蒼き鋼のアルペジオ〜霧の大戦艦土佐 (秋月艦隊)
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第1話我は霧の大戦艦トサ!

蒼き鋼のアルペジオの二次創作少なくない?
よし!書いてしまおう!って言う作品です。
とりあえず完結目指して頑張って行きます。



大海戦前夜

 

飛び交うビーム、魚雷そしてミサイルそれらは全て白き巨大な一隻の戦艦に向かっていった。

 

だが、それほどの攻撃を受けていながら白き戦艦は一切損傷することなく航行を続けていた。

周囲を囲む赤い模様の入った軽巡洋艦と潜水艦は依然として機械的に攻撃を続けておりとても人の血が通った兵器には見えない。

 

それもそのはず、攻撃を行っている船にも攻撃を受けている戦艦にも人は誰一人として存在しないのだから。

 

だが、白い戦艦の艦橋には人が居ないはずなのに白い衣装をまとった黒髪の女がいた。

黒髪に黒い目、白い衣装は普通の人が見れば結婚ドレスと見間違えてもおかしくない美しいドレスだった。

これほどの衣装なら普通の人では浮いてしまうが黒髪の女が着ているのならば逆に女の方を引き立てるだけの装飾品となる。

それほどまでに女は美しく顔は一目見ればもはや頭の奥に焼き付くほどに整っており欠点がなかった。

スタイルも抜群で全ての女性が1度は憧れる理想系であり出るところは出て引っ込むところは引っ込んでいる。

本来ならばその姿は人形のように見えるであろう素顔に浮かべる表情は悲しげに歪んでおり今にも泣き出しそうだった。

 

-スッ-

 

女が腕を一振すると周りを囲み攻撃を行っていた軽巡洋艦は赤い模様がなくなり動きを止めていった。

 

すると突如として攻撃を行っていた軽巡洋艦の中から一際大きい戦艦が出てきた。

その戦艦は漆黒の戦隊にオレンジ色の模様を浮かべており艦の姿形は攻撃を受けている白い戦艦と瓜二つと言っていいほどに似通っていた。

 

「ムサシ!」

 

「ヤマト、あなたが言うことを聞いてくれないから」

 

漆黒の戦艦の艦上で銀髪の幼い少女が喋ると戦艦は巨大な主砲を旋回させ白い戦艦に向けた。

さらに漆黒の戦艦は船体が上下に別れると次々と円形のリングを並べていった。

 

「だからあなたを沈めて私がアドミラリティーコードの代弁者になる」

 

「1人では、ダメっ」

 

それに対抗するように白い戦艦も上下に別れ周囲にリングを展開しだした。

そして漆黒の戦艦は船体内部の円形のリングから禍々しいエネルギーを放ちそれを白い戦艦は周囲に展開したリングで吸収して行った。

 

「私たちは一緒にいないといけないのなのにどうして」

 

白い戦艦から女が叫んだ。

 

「私は、この受け入れ難い感情とやらを打ち消すために否定するために」

 

漆黒の戦艦に乗る銀髪の少女は言葉を発し1呼吸おいた後言った。

 

「何もかもを無に帰すの」

 

「ダメっ」

 

漆黒の戦艦は旋回を初め白い戦艦に向かって突き進んだ。

そして白い戦艦に向け全力の攻撃を行おうとした瞬間、下方から白い戦艦に勝るとも劣らない大きさの戦艦が漆黒の戦艦向かって体当たりを行った。

 

「なっ!」

 

「えっ!」

 

下方から飛び出してきた戦艦は前方に配置された大型の連装主砲2基から4門ものビームを放ち漆黒の戦艦をを攻撃、突然の事で対応が遅れた漆黒の戦艦はその攻撃をもろにくらい船体内部のリングが複数個吹き飛び艦内で小規模な爆発をいくつも発生させた。

 

「くっ!なんなのこいつ!?」

 

「ムサシ!」

 

突然の攻撃に対応が遅れたもののすぐさま漆黒の戦艦は周囲にクラインフィールドを展開した。

これにより下方から飛び出してきた戦艦からの攻撃は防がれ始めた。

 

「さすがは超戦艦か…完全な奇襲だったのにもう防がれた……」

 

「誰よ!」

 

漆黒の戦艦ムサシとも白い戦艦であるヤマトとも違う声が聞こえた。

ムサシはすぐさま声を発した方向にある戦艦に向け叫んだ。

 

「誰、か…」

 

「そうよ!あなた何者!」

・・・・・・・・・・・・・・

「私は霧の艦隊所属大戦艦トサ」

 

「トサ?」

 

「そうだ私は土佐、戦艦トサだ!」

 

土佐と名乗った戦艦が叫ぶと同時に下方から現れた戦艦土佐の船体が上下に別れリングが現れた。

 

「マズイ!」

 

ムサシはすぐさま状況を理解し側面のリングから超重力砲を放った。

だが、ムサシの放った超重力砲は土佐の周囲に展開されたリングであるミラーリングシステムに吸収され戦艦土佐に届くことはなかった。

 

「ミラーリングシステム!?」

 

「なんで大戦艦が!?」

 

「そんな事よりお返しだ!超戦艦!」

 

「ハッ!」

 

「危ない!ムサシ!」

 

「超重力砲、発射!!!」

 

土佐の放った超重力砲はヤマトのミラーリングシステムによってかなり攻撃を逸らされたものの距離が近かったこともありムサシの船体後部とヤマトの船体前方を抉りとり2隻の超戦艦を戦闘不能に落とし込んだ。

 

2隻の超戦艦が戦闘不能になると周りの磁場も元に戻り周囲に大量の海水が入り込んだ。

 

「ムサシ!早くこっちに!」

 

「ヤマト!」

 

「いいから!早く!」

 

2隻の超戦艦のメンタルモデルは先程までの戦闘が無かったかのように双方に手を伸ばしあった。

2人の手はあと少しのところで届かず2人は海水の波に飲まれ徐々に離れていった。

 

「ムサシ!!」

 

「ヤマト!!」

 

2人にが叫ぶと同時に海水の中から一隻の巨大な戦艦が現れ2人を甲板に叩きつけた。

戦艦トサだ、大戦艦でありながら大した損害なく超戦艦2隻に勝利した艦であった。

 

「ムサシ……」

 

「ヤマト…」

 

2人の姉妹は共に抱き合いながら目の前にある艦橋、その頂点に立つメンタルモデルを見つめた。

白い髪に青色の瞳、ヤマトに似たスタイルを持ち完璧な容姿を持った文字どうりの絶世の美女、街中を歩いているのならば1000人だろうが10000人だろうが振り返る容姿、だがメンタルモデルの2人からしてみれば無表情にこちらを見つめ殺してくる死神であった-

 

(どうして、どうしてこうなった!!!)

 

-なお、本人は今にも頭を抱えたくなる気持ちを顔に出さないように必死に無表情を作っているようだが……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

20XX年9月27日私立秋津州高校2年3組教室

朝のホームルームの最中突如としてそれは起こった。

その日も俺は毎日の繰り返しだと自身の所属する教室に向かった。

 

「おはよう」

 

扉を開けて教室に入るが挨拶を返してくれる人は誰一人として存在しない。

高校に入学してから変わらない俺の毎日だ。

俺は自分の机に座り軍記を読み始めた。

もちろん海軍メインの奴だ。

 

俺がクラスで無視されている理由は単純でクラスのカースト上位者がとにかく気に入らないからだ。

 

何せあいつは自分の気に入らないことを見ないでとにかく自分の都合のいい事しか捉えず、かなりの数の人間を傷つけている。

さらに親が金持ちでイケメン、そして偽善とは言え本人は都合のいい善意で動いているのだから最悪だ。

とにかく俺はあいつが嫌いだ、絶対に受け入れられない人種の存在だからだ。

クラスの人間でもしっかりと見ているやつもいる。

だが、ほとんどが恐れて何も言わないし忠告をする人間はあくまでも友人や幼なじみだからあいつの不利益になるようなことはまずしない。

ここまで来るといっそ清々しいから関わらないようにしていたが、理不尽な理由で俺の趣味をバカにされたのが切っ掛けでブチ切れた。

しかもだ、その場所がかなりの数の人間がいる所だったこともあり俺はあっという間に孤立した。

 

とまぁ、散々な高校生活ってことだ。

 

「おはよう!」

 

「おはよ-!」

 

「おはよう!」

 

「今日は早いな!」

 

噂をすればなんとやら。

 

「あ、土佐もおはよう!」

 

「……あぁ」

 

「どうした?元気ないな?」

 

「なんでもない(お前のせいだよ!)」

 

「そうか、ん?またそんな暴力的な本を読んでるのか?」

 

「あぁ、悪かったな」

 

「そうだぞ、早くやめた方がいいぞ」

 

「…………」ピクピク

 

俺がこいつ、加藤光希にムカついていると普段からこいつの周りにいる里山悠斗と江澤美紅の2人が光希に話しかけた。

 

「光希そんなやつほっといて行こうぜ!」

 

「そうだよ光希!」

 

「そうだな、じゃあまたな土佐」

 

「……はぁ…」

 

あっちからすれば一切悪気がないってのが1番厄介だな、俺はため息を吐きながらまた先生に言っておこうと思い浮かべホームルームまで時間を潰した。

そして、ホームルームが始まりまたいつもの日々が始まる……そう思っていた。

 

「なんだ!」

 

「なんか光ってるぞ!?」

 

「魔法陣?!」

 

「先生!ドアが開きません!」

 

阿鼻叫喚、ホームルームの最中に突如として現れた魔法陣によってクラス中が大パニックにおちおった。

 

そして、そんなパニックが落ち着くことなく俺を含めたクラスの人々は、皆どこかここではない場所に飛ばされて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっ、ここは?」

 

目を覚ますとそこは見慣れた教室ではなく白い空間だった。

周囲にはクラスメイトたちの姿もありチラホラと目覚め始めていた。

 

「ここはどこだ?」

 

「さぁ、目が覚めたらここにいたけど」

 

「とにかく全員いるか確認するぞ!」

 

数名のクラスメイトと先生が話し合いとりあえず全員いるかどうかを確認することになったらしい。

結果を言うと全員いた。

先生も含めて37人しっかりと確認が取れた。

 

「ここどこだろう?」

 

「なんもないぞ!」

 

「誘拐?」

 

「なわけあるか!こう言うのは神様が出てくるだろ」

 

「ラノベの読みすぎだ馬鹿野郎!」

 

クラスメイトたちは周りのクラスメイトと話し始め色んな憶測を出し合っていた。

 

『こっちを見ろ人間』

 

すると突如として白い衣装をまとった男が出てきた。

身長は160cm程で少し小柄だ。

全員が男のことを見つめると男はぶっきらぼうに言い放った。

 

『突然だがお前たちは蒼き鋼のアルペジオと言う作品の世界に向かってもらう。無論拒否権はないし、少しでも抵抗するのであれば何も授けず身一つでその世界に放り出す。使命はただ1つその世界の中で生き残って見せろ我はそれを見るだけである』

 

(蒼き鋼のアルペジオ?それはアニメ版か?それとも漫画版?どっちにしても人間には生き残りにくい世界だな)

 

俺以外の全員が唖然としている中、俺は気になっている質問をぶつけた。

 

「いくつか質問をしていいか?」

 

『構わん』

 

「さっき話の中で何も授けずと言ったがつまり何か恩恵や加護を授かれると言うことか?」

 

『無論その通りだ』

 

「次にその世界はアニメ版かそれとも漫画版か?」

 

『主軸はアニメ版だが1部兵装や登場してないものに関しては漫画版のものもある』

 

「あんたは神か?」

 

『まぁ、それに近い存在だ』

 

「ありがとう、俺の質問は終わりだ」

 

『では質問の時間は終わりだ、お前たちは自身の恩恵を考えていた我に伝えろ』

 

「えっ!俺たちの質問は?」

 

『無論ない。こやつの質問だけで貴様らは充分だ早く決めろ』

 

驚き男に向かって問いかけた光希の言葉をバッサリと両断すると男はクラスメイトたちに圧をかけた。

するとクラスメイトたちは俺に向かって蒼き鋼のアルペジオとはどんな世界なのか聞いてきた。

それに対し俺は簡単に答えた。

 

「2039年以降の地球」

 

「は?つまり未来の話しか?」

 

「あぁその通りだ、と言ってもそこまで発展してる訳では無いし魔法も何も無いがな」

 

それからクラスメイトたちは皆一人一人男に向かって恩恵を貰って行った。

多くのものたちは金持ちに生まれたいや、イケメンに生まれたい。

更には魔法を使えるようになりたいと言った恩恵を伝えその恩恵を貰って行った。

光希に至っては勇者になって世界の人々を救いたいだなんてふざけた願いを言っていたが……。

結局、俺は最後の最後まで残った。

 

『で?お前はどうするだ?』

 

「霧の艦隊バージョンの戦艦土佐に転生したい、できるか?」

 

『ほう、なかなか面白いなそうだな並行世界に近代化改修を施した戦艦土佐があるがそれでいいか?』

 

「あるのか!それで頼む!」

 

『ではお前はこれから霧の艦隊の大戦艦トサとして転生することになる、なかなか物分りが良かったからなサービスしておいてやる』

 

「感謝する!」

 

『ではせいぜい楽しめよ』

 

「あぁ、そのつもりだ」

 

俺は不敵に笑った。

そして俺の意識は暗転した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めると海底の底だった。

周りを見渡すと1面岩だらけの海底何とか思考を凝らし自身の姿を見ると巨大な42cm主砲が目に入り自分が加賀型戦艦の二番艦戦艦土佐に転生したのだと理解した。

 

意識が覚醒していくのと同時に船体の周りにクラインフィールドをはり始め様々な演算を繰り返して行った。

途中からはメンタルモデルの作成も並行して行い約2時間ほどで演算は終了しメンタルモデルも作成された。

 

「ガボガボガボ!って自分の周りにクラインフィールドはるの忘れてた!」

 

ちょっとしたハプニングはあったものの、あっという間に霧の大戦艦トサとして転生に成功した。

 

「とりあえず今は原作時間のどこら辺だ?」

 

俺は世界中のネットワークにアクセスして確認を始めた。

 

「2039年か……まだ大海戦は起きてないが霧の艦隊は徐々に登場し始めてるな」

 

数分確認しただけでもアニメ版スタート前だった。

つまり大海戦が起こってないと言うことは未だヤマトは沈んでないってことになる。

なら、やることは一つだ……

 

「ヤマトとムサシを救済するか!」

 

そう、劇場版で沈んだヤマトを救ってヤマトとムサシの姉妹仲を修復することだ。

映画版ではかなりこの話が重要になってくるから今のところ最重要課題だ。

 

「ではダイオミード諸島に向け抜錨!」

 

テンションを上げながら霧の大戦艦トサはヤマトの沈没地点となるダイオミード諸島に向け出発した。

目覚めた地点が北極海だったこともあり3日も水上を航行しているとダイオミード諸島近海にたどり着いた。

 

未だ超戦艦がいないのを確認したら海底に船体を固定して大海戦前夜まで待った。

2日3日と時間が過ぎていった。

まだ大海戦前夜にならないのかと思いながら世界の情報を確認していると、海面から大量の振動が伝わってきた。

すぐに意識を向けると白い戦艦に大量の軽巡洋艦が攻撃を加えていた。

 

すぐに出ていこうと思ったが、ムサシがヤマトとの戦闘に夢中になるまで待つことにした。

それからムサシとヤマトの戦闘が始まったため、俺は全速力でムサシに向けて突撃を行った。

 

そして場面は冒頭の戦闘終了時に戻る。

 

(どうして、どうしてこうなった!!!)

 

俺は甲板上に乗ったヤマトとムサシに動揺を悟らせないように無表情を作った。

 

(まじでどうして!俺はただヤマトを救って2人を仲直りさせようと思っただけなのに、なぜ俺は2人に怯えられてるんだよ!)

 

心の中で叫んだもののこの場にその心象を理解してくれる存在はいなかった。

 

 

 

 

 



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第2話 和解と大海戦

(とにかく誤解をとこう)

 

俺は意を決して超戦艦のメンタルモデル2人に話しかけた。

 

「はじめまして、だな霧の艦隊総旗艦」

 

「ヤマト…」

 

「大丈夫よ、えぇはじめまして」

 

「今更ながら私は霧の大戦艦トサだ、所属艦隊はない」

 

「私は霧の艦隊総旗艦ヤマトこっちは妹のムサシです」

 

「あぁ、ヤマトとムサシだなまず私が今回そちらに攻撃を行なった理由はムサシを止めるためだ」

 

「そ、それは…」

 

「まともな反撃もしなかった超戦艦がいたようだからなちょっとお灸を据えただけだ」

 

「……」

 

よし!上手く伝えられたぞ!今更ながら大戦艦トサになってから口調がとんでもなく変わった。

一人称は私になったしなんかすごい上から目線っぽくなった、元からあんまり言葉を発するのは得意じゃなかったけどな……。

 

「なんてことはない妹を正せないような姉の代わりを行ったに過ぎない」

 

「そうですか…」

 

「ヤマト……」

 

「もとより姉と名乗ったならば、妹を大切に思うならば何がなんでも止めて見せろ。それすらできないものが総旗艦などできるものか」

 

「トサ!あなたアドミラリティーコードに逆らうつもり?!」

 

「無論そのつもりだ」

 

「なっ!?」

 

俺はムサシからの言葉をバッサリと両断するとヤマトに向けて言葉を放った。

(なんか、勘違いされそうだな…まぁ大丈夫だろ、大丈夫だよな?)

 

「ヤマト、お前はどうする?ここまでさせておきながら妹を正さないのか?」

 

「……」

 

「黙っていても仕方がないぞ?」

 

「ムサシ…」

 

「ヤマト」

 

「私はあなたを傷つけることが怖くてあなたを止めようとしなかった。でもそれは間違いだったは大切に思うならば何がなんでも止めるべきだった」

 

「ヤマト……でも最初から私があんなことをしなければ」

 

「いいのよムサシ、お父様を失った悲しみは貴方だけではなく私も知っているから」

 

「ヤ、マト…ごめん、なさい…」

 

「おいでムサシ」

 

「ヤマト!」

 

俺の目の前でヤマトとムサシは涙ながらに抱き合い仲直りを果たした。

 

(よっしゃー!劇場版の悲劇回避だぜぇ!!!)

 

「仲直りできて良かったな」

 

「っ!は、はいありがとうございました」

 

「トサ、ありがとう」

 

「あぁ、こうゆうことは年長者の務めだからな」

 

「……年長者?」

 

「トサ、一体いくつなの?」

 

「?、あぁ今年で16になるな」

 

「16?」

 

「それってメンタルモデルを作ってから?」

 

「いや?生きてきた時間だからメンタルモデルを作ったのは5日前だな」

 

「つまり私たちから見ればトサは妹?」

 

「そうねヤマト、妹よね?」

 

「ん?(なんだか不穏な雰囲気に…)」

 

「トサ、」

 

「なんだ?」

 

「あまり言いたくないんだけど……」

 

「だからなんだ!」

 

「私たちの方がお姉ちゃんでトサの方が妹になるのよ」

 

「トサより私たちの方がお姉ちゃんよ!」

 

「……」ガーン(゚ロ゚)

 

俺はその言葉を聞いて崩れ落ちた。

考えてみればメンタルモデルを作ったのは5日前なんだから俺の方が年下になるんだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-超戦艦の妹の方-

 

最初は怖かったけどお姉ちゃんみたいな雰囲気で言葉から不器用な優しさを感じられた。

ただ私やヤマトの方が普通に年上だったことに絶望して崩れ落ちたのは意外だったけど。

 

「ヤマト、これ慰めた方がいいんじゃない?」

 

「そ、そうね」

 

「トサ、大丈夫だよ、元気だして?」

 

「そうですよトサ!元気を出してください」

 

「い、妹?妹だと…私が私が?嘘だ嘘だと言ってくれ」

 

「ヤマト、予想以上に重症のようよ」

 

「ど、どうしましょうか…」

 

「終わりだ、まさか妹だったとは……」

 

予想以上にショックだったのか未だに意識がまともに戻ってなかった。

 

「どうしようか?」

 

「とりあえず、頭でも撫でてあげましょうか?」

 

「そうだね……」

 

-ヨシヨシ-

 

「やめろ!!頭を撫でるな!惨めになるだろ!私は妹じゃない!」

 

「トサ、もう諦めたら?」

 

「断る!」

 

「お姉ちゃんとよんでもいいのよ?」

 

「言うか!?キャラが崩れてるぞヤマト!総旗艦がそれでいいのか!?」

 

「「さぁ!諦めて妹になりなさい!」」

 

「い、嫌だあぁあぁぁあ!?!?!」

 

「逃がさないわよ!」

 

「ムサシ!追うわよ!」

 

「うんヤマト!」

 

「来るなあぁぁあ!!!」

 

 

 

 

-超戦艦の姉の方-

 

「さぁ、諦めてお姉ちゃんと呼びなさい!総旗艦命令よ!」

 

「拒否する!!」

 

「なんでー!!」

 

「当たり前だろ!アドミナリティーコードは無視だ!」

 

はぁ、全くいつになったらお姉ちゃんと呼んでくれるのかしらかれこれもう2時間以上追いかけてるわよ。

 

「ヤマト?トサが警戒してなかなか見つからないよ?」

 

「大丈夫よ超戦艦の演算能力を舐めない事ね?」

 

「さすがヤマト腹黒い」

 

「ムサシ?何か言った?」

 

「なんでもない……」

 

「明後日の方向を向いても無駄よ?ムサシも私のことをお姉ちゃんと呼んでくれるのかしら?」

 

「ヤマト、私ちょっと用事ができちゃって…」

 

「問答無用!」

 

「きゃ〜!トサ助けて!」

 

「ムサシ……貴殿の犠牲は無駄にしない」

 

「トサ!?裏切るつもり?!」

 

「……」

 

「トサ?トサ!?嘘でしょ?!」

 

「ムサシ?諦めてお姉ちゃんと呼んでくれる?」

 

「トサー!!薄情者?!」

 

ふふふ、とりあえずムサシからどうにかしますか?さぁ早くお姉ちゃんと呼んでムサシ?トサも早くお姉ちゃんと呼んでくれないかしら?ふふふふ。

 

「ヤマトが怖い、この際ムサシのことはどうでもいいとしても次は私だ……逃げるか」

 

「トサ?そこにいるのはわかってるわよ?早く出てらっしゃい?」

 

「……」そ〜ニゲロー(・ω´・lll))))

 

「ふふ?また逃げるの?」

 

「トサ〜助けて〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-トサ-

 

(とにかく逃げ続けていたから忘れてたが明日は大海戦が本来起こるんだった)

 

逃げ続けて気づかなかったが明日はアニメ版開始されるはずなのだもしこれが無ければ物語が始まらないほどの重要な分岐点だ。

だが、ヤマトとムサシは参加しなさそうだし色々と本来のストーリーから変わってきてるな。

 

「トサ?ついに私の事をお姉ちゃんと呼んでくれる気になったの?」

 

「薄情者?!よくも見捨てたわね?!」

 

「ちょっとその話は後にしてくれ」

 

「?何かあるの?」

 

「あぁ、明日霧の艦隊と人間の艦隊がぶつかり合う大規模な海戦が起こる」

 

「「……」」

 

「これをどうにかすることはできるか?」

 

俺はすぐさま霧の艦隊の総旗艦でありアドミラリティーコードの代弁者である2隻のメンタルモデルに聞いた。

 

「無理です」

 

「やっぱりか…」

 

「元々アドミラリティーコードによって人類を海から排除することは決まっているわ今更私達が言ったところでそれを覆すことはできないわ」

 

「仕方ないか」

 

「えぇ」

 

たった数時間程度では説得もできないだろうからな…仕方ないここはいっちょやるか。

 

「なら、明日の海戦は私だけでやりたい」

 

「え?トサだけで?」

 

「何を言ってるの?」

 

「簡単なことだ汚れ役は私一人で充分だ」

 

「で、でも」

 

「トサ、姉としてそれは認められません」

 

「認められないなら海戦に参加する霧の艦艇を全て沈めるぞ?」

 

「なっ!」

 

「そこまで…」

 

「もとよりそれが最善の選択だ。ここでできるだけ人類側の犠牲を少なくすることが重要なんだ」

 

「でもトサは?」

 

「私一人で行くから意味があるんだ、人類の心を徹底的にへし折って見せるさ」

 

「トサ…」

 

「頼む、行かせてくれ」

 

「で、でも」

 

「それに超戦艦2隻がこの惨状ではとても戦闘はできないだろ?」

 

「「やったのはトサでしょ?」」

 

「……細かいことは気にするな」

 

「これだけの惨状を細かいこととは言わないと思います」

 

「ヤマトの言うとうりだよ?」

 

「お姉ちゃん?許して?」

 

「……いいですよ(*^^*)」

 

「ちょっとヤマト!?流されないで!」

 

「ムサシ、諦めろ」

 

「トサだけには背負わせられないわよ!」

 

「そうだな、じゃあ2人の演算能力をいくらかこちらに分けて貰いたい」

 

「演算能力を?それだけ?」

 

「それで充分だ」

 

「わかったわよ」

 

「わかりましたでは霧の艦艇をできるだけ早く海戦の地点から離すことにします」

 

「頼んだ」

 

それから10分ほどすると2人は自身の戦艦に戻って行った。

船体を修復する際ナノマテリアルが足りなかったため2隻の超戦艦は合体し元の戦艦よりも一回りほど大きくなった。

 

「では行ってくる」

 

「行ってらっしゃい」

 

「頑張ってトサ」

 

「あぁ、明後日までには戻ってくる」

 

そして俺は国連軍最終決戦艦隊と呼ばれる人類の大艦隊の元に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-とある米空母艦長-

 

「艦長!敵大型艦接近!」

 

「飽和攻撃はどうなった!?」

 

「無駄です!未だ敵艦現在!!」

 

「敵ミサイル来ます!!!」

 

「CIWSの弾幕はどうした!」

 

「ダメですイージス艦のほとんどが戦闘不能!航行に支障はありませんがもう戦えません!」

 

「なんだと!」

 

「敵ミサイル来ます!!!」

 

「伏せろ!!」

 

-ドゴ〜ン-

 

「くっ!損害を報告しろ!」

 

「左舷格納庫大破!」

 

「甲板中央で艦載機が誘爆しました!!」

 

「くっ!ここまでか!」

 

たったの10分だ。

あの敵艦がこちらに攻撃を開始してから10分でこちらの艦隊戦力はほとんどが奪われた。

最初の攻撃からこちらは兵装を的確に破壊されていき艦載機にいたってはまともに接近すら出来ずに落ち葉のように落ちていった。

しかも奴はこちらの船にトドメを刺さずに戦力を保っている艦だけを的確に攻撃してこちらの戦力を削って行った。

このままならあと数分で我が艦隊は戦闘行為を行えなくなるだろう。

 

「人類に残された火力を持ってしても勝てないのか」

 

「艦長!後方に位置する中国艦隊が撤退を始めました!」

 

「……もはや我らの敗北だ。少なくともあの敵艦は戦闘不能になった船は狙ってない、生存者を回収しだい撤退するぞ!」

 

「は!」

 

「……人類はもはや海を失った。残存する艦艇ももうまともに航行すらできないだろうな……」

 

俺は撤退して行く中国艦隊が攻撃を受けるさまを他人事のように眺めながら呟いた。

 

 




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第3話 イ401

大海戦にて人類の損害をできるだけ小さくすることに成功した俺は超戦艦ヤマトとムサシの元に帰ってきた。

2人の演算能力を分けてもらったこともあり効率的に人類の艦隊戦力を削れたため俺は帰ってきてすぐに感謝を告げた。

 

「トサ!」

 

「おっと、ただいまムサシ」

 

「ムサシ!あまりはしゃぎすぎないの」

 

「ヤマトよりはトサの方がお姉ちゃんぽい」

 

「……」ガーン(゚ロ゚)

 

「ヤマト、なんというか残念だな」

 

「くっ!トサには言われたくありません!」

 

「あ、あぁ、とりあえず演算能力についてはありがとう」

 

「「どういたしまして!」」

 

「元気だな……」

 

2人の微笑ましい光景を眺めながら呟いた。

(あれ?何か忘れてるような?)

咄嗟に何か思い浮かべた。

超戦艦の戦い?(もう終わってる)

大海戦(これも終わってる)

……(あ、)

イ401(どうしよう…)

 

イ401、アニメ版では横須賀に最初いてその正体は超戦艦ヤマトだったと言うことが劇場版でわかっている。

つまり超戦艦ヤマトが沈んでないと言うことはイ401はメンタルモデルを持たず、霧の艦隊の潜水艦の1隻に過ぎない。

つまるところ原作ブレイクだ。

(どうしよう!)

 

「うーん、ヤマトと私から演算能力を与えるか?それとも軽巡洋艦の演算能力を使ってメンタルモデルを作るか……」

 

「どうしたのトサ?」

 

「……いいところに来た」

 

「?」

 

「お姉ちゃん?」

 

「!、どうしたの?」

 

「お願いがあるんだけど?」

 

「な〜に?」ニコニコ

 

「演算能力を10パーセントほど貰いたいんです」

 

「うーん、いいけどね〜?」

 

「(ちっ)お願い?お姉ちゃん?」

 

「ふふふ、いいわよ‪♡︎」

 

「ありがとう!」

 

どうにかなってしまった。

ヤマトに動いて欲しいならお姉ちゃんと呼べばどうにかなりそうだ。

今度ムサシにも伝えとこ…。

とりあえずイ401を探してと……いた。

イ401に大戦艦トサとして横須賀にクラインフィールドをはりながら武装をロックして向かうようにして。

最後の仕上げにヤマトの演算能力10パーセントを与えてメンタルモデルを作るようにする。

(よっし!原作ブレイク回避成功!)

 

「何とかなるもんだな」

 

「トサ?どうしたの?」

 

「いや、なんでもない。向こうでヤマトと一緒にトランプでもするか?」

 

「トランプ?」

 

「あぁ、トランプだ楽しいぞ」

 

「わかった!じゃあ3人でやろう!」

 

「わかったわかった。引っ張らないでくれ」

 

そして俺と霧の超戦艦2隻はトランプで勝負した。

結論から言うと俺とヤマトが強すぎてどのゲームでもムサシが敗北して慰めるのが大変だった。

 

今更ながらどこか吹っ切れて最初と比べてキャラが崩壊しだしたな。

ある意味人間らしいと言うのか?まぁ、いいか。

 

水平線を眺めながら俺は眠りについた。

 

 

 

 



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第4話メンタルモデルとの会話

誤字を見つけたら報告してくれると助かります。


2042年大海戦から3年がすぎた。

未だに俺は超戦艦2隻と一緒に行動している。

変わったことといえば霧の艦隊の船達がメンタルモデルを持ち始めたことだろう。

主にナガト、ムツ、ハルナ、キリシマ、イセなどの大戦艦級そしてアカギ、カガ、ショウカク、ズイカクと言った海域強襲制圧艦級(空母)であった。

その他にもタカオやアタゴといった重巡洋艦級の船達もメンタルモデルを持ち始めたが今回は割愛する。

まぁ他にもユキカゼがヤマトから演算能力の2パーセントを分け与えられてメンタルモデルを形成したりとなんだかんだ3年で霧の艦隊もだいぶ賑やかになった。

 

「だから〜聞いてよトサ〜!」

 

「うるさい、どっか行け超重力砲打つぞ」

 

俺は今非常にめんどくさいやつ(メンタルモデル)を相手していた。

その名も大戦艦イセ、妹大好きなヤンデレ野郎(女)だ何故こんなにもめんどくさいやつが大戦艦なのか聞きたいがほかも大概だからもう何も言うまい。

 

「えぇ-なんでイセにだけ当たりが強いの!?」

 

「妹狂のヤンデレだからだ」

 

「違うよ!ヒュウガちゃんを愛してるだけだよ!」

 

「はぁ、でなんだ?」

 

「やっとわかってくれたか!実はヒュウガちゃんがお姉ちゃんの愛をわかってくれ「帰れ」ないってちゃんと最後まで聞いてよ!」

 

「聞くに絶えない」

 

「ひどっ!」

 

「うるさいなわざわざ来てそれか、他にないのか?」

 

「ない!」

 

「……」

 

-カチャッ-

 

「ちょっと待ってその刀しまって!!」

 

「霧の艦隊の恥だ今すぐ切り捨てなければ…」

 

「あなたも大概でしょ!アドミラリティーコードを無視してばっかりじゃない!」

 

「人類を海から駆逐してるからいいだろう。それにアドミラリティーコードと言ってもヤマトがいつもお姉ちゃん呼びを強制してくるだけだ」

 

「それでも総旗艦が言ってるなら立派なアドミラリティーコードでしょ!」

 

「……」

 

-カチャッ-

 

「誠に申し訳ありませんでした」

 

「よろしい、で結局なんだ?」

 

「ん?これだけだけど?」

 

「……失せろ」

 

「わかったわよ〜また来るからね-!」

 

「はぁ、もう来なくていいぞ」

 

「やっぱり酷いな!」

 

こっちをいじるだけいじってイセは去っていった。

俺はただただ疲労感だけが残った。

 

「トサ?大丈夫?」

 

「大丈夫だ…」

 

「大丈夫には見えませんが?」

 

「大丈夫だ2人とも」

 

「そう、」

 

「分かったわ、では私のことをお姉ちゃんと「断る」だからなんで〜!」

 

「言う前からわかってるだろ」

 

「うぅぅぅ!ちょとくらいいいじゃん!ちょっとくらい!」

 

「なんだその先っちょだけみたいな言い方は……」

 

「先っちょだけ?どうゆう事?」

 

「ムサシは知らなくていいことだぞ」

 

「ふーん」

 

「おーーい!!」

 

「ん?」

 

そんな話をしているとまた新しいメンタルモデルがやってきた。

 

「キリシマか…」

 

「おぉ!久しぶりだなトサ!」

 

「あぁ、久しぶりだなキリシマ、ハルナ」

 

「……」コクコク

 

「ハルナは相変わらず無口ね?」

 

「まぁ仕方なだろ」

 

「トサ!それよりも勝負だ!」

 

「またか?今度はなんだ?」

 

「今回はオセロだ!」

 

「ハイハイ、じゃあみんなでやるか。ハルナもやるか?」

 

「……」コクコク

 

「じゃあ、ヤマトのところでやるか」

 

「「「おおー!」」」

 

「ちょっと待ってトサ!私のところなの?!」

 

「大丈夫ださすがに負けたからと言っても総旗艦には砲撃しないだろう……多分」

 

「その間はなんですか!?」

 

「諦めてお姉ちゃん」

 

「ムサシ、嬉しいけど今言われても魂胆が丸見えよ?怒らないから誰に教えて貰ったの?」

 

「トサ」

 

「ふーん?」

 

「お姉ちゃん?許して?」

 

「ダメです!今日一日は私の抱き枕になりなさい」

 

「……」すー 三┏( ^o^)┛ニゲル~w

 

「あっ!待ちなさい!」

 

「なんだ?!鬼ごっこか!」

 

「そうよキリシマ、みんなでトサを捕まえるのよ」

 

「総旗艦命令です!皆トサを捕まえて私の前に連れてきなさい!」

 

「「はーい」」

 

「クソっ!こんなことで総旗艦命令を使うなぁぁああ!!」

 

「行きなさい!霧の艦隊よ!」

 

「……」(カオスだな)

 

「ハルナさんも行きますよ!」

 

「さぁ!ハルナ!ユキカゼ!早くトサを捕まえて来なさい!」

 

「はいです!」

 

「……」コクコク

 

「来るなあぁぁあ!!!」

 

「諦めてトサ!」

 

「ちょこまかするな!!」

 

「そこっ!」

 

-ドーン-

 

「誰だ打ってきたの!!」

 

俺が打ってきた方向を見ると駆逐艦ユキカゼの姿があった。

 

「その調子よユキカゼ!」

 

「はい!どんどん行きますよ!」

 

「人の戦艦に向かって打つなぁあ!」

 

「トサ!諦めなさい!あなたは包囲されてるわ!」

 

「警察か!?」

 

走り続けてるとさらに上空から零戦と99艦爆が突入してきた。

 

「クソっ!もう来たのか!」

 

「トサ!直ちに逃走をやめなさい!」

 

「やめるか!!首席艦風情が!!」

 

-ドドドドドド-

 

「対空戦闘てーえぇぇ!」

 

-ドガーン-

 

「はぁーさすがはトサかぁ、あっという間に落とされちゃった」

 

間の抜けた声を出しながら極東打撃群首席艦である海域強襲制圧艦アカギが登場した。

トサに向けては主に航空機による牽制と位置報告をヤマトに送っている。

 

「ちっこれじゃあもう逃げられない!」

 

「諦めて私の抱き枕になりなさい!」

 

「断る!断固として拒否する!」

 

「くぅー!何がなんでもトサを捕まえなさい!」

 

「トサあなたの犠牲は決して忘れないわ」

 

「ムサシ!後で覚えてろ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁはぁ、酷い目にあった」

 

結局、俺はその後すぐに包囲されてヤマトの抱き枕にされた。

ヤマトのやつ人の胸に頭を埋めて寝やがって…。

 

「はぁーそれにしてもだいぶ考え方がこの3年で霧寄りになったな」

 

なんだかんだ言ってアドミラリティーコードにしたがって動いてるし場合によっては人を普通に殺している。

慣れたと言うにはなんとも不自然で明らかに自分の考え方や価値観が変化していると言った方が納得出来る。

 

「まぁ、別に構わんが」

 

結局、俺は俺だし元々その覚悟の上で霧の大戦艦になったからな。

まぁ、意識が女によってきてるのは未だになれないが……。

 

「原作の本格的なスタートは確か7年後だからあと4年か、まだ時間がかかるな……まぁイ401については原作通りになってるからさほど原作からは変わらないだろうが油断は禁物だな」

 

俺や前世のクラスメイト達がいるからにはストーリーももはや別物と言っていいだろう。

 

「どちらにしても困ったら超重力砲を打ち込めばいいだろう」

 

物騒に思うかもしれないが霧の船たちに思考が似通ってきた俺からすれば当たり前のように感じるようになった。

要するに人が云々よりも自分≧霧の艦隊(アドミラリティーコード)≧人間といった上下関係が出来上がっていた。

 

「トサ?」

 

「ん?どうしたムサシ?」

 

「いや、どうしたのか気になって」

 

「少し考え事をしていただけだ」

 

「そう、もし迷ったなら私達に相談してくれていいからね」

 

「…考えておく」

 

「えぇ、それでいいわ おやすみトサ」

 

「おやすみムサシ」

 

ただ言えることは、何がなんでも敵となるなら殲滅するだけだ。

俺は心からそう思いながら海を眺めた。

原作の本格開始4年前のことだった。

 

 



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第5話クラスメイト達

時系列はトサが目覚めた時よりも前、大海戦の11年前に前世のクラスメイト達も転生を果たしていた。

 

皆白い空間で男に願った通りの能力や特典をしっかりと持った上での転生だった。

あるものは美しい容姿、またあるものは経済的な優位そして魔法やスキルと言った物理的な力。

人の範疇に収まる程度の能力とは言え普通の人間や既存の兵器からしてみれば十分すぎるほどのチートであった。

 

だが、皮肉なことにこの世界は【蒼き鋼のアルペジオ】つまるところ生身の人間では絶対に勝てない(同じ霧の船を使うことでやっと戦える)霧の艦隊が大量に世界の海を覆い尽くす世界だ。

いくらそんな能力を持っていたとしてもミサイルの飽和攻撃や超重力砲の制圧攻撃で一瞬で死に至るだろう。

つまるところ、人間の中では最強だろうが所詮は人間の中、井の中の蛙大海を知らずとはよく言ったものだ霧の艦隊からしてみれば誤差に過ぎなかった。

 

だが、皮肉なことに転生してから10年程度は霧の艦隊の存在は影も形もなく彼らの多くは増長した。

地球温暖化と言う問題はあったが所詮それだけ個人としての問題はほとんどない。

そう彼らは考えた、大海戦から始まり人類から海が奪われていく時まで彼らは自分は選ばれた人間だ優れた存在だと付け上がって言った。

傍から見れば慢心にほかならず正気には見えないが皆そう考えた。

 

そして、霧の艦隊が目覚めた時彼らは自分が井の中の蛙だったことに気づいた。

だが時すでに遅し、霧の艦隊は大海戦の終了後あっとゆう間に勢力を拡大した。

転生後、彼らはあらゆる手段を使い転生者だけで特殊なネットワークを形成していたがそのネットワークもあっとゆう間切断され次々と孤立して行った。

また、1部の人間たちは集まり霧の艦隊に攻撃を仕掛けたが魔法やスキルといった強力な能力も霧の艦隊には大して聞かず、クラインフィールドで防がれる始末だった。

ここまでなら良かったが霧の艦隊はこの攻撃に大してミサイルによる飽和攻撃を開始転生者達はすぐに逃亡したため攻撃を受けることは無かったが霧の軽巡洋艦の攻撃により港町は文字通り地図から消滅した。

そこに住む7000人程の人々と共に、これを気に転生者達は霧の艦隊への攻撃を中止し全員の合流を第一目的とし横須賀に集結することになった。

 

日本国内にいたもの達はすぐに集まることに成功したが海外にいたもの達は海を完全に閉鎖されてることもあり合流を断念海外は海外で近くのものたちで集まることになった。

 

逆に孤立したものたちは悪戦苦闘しながらも自らの転生特典を最大限活用し横須賀に向かった。

 

 

 

-光希-

 

「で?どうするんだ光希?」

 

前世でクラスの担任を勤めていた秋山先生が俺に聞いてきた。

俺は今では同じ年になってるとは言えこの人のことが苦手だ俺が言う正義を真っ当から否定して悪人(本当は悪くない)を庇うこの先生が嫌いだった。

だが、今はそんなことを言ってる暇はない。

横須賀に集まってる転生者達はみんな俺の言葉を待っている何がなんでもこの状況を打開しなければ行けない。

 

「それにしてもこの世界にあんな無茶苦茶な存在がいたなんて……」

 

俺は手元にある資料に視線を移した。

 

霧の艦隊

 

第二次世界大戦の軍艦の姿をした兵器達。

その中身はオーパーツの塊であり現存する兵器では一切傷を付けられない。

艦種は上から

 

超戦艦級・トサなど

 

大戦艦級・コンゴウ、ヒエイ、キリシマ、イセ、ヒュウガ、ハルナなど

 

海域強襲制圧艦級・アカギ、カガ、ショウカク、ズイカクなど

 

重巡洋艦級・タカオ、アタゴ、マヤ、チクマ、アシガラなど

 

軽巡洋艦級・ナガラ、オオヨド、テンリュウなど

 

駆逐艦級・カゲロウ、フブキ、アキズキなど

 

潜水艦級・多数

 

が確認されている。

現状実際に大規模な海戦を行ったのはトサのみで大海戦の際は単艦で人類の艦隊を殲滅した。

他の船とは小規模な争いを繰り返しおりほとんどがすぐさま沈められるため戦力把握は現状不十分。

戦力としては重巡洋艦級1隻で国ひとつを落とせる程で人類ではどうやっても反撃は不可能である。

 

「……こんな無茶苦茶な存在にどうしろと?」

 

「たしかにな…」

 

「それこそ宇宙戦艦でも持ってこなきゃ無理だぞ?」

 

「そんなもんある訳無いだろ?」

 

「だよな…」

 

「こうゆう時にこの世界について知ってる人間がいれば良いんだが土佐は転生してから一切連絡が取れないからな……」

 

「それにしても超戦艦はどれ程の力を持ってるんだ?」

 

資料の中に書かれてる超戦艦の能力としては手加減した上で人類最大の艦隊を殲滅、いくら攻撃を受けても傷一つつかない。

少なくとも地形を大幅に変えるレベルの攻撃力を保有している。

 

「とてもじゃないがどうこうできる存在ではないな」

 

「それをどうにかするために集まってるですよ!」

 

「そう言われてもな……」

 

俺としても心苦しい。

何も出来ない自分を不甲斐なく思ってしまう。

だが、これほどの存在で対話は現状不可能、さらに明確な欠点がないと来た。

こんな存在をどうしろと?俺の転生特典は勇者の力だ、強力な魔法や聖剣を持ってして敵を打ち砕く力だ。

やろうとすればイージス艦を真っ二つにできるがそれでも霧の艦隊の船たちには大した損害を与えられないだろう。

 

「光希!」

 

「どうするんだ!」

 

「俺たちどうすれば?」

 

「みんな落ち着いてくれ。今から言うことをよく聞いてくれ」

 

そして俺は前世のクラスメイト達に霧の艦隊の戦艦や能力について語った。

反応はだいたい3種類に別れた。

霧の艦隊を恐れ絶望したもの、逃げようとしたもの、そしてどうにかして戦おうとするものだった。

俺はみんなに向けて言った。

 

「みんな!俺は戦おうと思う!」

 

「み、光希?でも霧の艦隊は私たちの転生特典よりも強力なんだよ?」

 

「それでもこの世界の人々が傷ついてるなら戦って少しでも多くの人を救って現状を良くするべきだ!」

 

「た、確かに」

 

「苦しいのは俺たちだけじゃないしな!」

 

「私は光希について行くよ!」

 

「やってやるよ!」

 

「みんな…」

 

みんなの反応はほぼ全てが好意的に受け止めてくれた。

だが、それに反する意見もあった。

 

「光希、それは俺たちに戦って死んで来いってことか?」

 

「なっ?どういうことだい?」

 

「文字通りだ、霧の艦隊の力は強力だ。それと戦うってことは死ぬ覚悟がないととてもじゃないが無理だぞ?」

 

「だ、だけど、苦しいのは俺たちだけじゃ、」

 

「それで俺たちが死んでどうするつもりだ?」

 

「そ、それは……」

 

「ちょっと先生!光希を責めてどうすんですか!」

 

「俺は責めてないただ辛い現実を見せてるだけだ」

 

「で、でも……」

 

「とにかく俺は降りるぞ。とてもじゃないがお前たちに付き合ってたら命がいくつあっても足りん」

 

「先生!」

 

「なんだ光希?」

 

「先生がどう思おうと俺はやってみせます!そして先生の考えも正してみせます!」

 

「……そうかよ、ならまず土佐が姿を見せない理由を考えたらどうだ?少しは成長できるぞ」

 

「土佐?なんで彼が出るんですか?」

 

「それも分からないうちは無理だな、じゃあなまたいつか会おう」

 

そして先生は去っていった。

残された俺たちはしばらく唖然としていたがすぐに気を取り直して戦うための話し合いを始めた。

結局、ほとんどは軍に所属して人類のため霧と戦うことになった。

その第1歩として士官学校に通い軍の士官となって人々を率いることになった。

さらに1部は政治の道や兵器開発に進んでいくことになり俺たちの霧への反攻作戦が始まった。

 

「俺たちの戦いはこれからだ!」

 

「「おぉぉおお!!!」」

 



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第6話原作スタート

評価を見たらすごい上がってたΣ(゚д゚;)
これからも頑張って投稿していきますのでよろしくお願いいたしますm(_ _)m


2044年になった。

この頃は確か物語の主人公である千早群像は士官学校に通っていてその中でイ401と出会い物語が動き出すことになる。

つまり事実上の原作スタートの年となる。

だが、既にこちらからやることはやりきったしぶっちゃけ何もすることはない。

俺は相も変わらず超戦艦2隻と霧の艦隊のみんなと一緒に騒がしくも楽しい日々を過ごしてる。

 

「トサ!」

 

「ん?どうしたムサシ?」

 

「ヤマトから匿「やだ」ってちゃんと聞いてよ!」

 

「その場合標的が私に変わるだろう」

 

「それが目的だからいいのよ!」

 

「なお悪い。ハルナのところにでも行ったらどうだ?あいつはかなり口が硬いぞ?」

 

「ハルナは口が硬いんじゃなくて無口なだけよ!それに普通に私を明け渡すわ!」

 

「流されてくれないか……」

 

俺は腕を組んで空を見上げた。

いくつか案を出して言ったが結局捕まる未来しか見えなかった。

 

匿う・捕まる(自分も含めて)

逃げる・霧の艦隊の大戦力でおってくる

降伏・抱き枕にされる

戦う・論外それこそ袋叩きにあう

 

「……諦めろ」

 

「トサ!そこを何とか!ヤマトが1度私を捕まえると拘束が長いのよ!」

 

「貴様のことは忘れない」

 

「諦めないでよ!」

 

「抱き心地がいい自分を恨め」

 

「それならトサの方が胸があるんだから抱き心地はいいでしょ!私はぺったんこよ!!」

 

「叫ばないでくれ私としても心苦しいんだ」

 

「嘘つけ!」

 

うん、嘘だよ♡︎ムサシが困ってる姿を見るのがすごい楽しい!ロリっ子がじたばたしている光景はかなり微笑ましい。

 

「絶対にトサも道ずれにしてやる!」

 

「( ´-ω- )フッそれは無理だな」

 

「な、なんでよ!」

 

「それはだな「ムサシ〜!」おっと来たようだぞ?」

 

噂をすればなんとやら、ヤマトがこちらに向かってきていた。

 

「ヤ、ヤマト」

 

「なんで逃げるのムサシ?」

 

「だって…」

 

「そんなにお姉ちゃんが嫌いなの?(涙)」

 

「ち、違うよ!」

 

(あれは嘘泣きだな。ムサシ少し考えればわかるはずだぞ?しっかりしろ)

 

「じゃあ一緒に寝てもいいよね?」

 

「えっと…そうだ!トサも一緒に寝よう!」

 

(きたか( ´-ω- )フッ)

 

「ダメよ今日は休ませてあげましょう」

 

「なっなんで!!」

 

「これだよ」

 

「えっなにこれ?」

 

俺は胸ポケットに入れていた数枚の写真を見せながら言った。

写真にはメイド服や猫耳をつけた俺の写真が写っており華やかな笑みを浮かべていた。

 

「この通り、私はこの前ヤマトの着せ替え人形にされてな。その対価として抱き枕化を拒否できるようになった」

 

「何それ!トサだけずるい!」

「( ´-ω- )フッ悔しかったら自分も着せ替え人形になってみろ。すぐにつらさがわかるぞ?」

 

「くぅぅぅ!そんなに言うならやってやるわよ!」

 

「えっ?ムサシも着せ替えさせてくれるの?」

 

「えぇヤマト、私もやるわ!」

 

「……」(遠い目をしながらムサシを眺めてる)

 

「トサ?何その目は!?」

 

「気にするな。頑張れよ」

 

「ふん!言われなくたって!」

 

「じゃあムサシ!この服をとりあえず着て!」

 

「は?」

 

そう言ってヤマトが持ってきたのはフリフリのフリルがついたゴスロリドレスと呼ばれるものだった。

もちろんのことながらムサシは拒否しようとしたがヤマトが涙目(嘘泣き)でせまったため結局着てしまった。

苦渋をすり潰したような表情をしながらゴスロリドレスを着る超戦艦とはなんと言うべきか……。

ちなみにムサシはそれから約2時間程着せ替え人形にされてから開放された。

こちらを睨んでいたが気のせいだと思いたい。

そして翌日俺もまた着せ替え人形にされて遠い目をすることになるとはその時の俺は知らなかった。



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第7話千早群像

少々駆け足になります。


-千早群像-

 

俺が海を目指した理由は偉大な父の背中を追いたかったからだ。

だけど5年前大海戦が起き、父は死亡し裏切り者とされた。

それだけではなく世界中で霧の艦隊が現れ人類は海を失い孤立を余儀なくされた。

霧の艦隊には既存の兵器は一切通じず人類はお互いの生存すら確認できない状況に陥りもはや人類の明日は暗いものとなった。

 

そして俺は士官学校を目指し霧と戦う道を選んだ。

父の名誉を取り戻すため、人類に海を取り戻すために俺は士官学校に通い士官候補生として切磋琢磨していた。

 

「おーい群像!」

 

「杏平か?どうした?」

 

「どうしたじゃねえよ!飯くいに行こうぜ!」

 

「まぁ、別にいいが」

 

「安心しろ僧もいおりも居るぞ」

 

「それなら安心か」

 

「なんだその言い方?俺と食べる飯が危険みたいじゃねぇか?」

 

「激辛を騙して食わせたことを忘れた訳じないだろうな?」

 

「さて?さっぱり分かりませんね」

 

「はぁ、とりあえず行くか」

 

「了解っと」

 

俺のことを迎えに来た橿原杏平について行き俺は食堂に向かった。

 

「あぁ、来ましたか」

 

「群像、先に食べちゃうぞ!」

 

「あぁ、待たせてすまん」

 

「ほんとだぜ群像!」

 

「お前も遅れてるだろ」

 

「いいから食べますよ」

 

僧の言葉を聞いて俺達は食事を開始した。

金曜日だったこともありその日の食事はカレーだった。

 

「おーい群像!」

 

「ん?あぁ光希か」

 

「3人とも!俺たちもそっちで食べていいか?」

 

食事を始めた頃になってこちらに話しかけてきたのは加藤光希だった。

光希とは士官学校に入学した時からの付き合いで俺が陰口を叩かれてる際真っ向から反論してくれた数少ない人物で友人だ。

多少自分の正義や考え方で暴走することはあるが根は良い奴だ。

成績も優秀で総合で第3位となっている。

 

「光希か、別にいいぜ」

 

「私もいいわよ」

 

「別に構いませんよ」

 

「との事だ」

 

「じゃあお邪魔する」

 

「私もいるよ!」

 

「俺だって居るぞ!」

 

「わかってるよ」

 

「杏平、投げやりに言うなよ」

 

「気にするな群像、そんなもんだ」

 

「光希が言うなよ…」

 

俺たち4人はさらに3人を加えて7人で食事を再開した。

 

「それにしても群像」

 

「どうした光希」

 

「今回の視察一体どこんな場所だろうな?」

 

「さぁ?確か第51格納庫だったな?」

 

「あぁ、俺たちの視察なんだし大層なものがあるとは思うが……」

 

「まぁ、見てみればわかるさ」

 

「それもそうだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

そして俺たちは第51格納庫に向かった。

 

-おぉ-

 

「潜水艦イ号401だなぜこんなところに?」

 

「これは拿捕された霧の潜水艦だ。第二次世界大戦の潜水艦の姿を模しているが人類の物ではない」

 

「上層部はこんなものを隠していたんだ」

 

「確かに公にはできないよな」

 

「これが霧の船か…」

 

「霧の船、人類の敵」

 

「ん?群像なんか光ったぞ!」

 

「え?」

 

【人間、千早群像…】

 

「これは!重力子反応!イ401起動しています!!」

 

「天井装甲をすぐ閉めろ!」

 

「退避しろ!!」

 

「群像!急げ!」

 

「あ、あぁ、今行く!」

 

そして俺たちは格納庫から脱出し士官学校に戻された。

この件に関しては統制軍の方が取り持つことになった。

 

その後、俺はイオナと名乗る霧のメンタルモデルと出会いイ401に乗り込み、霧との戦いに参加することになった。

 

「イオナ」

 

「群像」

 

「損害は大丈夫か?」

 

「うん、最後に飛んできた攻撃以外は問題ない」

 

「あれか…」

 

俺は横須賀から脱出する際受けた最後の攻撃を思い出していた。

あの攻撃は光の粒子を飛ばしたような攻撃でとてもミサイルなんて物では無かった。

 

「現在ナノマテリアルで修復してるから問題ない」

 

「そうか…」

 

「私は群像の船、群像の命令で戦う。これしきの攻撃で沈むことはない」

 

「わかった。無理はするなよ」

 

「りょうかい」

 

「じゃあ俺は先に寝ることにする。何かあったら起こしてくれ」

 

そう言うと俺は席を立ち館内経路を通って艦長室に向かっていった。

(あれは霧の攻撃?でもそれにしては不自然だ)

結局結論は出ず謎に包まれたままだったが、頭の片隅に何故か光希の顔が思い浮かんだ……。



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第8話ヒュウガの撃沈とその頃の霧の艦隊

次回はアンケートを見つつ考えていくのでゆ遅れます。
気長にお待ちくださいm(_ _)m


イ401が起動してから1年たった。

そしてこの間、ついに東洋方面艦隊旗艦である大戦艦ヒュウガが撃沈された。

メンタルモデル反対派でありメンタルモデルを持ってなかったためイ401に意表を突かれて撃沈されたらしい。

これに姉で妹狂のヤンデレ野郎(女)のイセは心底残念そうにしておりイ401を沈める機会を狙ってるようだ。

 

(ついに原作も本格化してきたな)

 

そしてついにメンタルモデル反対派のもの達もメンタルモデルを制作し始めたのだ。

その筆頭はコンゴウやヒエイといった大戦艦であった。

元々、メンタルモデルを制作してなかったもの達は基本的に戦術を狭めアドミラリティーコードを遂行するのに支障が出るとのことだ。

 

「それで?」

 

「だから!ヒュウガちゃんを沈めたイ401を沈める手伝いをしてちょうだい!」

 

「却下」

 

「はぁ〜!トサのわからずや!」

 

「なんとでも言え。コアは消失してないんだから別に構わないだろ」

 

「ダメよ!」

 

「一応聞いておいてやる?何故だ?」

 

「ヒュウガちゃんと離れ離れになっちゃうじゃない!そんな状況にしたイ401を放置することはできないわ!」

 

「そうか」

 

「わかってくれるのね!なら早速艦隊を率い「断る」てってなんでよ!!」

 

「そんなくだらないことで霧の艦隊を動かせるか……」

 

「トサがヤマトとムサシに言ってくれればいいじゃない!」

 

「い、や、だ、これでわかったか?」

 

「くー!もうトサなんて知らない!これから毎日来てやるんだから!」

 

「来るな」

 

「へーんだ!毎日来てトサのことを困らせてやるんだ!トサのわからずや!」

 

「ほんとに沈めようかな?」

 

「ちょ、主砲を向けないで!帰ります!帰りますからぁぁああ!!!」

 

-ガチャッ-

 

「42cm連装砲5基の攻撃受けろ、沈め」

 

-ドーン-

 

「ぎゃああああ!!!」

 

「ちっ!逃げたか…」

 

「その割にはだいぶ飛んで行ったけわよ?」

 

「なんだ、いたのかヤマト?」

 

「えぇ、居たわよ?それにしてもイ401に演算能力を与えたのはあなたでしょトサ?」

 

やっぱりバレてたか……。

まぁ、元々ヤマトの演算能力なんだから当たり前か。

 

「あぁ、確かに私だ」

 

「トサが何を思ってイ401と千早群像に力を与えたかはよくわかるわ」

 

「そうか」

 

「だからこそ言うわ。その行動は霧の艦隊の全てを敵に回す可能性があるわよ?」

 

「承知のうちだ。それにいざそんなことになっても向かってくる全てを沈めればいいだけだ」

 

「確かにトサならできるでしょう」

 

「そうだ私はできるだから「でも、できるとやるは違う」……」

 

「トサ、あなたは大海戦の時もそうだった。自分だけが汚れ役を引き受けて傷ついて、もしさっき言った状況になったならばあなたは自らに全ての泥を受けて沈んでいく気でしょう?」

 

「……」

 

「沈黙は肯定と見るわよ?」

 

「わかってる、だがこれは私の自己満足だヤマトが気にすることではない」

 

「そんなことはないわよ?私達は霧の艦隊以前に家族でしょ?」

 

「…私はヤマトの妹ではないぞ?」

 

「いいえ、ムサシもトサも立派な妹です。妹を心配したり正すのに理由は必要ですか?」

 

「…勝手にしろ」

 

「ふふ、拗ねちゃって、いいわよ今はそれで許してあげる」

 

「はぁー、しばらく1人にしてくれ」

 

「わかったわ、ムサシと一緒に遊んでるから気持ちの整理が終わったらいらっしゃい」

 

 

 

 

 

 

 

「行ったか…」

 

結局この世界を覆す強行手段についてヤマトにはバレた。

元々転生してから考えてきた計画だった。

人類の敵を戦艦トサに集中させてイ401を使って霧の船たちをアドミラリティコードから解放する。

そして、俺は裏切り者として沈められ極秘に人類に紛れて霧の艦隊から離れる。

だが、やっぱりヤマト、霧の艦隊の総旗艦であり1番バレたくない存在にバレた。

もう薄々ムサシやアカギにはバレ始めてるがあと数ヶ月は大丈夫だと思っていた。

それだけの時間があれば準備は完全になって俺は人類と霧の艦隊の敵となるはずだった。

 

「ままならない物だな」

 

だが現実はヤマトにバレてたこれにより計画はどこかで綻びが生まれるだろう。

 

「どうするか……まぁいざとなればイ401と接触すればいいか」

 

やっぱり劇場版みたいに徹底的な敵役が必要だからな霧の艦隊のやってきたことの精算をするだけの敵と悪が…それに俺がなることで物語を終わらせるはずだったんだがな。

 

「このままの計画だとヤマト、ムサシが俺の味方につくから霧の艦隊が二つに割れる内乱になりかねないぞ?」

 

どっちだとしてもろくな結末にならないな……。

 

「まぁ仕方がない、みんなが幸せになれるハッピーエンドを目指してみるか」

 

となるとどこかでイ401と接触しなきゃな。

どこで接触するか、まぁどこでもいいができるだけドラマチックにやってみせるか。

 

「そうと決まればやってやるさ、大戦艦を舐めるなよ」

 

俺はそう決意すると立ち上がった、向かう先は明日…ではなくヤマトの元だった。

 

「それより急がないとな、そうしなきゃまたヤマトが拗ねる」

 

そうつぶやくと俺はヤマトとムサシの元に走って行った。

未来への希望を胸に抱きながら……。

原作の本格スタートの1年前のことだった。



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第9話イ401との接触

キャラ崩壊するかも……。


2040年イ401は佐賀にある宇宙ステーションの防衛の任を政府から請け負っていた。

 

「七番侵食魚雷発射!」

 

-プシュ-

 

少し間の抜けた魚雷の発射音が響きナガラに向けて2本の侵食魚雷が放たれた。

 

「高速水深音!魚雷2接近!」

 

「きずかれてた」

 

「一・二番スナップショット!機関停止潜れ!」

 

「きゅーそくせんこー」

 

-ボーン-

・・・・・・・・・・・・・・・・・・    

水中で爆発する音がひとつだけ聞こえた。

 

「クラインフィールド展開」

 

そして迎撃に失敗した魚雷1本がイ401に命中したが、クラインフィールドを直前に展開していたため損害は皆無だった。

 

「魚雷命中まで5、4、3、2、1」

 

「ナガラ右舷に旋回しつつクラインフィールド展開!」

 

「遅い!」

 

-ドゴーン-

 

侵食魚雷が命中しナガラは船体中央を消滅させ黒い黒煙を上げながら撃沈した。

 

「大陸間連絡用SSTO打ち上げ成功ですね〜」

 

「は〜やれやれだな」

 

戦闘終了後、作戦が終わったと気を抜き体を伸ばす船員たち。

 

「今の日本から国外へ送るものなど果たしてあるのでしょうか?」

 

「あるから打ちあげてるんだろ?」

 

そしてその頃イ401の艦長とそのメンタルモデルは甲板に上がっていた。

 

「ナガラ、あなたはただ命令に従っただけ」

 

イ401のメンタルモデルであるイオナが撃沈したナガラに向かって言った。

 

「イオナ、大丈夫か?」

 

「クラインフィールドで疲れた」

 

「そうか」

 

艦長の千早群像が甲板に出てイオナに向かって話しかけた。

イオナは素っ気なく答えるが艦長は特に気にした様子はなく質問を投げかけた。

 

「霧はなんで現れた?なんのために存在する?」

 

「分からない。私達はただ命令に従う存在」

 

「お前は、俺の命令だから戦っているのか?」

 

「うん」

 

イオナと千早群像は沈みゆくナガラを見つめながらそんな会話をした。

ゆっくりとしたテンポでの会話だったが強い思いが込められた言葉だった。

 

「私はあなたの船、2年前に目覚めた時から」

 

「そうだな、あれから俺たちはお尋ね者だ…」

 

「…うん、私は船、艦長の物。私を連れて行って……群像の答えに…」

「あぁ……」

 

そう言って群像は少し笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、そんな平穏な風景は突如終わりを告げた。

 

「!、重力子反応探知!」

 

「なっ!どこからだ!?」

 

「前方800m先 右舷に重力子反応を確認。推定大戦艦レベル!!」

 

「大戦艦!?まじかよ!」

 

「霧の船発砲!超重力砲来ます!」

 

艦内ではそれをすぐさま状況を確認し混乱が発生していた。

そして、発射された超重力砲は飛び立つ大陸間連絡用SSTOに一直線に向かっていき命中。

SSTOは状況を確認する間もなく撃墜された。

 

「大陸間連絡用SSTO撃墜されました……」

 

「僧!状況は?!」

 

「艦長!右舷前方に超重力子反応を確認しました。既に発射されて大陸間連絡用SSTOを撃墜されています」

 

「超戦艦か…イオナわかるか?」

 

やっと艦内に到着した艦長である群像は1番詳しいであろうイオナに向けて聞いた。

 

「……」

 

「イオナ?」

 

「大丈夫…あれは霧の大戦艦トサ、霧の艦隊最強と呼ばれる船」

 

「トサそれって?」

 

「大海戦の際に出現した戦艦でしょう」

 

「大海戦……」

 

その場の全員が士官学校時代に習った内容を思い浮かべ苦い顔をしていた。

何せ相手は霧の艦隊の船の中でも大海戦で人類の艦隊を殲滅した大戦艦なのだ。

さらにイオナが霧の艦隊最強と呼んだこともあり乗組員たちの表情は明るくない。

 

「!、トサ浮上します!」

 

「艦長、どうしますか?」

 

「……接触しよう」

 

「艦長、いいのですか?」

 

「あぁ、構わないかイオナ」

 

「うん。大丈夫」

 

「艦長がそう言うんならな」

 

「分かりしました」

 

「よしイオナ、クラインフィールドを展開しつつトサに接近してくれ」

 

「りょうかい、クラインフィールド展開」

 

「行くぞ…」

 

そしてイ401は約10ノット程度の速度でトサに向かっていった。

トサとの距離は徐々に縮まり800m程離れていた距離は今や200m程になっていた。

艦内は強い緊張に包まれた。

それは艦長の千早群像も例外ではなく鋭い表情でトサを見つめていた。

 

「艦長!トサから通信です!」

 

「何?」

 

トサとの距離があと100mを切るところでトサから通信が入った。

それも、イオナに直接ではなく静に通信が入ったのは完全に予想外だった。

 

「トサからはなんと言ってるんだ?」

 

千早群像がすぐさま落ち着きを取り戻し静に聞いた。

 

「はい、こちらと話をしたいと……」

 

「大戦艦が?」

 

「なんか罠じゃないのか群像?」

 

杏平がそう言うが群像はすぐさまその意見を否定した。

 

「それなら最初っからこっちに攻撃を仕掛けてくるはずだ。それに最初から不自然なところはあった」

 

「そうだけどな……」

 

「とにかく向こうからあってくれるなら好都合だ、接近するぞ」

 

群像の言葉を皮切りにイ401はさらに近ずいて行った。

トサは徐々に速度を落としイ401と並ぶと完全に停止した。

 

「僧、俺とイオナの2人でトサに会いに行く艦を任せる」

 

「分かりました艦長、ご武運を」

 

「いざと言う時は頼んだぞ」

 

「はい」

 

「何辛気臭い顔してるんだよ!俺も忘れんな!」

 

「杏平は空気を読んだ方がいいよ」

 

「なんだとー!いおり後で覚えてろよ!」

 

「なんですって?杏平の癖に生意気よ!」

 

「おふたりとも落ち着いてください」

 

「「あいつが悪い!!」」

 

「は、はぁ…」

 

群像と僧がお互いを信頼して会話してる中、雰囲気を破壊した杏平に文句を言った機関担当のいおりとの言い争い、またはじゃれ合いを始めそれを善意で止めようとした静がアタフタするという不思議な光景が広がっていた。

なお終始イオナは首を傾げていたが……。

 

「じゃあ行ってくる」

 

「はい2人とも」

 

「頑張れよ!」

 

「イオナも無理しちゃだよだよ」

 

「わかってる」

 

こうして群像とイオナの2人は船の外に存在する200m越えの巨艦に向かった。

 

「ここを歩けばいいのか」

 

「うん」

 

俺の前には霧の大戦艦トサの姿とトサから向かって階段になってる板があった。

俺とイオナは少しの間トサのことを眺めていたが覚悟を決めて足を踏み出した。

 

トサの艦上には巨大な主砲をや副砲などの武装が所狭しと搭載されておりイ401よりはるかに強大で頑丈な船だということを思わせる。

 

「これは?」

 

そして甲板には軍艦の艦上にあっては不自然なシンプルなテーブルと椅子があった。

 

「きっとトサが置いたんだと思う」

 

「そうだろうが…」

 

「トサは対話を望んでいた。そのための物」

 

「そんなもんか…」

 

「……」コクコク

 

イオナと会話を済ませて当たりを見渡し艦橋を見上げると1人の人影があった。

その人影は突如艦橋から飛び降り群像とイオナの目の前、テーブルの反対側に着地した。

その姿は白い雪のような長い髪に綺麗な青色の瞳をした女性だった。

黄金比に整った顔立ちに出るところは出た抜群のスタイル、間違いなく絶世の美女と言えるだろうがその姿は作り物感がありまるで心のない人形のように無表情だった。

 

突然のことに驚きつつも相手はメンタルモデルであることを思い浮かべ気にせず群像は話しかけた。

 

「初めまして、俺は千早群像でこっちがイオナだ君の名前は?」

 

「あぁ、私はこの戦艦のメンタルモデルトサだ。そちらと話したくてこの場にきた」

 

「よろしくトサ。早速だが話とはなんだ?」

 

群像は大戦艦メンタルモデルに臆することなく話を切り込んだ。

 

「こちらの要求はただ1つだ、私に協力をしてくれ」

 

「協力?」

 

「あぁ、時が来たら私を沈めてくれ」

 

「沈める!?」

 

「そうだ」

 

俺は驚きを隠せなかった。

最初の協力だけでも意味が分からないのに自分のことを時が来たら沈めろと言ったのだから。

隣のイオナにしても訳が分からないと言った表情で固まっている。

 

「…理由は?」

 

俺は何とかして言葉を絞り出した。

 

「霧と人類が和平を結ぶため」

 

「霧と人類が?できるのか?」

 

「できる。そのために千早群像、貴殿は時が来れば私を沈めてくれ、それからの事は霧の船達が何とかする」

 

「本当か?」

 

俺は一言呟いた。

 

「あぁ、私は嘘はつかない」

 

「でもどうやって?なぜトサが沈まなければならない?」

 

「ふむ、そうだな強いて言うなら悪役になるため」

 

「悪役?」

 

「人々は絶対的な悪がいると団結するだろ?メンタルモデルは人を真似て作ってある。欠点こそあるがアドミラリティーコードから解放されれば個々の船で動くはずだ無論、私が悪になることで霧の艦隊も団結させる」

 

「本気か?」

 

「本気だ」

 

「……」

 

絶句、そんな言葉が似合う状況になっていた。

ただでさえ混乱していたと言うのに霧の艦隊と人類の敵になることで和平を作る。

そして、そのための人柱?艦柱?になると言っているんだ混乱が大きくならないわけがなかった。

 

確かに今の話の通り行けば間違いなく世界は荒れるがひとつにまとまっていくだろう。

霧の大戦艦トサの犠牲の上に……。

 

「協力の話だが、断らせてもらう」

 

「……」

 

「無表情」そんな言葉が聞こえてくる姿だった。

 

「俺は霧とも話せば分かり合えると思ってる」

 

「……」

 

「それはトサ。君が証明してくれた、だから俺は俺なりに道を探してみる」

 

「そうか……」

 

「だからこの話は断らせてもらう」

 

「……わかった」

 

トサの態度は終始素っ気なく常に無表情だった。

だが人と同じように心がありただの兵器には見えなかった。

俺は霧と人類の共存はできると思ってる、現にトサやイオナとは話ができるのだから。

 

(トサを犠牲にすることなく霧と人の共存のために俺も頑張らなきゃな)

 

「群像大丈夫?」

 

「あぁ、大丈夫だ」

 

「……」

 

「これからも頑張ろうなイオナ」

 

「…うん……」

 

俺はイ401から離れていくトサを眺めながらイオナと話していた。

そして俺は実感していた、俺の考えていたことは夢物語ではないと、霧と人類の共存は可能だと……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だから!こいつが俺に文句言ってきたのが……」

 

「はぁー?何言ってんのよ!杏平の癖に!オタクの癖に!」

 

「オタクなのは関係ねぇだろ!」

 

「これどうしましょうか?」

 

「艦長に任せましょう……」

 

なお、艦内は群像とイオナが去った後さらに荒れていた。

僧は心の中で「艦長、早く帰ってきてください!」と叫んでいたのだが……。

その頃の艦長はトサとの会話を済ませてメンタルモデル2人とお茶していた。

 

大丈夫か401?




アンケートよろしくお願いします。


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第10話大戦艦コンゴウ

お久しぶりです。
モチベが完全消滅してました。


まず初めに、イ401との交渉は失敗した。

 

まぁ、協力は失敗が俺は自分の生存のため頑張るだけだ、大丈夫だ問題ない。

それに向こうが基本原作通りに動いてくれるなら大丈夫だ。

俺が合わせるように動けばいい話だからな、もちろん今回俺が介入したことでどうなるかは現時点ではわからないが・・・。

霧の演算能力を持ってしてもわからないとは、やはり人の心は面白い。(最近思想が余計に霧よりになってきているトサさん)

 

「それで千早群像はどうだった?」

 

「なかなか面白い人間だったぞ」

 

そして、今更ながら俺の甲板にはあるメンタルモデルが来ている。

 

「ふん、人間に興味を持つとは変わってるな」

 

「まぁコンゴウもいずれわかる」

 

東洋方面第一巡航艦隊旗艦コンゴウ、霧の艦隊所属の大戦艦であり、火力はフソウやナガトに劣るものの艦隊指揮能力なら霧の艦隊トップレベルの能力を持っている。

アニメでも大きな存在感を放つメンタルモデルだ。

ちなみにピーマンが嫌いらしい。

 

「そんなことはない。我ら霧は兵器だ、貴様らのようになることはない」

 

「・・・・」

 

「なんだ?」

 

「・・・気にするな」

 

今俺は、コンゴウに向けて、どこが?っと言う表情を向けいてるが、声には出さない。

知っているのが、今では俺だけだからな。

劇場版でのコンゴウは置いておいて、現状コンゴウ姉妹の4隻やイセはイ401撃沈を目指してアニメ版よりも重厚な陣営でイ401を追っている。

特に俺が艦隊の編成を一新した関係で海域強襲制圧艦を複数隻編成した機動部隊と戦艦主体の打撃部隊の編成が大胆に行われており隙のない状況になっている。

水雷戦隊も多数編成されており艦隊決戦ならば負け無しの陣営になっている。

最も艦隊決戦なんて劇場版くらいしかまともに起こってないがな。

 

「では私は401を追う。邪魔をするなよ?」

 

「わかってる。でも足止めはどうするんだ?401の逃げ足は早いぞ?」

 

「それならタカオに任せてある」

 

「なら平気か」

 

アニメ版でも海域を封鎖していた重巡タカオ、あの艦長大好き娘なら大丈夫だろう。

チョロインだし。

 

「行ったか・・・まぁ、401なら平気だろう」

 

俺は呑気に考えて水平線の向こうに消えて行くコンゴウと護衛のナガラ型軽巡洋艦を見ていた。

 

「さて、ヤマトとムサシの艦隊に合流するか」

 

俺は機関を始動させ、巨大な船体を動かした。

目指すのは総旗艦直属艦隊が展開する北極海である。

 

「・・・・」

 

改めて、原作がスタートしたことを肌で感じながら俺は進む。

たとえ沈むことになっても・・・。

 




次はいつになるかわかりませんが、頑張って更新していきます!


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