幻想魔札技録〜魔とカードの未来〜 (Uさんの部屋)
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第一章 闇の王国編
第1話 100年先の使命


※本作はU作品の第9期です。過去作を読んでいる事を前提に話が始まるのであしからず………


………突然だがこれまでの話。これまで平和や仲間の為に戦い続けてきた剣士であり英雄である男、U。これまで数々の戦いを制してきた彼だが………そんな彼はメテオとの戦いで生命を残す為か、ジェネシスの手によって肉体と魂を切り離される。魂の状態となったUは、ジェネシスによって回収されていた肉体の回復を待つ間、ジェネシスの依頼で水鏡遥の世界を訪れ、無事に遥の世界で役目を果たし、長い休息を取っていた………そして100年の時が経ち………?

 

ジェネシスの空間………

U「………退屈だ。遥の世界を旅してからもう何年経ったんだよ………それに………僕はいつになったら自分の肉体を取り戻す事やら………」

Uがそう口にしてダラダラとしていた。するとそこへ………

遥「U! ………またダラダラしてる………最近のUはダメ人間そのものだよね………」

U「………なんでも屋業も事実上中断だしな………それに………春香に会いたいよ………」

遥「春香さん………そうだよね。Uは春香さんと会えてないもんね………」

U「それと………遥はずっとちっちゃいままだな………」

遥「ゆ………Uのバカ!! 私だって精神的には大人の女性なの!!」

U「………そうだったな。それに………いつしか僕のパートナーになってるよな………遥は。」

遥「パートナーか………それについては嬉しいなぁ………」

遥がそう言った時だった。

?????「U、少々よろしいですか?」

U「………ジェネシスか。なんの用だ? お前の肩もみはもうやらんぞ?」

ジェネシス「違います。貴方の肉体の件ですよ。」

U「僕の肉体の事か………いつ戻るんだよ?」

ジェネシス「今、戻れますよ。」

U「え………? 戻れるのか!?」

ジェネシス「ええ………」

ジェネシスは自身の力でUの肉体を持ってくる。Uの肉体はかつての姿に戻っていた。

U「すげぇ………ここまで綺麗に戻っているなんて………」

ジェネシス「全く………苦労しましたよ。貴方の身体は様々な神々の力が混ざってしまっていたのでね………」

U「………そうかい。」

ジェネシス「では、肉体の中に入ってみなさい。」

U「………言われずとも。」

Uの魂は光の魂へと姿を変えて自身の肉体に入る。それによりUの目が開く。Uは軽く身体を動かし………

U「………よっと! はっ! おりゃっ!!」

Uの動きは訛っているとは思えないほど、力強い動きを見せていた。

U「ふうっ………やっぱり少しばかり訛ってるな………ちゃんと修行はしているんだけどな………」

遥「いや、それで訛っているのはおかしいでしょ………」

遥はそう言って呆れていた。

U「しかし………思ったよりも力が出てこない………今まで以上に自分の中に力を感じはするんだが、肉体を失う前とそんなに感覚は変わらない………?」

ジェネシス「………貴方の身体は神の力が数多く宿っています………そんな状態の貴方は一体何をしでかすか………その未知の可能性を未然に防ぐ為にも、貴方の神の力の戦闘能力は全て封印しておきました。それにより、世界を超える力は失われてしまったようですが………まあ、貴方なら何かしら瞬間移動やら世界を超える力やらを覚醒させることでしょう。一応、髪の色を変えたりは出来ますが………」

U「うーん………大きな移動手段を失ったばかりか、限定的過ぎる能力………まあ、どこかで役に立つことだろう。」

ジェネシス「それと、これは忠告ですが………私の封印が破られる事は考えておりませんが………万が一にも破ったりなどと考える事はしないように………いいですね?」

U「………分かった。」

ジェネシス「さて………それでは貴方の肉体を元通りにした対価を払って貰いましょうか。」

U「金なら持ってねーよ。何年ここにいると思ってるんだ。」

ジェネシス「いりませんよ、金など………それより、2人には最近、不思議な事が起きている世界に行ってほしいのです。」

遥「不思議な事………?」

ジェネシス「ええ………水鏡遥、貴方の世界が………別の世界と融合しているみたいなのです。」

U「遥の世界が………!? でもラグナロクの力は………!!」

ジェネシス「ええ、貴方の中にある………という事は、また別の原因があるかもしれませんね………そして、その融合している世界なのですが………ファンタジー世界………いや、それでは分かりませんか………では、マジシャンバトル………このワードを覚えていますか?」

U「マジシャンバトル………まさか、メリルやカラの世界!?」

遥「あれ………知ってるの?」

U「ああ。前に訪れた事のある世界なんだ………しかし、なんでその世界と………?」

ジェネシス「それを調べるのが………これからの貴方の役目です。水鏡遥、貴方もUと共に調べて貰えますか?」

遥「分かりました!!」

U「………分かった。それで代金は勘弁してくれよ?」

ジェネシス「ああ、それと………貴方に黙っていた事なのですが………前に貴方の覇王剣の中から2つの魔道士の魂を取り出しておきました。」

U「2つの魔道士………まさか!?」

ジェネシス「そう………水鏡遥の世界で出会った暗黒の魔道士と光の魔道士です。この2つの魂に新たな肉体を与え、貴方の仲間として連れていくといいでしょう。記憶についてもしっかりと継承しています。」

ジェネシスはそう言うと、指を鳴らす。そんな彼の前に、暗黒の魔道士と光の魔道士が現れた。

U「ダーク! ライト!」

ダーク「………マスター………あの時以来であるな………またマスターをこの目で見るのは………」

ライト「Uー! 久しぶり〜!!」

ライトはUに抱きついてくる。

U「うわっ!? ダークもライトも相変わらずだな………よし、2人とも! 僕と共に来てくれるかい?」

ダーク「無論!!」

ライト「勿論!!」

3人は拳を合わせ合う。それにより、2人の魔はUの腕輪の中に入り込んだ。

ジェネシス「準備はよろしいみたいですね………今回は私の影響力が強い世界………途中でその世界にいられなくなる事態にはならないはずなので、思う通りに調べてくるのです………もっとも、今のUならば私の影響力がない世界でもメテオとの戦い以前のように活動出来るでしょうが………では、お願い致しますね………」

ジェネシスはそう言うと、2人を先程ジェネシスが口にした世界へと転送するのだった………

 

彼等が転送されたのは、木々が広がる森だった。Uは辺り一面を歩き回るが、Uにはここがどこから

U「ここは………見た事ないな………せめて、誰かしら顔見知りがいればいいんだけどなぁ………なんてね。」

Uがそう言った時だった………

??「あれ………あの後ろ姿………もしかして………Uさん!?」

???「………あの姿に白髪の髪………間違いなくUね………」

Uの後ろにはUを知っている様子の人物が2人おり、青年の方は青い髪で、女性の方は黄緑色の髪だった。そして、遥が後ろを向いた時、2人の人物に気が付いた………

遥「あれ………? ねえ、さっきからあの2人組に見られてるよ………?」

U「2人組………? って、あれは………!!」

Uは2人に近づく………そう、この2人こそ………

U「メリル!? カラ!?」

???「その驚きよう………やっぱりU!? 久しぶりね!」

そう、この2人はかつてUが働いていた店の元上司に当たり、友でもあるメリルとカラだった。因みにこの2人だが、過去にメリルがバカ王子であるバレスに結婚させられそうになった時、彼女を拉致する形で救出したので、2人は髪色を変えている。因みに、Uについてはその時は顔を隠していたので何も問題は無い。

カラ「あれから5年も経って………また会えるとは思いませんでしたよ!!」

U「(成程………100年の時は………この世界ではたった5年の流れなのか………)」

メリル「真子さんはいないようだけど………別行動中かしら?」

U「あー………うん。そんな感じだな。」

カラ「曖昧ですね………あ、そうだ。 Uさんから預かっていたマジックファイルとカードフォルダーです。」

Uはカラからマジックファイルとベルト付きカードフォルダーを受け取る。

U「………懐かしいな。」

Uはそう言うと、マジックファイルとベルト付きカードフォルダーを装着する。

遥「へぇ………! カッコイイね!」

U「そうか?」

カラ「ええ、やっぱりUさんが着けると、様になりますね。」

メリル「そうね………Uと言えばそういう格好が似合うわよね。」

U「………僕には分からねぇや。」

Uがそう言った時、2人の左腕に、自分のと違うマジックファイルが装着されていることに気付く。

U「なあ、その腕のファイル………変わった形のやつだな。なんか分厚くなってるような………」

メリル「ああ………これなんだけどね………」

メリルが説明しようとした時、近くの木が折れた。

カラ「メリルさん………犯人のお出ましですよ!!」

カラがそう言うと………斧を手にした狂人が剣を持った魔物のようなものと共に近づいてきた。

メリル「また例の怪物………!! 」

遥「魔………!? まさかジェネシス様が言ってたのって………!!」

U「こういう事だろうね。仕方ない、僕が相手にするぜ………!」

Uは羽織っているジャケットに手を伸ばす………しかし………今の彼のジャケットには何も入っていなかった………

U「………あ。セイバーは無かったんだった………」

遥「な………何やってるのー!?」

メリル「U!! 危ない!!」

剣を持った魔がU達に剣を振り上げてきた。

U「くっ………!」

Uが身構えた時だった。突如左の方から懐中電灯のような形をしたものが飛んできて、魔を吹き飛ばした。

U「なんだ………!?」

Uは飛んできた物を手にする。それは………

U「これは………セイバー!?」

なんと、Uの相棒武器であるセイバーだった。

U「どうして………!? こいつは春香に預けたはずなのに………!?」

困惑するU。左の方を見ると、白いローブで顔を隠している人物がいた。ローブからは、白く整った左の前髪がでていた。

U「白髪………?」

ローブを被った人物は、しばらくUを見て去っていった。

U「あれは誰だ………? なんで僕のセイバーを………!?」

困惑するU。だが、向いている方角を戻すと、現在はそれどころでは無い事を思い出し………

U「もうこの際なんでもいい………! 僕が………お前を倒す!!」

Uがそう叫んだ時だった。Uが左腕に身につけていた腕輪が輝きだし、マジックファイルと合体。メリル達のと同じ物に変わっていた。

U「おおっ!?」

更に、ファイルから何十枚ものカードが出てきた。その中には、カードとなったダークやライトを初めとしたUの契約している6体の魔とUの固有能力や儀式は、カードへと変化していた。更に、それらをサポートするカードや、白紙のカードもいくつか混じっていた………

U「これは………!」

遥「ダーク達が………カードに!?」

驚く様子を見せるU達。それを見たメリルとカラは頷き………

カラ「Uさん!! 実はバトルのルールが変わって………ファイルに20枚のカードを、その怪物のカードを6枚までセット出来るようになってるんです!!」

U「ルールが変わってるのか………! なら………!」

Uは新たなカードを目にしながら………カードフォルダーから、これまでのカードを取り出して、目にも止まらぬ速さで確認。何かを思いついたようで、魔のカード6枚をセット後、20枚のデッキを作成。マジックファイルにセットした。

U「よし! 勝負だ………!」

Uはセイバーを装備。それに反応するように、セイバーは光の刃を形成する。

犯人「………ほう。お前が俺の相手か………面白い! 勝負に使える怪物は1体のみ。ルールはプレイヤーが戦闘不能になるか………どちらかの怪物が破壊された時だ!!」

U「いいだろう!!」

犯人「俺が使うのは………この岩石の戦士(がんせきのナイト)だ!」

犯人がそう宣言した時、Uのマジックファイルが光り、岩石の兵士のパワーを数値で表していた。

U「パワー1700………って、なんでパワーが数値化されてるんだ!?」

カラ「俺達も詳しい原理は分からないんですけど………ファイルにそんな機能が搭載されているんです。」

U「そうか………なら、僕が召喚するのは………暗黒の魔道士!!」

マジックファイルの機能により、暗黒の魔道士のパワーも表示された。

メリル「パワー2000!? そんなパワーの怪物を従えているなんて………!」

犯人「ほう………手応えがありそうな怪物だ………岩石の剣士よ、奴を斬れ!!」

岩石の兵士は攻撃を放つ。

U「ダーク!! 岩石の剣士は任せた!!」

ダーク「任せろ!!」

暗黒の魔道士は、岩石の剣士を相手に魔法を使い攻撃。パワーに差がある為か、ダークの方が有利だった。

U「さて………お前の相手は僕がしよう!!」

犯人「ふん………馬鹿な奴め………魔法カード発動! {天罰の雷}! 雷の力が………お前を貫く!!」

U「うわっー!? よっと!!」

驚きながらも攻撃を次々とかわしていくU。

U「たくっ………危ねぇのを使ってくるねぇ………でも、こっちも魔法はあるぜ! 魔法カード発動! {勇気の炎}!!」

Uのセイバーに勇気の炎が纏われる。

U「おりゃっ!!」

Uは炎の剣撃を放つ。それにより、犯人を吹き飛ばした。

犯人「ぐあっ!? ぐっ………このっ………!!」

犯人は今の一撃に逆上したようで、ファイルからカードを取り出す。

犯人「装備魔法発動! {鋼鉄の剣}!」

U「鋼鉄の剣………?」

犯人「岩石の剣士よ、この剣を装備し、忌々しい魔道士を消しされ!」

犯人がカードを掲げる事により、鋼鉄の剣が出現。岩石の剣士がそれを装備した。

U「何………!? パワーが2200に上がっている………!?」

遥「そんな………!?」

カラ「あれは………装備魔法………怪物を強化する為のカードで………あの鋼鉄の剣だと、パワーを500アップさせるんです………!」

U「ふーん………でもそういうの、こっちもあるぜ!!」

犯人「何………!?」

U「装備魔法! {魔道士の杖}をダークに装備! パワーを300ポイント追加し、更に装備したのが魔法使い族ならば、更に400ポイントアップさせる!」

それにより、暗黒の魔道士のパワーは2700にパワーアップ。

犯人「バカな………パワー2700………!?」

U「今だ! ダーク!」

ダーク「おう! {暗黒の破壊}!!」

暗黒の魔道士の攻撃が岩石の剣士に直撃し、岩石の剣士は破壊された。

U「岩石の剣士………撃破!」

犯人「バカな………!! 」

U「僕の勝ちだな………さて、どうしてくれようか………?」

犯人「ぐっ………覚えてろ!!」

犯人は岩石の剣士のカードを手にして逃亡した。

U「………やれやれ。逃げられるとはな………」

ダーク「まあ、倒せただけよしとしよう。」

U「………だな。」

暗黒の魔道士はカードに戻り、Uの手元に戻ってきた。

U「(しかし………なんでセイバーが僕の手に戻って来たんだ………? それにあのローブを纏った奴………白い髪が出てたけど………いったいあれは………?)」

と、白いローブの人物に疑問を感じていた………

 

そして、逃亡していた犯人は………

犯人「くっ………次こそは………!」

犯人がそんな事を言って逃げていた時、彼の前に女性の姿が………

犯人「おっ………! あの娘………攫えばいい金になりそうだ………!」

犯人は女性を攫おうとしていた。しかし、女性は強い魔力を放って、犯人を吹き飛ばした。

???「さっき………懐かしい感じがこの森から感じ取れた………もしかして………ここにいるのかな………?」

女性はそう言って、U達のいる森の中へと入っていったのだった………

To be continued………




次回予告
Uと遥は、メリル達の拠点に案内され、そこで色々と説明を受ける。そんな彼らに近づく1人の人物。その人物は、U達にとっては懐かしい人物で………!?
次回「5年後の世界」

魔の解説
・暗黒の魔道士(ダークマジシャン)
愛称 ダーク
属性 魔法使い族
パワー 2000
攻撃技 {暗黒の破壊(ダーククラッシュ)}
フレーバーテキスト 「『我が力と命、マスターの勝利の為に捧げよう………!』」

・岩石の剣士(がんせきのナイト)
愛称 ナイト
属性 戦士族
パワー 1700
攻撃技 {岩石の斬撃(ストーンスラッシュ)}
フレーバーテキスト 「岩の力を操る戦士の一撃………」


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第2話 5年後の世界

前回までのあらすじ
Uがメテオとの死闘を繰り広げた100年後、Uの肉体はジェネシスの手によってようやく元の姿に戻り、過去に別れた暗黒の魔道士と光の魔道士も復活する。Uと水鏡遥の2人はジェネシスの依頼により、遥の世界と、かつてUが訪れたメリル達の世界が融合した理由を調べる事に。融合した世界の森にでてきたU達。そこで髪色を変えていたメリルとカラと再会する。そこに現れた敵と新ルールによるマジシャンバトルをする事になり、難なく勝利を収めた。一方、森の外には魔法を使い、尚且つUを知る人物の影が………?


Uと遥は、森の中にいるのも危ないということで、メリル達の拠点となる小さな小屋に案内された。

メリル「そちらのお嬢さんには、まだ私達の素性を話していませんでしたね。私はメリルと申します。こっちの彼が………」

カラ「カラと申します。」

遥「メリルさんにカラさん………よろしくお願いします!」

U「しかし………よくもまあ5年も無事だったな。」

遥「5年………? その年月がどうかしたの?」

U「………昔、メリルは………元々暮らしていた国のクズ王子と結婚させられそうになったんだ。それを阻止したのが僕とカラなんだ。メリルは表向きは拉致られた立場だから、髪の色が変わっているのと、カラはいつもメリルの傍にいるという印象からメリルだとバレる恐れを無くす為に髪の色を変えているんだ。」

遥「と、というか………Uも凄いことしてるね………私の時もそうだったけど………」

U「………2人が友だったから助けたのと………単純にあのクズ王子の相手をするのが嫌だったんだ。」

遥「ふーん………その国の名前は覚えてる?」

U「………忘れたし、思い出したくもない。メリルが教えてやってくれ。」

メリル「分かったわ。私達がいたのはウズクチョ王国。グラン王によって統治されており………私の元婚約者だったバレス様の他に、レミ第一王女様、ミレル第二王女様がいらっしゃいますが………5年もウズクチョには近づいていないので………」

遥「そうなんですね………」

U「レミやミレルは悪い奴じゃなかったが………そこまで強く言える立場じゃなかったからな。」

カラ「しかし………Uさんはそんな中で全く挫けなかったですよね。」

U「うん、クズの相手は慣れてるからな………慣れたくなかったけど。」

遥「そ、そうなんだ………あ、私の自己紹介がまだでしたね………! 私は水鏡遥と申します。」

メリル「遥さんね、これからよろしくお願いします。」

遥「私の事は気軽に遥って呼んでください! それに、もっとくだけた言い方で構いませんよ!」

メリル「そう………なら、私に対しても敬語はいらないわ。Uみたいに気軽に接してね。」

遥「………うん、これからよろしくね、メリルさん!」

U「(流石遥………あっさりと打ち解ける辺り、会話のプロだな………)」

Uがそんな事を考えていた時だった………突如、Uは扉に気配を感じた。

U「………!」

Uはジャケットに手を伸ばし………

U「………誰だ!?」

Uは扉の前でそう叫ぶ。すると………

???「その声………もしかして貴方………U………なの!?」

U「この声………それに僕を知っている様子………まさか!?」

Uは意を決して扉を開ける。すると………

U「やっぱり………容姿は思いっきり変わってるけど………僕にもはっきり分かる………! お前………ミレルだよな!?」

???「………その格好………それにその白い髪は………やっぱりUだ………久しぶりー!」

なんと、小屋を訪ねたのはウズクチョ王国の第二王女ミレルだった。

U「しかし………どうしてここに………?」

ミレル「………お父様とバレスの事があって………」

U「………あのクズ共がどうしたんだ?」

ミレル「お父様は………2年前に殺されたの。」

U「え、死んだの………? ………すまん、お前の手前だってのはわかるんだが………ざまあって言葉しか出てこない。」

ミレル「そうだよね………それで、お父様が殺された後は………バレスが王になったの。その影響で私達の警備がとても厳しくなって………私だけお姉様のお陰で逃げてこられたの。それからは必死に生き続けて………今ここにいるの。」

U「あのクズ野郎………レミやミレルに自分の理想を壊されたくないからこんな真似をしているのか………」

ミレル「………Uと再会出来てとても嬉しいよ………でも………出来ればお姉様と一緒が良かった………私だけ生きていても何も意味無いのに………」

ミレルは泣き崩れる。Uはそんな彼女の背中を優しく撫でる。

U「………分かった。お前の姉さんは僕が助ける………もう二度と行くまいとしてたけど………心優しいお前の頼みだ………それに、お前の姉さんは危なっかしいタイプだし………自己犠牲もいいところだからな。少しは助けられる事を教えてやる為にも………な。」

遥「(うん………今のUはとってもカッコいいこと言ってるよ………ブーメランじゃなければ………)」

そう、自己犠牲をしまくっているUには今の言葉はブーメラン発言であった………

メリル「初めまして、ミレル第二王女殿下。私はUの友人に当たります、リールと申します。」

U「リール?」

Uは首を傾げる。すると、メリルはUの耳元でそっとこう言った。

メリル「今、私達は素性を明かす訳にはいかないから………私とカラは偽名を用いているの。私がリールで、カラはラーガ。しっかり頭に入れておいて………!」

U「わ、分かった………」

Uはメリル達の事情を察知した。メリルは話を再開し………

メリル「私達は、Uがそうすると言うならば信頼して戦います………ですから、気を落とさないでください。」

ミレル「あ、ありがとう………U、リールさん………私も………お姉様を助ける為に頑張りますから………私に力をお貸しください!」

U「………もちろんだよ。でも………そのままの髪型と名前はバレス達に見つかってしまう。だから………」

Uはミレルの頭に触れる。それにより、ミレルの髪色を元の綺麗な金髪から紫色に変える。

U「この能力が役に立つとは思わなかったけどね………それと、偽名だな………えっと………そうだな………紫色の髪になったから………パミールなんてどうだい?」

ミレル「パミール………私の名前を隠すのは最適だね………!」

U「………そうか。初めてネーミングセンスをバカにされなかったな。」

Uはそう言うと………

U「じゃあ行くとするか………新たなる冒険の旅時に………!」

と、ジェネシスの依頼を早速後回しにし、彼等はウズクチョに向かう事となったのだった………

To be continued………




次回予告
U達は長い長い道を歩き続け、ウズクチョのある地方へとやってくる。そんな彼等が歩いている時に訪れた大きな屋敷のある町、そこには、高飛車なお嬢様がおり、彼女が現在のウズクチョを知っていると聞き、会いに行く。しかし、Uのいつも通りの態度が悪く見えてしまい………?
次回「高飛車なお嬢様」


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第3話 高飛車なお嬢様

前回までのあらすじ
遥とメリル達は自己紹介し合い、すぐに打ち解ける。そんな中、ウズクチョから逃亡していたミレルが現れる。Uは、ミレルの髪色を変え、偽名を与える事で仲間に引き入れる………


ミレルを仲間にして1ヶ月程経ったある日。U達は、メリル達の案内で、ミレルを仲間にした翌日からウズクチョに向けて旅立った。そして、旅立ちから1か月後の今日、ウズクチョ地方にある大きな町へとやって来た。町の名前は『シャタカビ』だった。

U「ここがシャタカビか………実は、あの後にウズクチョを離れたから、こういう町とか知らなかったんだ。リールやラーガは来た事あるのかい?」

メリル「ええ、ずっと昔の事だけどね。ここには、街の名前にもなっているシャタカビ家があるのよ。」

U「そうか………まあ、今は関係無いかな。取り敢えず、今のウズクチョがどうなってるか聞いてみよう。」

U達は、町民にウズクチョの事を聞いてみたが、王族の事については、メリル・ミレルが行方不明であるということ、前王のグランが殺害された事など、既に分かっている事しか知ることが出来ず、また、現在のウズクチョは警備が厳しくなり、旅人等が近づく事ができずにいる状態で、一般人がウズクチョを知る由は無かった………

 

その夜、特に手がかりが得られなかったU達は宿屋に泊まる事にした。

U「うーん………まさかウズクチョが鎖国状態だとは………こりゃ参った。」

遥「これからどうしよう?」

ミレル「うーん………あっ、シャタカビ家なら知ってるかも!」

カラ「どうしてですか?」

ミレル「シャタカビ家は、ウズクチョ王家のお気に入りだから、たまにお城を訪問してたの。だから………

今のウズクチョの状態を知っているかも!」

メリル「でも、どうお会いしましょう………? 私達はともかく、ミレル様は現時点では平民という扱いですから………」

ミレル「大丈夫。私に考えがあるの。」

ミレルは説明をする。それを聞くと、ミレルを除く全員が首を傾げた………特に、Uは疑問に感じていた。

U「それで通用するもんかね? 5年前の事だよ………?」

ミレル「大丈夫、未だにこの町じゃ伝説的な話だし………!」

ミレルの考えとは一体………?

 

翌日、U達はシャタカビ家の屋敷に向かう。当然、警備兵がおり、U達が近づくと、手に持っていた槍で門を塞ぐようにし………

警備兵「止まれ! 貴様ら、何者だ!?」

U「いや、あの………ここの人に会いたいんだが………」

警備兵「質問に答えろ!」

U「えっと………僕はUっていう名前なんだけど………知ってる?」

警備兵「U………? どこかで聞いたことのあるような無いような………」

警備兵は首を傾げたものの、通してくれそうな気がしなかった。すると………

???「………一体何の騒ぎです?」

黒い髪の女性が、屋敷の中から出てきた。

警備兵「あっ、メイス様。どうやら、Uとか何とか名乗る男がこの家に入りたいと………」

メイス「U………5年前に颯爽と現れ、マジシャンバトルで強敵相手に連戦連勝を重ねた謎の剣士………まさか、本当に貴方がUだと言うの………?」

U「そういえばそんな事があったな………思い出したくもないけど。」

メイス「………そうですか………それよりも、何の用でしょうか?」

U「………ウズクチョ王国がどうなってるか知りたい。この家の人が詳しいと聞いたのでな。」

メイス「そうですか………少々お待ちを。」

メイスという人物は、屋敷の中に入って行った。それから、5分も経たぬ内に戻ってきて………

メイス「………現在、ご主人様とご婦人様が不在ゆえ………当家のお嬢様、ルミア=シャタカビ様がお会いになられます。くれぐれも粗相の無いように。」

U「………僕の仲間は入っても問題ないだろうな?」

メイス「それくらいなら、問題ありません。」

U「よし、入るよ。」

U達はメイスの案内で中に入ることに。

遥「(ほ、本当に入れた!?)」

メリル「(み、ミレル様、5年の内に頭も回るようになっていたのね………)」

カラ「(あ、あはは………)」

遥達は成功するとは思ってなかったようで、それぞれ困惑していた………

 

その後、大きな食堂に通されたU達は、大きなテーブルに設置された椅子に座る。他の4人は普通に座っていたが、Uは足を組んでいた。それからしばらく待ち続けていると、12か13歳くらいの少女がやって来た。髪の色は黒く、髪型は縦ロールになっており、名家のお嬢様らしい豪華な服装だった。

ルミア「ごきげんよう。私がルミア=シャタカビよ………あら、どんなお客様かと思ったら、薄汚い平民のような人達ばかりね。幻滅。」

遥「むっ………!」

カラ「遥さん、堪えて………!」

カラは小声で遥を止める。メリルやミレルは作り笑いをしており、Uは特に表情も変えなかった。

ルミア「それで、皆さんは一体何の御用で私の元を訪れたのです?」

U「………現在のウズクチョがどうなってるか知りたい。」

ルミア「ウズクチョ………ねぇ………そんなの相変わらずよ。バレス様の政策で、税金が上がったりだの、平民が苦しんでいるだの聞くけれど………大して興味は無いわ。だって………」

ルミアがその理由を言おうとすると、メイスが紅茶と菓子を持って来て、ルミアの前に置く。

ルミア「ルミアは今こうして、優雅に紅茶を飲んでいるから。」

ルミアはそう言うと、紅茶を飲む。

遥「(た、高飛車なお嬢様だなぁ………)」

遥はルミアの思考についていけず、困惑していた。メイスは紅茶と菓子をU達の前に置く。

メリル「成程………ところで、このお紅茶、とても美味しいですね。」

ルミア「当然よ。この家の庭で作られた高級の茶葉を使っているの。美味しく無いわけないわ。」

ルミアは得意げにそう言うと、また紅茶を飲む………ところが………

U「………まっず。」

Uの味覚が高級な紅茶を受け付けなかったのか、マズいと口にした。ルミアは思わず紅茶を吹き出してしまった。

メイス「ルミア様!?」

メイスはタオルを渡す。ルミアは咳き込みながらも口周りを拭くと………

ルミア「ゲホッゲホッ………貴方、味覚壊れてるんじゃないの!?」

U「いや、僕高級茶葉苦手なのよ。言うなら………一般的な茶が好きなんだよなぁ………」

遥「ちょっ、U!!」

Uの素直な言葉が、空気を重くしてしまった。

ルミア「U………? まさか、貴方がウズクチョで一時話題になっていたUって人!? 有り得ないんだけど!!」

U「人は噂じゃ分からないからな………ま、どんな噂かまでは忘れたが………」

メイス「あ、貴方………ルミア様のお気に入りの紅茶を侮辱するなんて………どう責任とってくれるの!?」

U「いや、侮辱はして無いだろ。リール達は、美味しいって言ってたし………僕の舌がそれを受け付けなかっただけの話だろ?」

メリル「ゆ、U!! 反論しちゃダメよ!!」

Uを除く仲間達は、顔面蒼白だった。ルミアは怒りを募らせていたが、Uの左腕のマジックファイルを見て………

ルミア「………いいこと思いついた。貴方、私とマジシャンバトルしなさい。もし私が勝ったら、貴方は私の奴隷になりなさい。貴方が勝ったら………今回の失言は不問にしてあげる。」

U「………不問にするだけじゃ足らねぇな………僕が勝った時、ウズクチョに関してもっと情報を教える………ってのもつけ加えろ。」

ルミア「………良いわよ、貴方が私に勝てるなら………ね。」

ルミアは得意げにそう返事を返すのだった………

 

U達は、シャタカビ家自慢のバトルフィールドへと向かった。フィールドにはUとルミアが立っており、遥達は場外から様子を見ていた。

ルミア「ルールはウズクチョルールよ。良いわね?」

U「………ウズクチョルールって何だ?」

ルミア「あ、貴方ウズクチョルールも知らないの!? どこまでも失礼ね………いいわ、この私が特別に教えてあげるわ。ウズクチョルールは、マジックファイルにセット出来るカード枚数は同じだけど、お互いに怪物を3体まで使えるルールで、その怪物達を対抗カードの効果で破壊するのは禁止で、怪物の召喚条件は適用されないルールよ。儀式とかなんとかってカードは例外のようだけど………これについては知らないわ。」

U「そうか………分かったよ。じゃあ、やるとするか………!」

Uはセイバーを装備する。すると………

ルミア「ちょっと待ちなさい。今回は特別ルールで、私と貴方が戦いに参加するのは禁止よ。」

U「プレイヤー介入NGかよ………まあいいけど。じゃあ、今度こそ始めようぜ。」

ルミア「来なさい、私がコテンパンにしてあげる。」

Uの未来を賭けた対決が、今始まろうとしていた………

To be continued………




次回予告
Uは魔のパワーを活かして戦う。一方、ルミアはカードを駆使した戦い方でUの魔を攻撃する………
次回「運命を賭けた戦い」


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第4話 運命を賭けた戦い

前回までのあらすじ
U達は1ヶ月程旅をし、ウズクチョがある地方に存在するシャタカビの町を訪れ、町の大きな家のご令嬢ルミア=シャタカビと出会う。だが、Uの何気ない言葉で彼女の怒りを買ってしまい、Uの未来を決めるマジシャンバトルをする羽目になってしまう………


ルミア「私が召喚するのは、『見習いの魔法使い(みならいのマジシャン)』!」

ルミアの前に、幼げな魔法使いが召喚される。

U「パワー1200………ならば、僕は『破壊の悪魔』を召喚!」

Uの場に破壊を司る骨の悪魔が召喚される。

ルミア「1900………いきなり強い怪物を呼んできたわね………!」

U「悪いが、力でねじ伏せさせてもらうぜ! 行け、デーモン!!」

破壊の悪魔は、拳を振り上げる。それに対抗する形で、ルミアはマジックファイルからカードを手札に加える。

ルミア「魔法カード発動!! {炎の矢}! 悪魔を燃やしなさい!!」

ルミアの発動した矢が放たれる。だが、デーモンに矢は効かず、デーモンの拳は何の支障も無く放たれる。見習いの魔法使いは、魔法でバリアを張るが、パワーの差には勝てず、デーモンはバリアを一撃で破壊して見習いの魔法使いを貫き、破壊されてしまった。

ルミア「ふーん………やるじゃない。ならば、私が次に出すのは………『氷の妖精(ブリザードフェアリー』)!」

次に現れたのは、氷の魔力を身にまとった氷の妖精だった。

U「パワー1700か………どんな魔が出てきたって僕は負けない!! デーモンで攻撃!!」

Uはデーモンに攻撃命令をする。すると、ルミアは左腕のマジックファイルからカードを取り出し………

ルミア「対抗カード発動! {弱体の沼}! マジックファイルのカード1枚を捨て、相手の場にいる怪物のパワーを500減らす!」

U「何!?」

これにより、デーモンのパワーは1400にダウンした。

U「デーモン! 大丈夫か!?」

Uは声をかける。すると、デーモンは悲しそうな様子でUを見ていた。

U「デーモン………?」

Uはデーモンのいつもと違う様子に首を傾げた。ルミアは、それを気にすることなく………

ルミア「フェアリーで攻撃! {幻想の氷(ファンタジーブリザード)}!!」

ルミアの氷の妖精は、手から吹雪を放つ。デーモンは氷によって凍結すると、内部から氷が砕けてバラバラになる方で破壊されてしまった。

ミレル「で、デーモンが破壊されちゃった………!!」

遥「多分大丈夫だよ。Uはああ見えて、かなりの戦略家だから………!」

U「そう来るならば………僕が出すのは、通常の魔の中で最強のパワーを誇る魔………『冥界の兵士』を召喚する!!」

Uの場には、冥界の兵士が召喚された。

カラ「なんと禍々しい力だ………あれがUさんの持つ最強の戦士………!」

メリル「凄い………! Uは私達なんかよりずっと強い怪物を従えているなんて………」

仲間達は、Uの魔に驚いているようだった………

 

白熱するUとルミアの戦い。果たして、勝敗の行方は………!?

To be continued………




次回予告
Uは、ルミアの2体目の魔である氷の妖精を難なく撃退する。すると、ルミアは切り札を召喚。それに対し、Uも仲間達を合体させる{魔の融合}を使用する………!
次回「復活の融合」

魔の解説
・破壊の悪魔(はかいのデーモン)
愛称 デーモン
属性 悪魔族
パワー 1900
攻撃技 {悪魔の拳(デーモンパンチ)}
フレーバーテキスト 「骨の悪魔は契約者の為に拳を振るう………」

・冥界の兵士(めいかいのソルジャー)
愛称 ソルジャー
属性 戦士族
パワー 2500
攻撃技 {兵士の剣(ソルジャーブレード)}
フレーバーテキスト 「『長い間封印されていた時も心地よかったが、Uとの日々も悪くない………』」

・見習いの魔法使い(みならいのマジシャン)
愛称 マジシャン
属性 魔法使い族
パワー 1200
攻撃技 {新米の魔法(ビギナーズマジック)}
フレーバーテキスト 「彼女は魔法使いになったばかりの新人の女の子………」

・氷の妖精(ブリザードフェアリー)
愛称 フェアリー
属性 魔法使い族
パワー 1700
攻撃技 {幻想の氷(ファンタジーブリザード)}
フレーバーテキスト 「彼女は氷を扱う不思議な妖精………」


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第5話 復活の融合

前回までのあらすじ
Uとルミアの対決。Uは破壊の悪魔のパワーでルミアの1体目の魔を破壊する。だが、2体目の氷の妖精と対抗カードのコンボにより、破壊の悪魔を破壊されてしまい、次にUの通常の魔の中で最強のパワーを持つ冥界の兵士を召喚する………!


U「ソルジャーの攻撃! {兵士の剣}!」

冥界の兵士の斧剣が振り下ろされ、地面から衝撃波を起こす。氷の妖精は氷の魔力で防御壁を展開するが、パワーに差があるせいで、全く意味が無く、氷の壁ごと氷の妖精を貫いた。

ルミア「むっ………私の怪物を尽く倒すなんて………!」

U「………お前、さっきからそこまでパワーの高くない魔を使っているみたいだけど………見た目重視で選んでるのか?」

ルミア「な、何か文句あるの!?」

U「いや、無いけど………僕の冥界の兵士はパワー2500だ。コイツを破る術でもあるのかって事だよ。」

ルミア「………あるわよ。私には切り札がね………!」

ルミアはそう言うと、最後の魔を召喚する。

ルミア「私の切り札………『栄光の魔道士(グローリーマジシャン)』!!」

ルミアの前に、光りを反射する豪華な魔道服を来た少女の見た目の魔法使いが召喚される。

U「パワー1900の上に………効果持ち………!?」

ルミア「更に、対抗カード発動! {グローリーマジック}!」

U「グローリーマジック………!?」

ルミア「カード名に栄光、もしくはグローリーと付いている怪物1体を対象に効果を発動するのがこのカード! 効果は、マジックファイルのカードを3枚まで好きに捨てる事ができ、カードを1枚捨てればパワーが200、2枚なら400、3枚なら800上昇する!」

U「何………!?」

ルミア「私は、ファイルのカードを3枚捨て、パワーを800プラスする!」

それにより、栄光の魔道士のパワーは2700。更に、栄光の魔道士は口元を動かし、魔法を詠唱する。

U「な、なんだ………? 何かを詠唱している………?」

ルミア「グローリーは私の最大の切り札………そして、グローリーが持つ効果………それは………栄光、もしくはグローリーと付いている魔法・対抗・装備カードによるパワーの発動効果を2倍にする!!」

U「に、2倍だと!?」

グローリー「{栄光の倍術(グローリーダブリング)}!」

これにより、上昇量は800の倍の1600になり、栄光の魔道士のパワーは3500にまで上昇する。

ルミア「グローリー、目の前の兵士を攻撃!!」

栄光の魔道士は、魔力の光弾を放つ。

U「対抗カード発動! {マジックフェンス}! お前の攻撃を相殺させてもらうぜ!!」

Uは間一髪攻撃を無効化する………しかし、U本人は、これではその場しのぎだと考えていた………

U「(幾らソルジャーでも、パワー差がここまであると、厳しいな………ならば!)」

U「追加で召喚をさせてもらうぜ! 我が相棒にして、最強の魔………『暗黒の魔道士』召喚!!」

Uの切り札、暗黒の魔道士が召喚される。

ルミア「最強………? パワー2000の怪物に何が出来ると言うの?」

U「出来るさ………これからこの2人は………2人で1人の魔に進化するんだから………僕は対抗カード{魔の融合}を発動!!」

ルミア「融合………?」

遥「来た! Uの十八番!!」

メリル「十八番………?」

U「魔の融合は、場の2体以上の魔を素材として融合させ、新たな魔を召喚するカード………僕が指定するのは………ダークとソルジャー!!」

ダーク「マスターの命令………心得た!」

ソルジャー「我が力………見せてやろう!」

2体の魔が融合し、地面に現れる。

U「いでよ………暗黒の兵士!!」

黒い鎧の兵士が、Uの目の前に現れる。

ルミア「パワー3200………!?」

ミレル「Uもパワー3000の怪物を呼び出した!!」

カラ「Uさんのデッキの中に、こんなパワーアップ方法があったなんて………!」

ルミア「で、でも、私のグローリーはパワー3500! 私のグローリーは負けたりしない!!」

U「おっと、こっちにはまだ装備カードがあるぜ! 装備カード発動! {冥界兵の斧剣}! これは、場の冥界の兵士、もしくは生け贄、融合素材に冥界の兵士がある魔が装備出来る。その効果は、パワーを500上昇させ、更に攻撃時にマジックファイルのカードを2枚捨てれば、相手の場の防御魔法は発動出来ず無効化させる!」

これにより、暗黒の兵士はパワー3700になり、更にUがマジックファイルのカードを2枚捨てる事で、攻撃は無効化されなくなった。

ルミア「そ、そんな!? 何か打つ手は………!!」

ルミアは必死にマジックファイルの中のカードを模索する………しかし、対抗手段など無い事を思い知らされる。

U「ダークソルジャーの攻撃! {暗黒の剣}!!」

暗黒の兵士の一撃が、ルミアの栄光の魔道士の身体を貫き、破壊する。

U「栄光の魔道士………撃破!」

ルミア「私の………負け………グスッ………!」

ルミアは突然泣き出してしまった。やはり、お嬢様であるからだろうか。

メリル「な、泣き出しちゃった………」

メイス「お嬢様はこれまで負け知らずでしたからね………初めての敗北を受け止められないのでしょうね………」

メイスは淡々と説明する。 その間に、Uがルミアの方に駆け寄る。

U「………思ってたより強かった。強いね、お嬢様………それと………紅茶マズいって言って………ごめんね。」

Uはルミアが気に障った理由を悟っていたのか、深々と頭を下げて謝罪する。それを見たルミアは、頬を紅潮させた。

ルミア「優しい………最初は紅茶の良さがわからない味音痴だと思ってたけど………それも謝ってくれた………間違いないわ………Uは………いや、Uお兄様は………私が初めて惹かれた人………」

ルミアはブツブツとUに聞こえない声で何かを口にした。

U「え、えっと………お嬢様?」

Uは困惑する。すると、ルミアは突然Uに抱きついた。

U「ふ………ふぇ!?」

Uは更に困惑する。

ルミア「私の負けです………Uお兄様………!」

U「お、お兄様!?」

Uは強く驚いた。過去に自分の事をお兄ちゃんと呼ぶ前例はいたが、見ず知らずである上に、さっきまで対立していた人物をお兄様と読んだ人物は彼女が初めてだった。

メイス「あらあら………これは………Uに強く懐いてしまいましたね………」

遥「あーあ………また懐いてる。春香さんに怒られても知らないよ………って、こんな100年後の異世界にいるわけないよね………」

遥はわざとらしくはやし立てた。白宮春香がいない事も認識しながら………だが、この戦いにはもう1人見物者がいた。そう、Uにセイバーを与えた白いローブの人物だった………

??「………あなたはいつも昔からそう………誰かに懐かれやすいですね………」

と、まるでUを知っている様子を見せながら………

To be continued………




次回予告
ルミアは、Uに情報提供をするばかりか、両親に頼んで、U達がウズクチョに入れるように手配する事を約束。更に、自分もついて行くと言い出し!?
次回「ルミアの慕い」

魔の解説
・暗黒の兵士(ダークソルジャー)
愛称 ダークソルジャー
属性 魔法使い族/戦士族
召喚条件 {暗黒の魔道士}と{冥界の兵士}を融合させる。
パワー 3200
攻撃技 {暗黒の剣(ダークブレード)}
フレーバーテキスト 「『暗黒の力と冥界の力で貴様を葬ってやろう………!』」

・栄光の魔道士(グローリーマジシャン)
愛称 グローリー
属性 魔法使い族
パワー 1900
効果 「{栄光の倍術(グローリーダブリング)}このカードのコントローラーが、カード名に『栄光』または『グローリー』とつく魔法・対抗・装備カードを使った時、そのカードによって増減されるパワーの数値を2倍にする。」
攻撃技 {栄光の魔術(グローリーマジック)}
フレーバーテキスト 「『我が栄光の力で、ルミアに勝利をもたらす………!』」


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第6話 ルミアの慕い

前回までのあらすじ
ルミアの切り札、栄光の魔道士の規格外なパワーを前に、Uは十八番戦術である魔の融合を発動。暗黒の兵士を召喚し、装備カードとのコンボで栄光の魔道士を撃破し、勝利する。その後、ルミアを認めた言葉と、紅茶の件を謝罪した結果、ルミアはUをお兄様と言う程懐いてしまい………!?


その後、U達は食堂に戻る。だが、ルミアがUにべったりになっており、Uは嫌がっている訳では無いが、どうすればいいか分からず、苦笑いしていた。

ルミア「約束通り………お兄様方がウズクチョに入れるように、お父様達に手配するようお願いするわ。」

メリル「ありがとうございます。それに………Uもお手柄ね。」

U「お手柄って程じゃ無いんだが………」

ルミア「メイス、お父様達はいつ戻ってくるの?」

メイス「恐らく、本日の午後かと思われます。」

ルミア「そう………なら、それまでの間、皆さんはこの屋敷にて寛いでいいわ。他ならぬ、お兄様のお仲間なのだから。」

ルミアがそういった後、遥達は会話をしたりしていた。

U「お嬢様、悪いな。何から何までやってもらう事になっちゃって………」

ルミア「お易い御用です。それと………私の事は、これからルミアって呼んでください。」

U「ルミア………分かった。なら、もう少し砕けた言い方で接してくれ。あくまで、ルミアの方が立場は上なんだから。」

ルミア「………じゃあ、そうするね。」

ルミアは歳相応の女の子の喋り方をした。先程までの高飛車な喋り方はどこへやら………

U「あ、そうだ。遥ー!」

Uは遥を呼び寄せる。

遥「どうしたの、U?」

U「ちょっとね。ルミア、頼みがあるんだ。彼女の分のマジックファイルを用意したいんだけど、この家に使っていないマジックファイルはあるかな?」

ルミア「あるよ。メイス、倉庫にしまっている新品のマジックファイルを持ってきなさい。」

メイス「かしこまりました。」

メイスはそう言うと、倉庫の方へと向かって行った。

遥「私の分のマジックファイルの為に………?」

U「ああ、この先君がマジシャンバトルをやる事になってもおかしくないからね。その対策として、マジックファイルを持っておいて欲しいんだ。」

遥「成程、用心するに越したことはないって事ね………」

遥がそう言うと、メイスが足早に戻ってきた。

メイス「お持たせしました。」

メイスは遥に新品のマジックファイルを手渡す。

遥「ありがとうございます。」

遥はマジックファイルを左腕にセットする。すると、左腕の契約の腕輪が光だして消える。それと同時に、ファイルの中から『聖水の長耳兎』などを始めとした魔のカードや様々な魔法、対抗、装備、儀式魔法、更に白紙のカードなどが現れた。

遥「Uと同じ事が起きた………?」

U「………多分、近いうちにウズクチョに行くかもしれない。その時までに、デッキを作りあげといてくれ。あ、僕の腰にある予備のカードも好きなだけ使ってくれ。」

Uは腰のカードフォルダーから沢山のカードを取りだし、遥に手渡した。

遥「うん、分かった!」

遥はそう言うと、机の上にカードを乗せ、デッキ作りを始めた。

ルミア「お兄様、私はお兄様に強いデッキの作り方を教えてほしいの!!」

U「うん、いいよ。まずはね………」

それから数時間、U達はシャタカビ家で過ごしていた。途中、ルミアの両親が帰ってきて、ルミアは両親にU達の事を説明し、ウズクチョに入れるように手配するようお願いする。両親はこれを快く引き受けてくれ、明日にでもウズクチョに入れるようになる紹介状を作ってくれた………

 

翌日………

メイス「………こちらがウズクチョに入る為の紹介状です。」

U「ありがとう。何から何まで世話になったな。」

メイス「お気になさらず………それと、U様にお1つお願いがございまして………」

U「お願い………?」

ルミア「私、お兄様達について行きたいの!!」

U「え………ええ!?」

ミレル「い、幾ら何でも危険だよ………!」

カラ「そうですね………如何にウズクチョであろうと、ルミア様がどんな目に遭うか分かりませんよ?」

ルミア「大丈夫よ、お兄様にくっついていくから!」

メイス「………とまあ、ルミア様の意志がお堅いのです。U様、どうかお嬢様をお連れして頂けないでしょうか?」

U「………僕達から離れないなら………着いてきて構わない。」

それを聞いたルミアは、ぱあっと明るくなり………

ルミア「大丈夫だよ、絶対に離れないから! これで、私がついていくのは決まりだね!」

U「ああ、これからよろしくな、ルミア。」

こうして、U達はルミアを仲間に加え、ウズクチョに向かう事になったのだった………

To be continued………




次回予告
紹介状によってウズクチョに入る事が出来たU達。だが、かつての繁盛は見られず………!?
次回「地獄の国家」


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第7話 地獄の国家

前回までのあらすじ
ルミアに懐かれたUは彼女のお陰でウズクチョに行けるようになった。また、ルミアがついて行くと言い出した為、仲間はまた1人増え………?


ルミアを連れたU達は、ウズクチョの門まで辿り着いた。

門番「………止まれ!」

鎖国状態にあるウズクチョでは、どこの門にも門番がいる。

ルミア「ちょっと、私の事を知らないの?」

門番「………!! シャタカビ家のルミアお嬢様!? こ、これは大変失礼致しました!! して、本日はどのようなご要件で………!?」

ルミア「ちょっと、そこにいるUお兄様が会いたい人がいるんだって。」

門番「U………何!? その男、5年前に噂になっていたUなのか………!?」

U「そうだけど………」

門番「い、いやその………如何にルミアお嬢様の頼みと言えど、主であるシャタカビ様の紹介状が無ければ………」

U「あるぞ。」

Uは紹介状を手渡す。

門番「何………!? ほ、本物だ………で、ではお通りください………!」

門番は慌てた様子で、U達を誘導する。その途中、門番達はメリルやミレルを見て違和感を感じ………

門番「………そこのお嬢様がた、失礼ですが、どこかで自分とお会いしたことはありますか?」

ミレル「え………? その………」

メリル「………記憶にありませんね。」

ミレルは慌てる様子を見せかけたが、メリルがすぐさまキッパリと言い切った。

U「………僕の仲間に何か用か?」

Uは門番を睨みながらそう口にする。その目は、門番を威圧で萎縮させた。

門番「い、いえ………失礼致しました!!」

門番は恐怖からか、これ以上は何も口にしなかった………

 

その後、U達はとあるバーに入り、テーブル席で今後の事を考えていた。

U「………さて、問題はどうやってレミに会うかだが………現時点、バレスの独裁にあるこの国で会う事は困難だろう………」

遥「ど、どうするの………!?」

U「………ちょろっと席を離れる。ラーガ、少しだけ頼むな。」

カラ「はい、お任せ下さい。」

Uはそう言うと、手に持ったコップを手にすると、カウンター席に移動し………

U「マスター、キツイのを貰えないか?」

Uはバーのマスターから強めの酒を注文し、グイッと飲み干すと………

U「マスター、聞きたい事があるんだがいいか?」

マスター「………なんだい?」

U「実は、たまたまここに来る機会があって、ここに来てるんだが、今の政治体制がよく分からなくてさ。あ、お代わり頂戴。」

マスター「お代わりか………そう言われちゃ、答えるしかねぇな。この国の王族関係は知ってるかい?」

U「知っているよ。確か王女様が2人いて、その下に王子様がいたんだよね?」

マスター「その通り。前王が亡くなられた後、現王………バレス陛下が即位されたよ。」

U「王子の方が即位………これは意図があるのか?」

マスター「意図というわけでは無いが………バレス様は前王が亡くなられた時には成人していた。この国では成人していなかったり、問題を起こしたりしなければ、王子様の方が優先される決まりなんだ。」

U「成程ね………」

マスター「それと………あまり言えないことなのだが、最近、他の国からの鎖国体制が強まってきていてな………原材料も限られてくるから、商売上がったりだよ。」

U「そうか………大変そうだな………どうもありがとう。美味い酒だった。これ、そこのテーブル含めての代金だ。」

Uは遥達の飲み物の料金を含めた酒代を少し多めに払う。

マスター「………ちょっと多い気がするが、いいのかい?」

U「アンタの話を聞いたお代だ。何かに取っておいてくれ。」

マスター「………毎度。お兄さん、敬語は使ってないが、話しやすかったよ。」

U「ま、話をするのはどっちかと言うと得意だからな。じゃあ、連れが満足したら帰るから、まだしばらく居させてもらうよ。」

マスター「はいよ。」

Uはそう言うと、テーブル席に戻り………

メリル「どうだった?」

U「あまり詳しくは聞けなかったが………鎖国体制による人々の影響は大きそうだ。」

U達がそんな会話をしていると………

???「おい!! ここの酒はマズイぞ、どうなってる!?」

突如、男の叫ぶ声が聞こえてきた。男の怒りに店員が怯えていた。

U「ん………? 誰だ、騒いでるバカは………?」

ミレル「あれは………ゼール=サディアだったかな? あまりいい噂のない貴族らしいけど………」

カラ「………ああいうのは絡まない方がいいです。そうですよね、Uさん………?」

カラがそう聞いた時、Uの姿は無かった。

カラ「………Uさん?」

カラが辺りを見回すと………

U「おい………うるさいよ。」

Uが叫んでいた貴族………ゼールに喧嘩を売ってしまっていた。

メリル「な、何やってるのUー!?」

これにはメリルを始め、全員が慌てる。

ゼール「………誰だ、お前? 俺が誰か知ってて口聞いてるのか!?」

U「知らん。」

ゼール「な、なんだと!? ぶ、無礼者がー!!」

ゼールは腰に携えた剣を抜き、Uに切りかかるが、Uはあっさりとかわし、手刀でゼールの右手を攻撃する。

ゼール「ぐあっ!?」

Uの手刀は他の人間よりも力が強いため、ゼールから剣を手放させた。

U「あまりこういう店で剣は抜かない事だ。」

Uはそう言うと、ゼールの剣の刃先を足で踏んでへし折った。

ゼール「なっ………!? 貴様ぁ………!!」

U「………全く、貴族だかなんだか知らないが………余計な手間をかけさせるなよ。」

ゼール「ぐっ………この下民がぁ………!!」

U「ふーん………で?」

ゼール「は………?」

U「下民だからなんだし。そもそも、お前になんの取り柄があるんだよ? 平民より偉いことか………?」

ゼール「そ、そうだ………!!」

U「ふーん………そうかい………ちょっと話しただけだが………僕はお前のこと嫌いだぜ………口だけ達者のクズが………!!」

Uはドスの効いた声でゼールを蔑んだ。ゼールは怯える様子を見せてしまい、最早、彼に強く出れなくなってしまった………すると………

??「何の騒ぎだ!?」

突然、店の外から女性の声が聞こえてくる。声の主はすぐに店に入ってきた。メリル達ウズクチョの人間は、女性の姿を見て驚いた。

ミレル「せ、セミ………!?」

そう、ミレルの世話役として過去にミレルと行動を共にしていた人物である。

ゼール「せ、セミ………! お、俺を助けろ!! この下民が俺を………!!」

U「まだ言うか………!」

Uはゼールの傍の地面を強く踏み付ける。ゼールは再び怯えだしてしまった。

セミ「む………? そこにいる白髪の男。そなた、どこかで………」

セミはUの顔を見る。すると、セミは驚きの顔を見せ………

セミ「ゆ、U殿………!?」

と、5年前に密かに消えたとされるUがこの場にいる事に強く驚いていたのだった………

To be continued………




次回予告
セミはUの肩を持ち、ゼールを確保しようとする。だが、往生際の悪いゼールはUに対してマジシャンバトルを要求し………!?
次回「思わぬ再会」


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第8話 思わぬ再会

前回までのあらすじ
ウズクチョに入る事が出来たU達は、とあるバーで情報収集をしていた。だが、そこで問題を起こしていた貴族ゼールに対し、Uが絡んでしまい騒ぎを聞き付けたセミと偶然再会し………?


U「………久しぶりだな、セミ。」

セミ「………私なんかの事を覚えていてくれたか。」

U「丁度いい。このバカをどうにかしてくれ。店員に対しイチャモンつけてるのを見てたんでな。」

ゼール「こ、コイツが俺の右手を手刀で殴ってきて………挙句俺の剣を壊したんだ!!」

U「いや、剣を手放させる為にやったんだが………それに、お前の顔面を殴らなかっただけありがたいと思ってもらいたいんだが………」

ゼール「そ、そんな事を言いやがって………そんな卑怯な手を使いやがって………!」

セミ「………ゼール様、大変申し上げにくいのですが………その男はかなりの実力者です。いつかのベラー様との戦いでそれは証明済みです。」

ゼール「ぐっ………嘘だ………!! こんな下民がそんなに強いはずが………!」

U「………証明してもいいよ? 次にお前の首が飛ぶだろうが………?」

Uはそう口にした。一見冗談に聞こえるが、彼の目は本気だった。

セミ「やめてくれ、U殿………血の惨状は見たくない………」

メリル「そうよ、U! 私達だって血の惨状は見たくないわ………」

U「………ごめん、ちょっと過激だったかな………」

Uは反省するような苦笑いを見せる。それを見た遥は………

遥「(U………今まではこんな事を口にしなかったのに………やっぱり、あんなクズみたいな相手が嫌いなのかな………?)」

と、心配するような様子だった。

U「はあっ………もう嫌になってきた。セミ、このバカを引き取ってくれ………」

セミ「わ、分かった………ゼール様、失礼ですが連行させて頂きます。」

ゼール「ぐっ………納得がいかん!! その男が本当に強いのか証明してみせろ!! たたし、マジシャンバトルでな!!」

U「往生際が悪すぎる………なら、約束しろ………お前が負けたらさっきの店員に謝罪して、罪を償ってこい!!」

ゼール「わ、分かった………(ふん………俺が負けるはずがない………負けてもそんな約束は反故にすればいい………!!)」

ゼールは内心ほくそ笑む………だが………?

U「あ、約束を反故にしようと無駄だからな? 証人としてセミがいるし………その時は本当に首を飛ばすから。」

Uはそう口にすると、懐からセイバーを出そうとする………

セミ「U殿、今回はそなた自身が戦うのは妥協してくれないか………? 強過ぎて勝負にならないからな………」

U「えぇ………まあいいけどさ………じゃあ、条件1つ増やしていい? といっても、お前に対して頼み事をするだけなんだが………」

セミ「頼みとは………どのようなものだろうか?」

Uはセミの耳元に近づき………

U「………レミに会わせてくれ。」

セミ「レミ第一王女殿下に………ですか!?」

U「………無茶な頼みなのは分かる………でも、会わなきゃならない用事が出来ちまったんだ………! 嫌とは言わせないよ………?」

セミ「………この勝負でそなたが勝った時には………最善を尽くすと約束しよう。」

U「………ありがとうな、セミ。さあ、始めようぜ………クズ野郎!!」

ゼール「だ、誰がクズだ!!」

Uはそんな約束を取り付けて、ゼールとのマジシャンバトルに挑むのだった………!

To be continued………




次回予告
ゼールは貴族だけあって、パワーの高い魔を召喚する。Uはそれに対し破壊の悪魔を召喚するが、何故か破壊の悪魔は動かず………!?
次回「動かない悪魔」


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第9話 動かない悪魔

前回までのあらすじ
偶然にも再会したUとセミ。セミはUの肩を持ってくれたが、往生際の悪いゼールはUにマジシャンバトルを要求。Uは条件付きでこれを受けいれ、2人のマジシャンバトルが始まろうとしていた………


U達は外に出ると、マジックファイルを構える。

ゼール「まずは俺からだ………いでよ、『破滅の邪竜(はめつのエビルドラゴン)』!!」

ゼールが召喚したのは、パワー2000の破滅の邪竜。対して………

U「(………出来ればここはバスターを出したいが………これはマジシャンバトル。相手は腐っても貴族だ………何をしてくるかはさっぱり分からない………ここは………!)………僕が召喚するのは………『破壊の悪魔』だ!!」

Uは負けじと破壊の悪魔を召喚する。

U「頼むぞ、デーモン………破滅の邪竜を攻撃だ!!」

Uは破壊の悪魔に指示を出す………ところが、破壊の悪魔は動かなかった。

U「デーモン………? どうしたんだ!?」

Uは破壊の悪魔に呼びかける。だが、全く動こうとしない。

ゼール「どうした!? お前の怪物は約立たずか!? 破滅の邪竜よ、攻撃だ!!」

Uが動揺している間に、ゼールは攻撃を仕掛けてきた。

U「くっ………! 仕方がない………! 対抗カード発動!! {三猶予のシャンデリア}!!」

Uは咄嗟にカードを発動。破滅の邪竜の攻撃が当たる寸前、上空から3つのシャンデリアが現れ、破壊の悪魔の周りを囲うように設置。それによって結界が張られ、破滅の邪竜の攻撃を弾いた。

遥「な、何が起きたの………!?」

店の中から見ていた遥は何が起きたのかと困惑していた。

メリル「三猶予のシャンデリアの効果よ。」

遥「三猶予のシャンデリア?」

カラ「三猶予のシャンデリアは、対象一人を守るカードで、一定時間の間ありとあらゆる攻撃を無効化出来るんです。反面、その守られている対象は攻撃出来なくなる欠点を有しています。」

遥「だから、デーモンへの攻撃が弾かれたんだ………」

咄嗟にメリルとカラが解説した事で、遥は状況を把握する。

遥「そういえば………さっき一定時間って言ってたけど………どれくらい持ちそうなの!?」

カラ「………一つ目のシャンデリアの火が消えかけている………累計で約3分と言った所でしょうか………」

ミレル「たった3分って………あっ!!」

ミレルが口を開いた直後、1つ目のシャンデリアの火が消えた。

ミレル「シャンデリアの火が………!!」

カラ「あと2分………!」

これを聞いて慌てる様子を見せる遥達………だが………?

ルミア「大丈夫。Uお兄様なら………たった2分でも、あの貴族の怪物を倒せる………!」

ルミアはUが危機的状況を引っくり返す事を信じていた。それを聞いた遥は………

遥「………そうだね。Uは追い詰められても逆転させるんだもん………! 絶対に負けたりしないよ!!」

Uの危機的状況を逆転させる力を信じた。

ゼール「ふっ、あのシャンデリアの火が全て消えれば………俺は再びお前の怪物を攻撃出来る………今のうちに、俺に懺悔したらどうだ………?」

U「………ふっ、バカ言え………僕は自分の行いを後悔はしない………お前との喧嘩の事を………1ミリも詫びたりはしねえ!! それに、このシャンデリアがある間だけで………お前のその竜の首を飛ばすことは容易い!!」

ゼール「はっ、強がりを………!!」

U「強がりかどうか………これを見てから言え!! 僕は………『龍破壊戦士(ドラゴンバスター)』を召喚する!!」

Uはパワー2200の龍破壊戦士を召喚する。

遥「バスターが来た!! という事は………!!」

ゼール「ふん、ちょっとパワーが高いからって舐められたものだ………俺は装備カード、竜の鱗を装備させる! これにより、1分間動けなくなる代わりに、俺の破滅の邪竜のパワーを1500上げる!!」

これにより、破滅の邪竜は攻撃出来なくなった代わりに、パワーは3500になってしまった。

ミレル「ぱ、パワーが3500に………!?」

驚きを隠せないミレル。だが………?

遥「大丈夫です………今、Uが出した龍破壊戦士の前では………どんな竜でも無力ですから………!!」

U「ふっ、浅はかだな。バスターの前で………動く事を捨てるなんて………!」

ゼール「浅はかではない! 見よ! お前の2つ目のシャンデリアの火も消えた………つまり、もう僅かでその骨の怪物を攻撃出来るようになる。そして、そこの戦士の怪物はパワーたったの2200。1300の差をどう埋めると言うのだ!?」

U「………何か勘違いしているようだな。パワーなら………僕のバスターが勝っている………!」

ゼール「何を言って………っ!? な、なんだ………??」

ゼールは突然驚く様子を見せた。店の中から見ていたメリルも、マジックファイルを通じて戦況を見ていた為か、突然驚き出した。

メリル「な、何………!? 龍破壊戦士のパワーが………3950になってる………!?」

カラ「ど、どうして………!?」

遥「バスターは、相手のドラゴン族の魔のパワーの合計の半分のパワーを自分のパワーに上乗せできるんです。つまり、3500の半分、1750がパワー2200のバスターに付与された結果、3950になっているんです。」

混乱するメリル達に、今度は遥が説明する。

U「バスター! あの邪竜の首を飛ばしてくれ!!」

バスター「任せろ!! 我が大剣は………全ての龍を抹殺する………!!」

ゼール「りゅ、竜の書き方が違うだろうが!!」

バスター「関係ない!! 書き方や読み方が違おうと………我が剣の前では紙切れも同然!! くらえ、{戦士の破壊(バスタークラッシュ)}!!」

龍破壊戦士の大剣の斬撃が、破滅の邪竜の首を切断した。破滅の邪竜は唸り声を上げて破壊された。

ゼール「ば………バカな………!?」

U「破滅の邪竜………撃破!!」

Uがそう言うと同時に、最後のシャンデリアの火が消え、破壊の悪魔を覆っていた結界は姿を消し、シャンデリアは全て木っ端微塵に砕けたのだった………!

To be continued………




次回予告
ゼールは2体目の魔を召喚し、対抗カードとのコンボで、Uの龍破壊戦士を撃破してしまう。追い詰められるUに対し、破壊の悪魔がUに語り掛けてきて………!?
次回「悪魔の悩み」

魔の解説
・龍破壊戦士(ドラゴンバスター)
愛称 バスター
属性 戦士族
パワー 2200
効果「{龍の力解放(ドラゴンパワーかいほう)}
この魔は、相手の場にいるドラゴン族の魔のパワーの合計の半分のパワー分、この魔のパワーをプラスする。」
攻撃技{戦士の破壊(バスタークラッシュ)}
フレーバーテキスト「『私がいる限り、Uの前に龍の魔は立てぬ………!!』」

・破壊の邪竜(はめつのエビルドラゴン)
愛称 エビルドラゴン
属性 ドラゴン族
パワー 2000
フレーバーテキスト「この竜は、過去にウズクチョを襲った竜がモデルと言われているとか………」


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第10話 悪魔の悩み

前回までのあらすじ
Uとゼールの対決。Uの召喚した破壊の悪魔が動かないというアクシデントがありながらも、Uは何とかゼールの1体目の魔を撃破するのだった………


ゼール「ぐっ………ならば俺は『復讐の魔獣(ふくしゅうのデーモンビースト)』を召喚する!!」

ゼールは、またしてもパワー2000の魔を召喚してきた。

U「(またパワー2000の魔………!?)」

更に、追い打ちをかけるように、Uの龍破壊戦士のパワーは元の2200に弱体化していた。

ゼール「復讐の魔獣の効果発動!! コイツの召喚前に破壊された怪物のパワーを、相手の怪物一体を倒すまでプラスする!!」

U「なんだと!? それじゃあそいつのパワーは………4000!?」

先程の破滅の邪竜を通り越したパワーに驚きを隠せないU。

ゼール「まずは、俺の破滅の邪竜を滅ぼしてくれた、その戦士を攻撃だ!!」

復讐の魔獣は、手の甲から爪を出現させ、龍破壊戦士に接近。龍破壊戦士は復讐の魔獣の攻撃を防ごうと大剣を構えるも、復讐の魔獣の爪は大剣ごと龍破壊戦士を貫き、龍破壊戦士は身体が崩れる形で破壊されてしまった。

U「バスター!!」

Uは追い詰められていた。頼みの龍破壊戦士は破壊され、破壊の悪魔は全く動こうとしない。

U「(一体どうすれば………!!)」

まさに、絶体絶命の危機を感じた………その時だった………

デーモン「………我が声が聞こえるか………?」

U「………デーモン………!?」

Uは、突然破壊の悪魔が声をかけてきた事に驚いた。因みに破壊の悪魔の声を聞けるのは、破壊の悪魔と心を通じ合わせた人物のみであるため、遥達やゼールには聞こえていない。

デーモン「………教えて欲しい………我はお前の力となっているだろうか………?」

U「ど、どうしてそんなことを聞くんだい………?」

デーモン「………我はいつからか、お前の力となれているか心配になってきたのだ………」

U「………デーモン、お前は僕の力になっているよ。お前がいなかったら、ここまで戦い抜けなかった………確かに、ダークやソルジャー、ライトにバスターに白虎も強いからな………お前が心配するのも無理ないかもしれないね………でも、お前がいて困った事は無い………だから………心配しなくていいんだよ………?」

デーモン「U………」

破壊の悪魔はUの言葉を聞いた影響か、白い骨のような身体から光が放たれた。

U「こ、これは………デーモンから光が………!?」

ゼール「な、何が起きている………!?」

破壊の悪魔の身体の光は、場にいるUを含む者達全ての目を一瞬閉じさせた………

U「うっ………あ、あれは………!?」

次にUが目を開いた時、そこには骨の色が白からマゼンタに変色し、羽を生やした破壊の悪魔が立っていた。

U「デーモンが進化した………!?」

デーモン「………我こそは破壊の悪魔から進化した………『破壊の悪魔・真(はかいのデーモン・しん)』!!」

遥「あれ………!? デーモンの声が聞こえる!?」

どうやら、破壊の悪魔は、破壊の悪魔・真へと進化を遂げたようだった。更に、進化の影響か、人語が喋れるようになっていた。そして、Uのマジックファイルに、破壊の悪魔・真の情報がインプットされた。

U「えっと、何々………? 破壊の悪魔・真………パワー2200、それに効果を持っているんだな………?」

遥「パワー2200って………Uの魔、6体いながら最低ライン2000になってるじゃん………」

遥は多少引いた様子を見せた。だが、この進化した破壊の悪魔・真はこの状況をどう覆すのか………!?

To be continued………




次回予告
進化した破壊の悪魔・真は復讐の魔獣を撃破する。ゼールは切り札を召喚して、Uの破壊の悪魔・真を撃破するが………!?
次回「悪魔の進化」

魔の解説
・破壊の悪魔・真(はかいのデーモン・しん)
愛称 デーモン
属性 悪魔族
パワー 2200
効果「{悪魔の亡霊(デーモンスピリット)}
この魔が破壊された時、相手の場の魔のパワーを永続的に-500する。」
攻撃技{悪魔の拳・真(デーモンパンチ・しん)}
フレーバーテキスト「『我が力を1番頼りにしているのは………我が主のUだ………!!』」

・復讐の魔獣(ふくしゅうのデーモンビースト)
愛称 デーモンビースト
属性 獣族
パワー 2000
効果 「{悪魔の復讐(デーモンリベンジ)}
この魔が召喚された時、前に魔が破壊されたなら、次に相手の場の魔を破壊するまで、破壊された魔の元のパワー分、この魔のパワーをプラスする。」
攻撃技 {復讐の爪(リベンジャークロー)}
フレーバーテキスト 「この獣の仲間に滅ぼした時、この魔に滅ぼされるという………」


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第11話 悪魔の進化

前回までのあらすじ
ゼールは2体目の魔、復讐の魔獣を召喚し、Uな龍破壊戦士を破壊されてしまう。だが、Uに自らの悩みを解消してくれた破壊の悪魔が、破壊の悪魔・真へと進化し………!?


ゼール「ば、バトル中に怪物が進化するなど………あ、有り得ん………!!」

U「………悪いな、コイツとの付き合いは、お前がそのカードを手にする前………いや、このマジシャンバトルが作られる前からあるからな………!!」

Uがそう言うと、破壊の悪魔はその通りとばかりに、大きな唸り声を上げる。

U「破壊の悪魔・真………いや、デーモンの方が呼びやすいな………デーモンの攻撃!! {悪魔の拳・真}!!」

破壊の悪魔・真は右手に紫のオーラを集め、復讐の魔獣に向けて拳を突き出した。

ゼール「ぐっ、対抗カード発動! {聖なる盾}を発動!!」

メリル「聖なる盾………! 1回だけ攻撃を無効化する気ね………!!」

U「させるか!! 対抗カード発動! {魔術の無効化}! お前の聖なる盾を無効化する!!」

Uの魔術の無効化により、聖なる盾は内側からヒビが入り、破壊される形で消滅した。

ゼール「ば、バカな!?」

これにより、破壊の悪魔・真の拳が復讐の魔獣に炸裂し、復讐の魔獣が破壊される。

U「復讐の魔獣………撃破!!」

ゼール「ぐっ………ならば、我が切り札でお前のその怪物を討ち取ってやろう!! 来い、{闇の竜王(ダークネスキングドラゴン)}!!」

ゼールは、切り札の闇の竜王を召喚する。

U「闇の竜王………パワー2300の上に………更に効果持ちだと!?」

ゼール「闇の竜王は、俺のマジックファイルのカードを最大で5枚まで捨てる事ができ、捨てた枚数×100のパワーをプラスされる!! 俺は5枚のカードを捨て、闇の竜王のパワーを2800に上昇させる!!」

U「ぐっ………!! (今の僕のデッキにデーモンを強化出来るカードは無い………ならばここはいっそ………!!)」

ゼール「行け、闇の竜王! {暗黒の息(ダークネスブレス)}!!」

闇の竜王は口から闇の炎のブレスを放ち、破壊の悪魔・真の身体が溶けだす………

デーモン「我が場に残れそうにないのは心残りだが………Uよ、我が能力を使え!!」

U「ああ! デーモンが破壊された時、デーモンの能力を発動する!!」

Uがそう口にすると、破壊の悪魔・真が破壊されると同時に、フィールド全域に紫色の波動が放たれ、闇の竜王が僅かながら姿勢を低くする。

ゼール「ど、どうしたのだ闇の竜王………って、これは!? 闇の竜王のパワーが元に戻っている!?」

遥「パワーが下がっているなんて………まさか!?」

遥は何かに勘づいた。Uはニヤリと口元を動かすと………

U「そうさ、進化したデーモンは破壊された時、相手の場の魔のパワーを永続的に500マイナスさせる!!」

すなわち、闇の竜王の追加パワーとデーモンの永続マイナス効果が相殺され、元のパワーに戻ったという事である。

U「僕が最後に出すのは………{冥界の兵士}!!」

Uは冥界の兵士を召喚すると、すぐさまマジックファイルからカードを取りだし………

U「装備カード{冥界兵の斧剣}を発動! ソルジャーのパワーを500プラスし、更にマジックファイルからカードを2枚捨て、相手の防御魔法を無力化させる!!」

ゼール「な、なんだと!?(そ、それでは俺の負け………!?)」

U「トドメだ………ソルジャーの攻撃!! {兵士の剣}!!」

冥界の兵士は斧剣を振り上げると、闇の竜王目掛けて斧剣を振り下ろし、闇の竜王を一刀両断した。

ゼール「なっ………!?」

U「闇の竜王………撃破!!」

Uは闇の竜王の撃破を高らかに口にするのだった………

To be continued………




次回予告
ゼールが敗北した為、ゼールに約束通り形だけの謝罪をさせ、城に連行。セミは何とかレミと会う機会を作る為、U達に数日程待って欲しい事を伝える………
次回「勝負の約束」

魔の解説
・闇の竜王(ダークネスキングドラゴン)
愛称 ダークネスドラゴン
パワー 2300
効果 マジックファイルのカードを最大で5枚まで捨ててよい。捨てたら、捨てた枚数×100のパワー分プラスする。
フレーバーテキスト 「かつて、とある国をたった1匹で滅ぼした伝説の竜がいた………」


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第12話 勝負の約束

前回までのあらすじ
Uとゼールの対決は、破壊の悪魔の進化形態、破壊の悪魔・真の力によってUが勝利し………?


U「さて、約束を果たしてもらおうか。」

Uはそう言って、ゼールに接近する。

ゼール「ぐっ………今回は油断しただけだ! もう一度やれば………!!」

U「………いい加減にしろよ? お前の首を冗談抜きで飛ばすぞ?」

Uは懐からセイバーを取り出そうとする。それを見て萎縮するゼール。これを見て、流石にこれ以上醜態を見せれば、冗談抜きで自分が死ぬと思ったのか、店の中から様子を見ていた店員に対し………

ゼール「ああ………すまなかった。」

と、軽い様子で謝罪の言葉を口にする。

U「おい、謝罪には礼儀ってもんがあるだろ………?」

Uが威圧をかける。

ゼール「も、申し訳なかった………」

U「『申し訳ございませんでした』だろ? 後、土下座しろ、土下座。」

ゼール「ぐっ………お前、いい加減に………!」

U「あ?」

ゼール「………!?」

ゼールはUの反論の余地を与えない威圧に驚き、地面に正座して座ると………

ゼール「申し訳………ございませんでした………」

ゼールは深々と頭を下げた。無論、内心は………

ゼール「(何故………貴族の俺がこんな事に………!?)」

強い屈辱を感じていた。だが、これで形だけとは言え、謝罪が成立し………

セミ「………では、ゼール様、連行致します。あ、それとU殿………」

セミはUに近づくと………

セミ「………しばらくこのウズクチョに滞在してくれると助かる。レミ様と面会する機会がついたら………そなたらの元を訪ねる。滞在場所は………どこでも構わん。」

U「………分かった。」

セミ「では、またの機会に………」

セミはそう言うと、ゼールを城へと連行するのだった………それを見送った後、遥がUに声をかけてきた。

遥「ねえ、U………これ、上手くいくのかな………?」

U「………さて、これで上手くいくかどうかは知らん………だが、もしレミと会えたら………ミレルとメリルの事を明かす。無論、アイツから蔑まれても………僕は真実を明かす事にするよ。」

遥「そう………でも、大丈夫だと思うよ。Uが信頼している人は………大抵いい人だから。」

U「………よくもまあ、僕の事を信用出来るよな………」

Uは遥の言葉に少し呆れた様子を見せたのだった………

 

それから数日経ち、U達はまた同じバーを訪れていた時………バーにセミが現れた。

セミ「U殿、お待たせした。これから、指定の宿まで来て頂きたい。レミ様がお会いになられる。」

U「………仲間達を連れて行っても構わないか? アイツに紹介しておきたい。」

セミ「構わない。では、着いてきてくれ。」

Uは遥達を連れ、セミの案内で指定の宿まで向かうのだった………

 

ウズクチョの宿………

宿に到着したU達は、その宿のスイートルームへと案内される。

セミ「レミ様の命令で私は部屋に入れない。それに、この事は他言無用でお願いしたい。特に、バレス様に気付かれたくは無いからな………まあ、そなたの事だから心配はしていないが………」

U「………分かった。」

Uはセミの頼みに頷く。セミはそれを聞き………

セミ「レミ様、お待たせしました。今、U殿とそのお仲間が入ります。」

セミがそう言うと、部屋の中から声が聞こえた。

レミ「………入れてあげて。」

セミ「かしこまりました。では、後の事はよろしく頼む。」

U「ああ………失礼するよ。」

Uはスイートルームの戸を開ける。その中には、5年の時が経ち、更に美しくなったレミがソファに座っていた。ミレルはレミの姿を見て、多少動揺したが、今の自分はミレルでは無い事を思い出し、すぐに態度をきちんとさせる。

U「………久しぶりだな、レミ。」

レミ「ええ、5年ぶりね………それに、新しい仲間ばかりみたいだけど………娘の真子さんはどうしたのかしら?」

U「ちょいと、アイツとは別行動中でな。じゃあ、早速本題に入ろう。」

Uはそう言うと、部屋の戸をきちんと閉め………

U「レミ、ここにいる彼女………誰かに似てると思わないか?」

Uはそう言うと、髪の色を変えているミレルが誰に似ているかを聞いてみる。

レミ「そちらの方が………? ………よく見たら………ミレルに似ている………?」

U「気付いてくれたか。」

Uはそう言うとミレルの頭に触れ、自身の力で髪の色を元の金色に戻す。

レミ「み、ミレル………!?」

ミレル「お、お姉ちゃん………」

ミレルは妹として、レミと再会できたからか、目に涙を溜め………

U「………お前が守ったミレルは………僕達と偶然出会ってな。ミレルはお前が1人城に残っている事を強く悲しんでいたんだ………だから、お前を救う為にここに来た………といっても、僕にはどう救えばいいのか現時点では全く分からないんだけどな………」

Uはそう口にする。

レミ「こんな私の為に………バカね………でも………」

レミはミレルの前に立ち、彼女を優しく抱きしめる。

レミ「ミレル………貴女が無事で………また会えた事がとても嬉しいわ………!」

ミレル「お姉ちゃん………私もだよ………!」

2人は感動の再会を感じていた。それを見ていたUは………

U「(ミレルの事は伝えられた………だが、問題はメリルの事だ………いや、ここで伝えなきゃ、次に伝える機会があるか分からない………どんな結果になろうと………伝えるしかない………!)」

と、メリルの話をする覚悟を決めていたのだった………

To be continued………




次回予告
Uはレミに対し、先のメリル誘拐事件の犯人が自分とカラであり、メリルが髪色を変え、偽名で活動していた事を明かし、関係の悪化や罰を覚悟でUは頭を下げる。すると、レミの口から出たのは意外な言葉だった………
次回「誘拐事件の自白」


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第13話 誘拐事件の自白

前回までのあらすじ
Uはゼールに勝利し、形だけだが店員にゼールを謝罪させる。数日後、セミのお陰でレミと再会。レミにミレルの事を明かし、そして………


U「………レミ。もう1つ話したい事がある………ただ、この話はミレルよりも深く………色々と問題になりかねない話だ………先に言っておく。もしかしたら、君は僕の事を蔑むかもしれない………ミレルも、ルミアも………」

Uはメリルの話がそう簡単に言える話で無く、もしかしたら、事情を知らないレミ達に拒絶される可能性がある為、先に前置きをしておいた。

レミ「………言ってみなさい。」

U「………5年前にあった事件を覚えているか?」

ミレル「それって………メリル誘拐事件?」

ルミア「確か………メリル=レミールって人が、既に滅んだ国の残党に攫われたっていう事件だよね………?」

メリル「………」

ミレル達が次々と言葉を口にする。メリルは自分の事である為か、何も口にしない。

U「その犯人についてなんだが………」

Uはメリル達の方に歩くと、メリルとカラの頭に触れ、2人の髪色を元の色に戻す。

レミ「えっ………!?」

U「僕とカラなんだ。」

レミ「………そう。あまり考えたくはなかったけど………やっぱり貴方が犯人だったのね………」

U「………気づいていたのか?」

レミ「………あのべラーをあんな簡単に倒せる人物は貴方くらいしか思い浮かばないわ。」

U「………そういう事だ。レミ、多分許してくれないだろうけど言わせてくれ………あの結婚式を………私怨でぶっ潰してしまって本当に申し訳ない!! どんな罰でもきちんと受ける………その覚悟は勿論ある………!!」

Uは深々と頭を下げる。気に入らない相手とはいえ、レミの実の弟の結婚式を潰してしまった罪悪感が心のどこかにあったからこそ、Uは許されない覚悟で謝罪をした………ミレルは驚いた様子を見せ、ルミアは言葉を失ったのかフリーズしていた。レミは多少険しい表情を浮かべ、頭を下げるUの前に立つ。

レミ「………王女の立場としては許せるとは言えないけど………私個人の気持ちとしては………貴方の事を怒ったりしていないわ。」

U「え………?」

Uは意外そうな顔をした。彼個人の中では、許せないと思っていたのだろう。

レミ「………実は、バレスがメリルと結婚しようとしたのは………バレスの我儘と、それに賛同してしまったグラン王のせいなのよ………レミール伯爵にも、許されない事をしてしまったわ………」

レミは逆に罪悪感を感じていたようだ。王女という立場なのに、何も出来ない無力な自分のせいで………

U「………そうだったのか………でも、僕のやった事は簡単に許されることじゃない………」

レミ「………今の私には何も出来ないけれど………私は貴方を許すわ………最も、無条件で許すのは難しいだろうけど………」

U「………何か困っている事があるのか? あるなら何でも言ってくれ………! 僕は………お前の力になる………! ミレルと約束したから………ってのもあるが………」

Uはミレルを見やる。ミレルはこれを聞き、多少頬を赤く染めた。そして、先程フリーズしていたルミアは………

ルミア「お兄様………カッコいい………!」

と、見惚れていた。何をどうしたら見惚れるのかは、常識では考えられそうもない………

レミ「………なら、貴方に1つ頼みたいことがあるの。」

U「………なんだ?」

レミ「………最近、ウズクチョで言われている………『心の闇』について調べて欲しいの。」

U「心の闇………?」

レミが口にした『心の闇』とは、いったい何なのだろうか………?

To be continued………




次回予告
レミの口から語られる闇の心についての情報。それを聞いたUは、罪滅ぼしになるかは分からないが、レミの依頼を引き受ける事を………!
次回「心の闇」


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第14話 心の闇

前回までのあらすじ
Uは、レミにメリルの結婚式を潰した犯人が自分である事を自白し、許されない覚悟で謝罪をする。だが、レミはそんな彼を許す。その後、レミはUに対し『心の闇』について調べて欲しいと口にし………?


レミ「ええ………私も断片的にしか知らないのだけど………最近、まるで狂気に取り憑かれたかのような人達がこのウズクチョに現れだしたそうなの………」

U「………そうか。お前の所の弟のバカ王は何か対策を取ったのか?」

レミ「いえ………大して興味を持たず、特に対策は取っていないようよ。一応、兵に見回りをさせてはいるらしいけど………」

U「どうりで、最近この国の兵士をよく見かけるわけだ。」

レミ「でも、確かに被害は出ているの。噂によると、心の闇を持つ者に負けると、負けた人もまた、心の闇に囚われるとかなんとか………」

ミレル「そんな事って………!」

U「………いや、有り得るよ。まあ、心の闇が何なのか、その黒幕が誰なのかは勿論分からない。でも、分かるのは………敗北した事による絶望の心に心の闇が感染する………みたいな感じの事はあってもおかしくない。絶望も心の中の闇の一種の原因だからな………」

レミ「Uには、この事件の黒幕を突き止めてほしいの。無論、黒幕を倒したらどうなるかは分からないけど………貴方ならどうにかすると思って………貴方にこの依頼をさせてもらうわ。もし、心の闇について解決する事が出来たら、貴方の罪は不問になるように努力するわ。」

U「………罪滅ぼしになるかは分からないが………その依頼、勿論引き受けるよ。」

Uは、レミの依頼を引き受けた。

レミ「それともう1つ………U、しばらくの間、ミレルやメリル達の事を頼めるかしら?」

U「………それは全然構わないが………いいのか?」

レミ「そこの少年はまだ大丈夫かもしれないけど、ミレルやメリルが見つかると面倒くさい事になりかねないわ。それに………バレスには気をつけなさい。バレスは貴方の事を相当敵視してるはずだから………」

U「………分かってるよ。あのバカには二度と会いたくないけど………ただ、もし心の闇とアイツに関わりがあったなら、最悪、この国を敵に回しても動く………それだけは事前に認めてもらえないか?」

レミ「………分かったわ。それと、しばらく私は城の方で大人しくしているわ。バレスにこの事を悟られたくはないから。」

U「そうだな。そうしてもらえると助かる。ただ、もし何かしらの用があったならいつでも呼んでくれ。しばらくはウズクチョに滞在するつもりだから。」

Uはそう言うと、ミレル、メリル、カラの頭に触れ、髪の色を再び変色させる。

U「あ、この力についても伏せておいてもらえると助かる。」

レミ「………ええ、分かったわ。」

レミはUの申し出に頷く。

U「じゃあ、また機会があったら再会しよう。今日は、僕達のためにここまで赴いてくれてありがとう。」

レミ「別に………貴方には過去に助けられた借りがあるもの。それを返す為に、ここに来ただけよ?」

U「あはは………まあ、そうだと受け取っておくよ。」

Uはそう言うと、部屋の戸に触れ………

U「じゃあな、レミ。」

Uは優しげな表情を浮かべると、遥達と共にスイートルームを後にした………

U「(しかし………なんだろう、この胸騒ぎは………この心の闇についての依頼………なんだか、僕にとって最悪な事が起きそうな気がしてならない………)」

それと同時に、突然起きた胸騒ぎに心の中で首を傾げるUだった………

To be continued………




次回予告
Uは、過去にアルバイトとして1ヶ月だけ働いていたメリルの店を訪れる。すると、そこでウズクチョ兵士長のべラーと再会。彼曰く、店の中には心の闇を持つ人物がいるらしく………?
次回「兵士長との再会」


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第15話 兵士長との再会

前回までのあらすじ
レミが口にした心の闇。これを聞いたUは、ミレルやメリル達と共に、心の闇についてを調べる事に………


レミ達と別れて数日後、U達が次に向かったのは、かつてUが1ヶ月だけ働いていたメリルの店だった。

メリル「あれは………懐かしいわね。」

U「そうだな………あれはリール達にとっては思い出深い場所だもんな。」

まだミレルやメリル達の正体を隠しておく為、公の場ではまだ偽名を使っていた。

カラ「しかし、あの中には一般の人は入れなくなっています。それに、現時点では旅人の身分である俺達にはどうする事も出来ませんが………」

U「まあ、その時は僕が侵入してくるよ。」

遥「なんで侵入という言葉を平気で言えるの………?」

U「………戦い過ぎているからかな?」

遥「………時々Uの事、『本当に戦いのプロなの?』って、首を傾げる事があるんだけど………なんでそう思うのか原因がわかった気がするなぁ………」

U「………?」

Uは首を傾げる。それを見た遥は………

遥「(そういう天然なところだよ………)」

Uに対し、心の中で指摘するのだった………

U「まあ、とにかく行ってみよう。」

Uはそう言うと、店の方へと向かうのだった………

 

店の前に向かうと、そこには会員制の張り紙の上に、何かが貼られていた。

メリル「挑戦者募集………?」

U「5年もいないうちに何があったんだよ………」

Uは内心引いているような様子を見せた。すると………

???「少し良いか?」

Uの後ろにいた人物がUに声をかけてきた。

U「なんだ………? ………って、お前は!?」

???「………!! お前はもしやU!?」

U「べラーだっけ………? お前の名前………」

べラー「………5年ぶりというのに、よく覚えていてくれた。しかし、閉鎖されているこの国に来るとは………一体どうして………?」

U「ここにいるルミアのお陰でここに来たんだ。」

べラー「ルミア嬢………珍しい。シャタカビ様では無く、Uと行動をしているとは………」

ルミア「あら、私が誰を連れてここを歩こうが、私の勝手でしょう?」

べラー「………ごもっともです。しかし、ここには近づかない方がよろしいかと。」

U「………どうしてだい?」

べラー「………この先には、最近噂で聞く心の闇を持つ者が潜んでいるとの情報が入ったのだ。これまでに多くの兵を送ったが、誰一人として戻ってこなかったのだ。」

U「そんな事が………なら、余計に見逃せないよ。昔、ちょっとの間だけどここで働いてたしな………って、あのバカ王が経営者じゃねぇのかよ?」

べラー「………確かに、べラーがこの店の経営者ではあるが………アイツはこの事に無関心でな。仕方が無いので俺が独断で動いているのだ。」

U「そうか………やっぱり、アイツ無能って度が過ぎてるよ………」

べラー「メリル嬢がいてくれれば、この店はまた建て直せると思ったが………メリル嬢は5年前に賊に攫われて以来行方不明だ………」

メリル「………」

メリルは何も言えない様子だった。今の自分がメリルとして振る舞えないからだろうか………?

U「だったら、尚更無視出来ねぇ………僕達も行く。」

べラー「………断る。心の闇を持つ者を相手に………お前達を巻き込む事は出来ない。」

U「僕も、お前一人を殺されに行かせられない。聞いたよ、メリルが攫われた時、お前が賊に負けたって言うのを………もし、また似たような相手だったらどうする………?(………まあ、コイツと一戦交えた賊の正体は僕なんだが………)」

Uは、自身があの時の賊である事は敢えて口にせず、また似たような敵が相手では、ベラー単独では危険だと口にする。

ベラー「………分かった。しかし、そこにいる仲間達を守れるとは約束できん。それでも良いなら、好きに着いてくるといい。」

U「………ありがとう。」

Uはそう言うと、遥達を連れて店の中に入るのだった………

To be continued………




次回予告
店の中に突入したU達。バトルフィールドには、強い闇の心を纏った狂気の人物がいた。だが、その人物が口にしたとある言葉が、メリルを怒らせ………!?
次回「強い闇のオーラ」


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第16話 強い闇のオーラ

前回までのあらすじ
U達は、かつてメリルが経営していた店へと向かう。そこで、ウズクチョの兵士長ベラーと再会。彼曰く、店の中には心の闇を持つ者がいるらしく………?



店の中に向かうと、そこには多くの人達が倒れていた。

遥「こ、これは………!?」

べラー「………やはりこうなっていたか。」

ミレル「酷い………」

U「………やっぱりいるとみて間違いなさそうだな。心の闇を持つ者が。」

カラ「しかし、その心の闇を持つ人物は一体どこにいるのでしょうか………?」

U「決まってるだろ。この店で戦える場所と言ったら………!」

べラー「バトルフィールド………というわけか。」

U「ご名答だよ。」

メリル「それなら………急ぎましょう!」

U「ああ、勿論だ!」

U達はバトルフィールドの方へと走り出す………

 

バトルフィールド………

U達はバトルフィールドに到着する。するとそこには左腕にマジックファイルを装着した強い闇のオーラを纏った1人の男が立っていた。

U「アイツがそうみたいだ………」

Uは立っている男に視線を向ける。すると、男もその視線に気づいたのか………

???「ほう………ここに来たという事は、俺の相手をするという事だな?」

U「………言われなくてもそのつもりだよ。」

???「そうか………ならば、死ぬ前に俺の名を聞いておくといい………俺はイビル。このバトルフィールドの覇者だ!!」

メリル「なっ………!? 勝手な事を………!!」

メリルは元とはいえ、自分の店のバトルフィールドを自分の物のように言った事に怒る様子を見せる。Uはそんなメリルの前に手を出し………

U「………はあ。」

Uは大きな溜息をつく。

イビル「なっ!? 何だ今の溜息は!?」

U「………1つ勘違いすんな。このバトルフィールドはな、僕の親友が経営していた店の象徴だ。お前の為のフィールドじゃない!!」

Uはメリルの店の象徴として、イビルの言葉を訂正する。

イビル「黙れ!! ここは俺の勲章!! 戦ってもいない奴がそんな事を言うな!!」

U「ぐっ、話が通じない奴。」

Uは呆れた様子を見せる。すると………

メリル「ふ………ふ………ふざけないで!! ここは貴方のものじゃない!! ここは………皆が楽しく戦う為の場所なの!!」

メリルは怒りを顕にする。

U「リ、リール………?」

イビル「ぐっ………このチビ女が………!」

メリル「なっ!? 誰がチビよ!!」

U「(いや、確かにメリルは小っこいけど………それは1番言っちゃいけないやつ………)」

流石のUもメリルのタブーな部分は口にしない。口にしたらどうなるか目に見えているからだ。

イビル「俺に文句があるなら………俺にマジシャンバトルに勝ってから言え!!」

メリル「上等よ!!」

U「ちょっ、リール! 負けたらどうなるか………!!」

メリル「Uは黙ってて!!」

メリルはUを強い気迫で近づかせず、マジックファイルを構える。

U「はあっ………しょうが無いな。」

遥「えっ!? Uはそれでいいの!?」

U「だって、この状態のリールは手が付けられないもん………」

ラーガ「もうこうなったら、リールさんの勝利を信じましょう………」

こうして、メリルとイビルの互いの意地を賭けた対決が勃発したのだった………

To be continued………




次回予告
メリルは魔法使い族のデッキを使って戦う。だが、イビルのパワーデッキを前に苦戦を強いられ………?
次回「魔法使いの意地」


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第17話 魔法使いの意地

前回までのあらすじ
メリルの店のバトルフィールドには、イビルという人物が立っていた。だが、店のバトルフィールドを私物化したようなイビルの発言に激怒し、メリルはイビルとマジシャンバトルをする事に………!?


メリル「私が召喚するのは、{未熟者の魔法使い(ノービスマジシャン)}!!」

メリルは1体目の魔を召喚する。

イビル「パワー1300………ふっ、雑魚の怪物を召喚するとはな………!! 俺が召喚するのは、{力の格闘家(パワーファイター)}!!」

イビルも1体目の魔を召喚する。

U「(パワー1800………力重視の魔を召喚して来たか………)」

Uは冷静に場を見る。メリルはマジックファイルから1枚目のカードを取り出すと………

メリル「フィールド魔法発動! {魔法の箱(マジシャンズボックス)}!!」

これにより、地面に四角い箱が現れる。

U「魔法の箱………?」

Uは首を傾げる。すると、すかさずカラが説明に入る。

カラ「あれは使用した魔法カードを取り込むフィールド魔法ですね。」

U「取り込む………? 言ってる意味が分からないんだが………?」

カラ「まあ、見ていれば分かりますよ。進化したリールさんの戦術を………!!」

カラは笑みを零しながら、そう口にする。

メリル「私は魔法カード{疾風の刃}を発動!! 対象は力の格闘家!!」

疾風の斬撃が力の格闘家に襲いかかる。

イビル「ふん! そんな魔法、かわすまでもない!!」

力の格闘家は拳をはらい、疾風の斬撃を破る。

メリル「ぐっ………今使った{疾風の刃}をフィールド魔法{魔法の箱}に吸収させるわ。」

メリルの手にあったカードが光となって、地面の箱に取り込まれる。

イビル「それがどうした!! 力の格闘家よ、奴を喰らえ!!」

力の格闘家は接近し、未熟者の魔法使いを一突きで破壊する。

メリル「未熟者の魔法使いの効果発動。私のマジックファイルにある魔法カード2枚を自分の場のカードの中に吸収させる。勿論、{魔法の箱}に吸収させるわ。」

U「(見た感じはメリルが不利のように思えるけど………これで魔法の箱の中には3枚カードが入っている………)」

メリル「もう一度、{未熟者の魔法使い}を召喚するわ!」

メリルは2体目の未熟者の魔法使いを召喚する。

遥「また同じ魔………確かに3体まで同じ魔を入れていいルールだけどどうして………?」

メリル「魔法カード発動! {正義の光}!!」

メリルが正義の光の発動を宣言すると同時に、辺り一面に強い光が放たれる。

イビル「ま、眩しい………!!」

U「(し、視界を奪った………? ………いや、この魔法の狙いは………!!)」

メリル「このマジシャンバトルはプレイヤーの攻撃は禁止されていない………私の魔法も使わせてもらうわ!! {バーニングブラスト}!!」

メリルの手から放たれた炎の竜巻波。視界を奪われていた力の格闘家は不意打ちに近いこの一撃を防ぐ事が出来ず、破壊されてしまった。

イビル「ぐっ………俺の力の格闘家を………!!」

メリル「そして、{正義の光}も{魔法の箱}に吸収させるわ。」

イビル「ぐっ………ならば、俺はコイツを使う! {巨大格闘家(ジャイアントファイター)}!!」

イビルの2体目の魔が召喚される。

U「2体目………パワーは2100………効果は無いが、それでも高いパワーだ………」

イビル「更に装備カード、{格闘家の篭手}を発動! 巨大格闘家のパワーを600プラスする!」

ミレル「これでパワーは2700………!」

ルミア「しかも………魔法使い族を使っているあの人には、パワーが高すぎてとても苦しい戦いになってる………!」

そう、魔法使い族の魔は全体的にパワーが低い傾向にある。Uの暗黒の魔道士などは、その中でも特に高いが、普通の魔法使い族となると、パワーの平均が1400辺りであり、他の属性と比べるとやや少なめである。そのため、この状況を考えればメリルの方が不利である………だが………?

U「(かつてない危機的状況だってのに、メリルは諦めていない………いや、何かを待っている………?)」

Uは首を傾げる。その間にメリルの2体目の未熟者の魔法使いが破壊され、メリルは2枚魔法カードを場の魔法の箱に吸収させる。

U「(メリルはあっという間に2体の魔を破壊されてしまった………そして、あの魔法の箱に入っているカードは6枚………メリルの狙いはなんだ………?)」

見た感じ、メリルが不利な状況にあるが、Uにはメリルが何かを睨んでいるようにしか見えなかった………

 

危機的な状況に追い込まれているメリル………その狙いは一体………?

To be continued………




次回予告
メリルは苦戦を強いられているように見えたが、実際は、魔法の箱にカードを集めるメリルのコンボへの布石で………!?
次回「魔法デッキの布石」

魔の解説
・未熟者の魔法使い(ノービスマジシャン)
愛称 ノービス
属性 魔法使い族
パワー 1300
効果 「{魔力渡し(マジックパス)}このカードのコントローラーの場のカード、またはフィールド魔法に、魔法カード2枚までをそのカードの下に入れて良い。」
攻撃技 {未熟者の魔法(ノービスマジック)}
フレーバーテキスト 「彼女はまだまだ未熟者な魔法使いだが、魔力を渡す力だけは普通の魔法使い以上である………」

・力の格闘家(パワーファイター)
愛称 パワー
属性 拳闘族
パワー 1800
攻撃技 {力の拳(パワーナックル)}
フレーバーテキスト 「力のみを信じて戦う格闘戦士として一躍有名だったが………?」

・巨大格闘家(ジャイアントファイター)
愛称 ジャイアント
属性 拳闘族
パワー 2100
攻撃技 {巨大な拳(ジャイアントナックル)}
フレーバーテキスト 「巨大な体と力は敵を一撃で粉砕する………!」


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第18話 魔法デッキの布石

前回までのあらすじ
メリルとイビルの戦い。戦況はイビルが有利に見えるが………?


イビル「ふん………この程度か………お前が魔法を使える事には多少驚いたが………お前では俺を倒せないようだな。」

メリル「………どうかしら? さっきから攻撃もしてこない貴方がもう勝ち誇っているのかしら?」

イビル「な、何だと………!? 貴様………この俺を侮辱したなー!?」

イビルの闇のオーラが強くなる。

イビル「ならば、総戦力を持ってお前を倒す!! 俺はもう一体、{巨大格闘家}を召喚する!!」

ミレル「2体目!? もうこれ以上出されたらリールが!!」

ミレルは慌てる様子を見せる。だが、Uはミレルの肩を優しく掴む。

U「大丈夫だよ………多分、リールの狙いは………もうすぐ達成されるだろうから………!」

ミレル「U………?」

ミレルには、Uが何を言っているのか分かっておらず首を傾げる。

メリル「私は最後の怪物を召喚するわ………来て、私の切り札………『正義の魔法使い(ジャスティスマジシャン)』!!」

メリルは、最後の魔である正義の魔法使いを召喚する。

メリル「ジャスちゃん、いつものお願い!!」

メリルがそう言うと、正義の魔法使いは手にエネルギーを集める………

ジャスティス「{魔法操作(マジックオペレーション)}!!」

遥「しゃ、喋った!?」

遥は正義の魔法使いが喋った事に驚く様子を見せた。少なくとも、この世界にいる魔は人々によって刷られたカードであるからだ。

メリル「魔法操作の効果は、自分のマジックファイルのカード3枚までを自分の場の好きなカードに吸収させる!!」

メリルはマジックファイルから、3枚の魔法カードを取りだし、1枚を魔法の箱に、残りの2枚を正義の魔法使いの中に吸収させる。

メリル「そして、フィールド魔法{魔法の箱}の効果発動!! 魔法の箱には2つの効果があり、魔法カードを吸収している怪物………すなわち、カードを2枚取り込んでいるジャスちゃんのパワーが魔法カード1枚につき、パワー300プラスする! ジャスちゃんの素のパワーは1700。よって、パワーは2300に上昇するわ!」

イビル「だからどうした!? 俺の場の片方の巨大格闘家のパワーは2700! その怪物では俺には勝てない!」

メリル「それはどうかしら!? 私の場にある{魔法の箱}のもう1つの効果発動! 吸収された7枚のカード全てを捨てる事によって発動! {終焉の魔法(ラグナロクマジック)!}」

魔法の箱の中から、光の波動が放たれる。それにより、2体の巨大格闘家は、力を失うように膝をつく。

イビル「な、何が起きている………!?」

メリル「この能力は、相手の怪物のパワーを700マイナスし、尚且つ私の怪物のパワーを700プラスする!!」

イビル「な、何!?」

それにやり、巨大格闘家はそれぞれパワー1400、2000へと減り、逆に正義の魔法使いのパワーは3000へと上昇した。

U「(これが………メリルの狙いだったのか………!!)」

Uはメリルの戦法を理解し………

U「(僕の知らない間にここまで強くなっていたなんて………驚きだな………)」

と、嬉しそうな笑みを零すのだった………

 

メリルは、魔法の箱の力によって、見事形勢逆転して見せた。果たして、このままメリルは勝利を掴むのか………!?

To be continued………




次回予告
絶望的な戦況を引っくり返したメリル。正義の魔法使いの魔法が、2体の巨大格闘家に向けて放たれ………!?
次回「正義の魔法の一撃」

魔の解説
・正義の魔法使い(ジャスティスマジシャン)
愛称 ジャス
属性 魔法使い族
パワー 1700
効果 「{魔法操作(マジックオペレーション)} この魔が登場した時、そのカードのコントローラーのマジックファイルのカード3枚までを、自分の場、もしくはフィールド魔法の下に入れて良い。」
攻撃技 {正義の魔法(ジャスティスマジック)!}
フレーバーテキスト 「『私はメリルと正義の為に戦う!!』」


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第19話 正義の魔法の一撃

前回までのあらすじ
メリルは追い詰められていたように見せていたが、実際は切り札の{正義の魔法使い}と{魔法の箱}の2つのコンボの布石であり、一気に場を形勢逆転させる………!!


メリル「そして、この対抗カードが私のコンボを完成させる! マジックファイルのカード3枚を捨てて、対抗カード発動! {魔法の拡散}!」

メリルが使ったカードの効果により、正義の魔法使いが持っていた杖が白く輝く………

メリル「魔法の拡散は、魔法使い族一体の次の攻撃対象を全員に変更する!! つまり、ジャスちゃんの次の攻撃対象は、そこの巨大格闘家2体よ!!」

イビル「ぐっ………!! そんな事、させてたまるか!!」

イビルは近くに転がっていた剣を手にし、メリルに向けて走ってくる。

メリル「悪いけど、ここで貴方にやられる訳にはいかないわ! {ライトディフェンスバリア}!!」

メリルは自分を中心に結界を張り、イビルの攻撃を跳ね返す。

イビル「ぐわっ!?」

メリル「今よ、ジャスちゃん! 2体の巨大格闘家を攻撃!!」

ジャスティス「{正義の魔法(ジャスティスマジック)}!!」

正義の魔法使いの杖から放たれた波動の魔法が、巨大格闘家達の身体を斬り裂き、巨大格闘家2体を破壊する。

イビル「ば、馬鹿なー!?」

イビルの魔は全滅した為、この勝負はメリルの勝ちが確定した。

メリル「………私の勝ちね。」

メリルはそう宣言して、魔法を止める。だが、イビルはそれが認められない様子で………

イビル「こんなバカな………こんな事………認めてたまるか!!」

イビルはメリルに向かって剣を振り上げる。咄嗟の事だったので、メリルは不意をつかれてしまう。

遥「あっ………!!」

カラ「リールさん!!」

メリルは絶体絶命の危機に陥り、死を覚悟して目を閉じる。だが、メリルが次に目を開いた時………そこには、イビルの顔面を殴るUの姿が映っていた。

U「全く………決着はついたんだ………ルール外の行動を取るって言うなら………僕だって容赦はしない………!!」

Uのパンチにより、イビルは大きく吹き飛び、やがて、身体は地面に打ち付けられる。近くにいたべラーが、イビルの身体に触れると………

べラー「………息はある………が、顔が酷く変形している………全く、面倒な事をしてくれたな、U………」

U「個人的には、全力の5%くらいの気持ちで殴ったんだけどなぁ………」

メリル「全力の5%ってどういう事………? ………でも、助けてくれてありがとう、U!」

U「お安い御用さ。」

Uは笑みを見せてそう返答する………そして、店の上から、白いローブの人物がU達の様子を見ていた。

??「そうやってまた誰かの為に動く………なら、なんで私の時は、私と共に生きる事を選ばなかったんですか………!?」

白いローブの人物は、多少、怒りのような言葉を漏らすのだった………

To be continued………




次回予告
べラーは、メリルの店に救護隊を派遣する為、1度城に戻ると告げる。U達も、他に闇の心を持った人物を探る為、メリルの店を後にする事に………
次回「店との別れ」


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第20話 店との別れ

前回までのあらすじ
メリルとイビルの戦いは、メリルが勝利を収める。しかし、イビルはこの結果に納得いかず、メリルに殴りかかろうとするが、Uはこれを阻止し………


その後、U達は店の入口まで戻り………

 

べラー「………先程倒れていた者達の中にはまだ助かりそうな者が何人かいた。私は救護隊を呼ぶ為に、一度城に戻ることにしよう。」

U「なら、あのバカには僕達の事は隠しといてくれ。正直、今アイツとしょうもない喧嘩をしたくないんだ。」

べラー「分かっている。それに、お前にバレスをぶつけたら、100%バレスが負ける………最悪、お前に殺されるかもな。」

U「ま、口だけのバカだもんな、アイツ。」

べラー「では、私はこれで失礼する。」

べラーはそう言うと、城の方へと向かうのだった………

ミレル「U、私達はこれからどうするの?」

U「そうだな………もう少しここら辺を歩き回ってみよう。もしかしたら、何か新しい発見がありそうだし。」

ルミア「そうだね、私はお兄様の意見に賛成だよ。」

カラ「俺も異存はありません。」

ミレル「私も反対意見は無いよ。」

遥「まあ、よく分からないところを動き回るよりはいいかもしれないね。リールさんはどう思?」

遥はメリルに向けて質問を振る。すると、メリルは呆けた顔で店を見ていた。

遥「リールさん? どうしたの?」

遥は首を傾げながら、メリルに問いかける。その言葉を聞いてメリルはハッと我に返り………

メリル「あっ、ごめんね。それで、どんな質問だったかしら………?」

メリルは誤魔化すように話を続けようとする。遥が心配そうな顔を見せる中、Uがメリルの前に立ち………

U「リール、どうしてそんな呆けた顔で店を見てるんだい………?」

と、率直なことをメリルに問いかける。

メリル「………なんか、5年も離れていた間に、私の店も色々と変わっちゃったんだな………って思ってね。なんか悲しくなっちゃった。」

メリルは自分の中で思った事を口にする。それを聞いたUは、メリルの頭を優しく撫でる。

メリル「ちょっ、U! 私の事を子供みたいに扱わないでよ!!」

U「………? 頭を撫でるのは、小さい子にやるみたいだからダメって言うのか? 僕はそう思わないけどなぁ………」

メリル「そ、そうかしら………?」

遥「リールさん、Uに頭を撫でるなって言っても無駄だと思うよ………? この人、自分の奥さんだろうと関係なく頭撫でてるから………」

メリル「やっぱり、Uって天然なのかしら………?」

ルミア「へぇ………って、お兄様既婚者なの!?」

U「あれ? 言ってなかったっけ………?」

ルミア「でも………お兄様に付き合っている人がいるとしても………私がお兄様を想う気持ちは変わらないよ………」

U「そうか………そいつは嬉しい限りだな………」

ルミア「それよりお兄様、私の頭を撫でてほしいな………」

U「そうか、じゃあお望み通り………」

Uはルミアの頭を優しく撫でる。それを見たメリルやカラは………

メリル「やっぱり、Uはいい人ね。ちょっと天然な所が目立つけど………」

カラ「そうですね………俺達、あの人と出会えたから、こんな楽しく生きられていますもんね。Uさんには感謝しかありませんね。」

メリル「ええ………これから先、また迷惑をかけるかもしれないけど………Uの頼りになる仲間でいないとね………!」

カラ「そうですね………!」

メリル達は、笑みを零しながら、ルミアの頭を撫でるUを見やるのだった………

To be continued………




次回予告
ウズクチョの商店街を歩き回るU達。すると、そこにも心の闇を持った人物がいた。その人物は、U達に危害を加えようとしてきて………!?
次回「商店街の闇」


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第21話 商店街の闇

前回までのあらすじ
U達は、一度城に戻ることにしたベラーと別れると、メリルの店を後にするのだった………


それから、U達はウズクチョの中にある商店街に到着した。

メリル「ここは………商店街ね。と言っても、活気は無いみたいだけど………」

ルミア「まあ、人は来ないからね………そもそも鎖国状態のウズクチョに、私やお兄様達のような外部の人間が来る事自体はかなり珍しいし………素材も事実上この国で取れるものしか売れないから、そう考えたら、活気は無いよ。」

U「ま、1個の国だけでやっていくには狭過ぎるし、素材もろくに入ってこないんじゃ、商売をしている人達には馬鹿らしく思えてきそうだよな………」

Uがそう口にすると………

店員「ま、万引きだー!!」

ミレル「万引き………!?」

Uは冷静に周辺を見渡す。すると、目の前からいくつかの食物を持った人物が、U達の方に走ってきた。

???「邪魔だ!!」

どうやら、この人物が窃盗犯のようだ。窃盗犯はU達を強引に突破しようとするが、Uは窃盗犯の足を引っ掛けると、転ばせた。

???「ぐあっ!? き、貴様………このウーゼ様を転ばせるなんて………!」

U「いや、自業自得だろ………」

ウーゼ「この俺を転ばせたものはな、俺という神に殺されるんだよー!!」

U「何言ってんだ、コイツ? 頭でもとち狂ったか?」

ウーゼ「お前なんか、一瞬で殺せるんだぞ!?」

U「話が通じねぇ………」

Uは色んな意味で頭を抱える。すると………

カラ「Uさんに軽くあしらわれた程度のお前に殺せるとは思えないが?」

カラが珍しく口調を崩して、ウーゼにそう口にする。

ウーゼ「な、なんだ貴様!? この俺を………侮辱したなーーー!?」

ウーゼがそう言うと、ウーゼの身体に強い闇が開放された。

U「これは………さっきのリールと戦った奴と同じ………心の闇か………?」

ウーゼ「貴様如きが、このウーゼ様を侮辱した罪は重い………マジシャンバトルで、お前を完全に葬ってやろう!!」

ウーゼはそう言ってマジックファイルを構える。

U「いや、お前の窃盗の方が罪が重いと思う………」

Uがそんなツッコミをすると………

カラ「Uさん、今回は俺に任せてくれませんか?」

U「え? まあいいけど………」

カラ「………ありがとうございます。」

カラはUにお礼を告げると、マジックファイルを構える。

遥「ラーガさん………大丈夫かな………?」

メリル「心配いらないわ。ラーガだって強いもの!!」

U「そうだな………ラーガなら絶対に勝てるはずだ。」

U達は、そろってカラの勝利を信じて、この戦いを見守る事にしたのだった………

To be continued………




次回予告
ウーゼは、比較的高いパワーを持つ魔を召喚する。それに対し、カラは平均的なパワーが高いドラゴン族の魔を召喚する………!!
次回「力vs力」


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第22話 力vs力

前回までのあらすじ
U達は、次にウズクチョの商店街へ向かう。そこで見つけた心の闇を持つ者の相手を、カラがする事に………


ウーゼ「俺が召喚するのは、岩石の剣士!!」

ウーゼは、パワー1700の岩石の剣士を召喚。それに対し………

カラ「いでよ、俺の切札………{力共有の竜(パワーリンクドラゴン)}!!」

カラが召喚したのは、パワー2000で効果持ちの竜だった。

ミレル「ラーガが召喚したのはドラゴンだね。」

U「竜やドラゴンは、どの種族と比較しても、パワーが高い事が多い属性だ。パワーが低い例外もいるが、基本的には強いのが多い印象だな。まあ、僕には関係ないけど。」

メリル「それって………龍破壊戦士の事?」

U「そう、バスターは対ドラゴンに最も適している。融合やサポートカードなんかを使えば、もうドラゴン族には手も足も出ない。」

メリル「うわ………ラーガのデッキはドラゴン族で統一しているのよ? ラーガからすれば、一瞬で手が詰んじゃうじゃない………」

U達はそんな会話をしていた。それを聞いていたカラは………

カラ「(そうだな………昔のマジシャンバトルの時とは違う………今、Uさんが一番敵にしたくない相手だな………)」

そんな事を考えていると、岩石の剣士が、力共有の竜目掛けて剣を振り上げる。

カラ「リンク! こっちも攻撃だ!」

パワーリンク「任せろ! {共有の息(リンクブレス)}!!」

力共有の竜はブレスを吐いて対抗する。

遥「こっちも喋った!?」

U「リール、君達は5年間の間に何があったんだ………?」

メリル「あはは………その話はまた今度ね………」

U「なんではぐらかすのさ………?」

Uは首を傾げる。そして、力共有の竜と岩石の剣士の対決は、力共有の竜の方が勝ち、岩石の剣士を消滅させる。

ウーゼ「ぐっ………! 俺の怪物をこう易々と倒すとは………ならば、俺が次に召喚するのは、{復讐の魔獣}だ!!」

次に現れたのは、復讐の魔獣だった。

U「全く、さっきから見た事ある魔を呼び出しやがるねぇ………」

遥「呑気に言ってられる場合じゃないよ!!」

ミレル「確かに、これであの復讐の魔獣は、次に怪物を破壊するまでパワー3700………どうしようもないよ!!」

メリル「大丈夫よ、ラーガのリンクの力はこんなものじゃないから………!!」

メリルはまるで大丈夫と言わんばかりな様子だった。

カラ「ならば、俺も次の怪物を召喚する! 俺が召喚するのは、{大地の竜(グラウンドドラゴン)}!!」

カラは、パワー2300の効果を持たないドラゴン族を召喚する。

カラ「そして、リンクの効果を発動する!!」

パワーリンク「{竜達の共有(ドラゴンズリンク)}!!」

遥「竜達の共有………?」

ウーゼ「な、何をするつもりだ!?」

カラ「竜達の共有は、場にいるドラゴン族の魔を好きなように動かせる能力! 俺の大地の竜のパワー全てを、リンクに送るぜ!」

ウーゼ「な、何!?」

これにより、大地の竜のパワーは0となるが、力共有の竜のパワーは、4300に増加する。

U「成程、ラーガのデッキは、リールの時間をかけながら形勢逆転って形とは違って、パワーを上手くやりくりして、戦う感じのデッキなのか。」

メリル「そう。どう? 私達、強くなってるわよね?

U「そうだね………悪い言い方にはなるけど、同じ属性で揃えているから、種族間のデメリットはあるかもしれない………けど、強い事には変わりないよ。」

Uはそう語る。

カラ「リンクの攻撃!!」

パワーリンク「{共有の息}!!」

力共有の竜から放たれたブレスが、復讐の魔獣をいとも容易く葬った。

ウーゼ「馬鹿な………!! 俺の復讐の魔獣が………!!」

ウーゼは驚きを隠せない様子を見せていた。その証拠に手が震えていた。

U「終わったな………アイツにはまだ1体魔が残っているが………もう、対抗する術がない………というか、カラのデッキの破壊力が恐ろしいな………だってアイツ、ここまで一切マジックファイルのカードを使ってないもん………」

遥「うっ………!」

遥は驚きのあまり、言葉を失っていた。

ウーゼ「ぐっ………俺が出すのは………{復讐の魔獣}………!」

ウーゼは2体目の復讐の魔獣を召喚する。

U「成程、アイツは1体目の復讐の魔獣を使った後、2体目の復讐の魔獣で追い打ちをかけるつもりだったのに………ラーガの{力共有の竜}のせいで、その戦法を綺麗に潰されたって訳か………」

Uはウーゼの戦法を理解する。これにより、確かにパワー4000の復讐の魔獣が現れたが………

カラ「何が来ようと関係無い!! リンクで2体目の復讐の魔獣を攻撃!!」

ウーゼ「ぐっ、ならば俺は対抗カード、{闇の盾}を発動! その攻撃を無効化させたうえで、攻撃してきた怪物のパワーを500下げる!!」

カラ「させるか! マジックファイルのカードを1枚捨て、{魔術の無効化}! 今、お前が使ったカードの効果を無効化する!!」

これにより、ウーゼの魔法は無効化された。

ウーゼ「ば、馬鹿な!?」

パワーリンク「トドメだ! {共有の息}!!」

力共有の竜のブレスの一撃が放たれ、2体目の復讐の魔獣を撃破したのだった………

To be continued………




次回予告
マジシャンバトルはカラの勝利に終わるが、往生際の悪いウーゼは逃亡。偶然通りがかった人物を襲おうとするが、Uの手によって阻止される。そして、Uが助けた人物。この人物が衝撃のあの人物であり………!?
次回「遠い被害者の貴族」

魔の解説
・力共有の竜(パワーリンクドラゴン)
愛称 リンク
属性 ドラゴン族
パワー 2000
効果 「{竜達の共有(ドラゴンズリンク)}このカードのコントローラーの場にいるドラゴン族の魔一体を選択し、その魔のパワーを100単位で好きなだけ払って良い。払ったら、他のドラゴン族の魔一体のパワーを、先程払ったパワー分だけプラスする。」
攻撃技 {共有の息(リンクブレス)}
フレーバーテキスト 「『カラはクールっぽい所が目立つけど、本当は優しいんだよなぁ………』」

・大地の竜(グラウンドドラゴン)
愛称 グラウンド
属性 ドラゴン族
パワー 2300
攻撃技 {大地の爪(グラウンドクロー)}
フレーバーテキスト「この竜は、とある大地一帯を支配したとされる竜なのだとか………」


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第23話 遠い被害者の貴族

前回までのあらすじ
カラとウーゼの戦いはカラが終始有利で、ほぼカラの切札{力共有の竜}の力のみで、ウーゼの魔を全滅させ………!?


U「………勝負あったな。」

Uがそう言うと………

ウーゼ「み、認めない! 俺はまだマジックファイルのカードがこんなに残っている! それを使えば負けなかった!!」

U「じゃあなんで使わなかったんだよ………?」

ウーゼ「っ………! 手を抜いただけだ!!」

U「いらないって、そんな見苦しい言い訳は………仮にもう一度やったって、ラーガが勝つだけだよ。お前じゃ無理だ。」

ウーゼ「ぐっ………!!」

U「早く店から盗んだ物を返却して罪を償うんだな。」

Uがそう言い放つと………

ウーゼ「ぐっ………! こ、こうなったら!!」

ウーゼは逆上するようにU達から逃げ出し、偶然近くにいた見た感じ身なりの良さそうな中年の男性をターゲットに定めると、懐からナイフを取り出して襲いかかる。

???「う、うわあああ!?」

ミレル「あ、危ない!!」

メリル「な、何とかしないと………って、あれ? Uは………?」

ミレルがそう口にした時、メリルはUがいつの間にかその場にいたはずのUがいなくなっている事に気付く。

ウーゼ「ぐああああ!!」

ウーゼが声を上げる。メリルがウーゼの方を見ると、Uが男性の前まで一瞬で移動し、セイバーでウーゼから男性を守っていた。

メリル「す、すごい………あんな一瞬のうちに………!」

ミレル「やっぱり昔と比べても強いな、Uは………」

ルミア「お兄様………カッコいい………!!」

メリル達はUの素早い動きに呆気に取られると同時に、感心している様子だった。Uはウーゼを地面に叩き付けると………

U「………5秒やる。今すぐ自首に行け。行かないなら………ここで首を飛ばしたっていい………!」

ウーゼ「うっ!? ば、化け物ー!!」

ウーゼは先程までの威勢を失い、城の方へ逃げるように走っていった。

U「………大丈夫か?」

Uは男性に優しく声をかける。男性は言葉を失っていたが、ハッと我に返ると………

???「………ありがとう。君の力には驚かされたが………君は私の命の恩人だよ。」

男性はUに感謝する。Uは男性の顔を見ると、驚く様子を見せた。そこに遥達がやってくる。

メリル「どうしたの、U………って、ええ!?」

すると、遥以外の人物が驚く様子を見せた。

遥「どうしたんですか………?」

ミレル「この人って………まさか………レミール伯爵!?」

なんと、Uが助けたのはメリルの父であるレミール伯爵だった。正体を隠しているとはいえ、ミレルが言うなら間違いは無いだろう。

U「………見覚えがある顔だと思っていたが………まさかレミール伯爵だったとは………」

U達が混乱していると、ルミアが前に出てきて………

ルミア「お久しぶりですわ、レミール伯爵。」

と、ルミアが恭しく挨拶をする。

???「おお、シャタカビ家のルミア嬢。随分とお久しぶりだね。しかし、見た事の無い仲間達を多く連れているみたいだが………?」

ルミア「ここにいるのは、そこにいるUお兄様の大切なお仲間です。」

???「U………? まさか、5年前に私の娘の家で働いていたっていう、あのUなのかい!?」

レミール伯爵は、Uにそう問いかける。

U「………ああ、1ヶ月だけアンタの娘さんの所で働かせてもらっていた。あの時は大変世話になったよ。」

???「そうか………その節は私の娘が大変世話になったね。私はノゾク=レミール。こうして顔を合わせるのは初めてだね、U君。」

U「そうだな………すまない、敬語が苦手なんで普段の喋り方をさせてもらうが………改めて、僕はUだ。よろしく頼む。」

Uは先に敬語を使えない事を断っておき、レミール伯爵に挨拶をする………だが、Uにとってはレミール伯爵を見るのは初めてではなかった。何故なら、過去にメリルの結婚式を襲撃した時に、一度見ているからだ。

ノゾク「ここで立ち話もなんだ。私の家に来ないかね? そこにいる仲間達も。」

U「………いいのか? 僕達みたいなのが来ても………?」

ノゾク「大歓迎だよ。ささ、ついてきてくれ。」

ノゾクは上機嫌で、U達と共に自分の家へと向かう。U達も後を追うようについて行く………すると、Uの傍にメリルが駆け寄ってきて、彼にのみ聞こえる声で、こんな事を言ってきた。

メリル「こ、こんなところでお父様と再会するなんて………思ってもいなかったわ………」

U「まあいいさ。しばらくは僕が何とかするから、メリルはあまり気にしなくていいよ。」

メリル「う、うん………しばらくお願いね。」

どうやら、メリルは偶然父と再会した事により、感情が混乱していた。Uはそれを察すると、しばらく自分に任せるように彼女に語りかけたのだった………

To be continued………




次回予告
レミール伯爵の屋敷に到着したU達は色々な持て成しを受けていた。すると、レミール伯爵はUに対し、『大切な頼みがある』と頭を下げ………?
次回「伯爵の頼み」


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第24話 伯爵の頼み

前回までのあらすじ
カラはウーゼに勝利するが、ウーゼは往生際悪く、身なりの良さそうな男性に襲いかかるが、Uによってウーゼを撃退する。Uが助けた男性は、なんとメリルの父であるレミール伯爵もとい、ノゾク=レミールで………!?


U達はしばらく歩いていると、レミール伯爵の屋敷へと到着した。

ノゾク「ささ、入ってくれ。」

レミール伯爵の案内で、U達は大きな客間に通された。

遥「ひ、広い部屋だね………」

U「………伯爵の地位にある人だ、立派な屋敷に住んでてもおかしくは無いさ。」

U達は、横長の机の近くにある椅子に腰を下ろした。

ノゾク「改めて、先程はありがとうU君。君の素早い動きと剣技、戦士としての目に私は惚れ惚れしたよ。」

U「いや、大したものじゃない。それに、あの時の僕の目は………相手が許せなかったからあんな目が出来ただけだ。普段からあんな目は出来ない………」

ノゾク「ほう………それは意外だね。君の実力は昔メリルから聞いていたが………実際に見てみると、話以上の力のようだ。君以上の実力を持つ者は見た事がない。」

U「………世界は広い。僕以上の実力を持つ者なんてザラにいる。」

遥「(いや、U以上の強い人なんてそうそういないでしょ………?)」

遥は心の中でそうツッコんでいた。するとそこへ、レミール家の使用人と思われる女性達が、沢山の料理を持って来た。

ノゾク「U君、それとU君の仲間の皆には、お礼と言ってはなんだが、料理をご馳走しようと思ってね。遠慮なく食べるといい。」

ミレル「わぁ………ありがとうございます!」

U「こんなに立派な料理を………どうもありがとう、伯爵。」

ノゾク「ふふ、構わんよ。私が好きでやってる事だからね。」

U「(………結婚式の時にはちらっとしか見てなかったが………この人、悪い人じゃ無いみたいだ………ちょっと悲しそうな様子を隠せていないみたいだが………まあ、メリルがいないんだから無理も無いか………)」

Uはレミール伯爵を分析していた。彼の中では、悪人とは映っていないようだ。レミール伯爵はしばらく楽しそうな様子を見せていたが、しばらくすると、一度深呼吸をして………

ノゾク「………U君。厚かましいかもしれないが、君に頼みたい事があるんだ。無論、君の腕を見込んでの事だ。」

U「………なんだ?」

ノゾク「実は………君は私の政治的立場がそこまで良くないことは知っているかい?」

U「それはまあ………メリルから聞いている。というか、メリルの結婚の理由も、冤罪が原因だったもんな。」

ノゾク「そう………あの結婚式の件以降、私の地位は少しばかり回復したが………バレス様が国王になられてから、また私の立場が転がり始めてね………今じゃ、目をつけられて下手な真似が出来ないんだ。 」

U「それは分かった………しかし、何故そんな話になる?」

ノゾク「そう………そんな状況下ではあるんだが………数日前から私達レミール家は………レミ第一王女殿下を国の非公認で保護しているんだ。」

U「な、なんだって!? レミを保護している!?」

ノゾク「………ここはご本人がいらっしゃった方がいいだろう。君、殿下をこの場にお連れしてくれ。」

レミール伯爵は、使用人の1人にそう命令する。その使用人は頭を下げると、部屋を出た。

ノゾク「そして………君に何をして欲しいかというと………君にはバレス様の横暴な独裁について調べて欲しいんだ。」

U「横暴な独裁………アイツが王になったと聞いて時点でやると思ってた。」

ノゾク「ははは………流石U君。バレス様と二度対峙しただけの事はあるね………町にも独裁の被害は及んでいるが………特に影響しているのは、私達のようにバレス様に強く嫌われている貴族達だ。それに、レミ様の意志とはいえ、レミ様を保護しているのがバレたら、どんな罪を被せられるか………」

U「成程、それである程度自由に動ける僕にそんなことを依頼したと………」

ノゾク「命の恩人で、バレス様を嫌っている君にこんな依頼をして大変申し訳ないと思っているが………私はどうしても気になるんだ………バレス様が『心の闇』なるものによる国の事態に無関心で、自分のやりたいようにやっている事が………」

U「心の闇………レミから聞いたのか?」

ノゾク「ああ、君達が心の闇を持つ者を追っているともね。」

U達がそんな会話をしていると、客間の扉が開き、そこにはレミがいた。

U「レミ………」

レミ「久しぶり………でもないわね、U。」

こうして、U達はまたしても意外な形でレミと再会を果たすのだった………

To be continued………




次回予告
Uは現在に至るまでの経緯をレミに問う。レミはUと別れた後の事を語り………?
次回「王女の目的」


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第25話 王女の目的

前回までのあらすじ
レミール伯爵の屋敷にて持て成しを受ける。それと同時に、Uはレミール伯爵からバレスに関する依頼をされる事に。同時に、レミール伯爵が保護していたレミとも再会し………!?


U「情報が混乱して分からん………レミ、お前僕と宿屋で別れたあとに何をしていたんだ………? それに、僕とお前が別れたのはほんの少し前の事じゃないか………」

Uは首を傾げながらそんな質問をした。

レミ「そうね………貴方達には何が何やらって感じよね……説明するわよ。」

レミはそう言った後、1度息を整え、U達と別れた後の話をし始めた………

レミ「まず、レミール伯爵に保護してもらったのは、貴方達と再会する前なの。城に監禁状態に近い事は間違っていなかったけど、貴方と再会した時点では、それは嘘って事になるわね。貴方に嘘をついていた事に関しては謝罪するわ………でも、わかって欲しいのは、私はこのウズクチョに起きている異変………『心の闇』について解決する為に動いているのは本当って事よ。」

遥「でも、どうしてお城を抜け出す事を選んだんですか………?」

レミ「………バレスは心の闇については無関心である事は、レミール伯爵から聞いたわよね?」

U「ああ。」

レミ「考えたくは無いけど………もしかしたら心の闇に関して、バレスが何かしらの関与をしていないとも限らないと思ったのよ。」

ミレル「ええ!?」

レミ「バレスにとっては、今の自分の王政が崩れて欲しくないのは目に見えて分かる事………下手をすれば脅威になりかねないのに、ここまで無関心となると………嫌でも何かを疑いたくなってしまうわ………それにここまでの圧政を考えると………バレスが心の闇を抱えていてもおかしくはないわ。」

カラ「………ご質問があるのですが………バレス様は何か気に病む事でもあったのでしょうか?」

レミ「分からないわ………バレスがどういう心理なのか………私でもバレスと顔合わせするのは、3ヶ月に1回あるかないかだから、あの子が何を考えているか………私にもさっぱりだわ。」

レミはそう語る。それを聞いたUは………

U「レミ………お前はこの国を救いたいのか………?」

と質問した。レミは何も躊躇わずにこう答えた。

レミ「勿論よ。前のように………なるかは分からないけど、民あってこその国よ。私は、バレスの圧政を止めてこの国を良くしたい………だからこそ、こんな危険な真似をしてまで動いているの。」

U「そうか………分かったよ。この前、僕はお前の依頼を引き受けた………お前の望みをめざして………僕達も協力するよ。」

Uがそう言うと、遥達も首を縦に動かす。

レミ「ありがとう………U。それに、その仲間達も………」

レミは嬉しそうに笑みを見せる。そして、話を聞いていたレミール伯爵は………

ノゾク「よし、U君達。しばらくの間、君達も私の屋敷を拠点にするといい。自由に使ってくれ!!」

と、上機嫌で語った。

U「ありがとう、伯爵。しばらく世話になるよ………」

Uは頭を下げる。それに続くように遥達も頭を下げるのだった………

To be continued………




次回予告
それから数日、マジシャンバトルの為のデッキを組んでいたU達。そんな中、ミレルはUと遥が持つ白虎と青龍が書かれたカードである神のカードに興味を示し………?
次回「神のカード」


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第26話 神のカード

前回までのあらすじ
レミからU達と別れた後の話と彼女の目的を聞いたU達。無論、協力する事を選択し、レミール伯爵は自身の屋敷をU達にも提供する事に………


数日後、U達が使っている客室での朝の出来事だった………

 

Uと遥は机の上に沢山のカードを置き、デッキ構築をしていた。

遥「うーん………こうしてみると、私の魔も色んな属性があるなぁ………一度に使えるカードの最大枚数は20枚だから、上手い具合にサポートカードをいれなきゃ………って、防御用のカードも入れなきゃだし………ああ、難しいなぁ………」

U「まあ、どう戦うかを前提にしないと難しいな。」

遥「というか、Uはよくあんなにカードを回せるね。」

U「それはコイツらのお陰だよ。」

Uは{暗黒の魔道士}を始めとしたカードを並べる。

遥「やっぱりダーク達のお陰なんだね………よし、決めた! 私もラビット達と戦えるデッキにしようかな。」

遥はデッキの方針を決めると、デッキを組み始めた。すると………

ミレル「2人とも、何してるのー?」

U「おっ、ミレル。デッキの構築だよ。」

ミレルが会話に交じってきた。因みに、この場にはレミール伯爵を始めとした人物はいないので、髪色はそのままだが、本名で彼女を呼んでいた。ミレルはU達のカードを覗くようにして見る。

ミレル「2人とも強いカードを持っているよね………って、あれ………? ………ねえ、そのカードって何?」

ミレルは首を傾げたように、Uと遥のあるカードを目にする。

U「………ん? コイツか?」

Uはミレルが疑問に思ったカードを見せる。

ミレル「えっと………」

ミレルはしばらくカードを見ていたが………

ミレル「な、何これ!? 強過ぎない!?」

ミレルは声を荒らげた。

U「………そうだな、だって神の魔だもん。」

ミレル「神の魔………?」

ミレルは首を傾げる。

遥「神の魔っていうのは、多くの能力と圧倒的なパワー、そしてありとあらゆる能力を弾く力を持った希少な存在なんです。と言っても、私の記憶では4体しか見たことは無いんですけどね。」

U「本当は生贄が必要みたいだが、生贄ルールがないウズクチョルールじゃ強過ぎるな。」

ミレル「………私、戦ってみたいな………!」

U「正気かよ………? 神の魔は口で語れないくらい強いんだぞ!?」

ミレル「私が求めているのは勝ち負けじゃないよ。楽しさを第一にやってるんだよ。」

U「楽しさ………か。そう言われたら、なんとも言えねぇや………じゃあ、僕が相手しようか?」

遥「いや、私がやるよ。私も神の魔がいるから。」

ミレル「じゃあ、遥と私の対決ね!」

U「分かった。伯爵に掛け合って、どこか使っていい場所があるか聞いてみるよ。」

Uはそう言うと、カードを纏めてマジックファイルにセットし、客室を出るのだった………

 

こうして、遥とミレルの対決が始まろうとしていた………

To be continued………




次回予告
屋敷の中庭にて、遥とミレルの対決が始まった。魔と共に戦う遥に対し、ミレルは場の動きによってカードを巧みに使い分ける戦術を取り………?
次回「巧みな戦術」


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第27話 巧みな戦術

前回までのあらすじ
レミール伯爵の屋敷の客室にて、デッキ構築をしていたUと遥。すると、U達の会話に交じってきたミレルが、Uと遥が持つ神のカードに興味を持ち、交戦する事を希望する。その相手として、遥が立候補し、2人の対決が行われる事に………!


数十分後、Uがレミール伯爵に直接交渉し、レミール伯爵は中庭の使用を勧めた。これにより、正式に対決が取り決められ、現在、2人は左腕にマジックファイルを装着して対峙していた。

ミレル「そう言えば、遥がマジシャンバトルをやるのは初めてだよね? 大丈夫そう?」

遥「大丈夫です。Uの戦いを見てきましたし………それに、私の魔は皆強いんです。パミールさんには負けませんよ!」

ミレル「ふふっ………じゃあ、始めよう!」

遥「よろしくお願いします!」

2人は構える。ルールはウズクチョルールだが、今回は互いのプレイヤーを攻撃するのは禁止である。因みに、この勝負をやる事自体はUの口から語っていなかったが、メリル達を初めとした他の仲間達も試合を観戦していた。

ミレル「じゃあ、まずは私からね! 私が召喚するのは………{選択の魔道士(セレクトマジシャン)}!」

ミレルが出したのはパワー1600の魔………

遥「じゃあ、私が出すのは………{聖水の長耳兎(せいすいのロングイヤーラビット)}!!」

それに対し、遥はパワー1400だが、遥の相棒的存在の聖水の長耳兎を召喚した。

U「ラビットか………久しぶりに見たなぁ………」

Uは懐かしそうに聖水の長耳兎を見ていた。

ルミア「でも………パミール様は強いと聞いた事があるよ………?」

U「………ま、僕達と合流する前に1人で生き抜いて来たと言ってたからな………実力はあるだろうね………」

Uはニヤリと口元に笑みを浮かべた………

遥「ラビット! 選択の魔道士を攻撃して!」

ラビット「ええ、任せて!!」

聖水の長耳兎は手から水流を放つ。

ミレル「対抗カード発動! {3つの未来(スリーフューチャー)}! このカードはマジックファイルのカードを2枚捨てて発動し、3つの効果の内、1つの効果を使えるの。1つ目は、相手の怪物1体のパワーを500下げる効果。2つ目は、相手にマジックファイルのカード1枚を捨てさせる効果。3つ目は、その攻撃を無効化するというもの。」

ミレルが淡々と説明する中、Uは首を傾げた。

U「おかしい………重コストの割には、効果が一つ一つでは弱くないか………?」

Uは首を傾げる。すると、先程までずっと口を開かなかったレミが口を開いた。

レミ「確かに、個々の効果のみでは弱いわ。でも、あの子が出した選択の魔道士………あれが居ることで、あのカードは真なる力を発揮するの。」

レミはそんな事を口にしたと同時に、ミレルは解説の続きを語り出す。

ミレル「ただし、私の場にセレクト………選択の魔道士がいるなら、3つの効果全てを同時に使えるわ! つまり、聖水の長耳兎のパワーを500下げて、遥のマジックファイルのカードを1枚捨てさせて、その攻撃を無効化するよ!!」

これにより、聖水の長耳兎のパワーは900になり、遥はマジックファイルからカードを1枚捨て、攻撃は無効化されてしまった。

ラビット「ご、ごめん………! なんというか………私達の世界の勝負とはまた違うね………」

遥「しょうがないよ、ルールが違うもん………気にしないで!」

遥はラビットを気遣いながらも、この効果が遥の場に大きな打撃を与えたのは間違い無かった。

遥「予定よりも早くなったけど………使ってみようかな………対抗カード発動! {魔法の湖}!」

ミレル「魔法の湖………?」

U「あのカードの効果は確か………」

Uが説明し始めたと同時に、遥も効果を語り出す。

遥「このカードは、マジックファイルのカードを2枚捨てて、お互いの場にいるカード名に『水』を含む魔のパワーを500プラスし、逆に含まないカードのパワーは500マイナスする!!」

これにより、遥の聖水の長耳兎はパワー1400になり、逆に選択の魔道士はパワー1100となり、完全に形成逆転した。

ミレル「(パワーを下げて形成をひっくり返してきたね………となると、私もセレクトの力を借りなきゃだね………!) ここは追加で怪物を増やしておくわ。{炎の魔法使い(ファイアーマジシャン)}を召喚! 」

ミレルはそう考えたのち、パワー1200の魔を召喚する。

遥「いまさら何を召喚しても同じですよ! ラビットで、選択の魔道士を攻撃!」

ラビット「任せて!!」

聖水の長耳兎は、手から水の波動を放つ。それと同時に………

ミレル「ここでセレクトの効果発動!」

セレクト「{2つの選択(ツインセレクト)}!!」

U「あの魔………効果持ちなのか………!?」

Uは驚く顔を見せる。そんな事も知らず、ミレルは効果の説明を始める。

ミレル「セレクトの持つ効果は、自分のマジックファイルのカード1枚を捨てて、自身のパワーをこのバトルに限りパワー500プラスする効果か、自分の怪物1体を生贄にして、相手の怪物1体を破壊する効果が使える! 私が選ぶのは後者の効果! これにより、私の炎の魔法使いを生贄にする代わりに貴方の聖水の長耳兎は破壊されるわ!」

ラビット「うわあああああ!!」

遥「ラビット!!」

遥は聖水の長耳兎を破壊されてしまった。しかし、ミレルの行動は止まらない………!

ミレル「それと………もう一体{炎の魔法使い}を召喚するよ!」

ミレルは2体目の炎の魔法使いを召喚する。つまり、如何に強い魔を出そうと、また破壊されるのがオチである………

遥「もうこうなったら………使うしかない………!!」

遥は、そう何かを決心するのだった………

To be continued………




次回予告
遥はこの場を打開出来るのはあの魔しかいないと考え、遂に神の魔を召喚する………!!
次回「戦況を覆す神」

魔の解説
・聖水の長耳兎(せいすいのロングイヤーラビット)
愛称 ラビット
属性 魔法使い族
パワー 1400
攻撃技 {水の攻撃(ウォーターアタック)}
フレーバーテキスト 「『私と遥は最高で強い家族なのよ!!』」

・選択の魔道士(セレクトマジシャン)
愛称 セレクト
属性 魔法使い族
パワー 1600
効果 「{2つの選択(ツインセレクト)} 次の2つのうち、どちらか1つの効果を使える。・『マジックファイルのカードを1枚捨てて、この魔のパワーを500プラスする。』・『自身の場のこの魔以外を破壊してよい。破壊したら、相手の場の魔一体を破壊する。』
攻撃技 {選択の魔法(セレクトマジック)}
フレーバーテキスト 「『私の力は、ミレルの戦法によって完璧になる………!!』」

・炎の魔法使い(ファイアーマジシャン)
愛称 ファイアー
属性 魔法使い族
パワー 1200
攻撃技{炎の魔法(ファイアーマジック)}
フレーバーテキスト 「炎を得意とする魔法使いらしいが………?」


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第28話 戦況を覆す神

前回までのあらすじ
遥とミレルのマジシャンバトルは、ミレルの巧みな戦術によって、遥を追い詰めていく………


遥「パミールさん! 私は今からあのカードを使います。このカードで………この絶望的な戦況を覆します! ………私は、{東龍の青龍(ライトドラゴンせいりゅう)}を召喚!!」

遥が召喚したのは、遥の世界で四神と言われたパワー3000を誇る最強の魔の一角、青龍である。

メリル「な、何あれ………!?」

カラ「見た事も聞いた事も無い怪物………いや、あれは………」

U「………あれは神の魔さ。お前達と再会する前に出会った魔で、まず、3つの効果を持つとても強力な魔なんだ。」

カラ「能力が3つも………!?」

ルミア「その神のカードはお兄様は持ってないの?」

U「持っているよ。僕がパミールの相手をしようと思ってたんだが、遥がやりたいと言ったから、今回の対戦カードがこうなったんだ。」

メリル「成程、そんな経緯が………」

メリル達は神の魔の登場にざわついていた。ミレルも青龍の姿に驚くが………

ミレル「でも、私はそう簡単に負けないよ! もう一度セレクトの能力発動! 炎の魔法使いを生贄にして、その神の魔を破壊!」

ミレルは青龍を効果破壊しようとする。しかし、青龍は雄叫びを上げ、効果を無力化してしまった。

ミレル「き、効いてない………!?」

ミレルは動揺する。メリル達も困惑する中、Uだけは理由を知っているため、口元をニヤリとさせる。

遥「神の魔は相手による不利な効果が一切通用しない! これにより、選択の魔道士の破壊効果は効果が無かった事になります!」

ミレル「か、神のカードにはそんな力が………!?」

遥「青龍! 選択の魔道士を攻撃!」

青龍「任せて! 遥ちゃんの為なら、何でもするよー!!」

メリル「あ、当然のように話すのね………」

青龍は口からブレスを放つ。それにより、選択の魔道士は破壊こそされなかったが、大ダメージを受けた。更に、選択の魔道士は膝をついて頭を押さえていた。

ミレル「せ、セレクト、どうしたの!?」

選択の魔道士の動きに混乱するミレル。

青龍「僕の能力の1つさ。僕に攻撃された魔はランダムに状態異常に陥るのさ。まあ、僕が引き起こす状態異常に共通して言える事は、状態異常のせいで行動不能になることかな。」

青龍の言葉通り、状態異常により、選択の魔道士は動けずにいた。

青龍「遥ちゃん! あればやらないの?」

遥「あれね………形が少しだけ変わってるんだけど………やろうか!」

遥はそう言うと、マジックファイルからカードを取りだし………

遥「対抗カード発動! {魔の倍加}!」

ルミア「魔の倍加………?」

ルミアは首を傾げる。すると、Uは分かりやすく震えていた。

メリル「U、何を震えているの?」

U「いや………震えるって………あのカードの効果は………」

遥「私の場にいる魔1体………つまり、青龍のパワーを2倍にする!」

メリル「に、2倍!? じゃあパワーは………6000!?」

現実のカードゲームなら、ぶっ壊れカードと言われてもおかしくない効果を持つ魔の倍加により、パワーは6000に。

ミレル「(凄い………遥、どうしてあんな強いカードを持っているかは分からないけど………)」

遥「青龍の攻撃! {神龍の息}!!」

青龍の口からブレスが放たれる。それにより、ミレルの選択の魔道士が破壊された。

ミレル「私の負けだね。」

ミレルは負けたというのに、内心満足気だった。

遥「対戦、ありがとうございました。」

遥は頭を下げる。すると、ミレルは遥の手を掴み………

ミレル「ありがとう! 貴女と戦って………とても強いと感心すると同時に………貴女とお友達になりたいなって思ったの! 私と、友達になってくれないかな?」

遥「パミールさん………はい、喜んで!」

ミレル「じゃあ、これから堅苦しいのはお互い無しにしようよ。いいよね、ハルちゃん?」

遥「は、ハルちゃん………それが私のあだ名ですか?」

ミレル「そうだよ。私の事は気軽にパミちゃんとでも呼んで。」

遥「………分かった。これからよろしくね、パミちゃん。」

2人は握手をする。すると、ミレルは遥の耳元に近づき………

ミレル「ちゃんとミレちゃんとも呼んでね………?」

と、周りに聞こえないように小声でそう口にする。

遥「うん、分かってるよ、ミレちゃん。」

と、こちらも周りに聞こえないように小声でそう口にするのだった………

To be continued………




次回予告
レミール伯爵の屋敷で、今後の事を話し合っていたU、レミ、レミール伯爵の元へ、城で兵士長べラーが突如豹変して暴れているという事を聞き………!?
次回「城での事件」

魔の解説(※ウズクチョルールでは、召喚条件は適用されない)
・東龍の青龍(ライトドラゴンせいりゅう)
愛称 青龍
属性 ドラゴン族/神
パワー 3000
召喚条件 自分の場の魔一体を破壊(生贄に)する。
効果 「・このカードが攻撃した相手の魔がバトル終了時に場に残っているなら、その魔はしばらくの間動けなくなる。
・自分の場にいる魔1体につき、このカードのパワーを500プラスする。
・このカードが場にある限り、このカードのコントローラーは、『パワー2500を持つカード』を装備しているとして扱い、相手の魔と相手プレイヤーいずれかに攻撃できる。」
攻撃技 {神龍の息(ゴッドドラゴンブレス)}
フレーバーテキスト 「『遥ちゃんの為なら、命だって賭けられるよー!』」


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第29話 城での事件

前回までのあらすじ
遥とミレルの戦いは、遥の{東龍の青龍}の力により、形成を一気に引っくり返し、遥が勝利する。この勝負により、二人の仲は深まり………


遥とミレルの対決の翌日。Uは屋敷の会議室にて、レミール伯爵、レミと共に、今後の事を話し合っていた。

U「城の中で何が起きているか詳細が分からないと言ったな。こうなったら、僕が城の中に潜入してこようか?」

レミ「それには及ばないわ。城の中で私の監視という名目で、城の中を探ってくれているから。」

U「アイツが………確かに頼りにはなりそうだが………」

レミ「………何か不満でもあるの?」

U「不満は無いさ。でも、ここまで『闇の心』について解決する様子が無いんだ。セミの奴が何か危険な目にあったら大変だしな………」

Uは不安そうにそんな事を口にしたその矢先………突如、屋敷の使用人が息を荒らげて部屋に入ってきた。

使用人「せ、セミ様がボロボロの姿で屋敷の前に倒れていました!!」

レミ「な、なんですって!?」

レミは驚きから席を立ち上がる。

ノゾク「………その後、彼女はどうした?」

使用人「現在は病室にて手当をしております。」

ノゾク「ありがとう、彼女の様子はどうだ?」

使用人「到着時はダメージからかなり不安定な様子でしたが、現在は落ち着いております。そして、レミ様とU様にお伝えしたい事があると申しつかっております。」

U「………分かった、会おう。レミも良いよな?」

レミ「ええ。」

こうしてU達は病室へと向かった………

 

 

病室………

U「失礼するよ………」

Uは部屋の中に入る。そこには、包帯を巻かれながらも未だにボロボロであるセミがベッドに横たわっていた。

レミ「セミ、何があったの………?」

セミ「………べラー兵士長が………突然豹変したように暴れだしたのです………」

U「そ、そんなバカな! アイツがそう簡単に城で暴れるはずはない!」

セミ「………U殿………べラー兵士長を止めて欲しい………! あの御方を止められるのは………そなたしかいない………そして、あのお方に何があったのか………それを突き止めてほしい………!」

U「セミ………」

レミ「セミ………もう休んで。後は私達が何とかするから………!」

セミ「………はい………では失礼して………」

セミは目を閉じる。ダメージの影響か、すぐに寝息を立て始めた。

U「………どうなってやがる………」

Uは首を傾げながら、そう口にした………

 

 

その後、U達は遥達を呼んでこれまでの経緯を話した………

 

 

U「………という訳なんだ。」

ミレル「そうだったんだ………」

U「………僕はこれからべラーの事を調べてくる。アイツに何があったのか………」

ルミア「こういう場面こそ私の出番だね。お父様の紹介状と私がいれば、Uお兄様は形だけとはいえ客人。いかにバレス様と鉢合わせしても、ぞんざいに扱う事は私達の家に喧嘩を売るのと同じ事になるよ。」

遥「私も行くよ! U1人じゃ危ないもん………!」

U「遥………最悪死ぬかもしれない。それでも来るのか………?」

遥「うん!」

メリル「じゃあ私達も………!」

U「いや、リール達はここで待っていてくれ。」

メリル「ど、どうして………!?」

U「………お前が危険な目に遭うと悲しむ人がいるんだ。」

ノゾク「その子が危険な目に遭うと、困る人がいるのかい………?」

レミール伯爵は首を傾げて問いかける。その質問をされたUは………

U「レミ、もう僕が伏せていた事を伯爵にも伝えていいか………?」

Uはこの先共に行動する中では隠しきれないと思ったのか、関係悪化を覚悟して事実を打ち明ける事に。

レミ「………貴方の好きになさい。結果どうなろうと、私は貴方の事を擁護するつもりだから。」

U「………ありがとう。」

Uはそう言うと、メリルとカラの頭に触れ、元の髪色に戻す。

ノゾク「なっ………!? ま………まさか………そんな事が有り得るのか………!? ………メリル………なのかい………?」

メリル「………うん。ごめんね、あの日の結婚式………Uとカラに攫ってもらう形で行方を晦ましてしまって………今の今まで髪の色を変えて正体を隠していたの………でも、U達を怒らないで。私も自分の意志でここまで行動を共にしてきたから………」

メリルはUの擁護をしながら、レミール伯爵に謝る。すると………

ノゾク「怒る………? 何を怒る事があろうか? 私は何も気にしてないよ。寧ろ、大事な一人娘をあんな男に嫁がせるくらいなら、いっそ、U君のような好青年に攫われた方がメリルも幸せになれると思うよ。」

メリル「お父様………」

ノゾク「U君は………その………メリルに好意的な感情はあるのかい………?」

U「………ふぇ? 無いけど………?」

メリル「お父様………Uは既婚者なのよ………まあ、私も会った事はないんだけど………」

ノゾク「そ、そうなのか………U君、野暮な事を聞いてすまなかったね………」

U「いや、謝るのは僕だ。アンタの大事な一人娘を攫った僕が………なんのお咎めもないのはどうかしてると思うし………いつかアンタに謝るべきだった。本当にすまない………」

Uは頭を下げる。

ノゾク「いやいや、私こそ命の恩人である君に頭を下げさせるなんて、愚かだと思うよ………私は、君の行動を恨んだり咎めたりはしないよ………それに、カラ君もメリルの傍にいてくれてありがとう。」

カラ「いえ………私は特にはメリル様のお役に立つ事はしておりません。感謝のお言葉はUさんにこそ相応しいかと。」

ノゾク「相変わらず遠慮深いねぇ………まあ、これから先もメリルの傍にいてあげてくれると嬉しいよ。」

カラ「………かしこまりました。」

レミール伯爵があっさりとU達の話を理解してくれた事に僅かながら呆けた表情をしたUだが、心のどこかで安堵している事に気づくと………

U「ありがとう、伯爵。こんな話をしたのに………僕の事を理解してくれて………」

レミール伯爵に感謝の言葉を口にする。すると………

ミレル「U、私もお城に連れて行って!」

ミレルはUに対し、自分も連れて行くように頼む。

U「………パミールは一番だめだ。お前を危険な目に遭わせたくない………」

ミレル「U………」

ミレルはUの悲しげな表情を見て、流石に引き下がろうとした………すると………

レミ「………その子も連れて行ってあげて。」

レミが口を開いて連れていくよう進言する。

U「レミ………本気で言ってるのか………!? パミールは………!」

レミ「………だからこそよ。今、貴方がバレスと鉢合わせすれば、バレスは無条件で貴方の事を恨んでくるでしょう。城にいる時にあの子を見てきたけど………貴方の事だけは相当嫌うと同時に恨んでいるはずだから………その子が貴方の味方としていれば………王の立場にいるバレスだって私怨だけで好き勝手に動く事は出来ないでしょう。動けば、王族内で内部崩壊したも同然になるわ。グラン王がいない今、私達が仮に対立しても止める事は出来ないわ。」

U「レミ………お前は国を壊す気か………?」

レミ「あの子と対立するなんて私は望んでいないわ………でも、それでも対立する事態になったら………私は容赦するつもりは無い………それだけの事よ。」

U「そうか………じゃあもう言うしかないな。伯爵、もう1つ伏せていた事がある。パミールは………」

ノゾク「………ミレル第二王女殿下なのだろう? U君の髪色を変える力と先程の会話を聞けば嫌でも信じられるよ。」

U「………レミ、お前の妹を借りるよ………メリル、カラ。2人には万が一を考えてこの屋敷に残ってレミや伯爵を守っていて欲しいんだ………頼む。」

メリル「U………分かったわ。私達もやれるだけの事をしてみるわ。」

U「………頼むよ。」

Uはメリルとカラの髪色をもう一度元に戻す。自由に動くためには都合がいいからだ。

U「………行くぞ、遥! ルミア! ミレル!」

3人「うん!」

U達は、屋敷を出て城へと向かうのだった………そして、その様子を見ている人物が1人………

??「やはり私の思った通りの動きになりましたね………」

度々U達の旅を見ている白いローブの人物だった。

??「さあ、見せてください………悪を打ちのめす力を………そして、私に打ちのめされる絶望を………Uさん………!」

白いローブの人物はUを知っているかのようにそのような事を口にするのだった………

To be continued………




次回予告
ルミアとシャタカビ家の紹介状のお陰で、城に入る事に成功するU達。中ではやはりべラーが何かに取り憑かれたように暴れていた。Uは、べラーの中から強い闇を感じ………!?
次回「闇の兵士長」


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第30話 闇の兵士長

前回までのあらすじ
レミール伯爵の屋敷で今後の事を話し合うU達だが、情報収集に動いていたセミが手負いの状態で、べラーが豹変して暴れているという事をU達に伝える。Uは途中、レミール伯爵に真実を打ち明けながら、城へ行く事を決め、城へと向かうのだった………


それから数十分程歩き、U達は城の前まで到着した。

兵士「止まれ!」

当然、城の入口を警備している兵士に止められる。だが、ルミアはすかさず、シャタカビ家の紹介状を見せ………

ルミア「突然失礼致しますわ。私、ルミア=シャタカビと申します。」

兵士「シャタカビ家のご令嬢………!? ならば尚更入れさせる訳には行きません! 今、城の中ではべラー様が暴れていますので………!」

U「それを止めに来たんだ。」

兵士「は、はあ………?」

困惑する兵士。そんな事ができるのだろうかと言う顔だ。

ルミア「責任は自分で取ります。だから入らせてください。」

ルミアは頭を下げる。それを見た兵士は………

兵士「………仕方ありませんね。くれぐれも自己責任でお願い致します。」

兵士はそう言って中に入れてくれたのだった………

 

 

城の中に入ると、城の内装はボロボロで、多くの兵士が倒れていた。

ミレル「こ、これを全部べラーがやったの………!?」

U達は驚きを隠せなかった。すると、Uは正面からの風の流れが変わるのに気づいた。

U「………! 2人とも、しゃがめ!!」

Uは咄嗟にそんなことを口にする。2人は困惑するが、言う通りにすると、目の前からべラーが剣を手に超速で接近してきた。Uはセイバーを使って攻撃を防ぐ。

U「いきなりのご挨拶だねぇ………!」

ミレル「ゆ、U以外じゃ対処出来ないパワーとスピードだね………」

ルミア「そんなべラー兵士長に一歩も引かないUお兄様も流石だね………」

Uはべラーを吹き飛ばすが、全く息が乱れている様子が見られない。

U「どうした、お前ほどの奴がこんな事を引き起こすなんて何があったんだ?」

Uは半分冗談っぽく語る。だが、べラーは唸り声をあげるだけで何も言葉を口にしない。

U「な、なんだ………? 変な違和感を感じる………」

Uはそう言うと、べラーの気を感じ取る………すると………

U「こ、これは………闇………!? まさかべラーの奴………心の闇に取り憑かれて………!?」

Uはべラーが心の闇に取り憑かれた事に驚きの顔を見せるU。Uはべラーに対しムーンサルトを放ち、距離を取る。べラーはUのマジックファイルを目にすると、左手に装着したマジックファイルを構えた。

ミレル「まさか、マジシャンバトルをしようとしているの!?」

Uはそれを見ると………

U「………分かったよ、べラー。僕がお前の相手をする………ちょっとばかし本気で戦うのを許してくれよ!」

Uはそう言うと、マジックファイルを構え、ベラーとのマジシャンバトルに挑むのだった………

To be continued………




次回予告
Uとべラーのマジシャンバトルが勃発。べラーのデッキは魔を強化して戦う強化戦術で………!?
次回「兵士長の強化戦術」


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第31話 兵士長の強化戦術

前回までのあらすじ
U達は城へと突入するが、その中ではセミの言う通りべラーが暴れていた。剣をぶつけ合う中、2人の決着はマジシャンバトルで決める事に………!!


U「行くぜ、僕は{光の魔道士(ライトマジシャン)}を召喚!!」

Uはパワー2000の光の魔道士を召喚。べラーは何も口を開かずに魔を召喚。召喚したのは、パワー2100の{剛腕の戦士(ごうわんのナイト)}である。

U「ライト、剛腕の戦士を攻撃!!」

ライト「任せて! {光の創造(ライトクリエイト)}

!!」

光の魔道士は手に持った杖から攻撃を放つ。しかし、べラーはマジックファイルからカードを取りだした。

U「装備魔法………!?」

ミレル「あれは………{力の剣}………確か、戦士族のパワーを800プラスするカード………!」

これにより、パワー2900となる剛腕の戦士は光の魔道士の魔法を弾く。

ライト「き、効かない!?」

べラーは剣を構えると、光の魔道士目掛けて接近してくる。

ライト「きゃっ!?」

しかし、Uも超高速で移動し、セイバーでべラーの剣を止める。

ライト「ゆ、U………!?」

U「そ、装備魔法発動!! {魔道士の杖}! ライトのパワーを2700にする!!」

Uはすかさず装備魔法を発動。パワーの差を埋める。

U「ライト、コイツは何とか押さえる………お前は剛腕の戦士を頼む!!」

ライト「うん、分かった!」

光の魔道士は大きく飛び上がると、剛腕の戦士目掛けて魔法を放つ。これにより、剛腕の戦士は破壊された。マジシャンバトルはただ魔を倒せばいい勝負ではない。時には、プレイヤー同士がぶつかる事もある。プレイヤーと魔が協力して戦う………これこそがこのマジシャンバトルの本質であり、真価と言える。Uはべラーを空中回し蹴りで蹴飛ばすと………

U「次の魔を出しなよ。」

Uはそう口にする。べラーは2体目の魔を召喚する。召喚したのはパワー2400の{大盾の戦士(おおたてのナイト)}である。

U「今度は防御系の魔か………?」

べラーは何も言わずに、また装備魔法を使う。今度の装備魔法は{黒曜石の大盾}のようだ。

ルミア「あの魔法は………攻撃権を失う代わりにパワーを1500プラスする強力な魔法………!!」

剣士として動けるべラーだからこそ、この戦法ができると言っても過言ではない。

U「(パワー3900………こりゃ手強いな………融合を使っても苦しい………なら、新しい対抗魔法を試してみるか………!)」

Uはそう考えると………

U「お前の力も借りるぞ、来い! {暗黒の魔道士}!!」

Uは暗黒の魔道士を召喚。何かを直感したべラーは暗黒の魔道士を潰しにかかる………しかし、Uはそれを阻止する。

U「対抗カード発動! {コンビネーション・アタック}!! このカードは次の攻撃に限り、2体以上の魔のパワーを合計した攻撃を放つ事が出来る! そして、ライトの能力、{魔法使いの共有}を発動!」

ミレル「魔法使いの共有………?」

遥「あれは、ダークとライトが場か破壊されている時に、2体ともパワーをプラス300される魔法。つまり、今の二人同時の攻撃力は………」

U「5300!! ダーク、ライト! 2人で大盾の戦士を攻撃だ!!」

2人「{二魂の魔法(ツインソウルマジック)}」

2人の魔法が大盾の戦士を盾ごと貫通。これにより、べラーの魔は一体だけとなった………だが、べラーは何も動きを変えずに、最後の魔を召喚する。しかし………その魔は大きな闇を纏っていた。

???「………俺は{絶望の闇剣士(ディストピアダークナイト)}………! 闇を纏いし最強の剣士………!」

ミレル「しゃ、喋った!?」

U「いや、喋っているだけじゃない………ベラーに取り憑いている………まるで、喰らおうとしているように………!!」

闇剣士「その通り………俺は喰った………この男の意識を………そして、これからも喰らう………この世界の人間も………お前らもな………!!」

絶望の闇剣士はそう言うと、素早い剣技で暗黒の魔道士と光の魔道士を破壊した。

U「な、なんだと………!?」

闇剣士「俺はパワー2500の魔。効果はマジックファイルのカードを2枚捨てるたびに、相手の魔一体のパワーを1000マイナスさせる。」

Uはべラーのマジックファイルから4枚出てきて、消滅する様子を見た。

U「(まさか、べラーに取り憑いていたなんて………まさか、これまでの奴らも………!? ………いや、アイツらの心の闇はほんの微量………だからここまでの魔を生み出す事は無かった………ん? コイツ、自分の事を魔と言った………? という事は、コイツはこの世界の魔じゃない………!!)」

Uは何かに気づいたが、同時に絶体絶命の危機に陥っていた………

To be continued………




次回予告
絶望の闇剣士に苦戦するU。Uは既存の魔では倒せないと悟り、神のカードに手を伸ばす………!!
次回「白い虎の牙」

魔の解説(※ウズクチョルールでは召喚条件は適用されない)
・光の魔道士(ライトマジシャン)
愛称 ライト
属性 魔法使い族
パワー 2000
効果 「{魔法使いの共有}このカードと『暗黒の魔道士』が自分の場か破壊されているなら、このカードと『暗黒の魔道士』のパワーは300プラスする。」
攻撃技 {光の創造(ライトクリエイト)}
フレーバーテキスト「 『Uとダークと私! この3人がいる限り、悪には負けない!!』」

・剛腕の戦士(ごうわんのナイト)
愛称 ナイト
属性 戦士族
パワー 2100
攻撃技 {力の斬撃(パワースラッシュ)}
フレーバーテキスト 「彼の力は、並大抵の相手を寄せつけない………!」

・大盾の戦士(おおたてのナイト)
愛称 ナイト
属性 戦士族
パワー 2400
効果 「この魔は攻撃出来ない。」
攻撃技 なし
フレーバーテキスト「彼の守りは、どんな攻撃をも弾く………!」

・絶望の闇剣士(ディストピアダークナイト)
愛称 ダークナイト
属性 戦士族/闇
パワー 2500
召喚条件 自分の場の魔一体を破壊(生贄に)する。
効果 「このカードのコントローラーのマジックファイルのカードを2枚捨てて良い。捨てたら、相手の魔のパワーを1000マイナスする。」


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第32話 白い虎の牙

前回までのあらすじ
Uとべラーの対決。Uはべラーの強化戦術に苦戦しながらも何とか有利に立回る。だが、{絶望の闇剣士}の力により、状況は一気に覆り………!?


U「(ぐっ………どうする………!? 下手な魔なんてだしたら負ける………!)」

Uは戦況をそう見る。Uは、マジックファイルからカードを1枚取り出す………

U「しょうがない………借りるよ、お前の力を………! 僕が最後に出すのは………コイツだ!」

Uがそう言うと、稲妻が城を貫通する。稲妻の光によってすかさず目を閉じた遥達。次に目を開いた時に、そこにいたのは………

U「神の魔………{西虎の白虎(レフトタイガーびゃっこ)}だ!!」

Uはこれまで召喚してこなかった最強の魔、パワー3000を誇る白虎を召喚した。

ミレル「あれが………Uの神のカード!!」

闇剣士「遂に出してきたか………最後の魔………だが、俺の餌食になってもらおう!!」

闇剣士は効果を発動する。だが、白虎はその力を咆哮をあげてかき消した。

闇剣士「き、効かぬだと!?」

U「神の魔は相手の不利な効果を一切寄せつけない!」

闇剣士「………なんという忌々しい魔だ………!」

U「更に………{白虎鎧化}!!」

白虎「おう!!」

白虎は鎧の姿に変形すると、Uの身体に装着される。

ルミア「な、何が起きてるの………!?」

U「………僕はこれにより、パワー3000の魔となる………」

Uは鎧の左篭手に爪を生やし、絶望の闇剣士の身体に傷をつけた。

闇剣士「な、何………!?」

U「お前の力は凄まじいよ………でも、僕達はそう簡単に負けたりはしない………お前の野望なんかに………屈したりするものか!!」

Uは右篭手にも爪を生やすと、超高速移動で、絶望の闇剣士に接近する。

闇剣士「無駄だ! 対抗カード{闇の無力化}!」

ルミア「攻撃を無効化しに来た………!!」

遥「………大丈夫。」

U「それはこっちのセリフだ!」

Uは光のリングを召喚し、対抗カードによって現れた闇の中に突入し、絶望の闇剣士の前に現れる。

闇剣士「ば、バカな………!?」

U「白虎の攻撃は………無効化されない!!」

絶望の闇剣士をヒットアンドアウェイで斬り刻んでいく。

闇剣士「バカな!? 俺が………この俺がこんな奴らに負けるはずがない!!」

U「負けないのは僕達だ………そして、これが………僕達の………力だ!!」

Uは両爪にエネルギーを集める………

U「{白虎の爪(びゃっこクロー)}!!」

Uの両爪の斬撃が、絶望の闇剣士を貫いた。

U「………絶望の闇剣士………撃破!!」

これにより、マジシャンバトルは決した。Uが勝利した事により、べラーの身体から闇が抜けていく。それと同時に、絶望の闇剣士のカードが出てきた。

闇剣士「バカな………俺が………負ける………なんて………!?」

絶望の闇剣士のカードは火がついたように、溶けだし、灰となった………

U「(………しかし、何故べラーがあの魔に取り憑かれていたんだ………!?)」

Uは疑問に感じていた。べラーが何故心の闇こと、絶望の闇剣士に取り憑かれていたのかを………

To be continued………




次回予告
べラーは自分の意識を取り戻し、Uに自分の意識が無くなる前に、バレスの様子がとてつもない闇を抱えていた事を口にする………!
次回「更なる闇の存在」

魔の解説(※ウズクチョルールでは召喚条件は適用されない)
・西虎の白虎(レフトタイガーびゃっこ)
愛称 白虎
属性 獣族/神
パワー 3000
召喚条件 自分の場の魔1体を破壊(生贄に)する。
効果「・このカードの攻撃は無効化されない。
・このカードが相手の魔を破壊した時、この魔が破壊されるまでこの魔のパワーを500プラスする。
・{白虎鎧化}任意でこの効果を発動できる。このカードが破壊されない限り、プレイヤーは敗北しない(ダメージは受ける)」
攻撃技 {白虎の爪(びゃっこクロー)}
フレーバーテキスト「『Uと私は一心同体となった時、最強の力を発揮する!!』」


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第33話 更なる闇の存在

前回までのあらすじ
Uとべラーの対決は、Uの召喚した{西虎の白虎}の力で形勢逆転したUの勝利となった。それと同時に、Uは何故べラーが{絶望の闇剣士}に取り憑かれていたのか疑問を持ち………?


Uが先程感じた疑問について考えていると………

べラー「ううっ………!」

べラーが意識を取り戻した。

U「おっ………目が覚めたみたいだな。」

べラー「U………? 私は何故ここに………?」

U「覚えてないのか? お前は心の闇に操られていたんだ。」

べラー「なんと………!? ぐっ………不覚なり………しかし、その様子だと………Uが助けてくれたようだな。」

U「まあ、それだけ手がつけられなかったもんでな………やむを得ず操られていたお前と戦わせてもらったよ。」

べラー「………なんとお礼を申せばよいか………」

U「お礼なんていらないよ。それより、心の闇に取り憑かれる前に、何かあったか覚えていないか?」

べラー「つまり、私が意識を失う前の事だな………? 確か………私はメリル嬢が過去に経営していた店の状況を報告する為に、玉座の間のバレスの元を訪れたことまでは覚えているんだが………それ以降の記憶が無いのだ。だが、私は見てしまった………バレスが強い闇を抱えていたのを………!」

U「強い闇を抱える………? いったいそれはどう言う………」

Uがべラーに聞き返そうとしたその時だった。Uはなにか強い気配を無意識のうちに察知した。

U「………誰かいるのか!?」

Uはセイバーを構える。

遥「ど、どうしたの!?」

困惑する遥達。だが、彼女達も足音などで誰かが近づいてきていることを察知した。

ルミア「あれは………!!」

U達の元に近づいてきたのは………

ミレル「ば、バレス………!?」

現在のウズクチョ王国の王であるバレスだった。

U「………よぉ。久しぶりだな、バカ王子。」

Uはニヤリとしながらそう口にする。それを聞いたバレスは最初首を傾げた………しかし、Uの顔や容姿をじっくり見てみると………

バレス「貴様は………もしや………メリルの店で働いていた生意気な男か………!?」

U「僕からすれば、お前の方が生意気なんだがね………まあいいさ、お前の事なんて所詮ボンクラだと思っているからな。」

バレス「お、俺がボンクラだと………!? 貴様、よくもこの俺を侮辱したな………!!」

U「正論を言っただけじゃん。」

バレス「う、うるさい! 第一、どうやってこの国に入ってきたのだ!?」

ルミア「私と私の父による後押しですが………」

ルミアが話に介入してくる。

バレス「シャタカビ家の仕業か………国王命令だ、今すぐコイツをつまみ出せ!!」

U「………それしか言えないのな。やっぱりボンクラじゃないか。」

バレス「だ、黙れ!」

べラー「バレス………Uは私を助けてくれた恩人だ。それに、この国で彼が挙げた功績は見過ごせるものでは無い。それに、Uならば心の闇による事件を解決出来るはずだ。」

バレス「心の闇だかなんだか知らないが、ここでは俺がルールだ!」

U「ダメだ、話が通じねぇ。いっそ、脅すか………?」

遥「いや、脅しちゃダメだから!!」

遥が慌てて静止する。

U「脅しはダメか………じゃあ、どうするか………?」

ミレル「………ちゃんと話し合いをしないとダメだよ………Uが武力行使なんてやったら大変な事になるもん………」

ミレルは泣き顔を見せる。

U「うわあっ!? ご、ごめんって!!」

Uが大慌てで謝ると、ミレルの表情はすぐに笑顔に戻る。それを見たUは………

U「(………してやられたな、こりゃ………)」

Uは一杯食わされた気分になった。Uはミレルに言われた通り、話し合いをする事に………

U「………一体どうして僕をそんなに忌み嫌うんだよ………?」

バレス「………お前に教えるものか………」

U「まさか嫉妬してるとかー?」

Uが冗談っぽく茶化してそう口にする。すると………

バレス「黙れ………黙れ黙れ!! 俺が………天下のバレス王様が………お前のようなゴミに………嫉妬するものかー!!!」

バレスは大声で叫ぶと、体内から強い闇を放出した。

U「や、闇………!? まさかこれは………心の闇か………!?」

べラー「こ、これだ………バレスが抱えていた闇とは………!!」

ミレル「ええ!?」

困惑するU達の前に、バレスの身体から魔が現れた。

???「ふーん、その男が絶望の闇剣士を倒したんだ………弱っちそうに見えて意外とやるものね………って、あれ?」

出てきたのは、女性のような魔だった。その魔はUを凝視すると………

???「成程、あの女が言ってた男と特徴が当てはまる。アンタが例のUって訳ね………」

U「な、何を言っている………!?」

???「私は絶望の闇女王(ディストピアダーククイーン)!! 絶望を司り、人の心に強い闇を生み出す存在………」

U「闇………という事はお前が諸悪の根源か………!!」

闇女王「まあそうなるかしら。直接的には………の話になるけど。」

U「直接的………だと………!?」

闇女王「さあ、絶望の闇剣士を破ったアンタの力、私にみせてもらおうかしら………!!」

バレスは操られているかのように左腕のマジックファイルを構える。

U「………やるしかないか。」

Uはマジックファイルを構えるのだった………

To be continued………




次回予告
Uと絶望の闇女王の対決。Uは絶望の闇女王相手に有利に立ち回るが………?
次回「決戦の幕開け」


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第34話 決戦の幕開け

前回までのあらすじ
意識を取り戻したべラーに、魔に取り憑かれた理由を聞くU達。すると、べラーはウズクチョの国王バレスが強い闇を持っていると語る。そして、U達の前に現れるバレス。Uの言葉によって心の闇を放出し、彼の中から心の闇の事件の黒幕、{絶望の闇女王}が現れる。彼女はUの力を試すように、マジシャンバトルを仕掛けてくるのだった………


U「まず僕が召喚するのは、{破壊の悪魔・真}だ!!」

Uが召喚したのはパワー2200の破壊の悪魔・真。それに対し、絶望の闇女王が召喚してきたのは………

闇女王「………時間稼ぎ程度には役立つか。私は{剛腕の戦士}を召喚!! 」

パワー2100の剛腕の戦士だった。

U「(剛腕の戦士………意外だな、奴の見た目的に戦士族では無さそうに見えるが………)」

闇女王「さあ、アンタの力を見せてみなさい………!」

U「………なら見せてやるよ………デーモン、剛腕の戦士を攻撃!!」

デーモン「喰らえ、我が拳………{悪魔の拳・真}!!」

破壊の悪魔・真の拳が剛腕の戦士を攻撃。絶望の闇女王は特にバレスを操ってカードを使わせるなどはせずに、あっさりと剛腕の戦士を破壊させた。

U「………!? (何も対抗を使わなかった………!?)」

デーモン「物足りぬ………まさかこの程度で終わるはずは無かろう………?」

闇女王「今は測っているのよ………アンタ達の強さが私を相手するのに相応しいかを………私が次に召喚するのは{破滅の邪竜}!!」

闇女王はパワー2000の破滅の邪竜を召喚した。

U「(あいつのデッキの共通点が何も見えねぇ………一体何を企んでいるんだ………?)」

Uは首を傾げながらも、何もしないままでは勝つ事は出来ない事をわかっている為、嫌でも攻撃に移るしかない。

U「デーモン! 破滅の邪竜を攻撃だ!!」

デーモン「喰らえ、我が拳!!」

破壊の悪魔・真の2度目の攻撃。絶望の闇女王は何も対抗する気はなく、またしても魔が無抵抗で破壊された。

U「(な、なんだ………? この違和感は………? まるで………ここまで操作されているような気分だ………)」

Uはそんな事を考えていた。すると、絶望の闇女王はニヤリと笑みを浮かべ………

闇女王「さて、アンタはここまで軽々と私の魔を2体倒したけど………私に勝てるかしらね………?」

U「まさか………!!」

闇女王「そう………私自らが出るわ………召喚………!!」

バレスは絶望の闇女王のカードを掲げた。

闇女王「本来の召喚条件は、自分の魔一体を生贄に捧げる事だけど………この国のルールではそんなルールないみたいだから、条件無して召喚できる………! {絶望の闇女王}………すなわち、私を召喚!!」

遂に絶望の闇女王がU達の前に現れた。

闇女王「私はパワー3000、効果を2つ持っている………その1つ目の効果を見せてあげるわ………!! {絶望の崩壊(ディストピアブレイク)}………!!」

絶望の闇女王が手から闇を放出すると、破壊の悪魔・真は突如として悲鳴をあげると、そのまま破壊されてしまった。

U「で、デーモン!? ま、まさか………!!」

闇女王「そう、私の能力の1つ………相手の魔一体を問答無用で破壊する効果………」

U「だが、デーモンが破壊された事で効果が発動! お前のパワーを500下げさせてもらうぜ!!」

フィールドを紫の波動が覆うが、絶望の闇女王は自身の闇を解放し、紫の波動を近寄らせない。

闇女王「そしてもう1つ………私は効果で破壊されず、パワーは減らない………!」

U「ぐっ………! 一筋縄じゃいかないか………!!」

Uは一気に追い詰められた気持ちになっていた。だが、彼は引かない。いや、引くつもりなど毛頭ない。だからこそ、次の手を必死に模索するのだった………

To be continued………




次回予告
Uは次に冥界の兵士を召喚するが、あっという間に破壊されてしまう。追い詰められてしまうUだが、大切な人と再会するまでは諦めないと自身を奮い立たせる。それを聞いた暗黒の魔道士はUに寄り添う事で、2人の絆が深まり………!?
次回「絆の真価」

魔の解説(※ウズクチョルールでは、召喚条件は適用されない)
・絶望の闇女王(ディストピアダーククイーン)
通称 ダーククイーン
属性 魔法使い族/闇
パワー 3000
召喚条件 自分の場の魔一体を破壊(生贄に)する。
効果「・{絶望の崩壊(ディストピアブレイク)}この魔が召喚された時、相手の場の魔一体を破壊する。
・このカードは相手のカードの効果で破壊されず、パワーは減らない。」
攻撃技 {絶望の闇魔道(ディストピアダークマジック)}
フレーバーテキスト「『貴女に倒せるかしら、この私を………!!』」


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第35話 絆の真価

前回までのあらすじ
Uと絶望の闇女王の決戦。Uは絶望の闇女王の魔を2体倒すが、絶望の闇女王のパワーと能力に追い詰められ………!?


U「僕が次に召喚するのは、{冥界の兵士}!!」

Uはパワー2500の冥界の兵士を召喚。更に………

U「そして装備カード{冥界兵の斧剣}を発動!」

遥「パワーを500プラスして、マジックファイルのカードを2枚捨てれば相手が対抗出来なくなるカード………!」

闇女王「対抗カード{闇の無力化}を発動。マジックファイルのカードを2枚捨て、そのカードを無効化する。」

U「………やはり無効化してくるか………それなら、対抗カード発動! {闇兵士のオーラ}を発動! マジックファイルのカードを2枚捨て、次の攻撃に限り、戦士族の魔………すなわち、ソルジャーのパワーを1000プラスする!」

これにより、冥界の兵士のパワーを3500に上昇させた。

U「ソルジャーの攻撃!{兵士の剣}!! 」

冥界の兵士の斧剣が振り上げられる。

闇女王「魔法カード{闇女王の魔盾}! 私が場にいる時に限り発動でき、攻撃を無効化でき、更にこのカードが無効化される事は無いわ。」

U「ぐっ………!」

闇女王「これでパワーは2500に逆戻り。私の攻撃で消えてもらうわ。」

U「させるか! 対抗魔法発動! {正義の盾}!」

Uは攻撃を無効化しようとする。だが………

闇女王「防がせるわけないでしょう? 対抗魔法{絶望の闇}を発動。マジックファイルのカードを2枚捨て、その魔法を無効化するわ。」

U「………っ!」

Uの防御魔法は無効化され、冥界の兵士は破壊されてしまった。

闇女王「この程度かしら………? アンタの力ってのは………アンタの奥さんの顔が見てみたい気分だわ。」

U「なっ………!!」

Uは感情を逆撫でされた気持ちになった。だが、怒っては敵の思う壷。何とかこらえる。

U「はあっ、はあっ………」

Uは焦りから荒い息を吐く中、マジックファイルの方から声が聞こえてきた。

ダーク「マスター………何を焦っている………? 負ける事が怖いのか……… ?」

U「………いや、負けるのは怖い事じゃない………でも、僕は内心怒りを覚えてしまったみたいだ………」

ダーク「………春香殿の事か?」

U「ああ………今、春香がどうしているかは分からないし、僕の事を恨んでいるかもしれない………でも、僕は心のどこかで春香にまた会いたいと願っているんだ………それを達成するまでは負けない………負けたくないんだ!!」

ダーク「………マスターは昔から負けず嫌いであると同時に、春香殿の事がとても大好きだな………」

U「あはは………そうだな。」

ダーク「………ならば私も力を貸そう。マスターの願いを叶えるその日まで………」

U「………ありがとう、ダーク!」

Uは笑みを浮かべる。すると、Uのマジックファイルの中が光り出す。Uはマジックファイルの中を見ると、そこには光を纏った新たなカードが生まれていた。

U「これは………」

Uはカードを目にする。その効果を一通り読み終えると………

U「ダーク、お前の力を借りるぜ! {暗黒の魔道士}を召喚!!」

Uは暗黒の魔道士を召喚した。

闇女王「ふん、今更パワー2000の魔なんて何の役にも立たないわ………!」

U「それはどうかな………? 僕は………このカードに全てを賭ける! 儀式カード発動! {魔道士・超進化の儀式}!!」

闇女王「儀式カード………!?」

U「コイツは、カード名に『超』を含む魔法使い族の儀式の魔を召喚条件を満たす事で召喚させる事が出来るカード。僕は場にいるダークと、魔法カード2枚を生贄に捧げる事で………新たな魔を降臨させる! そして、僕が捨てる魔法カードは………{勇気の炎}と{闇の波動}だ!」

これにより、Uが指定した魔法カードと暗黒の魔道士が破壊された。

U「僕の相棒にして最強の切り札よ、進化を遂げろ!! {超・暗黒の魔道士(ちょう・ダークマジシャン)}降臨!!」

遥「あれが………ダークの進化形態………!?」

ミレル「凄い………!!」

ルミア「暗黒の魔道士から強いオーラを感じる………あれがお兄様の新たな切り札なの………!?」

Uの前に現れたのは暗黒の魔道士の進化体、超・暗黒の魔道士であった………

U「進化したダークはパワー3000。更に、効果を2つ持っている!!」

はたして、進化した暗黒の魔道士の力は、絶望の闇女王を倒す力があるのだろうか………!?

To be continued………




次回予告
進化形態、超・暗黒の魔道士の力は、絶望の闇女王の力を圧倒。更に、超・暗黒の魔道士の効果が場を支配する………!!
次回「戦場の逆襲打」

魔の解説(※儀式の魔はウズクチョルールでも召喚条件が適用され、破壊された時に召喚条件にて破壊した魔の数だけ破壊された扱いとなる。)
・超・暗黒の魔道士(ちょう・ダークマジシャン)
愛称 ダーク
属性 魔法使い族
パワー3000
召喚条件 自分の場の{暗黒の魔道士}1枚を破壊(生贄に)して、好きな魔法カードを2枚捨てる。
効果 「・このカードは、召喚条件にて捨てた魔法カードの属性に限り、該当する属性をカード名に含む相手のカードの効果を受けず、また、攻撃は無効化されない。
・{闇の吸収(ダークネスドレイン)}この魔がバトルを行う時にそのバトルに限り、互いのプレイヤーが破壊された魔の合計×500の分だけ、この魔のパワーをプラスする。」
攻撃技 {超・暗黒の破壊(ちょう・ダーククラッシュ)}
フレーバーテキスト 「『私は進化を続ける………我が相棒であるマスターがいる限り………!』」


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第36話 戦場の逆襲打

前回までのあらすじ
Uと絶望の闇女王の戦い。Uは絶望の闇女王が倒せずに追い詰められる。だが、胸の内を語ったUとそれを聞いた暗黒の魔道士の絆が更に深まり、儀式カードを用いた新たな形態を生み出し………


闇女王「私と同等のパワーを持つ魔とは厄介ね………でも、そんな奴も攻撃させなければどうって事は無い! 対抗カード{闇の呪縛}を発動! その魔をしばらくの間攻撃不可にさせる!!」

闇女王の持つカードから放たれる闇の鎖………しかし、超・暗黒の魔道士は闇の鎖を弾いてしまった。

闇女王「何………!?」

U「進化したダークの1つ目の効果………それは、先程召喚条件で捨てたカードの属性限定だが………召喚条件で捨てた属性を含むカードは効かない………つまり、今のダークはカード名に『炎』と『闇』を含むカードは効かない!」

遥「そうか………! 絶望の闇女王が今使ってきたカードには『闇』が含まれている! 」

ルミア「それにより、お兄様の超・暗黒の魔道士には効果が無かったのね!」

U「勿論、カード名に『闇』を含む防御魔法も通用しない! これで終わりだ!」

闇女王「そうは言っても、そこの魔のパワーは私と同じ! タダで倒れる事は無いわ………!」

U「まだだ! ダークの2つ目の効果発動!」

ダーク「{闇の吸収(ダークネスドレイン)}!!」

超・暗黒の魔道士の身体にパワーが集まる。

闇女王「な、何が起こっているの………!?」

U「{闇の吸収}………それは、バトル中に限り、ここまでで互いに破壊された魔の数の合計×500分、ダークのパワーを上昇させる力!」

ミレル「これまでに破壊された魔は4体だから、500×4で………2000プラスされる………!」

闇女王「ぱ、パワー5000だと………!?」

U「ダーク、絶望の闇女王を攻撃!!」

ダーク「心得た! {超・暗黒の破壊(ちょう・ダーククラッシュ)}!!」

暗黒の魔道士は強大な闇の波動を放つ。闇の波動は絶望の闇女王を覆い、内部から粉砕した………その為、フィールドから闇が晴れた時、絶望の闇女王はいなかった。

U「絶望の闇女王………撃破!」

Uは絶望の闇女王との決戦に勝利した。絶望の闇女王のカードは火がついて消滅し、バレスも心の闇から解放された。

ミレル「バレス………!」

ミレルはバレスの身体を支える………

バレス「貴様………」

バレスはいつもの口調で突き放そうとしたが、髪色を変えたミレルに既視感を感じた。

バレス「貴様………どこかで見た事が………?」

U「………もう隠すまでもないか。」

Uはミレルの頭に触れ、彼女の髪色を元に戻す。

バレス「………!! ミレル姉さん………!?」

ミレル「バレス………」

バレス「………どうしてこんな奴と行動を共にしていたんだ………?」

ミレル「………私はこの国を正しい形に戻したかった………バレスや………お姉ちゃんと一緒に………」

バレス「姉さん………」

ミレルは泣き崩れる………それを見たバレスも初めて涙を見せた。

バレス「俺は間違っていたのか………」

バレスはそう口にすると、Uに向かって………

バレス「お前………今でも俺を憎んでいるか………?」

U「………バカだとは思ってるけど………憎んではいないさ。別にお前を憎む事をされた訳では無いからな………でも、破談になったとはいえ、メリルの結婚式の件は許してないからな?」

バレス「………分かってる。メリルにも申し訳ない事をした………そして、俺が反省したところで、俺の罪が消える訳では無い………だが、もし許されるなら………俺が反省して………新たな道を進みたい………いいだろうか………?」

U「………好きにすればいいさ。僕にはそれを肯定する事も、否定する事も出来ないんだからさ。」

バレス「………ああ。感謝する………U。」

バレスは初めてUの前で純粋な笑みを浮かべた………だが、次の瞬間、バレスの心臓に黒い刃が刺さっていた。

U「………!?」

ミレル「ば………ば………バレスーーー!?」

バレスは口から血を吹き出して倒れた。Uはすかさず脈を確認するが………

U「し、死んでいる………!」

ベラー「な、なんという事だ………!」

これには、この場にいたメンバー全員が困惑。そして、バレスが殺された現場を目の前で見てしまったミレルは目から涙を浮かべ、泣き崩れた。

U「(なんだ………この気配は………いる………バレスの死体の後ろに………!! )」

何かを察知したUはバレスの後ろを目掛けて、セイバーによる突きを放った。

遥「ゆ、U!?」

この行動に困惑する仲間達だが、すぐさまUの意図を知る事になる。なんと、黒い刃が1人でに動きだし、とある魔が姿を現した………その魔はなんと………

U「バカな………お前は………絶望の闇女王………!?」

なんと、先程カードが消滅したはずの絶望の闇女王だった。

闇女王「………まさか私の分身を倒すとはね………アンタは私の真の相手をする資格があるみたいわね………」

U「真の相手だと………!? というか、そこにいるバレスの命を何故奪った!?」

闇女王「アンタの目の上のたんこぶを取り除いてあげた………それだけの事よ。」

U「ふざけるな!! 確かに、コイツの父親が死んだのは自業自得だとも………コイツがどうなろうと知ったことじゃないと思ったけど………僕は薄々わかっていたんだ………こいつが死んで悲しむ奴がいることを………! それを………それをお前は………!!」

闇女王「………本当に訳分からない思考回路してるわね。私の契約者を前にしても同じ事が言えるかしら?」

U「なんだと………!?」

Uがそう返答すると、廊下を歩く足音が聞こえてきた。

U「この足音は………!?」

U達は辺りを見回す。すると、U達の前に現れたのは、白いローブを羽織った人物だった。

U「(あれはあの時の………?)」

闇女王「さあ、そのフードを取って………見せてやりなさい。」

白いローブの人物は、フードを外す。するとその中に隠れていたのは………

U「あ………ああ………そんな………そんなまさか………!!」

その正体に1番動揺していたのはUだった。何故ならば………

遥「嘘………そ、そんな事が………!?」

U「は………はる………か………? 」

なんと、Uの前に立っていたのは、髪色が一部黒く変色して尚且つ髪型もロングヘアからポニーテールに変わっているが、Uの最愛の人物の白宮春香であった………

To be continued………




次回予告
Uは絶望の闇女王は、春香が生み出した魔であり、それを生み出す原因を作ったのは自分であった事を知り、心をへし折られてしまう。更に、春香もUに長期間会えなかった事で性格が歪んでしまっており………?
次回「再会と絶望」


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第37話 再会と絶望

前回までのあらすじ
Uと絶望の闇女王の決戦は、Uの『超・暗黒の魔道士』の力で勝利を収めた。また、絶望の闇女王に取り憑かれていたバレスと和解する事が出来たが、その直後にバレスが殺害され、先程まで戦っていたのは、絶望の闇女王の分身だった。更に、絶望の闇女王の真の契約者はまさかのUの最愛の人物である白宮春香であった………


闇女王「………この際だから教えてあげるわ、私が生まれた理由。それはね………アンタのせいなのよ、U。」

U「何………!?」

闇女王「私はこの女の強い闇から生まれたの。アンタと生き別れになって生き地獄のような苦しみを感じていたこの女の闇は凄まじかった。お陰で、他人が何かしら闇を抱えていると、私の力で操る事が出来るようになっていた。と言っても、この国にいる闇を持つ者の大半なんて特に理由もなく闇を抱えるクズしかいないから、大した闇が感じられなかったけど。でも、そこのバカ王と兵士長は別格だったわね。兵士長は自分の無力から。バカ王はアンタに対する嫉妬という闇が大きかった。だからこそ、私の分身や絶望の闇兵士を生み出す事ができたって訳。」

U「嘘だ………! そんなはずはない!!」

春香「………嘘じゃありませんよ。ここまでの旅の中で、あなたにセイバーを渡したのも、この国の心の闇を持つ者を仕向けたのも………私達のシナリオですから………」

U「だとしても!! 君はそんな簡単に闇に取り憑かれるような弱い心の持ち主じゃなかったはずだ!!」

春香「私が強い心を持てたのは………あなたがいたからです………!! ………でも、あなたはあの戦いで………私達を逃がした………!! あなたと離れ離れになった事が、私にはどんな生き地獄だったか………!!」

U「………ごめん。」

春香「………謝ったって遅いです………私の心はもうねじ曲がり過ぎた………そのせいで、真子にも拒絶されて………私はもう………あなたを憎まずにはいられないんですよ!!」

闇女王「ま、そういうわけなのよ。」

U「そん………な………」

Uの目に涙が溜まる………その理由は明白だった。せっかく再会出来たのに、待っていたのはこんな絶望だったからである。

ルミア「(あんなに悲しそうなお兄様は初めて………とてもショックだったんだ………自分の大事な人が………この事件の黒幕になっていたことが………)」

Uは無意識のうちにセイバーをしまい、よろけながらも春香に近づく。

U「冗談だよね………僕は………君の事なんか憎んですらいない………君だって………」

Uは春香の肩を掴む。だが、春香は歯軋りをして、Uの腹に強烈な一撃を叩き込んだ。

U「がはあっ!?」

春香「………これはあの時のお返しです………私を逃がす親切心のつもりで私を殴ったんでしょう………? 私が抵抗出来ないようにする為に………なら、私も同じ………あなたに分からせてあげます………私の憎しみ………そして、私の中にある愛情を………!」

一瞬、春香の緑に輝く目が黒く濁ったような色へと変わる。

U「こんなに………こんなに悲しい再会がどこにある………僕は君に会えなかった間も………君の事を忘れた事なんて無かったのに………!! こんな………こんなバカな事があるかよ………!!」

Uは春香に自分の本音をぶつけた。

春香「………あなたがした事が………それだけバカな事だった………としか、私は答えられませんね。」

春香はそう言うと、指でUの頭に触れる。

春香「………貴方にはしばらく眠ってもらいましょうか………『スリープ』」

春香の指から魔力が流れてくる。それにより、Uは強い睡魔に襲われる………

U「(ヤバい………! 眠っちゃダメだ………! 眠っちゃ………!!)」

だが、春香の魔力に抗う事は出来ず、Uの意識は眠ってしまい、身体は春香に抱きつくような状態になってしまった。

ミレル「U!!」

春香「………一緒に来てもらいましょうか。私のシナリオを終わらせる為に………」

春香はUをお姫様抱っこする。しかし………

遥「春香さん、待って!!」

遥がUの服の裾を掴み、春香に声をかけた。

春香「………遥ちゃん………何かしら………?」

遥「どうして………どうしてUを憎むの………!? 2人の仲が悪い様子なんて………私は見たくなかったのに………!」

遥は涙を流して春香に訴えた。それを聞いた春香は………

春香「………そう。でもね、遥ちゃん。私はこれまでUさんには想像も出来ない道を歩いてきたの。Uさんにはそれを分からせなければならない………こんな事に遥ちゃんまで巻き込みたくはない………さあ、その手を離して。」

遥「嫌だ!! 私だって………大切な友達を失いたくなんかない!!」

春香「………そう。」

遥「お願い………! お願いだからUを連れていかないで!! それに………春香さんだってUの仲間に戻ってきてよ!!」

春香「………」

春香は少し考え事をすると、遥の耳元でこう呟いた。

春香「………じゃあ、こうしましょう。Uさんにチャンスを与える。勿論、これを成立させるためには遥ちゃんが私達の人質になること………これでいいかしら?」

遥「………それでUと春香さんの仲が元に戻る可能性があるなら………わたしはそれでもいいよ。」

春香「………そう。なら、少しの間利用させてもらうわね。」

春香はそう言うと、Uを下ろし遥のお腹を殴った。

遥「かはっ!?」

春香「悪いけど、少し眠ってもらうわ………」

春香の目が再び一瞬だけ黒く変色する。遥は気を失い、春香は彼女をお姫様抱っこする。

春香「………Uさんに伝えて。『1週間後、私は再びあなたの前に現れる。その時にあなたとこの世界での戦いのルール、マジシャンバトルで決着をつける。ルールはこの国のルールではなく、6vs6のスタンダードルール。もし、Uさんが勝ったなら、私はこれまでの自分の非を受け入れ、尚且つこれからも懺悔をする事を条件として、Uさんの仲間に戻る。でも、私が勝ったら、Uさんは完全に私のモノとなってもらう。逃げることは許さない。逃げたら遥ちゃんがどうなっても知らない………』と。」

春香は遥をお姫様抱っこしながらそう言うと………

春香「では、1週間後に………『テレポート』!」

春香と絶望の闇女王はその場から姿を消した。

ベラー「………とてつもなく大変な事になった………」

ミレル「ベラー、今は春香さんの事も大変だけど………まずはUとバレスをレミール伯爵の屋敷に連れて行こう!!」

ベラー「レミール伯爵の屋敷に………ですか?」

ミレル「伯爵は私達の協力者なの。それに、Uとも仲がいいから頼りになるはずなの!」

ベラー「………姫様の命令とあらば、私は従うまでです。」

ミレル「U!! 大丈夫………!?」

ミレルはUに駆け寄る。ルミアもすぐに駆け寄るが、見た感じは眠っているだけで、先程殴られた腹の部分の服にシワができているだけだった。

ミレル「多分、これからUは更に過酷な目に遭うんだと思う………よく分からないけど、そんな気がする………」

ミレルはそんなことを呟き、その後、ベラー達と共に一度レミール伯爵の屋敷へと戻るのだった………

To be continued………




次回予告
春香との絶望の再会から3日。Uは未だに絶望の淵にいた。悲しみに埋もれそうになるUの姿を見たメリルは、春香をUの元に帰らせる為に、Uに説教をし………!?
次回「希望への賭け」


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第38話 希望への賭け

前回までのあらすじ
Uの前に突如現れた春香こそ、絶望の闇女王を生み出した張本人であり、その原因がUにあった事が原因で、Uの心はへし折られてしまう。更に、遥が春香の人質となってしまい、状況は悪化してしまう………


城での出来事から3日が経ち、レミール伯爵の屋敷でのこと………

 

U「………」

Uは客室の部屋の椅子で生気を失った目で、食事もロクに取らずにただ座っていた。メリル達が心配そうに様子を見ていた。

カラ「………Uさん、あれからずっとあんな様子ですね………」

ルミア「私の事も何か足りないように私の頭を撫でてくれるだけ………お兄様、完全におかしくなっちゃったの………?」

メリル達が訳が分からず困惑している中、レミール伯爵とレミがやってきた。

ノゾク「………話は聞かせてもらったよ。恐らくU君は………大切な人の呪縛に取り憑かれている………それほど辛かったんだろうね、大事な人に裏切られた事が………」

レミ「しかし………私はUの事を頼りになる人物だと思っていたけど………あんな一面があったなんてね………」

ミレル「Uの強さは確かに強いけど………心はとても弱かったんだ………なんで気づけなかったんだろう………?」

メリル「………私達が察しないようにしてたんだと思うわ。春香さんの事を………でも………私は許せない。そんな事を隠して………私達仲間をなんだと思っているのか………!!」

ノゾク「メリル………?」

メリルは何も言わずに客室に入り、Uの前まで歩くと………

メリル「U………どうして私達に話してくれなかったの………? 春香さんとの本当の事………」

U「………話せるわけないだろ………メリル達を巻き込む勇気は僕には無かった………多分、罪悪感を感じさせてしまうから………」

メリル「だとしても、1人で抱え込む理由がどこにあると言うの!?」

U「………僕は仲間を巻き込みたくない………それに、今回の出来事だって僕の過去の出来事が原因でこんな事になったんだ………尚更だよ………」

メリル「………Uと春香さんの間に何があったか………私には想像の範疇でしかない。でも、仲間を頼らないなんて………そんなことを許せるわけないでしょ!?」

U「許すも何も………これは僕の問題だ! 話せるわけないだろ!!」

メリル「っ………!」

メリルはUの言葉を聞き、思わず左頬をビンタしてしまう。

U「………っ!?」

メリル「Uのバカ! それに………ブーメラン発言よ、それ!」

U「ブーメラン………?」

メリル「私の結婚式の時に………私に何も言わずに助けてくれたのはどこの誰だと思ってるのよ!?」

U「それは………」

メリル「………あの時の借りはまだ返してない………今回だけは………黙って私達を頼って!!」

U「それは………」

メリル「嫌とは言わせないわ!! どうせ………私があの時断ったら………私に拒絶される覚悟で連れ去る気だったんでしょう?」

U「それは………」

メリル「なら、私も今回は貴方が嫌がってでも力を貸す………いいでしょ?」

U「………どうせ、僕がはいと頷くまで言うつもりなんだろ?」

メリル「………当たり前よ。それに………まだ春香さんを取り戻すチャンスはあるんでしょう!? なら、その時に全てを賭けなさい! 希望への賭けを………!!」

U「希望への賭け………」

Uの目に光が戻る。Uは突然椅子から立ち上がり、メリルの手を掴む。

U「わかった………ただし条件が2つある。1つ、春香との決戦は、僕と春香だけの戦いだ。絶対に手を出すな………! そしてもう1つ………これはあまり考えたくはないが………もし僕が負けたら、本当の意味で自分の事を放棄するだろう………そうなったら、一生僕の面倒を見ろよ………?」

メリル「………いいわよ。それに、私は貴方が負けるなんて考えていない。貴方はどんな逆境をも跳ね返してきた………! 私は、そんな貴方が春香さんと再び笑顔でいる事を信じるから………!!」

U「それと………ごめんよ、3日も迷惑をかけて………」

メリル「………私達は誰も気にしてないわ。だって、仲間ですもの。」

U「………ああ!!」

2人は手を組み合う。その様子を見ていたミレルやルミアは、Uに駆け寄る。そして、その様子を見ていたカラ達は………

カラ「メリルさん………すごいですね、Uさんを立ち直らせるなんて………」

レミ「………それだけUに恩を感じていたのよ、メリルは………過去に似たような境遇を持っていた彼女だからこそ、Uを信じて彼に希望を持たせた。私はそう踏んでいるわ………いい娘を持ったわね、レミール伯爵。」

ノゾク「私も嬉しい限りです………あんなに誇らしい娘を持てて………」

こうして、Uは立ち直る事が出来た………一方………

 

 

ウズクチョ王国から少し離れた森………

春香はウズクチョ王国の外れにある森で時を待ち続けていた。人質の名目で遥も傍にいるが、拘束などはしていなかった。因みに、絶望の闇女王は姿を見せていない。

遥「春香さん………本当に私を縛ったりとかしなくていいの?」

春香「………遥ちゃんは何も悪くないもの。それに、私とUさんの希望の架け橋になりそうな気がしたの。」

遥「………あの時のUを憎しんでいる春香さんとはまるで別人だね………」

春香「………」

春香は少し黙り込むと、遥に料理を手渡す。どうやら料理をしていたようだ。

春香「あれも私よ。Uさんを憎んでいる私の本心もある………でも、最近はね、Uさんはあの時そうするしか無かった………とも思うようになったの。そうでなかったら、私は他の子達を巻き込んで死んでいたに違いないわ。」

遥「………春香さん、あの時のUの判断は私も間違ってなかったと思うの。だって、今こうして2人で再会出来たんだし………それに、Uの心をへし折ったつもりなんだろうけど………どうせ立ち直るよ。メリルさんやカラさん………レミさんにミレちゃんに伯爵さん。皆、Uの力になろうとするよ………だって、Uに強い恩を感じてるんだもん。」

春香「恩………」

春香は考えるようにそう呟く。それと同時に、彼女のマジックファイルに小さな光の玉が降りてきて、マジックファイルの中に消えた。

遥「(あれは………?)」

遥は疑問に感じていたが、この時にその光の玉について言及する事はしなかった………

 

 

それから更に3日経ち、春香との決戦を前日に控えたUは、最後のデッキ調整をしていた。

U「春香に勝って絶望の闇女王の呪縛から解き放つ為には………」

Uが必死に戦略を練っていると、客室にノックが。

U「誰か知らんけどどうぞー」

Uがそう言うと、部屋にレミとレミール伯爵が入ってきた。

U「レミと伯爵か………1体どうしたんだ?」

レミ「U、バレスの事について………まだ謝っていなかったわね………」

U「いや………もういいよ。アイツはアイツで自分の道を見つけようとしてたんだから………そりゃ、僕はアイツがクズだという認識とか、アイツの行動を許せないとかそれは変わらないけど………アイツともしかしたら仲良くなれたかもしれない………そんな人間の可能性を信じて良かったと思ってもいるんだ。」

レミ「………全く、優し過ぎるわね、貴方は………」

U「ふぇ………?」

レミはやれやれという顔をすると、Uの手にとあるカードを渡した。

レミ「………貴方の役に立つと信じて、貴方にこのカードを託すわ。ずっと昔………まだマジシャンバトルが旧型の時に、私とミレル、そしてバレスの3人で開けたパックの中にあった………思い出のカードよ。」

U「そんなものを………いいのか?」

レミ「私達には結局どうする事も出来なかったカードというのもあるけど………そのカードがUと白宮春香を繋いでくれると信じているわ。」

U「………ありがとう。」

Uはお礼を言うと、もう一度カードを見る。一体どんなカードかは、まだここでは書かない。

U「それと、伯爵の方はどんな用だい?」

ノゾク「私は………大した話ではないんだが………君の大事な奥さんは大事にするんだよと言いに来ただけさ。」

U「………その言い方だと、アンタ過去に何かあったのか?」

ノゾク「………私は過去に妻を亡くした。U君ほどでは無かったが、かなり苦しんだものさ………でも、君はまだ取り戻すチャンスがある………君は………私のような悲しみを背負わないように………ね。」

U「………伯爵なりの励ましの言葉として受け取っとくよ。」

ノゾク「そうか………明日は私も応援させてもらう。君の勝利を祈っているよ。」

U「ありがとう………じゃあ、僕はもうそろそろ寝る。」

レミ「ええ、邪魔したわね。おやすみなさい。」

レミ達は部屋を後にした。Uはレミから貰ったカードを見て………

U「………このカード………」

Uがカードを凝視すると、カードは光を放った。

U「こ、これは………! カード名は変わってないけど………これなら、春香との戦いでも使えるかもしれない………!!」

Uは何か活路を見いだした様子だった………

 

 

翌日、レミール伯爵の屋敷の中庭………

Uは春香を待ち続けていた。すると、上空から春香が遥をお姫様抱っこして降りてきた。

春香「………1週間前に心をへし折られた人とは思えない程、スッキリとした表情ですね………?」

U「………仲間のお陰さ。へし折られていた僕の心に希望という炎を灯してくれた………僕は、それに応える為………そして、君を取り戻す為に………僕は戦う………そう決意しただけさ。」

春香「………遥ちゃんの言う通りの展開になった………という訳ですか。」

春香はそう言うと、遥を降ろし………

春香「遥ちゃん、貴女はもう自由の身よ。」

遥「え………?」

困惑する遥。春香は軽く笑みを浮かべると………

遥「………は、はい!」

遥は仲間達の方へと走っていった。

ミレル「ハルちゃん!!」

遥「ミレちゃん! 皆さん!!」

ミレルは遥に強く抱き着いた。

ミレル「ハルちゃん、大丈夫だった………!?」

遥「え………うん、大丈夫。私は何もされてないよ。」

カラ「何もされていない………? でも遥さんは人質になっていたんですよね………?」

困惑する仲間達。すると………

U「………遥は完全に僕を君の目の前に引きずり出す為のチケットだっただけ………そうだろ、春香?」

春香「ええ………別に私の目的は遥ちゃんではありませんもの。私の目的はただ1つ………! Uさん、あなただけですから………!!」

U「………だろうな。でも、君に感謝する事が出来た。多分、この一週間、遥の面倒を見ていてくれたんだろう? ………どうもありがとう。君の本質が変わっている訳じゃなくて安心した。」

春香「………! ………今のあなたに感謝されても嬉しくなんかありません………!」

U「春香………」

春香「さあ、始めましょう!! 私とあなた………どちらが正しかったのか………その決着を………!!」

U「………ああ!!」

Uと春香はマジックファイルを構えると、それぞれの武器を構えた………

 

 

遂に始まるUと春香の大決戦。前代未聞の2人の本気の対決の行方はどうなるのか………!?

To be continued………




次回予告
Uは破壊の悪魔・真を召喚して様子を見る事に。しかし、春香が出してきたのは、Uには馴染み深い見た目をした者達ばかりだった。それらのコンボにUは苦戦を強いられる………!!
次回「魔同士のコンボ」


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第39話 魔同士のコンボ

前回までのあらすじ
Uは心をへし折られていたが、メリルの叱咤激励によって春香との戦いを決意する。一方、春香の本来の性格が変わってなどいない事に気付く遥。そして決戦当日、Uと春香は遂に激突する………!!


U「僕が最初に召喚するのは、{破壊の悪魔・真}だ!!」

Uは最初に破壊の悪魔・真を召喚した。

U「(春香にマジシャンバトルの経験があるかは分からない………それに戦法も読めない………ここは様子見を………!)」

Uがそんな事を考えていた時だった………

春香「Uさん、私を相手に様子見など温い事をするつもりですか………? 私は小出しをするつもりはありません………一気に5体召喚させてもらいます………!!」

U「何………!?」

春香「召喚! ここに姿を現せ………私の家族達!!」

春香は5枚のカードを掲げる。カードから姿を現したのは………

遥「あ、あれは………!!」

U「………僕………? それに、真子に剣城、直人君に美由紀ちゃん!?」

なんと、Uと春香の家族の姿をした魔だった。5人のカード名については『白宮家の強剣士U』、『白宮家の魔法少女真子』、『白宮家の戦術家剣城』、『白宮家の双剣戦士直人』、『白宮家の見習い巫女美由紀』である。

メリル「えっと………Uは全く見た目が違わないけど………真子さん………は髪型がツインテールでいつもと違う………? あとは………誰?」

遥「まず、あそこにいる男の人が真子さんの夫の剣城さん、そして、二刀流の男の子が真子さんの息子の直人さん、巫女姿の女の子が真子さんの娘の美由紀さんだよ。」

メリル「えっと………Uには孫がいるって事よね………って、Uって何歳よー!?」

遥「まあ、普通の人間とは全然違う人だから………」

仲間達が混乱する中、Uはこう考えていた………

U「(いや………冷静に考えろ………ここにいるのはあくまでも『魔』だ………本当にいるわけじゃない………)」

冷静に様子を見るU。春香は口を開き………

春香「1から説明しましょう。まず、もう1人のUさんパワー2500で、パワーが減らされない効果を持っています。次に、真子はパワー1500で攻撃した相手をしばらく攻撃できなくさせる効果を持っています。次に剣城君。パワー1800で攻撃を無効化されない効果を持っています。次に直人君。パワー2100で攻撃した相手が場に残っている時に一度だけ再攻撃可能にする効果を持っています。最後に美由紀ちゃん。パワーは1200ですが、マジックファイルのカードを1枚捨てれば、カード名に『白宮家』を持つカードを守る事が出来ます。更に、このカードを使う事で私のコンボは完成する! 私はフィールド魔法{白宮家の絆}を発動!」

ミレル「白宮家の絆………?」

春香「これは、互いの場にいるカード名に『白宮家』を持つカード全てに、『このカード以外のカード名に白宮家を持つカードの数×500のパワー分、このカードのパワーをプラスする』効果を与えるフィールド魔法です!」

ルミア「えっと………どれもパワー2000ずつ増えるから、つまり………?」

カラ「もう1人のUさんのパワーが4500、真子さんが3500、剣城さんが3800、直人さんが4100、美由紀さんのパワーが3200になりますね。」

ミレル「どれもパワーが桁違いすぎるよ!?」

カラ「オマケにドラゴン族がいないとなると、{龍破壊戦士}の効果は全く使えない………Uさんはかなり苦しい戦いを強いられていますね………」

春香「まずは準備運動と行きましょうか。もう1人のUさんで、破壊の悪魔・真を攻撃!」

魔のUは、セイバーのような武器を手に破壊の悪魔・真を攻撃する。破壊の悪魔・真は拳を突き出すが、魔のUは軽い身のこなしでこれを回避してしまう。

U「くっ………! 動きまで僕を再現しているのかよ………!?」

春香「余所見をしている暇がありますか!?」

Uが右を向くと、春香が杖を手に接近してきた。

U「くっ!」

Uはバク転で一度間合いを取って接近してセイバーを振るうが、春香はお見通しとばかりにUのセイバーに当たる直前にジャンプして、Uの後ろに動き、Uの背中を蹴る。

U「あぐっ!?」

春香はUの頭を右足で踏み、地面に押し付ける。

春香「Uさんの癖や弱点は何も変わってませんね………その上、私に本気で攻撃出来ない甘さ………そんなだから、私なんかに翻弄されるんですよ。」

U「やってくれるよ………でも………!」

Uは足を動かし、春香の左足に足をかけて転ばせる。

春香「きゃあっ!?」

Uは春香に馬乗りになると………

U「単純な格闘戦なら僕の方がずっと得意だってことを忘れてもらっちゃ困る。」

そう口にし、彼女の左頬を殴ろうとする………しかし、彼の拳は寸止めになってしまい、手が震えてしまう。

U「(だ、ダメだ………! やっぱり春香の事は殴れない………!!)」

Uの手が止まってしまったことで、春香は彼の腹に拳を打ち込む。

U「がはあっ!?」

Uは大きく吹き飛んで地面に叩きつけられる。春香はこのチャンスを逃すわけがなく………

春香「私を殴る覚悟も無い貴方が接近戦なんて………笑わせてくれますね………! {トゥワイズサンダー}!!」

U「ぐっ!」

Uは咄嗟に体勢を立て直して、春香の魔法をかわす。しかし、魔の真子がUの前に立ちはだかった。

U「真子………の魔か。悪いけど、お前の相手をしてる暇はないんだ………!」

Uはそう言って回避しようとする。だが、魔の真子はUの足元を凍結させ、Uの腹を殴る。

U「がはあっ!?」

Uが膝を地面に落とした時、魔の真子がUの耳元に近づき………

真子「………お願い。お母さんを助けて………!」

U「え………? どうしてそんな言い方を………?」

真子「あのね………お母さんはお父さんと離れ離れになった後に、私が思わずお母さんの事を怒っちゃって………それっきりお父さんを追い求めてどこかへ行っちゃったの………!!」

U「………! お前………もしかして魂の方は………紛れもなく人間………とはちょっと違うけど、人としての真子なのか………!?」

真子「うん………! ジェネシスさんの力を借りて、魂だけ幼い頃の私の姿をした魔の中に入り込んでいるの。」

どうやら、目の前にいるのは幼い頃の真子の見た目をした魔の中に、Uの実際の娘の真子の魂が入っているという、ややこしい状態の魔だった。

U「ジェネシスが………やれやれ、いつも厄介な事をするよなアイツは………真子、父さんはこの勝負に勝たなきゃいけない………だから、そのためにはお前を破壊するしか無いんだ………」

真子「………いいよ。私の事は破壊して………それで、お母さんを取り戻す1歩になるなら………私は喜んで破壊されるよ………」

U「真子………」

2人がそんな会話をしていると、魔のUが破壊の悪魔・真の首を吹き飛ばされて破壊されていた。

U「デーモン!! くっ………許せよ、真子………! デーモンの能力発動! 春香の場にいる魔のパワーを永続的に500減らす!!」

春香「もう1人のUさんにはこの効果は効きません!!」

U「そんなの分かってるよ! 僕の狙いは………その他の4人さ!」

これにより、真子がパワー3000、剣城が3300、直人が3600、美由紀のパワーが2700となる。

U「次に僕が召喚するのは、{龍破壊戦士}!」

Uは龍破壊戦士を召喚。そして………

U「悪い、バスターは今回非番だ!!」

バスター「成程………生贄ルールであるのと、龍がいない為か………いいだろう、私の肉体をお前の戦略の為に捧げよう!!」

U「ありがとうよ、バスター! バスターを生け贄に捧げ、来い、『西虎の白虎』!!」

Uが召喚したのは、西虎の白虎。

U「{白虎鎧化}を発動!!」

Uのこの言葉により、白虎の身体は鎧へと変化し、Uに装着される。

U「さてと………反撃と行かせてもらうかな!!」

Uは真子に向けて拳を突きだす。

春香「美由紀ちゃんの能力を発動! マジックファイルのカードを1枚捨てて破壊を無効化します!!」

真子の目の前にバリアが張られ、攻撃を阻まれた。

U「こうなったら、何度でも何度でも攻撃するぜ!!」

Uはそう意気込んで再び拳を突き出すのだった………

To be continued………




次回予告
Uは春香の魔を一気に殲滅するため、暗黒の魔道士を召喚。そして、西虎の白虎を融合させ、一気に形成を変える………!!
次回「逆転への戦術」

魔の解説(※カード名に白宮家とつくカードは色々と特別な魔の為、技の名前が特別になっている。)
・白宮家の強剣士U(しろみやけのストロングソードマンU)
愛称 もう1人のU
属性 戦士族
パワー 2500
効果 「このカードのパワーは相手のカードの効果によって減らされない。」
攻撃技 {マスターセイバー}
フレーバーテキスト「見た目はUそっくり。そしてその強さもまた………」

・白宮家の魔法少女真子(しろみやけのマジカルガールまこ)
愛称 真子
属性 魔法使い族
パワー 1500
効果 「このカードが攻撃した魔が場に残っているなら、その魔はしばらく攻撃出来なくなる。」
攻撃技 {ブリザードレイン}
フレーバーテキスト 「『見た目は子供だけど、絶対零度の力で凍りつかせてあげる!!』」

・白宮家の戦術家剣城(しろみやけのタクティシャンつるぎ)
愛称 剣城
属性 戦士族
パワー 1800
効果 「このカードの攻撃は無効化されない。」
攻撃技 {戦術の終末(タクティカルクライマックス)}
フレーバーテキスト 「この魔が持つ知恵は、青原剣城が持っていた頭の良さに負けず劣らず………」

・白宮家の双剣戦士直人(しろみやけのツインソードウォーリアーなおと)
愛称 直人
属性 戦士族
パワー 2100
効果 「このカードが攻撃した後、このカードが攻撃したカードが場に残っているなら、このカードはもう一度攻撃する。この効果は連続使用できない。」
攻撃技 {次元霊幻波(じけんれいげんは)}
フレーバーテキスト 「この魔の剣の腕は、青原直人に負けず劣らず………」

・白宮家の見習い巫女美由紀(しろみやけの見習いプリーステスみゆき)
愛称 美由紀
パワー 1200
効果 「自分の場のカード名に『白宮家』とつくカードが攻撃された時、マジックファイルのカードを1枚捨ててよい。捨てたら、その破壊を無効化する。」
攻撃技 {陰陽次元斬(おんみょうじげんざん)}
フレーバーテキスト 「この魔の将来の目標は青原美由紀と同じ巫女であり………」


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第40話 逆転への戦術

前回までのあらすじ
Uと春香の決戦。Uは『白宮家』とつくカードのコンボに苦戦を強いられる。だが、その中にいた魔の真子の中には、人としての真子の魂が入っている事を知ったUは、春香を倒す為に反撃に動く………


U「ここで決めさせてもらうぜ! 僕は{暗黒の魔道士}を召喚!」

Uは切り札の暗黒の魔道士を召喚。そして………

U「対抗カード{魔の融合}を発動! 僕の場にいるダークと、僕の身に纏われている白虎を合体!!」

Uの身体から鎧が外れ、白虎の姿に戻ると、2体の魔が融合する………

U「いでよ………{超友情魔道士暗黒白虎(ちょうゆうじょうまどうしダークびゃっこ)}!!」

Uの前に現れたのは、Uが持っている魔による融合体の中でも最高戦力にあたるパワー5000を誇る超友情魔道士暗黒白虎だった。

春香「パワー5000………ならば、私は対抗魔法、『白宮家の武器強化』!! カード名に『白宮家』とつくカードのパワーを800プラスする!」

遥「これで魔のUはパワー5300………!!」

U「まだだ! 僕は{冥界の兵士}を召喚! そして、ダーク白虎の効果を発動! 場の魔を生贄に捧げてその魔のパワーをプラスする! 力を借りるぜ、ソルジャー!!」

ソルジャー「よかろう!!」

冥界の兵士が破壊され、彼が持つパワーが超友情魔道士暗黒白虎の持つ杖に吸収される。

U「これでパワーは7000! そして当然ながら、その攻撃は無効化されない! そして、更なる切り札を見せてやるぜ! 対抗カード{最終奥義魔導波拡散}を発動! マジックファイルのカードを4枚捨てて、次の魔法使い族の攻撃範囲を全体にする!!」

カラ「あれは………魔の数が相手より少ないなら使える一発逆転カード………!」

メリル「大抵は、コストが免除される控えの魔がいない時に使われやすいけど………ここで使うってことは、U………本気なのね………!!」

U「ダーク白虎の攻撃! {神の魔法(ゴッドマジック)}!!」

超友情魔道士暗黒白虎の杖から春香の魔全てを覆う魔法が放たれる。

春香「(ここで皆を守ろうとすれば、マジックファイルのカードを5枚失うのは明白………! 結構な痛手だけど………皆を守るには使うしかない………!)」

春香はマジックファイルのカードを5枚手にし………

春香「美由紀ちゃんの効果を………!!」

???「そんな事をしたって焼け石に水よ。」

春香「………!?」

謎の声が聞こえると同時に、春香の手が止まる。すると、春香の手を掴んでいた絶望の闇女王が姿を見せた。春香が効果の発動を宣言しなかったので、5体の白宮家の魔は一気に破壊される。

U「な………!? 何故破壊を無効化しない………!?」

どうやら、Uにとっては牽制のつもりだった為、驚く顔を見せた。

闇女王「あの魔は私の力無くして倒せない。アンタも気付いているつもりでしょう………?」

春香「………それでも、私は貴女の力無しで決着をつけたかったわ………」

闇女王「それに、カードがないと私が困るのよ。さあ、私の生贄をよこしなさい。」

春香「………美由紀ちゃんの効果でもう1人のUさんを場に残します。そして、もう1人のUさんを生贄に………ぐっ………!」

バトル自体は終了していない為、魔のUが効果で復活するが、すぐさま生贄として破壊した事に、春香は目に涙を浮かべる。魔とは言え、愛する人物を象った存在を破壊するのは辛いのだろう。

U「春香………」

闇女王「私が召喚されるわ。そして、私の効果でその魔を破壊! {絶望の破壊}!!」

U「無駄だ! ダーク白虎も神の魔、それゆえ相手の不利な効果は受けない!」

闇女王「薄々思ってはいたけど効かないか………なら………」

絶望の闇女王は春香のマジックファイルを開ける。

春香「っ………! 勝手に開けないで!!」

闇女王「うるさい。」

絶望の闇女王がそう言うと、春香を突き飛ばして、マジックファイルの中にあるカードを全て奪い取った。

メリル「あの怪物………一体何を………!?」

闇女王「アンタはこの世界を闇に覆い隠す為の道具でしかないの。アンタの復讐だの愛情だの………私には何も興味が無い。」

春香「………!」

闇女王「まあ、アンタのお陰で生まれることが出来た………それだけは感謝しといてあげる。だからアンタを完全に喰らうのは………」

絶望の闇女王は巨大な闇を放ち、春香を闇で拘束する。

闇女王「この男を喰った後にしてあげる。」

春香「………!!」

Uと春香にとっては未来を決める決戦でも、絶望の闇女王にとっては2人を喰らうための通過事項でしかなかった。

U「お前………駒だと思っていたのかよ………春香の事を………!!」

Uの表情が崩れ出す。しかし、これは悲しみではなかった………

闇女王「ええ、道具よ! 私にとっては………アンタもこの女も!!」

絶望の闇女王がこう口にした時、Uの中で何かが切れた。そして………

闇女王「………がはっ!?」

Uは音も立てずに、絶望の闇女王の左頬を殴っていた。口よりも手が動くとはまさにこの事なのだろう。

U「ふざけるな………!! 僕の大事な奥さんを道具扱いする奴は………他の奴らが許しても僕だけは決して許しはしない!! もう容赦しない………倒す………! お前だけは絶対に………!!」

Uは怒りの表情を露わにする。その表情を見たものは、誰一人として恐怖から言葉を失う。そして、今殴られた絶望の闇女王も言葉が詰まる。

春香「Uさん………」

春香が怯える表彰を見せる中、Uは春香の方へと歩き、彼女を優しく抱きしめる。その時に、彼女の束ねていた髪が解けて、いつものロングヘアーへと戻るが、髪の毛の大半が黒く染っていた。

春香「はうっ………?」

U「ごめん………この戦いは君との未来を決める聖戦にするつもりだったのに………僕はそれを汚してしまいそうだ………だから今だけは………こうして君の前で泣かせてくれ………」

Uは涙を零す。今のUからは怒りと悲しみの表情が極端に強く出ていた。

春香「謝るのは私の方です………全ては私自身が生み出した呪いが始まったこと………もし私があなたを恨まなければ………こんな悲しい再会はしなかったのに………」

春香も涙を零す。それを見たUは………

U「春香、この戦いが終わったら戻ってきてくれ………そうしたら、今度こそ君とずっと一緒にいる………もうこんな離れ離れをするのは………これで終わりにしよう………君さえ良ければ………だけど………」

春香「………いいに決まっているでしょう………? 私だって本当はそれを望んでいたはずなのに………私は愚かだった………下らない復讐心で私は大事な人を傷付けてしまった………」

U「………いいんだ。あの時の僕の判断のツケを払えたのなら………僕は何も文句は言わない。」

春香「Uさん………ありがとうございます………」

春香はそう言いながら涙を流した。だが、Uは春香の頬に流れた涙を拭き取り………

U「人の事は言えないけど………君は泣いちゃダメだ………だって、笑顔の時の方がとても綺麗なんだもん………」

Uはそういって微かな笑みを浮かべる。それを見た春香も笑みを浮かべた。

闇女王「下らないバカ夫婦が………それに、よくも私の事を殴ってくれたわね!!」

絶望の闇女王は殴られた恨みで逆上していた。それを見たUは………

U「ごめん………またしばらく僕は怒ったままになりそうだ。」

春香の耳元でそう呟いて目を閉じる。そして、視線は絶望の闇女王へと動く。だが、その視線は怒りによっていつも以上に鋭かった。まるで、視線だけで敵を殺せそうな程に………

U「………来いよ、この野郎。僕の怒り………全部お前に叩き込んでやるからよ!!」

闇女王「ぐっ………そんなに死にたいようね………! なら、私の本来の力を見せてあげる! 儀式カード発動! {深闇女王降臨の儀式}!! 私を生贄に捧げることで、私の強化形態を降臨させる!! ………これが、私の強化形態………{絶望の闇女王・超化(ディストピアダーククイーン・ちょうか)}!!」

絶望の闇女王は進化形態へと変化。だが、Uが怯む様子はない。何故なら、絶望の闇女王に対する強い怒りを持っているからである………

To be continued………




次回予告
絶望の闇女王・暗黒へとパワーアップし、その効果は超友情魔道士暗黒白虎を上回る。しかし、Uは負けじと次の手を打ち………!?
次回「怒りの熱戦」

魔の解説
・超友情魔道士暗黒白虎(ちょうゆうじょうまどうしダークびゃっこ)
愛称 ダーク白虎
属性 魔法使い族/神
召喚条件 暗黒の魔道士と西虎の白虎を融合
パワー 5000
効果 「・この魔の攻撃は無効化されず、パワーは減らない。
・自分の場の魔を選び、その魔を破壊(生贄に捧げて)よい。破壊したら、その魔のパワー分、この魔のパワーをプラスする。」
攻撃技 {神の魔法(ゴッドマジック)}
フレーバーテキスト 「『神と魔法と友情の力。主がマスターでなければ、この3つの力全ては揃わなかったのであろうな………』」

・絶望の闇女王・超化(ディストピアダーククイーン・ちょうか)
愛称 ダーククイーン
属性 魔法使い族/闇
パワー 3000
召喚条件 自分の場の{絶望の闇女王}を破壊(生贄に)する。
効果 「・この魔は相手のカードの効果で破壊されず、パワーは減らない。
・プレイヤーのマジックファイルのカードを好きなだけ捨ててよい。捨てたら、捨てた枚数×300の合計分、このカードのパワーをプラスする。」
攻撃技 {絶望の闇魔道・超(ディストピアダークマジック・ちょう)}
フレーバーテキスト 「『もう許さない………! アンタを絶対に喰らってやる………!!』」


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第41話 怒りの熱戦

前回までのあらすじ
Uは{超友情魔道士暗黒白虎}の力で形勢逆転を狙うが、絶望の闇女王がそこに乱入し、春香の戦法を崩してまで、自分の戦法を展開。しかし、春香を道具呼ばわりした為に、Uの本気の怒りを買う。だが、負けじと儀式カードによる進化形態{絶望の闇女王・超化}へと進化し………!?


闇女王「私は先程と同じで効果破壊もパワー減少も効かず、自分のマジックファイルのカードを捨てた数×300のパワーをプラスできる………私はマジックファイルの中にあるカード15枚を全て捨てる………」

ルミア「ぜ………全部………!?」

Uの仲間達は正気かと疑う様子を見せる。だが、Uの目には絶望の闇女王が持っているあるカードに目が行った。

U「あの対抗魔法は………{リザレクション}………!?」

リザレクション………それは白宮家の人間の中で唯一春香だけが使える蘇生魔法。どうやら絶望の闇女王が現れたと同時にカードとして形になったようだ。春香もリザレクションのカードを目にし………

春香「………! やめて!! そのカード達を………その効果で捨てないで!!」

闇女王「黙れ………! 道具共が私に指図するなあああぁぁぁ!!」

絶望の闇女王がそう言った時、15枚のカードは黒い光を放つ。光が消えた時にはカードの姿は無く、パワーが増加した絶望の闇女王が立っていた。

春香「あ………ああ………!!」

春香は悔しそうに涙を見せる。そして仲間達は強さに驚いていた。

レミ「これで奴のパワーは7500………Uの怪物を超えた………!」

闇女王「………これでアンタのその魔を倒せば、私の勝ちって事よ! 私でアンタのパワー7000の魔を攻撃!!」

絶望の闇女王は勝利を確信するように、闇の波動を放つ。

U「僕はまだ負けはしない!! 対抗カード発動! {魔の融合解除}!!」

これにより、超友情魔道士暗黒白虎は分裂し、元の暗黒の魔道士と西虎の白虎に戻り、これによって絶望の闇女王の攻撃をかわした。

闇女王「ぐっ………! 往生際の悪い………!!」

U「白虎! もう一度{白虎鎧化}だ!!」

白虎「うむ!!」

白虎は鎧の姿に変化してUに纏われる。

U「ダーク! お前の進化形態、また使わせてもらうぜ!!」

ダーク「おう!!」

U「儀式カード発動! {魔道士超進化の儀式}! ダークと魔法カード2枚………{勇気の炎}と{闇の波動}を捨て………降臨! 僕の相棒にして最強の切り札よ………今ここに顕現せよ! {超・暗黒の魔道士}!!」

Uは超・暗黒の魔道士を召喚。そして………

U「対抗魔法発動! マジックファイルのカード4枚を捨てて{コンビネーションアタック}!!」

ミレル「コンビネーションアタック………! 2体の怪物で連携するカード!」

カラ「成程、Uさんが纏っている白虎と超・暗黒の魔道士で連携攻撃し、超・暗黒の魔道士の力で一気に逆転を狙うつもりなのですね………」

U「僕の怒り………そして僕達の悲しき因縁………今ここで終わらせる! 行くぞ、ダーク! 白虎!」

2人「おう!!」

Uと超・暗黒の魔道士は同時に攻撃に走る。

U「ダークの効果発動! これまでに破壊された互いの魔の数だけパワーをプラスする!」

遥「これまでに破壊された魔は8体………つまり4000プラス! そしてコンビネーションアタックで3000+7000で………パワー合計10000!!」

ノゾク「10000なんて超パワー、見た事も聞いた事も無いけど………」

メリル「その不可能に近く誰も見た事ない事が出来るのがUなのよ。」

メリル達がそんな会話をしていると、超・暗黒の魔道士の持つ杖にパワーが集まり………

ダーク「マスター! 我が力を!!」

そう言うと、闇の弾丸を放つ。Uはセイバーを手にし、闇の弾丸を吸収。更に白虎のパワーをセイバーに集束させ………

U「くらえ、僕達3人の想いを!! {ギャラクシーセイバー}!!」

そこにUの最強奥義を解放し、目にも止まらぬ速さで絶望の闇女王の身体を上下真っ二つに切断した。

遥「や、やった!! Uが絶望の闇女王を倒した!!」

仲間達からは歓声の声が上がる。しかし、Uは絶望の闇女王の身体を静かに見ていると………何か違和感に気づいた。

U「………おかしい。何故身体が崩れない………?」

そう、身体を切断されたというのに、絶望の闇女王が破壊されない。これに疑問を感じるU。すると、絶望の闇女王の切断された2つの身体が黒い光を放ち、1つとなった。

闇女王「まさか………アンタ如きに最終形態を見せる羽目になるとはね………! アンタは………アンタだけは………絶対にここで真っ先に喰ってやる………!!」

春香「最終形態………!?」

U「バカな………!!」

絶望の闇女王が再び1つの体となって現れた。

闇女王「最終形態の私のパワーは0………破壊されたら問答無用で私の負けだけど………相手のカードの効果で破壊されず、パワーは減らない。そして、敵は効果によってパワーは増やせず、バトル中に限り、これまでに破壊された魔の元のパワー分、私のパワーとなる………これが私の最終形態………{絶望の闇女王・終焉(ぜつぼうのやみじょうおう・フィナーレ)}………!」

遥「終焉………!?」

U「(なんだ………? この威圧感は………!?)」

闇女王「感謝しなさい………私がここまで本気になってあげたんだから………そして、黙って私に喰われなさい!!」

絶望の闇女王はUに接近し、右手で白虎ごとUの左脇腹を貫通させた。

U「ぐはあっ!?」

メリル「U!!」

春香「Uさん!!」

これにより、Uの身を纏っていた白虎が破壊されてしまい、Uも膝から崩れ落ちる。

U「ぐっ………がはっ………!!」

Uの貫通した脇腹からの出血、口からの吐血と今すぐ安静にして手当しないといけない程の重症だが、普通なら失神するほどの苦痛の中、何とか意識は残っているうえに、Uが何とか立ち上がろうとしている事から、マジシャンバトルは続行されていた。だが、突然の多量出血の為か、手に持ったセイバーを手放してしまう。Uは必死にセイバーを掴もうにも掴めない。

闇女王「ちっ………まだ死なないか………ならば、今度こそ喰ってあげる!!」

絶望の闇女王が再び右手を構える。

ダーク「マスター!!」

超・暗黒の魔道士がUの前に出るが、絶望の闇女王の手はバトル時にパワー7000になる超・暗黒の魔道士の身体を易々と貫いていた。

ダーク「ぐあああああ!!」

U「ダーク………! ………すまねぇ………!」

これにより、超・暗黒の魔道士も破壊される。

メリル「今のあの怪物のパワーはどうなっているの………!?」

超・暗黒の魔道士すらも超えるパワーに驚く一同。この疑問に絶望の闇女王が口を開く。

闇女王「言ったでしょう? 私はバトル中に限りこれまでに破壊された魔のパワー分、プラスされると………バトル時の私のパワーはあの女の魔5体とこれまでの2つの形態のパワーを足した15100………アンタの魔なんかさっきの魔法が無ければ紙切れ同然なのよ………」

U「………」

闇女王「確かにアンタはまだ負けてないけど………これで終わりにしてあげる!!」

絶望の闇女王は握り拳を作り、Uを殴ろうとする………しかし、Uの足の方が絶望の闇女王の拳より早く、絶望の闇女王を大きく後ずらせた。

闇女王「な、何………!?(こ、コイツ………! 重症のくせになんでここまでの力が………!?)」

U「………最終形態がどうした………僕は絶対に諦めはしない………お前を倒すまでは………!!」

Uの怒りの炎はまだ消えていない。絶望の闇女王に反撃した姿から、それが見て分かる。

U「それに、お前は1つミスをした………!」

闇女王「はあ? ミスって何よ………?」

U「さっきお前は第2形態の時に、とある対抗魔法を捨てた………そのカード名は{リザレクション}。お前は自分の力で勝つ事に加え、春香に指図される事を嫌がったあまり、魔を複数並べるという考えより、自分を強くするという考えが勝ってしまった。つまり………お前は捨ててしまったんだ………僕がこの状況を打破する為のたった一つの勝利を潰す方法を………!!」

闇女王「さ、さっきから何を言って………!!」

U「今………! その答えを教えてやる!! 僕は最後の魔………{光の魔道士}を召喚!」

Uは光の魔道士を召喚。彼女はUがボロボロであるのに気付くと、彼の肩を持つ。

ライト「やっと呼び出されたと思ったら………ボロボロじゃないの………!」

U「へへっ………悪い………でも、ここまで来たからには………負けられないんでな………!!」

ライト「U………相変わらずだね。」

U「フッ………ライト! お前の力を貸して欲しい………!」

ライト「オッケー! 任せて!!」

光の魔道士はそう言って、Uの肩から離れ、杖を構える。

U「そしてこれが………僕の最後の勝利への術だ!! 対抗魔法発動! {逆襲の魔法変化}!!」

このカードが出てきた時、1番驚いていたのはメリルとカラだった。

メリル「ぎゃ………逆襲の魔法変化!! Uの持つカードの中でも、類まれなる強力効果を持ったカード!!」

遥「そ、そうなんですか………?」

カラ「あのカードは、ここまでの戦いで互いに使用、もしかは破棄したカードの中から、1枚を選択してそれと全く同じカード名として扱って、元のカードの効果を使う事が出来るカードです。昔のマジシャンバトルの時点でかなりの可能性があるカードでしたが………まさか、この場面で使ってくるとは………!」

U「僕は{リザレクション}をコピーさせて発動させてもらう!! リザレクションは互いのこれまでに破壊された魔の内、1体を選んで自分の魔として呼び戻す事が可能………」

闇女王「何かと思えばそんな効果!? 今更そんな効果でどんな魔を呼び出そうと同じ事! 私の勝ちは揺るがない!!」

U「確かに、互いの魔だけ見たら誰でも同じ………でも、僕はこの因縁の戦いを終わらせる為に、このカードを復活させる! いでよ、{白宮家の魔法少女真子}!!」

Uが召喚したのは、Uの愛娘の幼き頃の姿をした本物の愛娘の魂が入った特殊な魔………真子だった………

To be continued………




次回予告
真子の登場を笑う絶望の闇女王。しかし、Uのあるカードが絶望の闇女王の野望を打ち砕くトリガーとなろうとしていた………
次回「永い闇の夜明け」

魔の解説
・絶望の闇女王・終焉(ぜつぼうのやみじょうおう・フィナーレ)
愛称 ダーククイーン
属性 魔法使い族/闇
パワー 0
召喚条件 自分の場の{絶望の闇女王・超化}が破壊された時、このカードを召喚出来る。
効果 「・この魔は相手のカードの効果で破壊されず、パワーは減らず、この魔が破壊された時、このカードを持つプレイヤーは敗北する。
・相手はカードの効果でパワーを増やせない。
・{闇の終焉(ダークネス・フィナーレ)} このカードはバトル時に限り、これまでに破壊された魔の元のパワーの合計分、この魔のパワーをプラスする。」
攻撃技 {絶望の闇魔道・終(ディストピアダークマジック・しゅう)}
フレーバーテキスト 「『私のこの姿は敗れない………どんな相手が現れようと………』」


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第42話 永い闇の夜明け

前回までのあらすじ
怒りに燃えるUは絶望の闇女王の強化形態{絶望の闇女王・超化}をも圧倒。しかし、最終形態の{絶望の闇女王・終焉}の力にUの魔達が圧倒され、U自身も重傷を負う。だが、Uには最後の手が残っており………!?


闇女王「くっ………ははははは!! こんな雑魚を今更復活させてなんになると言うの!?」

春香「くっ………!」

春香は歯ぎしりをする。しかし………

U「笑うな………!」

Uのドスの効いた声がこの場にいる者達に響く。いや、彼の声量自体は何も変わっていない。ではどこに響いていたのか………それは皆の頭だった。頭に響くのと耳に響くのは違う。耳に響くのはあくまで聞こえているだけ。声帯からくる音の強弱の表現でしかない。しかし、頭は違う………頭に響くという事は………思考の中だけではない………相手の心をも震えさせることを言う………

U「魔の対決は単純なパワーだけで決まる訳じゃない………魔の対決はな、色々なコンボを積み重ねて戦うんだよ………それがどんなに弱いパワーの魔だとしても………!! それに、僕と春香の大事な一人娘は………弱くなんかねぇ!!」

Uの言葉がまたしても頭に響く。彼の強い気迫に押されている事を、絶望の闇女王は無意識のうちに理解する。

闇女王「アンタの言い草………気に入らない!! ここで………アンタの大事な娘をバラバラにしてあげる!!」

絶望の闇女王は真子に向けて拳を放つ。だが、その一撃はUの右脇腹を貫通する。

U「ぐはあっ!! ぐっ………!!」

闇女王「なっ………! アンタまた………ぐっ!?」

Uは自分の体で体重をかけ、押し倒す。Uは震える手でマジックファイルからカードを取り出し………

U「僕が使うカードはこれでラストだ………! 対抗カード発動! {融合の杖}!!」

レミ「あれは………昨日Uに渡したカード………!!」

U「コイツの効果で、僕の場の魔を1体生贄に捧げ、その生贄にした魔を素材とした装備カードを場の魔に装備させる! 僕が生贄に捧げるのは………ライトだ!!」

Uの持っているカードから杖が現れ、光の魔道士と融合。杖は光を放ったものに変化し、真子の手に渡る。

闇女王「杖が………光を放つものになった………!?」

U「あの杖は魔法使い族のみ装備可能で、パワーを300プラスする効果があるが………お前の効果で意味ねぇんだったな………まあ関係無い………僕が欲しかったのは、この杖の効果だからな………!」

Uはそう言うと、更に体重をかける。

闇女王「ぐああああっ!!」

U「真子! 僕ごと攻撃しろーー!!」

真子「え………!? そ、そんな事したらお父さん死んじゃうかもしれないんだよ!?」

U「1度目のトドメ刺したのはどこの誰だと思ってるんだー!!」

真子「うぐっ………私………だけど………」

U「それに………2回死んで、1回致死量に達している身だ………今更死ぬなんて怖かねぇ………! 春香との約束を破る事になるが………まあそこは上手くやってくれると信じている………! さあ、早くしろ!! コイツはもう防ぐ方法はねぇ! それに、放っておいたら、僕の方が失血多量でどっちみち死ぬ………! なら、相打ちに持ち込んだ方がいいだろうが!! 僕はもう………コイツを生かす気はねぇから………!!」

真子「うっ………ううっ!! もうどうなっても知らないよ!! ライトさん、力を貸して………! 」

真子の身体から魔力が放出される………

真子「自己流にして私の最強魔法………全てを凍らせろ………{ブリザードレイン}!!」

U達の真上から、吹雪と氷柱の雨が降り注ぐ。何発かの氷柱はUの身体に刺さったが、まだギリギリ生きている。そして、2人まとめて凍結した。

真子「うわああああああ!!」

真子は手に持った杖を投げ、凍結した氷を溶かした。

闇女王「バカな………能力が発動しなかった………何故………!?」

氷が飛び散り、身体が消滅を始める絶望の闇女王。それに対し、Uは答えた。

U「簡単だ………あの杖の能力………あの杖はな………攻撃時に攻撃した相手の能力を全て無力化する………すなわち、お前はパワー0で、パワー1500の真子に攻撃された………ただそれだけだ!!」

闇女王「そんな………私が0のままだなんて………そんなの………有り得な………!!」

絶望の闇女王は全てを言い切る前に破壊された。その時に出現したカードは火がついたように燃え尽き、今度こそ絶望の闇女王を滅ぼした。それにより、春香の拘束は解かれ、彼女の髪色も元の白に戻った………

U「………あはは。春香の拘束が解けて………髪色も戻った………でもこれ、僕と春香の対決だったよね………ってことは、春香は立ってて僕は死にかけているから………負け………かな………」

Uはそう口にして地面に倒れた。実際にUは無理をして動いていた為、動けないのが当たり前なのだが………

メリル「U!!」

これを見て、仲間達がUに駆け寄る。

遥「U!! 死んじゃうなんて………嘘だよね………!?」

U「………いや、多分死なないよ。ジェネシスに無理矢理魂を取られて、結局生かされる………多分そうなる………僕は………死を取り上げられちまったようだ………でも、このまま行けば僕は生と死の狭間に逆戻りだ………ふざけてやがるよ………」

Uはそう口にする。

遥「やめてよ………こんな時にそんな面白がるような事を口にするのは………!!」

遥は怒っていた。しかし、それは彼への悲しみから来ている。仲間達もそれぞれ悲しむ様子を見せていた。それを見ていた春香は………

春香「………自分から約束させておいて自分から破ろうとする………相変わらずエゴイストな人ですこと。」

そう口にし、Uの元まで歩くと………

春香「皆離れて。私が………Uさんを生き残らせるから………!」

春香はそう言うと、自分の膝に彼の頭を乗せる。その後、風穴が空いた両脇腹に手を触れ………

春香「我が身体に宿る無限の魔力よ………大急ぎでこの者の肉体を塞ぎ、血を巡らせよ………{メガヒール・神速}!」

春香の手からUの身体へ一気に魔力が流れ込む。

U「かはっ!?」

Uは苦しむ様子を見せる。急に多量の魔力を流し込まれたからであろう。だが、これによってUの身体に空いた風穴は元の脇腹の形を形成し、身体の機能を回復させた。春香が魔力を止めた時には、脇腹は傷跡や後遺症1つ残さず完治していた。

U「ごほっ! ごほっ! ………急に魔力を流し込んで速攻回復させやがって………そんなに僕を死なせたくないかよ………」

春香「ええ………あの時、身に染みましたもの。やっぱり私はUさんの傍にいないと生きていけないんだと………!」

U「はぁ………全く、エゴイストは一体誰なんだよ………」

春香「………うふふ………!」

U「………ははは………!」

2人は笑い合った。無論、頭がおかしくなった訳では無い。嬉しさから来ている。

真子「良かったね、2人とも!」

U「おう! ………って、マジシャンバトルが終わったのになんで消滅しねぇの!?」

そう、普通マジシャンバトルの魔はマジシャンバトルが終わると同時に消滅するはずなのだ。マジシャンバトルで現れる魔はマジックファイルを使って召喚しているいわばホログラムのような存在。この世界では遥の世界で純粋な魔であった暗黒の魔道士達ですら、マジックファイル無しで実体化が困難なため、今実体化している真子は色々とおかしい存在である事の証明になっている。

U「そういえばジェネシスが云々って言ってたけど………何があったんだ、真子………?」

真子「………お母さんが家を出て行ってからしばらく経ったある日………私の頭に突然聞き慣れた声が聞こえてきたの。そう、ジェネシスさん。あの人は私に言ったの………『白宮春香を止めるには貴女の力もいる』………って。それで私がそれを了承したんだけと、それと同時に意識が一気に消えて………気がついたら、お母さんのデッキにある私の姿を象った魔の魂になってたの。私が自由に動けるのも、ジェネシスさんの何らかの力だと思うの。」

U「………本当にそれだけが理由なのか?」

真子「うん………仮にお母さんを助けたあとの事なんか何も言われてないし………」

U「そうか………相変わらずジェネシスがよくわからんやつという事と、真子がここにいる事情はわかった………それよりお前………子供にしか見えんぞ。見た目………」

真子「むっ………! 私は中身大人だもん!!」

U「子供にしか見えんよどう見ても。第一、ツインテールになってんぞ、髪型。」

真子「そういえば………」

Uは起き上がると、真子の頭を撫でる。

U「よしよし、ご褒美に撫でてやる。」

真子「こ、子供扱いしないでよ! お父さんのバカぁ!!」

U「うぇっ!?」

真子はそう言うと、Uを凍結させる。

メリル「ま、真子さん………あんな一面があったのね………」

春香「………変わってないわね、真子は。」

真子「むー、お母さんまで子供扱いしないで!!」

真子は可愛らしく頬を膨らませる。すると、凍結してきたUが内側から氷を破壊した。

メリル「うわあっ!? 内側から破壊した!?」

カラ「普通、絶対零度………零下273.15℃の氷は内側から破壊できないはずなんですけどね………」

U「真子………父さんからも反撃すんぞこの野郎ー!!」

Uは懲りずに真子の頭を撫でる。真子は顔を真っ赤にし………

真子「はわわわわわ………! もう、お父さんのバカぁ!! お父さんなんかかき氷になっちゃえ!!」

U「娘の頭を撫でるのに満足するまではかき氷になるつもりはねぇー!!」

その後、Uは凍らされては破壊して頭を撫で、真子は凍らせては頭を撫でられを繰り返したという………その時にUはこう考えていた。

U「(全く、ジェネシスの野郎………相変わらず意図はよく分からねぇが………最高で………面倒くさい置き土産をしやがって………)」

………と。何はともあれ、Uは春香を取り戻すことが出来た。先の戦いで失った大切な人とついに再会する事が出来たのだった………

 

 

それから少し先の時………

視点は移り変わり、どこかもわからぬ場所にある宮殿の一室でのこと………

 

フードを被った人物がその一室へとやってきた。

?「影闇(えいやみ)、遅いよ。」

どうやらその人物は影闇と言う名のようだ。

影闇「君こそ気が早すぎるんじゃないんですか、雨(あめ)。」

影闇に遅いと指摘した少女。彼女は雨という名のようだ。

雨「それで、見てきたんでしょ? 強い力を持つ魔と男の人の勝負。結果はどうだったの?」

雨は無邪気そうにそう問いかける。どうやら、この影闇という人物もU達が気づかない所で見ていたようだ。

影闇「………男の方が勝ちました。」

影闇がそう口にすると、彼からして目の前のテーブルの椅子に座っていた2人の人物の耳が動く。

影闇「珍しいですねぇ。獄炎(ごくえん)、昇竜(しょうりゅう)、お2人が魔以外の者の事を聞いて耳が動くとは………」

耳が動いた人物のうち、屈強そうな男の姿をしている方が獄炎。頭がそのまま竜の頭の形をした方が昇竜である。

影闇「まあ、かなりギリギリのようですが。男の方は闇を操る魔の手によって、両脇腹を貫通されていましたが………自分の魔に自分諸共攻撃させて何とか破壊させていました。普通の人間ならあんな真似は出来ませんけどねぇ………」

それを聞き、獄炎の口が動いた。

獄炎「そいつはすげぇな。人間なんて大した事ねぇと思ってたが………並外れた精神力と戦略を組み立てる奴もいるんじゃねえか。」

雨「両脇腹貫通って………それ死なない?」

影闇「闇の魔の器となっていた魔法使いの手によって回復していましたので………別に死んでないと思いますよ。」

雨「そうなんだ。それにしても珍しいねぇ………魔に自分ごと攻撃させるなんて………普通の人間なら絶対やらないよ………でも、憧れるな。私も参考にしたい。」

獄炎「ふっ、バカ言え。貧弱者のお前に出来るわけねぇだろ。」

雨「むっ………獄炎のわからず屋!」

影闇「まあまあ、喧嘩しないでくださいよ。雨の意見も獄炎の意見も分かります。どうやら彼は何かが桁外れのようですから。」

雨「ねぇ、影闇。その人の名前なんて言うの?」

影闇「確か………Uという名前でしたねぇ。変わっているのは名前もですね。」

獄炎「そうか………変わっているな。」

雨「へぇ………Uって言うんだ………影闇、私欲しいな、そのUって人。」

影闇「うーん………彼が我々にとって無害なら考えましょう。」

獄炎「俺は反対だね。俺は………そのUって奴を喰ってみてぇ………!」

影闇「あらら、意見が見事に真っ二つですねぇ………」

彼等がそんな会話をしていると、ここまで無口だった昇竜が口を開いた。

昇竜「影闇、そういえばそのUという男………竜を殺す術を持っているようだな………?」

影闇「………気配でも探ってたんですかねぇ。まあその質問に答えるなら、竜対策の魔がいるようですねぇ。まあ、今回は生贄要員のようでしたが。」

昇竜「………なら、私はこの問題には関わらん。私は勝てぬ勝負はしない主義なのでな。」

雨「ええ………つれないな、昇竜。」

昇竜「なんとでも言え。第一、私は戦いにも興味が無い。目の前に降りかかる火の粉を振り払って来ただけだ。」

影闇「まあ、その火の粉を振り払っているだけでどうにかなっている昇竜は天才ですよ。」

昇竜「………」

影闇「とにかく、しばらくは各々の自由にしてていいですよ。私はしばらく彼を調べるつもりなので………ね。」

 

 

………この戦いの裏で、陰謀が動き始めている事を、U達はまだ知らない………

To be continued………




次回予告
バレスの死去により、レミが代わりに国のトップとなり、ミレル、メリルが戻ってきた事はUのお陰と一部事実が曲がった形で解決する。レミは、先の事件の責任という名目で、U達に長年国交を絶った国の大使となるよう依頼し………?
次回「新たなる旅の始まり」


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第43話 新たなる旅の始まり

前回までのあらすじ
Uと絶望の闇女王の対決は、Uの命を張った戦略によってなんとかUが勝利を収めた。2人の勝負の行方は分からなくなってしまったが、春香と和解する事が出来たU。その裏で、何か陰謀が動こうとしていた………


その後、バレスが死去した為、代わりに彼の姉のレミが王の立場を引き継ぐ事になった。レミは先のミレル行方不明事件、メリル誘拐事件の犯人は分からずじまいだが、助けたのはUとして民に報告した。一部………いや、完全に事実をねじ曲げた解決ではあるが、レミ個人の感情もどこかにあったのだろう………

 

 

数日後 ウズクチョの王宮………

レミール伯爵を除くあの戦いを見ていた人物達はレミに呼ばれ、彼女達と謁見していた。

レミ「………よく来てくれたわね。」

U「何の用だ?」

レミ「………私が女王になってもタメ口はやめないのね。」

U「敬語自体は使えなくないけど、3文字で頭痛くなるから嫌なんだよね。」

真子「というか、敬う気が無いんでしょ?」

U「………無いな。だって、レミの事は友達だと思ってるから………」

レミ「………嬉しい事を言ってくれるじゃない。ならいいわ、タメ口で。」

真子「(お父さん、こういう時の運が良いからだいたい許されるんだよなぁ………)」

真子がそう言って呆れていると………

レミ「じゃあ、本題を言っていいかしら? 春香さんの件、どうしても簡単には解決出来ないの。最悪国家反逆罪を疑われて、死刑になるかもしれないけど………そんな事したらUに殺されちゃうからこれもそう簡単には出来ない。」

真子「出来ませんね、それ。お父さんが暴走したら色んな意味で終わりますもん。」

U「真子は父さんをなんだと思ってるんだよ!?」

真子「お母さん大好き過ぎのバカ人間。」

U「めっちゃ正直過ぎて父さん泣きたくなったわ!! まあもし春香の死刑なんてやるってなったら、こんな国滅ぼそうと思うのは間違いないけどさ。」

真子「結局やるんじゃん。」

U「うるさいなぁ………」

レミ「………それと、3日前にレミール伯爵の屋敷で療養していた時に、Uから言われたことがあるの。自分が半分春香さんの罪を背負うと。」

メリル「U………」

レミ「だから私は、政治的立場に就く者達と話し合って、2人の罪滅ぼしとしてある事を命令します。2人には、長年我が国と国交の無い『レボナガシ王国』へ国交を結びに行ってもらいます。」

U「外交………? それって、罪滅ぼしなのか………?」

レミ「名目上よ。だって、この国の人間からすれば貴方は英雄。そんな英雄をぞんざいに扱ったらどうなる事やら………まあ、そもそも真実を知っているのも限られた人しかいないからこその処置って所よ。私個人としてはよくやったと言いたいけど、私には王族としての使命がある。だからこそ、この処置という形で決定出来たのよ。」

春香「ありがとうございます、レミ様。私なんかの為にこんな処置をとってくださいまして。」

レミ「………春香さん、私からお願いがあるのだけど………もう少し気軽に接してほしいわ。聞けば、私よりも長い時の人だと聞いているわ。だから、私にも真子さんのような接し方をしてもらえるとありがたいわ。」

春香「なら、もし許されるなら………レミちゃん………と呼ばせてもらうわね。」

レミ「お好きにどうぞ………春香さん。」

U「そういえばお前、春香と真子にはさん付けだよな。」

レミ「良いじゃない別に。それに、私にはこの2人を呼び捨て出来るほどの勇気が無いわ。」

U「僕を呼び捨てに出来る勇気はあるのかよ………」

Uがそんな事を考えていると………

レミ「ミレル、貴女もU達について行ってあげて。王族として………」

ミレル「………いいの?」

レミ「これには王族としてのミレルの力も必要になってくるわ。」

ミレル「や………やったー! また一緒に旅出来るね、U!」

U「おう、そうだな。」

ミレルが嬉しそうにしていると………

メリル「女王様! 私も………私もUにお供してもよろしいでしょうか?」

レミ「………構わないわ。カラ、貴方も勿論同行を認めます。」

メリル「あ、ありがとうございます!」

カラ「はっ!」

ルミア「ねぇ、お兄様。私も着いてきちゃダメ………かな?」

U「………レミ、僕はルミアを連れて行ってもいいんだろうか?」

レミ「………責任は私が取ります。それに、ウズクチョに入れたのはシャタカビ家の令嬢、ルミア=シャタカビのお陰と聞いているわ。私からシャタカビ公爵にお伝えしておくわ。」

U「そうか………良かったな………」

春香「こ、公爵家のお嬢様だったのね………」

U「春香だって魔法使い家のお嬢様じゃん。」

春香「これでも家出した身なんですけどね………」

U「流石に許してくれてるだろ………多分。」

メリル「へぇ、だから魔法が得意なのね。」

春香「………あの時に見せた魔法もほんの一部よ。私の本気をもってすれば、Uさんのお命だって打ち取れるから。」

ミレル「え、ええー!?」

カラ「い、いや………きっと比喩表現ですよ………」

U「いや、マジ。1回春香に殺されたもん。」

春香「ゆ、ゆ、ゆ、Uさん!! 止めてくださいってその話は!! ある意味黒歴史なんですよ、その話!!」

真子「………」

U「あ、真子も僕を殺した人物の1人でーす。」

真子「軽々しく殺された事言わないでよ!! 第一、あの時洗脳されてたし!!」

U「そうだそうだ。懐かしいな。」

メリル「2回死んだこと口にするって………Uって意外とサイコパス?」

遥「もしかしたらそうかもしれませんね………」

メリル達が多少引く様子を見せたが、Uは少しすると覚悟を決めた表情を見せ………

U「分かった、レボナガシだかなんだか知らんが………そことの国交を繋いでくる!!」

遥「ゆ、U………ジェネシス様の依頼はどうするの?」

U「知らん。それにここまで手がかりが一切無かったんだ。ここに残ったって何も無いよ。」

遥「うーん、いいのかな………」

遥は少し首を傾げていたが、Uの言っている事も一理あるので、遥はこれ以上何も言わなかった………

 

 

その後、U達はレミール伯爵へ挨拶をしに行くことに。

ノゾク「そうか………行っちゃうのか。」

U「すまねぇな、伯爵。春香と僕にはこの国で作っちまった罪がある。その罪を滅ぼしてきたらまた来るよ。」

メリル「お父様、ごめんなさい。Uについて行くなんて言っちゃって………」

ノゾク「いや、いいんだ。少しの間だけ一緒に過ごしてもわかった。メリルはU君と一緒にいる方が楽しそうだと思ってね。」

メリル「お父様………ありがとう………」

メリルは嬉しそうに涙を零す。Uもそれを微笑ましく見ていると、突如、西のこの場からかなり距離のある場所から青い光の柱が放たれる。

遥「な、何あの光………!?」

U「………」

Uはその光の柱を見て悟った。新たなる戦いが始まろうとしていることを………

To be continued………




次回予告
U達は『レボナガシ』へと向かっていた道中にて、女性を襲おうとする化物のようなのよ魔とそれを従える少女を発見。Uは女性の方を守るために、戦いに加わり………!?
次回「新たな国への道中」


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第二章 異世界の勇者編
第44話 新たな国への道中


前回までのあらすじ
春香と和解したUは春香との罪滅ぼしという名目で、ウズクチョ側として、『レボナガシ』という国との国交を結びに行く事に。旅立とうする所へ、青い光の柱が放たれ………?


謎の光の柱が突然現れて数日。U達は国境を越えてレボナガシの領地へと入っていた。

メリル「お父様にもらった地図の通りなら、もうすぐレボナガシの城がある街に着くはずなんだけど………」

U「というか、レボナガシってどんな国なのさ?」

カラ「レボナガシは、マジシャンバトルをしている人口が多いと聞いています。メリルさんがお店を経営している間は、レボナガシからもたくさんの人が来ていました。でも、メリルさんが経営権を失ってからは、レボナガシからの人口は減り、遂には誰も来なくなりました。オマケに鎖国していたとあれば、最早、関係は無くなっているのでしょう。俺も政治に詳しい訳では無いので、想像の範疇に過ぎませんが。」

U「………せめていい国であってくれればいいんだが。もうウズクチョとかそこら辺の国はゴメンだよ。クズばっかだもん。」

遥「珍しくウズクチョでは暴力行為が多かったもんね、U。」

U「守る為でもあったし、単純にムカついたのも理由だ。といっても、僕のこの動機が許されない事もあるにはあるだろう。しかし、そんな事は知らん。例えそれがどんなに蔑まれるとしてもね。それに、そういう汚名は僕一人が背負うから、皆は気にしなくていい。」

春香「………そうやってまた自分で罪を背負うくせ、やめた方がいいんじゃないですか?」

U「………責任転嫁するよりはマシだろ。僕は罪から逃げたら、責任からも逃げているような気分になっちまうから、自分の罪からは逃げないし、しっかりと背負う。汚れ役ってのは、僕みたいな人の言う道を外れている奴がやる事なんだと思う………まあ、何が正しい人の道かは知らん。僕からすればどれも関係ないしどうでもいい。結局押し付けてるだけだもん、そんなの。」

Uはそんな事を口にした。無論人が嫌いだからそんな事を言っている訳では無いが、彼からすれば世の中の理屈は押し付けに見えてしまうのだろう。U達がそんな話をしていると、目の前で何かが起きている。

U「なんだ………ありゃ………?」

Uは何かが起きている場所を凝視する。それが何かを気づいたUは目にも止まらぬ早さでそこへと走った。

遥「U!?」

意図がわからず困惑する遥。

春香「………何かを見たのかもしれないわ。急ぎましょう!」

春香はそう言うと、こちらも素早いスピードで追いかける。

メリル「春香さんも速い!? 魔法使いよね、あの人………!?」

カラ「あの時、前半にてUさんと死闘を繰り広げた人ですからね、あんなに速くても何も不思議じゃないですよ。とにかく、俺達も追いましょう!!」

メリル「本当に待ってって! 私体力に自信ないのよ!?」

ルミア「泣き言を言ったって無駄だと思うけどね。」

ミレル「そ、そうだね………」

真子「まあ、頑張ってくださいとだけ言っておきますね………私からは。」

遥達は困惑しながらもUと春香の後ろを追いかけるのだった………

 

 

そして、U達が見ていた場所では、1人のピンク色の髪色の女性を、化物のような魔を引き連れた少女が襲おうとしていた。

?「本当にこんなので来るのかな、Uって人。」

???「な、何を言っているの………それに、なんで化物が実体化しているの………?」

?「………うん、来ると信じるしかないか。{疾風の魔法使い(しっぷうのマジシャン)}! この女性を攻撃よ!」

少女は従えている魔、疾風の魔法使いに攻撃を命じる。

???「やめて………!!」

女性は恐怖に脅えていた。すると、突然、疾風の魔法使いの左腕に傷口が開かれた。

?「あれ………本当に来ちゃったんだ。」

少女は嬉しそうに笑みを浮かべる。少女の前には、女性を守るようにセイバーを構えるUの姿があった。

U「魔を実体化させて従えている………? お前、何者だ? 見た感じ、普通の少女とも言えなさそうだが。」

?「気付いた? やっぱり本物の人は根本から違うんだね。本当に興味湧いてきちゃったなぁ………」

U「………何の話か知らんし、そいつが実体化している原理も分からんが………人を傷付けるなら片付けるまで。」

?「じゃあ見せてよ、この子を倒す姿を。」

U「言われずとも………見せてやるよ!」

Uがそう言った時、疾風の魔法使いはUに向けて風の斬撃を放つ。Uは即座に女性を抱えると、風の斬撃をジャンプで軽々とかわす。

U「大丈夫か?」

Uは女性に声をかける。

???「は、はい………大丈夫………です。」

女性は頬を赤くしていた。何故赤くなったのかはUには分からないが………

U「ここにいろ、死にたくなければ。」

Uはそう言うと、セイバーを手に怪人の方に素早く接近する。疾風の魔法使いは竜巻のような一撃を放つが、Uはセイバーの一振りで竜巻を真っ二つにする。

?「へぇ………」

Uはセイバーで斬り掛かるが、疾風の魔法使いは自分の足元に風を起こして、自身を吹き飛ばす。

U「風で空中に逃げたか。だが、空中に逃げようが僕には関係ない!」

Uは地面を大きく蹴ると、空中に飛翔。疾風の魔法使いには予想外だった為か、驚く様子を見せる。そして、次に気がついた時には、疾風の魔法使いの胴体は真っ二つになっていた。どうやら、疾風の魔法使いが驚いていた隙に斬ったのだろう、

U「………弱い。」

Uはそんな事を呟くと、地面に落下して自然と着地する。それを見ていた少女は………

?「ほ、本物だ………それもかなりレベルの高い!!」

U「は、はあ………?」

?「私ね、雨って言う名前なんだけど………Uはなりたい? 私の仲間。」

どうやら、彼女は先の暗黒魔同盟の幹部の雨だったようだ。

U「………興味無い。第一、どこに僕を気に入る要素がある?」

雨「私の仲間から聞いたんだけど………Uって魔を大切にして、自分を犠牲にしてまで戦う人らしいね。今回は見れなかったけど、強さも本物だって事がよく分かったよ。今なら獄炎がUを喰いたいという理由がわかるかも………じゃあ、今回はここで引こうかな。別に襲いに来たわけじゃないから。」

U「………逃がすと思うか?」

Uはセイバーを構える。

雨「あのスピードを考えると走るのは無理だね。でも、転移なら話は別だよね。」

雨はそう言うと、手に持った小さな玉を砕く。すると、少女の身体は一瞬にして消えた。

U「………逃げられたか。気配が途切れるように消えた。多分、転移系のマジックアイテムなんだろうな。どうやって作ってるかは分からんけど………」

Uがそんなことを呟いていると、女性がUに近づいてくる。

???「あの………ありがとうございました。貴方は、あまりこの地域では見ない人のようですけど………旅のお方ですか?」

U「………まあ似たようなものかな。実は………」

Uが話をしようとしたその時だった。

春香「Uさん!」

春香がUに近づいてきた。

U「春香、走ってきたのかい?」

春香「ええ………しかし、一足遅かったみたいですね。」

U「大した事じゃなかったからね。それより、皆は?」

春香「ああ、皆ならあそこに………」

春香が指さすと、遥達がやってきた。しかし、カラと真子を除く人物は疲れており、メリルに至っては座り込む始末だった。

U「………みっともねぇな。」

メリル「いや………私からすれば………げほっ………Uや春香さんの方が化け物………げほっ………よ………」

U「じゃあせめてカラを見習えよ、もしくは真子。」

メリル「む、無理………」

U「体力不足過ぎんだろ、お前………」

Uが頭をポリポリとかいていると………

???「あの………U様と仰いましたか?」

U「お、おう。僕がUさ。」

???「そうですか。助けていただきありがとうございました。私はエミルと申します。」

U「エミルって言うのか。君はレボナガシの人がい?」

エミル「ええ。もしかして、レボナガシへ来たんですか?」

U「うん。そこでやらなきゃいけない事が出来ちまってね。」

エミル「やらなきゃいけない事………ですか?」

U「うん。実は僕達ウズクチョの方から来たんだけど、そこから国交を結びに行かなきゃいけない事になってさ。」

エミル「そうだったのですか………ウズクチョから………上手くいくといいですね。レボナガシの王族様は優しい方が多いですから、成功すると私は信じていますよ。」

U「………ありがとう。じゃあ、僕達ははこれで行かせてもらうよ。」

エミル「ええ。レボナガシはあそこです。ご武運をお祈りしていますね。 」

U「………ああ。」

こうして、U達はエミルと別れを告げた。エミルはU達を見送ると………

エミル「………最近鎖国状態にあったウズクチョにあんな人がいるとは思わなかった………口は悪いけど優しくてそれに強さも申し分無し………もしかしたら、最近突然現れた勇者なんかよりもずっと………」

そんな事を呟き、走ってレボナガシの裏門の方へと向かうのだった………

 

十数分後、U達はレボナガシに到着した。

遥「わぁ………人がいっぱい!!」

真子「ウズクチョと比べると随分発展してますね………」

メリル「それだけじゃないわ。ほら、マジックファイルを付けてる人も沢山………それだけ発展しているみたいね、この国は。」

春香「ええ、そうね………しかし、これからどうするんですか、U様。」

U「うーん………まずは城に入るための方法を………」

Uがこれから先どうするかを考えた時だった………

兵士「そこの奴、少し話がある!」

突如、レボナガシの兵士らしき者達がU達の元へヤダてきた。

U「な、なんだ………? 僕達は何もしてないけど?」

兵士「………白髪に変な格好………お前がUか?」

U「な、なんだそのガバガバな特徴………?」

兵士「第一王女様がお前を探しておられる。ついてこい。」

兵士はそう言うと、城の方へと向かった。

メリル「ど、どういう事かしら………?」

U「大丈夫。何かあったら僕がどうにかするから………」

Uは軽くウインクをする。仲間達は不安ながらも、Uの判断を信じて、U達と共に城へと向かうのだった………

 

 

U達は兵士の案内で城に入る。すると………

???「あら、ようこそ………U様?」

U「君は………! エミル………!?」

なんと、U達の目の前に現れたのは、エミルだった。

兵士「貴様、気軽に呼び捨てにするな! あそこにいらっしゃるのはこの国の第一王女、エミル=レボナガシ様にあらせられるぞ!!」

U「エミルが………王女様………!?」

エミル「………うるさいわ、その人は私の事を助けてくれた人なのよ。丁重に扱いなさいと言ったでしょう?」

兵士「は………も、申し訳ありませんでした………」

U「えっと………エミル………様?」

エミル「………あら、先程のように気軽に接してはくれないのですか?」

U「ええ………?」

困惑するU。どうやら助けた少女は王族の娘だったようだ………

To be continued………




次回予告
U達はエミルの案内で城を歩き回る。エミルは初対面であるにも関わらず、Uに好意的な様子を見せる。そこに、勇者を名乗る人物が現れ………?
次回「王女と勇者」


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第45話 王女と勇者

前回までのあらすじ
レボナガシへ国交を結ぶ為に旅に出たU達。その道中にて、エミルという女性を助ける。その後、何故か城へと連行され、そこで正体が王族であっまエミルと再会し………!?


U達は困惑しながらもエミルの案内で城を歩き回っていた。

U「な、なあ………エミル………」

エミル「なんでしょうか?」

U「………王族………だったんだね。」

エミル「ええ………そうですが何か?」

U「い、いや………」

エミル「………分かってますよ。U様達が困惑していらっしゃるのは。それについては私が悪いですよ。王族という身分を隠して近づいたのですから。」

U「………試したとか言わないよね?」

エミル「試してません。外を歩いていたのは私の趣味でしたが、あれは完全に偶然でした。それにあの少女が襲ってきたのも………」

U「………そうか。ごめん、疑ったような聞き方して。」

エミル「謝らないでください。私が紛らわしい事をしたから………」

U「………さっきから元気が無いけどどうしたの?」

エミル「いえ、ちょっと疲れてしまっただけです。それより、U様方はウズクチョから外交にいらしゃったようですね。ひとまずは明日、国王陛下に謁見してもらい、内容次第では私からも前向きに検討するよう助言致します。」

U「………1つ言うけど、僕は多分殆ど喋らないよ。敬語を使ってないから。」

エミル「………どなたが話すかは私達からは問いません。しかし、どなたがお話するかだけは教えて頂けないでしょうか?」

U「うーん………春香とメリルとミレルでいいよな?」

春香「そうですね………Uさんの言葉は私が敬語に変換する形で話します。」

エミル「分かりました。それではこれから個室の方を………」

エミルが部屋の案内をしようとした時だった。

??「おっ、エミル。襲われたって聞いたけど大丈夫だったのか?」

突如、エミルに馴れ馴れしく話しかける者が。

エミル「空矢(くうや)様………」

メリル「あの………失礼ですがどなたでしょう?」

エミル「あのお方は河合空矢(かあいくうや)様。数日前に降臨なさった勇者様です。」

U「(勇者………あの光の柱と何か関係があるのか………?)」

Uは首を傾げる。

エミル「大丈夫です。それに、今は他国の使者様のご案内をしておりますゆえ、今はご勘弁いただきたいのですが………」

空矢「使者ねぇ………」

空矢はUを見る。

空矢「お前どこの国の奴だよ?」

U「僕はどこの国の出身でもないよ。お前こそどこだよ。」

空矢「お前!! 俺は勇者だぞ!? もっと敬え!!」

U「ええ………」

空矢「しかしそんなに気になるなら教えてやろう! 俺は、日本という国の出身だ!」

U「(日本………! )」

空矢「お前、名前なんて言うんだよ!?」

U「………U。」

空矢「U………!? そ、それって………超極悪犯罪者と同じ名前じゃないか!!」

U「(いや、ひでぇ言い様。いつか元の世界に戻れたら、国連から潰してやろうかね………)」

Uがそんな物騒なことを考えていると………

春香「そうですか………なら、ここにいるUさんとは別人ですね。」

春香が気を利かせて誤魔化した。すると、空矢は春香の顔を凝視し………

空矢「うおお!? すげぇ美人じゃん! まあ、俺はエミルがお気に入りだけどなー!」

エミルはそれを聞いて引いているような顔をした。

U「(引かれてるやん………)」

Uはそれを察してしまう。というか、エミルがいい顔をしない時点で丸わかりと言える。

U「お前、勇者とか言ってたけど強いの?」

空矢「まだ戦った事はないけど、強いと思うぜ!」

U「何を根拠に言ってるんだお前は。」

空矢「勇者は強いっていうのがお約束だろ?」

U「どういうことやねん。」

空矢「なら、俺の秘めたる力を見せてやるぜ!! 見てろよ!!」

空矢はU目掛けて身構える。Uは身構える気も無い。

空矢「くらえ、俺の最強の拳ー!」

空矢は拳を突き出すが、Uは指一本でこれを止める。

空矢「なあっ!?」

U「じゃあ、次はこっちの番ね。」

Uは軽くパンチを放ち、空矢を派手に吹き飛ばした。

空矢「なああああっ!?」

春香を除く仲間達は引く様子をみせ、エミルは驚いていた。

U「ありゃ? 5%くらいの気持ちで殴ったんだけど………?」

メリル「5%って………」

仲間達が引いている中、エミルは笑いだした。

U「エミル………?」

エミル「あっ………失礼致しました。U様が凄すぎて思わず笑ってしまって………」

U「………?」

Uは首を傾げる。だが、吹き飛ばされた空矢はこんな事を考えていた。

空矢「(な、なんだよアイツ………人間の力じゃねえ………)」

と………

 

一方、レボナガシの外では………

雨「影闇の話を聞いて、実力もその目で見たから強いって事は分かるけど………何の考えも無しに勝負しに行くのは危険だよね………じゃあ、あの城の内側から侵入してみよう………かな?」

雨はそう言うと、レボナガシの方へと歩みを進めるのだった………

To be continued………




次回予告
翌日、U達はレボナガシの国王と謁見する。エミルの助力もあり、話は良い方向へと進むが、Uに対抗心を持つ空矢が割り込んできて………!?
次回「外交の始まり」


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第46話 外交の始まり

前回までのあらすじ
エミルに城を案内されるU達の前に、勇者と呼ばれている河合空矢と出会う。お世辞にも性格が良いとは言えない彼はU達にちょっかいを出すが、Uに軽くあしらわれたのだった………


翌日、U達は玉座の間に行き、レボナガシの国王と謁見する事に。

国王「皆の者、顔を上げよ。」

この言葉を聞き、全員が顔を上げる。この場にいるのは、U達仲間と、エミル、国王とあと一人、見た事が無い、エミルより幼そうな少女だった。

国王「私がこの国の王、レボナガシ13世だ………と、堅苦しい挨拶は良くないな。少し楽に接してくれるとありがたい。」

U「(なんと言うか陽気な王様だな………いや、バレスやその親父が中々の曲者だっただけか………)」

Uは国王の事をそう評する。

メリル「では、私から説明をする形でよろしいでしょうか?」

国王「うむ。」

メリル「今回私達は、こちらにいらっしゃるミレル第二王女殿様と共に、ウズクチョと外交を結んでいただけるようお願いに参りました。」

国王「ウズクチョか………ウズクチョの噂は聞いているよ。最近は悪政が酷いらしいけど………」

メリル「………仰る通り、ウズクチョは最近までは悪政により民を苦しめていました。しかし、先日、国王の立場にあったバレス様が突然死去され、姉のレミ様が王の立場となりました。レミ様は今までの悪政から、民あるべき国家へと変える為、日々奮闘しております。私達のこの懇願は、レミ女王陛下の意思でもあります。是非、前向きにご検討するようお願い申し上げます。」

国王「でも、どうしてそんなに政治の方針が変わったのかな? もしかして、国内で争いがあったのかい?」

メリル「バレス様と現王のレミ女王陛下は争ってはいません。バレス様が亡くなられてしまったのは偶然にすぎません。しかし、悪政を正したのは、こちらにいるUという者のお陰と言っても過言ではありません。」

???「………!?」

先程まで興味無さそうに聞いていた少女が、Uの名前を聞くなり驚くような顔を見せた。

国王「U………? 変わった名前だねぇ。じゃあ、U。君に聞きたい事があるんだが、いいかね?」

春香「………恐れ入りますが、この方は、敬語を使えないので、私が変わりに通訳するという形でお話に参加させていただけませんか?」

国王「そうなのか………でもいいよ、敬語じゃなくても。」

春香「しかし………」

春香が言い返そうとした時、Uが彼女の肩に触れ………

U「敬語じゃなくてもいいなら………僕が話をする。」

春香「Uさん………」

春香は心配そうな顔をしていたが、Uは国王の方に顔を向ける。

国王「話は纏まったみたいだね。じゃあ、U。君はなんでウズクチョを救おうと思ったのかな?」

U「………友の為だ。」

国王「友………?」

U「昔から僕は友を放っておけない性格だった。だから、助けた………その時に偶然巻き込まれた………それだけの事だ。」

国王「うーん………君は友の為にそこまで戦うのかい?」

U「戦うさ。もとより自分には何も興味が無い。だが、ただダラダラ生きるのも嫌だ。そう考えたら、誰かの為に戦うって選択肢しか残らなかった。でも、僕は後悔していない。誰かの笑顔を守れたなら………僕はそれでいい。」

国王「………この国………いや、旅人でも中々見ない性格だね………気に入ったよ。私個人としてはウズクチョとの外交を前向きに考えようと思っているが………2人はどう思うかな?」

国王はエミルともう1人の少女の意見を聞く事に。

エミル「私は前向きに検討される方がよろしいかと。5年以上前までの話になりますが、ウズクチョは我が国にも劣らないマジシャンバトルが栄えていた国家です。」

国王「エミルはそう思うか………キリエはどう思う………?」

国王はもう1人の少女、キリエに声をかける。

キリエ「………一つ質問したい事があるわ。」

キリエは立ち上がってUの前まで歩く。

キリエ「貴方が最近流れて来た噂のU?」

U「噂………?」

キリエ「ウズクチョの方で、何か凄い凶悪な怪物とマジシャンバトルして勝ったっていう男がいるらしくて、その男の名前がUって名前らしいけど………まさか貴方がそのU?」

U「そうだけど………」

キリエ「うーん………本物ならなんか神のカードを持っているらしいけど、本当なら見せてくれない?」

U「え? まあいいけど………ほい。」

Uは白虎のカードを取り出してキリエに見せる。

キリエ「………凄い………本物だー!!」

キリエはそう言うと、Uにくっついてくる。

U「ふぇ!?」

エミル「こら、キリエ! U様に失礼でしょ!?」

キリエ「ええ………お姉ちゃんのケチ。」

エミル「………U様ごめんなさい。この子、あまり興味を持たない子なので、興味を持つと途端に甘えるようになってしまうんです………」

U「いや、前例がいるからそんなに気にしてない………」

Uはルミアを見やる。ルミアはわざとらしく首を傾げた。

U「(わざと首を傾げやがって………!!)」

Uがそんな事を考えていた時だった。突如、玉座の間の入口が乱暴に開けられる。

エミル「………!! 空矢様………!!」

どうやら、空矢が開けたようだった。

空矢「………? あっ、てめぇ!! キリエに抱き着かれてやがるな、俺にだって抱き着いてくれねぇのに!!」

U「いや、知らんがな………」

空矢「もうムカついた………と言いたいが、俺はお前に腕っ節では敵わない事が昨日わかった。だから、マジシャンバトルとやらでケリをつけることにしたぜ!」

エミル「待ってください! 今は外交中です! マジシャンバトルなんてやってる暇は………!」

U「………いや、多分このバカには何言っても聞かないよ。」

空矢「ば、バカ!? 俺、仮にも勇者なんだぞ!?」

U「………いいよな、王様?」

国王「………勇者様の意見も無下には出来ないからねぇ。認めるよ、マジシャンバトルを。但し、ルールはこちらが決めてもいいかな?」

U「別に好きにすればいい。」

国王「勇者様もよろしいですかな?」

空矢「おう!」

国王「では………ルールはレボナガシルール、プレイヤー同士の攻撃は無しとするよ。」

U「レボナガシルール? スマン、そのルール知らない。」

国王「そうか………じゃあ説明を………」

キリエ「私から説明するよ! レボナガシルールは、4vs4のバトルで、使えるカードは20枚。通常召喚時の生贄ルールありのルールだよ。」

U「成程分かりやすい。ありがとう、キリエ!」

キリエ「えへへ………」

Uはキリエの頭を優しく撫でると、マジックファイルを構える。

U「さあ、始めようか!!」

こうして、Uと空矢のマジシャンバトルが勃発したのだった………

To be continued………




次回予告
空矢のデッキに入っていたカードは、どれも強力なカードだった。しかし、長い戦いの経験を持つUは軽々と対処していき………!?
次回「勇者の力とUの力」


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第47話 勇者の力とUの力

前回までのあらすじ
U達は外交の為に国王と謁見する。エミルの助力やUの事を気に入った国王やUの噂を聞いていたキリエのお陰で、話は良い方向に纏まりかける。しかし、Uに対抗心を持った空矢とUのマジシャンバトルが勃発し………!?


空矢「見てろよ、カードゲームの魔術師と呼ばれた俺を!!」

U「嘘だな。」

空矢「な、なんだと!?」

U「顔に書いてる。」

空矢「まあ自称だけどさ………」

U「………顔に書いてるのは嘘だけど、やっぱり自称かよ。」

空矢「だ、騙したなー!?」

U「………人心掌握に長けてるもんで。」

空矢「ぐっ………こうなったら、ボコボコにしてやる!! 来い、{魔法使いエリ(まほうつかいえり)}!!」

現れたのは、パワー1700の某ロールプレイングゲームに出てきそうな魔法使いの少女だった。

U「(名前の感じが他の魔と違う………普通は英語に近い発音か、英語っぽい発音に日本語っぽい発音が名前にあるはずなんだが………完全に日本語だ………春香の魔と同じで………何か違うんだろうな。)」

Uは普通の魔と違う事を名前の様子から見抜く。しかし、名前の由来までは掴めない。

U「………そいつの名前の由来はなんだ?」

空矢「そ、それは………俺が初恋した人の名前だ!!」

U「はあ!?」

空矢「俺がハマってるゲームで作ったキャラなんだよ!!」

U「うーん………まあいいや、僕は{暗黒の魔道士}を召喚するぜ!」

Uは暗黒の魔道士を召喚。

空矢「魔法使いエリで暗黒の魔道士を攻撃だ!」

U「行くぞ、ダーク! 僕が隙を作る!」

Uはマジックファイルからカードを取り出すと………

U「魔法カード{勇気の炎}を発動! はあっ!」

Uの持っていたカードから炎が放たれ、魔法使いエリの動きを止める。

U「今だ、ダーク!」

ダーク「おう! {暗黒の破壊!!}」

空矢「マズイ、エリちゃんが!! なら、このカードだ! 対抗魔法{勇者の盾}を発動! 攻撃を無効化!」

U「攻撃が無効化された時、対抗魔法{ダークネスリベンジ}を発動! カード名に{暗黒}か{闇}を含むカードを再攻撃可能にする!」

空矢「はあっ!?」

ダーク「{暗黒の破壊}!!」

暗黒の魔道士の再攻撃が発動。空矢にとって予想外な一撃が防げるわけがなく、魔法使いエリは破壊される。

キリエ「凄い! いとも容易く破壊した!!」

空矢「て、てめぇ! よくも俺の初恋の相手をー!!」

U「恋は成就しねぇと意味ねぇだろ………」

空矢「ぐっ、こうなったら………! 俺は{僧侶エミル(そうりょえみる)}を召喚!」

U「は………!?」

なんと、目の前に現れたのは僧侶姿のエミルそっくりの魔だった。

空矢「パワーは1300、そして、味方1人のダメージを回復出来る効果を持っているんだ!」

U「………なんで見た目がエミル?」

空矢「俺のこの世界での初恋相手だからだ!」

U「僕が言うのもなんだけど、キモイぞお前!!」

空矢「キモイとはなんだ! お前だって女ばっか連れやがって!」

U「いや偶然だけど!?」

Uはそう反論しながら、エミルの方を向く。すると、表情は完全に引いている様子だった。

U「(うわあ………引いてるな完全に………)」

Uがエミルの様子を察すると同時に………

空矢「更に俺は{戦士マイカ(せんしまいか)}を召喚!」

パワー2300を誇る魔を召喚してきた。

U「もうツッコまんぞ、僕は。」

空矢「俺がとある漫画を読んで一目惚れしたのが彼女だ!」

U「キモイ通り越して、医者に頭見てもらった方がいいぞ?」

空矢「さっきからなんで否定から入るんだよ!?」

U「愛する人はな………1人に絞れ!!」

メリル「何に怒ってるの、Uは!?」

これには思わず外野のメリルがツッコんでしまった。

U「まあいいや、それよりバトルの続きだ! 僕も追加で魔を召喚するぜ! 来い! {冥界の兵士}!」

Uの目の前にパワー2500を持つ冥界の兵士が召喚される。

U「更に、対抗カード{魔の融合}を発動! ダークとソルジャーを融合!! いでよ、{暗黒の兵士}!!」

Uの目の前に現れたのは、パワー3200を持つ暗黒の兵士であった。

U「ダークソルジャーで僧侶エミルを攻撃!! {暗黒の剣}!!」

暗黒の兵士の斧剣が振り上げられ、僧侶エミルに襲いかかる。だが、戦士マイカが彼女の後ろに立ち、手に持った盾で防ぐ。

U「………! 成程、庇うというか攻撃対象を変更させる効果があるのか。」

空矢「そうだ、そしてマジックファイルのカードを1枚捨てれば、そのダメージを回復する!!」

U「厄介だな………じゃあ、使うか………対抗カード{大魔法魔力崩壊波}!! ダークソルジャーのパワーを2300払って、相手の場の魔全てのパワーをマイナスする!!」

空矢「な、何!? 何が起こった………!?」

エミル「大魔法魔力崩壊波………自分の場の魔一体のパワーを好きなだけ払って、払った分相手の場の間のパワーを下げる一発逆転の超魔法………!」

U「そして、生け贄ありだったよな、これ! ダーク! ソルジャー! すまないがお前達の魂を使わせてもらうぜ!」

ダーク「心得た!」

ソルジャー「ふっ、いいだろう! 」

U「………ありがとう! 僕はダークソルジャーを生贄に捧げ、{西虎の白虎}を召喚!!」

暗黒の兵士が破壊され、白虎が召喚される。

U「白虎で戦士マイカを攻撃! {白虎の爪}!!」

白虎は超速で戦士マイカに接近し、爪を振り上げる。

空矢「させるか! 対抗魔法{光の盾}!! 攻撃を無効化する!」

U「無駄だ! 白虎の攻撃は無効化されない!!」

白虎の爪が光の盾を破壊し、戦士マイカに爪の一撃をぶつけ、破壊する。

U「更に、僧侶エミルを攻撃!」

空矢「待て! お前、そこにいるエミルを相手にしても同じ事をするのか!? 最低野郎!!」

U「うるせぇ黙れ! お前の妄想に付き合ってる暇はねぇんだよ!!」

Uがそう言うと、白虎の爪は僧侶エミルを貫き、破壊した。

空矢「こ、この野郎………!!」

U「ああ、本物のエミルには優しくするから別に気にする案件じゃない。」

エミル「え………!?」

エミルは頬を赤く染める。恥ずかしいという感情が目で見てわかるほどに。

空矢「くっ、こうなったら俺は最後の切り札を出すしかねぇ!!」

空矢はそう言うと、最後のカードを手にし………

空矢「来い! 俺の生き写し、{勇者空矢(ゆうしゃくうや)}を召喚!」

U「何………!?」

空矢の持つカードから現れたのは、パワー2500を持つ空矢と瓜二つの魔、勇者空矢であった………

To be continued………




次回予告
勇者空矢の力でUに勝とうとする空矢。しかし、Uにとってはやはり相手ではなく………?
次回「格の違い」

魔の解説(※空矢が使う魔は特別な為、名前の呼び方が、他の魔と異なる。)
・魔法使いエリ(まほうつかいえり)
愛称 エリ
属性 人間族
パワー 1700
効果 「このカードの攻撃で相手を破壊した時、自分の場のカードのパワーを200プラスする。」
攻撃技 {光の火柱(ひかりのファイアピラー)}
フレーバーテキスト「彼女は空矢の幼なじみ………という設定らしい………」

・僧侶エミル(そうりょえみる)
愛称 エミル
属性 人間族
パワー 1300
効果 「自分の場の魔のバトル終了時、その魔が場にいるなら、マジックファイルのカードを1枚捨てて良い。捨てたら、その魔のダメージを無効化する。」
攻撃技 {聖なる光(ホーリーライト)}
フレーバーテキスト「彼女は空矢に惚れている………という設定らしい………」

・戦士マイカ(せんしまいか)
愛称 マイカ
属性 人間族
パワー 2300
効果 「このカード以外の自分の場のカードが攻撃された時、攻撃対象をこのカードに変更する。」
攻撃技 {剣の力(ソードオブパワー)}
フレーバーテキスト 「彼女は空矢の頼れる仲間………という設定らしい………」

・勇者空矢(ゆうしゃくうや)
愛称 空矢
属性 人間族
パワー 2500
効果 「・このカードは効果で破壊されず、パワーは減らない。
・このカードが攻撃した時、次のバトルに限り、破壊された自分の魔の数×500プラスする。」
攻撃技 {勇気の剣(ブレイブソード)}
フレーバーテキスト 「『勇者の空矢様が、人々の為に戦ってやるぜ!!』」


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第48話 格の違い

前回までのあらすじ
Uと空矢の戦い。空矢は特殊な魔やいくつかのカードを使って戦うが、どれもUに圧倒され………!?


空矢「こうなったら、勇者空矢でお前を倒してやるぜ!」

U「あ、言い忘れていたが、今の白虎は自身の効果によってパワーが上がっている。」

空矢「何!?」

U「白虎は相手の魔を破壊するたびにパワーが500ずつプラスされる。つまり、今のパワーは4000!」

空矢「ふっ、だからなんだと言うんだ!? 勇者空矢は攻撃した時、これまでに破壊されたカードの枚数×500分プラスされるから、パワーは4000だぞ!?」

U「まあ、焦るなよ。僕は白虎の能力、{白虎鎧化}を発動する!!」

白虎「おう!」

白虎の身体は鎧へと変形し、Uの身体に装着される。

エミル「U様の使う怪物が………鎧に………!?」

キリエ「そ、そんな事が出来るなんて………! 本物はやっぱり違う………!!」

空矢「は………反則じゃねぇのかよ、それ!?」

U「残念ながら反則ではない。僕は今、場にいる魔………君達で言う所の怪物という扱いになっているからね。プレイヤーにさえ攻撃しなけりゃ、反則にはならないのさ。」

空矢「くぅ………!! こうなったら、お前ごと倒してやる!!」

空矢はそう言うと、マジックファイルからカードを1枚取り出し………

空矢「勇者空矢でアイツを攻撃だ!! そして、攻撃時効果でパワー4000に増加!」

U「受けて立つぜ!」

Uの手の甲から爪が生え、Uは勇者空矢に接近。彼の攻撃をかわしながら、ダメージを与えていく。

空矢「くっ………! 勇者は負けねぇ! 対抗魔法発動! {勇者の覚醒}! マジックファイルのカードを3枚捨てて、勇者空矢のパワーを1000増やすぜ!!」

ミレル「パワーを増やしに来た………!!」

U「悪いが、お前はもう詰んでいるんだ………対抗魔法{ガラスの崩壊}を発動! そのカードの発動を無効にする!」

空矢「はっ………? ………はああああああ!?」

これにより、空矢のカードが無効化され、パワーは据え置きに………

U「喰らえ、{白虎の爪}!!」

Uの爪が、勇者空矢を斬り裂き、勇者空矢は破壊された。

U「勇者空矢………撃破!!」

空矢「そ、そんな………そんなバカなー!?」

これにより、Uの勝利が決定した。

国王「うむ………勝負は決したようだね。今回の勝負はUの勝ちだ。」

空矢「ちょっ! ちょっと待った! そんなの納得いかねぇ!!」

U「えぇ………何が不満なのさ?」

空矢「だって、こういう勝負って俺が勝つのがお約束だろ!?」

U「どういう勝負やねん。というか、お前いい加減にしろよ、マジで。」

空矢「う、うるせぇ! お前はモブみたいな感じじゃねぇのかよ!?」

U「はあっ………!? お前、八つ裂きにすんぞこの野郎………!?」

Uは懐に手を伸ばす。空矢はUが武器に手を伸ばしていると考え………

空矢「お、お前! 勇者斬ろうとするとか外交以前の問題だろ!?」

エミル「ゆ、U様! 流石に止めてください! 貴方の力では空矢様が一瞬にして死んでしまいます!!」

空矢「え!? 俺が負ける前提なの!? ひでぇな、エミル!!」

キリエ「いや、多分Uが勝つと思うな………だって、死闘を潜り抜けた人って聞いてるもん………」

空矢「う、嘘だって………!」

U「………ご希望するなら、外に出てやってもいいんだぞ? お前、最低半殺しになるけど。」

空矢「半殺し………!? い、嫌だあああ!!」

空矢は突然悲鳴をあげて、出ていってしまった。

U「………小物だな、所詮。」

エミル「ゆ、U様………出来ればこんな事はしないで頂けると有難いのですが………」

U「あ、それはすまん。反省する。」

Uはそう言うと、キリエがUの左手を引っ張る。

キリエ「ねぇ、U………私とお話しよ?」

U「ふぇ………? いいけど………」

エミル「ダメよ! U様はまだ外交中なのよ!?」

エミルはそう言ってUの右手を引っ張る。

U「ふぇ!?」

キリエ「お姉ちゃん! Uから離れてよ!」

エミル「キリエが離れなさい!!」

2人は自分の方へUを引っ張る。

U「いてええぇぇ!! 引っ張るな! 腕が取れる!!」

国王「羨ましいねぇ………両手に花だよ。」

国王は面白おかしく茶化す。それを見ていた春香は頬を膨らませ………

春香「ちょっと!! Uさんは私のモノですー!!」

春香はそう言うと、Uに抱き着いてきた。

U「うわあっ!? 春香まで抱き着いてくるなー!?」

Uは目を回していた。そして、それをこっそり見ていた空矢は………

空矢「(羨ましい奴だな………くそっ! この世界でも理不尽に遭うなんて聞いてねぇって………!)」

と、悔しそうな様子を見せるのだった………

 

 

その後、外交は再開し………

国王「………2人もウズクチョとの外交に前向きのようだし………よし、国交を結ぶことを約束しよう。使いの者をウズクチョへ送る。」

メリル「あ、ありがとうございます!」

国王「詳しい日程などはまたやり取りする形で行おう。あちらも忙しいだろうからね。それより、君達はこれからどうするつもりかな?」

メリル「私達は1度ウズクチョに戻ろうかと考えておりますが………」

国王「うーん、もう少しこの国に残るつもりは無いか?」

メリル「………と、申されますと?」

国王「私の娘2人が同じ人物に興味を持った事はUが初めてなんだ。だから、Uに2人の相手をしてもらえないだろうか?」

U「相手って………僕、これでも既婚者だぞ?」

国王「そこは、何とか上手くやってくれると助かるよ。」

U「適当過ぎる………まあ、今ウズクチョに戻った所で何もやらないだろうし、そうするとしよう。メリル達はどう思う?」

メリル「Uがそう言うなら、もう少しこの国に滞在する事にしましょう。国王陛下のお許しさえあれば………」

国王「私は全然構わないよ。この城にある客室を3室貸そう。」

メリル「ありがとうございます。」

メリルがそう言って頭を下げた直後………

キリエ「U、私が客室まで案内するね!」

エミル「ダメです! U様を案内していたのは私! つまり、この仕事も必然的に私が………!」

キリエ「もしかして、お姉ちゃん………ヤキモチ?」

エミル「………!! 違うわよ!!」

キリエの無邪気な言葉に、エミルは頬を真っ赤に染めながら言い返すのだった………

To be continued………




次回予告
Uは城の中庭にて、身体を動かしており、人間離れした身体能力は、エミルとキリエを惚れ惚れとさせた。しかし、それを見ていたメリルは自分とはレベルの違う彼を見て………
次回「自分に無いモノ」


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第49話 自分に無いモノ

前回までのあらすじ
Uと空矢の対決はUの圧勝に終わった。その後、レボナガシの国王は、ウズクチョとの国交を結ぶ事を約束。U達の仕事はこれで終わりなのだが、国王の頼みでもう少しレボナガシに滞在する事に………


国王との謁見から3日後、城の中庭………

 

中庭にて、エミルとキリエはUが身体を動かす様子を見ていた。

U「………僕の軽い修行なんて見ててもつまんないぞ?」

キリエ「大丈夫。それに知りたいんだよね、Uがどうしてそんなに強いか。」

U「強いって言っても、別に大したもんじゃない。こんな修行だけじゃ、あそこまで強くなれない。強くなるには修行も大事だが………死線もくぐり抜けないと、身体はいざという時に動かなくなる。」

エミル「恐怖に追い詰められる………でしょうか?」

U「それもそうだけど………相手が格上だった時に頭が回らなくなり………自分の戦法を維持出来なくなる。マジシャンバトルと本質は変わらない。ただ、自分の命が賭けられているか、そうじゃないかしか違いはない。そして、全身に感覚を研ぎ澄ませないと死ぬのが………」

Uはそう言うと、上から木々が落下してきた。

キリエ「あ、危ない!!」

キリエは叫ぶ。すると、Uは上も見ずに、空中に飛び上がって、手と足だけで木々を跡形もなく破壊する。

U「………殺し合いってわけだ。」

2人「………」

2人は呆気に取られていた。Uの中にある感覚は、『殺し合いとは無縁の世界にいた自分達とはこうも違うのか』………と。すると………

??「くだらねぇ自論だな。」

そう言って、中庭にやってくる人物が。

U「………なんだ、誰がと思えば天下の勇者様じゃねぇか………まあ、天下もクソもねぇけど。」

空矢「空矢だ! いい加減名前を覚えろ!!」

エミル「空矢様は、U様の考えに対して良い気持ちではないそうですが、どういうお考えをお持ちなんでしょうか?」

エミルはそこまで期待していなかったが、空矢の自論を聞く事に。すると、空矢は語り出した。

空矢「いやさ、そもそも殺し合いって倫理的にどうなのさ? 俺の住んでいた国では殺し合いが禁じられているんだよ。お前、日本じゃ犯罪者だからな?」

U「………想像の斜め下の自論だった。戦争を知らねぇくせに、分かった気になって喋んな、バカ。」

空矢「な、なんだと!?」

U「いいか、よく覚えとけ。まずお前の自論で人が動くなら、世界中の戦争や紛争なんかとうの昔に解決すんだよ。それでも解決しないってことは、人は心のどこかで持ってんだよ。手段として殺し合いを………無論、平和の面で考えるなら、お前の自論が間違っているとは言い難い。でも、ここではその考えはあまり良いとは言えないな。お前の自論で言うなら、僕は人殺しに当たるんだろうし。」

空矢「おまっ………! 人を殺した事があるのかよ!?」

U「安否はちゃんと確認してないが………まあ、僕との戦いで死んだ奴もいるんだろうなぁ。クソみたいな理由ならまだしも、戦争の被害者とも言える兵士を討っちまった事かあるからなぁ………一概に正しいとは言い難いか。」

空矢「………エミル、キリエ。コイツから離れろよ………! コイツは人殺しなんだぞ!?」

空矢はUを非難した。しかし、これは分かりきった事だった。殺し合いから無縁の世界にいて、突然戦いが専門の奴が人を殺した話をすれば、空矢のような人間はすぐに非難する事だろうと。

エミル「人殺し………だからと言って私個人としてはU様を非難するつもりはありません。もし、非難してしまえば………兵士達からとてつもない反感を買ってしまいます。彼らもまた………戦争というもののせいで人を殺してしまうのだから………」

U「………」

逆に戦争に巻き込まれている国の人間からすれば、一概にUのような人物を非難する事は難しい。国のトップや幹部なら尚更だ。それは同時に兵の行動を侮辱する事と同じだからだ………エミルはそう考えているからこそ空矢に反論しているとUは考えていたが、実際は少し違う。この考えも嘘ではないが、彼を否定する事は、あの時の恩を仇で返す事になる………というのが彼女の本心だった。

キリエ「それに、自分の身を守る為に戦う事だってあるのに、人を殺さないようにするってどうやるの? 至難の業過ぎない?」

キリエの言う事も確かだった。人を殺さないように自分の身を守る………というのは立派だが、それは中々至難の業。相手が武器や凶器を持っているなら尚更だ。それが出来るなら立派なものだが、普通の人間には出来ない。なぜなら、人は漫画のように理想的に動ける生物ではないからだ。

U「それに、僕は時々思うんだ。人や犬、猫は殺したら犯罪なのに、肉の元になる動物、野菜、卵、魚………これらの生物を殺すのは許されるのか………はっきり言うが、そんなのは人間が勝手に決めた生命の境界線だ。命は本来、平等にあるのさ………! それが蟻だろうと花だろうと人間だろうと………!」

Uはそう言うと、空矢に近づき………

U「もしこのまま勇者を続けるなら、将来人を殺す場面に遭遇するだろう。その時にも今の自分の心情が貫けるか? 今と同じ事が吐けるか?」

空矢「ぐっ………!!」

U「………ああ、それとオマケに言っとくと、僕の仲間に言いつけるとかも無駄だから。春香や真子も人の生命を奪った事があるし、他の仲間にだって予め、僕は殺し合いの中にいる人間だとは話してある。それと、別に僕に避難するのは勝手だが、他の奴を巻き込んだら、勇者だろうとお前の敵になる………いいな?」

Uはそう言うと………

U「部屋に戻る。」

それだけ言って、中庭を後にしてしまった。

キリエ「私も着いて行くよー!」

エミル「あっ、待ってください! U様ー!!」

エミルとキリエはUに着いて行った。彼が人殺しだからどうだとかはないのだろう。

空矢「この国の奴ら、何であんな奴を信用するんだよ………!?」

空矢は強い不快感に追われていた。空矢は自分の思い通りに行かないと、気が済まない性格である。そのため、悪く言えば自己中心的なのである。無論、Uはそれを見抜いている。だからこそ、彼の感情を逆撫でするような事を口にしていたのである。すると、部屋のベランダからU達の様子を見ていたメリルは………

メリル「(Uは凄いな………あんなに強くて、人間離れした動きを見せて、自分の意見を貫ける意志の強さがある………私には無いな、Uみたいな強さも、自分の意志を貫く強さも………)」

思わずUと自分を比べてしまっていた。まあ、人間を通り越した次元にいる彼と比べるのは中々無駄と思えるが。

メリル「そういう私は運動音痴だし、魔法も………春香さんの方がずっとレベル高いし………私の力の意味ってなんだろう………?」

メリルは自分の力の意味を悩んでいた。すると、空中から大きな影が現れた。

メリル「影………?」

メリルは上を見る。するとそこには巨大な怪物がおり、怪物は空矢のいる中庭に降りてきた。

空矢「な、なんだよコイツは!?」

メリル「あれもマジシャンバトルの怪物と同じもの………!? でも、どうしてこんな所に………!?」

どうやら、これも魔のようだった。何故現れたのか疑問に思うメリル。そんな彼女達を、城の屋根から楽しそうに見る雨の姿があったのだった………

雨「さあ、この魔がどうなるか………実験させてもらうよ………」

雨はそう呟きながら、中庭の様子を見るのだった………

To be continued………




次回予告
空矢は攻撃するが一瞬にして戦闘不能になり、メリルも魔法で攻撃するが、焼け石に水とばかりに通用せずに追い詰められる。だがそこへ、Uが大急ぎで駆けつけ………!?
次回「メリルの悩み」


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第50話 メリルの悩み

前回までのあらすじ
Uは身体を動かしていた。それを見ていたエミルとキリエは呆気に取られる。そこへ現れた空矢はUの持つ自論を否定するが、Uは日本との環境の違いから空矢の自論を快く思っていなかった。そして、Uや春香という自分以上の存在に悩むメリル。そんな中、中庭に突如巨大な魔が現れ………!?


空矢「どうしてこんな奴が………!? いや、待てよ………ここでコイツを倒せば………アイツよりも俺の地位が上がる………!!」

空矢はこんな状況でも自分の得を狙っていた。彼は腰に携えていた剣を鞘から抜刀し………

空矢「うおおおお!! これが俺の必殺剣!!」

空矢はそう言って斬り掛かるが、剣があっさり折れてしまった。

空矢「………え!?」

空矢は硬直する。その隙に魔が足を動かして、空矢を蹴飛ばした。

空也「うわああああああ!?」

空矢は壁に激突し、地面に倒れる。空矢は目を回していた。その様子を見ていた雨は………

雨「彼が勇者………だっけ? あんなに弱いなんてこの国の人は何考えてるんだか。それに、最初からお呼びじゃないから。」

雨は愚痴のようにそんなことを呟いていた。すると、突如魔の顔の方から熱気が感知された。

雨「熱っ………! な、何………?」

雨が中庭の方を見ると、ベランダからメリルが魔法を放っていたのを目にする。この一撃によって、魔の顔は燃えていた。魔は口から大きな息を吐くことで、火を鎮火させるが、それでも顔の肉を少々焼くダメージを与えていた。

雨「へぇ………ちょっとはやる魔法使いがいるね。目的が来るまでしばらく遊ばせようかな。」

雨は楽しそうにそんなことを呟く。メリルは手に魔力を集束させ………

メリル「{フローズンバレット}!!」

氷の球体へと変化させ、魔を目掛けて放つ。だが、魔は拳で氷の球体を粉砕した。

メリル「………くっ! {ストームグランド}!!」

メリルは魔の足元から土煙を巻き込んだ巨大な竜巻が発生させるが、魔はそよ風のようにメリルの方へ接近してきた。そして、魔は右手でメリルの身体を掴んできた。

メリル「きゃあっ!? は、離して!!」

メリルはもがき叫ぶが魔には通用しない。メリルは涙目になって死を覚悟するも、突然、メリルを掴んでいた右手が魔の腕から切断される。怪人は大きな悲鳴をあげ、メリルの身体は腕の落下時に、とある人物によって救出され、お姫様抱っこされる。そして、彼女を助けたのは………!

メリル「ゆ………U!!」

U「騒ぎを聞き付けて大急ぎで駆けて来たけど………まさかこんな事になってるとは………」

メリル「あ、ありがとう………そう言えば勇者様があちらに………!?」

U「ん………? あ、あそこか。」

Uは空矢のところまで走る。

U「メリル、コイツ何発持った?」

メリル「一発目の攻撃で剣が折れて、そのまま吹き飛ばされたっきり………」

U「ワンパンかよ。口だけ達者だな。」

Uはそんな事を口にすると、メリルを降ろし………

U「メリル、このバカを頼むよ。」

メリル「え、ええ! 分かった………!」

メリルは空矢を抱え、中庭を後にした。Uは懐からセイバーを出し………

U「さっきの素早い一撃でアイツの右手は飛んだ。恐らく、セイバーで問題なく戦える………!」

Uは冷静に分析すると、空中に飛び上がり、素早いスピードと剣技で魔の左腕を斬り飛ばす。

U「斬れ味はかなりある。という事は、コイツは一体何故現れたんだ………?」

Uはそんな事を考えながら、次の一手を考えていた。そして、城の中からこっそり様子を見ていたメリルは………

メリル「私の魔法が通用しなかった相手を意図も容易く………凄い………!」

Uの動きに見惚れていた。そして、Uはセイバーにエネルギーを集め、大きく飛び上がる。

U「{マスターセイバー}!!」

Uは魔の中心から縦に一刀両断の一撃を放つ。これにより、魔は真っ二つとなり、爆発を起こした。爆風が消えた後は、怪人の死体は残っていなかった。

U「………弱過ぎる………敵は何を考えてこれを………?」

Uは頭の中で考える。すると、ある人物が頭の中を過ぎった。

U「もしかしてこれは………あの雨って少女の仕業なのか………?」

Uはそんな事を考えていた。そして、その予感は当たっていた。城の屋根から様子を見ていた雨は………

雨「やっぱり凄いな………影闇から借りた{巨大な悪魔(ジャイアントデーモン)}を一刀両断しちゃうなんて………でも、Uは疑問に思っているはず。どうして、この魔が現れたのか………? とか。何が目的だ………? とか。」

雨はそんな事を呟くと………

雨「今度はちゃんと準備してUをスカウトしに来るから、待っててね?」

雨はそう言うと、手に持っていた杖のような武器にカードを装填。鳥のような魔を召喚すると、空中へと飛び去っていくのだった………

 

そして、これをこっそり見ていたメリルは………

メリル「(U、やっぱり凄かったわ………でも、同時に嫌な事も考えちゃった………私は………Uの足でまといじゃ無いか………なんて。)」

メリルは心のどこかで自分は足でまといなのではないかと考えていた。メリルは心のどこかで自分の力にコンプレックスを感じていた様子だった………

To be continued………




次回予告
メリルは自身の悩みを真子に相談。真子はメリルに対し、Uと春香が特別なだけで、メリルを励ます言葉を口にする………
次回「自分だけのモノ」


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第51話 自分だけのモノ

前回までのあらすじ
城の中庭に現れた魔。空矢は一撃で打ちのめされ、メリルの魔力もまるで歯が立たない。だが、加勢に来たUは圧倒的な力で魔を撃破し………!?


夜 客室の一室………

 

メリルは、過去に自分の結婚式の事を相談した経験がある真子に今日の事を相談。

真子「あの衝撃音はそういう事だったんですね………と言っても、相変わらずお父さんは派手な事するなぁ………」

真子はそんなことを呟いていると、自分の顔を凝視してくるメリルに視線を向ける。

真子「め、メリルさん?」

メリル「いや………前にも真子さんに相談した事があるのに………今、私の目の前にいる真子さんはなんだか別人のように感じるわ………」

真子「………それは、この姿だからかもしれませんね。この姿、私が子供の時の見た目なんです。子供の頃は冒険の日々でした。私の場合はお父さんみたいに巻き込まれた形じゃなくて、自分から旅をしていたんですけどね。」

メリル「真子さんも冒険者だったのね。」

真子「少し前までは一線を退いていたんですけどね、この世界に来た事でまた戦いの日々に逆戻りですよ。」

メリル「そういえば、真子さんも魔法使いだったものね。」

真子「氷しか使えませんでしたけどね。ましてや、格闘術もお父さんはもちろん、お母さんよりも弱かったので、そこまで名を馳せてはいませんでしたけどね。」

メリル「………私、ウズクチョで過ごしていた時は、ミレル様に魔法を教えるほど、魔法が上手だと言われていたの。でも、世界は広い事をUのお陰で知ったわ。Uと旧型のマジシャンバトルで戦った時、あっちは魔法が使えなくて不利なはずなのに、自分の技量や洞察力を武器に戦う強さを持っている。私は真似出来ないわ………」

真子「………お父さんは自分の家族や仲間の事以外になると、平常心で戦えますからね。」

メリル「春香さんの時にあんなに動揺していたのはそういう事だったのね………」

真子「お父さんはああ見えて怖がりだし、夢も他の人と変わっているんです。」

メリル「夢………?」

真子「『家族と平穏な暮らしをする事』が夢なんです。お父さんは。」

メリル「家族と平穏な暮らし………?」

真子「お父さんは基本的に戦いが呪いのように絡みついて来ますからね。だから安らぎが欲しいんですよ。家族と楽しく過ごせる日々が………」

メリル「そう………じゃあ、外交が終わったら、レミ様にお願いしてみるわ。U達が平穏に暮らせるような空間を作って欲しいって。」

真子「そんな………! いいですって別に!!」

メリル「いいの。私やレミ様やミレル様はUに感謝してるんだから。」

真子「はあ………まあ、それは後にして………メリルさんはお父さんの姿を見てどう考えたんですか?」

メリル「ああ、その話だったわね………私ね、思っちゃったの。私はUの足手まといになるんじゃないかって。」

真子「足手まとい………」

真子は少し考え込むと………

真子「実は私、過去にメリルさんと同じ考えをしてしまった時があるんです。」

メリル「そ、そうなの!?」

真子「ええ。当時はそれはそれは悩みましたけど………今となってはハッキリしてるんです。私の中ではその答えが………」

メリル「答え………?」

真子「………足手まといになるかなんて関係ない。私は私。自分の力を信じて、少しでも仲間の為に役立つ事をする………って。」

メリル「素敵な答えね。」

真子「厄介な事はお父さんが絶対に何とかしてくれます。だから、メリルさんは自分の信じる道を進めばいいんじゃないですか?」

メリル「自分の信じる道………」

真子「………まあ難しいとは思います。私も答えを出すまで時間がかかりましたもん。だから、メリルさんはゆっくりでもいいから見つけてください。その答えを………」

真子はそう告げると、立ち上がり………

真子「じゃあ、お風呂入ってきます。」

と、風呂の方へと歩いていくのだった。

メリル「(………そうね、真子さん。私も見つけてみせるわ………Uと共に戦う仲間として………!)」

メリルは自分の中でそう考えるのだった………

To be continued………




次回予告
U達は国王に呼び出され、謁見。国王の話によると、レボナガシの近くにある洞窟にて、魔が発見されたという話で………!?
次回「洞窟に眠る魔」


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第52話 洞窟に眠る魔

前回までのあらすじ
メリルは自身の悩みを真子に相談。真子は、似たような悩みに陥った時の経験から、彼女を励まし………


メテオが真子に相談をしてから4日が経った日のこと。U達は突然国王に呼び出された。

 

国王「わざわざすまないね、急に呼び出して。」

メリル「いえ、お気になさらず。しかし、どうなされたのでしょうか?」

国王「………実は、このレボナガシの近くにある洞窟にて、化物が住み着いたって話だ。マジシャンバトルの時の怪物と似たような感じがしたらしいんだ。」

U「(魔と似たような反応………となると、大物なのか………? だとしても、ここまで見てきた2体はいずれも何故かマジックファイルによる処理を感じない。一体何故だろう………?)」

Uは首を傾げた。

国王「そこで、腕の立つ君達にこれを依頼したい。やってくれるかな?」

メリル「………勿論です。」

国王「ありがとう。無事に帰ったら飛びっきりのものを振る舞うよ。」

U達はこれにより、レボナガシの外にある洞窟へと向かう事になったのだった………

 

 

レボナガシから少し離れた洞窟………

U「………しかし、こんなところに来るとは思わなかった。それに、あの国王の話から、かなり厄介な奴がいる………その可能性はあるだろう。」

遥「大丈夫なのかな、それ………」

U「………いざと言う時は僕がどうにかする。皆はいらない心配はしなくていい。」

メリル「U………」

カラ「しかし、ミレル様とルミア様を置いてきて良かったのですか?」

U「大丈夫だろう。というか、2人には苦が重すぎる。あの2人はマジシャンバトルでは実力があるのは知ってる。でも、こういう実践には慣れてない。言っちゃなんだが、2人じゃ危険なんだ………後で怒られるかもしれないが。」

Uはそう口にする。それと同時に洞窟の最深部へと到着した。するとそこには………

??「なんだ………? また人間か………?」

カラ「男のような声………?」

魔は男性のような声が聞こえた。しかし、その直後………

???「………いや、何か力を感じる者もいるわ………」

メリル「女性の声………!?」

なんと、同じ魔から2つの声が聞こえた。

U「これは………2人………!? 2人いるのか………!?」

Uはセイバーを取り出すと、大きく斬撃を放つ。すると、闇の中から一体の魔が出てきた。その魔は2つの首があった。片方は竜の頭をした青色の目の首、もう1つは、人の頭をした赤色の目の首だった。

U「2つの首を持つ魔が………!!」

Uはそう言って構える。すると、竜の魔の方が語り出した。

??「その通り、我等は2つの魂を持つ魔。」

???「ドラゴンと魔法使い………2つの魔の頂点に立つ魔………{双魂・竜王&魔法帝(そうこん・ドラゴンキング&マジシャンエンペラー)!!}」

U「………2つの魂を持つ………魔………!!」

竜王「………と言っても、我々は戦うつもりは一切ない。」

魔法帝「私達が捜し求めるのは、私達を扱う資格がある者。」

U「魔法使いとドラゴンの2つの頂点にいる魔を使えるもの………そんな存在がこの世にいるとは………」

カラ「………俺はドラゴン族のカードを使っています。だから、俺でよければその使い手に立候補させてください。」

U「カラ………」

メリル「私も………! 私も魔法使い族のカードを使っているわ………だから、私もその使い手に立候補させてもらうわ!!」

U「メリル………」

魔法帝「私達を手にしようとする者がいるようね。ドラゴンキング、どうするのかしら?」

竜王「決まっているだろう? マジシャンエンペラー………マジシャンバトルで試すのみだ。我々を使う資格があるかどうか………! ルールは全員1体のみ。それにこの際だ、2人纏めてかかってくるといい。我等は1人分のプレイヤーのみで相手をしよう。」

遥「な、何が始まるの………!?」

春香「………タッグマッチ………ね。」

真子「タッグマッチ………」

U「………これは、大変な戦いになるよ………」

Uはそんな事を呟くのだった………

To be continued………




次回予告
双魂・竜王&魔法帝はU達の前に立ちはだかるが、戦う気は無かった。そんな2つの魂を持つ魔は、メリルとカラに興味を示し、彼らの力を試そうとする………!!
次回「2人への試練」


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第53話 2人への試練

前回までのあらすじ
U達はレボナガシの国王の依頼で、レボナガシ近くの洞窟へと向かう。その最深部で、2つの魂を持つ魔である{双魂・竜王&魔法帝}と遭遇。彼等は自身の使用者を求めており、その候補にメリルとカラが立候補。2人は{双魂・竜王&魔法帝}を相手に2vs1のタッグマッチの試練を課し………!?


メリル「私が召喚するのは、{正義の魔法使い}!!」

カラ「俺は{力共有の竜}!!」

2人はそれぞれ切り札の魔を召喚。

竜王「言っておくが、我等のパワーは2500。そして………」

魔法帝「2つの能力を持っていて、そのうちの一つは、私達は効果によって破壊されず、パワーは減らない………まあ、今回のルールではもう1つの能力は使いませんが………」

真子「凄い………それに、もう1つはどんな能力を持っているんだろう………!?」

遥「確かに………何だろう………?」

U「………それは分からない。でも分かることもある。それは、奴が持っている能力は今回は使えない………恐らく、それか理由で今回はその能力を使わないんだろう。だとしても、メリルの魔はパワー1700、カラの魔のパワーは2000。不利だぞ………明らかにこっちが………」

春香「それに、メリルちゃんとカラ君は戦いの経験があるだけ………私達みたいに動ける訳では無い………」

U「だとしても勝つしかない。2人の力となるかどうか、それを見定める………それが奴等の思惑………だと僕は思っている。それに、僕は信じている。メリルとカラが勝つと。」

Uはそう口にすると、春香は彼の手に自身の手を伸ばし………

春香「分かりました。私も信じます、2人の勝利を………!」

U「………ああ。」

U達がメリルを信じて戦いを見守る中………

 

 

メリル「ジャスちゃんの効果で、自身に魔法カードを3枚吸収。よって、そして、フィールド魔法発動!{魔法の箱}!! 」

魔法帝「それによって、あの魔は吸収した魔法カードの数×300の合計、パワーが増えるんでしょ?」

メリル「(やっぱり魔法使い族の頂点に戦法がバレてる………! でも、もうそれを承知でこれを切り抜けるしかない………!)」

魔法帝「そんなの許すわけないでしょう? 対抗カード発動! {ソウルブレイク}!! アンタの魔のカードに吸収されたカードを全て破壊する!!」

メリル「しまった………!!」

これにより、パワーは元通りになってしまう。

カラ「メリルさん!! なら俺が………! 装備カード{竜の爪}を発動! それにより、パワーを600プラスする!!」

魔法帝「甘い! フィールド魔法{強化魔法封じ}! カードを2枚捨てることで、お互いのプレイヤーは対抗カード・装備カード・フィールド魔法の効果でパワーを増加できない!」

因みに今更だが、フィールド魔法は1プレイヤーにつき1枚のみセット出来るため、現在、フィールド魔法は2つ効果を発揮している。

カラ「くっ………!」

カラの策も通じず、苦戦を強いられていた………

 

 

そして、それを見ていたU達は………

真子「メリルさんとカラさんの戦法が通じない………!」

U「………通じないと言うよりは潰されている………という方が適切だろう。メリルはさっきから、得意の魔法逆転が使えない。それに、苦しいのはカラも同じだ。元々、力共有の竜は他にドラゴン族がいて、初めて真価を発揮する魔だ。しかし、今回は全員1体ずつしか使えない。そんな中、満足に戦える訳が無い。」

遥「そんな………!!」

U達がそんな事を呟いていると、竜王の首の方が動いた。

竜王「{竜王の獄炎(ドラゴンキングのごくえん)}!!」

竜王の首から炎が放たれ、メリル達の魔は回避行動をとる。しかし、それこそが彼の狙いであった。竜王の攻撃が止まった時、魔法帝の首が動く………!

魔法帝「{魔法帝の極魔法(マジシャンエンペラーのごくまほう)}!!」

魔法帝の首に着いた手から、巨大な魔法が2体の魔めがけて放たれる。

メリル「対抗カード! {マジックフェンス}!!」

メリルの手によって放たれた防御魔法によって、攻撃を無効化し、2体の魔を守る。しかし、ここで守ったからってどうにかなるわけでは無いのが辛いところ。

カラ「………困りましたね、俺達の思った通りの戦法に動かない………」

メリル「魔法カードを7枚撃つ………? いや、さっきのフィールド魔法のせいでパワーが増やせないわ。これはお手上げかしら………?」

カラ「………メリルさん、1つ忘れてませんか? 確かに1対1なら、俺もメリルさんも勝てません。でもこれはタッグマッチ。力を合わせられる。だから、メリルさんの力を貸してほしいんです………! 」

メリル「カラ………分かったわ! 私は何をすればいいかしら?」

カラ「俺のデッキには属性を変えられるカードが眠ってます。それを使えば、強化魔法封じの網を掻い潜って、俺のリンクの効果を使えます。でも、それをやれば正義の魔法使いのパワーを借りる事になります………それでも構わないならば、俺に貸してください………正義の魔法使いを!!」

メリル「カラ………分かったわ! 貴方に預けるわ………私の切り札を………!」

2人の中で作戦が纏まった。果たして、その作戦は通用するのか………!?

To be continued………




次回予告
メリルとカラは共同作戦で{双魂・竜王&魔法帝}の撃破を狙う。そして、互いを信じる2人の手は届くのか………!?
次回「2人で紡ぐ戦法」

魔の解説
・双魂・竜王&魔法帝(そうこん・ドラゴンキング&マジシャンエンペラー)
愛称 ドラゴンキング・マジシャンエンペラー(2つの魂それぞれのもの)
属性 ドラゴン族/魔法使い族
パワー 2500
召喚条件 「自分の場の『ドラゴン族』の魔1体か、『魔法使い族』の魔1体を破壊(生贄に)する。」
効果 「・この魔は効果で破壊されず、パワーは減らない。
・{魂の解放(ソウル・リゼレーション)} 自分の場の『ドラゴン族』か『魔法使い族』の魔1体を破壊(生贄に)してよい。『ドラゴン族』の魔を破壊したら、場の魔2体のパワーを1000プラスする。『魔法使い族』の魔を破壊したら、マジックファイルのカード3枚までを自分の場の好きなカードに入れて良い。」
攻撃技 {竜王の獄炎&魔法帝の極魔法(ドラゴンキングのごくえん&マジシャンエンペラーのごくまほう)}
フレーバーテキスト「『我等は2つの魂を持った魔。果たして、我等を使いこなせるか………?』」


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第54話 2人で紡ぐ戦法

前回までのあらすじ
メリルとカラのそれぞれの戦法が{双魂・竜王&魔法帝}に潰され、追い詰められる2人。だが、カラはメリルに作戦を伝え、2人の力で勝利を狙う。


カラ「………じゃあ、行きます! 対抗カード{ドラゴンの書}!!」

真子「ドラゴンの書………?」

竜王「ドラゴンの書………自分の場の魔の属性をドラゴン族に変えるものか………」

カラ「その効果で、{正義の魔法使い}をドラゴン族へ変える!!」

竜王「となれば、場にドラゴン族は2体………! し、しまった!!」

カラ「リンクの能力を発動!!」

メリル「ジャスちゃん! 貴女の力を、カラのリンクに送って!!」

ジャス「任せて!!」

正義の魔法使いのパワー全てが、力共有の竜に移った事で、パワーは3700。更に、フィールド魔法{強化魔法封じ}の封じる対象は対抗・装備・フィールド魔法。そして、パワーが増えたのは力共有の竜………すなわち、魔の効果。敵の敷いた網を掻い潜っている。

カラ「リンクの攻撃! {共有の息(リンクブレス)}!!」

力共有の竜の口からブレスが放たれる。

竜王「これを食らうわけにはいかん………マジシャンエンペラー!!」

魔法帝「分かっているわ、対抗カード{魔道士の盾}!! 攻撃を無効化!!」

メリル「させない!! 対抗カード{魔術の無効化}! マジックファイルのカードを1枚捨てて、そのカードを無効化!!」

魔法帝「何………!?」

これにより、{魔道士の盾}が無効化される。そして、ブレスの一撃が、{双魂・竜王&魔法帝}に襲いかかる。

2人「ぐわああああ!!」

これにより、双魂・竜王&魔法帝が破壊され、カードへと変わった。

メリル「やった………のかしら………?」

メリルは脱力して、膝から地面に着く。すると、召喚されていた2体の魔も消えた。

カラ「………勝負の終了処理が行われています。どうやら俺達の勝ちのようですね。」

メリル「や、やった………!!」

カラはメリルの肩を掴み、ゆっくりと立ち上がらせる。そして、地面に落ちた双魂・竜王&魔法帝のカードを2人で手にする。すると、突然頭の中に声が響いた………

竜王「我等を倒した事で、2人は試練を乗り越えた………しかし、カードはこの1枚しかない………どちらが所有すべきか否かは自分達で決めるのだ………」

メリル「………なら、このカードはカラに………!」

カラ「………いえ、メリルさんが………!」

ところが、2人はカードを相手に譲り合っていた。

真子「ど、どうしてお互いに譲り合うの………?」

U「お人好しなんだよ、2人とも。」

Uはそんな事を口にして、メリル達の方へ向かうと………

U「………じゃあ、所有者は2人でいいじゃん。お互いに必要になった時に貸し合うって事でさ。」

と、そんな提案をする。

カラ「………俺は異存ありません………メリルさんもいいですよね………?」

メリル「ええ………!」

2人は共にカードを手にする。

魔法帝「………全く、変わった者達が所有者となったようね………」

2人の頭にそんな声が聞こえながら………そして、それと同時にUは何かを感じた。

U「(………このカード、何か嫌な気を感じる………)」

Uが考えるこの言葉の意味は………!?

To be continued………




次回予告
U達はレポナガシへ戻る。すると、エミルとキリエの2人が出迎える。キリエはUにマジシャンバトルを要求。だが、心の内では自身もUとマジシャンバトルをしたいという心を持つUは、春香を巻き込んでマジシャンバトルをする事に………!
次回「2vs2のタッグマッチ」


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第55話 2vs2のタッグマッチ

前回までのあらすじ
メリルとカラは共同作戦によって、{双魂・竜王&魔法帝}を撃破。Uの提案もあって、このカードの所有者はメリルとカラの2人となったのだった………


{双魂・竜王&魔法帝}を撃破し、カードを回収したU達は、レボナガシへと帰還。国王に洞窟での事を報告した後、自室に戻ろうとしていた時のこと………

 

U「疲れた………」

真子「いや、お父さん何もしてないじゃん。頑張ったのメリルさんとカラさんじゃん。」

メリル「あはは………でも、あれでもかなりギリギリだったのよ? あの作戦を潰されたら、完全に勝ち目が無くなってたわ。」

カラ「俺も………メリルさんに助けられてなかったら危なかったです。」

遥「私なんて殆ど言葉を失ってましたけどね、お互いに凄すぎて。」

春香「私もよ。でも、2人が勝ったのは、2人にそれだけの実力がある証拠よ。」

メリル「春香さん………とても優しい言葉をありがとうございます。」

春香「あら………Uさんや真子にはタメ口なのに、私には敬語なの………? 別にいいのよ、私にもタメ口で。」

メリル「………分かったわ。春香さんがそう言うなら、これからそうさせてもらうわ。」

春香「うふふ………ありがとう。」

U達は楽しそうな雰囲気だった。すると………

???「Uー!!」

Uを呼ぶ声が後ろから聞こえた。Uは後ろを振り返ると、第二王女のキリエがUに抱きついてきた。

U「うわっ!? ………キリエか。今回も突然抱き着いてきたか………」

キリエ「いいじゃん、減るものじゃないし。」

U「まあ、そうだけど………」

Uがそんな事を口にすると………

???「待ちなさい、キリエ!!」

第一王女のエミルが慌てるようにU達の元へ駆けてきた。

U「エミル!」

エミル「ゆ、U様!! お戻りになられたのですね。って、キリエ!? 何勝手にU様に抱き着いているの!?」

キリエ「いいじゃん別に………」

エミル「良くないの!! 色々と問題よ、それ!!」

U「いや、気にしないで………よく抱きつかれる身なんで………」

春香「たまによく分からない女の匂いがする事があるんですよね、Uさん………」

春香はジト目でUを見つめる。

U「あ、愛してるのは君だよ………!!」

春香「………まあいいですけど。服にこびりついたよく分からない女の匂いは洗濯で消しているので気にしてませんけど。」

メリル「春香さん、意外とヤキモチを焼くタイプなのね………」

Uが春香に恐れを見せていると、Uに抱きついているキリエが口を開いた。

キリエ「ねぇ、マジシャンバトルしようよ!!」

U「マジシャンバトルか………いいよ。」

エミル「キリエ!! U様に迷惑をかけないの!!」

U「いや、大丈夫さ。ぶっちゃけメリルとカラの対決を見てただけだし。」

エミル「しかし………!」

U「いいからいいから………」

エミル「(U様はお疲れのはずなのに本当にいいのかしら………? それに、もし叶うなら私だってU様とマジシャンバトルしたいけど、対決してもらおうとお願いする勇気が出ない………)」

エミルはこんな事を考えていた。Uはエミルのオドオドしている様子を見て、彼女の心情を察し………

U「………エミルも一緒にやるか?」

エミル「ええ!? で、でも………よろしいのでしょうか………?」

U「いいよいいよ。」

Uが軽いノリで2人とマジシャンバトルをする事に。しかし………

キリエ「じゃあ、まずは私からね!」

エミル「ダメよ、それにキリエはU様に迷惑をかけたんだから後にしなさい!」

キリエ「ええ………本当はお姉ちゃんが最初になんだかんだ理由つけてやりたいだけなんじゃないの?」

エミル「そんな事ありません!!」

2人はどっちが先にUとマジシャンバトルをするかで喧嘩してしまった。このままでは埒が明かないと考えたUは春香の手を掴み………

U「じゃあ、春香も混ぜてマジシャンバトルしよう。タッグマッチでどうかな?」

春香「私もやるんですか!? 第一、私が持っている魔はそこまで強くないですよ!?」

U「僕がサポートするから大丈夫だよ。2人もそれでいいかい………?」

エミル「U様がそう仰るなら………かしこまりました。」

キリエ「それならいいよ! じゃあ、早速やろうよ!!」

こうして、Uは春香を巻き込む形で、エミルとキリエの2人と対決する事になったのだった………

To be continued………




次回予告
Uと春香、エミルとキリエのチームに分かれての対決。しかし、エミルとキリエはどちらも強い魔や強力な戦法を使うタイプの相手で………!?
次回「2つの強力戦術」


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第56話 2つの強力戦術

前回までのあらすじ
レボナガシヘ戻ったU達を待っていたのは、エミル達だった。キリエはUにマジシャンバトルを要求。エミルもUとのマジシャンバトルを心の中で望んでいた為、春香を巻き込んだタッグマッチをする事に………!!


中庭………

 

U達4人はマジックファイルを構える。ついでに、真子は1度春香の持つカードに戻る。因みにプレイヤー同士の攻撃は無し。理由は単純明快、今回はUと春香がペアの為、攻撃ありだと色んな意味で勝負にならないからだ。

U「僕は最初から飛ばさせてもらうぜ! 来い、{冥界の兵士}!」

春香「私は{白宮家の強戦士U}!!」

2人は魔を召喚する。Uは魔の方のUを見て………

U「ああ………魔の僕を見るのは未だに慣れないなぁ………」

春香「大丈夫ですよ、本物かどうかは私には簡単に分かりますよ。だって、本物のUさんには私の魔力が宿っているんですもの。」

U「………だな。」

U達はそんな会話をする。一方、エミル達は………

キリエ「お姉ちゃん、勘違いしないで欲しいんだけど………あくまでも、Uを倒すのは私だよ?」

エミル「………それは分かってる。見た所、U様以外に、春香様からも何か異様な気を感じるわ………でも、貴女の戦術と私の戦術を合わせてもらうわ。2人いっしょなら、メリル様を超えた戦術が出来る………」

キリエ「………ちゃんと合わせてよ?」

エミル「………はいはい………では、そろそろ私達も魔を出しましょう………私は守りの魔法使い(ガーディアンマジシャン)を召喚!」

エミルが出したのは、盾を持つ魔法使い。そして、キリエが出すのは………

キリエ「私は攻めの騎士(アタックナイト)を召喚!!」

剣を持った騎士の魔だった。

U「(守りと攻め………あれ? もしかして、僕………自分で自分の首を絞めた………?)」

Uはこの時点で何かを察知した。すると、早速エミル達が動いた。

エミル「フィールド魔法発動! {パワーダウンの沼}!!」

キリエ「フィールド魔法発動! {パワーアップの湖}!!」

2人のフィールド魔法が発動。場を覆い尽くす。すると、突然冥界の兵士が膝を着く。

ソルジャー「なんだ………!? 身体が重い………!?」

エミル「………それは私のフィールド魔法の効果ですね………私の使ったパワーダウンの沼は、カード名に『攻め』か『守り』を含まないカードのパワーを1000下げる効果があります。普通なら、味方すら巻き込む効果である為、使いたくはありませんが………キリエの怪物は、私のカードの効果を受けません………」

キリエ「そして、私のカードの効果は、『攻め』か『守り』を含むカードのパワーを1000プラスする効果!! だから、私の攻めの騎士のパワーはパワー2100から、パワー3100にパワーアップ!!」

エミル「そして、私の守りの魔法使いのパワーは1900から、2900に………!」

U「オマケに、僕のソルジャーはパワー1500に弱体化って訳か………」

エミル「そして、春香様のU様の姿をした怪物のパワーが………減ってない!?」

エミルはマジックファイルの機能で、魔の方のUのパワーが減らない事を知ったようだ。

春香「魔のUさんは効果でパワーが減りません!!」

キリエ「へぇ………怪物の方のUも強いんだね………それでパワー2500だもんね。」

春香「更に、{白宮家の見習い巫女美由紀}を召喚!」

更に、魔の姿の美由紀が召喚。効果でパワー200まで減ってしまうが………

春香「更にフィールド魔法{白宮家の絆}!!」

この効果で、場の名称に『白宮家』を含むカードは、『このカード以外のカード名に『白宮家』を含むカードの数×500の合計分、パワーがプラスする』効果を得た。つまり、それによって、魔のUはパワー3000、美由紀はパワー700となった。

U「流石春香! 僕達の家族の絆の本領発揮だぜ!!」

遥「春香さん、味方になるととても頼もしいですね。」

メリル「そうね………流石、Uの奥さんね。」

春香「魔のUさんで、攻めの騎士を攻撃!」

エミル「成程………しかし、春香様………手が1歩甘いですね!! 守りの魔法使い効果発動! 攻撃対象をこのカードに変更する!!」

それにより攻撃が逸れる。しかし、破壊するまではいかなくても、大ダメージを与えた。

エミル「キリエ、先に怪物の方のU様を倒すわよ………!」

キリエ「最初から………そのつもり!! 攻めの騎士で怪物の方のUを攻撃!!」

攻めの騎士の攻撃で、魔のUが破壊される。

春香「(くっ………! ここは美由紀ちゃんの効果で………!)」

春香がマジックファイルからカードを取り出し………

春香「マジックファイルのカードを1枚捨てて、破壊を無効化します!」

キリエ「ふふっ………! 攻めの騎士の効果発動!! 攻撃した怪物のバトル終了時に場に残った時、再攻撃可能になる!!」

ミレル「そ、そんな………!! それじゃあ、春香さんのカードの効果の意味が無くなる!!」

美由紀の効果を実質無意味に変えてしまう効果を持つ攻めの騎士のせいで、追い詰められてしまう。

キリエ「怪物のUに再攻撃!!」

攻めの騎士の攻撃が再び魔のUに襲いかかる………!

U「対抗カード{戦士の壁}を発動!! 攻撃対象をソルジャーに変更する!! ………すまねえ、ソルジャー………!!」

これにより、冥界の兵士が攻めの騎士の前に現れる。

ソルジャー「気にするな………! 必ず、勝利を掴め!!」

冥界の兵士は攻めの騎士の攻撃によって破壊されてしまった。

キリエ「Uの手で防がれちゃったか………しょうがないや、あ、折角だから、もう一体出そうかな。{攻めの馬騎士(せめのホースナイト)}を召喚!!」

これにより、攻めの馬騎士が現れる。パワー1600で、効果によって、パワー2600となる。

U「参ったな………しょうがない、ここは神を出そうか………!!」

Uはマジックファイルに手を伸ばし………

U「キリエ、君の魔を借りるぜ………! マジックファイルのカードを2枚捨て、対抗カード{神への生け贄}を発動!!」

エミル「神への生け贄………?」

U「神への生け贄は、僕の魔の数が負けている時に使えるカード! 相手の場の一番パワーの低い魔を生け贄に出来る!!」

ルミア「という事は………!!」

U「攻めの馬騎士を生け贄に捧げ………{西虎の白虎}!!」

エミルの攻めの馬騎士が破壊され、Uの目の前に白虎が現れた。

白虎「私を呼び出したようだな、U………!」

U「ああ、力を貸してくれ………{白虎鎧化}!!」

これにより、白虎はUの鎧となる。

キリエ「うわあああ………! U、カッコいいー!!」

キリエは現在敵であるにも関わらず、Uを褒める。そして、Uは春香にテレパシーを送る。

U「(春香、これから僕がやる事はテレパシーで伝える。協力してくれ!)」

春香「(分かりました………!)」

苦戦している現在の状況。しかし、U達によってその戦況は覆されようとしていた………!!

To be continued………




次回予告
Uと春香は連携して、エミルとキリエの策を突破していく。しかし、エミル達はそれぞれ切り札を召喚し………!?
次回「夫婦の熱戦」

魔の解説(※タッグマッチでは、パートナーの魔も自分の場の魔として扱う)
・守りの魔法使い(ガーディアンマジシャン)
愛称 ガーディアン
属性 魔法使い族
パワー 1900
効果 「このカード以外の自分の場のカードが攻撃された時、その攻撃対象をこのカードに変更してよい。」
攻撃技 {反撃の守り(はんげきのガード)}
フレーバーテキスト 「この魔は、魔法使い族でありながら守りを得意とする、魔法使い族の中では特異な魔………」

・攻めの騎士(アタックナイト)
愛称 アタック
属性 戦士族
パワー 2100
効果 「このカードのバトル終了時、相手の場にこのカードが攻撃した魔が場にいるなら、そのカードを再度攻撃する事が出来る。ただし、このカードの攻撃を無効化された時が、相手のカードにダメージを与えられなかった時は、この効果を使えない。」
攻撃技 {攻めの連打(アタックれんだ)}
フレーバーテキスト 「この魔の攻めは止まらない………相手が滅びるまでは………!!」

・攻めの馬騎士(せめのホースナイト)
愛称 ホースナイト
属性 戦士族
パワー 1600
効果 「この魔の攻撃は無効化されない。だが、このカードは攻撃後、しばらく攻撃出来ない。」


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第57話 夫婦の熱戦

前回までのあらすじ
Uと春香、エミルとキリエのタッグマッチ。エミルとキリエの策に押されるU達。だが、白虎を召喚したU。彼等の反撃が始まろうとしていた………!!


U「白虎はパワー3000、そして神のカード故………相手のカードによる不利な効果は受けない!!」

エミル「そんなカードがU様の中に………!?」

U「行くぜ、僕達で{守りの魔法使い}を攻撃! {白虎の爪}!!」

エミル「(キリエの話では、U様の神には攻撃無効は効かない………! ならば………!!)対抗カード{防御の力解放(ディフェンスパワーかいほう)}を発動! このバトルに限り、守りの魔法使いのパワーを1000プラス!!」

これにより、守りの魔法使いのパワーは3900へと増加。

遥「効果でパワーを上げて凌ぐつもり………!?」

U「そんなの織り込み済みだ! 対抗カード{神の真髄}!! その効果でこのバトル時に限り、パワーを300プラス………そして、強化されるカードの属性が『神』を含むなら、代わりにその魔のパワーを1500プラス!!」

だが、Uも負けていない。パワーを4500へと強化する。

キリエ「私も加勢するよ、お姉ちゃん!! 対抗カード{ビッグウエポン}! 強化させる怪物のパワーの元のパワーの二分の一だけ、パワーを上昇させる!」

それによりパワー1900の半分、950だけ守りの魔法使いのパワーが増加し、4850へと増加。

U「(キリエが動いた………でも………春香!!)」

春香「(はい!!)対抗カード{ビッグウエポン}!!」

エミル「なっ………!?(………U様が指示をした様子はなかった。でも、春香様はキリエがカードの使用を宣言した時に使おうとする素振りはなかった………一体どうして………?)」

キリエ「Uの奥さんも対抗カードを………!?」

これにより、白虎の元のパワーの半分、1500だけ増加された。つまり………

U「これで白虎のパワーは………6000!! 喰らえ、我が爪の一撃!!」

Uの纏った白虎の鎧の篭手から伸びた爪が白守りの魔法使いに刺さり、撃破する。そして、白虎の効果で守りの魔法使いから現れた魂がUの前に現れ、Uはその魂を自分の胸に当てる。それにより、U………もとい、白虎のパワーが3500にアップする。

U「さて………もう1発行こうか………!!」

Uは次に攻めの騎士を攻撃する。

エミル「私の控えの怪物の能力発動! 自分の場………今回はキリエも私の場として扱うから、条件は成立しています! 私は{身代わり守りの魔法使い(みがわりまもりのマジシャン)}をこのバトル中に効果で召喚し、攻撃対象を変化させます!!!!」

U「ぐっ!! (身体が引っ張られる………! 仕方ねぇ、ここは身代わり守りの魔法使いを破壊するしかないか………こっちに損は無いし………!!)」

Uの攻撃が、効果でパワー2200となった身代わり守りの魔法使いに突き刺さり、破壊する。それにより現れた魂をUが自分の胸に当てて、パワーを4000に増加させる。

U「………さて、次も行かせてもらおうか………{白虎の爪}!!」

Uの標的は再び攻めの騎士を攻撃する。キリエもエミルも動きを見せず、Uの爪の一撃が突き刺さる。それにより、守りの魔法使いを破壊。更に、現れた魂をUが自身の胸に当て、パワーを4500に増加させる。

ルミア「パワー4500………もうかなりのパワーになってるよね………!!」

ミレル「それに神だから、エミルさん達のフィールド魔法の効果は効かない………Uと春香さんの2人なら………!!」

外野の遥達も良い雰囲気になっていた。ところが………

キリエ「………流石だね、U………それに、奥さんの方も………Uの奥さん、貴女の名前は何………?」

春香「春香………白宮春香です。」

キリエ「春香………暖かそうな名前だね。」

春香「そう言って頂けて光栄ですわ。キリエ様。」

キリエ「うーん………春香、堅苦しいのやめようよ。お姉ちゃんはまだしも、私は別にタメ口でも呼び捨てでも気にしないし………」

春香「そうですか………ならば、遠慮なく………そうさせてもらうわ………キリエちゃん。」

キリエ「ありがとう、春香。それと、一つ質問いいかな?」

春香「何かしら………?」

キリエ「春香って………強いの?」

春香「………どうかしらね。殴り合いになったら敵いませんが………でも、魔法を使って直撃させればUさんのお命すら奪える程の力はあるかしら………」

春香は身体から魔力を放出する。

メリル「うわっ………!! ………春香さん、魔力の放出量が半端ないわね………!!」

ミレル「そうだね………身体が動かない………!!」

エミル「(春香様、普段の見た感じはおっとりとしたしっかり者………という感じでしたが………戦いとなったら、それとは全然違う雰囲気を見せている………まるで、普段は人に害を与えないけど、自分の領域を侵されそうになった時に、牙を向ける獣のように………!!)」

キリエ「春香………とても強い魔力を感じる………!?」

U「(………魔力を大量に放出している………この場にいるメリルやミレルも魔力を無意識のうちに放出しているけど………そんなのとは比較にならないくらい強い魔力だ………まるで、春香以外の魔力が漣に思えるような………)」

Uはそんな事を考えていた。しかし、春香は魔力の放出を抑え………

春香「まあ、今回のルールじゃプレイヤーの攻撃が禁止だから、力の証明くらいにしかならないけれどね。」

春香はニコリと笑顔を向ける。それを見たキリエは………

キリエ「………春香が強いのは分かった………なら、見せてあげるよ………私の切り札を見せる資格があるよ! 私はもう一体、攻めの騎士を召喚! そして、攻めの騎士を生贄にして………{攻めの竜騎士(アタックドラゴンナイト)}を召喚!! 」

なんと、キリエは竜に乗った騎士を召喚した。そして、そのパワーは、フィールド魔法の効果もあって、パワー3500。

エミル「ならば、私も切り札を使わせてもらいましょう。守りの魔法使いの2体目を召喚。そして、守りの魔法使いを生け贄に………{仲間守りの魔法使い(バティガードマジシャン)}」

エミルが召喚したのは、攻撃は出来ないが守りに特化した、効果でパワー3500を誇る仲間守りの魔法使いだった。

キリエ「私達の切り札を倒せない限り、私達には勝てないよ!!」

そう言い放つキリエ。それに対しU達は………

U「ふっ………上等だぜ!!」

そう言って、構えるU達であった………

To be continued………




次回予告
エミル達の切り札の魔の力は強大だった。しかし、U達は切り札同士を融合させ………!?
次回「切り札の激突」

魔の解説
・身代わり守りの魔法使い(みがわりまもりのマジシャン
愛称 マジシャン
属性 魔法使い族
パワー 1200
効果 「君の場のカードが攻撃されている時、召喚されていないこのカードを召喚して、代わりに攻撃対象に変更してよい。」
攻撃技 {守りの反撃(まもりのカウンター)}
フレーバーテキスト 「この魔は戦う力は弱いが、飛び出して、味方の攻撃を代わりに防ぐ事に長けている………」

・攻めの竜騎士(アタックドラゴンナイト)
愛称 ドラゴンナイト
属性 戦士族
パワー 2500
召喚条件 自分の場の魔一体を破壊(生贄に)する。
効果 「・このカードのパワーは減らない。
・このカードは攻撃時に限り、破壊された魔のカード名に『攻め』か『守り』とつく、カードの数×500の合計分、パワーがプラスされる。」
攻撃技 {竜騎士の斬撃(ドラゴンナイトスラッシュ)}
フレーバーテキスト 「『キリエはまっすぐだ………どんな敵にも戦える程に………!』」

・仲間守りの魔法使い(バディガードマジシャン)
愛称 バディ
属性 魔法使い族
パワー 2500
召喚条件 自分の場の魔一体を破壊(生贄に)する。
効果 「・このカードは攻撃出来ない。また、このカードがいる限り、このカード以外の自分の場の魔は戦闘で破壊されない。
・このカードは攻撃された時に限り、破壊された魔のカード名に『攻め』か『守り』とつく、カードの数×500の合計分、パワーがプラスされる。」
フレーバーテキスト 「『エミルはとても内気だけど………それでも誰かの為に頑張っているの………!』」


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第58話 切り札の激突

前回までのあらすじ
Uと春香、エミルとキリエのタッグマッチ。U達は共闘してなんとかエミル達をそれぞれ残り1体に追い込む。しかし、エミル達は切り札を召喚し………!?


エミル「私達を倒したくば、まずは私の切り札から倒す事です。私の怪物、{仲間守りの魔法使い}を倒さない限り、キリエの{攻めの竜騎士}を倒せませんよ!!」

U「(今のエミル達の魔はパワー3500………でも、白虎のパワーは4500………! 今なら倒せるはず………!!)」

Uは腕の爪を構え………

U「ならば、仲間守りの魔法使いに攻撃だ!!」

Uは仲間守りの魔法使いに爪を向ける。

エミル「仲間守りの魔法使いの効果発動! 攻撃された時に限り、これまでに破壊されたカード名に『攻め』か『守り』を含めるカードの数×500の合計分、パワーをプラスする!!」

それにより、生贄にされた魔やキリエの魔も含め、パワーは3000プラスされる。つまり、パワー6500となり、Uの纏った白虎の鎧の爪を魔力で止められてしまう。

U「パワー6500………!? そんなパワーを持っているなんて………!!」

キリエ「今度は私の番だよ! 攻めの竜騎士で攻撃! {竜騎士の斬撃(ドラゴンナイトスラッシュ)}!!」

攻めの竜騎士は浮上し、Uに体当たりを放つ。Uはジャンプでなんとかこれをかわすが………

キリエ「更に、私の攻めの竜騎士は攻撃時に限り、これまでに破壊されたカード名に『攻め』か『守り』を含めるカードの数×500の合計分、パワーをプラスするよ!!」

春香「それじゃあ、攻めの竜騎士のパワーも6500………!?」

攻めの竜騎士は更に浮上し、Uの腹に自身の頭から体当たりをする。

U「がはあっ!?」

そして、攻めの竜騎士はUに向けて斬撃を放つ。

U「うわあああああ!!」

メリル「U!?」

Uは地面に吹き飛び、白虎の鎧………もとい、白虎が破壊されてしまう。

U「がはっ!! げほっ! げほっ!!」

Uは腹を押さえて蹲る。

春香「Uさん!!」

春香は大急ぎでUに駆け寄り、彼の腹に手を当てると、回復魔法をかける。

U「ひゃう!? は、春香か………」

春香「………相変わらず、お腹を撫でられるのには弱いんですね。」

U「いや………マジで痛いんだよ………白虎の鎧が無かったら、身体に影響してたよ………げほっ! げほっ!」

春香「Uさん!! ………2人とも、申し訳ないけど少し待ってもらえるかしら!?」

キリエ「い、いいけど………!」

エミル「………キリエ、やり過ぎよ。U様に後遺症が残ったらどうするの………?」

キリエ「ううっ………」

キリエが罪悪感に囚われる中、Uは立ち上がろうとする………しかし、先程のダメージが効いているのか、まともに立てず、座り込んでしまう。

U「ううっ………動いてくれよ、僕の身体………!!」

Uがそんな事を呟いていると、Uの身体は突如浮いたような感覚になる。

U「春香………?」

その理由は、春香がUをお姫様抱っこしていたからだ。

春香「無理しないでください………あなたは特に、お腹が弱くて………酷い時はまともに立てなくなるのに………」

U「………君だって魔力が切れたらまともに立てなくなるくせに………」

Uはそんな事を口にする。すると、春香は自身に魔力を身体に纏わせ、Uの身体に分け与える。

U「身体が軽い………それに、腹も痛くない………?」

春香「{マジックガード}………私の魔力を与え、一時的に痛みを和らげる効果があります………しかし、長くは持ちません………ですから、ここで決着をつけましょう!!」

U「………ああ! 僕は{暗黒の魔道士}を召喚………!! ここからやらせてもらうぜ、僕達の反撃を………!!」

Uの目の前に暗黒の魔道士が召喚される。無論、効果でパワー1000となってしまうが………

U「対抗カード{魔の融合}を発動! ダークと魔の僕を融合させる!!」

魔のUと暗黒の魔道士が融合。セイバーを持つ魔道服を着た暗黒の魔道士が姿を見せた。

U「{白宮家の力を借りし者暗黒(しろみやけのちからをかりしものダーク)}を召喚!!」

U達の目の前には、U達の切り札同士を融合させた魔が降臨する。

U「魔の僕の力を得たダークは、効果でパワーは減らされない! 更にカード名に『白宮家』を含む為、フィールド魔法{白宮家の絆}の効果も受け、パワーは3500だ!!」

ダーク「うむ………魔とは言え、マスターの力を借りる事となるとは………力がみなぎるようだ………!」

と、彼の力に感心する様子を見せる暗黒の魔道士。

U「更に、光の魔道士を召喚!」

Uは最後の魔として、光の魔道士を召喚。そして、マジックファイルからカードを手にし………

U「対抗カード{融合の杖}! ライト、力を貸してくれ!!」

ライト「うん!!」

それにより光を放つ杖が生まれ、暗黒の魔道士に装備される。これによりセイバーと杖の2つの武器を手にする。これにより、パワーは3800へと増加し………?

U「ダークで攻撃! {ダークセイバー}!!」

白宮家の力を借りし者暗黒のセイバーによる一撃が放たれる。

エミル「仲間守りの魔法使いの効果………!」

U「無駄だ! ダークが装備している杖の効果で、バトル時に相手は効果を無効化される!!」

つまり、これにより仲間守りの魔法使いはカード効果を発動出来なくなる。だが、パワー1000上昇はフィールド魔法カード{パワーアップの湖}の効果なので、これは適用され、仲間守りの魔法使いはパワー3500である。

エミル「対抗カード {魔法のオーロラミラー}!」

ミレル「あれは、攻撃を無効化するカード………!?」

U「ダークの第2の効果発動!! マジックファイルのカードを1枚捨てる事で、次のバトルに限り、攻撃は無効化されない!」

エミル「………!!」

これにより、エミルの仲間守りの魔法使いはセイバーの斬撃によって破壊された。

エミル「………これで私の怪物は尽きてしまいましたね………」

U「更に、攻めの竜騎士にも攻撃だ!!」

白宮家の力を借りし者暗黒のセイバーの斬撃は攻めの竜騎士を一刀両断する。

キリエ「私の怪物もこれで尽きちゃった………じゃあ、Uと春香の勝ち………だね。」

キリエは少し罪悪感を持った表情を見せていた。それと同時に………

U「なんとか勝て………うぐっ!? げほっ! げほっ!!」

Uは咳き込んだ。どうやら春香のマジックガードの効果がきれてしまったのだろう。

キリエ「U!!」

キリエは大急ぎでUに駆け寄ると、彼の腹を優しく撫でる。

U「ひゃう!? こ、今度はキリエが僕の腹を撫でているのか………?」

キリエ「ごめんね、U………痛いよね、お腹………」

U「………」

Uは泣き出しそうな表情を見せるキリエの頭を撫で………

U「大丈夫だよ………腹なんてよく殴られるし………気にしなくていい………」

キリエ「うん………ありがとう、U………」

キリエは嬉しさから泣き出したのだった。春香達がその様子を見ると、春香のマジックファイルから真子が出てくる。

真子「お父さん、またお腹を殴られたの………? いい加減克服したらどうなの………?」

春香「前に克服しようと私が協力したら、2発で気絶したからダメなのよ。」

真子「それはお母さんが強過ぎるんじゃ………?」

真子は引くような表情でそんなことを呟くのだった………

 

その後、Uの腹へのダメージは2日で治ったという………

To be continued………




次回予告
U達はエミル達の護衛としてレボナガシの城の外を歩いていると、心の闇と似たような状態となった人物達が襲いかかり、それを束ねる者がマジシャンバトルをしかけてくる。それに対し、メリルがそれを受け………!?
次回「心の闇と似たモノ」

魔の解説
・白宮家の力を借りし者暗黒(しろみやけのちからをかりしものダーク)
愛称 ダーク
属性 魔法使い族/戦士族
パワー 3000
召喚条件 {暗黒の魔道士}と{白宮家の強戦士U}を融合させる。
効果 「・この魔のパワーは減らない。
・この魔の攻撃時、マジックファイルのカードを1枚捨てて良い。捨てたら、次のバトルに限り攻撃は無効化されない。」
攻撃技 {ダークセイバー}
フレーバーテキスト 「『マスターの力を再現しているものとはいえ………凄まじい力だ………』」


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第59話 心の闇と似たようなモノ

前回までのあらすじ
Uと春香、エミルとキリエのタッグマッチ。Uは白虎の破壊と共にダメージを負うが、春香と自身の切り札の融合により、エミル達との戦いに終止符を打つのだった………


ある日の事、U、春香、メリル、カラの4人は、レボナガシ国が毎月行っている王族巡回の警備に就くことを国王から依頼され、今回の王族巡回の役目を担うエミルの護衛に就いていた。

 

レボナガシの城下町………

U「しかし、また唐突な依頼だな………あの王様、僕達の事をパシリだと思ってないだろうな………?」

エミル「………陛下はU様達の実力を信頼した上で、皆様に依頼なさっていると思います。実際、U様と春香様はその実力を証明なさっておられますし………メリル様もカラ様も、マジシャンバトルがかなり強いと伺っております。少なくとも、私は信じていますよ。」

カラ「しかし、他の方々は置いてきて良かったのでしょうか………?」

U「多人数だと何かあったと思われる。それに、あっちには遥や真子が残ってくれている。万が一の時も大丈夫だよ。」

メリル「そう………そうよね。」

U「………なんか最近思うんだけどさ、メリル、元気が無いよな………?」

メリル「え!? そ、そんな事ないわよ!?」

U「嘘言うなよ。ウズクチョにいた頃の方がもっと元気そうに見えたぞ………?」

メリル「………」

メリルは図星を突かれても口を開こうとはしない。

U「(………春香、何か持ってないかな、こういうテレパシーできる魔法の巻物とか………)」

Uはテレパシーで春香に語りかける。

春香「(………私の魔力がこもっただけの巻物ならあります。これなら、タイムリミットはありますが、私の魔力が受話器と電波の代わりになってテレパシーのように会話出来ますよ。)」

U「(………ありがとう。)」

Uは春香から巻物を受け取る。そして………

U「メリル、この巻物を持ったら、紐を引っ張って開いてみてくれ。」

メリル「え………? わ、分かったわ。」

メリルは巻物を開く。すると、巻物は光と共に燃え尽き、彼女の身体に春香の魔力が宿る。

U「(これなら他人には聞こえない。)」

Uはテレパシーでメリルに語りかける。メリルは驚く様子を見せ………

メリル「(ど、どうなってるのこれ!?)」

U「(………後で春香にでも説明してもらってくれ。時間制限があるから単刀直入に聞く。メリル、君はもしかして………コンプレックスを抱えているのか………?)」

メリル「(………! ええ………私、居る意味あるのかなって思って………マジシャンバトルはエミル様とキリエ様のお2人が私のカードの効果を上回るカードを所持しておられるし………魔法だって、春香さんの方がずっと強いし………物理なんて以ての外。貴方どころかカラにも敵わない………私なんて、どれも平均的にしか………!)」

メリルの言葉を聞いたUは………

U「(………それは違う。メリルの長所はある………それは、どんな場にも臨機応変に対応できる事だ………!)」

メリル「(臨機応変に対応できる事………?)」

U「(確かに、僕は物理特化型だ。でも、魔法は使えない。春香だって同じだ。確かに物理でもある程度は戦えるが、僕みたいなレベルの相手には敵わない………一点に長所を伸ばすということは、それに対応した短所がある。僕達はその短所が極端に大きいんだ。長所が大きいばかりに。でも、メリルは長所が弱くても、広い。それに、広いが故に短所も小さい。分かるんだ、メリルのデッキの恐ろしさが………だから、自信を持って………! 自分が居る意味なんて考えるな………!)」

メリル「(U………ありがとう、お陰でスッキリしたわ。)」

メリルはUに対し、笑みの表情を浮かべる。それを見たUは………

U「(気にすんなって。それに、メリルだって過去に僕を叱咤激励してくれたじゃん。今回はそのお返しみたいなもんさ。)」

Uはそう返して、笑みを浮かべ返すのだった。それと同時に、メリルが纏っていた魔力は消え去り、テレパシーは途絶えてしまった。

メリル「春香さん、ごめんなさい、大切な巻物を………」

春香「いいのよ、巻物や魔導書はいつか失われるもの。そんなものを大切に保管しても仕方ないわ。」

春香はそう言ってメリルを励ました。

エミル「皆様は、仲がとてもよろしいのですね。」

U「そんなものじゃないさ。僕達は………」

Uがそう口を動かしていた時だった。彼は後ろから来る何かを感じた。

U「(何だ………? 後ろから来る闇の力は………!?)」

Uは懐からセイバーを取りだし、後ろに振り回す。すると、剣を持った人間が襲いかかってきていた事が判明する。

U「何の真似かは知らんが………ちょっと眠ってもらうぞ!!」

Uはセイバーのグリップエンドでその人物の首元を攻撃する。普通なら失神するレベルの打撃だが、これをくらっても、その人物は立ち上がった。

U「気絶しない………!?」

春香「ここは私が………!! {ファイアボルト}!」

春香は剣を持った人物に対し、魔法を放つ。しかし、炎の一撃が当たっても、火は剣を持った人物の髪の毛にすら着火せず、何事も無かったかのように剣を構え直してきた。

U「どうなっている………!?」

更に、周囲にいた者達もまた闇を纏って立っていた。

カラ「これは………心の闇………!?」

U「いや、違う………確かに魔による闇だが、あの時の奴とは別物だ………それに、この人はただ闇に取り憑かれている………つまり、それを操る黒幕がいる………!」

Uはそう推察する。すると、拍手をしながら歩いてくる者が………

???「へぇ………幹部達の間で噂になっているU………どんな奴かと思えば………中々頭が切れるじゃん………!」

槍を持ち、闇を纏った女性の魔がU達の前に現れた。

???「これは、倒したらかなりの手柄じゃないかねぇ………」

U「………誰だ!」

???「私は闇の伝道師(ダークでんどうし)………闇を操る事に長けた魔だよ………!」

U「闇の伝道師……… 」

伝道師「U! 私とマジシャンバトルだ!!」

U「………意図は分からんが、受けて………!」

Uが話す中、メリルはUを止める。

メリル「ここは私が相手よ! Uはそこにいる人達を守って!」

U「メリル………」

伝道師「はあ? アンタなんかで私の相手になると思ってるの?」

メリル「………貴方こそ、私に勝てないならUになんてもっと勝てないわよ!」

伝道師「ちっ、言うじゃない………なら、相手してあげるよ!! 3vs3のマジシャンバトルでね!!」

こうして、U達がエミルの護衛を、メリルがマジシャンバトルをすることに………!

To be continued………




次回予告
U達は、エミルを守りながら、人々を元に戻す方法を模索する。一方、メリルも闇の伝道師相手に苦戦するが………?
次回「それぞれの戦い」


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第60話 それぞれの戦い

前回までのあらすじ
U達はエミルの護衛として城下町を歩いていた。その道中、Uはメリルの悩みを聞いていた。メリルの気分が良くなり、一件落着………と思いきや、U達の目の前には、闇の伝道師とそれに操られた人間が現れ、メリルは闇の伝道師とマジシャンバトルを、U達は操られている人達を相手にする事に………


メリル「私は{未熟者の魔法使い}を召喚!」

伝道師「なら、私は氷の妖精を召喚する!」

2人は魔を召喚。メリルは更に………

メリル「更に、フィールド魔法{魔法の箱}を発動!」

メリルは魔法の箱を発動。今回も状況を逆転させるためのカードのようだ。

メリル「(ここは先手必勝………! 不安な気持ちはあるけど、私なら出来る………! だって、信じてくれているんだもん………! 私の仲間が………!!)」

メリルはそう自分に言い聞かせるように考えると………

メリル「魔法カード{魔術師の雷}!」

魔法カードを放ち、氷の妖精目掛けて雷を撃ち落とすのだった………

 

 

一方、Uと春香が操られている人達を相手し、カラはエミルを守るように立っていた。

U「(動きは単調だ………でも………! 数が多い上に、攻撃してもキリがねぇ………!!)」

Uはセイバーを振り回しながらそんな事を考えていた。春香の方に視線を寄せるが、春香の方も呼吸のペースが上がっていた。

U「(魔力が無限の春香だって体力は無限にあるわけじゃない………なんとかしないと………!)」

Uはそんな事を考えていた。春香も必死に魔法を使っているが、押さえるのが精一杯で体力が減っていくばかりだった。すると、操られている人達の中の1人が、春香の左頬に僅かながら傷をつけた。

春香「きゃあっ!?」

U「春香!! ぐあっ!?」

Uの右頬にも剣が当たり、血が流れる。Uはムーンサルトを放ち、操られている人達と距離をとって春香の傍に移動する。

U「春香、頬………!!」

春香「Uさんこそ………!!」

U「………僕はまだいいけどさ、春香の頬に傷が残っちゃったら………!」

春香「掠っただけですから………! それに、私としてはUさんの顔に傷が残るのも困ります………!!」

U「春香………」

U達がお互いを心配しあっていると、Uの目の前には操られている人が剣を持って斬りかかってきた。

U「ぐっ!!」

Uはセイバーを使ってこれを防ぐと、操られている人を押し戻した。

U「………何とか戻す方法を探ろう。春香、操られている奴等の力がどうなっているか探知出来るか………?」

春香「………分かりました。」

春香は詠唱を始める。それを阻もうと操られている人達が春香に攻撃を仕掛けるが………

U「させるか!!」

Uが超速移動でセイバーを振り回し、春香に近づかせないようにする。

春香「{エリアサーチ}!!」

春香は魔力を地面に放つ。それにより、足元に魔法陣が設置され、操られている人達の背の方から強い闇の力が現れた。

春香「………この人は皆、身体の背にある闇のようなものから外部的に支配されているようですね。つまり、背中にある闇のものを打ち消せれば恐らく支配から救出できます。そして、それを可能にするのが………!」

U「そうか、光の力を使うんだな!!」

春香「そうです………! Uさん、貴方のセイバーにも光の魔法をかけます。勿論一時的なものですが………Uさんのスピードを考えれば大した問題でも無いでしょう………!」

U「………分かった。頼むよ………!」

春香「では、失礼します………{ホーリー}!!」

春香は手から光弾を放つ。それにより、Uのセイバーは白く光り輝く。

U「………無理しないでよ?」

春香「………Uさんこそ………!」

2人はそう言い合うと、攻撃を開始する。Uはセイバーで操られている人達の背を斬る。

U「(斬った手応えがある………!!)」

すると、Uに背を斬られた人達は、次々と闇のオーラが消え、倒れる。春香の方も操られている人達の背にホーリーの魔法を使い、闇から解き放つ。

U「(僕達の方は何とかなりそうだ………メリル………そっちは頼む………!!)」

Uはメリルに視線を向け、心の中で語るようにそう考えるのだった………

 

 

そして、再びメリル視点………

U達が操られている人達を助ける方法を見つけた時には、戦況はメリルが有利に動いていた。未熟者の魔法使いと装備カードのコンボで、闇の伝道師の魔2体を破壊し、魔法の箱にあるカードは2枚に。

伝道師「まあ、ここまでは倒されるとは思っていたわ。でも、ここからが本番だよ! {闇の伝道師}を召喚!!」

メリルの目の前に、闇の伝道師本人が現れた。

伝道師「私はパワー1800、効果は2つ………! そしてその効果は………1つ目は、召喚時にマジックファイルのカード名に『闇』を含むカードを好きなだけ捨てられる………!」

闇の伝道師はマジックファイルのカードの中から、18枚のカードを捨てる。

伝道師「そして、使用済みか捨てられたカード名に『闇』を含むカードの数×100の合計だけパワーがプラスされる!!」

それにより、闇の伝道師のパワーは3600へと上昇した………!!

メリル「効果と元々のパワーの合計で………パワー3600………!?」

メリルは驚きの表情を見せるのだった………

To be continued………




次回予告
闇の伝道師の力に、メリルの切り札である{正義の魔道士}の力も通用しない。だが、メリルが持っていた{双魂・竜王&魔法帝}はその戦況を覆す能力を持っており………!?
次回「最強の双魂魔」

魔の解説
・闇の伝道師(ダークでんどうし)
愛称 伝道師
属性 魔法使い族
パワー 1800
効果 「・この魔が召喚された時、マジックファイルのカード名に『闇』を含むカードを好きなだけ捨ててよい。
・使用済みか捨てられた、カード名に『闇』を含むカードの数×100の合計、このカードのパワーがプラスされる。」
攻撃技 {闇の魔法(ダークマジック)}
フレーバーテキスト 「彼女が持つ闇の力。それに取り憑かれたものは、彼女の手駒となる………」


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第61話 最強の双魂魔

前回までのあらすじ
メリルは、闇の伝道師との勝負を優勢に動かす。Uと春香も操られている人達を元に戻す手段を見つけ、良い状況に動いたと思いきや、闇の伝道師は自らの能力を発動し………!?


伝道師「さて、まずは………アンタの魔から倒させてもらおうかしら! 私で未熟者の魔法使いを攻撃!」

メリル「対抗カード発動! マジックファイルのカード1枚を捨て、{守り手の剣士}を発動! 攻撃を無効化! 更に、このカードは無効化されない!」

伝道師「(そこそこ強い防御カードを使ってきたね………聞きなれないカードではあるけど、これは厄介だなあ………)」

メリル「(この間、春香さんと何枚かカードを交換した時に持っていたカードの1枚………効果はいいんだけど、この絵柄………Uにそっくりよね………? 怪物のカードにもUがいたし………どれだけガチ勢なのかしら、あの人………)」

メリルはそんな冗談を考えていたが、手を休める事はなく………

メリル「なら、私は{正義の魔法使い}を召喚!! その効果で、マジックファイルのカードを3枚………すなわち、魔法カードを魔法の箱の中に全部投入!!」

これにより、魔法の箱のカードは5枚。

メリル「(残りは2枚………! そして、パワーが減ったら装備カードのような強化カードを使えば、何とか逆転できる………!!)」

メリルは戦略を組み立てる。すると………

伝道師「それに対抗させてもらうよ! フィールド魔法{魔法封じの魔法陣}!! この効果で、お互いは魔法カードを使えない!!」

メリル「………!! しまった!!」

これにより、メリルは戦略の手を狭められる。つまり、場に残っている未熟者の魔法使いを破壊するしかない。だが………!

伝道師「おっと、そうはさせないよ!! 私に残されたカードは、対抗カード{魔の効果封じ}!! 魔の数が負けている時に、効果を発揮するカード。それにより、未熟者の魔法使いの効果を封じる!!」

メリル「そ、そんな………!!」

これにより、未熟者の魔法使いの効果が無効化され、メリルの戦略は破綻してしまった。

メリル「(一体どうすれば………もうこの状況を打破できるカードなんて………!!)」

メリルは頭を抱える………しかし、メリルの頭にある事が過ぎった………

メリル「(………いや、ある………!! 1枚だけ、この状況を打破できるカードが………{双魂・竜王&魔法帝}。この間………このカードの効果を読んでゾッとしたわ………でも、それを成立させるには他の怪物を生贄にする………つまり、未熟者の魔法使いやジャスちゃんを生贄に捧げる必要がある………Uだって気が進まないこの行動をしなければ勝てない………)」

メリルはそんな事を考えていた。すると、正義の魔法使いは悩むメリルの顔を見ると、微かに笑みを浮かべた。それは、彼女の選択を尊重するようだった。

メリル「ジャスちゃん………」

メリルは少し悩んだが、正義の魔法使いの様子から覚悟を決め………

メリル「未熟者の魔法使いを生贄に捧げて………!!」

メリルが口を開くと、未熟者の魔法使いが破壊される。

メリル「{双魂・竜王&魔法帝}を召喚!!」

それにより、2つの魂と首を持つ双魂・竜王&魔法帝が君臨する。

魔法帝「我がカードの主よ、勝利の為に貴女の力を捧げなさい………!!」

魔法帝がそう口にすると、メリルの身体に自身の魔力を放ち、彼女の身体に纏わせる。

メリル「うっ………ぐうっ………!!」

カラ「メリルさん!!」

U「メリル!!」

U達は心配する素振りを見せる。すると、メリルは苦しみながらも視線は闇の伝道師を向き………

メリル「双魂・竜王&魔法帝の能力発動! 私の場の魔法使い族、ジャスちゃんを生贄に捧げる! それにより、マジックファイルのカード3枚を好きなように入れられる!!」

それにより、魔法の箱に魔法カード3枚の内の2枚が、そして最後の1枚が双魂・竜王&魔法帝に入る。

伝道師「バカな!? 効果で魔法の箱のカードを7枚揃えた………!?」

メリル「今こそ逆襲の時! 発動! {終焉の魔法}!!」

これにより、闇の伝道師のパワーは2900、そして、双魂・竜王&魔法帝のパワーは魔法の箱の2つの能力でパワー3500となった。

メリル「双魂・竜王&魔法帝の攻撃!!」

竜王「{竜王の獄炎}!!」

魔法帝「{魔法帝の極魔法}!!」

2つの攻撃が放たれ、闇の伝道師に直撃する。

伝道師「うわあああああ!!」

それにより、闇の伝道師は破壊された。勝負は決着し、闇の伝道師のカードは火がついたように燃え尽きた。

メリル「やった………!!」

U「メリル!!」

U達がメリルに駆け寄る。

メリル「U………私、やれたわ………」

メリルは嬉しそうな表情を見せる。だが、バトル終了の処理で、双魂・竜王&魔法帝が消えた時、事態は起きた。

メリル「………うぐっ!? はあっ、はあっ………!!」

突如、メリルが胸を押さえて苦しみ出した。そして、そのまま倒れてしまい、気絶したのだった。

カラ「メリルさん!?」

Uはメリルに触れる。

U「これは………!! かなり疲弊している………!? 春香、急いで回復魔法を!!」

春香「は、はい!! {メガヒール}!!」

春香はメリルに回復魔法をかける………ところが………

春香「これは………! どういう事でしょうか………!? ………回復魔法の効き目が薄い………!?」

U「そ、そんな………!? 春香の魔法はそこら辺の有象無象のボンクラとはレベルが違うんだぞ!? どうして、メリルに対して効き目が薄いんだ………!?」

困惑するU達。その理由は、そう遠くない内に明かされる事となったのだった………

To be continued………




次回予告
翌日、メリルは休む事で普通に過ごせるくらいにはなったが、まだ身体が完全回復したわけではなかった。そんな彼に、メリルはマジシャンバトルを要求。しかし、彼女が{双魂・竜王&魔法帝}を召喚した時に事態は起きた………
次回「強力な力の代償」


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第62話 強力な力の代償

前回までのあらすじ
メリルと闇の伝道師の対決。メリルは自身の策が一時破綻したが、{双魂・竜王&魔法帝}の効果で形成が逆転して撃破する………しかし、メリルの様子がおかしく………?


翌日、客室………

Uはベッドに横たわっていたメリルの様子を見ていた。

メリル「U、来てくれたのね。」

U「まあ、大事な仲間だからな。」

メリル「そんな事言って………もっと素直に言いなさいよ。」

U「………恥ずかしい。」

メリル「あら、貴方にも羞恥心の感情があったのね。」

U「………うるせぇ。」

Uはそんな事を口にした………

メリル「それより、貴方の頬の傷、綺麗に治ったのね。」

U「そりゃ、春香の回復魔法だからな。普通ならどんな傷やダメージだって治るはずなんだが………何故か、メリルの体力はあまり回復していない。それが不思議でしょうがないんだ………」

Uは悲しそうな表情をうかべる。

メリル「………何で貴方の事じゃないのに、悲しそうなのよ………?」

U「いいだろ、別に………メリルに何かあったら………嫌だもん………」

メリル「………全く、貴方の口調は安定しないわね………U、せっかくだし、気分転換にマジシャンバトルしない?」

U「………それは構わないけど………体調はいいのか………?」

メリル「大丈夫よ、歩いたり話したりするくらいなら………」

U「なら、プレイヤー攻撃なしルールで………レボナガシルールでいいか?」

メリル「いいよ、じゃあ、ここじゃ狭いから………これを使ってやろうか。」

メリルはベッドから立ち上がると、球体の様なものを地面に投げる。それにより、結界が張られる。

メリル「この中なら、周りに迷惑はかからないわ。」

U「よし、じゃあ早速始めるか。僕は{暗黒の魔道士}を召喚!!」

Uは暗黒の魔道士を召喚。

メリル「私は{未熟者の魔法使い}を召喚!!」

メリルも魔を出すと、マジックファイルのカードに手を伸ばし………

メリル「フィールド魔法{魔法の箱}を発動!」

U「………いつものパワー逆転の鉄板コースか………こりゃ、どうするかねぇ………」

メリル「………そんなこと言って、何かしら対策しているんでしょ?」

U「さあ、それはどうだかな………?」

メリル「………Uのいじわる。」

U「小さい頃の真子から聞き慣れてるよ、それ。」

メリル「………真子さん、子供の頃からしっかり者だって聞いているけど、それって、Uが子供っぽいからじゃないの?」

U「こ、子供!? 何言ってるんだよ!?」

メリル「だって、Uって子供みたいじゃない。そうやってあからさまに動揺するところとか。」

U「ぐうっ………!! こ、こうなったらさっさと勝負を終わらせてやるー!!」

メリル「そうはさせないわ! 今回は最初から使わせてもらうわ! 未熟者の魔法使いを生贄に捧げ………{双魂・竜王&魔法帝}を召喚!」

Uの前に、パワー2500を誇る双魂・竜王&魔法帝が召喚される。

魔法帝「我がカードの主よ、勝利の為に貴女の力を捧げなさい………!!」

それにより、魔法帝の手から魔力が放たれ、メリルに纏われる。ところが………

メリル「………うっ!? (な………に………? 身体が………重い………!?)」

メリルは突如、身体が重くなったように感じ、倒れてしまう。

U「メリル!?」

メリルは倒れ、完全に立ち上がれない様子を見せた事で、結界はメリルが戦闘不能と判断して、場に出ていた魔と共に消えた。Uはメリルに駆け寄ると、彼女の身体を抱え、ベッドに寝かせる。

U「どうして急に………!? ………まさか!!」

Uはメリルのマジックファイルから、双魂・竜王&魔法帝のカードを取り出す。

U「………あの時感じた違和感は………これが理由か………? そして、召喚時に魔法使いの首の方から放たれる魔力………そうか! メリルが急に倒れたのは………魔力を纏わされている時に急速に消耗されていたんた………!! 理由までは分からないが………今回は、完全回復してない状態で使ってしまったから、メリルは突然倒れた………というわけか………って、こんな事を考えている暇なんかねぇ!! 春香ー!!」

Uは我に返ったように、部屋を出て春香を呼び出しに行くのだった………

To be continued………




次回予告
メリルが突然倒れた事を仲間達に共有するU。だが、そんな状況であるにも関わらず、またしても魔が襲来し………!?
次回「仲間達の不安」


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第63話 仲間達の不安

前回までのあらすじ
メリルの体力が完全に戻らない事を不思議に感じるU。そんな中、Uとメリルはマジシャンバトルをする事に。しかし、メリルが{双魂・竜王&魔法帝}を召喚した途端、メリルは倒れてしまい………!?


メリルは春香が大急ぎで回復魔法を使ったお陰で、身体的な異常は無かったが、メリルは目を覚まさない。U達は、仲間全員とエミルとキリエを呼び、これらを説明する事に………

 

U「………という事から、メリルは倒れたんだ………」

カラ「そんな事が………」

エミル「しかし、マジシャンバトルのカードを使って倒れるなんて話………初めて聞きました………」

U「そりゃそうだよ………マジシャンバトルでカードを使って倒れる事なんかまず有り得ないし………」

Uは{双魂・竜王&魔法帝}のカードを手にする。

U「………春香、このカードから何か反応を拾えないかな?」

春香「では、少しお借り致します。」

春香は自身の身体に魔力を纏い、双魂・竜王&魔法帝のカードを手にする。すると………

春香「………うっ!?」

春香は何かを察知したようだが、突然、ふらっとしたように倒れた。

U「春香!?」

真子「お母さん!?」

Uと真子が春香に駆け寄る。

春香「これは………他のどのカードからも感じられない………とてつもない2つの力を感じます………!!」

U「2つの………力………」

ルミア「2つの力………? それって何?」

春香「1つは魔力よ。魔法使いの使う魔力は、厳密な構成は違うけど、元の反応自体は全て同じだから、これは確定と言えるわ。でも、もう1つは分からないわ。」

ミレル「もう1つが分からない………じゃあ、魔力以外の何かって事だよね?」

U「そうなるな………ありがとう、春香。」

春香「いえ………」

Uは春香の手から双魂・竜王&魔法帝のカードを手にするとそれを机に置き、春香の身体をお姫様抱っこする。

春香「ゆ、Uさん!! 人前でお姫様抱っこは止めてください!!」

U「だって、今ので春香は結構疲れてるじゃないか。無理に歩くよりはいいだろ?」

Uはそう口にすると………

U「ごめん、一旦部屋に戻るよ。」

Uは春香を連れて部屋を出ていった。

ルミア「お兄様、結構大胆な人なんだね………」

遥「いや、かなり天然なだけだと思うんですけど………」

真子「私、お父さんとお母さんの様子を見てきますね。お父さんだけじゃなんか不安なので………」

真子はそう言うと、部屋を出ていった。

キリエ「いいなぁ、Uにはあんなにいい奥さんがいて。」

エミル「キリエ、すっかりU様と春香様を気に入っているわね………」

キリエ「まあ、最初はUしか興味なかったけど、この間のタッグマッチで、春香も充分強かったし、それに優しいんだもん。」

遥「確かに、春香さんは優しくて強い人ですよ。私も共闘していた期間がありましたので。」

遥はかつての事を思い出すようにそう口にした。その時は霊体の姿であった事は口にしなかったが。

ミレル「という事は、ハルちゃんは春香さんとかなり長い付き合いなのかな?」

遥「別にUみたいに何十年と付き合いがある訳じゃないよ。たった数ヶ月だけ………でも、優しい人だって理解するのはそう時間はかからなかったよ。」

Uと春香の話が盛り上がっていたが、カラだけはそんな様子を見せなかった。

カラ「(………確かに、Uさんと春香さんは優しいし夫婦関係も良好だ………でも、それが成立しているのは、2人とも強くて、お互いに弱い所をカバーしあっているからこそだ。俺はメリルさんを守るのが使命なのに………守れた事はあったか………? 無い事は無いが………Uさんみたいには出来てない………俺は一体どうすれば………?)」

ただ1人、メリルの事で悩んでいた。すると、突如地響きが起きた。

遥「な、何………!?」

エミル「中庭の方から………!?」

遥達は中庭の方へ向かう。カラは机の上にあった双魂・竜王&魔法帝のカードを手にし、遥達を追いかける………

 

中庭………

中庭では巨大な竜が暴れていた。

エミル「ドラゴン………!?」

?????「我は、{天災の竜(てんさいのバハムート)}。天変地異を司る最強の竜だ………!!」

遥「バハムート………?」

カラ「伝説のドラゴンの名前ですよ。まさか実在するとは思いませんでしたが………」

バハムート「今こそ、この国全てを滅ぼしてくれよう………!」

天災の竜はそう口にする。すると、カラは天災の竜の目の前に立ち………

カラ「そんな事は………俺がさせない!!」

遥「カラさん!?」

カラ「遥さん、Uさんを呼んでください! それまでは俺が何とかします! 大丈夫、俺は生半可な奴には負けません!!」

遥「わ、分かりました!!」

遥は大急ぎでUの方に向かった………

バハムート「………貴様が我が相手をするというのか………いいだろう、4対4のマジシャンバトルで我を倒せると言うなら、かかってくるが良い………!!」

カラ「いいだろう………!!」

カラはそう言って、マジックファイルを構える。

 

 

一方、城の屋根の方では………

雨「昇竜から借りたカードでUを見ようと思ってたのに………まあ、いいや。この間のメリルって人が私の魔を倒したのは驚いたし………もしかしたら、あのカラって人も………」

と、楽しそうに様子を見るのだった………

To be continued………




次回予告
カラと天災の竜のドラゴン族対決。天災の竜は仲間の竜を喰らって強くなる魔で………!?
次回「仲間喰らう天災の竜」


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第64話 仲間喰らう天災の竜

前回までのあらすじ
メリルが倒れた事を説明するU。春香の調べで、2つの力を察知。疲労を見せた春香をUが連れ、真子が様子を見に行ったが、そこへ天災の竜が現れ、カラとのマジシャンバトルをする事に………!


カラ「俺は{力共有の竜}を召喚!! 更に、{大地の竜}を召喚!!」

カラは2体の魔を召喚。そして、天災の竜は………

天災の竜「我は、我………{天災の竜}を召喚………!!」

天災の竜がカラ達の前に接近する。

カラ「(奴のパワーは2000………リンクと同じだが、俺のリンクは仲間の竜のパワーを借りて強くなる………!!)………力を貸してくれ………! リンクの効果を発動!! 大地の竜のパワー2300を、リンクのパワーに!!」

これにより、大地の竜のパワーを4300へと上昇させる。

天災の竜「成程、仲間のパワーを使う力が………我にそっくりな力だが………我が力はそんなものでは無い………!」

天災の竜はそう口にすると………

天災の竜「来い! 3体の{力の竜(パワードラゴン)}!!」

天災の竜の傍に、3体のパワー2400のドラゴンが現れる。

天災の竜「力の竜達よ、我が勝利の為にお前達の力を捧げよ! {天災の吸収(てんさいのドレイン)}!!」

それにより、天災の竜に3体の天災の竜が吸収される。

天災の竜「これにより、我がパワーは9200となり、更にこのカードの効果で2体以上生贄に捧げた我のパワーは減らん!!」

天災の竜は自身の能力を説明すると………

天災の竜「我で大地の竜を攻撃! {天災の竜の息(てんさいのドラゴンブレス)}!!」

天災の竜は口から紫色のブレスを放つ。

カラ「対抗カード{竜神の守り}を発動! その攻撃を無効化!!」

天災の竜「ほう………その雑魚を守るとは変わった奴だ………!」

カラ「(なんという威力だ………それに、パワー9200なんて、俺の手持ちを考えて、パワーリンクでもギリギリ届かない………! どうすれば………!!)」

カラが悩んでいると、あるカードが彼の脳裏に浮かんだ。

カラ「(………いや、勝てる手が潰れた訳じゃない………{双魂・竜王&魔法帝}………このカードの力を使えば、天災の竜の力を上回れるはずだ………仲間達には悪いと思うが………メリルさんだってあの時、苦しい選択をして勝利を収めたんだ………俺が出来なくてどうする………!?)」

カラは自分にそう言い聞かせるように思考する。すると、彼の脳裏にもう1つの不安が浮かぶ。

カラ「(………もしかすれば、俺もメリルさんみたいに倒れてしまうかもしれない………いや、何を考えているんだ………!? もしかしたら、メリルさんみたいに倒れるかもしれない………!? 今、俺が考えるべきはそれか………!? 違うだろ!? 俺が考えるべき事は………この状況を乗り越えることだ………!!)」

カラはそう決意すると………

カラ「俺は………場の大地の竜を生贄に捧げ………{双魂・竜王&魔法帝}を召喚!」

カラがそう宣言すると………

竜王「遂にお前が召喚したか………我々を………!」

竜王は笑うようにそんな事を口にするのだった………

To be continued………




次回予告
{双魂・竜王&魔法帝}は、カラの身体に強い力を纏わせる。体力が大きく減る中で、カラはメリルへの想いの力と彼が持つ高い体力でこれを僅かな時で克服し………!?
次回「想いの力による克服」

魔の解説
・天災の竜(てんさいのバハムート)
愛称 バハムート
属性 ドラゴン族
パワー 2000
効果 「・{天災の吸収(てんさいのドレイン)}自分の場の魔を一体破壊(生贄に)する。破壊したら、その魔の元のパワー分、この魔のパワーをプラスする。
・このカードの効果で、2枚以上魔が破壊されているなら、このカードのパワーは減らない。」
攻撃技 {天災の竜の息(てんさいのドラゴンブレス)}
フレーバーテキスト 「強大なこの竜は、無数の竜を喰らって生きてきたという………」

・力の竜(パワードラゴン)
愛称 パワー
属性 ドラゴン族
パワー2400
攻撃技 {力の爪(パワークロー)}
フレーバーテキスト 「このドラゴンが求めるのは力だけだ………」


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第65話 想いの力による克服

前回までのあらすじ
カラと天災の竜の対決。カラは、味方を喰らうことで高いパワーとなった天災の竜を前に、{双魂・竜王&魔法帝}を召喚し………!?


竜王「我がカードの持ち主よ、勝利の為にお前の力を捧げよ!」

竜王はそう言うと、口からエネルギー波をカラに向けて放つ。

カラ「ぐっ………!!」

カラは全身が燃えるように熱く感じたが………

カラ「(メリルさんだって同じような苦しみを味わったんだ………俺がこんなものに負けてたまるか!!)」

カラは心の中でそう叫ぶと、彼の内側から光が放たれる。その後、カラは真剣な表情で、天災の竜を睨みつける。そして、それを見ていた竜王と魔法帝は………

竜王「………ほう、まさか我が力を受けてもろともしないとは………」

魔法帝「………あの娘と同じく覚悟は強いが………体力は違うわ。この男は、強い覚悟と高い運動能力があるからこそ、この力を制御出来ているようね。」

竜王「面白い………目を付けた甲斐があったものよ。」

魔法帝「………後は、あの娘もこの男のようになれば………ねぇ。」

竜王は面白そうな様子を見せたが、魔法帝は少しつまらなさそうな様子を見せた。

カラ「ここで追加召喚! 俺は{嵐の竜(ストームドラゴン)}を召喚!!」

ここで、パワー2300の嵐の竜が召喚される。

カラ「リンクの効果を発動! 嵐の竜のパワーを吸収させる!!」

それにより、力共有の竜のパワーは6600………しかし、まだ天災の竜には届かない。

カラ「{双魂・竜王&魔法帝}の効果を発動! 場の嵐の竜を破壊! それにより、場のリンクと竜王&魔法帝のパワーを1000プラスする! 更に、嵐の竜の効果を発動! 相手の場のカード1枚のパワーを500マイナスする!!」

それにより、天災の竜のパワーは8700へと減少。そして、力共有の竜のパワーは7600………

カラ「効果発動! 竜王&魔法帝のパワー3500を、リンクへ移動させる!!!!」

それにより、力共有の竜のパワーは………!?

キリエ「えっと、7600と3500を足して………11100!?」

力共有の竜は、ここまでの効果の連打で、最早青天井とも言えるパワーを誇っていた。

バハムート「バカな………!? 我を超えるパワーを持つ魔など有り得ん!!」

カラ「リンク! 奴を倒せ!! {共有の息}!!」

力共有の竜のブレス攻撃。これにより、天災の竜を焼き尽くした。

バハムート「ぐああああっ!!」

これにより、天災の竜は破壊され、天災の竜のカードは、火がついたように燃え尽きた………

カラ「勝てた………やりましたよ、メリルさん………!」

カラは嬉しそうにそう呟いた。それと同時に、セイバーを持ち、遥をおぶったUが到着するが………?

U「着いた!! ………んで、魔はどこだい、遥?」

遥「えっと………って、あれ? いない………?」

困惑する遥。そこへカラが歩いてきて………

カラ「先程のバハムートなら俺が倒しました。」

U「ええ………徒労じゃないか………春香を置いてきてまで超速で走ってきたのに………」

カラ「す、すいません………」

U「………いや、そこは謝っちゃダメだろ………まあ、いいや。カラ、助かった。この状況を乗り越えてくれたお前は………大物になると思うよ。」

カラ「………ありがとうございます。」

カラは嬉しそうな笑みを浮かべるのだった………

 

 

一方、部屋では………

メリル「………んんっ………」

メリルが目を覚ましていた。メリルは身体を起こすと………

メリル「………はあっ。あの時、私は気絶しちゃっていたのね………Uに迷惑かけちゃったな………」

メリルはそう口にすると………

春香「目が覚めたのね、メリルちゃん。」

メリル「春香さん………」

春香「………ガッカリしなくていいわ、メリルちゃんの悩む気持ち、分かるもの………」

メリル「………多分の話になるんだけど………私が気絶してしまったのは、体力が無くなってしまったからだと思うの………」

春香「体力ね………なら、Uさんにその手の特訓をお願いしてみたらどうかしら?」

メリル「特訓………」

一方、メリルの方でも何か新しいことが始まろうとしていたのだった………

To be continued………




次回予告
メリルは自身の体力向上のため、Uが考えた体力作りをしていた。しかし、運動不足の彼女は悪戦苦闘し………!?
次回「基礎体力作り」

魔の解説
・嵐の竜(ストームドラゴン)
愛称 ストーム
属性 ドラゴン族
パワー 2300
効果 「・この魔が攻撃した時、この魔のパワーを500マイナスする。
・この魔が破壊された時、相手の場の魔1体のパワーを500マイナスする。」
攻撃技 {嵐の爪(ストームクロー)}
フレーバーテキスト 「風を起こす事を得意とする竜。しかし、その反動は大きく………?」


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第66話 基礎体力作り

前回までのあらすじ
カラは{双魂・竜王&魔法帝}の負荷を克服。効果を最大限に活かすことで、天災の竜を撃破する。一方、メリルの方でも新たな事が始まろうとしていた………


良い天気に恵まれたある日の事。中庭では………

 

メリル「ぜぇ、ぜぇ………も、もう無理………」

メリルがぐるぐると走り回っていた。

U「はいはい、ペース落とさない。後、たったの87周なんだから。」

メリル「ど、どこがたったよ………!? 」

因みに、中庭を円形に走り回ると、約200mである。

U「体力作りしたいんでしょ? これくらいのメニューくらいは乗り越えてくれないと………あ、これの後に腕立て伏せ100回3セットと、上体起こし100回3セットと、反復横跳び3分3セットと、縄跳び1000回ね。」

メリル「し、死んじゃう! 死んじゃうからぁ!!」

U「しょうがないなぁ………じゃあ、休憩していいよ。」

メリルは中庭の中央に移動し、春香が淹れた水を飲む。

メリル「ゆ、Uに基礎体力を上げるための特訓をお願いしたまではいいけど………ここまで鬼畜だなんて………」

春香「あら、Uさんなら1時間で特訓メニューを全部こなしちゃうわよ?」

メリル「それは、Uが化け物なだけだと思うけど………」

春香「それにしても、カラ君は単独で凄いわねぇ………」

メリル「そういえば………」

実は、今回の基礎体力作りにはカラも参加。流石にU程のペースでは出来ないが、既に50周以上走っているのにもかかわらず、息一つ乱れていない。

春香「それに、メリルちゃんはまだ凄いほうよ。他の皆は10周と持たずに倒れちゃったもの………」

春香はそう口にする。メリルは辺りを見回すと、大きく息をあげて倒れ込んでいる遥、ミレル、ルミア、キリエがいた。因みに、エミルは参加していないが、春香のアシスタント的な形で、倒れていた遥達に水を渡したり、濡れタオルを渡したりしていた。

メリル「………今更ですけど、キリエ様まで混じっていたのですね………」

キリエ「Uが………体力作りの特訓をしてくれるって………言ってたから………参加したんだけど………3周でもう限界だったな………」

エミル「U様、ここまで過酷な事を簡単にこなしてしまうのですね。」

春香「そこから、実践に向けて素振りをしたり、私と組手をする事もありますね。」

ルミア「それって………勝負になるの………?」

春香「今のところ………Uさんが327勝、私が673勝かしらね。」

ミレル「あれ? 春香さんが2倍勝ってる………?」

春香「Uさん、私が相手になると甘いのよね。全力で戦えば、私なんて相手にもならないはずなのに………」

遥「あ、あはは………」

春香の言葉に、遥達は苦笑いをするしかなかった。それと同時に思い知らされた。Uは普通の人間には遠く離れた次元にいる存在であるという事を………

To be continued………




次回予告
基礎体力作りが始まってから2周間………メリルは途中休憩無しで、200m100周をやりきる。すると、彼女の体力は格段にレベルアップしており………!?
次回「2週間の成果」


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第67話 2週間の成果

前回までのあらすじ
Uの考えたメニューで体力作りを行うメリル。しかし、これはかなり過酷で、これらをあっさりとこなすUとの差を思い知らされたのだった………


体力作り開始から2週間が経った中庭では………

 

 

メリル「はあああああああ!!」

メリルは汗を流しながらも、必死に中庭の周回を繰り返していた。

U「………100! よし、今日の走り込みは終わりだ。」

メリル「はあっ、はあっ………」

遥「す、凄い………メリルさん、休憩無しで100周した………!」

エミル「メリル様のやり遂げる意志がここまで強いとは………私も驚いています………」

遥達は、メリルが休憩無しの100周をやり遂げた事を喜んでいた。すると………

??「女の子を走らせ続けるなんて、お前最低だなー!」

突如、男の声が聞こえてきた。すると、中庭の玄関には、この国の勇者として崇められている空矢だった。

U「あ、えーと………バカだっけ、お前の名前?」

空矢「空矢だ!! お前、人をバカにするのも大概にしろ!!」

U「はいはい、ごめんごめんー」

空矢「棒読みで謝るな!!」

U「………といってもさ、体力作りするならこれが1番ベストなんだよね。実際、これを休憩無しでやり切ったメリルとカラの2人は、今や常人の域を超えた体力ができ始めていると言っても過言じゃないね。」

空矢「………じゃあ、お前は出来るのかよ、ここの100周。」

U「出来るよ。なんなら、お前と100m勝負しても余裕で勝てるよ。」

空矢「ぐぐぐっ………! なら、俺と100mで勝負だ!」

U「じゃあ、エミル。悪いんだけど審判よろしくね。」

エミル「お任せ下さい。」

Uと空矢は100m走りをする事に。お互いにスタートラインに立つ。空矢はクラウチングスタートの構えをするが、Uは棒立ちだった。

エミル「では………位置について………よーい………ドン!」

エミルが『ドン!』と口にして1秒と経たない時だった。Uはゴールラインまで一瞬のうちに走って移動していた。因みに、空矢は6mと進んでいない………

空矢「は、早すぎだろお前!! こんなのズルだろ!? これが実力なら証明しろー!」

U「よし、証拠証明してやるから2人で外周だ!」

Uは空矢を連れて、外へと向かっていった。

空矢「うわあああ!? 助けてくれー!!」

遥「あ、ははは………」

遥達は苦笑いするしか無かった………一方、メリルの元へ春香がやってくる。

春香「メリルちゃん、今はまだ中庭100周が最大で続く体力だけど、いずれ、カラ君にも負けない体力になると思うわ。」

メリル「春香さん………私………そうなれるのかしら………?」

春香「ええ、絶対に………!」

春香のこの言葉に、メリルは嬉しそうな表情を見せるのだった………

To be continued………




次回予告
メリルの特訓は更に1ヶ月続き、これにより、メリルの体力は、以前とは比べ物にならない程増大しており………!?
次回「体力の増強」


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第68話 体力の増強

前回までのあらすじ
Uの特訓開始から2週間。メリルの体力は、休憩無しで200m100周をやり遂げた。Uが空矢をあしらう中、メリルは成長を知り………?


そして、そこから更に1ヶ月が経った。メリルは………?

 

 

メリル「998………999………1000………!!」

メリルは、遥達が過酷な体力作りをいつの間にかリタイアした中、唯一これらをやり切っていたカラに続いて、決まった休憩のみで特訓メニューを全てやり切った。あれだけ過酷なメニューをやったというのに、あまり息は上がっていない。この事にはUも驚いていた………

U「すげぇなメリル………1ヶ月半くらいでここまでの成長を遂げちまうなんて………」

メリル「私だって驚いているわよ、Uにこの特訓メニューを提示された時は死ぬかと思ったけど、諦めずにやって来たから、ここまで成長できたのだと思うわ。」

U「そうだな。さて、ここまで来たらこの特訓はクリアだ………後は、メリルがどこまでパワーアップしたかを確認するとしよう………!」

Uはそう口にし………

U「メリル、魔法以外で僕の身体に触れられたらもう言う事は無い。さあ、来い!」

メリル「行くわよ………! はああああ!!」

メリルはUの方へと走り出す。そのスピードは1ヶ月前とは比べ物にならない。

カラ「速い………! メリルさん、この1ヶ月の成果がここで出てきたんですね………!」

中庭の外でカラは感動していた。Uは負けじと超速で動いて彼女の後ろに回るが、メリルはすぐさま切り返し、彼の左腕に指をくっつけた。

U「………! (………メリルには言ってなかったが………これは僕の中で半分程度のスピードでしかない………でも、それでもメリルはそんな僕に対し、切り返しをして触れた………こりゃ、もう言う事なし………だな………)」

Uはそう考えると………

U「………もう何も言う事は無いよ。君は………速くて、持続力もありそうだ………僕の特訓はこれで終わりだ。」

メリル「つ、遂にやったわ………!」

メリルは嬉しそうな表情を見せた。1ヶ月半かけてやりきった事に………

メリル「ねぇ、1ヶ月半やったから、1つだけどんなお願いしてもいい?」

U「お、お願い………? まあいいけど………なんだい?」

メリル「Uのお腹、殴らせて………!」

U「え!? や、やだよ!!」

メリル「さっきどんなお願いしてもいいって聞いた時にいいよって言ったのはUだからね? 拒否しても無駄だよ!!」

メリルはそう言って、Uの腹を殴った。

U「がはあっ!?」

メリルの拳が、Uの腹にめり込んだ。

メリル「(春香さんが言っていたように柔らかい………まるでお餅のようね………)」

U「メリル………やめ………て………苦しい………!」

Uは苦しそうな表情を見せた。それを見たメリルは我に返って拳を引き抜き………

メリル「………ご、ごめん………無理やり殴っちゃって………」

U「やめてくれよ………僕の腹は普通の人間と何も変わらない程の急所なんだから………もしや、人間よりも弱いかもしれないけど………」

メリル「………次から軽い気持ちで貴方のお腹を殴るのは止めるわ。」

メリルはそう言うと、Uの腹を撫でる。

U「ひゃう!? きゅ、急に触らないで!!」

メリル「触られるのもここまで弱いのね………」

メリルはUの意外な一面に驚いていたのだった………

 

 

一方、中庭が見える、城の屋根の上では、影闇が立っていた。

影闇「雨がこれまでUにいくつかの刺客を起こりこんできましたが、それは尽く失敗してきましたね………ならば、やはりUを物理的に抑え込むしかないようですね………」

影闇はとあるカードを手にした。それが、今後の戦いを掻き乱す事になるカードとは、この時、影闇以外に知る者はいなかった………

To be continued………




次回予告
Uとメリルは廊下へと戻ろうとした時、突如、中庭の上空から影闇が襲来。彼は、Uの身体にカードを押し込み………!?
次回「悪魔の襲来」


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第69話 悪魔の襲来

前回までのあらすじ
1ヶ月が経ち、メリルはUの体力作りの特訓メニューを、決まった休憩のみでやり切り、Uの半分ほどのスビードにも追いつける程にレベルアップしていた。そのご褒美でメリルに振り回されるU。だが、そんな様子を見ている人影が………!?


メリルはUに申し訳ないと思ったのか、彼の腹に回復魔法をかけていた。

U「はあっ………全く、メリルにまで腹を殴られるとは夢にも思わなかったぞ………?」

メリル「ご、ごめんってば! もう勘弁してよ………」

U「………それよりさ、やっぱりメリルを見てると、真子の小さい時の事を思い出すよ。」

メリル「真子さんを………?」

U「………メリル、見た目とか年齢もそうだけど………やっぱり、もう1人の娘みたいに見えるな。」

メリル「ななな………! 何を根拠に言ってるの!?」

U「………そういう所とか。」

メリル「ええ!?」

U「もちろん、僕はメリルのそういう所が好きだよ。まだ若いのに、色々と頑張ったりしているのを見て………まるで真子みたいだなって思ってさ………僕は真子が4歳から12歳になるまでは、戦いの事もあってまともに見てやれなかったんだ………それに、僕と春香は2人目を作ることは考えなかったんだ。そんな暇が無かったから………気がついたら、真子が大人になっちまった。今は、真子は昔の姿になってるけど………中身は大人だからな、あの時とは違う。でも、メリルはまだ中身が幼いというか………若々しいというか………とにかく、そういう明るくて健気な所がもう1人の娘みたいに見える理由だな。」

メリル「………!!」

メリルは頬を紅潮させる。

メリル「………バカ。お世辞でもそういう事言わないでよ………」

U「お世辞じゃないさ、本心で言ったんだよ。」

メリル「………そういう所がバカなのよ………もう………そろそろ部屋に戻りましょう。これ以上一緒にいると、春香さんに浮気を疑われるわよ?」

U「ふぇ? どうしてメリルと一緒にいると浮気を疑われるんだよ? それに、浮気って結局どういう意味なのさ?」

メリル「そ、そういえば………Uは浮気の意味を知らないって真子さんが言ってたわね………」

メリルは呆れながらも、Uと共に廊下へと行こうとした………すると………

??「おっと、このまま戻られては困るんですよねぇ………」

突如、声が聞こえてきた。それを聞いたUの表情は一瞬のうちに鋭くなる。

U「な、何だ………!?」

メリル「き、切り替え早いわね………」

Uの切り替えの速さに驚くメリル。だが、メリルも突如聞こえてきた声を前に構える。すると、Uの後ろから悪魔の見た目をした魔が現れる。

U「(………! 後ろか………!!)」

Uは後ろ回し蹴りを放つ。すると、Uに襲いかかった魔が吹き飛ぶ。しかし、魔はすぐに立ち上がった。

U「………いや、さっきの声の主とは違う………?」

??「………ご名答です。」

謎の声の主は、上空からUの目の前に現れた。その人物は、先程まで上空で様子を見ていた影闇だった。

影闇「ああ、私は影闇と申します。今回は挨拶に来ただけですよ………貴方の身体にこれを埋め込む為にね………!!」

影闇はそう言うと、素早い手付きでUの身体にカードを押し込んだ。

U「ぐあっ!?」

メリル「U!?」

Uの中にカードが埋め込まれると、Uはそのショックで意識を失い、倒れてしまった。

影闇「では、後はここにいる{獣の悪魔(ビーストデーモン)}に任せましょう………!」

影闇はそう言うと、瞬間移動をする。そして、獣の悪魔は、カードを手にして近づいてくる。

メリル「ま、マジシャンバトルをするつもり………!?」

メリルは驚く様子を見せるが………

??「メリルさん!!」

中庭の様子をこっそり見ていたカラが、この非常事態に駆けつけた。

メリル「カラ!!」

カラ「コイツは俺が何とかします! メリルさんはUさんを………!」

カラがマジックファイルを構えようとした時、メリルはカラのマジックファイルを掴み、彼のファイルの中から{双魂・竜王&魔法帝}のカードを抜き取る。

カラ「メリルさん………!?」

メリル「………私にやらせて。Uやカラにばかり頼るのは………嫌だから………!!」

メリルはそう言うと、双魂・竜王&魔法帝のカードをマジックファイルを入れて構える。

メリル「(相手が持っている魔のカードは3枚………なら………!)そこの怪物………私と3対3で勝負よ!!」

メリルはそう言い放った。そして、Uに僅かに視線を向けると………

メリル「(U………! 貴方の特訓メニューでの1ヶ月半の体力作りの成果………見てて!)」

と、心の中でそう伝えるのだった………

To be continued………




次回予告
メリルと獣の悪魔の対決。メリルは、恐怖心を押さえ込み、{双魂・竜王&魔法帝}を召喚する。果たして、意識を保ったまま召喚を成功させる事は出来るのか………!?
次回「メリルの挑戦」


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第70話 メリルの挑戦

前回までのあらすじ
Uとメリルが話の後に、部屋に戻るために廊下へと向かうと、そこに影闇が襲来。影闇はUに謎のカードを押し込み、獣の悪魔を残して撤退。メリルは獣の悪魔とマジシャンバトルをする事に………!!


獣の悪魔は、2体の同じ魔を召喚した。

 

カラ「あれは………{剣の悪魔(ソードデーモン)}………! 効果は無いが、パワー2100のパワーを持っている魔………!」

メリル「私は{未熟者の魔法使い}を召喚!」

メリルは未熟者の魔法使いを召喚する。その後、メリルはマジックファイルからカードを取りだし………

メリル「フィールド魔法{魔法の箱}を発動!!」

メリルのフィールド魔法が張られた所で、メリルは{双魂・竜王&魔法帝}のカードを手にする。

メリル「………今の私なら出来る………必ず………!!」

メリルはそう自分に言い聞かせ………

メリル「私は未熟者の魔法使いを生贄に………{双魂・竜王&魔法帝}を召喚!!」

未熟者の魔法使いが破壊され、双魂・竜王&魔法帝が召喚される。

魔法帝「我がカードの主よ、勝利の為に貴女の力を捧げなさい………!!」

それにより、魔法帝の手からメリルに魔力を放ち、メリルは魔力に飲み込まれる………

メリル「うぐっ………! 私ば負けない………この1ヶ月半、この為に私は特訓を続けてきたんだから!!」

メリルは身体から光を放つ。それにより、魔力を身体に取り込んだ。

魔法帝「………! この娘も私達の力を克服した………!?」

魔法帝は驚く様子を見せた。

メリル「破壊された未熟者の魔法使いの効果発動! マジックファイルの魔法カード2枚を魔法の箱に吸収させる!そして、魔法カード{正義の光}を発動!」

それにより光が放たれ、2体の剣の悪魔は視界を奪われる。

メリル「双魂・竜王&魔法帝で攻撃!」

魔法帝「仕方ないわね………{魔法帝の獄魔法}!」

竜王「{竜王の獄炎}!!」

2つの首による一撃を放つ。だが、この攻撃は、2体の剣の目の前に毛皮のようなバリアが張られ、無効化されてしまった。獣の悪魔の手には、対抗カードが握られていた。

メリル「あれは……攻撃を無効化出来る{獣の壁}………!?」

しかし、メリルの使った正義の光は、魔法の箱に吸収され、魔法の箱のカードは3枚に。だが、獣の悪魔はここでは終わらない。獣の悪魔は自身を召喚した。そして、獣の悪魔の力が増大する………

カラ「な、なんだ………!?」

カラはマジックファイルを使って、獣の悪魔のカードを調べる。

カラ「獣族の怪物の数だけ、パワーが増えて………パワー2500………!?」

効果で獣の悪魔のパワーは1900だが、効果でパワーが2500に増えてしまった。

メリル「こうなったら………私は{正義の魔法使い}を召喚!!」

メリルは正義の魔法使いを召喚。

メリル「ジャスちゃんの効果により、マジックファイルの魔法カード3枚を魔法の箱へ!」

これで、魔法の箱のカードは6枚に。

メリル「双魂・竜王&魔法帝の効果! ジャスちゃん! 力を貸して!!」

ジャス「任せて!」

この効果で正義の魔法使いが破壊され………?

メリル「その効果で、3枚のうちに、1枚を魔法の箱に吸収させ、残り2枚を双魂・竜王&魔法帝に吸収!! これにより、効果発動!! {終焉の魔法}!!」

それにより、魔法の箱のカード7枚が捨てられ、獣の悪魔全てのパワーは700マイナスされ、メリルの双魂・竜王&魔法帝のパワーは魔法の箱の2つの効果で、パワーが1300プラスされ、3800へと増加した。

メリル「更に、私は対抗カード{最終奥義魔導拡散波}を発動! 魔法使い族を持つ双魂・竜王&魔法帝で、控えの魔はもういない為、ノーコストで敵全体に攻撃!」

魔法帝「{魔法帝の獄魔法}!!」

竜王「{竜王の獄炎}!!」

2つの首による力で、獣の悪魔の魔を全て吹き飛ばし、撃破する。それにより、獣の悪魔のカードは火が付いたように燃え尽きた。

メリル「はあっ………勝てた。」

メリルは疲れたように地面に座り込んだ。

カラ「メリルさん!!」

カラはメリルに駆け寄る。メリルはカラに視線を向けると………

メリル「Uは無事………?」

カラ「はい………大丈夫です。」

メリル「なら………部屋に運びましょう………春香さんに説明しなきゃ………」

カラ「………そうですね。」

メリルとカラの2人は、Uを部屋に運びに行った。そして、空中からその様子を見ていた影闇は………

影闇「時が来るのはそう遠くなさそうですね………その時を楽しみにしていますよ………?」

影闇はそう言って、悪魔の笑みを見せると、瞬間移動で消えたのだった………

To be continued………




次回予告
翌日、Uは意識を取り戻したが、Uは身体への異常を何も感じていないと言う。だが、1人になった所へ、幻聴のようなものが聞こえてきて………!?
次回「Uへの謎の声」

魔の解説
・剣の悪魔(ソードデーモン)
愛情 ソード
属性 悪魔族
パワー 2100
攻撃技 {悪魔の斬撃(デーモンスラッシュ)}
フレーバーテキスト 「悪魔の中でも剣技を極めた悪魔は皆、剣の悪魔と呼ばれるという………」

・獣の悪魔(ビーストデーモン)
愛情 ビースト
属性 悪魔族
パワー 1900
効果 「自分の場のこのカード以外の悪魔族の魔の数×300、このカードのパワーをプラスする。」
攻撃技 {獣の爪(ビーストクロー)}
フレーバーテキスト 「獣の力を待つ悪魔は、群れる事で強くなる………!」


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第71話 Uへの謎の声

前回までのあらすじ
メリルと獣の悪魔の対決。メリルは{双魂・竜王&魔法帝}の負担を克服し、獣の悪魔の魔を撃破する。しかし、影闇は何かを待っている様子で………!?


メリルかマジシャンバトルで獣の悪魔に勝った次の日のこと………

U「う………ううん………?」

1日近く意識を失っていたUは、ようやく目を覚ました。

U「ここは………?」

Uは部屋を見回すと、目を覚ました自分を見ている春香達と目が合った。すると、その中で春香が真っ先に目に涙を浮かべ………

春香「Uさん!!」

人目もはばからず、Uに抱きついてきた。

U「うわっ!? は、春香………急に抱きつかれると………痛いよ………」

春香「よかった………目を覚まして………!」

U「大袈裟だって………ちょっと意識が飛んだだけだから………」

春香「それでも………Uさんがいなかったら………私………!!」

U「それは………ごめんよ………」

メリル「良かったわ、目を覚ましてくれて………でも、あの後大変だったんだからね!? 」

U「うぐっ!? それは………ごめんなさい………」

カラ「メリルさんが{双魂・竜王&魔法帝}を使いこなせたお陰で、魔を倒す事が出来ました。」

U「そうか………そいつは良かったな。1ヶ月半の特訓の成果が出たってことじゃないか。」

メリル「まあ、成果は出たけど………貴方が倒れて心配だったんだからね!?」

U「いや、本当に申し訳ない………」

真子「いくら何回も死んでいる身だからって、無茶しちゃダメだよ!」

U「いや、あの場は無茶とかそういう問題じゃなかったんだよ………あのよく分からん奴が不意打ちで僕にカードを押し込んできたんだよ………意図は分からないけど。」

遥「カードを押し込むだなんて………そんなこと出来るの………?」

ミレル「そんな話、聞いた事も無いけど………」

ルミア「でも、お兄様に何も異常が無さそうでよかった!」

キリエ「そうね………U! 元気になったら、またマジシャンバトルしよう!」

エミル「こら、キリエ………U様にそうやって何度も………!」

U「いや、いいって。それより、少し1人にしてくれないか? 頭が痛くって………」

春香「そ、そうなのですか………? でも、何かあったら、すぐにテレパシーで教えてくださいよ!?」

U「分かった! 分かったから!」

Uはそう言って、仲間達が部屋を出たのを見ると………

U「………起きてから本当に頭痛てぇ………なんだ、この痛みは………?」

Uは頭を押さえていると………

???「ここ………どこ………?」

U「だ、誰だ………? 誰の声だ………?」

Uは1人、少女のような謎の声に驚いていた。

????「貴方は………誰………?」

U「(どこから声が聞こえる………? セイバーか? いや、セイバーの声の主………テールは、セイバーが僕の手に戻った今も、何も聞こえてこない………じゃあ、誰の声なんだ………!?)」

Uは頭を悩ませた。しかし、これ以上考えることはできず、Uはそのまま眠る事で、幻聴のようなものから目を背ける事にしたのだった………

????「………どうして答えてくれないの………?」

だが、Uは心のどこかで気づいていた。これは幻聴なんてものでは無いと………

To be continued………




次回予告
Uは目を覚ますが、謎の声は未だ聞こえたまま。そこへ様子を見に来た春香。しかし、彼女には声は聞こえないみたいで………?
次回「止まらぬ声」


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第72話 止まらぬ声

前回までのあらすじ
目を覚ましたU。しかし、目を覚ました彼には、謎の声が聞こえてきて………!?


Uはその後、目を覚ました………だが………?

U「ふああ………」

Uは身体を起こす………すると………

????「ねぇ………どうして答えてくれなかったの………?」

謎の声が聞こえてきた。

U「………どこから僕に声をかけてくれているかは知らないが………すまなかった。突然起きた事に驚いてしまって………」

????「………そ、そうだったの………? ………ごめんね、驚かせて………」

U「(………意外と話が通じるタイプなのか? なら………)………聞きたい事がある。君は………誰なんだい?」

????「………分からない、忘れちゃった………でも、悪魔を従えていた人にカードのようなものに封印された事だけは覚えているんだけど………」

U「カード………悪魔………あの時の奴か!! 確か名前は………影闇………あの雨って子と繋がってる奴なのか………? それに、あの一瞬………アイツの反応を感知したが………あれは完全に魔の反応だ………でも、雨って子は人間だった………なら、なんで繋がって………?」

Uがそんなことを考えていると、部屋の扉にノックが。それから、扉を開けて部屋に入ってきたのは、春香だった。

春香「お身体は大丈夫ですか?」

U「ああ、大丈夫だよ。」

????「………あの人、誰………?」

U「ああ、彼女は春香だよ、僕の大事な奥さんだ。」

Uが謎の声に春香の事を説明する。しかし、春香は首を傾げ………

春香「………? Uさん? 誰に話しかけているんですか?」

と、Uに聞いた。

U「………聞こえてないのか………あのさ、信じられないかもしれないけど、今の僕には謎の声が聞こえてくるんだ………」

春香「謎の声………どんな声ですか?」

U「女の子みたいな声なんだ………でも、春香には聞こえないって事は………一体どんな原理で僕に聞こえているのやら………」

Uがそんな事を口にすると………

春香「どうして急にそんな事に………?」

U「多分………僕の意識が飛ぶ寸前に、悪魔の様な奴にカードを身体に押し込まれたせいで、身体の中に入り込んでしまったんだろうな………」

Uはそう口にする。すると、春香はUの手を掴み………

春香「分かりました、信じます。Uさんの言っている事。」

U「………ありがとう。やっぱり最高の奥さんだよ、君は。」

Uがそう言うと、春香の頬は真っ赤に染まり………

春香「は、恥ずかしくなることを言わないでくださいよ………」

U「恥ずかしがる事ないさ、僕にとっては、最高の褒め言葉なんだよ………」

Uはそう言って春香の頭を撫でる。

????「この人………Uと………あの女の人………春香………仲良し………」

謎の声はこの様子を見て、Uと春香が仲良しである事を理解した様子だった。しかし、何故それを理解したのか………まだUにも分からない………

To be continued………




次回予告
Uは療養を終え、中庭で軽く運動をしていた。だが、そこへ雨が現れる。雨はUにマジシャンバトルを要求し………!?
次回「曇りの空から降りし者」


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第73話 曇りの空から降りし者

前回までのあらすじ
Uに聞こえてくる声。その声の主に関して分かる事は殆ど無かった。だが、声の主は、Uと春香の様子を見て、2人を仲良しと認識し………?


数日後、療養を終えたUは、数日で訛っていた身体を動かしていた。

U「うーん、やっぱり身体を動かすのはいいもんだなぁ。ここ数日は、マジシャンバトルのデッキを考えていたり………春香にめちゃくちゃ心配されたり………うん、僕自身ロクに何もしてない………」

Uは数日間の事を思い出していたが、殆ど虚しいので考えるのをやめた。

U「あーあ、なんで今日に限って遥達、一緒に身体を動かすのを断ったんだろう?」

Uは理由が分からなかった。だが、答えは簡単だった。

U「………組手やろうと思ったのに。」

遥達はUと組手なんてやれば、間違いなく負けると分かっているからだ。そんな彼とやり合えるかもしれない人物が2人、いるにはいるのだが………

U「カラは、国交の正常化に伴って、1度、メリルと一緒にウズクチョに行っちゃうし、春香は………マジシャンバトルの為にキリエに連れてかれたし。」

あの戦いから春香の事を気に入ったキリエは、彼女にもマジシャンバトルを要求するようになった。今日はその約束の為に断られてしまった。

U「あーあ、参ったなぁ………」

????「………私も一緒に遊んであげたいけど………今の私じゃどうにもならない………ごめんね。」

U「謝る事じゃないさ。僕にだってどうしようもない時かあるし………」

????「………U………」

U「おっ、名前覚えてくれたんだね。君も名前を付けた方がいいのかな?」

????「………ううん、自分で思い出す。何でか分からないけど………大事な名前だった気がするから。」

U「そうか………実は、僕も本当は別の名前があるんだ。」

????「そうだったの………?」

U「ああ、僕の本当の名前は………母さんと父さんと繋がる為の名前なんだ………でも、今はそれも含めてUとして生きているんだ。僕もなんだかんだで気に入っているからね。」

????「………いい話だね。」

U「ありがとう………」

2人がそんな話をしていると、空が曇り始める。

U「あれ? 雨なんて聞いてないけど………?」

Uが首を傾げていると、上から人影が………

U「あっ………雨が降ってきた………雨違いだけど。」

空から降ってきたのは、Uに対して興味を持っている人物でもある雨だった。手には、砕いた跡のあるボロボロの玉を持っていることから、これまでのように転移という形で現れたのだろう。

雨「名前覚えててくれて嬉しいな、こうやって顔を合わせるのは久しぶりだね、U!」

U「何で嬉しそうなんだ、君は………それに、あんな高い所から降りてきて、足は大丈夫なのか?」

雨「大丈夫だよ、だって私の靴は人間が即死するラインの8倍上から飛び降りても、落下の威力を完璧に吸収してくれる靴だし。」

U「凄い万能だな、その靴………まあいい、何の用だ? 僕は君の仲間になる気は無いぞ?」

雨「まあ、力づくじゃ仲間になってくれないよね、だから、今回は4vs4のマジシャンバトルでそれを決めに来たよ! 私が勝ったら、私の言う事を聞いてもらうよ!」

U「じゃあ、僕が勝ったらこの国を攻めるのを止めてくれ………」

Uはダメもとでそれを要求した。すると………

雨「いいよー!」

U「いいのかよ!? ダメもとで言ったのに………!」

雨「だって、別に私の目的はこの国を攻めることじゃ無いもん。」

U「実は話が通じるタイプか、この子………?」

Uは困惑していたが、自らの運命が賭かったこの勝負に挑む事に………

To be continued………




次回予告
Uと雨のマジシャンバトル。Uは雨の戦い方に苦戦を強いられる。だが、突如謎の声の主が、カードとして現れる!!
次回「究極の暗黒竜」


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第74話 究極の暗黒竜

前回までのあらすじ
Uは身体を動かしている時、突如聞こえてきた謎の声と会話をする事に。だが、そこへ以前Uを仲間に引き入れようとしていた雨が現れ、Uの命運を賭けたマジシャンバトルをする事に………



U「僕は{破壊の悪魔・真}を召喚!!」

Uは初手に、破壊されてもメリットのある破壊の悪魔・真を召喚する。それに対抗し………

雨「私が最初に召喚するのは、{太陽の魔法使い(サンシャインマジシャン)}!」

雨は太陽の魔法使いと呼ばれる、パワー1800の見た事のない魔を召喚する。

雨「更に、私は{曇りの魔法使い(クラウディマジシャン)}を召喚!」

雨は、同じくパワー1800の曇りの魔法使いを召喚。

U「(初っ端から魔を2体………コンボ系か………?)」

雨「それにより、太陽の魔法使いと曇りの魔法使いのそれぞれの効果発動! 太陽の魔法使いはカード名に、曇り、雨、雷と付くカードがある時、私の場の相手のカードの効果でパワーは減らない! そして、曇りの魔法使いは、自分の場のカードの効果は無効化されなくなる!」

U「な、何だって!?」

雨「ちゃんとUのデッキも対策済みだよ! 私はUを仲間にする為に負けられないからね!!」

U「こっちだって負けられないんだけどな………!! なら、デーモン! 力を貸してくれ!!」

デーモン「良いだろう………我が魂、好きに使うが良い………!」

U「ありがとう………! 僕はデーモンを生贄に捧げ、{西虎の白虎}を召喚!!」

Uは破壊の悪魔・真を生贄に捧げ、西虎の白虎を召喚。これにより、破壊の悪魔・真の力は発動するが、太陽の魔法使いの効果でこれは無意味に。

U「白虎の効果、{白虎鎧化}を発動!!」

Uのこの言葉で白虎は鎧の姿へと変化する。すると、雨は………

雨「確かに白虎の相手は難しいけど………私のデッキはそんなの関係ないよ! 私は残り2体の魔………{雨の魔法使い(レインマジシャン)}と{雷の魔法使い(サンダーマジシャン)}を召喚!!」

これにより、どちらもパワー1800の2体の魔が召喚される。

雨「雷の魔法使いは、自分の場の魔の攻撃権を自分の場の魔一体のみにする代わりに、場の魔の元のパワーを合計したパワーで攻撃できるようにする! そして、雨の魔法使い………レインは、他のカードが攻撃権を失う代わりに、このカード単独の攻撃は無効化されない!!」

U「まさか!?」

雨「そう………私はレインで攻撃する時、雷の魔法使いの効果で、パワー7200にパワーアップ! そして、その攻撃は無効化されない………! レインの攻撃! {雷の雨(サンダーレイン)}!!」

雨の魔法使いは手に持った杖を掲げる。これにより、Uに雷が直撃する。

U「うわあああああ!!」

この攻撃で、Uの身体に纏われた白虎は破壊されてしまう。

U「うっ………ぐっ………!!」

雨「ね、こうすれば白虎すら倒せるんだよ。」

U「くっ………このままじゃ厳しい………こうなったら、超・暗黒の魔道士で………!!」

Uは超・暗黒の魔道士の力を使おうとするが………

????「………虐めないで………!」

U「ど、どうしたんだ………?」

雨「………? どうしたの、U?」

雨は首を傾げる。だが、Uにはもう一度声が聞こえてきて………

????「Uを………虐めないで!!」

謎の声の主は激怒。すると、それに反応するようにUの胸の辺りから闇のオーラが現れる。そして………

U「うっ………!? うわああああああ!!」

闇のオーラからはとある1枚のカードが現れた。そのカードをUが手にすると、Uの目は紫に光り、Uは人が変わったように突如無口になって、{冥界の兵士}を召喚。そして、とある対抗カードをマジックファイルから取り出して発動する。

雨「{神への生贄}………! マジックファイルのカードを2枚を捨てて、私の1番パワーの低いカードを生贄に使えるカード………でもどうして………!?」

雨は首を傾げる。すると、その直後にその理由を知らされる事になる………Uは手札に先程現れた謎のカードを手にする。そして、そのカードを掲げる事で、カードは形を形成した。

雨「{追憶の闇究極竜(ついおくのダークアルティメットドラゴン)}………!?」

それにより、冥界の兵士と雨の場にいる太陽の魔法使いが生贄となり、闇のオーラを纏った竜がUの真上に現れる。因みに、このタイミングでデーモンの能力も発動し、雨の魔のパワーは全てマイナス500され、1300に………

????「Uを………Uを虐めるな………!!」

謎の声の主と同じ声………すなわち、謎の声の主の正体は、この竜、追憶の闇究極竜だった。追憶の闇究極竜は大きく咆哮をあげると、鎧へと変化し、Uの身体へと装着された。

闇究極竜「………私は生贄に捧げられた魔の元のパワーの合計分のパワーになる………その為、私のパワーは4300!!」

雨「ど、どうしてUにこんな魔が………!?」

これには雨も驚いていた。追憶の闇究極竜は何故このタイミングで現れたのか、そして、その力は一体………!?

To be continued………




次回予告
追憶の闇究極竜の登場は、一気に戦況を覆した。また、対抗カードの力で闇究極竜は魔を復活させ、残る能力を発動する………!?
次回「最強の闇を抱えし竜」

魔の解説
追憶の闇究極竜(ついおくのダークアルティメットドラゴン)
愛称 ダークアルティメット
属性 ドラゴン族/闇
パワー ?(召喚時に破壊した魔のパワーの合計値がパワーとなる。)
召喚条件 自分の場の魔2体を破壊(生贄に)する。
効果 「・この魔は相手のカードの効果を受けず、プレイヤーが装備している魔として扱う(この魔が破壊されない限り、プレイヤーは敗北しない)。
・自分の場の魔を1体破壊してよい。破壊したら、その魔の元のパワー分、この魔のパワーをプラスする。
・このカードが攻撃された時、このバトルに限り。相手の魔のカード全ては効果を無効化される。」
攻撃技 {究極の闇(アルティメットダークネス)}
フレーバーテキスト 「『Uを………Uを虐めるな………!!』」

・太陽の魔法使い(サンシャインマジシャン)
愛称 サンシャイン
属性 魔法使い族
パワー 1800
効果 「・自分の場にカード名に{曇り}、{雨}、{雷}と付くカードがどれか1枚あるなら、相手のカードの効果で、自分の場の魔のパワーは減らない。」
攻撃技 {太陽の光(サンシャインライト)!!}
フレーバーテキスト 「太陽の力を司る魔法使い。4人の魔法使いが揃うと………?」

・曇りの魔法使い(クラウディマジシャン)
愛称 クラウディ
属性 魔法使い族
パワー 1800
効果 「・自分の場にカード名に{太陽}、{雨}、{雷}と付くカードがどれか1枚あるなら、自分の場のカードの効果は、相手のカードの効果で無効化されない。」
攻撃技 {曇りの黒(ブラッククラウディ)!!}
フレーバーテキスト 「曇りの力を司る魔法使い。4人の魔法使いが揃うと………?」

・雷の魔法使い(サンダーマジシャン)
愛称 サンダー
属性 魔法使い族
パワー 1800
効果 「・自分の場にカード名に{太陽}、{曇り}、{雨}と付くカードの内どれか1枚あるなら、バトル前に自分の場のカード1枚を選択して良い。選択したら、他のカードは攻撃出来なくなる代わりに、先程選択したカードは、自分の場にいる魔の元のパワーの合計分、パワーをプラスさせる。」
攻撃技 {白き雷(ホワイトサンダー)!!}
フレーバーテキスト 「雷の力を司る魔法使い。4人の魔法使いが揃うと………?」

・雨の魔法使い(レインマジシャン)
愛称 レイン
属性 魔法使い族
パワー 1800
効果 「・自分の場にカード名に{太陽}、{曇り}、{雷}と付くカードの内どれか1枚あるなら、このカード以外のカードの攻撃権を失う代わりに、このカード単体の攻撃は無効化されない。」
攻撃技 {雷の雨(サンダーレイン)}
フレーバーテキスト 「『私と雨が似ているのは名前だけじゃない、性格や信念もまた………!』」


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第75話 最強の闇を抱えし竜

前回までのあらすじ
Uと雨の対決。雨の魔は4体の魔のコンボを展開させる強力な戦法だった。しかし、突如Uの中から現れた追憶の闇究極竜が召喚され………!?


雨「でも、私のコンボは太陽の魔法使いが破壊されただけで崩れないよ! 私はレインでもう一度攻撃! その時、他の魔のパワーをレインに集める! その効果で、パワーは1300に3600プラスで、4900に………だが………!?」

闇究極竜「私の能力発動………! 私は攻撃された時、相手の場の魔の効果を全て無効にする!」

雨「そ、そんな!?」

それにより、パワーは1300に逆戻り。つまり、かすり傷すら与えられない。闇究極竜は、Uのマジックファイルからカードを取り出す。

闇究極竜「対抗カード{その場限りの命}を発動………! 破壊された魔一体を、攻撃権無し、少ししたら破壊される代わりに、復活させる。」

それにより、場に白虎が復活する。

白虎「な、なんだ…………!? 今のUは………どうなっている!?」

闇究極竜「私の能力………場の魔を生贄に捧げる事で、生贄に捧げた魔のパワー分、私のパワーをプラスする!!」

つまり、これによりパワーは………

雨「パワー………7300………!?」

闇究極竜「私の攻撃で………全部壊す!! 対抗カード{ドラゴンの最終撃}! このカードは控えの魔がおらず、ドラゴン族の魔一体、すなわち、私のみの場合、次の攻撃は全体攻撃となる!!」

雨「そんな!? Uの魔にはドラゴン族は無いはずなのに!? どうして………!?」

雨は気づいていないが、実は優のデッキに1、2枚だけ入っている白紙のカードが変化したものである。まあ、そんな事を知る由はないし、そもそもそんなカードを入れているUの考えも分からないが。

闇究極竜「Uを虐めた事を後悔しろ………!! {究極の闇(アルティメットダークネス)}!!」

闇究極竜………もとい、Uの全身から闇が放出される。それにより、雨の魔は全て闇に呑まれて破壊された。

雨「………!!」

雨は事態が呑み込めず、言葉を失っていた。

闇究極竜「許さない………許さな………!!」

闇究極竜の次の標的は雨だった。しかし、突然彼女の頭に、失われていた記憶がフラッシュバックする。

闇究極竜「あっ………ああっ………!?」

これにより、突如としてUと闇究極竜が分離される。

U「………はっ!? 僕はさっきまで何を………!? ダメだ………頭が痛い………」

Uはそのまま倒れて意識を倒れてしまう。

闇究極竜「えい………やみ………私を………閉じ込めた………カードに………」

だが、マジシャンバトルの終了によって、闇究極竜は消えた。

雨「影闇………!? まさか、あのカードは影闇が生み出したカード!?」

雨は驚きから、例の転送能力を持つ玉を破壊し、撤退した。そこから、数十秒もしないうちに、春香が中庭にやってくる。

春香「す、凄い闇を感じたのはこの中庭からだけど………Uさん!?」

春香は大慌てで、Uに駆け寄るのだった………

 

 

一方、雨はとある宮殿の一室にて………

雨「どういう事なの、影闇!! あんなカードを生み出したって………どうして!?」

影闇「別に………ただ、負の感情が強かった人間の魂を糧にそんなカードを生み出しただけですよ。不服でしたか?」

雨「不服過ぎるよ!! 私はこんな事望んでなかったもん!!」

雨はそう言う。しかし………

獄炎「うるせぇ、俺はお前がいようがいまいが関係ねぇ、影闇がやると言うなら、俺は賛成だ。」

昇竜「私は前よりこの問題は関わるつもりなどない。よって、どうでもいい。」

それを聞いた雨は影闇達に背を向け………

雨「昔からそうだったけど………そうやって私を仲間外れにして………私、もう知らない!! 皆の事………もう仲間とは思わないもん!!」

そう言って、出て行ってしまった。

昇竜「………追わなくていいのか?」

影闇「問題ありません、最早彼女は用済みです。私達の周りをうろつこうが、Uに手をかそうが………邪魔になるなら倒すだけです………」

裏では、雨と影闇達三幹部が決別してしまっていた。無論、U達はそんな事など知る由もない………

To be continued………




次回予告
意識を取り戻したUは、追憶の闇究極竜の事に乗っ取られている間の記憶は何もない様子だった。気分転換にレボナガシの外の空気を吸おうと外に出た時、そこには雨がいて………?
次回「途切れた記憶」


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第76話 途切れた記憶

前回までのあらすじ
Uと雨の対決は、Uの身体を乗っ取る形で現れた{追憶の闇究極竜}の力により、大逆転で決してしまった。そして、闇究極竜の思い出した記憶………それが雨と影闇達を決別させるきっかけとなり………!?


それから数時間が経った。Uは意識を取り戻し、頭痛もある程度は治まっていた。しかし、彼には追憶の闇究極竜に乗っ取られていた間の記憶が全く無かった………

 

そんな彼は、今、レボナガシの城の廊下を歩いていた。

U「………また皆を心配させてしまった………しかし、今回ばかりは分からねぇ………雨から逆転する為の手を考えている時に、あの時の声が聞こえてきて………僕の身体から闇がでてきた所までは覚えているけど………でも、あの感触は心の闇とはまた違った………でも、春香の話によれば、僕が倒れた後、周りに強い闇が放出されていたと言っていた………」

Uは追憶の闇究極竜のカードを手にする。すると、強い闇を感じた。

U「でも………あの時に僕を助けようとしてくれたのは確かだ………だから………それについてはありがとう。だけど………多分無闇に君を使うことは出来ないかもしれない………皆に君を恐れさせたくないから………」

Uはそう言って、追憶の闇究極竜のカードを自分の腰にあるカードフォルダーに入れる。そうしながら歩いていると、城の裏口の扉を見つける。

U「裏口………エミルと初めて会った時にエミルが使っていた扉だったな………そうだ、気分転換に外の空気でも吸おう。」

Uはそう言って、城の裏口の扉を開ける。すると………

U「あっ………! 君は………!」

そこには人がいた。それは………

U「雨………!?」

なんと、数時間前に対立していたはずの雨だった。

雨「えっと………ごめんね、U。ちょっとだけ話を聞いてもらってもいいかな………?」

U「………あのさ、疑っているわけじゃないんだけど………この城の裏口から入ろうとした?」

雨「いや………Uの気配を辿って来ただけだよ? Uの気配についてはもうバッチリ覚えてるもん。」

U「そ、そうか………ちょっと引いたけどね………」

Uは苦笑いをするのだった………

 

 

その後、Uは裏口の周辺に誰もいない事を確認して、裏口を閉める。まあ、鍵がかかってないので、もしかしたらバレるかもしれないが。

U「それで………話ってなんだい?」

雨「さっきの戦いに出て来た竜………いたでしょ? あれ………影闇が強い負の感情を持つ人間の魂を糧に生み出したんだって………」

U「………成程ね、それは確かにそうかもな。あのど腐れ外道の顔と名前はもう絶対忘れないようにしねぇとな………」

雨「それが原因で………影闇達から離れちゃった。」

U「決別したというのか?」

雨「うん、それでこの転送の為の玉も使えなくなっちゃった。そして、さ迷い続けた結果が今になるのかな。」

U「他に知り合いはいないのかよ?」

雨「いるわけないよ。いたら、そこまでUに執着しないよ。」

U「………どうして影闇達と繋がっていたか………まずはそれを話してくれないか?」

雨「分からない………私、物心ついた時から影闇達の元にいたし………でも、他に頼れる人もいなかったから、私は影闇達と一緒に動いていたんだと思う。実際、私の存在はあまりいいものとは思われてなかったし。」

U「そうか………」

雨「でも、私にはもう頼れる存在はいないし………これまでにやった事だって、人間からすれば許せる行動じゃない。Uが真っ先に思いつきそうなのを例にすると、この国の第一王女様を襲おうとしちゃったしね。」

U「………さあ、どうだろうな。僕だってウズクチョで色々とめちゃくちゃな事をやってたけどな。例えば………メリルの結婚式から、メリルをかっさらったり………春香とめちゃくちゃぶつかり合ったり………レミがいたからどうにかなったけど、現実的に考えてやべぇ事やってるなと思ったもん。」

雨「でも、私がやっているのは、それを超えているんだよ!? 人を殺したりだとか………!」

U「………命を奪った事は僕もある。もう、何人の命を奪ったか数えられない程にね………でも、今こうして生きている………人生っていうのは自分で決めるものだ。死んでどうなるかなんて考える暇があるなら、今を生きて………間違った事を償う為に生きるんだ………僕は今………そんな気持ちで生きている。」

雨「間違った事を………償う………」

U「雨、責任は僕が取る。だから、僕達の元に来ないか?」

雨「私は魔を使ってU達を何度も襲ったんだよ………? それに、多分Uの仲間には反対する人も出てくるかもしれないんだよ!?」

U「責任は僕が取るって言ったろ? 君は僕を信じてくれればそれでいい。」

雨「Uを………信じる………」

こうして、Uは雨の手を引くと、城の中へと戻るのだった………

To be continued………




次回予告
Uは現在城にいる仲間達と王族の人間を呼び寄せ、雨についての話をする事に。当然、反対意見が出る中、Uは自分の意見をぶつけ………?
次回「罪と償い」


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第77話 罪と償い

前回までのあらすじ
意識を取り戻したUだがら乗っ取られていた記憶は無かった。気分転換に外の空気でも吸おうと、城の裏口に出ると、そこには影闇達から離反した雨がいた。彼女の話を聞いたUは彼女を連れ………!?


Uはメリル、カラを除く仲間達、更に王族の3人や勇者空矢と、雨についての話し合いをしていた。

U「………というわけらしい。僕個人としては雨を受け入れてあげたい。でも………嫌なら嫌と言ってもらって構わない。雨に良い思いを抱いていない奴もいるだろうし………」

春香「私はUさんの意見を尊重致します。Uさんが仲間にしたいとおっしゃるならば、反対するつもりなどありません。」

ミレル「そうだね、Uがいるなら安心だよね。」

ルミア「私もUお兄様の意見を尊重するよ!」

こうして、この3人は肯定意見を口にした。だが、もちろん反対はあるようで………

真子「お父さん、ちょっとお人好し過ぎないかな………? 何もしないとも言えないし………まあ、お父さんの目に狂いは無いと信じたいけど………なんか不安なんだよね………」

遥「私も真子さんと同じ意見だよ。それに、その子はエミルさんを傷付けようとしたんだよ?」

U「………分かってる。彼女を仲間にするという事は、同時に僕の責任が重くなるということだ。でも、僕はちゃんとその責任は負うし、雨が取り返しのつかない事をしないようにする。保護者とまでは言わないが、そのつもりで彼女の面倒を見る! だから………頼む!」

Uは頭を下げる。それに続くように、雨は立ち上がり………

雨「………皆には謝って済む問題じゃない事は分かっているよ。だから、これからは私のこれまでの罪をちゃんと背負って、償って………誰かの為に色々なものと戦う! 求められた事は何でもする! だから………私を仲間にしてください!」

雨は自分の言葉で自分の意思を伝えた。それを聞いた真子達は………

真子「………雨ちゃん………だったよね。分かった、私はお父さんと雨ちゃんの意思が確かなものだと信じる。でも、私から1つ条件を言ってもいいかな?」

雨「条件………?」

真子「私のお父さんやお母さんのような、仲間の言う事はちゃんと聞くんだよ。」

雨「………分かった!」

遥「はあっ………やっぱりお人好しというか、改心させるのが上手いというか、Uの思考回路や認識がよく分からないなぁ………私も賛成するよ。ちゃんと面倒を見るんだよ、U?」

U「ああ!」

春香「メリルちゃんとカラ君は後でになるけど………多分大丈夫ね、真子と遥ちゃんが頷いてくれたから。」

こうして、仲間の中では、雨を受け入れる事になった。しかし、本題はこれから………

U「じゃあ、次は王様達だ………王様達には、メリルの滞在許可を貰いたいんだ。責任は僕達全員で負うが、最も重い部分は僕が背負う。だから………頼む!」

Uは頭を下げる。それを見た国王達は………

国王「うーん………私個人としては賛同したいけど………エミルとキリエはどうだい?」

キリエ「私はUの判断なら、別に構わないけど………」

エミル「………」

そう、ここまで来ると問題はエミルだ。彼女は過去に雨に襲われた過去があるからだ。

エミル「U様が良いと仰るならば、私からは特に何も申し上げません。しかし、情報提供はして頂きます。それで許したつもりはありませんが、私にもU様に救って頂いた恩があります。それを返す為にも、私はU様の意見を尊重致します。しかし、勝手な真似をしない事。それは絶対です。」

雨「あ、ありがとう………!」

雨は頭を下げる。

国王「これで話は纏まったようだね。じゃあ………」

空矢「待った! 俺は反対だ。」

空矢は反対意見を口にした。それを聞いたUは表情を険しくさせる。

空矢「だって、そいつはエミルを襲おうとしたんだろ? なら、それが未遂だとしても、犯罪だろ。皆は犯罪者を庇おうとしているんだぞ?」

空矢は正論を言っているような顔で口にする。しかし………

U「なんでお前はそうやって水を差すのかねぇ………関係ねぇよ、第一お前の国と勝手が違うんだよ、ここは。」

空矢「お前こそ、一々俺の言葉に反論しやがって!!」

U「人生十何年とかしか生きてない奴が、わかったような顔をするのがムカついた。」

空矢「じゃあお前何年だよ!?」

U「何百年と昔から。まあ、明確に記憶があるのは数十年程度だがな。」

空矢「な、何百年!? 嘘言ってんじゃねぇ!!」

U「詐欺でもねぇのに、年齢で嘘をつくメリット無いだろ。」

空矢「うるせぇ、ペテン師!」

U「………お前、海外旅行向いてないタイプだよ。そうやってすぐ、お前の国の基準を並べやがって。」

空矢「な、な………何をー!? なら、お前………どっちの意見にするか、マジシャンバトルで決めるか!?」

U「お前の思考、色んな意味で終わってるだろ………まあいい、構わないよな、王様?」

王様「勇者様の意見を無下には出来ないからね。いいだろう、中庭でその決着をつけるといい。」

こうして、Uと空矢の対決が勃発してしまった。果たして、その行方は………!?

To be continued………




次回予告
マジシャンバトルが始まり、空矢は新たな魔を召喚。Uも魔を出そうとするが、開始早々にデッキに入れてないはずの{追憶の闇究極竜}がUの身体を乗っ取り………!?
次回「勇者を超える闇の力」


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第78話 勇者を超える闇の力

前回までのあらすじ
Uは雨について話をし、仲間達、国王達レボナガシの人々を説得させることに成功する。しかし、空矢だけはそれに反対。雨に関する話の決着はマジシャンバトルで決める事になったが………?


中庭………

 

 

Uと空矢の2人はマジックファイルを構える。

エミル「この勝負………大丈夫でしょうか?」

キリエ「まあ、Uが勝つよ。私にはUがそんな簡単に負けるような人には見えないし。」

雨「………確かにUの負けを気にする必要は無いけど………もう1つ根本的な問題が………」

遥「根本的な問題………?」

空矢「俺は{戦士マイカ}を召喚!」

空矢は初手から安定を取り始めた。

U「(相手はパワー2300の戦士………単純にパワーが高くて厄介だ………ならば、ここはソルジャーをぶつけるか………!)」

Uはそう考えて{冥界の兵士}を召喚しようとする。すると突然、彼の腰に着いたカードホルダーが勝手に開き、中から{追憶の闇究極竜}のカードが出てきてしまう。

雨「あのカードは………!」

ミレル「カードか勝手に出てきた!?」

それにより、追憶の闇究極竜はカードから強い闇を放出し、Uを取り込んだ。

U「な、なんで急に!? うわあああああ!!」

こうして、Uは再び身体の主導権を乗っ取られてしまった。

闇究極竜「また………Uを虐めようとする人間………!?」

空矢「うわあっ!? そ、そんなのありかよ!?」

驚く空矢。だが、空矢の驚きの反応はどうでもいい様子の追憶の闇究極竜はマジックファイルから、{破壊の悪魔・真}と{暗黒の魔道士}を勝手に召喚する。

ダーク「………!! この闇は………マスター! 一体どうし………!!」

闇究極竜は暗黒の魔道士が質問をしている事も無視して、自身のカードを手にする。

闇究極竜「この2体を生贄に………私を召喚!!」

闇究極竜はパワー4200の魔として自身を召喚し、鎧へと変形してUの身体に纏われる。更に、空矢の魔のパワーは500マイナスされた。

闇究極竜「私の力で………如何にUを虐めたことが愚かな事か教えてあげる………!!」

空矢「い、虐めてねぇよ!! 第一虐めているのはお前だろ!?」

闇究極竜「そんなの知らない!! 言い訳しないで!!」

雨「(………!! あのドラゴン………まさか、Uを守ろうとしているあまり、暴走している………! Uの意思をも無視して………)」

雨が闇究極竜について考え事をしていた時、闇究極竜の攻撃が戦士マイカに突き刺さり、破壊された。

空矢「ぐっ! ならば{魔法使いエリ}と{僧侶エミル}を同時に召喚!!」

闇究極竜「何体来ても同じだよ………力を手にした私の相手じゃない!!」

闇究極竜はそう言うと、口からブレスを放つ。

空矢「させるか! 対抗カード{光の盾}!!」

空矢はこの攻撃を無効にするが、それで闇究極竜が諦めるわけがなく、無効にされたこれをトリガーとして、あるカードをマジックファイルから発動した。

ルミア「あ、あのカードは………{ダークネスリベンジ}………!!」

エミル「カード名に{暗黒}か{闇}と付くカードを再攻撃可能にするカード………!!」

これにより、闇究極竜は右手のパンチで魔法使いエリを破壊する。

空矢「て、てめぇ! いい加減に………!」

しかし、空矢の怒りなど知る気もない闇究極竜はマジックファイルのカードを2枚捨てて、更に対抗カードを発動。

雨「あれは………{神への生贄}………! マジックファイルのカード2枚と引き換えに、相手の1番パワーの低い魔を生贄の対象に出来る………!」

それにより、闇究極竜は僧侶エミルを指定。そして、僧侶エミルを生贄に、{西虎の白虎}を召喚する。

白虎「ゆ、U!? またしてもその姿………!!」

白虎が口を開いているのも無視して、白虎を自身の効果で破壊。パワー3000を自分の力へと変えてしまい、パワー7200に。

真子「あれがお父さんの勝負スタイル………だっけ………!?」

春香「違う………! Uさんは基本的に魔を大切に使う戦い方をするのに………! こんな魔の意志を無視して生贄に捧げたりする人じゃないわ………!!」

この戦い方には、春香も動揺していた。空矢の方は止むを得ずに、最後の魔である{勇者空矢}を召喚する。

空矢「一体どうすればあんな化け物を倒せるんだよ………!?」

空矢は思わずそんなことを口にした。

闇究極竜「化け物………!? ………私は………私は………! 私は化け物じゃない!!」

だが、それが逆鱗に触れるきっかけとなってしまった。闇究極竜は目にも止まらぬ速さで、勇者空矢を一撃で破壊してしまった。

キリエ「ゆ、Uが勝つのはわかっていたけど………まさかこんなに早く決着が着くとは思ってなかったよ………!?」

春香達の空気は、更に重くなっていた。闇究極竜は、次に本物の空矢に手をかけようとした………しかし、マジシャンバトルの終了処理により、追憶の闇究極竜は消滅した。それにより、Uの意識が突然として戻り………!?

U「………!! 僕は何を………!? まさか、また意識が無くなってたのか………!?」

Uは頭を押さえて混乱していた。そして、それを見ていた仲間達は驚いていた。その中でも、春香は彼に起きていた異変を理解した。

春香「(前にUさんが仰っていた謎の声………まさか、その正体は魔で………Uさんを乗っ取っていた張本人………!?)」

Uの2度目の乗っ取り。だが、Uから放出されていた闇は以前よりも濃くなっていたことを、この時の誰もは知る由もなかった………

To be continued………




次回予告
雨は正式に仲間となった。その後、雨は自分が知り得る事を全てU達に語りだし………?
次回「世界の裏で動く者達」


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第79話 世界の裏で動く者達

前回までのあらすじ
Uと空矢の対決。しかし、Uの身体を乗っ取った{追憶の闇究極竜}の、Uとは全然違う戦法でUが圧勝。しかし、それは同時に不穏な空気を漂わせ………?


こうして、喜んで言える雰囲気ではないが、正式に雨は仲間として加わった。雨は最初に仲間になった今回、ある事を口にする。

 

 

雨「………皆には話した方がいいと思った事があるんだけど………皆は聞いてくれるかな………?」

U「ああ、寧ろ話してほしい。あの影闇って野郎が何を考えているのか………とか。」

雨「………影闇の考えている事は闇の深さのように分からないよ。でも、これだけは言える。今の世界は影闇にとっては不都合な世界なんだと思う。だから、世界中の人間を滅ぼして、魔の世界に変えようとした。私は唯一の人間として幹部の1人になった。そして影闇は、手始めに世界を融合させたの。」

遥「融合って………でも、それに関する神の力はUしか持ってないはずなのに………!」

雨「原理は分からないけど、影闇は確かに世界を融合させた。それと………私は元々この世界の人間じゃない。元々は魔………この世界ではカードとなっている存在がいる世界にいたの。私が住んでいた国の名前は………備前国(現在の岡山県に当たる場所)って所なんだけど………」

遥「備前国って………私の世界にある地名!?」

U「………じゃあ、お前は元々遥の世界の人間だったのか………!?」

雨「………あの世界の名前がどうとかは知らないけど、四神伝説の話を思い出して、特徴が当てはまっていたから、私はUとそこの青髪の巫女さんっぽい格好の人が、私と同じ世界にいたって事が分かったの。」

ルミア「ど、どんな話なの………?」

雨「『北に眠る神を従えしは、三体の輝く白き竜を従えし者なり………』」

遥「もしかして………破軽部さんのこと………!?」

雨「『南に眠る神を従えしは、人の温かみを知らぬ少女なり』」

U「南………歩美の事か………!?」

雨「『東に眠る神を従えしは、兎と仲良しな巫女なり………』」

遥「それって私の事だよね………!?」

雨「『西に眠る神を従えしは、闇の魔道士達を従えし異次元な者なり………』」

U「僕の事か………? って、誰だ異次元なんて考えた奴………」

雨「とまあ、こんな感じ。」

U「著者………書いた奴の名前は分かるか?」

雨「読めないけど、漢字は覚えているよ………確か………こんな感じの字だったかな………?」

雨は紙に本の著者の名前を書く。その字は拙いが、Uや遥が一発で特定する事が出来る人物の名前だった。

U「破軽部………あのバカ野郎が考えたのかよ!!」

遥「本にも手を出したんだ、あの人………」

2人がそれぞれ驚いた反応を見せる中、話についていけない春香達は………

春香「あ、あの………誰の事でしょうか………?」

U「ああ、前に遥の世界を旅した時に会った奴の名前だ。よくわからねぇ奴だが、かなり強い奴だ。もう1人の最後の神の使い手は不死鳥歩美。別にそこまで人の温かみを知らない子では無かった気がするけど………」

雨「話がズレちゃったね。影闇はこの世界と私達の世界を繋げると、早速、魔をカードに封じこめた。勿論、どうして封じ込められたのかまでは分からないけど、幾つかの魔は影闇の手でこの世界にばらまかれた。その見分け方は、その魔が喋るか喋らないかで判別出来るの。」

ルミア「そういえば………私のグローリーは喋る………!!」

U「そういえばそうだな………ルミア、なんでグローリーと会ったか覚えているか?」

ルミア「覚えているよ! 確か、私の屋敷の庭に落ちていたカードだったんだけど、それを拾ったのがグローリーとの出会いだったの。そして、グローリーと出会って間もなく、マジシャンバトルのカードには怪物同士を戦わせる新ルールが制定されたんだよ。そして、いざ召喚してみると、グローリーは普通に喋った………って感じだよ。」

雨「Uや勇者様のような特別な形でカードになった魔は別だけど、基本的には送られた魔達は皆、そのようになるの。そして、こんな事をした影闇の裏には………あと2人幹部がいるの! その2人の名前は………力自慢の戦士族を従える獄炎、ドラゴン族を従えているけど、どこか冷静沈着で戦略家の昇竜。獄炎は影闇に従っているし、昇竜は自分の意思だけで動く神出鬼没な性格………私が抜けた穴を受ける為に、今後この2人が出てくる可能性はあるかもしれないよ。」

U「そうか………なら、対策もしなきゃだな………」

雨「それと………U。Uはしばらくマジシャンバトルはやらないで!」

U「え、ええ!? どうしてだよ!?」

雨「さっきUを乗っ取った魔は、Uの意思関係無しに出てくる………そう考えたら、どうして勝手に出てくるかも分からない中でUがマジシャンバトルしたら、出てこないとはとても言えないよ!」

U「確かに………」

こうして、Uは雨の意見を聞きいれ、マジシャンバトルの事から一度離れることにした………だが、そんな事を許そうとしない勢力がある事を、U達はまだ知らない………

To be continued………




次回予告
影闇達は、雨の加入と追憶の闇究極竜を直に目撃している事から、Uにマジシャンバトルをさせない事を考えていると見抜き、Uにマジシャンバトルをさせる為、影闇は獄炎にこれを依頼し………?
次回「闇の深き策」


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第80話 闇の深き策

前回までのあらすじ
雨は、U達に自分の知り得る情報を明かす。そして、雨は{追憶の闇究極竜}の様子から、Uにマジシャンバトル禁止を言い渡すが………?


とある場所の一室にて………

昇竜「………影闇。聞きたい事がある。お前が数日前に捕まえたと言っていた魔はどうした?」

影闇「ああ、あの魔はUの身体を乗っ取るためのカードとして仕向けましたよ。既に雨が戦いましたが………一瞬にして戦況がひっくり返ったらしいですよ。」

獄炎「そんなに強いのか、その魔は………?」

影闇「そうですねぇ………まあ、並大抵の相手なら話にはならないでしょうねぇ。それに、現時点では身体を乗っ取られるだけで済みますからねぇ………現時点………なら………」

獄炎「現時点とは………? どういう事だ?」

影闇「実はですね、あの竜は負の感情によって強さが比例するという特性を持っていましてねぇ………もし、このままあの竜が強い負の感情を背負っていけばいくほど、Uにとってはかなり危険な状態となる。すなわち、このままあの竜が力を増大させていけば、彼はマジシャンバトル外でも体を支配されるのですよ。」

昇竜「………まさかそんな盤外戦術をするとはな。お前の狡猾さはやはり恐ろしい………」

影闇「しかし、現時点ではまだマジシャンバトルでしか大きな力を発揮できない。今はまだUの方が強いということ。そして、この状況ならばマジシャンバトルを封印すれば、負の感情によって支配されるリスクは無い。しかし、逆に言えばそれを引き出す方法はマジシャンバトルだということ。だが、あちらがそれを察している可能性もあります。よって………獄炎、貴方にひと仕事頼みたいのですが………よろしいでしょうか?」

獄炎「任せてくれ! しかし、俺はどうすればいい?」

影闇「あの男に真っ向から喧嘩をしても無意味であることは先の様子から研究済みです。よって、脅すのです。」

影闇はそう言うと、とある写真を獄炎に渡す。

獄炎「………女の写真?」

影闇「その方がUの妻のようです。彼女を餌に脅せば、Uは嫌でも従うでしょう。そうして、その上で彼を何とかしていただきたいのですが………よろしいでしょうかね?」

獄炎「任せてくれ!」

獄炎はそう言うと、瞬間移動で消えた。

昇竜「………獄炎もあれじゃ犬だな。お前の言うことをなんでも聞き入れるんだからな。」

獄炎「彼は強い者に心酔する所がありますからねぇ………昇竜、彼よりも強い貴方には実害が無いんだからいいじゃないですか。」

昇竜「まあな。私に実害が無い限りは、奴の事などどうでもいい。お前の目的もな。」

影闇「………では、私は一度、魔の世界に向かいますので、万が一の時はお願いしますね。」

影闇もそう言って瞬間移動でどこかへ消えた。

昇竜「ふん、そもそも有り得んのだ………ここに攻める事自体な………」

昇竜はそう言って近くに置いてあった書物を手にし、中を開くのだった………

 

 

一方、レボナガシの中庭では、マジシャンバトル禁止を言い渡されたUと、彼の付き添いという名の見張り役として春香がそばにいた。

U「………真子が言っていたよ。乗っ取られている時の僕は、僕らしくない戦い方だったって。」

春香「はい………魔の意思すら無視して生け贄に捧げ続けるなんて………そんなのUさんの性格じゃ有り得ませんし………!」

U「………そういえば、あの竜はどんな様子だったんだ………?」

春香「………何か、怒っているような様子でした………Uさんを虐めるなとかなんとか………」

U「………そうか。僕を守ろうとしてくれたんだ………でも、それが他の魔の意思を無視した戦い方になってしまっていると………」

春香「心の底から怒りを覚えているUさんみたいですね。」

U「………そうか?」

春香「そうですよ。Uさん、私や真子の事になると、手をつけられなくなるじゃないですか。メテオの戦いの時にメルちゃんをオーバーキルに近い様子で倒したこと、未だに覚えてますよ………?」

U「うぐっ………! その節は………大変すみませんでした………」

Uが落ち込む様子を見せると、春香は優しく彼に抱き着いた。

春香「いいんですよ。それこそUさんのいい所なんですから………」

U「………そうか。」

Uは嬉しそうな表情を見せるのだった………だが、彼等は真上の方から何か気配を感じた。

U「………! 春香、上から来てる!!」

2人は真上を見上げると、大剣を手にした男が降ってくる。

U「ぐっ………!」

Uはセイバーを装備し攻撃を止めようとするが、その一撃は重く、Uを吹き飛ばし壁に激突させた。

U「お、重い………!!」

Uは地面に足を着き、攻撃に転じようとしたが………

??「おっと、そのまま近づくと、お前の大事な女が死ぬぞ………?」

なんと、その男はUを吹き飛ばした後、春香を捕らえ、彼女に刃を向けていた。

U「や………止めろ!!」

??「………影闇の言う通りだ。この女を人質に取られると、脅しに屈してしまう………聞け、U。俺が望むのはただ1つ、俺とマジシャンバトルをしろ!!」

春香「だ、ダメです!! 今マジシャンバトルをするのは………!!」

??「黙れ。」

男は春香のお腹を殴る。

春香「がはっ!?」

U「や、止めろ!! 春香に手を出すな! マジシャンバトルならやってやる! だから………!!」

??「………それでいい。それと、お前には名乗っておこう。俺は獄炎。影闇の使命に賛同し、それに協力しているものだ。」

U「獄炎………雨が口にしていた幹部の名前………!」

春香「ゆ、Uさん………!!」

U「(春香………ごめん………! 僕が不甲斐ないばっかりに………)」

春香への謝罪を心の中で口にするU。そして、これがU達にとって色々な意味で苦しい戦いとなるのだった………

To be continued………




次回予告
Uは脅しに屈してしまい、雨のマジシャンバトル禁止令を破ってしまう。そして、それが{追憶の闇究極竜}に乗っ取られる原因となってしまい………!?
次回「怒りと力の対峙」


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第81話 怒りと力の対峙

前回までのあらすじ
影闇は、{追憶の闇究極竜}をUに乗っ取らせることを画策していた。その依頼を受けた獄炎は春香を人質にとり、Uにマジシャンバトルを強要する………!


U「(雨………ごめん。約束を破る事になってしまって………!!)」

Uは苦しい思いでマジックファイルを構える。しかし、それがトリガーとなり、マジックファイルから{追憶の闇究極竜}のカードが現れ、Uの意識を乗っ取った………

春香「あ………ああ………!!」

闇究極竜「………この世界には………Uを虐める奴しかいないの………!? なんで………なんで私やUがこんな目にばかり遭うの!?」

春香「(わ、私………? それは一体どういう意味なの………!?)」

獄炎「………遂に来たか。」

獄炎はそう言うと、人質にとっていた春香を軽くなげとばす。

春香「きゃあっ!?」

獄炎「お前はもういらん。後は、俺がコイツをどうにかするだけだ………!!」

獄炎はそう言ってマジックファイルを構える。

獄炎「勝負はこの国のルールに従って、4vs4でやってやるよ。」

闇究極竜「やってやる………? 偉そうな口を言わないで!!」

闇究極竜はそう言うと、場に{暗黒の魔道士}と{破壊の悪魔・真}を召喚する。

ダーク「これで3度目………!! (しかしなんだ………? 前よりも闇が強い………!?)」

闇究極竜「この2人を生け贄に………私を召喚!!」

闇究極竜は2体を生け贄に捧げる事で、自身を召喚。鎧となってUに装着される。

獄炎「これは………竜の方の意識がかなり強い………Uの意識は………殆どあの竜に押さえ込まれている………これは好都合だ。ならば、俺が召喚するのは、{斧の戦士(アックスウォーリアー)}! 更に装備カード{炎天の斧}を発動! 斧の戦士の攻撃力を800アップする!」

獄炎はさっそく、パワー2200の斧の戦士に装備カードを使い、パワー3000に。しかし、破壊の悪魔・真が破壊された時の永続効果により、パワーは2500に………

獄炎「貴様のそんな妨害工作などお見通した! 俺はフィールド魔法{戦士達の誓い}を発動! これにより、戦士族の魔のパワーは減らない!」

だが、フィールド魔法{戦士達の誓い}の効果で、場の斧の戦士は破壊の悪魔・真の効果の対象外となった。

獄炎「更に、もう一体魔を召喚させてもらおう! 俺は{槍の戦士(スピアーウォーリアー)}を召喚! 更に装備カード{煙火の槍}を発動!! その効果により、パワーを200プラスし、俺の場のカード名に『火』か『炎』のカードのパワーを500プラスする!」

獄炎はパワー2300の槍の戦士を召喚し、装備カードが持つ2つの効果によりパワー3000、斧の戦士のパワーも3500へと上昇させる。それを見た春香は………

春香「(成程………相手は戦士族の魔を中心に装備カードとのコンボで戦うようね………魔法使い族は汎用対抗カードが多いように、戦士族の魔はパワーこそドラゴン族に劣るけど、装備カードに恵まれている種族………つまり、魔法使い族とは違う意味で広い戦略を立てられる………! 幾ら、今のUさんを乗っ取っている魔のパワーが4200だからと言って、油断できる差では無いわ………!)」

獄炎「更に、俺は対抗カード{戦士達の連携攻撃}を発動! 戦士族の魔2体以上は、次に攻撃した時、破壊される代わりに2体以上で攻撃出来る!」

春香「(連携攻撃による攻撃で超えてきた………! しかも、破壊されるデメリットがあるのに、それを気にもせずに攻撃するつもり………!? あの人にとって、魔は道具でしかないの………!?)」

魔すら道具のように感じさせる獄炎の戦法に困惑する春香。だが、獄炎にとってはそれが当たり前のようだ。何故なら、彼は魔の事などパワーと効果しか見ていないのだから。

獄炎「行け、2体の戦士達よ! 奴を喰らえ!!」

春香「(パワー合計は6500………!!)」

2人の戦士による攻撃が放たれる。

獄炎「これで、奴は魔を3体失う事になる………残り一体では奴は十分には戦えまい………俺の勝ちだ………!!」

獄炎は勝利を確信する。しかし、追憶の闇究極竜はそんな簡単に敗れるほど、弱くも愚かでもない。マジックファイルからカードを取り出すと、効果を発動。全身に強大な光が放たれる。

獄炎「な、何!?」

獄炎は動揺する。春香も突然の事に驚き、左腕に装着されたマジックファイルを使い、追憶の闇究極竜の様子を見る。

春香「パワー8200………!? ど、どうして………!?」

困惑する春香達。春香は追憶の闇究極竜の動きを思い返す。すると………

春香「そういえばさっきカードを手にしていた………そのカードは………{魔の閃光}………!?」

獄炎「魔の閃光だと………!? 他の魔を一体生け贄とする代わりに、そのバトルに限りパワーを4000させる効果か………!? 」

そう、追憶の闇究極竜は最後の召喚権を捨ててここを守ったのだ。そして、獄炎の使った対抗カード{戦士達の連携攻撃}のデメリットにより、2体の戦士達は破壊された。

獄炎「知能もあるというわけが………しかし、俺にはまだ2体の戦士族が残っている! 来い、{剣の戦士(ソードウォーリアー)}と{槍斧の戦士(ハルバードウォーリアー)}!!」

ここで、パワー2000の剣の戦士と、パワー2400の槍斧の戦士が現れる。獄炎の狙いは勿論装備カードを使ったコンボである。しかし、追憶の闇究極竜はそれを許す暇を与える程寛容でもなかった………

闇究極竜「いじめっ子達は皆そう………1人じゃ何にも出来ないくせに、集団になるといきがって強くなった妄想に取り憑かれる………いい加減にして!!」

寧ろ、怒りを深めていた。

闇究極竜「私は………そんな貴方達を許さない!!」

闇究極竜はそう叫ぶと、マジックファイルからカードを手にする。

春香「あれは………{その場限りの命}!? 確か効果は、攻撃権を失い、場にいれる時間が遥かに少ない代わりに、召喚条件を無視して場に出す事が出来るカード………!!」

それにより、白虎が復活する形で現れる。

獄炎「なっ!? な、何故白虎が現れた………!?」

そう、白虎はこのマジシャンバトルで1度も召喚されていない。だから、獄炎は困惑していた。しかし、その答えはこのバトルの中にあった。

春香「まさか………!! さっき、{魔の閃光}の時に生け贄に捧げたのは………!!」

春香の子の言葉を聞いた獄炎はハッと気づいた表情を浮かべる。そう、白虎に生け贄が必要なのは『召喚時』のみ。マジックファイルにあるカードの効果で、控えの魔を参照に出来る時は白虎のような召喚条件を持つ魔も生け贄に捧げる事が出来るのだ。だからこそ、白虎は生け贄コスト無しで場に現れた。

白虎「なっ!? またこの状態になってしまっているのか………!?」

闇究極竜「………この魔を生け贄に………私の効果発動!!」

白虎は無慈悲にも破壊される。それにより、追憶の闇究極竜のパワーは7200に。

闇究極竜「私の力で………終わらせる!!」

追憶の闇究極竜は手の爪で攻撃を放つ。それにより、剣の戦士は一撃で破壊される。

獄炎「ぐっ………まあいい。今回は俺は本気ではない。負けても損は無い………何故なら、あそこまで強い意思が表に出ている今、このマジシャンバトルが終わったところで………俺に損は無い。」

獄炎がそう口にした時には、槍斧の戦士が破壊された。

獄炎「次はお互いに本気で熱くなる勝負が出来るといいな………U、お前の人格がある方とな。」

獄炎はそう言って瞬間移動で消えた。それと同時にマジシャンバトル終わり、Uを覆った鎧は消える。

春香「Uさん!!」

春香はUに近づく。しかし、彼は反応を返さない。そればかりか………

春香「きゃあっ!?」

U「………触らないで。」

春香の左頬を叩いた。普段のUなら絶対にやらない行為であり、更に春香はある違和感を感じていた。それは………

春香「声が………戻っていない………!?」

そう、声が戻っていない。それはつまり………

闇究極竜「………この世界にいる人間は皆………私をいじめる最低な人達ばかりだから………!!」

マジシャンバトルが終わったのにも関わらず、闇究極竜の人格が表に出ている事を意味していた。

春香「そんな………!! どうして………!?」

困惑する春香。彼には一体どんな異常事態が起きているのか………!?

To be continued………




次回予告
嫌な予感がした雨達が駆けつけるも、今やUは{追憶の闇究極竜}に完全に乗っ取られていた。そんな状況の中、春香は彼女にマジシャンバトルを要求し………!?
次回「完全なる乗っ取り」

魔の解説
・斧の戦士(アックスウォーリアー)
愛称 アックス
属性 戦士族
パワー 2200
攻撃技 {斧の力破壊(アックスパワーブレイク)}
フレーバーテキスト「斧を扱う戦士。斧を軽々と振り回す筋力があるらしい………」

・槍の戦士(スピアーウォーリアー)
愛称 スピアー
属性 戦士族
パワー 2300
攻撃技 {炎の槍(ファイアスピアー)}
フレーバーテキスト 「素早い槍による突きを得意とする戦士。実は強調意識がある………?」

・剣の戦士(ソードウォーリアー)
愛称 ソード
属性 戦士族
パワー 2000
攻撃技 {力斬り(パワースラッシュ)}
フレーバーテキスト 「戦士族としてのパワーはそこそこだが、どんな剣でも上手く扱える才能がある。」

・槍斧の戦士(ハルバードウォーリアー)
愛称 ハルバード
属性 戦士族
パワー 2400
攻撃技 {槍斧の二連撃(ハルバードツインアタック)}
フレーバーテキスト 「使い手の少ない槍斧を使い、ありとあらゆる敵を粉砕する剣士がこの魔らしい………」


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第82話 完全なる乗っ取り

前回までのあらすじ
Uと獄炎の対決。やはり{追憶の闇究極竜}に乗っ取られ、生け贄の連打で獄炎に勝利するが、獄炎は本気を出していないことを口にして撤退。更に、Uを乗っ取っていた闇究極竜はマジシャンバトルが終わっても、Uの身体を乗っ取り続けており………!?


春香は困惑していた。何故こんな異常事態が起きているのかと。するとそこへ………

??「お母さん!!」

?「春香さん!!」

春香「真子! 遥ちゃん! それに皆も………!」

真子や遥達仲間が駆けつける。

雨「U………! あの様子と闇の強さじゃ………遅かった………!!」

春香「闇………遅かった………!?」

雨はUから放たれていた目には見えない闇を感じていた。それを聞いた春香も自身の魔力を展開させると………?

春香「うっ………! 闇が強い………! Uさんとは無縁のはずの闇の力………! 普段のUさんが放っている光が押し込まれている………!?」

春香はUの魂の強さを光として感じていた。理由はどこか抜けている天然ではあるものの、優しさや誰かを守る強さや心を持っているからである。そんな彼が、今や追憶の闇究極竜に、彼の光を押し込められていた。

春香「どうすれば………!!」

春香は頭を悩ませる。そこに、ミレルやルミアが追憶の闇究極竜に己の想いを口にした。

ミレル「どうして………どうしてUの身体を乗っ取っているの………?」

ルミア「貴方がどうしてお兄様の身体を使ってまでこんな事をしているのかは分からないけど………お兄様は、こんな事は望んでいないよ!!」

闇究極竜「う、うるさい!! 分かるはずないよ!! 私の苦しみを………貴方達なんかに理解出来るわけないよ!! それに………Uからは………光のような何かを感じたの。だから、私はその光を守ろうと思った………Uを虐める者を全て滅ぼす!! それが………過去に全てを失った私の出来ること………!!」

それを聞いたミレル達は言葉を失った。恐らく、この竜は何か辛い過去があったのだと。それを聞いた2人は何も言えなくなった。

雨「多分、この竜の元の魂は………過去にかなり辛い目に遭っていたんだと思う………影闇がわざわざ閉じ込める程だもん………過去にどんな悲惨な事があってもおかしくないよ………でも、だからと言ってこのままにしたら、本当にUが主人格じゃ無くなって、Uの身体もあの竜のものになっちゃう………!!」

それを聞いた春香はハッと我に返る。そして、彼を失う悲しみを仲間の中で1番理解している彼女は………

春香「………いい加減にして。貴女の個人的な理由で………私のUさんを奪おうとしないで!!」

闇究極竜「………!?」

遥「は、春香さん………!?」

この言葉を聞いた闇究極竜は困惑する。

春香「過去に貴女に何があったかは分からない………けど、私はそんな自分勝手な理由でUさんを失うわけには行かない!!」

闇究極竜「貴女に私やUの何がわかるの!?」

春香「貴女の事なんか何も知らないわよ!! ………でも、Uさんの事なら分かる………! ずっと一緒にいる人なんですもの………それに………私はUさんを失った苦しみを知っているわ………Uさんを失った時は、私に取っては死ぬよりも辛い生き地獄だった。そして、Uさんに会いたいという出来心から、Uさんに対して私を引き離したお仕置きをするという自分勝手な思いのせいで、Uさんと対立する羽目になってしまった………もうそんな過ちは絶対に踏みたくはない………だからこそ、私は貴女に反論するわ! そんなに私達が憎いなら………貴女こそ何か仕返しをしなさいよ!! そんなに憎いなら、暴力でも何でもしてみなさいよ!! 私の事を………殴ってみなさいよ!!」

闇究極竜「………!!」

闇究極竜は驚いていた。勿論、春香の口調が荒いからだけでは無い。春香の気迫や強い覚悟を感じている事も、闇究極竜が驚く原因となっていた。

春香「………どうせ、今の貴女に私を殴ることなんて無いんでしょうけど。」

闇究極竜「………!! 黙って!!」

闇究極竜はUの右手で春香を殴ろうとする。しかし、闇究極竜によるUの拳は春香の手前で止まった。

闇究極竜「………っ!? て、手が動かない………!?」

勿論、闇究極竜は殴ろうとしていない訳では無い。寧ろ、頭に血が上っているような状態。春香を殴らなければ気が済まないのだろう。だが、拳は動かない。その理由は簡単だった。

春香「………Uさんはね、組手以外で私に滅多に手をあげないの。あげたとしても後で凄い後悔する程に、私を殴る事を躊躇うの。そして、如何に貴女がUさんを乗っ取っていたとしても、Uさんの身体からUさんの意識が消えた訳じゃない。貴女だってもう分かっているはずでしょ? Uさんはこの世界にいる人間達には絶望なんかしていないって………」

闇究極竜「み、認めない………そんなの認めない!!」

春香「なら………私にマジシャンバトルで勝てたら認めてあげる………4vs4のプレイヤーへの攻撃有りでのマジシャンバトルでね!! 真子! 力を貸して!!」

真子「う、うん!!」

真子はカード化して春香のマジックファイルの中に入る。

闇究極竜「………後悔させてあげる………私にそんな事を口にした事を………!!」

こうして、春香と闇究極竜のUを賭けたマジシャンバトルが始まるのだった………!!

To be continued………




次回予告
闇究極竜の戦いは、相変わらず自分中心で戦うデッキだった。それに対し、春香は仲間達の力を借りるデッキで対抗し………?
次回「友情の力と孤独の力」


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第83話 友情の力と孤独の力

前回までのあらすじ
Uの身体を乗っ取った{追憶の闇究極竜}。しかし、Uの事を失うつもりは無い春香が、闇究極竜にプレイヤー介入有りのマジシャンバトルを要求する………!


闇究極竜は初手から暗黒の魔道士と破壊の悪魔・真を召喚する。しかし、いつものように2人の意思を無視し、自身を召喚。鎧となってUに装着される。

春香「(これで私の魔………Uさんの魔以外のパワーは500マイナス。生半可な魔を出せば負ける………でも、あの竜の子………誰かを頼ろうとはしない………Uさんとは真逆の戦い方………そして、今回の勝負は私も勝負に参加できる勝負………リスクは大きいけど、Uさんを失う事に比べたらそんなの安い………Uさんだって同じ状況ならそう仰るはず………!!)」

春香はそう考えると………

春香「私は、{白宮家の魔法少女真子}を召喚!」

春香は真子を召喚。しかし、破壊の悪魔の効果でパワー1000。

真子「(お母さん………どうして私を召喚したの………?)」

真子は首を傾げる。すると、闇究極竜は真子の事を無視して、春香に殴りかかる。春香はこれをかわすが、すぐに追撃を放ち、彼女の右頬を殴った。

春香「………っ!」

真子「お母さん!!」

遥「春香さん!!」

だが、春香はダメージを受けてもあまり動じずに、やり返すように、闇究極竜に左手のビンタを放つ。勿論、これをやって傷つくのはUの身体なのだが………

春香「(Uさん………後で好きなだけ私を怒っても、やり返してもいいですから………今回だけは許してください………!)」

今、身体の主導権を握っているのは闇究極竜。ある程度のダメージはあるだろう。

闇究極竜「………!! よくも私を殴ったわね………!! 許さないから!!」

闇究極竜も負けじと春香の左頬を殴り返す。すると、春香は闇究極竜もとい、Uの身体を掴むと、彼の身体の腹を殴った。

闇究極竜「ぐはっ………!?」

闇究極竜はUの腹を押さえると、座り込む。

闇究極竜「く………苦しい………!」

それを見た真子は、春香の意図を察知した。

真子「お母さんがどうしてこんな似合わない事をやっているのかと思ったけど、これが狙いだったんだね………!」

春香「相手は乗っ取っているとはいえ、Uさんの身体を使っているのよ? 私がUさんの身体の弱点を知らないはずがないでしょう?」

ミレル「春香さん、Uに関して何でも知っているんだね。」

遥「知り尽くし過ぎてて、ある意味引くけどね………」

遥は苦笑いをする。闇究極竜はしばらくして立ち上がり………

闇究極竜「よくも………よくもやってくれたね………」

春香「………どうやらムキになったみたいね。私の場の魔すら放置するようじゃ、余程視野が見えないのね。」

闇究極竜「う………うるさい!! 私の事を知った口を聞かないで! 私は追加で召喚!! そのまま私の効果を発動!!」

闇究極竜は冥界の兵士を召喚。すると、そのまま冥界の兵士を破壊して、自身のパワーへと変える。これにより、パワーは6700。

闇究極竜「お腹を殴られる痛み………味わわせてあげる!!」

闇究極竜はそう言うと、やり返すように春香のお腹を殴った。

春香「かはっ!?」

春香は苦しそうな表情を見せるが………

春香「貴女、気づかないの………? 私の思い通りに手繰り寄せられている事に………」

闇究極竜「何………!?」

闇究極竜は困惑する。すると、春香は地面に魔力を流し込み、魔法陣を作り出した。それにより、Uの身体の足が蜘蛛の巣に引っかかったように動かなくなる。

春香「今のうちに、こちらの戦略を立てさせてもらうわ! 私達白宮家の底力を見せてあげる! 私は場に{白宮家の強戦士U}、{白宮家の見習い巫女美由紀}を召喚! ………そして、Uさんとの戦いでは見せなかったカード名に『白宮家』と付く6体目の魔、{白宮家の魔法使い春香(しろみやけのマジシャンはるか)}を召喚!!」

春香は自身を模した6体目の魔、白宮家の魔法使い春香を召喚した。そのパワーは2000と魔法使い族の中でも強い{暗黒の魔道士}と同数値のパワーを有している。

遥「(春香さんの姿をした魔………それも、ダークに匹敵する………いや、それ以上とも言える力を感じる………!!)」

しかし、破壊の悪魔・真の永続効果でそれぞれがパワー500ずつマイナスされている。

闇究極竜「貴女なんかに………私は止められない!!」

春香「………それはどうかしら? それは、私の姿をした魔の効果を見ても言えるかしら!?」

闇究極竜「………!?」

春香「魔の私の効果発動! 私の場にこのカードとカード名に『U』を含むカードがあり、それ以外のカード2枚を生け贄に捧げる事で、魔の私は真の力を発揮できるわ!」

真子「もう1人のお母さん! 私の力を!!」

場にいる真子と美由紀の2人は生け贄として破壊される。それによって生じたエネルギーが魔の春香に吸収され………

春香「それにより、このカードが次にバトルする時、魔のUさんと連携攻撃する事ができ、そのパワーは∞になる!!」

魔の春香は、魔力を持っていない者でも分かる程の強さの魔力を放出していた。

ルミア「パワー∞!? それって………どんな相手でも勝てるって事!?」

遥「パワー∞って………そういえば破軽部さんが言ってたっけ………Uが過去に1度だけパワー∞のカードを生み出して、最強の神、麒麟を倒したんだっけ………? Uが強い力を持つ人だとすれば………春香さんも似たような人って事かな………?」

遥は感心すると言うより、少し引いていた。

春香「これが、私とUさんの力を合わせた力………! {アローセイバー}!!」

魔のUは手からセイバーを闇究極竜目掛けて投げる。それに合わせて、魔の春香はオメガアローを放つ。それにより、セイバーはオメガアローを纏った姿となり、闇究極竜に突き刺さった。

闇究極竜「うわあああああ!!」

これにより闇究極竜の鎧が破壊され、Uの身体は地面に倒れる。突き刺さったセイバーは、追憶の闇究極竜の破壊により、マジシャンバトル終了の処理が入り消えた。

U「ううっ………ここは………僕は今まで何を………!?」

Uは頭を押さえて状況確認をしていた。どうやら、元の人格に戻れたようだ。

春香「Uさん………よかった………あぐっ!!」

春香は膝を着き、先程殴られたお腹を押さえる。

U「は………春香………!? どうしたの………? さっき腹を殴られた時のが痛いの………? ごめんね、僕が不甲斐ないばっかりに………」

Uはオロオロとした様子で春香の傍に駆け寄る。

春香「………さっきまでの怒りはどこへやら………ですね。全く、私の事になるとUさんはダメダメな人ですね………」

U「だって………怖かったんだもん。今回はたまたま戻ってくる事が出来たけど………君と離れ離れになるのが怖くて怖くて………」

春香「………メテオとの戦いの時に私を無理矢理逃がした時のUさんはどこに行ったんですか………まあ、いいです。それより、私にこれだけ迷惑かけたんですから………1つ言う事聞いてもらいますよ?」

U「な、なんだい?」

春香「………今夜は一緒に寝てくださいよ?」

U「いつも一緒に寝てるじゃん………でも、君無しで寝る日はあまりよく寝れないからね………いいよ。」

2人がそんなやり取りをしていると、マジックファイルから真子が現れ………

真子「元に戻ったのはいいけど………これはこれで面倒くさそうだなあ………まあ、2人らしいけど………」

苦笑いをしていたが、どこか嬉しそうだった。そして、雨はUの方を見ると………

雨「(………Uの光と、Uを支配していた魔の闇の立場が逆転している………今はまだ大丈夫だとは思うけど………また逆転しないとも限らない………Uにはより一層気をつけてもらえないと………)」

と、Uと追憶の闇究極竜の反応からそう推測するのだった………

To be continued………




次回予告
数日後、ウズクチョに戻っていたメリル達が、レミ達を連れてレボナガシへと戻って来た。国交正常化が成立しようとしている中、影闇達の方も動きを見せようとしていた………
次回「国交正常化とその裏側」

魔の解説
・白宮家の魔法使い春香(しろみやけのマジシャンはるか)
愛称 もう1人の春香
属性 魔法使い族
パワー 2000
効果 「{夫婦の連携攻撃(ふうふのツインアタック)}自分の場にこのカードとカード名に『U』と付くカードがある時、それ以外の自分の場のカード2枚を破壊(生け贄に)してよい。そうしたら、次のバトルに限り、このカード以外の攻撃権を失う代わりにカード名に『U』と付くカードと連携攻撃する。そのバトル時のパワーは∞(相手のパワーがいくつであろうと負けず、同じ∞の時は相打ちとなる)となり、相手は次のバトル終了までカードの使用を宣言できず、場のカードの効果を発動出来ない。この効果に対して相手はカードの使用と効果の発動を宣言できず、この効果はゲーム中に1度だけ使える。」
攻撃技 {オメガアロー}
フレーバーテキスト 「Uを愛する天才魔法使い。Uと共に戦う時は無限大の力を発揮する………!」


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第84話 国交正常化とその裏側

前回までのあらすじ
春香と追憶の闇究極竜の対決。春香は自身が傷つくリスクを背負って追憶の闇究極竜に勝利する。その結果、Uの人格が戻ってくるが………?


それから数日が経った………ウズクチョからメリル達がレミやその護衛を連れてレボナガシへとやってきた。U達はその見送りに参列した。

U「おーい! メリル! カラ!」

メリル「U!」

カラ「お久しぶりです、皆さんもお変わりなさそうで………って、あれ………?」

メリル「あ、貴女は………!!」

メリル達は雨がこの場にいる事に驚いていた。

U「仲間になった雨だ。混乱すると思うけど………よろしく頼むよ。」

カラ「一体どういう経緯があったのかは分からないですけど………Uさんの判断なら………まあ大丈夫でしょう。」

メリル「仕方ないわねぇ………全く、お人好しが過ぎるのよ、貴方。」

U「そ、そうかな………?」

メリル「………? なんか暗そうね。その子が仲間になった事以外に何かあったの?」

U「いや、それは………あった。というか、それがかなり深刻な問題なんだよね………」

メリル「………深刻?」

??「………メリル、カラ。2人は彼の話を聞いてあげなさい。国交は私が行くわ。」

そう口にしたのは、護衛の間にいたレミだった。

U「………レミ。すまないな。」

Uはそう言ってレミに感謝するのだった。

U「………僕達が借りている客室で話すよ。じゃあ、行こう。」

U達は、客室の方へと向かった………

 

 

一方、影闇達は再びとある一室に集合していた。

影闇「………獄炎、よくやりましたと言いたいところでしたが………どうやら、竜の反応が弱ってしまったようです。」

獄炎「な、何!? 何故だ!? 俺は何もしていないぞ!?」

昇竜「………人間を乗っ取っている魔は、マジシャンバトルに敗れた時、その力を失いカードへと戻る。最も、影闇の手によって実体化した魔は破壊されると、カードごと消滅するデメリットがあるが………例の魔がマジシャンバトルに敗れてカードへと戻り、Uが支配から解放され人格が元に戻っただけの話だろう。」

影闇「その通りです。獄炎、もう一度同じミッションをお願いできますか?」

獄炎「分かった………もう一度行かねばならぬのは気が進まないがな。」

獄炎はそう言って瞬間移動で消えた。

影闇「さて、今度こそ作戦が成功するといいんですがねぇ………」

影闇はそう言って表情をニヤリとさせたのだった………

 

 

同じ頃、レボナガシではUがメリル達に説明を終えた所だった。

U「………という事だ。」

メリル「そんな事が………」

雨「………今のUはいつあの時の竜がまた力を覚醒させるか分からない。だから、本当に気をつけないといけないよ。」

U「うん………気をつけ………ぐっ!?」

突如、Uの頭に痛みが走った。

????「……め…な………! ………るな! いじ……な!」

頭には聞き慣れた声が聞こえた。

U「………い、今は出てこないで………!! お願いだから………!!」

真子「お父さん!?」

雨「や………闇が強い………まさか………!!」

Uのマジックファイルから追憶の闇究極竜のカードが現れる。するとそこからマジシャンバトルでも無いのに、追憶の闇究極竜が召喚され、Uの身体に鎧として纏われる。

春香「ゆ、Uさん!? いや………これはあの時の………!!」

闇究極竜「絶対に許さない………特に………貴女だけは絶対に………!!」

闇究極竜は春香を指さしてそう口にした。それと同時に、レボナガシの城が大きく揺れた。しかし、これは闇究極竜の手によるものでは無い。

ミレル「あれは………玉座の間の方から………!? あそこにはお姉ちゃん達がいるはずじゃ!?」

春香「………ここは私が食い止めるわ。皆は玉座の間へ向かってください!」

ルミア「でも、それじゃあ春香さんが!!」

春香「Uさんを止めるのは………私の使命で………また2人離れ離れにならないようにする為の………暗黙の約束だから………!!」

真子「………行ってください。どうせ、お母さんは譲りませんから。皆さんの代わりに私が残ります。お母さんが万が一マジシャンバトルをする事になった時に、私は共に戦わなければならないので………」

メリル「真子さん………」

カラ「………春香さん達を信じましょう。俺達がここで立ち止まる事は………」

メリル「………分かってる。春香さんの為にも、Uの為にもならないって………私も………やれる事をやってみせるわ!」

メリルはそう言うと、他の仲間達と共に玉座の間へと向かうのだった………

 

 

メリル達が玉座の間に到着すると、そこには国交正常化の為の会議をしていたレミ、レボナガシの国王、エミル、キリエ、空矢と、彼女達と対峙している獄炎が立っていた。

空矢「お前誰だ!?」

獄炎「………Uはどこだ?」

空矢「俺の質問に答えろよ!!」

獄炎「黙れ雑魚が。」

空矢「だ、誰が雑魚だ!!」

メリル「レミ様!!」

レミ「メリル………! ………U達はどうしたの?」

メリル「Uは今、この場に参上できない状態でして………しかし、必ず来ると信じてこの場に参上しました!」

レミ「………分かったわ。」

獄炎「………Uが来ないとは………まあいい。無理矢理引きずり出すだけだ!」

空矢「待てよ、お前の目の前には勇者がいるんだぞ?」

獄炎「勇者………? そうか、お前が影闇の言っていた、別の世界からこの世界に転送したモルモットか。」

空矢「モルモットだぁ!?」

獄炎「いいだろう、暇つぶしに遊んでやる。」

空矢「暇つぶしだと………!? その言葉、すぐに訂正させてやるぜ!」

こうして、空矢と獄炎の対決が始まったが………

雨「(………多分、この勇者じゃ獄炎には勝てない………いざとなったら、私も戦わなきゃ………!!)」

と、雨からは空矢が負けると予想されていたのだった………

To be continued………




次回予告
空矢のマジシャンバトルの裏では、追憶の闇究極竜は春香に復讐しようとしていた。しかし、突如Uの人格も復活し、闇究極竜に抗う………そして、Uの口からは闇究極竜についての秘密が明かされる………!!
次回「2つの心と闇の過去」


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第85話 2つの心と闇の過去

前回までのあらすじ
国交正常化の為に、メリル達はレミを連れてレボナガシに戻ってきた。国交正常化の話し合いが始まるも、メリル達の見ていない時に影闇の依頼を受けた獄炎がレミ達の前に現れていた。それと同時にUの中で弱っていた追憶の闇究極竜が力を取り戻し、再びUの身体を乗っ取り………!?


一方、春香達の方は………

闇究極竜「貴女なんかに私の気持ちは分からない………Uと仲良しなのは見ていたから分かっているけど………私の行動を邪魔された事は許さない………だから、私がこの手で………!」

春香「………そんな事、Uさんが望むと思う? 私は長い間あの人と共に生きていたから分かるの。Uさんは貴女みたいに無差別で人に復讐する事は無いわ。」

闇究極竜「………そんな事は分かってる………! Uの優しさから分かった。多分、Uにはそんな事は出来ないって。だから、私がやるって決めたの。Uに嫌われたって構わない。私は………Uの為に………この手を汚してでも貴女に復讐するの!!」

追憶の闇究極竜はそう言って、右手に闇を集める………だが、その手から闇が放たれる直前、Uの左腕が突然動き出し、右手を止めるように掴む。

闇究極竜「………!?」

?「………止めてくれ。僕の家族に………手を出さないでくれ………!!」

真子「その声………お父さん!?」

なんと、突然Uの人格が復活した。闇究極竜は動揺し………

闇究極竜「どうして………!? 私の力で貴方は私の闇の中に封じ込められていたはずなのに………!!」

U「………家族の危機に何もしない奴なんて最低なんだよ………それに、その封じ込められている時に、僕は夢を見た………君の過去についての夢を………!」

闇究極竜「夢………?」

U「………君は元々何の力も持たないただの人間だった………そして、原理は分からないが影闇の手によって、復讐を司る闇の竜にされた………でも、そうなった経緯は影闇だけじゃない………もう1つ………それは………君は過去に虐められていた。そうだろ?」

闇究極竜「………!!」

それを聞いた闇究極竜は右手で頭を抱えた。それと同時に闇究極竜の頭には過去の記憶が蘇る。人間時代の地獄の記憶が。

闇究極竜「思い出させないで………お願いだから私に地獄の記憶を思い出させないで!!」

U「………君にとっては辛い記憶なんだろう。その時に生まれた君の強い負の感情が、強い闇を生み出し………それを影闇を付け込まれた。それがこの悲劇の始まりだった。そして、君には忘れていた名前があった。その名前が………ユミ………」

闇究極竜「………私が虐められた理由なんて分からない。多分、気に入らなかったか何かだったんだと思う。でも、私にはUみたいに力が無かった。私はあまりにも無力だった。そして、いつか私の心は壊れた。誰も助けてくれない、そんな絶望が私を壊した。そして、ある日、私の前にあの男が現れた………影闇。彼が私にカードに封じこめた。それによって私は闇と復讐を司る竜となった………そして、影闇の手によって一時解き放たれていた時、生まれ育った故郷を一夜が開ける前に滅ぼした。それからはしばらく自暴自棄に陥っていた………心のどこかで私は後悔していたかもしれない。でも、Uの心を見て驚いた。白く透き通ったように純粋な心………見たこと無かった。そんなに優しい人なんて………でも、そのせいで………私はその優しさに甘えてしまった………Uの悩みの種になってしまった。私は………どうすれば良かったの………そもそも生まれてきた事が間違いだったの………?」

Uの右目から涙が溢れる。どうやら、闇究極竜は泣き出してしまったようだ。

U「………そんな事は無いさ。この世に生まれてはいけない人間なんて居ない。そんな事を言う奴は僕が許さないよ。だから………苦しむ事じゃない。世の中の人間に対して絶望した君の気持ちはわかるよ。僕だって、世の中にろくでもない人間がいるのだってわかっている。でも、世の中にはいい人間だっている。春香や真子、それに多くの仲間や友達を見てきて、人間にもいい所があるんだって思ったんだ。僕は、そんな人間達を守りたい。だから、こうして戦ってきた。君の気持ちは痛いほど分かる………だから、僕は君の心を救いたい。君を………守らせてくれないかな………?」

闇究極竜「U………!」

闇究極竜は右手でUの左手を掴む。すると、Uの身体から光が放たれる。

U「こ………これは………!?」

Uに起きた変化は一体何か。その詳細はすぐに明かされるのだった………

To be continued………




次回予告
その頃、玉座の間では空矢が獄炎に敗れていた。メリル達が代わりに動こうとした時、U達が玉座の間に現れる。雨はUから強い光を感じ………?
次回「強い光」


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第86話 強い光

前回までのあらすじ
追憶の闇究極竜は自身の使命を持って動いていた。しかし、家族を守ろうとするUはそれを阻止。そして、先日、意識を乗っ取られている間に闇究極竜の人間時代の記憶を知ったUはその事を語る。記憶を取り戻した闇究極竜は涙を零すが、Uと分かり合ったことで………?


一方、玉座の間では………

 

 

空矢「うわあああああ!!」

空矢は大きく吹き飛び倒れた。それと同時に獄炎の魔は消えた。

獄炎「ふん、この程度か。肩慣らしにもならん。」

メリル「強い………!」

雨「(過去に何回か見た事あったから分かっていたけど、やっぱり強い………! 影闇が一目置くだけの事はある………仕方ないけど、ここは私が………!!)」

雨が覚悟を決めた時、メリルとカラの2人が獄炎の前に立っていた。

雨「え………!?」

メリル「Uに頼りっぱなしじゃ私達がいる意味なんてないわ………だから、私はUが来る時までこの場で戦う!!」

カラ「俺もです………俺も………出来ることをします! Uさんみたいに………!!」

獄炎「ふん、貴様ら如きにこの俺を倒せるわけがない! 今すぐ………Uを引きずりだせ!!」

獄炎はそう言って、手から火球を放った。

ミレル「か、火球!?」

だが、獄炎の火球は疾風とも言える速度で真っ二つになった。

獄炎「………来たか。」

獄炎はニヤリと表情を綻ばす。メリル達の前にはセイバーを持ったUが立っていた。

獄炎「………どっちの人格だ?」

U「………僕の方の人格だよ。先日は人の奥さんを傷つけてくれやがったな。」

獄炎「詫びるつもりは無い。何故なら、これが必要な事であったからだ。」

U「そうかい………なら、その借りをここで全部返してやる。お前の望む………マジシャンバトルで全部返してやるよ!!」

獄炎「ふっ………その言葉を待っていたぞ!!」

Uはマジックファイルを構える。雨は心配そうにUを見ていたが、追憶の闇究極竜が現れる様子はなかった。

雨「(な、何………? Uの中から闇が消えている………!?)」

追憶の闇究極竜が放っていた闇の反応がUの中から消えていた。その理由はそう遠くないうちに判明する………

2人「バトル!!」

獄炎「俺が初手に召喚するのは、{斧の戦士}!!」

獄炎は斧の戦士を召喚。それに対し………

U「僕は{冥界の兵士}を召喚!」

Uも負けじと最強の戦士を召喚する。

獄炎「成程、貴様にも強力な戦士がいるようだな。だが、俺の戦士達は装備カードとのコンボで強くなるのだ!」

獄炎はそう口にすると………

獄炎「装備カード{炎天の斧}! その効果で斧の戦士のパワーは3000!!」

U「ふふっ………その程度で勝った気になるなよ!」

獄炎「何………!?」

U「装備カード発動! {冥界兵の斧剣}! ソルジャーのパワーは3000にパワーアップ!!」

獄炎「ぐっ………! 貴様も装備カードとのコンボを………!」

雨「Uも装備カードを………!」

??「Uさんの戦法は魔の属性がバラバラ。だからこそ臨機応変に対応出来るし、色々な種族の長所を活かして戦う事が出来るのよ。」

メリル「春香さん!! 無事だったのね!」

メリル達の後ろから春香と真子が現れる。

春香「Uさんが自分の力で戻ってきたから無傷で済んだわ。」

雨「自分で戻ってきた………? それっていったい………?」

春香「もう少しでわかるわ。Uさんが戻ってこれた証拠、そしてそれによって掴んだ強い光を………」

カラ「強い光………ですか?」

春香の言葉を聞いたメリル達は首を傾げた。その答えはこの戦いの中で判明するのだった………

To be continued………




次回予告
Uと獄炎の対決は互いの切り札の登場で激しさを増す。そして、戦況は春香が口にしていたUの掴んだ強い光が全てを変える………!!
次回「光を司る竜」


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第87話 光を司る竜

前回までのあらすじ
空矢は獄炎に敗れてしまった。追い詰められるメリル達の前に、闇究極竜の支配を乗り越えたUが現れる。Uと獄炎のマジシャンバトルが始まった後に現れた春香が口にした、Uが掴んだ光とは………?


獄炎「こうなったら………斧の戦士よ、その戦士を相打ちとなっても打ち取るのだ!!」

斧の戦士は手に持った炎天の斧を振り上げる。冥界の兵士の斧剣と炎天の斧が激突し、小爆発を起こした。それにより、2体の戦士が破壊される。

U「………ソルジャー、すまない………お前の活躍、無駄にはしない!」

Uはそう言うと………

U「来い、我が最強の切り札にして最大の相棒………{暗黒の魔道士}!!」

Uは暗黒の魔道士を召喚。それに対し獄炎は………

獄炎「いでよ、{槍斧の戦士}!」

獄炎はUとの戦いで見せた魔の中でもを最大のパワーを持つ戦士を召喚する。

獄炎「更に装備カード{戦人の槍斧(せんじんのハルバード)}を発動! 槍斧の戦士のパワーを700プラスする!」

それにより、槍斧の戦士のパワーは3100へと上昇する。

獄炎「そんな雑魚が切り札とは、笑わせてくれるわ。」

U「………そいつはどうかな、影闇には聞いていないのか? ダークにはもう一段階あるって事を………!」

遥「まさか!!」

U「儀式カード発動! {魔道士・超進化の儀式}!」

獄炎「儀式カード………!!」

U「そのコストとして、ダークと2枚の魔法カードを生贄に捧げる! 僕が生贄とする魔法カードは………{勇気の炎}と{闇の波動}!」

暗黒の魔道士の足元に魔法陣が現れ、暗黒の魔道士を破壊。魔法陣の中から進化形態の暗黒の魔道士が現れ、Uが手にしていた2枚のカードが暗黒の魔道士の中に吸収される。

U「{超・暗黒の魔道士}降臨!!」

空矢「し、進化した………!?」

エミル「あれが、U様の切り札………!!」

獄炎「パワー3000………!!」

U「ダークの攻撃! そして、その時にダークの効果発動! ダークは戦闘時に限り、破壊された魔の数×500の合計分、つまり、ダークのパワーは4000!!」

獄炎「ぐっ………!!」

U「ダークの攻撃! {超・暗黒の破壊}!!」

暗黒の魔道士の手から放たれる闇の波動を放ち、槍斧の戦士を破壊する。

ルミア「これで、魔の数は3vs2。お兄様にはとても有利な戦況だね!」

雨「いや………獄炎はまだ切り札を出していない………!!」

キリエ「あの人物の切り札………?」

首を傾げるキリエ。その意味はすぐに明かされる………!

獄炎「ククッ、何から何まで獄炎の言っていた通りだ………認めてやろう。貴様は俺と対等に戦うだけの強さがあると………!」

獄炎はそう言うと………

獄炎「見せてやろう………俺の力を………! この場に、{無限武器戦士獄炎(インフィニティウエポンウォーリアーごくえん)}………すなわち、俺を召喚する!!」

獄炎はカードを掲げると、炎を纏ってバトルフィールドに立った。

U「獄炎………薄々感じていたが、奴も魔だったのか………!!」

獄炎「俺の能力はこれまで従えてきた戦士達が前座と思う程だ! 俺はマジックファイルから5枚の装備カードを発動する!!」

U「ご、5枚だと!?」

これにより、獄炎の手には5本の武器が装備される。因みに、全ての装備カードには特別な効果を持たず、獄炎のパワーは、元々のパワー2400に5本の装備カードの効果で、パワーは3200プラスされ、パワー5600へと増加する。

真子「装備カードを5枚も………!?」

カラ「通常、マジシャンバトルで一体の怪物が装備できるカードは1枚だけのはず………まさか奴の能力は………!!」

雨「そう………獄炎は装備出来るカードの枚数に上限が無く、また、装備カードの効果は無効化されないの。つまり、装備カードの続く限り、無限の強さを発揮出来るの………!!」

獄炎「いくら、貴様の強力な魔を召喚しても、おれを倒す事など出来ぬ! 俺でその魔を攻撃!!」

遥「幾らダークでも、パワー差が………!!」

U「(ダークじゃこの戦局を変えるのは厳しい………ならば………!)その攻撃の前に対抗カード{光の檻}を発動!」

これにより、暗黒の魔道士を光の檻に閉じ込める。

U「これにより、少しの間だけだが、ダークは戦闘の対象にはならない!!」

獄炎「ほう………戦闘そのものを回避するとは………いいだろう、ならば俺はその隙に槍の戦士を召喚! 更に装備カード{煙火の槍}発動! それにより、パワーは3000に!!」

獄炎は魔の数を増やす。それを見たUは………

U「………ダーク、お前を生贄に捧げてもいいかな?」

ダーク「愚問だな………構わん。私はマスターの命じるままに戦う! 生贄に捧げられても構わん!」

U「………ありがとうな、ダーク………」

Uは嬉しそうに笑みを零すと………

U「獄炎、見せてやるぜ………お前の無限装備戦法を超える僕の光を!!」

獄炎「何………!?」

U「対抗カード! {二つの捧げ物}を発動! マジックファイルのカードを2枚捨てることにより、僕が2体以上の魔を召喚する時、相手の場の1番パワーの低い魔一体を生贄の対象に出来る!」

獄炎「(つまり………槍の戦士が生贄の対象になるということか………!)」

U「お前の槍の戦士とダークを生贄に………!! いでよ、{未来の光究極竜(みらいのライトアルティメットドラゴン)}!!」

メリル「未来の光究極竜………!?」

Uが手にしたカードから、白い光の竜が現れる。

雨「あれは………闇の竜………? いや、闇の竜が姿を変えた姿………それよりも………なんて強い光なの………!?」

獄炎「………あの時の竜か………しかし、雰囲気が違う………?」

光究極竜「………私はUのお陰で変わった………何も無いはずだと思っていた私に………私のいる意味を教えてくれた………だから、私は戦う………Uの為に………!!」

ミレル「あれは………あの時の竜なの………? まるで別人みたい………」

U「光究極竜よ! 鎧となって我が身を纏い、目の前の悪を共に貫こう!!」

光究極竜「うん!! 行くよ、U!!」

光究極竜は鎧へと変形し、Uに纏われる。鎧の形状は同じだが、その色は闇究極竜との対比で、白く輝いていた。

獄炎「この光は………なんという力だ………!」

U「僕と光究極竜でお前を攻撃する! {究極の光}!!」

Uの両手から強大な光が放たれる。

獄炎「ぐっ………俺は対抗カード{炎の壁}を発動! その攻撃を無効とする!」

エミル「あのカードの効果で攻撃が無効化されてしまいましたね………」

U「いや………まだだ! 僕達の光を前に………お前の力は通用しねぇ!! 光究極竜の効果発動! 攻撃が無効化された時、僕達は再攻撃可能となる!!」

獄炎「な、何………!?」

これにより、戦局はUに傾いた。

U「お前との戦いもこれで終わりだ!! {究極の光}!!」

Uの手から光が放たれる………しかし、突如瞬間移動で獄炎の前にある人物が現れると、U達の光を弾く。

春香「攻撃が………!!」

U「お、お前は………影闇………!?」

U達の前には、影闇が立っていた。

影闇「………完全に作戦失敗ですね、これは………まさか、究極の闇を抱えた竜に支配されるどころか………仲間としてしまったとは思いませんでしたよ………」

獄炎「影闇………すまない………!」

影闇「………構いませんよ。この結末は予想外ですからね。それに、貴方にはまだまだ働いてもらいたいのでね、今回は引かせていただきましょう。」

影闇は獄炎の肩を掴むと………

影闇「U………次はここより遥か東に位置する私達、魔の故郷でお待ちしておりますよ………」

影闇はそう言って瞬間移動で消えた………

U「(魔の故郷………まさか、遥の世界の事を指しているのか………? しばらく手がかり1つ無かったこの世界で………ようやくジェネシスの言っていた情報の1つに辿り着けた………!)」

Uは考え事をしていると………

雨「U………凄いね、まさかあの竜を従えてしまうなんて………!」

U「うーん………ちょっと主従関係とは違うかな? ねえ、ユミちゃん?」

メリル「ゆ、ユミちゃん?」

聞いた事のない人物の名前に混乱するメリル達。すると、Uの鎧となっていた光究極竜がSD形状の白い竜となった。その表情は可愛らしい竜だった。

メリル「か、可愛い………!?」

U「協力し合うことにしたんだ、僕達………あ、ユミちゃんという名前は、この子の人間時代の名前らしい。」

光究極竜「………これまでの事を考えると、受け入れてくれるかは分からないけど………よろしくね………! それと………春香、ごめんね………これまで私怨で恨んだりして………」

春香「うふふ………気にしてないわ。でも、Uさんの夫は私だからね?」

光究極竜「分かっているよ………でも、私は春香以上にUと仲良しになるからね?」

春香「あら、私よりも仲良くなれるかしらね………?」

エミル「U様を巡る争いが始まってしまいましたね………」

空矢「………ちぇっ、少しは俺を敬って欲しいんだけどな。」

U「………お前さ、なんで敬われるのが当たり前だと思っているのさ………?」

空矢「………何だと?」

U「………お前がここじゃ珍しい存在だから勇者なんて言われているんだろうけど………このままじゃただのバカだぞ?」

空矢「………うるせぇ。お前なんかに指図される必要は無い………勇者はいつかこの世界で1番の存在になるって運命なんだからな!」

U「………お前の場合は、その前に寿命が来るな。」

空矢「う、うるせぇ!!

U「………悪いけど、お前と関わっても時間の無駄だよ。そんなだからお前は成長しないし、お前が気になる人達が振り向かないんだ………まあ、僕の場合はなんで振り向いてくれるか分からないけど。」

空矢「じ、自慢かよ!?」

U「………僕にはお前の思考回路が分からないな。それに、何度話しても会話が噛み合わない。はっきり言うけど、僕はお前の事はなんとも思わない。お前みたいに何もしてないのに、何かを求めるタイプは嫌いだ。」

Uはそう言うと、空矢の元を離れて春香達の仲裁に入るのだった。

空矢「………うるせぇ。俺は………何も間違っていない………!!」

空矢は表情を曇らせる。しかし、周りの人間が彼に振り向いてくれないのか………それについては空矢の態度や振る舞いが影響していたのだった。だが、空矢は気づこうとはしなかった………

To be continued………




次回予告
Uは影闇の言葉から、彼の言っていた魔の故郷へと行きたい事を仲間達に口にする。遥か東の未開の地であるためか、行動するのはU達家族と遥、雨の5人だけとなり………?
次回「未開の地へ」

魔の解説
・未来の光究極竜(みらいのライトアルティメットドラゴン)
愛称 ライトアルティメット
属性 ドラゴン族/光
パワー ?(召喚時に破壊した魔のパワーの合計値がパワーとなる。)
召喚条件 自分の場の魔2体を破壊(生贄に)する。
効果「・この魔は相手のカードの効果を受けず、プレイヤーが装備している魔として扱う(この魔が破壊されない限り、プレイヤーは敗北しない)。
・自分の場の魔を1体破壊してよい。破壊したら、その魔の元のパワー分、この魔のパワーをプラスする。
・この魔の攻撃を無効化された時、この魔はもう一度攻撃可能となる。」
攻撃技 {究極の光(アルティメットシャイニング)}
フレーバーテキスト 「『暗い闇の底で私に手を差し伸べてくれたU………私はUの力になりたい………!!』」

・無限武器戦士獄炎(インフィニティウエポンウォーリアーごくえん)
愛称 獄炎
属性 戦士族
パワー 2400
効果「・このカードは何枚でも装備カードを装備出来る。
・このカードが装備している装備カードの効果は無効化されない。」
攻撃技 {無限武器の攻撃(インフィニティウエポンアタック)}
フレーバーテキスト「『俺は影闇と強い奴にしか興味はない………!』」


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第88話 未開の地へ

前回までのあらすじ
Uvs獄炎の戦いは、Uの新たなカード、{未来の光究極竜}の力によって勝利目前まで行くが、突如介入してきた影闇によって、獄炎を取り逃してしまい………?


獄炎との戦いから数十分が経過した。Uは先程影闇が口にしていた魔の故郷が遥の世界である事を推測し、仲間達を集めると、突然こんな事を口にした。

U「………行きたいんだ。魔の世界………僕は、この世界とアイツらのほんの少しでもいい………真実を掴みたいんだ。」

メリル「真実………」

ルミア「また大変な旅になりそうだね………」

U「その事なんだけど………悪いけど、1度皆から離れたいとも思った。」

ミレル「どうして………!?」

U「………僕はまだまだ弱かった。ユミちゃんに乗っ取られた時に悟ってしまった。結果的に春香達にも迷惑をかけた。だから、僕は力だけでなく、精神面でも戦略面でももっと強くなりたい。もっと強くなって………いずれ来るであろう影闇や獄炎との戦いに備えたいんだ。」

カラ「Uさん………」

メリル「………行きたいなら行ってくればいいじゃない。私達は仲間でしょ? だから遠慮なんてしないで、Uのやりたい事をすればそれでいいじゃない。」

U「メリル………」

メリル「それに、Uと離れている間に私達が何もしないわけないでしょう? 私も貴方と離れている間に私にも出来ることを探すわ。だから………強くなってまた帰ってきて。」

U「メリル………ありがとう。」

メリル「それと………怪物………いいえ、魔の世界に行くならこのカードを持って行って。」

メリルはそう言うと、自身の切り札である{正義の魔法使い}とそれに関連した何枚かのカードを差し出す。

U「こ、このカードは………だ、ダメだよ! いくらなんでも君の切り札を受け取る訳には………!」

メリル「………そういえば、前にUにこのカードを手にした経緯を聞かれた時、私は有耶無耶にしてしまっていたわよね。今だから教えてあげる。私のジャスちゃんとカラのリンクは、今から2年前に私達が拠点にしていた森の中に落ちていたカードなの。その時はまだマジシャンバトルが旧型だったから、私達はこのカードに首を傾げた。でも、私がジャスちゃんのカードに触れた時、不思議と、ジャスちゃんの声が聞こえてきたの。それから、数日も経たぬうちに、マジシャンバトルのルールが改定されて、魔を使った戦略ゲームへと変わっていったの。私とカラは連日今のマジシャンバトルを繰り返した。そして、マジシャンバトルを繰り返すうちに、私とジャスちゃんには絆が芽生えた………そしていつしか、私の信頼する切り札になったの。」

メリルはUの手を掴むと………

メリル「いわば、これは私の魂のカードなの。そのカードを受け取らないなんて選択肢はUには無いんだから!」

U「わ、分かったよ………次に会うその日まで………大事に使わせてもらうよ。君の魂のカードを。」

Uは{正義の魔法使い}などの幾つかのカードを受け取る。すると、カラ、ミレル、ルミアも自身のカードとその関連カードをUに差し出す。

U「カラ、ミレル、ルミア………君達も魂のカードを貸してくれるのかい………?」

カラ「メリルさんだけにカッコいい所は見せられませんからね!」

ミレル「私も次に会う時まで強くなるよ!」

ルミア「お兄様なら、私のカードを使いこなせるよ!」

U「皆………ありがとう。」

春香「Uさん、私はついていきますよ?」

真子「お母さんが行くなら、もちろん私も行くよ。」

遥「ジェネシス様の依頼を受けているのはUだけじゃなくて私もだよ。だから、私も一緒に行くよ!」

雨「私も行く! 影闇や獄炎………それにあと1人の昇竜の事を詳しく知っているのは私だけだから!」

U「春香、真子、遥、雨………」

Uが嬉しそうに表情を綻ばせると、光究極竜がUの頬に寄り添う。

U「ユミちゃんも来てくれるのかい?」

光究極竜「うん!」

U「………ありがとう………レミ、いいよな?」

レミ「ええ、貴方と春香がすべき事は達成されたもの。私が拒否する理由なんて無いわ。」

U「ありがとうな。それに………王様、エミル、キリエもありがとう。また会えたら会おうね。」

国王「うむ………私も楽しみにしているよ。」

エミル「U様、この国の為に色々とありがとうございました。U様のご武運をお祈りしています。」

キリエ「U! 私から離れたからって絶対に負けないでね! 次にUを倒すのは私だから!」

U「ああ! じゃあ、行ってくるよ。」

Uはそう言うと、春香達を引き連れて外へと向かった………

 

 

レボナガシの外………

 

U達はレボナガシの外に出ると、しばらくレボナガシを離れるように歩いていたが………

U「………もうこの辺でいいか。」

遥「どうしたの、U?」

U「………空を飛んでいこうぜ。いくらなんでも歩きじゃ時間がかかり過ぎる。」

春香「それもそうですね。」

雨「私達空を飛べないけど………?」

U「大丈夫。僕と春香が2人を運ぶよ。」

春香「その方が早く着きますね。真子、窮屈かもしれないけどマジックファイルの中に入っててくれないかしら?」

真子「うん、分かった。」

真子はカード化し、春香のマジックファイルの中に入った。

U「ユミちゃんもファイルの中に入っている方がいいかも。結構飛ばしたいからさ。」

光究極竜「分かった。」

光究極竜もカード化し、Uのマジックファイルの中に入り込んだ。

U「じゃあ、雨は僕が抱きかかえるから、春香は遥をお願いするよ。」

春香「分かりました。」

Uは雨を、春香は遥を抱きかかえると………

U「よし、行くぜ!!」

そう言って2人は地を蹴ると、猛スピードでレボナガシから遥か東へと向かうのだった………

 

 

そして、それから3時間ほど経った。道が複雑な為、普通なら数日かかる距離をあっさりと進むと、地面にあるものが見えた。それは………

遥「あれは………魔………!?」

そう、魔である。しかし、その魔達はマジシャンバトルの力で現れている訳では無い。

遥「あ、あそこは………創世神社………! 私の神社………!?」

U「やはりか………アイツの言っていた世界は………遥の世界だったんだ………!!」

U達は遥の世界へと再び足を踏み入れた。そしてそれは、新たなる戦いの始まりを予感させるものだった………

To be continued………




次回予告
U達は地面に降り立つ。やはりそこは遥の世界だった。Uと遥はそこで運命の再会をする………!
次回「輝きの龍」


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第三章 四神の超覚醒編
第89話 輝きの龍


前回までのあらすじ
影闇の言葉を聞いたUは、彼の行っていた世界へと向かう事にするが、自身が強くなるために一度メリル達ウズクチョの仲間と離れる事に。そして、残ったメンバーでU達が到着した場所はUが睨んでいた通り創世神社で………?


U「………1回降りよう。何か変化が無いか探りたいし。」

春香「ええ………!」

U達は地上へと降り立つ………

 

 

地へ降り立ったU達は創世神社を捜索。しかし、神社の内装は綺麗に整えられており、U達が出て行った後とは思えない程だった。

U「やけに綺麗だな………どうしてだろう………?」

U達が首を傾げていると………

???「あれ………? 君達は………!!」

U達は声が聞こえた方へ視線を動かす。すると、そこに立っていたのは………

U「は、破軽部!?」

そう、Uがこの世界にいた時、強力な魔の使い手であった破軽部がそこに立っていた。

破軽部「U君に遥………2人とも消えたはずじゃ無かったのかい? それに、見慣れない人が2人いるようだけど………?」

春香「Uさん、この世界に知り合いがいらっしゃったのですか?」

U「まあね。彼は破軽部。簡単に説明すると………よくわからん奴。」

破軽部「し、心外な紹介だなあ………まあ、いいけどさ。」

春香「私は白宮春香、Uさんの妻よ。」

破軽部「へぇ、U君の奥さん………ええっ!?」

破軽部は驚いた表情を見せた。

破軽部「け、結婚してるとは思わなかったよ………それと………遥と同じ名前なんだね………うーん、ややこしいから………春香さんって呼ばせてもらうよ。」

春香「ええ、構わないわ。」

破軽部「それと君は………」

雨「私は雨、隠雲雨だよ。」

破軽部「雨ちゃんか………よろしくね。それより、君達はどうしてここに………?」

U「………影闇って奴を捜索しているんだ。何か知らないか?」

破軽部「影闇………確か、そんな名前の魔がいるのは知っているよ。実際に見たことは無いけどね。」

U「そうか。」

破軽部「………ところで、U君。君達の腕についているのは………」

U「ああ、これは………」

破軽部「これとそれに関連したやつかい?」

破軽部はそう言ってカードを取り出す。

U「そうそうそれそれ………ええっ!?」

今度はUが驚いた顔を見せる。

U「破軽部、それは………!!」

春香「マジシャンバトルのカード………! 一体どこでそれを………!?」

破軽部「過去に江戸に行った時に落ちていたんだ。落し物かと思ったけど、同時にこれも落ちていたんだ。」

破軽部はそう言うと、マジックファイルを手にする。

U「マジックファイル………」

破軽部「それと同時に、僕の魔は全てカードへと変化した。それからだ、同じようなものを着けて、これを使って魔の対決をしている人達を見掛けるようになったんだ。」

U「(そうか………つまり、この世界ではマジシャンバトルのルールが浸透しているって訳だ………しかしどうして………?)」

Uは首を傾げていると………

破軽部「そうだ、U君。久しぶりに勝負しよう。今回は神のカードは無し、3vs3にしよう。」

U「ああ、分かったよ。」

破軽部「言っとくけど、龍破壊戦士は無しだからね? 僕の魔じゃ勝負にならなくなるから。」

U「うぐっ!? わ、分かっているよ………でも、使う魔くらいは考えさせろよ?」

破軽部「はいはい、僕は考えるまでもないけど。」

U「(神のカード無しでアイツの戦力になるカードと言えば………やはり{輝きの白き龍(かがやきのホワイトドラゴン)}だ………しかも、奴は3体も同じ魔を持っていて尚且つパワーは2500………生半可な魔で挑んだら100%苦戦する。なら、同じパワーを持つソルジャーはまず確定でいれるとして、残りの2体は………)」

Uは仲間達から託されたカードを手にすると………

U「(このバトルで使うなら………これだ!)」

Uはその中の1枚を手にし、残り1枚は自分の魔を使う事を選択。そして、マジックファイルのデッキを取り出すと………

U「(コイツを使うなら、このカードは絶対に必須だな………!)」

Uは何枚かカードを入れ替えると、マジックファイルに完成したデッキをセットする。

U「さあ、始めようぜ。僕が出すのは{冥界の兵士}だ!」

Uは冥界の兵士を召喚。それに対し………

破軽部「やはり、僕の出す魔はバレやすいってことか………ならば、魔以外の力で君を倒す! いでよ、{輝きの白き龍}!!」

破軽部が召喚したのは彼の切り札にして、通常のドラゴン族の中でも最強を誇る{輝きの白き龍}だった。

U「………やっぱりおっかないな。でも、僕は勝つぜ。お前とは2勝2敗のイーブンなんだからな!」

破軽部「そうだね。なら、僕もそう簡単には負けられないね!」

破軽部はそう言うと………

破軽部「行くよ、輝きの白き龍の攻撃! {白の息(ホワイトブレス)}!!」

輝きの白き龍の口からブレスが放たれる。冥界の兵士はこれをかわし………

U「おっと、そうはさせないぜ破軽部! 僕は装備カード{冥界兵の斧剣}を発動! それにより、ソルジャーのパワーは3000となり、マジックファイルからカードを2枚捨てる事で、次の攻撃は相手のカードの効果で無効化されないぜ!」

破軽部「成程、ここまで強力な事になるのか、これは………」

破軽部は表情をニヤリとさせる。輝きの白き龍は確かに破壊されてしまったが、破軽部の恐ろしい所はこれから垣間見える。

雨「あっさり倒した………?」

遥「いや、破軽部さんはそう簡単に負けないよ………だってあの人には………」

破軽部「U君、まさか忘れていないよね………僕の力を………!!」

U「くっ………!」

破軽部「僕は対抗カード{魔の蘇生}を発動する!」

U「やはり、破軽部の固有能力もカードに変わっていたか………!!」

破軽部「その効果は単純明快、僕が倒された魔1体を蘇生させる!」

春香「私のリザレクションと同じ効果………!!」

それにより、輝きの白き龍が復活する。

U「やっぱり厄介だよ、その力は………!」

破軽部「更に、僕は残り2体の輝きの白き龍を召喚する!」

これにより、破軽部の場には3体の白き龍が現れる。

破軽部「U君、まさか僕の切り札を忘れたとは言わないよね!? 僕は儀式カード{究極龍・降臨の儀式}を発動する! それにより、3体の白き龍達が1つの龍と変わる………」

破軽部の3体の輝きの白き龍が1つとなり………

破軽部「いでよ、{三つ首の究極龍(みつくびのアルティメットドラゴン)}!!」

雨「パワー4000の魔………!?」

U「やはり来たか………破軽部の最強の龍………三つ首の究極龍………!!」

破軽部は切り札を召喚。果たして、Uはこの状況を覆せるのか………!?

To be continued………




次回予告
Uと破軽部の戦いは、破軽部の{三つ首の究極龍}が冥界の兵士を破壊する。Uは{暗黒の魔道士}とルミアの魂のカード、{栄光の魔道士}を召喚。この2体を融合させ………!?
次回「栄光vs究極」

魔の解説
・輝きの白き龍(かがやきのホワイトドラゴン)
愛称 ホワイトドラゴン
属性 ドラゴン族
パワー 2500
攻撃技 {白の息(ホワイトブレス)}
フレーバーテキスト 「『3体の我々が付き従うは選ばれしあの男のみ………!』」

・三つ首の究極龍(みつくびのアルティメットドラゴン)
愛称 アルティメットドラゴン
属性 ドラゴン族
パワー 4000
攻撃技 {究極の息(アルティメットブレス)}
フレーバーテキスト 「『ドラゴン族最強、その名を得られたのはあの男がいたから………!』」


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第90話 栄光vs究極

前回までのあらすじ
U達が到着した遥の世界。そこでUは遥の世界で強力な魔の使い手である破軽部と再会。彼とマジシャンバトルをする事になる。Uは{冥界の兵士}と装備カードのコンボで{輝きの白き龍}を撃破するが、破軽部の持つ{魔の蘇生}とのコンボからの儀式召喚でパワー4000の{三つ首の究極龍}を召喚する………!!


遥「破軽部さんの最強の戦術、やっぱり侮れないな………そこに神のカードがあったらかなり大変な事になるだろうなあ………」

春香「Uさんや遥ちゃんに対抗する程の神なの? 彼………破軽部君が持っているカードは………」

遥「Uも苦戦の末倒した相手だからね、とても強いよ。でも、神のカードは例外なく生贄の概念は生まれているから、何かしらコストは必要だろうけどね。」

春香「そう………」

遥「まあ、私個人としては、神のカードでもないのにパワー∞を作れる春香さんもすごいと思うよ。」

春香「あれは………私のUさんへの思いとか、特性そのものを再現しているからそうなっているだけで………」

雨「成程………それなら納得だよ。春香はUの事が好きなんでしょ? それでいいと思うよ?」

春香「………そうね。それにもう1つ………私はUさんの勝利を信じているわ。卑怯な手を使われない限りは、あの人がそう易々と負ける人じゃ無い事は私が1番知っているから………!」

春香達がそんな会話をしている中、Uと破軽部は………

破軽部「行け、アルティメットドラゴン! {究極の息(アルティメットブレス)}!!」

三つ首の究極龍の3つの首から放たれるブレスが冥界の兵士を包み込み、破壊する。

U「ごめん、ソルジャー………! お前の想い、絶対に無駄にしない!」

Uはそう口にすると………

U「僕は{暗黒の魔道士}を召喚!!」

Uは切り札である暗黒の魔道士を召喚する。

破軽部「ダークか、懐かしいね。君とダークのコンビは僕にとっても脅威と言える程だよ。でも、パワーの差が2倍ある今、幾ら君達でも負けはしないよ!」

U「………だろうな。でも、僕だって負ける訳には行かねぇんだ! 仲間達と約束したんだ………強くなって帰ると………!! 僕はもう一体魔を出させてもらうぜ!」

破軽部「(僕の知る限り、この状況で白虎と龍破壊戦士を除いてU君が従える魔は、破壊の悪魔と光の魔道士………僕の予想では、高確率で光の魔道士が来ると思うが………)」

破軽部はそう分析する。しかし、Uが出した魔は彼の予想から外れた魔だった………

U「力を貸してくれ………ルミアの魂の魔………{栄光の魔道士}!」

なんと、彼が召喚したのはルミアの切り札である栄光の魔道士だった。

破軽部「何………!?」

遥「ぐ、グローリー………!? ルミアちゃんの魂のカードを入れていたの………!?」

U「………破軽部、お前こそ忘れてないだろうな、僕が魔と戦う時の真骨頂を………!!」

破軽部「まさか………!!」

U「僕は対抗カード{魔の融合}を発動! それにより、ダークとグローリーを融合させる!」

ダーク「心得た!」

グローリー「ええ!」

これにより2体の魔が融合。それにより、Uの前には暗黒の魔道士と栄光の魔道士の色が混ざった魔道服を見に纏い、栄光の魔道士の杖を持った暗黒の魔道士が現れる。

U「召喚! {栄光の暗黒魔道士(グローリーダークマジシャン)}!!」

春香「パワー2300で効果を1つ持っているUさんとルミアちゃんの切り札が合体した………!!」

破軽部「これは嫌な予感がするなぁ………」

U「更に、対抗カード{グローリーマジック}を発動! カード名に{栄光}と付くカード1体を対象とし、カードを最大3枚捨てる事で、パワーを800プラスする!」

これにより、パワー3100………と普通ならなるが、それと同時に暗黒の魔道士が詠唱を始める。

遥「ダークが詠唱を………そうだ、グローリーの効果はカード名に{栄光}か{グローリー}を含むカードの効果をパワーアップさせる力!!」

U「そして、ダークと融合した事により、グローリーの力は進化した………{栄光の3倍術(グローリートリプリング)}!! よって、その効果は3倍となり、グローリーダークのパワーは2300プラス2400の合計、4700!!」

破軽部「4700………!?」

U「グローリーダークの攻撃! {栄光の暗黒魔術(グローリーダークマジック)}!!」

栄光の暗黒魔道士の持つ杖から放たれる闇の波動が三つ首の究極龍の首を全て吹き飛ばし、更に本体をも破壊する。

破軽部「あちゃ………こりゃまた僕の負けみたいだね。しかし、驚いたよ。新しい魔を従えているなんて………」

U「………いや、貸してもらったんだよ。僕の大事な仲間にね。」

破軽部「そうか………他人の魔でも最大限に力を引き出す君らしい戦法だったから、てっきり新しい魔だと思っていたよ。」

U「実は、今回の戦法も借り物だけどな。」

Uはそう言って笑顔を見せる。

U「さて、これから………って、ええ!? グローリーダークが消えねぇ………!?」

ダーク「マスター、忘れたのか? この世界は私達の力を最も発揮出来る場所だ。マジックファイル無しでも問題なく活動出来る。」

グローリー「………でも、戦っている最中だったから言わなかったけど、かなり窮屈だわ………この状態………」

U「ご、ごめん!」

ダーク「まあいい、戦いの時でなければ我々は自由に融合解除が出来るのだからな。」

グローリー「それは初耳だわ………じゃあ、この融合を解除させてもらうわね、それとU………貴方を味方だととても頼もしいと思ったのは初めてよ………それに、ルミア以上の戦略で勝つなんてとても素晴らしかったわ………また何かあったら呼んでね?」

U「………分かった、困ったらまた頼らせてもらうよ、グローリー!」

Uがそう言葉を返すと、暗黒の魔道士と栄光の魔道士は分離。栄光の魔道士はカードへ戻り、Uのマジックファイルに入った。

ダーク「さて、私も休ませてもらおう。この姿でいるのも懐かしいが、カードの中も意外と快適なのでな。」

暗黒の魔道士もそう言ってカードとなってマジックファイルに入り込んだ。

春香「Uさん! やはり勝ちましたね!」

U「ああ!」

2人はハイタッチをする。それを見た破軽部は………

破軽部「仲良し夫婦で何よりだよ。」

と口にした。Uは軽く笑みを浮かべる。

遥「そういえば、破軽部さんはどうしてここに………?」

破軽部「実は、最近大変な事が起きたんだ………琉球が何者かによって滅ぼされてしまったんだ………」

U「何………!? 琉球って言ったら歩美の故郷の………!!」

破軽部「………実際に何が起きたのかは本人に聞いた方が早いと思うよ。」

遥「まさか、歩美ちゃんが私達の隠れ家にいるんですか!?」

破軽部「そうさ。」

雨「本拠地………?」

破軽部「春香さんと雨ちゃんは初めて聞いたよね。移動しながら説明するよ。」

破軽部はそう口にし、それから間もなくU達は神社の裏にあるあの場所へと向かうのだった………

To be continued………




次回予告
U達が向かったのは、Uや遥が協力している非公認組織{対魔殲滅隊}の本部だった。そこで、U達は不死鳥歩美と再会し………?
次回「戦火に立つ悪魔」

魔の解説
・栄光の暗黒魔道士(グローリーダークマジシャン)
愛称 グローリーダーク
属性 魔法使い族
パワー 2300
召喚条件 {暗黒の魔道士}と{栄光の魔道士}を融合させる。
効果「{栄光の3倍術(グローリートリプリング)} このカードのコントローラーが、カード名に『栄光』または『グローリー』とつく魔法・対抗・装備カードを使った時、そのカードによって増減されるパワーの数値を3倍にする。」
攻撃技 {栄光の暗黒魔術(グローリーダークマジック)}
フレーバーテキスト『Uの為に、闇と栄光の力で敵を打つ………!!』


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第91話 戦火に立つ悪魔

前回までのあらすじ
Uと破軽部の対決は、Uが{暗黒の魔道士}と{栄光の魔道士}を融合させた{栄光の暗黒魔道士}と{グローリーマジック}のコンボで見事勝利する。その後、彼から琉球が滅ぼされた事を聞き、琉球出身で最後の四神使いの不死鳥歩美がとある場所にいるようで………!?


U達は神社から離れた場所にある井戸の石を動かし、岩の引き戸を引く事で、ハシゴに入れるようにする。

雨「こんな所に隠し通路があるなんて………」

破軽部「まあうちは、幕府非公認の組織だから、表立って行動する真似は出来ない。だから、幕府にもバレない場所に隠れ家のようなこの拠点を作ったのさ。」

春香「そうだったのね………」

事情を知らない春香達が感心していると、畳で言うと二十畳程の空間に出る。そこには………

破軽部「やあ、ただいま。雨郡、高津。」

雨郡「リーダーが………ん? リーダーの後ろにも誰かいる………お、お前達は………Uと遥!?」

高津「姫様にU殿!? あの時の戦いでお2人は消えたはずでは………!?」

U「訳あってここにまた来たんだよ、それで、歩美はどこだい?」

破軽部「そこにいるよ。」

破軽部がそう口にすると共に、空間の中にあった椅子に座っていた少女がU達に視線を向けると………

??「え、英雄!? どうして………!?」

U「やあ、歩美。久しぶりだな。」

春香「英雄………? Uさん、あだ名が多すぎませんか?」

U「いや、これは歩美がそう呼んでくれているだけで………!!」

春香「まあ、確かにUさんは英雄とも言える人だからいいですけど………」

U「僕の事をそう評価してくれているのすげえ嬉しいよ。」

Uは思わず本音を零した。しかし、歩美に聞きたい事を思い出したUは………

U「そうだ、歩美。琉球が滅ぼされたって言ってたけど………一体何があったんだい………?」

琉球の事を聞いてみる。すると、歩美は少し表情を暗くさせ………

歩美「………本当に一瞬の出来事だったんだけど、琉球に悪魔の姿をした魔達が突然現れて、琉球の各地を破壊して行ったの。そして、それを従えている人が首里城の屋根に立っていて………その見た目は悪魔のような見た目の男だったかな………」

U「まさか………影闇か………!?」

雨「その可能性は十分あるかもしれないね………」

2人は、この世界でも影闇が暗躍していることに、静かに怒りを覚えていた。それと同時に、U達の視線は歩美のマジックファイルに向かった。

U「あれ………? 歩美もマジックファイルを着けているのか………?」

歩美「これの事? うん、破軽部さんの話だと、この外にある神社の近くに落ちていたらしいの。私がこれを左腕につけた時、朱雀達がカードに変わって………」

U「成程………そんな事が………(メリル達の世界には魔が………遥の世界の人間にはマジシャンバトルの概念が当たり前のように人々の生活に浸透している。一体どうして………?)」

Uはその事について考えていると………

歩美「どうしたの、英雄?」

U「いや、何でもない。それより、歩美の口調がだいぶ変わっているような気がするけど………?」

歩美「まあ、あの時は強がっていただけだしね。ちょっとだけ大人びていたかも。」

U「(そうか、これが歩美の本当の口調………年相応って感じだな………)」

Uがそんな事を考えていると………

歩美「ねえ、英雄。久しぶりに勝負しようよ。神のカード同士の対決を!!」

歩美はそう言って左手の人差し指をUに向ける。それを聞いたUは表情をニヤリとさせ………

U「ああ、望むところだ!!」

と、歩美との対決を受ける事を選んだのだった………

To be continued………




次回予告
Uと歩美の対決。歩美は早速彼女が従える神、{南鳳凰の朱雀(サウスフェニックスすざく)}を召喚する。それに対し、Uは{破壊の悪魔・真}から『西虎の白虎』を召喚し………!?
次回「神対決の再来」


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第92話 神対決の再来

前回までのあらすじ
対魔殲滅隊の拠点に到着したU達はそこで対魔殲滅隊のメンバー、歩美と再会する。歩美から琉球の話を聞いた後、2人は神の魔を使った勝負をする事に………!


勝負の約束から数十分後、Uと歩美は創世神社の本殿の前に立ち、春香達はすぐ近くにて様子を見る事に………

U「………歩美はマジシャンバトルのルール知っているのか?」

歩美「取り敢えずはね。でも、最近は魔の数が4体で生け贄ルールが流行っているかな?」

U「(レボナガシルール………! まあ、ウズクチョルールと違って、強いカードとの調合を取っているルールだからな………)」

歩美「私はカードを3枚捨てて………{南鳳凰の朱雀(サウスフェニックスすざく)}を召喚!!」

遥「も、もしかして朱雀の召喚条件はマジックファイルのカードを3枚捨てる………!?」

歩美「そうだよ、だから私からすればそこまで重くないの!」

U「ええ………こっちなんて魔を1体生け贄にするんだぜ? まあ、いいけどさ! 僕は{破壊の悪魔・真}を召喚!!」

Uは破壊の悪魔・真を召喚する。

破軽部「へぇ………デーモンが進化したんだねぇ………」

U「デーモン、悪いけど今回は生け贄として力を貸してくれ………! デーモンを生け贄に………{西虎の白虎}を召喚!!」

Uは白虎を召喚。そして………

U「{白虎鎧化}を発動!!」

それにより、白虎は鎧へと変化した。

雨「か、神のカードが2枚同じ場に立った………」

春香「更にUさんのデーモンの破壊時効果により、歩美ちゃんの場の魔のパワーは永続的に500下がるけど………」

歩美「神である朱雀にはその効果は効かないよ!」

U「そんなことは分かっているよ!(あくまでこれは牽制だ………と言っても、歩美は過去に戦った時は朱雀のみで戦い、破壊される度に強くなるタイプだ………そう考えればあまり意味は無い………それに、朱雀は神だ………無理やり生け贄要因にする事は出来ない………そうなれば、ここは歩美が戦法を変えないように牽制するしかねぇ………)」

Uはそう考えると………

U「朱雀の効果は知っている。そして、それを使わせなければ僕は勝てない事も………行くぜ僕達で朱雀を攻撃! {白虎の爪}!!」

Uの鎧の右腕から現れた爪の一撃で朱雀に攻撃を仕掛ける………!

歩美「英雄の言っていることは確かだけど………私だって白虎の力を知っている………そして、どう対策すればいいかもね………!! 私は対抗カード{フェニックスリベンジ}を発動! このカードは朱雀自身を破壊する事で、次のバトルに限りパワーを5000プラス出来る!」

それにより、朱雀のパワーは8000。更に、朱雀は破壊されてしまうが………

歩美「朱雀の効果発動! 何かしらで朱雀が破壊された時に控えの魔1体を生け贄に捧げる事で、朱雀を場に残す!」

それにより、破壊された朱雀の身体が再形成され、更に効果でパワーが8500へと上がる。

歩美「反撃だよ、英雄!!」

朱雀は全身から強大な炎を放つ。

遥「U!!」

U「僕は歩美の朱雀が復活する時、対抗させてもらうぜ! 対抗カード{パワーアップバトルスキップ}を発動!!」

Uがカードを発動させた事で、朱雀の攻撃が突如消えた。

歩美「朱雀の炎が………!?」

U「このバトルは僕から仕掛けたものだ。防御カードは相手に攻撃されている時しか使えない。だが、このパワーアップバトルスキップは、バトル中に相手のパワーが2000以上上昇した時、どちらからの攻撃など関係無くバトルを強制終了できる!」

春香「つまり、Uさんは歩美ちゃんの強化カードを利用して、バトルを終わらせたって事になるわね。」

U「つまり、フェニックスリベンジの効果は無くなり、パワーは3500に戻る!」

歩美「でも、英雄の朱雀との差は500………神の対決ではこの500は大きいよ!」

雨「確かに………そう考えると上手く回避されたね………」

U「(………そういえば、前に歩美が使った第3の能力………あれは前にやった時は自身の生命を賭けていたが………)」

Uはそんな事を考えていると、彼の表情から歩美はUの考えている事を察した。

歩美「英雄、もしかしたら第3の能力の事、考えているんだよね?」

U「あ、ああ………」

歩美「………大丈夫だよ。英雄と別れて以降、私と朱雀の絆は更に深まった………つまり、命を賭けずとも私は朱雀の力を使えるよ!!」

それを聞いたUは安堵と同時に表情を綻ばせ………

U「………それを聞いて安心したぜ! なら、全力でぶつかって………君に勝つ………!!」

と、歩美に言い放つのだった………

To be continued………




次回予告
歩美の朱雀との500の差はかなり大きいものであったが、Uは新カードとのコンボでこれを埋めるばかりか逆転する。しかし、歩美の戦法は、控えの魔が無くなった時に、究極のものへと変化する………
次回「蘇る不死鳥」

魔の解説
・南鳳凰の朱雀(サウスフェニックスすざく)
愛称 朱雀
属性 鳥族/神
パワー 3000
召喚条件 マジックファイルのカードを3枚捨てる。
効果「・このカードが破壊された時、このカードのコントローラーが召喚していない魔一体を破壊(生け贄に)してよい。破壊したら、このカードを場に残す。
・このカードが、自身の能力で場に残った時、この魔のパワーを永続的に500プラスする。
・このカードのコントローラーの控えの魔がいない時、マジックファイルのカードを10枚捨ててよい。捨てたら、このカードのパワーを永続的に5000プラスする。この効果はゲーム中に1度だけ使える。」
攻撃技 {鳳凰の竜巻(フェニックスハリケーン)}
フレーバーテキスト「『私が今すべき事………それは、歩美の為にこの場に立ち続ける事………!!』」


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第93話 蘇る不死鳥

前回までのあらすじ
Uと歩美の対決。2人は神のカードを使った戦いを繰り広げ………?


U「僕達で朱雀を攻撃する!」

Uは白虎の鎧の腕の爪で攻撃を放つ。しかし、このままではパワーが足りない………そこで………!?

U「更に僕は対抗カード{獣の牙}を発動! マジックファイルのカードを2枚捨てることで、このバトル中、白虎のパワーを800プラスする!」

それにより、白虎のパワーは3800に上昇し、朱雀を破壊する………しかし………

歩美「朱雀の能力発動! 魔を一体捨てて場に残るよ!!」

朱雀の効果で、パワー4000となって復活してしまう。一方、白虎のパワーは3500。

歩美「いくら足掻こうと、パワー差が500ある朱雀は倒せないよ!!」

U「なら、見せてやる! 僕達の底力を………!! 僕は対抗カード発動!{墓地からの獲物}!!」

歩美「墓地からの獲物………!?」

それにより、歩美が朱雀生存のために破壊した魔2体が復活する。因みに、その2体は{雷の魔獣(かみなりのデーモンビースト)}と{疾風の水魚(しっぷうのウォーターフィッシュ)}である。

遥「歩美ちゃんの魔が復活した………!?」

U「このカードは、僕の場に魔が1体のみいる時だけ使えるカード。マジックファイルのカードを3枚捨てることで、相手の場の今召喚された魔達と、僕の場の魔をそれぞれ1体ずつバトルさせる!!」

歩美「(しまった………! この2体はあくまで生け贄要員………パワー1200とパワー1400の魔じゃ白虎の相手にはならない………そして、白虎が魔を破壊するという事は、パワーが増える………!!)」

そう、Uの狙いは白虎のパワーを上げる事だった。

U「{白虎の爪}!!」

それにより、2体の魔が破壊され、白虎のパワーは4500へと跳ね上がる。

歩美「(朱雀との差を戻したばかりか、突き放した………!!)」

U「行くぜ、{白虎の爪}!!」

Uの鎧の腕の爪で朱雀を斬り裂いた。

歩美「ぐうっ………!! 朱雀の効果で朱雀を復活させるよ!」

U「朱雀が破壊された事で、白虎の能力も発動させてもらうぜ!!」

これにより、朱雀のパワーは4500、白虎のパワーは5000となった。

春香「これで歩美ちゃんの控えの魔はいなくなった………」

破軽部「でも………朱雀はそう簡単に倒せないから厄介なんだよなぁ………」

破軽部はそう口にする。すると、歩美は表情をニヤリとさせ………

歩美「この時を待っていたよ、英雄! 私は控えの魔がいない時、カードを10枚捨てて効果発動!! それにより、朱雀のパワーを5000プラスする!!」

それにより、朱雀のパワーは9500へと跳ね上がった。

U「(やはり使ってきたか………!!)」

春香「あれが朱雀の真の力………」

遥「かつては歩美ちゃんが負ける事を拒んだ事から使われた力………でも、今は違う。朱雀との絆の力………それがあの力が命懸けのものでは無くなった証拠………!!」

雨「………感心している場合じゃないよ………! Uの白虎とのパワーは4500………!! ここからどうやって逆転するの!?」

春香「雨ちゃん、勘違いしちゃダメよ? ………まさか私達がUさんの勝利を信じていないわけないでしょう? それに………Uさんだってこの勝負を捨ててはいない………!!」

雨「………!!」

春香の言う通り、Uの戦意は消えていない。

U「………いつしか君を苦しめていたその力は………今や朱雀との絆の力なのか。」

歩美「そうだよ………! 英雄と戦ったから私は変われたんだよ………!」

U「そうか………それは良かったな。でも、僕だってそう易々と負けられないんだ………背負っている絆の重さが全然違うからな………!!」

Uの目は輝くと同時に鋭くなる。

歩美「………そうだね。英雄はいつも何か重そうなモノを背負ってそうな人だもんね………でも、負けられないのは私も同じだよ!!」

歩美はそう口にすると………

歩美「朱雀の攻撃! {鳳凰の竜巻}」

朱雀の放った必殺の一撃がUを斬り裂いた。

U「うわあああああ!!」

それにより、白虎が破壊されてしまい、Uもボロボロになってしまう。

春香「Uさん!!」

U「うぐっ………!! 」

Uは地面に膝を着く。だが、諦める様子は見せず………

U「まだだよ………僕達は………こんな所で負ける訳には行かないんだ………!!」

歩美にそう言い放つのだった………

To be continued………




次回予告
Uは{暗黒の魔道士}とメリルの魂のカード{正義の魔法使い}を召喚。この2体を融合させ、朱雀のパワー9500を破る為に、Uはカードのコンボを展開する………!!
次回「可能性の魔力」

魔の解説
・雷の魔獣(かみなりのデーモンビースト)
愛称 デーモンビースト
属性 獣族
パワー 1200
攻撃技 {雷の攻撃(サンダーアタック)}
フレーバーテキスト「雷が直撃しても生き残った獣が、この魔らしい………」

・疾風の水魚(しっぷうのウォーターフィッシュ)
愛称 ウォーターフィッシュ
属性 水族
パワー 1400
攻撃技 {水の放出(ウォーターリリース)}
フレーバーテキスト「どんな海の生き物よりも素早く動く魚の魔………」


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第94話 可能性の魔力

前回までのあらすじ
Uと歩美の神の対決。Uは歩美の朱雀をあと一歩に追い詰めるが、歩美の朱雀は第3の能力を発動。Uは白虎を破壊されて追い詰められるが………!?


U「僕は{暗黒の魔道士}を召喚!!」

歩美「今更そんな魔を出したって………!!」

U「それはどうかな………? 歩美、君が朱雀の第3の能力を使った事は………僕に逆転の光明を見せてくれたゆだ………!! 僕は更に魔を召喚する! いでよ、メリルの魂の魔、{正義の魔法使い}を召喚!!」

Uが召喚したのは、メリルの切り札である正義の魔法使いだった。

遥「今度はメリルさんの魔………!!」

U「それにより、マジックファイルから魔法カード3枚をジャスに装填する!!」

歩美「ま、まさかその動きは………!!」

U「続いて対抗カード{魔の融合}を発動! これにより、ダークとジャスを融合!!」

2人の魔法使いは手に持った杖を重ね合わせると、2体の魔は融合する。

U「いでよ、{正義の暗黒魔道士(ジャスティスダークマジシャン)}!!」

Uの前には黒色に正義の味方のような紋様がついた魔導服を纏った、パワー2200の暗黒の魔道士が召喚される。

雨「正義なのに闇なんだ………なんかよく分からないや………」

雨は苦笑いをしていた。正義の暗黒魔道士は召喚されてまもなく手に持った杖を掲げた。すると、2人のマジックファイルの使用済みのカードと、融合前の正義の魔法使いが吸収していたカード21枚が全て吸収される。

U「ジャスティスダークは、召喚された後にお互いが使用、捨てたカードを全て吸収する。そして、攻撃する時に、吸収したカードを好きなだけ捨てる事で、捨てた数×500の合計分、そのバトルでのパワーをプラスする!!」

春香「(今の正義の暗黒魔道士の吸収したカードは21枚………つまり、全て捨てればパワー10500プラス………!!)」

U「ジャスティスダークの攻撃………!! それと同時に、吸収したカードを全て放出させる!!」

ジャス「{可能性の魔法(かのうせいのマジック)}!!」

それにより、正義の暗黒魔道士のパワーは12700へとパワーアップする。

U「朱雀を打ち破れ! {超・正義暗黒魔法(ちょう・ジャスティスダークマジック)}!!」

正義の暗黒魔道士の杖から放たれる闇の魔法が朱雀の身体を貫いた。

歩美「朱雀!!」

それにより朱雀が破壊され、Uの勝利となった。

U「………僕の勝ちだよ、歩美!」

歩美「やっぱり英雄は強いな………私の負けよ。」

Uと歩美がそんな会話をしていると………

ジャス「まさか、私に新たな能力を与えるなんて思わなかったわ………メリルの時とは全然違うのね、貴方の戦い方は。」

U「………まあな。」

ジャス「また困ったらいつでも呼んでよね。メリルの手に戻るまでは、貴方の力になるから………!」

U「………サンキュー、ジャス。」

ジャス「じゃあ、私はカードに戻るわ。」

それにより、暗黒の魔道士と正義の魔法使いが分離し、カードに戻ってマジックファイルの中に戻った。

U「はあっ………流石に少し疲れたなぁ………」

春香「大丈夫ですか?」

春香はUに駆け寄り、彼の身体を支える………

U「ああ、大丈夫だよ………」

遥「強がっちゃって………まずは服を着替えたら?」

U「………分かったよ。」

Uは春香に支えられながら、遥と共に本殿の近くにある、Uと遥が一時生活していた家へと向かうのだった………

To be continued………




次回予告
Uは遥と住んでいた家で2日程休息をとっていた。そんな時、雨はU達に最後の神である玄武の事を問い………?
次回「四神の最後の一角」

魔の解説
・正義の暗黒魔道士(ジャスティスダークマジシャン)
愛称 ジャスティスダーク
属性 魔法使い族
パワー 2200
召喚条件 {暗黒の魔道士}と{正義の魔法使い}を融合させ、その後、2体が吸収していたカードをこのカードに吸収させる。
効果 「・このカードが召喚された時、君と相手が使用したカードと捨てたカードをこのカードに吸収させる。
・{可能性の魔法(かのうせいのマジック)}このカードの攻撃時にこのカードの吸収したカードを好きなだけ捨てて良い。捨てたら、次のバトルに限り、捨てた枚数×500の合計分パワーをプラスする。」
攻撃技 {超・正義暗黒魔法(ちょう・ジャスティスダークマジック)}
フレーバーテキスト「『マスターとメリル、お互いに信頼しているからこそ、私達も1つとなれる………!!』」


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第95話 四神の最後の一角

前回までのあらすじ
Uと歩美の対決。Uはメリルの魂の魔、{正義の魔法使い}を融合させた{正義の暗黒魔道士}を召喚し、朱雀を破るのだった………!!


Uと歩美の対決から2日が経った。U達は、Uと遥が過去に生活していた家で生活を続けていた。

U「なんか………こうやって生活するのは久しぶりだよな。」

春香「Uさん、遥ちゃんと共同生活していたんですね………その間に遥ちゃんに浮気したりとかしてませんよね!?」

U「ふぇ? なんで遥と浮気するんだよ? そもそも、浮気って本当に何さ?」

遥「寧ろ、春香さん一途でしょ、この人………」

春香「そう………? ならいいけど………」

U達がそんなやり取りをしていると、雨が近寄ってくる。

雨「ねぇ、U………この間の戦いで白虎と朱雀の力は分かったし、青龍も遥から聞いたからある程度は分かったけど………最後の1体はどんな魔なの?」

U「そうか、雨は知らないんだったな。{北亀の玄武(ノースタートルげんぶ)}。破軽部が操る、守り重視の神だ。ただでさえ強いけど、破軽部の三つ首の究極龍とともに並んだ時、それが破軽部の最高戦術となる………」

Uはそう呟いた。すると………

破軽部「そうだねぇ………あの時は本当にギリギリの戦いだったねぇ………」

破軽部がUの後ろに立ってそんなことを呟いた。

U「うわあっ!? 急に後ろから現れるな!!」

破軽部「U君も酷いなあ、僕は君に友好的な態度をとったに過ぎないのに。」

U「やり方くらいちゃんと考えろ、バカ!」

遥「ちょうど良かった、破軽部さん、雨ちゃんが玄武を見たいって!!」

破軽部「玄武かぁ………いいよ、でも折角だから、4vs4の魔の対決で見せるよ。」

U「やっぱりそうなるよな………」

遥「U、今回は私がやってもいいかな?」

U「いいよ、僕もちゃんと見てみたいんだよね、神同士の対決を………」

Uは楽しそうにそう呟くのだった………

 

 

2人は神社本殿の前に立つと、マジックファイルを構える。

U「そういえば、2人が戦うところを見るのは初めてかも。戦績はどんな感じなんだ?」

遥「0勝12敗で連続負け続けだよ………」

U「ひでぇ戦績だな………」

遥「常に勝ち続けているUには分からないだろうね!!」

U「まあでも、今回勝てば1回だけでもそれは立派な白星だ。全力でぶつかってみなよ!!」

遥「U………分かった、今回こそ私が勝つよ!!」

遥はそう言ってマジックファイルを構えると………

遥「私が初手から召喚するのは、{弱体の騎士(ウィークナイト)}!!」

遥はマジシャンバトルルールになってから召喚していなかった新たな魔を召喚する。

破軽部「なら、僕は三体の{輝きの白き龍}を召喚! 更に、対抗カード{究極龍・降臨の儀式}!! 輝きの白き龍3体を生け贄に………いでよ! {三つ首の究極龍}!!」

三つ首の究極龍が降臨。更に………

破軽部「僕はカード3枚を捨て………{北亀の玄武}を召喚!!」

破軽部は神のカード、玄武を召喚する。パワー4000、更に玄武以外にパワー2500以上の魔がいるなら、パワー1500プラス、また、攻撃された後、反撃の代わりに攻撃してきた魔のパワーを200下げる効果がある。

雨「凄い………あれが{北亀の玄武}………!!」

U「確かに、今の遥からすればおっかないだろうな………まあでも、遥にも神のカードがあるから大丈夫なはずだよ………」

Uがそう言うと………

遥「ウィークの効果発動!! パワー2000マイナスし、相手の場のパワーを1000減らす!」

それにより、三つ首の究極龍のパワーが3000に減る。

遥「そして、ウィークを生け贄に…………{東龍の青龍}を召喚!!」

それにより、東龍の青龍が降臨した………

 

2度目の神のカードの対決、その行方にU達の興味は集中するのだった………

To be continued………




次回予告
遥は、パワー3000となった三つ首の究極龍を先に倒そうとする。しかし、破軽部は玄武の第3の能力を発動し………!?
次回「最強の攻めと最強の守り」

魔の解説
・弱体の騎士(ウィークナイト)
愛称 ウィーク
属性 戦士族
パワー 2200
効果「・この魔のパワーを2000マイナスする。そうしたら、相手の場の魔のパワーを永続的に1000下げる。この効果は相手の行動中にも使える。
・上記の能力使用後、この魔と相手の魔の1番パワーの高い魔のパワー差が10000以上ならばこの効果を発動できる。相手はこのゲーム中、効果でパワーを上昇出来ない。」
攻撃技{弱体の剣撃(ウィークスラッシュ)}
フレーバーテキスト「『遥殿の力となれるなら、生け贄にでも何でもなろう………!!』」

・北亀の玄武(ノースタートルげんぶ)
愛称 玄武
属性 獣族/神
パワー 4000
召喚条件 マジックファイルのカードを3枚捨てる。
効果「・この魔は攻撃できず、この魔が攻撃された時、その魔のパワーがこの魔より少ないなら、そのバトルを終了し、攻撃してきた魔のパワーを200下げる。0なら、戦闘の代わりに攻撃してきた魔の効果を全て無効化して破壊する。
・自分の場にこのカード以外のパワー2500以上の魔がいるなら、この魔のパワーは1500プラスされる。
・自分の場のこのカード以外の魔を一体選択する。そうしたら、その魔のパワーを1000プラスしてバトルする。このバトルは無効化されず、バトル終了後は選択した魔を破壊する。」
フレーバーテキスト「『破軽部がいる限り、我が敗北は有り得ん………!!』」


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第96話 最強の攻めと最強の守り

前回までのあらすじ
Uと歩美の戦いから2日後。雨は玄武について問いかける。それについては破軽部が遥との戦いで見せることとなる。破軽部は三つ首の究極龍とのコンボを展開し………?


遥「まずは、同じパワー3000の三つ首の究極龍を攻撃! {神龍の息}!!」

青龍は口からのブレスを放つ。だが、破軽部はマジックファイルからカードを手にし………

破軽部「対抗カード{ドラゴンバリア}!! その効果で、ドラゴン族の魔は次の戦闘に限り破壊されない!!」

遥「くうっ………!!」

三つ首の究極龍の周りに青いバリアが張られ、攻撃が無効化される。

破軽部「アルティメットドラゴンで、青龍を攻撃だ! {究極の息}!!」

負けじと、三つ首の究極龍のブレス攻撃が放たれる。

遥「対抗カード{ウォーターバリア}を発動!! その攻撃を無効化する!」

破軽部「やるね………U君といる間に、遥も随分強くなったみたいだ。でも、僕は負けないよ、僕もアルティメットドラゴンや青龍の使い手としての意地があるからね!」

破軽部はそう言うと………

破軽部「玄武の第3の能力を発動! アルティメットドラゴンのパワーを1000プラスして、青龍に向けて射出する!! 更に、この射出によって生じるバトルは無効化されない!!」

U「マズイ! このままじゃ遥の青龍が破壊されてしまう!!」

破軽部「行け!」

破軽部の三つ首の究極龍は弾丸へと変化し、青龍に放たれる………しかし、遥の手には対抗カードが握られていた。

遥「対抗カード発動! {水の身代わり}!! これにより、カード名に『水』を含むカード1枚を、元々のパワーの半分に減らして対象を変更して召喚する! すなわち、私の場に{聖水の長耳兎}を召喚し、弾丸の軌道はラビットに変更される!!」

破軽部「くっ………!! その手があったか………!!」

遥「ラビット………ごめんね。」

ラビット「気にしないで! 青龍! 私が壁になったんだから、絶対に勝ちなさいよ!!」

聖水の長耳兎はパワー700の魔として召喚され、玄武の放った弾丸の身代わりとなって破壊される。

U「遥の手によって青龍は守れた。しかし、破軽部は次にあのカードを使う………!!」

破軽部「僕は対抗カード{魔の蘇生}を発動!! 蘇らせるのは勿論、三つ首の究極龍!!」

これにより、三つ首の究極龍が再降臨。破軽部の最高の布陣が再び降臨する。

U「やはりな、破軽部の布陣はそう簡単に突き崩せない。唯一の幸運は、今のアルティメットドラゴンはパワーが3000になっている事だ。なら、遥がやるべき手段はあれしかない………」

雨「あれ………?」

遥「行くよ、青龍! 私は対抗カード{魔の倍加}を発動! 青龍のパワーを2倍にする!!」

それにより、青龍のパワーは6000に跳ね上がる。

遥「青龍で玄武を攻撃! {神龍の息}!!」

青龍の口から放たれるブレスは玄武に直撃し、玄武は破壊される。

破軽部「ありゃ………こうなりたくなかったから、青龍を狙ったんだけどなぁ………」

破軽部は万策尽きたと言わんばかりの表情を浮かべ………

破軽部「流石にそのまま破壊されて負けるっていうのも恥ずかしいからな………自爆特攻しようか。」

遥「え………!?」

破軽部「アルティメットドラゴンの攻撃! {究極の息}!!」

遥「なら、青龍で迎え撃つ! {神龍の息}!!」

2体の龍のブレスが直撃する。だが、青龍の2倍近いパワーによって、ブレスは三つ首の究極龍に直撃し、そのまま破壊される。

U「遥の勝ちだが………破軽部も変な真似をしたな………」

破軽部「あはは、ちょっと今日は調子が良くなくてね、せめて爪痕残そうと思ってさ。」

U「………そうか。(………胡散臭いな、こいつの動きはだいたい胡散臭いけど………)」

こうして、遥と破軽部の戦いは終わった。それと同時に、創世神社の本殿の御神体が僅かに光り輝いていた。だが、この事には誰も気付いていない………

To be continued………




次回予告
U達は創世神社の御神体を掃除していた。すると、突如としてジェネシスの声が聞こえてくる。彼女はUに新たな力を与える為の四神の試練を課し………!?
次回「再び降りる神」


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第97話 再び降りる神

前回までのあらすじ
遥と破軽部の対決。遥は青龍と魔の倍加のコンボを使い、破軽部の三つ首の究極龍と玄武を打ち破るのだった………


遥と破軽部の戦いから数日が経った。U達は創世神社の本殿を掃除していた。

遥「やっぱりここ埃溜まってる………多分、ここを破軽部さん達が守ってくれたんだろうけど、あの人そんなに掃除が得意な人じゃないから、予想通りと言えば予想通りなんだけどね………」

遥がそう呟いていると、Uは雑巾を使って御神体を磨いていた。

U「………なんか、懐かしいよな、こんな感じ………」

遥「考えてみればそうかも………」

2人は前に共同生活をしていた時の事を思い出していた………すると突然、Uが磨いていた御神体が突然輝き出した。

U「うわっ!?」

遥「ど、どうしたの!? って、ええ!? 御神体が輝いている………!?」

そして、本殿からの光を見た春香達は、大慌てで駆け込んできた。

春香「どうしたんですか………って、ええ!?」

当然、春香達も光り輝く御神体に驚いた。その光は更に強く輝き………

?????「………私の声が聞こえますか?」

U「この声は………ジェネシスか!?」

遥「本当だ………ジェネシス様の声………!!」

春香「………どうして急に………?」

U、春香、遥の3人には当然のように聞こえていた。すると、マジックファイルの中にいた真子が突然出てきて………

真子「なんで急にジェネシスさんの声が………?」

U「真子にも聞こえるのか………」

一方、雨は首を傾げていた。その理由は単純、ジェネシスの声は彼女には聞こえていないからだ。

雨「ジェネシスって何………? 声なんて聞こえないけど………?」

U「雨には聞こえてないのか………」

U達は雨には聞こえていない事を知ると、ジェネシスはU達に語り出す………

ジェネシス「………貴方達はこれまでの旅で薄々察知しているかもしれませんが、この世界にも邪悪が存在しています。それに、世界を融合させるという、私の知る限りではラグナロクの力でのみ可能であった事象が起きています。」

U「確かに………あの影闇って野郎がその筆頭なんだろうけど、どうしてこんな事が出来ているのかは全く分からねえ………」

ジェネシス「………そこで、私は貴方達にある力をさずけようと思っています。しかし、その力を得る為には、U、貴方が四神を四神の力無しで上回る必要があります。つまり………」

ジェネシスがそう言うと、御神体が突然U達の視界を奪う程に光り輝き、光が消えた時には、半透明のジェネシスが現れ………

ジェネシス「私が使う四神を、四神の力を借りずにマジシャンバトルで倒す必要があります………!! 」

U「ジェネシスが力を与えるとなると何かしらの試練がある………やっぱりそうなるか………!!」

Uはそう言うと、マジックファイルを構える。半透明のジェネシスもまた、左腕に装着されたマジックファイルを構えるのだった………

To be continued………




次回予告
Uは四神無しで四神を攻略するという、かつての戦いと同じく再度乗り切らなければならない戦いに挑むことに。神には妨害効果が通用しない為、Uが最初に動いた手は………!?
次回「四神無しの戦い」


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第98話 四神無しの戦い

前回までのあらすじ
U達は本殿の掃除をしていた。そこにジェネシスの声が聞こえてきて、Uは新たな力を手にする為に、四神無しの戦いをすることとなり………?


ジェネシス「四神以外であればどの魔を出しても構いません。ルールは6vs4。私は四神のみで戦いますが、その代わりとして、生け贄の概念は無しとさせてください。」

U「なんだっていいさ。僕は負けないから………!」

ジェネシス「ふふっ………ならばまずは小手調べと行きましょう! 私は{南鳳凰の朱雀}を召喚!!」

ジェネシスは朱雀を召喚する。それを見たUは………

U「ならば、僕が召喚するのは{暗黒の魔道士}!!」

Uは初手から暗黒の魔道士を召喚する。

真子「いきなりダークで戦うんだね………」

遥「Uはいつもデーモンを出して、相手のパワーを減らす戦法が安定するんだけど、神のカードにはデーモンの力は通用しない。だから、ダークを出してきたって事だと思う………」

ジェネシス「そんな魔で朱雀を倒せるとでも思っているのですか?」

U「思っちゃいねぇよ。それに、早とちりが過ぎるぜ。僕が召喚するのはダークだけじゃねぇ! 僕はここでミレルの魂の魔である{選択の魔道士}を召喚!!」

Uはここで選択の魔道士を召喚する。

遥「ミレちゃんのセレクトを出した………という事は、Uの初手は………!!」

U「対抗カード発動! {魔の融合}! その効果により、僕はダークとセレクトを融合!!」

これにより、2体の魔が1つとなる。

U「いでよ、{選択の暗黒魔道士(セレクトダークマジシャン)}!!」

場には暗黒の魔道士と選択の魔道士の魔導服の色が混ざったものになり、杖は一体化して新たな杖となった。

ジェネシス「(未知の魔を召喚しましたか………しかし、私の朱雀はパワー3000、あの魔は2100………朱雀の相手にはならない………!)ならば、私は朱雀で貴方の魔を攻撃!!」

ジェネシスが攻撃宣言をした時、Uはマジックファイルからカードを取りだした。

U「マジックファイルのカードを1枚捨てて、対抗カード{パワー・オア・ディフェンス}を発動!! これは本来、自分の魔のパワーを次の自分の魔の攻撃が終了するまで、パワーを500プラスするか、相手の攻撃を無効化するというもの! しかし、自分の場のカード名に『選択』と付く魔がいるなら、2つの効果を発動出来る!!」

それにより、朱雀の攻撃が無効化され、同時に選択の暗黒魔道士のパワーが500上昇。更に………

U「更に、セレクトダークの効果発動! 僕が1枚のカードで2つ以上の効果を使った時、相手の場の魔を一体破壊するか、永続的にパワーを500アップする!」

雨「パワー3100!!」

U「行くぜ、セレクトダークの攻撃! {選択の暗黒破壊(セレクトダーククラッシュ)}!!」

選択の暗黒魔道士の杖から、矢印の形をした闇の波動が放たれる。それにより、朱雀の身体がバラバラとなって撃破された。

ジェネシス「朱雀を破壊するとは………やはりやりますね………!」

Uとジェネシスの対決。神が一体破壊された事で、戦いの熱は更に燃え上がるのだった………

To be continued………




次回予告
ジェネシスは次の手として、玄武と青龍のを召喚する。圧倒的なパワー差を前に、Uは二の手に出る………!!
次回「神に立ち向かう者」

魔の解説
・選択の暗黒魔道士(セレクトダークマジシャン)
愛称 セレクトダーク
属性 魔法使い族
パワー 2100
召喚条件 {暗黒の魔道士}と{選択の魔道士}を融合させる。
効果「・このカードのコントローラーが、1枚のカードで2つ以上の効果を使った時、この魔のパワーを永続的に500プラスする。
・この魔が破壊された時、融合素材となっていた{暗黒の魔道士}か{選択の魔道士}を場に召喚し、この魔は一体分の魔として破壊された扱いとなる。」
攻撃技 {選択の暗黒破壊(セレクトダーククラッシュ)}
フレーバーテキスト 「『Uが選ぶ未来はミレルだけじゃなく、私達も信じている………!!』」


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第99話 神に立ち向かう者

前回までのあらすじ
ジェネシスの試練。Uはジェネシスの召喚した朱雀を相手に{選択の暗黒魔道士}を召喚し、朱雀を撃破する………!


ジェネシス「では、私は次に{北亀の玄武}を召喚! 更に、{東龍の青龍}も召喚!」

ジェネシスは2体の神を召喚。更に2枚のカードの効果により、玄武はパワー5500、青龍は3500に上昇していた。Uは自分が使ったカードの効果で、選択の暗黒魔道士のパワーが2600へと下がってしまっていた。

ジェネシス「青龍で選択の暗黒魔道士を攻撃!」

青龍の口からブレスが放たれる。それにより、選択の暗黒魔道士が破壊されてしまうが………

U「破壊された瞬間! セレクトダークの効果が発動する!! これにより、融合前のダークかセレクトのどちらかを召喚する!」

遥「通常、破壊された魔は融合した魔の数の分だけ破壊される扱いになるけど、この場合は一体だけの扱いになるって事だね………!!」

U「いでよ、我が相棒{暗黒の魔道士}!!」

Uは暗黒の魔道士を再召喚する。

U「(僕のデッキに玄武から倒せる魔はない………なら………!)僕は新たな魔を呼び出すぜ! {龍破壊戦士}!!」

Uはこの状況で龍破壊戦士を召喚。それにより、青龍のパワー3500のうち、1750が龍破壊戦士にプラスされ、パワー3950へと増加する。

ジェネシス「(青龍の属性による弱点を突いて来ましたか………しかし、私の策はこんなものでは止まりはしない………)!」

ジェネシス「玄武の効果発動! それにより………」

ジェネシスの言葉の途中で、青龍が玄武の射出口に装填される。

雨「ほ、本気なの!?」

U「まさか………神を射出するつもりか!?」

これにより、青龍のパワーは4500。それに対抗して龍破壊戦士のパワーは4250。しかし、青龍がこれを超えてしまった。

ジェネシス「これにより、青龍のパワーを龍破壊戦士が超えることはありません! それに、その魔を破壊されれば貴方は玄武を超える事も困難になる!」

U「ぐっ………!」

ジェネシス「青龍を射出!!」

それにより、パワー4500の青龍が弾丸へと変わって発射される。

U「悪いが………バスターをタダで倒されるわけにも行かないぜ! 対抗カード{究極竜速攻召喚}を発動! これにより、召喚条件を満たしているなら、バトル中であろうとこの瞬間にカード名に{究極竜}か{究極龍}を含むカードを召喚出来る!!」

ジェネシス「何っ………!?」

U「それに助かったぜ、この状況でコイツを出させてくれて………!! ダークとバスターを生け贄に{未来の光究極竜}!」

弾丸の着弾直前に暗黒の魔道士と龍破壊戦士が生け贄として破壊され、弾丸は標的を失ったまま飛んでいき、弾丸の過ぎ去った所へ未来の光究極竜が召喚され、鎧へと変化してUに装着される。

U「これにより、玄武の射出は不発に終わり、更に青龍を失った事でパワー4000へと戻る!」

玄武のパワーは4000へと下がる。

U「更に、ライトアルティメットのパワーは6250! そう易々と破壊される事は無いぜ!」

ジェネシス「やはり、戦い慣れているだけの事はありますね、U………しかし、私もそう簡単に負ける程愚かではありませんよ………?」

Uは魔を3体失いながらも青龍を攻略する。残る2体の神、玄武と白虎を破る事は出来るのか………!?

To be continued………




次回予告
ジェネシスの次の手は玄武のパワーを白虎に受け渡す事だった。それにより、白虎のパワーは7000となり………!?
次回「神の力を借りし神」


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第100話 神の力を借りし神

前回までのあらすじ
Uは3体の魔を犠牲にしながらも、朱雀と青龍を撃退する。しかし、ジェネシスの手が尽きた様子は無く………?


ジェネシス「私は{西虎の白虎}を召喚します。」

ジェネシスの前に白虎が召喚される。

ジェネシス「………正直驚きましたよ、神を相手に1歩も引けを取らないとは完全に想定外でした。しかし、神にはこんな使い方もあるんですよ? 私は対抗カード{パワーオブパス}を発動! その効果により玄武を破壊し、次に破壊されるまで白虎のパワーを玄武の数だけ上乗せします。」

U「何………!?」

それにより、白虎のパワーはまさかの7000。

遥「神のパワーを他の神に与えた!?」

U「正直驚いたぜ、お前の動きは思ったより生け贄要員としての思考があるんだな。」

ジェネシス「私は勝利の為にこれをしているだけ………貴方と同じですよ。」

U「………それを言われちゃ言い返せない。でも、お前と決定的に違うと思っている事が1つある。それは、信頼関係だ!」

ジェネシス「それについては分かっています。貴方と魔の信頼関係は少し見ればよく分かります。それに、貴方の相手を思いやる気持ちも………神の中で特に気難しい白虎が自分の意志で貴方に付き従っているのを見てそれを悟りました。悪く言えば悪やあまりにも根の腐っている人物以外と仲良くしようとしている時点でお人好しが過ぎますが。」

U「うるせえ。とにかく、僕はその白虎を攻略させてもらうぜ!」

ジェネシス「………やれるものならばどうぞ。」

U「ならば、僕はここで{冥界の兵士}を召喚!!」

Uはここで冥界の兵士を召喚。すると………

ジェネシス「その召喚に対抗させてもらいましょう。私は対抗カード{最後の罠}を発動!! 魔が一体の時、私が控え無しであり、貴方にまだ控えの魔がいる時のみ発動可能。マジックファイルのカードを5枚捨てる事で、その召喚を無効にして破壊します!」

U「何!?」

これにより、冥界の兵士は地面に降り立つ前に、地面に設置された罠に焼かれて破壊されてしまう。

U「え、えげつない真似するなぁ………」

ジェネシス「白虎で未来の光究極竜を攻撃!」

白虎がUに飛びかかる。

U「(白虎に攻撃無効は効かない………ならば!)対抗カード発動! {セメタリーエクスチェンジ}!!」

雨「セメタリーエクスチェンジ………?」

U「セメタリーエクスチェンジは、僕の場の魔を1体破壊し、召喚条件を持たず、破壊された魔のパワー以下の魔を破壊された魔の中から1体召喚する!!」

Uが白虎の攻撃をかわすと、鎧が外れて破壊される。それによって現れた魔法陣から………?

U「いでよ、{暗黒の魔道士}!!」

この戦いで3度目の召喚となる暗黒の魔道士が現れる。

ダーク「マスター、今日はやけに私の出番が多いな?」

U「ま、相手が相手だからね。ダークに休む間も与えていない事になったのは謝るけど。」

ダーク「いや、構わん。それだけ私が信頼されていると考えるだけだ。」

U「サンキュー。じゃあ行こうか………反撃に!!」

Uはそう言うとマジックファイルのカードに手を伸ばし………

U「最後はこいつに賭けるぜ! 僕は{力共有の竜}を召喚!」

真子「最後にカラ君の魔を呼び出した………でも、ここからどうするの!?」

U「僕はこのカードで全ての決着をつける! 対抗カード{逆襲の魔法変化}!!」

春香「あれは………私との対決で使ったカード………!!」

U「その効果により、僕は最初の方で使った{魔の融合}の効果を発動! それにより、僕の場にいるダークとリンクの2体を融合!!」

それにより、暗黒の魔道士が力共有の竜と融合。暗黒の魔道士の魔導服が竜を模した形へと変わり、杖の頭は竜の首の形となる。

U「いでよ、{力共有の暗黒魔道士(パワーリンクダークマジシャン)}!!」

ジェネシス「パワー2800………普通に考えれば強めのパワーですが………神の力を前には足元にも及びません!」

U「それはどうかな? 僕は対抗カード{その場限りの命}を発動! その効果により{冥界の兵士}を召喚!」

先程破壊された冥界の兵士が復活する。

U「装備カード発動! {冥界兵の斧剣}! その効果でパワーは3000となる。そして、リンクダークの効果発動! ソルジャーのパワー3000をリンクダークの力へと変える!!」

それにより、力共有の暗黒魔道士のパワーは5800へと増加する。

U「リンクダークで白虎を攻撃!!」

ジェネシス「無駄です! 白虎のパワーは7000! 5800となっても打ち破れません!!」

U「僕の布石はこれが最後だ! ソルジャー、お前の魂を貸してくれ!!」

ジェネシス「なっ………!?」

U「対抗カード発動!{魔の閃光}! それによりソルジャーを破壊し、リンクダークのパワーを4000プラスする!」

ジェネシス「つまり、そのパワーは9800………!?」

U「行け、{力共有の暗黒魔導(パワーリンクダークマジック)}!!」

力共有の暗黒魔道士から放たれるブレスを模した魔法により、白虎を貫通して破壊する。

ジェネシス「………私の負けですね。まさか神の力無しで勝てるとは思いませんでしたよ。」

U「………いや、これはウズクチョで出会った大切な仲間達がいたから勝てたんだ。僕1人じゃ勝てるか分からなかった。」

ジェネシス「………そうですか。貴方は仲間に恵まれているから力にも恵まれているのかもしれませんね………では、約束通り貴方に力を与えましょう。」

ジェネシスはそう言うと、とあるカードを生成してUに投げ渡す。

U「これは………儀式カード{四神・超進化の儀式}………?」

ジェネシス「四神の力を更なる力にレベルアップさせるカードです。四神を従える資格を持つ貴方なら使いこなせるはずです………では、以前頼んだ件の調査、お願いしますよ?」

ジェネシスはそう言って消え、声も聞こえなくなった。

遥「やったね、U!」

U「ああ………それに、とんでもないカードも受け取っちゃったもんな………こりゃ、分かりませんでしたで終わらせられなくなったな………」

春香「大丈夫ですよ、Uさんならきっと………!!」

U「………ありがとう。」

Uはそうやって笑みを浮かべる。すると、融合していた力共有の竜がUに語りかけてくる。

リンク「………流石カラが尊敬した人物だ。俺の力をここまで使いこなすなんて………これからはいつでも力になるぜ、U!」

力共有の竜がそう言うと、融合は解除され、2体の魔はカードとなってマジックファイルに戻る。更に、選択の魔道士からも声が聞こえてきた。

セレクト「ミレルが強いって言ってたからどんなものかと思ったけど、正直驚いたわ。能力をここまで使いこなすなんて驚きだわ………また困ったら私の事を呼んでね?」

そうして、声は消え去った。

U「リンク、セレクト………ありがとう。」

Uはマジックファイルを撫で、2体の魔に感謝の言葉を語るのだった………

 

 

そして、その様子を人知れず見ていた影闇は………

影闇「神のカード4枚を前にしても勝つとは………これはまた獄炎に依頼して倒してもらうしかありませんね………」

と、呟くと瞬間移動で消えたのだった………

To be continued………




次回予告
U達は破軽部や歩美にも新たなカードを手に入れた事を報告する。そんな彼等の前に獄炎が現れ、マジシャンバトルを要求するのだった………
次回「再び迫る魔の手」

魔の解説
・力共有の暗黒魔道士(パワーリンクダークマジシャン)
愛称 リンクダーク
属性 魔法使い族
パワー 2800
召喚条件 {暗黒の魔道士}と{力共有の竜}を融合させる。
効果 「・このカードが場にいる時、君の場のカード全ては『このカード以外のカード1枚を選択し、このカードのパワーを100単位で払って良い。払ったら、払った分のパワー分、選択した魔のパワーがプラスされる。』の効果を得る。
・このカードのコントローラーの場にいる魔のカード全てのパワーは減らない。」
攻撃技 {力共有の暗黒魔導(パワーリンクダークマジック)}
フレーバーテキスト「『Uとカラ、強い力を持つ同士の切り札の力を共有すれば敵などいない………!!』」


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第101話 再び迫る魔の手

前回までのあらすじ
Uとジェネシスの対決は、Uと仲間達から借りたカード達の力を借りて四神を打ち破ったUが勝つ。ジェネシスはそんな彼に四神を進化させるカードを与え………?


翌日、Uは先日の出来事を同じ四神の使い手である破軽部と歩美に伝えた。

破軽部「成程、そんな事が………しかし、本当に奇跡の力の持ち主だよね君は。1度目も僕がまるで歯が立たなかった相手に勝ってしまったんだから………」

U「あの時と同じだ。仲間がいたから勝てただけさ。」

歩美「でも、そんな英雄を信頼しているから、力を貸してくれているんじゃないの?」

U「まさか。皆がお人好しなだけだ。僕の動きは人間社会から外れまくってる。お陰で色々と陰口を言われてきたもんさ。気にしてないけど。」

歩美「………英雄ってちょっとそういう変な所あるよね。もっと誇ってもいいんだよ?」

U「僕は誇れる程強くもなんともない。強いて言うなら、家族が皆いい子で僕の事を大切に思ってくれている事が誇りかな。」

春香「当たり前じゃないですか。でも、Uさんだって家族や仲間を大切に思ってくれているじゃないですか。」

U「まあね………」

U達がそんな話をしていると、空から何かが降りてくるのが見える。

U「あれは………!!」

降りてきたものは地面に降り立つ。するとそこには獄炎が立っていた。

U「獄炎………!!」

獄炎「久しぶりだな、U。あの時の戦い以来か。」

U「………ああ、色んな意味で世話になってるからハッキリと覚えてるよ………!!」

Uはそう言って構える。獄炎は鼻を鳴らすと、視線を雨に動かす。

獄炎「貴様も無様なものだな。大して強くもない上に、こんな男に肩入れするとは………」

雨「ぐっ………!!」

雨は悔しそうな表情を浮かべるが………

U「黙れ!」

獄炎「むっ………!?」

Uの言葉に獄炎が驚く。

U「お前と雨の仲が悪いとは聞いていたが、今の雨は僕の仲間だ! 仲間を侮辱する奴は僕が許さない!!」

雨「U………」

獄炎「その女は人間達からすれば罪深い人間だ、それはお前も人間の敵になるという証だ。」

U「………そんな人間もいるだろう。でも、僕の知る限りでは、僕の仲間達の中には雨の事を卑下する奴はいない!」

Uは獄炎を指差し………

U「何をしに来たのか知らんが、貴様が僕を倒しに来たのなら、僕はそれを迎え撃ってやるぜ!!」

と言い放つ。それを聞いた獄炎は表情をニヤリとさせ………

獄炎「元よりそのつもりだ。俺はお前を倒しに来た。今回は前回のようには行かないぞ。」

U「悪いが僕も負ける気は一切無い。」

Uはそう言ってマジックファイルを構える。

獄炎「では、始めるとしよう………俺達の戦いを!!」

獄炎がそう口にしたことで、2人の戦いは幕を開けるのだった………

To be continued………




次回予告
獄炎は初手から自身を召喚し、勝負に出て来た。圧倒的なパワーの破壊力を前に、Uはジェネシスから託されたあのカードを使う………!!
次回「神の進化」


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第102話 神の進化

前回までのあらすじ
Uは、ジェネシスとの事を破軽部達に語る。そんな彼等の前に影闇の依頼を受けた獄炎が現れ、Uとマジシャンバトルをする事に………


U「僕は初手に{破壊の悪魔・真}を召喚する!!」

Uが初手に選んだのは破壊の悪魔・真。それに対して獄炎が選んだのは………!?

獄炎「悪いが、今回の俺は初手から手を休める暇は無い………俺が召喚するのは、{無限武器戦士獄炎}!!」

なんと、初手にもかかわらず自身を召喚してきた。影闇が前回無理矢理マジシャンバトルを中断させて獄炎と共に逃げた事を考えれば、獄炎のこの手はある意味大博打とも言える。

U「何!?」

Uもその特性を薄々理解している為、この行動に驚いていた。

U「(初手から自分を召喚するなんて………何か企んでいるとしか思えないぞ………)」

Uは無意識のうちに警戒態勢をとった。獄炎の次の手は当然のように決まっており、獄炎はマジックファイルからカードを取りだし………

獄炎「俺は装備カード5枚を装備する!!」

それにより、獄炎の手には5つの武器が現れ、パワーは3600上昇し、6000にパワーアップする。

U「(自殺行為に思えるが、ある意味恐ろしい手だ。パワー6000なんてそう簡単に出せるパワーじゃねえのに………)」

Uがそんな事を考えていると、獄炎は全ての武器を振り上げて攻撃に動いた。

獄炎「くらえ、我が武器の連撃を!!」

U「対抗カード{光の壁}を発動! その攻撃を無効化!!」

それにより、破壊の悪魔・真の前に光の壁が現れ、攻撃は無効化される。

獄炎「防ぐか………ならば、俺は更に装備カードを発動! その効果で、8枚のカードを装備!」

歩美「まさか!? それじゃあ獄炎のパワーは!?」

獄炎のパワーは10500へと上昇した。

U「パワー10500!? ふざけてやがるぜ………」

これには思わずUも苦言をこぼした。

雨「(まさか獄炎がここまでパワーを上げるなんてやっぱり、アイテム複数装備の破壊力は高い………)」

雨はそう考えていた。それを聞いていた獄炎は笑いだし……… 獄炎「あの時は他の魔の事を考えて装備カードを配分していたが、俺に力を集中させればこんな事も可能なのだ!」

獄炎は勝ち誇ったように口にする。だが………

U「悪いが、それて勝った気になっちまうならガッカリだぜ。」

獄炎「………なんだと?」

U「パワー10500は確かに凄いよ、でもな、こっちはそれ以上の相手と大量に戦ってきてんだよ………!!」

Uはそう言うと………

U「デーモン、お前の魂を貸してくれ………僕は破壊の悪魔・真を生け贄に捧げ………{西虎の白虎}を召喚!!」

破壊の悪魔・真が破壊され、白虎が召喚。更に破壊の悪魔・真の効果で、獄炎のパワーは500マイナスされる。

U「獄炎、見せてやるぜ………進化した僕達の力を!!」

Uはそう口にするとマジックファイルからカードを取りだし………

U「儀式カード発動! {四神・超進化の儀式}!!」

獄炎「な、なんだそのカードは!?」

U「このカードは、四神の魔を生け贄に捧げ、生け贄に捧げた神の進化形態を降臨させるカード。僕は白虎を生け贄に捧げ、{超・西虎の白虎(ちょう・レフトタイガーびゃっこ)}を召喚!!」

白虎の足元に現れた魔法陣によって白虎が破壊されると、魔法陣の中から、身体に新たな紋様が浮かび、先程よりも強く白く輝く白虎が現れる。

破軽部「神が進化した………!」

歩美「それに、以前とは比べ物にならない程の力を感じる………!!」

U「進化した白虎はパワー5000生け贄に捧げた白虎と同じ効果を持ち、更に4つ目の効果が追加されている!!」

真子「4つ………!?」

遥「今までは神の力を持ってしても能力の限界は3つだったけど………超越した力を手に入れた神は、4つ目の力をも手にしたという事なの………!?」

春香「ジェネシスさんの試練を乗り越えたUさんにのみ許された、最強の力………!!」

Uはジェネシスに与えられた力によって、白虎を進化させた。果たして、その力は………!?

To Be Continued………




次回予告
獄炎はパワー10000を武器に攻撃を仕掛けてきた。しかし、進化した白虎の前にはパワー10000である獄炎すら敵ではなく………!?
次回「無敵の破壊力」

魔の解説
・ 超・西虎の白虎(ちょう・レフトタイガーびゃっこ)
愛称 白虎
属性 獣族/神
パワー 5000
召喚条件 {四神・超進化の儀式}の効果により、{西虎の白虎}を破壊(生け贄に)する。
効果 「・このカードの攻撃は無効化されない。
・このカードが相手の魔を破壊した時、この魔が破壊されるまでこの魔のパワーを500プラスする。
・{白虎鎧化}任意でこの効果を発動できる。このカードが破壊されない限り、プレイヤーは敗北しない(ダメージは受ける)
・このカードの{白虎鎧化}の効果を発動している時のみ使える。このカードの攻撃時、お互いの場のこのカード以外の場にいる魔のパワーの合計分、このカードのパワーをプラス出来る。この効果はこのゲーム中に1度しか使えない。」
攻撃技{超・白虎の爪(ちょう・びゃっこクロー)}
フレーバーテキスト「『我が力を最大限に生かすことが出来るのは、この世界にただ1人!!』」


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第103話 無敵の破壊力

前回までのあらすじ
Uと獄炎の対決。獄炎は装備カードのコンボでパワー10000の大台を突破される。しかし、それに対してUも白虎を進化させ………!?


獄炎「無駄だ………! 俺のパワーは10000! いくら進化しようと俺には勝てん!!」

U「それはどうかな? 行くぞ、{白虎鎧化}!!」

それにより、白虎が鎧へと変化してUに装着される。

U「白虎の第4の能力を発動!! 白虎鎧化を発動していて、攻撃する時に発動出来る。このバトルで1度きりの効果ではあるが、お互いの場にいる魔のパワーの合計分、白虎のパワーをプラスする! それにより、白虎のパワーは15000!! 更に、白虎の攻撃はこれまで通り無効化される事は無い!!」

獄炎「ぐっ………!! このままでは………!!」

獄炎は追い詰められていた。

U「僕達の力でお前を倒す!! {超・白虎の爪(ちょう・びゃっこクロー)}!!」

Uの纏う鎧の腕に生えた爪で白虎を斬り裂こうとする。ところが、真上から突然闇が降りてきて………

U「がはあっ!?」

Uの腹に拳がめり込んでいた。

??「失礼………ここで獄炎を倒されては困るんですよねぇ。」

U「影闇………!? がはっ!!」

そう、この一瞬のうちに影闇は乱入して、白虎の鎧に守られている状態のUにダメージを与えていた。そのダメージでUは血を吐き出す。

春香「Uさん!!」

影闇「今回の行動は完全に私側………すなわち獄炎の反則ですので、マジシャンバトルは貴方の勝ちで構いませんが………それでも、獄炎を守る方が今は都合がいいんですよ。」

影闇はそう言うと、Uの腹から拳を引き抜く。Uは膝から崩れ落ちると、地面に倒れてしまった。それと同時に白虎の鎧が破壊されてしまう。

影闇「しかし、柔らかいお腹ですねぇ………私はあまり力には自信が無いんですがねぇ………」

真子「(不意打ちとはいえ、お父さんを倒している時点でやばいよ………!)」

春香達はUに駆け寄る。それと同時に、影闇も獄炎に駆け寄り………

影闇「では、また次回………!」

影闇はそう言って、瞬間移動で消えた。

遥「U!! しっかりして!!」

U「はあっ、はあっ………」

春香はUの服をはだけさせ、腹の様子を見る。すると、たった一撃とは思えないほどの黒い痣になっていた。

歩美「す、凄い痣………!?」

破軽部「お、恐ろしいね………あの魔………」

春香「今、回復魔法を使います!!」

春香はUの腹に手を触れると、回復魔法をかける。

U「はあっ………ふうっ………」

Uの呼吸は正常なペースに戻り、痣も消えた。

U「ありがとう、春香………うぐっ!?」

だが、痛みだけは引いておらず、Uは腹を押さえて蹲る。すると、春香がそんな彼の腹を優しく撫でる。

U「ひゃう!?」

春香「………これで少しは痛みが引いてきますか………?」

U「………ありがとう、くすぐったいけど。」

Uは春香に感謝の言葉を口にすると共に………

U「(進化した神の力は通じた………後は、今回のような事にならないように、自分をもっと鍛えなきゃ………)」

と、Uは自分の新たな課題を立てるのだった………

To be continued………




次回予告
Uは自分を追い込む特訓を開始。過酷な特訓でボロボロになるUだが………?
次回「自分に必要なモノ」


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第104話 自分に必要なモノ

前回までのあらすじ
Uと獄炎の対決は、白虎の進化形態である{超・西虎の白虎}を召喚して形勢逆転するも、影闇の介入で逃げられてしまう。影闇にダメージを負わされたUは、自身を鍛える事を考え………?


獄炎との戦いから3日経った日のこと。

U「はあっ、はあっ………」

Uは息が上がっていた。そればかりか、今にも倒れそうだった。身体の所々には傷口が開いており、羽織っていたジャケットは今にもUの肩から落ちそうでボロボロになっており、ワイシャツやズボン、ネクタイまでもが所々破れていた。

歩美「英雄………もう満身創痍になってるよ!! いい加減休んだら!?」

U「まだやる………まだ春香の魔法が完全にかわせてない………!」

春香「はあっ、はあっ………(もうこれで12回目………幾ら魔力が無限に続くからと言って私の体力まで無限に続くわけじゃないのに、私のそういう所は無視なんですね………まあ、Uさんらしいと言えばUさんらしいです………それに、Uさんの望みを叶えるのが私の使命………ならば、いつまでもお付き合いしますよ、Uさん………!!)」

真子「歩美ちゃん………止めても無駄だよ。こういう時のお父さんは邪魔される方が嫌だと思うから………」

破軽部「U君の強さには薄々気がついていたけど、まさかこんな過酷な特訓や実戦経験が積み重なってできていたとは思わなかったよ………正直舐めてたな。」

遥「それに、今の特訓はレボナガシの時のメリルさんへの特訓が可愛く見えてくる程過酷だよ………Uの体力だって無限に続くわけじゃないから、動きのキレも落ちてきているし………」

仲間達が心配そうに2人の様子を見ていた。

春香「では………行きますよ………!! {ランダムバーニング}!!」

ランダムバーニングは、春香が毎回、1秒にも満たない速度にて、頭の中で考えた場所や方向から複数の火球を撃つ魔法。春香の魔法の中では威力はまずまずと言えるが、スピードは速めの為、普通の人間の感覚では、見て回避する事はまず不可能。更に、動体視力や反射神経が高くても、次々と迫り来る火球の事も考える必要がある為、回避は困難を極める。

U「(考えて回避するだけでも僅かにタイムラグが発生する………だから僕の感覚を全てを研ぎ澄ませなけりゃならない………見えた!!)」

Uは動き出した。火球は前の火球からは死角になっている場所から放たれているものが多く、Uはその度に選択を迫られた。ただでさえ身体がロクに動かない中で、今回は全てが見えたような気がした。

U「(確かに身体全体がダメージや疲労による悲鳴を上げているのは分かる………でも、それだからかだろうか………今回避する方法が絞られているのと、回避による危険の予測ができているような気がする………)」

Uは無意識のうちにそう考えると、全ての火球をかわした。

春香「(このまま行けば全ての火球をかわされる………しかし、この魔法を完璧に回避しても、回避出来たことで精神が満足してしまい、隙が生まれてしまう………その隙を私自らの攻撃で突くのが、私の{ランダムバーニング}の真の狙い………!!)」

春香は心の中でそう考えると、空中へと飛び上がる。それにより、Uの頭上から魔力を込めた拳の一撃を放った。

遥「春香さんが真上から攻撃!?」

この行動に驚く仲間達。春香の拳は背を向けたUに直撃しようとしていた。しかし、まさに攻撃が直撃する寸前、Uは素早い動きで身体を180度回転させ、春香の拳を左腕で弾いた。

雨「弾いた………!!」

春香「………やり遂げましたね。私の{ランダムバーニング}の完全回避………!!」

U「そうか………良かった………」

Uは脱力したように倒れる。

春香「Uさん!!」

春香はUに駆け寄ると、すぐに回復魔法をかける。それによって、顔や身体の傷は綺麗に消えたが、体力は最小限しか回復しなかった。

春香「最近はメガヒールの効きも悪いですね………それだけ、Uさんの身体は、白宮流の魔法を考えた祖先の方の想定すら超えているという事なのでしょうか………?」

U「そうかもしれないね………でも、僕はそれでもこの瞬発力が欲しかった………そうすれば、あの時も影闇の不意打ちをかわせたかもしれないのに………」

Uは落ち込むようにそう口を開いた。

雨「(Uは前にウズクチョやレボナガシの仲間に強くなりたい事を口にしていた………今でも充分強く見えるのに、Uにはまだまだ足りないの………? それとも、仲間を守りたいという意思が強すぎるから………?)」

雨はUがただでさえ強いのに、今以上に強くなろうとする理由を理解出来ずにいた。するとそこへ………

??「グオオオ!!」

悪魔の姿をした魔がUと春香の元へ襲いかかってきた。

遥「Uと春香さんの方に魔が!?」

雨「あの魔は影闇の{共食いの悪魔(ともぐいのデーモン)}!?」

春香「に、逃げましょう………! うぐっ!?」

春香は立とうとしたが、立てなかった。その理由は言わずもがな、体力が尽きたせいだ。

春香「(せ、せめてUさんを守らないと………!!)」

春香はUを庇うように抱きしめる。共食いの悪魔が攻撃に動いた時、共食いの悪魔の身体が切り付けられ、血が吹き出していた。

U「………春香を傷つける事は死んでも許さねえ………!!」

Uは怒りの表情を浮かべて立ち上がる。既に身体は満身創痍のはずだが、そんな事はどうでもいいとばかりにセイバーを持って立ち上がる。共食いの悪魔は拳を突き出すが、Uはセイバーを軽く振るい、共食いの悪魔の子藤をしりぞけるばかりか、すぐにジャンプキックを放ち、共食いの悪魔を吹き飛ばした。

雨「(あ、あれが満身創痍の人間の動き………!?)」

歩美「英雄………どうしてそこまで動けるの………!?」

U「………春香を傷つけられそうになってムカついたからかな。」

Uはそう答える。雰囲気からそれを察した歩美は………

歩美「………英雄の気持ちは何となくわかった。」

歩美は僅かではあるが、Uの言葉の意味に納得した。共食いの悪魔は立ち上がると、マジシャンバトルのカードを手にして構えてきた。

U「マジシャンバトルを使用っていうのか………受けて立ってやる!」

Uはマジックファイルを構えようとする。すると………

歩美「英雄!!」

と、声をかけると、すぐにあるカードを投げ渡した。

U「これは………朱雀………!?」

Uは驚いた様子で歩美を見る。

歩美「英雄の思いは分かった。なら、私はそれに乗っかるだけだよ! 朱雀の力、英雄なら更に引き出せると信じているから!!」

歩美はそう言い放った。それを聞いたUは………

U「ありがとう、歩美………!!」

感謝の言葉を口にすると、マジックファイルに朱雀のカードを入れ………

U「行くぞ、悪魔野郎!!」

と、マジックファイルを構えるのだった………

To Be Continued………




次回予告
共食いの悪魔は、自身のパワーを上げる戦法でUに挑んでくる。それに対し、Uは朱雀を進化させ………!?
次回「覚醒の鳳凰」


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第105話 覚醒の鳳凰

前回までのあらすじ
春香との特訓で臨機応変に動く事のできる反射神経を会得したU。既に満身創痍の中、そこに影闇の魔{共食いの悪魔}が現れる。春香を傷つけられそうになるという危機感から、Uは怒りと共に立ち上がる。Uの気持ちを理解した歩美は、自身の朱雀を貸し与え、Uは共食いの悪魔にマジシャンバトルを挑む事に………!


共食いの悪魔は低い唸り声をあげると、{増幅の悪魔(ぞうふくのデビル)}を召喚する。更に、共食いの悪魔は自身を召喚してきた。

U「いいだろう、僕は{暗黒の魔道士}と{選択の魔道士}を召喚!! そして対抗カード{魔の融合}を発動! ダークとセレクトを融合!! いでよ、{選択の暗黒魔道士}!!」

Uは選択の暗黒魔道士を召喚。

雨「Uの魔のパワーは2100………それに対して、あの魔のパワーは2200………普通に考えたら、ここから来るであろうUのコンボの方が凄そうだけど………」

雨がそんな事を考えていると、共食いの悪魔は突如として増幅の悪魔を捕食し始めた。

U「何!?」

共食いの悪魔は自身の魔を食い尽くすと、大きく唸り声をあげる。それと同時に、共食いの悪魔のパワーは2900にアップしていた。

遥「パワーが増えた!?」

困惑する仲間達。春香がマジックファイルを通して理由を調べると………

春香「これは………! あの魔は自分の場のカード名に『悪魔』を含むカードを破壊する事で、自身のパワーを700ポイントアップさせる効果があるわ………!」

真子「そうなの!?」

春香「それだけじゃないわ。あの破壊された魔も効果を発揮できる………! 味方の効果によって破壊された時、自分の場の魔のパワーを永続的に500アップさせる………!!」

歩美「じゃああの魔のパワーは3400!?」

U「くっ………!!」

共食いの悪魔は選択の暗黒魔道士に攻撃し、選択の暗黒魔道士はなすすべもなく破壊される。

U「セレクトダークの効果発動! それにより、ダークを復活させる!!」

Uは辛うじて破壊された魔を一体にする事は出来たが、それでも戦局はあまり良いとは言えない。更に、共食いの悪魔は追加で{増幅の悪魔}を2体召喚すると、間もなくこれらの魔も捕食し始めた。

U「ぐっ………趣味の悪い魔だぜ………」

それにより、共食いの悪魔のパワーは2400プラスされて、5800へと上昇した。

U「(これは参ったな………ならば………!!)」

Uは歩美を見やると………

U「歩美! 君の力を今こそ借りる!!」

Uはそう言い放ち………

U「マジックファイルのカードを3枚捨てて………召喚!! {南鳳凰の朱雀}!!」

Uは神のカードの1枚、朱雀を召喚する。

破軽部「朱雀が召喚されたね………」

真子「でも、このままだとパワーでは勝てない………!」

春香「大丈夫よ、Uさんには………」

U「更に儀式カード発動! {四神・超進化の儀式}!! これにより、朱雀を生け贄に捧げる!!」

それにより、朱雀が破壊され………

U「いでよ、{超・南鳳凰の朱雀(ちょうサウスフェニックスすざく)}!!」

それにより、朱雀は以前以上の炎を身に纏った姿となった朱雀が召喚された。

遥「パワー5000!! そして、進化した神のカードということは………第4の効果がある!!」

朱雀の進化形態を召喚させたU。果たして、この戦局をひっくり返すことは出来るのか………!?

To Be Continued………




次回予告
Uの手によって進化した朱雀。その力は復活とはまた違う強力なもので………!?
次回「パワー支配の力」

魔の解説
・超・南鳳凰の朱雀(ちょう・サウスフェニックスすざく)
愛称 朱雀
属性 鳥族/神
パワー 5000
召喚条件 {四神・超進化の儀式}の効果により、{南鳳凰の朱雀}を破壊(生け贄に)する。
効果 「・このカードが破壊された時、このカードのコントローラーが召喚していない魔一体を破壊(生け贄に)してよい。破壊したら、このカードを場に残す。
・このカードが、自身の能力で場に残った時、この魔のパワーを永続的に500プラスする。
・このカードのコントローラーの控えの魔がいない時、マジックファイルのカードを10枚捨ててよい。捨てたら、このカードのパワーを永続的に5000プラスする。この効果はゲーム中に1度だけ使える。
・自分の場か召喚していない魔を一体選んで破壊(生け贄に)してよい。破壊したら、相手の場の魔を一体選択し、その魔のパワーを2000減らす。」
攻撃技 {超・鳳凰の竜巻(ちょう・フェニックスハリケーン)}
フレーバーテキスト「『U、歩美の心を救った、彼女の英雄の力となりましょう………!』」

・共食いの悪魔(ともぐいのデーモン)
愛称 デーモン
属性 悪魔族
パワー 2200
効果「自分の場のカード名に『悪魔』を含むカードを1枚破壊してよい。破壊したら、この魔のパワーを永続的に700プラスする。」
攻撃技 {悪魔の蹴り(デーモンキック)}
フレーバーテキスト「味方すらも喰らう恐ろしい魔。この魔が信じられるのは己の力のみ………」

・増幅の悪魔(ぞうふくのデビル)
愛称 デビル
属性 悪魔族
パワー 1400
効果 「この魔が効果で破壊された時、自分の場の魔を一体選ぶ。そうしたら、その魔のパワーは永続的に500アップする。」
攻撃技 {増幅の拳(ぞうふくのパンチ)}
フレーバーテキスト 「悪魔の中には破壊されることで貢献する魔もいくつかいる………!!」


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第106話 パワー支配の力

前回までのあらすじ
Uと共食いの悪魔の対決。共食いの悪魔は味方を破壊して強くなる戦法をとっていたが、それに対して、Uは朱雀を進化形態{超・南鳳凰の朱雀}へと進化させ………!?


U「朱雀、第4の能力を発動! その能力は自分の場か控えの魔一体を生け贄にすることで、相手の魔一体のパワーを2000下げる!」

Uはそう口にすると………

U「ダーク、君の魂を使わせてくれ!」

そう言って暗黒の魔道士に頭を下げる。

ダーク「全く、律儀だな我がマスターは………無論! 我が魂はマスターの思うように使って構わぬ!」

暗黒の魔道士はそれに了承する。

U「ありがとう………僕はダークの力を使い、朱雀の能力を発動する!」

それによって暗黒の魔道士が破壊されると、朱雀の全身から高熱のエネルギーが共食いの悪魔に向けて放たれる。それにより、共食いの悪魔のパワーは2000減って3800に。

歩美「(今までの朱雀の力は破壊される度に強くなる力だったけど、進化した朱雀の力は、味方の力を借りて相手の魔を弱らせて殲滅する力………! 私はこれまでに一方的に控えの魔を生け贄にしてきた………いや、生け贄要員だとしか思っていなかったのかもしれない。でも、心の底から魔との信頼関係を結ぼうとする英雄だからこそ生まれたのが、この力かもしれないね………)」

歩美はそう考えていた。

U「朱雀の攻撃! {超・鳳凰の竜巻(ちょう・フェニックスハリケーン)}!!」

朱雀は炎によって生まれた竜巻で攻撃する。共食いの悪魔は竜巻の中で炎の刃を何発もくらい、灰となって破壊された。また、プレイヤー自身が破壊された為にマジシャンバトルは終了し、共食いの悪魔のカードは火がついたように消滅した。

U「はあっ、はあっ………朱雀の力のお陰で………勝てた………うぐっ………!」

Uは朱雀のカードを手にしながら、喜ぶ様子を見せたが、満身創痍の中で、回復魔法を使っても体力が少なく、無理に戦っていた為に身体が限界を迎えて倒れてしまう。

春香「Uさん!!」

彼の傍で座り込んでいた春香がUに駆け寄る。

U「あ、歩美………ありがとう………!」

Uは残る力で歩美に朱雀のカードを投げ返す。

歩美「英雄の力になれたのなら嬉しいよ………!」

歩美も嬉しそうに彼にそう告げる。

U「そうか………あれ? なんだか眠くなって………」

Uは言葉の途中で突然眠り出した。寝息は正常である。

遥「U!!」

春香「寝ているだけよ………大丈夫。」

春香の言葉を聞いた仲間達は安堵する。春香はその場に正座すると、Uの頭を自身の膝に乗せる。

春香「(身体的に危険な様子はないわね………疲れて眠っただけかしら………?)」

春香が彼の様子を見ていると、そんな春香の様子を見ていた遥は頬を紅潮させ………

遥「春香さんが膝枕してる!? しかも人目も気にせずにやるなんて凄い………」

真子「いや、お父さんの頭をその辺の地面で汚さないようにとかだと思うよ………」

雨「だとしても、本当にやる人いたんだ………」

歩美「でも、それをやってくれる人がいる英雄が少しだけ羨ましいよ。」

主に真子を除く少女達が羨ましそうに見ていた。

破軽部「あの様子からU君と春香さん、本当に仲良し夫婦なんだと読み取れるよ。」

破軽部は関心するようにそう語った。仲間達が春香から1度自然を外し、仲間達とU達の話をしながら、再び視線を春香に向けると、春香はUに膝枕をしながら眠っていた。

遥「春香さんも寝てる………? 確かに春香さんもそこまで体力が残っているようには見えなかったけど………」

遥がそう口にすると………

雨「………!! 他の魔の気配がする!!」

雨は魔の気配を察知したのか、そう叫ぶ。すると、U達の近くに杖を持った魔道士の魔がいた。

雨「あれは………{眠りの魔道士(スリープマジシャン)}!? どうしてこんな所に!?」

真子「知っているの?」

雨「知っているも何も………昔、私の腹心というか、大切な仲間だった魔………!!」

雨がそう口にすると眠りの魔道士も雨に気付き………?

スリープ「あら、お久しぶりですわね、雨様………?」

雨「スリープ………」

思わぬ形で雨はかつての仲間の魔と再会する雨。しかし、それはあまり良くないもので………?

To Be Continued………




次回予告
一方、眠りに堕ちていたUと春香は夢の中にいた。2人が同じ夢を見ている事に驚く中、2人の目の前には眠りの魔道士がいて………!?
次回「夢に現る魔」


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第107話 夢に現る魔

前回までのあらすじ
Uは共食いの悪魔を撃破するが、眠りに堕ちてしまう。それと同時に春香も眠りに堕ちてしまう。それはかつて雨の仲間であった眠りの魔道士であり………?


スリープ「………私を裏切ってこの男についた貴女は絶対に許せない………」

雨「それは………ごめん。でも、影闇のやり方にはもう着いて行けなかったの!!」

スリープ「………貴女と親友のような関係になれたことは心の底から嬉しかったんですよ、でも、そんな貴女は私を置いて行ってしまった………」

雨「………」

スリープ「影闇様の命令ではこの男の首を取るように支持されていますが………その前に、私は貴女に復讐する………!!」

眠りの魔道士はそう言って、カードを手にする。

遥「マジシャンバトル………」

雨「………分かった、スリープが望むなら………相手するよ。」

雨はそう言ってカードを手にする。

真子「お父さんを倒しに来たのに………なんで雨ちゃんの方を優先したの………?」

雨「………スリープの能力は相手を眠らせるだけじゃない。相手の夢に潜り込んで相手の心を壊すのがスリープの能力………!」

歩美「そ、そんな!?」

スリープ「………私の力を持ってすればあんな男………なっ!?」

………突如、眠りの魔道士の様子がおかしくなる。

スリープ「………あっさり勝とうと思ったけど………気が変わった。徹底的に痛めつけるから!!」

破軽部「………おかしい。急に思考が変わるなんて………」

雨「スリープは眠りに堕ちている者の夢の中での出来事も記憶という形で送られてくるけど………多分、Uか春香さんがスリープの逆鱗に触れたんじゃないかな………?」

雨は予測する形でそう告げた………

 

 

一方、遥達が眠りの魔道士とやり取りをしている間のこと………

U「う………ううん………?」

Uは目を覚ました。しかし、すぐに違和感を覚えた。

U「辺り一面真っ暗だ………それに、身体が痛くない………夢だな、これは………」

Uはそう言って身体を起こそうとすると、隣りで春香が寝ている事に気づく。

U「春香………? 春香!!」

Uは春香の身体を揺さぶる。すると、春香は目を覚ます。

春香「ううっ………」

春香は目を覚ます。

春香「ゆ、Uさん………?」

U「………夢なんだよな、これ?」

春香「夢………でしょうか?」

2人は困惑していると………

????「一応夢よ。と言っても、夢が繋がっているけど………」

2人がそんな会話をしていると、突如会話に交じってくる人物が………

U「この気配は………魔か?」

????「その通りよ。私は眠りの魔道士。ここで貴方の心を打ち砕く。先に言っておくわ。魔の戦いで私に負けたら、貴方は現実に廃人同然になって死んだも同然になる。」

U「………そうか。」

スリープ「まあ、今回は忙しいからあっさりと決着をつけてあげる。」

U「忙しい………? どういう意味だ?」

スリープ「本当は貴方を倒すのが目的だけど、私の少し前まで上司というか仲間だった人に復讐しようとしているのよ。」

U「雨のことか………何が理由だ?」

スリープ「………私を置いて貴方なんかについた事を許せないから。」

U「仲は良かったのか、お前ら?」

スリープ「親友と呼べる程にはね………でも、許せない。私を裏切ったことは。」

眠りの魔道士がそう口にすると、Uはやれやれという様子で溜息をついた。

U「………なら、少々ガッカリだな。相手も信じられないで何が親友だよ。」

スリープ「なっ!?」

U「僕は前に春香と敵対した。それも2度。でも僕は春香を信じていた。大切な奥さんだから。こりゃ、僕の方が何倍も人を信じる力があったみたいだ。寧ろ、その程度で親友だと言えるなんてバカみたいだ。」

春香「Uさん………?」

スリープ「な、な………バカにしないで!! 許せない! アンタの首は元から取る気だったけど………タダでは倒さない………二度と復活できないようにしてあげる!!」

眠りの魔道士はそう言うと、カードを構えた。

U「いいだろう。教えてやるよ、本当に親友と呼べる絆の強さを!!」

Uがそう言ってマジックファイルを構えようとすると………

春香「Uさん! ………正直嬉しいです、私が裏切ったときも………私の事をずっと信じてくれていた事に………だから、私もUさんを信じてこのカード達を託します!」

春香はそう言うと、魔のUと春香のカードをUに手渡した。

U「………ありがとう。使わせてもらうよ!」

Uはそう言うと、2枚のカードをマジックファイルに入れて構えるのだった………

 

 

そう、眠りの魔道士が起きていたのは、Uが眠りの魔道士の逆鱗に触れていたからだった………

To Be Continued………




次回予告
現実の方では雨は眠りの魔道士を相手に有利に立ち回るも、眠りの魔道士を破壊すればカードごと消滅してしまう事から、攻撃を躊躇ってしまい………!?
次回「破壊への躊躇い」


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第108話 破壊への躊躇い

前回までのあらすじ
眠りの魔道士は雨への復讐とUの抹殺を目的として襲ってきた。だが、夢の中でUが眠りの魔道士の逆鱗に触れたことで、眠りの魔道士の様子はおかしくなり………?


スリープ「私が召喚するのは、{疾風の魔法使い}!!」

眠りの魔道士の一手目は疾風の魔法使い。それに対して………

雨「私は最初から全力で行くよ! {太陽の魔法使い}、{曇りの魔法使い}、{雷の魔法使い}、{雨の魔法使い}の4体を召喚!!」

雨は最初から全力で戦う様子だった。それを見た眠りの魔道士は………

スリープ「成程、最初から全開という訳ですか………」

雨「4体の魔達よ、レインに力を集結させて!!」

これにより、攻撃時に限り雨の魔法使いは攻撃力が7200に上昇し、これが無効化される事もない。

雨「レインの攻撃! {雷の雨}!!」

雨の魔法使いの攻撃で、疾風の魔法使いを破壊する。

雨「私は魔法使い族の魔を知り尽くしているよ。貴女の事だって………」

スリープ「知っているから………私に勝てるとでも?」

眠りの魔道士はそう言うと………

スリープ「私は{炎の魔法使い(ファイアーマジシャン)}を召喚! 更に、{眠りの魔道士}………私を召喚!!」

それにより、2体の魔が降臨する。

雨「………!!」

スリープ「攻撃して見てくださいよ………私に勝つなら。」

雨「………レインで攻撃! {雷の雨}!!」

スリープ「その瞬間、私の効果で炎の魔法使いを破壊し………雨の魔法使いよ、眠りに堕ちろ!!」

それにより、雨の魔法使いは突然攻撃を中断して眠りに堕ちてしまう。

真子「そんな!? 雨ちゃんの魔の攻撃は無効化されないはずじゃ!?」

雨「スリープは無効化したんじゃない………強制終了させたの………私の攻撃を………!!」

スリープ「その通り。私は自分の魔を1体破壊する事で、その攻撃を強制終了させる力を持っている。最も、1度使うと少しの間、使えなくなってしまいますが………それでも、1体でのみ戦う貴女を相手には有効な能力です!!」

雨「くっ………!」

スリープ「そして、私のパワーは1300………そこで装備カード{魔道士の杖}を発動! パワーを2000に上昇させる!」

遥「Uがメリルさん達の世界で最初に使った装備カード!!」

スリープ「私の攻撃! {永遠の眠り(エターナルスリープ)}!!」

眠りの魔道士の攻撃は雨の魔法使いに向かって放たれる。

雨「くっ………許して………! 対抗カード発動! {魔道士の身代わり(まどうしのみがわり)}!! クラウディ………ごめん!!」

これにより、雨の魔法使いの代わりに曇りの魔法使いが身代わりとなって破壊される。

スリープ「やはり、貴女程度では所詮この程度という訳ですね。」

雨「………Uを相手には勝ってる?」

スリープ「………突然何を言い出したのですか? そんなの………ぐっ!? な、何………!? あの姿は………!?」

雨「………苦戦してるんだ。やっぱり、Uはどこか違うなあ………私も負けてられないね!!」

雨は夢の中のUが優勢である事を悟り、再起する。

雨「もう一度、レインに力を!!」

雨のこの言葉で、太陽の魔法使いと雷の魔法使いは雨の魔法使いに力を合わせ、雨の魔法使いのパワーは5400へと上昇する………

スリープ「くっ………! 私はもう一度{炎の魔法使い}を召喚!!」

雨「レインの攻撃!! {雷の雨}!!」

スリープ「くっ、私の効果を発動!!」

眠りの魔道士は再び眠らせる事で攻撃を強制終了させようとするが………

雨「対抗カード{マジシャンズキャンセル}!!」

それにより、眠りの魔道士の効果は消えさる。

スリープ「何!?」

雨「カード2枚を捨てる事で、相手のカードの効果の発動を無効化する!!」

スリープ「くっ………!!」

そして、雨の魔法使いの攻撃は炎の魔法使いに直撃し、炎の魔法使いは破壊される。

雨「更に、対抗カード{ウェポンブレイク}を発動! 貴女の魔道士の杖を破壊する!!」

それにより、眠りの魔道士のパワーは1300へと戻った。

スリープ「………私の手は詰みですね。もういっそ破壊される事を望むだけ………」

眠りの魔道士はそう言い放つと、手に持っていたカードを全て投げ捨てると、そう告げる。雨は唇を噛みしめながらも攻撃しようとする………

雨「………スリープにこうげ………!!」

雨は攻撃宣言をしようとするが、途中で言葉が止まる。眠りの魔道士が攻撃宣言を止めた事に困惑していると、目に涙を溜めて泣き出した。

雨「出来ないよ………これでスリープが破壊されたら………スリープは燃え尽きて消えちゃう………!! 今まではそんな事をしっかりと考えていなかったけど………親友が消えかかっている今になってやっとわかった………これってかなり残酷なことなんだなって………今になって知るなんて………私、罪まみれだよね………最低だよね………」

スリープ「雨………様………」

雨は躊躇って攻撃できない。かと言って、眠りの魔道士はカードを全て投げ捨てた為に打開策は無い。延々に手詰まりになりそうになったその時だった………

スリープ「………うぐっ!? うああああああ!!」

突如、眠りの魔道士の身体が強く光り輝きだし、彼女は苦しみ出す。それと同時に………

?「はあっ………全く、雨の敵なのか味方なのかハッキリさせて貰いたいんだがな………」

突然、遥達が聞き慣れている声が聞こえた。

雨「え………U!?」

そう、Uが目を覚ましたのだ。それと同時に彼を膝枕したまま寝ていた春香も目を覚ました。

U「はあっ………夢の中で思ったけどさ………2人とも本心は全く変わってないじゃないか。ちょっと離れ離れになっただけで絶好なんかするなよ!!」

雨「U………確かに………」

スリープ「………貴方なんかに言われるのは腹が立つけど………そうすればよかったかもしれない………」

2人はお互いにそう言い合うと………

雨「スリープ………」

スリープ「雨様………」

2人はそれぞれ謝罪の言葉を口にしようとした途端………

??「おっと、困るんですよね。そんな簡単に和解されてしまっては………」

と、突然声が聞こえると、上空から強大な闇の波動が放たれ、眠りの魔道士を包み込んだ。

スリープ「うわあああああ!?」

雨「この声………影闇!?」

U達が上空を見上げると、そこには闇の波動を放つ影闇の姿があった。

破軽部「2人が和解するとなにかマズイ理由があるみたいだね………」

U「影闇………貴様!!」

影闇「私の事を何と思おうとしてももう遅い! 私の力でこの出来損ないの魔は消滅します!!」

影闇の言葉で眠りの魔道士は破壊される………ここまでは影闇の筋書き通りだった。ところが、1つだけ影闇の筋書きに無いことが起きた。それは………

影闇「………!?」

雨「スリープが………カードに戻った………!?」

遥「ど、どうなっているの!?」

影闇「こんな予想外がどうして………!?」

U「………理由なんか知るかよ。それより………驚いたままでいいかよ………!」

影闇「なっ………!?」

Uがそう言うと、彼の後ろから両手に魔力を集めた春香が影闇に狙いを定めていた。

春香「{オメガアロー}!!」

春香の強力な矢の一撃が放たれ………

影闇「くっ………! 今回は諦めましょう………!!」

影闇は即座に瞬間移動をして逃げた。そのため、矢は空中に飛び上がって、最終的に花火のように爆発した。

春香「………逃げられました、すみません。」

U「いや、上出来だよ。逃げられたのは悔しいけど。」

Uはそう口にすると、雨に近づき………

U「………よくわからないけど救えたみたいだな………」

足元に転がった眠りの魔道士のカードを拾い、彼女に渡す。

U「………仲直りしなよ、せっかく救えたんだから。」

雨「………うん。」

雨は眠りの魔道士のカードを掲げる。すると、眠りの魔道士が召喚される。

スリープ「………!! 私はいったい………!?」

眠りの魔道士は困惑していたが、そんな彼女の前に雨が立ち………?

雨「スリープ………ごめんね、誤解させるような真似をして………」

雨は頭を下げる。それを聞いた眠りの魔道士は………

スリープ「いえ………私も一方的に怒ったりして申し訳ありませんでした………!!」

眠りの魔道士も頭を下げた。2人はお互いに謝罪の言葉を口にした事を確認すると、2人とも涙を流して静かに抱き合った。

雨「ごめんね………スリープ………」

スリープ「いえ………私も申し訳ありませんでした………」

対立こそしたが、2人は和解する事が出来た。しかし、遥達には不可解な事があった。それは………

遥「でも………どうしてその魔のカードは燃え尽きなかったの? これまでは例外なく燃え尽きていたのに………!」

雨「………私は何もしていないけど………何かあったの?」

スリープ「………これは私の推測に過ぎませんが………先程私が苦しんでいた時、Uの夢の中では、私はUの不思議な力によって、敗れた時でした。」

真子「不思議な力………?」

U「………あの時の力が原因かもな。」

歩美「あの時の力………?」

U「ああ、実は………」

Uが話をしようとした時、彼のマジックファイルから光が放たれ、カードが飛び出してくる。光を放つ白紙のカードは姿を変え………?

U「………!! 対抗カード{白宮家の融合}………!?」

新たなカードへと変わった。

春香「白宮家の融合………効果を見る限り、やはり夢の中での効果を現実で再現する為の力のようですね………」

真子「それっていったいどういう事なの………?」

真子がそう問いかけると………

U「………不思議と夢を見ていた時の事は全部ハッキリ覚えているから………話すよ。僕達の夢の中て何があったか………」

Uはそう言って、夢の中での事を語り出すのだった………

to be continued………




次回予告
眠りの魔道士が救われた理由は夢の中で起きた事だと推測するU。Uは眠りの魔道士との戦いで新たな力を生み出しており………!?
次回「光を照らす2人の合体」

魔の解説
・眠りの魔道士(スリープマジシャン)
愛称 スリープ
属性 魔法使い族
パワー 1300
効果「相手のカードが攻撃した時、自分の場の魔を一体破壊して良い。破壊したらそのカードの攻撃を終了させる。この効果は連続して使えず、相手のカードの効果を受けないカード相手には発動出来ない。」
攻撃技 {永遠の眠り(エターナルスリープ)}
フレーバーテキスト「『私は雨様の部下にして親友………眠りの魔道士!!』」

・疾風の魔法使い(しっぷうのマジシャン)
愛称 疾風
属性 魔法使い族
パワー 1600
攻撃技 {疾風の魔術(しっぷうのマジック)}
フレーバーテキスト「風を操る力を持つ魔法使い。その気になれば嵐すら起こせるらしいが………」

・炎の魔法使い(ファイアーマジシャン)
愛称 ファイアー
属性 魔法使い族
パワー 1800
攻撃技 {炎の魔術(ファイアーマジシャン)}
フレーバーテキスト「炎を操る魔道士。火事を起こすのに10秒とかからない。」


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第109話 光を照らす2人の合体

前回までのあらすじ
雨と眠りの魔道士の戦い。戦いは実質雨の勝ちだったが、雨は、眠りの魔道士が破壊される=眠りの魔道士の消滅となってしまうため、破壊を躊躇ってしまう。夢から戻ってきたUのお陰で、雨と眠りの魔道士は和解仕掛けるが、影闇が眠りの魔道士を消滅させようとする。だが、何故かカードは消滅せずに、雨と眠りの魔道士は無事に和解する。しかし、眠りの魔道士のカードが消滅しなかったことは大きな疑問だった。そんな中、Uは新たなカードを手に入れ、夢の中で起きた事を話し始めるのだった………


時は遡ってUと眠りの魔道士のマジシャンバトルが始まった時のこと………

U「僕が召喚するのは、{破壊の悪魔・真}!!」

Uは様子見の為に破壊の悪魔・真を召喚。それに対し、眠りの魔道士は………

スリープ「私は{疾風の魔法使い}を召喚。更に、{眠りの魔道士}………私を召喚!!」

2体の魔を召喚。雨との戦いでも見せた戦いそのものを強制終了させる戦術だ。

U「僕は、デーモンで攻撃!! {悪魔の拳・真}!!」

破壊の悪魔・真は攻撃しようとするが………

スリープ「私の能力を発動! 疾風の魔法使いよ、私の力の糧となれ!!」

これにより、疾風の魔法使いが破壊。そして、眠りの魔道士の効果により、破壊の悪魔・真は深い眠りに堕ちた。

U「デーモン!?」

スリープ「私の効果。私は自分の魔を破壊すれば、相手の魔の攻撃を強制終了させる。いかに、相手が無効化されない力を持っていようとも、バトルを強制終了させるのは違いますからね。」

U「マジか………それは厄介だ。」

スリープ「更に、私は装備カード{魔道士の杖}を発動! 私のパワーは2000に上昇!! 更に、対抗カード{魔術の活性化}! 次のバトルに限り、パワーを500プラスする!」

これにより、パワーは2500へと上昇し………

スリープ「私の攻撃! {永遠の眠り}!!」

これにより、破壊の悪魔・真は破壊されてしまうが………

U「タダでやられるわけには行かないぜ。デーモンが破壊された事により、お前の場の魔のパワーは永続的に500下がるぜ!」

そして、カードの効果が終わった為にパワーは1500へと下がった。

U「(………しかし、厄介だな。攻撃を強制終了されるのは正直厄介かも………そうだ、春香に借りた2体の魔を使ってみよう。)」

Uは心の中でそう考えると………

U「春香、君の魔の力を借りるぜ!! 僕は{白宮家の強剣士U}と{白宮家の魔法使い春香}を召喚!」

Uは魔のUと春香の2人を召喚する。

春香「魔の私と、魔のUさん………!!」

スリープ「無駄よ! 私は2体の{炎の魔法使い}を召喚!」

眠りの魔道士は追加で魔を召喚。どうやら、また無効化による戦法を展開しようとしていた。

U「それはどうかな!? 僕は対抗カード{魔の融合}を発動! もう1人の僕と、もう1人の春香を合体!!」

魔のUと春香は融合………それと同時に、Uと春香の身体が突如輝き出した。

春香「こ、これは………!?」

U「な、なんだ!?」

突然の出来事に2人は困惑していると、2人は突然倒れた。

スリープ「い、一体何が!?」

眠りの魔道士は困惑する。すると、眠りの魔道士の前には、髪型や服はUのものだが、服の色は白く、春香が普段被っている帽子やマフラーを身につけ、目の色は右目が薄い青、左目が緑である、セイバーを装備した剣士が立っていた。

スリープ「これは………Uとあの女が1つになった………!?」

U「………な、なんだ………?」

春香「いったいこれは………?」

2人は状況に困惑していた。しかし、どこか違和感を感じていた。それは………

U「………あれ? 春香の魂が僕の中にいる?」

春香「私もUさんの魂をこの身に感じていますが………」

合体したU達はそれぞれ状況を確認し………

U「もしかして、僕達………」

春香「私達………」

2人「合体した!?」

スリープ「な、何それ!? そんなのあり!? というか、プレイヤーが倒れたらその場で勝負は終わりのはず………!!」

U「悪いな、僕達がいる限り、僕達が負ける事は無いんだわ………」

春香「よく分かりませんが………私はUさんと1つになれて満足ですよ〜」

U「そ、そうだね………」

春香の言葉に少しばかり引く様子を見せたU。

スリープ「貴方達はいったい………!?」

U「そうだね………敢えて名乗るなら………」

春香「私達は一心同体の魔法剣士………!!」

2人「{白宮家の魔法剣士白宮U(しろみやけのまほうけんししろみやU)}!!」

Uの場には、Uと春香の合体形態である、白宮家の魔法剣士白宮Uが降臨する。そして、これによって、魂が抜けて抜け殻のようになった身体に装着されたマジックファイルは白宮Uの左腕に装着される。

U「僕達のパワーは3000………! 炎の魔法使いを攻撃!!」

Uはセイバーを振り上げる。

スリープ「私の効果発動! もう一体の炎の魔法使いを破壊して、貴方の攻撃を強制終了する!!」

U「甘い!! 僕達には能力が3つあるんだよ!!」

Uがそう言うと、もう1人の炎の魔法使いの破壊が不発に終わり、攻撃された炎の魔法使いも破壊されてしまう。

春香「私達の第1の能力、それは相手のカードの効果を受けず、攻撃が無効化される事はありません!」

スリープ「なっ!?(しまった………!! 相手のカードの効果を受けないカードには、私の力は効かない………!!)」

それによって、眠りの魔道士に残された魔は一体、すなわち自身だけになった。

U「雨の親友って聞いていたから強そうだとは思ったけど、この程度とはね………少々ガッカリだよ。」

Uはそう言い放つ。眠りの魔道士は精神的に追い詰められていたこともあり………?

スリープ「う、うるさい!! 貴方なんかに………私の何がわかる!?」

眠りの魔道士は感情的になってUに反論する。しかし、これが大きな隙だった。

U「まだだ!! 僕達の第2の能力発動!!」

スリープ「何っ!?」

春香「相手の魔を破壊した時、もう一度だけ攻撃が可能になります!!」

スリープ「(しまった!! さっきの場面で攻撃された方の炎の魔法使いを破壊していれば、連続攻撃が与えられる事は無かったのに………!! それよりも………どうして私はこんなプレイミスを………!?)」

眠りの魔道士は動揺するが………

スリープ「私は………こんな奴等なんかに負けるわけにはいかない!!」

眠りの魔道士は全身から弾幕を放つ。

春香「負けるわけには行かないのは………!」

U「僕達も同じなんだよ!!」

U達はそう言うと、弾幕の嵐を素早い動きとセイバーだけで動いていた。

2人「うおおおお!!」

スリープ「はあああ!!」

眠りの魔道士はU達目掛けて魔法を放つ。

春香「させません! {フォトンバレット}!!」

U達の左手から光弾の嵐が放たれ、弾幕を相殺する。そして、U達のセイバーにUのギャラクシーセイバーと春香のオメガアローの力が1つになる………!!

春香「これが私とUさんの………!!」

U「最強奥義が1つとなった、僕達だけの必殺技………!!」

2人のエネルギーは紫色に星のような光が纏われ………

U「くらえ!!」

2人「{ギャラクシーオメガセイバー}!!」

U達は必殺の斬撃で眠りの魔道士を斬った。

スリープ「うわあああああああ!?」

眠りの魔道士は当然、破壊される程の大ダメージを負ってしまった………だが、次の瞬間だった。

スリープ「こ、これは………!?」

突如、眠りの魔道士の身体が光に包まれる。

スリープ「く、苦しい………!! で、でも………どうして………? どうして温かさを感じるの………!? まるで、私の中にある呪いを解いてしまうような………!!」

眠りの魔道士はそんな事を考えていた………そして、眠りの魔道士が破壊された事がトリガーとなって、U達の周りの空間はガラスのように割れた………!!

 

 

U「………んで、気がついたら目が覚めたってわけさ。」

真子「そうだったんだ………でも、お父さんとお母さんが合体するなんて………まあでも、心のどこかでいつか合体しそうだなとは思ってたけど。」

U「どういう意味だそれ!?」

Uは顔を真っ赤にしてそう告げた。そして、一度溜息をつくと………

U「まあとにかく、この力を使って眠りの魔道士を倒した時、全身に光が纏われていた。それが多分、破壊される何かしらのトリガーを壊したのかもな。」

Uはそう推察する。そして………

春香「………雨ちゃん、スリープちゃん、もうこれで貴方達を縛り付けるものはないわ。これからは一緒にいましょう………? 」

雨「春香さん………いいんだよね、スリープ………」

スリープ「………はい………!」

2人は嬉しそうに抱き合う。その様子を、U達は微笑ましく見ていたのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………一方、どこかも分からない場所の玉座の間らしき所では……

????「………それは真か、影闇よ?」

影闇「はい………理屈は分かりませんが、眠りの魔道士はカードごと消滅しなかった………本来、貴方様の力で現実化された魔は、マジシャンバトルや私達の故郷以外で、マジシャンバトルと同等の力を発揮出来る代わりに、破壊されればカードすら残らずに消滅するはずですが………あの魔道士だけは消滅しなかった。恐らく、またUが何かをやったのかと………」

???「そうか………ならば今すぐにでも潰せ。その男は、私の崇高なる目的の最大の障害になりうるかもしれぬからな。」

影闇「かしこまりました………我が主………!!」

影闇は、彼の主と思われる人物にこのことを報告していたのだった………!!

To be continued………




次回予告
Uは破軽部に、彼の弟の様子を聞いていた。だが、破軽部の弟である蓮は相変わらず破軽部を目の敵にしていた。だが、そんな彼はUにもリベンジの炎を燃やしており………!?
次回「再来する弟」

魔の解説(今回の魔は特別な魔であるため、一般的な魔と比べると、例外が多い。)
・白宮家の魔法剣士白宮U(しろみやけのまほうけんししろみやU)
愛称 U達(Uと春香)
属性 戦士族/魔法使い族
パワー 3000
召喚条件 {白宮家の強剣士U}と{白宮家の魔法使い春香}を融合召喚する。
効果「・このカードは相手のカードの効果を受けず、このカードの攻撃は無効化されない。また、このカードが場にいる限り、このカードのコントローラーは敗北しない。
・このカードの攻撃で相手の魔を破壊した時、もう一度相手の魔を攻撃できる。この効果は連続して使えない。
・自身のマジックファイルのカードかお互いが使用済みのカード1枚を選択する。選択したら、その場でそのカードを使用条件を無視して発動して良い。この効果はゲーム中に1度だけ使える。」
攻撃技{ギャラクシーオメガセイバー}、{ワイルドオメガアタック}
フレーバーテキスト「『一心同体!』、『僕は!』『私は!』、『2人で一緒に戦って勝つ!!』」


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第110話 再来の弟

前回までのあらすじ
Uと眠りの魔道士の戦いは、Uと春香の合体形態{白宮家の魔法剣士白宮U}の力によって、Uが勝利。雨と眠りの魔道士は無事に和解することができた。しかし、影闇の裏には彼を動かす者がいることを、まだU達は知らない………


雨と眠りの魔道士の戦いから数日が経ったある日、創世神社では………

U「………なあ、破軽部。お前の弟は元気そうか?」

破軽部「急にどうしたんだい?」

U「いや、あの時お前達は戦ってしまった。僕はあの時の戦いは避けられなかったと判断していたけど、そう考えたのは間違いだったのかなって思ってさ。」

破軽部「いや、君のお陰で僕は蓮と戦えた。君がいなかったら、僕は戦えていたかどうか………蓮は元気だと思うよ。U君が去った後だったけど、目を覚ましたのは僕がしっかりと見てきた。最も、兄弟関係は元々良くなかったからね、これで兄弟の仲が深まったとかは無かったよ。」

U「そうか………相変わらずだな。」

U達は破軽部の弟である蓮の話をしていた。すると………?

?「………やっぱりここにいたか、バカ兄貴。」

突然、外から声が聞こえてきた。U達が外に視線を移すと………?

破軽部「蓮………!!」

そこには破軽部の弟である蓮がいた。

U「噂をすればなんとやら………だね。」

Uがそう口にすると、蓮はUに視線を向け………

蓮「………バカ兄貴の事は未だに快く思ってはいないし、出来る事ならこの場でボコボコにしてやりたいところだが、お前がいるなら丁度いい。ここであの時の勝負の借りを返してやる!! 4対4の魔の対決でな!」

蓮はそう言うと、左腕に装着されたマジックファイルを構えた。

U「コイツにも当たり前のようにマジックファイルが配られているよ………それにやる気満々だし………」

破軽部「まあまあ、受けてあげてくれないかな? 少なくとも、蓮はあの時とは少しだけ変わっている………なんだがそう見えるからさ。」

U「本当か………?」

破軽部「本当だって、それに、今回も僕はU君の味方だ。」

U「え………? お前味方だったの?」

破軽部「U君って僕のこと仲間だと思ってなかったの!?」

U「お前の行動パターンがマジで読めないせいだろ………」

破軽部「まあいいや、今回は出血大サービスだよ!」

破軽部はそう言うと、マジックファイルから4枚のカードを取り出し、Uに投げ渡す。

U「………!! これは!!」

破軽部「過去に君が使った事のあるカード達だ。君なら絶対に上手く使えるはずさ。いや、使える!」

U「わかった。じゃあ、受けて立とうじゃないか………! リベンジマッチ………でも勘違いしないでもらいたいな。勝つのは僕だよ。」

蓮「いや、僕だ!!」

U「(4対4の対決………だったな。なら、悪いけど最初から突っ走らせてもらうよ………!)」

Uは心の中で、蓮に向けてそう語るのだった。

to be continued………




次回予告
蓮は自身の切り札による戦いを展開する。しかし、それに対してUは破軽部から借りた魔の力を借りて戦う………!!
次回「輝きと超進化」


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第111話 輝きと超進化

前回までのあらすじ
Uは破軽部に弟の蓮の様子を聞いた。破軽部と蓮は相変わらずの距離感だったが、蓮はUに対しても対抗心を燃やすようになっていた。Uは破軽部の魔を借りて、彼と戦う事になり………!?


マジシャンバトルが始まった時、神社近くの家にいた春香、真子、遥の3人は騒ぎを聞き付けて、破軽部の近くにやってきた。

遥「U!? は、破軽部さん、どういう事!?」

破軽部「見たままの通りさ。」

真子「いや、私とお母さんは事情が全く分かりませんよ………」

真子が呆れる様子を見せる中、戦いは始まった。

蓮「僕が召喚する魔は………{魔の卵(まのエッグ)}!!」

蓮は卵の見た目をした魔を召喚する。

真子「卵………?」

U「成程、そのままキマイラを出す戦法というわけか?」

蓮「ふっ………ならば攻撃してみればいい。こいつのパワーは0なのだから。」

U「言われなくとも殴るつもりだよ………僕が召喚するのは、{輝きの白き龍}!!」

遥「破軽部さん、またUにホワイトドラゴンを貸したの!?」

破軽部「だって僕以外に扱えるのはU君しかいないじゃないか。彼の威圧感も凄いし。」

春香「確かに、Uさんが使うと他の魔とは違う威圧感を感じますね………」

春香達がそんな話をしていると………

U「ホワイトドラゴンで攻撃!! {白の息}!!」

この攻撃によって、蓮の魔の卵は破壊される。だが………?

蓮「魔の卵が破壊された瞬間、僕は魔を一体破壊されなかった扱いとなり、カード名に『双頭の番犬(そうとうのキマイラ)』か『双頭番犬』を含む魔を召喚出来る。」

春香「成程、わざと破壊させたという訳ですね。」

蓮「僕はお前とバカ兄貴に負けてから更に特訓を重ねた。どちらのキマイラも弱い訳では無いが、それぞれ一長一短の強さを持っていた。しかし、今回のキマイラは違う………召喚条件こそ厳しいが、それ相当の強さを秘めている最強のキマイラ………僕は控えの魔を3体生贄に捧げて召喚! その名は………! {皇帝の双頭番犬(エンペラーそうとうキマイラ)}!!」

春香「あ、あれは………!! パワー4500!?」

破軽部「まさか、ここまで仕上げてきていたとはね………」

U「くっ………!」

蓮「これぞキマイラ最強にして最終形態だ。そして、効果は2つ。1つは相手の魔の効果でパワーは減らず、効果は無効化されない。もう1つの効果は、相手への攻撃時、マジックファイルのカードを2枚捨てれば、次のバトルに限り、パワーを1000プラス出来る。」

U「攻撃力5500になるという訳か………!!」

蓮「キマイラ! 輝きの白き龍を攻撃! {皇帝の噛みつき(エンペラーバイディング)}!! 」

皇帝の双頭番犬は輝きの白き龍に噛み付こうとしたその瞬間………

U「対抗カード発動! {竜の守護(ドラゴンズディフェンダー)}!! これにより、ホワイトドラゴンは次に限り破壊されない!」

蓮「くうっ………!!」

蓮は悔しそうにしていた。

遥「な、何とか耐えたね………!」

真子「でも、お父さんにはこの状況をひっくり返す手立てはない………!!」

春香「大丈夫よ。寧ろ、そういう相手こそUさんにとっては燃える相手なんじゃ無いかしら?」

蓮「ふん、今のお前にはどう足掻いても俺には勝てねぇぜ!!」

U「それはどうかな? 僕は残る2体の{輝きの白き龍}を召喚!!」

Uの前には、追加で2体の輝きの白き龍が召喚される。

蓮「こ、これはまさか………!?」

U「察しがいいな………そうさ! 僕は対抗カード{魔の融合}を発動! 3体のホワイトドラゴンよ、今こそ一つとなれ!!」

Uは魔を融合させる。

U「いでよ、{三つ首の真究極龍(みつくびのネオアルティメットドラゴン)}!!」

これにより、普段よりも青い三つ首の究極龍が召喚される。

破軽部「ネオアルティメットか………!」

U「更に、僕はマジックファイルのカード3枚を捨て、いでよ、{北亀の玄武}!!」

Uは立て続けに玄武を召喚する。

U「そして、僕は儀式カード発動! {四神・超進化の儀式}!! 北亀の玄武よ!! この力によって、更なる進化を遂げよ!! {超・北亀の玄武(ちょう・ノースタートルげんぶ)}降臨!!」

Uは玄武の進化形態、超・北亀の玄武を召喚する。

蓮「神のカードが進化しただと………!?」

破軽部「あれが玄武の進化形態か………!」

U「攻撃が出来ない代わりにパワーは6000、更にパワー2500以上の魔がいるなら、パワーを1500プラスする!」

真子「つまり、あのカードのパワーは………7500!?」

Uの場には破軽部のコンボを進化させた、2体の魔が揃っていた。果たして、この力で蓮の皇帝の双頭番犬を倒す事は出来るのか………!?

to be continued………




次回予告
蓮は玄武の攻撃不可の弱点を突き、三つ首の真究極龍を攻撃しようとする。しかし、玄武の第4の能力が蓮の思惑を潰す………!!
次回「最強の守護神」

魔の解説
・三つ首の真究極龍(みつくびのネオアルティメットドラゴン)
愛称 ネオアルティメット
属性 ドラゴン族
パワー 4000
召喚条件 3体の{輝きの白き龍}を融合召喚する。
効果 「自分の場のカード1枚を選択し、破壊(生け贄に)してよい。破壊したら、このカードを破壊した魔のパワー分、パワーをプラスする。」
攻撃技 {真究極の息(ネオアルティメットブレス)}
フレーバーテキスト「『Uよ、今だけはお前の力となって戦おう………!!』」

・超・北亀の玄武(ちょう・ノースタートルげんぶ)
愛称 玄武
属性 獣族/神
パワー 6000
召喚条件 {四神・超進化の儀式}の効果により、{北亀の玄武}を破壊(生け贄に)する。
効果 効果「・この魔は攻撃できず、この魔が攻撃された時、その魔のパワーがこの魔より少ないなら、そのバトルを終了し、攻撃してきた魔のパワーを200下げる。0なら、戦闘の代わりに攻撃してきた魔の効果を全て無効化して破壊する。
・自分の場にこのカード以外のパワー2500以上の魔がいるなら、この魔のパワーは1500プラスされる。
・自分の場のこのカード以外の魔を一体選択する。そうしたら、その魔のパワーを1000プラスしてバトルする。このバトルは無効化されず、バトル終了後は選択した魔を破壊する。
・相手の魔が攻撃した時、相手のカードの攻撃対象はこのカードに変更される。」
フレーバーテキスト「『U、この男が持つ資質は他の四神使いを超えているようだ………!』」

・魔の卵(まのエッグ)
愛称 エッグ
属性 獣族
パワー 0
効果 「・このカードは攻撃出来ない。
・このカードが破壊された時、このカードのコントローラーはマジックファイルから、カード名に『双頭の番犬』か『双頭番犬』を含むカード1枚を召喚条件を満たして召喚する。召喚に成功したら、このカードは破壊されなかった扱いとなる。」
フレーバーテキスト「双頭の番犬を生み出す卵。稀に凶悪な種を生み出す事がある………」

・皇帝の双頭番犬(エンペラーそうとうキマイラ)
愛称 キマイラ
属性 獣族
パワー 4500
召喚条件 「{魔の卵}の効果で選択された時、自分の場か召喚していない魔、合計三体を破壊(生け贄に)する。」
効果 「・このカードは通常召喚出来ず、相手のカードの効果でパワーは減らず、効果は無効化されない。
・このカードが攻撃を宣言した時、マジックファイルのカードを2枚捨てて良い。捨てたら、次のバトルに限り、このカードのパワーを1000プラスする。」
攻撃技 {皇帝の噛みつき(エンペラーバイディング)}
フレーバーテキスト「『道を踏み間違えた事もあったが………蓮と共にここまで強くなれた………!!』」


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第112話 最強の守護神

前回までのあらすじ
Uと蓮の対決。蓮は新たな魔、皇帝の双頭番犬を召喚し、優位に立つ。それに対し、優は三つ首の真究極龍と超・北亀の玄武を召喚する………!!


蓮「7500………俺のキマイラでも突破は困難………だが、お前も甘いな! 玄武はパワーが高いが、攻撃しなければ何も問題は無い!! キマイラ、三つ首の真究極龍を攻撃!! アイツさえ倒してしまえば、俺達の勝ちだ!!」

蓮はそう言うとマジックファイルのカードを2枚捨て、皇帝の双頭番犬のパワーは5500にパワーアップ。三つ首の真究極龍に襲いかかろうとする………だが!?

U「玄武の第4の能力を発動!!」

それにより、今まで三つ首の真究極龍を標的としていた皇帝の双頭番犬は突然、超・北亀の玄武に攻撃をしてしまった。

蓮「ば、バカな!? キマイラの攻撃が玄武に変わった!?」

U「玄武の第4の能力………それは、相手の魔の攻撃対象を自身に変更させる能力だ!」

蓮「な、何!?」

U「そして、玄武が攻撃された瞬間、そのバトルは無効となり、キマイラのパワーは200下がる!」

これにより、バトル時の効果も消え、パワーは4300へと減った。

U「更に、対抗カード発動! {強制三連撃}!! これにより、相手はパワーの1番高いカードで3回僕の魔を攻撃しなければならない! 」

蓮「ぐっ!!」

真子「あ、あれは………!!」

破軽部「普通なら相手に3回攻撃させるなんて自分の首を絞める効果だ。でも、今は違う………今の彼の場には………玄武がいる。つまり、玄武の攻撃は無効となり、キマイラのパワーが合計600ダウンするんだ。」

蓮「おのれ………!!」

U「これでキマイラのパワーは3700。」

蓮「しかし、それでも俺のキマイラは攻撃宣言をすればパワー4700。三つ首の真究極龍さえ倒せれば俺の勝ちだ。」

U「それはどうかな? さっき言い忘れていたが、さっきの強制三連撃には相手にあるデメリットを与える効果がある。それは………このカードの効果で攻撃した魔、すなわちキマイラは一定時間の間だけ次の攻撃宣言は出来ないのさ!!」

蓮「な、なんだと!?」

それにより生まれたチャンス。Uは躊躇うこと無く宣言する。

U「ネオアルティメットで、キマイラを攻撃! {真究極の息(ネオアルティメットブレス)}!!」

それによって、三つ首の真究極龍の3つの首からブレスが放たれる。そのブレスによって皇帝の双頭番犬を破壊した。

蓮「お、俺が負けた………!!」

蓮は地面に膝を着く。Uは春香達に視線を送っていると………?

玄武「………お前には驚かされてばかりだ。」

玄武がUにそう語りかけてきた。

U「………今回は破軽部の力で勝ったんだぞ? 何も驚くことなんか無いはずだ。」

玄武「いや、ある。私はお前が神の力を更に解放させる事が出来たことに驚いている。白虎に選ばれた使い手とは思えん程にな………」

U「そうか………」

玄武「もし、また力を貸すことがあれば、その時もまた力となろう………」

玄武はそう言ってカードに戻った。三つ首の真究極龍も大きく雄叫びをあげると、3枚の輝きの白き龍のカードへと戻った。Uはそれらのカードを破軽部に投げ渡し………

U「破軽部。悔しいが、今回はお前の力で勝てたと言っておくよ。」

破軽部「確かにカードを貸したのは僕だ。でも、これは君の実力だ。誇っていいんだよ。」

U「悪いが、そんな趣味は無い。」

Uはそう言って神社の敷地内の家へと歩こうとした時だった。

蓮「待て!!」

Uは蓮に顔を向ける。

蓮「今回は負けたが………次は勝つ! 僕は必ずお前を超えるぞ、U!!」

U「………!! ………やれるもんならやってみな。僕は逃げも隠れもしないから。」

Uはフッと笑みを浮かべると、家の方へと歩いて行くのだった。

破軽部「蓮………!」

蓮「………勘違いすんなよ、バカ兄貴。俺はお前に心を許した訳では無いからな!」

蓮はそう言うと、神社から走り去ってしまったのだった。

破軽部「………蓮が少しだけ変わってくれたな………やはり、U君は凄いな………彼がいたから、蓮も大きく変わった………」

破軽部は嬉しそうにそんな事を考えるのだった………

to be continued………




次回予告
遥は、現時点で{四神・超進化の儀式}で進化していないのは青龍だけである事から、青龍の進化形態に興味を持つ。Uは遥から青龍のカードを借り、遥とのマジシャンバトルで進化させてみる事に………!!
次回「四神最後の進化」


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第113話 四神最後の進化

前回までのあらすじ
Uは超・北亀の玄武の第4の能力による対象変更と、強制攻撃をさせる対抗カードとのコンボで、皇帝の双頭番犬のパワーを減らし、三つ首の真究極龍の攻撃の攻撃で撃破。蓮に勝利するのだった………


そんな激闘から数日が経った。U達は神社の敷地内の家出のんびりと日々を過ごしていると………

遥「ねえ、この間玄武まで進化してたけど、やっぱり神のカードに第4の能力が加わるってすごいことなんだね………」

U「そうだな………メリル達の元に帰ってその効果を知られたら、速攻使用禁止を言い渡されるだろうな………」

Uは苦笑していた。すると………

遥「ねえ、青龍の進化形態、見てみようよ!!」

U「そうは言っても、僕だけが神を使うって相当不公平じゃないか? 今は破軽部も歩美もいないし、遥だって青龍を抜いたら、魔のパワーバランスが………」

遥「まさか、Uの中で、私の切り札が青龍だけになってる? 忘れたの? 私は頼りになる家族にして、昔からの切り札がいるんだけど?」

U「………そうだったな。すまない、いらない心配をしてしまった。」

Uは遥に謝罪する。遥はさして気にしておらず、Uに青龍のカードを差し出すと………

遥「手だけは抜かないでね?」

U「………1度負けた相手に手なんか抜けるかよ。」

遥の問いにUはそう返答して、青龍のカードを受け取るのだった………

 

 

その後、Uと遥は家の中にいた春香、真子、雨の3人を呼び寄せると、本殿の前に対面して立つ。因みに、今回のルールは4vs4だ。

遥「そういえば………私達が最後に戦ったのって、ずっと前だよね………!」

U「確かに、あの時以来だな。」

遥「今回も私が勝つよ!」

U「いいや、今回は勝たせてもらうよ!」

U達はマジックファイルを構えた。そして、その様子を見ていた春香達は………

真子「そういえば、遥ちゃんは過去に1回だけお父さんに勝った事があるって言ってたよね。」

雨「それってかなり凄い事だね………!」

春香「Uさんは戦いの時も勿論強いけど、マジシャンバトルについても、カード達の強さ、緻密な戦略、そして、勝負運の強さの三拍子を兼ね備えた、私の知る限りでも最強の人………そんな人を相手に1度とはいえ勝っている遥ちゃんにも、恐らくUさんレベルとまではいかなくとも、Uさんに届くかもしれないレベルの強さを持っているのかもしれないわね………」

と、遥の強さと可能性を高く評価していた………そして、Uと遥のマジシャンバトルが始まり………

U「僕が初手から召喚するのは、{暗黒の魔道士}!!」

遥「なら、私が召喚するのは{弱体の騎士}!!」

2人はそれぞれ魔を召喚すると………

遥「(ここは初手からダークを生け贄にして、青龍を出す感じかな………?)」

遥はそう考えていた。しかし、Uの動きは少しだけ違った。

U「遥、君は僕がダークを生け贄に青龍を出そうとしていると考えているみたいだが、半分間違いだな。」

遥「半分間違い………まさか!?」

U「僕は対抗カード{魔の封印}を発動! 僕はダークをこのカードの中に封印! そして、ダークの封印を解くためには、僕の魔が、破壊された時か生け贄となった時だ。だが、このカードの効果によって、この瞬間、僕は封印が解けるまで魔が1体破壊された扱いとなり、このカードの封印が解かれた時、僕が使える魔の数は元に戻る!」

遥「(そ、それじゃあ今のUの魔の数は3体になるから………生け贄できる魔の対象を相手に差し替える{神への生贄}が使えてしまう!?)」

U「これで僕の場に魔がいなくなってしまった為、まずは{選択の魔道士}を召喚。そして、対抗カード発動! {神への生贄}! これにより、遥の場の1番パワーの低い魔、すなわち、弱体の騎士を生け贄の対象にできる!」

遥「くっ………! ただでは生け贄にはならないよ! ウィークの効果発動! 自身のパワーを2000減らす事で、Uの場のパワーを永続的に1000下げる!!」

U「甘いぜ、遥! 僕は対抗カード{呪縛の腕輪}を発動! このカードは、僕の場にいる魔を1体選択し、その魔のパワーを100単位で好きなだけ払う。そして、相手の場の魔を1体を、先程と払ったパワーの半分だけ、選択した相手の魔………すなわち、ウィークのパワーは下がる! 僕はセレクトのパワーを500払い、ウィークのパワーを250奪わせてもらうぜ!」

遥「ウィークのパワーは2200から1950へと減って効果の発動条件が満たせずに失敗に終わっちゃう………! それに、カードタイミングでウィークの弱体化の方が先に成立する………! 結果的に、Uは私のカードの効果を回避して、自分の青龍への生け贄を、有利な形で成立させてしまう………!!」

U「一応、デメリットとしては払った分のパワーは、セレクトが破壊されるか、何かの生け贄によって場から離れない限り永続的に減ってしまうため、セレクトのパワーは1100へとダウンするが………」

遥「(どうせ、大してデメリットになってないんでしょう………!?)」

Uは少ないデメリットでこの場を乗り越え………?

U「ウィークを生け贄に捧げ………いでよ、{東龍の青龍}!!」

Uは青龍を召喚した。

青龍「あれ? 今回の敵は遥ちゃん!? ど、どういう事………?」

青龍は困惑していたが、Uはそんな事を考える暇もなく………

U「僕は対抗カード{四神・超進化の儀式}を発動! その効果で、青龍を生け贄に、進化形態を降臨させる!!」

これによって青龍は破壊されるが、地面に現れた魔法陣から、進化した青龍の姿が現れる。

U「{超・東龍の青龍}降臨!!」

これにより、進化した青龍が降臨する。

雨「凄い………!!」

遥「これが青龍の進化した姿………!!」

これには観戦していた仲間達だけでなく、遥も驚きの声を漏らすのだった………

to be continued………




次回予告
青龍の第4の能力によって、遥を追い込むU。しかし、遥も自身の切り札とコンボを使って青龍に挑む………!!
次回「切り札への信頼」

魔の解説
・超・東龍の青龍(ちょう・ライトドラゴンせいりゅう)
愛称 青龍
属性 ドラゴン族/神
パワー 5000
召喚条件 四神・超進化の儀式}の効果により、{東龍の青龍}を破壊(生け贄に)する。
効果 「・このカードが攻撃した相手の魔がバトル終了時に場に残っているなら、その魔はしばらくの間動けなくなる。
・自分の場にいる魔1体につき、このカードのパワーを500プラスする。
・このカードが場にある限り、このカードのコントローラーは、『パワー2500を持つカード』を装備しているとして扱い、相手の魔と相手プレイヤーいずれかに攻撃できる。
・このカードのコントローラーは、マジックファイルのカードを2枚ずつ、最大6枚捨てて良い。捨てたら、捨てたカードの半分の枚数だけ、使用済みの魔以外のカードを裏向きで場に置く。そのカード達のカード名は{作られし魂}となり、パワーは0として扱う。この効果は、ゲーム中に1度だけ使える。」
攻撃技{超・神龍の息(ちょう・ゴッドドラゴンブレス)}
フレーバーテキスト「『U君が使っているというのは違和感があるけど、それでも強くなれたのは嬉しいかな………!!』」


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第114話 切り札への信頼

前回までのあらすじ
遥は四神の中で唯一進化していない青龍の進化形態に興味を持ち、Uと共にマジシャンバトルで見る事に。そして、Uは青龍の進化形態、{超・東龍の青龍}を降臨させる………!!


U「これでメリルの魔には魔がいない。新しい魔を召喚するんだ!」

遥「分かっているよ! 私は次に{幻惑の狐(げんわくのフォックス)}を召喚!!」

遥は幻惑の狐を召喚する。

遥「フォックスは攻撃された時、マジックファイルのカードを2枚捨てれば攻撃を終了できるけど………相手のカードの効果を受けないカードには効かないんだよね、この効果………」

U「よく分かってるじゃないか。いくらフォックスでも、青龍に幻惑は効かないぜ! 青龍でフォックスを攻撃! {超・神龍の息(ちょう・ゴッドドラゴンブレス)}!!」

その攻撃によって幻惑の狐は焼き尽くされ、破壊された。

U「フォックスの事をバカにするつもりは無いけど、今の状況を覆せるのは、あの魔しかいないだろう?」

遥「………まさか、私がフォックスを破壊させたのが無駄な行為だと思っているの?」

U「何………!?」

遥「フォックスが破壊されたその瞬間、私はこのカードを使用出来る!! フィールド魔法{魔法使いの魔法陣}!! このカードは普通に使う事も出来るけど、魔法使い族の魔を破壊された時、その真の力が解放される!! フォックスには悪いけど、これは私が青龍を破るために生み出した戦法だよ!! このカードは本来、魔法使い族のパワーを500上げる効果だけど、魔法使い達が破壊された時に発動した時、魔法使い達にプラスされるパワーは、倍の1000になる!」

U「1000プラスか………それは恐ろしいと言いたいところだが、僕の場にいるセレクトも魔法使い族だ。パワーは1000プラスされて、2100になる! 更に、青龍の第4の能力を発動! マジックファイルのカードを6枚捨てることにより、使用済みのカード3枚を裏向きで召喚! そのカード達は残りの魔としてのカウントはされず、パワー0の{作られし魂}として召喚! その瞬間、青龍のパワーは7000に膨れ上がるぜ!!」

遥「やっぱりそうなるよね………でも、今の私には関係ないよ!!」

遥はそう言うと………

遥「今こそ、私に力を貸して………! 私の切り札!! {聖水の長耳兎}!!」

自身の場に、自身の切り札である聖水の長耳兎が召喚された。

U「遂に来たか………ラビット!!」

遥「ラビットのパワーは効果でパワー2400………でも、これだけじゃダメ………だから、私はこのカードを使う!! 儀式カード{水兎・進化の儀式}! この効果でラビットを生け贄に、ラビットの進化形態を降臨させる!!」

U「くっ………!」

遥「いでよ! {超聖水の究極兎(ちょうせいすいのアルティメットラビット)}!!」

真子「パワー2500のラビット………!!」

春香「それだけじゃないわ。魔法使いの魔法陣の効果で今のラビットのパワーは3500よ!」

U「ふっ………でも、青龍のパワーは5500! 今のラビットじゃ倒せないぜ!!」

遥「まだだよ! 私は装備カード発動! {水兎の杖}! それによって、カード名に『長耳兎』か『究極兎』とつくカードのパワーを800アップ! 最後に対抗カード{魔の倍加}を発動! その効果で、ラビットのパワーは4300から8600に上昇! 更に、ラビット自身の効果で相手のカードの効果は受けない!」

遥は超・東龍の青龍を指差すと………

遥「ラビットの攻撃! {究極の水(アルティメットウォーター)}!!」

超聖水の究極兎は手から水の魔法を放つ。

U「甘いぜ、遥! 対抗カード発動! {魔術の盾}! 魔法使い達がいる時、その攻撃を無効化する!!」

遥「そうはさせないよ!! 私は対抗カード{水の無力化}を発動! 本来はマジックファイルのカードを3枚捨てる必要があるけど、ラビットがいるなら使用条件を無視して発動できる!! 相手が使ったその魔法を無効化!! 」

U「何!?」

それによって、攻撃無効化は出来ず、超聖水の究極兎の一撃によって、青龍の身体が貫通され、超・東龍の青龍は破壊された………!

U「………やってくれるじゃないか。しかし、僕の魔が破壊されたこの瞬間、魔の封印による封印は解かれ………再びいでよ、{暗黒の魔道士}!!」

遥「………全身がビリビリする………! やっぱりUは恐ろしいな………!!」

遥は青龍を倒した。しかし、まだこの戦いは終わる気配を見せようとはしなかった………!!

to be continued………




次回予告
強力なパワーを持つ超聖水の究極龍の力はたしかに大きいものだった。しかし、Uは遥に超・東龍の青龍を倒されるのは想定内だったようで………!?
次回「破壊からの復活」

魔の解説
・超聖水の究極兎(ちょうせいすいのアルティメットラビット)
愛称 ラビット
属性 魔法使い族
パワー 2500
召喚条件 {水兎・進化の儀式}の効果で召喚する。
効果「・このカードは相手の効果を受けず、この効果は無効化されない。
・このカードのパワーは、お互いのカードの効果で減らない。」
攻撃技{究極の水(アルティメットウォーター)}
フレーバーテキスト「『私と遥の友情の力! そう簡単には破れないわよ!!』」

・幻惑の狐(げんわくのフォックス)
愛称 フォックス
属性 魔法使い族
パワー 1200
効果「このカードが攻撃された時、このカードのコントローラーは、マジックファイルのカードを2枚捨てて良い。捨てたら、その攻撃を無効化する。この効果は、攻撃してきた相手の魔が、相手のカードの効果を受けない時は発動出来ない。」
攻撃技 {幻惑波(イリュージョンは)}
フレーバーテキスト「『遥のことはちょっと可愛げがあって、弄ると可愛らしい反応を返してくれるから大好きよ………!』」


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第115話 破壊からの復活

前回までのあらすじ
Uは{超・東龍の青龍}を召喚する。しかし、遥は聖水の究極兎を使ったコンボ戦法で、青龍を撃破するのだった………


U「遥、やはり君は凄いよ。過去に1度だけ、僕に勝っているだけの事はある。しかし、君を警戒しているのは僕とて同じこと………僕にとっては、この状況も計算のうちさ!」

真子「お、お父さんにとってはこれも計算内!?」

U「対抗カード発動! {魔の融合}! これにより、ダークとセレクトを1つにさせる! いでよ、{選択の暗黒魔道士}!!」

遥「セレクトダークで戦うという訳だね。でも、私のラビットのパワーは軽減不能の8600! そう簡単には負けないよ! ラビット、こうげ………!!」

U「誰が今のまま戦うと思うかよ! 僕は対抗魔法{封印の選択}を発動! このカードはマジックファイルのカードを2枚捨てて、相手の次の攻撃宣言を無効化するか、現在相手の場にいる、カード名に『選択』とつかないカードのパワーを永続的に500下げる効果! そして、カード名に『選択』とつく魔が僕の場にいる時、2つの力を同時に発動できる! それによって、攻撃宣言は無効となり、更に相手の場のパワーを500下げる!」

遥「ラビットにはパワー減少効果は効かない!」

U「僕の狙いはセレクトダークの効果だ! 効果が2つ以上同時に発動した事で、セレクトダークのパワーは2600に跳ね上がる!」

遥「でも、そう簡単に負けたりはしないよ!」

U「いや、勝利の為の布石はこれから踏む!! 僕は………セレクトダークでラビットを攻撃!!」

遥「なっ!?」

雨「自爆特攻!?」

ダーク「ち、血迷ったかマスター!? 今の奴は私達の3倍以上のパワーを持っているのだぞ!?」

U「これは僕の布石なんだ………頼む、セレクトダーク!!」

セレクト「いいよ、Uの選択を信じる。Uが何の計算もなく自爆特攻なんてするわけがないから………!」

ダーク「………いいだろう。」

こうして、選択の暗黒魔道士は自爆特攻に出た。こんな自爆特攻を遥がガードするわけがなく、選択の暗黒魔道士は破壊された。

U「この瞬間、セレクトダークの効果でダークを蘇生! そして、対抗カード発動! {魂の蘇生}! このカードは、2体以上を生け贄とした融合、もしくは儀式召喚されたパワー2500以上の魔が破壊された瞬間に発動が可能になるカード! 自分の場の魔を3体生け贄にする事で、自分の墓地にいる魔を1体、自分の場に復活させる!!」

遥「しまった………! まだUの場には、3体の{作られし魂}がいる………!!」

それにより、3体の作られし魂が生け贄に捧げられる。

U「{超・東龍の青龍}復活!! 更に、僕の場にダークがいることで、パワーは5500!」

遥「神が復活した………!!」

U「デメリットとして、攻撃する時にマジックファイルのカードを3枚捨てなければならないが………遥、僕はそう簡単に負けるつもりは無いぜ………絶対に!!」

遥「でも、私を攻略するには全然パワーが足りない!! 私のラビットはパワー8600………! でも、青龍のパワーは5500! ここからどうやって勝つって言うの!?」

U「忘れてもらっちゃ困るぜ。僕のマジックファイルにはまだこのカードが眠っているぜ! 対抗カード{逆襲の魔法変化}!!」

遥「そ、それは………!!」

U「そう、お互いが使用したカード1枚を使う事が出来る………僕が使うのは、君の切り札、{魔の倍加}!! その効果で、青龍のパワーは11000!!」

春香「Uさんの自爆特攻からの動きは、全てこのための布石だったのですね………!!」

U「マジックファイルのカードを3枚捨て、青龍でラビットを攻撃! {超・神龍の息}!!」

遥「対抗カード発動! {水の守り}!!」

U「対抗カード{魔術の無効化}を発動! そのカードを無効化!!」

遥「あっ………!!」

青龍のブレスによって、超聖水の究極兎は破壊された。

遥「………まだ私には1体魔を出せるけど………万策尽きちゃったな………」

遥はそう言うと………

遥「U! 降参!!」

U「降参!?」

遥「倍加を使ったラビットを破壊されちゃったら、私に勝ち目はないよ。」

U「………分かった。でも、もし今の君の手元に青龍があったなら………まだ分からなかったかもな。」

Uはそう言うと、マジックファイルから青龍のカードを遥に手渡した。

遥「それと………青龍の進化形態、カッコよかったね!」

U「ああ、そうだな!」

それから2人は楽しそうに会話をし始めた。それを見ていた春香達は………

春香「悔しいけれど………マジシャンバトルのUさんに関しては、遥ちゃんの方が相性が良さそうね………」

真子「珍しいね、お母さんが譲歩するなんて………」

春香「何を言っているの? 私が譲歩なんてするわけないでしょ………?」

春香は笑顔の裏で強い対抗意識を燃やしていた。

真子「………前言撤回。」

雨「あ、あはは………」

こうして、Uと遥のマジシャンバトルはUの勝利に終わった。勝敗が決したにも関わらず、U達は楽しそうな様子であった………

 

 

一方、どこかも分からない城の一室では………

影闇「………本当によろしいのですね?」

獄炎「ああ………あの男を倒す為には………こうするしか無さそうだ………!」

影闇「………分かりました。ただし、この姿となれば敗北は許されない………」

獄炎「分かっている………奴に勝つ為に………俺は命すら捨ててやろう………」

影闇「………分かりました。」

影闇はそう言って、獄炎に魔法陣を浮かばせる。それによって、獄炎の身体は燃え盛る地獄の炎を見に纏った姿へと変わった。

獄炎「ぐおおお………!! この力をもってすれば………誰にも負けはしない………!!」

獄炎は至福を感じるように、そう言い放つのだった………

to be continued………




次回予告
破軽部は琉球から大急ぎで駆けつける。彼は獄炎が琉球を破壊し尽くしている事を伝え………!?
次回「最狂の獄炎」


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第116話 最狂の獄炎

前回までのあらすじ
Uと遥の対決は、Uの青龍復活コンボによって撃破。遥はこの勝負を放棄し、Uの勝利となった。一方、獄炎は影闇によって新たな力を得て………!?


U「しかし………あの日以降、影闇達がうごく様子がまるで無い。そもそもなんでこっちの世界に来るように誘導なんてしたんだ………?」

春香「そうですよね………」

雨「でも、影闇達がこのまま大人しくしている訳が無い………でも、それは一体どうして………?」

U、春香、真子、遥、雨の5人が考え事をしていると………

真子「………あれ? 神社の上から何が来るよ!」

遥「あれは………破軽部さん!?」

空中からは、輝きの白き龍の背に乗った破軽部と歩美の2人がこちらに向かってきていた。

U「破軽部………!? 一体どうして………!?」

破軽部「今回ばかりは………冗談を言う今は無さそうだ………」

遥「何があったの、破軽部さん!?」

歩美「琉球の様子を見に行っていたんだけど………再攻撃されてた………! 獄炎に………!」

U「なんだって!?」

Uは握り拳を作る。

U「あの野郎………どこまで最悪な事をしやがるんだ………!」

Uはそう言うと、力強く立ち上がり………

U「行ってくる!」

破軽部「待ってくれ! ここから琉球までどれだけあると………!」

U「超速で翔べば30分とかからない!」

歩美「英雄………なんでそんなに焦って………」

真子「多分、許せないんだと思う。お父さんは………」

仲間達が心配する中、春香は口を開いた。

春香「………分かりました、行きましょう、琉球へ………ただし、私達と一緒に………!」

U「春香………」

遥「そうだね、Uだけに負担はかけさせられないもん………!」

破軽部「………分かった。だけど、行くならこのカードを連れて行ってあげてくれ。」

破軽部はそう言うと、とあるカードをUに投げ渡した。

U「………! 玄武のカード!!」

歩美「抜け駆けはずるいな………じゃあ、私も!」

歩美もそう言うと、Uにあるカードを投げ渡す。

U「………朱雀のカード………!」

遥「2人のやりたいこと、よく分かったよ………」

遥もそう言うと、Uにあのカードを投げ渡す。

U「青龍のカード………!」

破軽部「かつて僕達の手に揃う事が無かった4体の神のカード………これを使えば、獄炎を討ち取る事ができるだろう………だから、絶対に勝つんだ、U君!」

U「破軽部………分かった! 僕は絶対に勝つ!」

Uはそう言うと、空へと飛び上がり、琉球の方へと全速力で向かった。

春香「私も先に行くわね! 真子!」

真子「うん!」

真子はカードに戻ると、春香のマジックファイルへと入り込む。すると、それと同時に遥と雨が春香の腕を掴んだ。

春香「遥ちゃん………! 雨ちゃん………!」

遥「私達も一緒に連れて行って!」

雨「お願い、春香さん!」

春香「………仕方ないわね。じゃあ、絶対に手を離しちゃダメよ!?」

春香はそう言うと、空中へと駆けて行くのだった………

破軽部「やれやれ、彼等の行動力は凄まじいものだね。」

歩美「でもいいんじゃないかな? そんな英雄だからこそ、皆が無茶な行動にも着いてきてくれる。それって凄い事だよね?」

破軽部「………そうだね。」

破軽部達は羨ましそうにU達を見送るのだった………

 

 

そして、琉球では全身が燃えた獄炎が大暴れしていた。

獄炎「うおおおおぉぉぉ!! 出て来い、Uー!!」

獄炎はUを求めるようにして暴れていた。すると………

?「………ここにいたか。手間が省けて助かったよ………獄炎………!!」

獄炎「ふははははは!! 今の俺はお前に負けはしない………絶対に!!」

U「そうか………僕も、破壊の限りを尽くしている今のお前に負ける気はしない! 絶対に………!!」

Uはそう言ってマジックファイルを構える。

U「獄炎………お前だけは今回こそ完全に倒す!!」

獄炎「やれるものならやって見せろ………!!」

2人「勝負!!」

こうして、2人のマジシャンバトルが始まった。その直後、遥と雨を連れた春香が地面に降り立つ。それと同時に真子も春香のマジックファイルから出てきて、実体化する。

春香「(Uさん………! 絶対に勝ってください………!!)」

春香はもちろん、仲間の誰しもがUの勝利を強く願うのだった………

to be continued………




次回予告
Uと獄炎の決戦が始まった。Uは仲間達から借りた神のカードで挑むが、獄炎は自身の更なる能力を使い、パワーを規格外の数値へと上げる………!?
次回「パワー20000」


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第117話 パワー20000

前回までのあらすじ
U達は影闇達の動きがないことを不穏に感じる。すると、破軽部達から、獄炎が琉球を攻めていることを聞かされる。琉球へと向かったU達。Uに勝つ事のみを求めた獄炎と、獄炎を倒すと決めたUの最後のマジシャンバトルが始まる………!!


U「僕は{暗黒の魔道士}を召喚!」

Uは暗黒の魔道士を召喚。それに対し獄炎は………

獄炎「俺は………最強の戦士として進化を遂げた………! 俺は{全ての無限武器戦士獄炎(オールインフィニティウエポンウォーリアーごくえん)}だ!!」

U「進化した事でパワーが100上がって2500になっている………!」

獄炎「それだけでは無いぞ。」

獄炎は5体の控えの魔のカードを手にすると………?

獄炎「5体の魔達よ、我が武器となれ!!」

すると、獄炎が持っていた5枚の魔のカードは、燃え盛る剣へと変化した。

雨「自分の場の魔を装備カードに変えた………!?」

U「バカな!?」

獄炎「俺が倒されればお終いだが………これで俺のパワーは5000プラスする!」

春香「パワー7500………!!」

獄炎「更に、フィールド魔法発動! {戦士の誇り}! これにより、装備カードを装備したお互いのプレイヤーの魔は、カードの効果では破壊されず、パワーは減らない………!」

真子「効果破壊やパワーダウンまで封じられちゃった………!!」

獄炎「まだ俺の手には、控えている装備カードが19枚あるぞ………?」

U「の、残る19枚のカードを全部装備する気か!?」

獄炎「そう、俺は残る19本の武器を装備! これにより、合計でパワーは12500プラスする!」

U「ぱ、パワー20000だと!?」

雨「今の獄炎は装備カードを24枚装備している………!!」

真子「そんな!? そんなのマジシャンバトルのカードパワーじゃない!!」

雨「………多分、影闇の仕業だよ………影闇が、獄炎の限界を超える強さを与えてしまったせいで………!!」

雨はそう苦言をこぼす。仲間達が諦めムードに陥ってきた中………

獄炎「俺の剣をその身に受けよ!! 俺の攻撃!! {全ての無限武器の攻撃(オールインフィニティウエポンアタック)}」

獄炎は24本の武器による連続攻撃を放つ………しかし………!?

U「パワー20000は完全に予想外だが………装備カードコンボで来ることは分かっていたよ! 僕は対抗カード{ゴッドエクスチェンジ}を発動!」

この対抗カードの発動により、獄炎の剣はダークに当たりこそしたが、彼の身体を斬ることが出来なかった。

獄炎「何………!?」

U「このカードは、攻撃された魔の相手の魔のパワーが2000以上高かった時、その攻撃を無効とし、僕の場にいる魔を1体生け贄に捧げ、控えの魔から属性が『神』の魔を召喚条件を無視して召喚する!!」

獄炎「何………!?」

U「ダーク、力を貸してくれ!」

ダーク「心得た!」

U「僕はダークを生け贄に捧げ………いでよ、{西虎の白虎}!!」

Uはここで白虎を召喚。

獄炎「ふん………我が攻撃が止まった事には驚いたが、神を1体召喚した所でどうなる!?」

U「誰も神を1体しか出さないとは言ってないぜ! 僕は{破壊の悪魔・真}を召喚!」

Uは更に破壊の悪魔・真を召喚。そして………?

U「デーモン、お前の力も貸してくれ! 僕はデーモンを生け贄に捧げ、{東龍の青龍}を召喚!!」

獄炎「2体目の神だと!?」

これにより破壊の悪魔・真が破壊され、2体目の神である青龍が降臨する。

U「この瞬間、デーモンの破壊時効果で、永続的にお前のパワーを500マイナスと行きたいところだが………」

獄炎「無駄だ! 俺のフィールド魔法、戦士の誇りの効果で、俺のパワーは減らない。」

U「だと思っていたよ。ならば、僕はマジックファイルのカードを3枚捨てる事で、{北亀の玄武}を召喚!!」

遥「3体目の神………!!」

Uの場には神が三体。そして、ここまでの流れから、彼は当然のようにあのカードを手にする。

U「………もう一度マジックファイルのカードを3枚捨てて、最後の神、{南鳳凰の朱雀}を召喚する!!」

Uは朱雀を召喚。それによって、神を勢揃いさせた。

春香「Uさんが………全ての神を同じ場に召喚させた………!」

U「獄炎! これは僕の仲間達から借りた力………そして、お前を倒す為の全力だ!!」

獄炎の規格外のパワー20000に対し、Uは四神を集結させたのだった………

to be continued………




次回予告
Uは四神を集結させたが、獄炎のパワー20000には到底届かない。しかし、四神を集結させたUには四神すべてが揃った時にのみ使えるあの切り札があった………!!
次回「四神を超える神」

魔の解説
・全ての無限武器戦士獄炎(オールインフィニティウエポンウォーリアーごくえん)
愛称 獄炎
属性 戦士族
パワー 2500
効果「・このカードは何枚でも装備カードを装備出来る。
・このカードが装備している装備カードの効果は無効化されない。
・このカードが登場した時、自分の場か召喚していない魔を好きなだけ選んで良い。選んだら、その選んだカード全ては装備カード『獄炎の剣』として扱い、このカードに装備する。また、装備しているこのカードに、『パワーを1000プラスする』効果を与える。」
攻撃技 {全ての無限武器の攻撃(オールインフィニティウエポンアタック)}
フレーバーテキスト「『U………! 貴様を倒す為なら俺は配下をも武器とするのだ………!!』」


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第118話 四神を超える神

前回までのあらすじ
Uと獄炎の対決。獄炎は自身の魔すら武器に変え、マジックファイルのカードを全て使った戦法でパワーは20000に。それに対し、Uは四神全てを召喚する………!!


獄炎「まさか貴様が全ての神を従えて召喚した事には驚いたが………幾ら貴様が神を揃えようとも、俺のパワー20000には届かない!」

U「………それはどうかな? 四神達よ、勝利の為に………僕に力を貸してくれないか!?」

Uは四神達にそう呼びかける。Uの言葉を聞いた四神は………

白虎「勿論だ! お前があの力を使うならば………それは正しい事のために使うと信じているからな!」

青龍「いいよ! 今までは遥ちゃんの為としか考えていなかったけど………最近はU君の為も好きになって………君の為に戦えるようになったから!」

玄武「過去にお前の敵として、そして仲間として共に戦ったもの同士だ。手を貸すに決まっているだろう!」

朱雀「U、貴方なら、四神の究極の力を操る事が出来る。私も勝利のために全てを捧げましょう!!」

誰1人として反対すること無く、賛同してくれた。すると、マジックファイルの中にあった白紙のカードが飛び出すと、それは儀式カードへと姿を変えた。

U「皆………ありがとう。」

Uは感謝の言葉を呟くと、獄炎に鋭い視線を向け………

U「これが僕達の勝利への答えだ! 儀式カード{麒麟降臨の儀式}!!」

獄炎「儀式カードだと!?」

U「白虎、青龍、玄武、朱雀の四神全てを生け贄に捧げる事で、四神を超えた最強の神を降臨させる!」

Uが説明をしていると、4体の神達はUのカードに取り込まれた。

U「いでよ、地を統べし最強の神! {地龍馬の麒麟(グランドドラゴンホースきりん)}!」

これにより、カードから魔法陣が上空に出現。魔法陣からは、最強の神である麒麟が降臨する。

獄炎「麒麟………! 全ての四神の力を持つ最強の神………!」

U「麒麟のパワーは5000。さあ、どうする?」

獄炎「決まっていよう。破壊するのみ!!」

獄炎はそう言って攻撃する。それによって麒麟は破壊されてしまうが………

U「まだだよ。」

麒麟は破壊されてから間もなく復活する。

獄炎「何っ!?」

U「麒麟は召喚条件がとにかくと言っていいほど重い………だが、それと引き換えに強靭的な防御力を持つ。そして、5回破壊しなければ、麒麟は完全には破壊されない! そして、破壊された事で朱雀の効果が発動し、パワーは5500だ。」

獄炎「なんという力だ………! だが、後4回破壊すればそれで終わりだ!!」

獄炎はそう叫ぶと、麒麟を連続して破壊していく。

真子「ああ………!! お父さん何考えてるの!?」

遥「でも、麒麟はあと1度破壊されるって時に………あっ………!! まさか、Uの狙いは………!!」

遥がUの狙いに気づいた時、既に麒麟は4度破壊されていた。

獄炎「ここまでのようだな。次の攻撃でお前の麒麟は終わりだ………!」

U「いや、この時を待っていたんだ。マジックファイルのカードを全て捨てる事で、麒麟よ、僕の魂を取り込め!!」

Uはそう叫ぶと、自身の魂を麒麟に取り込ませた。それによって、Uの身体は本来もぬけの殻となるはずだが、先の闇究極竜の時のように、Uのマジックファイルに入っていた{未来の光究極竜}が、無意識にUの肉体に入り込んだ。

光究極竜「………はっ!? な、何!?」

光究極竜が困惑していると、麒麟は大きく雄叫びを上げ………?

U「麒麟は4度破壊されている時に、マジックファイルのカードを全て捨てることで、真の力を解放することが出来る! そのパワーは100000だ!!」

雨「今の獄炎の5倍!?」

遥「やっぱり………! Uの狙いはこれだったんだ………!! 麒麟の最強の力を引き出す為にわざと破壊を繰り返されたんだ………!!」

遥の予感は当たっていた。そして、パワー100000でお互いにマジックファイルのカードと控えの魔が存在しない今、決着の時を迎えようとしていたのだった………

to be continued………




次回予告
Uと獄炎の決戦。Uは麒麟に攻撃宣言をし、獄炎もまたそれを迎え撃つが………!?
次回「獄炎の最期」

間の解説
地龍馬の麒麟(グランドドラゴンホースきりん)
愛称 麒麟
属性 獣族/神
パワー 5000
召喚条件 {麒麟降臨の儀式}の効果で、場のカード名に『白虎』、『青龍』、『玄武』、『朱雀』を含むカードを1種類ずつ全てを破壊(生け贄に)する。
効果「・このカードは、{麒麟降臨の儀式}の効果以外で召喚できず、召喚時に破壊した魔のカードの効果を全て得る。
・このカードが破壊された場合、このカードを場に残す。この効果はゲーム中に4回まで発動できる。
・このカードがゲーム中に4回破壊されている時、このカードのコントローラーはマジックファイルのカードを捨てて良い。捨てたら、このカードはお互いのカードの効果を受けず、パワーは100000に固定される。ただし、このカードが破壊された時、このカードのコントローラーは敗北する。」
攻撃技 {地の究極砲(グランドアルティメットキャノン)}
フレーバーテキスト 「『U、全ての神を従えし者の力として、私は戦いましょう………!!』」


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第119話 獄炎の最期

前回までのあらすじ
Uと獄炎の決戦。獄炎は圧倒的なパワーを形成するも、Uは四神の力を借りて生みだした麒麟の真の力を解放。獄炎のパワーを上回る………!!


U「麒麟! 獄炎に攻撃だ! {地の究極砲(グランドアルティメットキャノン)!!」

麒麟は口から波動の一撃を放つ。

獄炎「ま、負けるものか! 貴様如きには絶対に負けるものか!!」

だが、獄炎も負けじと24本の武器を持って麒麟の波動を破ろうとするが、自分よりも5倍のパワーがある相手に敵うわけがなく、波動によって全ての武器が破壊され、獄炎にも波動が直撃した。

獄炎「ぐわあああああぁぁぁぁぁ!!」

獄炎は断末魔をあげると同時に吹き飛び、地面に叩きつけられた。

雨「Uが獄炎を倒した………!!」

遥「凄いよ、U!!」

真子「お父さん!!」

仲間達はUの勝利に喜んでいた。それを聞いていた光究極竜は………

光究極竜「な、なんか知らないけど………やったー!」

と、訳も分からず喜んだ。それと同時に麒麟の身体が光り輝くと、Uの魂がUの身体に戻る。

U「急にすまねぇな、ユミちゃん。」

光究極竜「大丈夫、でも、Uの魂が抜けちゃうと私の魂がUの身体を乗っ取っちゃうんだね………」

光究極竜はUの頭の中からのみ声が聞こえていた。

U「………もし、僕の魂が身体に無い時には、僕の身体の事はユミちゃんにお願いするよ。」

光究極竜「ええ………責任が重すぎるよ………」

光究極竜がそう返答すると、Uは思わず笑ってしまった。そして、その様子を見ていた獄炎は………

獄炎「………この俺を倒すとは………やはり、貴様は俺が認めた最強戦士だったというわけが………」

と、呟いた。Uは倒れた獄炎の元へと歩き………

U「それは少し違うな。僕は仲間のお陰で勝てた。僕一人じゃ………麒麟なんて降臨させられなかった。」

獄炎「何だと………? お前は何故その仲間からの力を自分の力だと言おうとしない………? 俺は………この力を影闇の協力で得たが………これは俺だけの力としか思っていなかった。なのに何故、お前はこの力をお前だけの力と思わない?」

U「何故って………それは、残る三体の皆にも、それぞれの契約者の魂と絆が込められているからさ。これを無下にしても………所詮ちょっと強いカード止まりで終わりだよ。絆があったから………仲間達が僕を信じてくれたから、お前を破る力となったんだ。だから、僕は仲間達に指摘されたとしても、仲間から借りた力を、自分の力とは思わない。だって、それは仲間との力だって思うからだ。」

獄炎「………愚かな奴よ………U、お前に1つ教えてやろう………俺を超える魔は………まだ2人いる………1人は勿論影闇の事だ………あと1人は………ナンバー2とも言える最強のドラゴン使い、昇竜だ。」

U「昇竜………雨が言っていたドラゴン使いか………」

獄炎「いいか、U、昇竜は………!」

獄炎が昇竜について話をしようとしていた所へ、突如、空中からの闇の波動が獄炎を貫いた。

U「なっ………!?」

??「おおっと、お喋りはそこまでですよ、獄炎。」

獄炎「影闇………!」

雨「影闇………!?」

空中にいる影闇のこの一撃によって、獄炎の身体は一瞬にして灰のように溶け、カードもまた灰のように解けて消滅した………

影闇「U、貴方達が数十日の間、この世界にいてくださったお陰で、私のもう1つの計画は思うように進みました。感謝しますよ。」

春香「では………最初から獄炎は囮だったという事ですか………!?」

影闇「ご明察です。」

U「じゃあ、あの時獄炎を庇ったのは………全部もう1つの計画の為の時間稼ぎだったのかよ………この野郎………どこまでこんな残虐な真似をするんだ!!」

影闇「ふふっ、貴方達には残虐に見えていること自体、私にとっては不快に思えるんですがねえ………まあいいでしょう。今回は機嫌がよくてですね………特別にもう1つの計画を行う場所を教えて差し上げましょう。私のこの計画は、ウズクチョで行う事で全て完成するのです。」

春香「ウズクチョ………!?」

影闇「では、ウズクチョで待っていますよ………と言っても、あと2日以内に戻る事をオススメしますよ………フフフッ………」

影闇はそう言って瞬間移動で消えた。

U「ウズクチョ………アイツら、メリル達のいる場所で何を企んでいるんだ………!?」

獄炎を討ってもまだ戦いは終わらない。影闇にとってはまだこの計画も過程に過ぎなかったからだった………

to be continued………




次回予告
影闇の野望を危惧したU達は、神のカードをそれぞれの持ち主に返却し、大急ぎでウズクチョに戻る事を選択し………!?
次回「再びの別れ」


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第120話 再びの別れ

前回までのあらすじ
Uは獄炎に勝利するが、影闇にとってこれは時間稼ぎでしかなかった。影闇の次の目的がウズクチョで行われる事を聞いたU達は………?


その後、U達は横浜の創世神社に戻ると………

U「遥、破軽部、歩美、ありがとう。君達のカードのお陰で助かったよ。」

Uは3人にそれぞれの神のカードを返却する。

歩美「………別に英雄が持っていてもいいんだよ?」

破軽部「そうだよ。この中で神のカードを1番に扱えるのはU君なのに。」

U「悪いけど………このカードは君達がいたから、僕の力になってくれたんだ。僕だけが持っていても、大きな力にはならないよ。それに………君達との絆が大事だよ。」

Uはそう言って、仲間達の提案を断った。

遥「四神の皆だって、Uの事を好きだと思うのにな………」

U「そんな事ないさ。それよ。、皆に話したい事があるんだが………ごめん、僕は助けに行かないといけない友達がいるんだ。だから………!」

破軽部「ここからまた旅立つんだろう?」

U「ああ………」

歩美「………英雄の事だから、そんな時がいつか来るとは思っていたよ。でも、また戻ってきてくれるよね?」

U「………出来れば戻ってきたいな。でも、しばらくは戻れないかも………」

破軽部「そうか………まあでも、これだけは忘れないでほしい。僕達は君の味方だ。それだけは絶対だよ。」

U「そうか………分かった。また何かあったら頼らせてもらうよ。」

Uはそう言うと、破軽部と握手をし………

U「じゃあな、破軽部、歩美。」

Uはそう言うと………

U「行こう、春香、真子、雨、遥。ウズクチョに戻るよ………!」

Uの言葉で、春香達は頷き………

U「じゃあ、僕はどっちを抱えようか………」

遥「はいはいー! 私がUに抱えられたい!!」

U「分かった、しっかり掴まってろよ!!」

Uはそう言うと、遥をお姫様抱っこし、超速で空中を駆けて行った。

雨「じゃあ私は春香さん?」

春香「そうなるわね。真子はマジックファイルの中で休んでなさい。」

真子「うん、分かった!」

真子はそう言うとカードに戻り、マジックファイルの中に戻った。そして、春香は雨をお姫様抱っこし………

春香「しっかり掴まっててね!」

春香もUを追いかけるように、超速で空中に飛び上がるのだった………

 

 

U達は大急ぎで道中を進み、数時間かけてウズクチョに向かう。

U「(メリル………! カラ………! 皆………! 無事でいてくれ………!!)」

Uは心配するような様子でウズクチョへと向かった………

 

 

ウズクチョ………

U「な、なんじゃこりゃ………なんでこんなに大盛況なの!?」

ウズクチョは影闇の野望が潜んでいるとは思えないほど平和で大盛況だった。まるで何かの祭りが始まろうとしているかのように………

春香「とても大変な様子は見えませんが………」

春香がそう言うと、真子がマジックファイルから出てきた。

真子「これ、大急ぎで戻ってきた意味あるのかな………?」

U「………分からん。マジでわからん………」

U達は困惑していた。大急ぎで戻った先に待っていたのは、平和なウズクチョだった。果たして、影闇の言葉の意味はいったい………!?

to be continued………




次回予告
困惑の中、町の中でメリルとカラと再開するU達。そんな彼等の前に、過去にU達といざこざがあったゼール=サディアが問題を起こしていた。そんな彼と新ルールのマジシャンバトルをする事になり………!?
次回「新スタンダードルール」


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第四章 大会の陰謀編
第121話 帰ってきた英雄


前回までのあらすじ
獄炎との死闘を制したUに告げた影闇の言葉。その言葉を聞いたUは危機を感じて大急ぎでウズクチョへと帰還。ウズクチョの町は、危機が迫っているとは思えない程、大盛況で………!?


U「ほ、本当にどうなっているんだ………」

Uが困惑していると………

???「あれは………U!?」

??「間違いない、Uさんです………!」

と、Uを見て走ってくる者が2人いた。

???「Uー!!」

U「ん? って、君達は! メリル! カラ!」

Uは2人に向けて声をかけ返す。

カラ「お久しぶりです、Uさん!」

U「久しぶりだね………あっ、そういえば………!」

Uはそう言うと、マジックファイルからカードを取り出すと………

U「2人の魂のカードに助けられた、ありがとう。」

メリル「………こちらこそありがとう。私達のカードが役に立ってくれて嬉しいわ。」

U「ああ………しかし、この盛り上がりようはなんだ?」

カラ「実は、数日後にマジシャンバトルに関して大きなイベントがありまして………」

春香「イベント………?」

カラ「ええ、実は………」

カラが状況を説明しようとした所へ………

???「うるさい! この俺に逆らうな!!」

近くの店で揉め合いがおきていた。

遥「何が揉めているね………」

すると突然、店の外から手に盗んだものを持っていると見られる派手な服を着た男が出てきた。

店員「代金払ってくださいー!!」

雨「何をやっているんだか………」

雨が呆れていた次の瞬間、物を盗んでいた男は途端に大きく吹き飛んだ。その理由は単純明快、Uがその男に足を引っ掛けたからだった。

???「ぐあっ!? じゃ、邪魔をしや………! って、貴様!? まさかあの時の白髪の男!?」

遥「あれ………? 前に酒場で見たことある人だ………!」

U「うん………? ああー!! お、お前は………! ………誰?」

???「貴様ー!! このゼール=サディア様を忘れたのか!?」

遥「反省してなかったんだ、あの人………」

カラ「最近の悩みはあの人ですよ………謹慎を受けては問題を起こして………」

U「ああ、今度こそ思い出した。お前は人間のクズだったな。」

ゼール「貴様!! この俺を尽くクズ呼ばわりしやがって!!」

メリル「ゼール様、流石にこのままだと実刑が免れませんよ!?」

ゼール「うるさい! この俺をなんだと思っている!?」

U「人間のクズ。」

ゼール「貴様!!」

雨「ゆ、U………実は性格悪い………?」

雨が困惑していると、マジックファイルに入っていた真子が出てくる。

真子「いや、天然発言だよ………完全に。」

ゼール「こ、こうなったら………今度こそマジシャンバトルで決着をつけてやろう! 新ルールでな!!」

U「は? 新ルール?」

メリル「そう、実は試験的にウズクチョとレボナガシで新ルールが制定されたの。考案者は私とエミル様よ。」

U「マジか、じゃあ早く教えてくれ。」

Uは説明を受けると、現在のデッキを調節し素早い手つきで改造。デッキをマジックファイルにセットする。

雨「あれ………? カード枚数増えてる?」

カラ「今回の新ルールはゲーム性を根本から変えるルールなんです。まず、使う魔のカードはこれまで通り6体。そして、ここからが根本的に違います。まず、使用するデッキは40枚。そして、デッキからカードを5枚引いて、手札とするんです。

遥「か、革新的だね!?」

カラ「前にレボナガシの勇者、空矢様が『カードゲームにはターン制と手札の概念がある』と教えて頂いたことがきっかけらしいです。」

カラが説明する中、真子は春香にそっと耳打ちをする………

真子「私達の世界にあったトレーディングカードゲームみたいだね………」

春香「ええ、つまりこれからのマジシャンバトルは、戦略性が深まるのは勿論、引きたい時に引く運が必要という事になるわね。」

春香達がそんな会話をしている中、カラは説明を続けていた。

カラ「………そして手札5枚を引いたら、最後に自分が出したい魔を1体召喚するというわけです。基本的に制約はありませんが、初手から召喚条件を持っている魔を出すのだけは反則です。」

ゼール「俺が召喚するのは、{破滅の邪竜}!!」

U「僕は{暗黒の魔道士}だ!」

ダーク「………やはりこの世界ではマジックファイル無しでは思うように実体化は出来ぬな………」

両者が魔を召喚したところで………

カラ「お互いに魔を出したら、こう叫ぶんです。」

2人「マジシャンバトル………スタート!」

ゼール「まずは俺の先行から行かせてもらおう! と言っても、先行にドローは許されていない。よってこのままメインだ。俺は魔法カード{疾風の風}を発動!! その効果で、相手の魔に700ポイントのダメージを与える!」

雨「ど、どういう意味!?」

メリル「これまでのルールでは魔法カードは裁定が曖昧だった。魔法カードはパワー分の合計ダメージを受けると破壊される仕組みになったの。つまり、ダークは後1300の魔法ダメージを受けると破壊ってわけね。」

真子「それってパワーが低い相手だと不利じゃないですか?」

メリル「大丈夫、そのまま受けるのはあくまでパワー1500以上の魔。パワー600以上1500未満はダメージ半減、それ以下はダメージ4分の1に軽減されるの。」

カラ「実は、新ルールではプレイヤーが介入禁止なので、魔法カードの裁定が今回のようになったんですよ。」

メリル達がそんな説明をしていると………

ゼール「そして攻撃と行きたいところだが、先行に攻撃は許されていない。俺はここでターン終了。」

U「じゃあ、ここからは僕のターンだ。マジックファイルからカードをドロー! 僕は装備カード発動! {魔道士の杖}! その効果で、ダークのパワーを700ポイントアップ!! そしてダークで攻撃!! {暗黒の破壊}!!」

暗黒の魔道士の攻撃によって、破滅の邪竜を撃破する。

カラ「これでゼール様の場の魔はゼロ。この場合、即座に控えの魔を召喚しなければなりません。」

ゼール「ならば、俺は{岩石の剣士}を召喚!」

メリル「そして、今回のパターンで魔を出していない相手のターンに魔が召喚された場合、そのターンは強制的に終了されるわ。」

ゼール「俺のターン! ドロー! そして、チェック! 俺はもう一体の{岩石の剣士}を召喚する!」

真子「メリルさん、今のは………?」

メリル「ターンの流れは、ドロー、チェック、メイン、バトルの順番になっているんだけど、そのチェックの時にお互いのプレイヤーは1体だけ魔を召喚出来るの。ただ、これは任意だから必ずしもやる必要が無いのと、お互いに最初のターンはチェックをスキップされるの。」

ゼール「ちっ………俺は対抗カード{ソウルオブパワー}を発動! 控えの魔を1体を生け贄にして、次の攻撃時に片方の岩石の剣士のパワーを3500プラスする!」

これにより、岩石の剣士のパワーは5200へと上昇。

ゼール「岩石の剣士で攻撃!!」

U「そうはさせないぜ! 僕は対抗カード発動! {マジシャンズプロテクト}! それにより、魔法使い族の破壊を無効化する!!」

ゼール「ちいっ………! ターン終了だよこの野郎!!」

雨「これで相手は魔を無駄にしただけ………!!」

U「僕のターン、ドロー! 僕はチェックにて、{冥界の兵士}を召喚!」

春香「これでUさんの魔は2体ですね。」

U「ダーク、ソルジャー! それぞれ別々の岩石の剣士を攻撃!」

これによって、2体の魔はそれぞれの魔を撃退する。

ゼール「俺の残りのカードは2体………なら、俺は{復讐の魔獣}を召喚! 効果で破壊された魔のパワーを受け継ぎ、パワーは3700。」

ゼール「復讐の魔獣でそこの戦士を攻撃!」

復讐の魔獣は冥界の兵士に食らいつくと、冥界の兵士は破壊されてしまう。しかし………?

U「そこだ! 僕は対抗カード{戦士の道連れ}を発動! マジックファイルのカードを上から2枚捨て、僕の場の戦士族が破壊された時、その戦士族を破壊した魔の元々のパワーが、破壊された戦士族の元々のパワー未満の時、その魔を破壊する!」

ゼール「何っ!?」

これにより、ゼールの魔は残り一体となった。

ゼール「………俺は{闇の竜王}を召喚。パワーが届かないからターン終了だ。」

U「僕のターン、ドロー! ………ここで引いたか。」

Uはそう呟くと………

U「僕は対抗カード{その場限りの命}を発動! 破壊された魔1体を、攻撃権なし、このターン終了と同時に破壊されるデメリットがあるが、そんな事は今の僕には関係ないぜ! そして甦らせるのは………ソルジャー!」

これによって冥界の兵士が復活する。

U「僕は対抗カード{魔の融合}を発動! 僕の場のダークとソルジャーを融合!!」

暗黒の魔道士と冥界の兵士は合わさって1つとなる。

U「融合暗黒兵士、{暗黒の兵士}召喚!!」

ゼール「パワー3200………!?」

U「ダークソルジャーの攻撃! {暗黒の剣}!!」

暗黒の兵士は手に持った斧剣が振り下ろされる。それによって、闇の竜王は破壊される。

U「この勝負………僕の勝ちだ!」

ゼール「ぐっ………!! み、認めないぞ俺は!!」

ゼールはそう言ってUに襲いかかろうとする。しかし、騒ぎを聞いて駆け付けた兵士達によって拘束された。

メリル「いつもすまないわね………じゃあ、後はお願いね。」

兵士「ええ、お任せ下さい!」

兵士達は騒ぎ立てるゼールを連行されて行った。

U「しかし、やったばかりなのに新ルールについて未だに違和感があるよ。」

メリル「まあ、後は何回かやって慣れてもらうしかないんだけど………まあ、しばらくUが戦うことは無いかな………?」

U「どういう事だ?」

メリル「実は、今度行う大会、Uには優勝者とのエキシビションマッチをしてもらうだけだから。」

U「参加出来ないのかよ!?」

カラ「まあ、今回は新ルールのテストの他にも、ウズクチョとレボナガシの英雄であるUさんに憧れを持つ人達の夢を叶えるための大会なんです。」

真子「お父さんに憧れている時点で重症だけどね。」

U「な、何言っているんだよ真子!?」

真子「嘘だけど。」

U「そういう嘘はやめてくれ………」

メリル「まあまあ、話の続きは城で話すわ。」

そうして、U達はウズクチョの城へと向かうのだった………

to be continued………




次回予告
U達はウズクチョの城でレミ達と再会。メリル達に改めて今回の大会の事を説明し………?
次回「平和な大会」

※おしらせ
本日、7:01に新スタンダードルールのルールを次話として公開します!


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マジシャンバトル〜新スタンダードルール解説(2022年6月24日修正版)

前書き

このルールについての決まり
第1条 本ルールは原作版『幻想魔札技録』第121話の公開日である5月4日の7:00より施行される。
第2条 このルールは『幻想魔札技録』の作者、「Uさんの部屋」のみが改正できる。
第3条 本文の「原作」という言葉全ては『幻想魔札技録』を指す。
第4条 原作の魔のカードの曖昧なテキストについては、原作で随時修正・解説する。
第5条 原作の読者全ては、このルールの曖昧な部分、問題点について、このサイトの「Uさんの部屋」か、Twitterアカウント「Uさんファミリーの部屋」に質問、改正を問い合わせる事が出来る。(必ずしも対応・変更されるとは限らない。)
第6条 ルール改正時にはタイトルの日付を変更すること。
第7条 『幻想魔札技録』の作品内では、このルールの提案者名は「メリル=レミール」、「レミ=ウズクチョ」である。
第8条 このルールの責任・管理は、ルール提案者の「Uさんの部屋」が負うこと。


名称について

マジシャンバトル・新スタンダードルール(原作名称)

 

デッキ・魔について

デッキ 最低40枚、上限は70枚(同名カード1種類につき4枚まで、同名魔法カードは2枚まで入れる事ができ、魔法カードは種類に関わらず、デッキに最大10枚まで入れる事ができる。)

 

魔の数は6体に固定で、デッキとはまた別に用意する。

 

魔のカードについて

・基本的には召喚条件無しで召喚できるが、召喚条件があるカードは、カード効果による例外を除いて、その条件に従わなければならない。

・自分の場には最低でも1体は魔のカードを出さねばならず、場の魔のカードがゼロになった時、即座に次の魔のカードを出さねばならず、残っている控えの魔のカードの召喚条件が達成出来ずに1体も召喚できない場合、そのプレイヤーは敗北となる。また、お互いのプレイヤーは、お互いのターン中に、場の魔のカード数が0になったとして、新たな魔を召喚した場合、そのターンはその時点で終了しなければならない。

・同名の魔のカードは3枚まで使え、同じ名称の魔のカードとして扱う場合、それら全てを合わせて3枚まで入れる事が出来る。

 

魔法カード

・自分のターンの「メイン」のフェイズ中に手札から好きなだけ使える。

・使用した魔法カードは、特に記載がなければ墓地におく。

・この魔法カードによるダメージは、合計してその魔のカードの元のパワーと同じ数値以上のダメージを受けた場合、その魔は破壊される。

・ダメージ処理については、基本的に魔のカードに書いてある数値分のダメージを与えるが、パワー600以上1500未満の魔のカードはダメージ半減、それ以下のパワーの魔のカードのダメージは4分の1に軽減される。

 

対抗カード

・自分ターン、相手ターンに関わらずに、いつ、何度でも使用出来るカード。(ただし『ドロー』、『デッキからカードを引く』、『デッキから手札に加える』、これらの記載があるカードはそれぞれ1ターンに1度のみ使える)

・チェーンの概念については、最後に発動したものから順に処理する。

 

装備カード

・自分のターンの「メイン」のフェイズ時にのみ使用する事が出来、1体の魔につき、1枚のみ装備出来る。(カードの効果で何枚も装備出来る時は、そのカード効果を優先すること。)また、カードの発動回数については基本的に制限は無い。

 

儀式カード

・自分のターンのメイン時にのみ使え、指定したカードを破壊する事で、そのカードが召喚出来る魔を召喚出来る。これによって召喚された魔は、破壊した魔の数の分の魔として扱われる。

 

フィールド魔法カード

・お互いのプレイヤーが1枚のみ永続的に設置出来る。

・カード効果で破壊する、自分で新たなカードに張り替える事は可能。

・このカードによる効果は、例外を除いて、お互いのプレイヤーのカードが受ける。

 

ターン制ルール

 

自分のターンのフェイズについて

ドロー(先行はなし。)

チェック(控えの魔のカードを召喚するかチェックする。お互いに1ターン目はなし。)

メイン(魔法カード・対抗カード・装備カード・儀式カード・フィールド魔法カードを手札から使う事が出来る。)

バトル(先行はなし。)

エンド(ターンを終了し、相手のターンとなる。)

 

準備

初期手札の枚数は5枚。場に好きな魔のカードを1体召喚する。ただし、召喚条件を持つ魔のカードをここで召喚する事は出来ない。

 

勝敗

 

勝利条件

・相手の魔のカードを全て倒す。

・特定のカードの効果によって勝利となる時。

 

敗北となる例一覧。

・控えの魔のカードの召喚条件を満たせず、召喚出来ない時。

・「ドロー」のフェイズ中、または、カードの効果でデッキからカードをドロー、もしくはカードを引く事ができない時。

・カードの効果で、デッキからカードを捨てる事が出来ない時。

※ただし、デッキが0になったからといって、即座に負けになることは無い。




このルールについて、中の人より

どうも、「Uさんの部屋」こと中の人です! 今回はこの先複雑になるであろうルールを纏める為に投稿させて頂きました。今後の作品内のマジシャンバトルは、基本的にこのルールに従って書いていきますので、作品内で分からない・忘れてしまった事があったら、このルールを見返してみてくださいね。では、また機会があったらお会いしましょう!!


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第122話 平和な大会

前回までのあらすじ
ウズクチョは、影闇に狙われているとは思えないほど平和だった。そこでメリル、カラと再会するが、同時にかつてUと勝負したゼール=サディアと新ルールでマジシャンバトルをする事になったが、勝負はUが圧勝。メリル達の案内で、ウズクチョの城へと向かうことに………


ウズクチョの城 玉座の間………

レミ「よく戻ってきたわね、それもずっといいタイミングで。」

U「どういう事だ? それに、僕には優勝者とエキシビションマッチしてもらうだけとかなんとか………これどういう意味だ?」

レミ「あら、詳しく聞いてなかったの? 今回はウズクチョ、レボナガシの連合企画で、それぞれの国から、厳しい予選を勝ち抜いた挑戦者4人ずつ、国からの推薦者4人ずつ、計16人のプレイヤーに勝負をしてもらうの。その中の優勝者はUへの挑戦権を得られるの。」

U「僕も他の皆と楽しくマジシャンバトルしたいのに………」

メリル「………じゃあ、少しだけ待ってなさい、私が絶対に決勝まで残るから!」

U「メリル、出場するのかい!?」

カラ「今回の大会、ウズクチョ側からはメリルさんとミレル様が推薦出場する事が決まっています。でも、折角なら、2名程Uさんのお仲間の皆様の中から出て頂けないかと思いまして………」

遥「はい! 私が出ます!」

レミ「異論は無いわ。メリルとカラもそうでしょう?」

2人「はい!」

レミ「じゃあ、3人目は遥に委任するわ。」

遥「ありがとうございます!」

カラ「後は1人ですが………例えば、春香さんはどうでしょうか?」

春香「うーん………ごめんね、今回は辞退させてもらうわ。」

カラ「そうですか………なら、雨さんはどうでしょうか?」

雨「え!? わ、私は………レボナガシの皆に迷惑をかけたし………」

U「雨………落ち込むなって。」

Uはそう言うと、雨の頭を撫でる。

U「確かに君のやった事に強い責任感を感じているのは分かるよ。でも、今回の大会で見せてやりなよ、改心して、今は人々の為に頑張っている事をさ。」

雨「U………うん! 私、頑張ってみるよ! お願いします、私でよければ………やらせてください!」

レミ「いいわ、4人目は雨、貴女に委任します。」

雨「ありがとう………ございます………!」

U「よかったな、雨。」

雨「うん!」

雨は上機嫌でUに笑顔を見せる。

U「そういえば、ミレルとルミアは?」

メリル「ルミアちゃんは一旦シャタカビ家に戻ってるわ。でも、大会には来てくれるわ。ミレル様は………」

メリルがミレルの事を言いかけていると………

ミレル「Uー!!」

真横からUに飛びついてきた。

U「うわあっ!?」

Uは完全に油断して押し倒された。

U「み、ミレル………相変わらずだなぁ………」

ミレル「元気そうでよかったー!」

U「君もね………あ、そうだ………」

Uはマジックファイルから{選択の魔道士}を取り出し、ミレルに返却する。

ミレル「セレクト………! 頼りになったかな?」

U「めっちゃ頼りになったよ。ありがとうな、ミレル。」

ミレル「うん!!」

Uとミレルはお互いに楽しそうに会話していた………

 

 

メリル達が企画した大会。その開幕は近い………

to be continued………




次回予告
遂に開幕する大会。開会式を経て1回戦第1試合がスタート、メリルの対戦相手は偶然か、新ルールを共に考えたエミルだった………
次回「大会開幕」


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第123話 大会開幕

前回までのあらすじ
レミ達と再会したU達。彼等はレミから大会の事を聞かされ、Uの仲間達からも、遥と雨が推薦出場する事になり………?


そして、それから2日経った日の事。

レミ「皆様、大変長らくお待たせ致しました。只今より、ウズクチョ、レボナガシの2ヶ国主催、平和交流大会を開催致します。司会は今回の大会の副主催を務めます、私レミ=ウズクチョが務めさせていただきます。そして、まずは今大会の主催を担当致します、レボナガシ国王陛下が皆様にご挨拶を致します。」

レミがそう言うと、主催席のレボナガ