アサルトリリィと呼ばれた男 〜その子供達が征く〜 (岡村優)
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船坂 結(ふなさか ゆい)

 

年齢 12歳

 

身長 150cm

 

誕生日 12月8日

 

レアスキル 

 

ルナティックトランサー(S級) ファンタズム ラプラス 天の秤目

 

使用チャーム GPCー01ナスタチウム(世代不明)

 

使用武器 

 

14年式南部拳銃 刀(雷電)クロスガードライトセイバー

 

スキラー数値 測定不能(機器を破壊したため)

 

 

百之助と夢結の娘。戦うことに関しては姉弟たちの中で最も才能がある。三次元高機動戦闘を得意とする。まだ錬成出来ていないが百之助曰く「俺はもう結に戦いで教えられることはもう無い」と、言わせるほどである。双子の弟がおり、(弟の方は陸軍士官学校付属中に進学)とても仲が良く、互いに銃を交換するほどである。愛国心があり、戦うことは国民の義務だと思っている。我慢強い。通常のリリィの300倍のマギ保有量を持つ。

 

 

船坂 天音(ふなさか あまね)

 

年齢 12歳

 

身長 152cm

 

誕生日 12月9日

 

レアスキル

 

ルナティックトランサー ファンタズム 天の秤目(S級) ヘリオスフィア

 

使用チャーム GPC−02スノードロップ(世代不明)

 

使用武器 M712 刀(紅葉)クロスガードライトセイバー

 

スキラー数値 測定不能(上と同じ)

 

百之助と天葉の娘。戦うことが好きで、止められる者はいない。遠距離射撃を得意とする。結とは仲が悪いように見えるようだが実は仲がよく背中を合わせられる相手だと互いに認めている。

腹違いの妹、椿とは仲が良く一緒によく寝ている。マギ保有量は結とほぼ同じである

 

 

船坂 椿(ふなさか つばき)

 

年齢 12歳

 

身長 150cm

 

誕生日 12月9日

 

レアスキル 

 

ファンタズム ヘリオスフィア ゼノンパラドキサ ブースト

 

使用チャーム GPCー03ローリエ(世代不明)

 

使用武器 ノーマルライトセイバー SOCOM MK13

 

スキラー数値 測定不能(上に同じ)

 

百之助と楠美の娘。引っ込み思案で気が弱いが戦いになるとスイッチが入り普段の性格には似つかない大胆な戦闘をする。機動戦闘を得意とするが結と比べると接近戦を多様する。天音とはとても仲が良い。マギ保有量は他の二人に比べると若干見劣りする。

 

 

アンネリーゼ・フリーデグンデ・フォン・オットー

 

年齢 12歳

 

身長 155cm

 

誕生日 12月10日

 

レアスキル 

 

ゼノンパラドキサ(S級)フェイズドランセンデンス ヘリオスフィア ファンタズム

 

使用チャーム GPCー04デンドロビウム

 

使用武器 ノーマルライトセイバー M1911A1

 

スキラー数値 99

 

ロザリンデの娘、父親は海軍少将である船坂直(第2次台湾奪還戦で戦死。百之助から見て外戚縁)現在はロザリンデと百之助が戸籍上は親となってる。本人はあまり気にしていない。基本的におっとりしているが戦闘においての投射火力による殲滅力は随一である。マギ保有量は母親譲りで百之助の娘たちと比べても少ないが一般的なリリィと比べて200倍はある。(ロザリンデは卒業後運命の囚人となっている)

 

 

チャーム紹介

 

GPCシリーズ

 

船坂家の試作型次世代チャームで、基本コンセプトはガンダム。全て花の名前を採用しているが必ずしもガンダムを元にしてるわけではない。また、武装やバーニアユニットを含めてチャーム一つを成型する。

 

 

 

GPCー01ナスタチウム

 

空間、機動戦闘に特化した機体である。

 

武装

 

マギビットフィンファンネル

 

コの字型になる大型のマギピット、ライフルビットの強化発展型で、バックパックの左右に付いてるファンネルラックに装備する6機を装備する

 

ビームサーベル

 

新規開発したものでライトセイバーでは無いこっちは考えるだけで展開伸縮可能である。2機をファンネルラック内部に装備する。

 

ビームライフル

 

砲撃モード、連射モード、通常モードがある。マギの消費は激しいが最も攻撃力の高い兵装で、威力調節が可能な為取り回しが良い。また銃身下部に近接戦闘用のジュッテを装備、これによりある程度の近接戦闘が可能である。後ろ腰に装備する

 

ハイパーバズーカ

 

名の通りバズーカ砲で背中のラックに接続する

 

防御兵装

 

マギリフレクター

 

主にヒュージが使うものだがGPCシリーズ全てで展開可能である。

 

シールド

 

対ビームコーティングとミサイルランチャーを装備する(装弾数2発)

 

機動ユニット

 

バックパックのバーニアスラスターで行うマギが切れたときのためにファンネルラック基部にプロペラントタンクが接続されておりそこから燃料を使用する(パージ可能)

 

元にしたのはHiνガンダム

 

 

 

GPCー02スノードロップ

 

長距離砲撃による大火力殲滅に特化した機体

 

武装

 

アトミックバズーカ

 

アトミックバズーカと言いながら核弾頭を使用しないが威力は戦術核に匹敵する。ノインヴェルトの40倍の火力で装弾数一発である。

砲身部と薬室部が独立しており、薬室部はバックパック右側にセットされ砲身はシールドに格納する。使う場合は薬室部が背中側から右肩に展開され、そこに砲身を接続する。なお、威力の調節は可能である。

 

ビームライフル

 

GPCー01の物を長銃身化したもので狙撃能力を有する

 

ビームサーベル

 

GPCー01のと同じ物で、両腰に2機装備する。

 

防御兵装

 

シールド

 

耐ビームコーティングされたシールドでアトミックバズーカの砲身部を格納する。その為大型になっている。

 

マギリフレクター

 

GPCー01と同じ

 

機動ユニット

 

バックパックと両肩部の大型スラスター(大型スラスターは肩ではなくバックパックに接続されている)を使う

 

元になったのはRXー87GPー02サイサリス

 

 

 

 

GPCー03ローリエ

 

機動戦(近接)に特化した機体

 

 

武装

 

アサルトビームライフル

 

GPCー01のビームライフルを連射型にした物。

 

近接長刀

 

全長140センチにも及ぶ長刀、低振動術式が織り込まれている。バックパック右側にマウントされる。

 

ビームサーベル

 

GPCー01と変わらない。バックパック左側上部に接続されている。

 

防御兵装

 

マギリフレクター

 

GPCー01と同じ。

 

機動ユニット

 

バックパックと2機の大型ウイングにバーニアスラスターが付いている。

 

ウイングのバーニアスラスターを全開にすると光の翼のようなものが展開されるが原因は分かっていない。

 

 

また、元になった機体が存在しない

 

 

 

GPCー04デンドロビウム

 

砲撃遠距離支援に特化した機体

 

武装

 

ミサイルランチャーコンテナ

 

バックパック左側にマウントされる、亜空間に繋がっているため何発でも発射可能、上限400発。大きさは40ミリグレネードランチャーの弾帯サイズだが威力は巡航ミサイルに匹敵する。(マギリフレクターをガン無視して貫通する)発射する場合脇下から左手に持ち斉射する

 

大型ビーム砲「トールハンマー」

 

バックパック右側にマウントされる大型ビーム砲、百之助の武御雷をダウングレードしたものだが威力はほぼ同等である。発射する場合脇下を通して展開する。

 

ビームライフル

 

GPCー01の物と一緒。

 

 

防御兵装

 

マギリフレクター

 

他の機体に比べて防御力が高い。

 

 

機動ユニット

 

バックパックと肩部の大型ユニットを使用する(GPCー02のユニットを大幅に強化したものを使用)

 

この機体も元になった機体が無い。

 

 



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プロローグ

ー 船坂本家大浴場にて ー

 

4人の娘たちが風呂でお喋りしていた。

 

 

「明後日入学式だけど…皆行く準備済ませた?」

 

というこの少女は黒髪黑目て夢結によく似ている。

 

「うんバッチリ!」

 

こう答えた少女は天葉そっくりである。

 

「うん…」

 

気の弱そうな楠美にそっくり(髪の毛のみ黑)なこの娘は楠美の娘だ。

 

「私もよ?」

 

そして最後に答えたこの娘はロザリンデの娘である。

 

「ほんとに〜?貴女この前そう言って忘れ物結局したでしょ?」

 

「そう言わないでよ〜結姉〜今回はちゃんとしたんだから〜」

 

「後で確認します。いいですね?天音。」

 

「ハーイ…」

 

「どっちにしろ全員で確認するでしょう?」

 

「そうだけど…椿はともかく天音は忘れ物が多いのよ!」

 

「姉上落ち着いて…」

 

と、椿に諭されるが…

 

「毎回毎回忘れ物する天音が悪いのよ!」

 

と、天音の頭をグリグリする。

 

「ごめんなさ〜い!許して〜結姉〜」

 

「しっかりしてよ!お父様が台湾奪還した英雄だから、そういう目で私達見られるんだから!」

 

「わかってるよ〜…」

 

ガラ…

 

「…四人とも仲良くしてくれよ〜?」

 

ここで登場した人物は百之助だ。

 

「「「お父様!?」」」「叔父様!?」

 

「姉妹と従姉妹なんだから頼むぞ〜?」

 

「「「「ハーイ」」」」

 

体を洗って浴槽に入ってくる。

 

「いつ帰ってきたんですか?」

 

「ん?ついさっきだ、明後日入学式だろう?だから帰って来てみた。」

 

「おっ父様〜」

 

と、天音がくっついてきた。それに習い残りの三人も引っ付く。

 

「よしよし…にしても見ない間に大きくなったな〜この前まで赤子だったのにな〜」

 

と、頭を撫でる。

 

「何時までも子供じゃありません」

 

と結がいうが…

 

「いーや子供はいくつになっても子供だよ。可愛いのは変わらない。」

 

「「「「もう///」」」」

 

と、顔を赤らめる姿が母親そっくりだと百之助は思った。

 

「さてと…上がるかな。結達も早めに出なさい」

 

「「「「ハーイ」」」」

 

と百之助はお風呂から出ていった。

 

「所でチャームは?」

 

「準備終わってるけど…まだ使ってないのあるんだよね…」

 

「それって…」

 

「…アトミックバズーカ…?」

 

結と椿の顔が曇った。

 

「そうそう!」

 

なんとも軽い受け答えである。

 

「あほか!あれはおいそれと使っていいものじゃないでしょ!」

 

「核弾頭に匹敵する物をどこで使う気…?」

 

「ハァ…大丈夫かしら?」

 

と反応は三者三様である。

 

「GPCシリーズは戦局をひっくり返すための物だから火力が極ふりされてるのもあるんだよね…」

 

「GPCー02スノードロップは特にそうだもん!作った人どんな気持ちで作ったんだろ?」

 

「死ぬ人が少なくなるようにするためよ…そう言ってた。」

 

「へえ〜」

 

「ともかく…お風呂出たら荷物整理して寝るわよ!」

 

「「「了解!」」」

 

そうして風呂を出た後荷物を整理して寝た。余談ではあるが天音は結局入ってない物があり結を困らせたのは言うまでもない。

 

 

 

 



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門出

翌朝ー

 

「はぁ…」

 

百之助は身が重かったのと…柔らかい感触があったので目が覚醒し確認したら右からアンネリーゼ、結、天音、椿が寝ていた。

 

「最近帰ってやれなかったから…甘えん坊が炸裂してるなぁ…」

 

百之助は考えた…何人生き残るのだろうかと…そう考えながら頭をなでた。

 

「この子達がリリィになると決心してから船坂の戦闘技術すべてを叩き込んだけど…不安なんだよなぁ…父上はこんな事に耐えてたのかよ…尊敬するな…」

 

時計を見れば6時となっていた。自身は起きたかったので娘たちを起こす。

 

「朝だぞ〜起きろ〜」

 

……うんともすんとも言わないので最終手段に出た。

 

 

ケータイの音楽再生をオンにした。

 

パッパラッパ…

 

軍の起床ラッパを鳴らすと………

 

ガバ!

 

四人とも飛び起きた。天音が嫌そうな顔で言う。

 

「も〜お父様やめてよ〜心臓に悪いじゃん…」

 

「揺さぶっても全く起きないお前たちが悪い。それになぜここ入ってってきているんだ?自分の部屋あるだろう?」

 

「え〜…寂しいじゃん…お父様なかなか帰ってこないし…お母様たちは百合ヶ丘に勤めてて会えないし…」

 

「今日から会えるだろ?確か中等部だったはずだ。それに、俺の学友も教官で居るはずだしな。」

 

「そういえばお父様の学生時代の話お父様から聞いたことないんだけど…」

 

「恥ずかしいから言わない。知りたかったら教官たちに聞け。俺からは言わないよ、自分を語ってるみたいで嫌だ。」

 

「ふ〜ん…」

 

「ほらさっさとここから出て着替えなさい。ご飯は一緒に食べよう」

 

「「「「はーい!」」」」

 

そう言うと結達は部屋から出ていった。

 

「やれやれ…」

 

そう言いながら自身も着替えた。

 

その後、ご飯を楽しく食べて出発時刻までウノをして遊んだりした。

 

 

 ー 玄関前にて ー

 

百之助の前に結たちが整列していた。

 

「俺から2つ命令を出す。これは絶対に守れ。1つ目は一所懸命を貫け!2つ目は生きて帰ってこい!理由は死んだらそれまでだが生きてたら汚名を削ぐ機会がある!それにお前たちが死ぬと悲しむのがいるからな!俺も含めて!」

 

「「「「ハッ!」」」」

 

ザッ!

 

互いに敬礼する。百之助が敬礼をやめたのでそれに習う。

 

「行って来い!そして存分にやれ!」

 

「「「「行ってきます!」」」」

 

「分かれ!」

 

互いに敬礼する。

 

「「「「以後の行動にかかります!」」」」

 

走って車に乗り込む。

 

そして運転席の人物に声をかける。

 

「葉山さん…よろしくお願いします。」

 

「お任せください旦那様。」

 

百之助は、敬礼してその車を見送った。

 

 

 

 

 

 

 



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自己紹介大会?

百合ヶ丘に着いた4人は葉山を見送ったあと、職員に案内されて寮に入って荷物を部屋に収納し、一つの部屋に集まっていた。

 

「まさか…天音は椿、私とアンネ…で同室とはね…」

 

「ま、良かったんじゃない?」

 

「私は満足です…」

 

「別に気にならないわね。」

 

「どうしましょうか?寮母さんに色々聞きに行く?」

 

「何を聞くのよ…」

 

「チャームよ。どう考えてもあそこのラックに入らないでしょ?」

 

「この腕輪に入ってるじゃない」

 

と、アンネリーゼは右手の腕輪を見せる。因みに同じ物を全員持っている

 

「それもそっか。」

 

と、ここで結がなにか思い出したようで…

 

「所で拳銃と刀とライトセイバー持ってきてるよね?」

 

「当たり前じゃん」

 

「私と椿はそもそも刀を持ってないけどね」

 

「それは言わないお約束でしょう?」

 

「確かにね」

 

そんな話をしていたらドアをノックされた。

 

「はーい!」

 

全員右腰の拳銃に手を添えて代表として結が対応する。

 

ガチャ…

 

「どうされましたか?」

 

見れば同じく新入生二人が外に立っていた。一人は赤髪に赤い目、二人目は緑の髪に紫の目をしていた。赤髪のほうが答える。

 

「お隣さんだから挨拶に来たんだよ。俺は赤月雫って言うんだ。で、こっちが」

 

「緑川雀です…」

 

「これはご丁寧に…立ち話は何なので中でやりませんか?」

 

「お言葉に甘えさせてもらうぜ。おじゃましま~す」

 

「お邪魔します…」

 

と二人入って来た。

 

「あれ?この寮って二人部屋じゃなかったか?」

 

残りの三人を見て目を見開いて言う。

 

「あなた達と同じ様に遊びに来てるのよ」

 

「なるほど、それでか」

 

「私から自己紹介を。船坂結です」

 

「船坂天音だよ〜」

 

「船坂椿…」

 

「アンネリーゼ・フリーデグンデ・フォン・オットーよ」

 

 

「気を悪くしたらすまねえが…船坂って…アノ船坂か?」

 

「第二次台湾奪還戦のことを言ってるならそうよ?その娘が私達」

 

「へえ…って事は…船坂百之助大将はチャームを使わないってマジなのか?」

 

「いいえ、完全自立型のを使ってるわよ?ソヤだったかしら?ほんとに私達と同じような外見のチャームで人間にしか見えないわ」

 

「マジかよ…まだ第4世代のチャームが配備されたばっかりだぜ…ってラックにチャーム無いじゃねえか!」

 

「あ〜入らないのよ…大きすぎて…」

 

「は?」

 

「天音。」

 

「はいは〜い」

 

そう言って腕輪からチャームを出して装備した。

 

「これ全部合わせてチャームなのよ」

 

雫の目は見開かれそして感想を口にする。

 

「は?多くね?そしてでかくね?」

 

「凄い!凄い!どこ社製ですか!第なん世代ですか!?」

 

雀がいきなりテンションが上がり超舌になり始めた。

 

「お、落ち着いて…これは私の家のファクトリーが本気で作ったGPCシリーズっていう試作機よ。これはGPCー02スノードロップ。広範囲殲滅型のチャームよ。」

 

「って事は3人とも!」

 

「GPCシリーズよ」

 

「貴女は!何のチャームを!?」

 

と、アンネリーゼに食いついてきた。

 

「私もGPCシリーズよ全部合わせて5機あるわ」

 

 

因みにGPCー00もあるのだがそれは結の弟が持っている。

 

「残り一機は他の人が持ってるけどね。」

 

「凄いですね!量産はしないんですか!?」

 

「おい…一回落ち着け。すまん同室が。」

 

「すみません…」

 

雀は完全にやらかしたと思ったらしく沈んていた。

 

「いいえ構わないわ。量産はしないと思うわ。恐ろしくコスパ悪いもの」

 

そこに天音が補足する。

 

「多分ダウングレードしても高過ぎて作れないから打ち止めだと思うよ〜?」

 

「でもオットーさんは何でGPCシリーズを?」

 

「アンネリーゼで良いわよ雀さん。私の母が船坂大将の姉だからよ」

 

「なるほど…」

 

「所で貴女達はなんのチャームを?」

 

「アステリオンだ」

 

「ダインスレイフカービンです」

 

「へえ…って言うかダインスレイフカービン使ってる人いたんだ〜」

 

この瞬間雀の表情が曇ったのを結は見逃さなかった。

 

「天音!」

 

「へーい」

 

「ごめんなさいね」

 

「え?」

 

「貴女のチャームを侮辱したような物だわ。こちらの落ち度です。妹に代わり謝罪します。」

 

「いえそんな!」

 

「結姉…私、以外だっただけで侮辱したわけじゃ無いよ?そもそも私の元々の愛機ダインスレイフカービンだよ?」

 

「あれ?そうだったかしら?」

 

アンネリーゼが肯定した。

 

「確かにダインスレイフカービン使ってたわね…」

 

疑問に思った天音が雀に聞く

 

「でも何故にダインスレイフカービン?」

 

「それは…母が現役時代に使ってたのがダインスレイフカービンだったからです…」

 

「なるほどそれはそうなるわね…で?何故貴女はアステリオンを使うのかしら?」

 

「近接戦闘で扱いやすいからだ俺は元々剣術やってたからな」

 

「あーなるほど…」

 

そう言いながら結は…刀を見せる。

 

 

「すげえ…船坂の人間は刀を持ってるってホントなんだな」

 

「私と椿は持ってないわ。そのかわりこれがあるけど」

 

アンネリーゼはライトセイバーを見せて起動する。

 

ブウン!

 

「お〜」

 

「凄い…」

 

こんな話をしたあといろんな話をしていたが…

 

結は時間を見て…青ざめた。夜ご飯の時間になってたからだ。

 

「いけない!晩ごはんの時間よ!」

 

「うっそぉ!」

 

「急いで!」

 

と、こんな感じでドタバタだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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入学式、そして決闘!?

翌日、入学式を参加する為に4人は体育館に向かう。人だかりの中に昨日の二人が見えたので声をかける。

 

「ごきげんよう雀さん、雫さん。」

 

「おう!」

 

「ごきげんよう…」

 

「これは何の騒ぎですか?」

 

「血の気の多い生娘共が決闘もどきをしようって話だ。」

 

「え!?何それ楽しそう!」

 

「あ〜ま〜ね〜?」

 

「冗談だよ〜…」

 

「あ、な、た、の!場合それじゃすまないでしょうが!」

 

と頭をグリグリする。

 

「やめてやめて!!冗談だから〜許してぇ〜」

 

流石に大声で天音が叫んだので一斉に振り向く。そして腰についてるものを見て口々に言う…

 

「拳銃?なんて野蛮な…」

 

「刀なんて下げてるわ」

 

「筒状の物は何かしら…」

 

これには結が舌打ちをする。

 

……チッ!

 

騒ぎの中心人物が結に声をかけた。

 

「ねえ〜そこのあなた〜?私とチャームを交えていただけないかしらぁ〜?」

 

「貴女は誰か?」

 

「あらこワァ〜イ〜ゾクゾクするわ〜」

 

これには流石に悪寒を覚えた。

 

「先に名乗ってもらおうかしら?」

 

そう言いながら…拳銃…14年式南部拳銃に手を添えた。

 

「やる気ね〜私は鷹司綾(たかつかさ あや)よ〜」

 

余談ではあるがこの娘はあの遠藤亜羅椰の娘である。

 

「これはご丁寧に…船坂結よ。」

 

「へえ…あの船坂?」

 

「ご想像におまかせするわ」

 

チャキン!カキン!ガチャ!チャキン!カチャ。

 

弾を実弾から非殺傷のゴム弾に変えホルスターに戻す。そして刀を抜く。

 

「チャームは使わないのかしらぁ〜?」

 

「私のチャームは、火力が高すぎて周りのギャラリーごと吹き飛ばしかねないものだからこの刀と…これで相手するわ」

 

右手に刀を左手にクロスガードライトセイバーを構える。

 

ブウン…

 

起動すると赤く光る刃が形成された。

 

「フフフ…そうこなくっちゃね!」

 

そう言っていきなり上段からチャーム…アステリオンを抜き放ち斬りかかってきた。それをライトセイバーで受け止め刀で下段から切り上げる。

 

「ツ!」

 

綾は、刀を緊急回避、距離を取る。

 

「バレバレよもう少し隠しなさい奇襲の意味がないわ…こうやるのよ!」

 

今度は結が斬りかかる。その際瞬間移動したように見えた。

 

「縮地!?」

 

「ええ、でもこの縮地は武道の縮地でレアスキルじゃないけどね!」

 

ライトセイバーで流れるように斬りかかる。それをアステリオンで受けようとするが…

 

「遅いわよ?」

 

アステリオンを…躱し、喉元に突きつけアステリオンを刀で受ける。

 

「…完敗よ…」

 

そう言うと周りから歓声が上がった。その言葉を確認してライトセイバーを左腰に吊るし直し刀を回転させて納刀し、相手に一礼する

 

 

「ありがとうございました」

 

「こちらこそ勉強になったわぁ〜次はチャームを抜かせて見せるから期待して〜?」

 

「楽しみにしてるわ」

 

そうして手を握って綾を立たせると、教師が来た。

 

「これ!何をやっておるかァァァァァ!!入学式初日からやる阿呆が何処におるか!たわけ!早う入らぬか!」

 

ギンである。因みに百合ヶ丘の教師は初等部から高等部まで行ったり来たりしている。

 

「誰かと思えばギンじゃ無いですか」

 

「おお〜結か大きくなったのぉ〜……では無くてじゃな!ええぃ小娘共さっさと準備せぬか!」

 

と、ギンに叱責されながらの入学式となった。

 

因みに結と、綾は反省文を書かされたことをここに追記しておく。



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クラス分け。そして父と、母の元戦友

入学式の後、クラス分けが発表され、各自のクラスに移動する。

 

結は、クラス分けを見てびっくりしていた。他のメンツも同様である。

 

「椿組ね、全員。」

 

「珍しいね〜だって同じ家の人間が4人も居るんだよね〜」

 

「…裏ありそう…」

 

「あの事に気付いたとか?」

 

「「「それは無い」」」

 

アンネリーゼに三人が突っ込む雫はそれが気になったようで…

 

「結、あの事ってなんだ?」

 

「あ〜知らない方がいいと思う…」

 

「水臭いこと言うなよ。」

 

「ここで言うのもなんだから後でね」

 

「……了解」

 

初めてのクラスで初めての人が多いようだ。周囲を観察していた結が呟く

 

「………ここの生徒全員編入組ね。」

 

「え?」

 

雀がなんでそんなとこが分かるのかという顔をしていた。

 

「雰囲気がまばらなのよ。実戦を経験してる人とそうでない人が、風格が違うのがちらほら居るのよ。それに、明らかにここの環境にいた娘が一人も居ない。」

 

「なんでそう思ったんですか?」

 

「……百合ヶ丘に元々いたのならば感じる雰囲気と感覚がこのクラスからは感じない。ということは全員編入組よ。私の母も父もここの卒業生だから分かったのだけれどね」

 

「な、なるほど」

 

「けれどおかしい…このクラスだけ編入組って…何かあるのかしら…」

 

と考えていた時に、一人の女性が入って来た。外見はまだ十代に見える。紫色の髪にグリーンの目をした女性だ。

 

「はいはい、皆さん席につきなさい。ホームルームを始めるわよ」

 

全員席についた。

 

「今日からこのクラスの担任になる番匠屋依奈です。よろしく。聞きたいことがあれば何でも聞いて頂戴。」

 

早速、結が手を上げる。

 

「はい、そこの方、船坂結さん」

 

「はいこのクラス編成…おかしくありませんか?」

 

「どうしてそう思うのかしら?」

 

「強いて言うならば雰囲気とオーラが全員違います。さらに言えば百合ヶ丘特有の雰囲気の方はこのクラスには教官しかいませんし、実戦を経験してる方とそうでない方の雰囲気とオーラが、別々です。」

 

「なるほど…ちなみに貴女は実践経験はあるのかしら?」

 

「はい、あります」

 

「でも書類には普通の小学校となっていますが?」

 

(やっぱりそうきたか…)

 

「3年前に大きな作戦が行われましたよね?」

 

「第二次台湾奪還戦ね……貴女まさか!?」

 

「そう、そのまさかです。元第8空挺師団に参加してました。もちろん天音、アンネリーゼ、椿もです。」

 

ザワザワザワ……

 

これにはクラス中がざわついた。そして依奈は天を仰いた。

 

「まさか…百之助が自身の娘を自ら戦場に放り込んだと言うの…」

 

「いいえ、自ら志願しました、経験を積む為に。」

 

「貴女達…一歩間違えてたなら死んでたわよ…」

 

「ええ、別に構いません名誉の戦死ならば我が一族の本懐なれば。」

 

「まさしく船坂家の典型的な考え方ね。同じ事を百之助、いえ、帝政大日本帝国近衛軍大将、第一遠征打撃軍司令官兼突撃擲弾兵総監船坂百之助が言っていたわ。」

 

「なるほど、父の戦友でしたか」

 

「元よ、それに私も貴女と同じ戦場にいたわ…見るものすべてが地獄で…辛くなって…それで教官をしているの」

 

「そうでしたか…お疲れ様でした…少佐」

 

「なぜ私の階級を?」

 

「父がなぜあの馬鹿はこの職に付いたのだ!と、言ってましたからね。」

 

「やっぱり彼と同じ様にはなれないわね…彼を支えられたなら良かったのだけれど。」

 

「父は、こうも言ってました、《俺は運が良かった、いろんな人に助けられた。だからそれを少しでも返したい、…が戦いしか知らないが故に、戦い続けることで返したい。そしてまだ見ぬ子孫たちのために、子どもたちの為に、明日を生きる人々の為に奴らを殲滅するまで戦い続けることで俺の祈りとしたい。》と」

 

「……あのバカ…」

 

「番匠屋教官、父は、あなたに向けてこう言ってました。《貴女にマギの加護があらん事を》と」

 

この言葉は運命の囚人が別れ際に言うものである。船で言う貴船の航海と無事を祈ると同じような意味である。

 

「そう…彼らしいわね…さてと、全員自己紹介してもらいましょうか。」

 

そう依奈は気を取り直して言った。

 

 



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