Duel Dream!! (シルウェスト)
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転校してきたデュエリスト

注意事項
・タグにもありますが、処女作です。
・処女作なので文章が拙いです。
・デュエルの裁定関係はその場の勢いになることが多いです。

ざっくりとした注意事項は以上です。それではどうぞ。


「忘れ物なし、いってきます!…って1人だった。」

俺は八須賀(はちすか) (きわむ)、高校2年だ。今日は転校初日の登校、これからの学生生活に期待と若干の不安を抱きながら俺はこれから通う学校の校門前に立った。

究「ここが羽丘…。」

私立って言うからにはそれなりなんだろうなって思ったけど、想像以上に大きい。そんな規模に圧倒されつつも職員室に向かった。

究「失礼します、八須賀究です。」

担任「来ましたね、ようこそ羽丘へ。私があなたの入るクラスの担任よ。そろそろHRだし、簡単な説明は行きながらするからついてきて。それと教室に着いたらちょっとの間廊下で待ってて?合図で入ってきて頂戴。本校初の男子生徒なんだからしっかりね?」

究「は、はい。善処します。」

なんかハードルを上げられたような気がする、とか思いながら担任についていった。ここ羽丘は元女子校、少し前に共学化を宣言したものの昔の名残なのか未だ男子生徒は0。それを知らずに転校してきた俺が第1号というわけだ。

担任「みんな席に着いて。ホームルームを始めるわよ。」

廊下から聞こえた話では今日の予定とか先生の一言、よくある光景だ。そして――

担任「今日は転校生を紹介します。共学化最初の男子生徒よ?入ってきて。」

究「はい。」

入って早々『格好いい』とか『雰囲気良さげ』とか聞こえてくるが、今はスルーだ。

担任「では自己紹介を。」

究「初めまして、八須賀究です。これからよろしくお願いします。」

担任「質問は休み時間に。席は美竹さんの隣りね、ほらあそこ。」

究「分かりました。」

担任「ではホームルームを終わります。今日も頑張りましょう。」

指定された席に着いて――

究「美竹さん、だっけ?これからよろしくな。」

?「……よろしく。」

 

 

午前の授業が終わって昼休み。長閑な時間を過ごしたいが……。

「ねぇねぇ?前の学校ってどんな感じ?」「彼女は?」「何部に入ってたの?」

案の定、質問攻めだ。

究「とりあえず前の学校の雰囲気かあ…よくある公立校だったよ。彼女は趣味に没頭してたからいなかった。部は一時期バスケしてたけど辞めたよ。そのままズルズルと帰宅部。」

女子生徒「へぇ〜。でも体はしっかりしてるよねぇ。」

究「鍛えられちまったからなぁ。」

女子生徒「運動部だしそうだよね。あ、お昼の邪魔しちゃったね。またね!」

究「ああ。」

とりあえず最初の質問攻めはやり過ごしたようだ。

究「はぁ…やっと落ち着いた。よし、いただきm」

?「その弁当、手作り!?」

まだ質問ラッシュは続くみたいだ。

究「ん?ああ、一部はな。冷凍のもある。」

?「男子で手料理もできるなんて…!」

究「いや、別にそんな上手くないんだが。包丁とかそういうのは最低限というか。…えぇっと。」

ひまり「あ、ごめんね!私は上原ひまり。でも凄いよ、手料理できるたけでも。」

究「そうか?」

しばらくするとひまりと一緒にお昼をしていた子たちが寄ってきた。

巴「おい、ひまりー。いきなり声かけたらびっくりさせるだろ?あたしは宇田川巴。よろしくな。」

モカ「モカちゃんでーす。」

つぐみ「羽沢つぐみです。」

蘭「改めて、美竹蘭…です。」

究「俺も改めて、八須賀究だ。5人はいつも昼は一緒なのか?」

巴「ああ、そうだな。」

余程仲がいいんだろう。羨ましい限りだ。

つぐみ「私達、バンド組んでるんです!」

究「え?バンド…!?」

つぐみが言うにはAfterglowというグループを結成して日々練習を積んでいるらしい。そして全員幼馴染みときた。

究「あはは…すげぇ…。」

色んなものを通り越してそれしか言えなかった。小さい頃からの付き合いが高校まで繋がるなんてそうそうあるものじゃない。仲睦まじい練習光景が目に見える。

蘭「そういえば、さっき趣味に没頭してとか言ってたよね?なにしてるの?」

究「え?あー…」

モカ「気になりますなー?」

聞かれるのは覚悟していた。が、いざ聞かれると言い渋ってしまう。相手が女子なら尚更だ。

究「…だ。」

巴「ん?」

究「デュエルモンスターズだ。」

つぐみ「え、ほんとに?」

あれ?なんか食い気味にきた。ドン引きを覚悟してたが、なんか受け容れられている。

ひまり「なに使ってるんですか?」

究「えっと…これとか。」

蘭「ウィッチクラフト?」

巴「へぇ…。なぁなぁ、他には?」

モカ「これはー?」

究「そっちは――」

彼女たちと意外な共通点ができた。デュエルトークを展開してたらあっという間に時間が過ぎた。

ひまり「それじゃ、午後も頑張るぞー!えいえいおー!」

蘭「そうだ、究。放課後…空いてる?」

究「ん?ああ、暇だな。」

蘭「なら…あたしとデュエルしてよ。」

究「…ああ、いいぜ。」

ひまり「ちょっと、なんでみんなのらないのー!?」

究「…いつもあんな感じ?」

モカ「そだねー。いつものひーちゃん。」

ひまり「モーカー!」

モカ「わぁー。きーくん、助けてー。」

究「あはは、頑張って。……きーくん?」

モカ「そう、究だからきーくん。」

究「なるほど…?」

昼休み終わりのチャイムが鳴った。意外な共通点にお誘いまで来た。放課後が楽しみだ。

 




作者のシルウェストです。読んでいただきありがとうございます!
連載を予定してますが、空いた時間に少しずつ執筆していくので更新は不定期になります。主人公のデッキについては作者が使っているデッキです。バンドリキャラのデッキについては作者のもつキャラのイメージでそれに近い種族や属性のテーマを用意します。私はAfterglowが好きなのでAfterglowをメインに他のバンドグループとも交流をと思ってます。今後ともよろしくお願いします!


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転校してきたデュエリスト2

作者のシルウェストです!今回はデュエルパート。フィールドの状態は読者様の脳内でイメージしていただきたいです。なるべく分かりやすいように書くよう善処はいたします!
それとすいません。前回の後書きに書くべきでしたが、バンドリ側は2ndシーズンを土台に考えてます。よろしくお願いします。


午後の授業が終わり、放課後になった。各々部活なり帰宅なりし始めた頃――

蘭「約束、ついてきて。」

究「一応どこでやるつもり?」

蘭「もちろんショップ。…なに想像してたの。」

究「え?…屋上?」

蘭「バカじゃないの?吹き曝しの所でやってどうすんの。」

究「いやまぁ…ですよね。」

彼女達のバンド名らしく夕焼け空の下でデュエルするのかと少しでも思ったちょっと前の自分を張っ倒したくなった。さて、蘭達の案内のもとやってきたのはショッピングモールだった。

究「え?ここ?」

ひまり「うん、あるんだよ。ここに。」

究「知らなかった…。」

如何に自分が街を見て歩いていないのかを痛感した究、今度予定が空いてる日に街の案内を頼んだら2つ返事でOKされた。雑談していたら件の店に着いた。

究「へぇ、モール内の割にそれなりに揃ってる店だな。サプライ関係も。」

巴「だろ?大体はあるんだぜ。」

究「後でじっくり見よっと。さて…やろうぜ。」

蘭「負けないから。」

いったい何を使うんだろうとワクワクしながら――

蘭・究「「デュエル!」」

 

蘭 LP:4000

究 LP:4000

 

蘭「私のターン、魔法カード『レッドアイズ・インサイト』発動。デッキから『真紅眼の黒炎竜』を墓地に送って、『真紅眼融合』を手札に加える。そしてそのまま発動。デッキから『真紅眼の黒竜』と『真紅眼の凶星竜ーメテオ・ドラゴン』を素材に融合召喚する、『流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン[ATK:3500]』!」

究「召喚口上、ないの?」

蘭「…ないから。とりあえず流星竜メテオ・ブラック・ドラゴンの効果でデッキからもう1枚『真紅眼の黒竜』を墓地に送り攻撃力の半分ダメージを与える。」

究「レッドアイズはこれが痛い…。[LP:4000→2800]」

蘭「…カードを1枚セットしてターン終了。それと、真紅眼融合で融合召喚した流星竜は真紅眼の黒竜として扱うよ。」

究「にしても3500か。取り敢えずドローしてから考えるか。ドロー。…上々かな。メインフェイズに入って、俺は『強欲で金満な壺』を発動。EXデッキから6枚除外する。お好きなのどうぞ?」

蘭「どうせ使わないでしょ。上6枚でいいから。」

究「お言葉に甘えて上から6枚除外して2枚ドロー。」

ひまり「エクストラ使わないってなんか珍しいよね。」

巴「まるっきり使わないのは確かにそうだな。」

究「俺ってどうしてもデメリットの方を見ちゃうんだよな。」

モカ「じゃー強貪とか使わない感じですかー?」

究「ああ、俺はメインデッキの1枚もなるべく無駄にしたくない。EXデッキはまだ使わないという選択肢がある。けどメインデッキはそうはいかない。だから――」

つぐみ「大事にしてるんですね。」

蘭「いいから、進めて。」

究「ありがとう、羽沢さん。ごめん美竹さん、語っちゃって。」

蘭「別に、八須賀さんの気持ち…なんとなく分かるから。」

究「なんか嬉しいな。じゃあ改めて…『ウィッチクラフト・シュミッタ[ATK:1800]』召喚。」

蘭「それ…昼の?」

究「ああ。さて、シュミッタの効果発動。手札の魔法カード1枚『ウィッチクラフトサボタージュ』とシュミッタ自身をコストにデッキからウィッチクラフトモンスターを特殊召喚する。来たれ、万能の創造者!『ウィッチクラフトマスター・ヴェール[DEF:2800]』!」

蘭「守備力2800じゃあ私のメテオ・ブラック・ドラゴンは耐えられないよ。」

究「まぁまぁ、墓地のシュミッタの効果発動。このカードを除外して、デッキからウィッチクラフトカードを墓地に送る。『ウィッチクラフト・バイストリート』を送るぜ。カードを1枚伏せて…ターンエンド。そしてこのエンドフェイズ、さっきコストにしたサボタージュの効果。ウィッチクラフト魔法カードは各々の固有効果と共通効果がある。いずれかターン1でしか使えない。今回は共通効果のほうだ。エンドフェイズにサボタージュは手札に戻る。」

蘭「なっ…。」

ひまり「実質タダ!?」

つぐみ「なんか主婦の反応だよ、ひまりちゃん…。」

究「そしてバイストリートの効果。ウィッチクラフトの永続魔法は手札には戻らないが、フィールドに置かれる。バイストリートが場にある限りウィッチクラフトモンスターは1ターンに1度だけ戦闘・効果で破壊されない。そしてウィッチクラフトの永続魔法はウィッチクラフトの効果で手札の魔法カードをコストにするのをバイストリートを墓地に送る事で肩代わりできるんだ。これで処理は終わり。美竹さんのターンだよ。」

蘭「私のターン、ドロー。」

モカ「……」

巴「モカ?」

モカ「蘭、なんか楽しそうー。」

蘭「(バイストリートのせいで計算が狂った…。守備力2800を純粋に突破するにはいまある流星竜メテオ・ブラック・ドラゴンの攻撃力か、あとは…あ、あるじゃん。)」

つぐみ「蘭ちゃん、なんか警戒してる?」

ひまり「伏せたカードとか?」

巴「レッドアイズの攻撃力の土台は2400。対してヴェールの守備力は2800。流星竜メテオ・ブラック・ドラゴンだけじゃ相手の盤面を破れない。」

モカ「あ、動いた。」

蘭「魔法カード、死者蘇生発動。これで『真紅眼の黒炎竜[ATK:2400]』を特殊召喚。そしてデュアル召喚。」

究「まさか…!?」

蘭「更に手札の『黒鋼竜』の効果で『真紅眼の黒炎竜』に装備。攻撃力を600上げるよ。[ATK:2400→3000]」

ひまり「これでヴェールの守備力を超えたモンスターが並んだからバイストリートを突破できる!」

蘭「バトル、『流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン』で『ウィッチクラフトマスター・ヴェール』を攻撃!」

究「攻撃宣言時、ヴェールの効果発動!」

蘭「え!?」

究「手札の魔法カード1枚をコストに、相手フィールドのモンスター効果を全て無効にする。コストは『ウィッチクラフトドレーピング』。」

蘭「でもまだ…」

究「確かに、まだ脅威は去ってない。だからこのままダメージ計算時にヴェールのもう一つの効果を使う。」

蘭「ダメージ計算時…まさか!?」

究「ヴェールは戦闘を行う魔法使い族の攻撃力・守備力手札の魔法カードを任意の枚数見せることで見せたカードの数×1000上げる。」

蘭「見せたカードの数…あっ…!」

究「そう、俺が手札に戻したサボタージュがある。俺が見せるのはサボタージュ1枚。ヴェールの守備力は3800になる!」

蘭「やられた…![LP:4000→3700]」

ひまり「え?なに?どういうこと?」

つぐみ「蘭ちゃんはヴェールの防御力を突破できない。」

ひまり「えぇ!?」

モカ「しかも黒炎竜のバーンダメージの効果も無効にしてくるからー。」

巴「相手の手札が切れる瞬間を狙うしかない。」

蘭「ターン終了。」

究「俺のターン、ドロー。」

ひまり「ファイト、蘭…!」

究「俺、完全に悪役じゃないか。」

つぐみ「そんなことないですって!」

究「ホントか?まぁ…手札的にやることないからこのままターンエンド。ドレーピングは手札に戻る。」

蘭「ドロー!…これならいける…!」

究「(何を引いた?)」

蘭「儀式魔法『レッドアイズトランスマイグレーション』!」

究「なんだと…!?」

蘭「墓地の『真紅眼の黒竜』を除外して、儀式召喚!『ロード・オブ・ザ・レッド[ATK:2400]』!」

巴「いいぞ、蘭!これで相手は動けなくなった!」

究「(まさにその通りだ。俺がヴェールの効果を使おうものなら俺の盤面が崩壊する。ヴェールの守備力を突破可能なモンスターは流星竜と黒炎竜の2体。しかも黒炎竜はデュアル状態。戦闘を介したら最期だ。いや…詰んでないか?ヴェールは突破される…黒炎竜は戦闘を行ってしまう、ロード・オブ・ザ・レッドのダイレクトアタックで俺のライフは尽きる。……いや…まだ手はあるまがその為には…)」

蘭「諦めたら?」

究「終わってないだろ?来いよ。」

蘭「(まだ諦めてない…なにかあるの?)」

究「(まだ俺にはこいつがある。美竹さんが先手を打ってくれれば俺の命は繋がり…逆転もある!)」

巴「ブラフだって、攻めれば勝ちだ!蘭!」

ひまり「うーん…でもなんで八須賀君、さっきのターンは何もしなかったんだろう。」

つぐみ「手札的にやることないって言ってたし、引きが悪かったんじゃない?」

モカ「そーかなー?なんか、嵐の前の静けさ的なの感じるー。」

究「(モカとの相手やばそうだな。直感的に俺の手を読んできそうだ。)」

蘭「……ターンエンド。」

究「いいのか?攻めなくて。チャンスだったろうに。」

蘭「そうやってカウンターするんでしょ。」

究「バレた?」

蘭「…ほら。」

究「(が…攻めてこないのはシンプルに辛い。ロード・オブ・ザ・レッドのせいでこっちから先手を打てないし。)俺のターン、ドロー。…悪いな。ロード・オブ・ザ・レッドは何とかなりそうだぜ。」

巴「嘘!?」

究「それがマジなんだよなぁ…。魔法カード、『ワン・フォー・ワン』発動!手札コストは『ウィッチクラフト・ピットレ』を墓地に。(さぁ…喰い付け…!)」

蘭「……」

つぐみ「なんか…蘭ちゃんと八須賀さんの間にほんとに火花が散ってるみたい…。」

蘭「チェーンして『ロード・オブ・ザ・レッド』の効果発動。」

究「じゃあヴェールの効果をチェーンして発動、コストサボタージュだな。」

蘭「そう…なるよね。」

究「ロード・オブ・ザ・レッドはこれで封じた、ワン・フォー・ワンの効果で『ウィッチクラフト・ジェニー[DEF:500]』を特殊召喚。ジェニーの効果発動、自身と手札のドレーピングをコストにデッキから『ウィッチクラフト・ハイネ[ATK:2400]』を特殊召喚する。ハイネが居るとこのカード以外の魔法使い族を効果の対象にできないぜ。」

蘭「仮にロード・オブ・ザ・レッドが生き残っても破壊できるのはハイネだけ…。」

究「もっとも残す気はないな。ハイネでロード・オブ・ザ・レッドに攻撃。」

蘭「バイストリートでハイネは残って、ロード・オブ・ザ・レッドだけ破壊される…。」

究「ターンエンド、サボタージュとドレーピングは回収する。」

蘭「ドロー。…このままバトル!」

究「なにもしない…?」

蘭「流星竜メテオ・ブラック・ドラゴンでウィッチクラフト・ハイネを攻撃!」

究「ならダメージステップ開始時、ヴェールの効果を発動。おれはサボタージュ、ドレーピング、コラボレーションを見せて攻守3000上げる。[ATK:2400→5400]」

蘭「…でも、このデュエル私の勝ちだよ。[LP:3700→1800]」

究「なんだと?」

蘭「罠発動、『レッドアイズ・バーン』!」

究「げっ…!?」

蘭「流星竜メテオ・ブラック・ドラゴンは真紅眼融合の効果で真紅眼の黒竜扱い、レッドアイズモンスターだよ。破壊されたモンスターの攻撃力分ダメージを与える。」

究「してやられたなぁ…[LP:2800→0]」

蘭「…私もだけど。[LP:1800→0]」

究「おい!」

 

 

究「引き分けっすか。」

蘭「バーンがなかったら負けてた。」

巴「惜しかったな、蘭。」

ひまり「でもいいもの見たよ!」

モカ「同感ー。」

つぐみ「ふたりともすごかったよ!」

究「レッドアイズ恐るべし…。」

蘭との1戦後、俺とみんなで時間の許す限り語り尽くした。自分の事、バンドのことetc…

蘭「あの、八須賀さん。」

究「美竹さん?」

蘭「…名前で呼んで。私も名前で呼ぶ。これから一緒のクラスだし、それに仲良くなりたいし…。」

最後の方はよく聞こえなかったが、どうやら名前で呼んで欲しいらしい。こうしてデュエル仲間が出来たし吝かではない。

究「えっと…蘭さん?」

蘭「さん付けなし!」

究「…蘭ちゃん?」

蘭「よろしい。別に呼び捨てでもいいけど…」

究「え?」

蘭「なんでもない。ほら、行くよ!究!」

なんか顔が赤かったが気のせいだろう。4人からも名前で呼んでと言われたので名前で呼ぶことにした。

 

 

 

究「ただいま…って、いないんだった。」

両親は引っ越して間もなく仕事であちこちを飛び回っている。実質一人暮らしもいいとこだ。

究「あ、親父から電話だ。もしもし。」

長期出張中の親父から電話というかビデオ通話だ。隣に母さんもいた。さっそく今日の事を伝えた。新しい学校生活の期待、友達ができたこと…両親はほっとしていたようだ。ついでに転校先が元女子校だったことも愚痴った。親父は豪快に笑い飛ばしただけで『友達が出来たなら上手くやれるさ』とだけ言われた。帰ってきたら友達を紹介するよ、と伝えて電話を切った。

究「さてと、宿題を熟すか。ついでにリベンジマッチのデッキも考えるか!」




作者のシルウェストです!初めてデュエルを文面で書きました!
蘭ちゃんのデッキはレッドアイズに。デッキ構成についてはNeuronで作ってます。デュエルの方針はライフ4000、かなりスローペースな展開が基本です(ライフ4000のレッドアイズは殺意が高過ぎるのは言わないで…)。デュエルパートについては手札枚数の推移を今後書いていこうかなと思います。
読んでいただきありがとうございました!頑張って書いていきます!

追記
『レッドアイズバーン』の効果を勘違いしてました…!申し訳ないです!ご指摘ありがとうございます!


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日常というデッキ構築

作者のシルウェストです!今回はデュエルパートはありません。バンドリキャラの使用デッキが中々思い付かない今日この頃。読者の方々に意見を求めるかもしれないです。
取り敢えず続きをどうぞ。


究「……」

昼休みの長閑な時間に俺、八須賀究は今ある問題に直面していた。別に成績が悪かったとかそういうのではない。今朝担任から渡されたプリントだ。

究「部活動…かぁ……。」

羽丘で稼働している部活動の一覧が載っているプリントだ。共学化したとはいえ、現状男子生徒は俺だけ。運動部に入るにしてもあれだし、運動部を避けて文化部に入りたいとは思わない。どちらかといえば身体は動かしたい方だ。実のところ似たような問題として体育の授業もそうだ。ペアを組むときにどうしても色々と気にしてしまう。色々って?言わせるなよ。

究「はぁ……」

蘭「ため息多いよ。」

究「え?そんなに?」

蘭「そんなに。部活、迷ってるの?」

究「そらな?運動部入ったって、ね?かといって文化部もなぁ…って。」

蘭「ふーん…。帰宅部すればいいじゃん。」

究「んなわけにはいかねぇだろ。」

蘭「けど意外。」

究「なにが。」

蘭「デュエル好きなくせに、運動好きなんだ。」

究「運動もデュエルも楽しいからな。今度またデュエルやろうぜ、リベンジマッチだ。」

蘭「いいよ、いつでも。」

取り敢えず放課後ざっくり部活を見て回ると心に決めて、まだ行ったことのない羽丘の食堂に行ってみることにした。食堂に向かってる最中――

?「ねぇねぇ!転校生って君?」

究「え?あ、はい。えっと…」

日菜「私は氷川日菜だよ!まだ部活決めてないよね?」

究「はい、まだです。今日の放課後にでもあちこち見て回ろうかt――」

言い切る前に眼をキラキラさせながら…てかマジでキラキラしながらぐいっと来た。

日菜「天文部に入らない?キラキラ」

一瞬思った。何だこいつ、と。だが言わない、初対面で無碍に扱うのは失礼この上ない。

究「取り敢えず他の部活を見て回ってからでいいですか…?」

日菜「うん!ルンってするの見つかるといいね!」

究「そ、そうですね…。(ルンってなんだ…)」

日菜というハイな子が行った後、つぐみが来た。

究「あれ?つぐみちゃん?」

つぐみ「あ、大丈夫?日菜ちゃんになんかされなかった!?」

究「か、勧誘はされたが。」

つぐみ「よかったぁ…大丈夫みたいだね。」

聞けばどうやらさっきの子は生徒会長…らしい。嘘だろ。あんな暴走列車みたいなのが?つぐみも生徒会に入ってるそうだが、日菜の下で動くのは相当疲れるんだろうなぁ…。まず天文部を選択肢から外した俺だった。

 

 

放課後、俺は運動部から見て回ることにした。プリントでもそうだが元女子校というだけはあり、そこまで多くはなかった。

究「テニスコート完備とかどうなってんだ?ここの女子テニスって強いのかな…ん?あれは、ひまりちゃん?テニス部だったのか。声掛けるのも難だし、他を見て回るか。」

テニスコートを離れ他に行こうとしたとき、茂みの向こうから声が聞こえた。俺は声の主が誰かを確認しようと奥へと入った。

究「(役者のような台詞…演劇部の人か。自主練とは凄いな。本気で目指しているのだろうか。)」

邪魔しちゃ悪いと思いその場を離れようとしたが小枝を踏んでしまい、勘付かれた。

?「誰だい?」

究「すいません…覗く気はなかったんですが…。」

?「これはこれは、噂の転校生か。私は瀬田薫。演劇の自主練をしていたんだ。転校生の君をも誘うなんて…なんて儚いんだ…!」

あーこいつ…やべぇ奴だ。

究「八須賀究です。なんていうか…凄かったです。」

薫「ありがとう、そういえば部活は決めたのかい?決まってないなら演劇部に入部はどうだろうか。」

究「あはは…俺舞台とかそういうのは…」

薫「人は誰しも初心さ。その様子じゃ他の部活を見て回っていたのだろう?じっくり考えるといい。」

究「ありがとうございます、では俺はこれで。」

言動こそあれだが、根はいい人だ。ほんとに…言動で誤解されそうな気がするが。

 

 

究「取り敢えず一通り見て回ったが…」

帰り道、部活動一覧表を見ながら振り返った。意外とどの運動部からも寛容的な反応で、文化部についても同じような反応だった。となると次はどこに入るか迷ってしまった。

究「いっそ蘭ちゃんの帰宅部というのもありか…。いやいや…ん?あれは…おーい、蘭ちゃん!」

蘭「究?」

究「ギターってことは、バンド練習の帰り?」

蘭「そう。見学、どうだった?決まりそう?」

究「意外とみんな寛容的で良かったのと、それで今迷ってる。」

蘭「ふーん…。」

巴「ん?究じゃねぇか。」

究「巴ちゃん?」

巴「んー…やっぱ呼び捨てで頼む。むず痒い!」

究「お、おう。分かった、巴。」

巴「それでよし。」

蘭「…なら私も呼び捨て…」

究「分かった、蘭。」

蘭「〜!!!////」

なぜか顔を真っ赤にして超速ダッシュでどっか行った。

究「…俺なんかしたか?」

巴「……さぁ。」

究「その間はなんだ…?」

 

 

蘭視点 道中

究『分かった、蘭。』

蘭「っ……!!////」

なんか…頭の中で何回もリピートしちゃう…!呼び捨てでいいって言ったのは私だし、それで呼ばれただけなのに…あいつの事考えただけで…真っ白になる…。どうしたんだろ、私…。

蘭「究……。」

 

 

究視点

呼び捨てOK出たから呼び捨てしただけなんだが…なぜあんなガチ逃げしたんだろうか…。追うべきだった?

究「わかんねぇ…。」

モカ「蘭ちゃん泣かせたのー?ウルウル〜。」

究「なわけないだろ…俺はただ呼び捨てで呼んでって言われたからそうしただけで…」

ひまり「……」

究「なんだよ、その察したような顔は。」

ひまり「きっと恋だよ!」

究「はぁ!?」

ひまりがなんか突拍子もない事を言い出した。いやいや、転校してまだ指で数えるくらいだぞ。デュエルもした、割と隣同士だから結構話し語りした。それでなんでそうなる?

つぐみ「取り敢えず私達で宥めておくから、明日…」

究「だから泣かせてねぇって!」

 

 

八須賀家

究「はぁぁ……」

帰って早々、ソファーに倒れ込んだ。蘭の事で頭の中が混乱している。なんで呼び捨てOKで呼び捨てで呼んだのにあんな爆速で逃走したのか、極めつけはひまりが突拍子もなく恋だとかなんだ言い始めた。

究「何なんだよ…。ほんと…。取り敢えずやる事やって寝よ…。」




読んでいただきありがとうございました!今回は、もうノリと勢いで書きました。後書きコーナーは使用カード紹介コーナーにする予定です。これから頑張って書いていきます、よろしくお願いします!それではまた!


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日常というデッキ構築2

作者のシルウェストです!前回の続きを。



蘭「……」

究「……」

昨日謝ろうと決めていた…んだが。今朝からこの状態だ。話し辛い。全く目線を合わせてくれない。

究「あ、あの…蘭?」

蘭「っ……!///」

究「あ、おい待てって!」

蘭「離して!」

究「離せねぇ。俺…蘭に何かしたのか!知らない間になにかしたんなら謝る!だから頼む、教えてくれ!」

蘭「……放課後、屋上に来て。」

究「わ、分かった。」

女子生徒「だいたーん♪」「ヒューヒュー♪」

究「…え?あ、いや…すまん…。(離した)」

蘭「い、いいから……。」

朝から俺、何してんだよ。だが寄りを戻す機会は得た。それだけでも気が楽になる。今日も授業に励むとしよう。

 

 

午前中の授業が終わり昼休み――俺は食堂で昼ご飯を食べていた。

究「はぁ……しかし俺は何しでかしたんだ…?さっぱりわからん…。」

特に気に障るような事を言ったつもりはない。デュエルの件ならもっと前に言われたはず。であれば必然的にどう考えても呼び捨ての時だ。だがあれも蘭がOKをしたから呼んだのであって……

究「ほんとにわかんねぇ…!」

?「どうしたの?転校生君。」

究「え?えっと確か…ダンス部の今井先輩でしたか?」

リサ「覚えてくれたんだ、嬉しいなぁ。席、いい?」

究「どうぞ。」

リサ「ありがとう。それでなにかあったのかな?」

究「いや、その……」

リサ「相談ならお姉さんを任せなさいって。」

究「お、お姉さん…。じゃあ、お言葉に甘えて。」

俺は昨日起きたことを言った。そしてなぜそうなったのか分からないことも。先輩は俺の話を全部聞いたあとに言ったのは『ちゃんと屋上に行ってあげなよ』だけだった。しかし、その表情には何処か含みがあるような感じがした。もちろん屋上に行くのは約束したことだ。自分が何をやらかしたのかを知る必要がある。誰かに打ち明けたおかげか、今朝の約束した時よりも気が楽になった。そう思うと今井先輩は本当に不思議な人だ。俺の求めている答えを持っているような気がしてならなかった。そしてしれっとダンス部の勧誘もされたが、取り敢えず『まだ迷っている』とだけ伝えて教室に戻った。教室のドアを開けてからいきなりモカが縋ってきた。

モカ「きーくん、助けてー。ひーちゃんがイジメるー。」

究「いじめって…」

ひまり「モカー!いつも一言余計なんだからー!」

究「あー…。」

何となく察して、ひまりにモカの身柄を明け渡した。きっと俺が来る前からこういうやり取りをしていたのだろう。モカが『およよー、何でもしますからお助けー』な視線を送って来たがスルーすることにした。一言余計なのが悪い、うん。

 

 

午後の授業も終わり放課後。今日は当番ということで教室の黒板とかの清掃をしてから行くことを蘭に伝えた。

究「何を言い渡されるんだか…。」

無自覚とはいえなにか蘭の気に障るような事をしたのだ。蘭の文句を受け止める覚悟をしないとな。掃除を終えて、屋上に向かった。

究「悪い、待たせた。」

蘭「いい…別に。」

究「で…さ。教えてくれ。俺、あの時何かやらかしたのか?」

蘭はまだ何も言わない。この沈黙が重くのしかかる。これほど心臓に悪い沈黙があるだろうか。するとようやく蘭から言い出した。

蘭「…究って、優しいよね。」

究「…え?」

あまりの予想外の言葉に唖然とした。

蘭「ショッピングモールのカードショップ、行ったでしょ。」

究「ああ、行った。」

蘭「前…そこの店員さんにね、『デッキは自分の心の在り方』だって言われた。それはデュエルを通じて相手に伝わるって。」

究「……」

デッキは心の在り方、そんな表現をする人は初めてだ。だが言われてみればそうだ。自分のやりたいこと、戦術を詰め込む。それは自らの心を具現化している、という意味合いでは間違いない。

蘭「あのデュエルの時…究言ったよね、『デッキの1枚も無駄にしたくない』って。」

究「ああ。」

蘭「あの時は何となく分かるって言ったけど……。違うの…。」

究「違う?」

蘭「何となくじゃない…分かっちゃった。究の心の在り方…とても純粋で優しくて……っ…」

究「え!?な、泣くなって。」

蘭「暖かくて……そんな究に私…一目惚れしたの…!!」

究「なっ……。」

一目惚れ…?あのデュエルで?

蘭「でも私――」

究「蘭…!」

蘭「あっ……。」

俺はいつの間にか蘭を抱き締めていた。

究「俺さ、少しだけデュエルが嫌だったんだ。」

蘭「え…?」

究「俺が前いたところはみんな勝つ事に躍起になっててさ、デュエルは殺伐した雰囲気だった。」

蘭「そうだったんだ…。」

究「でも蘭のおかげなんだ。俺の想いは間違ってなかったって思えたのは。楽しくデュエルがしたい、勝ち負けを超えた楽しさが伝わって欲しい、あのデュエルで蘭は俺の想いに応えてくれた。」

蘭「究……。」

究「蘭、ありがとう…。」

蘭「究…もう少しこのままでいさせて…。」

究「ああ。分かったよ、蘭。」

蘭「ありがと。」

俺と蘭はしばらくの間、抱き締め合った。夕焼けの中でお互いの想いを確かめながら…。

 

 

 

蘭「究。」

究「どうした?」

蘭「この後、暇?」

特に予定もないので蘭の誘いを受ける事にした。

蘭に連れて来られたのは、ショッピングモールのカードショップだった。

究「…なるほど?前回の続きってやつか。」

蘭「引き分けじゃ終われないからね。」

究「そうだな…やろうか!」

 

 

究・蘭「「デュエル!!」」

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございました!
今度こそデュエルパートをミスらないように頑張ります…!
次回くらいからカード紹介にしてみようかと思います、それではまた!


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日常というデッキ構築3

前回の続き、今回はデュエルパートです。


究「さて、俺は今回のために用意したデッキで行かせてもらうぜ。」

蘭「ふーん、見せてもらおうかな。」

究「俺のターン、モンスターをセット。カードを1枚伏せてターンエンドだ。」

蘭「勿体ぶらないで見せればいいのに。」

究「まだ、見せない。」

蘭「私のターン、ドロー。魔法カード『融合派兵』発動。」

究「融合派兵……となると。」

蘭「EXデッキの『真紅眼の黒刃竜』を見せてその中に記されてるカード名のモンスターを特殊召喚する。『真紅眼の黒竜[ATK:2400]』!」

究「確かに融合が主軸のそのデッキならありだな。」

蘭「まだまだ、『真紅眼の黒竜』をリリース!」

究「(ダークネスドラゴンか?いや……これは…!)」

蘭「『真紅眼の亜黒竜[ATK:2400]』!」

究「レッドアイズのオルタナティブ…!」

蘭「『伝説の黒石[ATK:0]』を通常召喚。そして効果発動、自身をリリースしてデッキから『真紅眼の黒炎竜[ATK:2400]』を特殊召喚。バトル、黒炎竜でセットモンスターを攻撃!」

究「俺が伏せていたのは……『教導の啓示アディン』。破壊されるぜ。」

蘭「ドラグマ…!?」

究「破壊されたアディンの効果発動、デッキから『教導の大神祇官[DEF:3000]』を特殊召喚。」

蘭「カード1枚伏せて、ターンエンド。」

究「エンドフェイズ、罠カード発動。『ドラグマエンカウント』。手札のドラグマモンスターを特殊召喚する。『教導の聖女エクレシア[DEF:1500]』。エクレシアの効果、デッキからドラグマカード1枚手札に加える。『凶導の白聖骸』を手札に。そして、俺のターン。ドロー。」

蘭「ふふ……」

究「どうした?」

蘭「やっぱり…優しい…。」

究「そうか?」

蘭「うん。それに、そんな究が好きだから。」

究「そうか。なんか改めて面と向かって言われると恥ずかしいな…。」

蘭「こっちまで恥ずかしくなるから…バカ。」

究「すまんな。続けるぞ?マクシムスの効果。EXデッキから2枚墓地に送る。『サイフレームロードΩ』と『虹光の宣告者』だ。相手も自身のEXデッキから2枚墓地に送る。」

蘭「…『スリーバーストショット・ドラゴン』と『クロシープ』。」

究「流石にレッドアイズは落とさないよなぁ…。『虹光の宣告者』の効果。墓地に送られたらデッキから儀式魔法か儀式モンスターを手札に加える。『凶導の福音』を手札に加える。そして『凶導の福音』を発動。手札・フィールドから儀式召喚するモンスターのレベル以上になるようにリリースまたはEXデッキから同じレベルのモンスターを墓地に送って儀式召喚する。俺はEXデッキから『旧神ヌトス』を墓地に送り、『凶導の白聖骸[ATK:500]』を儀式召喚。白聖骸の効果、フィールド上のモンスター2体を対象に取る。亜黒竜と白聖骸を対象に取って、白聖骸に亜黒竜の攻撃力の数値を加算する[ATK:500→2900]。因みに永続的にだからな?さらにヌトスの効果でセットカードを破壊。」

蘭「『レッドアイズバーン』は破壊されるよ。」

究「蘭?またしれっと引き分けにしようなんて考えたのかな?」

蘭「まさか。」

究「だよな?というわけでバトル。白聖骸で黒炎竜に攻撃。」

蘭「受けるしかないね[LP:4000→3500]。でも…。」

究「でも?」

蘭「手札の『真紅眼の遡刻竜』の効果発動!」

究「なんだと…!」

蘭「破壊された黒炎竜を破壊された時の表示形式で特殊召喚。」

究「ターンエンド。(あれ…ウィッチクラフトの方がまだワンチャンスあったのでは…。裏目に出た?)」

蘭「私のターン、ドロー。黒炎竜をデュアル召喚。バトル、黒炎竜でエクレシアに攻撃。」

究「エクレシアは破壊される。」

蘭「続けて亜黒竜で白聖骸に攻撃。破壊されるね。[LP:3500→3000]この瞬間、亜黒竜の効果発動、墓地の『真紅眼の黒竜[ATK:2400]』を特殊召喚。この時、『真紅眼の黒竜』を特殊召喚するとそのモンスターの攻撃力は倍になる。[ATK:2400→4800]」

究「攻撃力4800だと…!?」

蘭「『真紅眼の黒竜』で白聖骸に攻撃!黒炎弾!」

究「くっ……[LP:4000→2100]。あっ…!?」

蘭「私の勝ちだよ、黒炎竜のデュアル効果。バトルフェイズ終了時に元々の攻撃力分のダメージを与える。」

究「やっちまったぁ…。[LP:2100→0]」

 

 

あっさりと負けた。というよりデッキをミスった。流星竜とレッドアイズバーンのダメージを警戒したあまり、黒炎竜の対策を疎かにしてしまったのが響いた。亜黒竜から攻撃力倍の黒竜を相手にするのもたとえウィッチクラフト使ってたとしても楽じゃない。

究「清々しいくらいの完敗だ。」

蘭「何でウィッチクラフトで来なかったの?」

究「え?いやぁ…ね?レッドアイズのEXを封じて後は野となれ山となれで行こうかなって思ったけど、甘かった…。」

蘭「ふふ。でも、楽しかった?」

究「ああ。楽しかったよ、蘭。次こそ絶対に1勝もぎ取ってやる。」

蘭「いつでも待ってるよ、究。ん…」

何か頬に柔らかい感触を一瞬感じ、離れた瞬間に全てを察し、頭の中が真っ白になった。

究「ら、蘭……。」

蘭「究、好き……。」

究「…ああ、俺もだよ。蘭。」

蘭「ほんとに…?」

究「本当だ。蘭のレッドアイズの情熱…確かに感じた。」

蘭「ふふ…伝わってくれたんだ。」

カードショップを後にして、ミニデートに発展。学校帰りなのも忘れて楽しんだ。いつか本当にデートしようと約束して今日はそれぞれ家に帰った。

 

 

八須賀家

俺は帰ってソファーに悶え倒れた。

究「っ〜〜!!?やっちまった…やっちまったよ…!」

はぁぁ…落ち着け、冷静になれ。これはデュエルで白熱したから…きっとそうだ。その熱さにやられた。それだけのはずだ…が、あの感触を思い出すだけでまた悶えた。乙女か俺は!その日どうにか宿題を終わらせたが中々寝付けなかった。




どうも、作者のシルウェストです。
今回紹介するのは『真紅眼の亜黒竜』!
蘭「『真紅眼の亜黒竜』は場の『真紅眼の黒竜』をリリースして手札から特殊召喚できるモンスター。戦闘か相手の効果で破壊されると墓地からレッドアイズモンスターを蘇生できて、蘇生したのが『真紅眼の黒竜』なら蘇生したモンスターの攻撃力が倍になる。一発逆転、できるかも…?」
青眼の究極竜を凌ぐ攻撃力、凄まじいの一言です!これ以上青眼を比較対象にすると某青眼使いの社長に怒られそうな気がするのでここまで!
最後まで読んでいただきありがとうございました!


教導の大神祇官の『祇』ですが、本来は『ネ+氏』です。変換が出ませんでした!


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決闘はティータイムの後に

作者のシルウェストです!
デュエル構成についてですが、初期手札はNeuronで作ったデッキレシピのお試しドロー5枚です。その結果、割と主人公のデッキが事故り気味な事案が発生しており、負け越しというふうになっちゃってます…。普段はそんなにそんな事故らないはずなんですが、やむなし。では続きをどうぞ。


昼休み真っ只中。俺、八須賀究はAfterglowのメンバーの輪の中にいる。

究「えーっと…」

蘭「〜♪」

モカ・ひまり・巴・つぐみ「「「「…………」」」」

蘭は俺にべったりで上機嫌、唖然としてる残り4人。そしてこの状況に困惑している俺。

巴「何があったか説明してもらおうか。」

究「どこから…?」

ひまり「放課後に呼ばれた所から。」

なんか事情聴取みたいになってるし。昨日の屋上からの一連の流れをざっくり説明していると見る見るうちに4人の顔が赤くなっていった。

究「それで――」

巴「ちょっちょっ、タイム!お腹いっぱいだ…。」

ひまり「聞いてるこっちが恥ずかしいから…!」

モカ「アツアツですなー。」

つぐみ「羨ましいなぁ……。」

究「つぐみちゃん?」

つぐみ「あ、ううん!なんでもない!」

究「……?」

 

 

放課後、昼につぐみの様子がおかしかったので、声をかけてみた。

究「つぐみちゃん。」

つぐみ「究君?どうしたの?」

究「いや、昼休みで様子がおかしかったから。大丈夫かなって。」

つぐみ「大丈夫、なんでもないよ。私、これからみんなと打ち合わせだから、またね!」

究「お、おう。」

蘭「究?」

究「ああ、今行くよ。」

蘭「んふ♪究を独り占め…♪」

究「あはは…。」

早々と腕に抱き着いている。これにもう慣れ始めている俺も大概かもしれないが、別段悪い気はしない。蘭の笑顔を見れているだけでも満足だ。

蘭「そうだ、これからつぐみの家にみんなで集まるんだけど。来る?」

究「となるとバンド関係だろ?いいのか?そういうのからっきしなんだが。」

蘭「いいの。今度のライブの打合せ的なのだし。」

究「ライブかぁ……やっぱ俺抜きでやってくれない?代わりにそのライブ見に行くから。流石に素人がいたら話纏まらないだろ?」

蘭「ライブ来てくれるの!?」

究「そりゃもちろん。」

蘭「やった…!最高のライブ計画するから楽しみにしててね。」

究「おう。」

意気揚々と蘭は行ってしまった。よほど嬉しかったのだろう。とかいう俺も何だかんだ初めてライブに行く事に期待感を膨らませていた。

 

 

蘭視点 羽沢珈琲店

究が次のライブに来てくれる♪ああ、もう最高…絶対にいいライブにする…!

蘭「ごめん、お待たせ。」

巴「究は?」

蘭「次のライブに招待するから、この打ち合わせは内緒。」

ひまり「ゾッコンだね、蘭。」

蘭「そうだね。究とはきっと上手くやれそう…。」

モカ「蘭、嬉しそう―。」

つぐみ「それじゃ、今度のライブをどうするか決めよう!」

このメンバー集まったのは他でもない。近々開かれるライブのプレイリストを決定すること。

蘭「で、次は――」

ひまり「なんかすごい張り切ってる。」

モカ「つぐってるつぐくらいー?」

つぐみ「つぐってる私?」

モカ「そうそう、つぐってるつぐ。」

蘭「…聞いてる?」

モカ「きーてるよー。」

究が来るんだから、絶対に成功させたい。そう意気込んでいたら、私の見知った人が入ってきた。ああ…これも運命なのかな。

 

 

究視点 商店街

究「ショッピングモールもあって商店街も健在。ほんといい街だな。」

俺は寄り道兼街の見聞を広げるため帰りがてら歩き回っていた。大規模なショッピングモールが出来たのにも関わらず、商店街は衰えていない。素晴らしいことだ。パン屋にコロッケに喫茶店と…ほとんどある。この商店街も一種のモール店のような感じだ。俺はそこでふと目に入ったのは――

究「羽沢珈琲店…。喫茶店なんだろうな。羽沢ってつぐみちゃんの名字と同じかぁ。ここ、つぐみちゃんの家族が経営してるのかな?ちょっと寄ってみるか。カランカラン」

 

店内

究・蘭「「あっ……」」

眼が合ってしまった。というか…俺は今思い出した。蘭はつぐみの家に行くと言っていた。ならばなぜ先程の推論で蘭がいるかもしれないと思わなかったのだろうか。

究「やぁ、さっきぶり。」

蘭「そうだね。寂しかったの?」

究「そう、なるな。誘いを断った事については今更ながら後悔してる。」

蘭「いいよ。」

つぐみ「いらっしゃい。どうぞ、こちらに。」

究「ああ。そういやここってつぐみちゃんの親が?」

つぐみ「うん、そうだよ。私もたまに手伝ってるんだ。」

家業の手伝いは良いことだ。俺はここのオススメにあったケーキセットを頼んで寛いで、なるべく打ち合わせの内容は耳に入れないようにイヤホンをスマホに繋いで適当に曲を聞いている事にした。しばらくしてケーキセットが来た。つぐみお手製という事で早速頂いた。

究「コーヒーはっと、熱っ…苦っ…」

つぐみ「ケーキと一緒に食べるのがコツですよ?」

究「ケーキと?ん…お?なるほど。確かにブラックの苦さを想定したケーキの甘さ。納得だ。」

つぐみ「よかったぁ〜。」

巴「おーい、つぐー。最後のとこ決めるぞー。」

つぐみ「うん!あ、究君。」

究「ん?」

つぐみ「後で、時間空いてる?」

究「ああ、家の親は出張でいないからな。」

つぐみ「打ち合わせ終わったら、デュエルしない?」

究「ああ、いいぜ。ここでいいよな?」

つぐみ「うん、じゃあ後でね!」

そう言って打ち合わせに戻った。さて、俺は使うデッキの選定でもしますか。




作者のシルウェストです!
今回紹介するカードは『ウィッチクラフトマスター・ヴェール』!
究「こいつは手札の魔法カードをコストに相手ターンにも発動できるモンスター効果無効化の効果と、魔法使い族が戦闘するダメージ計算開始時に手札の魔法カードを任意の枚数見せて攻守を上げられる。通常の戦闘はもちろん、ビシッとカウンターでも大ダメージが狙えるぜ。」
ヴェールにはとてもお世話になっております…。というわけで紹介はここまで!最後まで読んでいただきありがとうございました!


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決闘はティータイムの後に2

前回の続き、今回は本格的なデュエルパートじゃないです。
バンドリキャラのデッキ構築が中々纏まらない…。


注文したケーキセットを食べて、しばらく寛いでいたらAfterglowの各々は帰り準備を整えていた。どうやら打ち合わせは終わったらしい。

蘭「あ、そうだ。究。LAINのID教えてよ。」

究「いいよ。」

蘭にSNSのIDを教えて友達追加してもらい、ついでにAfterglowのグループにも入れられた。…半ば強制的な感じで。いやなんでさ、何故と聞くと『ダメ?』といいながら蘭が必殺の上目遣いで来る。そんな手法に勝てる算段がこれっぽっちもないので、大人しくグループにいることにした。

究「で、つぐみちゃん。デュエルだったよな。」

つぐみ「うん。」

巴「え、すんのか!あたしは見てくぜ。」

モカ「私も見るー。」

蘭「この調子じゃなんかみんな残りそうだけど…。」

ひまり「もちろん、私も残る!」

究「なんか観客有りだが、いいか?」

つぐみ「いいよ、準備するね。」

つぐみの準備する時間の間、デッキ構築の最終確認をしていた。

良かれと思って入れたカードが上手く機能することを祈った。いくら勝ち負けより楽しさを求めたいといっても勝ちへの拘りはある。

究「(それに、そろそろいいとこ見せないとな。)」

引っ越してきてまだデュエルで1勝もしていない。そろそろ勝ち星が欲しいところだ。

つぐみ「お待たせ。じゃあ始めよう!」

究「ああ。」

究・つぐみ「「デュエル!」」

究「俺の先攻だな――」

 

 

 

蘭視点

つぐみが究とデュエルしてるのを見るとなんか心がザワザワする。どうして…?つぐみとは幼馴染みだし、長い付き合いなのに。究と楽しそうにデュエルしてるのを見るとなんかムカつく。あーもう、早く終わんないかな。

ひまり「ら、蘭…?」

蘭「…なに?」

ひまり「怒ってる…?」

蘭「別に。」

なんか、ひまりには勘付かれたかな。まぁいいや、もう決めてしまおう。できれば今すぐにでも。この思いをライブで打ち明けようかと思ったけど、我慢できない。きっと究なら受け止めてくれるよね…?

 

 

究視点

究「じゃ、『ウィッチクラフト・ハイネ』でダイレクトアタック。」

つぐみ「あちゃー、負けちゃった。[LP:0]」

究「俺の勝ち。ところでそのデッキ…まだ試作?」

つぐみ「うん。まだパーツが揃ってないの。なんで分かったの?」

究「え?あ、まぁ…ね?そんな気配がするなぁって。」

つぐみ「ふふ、あのカードショップの店員さんの影響かな?」

究「たぶん。デュエルを通じて分かり合える。だから気づいたって言えばいいかな。」

つぐみ「私もね、究君の想いに触れたような気がする。デュエルしてて、心が暖かくなってきたの。(蘭ちゃんが恋したのも分かるかも…。)」

究「さてと、時間も時間だし。俺はそろそろ――」

蘭「待って!」

究「蘭?」

蘭「…ついてきて。」

なにか真剣な表情で言われたのでただ事じゃないと思い、頼んでいたケーキセット分の会計を済ませて蘭についていった。

 

 

しばらくついていったら路地裏で蘭が立ち止まった。

蘭「ここならいいかな…。」

究「それで、話があるんだろ?」

いつに無く真剣な表情でこちらを見てきた。また俺は何かやらかしたのか。

蘭「まだ…ちゃんと答えを聞いてない。」

究「答え?」

蘭「私は…究の事好きだよ。添い遂げたいくらい…こんなの好きなんかじゃない…好きなんかよりもっと…」

究「蘭……そっか。つぐみちゃんに嫉妬したんだな。」

蘭「……うん。」

なるほど、確かに真剣にもなる。幼馴染みの関係が嫉妬一つで崩壊しちゃうかもしれない。でも自分の気持ちに嘘をつけたくない。だからこそ俺に『答え』を求めた。

究「俺も…蘭の事好きだよ。」

蘭「ほんとに?」

究「ああ。」

蘭「嘘偽りなく?」

究「ああ。」

蘭「でも私つぐみに…」

究「蘭のワガママくらい、つぐみちゃんもみんなもわかってくれるさ。」

蘭「究……。」

究「だから改めて言わせてくれ、俺は蘭が好きだ。この気持ちに嘘はない。俺と付き合ってくれないか?」

蘭「うん、嬉しい…!究…!」

2度の告白を通じ、はれて俺と蘭は恋人同士になった。

 

 

巴「何かと思えば…。」

ひまり「やっぱりね。」

モカ「出来ちゃったねぇー。」

つぐみ「おめでとう。蘭ちゃん。」

メンバー4人に終始密かに見られていたのはまた別の話だ。

 

 

八須賀家

帰って両親から電話があった。『調子はどうだ?』電話だ。普通ならいつも通りと返すところだったが、俺は元気だと言った。両親からも不思議がられ何かあったか聞かれた。恋人が出来た事を伝えると両親は大歓喜、留守の間は家の部屋は好きに使っていいとまで言われた。帰ってからちゃんと紹介すると約束して電話を切った。

究「あんな大袈裟に喜ばなくても。てか同棲させる気かよ…。さて、ちゃちゃっと宿題を終わらせるか!」

 

 

蘭視点 自室

蘭「究……///」

これで私と究は恋仲♪悪いね、つぐみ。つぐみもきっとあのデュエルで究の優しさを知ったと思うけど、もう先手は打ったから。今度究の家を教えてもらおうかな。場所さえ分かれば毎朝迎えに行けるし。早く明日にならないかな…。

 

 




作者のシルウェストです!
今回紹介するカードは『ウィッチクラフト・シュミッタ』!
究「シュミッタはお互いのメインフェイズに手札の魔法カードと自身をコストにデッキからウィッチクラフトモンスターを特殊召喚できる。そして墓地にいるシュミッタを除外すればデッキからウィッチクラフトカードを墓地に送れる。ウィッチクラフト魔法カードを墓地に送ればエンドフェイズに回収できるから次のターンの備えになる。」
ウィッチクラフトの中で一番好きなの、シュミッタだったりします。では今回はここまで!最後まで読んでいただきありがとうございました!


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芽生えた愛

作者のシルウェストです。
バンドリキャラのデッキ構築が中々纏まらない今日この頃。デュエルの様子が簡略化されてたら…つまり、そういうことさ。
というわけで続きをどうぞ!


俺、八須賀究はいつもより早起きで登校している。いつもならばもう30分くらいは寝てるところだが、今日からはそんな訳にはいかない。大事なことがあるからな。

蘭「おはよう、究。」

究「ああ。おはよう、蘭。」

なにせ…俺の恋人が待っているんだから。

 

 

教室に入れば既に俺と蘭の話で持ちきり、こういう話の情報の出回りは何故か早い。耳のいい生徒がいるのだろう。とりあえずいつも通りを心掛けて今日も1日頑張ることにした。…が、昼休みになれば質問ラッシュだ。「キスはしたのか」「どうプロポーズしたのか」etc…。答えていくと根掘り葉掘り全部聞かれそうなので蘭を連れてそそくさと退散した。向かったのは屋上、ここはそんなに人は来ない。ゆっくり出来るだろう。

究「ったく…なんでもう知れ渡ってんだよ…。」

蘭「まぁ、いいんじゃない?」

究「だな。」

リサ「先客がいた。やっほー、となりいい?」

究「今井先輩?隣でしたらどうぞ。…えっと、そちらの方は。」

蘭「湊さん?」

リサ「あ、紹介するね。」

友希那「湊友希那よ。リサと同じクラス。」

究「湊先輩ですね、俺は八須賀究です。」

友希那「リサが言っていた転校生ってあなただったのね。よろしく。」

究「はい、こちらこそ。」

湊先輩は『Roselia』というバンドを組んでおり、今井先輩はそのメンバー。1年生にもバンドメンバーがいるらしく、他校にも跨いでいる。これはかなり筋金入りだ。蘭を共に高め合うライバルとして見ているようで、そんな湊先輩から思いもよらない事を口にする。

友希那「八須賀さん。あなた、美竹さんの恋人なのよね。」

究「はい。」

友希那「なら、私とデュエルなさい。」

究「……はい?」

友希那「リサの話だとデュエルで美竹さんの心を射止めたそうじゃない。そのデュエル、見せてもらうわ。」

究「そういう話ですか。いいですよ。ですが、今々というわけじゃないでしょう?」

友希那「そうね、私の空き時間にということになるわ。」

空き時間、他校にまでメンバーを募集し獲得したグループにそんな時間があるのか…?

友希那「如何にもそんな時間なさそうなんて顔してるわね。」

究「そう見えます?」

友希那「ええ。」

何にせよデュエルするという約束はして、4人で昼食を摂った。ここでも今井先輩から蘭との恋愛事情の質問が飛んできたのは言うまでもない。クラスメイト・同級生だけかと思いきや先輩もしかしたら後輩にまで俺たちの事が出回ってる可能性がある。しばらくは弄られるなぁ…。

蘭「究。」

究「ん?」

蘭「究にも幼馴染みっていたの?」

究「ああ、いた。中学入るまでの付き合い。それ以降は連絡取ってないな、向こうも忘れてるだろ。」

蘭「そんなことないと思うよ。」

究「だといいな。」

とは言ったものの半ば諦めている。仲が悪いわけではない。寧ろよかったほうかもしれないが、何年も音沙汰なければ忘れているだろう。

究「ところで湊先輩、デュエルするって言っても大体の時期の目処とかあるんですか?」

友希那「今度のライブが終わってからかしら。」

究「ライブ?いつですか?」

そしたらまさかの蘭から聞いてたのと同じ日付、同じところでAfterglowとRoseliaの合同ライブをやるそうだ。であればライブの翌日くらいでどうだろうかと提案したところ承諾してもらった。それまでに新デッキを用意することにしよう。今度こそ空振りしないことを祈りつつ…。

 

 

 

学校終わりにカードショップに行き、物色ついでに既存のデッキの強化プランを考えていた。

究「これを入れるとなぁ…。」

俺は悩んでいた。というのも今の所、蘭相手に1勝もしていない。メタを張るのは簡単だ。しかし、俺のプライドに掛けてそんな事はしたくない。あんな勝ちにしか拘らない奴らとは違う。真っ向勝負で勝ちたい。

女性店員「困ってる?」

究「え?そうですね…。相手に楽しんでもらいたい、それでいて勝ちたい、でも勝ちには拘りたくない。欲張りですよね。」

女性店員「もしかしなくても…恋人の彼女のためかしら。」

究「あ…まぁ、そうです。デュエルを通じて分かり合えた。その可能性を俺のせいで止めたくない。」

女性店員「ならこれをどうぞ。」

するとケース1つを手渡された。中には――

究「白紙?」

女性店員「きっと、あなたなら使い熟せるはずよ。」

究「いや…これ白紙……。」

こんな白紙の束を渡されても困る、いったいこの人は俺に何を渡したのか。

女性店員「あなたのデュエルを見て確信したの。あなたなら、デュエルの中で愛を紡いだあなたなら。そのデッキの…そのカードたちの『愛』を現してくれる。あなたの形で。」

究「愛……。え…白紙のカードが…!」

白紙のカード達がどんどん色付いてよく見かけるカードになった。

究「なんだこれ。サイバース族ってなんだ…?」

女性店員「ふふ、それはあなたにあげる。」

究「え…!?こんな見たこともないカードを……。」

女性店員「いいの。私の持論を見せてくれたお礼と思って?」

究「もしかしてあなたが……。」

この店員こそ『デッキは心の在り方理論』を蘭たちに植え付けた本人だ。自分の思っていたことは間違っていなかった、それを教えてくれたお礼にこのカード群を渡された。思いもよらないプレゼントを貰い、戸惑ったが流石に拒否するわけにはいかないので大人しく貰った。

究「あ、そうだ。店員さん。このショーケースの――」

ただ貰うだけではなんか癪に障るので、考えていた既存デッキの強化プランのパーツを全部買って帰った。

 

 

 

八須賀家

帰って早々自室に行き、貰ったカードを眺めた。見たことのない種族、知らないテーマ。まずは理解を深めることから始めた。

究「サイバース…か。」

約束のデュエルの日はサイバースの初陣にしようと心に決め、今日の宿題に取り掛かった。

 




カード紹介コーナー!
今回紹介するのは『真紅眼の遡刻竜』!
蘭「フィールドにいる時、このカードをリリースしてレッドアイズの召喚権を増やせる。手札にある状態でフィールドのレッドアイズが破壊されると手札から特殊召喚出来て、さらに破壊されたカードを全部呼び戻せる。刻を遡る竜、その名に相応しいカードだよ。」
言いたいこと全部言われた……。じゃあ今回はここまで!
最後まで読んでいただきありがとうございました!


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芽生えた愛2

作者のシルウェストです!
バンドリキャラのデッキが原作・アニメのキャラデッキになるのも許してくれるよね…?(お願いです、許してください。)
というわけで続きをどうぞ。


今日は蘭たちと約束したライブの日。

究「場所はライブハウスCircle…ここか。」

ライブチケットは予約して確保済み、早速向かったもののまだ時間があったので外のカフェで小休止がてらティータイムと洒落込んだ。

蘭「もう来てたんだ、究。」

しばらくしてAfterglowのメンバーが来た。

究「ああ、約束通り来たぜ。ライブ楽しみに待ってるから。」

蘭「盛り上げるから期待してて。」

究「おう。」

さてバンドグループが来たのならそろそろ頃合いだろうと会場に入った。俺がイメージしていた狭いスペースでワーワーするようなライブハウスよりかは広く設備も充実していた。初めてのライブ鑑賞。そして最愛の人の歌う姿をこの目で焼き付けようと最前列に行った。

 

 

 

蘭視点 舞台脇

究が本当に来てくれた。まぁ、疑う要素なんてこれっぽっちもなかったけど、それでも来てくれた。これほど嬉しいことはない。あとは観客を…究を熱中させられれば大成功だ。その為にたくさん練習した。

蘭「みんな…分かってると思うけど――」

巴「いつも通り、だろ?」

蘭「うん。」

モカ「でも蘭、今日は気合が違うね〜。恋パワー?」

蘭「モカ…そうかもね。」

ひまり「蘭が珍しく肯定した…。」

つぐみ「なら今日のライブは尚更成功させないとね!」

後ろには湊さんが控えてるけど……負けないから。究のハートはこのライブで完全に掴む…!

 

 

 

究視点

周りの照明が暗くなった。いよいよだ。舞台に照明が集中した。

蘭「こんにちは、Afterglowです!今日はRoseliaとの合同ライブ!では聞いてください――」

最前列というのもあってか、演奏のインパクトが身体全体に響き渡った。こんな感覚は初めて、周りはノリノリでライトセイバー(っぽいあれだよ、あれ…!)を振っている。一曲目前半こそ圧倒されていたが、徐々に慣れて気づけばAfterglowのライブが終わり、Roseliaへ。

友希那「続いては私達、Roseliaです。最後までお聞きください。では――」

Afterglowの意思疎通な音楽とは変わり、Roseliaはまさに技術力の化身。頂点を見据えて飛んでいる、そんな感じがした。他校までメンバーを募集したのだから相当な覚悟と思っていたがそんな生易しいものでは無い。自分のグループに命すら掛けているんじゃないのか。そんな初めてのライブ体験の時間はあっという間に過ぎた。

 

 

 

カフェテリア

究「あっつ……。」

ライブが終わり熱りを冷ますため、また外のカフェコーナーで今度はアイスを食した。まだ身体の中であの演奏が響いている。

究「ライブってすげぇや…。」

蘭「そうでしょ。」

いつの間にか隣に蘭が座っていた。

究「いつの間に……てか、大丈夫か?」

蘭「平気。究こそ初めてのライブ鑑賞だったんだし。気疲れしてない?」

究「平気…ってほどじゃないが。けど凄かったよ。」

蘭「ありがとう。」

一番疲れてるのは蘭だろうに、と思いつつアイスを奢った。すると湊先輩も来た。

友希那「席いいかしら。」

究「どうぞ、湊先輩。」

友希那「先輩はやめてちょうだい。」

究「では蘭と同じく、湊さん?」

友希那「……いいわ。」

学校と私生活での呼び方を変えてほしいという要望なのだろうか。だが先輩は先輩なので敬意を払った呼び方をしよう。なにか含みがあったような間は取り敢えずスルーだ。

究「湊さんのライブも凄かったです。」

友希那「ありがとう、八須賀さん。さっき美竹さんから聞こえたけど、初めてのライブだったのかしら。」

究「ええ、初めての生ライブですよ。」

友希那「ふふ…いい経験になれて何よりよ。それじゃあ、明日に。」

究「ああ。」

ライブ明けのデュエルをする約束。俺も貰った新たな力の初陣になるだろうな。蘭とは山程話したいが、ライブ直後だし疲れているだろう。ちゃんと休むように伝えて去ろうとすると蘭が俺の服の裾を掴んで離さない。

蘭「……ご褒美。」

究「ご褒美って……わかった。この後時間はあるか?もちろん蘭が無理のない範囲でだぞ?」

蘭「分かった。それでね――」

 

 

 

究「着いたぞ、ここだ。」

蘭「ここが…。」

蘭がライブのご褒美に要望したのは……俺の家に行きたいということだった。別段困るような事ではないため快諾。こうして連れてきた訳だが、これから同棲するような雰囲気になっている。するわけではないが。

究「取り敢えず上がって。」

蘭「お邪魔します。」

究「適当に寛いでて。今飲み物持ってくる。」

蘭「うん。」

究「あ、そうだ。」

俺は飲み物を用意している時にふと思いついた。いっそここで蘭に新デッキを見せてやろうと。湊先輩とデュエルする事は蘭にも分かってる事だ。今更蘭に隠れて調整するような真似をする道理はない。問題は蘭がデッキを持ってきたかどうかだが、どうやら持ってきていた。ならば丁度いいと、蘭にデュエルをしようと提案。あっさり承諾してくれたので俺も準備した。

究「よし、いつでもいいぜ。」

蘭「なんか張り切ってるね、究。」

究「なにせ、初陣だからな。今度は勝たせてもらう。」

蘭「ふふ、また出鼻を挫いてあげようかな?」

 

究・蘭「「デュエル!!」」




カード紹介コーナー!今回はレッドアイズ・インサイト!
蘭「インサイトはデッキからレッドアイズを墓地に送ってレッドアイズ関係を手札に加えられる。最初の手札に欲しいカードだね。…で、いい?」
よろしいです。では今回はここまで。
読んでいただきありがとうございました!


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芽生えた愛3

作者のシルウェストです!
今回はデュエルパート、ちょっと長いです。(主に主人公のターンが)
では、どうぞ。


究・蘭「「デュエル!」」

 

蘭「私の先攻、モンスターをセット。カードを1枚伏せてターンエンド。」

究「俺のターン、ドロー。フィールド魔法『イグニスターAiランド』発動!」

蘭「何そのカード…。」

究「『イグニスターAiランド』はメインモンスターゾーンにモンスターがいなければ手札からレベル4以下のイグニスターモンスターを特殊召喚できる。『アチチ@イグニスター(DEF:800)』を特殊召喚。アチチの効果でデッキから『ピカリ@イグニスター』を手札に加える。そしてアチチをリンクマーカーにセット、サーキットコンバイン!リンク召喚、リンク1『ダークインファント@イグニスター(ATK:500)』!ダークインファントの効果でデッキから『イグニスターAiランド』を手札に加える。魔法カード『Aiコンタクト』発動。フィールドに『イグニスターAiランド』が存在する場合、手札の『イグニスターAiランド』を相手に見せ、それをデッキの下に戻し、カードを3枚ドローする。そして『ピカリ@イグニスター(ATK:1200)』を通常召喚。効果でデッキからイグニスター魔法罠を1枚手札に加える。俺は『キAi』を手札に加える。」

蘭「ふふ……」

究「どうしたよ。」

蘭「ううん。愛……ね。」

究「そう、だな。確かにAiではあるが……じゃない、続けていいか?」

蘭「いいよ。」

究「じゃあ、『キAi』を発動。墓地のアチチを特殊召喚。俺はアチチ、ピカリ、ダークインファントをリンクマーカーにセット、サーキットコンバイン!リンク召喚、リンク3『ダークナイト@イグニスター[ATK:2300]』!左のEXを使わせてもらうよ。」

蘭「攻撃力2300?」

究「疑問はごもっとも。蘭の使うレッドアイズは2400が基本。確かに若干足りない。イグニスターAiランドの効果を発動。」

蘭「ターン1じゃないの…!?」

究「イグニスターAiランドは特殊召喚するモンスターの属性が違えば何度でも発動できる。俺はさっき炎属性であるアチチを出した。このターンイグニスターAiランドの効果で炎属性のイグニスターは出せないが…」

蘭「残りの地、水、風、光、闇は出せる。」

究「そういうこと。俺は風のイグニスター、『ブルル@イグニスター[DEF:1000]』をダークナイトのリンク先に特殊召喚。ブルルの効果でデッキから『ドヨン@イグニスター』を墓地に。そしてダークナイトの効果。リンク先にモンスターが特殊召喚された時、墓地からレベル4以下のイグニスターを可能な限りリンク先に特殊召喚できる。」

蘭「なっ…!?」

究「蘇れ、ピカリ[DEF:600]、ドヨン[DEF:1600]!この効果で特殊召喚されたモンスターの効果は無効になる。」

蘭「またサーチされるのかと思った。」

究「そこまで壊れちゃいない。だがまぁ…別段素材に使う分にはなんの制約もないが。俺はドヨンにブルルをチューニング、シンクロ召喚!レベル7『ウィンドペガサス@イグニスター[ATK:2300]』!ウィンドペガサスの効果、俺のフィールドにいるイグニスター1体につき1枚相手の魔法・罠カードを破壊する。」

蘭「セットカードは『レッドアイズスピリッツ』。」

究「んじゃ、バトルだ。ダークナイトでセットモンスターに攻撃!」

蘭「『真紅眼の幼竜』。破壊されて、幼竜の効果。」

究「なら俺はダークナイトのもう一つの効果を発動する。このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した場合、墓地からイグニスターを特殊召喚できる。俺はドヨン[DEF:1600]を特殊召喚する。」

蘭「私は黒炎竜[ATK:2400]を特殊召喚。」

究「そうなるわな…。ドヨンの効果で墓地からアチチを回収。バトルフェイズは終了。メイン2でドヨンとピカリでオーバーレイ!エクシーズ召喚、ランク4『ライトドラコン@イグニスター[ATK:2300]』!」

蘭「…全部入ってるの?」

究「ペンデュラム以外は全部入ってるぞ?ライトドラゴンの効果でオーバーレイユニットを1つ使い、俺のフィールドにいるイグニスター1体につき相手フィールドの表側表示モンスターを1体破壊する。」

蘭「黒炎竜が……なんて。」

究「まさか……握ってたのか…!」

蘭「手札の遡刻竜の効果。守備表示[DEF:1600]で特殊召喚して、黒炎竜を呼び戻す。」

究「カードを1枚伏せて、ターンエンド。」

蘭「私のターン。『伝説の黒石[ATK:0]』を召喚して効果発動。黒石をリリース。『真紅眼の黒竜[ATK:2400]』を特殊召喚。さらに手札の亜黒竜を場の『真紅眼の黒竜』をリリースして特殊召喚[ATK:2400]。バトル、亜黒竜で『ダークナイト@イグニスター』を攻撃!」

究「確かにダークナイトから攻めに来たのは正解だ。俺もそれは非常に困る。だから…罠カード『Ai SHOW』発動。EXモンスターゾーンにリンク3以上のイグニスターがいる時、EXデッキからサイバース族でリンクモンスター以外で攻撃力2300のモンスターを攻撃してきたモンスターの攻撃力以下になるように、特殊召喚できる。亜黒竜の攻撃力は2400、EXデッキから攻撃力2300のサイバース族を1体特殊召喚。『アースゴーレム@イグニスター[ATK:2300]』!そして、相手のバトルフェイズを終了する。」

蘭「ターンエンド。やるじゃん。」

究「圧倒的な打点不足に変わりはないんだが。俺のターン。さて、取り敢えずライトドラゴンの効果発動。オーバーレイユニットを使って…蘭のフィールドにいるレッドアイズは全滅させよう。」

蘭「亜黒竜の効果。墓地から『真紅眼の黒竜』を特殊召喚。攻撃力を倍にするよ。[ATK:4800]」

究「ではアチチを召喚。効果でデッキからブルルをサーチ。そしてアチチ、アースゴーレム、ライトドラゴンをリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン!リンク召喚、リンク3『ファイアフェニックス@イグニスター[ATK:2300]』!」

蘭「新しいサイバース…。」

究「カードを1枚伏せて、ターンエンドだ。」

蘭「(何を狙ってるの…?)私のターン。墓地の黒石の効果。墓地の遡刻竜をデッキに戻して、黒石を手札に加える。そして『真紅眼融合』発動!私はデッキから『真紅眼の凶星竜ーメテオドラゴン』と『真紅眼の凶雷皇ーエビルデーモン』で融合!」

究「流星竜…いや違う、これは…!」

蘭「『悪魔竜ーブラック・デーモンズ・ドラゴン[ATK:3200]』!」

究「そっちが来たか…!」

蘭「バトル、『悪魔竜ーブラック・デーモンズ・ドラゴン』で『ダークナイト@イグニスター』を攻撃!この瞬間、悪魔竜の効果で相手はこの戦闘中カード効果を発動できない!」

究「バカな…!?[LP:4000→3100]」

蘭「『真紅眼の黒竜』でファイアフェニックスを攻撃!黒炎弾!」

究「速攻魔法『Ai打ち』!ファイアフェニックスの攻撃力を『真紅眼の黒竜』と同じにする。そして、この戦闘でモンスターが破壊されたコントローラーはその破壊されたモンスターの元々の攻撃力分のダメージを受ける!」

蘭「ほんとに相打ち…。」

究「ホントなら潔く受けたいところだが…そうはいかない。悪魔竜の効果があるからな。『Ai打ち』を除外してファイアフェニックスを戦闘破壊から守る!つまり、蘭だけ2400受けてもらう。」

蘭「やるじゃん…。[LP:4000→1600]バトルフェイズ終了時、悪魔竜の効果で墓地のエビルデーモンを対象にその攻撃力分ダメージを与えて、エビルデーモンはデッキに戻す。」

究「バーンがエグいんですが。[LP:3100→600]」

蘭「今に始まったわけじゃないし。ターンエンド。」

究「(俺に次のターンはない。悪魔竜は戦闘を行えば素の打点勝負になる。そうなれば勝ち目はない。だが、ファイアフェニックスがいると『イグニスターAiランド』は使えない。次のドローが…俺の勝敗を分ける…)俺の…ターン!……来たぜ。」

蘭「え…?」

究「手札の『ヒヤリ@イグニスター』の効果、俺のフィールドにイグニスターがいれば手札から特殊召喚できる[DEF:400]!ヒヤリのさらなる効果、ファイアフェニックスをリリースして、デッキから『ウォーターリヴァイアサン@イグニスター』を手札に加える。この時、リンクモンスターをコストにした場合、儀式魔法『Aiの儀式』をデッキから手札に加えられる。そしてヒヤリのレベルは1から4になる。儀式魔法『Aiの儀式』発動!」

蘭「なんか意味合いが結婚式…。」

究「いやか?」

蘭「べ…別に。色んなアイが多すぎ。聞いてるこっちが恥ずかしいから…!」

究「心配するな、当の俺が一番恥ずいから。で、『Aiの儀式』はサイバース族儀式モンスター用の儀式魔法だ。儀式召喚するモンスターのレベル以上になるようにリリースして儀式召喚する。この時俺の場にイグニスターがいると、墓地のイグニスターも除外して素材に出来る。」

蘭「えっ……」

究「俺は墓地のブルルとピカリを除外して儀式召喚、『ウォーターリヴァイアサン@イグニスター[ATK:2300]』!」

蘭「でも攻撃力は…」

究「その弱点を補えるだけの効果をウォーターリヴァイアサンは持っている…!ウォーターリヴァイアサンの効果、悪魔竜を対象に俺の墓地のリンクモンスターを全てEXデッキに戻して、対象モンスターの攻撃力をゼロにする!」

蘭「そんな…!?[ATK:3200→0]」

究「バトルだ、『ウォーターリヴァイアサン@イグニスター』で『悪魔竜ーブラック・デーモンズ・ドラゴン』に攻撃!」

蘭「これが究の…本気…。[LP:1600→0]」

 

 

 

デュエルが終わって、俺は唖然としていた。初めて使ったという感触じゃない、どちらかと言えば懐かしさを感じた。初めて見るカードのはずなのに。

蘭「究。ぼうっとしてるけど、大丈夫…?」

究「ん?ああ、大丈夫だ。蘭から初めて取った1勝だったから嬉しかったのかな?」

蘭「ふふ…。」

けど、蘭はこのイグニスターデッキから何を感じたのだろうか…。俺はいつもの感じでデッキを組んだが。このデュエル以降何故か今日は蘭は視線を合わせてくれなかった。ライブ明け直後で色々疲れたのだろうと休んでいくよう奨め、蘭をソファーに寝かし、タオルケットを掛けた。当の俺はというと蘭が起きるまでゲームをしていた。無論、蘭から何か頼みがあればいつでも対応できるようにはしていたが、やはり疲れていたのかぐっすり寝ていた。気付けば、日が傾いて綺麗な夕陽の時間になっていた。

蘭「んっ……。」

究「よく眠れた?」

蘭「究……?あっ…あ、あの…私!?」

究「いいから。」

目が覚めて早々、慌てふためく蘭を抱き締めて頭を撫でながら宥めた。

蘭「究、心配かけた…?」

究「ライブ明けだってのに、蘭に悪いことしたかなって思ってさ。」

蘭「ううん…平気。ずっと側にいてくれたんでしょ?」

究「傍らでゲームしながらだが。」

蘭「それでも、いてくれた。ありがとう。」

究「どういたしまして、蘭。」

体調も良くなったようで、家の門限もあるらしくこの日は帰った。念の為、家まで付き添うかと言ったが大丈夫という言葉を信じて俺は手を退いた。この来訪を境に、通学時か何かあるごとにここに来るようになったのは別の話だ。




カード紹介コーナー!今回紹介するのは『ダークナイト@イグニスター』!
究「こいつはカード名の異なるモンスター3体を要求するリンク3モンスター。リンク先にモンスターが特殊召喚されると墓地からイグニスターモンスターをリンク先に特殊召喚できる。ダークナイトのリンクはすべて下に向いている。展開の要になるね。」
@イグニスターの展開力、恐るべし…!



今、バンドリキャラの使用デッキのアイディアを募集してます。
・各キャラの使用テーマは基本的に1つのみ。(出張パーツは使いません、あくまで純構築です。例として、ハリファイバーはクリストロンにしか入れません、ハーピィの羽根帚は一応『ハーピィ』テーマなのでハーピィデッキにしか入りません的な。)
・アニメキャラデッキになる場合、使用したテーマの範囲での複合デッキの構築になります。(例:『ギャラクシー』+『フォトン』、『EM』+『魔術師』+『オッドアイズ』+『〜(フュージョン・シンクロ・エクシーズ)ドラゴン』など)

何かアイディアがありましたら、感想に書いていただくと幸いです。Afterglowメンバーの作者案(仮)は以下の通りです。
蘭→レッドアイズ
モカ→ブラマジor妖仙獣
巴→
ひまり→
つぐみ→マドルチェ
空白の所は…察してください、決まらないんです。アイディアについてはRoseliaでもPoppin'Partyでもどのグループメンバーでも構いません。皆さんの知恵を貸してください、よろしくお願いします…!


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孤高の青薔薇

作者なシルウェストです!
サイバースデッキってなんでこんなに1ターンが長いんだ、なんて思い始めた今日この頃。日常回という名のデュエルパートの筆休みにお付き合いください…。


いつも通りの登校日。そんないつも通りの日に花を飾ってくれた人がいる。

蘭「おはよう、究。」

究「ああ、おはよう。」

美竹蘭、俺の恋人だ。家に案内した以降彼女は登校日の朝は必ず家の前で待っている。だが今回は――

巴「よっ。」

ひまり「おはよう!」

Afterglowメンバー全員が来たようだ。

巴「で、この前蘭を家に連れ込んだって?大胆だなぁ。」

究「否定はしないが、その含みのある言い方はやめないか?絶対誤解される。」

モカ「もしかしてもう蘭と…ヒューヒュー。」

究「やめろ、ガチで誤解を招く。」

蘭「モカ……?究はそんなことしないから。」

ひまり「デュエルなら私も行きたかったなぁ。」

つぐみ「蘭ちゃんから究君の本気を見たって聞いたから。」

ふむ、どうやらサイバース族の事は伏せて皆に伝えたようだ。本気…かどうかは自分でも分からないが、蘭としては色々と初めての刺激だっただろう。いつも俺が使ってたのはEXを使わないものばかりだからな。それを使ったということで本気と捉えたのだろうか。あのデュエル以降、俺はサイバースを使うと決めた。もちろん今までのデッキを使わないわけじゃない、新しい選択肢としてのサイバースだ。

巴「究のEXありきのデッキかぁ。一度やりあってみたいな…!」

究「ああ、今度やろうぜ。」

そんなこんなで雑談していればあっという間に羽丘に到着。今日も学校生活の1日が始まる。いつも通りかと思いきや……

 

 

 

究「運動会…だと…。」

蘭「……」

昼休み前、クラスで近々開かれる運動会の種目案のまとめをしていた。未だ部活を決めれてない俺にとっては運動のいい機会ではあるが、蘭はどこか…じゃないな、完全に乗り気じゃない。みんな競技の案を出し合っている。徒競走、障害物競争、2人3脚と色々出てきている。果たして俺は何に出場させられるんだか…。

女子生徒「八須賀君はなにか競技の案とかある?」「前の学校でやってた種目とか…!」

究「俺?そうだなぁ…。俺のところはクラス対抗で球技とかボードゲームとか…カードゲームもかな?そんな感じだったからな。」

女子生徒「え、ほんとに!?」

究「おう。前いた所の誰かが、デュエルモンスターズを提案したらまさかOKが出ちまったのは笑ったよ。ここみたいにまるっきり運動会みたいなのじゃなかったからさ。俺が出せる案はないかなぁ…。」

女子生徒「ねぇねぇ、そのクラス対抗のそれってなんていうの?」

究「クラスマッチ…だな。先輩だろうが後輩だろうが関係ない、3年が相手だからって勝ちに行ってたな。」

女子生徒「それにしようよ!」

究「はい…!?」

運動会だよな?それだとガチで企画の根本から覆るぞ…!?それにここの現生徒会長とか知らないし…!

女子生徒「じゃあ、私達の案は『クラスマッチ』で!つぐみちゃん、お願い!」

つぐみ「わかった、出しておくね。」

あれ…なんか俺の意見が通った。しかもまとめた案をつぐみに渡しやがった。そういえばつぐみは生徒会に所属していたんだったな。…相当忙しくないか?つぐみ。生徒会にバンドに家は喫茶店、俺だったら絶対にどれか投げている。いや、そんなことよりクラスマッチ案はここではいいかもしれんが、生徒会で絶対に蹴られるって…!

蘭「究…採用されたらどうする?」

究「採用って…そんなわけないことを祈る……。」

取り敢えず纏まった。変な方向に。案の定、『クラスマッチ』提案クラスの代表は放課後生徒会室に来るよう言われた。流石にまとめてくれた子に任せるのは難なので提案者の俺が呼び出しに応じた。

 

 

 

生徒会室

究「失礼します…。」

恐る恐る入室した。別段なにか悪いことをしたわけではないが、生徒会室に入るなんてことがまずないので未知の経験にぶっちゃけビビっている。

つぐみ「そんなに緊張しなくていいよ?」

究「あ、ああ…。」

?「ごめーん!待った?」

究「い、今来たところです。」

テンションが軽いというか高いというか…そんな子がきた。

日菜「私が生徒会長の氷川日菜だよー。」

究「……はい…?」

……自分の耳をまず疑った。なんというか、意気揚々に入ってきたこの子が自らを生徒会長と名乗った。なんの冗談と思ったが、つぐみは副会長の席に座っている。となるとやはり日菜という子が生徒会長なのだろう。もっとこう清楚なイメージを持っていた自分のなにかが容易く崩れ去った。

日菜「信用してないでしょー。」

究「すいません…。それで、運動会の案でしたよね。」

日菜「うん!つぐみちゃんのクラスからの案を見てね、るんって来たの!」

究「は、はぁ…。」

かなり抽象的な表現が多い。テンションから察するあたり、否定的ではないみたいだが…。提案したクラスマッチなるものの説明を求められたので、前の学校でやっていた事をそのまま話した。説明中、目をキラキラさせながら会長さんは聞いていたが――

究「…ざっくりと前の学校でやっていたクラスマッチの概要を説明したが…。」

日菜「面白そうだね!今度からこれやろうよ!」

つぐみ「えぇ…!?」

日菜「だって先輩後輩の垣根を超えた文句なし、ガチンコの試合だよ!面白そう!」

究「……。」

もっとこう…否定的な意見が出るかと思いきや、全肯定レベルの反応を示している。例年は生徒会が主催で運動会を開いており、それに則り、クラスマッチも生徒会が主催。俺も臨時として入ってもらうという話にまで発展した。まさか、ここまでウケる事になるとは思いもしなかった。

究「なんか…クラスマッチやりましょうな雰囲気なんだが。」

日菜「もちろん。」

つぐみ「じゃあ、もう少し説明してもらってもいい?」

究「わかった。まず、なんの競技をするかについてだが。学校内の施設で行っている部活…スポーツを採用するのはどうでしょう。」

つぐみ「それだとそのスポーツの部に所属している人が有利に…」

究「そこで、所属している部と同じ種目には参加できない制約をつける。またはその種目の審判をしてもらうでもいい。将棋やオセロとかのボードゲームは制約は考えないものとして…で、これは余談だけど。」

日菜「なになに?」

究「前の学校では、クラスマッチにデュエルモンスターズをやっていて――」

日菜「いいじゃない!下手にオセロとかの将棋なんかよりよっぽど楽しいよ!」

究「……つぐみちゃん。」

つぐみ「どうしたの?」

究「生徒会長っていつもあんな感じ?」

つぐみ「否定はしないかなぁ…。」

…つぐみ、過労で倒れたりしないよな?まじで。会長に付き合わないとなると相当だな。説明はした、後は生徒会でお願いしますということで俺はその場を離れた。

究「終わったー…。」

蘭「おつかれ。」

究「蘭!?待ってたのか…?」

蘭「うん。大丈夫?疲れてない?」

究「大丈夫だ。待たせて悪かったな。」

蘭「…いいから。いこ?」

究「ああ。」

長時間、蘭が生徒会室の入口付近で待っていた。ありがとうと伝え、待たせた(?)お詫びとしてミニデートをした。どうやら蘭は今日発売の雑誌かなにか欲しいそうで、早速本屋に行って俺は別の本を探している時――

友希那・蘭「「あっ……。」」

蘭は湊先輩と遭遇、偶然にも同じ雑誌に手を伸ばしていた。

究「蘭?あ、どうも。湊先輩。」

友希那「八須賀さん?なるほど…デートだったのね。」

蘭「…ええ。」

友希那「だから八須賀さんも来ていたのね。」

究「蘭を諸事情で待たせたお詫びとして、こうしてます。」

友希那「そう…。」

今井先輩、助けてください…。湊先輩との付き合い方が分かりません…。そんなさもない願いが届いたのか、噂をすれば影がさすといえばいいのか。

リサ「友希那ー?買えた?って、究君と蘭ちゃんじゃん。」

究「今井先輩、どうもです。」

助かった…蘭も湊先輩も口数は多くないからこの沈黙を破って欲しかったところに来てくれた…。

リサ「あー、最後の1冊なんだ。」

究「穏便に貸し借りすればいいんだろうが…蘭の事だから湊先輩に貸一つなんて作りたくないんだろうなぁ…。」

リサ「あーわかる。友希那もそういう節があるんだよー。」

究「じゃあ間を取って俺が――」

蘭・友希那「「それはだめ(よ)。」」

究「あ、はい…。」

 

 

 

八須賀家

究「疲れた……。」

帰って俺はソファーに身を投げた。生徒会長は色んな意味で元気な人だし、俺の案は採用されて詳細の説明を要求されるし、蘭を待たせたお詫びに一緒に買い物してたら湊先輩とばったりで睨み合いだし…。

究「にしてもクラスマッチなぁ…。」

クラスマッチは1年の時の経験が印象に残っており、新天地で同じような事をすることになるとは思わなかった。どうせ明日も打ち合わせか何かに付き合わされるだろうから、それに備えて早めに寝た。




カード紹介コーナー!
今回紹介するのは『悪魔竜ーブラック・デーモンズ・ドラゴン』!
蘭「このカードが戦闘を行う場合、相手のカード効果の発動を封じる事が出来て、バトルを行ったバトルフェイズ終了時に墓地のレッドアイズ通常モンスター対象に元々の攻撃力分のダメージを与えてデッキに戻す効果もある。これ1枚で一気に削りに行けるよ。」
一気に削りにいくどころか、下手したらゲームエンドですね、ええ。というわけでここまで!
読んでいただきありがとうございます!


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孤高の青薔薇2

作者のシルウェストです。他のキャラのデッキ構成を考えながら地道に書いてます。
今回はデュエルパートになります。誤字や効果の勘違いがないように注意しながら書いてはいますが…きっと大丈夫…。



羽乃 秦御様、ドランレリウス様、シルスキー様、D・MAKER様、ウルトラマンオーブ:ゼノ様、鳴無海斗様、オオカミアマゾン様
お気に入り登録していただき本当にありがとうございます!
初めて書いた作品ですが、お気に入りにしていただいて嬉しいです!これからも頑張って書いていきます!


クラスマッチ案検討会の翌日…俺、八須賀究は昼休みにまた生徒会室に呼ばれた。要件は無論、クラスマッチの種目決定とルールの制定だ、昼飯も伴って。この生徒会長…何だろうか、気分で伝統を壊しに来てないか。別に運動会じゃなければならないなんて事はないだろうが…普通は前回に倣ってやるもんじゃないのか。とか言うのは野暮なので、黙って今の計画を組むことに専念しよう。

究「じゃあバレーはこれで――」

すると俺のスマホからLAIN通知音。

究「(蘭から?)すまん、ちょっと席を外す。話は進めてていいから。」

日菜「いってらっしゃ~い。じゃあ次はバスケのルールを決めよっか――」

生徒会室を後にして、蘭からの呼び出しに応じて屋上に向かった。

 

 

羽丘学園 屋上

究「蘭。」

蘭「来たね。」

要件は至ってはシンプル、昼ご飯のお誘いだった。俺が生徒会に呼ばれているの知っているだろうに…。つぐみにLAINで連絡、ルールは決めたのを後で見ると伝え、蘭と一緒にいた。既に昼は済ませてしまったなんてことは言えるはずもなかったが…蘭が俺にお裾分け前提で弁当を多めに作ってきたようだ。蘭の好意を無駄にできないので頂いた。

究「ふぅ…ごちそうさま。」

蘭「どうだった…?」

究「美味しかったよ。ありがとう、蘭。」

蘭「どういたしまして。」

そんな和みムードに意外な割り込みが入った。

友希那「八須賀さん、少しいいかしら。」

究「湊先輩?もしかしなくても今度のデュエルの事ですか?」

友希那「ええ。いきなりで悪いけど今日の放課後、ショッピングモールのカードショップでいいかしら。」

究「ええ、いいですよ。」

蘭「なら私も行きます。」

友希那「分かったわ。」

デュエルのお誘いとなれば断る理由はないが、まさか湊先輩から誘いに来るとは思いもしなかった。

生徒会室に戻るともう粗方終わっていた。まとめたのを見せてもらい、前の学校でのルールとほぼ大差ないようになっていた。ただ……

究「ほんとにデュエル種目入れたのかよ。」

日菜「もっちろん!」

俺個人としては別にいいのだが、他が良しと言えばそれでいいが…まだまだ波乱がありそうだ。

 

 

放課後 カードショップ

友希那「来たわね。」

リサ「やっほー。」

究「先輩二人で…待たせてしまいましたね。」

約束のデュエル。観客が増えたがまぁいいだろう。見てくれる蘭と今井先輩、そして湊先輩に恥じないいつも通りのデュエルをするだけだ。

究「では…」

究・友希那「デュエル!!(LP:4000)」

 

究「俺の先攻、フィールド魔法『イグニスターAiランド』発動。」

友希那「サイバース…。」

究「Aiランドの効果で、手札から『ピカリ@イグニスター』を特殊召喚[ATK:1200]。ピカリの効果で『キ-Ai』を手札に加える。」

リサ「サイバース…幻と言われている種族のデッキかー。」

蘭「(究…初手からとばしてる。)」

究「ピカリ1体をリンクマーカーにセット、リンク召喚。『ダークインファント@イグニスター[ATK:500]』!ダークインファントの効果で『イグニスターAiランド』をサーチ。続けてフィールドのAiランド効果発動、『アチチ@イグニスター[ATK:800]』を特殊召喚。アチチの効果で『ヒヤリ@イグニスター』を手札に加える。」

友希那「これがサイバースの展開力なのね。」

究「手札のヒヤリの効果。自分フィールドにイグニスターがいれば特殊召喚[DEF:400]。ダークインファント、アチチ、ヒヤリをリンクマーカーにセット。リンク召喚、『ダークナイト@イグニスター[ATK:2300]』!今回は俺のメインデッキ側のEX

ゾーンを使う。魔法カード『キ-Ai』発動、墓地のダークインファントをダークナイトのリンク先に特殊召喚。リンク先にモンスターが特殊召喚されたことによってダークナイトの効果にチェーンしてダークインファントの効果。ダークインファントのリンク先のモンスターゾーンに自身をずらす。これによってダークナイトは3体蘇生が可能になった。アチチ[DEF:800]、ヒヤリ[DEF:400]、ピカリ[DEF:600]を特殊召喚。」

友希那「凄い…。」

究「アチチ、ヒヤリ、ダークインファントでリンク召喚。『ファイアフェニックス@イグニスター[ATK:2300]』!まだこのターン通常召喚してない。『ドヨン@イグニスター[ATK:400]』を召喚。効果でアチチを墓地から回収。ドヨンとピカリでオーバーレイ、『ライトドラゴン@イグニスター[ATK:2300]』!」

リサ「わお、並んだねー。」

究「カードを1枚伏せて、ターンエンド。」

友希那「私のターン。私は『レッド・リゾネーター[ATK:600]』を召喚。効果で手札から『レッド・スプリンター[ATK:1700]』を特殊召喚して…『レッドリゾネーター』で『レッド・スプリンター』をチューニング。シンクロ召喚、『レッド・ライジング・ドラゴン[ATK:2100]』」

究「レッド・デーモンズ…か。」

友希那「御名答。レッド・ライジングの効果で墓地の『レッド・リゾネーター』を特殊召喚。『レッドリゾネーター』の効果で…ライトドラゴンを対象に、その攻撃力分LPを回復。(LP:4000→6300)」

究「あ、マジ?それフィールドならどれでもいいのかよ…!」

友希那「自分フィールドとは書いてないわ。『レッド・ライジング・ドラゴン』に『レッド・リゾネーター』をチューニング。シンクロ召喚、『レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト[ATK:3000]』!」

究「来たか…!」

蘭「湊さんのエースカード、『レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト』。」

友希那「スカーライトの効果、このカード以外の攻撃力以下の特殊召喚された効果モンスターを全て破壊して、破壊した枚数×500のダメージを与える!」

究「墓地の『キ-Ai』の効果、攻撃力2300以上のイグニスターが効果で破壊される代わりに墓地のこのカードを除外して破壊から免れる。そして『キ-Ai』が除外されるとこのターン、攻撃力2300以上のイグニスターは戦闘では破壊されない。」

友希那「ならば、スカーライトでダークナイトに攻撃!」

究「くっ……。(LP:4000→3300)」

友希那「カードを2枚伏せてターンエンドよ。」

蘭「今のターン…『キ-Ai』がなかったら一瞬で…。」

リサ「スカーライトを凌いだのは凄いね。」

友希那「やるわね。」

究「湊先輩こそ。今のターンでヤる気満々だったじゃないですか。」

友希那「もちろんよ。でも、同時にあなたなら耐えてくれると信じてた。」

究「え?」

友希那「美竹さんの心を射止めた相手がこの程度な訳がない。そういうことよ。」

究「なんかハードルが上げられてる気がするが…俺のターン、ドロー!魔法カード『Aiコンタクト』。手札の『イグニスターAiランド』を公開し、それをデッキ下に戻して3枚ドローする。ライトドラゴンの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、俺の場のイグニスター1体につき相手フィールドのモンスター1体を破壊する!」

友希那「手札の『レッド・ガードナー』の効果発動。このカードを墓地に送り、このターン、スカーライトは効果で破壊されない。」

究「そう簡単に突破できるわけないよな…。ならば手札の『ドシン@イグニスター』の効果発動。ダークナイトのリンク先に特殊召喚[DEF:800]。ダークナイトの効果で墓地からピカリ[DEF:800]を特殊召喚。ピカリ1体でリンク召喚、『リングリボー[ATK:300]』。さらにドシンの効果発動、墓地のダークインファントをEXデッキに戻して『Aiラブ融合』を手札に加える。」

リサ「ワオ…カード名が大胆…。」

蘭「ふふ…。」

リサ「蘭ちゃん?」

蘭「なんでもないです。」

究「そして『Aiラブ融合』発動!ドシンと『リングリボー』の2体で融合、『アースゴーレム@イグニスター[ATK:2300]』!」

友希那「あなたのデッキは2300がラインなのね。」

究「低いと思うだろ?違うんだな、これが。アースゴーレムは融合召喚に成功したターン、自分が受ける全てのダメージは0になる。」

友希那「それでは何も解決しないわ。」

究「じゃあ行くぜ?アースゴーレムでスカーライトに攻撃!」

友希那「(何かある……)永続罠『キング・スカーレット』!スカーライトはこの戦闘中、戦闘破壊されない!」

究「アースゴーレムの効果発動!EXデッキのモンスターに攻撃したダメージ計算時に攻撃力を2300アップさせる![ATK:2300→4600]」

友希那「そういうことね…!(LP6300→4700)『キング・スカーレット』はレベル1チューナーとして特殊召喚する[DEF:0]。」

究「ダークナイトで『キング・スカーレット』に攻撃。」

友希那「やむを得ないわね。」

究「ダークナイトが戦闘で相手モンスターを破壊した場合、墓地からイグニスターを特殊召喚できる。俺はピカリ[DEF:800]を特殊召喚。効果で『Aiドリングボーン』をデッキから手札に加える。ターンエンド。」

友希那「……あなたの本気はその程度?」

究「何…?」

友希那「まだあなたは本気じゃないでしょう?ドロー。」

究「一体何を言っているんです?」

友希那「だから…あなたの『本気』を引き出させてあげる。」

究「(なにか…くる…!?)」

友希那「クリムゾンリゾネーターを召喚。効果発動、手札・デッキからリゾネーターを2体まで特殊召喚。『ダーク・リゾネーター[DEF:300]』と『レッド・リゾネーター[DEF:200]』。レッド・リゾネーターの効果でスカーライトの攻撃力分のライフを回復(LP:4700→7700)。そしてスカーライトの効果発動!」

究「ライトドラゴンの効果…!オーバーレイユニットを使い、フィールドのモンスターの効果破壊から守る!」

友希那「私のリゾネーター3体は破壊されて…その枚数×500のダメージを与える。」

究「自分のモンスターを犠牲にしてまで…!(LP:3300→1800)」

友希那「罠カード『スカーレッド・カーペット』!」

究「…!」

友希那「墓地からリゾネーターを2体…『クリムゾン・リゾネーター』と『レッド・リゾネーター』を特殊召喚し、スカーライトにダブルチューニング!シンクロ召喚、『スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン[ATK:3500]』!!」

究「来た…」

友希那「スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンは墓地のチューナーの数×500攻撃力を上げる。墓地にはチューナーが4体。攻撃力を2000上げる。[ATK:3500→5500]」

究「……。」

友希那「これを防ぐ手立てはあるかしら…!スカーレッド・ノヴァでダークナイトを攻撃!」

蘭「究…!」

リサ「友希那のスカーレッド・ノヴァ・ドラゴン…久しぶりに見た。」

究「本気……か。」

友希那「……。」

究「そうだな……。確かに俺は勝負事に本気で取り組んだ事はなかったな。こいつにだけは勝ちたい、そんな思いすら抱いたことがなかった。俺はデュエルをコミュニケーションの一つとしてずっとやり続けた。俺の気持ちを…俺の想いを伝えるために。」

友希那「そう……。」

究「同時に俺はワガママなんだよ…コミュニケーションとしてデュエルをして相手と一緒に楽しくやりたい。でも…勝ちたい!罠カード『Ai-SHOW』!」

友希那「今更何を…。」

究「攻撃してきたモンスターの攻撃力の合計以下になるようにEXデッキから攻撃力2300のリンクモンスター以外のイグニスターを任意の数特殊召喚する…!『ウィンドペガサス@イグニスター[ATK:2300]』!そしてバトルフェイズを終了する…!」

友希那「…ターンエンドよ。」

リサ「凌いだ……。」

蘭「究……!」

究「俺のターン!…湊先輩、あなたの思いに応えてみせる…!」

友希那「…!」

究「俺は『ブルル@イグニスター[ATK:600]』を召喚、効果でデッキから『ウォーターリヴァイアサン@イグニスター』を墓地に。俺はブルル、アースゴーレム、ライトドラゴン、ウィンドペガサス、ファイアフェニックスをリンクマーカーにセット!」

友希那「5体で…」

蘭「リンク召喚…!?」

究「これがこのデッキの最大火力!リンク5『ファイアウォール・ドラゴン・ダークフルード[ATK:3000]』!」

蘭「あれが…あのデッキの…!」

友希那「あなたの真のエースカード…。」

究「ダークフルードの効果、墓地のサイバース族の儀式・融合・シンクロ・エクシーズの種類の数だけダークフルードにカウンターを乗せる。」

友希那「今度はなに…?」

究「バトル…!この瞬間ダークフルードはカウンターの数×2500攻撃力をアップするその攻撃力は――」

蘭・リサ・友希那「「「13000!?」」」

究「『ファイアウォール・ドラゴン・ダークフルード』で『スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン』に攻撃!」

友希那「スカーレッド・ノヴァの効果発動…!除外して攻撃を無効にする!」

究「ダークナイト、ダイレクトアタック!そして速攻魔法『Aiドリングボーン』発動!墓地からライトドラゴン[ATK:2300]をダークナイトのリンク先に特殊召喚!」

友希那「でもまだ…」

究「忘れたか?ダークナイトの効果で墓地からアースゴーレム[ATK:2300]を特殊召喚!」

友希那「まだ攻撃力は足らないわ。(LP:7700→5400)」

究「それはどうかな。」

友希那「…!」

究「ライトドラゴンの効果!このカード以外のサイバース族が戦闘ダメージを与えた場合、墓地からリンクモンスターを1体特殊召喚、ファイアフェニックス[ATK:2300]!」

友希那「あっ…!」

究「ファイアフェニックス、ライトドラゴン、アースゴーレム…ダイレクトアタック!」

友希那「見せてもらったわ.あなたの本気…。(LP:5400→0)」

 

 

 

デュエルに決着はついた。湊先輩も満足そうな顔をしている。とかいう俺もまだ昂りが収まらない。お互いの全力を出し切った戦いだった。

究「ありがとうございました、湊先輩。」

友希那「私もいいものを見せてもらったわ。あなたの言う想いを伝えるデュエル、美竹さんの気持ちも理解できるわ。八須賀さん、大会出る気ないの?」

究「え?」

リサ「実は友希那はここのショップ大会の常連だよ?」

究「…ええっ!?」

蘭「やっぱり知らなかった。」

蘭、知ってて黙ってたのか…!言ったっていいだろ!

リサ「ショップ大会くらいは出てもいいんじゃない?きっといいとこまで行くって。」

究「でも俺は…」

友希那「そうね、あなたのデュエルは確かに勝ちに行くという意志よりデュエルそのものの楽しさを伝える方が強い。だから無理強いはしない。でもあなたの知見を拡めた方がいいわ。あなたの前いた所とここはイコールじゃない。ここにはここの対戦環境がある。」

俺はそこで悟った。俺はあくまで前いた所のデュエル環境が嫌いだった。みんな血眼に勝ちに来て壁とやるようなプレイしかしてない。俺はいつの間にかショップ大会に出る奴は全部同じという固定概念に囚われていた。いつまで過去を引き摺っているつもりだ、新天地に来たんだ。こうして新しい出会いもした。

究「蘭…俺…。」

蘭「私は嬉しいよ。感化されないで自分を貫いた究は強い。」

究「ありがとう、蘭。」

ショップ大会の答えはひとまず置いて、今日は解散した。




カード紹介コーナー!今回紹介するのは『レッド・リゾネーター』!
友希那「『レッド・リゾネーター』は召喚に成功すると手札からレベル4以下のモンスターを特殊召喚できて、特殊召喚に成功すると場のモンスターの攻撃力分ライフを回復できる。回復はともかく、召喚時の効果が初動になるわね。……初めてだけど、これでいいかしら。」
あ、大丈夫です。紹介はここまで!次回からはまた日常回になります。ではまた!


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響く旋律

作者のシルウェストです。
今回からもう一人、黒猫キャラを参戦させようかと思います。
ちなみに適当に選別、というか自分の中で好きなキャラを突っ込むのであしからず…。
ではどうぞ!


湊先輩とデュエルした翌日、いつものように登校。だがクラスはなぜか朝から騒然としていた。

究「なんの騒ぎだ?」

女子生徒「クラスマッチの案が採用されて種目の一覧が来たの!」「デュエルモンスターズもあるんだって!」

究「お…おう。」

やりやがったな、あの生徒会長…!しかも種目は昨日見たやつまんまじゃねぇか!

究「一つ聞きたい。この学校でデュエリストってどのくらい――」

女子生徒「え?大半じゃない?」「私もやってるし。」「文化祭で隠れてやったよねー。」

聞いちゃいけないことを聞いた気がするがスルー。なるほど、割とデュエリストがいるということは分かった。俺個人的にはスポーツ種目に行きたいが…変なハンデつけられるのが目に見えているのでデュエルに出ようと思い、ルールを改めて確認すると――

究「…タッグデュエルだと?」

女子生徒「そうなの。で、意外と倍率も高いの。」

なるほど?騒ぎの理由が分かったぞ。デュエル種目の出場枠とかで一悶着起きているというわけか。だがみんな譲る気はないようだ。

究「待て、なぜ俺抜きで話が進んでいる。」

女子生徒「え?美竹さんから『究の事だからスポーツは避けてデュエルに出たいって思ってるに違いない』って。」

いやまぁ、間違ってないけど!そこは俺の意志をだなぁ。ん?待てよ。であればこの騒ぎは……。

究「まさか…俺の相方を巡って…?」

蘭「そゆこと。」

究「いつの間に…てかお前なぁ……。」

蘭「間違ってないでしょ?」

俺の思惑通りだから間違ってないけどやり方が間違ってるよ!話を戻そう、現状分かったのはデュエル部門に出場するのは俺が固定化されていてもう1人欲しいというのだ。だが、タッグデュエルになるとは……俺はあの種目の選定に参加したのに予想外のことが起きている。おそらく直前であの生徒会長が変えたに違いない。さて…改めてルールを確認した。

1.まずフィールドは2人で1つのフィールドを共有。

2.デッキ・EXデッキ・手札は当然だがそれぞれ個別。

3.墓地・除外は共有。

4.相手ターン中にカードや効果発動を行えるのは直前のプレイヤー。

5.手札に戻る、デッキに戻る処理で戻る先はターンプレイヤーの手札又はデッキに戻る。

4はつまり仮にパートナーのターンでミラーフォース伏せてを使わずに俺のターンまで残っていて。俺がそのままターンエンドして相手のターンになった場合、俺にミラーフォースの発動が委ねられるということになる。逆にも同じことが言える。

さて…ざっくりそんな感じだが。勝ち抜くにはやはり、互いのデッキのシナジーの合い方次第で有利不利が出てくるな。締め切りにはまだ期間がある。焦燥に決めることもない、という事で話し合いを切り上げて残りの授業に励んだ。

 

 

昼休み、Afterglowのメンバーといつも通りの昼食。ここでもクラスマッチのデュエル部門の話になった。

蘭「究、パートナーどうするの。」

究「もう出る前提なのか?俺。」

モカ「出ないのー?」

蘭が勝手に話を進めて、出ることが決まってるようになってる…。まぁ、個人的にも出たいと思ったからまずいいとしても。

究「みんなからの指名とあらば出るさ。ただ…」

モカ「ただ?」

究「俺のパートナーはここの誰かにしたい――」

蘭「え?じゃあ私が――」

究「んだけど。」

蘭「……?」

究「タッグデュエルとなるとパートナーのデッキを阻害しないくらいのシナジーの噛み合いが最低でも求められる。例えば、効果を使った後の制約がパートナーの展開を止めてしまうなんてことになれば目も当てられないからな。」

ひまり「それもそうだよね。」

究「で、実はまぁ…使おうと思っているデッキがある。炎属性のデッキだ。一応パートナーを阻害するような制約はない。」

巴「だったら、あたしに確かめさせて。」

意外にも巴が手を上げた。蘭が来るかと思ったが。

究「確かめる…となると、巴とデュエルしてどうするか決めるってわけだな?」

巴「ああ。それにあたしもそんなにそんなパートナーの展開を阻害するような制約はない。」

究「分かった。週末に俺のデッキをお披露目しよう。他のみんなはどうする?」

蘭「私は行く。」

つぐみ「私も行くよ。」

ひまり「もちろん、私も。」

モカ「私もー。」

全会一致ということで週末にショッピングモールのカードショップに集合するということになった。

 

 

 

放課後

蘭「……究。」

究「蘭?」

なにか問い詰めようという眼だ。おそらくタッグデュエルの事だろう。確かに使うデッキの都合上、別段パートナーは蘭でもいい。しかし、タッグならばある程度のリソース共有を図りたい。さてどうやって説得すべきか…。

究「クラスマッチの件だな。」

蘭「うん。」

究「昼こそあんなふうに言ったものの、プランは複数ある。一番は昼のやつだ。もう一つはドラゴン族を作ってる。」

蘭「え?」

究「ただ、難点がある。俺の作っているドラゴンデッキは微妙に蘭のレッドアイズと噛み合わない。」

蘭「微妙に?」

究「俺のドラゴンデッキはEXに依存しない。」

蘭「EXメタがあるってこと?しかも…自分にも掛けるものが。」

究「その通りだ。」

察しがいい。言ってしまえば巨神竜デッキを密かに作っている。レベル的なシナジーはあるがレッドアイズのEXを俺のある永続魔法で使い物に出来なくしてしまう可能性がある。

蘭「…わかった。巴とのデュエルの時に見せてよ。」

究「いいぜ。」

 

帰り道、俺と蘭で商店街を歩いていた。そこで予想外の出会いをする。

?「あー!究君!」

究「はい…?あっ……。」

蘭「え、誰?」

…マジで言おう、よもやよもやだ。いきなり呼ばれて何かと思えば顔を見たらすぐに察した。何故なら…俺の小学までの付き合いだが幼馴染みだ。

究「リレイ…お前か…!」

リレイ「久しぶり、覚えてたんだ。」

鶴音(たずね)リレイ。俺の数少ない女友達にして幼馴染み。小学卒業後、リレイの親が転勤離れてしまい中学からの付き合いはあまりなかったが、まさか俺も自分の親の転勤で引っ越しした先に幼馴染みがいるなんて思いもしなかった。

究「えっと…そちらの方は?」

リレイ「私のクラスメイト。」

ましろ「く、倉田ましろ…です。」

蘭「確かその制服…月ノ森女子学園の…。」

究「月ノ森?」

蘭「うん。月ノ森はお嬢様学校なんだよ。」

究「へぇ…。」

リレイ「究君?」

究「リレイの音楽のセンスを考えれば確かにありだなぁって。」

リレイ「ふふ…。でもまさか究君は共学して間もない羽丘に行ってたなんて。」

究「その含みのある言い方はなんですかね?リレイ。」

リレイ「さぁ、なんだろうね?所で…隣の子は?」

究「何に見える?」

俺は蘭の肩を抱き寄せて見せた。ましろはなんか察したのか顔を真っ赤にして俯いている。さて…リレイの反応は…。

蘭「究……///」

リレイ「彼女…。彼女ぉ!?」

究「おま、ここ商店街…!」

リレイ「あ、ごめん。」

予想以上の反応だった。驚きだろうな。リレイからは口説き文句を聞かれたが伏せた。俺たちの関係はデュエルで紡がれた。最終的には言葉での告白だが、きっかけはデュエルだ。なんてリレイに言っても信じるはずもないだろうから言わない事にした。するとリレイから意外な提案が出される。

リレイ「そうだ、今からデュエルしようよ!」

究「いきなりだな…。どうする、蘭。」

蘭「やりたそうな顔してるよ、究。」

究「否定はしない。場所はどうする?モールのところでいいか?」

リレイ「うん。オッケー。ましろちゃんは?大丈夫?」

ましろ「私も平気。」

急遽なデュエルが始まろうとしていた。




カード紹介コーナー!
…ではなく、今回黒猫キャラとしてリレイを参戦させました。
正直に話せば、女性主人公で書くならリレイにしてました。主人公ボツ案をそのままヒロインに転用というふうにしてます。(もしかしたらW主人公もありかなぁ…。)
次回はデュエルパート、また頑張ります…!


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響く旋律2

作者のシルウェストです!
不定期とはいえ、遅くなりました。ちょっとタッグデュエルの進行は大変です…。(マスターデュエルにドハマりしてさらに遅れたなんて言えるはずもなく…。)


俺は蘭、リレイ、ましろの4人でカードショップへ向かった。

究「リレイとデュエルなんて離れ離れの少し前くらいだったか。」

リレイ「そうだねぇ。」

究「さて、やるか!」

リレイ「あっ、待って!」

究「なんだよ。」

唐突にリレイが止めた。すると意外な提案をしてくる。

リレイ「人数もいるんだし、タッグデュエルしようよ。」

究・蘭「はい!?」

突拍子もなくタッグデュエルが提案された。確かに人数はいる、できなくはない。ふとクラスマッチもタッグデュエルがある事を思い出し、予行演習にはもってこいと思い、了承。ルールはクラスマッチで選定されたルールで行うことにした。

リレイ「じゃあ始めよっか。」

ましろ「が、頑張ります。」

究「なんとかするしかないか…!」

蘭「私達の力を見せてあげる…!」

4人「「「「デュエル!(LP:8000)」」」」

 

 

 

リレイ「8000?」

究「2人いるからな。その合計でいいだろ?」

リレイ「それもそっか。」

究「で…誰から行くよ。」

ましろ「私から行きます。」

究「お?先攻どうぞ。」

ましろ「魔法カード『オスティナート』発動。デッキから『幻奏の音姫プロディジーモーツァルト』と『幻奏の音女オペラ』で融合召喚、『幻奏の華歌聖ブルームディーヴァ(ATK:1000)』。ターンエンドです。」

蘭「オスティナートって確か、融合召喚したモンスターはエンドフェイズに破壊されるはず。」

究「いや、ブルームディーヴァには効果破壊耐性がある。仮にそうじゃなくてもオペラを融合素材に使えば効果破壊耐性付くから結果は変わらんだろうけど。」

蘭「じゃあ、私のターン。魔法カード『真紅眼融合』発動。デッキから『真紅眼の黒竜』と『真紅眼の凶星竜ーメテオ・ドラゴン』で融合。『流星竜ーメテオ・ブラック・ドラゴン』。効果発動、デッキから『真紅眼の黒炎竜』を墓地に送り、1200のダメージを与える。」

ましろ「レッドアイズかぁ…。(LP:8000→6800)」

蘭「カードを2枚伏せてターンエンド。」

リレイ「私のターンだね。ドロー!私は『ドドレミコード・クーリア』をペンデュラムスケールにセッティング。『ドドレミコード・キューティア』を召喚して、効果発動。デッキから『ドレミコード』モンスターを手札に加えるよ。『レドレミコード・ドリーミア』を手札に加えて、ドリーミアの効果発動。ペンデュラムスケールにドレミコードがいるなら手札から特殊召喚できる。キューティアとドリーミアをリンクマーカーにセット。リンク召喚、『グランドレミコード・ミューゼシア』!」

蘭「ドレミコードと幻奏のタッグ…ね。」

リレイ「ミューゼシアの効果発動。スケールが奇数のPモンスターをEXデッキに加えたら、偶数のスケールのPモンスターを手札に加え、偶数なら奇数のスケールを手札に加えられる。『ファドレミコード・ファンシア』をEXに加えて、『ドドレミコード・キューティア』を手札に加える。」

究「随分とトリッキーというかタクティクスを要求するデッキだな、ドレミコード。」

リレイ「それじゃ、さっき加えたキューティアをスケールにセッティング。これでレベル2〜7のモンスターが同時に召喚可能。そしてクーリアのペンデュラム効果でドレミコードのペンデュラム召喚成功時に相手はカード効果は発動できないし、キューティアの効果で相手はドレミコードのペンデュラム召喚を無効にできない。」

蘭「えっと……?」

究「つまり、ドレミコードのペンデュラム召喚に神の宣告とかそういうのは打てないし、成功した場合に奈落の落とし穴とかそういうのが出来ないってこと。」

蘭「えっ…!?」

リレイ「説明ありがとう。ではペンデュラム召喚。手札から『ソドレミコード・グレーシア』と『シドレミコード・ビューティア』!グレーシアの効果で、『ドレミコード・ハルモニア』を手札に加える。そしてハルモニア発動、効果でEXデッキからキューティアを回収するよ。さてと…バトル!ブルームディーヴァで流星竜メテオ・ブラック・ドラゴンに攻撃!」

蘭「いくら戦闘・効果破壊されず、戦闘ダメージも発生しないからって…」

究「違う…ブルームディーヴァの真骨頂はそこじゃない…!」

リレイ「この瞬間、ブルームディーヴァの効果発動!特殊召喚されたモンスターと戦闘したダメージ計算後、その相手モンスターを破壊し元々の攻撃力の差分ダメージを与える!」

蘭「なっ……!?(LP:5500)けど、流星竜メテオ・ブラック・ドラゴンは破壊されたら墓地からレッドアイズを特殊召喚できる。『真紅眼の黒竜』!」

リレイ「ビューティアで真紅眼の黒竜を攻撃、この瞬間ビューティアの効果発動。このカードが自分のペンデュラムスケールにある一番小さいスケール×300以上の攻撃力を持つモンスターと戦闘を行うダメージ計算前、その相手モンスターを破壊する!」

蘭「また……!」

リレイ「これでがら空き!グレーシアでダイレクトアタック!」

蘭「くっ…(LP:5500→3400)」

リレイ「追撃はここまでかな。ターンエンド。」

蘭「エンドフェイズ、『レッドアイズスピリッツ』を発動、『真紅眼の黒炎竜』を特殊召喚。ごめん、かなり削られた。」

究「気にするな。むしろこれくらいで済ませただけでも上々だ。俺のターン!俺は『転生炎獣フォクシー』を召喚。」

蘭「(もしかしてこれが巴と組むときのデッキ?)」

リレイ「サイバース……?」

究「フォクシーの効果発動、デッキトップ3枚を捲ってその中のサラマングレイトカードを手札に加える。『フューリーオブファイア』『転生炎獣フォウル』『転生炎獣の再起』…フォウルを手札に加える。残ったカードはデッキに戻す。フォクシー1体でリンク召喚、『転生炎獣ベイルリンクス』。ベイルリンクスの効果にチェーンして手札の『転生炎獣ガゼル』の効果発動。ガゼルを特殊召喚。ベイルリンクスの効果、デッキから『転生炎獣の聖域』を手札に加える。」

リレイ「ビューティアの効果発動。ベイルリンクスを対象に、ベイルリンクスはフィールドから離れる場合除外されるよ。」

究「やるな…。ベイルリンクスは墓地のこのカードを除外してサラマングレイトの破壊を防ぐ効果があったが、そう来たか。ガゼルの効果でデッキからスピニーを墓地に送る。そしてスピニーの効果発動。墓地から特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたスピニーはフィールドから離れる場合除外される。」

リレイ「止まる気はない…か。」

究「俺はガゼルとスピニーでオーバーレイ。エクシーズ召喚、ランク3『転生炎獣ミラージュスタリオ』。ミラージュスタリオの効果発動。オーバーレイユニットを1つ使いデッキからサラマングレイトを守備表示で特殊召喚する。俺は『転生炎獣ファルコ』を特殊召喚。さて…俺はベイルリンクスとミラージュスタリオでリンク召喚、リンク2『転生炎獣サンライトウルフ』。ミラージュスタリオの効果発動、リンク素材になった場合に相手フィールドのカード1枚を手札に戻す。ブルームディーヴァをEXに戻してもらおうか。」

リレイ「あちゃぁ…。(この場合戻るのは私のEXデッキ。これで事実上ブルームディーヴァが1枚使えない…。)」

究「まだだぜ?フィールド魔法『転生炎獣の聖域』発動。サンライトウルフとファルコでリンク召喚。リンク3『転生炎獣ヒートライオ』!ヒートライオの効果にチェーンしてフォウルの効果で特殊召喚し、ヒートライオの効果で相手フィールドの魔法罠カードを1枚デッキに戻す。クーリアをデッキに。」

リレイ「一番下のスケールを…でも打点を超えても無駄だよ。」

究「まぁまぁ、俺はヒートライオとフォウルでリンク召喚。『転生炎獣パイロフェニックス』!満を持して『転生炎獣の聖域』の効果を適用して、パイロフェニックス1体で転生リンク召喚!」

蘭「転生…!?」

リレイ「なにそれ…!」

究「『転生炎獣パイロフェニックス』!パイロフェニックスがパイロフェニックスを素材にリンク召喚に成功した場合…相手フィールドのカード全てを破壊する!」

リレイ「うっそぉ!?」

究「パイロフェニックス、黒炎竜でダイレクトアタック!」

リレイ「一気に捲られた…!(LP:6800→4000→1600)でも…」

究「次のターンはないぜ。速攻魔法『転生炎獣の超転生』!パイロフェニックス1体でもう一度パイロフェニックスをリンク召喚、ダイレクトアタック!」

リレイ「うっそぉ……(LP:1600→0)」

 

 

究「やったな、蘭!」

蘭「うん、ありがとう。」

リレイ「いやぁ…強かった。」

ましろ「うん…ほんとに。」

互いの健闘を讃え、またやろうと約束しその場は解散した。

蘭「そのデッキ…今度のクラスマッチで使うやつ?」

究「ん?ああ。流石にすぐ分かったか。」

蘭「わかるよ…てか、別にイグニスターで私と組んでも良かったじゃん。」

究「今度、な?」

蘭「約束だよ。」

また約束事が増えた。蘭とのちゃんとしたタッグデュエル…それに向けて少しずつ準備をしないと。




カード紹介コーナー!

……ではないですね、かなり期間を空けてしまいました。マスターデュエルのにどっぷりハマった結果、疎かになってしまいました。今後は台本形式で書いていこうかと思います。正直、タッグデュエルは自分でやっといて辛いです…!また少しずつ書いていきますので、よろしくお願いします…!では!


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ひまりのデュエル予報

久しぶりの投稿…。
誠に申し訳ない、全然話のネタが纏まりませんでした!


今日はなんてことはない登校日。蘭たちと何気ない登校、いつも通りの授業、いつも通りの楽しい昼休み、いつも通りの放課後…のはずだった。

蘭「そういえば、新しいレッドアイズ見つけたんだ。」

究「お?じゃあどこかで――ん?」

いきなりポツポツと雨粒が額に当たった。すると段々振り始めた。

究「げっ…やばっ…。」

蘭「究、あそこで雨宿り!」

究「だな、それが手っ取り早い!」

にわか雨とは運がない。幸運な事に本格的に降る前につぐみの家の喫茶店が近くにあったので雨宿りがてら入った。同時にがっつり降り始めた。家までまだ地味に距離がある。黙ってここで待つことにした。

つぐみ父「いらっしゃい。おや?君は…」

究「すいません、少し雨宿りさせてください。」

つぐみ父「構わないよ。なにか飲むかい?」

究「じゃあ――」

ひまり「雨だぁ…!!」

究「ひまりも来たか。」

ひまり「あ、究君。やっほー。いやぁ、雨だねぇー。ガッツリ濡れちゃった。」

究「俺たちは軽傷で済んだけど…つぐみの親にタオルか何か借りたらどうだ……その…目のやり場困る。」

ひまり「えっ……。」

こんな本格的に降ったあとに滑り込んできたんだ、ガッツリ濡れているだからこそ…えー、透けてるんですよ。

ひまり「っ〜…!!見ないで!!」

究「(無茶言うな…)」

蘭「…変態。」

究「なんで!?」

理不尽だ。指摘したらしたでこれだし、多分言わなければ言わないで文句を言われるだろう。理不尽だ…。

蘭「……ひまり、究の言うとおりタオルとかで拭いてきたほうがいいよ。」

ひまり「うん、そうする。つぐみのお父さーん!タオルありますかー!」

究「言い方間違えたのか?俺は。」

蘭「そうなんじゃない?」

同じことを言ったはずなんだが…。やはり理不尽だ。

しばらくして、ひまりがジャージ姿で降りてきた。荷物の中身までは濡れてなかったようで取り敢えず着替えたといったところだろう。

ひまり「やっぱり傘持ってくるんだったぁー…。」

究「やっぱり?どういうことだ。」

蘭「あ、知らないか。ひまり予報ってあたしたちは言ってる。」

究「なんだその……胡散臭い感じのやつ。」

ひまり「ひどい!ちゃんと実績あるんだよ!」

聞けば、ひまりは天気デッキ使い。そこで運試しがてらデッキトップを捲って出た天気模様のカードで――ということらしい。

究「的中率は?」

蘭「まぁ…ね?察してよ。」

究「だよな?」

ひまり「でもね、今日雷の天気模様だったんだよ!」

後付な気がするがまぁいいだろう。だがすると遠雷が聞こえた。

究「…まじか。ここまで酷くなるのか。」

蘭「大丈夫かな…巴とつぐみ…。」

究「しばらくは待機だな。」

つぐみ父「しばらくここで止むのを待ってたほうがいいだろう。コーヒーでも飲むかい?」

究「ありがとうございます。あと砂糖とミルクも…。」

つぐみ父「わかったよ。二人はどうする?」

蘭「じゃあ私達も…」

ひまり「いただきます!」

しばらくしてモカとつぐみと巴も入ってきた。

巴「いやぁ、やべぇな!」

モカ「濡れたー。」

つぐみ「ホントだね…あ、いらっしゃい。来てたんだ。」

究「ああ、俺たちも雨宿りだ。」

で、メンバーがいることだし俺は『ひまり予報』の正体を確かめることにした。

究「で、実際のところどうなのって話。」

巴「あたしの感覚的には割と当たってるかな?」

究「で…ひまり予報の用途は?」

つぐみ「天気予報を見て、なんか微妙な天気の時にひまりちゃんに。」

なるほど。降水確率が40,50%のような微妙な時にひまりがデッキトップを捲ってどうするかということか。時期外れの天気模様が出たらどうするんだ…。確か天気模様は晴れ、曇り、雨、雪、雷、虹、オーロラ……オーロラ?大丈夫か?ひまり予報。

ひまり「まだ信用してないよね?」

当たり前だろ…なんて言えるはずもない。

究「じゃあ、ここで見せてくれよ。」

ひまり「まっかせてよ!ドロー!虹の天気模様!」

つまり晴れると言っている。そんな都合よく晴れるわけが――

蘭「…ねぇ、止んだよ。」

究「バカな……奇跡を起こしたというのか!?」

さっきまで降っていた雨が止んでいた。暫くすると日も差してきた。そして……虹が架かっている。

ひまり「ふふん、どうよ。」

究「どういう……ことだ…!?」

蘭「そもそも俄雨なんだから長続きするわけ無いじゃん。」

ひまり「( ゚∀゚)・∵. グハッ!!」

身も蓋もないことをしれっと言いやがった…。

究「ひまりのお陰で晴れたんだし…よかったんじゃね?ってことにはならないのかなぁ?偶然たまたまだとは思うけど!」

ひまり「うっ……。」

究「コーヒーごちそうさまでした!」

つぐみ父「気をつけて帰ってね。」

既に空はいつもの夕日が見えていた。




誠に…誠に申し訳ありませんでした!マスターデュエルに熱中しすぎて…。
ということで、タグにマスターデュエルを追加しました。今後マスターデュエルのカードプールを土台にデュエルを構築します!


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新たな選択肢

マスターデュエルのタグは入れましたが、OCGからも一部入れるようにします。ということで、どうぞ!


どうも、八須賀究です。俺は今ショッピングモールのカードショップにいる。もちろん、新デッキの作成目的でだ。しかし……。

究「これでもないなぁ。」

小一時間、様々なテーマのレンタルデッキでデュエルしてるが手に馴染まない。いろんなテーマを見て入るが脳裏に今あるサイバースデッキとの比較が無意識に過る。

さて、事の経緯だが。サイバース族デッキの認知度があまりにも少ない…というよりもはや俺のオリカレベルで認知されていない。なのでウイッチクラフト、ドラグマに続いて新たなデッキの選択肢を増やそうとしてるのだが、どれも馴染まないという状況だ。

究「すいません、店長。色々無茶言ってしまって。」

店長「いいのよ。さて…次は何にする?」

究「次はこれで。」

店長「わかったわ。」

これでダメなら今日は帰ろう。そう思っていた所に。

蘭「究?なにしてるの。」

究「蘭。丁度良かった。ちょっと手を貸してくれ。」

蘭「ん?わかった。」

俺のデッキ探しの旅に1名巻き込んだ。

 

 

 

 

デュエル!!(LP:4000)

蘭「で…なにするの。」

究「色々テーマを触ってきたんだが、しっくり来なくてな。少し付き合ってくれ。」

蘭「わかった。私の先攻、モンスターをセット。更にリバースカードを2枚伏せてターンエンド。」

究「俺のターン、ドロー。俺も同じくモンスターを伏せる。カードを1枚伏せてターンエンドだ。」

お願い静かな立ち上がり。我ながらこんなターンの渡し方は久しぶりだな。

蘭「私のターン。『伝説の黒石』を召喚。黒石の効果で、自身をリリースし、『真紅眼の黒竜』を特殊召喚!バトル、『真紅眼の黒竜』でセットモンスターに攻撃!」

究「セットモンスターは――『開闢の騎士』。破壊される。」

蘭「開闢…?一体何をするつもりなの。ターンエンドよ。」

究「俺のターン。どうするもこうするも…手札の『混沌のヴァルキリア』の効果発動。墓地の『開闢の騎士』を除外して、ヴァルキリアを特殊召喚。そして除外された『開闢の騎士』の効果発動。デッキから儀式魔法を手札に加えられる。」

蘭「儀式魔法……。」

究「俺は――『超戦士の萌芽』を手札に加える。」

蘭「!」

やっと悟ったようだな。このデッキはカオス・ソルジャーデッキだ。

究「そして、『超戦士の萌芽』を発動!」

蘭「来る…!」

究「手札の『混沌殻』とデッキから『開闢の騎士』を墓地に送り、『超戦士カオス・ソルジャー』降臨!そして開闢の騎士を使った儀式召喚により、『超戦士カオス・ソルジャー』には追加効果がある。」

蘭「追加効果…?」

究「超戦士カオス・ソルジャーの効果発動。1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を除外する。セットモンスターを除外!」

蘭「なっ…!?その効果は…!」

究「そう、開闢の使者と同じだ。だが、デメリットはない!バトル!『超戦士カオス・ソルジャー』で『真紅眼の黒竜』を攻撃!」

蘭「罠カード『鎖付き真紅眼牙』発動!」

究「なにっ…!?」

蘭「これを黒竜に装備して…さらに効果発動!カオス・ソルジャーを対象に取って、このカードを墓地に送り『真紅眼の黒竜』は対象モンスターのステータスをコピーする!」

究「やられた…!」

蘭「これで相討ち。ヴァルキリアだけじゃ私のライフは削りきれない!」

究「まだだ、超戦士カオス・ソルジャーは破壊され墓地に送られたとき、暗黒騎士ガイアモンスターを手札・デッキ・墓地から特殊召喚できる!『覚醒の暗黒騎士ガイア』!これで蘭フィールドは――」

蘭「私は手札の『真紅眼の遡刻竜』の効果発動!」

究「なんだと…!?」

蘭「遡刻竜の効果で自身を守備表示で特殊召喚し、さらに破壊されたレッドアイズ達はもとの状態で特殊召喚される!」

究「覚醒の暗黒騎士ガイアの攻撃力は2300……やってくれたな。ガイアで遡刻竜を攻撃。ターンエンド。」

蘭「私のターン。追撃は無理か…バトル!『真紅眼の黒竜』で『覚醒の暗黒騎士ガイア』を攻撃!」

究「っ……(LP:3900)」

蘭「ターンエンドよ。」

究「俺のターン!…勝負だ、蘭!」

蘭「!」

究「俺は手札より儀式魔法『超戦士の萌芽』を発動!俺は手札より『宵闇の騎士』とデッキから『開闢の騎士』を墓地に送り…『伝説の剣闘士―カオス・ソルジャー』降臨!」

蘭「なにそのカオス・ソルジャー!?」

究「見せてやるぜ…バトルだ!『伝説の剣闘士―カオス・ソルジャー』がフィールドに居る限り、バトルフェイズ中にカードを発動できない!」

蘭「んなっ…!?」

究「カオス・ソルジャーで『真紅眼の黒竜』を攻撃!」

蘭「くっ……(LP:3400)あっ…!」

究「そう…『開闢の騎士』を素材にしたカオス・ソルジャーは戦闘でモンスターを破壊した場合追加攻撃ができる!混沌のヴァルキリア、カオス・ソルジャーのダイレクトアタック!」

蘭「凄っ…。(LP:0)」

 

 

 

 

 

悪くない…或いはこれならと店長にレンタルデッキは返却し、カオス・ソルジャーのパーツを購入した。

究「悪いな、蘭。付き合わせて。」

蘭「やっぱりカオス・ソルジャー買ったの?」

究「ああ。…あ、付き合ってくれたから、今からどっか行かないか?」

蘭「うん、行こう!」

さぁ…蘭とのミニデートの時間だ。




カード紹介コーナー!今回紹介するのは、『真紅眼の遡刻竜』!
蘭「レッドアイズ達を破壊される前の状態に戻すだけでなく、自身をリリースすることでレッドアイズの召喚権も増やせる。……これでいい?」
オッケーです!純構築でなるべく頑張りますが、混ぜものしちゃうかも…。ではまた!


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新たな選択肢2

マスターデュエル楽しい!!
……じゃなかった。こんな速度の更新ですが、よろしくお願いします!


カードショップでの自分探しが終わり、付き合ってくれた蘭とのミニデート…のはずだったんだが。

究「……なんでさ。」

なぜかAfterglowメンバー全員が集まっている。いつも通りといえばいつも通り…なんだが、なぜか行く先々にメンバーがいて結局みんなついてくることになった。

モカ「なんか悪いね〜。」

悪いと思うなら察してくれ。…なんて言えるはずもなく。

究「悪いな、蘭。なんやかんやいつも通りになったな。」

蘭「まぁ…今度ね?」

いつも通りなんだし、いいでしょ。うん。

ひまり「そういえば二人はなにしてたの?」

究「俺は新デッキの模索をしてたんだが、これといったものが中々見つからなくてな。蘭に何かと付き合わせたからそのお礼で一緒に歩いて回ってたんだ。」

巴「で…なにを見繕ったんだ?」

究「カオス。」

巴「カオス…?えーっと、なんだ?」

究「光と闇のごちゃ混ぜとでも思ってくれ。」

巴「お、おう。」

間違ってはない。光と闇属性の塊にするつもりだったからな。文字通りカオスなデッキだ。

ひまり「じゃあ今度私とデュエルしようよ!その新しいデッキと!」

究「今度な?」

蘭「……」

…いつメンが揃ってるというのにやはり機嫌がよろしくないようだ。間が悪いといえばそれまでだが、やはり二人の時間が潰された事が響いてるみたいだ。

究「蘭。後で埋め合わせはするからさ…(小声で)」

蘭「う、うん……。」

モカ「おやおやー?ヒソヒソ話ですかなぁ?」

究「からかうなって、全く。」

ひまり「で、何を話してたの?」

究「ノーコメント。」

ひまり「えぇー?」

巴「あんまりしつこいと嫌われるぞ?ひまり。」

モカ「そうだそうだー」

つぐみ「モカちゃんも言及してたよね…?」

蘭「ぷっ……ふふ。」

究「やっぱりいつも通りがいいか?」

蘭「そうだね。いつも通りっていいね。」

なんだかんだ皆で楽しんだ。アクセサリー見たり、CD見たり、本屋に行ったり、ファストフード店に楽器屋にパン屋……パン屋?まぁいい。更にはカラオケまでいった。聞き専に努めようかと思ったが、マイクを持たされたので蘭とデュエット。あとは今回のデートの埋め合わせはなにでするかだが、意外な形でその目的は達成することになる。

 

 

 

 

次の休日…祝日含め3連休になってたので、早速埋め合わせがてら蘭に連絡を取ろうとしたところ。呼び出しベルがなった。玄関を開けてみれば――

究「な……蘭?どうしたんだ。」

蘭「……居候させて。」

突拍子も無い居候宣言だった。




今回は短めです。亀のような速度の更新ですが……またしばらくお待ち下さい。
マスターデュエルを嗜みながら、書いてますので!
ではまた!


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