この素晴らしい竜巻使いに祝福や! (へぇへぇ)
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待っとけ異世界!待っとけ魔王ー!

初めまして。へぇへぇと申します!
めぐみんが好きすぎて、今出ているめぐみんヒロインものは全て読破してしまったため、自分で書こうと言う次第でございます!
自分自身関西出身のため、楽に書こうと思い、関西弁でキャラ作りさせていただきました!
小説に関しては全くの初心者なため、おかしなところなどはどしどし申してください!ではよろしくお願いします!


快晴の中、俺は友達と海へ釣りに来ていた。

 

もう釣りを始めてから5時間は経過しているが、未だに釣果はゼロだった。

波の音だけが聞こえる中で、友達がテトラポッドの上で釣り糸を垂らしながら口を開いた

 

「全然釣れへんなあ」

 

「ほんまにな?このままやったらぼうずやで」

 

俺は横に座り、釣り糸を垂らしながら答える

 

「それは嫌やなーさすがに」

 

ぼうずとは、釣りに来たものの魚が1匹も釣れずに帰ることで、やっぱり友達もそれは嫌らしく、せめてなんか1匹でも釣って帰ろう。と思ってた

 

「ちょっと俺向こう行ってみるわ」

 

俺はこの場所でずっと釣りしてても釣れないと思い、場所を変えることにした

 

「おー、りょーかいりょーかい」

 

友達はチラッとこっちを見て答える

 

 

「ここらへんでえーか」

 

結局友達がご飯粒になるくらいまで離れたところで、釣りをしようと釣り竿片手にテトラポッドを降りる

 

 

「え?うわ、いっ!!やばっ」

 

が、足元をよく見ておらず、足を踏み外してテトラポッドの中に落ちた。

必死に上ろうとするが、なぜかうまく体に力が入らず、なんとかしがみついて海に落ちないようにするのが精一杯だった

 

「ん、なんかあったー?…え!?は!?いけるか!!?」

 

俺の声に気づいた友達が何か叫びながら慌ててこっちに向かってくるが、落ちた時テトラポッドに顎を強打していたため、もうほとんど意識がなくなりかけていた。

 

…あー、うん無理やこれ力入らんわ。おーおーめっちゃ慌てて来てくれてるけど気つけろよ落ちるなよ?

 

俺は心の中でそんな事を思いながら意識を手放し、海へ落ちていった

 

 

――――

 

 

「初めまして斉藤風磨さん。ようこそ死後の世界へ。私は亡くなった人の魂を送る女神、エリスと申します」

 

あ、はい、さいとうふうまです

…ん?俺死んだ?死んだよな?女神?ってなに?いやハテナ多すぎるやろ。なんやこれ

 

「あなたはつい先ほど、不幸にもテトラポッドで足を滑らせ、落ちた時に顎を強打し、意識を失った後にそのまま海へ落ち、意識がないまま溺れてお亡くなりになりました。短い人生でしたが、あなたの人生は終わってしまったのです。」

 

いや残酷やな?いきなり現実突きつけられた感すごいけども。あとださいな。

 

えー、じゃあ俺天国とか行くんかな?地獄に行くほど悪いことはしてないしなあ。知らんけど。

 

いや俺なんでこんな冷静に考えれてるねん。自分でも不思議なんやけど?

 

「なるほど、あ、初めまして。それで俺はこれからどーなるんですか?」

 

あーあー聞いちゃってるわ。いつのまにか聞いてました

 

「おおう、随分冷静なんですね、珍しいです」

 

ほら冷静すぎて女神様がびっくりしてもーてるわ。

 

「なんか逆に冷静になってきたってゆうか、なんてゆうか…ノリです。」

 

「ノリですか。」

 

「ノリです。」

 

以外とこーゆー展開になった時って冷静でいけるんやなあ。あ、ちなみにまじでノリです

 

「すごいですね…

あ、それであなたにはこれから三つの選択肢があります。」

 

ほうほう、三つってことは少なくとも天国と地獄だけじゃないんかな

 

女神様が仰ったことをまとめると、一つ目は天国でおじいちゃんたちとぼーっとして過ごすと。

 

嫌やなあそれは。気おかしくなりそうやわそんなん

 

二つ目は記憶を消して元の世界で健康体で新しく生まれ変わると。

 

んーこれも嫌やなあ。記憶消すってもうほんまの意味で死ぬってことやん。。

 

そして三つ目は記憶も体もこのままでこの女神様が管理してる魔法が使える異世界に転生して魔王を討伐するか。

 

いやこれやん。絶対これやん。初めから選択肢一つやったみたいなもんやん。

しかも特典も貰えて向こうの言葉もわかるようにしてもらえるんやって。うん絶対これやねん

 

「それで!!!」

 

即答ですはい

 

「あ、はい…了解しました。勢いが…」

 

え、ちょっと引かれてる?勢い凄すぎたか。

いや勢いがすごいってなんやねん

 

「では、特典を選んでもらいます。」

 

さあメインイベントきましたねえ

女神様はどうぞ。と色んな種類の特典が書いてある本みたいなものを渡してくれた。

ありがとうございます。

 

んー、どーしよかな。けど魔法が使える世界なんやから魔法使いたいなあ

どーせなら量より質やろ!一日一発でもいいから思いっきり強い魔法打ちたいなあ

 

そー思いながら読んでると一つの特典が目についた

 

『竜巻魔法』

 

ん、なにこれ強そうすごい

 

説明が書いてあったので読んだ。まとめると、

 

撃つのにめっちゃ魔力を使うけど、山を崩すほどの威力を持った風の魔法。

現在はもう使い手がおらず、見ることはない

並の魔法使いが一回撃つと魔力不足になって倒れてしまったため、ネタ魔法と言われていた。

 

なるほど………ピッタリやん!!

こうゆうのこうゆうの!こんなん探してました!!!

一回撃ったら倒れるからってなんや!その一発で倒してしまえばデメリットなし!!

 

「この竜巻魔法でお願いします!」

 

「え…本当にそれでいいんですか…?申し上げにくいのですが、そこにも書いてある通りその魔法はネタ魔法で一回撃つと倒れてしまいますよ…?」

 

どうやら不安なのか、心配そうに聞いてくる女神様。でも俺の決意はそんなもんじゃないですよ!

 

「大丈夫です!!何より楽しそうじゃないですか!!確かに何発でも打てるような強い魔法もありましたけど、それでもこの魔法の一発の威力には及ばないんですよね?しかも現在誰も使い手がいないってゆうのも推しポイントです!!」

 

あ、楽しみでつい興奮しちゃった

 

「はぁ…本当によろしいんですね?……わかりました。ではせめてもの報いです。少しだけ魔力量を増やしてあげますよ…。」

 

え…?

 

「神か!!!」

 

「女神です!!!」

 

いい人やあ!!いやいい神か!

どうやら竜巻魔法を打っても倒れないくらいまで増やしてくれるらしいです!!

 

「ほんとにありがとうございます!!」

 

改めて頭を下げて感謝を伝える。

 

「増やしたからといって竜巻魔法を1日に二発とか三発とか、連続撃ちはできないですからね!流石に怒られちゃいますので!!」

 

倒れないだけでほんとに嬉しいんですけどねっ!

俺は何度も礼をして、感謝を伝えた。

 

 

「では気を取り直して…ごほん!」

 

女神様がそう言うと突然俺が座っていた椅子の周りに魔法陣が開かれ、俺の体が魔法陣から出た光の柱に浮かされていく。

 

そして。

 

「それでは斉藤風磨さん。あなたのこれからの歩みに祝福があらん事を。そして、無事に魔王を倒していただく事を心よりお待ちしております!」

 

よっしゃきたー!

 

「はは!魔王なんか我が竜巻魔法で葬り去ってくれますわ!!」

 

あ、だんだん光で視えへんなってきた。

よし、待っとけ異世界!待っとけ魔王ー!




楽しいですね書くの!!
関西弁どうでしたでしょうか?わからない言葉などがありましたら気軽にコメントお願いします!


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冒険者登録やってさ!

どうも!へぇへぇと申します!
とりあえず話数だけ増やしたいなと思ってるので、時間があればどんどん載せていきたいと思います!
やっぱり情景描写って難しいですねえ
温かい目で見ていただけると助かります!


 

石造りの街中を、馬車が音を立てながら進んでいく。

 

「お、おおーっ!!」

 

さっきまで光で見えなかった目が段々見えてきたとき、目に飛び込んでくる風景に俺は思わず興奮して感嘆の声をあげた。

 

そこは、レンガの家々が立ち並ぶ、中世ヨーロッパのような街並み。

車やバイクは走っておらず、電柱もなければ電波塔もない。

 

こんな日本とはまったくの異世界でこれから生きていくんやなあ。なんか今更実感湧いてきたけど。でも楽しみ!!楽しみが勝つ!!

とにかく魔法!早く撃ってみたい!!

 

あれ、でもまずどこ行けばいいんやろ。

……あ、そーいえば女神様がなんか冒険者ギルドみたいなとこで冒険者登録するのオススメしてくれてた気する。

 

よし!じゃあギルド行くかー!

 

 

 

 

…………うん、場所知らんやん

 

 

――――

 

 

あの後近くにいた親切で優しいかっこいいお兄さんにギルドの場所を教えてもらって、俺は冒険者ギルドに来ていた。

 

「いらっしゃいませー。お仕事案内なら奥のカウンターへ、お食事なら空いてる席へどうぞー!」

 

おお、ここがギルドか!

 

そこには、街中とは全くの賑わいが広がっていた。

昼間っから酒らしきものを飲みながらガハハと笑い合っているおっさんやら、作戦会議でもしてるのか一つのテーブルで話すパーティーらしき男女などがいたが、あまり悪目立ちしそうなガラの悪そうな人は見当たらない。

 

てあれ?なんか注目浴びてる?

…あ、そっか、初めて見る顔やからか

そんな顔見られたら緊張するんですけどー!

 

……とりあえずお仕事案内の方でいいよな?

えーと、奥か。

 

ウエイトレスにぶつからないように気をつけて進むと、カウンターには少し行列ができていたので、そこへ並んだ

 

少し待った後、俺の番が回ってくる。

 

「はい、今日はどうされましたか?」

 

受付の女の人はおっとりした雰囲気の美人だった。

 

「えーと、冒険者になりたくて来たんですけど、田舎から来たばっかりで何もわからなくて…」

 

まあ日本からやけどこの世界のことはわからんから教えてもらおっと。

 

「そうですか。えっと、登録には手数料として千エリスかかりますがよろしいでしょうか?」

 

…………ん?登録手数料?

 

俺は長ズボンのポケットやらTシャツについてる胸ポケットやらを弄るが、お金らしきものは出てこなかった。

 

「あ、あの、はは。…出直してきます。」

 

え、大体こんなんってお金とかちょっとは貰えるもんじゃないん?…女神様ー?

はあ…まあしゃーないか、もしかしたら魔力量を増やしてもらった分最初のお金は貰われへんかったとか?いやないか流石に。なんでやろ。

 

俺は渋々冒険者ギルドを出て行こうとすると、いかにも輩のような酔っ払いに絡まれた。

 

「よう兄ちゃん!何しょぼくれた顔してんだあ!?はは!」

 

あー、おったわガラ悪そうな人。

どうやらさっきは見えてなかっただけみたいです。

 

「ほっといてください。お金がないから登録できないんです」

 

はあ、ほんま運悪いなあ。どーせクレーマーか!ってくらいぐちぐちネチネチ言ってくるんやろなあ

 

そう思ってた俺だったが、返ってきたのは全く逆の言葉だった。

 

「はは!そんな事だろうと思ったぜ!はいよこれ」

 

……え?

 

そう言って差し出してきた男の手には、お金らしきものが握られていた。

 

「……え?」

 

「え?じゃねーよ!困った人を助けるのが冒険者だぞ?」

 

笑いながらそう言った男にこちらを見ていた周りの冒険者もうんうんと傾く。

 

うん、ガラの悪い人なんかおらんかった。

いい人しかおらんわここ。聖人。全員神よ。

 

「え…貰っていいんですか?」

 

「おう。その代わりすぐ死んでもらっちゃ困るぜ?」

 

目の前の男はそう言って笑った。

 

わあああ泣きそうもう優しすぎるやろ!!!

 

「は、はい!ありがとうございますぅぅ!!いつかきっとこの借りは返します!!」

 

俺は頭を深々と下げながら伝える

 

「はは!いつでもいいからな!まずは安全第一だ!頑張れよ兄ちゃん!」

 

そう言って俺の背中を叩いて酒の席へ戻っていく男。いや神様。

 

これが……異世界…!

 

これから困っている人絶対助けよっと。

 

 

 

そうして神様から恵んでもらったお金でリベンジしにきた。

 

「あの、これで足りますかね…?」

 

もし足りなかった時恥ずかしいので一応聞いておく。

 

「あ、はい、千エリス丁度になります」

 

一部始終を見ていたのか、受付のお姉さんは歯切れ悪そうに答える。

 

なんかちょっと恥ずかしいな…

 

 

「それでは軽く説明をさせていただきます」

 

受付のお姉さんが丁寧に冒険者のシステムを教えてくれた。

軽くまとめると、

冒険者とはモンスターの討伐を請け負う人のことで、冒険者には職業がある事。

冒険者のカードを持っていると、経験値が貯まり、レベルを上げることができること。

レベルが上がると新しいスキルを覚えるためのポイントがもらえるので、是非頑張ってレベル上げをしてくださいね、との事。

 

なるほど。ほんまにシステムは普通の異世界ものと一緒みたいやなあ

 

「それではまずこちらの書類に身長、体重、年齢、身体的特徴等の記入をお願いします」

 

そう言って受付のお姉さんが差し出した書類に、俺は自分の特徴を書いていく。

 

身長178センチ、体重70キロ。17歳で、黒髪に黒目と。

 

「はい、結構です。それではこちらのカードに触れてください。それであなたのステータスがわかりますので、その数値に応じてなりたい職業を選んでください」

 

お、きたー!これも楽しみやねんなー!!

って言っても別に生前は釣りしかやってなかったしそんなに高くないと思うけど。

 

そう思いつつカードに触れた。

 

「はい、サイトウフウマさんですね…ありがとうございます……ってえええええっ!?なんですかこの数値!?生命力に器用度、敏捷性、幸運、どれも平均的ですが、筋力が他と比べて少し高く、まず知力が平均を大幅に超えているのもすごいんですが、何よりこの魔力!!信じられないくらい高いんですが、何者なんですかっ!?」

 

お姉さんの突然の大声にギルド内はざわめく。

 

おおっと?全体的に平均なんかい。魔力は女神様に上げてもらったから高いとして、筋力は釣りで鍛えれたんかな?知力は…毎日ツッコミして頭働かせてるから?かな。

 

んで何者なんですかって?そんなの…

 

「ただの関西人です」

 

なんかかっこつけちゃったよ。

 

「カンサイジン?…とにかく!このステータスなら上級職のアークウィザードをおすすめします!」

 

流石に異世界で関西人は知られてないですよね。ノリとツッコミで生きてる人種ですはい。

…ごめんなさい嘘です。

 

それよりアークウィザード?ってなんやろ

 

「すいません、アークウィザードというのは…?」

 

俺がそう言うと、お姉さんは我に返ったのか、あ、申し訳ございません。と謝ってからアークウィザードの説明をしてくれた。

 

どうやら魔法使いの上級職らしいです。

はいけってーい!!!ぜーったいこれ!

魔法使い!!しかも上級職!!

これしかないやろ!

 

「アークウィザードでお願いします!」

 

「はい、アークウィザードですね!…っと、では、サイトウフウマさん!冒険者ギルドへようこそ!スタッフ一同、今後の活躍を期待しています!」

 

お姉さんはそう言って、にこやかな笑みを浮かべた。

 

よっしゃー!とりあえずこれで俺も冒険者!まず魔法!!魔法!!

 

そうと決まれば簡単なクエスト受けて試し撃ちじゃー!!




2話どーでしたでしょうか!
わからないところやおかしいところなど、どんどんコメントしてください!


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魔法ってすごいんやな

どうも!へぇへぇと申します!
まさかの1日2話投稿しちゃいましたよ。
いつのまにかお気に入りが7になってて驚きました!!
本当に感謝してます!!
これからも頑張るので応援よろしくお願いします!


冒険者登録が終わり、ギルドにあったクエストが貼ってある掲示板の中から、

『ジャイアントトードの討伐』というクエストを受けた俺は、地図を見ながらその巨大なカエルが出るという場所まで歩いて向かっていた。

 

巨大なカエルなあ。

まあでかくて犬くらいの大きさやと思うけども。

 

そんなことを思っていると、いつの間にか目的地についたみたいです。

 

俺はギルドからもらった地図から顔を上げ、周りを見渡す。

 

……んん?

………んんん?

 

あれー?なんかカエルの形した象くらいの物体が動いてるんですけどー。

怖すぎてすぐ隠れたんですけどー。

 

…え、まって?まさかあれがジャイアントトードとか言わんよな?

 

……うん!そうっぽいです!

え、そんなでかいん?まさかそこまででかいと思わんやん?

もしかして異世界って全部こんな感じなん?

 

…まじかあ。

 

ん…けどちょっと待てよ?俺が使う魔法って一発やけど超強力なやつよな?

じゃあちっこくて雑魚そうなやつよりデッカくて強そうな奴に撃った方が気持ちいよな?

………うん。よし。

 

 

巨大カエル狩りじゃー!!!!

 

俺は隠れていた木から飛び出し、手をジャイアントトードの群れに向けた。

 

あ、これって詠唱とかいるんかな?

いや!無論!!

言った方がかっこいいに決まってるやろ!

 

俺は手を向けたまま、即興で思いついた詠唱を始める。

 

「闇に覆われし天空に暴れ狂う風は破壊の源。神に授かりし古代の力は、森羅万象を無へと帰さん。大気をも震わす颶風よ。全てを切り裂く旋風よ。我がもとに下れ!フェオリバラム!」

 

俺がそう言い放つと、体の力が急に抜けて倒れそうになった。

詠唱によって生まれた積乱雲からカエルの群れの中心に向けて巨大な竜巻が生まれ、数秒後、地面にできた大きなクレーターと引き換えに、竜巻は雲と一緒に消えていった。

見ると十数匹ほどいたカエルの群れはもう片手で数えれるほどしか残っていなかった。

だがやはりクエストになってるくらいなので、他の群れはまだまだいる。

 

「き……気持ち良いいいいいい!なにこれかっけ!いやかっけ!これよこれ!これ求めてたねん!これでこそ魔法!一撃必殺こそ正義!」

 

俺は初めての魔法についつい叫んでしまうほど興奮していた。最後にガッツポーズしてしまうくらいだ。

 

けどほんまに体はしんどいな!これはほんまに一日一発しか撃てなさそう!

 

「あ、あの!」

 

そんなことを考えていると、ふと後ろから声がしたので振り向いてみる。

そこには、顔のような模様がついているとんがり帽子をかぶり、長い杖を持った美少女が目をキラキラさせながらこちらを見ていた。

 

「はい、どうしましたか?」

 

「い、今の魔法はなんなのでしょうか!?」

 

とんがり帽子の女の子は興奮した様子でこちらの返答を待っている。

どうやら魔法を撃ったところを見ていたらしい。

 

へへーん、そうやろそうやろ!気になるやろ!!

 

「今のは竜巻魔法、と言いまして、人類最強の攻撃魔法なんですよー」

 

ちょっとくらい調子に乗ってもいいよなっ!

 

俺がそう言うと、とんがり帽子の女の子は目を見開いて顔を近づけてきた。あ、近いです…。

 

「竜巻魔法…!すごくかっこよかったです!紅魔族的にビビビっときました!!

む、ですが人類最強の攻撃魔法というのは納得できませんね!」

 

顔を近づけながら話してた女の子だったが、途中でジトっとした目を向けながら離れて言った。

 

おおっ!この子もこの魔法のかっこよさに気づいたみたいやな!

んーでも紅魔族、ってなんなんやろ

てゆうか!それは置いといて人類最強じゃ無いって!?

 

「なるほど、それはつまり今の魔法より強力な魔法がある、ということですか?」

 

そう聞くと、とんがり帽子の女の子は、待ってました!と言わんばかりの勢いでドヤ顔で話す。

 

「そうですともそうですとも!我が力に勝る魔法などあらず!爆裂魔法こそ最強なのです!」

 

爆裂魔法?

 

「あの、爆裂魔法ってなんですか?」

 

俺がそう言うと、女の子はショックを受けたような顔でこっちを見てきた。

 

「ば…爆裂魔法を知らないのですか!?」

 

あ、はい。さっき来たばっかりなので…えへ

有名な魔法なんかな?

 

「いいでしょう!ではこの我が爆裂魔法を見せてあげますよ!」

 

そう言って女の子は持っていた杖をまた別のカエルの群れに向けると、俺と同じように詠唱を始めた。

 

「黒より黒く闇より暗き漆黒に我が深紅の混淆を望みたもう。覚醒のとき来たれり。無謬の境界に落ちし理。無行の歪みとなりて現出せよ!

踊れ踊れ踊れ、我が力の奔流に望むは崩壊なり。並ぶ者なき崩壊なり。万象等しく灰塵に帰し、深淵より来たれ!

これが人類最大の威力の攻撃手段、これこそが究極の攻撃魔法、エクスプロージョン!」

 

女の子がそう言い放つと、空気をビリビリと振動させ、轟音と共にカエルの群れがあったであろう地面に先程よりも巨大なクレーターを作り上げた。

 

「え…」

 

声が出なかった。それほどまでにその魔法はすごかった。

 

これが爆裂魔法かあ…

………かっっっこ良いいいいいいい!!

何今の!?でっかい炎がボーンって!んでクレーターがボコーンって!!

ええ!?これは確かに人類最強やわ。

……今、の話な!!いつか絶対これよりもっと強くなったんねん!!

 

「すごいじゃないですか!!今のが…ってえ?え!?大丈夫ですか!?」

 

俺が褒めようと女の子の方を見ると、地面に突っ伏していた。

 

「フ…我が爆裂魔法はその威力ゆえ消費魔力もまた絶大…つまり魔力切れでしばらく動けません。」

 

…あ、これ絶対竜巻魔法と同じくネタ魔法扱いされるタイプの魔法やわ。

 

「ええー…」

 

その時。ボコッ、と言う音が聞こえた。

周りを見ると、何匹ものカエルが地面から出てきていた。

 

「え、ええー…」

 

「え……周りからカエルが湧くとか予想外です。このままじゃ食われます。あ…助けてください」

 

カエルはもう女の子のすぐそばまで来ており、口を開くと女の子に向けて長い舌を出した。

 

「そぉいっ!!」

 

俺は間一髪のところで食べられそうになってる女の子を抱きかかえ、一目散に街へ向かってその場から逃げ出した。

 




詠唱考えるのほんまに時間かかりましたあ…
あ、ちなみにもう恥とかないんで!詠唱カッコいい!素敵!!
そして謎の女の子…?誰なんでしょーかあ

わからない言葉やおかしなところがあれば気軽にコメントしてください!


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あ、変な名前やったわ

どうも、へぇへぇと申します。
ふぅ!
正直疲れます!慣れてないので、1話書くのに4時間くらいかかるんですが!?
お気に入りが…ついに10になってました…!
見てくださってる皆様、本当に心より感謝しております!


とんがり帽子の女の子を抱きかかえながら無我夢中に走ってカエルを撒くことができた俺は、アクセルの街まで戻ってきた。

 

「あ、助けていただきありがとうございます。

それはそうともう少しマシな持ち方はなかったのですか?」

 

女の子から横目でジトっとした目が向けられる。

そんな変な持ち方してるっけ?…あ、してました

 

どうやら俺は脇腹に女の子を抱えながら逃げてきたみたいです。

うんそりゃこーなる

 

「あ、それは本当にごめんなさい。とにかく逃げるのに必死で必死で。…てへ」

 

俺はそう言いながらよいしょと脇腹の女の子を背中に持ち替えた。

 

「まあ、いいですよ。とにかく助かりました」

 

女の子は、んしょ、といいながら脇腹から背中へ移動すると、改めて感謝を述べた。

そして、俺に純粋な疑問を投げかける。

 

「それと、なぜずっと敬語なのですか?」

 

うん、それは君もやけどな。

 

「あ、ごめんなさい。どうしても初対面の人には敬語で話してしまうのがクセで。」

 

俺は親が礼儀にうるさい人だったので、子供の時から初対面の人には敬語、と言うのが根付いてしまっている。

 

「なるほど。ですがもう背負い背負われの仲なんですし、敬語じゃなくて大丈夫ですよ?」

 

うんほんまに何で俺出会って30分くらいの女の子おんぶしてるんやろ。

 

「…ほんま?正直こっちの方が楽やから嬉しいわ」

 

「ぷっ、変な喋り方ですね」

 

「ブッ殺」

 

 

 

「あ、そういえば名前聞いてなかったでな?」

 

俺はついパッと思いついたことを口に出した。

 

「あ、そうですね。く、目の前で言えないのが残念ですが、まあいいでしょう!」

 

ん?何が残念なんやろ

 

すると、女の子が背負われたまま口を開いた

 

「刮目せよ!!

我が名はめぐみん!紅魔族随一の魔法使いにして、最強の攻撃魔法、爆裂魔法を操りし者!」

 

「ぷっ、変な名前やな」

 

「ブッ殺」

 

仕返しじゃっ!

やけど、名乗りはなかなかかっこいいな。

…よし!関西人のノリ、とくとご覧あれ!

 

「んん!…我が名はフウマ!関西弁を扱う関西人にして、今は無き最高の古代魔法、竜巻魔法を操りし者!」

 

俺は気持ちよく名乗りを終える。

ふうっ!こんなん言えるのも異世界ならではやでなー!

 

すると、俺の肩を持つめぐみんの手にギュッと力が入った

 

「お…おおーっ!フウマ!あなたはどうやらわかる人のようですね!?紅魔族の名乗りを里の外の人がやってくれるとは!!なかなかカッコいい名乗りでした!!」

 

俺の耳元に顔を近づけながら嬉しそうに言った。

 

あ、本気で嬉しそうこの子。

……かわいいなあなんか。

……あ!ロリコンちゃうぞ!!確かに歳上よりは年下の方が好きやけども!!ロリコンではない!!

 

「おお、めっちゃ褒めてくれてるけど、めぐみんの名乗りもめちゃくちゃかっこよかったで?」

 

俺がそう言うと、めぐみんは笑った。

 

「ふふ。いい人なんですね、フウマは。大抵の人は私の名乗りを聞いて、冷たい目を向ける人や冷めた目を向ける人、そして冷ややかな目を向ける人しかいませんでしたから」

 

「いやぜんぶ一緒の意味やん」

 

唐突のボケへの俺のツッコミにふふっ、と笑うめぐみんはとりあえず置いといて、やっぱこーゆー名乗りとかはノリのいい人しか返されへんよなあ

 

 

「まあ、ノリだけはいいからなっ!俺は!」

 

 

――――

 

そのままめぐみんを背負ったままギルドまでやってきた俺は、めぐみんを空いてる席へと座らせた後、クエストの報酬を受け取りに行った。

 

一人で待たせているので、なるべく並ぶ人が少ない列へ並ぶ。

 

少しだけ待つと俺の番が来たので、冒険者カードを渡して精算をまつ。

どうやら9匹倒していたようで、受付の人から討伐報酬として18万エリスを受け取った。

 

9匹!一撃で9匹!!あのでかいカエルを!!

どーや!あとでめぐみんに自慢しよっと。

 

本当は倒したモンスターを回収して貰えば買い取ってくれるみたいだが、俺もめぐみんも超強力魔法によってカエルを跡形もなく消してしまったので、そちらは諦めた。後悔はしてない。

 

少しして返された冒険者カードを見ると、レベルが上がって3になっていた。スキルポイントも少し貯まっている。

 

俺はルンルン気分で、受け取った報酬を持ってめぐみんの元へと向かった。

 

 

「おまたせー」

 

「お、早かったですね」

 

俺が戻ると、めぐみんは帽子を置き、椅子にちょこんと座って待っていた。

 

「そりゃまあ子供一人で待たせられへんやろ?」

 

俺が冗談っぽくそう言った。

するとめぐみんはすごい剣幕で抗議する。

 

「な、なにおう!?私はもう今年で14ですよ!結婚もできる歳ですし子供じゃありません!!

それに、見た限りあまりフウマも離れてないでしょう?」

 

「え、14歳?…思ったより近かったわ…。えーと、俺は今年で17になったばっかりやで。」

 

見た目的に12歳くらいかなと思ってた…

 

「ほら見たことか!私と3年しか変わらないじゃないですか!私が子供だと言うのならフウマも子供ですよ子供!」

 

3年って結構な気もするけど…

けどそれを言うとまた怒られそうなのでやめた。

 

「わかったわかった、ごめんな。俺も子供やったわ。」

 

俺は白々しくボケる。

 

「ん…?いや、そこは否定してくれないと私も子供じゃないですかー!?」

 

あ、気づいた。

その反応に俺はついつい笑う。

 

めぐみんの反応ほんまに好きやわあ。

 

 

 

 

めぐみんと少し話していると、めぐみんのお腹が突然、ぐーっ!と音を鳴らした。

 

それに気づいた俺がめぐみんの顔を見ると、恥ずかしいのか赤くなった顔を隠すように下を向いていた。

 

「わ、私じゃないですよ。」

 

「いや流石に無理あるやろ?てゆうか別にそんな恥ずかしがらんでも。俺もお腹すいたし、ご飯でも食べよか」

 

俺もこの世界に来てまだ何も食べてなかったので、どれどれとメニュー表を見てみる。

するとめぐみんが慌てて口を開いた。

 

「え、待ってください。私お金持ってないですよ?」

 

「え、別に奢ってあげるけども」

 

さっき冒険者初報酬も貰ったし、正直食事代には全然困らない。

 

「え?」

 

「え?」

 

 

「えと…いいんですか…?実はもう丸2日何も食べていなくて…」

 

え?2日?2日って言った今?どんだけ食べてないん?

 

「どんだけお金ないねん…まあもう申し訳なさとか全くいらんから気にせずいっぱい食べていいよーっ。好きなだけお食べ!」

 

めぐみんはありがとうございます!と俺にお礼をした後、すいませーん、とウェイトレスを呼んだ。

 

 




はい、ということでめぐみんでしたねー!
早くもっと絡ませたい…!
わからない言葉やおかしいところなどがあれば気軽にコメントお願いいたします!


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ポンコツパーティーやと?

どうも!
5話までこれましたが、カズマたちがまだ出せていません…。
次こそは!次こそは出します!


しばらくして、ウェイトレスが料理を運んできてくれた。

 

「いただきまふ!」

 

めぐみんはよほどお腹が空いていたのか、いただきますと言い終わる前に運ばれてきたサンドイッチをくわえた。

 

「いただきます」

 

ハムスターのように両頬をパンパンに膨らましているめぐみんをみてつい微笑みつつ、俺もいただきますをする。

 

俺の目の前には、ジャイアントトードの唐揚げが置かれてあった。

 

カエルなんて日本では食べたことないが、意を決して口に含んでみる。

 

…え、うまっ。ほんまにうまっ。カエルってうまかったん?知らんかった…

 

お腹が空いていたこともあって、俺もめぐみんもご飯を夢中で食べ進めた。

 

あ、カエルは鳥みたいな鳥じゃないみたいな味しました。

 

 

 

「ふぅ、ごちそうさまでした」

 

俺は食べ終わったので手を合わせ、めぐみんの方を向く。

お、めぐみんも食べ終わったみたいだ。

 

「ごちそうさまでした。食べた後で言うのも何ですが、本当に奢ってもらってよかったのですか?」

 

めぐみんは首を傾げて不安げに聞いてくる。

ほんまにいいのに!

 

「全然気にせんでいいんやで?困っている人を助けるのが冒険者やからなっ!」

 

俺は優しい男性冒険者に言われた一言を、渾身のドヤ顔で伝えてやった!

 

するとめぐみんは少し驚いたように目を見開かせ、やがて笑った。

 

 

「ふふ、そんな顔で言われても。

ですが嬉しかったですよ?本当にありがとうございます」

 

……そんな笑顔で言われたら照れ…困ります。

 

「…おう。」

 

俺は顔を少し赤くしてぶっきらぼうに返事をした。

 

 

 

「あれ、何で赤くなってるんですかー?」

 

「…なんもないし!」

 

こいつニヤニヤしやがって!

 

 

 

――――

 

 

 

「……あの、フウマ!…これからも私とお互いの最強魔法を極めませんか?」

 

ご飯を食べた後。めぐみんとジュースを飲んでると、突然そんな事を言い出した。

これはつまり、パーティー組んで一緒に冒険したいってことであってるよな?

 

めぐみんは、断られるかもしれない。と不安なのか、自分のマントをギュッと握りしめている。

 

「うん、いいよっ?」

 

元々断る気は無かったので、すぐに答える。

 

するとめぐみんは呆気に取られたような顔でぽかんとしていた。

 

「ほ、本当ですか?」

 

「え、いいよ?俺もめぐみんと爆裂魔法に会って感動したからな!てゆうか負けたままでおられへん!今は威力も派手さも負けてるけど、いつか絶対勝ったるし!」

 

俺が勢いよくそう言うと、めぐみんは安心したのか、顔を緩めて笑顔になった。

 

「…ふふ。いいでしょう。受けてたちます!我が爆裂魔法に勝る魔法などないのです!」

 

「はっ、言っとけ言っとけ!いつか絶対負けましたって言わせたるからな!」

 

「ふっ、私にはフウマがごめんなさい諦めます。許してください、と泣きついてくる姿が浮かびますね!」

 

「なんやと!?」

 

「なにおう!?」

 

そうして俺とめぐみんは笑いながら冗談を言い合った。

 

 

 

「じゃあ、改めてよろしくな!めぐみん!」

 

めぐみんと冗談を言い合った後、俺はそう言いながら握手を求める。

 

「はい!こちらこそよろしくお願いします!」

 

めぐみんも笑顔で握手に応じた。柔らかかった。

 

 

 

 

 

 

おい、今ネタ魔法使いたちのポンコツパーティー誕生とか思ったやつ出てこいや。

 

 

――――

 

 

無事にパーティーを組んだ俺たちは、辺りも暗くなってきたので、めぐみんに教えてもらった街の大浴場に来ていた。

おお、結構でかいんやな。

 

俺は自分の分と、お礼を言うめぐみんの分の風呂代をまとめて受付のおばちゃ…お姉さんにわたして中に入る。

 

中に入ってみると大きめのロビーがあった。

 

ん…まってあれもしかして牛乳!?

俺が目を向けた先には、銭湯には欠かせないであろう、シンプルな牛乳にフルーツ牛乳、コーヒー牛乳などの飲み物が売ってある売店があった。

うん、出たら絶対飲もっと。

 

 

とりあえず牛乳は後回しにしておき、ロビーの先にある浴場へ向かうことにした。

 

 

「ん、じゃあまた後でなー」

 

「はーいっ」

 

めぐみんに声をかけ、男女別の暖簾をくぐってそれぞれ脱衣所に向かった。

 

 

まだ時間が早いからか、脱衣所にも浴場にもあまり人はいなかった。

 

めぐみんがどれくらい遅いかわからんけど、とりあえず早めにでるかー。

 

俺は頭と体を丁寧に素早く洗い、ゆっくりするため早めに湯船に浸かった。

 

 

「ああああ、生き返るぅ〜」

 

銭湯は久しぶりかつほぼ貸切状態なので、つい声を出してしまう。

俺は10分ほど満喫した後、そろそろ出るかと脱衣所へ向かった。

 

 

 

あー、服も買わなあかんなあ。

 

脱衣所でふとそんな事を思いながら着替える。

今の俺の服は釣りの時に着ていた、ダボッとした胸ポケット付きの白いTシャツに同じくダボッとした褪せた色のジーパンのままだった。

 

明日服だけでも買いに行こっと。

めぐみん誘ったらついてきてくれるかな?

 

俺は軽く誘い文句を考えつつ、脱衣所の入口兼出口でもある暖簾をくぐる。

どうやらまだめぐみんは出てきていないみたいだ。

 

俺はめぐみんが出てくる前にさっき見つけた売店で、コーヒー牛乳とフルーツ牛乳を買う。

 

めぐみんと一緒に飲もうと、それを持ってロビーにあったベンチに座る。

するとちょうどめぐみんが暖簾をくぐって出てきた。

 

「あ、早かったんですね?おまたせしました」

 

めぐみんはまだ少し濡れている髪をタオルで拭いつつ、とことことこっちに歩いてくる。

 

「いや、俺も今出たとこやでー。あ、コーヒー牛乳とフルーツ牛乳、どっちがいい?」

 

めぐみんの言葉を否定した後、めぐみんが目の前まで来たので究極の2択を問いかける。

 

「え、くれるんですか?ありがとうございます。そうですね…ではこっちを頂きますね!」

 

めぐみんは俺に礼を言った後、少し悩んでフルーツ牛乳を手に取り、よいしょ、と俺の横に座った。

 

それぞれビンの蓋をあけ、ゴクゴクと一気に飲み干す。

 

「「ぷはーっ!」」

 

ほぼ同時に飲み終えた俺たちは、揃って思わず声を出した。

 

「やっぱ風呂上がりにはこれやなー!」

 

「ですねー!」

 

どうやらお風呂上がりに牛乳、というのは異世界でも同じみたいだ。

 

――――

 

そうしてお風呂を満喫した俺とめぐみんは、体が冷えないうちに宿を借りることにした。

 

「そーいえばめぐみんっていつもどこ泊まってるん?」

 

「一応、宿の部屋を取ってますよ?」

 

「一応?」

 

俺は一応という言葉が引っかかり、聞き返す。

 

「あ…実はお金がないので宿の人がご好意でツケにしてくださってて。」

 

ほうほう、なかなか優しい宿主やなあ。

 

「なるほどなるほど。じゃあ今日も泊まるのはそこ?」

 

「はい、そうです。あの、フウマも宿に泊まろうと思ってるんですよね?」

 

めぐみんは少し罰が悪そうに質問する。

 

「そうやけど、どしたん?」

 

「あの、もしかしたらなんですが、もう時間が少し遅いので宿がいっぱいで空いてない可能性も…」

 

「…え。じゃあどうすれば…?野宿…?」

 

まさかの異世界1日目が野宿…?

 

「いえ、流石に馬小屋なら空いてると思いますが…」

 

う…ま…ご…や…?

野宿ではなかったけど馬小屋…?

 

話を聞くと、どうやら冒険者は大体稼げないうちは馬小屋で寝泊まりするようだった。

 

それにしても馬小屋か…。

 

 

「ま、まあとりあえず宿に向かってみましょう!もしかしたら空いてる部屋があるかもしれないですし!」

 

めぐみんに励まされ、俺は微かな希望を抱いて宿へ向かった。

 

 

宿に着いた俺たちは、人当たりの良さそうな女将さんに空いてる部屋があるか訪ねた。

 

もしかしたらあるかもせーへん!!

 

 

はい。ありませんでした。

無事に馬小屋で寝ます。

 

「はぁ…。」

 

「残念でしたね…。明日は部屋をなるべく先に取っておきましょうか…」

 

ため息を吐く俺をみて、めぐみんは少し罰の悪そうな笑顔でそう言った。

 

「まあしゃーないな…そーしよか。とりあえず今日は寝て、また明日の朝集合しよか?」

 

「ですねー、そうしましょうか。」

 

めぐみんは、くす、と少し笑いながら、俺の言葉に肯定する。

 

「じゃあ、おやすみ!また明日!」

 

「おやすみなさい!また明日です!」

 

俺が手を上げて言うと、めぐみんも同じように手を上げて言った。

 

めぐみんと別れて、いざ馬小屋へ。

 

 

馬小屋についた俺は、もはや何も考えないようにして置いてた藁に飛び込んだ。

 

はぁ。寝よっと。

 

 

 

ん…うわ、え?なんか踏んだ!!なに!?あああ、くっさ!!絶対糞!これ絶対糞や!!

 

もー!俺も部屋がよかったあああああ!!!

 




ふう、なんかめっちゃ時間かかりました!なんでやろ…
その割にはあんまりストーリーも進んでないし…

わからない言葉やおかしなところが有りましたら、気軽にコメントしてください!


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なんか主人公っぽいなこのジャージの人

どうも!へぇへぇです!
少し更新が遅れて申し訳ございません!

ついにカズマ達の登場です!お待たせしました!



ああもうほんまに最悪。全然寝られへんかったし…。

 

昨日の夜、体についた糞をすぐ払い落として、匂いを本気で我慢しつつ寝たおれは、朝起きてすぐ大浴場へ来ていた。

 

朝早くに来たので、またほぼ貸切状態の浴場へ入り、糞がついていたところを入念に洗ったあと、軽く湯船に浸かって浴場を出た。

 

出た後に売店でフルーツ牛乳を買って一気に飲む。

うん、風呂上がりの牛乳は正義。美味しい。

 

 

 

大浴場を出た俺が宿へと戻ってくると、めぐみんが宿の前で待ってくれていた。

 

「あれフウマ、どこに行ってたんですか?」

 

めぐみんは俺が宿から出てくると思っていたのか、不思議そうに聞いてくる。

 

俺は昨日あったことの一部始終を説明して、今お風呂に入ってきたことを話す。

 

「ぷっ。それは災難でしたね」

 

「今笑った?」

 

「笑ってません」

 

「笑ったやろ」

 

絶対吹き出したよなこいつ。

 

「はぁ、まあいいや。ギルド行く?」

 

頑なに笑ってないと言い張るめぐみんはもう諦めて、ギルドに向かうか聞く。

 

「そうですね、行きますか…ぷっ」

 

「おい」

 

 

 

絶対今度仕返ししたるし!!

 

――――

 

 

「なあ気づいたんやけどさ、俺ら2人だけやったらパーティー的にバランス悪いと思うねんな」

 

ギルドに着いてとりあえずテーブルに座った後、俺は思っていたことをめぐみんに伝えた。

 

「ふむ…確かにそうですね?」

 

めぐみんは顎に手を当てて少し考えたあと、俺の言葉に共感してくれた。

 

まあ俺がもし魔力切れになっちゃったら倒れためぐみんのこと守られへんしなあ…

 

「やからどっかのパーティーと合体するってゆうのはどう?」

 

「いいですね!ですが入れてくれるでしょうか…」

 

めぐみんは頭を縦に振って賛成するが、不安そうに嘆く。

 

「大丈夫!俺らの最強魔法見せたろ!!」

 

俺がそう言うと、めぐみんは我に帰ったかのようにハッとなった。

 

「そうですね!!空いた口が塞がらないようにしてあげましょう!」

 

元気が出たのか、いつもの調子になるめぐみん。

よかったよかったっ!

 

「それで問題はどこのパーティーに入るかやけど…どーする?」

 

あんまり人数多すぎてもなあ…

俺らもまだ駆け出しなわけやし戦力差があっても嫌やし…

やから、人数は少なめで最近できたパーティーが良いかな?

 

「んー…とりあえずパーティー募集の掲示板を見てみませんか?」

 

めぐみんは少し向こうにある掲示板を指差しながら言った。

 

俺は了承すると、めぐみんについて行った。

 

 

 

 

「あ、フウマフウマ!ここはどうですか?」

 

少しの間掲示板を見ていると、良いところを見つけたのか、めぐみんが募集の紙を持ちながら話しかけてきた。

 

「お、ふむふむ?アットホームで楽しいパーティーで、上級職限定…と。んー、ってことは駆け出しじゃ無いかもせーへんけど…とりあえず行ってみよか!」

 

「ですね!」

 

 

 

 

 

「すいません。募集を見て来たのですが…ここでよろしいでしょうか?」

 

ギルドの椅子に座っていた男女2人組のパーティーを見つけ、めぐみんが声をかける。

 

 

ん…?てゆうか男の子ジャージっぽいの着てるんやけど。この世界でもジャージはあるんかな?

 

「そうですけど…あなた達は?」

 

めぐみんが声をかけると、青い髪を腰まで伸ばした女性が返事をした。

 

それを聞いためぐみんは、待ってました!とでも言わんばかりにバサッとマントを翻し、隠し持っていた眼帯をいそいそと目につけた。

 

「我が名はめぐみん!最上級職であるアークウィザードを生業とし、人類最強の攻撃魔法、爆裂魔法を操るもの!!そして!」

 

めぐみんはポーズを決めて名乗りを上げた後、次は俺の番だと言わんばかりに俺のことをキラキラした目で見る。

 

よっしゃ、いっちょかましたるか!!

 

「我が名はフウマ!同じく最上級職であるアークウィザードを生業とし、いずれ人類最強になる古代の攻撃魔法、竜巻魔法を操るもの!!」

 

めぐみんとは対になるようにポーズを決め、名乗りを上げてやった。

ふふ、どうやらかっこよすぎて何も言われへんみ…

 

「冷やかしならお帰りください」

 

「「冷やかしちがわい!」」

 

 

「ってゆうか、フウマってその服装といい名前といいもしかして日本人か?」

 

あれ、日本のこと知ってるってことはやっぱりこのジャージは日本の物やったんやな。

 

「あ、はいそうです。ってことはもしかしてあなたも?」

 

「ああ、佐藤カズマだ。カズマで良いぞ!そしてこっちのダメそうな青髪がアクアだ」

 

カズマは自分の自己紹介をした後、何故か諦めたような目でアクアを指差した。

 

「ダメそうって何よー!!」

 

あ、これはダメそう。

 

「ニホン、というのはわかりませんが、フウマたちは同郷なのですか?」

 

横で見ていためぐみんが口を開く。

 

「そうやでー、いつかめぐみんにも見せてあげたいな!」

 

俺はめぐみんに笑顔でそう言った。

 

「ぜひお願いします!」

 

「機会があればな!」

 

めぐみんは気になるのか、食い気味で答えた。

んーいつになるかなあ…

 

 

――――

 

自己紹介が終わった後、テーブルで俺たちの冒険者カードを見せると、アクアは賛成のようだが、カズマはまだ実力がわからない、ということでとりあえずクエストへ行くことになった。

 

あ、いつも通りカエルみたいです。

 

 

 

「じゃあ、俺たちの魔法は発動に時間がかかるので、少しの間カエルの足止めをしておいてもらってもいいでしょうか?」

 

「あ…ああ」

 

カエルがゲコゲコと鳴く中で、俺たちは魔法を撃つために足止めをしてもらうことにした。

めぐみんは後に残して、先に俺が撃たしてもらう。

 

よし、昨日ぶりに気合い入れていくかー!!

俺はそう意気込んで、詠唱を始めた。

 

 

「闇に覆われし天空に、暴れ狂う風は破壊の源。

神に授かりし古代の力は、森羅万象を無へと帰さん。大気を揺らす嵐よ。全てを破壊し災害よ。我がもとに下れ!

まだめぐみんには及びませんが、これが俺が使う人類最高の古代魔法!フェオリバラム!」

 

 

詠唱を終え、魔法で出した竜巻がカズマ達の前にいたカエル達を消しとばしていく。

俺は相変わらず倒れそうになるが、なんとか足で踏ん張った。

 

ふぅ。快・感!!

 

竜巻が消えるまで口をポカーンと開けたまま見ていたカズマ達だったが、竜巻が消えてからハッとなって驚いていた。

 

そんな中めぐみんが口を開く。

 

「ふふ、フウマ!かっこよかったですがまだまだですね!次は私の番です!」

 

めぐみんはほんまに爆裂魔法のことになったら楽しそうやなあ。

俺はそんなことを思いながら少しクスクス笑う。

 

カズマ達はこれ以上どんなのがくるのかと期待した表情で、めぐみんの魔法を今か今かと待ち望んでいた。

 

「いきます!

黒より黒く闇より暗き漆黒に我が深紅の混淆を望みたもう。覚醒のとき来たれり。無謬の境界に落ちし理。無行の歪みとなりて現出せよ!

見ていてください!これが人類が行える中で最も威力のある攻撃手段。これこそが究極の攻撃魔法!エクスプロージョン!」

 

めぐみんが放った爆裂魔法は、カエル達を一網打尽にした。

カズマ達はさっきよりも口をあんぐりとさせた後、何やらぶつぶつ言っていた。

 

俺はめぐみんが魔力切れで倒れる前に体を腕で支える。

 

「あ、フウマ…ありがとうございます…」

 

「おうっ。やっぱ流石やなあめぐみん!」

 

俺はお礼を言うめぐみんを背中におんぶしながら素直に褒める。

 

「ふふふ…!我に勝てるようになるのはいつになりますかねー?」

 

そう言って笑いながらからかってくるめぐみんに言い返していると、カズマが喋りながらこっちを向いた。

 

「よし2人とも!それじゃ一旦距離をとってもう一度……え、なにしてるんだ?」

 

どうやら俺がめぐみんをおんぶしている状況があまり飲み込めないらしい。

 

「我らの魔法はその威力ゆえ消費魔力も絶大…!

つまりしばらく身動き一つ取れません」

 

「あ、俺も歩けるけど戦力にはなりません」

 

俺たちがそう説明すると、カズマは絶望した顔でこちらを見てくる。

同じくアクアも絶望した顔で見てくるが、どうやら見てるのは俺たちではなく、俺たちの後ろのようだ。

 

「あ、あなたたち…後ろ…」

 

アクアが俺たちの後ろを指差してそう言った時にはもう遅く、俺はめぐみんを背負ったままカエルの口に放り込まれた。

 

 

「喰われてんじゃねー!!!!」

 




ということでやっとカズマ達を出すことができました…!
口調など変じゃなかったでしょうか?

わからない言葉やおかしなところがあればぜひコメントお願いします!


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パーティーってことやな

どうも!
なんか夜起きちゃって、書きたくなるんですよね、!

今回も少し長くなっちゃいました!すいません!
おかしなところはコメントで!普通の感想もコメントで書いて欲しいです!お願いしますっ!


 

「ふぅ、酷い目に遭いました」

 

カエルに食べられた俺たちをカズマが助けてくれた後、ヌルヌルになってクエストから帰ってる途中で俺の背中にいるめぐみんがため息をついた。

 

「ほんまになあ」

 

めぐみんの言葉を聞いたおれが共感する。

 

「お前らなあ… !俺とアクアがどれだけ必死に助けたと思ってんだ!」

 

俺たちの会話を聞いたカズマが怒ってはります。

 

「本当に感謝してますよ。ありがとうございます」

「ありがとうございます」

 

俺の言葉に続いてめぐみんもお礼を言う。

 

「はぁ。とりあえずこれからは緊急事態以外爆裂魔法と竜巻魔法は禁止な。リスクが高すぎる!もっとこう使い勝手のいい魔法を…」

 

「使えません」

 

カズマの言葉を聞いためぐみんが即座に否定する。

 

「は?今なんて?」

 

カズマは何を言ってるのかわからないといった顔でこちらを見てくる。

 

「私は爆裂魔法以外の魔法は一切使えません」

 

「あ、俺も竜巻魔法以外の魔法は一切使えないです」

 

めぐみんに続けて俺も手を上げながら言った。

 

カズマはあり得ないとでも言わんばかりの顔でこちらを見てくるが、アクアは純粋に疑問をぶつけてくる。

 

「フウマはおそらく竜巻魔法を転生特典で選んだんでしょうけど、めぐみんはどうして他の魔法は使えないの?最上級の爆裂魔法が使えるのに。」

 

え、なんでアクアが転生と特典のこと知ってるんやろ?

 

 

アクアからの質問に、めぐみんは俺の肩をぎゅっと掴んで、少し間を開けて答える。

そこからはめぐみんと俺の熱弁が始まった。

 

「…私は爆裂魔法をこよなく愛するアークウィザード…!たとえ1日1発が限度でも、撃った後は力尽きて倒れようとも!私は爆裂魔法しか愛せない!!」

 

「俺も竜巻魔法をこよなく愛するアークウィザードです!めぐみんの言う通り、1日に1発だけしか撃てなくとも、撃った後は何もできなくなるとしても!一撃で葬り去ってやればいいんですよ!!」

 

「素晴らしい!素晴らしいわ2人とも!その、効率よりもロマンを追い求めるその姿に、私は感動したわ!」

 

アクアは俺たちの熱弁を聞いて感動してくれたが、カズマは諦めたように満面の笑みになり、

 

「そかっ!2人とも頑張ってな!茨の道になるだろうけど、俺は応援するよ!ギルドに着いたら報酬は山分けるから、またどこかで会おうな!」

 

「「待ってください!!」」

 

「見捨てないでください!私たちだけじゃクエストもろくにいけないんです!私たちを見殺しにする気ですか!!」

 

「そうです!貴方には人の心がないんですか!!アクアさんも賛成してくれてるんですし、どうか人助けだと思って!ほら!ね!」

 

「ええいうるさいうるさい!!燃費の悪いアークウィザードなんかいらん!!」

 

断られそうになっためぐみんと俺が、必死にカズマを説得するが、カズマは聞く耳を持っていない。

さあどーしよかな。

 

その時、どこからかヒソヒソと話す声が聞こえた。

 

「やだ…あの男、あんな小さい子をヌルヌルにして弄んで捨てようとしてるなんて…とんだクズね!」

 

「しかも自分は何もしないでヌルヌルの子はヌルヌルの男の子に背負わせてるなんて…鬼畜ね!」

 

あ、そーいえば俺ら今ヌルヌルやん。

どうやらヒソヒソと話していたのはこの街の住人らしきお姉さん方だった。

ナイスです!

 

「ヌルヌルにするだけしてすぐにポイか…。」

 

お姉さん達の言葉の後に、俺はカズマに聞こえるくらいの小声でそう言ってやった。

 

「…おい?」

 

カズマが反応するが、それ以上にめぐみんがハッと反応を見せる。

 

めぐみんはここがチャンスと思ったのか、一気に捲し立てた。

 

「私…っ、カズマの望むことはなんでもっ…!カエルを使ったヌルヌルプレイにだって耐えて見せま…」

 

「よーし2人とも、これからもよろしくな!!」

 

あ、いけた。

 

 

「あ、俺もカエルを使ったヌルヌルプレイにだって耐え…」

 

「いらん!!」

 

いらんかったかー。

 

 

――――

 

 

無事にカズマ達とパーティーになることができた俺たちは、体のヌルヌルを落とすべく、大浴場に来ていた。

その間にカズマ達は俺たちの冒険者カードを持って、ギルドでクエストの報酬を受け取ってもらっている。

 

「どう?もう歩けそう?」

 

俺は大浴場のロビーでめぐみんをゆっくり背中から降ろしながら、歩けそうか聞く。

 

「んん…まあゆっくりならなんとか…」

 

めぐみんはゆっくり2、3歩歩いてから、いけるかどうか判断する。

 

「そっかそっか!無理すんなよ?ゆっくりでいいからなー」

 

「わかりましたっ!ですがもしダメだったら、フウマが私をお風呂に入れてくださいね?」

 

めぐみんはからかうつもりなのかニヤニヤしながら言ってくる。

はっ、そんな毎回毎回やられてばっかりやと思うなよ!

 

「はいはい、わかったわかった。その時は入れたるから」

 

「ふぇ!?い…いいです!自分で入れます!」

 

俺が予想外の返しをしたのか、めぐみんは少し顔を赤くしながら早歩きで脱衣所へ入っていった。

 

俺も入るかあー。ヌルヌルが…気持ち悪い…

 

 

 

 

風呂を手早く済ませた俺は、服のヌルヌルをできるだけ取ってから服を着た。

 

あ、四等分するけど報酬も入るし後でめぐみん誘って服買いにいこーっと。

 

俺が脱衣所を出てベンチに座って少し待った後、めぐみんが暖簾をくぐって出てきた。

 

「お、もういけるんかー?」

 

「お待たせしました。まだちょっとだけ体がだるいですが、ヌルヌルは取れました!」

 

「よかったよかった!じゃあカズマ達も待ってるしちょっと休憩したらギルド向かうかっ」

 

「ですね!」

 

 

俺はめぐみんをベンチに座らせて、いつも通り牛乳を2本買うと、1本めぐみんに渡してめぐみんの横に座る。

今日は休憩しながらやしちょびちょび飲むかあ。

 

 

「あ、そーいえばめぐみん」

 

俺は牛乳を飲みながら思い出したように話しかける。

 

「はい、なんですか?」

 

めぐみんも両手で牛乳を飲みながら、首を傾げてこちらを見る。

 

「そろそろ服買いたいんやけど、装備屋の場所がわからんくてさ。後で一緒についてきてくれへん?」

 

「お、装備を買い替えるんですか。いいでしょう!この私がかっこいい装備を整えてあげますよ!」

 

めぐみんは任せなさい!と拳を胸に当てる。

 

「ありがと!助かるっ」

 

やっと服変えれる…めぐみんには感謝やな。

 

「どういたしまして!では体のだるさもマシになってきたので、そろそろ行きましょうか?」

 

めぐみんは残っていた牛乳を飲み干してそう言いながら立ち上がった。

 

「お、よかった!じゃあ行くか!」

 

俺も同じように飲み干し、立ち上がる。

 

 

 

 

大浴場を出てギルドに着いた俺たちは、すぐに座っているカズマ達を見つけた。

 

「お待たせしましたー」

 

俺はそう言いながらめぐみんと隣り合わせで座る。

 

「お、やっと戻ってきたか」

 

するとこちらに気づいたカズマは報酬の袋と俺たちの冒険者カードを俺とめぐみんに差し出す。

 

「はいこれ。全部で52万だったから1人13万ずつな」

 

「「ありがとうございます!」」

 

俺とめぐみんがお礼を言いつつ受け取ると、今更カズマ達とパーティーになったという実感が湧いてきた。

 

パーティーになってはじめての報酬なので、少ない額でもどこか別の嬉しさを感じる。

 

「それにしてもこのパーティーも随分と豪華になったわね!4人中3人が上級職のパーティーなんてそうそうないわよ?」

 

そう言ってアクアは手に持っていたジョッキを口へ持っていく。

 

え、てゆうかお酒飲んでるやんこの人ら。アクアはともかくカズマに関してはまだ未成年な気するんやけど?

…異世界やからいいんか。

 

 

「お前がもう少し動けたらな」

 

アクアの言葉を聞いたカズマが、ジトっとした目を送る。

 

「何ですってーっ!?」

 

あ、怒った。

 

 

 

 

 

「そーいえば、2人は恋人同士なのか?」

 

カズマとアクアが言いあってる間、めぐみんと二人で話していると、カズマが突然ニヤニヤした顔でそんなことを聞いてきた!

 

「「ち、ちがいますっ!」」

 

俺は少し顔を赤くして…って、めぐみんも…?

俺たちはお互いに赤くなっている顔を確認すると、恥ずかしくなって同時に目を逸らす。

 

 

それを見た2人が、またニヤニヤとからかうように見てくる。

 

「俺たちはつい最近できたパーティーです!そんな関係じゃありません!性格が悪いですよおふたりとも!!」

 

俺はまだ赤い顔で2人に念押しする。

 

「「ふーん?」」

 

「顔を赤くしながら言われてもねー?」

 

どうやら信じてないのか、アクアがニヤニヤとからかってくる。

 

「ほんとですからー!!」

 

俺はずーっとニヤニヤしているカズマ達に反論するが、めぐみんが黙っているのに気づく。

 

めぐみんの方を見てみると、帽子で赤くなっている顔を隠して俯いていた。

 

え、何その反応…!

そんな反応されると…俺まで…赤くなっちゃうんですけど…

 

俺は左手でさっきより赤くなった顔を隠しながら、右手を出してストップを伝える。

 

「ま、今日はもう自由でいいから、二人でゆっくりしとけよ」

 

カズマ達はそう言ってニヤニヤしながら去っていった。

 

取り残された俺とめぐみんは、俯きながら赤い顔を頑張って抑える。

が、当然すぐには治らず、一部始終を見ていた周りの冒険者からもニヤニヤした目で見られる。

 

とりあえずこの場所から逃げ出さな…!

 

「装備屋…いく?」

 

 

めぐみんは喋りはしなかったが、コクン、と傾いてくれた。

 




ということで今回はちょっとしためぐみん要素を入れてみました!
変じゃなかったでしょうか?
ここからカズマ達との冒険が始まるので、実質これが一話かもですね!

わからない言葉や口調や文脈のおかしなところ、誤字脱字などがあれば、コメントなどで教えてもらえると助かります!


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魔法使いっぽくなったやん

お久しぶりです!へぇへぇです!

いやほんと全く投稿しないで申し訳ございません…

これからはちょくちょく投稿していけたらなと思っているのでぜひ暖かい目で読んでいただけると嬉しいです!



(気長に…)


ギルドを早足で出た俺とめぐみんは、街の中を2人で歩いていた。

 

うう、気まずい…

さっきのカズマ達のせいでなんか意識してまう…

 

めぐみんはすでに真っ赤になった顔を抑えた後だったが、やはり俺と一緒でさっきの事が気になるのか、無言でやや下を向きながら俺の横をトコトコと歩いていた。

 

 

「あー…とりあえず装備屋の場所を教えてもらえると…助かります…」

 

「あ、そうですね。えっと…こっちです」

 

俺が歯切り悪そうに話すと、めぐみんも同じく歯切れ悪そうに話しながらきょろきょろした後、指をさした。

 

「お…そっか。ありがと」

 

俺はお礼を言ってめぐみんの後をついていく。

 

 

 

装備屋へ向かっている途中、俺とめぐみんはあれから一言も話さず歩いていた。

 

無言。ずっと無言です。

うん、無理やこれ

 

「あーもう!この気まずさは嫌やわ!」

 

俺がうがーっと唐突に叫ぶと、めぐみんはビクッと体を震わせて驚いていた。

 

「っ!?びっくりした…いきなりなんですか?」

 

「気まずいねん!こんな初デートで緊張してるカップルみたいな雰囲気嫌やわ!」

 

「カ、カップル!?」

 

めぐみんはカップルと聞いてつい反応する。

 

って、さっきも思ったけどめぐみんって恋人とかカップルとかいう言葉に敏感なんか?

 

「例えじゃー!!確かにカズマの言葉は恥ずかしかったけどここまで引きずらんでもいいやろ!子供か!」

 

俺がからかうと、めぐみんは負けじと言い返してきた。

 

「っ!なにおう!?そんなのフウマだってさっきまで思いっきり引きずってたじゃないですか!!」

 

「う…そーやけどもう気にするのは終わり!!せっかくめぐみんと二人で装備買いに行こうとしてるんやから、楽しくしたいし…!」

 

「ッ!じゃあちょっと顔赤くするのやめてくださいよ!!」

 

めぐみんは顔を赤くしてそう言いながら俺の体をぽかぽか叩いてくる。

 

「うっさい!めぐみんも赤いやん!!」

 

「いきなりそんな事言われたら誰でも赤くなりますよ!!」

 

「なりませーん!めぐみんが単純すぎるんですー!」

 

「む!私は単純じゃないです!!」

 

「ふーん!?すぐ顔赤くなるのになー?」

 

「ハッ!そんなこといいながらフウマもすぐ赤くなりますけどねー??」

 

「う…ならんし…!」

 

「もしかしてフウマも単純なんじゃないですかー??」

 

形勢逆転。

めぐみんはニヤニヤしながら攻めてくる。

 

「う…うっさい!!大体めぐみんとは顔赤くなる度合いが違うし!!めぐみんは一回赤くなったらなっかなか戻らんもんなあ!?」

 

「す…すぐに戻りますけどー!?フウマの見間違いなんじゃないですか!?」

 

「ふーん?帽子で真っ赤になった顔隠してずーっと俯いてた姿が見間違いと!!」

 

あ、また形勢逆転しました。

めぐみんのターン一瞬やったなあ

 

「そ…そうですよ!見間違いです!!」

 

「挙句の果てにギルドの床で顔を隠しながらゴロゴロ転がって…」

 

「そこまでしてないですよ!!」

 

俺が冗談という名の餌を垂らすと、めぐみんは見事に食いついてきた。

 

「ほらやっぱ見間違いじゃないやん!」

 

「あ…!ずるいです!!」

 

「ずるくないですー!まあめぐみんはまだ子供やしな!そこまで気にすることじゃないさ!」

 

「だから我は子供じゃありません!!」

 

「離れへんように手握ってあげよか?」

 

俺はニヤニヤしながら冗談ぽくそう言う。

 

 

「…………わかりました…!わかりました!!じゃあお願いします!!これで良いんですね!!」

 

え。

 

めぐみんは怒って半ばやけくそに俺の手を握ってきた。

握ってきた…握ってきたんやけど…あの、指絡まってるんですけど…?柔らか…って、違うやんか。

思ってたのと違うやんか…?

 

「え…あの…めぐみんさん?これは…?」

 

俺は顔が段々赤くなるのを感じながら、ポカーンとした表情でめぐみんの方をみる。

 

「ふん!知りません!!ほら、もうすぐ着きますよ!」

 

そう言って俺の手を引くめぐみんの顔はあまり赤くなっていなかった。

 

 

もう俺の顔は真っ赤なんですけども!

 

 

――――

 

 

装備屋は先程の場所から少し歩いたところにあった。

 

「着きましたよ…」

 

やはり恥ずかしかったのか、先程よりも顔を赤くさせてそう言ったあと、繋いでた手を離すめぐみん。

 

あ…。

 

 

ち…違うし!別にしゅんってなってないし!

あーよかった!離れてくれてよかった!

……。

 

「あ…ほんまやな。じゃあ入ろか!」

 

「ですね。……なんかちょっと悲しそうじゃないですか?」

 

めぐみんはそう言いながら不審な目でこちらを見てくる。

 

「は…はぁ!?気のせいちゃう!?」

 

俺が少し取り乱しながらそう言うと、めぐみんは、ふーん…と信じて無さげなジト目でこちらを見た後、軽くため息をついた。

 

「まあ、いいです。とりあえず入りましょうか」

 

そう言うとめぐみんは中へ入っていく。

俺もふと我に帰って後ろをついていった。

 

 

 

「いらっしゃい!」

 

中に入ってみると、ガタイの良い店員さんが迎えてくれた。

 

ふと周りを見ると、壁や棚、籠などに装備類がたくさん置かれてあった。

 

やっぱ日本にはこういうの中々なかったからテンション上がるなあ!

 

「おおっ、武器に防具にアクセサリー!結構色々あるんやなあ!」

 

俺はその光景にめぐみんの横で驚く。

 

「そりゃあ装備屋ですからね」

 

めぐみんに軽くツッコミを入れられる。

しっかりツッコんでくれるところ嫌いじゃないよ。

 

気を取り直して、店員さんに魔法使いであることと、魔法使いの装備一式が欲しいこと、そして予算は20万エリス程度であることを伝えた。

 

なるほど…と店員さんは少し悩んだ後、黒色を基調とした魔法使いの装備を一式持ってきてくれた。

 

「ならこいつらはどうだ?魔力増加の特殊効果がついてるぞ。その分予算は少しだけ超えちまうかもしれねぇが…」

 

おお、セットやし特殊効果も見た目も良い気するけど予算オーバーかあ…

 

「いいんじゃないですか?少し高くなっちゃいますが、効果は申し分ないですし…その…良く似合うと思いますよ…?」

 

めぐみんが少し顔を赤くして照れながら、サムズアップして賛成する。

 

「それでお願いします。」

 

はい即決しました。めぐみんにそんなん言われたらこれ選ぶしかないよな!

 

「あいよ!いやー、仲がいいじゃねえか。坊主、彼女さんを大事にしろよ?」

 

俺が真剣な眼差しで即決すると、店員さんはニヤニヤしながらそう言ってくる。

 

「「かっ…!?」」

 

俺とめぐみんはやはりあまりいじられるのに慣れてないのか、同じような反応で顔を赤くする。

それを見て店員さんは余計に顔をにやにやさせた。

 

 

「と、ところでフウマ!杖は買わないんですか?」

 

めぐみんはこの空気をどうにか変えようと思ったのか、勢いで話題を切り替えた。

 

よ、よし!ナイスやめぐみん!杖、杖…!

 

「あ、ああ!杖な!……杖?杖ってなんか効果あるん?」

 

話題を切り替えれたのはいいが、杖の効果を知らなかった俺がそう聞くと、めぐみんは少し驚いた顔をした後、腰に手を当て、人差し指を顔の横でピンと立てながら教えてくれた。

 

「杖は魔法使いの必須アイテムです!杖のあるなしでは制御のしやすさや威力に天と地ほどの差が出ますよ?」

 

え、杖ってそんな変わるんや?正直気持ち程度かと思ってた…

 

てゆうか可愛いなそのポーズ

 

「てゆうか可愛いなそのポーズ…」

 

「ふぇ!?」

 

「おーっとまちがえたーッ!!」

 

心の声ダダ漏れやんけ俺。やっちゃった…

 

めぐみんは顔を赤くしてそのポーズのまま一瞬固まった後、すぐにやめて恥ずかしそうに怒る。

 

「お、おい。我の話をちゃんと聞いてたかどうか聞こうじゃないか」

 

めぐみんは目を赤く光らせながら両手をわきわきさせてジリジリと近寄ってくる。

 

「聞いてました!聞いてましたともッ!」

 

俺は両手を上げて必死に弁明する。

 

「ふんっ!」

 

めぐみんは腕を組みながらほっぺを膨らましてプイッと横を向く。

 

あらかわいい。けど今度は流石に身の危険を感じるので絶対口には出さないようにしましょう。

 

「ガハハ!あんたら面白いな」

 

「…ってそんなことより今は杖ですよ!どーするんですか?一緒に考えてあげますから!」

 

めぐみんはふと我に返って杖の話に戻す。

 

「よし!じゃああんたら面白いからサービスしてやる」

 

面白いからサービス!?どんだけ優しいねんこの店員さん。

 

店員さんはそう言うと、奥から黒い杖を持ってきた。

 

え、何あの杖かっこい。てゆうかなんか変な紫色のモヤモヤ見えへん?オーラ的な?…気のせい?

 

横を見るとめぐみんもオーラ的なものをを感じ取ったのか、目をキラキラさせながらその杖を見つめていた。

 

「こいつはこの店1番の代物だ。この俺が言うんだから間違いない」

 

店員さんは自信満々げにそう言い切った。

 

「確かに力を感じます…どんな能力が付与されているんですか?」

 

「それは俺もわからねぇ。」

 

「なんやったねんさっきの自信」

 

俺は小さめにそう軽くツッコんだ。

 

「とりあえずこいつはサービスってことで貰っていってくれ。」

 

店員さんは気前良くニッコリと笑ってそう言った。

 

「え?いいんですか!?」

 

「フウマ!この杖はすごいですよ!なんというか、紅魔族センサーがビビビッと反応しています!!」

 

俺が驚いている横で、めぐみんがこっちを向いてぜひ貰っておくべきだという視線を向ける。

 

「ああ。こいつと一緒に冒険して、何の能力が付いているかぜひ自分で確かめてやってくれ」

 

「まかせてください!」

 

俺は即答して、思わぬ副産物に目を輝かせた。

 

ありがとうございます。と一礼してから、俺たちは装備屋を後にした。

 

 

 

てゆうかそーいえば俺の服装全身真っ黒じゃない??




〜今回はめぐみん要素多めでお送りいたしました〜

めぐみんはかわいい。

「めぐみんはかわいい」

「かわっ!?」


わからない言葉や口調や文脈のおかしなところ、誤字脱字などがあれば、コメントなどで教えてもらえると助かります!


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