オリ主ヒロアカ世界で極制服を着る (ゴロゴロ鼠)
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第1話

気づいたら転生していた。

 

 

・・・・・・

 

 

突然何を言っているんだと思うだろうが事実だ、キルラキルと言うアニメをスマホで寝ながら見ていたら手が滑ってスマホが顔にぶつかった。そこまでは覚えているが、もしかして俺の死因は顔面にスマホが激突したから?

 

 

まあもう確認のしようが無いのでこれからの話をしよう。

 

俺が転生したのは『僕のヒーローアカデミア』と言世界の人口の約8割が個性と言う特殊な能力を使える世界に俺は生まれた。ぶっちゃけあんまり詳しく知らないのだがどうしよう

 

そして俺にも個性は出た、この社会では一部の例外を除き〝個性″を使ってはいけない(まあ中には簡単に人を殺せる威力の〝個性″を持っている人もいるので当たり前だろう)しかし〝個性″が発現するのはほぼ全員が幼稚園生の時、ほぼ全員が自身の〝個性″に酔い、更に〝個性″が強力だと酷く酔うやつもいる、例えば個性が発現しなかった無個性と呼ばれる人たちを見下すなどだ。取り合えずいじめの対象になるなどが無くてよかった

 

そして俺の個性なのだが、手から糸を出せる。蜘蛛の糸などでは無く普通の糸を

 

最初は世に言う没個性では?とも思ったがふと自分が出した糸を見るとキラキラと光っているのに気づいた。最初は凄いキラキラしてるなーとしか思っていなかったのだが、糸をじっと見るうちに糸の正体に気づき大声を上げた

 

これ生命戦維じゃん!??

 

生命戦維とは「命を持った戦う繊維」の事で簡単に言うと

 

・これを使って作った服を着ると本来の何倍もの力を引き出せる。

・服内の生命戦維の量で引き出せるパワーの量も違う。

・実力に見合わない量の生命戦維入りの服を着ると暴走する。

 

という事ぐらいだろうか。

 

 

ちなみに服では無く直接生命戦維と融合すると首を切られても再生するなどの再生能力があるが俺にはないらしい、前転んだ時も直るスピードは普通だったし。

 

そんな俺だが、この世界にはやはりと言うべきか〝個性″を使用し犯罪行為を行う【ヴィラン】という存在と【ヴィラン】を倒し平和を守る【ヒーロー】と言う存在がいる。

 

俺は将来ヒーローになろうと思った、せっかく好きなアニメの個性が出たのでこれを派手に使ってみたかったからだ。

 

職業としてヒーローがいるこの世界、色々な高校にヒーロー科と言う物がありほとんどのヒーローが何処かのヒーロー科を卒業してヒーローになっていく。そんなヒーロー科がある沢山の高校の中で俺は雄英高校と言う現在のナンバー1ヒーローオールマイトの出身校として有名だ。毎年受験者が大勢いて倍率がとんでもない事になっている

 

現在俺は中学3年だが、それまでに色々と大変だった。生命戦維は出すだけでは意味がない生命戦維単体では頑丈な糸なだけ、生命戦維を使い服を作る技術がいるし生命戦維入りの服【極制服】を十分に扱うための知識がいる

 

服の方は母親が俺と似たような個性で普通の糸を出す個性で服作りが趣味(暇な時間があれば常に針を持っていた気がする)なので服作りの基礎を教えてもらった

 

知識の方は色々な分野を片っ端から覚えて行った、生命戦維入りの帽子被ったら効率良いかなと思って被ったら本当にスポンジに水が吸収されていくみたいに簡単に覚えていくことが出来た。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「到着しましたので受験生の皆さんはバスから降りてスタートの合図があるまで待機しておいてください」

 

今までの事を思い出しているとバスが目的地に到着したようで俺を含めた受験生は巨大な門の前で待機しているのだが、その中でも俺は目立っていた。

 

周りが動きやすい服を着ているのに俺が極制服と言う見た目は動きづらそうなものを着ているからだろう。

 

後は見た目だろうか、大きな赤白く光る星が二つ描かれている制服なんて無いだろうからな

 

「はいスタート!」

 

いきなり雄英高校の実技試験がスタートした、極制服のおかげで反射神経もパワーアップしている俺は他の受検者よりも素早く動くことが出来た。そして早速現れたロボに自作の極制服の力を使うことにした。

 

「二つ星極制服・・・

 

『ぶっ殺す!!』

 

ボクシング!」

 

俺が生命戦維を使い極制服に命令を出すと制服はキルラキルに出てくるボクシング部の極制服に変わり右手に刺がたくさんついた直方体のグローブが出てくる

 

「まずは一ポイント」

 

・・・・・・・・・・

 

グローブでロボを破壊して先ほどまでの極制服の形に戻すと次のロボを探し破壊する、それを繰り返していると突然ビルが壊れその中から大きなロボが出てきた

 

「・・・これがプレゼント・マイクが言っていた0Pロボか」

 

近くにいた受験生は0Pから逃げ始めていた

 

「俺も早めに逃げないといけないけど」

 

個性を使ったからなのか走れずにヨロヨロと歩いているだけの者や先ほどビルが壊れた時の瓦礫で逃げられなくなっている者達もいた

 

「二つ星極制服  園芸」

 

背中にプランターを背負った姿に変わるとプランターの植物に水を撒く、すると植物は急成長し0Pロボに絡んで動けないようにする

 

「逃げろ、それとあいつが逃げるのを手伝ってやってくれ」

 

「わ、分かった。ありがとう!」

 

植物の一本で瓦礫をどかしてやり閉じ込められていたやつを逃がしてやり、元気そうだったので逃げ遅れたやつを逃がしてやるように言う

 

 

『試験終了!』

 

 

数分程0Pを足止めしているとプレゼント・マイクの試験終了の合図が聞こえてきた

 

ロボも動きを止めたので園芸用二つ星極制服から普通の極制服に変え、他に試験はもう無かったので家に帰った。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「さて、次の受験者は?」

 

「彼です、糸道 一身」

 

「0Pを植物で足止めしていた彼か・・・ん?シンリンカムイの様な個性かと思ったが違うのか」

 

「珍しいタイプの個性ですよね」

 

「ヴィランポイントが52でレスキューポイントが35か、総合成績はまだだが上位確実だろうな」

 

「筆記も上位の点数です、彼はヒーロー科合格ですね」

 

「しっかしこの個性ならサポートアイテムを作る会社が喉から手が出るほど欲しがりそうですけどね」

 

「そうだね、その方が今後の人生楽に生きられるだろうね。でも、楽な道があるのにヒーロー科を選んでくれたのは嬉しいのさ」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

試験から一週間ほど経った昼頃、雄英高校から手紙が届いた

 

結果を言うと合格した。一位で

 

それと試験で見ていたのはロボのP以外にどれだけ人を助けたのかと言うレスキューPの二つらしい、俺の場合は最後に0Pロボから数人を助けたのが大きかったみたい

 

あとオールマイトが雄英高校の教師になるらしい、俺の世代はとてもラッキーだったらしい。

 

 

雄英高校入学の日、割り振られたAクラスに行くとほとんどのが来ており椅子に座っていた。俺も自身の席を確認して座ると扉が開いてもじゃもじゃな髪の男子が入ってきた。

 

「お友達ごっこがしたいならよそへ行け」

 

男子が早速クラスメイトと話していると寝袋に入った男が廊下にいた、どうやらこのクラスの担任らしい

 

「早速だが全員これを着てグランドに出ろ。糸道」

 

先生が俺の名を呼ぶのでクラスの視線が俺に集中する

 

「お前は実技試験の時の服を着てこい、事前に連絡したから持ってきているな」

 

「はい」

 

先生が教室から出た後、クラスの皆は体操服を持つと更衣室へと行く、俺の場合は雄英高校のブレザーを脱いで極制服を着るだけなので皆より一足先にグランドへ行き皆を待った

 

皆が着替えてグランドに来たがとても目立っている、まあ皆が体操服なのに一人だけ制服だったら変か

 

「これから個性把握テストを受けてもらう」

 

クラスメイトがどよめくが先生は話を続ける

 

「実技入試成績のトップは糸道だったな」

 

「はい」

 

「中学の時ソフトボール投げ何メートルだった?」

 

「70メートルくらいです」

 

「じゃあ個性を使ってやってみろ、円から出なきゃ何をしても良いから思いっきりな」

 

そう言われてボールを渡される

 

(ボール投げか、一番良さそうなのは)

 

どの形に極制服を変えるかを決め、極制服を操作する

 

「二つ星極制服 テニス」

 

「なんだ!?」

 

「あいつの制服が変わったぞ」

 

「テニスのユニフォーム?」

 

「てか何だあれ!テニスラケット!?」

 

周りが俺の服が変わったのに騒いでいるが気にせずにボールをラケットで飛ばす

 

先生が手元の端末に書かれた距離を皆に見せると

 

『657.1m』

 

「650m越えか」

 

「すげー!」

 

「個性を思いっきり使えるのか」

 

「面白そう!」

 

皆が騒ぎ始めると先生は

 

「面白そうか、ヒーローになるための3年間そんな腹積もりで過ごすきでいるのかい?」

 

その言葉に騒いでいた者達は静かになる

 

「よし、8種目トータル成績最下位の者は見込みなしと判断し除籍処分としよう」

 

「「「はあああああ!?」」」

 

「最下位除籍って入学初日ですよ!?」

 

「初日じゃなくても理不尽すぎます!」

 

その言葉にクラスの皆が騒ぐが先生はこの国は理不尽にまみれている、それを覆すのがヒーローと。そして雄英高校の校訓を言い

 

「全力で乗り越えてこい」

 

先生の言葉に皆覚悟を決めた

 

(ここに居るのは倍率何百倍という雄英高校に入学してきた猛者たち、余裕は無いな)

 

最初は50m走クラス人数の関係で最後の人は一人で走らなければいけない

 

(好都合)

 

『位置について』

 

「二つ星極制服」

 

『用意・・・ドン!』

 

「自動車!」

 

『4秒27』

 

「あいつ車になったぞ!」

 

「どんな個性だよ!?」

 

第2種目 握力

 

この種目では特に役に立ちそうな服が無いのでシンプルに二つ星極制服としての能力を使う

 

『231kg』

 

 

それからも第3種目、第4種目と続いていくが特に目立った成績を残せたのは

 

持久走

長座体前屈

立ち幅跳び

 

だった

 

持久走は車で楽だった、俺の他にバイクを出している女子もいた。何人かが先生にあれは良いのかと聞いていたがOKだった

 

長座体前屈は折り紙部の極制服を使い高記録を、立ち幅跳びも同じく折り紙部の極制服で鶴の形になり空を1分ほど飛んでいると∞という記録になった

 

途中もじゃもじゃ頭の男の子が先生に何かを言われていたりもじゃもじゃ君が好記録を出したら爆発の個性を持つ子に襲われそうになったりと色々あったが全部の種目を終え結果を見ると

 

『2 糸道 一身』

 

となっていた

 

その後、あのもじゃもじゃ頭君が最下位の様で暗い表情だったが先生の除籍は嘘、君らの個性を最大限引き出す合理的虚偽という言葉に顔がおかしなことになっていた

 

とりあえず誰も除籍にならずに良かった

 

その一度教室に戻り帰ろうとすると

 

「なああんた、さっきは凄かったな!名前は?」

 

「君は?」

 

「俺は上鳴 電気よろしくな!」

 

「糸道 一身だ、よろしく」

 

上鳴と話していると他の者達も集まって自己紹介をして俺の個性の話になる

 

「糸道ちゃんの個性って不思議よね、車になったり折り鶴になったり。糸道ちゃんだけ体操服じゃなかったのと関係があるの?」

 

「梅雨ちゃんの言う通り、俺の個性はこれだ」

 

俺は皆に見えるように手から生命戦維を出す

 

「ケロ、綺麗な糸ね」

 

「只の糸じゃないのか?」

 

「この糸の名は生命戦維、生きた糸だ」

 

「生きた糸?」

 

「まあ簡単に言うとこの糸を入れ込んだ服を着ると自身の能力が何倍にもなると思っていてくれ」

 

「てことはあの服を着ると俺たちも車に変身したりするのか!?」

 

「まじでか!」

 

「それは難しいな、実力が無いと生命戦維の力に飲まれて暴走するからな、この服だって全体の20%しか生命戦維は入っていない。形状変化後のあの姿も操作にコツが要るし」

 

「あの力で20%かよ」

 

「じゃあもしその生命戦維だけで服を作ったら?」

 

「作ったことが無いから分からないが・・・ヒーロランキング10位以内の強さぐらいにはなると思う」

 

「おお!」

 

「まあそれこそオールマイト級の精神力が無いと無理だろうけど」

 

話をしているとかなり時間がたっていたのでその後はお別れを言って家に帰った

 




ちなみ自動車や折り鶴になった時は顔は車の中に入れたりして隠しています。アニメ通りだと走っている時とか危ないかなと思ったので、なのでテストの時周りからは無人の車が走ったりでかい普通の折り鶴が飛んでいるようにしか見えません。

名前は良いのが思いつかなかったので纏一身の名前を貰いました。


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第2話

極制服色々種類があるしそれぞれ個性的だから書くの面白いかも


テストがあった次の日

 

昨日とは変わって午前は普通の授業だった

 

(まあヒーローに授業してもらうのは普通じゃないだろうけど)

 

昼はヒーローが作ったご飯を安価で食べられる

 

(ヒーローオタクにとっては楽園だな)

 

もじゃもじゃ頭の緑谷君が感動しているのを見ながらそう思った

 

そして午後の授業、ヒーロー基礎学では

 

「わ~た~し~が~・・・

 

 

普通にドアから来た~!」

 

教室に入ってきたオールマイトに皆が感動の声を上げる

 

「すげえ!本当に先生やってるんだな」

 

「あれ銀時代のコスチュームね」

 

教壇に上がるとオールマイトは皆の顔確認し話始める

 

「私の担当はヒーロー基礎学、ヒーローの素地を作るため様々な訓練を行う科目だ。そして早速だが今日はこれ!戦闘訓練!!」

 

オールマイトの言葉に緊張した顔をする者と好戦的な顔をする者がいた

 

「そしてそいつに伴ってこちら!」

 

オールマイトが壁を指さすと壁の一部が動いて中から番号の書かれたケースが出てくる

 

「入学前に送ってもらった個性届と要望に沿ってあつらえた〝戦闘服″!」

 

コスチュームの登場にクラスの皆が興奮していた

 

「着替えたら順次グラウンド・βに集まるんだ」

 

「「「は~い!」」」

 

俺も壁から預けていた極制服を取り出すとみんなと一緒に更衣室で着替えグラウンド・βへ向かった

 

・・・・・・・・・・・・

 

グラウンド・βに行くとオールマイトが待っており授業内容を説明してくれた

 

(2対2の屋内戦か)

 

「基礎訓練も無しに?」

 

「その基礎を知るための実践さ!ただし、今回はぶっ壊せばOKなロボじゃないのがミソだ」

 

その後も皆が次々に質問をしていってオールマイトが大変そうだった

 

詳しいルールを聞いた後くじ引きでチームを決めることになったが

 

「先生、一人余りますが」

 

「どこか1チームは3人になってもらうよ、ヴィラン戦闘の時相手と同じ人数なんてほぼ無いからね!」

 

そしてクジの結果

 

「よろしくね、糸道君!尾白君!」

 

「よろしく」

 

「3人で勝てるよう頑張ろう」

 

透明人間の葉隠さんと尾白君との3人コンビになった。まずは一回戦戦うチームの映像を見ていたが、まあ爆発個性の爆豪がヤバかったと

 

そして第2戦早くも俺たちのチームがヴィラン側として決まった

 

「糸道君、尾白君」

 

「ん?」

 

「私ちょっと本気出すわ、手袋もブーツも脱ぐわ!」

 

「あ・・・うん」

 

「おう」

 

(葉隠さん、透明人間としては正しい選択だけど・・・)

 

(女の子としてはやばいよな)

 

「はっ!見ちゃだめだからね!」

 

「「いや見えないし」」

 

「はっそうか」

 

「とりあえず葉隠さんが相手に近づいて捕らえる係、僕たちは核の護衛で良いかな?」

 

「3人の利点を活かせればいいけど。とりあえず・・・

 

 

二つ星極制服 園芸」

 

「プランターを背負ってる?」

 

「このじょうろの水を掛けてみな」

 

「え?うん・・・」

 

葉隠が差し出されたじょうろを手に持ち俺が背負っているプランターに水を掛けると」

 

「うわ!?」

 

「植物が成長していく!?」

 

「これがこの状態の時の能力だ。この植物で核を覆って守ろう」

 

「なるほど!相変わらず凄い服だね」

 

「ああ、完成までにどれほど苦労したか・・・って言ってる場合じゃない、さらに・・・」

 

「部屋中に植物が・・・!」

 

部屋中に植物が伸びいくつもの柱と柱の間に人が通れるほどの植物の道を作る

 

 

「この部屋の天井が高いのが良かったな。これで高さを利用した奇襲もできる」

 

『それでは屋内対人戦闘訓練スタート!』

 

丁度準備も終わるとオールマイトから訓練スタートの合図が出た

 

「それじゃあ葉隠さんは植物の上に」

 

「うん、ええと、どうやって登ろう」

 

「こいつにつかまってくれ」

 

植物の先端の某ゲームに出てくるパ○○ンフラ○―に似ている部分が葉隠さんが上るのを手伝った

 

「んしょっと、ありがとね」

 

透明で分からないが撫でているのだろう、表情はよくわからないが少しうれしそうだ

 

「ん?なあ、少し寒く無いか?」

 

「え?確かに・・・」

 

尾白と葉隠さんがそう話していると何やら変な音が聞こえてきた。俺が入口の方を見ると

 

「・・・!!」

 

「え!?」

 

「きゃ!!」

 

植物が尾白と葉隠さんを自身の口(植物なのに)で咥えると部屋の凍結から二人を守り、凍った自身の体へ降ろす

 

「二人とも大丈夫か!」

 

「ああ、大丈夫だ」

 

「私も、でも冷たい!!」

 

「轟の仕業か・・・尾白降りてきてくれ、作戦を思いついた」

 

・・・・・・・・・・・・・

 

障子から相手のおおよその情報を聞いた後、轟はビル全体を凍らせて核にダメージを与えずに敵を弱体化させ、核がある部屋を探して歩いていた

 

(障子の話では変な音も聞こえたらしいから気を付けねえと)

 

「クソッ!尾白そっちはどうだ!」

 

「こっちも駄目だ!足が動かない!!」

 

(二人は捕まえられたみたいだな)

 

轟が部屋に入ると視界に入ったのは糸道と糸道が背負っているプランターから生えている謎の植物だった

 

「ッ!轟」

 

「轟が来たのか!」

 

「・・・どうやら尾白は核の向こう側にいるみたいだな」

 

(残りは葉隠だが、部屋を見る限りあの植物が伸びてる、植物の影に隠れてるのか?)

 

「クッ!」

 

「動いても良いが、足の皮剥がれちゃ満足に戦えねえぞ」

 

(これで俺が葉隠も足元が凍ていると誤認していると思わせて油断させて)

 

轟が核に向かってゆっくり歩いていくと

 

「葉隠さん今だ!」

 

糸道の合図とともに轟の頭上後ろから何かが空気を切る音が聞こえた

 

(予想通り!)

 

轟が後ろを振り向くと見えたのは確保テープ。轟は横に移動し葉隠が着地した瞬間に今度こそ足を凍らせようとするが

 

「予想通り」

 

そう言う糸道の声と

 

「ウオオオ!」

 

轟の後ろ、核がある方向から足が凍ていたはずの尾白の声が近づいていた

 

「!?」

 

咄嗟に尾白の方を向き後ろへジャンプ、尾白と葉隠を視界に収めようとするが

 

「!!」

 

葉隠が持っていたと思われた確保テープはそのまま氷の上に落ちた後、コロコロを氷の上を転がった

 

「グッ!」

 

予想外の事に驚くが轟は尾白の尻尾を掴むと凍らせ動けないようにする

 

「今だ!糸道!!」

 

「おう!これでとどめだ!!」

 

轟が上をみると凍っていない植物が一本轟へ襲い掛かろうとしていた

 

「クッ!」

 

尾白の尻尾を掴んでいた右手を離し植物に向け凍らせようとするがギリギリだった

 

(ギリ、間に合う!)

 

轟の腕がギリギリで間に合い、植物を凍らせようとするが

 

「確保!!」

 

その声と同時に植物の動きが止まった。轟が足を見てみると

 

「ギリギリだった」

 

「糸道の作戦のおかげだな」

 

確保テープが巻き付いていた

 




喧嘩部特化型二つ星極制服って裏地の生命戦維がかっこいいよね

皆はどの極制服が好きとかあります?感想欄で言うのはだめかもしれないので言いたい人は活動報告でどうぞ。


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第3話

その後は轟君がビル内へ入ってしばらくしても訓練が終わらなかったことを不審に思った障子君がビル内へ入ってきたがもう手遅れだった

 

尾白君はまだすっこし動きづらそうだったが氷を砕き自由に動けるようになった俺と葉隠さんで核を守り通すことができ、訓練は俺たちの勝利で終わり講評タイムとなった

 

「勝利は糸道少年たちのチームだったが、今戦のベストは誰か分かる人!」

 

オールマイトがそういうと何人かが手を上げる

 

「じゃあ飯田少年!」

 

「はい、糸道君だと思います」

 

「理由は分かるかい?」

 

「まず個性で成長させた植物で核を覆い、3次元的行動がとれるように部屋を作りなおしました。これだけでも部屋に突入したヒーロー側は戸惑うと思います。さらに、轟君のビル全体を凍らす攻撃にも冷静に対処し仲間を助け、葉隠君の個性が最大限に力を発揮できる状況を作り上げ轟君を確保しチームを勝利に導きました」

 

「そう!まだ先に教えることだが戦闘はいかに自分の得意を押し付けるかが重要になってくる、皆も自分の得意なことを見極めそれをどうやって相手に押し付けるかを考えておいてくれ。その点では糸道少年のあの植物だらけの部屋は敵を死角から植物で襲うことも味方のサポートも出来る満点の対応と言えるだろう」

 

「ありがとうございます」

 

「そして残りの者だが、尾白少年と葉隠少女はほぼ大丈夫だ。尾白少年は尻尾で派手な動きを轟少年に見せ轟少年の気を引き付けた、糸道少年との演技も良かったぞ!」

 

尾白君はほっと息を吐いた、何を言われるか緊張していたのだろう

 

「葉隠少女も自身の個性を最大限生かし最後まで轟少年に気づかれずに確保したな。これからも今回の様なことをする時が出るだろうがその時も全力で頑張ってくれ!」

 

「えへへ」

 

「しかしだ二人とも」

 

その言葉に尾白君と葉隠さんがビクッとした

 

「糸道君が助けてくれるまで轟少年の攻撃に気づけていなかっただろう。最初は難しいかもしれないが常に一定の周りを警戒する癖を付けてくれ、そうすれば今後に役立つからね。あ、これ皆にも当てはまるからね」

 

「「「は~い」」」

 

「そして轟少年と障子少年だが、轟少年は確かに並みの相手ならあのビル凍結で終わりだったかもしれないが中にはあれに対処できる者もいる、一人で行かず障子少年と一緒に突入した方が良かったな。そうすれば葉隠少女が隠れた位置なども特定できて勝てたかもしれない。障子少年も少し強引にでもついていくか常にビル内の音を拾っていれば凍ったビルの中で誰がまだ動いているかを轟少年に伝えて警戒させることが出来たな」

 

「はい」

 

「はい、その通りです」

 

「さて、それでは講評も終わったし次の対戦に行くぞ!」

 

その後も何回戦化した後、授業が終わった。皆個性を活用の仕方が様々で中にはこれからの極制服づくりに仕えそうな物もあった

 

あと相沢先生の後の真っ当な授業でクラスの過半数以上が拍子抜けと言う顔をしていた

 

その後は普通に授業を終わらせ校舎1階の開発工房へ向かった。

 



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第4話

朝、雄英高校には校門の前に沢山のカメラを持ったマスコミたちが居た

 

「オールマイトの授業はどんな感じですか!?」

 

マスコミたちは学校に入ろうとするせいとを片っ端から捕まえて話を聞いていた(ほとんどの生徒に相手にしてもらえなかったが)

 

「あ、君!」

 

マスコミの次のターゲットは歩く糸道になったが糸道は

 

「やはり三ツ星は性能が高すぎて一着の服にするのが難しい、原作の様に一着ずつ作るか?」

 

「オールマイトの授業について・・・」

 

「でもいざヴィランとの戦闘になった時にヴィランの目の前で着替えるわけにもいかないし」

 

「あの!・・・」

 

「やはり時間がかかるが二つ星極制服の時の経験もあるし一着に合わせるか」

 

「ちょ・・・」

 

「しかしあの五つを全部使えるか、奏の装なんて使わなそうだし最初は織り込まずに必要に感じたら織り込むか。3年のうちに決めなければ」

 

考え事をしていてマスコミには気づかずに校内へ入っていった

 

「・・・」

 

その後教室前まで来てやっと周りに気づいた糸道は危ないので歩きながらの考え事はやめようと決めた

 

・・・・・・・・・・・・・・

朝のホームルーム相沢先生から昨日の戦闘訓練の話が少しあり。その後に学級委員長を決めるようにと言われた。普通科では雑用としてなりたいと言う者は珍しいがヒーロー科

では集団と導くと言うトップヒーロの素地を鍛えられる役として人気が高い

 

皆が騒がしくなる中、飯田が皆を静かにし投票で決めようと提案した。腕おもいっきり上げてたけど

 

そして結果は

 

1 糸道一身 4

2 八百万百 4

 

「じゃあ委員長と副委員長は二人で決めてくれ」

 

「じゃんけんで良いかな」

 

「構いませんわ」

 

結果俺が委員長になった

 

その後の午前中の授業を終え食堂に行くと

 

「よお緑谷」

 

「糸道君、これから麗日さんと飯田君と一緒に食べるんだけど糸道君も一緒に食べない?」

 

「一人で少し寂しかったからな、お邪魔させてもらう」

 

それから合流した麗日さんと飯田の四人と食事をし、食べ終わって少し話していると

 

「じゃあ糸道君のあの服は服の形を変える個性によるものじゃなくて個性で出した糸を使って自分で作った物だったんだね!でも服の形を変える個性じゃないならどうやって毎回服の形を変えているんだろう?特定の動作をしたら変わるとか?いやでもそれだと間違えたり変な時に誤作動する場合も・・・」

 

めっちゃ個性の話聞かれると思ったらそのままブツブツ言い始めた。もしかして俺を誘ったのは俺の個性が気になったからなのだろうか

 

「俺の服に入っている特殊な糸の話をしたな」

 

「うん、生きた糸。生命戦維だよね」

 

「そう、その生命戦維だが実は極制服の中には一番重要な生命戦維がある。それが生きた糸、生命戦維に服の形になろうとする意志を持たせた生命戦維、絆糸だ。これが無くなると極制服・・・と言うか極制服の中の生命戦維は服の形を保てなくなり崩れる。まあ一言でいうと絆糸は服内の生命戦維にこの形を取れと言う司令塔みたいなものだ」

 

「なるほど」

 

「そして俺は訓練の最中などに自分で出した生命戦維で極制服内の絆糸を操作して極制服に色々な形を取らせているという訳さ。勿論製作段階で何種類のどのような姿になれるかは決めておかないといけないけどね」

 

「そうなんだ、教えてくれてありがとう。でもそんな重要な事聞いても良かったの?」

 

「気にするな。絆糸は厳重にガードしているから俺以外に絆糸を傷つける攻撃が出来るやつはいない」

 

「そっか、良かった」

 

その後も飯田の家がヒーロー一家と言う話などを聞いていると突然

 

「警報!?」

 

『セキュリティー3が突破されました生徒の皆さんは速やかに屋外に避難してください』

 

この警報に食堂内の者達はパニックになった出口への道には大量の生徒たちで身動きが取れなくなっていた

 

「ちょ、危ないって」

 

「糸道君!だいじょ・・うわ!」

 

「緑谷!これにつかまれ」

 

俺は生命戦維を少し束ねて持ちやすくし、緑谷へ投げる。緑谷が掴んだのを確認すると引っ張り緑谷を助ける

 

「ありがとう、糸道君」

 

「ああ、はぐれない様に気を付けろよ」

 

「うん」

 

俺と緑谷が人ごみのなか動けないでいると

 

「うおおおおおおお!」

 

「飯田!」

 

頭上を回転しながら飯田が飛んで行って出口の所まで行くと晋遊舎が只のマスコミだと皆に知らせパニックを収めた

 

「・・・・・」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

その後警察の到着でマスコミも校内から出ていき騒ぎは落ち着いた。午後は他の委員決めがあるので俺と八百万は前に出るが

 

「委員決めの前に。昼の騒ぎの時、俺は自分の周りのことに対処するだけで精いっぱいでした。しかしあのパニックの中でも冷静に皆を落ち着かせる行動力を見て、俺は学級委員長を飯田にやってもらいたいと思った」

 

「なっ・・・」

 

「俺はそれでも良いぜ」

 

「食堂で超活躍してたしな」

 

食堂での飯田の行動をクラスの多数が見ていたようで飯田がクラス委員長になることに反対は出なかった

 



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第5話

今日でキルラキル八襲年らしいですね。

たまたまですけど自分よくこのちょうどいい時期にこの小説作ったな。




「今日のヒーロー基礎学は災害水難何でもござれ、レスキュー訓練だ」

 

レスキューと聞いてクラスの大半はやる気を出す

 

離れた場所に訓練場があるのでバスで訓練場まで行くこととなった

 

「派手で強えって言ったら轟と爆豪それに糸道だな?」

 

「ん?どうした、考え事をしていて聞いてなかったが」

 

「いや、個性が派手で強いやつはお前たち三人だなって」

 

「なるほど」

 

「糸道ちゃん、何を考えていたの」

 

「新しい極制服の事をな」

 

何でもないように言うが俺の言葉でクラス皆の注目が俺に集まった

 

「極制服作るのか!?」

 

「てことはまた攻撃のバリエーションが増えるじゃん!」

 

「いつ完成するんだ?」

 

「とりあえず一つだけ、近いうちに完成させるつもり」

 

「もう着くぞ、静かにしとけ」

 

「「「はい!」」」

 

訓練場に行くとそこで待っていたのは

 

「スペースヒーロー 13号だ、災害救助で目覚ましい活躍をしている紳士的なヒーロー!」

 

「わあ~!私好きなの13号」

 

13号先生に連れられ『ウソの災害や事故ルーム』通称USJに入り13号先生の『君たちの個性は人を傷つけるためではなく助けるためにあるのだ』と言う話を聞き授業を始めようとすると

 

「ん?」

 

「どうした?糸道」

 

「いや、煙みたいなのって」

 

「全員ひとかたまりになって動くな!13号生徒を守れ、あれはヴィランだ」

 

突如侵入してきたヴィランの大群に学校側のセキュリティーが一切反応せず先生の指示で電話などを確認するが圏外で通じない

 

「13号生徒を頼むぞ」

 

そういうとゴーグルを装着し先生・・・抹消ヒーロー イレイザーヘッドはヴィランの大群に突っ込んでいった

 

「避難します、皆さんは私に付いてきてください!」

 

「「「はい」」」

 

13号先生の指示でUSJの出口へ走っていると

 

「させませんよ」

 

瞬間移動の様な個性を持つ黒い煙の様なヴィランが目の前に現れた

 

「はじめまして、我々は敵連合。せん越ながらこのたび雄英高校に入らせていただいたのは、平和の象徴 オールマイトに・・・

 

 

 

息絶えていただきたいと思いまして」

 

あまりの話の内容にクラスの皆が呆然とするが、煙ヴィランが何かをしようとすると

 

「「うおおおお!」」

 

切島と爆豪がヴィランへと突っ込んでいき派手に爆発を起こすが

 

「危ない危ない。生徒と言えど優秀な金の卵・・・」

 

『どきなさい!二人とも』

 

「私の役目は、あなたたちを散らしてなぶり殺す!」

 

「瀬呂!」

 

ヴィランの煙が俺たちを包み込もうとしたとき、たまたま近くにいた瀬呂は助けることが出来たが他の皆は煙に飲まれてしまう。

 

煙が消えるとそこにはクラスの数人と13号先生しかいなかった

 

「おい糸道皆が何処かに言ったぞ!」

 

「おちつけ、まだあの煙がいる。残った者達で固まっておくぞ、バラバラに何処かに飛ばされるよりは言い」

 

「分かった」

 

「糸道君に瀬呂君、無事だったか!」

 

「なんとかな」

 

「皆はちりじりになったがこの施設内にいるようだ」

 

煙が無くなってからすぐに個性で探していた障子が皆の居場所を知らせる

 

「くそ、物理攻撃無効でワープって最悪の個性だぜ」

 

『・・・』

 

13号先生は何かを考えこむと

 

『委員長、糸道君。君たちに託します、学校まで走ってこのことを伝えてください』

 

「なっ・・・」

 

『警報が鳴らず、そして形態も圏外。イレイザーヘッドが下で個性を消しまわっているのにも関わらず警報が無作動なのはおそらくその個性持ちを隠したのでしょう。とすると、それを見つけ出すより君たちが走った方が速い』

 

「しかし、クラスの皆を置いていくなど委員長の風上にも・・・」

 

「さっさと行くぞ!」

 

「なっ・・・糸道君!」

 

「俺たちが残ってあいつらと戦うよりも学校まで走ってオールマイトやプロヒーローを呼んだ方が勝率は上がる」

 

『その通りです、皆を救うために個性を使ってください!』

 

「食堂の時みたいに私サポートなら超出来るから。するから!おねがいね、二人とも」

 

「・・・ああ!」

 

皆の思いを受け取り飯田は覚悟を決め個性を使うために力をためる

 

「手段が無いとはいえ、敵前で策を語るあほうがいますか!」

 

『行っても問題ないから語ったんでしょうが!

 

ブラックホール!!』

 

敵と13号先生が戦闘を開始した

 

「全てをちりにして飲み込むブラックホール確かに脅威的ですが13号、あなたは災害救助で活躍するヒーローやはり戦闘経験は一般ヒーローに比べて半歩劣る!」

 

『・・・!』

 

13号先生の後ろに敵の個性である煙が出てきたかと思うと

 

『うっ・・・ワープゲート!』

 

13号先生の背中が自身の個性でちりになっていく

 

「自分で自分をちりにしていしまいましたね」

 

『や、やられた』

 

ブラックホールが消え、13号先生は倒れた

 

「先生!」

 

「飯田走れ!」

 

「行くぞ飯田、俺に構わず真っ直ぐ行け!」

 

さすがに狭く、良い標的になりそうなので自動車になれず。俺は飯田を先に行かせた

 

「くっ・・・」

 

目の前でプロヒーロを倒したヴィランとクラスメートを置いて行くのに抵抗があるのだろうが飯田は歯を食いしばり

 

「くそーっ!」

 

皆を信じ、皆を救うために走り出した

 

敵がワープで飯田の前に出てくるが

 

「行け二人とも」

 

障子が体を張り助けてくれたその後も皆が助けてくれてドアの前まで行くことが出来た

 

「どいてろ飯田!」

 

動かない自動ドアを力で開けようとする飯田を離れさせ

 

「二つ星極制服 ボクシング 鉄拳粉砕」

 

ボクシング部のグローブで扉を即座に破壊して外へと出る

 

「な!?」

 

「出てきやがった!」

 

(外にもいるのかよ)

 

「撃て!あいつらの足止めを・・・「二つ極制服 ボクシングジャブ!」

 

俺は左腕から飛び出す沢山の左ジャブで外にいたヴィランの体勢を崩し攻撃できないようにする

 

「飯田走れ、こいつらは俺が相手をする。足を止めるな!」

 

「っ・・・!直ぐに戻る!!」

 

「すぐに追いついてやるよ」

 

既に聞こえない距離まで進んだ飯田を背に俺はヴィランと対峙する

 

「クソッ!一人逃した」

 

「てめえ邪魔しやがって!死ぬ覚悟はできてるんだろうな!!」

 

ヴィラン達は興奮しているが俺はヴィラン達に余裕の笑みを浮かべながら

 

「俺の服に勝ってから言いな」

 

投げナイフ部のナイフを投げ戦闘を開始した

 



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第6話

「・・・ふう、時間食った。厄介な個性を外に置きやがって」

 

近くの生物を自身から離れられなくする個性と攻撃も出来ず移動もできないバリアを張る個性と逃がさないための個性持ちが置かれていた

 

(まあこいつらが逃げられる奴なんていないだろうと油断してくれたから飯田がこいつの個性の範囲外まで逃げられたわけだが。他にはいないようだしさっさと飯田に追いつくか)

 

俺が車に変形しようとすると

 

「糸道少年!」

 

凄いスピードでオールマイトが走ってきて目の前で止まった

 

「ゴマ粒みたいなのがいると思ったら目の前にいたんだけど。さすがナンバー1ヒーロー」

 

「大丈夫かい、怪我は?」

 

「大丈夫です、それよりもUSJ内でヴィラン達が、13号先生もやられて」

 

「ああ、さっき飯田少年から聞いた。君は飯田君がヒーローたちを連れてくるまで隠れているんだ」

 

「いえ、俺はヒーローを迎えに行きます、俺の服なら少しでも早く先生たちをここに連れてくることが出来るので」

 

「そうか・・・分かった頼んだよ。焦らず、危険な運転はしないように」

 

「はい!!」

 

俺の返事を聞くとオールマイトはUSJ内へと入っていった」

 

「二つ星極制服 自動車」

 

自動車に変形して急いで校舎へと向かう途中

 

「糸道君、無事だったか!」

 

「ああ、飯田も無事に先生たちを連れてこられたみたいだな」

 

飯田はプロヒーローである先生たちを引き連れてUSJへと戻っている途中だった

 

「先生方少しでも早く着くために俺に乗ってください、四人乗りですが」

 

「ありがとう、糸道君。スナイプとマイクにセメントスとエクトプラズムは彼に乗ってくれ。僕も一緒に行って指揮を執る」

 

「「「はい」」」

 

「乗りましたね、飛ばします!」

 

先生を乗せ急いでUSJに戻る

 

「糸道君、このまま中に突っ込んでもらえるかい?」

 

「分かりました!」

 

階段を上り先ほど破壊した扉から中に入るとスナイプ先生が車体を左手でつかみ立ち上がると右手で銃を3回撃った

 

一発は緑谷の顔を触ろうとしていたヴィランに、もう二発はどこか遠くの方へ飛んで行った

 

「ごめんよみんな、遅くなったね。急いで動けるものをかき集めてきた」

 

校長は他の先生たちと降りるとクラスメートの皆を安心させるように皆に聞こえるように言った

 

「糸道君も元の姿に戻って良いよ、ワープの個性持ちがいる時にバラバラになるのは危ないからね」

 

「分かりました」

 

ほかの先生を連れてこようとしていた俺の考えが分かったのか校長はそう言った

 

そこからはヒーローの圧勝だった、ヴィラン達は先生たちに近づけもせずに制圧されていく。二人のヴィランだけワープで逃げたがそれ以外は捕まえることが出来た

 

その後は警察の方が来て教室に戻った。警察の人の話では13号先生と相澤先生、そしてオールマイトも命の別状はないらしい

 

(今回はどうにかなったがあのヴィランの言動、また俺たちを狙いに来る可能性が高い。これは完成に向けて急がなければいけないな、この服より強い制服・・・三つ星極制服を)

 



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第7話

ヴィラン連合とやらがUSJを襲撃した翌日、学校は臨時休校となった。事件はニュースとなり大きな話題を呼んでいた

 

(丸々一日時間が使えるのはありがたい)

 

その日は一日服の製作で終わった。そして次の日、学校に登校するとクラスではニュースやUSJでの話で盛り上がっていた。朝のホームルームが近づき、相澤先生は怪我で入院しているので誰が来るのかと何人かが疑問に思っていたが

 

「おはよう」

 

「「「相澤先生復帰早え~!」」」

 

包帯ぐるぐる巻きで相澤先生が入ってきた。その後先生がまだ戦いは終わってないなどと言いクラスの何人かがまたヴィランが出たのかと緊張するが

 

「雄英体育祭が迫っている」

 

「「「くそ学校っぽいの来た~!」」」

 

その後先生が体育祭の詳しい事を説明してくれたが・・・日本のイベントとして注目されている高校の体育祭ってすごいよな。初めて見た時はそう思った

 

(スカウト目的でトップヒーロー達からの注目度も高いし頑張らないとな)

 

その後の昼休み、やはり皆の話題は雄英体育祭一色だった

 

「私頑張る!!」

 

「おう・・・どうした?」

 

麗日が少しテンションが可笑しかったけど・・・まあ大丈夫だろう

 

その後普通に授業を受け放課後帰ろうとすると教室の前に普通科の生徒などが大勢Aクラスを見に来ていたが、そこでどれだけの生徒がヒーロー科の椅子を狙っているのかが分かる

 

「さて」

 

「あ、糸道帰るのか?なら俺も」

 

「いや、俺はパワーローダー先生に聞きたいことがあるからまだ帰らないんだ。だからすまん先に帰っててくれ」

 

「そっか・・・分かった、じゃあな!」

 

教室を出ると俺はそのままパワーローダー先生の所に行き時間が許す限りそこで極制服の開発を進め家に帰ってからも開発を進めある程度形が出来たら一度着てテストをする

 

そんな生活を続け体育祭当日

 

「行ってきます」

 

「行ってらっしゃ~い」

 

母に挨拶をして俺は雄英高校に向かうと大賑わいで道の途中にはシンリンカムイやMt.レディなどのヒーローもいた

 

更衣室へ行き体操服に着替え(俺は極制服が個性の様な物なので極制服を着るのは申請を出して許可されている)1-Aの控え室に行き体育祭が始まるのを待つ

 

「い~な~糸道はそのままで」

 

「まあ俺はこの服が個性みたいなとこあるしな、青山のベルトと同じ扱いかな」

 

「あれ?糸道君、服の形が少し変わってない?」

 

どうやら緑谷は極制服の形が少しだが変わっていることに気づいたらしい

 

「さすが緑谷、気づいたか。でもまだ内緒な、この服の力を見たら驚くぞ」

 

現在極制服は中の生命戦維の数か所を生命戦維で縛ることで今までの形に保たせている、二つ星までならこのまま使えるがそれより上は本当の姿に戻さないと使えないだろう

 

その後入場の時間になり俺たちは一年ステージへと向かう。ステージでは複数のカメラがこちらに向けられており俺たちが出てくると観客の興奮度が上がったのがよく分かる

 

K組までの一年生全員の入場が終わると選手宣誓だが、そこで18禁ヒーローのミッドナイト先生が主審で出てき男性陣が騒いでいると

 

「静かに!選手代表1-A糸道一身」

 

「俺か・・・」(せめて事前に教えておいてほしいんだけど、まあこんな急なことにも対応できないとヒーローやっていけないってことかね。)

 

「宣誓 我々は雄英生徒として恥じぬ戦いをする事を誓います」(取り敢えずこんな物だろう)

 

その後すぐに第一種目の障害物競走を初め、皆がスタートゲート前で開始の合図を待つ

 

(このまま普通にゴール、何てあり得ないよな。なら)

 

足に力を入れ、スタートと共に走り出す、のではなく動かずに足元に感覚を集中させ少し冷たいと感じたら思いっきりジャンプする。すると周りの一年の足元が凍っていた

 

「やっぱりか、轟」

 

動けない人たちの間を通り抜け前に出るともう何人かのA組の生徒が動き出していた

 

「この氷じゃ車でもうまく動けないしここは・・・二つ星極制服 喧嘩」

 

(この服なら下駄の歯に生命戦維で出来たスパイクがあるから思いっきり走れる。とりあえずこれで氷が無い所まで行けば・・・あれ?何で峰田飛んでるんだ?)

 

峰田が飛んできた方向を見ると

 

「入試のヴィランロボか、ますますこの服で合ってたな」

 

近づいてきた小型ロボを殴り壊しているとでかい0Pのロボを轟が凍らして先へと進んでいた

 

「近づいてきたロボは倒したし俺も行くか」

 

(ここら辺の地面は凍ってない、ならば)

 

「二つ星極制服 自動車 

 

動きが遅いロボなんて自動車姿の俺なら余裕で突破できる!」

 

先にロボを越えていた者が数人いたが流石に自動車には勝てずにほとんどの者を追い抜くことが出来たが

 

ガタン

 

「ん?」

 

「よお」

 

「は?瀬呂!?何でお前が乗ってんだ!」

 

「いやあ猛スピードで後ろから追いかけてくるお前を見てたらあれ?もしかして糸道に乗ったら超楽できるんじゃね?って思って」

 

ガタン

 

「俺も頼む」

 

「お前もかよ常闇!」

 

「この競技はコースを守ればそれ以外は自由、ならば俺たちが協力しても自由、俺たちは上位だからこのままいけば全員予選通過は出来る、断る理由が無いはずだ」

 

「俺の負担をのぞいたらな」

 

「安心しろ糸道、お前にもメリットはある」

 

「うん?」

 

 

~~~~

 

『おいおい第1関門はちょろかったか?だが続いての第2関門はどうさ!?』

 

『・・・なるほど』

 

『ん?どうした??』

 

『あれを見てみろ』

 

『あれ?・・・って何だありゃ!?』

 

プレゼント・マイクが会場を映像と共に盛り上げている時、1-A担任相澤はステージを猛スピードで進んでいく一団を発見した。当然それは観客からも見えており

 

「二人の生徒が車で移動してるぞ!」

 

『あの車は糸道か!?何で二人乗せてんだ!?』

 

『この種目が予選で自分たちの位置から足を引っ張りあわずに一緒に先へ進んだ方が早くゴールできると考えたんだろう。コースアウト以外何でもありだからな、当然協力もありだ』

 

~~~~

「次はこれか」

 

「底が見えねえぞ」

 

「移動手段はロープ一本、車では進めないな」

 

「じゃあここは頼むぞ」

 

「ああ、ダークシャドウ」

 

『あいよ』

 

糸道は車から元の姿に戻ると瀬呂と一緒にダークシャドウに掴まれロープを使わずに先の足場へと移動した、その後常闇もダークシャドウに助けてもらい移動するとそれを数回繰り返して第2関門をクリアした

 

「やっぱ協力しながらだと早いな!」

 

「ああ、次に進むぞ」

 

「御意」

 

また車に変わり二人を乗せ走り出す糸道、次は最終関門の

 

「地雷原か」

 

「ここも車じゃ難しそうだな」

 

「いや、問題ない。二つ星極制服 サバイバル自動車」

 

糸道がそういうと車の数か所から銃器が出てきた

 

「おわっ、こんなのも出るのか!?」

 

「これで地面を撃ちながら進めば時間は少しかかるが走るよりは早くゴールできる」

 

「なるほど、なら俺は・・・」

 

瀬呂は後ろを向き、後ろにいた何人かの生徒を確認し

 

「便乗してくる奴らの妨害だな!」

 

その後、緑谷が予想外にも一位でゴールしたが糸道たちは無事4・5・6位でゴールできた

 



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第8話

お久しぶりです、話作るためにキルラキルをどこかで見返さなきゃと思って最近剣の装の攻撃手段が何があったのかを確認できたので書きました。しかし改めてみると8話目でもう体育祭編ってペースが速すぎる?必要最低限の事だけ書いてたらこんなに早いペースになってしまった


第1種目が終え第2種目の出場者が決まったが、勿論俺たちは第2種目に進むことが出来た

 

「第2種目はこれよ!」

 

ミッドナイト先生が指をさすモニターには大きく騎馬戦と書かれていた

 

「騎馬戦か・・・」

 

その後ミッドナイト先生から細かいルール説明を受け誰とチームを組もうか考えていると誰かとぶつかった

 

「悪い」

 

「いや、だいじょ・・・」

 

「悪いけど、騎馬になってもらうよ」

 

喋ったとたん、意識遠くなった。そして意識が戻ると

 

『3位!心操・糸道・尾白・庄田チーム!!』

 

気づいたら騎馬戦が終わり俺たちのチームは3位になっていた。俺以外も状況が呑み込めていないようできょろきょろしたりと挙動不審になっていた・・・心操という生徒以外は

 

(俺にぶつかってきたのは間違いなく心操、あいつの個性の影響だろうけど。どんな個性だ?)

 

まあ最終種目へ進出できているし良しとするか

 

その後は昼休憩をはさんでからなので食堂へ行き昼ご飯を食べる、峰田と上鳴が女子に何かを言っていたが何を言っていたのだろうか

 

昼休息の後はレクリエーションをはさんでからの最終種目らしい。レクリエーションの前に最終種目は一対一のトーナメント形式らしい。組み合わせ決めのクジを引くことになったがこの時にいつの間にか同じチームになっていた尾白とB組の生徒が参加を辞退した。気持ちもわかるので何も言わなかったが俺はこのまま参加させてもらうことにする

 

そしてクジの結果、俺の第一回の対戦相手は芦戸に決まった

 

「げっ!糸道!?ヤバいかも」

 

「よろしく」

 

「う、うん」

 

その後はレクリエーションだが俺は参加せずに極制服の最終調整と共に極制服を本体の形に戻す

 

そしてレクリエーションが終了しとうとう一年ステージ最終種目が始まる

 

「あ!糸道服が変わってる!!」

 

「お!本当だ」

 

「何かカッコいい感じになったな!背中の部分のそれは竹刀か?」

 

「ああ、今の俺の最高傑作の三つ星極制服だ、今までとは全然違うぞ」

 

対戦相手である芦戸を見るが少しビビっているようだが気圧されてはいないようで負けないぞと強気だ

 

数回の試合をはさんでとうとう俺が出る番になった。俺と芦戸がステージに上るとこれまでの試合で興奮した観客の歓声が響く、プレゼント・マイク先生もいつにもましてノリノリの様な気がする

 

『第5試合!服が車とそれ本当に服?特殊な服を作り、自身で着て戦うヒーロー科 糸道一身!』

 

「この試合からは車以上の姿をお見せします」

 

『おおーっと!まさかの車以上宣言!俺もとっても楽しみだぜ!そしてそんなに糸道と戦うのは!あの角から何か出んの?ねえ出んの!?ヒーロー科 芦戸三奈!』

 

「一回戦から強敵だけどがんばるぞー!」

 

『さあ行ってみようか!第5試合スタート!』

 

「何が来るか分からない以上、先手必勝!」

 

芦戸は個性で地面のコンクリを溶かしアイススケートの様に素早い移動を行い俺に近づいてくる、近づいての酸攻撃で極制服にダメージを与えるつもりなのかもしれない

 

「させないよ」

 

俺は背中の竹刀を取り出すとそのまま芦戸に近づき攻撃をして芦戸を吹っ飛ばして距離を開けた。芦戸もまさかの只の竹刀攻撃というのと今までの俺とは違うスピードで近づかれたので驚いてそのまま攻撃を受けてしまった

 

「見てみろ、この極制服の力を」

 

俺は極制服の仕掛けを発動する、すると極制服内の生命戦維が反応して一度服の形状をバラバラにする、そして直ぐに絆糸の力で先ほどとは違う形に生命戦維が配置され三つ星極制服の本当の姿になる

 

「三つ星極制服 剣の装!」

 

『何だ!?糸道の服がパワードスーツみたいになっちまったぞ!?』

 

「ええええ!何それ!!」

 

「これぞ俺の最高傑作三つ星極制服剣の装だ。そして」

 

「な・・・っ!」

 

「早いがこれで終わりだ」

 

三つ星極制服の力を使い高速で芦戸に近づくと俺のスピードについてこれず判断が遅れた芦戸の腕を掴み場外へと放り投げた

 

『芦戸さん場外、よって糸道君2回戦進出!』

 

観客の歓声やシャッター音の中俺は極制服の変身を解いてステージを降りる

 

その後は2回戦が始まるまで控え室で休み他の出場者の試合を見て相手がどの様な個性や攻撃手段を持っているかなどを把握する

 

(緑谷と轟の戦いヤバいな、下手したら三つ星でも負けるぞ。これは他の極制服の製作にも取り掛からないとクラスの上位陣たちには置いて行かれるかもな)

 

 

 

 

 

 

時間になりステージへと行くとそこには次の対戦相手である飯田が既に準備万端で待っていた

 

(試合が始まってからしか変身できないという俺の弱点は飯田も分かってるはず、おそらく最初から全力で来る)

 

『試合・・・開始!!』

 

「レシプロバースト!」

 

「剣の装!」

 

(さすがに変身が速い!しかし顔を面でふさげば視野が狭くなりこのスピードの俺についてこれなくなる、推しだす時間は無いからすまないが蹴って場外へ飛ばす!)

 

飯田はレシプロバーストで俺へと急接近して後ろに回り込みそのまま勢いを利用して死角からの強力な蹴りを放つ、しかし

 

「な・・・ッ!?」

 

顔を動かさずに俺が半程移動したことで飯田の蹴りはギリギリ当たらずに飯田は勢いで体制を崩し倒れてしまう

 

「残念だったな」

 

「どういうことだ・・・完全に死角からの攻撃だったはず、あんなぎりぎりの移動での回避など見ていなければ・・・」

 

「見てたさ」

 

「・・・何?」

 

俺は飯田に見えるように服のあらゆる隙間に仕込まれている目を見せる

 

「この服の能力の一つだ、これを着ると全方位を色々な角度から見ることが出来る。だから死角など存在しない」

 

「なるほど、ならば今度対戦する時があれば今回以上のスピードを出しその服でも目で追えない速度を出して君に勝ってみせよう!」

 

「ああ、俺も負けないぞ」

 

飯田と握手をした後、俺は控え室に戻り極制服に損傷が無いかを調べ万全の状態にして3回戦の轟へ挑む

 

 

 

 

『準決勝第1試合 どちらも圧倒的力を見せつけたエリート対決だ!

 

ヒーロー科 糸道一身!

 

バーサス

 

ヒーロー科 轟焦凍!』

 

(轟、この種目において一番の強敵。長年生命戦維を調べた結果生命戦維は熱に弱い、まあ繊維の仲間みたいなものなのでそこはしょうがない。ちょっとした炎なら大丈夫だがもし、轟があの氷山レベルまで炎を出せるなら危ない、やはり・・・)

 

『スタート!』

 

「剣の装!」

 

(氷の右側から高速で回り込んでの攻撃!)

 

開始直後の正面から襲ってくる氷を左に避けると轟はその動きを予想していたのか避けられると直ぐに俺の前方を氷で塞ぎ逃げられないようにする

 

『糸道が囲まれた!』

 

轟は俺に考える時間を与えないためか直ぐに逃げれないほどの量の氷で俺を場外へ押し出そうとする

 

(左右が駄目なら上からだ!)

 

俺はジャンプをして竹刀を取り出すと上空からそのまま轟に攻撃する

 

「めーん!」

 

轟は氷でガードをして氷が竹刀を受け止めた一秒にも満たない時間で竹刀の距離から逃げ俺に攻撃をしてきた

 

「流石だな轟、だが剣の装の最高速度はこんなものじゃ無いぞ!」

 

俺は先ほどの1.5倍ほどの速さで動き反応できていない轟の胴に竹刀で攻撃しそのまま場外で飛ばそうとするが

 

「な・・・っ!?」

 

「流石にあの速さには追い付けないから賭けになっちまったが、どうやら賭けには勝てたみたいだな」

 

俺の竹刀は確かに轟の胴に当たったが何かが割れる音と共にしないが轟から離れなくなった

 

(体と服の間に氷を作ってガードだと!?)

 

先ほどから個性を使い続けているのだろう、竹刀はどんどんと凍っていく。竹刀を離そうとするが遅かった、轟は右手で俺の腕に触るとそこから前進が凍っていき最終的には1.5メートルほどの厚さの氷で身動きが取れなくなった

 

「飯田を倒しただけあって早いな、しかもほぼ死角がないと言う。だからこそ、目で見えない予想外の物への対処が遅れたな」

 

「(極制服の力を過信しすぎた結果・・・か)ああ、俺の完敗だ」

 

その後、轟は2位になった(1位は爆豪だった)。俺は同じ準決勝で爆豪に負けた常闇と戦って勝った方が3位かと思ったが二人とも3位と言うことになった。メダル授与ではなんとオールマイトが俺たちにメダルを贈呈してくれると言う、オールマイトの声がしたとたんに会場は歓声でいっぱいになる

 

「糸道少年、おめでとうこの体育祭で見せた色々な姿、特に剣の装かっこよかったよ!」

 

「ありがとうございます」

 

「今回の事で多くのヒーローが君を相棒にと思っただろう、しかしそれに慢心せずにな。先ほど常闇少年にも言ったが個性・・・その服に頼りきりじゃだめだ。その服を完全に自身で着れるよう頑張ってくれ」

 

「はい、これからも頑張っていきます」

 

その後は学生服に着替え、教室でこれからの事聞いた後下校となった

 

 

~~???~~

 

「・・・本当は彼だけを指名するつもりだったが、糸道一身、興味がわいたよ」

 



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第9話

体育祭からの休日が過ぎ学校へ向かっていく途中

 

「ねえねえ!」

 

「ん?」

 

学校へのバスを待っている時ズボンを引っ張られたので見てみると小学生の男の子二人がキラキラした目でこちらを見ていた

 

「お兄ちゃんこの前の雄英体育祭に出てたよね!あの緑色のカッコいい奴!近くで見てみたい」

 

「ごめんな、今あの服持ってないからあの姿に変身できないんだ」

 

「え~そうなの?」

「カッコいいの見たかったのに」

 

二人があからさまに元気がなくなったので俺は二人の頭をなで元気に喋る

 

「な~に、もうちょっと待ってな、プロヒーローになったらみどりのだけじゃなくて他にもいろいろな姿を見せてやるよ」

 

「本当?」

 

「ああ、楽しみに待ってろよ」

 

「「うん!!」」

 

~~~~

子供達と別れ学校へ向かい教室へ入るとやはりと言うべきか教室では皆が色々な人に声を掛けられてなどの話で盛り上がっていたしかし先生が教室に入ってくると

 

「おはよう」

 

「「「おはようございます!」」」

 

皆即座に自分の席に戻る、瀬呂など一瞬でどうやって席に戻ったのだろうか

 

先生は教室に入ると早速今日のヒーロー情報学が特別だと皆に知らせる

 

(小テストか?やめてくれよ~)

 

(ヒーロー関連の法律やらただでさえ苦手なのに)

 

と皆が不安になっていると

 

「コードネーム、つまりヒーロー名の考案だ」

 

「「「胸膨らむやつ来た~!」」」

 

と考えていたものとは全然違う内容で立って喜ぶ者もいた。その後はこのクラスで当たり前になりつつある先生の個性を発動させた睨みで皆が一瞬で静かになる

 

その後、先生から何故ヒーロ名を決めるのかと言う理由とプロヒーローからの指名の説明をされた

 

「プロヒーローからの使命だが、集計結果はこうなった」

 

先生が手に持っていたリモコンを操作すると黒板に生徒数名の名前とその横にグラフと数字が出てきた

 

A組指名件数

 

轟   3684

爆豪  3048

糸道  1816

常闇  360

飯田  301

上鳴  272

八百万 108

切島  68

麗日  20

瀬呂  14

 

「1位轟2位爆豪って・・・」

 

「体育祭と順位逆転してんじゃん」

 

「表彰台で拘束されたやつとかビビって呼べないって」

 

(まあ確かに、何か問題があれば指名したプロヒーローの責任問題になる可能性あるし)

 

「ビビッてんじゃねえよプロが!」

 

「しかし糸道と常闇も結構さがでてるな」

 

「確かに、同じ3位だったのに」

 

「あの服が目立ってたからだな」

 

「この結果を踏まえ指名の有無に関係なく所謂職場体験ってのに行ってもらう」

 

「職場体験、ですか」

 

「ああ、お前たちはUSJで一足先に敵との戦闘を経験してしまったがプロの活動を実際に体験してより実りある訓練を使用ってこった」

 

「それでヒーロー名か」

 

 

「まあそのヒーロー名はまだ仮ではあるが適当なもんは「つけたら地獄を見ちゃうよ!」」

 

「学生時代に着けたヒーロー名が世に認知されそのままプロ名になってる人多いからね!」

 

「「「ミッドナイト!」」」

 

突然扉を開けてミッドナイトが入ってきて一部の男子は大喜びだ

 

「そういうことだ、その辺のセンスをミッドナイトさんに査定してもらう。俺はそういうのできん」

 

先生・・・できんのは良いんですが授業中に寝袋に入って寝るのはどうなんですか?

 

フリップが全員に配られそれぞれが自身のヒーロー名を書いて行った

 

(こんなのでいいかな)

 

~~~~

「じゃあそろそろできた人から発表してね」

 

ミッドナイトのその言葉にクラスの大半が固まった

 

(発表形式かよ!)

 

(これはなかなか度胸が・・・)

 

皆が尻込みする中、青山フリップを持って教壇に立った

 

「行くよ 輝きヒーロ “I can notn stop twinkling”訳して“キラキラが止められないよ☆”

 

「「「短文!?」」」

 

「ここは“I”を取って“Can’t”に省略した方が呼びやすい」

 

「それねマドモワゼル」

 

(((良いのかよ)))

 

その後の回答もあって大喜利の様な空気を梅雨ちゃんのフロッピーが流れを変えてくれた所でまた変なのが来ない内に発表することにした

 

「次は自分が」

 

「はいじゃあ糸道君!」

 

俺は前に立つとフリップを皆に見せる

 

「縫製ヒーロー グランクチュリエです」

 

「フランス語で高次縫製師ね、糸道君を表している良い名前ね」

 

その後もヒーロー名の発表をし終わると寝ていた相澤先生が起きて職場体験の話になった

 

「話を職場体験に戻す。期間は一週間、肝心の職場だが指名のあった者は個別にリストを渡すからそのなかから自分で選択しろ。指名の無かったものはあらかじめこちらからオファーした全国の受け入れ可の事務所40件この中から選んでもらう、それぞれ活動地域や得意なジャンルが異なる」

 

「例えば13号なら対ヴィランより事故災害などの人命救助中心、とかね」

 

「よく考えて選べよ」

 

「「「はい!」」」

 

~~~~

(・・・あった、あの人からの指名)

 

指名してくれたプロヒーローのリストを見てみるとあってみたいヒーローからの指名が来ていたので速攻で先生提出をした

 

(あの人の所に行けば極制服だけじゃないこの個性の他の使い方が分かるかもしれない)

 



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第10話

職場体験開始当日、駅で皆がそれぞれの職場体験先の電車へと乗る中俺は一人のクラスメイトと同じ電車に乗る

 

「まさかお前と同じ所とはな、爆豪」

 

返ってきたのは舌打ちだった。まあここで「そうだね、一緒に頑張ろう」などと返ってきたら偽物なので色々と困るのだが。

 

その後俺たちは指名してくれたヒーロー ベストジーニストの事務所へ行くと早速コスチュームに着替えるようにベストジーニストの相棒の人に言われ着替えてベストジーニストが要る所に案内されると

 

「爆豪君、正直君の事は好きじゃない」

 

「は?」

 

会って挨拶もしない内に爆豪は嫌われた

 

なぜ嫌っている爆豪を指名したのか。ベストジーニストの話を簡単に言うと爆豪の凶暴性を直し模範的なヒーローになるように教育するために指名したらしい。

 

「あの、ベストジーニスト」

 

「何かね?グランクチュリエ」

 

「貴方が爆豪を指導するために彼を指名したのは分かったのですが、何故私を?私は彼の様に凶暴では無いと思うのですが」

 

「ああ、君は別の理由で呼んだんだ。君の事は少し調べさせてもらった、君の個性“生命戦維”体から生命戦維という特殊な繊維を出すことが出来その繊維で編んだ服を着れば何倍もの力を引き出せる。その個性は多くのサポート会社も目を付けており幼いころから勧誘が数多くあったらしいな」

 

「ええ、ヒーローになりたかったので断りましたけど」

 

「普通ならそれで終わりだ、しかし裏の。敵の違法コスチュームを作っている者達はそうは行かない、この先君のその服や繊維を狙って君を襲う可能性が高い。そこで君には短い間がヒーローとしての振る舞いの他に実際に敵と遭遇した時の身を守り方を経験してほしかったんだ。君の個性なら私の持つ技術を教えることが出来ると思ったからね」

 

どうやら色々と俺の事を調べてこれからに備えて勉強をしていってほしいという事らしい。彼の個性は繊維を操ると言う個性なので生命戦維という未知の繊維に興味を持ったのは事実だろう。しかし彼からは個性への興味だけではなく声や表情から優しい感情が伝わる、本気で心配してくれていており、俺たち二人に立派なヒーローになってほしいと思っているのだろう。

 

とりあえず拘束されていた爆豪は拘束が解かれるとそのまま椅子に座らされ

 

(・・・笑ったら殺されるwww)

 

八二分けにされていた

 

(すいません、ベストジーニスト。爆豪の顔が面白すぎて言葉が頭に入ってきません)

 

唇を噛んでプルプル笑うのを我慢しているの俺の状況に気づいた爆豪が俺を殺しそうな眼付きで睨んでくる

 

「よし、次は君だ」

 

「・・・え?」

 

~~~~

 

爆豪が俺を馬鹿にしたような目で見てくるそんな爆豪に俺は

 

(まあ髪型にこだわりないから別にいいけど。ナンバー4ヒーローに髪型セットしてもらえるって自慢できることだし)

 

特に反応をしなかった

 

俺の反応が面白くなかったのか爆豪は舌打ちをしてまたベストジーニストに注意された

 

ベストジーニストの所での職場体験だが基本はパトロールとマナーなどの勉強、数回敵と遭遇したが基本俺と爆豪はベストジーニストと相棒の人たちのサポートや市民の避難誘導をしていた。他にはベストジーニストに訓練を付けてもらいそこで新しい発見があった

 

~~~~

 

「グランクチュリエ、これを見たまえ」

 

「普通の服ですね」

 

「そうだ、この普通の服に私の個性を使うと服に使われている繊維を操れる、普段私はこの方法で敵を拘束している。しかし」

 

ベストジーニストは右手を今おれが来ている極制服に向ける、俺は極制服に拘束されたが先日ベストジーニストにつかまった敵程きつくは拘束されなかった

 

「先に言っておくが今私はこの間の敵と同じ強さで君を縛ろうとした。しかし君の生命戦維で作られた服は君をきつく縛りはしなかった。つまり私の個性からの命令を生命戦維が拒否したのだ」

 

その話を聞いて長年の自分の勘違いに気が付いた

 

(そうだ、そもそも生命戦維は人間を宿主にしていた寄生生物。『キルラキル』では極制服にされていたりとただの素材として扱われていたりしたが純血などは着る者がいないにも関わらず自ら考えて動いているような描写があった)

 

「私からの命令を無視したのが君からの指示ではない以上、君の生命戦維には知性があると思ったのだがどうだろう」

 

俺は早速指から一本の生命戦維を出し丸の形を取れと命令を出した。するとかなりゆっくりとだが生命戦維は丸の形になった

 

「かなり遅いが初めてやったからと考えれば上出来だろう、後は生命戦維を更に上手に扱えるようになれば君は更に強いヒーローになれる」

 

「ありがとうございますベストジーニスト!」

 

もしかしたら何か新しい発見を得ることが出来るかもしれないという軽い気持ちでここへ来たが予想よりも大きな成果を得ることが出来たようだ

 

~~~~

 

「ん?」

 

緑谷から何も書かれておらず位置情報しか書かれていないメールがクラス全員に送信されていた

 

(あいつの職場体験先って保須市だったか?それに確か保須市って最近ヒーロー殺しが出たってテレビで・・・)

 

「ベストジーニスト」

 

「どうした?グランクチュリエ」

 

「同じクラスメイトからのメールなのですが位置情報しか送られて無くて。普段こんな事しないやつですし」

 

「保須市か、分かったこちらでも調べてみよう。気になるかもしれないが慌てずに体を休めていてくれ」

 

「分かりました」

 

翌日保須市にてヒーロー殺しとUSJに来た脳無という敵に似た敵が複数現れたという事を聞いた。その後は事件は気になるが平常運行で気を引き締めろとの事で残りの職場体験は特に何事もなく終わった

 



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第11話

「「ハハハ!マジかマジか爆豪!」

 

職場体験が終わり久しぶりに学校に行くと爆豪が切島と瀬呂に八二分けを笑われていた

 

(ガッチガチにされてたもんな、俺のは簡単に戻ったけど・・・あ、爆発で治った)

 

「なあなあ、糸道って爆豪と同じ所だったよな」

 

爆豪を笑い終わると瀬呂がこちらに話しかけてきた

 

「ああ、ベストジーニストの所に行ってたぞ」

 

「どんなことやったんだ?ナンバー4の所での職場体験って!」

 

「別に他の所と変わらないと思うぞ、大体パトロールと訓練に付き合ってもらったな。後は何回か敵にもあったけど瞬殺だった」

 

皆が職場体験の話をしているとチャイムが鳴り先生が入ってきて扉が開いた瞬間にどんなに自分の席から離れていても皆席に座っている。全員がそういう個性でも持っているのだろうか?

 

職場体験開けでの一日を過ごして次の日、相澤先生から夏休みの間に林間合宿をやるという発表があった。勿論皆喜んだがその前に期末テストがありそれで赤点が出ると補修地獄になると言う中間テストの時点数が悪かった者のほとんどは慌てていた(糸道前回5位)

 

その後の筆記試験は無事に終わり実技試験なのだが先生達との実践だと言う。内容な歌風素手先生を捕まえるかある地点まで逃げれば生徒の勝ち。相手は何年も敵と戦ってきたプロ、生徒側には勝ち目はほぼ無いがハンデとして先生側は体重の約半分の重りを付けると言うしかし

 

「二人一組を作ると一人余ってしまうので一つは三人の組だ、そこと戦う教師はハンデの重りが体重の四分の一になってるから三人だからといって油断しないように」

 

相澤先生がそう言い終わった後誰とチームになって誰と戦うかが発表された

 

エクトプラズムVS蛙吹 糸道 常闇

 

どうやら俺は三人のチームになったらしい

 

「糸道ちゃん、常闇ちゃん作戦会議しましょう」

 

「御意」

 

「ああ」

 

俺たちは試験会場に行くとそこで試験が始まるまでどのように動くか話した

 

「相手はエクトプラズム先生、分身を出せる個性の先生だ、いちいち正面戦闘はしていられない」

 

「なら逃げて脱出ゲートを目指すのが一番ね、この試験会場は高さもあるし囲まれても上の階に逃げられるわ」

 

「俺は極制服の力でこのくらいの高さなら自力で飛べるが二人はどうする?」

 

「常闇ちゃんが私は上の階に投げて私が常闇ちゃんを引っ張り上げるのはどうかしら」

 

「分かった、俺も植物を出して持ち上げようと思えば持ち上げられるが時間がかかるし梅雨ちゃんに任せる。もし分身が多くて常闇が梅雨ちゃんを投げる暇が無かったら先に俺が上に登って二人を引き上げる。とりあえず今決めておくのはこれだけか」

 

「そうね、後は先生の反応を見ながらしっかりとコミュニケーションを取って対応しましょう」

 

「承知」「ああ」

 

作戦を決め終わったと同時にタイミングよく試験開始の合図がする、それと同時にエクトプラズム先生の分身が周りを囲むように出てきた

 

「剣の装!」

 

「蛙吹投げる!」

 

「常闇ちゃん」

 

まずは打ち合わせ通りに事が進み下にいる分身は相手にせず二階から脱出ゲートを目指す

 

「思ったより道が狭い、ボクシングで常闇の周りに出てくる分身を潰すから梅雨ちゃんは俺が間に合わないやつを頼む、常闇はそのまま遠くの分身を」

 

「ケロ」「承知」

 

そうして分身を倒しながら進むと脱出ゲートが見えてきたがゲートの前にエクトプラズム先生が立ち俺たちをじっと見ていた

 

「あの数をよくしのいだ、だが・・・これならどうだ?」

 

そういうとエクトプラズム巨大な分身を出した

 

「強制収容ジャイアントバイツ」

 

巨大な分身は口を開けてこちらに向かってくる。避けることも出来ずそのまま俺たち三人は分身に捕まって拘束されてしまった

 

「分身の解除は我の意思でのみ、さあどうする?」

 

「ダークシャドウ、お前だけでもゲートを通過しろ」

 

「まて、これを先生の近くに」

 

「分かった、ダークシャドウ!」

 

『あいよ!』

 

ダークシャドウは先生を突破してゲートに行こうとするが相手はプロ、ダークシャドウを余裕で相手にする

 

「プロを相手に正面からはしのげんか」

 

「でも届くのならチャンスはあるわ」

 

~~~~

(三人は拘束されていて身動き不可能、唯一動ける常闇のダークシャドウも私を倒すことは出来ない。このまま時間切れか)

 

「ダークシャドウ!」

 

常闇に呼ばれ一度戻ったダークシャドウだったが直ぐにまたこちらへ向かってくる

 

(こんな攻撃いくらやろうと無駄だぞ)

 

また蹴り飛ばしてやろうとダークシャドウへ向かってジャンプし、ダークシャドウを蹴ろうとしたときダークシャドウが何かを持っているのが見えた

 

(カフス!しかしまだ間に合う!)

 

体を捻ってダークシャドウの持つカフスを避けようとするが

 

「縛れ!」

 

突然体が動かしづくなりダークシャドウを避けることが出来ずカフスをかけられてしまった

 

~~~~

「何とか勝てたか」

 

試験が終わると巨大分身は俺たちをゆっくりと地面に降ろすように消え本物のエクトプラズム先生がこちらに歩いてくる

 

「見事な機転だ称賛に値する」

 

「恐悦至極」

 

「ケロケロ」

 

『俺のおかげだな』

 

「そうだが今回は糸道の活躍が大きかった、糸道がエクトプラズムの動きを鈍らせなければカフスを避けられていただろう」

 

「ベストジーニストに教えてもらったことを試してみたんだ、まだ一本しかうまく操れないけど成功してよかった」

 

「重リヲ付ケテイタトハイエ一本ノ繊維デアレホド動キガ阻害サレルトハ、鍛錬ヲ続ケテ同時ニ操レル本数ガ増エレバ脅威的ナ威力を発揮スルダロウ」

 

「はい!」

 

その後

 

(何組かが試験に合格できなかったようだが彼らは合宿に行けないのだろうか?そもそも俺は赤点では無いのか?)

 

~~~~

「全員行きます」

 

「「「「どんでん返しだ!」」」」」

 

赤点になった者は数名出たが全員合宿には行くと言う先生の言葉に赤点組は嬉しくて泣いたりテンションが高くなったりしていた

 

しかし

 

「おまえらには別途に補修時間を設けてある、ぶっちゃけ学校に残っての補修よりきついからな」

 

その言葉で赤点組全員が白く固まった

 

(合宿の準備しなくちゃな)

 

そして準備などをしながら1学期の修行式が終わり夏休みに入った後、俺たちヒーロー科は学校に集まりバスで合宿場所へと向かった

 



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第12話

バスが止まりトイレ休憩、と思ったが

 

(何もないな)

 

「何の目的も無くては意味が薄いからな」

 

「え・・・それって「ようイレイザー!」」

 

バスが止まる前からあった一台の車から女性の声がして全員がそちらを向くと

 

「ご無沙汰してます」

 

 

「煌めく眼でロックオン!」

 

「キュートにキャットにスティンガー!」

 

「「ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ!」」

 

先生が挨拶をすると車から出てきた二人の女性は決めポーズを取るがいきなりの事に全員がポカーンとしている

 

「今回お世話になるポロヒーロープッシーキャッツの皆さんだ」

 

「連名事務所を構える4名1チームのヒーロー集団!山岳救助などを得意とするベテランチームだよ!キャリアは今年で12年にもなる「心は18!!」」

 

「心は?」

 

「18!」

 

チーム名を聞いて一番最初に元に戻った緑谷は興奮してプッシーキャッツの説明をするが年齢関係の話をしたとたんに青いコスチュームの女性に訂正させられてしまった

 

「お前ら挨拶しろ」

 

「「「よろしくお願いします!」」」

 

挨拶が終わると赤いコスチュームの女性がここら一帯の説明と宿泊施設の場所を教えてくれるが見えないほど遠い

 

「えっじゃあ何でこんな半端な所に?」

 

「これってもしかして・・・」

 

「いやいや・・・」

 

「アハハ、バス戻ろうか・・なっ?早く」

 

皆この先に何が待ち受けているかうすうす分かり必死に気づかないふりをしてバスに戻ろうとする

 

「今は午前9時30分、早ければ12時前後かしらん」

 

しかしそんな皆を無視して赤いコスチュームのヒーローは不安なことを言う

 

「バスに戻れ!早く!」

 

女性の言葉で皆は全速力でバスに戻ろうとするが

 

「悪いね諸君、合宿はもう・・・」

 

「イヒッ」  「あっ!?」

 

「始まっている」

 

青い方の女性の個性なのだろう、クラスの全員は盛り上がった土によって下へと放り出された・・・俺以外は

 

「危ない危ない」

 

咄嗟に生命戦維を出し転落防止の柵を使って落ちるのは免れた

 

「ん?」

 

しかし

 

「・・・」

 

「あ、どうも先生・・・えっと、何をしているので」

 

「・・・行ってらっしゃい」

 

「やっぱりですかァァァァァ!?」

 

先生は柵に結ばれていた生命戦維をほどくと笑って手を振りながら俺が落下していくのを見た後、俺の極制服が入ったケースを落とす

 

「おーい!私有地に付き個性の使用は自由だよ、今から3時間自分の足で施設までおいでませ!この魔獣の森を抜けて!」

 

「魔獣の森!?」

 

「何だそのドラクエめいた名称は!」

 

皆が諦めて森を歩こうと森の中に入ると

 

「グルルルル」

 

「「「魔獣だー!!?」」」

 

数メートルのゲームでしか見たことが無いような怪物がこちらを見ていた

 

魔獣は呆然としている峰田を前足で攻撃しようとしている

 

「ボクシング!こんなの喰らったら一撃で動けなくなるぞ」

 

グローブ越しに魔獣の硬さに驚く。どうやら魔獣はプッシーキャッツの誰かが作った人形らしい。一匹を倒すと森の奥から次々に湧いて出てきた

 

皆最初は驚いていたが直ぐに状況を判断し相手を倒していくことに決めると行動が速く、それぞれの個性を生かして次々に魔獣を倒していく

 

「糸道さん!」

 

「剣の装!」

 

俺も次々に魔獣を切っていくが

 

「多く無いか!?」

 

「三時の方向から3体!」

 

「クソ!」

 

結局目的地に着いたのは夕方の時間になってからでした

 

その後何とか宿に着いてご飯を食べた後、ある事件が起こった

 

 

 

ご飯を食べ終え風呂に入ろうとした時、服を脱ぐ糸道をみて峰田は閃いた

 

「な、なあ糸道、まさかとは思うがその服透明になってる出来ないか」

 

その場には勿論他の男子メンバーも居り、峰田の目的に気づき(そんな都合のいい事がある訳)と呆れていると

 

「あるぞ?」

 

「「「あるのかよ!?」」」

 

「剣の装と同じ三つ星の服の能力として。まだ実験段階だが急な動きをしないで短時間なら」

 

「ちょ、ちょっとオイラに貸してくれ!」

 

「俺も‼・・・じゃなくて駄目だぞ峰田」

 

「どんな理由があっても他人には貸さないからな」

 

「そうだ峰田君!君の行動は己も女性陣もおとしめる恥ずべき「やかましいんすよ」」

 

峰田は穏やかな顔でそういうと、男子全員が反応できないスピードで糸道に接近、今糸道が脱いだばかりの極制服を奪うと直ぐに着る

 

「へへへ、これで女子の・・・ジュルリ…ッ!?」

 

峰田が最低事を考えていると、極制服がどんどん縮んでいき次第に峰田を締め付け始めそれに応じて峰田が苦しむように暴れ出す

 

「おいおい、何かヤバくねえか?」

 

「だから言ったのに!切島!峰田が暴れないようにしっかり押さえてくれ!」

 

「お、おう!落ち着け峰田・・・ック!峰田ってこんなに力強かったか!?」

 

「気を付けろ、極制服の能力で力が上がってるからな」

 

「俺たちも!」

 

「応!」

 

「オンナ・・・オンナアァァァァァ!」

 

本来暴走すると周りを攻撃する事しかできなくなるはずなのだが、そこは流石の性欲の権化峰田と言うべきか、女湯に突進しようとする所を皆が抑えその隙に糸道が極制服に触れ動きを止めるように指示をする。峰田が着たことで暴走した極制服だが暴走後直ぐの対応だったため数分で収まった

 

「最初に行っただろうが、これは服に見えるが寄生生物。極制服より力が無いとこっちが食われてヤバい事になるんだと。・・・ったく、普通なら極制服が支配権を持って暴れることしかしないのにあの状態でも女湯へ行こうとする執念は凄いと思うけど」

 

「それ・・オイラの事・・・褒めて、る?」

 

「「「なわけ無いだろ!!」」」

 

クラスの男子全員の突っ込みを最後に峰田は気を失った

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに峰田の叫びは女湯まで聞こえていたらしく峰田は更に女子から嫌われた

 

次の日

早朝に行ったのは爆豪に体力テストでも使用したボールを使ってこの3か月でどこまで成長したのかを確認した。皆がどの位伸びているか期待しながら爆豪の投げた距離は709.6、3か月前と比べて大きな成長とは言えなかった

 

「入学からおよそ3か月、さまざまな経験を経て確かに君らは成長している。だがそれはあくまでも精神面や技術面、あとは多少の体力的な成長がメインで個性そのものは今見た通りでそこまで成長していない、だから今日から君らの個性を伸ばす」

 

そういうと先生はニヤリと俺たちを見ながら笑い

 

「死ぬほどきついがくれぐれも・・・死なないように」

 



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第13話

先生が死なないようにといった訓練、Aクラスそれぞれにあった訓練というのは理解出来るが第三者が見れば何この地獄絵図?というくらいにはひどい、頭から血が出て泣きながら頭のから生えてくるボールをもぎるものや絶叫を上げ白目になりながらひじからテープを出すもの、大容量のバッテリーと通電して泣いている者もいる。そんな中糸道はというと

 

「よし・・・あともう少し」

 

糸道は手から生命戦維を数本出してトランプタワーを作っていた

 

 

糸道一身

生命戦維を使ってトランプタワーを作る事で生命戦維の操作能力を鍛える特訓

 

夕方まで特訓をして待っていたのは夕ご飯、ではなく全員疲れている中でのカレー作り

 

皆持ち前の技術や個性を活かし順調にカレーを作り終え仲良くそのカレーを食べた。昼食後は皆で雑談やトランプなどをして就寝、そして次の日は朝からまた個性訓練をして夜

 

「腹も膨れたし飯も洗った、お次は!」

 

「肝を試す時間だ!」

 

「「「試すぜー!」」」「その前に」

 

桐島たちがテンションを上げる中、先生の声にテストで赤点だった者達が体を震わせる

 

「大変心苦しいが補修連中は今から俺と授業だ」

 

「ウソだろ!?」

 

「すまんな」

 

補修組は何とか抵抗しようとするが先生はそんな抵抗を無視して補修組全員を捕縛布で縛り連れて行った

 

「はい、という訳で・・・」

 

先生たちが居なくなった後、改めて肝試しのルールを説明するプッシーキャッツ。二人一組で21人の内5人が補修になったので一人の組が出来なかったのが補修組が居なくなった唯一の利点だろう

 

そして俺の相手だが

 

「よろしくね、糸道君」

 

「ああ、よろしく緑谷」

 

俺たちは最後の組なので順番を待っていると異変が起こった

 

「何か焦げ臭くない?」

 

誰が言ったのか分からないが確かに焦げ臭い匂いがした、何の匂いだろうと周りを見渡していると、緑谷がある物に気づく

 

「あれは、黒煙」

 

「まさか山火事か!?」

 

「な、何!?」

 

ピクシーボブの声に後ろを振り向くと、ピクシーボブが何かに吸い寄せられるように後ろ向きに飛んでいき今までその場にいなかった男が持っている布で包まれた何かに頭をぶつけ頭を切ったのか血を流し気絶してしまった

 

「万全を期したはずだろ?なのに、何でヴィランがいるんだよ!?」

 

「ピクシーボブ!」

 

咄嗟にピクシーボブを助けようと敵に突っ込もうとする緑谷を止めるマンダレイと虎、予想外の事態に二人の顔が強張っている

 

マンダレイは俺たち生徒に指示を出しそれに従い行動しようとしたとき、皆が動く中で緑谷が一人の少年を助けるために別行動を取ると言い出す

 

「分かった、でも絶対に戦闘はしないで滉汰を連れて施設へ!」

 

「はい!」

 

「他の皆は全員で施設へ行き教師に報告!」

 

「了解いたしました!」

 

「気を付けろよ緑谷」

 

「うん!」

 

 

 



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第14話

「・・・ん?」

 

ここはどこだ?確か俺は飯田たちと施設へ戻ろうとして・・・

 

「何で縛られてるんだ?」

 

現在俺は何やら箱型の水槽がいくつも並ぶ倉庫の様な場所で椅子に座らされた上で鎖と南京錠でぐるぐる巻きにされていた

 

「これ位なら、まさか合宿の成果がこんなに早く役に立つとは」

 

生命戦維を数本出して南京錠の鍵穴に突っ込み十数分でなんとか解除できた俺は慎重に周りを探索する

 

「・・・ただの魚が入ってるだけなら良かったんだけどな」

 

水槽の中には脳がむき出しの異形の怪物達、敵連合が脳無と呼ぶ怪物が無数に存在した

 

「とりあえずは動かないみたいだから刺激を与えないように・・・ってあれは」

 

脳無が入る大量の水槽、その中に水面から脳ではなく緑色の何かが見える水槽が一つだけあった。恐る恐る近づいて中を確認すると

 

「ラグドール!?」

 

そこには魂が抜けたように目は開けているのにこちらの言葉に反応が無いプロヒーローラグドールが裸で水槽に入っていた

 

「ラグドール!しっかりしてください!!」

 

急いで水から引き上げて自身の上着を脱ぎ裸のラグドールにかけて出口を探す

 

(ここがどこだか分からないがここに居るのは危険すぎる、様子が変なラグドールを連れて早くここから離れないと)

 

「ここから離れられるのは困るな」

 

「っ!敵か」

 

「悪いね、前々から良い個性だと思っていてね、丁度いいから貰うことにしたんだ」

 

(クソッ!極制服もないこの状況どうすれば)

 

「糸道一身君、君の個性も良いと思っていたんだ、だから・・・僕にくれないか?」

 

「やるわけねえだろ!」

 

俺は生命戦維を束ねて鞭にして敵へと攻撃した。

 

 

「ここか、急ぐぞ」

 

「ちょ、ジーニストさん!もう、いつもの冷静さが全くないんだから」

 

「仕方あるまい、自分の所でインターンを受け持った学生を二人とも攫われたのだ。本当なら一番いる可能性のあるオールマイト達の所へ行きたいだろうに」

 

「ほんとクソ真面目ですよね。それならさっさと終わらせて向こうへ行きましょう」

 

Mt.レディはそういうと脳無保管庫の敷地内にあった軽トラを靴の様に足に履き足を高く上げると

 

「フン!」

 

勢いよく振り下ろし保管庫の壁を派手に壊した

 

「糸道!」

 

壊れた倉庫、そこでまずベストジーニストが目にしたのはラグドールを抱えボロボロになりなっている糸道だった

 

「糸道しっかりしろ!いったい何があった!」

 

「ベストジーニスト・・・敵・・逃げ、ろ」

 

その言葉を聞いて直ぐ、ベストジーニストはこの場に居る全員の服の繊維を操作してその場から脱出する、その直後、ジーニストたちが居た場所が突然爆発する

 

「やっと倒れたか、まさか殺さないよう手加減したとはいえ僕と戦いながらこの場にある脳無を駄目にされるとは、ますます欲しくなる」

 

「お前は」

 

(先ほど聞いた敵連合のブレーンか)

 

ベストジーニストは相手をこの作戦の前に警察から聞かされた敵と判断し繊維を操り拘束、そして同時に攻撃を加える

 

 

 

 

~~~~

 

(何だ?体が重い、俺は何でこんなとこで寝てるんだ?何か凄い音するし)

 

数秒の思考の末、自分の状況を思い出し起き上がると周りは悲惨なことになっていた

 

「何だ、これ・・・周りの建物が粉々に」

 

どんな災害が起こったらこのような酷い結果になるのか。まだふらつくのを抑えながら周りを確認しようとすると体に何かを巻き付けられ持ち上げられる

 

「シンリンカムイ」

 

「糸道君大丈夫か!今はここを離れる、暴れないでくれよ」

 

そのまま、シンリンカムイに抱えられ音の発生源から遠ざかっていく

 

(何が)

 

音の発生源の方を見てみると黒いスーツの恐らく敵相手にエッジショットとエンデヴァーが攻撃をしているのが見えた、そして

 

「シンリンカムイ、あそこにいる人って」

 

「ああ、信じられないかもしれないがオールマイトだ。なぜあのような姿になったかは分からんが」

 

体は細く血まみれになりながらあの敵と戦っているのだろう。今にも倒れそうだが両足で踏ん張って敵を見据える

 

(エンデヴァー達の様に加勢しようなどとは思い上がらない、ただ少しでもオールマイトの力になれるように)

 

体が旨く動かないが何とか動かして手から生命戦維を出し形にしていく

 

(時間が無い、どんなに効果が少なくても良いからとにかく直ぐに作れる物を)

 

「糸道君はここに、私はオールマイト達の応援に行ってくる」

 

「ま、待ってください、これをオールマイトに」

 

そう言ってシンリンカムイにできたものを渡し終えると、また意識を失ってしまった

 

 

~~~~

 

「今の僕が掛け合わせられる最高最適の個性たちで君を殴る!」

 

(糸道少年、力を借りるよ)

 

『糸道君から渡してほしいと!』

 

先ほどシンリンカムイから渡された手甲を両腕にしっかり付いているのを確認してオールマイトは拳を構える

 

複数の個性を掛け合わせた攻撃に弱体化したオールマイトの腕からは血が出て痛々しく折れ変色するがそんなこと関係ないとばかりに右腕のパワーを左腕に移しオール・フォー・ワンを攻撃する。予想外の攻撃にまともに食らってしまうオール・フォー・ワンだが攻撃が浅く大したダメージが入っていなかった

 

「そりゃあ腰が入っていなかったからなあ!」

 

そう言ってオールマイトは今度は左腕のに残った力を右腕に移し血を吐きながら攻撃をする

 

「!!」

 

その時腕から、正確には糸道が作った手甲から力が湧いてくるのを感じた

 

(ありがとう、糸道少年!)

 

「UNITED STATES OF SMASH!」

 



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第15話

「ん・・・」

 

気が付いたら病院のベットでの上だった

 

起きた後は病室に入ってきた警察の人に色々とあの夜の事を説明してもらった後、敵に何かされていないかの検査を行いパトカーで家に送ってもらった。

 

家に帰ると両親が出迎えてくれて俺の姿を見ると安心して抱きしめてくる。その後は家族で一緒にご飯を食べ布団を敷いて俺を真ん中に川の字で寝た。まあ気持ちはわかるが二人とも俺に抱き着いて寝るのはどうなんだろう、息苦しいし。まあ嫌ではないけど

 

家に帰ってから数日後、家に相澤先生とオールマイトが来た。雄英高校の全寮制に伴う家庭訪問だ

 

先生たちが改めて詳細を説明した後、頭を下げる

 

これにうちの両親は迷わず息子とよろしくお願いしますを頭を下げる

 

先生たちはこの反応に驚いた様子だった、どうも俺が攫われたのもあり非難されると覚悟していたようだ

 

それにうちの両親は俺が昔から個性の関係で色々とトラブルがあったのもあり、自分たちにはこの子を守る力が無く、雄英の方が安全だと考えていると。あと相沢先生が会見で言った事が嬉しかったようだ

 

どんなに会見だったのか自分が直に聞いた訳では無いので詳しくは分からないが

 

記者が俺が攫われたことについて俺の個性や今までにあったことなども言って「厳重な所に匿って置くべきだったのではないか、敵に生命戦維が渡れば厄介なことになる」とオブラートに包んで言ったらしい

 

その俺を何か便利な道具扱いに先生が静かに怒りながら冷静に糸道は立派なヒーローになれると言ってくれたらしい

 

この言葉が両親は嬉しかったらしい。両親の周りには俺をヒーローにさせるよりもサポートアイテムやコスチュームを制作する会社に入社させた方が良いという者が多く。中には自分の会社に入れろと脅しじみた事をした者も居たらしい

 

しかし俺が昔からヒーローになると言っていたこともあり子供の自由にさせるとそんな大人たちから守っていてくれた

 

そんな両親だから相澤先生の言葉は何よりもうれしかったようだ

 

そんな理由を聞いて少し恥ずかしそうにする相澤先生

 

その後は何の問題もなく家庭訪問が終わり先生たちが帰った後、俺は引越しに向けての準備を始めた

 

 

そして入寮日当日、久しぶりに皆と顔を合わせられ話していると相澤先生からの重すぎる話、攫われた俺としては居心地が悪い、俺と爆豪を助けようと動いたもの含め今回の被害者以外全員が除籍処分になりかけたのだから。

 

・・・あ、爆豪待って俺にも払わせて。同じ状況のお前だけが払うの何か違うから

 

まあそんな事も終わり荷解きが終わるころにはすっかり夜になってしまった

 

その後はゆっくりしようと思ったが女子達の提案によりお部屋披露大会が始まってしまった

 

「皆個性的な部屋だな」

 

「おいおい糸道ずいぶん余裕だな、次はお前だぜ?」

 

「別に恥ずかしくないからな、何も面白い物も無いし」

 

そう言って糸道が自分の部屋を開けると

 

「お疲れ、それクローゼットに直しておいて」

 

「「「服が動いとる!!!」」」

 

スーツが動いて荷物の整理を行っていた

 

「糸道何それ!」

 

「予想外すぎるだろ!?」

 

「前に職場見学でジーニストに言われたことを参考に作ってみたんだ、少し動きが不安な所があるけど便利だぜ」

 

ジーニストに言われたことを参考にキルラキルで出てきた生命戦維で出来た敵、カバーズを作った。アニメでは敵であった存在だが今は俺の個性から生まれた存在、俺の言うことを聞くので勝手に人間を取り込み始めたりなどはしない

 

(カバーズの性質を利用すればヒーローとしての活動の幅を広げることが出来るし早く完全に扱えるようにならないとな)

 

なお大会の優勝は贈賄?による佐藤の一人勝ちだった

 



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第16話

体育館γ・TDL(トレーニングの台所ランド)そこで今日から俺たちA組は必殺技を作るための特訓が始まろうとしていた

 

先生方からの必殺技の重要性や説明を聞くとどうやら飯田のレシプロバーストや俺の園芸部極制服も超加速や周囲を自分の優位なフィールドに作り替えることも必殺技に数ることが出来るらしい

 

まあ佐藤が言ったようまとめると「これさえやれば有利、勝てる」という型を作れば良い訳だ。それが大変なのだが・・・

 

先生たちの説明も終わったのでA組のそれぞれがセメントス先生が作った練習場所でエクトプラズム先生の分身を相手に練習を始めた

 

『糸道君ハ何カ必殺技ヲ考エテイタリスルカ?有ルナラバマズハソレ見テミヨウ』

 

「はい、これです。カバーズって言うんです。けどこれ対生物用でエクトプラズム先生の分身だと使えないみたいで」

 

「糸道少年、私がアドバイスして回るぞ!」

 

「あ、オールマイト丁度いいところに!」

 

「ん?どうしたんだい」

 

「実は・・・」

 

「成程、分かった私が練習台になろう」

 

「すみません」

 

「ハハッ良いさ良いさ」

 

「それでは・・・」

 

「おお、服が宙に浮いて動いてる」

 

カバーズはお腹の部分を開き、そこからオールマイトを食べるように自分の中に入れるとカバーズが膨らみ、布状から人型のカバーズへと変化、そしてオールマイトの頭だけを外に出すことで顔だけガリガリのムキムキオールマイトが白い紳士服を着たような状態になった

 

「このように対象を取り込むことで年寄りや歩けない方などの足となり避難を進めることが出来ます」

 

「おお、これは良いね」

 

「更にカバーズの生命戦維が取り込まれた対象を生かそうと怪我などがあれば少しですが対象の治癒能力を上げて怪我を直そうとします。更に怪我の痛みなども脳に届けられる痛みの電気信号を食べることにより、痛みを感じないようにしてくれます、必要となれば意識を落とすこともできるので敵を捕まえるのにもでも使えますね」

 

全ての生命戦維は俺の言う事が絶対なので変に暴走して取り込んだ者を危険な状態にはしない。カバーズが行えるのは宿主を守ろうと治癒力を高めて怪我の治りを早くさせることと一時的に痛みを取り除くこと。後は敵などを捕まえることだろう

 

「確かに全身の怪我が痛くない」

 

「あ、動けないと思いますけど注意してくださいね、痛みを感じないだけで今もしっかり怪我してるので」

 

「分かった。しかし凄いな、これは私がアドバイスする事がない」

 

『災害ニ遭遇シタ者ハパニックニナリ暴レテ周リニ被害ヲ出シタリ怪我を重症化サセテシマウコトモアル、ソノヨウナトラブルヲ起コスコトナク安全ニ避難誘導ガ出来ル上ニ敵ノ確保マデ、コレハ文句ナシノ必殺技ト言エル』

 

「ありがとうございます」

 

「後はそうだな、糸道君は極制服で前に見た大きな植物を出すことが出来る服や車に変形できる服だったりと様々な状況に対応できるからね、他に極制服の案があるならそれを制作することで戦闘などで切れる手札を増やすのも有りだと思うよ」

 

「分かりました、ありがとうございます!」

 

オールマイトは俺にアドバイスを終えた後、他の生徒へのアドバイスを行いに行った

 

 



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第17話

仮免取得のため約十日間の夏休みを使い必殺技や新しい極制服を制作して過ごした糸道

 

仮免取得のための準備期間は終わり現在は仮免を取得するために試験会場へと来ていた。

 

士傑高校や傑物学園の人たちと挨拶を行いコスチュームへと着替え会場で試験開始を待っていると

 

「えー、はい。仮免のやつやります」

 

何やら疲れ切っているヒーロ公安委員会の男性(目良さんと言うらしい)

 

最近起きている事件などの影響であまり寝れていないようで突然好きな睡眠の紹介を行い始めている

 

大丈夫かと少し心配になったが。目良さんはそんな心配を吹き飛ばす驚きの事を発表した

 

「条件達成者先着100名を一次試験通過といたします」

 

これには全員が騒めく。いまこの場にいる受験者は1000人は超えている。つまり合格できるものはこの場の一割以下。いままでの合格率と比べても低すぎた

 

一次試験の内容だが簡単に言うと的当て。体にターゲットを三つ付けターゲット全てに弾を当てられたら失格。相手の三つ目のターゲットにボールに当て二人倒せば合格というルールだった。

 

試験を行う場所が公開されボールとターゲットを受け取った受験者は様々な地形を持つ会場にそれぞれ散らばっていく

 

「皆、余り離れずに固まって動こう!」

 

殆どのA組の生徒が緑谷の発現に同意するが爆豪や轟などがクラスの皆から離れて行ってしまう

 

緑谷が離れず固まって動こうといった理由は相手側にA組の個性を知られていたからだった。毎年テレビにて放送される雄英体育祭、そこで個性の内容やそれぞれの弱点なども相手にバレてしまっている。そうするとどうなるのか?

 

『第一次試験スタート』

 

答えは雄英生潰しである

 

始まった瞬間にそこら辺に隠れていた者達が姿を見せボールの雨を降らせる。数人は直ぐにやられてしまいそうではあるがA組の皆は作り出した自身の必殺技などで自分をクラスメイトを守っていく

 

「地伝動地!」

 

しかし傑物学園の学生による個性による地面が揺れ、地面が砕け皆が分断されてしまった。

 

「周りには・・・誰もいないか」

 

「ああここに居る雄英生は君だけだ」

 

声がした後ろを振り向くとそこにいたのは他校の学生約10人

 

「いや絶対他の探しに行った方が良いでしょ」

 

数人ならわかるがなぜこんなに大勢で一人を狙うのだろうか。個性が分かっているとはいえ仮に俺を倒せたとしても一人も合格にはならないのに

 

「まあこっちとしてはありがたい。やれ!」

 

糸道が合図を送ると地面から巨大な植物が現れ近くにいた受験者を数人大きな口で捉える

 

「よしよし、口を開けろ」

 

生命戦維と融合しているこの植物は糸道の指示を素直に聞き糸道の近くに顔を寄せると口を開く

 

「敵を捕獲し口内にて体を生命戦維で拘束し自身のエネルギー源にする。暴れない様に意識も失わせているし敵捕獲用の技としても使えるな」

 

糸道は意識を失っている受験生二人を手持ちのボールと使い撃破。自身がつけていたターゲットからの指示に従って控え室へ行くと部屋には約10人ほどしかおらず雄英生はまだいなかった

 

(皆はまだか、全員合格できるといいが)

 

 

結果、一次試験雄英生全員受かった。ギリギリだったけど全員受かった。

 

何とか全員と控え室で合流し全員合格出来て良かったと話していると

 

『え~一次選考を通過した100人の皆さん、こちらをご覧ください』

 

そう言うと控え実にあるでかいモニターに先ほどまで一次試験で使っていたフィールドが表示される。皆が何だ?とモニターを見ていると

 

ドカン!

 

(((何故!?)))

 

突然フィールドのあちこちが爆発してビルなどを派手に倒壊している

 

『次の試験でラストになります。皆さんにはこれからこの被災現場でバイスタンダーとして救助演習を行ってもらいます』

 

(救助演習・・・大事なことだと言うのは分かるけど)

 

雄英の入学試験といい・・・金掛けすぎだろ

 




・生命戦維と融合した植物
園芸部が使っていたアレ。糸道のいう事を聞く、地面が砕けた時咄嗟に種を周りに撒いておいた。
園芸部の極制服を着たほうが成長スピードや指示なども素早く受け取るが個性伸ばしの影響か極制服を着ていなくても極制服を着ていた時に出来ていたことの劣化版が出来るようになった(今回の植物を操るなど)


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第18話

突如爆発したフィールド。次の試験は酷い状況となったフィールドでバイスタンダー、つまり現場に居合わせた人として救助活動を行うと言う物だった

 

(俺たちは仮免を既に得ている状況、つまり個性をフルに使って救助を行えという事か)

 

「おい!あそこに人がいるぞ!」

 

「老人に子供、何であんなところに!?」

 

画面には建物が崩れたフィールドにて体から血を流した人たちが映りの学生からも困惑の声が聞こえてくる。それを解消する様に目良さんが彼らの説明をしてくれる

 

(フックねえ。要救助者のプロって、前世じゃ絶対に無い職種だな)

 

「彼らは傷病者に扮して被災現場全域にスタンバイ中、皆さんにはこれから彼らの救助を行ってもらいます」

 

その後、試験が始まるまで緑谷が一次試験中に他校の裸の女子と岩陰にいたやら士傑の一人が爆豪相手に暴走しただろ知らない所で色々あったようだが

 

『ジリリリリリリ!』

 

突如大きな非常ベルが鳴り目良さんから放送で事件発生の連絡、発生場所や被害規模など演習のシナリオが発表される。それと同時に待機所も大きな音を立てながら徐々に開いていく

 

『スタート!』

 

目良さんのその声と共に受験生全員が同じ学校同士でフィールドへと散らばっていく。

 

「とりあえず一番近くの都市部ゾーンへ行こう!」

 

飯田提案により雄英生は都市部ゾーンへと走る

 

「爆豪また・・・ッ」

 

「あっちは上鳴と切島もいる、連れ戻そうとごちゃごちゃ時間を取るよりも救護を行った方が良い」

 

「糸道、分かった!」

 

途中爆豪が皆と別行動を取ると言うことがあったがもたもたするわけにはいかないので皆はそのまま足を止めることなく進む

 

「ッ!みんな待って、子供の声がする!」

 

緑谷そう言って声のする方へ、皆も緑谷についていくとそこには一人の子供が泣いていた

 

「た、助けて、おじいちゃんが潰されて・・・ッ!」

 

「え!?大変だ、どこに「何だよそれ、減点だ!!」えっ・・・!?」

 

先ほどまで泣いていた子供にいきなり大きな声で減点を食らう緑谷、いきなりの事に全員の動きが止まる。そこからは被害者の状況を確認しろなどの駄目出しを食らい自分たちがどの様に動くべきなのか知った俺たちは行動を開始する

 

「僕はこの子を救護所まで運ぶ、皆は先に行ってて」

 

「この子には生命戦維で作った包帯を巻いておく。痛みを抑えて止血効果もあるから使え」

 

「ありがとう糸道君!」

 

俺が子供に包帯を巻いた後、緑谷は子供を抱え救護所へ。残った俺たちは他の要救助者を見つけるため先へ進む

 

 

緑谷と別れた後、俺たちは瓦礫に挟まっているおじいさんを見つけた。皆が個性を使い救助を行う中、この状況で個性や人数などの関係でただ見ているだけになっている者達がいた

 

「これは一次選考とは違いバラけた方がよさそうだ、少数編成で動こう」

 

(俺が出来る事・・・二つ星の殆どは救助に適さない、なら・・・)

 

皆がそれぞれ自分の個性を生かした場所へと向かうと言う中、俺は極制服では災害現場と言う場所では極制服の力をフルに生かすことは出来ないだろうと考え、皆とは違う形での救助を行うことにした

 

「三つ星極制服 探の装!」

 

「おぉ!新しい姿か」

 

「説明は後で、皆に手伝ってほしい事がある」

 

~~~~

 

「・・・で、糸道が言うにはこの糸玉を投げれば良いんだな」

 

「ああ、出来るだけ広範囲に散らばるようにそれぞれ投げれば良いらしい」

 

「じゃあここらへんで、よっと!」

 

「フン!」

 

峰田と障子が投げた糸玉。生命戦維の塊は峰田たちの手を離れた後、蛇の様に地面を這いながら瓦礫の中などに潜り込み広い範囲に自身(生命戦維)の手を伸ばしていく

 

 

 

 

 

「・・・来た」

 

探の装を着た糸道は両腕両足にあるキーボードを叩きながらA組によって辺りに広げられた生命戦維を操作して要救助者を見つけていく

 

「生命戦維が反応を示した生体反応は約20。その中から救助者を見つけ出して近くの受験者に伝える」

 

~~~~

 

「おい、糸道の糸が反応してんぞ!」

 

「あっちに救助者がいるんだ、急ごう!」

 

 

 

 

「な、何だこれ。向こうのビルを矢印で指してるぞ」

 

「それは仲間の個性です!指示している場所に要救助者が居るので見つけたら救助を!」

 

「分かった!他の奴らにもこれのことは伝えとく!」

 

「ありがとうございます!」

 

 

 

 

「この子をお願いします!腕から血が出ていてそれ以外は軽い擦り傷。受け答えもはっきりしていて頭を打ったりはしていないようです」

 

「分かった、この赤い包帯は」

 

「私のクラスメイトの個性です。巻くと痛みが無くなると、ここ(救護所)に来たら渡してくれと頼まれました」

 

「そうか、ありがとう。向こうに痛みを訴えている救助者が何人もいる、手伝ってくれ!」

 

「はい!」

 

 

~~~~

 

「・・・周囲にはもう要救助者はいないか」

 

一人要救助者の捜索のため生命戦維を伸ばし付近を調べていた糸道は周辺にはもう要救助者はいないと判断。要救助者がいないか探るため伸ばしていた生命戦維を自分の元まで戻し次の場所へ

 

「次はあっちに行くか。A組の皆も向こうには行ってないからだれか残ってるかもしれない」

 

糸道が次の場所へと向かおうとしたとき

 

「ッ!何だ今の爆発は!?」

 

『ヴィランが姿を現し追撃を開始。現場のヒーロー候補生はヴィランを制圧しつつ救助を続行してください』

 

突然の爆発に糸道が驚いていると、フィールド全体に聞こえるように目良の放送が聞こえてきた

 

(ヴィランだと!?あっちは救護所がある方向。行きたいがあっちにも要救助者がいるかもしれないし)

 

「糸道君!今の放送は聞いたな!?君は救護所に行ってくれ。救助は俺たちがやる、君の方がヴィランと戦うのに適しているだろう」

 

「飯田、分かった。向こうを頼む!」

 

糸道がどちらに行くべきかで動きが止まっていた時。たまたま糸道の近くに居た飯田が糸道にヴィランの対処を頼み悩む材料が無くなった糸道は爆発のした方向へと走る。

 




・探の装
剣の装に続いて登場した三つ星極制服。今回糸道はフィールドに生命戦維を伸ばし生命戦維に触れた人の情報(ストレスや興奮状態か、など)を生命戦維を通して探の装に集め解析。要救助者だと判断したら近くのヒーロー候補生に生命戦維を使い要救助者の場所を知らせた。


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