残す。
無残に、無慈悲に、残酷に、命は奪い尽くされる。
そんなの僕が耐えられない。少しの間とはいえ仲良くなれたんだ。
だから僕がこの世界の悪をすべてなくして、僕がこの世界の絶対ナル悪になる
秦は白鯨の元まで跳躍し、鱗赫と尾赫を使い地面へと叩き落とした。
「―――ッッッ!?」
白鯨はこの世のモノとは思えないなにかに恐怖した。
コロサレル、コロサレル、コロサレル――
* * * * * * * * *
「―――ッッッ」
白鯨があっけなく倒された…3000人近くいた討伐隊でも勝てなかったというのに…
あの少年は一体何者なんだ?1人で白鯨を楽々と殺したあの者……
「ヴェルヘルム、卿は良かったのか?卿であればあの戦いに交じれたのではないのか?」
「――私では足でまどいになるでしょう。あの者はここにいる誰よりも実力が違う。白鯨を叩き落とした事といい、私が参加したところで意味もないでしょう……」
ヴェルヘルム、卿は歯を食いしばり血を流すことに気づかぬほど悔しいのか…
――否、これは愚問と言うやつか。
14年もの間白鯨に復讐するために研鑽し続けたのだから。
「――そんな顔しないでもいいじゃないか。僕はこれをまだ殺してはいない。圧倒的存在感、実力を見せつけることで従順にしようかなって倒したわけだし。復讐したいならここらへんに漂わせとくから勝手に殺していいよ」
正体のわからない少年が白鯨を従順にしようと思った?
これが実力のある者なのか…
ヴェルヘルムはこの言葉に感化されたのかこう言い放った。
「――私は……白鯨を殺し、まだ見ぬ頂へこの剣でたどり着いてみせますぞ!!」
その一言を言った姿、まさに剣鬼に相応しいものだった。
続く
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モチベ維持のために…
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????討伐 後編
それではどうぞ
「素晴らしい、あのようにして白鯨を手懐けてしまうとは、その手腕見事です」
パチパチと拍手をしながら微笑む女。
容姿、魅了して翻弄する美麗な美貌。16歳ほどの見た目の、完璧に整えられた風貌を持つ白金の髪の女性。
「お前は誰だ…!」
その女の周りだけ空気が違うこともそうだが、気配に全く気づかなかったのだ。
「おや。私としたことがまだ名乗っていませんでしたね。これはお恥ずかしい。私はしがない魔女教徒が一人、パンドラと申します」
「魔女教徒!!」
憎悪を露わにする秦、鱗赫を使い先制攻撃を行う。
秦による攻撃は何者であっても防げるはずがない。
「おやおや、嫌われてしまいましたね」
だが、この女は
* * * * * *
この女と戦って半刻が過ぎたところで分かったことがある。
能力らしきものがあるという事、未だ明らかにはなってはないないが、『自分の好きに事象を書き換える』能力である……はずだ。
どれだけ彼女を傷つけても、どれだけ彼女を殺しても、彼女が『何かの見間違いだ』としてしまえば、それで彼女に与えた傷は綺麗さっぱり無かったことになってしまっている。
まさに反則と呼んで良いほどの力。
少しではあるが理解することはできた。鱗赫も尾赫も使えなくなってしまった今、この一撃で最後になるだろう。
パックによって適正はあると言われた力、ベアトリスの見様見真似で繰り出す、出来損ないの魔法。
「さあ、いらっしゃって。──その覚悟の全てを私に魅せて」
パンドラも雰囲気で気づいたのだろう。
「エル──シャマァァァク!!!」
瞬間。
突如現れた黒煙が、光と共に、魔女と人喰いの鬼を孕んだ。
* * * *
漆黒に包まれ、目の前が見えない。視覚、聴覚、触覚、嗅覚が正常に機能せず、背筋に寒い感覚が走る。
そこは、無理解の世界。一切の思考が闇に呑まれ、朧げに霞んで忘れ去られていく。自分という境界が曖昧に、ただ、融けたいと思ってしまう。
自分という存在を思い出すために、絶叫。声が出てる気がする
きっと、もともとこうなると理解していなければ。もっと深く、光の届くことのない場所に沈んでしまうことだろう。
自分が何をやろうとしていたかを思い出せ。
思い出せ、思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ思い出せ――――――――
* * * *
「疾ッ!!」
未だ意識が戻らず、、瞳を閉じているパンドラ。その絶世の美貌ごと、無銘の剣が彼女の脳漿を容赦なく貫いた。
パンドラの飛び出す思考回路。赤と薄橙が合わさった血の泡。
服が裂け、肌が裂け、
全てが神秘的、これは神であろうと触れることが赦されない
───
「見つ………けたァァァァッッッ!!」
この身体の中にあった異質なモノ。戦っている際にずっと感じていた。気味の悪いナニカ。この存在がパンドラをこのようなものへとしているのだろう。
可哀想に、悲しかろうに、
「
紫の粘つくような
その一瞬、パンドラと目があった……気がした。痛みに顔を顰め、どこか満足げな表情を、しかし、憂いのある表情をする。
綻びるように緩んだ口から……
「───良い旅を。愛してますよ
―――秦
そう聞こえた。
* * * *
覚醒。それはあまりにも早い、ほんの一瞬の出来事。
「僕は君のような存在になどなりたくない。───けど、一言、良い旅を、パンドラ。
続く
安心してください、秦は陰以外にも適正は持っています。
秦がチートになってしまった。こんなの勝てるやついないよ。だって鱗赫、尾赫、陰魔法、その他の適正のある魔法、虚飾の魔女因子、さらに赫者で、精霊術士、こんなやつラインハルトしか勝てなくない?何だったらラインハルトでも竜剣使わないと勝てないかもしれないよ。作者このあとどうしたいんだろうね?
戦闘シーンとか作者書くの苦手なのでこれが完結したらリメイクをだしてくださる方をさがそうかな?とか思ったり、思わなかったりしています。まぁRe:ゼロから始める喰種生活が完結したらだけどねっ
そして感想を…モチベのため、感想を…
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原作開始
最後にこの作品に関する重要なアンケートを実施しておりますので、ぜひ
パンドラを
17歳となった今の
魔女教大罪司教 『虚飾』担当シン・ハヤセガだ。
現在、
それに
―――そして今年から、王戦なるものが始まるらしくエミリア様も出場されるそうだ。三年前は一ヶ月程度しか居れなかったが、成長しているのがひしひしと伝わり大変嬉しい、エミリア様とレム姉様そしてラム姉さまは
「―――桜、出ておいで」
『おはよう、お兄ちゃん。2週間ぶりだね?』
「桜、本当にごめんね?
『全然いいよ!精霊だからか私的には辛くもないし……
これについて説明するなら私と桜には愛憎の加護によって一心同体であり、
それで、今の近況を誰に向けてでもないが……説明をしておこうと思う。
黒髪の人物が三人のチンピラに囲まれているが、何やらおかしいのだ。ただの黒髪黒目であれば珍しい程度で終わるが「偽サテラ会えないのに……」と言う風に言動が不自然なのだ。極め付きは
「――そこまでだ」
その声は唐突に、しかし明確に、路地裏のひりつくような緊迫感を切り裂いた。凛とした声色には容赦も欠片もなく、聞く者にただ圧倒的な存在感だけを叩きつけ、その意思を伝わせるソレは天性のものだ。
まず何よりも目を惹くのは、燃え上がる炎のように赤い頭髪。その下には真っ直ぐで、勇猛以外の譬えようがないほどに輝く青い双眸がある。異常なまでに整った顔立ちもその凛々しさを後押しし、それらを一瞥しただけで彼が一角の人物であると存在が知らしめていた。すらりと細い長身を、仕立てのいい白い服に包み、その腰にシンプルな装飾――ただし、尋常でない威圧感を放つ騎士剣を下げていた。
続く
お気に入り、感想、高評価のほどよろしくおねがいします。また低評価の場合はどこが改善すべきなのか、感想欄にお願いします。
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