GOD SHOOTER (バイバイらいん)
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俺は、ジーク君…?

 

西暦2074年

 

 かつては豪勢とまではいかなくとも立派な佇まいを誇っていたであろう図書館と思しき生々しい虫食い跡の目立つ建築物。

 

かつてはその屋根の下、腹の中に多くの人々が食い扶持を稼ぐ場になっていた多くの倒壊したビル群。

 

かつてはその華やかしさに似付く土地名を持っていたであろう場所は、フェンリルによって新たな区分の為の呼称として『黎明の亡都』となり

 

人の代わりにオラクル細胞と呼ばれる生き物が、より集まって出来上がった生物…アラガミ そんな連中が闊歩する地域において奴らを喰らう為に同じオラクル細胞を受け入れ人の枠を超えた狩る者…ゴッドイーター

 

前述した有様の荒廃したゴーストタウンにて黒い腕輪と対照的な白いニット帽の若い男が、鹿ほどの大きさの全身が緑色で角が大きく発達した最近現れて爆増中のアラガミであるドレッドパイクに対して、自分の身の丈ほどもあろう大剣を大きく振りかざすもアラガミが小さく後ろに跳ねられては虚しく宙を掻きその力と重さに振り回される形で小さくよろけると、後ろから飛んできた銃弾にヒット。

アラガミ用に開発、改良の施された銃弾は僅かながらにもオラクル細胞を受け入れたゴッドイーターにも痛みは有るようで呻くような声を上げてその犯人を睨み付けながら真っ当な文句を付けた。

 

「い…ったぁ!?お、前ぇ!ジーク!また当てやがったなー!?なんで俺にばっかり当てるんだよ!?」

 

「ロミオ先輩がバスターに振り回されるから俺が取ってた安全エリアに入ってくるんでしょうが!俺だって人じゃなくて、アラガミを撃ちt━━先輩!右、右ー!!」

 

 先程小さなバックステップで距離のあったアラガミが視線を完全に他所へ向けていたロミオに向けて突進。ロミオとアラガミが絶妙に被り射線が取れない為にどうする事もできないまま、マネキンのようにして軽く宙を舞う自身の先輩を他人事のように見つめてドシャっと地面に落ちたロミオが悶える様子に生命に危険がない事を確認できればロミオからアラガミに視線を向けて睨み付けながら気を張った小さな呼吸を一つすると銃身を向け照準を正して、耳を聾する程の銃声と共に致命傷となり得る大きさの銃弾を今度はアラガミに対して多数叩き込みほどなく事切れると地面に倒れる。

しかし倒した敵に対してさらに二発、多く撃ち込み完全に動かなくなったのを確認してようやく今度は緊張した空気を吐き出すように大きく息を吐くと、悶えていたロミオが立ち上がっているのを確認するとロミオの方へと向かうのではなく倒したアラガミに近づき銃形態(ガンフォーム)から剣形態(ブレードフォーム)へと神機を変形させてゴッドイーターが、神を喰らう者とされる特徴的な捕喰形態(プレデターフォーム)へと変貌させて息絶えたアラガミを喰らい始めた。

 

「……お前さー、普通あんな飛ばされ方した仲間ほったらかして先に素材集める?ねー…」

 

呼吸も落ち着きアラガミを喰らう後輩の近くまで近づくと呆れた表情と声をアラガミを貪る初めて出来た後輩へ話しかけた。

 

「どう見たって骨一本折れてるようには見えなかったですから、それなら放置しても大丈夫でしょう?それにライ◯ハルト様はあのような攻撃で斃れるお方ではありませんから」

 

「…ジーク、お前は赤毛じゃない。赤いのは目と血、名前も少し被ってるぐらいだから自惚れるなよー。…しかしほんと好きなー、それ。勧められたから見たけど結局どこが面白いのか分からいから一話も見れなかったぞー?民主主義だの帝国の圧政だの…よく見れるなーって」

 

「な…!!?銀◯英雄◯説が面白くない!?何がそんなに面白くないと…!?政治の話だってそんな深掘りした話じゃないでしょう!?アレですか?作画ですか??3()3()()()のあれがダメっていうのなら、ロミオ先輩の器というか知性というかセンスのなさが伺えますねー…?」

 

「なんでアニメひとつでセンスだの器だのまで言われなきゃいけないんだー!?第一あのアニメは8()6()()()だろうが!!人の知性とか言う前にお前の記憶力が危ういんじゃないのかー?!」

 

“そうか、今の人達にはもうそんな前なのか”と先輩からの指摘に一瞬遠くを見つめると誤魔化すような言葉と笑みでそんな小さな動揺を隠して後輩…小鳥遊(たかなし)ジークは()()()()()との混同に気を付けつつもロミオ・レオーニと帰還準備が整うまで荒廃した街で、かつて人々がそうしたようにただ駄弁っていた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 どういう訳かはわからない。

 

どういう死に方をしたのかもわからない。

 

寝ているのか死んでいるのか、それすらもわからないが寝ている時に見る夢の中。

 

夢の中特有のあの感じ…それだけはハッキリとわかったから意識がないのは理解できた。

 

そんなふわついた感覚の中少しボロいベール…?を深く被り背の高い、顔は見えてないが外国人と断定出来そうな背の高さの人が近づいてきた。

 

「雋エ譁ケ縺ッ縺ゥ縺�@縺ヲ豁、蜃ヲ縺ォ螻�k縺ョ縺ァ縺吶°��」

 

う、あ!?なんだこれ!!?言語?言語なんこれ!?周りに…人が居る訳ないから用が有るのは俺だろうな。けど…なんて言ってるか分からない以上はどうやって…。

 

「逾槭�荳€驛ィ繧偵◎縺ョ霄ォ縺ォ螳ソ縺帙�縲∫ァ√�險€闡峨�逅�ァ」蜃コ譚・縺セ縺�」

 

…人が考えてる時に立て続けに話しかけてくんなヤァ!!人の言語じゃないだろこれ…!!

 

……ん?人じゃない??人じゃないなら…

 

「繧医≧繧�¥逅�ァ」縺瑚ソス縺�▽縺�※縺阪◆繧医≧縺ァ縺吶�縲�」

 

…相変わらず何言ってるか分からないけど、なんだか読みが大枠で当たったみたい。多分神様、とかいう存在じゃないかなぁ…?

 

いやはや…半信半疑に考えていた小物の前にわざわざお越しいただき誠にありがとうございます。本日は私に一体何をご希望されるのでしょうか…?いや、それとも私の望みや懺悔をお聞きになる為にいらしたのでしょうか…?

 

「雋エ譁ケ縺檎函縺阪※縺�◆縺ョ縺ッ譌「縺ォ驕主悉縺ョ莠九€√@縺九@雋エ譁ケ縺ッ縺昴�髣倅コ牙ソ�r逋コ謠ョ蜃コ譚・縺ャ縺セ縺セ逕溷多縺ョ轣ォ縺ッ豸医∴縺ヲ縺励∪縺�∪縺励◆窶ヲ縺ァ縺吶′縲∬イエ譁ケ縺ョ髣倅コ牙ソ�r縲∵怙蠕後∪縺ァ蝓九∪繧倶コ九�縺ェ縺九▲縺溯イエ譁ケ縺ョ蠢��遨エ繧貞沂繧√k縺薙→縺後〒縺阪k荳也阜窶ヲ縺昴�荳也阜縺ォ縺翫>縺ヲ莠コ繧呈舞縺�ぜ縺ョ謌ヲ螢ォ縺ィ縺励※縲∝�螢ォ縺ィ縺励※豁ヲ驕九�髯舌j繧貞ース縺上@縺ヲ縺�◆縺�縺阪◆縺��縺ァ縺吶€�」

 

微塵も理解出来んな、やっぱ。

 

しかしその神様が手を広げてその間に写真のアルバムのように映像が映し出され、そのどれもが今までプレイしたゲームの映像であった。

FPSにレース、戦車やら飛行機やらロボットやらとあらゆるゲームが映るもその大半はFPSをはじめとしたPvPやPvEなどの銃を手に、兵器に乗ったりの…まあ戦うゲームが多かった。

 

…どれもよく遊んだなぁ、結構いい順位まで行ったものもあるしー、ようは能力を認められた…というところかな。なんとも…神様に認めて頂けるとは身に余る名誉。感謝致します…ですが」

 

「縺ァ縺吶′��」

 

「ですが、認めるとか認めないとかいう下賤な人間という動物の真似はおやめになられた方が良いと考えます。何千年も地上を見られていたのであればご承知でいらっしゃると思いますが、人がそんなくだらない事の為に自分の身を滅ぼし、国を滅ぼし、幾人も人々が亡くなりました。認められないと分かれば、認めないと分かれば認めるまで何人でも殺し合う…そんな人の醜さそのものと言える認める認めないは真似しない方が良いと考えます。少なくとも私は大っ嫌いです。」

 

「縺ァ縺ゅl縺ー縲√◎縺ョ螳溷鴨縺ッ縺ゥ縺�ヲ九○繧九�縺ァ縺吶°�滓э隕九′縺ゅ▲縺溘i縺ゥ縺�☆繧九♀縺、繧ゅj縺ァ縺吶°�溯ェ阪a繧峨l縺ェ縺代l縺ー諢丞袖縺ッ縺ェ縺�〒縺励g縺�」

 

少し雰囲気が重く…いや、ヒリついてるような気がする。

 

しかし知った事ではない。神様だろうと俺の我は通す。

 

譲るべき道理もないし利点もない。

 

隠す事なくそのまま口を開ける

 

「実際に戦ったり競った上でその相手に負けたのならともかくとして…実際にそういった事をしたことない奴に実力を認めない、とか言うならそんな奴らはねじ伏せます。認めてもらおうとは思いません、認めさせます。他人の評価などどうでもいいけれど、わざわざ楯突いて向かってそんな口きいた奴らはねじ伏せます。それが親であろうが神様であろうが、誰にも俺の実力を否定させやしない。上回られない限りは、負けない限りはねじ伏せます。」

 

こればかりは譲れない。しっかりと敵として対戦相手として戦って負けたのなら、勝った相手から下手くそだの、実力が伴ってないとか言われるのは一向に構わない。勝者が正義なんだから。

 

けれど外野にそれを言われるのは、我慢ならない。

 

「窶ヲ髣倅コ牙ソ�→雋�縺代★雖後>縺梧ュ、蜃ヲ縺セ縺ァ辯サ繧翫€∵コ「繧後k縺ィ縺ッ縲ゅ&縺槭◎縺ョ闕偵�繧句ソ�r謚シ縺礼蕗繧√k縺ョ縺ォ闍ヲ蜉エ縺励◆莠九〒縺励g縺�€ヲ縲ゅ#螳牙ソ�¥縺�縺輔>縲ゅ◎繧薙↑雋エ譁ケ繧貞娼縺肴スー縺励€∬イエ譁ケ縺後�縺倅シ上○繧狗嶌謇九↓荳崎�逕ア縺励↑縺�ク也阜縺後≠繧翫∪縺吶€ゅ◎縺ョ荳也阜縺ァ莠コ縲�r縲∵姶縺医〓閠�#縺ョ莉」繧上j縺ォ縺昴�蜑幄�繧呈険繧九>謌代′蜷瑚�縺ョ荳€譌上↓縺励※辟。豕戊€�←繧ゅ€∬穀縺カ繧狗汲縺�・槭r豸医@蜴サ繧倶コ九r鬘倥▲縺ヲ縺翫j縺セ縺吶€�」

 

「譛ャ譚・縺ァ譛峨l縺ー縺昴�縺セ縺セ縺企€√j縺輔○縺ヲ鬆ゅ%縺�→諤昴>縺セ縺励◆縺娯€ヲ雋エ譁ケ縺ョ髣倅コ牙ソ�↓螟ァ縺�↓譛溷セ�′謖√※繧狗ぜ縲∝ケセ縺、縺狗ァ√°繧画肢縺代※蟾ョ縺嶺ク翫£縺ヲ縺セ縺励g縺�€ヲ

縺昴l縺ァ縺ッ縲∝セ。豁ヲ驕九r窶ヲ」

 

…満足、したのか?雰囲気が和らいで、って神様??それ俺よく見た奴ですよ?パーンってなって、お耳キーン…ってする奴。

 

なんで手を振ってるの??満足そうなのは大変結構でございますが、そのもう片手に持ってるそれは━━あっ、ピンを抜いちゃいましたね??あ、安全レバーを飛ばして…手慣れてらっしゃいマスネェ??

 

もう一つしかない予感は、そのままの通りにやってきた。

神様は、フラッシュバンを俺の前に優しく投げた

 

「フラッシュバ━━━」キ━━━━━━━━━━━━━━ン

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

……て、ジ……ん…よ

 

起き…ジーク、ご…よ

 

 

「…起きて〜、ジーク。ご飯よ〜」

 

……見慣れない天井、聴き慣れない名前。聴き慣れない声。

 

なのに何故か自分の親だと、名前がジークだと言うことは…驚くぐらいあっさり理解できた。

 

布団から出た小さく、スマホを握るには小さな手を見つめた

 

……俺は、ジーク君???

 

西暦2062年



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