地獄先生ぬ〜べ〜×BLEACH - 最強の霊能教師と死神代行 (桂ヒナギク)
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Episode 1 - 死神代行

 俺は熊谷(くまがい) (しょう)。かつて、童守小学校(どうもりしょうがっこう)に通っていた、五年三組の鵺野(ぬえの) 鳴介(めいすけ)先生、通称ぬ〜べ〜の教え子である。

 今、俺は童守町の隣にある、空座町(からくらちょう)に住んでいる。

 ここ、空座町は、童守町のように霊がよく現れる。

 小学校に通っていた当時、俺は極度の霊媒体質で、妖怪に取り憑かれては、ぬ〜べ〜に救ってもらっていた。

 ぬ〜べ〜は左手を失っており、その代わりに覇鬼(バキ)という鬼を封印して、鬼の手にして使っていた。

 鬼の手はあらゆる霊を切り裂くことができる最強の武器であるが、これはピンチの時にしか開放したことがないのである。

 俺は今日、童守小学校の同窓会に参加するべく、童守町を訪れていた。

「童守町は変わんねえなあ」

 童守町の様子は当時と比べてもあまり様変わりはしていなかった。

 俺は集合場所である、童守小学校へ足を運ぶ。

「翔!」

 当時のクラスメイトが駆け寄ってくる。

 彼は立野(たての) (ひろし)。今は全国に名を馳せる元サッカーの選手だっけか。確か足の怪我で引退したんだよな。

「久しぶりだな、広。聞いたぞ、郷子(きょうこ)と結婚したんだってな」

 俺は辺りを見渡す。

「翔!」

 郷子が姿を現す。

「二人とも、おめでとう」

「ありがとう。翔は今、仕事は何してるの?」

「俺は死神代行をやってるよ」

「死神代行?」

「ほら。俺、小学校のころ霊に憑かれまくってたろ? 俺、当時から秘められた力を持っててさ。最近になって、それが発現したんだよ」

「ふーん。で、死神代行って?」

「死神ってのは尸魂界(ソウル・ソサエティ)……つまりあの世にある職業の一つさ。未成仏霊を導いたり、(ホロウ)って悪霊を倒すのを生業にしてるんだけど、俺はこっちで目覚めたから、仕事がないときは代行という形で働いてるんだ。ちなみに、こっちでは警察官をやってる」

「翔くん、警察官なの?」

 割って入ってきたのは、菊池(きくち) (しずか)だ。

「菊池?」

「そうだよ。私も童守警察署の警察官なんだ」

「俺は空座警察署にいる」

「そうなんだ」

「ぬ〜べ〜は?」

「校舎内にるよ。行ってみようか」

 俺たち四人は、校舎に入った。

 ぬ〜べ〜は宿直室にいた。

「ぬ〜べ〜!」

「おう! 翔じゃねえか。それにみんなも!」

 俺を見たぬ〜べ〜の表情が変わる。

「翔、話がある」

 ぬ〜べ〜が俺を屋上に連れ出した。

「お前、本当に翔か?」

「そうだけど?」

「以前の翔とはどこか違うように感じるのだが」

「ぬ〜べ〜にはお見通しか。俺、死神になったんだ」

「死神?」

「うん」

 俺は代行証を見せた。

「死神代行戦闘許可証。現世で生まれた死神に尸魂界から与えられる免許みたいなもの」

「子どものときから只者じゃないと思ってはいたが、そんな能力があったのか」

「グオオオオ!」

 ん?

「なんだ今の?」

「虚だ」

「虚?」

「うん。悪霊だよ。妖怪とは別の……」

 叫び声の主である虚が、俺たちの前に現れる。

「これが虚?」

「イイ匂イガスルナア」

 俺は代行証で肉体から飛び出し、斬魄刀(ざんぱくとう)という大刀を構える。

「おいおい、せっかくの同窓会を台無しにするんじゃねえよ」

 俺は虚に斬りかかった。

 ミス。虚は斬撃をかわした。

 俺は空中に霊子の足場を作り、方向転換をして再度斬りかかる。

「グエエエエ!」

 右腕を一本削ぎ落とした。

「貴様、俺ノ腕ヲ!」

「ウザイ」

 俺は斬魄刀で虚の首を撥ね飛ばし消滅させた。

「こっちの翔はどうなってんだ?」

「そっちは今、空っぽだよ」

 俺は肉体へ重なった。

「戻ろうか」

 俺とぬ〜べ〜は校舎に戻るのであった。

 



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