スーパーロボット大戦Blank (フォトンうさぎ)
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おまけ
PV風宣伝①


 1:「スパロボのお約束だし」な軽いノリで作ってます。読まなくても問題ないです。そのまま第0話へ。

 2:テンポを考えて地の文や描写を『めちゃ省略』しております。


【漆黒の宇宙をバックに地球が映る】

 

 地球圏にて大きな戦いが頻発し、悪夢の100年と呼ばれた時代から10年……。長く続いた戦争は一応の終息を見せ、地球は(・・・)平和を取り戻した。

 

 だがしかし、それは偽りの平和。

 野望を持つ者は戦いの後もなお影で動き、漆黒の宇宙では終わりのない戦いが永遠と繰り広げられる。

 

 そして、数々のイレギュラーにより再び歯車は狂い始める。

 海底から採取した物質で開発される新素材、外宇宙探査計画の結果で発見された凶悪な宇宙細菌、かつての天才が残したとされる大いなる遺産、銀河の彼方と異なる世界からの来訪者……。

 

 交わらぬはずの歪んだ物語達が交差する時、人類は世界終焉の『破局』と対面する決戦に挑むことになる。

 その決戦の名は――

 

 

【青かった地球の海が赤色に染まり、陸までもが赤色に染まっていき、地球が消えていく】

 

 

『スーパーロボット大戦Blank』

 

 

【既存参戦作品紹介】(計8作品)

 

【マジンガーZ INFINITY】

 

 ・機体:マジンガーZ

 ・パイロット:兜甲児

 ・武装:ロケットパンチ

 ・相手機体:ガラダK7

 ・背景:市街地

 

「いくぞマジンガー! ロケットパァァァンチ!」

 

 マジンガーZが右腕を構えてロケットパンチを放ち、ガラダK7に命中させる。

 

 

【新ゲッターロボ(原作終了後参戦)】

 

 ・機体:寄せ集めゲッター

 ・パイロット:流竜馬

 ・武装:ゲッタートマホーク

 ・相手機体:ダブラスM2

 ・背景:森

 

「化け物マシンの退治といくか! ゲッタートマホォォゥク!」

 

 寄せ集めゲッターの肩からゲッタートマホークが飛び出し、それをキャッチ。ダブラスM2へ突撃し、トマホークを振り下ろす。

 

 

【機動戦士Vガンダム】

 

 ・機体:Vガンダム

 ・パイロット:ウッソ・エヴィン

 ・武装:ビームライフル

 ・相手機体:シャッコー

 ・背景:崩壊した市街地

 

「ギロチンの恐怖でなんて、いけないんだよ!」

 

 左腕のビームシールドを貼りつつ、右腕に持ったビームライフルをシャッコーに向けて数回撃つ。

 

 

【機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)(原作終了後参戦)】

 

 ・機体:デルタプラス

 ・パイロット:リディ・マーセナス

 ・武装:ビームサーベル

 ・相手機体:ギラ・ズール

 ・背景:コロニー

 

「言い訳がつくようにしてやる。それで帰れよ!」

 

 ビームサーベルを持ってギラ・ズールに肉薄し、横薙ぎで斬り抜ける。

 

 

【機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)

 

 ・機体:ナラティブガンダム B装備

 ・パイロット:ヨナ・バシュタ

 ・武装:ビームサーベル

 ・相手機体:シナンジュ・スタイン

 ・背景:市街地

 

「こんな場所で戦争を仕掛けて……!」

 

 飛翔してビームサーベルを抜き、降下してシナンジュ・スタインを斬る。

 

 

【機動戦士ガンダムAGE(3部以降のみ)】

 

 ・機体:ガンダムAGE-3 ノーマル

 ・パイロット:キオ・アスノ

 ・武装:シグマシスライフル

 ・相手機体:ダナジン

 ・背景:森

 

「こんな戦い、本当に望んでいることなの!?」

 

 シグマシスライフルを構え、高出力のビームを撃つ。ダナジンがシールド防御を行うが、耐え切れずに爆発する。

 

 

【ガン×ソード(原作終了後参戦)】

 

 ・機体:ダン・オブ・サーズデイ

 ・パイロット:ヴァン

 ・武装:太刀投げ

 ・相手機体:ガラセクトV2

 ・背景:森

 

「あまり気乗りしないが……邪魔だからぶっ壊す!」

 

 蛮刀を投げつけ、敵に突き刺さったそれを蹴り抜いて風穴を開ける。

 

 

【鉄のラインバレル(原作漫画版)】

 

 ・機体:ラインバレル

 ・パイロット:早瀬浩一

 ・武装:太刀

 ・相手機体:イダテン

 ・背景:市街地

 

「これ以上、人殺しをさせてたまるかよ!」

 

 太刀を腕の鞘から引き抜いて振るった後に突撃し、斬り付ける。イダテンに爆発が起きた後に、一旦PVが暗転。

 

 

【テロップ】

 

 

 消滅の危機に集え、新たな戦士達よ。

 

 

【新規参戦作品紹介】(計11作品)

 

 

【機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト】

 

 ・機体:ファントム

 ・パイロット:フォント・ボー&ハロロ

 ・武装:フレイムソード

 ・相手機体:トムリアット

 ・背景:空

 

「ハロロ! 入力した速度であいつに斬り込める確率は!?」

『62%です!』

「十分だ!」

 

 会話の後にフレイムソードを構え、ファントムライト(光の翼)を展開しつつ迫り、斬り付ける。

 

 

【機動戦士ガンダムヴァルプルギス】

 

 ・機体:オーヴェロン

 ・パイロット:マシロ・オークス

 ・武装:ビーム・ショットライフル

 ・相手機体:ファーヴニル

 ・背景:宇宙

 

「どいつもこいつも、俺を別の名前で呼んで……!」

 

 ファーヴニルに向けてビーム・ショットライフルを連射し、その内数発だけが当たる。

 

 

【ゴジラS.P(シンギュラポイント)

 

 ・機体:ジェットジャガー・ユング

 ・パイロット:ジェットジャガー・ユング&有川ユン

 ・武装:アンギラスの槍

 ・相手機体:カマンガ

 ・背景:市街地

 

「いけ! ジェットジャガー!」

『前方の怪獣をやっつけます』

 

 ユンとジェットジャガー・ユングの会話の後にジェットジャガー・ユングが槍を振り回し、走り出す。ユングが感情のこもっていない掛け声とともに、槍でカマンガを突き刺す。

 

 

【SSSS.DYNAZENON】

 

 ・機体:ダイナゼノン

 ・パイロット:麻中蓬&南夢芽&山中暦&ガウマ

 ・武装:バーストミサイルナックル

 ・相手機体:シャルバンデス

 ・背景:市街地

 

「ダイナゼノン、バトル・ゴー!!」

 

 ガウマが叫んで脚部のダイナランチャーからミサイルを発射し、ダイナゼノンがミサイルと並走しつつ直撃と共にシャルバンデスを殴りつける。

 

 

【IS(インフィニット・ストラトス) アーキタイプ・ブレイカー】

 

 ・機体:白式 第二形態・雪羅

 ・パイロット:織斑一夏

 ・武装:零落白夜

 ・相手機体:イマージュ・オリジス(カマキリ型)

 ・背景:IS学園

 

「何だよこいつら……とにかく今は、みんなを守らないと!」

 

 急加速してイマージュ・オリジスに接近し、零落白夜を起動して袈裟斬りにする。

 

 

【クロムクロ】

 

 ・機体:クロムクロ

 ・パイロット:青馬剣之介時貞&白羽由希奈

 ・武装:超振動刀二刀流

 ・相手機体:ロングアーム

 ・背景:黒部研究所

 

「ムクロ、推して参る!」

「殺しちゃ駄目だよ、剣之介!」

 

 会話の後、バックパックから超振動刀を引き抜いて走り、ロングアームに何度も斬りかかる。

 

 

【高機動無職ニーテンベルグ】

 

 ・機体:ニーテンベルグ

 ・パイロット:不動遊

 ・武装:メガ・ドライバーカノン

 ・相手機体:戦術級人型兵器(タクティカルワークマン)オンデ・マンド

 ・背景:森

 

「戦うさ……働くくらいなら!」

 

 右手に持ったメガ・ドライバーカノンを構え、大型兵器であるオンデ・マンドに向けて強力なビーム射撃を行う。

 

 

【最弱無敗の神装機竜(バハムート)(原作小説版)】

 

 ・機体:ワイバーン

 ・パイロット:ルクス・アーカディア

 ・武装:機竜牙剣(ブレード)

 ・相手機体:リヴァイアサン

 ・背景:IS学園

 

「なぜあなたがここにいる!? シングレン(きょう)……!」

 

 ワイバーンが飛翔して接近し機竜牙剣(ブレード)で斬りかかるが、シングレン・シェルブリットの乗ったリヴァイアサンが操る水の刃で当然のように切り払われる。

 

 

【ダライアスバースト】

 

 ・機体:レジェンドシルバーホークバースト

 ・パイロット:Ti2

 ・武装:バーストビーム

 ・相手機体:サウザンドナイブズ

 ・背景:宇宙

 

「バーストビームを発射します。……出力最大」

 

 機首に出現させたバースト砲から放った青いバーストビームをサウザンドナイブズに命中させた後、出力が上がってビームが黄色く太くなる。その後、サウザンドナイブズが大爆発を起こす。

 

 

【プラネット・ウィズ】

 

 ・機体:先生

 ・パイロット:黒井宗矢&先生

 ・武装:格闘

 ・相手機体:念動巨神装光(虎居英雄)

 ・背景:夜の市街地

 

「絶対に許さねぇ……その力を使いやがって! やるぞ、先生!」

「にゃ」

 

 宗矢と先生の会話の後、先生が相手に飛び掛かる。鋭い爪で引き裂いてから、腕をグルグル回してアッパーを打ち込む。

 

 

【レガリア The Three Sacred Stars】

 

 ・機体:アレクト

 ・パイロット:ユインシエル・アステリア&レナ・アステリア

 ・武装:クリムゾン・レイド

 ・相手機体:ミレス

 ・背景:エナストリア皇国市街地

 

「誰も傷つけさせません!」

「行こう、ユイ!」

 

 ミレスに向かって全力で駆け、エネルギーを集約させた右腕で殴りつける。敵が爆発した後、一旦ここでPV暗転。

 

 

 

【本作オリジナル要素紹介】

 

 ・主人公:平等院夜鳥(びょうどういんやどり)

 ・性別:女性

 ・年齢:22歳

 ・特徴:オレンジ色のロングヘア―で、イタズラ好きそうな顔つき。貧乳。

 ・職業:自称小説家(『元』平等院財閥の一員であり、現在ニート)

 

 (瀬野荘也様(@senoraune)に描いていただいた主人公のイラストです)

【挿絵表示】

 

 (キャラットで作成したキャラ設定画です)

【挿絵表示】

 

 

 ・ヒロイン:メルティナ・アフターグロウ

 ・性別:女性

 ・年齢:17歳

 ・特徴:黒色の三つ編みツインテールに、メイド服風のワンピース。

 ・職業:夜鳥のメイド

 

 (キャラットで作成したキャラ設定画です)

【挿絵表示】

 

 

 ・機体:NEW・E(ヌ・エ)

 ・パイロット:平等院夜鳥

 ・機体色:黒色

 ・特徴:全身左右非対称の機体

 ・武装:右腕ビームガン、左腕ビームバズソー、右脚バンカーニードル、左脚ビームシールド

 

 

 ・武装:左腕ビームバズソー

 ・相手機体:グレージョム

 ・背景:市街地

 

「怪獣は破壊のクライマックスシーン前に倒さないとね!」

 

 細い左足で一度踏み込んだ後にバックパックのブースターを点火して接近し、グレージョムを斜めに切って、さらに左腕ビームバズソーを押し付ける。引き抜いて離脱した後、グレージョムが爆発する。

 

 

 ・ライバル:平等院朝鳳(びょうどういんちょうほう)

 ・性別:女性

 ・年齢:24歳

 ・特徴:燃えているような赤いショートヘアの髪。夜鳥の姉。ナイスバディ。

 ・職業:現在の平等院財閥の跡取り

 

 ・ライバル機体:NEW・E・R(ヌ・エ・リバース)

 ・パイロット:平等院朝鳳

 ・機体色:白色

 ・特徴:全身左右非対称で、NEW・E(ヌ・エ)と左右真逆の機体

 ・武装:NEW・E(ヌ・エ)と左右逆の武装

 

 ・武装:左腕ビームガン

 ・背景:夜の市街地

 

「あなたの全てが嫌いなのよ、夜鳥」

 

 地上でビームガンを数発けん制で放ち、空中に飛翔してさらに本命の数発を放つ。NEW・E(ヌ・エ)が最初の数発をかわすが、本命に直撃してしまう。

 

「くそっ! 姉さんのやり口はやっぱり嫌いだ!」

 

 夜鳥の台詞後に、PV暗転。

 

 

【本作サプライズ機体、全3機発表】

 

 

 ①:ジェットジャガー・オリジン(ゴジラS.P(シンギュラポイント)より新規参戦)(アニメ調の『ゴジラ対メガロ』のジェットジャガー)

 

 ・パイロット:ジェットジャガー・ユング&有川ユン

 ・武装:ジェットジャガー・フルパワー

 ・相手機体:サルンガ

 ・背景:紅塵(こうじん)が充満している市街地

 

「ジェットジャガー! フルパワーでいけ!」

『了解しました。格闘プロトコルを実行します』

 

 飛行してサルンガの前に降り立ち、何度も殴りつけた後、持ち上げて投げつける。

 

 

 ②:新ゲッター1(新ゲッターロボより新規参戦)(真ゲッター1の各部に、緑色のラインが走ったバージョン)

 および、同じ特徴の新ゲッター2と新ゲッター3。

 

 ・パイロット:流竜馬&神隼人&武蔵坊弁慶

 ・武装:新ゲッタートマホーク

 ・相手機体:ダークヘリオス

 ・背景:空

 

「機械の化け物がうじゃうじゃだなぁ! 全部ぶっ壊してやるぜ!」

 

 稲妻のような軌道で接近し、ゲッター線で構築された緑色に光る大型トマホークを振り下ろしてさらに横に振るい、ダークヘリオスを十文字斬りにする。

 

 

 ③:群咲(むらさき)(IS アーキタイプ・ブレイカーより新規参戦)(紅椿の紫色バージョン)

 

 ・パイロット:篠ノ之束

 ・武装:コード・ヴァイオレット(一斉射撃)

 ・相手機体:イマージュ・オリジス(エンド・オブ・シーン級)

 ・背景:新光子力研究所

 

「完成形の群咲の力、見せちゃうよ~! コード・ヴァイオレット、は~つどうっ!」

 

 群咲が紫色の輝きを放った後、大量のゴーレムⅠが現れて一斉射撃を行う。イマージュ・オリジスが爆発した後、うさぎの耳と群咲の腕をぴょこぴょこさせるカットインが入る。

 

「悪いけど、細胞レベルで天才なんだよね~」

 

 

群咲(むらさき)の攻撃が終わった後に暗転し、会話シーン集が映る】(計8シーン)

 

 

 ①:街中でシズムにラドン第一形態が迫り、有川ユンが叫ぶシーンが映る。

 

「危ない!」

 

「この怪獣は掴める。……インスタンス・ドミネーション」

 

「クルルルルルル」

 

「なんだ……? あの少年に、懐いている?」

 

 

 ②:戦艦型マキナ『シャングリラ』のカタパルトデッキでのシングレン・シェルブリット、篠ノ之束の会話シーンが映る。そして会話の内容を偶然聞く菅原マサキ。

 

「くくく、やはり妹は特別扱いか束よ。紅椿を研究用に取られたこと、よほど不愉快に見える」

 

「箒ちゃんには生きていてほしいからね~。私達が変えてしまったこの厳しい世界で、どんな形であってもね」

 

「……この俺が『こちら側』に来ていなければな。お前たち姉妹は静かに暮らせていた可能性があるのだがな」

 

「えええええっ!? シンくんが後悔するのって物凄く珍しくない!? シンくんのキャラじゃないしレアシーンだよ!? ……いや、よかったんだよ。シンくんの『洗礼』とリヴァイアサンの助けが無かったら、私と箒ちゃんは揃って炎に消えてたんだから」

 

「家族、か……。石神さん……」

 

 

 ③:新光子力研究所での兜甲児、リサ、Ti2、フリット・アスノの会議シーンが映る。

 

「リサ。Ti2が提供してくれたデータと今までの戦闘データを元に、俺達とベルサー・エフィドルグ軍本隊が戦闘を行った場合の勝率を計算してくれ」

 

「……0%です。可能性そのものが存在しません」

 

「ベルサー・エフィドルグ軍はいくつもの星系を支配するほどの力を持っています。現状の地球圏の戦力では本隊に対抗することができません」

 

「うぅむ……。プラズマダイバーミサイルのできるかぎりの増産、光子力エンジンの暴走を引き起こして我々を犠牲にしてもいい。その場合は?」

 

「0%から変化しません。それでも可能性がわずかすら存在しません」

 

「くっ……! 地球圏で戦争をしている場合ではないのに……!」

 

 

 ④:戦艦『ガランシェール』のブリーフィングルームでの織斑千冬、織斑一夏、ルクス・アーカディア、スベロア・ジンネマン、マリーダ・クルスの会話シーンが映る。

 

「この度の『エンジェル・コール』奪還作戦にて、我々IS学園側もヨーロッパで潜入任務にあたる。と言っても代表候補性はバックアップだが。そしてこの際、ルクス王およびリーズシャルテ王女に戦力として支援をしていただくことになった」

 

「はぁっ!? ルクスって王様だったのかよ千冬姉!」

 

「一国の王を呼び捨てにするな馬鹿者! それと織斑先生と呼べ! ……申し訳ありません、まだルクス王はこの世界に慣れていないというのに」

 

「あ、あはは……大丈夫ですよ千冬さん。男友達がいるのってやっぱりいいものですから。それに、あの凶悪な細菌は絶対に放っておけません」

 

「やれやれだ。バナージだけでも大変だったというのに」

 

「やはり一夏という少年、バナージとは全く違うのに似ている感じがする……」

 

 

 ⑤:黒部研究所の会議室での麻中蓬、南夢芽、白羽由希奈、トム・ボーデン、剣鉄也の会話シーンが映る。

 

「嫌ですよ……加藤機関や亡国企業(ファントム・タスク)と戦うって……。人なんですよね、人と戦うんですよね? 協力なんてできませんよ……」

 

「私もです。街を襲う怪獣や機械獣ならまだしも、人を殺すのって……できないです」

 

「私も……。宇宙人の機体に乗っていたのが同じ人間だったなんて、無理だよ……」

 

「クソみたいな判断すんなテメェら! テメェらがいないとダイナゼノンになれねぇし、クロムクロは動かせねぇんだぞ!?」

 

「やめるんだトム大尉、彼らは元々偶然に乗り込んで戦った。子供たちに覚悟を貫き通させるわけにはいかないだろう? そのために今の俺達がいるはずだ」

 

 

 ⑥:ミレスの集団に破壊されつつあるエナストリア皇国市街地にて、ネル・ネリア・ネラレルとユインシエル・アステリアの会話シーンが映る。

 

「……逃げてください、ユイちゃん。皇女であり友達でもあるあなたを死なせるわけにはいきません」

 

「待ってネルちゃん! どうするつもりなの!?」

 

「突然いなくなって、今まで何も話さずごめんなさい。それでも楽しい会話をまたしてくれて嬉しかった……。今は、同盟国と友達を守るためにも! 皆さん、市街地を襲うあのロボットの対処をお願いします! 私達無職同盟(リガ・ジョブレス)も打って出ます!」

 

「ネルちゃんが、宇宙人たちと戦う無職同盟(リガ・ジョブレス)……!?」

 

 

 ⑦:森の中での黒井宗矢、ヴァン、レイ・ラングレンの会話シーンが映る。

 

「なぁ、アンタ達が復讐を成し遂げた時って……(むな)しかった?」

 

「いや、全然」

 

「愚問だな」

 

「そう、なんだ……。俺の復讐は終わったよ……。何も無くなった、なんにも無いんだよ……! 俺の戦いは全部終わったんだ! もう全部どうでもいいんだよ! どうすればいいんだよ! 俺もう、疲れたよぉ……! 戦う理由とか、生きたいとか、みんなのこととか……もうなんにも考えることができないんだよぉ……!」

 

「……そうか、頑張ったんだな。お前はもう戦わなくていいよ」

 

「誰も責めん、今はただ休め。あのネビュラウェポンには俺達が行く」

 

 

 ⑧:基地内部にて飛鳥川ちせ、城崎絵美、ウッソ・エヴィン、目が虚ろなフォント・ボー、同じく目が虚ろなまま不気味な笑みを浮かべたマシロ・オークスの会話シーンが映る。

 

「酷いっすよ……私、ただ、あんな無茶したフォントさんとマシロさんが心配で……」

 

「あなた達、最低です! ちせさんだって、私達とずっと一緒に……!」

 

「おかしいよ、おかしいですよフォントさん! マシロさんも! あなた達が、どうしてあなた達がそんなことを言うんですか!?」

 

「え……? だって、ちせちゃんはここにいない方が安全だし、みんなの邪魔にならない方が効率がいいだ、ろ……?」

 

「行くぞフォント。こざかしい子供に付き合う必要はない。その点お前は、フフッ、良き友として動いてくれる」

 

「待ってくださいよ……! 話は終わってないよ二人とも! 行かないでよ、行っちゃだめなんだ! 『その先』に踏み込んじゃダメなんです!」

 

 

【会話シーン終了後、テロップ】

 

 

 選べ。永眠(フウイン)か、破局(ショウメツ)か。

 

 

【テロップ終了後、連続の戦闘シーン集】

 

 

「コイツは、俺たちの力だ!」

 

 神隼人の新ゲッター2が、緑色に染まった竜巻をドリルから放ってダムダムL2を細切れにする。

 

 

「クソ出す穴にクソ突っ込んでクソの丸焼きにしてやる!」

 

 トム・ボーデンのGAUS1が至近距離でガトリングガンをヘッドレスに連射する。

 

 

「必ず生きて帰りますよ。キンケドゥさん!」

 

 カーティス・ロスコのカットインが入り、トビア・アロナクスの面影が薄く重なる。

 

 

「俺たちの切りフダ、海賊流のガンダムで奇跡を見せてやる!」

 

 アセム・アスノのガンダムAGE-2 ダークハウンドが、ストライダー形態でゲドラフに突撃する。

 

 

「ISの『オリジナル』の力を見せてやろう、更識楯無」

 

 不敵な笑みのシングレンのカットインが入り、リヴァイアサンが操る大量の高圧水流の刃がミステリアス・レイディを襲う。

 

 

「この3Kがお仕事のノウハウを叩き込んでくれる! 仕掛けるぞ! リポビデン! リゲイネン!」

「もう三週間も家に帰っていない!」

「娘に忘れられてないか心配だ!」

「これが日頃のフラストレーションをぶつける必殺のぉ! 死の流れ作業(デッド・ベルト・コンベア)だっ!」

 

 ユンケラ、リポビデン、リゲイネン達が乗るドヴォックが、ニーテンベルグにそれぞれの武器で連携攻撃を仕掛ける。

 

 

「哀れだな、オールドタイプよ!」

 

 眼鏡を外したマシロ・オークスの見下すようなカットインが入り、オーヴェロンが味方であるはずのガンイージを隠し腕で叩き切る。

 

 

「グルル……」

 

 ゴジラ アクアティリスが海中を泳いで進み、ゲッター3にその巨体で突撃する。

 

 

「じゃあチェックメイト。ばいばい」

 

 ヨハンの乗るウォラーレの大口径ビーム砲がアレクトを撃ち抜く。

 

 

「人の力を、舐めるな!」

 

 リーガ・プラティカの乗るネクストシルバーホークバーストが誘導ミサイルを連続で放ち、全てがブルーバードに直撃する。

 

 

「シールド空間にメガビームを撃ちこんでやるんだよ!」

 

 オデロ・ヘンリークのセカンドVがシールドビットをジルスベインの周囲に張り、逃げ場をなくしたジルスベインにメガビームキャノンを撃ちこむ。

 

 

「ぶった斬れろおおおおおおおお!!」

 

 ラインバレルがエグゼキューター(最大出力)を振るい、ミラージュキャッスル要塞形態を両断する。

 

 

「チェーストォォォッ!」

 

 腕に蛮刀を固定させたダン・オブ・サーズデイが、メドゥーサを両断する。

 

 

「必焼大火炎! レックスロアァァァッ!!」

 

 ガウマのカットインの後、ダイナレックスのレックスロアーがブルバインに命中して爆発し、暗転。

 

 

【パッケージイメージが暗闇から徐々に表示】

 

『上段』:左側に拳を突き出すアレクト、真ん中にファイティングポーズをとる先生、右側に超振動刀を構えるクロムクロ。

『中段』:左側に合体後の決めポーズをとるダイナゼノン、真ん中にブレストファイヤーのポーズをするマジンガーZ、右側に仁王立ちするジェットジャガー・オリジン、

『下段』:左側にファントムライトで燃え盛るファントム、真ん中にレジェンドシルバーホークバースト、右側に隠し腕とビームサーベルを展開したオーヴェロン。

 

 

【パッケージイメージが徐々に暗転し、PV終了】

 

 

【参戦作品一覧】

マジンガーZ INFINITY

新ゲッターロボ(原作終了後参戦)

機動戦士Vガンダム

機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)(原作終了後参戦)

機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)

機動戦士ガンダムAGE(3部以降のみ)

ガン×ソード(原作終了後参戦)

鉄のラインバレル(原作漫画版)

★機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト

★機動戦士ガンダムヴァルプルギス

★ゴジラS.P(シンギュラポイント)

★SSSS.DYNAZENON

★IS(インフィニット・ストラトス) アーキタイプ・ブレイカー

★クロムクロ

★高機動無職ニーテンベルグ

★最弱無敗の神装機竜(バハムート)(原作小説版)

★ダライアスバースト

★プラネット・ウィズ

★レガリア The Three Sacred Stars

 

 

 




 読んでくださり、ありがとうございました。


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PV風宣伝②

 1:「第2弾PVもお約束」と作成しています。後半は自己満足です。

 2:第1弾と同様に、地の文と描写をめちゃ省略しています。


【様々な単語が画面中に次々と映ってはぷつりと消え去っていく】

 

 

『ゴラーゴン』『エンジェル・コール』『ネビュラウェポン』『EXA-DB』『グリモア』『レガリア』『エンジェル・ハイロゥ』『ニュータイプ』『マキナ』『怪獣優生思想』『ベルサー・エフィドルグ軍』『絶対天敵(イマージュ・オリジス)

 

 

『破局』

 

 

【雨が降る血だらけの荒野の中で、倒れるガウマが映る】

 

「くそっ……どうしてだ、どうしてこうなっちまったんだよ……。姫、もう一度お会いしたかっ、た……」

 

【ガウマが目を閉じ、次に死体だらけの森の中で、倒れる青馬剣之介時貞が映る】

 

「申し訳ありません、雪姫…。鬼ども、め……」

 

【青馬剣之介時貞の手を誰かが取り、画面が暗転してテロップが入る】

 

 

 これは僕が(これは私が)、いろんなことが分からなくなるまでのお話

 

 

【どこかの書斎が映り、加藤久嵩(ひさたか)と丸眼鏡をかけて髭だらけで髪がぼさぼさの謎の人物の会話が行われる】

 

「では、やはり地球人類の未来は……」

 

「ああ、『観測できない』。特定の時間以降になるとぷつりと未来からメッセージが返ってこなくなる。何が起こっているのかはわからない。……君は、それでも抗い続けるのか?」

 

「俺の覚悟はとっくの昔に決まっている。この手をさらに多くの血に染めてでも、俺は……もう、後戻りや別の道を選ぶことなどできんのだ」

 

「そうか……。ならば私も最後の計算をしに行くことにしよう」

 

【二人が書斎から出て行って画面が暗転し、再びテロップが映る】

 

 

 気がつくとお話は始まっていて、結末はもう決まってしまって

 

 

【宇宙空間で行われていた戦闘が終わり、若き頃のフリット・アスノとアセム・アスノが通信するシーンが映る】

 

「作戦は、成功だ……しかし、この結果は……」

 

「う、嘘だよな……? 鋼鉄の7人隊……応答しろ、鋼鉄の7人隊! 誰か応答しろ! トビア! 嘘だ、嘘だよな、トビアァァァ!」

 

「クロスボーンガンダム達の反応は、無い、無いんだ……! まただ……また私は、若き命を散らせてしまった……!」

 

【涙を流すフリットと慟哭(どうこく)するアセムが映り、三度画面が暗転してテロップが入る】

 

 

 ここにたどり着くために、ずいぶんとかかってしまったけれど

 

 

【機械獣が暴れて燃え盛る街が遠くに映り、まだ安全な森の中へ赤子を抱えた血を垂れ流す少女を、リヴァイアサンの腕から下ろす傷だらけのシングレン・シェルブリットが映る】

 

「くっ、ふふっ……ついに俺も愚昧(ぐまい)になったな。状況もわからぬ死にかけの状態で、無縁の姉妹を助けるとは……。小娘、名は?」

 

「……たばね。しののの、たばね……」

 

「そうか、たばねか……。生きたいか、たばねよ。この俺が『洗礼』をかけて、その苦しみから救ってやろうか?」

 

「……たすかる、の? よかったね、ほうきちゃん……ほうきちゃんはたすかるんだよ、ほうきちゃん……」

 

「……なるほど、俺はその姉妹関係に目をつけたのか。くくく……気に入った。フギルやカギ爪との決戦で使い損ねたエリクシル、貴様の体にくれてやる。死に体には(こく)すぎるが……耐え抜けろよ?」

 

「えっ……? ぐっ、がはっ!? ぎゃああぁあぁぁあああっ!!」

 

「これでいいだろう? 我が姉よ、俺はいつかの姿を見たぞ。……たばねよ、もしその『洗礼』に耐え抜けば、くく、まずは何か俺に食わせろ。もう体を動かすほどの(かて)が無い、からな……」

 

【シングレンがリヴァイアサンを解除して倒れ、全身を激しく痙攣(けいれん)させる束と泣きじゃくる赤子が映る。しばらくした後、ゆらゆらと立ち上がる束が映ってから画面が暗転してテロップが入る】

 

 

 そのすべてが必要だったんだ

 

 

【光子力研究所で設計図を描く大滝吾郎、それを見守る若き頃の兜甲児と剣鉄也のシーンが映る】

 

「できたぜぇ! これが俺オリジナルのスーパーロボットだぁ!」

 

「へぇ、光子力やゲッター炉心は使わないのかい?」

 

「あたりめぇよぉ! これは俺が一から作り上げたオリジナルなんだからなぁ!」

 

「もう名前は決まってるのか? 吾郎さん」

 

「そうだなぁ…‥ジェットのようにビューンと飛んで、ジャガーのようにガブリといく……ジェットジャガーなんてどうだ? うん、響きがいいなぁ!」

 

【ジェットジャガーの設計図が映ってまた画面が暗転し、漆黒からタイトルが徐々に浮かび上がる】

 

 

『スーパーロボット大戦Blank』

 

 

【参戦作品紹介】(新規参戦含んで版権計19作品を最後まで紹介)

 

 

【マジンガーZ INFINITY】

 

 ・機体:グレートマジンガー

 ・パイロット:剣鉄也

 ・武装:サンダーブレーク

 ・相手機体:タイターンG9

 ・背景:新光子力研究所

 

「Dr.ヘルが蘇ったとでもいうのか? 今は考えん! サンダーブレェェェク!」

 

 雷が指から放射され、タイターンG9の動力回路を焼き尽くす。

 

 

【新ゲッターロボ(原作終了後参戦)】

 

 ・機体:新ゲッター3

 ・パイロット:武蔵坊弁慶&流竜馬&神隼人

 ・武装:新ハンマーパンチ

 ・相手機体:サルンガ

 ・背景:紅塵(こうじん)が蔓延する市街地

 

「怪獣のパワー相手なら、新たなゲッター3の出番だ!」

「ヘマするんじゃねぇぞ弁慶!」

「計算上でも押し負けん! 行け!」

 

 会話の後に新ゲッター3の左腕が伸びてサルンガを引き寄せ、ゲッター線エネルギーをまとわせた右こぶしで強烈に殴る。

 

 

【機動戦士Vガンダム】

 

 ・機体:V2アサルトガンダム

 ・パイロット:ウッソ・エヴィン

 ・武装:光の翼

 ・相手機体:アドラステア

 ・背景:崩壊した街

 

「どうして宇宙の人が地球の掃除なんて考えるんです!」

 

 スラスターから光の翼を発生させ、アドラステアに突っ込む。

 

 

【機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)(原作終了後参戦)】

 

 ・機体:クシャトリヤ

 ・パイロット:マリーダ・クルス

 ・武装:ファンネル

 ・相手機体:ディマーテル

 ・背景:宇宙

 

「この感覚……まさか……!?」

 

 4枚のバインダーからファンネルを展開してオールレンジ攻撃を仕掛けるが、ディマーテルに全て回避される。

 

 

【機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)

 

 ・機体:ナラティブガンダム A装備

 ・パイロット:ヨナ・バシュタ

 ・武装:ハイ・メガ・キャノン

 ・相手機体:アマルテア

 ・背景:宇宙

 

「こんな戦争やったって、誰も幸せにならないってわかれよ……!」

 

 アマルテアに機体下部から放ったハイ・メガ・キャノンを直撃させる。

 

 

【機動戦士ガンダムAGE(3部以降のみ)】

 

 ・機体:ガンダムAGE-FX

 ・パイロット:キオ・アスノ

 ・武装:タイダルバズーカ

 ・相手機体:ヒトマキナ丙型

 ・背景:月面基地

 

「ボクとガンダムが、この戦いにトドメを刺す!」

 

 ヒトマキナ丙型に向けてタイダルバズーカの照準を合わせ、発射する。

 

 

【ガン×ソード(原作終了後参戦)】

 

 ・機体:ヴォルケイン改

 ・パイロット:レイ・ラングレン

 ・武装:50mm94口径エナジーキャノン

 ・相手機体:ライトニングフランベルジュ

 ・背景:森

 

「特殊装甲だろうとこの火力ならば。――デリート」

 

 高出力のビームを発射し、ライトニングフランベルジュを撃ち抜く。

 

 

【鉄のラインバレル(原作漫画版)】

 

 ・機体:ラインバレル

 ・パイロット:早瀬浩一

 ・武装:圧縮転送フィールド

 ・相手機体:ネイキッド

 ・背景:市街地

 

「奪い取れ! ラインバレル!」

 

 ネイキッドに拳に発生させた圧縮転送フィールドを叩き付け、空中に強制転移させられたネイキッドが爆発する。

 

 

【新規参戦作品】

 

 

【機動戦士クロスボーンガンダム ゴースト】

 

 ・機体:クロスボーンガンダムX-0

 ・パイロット:カーティス・ロスコ

 ・武装:バタフライバスター

 ・相手機体:ゾロ

 ・背景:崩壊した市街地

 

「この機体の扱いには慣れている。落とさせてもらう!」

 

 バタフライバスターを何度か撃ちながら接近し、折りたたんだバタフライバスターから発生させたビームサーベルで両断する。

 

 

【機動戦士ガンダムヴァルプルギス】

 

 ・機体:ZⅡ(ゼッツー) V型

 ・パイロット:セイン・アマディオ

 ・武装:ツインビームスピア

 ・相手機体:オーヴェロン

 ・背景:宇宙

 

「その物言いは似合わないんだよ。戻ってこい! マシロォ!」

 

 オーヴェロンに接近してツインビームスピアを振るうが、簡単に回避される。

 

 

【ゴジラS.P(シンギュラポイント)

 

 ・機体:ゴジラ テレストリス

 ・パイロット:ゴジラ

 ・武装:放射熱線リング

 ・攻撃を受ける機体:ジェットジャガー・オリジン

 ・背景:紅塵(こうじん)が蔓延する市街地

 

「グオオオ……!」

 

 大きく口を開いて放射熱線リングを形成し、ジェットジャガー・オリジンに向けて放つ。命中してしまったジェットジャガー・オリジンが炎に包まれてしまう。

 

 

【SSSS.DYNAZENON】

 

 ・機体:カイゼルグリッドナイト

 ・パイロット:麻中蓬&南夢芽&山中暦&ガウマ&グリッドナイト&ゴルドバーン

 ・武装:カイゼルナイトサーキュラー

 ・相手機体:ガルニクス

 ・背景:荒野

 

「セイバーの出力、上げます!」

「了解した。カイゼルナイト、サーキュラァァァッ!」

 

 山中暦がビームの出力を上げ、カイゼルグリッドナイトが巨大な光線リングでガルニクスを切り裂く。

 

 

【IS(インフィニット・ストラトス) アーキタイプ・ブレイカー】

 

 ・機体:紅椿

 ・パイロット:篠ノ之箒

 ・武装:雨月・空裂

 ・相手機体:ゴールデン・ドーン

 ・背景:空

 

「第四世代の紅椿なら、加藤機関と亡国企業(ファントム・タスク)が相手だろうと!」

 

 雨月を突き出してレーザーを発射してから高速で空を飛び、空裂を振るってエネルギーの刃を連続で放つ。

 

 

【クロムクロ】

 

 ・機体:クロムクロ・クロウ

 ・パイロット:青馬剣之介時貞&白羽由希奈

 ・武装:超振動槍

 ・相手機体:メドゥーサ

 ・背景:黒部研究所

 

「姫や由希奈と同じ顔を持つ者が相手か……。ええい、どうなっている!」

 

 超振動槍を両手で持って飛翔して近づき、上から強襲して突き刺す。

 

 

【高機動無職ニーテンベルグ】

 

 ・機体:ニーテンベルグMK-Ⅱ

 ・パイロット:不動遊

 ・武装:ハイパープラズマカタール

 ・相手機体:パーフェクトガテン

 ・背景:宇宙

 

「立ちはだかる社畜は、全て無職にしてやる!」

 

 両手のビームカタールを起動して刃を形成し、パーフェクトガテンを×の字に切り裂く。

 

 

【最弱無敗の神装機竜(バハムート)(原作小説版)】

 

 ・機体:バハムート

 ・パイロット:ルクス・アーカディア

 ・武装:暴食(リロード・オン・ファイア)

 ・相手機体:イマージュ・オリジス(レクイエム級)

 ・背景:新光子力研究所

 

「こっちの世界の終焉神獣(ラグナレク)、なのか……!?」

 

 バハムートが赤く光を灯してから高速で空を飛び、イマージュ・オリジスの周りを高速移動しながら何度も烙印剣(カオスブランド)で斬撃を行う。

 

 

【ダライアスバースト】

 

 ・機体:レジェンドシルバーホークバースト

 ・パイロット:Ti2

 ・武装:高機動攻撃

 ・相手機体:ハングリーグラトンズ

 ・背景:宇宙

 

「敵大型戦艦への攻撃を開始します」

 

 通常の人体には耐えきれない高機動をしながらミサイル、レーザー、エネルギーウェーブを連続で撃ちこみ、設置型バーストビームでさらに追い打ちをかける。

 

 

【プラネット・ウィズ】

 

 ・機体:先生(ドーピングモード)

 ・パイロット:黒井宗矢&先生

 ・武装:ギガキャットブレイド

 ・相手機体:念動巨神装光(龍型)

 ・背景:市街地

 

「俺は、俺が味方したい人たちの味方をする!」

「うにゃ」

「飛ぶぞ、先生!」

 

 光の翼を生やしたドーピングモードの先生が空を飛び、輝く両手の爪で龍を切断する。

 

 

【レガリア The Three Sacred Stars】

 

 ・機体:アレクト

 ・パイロット:ユインシエル・アステリア&レナ・アステリア

 ・武装:ニエロ・アサルト

 ・相手機体:ドゥクス

 ・背景:夜の空港

 

「私は覚悟を決めました。あなたを倒します!」

「ニエロ・アサルト!」

 

 レナの声に呼応し、両足に発生した爪がステークのようにドゥクスへ打ち込まれる。

 

 

【本作オリジナル】

 

 ・機体:NEW・E(ヌ・エ)

 ・パイロット:平等院夜鳥(びょうどういんやどり)

 ・武装:右脚バンカーニードル

 ・相手機体:ダムダムL2

 ・背景:森

 

「悪趣味な物語にはさせないよ! ニードルで、動力部を狙う……!」

 

 太い右足で空中から蹴り付け、着地後に膝を押し付けて右脚に内蔵されたニードルを打ち込む。

 離脱してからの爆発の後に、暗転する。

 

 

【参戦作品紹介の後に、会話シーン集】(全8シーン)

 

 

 ①:森の中でヴァン、フィルフィ・アイングラム、流竜馬、リーガ・プラティカ、クルルシファー・エインフォルクが食事を行うシーンが映る。

 

「食うか? フィ……えっと……そうだ、フィルフィ」

 

「いらない」

 

「塩かけすぎなんだよテメェはいつもいつもよぉ。フィルフィ、トカゲの丸焼きならいけるだろ」

 

「いけない」

 

「しょっぱーい!」

 

「この地の食事はこれが普通なのか?」

 

「勘違いしないで。彼らがおかしいのよ……」

 

 

 ②:JUDA社でのアイリ・アーカディア、セシリア・オルコット、リディ・マーセナス、カーティス・ロスコの会話シーンが映る。

 

「どうしてISの開発者が加藤機関に協力を……!」

 

「駄目ですわ! エクスカリバーへの狙いが定まらない!」

 

「あの時のことを繰り返させるかよ……! 俺の光も使え! セシリア!」

 

「こんな状況だ。俺の力を使うことに、ためらいはない!」

 

 

 ③:夜の空港での中島宗美、ユインシエル・アステリア、青馬剣之介時貞、ガウマの会話シーンが映る。

 

「覚悟は決まったんですね、ユインシエル女皇。……長い時間の中で戦うことになります」

 

「いいんです。それにお姉ちゃんや皆さんが付いていてくれるから、一人じゃありません」

 

「他国とはいえ、一国の姫様の覚悟を見届けました。この青馬剣之介時貞、ムクロで共に戦い抜きます」

 

「同じく。他国の若い姫様でもでけぇ決断だ。ガウマ隊もダイナゼノンで援護致します」

 

「では行きましょう、レナ皇女が待っています。来てください! タリスマン!」

 

 

 ④:会議室でのBB(ベイラ・バーン)、早瀬浩一、篠ノ之箒、篠ノ之束のやり取りが映る。

 

「では、オーソナル・ダイアゴナライザーの追加データは渡してくれない、というわけかね?」

 

「なんでだよ……! アンタだって、本当はこんなことしたくないんだろ!? 箒先輩の前で、妹の前でなんでそんな選択をするんだよ!」

 

「姉さん、協力してくれ……。これ以上加藤機関や亡国企業(ファントム・タスク)に協力を続けて、いったいなんになるというんだ!」

 

「箒ちゃん。私とシンくんはね、もう後戻りできないんだよ。世界のために世界の敵としてあり続ける。……さぁ、早瀬浩一くん? こんな私達を君は『どう思う?』」

 

 

 ⑤:ディーヴァのブリッジの通信回線に映るイゼルカント、それに対応する先生、驚愕するナトーラ・エイナス、怒り狂うフリット・アスノの会話シーンが映る。

 

『残念だ、先生なる者よ。愛の進化を遂げて平和を実現していた一族の一員であるあなたなら、この必要性が理解できると思ったのだが』

 

「あなたの平和への思いはわかる。だが、多くの屍の上に成り立つその計画を私は認められない。イゼルカントよ、過去を消し去れとは言えないが、手を取り合うことはできないか」

 

「せ、先生が喋った……!? 喋れたんですか!?」

 

「何を言う! ヴェイガンは……この状況でもまだ戦争を続けるヴェイガンは消し去らなければならんのだ!」

 

 

 ⑥:月面でのヨハン、デウスエクスマキナの会話シーンが映る。

 

「やっぱり今回の人類もダメでしょ。それにもう飽き飽きなんだよ。ゴジラが破局を起こす前になんとかした方がいいんじゃない?」

 

「だが『彼女』が判決を下す前に行動を起こすわけにもいくまい」

 

「はぁ……まっ、そうだよねぇ。ねぇ、そこで見ているんでしょ? さっさと今の人類に判決を下してよね、『ジ・エンブリオン』」

 

 

 ⑦:鮮やかな精神世界でのバナージ・リンクス、マシロ・オークス、ヨナ・バシュタ、キオ・アスノの会話シーンが映る。

 

「マシロの影に隠れる怨念、いつまでも卑怯な手を打つ奴! その大きすぎるエゴは、暗黒に帰るべきなんだ!」

 

「なんだ!? このプレッシャーは奴らのものだけではない……!? マシロか? お前が奴らの(なか)にいるのかマシロ・オークス! オーヴェロン動け! オーヴェロン、なぜ動かん!」

 

「今ならリタの力を通してわかる……! お前はこの世に残ってちゃいけない奴だ!」

 

「マシロさんの体は返してもらう! これ以上、マシロさんの体と世界を玩具(オモチャ)にさせない!」

 

「う、うおおおおおお!? 動け、動けオーヴェロォォォン!!」

 

 

 ⑧:研究室でのフォント・ボー、有川ユン、リーズシャルテ・アティスマータ、ハロロの会話シーンが映る。

 

「い、一致したのか!? 葦原暗号を解析できたのかハロロ! それにユングも!」

 

「俺たちの、メッセージが……一つに?」

 

「今すぐ皆の端末からメッセージを送信してもらうように頼むぞ! 現状の情報を繋げるとどうなるんだ!?」

 

『はい! 【人類最後の希望……それは、ジェットジャガー】です!』

 

 

【画面暗転。テロップが入る】

 

 

 乗り越えろ、未来の終局を。

 

 

【連続の戦闘シーン集】

 

 

「さて、世界の憑き物を落としに行きますか」

 

 道明寺誠と遠藤シズナの乗ったディスィーブVが、両腕からビームを連射する。

 

 

「フィールド収束……! 放射だああああああ!!」

 

 フォント・ボーの乗ったゴーストガンダムのファントムライトの出力が上がり、全方向にビームとなって連射される。

 

 

「今ならこの力を正しく使えるはず……! 君は戦わなくていいんだ!」

 

 マシロ・オークスの乗るオーヴェロン・メッサーラ・グランシュティンがヴェイガンギア・シドに向けて紫色のオーラを放って動きを止める。

 

 

「オーバークロックモード起動。バースト機関最大出力、行きます」

 

 Ti2の乗るレジェンドシルバーホークバーストがエネルギーをまとって銀色の(たか)となり、特攻を仕掛ける。

 

 

「シュヴァルツェ・ハーゼ部隊、用意! 撃てーっ!!」

 

 ラウラ・ボーデヴィッヒ率いる部隊がイマージュ・オリジス(エンド・オブ・シーン級)に一斉に砲撃をする。

 

 

支配者の神域(ディバイン・ゲート)――もらいます!」

 

 セリスティア・ラルグリスの乗るリンドヴルムがテンペスタの目の前に瞬間移動し、電撃をまとった雷光穿槍(ライトニングランス)で突き刺す。

 

 

「小隊長として突破口は開くさ! ブレストファイヤー!」

 

 兜シローのイチナナ式がブレストファイヤーを放つ。

 

 

「はははははっ!! と・ま・れぇぇぇぇぇ!!」

 

 キゾが乗ったミダスが頭部から強力な光を発し、V2アサルトガンダムの動きが停止してしまう。

 

 

「そろそろ本気を見せてみろ……ラシャヴェラクゥゥゥッ!!」

 

 宇宙空間でカレルレンが咆哮し、高速で突撃してくる。

 

 

「…………」

 

 ジ・エンブリオンが、無言でコアから極大のβビームをネクストシルバーホークバーストに向かって放つ。

 

 

「ガアアアアアアアア!!」

 

 ゴジラ ウルティマが口を開いて光線リングをいくつも前方に展開し、カイゼルグリッドナイトに向かって原子ビームを放つ。

 

 

「もう一度力を貸してくれ、ユニコーン!」

 

 バナージの乗ったユニコーンガンダム ペルフェクティビリティがシールドを切り離し、アームド・アーマーBS(ビーム・スマートガン)を連射する。

 

 

「いけるよな、先生!」

「もちろんだ、いくぞ!」

「ギガキャットハンマァァァ!!」

 

 黒井宗矢の乗る先生(ドーピングモード)が右腕をハンマー状に変形させ、念動巨神装光(龍型)へと殴り掛かる。

 

 

「エレナとの記憶に土足で入り込むんじゃねぇ!! ネビュラどもおおおおおおおお!!」

 

 ダン・オブ・サーズデイがオーバーフロウを起こし、巨大な剣を作り上げる。

 

 

「人類が人類として存在し続けるコト、それが俺たちの正義だあああああああ!!」

 

 ラインバレルの装甲が赤く染まり、想像をはるかに超えたスピードでグレートシングに斬りかかる。

 

 

『そうしてお話は、こう始まる!』

 

 巨大化したジェットジャガー・オリジンが、ゴジラ ウルティマを真正面から全力で殴りつけ、画面が暗転する。

 

 

 ・大きな橋がかかった川原で悲しい顔をするルクス・アーカディア、焦燥する黒井宗矢、無表情を崩さないTi2、顔色の悪いガウマ、そして険しい表情の青馬剣之介時貞が話すシーンが映る。

 

「そんな……ガウマさんが、消えることになるんですか? ガウマさんがいないと、ダイナゼノンは……!」

 

「なんでだよ……! なんでこうなっちまうんだよ! Ti2! アンタの体のファクトリーで臓器とか皮膚とか、何でもいいからガウマさんの再生治療を……!」

 

「申し訳ありません、不可能です。怪獣の力は私の処理能力でも解析不可能です。本当に……申し訳、ありません」

 

「そんな……! じゃあガウマさんどうなんだよ!? このままじゃ、このままじゃさぁ!」

 

「あんまりデケェ声を出すなよ宗矢……。なぁ、剣之介……どちらも願いの叶わなかった者同士だけどよ、この時代に来てよかったよな……そうだよな……? ルクスの王様はこの世界に……宗矢もTi2も、この星に来てよかっただろ……?」

 

「……もちろんだ、ガウマ殿。……肩を貸すか?」

 

「すまねぇ、頼む……」

 

「わかった……。行くぞ、蓬たちの元へ! 俺達が、今度こそ戦いを終わらせる!」

 

「あぁ、そうだな……。きっとこの時のために俺達は来たんだ。行くぜ、ルクスの王様、宗矢、Ti2、剣之介……。俺たちの時を超えた力で、アイツらを救いに!」

 

 

【画面が暗転し、テロップが入ってPV終了】

 

 

 

 見届けろ。世界の未来、命の刻の終わりまで。

 

 

 

【プレミアムサウンドエディション豪華版パッケージ】

 

『上段』:掲げた太刀を交差させるラインバレル最終決戦仕様とクロムクロ・クロウ。

『中段』:左側にファントムライトで燃え盛るゴーストガンダム、真ん中に新ストナー・サンシャインを構える新ゲッター1、右側に紫色のオーラをまとうオーヴェロン・メッサーラ・グランシュティン。

『下段』:左側でギガキャットハンマーを突き出す先生(ドーピングモード)、真ん中にマントを広げて構えるカイゼルグリッドナイト、右側に剣を構えるダン・オブ・サーズデイ。

 

 

【スーパーロボット大戦Blank プレミアムサウンドエディション】

『マジンガーZ』

マジンガーZ(INFINITY version)(汎用BGM)

The Last Letter(最終話エピローグBGM)

 

『新ゲッターロボ』

DRAGON(汎用BGM)

DEEP RED(新ゲッターロボ専用BGM)

 

『機動戦士Vガンダム』

STAND UP TO THE VICTORY(汎用BGM)

Don't Stop! Carry On!(V2ガンダム系、セカンドV専用BGM)

いくつもの愛をかさねて(宇宙決戦ルート第43話『天使たちの昇天』最終決戦用BGM)

 

『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)

MOBILLE SUIT(汎用BGM)

UNICORN(ユニコーンガンダム系専用BGM、イベント用BGM)

 

『機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)

Vigilante(汎用BGM)

narrative(宇宙決戦ルート第45話『(とき)の流れを見た(後編)』最終決戦用BGM)

 

『機動戦士ガンダムAGE』

ガンダムAGE-3~覚醒(汎用BGM)

ガンダムAGE-2~運命の先へ(ガンダムAGE-2 ダークハウンド専用BGM)

ガンダムAGE-1~100年の物語(合体攻撃『トリプルジェネレーション』使用時BGM、及び第46話『君の中の英雄』最終決戦用BGM)

AURORA(ガンダムAGE-FX専用BGM)

ガンダムAGE-FX(FX-バーストモード使用時専用BGM)

君の中の英雄(第46話『君の中の英雄』イベント専用BGM)

 

『ガン×ソード』

GUN×SWORD(汎用BGM)

Calling You(第37話『カレルレンとラシャヴェラク』イベント専用BGM)

 

『鉄のラインバレル』

鬼帝の剣(汎用BGM)

Linebarrel(ラインバレル必殺武装使用時、イベント専用BGM)

Proud(第47話『万能神が出せぬ答え』専用BGM)

 

『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』

クロスボーン・ガンダム(汎用BGM)

スカルハート見参(カーティス・ロスコ専用BGM)

鋼鉄の7人(ゴーストガンダム、クロスボーン・ガンダムX-0フルクロス専用BGM。及び宇宙決戦ルート第42話『HI・KA・RI』、宇宙決戦ルート第44話『(とき)の流れを見た(前編)』最終決戦用BGM)

帝国からの襲撃(キゾ、クォ・グレー専用BGM)

 

『機動戦士ガンダムヴァルプルギス』

Theme of Over.on(汎用BGM、及び宇宙ルート第45話『(とき)の流れを見た(後編)』最終決戦用BGM)

宇宙を駆ける(正式には機動戦士Zガンダムから)(宇宙ルート第45話『(とき)の流れを見た(後編)』用BGM)

 

『ゴジラS.P』

in case…(汎用BGM、及び第48話『もとめていたかい』最終決戦用、全機共通BGM(歴代スパロボ最終決戦の主題歌級扱い))

ゴジラのテーマ(ゴジラ アクアティリス、ゴジラ アンフィビア、ゴジラ テレストリス戦用BGM)

ゴジラのテーマ(ゴジラS.Pver)(ゴジラ ウルティマ専用BGM)

青い(第48話『もとめていたかい』エピローグBGM)

ALAPU UPALA(イベント専用BGM)

 

『SSSS.DYNAZENON』

インパーフェクト(汎用BGM、及び第49話『残されるものって、なに?』最終決戦用、全機共通BGM(歴代スパロボ最終決戦の主題歌級扱い))

少年の日はいま(イベント用BGM)

Believe(第49話『残されるものって、なに?』エピローグBGM)

はばたこう明日へ(最終話エンディングBGM)

 

『IS アーキタイプ・ブレイカー』

STRAIGHT JET(汎用BGM)

True Blue Traveler(白式 第三形態・王理、紅椿 等、後継機用BGM)

Princesses(日本決戦ルート第44話『心の光(ラヴァーズ・ソング)』最終決戦用BGM)

 

『クロムクロ』

デストピア(汎用BGM)

超音速デスティニー(クロムクロ・クロウ専用BGM)

リアリ・スティック(日本決戦ルート第43話『鬼の見た夢』最終決戦用BGM)

永遠ループ(最終話エンディングBGM)

 

『最弱無敗の神装機竜』

飛竜の騎士(汎用BGM、及び第39話『真意』最終決戦時BGM)

ライムツリー(日本決戦ルート第44話『心の光(ラヴァーズ・ソング)』エピローグ専用BGM)

 

『ダライアスバースト』

The world of spilit(Ti2 専用BGM)

Good-bye my earth(リーガ・プラティカ 専用BGM)

Hinder Two(第7話『クロきムクロは目覚めた』ベルサー・エフィドルグ軍出現時専用BGM)

Syvalion Arrange MMIX(日本決戦ルート第42話『牙城の落ちる日』決戦用BGM)

Hello 31337(グレートシング専用BGM)

Adam(正式にはGダライアスから)(第47話『万能神が出せぬ答え』最終決戦用BGM)

 

『プラネット・ウィズ』

One Unit(汎用BGM、及び第37話『カレルレンとラシャヴェラク』最終決戦用BGM)

Rainbow Planet(第48話『もとめていたかい』エピローグBGM)

 

『レガリア The Three Sacred Stars』

Divine Spell(汎用BGM)

Patria(第47話『万能神が出せぬ答え』イベントBGM)




 PV風第1弾と共に読んでくださった方へ。誠にありがとうございます。

 次の話はシナリオチャートになるので、本編を読みたい方はお手数ですが一旦目次へお戻りください。


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シナリオチャート

 ※本編完全ネタバレのため、エタになった場合や暇つぶしにご覧ください。
 トゥルーエンドフラグは自己満です。

 ※あくまでも予定であるため、修正をかけていく可能性があります。

 ※話に入り切らず、なおかつ描写の必要がある話はシークレットシナリオとして追加します。現在『.5』話とついている話が、シークレットシナリオとなります。


◆:Q.「とりあえず分かりやすくまとめて言え」
A.「クロムクロ、ダイナゼノン、ゴジラS.Pといった新規参戦作品中心のストーリーです。既存はラインバレルとVガンの再現がある感じです」


本編全50話

 

『共通ルート』

第0話 始まりの二人

第1話 はじまるまじわり

第2話 In Case Of……

第3話 兄弟、姉妹

第4話 The World Of Spilit

第5話 怪獣使いって、なに?

第6話 鬼哭の果てに

第7話 クロきムクロは目覚めた

 

選択肢『ベルサー・エフィドルグ軍への対抗戦力として日本に残る』を選ぶ。

『日本残留ルート』(クロムクロルート)

第8話 明日への道標

第9話 蘇った者達って、だれ?

第10話 神通の川原に舞う

第11話 あんぎらすのやま

 

選択肢『エンジェル・コール奪還作戦に参加する』を選ぶ。

『ヨーロッパルート』(ゴーストルート)

第8話 子供たちの戦場

第9話 赤い悪夢

第10話 木曜日の断罪、金曜日の切り裂き魔

第11話 亡霊燃ゆ

 

『共通ルート』

第11.5話 聖剣奪壊(ソード・ブレイカー)

第12話  黒の執行者

第13話  岩屋に鬼が(わら)

第13.5話 黒部に地獄を見る

 

選択肢『日本のファクターを探す任務に就く』を選ぶ。(JUDA社に残る)

『富山・岩手ルート』(クロムクロ、ラインバレルルート)

第14話 不遜(ふそん)(とりこ)

第15話 機械仕掛けの呪い

第16話 とけゆく時間に鬼が潜む

第17話 ネビュラウェポン

 

選択肢『エナストリア皇国のファクターを探す任務に就く』を選ぶ。

『エナストリア皇国・IS学園ルート』(レガリア、IS、最弱無敗ルート)

第14話 姉妹 / SISTER

第15話 不死鳥狩り

第16話 無限成層の神装機竜(クロスオーバー・ブレイド)

第17話 ごじらがきたりて

 

『共通ルート』

第17.7話 乙女たちの競争(シャッフル・マインド)

第18話  いがみ合う凶獣

第19話  暗闇の正義

第20話  流れるは血、失うは涙

第21話  侵略者と復讐者

第22話  黄昏の断罪

 

選択肢『戦力としてJUDA社に残る』を選ぶ

『日本防衛ルート』(ラインバレルルート)

第23話 キエルイタミ

第24話 このざわめきって、なに?

第25話 幻想の叫び(イマージュ・アラート)

第26話 荒ぶる因子

 

選択肢『カイラスギリー破壊作戦に参加する』を選ぶ

『宇宙ルート』(Vガンダムルート)

第23話 両親との再会

第24話 グリモワール・オブ・ヴァルプルギス

第25話 地球の掃除

第26話 母よ大地にかえれ

 

『共通ルート』

第27話  覚悟/PREPARED

第28話  (うるわ)しのディストピア

第29話  歪曲の凶獣

第30話  ゆがんだけいさん

第30.5話 深淵に咲く花

第31話  パラディンブレイク

第32話  うそつき

第33話  帰還 / HARMONY

 

選択肢『日本防衛に残る』を選ぶ。

『日本防衛ルート』(IS、最弱無敗ルート)

第34話 異世界の住人(アナザー・マインド)

第35話 インフィニティ顕現

 

選択肢『エンジェル・コールの焼却任務にあたる』を選ぶ

『エンジェル・コール焼却ルート』(ゴーストルート)

第34話 暴走する理性

第35話 彼らの名

 

『共通ルート』

第36話  愛を束ねる者

第37話  カレルレンとラシャヴェラク

第38話  楽園の民、楽園へ至る民

第38.5話 ギブミー・ミート!

第39話  真意

第40話  月の龍

第40.5話 鉄の影

第41話  鬼が誘う宴

 

選択肢『日本に戦力として残る』を選択する。

『日本決戦ルート』(クロムクロ、IS、最弱無敗ルート)

第42話 牙城の落ちる日

第43話 鬼の見た夢

第44話 心の光(ラヴァーズ・ソング)

第45話 しんかのおたけび

 

選択肢『戦力として宇宙に上がる』を選択する。

『宇宙決戦ルート』(ガンダムルート)

第42話 HI・KA・RI

第43話 天使たちの昇天

第44話 (とき)の流れを見た(前編)

第45話 (とき)の流れを見た(後編)

 

『共通ルート』

第45.5話 海賊のお宝

第46話  君の中の英雄

第47話  万能神が出せぬ答え

 

 獲得したSRポイントが14以下だと、『理解ルート』になる。または、SRポイントが15以上の時にヒロインの決意に対して、選択肢『それが君の選択なら……』を選ぶ。

 

『理解ルート』(初心者救済ルート)

最終話 それぞれのたびじ

(ラスボス:ゴジラ ウルティマ)

 

 獲得したSRポイントが15以上で、第48話開始時にヒロインの決意に対して選択肢『嫌だ、ずっと一緒にいてほしい』を選ぶと『絆ルート』になる。

 

『絆ルート』

第48話 もとめていたかい

第49話 残されるものって、なに?

最終話 明日無き夜を越えて

(ラスボス:NULL(ヌル)NEW・L(ニュー・ラスト))、メカゴジラ(葦原道幸)、バースデイ(カギ爪の男))

 

ノーマルエンド『ずっと一緒に』(クロムクロ、ゴジラS.P、ダイナゼノン、プラネット・ウィズのハッピーエンド)

 

 

 以下の12個の条件を全て満たしていると、エンディングがトゥルーエンドになる。基本的には、各作品のボスを逃さずにその作品の主人公で倒せばOK。

 

●トゥルーエンドフラグ一覧

 

 1:富山・岩手ルート第17話『ネビュラウェポン』にて、『ゴジラ アクアティリス(ゴジラ)』を撃墜した。または、エナストリア皇国・IS学園ルート第17話『ごじらがきたりて』にて、『ゴジラ アクアティリス(ゴジラ)』を撃墜した。

 

 2:第18話『いがみ合う凶獣』にて、平等院夜鳥(びょうどういんやどり)(主人公)と『NEW・E・R(ヌ・エ・リバース)平等院朝鳳(びょうどういんちょうほう))』(ライバル)を戦闘させ、激しい姉妹喧嘩を発生させた。

 

 3:第29話『歪曲の凶獣』にて、夜鳥が『NEW・E・R(ヌ・エ・リバース)(朝鳳)』を撃墜して、姉妹喧嘩に夜鳥を勝たせた。

 

 4:第30話『ゆがんだけいさん』にて、加藤久嵩&篠ノ之束&シングレン・シェルブリットとBB(ベイラ・バーン)&神野銘&石神邦夫が会議をした後、束が早瀬浩一に質問する。その時にプレイヤーが以下の①~④の選択肢から正解を選んだ。

 

 5:第31話『パラディンブレイク』にて、『カレルレン(カレルレン)』を撃墜し、地球人の底力を見せた。

 

 6:第39話『真意』にて夜鳥が『マンティコア・リバース(朝鳳)』を撃墜し、姉妹喧嘩を夜鳥の勝ちで一旦終了させた。

 

 7:日本決戦ルート第44話『心の光(ラヴァーズ・ソング)』にて、【強き心を持つ者】が『インフィニティ(Dr.ヘル)』を撃墜し、イマージュ・オリジスの協力を得た。または、宇宙決戦ルート第44話『(とき)の流れを見た(前編)』にて、【覚悟を持つ者】が『ミダス(キゾ)』を撃墜し、平和のために戦い抜くことを誓った。

 

 8:第46話『君の中の英雄』にて、【未来を創る者】が『ヴェイガンギア・シド(ゼラ)』を撃墜し、イゼルカントの計画を否定した上で平和への思いを受け止めた。

 

 9:第47話『万能神が出せぬ答え』にて、【ジ・エンブリオンと対話できる者】が『ジ・エンブリオン(ジ・エンブリオン)』を説得した。さらに【ジ・エンブリオンと戦わない覚悟】を貫き通して『オフルマズド最終形態(ヨハン)』と『デウスエクスマキナ(デウスエクスマキナ)』を撃墜してジ・エンブリオンを撤退させた。

 

 10:第48話『もとめていたかい』にて、『ディドラス(ムジナ)』『グレージョム(ジュウガ)』『バーナドドン(オニジャ)』『ガルニクス(シズム)』『大型ラドン(ラドン)』『サルンガ(サルンガ)』を撃墜し、さらに【怪獣と戦う使命を持つ者】が『ゴジラ ウルティマ(ゴジラ)』を撃墜し、オーソナル・ダイアゴナライザーの完全起動に成功した。

 

 11:第49話『残されるものって、なに?』終了時までに、【40以上の困難】を乗り越え、さらにメルティナが【多くの者】にお祝いのプレゼントを贈った。

 

 12:最終話『明日無き明日を越えて』にて、『メカゴジラ(葦原道幸)』を撃墜して葦原道幸の過ちを正し、さらに『バースデイ(カギ爪の男)』を撃墜してカギ爪の男の夢を砕いた上で、ラスボスを撃墜して未来を切り開いた。

 

 

以上の12個の条件を満たすと、本編トゥルーエンド『暖かな未来』(各参戦作品トゥルーエンド)

 

 ※本編はトゥルーエンドのみ描写するつもりです。




【おまけ】

 ※第47話および第48話および最終話は条件を満たすのが非常に難しい(敵ボスたちが複数回にわたって精神コマンドを連発するため)。

 第47話で『ジ・エンブリオン』(長射程武器&MAP兵器持ち)を放っておきながらの『オフルマズド第一形態』および『オフルマズド最終形態』&『デウスエクスマキナ』(悪夢の全員2回行動+毎ターン集中・闘志)。

 イベントで味方全員が全回復+気力300になるとはいえ、第48話の『怪獣優生思想』&『サルンガ』&『大型ラドン』&『ゴジラ ウルティマ』(2回行動しないが、最高攻撃力8000。敵味方構わず2種類のMAP兵器をぶっぱなす)(ボスキャラの誰かが落ちる度にボスキャラ全員に必中・根性・ひらめき・魂がかかる)は非常にキツイ。特にゴジラの魂がかかった攻撃を受けると、不屈をかけたスーパーロボットでも吹き飛ぶので注意。
 隠し要素のサポーターを加入させているか2週目以降推奨。

 また、最終話はゲームオーバーまでの制限ターンが厳し目なため、とにかく固い『メカゴジラ』『バースデイ』、とにかく当ててくる『ラスボス』に向かって戦力を三分割する必要がある。ラスボスに向かった機体が広範囲MAP兵器で落ちてしまうとゲームオーバーになる可能性が高いため、全力で挑むべし。

 ※真エンドを目指さない場合は、クリアすること自体は簡単である。
 第47話:邪魔な『ジ・エンブリオン』を早めに落とし、『オフルマズド第一形態』および『オフルマズド最終形態』と『デウス・エクス・マキナ』をゆっくり落とす。

 第48話:イベント発生までボスたちと積極的に戦わず、『怪獣優生思想』と『サルンガ』と『大型ラドン』を無視して『ゴジラ ウルティマ』のみに攻撃を集中させる。

 最終話:『メカゴジラ』『バースデイ』を無視して、『ラスボス』のみに攻撃を集中させる。


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攻撃・トドメ演出

 ※自己満です。終盤バレもあるため注意。

 ※次の話が第0話となりますので、この話は読み飛ばしていいです。


【マジンガーZ INFINITY 系】

スパロボTで再現されているため割愛。

 

 

【新ゲッターロボ 系】

●寄せ集めゲッター、ゲッター1

・ゲッタートマホーク:敵を両断して敵が爆発した後、画面右半分にゲッターの顔、画面左半分に流竜馬のカットインが入る。(CD【DRAGON】のパッケージ再現)

 

 

【機動戦士ガンダムAGE 系】

●ガンダムAGE―FX

・『Cファンネル』:Cファンネルが敵を何度も切り裂いた後、爆発を背にしてFXがポーズを取り、その周りにCファンネルが並ぶ。(4クール目OP【AURORA】サビの前の再現)

・『トリプルジェネレーション』(合体攻撃):ガンダムAGE―1フルグランサ、ガンダムAGE―2ダークハウンドと共に連携攻撃を行って敵が爆発した後、3機揃って爆発をリアルカットインで見届ける。(4クール目OP【AURORA】最後の再現)

 

 

【機動戦士ガンダムNT 系】

割愛(たぶんスパロボ30で再現されるので)

 

 

【機動戦士クロスボーンガンダム ゴースト 系】

●ファントム

・『蜃気楼鳥(ミラージュ・ワゾー)・強襲攻撃』:モビルアーマー形態に変形して高速で敵に迫り、モビルスーツ形態に戻って敵をフレイムソードで斬り付ける。敵を撃墜した後は、ファントムの顔がアップで映る。(原作で核ミサイルを撃墜した時のシーン再現。顔のアップは、原作第4巻の表紙再現)

 

●ゴーストガンダム

・『蜃気楼鳥(ミラージュ・ワゾー)・強襲攻撃』:ファントムと同じ動きで敵を撃墜した後、ゴーストガンダムが画面に向かって飛んできてアップとなり、画面が何度か光る。(原作第12巻表紙の再現からの、Vガンダム前期OP【STAND UP TO THE VICTORY】のオマージュ)

・『全方位ビーム』:トドメ演出が発生する場合、全方位ビームを撃った後さらに敵に肉薄してもう一度全方位ビームを行い、トドメとしてフレイムソードで斬り付ける。最後に爆発から離脱した後、咆哮してファントムライトが大きく燃え上がる。(原作第52話でミダスを倒す際の再現。及び、咆哮して燃え上がるのは原作第41話でゴーストガンダムがモビルアーマー形態から変形した際の再現)

・『ダブルゴースト』(合体攻撃):ゴーストガンダムとクロスボーン・ガンダムX―0フルクロスが連携攻撃を行う。敵が爆発する際、その爆発を2機が見届ける。(原作第10巻カラーページの再現)

 

●クロスボーン・ガンダムX―0

・『ビームサーベル』:通常通りに斬り付けた後、トドメとしてスライディングしながら敵を切り抜ける。(原作第38話でビブロンズを撃墜する際の再現)

 

●クロスボーン・ガンダムX―0フルクロス

・『スカルハート・スペシャル』:武装をフルに使った攻撃をして敵が爆発した後、コクピット内のカーティスの顔を映すカットインが入り、トビア・アロナクスの顔が重なる。(原作でカーティスが、キンケドゥが作ったパンを食べたシーンの時の再現)

 

 

【機動戦士ガンダムヴァルプルギス 系】

●オーヴェロン

・『ビームサーベル』:トドメ演出の際、マシロの見下すようなカットインが入り、敵を両断する。(カットインは原作26話ラストシーンの再現)

 第45話をクリアした後は演出が変化し、マシロの表情が真剣なものになる。

・『グリプス・ダウン』:ニュータイプの力で敵の動きを止め、ビームライフルを連射して近づきつつ隠し腕を利用したビームサーベルの連撃を行う。トドメを刺した際、眼鏡を外したマシロが不敵な笑みを浮かべたカットインが、画面右側から左側へ流れるように映る。(機動戦士Zガンダムの後期OP【水の星へ愛をこめて】のサビ直前にてシロッコが映るシーンのオマージュ)

 第45話をクリアした後は演出が変化し、眼鏡をかけたままのマシロが真剣な表情を浮かべるカットインに変わる。

 

●オーヴェロン・メッサーラ・グランシュティン

・『グリプス・ダウン』:ニュータイプの力によるオーラを羽のように広げて敵の動きを止め、連続攻撃を行う。トドメ演出の際、途中で投げ捨てていたハイパー・メガ・ランチャーを起動させ、敵に照射する。敵が爆発するのを上から見届けた後、ハイパー・メガ・ランチャーを回収し、メッサーラ・グランシュティンと分離してその上に乗って離脱する。(羽を広げるのは原作第38話の再現。ハイパー・メガ・ランチャーで不意打ちを行うのは原作第36話の再現。見届けるのは原作第28話のラストシーンの再現。離脱は原作第22話の再現)

 

●デルフィニウム

・『二連装メガ・ビーム砲(斬撃)』:敵を両断して敵が爆発した後、デルフィニウムのモビルスーツ形態の全体が画面右側に映り、画面左側の背景にセインの顔が薄く映る。(原作第34話でサイコ・フレアを斬った際の再現)

 

●ファーヴニル

・『ハイ・メガ・キャノン』:通常通りにハイ・メガ・キャノンを命中させた後、アリーゼの笑みのカットインが入り、ハイ・メガ・キャノンの出力が上がり敵を消し炭にする。(カットインは原作第24話にて、生身のマシロに向けてハイ・メガ・キャノンを放とうとした時の表情の再現)

 

 

【機動戦士ガンダムUC 系】

 第三次ZやBXで再現されているので、割愛。

 

 

【機動戦士Vガンダム 系】

●Vガンダム(及び、Vダッシュガンダム)

・『ビームライフル連射』:ビームライフルを何度も敵に撃って敵が爆発した後、Vガンダムが画面前に飛んできてリアルカットインが入り、何度か画面が光る。(前期OPの【STAND UP TO THE VICTORY】最後の再現)

 

 

【ゴジラS.P 系】

●ジェットジャガー・ユング

・『アンギラスの槍』:ダイナミックな動きをしながら敵を切り裂いて敵が爆発した後、ゆっくり画面正面に向かってうつむき気味で歩き、顔を上げる。(原作第11話でラドンを倒し、川から歩いてくるシーンの再現)

 

●ジェットジャガーβ

・『アンギラスの槍』:上記と同様に敵を切り裂いて敵が爆発した後、槍を振り回して歌舞伎のような決めポーズをとる。(原作第7話で槍術プロトコルを起動したシーンの再現)

 

 

【IS アーキタイプ・ブレイカー 系】

●白式(及び、白式 第二形態・雪羅、白式 第三形態・王理)

・『恋に焦がれる六重奏』(合体攻撃):箒、セシリア、鈴、シャルロット、ラウラと一緒に連携攻撃をした後、一夏&箒、セシリア&鈴、シャルロット&ラウラがそれぞれハイタッチする。(アニメ2期OP【True Blue Traveler】のサビ最後辺りの再現)

 

 

【SSSS.DYNAZENON 系】

●ダイナゼノン

・『ダイナゼノンフルバースト』:通常通りに攻撃を終えた後、周りが燃え盛っている中でダイナゼノンが振り返る。(OP【インパーフェクト】最初の部分の再現)

・『必焼大火炎レックスロアー』:ダイナレックスとなって通常通りに攻撃をし終わった後、地面にダイナミックに着地して咆哮する。(OP【インパーフェクト】最後の部分の再現)

 宇宙でトドメ演出が発生する場合、通常通りに攻撃をし終わった後、画面手前から弧を描いて画面上側に飛んでいく。(OP【インパーフェクト】サビ最後辺りの部分)

 

●グリッドナイト

・『グリッドナイトストーム』:敵が爆発した後に画面がモノクロ調になり、笑顔で振り返る新条アカネの映像が映る。(目元は映らず、口元と服装で新条アカネと判断できるようになっている)(SSSS.GRIDMANのOP【UNION】のラストシーンの再現)

 

●カイゼルグリッドナイト

・『必焼灼熱大火炎バーニンググリッドレックスロアー』:左記必殺技を通常通り放った後、光を突き抜けてダイナレックスとグリッドバーンナイトが敵に突撃する。(原作最終話でガギュラ第2形態を倒したシーンの再現)

 

 

【ガン×ソード 系】

スパロボTで再現されているため割愛。

 

 

【鉄のラインバレル 系】

●ラインバレル

・『ラインバレル・オーバーロード』:敵が爆発した後、ラインバレルが腕を組んで爆発を見届け、最後にファクターアイ状態のラインバレルの顔がアップで映る。(原作最終話ラストシーンの再現)

 第47話『万能神が出せぬ答え』をクリアした後は演出が変化し、爆発を見届ける際のラインバレルがデウスエクスマキナのマントを羽織っている状態になる。

 

●プリテンダー強襲型

・『大型ミサイル』:通常通りに大型ミサイルで敵を攻撃した後、もう1発放たれていた大型ミサイルが稲妻のような軌道で爆炎の中を進み、敵にトドメを刺す。(原作でジャミング装置を破壊したシーンの再現)

 

 

【クロムクロ 系】

●クロムクロ

・『フォーメーションJ』(合体攻撃):GAUS1、GAUS2と共に連携攻撃をして敵が爆発した後、クロムクロの目元が映ってだんだん画面が引いていき、3機が並んでいるシーンが映る。(1クール目OP【デストピア】のサビに入った直後のシーン再現)

 

 

【最弱無敗の神装機竜 系】

●ワイバーン

・『機竜牙剣(ブレード) 連続攻撃』:通常通り連続攻撃をした後、画面奥側から手前側に向かってワイバーンが敵を切り抜け、背後で敵が爆発する。(原作第1巻87ページのイラストイメージ)

 

●バハムート

・『暴食(リロード・オン・ファイア)』:通常通りに攻撃した後、右上から画面手前側へ相手を切り抜け、バハムートが大きく映されて敵が画面右上奥で爆発する。(原作第1巻274~275ページ目のイラスト)

・『強制超過(リコイルバースト)』:最後に敵をものすごい勢いで両断し、敵が爆発して画面が煙に包まれた後、バハムートが煙の中から飛翔し、上空からルクスが見下ろす。(両断は原作第2巻272~273ページイラストの再現。飛翔はアニメOP【飛竜の騎士】初めの部分の再現。見下ろす時は原作第2巻カラーイラストの再現)

・『バハムート・限界突破(オーバーリミット)』:姿を変化させたバハムートで連続攻撃を行って敵を爆発させた後、それを険しい表情で見届ける。そしてバハムートの姿が元に戻った後、ルクスが優しい笑みを浮かべて振り返る。(原作4巻314~315ページイラスト再現からの、原作11巻表紙再現)

・『飛竜の騎士』(合体攻撃):リーズシャルテ、クルルシファー、セリスティア、フィルフィ、夜架と連携攻撃を行って敵が爆発した後、全員が武装解除して並び立ち、爆発が消えていくのを見届ける。(アニメOP【飛竜の騎士】ラストの部分に夜架が加わったイメージ)

・『七竜騎聖一斉攻撃』(隠し武器):七竜騎聖が連携攻撃を行って敵が爆発した後、全員が武装を解除し、ルクス、ソフィス、グライファー、ローザ、メル、シングレン、マギアルカが立ち並んで剣を収める。(原作第13巻カラーイラストのイメージ)

 

●ティアマト

・『七つの竜頭(セブンスヘッズ)』:巨大なエネルギー砲で敵を撃ち抜いて敵が爆発した後、ティアマトが映って決めポーズをとる。(原作第6巻表紙再現)

・『ティアマト・超越装甲(オーバーユニット)』:通常通りに攻撃を行った後、敵を格闘攻撃で上空に打ち上げた上で重力球で閉じ込め、リーズシャルテのカットインが入った後に七つの竜頭(セブンスヘッズ)で上空の敵を撃ち抜く。(カットインは、原作第19巻231ページイラストの再現)

 

●ファフニール

・『凍息投射(フリージング・カノン)』:何度か銃撃を行った後、ファフニールのカットインが入り、最後の狙撃を行う。(原作第2巻カラーイラスト再現)

・『完全結合(フルコネクト)・連続攻撃』:敵の周りを高速で動きながら連続で射撃を浴びせ、ブレードで切り抜けてトドメを刺した後、滑空するファフニールのカットインが入る。(切り抜けは原作第7巻268~269ページのイラスト再現。カットインは原作第7巻表紙の再現)

 

●リンドヴルム

・『雷光穿槍(ライトニングランス)』:攻撃を行って離脱し、敵が爆発するのをセリスが見届ける。(原作第3巻233ページのイラストイメージ)

・『雷閃最大出力』:敵に電撃を浴びせて爆発させた後、それを上空から見下ろすカットインが入る。(原作第8巻表紙再現)

・『雷閃最大出力 連携攻撃』(合体攻撃):リンドヴルムが放った電撃をバハムートが剣で受けて倍増させ、敵に突き刺して倍増した電撃を解放する。バハムートが離脱して敵の爆発を二人で見届けた後、ルクスが微笑むカットインが画面右側に入り、恥ずかし気に目をそらしてから微笑み返すセリスのカットインが画面左側に入る。(原作3巻293ページのイラストイメージ)

 

●テュポーン

・『格闘』:通常通りに格闘攻撃をした後、最後に右腕で殴り飛ばす前にカットインが入り、その後敵をものすごい勢いで殴り飛ばす。(原作第9巻特典カラーイラストの再現)

・『竜咬縛鎖(パイルアンカー)』:通常通りに攻撃を行った後、敵を振り回してテュポーンが大きく映った後、引き寄せた敵を右腕で殴り飛ばす。敵が爆発した後、フィルフィが画面側に向かって微笑むカットインが入る。

(原作第4巻カラーイラストイメージ、原作第9巻表紙再現)

 

夜刀ノ神(ヤトノカミ)

・『刻撃』:トドメとなる場合、敵を切り抜ける際に夜刀ノ神が画面手前へ向けて切り抜け、後ろで敵が爆発した後に夜架が妖しく笑う。(原作5巻カラーイラスト再現)

・『夜刀ノ神(ヤトノカミ)・強制限界突破(オーバーリミット)』:敵に連続攻撃を行って敵が爆発した後、夜刀ノ神の後ろ姿が映ってその姿が元に戻り、振り返る。(原作第10巻表紙再現)

 

●リヴァイアサン

・『真戦陣(シンセンジン)』:敵にトドメを刺す際、見下すようなシングレンの笑みのカットインが入り、大量の水を周りにまとったリヴァイアサンが突撃する。(原作11巻カラーイラスト再現)

・『リヴァイアサン・限界突破(オーバーリミット)』:高圧水流と剣で連続攻撃を行った後、最後に敵を切り抜け、シングレンが凶悪な笑みを浮かべたカットインが最後に入る。(原作15巻293ページ目のイラスト再現)

 

 

【ダライアスバースト 系】

●レジェンドシルバーホークバースト

・『バーストビーム』:青く太いビームを放って敵に命中させた後、ビームの出力が上がって黄色く太くなり、敵が大爆発を起こす。(ゲーム【ダライアスバースト】にて、バーストカウンターに成功した時の再現。及びボス戦艦を撃墜した時の再現)

 

●ネクストシルバーホークバースト

・『バーストビーム』:レジェンドシルバーホークバーストと同様。

 

 

【プラネット・ウィズ 系】

未定

 

【レガリア The Three Sacred Stars 系】

未定



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本編
第0話:始まりの二人 ①小説家とメイドの日常


「覚悟は決まったな……? 平等院夜鳥(びょうどういんやどり)、履歴書を書け!」

 

「やだね。ボクは小説家だ、ニートじゃない」

 

 どんっと、高級テーブルに叩き付けられる空白の履歴書。それを冷ややかな目で見ながら、平等院夜鳥(びょうどういんやどり)という若き女性はコーヒーを飲もうとした。

 舌に黒い液体が触れた途端にあちっ、と夜鳥は口を離す。幸いにも白い履歴書に(しずく)は飛ばなかった。

 

 カップから口を離した通り、お嬢様というにしてはこなれていない雰囲気が見て取れる。

 目ざとい者であれば、少なくとも彼女がここ数年は大きなパーティや集まりに出てはいないということを読み取れたであろう。

 

 まるで動じない夜鳥に苛立ったのか、テーブルの向かいに座るヘルメットを被った男は、まくし立てるように説得に乗り出す。

 彼女のお嬢様風のぎこちなさは見抜けていないようであった。大金星を上げるために功を焦ってもいた。

 

「我々強制就職(デスマーチ)軍は君のような暇を持て余すニートの労力を欲している! 今ならオハヨーワークにこちらから紹介してやるぞ! 就職祝いのご祝儀1万円もつく! さぁ君も『お仕事楽しいです』!」

 

「ボクを舐めてんのか。曲がりなりにも平等院財閥の次女だぞ。まぁ家出したけど。うん、そこらへんは知ってるか」

 

「くうっ……! しかしニートだ!」

 

「だーかーらーっ! ボクはニートじゃない小説家だ! きちんと先月分の収入もある!」

 

「だが安定性した収入源ではない! 我々強制就職(デスマーチ)軍の紹介なら、安定した収入を得られる! アットホームな職場を紹介するし、この豪邸よりも通いやすい寮を紹介しよう!」

 

 段々と夜鳥も苛立ってきたのか、オレンジ色の長い髪をさらりとかき上げた。そしてひじ掛けを使って頬杖をつき、いつもはしないような目つきで強制就職(デスマーチ)軍と名乗る者を睨みつけた。

 

「帰ってくれ。あいにくボクの作品を待っている者は多くいるし、収入源なんてしばらく必要ないくらいに金は足りている」

 

 もうこのモードに入ったら、話は通じないと判断したのだろう。男は押し黙った。

 

「知っているよ? この戦争だらけの世の中であらゆる職業を斡旋(あっせん)、または請け負う企業である強制就職(デスマーチ)軍。しかし、その企業の仕事を受けたら永遠に社畜にされると。ハンッ、嫌だね! そんなのボクが作品を書く時間が無くなるだろう? 君、ボクの作品がどれだけ読まれているか知ってる?」

 

「ぐぬぬっ……! 一応小説家として活動している以上は連れていけんか……! 何も活動していないなら更生として連れていけるものを……」

 

「話は終わり。メルティナ! メルティナ・アフターグロウ! お客様がお帰りだ、お見送りしたまえ」

 

 夜鳥が手を叩くと、既に応接室の前で控えていたのか、メルティナという少女がドアを開けて入ってきた。

 黒い三つ編みのツインテールに、メイド服風の装飾がされた黒のワンピース。顔立ちはまだ幼い感じがするが、無表情で機械的な印象を受ける感じだ。

 

「承知いたしました、夜鳥様。お客様、お忘れ物はございませんか? 玄関まで案内いたします」

 

「ま、待てっ、平等院夜鳥! 平等院財閥の令嬢なら、月面本社であるハッピーハッピービルに話を通して大きな仕事を与えても――」

 

「お客様、騒ぎを起こされては困ります。お帰りはこちらです」

 

 メルティナは静かに、しかし強かに言い放った。

 小娘ごときがと話を続けようとした男だったが、ぞっとするような暗く赤い瞳の禍々しさにあてられてついに黙り込む。

 男の何かが、これ以上この少女の前で言葉を発してはいけないと警鐘を鳴らしていた。

 

「く、うぅ……わかりました。こちら簡単な仕事の求人冊子になります。もしよろしければ――」

 

「いらない。メルティナ、帰してあげて」

 

「承知いたしました、夜鳥様」

 

 突っぱねる夜鳥と、さぁ帰れと恐怖のオーラを放つメルティナ。素人目から見ても只者(ただもの)ではない。

 男は悔しそうに『バイト・正社員募集中』と大きく書かれた冊子を(かばん)にしまい、メルティナの後について部屋を出た。

 

 カチャリと静かな音を立てて閉まるドア。それを確認した夜鳥は――どっと脱力した。今まで演技していたお嬢様風の行動が一気に消滅する。

 

「ふぃいいい……勘弁してくれよ強制就職(デスマーチ)軍の下でとかさぁ……。20時間くらい働いているとか噂される社畜なんかなりたくないって」

 

 思いっきり背もたれに背を預け、夜鳥はぶつくさ呟く。

 

「酷い場合には軍事企業とか傭兵だよ? 無理無理っ。資料として戦争は見てみたいけど、それを実際に望んでいるわけじゃないんだって」

 

 そこまで言って夜鳥はメルティナが戻ってくるのを待つ。もう男が玄関から去った時間だろうと考えた。

 ちなみに、独り言をぶつくさ言うのは夜鳥の癖である。いくつになっても抜けない、他人に聞かれたら恥ずかしい癖だ。

 

「戦争、か……。お爺様、宇宙世紀110年になっても戦争やテロは続いています。……ジオンに続いて今度はザンスカール帝国との戦争。今はヨーロッパが危ないみたいだ」

 

 夜鳥は手の甲を額に当て、表情に影を落とす。しかし、これはいけないと手をどけて嫌な考えを振り払った。

 

「ボクがこの世の中を直すとか? 無理だろ、ただの家出娘だぞ? ロボットでもあれば……ボクが戦うか?」

 

 ちょうどその直後には、夜鳥のメイドであるメルティナが部屋に戻ってきて、疲れ果てていた夜鳥に一礼した。

 

「お疲れ様です、夜鳥様。今回も大変でしたね。家に上げるリスクはありましたが、もう来ないでしょう」

 

「メルティニャ~ン! ボク疲れたよぉ! 後で肩揉んで足揉んでそんでもって一緒に寝て~! ぎゅうって抱きしめさせて~! 愛でさせろ~!」

 

 先程までの気が強そうなご令嬢という装いはどこへいったのやら。夜鳥は手を上下にバタバタ振ってメルティナに甘えさせてもらうよう駄々をこね始めた。齢22の乙女がなんとはしたない真似であろうか。

 

「承知いたしました。ではまずコーヒーセットを片付けますね。……しかし、僭越(せんえつ)ながら夜鳥様。安定した収入があった方がいいというのは正しいご意見かと」

 

「やったぁメルティナ大好きぃ! ……の後にいじわるするメルティナは嫌いだ。仕事はそのうち探す、趣味の執筆作業に干渉しないくらいのやつなら」

 

 唇を尖らせ、夜鳥はそんなの後でやるよと何度メルティナに聞かせたかわからない言葉を言う。主人のそういった態度は承知の上なのか、メルティナは流すようにさらりと言葉を述べた。

 

「お言葉ですが、『そのうち探す』というお言葉は私が夜鳥様の下に就いてから100回以上聞いております。まだまだ備蓄があるとはいえ、私はおこになります。角が生えます」

 

 可愛い表現が急に飛び出し、夜鳥は真顔になる。『まさか? いつも無表情で無感動っぽいメルティナが、こんなにも可愛い冗談を言うのか?』と。

 

 そして満面の笑顔になって椅子から立ち上がり、メルティナに向かって抱きしめるように飛びついた。

 力はあるのか、メルティナは床に倒れることなく夜鳥の飛びつきをきちんと受け止める。

 

「メルティナは可愛いなぁ! 世界一可愛いなぁ! そこまで言われちゃあボクも頑張るしかないよなぁ! よぉ~しよしよし! まずは、そうだな……きちんとした小説家になる道を目指す――」

 

「夜鳥様、小説の先月の収入はいくらでしたか?」

 

「うっ……アフィリエイトで、ごうけいさんびゃくえん……」

 

「おにぎり2つ、プラス駄菓子いくつかですね。よくそれで先月分の収入や読者が待っているなどと言い切れましたね」

 

「ぐすん。メルティナが怖い、事実怖い……でも可愛い、泣きながら撫でる……。無表情系ちょろかわ毒舌メイドさんとか属性もりもりだよぉ……」

 

「よしよし夜鳥様、よしよし。まずはコーヒーセットを片付けますので、放してください」

 

 お互いに頭をさすり合い、夜鳥は名残惜しそうにメルティナから離れる。そしてすうっと息を吸い込んで、気合を入れた。

 

「よしっ、歴史ものとかに挑戦してみるか。葦原(あしはら)さんが置いていった資料は大量にあるんだし」

 

「まずは身近な求人募集を探しましょうか夜鳥様」

 

 既にメルティナはコーヒーセットを片付けに入っている。夜鳥は二つ返事を返しつつ、また後でねと応接室を後にした。

 向かう先は、現在の平等院亭(旧葦原(あしはら)亭)の書庫。壁一面に本棚が並び、部屋の中心に執筆用の端末が存在する夜鳥専用の部屋だ。

 

 葦原道幸(あしはらみちゆき)なる人物から、平等院夜鳥とメルティナ・アフターグロウが受け継いだこの家。まさしく豪邸なのだ。

 

 海沿いの小高い丘の上に建ち、近くの千葉県逃尾(にがしお)市から少しだけ離れた場所に存在する。

 平等院財閥という大きな家を、家出同然に抜け出した夜鳥とメルティナが静かに暮らす場所であった。

 

「さぁてと、まずは歴史ものを書くんだったら歴史とか漁ってみないとねー。10年前以前の書物やデータしかないから、ネットで漁るかぁ。まぁゴシップや嘘も含まれるけどしょうがない」

 

 机の上の端末を起動して、背もたれ付きの椅子にどかッと勢いよく座る。宇宙世紀という時代にもなれば端末の起動から操作できるようになるまでの時間は非常に短く、夜鳥はすぐに作業に入ることができた。

 

 ネットの海から拾ったものだが、次々と画面に歴史が表示されていく。

 

 

 ・宇宙世紀100年以前:コウモリ退治戦役、木星戦役などの大きな戦いが頻発。宇宙戦国時代の突入。リムガルド・フォールなる国一つが消滅する大災害も発生。ミノフスキー粒子の発見による戦争の大きな変化。

 

 ・宇宙世紀100年:コロニー落としから始まる1年戦争、Dr.ヘルの反乱、安倍晴明率いる鬼の襲来が同時発生。しかし最後にIS(インフィニット・ストラトス)という宇宙用高性能パワードスーツの開発という進歩も見られる。

 

 ・宇宙世紀100年12月31日:激しい戦いの連続であった時代、『悪夢の100年時代(ナイトメア・ハンドレット)』終焉宣言がなされるも、以後激しい戦いが続く。

 

 ・宇宙世紀100~110年:ミケーネ帝国の襲撃、グリプス戦役、ネオ・ジオン戦役、シャアの反乱、ラプラス事件発生。

 

 ・宇宙世紀110年:現在(宇宙世紀110年7月1日)

 

 

「ざっくり!? うわぁ、歴史の教科書の目次かよ……。でもよく考えたら、歴史もの書くったって1つの物事とかよくよく知らないんだよなぁ……。無理かな、当事者でもないし。当事者、ねぇ」

 

 お爺様が連れてきた少女メルティナ、生々しい人体実験の跡、後遺症に苦しんで暴れるメルティナ、姉との激しい喧嘩と確執、人が散らばったビームの粒子で穴だらけになる光景、倒れるビル、逃げろと促すお爺様、メルティナを汚らわしいものかのように見る両親の目、メルティナを守るために一緒に家を出た日、お互いに孤独で抱きしめ合いながら眠った夜……。

 

「……歴史ものはやめよう、嫌な出来事ばかり思い出す」

 

 夜鳥の表情から元気が失われていた。開いていた画面をさっさと閉じ、席を立って何か資料やインスピレーションになるものはないかと本棚に向かう。

 しかし、強制就職(デスマーチ)軍の対応での疲れもあり、一気に嫌なことがフラッシュバックしてきたやる気の低下もあってか、何かを書くという余裕は残っていなかった。

 

「ハァ、やっぱりやめやめ。メルティナにマッサージでもしてもらおっと」

 

 夜鳥は一度うんと背伸びをしてから書庫を出た。

 明かりが自動的に消える書庫。誰もいないはずの空間。その中で優し気な子守歌がどこかから漏れ出たことに、夜鳥とメルティナがその日のうちに気付くことは無かった。

 

 

 そして深夜になり――

 

「メルティ、ナぁ……むにゃむにゃ、ボクが居場所になる……はふぅ……」

 

「……夜鳥様、実は起きてますよね? ……ふぅ、本当に寝言ですか」

 

 寝室の高級ベッドの上で、パジャマ姿で軽いシーツを体にかけて寝る二人。はっきりとした言い方であれば、一人は完全に寝てもう一人はうとうととしているところであった。

 夏の暑さが少し気になるが、それも自動で送風してくれる機器のおかげでなんとかなる。

 

 そんな中で夜鳥の寝言を聞き、メルティナは少し頬が熱くなるのを感じた。

 孤独だった自分の居場所になってくれること。そう約束してくれた夜鳥に今一度嬉しさを感じ、メルティナは暑さを忘れて夜鳥にぴったりと寄り添った。夜鳥は暑さで寝苦しさを見せたが、メルティナは自分のわがままを優先させた。

 

「私はずっとあなたのお傍に、夜鳥様」

 

 このような穏やかな日々がずっと続けばいい。そして、主人が仕事を見つけてくれれば。そう願うメルティナであった。

 

 しかし、平穏は――

 




【おまけ!】

【中断メッセージ:平等院夜鳥、メルティナ・アフターグロウ】

「う~ん、う~ん……足りない、強化パーツが足りない……」

「どうされたのです? 夜鳥様」

「メルティナぁ……序盤の機体にいっぱい強化パーツを付けられないんだ。どうしてもスロットが余る」

「そういう時はインターミッションのヴァンフリーク商会を利用してみましょう。第4話のインターミッションから利用できます。マギアルカさんが初めの内ならブースターやSPドリンクミニを売ってくれますよ」

「なるほどぉ。で、ヴァンフリーク商会やマギアルカさんって何? だれ?」

「まずは4話クリアまで進めましょうか。……4話の前で悩んでいたんですか? あの、第3話クリアの時点で正式に味方に加入している人って、夜鳥様とル……」

「あ、あはははははは! とりあえず進めるよ、ありがとうメルティナ! ネタバレは勘弁!」

「え? えぇ? 3話すらクリアせずに強化パーツで悩んでいたんですか……?」


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第0話:始まりの二人 ②ニート大地に立つ!!

【宇宙世紀110年7月6日 午前8時】

 

 そこ(・・)は、人の出入りが少ない太平洋に面した秘密の作業場だった。日本中から徐々に集められた労働力(ニート)が、日々を汗だくになりながら無理矢理に働き続ける監獄であった。

 

 もちろん、ニートたちが働いているのは自分の意志によるものではない。強制就職(デスマーチ)軍によって半ば非合法的に手続きを踏まされて、モチベーションや意志関係なく心や体に(ムチ)を打たれて働いているのである。

 

 その作業場の中で、ベルトコンベアから永遠と流れてくる製品をチェックする係が今日も――

 

「嫌だ……! 僕は! 働きたくないいいいいいいいいい!!」

 

「うるせぇ働けぇ! お仕事楽しいだろうが!! 生きがい感じるだろうがよぉ!?」

 

 ……働いていなかった。

 

 少年が床に膝をついて泣き叫び、それをガタイのいいモヒカン頭の男が蹴り付ける。まるでどこぞの世紀末というような光景がそこにあった。

 

「お前のようなクズは! お仕事楽しいと思わなきゃ存在しちゃいけない奴なんだよ! この戦争だらけの世の中! みんな働かねぇといけねぇんだ! 無理にでもな!」

 

 蹴られた少年はもつれてその場に倒れ込む。意地でも働かない意志を見せつける子の少年の名は、『不働遊(ふどうゆう)』。

 烏羽色(からすばいろ)のやや長めなストレートの髪に、純粋な日本人にはあまり見られない碧眼(へきがん)。強固な『働かない』という意志を持った少年は、何度も蹴りつけられてもなお働く意思を見せなかった。

 

「そこまでにして、ワイロー・マイナイ」

 

 弱者をいたぶるのが楽しいという下卑た笑みを浮かべながら蹴りを続けるモヒカン男に、褐色肌で長い銀髪の少女が止めにかかった。

 さすがに少女には手を出さないのか、あるいはこの少女が上司なのか。ワイローは最後に遊へもう一撃くれてから暴力を止めた。

 

 止めに入った褐色肌の少女は、しゃがみ込んで遊にそっと耳打ちする。遊の視界にちらりと映るのは、眼鏡と灰色の瞳が目立つ綺麗な顔立ちだ。

 

「ほんの少しだけでいいから働いて。この場は収まるから」

 

「くぅっ……!」

 

 働くか、また暴力を受けるか。遊はいくらか逡巡し、しょうがなく無言で一時でも働くことを選んだ。

 

 遊が働いた以上、面白くないのはワイローだ。きちんと労働力として働いているので何も言えなくなったのだ。

 そのままワイローはつばを吐き捨て、その場から立ち去った。それを確認した後、遊はまた一気にやる気がなくなる。あれだけの暴力を受けても、遊は絶対に働きたくないのだ。

 

「駄目だ、働きたくない……」

 

「面白いねキミ。今日まで働いてて、キミみたいなの見るの初めてだよ」

 

 のろのろと最低限の作業は続ける遊と比べ、褐色肌で眼鏡の少女は人としてあり得ないんじゃないかという速度で手を動かして商品をチェックしていく。化け物じみた速さと正確性であった。

 

「どうしてキミはそこまで働けるんだ……クーリア……」

 

「それは私が『強化社畜』だから……。何でもない、忘れて? ただ仕事してなきゃ、やってられないってだけなの」

 

「強化? まぁいいや。僕にはその感覚、一生分かりそうにない……」

 

 遊が口を動かしている間にクーリアは、クーリア・クゥという少女は恐るべき量の仕事をこなしていく。遊が当分働いたとしても、もはや追いつけない量であった。

 

 そこへ飛んでくる怒号。遊はまた自分が怒られるのかとビクリとしたが、どうやら別の場所で問題が起きたらしい。

 

 働きたくないので作業を思いっきり止め、遊は怒号が飛んできた方を見やる。

 その場所はすぐ近くであり、遊の作業場からほんの数秒歩けばつくという距離だった。怒号を飛ばしたのは先ほどと同じ、モヒカン頭のワイロー・マイナイだ。

 

「テメェ! 作業中に寝るんじゃねぇ! 新人にも優しいように、たっぷり5時間の睡眠はくれてるはずだぜ!」

 

「嫌です、寝ます。私は一日に12時間寝ないとやる気が出ないのです」

 

「……寝すぎだろ!?」

 

 思わずいかついワイローもビックリするくらいの睡眠時間を、怒鳴られている金髪の少女は告げた。彼女も無職としてここに連れられてきたようで、ワイローの言うとおりにまだ現場慣れしていないらしい。

 と、ここで同じく金髪の少年がトラブルの仲裁に入った。少年と少女はどちらも無職やニートというにしては若く、高校を中退したのかと思うような風貌だ。

 なお、遊は高校を中退した17歳である。

 

 ふと、遊は金髪の少女がちらりとワイローを越して自分を見ているかのような感覚を覚えた。

 

「ふざけんなよテメェ! お前が12時間寝ている間にッ! 俺達社畜がどれだけの汗を垂れ流していると思っている!? それを考えれば、働こうというやる気や無職の申し訳なさが出てくるだろ!!」

 

「嫌です、私は寝ます。こんな法律の通用しない場所で働きたくありません」

 

「そうか……。ならお前に、エナジードリンク並みの、強力なカフェイン代わりの一発、くれてやろうかぁ!?」

 

 そう言ってワイローは思いっきり拳を振りかぶった。少女にすら暴力を振るう気になったのだ。

 

 その瞬間――遊の体は自然に走っていた。同時に喧嘩の仲裁をしていた金髪の少年も少女のガードに入る。

 気が付いてたら少女を守るために走っていたというのが事実だが、遊の中には使命感より『少女への(あこが)れ』があった。

 

 ――僕もあの子みたいに強く……強い無職になりたい!

 

 幸いにも振りかぶられたワイローの腕にしがみつくことに成功し、ワイローは突然の衝撃に後ろに倒れ込みそうになる。

 その瞬間をガードに入っていた金髪の少年は見逃さなかった。すかさず鳩尾(みぞおち)に強烈に拳を打ち込み、ワイローをダウンさせる。

 

「ぐふぅっ!?」

 

 地面に膝をつき、倒れ伏すワイロー。そしてつられてまたも地面に倒れ込むことになった遊。

 少年が拳を収め、地面に倒れ伏すワイローが動かないようにすぐに関節技を決めた後に、殴られそうになっていた少女は遊へ手を差し伸べた。

 

「大丈夫ですか? 不働遊、あなたのとっさの覚悟と強さを見せていただきました」

 

「えっ……? なんで、僕の名前……」

 

 差し伸べられた手を取りつつ、遊は問いを投げかけた。しかし、長い金髪を2つのおさげにまとめた少女はにっこりと笑って答えない。

 代わりに、隣でワイローに小さ目の体でなせるものとは思えない力で関節技を決めていた少年が喋り出す。

 

「ネル様ぁ、その人が不働遊っスよね? ボクが今からハインドを呼んで騒ぎを起こしますから、こんなとこから早く逃げましょうよぉ。あとは森次さん達に任せますよ」

 

「そうですね、サトル。では遊の選択を聞いてから逃げるとしましょうか。私は彼をどうしても見極めたいのです」

 

「はいっス」

 

 少年の名はサトルというらしく、一回り大きい大人であるワイローに対して容赦なく関節技を決め続けている。ワイローが抜け出せないことから、相当の力を持っているらしい。

 

「いででででで!? クーリア! クーリア・クゥ! お前の強化社畜の力でこいつらを捕えろぉ!」

 

「強化社畜!? マズッ――!?」

 

 サトルが上半身をそらせて後ろを向く。そこには先程自分を『強化社畜』と言っていた褐色肌で銀髪眼鏡の少女、クーリア・クゥがいた。

 しかし――クーリアはその場を見ているだけで何もしない。ただ立ち上がった遊を見ているだけだった。

 

「そっか……行っちゃうんだ。また会いましょう、不働遊」

 

 言われた遊としては、何が何だかさっぱりの言葉である。それでも、遊はしばらくこの場に戻らず、なかなか気の合っていたような気がするクーリアと会えなくなると感じ取っていた。

 なお、敵意のないことを感じたサトルにとっては冷や汗ものである。

 

「……必ず、クーリア・クゥ。……ネルさんとかいいましたよね? 説明してください、どうして僕の名を知ってて、こんなことしてるんです?」

 

 クーリアからネルという少女の方へ振り返り、遊は尋ねる。もう質問の嵐を浴びせたいほどだったが、冷静な部分でぐっとこらえた。

 もう遊がここにいたくないというのは悟ったのだろう。金髪の少女は納得したように一度頷いた。

 

「遊はもうこれ以上働きたくないでしょう? サトル、ハインド・カインドを呼んでください。脱出します。着地と共にリバティースからニーテンベルグを射出する手はずです」

 

「了解っス。おいで、ハインド!」

 

 サトルが点に叫んだ直後、巨大な重量級のものが近くに落下した音が辺り一面に響き、作業場が大きく揺れる。

 呼ぶ場所を指定できて簡単な遠隔操作ならできるのか、次に壁を引き破るようにして黄色いずんぐりとした機体が姿を現した。

 黄色いコーンを横に倒し、それに太い腕と短めの足を付けたような、人型とは呼びづらいような巨大兵器。それはサトルが呼んだハインド・カインドという機体らしく、壁を引き破った後は静かにそこに鎮座する。

 

 しかし鎮座するといっても武器を持たない人間には脅威そのものであり、労働者や社畜もみんな混じってそこから蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。

 

「こ、れは……!? うわっ!?」

 

 また直後に硬い物質と物質がぶつかり合ったような音と振動。次に来たのは、赤みを含んだ黒色の人型機体だ。

 ハインド・カインドの後ろに降り立ったそれは、きちんとした手足と胴体をもって(ひざまず)いており、コクピットを開く。遠目に見たその個所はどうやら無人なようで、誰かが乗るということを示しているようであった。

 

「いったい、あなた達は?」

 

「私たちは、無職同盟(リガ・ジョブレス)。今はとある特務室の一員ですけどね。不働遊、あなたはあの人型兵器(ワークマン)ニーテンベルグに乗って、我々と共に戦ってください」

 

「えっ」

 

「あなたのN.E.E.T.としての才能、私たちと世界のために活かしてくださいとお願いしたいのです」

 

「ええっ?」

 

「今この世界は、再び大きな炎に包まれようとしています。加藤機関、ザンスカール帝国、強制就職(デスマーチ)軍といった者達によって。それらと戦うためにあなたの力を貸してください」

 

 遊は混乱した。兵器の扱い、かろうじて作業用で乗りやすいといわれる小型の人型兵器(ワークマン)なら動かしたことはある。

 だが大型の、それもれっきとした兵器に乗って戦場に出るなど考えたこともなかった。今、目の前で、それをやってほしいと言われている。

 

「そんな、僕は……才能とか力とか覚悟なんて……」

 

「覚悟なら見せてくれたじゃないですか。先ほど私を助けてくれた時」

 

 確かにそうだな、と遊は笑った。強くなりたいという覚悟は、既に先ほど示したのだ。

 

「……ふ、ふふっ。どうなろうと責任取れませんよ? あのニーテンベルグとかいうのを壊しても、修理費払えません」

 

「気軽にやってください、仕事じゃないので」

 

 この時点で、既に遊の意志は決まっていた。絶対に働きたくない。ここに残ったところで何の得があろうか。

 遊は考えたのだ。『働くくらいなら、戦う』と。

 

「わかりました、やります。僕は働きたくないから」

 

「では行きましょう。ニーテンベルグの元まで走ってください。サトル、どうやら敵も黙っていないようです。ガテンとアルマが来ると思います」

 

「了解っス! じゃ、おやすみ!」

 

「ぐへぅ!?」

 

 サトルはワイローの首の後ろを強打し、昏倒させる。昏倒までとはいかなくとも、大きなダメージでしばらく動けないだろう。

 その間に遊はニーテンベルグの元へ走り、垂れ下がったウインチを使ってコクピットまで上がった。

 

 サトルもハインド・カインドにその強靭な身体能力で駆け上がって乗り込み、ずんぐりとした機体を動かす因子(ファクター)となる。

 

 ネルも同じくその場を走って後にし、なるべく戦場から離れて合流地点となるポイントへと向かう。

 

 走っていく彼女をモニターで見届けた後、遊はニーテンベルグの本格的な起動に入る。

 

「エンジン正常、モニター問題なし、バランサー正常……なんだ? このエンジンの出力、異常じゃないか?」

 

 遊の持っているマシンの知識と明らかに違うニーテンベルグの出力。しかし今はこの場を去ることだと、どうでもいい考えとして機体を戦闘モードへと移行させる。

 

 さて、機動兵器を発進させる際にはゲン担ぎのような風習があるとされる。有名なものとしては『アムロ、行きます』だろう。『俺はガンダムで行く』や『アイハブコントロール』というのもあったとされる。

 

 ニーテンベルグを膝立ちの状態から直立させ、遊が放った言葉は……。

 

「不働遊! ニーテンベルグで辞職します!」

 

 強かにはっきりと覚悟を示したその言葉。親が聞いたら泣きそうな言葉を、しかし遊は自信をもって口にし、ニーテンベルグで駆けた。

 

「聞こえるっスか? 合流地点のポイントを送りますよ。ここに行くまでにガテンやアルマが来る可能性があるっス」

 

「えっと、了解! アルマはわからないけど、ガテンって古いタイプの人型兵器(ワークマン)か」

 

 ニーテンベルグは武器を所持していないため、身軽にして手薄。逆にハインド・カインドは重量級で重装備でやや鈍足だ。

 どちらも同じ方角へ進むが、次第に距離が少しずつ離れる。チームプレイなど遊にはできなかった。

 

 丘を越えて海が見えた途端に、前方からチカチカと光が見える。次の瞬間には複数の小さな光線が飛んできていた。

 

「くっ!? ガテンのプラズマネイルガンなのか!?」

 

 遊の予想は当たっており、前方には陸戦型の人型兵器(ワークマン)ガテンが3機、フォーメーションを組んでプラズマネイルガンを連射していた。

 低コストで整備性に優れた機体だ。その分戦力としては心もとないが、量産が容易で多くの社畜を乗せられる。

 

 プラズマネイルガンの威力は低いものの、連続で食らえば脅威。とっさに横へ機体を移動させてかわした遊は、敵が近距離戦の用意をし始める前にニーテンベルグの異常な出力を活かした速度で接近する。

 

「貴様ァ! 働かずにメシを食いに行く気か!? そんなもの美味しくないだろう!」

 

「美味しいですよ!」

 

 何故かはわからないが、遊には敵の声がはっきりと聞こえたような気がしたので、思わずそう口に出していた。

 ニーテンベルグの手の甲が展開し、前方へ向けてプラズマカタールの刃が展開される。

 

 近距離武器を引き抜く動作もなく接近戦。敵が気付いた時には、前方の一機は肩口を切り裂かれていた。

 そしてニーテンベルグは、跳躍する。

 

「無職だって社畜だって、食べるものは同じだろうにっ!」

 

 着地しつつ右方にいる戸惑ったガテンを切り裂き、続けて左方のガテンにも切りかかる。

 肩の後ろから引き抜かれたヒートハンマーの()でガードをされるが、プラズマカタールの刃は量産型のそれなど易々(やすやす)と切り裂いて致命傷を与えた。

 

「む、無職ごときがこのガテンを負かすかぁ!?」

 

「社畜がそんなに偉いんですかぁ!」

 

「辞職後のテンションの上がり具合かぁぁぁ!!」

 

 脱出装置が働いてコクピットブロックが飛んだ後、ガテンは爆発を起こす。

 後方にいた最初に肩口を切り裂かれていた残りの一機は、ハインド・カインドのキラービーという鉄の杭を連射する武器にやられ、伸びる腕(バレットアーム)で放り投げられていた。

 

「ひえぇ、フル稼働したニーテンベルグってスゴイっスねぇ」

 

 遊はニーテンベルグに初めて乗ったというのに、あの速度で近づかれて接近戦を挑まれたら危ないかも、とサトルは感じていた。

 

 戦闘が終わり、ちょうどその直後にネルから二人へ通信が入る。

 

「こちらネルです、私は無事に合流地点で仲間と合流しました。サトル、加藤機関への物資補給基地の潜入作戦お疲れ様です。そして遊、共に戦う覚悟を決めてくれてありがとう」

 

 加藤機関だとか戦いだとか、遊はまだ何も知らない。それでも『ありがとう』という言葉だけは確かに伝わった。

 そしてもうこの時点で、遊は戦い続けることを決めていた。なぜなら……

 

「働きたくないから……」

 

 日はまだ上に登り切っていない。朝日がニーテンベルグの黒い装甲を照らす。

 

「いつかまた会おう、クーリア」

 

 遊はニーテンベルグを操作し、指定された合流ポイントへと急がせる。

 宇宙世紀110年7月6日午前9時のこと。これが日本を再び戦火に包む、始まりの鐘であった。




【解説】

◆:今回は『高機動無職ニーテンベルグ』の序盤の原作再現です。1~2巻の内容を混ぜています。一番最初に原作再現する作品がニーテンベルグとかこの作品大丈夫か?
 ワイロー・マイナイには因縁ができましたが、『閃光のワーカー・ホリック』にはまだ出会ってません。

◆:サトルは名字が出てませんが、『鉄のラインバレル』の山下サトルです。原作と変更点はありません。高校1年生なので、中退したみたいな嘘をつけばまぁ強制就職(デスマーチ)軍の下に潜り込めるでしょう。

◆:工場はアルマの細かいパーツを作っている工場です。この後に森次さんと遠藤姉弟にきちんと潰されました。ニートの死者はおりません。



【おまけ!】

【攻略情報】

◆第0話:始まりの二人 戦闘マップ①
・勝利条件:敵の全滅
・敗北条件:味方機の撃墜
・SRポイント獲得条件:なし

自軍:ニーテンベルグ、ハインド・カインド
敵軍:ガテン達


◆攻略ポイント
 スーパーロボット大戦Blankが始まってからまず最初にやるマップとなる。ほぼチュートリアルのような戦闘なので、もしガテンの攻撃に当たっても味方はそうそう落ちない。
 とりあえずニーテンベルグ(遊)に『集中』をかけ、敵の中に突撃させればすぐ終わる。後方のハインド・カインドも動かしてみて、戦略ゲームに慣れておこう。


【さらにおまけ!】

【中断メッセージ:ネル・ネラレル、不働遊】

「お疲れ様です、プレイヤー。まずは目を閉じ、ゆっくりと休んでくださいね。私も12時間睡眠のために昼寝します」

「ネルは寝るのか。……僕もなれるだろうか、12時間睡眠ができるN.E.E.T.に。そして、12時間スパロボをプレイできるN.E.E.T.に……!」

「おや、それでは24時間をまるごと使うことになりますよ?」

「いいんです。これが僕の、働きたくないという覚悟! 24時間を寝るのとスパロボに使うってこと、N.E.E.T.の特権としてやってやるさ!」

「ふふっ、ほどほどにしてくださいね? それ続けると死んじゃいますから。さて、プレイヤーはこんな無茶な行動はしないでくださいね。では、おやすみなさい」


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第0話:始まりの二人 ③Theme of Over.on(前編)

【宇宙世紀110年7月6日 地球圏サイド2のハイスクールにて、授業開始前のこと――】

 

 眼鏡をかけた少年二人は、隣の席同士で同じように項垂(うなだ)れていた。

 昨晩起きた出来事のショックが抜けきらず、こうしてお互いに元気がなくなっているのだ。

 

 二人して同時にため息。耐え切れないように、茶髪でやや髪がはねている方の少年がもう一方に問いかけた。

 

「どうしたマシロ。元気ないぞ……」

 

「そっちこそだろ、フォント。お前こそ机に突っ伏しそうでどうしたんだよ……」

 

「い、色々とね。そっちも色々あったみたいだ……」

 

 尋ねた方の少年はフォント・ボー。問いかけられた黒髪のストレートの少年はマシロ・オークス。どちらも眼鏡をかけているせいか、美少年というよりはややオタクよりな印象を与える風貌だった。

 なお、フォント・ボーは間違いなくモビルスーツや兵器のオタクであった。マシロ・オークスもゲームやSNSに寄ったオタク的趣味を持っている。

 

 お互いに顔を見合わせず再びため息。その空気に耐えられなくなったのか、フォントがまた口を開く。

 

「実はさ、俺がコツコツ集めてネットに公開していた、過去の兵器や武装について集めたサイトあるだろ? あれさ……なんか、サーバ上のバックアップも含めて丸ごと消された……。ハロロのAIや新情報のバックアップは、タブレットにしまっているから難を逃れたけど……」

 

「はぁっ? えっ、サーバのデータごと? どんだけヤバい情報に触れたんだよ」

 

 あまりにも重々しい内容にマシロはつい顔を上げ、隣で項垂れたままのフォントの方を見た。彼がコツコツ情報を集めたサイトが消された。

 彼がどれほど情報と向き合っているか知っているマシロにも、大変ショックに思える事件だった。

 

 もはやフォントは「ふ、ふっ」と乾いた笑いをすることしかできない。彼がいつも持っているタブレットから、美少女型AIの『ハロロ』が『消えてますねぇ、ぜ~んぶさっぱり消えておりますねぇ』と茶化した。なんとも主人に優しくないAIである。

 慰めになるかはわからないが、マシロも昨日にあったショックな出来事を自然と口に出していた。

 

「俺の方はさ……。昔流行ったゲームの早解きプレイをした動画でバズったら、『お前が本気を出すとお前自身が不幸になるんだ』って父さんに散々叱られた。いつもいつも、訳わかんないよな……」

 

「あぁ、お父さんのせいで、いっつもわざと平均点取らされてる感じなんだっけ。大人の考えることって、訳わかんないことあるよな……」

 

 マシロの方は、能力を発揮すると父親に叱られるという悩みの延長線上だった。

 自分の本気を出してはいけない。それが小さな頃から彼を苦しめている悩みの種なのである。

 

「うん、本当に意味無いよ。本気とか才能とか示しちゃいけないってさ。生きている意味がわからなくならない? ……それでフォント、君はどんなマズい情報に触れたんだ?」

 

 友人を立ち直らせるには、好きな話をさせた方が早い。そう思ってマシロは、一か八かの感覚で消えた情報についての内容を聞いてみた。

 熱くなれる話になると元気が出るのか、フォントは顔を上げてマシロの方を見て、記憶を手探り感覚で思い出しながらゆっくりと話し始めた。

 

「ネットっていつも変な情報が流出、リークされていることあるだろ? それで、天使の輪(エンジェル・ハイロゥ)とかいうザンスカール帝国の切り札……的なものを見つけたんだ」

 

 フォントが言うザンスカール帝国。それはこのサイド2オリンポスのコロニーと同じサイドに存在するコロニー軍による国家である。

 ジオン共和国と同じように地球に対して戦争を仕掛けており、今はヨーロッパの方面にかなりの部隊を投入している。

 

「切り札? それって、超強力な核ミサイルとかそういう奴?」

 

「いや、どうやらそういったものではない……みたいで。精神感応派で、地球の人々の思考を赤ん坊の状態くらいに戻すとかなんとか。なんか、あり得ないよな?」

 

「赤ん坊の状態に戻す? 戻してどうするんだ? ザンスカールの人がまた一から育てなおす?」

 

「まさかねぇ? あり得ないってのは、なんか、こう……天使の輪(エンジェル・ハイロゥ)は本当に最終兵器なのかって感じで……。確かに効果としてはすごいのだけど、切り札なら『相手を一気に殲滅(せんめつ)する即効性』に欠けている気がしてさ」

 

「なるほど。う~ん、ずっと精神感応派をかけ続けれるのかという疑問もあるし……」

 

 そこまで話題が進んだところで、同じクラスの少女が突然ずいっと間に入ってきた。

 

「マシロ、フォントも。なんか随分と物騒な話をしているみたいじゃない?」

 

「ルチア? これは、そう、戦術とか兵器の男のロマン的な話で――」

 

「人をどうにかしてしまうってのにロマンも何も無いと思うわよ、フォント」

 

 少女の名はルチア。フォントやマシロと同じクラスメートで、活発的な性格をしている子だった。

 

「どうしたんだルチア? この話に割って入ってくるなんて珍しい」

 

 マシロがそう問うと、ルチアは腰に手を当てて答えた。

 

「どうしたんだ? じゃないでしょ、もう授業始まるのよ? どんだけ話し込むつもり? それに、朝から項垂れていた君たちを心配したんでしょ」

 

 二人は同時にクラスの壁に表示されている時計を見る。確かに授業開始1分前ほどの時間で、このまま気づかなければ教師が来ても二人は永遠と話し続けていたであろう。

 

「こんな時間か……ありがとうルチア。フォント、昼休みにどこか食べに行って英気を養おう」

 

「そうだ、な。うぅぅ……サイトのことまた思い出した。ガンダム試作2号機は存在したんだよ? 確かに情報にあるんだよ?」

 

 いつもの日々、いつもの日常、いつもの会話。17歳でハイスクール2年である彼らの日常は、このまま穏やかに流れていく……はずだった。

 

 午前の授業が終わり、昼になって二人は学校の外に出ていた。

 昼休みは1時間。外食でも少々の時間は余るので、学校から少し離れた洋食店に向かう途中のことだった。

 

 二人は天使の輪(エンジェル・ハイロゥ)の話題について、あーでもないこーでもないと言いつつ、歩む速度を合わせながら店に向かう。

 だが、不意にその途中でマシロが足を止めるのだった。

 

「どうしたんだ?」

 

「……なぁ、フォント。俺っていったい、なんだと思う?」

 

「えっ?」

 

「父さんに小さな頃から言われているんだ。『お前は本気を出してはいけない』って。でもさ? 俺、その小さなころの記憶がぼやけているんだ。なんか、昨日の怒られたこととかでさ、俺は自分が何者か分からなくなった。……俺って、なんだと思う?」

 

 重たい相談内容であった。それはマシロも若干感じていたようで、問いかけてから申し訳なさそうに顔を逸らす。

 しかし、フォントは一度うんと悩んでから自分の考えを口に出す。

 

「ハイスクール時代からの付き合いだから、わかったような口はきけないかもしれないけど……。君は、どこにいてもマシロ・オークスなんだと思う。きっと今悩んでいるマシロが、本当のマシロなんだよ」

 

「そう、なのかな」

 

「きっとそうだろ? じゃあ、俺は君がマシロって名乗れない存在であったとしても、このコロニーに……オリンポスにいた証として君をマシロ・オークスって呼ぶよ。ははっ、ちょっとくさいかな?」

 

「いや……ありがとう、フォント。気が楽になったような感じがする」

 

 自分を自分の名で呼んでくれる。それはマシロにとって救いの言葉であったし、このコロニーオリンポスに確かに存在しているとつなぎとめてくれる(アンカー)であった。

 

「見つけたよ、マシロ・オークス君。『シャマール』……いや、パプテマス・シロッコと呼ぶべきかな?」

 

 突如としてそこに割り込む声。気づけば、二人のすぐ横に向かって金髪の男性が歩いてきていた。

 不敵な笑みに、格好はスーツ姿。後ろには物騒に拳銃や機関銃を構えたボディガード達。その姿を見た周りの住人たちは一目散に逃げだして住居の中に隠れる。

 

「俺のこと? あなた達は、いったい?」

 

「私はレイモン・メキネス。安心してくれ、君たちに危害を加えるつもりはないよ。何もしなければ、の話だがね」

 

 にやりと不敵な笑みを浮かべたまま、レイモンという男はボディガード達をマシロとフォントの周りに配置させる。

 同士討ちしないように円形ではないが、逃がさないという明らかな意思が二人には見て取れた。

 

「話って……銃を向けられたまま正常に話なんてできませんよ!」

 

「言っただろう? 別に何もしなければ危害を加える心配は無いんだ。パプテマス・シロッコ、今からの私の話をよく聞いてほしい」

 

「パプテマスって、ティターンズを乗っ取って戦争を玩具(オモチャ)にしていた人でしょう!? 俺の何が彼と結びつくんです!?」

 

 銃への恐怖に対する反発なのか、強い口調でマシロは反論した。

 次に、フォントも怖がりつつレイモンという男に反論する。友人のための、勇気ある行動だった。

 

「あなた達は何を言っているんですか? 彼は、マシロ・オークスですよっ、戸籍上だってそうだっ。外見上も内面も何も関係ない……彼はパプテマス・シロッコじゃない!」

 

 当たり前の反論。齢17の少年が過去に死んだとされるパプテマス・シロッコにどう結びつくというのか。

 しかし、レイモンはやれやれと首を横に振った。まるで分っていないのだと呆れるように。

 

「君に用は無いよ隣の少年君。マシロ・オークスは正しくパプテマス・シロッコなのさ。私達が示してあげよう、君の過去、そして本質というものを」

 

 頭に少々のノイズが走る。ジ・Oというモビルスーツに乗り、多数の敵を撃ち抜き斬り伏せ、最後にZガンダムに突撃された記憶……。

 しかしそんなのはあり得ない、あり得てはいけないと勢いよく首を振る。そんな記憶があったら、自分は自分だという確証が無くなってしまうからだと。

 

「俺はマシロ・オークスだっ! 思想も経験も性格もっ、パプテマスじゃない! 俺は――」

 

 途中まで言ったところで、カランと地面に響く金属音。ボディガード達が下に目を向けると、そこにはモクモクと煙を吐き出す缶がいくつか転がっていた。

 一瞬で辺りが煙だらけになり、レイモンとそのボディガード達、そしてマシロとフォントの視界までもくらませる。催涙性のない煙幕だ。

 

「その場から逃げろっ! いいな!? 真っすぐ後ろに走れ!」

 

 その場にどこからか響く男の声。マシロとフォントは何から何まで訳が分からないと思いつつも、銃を向けられている状態よりはマシだと、男の声に従って後ろへ振り返って全力で駆けた。

 

「どうなる!? 誰の声だ!?」

 

「フォント! 走ろうっ! アイツらよりマシと思いたい!」

 

「煙幕から出たな! 二人ともこっちだ!」

 

 二人はただ全力で走り、やがて煙だらけの場から抜け出す。抜けてすぐに片目を長い金髪で隠した男に出会い、二人は路地裏へと誘導される。

 マシロは重要人物なのか、ボディガード達は足を止めるために闇雲に銃撃を行うということはしてこなかった。それが身体能力に優れていない二人の救いだった。

 

「キツイだろうが今は全力で走れ! お前たちは……フォント・ボーは知ってはいけない情報を知ってしまった!」

 

「こ、今度は俺ぇ!?」

 

「あの輪っかのこと!?」

 

 先導する男は問いに応えない。今はただ死にたくなければ、自由の身でいたければ全力で走れと背中が示していた。

 やがて銃撃戦のない追走劇は長い金髪の男やマシロとフォントの勝利という形で終わり、三人は倉庫の一角に入ることになった。中は薄暗く、人の気配は無い。

 

「ぜぇっ、ぜぇっ……」

 

「はぁ、はぁ……」

 

 肩で息をする二人。その前に立つ男も多少息を切らしていたが、まだまだ余裕のありそうな佇まいだった。普段から相当鍛えていることが伺える。

 

「あ、あなたは誰なんです……? どうして俺達を助けてくれたんですか?」

 

「あなた、何か知っているんですよね? 俺がパプテマスと呼ばれる理由も、もしかしたら――」

 

「……俺は宇宙海賊ビシディアンの頭領(リーダー)、キャプテン・アッシュ。ある依頼の上でお前たちを、フォント・ボーを救出した。話があるのは俺ではなく、『あちら』だ」

 

 宇宙海賊という名乗りに二人はぞっとする。本日は厄日のようだ。

 キャプテン・アッシュという男は振り向き、握りこぶしから立てた親指で横を差す。フォントはその顔立ちをどこかで見たことがあると思いつつも、示された方を促されるままに見た。

 

「すまないアッシュ。けっこうな苦労をかけさせてしまった」

 

「宇宙海賊としては日常茶飯事なことだ」

 

 指で示された方には、機材に座っている褐色でサングラスをかけた男と、まだ幼女と言えそうな少女がいた。

 薄暗い中でサングラスをかけているということは、そしてその男自らが自分たちの元に来なかったのは、褐色の男の目が悪いからではないかとフォントは勘づく。

 

「この子であっているだろう? カーティス。危機が迫っていたので余計な子まで付いてくることになってしまったが」

 

「ベルお嬢様? この子であっておりますか? 確認をお願いします」

 

「……うん! この人であっているよ!」

 

 やはり褐色肌の男は目が見えないのだとフォントは気づく。隣にいるベルという少女に確認をしてもらったのだから、間違いなくそうなのであろう。

 

「フォント・ボー、君はザンスカールの知ってはいけない情報を知ってしまっ――」

 

 プルルルルルと、カーティスという男の言葉を遮るように響く携帯(フォン)の着信音。マシロのものだった。

 いつもの癖のようにマシロがフォンをポケットから取り出して画面を見ると、それは父からの画面表示通話を求める合図だった。

 

「……あの、父さんからです」

 

「――出てもいいよ、連絡できるのは最後になるかもしれん。しかし、私たちのことは言わないでいてくれたまえ」

 

 カーティスがマシロに通話の許可をする。その場を見ていたキャプテン・アッシュは、『やはり甘いな』と苦笑するのだった。

『最後になるかもしれない』という言葉に、ごくりと唾を飲みながら通話に出る。

 

「もしもし、父さん?」

 

『マシロか!? 無事なんだな!? ――そちらにオーヴェロンを向かわせた。今はただ、逃げろ!』

 

「はっ? 父さんちょっと待ってくれ! オーヴェロンって何? いったい何が起きているの? 教えてくれよ!」

 

 険しい表情になったのは通話に出ているマシロだけではなく、アッシュとカーティスもだ。フォントと、ベルという少女はただ何が起こっているのかわからず傍観するだけである。

 

『私も全てに答えてやりたい、今度こそ。しかし時間があまりにも足りなすぎる……。だからっ、オーヴェロンに乗る少女と共に逃げろ。連中はお前を簡単には殺さない』

 

「何を言ってるんだよ……訳が分からないよっ、父さん!」

 

『マシロ、今まで厳しい育て方をしてすまなかった。しかし、今からは自らの意志で――』

 

 そこまで父親が口にした途端、画面の奥側から爆発らしき光景が見えて画面通話が途切れた。残るのは、会話が途切れた音のみ。

 

 一瞬だったが、画面の奥で何が起こったのかはマシロにも分かった。『父が誰かに消された』のだ。厳しい育て方や愛情を感じなかったようにも思えるが、たった一人しかいない父が死んだということは彼にもわかってしまった。

 それを理解したマシロは、足から力が抜けて地面に膝をついてしまう。

 

「父さん、意味わかんないよ……なんで誰も、何も教えてくれないんだっ!」

 

「……君も大きな事情を抱えているようだ。だが今は、あえてこの言葉を口にさせてもらう」

 

 ビッと二人を指差し、カーティスという男は厳しく告げた。もはや今の二人に残されている道は二つしかないと。今ここで、すぐに選ぶしかないのだと。

 

「フォント、マシロ。今の君たちには二つの道がある。我らと共に来るか、ここで何もできずに朽ち果てるかだ!」




【解説】

◆:『機動戦士ガンダムヴァルプルギス』の序盤の展開と、『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』の序盤の展開を混ぜ合わせ、プラスそこに『機動戦士ガンダムAGE』の要素です(キャプテン・アッシュ)。

◆:キャプテン・アッシュとカーティス・ロスコは旧知の仲(?)です。(彼らが10年以上の時を経て再会した話もいずれ書きたいと思っております)

◆:フォントは原作最終章で18歳と明言されており、マシロは原作で年齢がはっきりとしていなかったはず……。成長して18歳ならまだわかるかなって感じで、どちらも年齢17歳の同じクラスに設定しております。高校2年生です。

◆:フォントが住んでいる箇所を、ズム・シティ(ジオンのサイド3コロニー)からオリンポスに変更してます。


【おまけ!】

【中断メッセージ:マシロ・オークス】

「ん? 言葉が走った……? あっ、プレイヤーか、お疲れ様。マシロ・オークスだ。俺はもうちょっとスパロボの早解きプレイを続けるとするよ」

若干暗めな顔になりながら

「えっ? せっかくのクロスオーバーなのに、どうして最初から早解きプレイなのかって? そりゃあ、早解きプレイでバズって広告収入を--じゃなかった。一刻も早く俺の真実を知りたいからさ」

明るめな表情に戻り

「みんなはスパロボBlankをじっくり楽しんでくれよ。それじゃあまた会おう。……なんだ、この展開? 『私』が知らないストーリーが内蔵されているのか!?」

眼鏡を外して焦燥の表情になる

「何っ、フリーズだと!? ゲーム機がエルドリッジ効果を受けている!? ゲーム機、動け! ゲーム機、なぜ動かん! ええいっ、話にならん。……あれっ? 俺、いったい何を……? ゲームのやりすぎかな」


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第0話:始まりの二人 ④Theme of Over.on(中編)

 ほの暗い倉庫の中で示された選択肢は二つ。謎の組織の一員だろうカーティスと共に行くか、ここで朽ち果てる――すなわち、死を選ぶか。

 

 フォント・ボーはザンスカールの知ってはいけない情報を知ったようで、生き残るのならカーティスと共に行く選択しか選べそうにない。まだ直接ザンスカールの追手や刺客が来たわけではないとはいえ、もう普段の日常には戻れないことをフォントは悟っていた。

 マシロもそうだ。パプテマスと言われて父が消されるのをその目で見ようものなら、ここで大人しく朽ち果てたいなんて選べないだろう。

 

「お、俺は……父さんがよこしたオーヴェロンとかいう奴を受け取って、あなた達と共に行きたいと思います。たぶん俺はここに……オリンポスのコロニーにいられ、ないんだ。そうするしか……ない」

 

 マシロは震えた体を抱きしめながらうつむいて話す。彼の答えは決定した。

 

「お、れの、答えは……? あの、カーティスさんはっ、いったい何者なんです? せめてそれだけが知りたいっ」

 

 対してフォントの方は、まだ他の道に対しての希望をわずかながら持っていた。『もしかしたら? 本当は? この人たちについていく方が間違いなのでは?』という探りをする。

 

「君たちには、私が誰だか知る権利がある。信頼のために正直に話そう。――私はカーティス・ロスコ。木星の特殊部隊、蛇の足(セルビエンテ・タコーン)の者だ」

 

「木星? 特殊部隊? 蛇の足みたいに存在しないもの……?」

 

洒落(しゃれ)に気づくとは鋭いね」

 

 カーティスは恐らく正直に話したのだろうとフォントは考える。だがしかし、木星。20年前に大規模な地球侵攻を実行した木星帝国の残身。

 しかもフォントが手に入れた情報では、天使の輪(エンジェル・ハイロゥ)の製作に関わっているのだ。正体を明かしたことで逆に疑心暗鬼になる。

 

「……カーティス、時間だ。外で騒ぎが起きているみたいだ。俺はガンダムに戻り準備をしておく。……コロニー内の戦闘というのはあまり行いたくないがな」

 

 会話には混ざらず、今までじっと自分の端末を見ていたキャプテン・アッシュが静かにその場を去り、倉庫の奥深くの暗闇の中に行く。通路の先に自分の機体を用意しているらしい。海賊なりのやり方であらかじめコロニー内の準備は良くしておいたのだろう。

 

「騒ぎ? だれ、が?」

 

「決まっているだろフォント。君を狙うザンスカールの連中だ。君には脱出用のザクを用意しているから、ベルお嬢様やマシロと共に……は無理かなぁ?」

 

「あの、ザクって? どこでそんなもの?」

 

「ザクⅡさっ、10年前の昔のね。式典用やお祭り用でセキュリティが甘かったから、ちょろっとくすねて来た。でもさすがにベルお嬢様が子供とはいえ、あのコクピットに三人は無理かな――」

 

 その言葉にムッとベルが頬を膨らませた時、その場に突如コロニーであり得てはいけない振動が起こった。足元が一度ぐわりと揺れ、衝突音で倉庫が振動する。

 

「なんだっ!? アッシュ、どうした!?」

 

『機体がふらふらしながらこちら側に墜落した! 攻撃する意思が無いようだったのでそのまま落とさせたんだが……。機体は――ん? ジ・Oだと? いや、その向こうから大型のモビルワーカーが複数来る! 急げ!』

 

 既にガンダムに乗り込んで外に出たアッシュの声が、カーティスの持つ小型の通信機に伝わる。

 

「ティターンズのジ・O? ――とにかくフォントとベルはザクへ、MSを動かせる知識は持っているんだろう? マシロは少し厳しくなるが私のガンダムへ……どうした? マシロ」

 

「――ジ・O? ティターンズは数年前に解体されて、そのフラッグ機なんて――パプテマス・シロッコの……それが、オーヴェロン?」

 

 ぶつぶつ言い続けていたマシロが突然顔を上げ、走り出す。足音でここから離れるというのをカーティスは目が見えなくとも察知した。

 

「マシロっ! どこへ行く!?」

 

「オーヴェロンが落ちたんです! それはたぶん、父さんがよこした!」

 

 はたしてそうなのかそうでないのか、カーティスにはわからない。きっと親子関係のものだから、読めない。

 そして今近くにいるフォントは重要人物で、ベルも木星の『さる名家』のお嬢様。ザンスカールの連中に渡すことなどあってはならないのだ。

 

「フォントとベルお嬢様はそのままザクへ。落ちたのが本当にオーヴェロンというものなら、このまま4機でオリンポスから母艦へと離脱する! フォントどうした!? ザンスカールが来るぞ! 狙いはお前自身と、お前が持つ端末に入っているだろうデータなんだ!」

 

「う・う……? やるしか、ないのか?」

 

 不安げにだが、ベルがフォントの元へと駆け寄り袖を引っ張る。彼女を任せられたということは……カーティスは戦闘を行うつもりなのだろう。この小さい子をいかれているとしか言えない状況で自分は任されたのだと、フォントはついに覚悟を決める。

 

「わかり、ました。ザクならプチモビの経験で動かせますっ。狙われているなら、やるしかない……! 案内を!」

 

 その言葉に対し、ベルが駆ける。足につけた小鈴のチリンチリンという音を頼りに、カーティスがその後をまるで周りがはっきり見えているかのようについていく。そしてフォントも。

 小さな足音に連れられてMSが置かれている場所に着く。フォントの眼前にいるモビルスーツは、10年前に生産が始められて、もうこの時代では旧世代のザクⅡと……ややくすんだ白銀色をした、全機が失われたはずの機体『クロスボーン・ガンダム』だった。

 

 

 同時に、外へ駆け出していたマシロも白いジ・Oを見つけていた。

 コクピットハッチは開いており、墜落した後だというのに『さぁ、どうぞ』と手の位置を調整していて、まるでマシロを待っていたというような形で存在していた。

 

「俺に乗れって、そう言うのか?」

 

 意を決し、自分の体に秘めていた身体能力を活かして手に飛び乗る。普段の学校生活では『目立つ・不幸になる』と父に言われてあまり見せなかったものだ。鍛えてなくて体力が無くても、一瞬の行動ならばできる。

 

「女、の子? 少女って父さんが言ってたか……撃たれているっ!?」

 

 コクピットに乗っていたのは、脇腹に銃創があり、そこへ最低限の止血をしていたパイロットスーツの少女だった。痛みで気絶してモビルスーツごとふらふらと落ちたのだろう。オーヴェロンに乗る直前に撃たれたのであろうか。

 目は閉じられていて、意識ははっきりとしていないようだ。

 

「死んで、ないよな? どうやって動かしてたんだ!? 君が気絶してちゃ、逃げられない!」

 

 重症のためゆさゆさと揺することはしなかったが、マシロは苛立って声を張らせる。その言葉に少しでも意識を取り戻したのか、少女はか細く呟いた。

 

「こ、この機体を……パプテマスさま……」

 

「くっ……! どいつもこいつも、シロッコシロッコって……! このモビルスーツ、借りる!」

 

 少女に操作法を聞き出すのは無理。操縦をさせるのも無理。ならば自分がやるしかないのである。

 マシロは少女の体をなんとかどかせ、自分の体をシートと少女の体の間に割り込ませる。

 

「さすがに窮屈だな……。本物のモビルスーツ、どうやって動かすんだ? フォントなら動かせるんだろうけど……いや?」

 

 ふと、この操縦席が『懐かしい』ことにマシロは気づいた。座ったこともないこのコクピットの内部が、まるで自分が作り出してからどこかへ無くしてしまっていたのが戻ってきたみたいに懐かしいのだ。

 

「わかる? わかるぞ!? こうだ、コンソールやスイッチはこのように操作して、再起動!」

 

 コンソールに表示される、『"O"ver.on』の文字。ジ・Oの、オーヴェロンの操作をマシロは初見で成功させたのだ。

 

「こいつがオーヴェロン……。俺はこのマシンを、お前を知っているのか?」

 

 困惑しながらスイッチやコンソールを次々と叩き、戦闘モードへと移行させる。

 ……のだが、オーヴェロンは右手に持ったビーム・ショットライフルを上げたり下げたり、大きな盾を持った左腕を前後にガクガクと動かす。柔軟な動きができる人型機動兵器とは思えない、古い電動人形みたいな動きだった。

 

「初見で戦闘は、無理そうだな……。『知っている』のと『やれる』ではめっちゃ違いがあるだろ……。――あっ!?」

 

 モニターの先、建物の影から現れたモビルワーカー『サンドージュ』と画面越しに目が合った。

 サンドージュは長い胴体に四本ずつの手足を持つ蜘蛛(クモ)のような、かつての球形作業用ポッド『ボール』とは全く異なった姿を持つ。

 だがボールと同じようにいくつかの戦闘用の武器が搭載されており、複座式の頭部のすぐ下に小型のビームランチャー、尾のような本体下部にはビームストリングスを放出できる部位が設けられている。

 作業用モビルワーカーと(あなど)るなかれ。使い方だったり複数の機体での攻めならば、モビルスーツを圧倒できるとまで言われているのだ。

 

「ビーム・ショットライフルなら狙いは――! いや駄目だっ、コロニー内だと――」

 

 すぐに武器を構えようとしたマシロだが、一旦強力なビーム射撃を行えばコロニーで被害が発生することが頭の中ですぐによぎる。

 その隙に初めに遭遇した一機がオーヴェロン目掛けて小型ビームランチャーを発射――する前に首元を白銀と黒色をした槍で貫かれた。

 

 サンドージュの細い首が見事に千切れ落ち、その首元から槍『ドッズランサー』を黒の機体が引き抜く。その機体は右目が眼帯のようなパーツで隠されてはいるが、出で立ちはまさしくガンダムだった。

 

「黒い、ガンダム!?」

 

 自分の中でどこか気になる言葉だったが、そんなことはどうでもいい。マシロはすぐに通信をかけようとしたが、その前に黒いガンダムから通信が飛んできた。先ほど場を離れたキャプテン・アッシュからの通信だった。

 

「無事か!? ん、マシロ? 飛び方が分かるのならコロニーのゲートまで急げ。ライフルでも制御室に向ければ、あちらから開けてくれる!」

 

 通信の間に後ろから飛び掛かる2機のサンドージュ。しかし黒いガンダムは、『ガンダムAGE-2 ダークハウンド』は、まるで後ろに目でもついているかのように素早い動きでさらりとかわす。

 その直後には、左手で引き抜いていたビームサーベルと右手に持っていたドッズランサーでサンドージュ2機を撃破していた。機体性能の大きな差もあるが、神業と言える速さだ。

 

「スーパーパイロットを舐めるなよ。行けっ!」

 

「はっ、はい! 俺じゃ重たい足手まといだっ」

 

 バーニアを吹かせ、オーヴェロンの重たい図体を持ち上げて飛翔させる。コロニー内なら地球よりは飛行を続けられる。

 それに続いて、倉庫内から白銀の『クロスボーン・ガンダム』と、ザクⅡが一機ずつ飛んで付いていく。殿(しんがり)は瞬く間にさらなるサンドージュを撃墜して飛んだダークハウンドだ。

 

「制御室! 通してもらうぞ!」

 

 マントをはためかせながら飛ぶクロスボーン・ガンダムが先行し、両手に構えているバタフライバスターという武器の一丁をコロニーのゲートの制御室に向ける。

 すると制御室は良い判断をしたのか、コロニーのゲートを解放して宇宙への出口を開いた。壊されてコロニーに被害が出るよりはマシなのだ。制御室はコロニーを運営している者ので、閉じ込めておきたいザンスカールのものではない。

 

「いい判断を感謝する。……んっ?」

 

 クロスボーン・ガンダムに乗るカーティス・ロスコは、目が見えないため『音』で全てを判断する。

 機体の周りをコクピット内で発する独特の音からイメージとして認識し、長年の訓練で鍛えてきた判断と知識で戦うのだ。常人には考えられないようなテクニックと認識力である。

 

 音で認識し、知識で戦う。故に――正体不明の聞いたことが無い敵は、異音によるノイズとしてでしか捉えられない。

 

 戸惑ったカーティスを見透かしたように、コロニーの出口で待ち構えていたハット帽子を被ったような機体は、猛スピードでクロスボーンに接近した。

 

「なんだっ、コイツ、は!?」

 

「カーティスさん!?」

 

 ザクに乗るフォントが叫んだ時には、クロスボーンのコクピットに緊急の接近戦をイメージさせる音が鳴り響く。

 とっさにバタフライバスターをその名のごとくバタフライナイフのように折りたたみ、ビームサーベルモードとしてハット帽子のビームの爪と斬り合う。

 

 いくら音だけでモビルスーツ戦が行えようと、謎の敵には無力。カーティスにとってはどんな姿か、どんな武装をしているか、どんな攻撃をしてきそうか、全てが分からなくなるのだ。

 

「フォント! マシロ! こいつはどんな姿をしている!? 俺は音で戦場をイメージして戦うっ。だから戦う相手が分からないと上手く戦えないんだっ!」

 

「えっ、えっ――!? ぼ、帽子を被ったような機体で……」

 

 ハット帽子の機体には手が無かった。その代わりに三本の指のようなものが半卵型の手根の部分から飛び出しており、そこから高出力のビームサーベルが伸びている。

 頼みのカーティスは上手く戦えず、フォントとマシロが戸惑う。後方にいたアッシュのダークハウンドが空を駆けて謎の機体に迫ろうとするが、その内にドリルのように回転したビームサーベル達がクロスボーンの右肩を正面から(えぐ)った。

 

「フォント! こいつはどんな!?」

 

「て、手にビームサーベルが三本生えていて、それをドリルのように回転させてます! 両手が、そうなっている!」

 

「両手がっ? サーカスの『デスフィズ』か!?」

 

 体勢を立て直しきれないクロスボーンに両手の爪で連続攻撃を仕掛けるデスフィズが、前へ出られなかったザクⅡとオーヴェロンへと急に攻撃対象を変える。

『コイツじゃない』。そうデスフィズのパイロットが判断したようだった。

 

 割り込んだダークハウンドがビームサーベルとドッズランサーで張り合うが、それを今度は両手をヘリコプターのように猛回転させて切り払い、猛進したデスフィズはザクⅡとオーヴェロンに斬撃を加える。

 

「う、わあああ!?」

 

「ぐあぁああ!?」

 

 左手辺りを切断されたザクⅡと、左腕の大きな盾に衝撃が加わったオーヴェロンがバランスを崩し、コロニーの地面へと落下していく。戦場に慣れていない二人は、操縦桿やペダルを離してしまったのだ。

 

「フォント!」

 

「マシロ!?」

 

 カーティスとアッシュが叫ぶ。切り裂かれた二機は致命傷には至っていない。無事ではありそうだが、初めての戦闘の恐怖やプレッシャーで動けなくなっている可能性はある。

 体勢を立て直したクロスボーンとダークハウンドがすぐに救援に向かう。今回の戦いは情報を持つフォント・ボーを、そして何かを抱えたマシロ・オークスが脱出できなければ負けなのだ。しかも二人に実戦経験はない。

 

 無論、デスフィズの正体を理解しつつあるカーティスと、優れた腕を持つアッシュが本気で戦えばデスフィズには勝てるだろう。

 だが、デスフィズに勝つだけでは駄目。コロニーでの多数の死者と怪我人、そして敗北条件を満たしかねない恐れがある。

 

 落下したザクⅡとオーヴェロンはなんとか地面に降り立つが、目前にデスフィズも降り立つ。その後ろにダークハウンドと損傷したクロスボーン。

 

 そこへザンスカールがよこしたサンドージュの数機も集まって、コロニー内だというのに小型ビームランチャーや糸状のビームストリングスを好き放題にデスフィズ以外へ向けて放つ。

 まだ混乱した人たちが多くいる街中だ。小型のビームランチャーやビームストリングスはコロニーの外壁損傷までとは至らないものの、その大地に生えた建物やそこに生きる人たちを滅茶苦茶にしていく。

 

「ははははっ! いいぞ! 強力な援軍だ。我らザンスカールに、『エンジェル・コール』の情報を!」

 

 そこでサンドージュの一機がデスフィズの援護に回ろうと近づいた。何者かは知らないが、援護をしてくれるなら強力な同志――

 

「邪魔くせぇぞ? お前ら」

 

 デスフィズの爪状のビームサーベル、正式名称『ビームファング』がサンドージュの頭部コクピットを突如として貫いて、その中をビーム粒子で焼き尽くした。

『味方ではないのか?』。絶叫すら発せず、複座に乗り込んでいたザンスカールの兵二人が絶命して緑の粒子の中に消え去る。

 

「あ、あぁ……死ぬ? 死ぬの、か?」

 

 フォントはぞっと震えた。同じくマシロも。

 こんな簡単に、命が――消えた?

 

「どうしたフォントー! しっかりしろ! 飛べるのなら逃げるんだ! 俺達はこいつらを全滅させるのが目的じゃない!」

 

「くっ! わらわらと……! マシロたちの援護に行けん!」

 

 サンドージュに加え、両肩がシールドのような形をしたモビルスーツ『ゾロアット』までコロニーの出口から数機入ってくる。カーティスとアッシュなら生き残れはするだろうが、フォントとマシロにとっては絶体絶命だ。

 

「そいつはサーカス、サウザンドカスタム! そのデスフィズは異常なまでの近距離戦特化だ! 距離を取れ―っ!!」

 

「ははっ、遅いぜっ」

 

 デスフィズに乗っている者が嘲笑し、ザクⅡに向かってビームファングを突き出した。必中の距離、ザクⅡの推進力では逃れられない間合い。迫りくる『死』を、フォントは感じた。




【おまけ!】

【中段メッセージ:フォント・ボー&ハロロ】

「す、すごい! このスパロボという作品……いろんなロボットで満載(まんさい)だ! ブログを書くのにもサイトを作るのにも捗るぞ!」

『おぉー、御主人様のテンションが猛烈に上がっておりますねぇ! ……あれっ? アレクトと先生って、ロボットなのでしょうか?』

「そ、それは……言わないお約束というもんだよハロロ! 細かに分析しちゃいけない!」

『うーん? ですが、スーパーな『ロボット』が参戦する作品でして? シリーズのコンセプト上、いかがなものかと私は考えますが』

「ストップ、ストーップ! いいんだよ、集大成というロマンがあるんだからっ! 好きな作品が好きなシリーズに出る……これだけでも細かいこと抜きで嬉しいものなんだよ! だからいいんだっ!」

『AI的にはロマンや嬉しさというものはサッパリ? ですが様々な可能性を集めるというのは、得られる利益や作品のプレゼンテーションにピッタリ――』

「これ以上厄介なことを喋らないでくれバカAI!」


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第0話:始まりの二人 ⑤Theme of Over.on(後編)

 ザクの目前に迫る回転するビームファング。走馬灯を見かけたフォントであったが……しかしデスフィズは急速に突進の勢いを失い、後ろに精一杯逃げようとするザクⅡの胸部装甲の表面を少し焼き切るだけに至った。

 

「こいつっ……!? ザクのくせにかわした!?」

 

 いったいこの一瞬で何が起こったのかされたのか、デスフィズに乗るパイロット『ジャック・フライデイ』はわからないままであった。

 自軍に不利益な情報源であるザクⅡのパイロットを抹殺せんと、今度は左腕のビームファングを振るって追いかけようとする。が、乗機(デスフィズ)のあらゆる箇所に謎のロックがかかり始める。

 

 それはその場にいた他のザンスカールの機体であるサンドージュやゾロアットも同様のようで、このコロニーを荒そうとする者全てに呪縛じみた謎の抑制が起こっていた。

 

「なん、だ? 何が、起こって……?」

 

 難を逃れたフォントも困惑の中にあった。自分に必中で必殺の攻撃が直撃するかと思いきや、急にその勢いを失ってかわせたのだから。

 

 戦場というものは初めてなフォントであるが、このチャンスを逃せば次は生きていないということは理解できる。

 そして同じく困惑していたダークハウンドのアッシュと白銀のクロスボーンのカーティスであるが、すぐにこの状況はこちらにとって有利とそれぞれの獲物(ビームサーベル)で周囲の機体の手足を斬り落とした。

 

「よくわからんが好機だ! 行くぞフォント、マシロ!」

 

 再び殿(しんがり)を務めようと、ぎこちない動きで群がろうとするサンド―ジュの四本の腕をダークハウンドが剣で斬って槍で貫く。

 

 左腕を斬り落とされただけのフォントのザクⅡはコロニーの空へ飛ぶ。それを先導せんと再びカーティスのクロスボーンが飛ぶ。しかし、マシロのジ・O(オーヴェロン)が戦場から動かない。

 

「マシロっ、逃げ遅れるなよっ! 後方はアッシュに任せてあるんだ! ……マシロっ? これはお前が引き起こしているのか!?」

 

 カーティスがマシロへ通信を入れるが、返答が無い。そして通信を入れた際には、カーティスはぞくりとした薄ら寒さをマシロから感じていた。

 ようやく一歩進んで動き始めたオーヴェロンに対し、奇妙な力には負けまいとデスフィズがビームファングをコックピットへ向けて突き出そうとする。

 

「どうなってるってんだ! きさまだけでも――!」

 

「俺は、こんなところで終われないんだ……! そうだろっ、オーヴェロン!」

 

 マシロが叫ぶと共に、オーヴェロンのモノアイが光を強く灯し、再びバーニアを吹かせて飛翔した。同時にデスフィズにかかっていた謎の呪縛もいくらか軽くなる。

 

「こんなまやかし――ふざけるなよっ!」

 

 腕の3本のビームファングの中心に存在するビームガンが火を噴こうとしたところで、ダークハウンドがドッズランサーとビームサーベルで邪魔に入る。

 

「ちいっ! 海賊の手練れかよ!」

 

「やはり一騎当千機か、仕留められんとはっ」

 

 かなりの実力を誇るキャプテン・アッシュだが、謎の呪縛を抜け出したデスフィズには不意打ちに近い攻撃でもビームファングで防がれる。

 そのまま不意打ちでダメージを与えて離脱を試みようとしていたアッシュだったが、異常なまでの接近戦に特化したデスフィズに対して有効打を与えられない。

 

 ダークハウンドも武装はフック付きのワイヤー、ビームバルカン砲付きのドッズランサー、そしてビームサーベル2本と同じように接近戦に優れた機体だ。

 乱入してくる者はおらず、どちらも優れた能力を持つため、簡単に決着はつきそうになかった。

 

「アッシュ! 林檎の花(マンサーナ・フロール)で離脱する!」

 

「ここまでかっ……!」

 

 なんとか強力な機体による追撃を防ぎフォントとマシロの負担を減らそうとしたが、そうもいかないらしい。最後にビームサーベルを振ってデスフィズを押しのけてから、ダークハウンドもその場を飛び去る。

 

 コロニー内にまた湧いて出てきたサンドージュの小型ビームカノンと、追ってくるデスフィズの両腕のビームガンが連射される。

 ダークハウンドは回避の訓練なんてしたことのないフォントとマシロにそれらが直撃しないように、肩のウイングにマウントされたワイヤーフックを伸ばして円形に振り回す。遠距離からのビームや実弾すら弾き飛ばすことができるアッシュの得意技だ。

 

 しかし、いくら凄腕の海賊といえど多角からの攻撃を一度に防ぎきることはできない。

 フォントのザクⅡとカーティスのクロスボーンは無事にコロニーの出口にまでたどり着いたものの、ビームの一つがマシロの乗るオーヴェロンに飛んだ。

 

「マシロッ!」

 

 バラバラに砕け散るオーヴェロン。目的の人物ではないといえど肝を冷やしたアッシュだったが、次の瞬間には信じられない光景が飛び込んできた。

 

「ガンダムだとっ……!?」

 

 オーヴェロンの体が砕け散ったと思いきや、そこには追加装甲であろうジ・Oの衣を脱ぎ捨てた二本角の機体が飛翔していた。

 一瞬動揺したデスフィズであったが、ならばより逃すまいと両手のビームファングをヘリコプターのように回転させて猛追を仕掛けてくる。

 

 地上に向けて撃てないダークハウンドであったが、オーヴェロン達に近づくにつれてデスフィズの各部にまたロックがかかり、失速して離れていった。

 

「何が起こっていたんだ……?」

 

 アッシュは宇宙に適応するように進化したニュータイプや、脳の特別なX領域が発達したとされるXラウンダーというものではない。

 さらに自分の機体には何の影響もなかったアッシュは、フォントとマシロが追い詰められた時から起こり始めた異様な状況にただただ困惑するしかないのであった。

 

 無事にダークハウンドと真の姿を現したオーヴェロンもコロニーの出口に入り、モビルスーツや船が使う緊急用の出口を出て真空の宇宙へと飛び出した。

 先にはクロスボーンとザクⅡ。さらに後ろから雌蕊(めしべ)を高く伸ばした花のような戦艦が近づいていた。

 

「カーティスさん、あれは……?」

 

「我らの母艦、林檎の花(マンサーナ・フロール)だ。君たちの詳しい話についてはあの中で行うことにする」

 

 ザクⅡ、クロスボーン、オーヴェロン、ダークハウンドが順にモビルスーツデッキの中へと入る。

 さすがにコロニーの出口からまだ無傷のデスフィズが追ってくるが、ビームの花を咲かせている戦艦はモビルスーツを格納した途端に猛加速し、あっという間にデスフィズがせめて一撃でもといけない位置まで飛び去ってしまった。

 

「ちいっ、なんてぇ加速力だ……あれがミノフスキー・ドライブってぇやつか?」

 

 コロニー内の戦闘に出たモビルスーツたちはほぼ動けないため、宇宙に残されたのはデスフィズ一機だ。

 静かに流れる時間の中で、デスフィズのパイロットであるジャックへとその上司からの通信が入る。

 

「珍しい。ジャック・フライデイ、獲物を取り逃したのか?」

 

「へっへっへ、すいやせん団長。ちょこっとばかし敵の新兵器みたいなやつにやられましてね」

 

「ほう? 新兵器? それは手に入れてみたいものだな。……さて、今回の獲物を取り逃したことはまぁ良い。帳消しになる良い情報が入った」

 

 ジャックの今回起こしてしまった失敗など、次に入る利益に比べれば些細なものだ。そう表現するように、シルクハットを被った団長『クォ・グレー』は満足気な笑みを浮かべて唇をぺろりと舐めた。

 

「良い情報……おれ達のデモンストレーションは成功ってことで?」

 

「そうだ。新たに『スポンサーになってくれてもよい』という人物が現れてな……一度こちらの戦力を見せたいため、お前は戻ってこい! 次の仕事にかかるぞ」

 

「へい、そうしやす」

 

「エンジェル・コールのことは心配せんでもよい。これならこれで――価値の高いエンジェル・コールを奪い取った戦力として名が売れるというもの! だが次はその相手、確実に仕留めろよ?」

 

「へいっ、次に会った時は必ず……」

 

 団長との通信が切れ、一息つくジャック。その表情は逃げられた屈辱のものではなく、次に会う時を楽しみにしている、まさにナイフを研いでいるかのような表情であった。

 

「待ってろよ、おれの攻撃をかわしたザクに乗る奴……そして、ジ・Oもどき共っ!」

 

 次にいつどこで出会うか。それを楽しみとしつつ、ジャックはデスフィズを指定の回収ポイントまでへと移動させるのだった。

 

 

【同時刻、サイド2コロニーオリンポス内部】

 

「レイモンさん! まだ爆発とかの危険性もあるんだから下がってくださいよ!」

 

 モビルスーツの戦闘が起こる前にマシロ・オークスを連れて行こうとした金髪の男、レイモン・メキネスは、まだ戦いの火が消えていない街を見ながら歓喜に振るえていた。

『あのモビルスーツ』を『マシロ・オークス』が手に入れたのだ。何たる僥倖(ぎょうこう)かと喜びに満ち溢れていたのだ。

 

「ふ、ふふっ。AGX-11! おまえがあのお方の元に渡ったか! これはいい、私達で見つけて献上しようと考えた。が、この形になればお前はいずれあのお方の玉座となろう!」

 

 レイモンの警備にとして働く人物は、作戦の全容までは知らされていない。ただ、この事態がレイモンという男にとってとてつもない益をもたらしたというのは一目でわかった。

 

「しかも自らを屈させた力までお使いになるとは! そうだ、やりなおすのです。グリプスの絶望……あの(くら)き夜を越える再演をするのですよっ」

 

 想定外の事態にはなったが、それでもそれを上回る流れが生まれていた。

 野望を持つ者達は笑う。己にいい流れが来ていることを確かめて楽しみながら。

 

 

【数時間後、戦艦『林檎の花(マンサーナ・フロール)』にて】

 

 コロニーオリンポスで戦闘を行い、魔の手から戦艦へと逃れたフォントとマシロを待っていたのは質問攻めの嵐だった。

 

 所属・年齢といった本人確認から始まり、エンジェル・コールなるものの情報を持っていないか、タブレットにエンジェル・ハイロゥの情報はきちんと残っているか、いつ情報を手に入れたのか。

 そして付いてきたマシロは何者なのか、なぜ追われているのか、オーヴェロンに一緒に乗っていた少女はいったい誰なのか。

 フォントにとってもマシロにとっても訳の分からないことばかりである。

 

 ついでにフォントと一緒にザクⅡに乗っていたベルという少女は、丁重に安全を確認されたようで二人はその扱いの差にげんなりとした。

 ……のも(つか)の間。やむを得ない事情で付いてきたマシロは個室で待機で、情報源であるフォントはカーティスに連れられて情報の照らし合わせを行うことになる。

 

 通路の途中でベルがフォントに飛び込むように近寄り、その腕に抱き着いた。妙なことに、ベルはこの戦艦の中を自由に行動していいようである。

 

「フォント! すごかったね! 敵のモビルスーツの攻撃をしゃっとかわして、カウンターでパンチをドーン!」

 

「してないしてない!? そんなことしてない!? 攻撃をかわしたのも、なんか偶然があったんだよ」

 

 自分はそんなに優れた者じゃないと誤解を解こうとするフォントだが、ベルはその金色の流れるような髪の色のように目をキラキラとさせている。

 ベルは押しが強いようで、フォントはたじたじだ。

 

「私、フォントのこと気に入ったよ! ねぇ、お友達になろうよ!」

 

「あ、あー……まぁ、お友達ならいいかな?」

 

「やったー! はじめての子供の友達だー!」

 

「はじめて?」

 

 疑問を抱くフォントであったが、その問いを投げかける前にカーティスに肩を叩かれた。

 

「この子に手を出すとね? 木星では死刑」

 

「はいっ!?」

 

「ははっ、冗談だよ冗談。……でも本当にちょっかいはやめてくれよな? さ、ベル様。これからフォント君と大事なお話があるので、一旦お部屋に」

 

「むーっ。じゃあ、また後でお話ししようね! バイバイ! マシロのとこにも行こっと」

 

 小さな体で大きく手を振り、ベルという少女は通路の壁に沿ったレバーを掴んで引っ張られるように他の部屋へと移動する。

 小さく手を振り返したフォントだったが、その肩にカーティスの腕が回された。

 

「ほんと~に、ちょっかい出さないでね?」

 

「は、はい……何やら事情があるようで……木星の名家のお嬢様でしたっけ……」

 

 まるで親かというような厳しい声でカーティスが忠言したので、冷や汗をかく。もっとも、この後にされる話の内容に比べれば大した量ではないのだが。

 回されていた腕が離れ、カーティスとフォントはとある部屋へと入る。そこは何やら、物体をそのままの大きさで立体的に映す装置がある部屋のようで、中には穴ぼこの隕石のホログラムが浮かんでいた。

 

「隕石?」

 

「事情聴取で、君のタブレットにはまだエンジェル・ハイロゥのデータが残っていることが分かった。その中のエンジェル・コールの分には、強いプロテクトがかかっているようだがね。……データを見ていた君に問いたいのだが、あの兵器に不足しているものは何だと思う?」

 

「それは……エンジェル・ハイロゥ自体の『決定力』です。戦力を奪う制圧兵器としては優秀ですが、何らかの方法で地上制圧そのものをしなければ勝利とはならないと思うんです」

 

「正解だ。この隕石にはエンジェル・コールと呼ばれる、君の言う決定力が付着している」

 

「決定力が付着? 隕石に……まさかっ、生物兵器!?」

 

 コクリとカーティスは(うなず)く。フォントの推察は大体正解であった。

 ホログラムの隕石の後ろにさらに映し出される、顕微鏡で隕石を観察した映像。そこには、生物としての核が無い多量の細菌の集まりが映っていた。

 

「エンジェル・コールとは、我々人類が初めて自らの手で見つけ出した『生きている地球外生命体』だ。しかも死をもたらす病原菌であり、地球圏の生物の塩基配列と全く異なる構成を持つ」

 

「そ、それって? そんなのをバラまかれたら――今の人類に対抗手段が、まったく……無い?」

 

「そうだ。コロニーの一つや二つで済む問題じゃない。地球どころか、地球圏そのものが危機にさらされている……。フォント・ボー、君のハッカーとしての能力や情報活用能力をこちらに貸してもらいたい」

 

 フォントは逡巡した。

 もしである。もし、この場で請け負ったことが逆に人類の危機につながるのだとしたら。カーティ・ロスコという男や、この木星の組織に利用されているだけだとしたら。安請負はできないのだ。

 

「いくつか、質問があります。隕石はここに無いんですか? エンジェル・コールそのものは?」

 

「……ああ。恥ずかしい話、内乱でね。木星の、かつてのクラックス・ドゥガチの派閥の者によって奪取された」

 

「奪取!? エンジェル・コールはもう地球に運び込まれたり、ザンスカールの手に渡っているんじゃあ!?」

 

「その心配は無さそうだ。既にザンスカールの手にあるなら、君の情報を狙ったりはしない」

 

 冷静に考えればそうである。既に手の内にあるのなら、フォントの身柄を確保しようとしたり、サーカスが抹消しに来たりはしないのだ。

 

「サーカスって人は、なんで俺を?」

 

「サーカスは木星のタカ派だよ。独自に行動を開始したみたいでね、君を狙ったのは……エンジェル・コールを確実に手に入れるため、既に邪魔ものである君を消しに来たという感じかな。俺達とサーカス、ザンスカールの三つ(どもえ)になる。さらに各組織も割り込んでくるだろう」

 

 カーティスにモビルスーツ戦で導いてもらったりしたことで、フォントはカーティスを信じる方向に傾いていた。

 しかし、幾度か質問を続けてカーティスがボロを出した場合、まだ力を貸さない方向に傾くことができた。

 そして、これが本当に聞きたかったことになる。

 

「……エンジェル・ハイロゥのデータによれば、あれは木星とザンスカールの共同開発だったはずです。あなた達がエンジェル・コールを手に入れて……やっぱり地球侵略はするつもりなんですか」

 

「んんっ……簡単に信じてもらえるとは思えないが……エンジェル・ハイロゥは元々、10万人の人々を木星に移住させる船だったんだよ。サイコミュは暴動鎮圧用。元々貧乏な木星は戦後でさらに貧乏で、優秀な人材を求めていた」

 

 そこまで言って、カーティスはふうっと息を吐いた。そして真剣に答える。

 

「木星の姫君、テテニス様は木星の安寧(あんねい)を望んでいらっしゃる。サイド2ザンスカールのフォンセ・カガチは木星船団出身であったし――テテニス様はそれを信頼して、利用された」

 

 直感を信じていいのだろうか。言葉を信じていいのだろうか。カーティスを信じていいのだろうか。

 ぐるぐるとフォントの頭を何度も疑問がめぐる。

 

 しかし、迷っている間にも人類に災いをもたらす細菌はどこへ行っているかわからないのだ。ましてや、これを断ったとしてフォント一人の力で何ができるだろうか。

 

「わかり……ました。協力しますよ。じっとしていたって、これはどうにもならない事態なんでしょう?」

 

 カーティスが善の心を持つ者であることにフォントは賭けた。ここで断ったとしても幽閉や抹殺が考えられたし、人類の未来がかかっているからだ。

 

「ありがとう、フォント。おれ(・・)の仲間が必死で探って、最後の手段としてネットに放った情報……必ず解き明かしてくれ」

 

『私』から『おれ』へと改めたのは、彼の()が出たのか信頼できる仲間として判断されたからなったのか、フォントにはわからなかった。

 

「仲間……? あっ、もう一つだけいいですか? これ……けっこう重要な質問なんですけど……」

 

「ふむ、何かね?」

 

「3機破壊されたはずのクロスボーン・ガンダム、なんで白銀の4機目があるんですかね?」

 

「気にするところそこっ!?」

 

 モビルスーツオタクのフォント・ボーにとって、平和を乱す細菌の次にモビルスーツの情報は大事なのであった。




◆:第0話の最後になります。

次回、第1話「はじまるまじわり」


【おまけ!】

【中断会話:キャプテン・アッシュ、カーティス・ロスコ】

「ん、プレイヤーはここでゲームを中断か。またゲームをやりに来てくれ、そうでないとおれ達の真の名を明かす機会がないからな」

「その代わり、君の大事な時間を貰ってしまうがね。スパロボはプレイにかなり時間がかかるから」

「長い時間プレイした後は、必ず目を休めてくれ。そして十分な休息の後はまたプレイしてもらいたい。では、合わせるぞカーティス」

「そうだな。ならば海賊らしく君の時間を……」

「「いただいてゆくっ!」」


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第1話:はじまるまじわり ①:鉱石ラジオに呼ばれて

 古き良きものでしか味わえない経験は存在する。宇宙世紀と呼ばれるこの時代では、運転中の振動というのはそれはもう大変珍しいものである。

 しかしこの感覚が、こういった経験や色んな体験というものが脳にインスピレーションを与え、様々なものを作り出すのだ。

 

 そういったことを頭の片隅で考え、有川ユンという男は海沿いの道を屋根付きの大型スクーターの後ろに乗って進んでいた。ヘルメットで頭を覆っているので、いつものモジャモジャとしたパーマじみた白髪はその中だ。

 

 運転しているのは加藤(はべる)という相棒的な筋肉質の男で、俗に言う2ケツの状態だ。ユンは(はべる)と後ろに積んだ荷物ボックスの間に挟まれている形となる。

 

 振動があるのは3人分とも呼べる重量がスクーターにかかっているせいだ。道はコンクリートで舗装されているとはいえ、地面の凹凸に触れ合う度に臀部(でんぶ)に振動がくる。

 しかしあんまり重い荷物を載せられないワッパという低飛行マシンよりは安定性がある。そして運転音が静かだ。

 

「それで話になってた家って、あの屋敷だろ?」

 

 海沿いの丘の上に立つ豪邸を確認し、確かめるように(はべる)が口を開いた。

 スクーターに振動があるとはいえ、さすがに技術が進歩しているので騒音は小さい。確認を返すようにユンが答える。

 

「あの屋敷で間違いない。平等院(びょうどういん)さんの依頼だ」

 

 ポツンと街から少し離れた海沿いの丘に存在しているため、かつては吸血鬼の住処だの幽霊屋敷だのと呼ばれた家。

 しかし今では平等院夜鳥(びょうどういんやどり)とメルティナ・アフターグロウという二人の女性が住んでいるため、その噂は綺麗さっぱり無くなった。

 

「なんか変な装置を止めてほしいって? 隠し部屋の蓄音(ちくおん)機らしいもの?」

 

「変といえど、結果があれば原因がある。俺たちはその原因を紐解くだけだ」

 

「しかし、旧幽霊屋敷の隠し部屋ねぇ。そういった類のものに対しておやっさんからとやかく言われているけど、本当にそういったものは初めてだ。霊的なものとか奇跡とか、そういったものに遭遇するかもしれないぜ」

 

「奇跡は起こらないから奇跡なのさ。起こったとしても、それはとっくの昔に終わっている」

 

「アクシズ・ショックは?」

 

「それが起こっているから、奇跡なんてもう終わってる」

 

 奇跡は起こらないというものを心の底から信じている言い方だった。逆に、人の手によって何でも解決することができるという言い方だった。

 霊的現象やオカルトには必ず原因があって、それで何らかの結果が出るという考え方。有川ユンはリアリストであった。

 

 逆に(はべる)はユンの言うことをいつも理解を示しつつも、心のどこかでユンの理論や理屈をひっくり返してくれることが何かしらないかと期待していた。

 装置を止めるという本日の依頼に期待していたのだが、朝になっても鳴り続けているものだから、幽霊みたいな者の仕業ではないと気づいてがっくりとしていた。

 

「ここに来るのは初めてだが、やっぱり話通りにでっけぇなぁ」

 

「一年戦争前に立てられたという豪邸。元々の持ち主は失踪し、二人の女性が失踪した者と親しいものからこの家を受け継いだ……。受け継いだ人はあの日本有数の資産家、平等院家の次女」

 

「そこまで資料や言われたことにあったっけか?」

 

「信用できる噂を集めて精査して、まとめ上げただけ」

 

 屋敷の前までついた二人はスクーターから降りた。青い屋根が特徴の、見上げるほど大きい屋敷だ。さすがは資産家の娘が持つ家だなと二人は感心する。

 

 その後ユンはいつもの依頼通りにてきぱきと後ろの荷物ボックスから道具が入ったバッグや、今回の依頼のために一応持ってきた楕円形のアンテナがついた装置を取り出す。電波などを調べる装置だ。

 (はべる)は玄関の前に歩いていって、そのままチャイムを押した。

 

 一呼吸置けば、すぐにインターホンでの通話が開始される。通話に出たのはメルティナ・アフターグロウという物静かな女性だった。

 

『オオタキファクトリー様でしょうか?』

 

「ええそうです。地下室の装置というものを調べに来ました」

 

『お越しいただきありがとうございます。ただいま玄関を開けて迎えに上がります。中でお待ちくださいませ』

 

 通話が斬れると共に、玄関ドアのロックが解除されるピッという電子音がした。ドアノブに手をかけ、(はべる)はゆっくりとドアを開ける。

 

「噂通りの……」

 

「お金持ち。だけど人との交流は少ない? 玄関が綺麗すぎる。土や石の欠片がほとんど転がっていないのがその証拠。靴も丁寧に手入れされている」

 

「なぁユン。俺も興味深いけどさ、お客さんの前で推理はすんなよ?」

 

「善処する。だけどこう、くすぐられるものがある」

 

 思わず寝そべりたくなるほどに綺麗な赤い絨毯(じゅうたん)が敷かれた玄関ルーム。あらかじめ用意されたものなのかこれまた履き心地の良さそうな黒いスリッパが二人分あった。

 

 前方に見えたドアが開き、黒いワンピース姿の少女が姿を見せる。彼女はユンと(はべる)の前まで歩き、丁寧に会釈(えしゃく)をした。

 

「ようこそお越しくださいました、オオタキファクトリー様方。私はこの家でメイドを務めております、メルティナ・アフターグロウと申します」

 

 流れるように挨拶の言葉を紡いでいくメルティナに、(はべる)は戸惑いながら返答する。対してユンは、メルティナと同じくらいの会釈をするだけだった。

 

「え、ええ。この度はオオタキファクトリーに連絡いただきありがとうございます。俺は――ええっと私は加藤(はべる)。こちらは有川ユンです」

 

 ――これで合ってる?

 

 (はべる)はちらりとユンの方を見る。たぶんねという視線とほんの少し首を傾ける様子をユンは返した。

 

「承知しました。加藤様、有川様、お上がりくださいませ。装置があった部屋まで案内いたします」

 

 (はべる)は踏み入れて大丈夫なのか、別次元の家ではないのかとごくりと唾をのんでスリッパを履く。そして脱いだ靴を揃えた。

 ユンはそこまで警戒するものでもないだろうと、脱いだ靴は揃えつつ気軽にスリッパを履いて上がる。マナーを試されている訳ではないのをすぐに見抜いていた。

 

 メルティナに案内されるままに廊下を進み、書庫のような部屋に入る二人。部屋の中心には机と、その上に乗ったPC端末。

 部屋の奥には、話にあった隠し部屋というのがあり、本棚の間でぽっかりと入り口を開けていた。そして流れてくる女性の穏やかな歌。

 

 ちらりちらりと何かの強い明りが反射しているようで、階段の底から光が漏れる。どうやらこの家の主が、話にあった謎の装置の写真を撮っているようだ。

 

「依頼人はあの中に?」

 

「よくお気づきに。依頼をした夜鳥様は一人であの装置の所にいます。……資料用の写真を撮っているのだと」

 

「資料……? 小説家?」

 

 なぜ何も言っていないのに有川ユンはそこまで分かるのかと、メルティナは目を見開いた。先ほどまで無表情だった彼女だが、初めて感情を見せた顔をした。

 

「ガラス張りの本棚には数多くの資料が並べられている。でも生物学や幾何学などのほとんどが触られていない。逆に趣味で集められたような物語には手が付けられていて……すみません」

 

 心の中でテンションが上がっているのか。食い気味だったユンは一旦冷静になり謝罪した。恐らくこのまま彼の推理が進めば、家の主である平等院夜鳥が働いていないニートであることまで判明していたであろう。

 (はべる)はやっちまったかと右手で顔を抑え、左腕でユンを小突く。

 

「とりあえず降りましょう。確かにここまで歌がうるさいと執筆作業に困るでしょうから」

 

 いろいろな道具が入ったバッグを背負ったユンは先に下へ降りていく。続いて(はべる)、メルティナと順に下に降りていくのだった。

 

「ああもうどうなっているんだこの装置? 古すぎてわからない? だがそれがいい! こういった資料を実際に得られることは強いインスピレーションに――わわっ!?」

 

 三人が階段を降りた先。そこには歌を流し続ける装置の写真をあらゆる角度からフォンで撮りまくる女性がいた。名を平等院夜鳥(びょうどういんやどり)。この屋敷の若き主である。

 別の明かりで部屋が照らされた時にようやく気付いたようで、慌てながら夜鳥は(はべる)とユンに会釈した。

 

「いやぁ、お見苦しい姿を見せてしまって……。平等院夜鳥だ、ボクが依頼主だよ」

 

「オオタキファクトリーの有川ユンです。後ろの装置が話にあった?」

 

「そうなんだ。どうやっても止まらなくて止まらなくてねぇ。古くて貴重な価値のありそうなものだから、叩いたり蹴ったりして壊してしまうのもなんだかなと」

 

 これでようやく止まりそうだと、夜鳥は場所を譲る。傍若無人な言葉遣いに変人じみた行動。ただ、自分もその一種かと自嘲しながらユンは装置に近づいて背中からバッグを降ろした。

 

「すまないが、作業しているところも見ていいかい? 写真は……顔が写るからよしておこう。今後の資料にしたいんだ!」

 

「……まぁ、構わないですよ。邪魔にならない範囲で」

 

 興味津々に目を輝かせながらユンに尋ねる夜鳥。

 あーあ、変人同士が出会ってしまったかと後ろで(はべる)は頭を抱えそうになった。メルティナも直感的にだ。どうなるかわからないコンビかもしれなかった。

 

 ユンは相変わらず歌を流し続ける装置をそっと触れながら確認し、夜鳥はその行動の一手一手を頭に電気屋の資料として叩き込んでいく。

 

「うん……ラジオだ」

 

「ラジオ? この装置はラジオだというのか?」

 

「このダイヤルはチャンネル設定。電源も無しに動いている? 受信機は外に? ……鉱石ラジオの一種か?」

 

「宝石? いや、鉱石? 鉱石ラジオというのはすごいものなのかい!?」

 

「電波を鉱石が受信して、その受けたエネルギーで音を流す。相当強力な電波が出ている? (はべる)、電波の受信と記録をしておいてくれ。この流れ出ている歌も。……技術的にはすごくなくて、この日本が昭和と呼ばれる時代から存在していたものだ」

 

「なんだぁ……でも昭和か、昭和かぁ……。ああ、だとするとこの部屋は昭和から!?」

 

「中は……こういう感じか。200年以上前のものがここまできれいに残るとは思えない。一年戦争時代に建てられたのなら、その時がちょうどいい」

 

 ユンがネジを外してラジオの金属製カバーを取り外し、中をチェックしていく。作業が進むに応じて次々と夜鳥が興奮気味に質問を重ねていく。噛み合っているようで噛み合ってない応答が繰り返されていくのであった。作業に集中しているせいか、ユンの答えももはやタメ口だ。

 

「コンビに見えてコンビじゃありませんね」

 

「そうっすね、ハハ……」

 

 後ろから無表情に作業を見つめるメルティナと、苦笑いを浮かべる(はべる)。ユンと夜鳥は良いコンビになると思えても、実はあんまり合わない組み合わせだった。まだ気心が知れてないせいかもしれない。

 

 その直後、ピタリとラジオから出る音が止まった。

 

「これで大丈夫なはずです。……でも、どこからかさっきの歌を流した電波が流れているはず。ん……」

 

 不意に、ユンはまじまじと夜鳥が立っている周辺の床を観察する。ライトで良く照らし、夜鳥がいる場所の近くまで移動してしゃがみ込む。

 

「なにかボクの足元に?」

 

「……この部屋、隠し部屋と言ってましたね」

 

「そうだけど……」

 

「まだ下にありそうです」

 

「まだ隠し部屋が!? 興味深い! 探そう! 今度こそお宝か何かの呪いが――」

 

「ここだけ床が新しい……ひっくり返せる金属製の取っ手だ」

 

 ワクワクする夜鳥の言葉を半分聞きながら、ユンは床の回転式の取っ手を見つけてがばりと入り口を開いた。重たい床が持ち上がり、ハシゴが姿を現す。

 

「……だいぶ深そうだ」

 

 ユンはポケットからフォンを取り出し、何かのアプリを起動した。すると簡単に描かれた目と口を持つ可愛らしい顔が画面に表示される。

 それはまるで人間のようにまばたきしていて、別の場所にいる人と本当にモニター通話しているかのような印象を夜鳥は受けた。

 

「ユング、このハシゴと底にある空間をエコースキャンしてくれ」

 

『わかりました。エコースキャンを開始します。ピピピピピピ……』

 

 ユンはフォンをさらに下へと続く隠し部屋入り口の前に向ける。もし落としたら絶対にただでは済まないだろう。だがそれを平気で行えるあたり、有川ユンという人物の異質さが見て取れる。

 

「なんだいそれは? 応答してくれるタイプのアプリケーション?」

 

「自己学習型の便利プログラム、『ナラタケ』。その一つである『ユング』。自分で開発した」

 

「すごいじゃないか!? 情報工学のスペシャリストなのかい!?」

 

『ボンッ! 解析が終了しました。このハシゴの先に空間があります。中心にロボットらしきものが存在しています』

 

「ロボット? 存在は?」

 

 知らないのかと、ユンは夜鳥の方を向いた。そんなまさかと、夜鳥はブンブンと首を横に振る。

 夜鳥もメルティナの顔をばっと見たが、彼女も静かに首を横に振るだけであった。

 

 誰も知らないロボット。昔から存在したのだとしたら、一年戦争時代くらいのロボットがここにあったということになる。

 空間というのだから、存在しているのはモビルスーツクラスのロボットの可能性がある。

 

 まさかの展開に夜鳥とメルティナは非常に驚いた。まさかこの日本で個人で強力な兵器を所有するなど。

 前例があるとすれば、マジンガーZを所有していた兜甲児(かぶとこうじ)くらいのものだろう。

 

「……いっ、行ってみよう! それはすごい! 警察や軍隊沙汰になる前に、資料として撮っておかないと! コックピットやどんな質感なのかとか!」

 

 ロボットが失われる前に我先にと、夜鳥はハシゴを降り始めた。ハッとしたメルティナが続いて追いかけるように降りていく。さらにユンも興味津々な様子で降りていった。

 

「おっ、おい!? こういうのって警察とかに任せないか!?」

 

 部屋には(はべる)だけが残された。こういうのって入り口が閉じたりしないように見張っておいた方がいいのだろうかと考えこみ、結局彼はその場で待っていることを決めた。

 

 暗い空間だが、ポケットに入れたフォンのライトがぼんやりと周りを照らす。ついにハシゴの最後までたどり着いて足を床に付けた夜鳥は、フォンを取り出して興奮気味に辺りを照らした。

 

 その場にメルティナ、ユンと降り立ち、二人とも警戒しながら同じように周囲を照らす。

 

「キャットウォークというものでしょうか」

 

「ちょうどコックピット周りに降りたようだ」

 

 メルティナはまず自分たちがどこにいるのかを確認。そしてユンは目の前に立つロボットを確認。

 ちょうど三人は胸部の前にいるようで、さらにハッチが開かれている状態であった。

 

 黒色で、歪で奇妙な四肢をしたロボット。顔は左右非対称の角をしていて、両腕両足の形も左右非対称なことが確認できた。

 背丈は解析通りにモビルスーツらしいものであるが、その姿はよくわからないもの、強いて言えば機械獣じみた格好であった。

 

「ろくな機械ではなさそうですね……」

 

 何かを思い出したのか、メルティナはぞくりと震えた。彼女に違和感を感じたのかユンが声をかけようとしたが、その空間に夜鳥の声が響く。

 

「すごい! 本当にロボットじゃないか!? コックピットは開いている!? どうせ動かないんだから、シートの手触りとか、どんな操縦方法なのかとかが見たい!!」

 

 パシャパシャと外見を撮っていた夜鳥だったが、我慢できずに開いているコックピットへ突入してしまった。

 

「夜鳥様!?」

 

「さすがにコックピットに入るのは危険だぞ!」

 

 焦るメルティナとユン。だが夜鳥の予想は正しかったようで、ロボットが勝手に動くことは無く、コックピットもまた閉じることは無かった。

 

「ふむ、シートの手触りはこうなのか。よくフィットする感じだ。IS(インフィニット・ストラトス)は動かした経験はあるが、それとはまた違った操縦桿の手触り! いい資料になるぞ! ミリタリー物はリアルさが重要だから――」

 

 シートに座って操縦桿を握ってみる夜鳥だったが、そこまで言って違和感を覚えた。

 おかしいのだ。シートも操縦桿も、『自分にフィットしすぎる』。まるで今この時の自分のために用意されてたかのような感じである。

 

「まさかお爺様が……いや、そんなまさか。そんなことはあり得ない……。えっ?」

 

 また夜鳥は、いや、その空間にいた三人全員が違和感を覚えた。

 ズン、ズンとした揺れが起きたのだ。空間の上にいる(はべる)もそれを感じ取っていることだろう。

 

「何かが、近づいてきている?」

 

 メルティナは自分の経験から、それが大型ロボットの足音であることに気が付いた。彼女の心の中をかき乱す焦燥感、恐怖心、そして植え付けられていた高揚感。

 

「危険です夜鳥様! この場から――」

 

 そこまで言ってコックピットのハッチを見た途端、その瞬間を待ち構えていたかのように夜鳥を閉じ込めるようにハッチが閉じるのだった。



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第1話:はじまるまじわり ②:鵺(ヌエ)が鳴く

 海の中を髑髏(ドクロ)の顔をしたが機械が歩く。そのドクロの左右には鎌が備え付けられており、見方によっては悪魔のような印象を受ける。

 赤いボディにピンク色の四肢。左右の足を交互に動かし、ズシンズシンと振動を響かせながら海の底を歩く。

 

 さらにその後ろを、2体の白い足軽のような人型兵器が潜航している。長刀(なぎなた)のような槍を携え、ドクロの頭を持つ機械とは違って専用のスクリューを回転させながら進んでいた。

 

 三体のマシンが旧葦原(あしはら)亭へ、夜鳥達がいる場所へ近づいていく。

 やがて海の底と海面の差が縮まり、ドクロの顔をした機械の獣が、『ガラダK7』がその禍々しい頭部を現したのだった。

 

 

「はっ?」

 

 一方で夜鳥は、今この瞬間に起きたことに呆然としていた。足音じみた振動もそうだが、写真を撮っていただけなのにコックピットのハッチが閉じた。

 下手をすれば助けが来るまで出られなくなる由々しき事態であった。どうしたものかと迷う夜鳥であったが、その考えは近づいてくる足音に段々とかき消されていく。

 

 装甲の外から叫ぶメルティナも思い出していたが、夜鳥も嫌な出来事を思い出していた。

 響くマシンの足音、誰かが泣き叫ぶ声、流れる血、誰だったかわからないもの。そして目の前で『逃げろ』と促す祖父の声――。

 

「ロッ、ロボットか? ジオンのテロか? 日本に? ――機械、獣?」

 

 Dr.ヘルによる機械獣の侵攻。そんなのはもう10年も前のことだ。しかし夜鳥の勘が。というより経験が裏打ちする。この足音はモビルスーツによるものではなく、機械獣の独特の恐怖を与えることに特化した心のない歩行音だと。

 

「そうだとするとマズいぞ……メルティナ! 聞こえるか!? メルティナー! ……そうだっ、通話ならっ!」

 

 急いでフォンからメルティナに対して通話をかける。するとそれに気づいてくれたのか、すぐに彼女が通話に出てくれた。

 

『夜鳥様!? ご無事ですか!?』

 

 いつもとは違うメルティナの切羽詰まった声がコックピット内に響く。まず通じたことに一安心した夜鳥だったが、急いでメルティナに対してこの家から逃げることを促す。

 

「ボクのことはいいから、その場から二人とも逃げろ! ボクたちがこれを見つけた時に、何らかの罠が作動していたのかもしれない! そうだとしたら狙いはボク達じゃないのか!?」

 

『しかし……!』

 

「いいから! オオタキファクトリーの人たちを守れ! 君の身体能力なら、兵隊が相手だとしても勝てるだろ! 早く! できるだけ遠くへ!」

 

 そこまで言って、ぶつりと夜鳥は通話を切った。頼むから自分を優先するのではなく、オオタキファクトリーの人を連れて逃げてくれと願う。

 

「さて、どうする……? ボクがこのロボットを動かしてどうにかする? ……無理だ、操縦経験なんて無いし、動きそうにないんだ。キーやパスワードなんてボクは知らないし持ってないぞ……?」

 

 腕を組んでぶつぶつと考える夜鳥。どうしたものかと考えている内に、今までの音とは違う爆発音のような音と共に強力な振動が響いた。

 驚愕して一瞬頭が真っ白になった後、すぐにまた思考が張り巡らされる。

 

「撃ってきた!? 銃撃!?」

 

 屋敷の周辺に弾丸が直撃したのだと、夜鳥はすぐに理解した。何かが屋敷に対して威嚇の砲撃をしてきたと。

 

「昼間から本当にテロか!? どうする!? どうする、どうする――」

 

 続いてまた着弾の衝撃。カタカタと夜鳥の乗っている機体が揺れ、夜鳥も恐怖心でどんどんと怯えが強くなる。

 

「狙いはボクかこの機体? それが終わったら街に進軍する? 逃尾(にがしお)市ですぐに迎撃できるのか? いや無理だ、何十人も死人が出る。ボクが、ボクがこの機体を――」

 

 動かすしかない。そう決意し、夜鳥は操縦桿を握り込む。

 動かし方も、起動の仕方さえもわからない。だがやるしかないのだ。そうしないと大勢の人や大事な人に危害が及ぶ。

 

「動かす……動かす……ああくそっ! 開けゴマ! マジンゴー! オープンゲット! 発進! くそっ! くそぉっ!」

 

 動かない操縦桿を必死に動かそうとし、心の中でいろんな言葉を念じたりそれを口に出したりする。だが機体はうんともすんとも言わない。ただ格納庫に鎮座するだけである。

 

「燃料や電気が無いとかか!? 一年戦争だから……十数年も眠っている……。くそおおおおおお!! 動けよこのゲテモノ機体!! アクセスさせろよッ……! アクセスッ……モードくらい選ばせろバカァああああああ!!」

 

『承認、アクセスモード。NEW・E(ニュー・エピソード)モードから起動』

 

「は?」

 

 コックピット内に明かりが灯っていく。スイッチ、コンソール、レーダー、モニター画面。全てに明かりが点き、機体が行動可能になったことを知らせた。

 操縦桿が急にスムーズ動くようになったため、それを引くように動かそうとしていた夜鳥は機体ごとそのまま後ろに倒れ込む。装甲と金属製の分厚い壁がぶつかってこすれ合う嫌な音がし、夜鳥はつい操縦桿を手放した。

 

「う、うご・く? なんで?」

 

 なぜなのかはわからない。だがしかし、『いける』と夜鳥は思った。戦えなくとも、動くのであれば少しは囮になることくらいできるはずだと。シートベルトで体を固定し、もう一度操縦桿を掴む。

 

「よ、よし……! ここは格納庫だから、出口があるはず……。あれ、動かし方、なんでわかるんだ……?」

 

 でも今は理由を考えている場合ではない。疑問を頭の片隅にどけつつ、夜鳥はセンサー類を頼りに格納庫のゲートを開けるレバーなどが無いか探し始める。

 そしてそれを見つけ、クロー状の右手でレバーを下す。

 

「できるわけじゃないが、やってみせる……!」

 

 夜鳥の予想通り、格納庫のゲートがゆっくりと開いていく。開け放たれて見えてくる赤い色。ちょうど目の前に格納庫をのぞき込むドクロ――。

 

「うわぁ!?」

 

 とっさにそれを跳ね除けるように、ブーストを活かして夜鳥は機体を前に突進させた。真正面からの突撃を受け跳ね飛ばされるガラダK7。そのまま夜鳥を乗せた機体は海の上を突っ切る。強力なGと衝撃が夜鳥の体を襲って、また思考を真っ白にさせる。

 

 それは、まさしく歪んだ機体だった。全てが左右非対称の体。

 右腕は小手が点いた鋭角的なクロー状の手。左腕は四角いフォルムのモビルスーツ的なきちんとした腕。右足と左足もそれぞれでデザインが異なり、先程まできっちりと自立していたのが嘘みたいな見た目だ。

 

「馬鹿野郎! 逃げる方向だと駄目だ!」

 

 思考を取り戻す夜鳥。そして黒く塗られた機体は大きく弧を描いてターンし、たった今跳ね飛ばしたガラダK7に向かってまた突っ込む。

 だがガラダK7もただでやられるわけにはいかず、頭についた鎌を取り外して手に持ち、迎え撃とうとしていた。

 

「くっ……!? 近接武器とかないの!? ――左腕ビームバズソー!? 乱暴だな!?」

 

 画面に表示されたそれを咄嗟(とっさ)に起動。左腕の小手からビーム発信機の部分がせり出し、その表面に粒子ビームをノコギリのごとく回転させる。

 

「『ナイハン時代』の機体だといってぇ!!」

 

 ビームの刃と、金属製の刃がぶつかり、激しくつばぜり合う。いや、夜鳥の乗る黒い機体の方が力はやや上。

 ガラダK7の鎌を真正面から、根元から両断し、首元から脇腹の部分にかけてまでを袈裟斬りにした。

 機体に走る深い亀裂。トドメとはいかなかったものの、ガラダK7はよろよろと大きく後退した。浅い海に着地し、ビームの刃を向ける黒い機体。

 

「こいつ強いのか? それとも機械獣が劣化している? ――ぐうっ!?」

 

 背後に強い衝撃を受け、黒い機体が海に倒れ込む。実弾による銃撃をまともに受け、三度夜鳥の思考が飛ぶ。それでも今この場で手放しきったら死ぬと無意識が警鐘を鳴らし、意識を無理やりに戻ってこさせる。

 

「囲まれていた――!? ボクが突っ込んだからか――! 離脱しないと!」

 

 パニック状態だったが、芯の部分はギリギリで冷静だった。倒れ込んだままブースターを点火し、まだ体勢を整いきれていないガラダK7に向かってまた突進。

 そのまま機体の上半身を跳ね上げて相手と両手を組み合って押し合いの状態へ。

 

「右足の――!」

 

『右脚バンカーニードル』。そのような武装を確認していた夜鳥はそれを即座に起動する。右足を少し上げると、膝から(かかと)まで骨のように内蔵されていたニードルが弾丸のように飛び出す。

 それは見事にガラダK7の胸部を串刺しにし、その機能を停止させるに至った。

 

「無人だから味方ごと撃つんだろ!?」

 

 組み合っていた相手が事切れたため、夜鳥は串刺しにしたその機体を盾にするようにぐるりと黒い機体を回転させる。

 予想通り、後方にいた2体は両手で携えた実弾の銃を連射し始めた。

 

 ガラダK7のボディが盾となり、黒い機体へのダメージは最小限となる。劣化していると見られたボディだが、モビルスーツと互角に戦えていたその強靭さが弾丸を防いでくれた。

 

 衝撃に耐えつつレーダーをちらりと見ると、砲撃をしている足軽らしき二体はじりじりと後退していく。撃たれる衝撃が収まれば、その二体はどうやら海に潜ったようで勢いよく離脱していく様が分かった。

 

「逃げ、た? 見逃してくれた? 追う必要って、ないよな……」

 

 ガラダK7のボディに刺さっていたニードルを引き抜き、右足に収納する。重たいボディを海に投げ捨てると、真上からの日光が爛爛(らんらん)と黒い機体を照らした。

 まだ夜鳥はその全身をはっきりと見たわけではないが、各パーツの状態を示すモニターがその歪さを知らせてくれる。

 

「背中が軽く破損って……硬いのか? いや、手加減されてたの、かな……」

 

 戦闘が終わったことが認識できて、どっと力が抜けた。操縦桿から手を放し、夜鳥はシートに体を預ける。

 しばらく考えたくないくらいだと考えることを投げ捨て、しばし夜鳥はぼうっとモニターに映る海を眺めるのだった。

 

 どれくらいそうしていたのだろうか。夜鳥はハッと無意識じみた状態から戻ってきて、屋敷から逃げたはずのメルティナやオオタキファクトリーの面々のことを思い出した。

 すぐにポケットからフォンを取り出し、自分の残された唯一の理解者であるメルティナに電話をかける。

 

「頼む頼む頼む……無事でいてくれよ……」

 

 願いが通じたのか、メルティナ側が通話に出てくれた。通話ができたとわかった瞬間に、夜鳥は歓喜の声を上げる。

 

「メルティナ!? メルティナか!? 無事だったんだな!」

 

『お気持ちはわかりますが、いきなり大きな声を出さないでください……耳が潰れてしまいます、夜鳥様』

 

「よかっっっ、たぁ……」

 

 また夜鳥は脱力した。シートが無かったらその場にぶっ倒れてしまうくらいに。

 

「今どこにいるんだい? オオタキファクトリーの人たちは?」

 

『有川様も加藤様も無事です。今はまだ屋敷が見える海沿いの道に。夜鳥様の機体も見えます』

 

「そうか、そうか……屋敷は無事だけど、今あそこにいたら何が来るかわからない。無人の販売店が近くにあるだろ? そこで落ち合おう」

 

『承知いたしました。そのロボットはどうされますか?』

 

 当たり前の質問なのだが、夜鳥は悩みに悩んだ。先ほどの連中がこの機体を狙ってきたのであれば、無人の状態にするのは良くない。この機体が何の秘密を持っているのかもわからない。

 しかし、街に近づかせるとその場合はこちらがテロリスト扱いされるかもしれない。わざと近づいて投降するのも手だが、自由の身でいられるか――。

 

「いや、関わった時点で自由の身じゃないな。まったく……。機体は持っていくよ。軍隊にきちんと説明しよう。……メルティナには嫌な思いをさせることになりそうだけど、こっちの方が安全だと思う。ごめんよ」

 

『気にしないでください。最悪の場合でも、私は夜鳥様に仕えていた思い出があれば十分です』

 

「縁起の悪いこと言わない! じゃあ、また後で――」

 

 通話を切り、夜鳥はまた操縦桿握って黒い機体を動かす。向かう先は少しだけ進んだ先にある無人の販売店。海を眺める休憩所だ。

 

 しかし、モニターの地形を示す部分に、謎のポイントが表示されているのがふと視界に入った。『NEW・E(ニュー・エピソード)システム起動中』『110:07:10:14:00』。それだけが描かれており、こことは違う別の場所の座標を地図が示している。

 

 謎と来れば気になってしまうのが人の性というもの。だがメルティナと落ち合うことが優先である。なので、夜鳥はフォンでその画面をぱしゃりと撮影した。

 

「どこだっけこの場所? 後ででいっか……」

 

 人の足では結構な時間がかかるが、ロボットの足であればすぐである。夜鳥は機体を海に面した休憩所ギリギリまでよせ、コックピットのハッチを開ける。

 シートベルトを外してさてどうやって降りようかと一瞬悩んだものの、すぐに自分を降ろしてくれるウインチを見つけることができた。

 

 地面に足をつけると、随分と長いこと地面に立っていなかったかのような感触が返ってきた。

 メルティナが駆け寄り、夜鳥にぎゅっと抱き着く。

 

「夜鳥様、ご無事で」

 

「なんとかだねぇ……。三人とも怪我はないかい?」

 

「おかげさまで」

 

「マジでびっくりしたぜ、機械獣が窓から見えたもんでさ……」

 

 ユンと(はべる)がそれぞれ自分の無事を告げる。(はべる)は隠し部屋の外にいたが、メルティナとユンが外に出るまでスクーターの近くで待っててくれたらしい。そのまま三人で無理やりスクーターに乗って、この販売所まで逃げて来たというわけだ。

 

「よかった、守れたよ……。さて、どうしようかこの機体?」

 

 夜鳥はメルティナを抱きしめたまま機体を見上げる。左右非対称の怪しい機体。モビルスーツというより新たな機械獣だと言われた方がしっくりするデザインだ。

 

「どこかに隠したりできたりすれば最高なんだけど――。いやいやいや――!?」

 

 だったら隠れてやろう。そう宣言したかのように、謎の黒い機体は一気に小さくなり、まるでおもちゃのような大きさになって夜鳥のそばに落ちた。機体の頑丈さが反映されているのか、高い所から落ちても傷一つついていないようだった。

 

「いやいやいや!? 君は何でもありなのかい!?」

 

 ばっとメルティナから離れ、おもちゃのようになった機体に駆け寄る夜鳥。ひょいと拾えた。物理法則もあったもんじゃないらしい。

 

「三人とも、改めて聞きたい……」

 

 ギ・ギ・ギと壊れかけの機械のように振り返る夜鳥。本当にどうしたものかと嫌な脂汗が額に(にじ)んでいた。

 

「どうしよう?」

 

 三人とも、いや、夜鳥を含めて四人とも今起きた現象を理解できず、呆然と立ち尽くすしかないのであった。




 ◆第1話:はじまるまじわり
 ・勝利条件:ガラダK7の撃墜。
 ・敗北条件:謎の機体(主人公機)の撃墜。
 ・SRポイント獲得条件:2ターン以内に勝利条件を満たす。

 自軍:謎の機体(主人公機)
 敵軍:ガラダK7、アルマ×2


 ◆攻略ポイント
 第1話ということで勝利条件もSRポイント獲得条件も簡単。ガラダK7のHPは高めだが、近づいて『左腕ビームバズソー』で3回斬れば落ちる。
 ただしガラダK7とアルマはマップの仕様で海の中にいるので、『右腕ビームガン』による攻撃をしないように注意。
 また、アルマは初期配置から動かないが、攻撃範囲内に飛び込んでしまうと容赦なく攻撃してくるので注意。
 歴代主人公と比べて夜鳥のパイロット能力は低めなので、アルマの攻撃で『不屈』をはがされた後にガラダK7の『鎌』による攻撃を受けるとあっさり落ちかねないので決して変なプレイをしないこと。


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