ジャッジメント(DQ)って知ってるか? (ニライカナイ人間形態)
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ジャッジメント(DQ)って知ってるか?
ガニメデプロトン行けるし、へ-きへーき。
帝国学園との試合が始まり、既に15分が経過していた。
帝国も雷門も、未だに互いのゴールを割る事が出来ず、膠着状態に陥っている。
俺は、リベロとしてオフェンスとディフェンスの両面で雷門に貢献してきたが、
あの必殺技の発動タイミングを見逃さないように、始動者である佐久間を徹底的にマークしていた。
◇
佐久間次郎は内心でほくそ笑んでいた。
雷門の守備の要であるリベロの裁冥が、自分を常に警戒していたからだ。
佐久間は、自身が帝国の連携シュートの軸である事を自覚している。
だからこそ、相手校が自分をマークすることは当然だと考えているし、それを振り切るためのトレーニングも欠かしたことは無い。
しかし、帝国がゴッドハンドを破るために開発した新必殺技の始動者は佐久間では無い。
連携に組み込まれてはいるが、始動者が異なる以上、確実に相手の動揺は誘えるだろう。その一瞬の隙があれば、マークを躱すことはできる。
あの技で王者帝国の強さを改めて示し、雷門を下す…!
頼みます、鬼道さん……!!
◇
裁冥は不安を感じていた。自身がマークする佐久間から焦りを感じないからだ。むしろ余裕すら感じさせる。
どうしてだ?何か見落としているのか……?寺門一人のシュートやデスゾーンなら、既に円堂が止めている。もちろん他選手のシュートも警戒に値するが、円堂のゴールを割ることはできないはずだ。可能性があるとすれば鬼道くらいだが…。
……待て、連携を指揮する鬼道があの技を使えないなんてあり得るのか?いずれイナズマブレイクやデスゾーン2、あの技の進化系が使える男だぞ?使えなかったのはあくまでゲーム上でのこと…。佐久間のこの余裕………まさか!?
「鬼道を抑えろ!」
帝国の狙いに気づき指示を出すが、MF陣は既に抑え込まれていた。
「気づくのが一歩遅かったな!これがゴッドハンドを打ち破るために用意した帝国最強の技だ!」
味方からのパスを受け取った鬼道が指笛を構え、その音色を響かせた。
笛の音が鳴り響き、呼応するように5匹の愛らしいペンギンがコート上に姿を現す。
それを見た瞬間、俺は自陣ゴールに駆け出していた。
「構えろ!円堂!」
「おう!!」
俺の声に円堂が力強く応答する。キーパーとしての覚悟を感じさせる声色だった。
俺は、あのシュートを円堂が止められない事を知っている。止められないと知っているからこそ、この技を身に着けた。
キャプテンを信頼していない行為だが、俺がやることはあくまでも力を添えるだけだ。
円堂が折れれば、どちらにせよ止めることはできないだろう。
鬼道の号令と共にボールが蹴りだされ、寺門と佐久間が並走し、タイミングを合わせたツインシュートで爆発力を増したペンギンたちが、雷門ゴールへと襲い掛かろうとしていた。
「うおおおおおおお!!!」
円堂が雄たけびを上げながら黄金の右手を突き出すが、五指に突き刺さるペンギンの勢いを殺せぬまま、ゴールラインへと後退していた。
ここでアレをぶつけて、あの技を再現させて見せる。
ぶっつけ本番だが、俺はこの技が成功すると確信していた。
「円堂!そのまま右手を地面に叩きつけろ!!」
円堂に大声で呼びかけながら、俺は円堂の正面へと辿り着き、闇のオーラを纏わせた右手をコートに叩きつけた。
俺の声を聞き、敵味方問わず動揺していることが目にせずとも伝わってくる。
しかし、円堂だけは違っていた。
「…ああ!!」
ペンギンに押されながらも、俺の目を見て、力強く答えてくれた。
やっぱりお前は最高だぜ、キャプテン!
さあ、行くぜ!
円堂の足元に現れた真っ黒な空間から、禍々しい闇のオーラを纏った巨大な右手が召喚され、円堂のゴッドハンドに突き刺さったペンギンたちを圧壊させるべく、掌を合わせる様にぶつかりあった。
俺と円堂の雄たけびがシンクロし、光と闇の融合によって起こされたエネルギーがコートを照らし、爆風が駆け抜けた。
「どうなった!?」
俺のすぐ傍で事の経緯を見守っていた風丸が叫ぶ。
それを耳にした俺は頬が吊り上がるのを抑えきれなかった。
爆風が晴れたそこには…
「止めたァァァァァ!!!雷門中・円堂、帝国の新必殺技を裁冥との合体技で見事防ぎました!!!」
実況が響く中で、円堂が堂々とした姿でボールを地面に抑え込んでいた。
「見たか鬼道!これが俺たちのジャ「神の手と地獄の手による合体技!大いなる意思による裁きのごとき力!ジャッジメントと名付けましょう!!」…」
…目金は後で絶対にボコしてやる…!!
性懲りもなく短編。場面、状況描写って難しいっすね。。
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