愛し愛されて・・ (もにゅもにゅ)
しおりを挟む

入学式 出会い

皆さん始めまして。この小説に興味をもってくれてありがとうございます。
読んで頂けると嬉しいです。



暖かい日の光で目が覚める。小鳥のさえずりも聞こえ、もう起きる時間になってしまったようだ。

 

「う〜ん・・・後5分・・・」

 

起きなければいけないとはわかっているもののベットからでる気になれない。

どうやら僕のベットにだけ重力が強くなっているようだ。体を起こすこともままならない。

だめだ・・・早くベットから出・・・ない・・・と・・・zzz

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(コンコン、ガチャ)「おはようございますアミ様。起床の時間でございます。」

 

「あともうちょっとだけ・・・」

 

「だめです。本日はこころ様と一緒に花咲川学園にご入学する日です」

 

花咲川学園・・・確か去年まで女子校だったけど生徒の数が年々減っていて

今年から共学になった高校だったような・・・

 

「こころ様と奥様は既に朝食を召し上がられております。」

 

「わかったよ・・・」

 

「ついでに本日の朝食はフレンチトーストです」

 

「本当!? すぐに行かなきゃ!」ダッシュ

 

「・・・まだ子供ですね」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

朝食を食べ終えた僕は自分の部屋に戻り、学校に行く準備をしていた。

パジャマを脱ぎ捨て制服に着替える。花咲川の制服は男女どちらも茶色が

ベースになっているけど胸元は男子がネクタイ、女子はリボンになっている。

鏡を見てみると僕の銀髪といい感じにマッチしており、我ながら似合っていると思う。

 

「っと、そろそろ行かなきゃ」

 

鏡から離れてバックを持ち自分の部屋から出る。

 

「ふんふ〜ん♪」

 

僕は鼻歌を歌いながら玄関に向かう。玄関には黒い服の人が待っていてくれていた。

 

「アミ様 既に車の手配はすんでおります。どうぞお急ぎください」

 

「ありがとう黒い服の人!ところで今日の入学式にお父様とお母様は来れるの?」

 

「ご主人様と奥様は午前の予定は空いておりますので、入学式に出席されます」

 

「そうなの!?やったー!・・・ってもう行かなきゃ!」

 

「はい、気をつけていってらっしゃいませ」

 

「うん!いってきま~す!(ハグ)」

 

「・・・っ!」

 

「?顔が赤いよ?大丈夫?」

 

「い、いえ・・・大丈夫です・・・。」

 

「そうなの?じゃあ行ってきます!」

 

僕は急いで車に向かう。こころお姉ちゃんは既に車に乗っていてた。

 

「遅かったわねアミ。何かあったの?」

 

「ちょっと準備に時間がかかっちゃってね・・・」

 

「お二人様方、出発しますのでシートベルトをつけてください」

 

「わかった(わ)!!」

 

シートベルトをつけると、車は出発する。こころお姉ちゃんは外の景色を見て

楽しそうにしている。目をキラキラさせて、景色を見るこころお姉ちゃんは

元の顔が整ってるのもあるが、とても可愛く見える。まるで宝石がたくさん詰まった

宝箱みたいでつい見惚れてしまう。

 

「どうしたのアミ?私の顔に何かついてるかしら?」

 

「ううん。こころお姉ちゃんが可愛くて・・・」

 

「本当!?とっても嬉しいわアミ!けどアミだって可愛いわよ?

 ほっぺだってこんなにもちもちしてるもの!(ムニュムニュ)」

 

「わわわっ!? くすぐったいよ・・・!」

 

「とっても柔らかいわ!マシュマロみたいね!(ムニュムニュ)」

 

「や、やめてよぉ・・・」

 

 

 

結局、花咲川学園に着くまでずっとこころお姉ちゃんにほっぺを揉まれていた。

まあこころお姉ちゃんは十分に満足した様子だったからいいけどね・・・

 

そういえば花咲川学園に着いたとき運転手が鼻にティッシュを入れて

泣きながら「尊い・・・尊い・・・」って呟いてたけど何かあったのかな?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

校門の前で記念写真を撮り、ぼくたちはクラス分けの掲示板に向かう。

 

「えっと僕のクラスは・・・」

 

掲示板の前の人だかりが多いので少し背伸びしながら見ようとする。

 

「弦巻・・・弦巻・・・あった!A組だ!」

 

どうやら今年はA組のようだ。

・・・ってあれ?

 

「なんで・・・アミと一緒のクラスじゃないの・・・?」

 

こころお姉ちゃんの目はいつものキラキラが消えて、ハイライトが失われている。

まるで目の前で宝物を壊されたよう子供のように悲痛な顔をしている。

 

もう一度クラス分けの掲示板を見ると、どうやらこころお姉ちゃんはC組のようだ。

今まで偶然(黒い服の人たちのおかげ)にも同じクラスだったこともあり、

ショックはかなりのもののようだ。

 

「えーとっ・・・こころお姉ちゃん?その・・・大丈夫?」

 

「ええ・・・大丈夫よ・・・」

 

「まあ・・・クラスは違うけど休み時間とかはいつでも会えるし、お昼ごはんも一緒に

食べれるから大丈夫だよ!それに学校で会えない時間分を別のときに一緒にいればいいし!

例えば・・・一緒に寝るとか!」

 

「そうよね・・・。学校でも会えるものね!」

 

どうやらこころお姉ちゃんは元気になったようだ。目もすっかりいつもの輝きを取り戻していた。

 

「さあアミ!早く行きましょう!」

 

「うん!」

 

その後、僕達はそれぞれの教室に向かった。

A組には既に何人かいて、席に座って本を読んでいる人や、隣の人と喋っている人もちらほらいる。

 

「僕の席は・・・一番後ろか」

 

僕は自分の席に座り荷物を置く。隣には既に人が座っているようだ。

 

(猫耳?みたいな髪型してるなぁ)

 

なんて思っていると猫耳の人が声をかけてきた。

 

「はじめまして!私、戸山香澄っていうの!これからよろしくね!」

 

「こちらこそよろしくね香澄ちゃん!僕は弦巻アミっていうんだ!同じ学年に双子のお姉ちゃんがいるから

アミって呼んでね!」

 

「アミ・・・?珍しい名前だね!アミってどういう意味があるの?」

 

「確かお母様は(明るい未来)と(愛される未来)って意味があるって言ってた気が・・・」

 

「わぁ・・・素敵だね!」

 

「そうだね、僕もそう思うよ。そういえば香澄ちゃんの髪型ってどうなってるの?猫耳?」

 

「これは星をイメージして作ったんだ〜!どう?似合ってる?」

 

「うん!すっごく似合ってるよ!」

 

「本当!? やったー!」

 

香澄ちゃんは目を星のように輝かせながら喜んでいる。そういえばよく見ると目の輝きや性格が

少しこころお姉ちゃんに似ているような気がする。こころお姉ちゃんみたいに無邪気に喜んでいる

姿を見て、心がやんわりしてくる。

 

「・・・可愛いなぁ」

 

「か、可愛い!?そんな急に言われちゃうと・・・照れちゃうよ・・・」かぁ〜

 

「ご、ごめん!・・・でも可愛いのはホントだよ香澄ちゃん?」

 

「えへへ・・・///」

 

香澄ちゃんは顔を真っ赤にして恥ずかしがりつつも嬉しそうに笑ってる。照れてる姿もまた可愛い。

 

「・・・あなた達、いつまで話しているんですか?もう入学式が始まりますよ?」

 

「「えっ?」」

 

マーメイドグリーンの髪色をした先輩に話しかけられ、周りを見てると先輩を含めた

僕達三人以外誰もいなくなっていた。時計を見ると29分を指している。

入学式は30分に開始される予定だった気が・・・

 

「アミくん走ったらまだ間に合うよ!」

 

「わわわっ!」

 

香澄ちゃんは僕の手をとり、全速力で体育館に向かう。後ろから先輩の怒鳴り声がかすかに

聞こえたが今はそんなことに気にする暇はない・・・!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その後なんとかギリギリで間に合った僕達は無事入学式を終えることができた。

今日は初日ということで授業はなく、全員の自己紹介や簡単なガイダンスをした後

すぐに下校になった。

 

「忘れもの・・・なし」

 

今日渡されたプリントや教科書を机の中に入れ忘れてないか確認しバックを持ち

こころお姉ちゃんのところへ迎えに行こうとする。

 

「じゃあね香澄ちゃん!また明日!」

 

「待ってアミくん!一緒に帰ろーよ!」

 

「ごめんね!車で迎えに来てもらってて・・・」

 

「車ってもしかして朝校門の前に止まってたおっきくて黒い車のこと!?」

 

「そうだよ?そんなに驚くことかな?」

 

「驚くよ!あんなおっきいの始めて見たよ!?」

 

「?家にはあと5台くらいあるよ?」

 

「アミくんの家っていったい・・・?」

 

香澄ちゃんは目を丸くして驚いている。確かあの車は外国で作られているからあんまり見かけないのかもしれない。

(違う、そうじゃない)

 

(ドア、バーン!)「アミー!帰りましょー!]

 

「あ!こころお姉ちゃん!それじゃ香澄ちゃんまたね!」

 

「うん!バイバ~イ!」

 

香澄ちゃんと別れて、こころお姉ちゃんと一緒に迎えに来てくれた車へと向かう。

すでに出発準備を迎えに来てくれた運転手さんにお礼をいい、僕達は車に乗る。

 

「それでは出発いたします。」

 

僕達の乗せた車は花咲川学園を後にし、出発する。

 

僕は帰宅中の人たちをぼんやり見ながらのんびりする。

 

「ねえアミ」

 

「?どうしたのこころお姉ちゃん?」

 

こころお姉ちゃんが僕に話しかけてきた。

 

「さっき教室で仲良く話してた女の子は誰?彼女?」

 

「え?」

 

こころお姉ちゃんは僕の手を急に強く握り、噛み付かんばかり顔つきでこちらを見てくる。

 

「こころお姉ちゃん?」

 

「ねぇ、アミ?どうなの?」

 

「ち、違うよ!今日できた友達だよ!」

 

「あら?そうなの?・・・それは良かったわ!」

 

お姉ちゃんは先程の怒った様子は消え、いつもの笑顔に戻る。

 

「ねぇ、アミ。・・・もし、アミに彼女とかできたら・・・私に伝えてね?」

 

「う、うん・・・」

 

このとき僕は初めてこころお姉ちゃんの笑顔を可愛いと思えなかった・・・。




次回から更にバンドリキャラとの絡みが増えます。
もしよかったら評価、感想よろしくお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ハロハピ始動①

稚拙な表現ながらもまた書きました。
感想と評価もをらえると嬉しいです!


入学してから早くも一ヶ月たった。個性的なクラスメートに囲まれながらも日々楽しく学校生活を過ごしている。けれど僕も高校生になったことだし授業は真面目に聞いて勉強を頑張ろうと思う!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・であるからにして・・・」

 

「すぴー・・・すぴー・・・」

 

(キーンコーンカーンコーン・・・)

 

「時間なので授業を終了します。弦巻くんは放課後に職員室まで来なさい」

 

「すぴー・・・」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「アミくん!アミくん!起きて〜!もう放課後だよ〜!!」

 

「アミさん起きてください!早起きは三文の得ですよ!」

 

「あはは・・・イヴ。それはちょっと意味が違うよ・・・」

 

「アミすごく幸せそうに寝てる。うさぎみたい」(パシャ)

 

「すぴー・・・」

 

「アーくん起きてー!」

 

「ん・・・あれ?授業始まるの?」

 

僕は皆の声に起こされ伸びをする。どうやらかなり熟睡していたようだ。

 

「アミ・・・もうとっくに終わったよ・・・。」

 

紗綾ちゃんは苦笑いをしながら既に授業が終わったことを伝える。

 

「ほっぺ揉んでみても全然起きなかったね。(ムニュムニュ)」

 

「おたえちゃん・・・ほっぺ揉むのやめてよ・・・。」

 

「そういえばアミくん先生に呼ばれてたよ。・・・居眠りの件で。」

 

「本当!?うぅ・・・先生に怒られる・・・紗綾ちゃん助けてよ〜!!」ハグ

 

「ア、アミ///!?」

 

「あー!!さーやに抱きついてるー!はぐみもするー!」ハグ

 

「三人とも楽しそー!!私も私も!」ハグ

 

「皆さん!私もハグです!ハグハグー!」ハグ

 

「なんか暖かそう。私もやるね!」ハグ

 

「は、離してよぉ・・・///」

 

「あはは・・・。」

 

結局僕達は5分ぐらいずっとハグしあったままでいた。紗綾ちゃんが顔を真っ赤になっていることに気づいてやっと僕達はハグし合うのをやめた。

 

「じゃあそろそろ僕行ってくるね。」

 

そう言い僕は職員室へとゆっくり足を向けようとする。しかしその足取りは重く、ついには教室のドアの前で止まってしまった。

 

「うぅ・・・、イヴちゃ〜ん・・・やっぱり行きたくないよ〜!」ハグ

 

「はい!ハグですね!アミさん、(当たって砕けろ)ですよ!」

 

「はぐみちゃ〜ん・・・」ハグ

 

「あーくん元気になってー!!」

 

「香澄ちゃ〜ん・・・」ハグ

 

「アミくんしっかりして〜!」

 

「おたえちゃ〜ん・・・」ハグ

 

「うん。すごく抱きごこち良いね。今度オっちゃんと一緒抱き合いながらに寝ようよ」

 

「りみちゃ〜ん・・・」ハグ

 

「え、えーと頑張ってね?」

 

「紗綾ちゃ〜ん・・・」ハグ

 

「も、もう抱きつのはやめてぇ〜・・・///」

 

「それじゃあ皆行ってくるね〜・・・」

 

そう言って僕は先生のいる職員室へと向かう。僕が悪いとはいえこれから怒られると考えると憂鬱で仕方ない。気分はまるでインフルエンザの予防接種を受ける前みたいだ。

 

なんて思っているとこころお姉ちゃんがスキップしながら僕の方に近づいてきた。

 

「あら、アミ?元気がないみたいね?」

 

「あ、こころお姉ちゃん」

 

「アミにそんな悲しそうな顔は似合わないわ!ほら笑顔笑顔!」

 

「こころお姉ちゃん・・・。」

 

どうやらこころお姉ちゃんは僕を励ましてくれているようだ。確かにもう怒られる未来は変えられないし僕が悪いからウジウジしてたってしょうがない。

 

「アミとっても素敵な笑顔だわ!元気になったようね!」

 

「うん、ありがとうこころお姉ちゃん!」

 

「アミも元気なったし、一緒に楽しいこと探しをしましょう!」

 

「ごめんねこころお姉ちゃん、この後職員室に行かないと行けないんだ・・・」

 

「そうなの?それは残念ね。じゃあ私だけで楽しいこと探しをしてくるわね!」(タッタッタッ・・・)

 

こころお姉ちゃんと別れた僕は職員室へと再び足を向ける。先程の憂鬱な気持ちは消えて

頑張ろうという気持ちへと変化してる。これもすべてこころお姉ちゃんのおかげだ。

もしかしたらこころお姉ちゃんは人を元気にさせる魔法使いなのかもしれない。

 

「着いた・・・。」

 

そんなことを考えていると職員室に着いた。息を整えて制服が乱れていないか確認し、

ドアをノックする。

 

「・・・失礼します。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日の昼

 

「・・・で説教一時間と反省文の処罰?」

 

「うん・・・これから反省文を提出するんだ」

 

「ちょっと見せてもらっていい?」

 

「うん。いいよ」

 

「・・・高校生が書いた文とは思えないんだけど・・・」

 

「昨日の夜に反省文を仕上げようと思ったけどうまく筆が進まなかったから結局黒い服の人たちに頼んで国語の先生?みたいな人を呼んで書き方とかを教えてもらったんだ。」

 

「だからこんなに読みやすいんだ・・・」

 

確かに先生の教え方はわかりやすかったし添削もしてくれたから読みやすいのかもしれない。おたえちゃんに読んでもらった時、

 

「ホントにアミが書いたの?」

 

と言われたくらいだ。

 

「それじゃあ紗綾ちゃん、提出してくるね」

 

「うん、いってらっしゃい」

 

「いってきま~・・・」

 

(ドア、バーン!)「アミー!世界を笑顔にしに行くわよ!」

 

「こ、こころお姉ちゃん!?僕これから用事があって・・・」

 

「ほら!早く早く!」

 

「わっ!手を引っ張んないでよぉぉぉ・・・」

 

「・・・行っちゃった。アミが置いてった反省文どうしよ・・・?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

Side 花音

 

(昨日は凄いことに巻き込まれちゃった。メンバーは見つからなかったけど・・・)

 

「かーのんっ。お昼行こっ。今日の限定メニュー、やばいらしいよー」

 

「うん・・・。あ・・・」

 

廊下を見てみるとこころちゃんが銀髪の男の子の手を握りながら生徒に話しかけていた。

 

「ねえあなた!あたしと一緒に、世界を笑顔に・・・」

 

「あっ、ご、ごめん弦巻さんっ。私今から、お昼食べに行くからっ。」(タッタッタッ・・・)

 

 

決してその様子は順調ではなく虚しくもこころちゃんの誘いは断られてしまっている。

 

「あっ、出た。弦巻こころ。上級生の教室にも平気で入ってくるってうわさ、本当だったんだ。隣の弟のアミくんも困ってんじゃん・・・。あんな姉がいたら大変そうだよね。」

 

(『世界を笑顔に』・・・たしかこの前も、言ってた・・・)

 

「あの子たち、有名・・・なの?」

 

「まーどちらかといえば弦巻こころのほうが有名だね。それよりさっ今日の合同演劇発表会行く?」

 

「行くいく〜!こんなビッグイベント、逃せないって!なんてったって相手はあの・・・」

 

「あっ!花音じゃない!2年生だったのねっ!」

 

「「知り合い!?」」

 

「花音がいるなら話が早いわ!今日のお昼はとっても楽しくなりそうっ。もっともっと、バンドについて教えてほしいのっ。」

 

「え、わ、わ、私・・・っ」

 

「さあ、花音!アミ!行くわよ!」

 

「ちょっ・・・ちょっと待って・・・」

 

私とアミくんはこころちゃんに手を引っ張られてそのままどこかに連れ去られてしまった・・・。

 

Side out 花音

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「・・・えーとっ、こころお姉ちゃん。この人とはお友達なの?」

 

僕は今、こころお姉ちゃんと空色の髪色をした気の弱そうな女の子と一緒にお昼ごはんを食べている。こころお姉ちゃんとは面識はあるみたいだけどまだ面識のない僕がいるからかずっと「ふぇぇ・・・」と呟いている。

 

「バンドのメンバーよ!ドラムを担当しているわ!」

 

「こころお姉ちゃんバンドやっての?だから昨日ギターの本を読んでたんだね」

 

「そうだわアミ!あなたもバンドに入らない?」

 

「いいの!?」

 

「もちろん!花音も良いわよね!」

 

「う、うん・・・。アミくんは何か楽器はできるの・・・?」

 

「ピアノならある程度やってたよ!」

 

「決まりね!これでバンドメンバーが三人になったわ!」

 

「これからよろしくね、アミくん。」

 

「こちらこそ!えっと・・・」

 

「松原花音だよ。気軽に花音ってよんでね。」

 

「わかった!花音ちゃん!」

 

「さあ!メンバーも三人になったし、ギターを弾ける人を探しましょう!」

 

「確か昨日こころお姉ちゃんがよんでた本には『ギターと言えば、バンドの華っ!!』って書いてあったよね?」

 

「そうよ。だからあたし、すっごく目立つ人を入れたいの!」

 

「め、目立つ人・・・ですか」

 

「そう。目立って、すっごい注目されて、有名人で、バンドの顔!になりそうな人、花音とアミは知らない?」

 

「「うーん・・・」」

 

こころお姉ちゃんに目立つ人を知ってるかと聞かれた僕達は誰かいないかと思考を巡らす。

そんな時、二人の生徒の会話が僕達の耳に入った。

 

「演劇発表会、やっと来たね〜!このポスターの瀬田薫、写真で見てもかっこいい〜っ。どこから見ても王子様だよね!」

 

「彼女のいる羽丘女子学園の体育館でやるんでしょ?薫様ファンで、入りきらなさそうで心配・・・あたし授業終わったらもう、走って行く!」

 

「「「瀬田・・・薫・・・」」」

 

どうやら瀬田薫という人が今日、演劇発表会をするらしい。僕のクラスでも少し話題になっていたような・・・

 

「演劇発表会・・・さっき友達が言ってました・・・今日の放課後にある、すごい・・・人気のイベントだって・・・」

 

「ーーうん。すごくいいっ。すごくいいわ!花音、アミ、あたし決めた。あの瀬田薫を、あたしたちのバンドのギターにする!」

 

「ふぇっ!?で、でも・・・会ったこと、あるんですか?」

 

「今から会いにいくのよ!」

 

「けどこころお姉ちゃん。もう昼休み終わっちゃうよ」

 

「あら、本当ね。それじゃあ放課後にまた集合しましょう!」

 

「う、うん・・・(本当に大丈夫かな・・・)」

 

こうして僕達は放課後また集まることにし、それぞれの教室に戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、反省文提出するの忘れてた・・・」




ハロハピ始動とタイトルにありますけど1年A組のバンドリキャラとハグばっかでしたね。
ついでにアミくんのハグは昔外国に旅行したとき白色の髪色をした女の子に感化されたものです。
次からはハロハピのメインストーリーを中心でいきます!

最後に読んでいただきありがとうございました!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ハロハピ始動②

薫さんとはぐみちゃんの登場シーンです。
投稿が遅くなってしまってごめんなさい。



放課後になり集合した僕達は瀬田薫という人をバンドのギターとしてスカウトするために

羽丘女子学園に向かい、合同演劇会をみることにした。

 

「あぁ・・・風よ、吹け。頬を突き破らんばかりに吹け!吹き荒れるだけ、吹け!」

 

「はわわ・・・かっこいい・・・!」

 

彼女の演技はとてもうまく、本物の王子様にしか見えない。周りを見ると人がバタバタと倒れている。かくいう僕も彼女の演技に見惚れてしまい、胸が熱くなっているのを感じている。

 

「す、すごい演技だねアミくん・・・」

 

「はわわわ・・・」

 

「あれ?アミくん?しっかりして〜!」(ペシペシ)

 

「はっ!?ご、ごめん花音ちゃん・・・見惚れちゃってて・・・」

 

「あはは・・・気持ちはわからなくもないよ・・・」

 

「すごいわね花音、アミ!彼女が喋るだけでばたばた人が倒れていくわっ。これがカリスマよっ!決定だわっ!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「というわけで、やって来たわ!花咲川学園の弦巻こころよっ。演劇部の部室はどこかしら?」

 

「は、はい・・・」

 

「こ、こころちゃん、まだ舞台が終わったばっかりだし日を改めたほうが・・・」

 

「あ、こころお姉ちゃん、あそこにいるよ!外に行っちゃいそう!待ってーーーっ!」

 

「あ、アミくん!?」

 

「待ってー!・・・ってうわぁ!」

 

「っ!?アミ、危ない!」

 

僕は急に走ったせいか足がもつれてしまい、転びそうになる。手を前にだそうとしても間に合わず前のめりに倒れてしまう。

 

バタン!

 

「痛っ・・・!。」

 

「おっと・・・大丈夫かい?坊や?」

そう言い、僕に手を差し伸べてきたのは僕達がスカウトしようとしていた瀬田薫であった。

間近で見るとかなり整った顔をしており、男である僕でも惚れてしまうくらいの美貌である。

 

「さぁ坊や、私の手をお取り?」

 

「は、はひぃ・・・」

 

彼女がかっこよすぎてまともに返事ができない。今はまだ理性を保てているが早くしないとどうにかなってしまいそうだ。僕は彼女の手をとり、立とうとすると彼女とおもわず目が合ってしまう。

 

「さぁ・・・」ニコッ

 

「ブシャァァャァァァァァッ!!(鼻血)」

 

とうとう我慢できず鼻血を出してしまった。しかも鼻血をだした原因が彼女がかっこよすぎるからとかこころお姉ちゃんたちに知られたくない・・・!

 

「っ!?どうやら転んだ拍子に鼻を強くぶつけてしまったようだね・・・。このハンカチを使ってすぐに止血したまえ。」

 

「あ、ありがとうございます・・・」

 

鼻血が床に落ちないようにしつつお礼を言い、彼女のハンカチで鼻を押さえる。

それにしても顔だけでなく見知らぬ人に自分のハンカチを貸してあげる彼女の性格もまたイケメンである。

 

「アミ!大丈夫!?」

 

「アミくん・・・!は、鼻血が・・・!」

 

こころお姉ちゃんと花音ちゃんが心配そうにこちらに駆け寄ってくる。花音ちゃんはかなり動揺した様子だ。

 

「黒服の人!すぐにアミを治療して!」

 

「わかりました。アミ様こちらへ」

 

「え、ちょ、待って・・・」

 

「すみません。失礼します。」

 

黒い服の人は僕をお姫様抱っこで抱え、そのまま連れて病院にまで連れて行かれた・・・。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〜数日後〜

 

その後、僕は何人ものお医者さんから精密検査を受けて、念のために2日間も学校を休むことになった。クラスの皆から大量にメッセージがきて、こころお姉ちゃんはというと僕と会った瞬間に涙目で抱きついてきた。

 

そんなわけで2日休んだ僕だけどお医者さんに特に問題なしと判断され無事解放され、今僕はこころお姉ちゃんたちと商店街にいる。こころお姉ちゃん曰くバンドには後ベースが必要らしくそのためにポスターを配るからだそうだ。

 

「やぁ、坊や。怪我はもう大丈夫なのかい?」

 

「はい、もう大丈夫です。心配かけましたね薫・・・さん。」

 

「良かった・・・。心配したんだよアミくん・・・」

 

「ご、ごめんね」

 

どうやらこの二人にも心配かけてしまったようだ。これでもし鼻血を出した理由が瀬田薫がかっこよすぎて興奮しすぎたからとか知られたらどうなってしまうのだろうか・・・!

 

「さあ、アミも戻ってきたし早速ベースを探すわよ!」

 

「こころお姉ちゃん、ポスターを配るって言ってたけどどんなポスターなの?」

 

「これよ!バンドメンバー募集用・瀬田薫ポスター!!」

 

「困ったな・・・。私一人のアップの写真を使うなんて。どれも美しすぎて、一枚に絞るのに二晩寝ずに悩んでしまったよ・・・。」

 

こころお姉ちゃんが意気揚々に見せてきたポスターは薫さんがバラを口に咥え、ウインクしているものだった。

 

「学校で配るのはなぜか駄目だと言われたから、今日はとりあえず、ここで配るわよっ!」

 

「これでまた私のもとに、迷える子羊が殺到してしまう・・・」

 

「(他校の薫さんの顔が一面に印刷されてて・・・何をどう見ても目的がわからないポスターだって、生徒会の人たち、困ってたな・・・)

 

「来たれい〜〜っ、ベーシストーっ!!あたしたちと一緒に、楽しいことしよーっ!」

 

「さあおいで。子猫ちゃんたち。万物はすべて、等しく愛おしい・・・」

 

「皆〜!!僕達と一緒にバンドをやろ〜!!」

 

僕達三人は通行人に声をかけ、ポスターを配ろうとするが・・・

 

「おかーさん、なにあれ」

 

「しっ。見ちゃいけませんっ。ほら、あっちのクマさんにしよう!」

 

「「「「・・・」」」」

 

何故か反応が悪い。一体なぜなんだろうか?

 

「あ、集まらない・・・ですね・・・。」

 

「不思議ね。なにがいけないのかしら?」

 

「やはりそうか・・・すまない・・・また・・・!私の近寄りがた過ぎる美しさのせいで・・・」

 

「うーん・・・じゃあ近寄りやすい何かを置くとかはどうかな?」

 

「近寄りやすい何か・・・かぁ・・・」

 

「・・・」

 

「?こころお姉ちゃん?」

 

「・・・」

 

僕はある一点をみつめているこころお姉ちゃんに声をかけるも反応がない。不思議に思いこころお姉ちゃんがみつめている方に目を向けると、ピンク色の巨大なクマさんだった。

 

「ミッシェル!!あなた、このポスターを配って!!」

 

「(や・・・ちょっと・・・)」

 

「はいっ、これね!たくさん刷っちゃたの!あたしたちも頑張るから、よろしくね!」

 

そう言いこころお姉ちゃんは持ってるポスターをミッシェルというクマさんに渡した。

 

「ミッシェルー!何そのポスター?ちょうだーーい!!」

 

「ふふんっ!大成功ねっ!」

 

どうやらこころお姉ちゃんの思惑通りミッシェルにポスターを配らせたのはうまくいったようだ。僕達と比べてポスターがどんどんと配られていく・・・!

 

「あれ?あーくん?」

 

「は、はぐみちゃん!?」

 

聞き慣れた声に気づき見てみるとクラスメイトのはぐみちゃんがいた。

 

「あーくん!怪我はもう大丈夫なの?」

 

「う、うん・・・何とかね・・・」

 

「良かったー!皆心配してたんだよー!!」

 

うぅ・・・皆の心配が僕の心を痛める・・・!

 

「そういえばなんでこんなところに・・・ってクマ!?かわいいねこの子!なんていう名前?」

 

「ミッシェルよ!あたし達と一緒にバンドのメンバーを探しているの!」

 

「(えっえっ、待った待った!一緒じゃないっ。あたしはただバイトの研修中で・・・)」

 

「クマのいるバンドなんて珍しいね!」

 

「(違うってだから!メンバーじゃない!)

 

「あら?首をふってる・・・もしかして、メンバーになりたいの?言ってくれればいいのに!じゃあ、クマ枠で採用!」

 

「(や、やめろ〜!ていうかクマ枠って何!?)」

 

「ふふふ。こんなにはしゃいで。愛らしい。君を夏の日にたとえようか・・・」

 

「わーい!ハグしてミッシェル〜!」

 

「(ぐふぉ!お・・・思いっきりタックルされた・・・!)」

 

 

こうして未来のハロハピのメンバーが全員揃ったのだった。

明日からどんな日々が待ってるんだろう。。。

 




ハロハピの皆の中にアミくんを入れました。
キーボードが入ったハロハピを御覧ください。
良ければ感想コメントお願いします!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

キャラ紹介

時間が少しできたから書きました。これですこしでも自分の作品に興味を持ってくれたら嬉しいです・・・。


・弦巻アミ

 

・誕生日 8月8日

・身長 153cm(こころより2cm小さい)

・好きなもの 甘い物全般!(特に好きなのは家のメイドさんが作ったフレンチトースト)

・嫌いなもの 匂いが強いもの

・趣味 珍しいもの集め

 

弦巻こころの弟。見た目は銀髪ショートで赤色の目を持ち、顔はどこか幼さを残している。性格は純粋無垢で子供のようであり、女の子とハグをしたりお風呂に入るのも特に気にしない。

 

「ハロー、ハッピーワールド!」のキーボードを担当。たまにこころとツインボーカルをしている。

 

誰にでも明るく接することができるのでクラスメイトや色んな人から愛されているが思わぬ行動で周りを驚かしたり照れさせたりしてしまうことが多々ある。また「花咲川の異空間」と言われているこころとよく一緒にいることから一部では「花咲川の異空間の住人」と呼ばれている。ちなみにたまにハグをするのは昔フィンランドに海外旅行したときにとある女の子から教えてもらった。

 

 

・弦巻こころ

 

皆ご存知「ハロー、ハッピーワールド!」のボーカル担当。無邪気で自由奔放・天衣無縫ではあるが、弟のアミやメンバーのことをよく見ており、人の性格や本質を捉えることに長けている。少しブラコン。

 

昔、アミの純粋さや優しい所をつけ入れられてクラスメイトの女の子から彼氏という名の金づるにされていたことがあり、ブラコンであることも相重なってアミに彼女ができるのを阻止しようとしている。またアミを金づるにした女の子の所在は今も不明のままである。

 

〜弦巻家の裕福さ〜

海に行きたいと言ったら10分後にはハワイまでのジャンボジェットが手配されていた。

「体育のサッカーうまくできるかなぁ」と呟いたら翌日、バロンドール*1を受賞したことがあるサッカー選手の人がコーチとして来た。

12才の誕生日に外国の何とか法王がお祝いメッセージをくれた。

美術館に飾られている作品のシリーズの一部が家にある。

 

・ゲーム演出(バンド中掛け合い)

 

アミ→こころ

「こころお姉ちゃん!今僕最高に楽しいよ!」

「いい笑顔ねアミ!私達でさらに世界を笑顔にしましょう!」

 

アミ→はぐみ

「元気いっぱいなはぐみちゃんの演奏、僕は好きだなぁ!」

「本当!?えへへ・・・はぐみもっともっと頑張るね!」

 

アミ→花音

「花音ちゃん!ペース上げていこー!」

「ふぇぇ・・・ま、待ってください〜!」

 

アミ→薫

「すごい・・・薫さんのギターを弾く姿もかっこいい・・・!」

「フフ・・・アミの演奏もなかなかのものだよ。」

 

アミ→ミッシェル

「ミッシェルミッシェル〜!!こんな感じでどうかなぁ?」

「ライブ中に踊らないでくださーい。」

 

アミ→香澄

「香澄ちゃん!この調子で盛り上げていこ〜!!」

「イエ~イ!最高〜!」

 

アミ→りみ

「わぁぁ!ミスるミスる〜!」

「お、落ち着いてアミくん!」

 

アミ→紗綾

「じゃじゃ〜ん!どう?紗綾ちゃん!」

「あはは、アミ。いい調子だね。」

 

アミ→おたえ

「頼りにしてるよ、おたえちゃん!」

「任せて、アミ!」

 

アミ→有咲

「やった!うまくいったよ有咲ちゃん!」

「ちょ、おま、抱きつくな〜!」

 

アミ→蘭

「蘭ちゃん、準備はいい?」

「うんアミ。私も続くよ。」

 

アミ→モカ

「モカちゃん!ここは一気にきめるよ〜!」

「アミちんも一緒にモカってつぐってアミってこ〜」

 

アミ→ひまり

「ひまりちゃん!僕達も前に出てみよう!」

「オッケー、アミくん!エイ、エイ、オー!!」

 

アミ→つぐみ

「つぐみちゃん!大丈夫?」

「う、うん!大丈夫だよアミくん!」

 

アミ→巴

「巴ちゃん!ここは二人で!せーのっ!」

「いい感じだなアミ!」

 

アミ→彩

「彩ちゃん!このポーズ決まってる?」

「とっても可愛いボーズだよ!私もそれっ!」

 

アミ→千聖

「さすが千聖さん!女帝って感じがビンビンする!」

「なんだか褒められている気がしないのだけれど・・・」

 

アミ→日菜

「なんか・・・ギュワワワーンって感じがするね!」

「あははっ!アミくんの演奏もるんっ♪てするね!」

 

アミ→イヴ

「イブちゃん!いっくよ〜!」

「はい!私もお供しますよ!」

 

アミ→麻也

「こうやってお客さんが笑顔になってくるのを見ると嬉しくなりますね麻也さん!」

「そうですね!自分もドラムをやっていて良かったと思います!」

 

アミ→友希那

「友希那ちゃんの歌声・・・すごい綺麗・・・!」

「まだまだ全然よ、弦巻くん。私はさらなる高みを目指すわ!」

 

アミ→リサ

「ここで一気にいくよ!リサお姉ちゃん!」

「さっすがアミ〜!後でいい子いい子してあげるよ!」

 

アミ→燐子

「流石ですね、燐子さん!」

「ありがとう・・・ございます。けどアミくんも・・・上手・・・だよ・・・。」

 

アミ→紗夜

「へへーん!いい流れが来てるよ〜!」

「弦巻くん!あまり先走りしないでください!」

 

アミ→あこ

「あこちゃん!あこちゃん!ハーイタッチ!」

「えへへ!アミちんもドーン!といこ〜!」

 

 

*1
プロ・サッカーの年間最優秀選手賞。フランスのサッカー専門誌が1956年に創設し、サッカー・ジャーナリストの投票によって決定される。




次は1月の模試が終わったあとかなぁ・・・


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ハロハピ始動③

早めにできたぁ・・・。
表現ちょっとヘンかも。


「あれ?ていうか・・・えっと、C組のこころちゃんだよね?A組の北沢はぐみだよっ、おなじ学校だねっ」

 

「んっ?・・・本当だわ、見たことあるっ。花咲川の生徒だったのねっ。なら話が早いわ!あなたバンドできないっ?」

 

「バンド・・・?うちの兄ちゃんがやってるよ!はぐみも最近、気になってたんだよね!でもバンドって、どんなことするの?」

 

「バンドだから・・・音楽じゃない?はぐみちゃん、ソフトボールとかスポーツ以外、なんにも知らないの?」

 

ツインテールの小さい女の子は呆れながらはぐみちゃんにそう言う。

 

「そ、そんなことないもんっ!でもバンドのルールとか、戦い方とか全然知らないなぁ」

 

「はぐみちゃん!バンドはルールはないし、戦わないよ!一緒に楽しいことをするんだよ!」

 

「そうよ!これから何をするか自由に決めるの!」

 

「ルールがない・・・戦わない・・・自由な・・・楽しい・・・こと・・・?じゃあやるっ!!はぐみも、メンバーになりたい!」

 

どうやらはぐみちゃんはメンバーになってくれるそうだ!これでメンバーが僕を含めて6人になり、とうとうバンドができそう!と思っていると

 

「あ・・あのっ。はぐみ・・・さんはベースが弾けるんですか?私達、ベースを募集しているんです・・・」

 

花音ちゃんが恐る恐るはぐみちゃんにベースができるか聞いていた。そうだった・・・確か僕達にはあとベースが必要だということをすっかり忘れていた。

 

「え。はぐみ、ベースをやるの?たしか・・・ギターより弦が少ないやつだよね?ギターは兄ちゃんに教わったことあるから、弦少ないしいけると思うよ。根性根性だねっ!!」

 

「げ、弦の数の問題だけじゃ・・・」

 

「決まりね!!入りたいって気持ちがあれば、何もいらないわ!」

 

「首尾よくメンバーが6人に揃った・・・残ったポスターは、私のファンのために貰っても?」

 

「ほ、本当に、すごい速さで揃えちゃった、こころちゃん・・・」

 

「流石だね!こころお姉ちゃん!」

 

「ふふん。それはそうよ!あたしはいつも、楽しい事しかしてないもの!楽しくなりたくない人なんて、いないでしょ?」

 

「そ、それは・・・たしかに・・・?」

 

「(いや・・・あたしはなりたくない・・・弦巻こころと楽しくなんて、なりたくないよ・・・!)」

 

「・・・?」

 

ミッシェルのほうを見るとどこか元気がないように見える。一体どうしたんだろうか?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日

 

SIDE 美咲

 

「はぁ・・・」

 

あたしは昨日あった出来事のせいでひどい頭痛に苛まれていた。まさかキグルミのバイトをしてるときに、弦巻こころにむりやりバンドのメンバーにされるとは・・・。

 

「る〜るるん♪バンド、バンド〜♪」

 

あたしの頭痛の種である弦巻こころはあたしの気も知らずに呑気にバンドのことについて考えていた。

 

「(現状、あたしはバンドのメンバーってことに・・・変なことに巻き込まないでって、ちゃんと断ろう)」

 

「る〜るるん♪あっ!そうだ!バンドといえば!ダーッシュ!」

 

「あの、弦巻さ・・・え?あれ?廊下にいる!?ちょ、ちょっと待った・・・!」

 

あたしが声をかけようとすると弦巻こころは廊下を走っていつの間にかどこかへ向かおうとしてた。

 

「あーもう!」

 

あたしはため息をつき、弦巻こころのあとを追うはめになった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・つかれた・・・」

 

結局あたしは一日中弦巻こころを追いかけていたが、尋常じゃないほどの体力と人間離れした運動神経でなかなか追いつくことができず、バンドを辞めることについて言うことができないまま、放課後になってしまった。このままだと弦巻こころに振り回される羽目になってしまうと思うと寒気がする。なんとかいい方法がないかと考えていると・・・

 

「あれ・・・確か弦巻こころに弟いたよね?」

 

弦巻こころの弟の弦巻アミ・・・色んな人に優しく、今年から共学になった花咲川学園の数少ない男子であることもあり弦巻こころほどではないがかなりの有名人とか聞いたような・・・。

 

「弦巻こころを追いかけるより、その弟に賭けるしか・・・」

 

あたしは疲れた体をなんとか動かし弦巻アミのいるA組に向かうがA組についた時、弦巻アミと今まで噂を聞いてるくらいで別に彼の顔を見たことがないのを思い出し、仕方なくA組の近くにいた女子にアミの所在を聞く。

 

「A組はここか・・・。あのーすみません。弦巻アミくんっていますか?少し用事があって・・・」

 

「アミくん?教室にいるよ!おーいアミくーん!この子がちょっと用事があるって!」

 

「ん?どうしたの?」

 

背の高い女の子とポニーテールのした女の子と話していた銀髪の男の子がこちらを向かってくる。どうやら彼が弦巻アミのようだ。

 

「えっと僕になにか用かな?」

 

「あ、えーと・・・あたし奥沢美咲っていうんだけど、その・・・バンドについてで・・・」

 

「バンド・・・つまり加入したいってこと!?」

 

「いや、そうじゃなくて・・・その昨日ミッシェルのバイトやってる途中に無理やりバンドに加入させられただけで、別にバンドとかやるつもりは・・・」

 

「?ミッシェルのバイト・・・?ミッシェルのお手伝いってことかな?」

 

「だからあたしがミッシェルで弦巻こころに無理やりバンドに加入させられてて困ってるの!」

 

「うーん?」

 

まさか・・・あたしがミッシェルだってことがわかってない?弦巻こころの弟だからある程度のやばさは覚悟していたがまさかこれほどとは・・・。

 

「んー?とりあえずバンドについてはこころお姉ちゃんに伝えたほうがいいんじゃないかな?こころお姉ちゃんがリーダーみたいだし。」

 

「(だから弦巻こころに会えないからあんたに伝えてるのに・・・!)あー・・・じゃあ、弦巻こころ・・・さんのところまで案内してもらっていいかな?」

 

 

「うんいいよ!けど・・・このあと僕用事があるから・・・こころお姉ちゃんたち先に家に帰っちゃうな・・・

わかった一緒に家まで行こう!」

 

「あーそれじゃあ明日とかでも全然大じょうb。」

 

「それじゃあ校門前に止まってある黒い車の前で待ってて!運転手さんには電話で伝えておくから!それじゃあね!」

 

「え!?明日でいいって・・・もう行っちゃった・・・。」

 

こうしてあたしは弦巻家に行くはめになった。これからどんなことが起こるかも知らずに・・・。

 

SIDE OUT 美咲

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

SIDE アミ

「え・・・?これ・・・家って言うか、屋敷って言うか・・・宮殿・・・?」

 

美咲ちゃんは僕んちを見て目を大きく見開いて驚いてる。僕は今までずっとすごしてたから特に何も感じないかな。

 

「あれ・・・?アーくんだ!おーいアーくん!!こっちだよー!」

 

聞き覚えのある元気なが聞こえてその方向にを振り返ると僕とミッシェル以外のバンドメンバーが既に玄関に揃っていた。

 

「ごめんね皆!遅れちゃって!」

 

「いいのよアミ!それで・・・後ろにいる人はさっき黒服が言ってた・・・えーとっミッシェルの・・・」

 

「あぁ、もう伝わってるのか。えっと、その、あたし・・・」

 

「んー?でも・・・困ったわね。ミッシェルがいないんじゃ、会議にならないわ。」

 

「いや、あの、あたしがミッシェルだから!ミッシェルの中の人!わかる?」

 

「・・・?ミッシェルはクマよ。あなたは女の子だわ。あんまり・・・似てないと思うけど?」

 

「そうだよっ。ミッシェルはもっとピンクで、もっふもふで、いい匂いがしたよ!」

 

「君はか弱い女の子なんだから、クマだなんて、そんな風に強がってはいけないよ・・・。」

 

うーん・・・美咲ちゃんは自分のことをミッシェルと言っているが違うと思うなぁ。似ているところは可愛いとこくらいかなぁ・・・。

 

「こ、こころちゃん!ミッシェルはキグルミで、たぶん、中にこの人が・・・。」

 

「・・・『キグルミ・・・の人』・・・?あなたミッシェルと関係がある人なの?」

 

「いや、だから関係っていうかあたしがミッシェル・・・」

 

「わかったわ。じゃあミッシェルのことは、この『キグルミの人』に聞きましょう。作戦会議を始めるわよっ!」




次はいつになるかなぁ・・・。
感想と評価待ってます!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ハロハピ始動④

評価にとうとう色がついた〜!!まじでありがとうございます!
稚拙な文ながらも読んでくださってる人たちに感謝しかないです!



「まず、今まであたしとアミが考えてきた楽しいことリストを紹介するわね!これで『バンド』をやろうと思うの!」

 

「すっごい自信作だよ!みんな気にいると思うな!」

 

そう言い、僕たちは手作りの楽しいことリストを皆に渡し、見てもらうことにした。

 

「なになに?海の砂浜でお城を作る・・・シロツメクサでカンムリを作る・・・流れ星を見に山に登る・・・うん、これ・・・」

 

「これはアミの方かな?皆でハグをしあう・・・海までいってきれいな夕日を眺める・・・野原でお昼寝をする・・・ふふっこれは・・・」

 

「「すごくいい!!!!」」

 

はぐみちゃんも薫さんも笑顔で僕達の書いた楽しいことリストを読んでくれている。皆が読んでる様子からどうやらかなりの高評価のようだ!

 

「えへへ、そうでしょう?これで毎日、皆で楽しく暮らすのよっ。」

 

「こ、こころちゃん!アミくん!どれもすごく楽しそうで素敵だけど、楽器を弾いて、歌を歌って、曲を演奏しないと音楽をしてることにはならないよ・・・?」

 

「「そうなの?どうしても音楽をしなきゃいけないの?花音(ちゃん)?」」

 

花音ちゃん曰くどうやら楽しいことだけではバンドをしていることにならないらしい・・・。じゃあ一体どうすればいいのだろうと不思議に思っていると

 

「あ、そうだった!バンドって音楽をするんだよ!音楽・・・『おと』・・・『たのしい』?う〜ん?なんかわかんなくなってきちゃった。」

 

「〜〜はっ!それよ!それだわ!バンドで音を楽しむのよ!!はぐみあなた、天才ねっ!」

 

「えっ、本当?はぐみバンドの才能あるのかな?やったーーー!」

 

「なるほど・・・では、みんなでめくるめく音を楽しむ旅に出るとしよう・・・」

 

はぐみちゃんの画期的なアイディアにより、これから僕達がどうするのかが決まり僕達のバンドが本格的になってきた!それにしても音を楽しむ・・・かぁ・・・。皆で歌ったりしたらきっと楽しいだろうなぁ!

 

「う〜んっ!!薫も最高!それじゃあせーので、皆で音楽をするわよ!せーのっ、はいっ!!!!」

 

「「「「「「・・・・・」」」」」」

 

「「・・・まず何を始めたらいいのかしら(のかな)?」」

 

「いや楽器もってないじゃん!?まずふつうそこからじゃ・・・」

 

「だって!あたしたちはとにかくバンドで楽しいことがしたいのよっ。楽しいことをしなきゃ始まらないじゃないっ」

 

「じゃその楽しいことを考えればいいんじゃないですか?」

 

「それがね、僕とこころお姉ちゃんは毎日楽しいことについて考えているからすぐに出てこないこともあるんだ・・・。」

 

「はぁ・・・よくわかんないけど、なんでそんなに考えているの・・・?(もっと高校生が考えるべきことってあると思うんですけど。進路とか・・・ってこの豪邸だし、必要ないのかな)」

 

「そんなの決まってるじゃない!!『世界を笑顔にしたい』からよ!そう・・・あたしたちは世界を笑顔にしたいの、このバンドで!!」

 

こころお姉ちゃんは両手を大きく広げ、目をキラキラさせながらそう言った。

 

「「世界を・・・」」

 

「「笑顔に・・・?」」

 

「そうよ。あたしは何より、人の笑顔が大ッッ好きなの!だから世界を笑顔でいーっぱいにして、溢れさせるの!」

 

「いや。そんなことできるわけないでしょ。世界には戦争とか貧困とか・・・この日本だってですね・・・」

 

「なんでできないって思うの?むしろ、なんでできないの?笑顔になりたくない人がこの世界のどこにいるの?」

 

「そうだよ美咲ちゃん!皆で毎日楽しく笑って過ごすのは最高でしょ?笑顔になりたくない人なんている筈ないんだよ!」

 

「アミの言う通りだわ!だからこのバンドで世界中を回って笑顔でいーっぱいにするわ!!」

 

「・・・は、はあ(ほ、本気で・・・本気で、世界を笑顔に出来ると思っているんだ。・・・バカだ。完全無欠の純粋なバカ二人だ・・・!)」

 

「感動したよこころ・・・人は・・・一つの役を演じ続けることなどないと思っていた。でも、君たちの、いや世界の王子なら喜んで引き受けよう。」

 

「すごい・・・はぐみも・・・すっごくいいと思う!あのね、はぐみソフトボールとか、色々スポーツやってるから、負けて泣いちゃう人をたくさん見てきたの。そうすると、はぐみも泣きたくなっちゃって・・・。だから、世界を笑顔に、賛成っ!音楽頑張る!根性出すよっ!」

 

はぐみちゃんと薫さんは僕達の意見に感動し、『世界を笑顔にする』という目標がとうとう決まった!これでようやく僕達のバンドが始まるんだ!

 

「う〜んっ!それじゃあ行くわよっ!世界をーーーーっ!!」

 

「「「笑顔にーーーーっ!」」」

 

「ほら!花音ちゃんも美咲ちゃんも一緒に!世界をーーーーっ!!」

 

「「え、笑顔・・・に?」

 

「うーん!いい感じね!それじゃあ『キグルミの人』もミッシェル代理として、今日からよろしくね!!」

 

「え・・・?(しまった。いつの間に正式メンバーになってる・・・っ!?)」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そんなわけで目標が決まった僕達はどうやって世界を笑顔にするか作戦会議をしていたが・・・

 

「「「「う〜ん。・・・でもどうやって?」」」」

 

なかなかいい案を出すことができず、かれこれ一時間も立ってしまった。ただ歌うのも、ただ楽器を弾くというのはなんだか違う気がするし・・・。

 

「あっはぐみ分かった!はぐみがギター弾きながら変な顔とかしたらどう?皆笑うんじゃないかな!?」

 

「は、はぐみさんの担当楽器は、ギターじゃなくてベースだよっ。」

 

「あっ、そうだったっけ?ていうか『さん』とかいらないよ?」

 

「え、えっと・・・じゃあ、はぐみ・・・ちゃん?」

 

「とてもいい案だけれど、すまない・・・私には不可能だ。私には何をしても美しくなってしまう運命が・・・」

 

「そうなんですか?薫さんの運命って大変なんですね!」

 

「・・・!?アミ・・・! 君は・・・ああ、なんてことだ。君は今、私の運命を理解してくれたのか!!この世にそんな人がいるとは思わなかった・・・君と私は・・・同じ魂をもった運命の相手だ!!」

 

「うぇぇ!!? う、運命の相手・・・!?///」

 

まさか僕が・・・薫さんと運命の相手だったなんて!!・・・でも薫さんみたいにカッコよくてやさしい人が僕なんかと運命の相手でいいのだろうか・・・。僕はかっこよくないし、身長も低いし・・・。

 

「アーくん?大丈夫?」ペシペシ

 

「え?ご、ごめんね考え事してて・・・。」

 

はぐみちゃんにほっぺを少し叩かれて、意識を取り戻した。どうやら僕が思い悩んでいる間に作戦会議が先に進んでいたみたいだ・・・。

 

「えっとなんの話だったけ・・・?」

 

「はぐみ達にはまず楽器が必要だっていうのがわかったんだよ!」

 

「じゃあさっそくみんなに楽器を・・・」

 

「こころさま。ギター・ベース・ドラム・キーボード。すべて整えております。こちらの部屋に運ばせましょう。」

 

「よしっ。楽器も揃ったし、バンドをやってみるわよっ。やればきっとなにかが起こるわ!ぜったいぜったいみーんな、笑顔になる!」

 

「考える前に感じろ!行動あるのみ!だね!うんっ!超同感っ!よーし、なにか掛け声がいるね!!そうだ!『ハッピー! ラッキー! スマイル! イエーイ!』掛け声これでどうかなっ?」

 

「素晴らしいわ!じゃあ、掛け声と同時にスタートよ!ハッピー! ラッキー! スマイル! イエーイ!!」

 

「「「ハッピー! ラッキー! スマイル! イエーイ!!」」」

 




もーちょっと地の文増やしたほうがいいのですかね?なんか意見あったら感想のとこに書いてほしいかもです。
高評価と感想よろしくおねがいします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ハロハピ始動⑤

あけましておめでとうございます!
今回は少し地の文を増やしてみました。


数日後 駅前

 

SIDE 美咲

 

「はぁ・・・なんでこんなことに・・・」

 

数日前の作戦会議をでとりあえずスタジオで練習をすることになった。あたしは花音さんと待ち合わせをして一緒にスタジオに行くことにし、花音さんのことを待っていたが・・・

 

「いくらなんでも遅すぎません・・・?集合時間からもう20分たってますよ・・・?」

 

そう・・・先程からずっと待っているものの、花音さんはまったく集合場所に来ていないのだ。これほど遅いとなにか事故に巻き込まれたのではないかと、心配になってくる。すると、駅の出口から急いで走ってくる人影が見えたので、そちらに目を向けると花音さんがこちらに走ってきていた。

 

「はぁ、はぁ。み、美咲さんっ。す、すみませんっ、遅くなっちゃってっ。私、学校から駅に行こうと・・・。」

 

花音さんは駅の出口からここまで走ったからか、息が切れて少し汗をかいている。

 

「美咲でいいですよ。あたしはの方が年下なんだから。それで?学校からここまで、迷った?」

 

「ご、ごめんなさい。私が方向音痴なせいで、待ち合わせを・・・」

 

「あたしもバンドの中で話し通じるの花音さんだけなんで、正直助かってますよ」

 

まあ、この人がいなければ弦巻こころのバンドに加入させられることもなかったわけですけどねぇ・・・。

 

「とりあえず!あの4バカが飽きるか落ち着くまで、2人で乗り切りましょうっ!」

 

「う、うん・・・」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〜スタジオ〜

 

「ライブが決まらないわ!」

 

スタジオに入ると、4バカのうちの金髪バカがライブができないと大騒ぎしていた。そもそも、スタジオに入ったのは今日が初めてである。

 

「やあ美咲。ここに来る前、3人でこの辺りのライブハウスに行ったけれど軒並みに断られてしまってね。私の美しさの・・・」

 

「まだ演奏する曲がないってそんなに重要なことなかしら?」

 

「花音ちゃ〜ん!!ど、どうしよう!」

 

「ア、アミくん落ち着いて〜!」

 

薫さんは相変わらずよくわからないことを言い、こころはさも当たり前のことを疑問に思い、アミは花音さんに涙目で抱きついていた。状況としてはまさにカオスと言ったところだ。そんなことを思っていると、ドアが思いっきり開き、はぐみが息を切らしながら入ってきた。

 

「ご、・・・ごめん、遅れちゃって・・・!はぁ・・・はぁ・・・」

 

「はぐみはソフトボールチームのキャプテンなのよね?とっても大切なチームの為に遅れたんだから、謝るのは変よ」

 

「すごいまともなこと言った・・・」

 

「うん・・・でも・・そのチームの子が・・・ってなんでもないっ!バンドバンド! よしっやろう!」

 

はぐみがなにか言いたげな顔をしていたが、アミがこう言った。

 

「バンドと言えばスタジオ練習!そしてライブ!はぐみちゃんのくれた雑誌にそう書いてあったんだ!だから早くライブを決めたいんだけど・・・全然決まらなくて・・・」

 

「あ、あのねアミくん・・・。ライブハウスって、お客さんが来てくれないと困っちゃうんだよ。だから、ある程度上手なバンドじゃないと・・・。」

 

「あ。そうだ。あのスーツの人たちに、相談すればいいじゃん。」

 

あたしは弦巻家のスーツの人の存在を思い出し、その人達に助けを求めることを提案した。

 

「それはだめよっ。これはあたしたちのバンドなのよっ。バンドはライブの演出も、衣装も、全部自分たちでやってこそよ!」

 

「そうだよ美咲ちゃん!人の力を借りたら、オリジナリティがはばたいて、アーティスト性がふやけて、元に戻らなくなっちゃうんだよ!」

 

「それ全部意味分かってないで言ってるよね?で?それも雑誌の受け売り?」

 

「うん!それでやっとバンドとして一人前なんだよ!」

 

雑誌のせいで微妙に筋が通ってる・・・。はぐみめ。余計なものを・・・。

 

「早くなりたいわ、一人前に!そしたらもっともっと楽しくなるわよ、絶対!!」

 

「うん!自分たちの力で、一人前になるんだ!」

 

「うーん。じゃあまーとりあえず、マジメに練習して、最低は4,5曲演じれるようになって、話はそれからなんじゃないですか?ふぁぁ・・・」

 

日頃の疲れのせいか、あたしは思わずあくびが出てしまう。

 

「ごめん、あたしちょっと眠いからコーヒー買ってくる。皆さん、先に練習しててください。」

 

あたしはそう言い、一旦スタジオから出て受付ルームの直ぐ側にある自動販売機でコーヒーを買おうとしたが、なんと自販機の横にいたこころの家のスーツの人たちが、コーヒを入れてくれた。

 

「奥沢さま。コーヒーでしたら今ここで入れさせて頂きますので、しばしお待ちを。」

 

あたしのためにスーツの人たちは手慣れた様子でコーヒーを準備してくれている。豆も高級のものなのかどこかいつもと違う匂いがあたしの鼻腔をくすぐってきた。

 

「うわぁ・・・!美味しい!!」

 

いつも飲んでいるコーヒーが飲めなくなるぐらい美味しい。あたしにも淹れ方教えてくれないかな。などと考えていると黒い服の人たちが見覚えのあるキグルミを渡してくれた。

 

「どうかお受け取りください。『ミッシェル』です。これから、こころ様かアミ様が『ミッシェル』と呼ばれた際に、私達が着替えるのをお手伝いをさせて頂きます。」

 

「え!ていうかこれ、あの商店街のマスコットキャラじゃ・・・」

 

「買い取りました。バンドとして見栄えするよう、私どもの方でアレンジを加えることも可能です」

 

「また、ライブについては、日本一有名なロックフェスの出演権を交渉中です。獲得した折には、ミッシェルとして、それをこころ様とアミ様に・・・」

 

「・・・いや。それって・・・なんかちょっと、違うんじゃないですか?いいです。ライブは自分で調べてみます、ミッシェルだけお願いします。」

 

SIDE OUT 美咲

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

一週間後 

 

SIDE アミ

 

「と、言うわけで。あれから一週間!このバンドがライブハウスに出られるようにしてきました!」

 

「「「「わあっ!さすがミッシェルー!」」」」

 

「それでそのライブのイベントに関してのポスターがこれです!」

 

ミッシェルはそう言い、そのポスターを僕の手に渡してくれた。ポスターをざっくり見るとギターを弾いてる女の人の写真や開催日、場所などの情報が書かれてあった。僕はポスターに書いてある説明欄の部分を見てみると、少し気になることがあり、ミッシェルに恐る恐る聞いてみることにした。

 

「ねぇミッシェル、これって・・・僕出ても大丈夫なの・・・?ここに・・・()()()()()()()()()って書いてあるんだけど・・・」

 

「・・・え?ごめんちょっと貸して」

 

ミッシェルはそのライブのイベントのポスターを見るとだんだん顔色が変わっていった。

 

「うそ・・・これガールズバンドのライブイベントじゃん・・・」

 

「そ、それってつまり・・・」

 

「うん・・・これだとアミ・・・このライブ出れない・・・」

 

「「「「「え、えぇー!!」」」」」

 

「アーくんと一緒にライブできないの!?そんなの嫌だよー!!」

 

「なんてことだ・・・。アミは欠けてはいけない大事なメンバーなのに・・・」

 

どうやらミッシェルは本当に知らなかったらしく今更キャンセルもできないらしい・・・。ミッシェルは「本当にごめん!」と謝ってくれている。ミッシェルも生き物だし、間違えることは仕方ないと思うけどみんなと初ライブしたかったなぁ・・・。気づいたら目から涙がポロポロと落ちていた。

 

「うぅ・・・ひっぐ・・・」

 

「ア、アミくん・・・。」

 

「(やばいやばいやばい!完全にやってしまった!)」

 

「泣かないでアミ!私に考えがあるわ!そのライブのイベントは女の子限定なのよね?じゃあ、アミが女の子になればいいんだわ!」

 

「・・・ふぇ?」




感想と高評価よろしくお願いします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ハロハピ始動➅

色々あって遅くなっちゃいました・・・。


「というわけで、紹介するわね!妹の弦巻アミよ!」

 

「はいっ!アミです!女の子になりました!」

 

そう言ってこころお姉ちゃんの後ろからひょこっと飛び出し、皆に女装した僕の姿を皆に見せた。今の僕の姿はピンクのブラウスと白のミニスカートを着ていて、顔も少しメイクが施されている感じだ。今の僕なら変にボロを出さない限り男だとバレることはないだろう。

 

「アーくんが女の子になっちゃった!あれ?アーくんが女の子になったからなんてアーくんを呼べばいいのかな?アーちゃん?アミちん?」

 

「なんて愛らしい姿に・・・今のアミはまるで妖精みたいだね・・・」

 

「す、すごく可愛い・・・!」

 

「これで大丈夫よね?」

 

「え、あ、うん・・・」

 

「それじゃあ、作戦会議を続けるわよ!」

 

_______________________

ライブ当日 舞台袖

 

あれから数週間が経ちとうとう初ライブの日になった。僕達は今演奏してるバンドの番が終わったらすぐ演奏できるように舞台袖で待っているところだ。皆は自分の楽器の確認や、衣装のチェックなど各々準備している。そんな中、僕は端っこの方で緊張のあまり震えていた。

 

「どうしたんだいアミ?緊張しているのかい?」

 

「薫さん・・・」

 

「そんな泣きそうな顔をしては出せる力も出せなくなってしまうよ。頑張って練習したのだからきっといい演奏ができるはずさ」

 

「で、でも・・・」

 

「アミに良い事を教えてあげよう。シェイクスピア曰く、『自然でない行いは、自然でない混乱を生む』・・・」

 

「?えーとっ・・・それはどういう意味ですか・・・?」

 

「つまり・・・そういうことさ・・・」

 

うーん?薫さんがなんて言ってるのかよくわからないが、どうやら励ましてくれているらしい。そう思ってると薫さんは片膝をつき、右手を僕の方に差し伸ばしてきた。

 

「さぁ、可愛い坊や・・・いや今のアミは女の子だから・・・可愛いプリンセス、手をお取り・・・」

 

「は・・・はい!」

 

そう言い薫さんの手を取り、駆け足で皆の方に向かった。皆は既に円陣を組んでおり、僕はこころお姉ちゃんとはぐみちゃんの間に入れてもらった。

 

「皆集まったわね!あたしたちの初ライブ!皆が笑顔になれる演奏をしましょう!世界を〜〜〜」

 

「「「「「「笑顔に〜!!!」」」」」」

 

 

舞台袖から出てステージに立つと照明の光、周りの歓声、空気の流れ・・・今まで感じたことのない雰囲気に思わず身震いしてし、手が震えはじめてしまった。せっかく薫さんが励ましてくれたのにそれでも緊張してしまう自分がとても情けなく思ってしまう。

 

そんなことを思っていると急に柔らかい何かに包まれた。上を見てみるとミッシェルが僕の後ろに優しくハグしてくれていた。

 

「えーとっ、あたしあんまり気の利いたことは特に言えないけど・・・ミスとかしても大丈夫なんじゃないかな。だってバンドって皆で演奏するから一人がミスしても他の人がカバーできるからさ。まぁつまり・・・そんなに緊張しなくていいんじゃない?」

 

「ミッシェル・・・ありがとうっ!!僕頑張るね!!」

 

「みんな元気ーっ?あたし達、ハロー、ハッピーワールドよっ!!みんな笑顔になる準備はいいかしら?それじゃあゴー!」

 

こころお姉ちゃんの合図とともに演奏を始めると、こころお姉ちゃんは客席の方にダイブし始めた。確か客席にダイブはルール違反だったはず・・・それに気づいたミッシェルはこころお姉ちゃんを止めようとこころお姉ちゃんの方に駆け寄っていた。

 

「ちょ、こころ、戻って!バンドはステージで演奏しないと駄目なの!」

 

「そうなの?ミッシェルがそう言うなら仕方ないわね!それっ!」

 

こころお姉ちゃんは客席の方からジャンプしてステージに飛び移り、演奏を再開した。観客の方を見るといつの間にかに皆笑顔になっていた。楽しいなぁ・・・願うことなら、この時間がずっと続けばいいのに・・・。

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。