マブラヴオルタネイティヴ1998-2 佐渡島防衛戦線 (マブラマ)
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マブラヴオルタネイティヴ1998-2 佐渡島防衛戦線

1998年9月24日

日本帝国佐渡島で大規模なBETA群により日本海側の糸魚川防衛ラインが突破され翌朝にも佐渡島到達が見込まれたことで第三次非常勤務体制を発動、島と周囲の海域から要塞、あるいは戦艦、さらには戦術機部隊を使用しての集中発砲がなされた。

BETA群は幾つかのグループにわかれていて第一波~第五波までは持てる戦力を使い掃討を完了したがA中隊の補給中に大陸側から新たな要塞級の巨大BETAがB中隊のど真ん中に出現し在日米軍の支援もなく一転して劣勢に立たされてしまった。

壁の中にある街に佇む歩兵も例外ではなかった

「戦術機ばかり活躍して…俺らの出番はないのかよ」

「そう慌てるな、坂崎大尉が餌残してくれるさ」

歩兵達の和む会話してる中、トランシーバーで別の歩兵から無線交信する

《此方、直江伍長!馬場中尉聞こえますか!?》

「何だ!?何が起こった!!?」

《戦術機部隊が防護壁の外に出てBETAと戦っています!》

「早く降りてこい!」

《え?この壁の上に上るの大変だったであります!》

歩兵一個小隊指揮官の馬場中尉は望遠鏡で防護壁の上にいる歩兵を見る

その歩兵は手を振っていた

「馬鹿!手を振ってる場合か!早く降りてこい!」

突如、外での戦闘で既に死骸となった要塞級BETAが重さに耐えきれず防護壁が崩落し他のBETA属種も次々と市街に入ってきた

「市街にBETAが……」

防護壁の上にいた歩兵も崩落に巻き込まれ戦車級BETAに喰われた

「坂崎大尉の報告は間違ってはいなかったのか!?」

馬場は副官の花沢に問いかける

「訓練期間が浅くて、2週間です」

「戦術機か?さっきの歩兵か?」

「大倉大尉の報告です」

それを聞いた馬場は驚愕する

「前のより一週間短くなってるじゃないか!」

「生真面目だけは坂崎大尉に似ているらしくて」

戦車級BETAが歩兵小隊に近づいてきた

「法令射撃準備、各分隊対BETA戦闘準備に備え誘導弾直接照準」

馬場が率いる第1歩兵小隊が前線に入り他の歩兵部隊は島の住民の避難を優先して戦線離脱

《セーフティーよし!》

《セーフティーよし!》

第3小隊、第4小隊は配置完了

「重金属雲レベル6。目標:前方の赤蜘蛛野郎。距離1800」

次々と迫ってくるBETA群

上空には撃震12機が飛来し突撃砲120mm弾で対抗しBETA群に向け発砲

「まだだ、他のBETA属種を避け間合いを逸れる」

《誘導弾ステータスよし!》

《立ち上がりよし!》

「第2小隊、赤蜘蛛だけ狙え!確実にな…第3分隊も同じ第4分隊は戦術機部隊の支援砲撃。BETA共を吹き飛ばせ!」

《安全確保よし!》

「同時弾着、10秒!9…」

《ロックオン!よし》

《ターゲット確保!》

「8…7…6…5…4…3…2…1…0!」

4つ配備している87式対戦車誘導弾がBETA群に向け射撃

しかし圧倒的な数を誇るBETA群はそう易々と殲滅できるはずがない

「クソ!戦車級4体だけか…第3第4分隊、後退しろ!ずらかれー!」

《今度はやれます!倒して見せます!》

「やかましい!とどめはこっちと第2でやる!」

近くにいる歩兵が戦車級BETAや要撃級BETA複数襲撃し次々と歩兵が喰われる

《く、来るな!来るな!化け物共が!》

《来るな!何!?ぎゃああああああああああ》

「第3分隊、全滅!」

「くっ…」

諦めかけここで自決しようと思った時、撃震2機が馬場率いる歩兵小隊を援護し始めた

《良くここまで持ってくれた!あとは我々に任せろ!》

「坂崎大尉、自分はここに残ります!」

《駒木少尉、民間人の避難誘導し戦線から撤退しろ!》

《了解しました》

馬場は部下と共にこの佐渡島に残ることを決意しようとしたが都に止められる

《第1歩兵小隊は戦線から離脱し民間人の避難誘導だ!これは命令だ!》

都は馬場にこう言い放ち、生かせようとする

「しかし、それでは坂崎大尉が!」

《命令を叛くのか?馬場中尉!》

「……」

《行け!そして日本の未来を切り開け!》

苦渋の決断

馬場は悩んだが、答えは…

「……了解しました。総員戦線から離脱し民間人の避難誘導だ!」

「了解!!」

馬場率いる第1歩兵小隊は戦線離脱した

その後の事だが佐渡島はBETAの勢いは止まらずついに防護壁が破られ小型のBETAが次々と町中に侵入してきてしまった、要塞級からはレーザー級が次々と生まれ要塞の兵器を破壊、一部は民間人が退避したシェルターまでも容赦なく襲ってきた。

これにより作戦続行が困難となったことで佐渡島は陥落、それでも軍は生き残ったわずかな民間人を両津港を経由して避難させることに成功した。

A中隊の中隊長、坂崎都はこの防護壁の中で1人でBETAと戦い続けたが奮闘虚しく戦死した。

佐渡島の地に戻る事は、二度となかった。

 

 

 

 




この物語の主人公は佐渡島の第1歩兵小隊小隊長の馬場ですが、実はこの主人公のモデルは機動戦士ガンダム MS IGLOO2 重力戦線に出てくるキャラ、ベン・バーバリー中尉です。
馬場の年齢は都と鈴乃と同じ年齢だと思ってください。
坂崎中隊長、改めてみるといいキャラしてますね!
ホント、別の誰かが坂崎中隊長を出して生存ルートを確保するのは、恐らく難しいでしょうね。
僕でも無理だったぐらいですから
それではまた!


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