この聖なる刃に祝福を (仮面大佐)
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第0話 全ての、始まり。

初めまして。仮面大佐です。
つい、このすばと仮面ライダーセイバーの小説を書きたくなったので書きます。
どうか、感想をよろしくお願いします。


???「あれ?ここは、一体……?」

 

 俺は、目が覚めると、見知らぬ空間に居た。

 確か、大学の授業を終えて、中古屋に行き、聖剣ソードライバーが安く売っていたのを買って、上機嫌で家に帰っていた筈だ。

 だが、その先が思い出せない。

 

???「神崎零士(かんざきれいじ)さん。」

零士「え!?」

 

 俺の名前が呼ばれたので、顔を上げるとそこには、1人の美女が居た。

 その美女は、俺に語りかけてきた。

 

???「初めまして。私は女神エリスと言います。」

零士「あ、はい。」

エリス「あなたには、伝えなければいけない事があります。」

 

 え、何?怖い。

 

エリス「あなたは、死んでしまったのです。」

 

 エリス様曰く、上機嫌で帰っていた所、暴走したトラックに轢かれてしまったそうだ。

 俺には3つの選択肢があるそうで、1つ目は、天国で過ごす事、2つ目は、新たに赤子として人生をやり直す事、そして3つ目が、異世界に行く事だ。

 オタクとしては、これは大変興味深い。

 エリス様曰く、魔王軍の脅威に晒されている世界に、俺をそのまま送り込むらしい。

 

エリス「もちろん、ただ送るだけではすぐに死んでしまうので、こちらの方で特典を渡しているんです。」

零士「特典?」

 

 魔剣に聖剣、さらにはチート能力を持たせるらしい。

 そして、自分の必要な物も持っていけるそうだ。

 一応、カタログを受け取り、探した。

 確かに、どれも魅力的だ。

 だが、この一枚にとても惹かれた。

 

零士「エリス様、これでお願いします。」

エリス「はい。これは……!」

 

エリスside

 

 やっと、見つける事が出来た。

 あの人に頼まれて渡されたが、どの人もそれを選ばず、この人の前に来た転生者に連れて行かれたあの先輩が私に押し付けてきた物だ。

 この人のプロフィールを見た時に、ゲーム、アニメ、漫画、そして仮面ライダーが好きなのは分かっていた。

 私も、少しの可能性をかけて見ていたが、本当に選んでくれた。

 だけど、彼は、試練を突破しなくてはいけない。

 なら、やってみましょう。

 

零士side

 

 エリス様は、俺の渡した紙、つまり、『火炎剣烈火と全ての聖剣』というのを見て固まった。

 少し、やってしまったかと冷や汗をかいたが、問題は無いようだ。

 

エリス「分かりました。しかし、これから出す試練を突破しなくては、持っていけませんよ。」

 

 なるほどな。なら、いっちょやってやりますか。

 

零士「分かりました。なら、何をやれば良いですか?」

エリス「やる事はシンプルです。火炎剣烈火を引き抜いてください。」

 

 エリス様がそう言うと、俺の目の前に、火炎剣烈火が現れた。

 俺は、火炎剣烈火に向かって手を伸ばした。

 火炎剣烈火は炎で阻んで来たが、それを気にせずに火炎剣烈火を手にして、そのまま引き抜いた。

 すると、聖剣ソードライバーへと変化した。

 

零士「おお。」

エリス「おめでとうございます!あなたは、仮面ライダーセイバーの変身資格を得ました。」

 

 よし!俺も仮面ライダーセイバーへと変身できるようになった!

 

エリス「よって、それはあなたの物です。そして、変身に必要なワンダーライドブックを渡しておきます。」

 

 そう言って、エリス様は、俺にワンダーライドブックを渡してきた。

 セイバーに必要なワンダーライドブックだけでなく、他の聖剣の基本形態への変身に必要なワンダーライドブック、キングオブアーサー、レジェンドワンダーライドブックもある。

 

エリス「他の聖剣の基本形態への変身に必要なワンダーライドブックは、これから行く世界で共鳴した人に渡して下さい。」

 

 なるほど。確かに仲間は多い方が良い。

 しかし、金の武器銀の武器とエターナルフェニックスのワンダーライドブックが無い。

 

零士「あの、エリス様。金の武器銀の武器とエターナルフェニックスのワンダーライドブックが無いんですが……。」

エリス「既にこれから行く世界に資格者が居ますので……。」

 

 と言う事は、その世界のユーリとバハトか?

 

零士「あの、その世界の言語とかは、どうすれば良いですか?」

エリス「問題ありません。その世界に行った時点で、自動的に刷り込まれるので。」

零士「分かりました。」

エリス「神崎零士さん。まず、ギルドに向かって下さい。その時に、ささやかな女神の恵みがありますので。」

零士「分かりました。」

 

 その時、俺の下の床が光り始めた。

 遂に、異世界転生するのか!

 

エリス「では、あなたの活躍をここから見守っています。それでは、いってらっしゃい。」

零士「はい!」

 

 俺は、頭上の魔法陣を通り、目を開けると。

 

零士「おおーー!!」

 

 異世界に到着していた。




どうでしたか?
初めて投稿するので、少し駄文かもしれません。
更新は不定期ですので、ご了承下さい。
これから頑張るので、どうか応援お願いします。


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キャラ解説

今回は、オリキャラ解説を行います。
カズマ達はカットです。



 神崎零士/仮面ライダーセイバー

 CV 草尾穀

 職業 エレメンタルソードマスター

 概要

 交通事故に遭い亡くなって、転生したオリジナル主人公。

 大学生で、剣道もやっていた。

 本も良く読んでいた。

 ゲーム、アニメ、仮面ライダーが好きなオタクで、定期的に仮面ライダーの玩具を購入していた。

 パーティーメンバーは決して死なせないという心情の持ち主で、その心の強さがセイバーとしての実力に繋がっている。

 このすばの世界に関して、時折うんざりするが、結構気に入っている模様。

 時折、謎の記憶が脳裏を過ぎる。

 

 リナ/仮面ライダーエスパーダ

 CV 野口瑠璃子

 職業 ルーンナイト

 概要

 零士がカズマ達の次に出会った少女。

 ルーンナイトの為、剣術は少し得意。

 基本的にはカイトと共にクエストを受けているが、他のパーティーに行ったり、ソロでクエストに挑む事もある。

 エルダートレントに襲われた時に、仮面ライダーセイバーに変身した零士に助けられて、それ以降、仮面ライダーと聖剣に興味を抱き、零士の仲間になった。

 その後のワンダーワールドの侵食時に、雷鳴剣黄雷に選ばれて、仮面ライダーエスパーダへと変身出来る様になる。

 最近は、零士の事が気になる模様。

 キャラのイメージは、SAOのイーディス。

 

 カイト/仮面ライダーカリバー

 CV 逢坂良太

 職業 ソードマスター

 概要

 リナの仲間。

 自分の剣技に絶対の自信を持ち、油断する事なく鍛錬している。

 零士とは、クエスト仲間のリナを助けて貰った時に会っている。

 剣士としての誇りを持っていて、魔剣グラムに頼っているミツルギの事は剣士として失格と思っている。

 ワンダーワールドの侵食時に、闇黒剣月闇に選ばれて、仮面ライダーカリバーへと変身出来る様になる。

 零士とは、剣士として仲良くなっている。

 カリンとは知り合いで、彼女に惚れている。

 最近の悩みは闇黒剣月闇が見せる未来予知。

 キャラのイメージは、暗殺教室の磯貝悠馬。

 

 カリン/仮面ライダースラッシュ

 CV 高垣彩陽

 職業 ソードマン兼鍛治師

 概要

 ダクネスと共に声をかけた女の子。

 零士達が持つ聖剣に興味を持ち、仲間になった。

 ダクネスとは友達。

 見た事の無い剣を目にすると、調べたいという欲求が暴走する。

 カイトとは本人曰く腐れ縁らしい。

 ベルディア襲来直前のタイミングで、音銃剣錫音に選ばれて、仮面ライダースラッシュへと変身出来る様になる。

 聖剣の調整を担当する事になった。

 ブレーメンのロックバンドを使うと、ハイテンションになる。

 キャラのイメージは、大秦寺哲雄とSAOのリズベットを足して割った感じ。

 




このキャラ解説は、オリキャラが出る度に増やして行きます。


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オリキャラ解説2

今回は、前回のオリキャラ解説で紹介していない人物を紹介します。


 レイナ

 CV 戸松遥

 概要

 原作仮面ライダーセイバーにおける、ルナと同様に、世界を繋ぐ存在。

 ジュン、リナとは幼馴染。

 ある時を境に消えた。

 だが、零士がドラゴニックナイトを解禁した際に、幻聴として聞こえてきて、バハトと戦った際に、火炎剣烈火が共鳴して、ジュンとリナの前に現れる。

 だが、再会したのも束の間に、ノエルによって連れ去られ、全知全能の書の復活の儀式に利用される。

 神崎零士が儀式を中断させて、ノエルが撤退した後、力を使い過ぎてしまい、消えてしまう。

 その後、ワンダーワールドにて、タッセルに保護されるも、ストリウスの接近に伴い、移動。

 ワンダーワールド崩壊の影響で消えかけるも、ジュンとリナの相変わらずの行動に、大人の状態となる。

 その後、零士と分離したジュンと共にワンダーオールマイティワンダーライドブックを精製する。

 全ての戦いが終わった後は、ワンダーワールドにて、零士達を見守っている。

 

 ジュン

 CV 山下大輝

 概要

 神崎零士の魂と共に居た青年。

 モンスター討伐に向かったが、その際にモンスターに倒されてしまい、死亡する。

 だが、ジュンの魂は、神崎零士と一体化するも、しばらくは活動できなかった。

 零士がどんどんと新しい力を手に入れる度に活性化していき、ドラゴニックナイトで、零士と人格を入れ替わる事で、表面に出れる。

 リナが零士に惚れている事に気づいており、鈍感な零士に発破をかけたりした。

 しばらくして、ストリウスがワンダーワールドを崩壊させようとした時、レイナが大人の状態になったと同時に、零士から離脱する。

 その為、レイナと同様に、ワンダーワールド崩壊の影響をモロに受ける様になってしまう。

 決戦時には、レイナと共に思念体を飛ばし、ストリウスの説得を行う。

 最後は、レイナと共に、ワンダーオールマイティワンダーライドブックを精製する。

 全ての戦いが終わった後は、レイナや始まりの5人、バハトと共に、零士を見守っている。

 

 ノエル/仮面ライダーソロモン

 CV 石田彰

 職業 大臣

 概要

 ベルゼルグ王国の大臣にして、全知全能の書を管理する一族の末裔。

 普段は、優しい大臣として振る舞っている為、民からも慕われており、国王からも信頼されている。

 クレアとは仲が悪く、会話を始めると、大体嫌味の応酬となる。

 だが、その本性は、アイリスを見下しており、全知全能の書の管理については、飽きていた。

 その為、メギドや剣士達を利用して、全知全能の書の復活を目論み、伝説の剣士として慕われていたジンを、間接的に殺害した。

 零士の妨害もあり、完全にではないが、全知全能の書を手に入れ、仮面ライダーソロモンとなる。

 その際に本性を曝け出し、追われる立場になったが、兵士を倒した事で、ベルゼルグ王国としては、手出しが出来なくなる。

 その後、仮面ライダーソロモンとなって、世界を作り替えようとするも、零士が刃王剣十聖刃を手にした事により、事態は変わる。

 クロスセイバーとなった零士に追い詰められ、最後は、フィーチャリングセイバーとなった零士の銀河友情蹴烈破をくらい、オムニフォースワンダーライドブックを破壊される。

 何とか修復出来たが、ストリウスによって消滅させられ、オムニフォースワンダーライドブックを取られる。

 

 ジン

 CV 杉山紀彰

 職業 ソードマスター

 概要

 ベルゼルグ王国に伝わる、伝説の剣士。

 様々な剣士に慕われており、剣士なら誰もが知っている人物。

 しかし、魔王軍幹部によって倒されたと言われている。

 実際には、ノエルの企みに気づいており、止める様進言するも、聞いてもらえず、ノエルがズオス達を利用して、口封じの為に殺害される。

 

 イツキ=フィフティゲイル/仮面ライダーリバイ

 CV 阿部敦

 概要

 賢者の孫の世界からやって来た、違う世界の仮面ライダー。

 やって来た理由は、カリザキが開発した並行世界間ゲートを使い、オルテカを追ってきた為。

 バイスが零士達に迷惑を掛けた際には、ちゃんと謝っている。

 しあわせ湯の広告をして、帰って行った。

 

 バイス/仮面ライダーバイス

 CV 木村昴

 概要

 イツキの内部にいる悪魔。

 性格は自由奔放で、零士達にも攻撃を仕掛けている。

 アクアとユーリは視認ができる様で、バイスは2人の攻撃を食らっていた。

 だが、バイス自体が、このすばの世界の悪魔とは成り立ちが違う為か、効いてなかった。

 

 ジョージ=カリザキ

 CV 濱尾ノリタカ

 概要

 賢者の孫の世界で、ライダーシステムを開発した人物。

 原作リバイスの、ジョージ・狩崎が転生した。

 仮面ライダーが大好きで、セイバーとエスパーダ、リバイとバイスの連携には、興奮していた。

 イツキを介して、リナからバッタプロトバイスタンプを受け取っている。

 ただ、内心では、セイバーが神山飛羽真、エスパーダが富加宮賢人じゃない事に、少しガッカリしていた。




今回はここまでです。
どうして、これを投稿したのかというと、レイナやジュンの解説を行っていないと気づいたからです。
他の3作品も、良かったら見てほしいです。


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オリジナルライダー解説

今回は、グラムとグラディウスの解説をします。


仮面ライダーグラム

変身者: 御剣響夜

変身アイテム:聖剣ソードライバー

      月光剣萬月

      各種ワンダーライドブック

 

概要

御剣響夜が聖剣ソードライバーとムーンドラゴンワンダーライドブックを使って変身した仮面ライダー。女神エリスが、タッセルと共同で作成した仮面ライダーの片割れ。仮面ライダーセイバーをベースにしている。

 

各種形態

仮面ライダーグラム ムーンドラゴン

 

スペック

・身長:217.0cm


・体重:98.5kg


・パンチ力:9.3t


・キック力:19.2t


・ジャンプ力:18.2m(ひと跳び)


・走力:4.5秒(100m)

・剣技必殺技:月光兜割り

 キック必殺技:月光蹴撃破

 

仮面ライダーグラム ムーンドラゴンラビット

 

スペック

・身長:217.0cm


・体重:106.8kg


・パンチ力:12.8t


・キック力:29.2t


・ジャンプ力:28.0m(ひと跳び)


・走力:4.3秒(100m)

・剣技必殺技 : 月光跳躍斬

 キック必殺技:月光蹴撃破

 

仮面ライダーグラム 銀河ムーンドラゴン

 

スペック

・身長:217.0cm


・体重:109.7kg


・パンチ力:12.4t


・キック力:27.8t


・ジャンプ力:23.0m(ひと跳び)


・走力:3.5秒(100m)

・剣技必殺技:月光兜割り

 キック必殺技:月光蹴撃破

 

仮面ライダーグラム フルムーンドラゴン

 

スペック

・身長:217.0cm


・体重:118.2kg


・パンチ力:17.2t


・キック力:39.6t


・ジャンプ力:31.5m(ひと跳び)


・走力:3.4秒(100m)

・剣技必殺技:月輪紫紺斬

 キック必殺技:月輪龍蹴烈破

 

女神エリスによる総評

 

仮面ライダーセイバーをベースにしたグラムですが、使っているワンダーライドブックが、生物の物が兎という事もあって、キック力やジャンプ力は、セイバーよりも若干高くなってはいますが、パンチ力が若干低下してしまっていますね。本当は、月影という名前にする予定でしたが、セイバー系列のライダーの命名の法則に合わないという事で、魔剣グラムと同じく、グラムという名にしました。

 

仮面ライダーグラディウス

変身者: ベルゼルグ・スタイリッシュ・ソード・アイリス

変身アイテム:聖剣グラディウスドライバー

      星雲剣恒星

      スタードラゴン

 

概要

アイリスが聖剣グラディウスドライバーとスタードラゴンワンダーライドブックを使って変身した仮面ライダー。女神エリスが、タッセルと共同で作成した仮面ライダーの片割れ。仮面ライダーカリバーをベースにしている。

 

スペック

・身長:217.6cm


・体重:121.3kg


・パンチ力:17.1t


・キック力:29.4t


・ジャンプ力:29.5m(ひと跳び)


・走力:3.9秒(100m)

 

女神エリスによる総評

 

仮面ライダーカリバーをベースにしたグラディウスですが、基本的なスペックは、カリバーと全く同じです。………手抜きとか言わないで下さい。ただし、一部の能力が、闇から星を操る物へと変わっていますが。アイリスさんが使いこなしているのもあって、アイリスさんとは、親和性が高いのでしょう。

 

2本の聖剣について

 

ミツルギとアイリスが使っているこの2本の聖剣だが、元々は、11本の聖剣が悪用される事を防ぐ為に、無銘剣虚無と同様に、聖剣の能力を無力化する力が備わっている。ただし、闇黒剣月闇みたいに完全な封印は出来ず、あくまで聖剣の能力を無力化する事しか出来ない。月光剣萬月は、火炎剣烈火、水勢剣流水、雷鳴剣黄雷をベースに、星雲剣恒星は、闇黒剣月闇をベースにしている。

 

それぞれのワンダーライドブック

 

ムーンドラゴン

『かつて世界の全てを癒したのはたった一体の神獣だった…。』

エクストリームラビット

『この厳しい雪原を生き抜く、飛び跳ねる獣がいる…。』

銀河特急の夜

『とある2人の少年が、銀河特急に乗って旅をするお話…。』

スタードラゴン

『かつて世界の全てを照らした星の力を持つ神獣がいた…。』

 

それぞれの聖剣解説

 

月光剣萬月

概要

仮面ライダーグラムが振るう月の聖剣。

変身時は、抜刀と同時に、使い手を月の光で包み、その姿を月の剣士へと変身させる。

叡智を宿した刀身で様々なワンダーライドブックを読破し、そこに綴られた伝承を刃に纏うことが可能となる。

 

ソードグリップ

月光剣萬月の柄。

この柄を握る者を月光剣萬月が見定めて仮面ライダーグラムを選出する。

 

月光剣萬月エンブレム

月光剣萬月の聖なる光の源。

「聖なる光」を生み出して、心正しき者を癒やして、邪悪な存在を消す。

他の聖剣の能力を無力化出来る。

中心部には、仮面ライダーグラムを表す紋章が彫り込まれている。

 

マンゲツソウル

月光剣萬月の刀身。

叡智を宿した刀身で、聖剣ソードライバーや先端の「シンガンリーダー」からワンダーライドブックに綴られたあらゆる伝承を学び取り、具現化することができる。

 

シンガンリーダー

月光剣萬月の速読器。
ワンダーライドブック裏表紙にある速読用特殊金具「スピリーダ」と接触させることで、心眼による速読を行う。
これによりワンダーライドブックに綴られたあらゆる伝承の力を一時的に聖剣に宿すことが可能となる。

 

マンゲツトリガー

月光剣萬月の引き金。
剣士の操作を受けて月光剣萬月がその意思を読み取り、「月光剣萬月エンブレム」にて聖なる光を発生させる。
各所攻撃におけるスターターの役割を果たしている。

 

ゲツリブジン

月光剣萬月の刃。

聖なる光によって幾星霜に亘り鍛え上げられた白銀の刃は、月光を纏うほどに切れ味が増す特性を持つ。

 

星雲剣恒星

概要

仮面ライダーグラディウスが振るう星の聖剣。

変身時は、「聖剣グラディウスドライバー」と一体となり、使い手を星の剣士へと変身させる。

叡智を宿した刀身で様々なワンダーライドブックを読破し、そこに綴られた伝承を刃に纏うことが可能となる。

 

エングレイブヒルト

星雲剣恒星の柄。

末端に備えられた打突器には文様が刻まれ、打ち込みにより「聖剣グラディウスドライバー」を操作して、使い手を星の剣士へと変身させる。

 

コウセイトリガー

星雲剣恒星の引き金。

剣士の操作を受けて星雲剣恒星がその意思を読み取り、「星雲剣恒星エンブレム」にて輝く星光を発生させる。
各種攻撃におけるスターターの役割を果たしている。

 

スタースレイブ

星雲剣恒星の刃。

星の煌めきで幾星霜に亘り研ぎ澄まされた黄金色の刃は、闇に向かうほどに切れ味が増す特性を持つ。

 

星雲剣恒星エンブレム

星雲剣恒星の星光の源。

輝ける星を生み出して、敵を討ち倒す。

他の聖剣の能力を無力化出来る。

また、速読器「リュウセイリーダー」で読み込んだワンダーライドブックの能力を星属性で包み込む「スターリード」を行い、あらゆる能力を我が物とする。

 

リュウセイリーダー

星雲剣恒星の速読器。

ワンダーライドブック裏表紙にある速読用特殊金具「スピリーダ」と接触させることで、心眼による速読を行う。
それにより変身を始める他、深く読み込むことで必殺技の発動が可能となる。
さらに別のワンダーライドブックを重ねて読み込ませた特殊必殺技を2段階で行う。

 

リュウセイソウル

星雲剣恒星の刀身。

叡智を宿した刀身で、聖剣グラディウスドライバーや「リュウセイリーダー」からワンダーライドブックに綴られたあらゆる伝承を学び取り、具現化することができる。




今回はここまでです。
月光剣萬月と星雲剣恒星は、タッセルと女神エリスが共同で作成した聖剣です。
月光剣萬月は、火炎剣烈火、水勢剣流水、雷鳴剣黄雷を、月光剣萬月は、闇黒剣月闇をベースにしている為、機能はそれぞれの聖剣をベースにしている。


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第1章 
第1話 到着する、始まりの街。


タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!突然ですが、本って本当に凄いですよね!僕は、とある人物に目をかけてるんだ!その名は、神崎零士!炎の聖剣である火炎剣烈火を引き抜いた人だよ!彼は今、始まりの街であるアクセルに到着した!さて、これから彼はギルドで冒険者になるんだけど、僕は彼を見ていこうと思うよ!」


 目を開けると、そこには異世界が広がっていた。

 

零士「おぉ!本当に異世界に来た!腰には、火炎剣烈火があるな!」

 

 腰の辺りを見ると、必冊ホルダーが実体化していて、右の方にはブレイブドラゴンワンダーライドブックが、左の方には火炎剣烈火が納刀されていた。

 さて、エリス様の言う通り、冒険者ギルドへと向かいたいが、ギルドの場所が分からないので、ちょうどそこにいた女性に話しかけた。

 

零士「すいません。」

???「?私の事かしら?」

零士「はい。丁度この街に着いたばかりでして、冒険者ギルドの場所が分からないので、教えて欲しいんですが……。」

???「そうなの?ようこそ!駆け出し冒険者の街アクセルへ!ギルドならそこを右に曲がっていけばいけるから。」

零士「ありがとうございます!」

???「いえ、もしかしたらパーティーを組むかもしれないしね!」

 

 その女性の人の言う通りにギルドへと向かい、到着した。

 入ろうとしたら、2人組が目の前を通っていった。

 

???「で、俺達はこのジャイアントトードって奴を倒せば良いんだよな?」

???「そうよ。ジャイアントトードって、でっかいカエルだから。」

???「カエルか。ま、なんとかなるだろ。」

 

 1人は緑のジャージを着た青年で、もう1人は水色の髪の女の人だった。

 ジャージの男の方は、どう考えても日本人だな。

 俺はギルドへと入っていった。

 

ウェイトレス「どうしましたか?食事ですか?それとも仕事ですか?」

零士「あの、冒険者登録をしたいのですが……。」

ウェイトレス「なら、右手の方に向かって下さい。」

 

 ウェイトレスから受付を聞いたら、突然、モヒカン頭の男に話しかけられた。

 

荒くれ者「おい兄ちゃん、見た事のない格好だが、冒険者になりに来たという事だな?」

零士「はい、そんな所です!」

荒くれ者「そうかい、命知らずめ!ようこそ地獄へ!まあ、行って来な!」

 

 何か、エールを送られた。

 俺は、空いていた受付嬢の所へ。

 

零士「あの……。すみません。」

受付嬢「はい、どうされました?」

零士「冒険者登録をしたいんですけど……。」

受付嬢「そうですか。なら、1000エリス頂きます。」

 

 しまった!この世界の金なんて持ってねぇ!

 そういえば、エリス様がささやかな恵みとか言ってたな。

 上着の右ポケットを調べると、お金が入っていた。

 恐らく、これが恵みだろう。

 

零士「ええっと、これで良いですか?」

受付嬢「はい、1000エリス頂きました。」

 

 エリス様すげぇな、この世界の通貨の値にもなってやがる。

 受付嬢が青い水晶に下に針がついた魔道具を持って来た。

 

受付嬢「では、この水晶に手を翳して下さい。」

零士「分かりました。」

 

 水晶に手を翳すと、動き出して、下にある冒険者カードに情報が刻まれていく。

 

受付嬢「はい。これでOKです。では、神崎零士さん、ですね。ステータスは……。なんですかこれ!?あらゆるステータスが高いですよ!これなら、全ての職業になれますよ!」

 

 興奮気味に言ってくる受付嬢。

 俺は気を取り直して職業を選ぶ。

 セイバーに変身する事を考えて、剣を扱う職業が良い。

 ソードマン、ルーンナイト、クルセイダー、ソードマスター……。

 どれもいまいちピンとこない。

 だが、エレメンタルソードマスターというのがあるな。

 一応、聞いてみるか。

 

零士「あの、エレメンタルソードマスターって何ですか?」

受付嬢「え!?エレメンタルソードマスターがあるんですか!?」

零士「はい。ここ。」

受付嬢「凄いですよ!エレメンタルソードマスターは、ソードマスターよりもなり手が少ない超レア職業ですよ!なりましょう!絶対になりましょう!!」

 

 凄い推してくるな。

 受付嬢曰く、ソードマスターに属性攻撃を付与したものらしい。

 火炎剣烈火を扱う都合上、これにしよう。

 

零士「じゃあ、エレメンタルソードマスターでお願いします。」

受付嬢「分かりました!貴方はこの街の冒険者ギルドで初のエレメンタルソードマスターです!頑張って下さい!!」

 

 職員が整列して拍手して、周囲の人が俺を見ている。

 

零士「あの、早速クエストを受けたいんですけど。」

受付嬢「はい。何を受けますか?」

零士「あの、ジャイアントトードのクエストでお願いします。」

受付嬢「分かりました。」

 

 あの2人組と鉢合わせる事になるな。

 その前に社交辞令として。

 

零士「あの。そういえば貴女の名前を伺っても良いですか?」

ルナ「はい。私はルナです。今後ともよろしくお願いします。」

零士「こちらこそ、よろしくお願いします。」

 

 俺はルナさんからジャイアントトードの特徴を聞いて、ギルドの外に出る。

 高速カブト語録を取り出して、クロックアップを発動して平原へと向かう。

 エリス様曰く、レジェンドワンダーライドブックを使えば、武器の召喚や能力の付与が出来るそうだ。

 到着すると、先程のジャージの青年が現在進行形でジャイアントトードに追われていた。

 

???「あぁ!助けて!!」

???「プークスクス!カエルに追われるなんて情けないんですけど!超情けないんですけど!!」

 

 あの女性、性格悪いな。

 背後に気配を感じて振り返ると、1匹のジャイアントトードがいた。

 

零士「丁度良いな!早速行ってみるか!」

 

 ジャイアントトードが舌を飛ばしてきたが、それをステップで躱して一気に接近して、火炎剣烈火で斬り裂く。

 絶命したそうで、冒険者カードを見ると、早速レベルが1上がっていた。

 あの2人組の方を見ると、青髪の女性が食われて、ジャージの青年が助けていた。

 

???「ハァ、ハァ。カエルがアクアを飲み込んでいて、動けなくなってて助かった。」

???「うぅ、うぅ!ありがとう、カズマぁ。ありがとう!ありがとうね!」

カズマ(生臭ぇ!)

 

 あのカズマって奴、苦労してるなぁ。

 その後、何を思ったのか、女性の方がジャイアントトードに向かって突進していった。

 

???「神の力、思い知れ!私の前に立ち塞がった事、そして神に牙を剥いた事!地獄で後悔しながら懺悔なさい!ゴッドブロー!」

 

 ルナさんの話によれば、ジャイアントトードに打撃攻撃は効かない筈だが。

 

???「ゴッドブローとは、女神の怒りと涙のこもった一撃!相手は死ぬ!」

 

 だが、ジャイアントトードには効いた素振りがない。

 

???「………カエルってよく見ると可愛いと思うの。」

 

 流石に2度も食べられるのは可哀想なので、高速カブト語録でクロックアップを再発動し接近、火炎剣烈火を左側の必冊ホルダーに納刀する。

 

『烈火居合!』

『読後一閃!』

 

 居合技を発動して、ジャイアントトードを斬り裂く。

 斬り裂いたと同時にクロックアップも終わったな。

 

カズマ「えっ!?」

???「えっ!?」

 

 あの2人からしたら、いきなり現れた青年にジャイアントトードが斬り裂いた様に感じただろうな。

 

零士「大丈夫か?」

???「えっ。あっ、はい。」

カズマ「おい、大丈夫か?」

???「大丈夫よ。この人が助けてくれた。」

カズマ「ありがとう。助かったよ。」

零士「いやいや、助かってよかった。」

 

 その後、情報交換をして、ジャージの青年がカズマで、青髪の子がアクア。

 やはり、カズマは転生者で、特典として女神のアクアを連れてきたそうだ。

 連れてきた理由は、自分の死を馬鹿にされた事への仕返しだそうだ。

 

零士「さて、残りのカエルを倒そうぜ。」

カズマ、アクア「えっ!?」

零士「うん?」

カズマ「いやちょっと、俺達には難易度が高いというか……。」

アクア「ちょっと私も……。」

 

 まずいな。モチベーションが下がってる。

 このままではクエストに影響が出そうだから、助けるか。

 こっそり電王童話全集を出して、デンガッシャーソードモードを取り出す。

 

零士「カズマ。」

カズマ「何だ零士?」

零士「これ使ってくれ。」

カズマ「どこから出したんだよ?ていうか、これってまさか……。」

アクア「あーっ!仮面ライダー電王のデンガッシャーじゃないの!」

カズマ「マジかよ!!本当だ、スッゲー!!」

 

 どうやら、仮面ライダーを知っている様だな。

 聞いてみると、カズマはフォーゼまで知っているそうで、アクアもフォーゼまでなら知っているそうだ。

 

カズマ「零士の特典って、仮面ライダーの武器か?」

零士「いや、仮面ライダーセイバーの力だ。」

カズマ「仮面ライダーセイバー?そんな仮面ライダーっていたか?」

 

 そりゃそうだ。フォーゼまでしか知らない人にセイバーと言われてもピンとこないだろう。

 そうして俺はカズマにフォーゼ以降の仮面ライダーを教えた。

 ウィザードからジオウまでで平成は終わり、ゼロワンから令和が始まって、セイバーで仮面ライダーは50周年を迎えた事を。

 

カズマ「なるほどな。フォーゼ以降も続いてたんだな。ん?という事は、零士は変身……?」

零士「出来るぞ。」

カズマ「マジかよ!」

 

 カズマと仮面ライダートークで盛り上がっていると、アクアが服の裾を引っ張ってきた。

 

アクア「あの……。私にも武器を貸して欲しいんだけど……。」

零士「分かった。それじゃあ……。」

 

 電王童話全集からデンガッシャーロッドモードを取り出した。

 

零士「これで良いか?」

アクア「ありがとう。デンガッシャーロッドモードね。私に相応しいじゃないの。」

 

 そうして俺達はクエストを終えた。

 風呂で汚れを落として、ギルドで報酬を受け取り、カズマ達と共にジャイアントトードの唐揚げを食べていた。

 なるほど。鶏肉の唐揚げを食べてる感覚だな。

 俺の冒険者カードを見ていたアクアが声を上げた。

 

アクア「あなた、エレメンタルソードマスターなの!?」

カズマ「何だよそれ?」

アクア「なり手が少ない超レア職業よ。」

カズマ「マジかよ!」

 

 冒険者カードをアクアから返してもらい、スキルが無いか見ていると、カズマから声をかけられた。

 

カズマ「零士。」

零士「どうした?」

カズマ「俺達とパーティーを組まないか?」

零士「あぁ。良いぞ。」

 

 俺はカズマからの誘いに即答した。

 

カズマ「マジでか!いやぁ助かるわ。俺は最弱職で、アクアは支援と回復は良いけど、攻撃手段が無いからさ。」

アクア「ちょっとカズマ、どういう意味よ!」

カズマ「うるさい。零士に断られるのを覚悟してたんだぞ。」

 

 俺もソロは自信ないしな。

 それに、他の聖剣を目覚めさせたいし。

 

零士「カズマさ。」

カズマ「何だよ?」

零士「他にも仲間を増やそうぜ。」

 

 俺はそう提案した。

 

 

 

 




今回はここまでです。
次回、変身させます。
来年は、セイバーとオーズのVシネマがあるので、とても楽しみです。
それでは。


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第2話 変身する、炎の剣士。

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕が注目している神崎零士は、エレメンタルソードマスターになり、カズマとアクアという2人の仲間を得た。この調子で仲間を増やして欲しいですね。おっと、彼は宿に向かっていますね。翌日に、何か運命的な出会いがあるかもしれないね………。」


 カズマに仲間を増やす事を提案したその後、俺は宿へと向かった。

 一方、カズマとアクアは馬小屋へと向かった。

 俺が宿代を出そうとしたが、カズマが依存しそうになりそうだからという理由で断った。

 本当に、ごめん。

 

零士「あの、泊まりたいんですけど……。」

店主「らっしゃい。」

零士「1週間の連泊でお願いします。」

店主「なら、1400エリスだよ。」

零士「分かりました。ありがとうございます。」

店主「ほれ、鍵だ。無くすなよ。」

 

 俺は部屋に入り、冒険者カードと聖剣ソードライバーの確認に入った。

 冒険者カードには、フレイムスラッシュ、体捌きのスキルがあった。

 フレイムスラッシュは、居合技を使ったからで、体捌きは、ジャイアントトードの舌を回避したからだろう。

 スキルポイントも、10000ポイント確認出来たので、その2つを習得する。

 ソードライバーを見ると、シティウォーズの様にクロスリンクシステムみたいなのがあり、スキルポイントを使って可能な限り、性能を上げる。

 俺は作業を終えて、寝る事にした。

 カズマ達に新しいパーティーメンバーを任して、俺は明日は変身する為にクエストに出ようと思う。

 

翌日

 

 俺はアクセルから少し離れた森林地帯に来ていた。

 クエストの内容は、『森林地帯にいる冒険者の捜索、指定モンスターの一定数の撃破。』

 救助対象は、ルーンナイトの冒険者で、討伐対象は、オーガ5匹とエルダートレントの撃破。

 

零士「まあ、要するに要救助者を助けるのと、エルダートレントを倒せって事だよな。」

 

 遡る事早朝。

 ギルドに向かうと、このクエストを依頼された。

 実はこの森林地帯には、先にルーンナイトの冒険者がクエストに向かっていったらしい。

 そのクエストの内容は、『ゴブリンの一団の撃破』という物で、初心者殺しは確認されなかった為、受けたらしい。

 しかし、俺がギルドにクエストを受けに行った時。

 

ルナ「実は、その森林地帯にエルダートレントが出現したと、報告が入ったのです。」

零士「エルダートレント?」

ルナ「巨大な木型のモンスターです。今、そこのクエストに向かっている彼女のレベルではとてもエルダートレントには勝てません。」

零士「なるほど。」

ルナ「そこで、エレメンタルソードマスターであるあなたに特別クエストをお願いしたいのです。」

 

 現在。

 

零士「まあ、助けますか。」

 

 特別クエストというだけあって、報酬は凄かった。

 オーガ1匹につき、7500エリス。

 エルダートレントの撃破で25000エリス。

 冒険者の救助で10000エリス。

 今回はセイバーに変身するので、そこまで苦戦はしないと思う。

 

『聖剣ソードライバー!』

 

 俺はソードライバーのバックルを取り出して腰に装着、必冊ホルダーに納刀していた火炎剣烈火をバックルに納刀する。

 次にブレイブドラゴンワンダーライドブックを取り出して起動する。

 

『ブレイブドラゴン!』

 

 起動したら、ガードバインディングを開いてストーリーページにし、朗読文を流す。

 

『かつて全てを滅ぼすほどの偉大な力を手にした神獣がいた…。』

 

 俺はワンダーライドブックを閉じて、ソードライバーのライトシェルフに装填する。

 待機音が鳴ったら、火炎剣烈火を抜刀し、神山飛羽真の変身ポーズを取る。

 

『烈火抜刀!』

 

零士「変身!」

 

『ブレイブドラゴン!』

『烈火一冊!勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く!』

 

 俺は前に向かってX字の斬撃を放ち、それがクロスフレイムバイザーとなり変身を完了する。

 俺もセイバーを始めて見た時に頭から剣が伸びている所に驚いた。

 音に釣られたのか、オーガが一気に5匹も現れた。

 

零士「丁度良い。探す手間が省けた。」

 

 俺は火炎剣烈火を構えて、オーガの一団に一閃する。

 オーガは呆気なく倒れた。

 

零士「さて、一つ目の依頼はOKだな。次はエルダートレントと冒険者の捜索だな。」

 

 俺は2011フォーゼオデッセイを取り出して、レーダーモジュールを取り出して、捜索する。

 すると、小さな1つの反応が、大きな反応に追われている。

 どうやら、既に見つかっているみたいだな。

 

零士「急いだ方が良さそうだな!」

 

 レーダーモジュールを頼りに俺は森の中を走っていく。

 

???side

 

???「はぁ、はぁ、はぁ!」

 

 私は自分に迫り来る死の恐怖から逃げている。

 

???「何で、こんな事に!」

 

 遡る事数分前。

 私はゴブリンの一団を倒すクエストを受けていた。

 私は今の自分の腕を知りたくて、このクエストに挑んでいた。

 仲間であるカイトは、無理をするなよと言っていたが、正直言って楽勝だった。

 ギルドに調べてもらい、初心者殺しがいない事を確認して、ゴブリンの一団を撃破した。

 ゴブリンを倒して帰ろうとしたが。

 

???「あれ?やけに静かね。」

 

 森は異常なくらいに静かだった。

 胸騒ぎがした私は帰ろうとしたが。

 

ブン!

 

???「え?」

 

バシン!

 

???「痛っ!」

 

シュルシュル

 

 私に当たったのは木の根だった。

 そして、そこに居たのは。

 

???「え!?エルダートレント!?」

 

 エルダートレント。

 かなり危険な木型のモンスターだ。

 だが、私のレベルでは倒せない。

 

???「嘘!私聞いてないんだけど!」

 

 ギルドから出現の知らせは来ていない。

 でも、考えるのは後だ。

 このままでは殺されてしまう!

 

???「斬撃波!」

 

 私はすぐさま、斬撃波を放ち、木を斬り倒してエルダートレントの動きを妨害する。

 

???「早く、逃げないと!」

 

 私はまだダメージが残る体に鞭打って、走り出す。

 現在。

 そして、追いつかれてしまった。

 迷うのを防止する為にあちこちの木に印をつけていたが、追われる恐怖に、印を確認しきれなかった結果、迷ってしまい、追いつかれてしまった。

 今、私は一本の木を背に、目の前にエルダートレントが居る。

 

???「ヒッ!」

 

 私、このまま死ぬのかな。

 いや、私は死にたくない!

 でも、この状況をどうすればいいんだろう?

 

???「誰か、助けて!」

 

 私は助けを求めた。

 だが、こんな早朝に都合よく私を助けてくれる人なんて……。

 

『必殺読破!』

 

???「え?」

 

零士side

 

 レーダーモジュールを頼りに捜索していると、冒険者の反応が止まり、エルダートレントの反応が近づく。

 

零士「不味いな!急ぐか!」

 

 俺は全速力で走った。

 今のセイバーに変身してる俺は、100mを4.5秒で駆け抜ける。

 ある程度近づいたので、レーダーモジュールをしまう。

 

零士「あれか!」

 

 その時、声が聞こえた。

 

???「誰か、助けて!」

 

 助けを求める声が聞こえた。

 仮面ライダーは力無き人たちを守る為の力だ。

 助けを求める声が聞こえたなら、その人を絶対に助ける!

 俺は聖剣ソードライバーに火炎剣烈火を納刀し、レッカトリガーを引く。

 

『必殺読破!』

 

???「え?」

 

 そして、火炎剣烈火を抜刀する!

 

『烈火抜刀!』

『ドラゴン!一冊斬り!』

『ファイヤー!』

 

 俺は技名を宣言する!

 

零士「火炎十字斬!」

 

 俺はエルダートレントを十字に斬り裂き、そこからブレイブドラゴンで上空に飛ばし、そこから更に滅多切りにした。

 エルダートレントは爆発して、冒険者カードを確認すると、討伐を確認出来た。

 そして、彼女に手を差し伸べる。

 

零士「もう大丈夫だ。」

???「あ、え?」

 

???side

 

 私は助かったの?

 あのエルダートレントを滅多切りにするなんて。

 それに声からして男だけど、彼の姿は見た事が無い。

 右腕が赤い竜になっていて、真ん中は白、左腕は黒で、頭には彼が持っている剣の装飾が伸びている。

 こっちに近づいてくるが、恐怖よりも安堵感が勝っていた。

 

零士「もう大丈夫だ。」

???「あ、え?」

 

 彼は何者だろうか?

 不思議と聞いた事のある声をしている。

 でも、私が思ったのは。

 

???(あぁ、助かったんだ、私。)

 

 私は彼の手を掴んだ。

 

零士side

 

零士「立てるか?」

???「うん。」

 

 彼女を立たせる。

 思い出したが、この人は、俺にギルドの場所を教えてくれた人だ。

 

零士「あの時はありがとうな。」

???「え?」

零士「ギルドの場所を教えてくれただろ。」

???「え!?」

零士「そっか、これじゃわかんないか。」

 

 俺はワンダーライドブックをソードライバーから抜き、変身解除する。

 すると彼女は。

 

???「あれ!?鎧が消えた。って、君はあの時の!」

零士「あぁ。助かって良かった。」

 

 そして、何故ここに来たかを話す。

 

???「そっか。ありがとうね。探してくれて。私、本当にここで死ぬかと思ったよ。」

 

 そう言って泣き出しそうになる。

 やっぱり、精神的負荷が掛かったみたいだな。

 前世では彼女がいない俺からしたらハードルが高いが、落ち着かせるにはやるしかない。

 俺は彼女を抱きしめた。

 

???「あっ。」

零士「大丈夫、もう大丈夫だからな。」

???「ううっ、う、うぅぅ………あぁ、うわぁぁぁん!」

 

 恐怖から解き放たれた反動か、彼女は泣き出した。

 俺はそれを見て、改めて助けれてよかったと思った。

 

???「ありがとうね。」

零士「落ち着いたのなら良かった。」

 

 落ち着いたのか礼を言ってくる。

 

零士「じゃあ、傷だらけの体を治さないとな。」

???「え?回復魔法を使えるの?」

零士「回復魔法じゃないんだ。」

 

 俺は2011フォーゼオデッセイを使って、メディカルモジュールを取り出す。

 これを使えば、治療用コズミックエナジーで治せる筈だ。

 

???「え!?注射!?」

零士「大丈夫。痛くないから。」(多分。)

 

 注射の先端を彼女に当てて、治療用コズミックエナジーを彼女の体に流し込む。

 

???「!あ!うぅぅぅん!」(何これ?傷があっという間に。)

 

 コズミックエナジーの力で治療を完了する。

 

零士「どうだ?」

???「あっ!うん。ありがとう。」

零士「どういたしまして。なら、もうこの森林地帯には用はないな。」

 

 メディカルモジュールをしまい、ディアゴスピーディーワンダーライドブックを取り出して、ページを開き、放り投げると。

 

『ディアゴスピーディー!』

 

 本がバイクへと変化した。

 ちなみに、バイクの免許は持っているので、運転の仕方は分かる。

 

???「何これ!?乗り物?」

零士「あぁ。これで一気に脱出するぞ!それはそうと、君の名前は?」

リナ「あぁ。私はリナよ。」

零士「リナか。いい名前だな。俺は神崎零士だ。さあ、後ろに乗って!」

リナ「うん。」

 

 リナが後ろに搭乗した事を確認し、バイクのエンジンをかける。

 すると、リナがびっくりした様だが、慣れたようだな。

 

零士「じゃあ、飛ばすからしっかり掴まれ!」

リナ「う、うん。」(私、男の人を抱きしめてるよ。でも、さっき、彼に抱きしめられたよね。)

零士「行くぞ!」

 

 ディアゴスピーディーを爆走させた。

 やっぱりバイクは良いな。

 

リナ「凄い!これ、いつもの馬車よりも速い!」

 

 リナも初めてのバイクで、興奮している。

 そうして森林地帯を抜けて、アクセルの正門前に着いた。

 リナを降ろして、ディアゴスピーディーをワンダーライドブックに戻す。

 

リナ「凄いわね。そのバイク?それ、持ち運び便利じゃない。」

零士「そういう魔道具だ。」

リナ「なるほどね。」

 

 俺自身も仕組みを理解していないので、魔道具だと思う。

 ルナさんに話しかけて、報酬を受け取った。

 すると、1人の男が近づいてきた。

 

???「いやぁ、ありがとうございます。」

リナ「心配かけてごめんね。カイト。」

 

 どうやら、カイトと言うらしい。

 

カイト「うちのリナを助けてくれてありがとうございます!」

零士「いや、当然の事をしたまでです。」

 

 少し挨拶をして、カズマ達と合流する。

 

零士「おい、カズマ。」

カズマ「あ、零士か。」

零士「どうだ?仲間は出来たか?」

カズマ「それが、全然。」

零士「え?」

 

 どういう事だ?

 カズマは最弱職とはいえ、あらゆるスキルを覚えられる。

 アクアも、性格に難ありだが、腕は確かなのに。

 

リナ「ねえ。」

零士「ん?」

カイト「お前のパーティーって、メンバー募集中なんだよな?」

零士「あぁ。」

リナ「なんでだろ?」

カイト「多分、原因あれ。」

零士「え?」

 

 掲示板を見に行くと。

 そこには、アクアが書いたであろう募集用紙があった。

 内容は、胡散臭い宗教勧誘のそれだった。

 ダメじゃん。

 それに上級職限定って、アクセルには上級職はそこまでいない筈。

 カズマ達の所に戻り、指摘する。

 

零士「なあ、採用条件下げようぜ。」

カズマ「そうだぜ。いくらなんでもハードルが高すぎる。」

アクア「うぅ。だって……。」

リナ「……あの、よかったら、私達が入る?」

「「「え!?」」」

リナ「いいよね。カイト?」

カイト「あぁ。エルダートレントを倒した零士の腕を見てみたい。」

 

 なんと、リナとカイトが入ってくれるそうだ。

 リナはルーンナイトで、カイトはソードマスターだそうだ。

 

カズマ「零士、誰なんだこの2人は?」

零士「今朝受けたクエストで、リナの方を助けて、カイトはリナの仲間。」

アクア「ルーンナイトにソードマスターね。ステータスは、リナの方は特に何もなくて普通ね。」

リナ「うっ!」

 

 おい、アクア、いくら何でもぶっちゃけすぎだろ。

 もっと長い目で見てやれよ。

 

零士「そう言うなって、レベルが上がれば、上級職になれるだろ。」

アクア「うーん。」

カイト「俺既に上級職なんだけど。」

 

 何で悩んでんだ。

 仕方ない、そっちがその気なら。

 

零士「なら、俺はカイトとリナのパーティーに入っていいか?」

「「え!?」」

リナ「ちょっと零士!?」

カイト「俺は別にいいぞ。」

 

 俺は現在ソロなんだから良いだろ。

 

カズマ「おい、零士。お前、今俺達のパーティーに入ってるだろ。」

零士「無論、これからもカズマ達とパーティーを組む。だけど、2つのパーティーを連結してやれば良いだろ。人の力は多い方が良いし。」

カズマ「それは、そうだけど……。」

 

 カズマが悩んでいるのを見ていると、背後から声をかけられた。

 

???「募集の張り紙、見させて頂きました。」

「「「「「え!?」」」」」

 

 俺達は声のした方に顔を向けた。

 

???「この邂逅は世界が選択せし運命。私はあなた方のような者の出現を待ち望んでいた。」

 

 すると、彼女は、マントをたなびかせて。

 

めぐみん「我が名はめぐみん!アークウィザードにして、最強の攻撃魔法、爆裂魔法を操りし者!」

「「「「「…………。」」」」」

 

 あまりの厨二っぷりに唖然としている。

 カズマは戸惑っていて、アクアは呆然、リナとカイトは(あぁ、この子なんだな。)という表情をしている。

 

めぐみん「クックック、あまりの強大さゆえに世界に疎まれし我が禁断の力を汝は欲するか。」

「「「「「…………。」」」」」

めぐみん「ならば、我と共に究極の深淵を覗く覚悟をせよ。人が深淵を覗く時、深淵もまた人を除いているのだ……。」

カズマ「冷やかしに来たのか?」

めぐみん「ち、違うわい!」

 

 なるほどね。

 なら、俺も。

 

零士「我が名は神崎零士!エレメンタルソードマスターを生業とし、火炎剣烈火を操りし炎の剣士!やがて、この世界の魔王を倒す者!」

 

 決まったな。

 だが、反応はカズマが唖然として、アクアは呆然、リナは呆れていて、カイトは「火炎剣烈火?」と呟いていた。

 俺は相手に合わせただけだ。

 当のめぐみんは目を輝かせて。

 

めぐみん「ハァァァァ!」

 

 俺を見てくる。

 

めぐみん「な、何ですか今のカッコいいセリフとポーズは!?て言うか、私の名乗りに合わせてくれたのは、あなたが初めてですよ!火炎剣烈火って何ですか!?炎の剣士とは何ですか!?」

 

 凄い勢いで聞いてくるな。

 前世でこんな奴がいたら、仲良く出来たと思うな。

 

めぐみん「あの!もう一度や……って……くれ……ます……か……。」

零士「おい、どうした!?」

 

 めぐみんが倒れた事に慌てて俺達が近づくと、めぐみんのお腹の方から、盛大に腹の虫が暴れる音が聞こえた。

 

めぐみん「もう、3日も何も食べてないのです。何か食べさせてくれないでしょうか……。」

 

 3日って、いくら何でも可哀想だ。

 俺はめぐみんにメニューを渡して。

 

零士「なんか頼もうか?話はそれからだ。」

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。
次回、めぐみんの爆裂魔法が炸裂します。
オリキャラはあと1人は出すつもりです。
リナとカイトも変身させるつもりです。
オリジナルの聖剣はもうしばらくしたら登場します。
どうか、よろしくお願いします。
後、このすば1000万部おめでとうございます!


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第3話 爆裂、紅魔の娘

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。神崎零士は、カズマとアクアだけでなく、クエストで助けたリナとその仲間のカイトとも仲間になったよ!そして、紅魔族であるめぐみんも邂逅して、彼はどんどん仲間が増えていく。さて、何やら、聖剣が目覚めそうだね。」


めぐみん「ガツ!ガツ! ゴキュ!ゴキュ!」

 

 めぐみんは凄い勢いで食べまくっていた。サラダに唐揚げを3人前も注文し、食べ尽くした。

 流石に3人前を一気に食えるとは、どんだけ食べていなかったんだよ。

 

めぐみん「いやぁ。助かりました。あと少しで死んでしまうかと思いましたよ。」

 

 いや、それは洒落にならない。

 一方、めぐみんの冒険者カードを見ていたアクアが声を上げる。

 

アクア「冒険者カードは偽装出来ないし、彼女はアークウィザードで間違いないわ。それに彼女が爆裂魔法を使えるのなら凄い事わよ!最強の攻撃呪文だもの。」

カズマ「確かにこの子の魔力と知力、高いな!」

 

 めぐみんの冒険者カードを見ていたカズマとアクアは知力と魔力が高いことに驚いていた。

 俺も見せて貰ったが、確かに高い。流石、紅魔族随一の天才を名乗るだけはあるな。

 俺はリナとカイトに聞いたのだが、紅魔族は生まれつき高い魔力と知力で、大概全員変な名前らしい。

 しかし、めぐみん曰く、街の人達の方が変な名前をしていると語っていることから、そこは常識の違いだろう。

 

めぐみん「あの、『この子』とか『彼女』ではなく、名前で呼んで欲しいんですが。」

 

 めぐみんは少し不満そうに言ってくる。名前を言われないだけで気に入らないのだろうか。

 

リナ「ちなみに君の両親の名前は?」

めぐみん「母はゆいゆい!父はひょいざぶろー!」

「「「「「………。」」」」」

 

 俺達は全員絶句した。

 特に父親のひょいざぶろーだ。

 

零士「………この子の種族は素晴らしい魔法使いが多いんですよね。」

めぐみん「お!おい!私の両親の名前について言いたい事があるなら聞こうじゃないか!」

 

 まあ、それぐらいにして。

 俺達はめぐみんが食べ終わったのを見て、リナとカイト、めぐみんの実力を見るためにジャイアントトードのクエストを受けた。

 しかし、事情を知っているリナとカイトからは「あまり期待しない方が良い。」と言われた。

 なんでだろうな?

 そして、着いた所で4匹のジャイアントトードがいた。

 

めぐみん「爆裂魔法は最強の攻撃魔法。それゆえに準備に時間がかかります。」

カズマ「よっしゃあ、やってやるよ!」

アクア「零士が貸してくれたこの武器が有れば大丈夫よ!」

 

 ちなみにカズマとアクアには、前回同様に、デンガッシャーのソードとロッドを貸している。

 最初、これを出した時に、めぐみん、リナ、カイトの3人は見た事の無い武器に驚いていた。

 特にめぐみんは、自分も使いたいと言ってきたが、今回はめぐみんの実力を見たいから、また今度という事にした。

 

零士「じゃあ、1番遠いカエルを標的にして欲しい。」

めぐみん「分かりました。」

零士「俺達は近づいてくる残りの3匹を仕留めるぞ!」

カイト「任せろ!」

リナ「ええ!」

 

 そう言って、リナとカイトは、早くもカエルを仕留めた。

 

零士「やるなぁ、2人とも!」

カイト「まぁな。」

リナ「これぐらい余裕よ。」

 

 そして残り1匹となった。いつの間にかアクアがカエルに向かって突進していった。

 

アクア「2人ともやるわね。なら、女神の本気、思い知れ!ゴッド・レクイエム!!」

 

 おい待て。凄い技だけれども。

 

アクア「ゴッド・レクイエムとは、女神の愛と悲しみの鎮魂歌!相手は死ぬ!」

 

 だが、極彩色のデンガッシャーロッドモードがカエルに触れる前に。

 

アクア「プフッ!!」

 

 アクアは、見事に食べられた。

 やっぱり、良い武器を持っていても、当たらないと意味はない。

 アクアは、知力のステータスが著しく低い。それは仕方ない。

 

カズマ「さすがは女神。 身を挺しての時間稼ぎか。」

カイト「いや。そんな事を言ってる場合じゃないだろ。」

リナ「流石に助けないと。」

零士「仕方ないな。」

 

 俺は火炎剣烈火とブレイブドラゴンを取り出した。すかさずシンガンリーダーにブレイブドラゴンをかざす。

 

『ドラゴン!』『ふむふむ』

 

 待機音が鳴っている時に、レッカトリガーを弾いて、習得一閃技を放つ。

 

『習得一閃!』

 

 火炎剣烈火から赤い光が出てきて、それをジャイアントトードに向けて振ると、斬撃波を放ち、カエルに向かう。だが、斬撃波はカエルを切断した後も貫通し、空へと向かった。アクアはその時に吐き出されていた。

 

カズマ、リナ、カイト「…………。」

零士「少しやり過ぎたかな?」

 

 カズマ、リナ、カイトの3人はあまりの威力に全員揃ってドン引きしていた。

 一方、めぐみんはというと。

 

めぐみん「ハァァァァ!」✨キラキラ✨

 

 凄く目を輝かせていた。

 その視線から、ものすごく使いたいと言う気持ちが溢れている。

 紅魔族的に、仮面ライダーは大変格好良く映る物だろうか。

 まぁ、俺的には、仮面ライダーを格好良く言ってくれるのは嬉しい。

 

零士「めぐみん。カエルに集中しようかな。」

めぐみん「あ。すみません。では次に私が格好良く決めましょう!」

 

めぐみん「『黒より黒く、闇より暗き漆黒に我が深紅の混交を望みたもう。覚醒の時来れり。無謬の境界に落ちし理。無業の歪みとなりて現出せよ!踊れ踊れ踊れ。我が力の奔流に望むは崩壊なり。万象等しく灰塵に帰し深淵より来れ!』これが人類最大の攻撃魔法!『エクスプロージョン!!』」

 

 めぐみんの詠唱が始まると、1番遠いカエルの周囲に魔力が満ちている。

 エクスプロージョンと言った途端、虹色の星が輝き、迸る。

 そして、爆音と爆風が同時にやってきて、そこに残ってたのはカエルだった炭と、巨大なクレーターだ。

 

カズマ「スゲー!」

零士「これが爆裂魔法か。」

リナ「凄いわね。」

カイト「これがアクセルで放たれたなら、大惨事だろうな。」

 

 やっぱり凄い!

 これは、小さい砦の一つくらい容易く吹っ飛ばすだろう。

 そしてカイトの言う通り、アクセルでやられたら、大惨事極まれる。

 その時。

 

 ヌモッ!

 

零士「何?」

 

 なんとカエルが大量に湧いてきた。

 

カズマ「な!こいつら、なんで?」

リナ「うそ!」

カイト「いや、マジだ。これ。」

 

 やっぱり、爆裂魔法は凄まじい。それ故にあんな爆音と爆風が同時に来ると、他のカエルが目を覚ましてしまう。

 流石に大量はまずい。

 

零士「みんな、散開!!すぐに離れて………めぐみん?」

 

 めぐみんがうつ伏せで倒れていた。

 まさか。

 

めぐみん「プフッ!我が奥義である爆裂魔法は、その絶大な威力故に、消費魔力もまた絶大。簡単に言うと、身動き一つ取れません。」

「「「えぇぇ〜〜〜!!」」」

カイト「やっぱりかぁ。」

リナ「やっぱりだね。」

 

 おいおい!それって一発屋じゃねぇかよ!ダメじゃねぇか!

 て言うか、リナとカイトは知ってたのかよ。

 呆れが物凄い。

 

零士「あぁぁ、たくもう!カズマ、リナ、カイト、アクア!全員来い!」

 

 俺はめぐみんの側に行き、そう指示を出す。アクア以外の3人は、すぐに来た。アクアもヌルヌルのまま、こっちに来た。

 俺はすぐさま、ソードライバーのバックルを取り出し、烈火を納刀した。そしてブレイブドラゴンのワンダーライドブックを取り出す。

 

『ブレイブドラゴン!』

 

 今回はストーリー音は鳴らさずに、ライトシェルフにワンダーライドブックを装填する。待機音が鳴り始めたので、抜刀する。

 

『烈火抜刀!』

 

零士「変身!」

 

『ブレイブドラゴン!』

『烈火一冊!勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く!』

 

 俺は仮面ライダーセイバーへと本日2度目となる変身だ。

 チラッとカズマ達を見ると

 アクアは、呆然としている。

 リナは、口に両手を当てて、目を見開いて驚いている。

 カイトは、目を見開いて驚いている。

 めぐみんは、習得一閃技の時よりも目を輝かせていて、そこから、『カッコいい!』『私もなりたい!』と言う感情が読み取れる。

 一方、カズマは。

 

カズマside

 

 俺は、零士の変身を初めて見た。

 おそらく、この仮面ライダーは、本と剣、炎、竜がモチーフになっている。

 やっぱり仮面ライダーの変身は凄く良い。

 俺は小学生の頃、本気で仮面ライダーに憧れ、本気でヒーローになろうとしていた。

 だが、いつからだろうか。仮面ライダーはTVの中の絵空事だと言う事、俺にはなれないと言う事を。

 でも、俺の目の前に仮面ライダーはいる。ならばこそ、俺もこの世界での新たな人生でまた、仮面ライダーを目指してみようかな。

 

零士side

 

 カズマは、色々な感情を込めた視線で見ているな。

 流石にこんなに見られると少し恥ずかしい。

 だが、ジャイアントトードは、近づいてくる。

 俺は近づいてくる奴を片っ端から、火炎剣烈火で切り捨てていった。

 しかし、数が数だ。多すぎる。

 他のワンダーライドブックを使おう!

 そうして取り出したのは。

 

『ジャッ君と土豆の木!』

 

 ジャッ君と土豆の木を取り出して、ストーリーページを開く。

 

『とある少年がふと手に入れたお豆が巨大な木となる不思議なお話…。』

 

 ストーリーページを閉じて、火炎剣烈火を納刀し、ブレイブドラゴンも閉じて、レフトシェルフに装填する。そうして抜刀する。

 

『烈火抜刀!』

『二冊の本が重なりし時、聖なる剣に力が宿る!ワンダーライダー!』

『ドラゴン!ジャックと豆の木!2つの属性を備えし刃が、研ぎ澄まされる!』

 

 セイバーの左の部分にジャッ君と土豆の木の力が宿った、『ドラゴンジャッ君』へと変身した。

 

カズマ「おぉー!!フォームチェンジも出来るのか!!」

めぐみん「!!!!もう!何から何までカッコいいですよ!!緑なのは少し不満ですが、紅魔族の琴線に激しく触れます!!」

リナ「凄い………。」

カイト「マジかよ………。」

アクア「…………。」

 

 なんか周囲が凄く盛り上がってるな。

 なら、期待に応えて、一気に決めますか!

 火炎剣烈火を納刀し、レッカトリガーを引く。

 

『必殺読破!!』

 

 そして抜刀する。

 

『烈火抜刀!』『ドラゴン!ジャックと豆の木!二冊斬り! ファ・ファ・ファイヤー!』

 

零士「火炎十字斬!!」

 

 俺はジャイアントトードの真下に土豆の種を蒔き、一気に成長させ、全員吹き飛ばす。さらに追撃で、ブレイブドラゴンと豆の木の二つを踏み台にして、全員滅多斬りにする。そしてジャイアントトードは全員纏めて爆発する。

 

零士「ふぅ〜〜。」

 

 俺が着地した時には、焦げたカエルの亡骸がたくさん周囲に転がっていた。

 

零士「これは追加報酬が期待できるな。」

カズマ「うわ〜、あんなにいたカエルが零士の必殺技で、全滅かよ。」

リナ「めぐみんの爆裂魔法も凄いけど、零士の剣技も凄いわね。」

カイト「いや。あれは凄い。」

めぐみん「くっ、私の魔法の方が威力は上ですがこんなに殲滅されるとは、悔しいですッ!」

アクア「これ、零士1人で十分じゃない?」

 

 いや、アクアさん。あれは仮面ライダーだからこそ出来る事で、普通には無理です。

 それより、めぐみんだな。

 

零士「めぐみん、起き上がれるか?」

めぐみん「いいえ。まだ動けません。首を動かす位なら出来ますが。」

 

 なら、ウィザードの力で魔力の補充だな。

 

『希望の竜使いウィザード!』

 

 『プリーズ!プリーズ!』

 

 俺は、操真晴人がコヨミにやっていたようにめぐみんに魔力を補充する。

 

めぐみん「お!おぉぉぉぉ!!!」

零士「ぎゃあぁぁぁ!!!」

 

 流石に魔力が沢山あるだけあって、結構吸われたぞ。

 そして、十分に魔力を回復できためぐみんは。

 

めぐみん「魔力完全回復です!」

カズマ「え? 零士、何したんだ?」

零士「ウィザードの力で魔力を受け渡したんだよ。」

 

 上手くいって良かった。

 

アクア「魔力を渡したって?マジで?」

零士「マジだよ。」

 

 まぁ、これも仮面ライダーの力なんだけどな。

 

めぐみん「零士!私も仮面ライダー……でしたっけ?それになれませんか?」

零士「うーん。今は厳しいかな。」

 

 現在、ライオン戦記、ランプドアランジーナ、玄武神話、猿飛忍者伝、ヘンゼルナッツとグレーテル、ジャアクドラゴン、昆虫大百科、オーシャンヒストリーは、反応していない。

 でも、俺はめぐみんは選ばれる気がする。

 

めぐみん「くっ、残念です。」

リナ「………。」(私だって……。)

カイト「………。」(俺も……。)

カズマ「俺だって、零士みたいに仮面ライダーになれたらなぁ。」

零士「………。」

 

 カズマは俺と同じく、仮面ライダーを知っている。もしかすると……。

 

零士「カズマ。お前にこれを託す。」

カズマ「えっ。これって。」

 

 俺はカズマにライオン戦記のワンダーライドブックを渡した。

 

零士「カズマに資格があれば反応する。」

カズマ「おう。分かった。」

 

 そして俺達はアクセルにクエスト完了の報告をする為、戻る。その際に、めぐみんとリナ、カイトの3人の評価をした。

 リナとカイトは、前衛職として役立つので、入れる事にした。

 問題はめぐみんだ。一発撃ったら終了の魔法使いは、正直笑えない。

 カズマが、「これからは他の魔法で頼む。」と言った時、めぐみんは「私は爆裂魔法しか使えません。」と言った時、嘘だろ。と思った。

 

アクア「え?爆裂魔法が使えるレベルなら、他の魔法も使えるでしょ。」

 

 あのアクアがまともな指摘をしているのだ。

 それに対するめぐみんの返答は。

 

めぐみん「私は、爆裂魔法をこよなく愛するアークウィザード!爆発系統の魔法が好きではなく、爆裂魔法だけが好きなんです!確かに、他の魔法を覚える事は出来ますし、覚えれば楽に冒険出来るでしょう。でもダメなのです!私は、爆裂魔法しか愛せない!例え1日一発が限界でも、魔法を使って倒れるとしても!それでも私は爆裂魔法しか愛せない!だって私は爆裂魔法を使う為だけに、アークウィザードの道を選んだのですから!」

 

 と、いかに自分が爆裂魔法を愛しているのかを語ってくれた。

 やっぱり、めぐみんの意思は堅いか。アクアは同調しているが、カズマとリナとカイトは、「やばい、この魔法使いはダメな奴だ。」とか「うそでしょ。」とか「なんてこった。」とでも思ってるのか表情が暗い。

 もしかしたら。俺はめぐみんに確認を取った。

 

零士「なぁ、めぐみん。それが険しい道だと言う事は理解してるのか?」

めぐみん「もちろんです。」

零士「理解してくれる奴はそう簡単に現れないぞ。」

めぐみん「それでも、私はこの信じる道を突き進みたいです!!」

零士「………。」

 

 決意はすごいな。

 それにさっきから、めぐみんと共鳴しているワンダーライドブックがある。

 まさかめぐみんが。

 

零士「分かった。なら、俺は応援する。夢を持っている人は素晴らしいからな。」

めぐみん「ありがとうございます。」

 

めぐみんside

 

 初めてだった。

 私がこの夢を語った時、大抵馬鹿にされるか、笑われるかのどちらかだった。

 それは紅魔族の中でも同じだった。

 でも、この人は違う。

 この人は笑いもせず、応援してくれると言う事だ。

 信じてくれる人は1人も居なくても良いと思っていましたが、その人は違った。

 

めぐみん「ありがとうございます。」

 

 私は照れ隠しの為に帽子を下げて顔を隠した。

 

零士side

 

 俺は次の話に移った。

 

零士「それからめぐみん。」

めぐみん「はい?」

零士「君にこれを託す。」

 

 そう言って俺はめぐみんに猿飛忍者伝ワンダーライドブックを渡した。

 まさか彼女が、剣斬になる資格を得るとは。まぁ、緋道蓮もソードオブロゴスの剣士とは違う道を行ったから、納得する所はある。

 

めぐみん「これはカズマに渡したワンダーライドブックとは違いますね。」

 

 そう言ってワンダーライドブックを取ると。

 

めぐみん「うっ!」

 

 猿飛忍者伝が更に共鳴を強めた。

 その際にめぐみんの頭の中には。

 

『マジないわ!強さこそが正義だ!』

『俺の強さと正義は絶対だ!飛羽真に見せつけてやる!』

『楽しかったよ!ありがとーう!』

『お前を倒して、賢人くんの強さを証明する!』

『あぁ!!マジないわ!!あんな奴の言葉を信じるなら、お前も裏切り者だ!!』

『もっと、本気で戦えよ!!!』

『まだ負けてない!!』

『雷鳴剣を返せ!!あれは賢人くんの剣だ!』

『マジ、ないからぁ!!』

『お前を倒して!光の剣も回収する!!』

『お前の強さは、正義じゃない!!』

『お前じゃない!俺は、緋道蓮だ!!』

『あぁ。お前となんて出会わなきゃ良かった。』

『マジ、ないわ。』

『楽しかったよ。ありがとう。』

『カラミティ・ストライク!!』

『強さの果てを………。』

 

 めぐみんの脳内に、緋道蓮の記憶が流れてきていた。そしてめぐみんの腰には、風双剣翠風が出現していた。

 その時、めぐみんに涙が流れていた。

 

アクア「ちょっと、めぐみんどうしたの?泣いてるの?」

リナ「大丈夫?」

 

 めぐみんは目を擦り、涙を拭き取る。

 

めぐみん「大丈夫です。この人の記憶を見たんです。」

カズマ「この人って仮面ライダーの?」

めぐみん「はい。」

 

 そうして、俺に向き合う。

 

めぐみん「零士。」

零士「うん?」

めぐみん「私、この人が誇らしく思ってくれるような仮面ライダーになってみせます。だから、お願いします。」

 

 その心意気は良い。しかし。

 

零士「めぐみん。」

めぐみん「はい?」

零士「俺は、緋道蓮になれなんて、言ってないんだけどな。」

めぐみん「え?」

 

 緋道蓮みたいな剣斬になると、それはめぐみんとは言わない。それは剣斬の真似をしている半端者だ。

 

零士「俺はめぐみんらしい剣斬になってほしいんだ。君らしくならなければ、それは君とは言わないよ。」

めぐみん「私らしいですか。少し、気張っていました。偉大な仮面ライダーの力を受け継いで、緊張してしまったようです。私はめぐみん!アークウィザードにして爆裂魔法を操り、風の剣士!これで行きます。」

 

 良かった。めぐみんは、めぐみんらしくでいって欲しい。

 

零士「さぁ、アクアがヌメヌメだし、早く風呂に行くぞ。」

アクア「そうよ!私ヌメヌメなのよ!早く風呂に入りましょ。」

 

 そうしてギルドが運営している風呂場へと全員で向かう。そして男性陣と女性陣で別れて風呂に入る。

 

零士「ふぃ〜。やっぱ風呂はいいな。」

カズマ「なぁ、零士。」

零士「ん?」

カズマ「めぐみんを本当に入れるのか?」

カイト「なんだ?信用してなさそうだな。」

カズマ「そりゃあさぁ。」

零士「まぁでも、信用していいんじゃない?めぐみんは今や仮面ライダーだぞ。」

カズマ「そうだけど。」

カイト「まあ、気持ちは分かるぞ。でも、少しは信用しないとな。」

零士「そう言うこった。」

カズマ「まぁ、お前ら2人が言うなら。」

零士「じゃあ、あがろうぜ。」

カズマ、カイト「おう。」

 

 そうして俺たちは風呂から上がり、まだあがってない女性陣より先に食事を開始する。

 

零士「さて、金を稼ぐためにももう少し難易度が高い奴いくか。」

カズマ「いや、待てよ。零士とめぐみんは良いけど、他の奴はダメだろ。」

カイト「そうだぞ。流石に厳しい。」

零士「そうだな。それも考慮にいれるか。」

 

 その時、後ろから声を掛けられる。

 

???「……すまない、ちょっとだけ話を良いだろうか?」

???「ねぇ、ちょっと良い?」

「「「!?」」」

 

 そこにいたのは、金髪碧眼の女騎士と、ピンクの髪の女性だった。

 

???「まだ、パーティの募集はしているだろうか?」

???「してると有難いんだけど。」

カイト「あ、はい。」

零士「そうですが。」

カズマ「そ、それで何の御用でしょうか?」

 

 カズマ、緊張しすぎ。まぁ、でも、マジで凄い美人だな。

 

???「そうか。ちょうど良かった。」

ダクネス「私の名はダクネス。クルセイダーを生業としている者だ。はぁ、はぁ、はぁ。」

???「あら、有難いわね。」

カリン「私はカリン。鍛治師とソードマンを生業にしてるの。」

 

 えっと片方が息が荒くなってる。

 

ダクネス「私をパーティに入れてくれないか?」

カリン「私をパーティに入れてくれない?」




今回はここまでです。
深罪の三重奏の予告を見て、名作の予感がします。
ビヨンドジェネレーションズもあるので、来年も楽しみです。


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第4話 覚醒する、水と風の剣士

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。めぐみんが風の聖剣である風双剣翠風に選ばれた!これでまず1人目の聖剣に選ばれた剣士が目覚めた事になるね!さて、神崎零士の前に、ダクネスとカリンが現れて、彼はどのように反応するのかな?ん?何かがアクセルに近づいているね……。」


2人の女性が声を掛けてきた。

 

ダクネス「私はダクネス。ぜひあなた達のパーティに入れてもらえないだろうか?」

カリン「私はカリン。ぜひあなた達のパーティに入れてくれない?」

 

 ダクネスの方は、顔を赤らめていて、カリンの方は、火炎剣烈火を見つめている。

 

ダクネス「あの、青髪の彼女は貴方達のメンバーだろう!一体何があったら、あんな風になるのだろうか?」

 

 なんか、喜んでるよ。

 ダクネスの問いはカズマが返した。

 

カズマ「えっとそれはジャイアントトードに丸呑みにされてですね………。」

ダクネス「なぁ!想像以上だ。」

 

 あぁ、ドMだ。

 

ダクネス「いや!あの彼女があんな目に遭うのは良くない!是非私をパーティに入れてくれ!」

 

 喜んでるよ。この人。普通、険しい顔をする所でしょうが。

 

零士「いやぁ。俺達、つい最近結成したばっかで、連携もまともに取れませんよ。」

カリン「いや、それでも構わないわよ。」

零士「え?」

カリン「私は、例え、連携が取れてなくても問題ないわよ。」

 

 カリンって人はまともそうだな。でも、さっきから火炎剣烈火を見つめてるけど。

 

ダクネス「おい、カリン。私が今、話しかけてるのだ。後にしてくれ。」

カリン「無理よ。私は今、その剣を調べたいのよね!」

 

 前言撤回。カリンって人もおかしい。ダクネスよりはマシだけど。

 

カイト「おぉ。カリンじゃないか。」

カリン「あぁ。カイト。あんたのパーティだったのかしら?」

零士「カイト?そのピンクの人と知り合いなのか?」

カイト「あぁ。カリンは鍛治師で、俺の知り合いだ。」

カリン「知り合いっていうか、腐れ縁みたいな物よ。」

 

 なるほどな。で、カズマの方は。

 

カズマ「女性の人を盾にするなんて。」

ダクネス「臨む所だ。」

カズマ「?いや、もしかしたら、モンスターに食べられるかも………。」

ダクネス「むしろ臨む所だ!!」

カズマ「え?」

 

 やっぱり、ドMだ。重症の。

 俺達は、仲間と相談する為、明日にしてくれと頼んだ。そうして、カズマとアクアは馬小屋に。残りの面子は、同じ宿へと向かった。そうして俺はスキル習得の時間だ。今回は、跳躍スキル、スキルポイントの一部を聖剣ソードライバーの強化に使う事にした。

 

ー翌日ー

 

 俺はリナとカイトの3人と合流し、ポーションの補充をする為、とある魔道具店を訪れた。店の名前はウィズ魔道具店である。

 

零士「しっかし、よくつぶれないな。」

カイト「俺達はポーションの注文を行なってるからな。」

リナ「やっぱり、他に注文してる人がいるからでしょうね。」

 

 なるほどな。

 そうこうしている内に到着する。

 

ウィズ「いらっしゃいませ。」

リナ「ウィズさん。おはようございます。」

カイト「ウィズ、頼んでいたポーションはあるのか?」

ウィズ「はい。ちゃんと仕入れてますよ。」

 

 店長は、店の奥からカイトが頼んだポーションを、持ってきた。

 儲かるかどうかはさておき、仕事はきっちりするタイプだな。

 

ウィズ「いつもありがとうございます。」

リナ「こちらこそ。」

カイト「また無くなったら、注文するからな。」

 

 話が終わったようだ。そしたら、俺の方をジッと見てくる。

 

零士「えっと、顔になんかついてますか?」

ウィズ「!すみません。なんかあなたからものすごい力を感じた物で。」

零士「そうですか、改めて、俺は神崎零士です。これからよろしくお願いします。」

ウィズ「はい。私はウィズ魔道具店の店長のウィズと申します。」

 

 挨拶された後、商品を紹介されたが、どれもこれもガラクタだった。

 買う物も無いので、一応、カタログを受け取る事にした。

 後、ソードライバーの強化に必要な素材はどこで手に入るのかを聞いた。

 俺はリナ、カイトの2人と共にギルドにいる筈のカズマ達と合流する事にした。

 道中、リナとカイトから火炎剣烈火をどこで手に入れたのか等と質問攻めにあった。

 ギルドに入るとアクアが『花鳥風月』という宴会芸スキルを披露していた。

 カズマとめぐみんは、昼食をとっていたので、俺達も昼食にする事にした。

 

カズマ「溜まったポイントで、スキルを覚えられるんだよな。」

零士「そうだな。カズマは何のスキルを取ったんだ?」

カズマ「いや、俺まだ、5ポイントしかないから、変なスキルを覚えないようにしないとな。」

 

 なるほどな。確かに5ポイントしかないと慎重にならざるを得ないよな。

 俺は最初から10000ポイントあった訳だが。何でだろうな?

 

零士「なぁ、めぐみん。なんで俺、最初からスキルポイントが沢山あったんだ?」

めぐみん「モグモグ……。それは、もともと才能がある人が冒険者登録をすると、その才能に見合ったスキルポイントが最初から溜まった状態でカードに記載されるんです。」

零士「なるほど。」(ボーナスみたいな物なのか。)

めぐみん「他にも、スキルポーションと言う希少なポーションを使えば、スキルポイントが大量に入りますよ。」

カズマ「待て!!そんなのがあるのかよ!!」

 

 確かにそれは凄い。

 一気にスキルポイントが手に入るからな。

 

めぐみん「有りますけど、一本数十万エリスはしますよ。」

カズマ「数十万!?」

 

 まぁ、そんな都合のいいポーションは、高いのがお約束だよな。

 

めぐみん「ちなみに私は、学校で月一に一本、全生徒に配られるスキルポーションを使って、すぐに爆裂魔法を習得できましたよ。」

カズマ「えっ!?マジかよ!」

リナ「一本数十万でしょ。」

カイト「羽振りがいいな。」

めぐみん「まぁ、紅魔の里にいる魔道具職人が作った物で、本職の人と比べると、若干劣化した物ですが。」

 

 凄いな紅魔族。流石、アークウィザードしかいない里だ。

 その時、後ろから。

 

ダクネス「探したぞ。」

カリン「探したわよ。」

零士、カズマ、カイト「!?」

リナ、めぐみん「?」

 

 俺達は後ろを振り返ると、そこには、ダクネスとカリンの2人がいる。

 

ダクネス「改めて、昨日の話の続きをさせてもらう、私を貴方達のパーティに。」

零士、カズマ、カイト「お断りします!」

ダクネス「!クゥン!!…即断、だと…ハァ、ハァ…。」

零士(えぇ〜。)

カズマ(え、この人喜んでる?やっぱヤバい!)

カイト(ちょっと、俺は無理だな。)

カリン「じゃあ、次は私ね。私を貴方達のパーティに。」

零士、カズマ、カイト「お願いします!」

カリン「よっしゃあ!」

???「アハハ、ダクネスそんなんじゃ話を聞いて貰えないよ。カリンは良かったね。」

 

 俺とカズマとカイトに断られて、息を荒くしているダクネスと、受け入れられて喜んでいるカリンの後ろから声が聞こえた。

 銀髪のショートヘアーで緑の服を着た、声的に女性が近づいてくる。

 ダクネスとカリンの友達だろうか?

 

零士「あの、貴方は?」

クリス「私はクリス。格好を見て分かると思うけど、盗賊だよ。よろしくね。」

零士「神崎零士だ。よろしく。」

 

 なんか既視感がある。後でカマかけるか。

 なんかコミュ力高いな、彼女。

 

クリス「ところで君。」

カズマ「え?」

クリス「聞こえたけど、スキルを覚えたいんだっけ?よかったら、私のスキルを教えようか?」

カズマ「いいんですか?」

クリス「今ならシュワシュワ一杯で教えるよ。」

カズマ「安いな!すみません、この人にキンキンに冷えたシュワシュワ一つ!」

 

 まぁ、大丈夫だろ。

 クリスはカズマとダクネスを連れて、スキルを教えに行った。

 でも、カリンだけは残っていた。

 

零士「あれ?クリスの元に行かなくて良いのかよ?」

カリン「良いのよ。彼女なら大丈夫だから。それはそうと、その剣を調べさて!!」

零士「まぁ、良いけど。」

 

 俺は火炎剣烈火を彼女に渡した。

 カリンはそれを吟味していた。

 

カリン「凄いわね、この剣。私が今まで見てきた剣の中でも1番凄いわよ!」

零士「ありがとう。」

カイト「こいつの剣ってどこで手に入れたんだろうな?」

リナ「さぁ?」

カリン「そこの紅魔族の娘!」

めぐみん「ムッ!めぐみんです。」

カリン「じゃあ、めぐみん!その剣も見せてくれない?」

めぐみん「良いですけど。」

 

 めぐみんも風双剣翠風を渡した。

 カリンは吟味している。

 

カリン「凄い。この剣も凄いよ!刀鍛冶の好奇心が止まらない!」

零士「カイト、カリンってあんななのか?」

カイト「あぁ。見た事ない剣を見ると凄い興奮するからな。」

リナ「流石刀鍛冶って所ね。」

 

 カリンは、火炎剣烈火と風双剣翠風と俺とめぐみんに返却した所にカズマ達が戻ってきた。

 でも、カズマは渋い顔、クリスは泣いていて、ダクネスは顔が赤い。

 何があった?

 

零士「えっと何があった?」

カズマ「えっ〜と。」

ダクネス「うむ。彼女はカズマに窃盗のスキルを教えた後、パンツを取られて、有り金全てを巻き上げられて泣いている所だ。」

カズマ「おい!あんた!何口走ってんだ!」

 

 え?おい。嘘だろ。

 

クリス「グスッ………お金返すだけじゃダメだって言うから……スンッ……じゃあお金払うからパンツ返してって言ったら……自分のパンツの値段は自分で決めろって……。」

カズマ「待てよ!おい待て!間違ってないけど本当に待てって!!」

 

 うわ〜〜。

 

クリス「さもないとこのパンツは我が家の家宝として、奉られるだろうって!!」

 

 カズマ、それはやりすぎ。素直に財布を返してもらってパンツも返してあげればよかったのに。

 周囲の男性冒険者は、サムズアップしてるが、女性冒険者の視線は、絶対零度並に冷たい。

 無論、めぐみん、アクア、リナ、カリン、カイトは、ゴミを見るかのような目で見ている。

 

カズマ「おーい!ちょっと待て!なんか周囲の女性の視線が冷たいから、本当に待て!」

 

 そりゃあなぁ。まぁでも、ちょっとした仕返しだから。その程度で済んだから、それで良いだろうよ。

 

めぐみん「それで、カズマはスキルを覚えれたのですか?」

カズマ「!ふふん、まぁ見てな。いくぜ!スティール!」

 

 カズマがスティールと唱えた途端、カズマの右手が光った。

 光が収まると、カズマの右手には、さっきめぐみんに渡した、『こぶた三兄弟』のワンダーライドブックと、黒物のパンツが。

 

めぐみん「あ!私のワンダーライドブック、返して下さいよ!そしてスースーするのでパンツ返して下さい。」

アクア「カズマ、あんた。」

リナ「うわぁ。」

カイト「ダメだこりゃ。」

カリン「ないわ。」

零士「………。」

カズマ「あ……あれ?おかしい、取れるのはランダムなはずなのに、2つも!?」

 

 流石にお仕置きがいるな。

 

カズマ「あぶっ!」

 

 俺はカズマに拳骨を見舞った。

 

零士「カズマ、やりすぎだ。」

カズマ「そんな事言われたって!」

零士「やれやれ。……ん?」

クリス「ちょっと、話があるんだけど?」

零士「あぁ。いいぞ。みんな、ちょっと待ってろ。(ちょうど良いな。)」

 

 俺はクリスに呼ばれて、ギルドの裏口から、ギルドの裏へ。

 

零士「ちょっと良いか?」

クリス「はい?」

零士「単刀直入に言う。エリス様か?」

クリス「………気づいてたんですね。」

零士「まぁな。」

 

 やっぱり、エリス様だった。

 

零士「それでそちらの用は?」

クリス「どうやら、めぐみんさんが風双剣翠風に選ばれたんですね。」

零士「そうみたい。」

クリス「他の聖剣の使い手も見つけて下さいね。後、言い忘れていたんですが、この世界は魔王だけでなく、メギドも居るので。」

零士「マジかよ。」

 

 まさか、メギドまで居るとは。と言うことは、レジエル、ズオス、ストリウスの3人も居てもおかしくない。

 

クリス「気をつけて下さいね。」

零士「分かってます。エリス様。」

クリス「後、皆がいる時は、クリスと呼んでくださいね。」

零士「はい。」

 

 その時。

 

ルナ『緊急クエスト!緊急クエスト!冒険者各員は至急街の正門前に集まって下さい!繰り返します!冒険者各員は至急街の正門前に集まって下さい!』

 

零士「なんだ!?」

クリス「ほら、とっと行く!」

零士「おう。」

 

 すっかりクリスになったエリス様に送られて正門前に。

 カズマ達と合流し、何事か聞く。

 

零士「なぁ、何の緊急クエストだ?」

カズマ「だな。何かのモンスターの襲来か?」

アクア「あら、キャベツよ。キャベツ。」

零士、カズマ「はい?」

 

 え?何言ってんだ?アクア。

 キャベツってあのキャベツ?

 え?なんで皆やる気なの?

 

荒くれ者「今年は荒れるぞ!」

めぐみん「嵐が………来る!」

冒険者達「収穫だぁぁぁーーーー!!」

アクア「マヨネーズ持ってこーい!」

 

 何だか、俺とカズマは、置いてけぼりにされていた。その時、何かが近づいてきた。それは緑色の丸い物体でまるで………。

 更に近づいてくると「キャベキャベキャベ」と聞こえてきた。

 まさか。

 

零士、カズマ「………なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 本当にキャベツが飛んできたぞ!

 嘘!なんで?物理法則どうなってんだ?

 

冒険者達「おぉぉぉぉ!!!」

アクア「この時期のキャベツはね、飛ぶの!味が濃縮して、収穫の時期になると、簡単に食われてたまるかと言わんばかりに、街や草原を疾走し、最後は人しれぬ荒野で、ひっそりと息を引き取ると言われてるわ。それなら!私達は、一玉でも多く彼らを捕まえて、美味しくいただこうってわけよ!」

ルナ「みなさーん!今年もキャベツの収穫時期がやってきました!今年のキャベツは出来が良く、一玉につき、10000エリスです。出来るだけ多く捕まえて、こちらのケージに入れて下さいね!」

 

 一玉につき、10000エリス。

 稼げるぜ!!

 気合い入ってきた!!

 

カズマ「………俺、帰って良いか?」

零士「カズマ、割り切ろう!ここはそう言う世界だってな!」

 

 俺はワンダーライドブックを二冊出す。

 

『ブレイブドラゴン!』『ストームイーグル!』

 

 俺はストームイーグルの朗読文を流した。

 

『この大鷲が現れし時、猛烈な竜巻が起こると言い伝えられている。』

 

 ソードライバーのライトシェルフとミッドシェルフにワンダーライドブックを装填し、火炎剣烈火を抜刀する!

 

『烈火抜刀!』

 

零士「変身!」

 

『竜巻ドラゴンイーグル!』

『烈火二冊!荒ぶる空の翼龍が獄炎を纏い、あらゆるものを焼き尽くす!』

 

 俺はドラゴンイーグルへと変身した。何故ドラゴンイーグルかって?相手は空を飛んでいるからこちらも空中戦だ。

 

めぐみん「!変身するんですね?じゃあ私も!」

 

 そう言ってめぐみんは、猿飛忍者伝を取り出した。

 

『猿飛忍者伝!』

 

 めぐみんはストーリーページを開いて、朗読文を流す。

 

『とある影に忍ぶは疾風!あらゆる術でいざそうろう……。』

 

 腰に納刀していた風双剣翠風を取り出してワンダーライドブックを装填する。待機音が鳴っている時に、分断する。

 

『猿飛忍者伝!』『双刀分断!』

 

めぐみん「変身!」

 

『壱の手、手裏剣! 弍の手、二刀流! 風双剣翠風!』

『翠風の巻!甲賀風遁の双剣が、神速の忍術で敵を討つ!』

 

 めぐみんは、風の剣士、仮面ライダー剣斬へと変身を果たす!

 

めぐみん「これが……仮面ライダー……凄いです!魔力と力が漲ってきます!!」

零士「おめでとう!仮面ライダー剣斬!」

めぐみん「!!はい!」

零士「行くぞ!!」

めぐみん「はい!」

 

 俺はストームイーグルの力で縦横無尽に空を駆けて、キャベツを捕獲して、めぐみんは風双剣翠風の力で風を操り、キャベツを捕獲する。

 一方、カズマは……。

 

カズマside

 

 キャベツが行き交い、冒険者に襲いかかる。

 キャベツの突進は強力で、冒険者が倒れて伏せていく。

 だが、仮面ライダーになった零士とめぐみんの2人がキャベツを捕獲していた。

 俺も動かなければ。しかし、動かない。

 俺もあの2人のような仮面ライダーになりたい。

 でも、俺は一度は諦めた筈だ。叶わない夢だとして。

 でも、俺はこの世界で新たな人生が始まってるんだ!

 覚悟を決めてやる!

 俺はやる時はやるカズマさんだからな!

 その時、ポケットが熱く感じる。ポケットの中身を取り出すと、中身はライオン戦記という、零士から託されたワンダーライドブックだ。

 それが光っている。

 

カズマ「これって……。ウッ!」

 

『僕はソードオブロゴスの新堂倫太郎。大丈夫。決して怪しい人じゃないから。』

『この水勢剣流水に誓う。僕が必ず、世界を守る!』

『僕は僕を絶対に諦めない!』

『世界の均衡を守るのが僕たち剣士の使命。』

『僕は僕の、思いを貫く!』

『もうそれ以上言うのは止めて下さい!組織は騙したりしません…!組織は僕を育ててくれた、僕の家族なんです!』

『感じる……剣を通じて。飛羽真くんの思いが。』

『水勢剣流水に誓う! 大切な人たちは、僕が守る!』

『感じる。この力は、歴代の剣士たちの想いの結晶!』

『ズオス、誤った道を歩み、化け物になったお前に…剣士達が紡いできた意思が、負けるはずがない!』

『師匠……やりましたよ。』

『マスター!貴方は、ただのホモ・サピエンスです!』

『マスター!貴方は哀しい人ですね。』

『僕は組織にいた時、ずっと貴方を信じていた。それこそ神の様に敬ってました!でも、今の貴方を信じる者は誰もいない!貴方は自分から神である事をやめたんだ!そして今は、ひとりぼっちです。』

 

カズマ「これが、この人の記憶。この人、凄い剣士だな。」

 

 俺はライオン戦記のワンダーライドブックを起動する。

 

『ライオン戦記!』

 

 ストーリーページを開く。

 

『この蒼き鬣が新たに記す気高き王者の戦いの歴史…。』

 

 本を閉じ、いつの間にか装備してた水勢剣流水が納刀してある聖剣ソードライバーのミッドシェルフに装填する。

 待機音が鳴り、水勢剣流水を抜刀する!

 

『流水抜刀!』

 

カズマ「変身!」

 

『ライオン戦記!』

『流水一冊!百獣の王と水勢剣流水が交わる時、紺碧の剣が牙を剥く!』

『水勢剣流水!』

 

 俺は、水の剣士、仮面ライダーブレイズへと変身した!

 

零士side

 

零士「カズマの奴、やりやがったな!」

めぐみん「カズマも仮面ライダーに!?」

 

 カズマの奴、一皮剥けたな。

 今のあいつは、恥ずべき所など無い、立派な仮面ライダーブレイズだ!

 

零士「カズマ!」

カズマ「?」

零士「おめでとう!仮面ライダーブレイズ!」

カズマ「おう!」

零士「なら、これを渡す。」

 

 俺はピーターファンタジスタを渡す。

 

カズマ「これって!」

零士「今のお前なら出来る!盛大にやれ!」

カズマ「おう!」

 

 カズマは水勢剣流水を納刀し、ライオン戦記も閉じて、ピーターファンタジスタを起動する。

 

『ピーターファンタジスタ!』

『とある大人にならない少年が繰り広げる夢と希望のストーリー』

 

 ピーターファンタジスタをレフトシェルフに装填し、抜刀する!

 

『流水抜刀!』

『輝くライオンファンタジスタ!』

『流水二冊!ガオー!キラキラ!幻想の爪が今、蒼き剣士のその身に宿る!』

 

カズマ「凄え!じゃあ早速!」

 

 カズマは水勢剣流水を納刀し、ナガレトリガーを引き、抜刀する!

 

『必殺読破!』『流水抜刀!』

『ライオン!ピーターファン!二冊斬り!ウォ・ウォ・ウォーター!』

 

カズマ「ハイドロ・ストリーム!』

 

 カズマは胸のライオンから水を射出し、キャベツを大量に捕獲する。そして、水勢剣流水でキャベツを水と一緒に切り裂く!

 破裂した水からは、意識を刈り取られたキャベツが転がってきた。

 こっからは、俺達、仮面ライダーに任せろ!

 

ー緊急クエスト、キャベツ捕獲…クリア!ー

 

 クエストを終えた俺たちは、ギルドの食堂で打ち上げを行っていた。

 他の冒険者はともかく、俺たちは、報酬のお陰で懐が潤っている。

 だが、キャベツが凄く美味しいな。

 

零士「美味いな。」(これまで食ってきたキャベツよりも遥かに美味い。)

 

 カズマも微妙な表情になっていた。

 そりゃあ、キャベツがこんなに美味いなんて。

 そんな表情にもなるわ。

 

アクア「貴方、流石クルセイダーね。あまりの防御力の高さには、キャベツ達も攻めあぐねていたわよ。」

ダクネス「!いや、私などただ堅い女だ。それくらいしか取り柄がないからな。」

 

 ダクネスは、冒険者からキャベツの攻撃から庇っていた。でも、やっぱり喜んでたよな。

 

めぐみん「アクアの花鳥風月も中々でしたよ。冒険者の士気を高めつつ、キャベツの鮮度を保つとは。」

アクア「まぁね。皆を癒すのがアークプリーストの役目だもの。アークプリーストが出す水は清いのよ。」

 

 別にそれはクリエイトウォーターでいいんじゃないか?

 

リナ「カリンも、かなりの数のキャベツを捕獲してたよね。」

カリン「まぁね。動きが単調だからありがたかったわ。」

 

 カリンもかなり頑張っていたようだ。

 

カリン「それよりも、あんた達、何よあれ。見た事ないんだけど!」

カイト「あぁ。カズマも仮面ライダーになって左腕が変わったと思ったら、胸から水を出して、キャベツを一気に捕まえるし、めぐみんも左腕が変わったと思ったら、3人に分裂するし。」

 

 カズマはライオンファンタジスタの力を上手く使っていた様だな。めぐみんも途中から忍者ぶた3へと変身し、分身と高速移動で大量に捕獲していた。

 

アクア「それを言うなら、零士も大概よ。竜巻を起こして一気に捕獲するんだから。」

 

 俺はドラゴンイーグルの力で竜巻を冒険者が巻き込まれないところに出し、一気に捕獲した。

 

アクア「ふふん。私達も中々いい感じのパーティになったわね。クルセイダーのダクネス、ルーンナイトのリナ、ソードマスターのカイト、ソードマンのカリン、アークウィザードのめぐみん、アークプリーストの私、冒険者のカズマにエレメンタルソードマスターの零士。8人中5人が上級職のパーティなんてそうは居ないわ。」

めぐみん「しかも、零士と私とカズマは、仮面ライダー、これは最強のパーティと言っても間違いないですよ!」

 

 いつの間にかダクネスがパーティ入りしていたよ。

 

ダクネス「改めて、私はダクネスだ。一応両手剣を使っているが、戦力としては数えないでくれ。何せ不器用だからな。だが、壁になるのは大得意だ。よろしく頼む。」

カリン「改めて、私はカリン。片手剣を使っていて、鍛治師だから、剣の事は任せて。」

 

 カリンはともかく、ダクネスが不安だ。

 

零士「2人とも。」

ダクネス、カリン「うん?」

零士「これからよろしくな。」

ダクネス「あぁ!」

カリン「もちろんよ!」

 

 この日、新たな仲間が加わった。

 




今回はここまでです。
遂にカズマも仮面ライダーブレイズに変身しました!
セイバーモチーフのカジキバイスタンプも出てきて、面白くなりましたね。
リバイスもライブが出てきて、さくらも変身するかもですね。


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第5話 侵食、ワンダーワールド

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。アクセルに襲来してきたキャベツの一団を、炎の剣士の神崎零士、風の剣士のめぐみん、そして新たに目覚めた水の剣士の佐藤和真が一気に捕獲したよ!だけど……、メギド達の魔の手がアクセルに迫っていて、2本ぐらい聖剣が目覚めそうだね……。」


ある丘の上に1人の男がいた。

 

???「我らの計画を始めるとするか。」

 

 その男は、手にワンダーライドブックに似たアルターライドブックと呼ばれる本を持っていた。

 そして男は本を開いた。

 

『岩石王ゴーレム!』

 

 そしたら、アルターブックから本が出てきて、本が積み重なり、一体の魔物となった。

 そしてこの男の名はレジエル。神獣のジャンルのメギドを司るメギド。零士の危惧した通り、メギド三幹部もこの世界にいた。しかし、あくまでこの世界のレジエルだが。

 

レジエル「我らの計画の為、本を増やせ。」

ゴーレムメギド「承知しました。レジエル様。」

 

 本の魔物の魔の手がアクセルに迫る。

 更にレジエルの近くには、2人の男がいた。

 

ー翌朝ー

 

 俺はギルドに来ていた。

 カズマもスキルポイントを使って、初級魔法を習得していた。

 

カズマ「まっ、初級魔法じゃこんなもんだろ。魔法を覚えたし、冒険者らしくなってきたな。」

 

 カズマは、昨日のキャベツのクエストで、スキルポイントに余裕ができた様だ。

 更に仮面ライダーへと変身出来るようになってレベルも跳ね上がった。

 カズマの幸運値は俺よりも高い。

 窃盗スキルを使うのに丁度良いだろう。

 

ダクネス「2人とも見てくれ!」

零士、カズマ「うん?」

ダクネス「キャベツの報酬で鎧を直したのだが、ピカピカに。どうだろうか?」

 

 ダクネスもダクネスで結構報酬を貰っていた様だな。

 ダクネスでも捕獲は出来るらしい。

 

カズマ「なんか、成金主義の貴族のボンボンが着けてる鎧みたい。」

ダクネス「………私だって素直に褒めて欲しいのだが…。」

零士(あれ、戦闘以外では普通なのか?)

ダクネス「……カズマは……どんな時でも容赦がないな。はぁ、はぁ、はぁ。」

 

 ほら、こんなもん。ダクネスは本当にブレないな。

 

カズマ「今は構っている暇は無いぞ。」

ダクネス「?」

カズマ「お前を越えそうな勢いの、そこの変態を何とかしろよ。」

 

 カズマが言う変態とはめぐみんの事だ。

 彼女も報酬で、杖を新調したらしいが。

 

めぐみん「はぁ、はぁ、魔力溢れるマナタイト製の杖の色艶……はぁ……。」

 

 おいめぐみん。君も変態扱いされるぞ。

 めぐみんもレベルが上がり、ステータスも上昇したようだ。

 ちょうど、リナ、カイト、カリンの3人とも合流した。

 その時、カウンターから怒号が飛んできた。

 

アクア「何ですってぇぇぇー!?」

 

 アクアがルナさんの胸倉を掴んで揺さぶっていた。

 

アクア「ちょっと!それってどう言うことよ!どんだけキャベツ捕まえたと思ってんの!」

ルナ「うぅ……それが……。」

アクア「何よ?」

ルナ「アクアさんが捕まえたのは殆どがレタスでして…。」

アクア「何でレタスが混じってんのよー!!」

ルナ「私に言われてもーー!」

 

 レタスも居るのかよ。

 あんだけキャベツがいたのにレタスしか捕まえられないのはある意味凄い。

 

ダクネス「確かにレタスの換金率は低いな。」

カズマ「よくわからんがそうなのか?」

 

 キャベツとレタスの換金率の違いって、何だろうか?

 

アクア「くぅ……。」

 

 アクアがこっちに来る。

 しかも作った笑顔で。

 何を言う気だ?

 

アクア「カ〜ズ〜マさん、れ〜い〜じさん、今回のクエストの報酬はおいくら万円?」

 

 アクア、俺かカズマに集るなよ。

 まぁ、隠す意味も無いので言うが。

 

カズマ「……200万……。」

「「「「!!にひゃ!!……」」」」

めぐみん「ちなみに私は350万です。」

「「「「!!さんびゃく!!……」」」」

零士「………1200万………。」

「「「「「「!!!いっせっ!!!」」」」」」

 

 そう、俺、カズマ、めぐみんは昨日の突発クエストで、小金持ちになりました。

 俺達三人は、仮面ライダーという事もあり、他の冒険者よりも収穫出来た。

 カズマは幸運値の都合、経験値が沢山のキャベツを引き当てたらしい。

 俺もレベルアップした。

 

アクア「………ウフッ!零士様、貴方ってその、強くて……素敵よね。」

零士「褒め言葉として受け取るよ。でもお金は貸さない。」

アクア「ウッ!」

 

 アクア、俺が1番多いからって、集ってきやがった。

 何で?

 

アクア「零士さん!!」

零士「どうした?」

アクア「私、今回のクエストが相当な額になるって聞いて、持ってたお金全部使っちゃったの!て言うか、この酒場に10万近いツケがあるの!」

 

 はい!?いくらなんでも多過ぎだろ!

 

零士「そうなのか、カズマ?」

カズマ「あぁ。」

 

 まさかカズマ達が未だに馬小屋生活なのは、アクアの金遣いが荒いからか。

 

零士「それって俺、関係ないよね。アクアが作った借金だから、アクアが返すのが道理だろ。」

アクア「だって!私だけ大儲けできると思ったんだもの〜〜!」

零士「最低だな。」

アクア「お願い!お金貸して〜!ツケ払う分だけでいいから!」

 

 はぁ〜〜。しょうがない。

 

零士「分かった。」

アクア「え!?良いの?」

零士「ただし、ちゃんと返せよ。」

アクア「わ………分かってるわよ。」

零士「じゃあ、10万だな。」

アクア「ありがとう!やっぱり仲間は最高ね!」

 

 アクアが10万を渡している時に。

 

零士「アクアに10万貸したっと。」

 

 メモに残した。

 

めぐみん(零士も結構えげつないですね。)

ダクネス(あぁ、ちゃんと記録してるぞ。)

 

 その時。

 

ルナ「緊急!緊急!冒険者達は直ちに集まって下さい!」

 

 ルナさんの叫び声が、一体何が……。

 俺が見たのは、空に岩塊や、竜が飛んでいて、周囲にはシャボン玉が。

 まさか。

 

カズマ「おい!これって!」

めぐみん「えぇ!間違いありませんよ!」

ダクネス「何だ?何が起きている?」

リナ「分からない。でも……。」

カイト「やばい状況なのは間違いない。」

カリン「何なのよ。これ。」

アクア「何よ、私が見てない間に何が起こってんのよ。」

 

 これは間違い無い。

 

零士「ワンダーワールドの侵食……!」

 

 そう。ワンダーワールドが侵食を始めたのだ。おそらく、このアクセル全体が。

 

冒険者「何が起こってんだよ!」

冒険者「分からないわよ!」

 

 冒険者達も戸惑っている。

 それもそうだ。ワンダーワールドの侵食は、普通は起こらない筈だからだ。

 と言うことは、このアクセルの街のどこかにメギドがいて、離れた所に、レジエル、ズオス、ストリウスがいる筈。

 その時、外から悲鳴が聞こえてきた。

 

零士「まさか。」

 

 俺とカズマとめぐみんは、外へ飛び出し、あとの面子もついてくる。

 そこに居たのは。

 

ゴーレムメギド「我らの計画の為、本となれ!人間共!」

 

 やはりメギドが居た。あれは、ゴーレムメギドだ。街を破壊している。そして、街の一部が焼け焦げた本みたいになっている。

 

零士「やめろ!」

ゴーレムメギド「何だ貴様?死にたいのか?まぁ良い。どうせ我らの本の一部となるのだ!」

零士「そんな事、絶対に阻止する!カズマ、めぐみん!行くぞ!」

カズマ「おう!」

めぐみん「はい!」

 

『ブレイブドラゴン!』

『ライオン戦記!』

『猿飛忍者伝!』

 

零士、カズマ、めぐみん「変身!」

 

『烈火抜刀!』

『流水抜刀!』

『猿飛忍者伝!』『双刀分断!』

 

『ブレイブドラゴン!』

『烈火一冊!勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く!』

『ライオン戦記!』

『流水一冊!百獣の王と水勢剣流水が交わる時、紺碧の剣が牙を剥く!』

『壱の手、手裏剣!弍の手、二刀流! 風双剣翠風!』『翠風の巻!甲賀風遁の双剣が神速の忍術で敵を討つ!』

 

 俺達は仮面ライダーへと変身した。

 そしてゴーレムメギドへと向かう。

 カズマは、水勢剣流水を素早い動きでゴーレムメギドにダメージを与えている。

 めぐみんも風双剣翠風を手裏剣モードにして、投擲し、遠距離から攻撃している。

 

ゴーレムメギド「舐めるな!いでよ!我が眷属達よ!」

 

 ゴーレムメギドはそう言ってシミーの大群を召喚した。

 シミーは、カズマとめぐみんに任して、俺はゴーレムメギドへと向かう。

 カズマとめぐみんもシミーの大群相手に善戦している。俺も、火炎剣烈火でダメージを与える。

 だが、その時、アクセルの一般市民がシミーに襲われているのに気づき、そっちの方に気を取られてしまった。

 

カイト「零士!危ない!」

リナ「避けて!」

零士「え?クッ!!」

 

 ゴーレムメギドのパンチが飛んできて、俺は変身解除はしていないが、少し動けない。

 

ゴーレムメギド「隙を見せるのが悪い!!死ね!剣士!」

 

 そして、ゴーレムメギドは止めを刺そうとして大きく振りかぶる。だが、ダメージは来てない。なぜなら、ゴーレムメギドの拳をリナとカイトの2人が自前の剣で受け止めていたからだ。

 

ゴーレムメギド「何だ貴様ら!邪魔をするな!」

リナ「するわよ!仲間を守るために!」

カイト「そうだ!仲間には手を出させない!」

 

 すると、俺から黄色と紫の光が飛び出して、ゴーレムメギドを突き飛ばす。

 

ゴーレムメギド「グハッ!」

 

 そして、それぞれの光は黄色の方がリナ、紫の方がカイトの所へと向かった。

 光が消えて、現れたのは黄色の方は『ランプドアランジーナ』、紫の方は『ジャアクドラゴン』が現れた。

 

零士「ランプドアランジーナと、ジャアクドラゴン!?」

リナ「これって……。」

カイト「あぁ。」

 

 2人がそれぞれのワンダーライドブックを手にする。すると。

 

リナ、カイト「ウッ!」

 

『奴らが何をしようが、俺に迷いはない!』

『俺は俺の想いを貫く!』

『もう、俺に迷いはない!』

『飛羽真には絶対、手出しさせない!』

『何で裏切ったんだよ…父さん!』

『なんでお前がカリバーなんだ……父さんはどうした!』

『お前は俺の全てで倒す!』

『どんなことをしてでも絶対に倒す!』

『今までありがとう、こんな俺の為に…。頼む、この世界を、俺たちが生きてきた世界を守ってくれ……。』

『俺は飛羽真を………俺を信じる!………未来を変える。』

『仲間の事になると誰よりも熱くなる。君がリーダーじゃあ心配だな。俺が一緒についていってやる!』

『闇黒剣は新たな未来を映さなくなった。けど、人の思いがこの世界を、未来を作る。だろ?』

『ルナには手出しはさせない!』

『そんなに人の心を弄んで、そんなに楽しいか!?』

『俺は知った!父が皆を裏切ったのは、この世界を、大切な仲間達を、この俺を守る為だと!』

『父は、最後まで誇り高き剣士だった……!そんな事も分からない、お前こそ、愚かで惨めだ!恨む価値も無い……!』

『それでも約束は守らないと、きっと後悔する。どんなに遠くに離れていても、心はずっと繋がってる。』

 

 一方カイトは。

 

『もし君が本当に剣士になった時は俺の息子の力になってくれると嬉しい。」

『まだ5歳だが、剣士になりたいと言ってね。』

『俺は不変の真理を手にする。』

『目を覚ませ!お前は間違ってる!』

『全ては世界を救う為!あの方も、そう仰られた!』

『火炎剣烈火とブレイブドラゴンを渡せ。』

『裏切ったのは紛れもなくお前の父親だ。』

『私は全てを捨てた。真理を手にする為に。』

『全て必要な事だ。』

『その程度の力では私は止められない。』

『いずれ分かる。何かを犠牲にしなければ手に入らない物があると……。』

『人や約束など信じるに値しない、信じられるのは絶対的なもののみ。』

『いいだろう。15年前、何があったのかを。』

『組織を離れ、全ての罪を背負い、メギドと手を組んででも、大切な友を悪魔に変えてしまった敵を……真実を明らかにする。』

『そして私は富加宮が手に入れようとした不変の真理を求めた!組織の中枢にいる真の敵を見つけその敵と戦う為には力が必要だったからだ!』

『そうだ!それが俺の覚悟だ!!』

『世界はそんなに単純では無い!!』

『無駄だ!既に世界の最後は決まっている!!』

『神山飛羽真!俺に代わって、組織の真の敵を見つけ出せ!』

『全ての聖剣を封印する。』

『あなたとは所詮、進む道が違う。』

『俺は……未来を見た。未来は決まってるんだ。何をしても世界は滅びる。救うには聖剣を封印した未来しか無いんだ。』

『それでも………未来は変わらない。』

『分かってないのはお前だ……!』

『飛羽真ならそんな未来すら変えられるかもしれない……!』

『未来は変わるさ。』

『父さん……。俺はもうどうすれば良いか分からない……。俺にはもうなんにも出来る事がないんだ……。』

『すまなかったな。お前を1人にして。』

『自分の気持ちに素直になれば良い。今どうしたいか、心ではもう分かってるんだろ?』

『私も戦います。剣士として。』

『若い者の未来を守るんだろ?』

『行けるな?』

 

 リナは雷の剣士の記憶をカイトは闇の剣士の記憶を見た。

 

リナ「……これって、この人達の。」

カイト「……あぁ。」

ゴーレムメギド「何が起こっている!?」

リナ「あんたを!」

カイト「倒す!」

 

 2人はワンダーライドブックを起動する。

 

『ランプドアランジーナ!』

『ジャアクドラゴン!』

 

 ストーリーページを開く。

 

『とある異国の地に古から伝わる不思議な力を持つランプがあった。』

『かつて世界を包み込んだ暗闇を生んだのはたった一体の神獣だった…。』

 

 ワンダーライドブックを閉じて、リナは雷鳴剣黄雷が納刀している聖剣ソードライバーに装填して、カイトは闇黒剣月闇にリードする。

 

『ジャアクリード!』

 

 そして、邪剣カリバードライバーに装填して、2人は変身する。

 

『黄雷抜刀!』

『闇黒剣月闇!』

 

リナ、カイト「変身!」

 

『ランプドアランジーナ!』

『黄雷一冊!ランプの精と雷鳴剣黄雷が交わる時、稲妻の剣が光り輝く!』

『Get go under conquer than get keen.ジャアクドラゴン!』

『月闇翻訳!光を奪いし漆黒の剣が、冷酷無情に暗黒竜を支配する!』

 

 リナとカイトは、それぞれリナが雷の剣士、仮面ライダーエスパーダ、カイトが闇の剣士、仮面ライダーカリバーへと変身した。




今回はここまでです。
遂に、リナとカイトが聖剣に選ばれました。
それでは。


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第6話 覚醒せし、雷と闇の剣士

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。遂に動き出した、レジエル達メギド。アクセルにワンダーワールドの侵食が起こり、神崎零士が追い詰められるも、なんと、リナが雷鳴剣黄雷に、カイトが闇黒剣月闇に選ばれた!その力で、アクセルを救ってくれ!剣士達!」


リナとカイトの2人が、仮面ライダーになった。

 

リナ「この力で!」

カイト「お前を倒す!」

 

 リナとカイトがゴーレムメギドに向かい、応戦する。

 そこに、3体の影が。

 

アリメギド「剣士共!」

キリギリスメギド「お前達も我らの本の一部となれ!」

ピラニアメギド「お前らも喰らってやる!」

リナ「ちっ!」

カイト「増援か!」

 

 アリメギドとキリギリスメギド、ピラニアメギドの3体が増援で来た。おそらく、ストリウスとズオスが出したもんだろう。

 しかし、こっちも3人の増援がいる!

 

零士「ごめん。やっと動ける。」

カズマ「やっとあいつら片付いたからな。」

めぐみん「加勢しますよ!」

 

 こっちもセイバー、ブレイズ、剣斬が加勢に入れるからな!

 

リナ「ありがとう。」

カイト「さぁ、反撃開始だ!」

 

 そうして、俺とカズマはアリメギドとキリギリスメギドを、めぐみんはピラニアメギドを、リナとカイトは引き続き、ゴーレムメギドを相手にする。

 

零士「行くぞ、カズマ!」

カズマ「おうよ!」

 

 俺達は即席とは思えない連携で2体のメギドを追い詰める。そしてフォームチェンジをする。

 

『ストームイーグル!』

『ピーターファンタジスタ!』

『烈火抜刀!』

『流水抜刀!』

『竜巻ドラゴンイーグル!』

『輝くライオンファンタジスタ!』

 

 俺とカズマはドラゴンイーグルとライオンファンタジスタにチェンジする。

 そして、必殺技を決める。

 

『『必殺読破!』』

『烈火抜刀!』

『流水抜刀!』

『ドラゴン!イーグル!』

『ライオン!ピーターファン!』

『『二冊斬り!』』

『ファ・ファ・ファイヤー!』

『ウォ・ウォ・ウォーター!』

 

零士「火炎竜巻斬!」

カズマ「ハイドロ・ストリーム!」

 

 火災旋風を2体のメギドにぶつけて、混乱させてる時に、カズマの水の一閃が炸裂する。

 

「「ぎゃあぁぁぁ!!」」

 

 俺とカズマは、自分の聖剣をぶつけ合う。

 

めぐみんside

 

 私は、ピラニアメギドの相手をしている。

 大量のピラニアを出してくるが、風を操って、全て爆散させる。なら、私も腕を変える。

 

『こぶた3兄弟!』

『双刀分断!』

『風双剣翠風!』

 

 私は仮面ライダー剣斬、忍者ぶた3へと変身してそしてワンダーライドブックを取ってシンガンリーダーに読み込む。

 

『こぶた3兄弟!』

『ニンニン!』

『翠風速読撃!』

『ニンニン!』

 

めぐみん「疾風剣舞、二豚!」

 

 私は疾風剣舞・二豚を発動し、ピラニアメギドを滅多斬りにする。

 

ピラニアメギド「ぎゃあぁぁぁ!」

 

 ピラニアメギドを倒せた。

 

リナside

 

 私は、エスパーダに変身して、雷の如く、ゴーレムメギドに接近して、切り裂く。

 カイトは、ゴーレムメギドが怯んだ隙に闇黒剣月闇で切り裂く。

 

ゴーレムメギド「なぜ、この俺が!」

リナ「私の仲間を非道な手で倒そうとしたあなたには絶対負けない!」

カイト「お前は倒す!」

 

 そして私達は、必殺技の態勢に入る。

 

『必殺読破!』

『必殺リード!ジャアクドラゴン!』

『黄雷抜刀!』

『アランジーナ一冊斬り!』

『サンダー!』

『月闇必殺撃!』

『習得一閃!』

 

リナ「トルエノ・デストローダ。」

カイト「はぁーー!!」

 

 雷と闇の一閃がクロスするかのように交わり、そして。

 

リナ「これで話は終わりよ。」

 

 私の宣言と共に、ゴーレムメギドに一筋の雷が落ちる。

 

ゴーレムメギド「ぐわぁぁー!!」

 

 そしてゴーレムメギドは爆発する。

 その時、街が元に戻っていった。

 

冒険者「うおぉぉぉ!!」

 

 冒険者達から歓声が上がる。

 倒せてよかった。

 

レジエルside

 

レジエル「何だと!?」

 

 アクセルの街が侵食してた筈なのに、元に戻っていく。

 

レジエル「剣士どもぉぉ!!」

ズオス「あぁ、俺達のメギドも加勢に行ったのに失敗したなぁ。レジエル。」

ストリウス「そうですねぇ。これは、剣士達がいたとはいえ、情けないですねぇ。」

レジエル「黙れ!!」

 

 くそ、あの炎の剣士が中心になって止めたようだな。この借りは必ず返す!!

 

零士side

 

 ワンダーワールドの侵食は止まり、街は元に戻っていった。

 この事をルナさんに伝えて、ベルゼルグ王国全体に注意を呼びかけてもらう。

 俺たちはこの騒ぎを収めた功労者として、臨時報酬が出た。

 その後、皆んなで宴会騒ぎになり、終わった後で皆を招集した。

 

カズマ「それで、何だよ。用って。」

ダクネス「そうだな。これからどこに行く?」

零士「それは、ちょっと行き先への通路を出すから。」

リナ「?通路?」

零士「あぁ。これでな。」

 

 俺はブックゲートを取り出して、そのページを開いた。

 

『ブックゲート!』

 

 すると、俺たちの前に巨大な本が出現し、ページが開かれる。

 

全員「えぇぇぇ!?」

零士「さぁ、入るぞ。」

めぐみん「ちょっと待って下さいよ!」

 

 全員が入ると、その本は閉じられた。

 そして、床が、草の感じから、大理石のような感じになり、皆驚いていた。

 その部屋は、巨大な本があり、上に続く階段があって、その先にも大量の本がある。

 

カイト「ここって一体?」

???「お待ちしておりました。」

全員「!?」

 

 上から声が掛かる。皆、驚いているが、俺は驚かない。何故ならこの声の主は。

 

???「貴方達が、新たな剣士とその一行の方ですね。」

アクア「誰よあんた。」

ソフィア「申し遅れました。私はソフィアと言います。これからよろしくお願いします。」

カズマ「よろしくお願いします。」

零士「この人はソフィア。この施設、ノーザンベースの守護者だ。」

カリン「零士、知ってるの?」

零士「前に会ってたんでね。」

 

 そう。エリス様を介して、ソフィア様と会っていたのだ。

 

ソフィア「貴方達は、アクセルの街のワンダーワールドの侵食に対応してくれたそうですね。」

カイト「まぁ、はい。そこでこの闇黒剣月闇に選ばれました。」

ソフィア「そうですか。皆さん、お願いがあります。貴方達は、魔王を倒す事を目標にしているそうですね。」

リナ「まぁ、漠然とですが。」

ソフィア「実は今回のメギドの騒動は、魔王軍幹部の内の3人の仕業なんです。」

全員「!?」

ソフィア「私から頼むのは、メギドも倒して、世界の均衡を取り戻して下さい。」

零士「分かりました。」

カズマ「そうだな。俺も仮面ライダーだし。」

めぐみん「ふふん。私の爆裂魔法が、そのメギドを送った魔王軍幹部に炸裂しますよ!」

リナ「もちろん受けますよ。」

カイト「倒して見せますよ。」

カリン「大船に乗った気分でいいわよ。」

ダクネス「無論、私も手伝うぞ。」

 

 全員、やると言ってくれた。良かった。

 

アクア「えぇ〜。私、面倒臭いわよ。」

全員「………………。」

アクア「何よ、急に。」

 

 ただし、ただ1人を除いて。

 

カズマ「おい、駄女神。そこでそんな事を言うなよ。空気を読め。」

アクア「何よ!私は、魔王をさっさと倒したいけど、メギドとか、面倒臭い!それに魔王を倒せばメギドもさっさと倒せるでしょ。」

ソフィア「そうとは言わずにお願いします。」

アクア「嫌よ!いやったら嫌!」

カズマ「はぁ、アクア。確かに魔王を倒すべきだろう。」

カイト「でも、見ただろ。ワンダーワールドの侵食で苦しんだ人がいる事を。」

アクア「ウッ!」

カリン「貴方の力も貸して欲しいのよ。」

アクア「あー!もう!分かったわよ!」

ソフィア「ありがとうございます。」

 

 説得を完了した。

 そうして、アクアはノーザンベースに泊まり、他の面子は帰っていった。




今回はここまでです。
どうか、よろしくお願いします。


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第7話 襲来、デュラハン

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル!先日、メギドが襲来したけど、剣士達が退けた!本当に凄いよ、彼らは!そして、神崎零士は、真相に迫りつつあるね。僕は、彼が選んだ時にね、少し細工をした。」


俺は宿で寝ているとここ最近ある夢を見る。

 それは、俺が2人の少女と草原を駆け抜けていくと言う物で、何か約束をしているようだった。

 

零士「あの夢は一体………?」

 

 あれは本当に訳が分からない。

 一体あれは?

 

ー翌朝ー

 

 俺は皆と合流した。

 カズマ、めぐみん、リナ、カイトといった仮面ライダーに変身出来た人は、軒並み前の剣士に夢の中で会っていたという。

 かくいう俺も、その夢を見る前に神山飛羽真と上條大地と会っていたので、驚いていない。

 実は皆と合流する前に、クリスと会って夢の件について話したが、いずれ分かりますと濁された回答をされた。

 メギドについても話した。ソフィア様が言った通り、メギド三幹部は軒並み魔王軍幹部の一員らしい。

 

零士「さて、俺たちも魔王軍とメギドを倒す為にも、頑張らないとな。」

カイト「そうだな。」

リナ「えぇ。」

 

 ちなみに今回のメギド騒動で、リナ、カイトもレベルアップした。

 リナはレベル12で、カイトはレベル15である。

 そしてここ暫くの俺らの行動はというと。

 カズマは、今の自分がどれくらい行けるのかと言う事でキールダンジョンへと単身で向かった。不安があったが、カズマの熱意に答えて、危険を感じたら即離脱の条件をつけて行かせた。

 アクアは、一文なしとなり、色々なアルバイトをして、俺からの借金を返済しようとしている。

 ダクネスは、実家で筋トレをするという。

 カリンは、聖剣の強化の為の素材を集めてくれるそうで、その素材を手に入れる為、クエストに出かけている。

 そして、俺、リナ、カイト、めぐみんはと言うと。

 

めぐみん「爆裂魔法を撃つ為に、いい練習場所はないですかね?」

 

 理由は、めぐみんは1日1爆裂をやっている。

 しかし、街の近くだと守衛さんに『音がうるさい』、『迷惑だ』と怒られるらしい。

 よって、アクセルから遠く離れた所でやる必要がある。

 そこで俺は一つ、名案を思いついた。

 魔王軍の砦。そこに爆撃してやろうと。移動手段は、ジオウ降臨暦からタイムマジーンを取り出して行う。

 まず、タイムマジーンで、砦の上空へと向かって、扉をミサイルで吹き飛ばす。そしてめぐみんの爆裂魔法の追撃を行う。

 ちょうど近くに進軍中の魔王軍がいたので、追撃のミサイル攻撃を行った。

 タイムマジーンの中は。

 

めぐみん「アーッハハハハハハ!」

カイト「狂った様に笑いやがる。」

リナ「よっぽど爽快だったんだね。」

零士「そうだな。」

めぐみん「燃え尽きろ、紅蓮の中で…。ハァ〜。最高デス。」

零士「満足そうだね。」

カイト「それはそうと、ここ、狭くね!」

零士「我慢してくれ。本来4人も乗るやつじゃないんだ。これは。」

 

 そうして、俺たちの日課が始まった。

 めぐみんの爆裂魔法は、雨の日も、嵐の日も、穏やかな昼の一時にも続いた。

 たまに、俺たち3人も、習得一閃技を使って、殲滅している。

 爆撃が続いた事で魔王軍の方は降伏してきたが情け無用で爆裂魔法を見舞った。

 しかし、気になる反応があった。

 

零士「またか。ポチッとな。」

 

 俺はあの廃城に、タイムマジーンからミサイルを放ち、攻撃した。

 

めぐみん「あの廃城に何があるんでしょう?」

カイト「さあな。」

リナ「毎日、毎日反応があるよね。」

零士「……何でミサイルを何発も撃ってるのに崩れないんだろう?」

 

 あの廃城にタチの悪いアンデットがいるんじゃないよな。

 ルナさんに後で聞こう。

 俺たちはアクセルへと戻った。

 

ーギルド運営酒場ー

 

零士「ジュース二杯下さい。」

めぐみん「なんでわたしにはお酒がダメなんですか!」

リナ「昼からはダメでしょ。私もジュース。」

カイト「俺はコーヒー。」

 

 俺達はめぐみんのレベルアップと魔王軍の砦の撃滅の打ち上げを行った。

 この一週間で、めぐみんのレベルは一気に35まで上昇した。

 めぐみんのレベルはパーティ内で1番突出している。

 俺のレベルはまだ24だから、それは本当に凄いと思う。

 周囲の冒険者の話題も軒並み、何故か壊れた魔王軍の砦の事で持ちきりだ。

 それを聞いためぐみんは得意げに鼻で笑っていた。

 

店員「お待たせしました。ジュース3つとコーヒーです。」

零士「ありがとうございます。じゃあ、めぐみんのレベルアップを祝って乾杯。」

 

 乾杯の音頭と共にコップを鳴らす。

 そこに。

 

カズマ「お、凄え賑やかだな。」

零士「よう、カズマ。」

カイト「上手くいったか?」

カズマ「おうよ。」

 

 なんか防具が付いている。

 

リナ「その防具どうしたの?」

カズマ「あぁ、なんか攻略してたら、いきなり現れたんだよ。性能も良かったし、装備してる。」

 

 それは良かったな。俺もダンジョン攻略しようかな。

 

ダクネス「やぁ、みんな。」

零士「よぉ、ダクネス。」

 

 ダクネスも合流した。ダクネスは筋トレで結構良い成果を出せたという事か。

 

カリン「お、やってるわね〜〜♪」

カイト「あぁ、カリン。なんか嬉しそうだな。」

カリン「そりゃ、聖剣の強化に使える素材集めだからね。テンションも上がるわよ。」

ダクネス「私も、仲間を守る為に鍛えているからな。」

 

 なんか、そう言う所が大秦寺哲雄っぽい。

 ダクネスも頑張ってるんだな。

 その時、ヘンゼルナッツとグレーテルと玄武神話が反応した。

 

零士「これって。」

カイト「ワンダーライドブックが光ってる。」

リナ「と言う事は、誰かが変身できるって事?」

カズマ「そうだよな。俺たちの時もワンダーライドブックが光ってたし。」

めぐみん「でも、一体誰なんでしょう?」

 

 何となく予想がついた。

 カリンとダクネスに渡す。

 

零士「ほい。」

カリン「これって!?」

ダクネス「まさか!?」

 

 その時、カリンとダクネスの脳内では。

 

『答えは歴史に埋もれている。本の事は、本に聞け。』

『見えている訳では無い。私は耳が良い。』

『喧嘩はやめろ!私は……喧嘩は嫌いだ。』

『任せろ!最高の蕎麦を打ってやる!』

『あいつの剣からは何も響かなかった。』

『お前の背負ってる物はそんな物か!』

『二千年間。その力を引き出す者が現れるのを私の一族は待ち続けた。』

『私は飛羽真にその可能性を見た!悪いが、組織を離れる……!』

『剣の事なら私に任せろ。メギドから人間を分離する方法を……じっくりと、調べておこう。クックックッ。』

『頼む!調べさせてくれ!オレの刀鍛冶としての好奇心が止まらねえェェェーーーッ!!』

『これも!世界を救うためェェェェッ!』

『音銃剣錫音ぇぇぇっ!』

『お帰り、音銃剣錫音ぇぇ!』

『人が鍛えし始まりの聖剣に火を灯さんとする者現れし時、星を結びて力を束ね、物語を終焉へと導く聖剣が生まれる。』

『この聖剣もそう言っている!』

『あれが伝説の聖剣!刀鍛冶の血が滾るゥッ!ハッハッハッ!!』

『早速調べさせてくれ!!』

『ユーリの事は任せろ。何故なら私は聖剣の刀鍛冶だからな!ハーハッハッハッ!!』

『剣士なら自分の心でねじ伏せてみろ!』

『あぁ。あいつらの想いに聖剣が答えられるように、聖剣をベストな状態にしておく。今の私の役割だ。』

『私は御免だ。』

 

 カリンは大秦寺哲雄の記憶を見ていた。

 カリンの腰に音銃剣錫音が出現していた。

 一方ダクネスは。

 

『俺は尾上亮。愛剣はこの、土豪剣激土だ。』

『万が一もそんな事は無い、俺は最強の子育て王だからな!』

『一ぉつ、非道な悪ぃヤツにゃ……。』

『二つ、震える大地の怒りを……。』

『三つ、見舞ってやるぜ、問答無用!!』

『軽々しく約束とか言ってんじゃねぇよ!お前に親の気持ちが分かるか!!』

『本当にやりやがった。』

『上條さんよぉ、あんたには聞きたいことが山ほどある!』

『行けぇ!小説家ァァ!!』

『お前は元の小説家に戻れ!!』

『子供みたいな目ェしやがって。』

『お前が選んだ道なら、俺は止めやしないぜ。目的は同じだしな。』

『今のお前の全てをぶつけろ!!』

『お前が煙の剣士だったのか!丁度いい。聞きたい事が山のようにあるんでな!』

『諦めたら、世界が終わっちまう。そうはさせねぇ!!』

『俺達が駆け出しの頃は上條さんや隼人さんに散々面倒見てもらったもんなぁ。今度は俺達が、あいつらの未来を切り開いてやりたいもんだ。』

『来週は、そらの授業参観だ!最強の子育て王がこんな所で死にはしねぇよ!』

『大秦寺、あの世でもよろしくな。』

『撃てェェッ!大秦寺!!撃てェェッ!!』

 

 ダクネスは尾上亮の記憶を見ていた。

 背中に土豪剣激土が出現した。

 

カイト「カリンとダクネスに聖剣が。」

カリン「よっしゃあ!」

ダクネス「………!」

 

 2人はガッツポーズをしたりと喜んでいた。

 だけどカリンはともかく、ダクネスに仮面ライダーが務まるのか?

 

零士「ダクネス。」

ダクネス「何だ?」

零士「この際に君が仮面ライダーになるのは良しとしよう。だけど、仮面ライダーは沢山の人の愛と平和を守る為にある。だから、君の性癖を優先しないでくれ。」

ダクネス「な!!ちょっと待て!私がいつでも性癖を優先すると思っているのか!?」

零士「思うだろ。」

ダクネス「な!?………まさか皆も?」

 

 そう言って皆の方を向くが、全員、見事に目を逸らした。

 つまりはそう言う事だよ。

 

ダクネス「なああああ!!」

 

 ダクネスが絶叫した時

 

ルナ「緊急!緊急!冒険者の皆さんは、直ちに武装をして正門前に集まって下さい!」

「「「「「「「!?」」」」」」」

 

 ルナさんの叫び声に一斉に反応する。

 只事では無さそうだ。

 一体なぜ?

 そういや、最近、魔王軍幹部がアクセルの近くに来たと聞いたな。

 でも、駆け出しの街には来ないだろ。

 俺はアクアと合流して、正門前に到着するまではそう思っていました。

 

ーアクセルの街正門前ー

 

???「…………。」

アクア「なになに?」

カズマ「なんだあいつ、めっちゃ強そう。」

ダクネス「あれは、デュラハンか!」

 

 デュラハン。

 それはファンタジー物ではお約束のモンスターの一つだ。

 あいつは、自分も馬も、首がない。

 自分の頭は自分で抱えていた。

 

デュラハン「俺は先日、この近くの城に越してきた魔王軍の幹部の者だが……。」

リナ「魔王軍幹部!」

カイト「嘘だろ!」

 

 いや、本当だ。オーラが溢れ出てるよ。

 素では勝てない相手だ。

 

デュラハン「お……お……俺の城に……毎日毎日欠かさずに謎の爆発物を打ち込んでくる……頭のおかしい大馬鹿野郎は、誰だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 魔王軍の幹部は相当、ご立腹だった。

 謎の爆発物って俺がタイムマジーンから放ったミサイルの事ですね。

 て言うか、居たのかよ!お前!!

 

リナ「零士……。」

めぐみん「これは……。」

カイト「お前行け。」

零士「ですよね〜〜〜。」

 

 これは出て行くしかない。

 悪いのは俺なんだから。その尻拭いはするべきだと思う。

 その前に。

 

零士「リナ、めぐみん、カイト。頼みがあるんだ。」

めぐみん、リナ、カイト「?」

 

 俺は3人に頼みを伝えて、幾つかのスキルを習得して、ベルディアへと向かった。

 お互いに見える距離に向かうと。

 

デュラハン「お前が……お前が毎日欠かさず爆発物を送り込んでくる、大馬鹿者かぁ!俺が魔王軍幹部だと知っていて喧嘩を売るなら、堂々と城に来い!そうでないなら、街で震えていろ!ねぇ……何でこんな陰湿な嫌がらせするの〜〜!どうせ雑魚しかいない街だと思って放置していれば、調子に乗って毎日毎日ポンポンポンポンポンポン!!撃ち込みに来やがって!頭おかしいのか貴様ァァァ!!」

零士「…………。」

 

 なんか気の毒だな。

 こっちも知らなかったとはいえ……。

 まさか、あの初日のあれって。

 

零士「いや〜。それはすまない。まさかあの廃城に君が住んでいるとは。あと、一週間前の魔王軍の部隊に爆発物を送ったのは俺だ。悪いな。」

 

 そう、一週間前の魔王軍の進軍していた中にこいつがいた。

 敵だけど、若干の謝罪を込めて言ったら。

 

デュラハン「こ、こ……」

零士「こ、何です?」

デュラハン「この、大馬鹿野郎!!!」

 

デュラハンside

 

 一週間前のあの謎の爆発物を食らった時、魔王様に命じられて、アクセルの謎の光の調査をしに来た。

 だが、あの爆発物で、俺の首がどこかに行き、探すのに半日かかった。

 それでやっと城に着いたと思ったら、連日の爆撃、爆撃、爆撃!

 何度も毎日起こるので、こっちは眠れなかったり、うるさい!

 流石に文句を言ってやろうとアクセルに向かって、1人の男が目の前に出てきて。

 

零士「いや〜。それはすまない。まさかあの廃城に君が住んでいたとは。あと、一週間前の魔王軍の部隊に爆発物を送ったのは俺だ。悪いな。」

 

 もう、堪忍袋の尾が切れた。

 

デュラハン「こ、こ……」

零士「こ?何です?」

デュラハン「この、大馬鹿野郎!!!」

 

零士side

 

 やっべぇ!少し怒らせたか!なら!

 

零士「『ハイパーセンス!』」

 

 俺はハイパーセンスを発動して、火炎剣烈火を構えて、ギリギリで躱す。

 

零士「『フレイムスラッシュ』!」

デュラハン「ぬっ!」

 

 デュラハンを後ろに抜ける様に斬りかかった。

 しかし、レベル差の影響か、少し傷がついたぐらいだった。

 だが、それだけでは終わらない!

 

『烈火居合!』『読後一閃!』

 

零士「オールエレメントスラッシュ!」

デュラハン「!これは!」

 

 俺は烈火居合とオールエレメントスラッシュの2つを合わせた技を放つ。

 火炎剣烈火に全ての属性の力が宿り、デュラハンに解き放つ!

 ベルディア本人は。

 

デュラハン「ギヤアアアアア!!!」

 

 と叫び声を上げていた。

 どうやら効いているようだな。

 俺は距離を取る。

 デュラハンは、体のあちこちから黒い煙をあげていたが、存命だった。

 

アクア「嘘!今ので倒せないなんて!」

カズマ「でも、効いているよな。」

 

 そう、効いてはいる。が、レベル差か。

 

デュラハン「ゼェ、ゼェ、ゼェ………。お、お前、本当に駆け出しか?駆け出し冒険者が集まる街なんだろ!ここは!?」

 

 くそ、冷静になりやがった。

 ダメージを与えるのはもう無理だな。

 

デュラハン「まあいい。お陰で頭の熱が引いた。どうやら、お前には、確実な死の恐怖を与えるべきだな。」

零士「うん?」

 

 デュラハンが右手を指してくる。

 

デュラハン「汝に死の宣告を……貴様は一週間後に死ぬ!!」

零士「何?」(まさか。)「クッ!」

 

ダクネスside

 

デュラハン「お前には、確実な死の恐怖をあたえるべきだな。」

 

 あの魔王軍幹部のデュラハンがそう言った時、背筋に悪寒が走った。

 あのままでは零士が危ない!

 だが、私が向かおうとした時、めぐみんとリナとカイトの3人が抑えかかった。

 

ダクネス「!?3人とも離せ!!」

めぐみん「無理です!」

リナ「零士に言われてるからね、『ダクネスが飛び出そうとしたら押さえ込んでくれ。』って言われたのよね!」

ダクネス「な!?」

カイト「それにあいつは自分の後始末をしているんだ!邪魔はさせない!」

 

 後始末だと?

 零士が危ないのに!

 

デュラハン「汝に死の宣告を……。」

ダクネス「!!まずい!3人とも離せ!!」

 

 早くしないと!!

 

デュラハン「貴様は一週間後に死ぬ!」

ダクネス「やめろォォォ!」

零士「クッ!」

ダクネス「零士!!」

 

零士side

 

 死の宣告というスキルを食らって、少し気怠くなった気がする。

 

カズマ「零士!!」

めぐみん「大丈夫ですか!」

零士「………あぁ、少し怠いが大丈夫。」

 

 仲間達が俺の心配をしてくれる。

 デュラハンがそれを見て。

 

デュラハン「その男の仲間か?よく聞け!その男は一週間後に死ぬ!!」

「「「「「「「!?」」」」」」」

デュラハン「その呪いを解いてほしくば俺の城に来い!見事俺の所に来れたら解呪してやろう。最も、来れたらだがな!ハハハハハッ!」

 

 デュラハンはそう宣言し、去っていった。

 冒険者達に重い空気が満ちていた。

 めぐみんが歩き出した。

 

カズマ「おい!どこ行くんだよ。」

めぐみん「ちょっとあいつの所に行って、爆裂魔法を食らわして、解呪してみせます。」

カズマ「俺も行くぞ。仮面ライダーだしな。」

ダクネス「私も行こう。」

リナ「私も。」

カイト「俺もだ。」

カリン「私だって。」

 

 物凄くありがたい。でもな。

 

零士「あぁ〜。みんな、行く必要は無い。」

「「「「「「!?」」」」」」

零士「アクア。解呪よろしく。」

アクア「え?………あ。『セイクリッド・ブレイクスペル』!」

零士「!!………ハァァァァ。」

「「「「「「え?」」」」」」

アクア「忘れてたけど、私にかかればデュラハンの呪いなんて楽勝よ!」

 

 アクアのおかげで助かった。

 俺が助かったと知って、他の冒険者達が歓声を上げた。

 仲間達は微妙な表情をしているが。

 

零士「さて、デュラハン戦に備えるか!」

カズマ「俺達が盛り上がってた空気を返せ。」

 

 俺の独り言にカズマが突っ込んできた。

 




今回はここまでです。
感想ありがとうございます。


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第8話 特訓する、土と音の剣士

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール。僕はタッセル。アクセルの街になんと、魔王軍幹部のベルディアがやってきた!!神崎零士は、死の宣告をかけられてしまうも、アクアによって解呪出来た。だが、1週間後にベルディアはまた来てしまう。それにどう備えるのかな?そして、あの世界ならではの聖剣もそろそろかな………。」


 ベルディアの襲来から翌日。俺は、カリンとダクネスを連れてダンジョンに来ていた。

 

遡る事数時間前。ノーザンベースにて。

 

零士「よし、ダンジョンに行くぞ!」

「「「「「「「!?」」」」」」」

 

 俺以外が全員驚いていた。

 

めぐみん「零士、今すぐあのデュラハンの所に行かなくていいんですか?」

カズマ「あいつ、今なら油断しているはずだからな。」

 

 そう言う事か。

 だが、今はダメだ。

 

零士「いや、あいつはかなり高いステータスを有しているだろう。今の俺たちじゃとても変身しないと勝てない。」

リナ「?それでいいじゃない。」

零士「いや、あいつと同じくらい強くならないとダメだと思う。それにあいつは奥の手を隠してそうだしな。」

カリン「………考えすぎじゃ無い?」

カイト「いや、零士の言う事には一理ある。生身の状態でもあいつを追い詰めなければ、いざ、奥の手を出されて全滅する可能性もある。」

ソフィア「そうですね。確かに今、この場にセイバー、ブレイズ、エスパーダ、バスター、剣斬、スラッシュ、カリバーがいるとは言え、奥の手で全滅されては困りますね。それにメギドを持っている可能性もあります。」

零士「カイトとソフィアの言う通りだ。備え有れば憂いなしっていうだろ。」

 

 全員、納得してくれたようだ。

 

めぐみん「それで、実際、何をしますか?」

零士「あいつは、一週間の猶予をくれた。」

カズマ「?一週間?何でだよ。」

 

 あいつは、俺に一週間後に死ぬ呪いをかけた。だが実際には解呪された訳だが。

 あいつは、解呪された場面は見ていない。少なくとも真面目なベルディアが少なくとも一週間は待ってくれる。それを伝えると。

 

めぐみん「なるほど。一週間の間に強くなってしまおうという事ですね。」

零士「あぁ。多分、一週間も来なかったら、あっちから来るだろうし。」

 

 会議を終えて、対ベルディア戦に動き出した。

 まず、ギルドに報告して、王都からの救援をお願いした。

 戦法も、ベルディアには俺達仮面ライダーが相手をし、その他の相手を後の冒険者に任せるという事にした。

 カズマは、リナ、カイトの2人を連れてキールダンジョンに向かった。

 レベルが1番高いめぐみんは、アクアと共にベルディアについての調査をお願いした。ステータスカンストしているアクアは知力がもう上がらないと知り、少し泣いた。

 で、ダクネスとカリンの2人と共にソフィアから依頼されたダンジョンへと向かう事にした。

 ダクネスは拗ねていたが。

 

ダクネス「………。」ツーン

零士「おい、ダクネス?」

ダクネス「………。」

カリン「ダクネス、ちょっと言ってくれなかったからってそれは無いでしょ。」

ダクネス「なんで言ってくれないんだ。」

零士「いやぁ、俺が起こした問題だし。」

ダクネス「だからって何故行かせなかった!」

零士「俺が問題を起こしたのにお前に呪いをかけさせるわけにもいかんだろ。大切な仲間なんだからな。」

ダクネス「!!そ、そうか。」

零士「……ちょろいな。」

カリン「……それ、本人に言わないでよ。」

 

 ちなみに何故ソフィアが依頼したかと言うと、このダンジョンに、ワンダーライドブックと聖剣の反応があったかららしい。

 その為、回収を依頼したいと言う事だ。

 でも、俺の知ってる聖剣じゃないとすると、この世界ならではの聖剣と言う事か。

 考えている内に、ダンジョンに到着した。

 ギルドの方からも、このダンジョンの調査クエストを受け取った。

 

ー現在ー

 

 ダンジョンに入る前に変身をしておく事にしよう。ダクネスとカリンにも変身する様に言っておいた。

 

『ブレイブドラゴン!』

『玄武神話!』

『ヘンゼルナッツとグレーテル!』

 

 ダクネスとカリンはストーリーページを開いて朗読文を流した。

 

『かつて四聖獣の一角を担う強靭な鎧の神獣がいた…。』

『とある森に迷い込んだ小さな兄弟のおかしな冒険のおはなし…。』

 

 俺達はそれぞれのスロットにワンダーライドブックを装填した。

 待機音が鳴り始めたので変身する。

 

『烈火抜刀!』

『玄武神話!』『一刀両断!』

『ヘンゼルナッツとグレーテル!』『銃剣撃弾!』

 

「「「変身!」」」

 

『ブレイブドラゴン!』

『烈火一冊!勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く!』

『ブッた斬れ!ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!』

『激土重版!絶対装甲の大剣が北方より大いなる一撃を叩き込む!』

『銃でGO!GO!否! 剣でいくぞ! 音銃剣錫音!』

『錫音楽章!甘い魅惑の銃剣が、おかしなリズムでビートを斬り刻む!』

 

 これで、ダクネスは土の剣士、仮面ライダーバスター、カリンは音の剣士、仮面ライダースラッシュへと変身する。

 

ダクネス「これが仮面ライダーか!」

カリン「凄いわね!」

零士「さぁさお2人さん。さっさとワンダーライドブックと聖剣を回収するぞ。」

 

 俺達は、最深部に向かって進んでいった。

 トラップがあったり、モンスターの襲撃もあったが、俺達はどんどん突き進んでいった。

 カリンは、最初こそ、銃奏モードの扱いには苦戦していたが、適応していった。

 だが驚いたのはダクネスの方だ。剣を使うと、必ずスカだったダクネスが、当たる確率が上がっていた。恐らく、ソードローブの力で補正しているのだろう。

 カリンもダクネスが剣を当てられている事について、『あの、ダクネスが…!?』ととても驚いていた。

 ダクネス本人も当たる快感に喜んでいた。

 俺は恐らく両手剣スキルを習得すればさらに上がるだろうと推測している。

 そうこうしている内に最深部に到達し、目の前に巨大なゴーレムが現れた。

 俺達は、別のワンダーライドブックを取り出して起動する。

 

『西遊ジャーニー!』

『ジャッ君と土豆の木!』

『ブレーメンのロックバンド!』

 

 それぞれのストーリーページを開き、朗読文が流れる。

 

『とあるお猿さんの冒険記、摩訶不思議なその旅の行方は。』

『とある少年がふと手に入れたお豆が巨大な木となる不思議な話……。』

『とある戦いを強いられた動物たちが奏でる勝利の四重奏。』

 

 カリンは音銃剣錫音を銃奏モードにする。

 

『銃奏!』

 

 ワンダーライドブックを装填し、フォームチェンジをする。

 

『烈火抜刀!』

『ジャッ君と土豆の木!』『一刀両断!』

『ブレーメンのロックバンド!』『銃剣撃弾!』

 

『奇跡の西遊ドラゴン!』

『烈火二冊!ウッキウキのお猿も加わり、火炎の剣が舞い踊る!』

『ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!』

『激土重版!絶対装甲の大剣が北方より大いなる一撃を叩き込む!』

『剣で行くぜ!NO!NO!銃でGO!GO!BANG!BANG!音銃剣錫音!』

 

ゴーレム「ガァァァ!!」

カリン「ガァガァ、うるせぇ!ここからは私の最高のサウンドでいくわよォォォ!」

ダクネス「カリン!?」

 

 やっぱりかぁ。ブレーメンのロックバンドの力で抑えられていた好戦的な性格が出てるよ。

 

カリン「フゥゥゥーーー!!!」

ダクネス「カリンもテンションが高くなる事はあるが、あんなに高くなるのか?」

零士「まぁ、ブレーメンのロックバンドの力であぁなってる。」

カリン「ちょっと、2人とも、必殺技決めるぜェェェェッ!」

零士、ダクネス「あ、はい。」

 

『ブレーメンのロックバンド!』『イェーイ!』

『玄武神話!』『ドゴーン!』

『必殺読破!』『烈火抜刀!』

 

カリン「ガンズ・アンド・ミュージック!」

ダクネス「大旋断!」

零士「火炎十字斬!」

 

『錫音音読撃!』『イェーイ!』

『激土乱読撃!』『ドゴーン!』

『ドラゴン!西遊ジャー!』

『二冊斬り!』

『ファ・ファ・ファイヤー!』

 

 3人の仮面ライダーの必殺技が巨大ゴーレムに命中し、爆散した。

 

カリン「私の剣は響きが違うわよォォォ!!エクスプロージョン!!」

ダクネス「片付いたな。」

零士「そうだな。」

 

 俺達3人は開いた部屋に向かい、そこにあったのは、二振りの聖剣と、4冊のワンダーライドブックだった。

 聖剣のタイプは、一本は火炎剣烈火、水勢剣流水、雷鳴剣黄雷と同じく、聖剣ソードライバーに納刀するタイプで、もう一本は闇黒剣月闇と同様、根元にシンガンリーダーと思われる速読器が付いている物だった。

 ワンダーライドブックの名称は、神獣の物が『スタードラゴン』と『ムーンドラゴン』、生物の物が『エクストリームラビット』、物語の物が『銀河特急の夜』が置かれていた。

 そしてメモが机に置いてあって、聖剣の名前がソードライバータイプのが、『月光剣萬月』、単独の物が『星雲剣恒星』である事が判明した。

 そして変身する仮面ライダーの名前は月光剣萬月の方が『仮面ライダーグラム』、星雲剣恒星の方が『仮面ライダーグラディウス』と記載されていた。

 

カリン「これが回収する聖剣とワンダーライドブック?」

零士「あぁ。まさか2振りあるとはな。」

ダクネス「なら、早く回収しよう。」

 

 変身解除した俺達は、聖剣とワンダーライドブックを持ってブックゲートでノーザンベースへと帰還した。

 俺の知らない聖剣。一体誰が2本の剣に選ばれるのだろうか。




今回はここまでです。
その2振りの聖剣は一体誰を選ぶのか。
それは今後のお楽しみです。


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第9話 遭遇する、魔剣の勇者と混合種メギド。

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。先日にベルディアが襲来して、その特訓の為にダンジョンに向かった神崎零士とダクネスとカリン。そこで2本の聖剣とワンダーライドブックを回収した。あの聖剣は、彼らの世界で作られた聖剣なんだよね。今回は、何か、出会いがありそうだね。」


 俺とダクネスとカリンは、2本の聖剣とワンダーライドブックを持って帰還した。

 既にノーザンベースにはカズマ達が集結しており、新たな聖剣に興味を示していた。アクアが変身しようとするも、聖剣に拒絶されるという。

 ソフィア曰く、おそらく、アクアには何かが足りないと言う事らしい。

 選ばれなかったアクアは少しキレ気味だった。

 カズマとリナとカイトはキールダンジョンをクリアして、リナとカイトの2人に新たな防具が追加されていた。2人曰く、かなり高性能らしい。

 めぐみんとアクアは、ベルディアについて調べて、収穫は大きいらしい。

 後はベルディアに挑むだけで、リベラシオンで特訓しつつ、カズマとめぐみんにも、リナやカイト、カリンが指導した結果、単独でも立ち回れる様になったらしい。

 あと残り1日という所で、アクアが。

 

アクア「お願い!このクエスト手伝って!」

 

 そう言って持ってきたクエストは、湖の浄化と言う物で、湖が汚れてしまった結果、ブルータルアリゲーターが住み着いてしまった為、湖を綺麗にしてほしい、らしい。

 アクア曰く、浄化の最中にモンスターに襲われる可能性があるから守ってほしいらしい。

 

零士「分かった。」

カズマ「けど、どうやって浄化するんだ?」

アクア「え?私ほどの女神なら、泳いでるだけで浄化出来るけど。」

零士「あぁ〜。アクアって女神だったな。」

アクア「ちょ!忘れないでよ!!」

カズマ「なるほど……。なぁアクア、多分安全に浄化できる良い方法があるんだが。」

アクア「え?」

 

 俺達は湖の浄化クエストを受けた。

 カズマが提案した安全に浄化できる方法とは。アクアをモンスター捕獲用の檻に入れて湖に放り込む事である。

 カズマの言う通り、これで安全に浄化できる。一応、パンドラビットのビルドからジーニアスフルボトルを取り出す。

 ジーニアスフルボトルの力なら浄化も更に進むだろう。

 今の状況をアクアは。

 

アクア「………私、今から売られる希少モンスターか、出汁を取られる紅茶のティーパックの気分なんだけど。」

 

 と語っていた。

 

ー湖周辺ー

 

 アクセルから依頼の場所に到着した俺達は、檻に入ったアクアを湖に放り込み、少し離れた場所から見守っていた。

 やはり、ジーニアスの相乗効果で、浄化は予想以上に進んでいる。

 しかし、ある程度時間はかかるので、カズマ、ダクネス、カリンの3人で戦闘訓練をして、俺、めぐみん、リナ、カイトは見守っている。

 ダクネスは、夢の中で尾上亮と亀巳川寿和にアドバイスを貰って、両手剣スキルを少し取ったらしい。ダクネスも先程渡した大横綱金三郎を使って、玄武金三郎に変身している。

 カリンもすっかり音銃剣錫音を使いこなしている。カリンも先程渡した大将軍桃一郎を使って、ヘンゼル桃一郎に変身している。

 カズマも先程渡した大剣豪浦島二郎を使ったライオン浦島二郎へと変身し、翻弄している。

 俺達見守り組はコーヒーを入れて休憩中だ。

 

零士「アクアー!水に浸かりっぱなしで大丈夫か?トイレ行きたくなったら引き揚げるぞ。」

アクア「アークプリーストはトイレになんて行かないし!」

 

 一昔前のアイドルか!

 流石にそれは無いだろ。

 

零士「はいはい。」

リナ「めんどくさそうな言い方ね。」

零士「実際めんどくさい。」

 

ー2時間経過ー

 

 あれから2時間。

 1時間前に一度見守り組と訓練組で入れ替えた。俺達も対人戦闘訓練をして、ベルディアとの戦いに備える。

 1時間経って、俺たちも見守り組に合流した。

 結構綺麗になってるな。

 

リナ「………ワニ、出てこないわね。」

カイト「………そうだな。」

カリン「何も起こらずに終わって欲しいんだけどね。」

カズマ「ちょっ!そんなフラグになりそうな台詞を!」

 

 完全なフラグだな。カリンの発言は。

 そんな事を思ったのもフラグになってしまったのか。

 

アクア「アアアアアアァァァァ!!!」

「「「「「「「!?」」」」」」」

 

 いきなりアクアが騒ぎ始めた。

 アクアの周囲に大量のブルータルアリゲーターが湧いてきていた。

 

アクア「なんか出た!なんか出てきたァァァァァァァ!!」

アクア「助けて!皆助けてェェェェ!!」

 

暫くして

 

 出てきたワニはアクアが入っている檻を破壊しようとしている。

 アクアはそれはもう一心不乱に自前とジーニアスフルボトルの浄化能力を使ったとな。

 

アクア「ピュリフィケーション!ピュリフィケーション!ピュリフィケーション!」

 

 だがそんな事をすれば、ワニは更に怒る訳であって。次第に檻からヤバい音がし始めてきた。

 

アクア「ヒイィィィィィ!!ピュリフィケーション!ピュリフィケーション!」

零士「………ギブアップなら、言ってくれ。すぐ引き揚げるからな!」

めぐみん「そうですね!」

カイト「引き揚げる準備するか。」

 

 流石に助け舟を出しておく。なんか、可哀想に思えてきた。

 だが、アクアの返事は。

 

アクア「い……嫌よ!ここで諦めたら、報酬が貰えない!」

 

 アクアってビビりなのに変な所で意地を張るよな。

 だが現実は甘くはなく、ワニが力を込めて顎を閉じると、鉄格子が音を立てて、曲がり始めた。

 

アクア「イヤァァァァァァァ!!メキッって言った!今、檻から鳴っちゃいけない音がしたァァァァァ!!」

 

 はぁ。仕方ないな。

 俺は立ち上がって火炎剣烈火を抜刀した。

 

カズマ「おい!?零士何するんだ?」

零士「流石に可哀想だから、ワニを討伐しておく。」

カズマ「いや、アクアが頑張れば、ワニはどっか行くだろ。だから、悪いけどアクアにもうちょい頑張ってもらおうぜ。」

 

 確かにな。

 

零士「あいつらの討伐金も出るからいいだろ。それに。」

カズマ「それに?」

零士「見てて、良心が痛む。」

カズマ「はぁ、しょうがねぇーな。」

めぐみん「私たちも行きますか。」

リナ「そうね。」

カイト「行くぞ。」

カリン「行きますか!」

ダクネス「あぁ。」

 

 俺達の連携でブルータルアリゲーターを全滅させた。

 ブルータルアリゲーターの死骸は、ブックゲートで一旦ソフィアに預けて、ソフィアがギルドに渡しておく事になった。

 

零士「アクア、もうちょい行けるか?」

アクア「ここまで来て引き下がれますか!あと少しで終わるわよ!」

カズマ「頑張れよ。…アリゲーターホイホイ。」

アクア「誰がアリゲーターホイホイよ!」

 

 そうこうしている内に浄化は完了した。

 残っていたアリゲーターも何処かへ気配が散っていく。

 アクアの浄化能力とジーニアスの浄化能力の相乗効果が上手くいってよかった。

 俺達は引き揚げて、撤収する準備をするが。

 

カズマ「どうだ?」

零士「ダメだ。鍵穴が変形して開かない。」

アクア「えぇ!?」

 

 なんと、ワニに齧られた時に、鍵穴まで巻き込まれて変形してしまった為、アクアを出す事が不可能になってしまった。

 念のため、隙間から出られないか聞いてみる。

 

零士「出れそうか?」

アクア「うぎぎぎぎぎっ!!……ダメ。胸がつっかえて出れない。」

 

 他の隙間も試してみたが、無理だった。

 仕方ないので、ギルドまで中に居てもらう事にしよう。

 1人だと寂しいだろうから、俺も入れそうな隙間を見つけて中に入る。

 リナも一緒に中に入ってくれた。

 アクアは少し申し訳なさそうにしていた。

 アクセルの街まで、ババ抜きをする事にした。

 その時の俺は、あの2人に会うとは思わなかっただろう。

 

???side

 

 僕の名前は御剣響夜(ミツルギキョウヤ)。

 どこにでもいる普通の高校生だった。

 だがある日、自分でも訳が分からない内に命を落としてしまった。

 そんな時、美しい女神と出会い『魔剣グラム』を与えられ、この世界に転生した。

 今は上級者クエストの『エンシェントドラゴンの討伐』を終えて、ギルドに報告に行っている。

 

フィオ「流石、私のキョウヤよね。エンシェントドラゴンを一撃で倒すんだから。」

 

 彼女はフィオ。盗賊に就いている。

 

クレメオ「な!!ちょっと、誰が貴女の物よ!キョウヤは私の物なんだから!」

 

 彼女はクレメオ。戦士の女の子だ。

 慕ってくれるのはありがたいんだけど、事あるごとに喧嘩しないでほしいな。

 そんな2人と一緒に日々冒険者として頑張っている。

 必ずこの世界を救って見せる。

 女神様との約束だから。

 

ミツルギ「………うん?」

 

 その時、僕の耳に聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

アクア「よ〜し、勝負よ!」

ミツルギ「この声って?」

 

 声のする方向に向かうと、そこには荷車に檻を乗せた冒険者の一団がいた。

 檻の中には、男1人、女2人がいた。

 見た感じ、3人は仲良くババ抜きをしていた。

 だが、その内の1人は僕が知っている人だった。

 

ミツルギ「め………女神様!!」

 

零士side

 

アクア「よ〜し、勝負よ!」

リナ「本当に大丈夫?」

アクア「大丈夫よ!」

零士「それじゃあ、行くぞ。」

 

 ババ抜きを引いて行って最終的には。

 

アクア「また負けたァァァァ!!」

 

 見事にアクアの20連敗だった。

 ちなみに俺とリナはどっちかというとリナの方が勝っている。

 

めぐみん「そもそも、ババ抜きは、運も大事ですし、ポーカーフェイスも大事です。」

カズマ「まぁ、その所では、零士とリナには勝てないよな。」

 

 そう。ババ抜きは、ジョーカーを引いても、動じない心と、ジョーカーを感づかれないポーカーフェイスも必要だ。

 アクアは、ジョーカーを引くたびに大袈裟にリアクションするから、分かりやすい。

 その時、後ろから。

 

ミツルギ「女神様!女神様じゃないですか!」

「「「「「「「「!?」」」」」」」」

 

 そう言って1人の男が檻を素手で強引に広げてしまった。

 

カズマ「な!?」

ダクネス「おい!これは鋼鉄製の檻だぞ!」

 

 俺では少し厳しいかな。まぁ、コイツには檻の弁償をしてもらおう。

 

零士「おい、君の事を女神様って呼んでるから、君の関係者だろ。」

アクア「え〜っと。………とりあえず話を聞いてみるわ。」

 

 え。まさか覚えてないのか!?

 コイツ100%転生者だろ!

 流石に覚えておこうぜ。

 アクアはミツルギが広げた隙間から外へと出て行った。

 

アクア「それで、私に何の用かしら?………て言うかあんた誰?」

ミツルギ「な!僕ですよ。御剣響夜です。貴女にこの魔剣グラムを頂き、この世界に転生した御剣響夜です!」

アクア「え?」

ミツルギ「え!?」

零士、カズマ「え?」

 

 まさか本当に覚えてないのか?

 

アクア「………ちょっと待ってね。」

 

 アクアは何処からともなく手帳を取り出してめくっていく。

 

アクア「ミツルギ……ミツルギ……あ!あったわ。ごめんなさい、沢山この世界に転生させたから、すっかり忘れてたわ。」

ミツルギ「あ〜、はい、そうですか。お久しぶりです女神様。ところで、女神様はどうして檻の中に居たんですか?」

 

 一応、俺が説明する。すると。

 

ミツルギ「はあ!?女神様をこの世界に連れて来ただけでなく、檻に閉じ込めて湖につけた!?君は一体何を考えているんだ!!」

 

 と、ミツルギに胸倉を掴まれた。

 アクアを連れて来たのはカズマだが、今回の案はアクアも了承していたから文句を言われる筋合いは無いのだが。

 

アクア「ちょっ、私としてはこの世界に連れてこられたのはもうそんなに気にしてないし、毎日楽しい日々を過ごしてるし、今回のクエストだって私が言い出しっぺなんだから。」

ミツルギ「女神様、この男にどう唆されたのか知りませんが、貴女は女神様なんですよ。こんな扱いで良いんですか?」

 

 言いたい放題だな。

 この男、俺が黙ってるのを良い事に言いまくるじゃないか。

 俺達の事を知らないだろ。

 年下にこんなに言われるのはムカつくな。

 

ミツルギ「ちなみに女神様は何処で寝泊まりしているんですか?」

アクア「え〜っと、馬小屋で……。」

ミツルギ「はぁ!?」

 

 と、更にキツく締めて来た。

 

アクア「ちょっと!」

ダクネス「おい貴様、いい加減にしろ。」

カリン「初対面の相手に失礼じゃない?」

 

 流石に無視できなくなったのか、ダクネスとカリンがミツルギの腕を掴んで止める。

 ダクネス達の方を見たミツルギは。

 

ミツルギ「君達は……クルセイダーにアークウィザード、ソードマン、ルーンナイト、ソードマスターに冒険者。……成程。パーティメンバーには恵まれているようだね。君は、こんな優秀な人達がいるのに、女神様を馬小屋に泊らせるなんて、恥ずかしく思わないかい?」

 

 なん……だと。

 『馬小屋なんか』そう言ったか。

 コイツ本気か?

 そもそも、冒険者がお金が無い場合、馬小屋で泊まるのは常識だ。

 宿に泊まれるのはせいぜいお金が沢山あるやつだ。

 それが分からないとはコイツ、『魔剣グラム』で楽して生きて来たんだろう。

 そんな苦労を知らない奴が、そんな事を言うと他の冒険者を全員敵に回すだろう。

 ミツルギは他の面子に同情するかのような視線を向けて。

 

ミツルギ「君達。今まで苦労したね。今日から、僕の所に来ないかい?高級な装備を買い揃えてあげるよ。」

 

 あまつさえ、こちらのパーティからカズマ達を抜き取ろうとしていた。

 

「「「「「「「…………。」」」」」」」

アクア「ねぇ、あの人ヤバくない?あの人本気でひくぐらいヤバいんですけど。て言うか勝手に話進めるしナルシストも入ってる系で、怖いんですけど。」

ダクネス「どうしよう、あの男は何だか生理的に受けつけない。攻めるよりも受けるのが好きな私だが、あいつだけは何だか、無性に殴りたいのだが。」

めぐみん「撃っていいですか?あの苦労知らずのスカしたエリート顔に、爆裂魔法を撃っても良いですか?」

カリン「あの魔剣は興味あるけど、あんなナルシストのエリートは何だかムカつくわ。一発、音銃剣錫音で撃っていい?」

リナ「『魔剣の勇者』なんて言われてるけど、実際は大した事無さそうね。私でもあんな嫌なイケメン、瞬殺出来そうよ。それにあんな奴より零士の方が断然良い!」

カイト「そもそも、『魔剣の勇者』なんて大層な2つ名が付いてるけど、魔剣グラムとやらに頼りきってる。剣士失格だな。あんな奴とは一緒には居たくない。闇黒剣月闇で斬り捨てたい。」

カズマ「そもそも、魔剣持ちのチーターが、未だにこの駆け出しの街にいる時点でたかが知れているだろ。」

 

 おっとミツルギさん。俺のパーティメンバーからは不評ですよ。

 寧ろ何人か、攻撃しようとしたり、瞬殺できるなんて言われてますよ。

 仮に俺が誘われても、あんな剣が軽そうな奴、お断りだ。

 

零士「という訳で、満場一致で全員お前の所には行きたくないそうです。ではクエスト完了の報告があるので、失礼する。」

 

 そう言ってこの場から去ろうとすると。

 

ミツルギ「!!待て。」

零士「どいてくれます?」

 

 ミツルギは道を塞いできた。

 

ミツルギ「悪いが、女神様をこんな境遇には置いておけない。」

 

 あぁ〜。この人、典型的なダメなイケメンだ。人の話を聞いたりしないで、一方的に決めつける奴は俺は嫌いだ。

 それにこっからの展開はよくあるやつだ。

 

ミツルギ「僕と勝負だ!」

 

 やっぱり。

 

ミツルギ「僕が買ったら、女神様はこちらに引き渡してもらおう。君が買ったら、言う事なんでも聞こうじゃないか。」

 

 勝手に話を進めやがって。

 しかも、こっちは負けたらアクアが奪われるのに、そっちが負けても、大した損害じゃない。完全に不公平その物じゃないか。

 そんな事を考えていると、声がして来た。

 

???「匂うなぁ……。剣士と剣士擬きのプライドがぶつかり合う、最低で最高に楽しそうな匂いだ……!」

 

 この声は聞いた事がある。

 まさか!

 

???「よぉ。」

 

 俺とミツルギの間に一体の怪物が現れた。仮面ライダーになっている人は、緊張が走った。

 

カズマ「おい、あいつって!」

めぐみん「はい!間違いありませんよ!」

ダクネス「何だと!?」

リナ「嘘でしょ!?」

カイト「何で……!?」

カリン「まさか……!?」

零士「………デザスト。」

デザスト「その通り。デザストだ。」

 

 その時、周囲から悲鳴が上がった。

 

ミツルギ「何だ、貴様!」

デザスト「言った筈だ。俺様はデザスト!」

 

 デザスト。

 3冊のジャンルのアルターブックが合わさった混合種メギド。

 戦闘狂で、何を考えているのか分からない。

 だが、なんでここに居るんだ。

 

ミツルギ「デザスト?聞いた事無いな。新種のモンスターか?」

デザスト「俺様をモンスター扱いすんなよ。」

ミツルギ「まぁ、良い。神崎零士!勝負の内容は、コイツを倒した方が勝ちだ!」

 

 コイツ、正気か?

 何人もの剣士を殺害した奴だぞ。

 魔剣グラムで緩く生きてきたお前には勝てない奴だ。

 

ミツルギ「まずはボクからだ!行くぞ!」

デザスト「まぁ、良い。遊んでやるぜ!」

 

 だが、結果は、ミツルギが負けた。

 

ミツルギ「な、なぁ!なんで魔剣の勇者たるこの僕が……!」

デザスト「あぁぁ〜。つまんねぇな。魔剣の勇者だったか?期待外れだな。」

 

 デザストは、あっさりミツルギを無力化した。

 

デザスト「でもよぉ、お前はこっち側なのが分かったぜ。」

ミツルギ「こっち側?」

デザスト「強さを追い求める方だ。なぁ、俺と来ないか?」

ミツルギ「誰が……!」

デザスト「まぁ良い。次はお前だ。炎の剣士!」

零士「………分かった。」

 

 俺は覚悟を決めた。デザストは愛剣グラッジデントを構えて、俺は火炎剣烈火を構える。

 

デザスト「ちょっと良いか?」

零士「何だ?」

デザスト「お前とは内容を変える。俺の必殺技を耐えてみせろ。」

零士「どう言うつもりだ?」

デザスト「なぁに、魔剣の勇者様との戦いで、少し疲れたんでね。」

零士「………分かった。」

カズマ「大丈夫かよ?あいつ?」

リナ「今は、零士を信じよう。」

 

 そうして、風が吹き、止まった。デザストが動き出した。俺は火炎剣烈火を構えた。

 

デザスト『カラミティ・ストライク!』

 

 デザストの必殺技が炸裂し、俺は火炎剣烈火で凌ぐ。しかし、重い!だが、俺もやられっぱなしではいかないので。

 

『ドラゴン!』『ふむふむ…。』

『習得一閃!』

 

零士「火炎疾斬!」

 

 そうして俺とデザストの技が交互にぶつかり、互いにすれ違った。

 そして、デザストの体勢が崩れる。俺はギリギリ保てられた。

 

デザスト「やんじゃねぇか。」

零士「お前もな。」

デザスト「今回は俺の負けだ。楽しかったぜ。じゃあな。」

 

 そう言ってデザストは逃走した。

 

カズマ「すげぇ!零士がデザストに勝った!」

めぐみん「すごいですよ!」

カイト「あぁ。凄くヒヤヒヤした。」

カリン「これって凄いよ!」

リナ「そして、零士がデザストに勝ったと言う事は……!」

ダクネス「ミツルギとの勝負も零士の勝ちと言う事だ!」

アクア「やるじゃない!」

ミツルギ「そんな……。」

 

 その時。

 

フィオ「ひ………卑怯者!!」

「「「「「「「「うん?」」」」」」」」

フィオ「卑怯者!卑怯者!卑怯者!」

零士「はい?」

 

 なんかミツルギの取り巻きに非難されてる。

 

ミツルギ「クレメオ、フィオ!何を!?」

カズマ「あんた達コイツの仲間か?」

クレメオ「そうよ!この卑怯者!」

カイト「……一応聞くけどなんでだ?」

 

 俺は卑怯な事はしてない筈なんだけどな。

 

フィオ「あのデザストとか言う奴との勝負の内容が違うじゃ無い!」

クレメオ「そうよ!無効よ!無効!!」

 

 そんな事で俺を非難しても。

 

カズマ「あのな、そもそもデザストに喧嘩売ったあいつは実際に負けただろ。」

カイト「うむ。それにその事は、デザストが勝手にやっただけで、ミツルギは何もしてない。」

ダクネス「それにこの男はデザストを倒した奴が勝ちだと言った。そのルールに則るなら、客観的に見てもデザストに勝った零士の勝ちだろう。お前はどうなのだ?零士が卑怯な事をしたとでも言うのか?」

ミツルギ「………いや、彼は正々堂々と戦って勝った。………僕の負けだ。」

クレメオ、フィオ「キョウヤ!!」

 

 意外と潔いな。

 

カズマ「で?お前は何を言うんだ?」

零士「何をって?」

カイト「勝負の結果、お前が勝ったんだから、なんか一つ言う事を聞くって奴があるじゃん。」

 

 あぁ、あれか。

 

零士「ミツルギ。」

ミツルギ「何だい?」

零士「お前に一つ頼みがある。」

ミツルギ「な、何かな?」

零士「お前が壊した檻の弁償だ。」

全員「!?」

 

 全員驚いてるよ。

 

カズマ「魔剣グラムで良いじゃんか。」

零士「追い剥ぎはあまりしたくなくてね。それに明日はベルディアが来る。戦力は多い方が良いだろう。そいつは、魔剣グラムが無いと今のカズマより弱いと思う。」

カズマ、ミツルギ「!?」

 

 おそらく、ミツルギは碌に他のスキルを入れていない。だからグラムに頼りきってる戦法になってしまうんだと思う。

 

ミツルギ「な、何故、最弱職の冒険者に、この僕が!?」

零士「デザストに負けたのが良い例だろう。それにカズマは正直、今は弱い。でも、それでも強くなろうと必死に努力している。努力をしていない奴に努力してる奴が負ける筈ねぇんだよ。」

ミツルギ「!!」

 

 その後、ギルドに共に向かい、ミツルギに檻の弁償代20万エリスを払わせた。

 ミツルギは、俺の言葉を聞いてから、妙に思い詰めていた。

 取り巻きの女の子2人が話しかけるが、ほとんど上の空だ。

 一応、明日魔王軍幹部が来るから、街には居るように伝えたが、ミツルギは、ギルドを出て行った。

 後はあいつ次第だ。

 俺はデザストとの戦いで、負ったダメージをアクアに治療してもらい、明日に備えて寝た。

 

ー翌日ー

 

 俺達は早くに合流して、その時を待っていた。

 その時。

 

ルナ「緊急!緊急!冒険者の皆さんは直ちに武装して正門前に集まって下さい!特に、神崎零士さんのパーティメンバーは絶対に来て下さい!」

 

 遂に来たか。

 俺は冒険者達に壁になってもらい、カズマ達が先頭に向かう。

 そこにはやはり、ベルディアが居た。

 ベルディアはプルプルと震えていて遂には。

 

ベルディア「何故城に来ないのだ、この人でなしどもがああああああっ!!」

 

 と、絶叫した。




今回はここまでです。
遂に登場したデザスト。
ミツルギを勧誘しますが、どうなるかは今後次第です。


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第10話 決戦、剣士達とデュラハン(前編)

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。神崎零士の前に、同じ転生者のミツルギとデザストが現れた。決闘騒動になったものの、解決した。だが、ベルディアがやってきてしまった………。剣士達、ベルディアは強敵だけど、倒してほしい!!」


ベルディア「何故城に来ないのだ、この人でなしどもがああああああっ!!」

 

 魔王軍幹部は大変お怒りの様だ。

 ちなみに俺はベルディアには見えない所に居て声だけは聞こえる。

 

カズマ「え〜っと、なんかお怒りみたいだけど…何で?」

ベルディア「はぁ!!何を抜かすか白々しい!」

 

 ベルディアは自分の首を地面に叩きつけて器用にキャッチした。

 痛くないの?あれ?

 ベルディアから凄まじい量の魔力が放出されている。

 

ベルディア「よく聞け、ヘナチョコ冒険者ども。我が名はベルディア。俺はとてつもなく頭にきている。貴様らは仲間の死に報いようとはしないのか!?」

カズマ「はい?」

 

 仲間の死って俺の事ですね。

 て言うか勝手に殺すな。

 

ベルディア「生前はこれでも真っ当な騎士のつもりだった。その俺から言わせれば、勇敢に戦ったあの剣士の鏡のような者の死を無駄にするとは、一体どういう了見だ!」

零士「うわ〜〜。」

 

 ヤバい!出て行きにくい!

 でも、ここで出ないと別の意味でヤバい。

 もう、行くしかないな。

 俺は冒険者達を押しのけて前に出る。

 

ベルディア「!?」

 

 ベルディアはとても驚いた様に目を見開いて硬直していた。

 

零士「………よぉ、剣士の鏡なんて光栄ですよ。魔王軍幹部殿?」

ベルディア「は?………へっ?あんるええええええええええ!!!???」

 

 ベルディアの絶叫が周囲に広まった。

 

ベルディア「あれ?なんでお前、生きて……。」

アクア「なになに?あのデュラハンずっと私達を待ってたの?帰った後、私にあっさり解呪された事に気づかず?プークスクスッ!ウケるんですけど!超ウケるんですけど!!」

 

 アクア、お前、人を煽る才能はピカイチだよなぁ。

 

ベルディア「き、貴様巫山戯るなよ!俺がその気になれば、この街の住人を、皆殺しに出来るんだぞ!」

アクア「あぁん!?アンデットの癖に生意気よ!私が浄化してあげるわ!」

 

 アクアは浄化魔法の準備を始める。

 そして放った。

 

アクア『ターン・アンデット!』

 

 さて、アクアの浄化魔法の効果は一体?

 

ベルディア「駆け出しプリーストの浄化魔法が通じると思って……ギャアアアアアア!!」

 

 凄い。効いた。

 馬は完全に消滅したが、当のベルディアは地面を転がっていた。

 ベルディアには一応効いてるみたいだな。

 

アクア「な、私の浄化魔法が、効いてない!?」

カズマ「ギャアアアって言ってたし、効いてるんじゃないのか?」

 

 カズマの言う通り、効いてはいる。

 だが、仮にも魔王軍幹部が、プリーストの浄化魔法にあっさりやられてはダメなので、おそらく魔王がそこら辺の強化を行なっているのだろう。

 

ベルディア「グゥッ!ゼェ!ゼェ!一応言っておく。俺は魔王様より神聖魔法に対する耐性を獲得している。しているのだが、この街は一体なんなんだ!あの剣士といい、貴様といい、お前ら駆け出しか?ここは駆け出し冒険者が集まる所なんだろ!?」

 

 そうとは言いづらい。何故なら、先日のワンダーワールドの侵食の時に、シミーは一部はカズマとめぐみんが倒したが、殆どは街の冒険者達に倒された。しかも、レベルが凄く上がった事もあって、一気に倒された。その為、MAX43で、平均は20を越している。

 

ベルディア「まぁ良い。わざわざこの俺が相手をするまでもない。『眷属召喚』!アンデットナイト達よ、この者達に地獄を見せてやれ!」

 

 眷属召喚というスキルを使ってアンデットを大量に召喚する。これってまさか。

 

カズマ「あ!あいつアクアの浄化魔法が予想以上に効いて、ビビったんだぜ!」

アクア「うんうん。」

ミツルギ「流石アクア様です!」

 

 ミツルギも来たんだな。

 カズマの言う通り、ビビったんだろう。

 まぁ、警戒するのは当然だが。

 

ベルディア「ち……違うわ!いきなりボスが戦ってどうする!まずは雑魚から………。」

アクア『セイクリッド・ターン・アンデット!』

ベルディア「ヒャァァァァァ!!あぁ、目が!目が!」

 

 ベルディアが言い終わる前にアクアが問答無用で上位の浄化魔法を放った。

 地面をのたうち回っているぐらいは効いているだろう。だが、流石に黒い煙が出ていた。

 

アクア「ど………どうしよう、カズマ、私の浄化魔法が効かない!」

カズマ「ヒャァァァァって言ってたし効いてるんじゃないのか?」

 

 何だろう。物凄く、緊張感が無い。

 本当に魔王軍幹部が来ているのにも関わらずにだ。

 

ベルディア「ブハァ!!………もう良い!街の住人を皆殺しにする。」

冒険者「不味い!早くプリーストを呼べ!」

冒険者「誰か!教会から聖水を持ってきて!」

 

 アンデットナイトがアクセルに迫ってきた。

 俺らも変身しようと構えるが。

 様子がおかしい。

 

ベルディア「ハッハッハッ!さあ、お前達の絶望の叫びをこの俺に……!……うん?」

冒険者「………うん?」

アクア「………え?」

 

 アンデットナイトは向かっていた。ある一点に向かって。そこに居たのは。

 

アクア「……え?……え!イヤァァァァァ!!」

 

 アクアだった。

 どういう訳かアクアに殺到していた。全ての個体が。

 

アクア「何で私ばっかり狙われるの!?私女神なのに!日頃の行いもいい筈なのに!?」

リナ「どの口が言ってるのよ。」

カイト「あいつの日頃の行いが悪いからじゃないのか?」

ダクネス「あぁ!ずるい!私も日頃の行いはいい筈なのにどうして?」

カリン「何言ってんのよ!」

カズマ(成程。アンデットは迷える魂だから本能的に女神に救いを求めてるのだな。)

 

 アクアに引きつけられてるから今のうちに。

 

零士「めぐみん、爆裂魔法で一掃出来ない?」

めぐみん「いやぁ。あんなに纏りがないと撃ち漏らしが出るのでは……。それにアクアが巻き込まれますよ。」

 

 それもそうだ。

 ならやるべき事は一つだな。

 

零士「よし、めぐみんは爆裂魔法の準備!撃つタイミングはカズマに一任する。」

カズマ「俺!?」

零士「大丈夫だ。お前なら出来る。ちょっくら行ってくるわ。」

『ディアゴスピーディー!』

 

 俺はディアゴスピーディーを出して、乗ってアクアの方へ。

 

零士「アクア、飛び乗れ!」

アクア「え!?分かったわよ!!」

 

 アクアはディアゴスピーディーに飛び乗って俺はベルディアに向かって爆走する。ただし、アンデットナイトとは微妙な距離感を保って。

 

カズマside

 

 零士の奴、俺に任せるって言ってバイクで爆走して、アクアを回収して、ベルディアに向かっていった。

 

カズマ「なるほどな。そう言う事か。」

めぐみん「えぇ!絶好のシュチュエーションですよ!」

ミツルギ「しかし、女神様を危険に晒すのはどうかと思うが?」

カズマ「あいつなら大丈夫だ。」

 

 そしたら、ベルディアを通過して、アンデットナイトもベルディアに近づいた。

 

カズマ「めぐみん、やれ!」

めぐみん「分かりましたよ!『我が名は、めぐみん!紅魔族随一の魔法使いにして、爆裂魔法を操る者!我が力見るがいい! エクスプロージョン!』」

 

 めぐみんの詠唱が完了し、虹色の星が輝き始める。

 詠唱の内容違うけどいいのか?

 零士達は離れているから問題無しだろう。

 ベルディアに爆裂魔法が炸裂し。

 

ベルディア「ギャアアアアアア!!」

 

 と言う叫び声が聞こえた。

 

零士side

 

 ベルディアの横をスレスレで避けて、後ろから爆裂魔法が炸裂した。

 相変わらず凄えな。

 めぐみんもレベルアップの余波か、威力も最初よりも増している。しかも仮面ライダーになって魔力が上がったのか、倒れていない。

 

めぐみん「我が爆裂魔法の前に誰も傷一つ残らないとは。はぁ………快感です。」

カズマ「お疲れさん。」

 

冒険者達「オオオオオオオォォォォォォ!!」

 

 冒険者達の歓声が上がった。

 

冒険者「やるじゃねぇか!頭のおかしい子!」

冒険者「名前と頭がおかしいだけで、やる時はやるじゃ無いか!」

冒険者「流石、頭のおかしい子だ!」

めぐみん「ムカッ 」

 

 めぐみんが爆裂魔法の準備をして、カズマに取り押さえされる。

 

カズマ「おい!落ち着けよ!」

めぐみん「離してください!あの頭のおかしい子と呼んだ奴らを血祭りにあげてやります!」

 

 俺が苦笑いしていると、アクアが。

 

アクア「あの、そろそろ降りて良い?」

零士「あぁ。」

 

 俺は冒険者達の元に戻り、アクアを降ろす。

 すると、クレーターの方から、気配を感じる。まさかと思い、振り返るとそこには。

 

ベルディア「ふっふっふ、ハッハッハッ!」

カズマ「何!?」

零士「嘘だろ!?」

 

 そこに居たのはベルディアだった。

 流石に無傷じゃないのか、鎧の一部が凹んでいたが、存命だった。

 

めぐみん「そ、そんな……!?」

 

 流石のめぐみんも驚いていた。

 あの爆裂魔法の直撃を受けて、無傷じゃないとは言え、生きているとは。

 だが、アンデットナイトは全滅できた。

 

ベルディア「面白い!面白いぞ!まさか配下を全滅されるとはな!!では、ここからは俺が相手をしてやろう!!」

 

 大剣を担いで、そう宣言してきた。

 気になるのは、ベルディアが直撃を食らっても生きている事だ。

 

ベルディア「まさか、あの男の言う通りにしておいて良かったな。」

零士「あの男?」

ベルディア「確か、レジエルって奴だな。」

 

 レジエルだと!?

 まさか。

 

ベルディア「レジエルに頼んで、炎耐性をつけて貰って正解だったな!爆裂魔法は炎属性の魔法でもある。即ち、俺に爆裂魔法は効かないのだ!」

めぐみん「!!!!」

 

 めぐみんは相当ショックを受けているな。爆裂魔法使いを名乗るめぐみんにとって、自分のアイデンティティを否定されたのにも等しい。

 あいつの頭、かち割ってやりたい。

 

冒険者「怯むんじゃねぇ!こっちには『魔剣の勇者』と『仮面ライダー』がいる!」

ミツルギ「仮面ライダー!?」

冒険者「一度にかかれば死角が出来る!やっちまえぇぇぇ!」

零士「待て!」

 

 あいつら!何の策もなしに突っ込むな!

 

ベルディア「余程死にたい様だな。」

零士、カズマ「!?」

零士「不味い!」

カズマ「お前ら、逃げろ!!」

 

 ベルディアが自分の頭を投げた時、意図が分かって逃げる様に言うが。

 

ベルディア「もう遅い!!」

 

 死角が無くなって斬られそうになった。その時には。

 冒険者の周りに結界が施されていた。

 

ベルディア「!?」

冒険者「!?」

 

 ベルディアは首をキャッチしながら驚いて硬直していた。

 その時、後ろから声が。

 

???「間に合ったようですね。」

 

 そこに居たのは。

 

零士、カズマ「ソフィア様!」

 

 なんと、ソフィアだった。

 

リナ「ソフィア様!何でここに?」

ソフィア「嫌な予感がしたので、来て彼らに結界を施しました。」

カイト「ナイスタイミングです!ソフィア様!」

 

 ソフィア様のお陰で助かった。

 なら、反撃の時だ!

 

ベルディア「余計な事を……!まあいい、例え結界で守っても結末は変わらぬ!」

零士「どうかな?お前らァァ!行くぞォォォ!アクアスラッシュ!」

カズマ「クリエイトウォーター!」

冒険者達「クリエイトウォーター!」

ベルディア「何!?」

 

 何故、水属性の攻撃をするのかと言うと。デュラハンは、自分の映る事を嫌うため、そして、ベルディア自身が、雨が降っている時には姿を現さない事を考えて、水属性の攻撃をしている。

 だが、そう簡単には当たらない。

 

ベルディア「うわっ、おっと!貴様らおわっ!」

零士「アクアスラッシュ!そうだカズマ!動きを止めてやれ!」

カズマ「おう!フリーズ!」

 

 カズマが氷結魔法を唱えて凍らせると、他の冒険者も氷結魔法を唱えると、ベルディアは膝まで凍ってしまった。

 

ベルディア「!抜かった!」

零士「よし、アクア!やれ!」

アクア「任されたわ!『この世に住まう全ての眷属達よ、女神アクアの名の下に命じる!今こそ集い、その力を我に示せ!』セイクリッド・クリエイトウォーター!」

 

 アクアの詠唱と共にクリエイトウォーターの強化型と思われる大量の水が出てきた。

 アクアの出す水は、聖水と同等の力を持つ可能性がある為、ベルディアにも効果は抜群だ!

 

ベルディア「!!水がァァァ!!ガボボボ!」

 

 アクアの出した水はベルディアを飲み込んだ。

 そこで終われば良かったが。

 

零士「うん?………ヤベッ!」

リナ「ちょっと、アクア、ストップ!!」

カズマ「もう良い!もう良いって!!」

ソフィア「そこで止めて下さい!」

冒険者達「ギャアアアアアア!!」

 

 アクアの出しすぎた水は俺達を巻き込み、遂にはアクセルにまで到達し、外壁に被害が出た。

 もれなく全員、びしょ濡れだ。

 水が引いてベルディアが居た。

 

ベルディア「貴様、馬鹿なのか!?一体何を考えているのだ!?」

 

 文句を垂れていた。

 だが、水を浴びたせいで、大分弱っていた。

 

零士「カズマ、リナ!」

カズマ「おう!」

リナ「分かったわ!」

 

『ドラゴン!』

『ライオン!』

『アランジーナ!』

『ふむふむ』

『習得一閃!』

 

ベルディア「!?」

 

 俺達が習得一閃技を放ったのを見て、ベルディアは大剣でガードしたが、爆発と共に、後方に吹き飛ばされた。

 

ベルディア「グォッ!」

冒険者「よし!行けるぞ!」

冒険者「離れて一斉攻撃だ!」

 

 膝をついていたベルディアに、冒険者達の攻撃が殺到する。このまま倒れてほしいと思ったが。

 

ベルディア「グゥゥゥ!!ガァァァァ!!」

 

 流石魔王軍幹部。そう簡単にはやられないか。

 魔力を放出し、攻撃を中断させた。

 

ベルディア「ハァ、ハァ、ハァ。この手は使いたくなかったが、致し方あるまい!」

 

 そう言って、ベルディアはアルターブックを3冊取り出した。

 

『いたずらゴブリンズ!』『ゲッティングスパイダー!』『見えにくいアヒルの子!』

 

 そうして、ゴブリンメギドが6体、スパイダーメギド、アヒルメギドが6体召喚された。

 

零士「マジかよ!」

ベルディア「覚悟せよ!冒険者共!俺を本気にさせた事、後悔しながら地獄へと行くがいい!」

 




今回はここまでです。
ベルディアも本気を出してきましたね。


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第11話 決戦、剣士達とデュラハン(後編)

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール。僕はタッセル。アクセルの街に痺れを切らしてやってきたベルディア。剣士達の機転で追い詰めたけど、メギドを召喚した。いよいよ本番だよ、剣士達!」


ベルディア「覚悟せよ!冒険者共!俺を本気にさせた事、後悔しながら地獄へと行くがいい!」

 

 ベルディアは大量のメギドを召喚した。そしてそのメギドは、シミーをさらに召喚した。

 さらに、ベルディアが何かしている。

 

ベルディア「まだ、奥の手はある!」

 

 そう言って、巨大なアルターブックを取り出した。それを自分の体へと埋め込んだ。

 

『騎士王デュラハン!』

 

 そうしてベルディアは、いわばデュラハンメギドと呼べし存在になった。

 デュラハンメギドは、見た目こそベルディアと何一つ変わっていないが、胸の部分に本がついていて、剣が巨大化した。

 

零士「やるしかないか。」

カズマ「おうよ!」

ダクネス「めぐみん、大丈夫か?」

めぐみん「はい!……勿論です!」

リナ「出番よね!」

カイト「行くぞ!」

カリン「アクア、ソフィア様とそこのそいつ連れて下がって!」

アクア「分かったわ!ほら、貴方も下がる!」

ミツルギ「え?女神様?」

ソフィア「皆さん、後は頼みます!」

 

 アクアはミツルギを連れて下がった。ソフィアもノーザンベースへと撤退した。

 他の冒険者も下がっていく。

 

『ブレイブドラゴン!』『ストームイーグル!』

『ライオン戦記!』 『ピーターファンタジスタ!』

『ランプドアランジーナ!』『ニードルヘッジホッグ!』

『玄武神話!』

『猿飛忍者伝!』

『ヘンゼルナッツとグレーテル!』

『ジャアクドラゴン!』

『この弱肉強食の大自然で、幾千もの針を纏い生き抜く獣がいる…。』

 

 俺とカズマ、リナ、ダクネス、めぐみん、カリン、カイトの7人はワンダーライドブックを起動して、それぞれ変身準備を開始する。

 それぞれの背後にそれぞれが起動したワンダーライドブックが現れた。

 そうして変身を開始する!

 

『烈火抜刀!』

『流水抜刀!』

『黄雷抜刀!』

『玄武神話!』『一刀両断!』

『猿飛忍者伝!』『双刀分断!』

『ヘンゼルナッツとグレーテル!』『銃剣撃弾!』

『闇黒剣月闇!』

 

「「「「「「「変身!」」」」」」」

 

『竜巻ドラゴンイーグル!』

『輝くライオンファンタジスタ!』

『トゲ!トゲ!ランプドヘッジホッグ!』

『ブった斬れ!ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!』

『壱の手、手裏剣!弍の手、二刀流! 風双剣翠風!』

『銃でGO!GO!否! 剣で行くぞ! 音銃剣錫音!』

『Get go under conquer than get keen.ジャアクドラゴン!』

 

 俺、カズマ、リナは強化形態である、ドラゴンイーグル、ライオンファンタジスタ、ランプドヘッジホッグに変身し、他は基本形態へと変身を完了した。

 俺達はベルディアに向かって駆け出す。

 シミーは街の冒険者達に任せて。

 

ミツルギside

 

 他の冒険者が後退する中、零士達7人は前に出て4人はベルトみたいな物を腰に巻くと。

 

「「「「「「「変身!」」」」」」」

 

 と叫ぶと彼等の姿が変わった。

 剣士みたいな姿に変わっていった。

 

ミツルギ「アクア様、あれって何の仮面ライダーですか?」

アクア「あぁ、仮面ライダーセイバーって言うのよ。」

ミツルギ「仮面ライダーセイバー?」

アクア「そう。聖剣を使って戦う剣士達よ。」

 

 そんな架空の存在が今、目の前にいる。

 女神様が下がらせたと言う事は、僕では力不足だと言う事か。

 そんな僕とは違い、彼等『仮面ライダー』にはその力があると言う事だ。

 

ミツルギ「くっ!」

 

 僕だってアクア様の為に戦いたい。でもその力は僕には無い。

 僕は力の無さが情けなかった。

 

カイトside

 

 俺は、ベルディアが召喚したメギドと戦っている。

 俺はゴブリンメギドというメギドと戦っている最中だ。

 ゴブリンメギドは一体一体はそこまで強くないが、集団で来られるから厄介だ。

 

カイト「なら!」

 

『必殺リード!』『ジャアク童話!』

『月闇必殺撃!』『習得一閃!』

 

 俺は闇黒剣月闇のリード部分に封神仮面演技ワンダーライドブックをリードし、ゴブリンメギド6体の内、3体を一掃した。

 そして残りの3体は。

 

『必殺リード!』『ジャアクドラゴン!』

『月闇必殺撃!』『習得一閃!』

 

 ジャアクドラゴンをリードして、残りの3体を闇の斬撃波で消し飛ばした。

 

めぐみんside

 

 正直、私は先程のショックから立ち直った訳では無いです。

 しかし、メギドが相手な以上、凹んでいる場合じゃない。

 私はアヒルメギドと戦っている。

 アヒルメギドは5体しか居なかったが、まずは倒して残り一体を探す。

 

めぐみん「なら、これで!」

 

『爆走うさぎとかめ!』

『とある兎と亀がぶつかる誇りをかけた競争の記録…。』

『爆走うさぎとかめ!』

『双刀分断!』

『風双剣翠風!』

 

 私は忍者うさかめへと変身し、素早く動いてアヒルメギドを翻弄する。

 そうしている内に、一箇所に纏まったので。

 

『爆走うさぎとかめ!』『ニンニン!』

『翠風速読撃!』『ニンニン!』

 

めぐみん「疾風剣舞・爆走!』

 

 私は必殺技を発動し、一箇所に纏まったアヒルメギド5体を一掃する。

 

カリンside

 

 私はダクネスと共にスパイダーメギドと交戦していた。

 スパイダーメギドは蜘蛛をモチーフにしていることもあって、糸を射出して、捕らえようとしている。

 だが、ダクネスがその一振りで、糸を一刀両断してしまった。

 私は銃奏モードの音銃剣錫音で、ダクネスの援護をしている。

 その戦い方をしている事もあって、スパイダーメギドは大分弱っていた。

 

カリン「止め行くわよ!」

 

『大将軍桃一郎!』

『とある鬼に挑む将軍が仲間を集いえいえいおー!』

『剣盤!』

『大将軍桃一郎!』

『銃剣撃弾!』

『音銃剣錫音!』

 

 私はヘンゼル桃一郎へと変身してシンガンリーダーに大将軍桃一郎を読み込む。

 

『大将軍桃一郎!』『イェーイ!』

『錫音音読撃!』『イェーイ!』

 

カリン「大将軍桃一閃!」

 

 私の斬撃はスパイダーメギドを真っ二つにして撃破した。

 そこにカイトとめぐみんが合流する。

 

カイト「なんとか片付いたな。」

めぐみん「はい。でも、一体居なくて。」

ダクネス「早く撃破して3人と合流するぞ!」

カリン「えぇ!」

アクア「あぁァァァ!!!!」

「「「「!?」」」」

 

 その時、アクアの叫び声と同時に、零士達が追い詰められていた所だった。

 

ミツルギside

 

 僕は他の冒険者と共にシミーと呼ばれるメギドを倒していた。

 だが、数が多く、苦戦していた所。

 

アクア「あぁァァァ!!!!」

ミツルギ「!?」

 

 アクア様の近くにあのアヒルみたいなメギドが一体居た。

 零士達との戦いから逃げ出した奴がここにきたのか!?

 

アヒルメギド「お前を倒してやるゾォぉ!!」

ミツルギ「そうはさせるか!」

 

 僕はグラムで、アヒルメギドを斬るが、全く効果が無く、突然消えた。

 

ミツルギ「どこ行った!?」

 

 突然、僕は後ろから殴られた。

 そこには先程のアヒルメギドがいた。

 透過能力があるのか!?

 

アクア「あんた、早く逃げないと死ぬわよ!?」

ミツルギ「無理です!!」

アクア「!?」

 

 僕の覚悟は決まっていた。

 

ミツルギ「アクア様を絶対に守ってみせる!それが今の僕に出来るなら!」

 

 その時、一冊の本が飛んできた。僕はそれをキャッチすると『ムーンドラゴン』と書かれた本だった。

 

ミツルギ「これは?」

 

 彼等がやっていた様にページを開く。

 

『かつて世界の全てを癒したのはたった一体の神獣だった…。』

 

 その時、強烈な光が現れ、そこに一本の剣があった。

 

ミツルギ「抜けと言う事か?」

 

 僕は一本の剣に向かって歩き出す。今度こそ、アクア様との約束を果たすべく。自分の力でそれを成す!

 剣は抵抗する様に光を強めたが、僕はそれに構わず、剣を抜く。すると、剣は、バックルみたいな鞘に入った物になり、ベルトとなった。これは神崎零士、佐藤和真、リナの3人と同型の物だと思う。

 

アヒルメギド「何!?聖剣だと!?」

ミツルギ「僕はお前を倒す!」

 

 僕はそれを腰に巻き、ムーンドラゴンのワンダーライドブックを起動する。

 

『ムーンドラゴン!』

 

 それをベルトに装填し、この聖剣を引き抜く!

 

『萬月抜刀!』

 

ミツルギ「変身!」

 

『ムーンドラゴン!』

『萬月一冊!月の竜と月光剣萬月が交わる時、月の光の剣が悪を貫く!』

『月光剣萬月!』

 

 僕は月の剣士、仮面ライダーグラムへと変身し、アヒルメギドと対峙する。

 

アヒルメギド「剣士になるとは。だが俺には勝てない!」

 

 メギドはそう言って透明になったが、無駄だ!

 僕は月光剣萬月を光らせて、透明化を強制解除する。

 

アヒルメギド「何!?俺の透明化が!?」

ミツルギ「これが月光剣萬月の力、凡ゆる物を照らして、見せる力だ!」

 

 そうやって僕はアヒルメギドを追い詰めて、月光剣萬月をソードライバーに納刀する。

 

ミツルギ「これで終わりだ!」

 

『必殺読破!』

『萬月抜刀!』

『ムーンドラゴン!一冊斬り!』

『フルムーン!』

 

ミツルギ「月光兜割!」

 

 僕は月光剣萬月を振り上げて、アヒルメギドを一刀両断する。そしてアヒルメギドを倒す。

 僕は零士の仲間と共に魔王軍幹部へと走っていく。

 

零士side

 

 俺とカズマとリナの3人の連携で攻撃するも、なかなか、ダメージが入らない。

 

カズマ「このままじゃジリ貧だぜ!」

リナ「どうする?」

 

 そうは言っても、どうすれば。

 

ベルディア「考え事をするとは余裕があるな!斬撃一閃!」

零士「グワァァァァ!!」

カズマ「クソォォォォ!!」

リナ「キャアァァァァ!!」

 

 俺達はベルディアの斬撃に吹っ飛ばされた。変身解除こそしていないが、ダメージが入って動けない。

 

ベルディア「元騎士として、お前達の様な誇り高き剣士と戦えて良かったぞ。」

零士「くそ!」

カズマ「不味い!」

リナ「………クッ!」

 

 不味い!止め刺す気だ!

 俺達は動けず、それを見上げる形となった。

 

ベルディア「終わりだ。勇敢な冒険者達よ!」

零士、カズマ、リナ「!!」

 

 ベルディアが武器を振り下ろした。だが、俺達は無傷だった。何故なら。

 

カイト「グゥゥゥゥッ!!!」

ベルディア「貴様!?」

 

 カイトが自前の聖剣でベルディアの攻撃を受け止めていた。

 メギドは全滅させたみたいだな。

 

カリン「くらえ!」

ベルディア「何?グォォォォ!!」

 

 カリンが銃奏モードの音銃剣錫音で攻撃して、後退させて俺達から遠ざける。

 めぐみんとダクネスが風双剣翠風と土豪剣激土で攻撃する。

 

めぐみん「ハァァァァ!」

ダクネス「フン!」

ベルディア「貴様らァァ!」

 

 そして1人の剣士が俺達に寄ってくる。その手にあった剣は月光剣萬月だった。そしてその剣士が声をかけてきた。

 

ミツルギ「大丈夫かい?」

零士「お前、ミツルギか?」

カズマ「嘘だろ!?」

リナ「えっ!?」

 

 あのミツルギが!?仮面ライダーグラムに!?

 

ミツルギ「漸く分かったよ。本当の強さがさ。」

零士「そうか。一皮剥けたじゃねぇか。」

カズマ「そうなんだな。」

リナ「まぁ、少しはマシになったんじゃない?」

零士「それはそうと、カズマ、リナ!こうなったら3冊で行くぞ!その為にニードルヘッジホッグとピーターファンタジスタを貸してくれ!」

カズマ「マジで!?」

リナ「なるほどね。」

 

 3冊ならあいつを倒せる筈。だが、リスクはある。

 

カズマ「良いぜ。」

リナ「うん。」

零士「良いのか?」

カズマ「リスクを恐れてたら、世界も救えないからな!」

リナ「私は貴方を信じる!」

零士「分かった!なら、俺はストームイーグルと西遊ジャーニーを貸す!」

 

 俺達は3冊変身の準備をする。俺はカズマとリナに天空のペガサスとトライケルベロスを渡す。ミツルギもカイト達と合流して時間を稼いでいる。

 

『ニードルヘッジホッグ!』『ピーターファンタジスタ!』

『天空のペガサス!』『西遊ジャーニー!』

『トライケルベロス!』『ストームイーグル!』

『かつて蒼白の翼を持つ神獣が天から輝き舞い降りた…。』

『かつて冥界の入り口に、三つの頭を持つ恐ろしい番犬がいた…。』

 

 俺達はそれぞれの3冊のワンダーライドブックを装填して、強化変身する。

 

『烈火抜刀!』

『流水抜刀!』

『黄雷抜刀!』

『三冊の本が重なりし時、聖なる剣に力がみなぎる!ワンダーライダー!』

『ドラゴン!ヘッジホッグ!ピーターファン!』

『聖なるライオンペガサス!増冊!西遊ジャー!』

『三つ叉ランプドケルベロス!増冊!イーグル!』

『三属性の力を宿した、強靭な剣がここに降臨!』

『流水二冊!夜空を彩る獅子座が、流星の如く降り注ぐ!』

『黄雷二冊!魔神と番犬が織りなす、地獄の電撃が狂い咲く!』

 

零士「物語の結末は俺達が決める!」

カズマ「剣士の誇りにかけてお前を倒す!」

リナ「私は私の想いを貫く!」

 

 変身が完了した丁度、カイト達がベルディアに吹っ飛ばされていた。

 

ベルディア「姿が変わったか。だが俺には勝てない!」

零士「行くぞ!お二人さん!」

カズマ、リナ「おう!」

 

 俺達は更なる速度で連携攻撃をし、徐々にベルディアを追い詰めていた。

 

零士「行くぜ!」

 

『ニードルヘッジホッグ!』

 

 俺はフックでベルディアを引っ掛けて、引き寄せつつ、ニードルヘッジホッグをタップして、火炎剣烈火で切り裂く。

 時間差で、ベルディアの身体から一斉にトゲが現れた。

 怯んでいる隙にカズマとリナが斬り裂く。

 

ベルディア「クッ!まだだ!まだだァァァァ!」

 

 ベルディアはボロボロになっても立ち上がろうとしていた。その意気はまさに勇猛果敢に戦う騎士の生き様だった。

 

零士「ベルディア。お前の様な騎士と戦えて良かった。」

カズマ「出来れば、お前とは敵同士で会いたくなかったよ。」

リナ「貴方の心意気には称賛します。」

零士「行くぞ!2人とも!」

カズマ、リナ「おう!」

 

『『『必殺読破!』』』

『ドラゴン!ヘッジホッグ!ピーターファン!』

『ペガサス!ライオン!西遊ジャー!』

『ケルベロス!イーグル!アランジーナ!』

『『『三冊撃!』』』

『ファ・ファ・ファ・ファイヤー!』

『ウォ・ウォ・ウォ・ウォーター!』

『サ・サ・サ・サンダー!』

 

零士「火龍怒髪天!」

カズマ「レオ・カスケード!」

リナ「アランジーナ・ディアブロー!」

 

 トリプルライダーキックが、ベルディアに炸裂して、貫通した。

 ベルディアの後ろに俺達は着地した。

 火花をあげて今にも爆発しそうだ。

 ベルディアが背後の俺達に声を掛ける。

 

ベルディア「………名を聞こうか………。」

零士「神崎零士、仮面ライダーセイバー。」

カズマ「佐藤和真、仮面ライダーブレイズ。」

リナ「リナ、仮面ライダーエスパーダ。」

ベルディア「仮面ライダーか。お前達の様な戦士と戦えた事、………騎士として誇りに思う。魔王軍に………栄光あれェェェェッ!」

 

 ベルディアは爆発し、アルターブックも火花が散った後、塵になるかの様に消えていった。

 俺達3人は拳を突き合わせた。

 その時、冒険者達から勝鬨が上がった。

 ベルディアとの戦いは終幕した。

 だが、2人の男が別々で離れた所で見ていた。

 1人はストリウスだった。

 

ストリウス「ベルディア……。貴方の物語はここまでです。」

 

 そう言って、回収したアルターブックを持って去っていった。

 そしてもう1人は。

 

???「中々、面白そうな奴らだ。」

 

 そう言って、アクセルの街へと向かった。

 

  魔王軍幹部ベルディア 討伐成功!

 

ー翌日ー

 

 俺達は、ベルディアとの戦いを終えて、いつもの日常が……戻らなかった。

 というのも、俺、カズマ、リナは変身解除した直後に、倒れてしまったからだ。

 ワンダーライドブック三冊の反動で倒れてしまったが、アクアの回復魔法のおかげですぐに回復できた。

 街の方には被害は出ていないが、外壁が、アクアの大量に召喚した水でダメージを受けた。

 ベルディアには懸賞金が掛かっており、討伐報酬は3億エリスだったが、その3億エリスも外壁修理に回されて、俺達は借金を背負うことになってしまった。

 俺の金もパーになってしまった。

 普通、領主が修理費を支払う物だが、冒険者に支払わせるとは何事だ。

 この街の領主は、あまり良くない噂が流れており、追及しようにも、証拠が出てこず、お手上げ状態になっているらしい。

 なんかこの街の領主、何を考えてんのかさっぱりわからない。

 俺がそう思っていると、お姉さんが俺に会いたいという人がいるそうだと伝えた。

 誰だろうと思って行ってみたら、なんか見覚えのある背中があった。

 

リナ「どうしたの?」

カイト「知り合いか?」

零士「いや、その。」

???「よぉ、お前が、この世界の仮面ライダーか?」

 

 その男は振り返ると。

 

アクア「あぁーー!!」

カズマ「何だよ!?驚かせるな!」

???「よぉ、アクア。お前、この世界でも酒ばっか飲んで、グータラしてんのか?」

アクア「なんであんたがここにいるのよ!?ディケイド!!」

 

 そう、目の前に居る男は通りすがりの仮面ライダー。門矢士こと仮面ライダーディケイドだ。

 

カズマ「え!?ディケイドって……。ええええええ!?門矢士!?」

士「お前も中々の反応だな、少年。」

めぐみん「3人はこの人を知ってるのですか?」

カリン「て言うか、この人も私達と同じ仮面ライダーなの?」

 

 知ってるも何も、この人は平成仮面ライダーの内の1人、仮面ライダーディケイドだ。

 ディケイド。九つの世界を巡り、破壊と再生をした仮面ライダー。

 ある時は警官、ある時はバスの運転手、またある時は屋敷のコックという様々な顔を持つ。

 最後の平成仮面ライダー、ジオウにも鍵を握る人物として登場する。

 だが、何故この世界に居るんだ?

 アクアとは知り合いのようだけど。

 

零士「それで、………俺に何の用ですか?」

 

 極力、平常心を保ち、話しかける。

 門矢士さんは立ち上がって俺を見て。

 

士「何、この世界の仮面ライダーセイバーはどんな奴か気になってな。」

 

 俺の肩に手を乗せて。

 

士「……俺にこの世界を破壊させるなよ。それに全知全能の書の結末には気をつけろよ。」

零士「!!……どういう意味ですか?」

士「何、そうならない様に気をつけろ。」

 

 そう言って去っていった。

 何故、あの人が全知全能の書について知っているのか。

 「この世界の仮面ライダーセイバー」と言っていた事から、神山飛羽真にも接触していたのか?

 

零士「気になるけど、気をつけないと。」

 

 この世界の課題がまた増えた。謎の記憶、メギドとの戦い、魔王軍、全知全能の書、そして門矢士の存在だ。

 それはともかく、借金を返済しないとな。

 俺はこのろくでもない世界で生き抜いていく。

 




今回はここまでです。
これで第1章は終わりです。
キャラ解説はいずれ出します。
門矢士は、殆どついでです。


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第2章
第12話 遭遇する、冬将軍。


タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル!アクセルに襲来したベルディア。メギドを召喚したり、自らがメギドになったりしたけど、剣士達は撃破したよ!しかも、月光剣萬月も覚醒したし、剣士達も強くなってきたね!だけど、彼らは借金を背負い、しかも門矢士まで現れた。これからどうなるんだろうね。」


 魔王軍幹部ベルディアを撃破して2ヶ月が経過したある冬。

 外壁の修理は着実に進み、もうじき完了との事だ。

 ミツルギは、『エクストリームラビット』、『銀河特急の夜』の2つのワンダーライドブックを受け取り、月光剣萬月と魔剣グラムを携えて、武者修行の旅に出た。強くなって、俺と戦う為に。

 門矢士との邂逅もあったり、ソードオブロゴスの隊服を受け取ったりしていたが借金の完済に向けて俺達はあちこちを駆けずり回っていた。

 

 カズマ達はジャイアントトードやコボルトにゴブリン等を担当して、俺達は厄介な部類に入るモンスターの討伐に当たった。

 

 例えば、一撃熊。

 こいつは、冒険者の頭を一撃で吹き飛ばす事からそう名付けられた。

 見た目通りやばくて強そうだったが、カイトの闇黒剣月闇と俺の火炎剣烈火の一閃をくらって沈んだ。

 

 例えば、ジャイアントアースウォーム。

 こいつは、名前の通り、でかいミミズで、肉食性で、人がたびたび食べられるらしい。

 こいつはカリンの音銃剣錫音で誘い出して、こいつの胴体を撃ち抜いた。

 

 例えば、白狼の群れ。

 こいつらは、群れをなして襲ってくる。牧場でたびたび被害が出ているそうだ。

 こいつらは、リナの雷鳴剣黄雷からの雷撃で一気に倒した。

 

 このように、色々なところを駆けずり回ってなんとか借金の完済を完了した。それからたびたびワンダーワールドの侵食が起こっているので、それの対処も行った。

 返済が完了した俺達は、まるで屍のようにテーブルに突っ伏していた。

 一応、借金の完済お疲れ様パーティーと称して盛大に飲んで楽しんだ。

 

 しかし、楽しいばかりじゃないのが現実であって。現在、カズマは血反吐を吐くかのように叫んだ。

 

カズマ「…………金が欲しい!!」

 

 そう、俺たちの懐はとても生活するには苦しい物だ。

 季節は冬。そのため、外には雪が降っている。

 こんな寒い季節にクエストに出る冒険者はゼロだ。

 ベルディア討伐に関わった冒険者は、全員軒並み報酬が支払われているので、懐があったかい。

 その結果、クエストには問題は無い。しかし冬場のクエストは辛いので、遠慮したいのが本音である。

 

 今あるクエストで、お手頃なのが雪精の討伐である。

 雪精とは、冬場に宙を漂っている存在で、低レベル冒険者でも楽に倒せる。

 1匹倒すたびに冬が半日縮まるという謎な生態がある。

 しかし、そんな楽なのにも関わらず、高額報酬だと言う。

 絶対裏があるだろ。そう思って受けていないのだが、こうなっては背に腹は変えられないという事でカズマのパーティは受ける事にした。

 

 俺たちのパーティは、ちょうど雪精のクエストに向かったカズマ達に程よく近い「一撃瞬殺熊」の討伐クエストに向かう事にして、向かった。

 

 一撃瞬殺熊。

 文字通り一撃熊の上位互換で、必殺の一撃が雷属性を帯びていて、くらうと同時に感電してしまうらしい。

 最近どういう訳か出没する様になったらしい。

 報酬は、破格の50万エリスという。

 感電するリスクを避けて戦闘する事になった。

 

零士「感電したら、速攻で死ぬだろうからな。気をつけていこう。」

カイト「でも、リナは大丈夫じゃないのか?雷の剣士だし。」

カリン「そうね。」

リナ「私でも一撃瞬殺熊は、雷鳴剣黄雷の力でも厳しいかもしれないわよ。」

 

 ちなみに俺達の装備は、ソードオブロゴスの冬用の隊服は意外と保温性があり、俺とカイトとリナは隊服で受ける事になった。カリンは、ソフィアから温かい外套を借りて行う事にした。

 移動手段は、俺がリナを乗せてディアゴスピーディーで、俺が運転を教えたカイトはカリンを乗せてライドガトライカーで向かった。

 

零士「………あれが一撃瞬殺熊か。」

カイト「本当に居たよ。」

カリン「さて、どうする?」

リナ「もう変身しちゃう?」

零士「そうだな。あれは本当にヤバそうだしなぁ。」

 

 そう言って、俺たちは仮面ライダーへと変身して、一撃瞬殺熊に立ち向かった。

 結果としては、なんとかの勝利だ。

 戦闘は、触れたらヤバいという事で、ヒットアンドアウェイの戦法を取る事にした。

 剣で斬りつけたら、下がって他の奴に変わってもらうという戦法と、遠距離攻撃が出来るやつは遠距離攻撃をするという戦法を取って、弱った所をそれぞれの必殺技で仕留めた。

 

零士「…………死ぬかと思ったぜ。」

カイト「結構ギリギリだったな。」

カリン「もうごめんよ。」

リナ「まぁ、これで50万エリス獲得よね。」

 

 俺達はカズマ達と合流しようと決めたら、急にカイトが苦しみ出した。

 

カイト「………ウッ!」

零士「どうした!?」

リナ「カイト!?」

カリン「どうしたのよ!?」

カイト「………闇黒剣月闇が未来を見せてきた。」

零士「え!?」

 

 闇黒剣月闇が!?

 だとしたらヤバいかも。

 

カイト「……このままじゃカズマが死ぬ!」

零士「……不味いかもな!」

 

 俺たちはカズマ達の元へと急行した。

 

カズマside

 

 俺は雪精討伐を行なっていたが、アクアを見て言うべきことは言っておくべきだと思い、言っておく。

 

カズマ「………お前、その格好はどうにかならんのか?」

 

 俺は、冬に使うコートを着て捕虫網といくつかの小さい瓶を抱えた、冬場、セミ採りに行くバカな子供の様なアクアの格好に、呆れて言った。

 

アクア「はあー?あんたバカなの?」

 

 この野郎。

 

アクア「これで雪精を捕まえて、この小瓶の中に入れておくの!で、そのまま飲み物と一緒に箱にでも入れておけば、いつでもキンキンのネロイドが飲めるって考えよ!つまり、冷蔵庫を作ろうって訳!どう?頭いいでしょう!」

 

 なんかオチが読めそうだが、本人が勝手にやる事なので好きにやらせておこう。

 で…………。

 

カズマ「お前、鎧はどうした?」

ダクネス「修理中だ。」

 

 アクアに続き、うちのパーティーの土の剣士ダクネスが、鎧も着けずに私服姿で、土豪剣激土だけを携えていた。

 

カズマ「ダクネスはそんな格好で本当に寒くないのか?」

ダクネス「……問題ない。ちょっと寒いが……我慢大会みたいな物と……思えば。」

 

 どうやら頭の温かい変態は、基本体温も高めらしいな。

 めぐみんはいつもの服ではなく、首から太腿まで覆える黒のインナーを着用しており、足には黒のブーツ、白のケープを纏っている。

 手にも白色のグローブに、頭は猫みたいな意匠のフードを被っている。

 一見すると寒そうだが。

 

カズマ「めぐみんは寒くないのか?この中でも1番薄着だろ。」

めぐみん「大丈夫ですよ。私は基本体温は高めでインナーも保温性が高いので。」

カズマ「そうか。」

 

 雪精討伐に動こう。ちなみに俺はソードオブロゴスの隊服のまま来ている。

 

カズマ「これで5匹目だ!こらっ!待てェェ!」

 

 雪精は攻撃こそしないが、小さくちょこまかと動くので中々仕留められない。

 俺は中々仕留められないので時間がかかる。

 

アクア「………よっと!」

ダクネス「くらえ!」

 

 アクアは虫取り網で背後から雪精を捕まえていた。

 結構捕まえたようで、既に6匹確保していた。

 

アクア「ふふん!大量!大量!」

カズマ(虫取り網の方が良いのだろうか?)

 

 ダクネスは土豪剣激土で雪精を仕留めていた。

 ただ土豪剣激土を使うのではなく、ジャッ君と土豆の木のワンダーライドブックをシンガンリーダーで読み取って、蔦を出して一気に倒してている。

 零士のアドバイスで、ダクネスは不器用だがただ振り下ろすだけではなく、ワンダーライドブックの力で補う事だそうだ。

 

ダクネス「ふむ。このジャッ君と土豆の木は使いやすいな。」

 

 零士曰く、ワンダーライドブックには相性があり、ダクネスの玄武神話はジャッ君と土豆の木とは相性が良いようだ。

 

 見ているだけじゃなくて俺もどうにかしないとな。そうだ!

 

『ピーターファン!』『ふむふむ』

『習得一閃!』

 

 俺はピーターファンタジスタを水勢剣流水に読み取って、水の斬撃波を周囲に出して雪精を一掃した。

 俺はいつの間にか30匹を撃破しており、合計で35匹もの雪精を討伐していた。

 

カズマ「ふぅ、こんな所かな。」

めぐみん「カズマ。」

カズマ「なんだ?」

めぐみん「ちょっと爆裂魔法を撃っていいでしょうか?試したい事があるので。」

カズマ「いいけど。」

 

 めぐみんは爆裂魔法の準備をし始めた。だが、いつも通りなんだが、少し違うような気がする。

 

めぐみん「穿て!エクスプロージョン!」

カズマ「!?」

 

 爆裂魔法の爆発は小規模で、その代わりに強烈な熱風が巻き上がった。

 その結果、周囲はあっという間に蒸発し、雪精もあっという間に消えた。

 

カズマ「めぐみん?何したんだ?」

めぐみん「あぁ、風双剣翠風の風を操る力を応用して、爆裂魔法の威力を最小限に抑えて、熱風だけを周囲にばら撒く物です。」

 

 なるほどな。それなら、近くに仲間がいても、少し暑い熱風がくるだけで大丈夫だもんな。

 

めぐみん「………しかし、こういうのは私の趣味ではありませんね。迫力に欠けますし、カッコいい詠唱があまり出来ませんでした。」

 

 ほとんど、後半部分の物が気に入らない理由なのでは?

 やはり雪精討伐、楽すぎる。なんか怪しい。

 

カズマ「………なんで誰もやらないんだろ?」

 

 そんな事を呟くと、ダクネスが何かに気づき、

 

ダクネス「出たぞ!」

カズマ「!?」

 

 ダクネスの視線の先には、冷気が立ち込めていてよく見えないが、なんか鎧武者のようなやつがいて、日本刀を構えていた。

 

カズマ「なんだあれ!?」

ダクネス「ワクワク!」

カズマ「え?」

 

 なんでダクネスが喜んでるんだ?めぐみんは険しい顔で見ている。

 一体あそこに何がいるんだ?

 

アクア「ねぇ、カズマ。」

カズマ「何だ?」

アクア「貴方も日本に住んでいたなら何度か天気予報で聞いた事があるでしょう。」

カズマ「天気予報?」

 

 こんな時に何言ってんだ。

 

アクア「雪精の主にして、この世界の、冬の風物詩、冬将軍の到来よ!」

カズマ「はい?」

 

 アクアがそう言った瞬間、冷気が晴れてそいつの全体図が顕になった。

 そいつは本当に鎧武者だった。

 なんか、怒ってるように見えるが。

 

ダクネス「冬将軍!……国から懸賞金が掛けられている特別指定モンスター!」

カズマ「はぁ!!」

 

 大体わかったぞ。なんで雪精討伐がこんなに楽なのに高額報酬が掛かっているのか。

 なんで誰も受けないのか。

 なんでダクネスが喜んでいたのか。

 全部こいつのせいか!

 

ダクネス「きっと将軍の地位を利用して私を手込めにするだろう……。できる限りは抵抗するが、力及ばず、組み伏せられて……。」

カズマ「バカー!この世界は!人もモンスターも食べ物もみんな揃って大馬鹿だァァァ!!」

 

 俺のこの叫びは俺にとって少しスッキリした。

 そんな中、冬将軍は駆け出してダクネスに襲っており、ダクネスは、土豪剣激土で受け止めていた。

 もし、以前使っていた剣を使おう物なら、あっさり斬られそうだが。

 

カズマ「こいつヤバい!」

アクア「まあ、冬将軍も雪精なんですけどね。」

カズマ「はい!?」

 

 アクア曰く、精霊は人が思った姿になる。

 だが、こんな冬にクエストに出るのは、余程の物好きか、チート持ちの日本人くらいしかいないそうだ。

 つまり。

 

カズマ「こいつは日本から来た誰かが、冬と言えば冬将軍のノリで連想したから生まれたのか!?なんて傍迷惑なんだ!!」

 

 正直言って冬将軍を生み出した奴がこの場にいたなら、ぶん殴ってやりたい。

 ダクネスから一旦離れた冬将軍を見据えて、流石に変身せざるを得ないと判断して変身する。

 

『ライオン戦記!』『大剣豪浦島二郎!』『天空のペガサス!』

『玄武神話!』

『猿飛忍者伝!』

 

『流水抜刀!』

『玄武神話!』『一刀両断!』

『猿飛忍者伝!』『双刀分断!』

 

「「「変身!」」」

 

『聖なるライオンペガサス!増冊!浦島二郎!』

『ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!』

『風双剣翠風!』

 

 俺は、ブレイズペガサスライオン浦島二郎に、ダクネスはバスターにめぐみんは剣斬に変身して戦う。

 ダクネスが冬将軍の刀を受け止めて、その隙に俺とめぐみんが斬りかかる戦法を取った。

 だが、冬将軍は、変身している俺達をあっさりと吹き飛ばした。

 

ダクネス「なら……。」

めぐみん「ワンダーライドブックを変えるまでですよ!」

 

『大横綱金三郎!』

『爆走うさぎとかめ!』

『大横綱金三郎!』『一刀両断!』

『爆走うさぎとかめ!』『双刀分断!』

『土豪剣激土!』

『風双剣翠風!』

 

 ダクネスは玄武金三郎に、めぐみんは忍者うさかめへと変身する。

 玄武金三郎のパワーに忍者うさかめの俊敏性に流石の冬将軍も戸惑っていた。

 俺は隙をついて大剣豪浦島二郎を抜き、ピーターファンタジスタを取り出す。

 その時、零士に言われた事が脳裏によぎる。

 

零士『俺達、ソードライバーを使って変身する仮面ライダーには、ワンダーコンボという、ただの3冊変身よりも強い形態がある。でも、長時間の戦闘は、最初の頃は出来ない。だから、ワンダーコンボに成り立ては、短期決戦で決めて、徐々に慣らしていこう。』

 

 ワンダーコンボ。

 零士曰く、通常の3冊変身とは違い、それぞれの基本形態に用いるワンダーライドブックと相性のいいワンダーライドブックを使い変身するらしい。だが、通常の3冊変身よりも負担は強く、初期は長期戦に持ち込まれると、辛い。

 だが、俺は今まさにワンダーコンボへの変身を行おうとしている。俺は覚悟は決まっている。だからこそやってやる!

 

『ピーターファンタジスタ!』

 

俺はピーターファンタジスタを装填して、水勢剣流水を抜刀する!

 

『流水抜刀!』

『蒼き野獣の鬣が空に靡く!ファンタスティックライオン!』

『流水三冊!紺碧の剣が牙を剥き、銀河を制す!』

 

 俺はワンダーコンボであるファンタスティックライオンに変身したが、ベルディア戦の時とは途方にもならない力がみなぎってくる!

 

カズマ「行くぜ!」

 

 俺は冬将軍と相対する。

 俺はペガサスライオン浦島二郎では苦戦した冬将軍を追い詰めつつあった。

 俺はライオン戦記ワンダーライドブックをタップした。

 

『ライオン戦記!』

 

 俺は冬将軍に突っ込み、体をゲル化して冬将軍に内部からダメージを与える。

 俺は必殺技を発動する為、水勢剣流水をソードライバーに納刀する。そしてナガレトリガーを引いて抜刀する!

 

『必殺読破!』

『流水抜刀!』

『ペガサス!ライオン!ピーターファン!』

『三冊斬り!』

『ウォ・ウォ・ウォ・ウォーター!』

 

カズマ「ハイドロ・ボルテックス!」

 

 水勢剣流水から、水を飛ばして渦を作り、冬将軍を閉じ込める。だが、冬将軍はその渦を凍らせた。だけど、それが狙いだ!

 

カズマ「これでお前は、そう簡単には動けないよな!」

 

 凍らされても操作する能力はあるので、凍った渦ごと冬将軍を浮かばせる。

 危険を感じたのか、なんとか日本刀を構えて防御の姿勢を取った。

 そして俺は冬将軍を斬り裂く。

 剣と刀がぶつかる音がして、周囲は静寂に包まれた。

 その時、上空から冬将軍の刀身のみが降ってきた。

 

カズマ(しまった!刀しか斬れなかったのか!)

 

 反撃に備えて構える。

 だが、冬将軍は攻撃する素振りを見せずに、刀をしまうと、懐から扇子らしき物を取り出して、自分を扇ぎ出した。

 まるで、『よく拙者の刀を斬ったな!実に天晴れである!』と言わんがばかりの態度を取る。

 その後、冬将軍は背中を向けて、森へと去っていった。

 

カズマ「助かったのか………?」

めぐみん「おそらく。」

ダクネス「凄いぞカズマ!あの冬将軍の刀を斬ってしまうとは!」

アクア「何よ……。やるじゃない。」

 

 その後、闇黒剣月闇の未来予知を見たという零士達が、ディアゴスピーディーとライドガトライカーに乗って現れた。

 事の成り行きを話し終えると、零士から褒められた。そう言えば、隙あらば、リベラシオンで特訓していた事を伝えると、さらに褒められた。

 俺達もライドガトライカーを俺とアクアが出して、めぐみんとダクネスを乗せてアクセルへと帰った。

 

 雪精討伐……クリア!

 一撃瞬殺熊討伐……クリア!

 

零士side

 

 俺達のパーティはかなり有名になった。

 短期間で数多くの高難易度のクエストをクリアした俺とリナとカイトとカリンのパーティ。

 冬将軍と遭遇しつつも、退け、雪精討伐を行えたカズマとアクアとめぐみんとダクネスのパーティ。

 今や俺達はアクセルで注目されているパーティとなっている。

 アクアは冬将軍に気づかれない様に数匹の雪精を連れてきていて、夏にかき氷屋を開いたり、暑い夜に一緒に寝る等と語っていたが、そもそもの話、夏まで雪精が存在を保てるのかという疑問を感じた。

 

アクア「ねぇ、なんか頼まない?」

リナ「そうね。物凄く疲れた。」

カイト「なんとか、俺達、この冬は乗り切れそうだな。」

零士「そうだな。」

 

 カズマはワンダーコンボを使いこなしていた。俺もいずれワンダーコンボを使いこなして見せないとな。




今回はここまでです。
デッドマンのバイスタンプも出てきましたね。


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第13話 獲得する、屋敷

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル!前回、冬将軍を退けたカズマ達に、一撃瞬殺熊を倒した零士達!着実に実力をつけてきてるね!だけど、借金は返済し終えたとは言え、零士達は宿に泊まって、カズマとアクアは馬小屋だ。早く、安定した住居を手に入れて欲しいね。それと、零士の頭に過ぎる謎の記憶も徐々に活性化してきてるね………。」


 俺はとある悩みを抱えていた。

 それは、以前からの謎の記憶がここ最近、更に鮮明化し始めている事だ。

 そしてとある事に気づいた。それは、2人の女の子の内の1人が、リナにそっくりなのだ。

 そして俺は目を覚ました。

 

零士「あれは一体なんなんだ?」

 

 謎の記憶は俺が仮面ライダーセイバーになってから見るようになった。

 まさか、神山飛羽真みたいに何かを忘れているのでは?

 しかし、俺は日本からの転生者。この世界の記憶なんてない筈だ。

 だが、もしかしたら、可能性としてあるのは、この世界の誰かが俺に転生して、そこから俺としてこの世界に来た可能性。

 もしくは、この世界の誰かの魂が俺の中に入っている可能性。

 前者の可能性は大いにあるが、後者は微妙な所だ。

 

零士「まぁ、考えても仕方ないか。」

 

 俺は、冴えてしまった頭を落ち着ける為に、水を飲んで、日課の一つであるアクセル外周マラソンを開始する。

 

 朝

 

 俺はマラソンで謎の記憶について忘れた所で、カズマ達と合流する。

 その時にアクアとリナの2人に少し変な事を言われた。

 

アクア「ねぇ、あなた、なんか別の存在があなたの魂に感じるんだけど。」

リナ「なんでだろ?なんかだんだん君が死んじゃった幼馴染の雰囲気に似てる気がする。」

 

 なんて言われたが、その時は気のせいだろと言ったが、もし、俺の魂にリナの死んだ幼馴染の魂が入っているのか?

 そうだとしたら、一体何を意味するのか?

 分からない。

 それに、ここ最近、意識が少し飛ぶようになってきている。

 その話は一旦終わりにして、俺はリナと一緒にクエストに出かけた。

 

零士「なぁ、君の死んじゃった幼馴染って一体誰なんだ?」

リナ「あぁ、ジュンって言ってね。結構、剣の腕も高くて、本も大好きで結構私ともう1人の幼馴染にも、オリジナルの話をしてくれたんだ。」

零士「もう1人?」

リナ「あぁ、レイナって言ってね、その子、ジュンとも仲が良かったんだけど……。レイナは、ある時を境にして居なくなっちゃって、ジュンもクエストに出かけて、モンスターに倒されちゃって死んじゃったんだ。」

零士「なんか、ごめん。」

リナ「いいのよ。それに、いい加減に諦めをつけないといけないしね。」

零士「諦め?」

リナ「あぁ、なんでもない。」(賢人さんにも言われたけど、私って零士の事好きなのかな?)

 

 リナが何かを考え込んでいたが、すぐに明るい表情を見せた。だが、少し陰りがあるような気がする。

 その後、少し話しながらも、クエストをこなしてアクセルへ戻ろうとすると、カズマからガトライクフォンに連絡が入った。

 

零士「どうしたカズマ?」

リナ「本当にその魔道具、凄いわよね。アクセルにいるカズマの声がここまで届くんだから。」

零士「本当か!?すぐに戻る!」

リナ「どうしたの?」

零士「喜べ!俺達の家が手に入りそうだ!」

リナ「え!?」

 

 カズマから聞いた内容とはこうだ。

 ウィズ魔道具店で、幽霊屋敷の依頼がウィズに入ったが、諸事情でウィズは行けずに、その時にいたアクアが引き受けた事で屋敷が手に入りそうとの事だ。

 そこで俺達は衝撃的な事実を知る。

 それは、ウィズがリッチーで、魔王軍幹部の1人だそうだ。

 だが、魔王軍幹部と言っても、なんちゃって魔王軍幹部らしく、人間には危害を加えないと言う事だ。

 人間に危害を加えない事、これまで世話になった事から俺達はウィズを信じる事にした。

 俺は宿から荷物を纏めて、カズマ達と合流し、件の屋敷の前に到着した。

 

カズマ「ここか。」

アクア「悪くない、えぇ、悪くないわ!この私が住むのに相応しい屋敷じゃない!」

めぐみん「本当は貴族の隠れ別荘だったみたいです。」

カイト「そうらしいな。」

ダクネス「しかし、除霊の報酬としてここに住んでいいとは。」

カリン「随分太っ腹な大家さんね。」

カズマ「なんでも、ウィズは聡明な魔法使いで、この手の案件が持ち込まれるそうだ。」

零士「ウィズってただのダメ店主って訳じゃ無いんだなぁ。」

リナ「それ、本人の前で言ったら、ウィズさん、泣いちゃうからね。」

 

 本当にウィズには感謝しないとな。

 

アクア「これで冬の問題は解決ね!災い転じて福となるとはこの事ね!流石私!」

カズマ「でも、大家さんが言うには祓っても祓ってもまた新たな霊が湧くらしい。」

アクア「任せてよ!私はアークプリーストにして女神!謂わば対アンデットのエキスパートよ!」

 

 そう言って、アクアは屋敷に両手を向けて何やら手を動かし始めた。

 

「「「「「「「おぉぉぉ。」」」」」」」

アクア「見える。見えるわ。この屋敷には貴族が遊び半分に手を出したメイドの子供、その子供が幽閉されてたみたいね。……。」

「「「「「「「……………。」」」」」」」

 

 なんか、インチキ霊媒師が言いそうな事を言い出したアクアに当初は期待を込めた目で見ていたが、次第に全員ジト目になった。

 その変な事を言っているアクアを俺達は放っておいて、屋敷へと入る。その時に俺とカズマはとある事を呟いた。

 

カズマ「……なんでそんな余計な事まで分かるんだって突っ込みたいんだが。」

零士「……俺もだよ。」

 

 俺達は屋敷へと入り、部屋の割り当てと埃が被っていた部屋を掃除した。

 

めぐみん「ふぅ〜。こんなもんですかね。」

リナ「そうね。皆、お疲れ様。」

ダクネス「部屋の割り当ても決めたしな。」

カリン「後は夜を待つだけね。」

カイト「ノーザンベースへの通路も新たに設置出来たしな。」

零士「これでわざわざ外へ行かなくてもノーザンベースへ行けるな。」

カズマ「流石に埃っぽいな……。」

 

 カズマが窓を開けた途端に言葉を止める。

 何事かと見てみれば、アクアがまだ、外にいて未だに鑑定を行っていた。

 

アクア「名前はアンナ・フィランテ・エステロイド。好きな物はぬいぐるみや人形、冒険者達の冒険話……!でも安心して、悪い霊ではないから。おっと……、子供ながらに大人びた事が好きみたいね。……。」

「「………………。」」

 

 俺とカズマは何も見なかった事にして窓を閉めた。

 

零士「じゃあ、これから自由時間だ。」

カズマ「悪霊が出たら、すぐに報告する事!」

「「解散!!」」

「「「「「………。」」」」」

 

 俺は割り当てられた部屋へと向かい、俺は火炎剣烈火を立て掛けて、ライドブックホンダナーに俺が所持しているワンダーライドブックを装填した。

 さて、これで俺も安定して寝る事が出来るな。

 悪霊が出るって言われたけど、こっちには自称とはいえ、女神がいる。どうにかなんだろ。

 そう思っていた、その時。

 

アクア「あぁァァァ!!ァァァ!!」

零士「!?何だ!?」

カズマ「おい零士、アクアの叫び声が聞こえたよな!?」

零士「あぁ!アクアの部屋に行くぞ!」

 

 俺とカズマはアクアの部屋に向かって、状況を確認する。

 

零士「おいアクア!大丈夫か!?」

カズマ「何があった!?」

 

 そこには地べたに座っていたアクアがいた。

 クソ!やられたか!?

 アクアが振り返ると酒瓶を持って泣いていた。

 

アクア「カズマ〜。零士〜。」

「「……………おい。」」

 

 ………まさか。

 

アクア「これは大事に取っておいた高いお酒なのよ。お風呂から上がったらちびちび飲もうと大事にしてたの!それが!お風呂から上がったら、見ての通り空だったのよ!」

カズマ「そうか。おやすみ。また明日な。」

零士「静かに眠れよ。」

 

 俺達は下らない理由で泣いていたアクアを見てすぐさま、自分の部屋へと戻ろうとすると。

 

アクア「これは悪霊の仕業よ!ちょっと私、屋敷に見える霊をしばいてくるわ!おらーー!!出てこいやー!!」

 

 そう言って飛び出していった。

 他の面子が何事かと廊下に出てきたが、問題はないと言って戻らせて俺達も、その時にそれぞれの聖剣をカリンに預けて部屋に戻った。

 その後、アクアのターンアンデットの発動の声が周囲に響いていた。時折、花鳥風月と言う宴会芸スキルを使った声も聞こえたが。

 

深夜

 

 俺は唐突に目が覚めた。理由はトイレに行きたくなったからだ。

 その時、トサッと何かが落ちる音がした。

 少し怖くなって音の鳴った方を見ると、そこには謎の人形があった。

 

零士(コワッ!!えっ?あんな人形この部屋に置いてないよね!?て言うか体が動かないんだけど!?)

 

 俺は恐怖かまたは金縛りにあったかのように身体が動かなくなった。

 暫くカサカサと言う何が動いているような音がしたと思ったら、ベットに何かが乗っかった様な音がして音がしなくなった。

 目を開けてはいけない。でも、このままではトイレに行けない。意を決して目を開けるとそこには、大量の人形がまるで俺を取り囲む様に置いてあった。

 

零士「あぁぁ!!ギャアアアァァァ!!」

 

 俺は腹の底から声を出して、部屋の外に出た!

 

零士「アクア、アクアさーん!!助けてェェェェッ!!なにこれ、めっちゃ怖い!!」

 

 俺は俺と同じく人形に追われていたカズマと合流してアクアの部屋へと飛び込んだ!

 

零士「アクア!アクア!」

カズマ「助けて!」

 

 そこには赤い目と青い目をした幽霊が!

 

零士、カズマ「ヒャアァァァァァ!!!」

めぐみん、リナ「キャァァァァァ!!」

 

 お互いに叫んだ所で、その赤い目と青い目をした幽霊かと思われた人はめぐみんとリナだった。

 

零士「お、驚かせないでくれ。」

カズマ「危うく漏らす所だったぞ。」

リナ「それはこっちのセリフよ!」

めぐみん「そもそもなんで2人はアクアの部屋に飛び込んだんですか?アクアが戻ってきたかと思ったのに。」

零士「そもそも思ったのだが、何で2人ともアクアの部屋にいたんだ?」

リナ、めぐみん「!!!!」

 

 なんか、2人が震えた。

 

めぐみん「その、人形があちこちにいて、アクアに身の安全を守ってもらおうと思いまして。」

リナ「あと、一緒に……トイレにと思って。」

 

 そう言うことか。

 

カズマ「アクアなら除霊に向かってる筈だぞ。」

めぐみん「そうですね。なら、ダクネスも一緒にいる筈ですね。」

零士「そう言えば、カイトとカリンはどうしたんだ?」

リナ「カリンは今なら聖剣を調整し終えて寝てると思うし、カイトは一度寝るとなかなか起きないのよ。」

 

 なるほどな。つまりここに来ることは不可能ということだな。

 あ、そんな事言ってたら、トイレに行きたくなった。そもそも、廊下にはまだ大量の人形がいた筈。

 仕方ない。ベランダからどうにかしよう。

 カズマも同じ思考に至った様だ。

 

零士「なぁ、リナ、めぐみん。ちょっとだけ目を閉じて耳を塞いでくれ。」

カズマ「ちょっと失礼してベランダから……。」

 

 その時、俺はリナにカズマはめぐみんに服の裾を掴まれた。

 

零士「すみません、手を離して下さい。」

カズマ「さもないと俺達のズボンとこの部屋の絨毯が大変な事になる。」

めぐみん「行かせませんよ、何二人だけでスッキリしようとしてるんですか。」

リナ「私達仲間じゃない。トイレだろうとどこだろうと。」

めぐみん、リナ「逝く時は一緒です(よ)。」

 

 そう言って二人は微笑を浮かべた。

 

カズマ「ええい放せ!こんな時だけ仲間の絆を主張するな!」

零士「ごめんなさい!もう限界なんです!」

カズマ「めぐみん、そこに空いた酒瓶があるからな!」

めぐみん「今、とんでもない事を口走りましたよね!その空いた酒瓶で私に何をしろと!?」

リナ「させないわよ!このまま漏らすくらいなら道連れを作るし、二人が用を足してる所を、後ろから揺らしてやるく……ら……い……は……。」

 

 リナのあまりにも漢らしい言葉が、だんだんと尻窄みになっていった。

 訝しんだ俺らは嫌な予感がしつつも、ベランダの方を見るとそこには……。

 大量の人形がこちらを見ていた……。

 

「「「「ああああああああ!」」」」

 

 俺とリナとカズマとめぐみんは同時に叫び、二手に別れて部屋から飛び出し、駆け出した。

 俺とリナは、少し遠い所にあったトイレへと駆け込んだ。

 流石に両方とも限界に近かったからな。

 

リナ「ちょっと、零士?居るよね?」

零士「居ますよ。」

リナ「本当に居るよね?」

零士「本当に居ますって。」

リナ「本当の本当に居るよね?」

零士「居ますって!離れないから早く用を済ましてくれ!!」

 

 不味い!万事休す!!

 

リナ「あの、悪いんだけど、なんか歌、歌ってくんない?」

零士「何が悲しくて、トイレの前で歌わなきゃなんないですか!?」

 

 嫌な予感。

 廊下の片方を見るとそこには、人形がいた。

 

零士「ヒィィィィ!ごめん、リナさん!急いでください!!」

リナ「どうしたのよ!?零士がピンチなのは分かってるから!!」

零士「確かに、君と俺の膀胱もピンチだけど、人形達が近づいてるだよ!!」

リナ「急かされたら出る物も出ないわよ!!」

 

 不味い!!こうなったら変態扱いされるのも覚悟の上だ!!

 

零士「もう待てない!!」

 

 俺はドアをこじ開けた。

 

リナ「キャァァァァ!!」

零士「ごめんなさい!立て込まらせて!」

 

 俺はトイレに入って即座にドアを閉めた。

 リナが大声を出さない様に口を塞ぐ。

 何かが、ドアにぶつかる音がした。しばらくすると、どこかへと消えていった。

 

零士「ふぅ〜〜。助かった。」

リナ「助かったじゃないわよ!状況が状況とは言え、入ってくるなんて!!」

零士「本当にごめんって!!」

 

 途端にリナに殴られる。

 俺は頭を守る様に腕を動かしていたが、なんか柔らかい物に触れた。

 嫌な予感がして、見ると、手はリナの胸に触れていた。

 

リナ「…………!!!」

零士「ごめんなさい!!」

 

 リナは顔を赤くさせて、俺は殴られる事を覚悟して謝った。

 だが、リナの口から出たのは意外な一言だ。

 

リナ「………朝、なんか奢ってよね。」

零士「え?」

リナ「だから、奢ってって言ってるでしょ!!」

零士「はい!承知しました!!」

リナ「分かったなら良いわよ。状況が状況だった訳だし。」

零士「あの、トイレは済みましたか?」

リナ「うん。だから、早く済ませてよ。」

零士「おう。」

リナ「じゃあ、外に出てるから。」

 

リナside

 

 私は外に出て、悶絶した。

 

リナ(アァァァァァ!!れ、零士に、胸を触られた!!)

 

 私は、賢人さんに言われてから妙に意識しだして、そして、胸を触られた事が、さらに意識せざるを得ない状況になってしまった。

 

リナ(私、零士の事が本当に好きなのかも。)

 

 私は零士に助けられて、その後も零士の人の良さや、少し抜けてる所を見ていく内に少しずつ惚れて来ているかもしれない。

 

リナ(でも、まだ、零士が私の事を好きなのか分からないから、まだ考えておこう。)

 

 私はもう少し、時間を置く事にした。

 

零士side

 

 俺も用を済まして、外に出た。

 あのラッキースケベみたいなハプニングがあったことから、気まずくなる。

 

零士「本当にごめん。」

リナ「分かってるわよ。わざとじゃないって。さあ、カズマ達と合流しよ。」

零士「そうだな。」

 

 俺は、最近、リナを意識しだした様な気がするのはなんでだろうか?

 美人だから?さっきのハプニングがあったからか?

 まぁ、向こうはそんな事ないだろうからこれを考えるのはやめる。

 カズマ達の元に向かうと、ドアの前に大量の人形と共に倒れてるアクアとそれを呆然と見るカズマとめぐみん、戸惑っているダクネスがいた。

 

 

 俺は約束通りに、リナに食事を奢って、その後屋敷にて衝撃の事実を知る。

 それは、この屋敷に悪霊が住み着いていた原因が、アクアが墓地に結界を張った事が原因でこの空き屋敷に悪霊が住み着いたと言う。

 つまり、俺達は盛大なマッチポンプを行っていたと言う事だ。

 ギルドから出た臨時報酬もカズマの判断で受け取らなかった。

 その後、カズマとアクアは大家さんに謝罪したが、屋敷に住んで良いと言われたらしい。

 なんて懐の深い大家さんだ。

 その後、ウィズがやってきて、カズマと少し話をして帰った。

 俺達はこの世界で安定した家を手に入れた。ここから更に俺達は頑張っていかねば。

 




今回はここまでです。
リナと零士もお互いの事を意識し始めましたね。
これからどうなるのか。


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第14話 ささやかな平和

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、屋敷を手に入れた神崎零士達!安定した住居を手に入れられて良かったよ!今、彼らはそんなささやかな平和を享受している。………ん?何かがアクセルに近づいているね。」


 ある日の夜。

 俺達はそれぞれが自由な時間を過ごしていた。

 ダクネスとめぐみんはチェスみたいな物に興じている。

 カリンは聖剣の強化に必要な素材を集めていたのを確認している。

 カズマは暖炉の前に置いてあるソファーで温まっていた。

 アクアはカズマを暖炉の前からどかして温まっていた。

 そして俺、リナ、カイトはノーザンベースのリベラシオンで、特訓をしていた。

 

カイト「すごいな零士!段々と腕が上達しているな!」

リナ「やるわね!!」

零士「まぁな。俺も少しずつ上手くなってきたかも。」

カイト「よし!今日はここまでにしよう。」

リナ「そうね。お疲れ様。」

零士「お疲れ様でした。」

 

 俺達はリベラシオンを出て、ノーザンベースにいたカリンに聖剣を預けて、休憩する。

 

ソフィア「皆さん。お疲れ様です。」

零士「あぁ。大分腕が上達した。」

カイト「確かに、零士の剣は我流な所もあるけど、大分いいですよ。」

リナ「そうよね。」

 

 そして俺達は寝た。

 

 翌日

 

 俺は1人で出掛けた。

 特に用事も無くブラブラしているだけだ。

 リナは用事があるらしい。

 そこに見た事がある3人がいた。

 

零士「何してんだ?」

「「「!!!」」」

ダスト「何だ零士か。驚かすな。」

キース「本当だよ。」

カズマ「良かった。零士で。」

 

 この3人の内、カズマ以外はダストとキースと言うらしい。

 以前、いちゃもんをつけられて、カズマとパーティメンバーを交換した時に、知り合った。

 

零士「ところで三人共、こんな所で何してるんだ?」

「「「フヒュ〜ヒュ〜。」」」

 

 3人は暫く口笛を吹いていると、急に俺を引き寄せた。

 

ダスト「いいか?この街の男性冒険者のみが知っているんだが、サキュバスがいい夢を見せてくれるサービスがあるらしい。」

零士「サキュバス?」

 

 サキュバスってあのサキュバス?

 何で男性冒険者しか知らないんだろ?

 

零士「何で男性冒険者しか知らないんだ?」

ダスト「え!?こいつってまさか性欲そこまで無いタイプか?」

キース「マジかよ。」

カズマ「まあ、こいつ、女性にはそこまで鼻を伸ばさないからな。」

 

 なんで変な目で見られるんだ?

 ダストが説明しだした。

 

ダスト「いいか?この街にはサキュバスがいて、俺達、男性冒険者とサキュバスは、共存している仲なんだよ。」

 

 ダスト曰く、男性冒険者は、ムラムラする事があるらしく、女性冒険者にちょっかい出そう物なら、隠し持ってるナイフで大事なところを斬られたり、周囲の女性冒険者に連絡される。

 そこで、男性冒険者はお金を払い、サキュバスに夢を見させてもらい、サキュバスは性欲を男性冒険者が枯れない程度に加減し吸収して、お互いに共存共栄の関係にあるらしい。

 

ダスト「どうだ?零士も興味持ったか?」

零士「いや、興味ないな。」

キース「え!?何でだよ!?」

カズマ「性欲を消費する事が出来るんだぞ!」

 

 確かに俺もたまにムラムラすることもある。

 だが、そこまでムラムラしないので、特に問題は無い。

 それを伝えると3人が俺に同情の視線を向けてきた。

 

ダスト「零士。たまにはさ、発散しようぜ。」

キース「お前ってさ、仲の良い女の子って居るんだろ?」

カズマ「夢の中だから、怒られないって。」

零士「なんだ、その同情の視線は?」

ダスト「いいからさ!たまにはな?」

零士「気にならなくも無いけど、そういうのって高いんだろ。」

カズマ「それがさ、結構安いんだよ。」

ダスト「だからさ、いいだろ?な?」

零士「いや、俺は良いや。」

 

 俺は、3人の誘いを断って、色々と歩いていた。

 ギルドに行き、クエストを見ると、機動要塞デストロイヤーの監視というクエストがあった。

 

零士「機動要塞デストロイヤーね。」

 

 まあ、嫌な予感がするし、辞めとくか。

 その後、1人でクエストを受けて、ワンダーワールドの侵食が起こったので、それを解決した。

 夜になり、俺は屋敷に戻ると。

 

アクア「あ!カズマ、零士!見なさいよ。今日の夜はカニよ!カニ!」

ダクネス「実家から、引っ越し祝いと言って送られてきたのだ。」

 

 へぇ。すごいな。良いカニだと言うのが分かるような気がする。

 

めぐみん「これは霜降り赤蟹と呼ばれていて最高級なんですよ!」

リナ「凄いわね!」

 

 高級な蟹を持ってくるなんて、ダクネスの実家は貴族なのだろうか?

 

アクア「今日はこれでカニパーティーよ!」

カイト「さあ、みんなで楽しもう!」

零士「ごめん。俺って……。」

リナ「分かってるわよ。零士が酒に強くないのは。」

 

 実はこの世界で酒は何度か飲んだのだが、その時は2杯までが限界で、その時は大抵酔い潰れている。

 その為、俺は宴会の時には酔い潰れた人達を連れて帰る為にお酒は飲まない事にしている。

 

アクア「何よ。辛気臭い話をして。零士も酒を飲みましょうよ。」

カリン「アクア、流石にお酒に強くない人に飲ませるのは良くないと思うんだけど。」

 

 仲間の擁護もあって、俺は酒を飲まずにカニパーティーを終わらせた。

 そして風呂に入り、すぐ様ベットに入った。

 翌日、気持ちいい朝を迎えた。

 そして、深夜にカズマにサービスをしようとしたサキュバスが見つかり、カズマがアクア達にしばかれた事を知った。

 どんまい。カズマ。

 俺達は朝食を摂って、ゆっくりとしていたら、警報が聞こえた。

 

ルナ『デストロイヤー警報! デストロイヤー警報!冒険者の皆様は直ちに装備を整えて冒険者ギルドへお集まり下さい!そして住民の皆さんは直ちに避難を開始して下さい!!』

 

 デストロイヤー?

 




今回はここまでです。
零士は、サキュバスサービスといった物には興味を示しません。
理由としては、前世でモテた事が無いからそういうのに関心がいってないです。
次回、デストロイヤーが襲来します。


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第15話 襲来する、デストロイヤー

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル!なんと、神崎零士達の拠点であるアクセルに、機動要塞デストロイヤーが接近してしまった!デストロイヤーは、彼らの世界では、災厄と呼ばれてるんだ!でも、アクセルには、剣士達が居る!だから、頼んだよ!」


ルナ『デストロイヤー警報! デストロイヤー警報!冒険者の皆様は直ちに装備を整えて冒険者ギルドへお集まり下さい!そして住民の皆さんは直ちに避難を開始して下さい!!』

 

 その時、アクアが荷車に荷物を纏めて来た。

 

アクア「カズマ!零士!逃げるの!遠くに逃げるの!!」

零士「何言ってるんだよ。招集が掛かってるだろ。」

めぐみん「機動要塞デストロイヤー。あれと戦うなんてどうかしてますよ。」

カズマ「だから、そのデストロイヤーって何だよ!?」

 

 確かに、機動要塞デストロイヤーとは一体何なんだろう?

 そこに装備を整えたダクネスとリナとカイトとカリンがいた。

 全員、聖剣を持って、リナとカリンは自分のだけで無く、俺とカズマの聖剣を持って来てくていた。

 

ダクネス「暴走した古代兵器だ。」

リナ「そいつが通った後には厄介なアクシズ教徒しか残らないって言われてるわ。」

カイト「つまりこのままじゃアクセルは滅ぶというこった。」

カリン「だけど、私達は仮面ライダーよ!街の危機に立ち向かわないでどうするのよ!」

アクア「ねぇ、リナ?なんでウチの子が厄介者扱いされてるの?」

 

 なるほどな。なら、俺も行くべきだろう。

 

カズマ「みんな、ギルドへ行くぞ!」

アクア「どうしてなのよ!」

零士「折角手に入れた屋敷を壊されてたまるかよ!それに俺達は仮面ライダーだ!街の危機も救ってみせる!」

 

 こうして俺達は駄々をこねるアクアも連れてギルドへと向かった。

 そこにはアクセルの全ての冒険者達が集結していた。

 俺達が入ると冒険者から歓声が上がった。

 その中には、魔剣の勇者もとい、月の剣士でもある、ミツルギも来ていた。

 あいつも来るとはありがたい。

 

ルナ「皆さん、お集まり頂きありがとうございます。皆さんが最後の砦です。討伐が不可能と判断された場合、街を捨てて逃げる事になります。どうかよろしくお願いします!それではデストロイヤーについて説明が必要な方は、手をあげてください!」

 

 俺やカズマを含める一部の冒険者が手を挙げていた。

 それを見て、ルナさんは説明を始める。

 

ルナ「機動要塞デストロイヤー。それは元々、魔王軍に対する兵器として魔導技術大国ノイズによって作られました。この兵器は、走り出せば、馬以上の速度を出せます。恐るべきはその巨体と進行速度です。どんなに大きなモンスターでもひき肉と化します。強力な魔法結界が張られているので魔法攻撃は意味を成しません。」

 

 なるほど。それならアクアが逃げ出そうとするのも納得がいく。

 

ルナ「現在、デストロイヤーは、開発責任者が乗っ取って暴走させているとの事で、一度来たら過ぎ去ってから街を建て直すしかないという、天災として扱われています。現在、デストロイヤーは街の北西方向から接近しています。では、意見等をおねがいします。」

 

 マジかよ。勝てるかどうか微妙になってきたなぁ。

 その後、色々な意見が出されたが、全て無駄だと言う事が判明した。

 何故か、エリス………じゃないクリスが近づいて助言をした。

 

クリス「零士さん。流石にキングオブアーサーを使うべきですよ。」

 

 確かに、こんな巨大な奴はキングオブアーサーを使った方が俺も良いと思う。

 その時、カズマが何かを思い付いたかのようにアクアに話しかける。

 

カズマ「なぁ、アクア?お前ならその結界を破れるんじゃないか?」

アクア「え?うーん。やってみないと分からないわよ。」

ルナ「破れるんですか!?あの結界を!?」

カズマ「え!?でも、やってみないと分からないんですが。」

ルナ「それでもお願いします。後は強力な魔法を叩き込めれば……!」

 

 強力な魔法……ではないが、一応言うか。

 

冒険者「いるだろ。火力持ちなら頭のおかしいのが。」

冒険者「そういや居たな!」

冒険者「頭のおかしいのが!!」

 

 そう言ってめぐみんに視線が集中した。

 

めぐみん「おい!それは私の事を指すのならその通り名はやめてもらおう!さもなくば私の頭がいかにおかしいか証明する事になる!!」

 

 冒険者達が気まずそうに視線を逸らした。

 

零士「いや、めぐみんの爆裂魔法だけじゃないぜ。俺も手段がある。」

リナ「手段?」

カイト「一体何するつもりだ?」

カリン「どうするのよ?」

零士「これを使う!」

 

 俺はキングオブアーサーのワンダーライドブックを出した。

 

リナ「これは?」

零士「キングオブアーサーのワンダーライドブックだ。これなら爆裂魔法との同時発動でデストロイヤーを止められるかもしれない!だから、俺を信じてくれ!」

カイト「愚問だろ。」

カリン「私達は零士を信じているに決まってるでしょ!」

リナ「うん!」

 

 その時、入り口から声が掛かった。

 

ウィズ「遅れてすいません!私も冒険者の資格を持っているので、お手伝いを……!」

冒険者「店主さんだ!」

冒険者「貧乏店主さんが来たぞ!」

冒険者「勝てる!勝てるぞ!」

 

 ウィズが入った途端、歓声が上がる。

 聞けば、ウィズは凄腕のアークウィザードでもあり、爆裂魔法を使えるという。

 

ルナ「それでは作戦を纏めます!まず、アクアさんが結界を破壊し、零士さん、めぐみんさん、ウィズさんの3人の攻撃でデストロイヤーの動きを止めます!!それでは、これから緊急クエスト開始です!」

 

 デストロイヤーからアクセルの街防衛作戦が開始される。

 アクセルのデストロイヤーが来る方面の門周辺には街の工事作業員が突貫工事でバリケードを仕上げて、バリケードの内側には冒険者達が集結していた。

 俺はカズマと共にダクネスの説得に当たっていた。

 ダクネスは、最前線に土豪剣激土を地面に突き刺して動かないでいた。

 

カズマ「なぁ、ダクネス。いい加減に言う事を聞いてくれよ。」

零士「そうだぜ。そこに居たら危ないだろ。」

ダクネス「私は、どうしてもここを離れる訳にはいかない。」

零士「性癖の為か?」

ダクネス「違う!私は民を守る為にここにいるのだ。」

カズマ「民?」

ダクネス「私の本名はダスティネス・フォード・ララティーナ。貴族の娘だ。」

 

 やっぱりダクネスは貴族だったか。

 

ダクネス「2人とも大して驚いていないな。」

カズマ「そりゃ、なぁ。」

零士「霜降り赤蟹なんて高級品を持って来たらな。それに君はダクネスで仮面ライダーバスターだろう。」

ダクネス「まだみんなには内緒にして欲しい。」

零士「分かった。」

カズマ「だから、俺達を信じろ。」

ダクネス「そうか。」

カズマ、零士「………ララティーナ。」

ダクネス「そっちの名で呼ぶなァァァァ!!」

 

 俺達は少しララティーナ……ではなくダクネスを揶揄っていると、ルナさんから連絡が入ってきた。

 

ルナ『皆さん!もうすぐ、デストロイヤーが見えてきます!備えて下さい!』

 

 ルナさんの連絡通りに機動要塞デストロイヤーが見えた。

 確かにでかい。

 俺達もすぐ様、めぐみん達の所に向かった。

 

カズマ「おい!これって大丈夫なのか!?」

 

 カズマ、弱気発言はやめてくれ。

 

アクア「ちょっとウィズ!大丈夫でしょうね!」

ウィズ「アクア様が結界を破ってくれれば大丈夫ですよ。もし失敗したらみんなで仲良く土に還りましょう。」

アクア「冗談じゃないわよ!ちょっとカズマ!零士!そっちは大丈夫なの!?」

 

 めぐみんを見ると。

 

めぐみん「大丈夫。私は強い。私は強い。」

リナ「なんか不安になってきた。」

カイト「おい!緊張しすぎだ!!」

カリン「落ち着いて!」

カズマ「零士も変身してくれ!」

零士「あいよ!」

 

 俺は聖剣ソードライバーを装着して2つのワンダーライドブックを起動する。

 

『ブレイブドラゴン!』

『キングオブアーサー!』

『とある騎士王が振り下ろす勧善懲悪の一太刀。』

 

 2つのワンダーライドブックをソードライバーに装填して、火炎剣烈火を抜刀する。

 

『烈火抜刀!』

 

零士「変身!」

 

『二冊の本を重ねし時、聖なる剣に力が宿る!』

『ワンダーライダー!』

『ドラゴン!アーサー王!』

『二つの属性を備えし刃が、研ぎ澄まされる!』

 

 俺はセイバー・ブレイブドラゴンの左腕にキングオブアーサーの力が宿った、ドラゴンアーサーへと変身した。

 変身したと同時に左手にはキングエクスカリバーが、背後に巨大なキングエクスカリバーが召喚される。

 周囲の冒険者からは驚きの声が挙がる。

 

冒険者「来るぞ〜〜!!」

 

 その冒険者の声と同時にデストロイヤーが迎撃ラインへと突入した。

 その時、遥か上空から、杖を召喚したアクアが魔法を発動する。

 

アクア『セイクリッド・ブレイクスペル!』

 

 アクアの魔法がデストロイヤーへと向かい、デストロイヤーの魔法結界と衝突する。

 デストロイヤーは、アクアの魔法を気にせず前進するが、アクアが更に力を込めた結果、魔法結界は消滅した。

 

カズマ「今だ!!」

ウィズ「零士さん!めぐみんさん!同時攻撃です!!」

零士「あぁ!」

 

 だが、めぐみんが緊張のあまり、動けなくなっていた。

 

カズマ「おいめぐみん!」

めぐみん「ァァァァァァァァ……。」

カズマ「おい!お前の爆裂魔法への愛はそんなもんか!?ウィズに負けたらみっともねぇぞ!」

めぐみん「!!」

カズマ「お前の爆裂魔法はあんなもんも壊せないヘナチョコ魔法か!?」

めぐみん「何を!?我が名をコケにするよりも1番言っては行けない事を口にしましたね!見せてあげましょう!本物の爆裂魔法を!!」

 

 めぐみんとウィズは爆裂魔法の準備に入った事から俺も準備を開始する。

 俺はキングエクスカリバーのベディヴリーダーにキングオブアーサーのワンダーライドブックを読み取り、キングエクスカリバーの封印を解く!

 

『キングオブアーサー!』

『からの?』

『剣が変形!巨大な剣士が目を覚ます!』

『キングオブアーサー!』

 

冒険者「すげぇェェェェ!」

 

 さらにそれだけじゃ無い!

 

『ソードチェンジ!!』

『仮面ライダーセイバー!』

 

 マグネイトエッジが、ソードクラウンと重なり俺自身が剣、『セーバーセイバー』となり、キングオブアーサーの右手に収まる。

 

リナ「えぇェェェェ!?」

カイト「零士が剣に………!?」

カリン「どうなってんのよ!?これ!?」

カズマ「マジかよ。」

 

 周囲からも驚きと戸惑いの声があがった。

 どうやら、準備は完了だな!

 

めぐみん、ウィズ「エクスプロージョン!!」

 

『キングスラッシュ!!』

 

 2つの爆裂魔法とクロスされた赤と水色の斬撃波が、デストロイヤーへと向かい、爆裂魔法は両足を吹き飛ばし、キングスラッシュは頭に損傷を与えた。

 両足を失った事でデストロイヤーは滑り出し、ダクネスの直前で止まった。

 

めぐみん「はぁ、流石リッチーです。」

カズマ「お疲れさん。」

零士「ふぅ〜〜。」

リナ「零士もお疲れ様。」

カイト「よくやったな。」

 

 俺はキングオブアーサーを閉まって、セーバーセイバーから、ドラゴンアーサーへと戻り、リナ達の所に着地した。

 冒険者達からも歓声があがった。

 

冒険者「やった!やったぞ!!」

冒険者「俺、これが終わったら結婚するんだ。」

 

 おい、死亡フラグが聞こえたぞ!

 やめろ、そんな事を言うな!

 

アクア「さぁ〜て!今日は宴会よ!報酬が楽しみね!!」

零士「おい待て!」

カズマ「そんな事を言ったら……。」

 

 なんかデストロイヤーの様子が変だ。

 

カズマ「それみた事か!!」

アクア「えぇぇぇぇ!?」

 

『この機体は停止致しました。排熱及びエネルギー消費が出来なくなりました。このままだとこの機体は自爆します。』

 

「「「「「なんだって!?」」」」」

 

 まだ、災難はおわっていなかった。

 




今回はここまでです。
零士がキングオブアーサーを使用しました。


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第16話 終焉の、起動要塞

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル!ドラゴンアーサーと爆裂魔法で止まった起動要塞デストロイヤー。しかし、デストロイヤーは自爆しようとしてしまう。このまま自爆したら、アクセルに甚大な被害が出てしまう!何とか、止めてくれ!剣士達!」


    緊急クエスト!!

デストロイヤーの自爆を阻止せよ!!

 

冒険者「無理だ。」

冒険者「あんなの無理だって!!」

 

 冒険者達が逃げ出していく。

 俺達も万が一に備えて離脱の準備を始める。

 

カズマ「ダクネス!!逃げるぞ!!」

ダクネス「私は、ここから逃げ出す訳にはいかない。」

零士「ダクネス……。」

 

 お前……。貴族の意地を果たすつもりか。

 

ダクネス「それに、もうすぐ爆発するものの近くにいると考えると……。」

 

 まさか、こんな時まで性癖を発動する気か?

 

ダクネス「こうしてはいられない!カズマ、零士!私は行くぞ!!行ってくりゅ!!変身!」

 

『土豪剣激土!』

 

 ダクネスはバスターに変身して、突撃していった。

 

冒険者「おい!ダクネスさんが突撃してくぞ!」

冒険者達「!?」

 

 ダクネスが仮面ライダーになって突撃していくのを他の冒険者達も見ていた。

 

冒険者「やるぞ!俺は!この街には散々世話になったからな!」

冒険者「俺も。もうレベル30を超えているのに、なぜ未だにこの駆け出しの街にいるのかを思い出した。」

ダスト「むしろ今まで安くお世話になって来た分ここで恩返し出来なきゃ終わってるだろ!」

親方「びびってんじゃねぇ!俺達も行くぞ!」

作業員「おォォォ!」

 

 と、どんどんデストロイヤーに冒険者や、作業員の方達まで突撃していった。

 心の中で、サキュバスの影響力って凄いなと思った。

 

ウィズ「カズマさん、零士さん。中にある動力源を断てば自爆を阻止できる筈です。」

カズマ「そうだな。」

零士「俺達も行くか。」

アクア「みんな頑張ってね。私は帰るわ。後の宴会でね!」

カズマ「行くぞ!駄女神!」

アクア「え!イヤァァァ!!」

 

 俺達はウィズとアクアを引き連れて、俺以外の人も、カズマはファンタスティックライオン、リナはランプドヘッジホッグ、めぐみんは猿飛忍者伝、カリンはヘンゼルナッツとグレーテル、カイトはジャアクドラゴンへと変身した。

 途中、ゴーレムが妨害してくるが、仮面ライダーになった俺達の敵ではなかった。途中でミツルギとも合流した。

 

冒険者「開いたぞーー!」

アクア「帰りたーい!!」

 

 そこに居た冒険者は、突撃時の気迫はどこへ行ったのか、微妙な表情で立っていた。

 

テイラー「見ろよ。あれを。」

 

 ダストのパーティのリーダーのテイラーが指を指した先には白骨化した遺体があった。

 

ウィズ「乗っ取った開発者でしょうか?」

アクア「既にこの世に未練もないくらいに成仏してるわね。」

カズマ「いや未練ぐらいあるだろ。」

零士「これって1人寂しく死んでいったみたいな感じだよな。」

ミツルギ「あぁ。」

 

 アクアがテーブルに日記が置いてあったのを見つけた。

 

アクア「何これ?日記かしら。国のお偉いさんが無茶言い出した。こんな低予算で機動兵器を作れと言う。無茶だ。」

零士「彼の日記なのか?」

 

博士『動力源をどうこう言われたけど知るか!伝説のコロナタイトを持ってこいと言ってやった。本当に持ってきちゃったよ。どうしよう。これで動かなかったら死刑じゃないの?動いて下さい! お願いします!』

 

 俺達のパーティメンバーとミツルギはだんだんジト目になってきた。

 

博士『終わった。現在ただいま暴走中!国滅んだヤベェ、滅んじゃったよ!ヤベェー!でもなんかスカッとした。満足だ!よし決めた。もうここで余生を暮らすとしよう。だって降りられないしな。止められないしな。これ作った奴絶対バカだろ!…………おっと!これ作った責任者、俺でした!』

 

「「「「「「「「「…………。」」」」」」」」」

アクア「終わり。」

『舐めんな!』

 

 余りの下らなさに、俺達仮面ライダーは絶叫した。

 その後、遺体を他の冒険者に任せてミツルギ、リナ、カイト、カリン、めぐみんは他の冒険者と共に降りた。

 コロナタイトがある部屋には、俺、カズマ、アクア、ウィズの4人がいた。

 

カズマ「ダスト達はめぐみん達と先に避難させたけど、どうするんだ、これ?」

アクア「ねぇ、ウィズならなんとかなんない?」

ウィズ「無理ですよ。」

零士「いや、出来る。ソフィアなら。」

ソフィア「人使いが荒いですね。」

 

 そう。俺はソフィアを予め呼んでおいた。

 

零士「ソフィア、このコロナタイト、ノーザンベースの動力源にしようぜ。」

ソフィア「そうですね。有効利用しましょう。」

カズマ「お前、ちゃっかりしてんな。」

零士「有効利用出来るのなら有効利用しないとな。」

 

 その後、取り出されたコロナタイトは、ソフィアの手で、ノーザンベースの動力源となった。

 俺達は用の無くなったデストロイヤーから脱出して、ダクネスと合流した。

 

カズマ「よぉ、ダクネス。」

零士「さぁ、脱出しよう。」

ダクネス「いや、私の危険を感じる嗅覚が、まだ香ばしい危険の香りを嗅ぎ取っている。……あれはまだ、終わっていないぞ!」

 

 そう言った途端、デストロイヤーから煙が出てくる。こころなしか、温度も高くなっているような気もする。

 

カズマ「どうなってんだよ!コロナタイトはノーザンベースの動力源になった筈だろ!?」

零士「多分だけど、コロナタイトを取っても、まだ本体に熱が残ってるんだ!」

ウィズ「誰か魔力を下さい!私の爆裂魔法で完全に壊します!」

カイト「ちょっと待って下さい!ここでドレインタッチを使ったら貴方がリッチーだってバレますよ!」

リナ「そうなったら、こちらも関与を疑われる可能性が出てきちゃう!」

ウィズ「でも!」

カズマ「ドレインタッチなら俺も使える。だから俺がやる。」

零士「なら、めぐみんに魔力を渡してくれ。」

リナ「そうね!めぐみんなら、仮面ライダーで魔力が増えたって言い訳が出来るわ!」

 

 そうこうしている内に、カズマがめぐみんの為に俺から魔力を渡して行った。

 めぐみん曰く、少し魔力が足りなくなっていたから助かったそうだ。

 その後、デストロイヤーはめぐみんの爆裂魔法で吹き飛んだ。

 翌日、俺達は報酬を受け取ろうとギルドへ向かうと、そこには、2人の騎士を従えていた女の人がいた。

 

???「サトウカズマ、神崎零士!貴様らには国家転覆罪の容疑が掛かっている!大人しく来てもらおう!!」

 

 と、俺達は何故か捕まる事になった。

 




今回で、第二章は終わりです。
次の話からは第3章に入ります。


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第3章
第17話 冤罪、炎と水の剣士


タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル!前回、機動要塞デストロイヤーを破壊した剣士達!しかし、どういう訳か、神崎零士と佐藤和真が国家転覆罪の罪に問われてしまった!彼らは大丈夫かな……?……ん?何やら悪魔の力が働いたような………。」


???「サトウカズマ、神崎零士!貴様らには国家転覆罪の容疑が掛かっている!大人しく来てもらおう!」

零士「えっと、貴方は?」

セナ「これは失礼した。私はセナ。王国検察官です。」

カズマ「それでなんで、俺達は国家転覆罪の容疑が掛かっているんですか?」

 

 確かに俺達は何もしてない。

 

セナ「実は、領主の屋敷にデストロイヤーの破片が直撃して、死者こそ出ていないが、屋敷に大きな穴が開いた。これにより、貴様ら2人は領主の命を狙ったとみなされた。」

零士「はぁ!?」

カズマ「何でだよ!」

 

 それって完全な偶然じゃないか!

 それで国家転覆罪って!中世時代の異世界ならではの弊害だよな。

 

リナ「ちょっと待って下さい!カズマはともかく零士がそんな事をする訳無い!」

カイト「そうだ!零士がそんな事をする事は無い!完全な偶然だろ!」

セナ「ちなみに、国家転覆罪は主犯以外にも課される事がある。言葉には気をつけろ。」

「「「「…………。」」」」

 

 あ、これ見捨てられそう。

 

アクア「まあ、お勤め頑張ってね!2人とも!」

めぐみん「そうですね!私は2人に言われてやっただけですから!」

 

 やっぱり。見捨てられた。

 だが、完全に見捨てられた訳ではなく、リナ、カイト、カリン、ダクネスは悔しそうに口を閉じていた。

 

零士「カズマ……。」

カズマ「そうだな……。すいません。俺達の聖剣を仲間に預けて良いですか?」

セナ「まぁ、良いだろう。さっさと預けろ。」

 

 俺達は自分の聖剣とワンダーライドブックをカリンに渡した。

 

ウィズ「あの、やっぱり私も……。」

アクア「ダメよウィズ!犠牲が2人で済むのならそれで良いでしょ!堪えて!別に永遠の別れになる訳じゃないのよ!!」

 

 アクアの奴、綺麗事を言ってるけど、要するに俺達に罪を擦りつけたいだけだな。

 俺達は同行する事になった。

 

リナside

 

リナ「零士!」

カイト「カズマ!」

零士「大丈夫だ。心配しないでくれ。」

カズマ「それと、皆に伝えてくれ。」

「「俺達を簡単に切り捨てたり、悪口を言った奴ら、覚えてろってな。」」

 

 零士とカズマはそんな事を言って連行されていった。

 その時の2人の顔は、目が死んでいて、あからさまに怒りを抑えている状態だった。

 それをノーザンベースに戻っていたアクア達に伝えると、アクアとめぐみんは、顔面が蒼白になった。

 

アクア「だって、だってしょうがないじゃない!私死刑になりたくないし!」

めぐみん「でも、指示したのは実際にあの2人じゃないですか!!」

 

 この2人は、どうしたものかと悩んでいたら。

 

ソフィア「つまり、アクアさん、剣斬。あなた方はセイバーとブレイズを見捨てたと。そして、エスパーダ、バスター、スラッシュ、カリバーも黙って見ていたと。」

 

 ソフィア様の声は少し怒っている様に思える。

 

ダクネス「申し訳ありません!ソフィア様!私もどうにかしようかと思いましたが、状況が状況でして!」

ソフィア「もちろん、エスパーダ、バスター、スラッシュ、カリバーは状況が状況ゆえでしょう。しかし、アクアさんと剣斬は本当に見捨てたと言う事ですね。」

アクア、めぐみん「ウッ!」

ソフィア「これはセイバーとブレイズのお仕置きを覚悟した方が良いかと。」

アクア「2人を助けましょう。」

 

 お仕置きを恐れたアクアが救出作戦を立てた。

 

零士side

 

 俺達はその後、牢屋へとカズマと共に入った。

 どうやら、否定権は無いようだ。

 その後、なんかアクアが助けにきた。

 アクア曰く、俺達のお仕置きを恐れたからと自白してくれた。

 針金を入れてくれたが、俺達はピッキング出来ない上にダイヤル式なので外に針金を捨てて俺達は寝た。

 

翌朝

 

 俺達は揃って同じ部屋に連れてこられた。おそらく取調べ室だろう。

 俺達は隣同士に座り、反対側にセナが座る。

 

セナ「これから貴様らの取り調べを行う。言っておくが嘘は通じないぞ。そこにあるのは嘘を見抜く魔道具だ。」

 

 この世界には嘘発見器があるのか。嘘を吐く気はないが。

 

セナ「まずはサトウカズマ。貴様からだ。16歳で冒険者。では出身地と冒険者になる前に何をしていたのかを言え。」

カズマ「出身地は日本で学生してました。」

 

チーン。

 

セナ「出身地と経歴詐称か。」

カズマ「すいません。日本で学生とは名ばかりでグータラしてました。」

 

 今度は鳴らない。カズマってニートだったのかよ!

 

セナ「そ、そうですか。次は貴様の番だ。神崎零士。18歳で冒険者。なら、先程のと同じだ。」

零士「出身地はカズマと同じく日本で大学生をしていました。」

 

 鳴らない。事実だからな。

 

セナ「そうか。そこの男とは違い、真面目に勉学をしていたと言う事か。しかし、ニホンとは聞いた事が無いな。」

 

 そりゃ、異世界だからな。

 

セナ「では、冒険者になった動機をサトウカズマから言え。」

カズマ「魔王軍に苦しんでいる人達を助けようとして……。」

 

チーン。

 

カズマ「冒険者になってカッコいいし、活躍したら人気者になれそうだからです。魔王を倒す気はありますけど。」

 

 今度は鳴らない。カズマ、動機はちょっと不純だけど、まあいいか。

 

セナ「次はお前だ。」

零士「仮面ライダーの力で魔王を倒してみたくなったからです。」

 

 鳴らない。事実だしな。

 

セナ「ふむ。では領主殿に恨みの類はあるか?」

カズマ「そもそも、領主の事はあまり聞いていないですし、よく知りません。」

零士「そもそも、今は俺たちを切り捨てたギルドの面子の方が許せません。」

 

 鳴らない。それもそうだ。領主なんてそんなに関わる人では無いからな。

 

セナ「そうか……。領主に個人的な恨みは無いと言うことか。じゃあ次に……。」

カズマ「あのすみません。そんな回りくどい言い方しないでくださいよ。」

零士「さっさと、魔王軍関係者かって聞けばいいじゃ無いですか。そもそも俺達は魔王軍とは関係ないですよ。」

 

 当然の如く鳴らない。

 

セナ「………どうやら私が間違っていた感じのようですね。あなた方は魔王軍関係者ではない。すみません。」

零士「信じてくれて有難いです。」

カズマ「容疑が晴れて良かったです。それに俺達はデストロイヤーにベルディアの討伐をしたんだから。」

セナ「それはもちろん存じ上げております。あなた方仮面ライダーが居てくれたお陰でアクセルの街は2度も助かった。しかし、零士さんはともかく、貴方の方は悪い噂があるようで。」

 

 カズマ…。お前何したんだよ。

 

セナ「まあ、それはともかく、あなた方は魔王軍関係者ではなく、幹部の知り合いがいないと言う事だな。」

零士「魔王軍の知り合いは流石に居ないとは言い切れません。それに、スパイがいて、そいつと知り合っている可能性がありますけど、魔王軍とは一切関係ありません。」

 

 鳴らない。事実だしな。ウィズやレジエル、ズオス、ストリウスの件もあるし。

 

セナ「スパイ?もしかして心当たりが?」

零士「無いですよ。あくまで保険。それに駆け出し冒険者の街に送っても大して意味は無いと言えるでしょう。」

カズマ「そうですよ。」

 

 少々、怪しかったがどうか?

 

セナ「なるほど。あなた方は無罪である事は確認出来ました。しかし、私は検察官として領主アルダープに雇われた身。領主側になりますが、お二人が無罪になる様に善処します。」

カズマ「分かりました。」

零士「ありがとうございます。」

 

 なんとか無罪だと証明出来た。

 しかし聞きたい事があるので聞く。

 

零士「あの、領主の屋敷に届いたデストロイヤーの破片ってどんな感じですか?」

セナ「あぁ。なんでも、そこまで大きくは無い破片が飛んできたようです。」

 

 デストロイヤーの破片ってそんなに飛ぶか?

 その後、牢屋へと戻り、色々と考えていた。

 謎の破片。一体何故、ピンポイントで領主の屋敷に届いたんだ?

 その後、アクアがまた助けに来たが、糸ノコで切ろうとして失敗したが、一応無罪になりそうと伝えた。その時に、帰ったら覚悟しろと脅しといた。

 




今回はここまでです。
ちなみに、デストロイヤーの破片が屋敷にまで飛んだのは、マクスウェルの力が働いた結果です。
理由は、ダクネスの周辺にいる邪魔な零士とカズマをアルダープが消そうとした事です。


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第18話 裁判、その結末は。

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、捕まった神崎零士と佐藤和真。何とか無実を証明出来たけど、いよいよ裁判だ。でも、この時代の裁判は、そう簡単にはいかないから、気をつけてね!」


 遂に裁判の日が来た。この世界の裁判は、意外と単純で、検察官が集めた証拠を提示し、弁護人が反論して、それを見て裁判官が判断を下すと言うものだ。

 被告人の知人が弁護人を引き受ける物だが、俺達の弁護人が不安だった。約2名が。

 

めぐみん「任せて下さい!紅魔族は知力が高いのです!あんな検察官に負けませんよ!」

アクア「私、一度、『異議あり!』ってやってみたかったのよ!」

 

 不安だ。特にアクアが。

 

ダクネス「どうしようも無くなったら私がなんとかする。だから心配しなくていい。」

リナ「そうよ!零士を助ける!!」

カイト「いや、カズマもな。」

カリン「だから、大船に乗った気でいなさい!」

 

 残りの人達は本当に頼もしい。

 でも、いくら無罪を証明出来ているとは言え、相手は領主だ。油断は出来ない。

 そして裁判が始まる。

 

裁判長「静粛に!これより国家転覆罪に問われている被告人サトウカズマと神崎零士の裁判を開始する!告発人アレクセイ・バーネス・アルダープ!」

 

 あの太ったおっさんがアルダープって領主か。

 いかにも悪徳領主だと言う感じがする。

 第一印象はとても良くない。

 

裁判長「それでは検察官は前に嘘を見抜く魔道具があるので、分かる様に正直に話す事。」

 

 セナさんが前へ出る。

 

セナ「それでは、起訴状を読み上げます。被告人サトウカズマと神崎零士はデストロイヤー襲来時に他の冒険者と共に討伐し、その時に巨大な剣士で破片を領主館に命中させて、これを大破させました。これはアルダープ氏の命を狙った事から被告人達に国家転覆罪を求めます。」

アクア「異議あり!」

 

 アクアがいきなり叫ぶ。ちょっと待て。そんなゲームじゃ無いんだよ!

 

裁判長「弁護人はまだ発言出来ませんよ。発言したいなら許可を貰うように。まぁ、初めてですし大目に見ます。では発言をどうぞ。」

アクア「いえ、異議ありって言ってみたかっただけです。」

 

 ふざけんな!!後で絶対制裁だな。

 

裁判長「弁護人は弁護の発言をするように!」

 

 ごめんなさい!うちの駄女神が!

 アクアは満足したかのように引っ込んだ。もう余計な事をするんじゃねえぞ。

 

セナ「………私からは以上です。」

 

 セナが若干戸惑ってるよ。

 

裁判長「では被告人及び弁護人の発言を許可します。」

 

 さて、ヘマをしなければ大丈夫。多分。

 

零士「まず第一としてキングオブアーサー、つまり巨大な剣士は、デストロイヤー迎撃の際にしか使っておらず、その後はキングオブアーサーを使っていません!そもそも、領主を殺す気は全く無いです!」

カズマ「俺も領主を殺す気はゼロです!」

 

 鳴らない。事実だしな。それにしてもセナさんの配慮か、簡単に反論出来る。

 

裁判長「被告人の発言は以上ですね。それでは、検察官。証拠の提示を。」

セナ「はい。彼等がテロリストもしくは魔王軍関係者である事を証明する為に証人を連れてきました。それではこちらに。」

クリス「あはは……。なんか呼ばれちゃった。」

 

 そう言って出てきたのはクリスだ。

 と言う事はカズマ関連か。

 

セナ「クリスさん。貴方はサトウカズマに公衆の面前でスティールで下着を剥ぎ取られた。そうですね?」

クリス「はい。……といってもスティールはランダムで、幸運値によって奪うものも変わってきますので、カズマ君の場合は事故です。」

アルダープ「………本当に証拠になるのか?」

セナ「下着が取られたと言う事実を確認出来たので。」

 

 意外と図太いな。セナさん。

 2人目はミツルギだ。取り巻きもいるよ。と言う事は俺関連か。

 

セナ「ミツルギさん。貴方は被告人神崎零士に負けて、賠償金を払わされたと。」

クレメオ「そうなんですよ!あいつはあのデザストって奴を知っていたんです!」

フィオ「あいつは魔王軍関係者です!」

 

 おい。デザストは俺、関係無いぞ。

 

ミツルギ「2人の言う事は最もですが、確かにデザストとの勝負は僕が持ち掛けた物ですし、彼はデザストを知っていただけだそうで、しかも檻を壊したのは僕なので、彼は悪くありません。」

 

 ミツルギ、助かる。取り巻き2人もおとなしくなった。しかし、デザストの存在はどう効くのか。

 アルダープが睨みつけてきたが、セナさんは気にしないでいた。

 

セナ「このように被告人サトウカズマが下着を剥ぎ取ったり、神崎零士が、賠償金を支払わせた事から、人間的にどうかと思い、2人には告発人に少なからず恨みがあります。この事から領主の命を狙ったのかと思われます。」

 

 セナさん、後半は本当に適当ですね。

 その後も証拠は出されていったものの、大半が取り調べ時に言った事なので問題ない。

 強いて言えば、アクアがまた変な事を言いそうになり、退場させかけられた。

 後でプロレス技だな。

 

セナ「では、被告人達はサトウカズマがドレインタッチを使っていた事を目撃していた冒険者がいました。何故貴方がリッチーのスキルを使えるのか聞きましょうか?」

 

 なんで!?

 セナさんはばつが悪そうな顔をしていた。

 検察官の面目を守るためか。

 その時、アルダープが一気に発言し出した。

 

アルダープ「そら見たことか!そいつらは片方がアンデットのスキルを使えたのは魔王軍関係者でもう片方はそれを隠蔽していた!やはりこいつらは魔王軍関係者だ!即刻死刑にしろ!!」

 

 言ったな。ならこっちも反論だ!

 

カズマ「違う!俺達は魔王軍関係者でも無ければテロリストでもない!」

零士「そうだ!領主の屋敷に破片が飛んだのは偶然だ!」

 

 魔道具は鳴らない。セナさんはこれを狙ってたのか。これで無実が証明出来た。

 

裁判長「魔道具が鳴らないことを見ると、被告人達の言葉は真実であり、検察官の証拠は不十分。よって被告人達は無罪に……。」

アルダープ「いや、そいつらは魔王軍関係者だ。即刻死刑だ。」

裁判長「しかし、怪我人及び死亡者が出てないのにも関わらず、死刑は言い過ぎかと。」

アルダープ「ワシに恥をかかせたいのか?」

裁判長「……被告人サトウカズマ、神崎零士。貴方達の行ってきた行為は領主の命を狙った物。よって被告人達を死刑にする。」

 

 ……はい!?

 いきなり意見を変えるなんてどう言う事だ!

 身分を盾にゴリ押しかよ!!

 これだから中世の異世界は!!

 

零士「どう言う事だ!?」

カズマ「俺達は無実だろ!!」

リナ「どうして死刑なの!?」

カイト「それはいくらなんでも無いだろ!!」

カリン「横暴よ!横暴!!」

めぐみん「そうですよ!2人はそんな度胸はありません!本当のテロリストがどう言うものか私が示してむぐぐ!!」

 

 めぐみんが取り押さえられた。

 

アクア「そうよ!誰かが絶対に悪魔を使役しているわ!!間違いない!この世界に一千万の信者を持つ女神アクアが言うんだから間違いないわ!」

 

チーン。

 

 魔道具が鳴った事で信じてもらえずに取り押さえられた。

 しかしこのままでは俺達は死ぬ!!

 その時、ダクネスが動いた。

 

ダクネス「裁判長、待って欲しい。」

 

 ペンダントを取り出していたが、それを見たあらゆる人が驚いていた。あのアルダープでさえもだ。

 

裁判長「それはダスティネス家の家紋!」

ルナ「ダスティネス家って。」

ウィズ「王都にある大貴族ですよ!」

荒くれ者「あの嬢ちゃん、何か隠してるなと思ったら。」

 

 ダクネスが俺達の前に出る。

 

カズマ「折角黙ってたのに。」

零士「そうだぞ。」

ダクネス「このままではお前達は死ぬんだぞ。」

「「………。」」

ダクネス「この裁判は保留にして欲しい。その間にこの2人に身の潔白を証明させて、屋敷も弁償させる。」

裁判長「しかし、いくら貴方様の頼みでも。」

ダクネス「領主アルダープ。貴方には借りを作ることになる。私に出来る事ならなんでもしよう。だから、判決を待って欲しい。」

 

 アルダープは驚いたのか目を見開いていた。

 裁判長が口を開く。

 

裁判長「分かりました。……貴方には免じてその2人の判決は保留とする。」

 

 こうして俺達はダクネスの介入により、助かったが、その後、屋敷のあらゆる物が差し押さえにあって、借金生活がまた始まった。

 




今回はここまでです。
リバイスもジャンヌが出てきて、バリットレックスが出ますね。


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第19話 出会う、孤高の紅魔の娘

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。裁判で何とか死刑は免れた神崎零士と佐藤和真。しかし、差し押さえにあい、冬を過ごすのが厳しい。何とか、乗り切ってほしいね!」


 俺達はダクネスのお陰で助かったものの、魔王軍関係者及びテロリストではない事の証明。及び莫大な借金を背負ってしまった。そして屋敷のあらゆる物が差し押さえにあってしまい、冬に過ごすのが厳しくなった。

 ちなみにワンダーライドブックと聖剣はノーザンベース側に置いてあった事が幸いして、差し押さえには合ってない。

 俺の私服もノーザンベース側にあった事で、助かった。

 帰ってきた時にお仕置きとしてアクアにはコブラツイストをかけて、めぐみんには正座させて長時間の説教を行った。

 

アクア「ぶへっくしょい!うぅ〜寒いよ。あっためてよ。誰か私を温めてよ!」

カズマ「………ァァァァァァ!!」

アクア「!いきなりどうしたのよ!?」

カズマ「分からないのか!?ダクネスがあの領主の元に行ったきり帰ってこないんだぞ!もしかしたら今頃は!」

「「アァァァァァ!!」」

零士「リナ、カイト、カリン。本当に申し訳ない!!」

リナ「何度も謝らないでよ。」

カイト「そうだぜ。生きてるだけまだいいだろうし。」

カリン「そうよ。それに、聖剣とワンダーライドブックは無事なんだから!!」

 

 その時。

 

???「なーお。」

カズマ「めぐみん?何だその猫?」

めぐみん「迷惑はかけないと思うのですが。」

カイト「飼いたいって事か?」

カリン「それにしても可愛いわね。」

リナ「確かにね。」

零士「そう言う癒しは必要かもな。」

めぐみん「ダメでしょうか?」

 

 俺達はめぐみんが連れてきた猫の顎を掻いてやると気持ちよさそうに目を細めていた。

 なぜかアクアが触ろうとすると、引っ掻いたけど。

 

アクア「ちょっ!なんで私には爪を立てるの!?なんてことかしら。この太々しい態度と言い、漆黒の毛皮といい、何か邪悪さを感じるわ。ねぇ、この邪神の名前はなんて言うの?」

めぐみん「ちょむすけです。」

「「「「「「…………。」」」」」」

カズマ「今、なんて?」

めぐみん「ちょむすけです。」

「「「「「「…………。」」」」」」

 

 まあ、紅魔族のネーミングセンスの無さは今更だしな。

 

めぐみん「ところで、カズマとアクアの2人は何を騒いんでいたんですか?」

カズマ「お前、冷静だな。ダクネスは今頃。」

めぐみん「確かにあの領主の良くない噂は聞きますが、あのダクネスが流石に……。」

カズマ「これだからお子様は!まだあの変態の事が分かってないのかよ!『くっ!私の身体は好きに出来ても心まで自由に出来ると思うなよ!』って言うに決まってるぞ。」

 

 めぐみんも事態に気付いたのか、目を見開く。

 

めぐみん「ど、どどどうしましょう!カズマ!」

カズマ「もう遅い。いいか?ダクネスが帰ってきても普段と変わらず優しく接してやるんだぞ?」

アクア「分かったわ!大人の階段を先に登ったダクネスには何も聞かないのね!」

めぐみん「ダクネスがぁ……ダクネスがぁ。」

零士「大人の階段を登ったのか。」

リナ「なんか、同じ女性として泣けてくる。」

カイト「そうか?」

カリン「そうよね。」

 

 そうやって話していると。

 

セナ「サトウカズマ!神崎零士!両方ともにいるかーー!?」

「「「「「「「ん?」」」」」」」

 

 ジャイアントトードを討伐せよ!

 

アクア「イヤァァァァァ!!」

 

 拘留中の俺たちを助ける為にめぐみんは爆裂魔法を連発した。

 その結果、冬眠中のジャイアントトードが目覚めてしまい、その後始末に来た。セナが監視として来たが。

 

アクア「カエルに食べられるのはもうイヤァァァァァ!!!」

カズマ「カエルがこの寒さで動きが鈍くならないなんて逞しすぎやしないか?」

めぐみん「私たちも負けてはられませんよ。この厳しい世界を生き抜くのです。」

零士「そうだな。生き抜かなきゃなんないもんな。」

リナ「そうね。」

 

 俺達は仮面ライダーに変身している為、捕食対象になっていない。その為、アクアが囮になっている。

 ちなみにカエルはアクアを追っている奴以外はめぐみんの爆裂魔法で一掃していた。

 カズマは狙撃スキルを習得していたので、狙撃スキルでアクアを追っていたカエルを撃破した。

 

零士「これで全部か?」

カズマ「そうだな。」

アクア「ちょっと!今、私のチャームポイントに矢が掠めたんだけど!!」

リナ「食われなかっただけましでしょ。」

めぐみん「そうですよ。」

カイト「これで終わりか?」

カリン「そうじゃない?」

セナ「貴方達はいつもこんな感じなんですか?これが本当に魔王軍の関係者?」

 

 俺達は終わったと思っていたが、めぐみんの声が大きく出た。

 

めぐみん「待って下さい!カエルが!!」

「「「「「「「え!?」」」」」」」

 

 なんと、カエルが湧いて来た。

 そしてカエルの舌がアクアとセナとめぐみんとリナを捕らえて飲み込んだ!

 

カズマ「アクア!めぐみん!!」

零士「リナ!?」

カイト「やばい!急いで救うぞ!!」

カリン「そうね!!」

 

 その時。

 

???「ライト・オブ・セイバー!!」

 

 光の一閃がカエルを切り裂き、飲み込まれた面子が全員吐き出された。

 俺たちが見た先には、1人の女の子がいた。

 

リナ「カエルに食べられるなんて。」

めぐみん「油断しました。」

 

 一方アクアとセナは、ものすごく落ち込んでいた。めぐみんとリナも変身を解くと、身体がネチョネチョしていた。

 

カズマ「誰だか知らないけど助かった。」

零士「ありがとう。」

???「いや、そんな、ライバルがカエルにやられたなんて見てられないし。」

「「ライバル?」」

 

 と、その子はめぐみんを見てそう言った。

 

???「ひ、久しぶりね!めぐみん!今日こそ長きに渡った決着をつけるわよ!!」

めぐみん「どちら様でしょう?」

???「えぇェェッ!?」

めぐみん「大体名乗らないなんておかしいじゃないですか。これは以前カズマと零士が言ってたオレオレ何とかって奴じゃないですか?」

 

 めぐみん、どう考えても君の関係者だろう!

 

???「分かったわよ!知らない人が居るから恥ずかしいけど!」

ゆんゆん「我が名はゆんゆん!アークウィザードにして上級魔法を操る者!やがては紅魔族の長となる者……!」

めぐみん「とまぁ、彼女はゆんゆん。紅魔族の族長の娘で私のライバルです。」

ゆんゆん「ちゃんと覚えてるじゃない!」

カズマ「なるほどな。俺はこいつの仲間のカズマだ。よろしくなゆんゆん。」

ゆんゆん「何で驚かないんですか?」

カズマ「世の中にはな、おかしな名前なのに頭のおかしい爆裂娘なんて不名誉な称号を持ってるやつもいるんだよ。」

めぐみん「それって私の事ですか!?私の知らない間にそれが定着しているのですか!?」

 

 俺はゆんゆんという子の相手をカズマとめぐみんに任して、リナを連れて屋敷へと一足先に帰った。ちなみにカエルはアクア、カイト、カリンの3人がギルドへと報告しに行った。

 

リナ「ヌメヌメする。」

零士「じゃあ、先に風呂へ入ってくれ。俺はリビングで待ってるから。」

リナ「………ちょっと待って。」

零士「何だ?」

 

 リナに待ったをかけられたので用件を聞く。

 その時、リナから掛けられたのはとんでもない言葉だった。

 

リナ「………一緒に入ってくれない?」

零士「……え?」

 

 俺の思考回路は停止した。

 なんとか再生させて、理由を聞く。

 

零士「……なんで?」

リナ「裁判で、心配したんだから。」

零士「………分かったけど、良いのか?」

リナ「………うん。これ以上は言わせないで。」

零士「………分かった。」

 

 俺はどういう訳か、リナと入る事になった。

 流石に、リナに先に身体を洗わせて、その後、俺が身体を洗う事にした。

 そして、お互いにバスタオルを巻いて、一緒の湯船に入った。

 お互いに無言になった。

 

リナside

 

 私は、今、零士と一緒にお風呂に入っている状況だ。

 物凄く、ドキドキする。

 実は以前にリーンという親友の女の子に、私が密かに零士に想いを寄せている事がバレて、いろんなアドバイスという名のお節介を受けた。

 そしてそのアドバイスの一つに一緒にお風呂に入っちゃえば、もしかしたら、零士も想いに気づくかもしれないと言われて、丁度、ジャイアントトードに捕食されたのもあって、実践している所だ。

 正直言って、凄く恥ずかしい。もしかしたら痴女だって思われたかもしれない。

 でも、零士は鈍感で、気付くのが遅い。

 だからこそ、積極的にいけばひょっとしたら。

 そして、身体全体が暑く感じる。

 

零士side

 

 俺は何故かリナに一緒にお風呂に入らないかと誘われた。

 正直、これで変態だと思われたくない。

 でも、俺も1人の男だ。ほぼ何も着ていない仲間の素肌を見て、興奮しないはずがない。

 俺はここ最近、謎の記憶が徐々に活性化しつつあるが、リナに対する想いも徐々に高まりつつある。

 だが、ここでガツガツ行ったら、ドン引きされるかもしれない。

 だからこそ、俺は見惚れつつ、我慢しなければならなかった。

 

リナ「……どうなの?」

零士「何が?」

リナ「……私の肌。」

零士「なんと言うか、綺麗です。」

リナ「………ありがとう。」(これは若干の手応えありね。)

零士「なぁ、そろそろカズマ達も戻って来るかもしれないから、あがるか?」

リナ「………そうね。」(もうちょい追い詰めたかったのに。)

 

 リナは顔に若干の不満を見せつつ、先にあがり合図をもらって俺も上がった。

 

リナ「………零士。」

零士「何だ?」

リナ「この事は皆には内緒ね。そして、たまには一緒に入りましょ。」

零士「あぁ。分かった。」

リナ「ありがとうね。」

 

 俺達は、すぐさま、脱衣所を後にした。

 リナは少し、嬉しそうだったが。

 その後、カズマもめぐみんと一緒にお風呂に入って、アクアからロリニートと呼ばれていた。

 

翌日

 

 俺達はめぐみんが昨日、ゆんゆんという子からパクったマナタイトを持ってウィズの店に向かって行った。

 

カズマ「ちわーす。これを買い取って欲しいんだが……。」

 

 そこにはウィズだけでなく、ゆんゆんも居た。

 

ウィズ「実は……。」

ゆんゆん「わ、我が名はゆんゆん!何という偶然こんな所で鉢合わせるなんてやはり終生のライバル!」

ウィズ「皆さんのことを聞いてずっと待ってらしたんですよ。」

ゆんゆん「な、何を言ってるんですか店主さん!わ、私はただマジックアイテムを買いに来ただけで!あ!これ下さい!」

 

 事情を聞いた。

 その時アクアは、クッキーとお茶をウィズに出してもらっていた。

 

カズマ「なるほどな。」

零士「そんな事せずに家に来ればよかったのにな。」

ゆんゆん「そ、そんないきなり人様の家に行くなんて……。」

めぐみん「煮え切らない子ですね。これだからボッチは。」

「「「「「え?」」」」」

アクア「そうなの?」

めぐみん「ゆんゆんは、紅魔族の中でも変わった子で友達が1人も居ないのですよ。周囲をこれ見よがしにウロチョロしていると喜んで勝負を挑んで来ました。」

 

 おいめぐみん、ちょっと辛いんだけど。

 

ゆんゆん「そんな事無いわよ。友達くらいいるもん!」

めぐみん「今、聞き捨てならない事が。ゆんゆんに友達?」

ゆんゆん「居るわよ友達くらい!ふにふらさんやどどんこさんが私達友達よねって言って、奢ったり。」

カズマ「おいやめろ!」

零士「それ以上は言うな!!」

 

 ゆんゆんは、違う意味で重いな。

 

めぐみん「ところで、私としては魔法の勝負は避けたい所ですが。それに、私は仮面ライダーでもありますからね!」

ゆんゆん「いい加減に他の魔法を覚え……え?仮面ライダー?まさか、魔王軍幹部やデストロイヤーを倒した仮面ライダーって!?」

めぐみん「そうですよ!私達のパーティです!」

 

 と、めぐみんは自慢げに言う。

 ゆんゆんは、少し、驚いていた。

 

ゆんゆん「なんで、めぐみんも仮面ライダーなのよ?」

めぐみん「私には爆裂魔法の信念がありまして、それでこの風双剣翠風に選ばれたのです!」

ゆんゆん「え〜〜!?」

 

 凄い驚いているな。

 その時、アクアが何かを見つけたようだ。

 

アクア「ねぇねぇ、これなんてどうかしら?仲良くなる水晶!」

ウィズ「あぁ、それは、魔力を込めて使うんですよ。」

ゆんゆん「それを使えば仲良くなれるの?」

ウィズ「えぇ、まぁ。そうだ!折角ですし試してみませんか?」

めぐみん「別に仲良くなる必要は無いです。」

ゆんゆん「怖気ついたの?めぐみん?」

めぐみん「アァン!?」

ゆんゆん「これはどちらかが使えた方が強い魔法使いである証明!勝負よめぐみん!」

 

 と、本質の所は、ゆんゆんもめぐみんも同じように感じた。

 

めぐみん「そこまで言うのなら、見せてあげましょう。真の大魔法使いの力を!」

ゆんゆん「今日こそ決着をつけるわよ!」

 

 2人とも、魔力を水晶に込め始めた。すると、周囲が暗くなって何かが映し出された。

 

カズマ「何だ!?あれ!?」

 

 そこに映し出されたのは、めぐみんとゆんゆんの黒歴史と言える思い出の数々。

 

カズマ「友達に奢る為に、アルバイトするの?」

アクア「えっ?ちょっと待って。虫食べてる?」

零士「おい、何だよこれ。」

リナ「これは。」

カイト「あまりにも。」

カリン「酷い。」

めぐみん、ゆんゆん「アァァァァァ!!」

めぐみん「何ですかこれは!?」

ゆんゆん「店主さん!仲良くなれる水晶だって言いましたよね!?」

ウィズ「これは、互いの恥ずかしい過去を晒しあって友情をさらに深められる大変徳な……アイテム……です。」

 

 ウィズまでもが、目を逸らしてるよ!

 絶対やばい!!

 

ゆんゆん「め、めぐみん!これで私達仲良くなれるの!?」

めぐみん「おん、ドリャァァァ!!」

「「「「「「アァァァァァ!!」」」」」」

 

 めぐみんが耐え切れなくなったのか、水晶を地面に叩きつけて、割った。

 

ウィズ「これはカズマさんにつけときますね。」

カズマ「まて、壊したのはめぐみんだろ。」

めぐみん「その水晶を使おうと言い出したのはゆんゆんです。ゆんゆんが払います。」

ゆんゆん「勝負が、折角の勝負が。」

めぐみん「いつまでメソメソしてるのですか?」

ゆんゆん「だってこれじゃどっちが強いのか分かんないじゃない。ねぇ引き分けでいい?」

めぐみん「構いませんよ。もう、勝負事で熱くなるほど子供じゃないので。」

ゆんゆん「そういえば紅魔の里で発育勝負なんてやったわね!またあの勝負をしてもいいわよ!」

 

 一体何種類勝負したんだ?

 

めぐみん「子供じゃないとはそう意味での子供じゃないという事です。だって私は……。ここにいるカズマとお風呂に入る仲ですから。」

カズマ「ちょっ!?」

ウィズ「まぁ!?」

ゆんゆん「え。えぇェェェェ!?」

 

 暴露しちゃったよ。

 

カズマ「お前ふざけんな!これか!この口がまた俺の悪評を広めるのか!?」

ゆんゆん「き、きょ、今日の所は私の負けで良いから!えぇぇん!!」

ウィズ「またどうぞ。」

アクア「賑やかな子ねぇ。」

カズマ「お前もな。」

カリン「言えてる。」

カイト「確かにな。」

リナ「言っちゃうの?」

 

 めぐみんは顔を赤くして、メモ帳に丸印を書いていた。

 

めぐみん「今日も勝ち!」

 




今回はここまでです。
遂にゆんゆんが登場。


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第20話 向かいし、迷宮

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、ゆんゆんという紅魔族の女の子と出会った神崎零士達。今回は、何やら、話し込んでいるみたいだね。」


 カズマとめぐみんは、日課の爆裂散歩を続けているそうだ。

 ある日、俺達はギルドのテーブルに集まっていた。

 カズマが口を開いた。

 

カズマ「明日はダンジョンに行きます。」

めぐみん「嫌です。」

カズマ「行きます。」

めぐみん「嫌です!嫌です!ダンジョンなんて私の存在価値無いじゃないですか!爆裂魔法を使えない私なんてただの一般人。」

カズマ「聖剣を持っていて、仮面ライダーになれる奴は一般人とは言わない。」

 

 確かに、俺たちのパーティは、アクア以外が仮面ライダーになれるしな。

 ちなみにダクネスは、領主の元に向かう前に土豪剣激土とワンダーライドブックを預けて領主の元へ向かった。

 

アクア「ねえ、ダクネスが戻ってからじゃダメなの?」

カズマ「いいか!俺達の借金はいまや国家予算並なんだぞ!」

零士「流石に内職やバイト、高難易度クエストでも厳しいな。」

リナ「確かにね。」

カイト「だけど、どうするんだ?」

カリン「問題はどうやって稼ぐかね。」

 

 俺達の借金はカズマの言う通り、国家予算並だと思う。

 前の借金の時も、高難易度クエストを受けて、何とか返済出来たが、今回はダクネスが居ない事が災いして、カズマのパーティと俺達のパーティで一緒に受けざるを得ないと言う事もあって、なかなか効率が悪いのが現状だ。

 

カズマ「そんな小遣い稼ぎをしても追いつかないんだよ!」

 

 そう言って2枚の紙を出した。

 1枚目は、『キールダンジョンの新たな部屋の調査』。2枚目は、『新たなダンジョンの調査』と書かれていた。

 

零士「カズマ?これは一体?」

ルナ「実はですね。キールダンジョンに新たな部屋が、新たなダンジョンも確認されたのでこれから大々的に調査クエストを出すつもりだったのですが。」

カズマ「俺がルナさんに無理言って斡旋してもらったんだ。」

ルナ「だから、誰も手をつけてませんよ。」

 

 そう言う事か。

 悪いなカズマ。お前に無理させて。

 

リナ「確かに未発見の部屋と新たに見つかったダンジョンなら、お宝があるかもしれないしね。」

アクア「お宝!?」

カズマ、ルナ「うん。」

ダスト「何だ何だ?儲け話かよ?」

 

 俺達が話している時に、ダストが聞こうとしていた。

 カズマがダストに何かの紙を渡して、ダストがどこかに行く。なんか変な顔をしていたが。

 こうして、キールダンジョンの方にはカズマ達が、新たなダンジョンには俺達で行く事にした。

 

 ダンジョン前。

 

零士「さて、早速変身した状態で行くか?」

リナ「そうね。」

カイト「その方が良いだろ。」

カリン「行くわよ!」

 

『ブレイブドラゴン!』

『ランプドアランジーナ!』

『ジャアクドラゴン!』

『ヘンゼルナッツとグレーテル!』

『烈火抜刀!』

『黄雷抜刀!』

『闇黒剣月闇!』

『ヘンゼルナッツとグレーテル!』『銃剣撃弾!』

 

「「「「変身!!」」」」

 

『ブレイブドラゴン!』

『ランプドアランジーナ!』

『ジャアクドラゴン!』

『音銃剣錫音!』

 

 俺達は仮面ライダーになって、ダンジョンへと突入していく。

 ダンジョンにはモンスターが居たが、それを一掃する。

 少し休憩を挟みつつ、俺達は最深部へと向かっていく。

 

零士「はぁ、はぁ、はぁ。結構モンスター強いな。」

リナ「確かに仮面ライダーになってないと少し厳しいレベルだったしね。」

カイト「一体、このダンジョンは一体なんなんだろうな。」

カリン「まあ、でもお宝は一杯よね!」

 

 そうやって話しながら行くと、いつの間にか最深部に到達しており、そこには巨大なドラゴンがいた。

 

零士「どうやらボスのようだな!」

リナ「そのようね!」

カイト「じゃあ、もう少し気合入れるか!」

カリン「行くわよ!」

 

 俺たちは気合を入れて、ドラゴンと相対した。

 結果は、俺達が勝った。

 フォームチェンジを活かして戦って、勝利する事ができた。

 開いた部屋へと向かうと、そこには沢山のお宝と1冊の大きなワンダーライドブックがあった。

 まだ、ブランクの状態で、力は宿っていないがいずれ使う事になると回収した。

 俺達はお宝とワンダーライドブックを回収して外へと向かったが、1人の男がそれを見ていた。

 

???「それが炎の剣士になった者への試練だ。」

 

 その男の存在には俺達は気づけなかった。

 

新たなダンジョンの調査……クリア!

 

 ギルドに調査を完了したという報告をした時にカズマ達も戻ってきた。

 キールダンジョンの新たな部屋にリッチーとなったキールがいたそうで、そのキールから浄化してくれたお礼という事でお宝を受け取った様だ。

 ちなみに巨大なブランクのワンダーライドブックはソフィアに預けて解析してもらった所、全知全能の書から別れた物だそうだ。

 もしかしたら、ドラゴニックナイトになるのではと推測している。

 

アクア「私の活躍でどうにかなったんだから、取り分は9:1で良いわよ!」

カズマ「バカ!借金の返済に充てるだろうが!」

アクア「でも、たまには良いわよね。すいませーん!じゃんじゃん持ってきて!」

めぐみん「私も偶には……。」

カズマ「子供にはまだ早い!」

 

 と、宴会騒ぎになっていた。

 その後、酒に酔ったカズマがスティールでクリスのパンツを剥ぎ取ったり、ダストが酒場のメイド達にボコボコにされたりと色々あったが、なんだかんだでこの世界での生活が楽しいと感じていた。

 

アクア「今日は朝まで飲むわよー!!」

「「「「おぉぉぉぉ!!」」」」

 

 その後、アクアはゲロを吐いて、なんとか生き抜かなければいけないと決意した。

 




今回はここまでです。
ドラゴニックナイトの登場フラグです。
ユーリも登場しました。


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第21話 良縁、貴族の娘

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、それぞれダンジョンに挑んだ神崎零士一行。その際にワンダーライドブックを手に入れられた。これでいいんだよね?」
???「ああ。」
タッセル「さて、翌日、屋敷に誰かが向かっているね。」


 ある日の冬下がり。

 

アクア「へっくしょい!」

カズマ「おやおや風邪かい?……気をつけるんだよ。」

アクア「カズマさんこそ鼻声じゃない。早くこのジャージ直してあげるわね。」

カズマ「………それ暖炉に入れて燃やしたの、お前だけどな。」

「グゥゥゥゥ〜」

カズマ「おやおやお腹が空いたのかい?」

アクア「そういえば、朝ご飯まだだったわね。」

カズマ「調子に乗って有り金全部酒代に使ったのお前だけどな。」

 

 と、カズマとアクアが変な会話をしていた。

 その時、アクアが震え出して。

 

アクア「……だって皆楽しそうに飲むんだし!」

カズマ「…………。」

アクア「それ、ベットの下に隠してた高級シュワシュワに見えるんだけど……。」

カズマ「質屋、開いてるよな。」

 

 一方、俺達は。

 

めぐみん「ちょむすけ、置いで。」

零士「あいつらどうするんだ?」

リナ「知らないわよ。アクアが悪いんだし。」

カイト「関わらない方が良い。」

カリン「そうね。」

 

 関わらない様にした。

 

アクア「返して!その子が最後の一本なの!最後の希望なの!!」

カズマ「今すぐ金に換えてきてやる!それが嫌だったら今、ここで飲んでやる!少しは冷えた体もあったまるだろ!」

アクア「やめて!私、それを抱いてないと眠れないの!!」

カズマ「人のジャージ燃やしといてよく言うな!だったらその羽衣、ちょっと売ってこい!」

アクア「何言ってんの?この羽衣は女神としてのアイデンティティだから、売れる訳ないでしょ!バカなの?何バカ言ってんの!?」

カズマ「………スティール!!」

 

 駄々をこねたアクアにカズマがスティールを唱えると、羽衣がカズマの手に。

 

アクア「あ、アァァァァァ!!カズマ様!調子に乗ったのは謝るから!やめて、やめて!」

カズマ「うるさーい!借金は減らないしダクネスは帰ってこないんだぞ!!おまえもう少し緊張感持てよ!!」

 

 確かに、借金は減らないし、ダクネスは未だにあの領主の元から帰ってこない。

 カズマの言う通り、もう少し緊張感を持った方が良いのかもしれない。

 その時。ドアが勢いよく開かれた。

 

???「大変だカズマ!大変なんだ!!」

「「「「「「「…………。誰?」」」」」」」

 

 そこにいたのはドレスを着た1人のお嬢様であった。

 

カズマ「………。あんた誰?」

???「ウゥゥン!カズマ、今はそんなことをしてる場合じゃない!」

 

 この声の感じ……。まさか!

 

カズマ「お前、ダクネスか?あぁ!心配かけやがって!」

アクア「ダクネス!!カズマが、カズマが!私の大事な物を売り飛ばそうと!!」

ダクネス「なっ!?」

カズマ「おーい!言い方!?」

 

 確かにその言い方じゃ、誤解が起こる。

 めぐみんが涙ぐみながら、ダクネスに近づく。

 

めぐみん「お帰りなさい。ダクネス。」

ダクネス「あぁ。ただいま。?その猫は?」

めぐみん「何があったのかは聞きません。まずはゆっくりお風呂に入って下さいね。」

ダクネス「いや、何を言っている。それよりアクアの特殊プレイが気になる………?」

 

 アクアがダクネスのドレスの腕の部分を摩っていた。

 

アクア「間違い無いわ。高級品よ。」

カズマ「……苦労を掛けたなぁ。」

零士「……本当にすまない。」

ダクネス「一体何を言っている!?領主に弄ばれたと思っているのか!?」

 

 俺達が泣き出すと、ダクネスが叫んだ。

 

カズマ「そうだよ。ほら、暖かいお風呂に入って泣いてくると良い。」

零士「そうだぜ。大人の階段を登ったんだからさ。望まない形とはいえ、良かったな。」

ダクネス「違う!領主も私相手にそんな事をする度胸は無い!!それよりこれを見てくれ。」

 

 と、一枚の絵を渡された。そこには中々のイケメンの男が写っていた。

 

零士「なんだこれ?」

カズマ「おーーー。何だこのイケメンは?ムカつく。」

ダクネス「何をするんだ!?」

カズマ「手が無意識に。」

 

 カズマがその絵を引き裂いた。ただし上半分のみだったので、修復をアクアに任せて、俺達はダクネスに事情を聞く事にした。

 

カズマ「あれが領主の息子ねぇ。」

ダクネス「奴め、カズマと零士の猶予の代価として、息子との見合いを持ち掛けてきたのだ。父もそれに乗り気でここ数日帰って来れなかったのは何とか見合いを阻止しようとしたのだ。頼む!私と一緒に父を説得してくれないか?」

零士「でも、俺達の意見を聞いてくれる可能性はかなり低いぜ。」

 

 そう。相手は貴族。俺達平民の意見なんて無視出来る。

 と、アクアが修復した絵をカズマに渡した。

 

アクア「はい、これ。どう?完璧じゃない?」

カズマ「お前、こう言う所だけは多芸だよな。」

 

 確かに、何の問題も無く修復されていた。

 そんな事よりダクネスの見合いに関してだ。

 ダクネスは土の剣士でもあるんだ。

 パーティから抜かされてたまるか。

 その時、突然カズマが叫んで紙を完全に引き裂いた。

 

カズマ「これだァァァァァァ!!」

「「「「「「アァァァァァ!!」」」」」」

零士「何かいい案を思いついたのか?」

カズマ「あぁ!ダクネス。見合いを受けろ。」

 

 その後、外で。

 

ダクネス「見合いを受けろとはどう言う事だ!」

めぐみん「このままダクネスがお嫁に行っていいんですか!?」

リナ「一体何を考えてるの?」

カリン「遂におかしくなったの!?」

カイト「…………。」

 

 カズマに非難が殺到した。

 理由は本人が言ってくれるから。

 まあ、俺も大体分かっているのだが。

 

カズマ「見合いを断った所であの領主はさらに無理難題をふっかけてくるに決まってる。」

めぐみん「!確かに。」

零士「だから、あえて見合いを受けた上でぶち壊す。」

ダクネス「ブ!?」

カイト「流石に家の名前に傷がつかない程度にやるけどな。」

ダクネス「それだ!それで行こう!上手く行けばいちいち父が持ってきた見合いを張り出さないですむ!!」

 

 親父さん可哀想。

 よほど苦労したんだな。

 その時、セナがまた来た。

 

セナ「サトウカズマ、神崎零士の両方はいるかーー!?」

カズマ「今度は何ですか!?」

零士「何もしてません。」

セナ「零士さんは分かっています。だが問題はサトウカズマの方だ!」

カズマ「は?何でだよ。」

セナ「貴様が行ったキールダンジョンから謎のモンスターが湧いている。」

カズマ「は?」

セナ「同行していただこうか。」

めぐみん「悪いですがお断りします。今、大事な仲間の危機なんです。」

ダクネス「めぐみん……!」

カズマ「おい、落ち着けよ……。」(待てよ。めぐみんは変な所で頭が切れる。正直居ない方が良いな。)

カズマ「めぐみん。そっちはお前に任せる。謎のモンスター相手なら爆裂魔法で一掃できるだろうな。」

めぐみん「しかし、ダクネスが……!」

カズマ「何、俺たちに任せろ。そっちはお前にしか出来ないんだ。」

めぐみん「私にしか……。」

カズマ「任せたぜ!最強のアークウィザードにして仮面ライダー剣斬!」

めぐみん「任して下さい!!」

 

 多分、今のは口実で、本当は来て欲しくないんだろうな。

 俺達は、めぐみんを手伝うと言って離脱したカイトとカリンを除いてダクネスの屋敷に向かう。

 

イグニス「本当か!?ララティーナ。見合いを受けてくれるのか?」

ダクネス「えぇ、お父様。ララティーナは見合いを前向きに受けてみようかと思います。」

「「「「……………。」」」」

 

 俺達はダクネスが普段使わないお嬢様言葉に吹き出しそうになった。

 ダクネスが涙目で睨んできた。

 親父さんが後ろの俺達を見て聞いてきた。

 

イグニス「ララティーナ?その後ろの4人は?」

ダクネス「私の冒険者仲間です。今回の見合いには臨時の執事とメイドとして同伴させようかと思いまして。」

イグニス「…………。」

 

 その後許可を貰えた俺達はダクネスの家のメイド達から俺とカズマは執事服を、リナとアクアはメイド服を借りた。

 

メイド「サイズはどうですか?カズマ殿、零士殿?」

カズマ「あ、はい。」

零士「大丈夫です。」

 

 俺達は執事服に着替えた。

 まさか、この世界で、執事服を着ることになるとはな。

 前世では執事服は着たことがないからな。

 女性陣もメイド服に着替えたらしい。

 

カズマ「似合ってるじゃないか。一流の使いっ走りみたいだぞ。」

アクア「カズマこそ、先輩に虐められて、屋敷の裏で泣いてる執事見習いみたいね。」

零士「結構似合ってるじゃん。」

リナ「………ありがとう。」

 

 お互いに感想を言い合っていた。

 なんかリナが顔を赤くして、カズマから憎悪の視線を感じる。

 

カズマ「………おっと、面白い事言ってくれるじゃねぇか。ここが貴族の屋敷じゃなかったらエライ目に合わせてたぞ。なぁララティーナお嬢様?」

ダクネス「ラ、ララティーナと呼ぶな!」

 

 ドレスに着替えたダクネスと共に親父さんの元へ向かう。

 だが、俺はカズマと共に親父さんに頼まれた事がある。それは、娘が粗相をしない様に頼むという事である。

 もし、縁談がうまく行ったら、報酬を出すという。

 俺はカズマに、その事を任せて、1人の執事としてあろうとした。

 

イグニス「お前が縁談を受けてくれて良かった。幸せになるのだぞ。ララティーナ。」

ダクネス「嫌です。お父様。ララティーナは見合いを前向きに検討するといっただけです。」

イグニス「何だと……!?」

ダクネス「そして前向きに検討した結果、やはり嫁入りは早いと分かりました。…今更もう遅い!見合いを受けはしたが、結婚するとは言っていない!ぶち壊してやる!見合いなんてぶち壊してやるぞ!!」

イグニス「ララティーナ……!?」

 

 我慢の限界と言わんがばかりに親父さんに本性を現す。

 その時、俺達はダクネスを止めにかかった。

 

カズマ「はしたない言葉遣いはお辞めください。先方に嫌われてしまいますよ。」

ダクネス「貴様、裏切る気か!?」

零士「今の私達はダスティネス家の臨時執事。お嬢様の幸せが自分の幸せです。」

イグニス「おお!カズマくん!零士くん!」

ダクネス「カズマ!零士!貴様ら!!」

 

 と、掴みかかってきた。

 その時、取っ組み合いが始まろうとした時に、タイミング良く、ドアが開いた。

 そこには従者を2人連れた、例のバルターがやってきた。

 

イグニス「おお!バルター殿。あ!」

ダクネス「よく来たな!貴様が私の見合い相手か私はダスティネス・フォード・ララティーナ!私の事はダスティネス様と呼………ベッ!」

カズマ「お嬢様!お足元にお気をつけて!」

 

 カズマがドレスを踏んで、物騒な事を口走ろうとしたダクネスを転ばせた。

 その後、怪我は無いかどうかの確認をさせて欲しいと言って一旦退出した。

 そしてダクネスに文句を言われた。

 

ダクネス「手助けをしてくれるのでは無かったのか!?」

カズマ「お前さ、家の名前に傷をつけないというのを忘れてないか?」

零士「流石にさっきのはダメだろ。」

ダクネス「悪評が立って、嫁の行き手がなくなれば、心置きなく冒険者稼業が続けられる。勘当されるのも覚悟の上だ。それでも必死に生きようと無茶なクエストばかり受けるようになるかもしれない。そして、やがて力及ばず魔王軍の手先に捕らえられ、組み伏せられて……っ!……私はそんな人生を送りたい!!」

カズマ「それは魔王じゃないよ。乳だよ。……お前とうとう言い切りやがったな。」

零士「何でこうなるの?」

リナ「私に聞かれても分かんないわよ。」

 

 俺達はダクネスの妄想を聞いていて、呆れてきていた。

 

ダクネス「大体、あの男は私の好みのタイプでは無いのだ。まずこいつは、人柄が物凄く良いらしい。誰に対しても怒らず、努力家で、最年少で騎士に叙勲されたらしい。」

アクア「良い相手だと思うけど。」

零士「ダメな要素が何一つ無い。」

リナ「寧ろすごいわね。」

ダクネス「どこが!?まず、貴族なら貴族らしく常に下卑た笑みを浮かべていろ!あの男の曇りなき真っ直ぐな視線はなんだ!もっとこう……。よくカズマが向けてくる、舐め回す様ないやらしい視線で見られないのか!?」

カズマ「そそそ、そんな目で見てないし!?」

 

 カズマ、挙動不審になってるぞ。

 俺とリナはカズマにジト目で見る。

 

ダクネス「何をしても怒らない?バカが!失敗したメイドに、お仕置きと称してアレコレやるのは貴族の嗜みだろうが!」

零士「そんな考えを持ってるのは君だけだと思うよ。」

 

 そんな俺のツッコミを気にせず、ダクネスは熱弁する。

 

ダクネス「そもそも私の好みのタイプは、あの様な男とは正反対なのだ!外見はパッとせず、体型はひょろくてもいいし太っていてもいい。私が一途に想っているのに、他の女に言い寄られれば鼻の下を伸ばす意思の弱いのがいいな。年中発情していてスケベそうなのは必須条件だ。出来るだけ楽に人生送りたいと、人生舐めてるダメな奴がいい。借金があれば申し分ないな!そして、働きもせずに酒ばかり飲んで、俺がダメなのは世間が悪いと文句を言い、空の瓶を私に投げてこう言うのだ!『おいダクネス、そのいやらしい体を使ってちょっと金を稼いで来い!』…………んあっ!んんっ!!」

 

 あぁ。この女はもうダメだ、手遅れすぎて逆にドン引きする。

 

零士「ダメだこりゃ。」

リナ「そんな男の人なんて、カズマとアクアの性格が合わさった人じゃないと無理でしょ。」

 

 俺とリナの嘆きが小さく響く。

 その後、ダクネスの親父さんとバルターが歓談している所を合流した。

 親父さんには一応、アイコンタクトで謝っていたが、気にするなと視線で送られた。

 

バルター「………では、改めて自己紹介を。アレクセイ・バーネス・バルターです。」

ダクネス「私はダスティネス・フォード・ララティーナ。当家の細かい紹介は省きますわね。成り上がり者の領主の息子でも知っていて当然ァァァァァァ!!」

バルター「ど、どうされました?」

 

 ダクネスはカズマにフリーズを掛けられて失礼な事を妨害された。

 

ダクネス「い、いえ……。バルター様のお顔を見ていたら気分が悪くんんーっ!」

カズマ「お嬢様は、バルター様とお会いになるのを楽しみにしておりましたので。」

バルター「そ、そうなんですか?い、いやお恥ずかしい……。」

 

 カズマのフォローにバルターは照れたのか顔を赤くする。

 そしてカズマはダクネスにのみ聞こえるぐらいの声で。

 

カズマ「……おいお嬢様、これ以上いらん事言ったらもっと冷やすからな。」

ダクネス「……ご、ご褒美だ……。」

 

 当家のお嬢様はいつだってブレない。

 それはリナも見ていたようで、ブレないダクネスに呆れた表情を見せていた。

 

イグニス「ハハハッ!私がいてはお邪魔かな?」

 

 そう言って親父さんは席を外した。

 去り際に俺とカズマとリナに『頼む。』とボソリと囁いた。

 現在は、ダクネスとバルターは、俺達4人を引き連れて、庭の散歩をしていた。

 カズマにダクネスを任して、俺とリナは今の流れを確認していた。

 なんかアクアが池の魚を集めていた。

 

零士「一応、問題無く進んでいるみたいだ。」

リナ「お父さんに頼むって言われたけど、私、このままで終わるとは思えないんだけど。それに、ダクネスが望んではいないとは言え、あの人悪くないと思うんだけど。」

零士「………そうなんだよな。ダクネスの幸せを求めるか、親父さんの為にバルターと結婚するかどうかなんだよな。」

 

 まあ、ダクネスなら前者を選ぶだろうけど。

 その時、少し目を離して、戻すと、ダクネスがスカートを切り裂いて、決闘騒ぎになっていた。

 

30分後……。

 

 修練場にて。

 

バルター「もういいでしょう!何故諦めないんですか貴女は!」

ダクネス「どうした、遠慮などせずもっとどんどん来い!徹底出来る強さを見せろ!」

 

 バルターは、勝負には優勢なのにも拘らず、切羽詰まった声を出していた。

 実力は、バルターの方が上だ。

 だが、この変態はしつこかった。

 バルターは木刀を捨てた。

 

バルター「参りました。技量では勝っていても、心の強さで負けました……。あなたは、とても強い人だ。」

 

 一見、固い意思を示したダクネスに折れたみたいな感じになっているが、内情を知っている俺には感動出来ない。

 カズマとリナも同じ様な表情をしていた。

 

ダクネス「この腑抜けが!よし、来い零士!お前の容赦の無さをバルターに見せてやれ!」

 

 なんか、俺にご指名がかかった。

 流石にお断りしよう。

 

バルター「……僕も見たいな、君の炎の剣士としての実力を。」

 

 余計な事を……。

 て言うか俺が仮面ライダーセイバーだって知っていたのか?

 カズマとリナも驚いた様な表情を見せている。

 

零士「はあ。分かりました。どうせ見合いは失敗だと思うし。でも木剣でですよ。」

 

 俺は口調を戻して、ダクネスの前に向かう。

 

ダクネス「よし、いいぞ零士!実はお前とは一度やり合いたかったのだ!全力で掛かってこい!遠慮はするな!そして、その後にカズマだ!」

 

 俺もカズマも親父さんと協力したからですね。憂さ晴らしですね。

 俺は仕方なく、ダクネスに向かって斬りかかっていく。

 執事服で動き辛いとは言え、ダクネスとは互角に渡り合う。

 

バルター「………すごいな。これが魔王軍幹部やデストロイヤーに立ち向かった仮面ライダーの実力か……!」

リナ「零士、頑張って!」

 

 バルターは少し興奮してきたようだ。

 リナも応援していた。

 だが、体力的に俺はダクネスよりも劣る。だからこそ、もうじき決着をつけねば。

 しかし、ダクネスに怪我をさせたら、処刑とかにされそうだから、程々に。

 丁度、親父さんも来たそうで、カズマが事情を伝えてくれていた。

 ダクネスから俺の事を聞いていたのか、観戦すると言った。

 

ダクネス「くっ!どうした!?もっと私に撃ってこい!もう少し本気になれ!」

 

 くっ!しょうがない!気絶させるか。

 

零士「ダクネス、悪く思うなよ!!」

 

 俺は剣の腹で、ダクネスの鳩尾にダメージを与えて、なんとか気絶させる事に成功した。

 その時、バルターから賞賛された。あれ程の攻撃をして、気絶させたな、と。

 その後、親父さんには謝った。

 だが、娘の我儘に付き合ってくれてありがとうと感謝された。

 その後、ダクネスを着替えさせて、応接室に向かった。

 その時に俺とカズマとリナとアクアの素性もバルターに明かした。

 だが、既に気づいていたそうだ。

 

イグニス「娘は、元々人付き合いが苦手でな。カズマ君に零士君。君達は娘と同じパーティなんだろう?娘はあまり、自分の事を話さなかったんじゃないか?」

 

 確かに……。あまり自分の事は明かさずにデストロイヤー戦で初めて明かした。

 

イグニス「娘は、クルセイダーになっても1人きりで、エリス様に毎日、冒険仲間が出来ます様にとお願いしていて、ある日、娘が初めて仲間が出来た、盗賊と鍛治師の女の子と仲間になったと喜んで……。」

零士「……そうなんですか。」

バルター「ララティーナ様は、素晴らしい女性だと思いますよ?カズマ君か零士君がいなければ僕は本気でララティーナ様を妻に貰いたいと思っています。」

零士「……バルター殿。ダクネスはどちらかと言うとカズマの方に惚れてると思いますよ。」

バルター「そうですか。カズマ君はララティーナ様を幸せに出来るだろう。」

カズマ「よし、お前ちょっと表に出ろ、ぶっ飛ばしてやる。」

アクア「カズマさん落ち着いて!」

 

 カズマが俺に恨めしい目を向けている。

 すまない、だが、俺の場合はダクネスは剣士として勝負したんだろうから。

 

イグニス「バルター殿。娘がもし生き遅れた時はもらってやってはくれないか?」

バルター「えぇ?いや、それはいいのですが。」

イグニス「そして、カズマ君、零士君。そしてリナ君。」

カズマ「えっあ、はい。」

零士「何でしょうか?」

リナ「どうされました?」

イグニス「この娘が馬鹿をやらないように見張ってくれ。頼む。」

 

 親父さんから頼まれたんじゃあ、とても断れないよな。

 その時、ダクネスが目覚めた。

 

ダクネス「ん……。ここは。はっ!もしかして事後なのか?」

カズマ「いや、零士との決闘で、気絶させられただけだからな!!」

ダクネス「…………フヒッ。」

カズマ「え?フヒッ?」

 

 ダクネスがカズマを見てなんか思いついたかのように笑った。

 

ダクネス「バルター殿。今回のお見合いは無かった事にしてくれませんか?実は、お腹にこのカズマとの子供が……。」

カズマ「おぉい!童貞に対して何言ってんだ!」

 

 ダクネス、結構大胆な事をするね。

 リナは嘘だと分かってるからか、呆れた表情をしている。

 

バルター「分かりました。父上には私から断った事にします。それに、零士君。」

零士「はい?」

バルター「僕と友達になってほしい。君の剣筋にとても惚れた。」

零士「………俺で良ければ良いですよ。」

バルター「剣士としてよろしく頼むね。」

零士「あぁ。」

 

 俺とバルターは立場という概念を超えて友達になった。

 バルターは帰ったが、親父さんとアクアが。

 

イグニス「おぉぉぉ!私に孫が。」

アクア「広めなきゃ。カズマさんとダクネスがそこまで行った事を広めなきゃ!」

カズマ「なんで、お前ら信じてるんだー!」

 

 親父さんとアクアが動揺している所にタイミング良く。

 

セナ「サトウカズマ、神崎零士の2人はこの場に居るかー!?」

「「「「「「…………ん?」」」」」」

 

 めぐみん、カイト、カリンの3人を引き連れて乱入してきた。

 




今回はここまでです。
前書きにユーリを出しました。
次回で第3章は終わりです。


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第22話 邂逅する、地獄の公爵

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、ダクネスの屋敷でお見合いを手伝った神崎零士達。しかし、終わったと思ったら王国検察官のセナが入ってきた。………どうやら、キールダンジョンに謎のモンスターが湧いているみたいだね。」


 少し慌てたような雰囲気を醸し出して王国検察官のセナが入ってきた。

 

零士「今度はどうしたんですか?」

カズマ「何もしてませんよ。」

セナ「はい。寧ろ、零士さんはともかく、カズマさんにはついてきて貰いますよ。」

カズマ「なんでだよ!?」

 

 セナは理由を説明し出した。

 

セナ「サトウカズマのパーティが最後に入ったキールダンジョンから謎のモンスターが湧いてきたのです。」

零士「え?」

セナ「もしかしたら、貴方達が呼んだ可能性がありますので。」

カズマ「ちょっと待って下さい。………お前ら何もしてないよな。」

めぐみん「私は爆裂魔法絡みでなければ違いますよ。」

ダクネス「私も、見合いの話でとてもキールダンジョンには行けないからな。」

 

 という事は、最も疑わしいのは。

 

カズマ「おい、アクア。一応聞いておくが何もしてないよな?」

アクア「はぁー!?何言ってんの!寧ろ私のお陰でモンスターが湧かないはずなのに!」

零士「?私のお陰?」

カズマ「………ちょっと失礼。」

 

 と、カズマは、アクアと共に後ろに行き、何やらコソコソ話していた。で、俺はセナさんと話していた。

 

零士「セナさん。その謎のモンスターは、キールダンジョンの周辺に確認されてるんですか?」

セナ「はい。現状、キールダンジョンから離れていません。」

零士「てことは、やっぱりキールダンジョンの中に何かがあると言う事か。分かりました。俺たちも向かいます。」

リナ「確かに放ってはおけないよね。」

カズマ「この、バカがー!!」

 

 カズマの叫びが入った。

 その後、カズマ達のパーティも向かう事になって、執事服とメイド服をダスティネス家に返してソードオブロゴスの隊服へと戻った。

 そして、明かされたのは、アクアがまたやらかした事だ。

 前回、キールダンジョンに潜った時にキールを浄化したと聞いたが、その時に使った魔法陣が未だに残っていると言う事だ。

 つまり、もしそれがセナにバレれば、俺達は魔王軍の関与を疑われる。

 

アクア「うぇぇぇん!」

カズマ「お前は、一ついい事をしたら、2つで足を引っ張らなきゃ気が済まないのか?」

アクア「だって、だって!」

零士「今はそんな事言ってる場合じゃないだろう。」

リナ「そうよ。2人とも落ち着いて。」

 

 そう言っている内にキールダンジョンの前に到着する。

 そこにはセナさんが呼んだであろう冒険者達が集まっていた。

 

零士「セナさん、お待たせしました。」

セナ「零士さん。サトウカズマさんのパーティも来たようですね。」

リナ「それで、謎のモンスターは?」

セナ「あれです。」

 

 そこにいたのは、仮面を被った男と思われる小さい人形だった。

 

零士「なんか、小さいな。」

カイト「あれ、めっちゃ厄介なんだ。」

リナ「?どう言う事?」

カリン「見てれば分かるわよ。」

アクア「あら、何よこれ?見てるとムカついてくる顔だけど意外と可愛いじゃない……!」

 

 と、人形に掴まれたアクアは人形の自爆に巻き込まれた。

 

セナ「という感じで、この人形は攻撃はしませんが、自爆するタイプでして。」

カズマ「なるほど。」

アクア「なんで冷静なのよ!」

 

 その後、カズマとダクネスと俺とリナの4人で向かう事になった。

 カイトとカリンは一度入って、痛い目にあったから無理だそうで、めぐみんは爆裂魔法を使えない事もあって、外で待機。アクアは以前キールダンジョンに行った時に刻まれたトラウマで行くのを拒否した。

 ダンジョンに入る際にカズマが術者を封じるお札をもらっていた。

 ダンジョンにて。

 

ダクネス「当たる!当たるぞ!カズマ、零士、リナ!こいつら私の剣でも当たるぞ!!」

 

 ダクネスは土豪剣激土を持って、喜んでいた。この場合は、クルセイダーとしてまともに戦えている事からだろうか。

 

零士「よかったな。ダクネス。」

リナ「だったら両手剣スキルを覚えなさいよ。」

カズマ(でも、こいつらがいると魔法陣を消せないな。)

 

 その時、冒険者の方に人形が張り付いて、冒険者達はその対応に追われていた。

 彼らには悪いが、俺達は先に行ってるとしようかね。

 そうしてダクネスを先頭に俺達はカズマの案内の元、最深部へと向かった。

 そうして最深部へとついたが、変な男がいた。

 そいつは土を捏ねてあの人形を精製していた。

 あいつがあの人形達の首領か?

 

ダクネス「おい貴様だな?変なモンスターを作り出しているのは!」

 

 なんと、ダクネスがいつの間にかそいつに土豪剣激土を突き付けて、俺達もそれぞれの聖剣に手をかける。

 だが、その男は動揺の気配を見せず、俺達の方を見る。

 

バニル「ほう。よもやこの場所までたどり着くとはな。いかにも。吾輩がこの人形達を作り出していた元凶、魔王軍幹部にして地獄の公爵、全てを見通す大悪魔、バニルである。」

 

 まさかの魔王軍幹部が登場するとは!

 

零士「全員、警戒を緩めるなよ!!」

バニル「まあ、落ち着くが良い。吾輩はただ、魔王にベルディアが消息を絶った理由を調べてこいと言われただけだ。先程の屋敷で、雷の剣士のメイド姿を見て、可愛いと思った炎の剣士よ。」

零士「ちょっと待て!?なんで見てきたみたいに言ってるんだよ!!」

リナ「………そうなの?」

零士「そうですけど!……俺の腹を覗くのはやめてくれ!」

 

 まさかのおちょくられた。見通す悪魔と自称していたが、本当に見通していたのか。

 その後、バニル曰く、魔王軍幹部といっても結界の維持をしているだけのなんちゃって幹部らしい。

 バニル達悪魔は、人間の悪感情を食事する関係上、美味しいご飯製造機と人間を見ており、人間が傷つくことはナンセンスとしている。

 悪感情と言っても悪魔によって好みは分かれるようで、バニルの場合は、絶世の美女だと思わせて誘惑させた所で「残念吾輩でした!」と、血の涙を流す感情が好みだと言う。

 カズマが気になった事があると言って、バニルに聞いた。

 

カズマ「だったら、あの人形はなんだよ?人間達が苦労してるんだが?」

バニル「なんと。吾輩はバニル人形を使ってモンスターを駆除していた筈が、外に溢れていたとはな。なら、バニル人形の量産は中止して、計画を次の段階へと移行するか。」

 

 そう言うと、先程まで作っていたバニル人形が土に戻った。

 

リナ「計画?一体なんなの?」

バニル「まあ、そうカッカするではない。そこの炎の剣士と共に風呂に入って、次に一緒に入るのを楽しみにしている雷の剣士。」

カズマ「零士!?お前もリナと一緒に風呂に入ったのかよ!!」

リナ「ちょっと!今聞く事じゃないし、そうやって言うのはやめて!!」

ダクネス「どうだったのだ!?零士はお前を襲ったのか!?」

零士「今聞く事じゃねぇ!!」

バニル「汝らの羞恥の悪感情、大変に美味であるな。さて、吾輩は悠久に近い時を過ごしてきてなとびきりの破滅願望があるのだ!まず、ダンジョンを手に入れる!次にそのダンジョンに大量の罠と吾輩の部下の悪魔達を待機させ、冒険者が最終的に最深部に辿り着いた時に相手をするのはもちろん吾輩!激戦の末に吾輩は敗れ、宝箱が出現する。その宝箱の中身は……!スカと書かれた紙切れが。それを見て呆然とする冒険者を見て、吾輩は滅びたい。」

零士「随分と碌でもないな。」

 

 それは冒険者にとって物凄い不憫な物だ。

 

バニル「だが、どういうわけか、この先には入れないのだ。まるで結界が敷いてあるかの様だ。」

カズマ(またあいつか。)

バニル「ほう。貴様の仲間がこれを設置したという事か。どれ、ちょっと拝見……。」

 

 カズマを見ていたバニルが唐突に大きな笑い声を出す。

 

バニル「何という事か!吾輩ですら入れない結界を敷くとはな!!よもや!!ふむ、見える、見えるぞ。プリーストが優雅にお茶を飲んで寛いでいる姿が!!」

 

 アクアの奴!何のんびりしてんだ!!

 

バニル「さぁ、そこを退け剣士共!何、人間は殺しはしないさ。あくまでも人間はな!こんな迷惑な魔法陣を敷きおって!一発キツイのを喰らわしてくれるわ!!」

 

 どうやら、アクアが女神だという事は認識したらしいな。

 

ダクネス「エリス教徒として、アクアには手を出させない!!」

零士「しょうがない!!行くぞ!」

 

『ブレイブドラゴン!』

『ライオン戦記!』

『ランプドアランジーナ!』

『玄武神話!』

『烈火抜刀!』

『流水抜刀!』

『黄雷抜刀!』

『一刀両断!』

 

「「「「変身!!」」」」

 

『ブレイブドラゴン!』

『ライオン戦記!』

『ランプドアランジーナ!』

『土豪剣激土!』

 

バニル「来い!剣士達!」

 

 俺達はバニルと交戦しているが、見通しているのか、剣が全て避けられている。

 俺達も連携攻撃をしてはいるものの、なかなか当たらない。

 それでも、俺がわざと体当たりをして、ジャンプさせて、ダクネスの一撃でバニルの体は土に戻った。

 

ダクネス「やったのか……?」

零士「分からない。気をつけろ。」

カズマ「でも、倒したよな。」

リナ「そうよね。」

バニル「……と、思わせて。」

 

 バニルの仮面が1人でに動き出し、土が入る事でまた体を精製していた。

 

バニル「討ち取ったと思ったか?残念!それはただの土塊である!!おっと、汝らの悪感情は大変に美味であるな。しかし、これでは乗っ取る事は出来ないな。まあ良い!吾輩は一足先に外へ行かせてもらおう!!」

 

 俺達が変身している事で、乗っ取る事を断念したらしく、そのまま地上へ。

 

零士「早く地上へ向かうぞ!」

「「「あぁ!!」」」

 

 俺達もバニルの後を追って地上へ。

 暫くして、アクアの声がしたと思ったら、バニルは土塊から再生していた。

 

零士「待たせたな!」

アクア「ねえ、そいつ何なの?」

カズマ「魔王軍幹部だ!」

セナ「確かに、あれは見通す悪魔バニル!皆さんお願いします!!」

アクア「なら問答無用で浄化よ!!」

バニル「チッ!なら……。炎の剣士!吾輩と一対一で戦わないか?貴様が抱えている秘密について明かしてやろう。」

零士「!!」

アクア「そんなの関係ないわ!!さぁ、悪魔よ滅べ!!」

零士「ちょっと待て!」

アクア「なんで止めんのよ!」

零士「………分かった。受けて立つ。皆も手出しは無用だ。」

カズマ「でも、大丈夫なのかよ!!」

零士「大丈夫だ。俺を信じてくれ。」

リナ「分かったわ。」

 

 こうしてバニルとの一騎打ちが始まる。

 

零士「本当に教えてくれるんだろうな。」

バニル「悪魔は約束を守るのだ。保証しよう。それに貴様は面白そうだからな。」

 

 バニルは土塊から剣を作って、俺と戦う。

 見通す力を使っているのか、俺と互角に戦っている。

 

カズマ「凄い戦いだな。」

アクア「ねぇ、カズマさん。隙ついてあの悪魔を浄化してやりましょうか。」

リナ「あれは零士の剣士としての誇りを持った戦いだから。ちょっかい出すと怒られるわよ。」

カイト「俺たちに出来るのは零士を信じる事だけだ。」

バニル「どうした炎の剣士よ!貴様にはワンダーコンボとやらがあるのだろう!」

零士「………見通してたのか。」

バニル「それを使ってみせよ!!もしかしたら吾輩を倒せるかもしれないぞ!!」

 

 癪だけど、致し方ない!

 

『ストームイーグル!』

『西遊ジャーニー!』

 

 俺は二つのワンダーライドブックを起動して、ソードライバーに装填する。そして予め納刀しておいた火炎剣烈火を抜刀する!

 

『烈火抜刀!』

『語り継がれし神獣のその名は!クリムゾンドラゴン!』

『烈火三冊!真紅の剣が悪を貫き、全てを燃やす!』

 

零士「物語の結末は俺が決める!」

 

 クリムゾンドラゴンに変身した俺は、バニルとの戦いを再開する。

 ワンダーコンボになったお陰で先ほどとは比べ物にならないぐらいに、バニルを追い詰めていった。

 そして、バニルの持っていた剣を弾き飛ばし、バニルの喉元に火炎剣烈火を突き立てる。

 

零士「俺の勝ちだ。」

バニル「よくもまあ、凄まじいものだ。」

 

 周囲から歓声が挙がる。

 

カズマ「すげぇぞ!零士!」

めぐみん「えぇ!!その姿も紅魔族的に断然ありですよ!!」

ダクネス「良くやったな。」

アクア「終わった?終わったのね!じゃあ浄化の時ね!!」

リナ「凄いよ!零士!」

カイト「お疲れさん。」

カリン「やるじゃない!」

零士「さて、約束通り、教えて貰いますよ。」

バニル「そうだな。貴様も分かっているかもしれんが、貴様にはもう一つの魂がある。それは、今後の戦いで鍵を握るだろう。それで、貴様の身を滅ぼさぬ様にな。」

 

 なるほどな。色々な事が分かった。俺にもう一つの魂がある事、それが鍵を握る事。これが分かれば十分だ。

 

バニル「それはそうと、お願いがあるのだが。」

零士「なんだ?」

バニル「貴様の手で、吾輩を倒してくれんか?」

零士「アクアに浄化されるのはごめんだと?」

バニル「そう言う事だ!それに貴様との一騎打ちは、吾輩的に満足出来た。」

零士「そうか。めぐみん!変身して爆裂魔法の準備だ!」

めぐみん「はい!」

 

 俺は必殺技の準備をめぐみんと共にする事にした。

 

『必殺読破!』

『烈火抜刀!』

『ドラゴン!イーグル!西遊ジャー!』

『三冊斬り!』

『ファ・ファ・ファ・ファイヤー!』

『猿飛忍者伝!』『ニンニン!』

『翠風速読撃!』『ニンニン!』

 

零士「爆炎紅蓮斬!」

めぐみん「疾風剣舞・回転!そして、エクスプロージョン!」

 

 3つの必殺技が、バニルを貫き、大爆発を起こした。

 クレーターの跡には、バニルの仮面だった物が転がっていた。

 そして、離れた所にはストリウスが居た。

 

ストリウス「バニル、あなたのその身体としての物語はここまでです。」

 

 そう言って去っていった。

 

 その後、俺とカズマのスパイ疑惑は晴れて、バニルとデストロイヤーの討伐賞金から、借金分を引いて、4000万のお金を得た。

 俺とカズマは、ギルドから出て、自分の思いをぶちまけた。

 

零士「やっと、借金生活からもさよならだ。」

カズマ「俺達はやっと……。」

「「自由という名の翼を手に入れた!!」」

 




今回はここまでです。
零士がワンダーコンボを使えるようになりました。
第3章もここまでです。


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第4章
23話 休息せし、剣士達


タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル!前回、魔王軍幹部にして、見通す悪魔のバニルを撃破して、スパイ疑惑が晴れた神崎零士と佐藤和真。借金も無くなって、彼らの生活に余裕が出来た。さて、彼らは今、何をしてるのかな?」


 ある日の穏やかな春が近づいている1日。俺達はアクアの説得に当たっていた。

 

アクア「嫌ーよ!どうして外に出ないといけないの!?」

めぐみん「外に出ないと爆裂魔法が撃てないじゃないですか。」

ダクネス「春先は凶暴なモンスターが出る。冒険者の務めだ!」

カイト「それに、冬はあまり動けてないから動いておきたい。」

リナ「私も、リベラシオンで特訓していたとは言え、動いておきたい。」

カリン「そうよ。少しは活動しないと。」

零士「駄々を捏ねるんじゃない!」

 

 だが、説得は難航していた。

 

アクア「子供なの?皆、そんなにお外に出たがる子供なの?そんなに外に出たいなら、私以外で行って!」

めぐみん「何が子供ですか!」

ダクネス「今のアクアの方が子供みたいだぞ!」

リナ「いいから!さっさと動く!」

カイト「行くぞ!」

カリン「この子供!」

零士「さもないと。」

「「「「「「あんな風になるぞ。」」」」」」

カズマ「…………。」

アクア「私だってああはなりたくないけど、でも私よりもあっちを説得しないの!?」

カズマ「おい、アクア。俺だってこの後、出かける用事があるんだぞ。それに、お前を説得し終えるまでの約束だからな。」

 

 カズマは見事なこたつむりと化していた。

 

アクア「それをそこから出て言いなさいよ。」

 

 何故、この屋敷にこたつがあるのかというと。

 以前、俺、カズマ、リナの3人は、ウィズにバニルを倒した事の報告へと向かった。

 

零士「バニルを倒した事は俺から報告する。」

リナ「その方が良いでしょ。」

カズマ「それにしても、良いのか?俺達もここに来て?」

零士「そっちの方が1人で行くより安心できるからな。あいつは、剣の勝負で俺に挑んできた。たった一回立ち合わせただけとは言え、あいつはあいつなりに良い奴だと思うよ。」

「「…………。」」

 

 無言になって俺達は意を決して、ウィズ魔道具店の中へ。

 

零士「ウィズ、話したい事が……。」

バニル「へいらっしゃい!店の前で何やら恥ずかしいセリフを吐いて遠い目をしていた男よ、汝に一つ、言いたい事がある。良い奴だと思うよとの事だが、我輩は目的の為にそうしただけだ。おっと、これは大変な羞恥の悪感情、美味である!どうした、膝を抱えて蹲って?よもや我輩が滅んだとでも思ったか!?フハハハハハ!」

 

 バニルがそこにいた。

 俺は店の床に三角座りをして、あまりの恥ずかしさに震えていた。

 カズマとリナが慰めていると。

 

ウィズ「カズマさんに零士さん聞きましたよ。バニルさんを倒してスパイ疑惑が晴れたとか!おめでとうございます!」

カズマ「いや、どうしてコイツ、ピンピンしてんの?」

リナ「無傷ってどう言う事なの?」

バニル「あんな物を喰らえば、流石の我輩とて無傷でおられる筈がなかろう。この仮面をよく見るがよい。残機が1人減ったので、2代目バニルと言う事だ。」

「「「なめんな!」」」

 

 それを聞いた俺もカズマとリナと共に絶叫しないといけないと思った。

 

ウィズ「バニルさんは前々から魔王軍幹部を辞めたがってたんですよ。なので、今のバニルさんは魔王城の結界の管理をしていません。なので、とても無害な筈ですよ。」

零士「無害なのか?」

リナ「人をおちょくってきそう。」

カズマ「大丈夫なのか?」

 

 そうやってバニルを見ていると、俺達が呼ばれた。

 

バニル「炎の剣士に水の剣士、雷の剣士。汝らにこれからとてつもない試練が起こるだろう。その試練は強大で、土の剣士が居なくなるかもしれない。それまでに我らが商売に協力する事が吉と出た。お一つどうか?」

 

 バニルの言う儲け話とは、俺とカズマの祖国、日本の便利グッズを売る事だった。

 そこでカズマは、試しにこたつを制作して、使った所、好評だった。

 

カズマ「さて、十分暖まったし、出るか。」

零士「カズマ。アクアの説得を手伝って欲しいんだけど。」

リナ「て言うか、アクアが居ないんだけど。」

「「え?」」

 

 アクアが居なくなっていると思ったら、アクアはこたつに移動していた。

 

零士「アクア!なんでこたつに移動すんの?」

アクア「カズマさんが出たということは、このこたつは私のもんよ!分かったら、とっととクエストに出かけなさいよ!!」

零士「………。カズマ。お前、用事があるんだよな。」

カズマ「あぁ。」

零士「アクアは俺が説得しとくから、用事を済ませて来い。」

カズマ「おうよ。」

 

 カズマは、ついてきためぐみんとダクネスと共に、用事を済ませて、クエストを受注しに行ってもらった。

 そして、カズマ達が帰ってきたが、アクアは未だにこたつから動こうとしない。

 

アクア「嫌よ!だって嫌な予感がするんだもの!女神の勘よ!だから絶対外には行きたくない!」

カイト「また女神だのなんだの言いやがって!」

カリン「良いから、さっさと外に出る!」

リナ「こら!抵抗しないの!」

零士「諦めて外に出ろ!」

 

 カズマが何かを思い付いた様な表情をして、アクアに声をかける。

 

カズマ「皆。そんなに嫌がってるんだし、今回はアクアには留守番していてらもらおう。俺達全員仮面ライダーなんだし問題無いだろ。」

アクア「さすがカズマね!本当にたまにだけど、良い事言うじゃないの!分かったら、全員早くこの手を離してちょうだい!」

零士「どう言うつもりだ?」

カズマ「それより皆、今日は久しぶりのクエストだ。報酬を得たら、たまには外で食おうか。鍋でもつついて宴会しようぜ。」

 

 カズマが何気なく放った一言に、宴会の女神はピクリと反応する。

 俺達全員、意図を理解して話を合わせる。

 

めぐみん「そうですね。冬が明けて、冒険再開の初日ですし。」

零士「確かに、これからの英気を養うにはちょうど良いかもな。」

リナ「そうね。最初のクエストが終わったら、宴会を開きましょうか。」

カイト「そうだな、今日ぐらいは楽しんでも良いかもな。」

ダクネス「貴族御用達のいい店があるんだ。そこに予約を入れておこう。」

カリン「流石、貴族様!今日は騒ぐわよ!」

 

 俺達全員、アクアを放す。

 アクアは不安そうに。

 

アクア「……ね、ねえ皆。材料を買ってきて、家で鍋パーティーしても良いのよ?そうだわ、冒険を終えて疲れて帰ってきた皆のために、私が鍋の材料揃えて準備しておいてあげる。だから、ここで宴会すれば良いと思うの。」

 

 そんな事を宣うアクアに俺達は。

 

「「「「「「「留守番よろしく。」」」」」」」

アクア「わあああ、私が悪かったから置いてかないでよー!」

 

 そして、俺達はリザードランナーの目撃情報があった草原に来ていた。

 ちなみに作戦を立てていた。

 カズマの狙撃スキルで王様ランナーと姫様ランナーを射抜く。失敗した場合は、俺達が時間を稼いでいる間にもう一度狙撃。それすら失敗した場合は、めぐみんの爆裂魔法と俺の爆炎紅蓮斬で一掃する手筈になっている。

 全員変身しており、俺はクリムゾンドラゴン、カズマはファンタスティックライオン、リナはランプドヘッジホッグ、ダクネス、めぐみん、カリン、カイトは基本形態になっている。

 リザードランナーの群れが見えてきた。見た目自体はエリマキトカゲを大きくした物だ。

 その群れの中で、一際大きい奴が1匹いた。

 おそらくあれが件の姫様ランナーだろう。だが王様ランナーが見当たらない。

 その時、アクアがとんでもない事を言う。

 

アクア「そうだわ!任せて皆!私に考えがあるわよ!王様ランナーは一番早い筈だから、モンスター寄せの魔法で1番にここについたのが王様ランナーよ!」

カズマ「ちょっと待て!もう王様ランナーの目星はついてるんだ!頼むから余計な事を……!」

アクア「フォルスファイア!」

 

 アクアが魔法を発動し、それを見たリザードランナーは奇声を上げて、俺達の方向へと走り出してきた!

 

「「「「「「「速っ!?」」」」」」」

 

 俺達はリザードランナーのあまりの速さに驚愕していた。

 すぐさま爆裂魔法の準備を開始させる。

 カズマがアクアに対して怒鳴る。

 

カズマ「このクソバカ!毎度毎度やらかさないと気が済まないのか!?王様と姫様をこっそり討ち取れば無力化出来たのに、なんでわざわざ呼び寄せるんだよ!!」

アクア「何よいきなり!私だって役に立とうとしてやった事なんだから怒らないでよ!どうせこの後の展開なんて分かるわよ!きっとあのランナー達に酷い目に遭わされんでしょ!分かったわよ!さあ!殺すなら殺せー!!」

零士「言ってる場合か!!」

リナ「そこに寝っ転がっていると、本当に踏まれるわよ!たく!しょうがないわね!」

 

 リナはトライケルベロスを起動する。

 

『トライケルベロス!』

 

 リナはソードライバーにトライケルベロスを装填して、納刀していた雷鳴剣黄雷を抜刀する。

 

『黄雷抜刀!』

『ランプの魔神が真の力を発揮する!ゴールデンアランジーナ!』

『黄雷三冊!稲妻の剣が光輝き、雷鳴が轟く!』

 

 リナはエスパーダのワンダーコンボであるゴールデンアランジーナへと変身する。

 

リナ「零士!カズマ!ワンダーコンボでの必殺技で一掃するわよ!」

零士「おう!」

カズマ「分かった!」

 

 俺達3人は、聖剣をソードライバーに納刀して必殺技を放つ。

 

『『『必殺読破!』』』

『烈火抜刀!』

『流水抜刀!』

『黄雷抜刀!』

『ドラゴン!イーグル!西遊ジャー!』

『ペガサス!ライオン!ピーターファン!』

『ケルベロス!ヘッジホッグ!アランジーナ!』

『『『三冊斬り!』』』

『ファ・ファ・ファ・ファイヤー!』

『ウォ・ウォ・ウォ・ウォーター!』

『サ・サ・サ・サンダー!』

 

零士「爆炎紅蓮斬!」

カズマ「ハイドロ・ボルテックス!」

リナ「トルエノ・デル・ソル!」

「「「ハァァァァ!!」」」

めぐみん「準備出来ましたよ!行きます!エクスプロージョン!」

 

 3色の斬撃波と爆裂魔法がリザードランナーの群れを飲み込み、全滅させた。

 その後、その爆音に誘われて、何匹かジャイアントトードが近づいてきたが、バスター、スラッシュ、カリバーの3人に倒された。

 




今回はここまでです。
リナもワンダーコンボを使用できました。
バニルにおちょくられる零士……。


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24話 旅立ち、水と温泉の街へ

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、リザードランナーを倒した神崎零士達。その際に、リナもワンダーコンボを使用できる様になった!徐々に強くなっていく剣士達!さて、彼らは今、何をやっているのかな?」


 ある日、カズマとアクアが優雅に紅茶を飲んでいた。

 

カズマ「お湯なんだけど。」

アクア「私ったらうっかりしてたわ。」

カズマ「もしかして、紅茶を浄化したのかな?」

アクア「ごめんなさいね。カズマさん。」

カズマ「入れ直せば良いさ。ありがとうアクア。これはこれで受け取るよ。うん!お湯!」

めぐみん「気持ち悪いですゥゥゥゥ!!」

零士「これ、何が起こってるんだ?」

 

 はっきり言おう。現在のカズマは凄く気持ち悪い。

 まあ、あんな事があれば当然だけど。

 遡る事、少し前。

 俺とカズマは、日本のグッズを考えていた。

 ちなみにめぐみん、カイト、カリンは用事で出掛けていた。

 

零士「なあ、これなんてどうだろうか?孫の手は?」

カズマ「確かに孫の手はあると背中を掻きたい時にありがたいよな。」

リナ「凄い量ね。」

ダクネス「カズマ達の国にはこんなに便利なアイテムがあるのだな。」

アクア「て言うか、カズマさんに零士さんって結構作ったわよね。」

 

 まあ、色々な便利グッズがあるから、作りがいもあるよな。

 その時、ドアがノックされた。

 

零士「はーい。誰だろ?郵便屋かな?」

バニル「フハハハハハ!!郵便屋かと思ったか?残念!我輩でした!ポンコツ店主に変わり、目利きには定評がある我輩が来た!さあ、我輩にその便利グッズとやらを見せるが良い!!おや?」

 

 そこにいたのは、バニルであった。

 アクアがゆらりと立ち上がる。

 

アクア「ねえ、アンタ?どうやってこの屋敷に入ったの?」

バニル「あぁ。あの半端な奴か。なんと、あれは結界であったのか。あまりにも弱々しいものだったので、何処かの駆け出しプリーストが張った失敗作かと思った。いや、失敬!超強い我輩が通るだけで崩壊してしまったようだな!!」

 

 アクアとバニルがお互いに罵り合いを開始し始めた。

 

アクア「あらあら、体のあちこちがボロボロですよ。超強い悪魔さん。あらま、どうしましょう。確か地獄の公爵だとか聞いてましたのに、あの程度の結界でそんなになるなんて………!」

バニル「フハハハハハ!この身体はただの土塊。変わりなどいくらでもある。屋敷の周りを覆っていたあの薄っぺらい物に興味が湧いてな。いやー駆け出しプリーストにしてはそこそこの物ではないか?うん。人間のそれも駆け出しのプリーストにしてはな!フハハハハハ!!」

 

 アクアがキレ始める。

 流石に俺とカズマが仲裁に入る。

 

カズマ「おい!流石に落ち着こうぜ!」

零士「屋敷内で戦闘するな!」

アクア「フン!」

 

 アクアがそっぽを向いた。

 

アクア「ねえ?2人とも?」

「「ん?」」

アクア「こたつだの孫の手だの作ってたのって、コイツと商談するためだったの?」

カズマ「そうだけど。」

アクア「人の悪い感情を啜って辛うじて生きているこの害虫と?」

零士「君も相当な顔してるよ。」

アクア「やっだー!笑えない冗談なんですけど!プークスクス!」

カズマ「いや、笑ってるし。」

 

 バニルが俺たちに話しかけてきた。

 

バニル「我々悪魔は契約にはうるさいので、信頼して結構である。信じるだけで幸せになれるだの胡散臭い甘言で人を集め、寄付と称して金集めをしている詐欺集団とは違うのだ!」

零士「そう言う事をあまり言うんじゃない。」

バニル「連中の殺し文句はなんであったか?………そうそう。神はいつでも見守っていますよだったか?おお!何という事だ!我輩、その神に該当する者を目撃したぞ!風呂場を生暖かい目で見守っていた所、警察に捕まったあの男は神であったのか!!フハハハハハ!!」

 

 俺、そいつ知ってる。ダストとか言うチンピラだったな。

 バニルは派手に笑い、アクアが引き攣った顔をしていて、暫くの無言の末。

 

アクア「セイクリッド・エクソシズム!」

「「危ね!」」

バニル「華麗に脱皮!」

 

 アクアの破魔魔法がバニルに当たったが、バニルは咄嗟に仮面を投げ捨てて、身体の方が土塊として崩壊した。

 仮面から土塊が出てきて、再生しようとした時にアクアに掴まれた。

 

アクア「アハハハハ!!これね!これがアンタの本体ね!!さあ、どうしようかしら!これどうしようかしら!!」

バニル「フハハハハハ!その仮面を破壊した所で第二第三の……ちょっ!我輩がセリフを言ってる時に仮面を動かすな!身体が崩れる!せめてセリフを言い終わらせてからに……!」

カズマ「おーい。お前ら落ち着け!一旦落ち着けよ!」

零士「喧嘩なら外でやれ!」

 

 その後、なんとかアクアとバニルを引き剥がせて、商談を開始する。

 ちなみにこたつで商談していて、アクア、ダクネス、リナは暖炉の前のソファで待機していた。

 

バニル「では、商談を始めようか。本来、これらの利益の一部を支払う事になっているが……。どうだ、貴様ら。これらの知的財産権自体を売らないか?3億エリスで買ってやろう。」

「「「「「3億!?」」」」」

 

 マジかよ!3億あるなら、安定した生活を送っていけるぞ。

 

バニル「月々の利益還元ならば、月々100万エリスだ。」

「「「「「月々100万!?」」」」」

 

 それを聞いたアクア、ダクネス、リナもこたつの側へと駆け寄った。

 それにしても、売れ続けるとは限らないので、3億を受け取るべきか。それとも、管理がしやすい100万にしとくべきか。

 俺とカズマが悩んでいるとバニルが立ち上がった。

 

バニル「まあ、ゆっくり考えるが良い。我輩はこれで失礼する。」

アクア「私の家に悪臭が付くから出てって!ほら早く出てって!!」

バニル「グヌヌヌヌヌ!!フン!」

アクア「フン!」

 

 最後の最後まで喧嘩をし続けるアクアとバニルの2人であった。

 

カズマ「お湯だね。お湯。」

アクア「私ったらうっかり。」

ダクネス「と言う具合であんな感じなのだ。」

カイト「似非セレブ状態になってるな。」

カリン「気持ち悪い。」

リナ「気持ちは分かるけどね。」

零士「いつまでやってんだ?」

めぐみん「まあ、お金があるのは良い事です。そこで、とある事を提案します。」

 

 と、めぐみんが提案して来た。

 

零士「提案?」

カズマ「なんだ?」

めぐみん「日頃の活躍を見て、慰安旅行に行きたいと思います!」

リナ「慰安旅行か。良いじゃない!」

カリン「確かに、日頃頑張ってるもんね!」

カイト「休みも悪くないな。」

ダクネス「それで、一体どこに行くのだ?」

めぐみん「それは、水と温泉の街、アルカンレティアです!」

アクア「アルカンレティア?今、水と温泉の街アルカンレティアって言わなかった!?」

 

 なんかアクアが物凄く反応している。

 その後、全員でアルカンレティアへと向かう事になった。

 早朝に、俺はカズマに叩き起こされ、残りの皆をアクアに任せてバニルの元へ向かう。

 

バニル「へいらっしゃい!……おや、こんな朝早くにどうした?炎の剣士に水の剣士。」

カズマ「いや、俺達、ちょっと温泉旅行に行く事になってさ。」

零士「例の商売の話はアクセルに帰ってからで良いか?」

バニル「何だ、そんな事か。まだ、準備には時間がかかるので、ゆっくりと羽を伸ばすなり、混浴に期待するなりしてくるが良い。」

カズマ「ここここ、混浴なんて期待してねーし!ただ単に、慰安旅行に行くだけだし!」

零士「挙動不審になるな。………それより、何でウィズが焦げてるんだ?」

バニル「ハァァァァ。」

 

 バニル曰く、ちょっと目を離した隙に、商品を勝手に仕入れて、お仕置きに殺人光線を放ったらしい。

 ウィズはリッチーなので、特に影響は気絶するくらいしか無いらしい。

 

バニル「という訳で、このガラクタを返品しようと思って箱詰め中だが、買うか?」

零士「何だそれ?魔道具?」

バニル「旅のトイレ事情が解決できる簡易トイレである。用を足す際に、プライバシーを守る為、音まで出る水洗仕様だ。」

カズマ「何それ!凄い!!」

 

 確かに、それは凄いな。

 でも、ウィズが仕入れたと言うことは。

 

バニル「欠点は消音用の音がでかすぎて、モンスターを呼び寄せる事と、水を精製する機構が強力すぎて周囲が大惨事になる事か。」

 

 ほら、やっぱり。

 

零士「この店にはまともな魔道具は無いんですか?」

バニル「ハァァァァ。当店のポンコツ店主は使えない物を仕入れてくる事に関しては類稀なる才能を持っておってな。我輩がちょっと目を離すと、よく分からん物を勝手に仕入れてな……。そう言えば小僧共。温泉に行くと言ってたな。」

「「ん?」」

 

暫くして。

 

アクア「ちょっと!先に行って、席を取っといてって頼んだのに……!って何を背負ってるの?」

 

 俺とカズマはバニルからウィズのお守りを頼まれた事を伝えた。

 

アクア「ふーん。まぁ良いけど。それよりその子だんだんと薄くなってるんだけど。」

カズマ「おい!これ大丈夫なのかよ!回復魔法をかけないと!」

零士「カズマ!リッチーに回復魔法は逆効果だぞ!」

 

 そうして慌ててるうちに、カズマがダクネスの体力をドレインタッチでウィズに流していって解決した。

 その後、カズマのパーティ+ウィズと俺のパーティの二手に分かれて、馬車に乗る事になった。

 なんか、アクアの泣き声が聞こえて来たが、気のせいだろ。

 そうこうしてる内に、アルカンレティア行きの一団が発車して、アクセルを出た。

 俺達は、変わりゆく景色を眺めながら、旅行を満喫していたが、突然、馬車の動きが止まって、ガトライクフォンにカズマから連絡が入る。

 

零士「カズマ?どうした。」

カズマ「悪い!ちょっと俺達は交戦するぞ!」

零士「何で!?」

カズマ「走り鷹鳶って奴が来たんだけど、俺達、というか、ダクネスが原因で来たんだよ!」

零士「どう言う事だよ!?」

 

 話を聞くと、走り鷹鳶は硬い物を見つけて突撃していくそうで、ダクネスの余りの防御力の高さが走り鷹鳶を引き寄せてしまったそうらしい。

 俺たちも同じ仲間として、カズマ達と共に出撃する事になった。

 俺達は全員変身する。

 

『ブレイブドラゴン!』

『ライオン戦記!』

『ランプドアランジーナ!』

『玄武神話!』

『猿飛忍者伝!』

『ヘンゼルナッツとグレーテル!』

『ジャアクドラゴン!』

『烈火抜刀!』

『流水抜刀!』

『黄雷抜刀!』

『一刀両断!』

『双刀分断!』

『銃剣撃弾!』

『闇黒剣月闇!』

 

「「「「「「「変身!」」」」」」」

 

『ブレイブドラゴン!』

『ライオン戦記!』

『ランプドアランジーナ!』

『土豪剣激土!』

『風双剣翠風!』

『音銃剣錫音!』

『ジャアクドラゴン!』

 

 俺達はそれぞれの基本形態になった。

 

御者「お客さん!勝手に外に……!って!仮面ライダーかよ!」

 

 俺達は走り鷹鳶の討伐を開始する。

 ダクネスが、性癖を発揮してしまったが、その後、何とか洞窟に集める事に成功して、爆裂魔法で洞窟ごと一掃した。

 

一団のリーダー「いやぁ!まさか、巷で話題になっている仮面ライダーの一団と合間みえるとは実に光栄です!」

 

 と言って、お金を渡された。だが、俺達は受け取るのを拒否した。仲間が原因で集まって、それを一掃した。つまりはマッチポンプになってしまうからだ。

 リーダーは、こんな世知辛い世の中にまだ、本当の冒険者がいると泣いていたが、こっちは罪悪感でいっぱいだった。

 その後の夜にて。

 

零士「ん?なんか気配を感じる。」

リナ「ん?何かが来る?」

 

 カズマとダクネスも起きていた様で、盗賊職の冒険者も何かの接近に気づき、炎を焚くとそこには、大量のゾンビが。

 

「「「「ギャアアア!!」」」」

ウィズ「ん?」

零士「くそ!大量かよ!」

カズマ「俺、アクアを起こしてくる!」

零士「頼む!」

 

 そしてアクアが起きてゾンビを一斉に浄化したが、それにウィズも巻き込まれて、ダウンしてしまった。

 さらに、アクアの生命力に引き寄せられる事をベルディア戦でのアンデットナイトも同様の事が起こった事を思い出して、また俺達が元凶だと知って、罪悪感が増した。




今回はここまでです。
次からはアルカンレティアでの出来事です。


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25話 困惑せし、剣士達

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、慰安旅行として、アルカンレティアに向かう事になった神崎零士達!しかし、アルカンレティアは、ある意味で魔境だから、気をつけてね。」


 俺達は様々なハプニングを対処しつつ、遂にアルカンレティアにたどり着いた。

 カズマがダウンしたウィズを背負っている。

 対処してくれたお礼として、アルカンレティアで使える宿泊券を受け取った。

 

アクア「遂に来たわ!水と温泉の街アルカンレティア!ここは私の宗教のアクシズ教の総本山でもあるのよ!」

零士「え!?」

 

 あの傍迷惑だと悪名高いあのアクシズ教の総本山!?どおりでアクアが行きたがった訳だ。

 その時、俺達の周囲をアクシズ教徒が取り囲んだ。

 

アクシズ教徒「ようこそいらっしゃいました!観光ですか?入信ですか?冒険ですか?洗礼ですか?」

アクシズ教徒「なんて美しく輝かしい水色の髪!地毛ですか?羨ましい!羨ましいです!その、アクア様みたいな羽衣もよくお似合いで!」

リナ「押しが強い!」

零士「すいません、ウチにはもうアクシズ教のアークプリーストがいるもので。今日は観光に来ているので、また………。」

アクシズ教徒「そうでしたか!さようなら同志!あなた方が良き1日であらん事を!」

 

 流石、厄介者だらけの街だ。慰安旅行で来たけれど、全然休めない。

 ウィズをカズマ達に任せて俺、リナ、カイト、カリンの4人は観光をする事に。

 だが、現在俺達はアクシズ教徒に何度も迫られていた。

 

アクシズ教徒「あら!パーティかしら!どうも、アクシズ教に入りませんか?今なら食べられる石鹸も付いて来ますよ!」

アクシズ教徒「あら!ねぇねぇ久し振り!私よ、私!あ!でも分かんなかった?私アクシズ教に入ってから変わったからさ!君もアクシズ教に入ろうよ!」

アクシズ教徒「あらあら!新婚が2組も!じゃあ、これもらって!良いのよ!叔母さんからのご祝儀よ!この洗剤ね!飲んじゃっても大丈夫!」

 

 と、こんな具合に勧誘が凄まじく、レストランで俺達は撃沈していた。

 

リナ「………洗剤や石鹸って、食べられるの?どうなってるの?」

零士「………普通、食べられないだろう。」

カリン「………流石、アクシズ教の総本山。マジで疲れる。」

カイト「………俺達ってさ、慰安旅行に来たんだよな?なのになんでこんなに疲れるの?」

 

 俺達は改めて、アクシズ教が嫌われている理由を悟った気がする。

 食事を済ませて、人目の少ない路地裏を歩いていると、1人の女の子が転んだ。

 

零士「おい!大丈夫か?」

女の子「うん。ありがとう。お兄ちゃん達、お姉ちゃん達。」

カイト「大丈夫そうだな。」

女の子「ねえ、赤い剣を持ってるお兄ちゃん。お名前教えて?」

零士「零士だよ。神崎零士。」

女の子「神崎零士?ねえ、どんな字を書くの?書いてみてお兄ちゃん!」

零士「ああ、俺の名前は……。ッ!」

 

 その紙には、『アクシズ教団入信書』と書かれていた。俺は火炎剣烈火で斬り裂く。

 

零士「くそったりゃああああーっ!!」

女の子「お兄ちゃーーーん!!!」

 

 この街は!本当にろくでもない!!

 俺は遂にキレて、アクシズ教の本部の教会に怒鳴り込んでいった!

 

零士「おらっ!責任者出てこい!みっちり説教だ!!」

カイト「おい、落ち着け!」

リナ「気持ちは分かるけど!!!」

カリン「教会で大声出さないで!!」

アクシズ教徒「あら、どうなさいましたか?入信ですか?洗礼ですか?それとも私?」

零士「すいません。アンタよりも最高責任者出して下さい。説教だ!」

アクシズ教徒「すいません。ただいま、最高司祭のゼスタ様を始め、他の信者の方は布教活動という名の遊び……、いえ、アクア様の名を広める為の活動に出掛けていて留守にしております。」

零士「おい。今、とんでもない事言ったな!面白半分であんな迷惑な事をしてんのか!?まあいい。それより眼帯をつけた魔法使いの女の子来てないか?」

アクシズ教徒「ああ。あの方のお仲間でしたか。丁度そこにいますよ。」

 

 そこに居たのは、物凄くやつれためぐみんだった。

 

カリン「ちょっとめぐみん?大丈夫?」

リナ「いや、大丈夫そうには見えないけど。」

カイト「何があったんだ?」

零士「おい。めぐみんのポケットというポケットに大量に入信書がねじ込まれてる。」

めぐみん「零士……。皆……。来てくれたのですか………。」

 

 その後、カズマとダクネスとも合流して、アクアはアクシズ教団の温泉に入る事にしたらしいので、置いていって、宿に戻る。

 丁度ウィズがお風呂からあがったそうだ。

 

ウィズ「あっ、皆さんお帰りなさい!お先にお風呂頂きました。混浴の方はとても広くて良かったですよ。」

零士「そうか。じゃあ、俺も風呂に入るかな。今日は本当にイライラした。」

カリン「何?混浴に入るの?」

零士「いや、男湯だ。」

カイト「なら、俺も入ろうかな。」

 

 俺とカイトは、男湯に入っていった。

 だが、そこでもアクシズ教徒が居て、入信を迫られた。

 なんとか退けて、俺とカイトはお風呂に入る。

 

零士「ハァァァァ。折角の慰安旅行の筈が、物凄く疲れた。」

カイト「全くだぜ。こんなに疲れる旅行は初めてかもしれん。なあ、零士?」

零士「うん?」

カイト「お前ってさ、リナの事、どう思ってるんだ?」

零士「いきなりだな。どうしたんだ?」

カイト「いや、単なる世間話だ。それで、どうなんだ?」

零士「大切な仲間。だと思うんだけど、最近、彼女を見ると、なんか胸がドキドキする様な感じになるんだ。なんでだろう?」

カイト「そうか。」(そこまでの自覚は無いみたいだな。)

零士「でもさ、明日はどうする?」

カイト「まあ、明日は明日になったらまた考えようぜ。」

零士「そうだな。じゃあ、あがるか?」

カイト「そうだな。」

 

 俺達の服の上に石鹸と入信書が置かれていた。

 

「「アァァァァァァァァ!!」」

 

 俺達は置いてあった石鹸を床に向かって投げ捨てた。

 その後、アクアが泣いていて、カズマが鼻で笑ってまた更に泣いてしまうのであった。

 

翌日

 

アクア「この街の危険が危ないの!!」

零士「ちゃんと正しい言葉遣いで喋ってほしいんだけど。」

リナ「昨夜、あれだけ泣いていたのに、一体何があったのよ。」

カイト「何がどう危ないんだ?」

アクア「実は温泉の管理人が言ってたんだけど、最近、温泉の質が下がってるらしいの。これは、我が教団を警戒した魔王軍が真っ向勝負じゃなくて温泉の質を下げてアクシズ教団の財源を絶とうとしてるのよ!」

「「「「「そうなんだ。すごいね。」」」」」

アクア「信じてよー!!!」

 

 魔王軍がそんな回りくどい事をするか?

 そんな考えが全員にあるのか、アクアの突拍子も無い台詞を信じていない。

 

アクア「私はこの街を守る為に立ち上がるわ!皆ももちろん協力してくれるよね!」

カズマ「俺は散歩とかで忙しいから。」

めぐみん「私も、アクシズ教団には関わりたくありません。」

ちょむすけ「なーお。」

零士「俺もパス。」

カイト「俺も。」

リナ「右に同じく。」

カリン「私も関わりたくない。」

 

 全員、関わりたくないそうだ。

 その事に腹を立てたのかアクアが机を叩く。

 

アクア「なんでよー!散歩とかどうでも良いじゃ無い!めぐみん達もウチの教団の子を嫌わないでよー!じゃ、じゃあダクネスは?」

ダクネス「わ、私はその、あれだ。」

アクア「お願いよー!!」

ダクネス「分かった!分かったから!頼むから私のグレープジュースを浄化しないでくれ!」

 

 ダクネスはアクアに押し切られる形で協力する事になった。

 ウィズはアクアが泣きついた結果、浄化しかかって、寝たきりになっている。

 カイトとカリンは近くで取れる鉱石等を取りに行って、俺とリナは観光をカズマとめぐみんと一緒にする事にした。

 だが、やはりというかアクシズ教徒が勧誘をしつこく迫り、俺達は橋で疲弊していた。

 

「「ハァァァァ。」」

めぐみん「石鹸って飲めるんでしたっけ?」

リナ「洗剤って飲めるんだっけ?」

 

 俺とカズマは周囲を見ると、桟橋の所に1人の男がいて、何やら呟いていた。

 

???「俺にはそんなに洗うもんなんてねぇんだよ。石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤。」

「「飲める。」」

「「えっ!?」」

???「石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤。」

「「飲める。」」

「「えっ!?」」

???「石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤。」

「「飲める。」」

「「えっ!?」」

???「石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤!飲めるかー!!」

 

 あの人も大分疲弊してるな。

 そこにウィズも合流した。

 大分回復したそうで良かった。

 あの男はどこかに行ってしまったが、まあ、見ず知らずの人だし。

 と、中央広場に人集りが出来ていた。そこにはアクアとダクネスが居たが、見事に説得に失敗して、偽女神扱いされて、俺たちも宿に戻った。

 

アクア「あんまりよー!私、皆の為に頑張ってるのに!!」

カリン「幾ら何でも、自分の事を女神なんて言うなんて信じられなくても当然よ。」

カイト「全くだな。」

リナ「面倒臭い事になりそうな予感がするわ。」

零士「どうしてこんな事になったんだ?」

カズマ「あんな目に遭ってまで助けてやる必要は無いだろうに。」

アクア「ううー……。でも、このままだと私の可愛い信者達が……!」

 

 さて、どうしたもんか。

 そう悩んでいると、外が騒がしくなった。

 外を見ると、大量のアクシズ教徒がこの宿を取り囲んでいた。

 

零士「何だあれ!?」

カズマ「おいおいマジかよ。」

アクア「何々?私の話を信じてくれたかしら?」

アクシズ教徒「女神の名を騙る不届き者が!」

アクシズ教徒「簀巻きだ!簀巻きにしろ!!」

アクシズ教徒「誰の許可を貰って髪を青くしてんのよ!!」

『魔女狩りだ!!!』

零士「おっと。これは不味い!!」

 




今回はここまでです。
遂にリバイもパワーアップ!


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26話 決戦、この素晴らしい仲間達と

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、アクシズ教徒にしつこく勧誘を迫られた神崎零士達。しかし、アクアが説得しようとしても、信じてもらえず、アクシズ教徒に追われる羽目に。急いで源泉に向かって!」


『悪魔しばくべし!魔王倒すべし!』

アクシズ教徒「偽アクアが逃げたぞ!」

 

 このままではアクシズ教徒に取り囲まれる可能性が高いので、アクアの羽衣をパラシュートみたいに大きくして、その上に俺達が乗って、宿から脱出した。

 俺達は路地裏で今後の行動を相談していた。

 

アクア「源泉が怪しいと思うの。」

零士「まあ、確かに。温泉の汚染と言う事は、源泉も汚染されてそうだしな。」

リナ「そうだけど、この状況どうするの?」

カイト「今、君が何を言っても信じて貰えないだろうからな。」

アクア「まあ、そこを浄化すればこの街は救われるの!」

 

 その時。

 

アクシズ教徒「偽アクアが居たぞー!」

 

 見つかってしまったので、源泉の所に向かいつつ、逃走する。

 

カズマ「あんな事言ってる奴らなんて放っておけば良いだろ!」

アクア「ううー。でも、私の可愛い信者達が。」

 

 そうこうしている内に、源泉が湧いている所に到着したが、そこには見張りが居た。

 

アクア「だから!私、アークプリーストなのよ!通して頂戴!」

見張り「いや、いくらアクシズ教のアークプリーストとは言え、ここを通す訳にはいかないんですよ。」

見張り「ええ、この先には、温泉の管理を行なっている人しか立ち入れないので。」

 

 と、説得は難航していた。

 そこで、信じて貰えない女神よりも信じて貰えるこの人を使う事にする。

 

カズマ「ほら、行くぞダクネス、数少ないお前の出番だ。」

ダクネス「数少ない!?おい、私だってちゃんとたまには役に立っているぞ!」

めぐみん「控えろ!この方をどなたと心得るのです!ダスティネス家の御令嬢、ダスティネス・フォード・ララティーナお嬢様ですよ!」

見張り「ええっ!?」

カズマ「ほらお嬢様、その胸元に隠している、証拠のペンダントを!お嬢様、抵抗なさらず……、ほら、とっとと寄越せお嬢様!」

アクア「カズマ、しっかり押さえてね!今私が!あっ!痛い痛い!ダクネス痛い!誰でも良いから今のうちにペンダントを取って!」

めぐみん「ほら!早く!」

ウィズ「ごめんなさい!ごめんなさい!ダクネスさん、ごめんなさい!」

 

 揉み合いの末に、ペンダントを見せる事に成功して、俺達は先に進める事になった。

 

ダクネス「ムゥゥゥゥ!」

零士「ダクネス、落ち着け。」

カズマ「お前さ。お嬢様として扱われて欲しいのか仲間として扱われたいのかハッキリしろ。面倒臭いな。」

ダクネス「面倒臭いとか言うな!」

零士「ちゃんと仲間として認めてるからな。」

ダクネス「そ、そうなのか。それならいいんだがな。」

「「「「「「「……チョロいな。」」」」」」」

ウィズ「み、皆さん!」

 

 源泉に向かって行軍していると、1人の男がそこにいた。

 その男は今にも飛び込み自殺をしようとしているように見えた。

 

カズマ「おい!」

零士「早まるんじゃねぇ!!」

???「あ。」

 

 その男は、腕を源泉に突っ込んでいて、そこは汚染されていた。

 

「「……………。」」

 

 まさか、この男、魔王軍関係者か?

 

???「何ですかあなた方は?ここは温泉の管理人以外立ち入り禁止です。どうやってここへ?」

アクア「アンタ何しらばっくれてんの!?よくもこの街の温泉を台無しにしてくれたわね!成敗してあげるから覚悟なさい!」

???「一体何のことですか?何なら、今ここで私の荷物を調べますか?毒薬なんて絶対に出てきません……から……?」

ウィズ「うーん?どなたでしたっけ?この方、確かに見覚えが………。」

 

 ウィズが見覚えあるって事は。高確率で魔王軍幹部だ。

 

???「と、とにかく、私もこの騒ぎの調査に来ただけなので、その………。」

ウィズ「ああーっ!ハンスさん!あなたはハンスさんですよね!?」

ハンス「ハ、ハンスとは誰の事ですか?私は、この街の温泉の管理人……。」

ウィズ「ハンスさん!お久しぶりです!私ですよ!ウィズです!リッチーのウィズですよ!」

ハンス「ちょっと何を言ってるのか分かりませんね。……と、とにかく。私は毒など持ち合わせておりませんので、何の証拠にも……。」

ウィズ「あっ、毒と言えば!確かハンスさんは、デッドリーポイズンスライムの変異種でしたね!ひょっとしてハンスさんが源泉に毒を入れたんですか?」

 

 ウィズとしては、世間話をしているノリだろうけれど、ハンスという奴からしたら、たまったもんじゃないだろう。

 

ウィズ「そう言えば、ハンスさんは擬態が出来ましたよね!温泉の管理人のお爺さんに擬態してここまで来たんですか?」

ハンス「あー!そう言えば用事があったのを思い出しました!それでは……。……そこを通してくれませんか?」

ダクネス「何処へ行こうというのだハンス?」

アクア「ここは通さないわよハンス!」

めぐみん「そんな言い訳が通じると思うのですかハンス。」

リナ「詳しく聞かせてもらおうかしらハンス。」

カイト「逃すかよ!ハンス!」

カリン「大人しくしなさい!ハンス!」

 

 既に先回りして逃さないようにしていた。

 思わず後ずさるハンスに。

 

カズマ「悪あがきはやめろよ。ハンス。」

零士「正体表せ!ハンス!」

ハンス「ハンスハンスと、俺の名を気安く呼ぶなクソ共!どうしてここにウィズがいやがる!街に店を出すとか言ってたじゃねぇか!とっとと働けよ!」

ウィズ「ひどい!私だって働いていますよ!何故か働けば働く程貧乏になっていくだけで、ちゃんと働いていますよ!」

ハンス「ウィズ。どうする?俺とやり合うか?それとも、このまま見逃すか?」

零士「折角の感動の再会の所に水を差すようで申し訳ないが。君を倒す。俺達を甘く見ない方がいいぜ。ベルディアとバニル討伐をしたのは俺たちのパーティだ!」

ハンス「何!?まさか、貴様ら、仮面ライダーとか言った奴らか!」

 

 どうやら、ストリウス達が広めていた様だな。

 という事は、魔王軍の中でも警戒されていると見た方が良いだろうな。

 

カズマ「そうだぜ!俺達がお前を倒す!」

 

『ブレイブドラゴン!』

『ライオン戦記!』

『ランプドアランジーナ!』

『玄武神話!』

『猿飛忍者伝!』

『ヘンゼルナッツとグレーテル!』

『ジャアクドラゴン!』

『烈火抜刀!』

『流水抜刀!』

『黄雷抜刀!』

『一刀両断!』

『双刀分断!』

『銃剣撃弾!』

『闇黒剣月闇!』

 

「「「「「「「変身!」」」」」」」

 

『ブレイブドラゴン!』

『ライオン戦記!』

『ランプドアランジーナ!』

『土豪剣激土!』

『風双剣翠風!』

『音銃剣錫音!』

『ジャアクドラゴン!』

 

 俺達は仮面ライダーに変身して、ハンスと相対する。

 

ハンス「なるほどな。いいだろう!この俺が相手になってやろう!魔王軍幹部のこの俺がな!」

 

 やっぱり魔王軍幹部か。

 という事は、スライムとか言ったけど、油断出来なさそうだな。

 

零士「そう言えば、お前、温泉の管理人のお爺さんはどうしたんだ?」

ハンス「あぁ?食った。」

カズマ「え?今なんて?」

リナ「食ったって言ったよね?」

ハンス「だから食ったと言っている!俺はスライムだぞ!食べる事が本能だ!」

 

 その時、背後からものすごい冷気が流れ込んできた。

 その主は、顔を俯かせていた。

 

零士「ウィズ!?」

ウィズ「カースド・クリスタルプリズン!」

 

 ウィズが魔法を発動させた結果、ハンスの左腕が、丸ごと凍結された。

 ウィズは、自らの身体から、冷気を放っていって、いつもの温厚な姿は感じられない。

 

ウィズ「確か、私が中立でいる条件、魔王軍の方には手を出さない条件は、冒険者や騎士など、戦闘に携わる者以外の人間を殺さない方に限る、でしたね?」

ハンス「ウィズ!やめろ!魔法を解け!」

ウィズ「冒険者が戦闘で命を落とすのは仕方がない事です。彼らだって、日夜モンスターの命を奪い、それで生計を立てていますから、自らも逆に狩られる覚悟は持つべきです。」

 

 ウィズが歩み出すと、歩いた跡が、直様凍結していた。

 

ウィズ「そして、騎士もそうです。彼らは税を取り、その代価として住民を守っている。代価を得ているのですから、命のやり取りも仕方ありません。ですが……。」

ハンス「ウィズ!本気で俺とやり合う気か!?ここでまともにやり合えば、この辺り一帯は完全に汚染され……!」

ウィズ「ですが、管理人のお爺さんには何の罪もないじゃないですか!」

カリン「ウィズが本気でキレてる。」

カイト「怒らせると怖えな。」

めぐみん「私達も行きますよ!」

 

 俺達も臨戦態勢をとる。

 するとハンスは。

 

ハンス「氷の魔女と恐れられているお前を相手にするにはやむを得ん!本気で喰らい尽くす!」

 

 そう言って、ハンスは擬態を解除して、巨大なスライム状態に戻った。

 

ダクネス「これは!何と見事なスライムだ!惜しい!毒さえなければ持って帰り、我が家のペットにする所だ!」

零士「こんな状況下で何言ってんだ!!」

 

 既にハンスはアクセルにある屋敷程の巨大なサイズとなっていた。

 そして、ハンスは周囲に毒が混じった自身の身体をばら撒き、温泉を汚染していく。

 

アクア「アァァァァァ!!熱い!ピュリフィケーション!ピュリフィケーション!」

カズマ「危ないぞ!早く戻れ!」

零士「まずい!アクシズ教徒まで追いついちまった!」

アクシズ教徒「何だあれ!?」

アクシズ教徒「あいつが温泉を汚してたのか!」

アクシズ教徒「あの青髪の子が言っていたのは本当だったのか!?」

アクシズ教徒「やっつけろ!!」

 

 ここでアクアの話が本当だと分かったアクシズ教徒も色々な物をハンスに投げつけるが、当たった瞬間に溶けている。

 相当強力な毒だと思える。

 こんな所に来たら、アクシズ教徒に死亡者が出る!

 ……まあ、一度滅んだ方が良いと思うが。

 

アクシズ教徒「俺たちの温泉を汚しやがって!」

アクシズ教徒「この罰当たりのすっとこどっこいが!!」

アクシズ教徒「ヒール!ヒール!ヒール!」

 

 一部のアクシズ教徒は、アクアに大量に回復魔法をかけまくって、支援している。

 

カズマ「零士!?どうするんだよ!?」

零士「………。」

カイト「このままじゃ、こっちは打つ手が殆どないぞ!」

 

 そう。俺達は剣士なので、近距離攻撃手段しか使えず、戦法がかなり限られる。

 ウィズに聞いたところ、あれ程の巨体になったハンスを凍らせるには、かなり小さくしなければならない。

 そして、ハンスが選り好みをしている事、ハンスの体内に管理人と思われる遺体があることを見て、ある作戦を思いついた。

 

零士「アクア!遺体が残ってれば蘇生出来るんだよな!?」

アクア「え?出来るわよ!」

零士「ウィズ!あいつの大きさが小さくなれば凍らせられるんだな!?」

ウィズ「ええ。今の半分くらいになれば……!」

零士「めぐみん!疾風剣舞と爆裂魔法の準備に入れ!」

めぐみん「撃っていいんですか!?どう言おうと撃ちますからね!」

零士「カズマ!リナ!俺達はワンダーコンボになるぞ!ダクネス!激土の力で防御壁を作って、カイトとカリンと共に必殺技の準備を!!」

「「「「「おう!」」」」」

 

『クリムゾンドラゴン!』

『ファンタスティックライオン!』

『ゴールデンアランジーナ!』

 

 立てた作戦はこうだ。

 まず、俺、カズマ、リナの3人でハンスを崖にまで追い込み、落としたら3人は即座に離脱。めぐみんの爆裂魔法と同時に必殺技を放ち、ハンスを弱らせた所を、ウィズの魔法でとどめを刺す。

 誘き寄せる為にもアクシズ教徒からアルカン饅頭を借りた。

 

零士「お前の餌は俺達だ!」

カズマ「さっさと来いやー!!」

リナ「アンタの相手は私達よ!」

 

 ダクネスが土の防御壁を作ったのを見て、直様にハンスにアルカン饅頭を投げつてけて、誘き寄せる。

 既に残りの面子は必殺技の準備を完了している。

 

零士「お前の運の尽きはこの街に来た事じゃない!」

カズマ「俺達を相手にした事だ!」

リナ「追える物なら追ってみなさい!」

 

 俺達は飛び降りると同時にそれぞれの飛行能力を発揮して、即座に離脱する。

 そして、爆裂魔法と必殺技を発動する!

 

『『『必殺読破!』』』

『玄武神話!』『ドゴーン!』

『猿飛忍者伝!』『ニンニン!』

『ヘンゼルナッツとグレーテル!』『イェーイ!』

『必殺リード!』『ジャアクドラゴン!』

『烈火抜刀!』

『流水抜刀!』

『黄雷抜刀!』

『ドラゴン!イーグル!西遊ジャー!』

『ペガサス!ライオン!ピーターファン!』

『ケルベロス!ヘッジホッグ!アランジーナ!』

『『『三冊斬り!』』』

『会心の激土乱読撃!』

『翠風速読撃!』

『錫音音読撃!』

『月闇必殺撃!』

『ファ・ファ・ファ・ファイヤー!』

『ウォ・ウォ・ウォ・ウォーター!』

『サ・サ・サ・サンダー!』

『ドゴーン!』

『ニンニン!』

『イェーイ!』

『習得一閃!』

 

零士「爆炎紅蓮斬!」

カズマ「ハイドロ・ボルテックス!」

リナ「トルエノ・デル・ソル!」

ダクネス「大断断!」

めぐみん「疾風剣舞・回転!そしてエクスプロージョン!」

カリン「スナック・音・ザ・チョッパー!」

カイト「月闇必殺撃!」

 

 俺達7人の必殺技がハンスに命中して、スライム部分が大分剥がれて、骨だけになった。

 飛び散ったスライムも、ダクネスの防御壁のお陰で民間人の被害は出ていない。

 そしてウィズも止めを刺す。

 

ウィズ「カースド・クリスタルプリズン!」

 

 ハンスがウィズの魔法に氷漬けにされて、そのまま砕け散った。

 

ウィズ「魔力を限界まで使いましたけど、これで倒せた筈……。」

リナ「倒せたのかな?」

零士「油断するなよ。」

 

 俺達が油断する事無く構えていると、氷の方からハンスの声がしてくる。

 

ハンス「よもやここまで追い詰める奴が現れるとはな。」

 

 氷の上に小さくなったハンスがいた。

 

ハンス「だが、まだだ。今ここで貴様らを食らって回復してやる。なんだ……?」

 

 ハンスが俺達を食おうとして近づこうとすると何かの声が聞こえてきた。

 そこに居たのは……。アクアと大量のアクシズ教徒であった。

 

アクシズ教徒達「悪魔倒すべし。魔王しばくべし。悪魔倒すべし。魔王しばくべし。」

アクア「悪魔倒すべし。魔王しばくべし。」

ハンス「何だ……?」

アクア「………ゴッドブロー!」

 

 アクアのゴッドブローがハンスに炸裂するも、あまり効いていない様に見える。

 

ハンス「その様な拳で倒そうというなどと舐めるな!ヘナチョコプリースト!」

女の子「お姉ちゃん!」

 

 その時、アクシズ教徒が何かを言い出した。

 

アクシズ教徒「アクシズ教!教義!」

アクシズ教徒「アクシズ教徒はやれば出来る!出来る子達なのだから、上手く行かなくてもそれはあなたのせいじゃない!上手く行かないのは世間が悪い!」

アクシズ教徒「汝、老後を恐れるなかれ!未来のあなたが笑っているか、それは神ですら分からない。なら、今だけでも笑いなさい!」

アクシズ教徒「悪魔倒すべし!魔王しばくべし!悪魔倒すべし!魔王しばくべし!」

アクシズ教徒「エリスの胸はパッド入り!」

 

 ………何だろう。本人達は良い事を言っているのかもしれないが、側から見ると、物凄く下らないことを言っている様にしか見えない。

 現実逃避じゃん。エリス様を貶してるじゃん。

 エリス様に転生させてもらった身としては、放っては置けないが、それを見守る。

 

アクア「可愛い信者達が大切にしている温泉を汚すとは万死に値するわ!喰らえ!ゴッドレクイエム!」

ハンス「グワァァァァ!!まさかあいつらが崇めている女神とは……、お前かアァァァァァ!!」

 

 ハンスはアクアによって浄化された。

 ベルディアやバニルの時と同様に、ストリウスが見ていた。

 

ストリウス「ハンス。あなたの物語はここまでです。」

 

 そう言って去っていった。

 その後、魔王軍幹部を倒した俺達は感謝……されなかった。

 

アクア「私、この街を救っただけなのに、なんでこんなに怒られなきゃいけないのよ!!」

 

 理由は、アクアのゴッドレクイエムが余りにも強力故に、ハンスだけでは無く、温泉を浄化してしまい、ただのお湯になってしまった。魔王軍の目的はアクアが達成してしまうことになった。

 ウィズも浄化の力に当てられた結果、また浄化しかかってしまった。

 その後、馬車でアクセルへと帰り、俺達は慰安旅行で休めなかった分、休んだ。




今回はここまでです。
次回から、第5章です。


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第5章
27話 旅立ち、紅魔の里へ


タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、魔王軍幹部の1人であるハンスを倒した剣士達。しかし、本来の目的である慰安旅行はちっとも上手く行かなかった。休みつつも、ワンダーワールドの侵食に対応してね。」


 アルカンレティアの慰安旅行から帰ってきた俺達は、休みつつも、剣士としての鍛錬は怠らずにいた。

 また、まだまだワンダーワールドの侵食は起こっているので、それの対処にも追われた。

 今日もまた、ワンダーワールドの侵食を無事に解決して、ギルドにいた。

 

カズマ「それにしても、最近、ワンダーワールドの侵食が多い気がするよな。」

零士「レジエル達が本気になりつつあるって事だよな。」

リナ「確かに。業を煮やして、本気を出し始めたって事かな。」

めぐみん「まあ、私は今日も爆裂魔法が撃てたのですっきりです。」

ダクネス「それはともかく、私達もどんどん強くなっている様な感じだな。」

カイト「だんだん慣れてきたからな。」

カリン「でも、零士にカズマ、リナは良いな。何せ、ワンダーコンボって言う強化形態があるもん。」

アクア「何せ、ダクネス、めぐみん、カリンは腕しか変わらないし、カイトに至っては、フォームチェンジが無いっていうね!」

 

 確かに、バスター、剣斬、スラッシュ、カリバーはフォームチェンジが多くない。しかしそれは裏を返せば、実力次第で格上の相手とも渡り合えるかもしれないという事だ。

 そう思っていたその時、ギルドの扉がバンと開かれて、そこにはゆんゆんが居た。

 ゆんゆんは真っ直ぐこっちに来ると、カズマの前に来た。

 

零士「おー。ゆんゆん。どうした?」

ゆんゆん「あの、その。カ、カズマさんの子供が欲しい!」

「「「「「「「「………え?」」」」」」」」

カズマ「モテ期、入りました!」

 

 俺達は、そんな事を宣ったゆんゆんを連れて、事情を聞く為に屋敷へと戻った。

 そんな事を宣った事で、更に目立つのを防ぐ為にだ。

 

カズマ「………今なんて?」

ゆんゆん「カ、カズマさんの子供が欲しいって言いました。」

カズマ「………俺としては、最初は女の子が良いんだけど。」

ゆんゆん「ダ、ダメです!最初の子は男の子じゃないとダメなんです!」

 

 この子は、一体何を言っているのだろう。

 そんな事を言ったら、ただの痴女じゃないか。

 我に返っためぐみんとダクネスが反論する。

 

めぐみん「いやちょっと待って下さい!いきなりどうしたんですか!?というかゆんゆんは、今自分が、何を言っているのか分かっていますか!」

ダクネス「そ、そうだ!めぐみんの言う通りだ!コイツがどんな男なのか分かっているのか!?」

 

 人聞きの悪い事言われてるぞ、カズマ。

 

めぐみん「正気に戻って下さい!と言うか何がどうなっているのかちゃんと説明して下さい!」

ゆんゆん「だ、だってだって!私とカズマさんが子供を作らないと世界が!魔王が……っ!!」

カズマ「そうか、世界が……。大丈夫だ。俺に任しておきな。」

零士「カズマも何を言っているんだ。」

ダクネス「零士の言う通りだ!お前は一体何を言っているんだ!」

めぐみん「と言うか、この唐突な流れに少しは疑問を抱いて下さい!」

カズマ「うるせー!お前らはさっきから何なんだよ!これは俺達2人の問題だろ!?関係ない奴が横から口出ししてくるんじゃねーよ!」

 

 おい。逆ギレしだしたぞ。

 

カズマ「そもそも、俺達は数多の魔王軍幹部を倒してきた英雄だろ!?そろそろ俺に憧れを抱く美少女や、サイン下さいって言ってくる冒険者が現れたっておかしくねーだろ!!そもそも、零士とカイトは何でモテて、俺はモテねーんだよ!」

カイト「いや、モテてないと思うけど。」

零士「俺も。それに、日頃の行いがあるんじゃないのか?」

 

 俺とカイトの返事に。

 

カズマ「うるせー!この鈍感野郎ども!それにこの国では16歳から20歳の間に結婚するのが普通って聞いたぞ!ゆんゆんも14歳だろ!だったら何の問題も無いじゃん!ってゆーか何なの?お前ら俺の事が好きなのか?妬いてんの!?だったら素直にそう言えよ!ツンデレ共が!」

めぐみん「この男!ダクネス、シメましょう!一度この男をシメときましょう!」

ダクネス「よし、この口の減らないダメ男をぶっ殺してやる!」

 

 今にも一戦始まりそうな空気の中、ゆんゆんが突然叫んだ。

 

ゆんゆん「めぐみん、聞いて!紅魔の里が………、紅魔の里が無くなっちゃう!!」

 

 一度、落ち着いて話をする事にした。

 

アクア「粗茶ですが。」

ゆんゆん「ありがとうございます。」

めぐみん「それで、一体どう言う事ですか?」

 

 ゆんゆんが2枚の手紙を取り出した。

 その手紙は要約すると、魔法に強い抵抗を持つ魔王軍幹部が派遣されて、軍事基地を破壊する事が出来ないようで、紅魔族の誇りにかけて、刺し違える覚悟が伝わってくる。

 もう一枚は要約すると、ゆんゆんがヒモ同然のダメ男と結ばれて、その子供が少年に成長して、紅魔族の敵の魔王を倒す者らしい。

 周囲が騒いでいる中、俺はもう一枚の手紙の下の方に何か書かれている事に気づく。

 

零士「………こっちの手紙には、最後に『紅魔族英雄伝 第一章 著者:あるえ』って書いてあるんだけど……。」

「「「「「「「「!?」」」」」」」」

零士「あ。続きがあるな。『追伸 郵便代が高いので族長に頼んで同封させて貰いました。2章が出来たらまた送ります。』って……。」

ゆんゆん「あああああああーっ!!」

 

 ゆんゆんが突然手紙を奪い取ると、クシャッと丸めて放り投げた。

 

ゆんゆん「あんまりよっ!あるえのバカァァァァァァ!!」

カズマ「おい、どういうこった説明しろ!俺の子供はどうなった!?どうすればいいんだ!?」

めぐみん「………あるえというのは、紅魔の里の同級生で、作家を目指している子で。」

零士「なるほど。妄想小説の類か。1枚目はどうなんだ?」

 

 もしかしたら仲良くなれるかも。

 

めぐみん「こっちは本物じゃないですかね。とうとう魔王軍も本腰を入れて里の攻略に動き出しましたか。」

カズマ「おいちょっと待て!俺の男心はどうしたらいいんだよ!?ゆんゆんは?これから俺とゆんゆんが甘酸っぱい関係になるんだろ!?」

ダクネス「ならない!」

リナ「て言うか、めぐみんは結構冷静よね。」

カリン「確かに。私なら落ち着いていられないわよ。」

ゆんゆん「はっ!そうだった!どうしようめぐみん!このままじゃ里の皆が!」

めぐみん「私達は魔王軍を苦しめた紅魔族なのですよ。もし皆が死んでも、私とゆんゆんが居るでは無いですか。つまり紅魔族の血筋は途絶えませんよ。里の皆はいつまでも心の中に……。」

ゆんゆん「めぐみんの薄情者!」

 

 その後、ゆんゆんは紅魔の里へと向かった。

 そして、俺たちもめぐみんの紅魔の里への里帰りに付き合う事にした。

 まさか、あいつと会う事になるとは思っていなかった。

 




今回はここまでです。
次回、零士達に危機が迫ります。


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28話 恐怖せし、炎と水と闇の剣士

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、カズマに子供が欲しいと言ったゆんゆん。しかし、それは勘違いだったようで、その後、紅魔の里へと向かって行って、それを追うように神崎零士達も向かう事になった。………あれ?今、男性陣が追われてるけど、一体何があったんだろう?」


 俺とカズマとカイトは必死に走っていた。

 生き延びる為に。

 

「「「ヒィィィィ!!」」」

 

 何でこんな事になった!!

 それは遡る事、アクセルにて。

 

ウィズ「テレポートですか?紅魔の里の近くにですか?」

カズマ「あぁ。このツンデレが里帰りするそうだからな。」

めぐみん「!?誰がツンデレですか!?」

バニル「おぉ。誰かと思えば。上がりやすい職業の癖にちっともレベルの上がらない男に。」

カズマ「おい。」

バニル「最近、実家の威光でしか仲間の役に立てない娘!」

ダクネス「なぁ!?」

バニル「色んなことに頭を悩ませて仲間に言えていない炎の剣士!」

零士「ちょ!?」

バニル「炎の剣士に思いを馳せて、頭から離れられていない雷の剣士!」

リナ「えっ!?」

バニル「最近、少し太ったかなと悩んでいる音の剣士!」

カリン「待って!?」

バニル「ここ最近、闇黒剣月闇の力で色んな未来を見て怯えている闇の剣士!」

カイト「何で!?」

バニル「鬱陶しい光溢れる、チンピラプリーストに。」

アクア「あぁ!?」

バニル「ネタ魔法しか使わないネタ種族!へいらっしゃい!」

めぐみん「おい。」

 

 バニルが悪感情を食う為に俺たちを揶揄いながら挨拶をしてきた。

 バニルは俺とカズマを呼んだ。

 

バニル「それはそうと、例の契約書、出来ているぞ。」

カズマ「本当に大丈夫だろうな?」

零士「まあ、大丈夫じゃないのか?」

バニル「もちのろん。3億エリスを渡すと言う契約でいいな?」

カズマ「おう。」

バニル「だが、まだだぞ。」

零士「何でだよ?」

バニル「まだ、完全に生産のラインが整っていないのだ。もう少し待って欲しい。」

 

 なるほど。確かに契約だけしても、生産出来なければ意味はない。

 その時、アクアが何かを落として割ってしまった様だ。

 

バニル「商品に触るな!厄災女め!」

アクア「はあ!?お客様は神様でしょ!私は女神だけど。神様に相応しい態度をとりなさいよ!」

バニル「商品をダメにしておいて、何を開き直っているのだこの貧乏神は!!ええいウィズ、とっとと送還してしまえ!!」

 

 テレポートは一度に4人までしか転送出来ないので、第一陣としてカズマ、アクア、めぐみん、ダクネスが、第二陣として俺、リナ、カイト、カリンが転送される事になっている。

 まず、第一陣が転送されていった。

 

ウィズ「では、あなた方の旅が良いもので有ります様に。テレポート!」

零士「じゃあ、行ってくる!」

 

 俺達はカズマ達とほぼ同じ座標に転送された。流石に少し誤差があったのか、カズマ達とは少し離れた所にいた。

 だが、カズマが何かに追われているのを見て、本能的に危険を感じたので、同様な反応をしていたカイトと共に逃げる。

 砂煙をあげて迫ってくるのは、オークだった。

 

「「「ヒィィィィ!!」」」

カズマ「ウィズ!なんて所にテレポートしてんだァァァ!!」

オーク「ちょっと待ちなさいよ!あんた達!」

オーク「ねぇ!男前なお兄さん達!私達といい事しない?」

カズマ「なんで女オークばっかなんだ!?」

めぐみん「カズマ!零士!カイト!現在この世にオークの雄は存在しません!」

ダクネス「えぇ!?」

リナ「オークの雄はとっくの昔に絶滅したらしいの!」

カリン「現在、オークと言えば、縄張りに入り込んだ他種族の雄を捕らえて、集落に連れ帰り、それはもう凄い目に遭わせる、男性にとっての天敵なの!」

 

 マジかよ!この世界は日本での常識が通用しないのか!

 

オーク「アンタ達、2、3日ウチの集落でハーレムよ!この世の天国を味あわせてあげるわ!」

「「「お断りしまぁぁぁぁす!!」」」

 

 初めて女性からの誘いを断ってしまった。

 

ダクネス「待て!オークと言えば女騎士の天敵だぞ!性欲絶倫で、女とみるや即座に襲い掛かる、あのオークの雄が……!」

「「「もう居ません(ないわよ)!」」」

アクア「ダクネス!!」

 

 何でダクネスが落ち込んでるんだよ!

 て言うか、俺たちの生命の危機だろ!

 

オーク「あたし、あんた達の子を産むわ!」

オーク「いや、私よ!」

オーク「最初は男の子がいいわねぇ!オスが60匹にメスが40匹!そして海の見える家で、毎日あたしとイチャイチャするの!」

カズマ「帰りたい!お家に帰りたい!!」

零士「そんな事言ってる暇があるなら、走っとけ!」

カイト「俺達捕まると死ぬぞ!!」

 

 その時、背後から3人纏めて捕まった。

 

「「「あ。」」」

「「カズマ!!!」」

リナ「零士!!!」

カリン「カイト!!!」

オーク「よーし!すぐ済むから。すぐ済むからじっとして、目を瞑りな!」

カズマ「助けて!めぐみん、いつもの奴を!いつもの奴を!!」

零士「皆助けて!!」

カイト「早くしてくれ!!」

リナ「分かったわ!皆、行くわよ!」

「「「変身!」」」

 

『ランプドアランジーナ!』

『風双剣翠風!』

『音銃剣錫音!』

 

 ダクネス以外が変身して、オークと戦闘し始めるが、優秀な遺伝子を持っているオークに少し苦戦している。

 ダクネスも変身して、俺達を助けてくれ!!

 

カズマ「話をしよう!話をしよう!!」

オーク「エロトークなら喜んで!さあ、話してごらん?あんた達のこれまでの人生での恥ずかしい性癖をさ!」

 

 ヤバい!このままでは確実に天に召す!

 

零士「助けてくれェェェェ!!リナさん!!」

リナ「零士!!」

 

 と、その時。

 

ゆんゆん「ボトムレス・スワンプ!」

 

 ゆんゆんの声がしたと思ったら、泥沼魔法でオーク達がもがいていた。

 

カズマ「ゆんゆん!ゆんゆんじゃないか!」

零士「助かった!!」

カイト「ありがとうございます!!」

 

 ゆんゆんの存在にオーク達は撤退していった。

 俺達男性陣は、オークというトラウマを抱えることになった。

 




今回はここまでです。
やはり、オークのメスは怖いですね。


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29話 襲来せし、魔王軍幹部

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、オークの雌に襲われた男性陣。その結果として、オークの雌にトラウマを抱いてしまった。いやぁ、あれは僕でもトラウマになっちゃうかも!……おっと神崎零士達はゆんゆんと合流した様だね。」


 その後、カズマはアクアに、俺はリナに、カイトはカリンに慰められていた。

 

アクア「よしよし、カズマもう大丈夫よ。怖かったわね。」

リナ「大丈夫よ。オークはもういないから。」

カリン「怖かったわよね。大丈夫だから。」

ダクネス「私が気絶している間に何があった?」

カズマ「ゆんゆん、ありがとう。」

カイト「君は命の恩人だ。」

零士「アクセルに帰ったら、何か奢らせてほしい。」

ゆんゆん「やめて下さい!何か罰ゲームみたいになってませんか!?」

 

 そして、めぐみんとゆんゆんが争っていると、何処かから、声が聞こえてきた。

 

???「こっちだ!こっちから声がしたぞ!」

めぐみん「魔王軍です。短気なゆんゆんが騒いでいるから!」

ゆんゆん「はあ!?私よりめぐみんの方が短気でしょ!!」

ダクネス「おい!2人とも、騒ぐな!見つかってしまうぞ!」

零士「落ち着けよ!」

カイト「カズマも、何か言ってやれ!」

カズマ「そんな事より、ゆんゆんの刺青の場所に関して詳しく!」

魔王軍「居たぞ!こんな所に居た!」

ダクネス「お前という奴は!お前という奴は!」

零士「何やってんの!?」

カイト「仕方ない!皆行くぞ!」

「「「「「「「変身!」」」」」」」

 

『ブレイブドラゴン!』

『ライオン戦記!』

『ランプドアランジーナ!』

『土豪剣激土!』

『風双剣翠風!』

『音銃剣錫音!』

『ジャアクドラゴン!』

 

 俺達は魔王軍を相手に変身して応戦する。

 だが、数が多く少し苦戦を強いられていた。

 

めぐみん「先程はよくもネタ魔法と言ってくれましたね。なら、ネタ魔法の威力をその目に焼き付けるがいいです。」

零士「ちょっと待て!?」

ゆんゆん「ここで!?」

めぐみん「エクスプロージョン!」

 

 めぐみんが問答無用で爆裂魔法を放ち、大量の敵を一掃した。

 

めぐみん「見ましたか!我が爆裂魔法の威力を!さあ、これでもまだネタ魔法と言いますか!?どうですカズマ、今の爆裂魔法は一体何点なんですか!?」

カズマ「マイナス90点をくれてやる!どうするんだ!?敵が大量に来るだろ!?」

 

 そう。今の爆裂魔法で増援が大量に来てしまった。

 腹を括って倒そうとするが、俺達と魔王軍の間に4人組が現れた。

 その4人組は紅魔族で、訳の分からない詠唱と共に同じ魔法である、ライト・オブ・セイバーを使って一掃した。

 地獄の腕や、氷は一体どこ行ったんだというツッコミをカズマがした。

 

???「こっちから物凄い爆音がして、魔王軍遊撃部隊で来てみたら、まさかめぐみんにゆんゆんが居るとは。」

めぐみん「靴屋のせがれのぶっころりーじゃないですか。里の危機と聞いて来たのですが?」

紅魔族「ん?」

「「「「「「「「「ん?」」」」」」」」」

 

 あれ?何か話が噛み合わないぞ。

 紅魔族の内の1人、めぐみんにぶっころりーと呼ばれた紅魔族が前に出て。

 

ぶっころりー「我が名はぶっころりー!アークウィザードにして紅魔族随一の靴屋のせがれ!」

 

 紅魔族はこれをやらないと気が済まないのだろうか。

 カズマも似た様な事を言い出した。

 

カズマ「これはどうもご丁寧に。私はサトウカズマと言います。魔王軍の幹部を打ち倒し者です。どうかよろしく。」

紅魔族「おおーー!まさか外の人も同じ返しをやってくれるとは!」

 

 と、めぐみんや他の紅魔族も俺を見てくる。めぐみんの視線の意味は分かる。以前、めぐみんの前でやったからだ。

 俺もやらなくてはダメっぽい。

 

零士「我が名は神崎零士!エレメンタルソードマスターを生業にし火炎剣烈火を操りし炎の剣士!やがて魔王を打ち倒す者!」

 

 紅魔族の反応も中々良いな。

 

ぶっころりー「なるほどね。君達が噂の仮面ライダーか。まさか、めぐみんもなるとはね。さあ、紅魔の里へ送ってあげよう。テレポート!」

 

 俺達は長閑な雰囲気の紅魔の里へと辿り着くことが出来た。

 

ぶっころりー「ようこそ!紅魔の里へ!」

 

 俺達はゆんゆんの実家である、族長の家へと向かう事にした。

 

ひろぽん「いやぁ。あれは娘に対しての近況報告だよ。」

零士「はぁ?」

リナ「え?」

カズマ「ちょっと何言ってるか分かりません。」

ゆんゆん「え?この手紙を読んだ時にはもう生きていないだろうって書いてあったけど。」

ひろぽん「あぁ。それは紅魔族の時候の挨拶じゃないか。習わなかったのか?……あぁ。ゆんゆんとめぐみんは早く卒業しちゃったから、そこら辺は学ばなかったな。」

ゆんゆん「魔王軍が前線基地を作ったって、それを壊す事は出来ないだろうって……。」

ひろぽん「あぁ。中々に良い基地を作ったみたいでね。壊すか、観光資源にするかで紅魔の里内で揉めているんだよ。」

カズマ「なあ、ゆんゆん。この親父さん、一発ぶん殴って良いか?」

零士「ゆんゆん。悪いけど、この親父さんに制裁を下して良いかな?」

ゆんゆん「………良いですよ。」

ひろぽん「ゆんゆん!?」

 

 親父さん、ゆんゆんにあっさり見捨てられそうですね。

 俺とカズマの制裁許可をあっさり出すとはな。

 

カイト「魔王軍幹部が来ているのは本当なんですか?」

ひろぽん「あぁ。来てますよ。魔法に強いのが。もうそろそろかなぁ?」

「「「「「「「「「?」」」」」」」」」

 

 その時、サイレンと思われる声が流れてきた。

 

『魔王軍警報!魔王軍警報!現在、魔王軍が千人規模で襲来しています!』

 

「「「「「「千人!?」」」」」」

 

 俺、カズマ、カイト、リナ、ダクネス、カリンが驚いた声を上げた中、紅魔族達は落ち着いていた。

 

ひろぽん「何なら、見ていきますか?」

 

 魔王軍が大量に攻めてきたが、紅魔族はそれすらも返り討ちにしていた。数々の上級魔法が飛び交い、魔王軍があっという間に蹂躙されていた。

 後ろに、魔王軍幹部と思われる女がいた。

 魔王軍の中から、シルビア様と聞こえたので、魔王軍幹部の名前はシルビアと言うらしい。

 その後、ゆんゆんはあるえという子を制裁してくると言って、離脱して、俺達はめぐみんの家へと向かっていった。

 

カズマ「いやー。凄い物見たな。あれが本物の紅魔族って所か。」

めぐみん「本物がいると言うことは、偽物もいるということですね。おい、誰が偽物の紅魔族か詳しく聞こうじゃないか。」

リナ「喧嘩しないの!」

カイト「落ち着けよ。」

零士「魔王軍幹部はシルビアか。」

カリン「何?あの幹部が気になるの?」

零士「あぁ。一体、どんな力を持っているのか知っておきたいが。」

ダクネス「まあ、それは明日でいいのでは?」

アクア「そんな事より、ここがめぐみんの家なのね!」

 

 めぐみんの家は、母屋と思われる一軒家で、かなり小さい。

 めぐみんがノックをすると、ドアが開き、小さいめぐみんみたいな子が出てきた。

 

ダクネス「ほう。この子がめぐみんの妹か。」

カリン「結構可愛いわね。」

アクア「小ちゃいめぐみんが出てきたんだけど。ねえ、小めぐみん?飴食べる?」

めぐみん「こめっこ、ただいま帰りましたよ。」

 

 もう、紅魔族の名前に関しては突っ込む気力が起きない。

 こめっこと呼ばれた妹は、姉を見て、固まっていた。

 まあ、感動の再会だからな。

 

こめっこ「………。お父さーん!姉ちゃんが男引っ掛けて帰ってきた!」

カズマ「ちょっとお嬢ちゃん!お兄さんとお話ししよう!」

 

 年齢の割には大人びている。

 男を引っ掛けるって。

 そうして、俺達はめぐみんの家にあがり、カズマはめぐみんの両親である、ひょいざぶろーさんと、ゆいゆいさんと話していた。

 俺達はアクアが手を空中で動かしているだけなのにコップが1人でに動き出した芸を見てたら。

 

ひょいざぶろー「それで?君は娘とはどう言う関係なんだね?」

カズマ「何度も言いますけど、唯の友人……。」

ひょいざぶろー「ナァァァァ!!」

ゆいゆい「あなた!やめて!これ以上ちゃぶ台をひっくり返して壊さないで下さい!うちにはもうお金がないのよ!!」

 

 まさかのちゃぶ台返しを見ました。

 その後、落ち着いたのかひょいざぶろーさんがお茶を一杯飲んで。

 

ひょいざぶろー「失礼。取り乱した。いや、君が白々しく唯の友人と吐かすものだからね。」

カズマ「あの。これ、つまらない物ですが。」

 

 そう言ってカズマがアルカン饅頭を出すと、ご両親が抑えつけた。

 

ひょいざぶろー「母さん。これはカズマさんがわしにくれた物だぞ。その手をどかしなさい。」

ゆいゆい「あらあら、さっきは君なんて余所余所しい言い方をしてたのに、貰った途端にカズマさん呼ばわり。やめて下さいな、恥ずかしい。これは夕飯にするんです。あなたの酒のつまみにはさせませんよ。」

 

 やめてくれ。そんな事をこれ以上言わないでくれよ。

 こめっこもアルカン饅頭を見て。

 

こめっこ「ねえ!?これってお腹に溜まる物!?いつも食べてるシャバシャバに薄めたお粥よりもお腹に溜まる物!?」

 

 それを聞いた俺達は、非常食は残して、食べられるものを皆出した。

 

カズマ「……凄く、つまらない物ですが。」

ひょいざぶろー「よく来たね!皆さん!母さん!この家で一番良いお茶を!」

ゆいゆい「家にお茶なんて1種類しかないですわよ。オホホホホ。」

 

 そう言って、お茶を出してもらい、俺達はそれを飲んでいた。

 その後、色々とあったが、夕食を食べた。

 俺達は順番にお風呂に入り、カズマがお風呂に入っている時。

 

ダクネス「何を考えているんだ!あなたは自分の子供が可愛くないのか!?」

ゆいゆい「大丈夫ですよ。娘はもう結婚出来る年齢ですし、カズマさんも分別ある大人……。もし何かあったとしてもそれは……。」

リナ「親としてそれはどうなんですか?」

カイト「お金に目が眩んだな。」

カリン「そんなにお金が欲しいんですか?」

零士「そこまでする必要があるのか?」

 

 ゆいゆいさんがカズマとめぐみんを一緒に寝かせようとさせていた。要するに、カズマをめぐみんの婿にしようと企んでいた。

 3億に目が眩んだな。

 

ダクネス「あなたは……!」

ゆいゆい「スリープ。」

 

 その時、ゆいゆいさんが俺たちに睡眠魔法をかけたのか、途端に眠くなってきた。

 

零士「ちょっと……!」

 

 俺達は意識を手放して、眠ってしまった。




今回はここまでです。
それでは。


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30話 仲を縮めし、一部の剣士

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、紅魔の里に到着して、めぐみんの家に泊めてもらった神崎零士達。さて、今日は自由行動するらしいね。……それはそうと、闇の剣士はまだかな?」


 ゆんゆんの家に泊まったというめぐみんが帰ってきて、昨夜にあった事を話した。

 その後に起きてきたカズマに、女性陣が、アクアはクズマ、ダクネスはゲスマ、めぐみんはカスマなどという事を言って貶していた。

 ちなみに俺、リナ、カイト、カリンは関わらない様にして、お粥を黙々と食べていた。

 その時に思ったのは、仮面ライダーになっても本質は変わらないという事だ。

 その後、ダクネス、カリンは紅魔の里の鍛冶屋を見ておきたいと言って、離脱した。

 俺、カズマ、アクア、リナはめぐみんの案内の元、紅魔の里を散策していた。

 カイトは、夢の中でとある試練を受ける様にと言われて、一旦アクセルに戻った。

 そうしている内に、謎の施設に辿り着いた。

 

零士「何だあれ?」

めぐみん「あれは謎施設です。あそこには紅魔族の天敵が封印されているんです。」

カズマ「一体何が封印されてるんだ?」

アクア「ねえ、この里、他には何が封印されているのかしら?」

リナ「確かに気になるわ。」

めぐみん「前は『邪神が封印された墓』や、『名も無き女神が封印された土地』があったのですが色々あって今は封印が解けているのですよ。」

「「お前んとこの封印、ザルじゃねーか!」」

めぐみん「さあて!次の場所に行きますよ!」

 

 そう言って着いたのは、一軒の服屋だった。

 そこには1人の店主がいた。

 

めぐみん「こんにちは!ちぇけら。」

ちぇけら「おや、めぐみん。帰ってきたのかい。という事は、そこの人達は里の外から……。ごほん。我が名はちぇけら!アークウィザードにして上級魔法を操る者!紅魔族随一の服屋の店主!」

 

 この里の人達は、名乗りをやらないと気が済まないのか?

 

零士「紅魔族随一の服屋とは凄いですね。」

ちぇけら「あぁ。紅魔の里の服屋はウチ一軒のみだからね。」

カズマ「バカにしてんのか!?」

 

 一軒しかないのかよ。

 

めぐみん「それで、ローブの予備が欲しいのですよ。一着しかないので。これと同じ物はありますか?」

ちぇけら「あぁ。ちょうど染色が終わったのを乾かしてるけど。」

めぐみん「そこにあるのを全部下さい。」

ちぇけら「全部!?めぐみんも随分ブルジョアになったね。」

めぐみん「えぇ!そろそろこの里に私の名前が轟いてもおかしくないですからね!という事で、カズマか零士。お金払って下さい。」

カズマ「お前な。まあ良いけど。」

ちぇけら「毎度あり!」

 

 そう言ってちぇけらはローブを取っていたが、俺は気になるものを見た。

 

零士「おい。」

めぐみん「なんです?」

カズマ「ってこれ!」

リナ「2人とも、これを知ってるの?」

 

 知ってるも何も。これはライフルじゃないか。

 

ちぇけら「おや。これを知ってるんですか?これは家に代々伝わる物干し竿ですよ。錆びないし重宝してるんですよ。」

 

 ライフルを物干し竿にするなんて。紅魔族はやっぱり変わっているな。

 その後、ローブを引き取って、移動を開始した。

 

めぐみん「さて、紅魔の里を色々案内しましたが特に紹介したいところがあるんです!」

「「「「ん?」」」」

 

 そう言ってめぐみんが連れてきたのは、学校と思われる施設だ。

 めぐみんは制服と思われる服装に着替えていてそこにはゆんゆんもいた。

 

めぐみん「ようこそ!我が魔法学園『レッドプリズン』へ!」

ゆんゆん「よ、ようこそ……。」

カズマ「ゆんゆんまで?」

めぐみん「昨日、泊まりに行ったらぼっちが寂しそうにしていたので誘っておいたのです。」

零士「へぇ〜。それがめぐみん達の学校の制服なのか。」

めぐみん「由緒ある魔法学園を案内するのですから正装に着替えるべきでしょう!」

 

 他の街では学校は見かけないけど、ここにはあるんだな。

 

???「フフフッ!」

「「「「「ん!?」」」」」

あるえ「我が名はあるえ!紅魔族随一の発育にして、やがて作家を目指す者!」

ふにふら「我が名はふにふら!紅魔族随一の弟思いにして、ブラコンと呼ばれし者!」

どどんこ「我が名はどどんこ!紅魔族随一の…随一の……何だっけ?」

めぐみん「あるえ……。それに、どどんことふにくら。」

ふにふら「ふにふらよ!わざと間違ってるんでしょ!」

 

 と、めぐみんとゆんゆんの同級生と思われる人物達が出てきた。

 その中のあるえは、あの妄想小説を送ってきた奴だ。

 

あるえ「そう言えば、ゆんゆんは里の外でも上手くやってるかい?」

アクア「ゆんゆんなら光る剣みたいな魔法で助けてくれたわ!」

どどんこ「それって、ライト・オブ・セイバー?上級魔法よね。」

ふにふら「あれ?ゆんゆんって中級魔法使いじゃなかった?」

ゆんゆん「もう!その話はいいから!」

零士(うん?中級魔法使い?)

 

 俺達はレッドプリズンを後にして、めぐみんに気になった事を聞いた。

 

零士「めぐみん。さっきの話なんだけど。」

めぐみん「はい?」

零士「紅魔族って、上級魔法を使うんだよな。なんでゆんゆんは最初は中級魔法使いなんだ?」

カズマ「確かに気になるな。」

リナ「なんで?」

めぐみん「……実は、私は爆裂魔法を覚える為にスキルポイントを貯めていたのです。ですが、ある時、こめっこが凶暴なモンスターに襲われていて、ゆんゆんが咄嗟に中級魔法を取得して、こめっこを助けたのです。本当は上級魔法を取得する為に貯めていたのに……。」

零士「なるほどな。ゆんゆんはめぐみんが爆裂魔法を習得する為に庇ったということか。」

めぐみん「別に……頼んだ訳ではないのですけどね。」

カズマ「そうなのか……。一体なんの音だ!?」

 

 突然、爆発音がした。

 まさか、魔王軍が紅魔の里へと侵入し始めたのか!?

 

零士「皆行くぞ!」

カズマ「おう!」

「「「うん!」」」

 

 俺達は爆発音がした所に向かうと、そこには魔王軍の軍勢と交戦しているダクネスとカリンとカイトがいた。

 

ダクネス「まさか、魔王軍が襲来するとは!」

カリン「なんとか持ち堪えるわよ!」

カイト「あぁ!!」

魔王軍「なんなんだ!こいつら!あっという間にこちら側が倒されていく!」

零士「3人とも!待たせたな!」

カリン「遅ーい!」

カイト「だが、助かった!」

シルビア「まさか、援軍が来るまでの時間稼ぎなのかしら。随分本気では無かったようだけど。」

 

 あの紅魔の里に来た時に襲い掛かってきた魔王軍の一部が言っていた、魔王軍幹部のシルビアとやらがいた。

 

カズマ「やるじゃないか。そこのクルセイダーはバニルと互角に渡り合った奴だぞ!」

シルビア「バニルですって!?アクセルに行ったきり帰ってこないと聞いていたけど、まさかあなた達が?」

零士「その通り!そこのめぐみんが、俺と共にバニルにとどめを刺した!」

魔王軍「あの、バニル様を!?」

カズマ「それだけじゃない!ベルディアにハンス果てにはデストロイヤーまで!俺達8人で倒させてもらったぜ!」

シルビア「何ですって!?まさか、貴方達、報告にあった、仮面ライダーとやらかしら!?」

 

 やっぱり、ストリウス辺りが伝えていたのか。

 

シルビア「見た所、赤い剣を持っている貴方がリーダーっぽいわね。あなたの名前はなんなの?」

零士「神崎零士だ!」

シルビア「やはり、ストリウスが言ってた通りのようね!まさか仮面ライダーと相対するとは!」

零士「ここで倒してもいいぞ。でも、紅魔族の力を借りた様でスッキリしない。」

シルビア「感謝するわ!神崎零士!また会いましょう!総員撤退!」

 

 シルビアはそう号令すると、撤退を開始して、紅魔族の追撃を食らった。

 その夜

 俺達はまた、めぐみん宅に泊まる事になった。

 俺は、シルビアがまた来る事に備えて、外で見張りをしていた。

 暫くすると、リナが訪ねてきた。

 

リナ「見張り?」

零士「あぁ。シルビアが何の目的でこの里に攻めてきたか知らないけど。用心する事に越した事は無いと思ってな。」

リナ「律儀よね。」

零士「それが俺だ。」

リナ「ねぇ、隣、良い?」

零士「構わないけど。」

 

 そう言って、リナは隣に座った。

 

リナ「ねえ。外で寒くないの?」

零士「大丈夫。毛布で包んでるし、シルビアは俺をリーダーだと認識している。俺は、シルビアに備えないといけないしな。」

リナ「そう。零士ってさ、遠い国から来たんだよね。帰れなくて寂しくないの?」

零士「寂しくないと言えば嘘になるけど、帰る手段は無いし、この生活も何気に楽しいと思ってるからな。」

 

 俺は、本心からそう思った事をリナに伝えていた。

 リナは、俺の肩に頭を預けた。

 

リナ「あのさ。零士の雰囲気が前と比べると、益々ジュンに似てきてるんだけど。」

零士「それなんだけどさ。バニルに以前言われた事があってな。」

リナ「バニルに?」

零士「俺の推測も入るけど、恐らく、俺の魂にジュンの魂も入ってると思うんだ。」

リナ「何で?」

零士「多分、何らかの理由でジュンの魂が俺の魂と合わさったんだと思う。」

リナ「そうなんだ。でも、零士は零士よね。その仮説が合ってるか分からないけど、零士だもんね。」

零士「何か、言えなくてごめん。」

リナ「大丈夫よ。それに、私も伝えていない事があるからさ。」

零士「何だ?」

リナ「それはね……、君の事が……。」

『魔王軍警報!現在、魔王軍が侵入した可能性があります!』

 

 タイミング悪く、魔王軍警報がなってしまったようだ。

 

零士「その話の続きはこれを片付けてからでいいか?」

リナ「まあ、良いけど……。」

シルビア「そろ〜り。そろ〜り。」

零士「……おい。何してんだ?」

シルビア「神崎零士!?もう居たの?っと、どうやらお邪魔しちゃったようね。」

リナ「本当だよ!」

 

 俺はシルビアに向けて、火炎剣烈火を構えていた。リナも雷鳴剣黄雷を構える。

 丁度、めぐみん宅から、水勢剣流水を持ったカズマと、風双剣翠風を持っためぐみんが来た。

 

カズマ「零士!大丈夫か!?って、なんでリナも外に居たんだ?」

リナ「別に良いでしょ!?」

シルビア「剣士が完全に揃っては面倒ね!少し逃げるとするわ!」

 

 と、シルビアは逃走を開始した。

 

零士「待て!」

リナ「待ちなさい!」

カズマ「零士!リナ!」

零士「カズマは念の為に待機してくれ!めぐみんも他の紅魔族を呼んできてくれ!」

めぐみん「分かりました!気を付けて下さい!」

 

 俺とリナは追跡を開始した。

 シルビアは謎施設の方に向かっていて、俺とリナはそれを追う形になっていた。

 そして、シルビアは逃走をやめた。

 

シルビア「ここなら、思う存分戦えるわ!」

零士「お前をここで倒す!」

リナ「憂さ晴らしも兼ねてね!」

シルビア「随分やる気じゃない!でもね、この私としての姿じゃ無いのよ!」

ストリウス「お待たせしましたよ。シルビア。」

 

 謎施設から出てきたのは、ストリウスだった。

 

零士「ストリウス!」

リナ「何であんたがここに!?」

ストリウス「私の目当てはこれですよ。」

 

 ストリウスの後ろにあったのは、巨大な蛇みたいな何かだった。

 

零士「何あれ?」

シルビア「あれこそが、紅魔族の天敵、魔術師殺し!」

リナ「なんかヤバそう!」

ストリウス「では、私はこれで。」

 

 ストリウスはそう言って、撤退していった。

 そして、シルビアが魔術師殺しと融合した。

 

シルビア「アハハハハ!!これで邪魔な紅魔族を蹴散らせる!」

カズマ「零士!!って!なんじゃありゃ!!」

めぐみん「あれは魔術師殺しです!なんで外に出てるんですか!?」

 

 そこにカズマ達が紅魔族を連れて合流したが、シルビアは俺達を無視すると、里の方は侵攻していった。

 

カイト「どういう事か説明してくれ!」

零士「すまん!ストリウスの罠に嵌った!」

ダクネス「ストリウスだと!?」

カリン「確か、魔王軍幹部の1人で、物語のジャンルを司るメギドよね!」

リナ「多分、シルビアが囮になって、ストリウスが魔術師殺しの封印を解いたと思う!」

ひろぽん「しかし、魔術師殺しの封印は、我々でも分からなかった物だぞ。どうやってその魔王軍幹部は封印を解いたんだ?」

 

 いや、ストリウスならあり得るかもしれない。

 ストリウスの力で、封印を解いたと伝えると。

 

ひろぽん「なんてこった。しかし、魔王軍の思惑通りになるのは癪だが、この里は捨てるしかなさそうだ。」

零士「俺がなんとかしてシルビアを抑え込みます!」

リナ「私も!それに、魔術師殺しを置いてあったという事は、それに対抗する手段もあるって事よね!」

カズマ「よし!一か八かやるぞ!零士、リナ、カイト、カリンはシルビアを抑え込んでくれ!俺達でその対抗手段を見つける!」

ひろぽん「一か八か!外の人なのにわかっているじゃないか!」

あるえ「悪くないな。この展開も。」

 

 なんか、紅魔族の人達が反応してるよ。

 こうして、カズマ達は対抗手段を探して、俺達はシルビアの元へ。

 

零士「シルビア!」

シルビア「あら、炎の剣士!相手をしてくれるのかしら!」

零士「あぁ!」

リナ「零士だけじゃないわよ!」

カイト「俺達もいるぜ!」

カリン「相手になるわよ!」

 

 そうして、俺達は変身して、戦闘が開始されたが、魔術師殺しを取り込んで、巨大になった故、中々本体にダメージを与えられず、しかも、魔術師殺しの力で紅魔族達が無力化されて、モンスターに追われていた。俺達も変身解除に追い込まれてしまった。

 

零士「くそ!」

リナ「どうすれば!?」

シルビア「剣士なんて、結構ちょろいわね!このまま止めを刺して……!」

 

 だが、魔法によって、魔王軍が壊滅した。

 そこにいたのは、ゆんゆんだった。

 そして名乗りをあげた。

 

ゆんゆん「我が名はゆんゆん!アークウィザードにして上級魔法を操る者!やがてこの里の長となる者!」

 

 それを見ていると、カズマから連絡が入った。

 対抗手段を見つけたから、合流してほしいとの事だ。

 すぐさま、ブックゲートを使ってカズマ達の元へと。

 それは、ちぇけらの店に置かれていたライフルだった。

 カズマ曰く、紅魔族も魔術師殺しもこのライフルも全部、デストロイヤーを作った博士が作った物らしい。

 厳密にはライフルではなく、レールガンらしいが。

 

零士「何でこの博士は、色々と厄介事の種を残していくんだよ!」

カズマ「俺も思った。」

 

 現在、レールガンにアクアの破魔魔法を充填中だ。

 

ちぇけら「へぇー。家の物干し竿が。」

零士「それで、充填は完了したのか?」

カズマ「あぁ!行くぜ!狙撃!」

 

 だが、何も起こらない。

 

カズマ「何でだ!?」

ダクネス「どれ、これは叩いてみて。」

零士「あまり叩きすぎるな!壊れたらどうするんだよ!」

 

 俺達が慌てていると。

 

めぐみん「真打登場!」

 

 と、めぐみんが爆裂魔法を撃とうとしていた。

 

ゆんゆん「すいませーん!今の無しで!」

シルビア「出来るか!」

ゆいゆい「やめなさい!そんなネタ魔法を使うなんて、はしたないわよ!」

めぐみん「行きますよ!穿て!エクスプロージョン!」

 

 めぐみんの放たれた爆裂魔法はシルビア……ではなく、レールガンへと吸い込まれていった。

 シルビアも何かしようと勘づいたようだ。

 

カズマ「あぁー!もう!これのせいで!」

アクア「私はこめっこという小さな命を守らないといけないから!」

こめっこ「なんかチカチカしてるよ。」

「「「「「「「「え?」」」」」」」」

零士「そうか!単に魔力不足で動かなかったのか!」

カズマ「シルビア!俺の名を覚えとけ!あの世に行ったら、他の幹部達によろしくな!俺の名は!サ……!」

こめっこ「どーん!」

 

 こめっこが引き金部分を引っ張って、圧縮された魔力がシルビアを貫いた。シルビアは倒れ伏せて、爆発した。

 

シルビア「あれ?アタシ、これで終わり?」

こめっこ「我が名はこめっこ!紅魔族随一の魔性の妹!魔王の幹部より強き者!」

「「「「「「「「………。」」」」」」」」

 

 ちゃっかりしてんな。

 




今回はここまでです。
次回は、特別編として、序盤の方に語られた、カイトの修行に関してのエピソードです。


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カイトの修行編

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。今回の話は、カイトの修行の様子を見ていこうと思うよ。……皆、出番だよ。」


 俺は、一度紅魔の里に向かっていたが、夢の中でとある試練を受けろと言われて、一度単身でアクセルへと戻り、ノーザンベースへ。

 そこにはソフィア様がいた。

 

ソフィア「待ってましたよ。カリバー。」

カイト「それで、夢の中で修行をしろと言われたけど、どこでやるんですか?」

ソフィア「この特別なブックゲートを使って行くそうです。」

カイト「これで?」

 

 俺はそのブックゲートを使い、通るとそこは、ワンダーワールドだった。

 俺は呆然としていると、背後から声を掛けられた。

 

???「待ってたぞ。そっちの世界のカリバー。」

カイト「!?」

 

 そこに居たのは、上條大地さん、富加宮隼人さん、そして、富加宮賢人さんだった。

 俺が見た闇黒剣月闇の歴代の担い手だ。

 

カイト「隼人さんに、上條さん、賢人さん!一体どうして?」

隼人「私たちが君を呼んだのだ。」

カイト「どうして?」

上條「お前に修行をつけようと思ってな。」

賢人「こうやって、歴代の闇黒剣月闇の使い手が集まったんだ。」

 

 なるほど。

 

カイト「それで、どうやって修行するんでしょうか?」

隼人「まずは、私たちと戦う前に、他の剣士達とも戦って欲しい。」

上條「まずは、俺からだ。炎の剣士としてな。」

 

『ブレイブドラゴン!』

『烈火抜刀!』

 

上條「変身!!」

 

『ブレイブドラゴン!』

 

 何と、零士が変身する筈の仮面ライダーセイバーに変身した。

 

カイト「やるしかないか………!!」

 

『ジャアクドラゴン!』

『ジャアクリード!』

『闇黒剣月闇!』

 

カイト「変身!」

 

『ジャアクドラゴン!』

 

 俺は、カリバーに変身して、己の持てる力を使って、上條さんと戦う。

 零士とは戦法が違って、苦戦したものの、倒す事が出来た。

 

上條「やるな。なら、次は彼だ。」

 

 そう言って出てきたのは、長嶺謙信だった。

 

長嶺「次は俺だ。」

 

『ライオン戦記!』

『流水抜刀!』

 

長嶺「変身!!」

 

『ライオン戦記!』

 

カイト「今度はブレイズかよ!」

 

 やはり、カズマとは戦法が全く違い、苦戦しつつも、倒せた。

 

長嶺「なるほどな。次は彼だ。」

 

 出てきたのは、新閃恭一郎さんだった。

 

新閃「まだまだ行くぞ。」

 

『ランプドアランジーナ!』

『黄雷抜刀!』

 

新閃「変身!」

 

『ランプドアランジーナ!』

 

カイト「次はエスパーダか……!」

 

 エスパーダに変身した新閃さんと交戦する。

 雷の速さみたいな速度で攻撃してくるが、それを捌き、倒せた。

 

新閃「やるな。だが、まだまだ続くぞ。」

 

 そう言って現れたのは、亀巳川寿和さんだった。

 

亀巳川「久しぶりに、変身するなぁ。」

 

『玄武神話!』

『一刀両断!』

 

亀巳川「変身!」

 

『ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!』

 

カイト「今度はバスターか。」

 

 もう、歴代の剣士達が出てくる事には何も突っ込まない。

 ダクネスや尾上さんの様に、豪快な一撃を叩き込んできて、それをいなしつつ、倒せた。

 

亀巳川「なるほどね。闇黒剣を使うだけの実力はあるみたいだね。それじゃあ、次だ。」

 

 そう言って出てきたのは、鏡天袮さんだった。

 

鏡「さて、次は私ね。」

 

『猿飛忍者伝!』

『双刀分断!』

 

鏡「変身!」

 

『風双剣翠風!』

 

カイト「今度は剣斬か。」

 

 やはりというべきか、素早い動きで動き回り、俺を翻弄しつつも、俺は倒せた。

 

鏡「やるわね。じゃあ、隼人さん、お願いします。」

 

 そう言って隼人さんが出て来た。

 

隼人「いよいよ私とだ。遠慮は無しだ。全力で来てくれ!」

 

『ジャアクドラゴン!』

『ジャアクリード!』

『闇黒剣月闇!』

 

隼人「変身!」

 

『ジャアクドラゴン!』

 

カイト「遂にか……。」

 

 2人のカリバー。

 その想いがぶつかり合う。

 お互いの闇黒剣月闇をぶつけ合う。

 

隼人「やるね!」

カイト「俺も剣士ですから!!」

隼人「なら、次で決めるか!」

カイト「!!」

 

『『必殺リード!』』

『『ジャアクドラゴン!』』

『『月闇必殺撃!』』

『『習得一閃!』』

 

隼人「ハァァァァ!!」

カイト「デヤァァァァ!!」

 

 2人の必殺技がぶつかり合い、俺達は変身解除した。

 

賢人「2人とも、お疲れ様。」

隼人「ありがとうな。賢人。」

カイト「ありがとうございます。」

 

 そうして、これまで戦った剣士達が集まる。

 

上條「カイト。君は強いな。」

長嶺「本気では無いとはいえ、私達を倒すとは。」

新閃「すごいよ。」

亀巳川「うん。闇黒剣も君を選ぶのが分かるよ。」

鏡「でも、あなたは、一体何の為に戦っているのかしら?」

カイト「俺は………。」

隼人「………。」

賢人「………。」

カイト「俺は、大切な仲間達と一緒に、この世界を救う!その為に戦います!」

上條「良く言った。」

隼人「なら、賢人。」

賢人「あぁ。父さん。」

 

 そう言って、賢人さんが持って来たのは、一冊のワンダーライドブックだった。

 だが、これまでのワンダーライドブックと比べて、遥かに大きい。

 

カイト「これは?」

賢人「実は、ただ戦わせた訳じゃない。君の闇黒剣月闇に乗せた想いを、このワンダーライドブックに集めて、形にした物だ。」

 

 そう言って渡してきたのは、ジャオウドラゴンと書かれたワンダーライドブックだ。

 これは、記憶の中の上條さんや、賢人さんが使ってた物だ。

 

カイト「ありがとうございます。それと、俺は、この戦いで感じた事があります。」

賢人「何だ?」

カイト「俺は、まだまだ自分に足りない物がありました。」

隼人「それは?」

カイト「自分の想いです。あなた方と戦って、世界を守るという強い想いを感じました。俺も、更に研鑽を重ねて行って、仲間達と共に世界を救ってみせます!」

上條「あぁ。お前には私達と違い、闇黒剣月闇の未来予知を相談出来る仲間がいる。」

隼人「その仲間を大切にな。」

賢人「頑張れよ。そっちの世界のカリバー。」

カイト「はい!」

 

 そう言って俺は、歴代剣士達に見守られて、ワンダーワールドを後にした。

 ブックゲートでノーザンベースへと戻ると、そのブックゲートは消滅してしまった。

 

ソフィア「どうやら、修行は上手くいったみたいですね。」

カイト「はい!」

ソフィア「それでは、紅魔の里に戻りますか?」

カイト「はい!」

 

 俺は、ブックゲートで紅魔の里に戻り、ダクネスとカリンと合流して、シルビアと交戦する。




今回は、2話投稿します。
カイトもジャオウドラゴンを取得しますが、まだ使いません。


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31話 蘇る、不死身の剣士

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、シルビアを撃破した神崎零士達!本当によかったね!……ん?あれは……!?」


シルビアside

 

 私は、見知らぬ土地を歩いていた。

 あの魔力の塊に撃ち抜かれたと思ったら、ここは一体……?

 

???「おーい!おーい!アハハハハ!おーい!」

シルビア「あれは……!?」

 

 向こう岸を見てみると、ベルディアとハンスの2人がいた。

 

ベルディア「来いよ、こっち来いよ!」

ハンス「綺麗になっちまったぜ……。」

シルビア「ベルディアにハンス!?やだ!ここは……!」

 

 気がつくと、いつの間にか川の中心に居て、脱出しようとしたら、何かに引き摺り込まれる。

 

ベルディア「幹部同士、仲良くしようや。」

ハンス「石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤。」

シルビア「嫌!嫌よ!私の人生は、これからなのに……!」

 

 だが、そんな叫びも空しく、消えて、私は引き摺り込まれる。

 

???side

 

 俺は、いつの間にか目覚めていた。

 誰が破滅の本の封印を解いたのかは分からない。

 だが、そんな事はどうでもいい。

 完全に復活したとは言えないが、これでも世界を無に帰せる。

 俺は、左手に持っている破滅の本を空へと放り、右手に持つ無銘剣虚無で破滅の本を開く。

 そうして、ワンダーワールドの全てが吸い込まれていく。

 

???「全てを無に帰す。」

 

タッセルside

 

 何事かと思い、外に出て様子を見てみると、空には穴が開いていて、そこに何もかもが吸い込まれていく。

 無論、僕も。

 

タッセル「大変だ!バハトが破滅の本を開いちゃったよ!バハトは危険な不死身の剣士だから本に封印されてた筈なのに!このままじゃ、ワンダーワールドが消滅しちゃう!それは即ち、現実の世界も消えちゃうって事!」

???「バハト……!」

 

 だが、ここで彼を向かわせる前に、あの若き剣士達に全てを託す事にしよう。

 

零士side

 

 あまりに呆気なく終わった事に俺達は呆然としていた。

 その時、空に巨大な穴が開いて、周囲の物が吸い寄せられて、シルビアが爆発した所から、巨大な何かが、出てきた。

 出てきたのは、なんと、デュラハンに、スライムと、これまで倒してきた魔王軍幹部の特長が合わさっていた。そして、シルビアがベルディアにハンスと融合して復活した。

 

シルビア「危うく魂を、持っていかれる所だったわ!」

???「この世の終焉だ。」

零士「この声、まさか!?」

 

 1人の剣士がそこにいた。

 持っている剣はまさに、無銘剣虚無。という事はまさか。

 

零士「不死身の剣士、バハト!」

バハト「そうだ。」

 

 まさかこのタイミングでバハトまで現れるとはな!!

 という事は、誰かが破滅の本の封印を解いたのか?

 エリス様が言っていた、無銘剣虚無の適合者はこの世界のバハトか!

 

バハト「来たか、無知な剣士共め。だが……もはや……止められん。フハハ!」

 

『かつてから伝わる不死鳥の伝説が今、現実となる…。』

 

 バハトはエターナルフェニックスワンダーライドブックを起動して、覇剣ブレードライバーに装填して、無銘剣虚無を抜刀する。

 

『……抜刀!』

 

 暫くの静寂の中、バハトが笑い出す。

 

バハト「フッフハハハハハハ!……変身!」

 

『エターナルフェニックス!』

『虚無!漆黒の剣が、無に帰す……!』

 

 バハトは仮面ライダーファルシオンへと変身した。

 

零士「俺達も行くぞ!」

「「「「「「あぁ!」」」」」」

 

『ブレイブドラゴン!』

『ライオン戦記!』

『ランプドアランジーナ!』

『玄武神話!』

『猿飛忍者伝!』

『ヘンゼルナッツとグレーテル!』

『ジャアクドラゴン!』

 

 それぞれのワンダーライドブックを装填すると後ろにそれぞれのワンダーライドブックが出現して変身を開始する。

 

『烈火抜刀!』

 

零士「変身!」

 

『ブレイブドラゴン!』

 

『流水抜刀!』

 

カズマ「変身!」

 

『ライオン戦記!』

 

『黄雷抜刀!』

 

リナ「変身!」

 

『ランプドアランジーナ!』

 

『一刀両断!』

 

ダクネス「変身!」

 

『土豪剣激土!』

 

『双刀分断!』

 

めぐみん「変身!」

 

『風双剣翠風!』

 

『銃剣撃弾!』

 

カリン「変身!」

 

『音銃剣錫音!』

 

『闇黒剣月闇!』

 

カイト「変身!」

 

『ジャアクドラゴン!』

 

 俺達は仮面ライダーへと変身した。

 

零士「俺はバハトの相手をする!お前らはシルビアを頼む!」

カズマ「おう!」

 

 こうして、俺達はシルビアとバハトの2人を止める作戦を開始する。俺はワンダーワールドへと向かい、残りの剣士はシルビアの元へ。




今回はここまでです。
次回、シルビアと零士以外の剣士達の戦い、その次は、零士VSバハトの話になります。


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32話 決戦、剣士達とシルビア

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル!と言いたいところだけど、現在、破滅の本が出した穴に吸い込まれそうになってるから手短に言うとね!シルビア及びバハトを倒してくれ!剣士達!」


カズマside

 

 俺達はバハトを零士に任せて、シルビアと相対していた。

 

シルビア「あら?神崎零士はどうしたの?」

カズマ「悪いな!あいつはお前よりも相手をしないといけない奴が現れたんでな!」

リナ「あんたを倒す!」

シルビア「やれるかしら!?」

 

 と、シルビアは毒の津波を発生させた。

 

カズマ「下がれ!このままじゃ……!」

???「カースド・クリスタルプリズン!」

 

 氷の魔法が毒の津波に当たり、凍っていく。

 この魔法を使うやつは俺の知り合いには1人しかいない。

 

ウィズ「皆さん!大丈夫ですか!?て言うか、これは一体!?」

カズマ「ウィズ!」

カイト「何でウィズが!?」

カリン「しかもバニルまで!」

バニル「ポンコツ店主曰く、この紅魔の里に腕の良い魔道具職人がいると聞いて、来たのだが。なるほどな……。ストリウスによって魔術師殺しが出されて、シルビアを一度は倒したが復活し、不死身の剣士まで現れたと。」

カズマ「何で!?」

バニル「見通す悪魔に造作もない。しかし、これでは商談は無理だな。」

 

 不味いな。なら、さっさと倒さないと。

 凍った波が崩れて、そこからシルビアが覗いてきた。

 

シルビア「ウィズ!バニル!?」

ウィズ「お久しぶりです!シルビアさん!どうかここは一つ、穏便に……。」

シルビア「出来るか!」

バニル「ふぅむ。魔王軍に我輩の生存がバレるのは厄介だな。」

「「「この裏切り者が!!」」」

 

 俺達は少し離脱して、作戦を立てる事にした。

 

めぐみん「カズマ!どうするんですか!?それと今日の爆裂を返して下さい。」

カズマ「お前こんな時に何言ってんだ!?ウィズやバニルが戦っても中々隙が出来ないんだぞ!」

 

 あのウィズやバニルを相手にしても、シルビアは全く怯んでいない。

 その時、ある作戦を思いついて、立ち止まった。

 

めぐみん「カズマ?」

リナ「どうしたの?」

カズマ「ハァァァァ。しょうがねぇなぁ!」

 

 俺は作戦を皆に伝えて、ウィズを助けに入った。

 まず、作戦としては、俺達で時間を稼いで、めぐみんとゆんゆんで止めを刺すと言う物だ。

 俺とリナはワンダーコンボへと変身する。ダクネス、カリンも強化変身する。

 

『ファンタスティックライオン!』

『ゴールデンアランジーナ!』

『土豪剣激土!』

『音銃剣錫音!』

 

カズマ「行くぞ!」

リナ「うん!」

ダクネス「あぁ!」

カリン「私のサウンドを叩きつけるわよ!」

カイト「俺達も!」

 

 俺達が交戦している中、一筋の大量の魔力がめぐみんとゆんゆんが待機している所に向かっていった。

 

めぐみんside

 

 カズマ達がワンダーコンボや強化形態に変身して、シルビアと相対している中、私も忍者ぶた3に変身して、ゆんゆんと共にシルビアとは少し離れた場所で待機していた。

 

めぐみん「無茶ですよ!こんな分の悪い賭け!いくらカズマ達とは言えやられてしまったら!」

 

 カズマから聞かされた作戦にカズマ達が死んでしまったらどうすればいいのか分からなかったけれど。ゆんゆんが。

 

ゆんゆん「大丈夫よ。カズマさん達なら大丈夫だと思うよ。それにカズマさんはめぐみんの爆裂魔法を信じてる。そうじゃなかったらこんな作戦を立てないわよ。」

めぐみん「…………。」

ゆんゆん「めぐみんはもう、爆裂魔法を信じてないの?」

 

 その時、大量の魔力が私達に降り注いできた。

 

ゆんゆん「魔力が!里の皆の魔力が!」

めぐみん「漲るぞォォォ!」

ゆんゆん「我が名はゆんゆん!紅魔族随一にして『最高』の魔法使い!」

めぐみん「我が名はめぐみん!紅魔族随一にして『最強』の魔法使い!」

めぐみん「ゆんゆんがあの時、私に爆裂魔法への道を行かせてくれたから、今日の私がいるのです!」

ゆんゆん「めぐみんが居てくれたからライバルとしてここまで来れた!」

ゆんゆん「ライト・オブ・セイバー!」

めぐみん「吹けよ嵐!響けよ爆焔!爆裂魔法はロマンなんです!どんな不可能も可能にする最強の魔法なんです……エクスプロージョン!そして、疾風剣舞・三豚!」

 

 ライト・オブ・セイバーと爆裂魔法と疾風剣舞三豚が合わさった魔法がシルビアに襲いかかる!

 

カズマside

 

 俺達は爆裂魔法の発射を確認して、即座に離脱した。

 

シルビア「そうはさせるか!!」

ダクネス「バリアか!」

カズマ「俺達で破るぞ!」

「「「「おう!」」」」

 

『『必殺読破!』』

『流水抜刀!』

『黄雷抜刀!』

『ペガサス!ライオン!ピーターファン!』

『ケルベロス!ヘッジホッグ!アランジーナ!』

『『三冊斬り!』』

『ウォ・ウォ・ウォ・ウォーター!』

『サ・サ・サ・サンダー!』

『ジャッ君と土豆の木!』『ドゴーン!』

『ブレーメンのロックバンド!』『イェーイ!』

『必殺リード!』『ジャアクドラゴン!』

『激土乱読撃!』『ドゴーン!』

『錫音音読撃!』『イェーイ!』

『月闇必殺撃!』『習得一閃!』

 

カズマ「ハイドロ・ボルテックス!」

リナ「トルエノ・デル・ソル!」

ダクネス「大断断!」

カリン「ガンズ・アンド・ミュージック!」

カイト「月闇必殺撃!」

 

 俺達5人の必殺技がバリアにぶつかり、バリアが消し飛び、2人の混合魔法がシルビアを貫く。

 

シルビア「私は、私はただ、愛が欲しかっただけなのに!!」

 

 シルビアはそのまま消滅した。

 後は、零士とバハトだけだが、俺達もワンダーワールドに向かう。

 

カズマ「今から向かうぜ、零士!」

 




今回はここまでです。
ビヨンドジェネレーションズの主題歌PVが明らかになりましたね。
センチュリーの変身者に、ゼロワンモチーフのゲノムまで出るとは。
楽しみになってきましたね。


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33話 激突する、炎と不死身の剣士

タッセル「皆さん!ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル!前回に引き続き、吸い込まれそうだから、簡潔に言うと、シルビアを撃破できた佐藤和真達!でも、本命はバハトだよ!だから、早くどうにかして!神崎零士君!」


零士side

 

 俺は、ワンダーワールドにて大量に出現したシミーの一団を蹴散らしていた。

 その時、一羽の不死鳥が俺に突進してきた。

 そして不死鳥が剣士へと姿を変えた。

 

零士「何でこんな事をするんだ!」

バハト「争いは無くならない。」

零士「何?どういう意味だ!?」

バハト「何故争いが起こるか。それは力だ。力こそ争いの源だ!」

零士「争いは俺達が止める!」

 

 俺とバハトはそれぞれの聖剣をぶつけ合う。

 

バハト「ならばお前は今、私と何をしている!」

零士「何だと?ぐぁ!」

 

 俺は地面に倒れ伏す。

 

バハト「人がいるから…!世界があるから!力があるから争いが起こる!それが人の歴史だ!人類はその先には進めないのだ!」

零士「そんな事!ぐっ!」

 

 反論しようと立ち上がるも、剣戟を食らってまた倒れ伏す。

 

バハト「存在の真理は無。全ては何も無い無から始まった。この世界は滅びる定めだ!」

 

 そこから、再び剣を合わせる。

 俺はクリムゾンドラゴンへと変身して更に剣をぶつけていく。

 

バハト「滅びは決まっている定め!それが少し早まっただけだ!」

零士「定めか。いい響きだよな。」

バハト「………。」

零士「でも、そんな言葉には惑わされない!運命は自分の手で掴み取る物だ!そして、その頑張りが明日を、未来を、やがて歴史を作るんだ!」

バハト「何もかもが無駄だ!」

 

『永久の不死鳥!』

『無限一突!』

 

零士「グゥゥゥゥ!ウワァァァ!!」

 

 無限一突に吹っ飛ばされて、俺は浮いている岩塊の一つに突っ込む。

 だけど、それでも立ち上がる。

 

零士「本には無限の可能性がある!本がそれを教えてくれたんだ!」

 

 俺はストームイーグルの力でバハトの元へと戻り、剣を結ぶ。

 

バハト「認めろ!世界は悪と災いで出来ている!結末は変わらない!」

零士「確かにそうかもな。でも、人類は何度も争いを乗り越えてきた!だから、未来は変えられる!」

 

『ストームイーグル!』

 

 俺はストームイーグルをタップして、強力な火災旋風を起こしてバハトを上空へと飛ばす。

 すぐさま、必殺技の体勢に入る。

 

『必殺読破!』

『烈火抜刀!』

『ドラゴン!イーグル!西遊ジャー!』

『三冊斬り!』

『ファ・ファ・ファ・ファイヤー!』

 

零士「物語の結末は自分達が決める!」

 

 俺はバハトの元へと向かい、爆炎紅蓮斬を放って、バハトを地面に叩きつける。

 叩きつけた地面へと向かうと、ファルシオンが居なくて、覇剣ブレードライバーと無銘剣虚無が残っていたが、一枚の羽がブレードライバーに触れると炎が噴き出してファルシオンを再形成する。

 

零士「やっぱり不死身か!」

 

 やはり、エターナルフェニックスの力で不死身の状態になっている。

 

バハト「物語か…。だが、それは私に屈し、虚無に覆われる結末となる……!」

 

『必殺黙読!』

『……抜刀!』

『不死鳥!無双斬り!』

 

零士「グゥゥゥゥ!!ウワァァァァァァ!!」

 

 無限一突よりも強い斬撃波が不死鳥と共に俺に突進して、俺は吹っ飛ばされてしまった。

 

リナside

 

 私たちは丁度シルビアを撃破して、ワンダーワールドに向かい、メギドとシミーを倒していると、零士の叫び声が聞こえてきて、上空を見てみると、そこにはバハトの必殺技が零士に炸裂して、零士が吹っ飛ばされていた所だった。

 

カズマ「零士!!」

リナ「零士!!」

ダクネス「零士!!」

めぐみん「零士!!」

カリン「セイバー!!」

カイト「………!!」

アクア「零士!!」

ゆんゆん「零士さん!!」

 

 私達は零士が吹っ飛ばされている所を見て、驚いていた。零士が負ける……?

 そして、上空の穴も吸い込むのを更に強くしている。

 

アクア「不味いんじゃないの!?」

カリン「このままじゃ世界が……!」

リナ「諦めちゃダメ!」

「「「「「「「!!」」」」」」」

リナ「零士なら、最後まで諦めない!!そうでしょ!炎の剣士!!」

 

 その私の叫びに応えるかの様に、一本の炎の柱が立ち上がった。

 

零士side

 

 俺は確かに、変身解除にまで追い込まれた。だが、それで諦めた訳では無い。

 

『かつて、全てを滅ぼすほどの偉大な力を手にした神獣がいた……。』

 

 ブレイブドラゴンのストーリー朗読文が流れると同時に俺の周囲から火の柱が上がった。

 

零士「俺は絶対に諦めない!この世界も、人の未来も!ハァァァァ!」

 

『ブレイブドラゴン!』

 

 その時、俺が振るった火炎剣烈火からブレイブドラゴンが飛び出して、バハトに突っ込んだ後、上空の破滅の書へと向かい、それに触れたら、黒い竜と白い竜が飛び出して、3匹のドラゴンが合わさって一つのワンダーライドブックとなった。

 

バハト「何が起きている!?」

 

 俺はそのワンダーライドブックをキャッチし、そのワンダーライドブックが起動する。

 

『エモーショナルドラゴン!』

 

 ページを開いて、朗読文を流す。

 

『勇気!愛!誇り!3つの力を持つ神獣が、今ここに……!』

 

 ページを閉じて、ライトシェルフにエモーショナルドラゴンを装填して、納刀しておいた火炎剣烈火を抜刀する!

 

『烈火抜刀!』

 

 後ろにあったエモーショナルドラゴンから、ブレイブドラゴン、ルーンブライトドラゴン、ルーンディムドラゴンの3体が現れる。

 

零士「……変身ッ!!」

 

『愛情のドラゴン!勇気のドラゴン!誇り高きドラゴン!エモーショナルドラゴン!』

『神獣合併!感情が溢れ出す……!』

 

 俺は対バハトフォームでもある、破滅の書の力を宿したセイバー、エモーショナルドラゴンへと変身する!

 俺とバハトはお互いを見ていた。

 

バハト「世界は消え、お前達も無となるのだ。」

零士「いや…!俺達の世界も、ワンダーワールドも…、全て救う!!」

 

 再び、自分達の聖剣をぶつけ合う。

 暫くは、聖剣をぶつけ合っていたが、俺は必殺技の体勢をとる。

 火炎剣烈火を納刀して、レッカトリガーを引く。

 

『必殺読破!』

『伝説の神獣!一冊撃!』

 

零士「情龍神撃破!」

バハト「……!無駄だ!」

 

『必殺黙読!』

『……抜刀!』

『不死鳥!無双斬り!』

 

バハト「ハァァァァ!!」

零士「何度でも立ち上がる!決して諦めない!それが人間だぁッ!」

 

 情龍神撃破と不死鳥無双斬りがぶつかり合い、俺が不死鳥無双斬りを撃ち破り、ファルシオンを貫いた。

 

『ファイヤー!』

 

 俺は着地すると、ファルシオンは爆発し、再び再生する。

 だが、ルーンブライトドラゴンとルーンディムドラゴンの2体が現れて、ファルシオンを破滅の書へと押し込んでいく。

 その時、バハトが。

 

バハト「滅びは訪れる…!また会う日も、そう遠くは無いだろう……!グアァァァァァ!!」

 

 バハトは復活を示唆する様な捨て台詞を残して再び2体の竜と共に封印された。

 封印されたと同時にこれまでの被害が修復されていく。

 2体の竜も封印されたことで、エモーショナルドラゴンの変身が解けて、エモーショナルドラゴンのワンダーライドブックも消滅していく。

 俺は仲間達の元へと戻っていった。

 

???「これで破滅の書は手に入りました。私の計画も順調です。」

 

 俺は謎の男が、破滅の書を回収していた事に気が付かなかった。

 そして、ストリウスも居た。

 

ストリウス「シルビア。あなたの物語はここまでです。」

 

 その後、疲弊していた事もあり、俺達は紅魔の里で1日泊まる事にした。

 そして、俺とリナは一緒に寝る事にした。

 

リナ「零士。あまり心配掛けないでよ。バハトに吹っ飛ばされているのを見て、ヒヤヒヤしたんだから。」

零士「ごめん。でも、バハトは封印出来たんだし、大丈夫だろ。」

リナ「なら、良いけど。それはそうと、言ってなかった事があるの。」

零士「あの、魔王軍警報の影響で言えなかった事か?」

リナ「うん。あのね。私、あなたの事が、好きなのかもしれないの。」

 

 俺の思考回路は停止した。

 その後、すぐに復帰した。

 

零士「え?本当ですか?」

リナ「……うん。」

零士「そ、そうなんだな。」

リナ「もちろん、すぐに答えを出して欲しい訳じゃ無いから、少し考えてね。」

 

 その後、ドキドキしながら寝た。

 そして、翌日、アクセルへと帰った。

 




今回はここまでです。
リバイスも急展開ですね。
ビヨンドジェネレーションズでも、クロスセイバーの活躍を見てみたいですね。


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第6章
34話 現れし、古の光の剣士


タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、バハトを再封印できた神崎零士達!よくやったよ!……おっと、どうやら、彼はもう行ったみたいだね。」


 俺達は紅魔の里からアクセルへと帰ってきた。

 暫くして、めぐみんが爆裂魔法の封印をしようとするも、カズマが爆裂道を突き進ませた事により、めぐみんはこれまで通り、爆裂魔法を使い続ける事になった。

 その後、ルナさんに貴方達に会いたい人がいると言われて、会いにいった。

 そこに居たのは、ローブみたいな服を纏った1人の男性だった。

 

零士「え〜っと。あなたが俺達に会いたいと言う人ですか?」

???「あぁ。今日はお前達に会えた。とても最高だな!」

カズマ「あなたは……。」

ユーリ「俺はユーリ。光の剣士だ。」

 

 そこに居たのは、光の剣士である、ユーリだった。

 と言う事は、エリス様が言っていた、光剛剣最光の適合者と言う事だ。つまり、この世界のユーリという事だ。

 

ユーリ「早速だが……、お前達の腕前を見ておきたい。ノーザンベースに行くぞ。」

 

 そう言って俺達は、ノーザンベースの闘技場へと向かい、相対していた。

 

ユーリ「まずは、水の剣士。お前からだ。」

カズマ「分かった。」

 

『ライオン戦記!』

 

ユーリ「では行くぞ。」

 

『金の武器!銀の武器!』

『GOLD or SILVER?』

『最光発光!』

 

ユーリ「変身!」

 

『who is the shining sword?』

『最光一章!金銀の力を得た輝く剣!最光!』

 

 ユーリは光剛剣最光に吸い込まれるように、仮面ライダー最光へと変身した。

 

アクア「はぁ!?剣になったんですけど!?」

ユーリ「俺が剣で、剣こそが俺だ!」

 

 あれこそが仮面ライダー最光だ。

 なんか、心なしかカリンの目が、獲物を見つけた肉食動物みたいな目をしている。

 カズマと戦ったが、カズマが少し戸惑っていたのか、本来の力を発揮しきれずに負けた。

 

カズマ「くそ!負けた!」

ユーリ「荒削りだが、悪くない。頑張れよ。」

カズマ「!はい!」

ユーリ「次は炎の剣士だ。」

零士「俺か。」

 

『ブレイブドラゴン!』

 

 俺は最光は大体分かっているので、剣を抑えつけて、動けなくした。

 

ユーリ「やるな。なら、これならどうだ?」

 

『who is this?』

『最光二章!光より生まれし影!shadow!』

 

 ユーリは最光シャドーを召喚して、剣技対決になった。

 だが、純粋な剣技だと、ユーリに軍配が上がり俺も負けてしまった。

 

零士「負けたか。」

ユーリ「ふむ。我流ではあるが、良い剣だ。俺も少しヒヤヒヤしたぞ。」

 

 その後、残りの面子とも戦い、全て倒した。

 そして、俺とカズマとカイトが呼ばれた。

 

零士「どうしたんだ?ユーリ。」

ユーリ「お前に渡したワンダーライドブックはまだ覚醒していないのか?」

カズマ「あのデカいワンダーライドブック?」

カイト「まさか、あなたが置いたんですか?」

ユーリ「そうだ。今の所、覚醒しつつはあるが、まだまだだろうな。それを覚醒させるのがお前への試練だ。」

零士「分かりました。」

 

 その時、カリンが飛びかかった。

 

カリン「ヒャアァァァァァ!!」

ユーリ「うわ!」

カイト「何してんだ?カリン?」

カリン「お願い!調べさせて!私の刀鍛冶としての好奇心が止まらないのよォォォ!!」

ユーリ「断る!俺は光剛剣最光と一体化しているのだ!つまり、自分の身体を調べさせるのと同義だ。要するに、断る!」

カズマ「え!?一体化してんの!?」

ユーリ「そうだ!そんな事より、この女を止めてくれ!」

 

 何とか3人がかりで止める事に成功した。

 その後、ユーリも俺達のパーティーに入る事になった。

 俺達の屋敷にダクネスの家の使者が来た。

 

ダクネス「ハーゲンではないか。この屋敷には緊急時以外には来ない筈だが。まさか……。」

ハーゲン「そのまさかに御座います!このままではお嬢様は貴族の身分を剥奪されてしまいます!実は、王都からカズマ様と零士様宛にこの手紙が……。」

ダクネス「!」

零士「ちょっと、何を隠してるんだ?」

カズマ「おい。見せろ。」

ダクネス「断る!」

ユーリ「これは……?」

ダクネス「あ!」

 

 いつのまにかユーリが掻っ攫っていて、それを俺とカズマに渡した。

 そこに書かれていたのは、この王国の王女様が魔王軍幹部を倒した俺達に会いたいとの事だ。

 

ダクネス「カズマ!零士!これは辞退しよう!もし失礼な事があれば、首が飛ぶ!だから、ダスティネス家で食事会をしよう!お前達も貴族の作法やマナーは苦手だろう!」

「「「「「「「「…………。」」」」」」」」

零士「カズマ……。」

カズマ「おう。」

「「俺達の時代が来たな。」」

 

 俺達がそう言うと、ダクネスが涙目で泣きついてきた。

 




今回はここまでです。
いつの間にか、評価バーに色がついていました。
ただ、評価はあまりよろしく無いので、どうにか改善します。


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35話 邂逅する、剣士達と王女

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル!前回、ユーリが無事に、零士達と合流出来た!ユーリ、零士達と共に世界を救ってね!それはそうと、この国の王女のアイリスが、零士達と会いたいと言っているよ。」


 王女アイリスから手紙が来た後、即座に準備を開始しようとしたのだが、ダクネスが止めにかかった。

 

ダクネス「……なあカズマ、零士。今からでも遅くない、この話は断ろう!な?相手は国のトップなのだぞ?会食と言っても、お前達が期待しているようなものではない。きっと堅苦しいものになる!な?皆もこの話は気にしないでおこう!」

 

 いつになく必死なダクネスが、こうして、定期的に説得を試みていた。

 カズマが絨毯に座り込んだままポツリと呟く。

 

カズマ「……お前、俺達が王女様に、何か無礼を働くかと思ってるだろ。」

零士「十中八九そうでしょうね。」

ダクネス「そ、そんな事はない……ですよ?」

 

 目が泳いでるぞ。

 

カズマ「俺の目をちゃんと見て言ってみろ。俺達が何かやらかして、ダスティネス家の名に泥を塗るとか、そんな心配してんだろ。」

アクア「そうなの!?ダクネス酷い!私だって礼儀作法ぐらい知ってるんだからね!」

めぐみん「まったく心外です!ダクネス、もう少し仲間を信頼して下さい!」

零士「大丈夫。これでも必要最低限の礼儀作法は前の国で習ったつもりだから。」

リナ「そうよ、ダクネス。信頼して欲しいな。」

カリン「私は大丈夫よ!ダクネスの足を引っ張ったりはしないから!」

カイト「王女か。遂に会えるんだな。」

ユーリ「問題無い。俺は無礼はしない。」

ダクネス「お前達を理解しているから、不安になっているのだが。ユーリは知らないが。」

 

 普段強気のダクネスが泣きそうになっている。

 

零士「なあ。タキシードとか買っておく必要があるよな。女性陣のドレスも仕立てて貰おう。」

リナ「良いね!私もちゃんとしたドレスを着るのは初めてだからなぁ。」

カリン「大人っぽくなれる奴が良いわね!」

カイト「俺も良いやつを仕入れたいな。」

ユーリ「俺は零士とカイトのタキシードと同じ奴でいいぞ。」

 

 カズマ、アクア、めぐみんの組と俺、リナ、カリン、カイト、ユーリの組で盛り上がっていた。

 どうやら全員、辞退する気は無いらしい。

 そんな俺達を見て、ダクネスがいよいよ泣きそうになる。

 

ダクネス「お、お前ら……、相手は一国の王女様だからな?場合によっては本当に首が飛ぶぞ。」

カズマ「やっぱタキシードってのもありきたりだよな。よし。ここは王女様に強烈な印象を与える為にも、KIMONOとHAKAMAでも仕立ててもらって……。」

零士「良いな!それ!」

ダクネス「頼む!何でもする!私に出来る事ならなんでもするから、聞いた事もない奇抜な格好をするのはやめてくれ!」

 

 その後、ダクネスがカズマのメイドになったり俺達が考えた日本での便利グッズがウィズの店で馬鹿売れしたり、カズマのファンタスティックライオンを構成するワンダーライドブックとキングオブアーサーを使ってキングライオン大戦記を作成したりと色々あったが、暫くして、王女様との食事会の日になった。

 

ダクネス「良いか?無礼を働くなよ。」

ユーリ「俺を誰だと思っている?いざという時は止めるさ。」

 

 そうして、俺達は正装に着替えて、晩餐会用の広間へと向かった。ちなみに、ダクネスは土豪剣激土は背負っておらず、俺達はそれぞれの聖剣を帯剣している。ユーリは聖剣サイコウドライバーとして光剛剣最光を携帯しているが。

 そこには2人の護衛を連れたお姫様がいた。

 

ダクネス「お待たせいたしましたアイリス様。こちらが我が友人であり冒険仲間でもあります、サトウカズマと神崎零士とその一行です。さあ、皆。こちらのお方がこの国の第一王女、アイリス様です。失礼のないご挨拶を。」

 

 そう言って、アクアとめぐみんが何かをしそうになって、ダクネスに取り押さえられた。

 俺とカズマが見惚れていると。

 

クレア「下賤の者ども。王族をあまりその様な目で不躾に見るのもではありません。本来ならば身分の違いから同じテーブルで食事をする事も、直接姿を見る事も叶わないのです。頭を低く下げ、目線を合わせずに。それよりも、早く挨拶と冒険譚を。……こう仰せだ。」

 

 ………下賤の者扱いですよ。

 少しイラッと来たが、落ち着け。

 相手は王族だ。本来、会えるはずが無いのだ。見下されても仕方はない。

 多少、ギスギスしたが、食事会が始まった。

 話した事は、俺達が如何にして魔王軍幹部を倒したのか、その他諸々などを話した。

 その後、ミツルギの話も入った。

 

クレア「まさか、あの魔剣の勇者、ミツルギ殿にまで勝つとは……。無礼だとは思いますが、零士殿の冒険者カードを拝見させてはもらえないでしょうか。」

零士「分かりました。どうぞ。」

クレア「失礼……。何!?エレメンタルソードマスターだと!?」

 

 王女様も驚いた様な表情になっている。

 

零士「はい。」

クレア「まさか。本当に存在するとは。どうされました?」

 

 王女様がクレアとかいう護衛に何かを話しかけている。少し言いづらい様な表情になっていたけれど。

 

クレア「アイリス様が、……イケメンのミツルギ様がそこまでパッとしないあなたに負けるなんて有り得ない。王族である私に嘘をついているのではないのですか?ミツルギ様は首都でも知れ渡っていますが、駆け出しの街の幾らエレメンタルソードマスターと言っても負けるのは信じられません。彼はイケメンですし。……と、仰せだ。……私もそう思います、彼はイケメンですし。」

カズマ「おいお前ら流石に零士に言い過ぎじゃねえの?」

零士「あんたら、心外ですよ。」

 

 と、いつもの調子で突っ込んでしまった。

 クレアが激昂しだした。

 

クレア「無礼者!貴様ら、王族に向かって何だその口は!」

 

 クレアが抜刀したので、俺も遠慮なく火炎剣烈火を抜刀する。

 だが、ダクネスが止めに入る。

 

ダクネス「申し訳ない、私の仲間が無礼な事を!何分、素直な男なので、私に免じ、どうかご容赦を!この者達が華々しい戦果を挙げているのは事実ですし、会食を求めたアイリス様が、罰してしまうのは……!」

クレア「アイリス様はこう仰せだ。ダスティネスの名に免じて不問とする。ですが気分を害しました。冒険譚の褒美はちゃんと取らせます。そこの嘘つき男はそれを持って立ち去るがいい、と。」

 

 俺、嘘つき呼ばわりですよ。事実なのに。

 まあ、俺も気分が悪くなったので、さっさと退散するか。

 

ユーリ「なるほどな。様々な功績を持つこの男を嘘つき呼ばわりか。王女に謝罪を申し出る。」

クレア「貴様!王族に、一庶民に謝罪させよなどと……!」

アイリス「……謝りません。そもそも、その様な力を持っているのにも関わらず、駆け出しの街にいるとは、その男は口だけの嘘ッ!?」

 

 ユーリが物凄い勢いでひっ叩いた。

 

クレア「貴様!」

アイリス「あっ!ダッ、ダメ……!」

 

 切羽詰まった王女の声。

 その静止の声も届かずに、クレアの剣がユーリへと……。

 

クレア「!?」

ユーリ「どうした?大した事ないな。」

 

 ユーリは光剛剣最光で受け止めていた。

 

ユーリ「失礼した。しかし、この男は精一杯戦いあれだけの功績を残した。その男に対しての物言いではないな。あいつがその魔剣使いにどのようにして勝利したのかを説明する責任もない。それが出来なかったからと言っても、罵倒される謂れはないな。」

 

 ユーリも諭すような静かな声で言った。

 他の面子も驚いた様な表情をしており、ダクネスは、俺に申し訳ない様な表情を浮かべる。

 

零士「……分かりました。仲間に庇って貰っておいて、教えない訳にはいかないな。……嫌味白スーツ。相手しろ。」

クレア「誰が嫌味白スーツだ!!」

 

 俺とクレアはお互いの剣を向ける。

 

アイリス「もういい、もういいから!クレア、私はもういいから!」

 

 アイリス様が悲痛な声を挙げるが、そっちが喧嘩を売ってきたのだ。

 

ユーリ「零士。……今のお前の腕で、あいつを倒せ。」

零士「………言われなくても。」

 

 そうして俺とクレアの決闘が始まり、俺は最小限の動きで躱して、クレアの剣を吹き飛ばし、喉元に火炎剣烈火を置いた。

 

クレア「な!?」

零士「俺の勝ちだ。」

 

 その後。

 

クレア「その……。こんな事になってしまい申し訳ありません……。」

零士「いえ。こちらも説明不足でした。」

カズマ「ミツルギに勝ったと言っても、デザストとの勝負にあいつが負けて零士が勝っただけだからな。」

クレア「そうですか……。なら、お互いに非があるという事ですね。それにしても、流石の剣技ですね。」

ユーリ「そういう事だな。」

 

 両方が謝るという形で決着した。

 王女が何かを言いたそうな顔をしていて、もう1人の従者が声をかける。

 

レイン「大丈夫ですよ、アイリス様。零士殿もあまり気にしてなさそうですし。」

アイリス「あの、嘘つきだと言ってすいません。これからも冒険譚を話してくれませんか?」

零士「喜んで。」

 

 こうして、波乱の食事会が終わりを告げた。

 

クレア「本日はありがとうございました。またいずれ会えると良いですね。」

ダクネス「はい。それでは……。」

アイリス「待って!」

 

 アイリス様が俺とカズマの手を掴んで……。

 えっ。

 

レイン「テレポート!」

「「「「「「「えっ。」」」」」」」

 

 俺とカズマも王城へと来ていた。

 

「「アイリス様!?」」

アイリス「もっと、もっとお話を聞きたいです。ダメですか……?」

 

 王女様、結構傍若無人ですね。

 




今回はここまでです。
ちなみに、本来は、テレポートは4人までですが、カズマの強運により、問題は起こらなかった。
次回、1人、オリキャラが出ます。


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36話 襲撃する、メギド3幹部

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、王女アイリスと邂逅した神崎零士達。一時はトラブルになるものの、和解する事が出来た。その後、神崎零士と佐藤和真は、アイリスに連れられて、王城に来てしまったよ!」


 その後、俺とカズマはアイリスによって、王城へと拉致……違った、招待を受けた。

 俺達の立場としては、客人として扱われており部屋まで用意されたぐらいである。

 そして、レインという護衛からもアイリス様の遊び相手や話相手になって欲しいと頼まれた。

 

零士「先日、謎の穴が出現して、周囲の物が吸い込まれて行った事件がありましたよね。」

アイリス「はい。あの事件は王城の中でも謎の多い事件になっていまして、原因が分かっていないのです。」

カズマ「その事件を引き起こしたのは、バハトと言う不死身の剣士だったんだよ。」

アイリス「そうなんですか。……と言う事は。」

零士「俺がバハトを再封印して、その事件を終わらせたのです。」

クレア「それは本当か!?零士殿!」

零士「はい。ただ、バハトを封印した破滅の書がなぜか忽然と消えてしまいましたが。」

レイン「そうなのですか。それにしても不死身の剣士とは……。その破滅の書というのも、所在が気になりますね。」

零士「あれは危険な本ですから。」

???「おや。随分と賑やかですね。」

 

 そう言って1人の男が入ってきた。

 

クレア「ノエル殿。どうされたのだ?」

ノエル「いえ。アイリス様から頼まれた本を持ってきたのですよ。」

アイリス「ありがとうございます!」

零士「あの人は?」

レイン「彼はノエル。この国の大臣ですよ。」

 

 ノエルと言う大臣は俺とカズマを見ると、一礼した。

 

ノエル「これはこれは。初めまして。私はこの国の大臣のノエルと申します。以後、お見知り置きおきを。」

零士「ノエルさん。こちらこそ、よろしくお願いします。」

ノエル「噂に聞きましたよ。あのクレアに剣で勝ったとか。」

零士「まあ、そうですね。」

ノエル「そうですか。では、私はこれで……。」

 

 ノエルはそう言って退室した。

 

レイン「若干、胡散臭い所はありますけど、彼は彼なりにこの国を考えているんですよ。」

カズマ「確かに、ちょっと怪しい。」

クレア「私はあまり信頼していないが、腕は確かだな。」

アイリス「それに、国民からも慕われているんですよ。」

 

 確かに多少胡散臭いが、実力はあるのだろう。

 だが、声がマスターロゴスことイザクに似ていたのは気のせいか?

 まさかな。

 その後、魔王軍が夜間に奇襲を掛けてきたが、王都の冒険者達が鎮めた。

 

アイリス「……楽しいお話や例の事件の話をしてくれてありがとうございます。……ララティーナには謝っておいてくれませんか?」

零士「こちらこそ。お招きいただきありがとうございます。」

カズマ「アイリスの為に色んな冒険話を溜め込んでおいて、その内来るさ。」

アイリス「まるで、お兄様が2人居るみたい。」

カズマ「あの、砕けた感じで、言ってもらえませんか?」

アイリス「お兄ちゃんが2人居るみたい。」

 

 あ。カズマの奴、残りそうだな。

 その後、カズマが残り、放っておけずに俺も残る事にした。

 そして、暫くして、ダクネス達が迎えに来た。

 

ダクネス「2人とも、帰るぞ。」

リナ「楽しかった?」

 

 やばい。リナの顔が怖い。

 

カズマ「ふざけんな!俺はアイリスの遊び相手役になったんだぞ!」

零士「俺は何の問題も起こしていない筈だけどな。」

ダクネス「………確かに、零士はアイリス様の剣の相手になったり、騎士団も炎の剣士である零士を見て、良い影響になったそうだな。だが!カズマはアイリスに悪い影響を与えすぎだ!」

アイリス「あの……、ララティーナ。どうか、酷い事はしないであげて……?」

 

 その後、お別れの晩餐会が開かれた。

 俺達も正装になって、参加する事に。

 

リナ「本当に心配したんだから!」

零士「面目ない。流石にカズマを置いていくのはどうかと思ってな。」

リナ「君って、本当にお人好しよね。」

零士「それが俺だ。」

リナ「ドヤ顔で言わないの。」

アイリス「リナさん。どうしたんですか?」

リナ「いえ!何でも無いですよ。零士は変な事をしてないですよね?」

アイリス「はい!零士には剣の相手になって貰ったり、零士が騎士団に教えを乞いていましたよ。」

リナ「君って、教えを乞いてたの?」

零士「まあな。こんな機会はもう無いだろうからな。今の内に教えて貰おうかと。」

 

 そうやって俺達は談笑していた。

 その時、クレアが入ってきた。

 

クレア「し、失礼します!」

アイリス「どうしたの?クレア?」

クレア「零士達は居るか!お!ちょうど良いところに!」

零士「どうしました?まさかとは思いますけれど……。」

クレア「そのまさかだ!王都に、貴殿らが言っていたメギドが、魔王軍幹部が襲来してきた!」

 

 ストリウス達が……?

 どう言う事だ?

 

ユーリ「分かった。」

カイト「なんでストリウス達が?」

カリン「分かんないわよ!」

リナ「なんかヤバそう!」

零士「アイリス様は待ってて下さい!カズマ!みんなを呼べ!」

カズマ「おう!」

 

 俺達はそれぞれの聖剣を持って、ストリウス達の元へ。

 

レジエル「出てこい!炎の剣士!!」

ストリウス「荒ぶってますね。」

ズオス「度々、あいつらに阻止されてるからな。レジエルのプライドが持たねぇんだろ。」

零士「お前ら!」

レジエル「待っていたぞ!炎の剣士!!」

アクア「何か荒ぶってるけど。」

カズマ「そんな事より、さっさと倒すぞ!」

 

『ブレイブドラゴン!』

『ライオン戦記!』

『ランプドアランジーナ!』

『玄武神話!』

『猿飛忍者伝!』

『ヘンゼルナッツとグレーテル!』

『ジャアクドラゴン!』

『金の武器!銀の武器!』

『烈火抜刀!』

『流水抜刀!』

『黄雷抜刀!』

『一刀両断!』

『双刀分断!』

『銃剣撃弾!』

『闇黒剣月闇!』

『最光発光!』

 

「「「「「「「「変身!」」」」」」」」

 

『ブレイブドラゴン!』

『ライオン戦記!』

『ランプドアランジーナ!』

『土豪剣激土!』

『風双剣翠風!』

『音銃剣錫音!』

『ジャアクドラゴン!』

『Who is this?』

 

 俺達は仮面ライダーに変身して、メギド達と戦う。

 




今回はここまでです。
新キャラのノエルは若干怪しい気配を漂わせています。


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37話 覚醒せし、騎士と獅子王と邪王

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、アイリスに王城に招待された神崎零士と佐藤和真。リナ達も連れ戻しに来たけれど、その際にメギド三幹部が襲来してくる。撃退してくれ!」


 リナ、ダクネス、めぐみん、カリン、ユーリは他のメギドを相手していたが、俺、カズマ、カイトはそれぞれ、俺がレジエル、カズマがズオス、カイトがストリウスを相手にしていた。

 

レジエル「お前のせいで!俺は、他の奴らから見下されて!もう許せん!」

零士「それって逆恨みじゃねえか!」

レジエル「お前を倒す!」

 

 レジエルの力は凄まじく、俺はワンダーコンボへと変身する。

 

『クリムゾンドラゴン!』

 

 クリムゾンドラゴンへと変身したおかげか、レジエルとも渡り合えている。

 だが、倒す為には、クリムゾンドラゴンだと厳しい。

 カズマとカイトの方も似た様な物で、カズマもファンタスティックライオンへと変身するも、互角といったところだ。

 カイトもストリウスの分身に対しても、冷静に対処していた。

 だが、さらにレジエルの力が増したのか、徐々に押されてきた。

 暫くして、遂に、俺とカズマとカイトは密着する様な形になり、3人の攻撃で変身解除へと追い込まれた。

 

レジエル「終わりだ!剣士共!」

「「「!!」」」

 

 レジエルの剣は振り下ろされるも、届かない。それもそのはず。アイリスが自分の剣で受け止めていたからだ。

 

零士「アイリス!?」

ストリウス「王女ですか。」

アイリス「これ以上はさせません!」

ズオス「随分と度胸があるな。」

レジエル「邪魔をするな!」

アイリス「私は王女として、民を守らなければなりません!」

零士「そうだな!」

カズマ「俺達もくたばってらんないな!」

カイト「あぁ!俺達は世界を守る剣士だからな!負けてらんねぇ!」

 

 その時、俺とアイリスの目の前にワンダーライドブックが飛んできた。

 俺にはユーリが渡したワンダーライドブックで、アイリスにはスタードラゴンのワンダーライドブックが。

 カズマとカイトも、2つのワンダーライドブックを取り出した。

 そして、俺の脳内に声が響く。

 

???「ジュンにはその力があるよ!世界を守れる力が!!」

零士「……!レイナ?」

リナ「レイナですって!?」

 

 俺がワンダーライドブックを手にすると、絵柄が追加された。

 

『ドラゴニックナイト!』

『キングライオン大戦記!』

『ジャオウドラゴン!』

『スタードラゴン!』

 

 俺達は、ワンダーライドブックを開く。

 

『ドデカい竜を、ド派手に乗りこなす、ド級の騎士のドラマチックバトル!』

『自然を超越した蒼き鬣が装甲を纏い、王座に轟く!』

『邪道を極めた暗闇を纏い、数多の竜が秘めた力を解放する……!』

『かつて世界の全てを照らした星の力を持つ神獣がいた……。』

 

 アイリスの前に聖剣、星雲剣恒星が出現した。

 

アイリスside

 

 私はカズマお兄ちゃんと零士お兄ちゃんが持っている様な本を開くと、私の目の前に聖剣が出現した。

 これを引き抜けと言う事でしょうか?

 

アイリス「私もやってみせます!」

 

 私は聖剣に近づいていくと、抵抗するかの様に光を強めた。

 しかし、私はそれを気にせずに、その剣に触れて、思いっきり力の限り、引き抜いた。

 すると、聖剣は私を認めたかのように、姿を変えた。

 

『星雲剣恒星!』

 

 どうやら、この聖剣は、星雲剣恒星というらしいです。

 この力で、私はお兄ちゃん達も、助けてみせます!

 

 

零士side

 

 アイリスが聖剣を引き抜いて、その聖剣にえらばれたようだな。

 俺はドラゴニックナイトをソードライバーのライトシェルフに装填した。

 カズマもキングライオン大戦記をミッドシェルフに装填した。

 カイトとアイリスはそれぞれの聖剣にワンダーライドブックをリードする。

 

『ジャオウリード!』

『スターリード!』

 

 リードしたワンダーライドブックをカイトは邪剣カリバードライバーに、アイリスは聖剣グラディウスドライバーに装填した。

 俺達は変身する。

 

『烈火抜刀!』

『流水抜刀!』

『闇黒剣月闇!』

『星雲剣恒星!』

 

「「「「……変身!」」」」

 

『Don’t miss it!』

『The knight appears. When you side,』

『ドメタリックアーマー!』

『you have no grief and the flame is bright.』

『ドハデニックブースター!』

『Ride on the dragon, fight.』

『ドハクリョックライダー!』

『Dragonic knight.』

『ドラゴニックナイト!』

『すなわち、ド強い!』

『Rhyming!Riding!Rider!獣王来迎!Rising!Lifull!』

『キングライオン大戦記!』

『それすなわち、砲撃の戦士!』

『Jump out the book. Open it and burst. The fear of the darkness.』

『You make right a just,no matter dark joke.』

『Fury in the dark.』

『ジャオウドラゴン!』

『誰も逃れられない……。』

『Shooting starry!Stellar!Than get keen!』

『スタードラゴン!』

『恒星翻訳!流れし流星の剣が、温厚無比に星竜を従える!』

 

 俺達は、セイバー、ブレイズ、カリバー、そしてグラディウスへと変身する。

 俺はドラゴニックナイト、カズマはキングライオン大戦記、カイトはジャオウドラゴンへと強化変身する。

 そして、俺はレジエル、カズマとアイリスはズオス、カイトはストリウスと交戦する。

 

レジエル「何だ!?この力は!」

零士「お前には負けない!絶対に!」

 

 俺は、ドラゴニックブースターに、クリムゾンドラゴンで使ったワンダーライドブックをリードする。

 

『ワン!リーディング!ブレイブドラゴン!』

『ツー!リーディング!ストームイーグル!』

『スリー!リーディング!西遊ジャーニー!』

『ドラゴニックスパイシー!』

 

零士「ドラゴニックスパイシー!ハァァァ!」

レジエル「何!?」

 

 ドラゴニックスパイシーをゼロ距離から発射して、レジエルにダメージを与える。

 レジエルが怯んだ隙に、ドラゴニックブースターに火炎剣烈火をリードする。

 

『スペシャル!ふむふむふーむ……。』

『完全読破一閃!』

 

零士「業火大革命!」

レジエル「グワァァァァ!!」

 

 業火大革命で、レジエルを切り裂く。

 しかし、仕留めきれなかった様で、膝をついてこそいるが、健在だった。

 

カズマside

 

 俺はキングライオン大戦記になって、アイリスと共に、ズオスと戦っていた。

 俺とアイリスは即席の連携とは思えない位に戦い、ズオスを追い詰めた。

 

ズオス「やるな!だが、俺は倒せん!」

カズマ「どうだかな!」

アイリス「行きましょう!お兄ちゃん!」

 

 俺はキングライオンブースターに、ファンタスティックライオンに使ったワンダーライドブックを読み込み、アイリスは聖剣を必冊ホルダーに納刀する。

 

『ワン!リーディング!天空のペガサス!』

『ツー!リーディング!ライオン戦記!』

『スリー!リーディング!ピーターファンタジスタ!』

『恒星居合!』

『ライオニックバースト!』

『読後一閃!』

 

カズマ「ライオニックバースト!」

アイリス「てやぁぁぁ!」

ズオス「クッ!」

 

 俺達はズオスを怯ませて、即座に必殺技の体勢に入った。

 

『スペシャル!ふむふむふーむ……。』

『必殺リード!ムーンドラゴン!』

『完全読破一閃!』

『恒星必殺撃!習得一閃!』

 

カズマ「ライオネル・ソウル・スプラッシュ!」

アイリス「恒星斬撃波!」

ズオス「グオッ!」

 

 俺達の斬撃波がズオスに命中するも、ズオスは健在だった。

 

カイトside

 

 俺はジャオウドラゴンへと変身して、ストリウスと交戦していた。

 この力は、正直言うと、かなり凄い。

 下手したらワンダーコンボ以上だ。

 俺はストリウスを追い詰めていた。

 

ストリウス「中々やりますねぇ。」

カイト「お前はここで倒す!」

 

 俺は、闇黒剣月闇を必冊ホルダーに納刀して居合必殺技を放つ。

 

『月闇居合!』

『読後一閃!』

 

カイト「ハアッ!」

ストリウス「クッ!」

 

 闇の斬撃波を放ち、ストリウスを怯ませて、すぐさま必殺技に入る。

 

『必殺リード!』『ジャオウドラゴン!』

『月闇必殺撃!』『習得一閃!』

 

カイト「邪王龍必殺破!」

ストリウス「グワァァァァ!!」

 

 俺は5体の竜をストリウスに突進させて吹き飛ばした。

 

ユーリside

 

 零士、カズマ、カイト、アイリスによってレジエル、ズオス、ストリウスは追い詰められて、他のメギドもリナ達が一掃していた。

 

ストリウス「流石に引きますよ!」

ズオス「そうだな!」

レジエル「覚えてろ!炎の剣士!!」

 

 3人はそう言って撤退していった。

 遂に試練を乗り越えたな。

 これで古い友人との約束を果たせるな。

 

少し前。

 

タッセル「ユーリ。ちょっとお願いがあるんだけど。」

ユーリ「なんだ?」

タッセル「王女アイリスが持っている神器を、闇の剣士と協力して封印してほしいんだ。」

ユーリ「何故だ?」

タッセル「王女が持っているのは、身体を入れ替える神器なんだ。」

ユーリ「なるほど。エリス絡みか。だが、本来の持ち主ではないだろう。」

タッセル「まぁね。でも、入れ替わってる最中に死んでしまったら、元に戻らない。それは輪廻転生を擬似的に行なっているに等しい。」

ユーリ「なるほどな。だが、闇の剣士はまだ、ジャオウドラゴンは使えない筈だ。」

タッセル「そうだね。勿論、使えないのなら断念しても良いよ。」

ユーリ「分かった。なるべく答える。」

 

 まさか、ストリウス達が襲撃した時に全員が覚醒させるとはな。

 後でカイトに話そう。

 




今回はここまでです。
遂にビヨンドジェネレーションズが公開ですね。
主題歌のpromiseも配信されて、いい曲です。


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38話 封印する、神器

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、王都にレジエル達が襲来したが、王女アイリスが星の剣士になり、神崎零士、佐藤和真、カイトの3人が新たな力を手に入れた!本当に凄いよ!さて、ユーリ、神器の封印は頼むよ。それに、ジュンも完全に目覚めそうだね。」


 俺たちは新たな力で、ストリウス達を退けることに成功した。

 その後、パーティーを再開して、女性に取り囲まれた。

 

女性「あの!あなたが噂の仮面ライダーセイバーですか!?」

零士「そ……、そうですけど……。」

女性「あの!あなたに惚れました!」

零士「あ、はい。ありがとうございます。」

リナ「ちょっと!私、彼に話があるんだけど!」

女性「邪魔しないでよ!あなた、一体誰なの?」

リナ「私も仮面ライダーよ!」

女性「え!?」

リナ「彼は借りるよ!」

零士「え!?」

 

 リナは俺を連れ出していた。

 

リナ「話があるの。」

零士「そうだな。」

リナ「なんで、レイナの声が?」

零士「それなんだけど……、実は、ジュンとしての記憶が蘇ったんだ。」

リナ「え!?」

零士「だからこうして……。」

ジュン「俺としての人格になれるって事。」

リナ「え!?」

 

 突然、俺の声がジュンの物になった事に驚くリナ。

 

ジュン「久しぶりだな。リナ。」

リナ「ジュンなの?本当に?」

ジュン「あぁ。」

リナ「ジュン!」

 

 突然抱きしめられた。

 俺としての人格は身体の方にもあるため、リナに抱きしめられて、ドキドキしている。

 

リナ「でもなんで?あなた、確か死んじゃった筈でしょ。」

ジュン「タッセルさんって人に、零士の魂と融合させたんだよ。」

リナ「そうなの!?」

ジュン「あぁ。ごめんな。1人にさせちゃって。」

リナ「うぅん。私もあなたに会えて良かった。」

ジュン「じゃあ、零士の方に戻るな。」

リナ「うん。」

零士「ふぅ〜。これ、結構疲れるな。」

 

 人格が俺メインに戻った。

 

リナ「なんか、変な感じ。」

零士「まぁね。と言う感じです。」

リナ「分かったわ。それはそうとして、カイト達はどこに行ったんだろ?」

零士「カイトなら、ユーリに呼ばれてたぞ。」

リナ「ユーリが?」

 

カイトside

 

 俺は、ユーリと勝手についてきためぐみんとカリンと共に、アイリス様の部屋に来ていた。

 

アイリス「どうされましたか?」

ユーリ「実はな。あなたが持っている神器を封印したいのだ。」

アイリス「え?それって、これですか?」

 

 そう言って、アイリスはペンダントを見せた。

 

ユーリ「そうだ。これは身体を入れ替えられる神器で、本来の持ち主では無いから、短時間しか効果は無い。」

めぐみん「なら、危険は無いのでは?」

ユーリ「そうではない。入れ替わってる最中に片方が死んだら、元には戻らない。」

カリン「そう言う事ね。」

 

 確かに、それは危険かもしれない。

 擬似的な輪廻転生を行なっている事と同義だからな。

 

アイリス「事情は分かりましたが、どのようにして封印するのですか?」

ユーリ「その為にカイトを呼んだのだ。」

カイト「え?」

ユーリ「闇黒剣月闇には、聖剣を封印する力を持っているのだ。」

カイト「それって、聖剣限定か?」

ユーリ「俺の古い友人曰く、神器の封印も可能と言う事だ。」

 

 確かに、富加宮賢人さんの記憶でも、聖剣を封印している記憶があった。

 だが、やれるのか?

 でも、頼ってきてるんだ。やるしかない!

 

カイト「分かった。ジャオウドラゴンに変身すれば良いんだよな。」

ユーリ「あぁ。」

 

『ジャオウドラゴン!』

『ジャオウリード!』

『闇黒剣月闇!』

 

カイト「変身!」

 

『ジャオウドラゴン!』

『誰も逃れられない……!』

 

 俺は、ジャオウドラゴンへと変身した。

 すぐさま、封印を開始する。

 

『ジャオウ必殺読破!』

『ジャオウ必殺撃!』

『You are over……!』

 

カイト「これで、良い筈!」

 

 俺は、闇黒剣月闇に、封印の力を宿して、その切っ先を神器に当てて、封印するイメージを持つと、鎖が出てきて、その神器を覆った。

 俺は、役目を終えて、ジャオウドラゴンの変身を解く。

 

カイト「これで良いのか?」

ユーリ「あぁ。しっかり封印されている。」

アイリス「凄いですね。しかし、何故、聖剣の封印なんて機能を持たせたのでしょうか?」

ユーリ「それは、聖剣の力を悪用されない為に施されている。」

カイト「なるほどな。」

 

 ユーリが神器を持っていたが、突然、消え失せた。

 

ユーリ「!?」

???「悪いけど、これは貰っていくね!」

???「じゃあな!」

カイト「!?」

 

 そこに2人組が居て、神器と何かを持って、居なくなっていた。

 

アイリス「あ!指輪が!」(でも、なぜか見覚えがあるような。)

めぐみん「あの男の方、かっこいいです!」

カイト「どうする?」

カリン「神器持ってかれちゃったわよ!」

ユーリ「神器自体は封印されている。悪用はされないだろうな。」

 

 俺達は、その後、眠りに入った。

 

零士side

 

 あの日の夜に、アイリスの部屋に賊が侵入して神器と指輪を盗んでいったそうだ。

 翌日に、ダクネスがカズマとクリスに問い詰めていた。

 ダクネス曰く、その賊こそが、カズマとクリスだそうだ。

 エリス様、何やってんですか。

 その後、カズマとクリスが色々と折檻されて、俺達は王城へと向かった。

 

アイリス「あの義賊は格好良かったですね。」

 

 と、アイリスは、カズマが義賊の正体だと勘付いているようだ。

 

ダクネス「アイリス様。このサトウカズマと神崎零士はいずれ魔王を倒すやもしれない者達。仮面ライダーに変身できる以上、必ず果たされるかもしれません。何か、お声をお掛け頂ければよろしいかと。」

アイリス「お兄様達は、魔王を倒すつもりなのですか?」

零士「そのつもりだ。」

カズマ「俺も仮面ライダーだしな。」

アイリス「そうですか……。きっとお二人なら果たせますよ!頑張って下さい!そんなお二人にご武運を!」

 

 誰も何も言えなくなっていた。

 ……いや、2人いた。

 

めぐみん「お兄様お兄様と、その呼び名は止めるべきです!」

リナ「何か、私の立場が脅かされてるみたいで、嫌なんですけど!」

アイリス「や、やる気ですか!?王族は強いんですよ!」

 

 と、取っ組み合いを始めた。

 リナもアイリスと大分仲良くなったみたいだよな。

 

アイリス「あの、お兄様がた。」

カズマ「何だ?」

零士「?」

アイリス「カズマ殿は、ゲームの続きを、零士殿は、仮面ライダーとして戦いましょう。」

 

 そうして、俺達はアクセルに帰還した。

 

零士「やっぱり、屋敷は落ち着くよな。」

カズマ「アァァァァァ!!やっぱりアイリスと離れなくない!」

ダクネス「まだそんなことを言ってるのか?」

アクア「カズマさんがうるさいのは今に始まった事ではないでしょ。」

リナ「それよりも、私たちも頑張ろう!」

カイト「そうだな。」

カリン「何?リナ、ちょっと嬉しそうねぇ。」

めぐみん「そうですね。」

ユーリ「俺もこれを貰えたからな。」

 

 ユーリは、神器を封印するきっかけを作ってくれた褒美として、ソードXマンを受け取っていた。

 この世界の誰がソードXマンを描いたんだろうな。

 こうして、一つの山場を乗り越えて、俺達の日常がまたはじまる。

 




今回はここまでです。
ジュンという零士の魂に入っている存在。
それがどう物語に関与してくるのか。


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第7章
39話 始まりの街に戻りし、剣士達


タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル!前回、神器の封印に成功したユーリ達!そして、彼らは今、アクセルに戻っていったよ。」


 俺達はアクセルに帰ってきて、ギルドに呼び出された。

 

ルナ「それでは、サトウカズマさん、神崎零士さん。今回お呼び立てした件ですが……。」

 

 ルナさんはそう言って重い袋を持ってきた。

 満面の笑みを浮かべて。

 

ルナ「今回は賞金が高額なので支払いが遅れましたが、こちら、魔王軍幹部シルビアの討伐報酬とバハトを封印した臨時報酬、合わせて合計4億エリスです!あなた方が今までに討伐した魔王軍幹部は、これで4人目です!サトウさんと神崎さんは、アクセル冒険者ギルドのエースです!……さあ、これをどうぞ!」

冒険者達「おおおおおおお!!」

 

 見守っていた冒険者達が歓声を上げる。

 

カズマ「落ち着けよ。この俺達が大物賞金首を仕留めるのは今に始まった事じゃないだろ。」

零士「あの、ルナさん。離しても大丈夫です。なんで名残惜しそうに見るんですか!」

 

 俺達はルナから報酬を受け取った。

 周囲の冒険者が噂している。

 そして……。

 

カズマ「ったく。そんな風に煽てたって何も出ないぞ!……今日は宴会だー!」

零士「今日ぐらいは良いんじゃ無いか?」

 

 俺とカズマがドヤ顔で放ったその言葉に、ギルドの皆が歓声を上げた。

 

冒険者「うおおおお!カズマさんと零士さんカッケェェェェェ!!」

冒険者「キャーッ!カズマさんと零士さん、素敵、結婚して!」

冒険者「流石、仮面ライダーだ!」

 

 俺達の時代が到来したな。

 その後、後の仲間も呼んで。

 

リナ「それにしても、随分な報酬ね。」

カイト「バハトの臨時報酬も出たしな。」

カリン「今日は騒ぐわよ!」

ユーリ「それにしても、随分と賑やかだな。」

カリン「あれ?ユーリ、食事しないの?」

ユーリ「俺は光剛剣最光と一体化している。出来ないし、必要ない。」

カイト「そうなんだな。」

リナ「今日は飲みましょう!」

零士「俺は酒じゃなくて、ジュースだけど。」

 

 カズマ達の方も騒いでいて、今日はとても楽しかった。

 

翌日

 

 俺は、カイトに呼び出されていた。

 

零士「どうしたんだ、カイト?」

カイト「今のお前の実力を見せてみろ!」

零士「唐突だね。」

カイト「今のお前は、大分強くなった。だからこそ、調べたいんだ。」

零士「………分かった。」

 

 俺は、ノーザンベースの修練場に向かって、カイトと相対していた。

 カズマ達は、観客席にいる。

 俺とカイトは変身する。

 

『ブレイブドラゴン!』

『ジャアクドラゴン!』

『ジャアクリード!』

『烈火抜刀!』

『闇黒剣月闇!』

 

「「変身!」」

 

『ブレイブドラゴン!』

『ジャアクドラゴン!』

 

 セイバーとカリバー。2人の剣士が相対している。

 

カズマ「何で、あいつ戦いを挑んだんだ?」

アクア「そうよ。時間の無駄よ。」

めぐみん「でも、カイトには譲れない何かがあるかもしれません。」

ダクネス「あいつ、どうする気だ?」

リナ「零士!カイト!どっちも頑張って!」

カリン「やっちゃいなさい!」

ユーリ「これは、どうでるのかな?」

ソフィア「2人の剣士がぶつかりますね。」

零士「………ハァ!」

カイト「………フッ!」

 

 俺とカイトは火炎剣烈火と闇黒剣月闇をお互いにぶつけ合い、それが暫く続いた。

 

カイト「やるな!」

零士「腕は上がってるからな!」

 

 俺はキングオブアーサーを出した。

 

『キングオブアーサー!』

『烈火抜刀!』

『ワンダーライダー!』

『ドラゴン!アーサー王!』

 

 俺はドラゴンアーサーへと変身する。

 

カイト「お前の二刀流の腕を見せろ!」

零士「あぁ!」

カズマ「だんだん、ボルテージが上がってきてるよな。」

リナ「あの2人らしいわ。」

ユーリ「良いぞ。」

 

 火炎剣烈火とキングエクスカリバーの二刀流で斬り掛かるが、カイトは冷静にそれを捌いている。

 カイトの斬撃波で俺は下がり、キングオブアーサーを抜いて、クリムゾンドラゴンへと変身する。

 

『烈火抜刀!』

『クリムゾンドラゴン!』

 

カイト「そんなもんか!?お前の実力は、そんなもんなのか!?」

零士「そんなわけ、ねぇだろ!!」

アクア「何か、激しくなってきたんだけど。」

めぐみん「2人のプライドが更にぶつかっていますね!」

ダクネス「凄いぞ!2人とも!」

カリン「聖剣に無茶させないでよ。」

ソフィア「凄いですね!」

 

 俺とカイトはお互いに下がり、それぞれのワンダーライドブックを起動する。

 

『ドラゴニックナイト!』

『ジャオウドラゴン!』

『つまり、ド級のナイトに進化!』

『邪道を極めた暗闇を纏い、数多の竜が秘めた力を解放する……!』

『ジャオウリード!』

『烈火抜刀!』

『闇黒剣月闇!』

『ドラゴニックナイト!』

『ジャオウドラゴン!』

『すなわち、ド強い!』

『誰も逃れられない!』

 

カイト「いくぞ!零士!」

零士「望む所だ!」

 

 俺とカイトは、ブレイブドラゴンとジャオウドラゴンに乗り、空中戦を開始する。

 この闘技場は、天井がかなり高いので、空中戦をしても大丈夫だ。

 俺は、ジャオウドラゴンの5体の竜の内、4体を撃破した。

 長く続いている戦いもいよいよクライマックスだ。

 

『ドラゴニック必殺読破!』

『ジャオウ必殺読破!』

『ドラゴニック必殺撃!』

『ジャオウ必殺撃!』

 

零士「龍神鉄鋼弾!」

カイト「ハァァァァ!!強くなったな!だが、俺が勝つ!」

零士「いや、俺が勝つ!物語の結末は、俺が決める!」

 

 俺が押し勝ち、カイトは下に落ちた。

 すぐさま、火炎剣烈火を納刀して、追撃を行う。

 

『ドラゴニック必殺読破!』

『烈火抜刀!』

『ドラゴニック必殺斬り!』

 

零士「神火龍破斬!ハァァァァ!」

カイト「グワァァァァ!!」

 

 カイトは地面に叩きつけられ、変身を解除して寝転がっていた。

 俺も着地して、変身解除する。

 

零士「ハァ、ハァ、ハァ。」

カイト「ハァ。やるじゃねえか。」

カズマ「零士の勝ちだ!」

リナ「凄いよ!零士!カイトに勝つなんて!」

カリン「零士も成長したって事ね!」

めぐみん「やりますね!」

ダクネス「あぁ!」

アクア「まあ、やるじゃない。」

ユーリ「最高だな!2人とも!」

ソフィア「お疲れ様です。」

 

 俺はカイトを立ち上がらせた。

 

零士「悪いな。いくら本気の戦いとは言え、負傷させて。」

カイト「大丈夫だ。お前の実力を見るためにはそうしないとな。」

零士「それで、どうなんだ?」

カイト「文句無し!」

零士「ありがとうな!」

 

 こうして、俺とカイトはお互いに認め合った。




今回はここまでです。
ビヨンドジェネレーションズを見ましたが、神作品でした。
もしかしたら、ビヨンドジェネレーションズに相当する作品を書くかもしれません。


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40話 不穏な空気の、土の剣士

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、カイトが神崎零士の強さを確かめるべく、決闘したよ。それで、お互いを認め合って本当によかった!その調子で頑張ってね!」


 俺とカイトの戦いから一週間後、アクアが、ドラゴンの卵を買ったというが、それはどう見ても鶏の卵だった。

 その鶏だという事を伝え続けているものの、当のアクアがドラゴンだと言い張っている。

 その卵を見せつけられた翌日、俺達はお守りをめぐみんとカリンとソフィアに任せて、ウィズ魔道具店へ。

 

アクア「たのもう!ねえ開けなさいよ!もうお日様はとっくに昇ってるわよ!」

零士「アクア、近所迷惑になるからやめろ。」

バニル「朝っぱらからやかましわ!近所迷惑を考えろ公害女め!開店にはまだ時間がある、顔を洗って出直してこい!」

 

 バニル、ごめん。

 

アクア「今日は別の用事でやって来たのでした!わざわざ気を遣ったんだから、感謝なさい!」

 

 現在、ウィズ魔道具店は、俺達が作った商品を主軸として、未曾有の大繁盛だ。

 俺達への報酬は開発した商品の知的財産権買い取りなので、ウィズ魔道具店で売れても増えはしないが、売れて嬉しい。

 

バニル「空気を読まない事には定評のある貴様に気を遣ったと言われるのはゾッとせんな。用件は分かっている。そこの炎と水の剣士への報酬であろうて。今持ってくる。」

アクア「感謝して!木端悪魔如きにわざわざ時間を割いて頂いて、どうもありがとうございますって感謝して!」

零士「アクアもいちいち挑発するな。」

バニル「やかましいと言っておろうが!現在徹夜続きの過労店主が店の奥で眠っているのだ、静かにしてもらおうか!」

カズマ「ウィズが徹夜続きって、そんなに儲かっているのか?」

バニル「うむ、笑いが止まらんとはまさにこの事だ。作れば作るほど売れるので、店主には食わせず休ませずをさせたら、二週間ほどで、情緒不安定になってしまってな。今は休ませている。」

 

 それって、ブラック企業で働く社畜みたいだよな。

 ウィズが社畜になってる。

 ドン引きしている俺達に袋を渡してダクネスを見た。

 

バニル「おい、先ほどから暇そうにしているそこの。日夜熟れた身体の性欲を持て余し、処女の癖に夜な夜……。」

ダクネス「ナァァァァ!!」

 

 バニルもダクネスを揶揄うなよ。

 ダクネスの突進をバニルは容易く躱した。

 

バニル「……うむうむ、極上の羞恥の悪感情、美味である。……土の剣士よ、貴様には破滅の相が出ているな。貴様らの傍には、常に鬱陶しい発光女がいるせいか、未来を見通し辛い。大きな儲け話を持ってきた礼に、我輩の力でじっくりと占ってやろう。」

アクア「ねえ、発光女って私の事?」

ダクネス「……破滅の相だと?」

リナ「聞いても良いんじゃない?」

カイト「減るもんでもないしな。」

ユーリ「バニルの見通す力を見てみたい。」

零士「聞いたらどうだ?」

カズマ「そんな事よりも、さっきダクネスの事をなんて呼ぼうとしたのかを詳しく!」

 

 カズマはダクネスに盛大に殴られた。

 俺達は自業自得として見捨てた。

 それから暫く占いを見ていたが、最初は暇つぶしとして揶揄われていた。

 だが、鑑定結果が出たそうだ。

 

バニル「……ほうほう、これは。うむ、やはり破滅の相が出ているな。貴様の実家、父親が、これから大変な目に遭うだろう。そして貴様は、自分を犠牲にすれば全てが解決すると、短絡的な行動に出るであろう。その行動は誰も喜ばず。貴様の父親は後悔と無念を抱き、そのまま余生を送る事になる。良い回避法は……。」

 

 ダクネスも流石に真剣な面持ちになる。

 

バニル「……おや、貴様の力ではどうにもならんと出たな。その時が来たならば、いっそ全てを捨てて逃げるが吉。そこの水の剣士と共に遠い地でやり直すが良い。」

零士「………どういう事だ?」

リナ「………ダスティネス家に、一体何が起きるんだろう?」

カイト「………分からん。だけど、闇黒剣月闇もそんな未来を見せているな。」

ユーリ「闇黒剣月闇もそんな未来を見せるとは、これは本当だと捉えるべきだろうな。」

 

 その時、ダクネスが立ち上がった。

 

ダクネス「……バニル、占いには感謝する。だがどんな事態に陥っても、逃げる事は出来ない。今の占いが気になる訳ではないが、久しぶりに実家に寄るとしよう。」

 

 そう言って、ダクネスは出て行った。

 

バニル「……それはそうと、炎の剣士。貴様、どうやら魂に宿っていたもう1人の人格が活動出来る様になったそうだな。」

零士「……そうだが。」

バニル「まあ、確認したかっただけだ。そうだ、炎の剣士に水の剣士、雷の剣士。我輩がこの店で告げた事を覚えているか?」

零士「途轍もない試練って奴か?」

リナ「そう言えば言ってたわね。」

カズマ「……それが?」

バニル「汝ら、その報酬だけで満足する事なく、更なる売れ筋商品を沢山作っておくが良い。それが土の剣士を助ける事にも繋がるぞ。」

零士「分かった。心に留めておく。」

 

 その後、バニルと喧嘩し出したアクアと商品に夢中になっているユーリを置いて、帰った。

 その夜、ユーリを除いた全員で食事をしていると、執事服を着た無愛想な男が人の許可もなく、勝手に入ってきた。

 

執事「このような時間、それも食事中に失礼。実はダスティネス卿に火急の用があり、こうして参上したのですが、少し時間を頂けませんか?」

ダクネス「私の事をダスティネス卿と言う事はどこかの貴族の使いか?用は何だ?」

執事「いえ、我が主、アレクセイ・バーネス・アルダープがお呼びです。この様な所では何なので馬車を用意しております。」

 

 人様の屋敷をこの様な所とは、随分と俺達を見下してるな。

 ダクネスもフォークを自分の握力でへし曲げた。

 だが、フォークを置くと。

 

ダクネス「………少し出かけてくる。帰らなかったら鍵は閉めてくれ。」

 

 そう言ってダクネスはその執事についていった。

 

カズマ「アルダープって、あのアクセルの領主の事だよな。」

零士「……何が起こっている?」

めぐみん「ダクネスは大丈夫でしょうか?」

カリン「胸騒ぎがするわ。」

カイト「……警戒するに越した事はないな。」

リナ「………大丈夫よね。」

ユーリ「土の剣士なら大丈夫だろう。」

 

 俺達がダクネスの身を案じている中。

 

アクア「どうしたのよ、皆。ダクネスの分の料理ももらって良いよね。」

 

 アクアは空気を読んでいなかった。

 翌日、ダクネスが帰ってきて、大物賞金首クローンズヒュドラに挑もうと言い出した。

 

ダクネス「頼む!私と共に、クローンズヒュドラを討伐してくれないか!」

零士「唐突だな。」

カズマ「……何でだ?」

ユーリ「もしかして、領主関連か?」

ダクネス「……それは言えない。だが、剣士として、こいつを倒すべきだろう!」

カイト「それはそうだが……。」

カリン「どうしたのよダクネス?」

 

 その後、そのまま押し切られてクローンズヒュドラが居るという湖に向かった。

 アクアが駄々を捏ねていたが、無理矢理連れて来た。

 ダクネス曰く、万が一倒せなくても、王都から騎士団が派遣されるらしい。

 アクアが湖を浄化し始めると、ブルータルアリゲーターと同様に、怒って攻撃し始めた。

 俺達は既に変身しているので、苦戦しないだろうとたかを括っていたら、思いの外苦戦した。

 驚いたのは、ワンダーコンボの必殺技3つと爆裂魔法を喰らったのにも関わらず、再生した事だ。

 ユーリもかなり苦戦したそうで、部が悪いと言う事で撤退した。

 

零士「何なんだ!あの強さ!!」

カズマ「変身してても厳しいなんてな。」

リナ「ワンダーコンボじゃ少し厳しいって事かしらね。」

ダクネス「あれがクローンズヒュドラの厄介な所だ。」

めぐみん「我が爆裂魔法を受けても、再生するとは。」

カリン「あれはどうにかしないと。」

カイト「王都の騎士団にも頼るか。」

ユーリ「流石に俺でも厳しいな。」

アクア「ねえ!ゼル帝がいるのにドラゴンなんて狩っちゃだめよ!ゼル帝に嫌われるわよ!」

 

 その後、冒険者ギルドに向かったが、王都の騎士団が来れない事が判明した。

 理由は、カズマとクリスが王城に侵入して、アイリスから神器と指輪を盗んだ事が原因で、なんと賞金が掛けられていた。

 2人の捜索の為に、クローンズヒュドラにまで手が回らないとの事だ。

 結果、カズマは引き籠もった。

 




今回はここまでです。
クローンズヒュドラって凄いですよね。


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41話 離脱せし、土の剣士

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル!前回、クローンズヒュドラに挑んだ剣士達!しかし、部が悪いという事で撤退したよ。まあ、クローンズヒュドラは、王都の騎士団すらも苦戦させる強敵だからね。」


 カズマが引き籠もったので、俺達がヒュドラに多少喧嘩を売っていた。

 その目的は、クローンズヒュドラをある程度弱らせる事だ。

 まずはダクネスの囮スキルでヒュドラを引き寄せて、そこに一斉に必殺技を叩き込み、首を再生している最中に撤退するというものだ。

 ある日、撤退した後、ダクネスに気になった事があるので、聞いてみた。

 

零士「ダクネス。なんで、そんなにクローンズヒュドラを倒したいんだ?」

ダクネス「………。前にも言った通り、それは言えない。」

零士「………。まあ、良いけどさ。あまり1人で抱えるなよ。」

ダクネス「…………。」

 

 ダクネスは遂には、単身で向かう様になった。

 あいつって奴は!

 

零士「カズマ。」

カズマ「そうだな。」

 

 ある日。俺達は湖へと向かっていた。

 その前日に、俺とカズマを除く全員で湖に向かっていた所、ボロボロのダクネスと合流して、説教したようだ。

 やがて、時刻は昼に差し掛かった頃、アクア達と共に姿を現したダクネスが、俺達を見て絶句していた。

 そこの後ろにはアクセルの冒険者達が。

 

ダクネス「おい貴様ら。これは新手の嫌がらせなのか?それなら考えがあるぞ。」

零士「嫌がらせじゃないって。」

カズマ「お前が連日単身で向かっている事を伝えて協力して貰ったんだよ!」

ダクネス「………!」

 

 冒険者達がここぞとばかりに煽りだすが、ダクネスは顔を赤くしつつも、少し照れ臭そうだった。

 俺達は、冒険者達に協力してもらえるように手配したのだ。

 

零士「ほら。君がアホな事をしてると説明したら、こんなに人が集まってくれたんだぞ。」

カズマ「人様に迷惑をかけるのは止めろよな。」

ダクネス「あ、ありがとう……。」

カズマ「え?何だって!?」

 

 カズマ、リピートを要求するなよ。

 ダクネスは冒険者達の照れ臭そうな顔を見て、笑みを浮かべて。

 

ダクネス「皆、ありが……。」

アクア「わあああ!カズマさん!零士さん!ヒュドラが起きるのが早いんだけど!」

ユーリ「何をしている!?」

カイト「何で起こすんだよ!」

リナ「零士とカズマの合図を待つんじゃなかったの!?」

カリン「ちょっとアクア!」

アクア「だって!早く帰って、ゼル帝の誕生を見届けないと!」

カズマ「お前らって奴は!」

零士「皆、戦闘開始だ!」

 

『ドラゴニックナイト!』

『キングライオン!』

『ランプドアランジーナ!』『ニードルヘッジホッグ!』『トライケルベロス!』

『玄武神話!』

『猿飛忍者伝!』

『ヘンゼルナッツとグレーテル!』

『ジャオウドラゴン!』

『金の武器!銀の武器!』

『烈火抜刀!』

『流水抜刀!』

『黄雷抜刀!』

『一刀両断!』

『双刀分断!』

『銃剣撃弾!』

『闇黒剣月闇!』

『最光発光!』

 

「「「「「「「「変身!」」」」」」」」

 

『ドラゴニックナイト!』

『キングライオン大戦記!』

『ゴールデンアランジーナ!』

『ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!』

『風双剣翠風!』

『音銃剣錫音!』

『ジャオウドラゴン!』

『Who is this?』

 

 俺達は、現在の最高戦力で掛かった。

 作戦としては、アクアがヒュドラを起こして、湖の縁まで誘き寄せる。

 前衛職が後衛職を守り、後衛職は使える魔法の中で一番強いものを使う。

 ダクネスの囮スキルで、8本の首を一箇所に集めてバインドで拘束。逃走を阻止する。

 

零士「カズマ、カイト!行くぞ!」

カズマ「おう!」

カイト「あぁ!」

 

 俺はドラゴニックナイトを3回連続でタップして、カズマはソードブックマーカーを倒し、カイトはジャオウドラゴンを召喚する。

 

『The knight appears.』

『When you side, you have no grief and the flame is bright ride on the dragon, fight.』

『Dragonic Knight!』

『流水咆哮!』

『キングライオン大チェンジ!』

『それすなわち、砲撃の戦士!さらには、ライオン変形!』

 

 俺は神獣ブレイブドラゴンを召喚して乗り、カズマはライオンモードへと変形し、カイトはジャオウドラゴンを召喚して乗った。

 俺とカイトはドラゴンに乗って上空からワイヤーを切らない様に攻撃し、カズマはライオンモードで肉薄する。

 

ユーリ「中々やるな。なら俺達も行くぞ。」

カリン「えぇ!この戦いが終わったら、調べさせてくんない?」

ユーリ「断る!」

リナ「私も上空から攻撃してくる!」

めぐみん「私も準備するとしましょうか。」

ダクネス「お前の相手は私だ!」

ダスト「見ろよ!ヒュドラの奴随分弱ってきてたんじゃねえのか!?大物賞金首、クローンズヒュドラの首は俺が貰った!賞金は、トドメを刺した奴の総取りな!!」

リーン「ちょっと!あんた、この状況で何言ってんの!?ああーっ!ダストが食べられた!」

零士「たく。しょうがねぇな!」

ゆんゆん「ライト・オブ・セイバー!」

 

 ダストが食べられたので、俺とゆんゆんで助け出した。

 多分、死んじゃったと思うが。

 そして、クローンズヒュドラは、首を再生出来ていない。

 

カズマ「魔法使いの皆さーん!!」

零士「お前ら、一斉攻撃だ!!」

 

『『スペシャル!ふむふむ。ふーむ。』』

『必殺読破!』

『ジャッ君と土豆の木!』『ドゴーン!』

『こぶた3兄弟!』『ニンニン!』

『ブレーメンのロックバンド!』『イェーイ!』

『ジャオウ必殺読破!』

『最光発光!』

『『完全読破一閃!』』

『ケルベロス!ヘッジホッグ!アランジーナ!3冊斬り!』『サ・サ・サ・サンダー!』

『会心の激土乱読撃!』『ドゴーン!』

『翠風速読撃!』『ニンニン!』

『錫音音読撃!』『イェーイ!』

『ジャオウ必殺撃!』『You are over!』

『Good Luck!』

 

零士「業火大革命!」

カズマ「キングライオングレネイチャー!」

リナ「トルエノ・デル・ソル!」

ダクネス「大断断!」

めぐみん「疾風剣舞・来豚!そしてエクスプロージョン!」

カリン「アイアン・シャウト!」

カイト「邪王斬撃波!」

ユーリ「光あれ!」

 

 俺達の必殺技と爆裂魔法と数々の魔法によってクローンズヒュドラは消滅した。

 帰り道にて。

 

零士「あぁ!マジ疲れた。」

リナ「お疲れ。」

カイト「まさかクローンズヒュドラも倒せるとはな。」

カリン「そうね!」

ユーリ「お前達の作戦は実に最高だったな!」

キース「いやぁ。案外俺達でもどうにかなるもんだな!いや、カズマと零士達のパーティーが居なかったら無理か。」

リーン「そうだね!やっぱりカズマと零士は凄いよ!今回の討伐報酬は山分けって事だったけどカズマ達は多めに持ってくべきだよ。ちょうど、『賞金はトドメ刺した奴の総取りな!』って言い出したバカがいたから、そのバカの分を貰うと良いよ!」

 

 こうして、俺達はクローンズヒュドラを討伐して、翌日に報酬を受け取って、宴会をして、屋敷に帰って、パーティーの準備をしていたが、ダクネスは帰って来なかった。それどころか、ずっと帰って来なかった……。

 




今回はここまでです。
クローンズヒュドラを討伐できた零士達。
しかし、ダクネスが帰ってこない。
ビヨンドジェネレーションズを元にした小説を書く際に、リバイスはこの作品の延長線として出すか、別世界のリバイスを出すかで迷っています。


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42話 企みを見せる、地獄の公爵

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、クローンズヒュドラを撃破出来た剣士達。本当に良くやったよ!しかし、土の剣士であるダクネスが、突然失踪した。……大丈夫かな?」


 俺は、カズマがダイナマイトを作っているのを見ながら、ダクネスの手紙を見ていた。

 隣にはリナとユーリが覗いていた。

 

ユーリ「ダクネスは、何があったのだ?」

リナ「分かんないわよ……。でも、とんでもない事になってるのは確かよね。」

零士「………そうだな。」

ジュン(あいつ、大丈夫か?)

カイト「何が起こっている?」

 

 俺の中のジュンも心配している。

 ダイナマイトのレプリカをめぐみんが投げて、こっちに来た。

 

めぐみん「ダクネスは、本当にパーティーを抜けちゃうんですかね……。」

カズマ「……しょうがないだろ、実家が実家だ。そもそも、俺たちと一緒に冒険が出来たって事がおかしいんだよ。」

カリン「でも!そんな薄っぺらい関係じゃないでしょ!」

 

 その手紙には。

 

ダクネス『突然こんな事を言い出して、本当にすまない。お前達には言えない、込み入った事情が出来た。貴族としてのやむを得ない事情だ。お前達とは、もう会えない。本当に勝手な事だが、パーティーから抜けさせて欲しい。どうか、私の代わりの土の剣士を見つけ出してくれ。お前達には感謝している。それは、どれだけ感謝しても足りない程で……。お前達との冒険は楽しかった。私のこれまでの人生の中で、一番楽しい一時だった。私は今後、お前達との冒険の日々を絶対に忘れる事は無いだろう。今までどうもありがとう。ダスティネス・フォード・ララティーナより。愛する仲間達へ、深い感謝をー』

 

 俺は、設計図をクシャッと曲げて、カズマはカッターの先を折っていた。

 そんな俺達の様子を見て、怯えた表情を浮かべるユーリ以外。

 その後、ダクネスの家に行ったものの、門番に『事情は申せません、お引き取りを。』と追い返された。

 

ユーリ「やはり、こうなるか。」

カイト「何がどうなってるんだ?」

リナ「分かんないわよ……。」

カリン「ダクネス……。」

零士「部屋には、土豪剣激土とダクネスが持ってたワンダーライドブックが放置されてた。」

 

 カズマと俺は、イライラしつつも、作業の続きを行う。

 

アクア「ねえ。なんで2人とも新しい商品開発を行なってるの?あの役に立たない悪魔の助言を信じちゃってるのね。悪魔ってのはね、屁理屈ばっかりこねる、いい加減な連中なのよ?無償で人助けをする連中じゃないんだからね?」

零士「……お前がバニルを信用しなくても、俺は信じる。あいつは、嘘を言っている様には見えなかった。何もせず後悔するよりも、何かをして後悔する方が良い。」

リナ「零士……。」

ユーリ「なるほどな。それがお前の想いか。」

零士「あぁ。」

 

 その後、カズマはめぐみんと共に新たなパーティーメンバーを見つけに行き、俺はカリンと向き合っていた。

 

零士「………カリン?どうした?」

カリン「今のあんたのその想い、私に示しなさいよ!決闘を申し込む!全力で来なさい!」

カイト「おい!カリン!」

リナ「何やってんの!?」

零士「………分かった。」

ユーリ「ほう。」

 

『ブレイブドラゴン!』

『ヘンゼルナッツとグレーテル!』

『烈火抜刀!』

『銃剣撃弾!』

 

「「変身!」」

 

『ブレイブドラゴン!』

『音銃剣錫音!』

 

カイト「もしかしたら、あいつは、零士の想いを剣で知ろうとしてるんじゃ?」

リナ「零士……。カリン……。」

ユーリ「どうする?零士。」

カリン「行くわよ!」

零士「あぁ!」

 

 俺とカリンは、お互いの聖剣でぶつかり合う。

 音銃剣錫音を介して、カリンのダクネスへの想いが伝わってくる。

 いつもより重い!

 

カリン「その程度なの!?あんたの思いはそんなもんなの!?」

零士「………!」

 

 更に斬り結び、クリムゾンドラゴンになって戦っているが、それでも重い!

 

カリン「あんたの背負ってるものは、そんなに軽いの!?今のあんたの剣からは、何も響いて来ない!」

零士「……俺は、俺は!!もう、この大切な仲間の中で、誰かが悲しんでいる顔を見たくねぇんだよ!!」

 

 ブレイブドラゴンへと戻り、再び斬り結ぶ。

 ぶつけ合っている内に、火炎剣烈火が、赤く光り輝き始めた。

 

カイト「零士……!?」

リナ「火炎剣烈火が、光ってる……!」

ユーリ「やはり、あいつは力を手にする運命にあるな。」

 

 無我夢中で斬り結んでいき、遂には変身解除しつつも、音銃剣錫音を弾き飛ばした。

 カリンも変身解除して、音銃剣錫音を回収して俺に向かって。

 

カリン「………何よ。あんた。やっぱりダクネスを取り戻したいんじゃないの?」

零士「……そうだよ。ダクネスは大切な仲間だからな。」

カリン「試す様な真似をしてごめん。こうでもしないと、零士って本音を中々言わないから。」

零士「そうか。」

カリン「とにかく、火炎剣烈火の力を引き出している事も分かったし、零士の想いも知れたし。あんたと共に戦うわ。」

零士「………!ありがとうな!」

ユーリ「………。俺も、そろそろ準備を始めるとしようか。」

 

 その後、カズマとめぐみんが帰ってきて、ダストと共にカズマが出かけて行った。

 そして、リーンからある噂を聞いた。それは、ダクネスが領主と結婚するという事だ。

 カズマがダクネスの屋敷に向かい、俺達はこれからの対策を考えていた。

 

零士「まさか、領主と結婚するとは。」

リナ「ねえ!何かおかしいよ!」

カイト「随分唐突だしな。」

カリン「何であんな領主とダクネスが!?」

カズマ「アクアー!アクアー!!ヒール下さい!ヒール下さい!!」

アクア「お帰り。何でそんなにボロボロなの?」

めぐみん「カズマ、お帰りなさい。ダクネスの説得は出来ました?」

カズマ「あいつの事はもうほっとけほっとけ!俺はもう知らねえ!」

零士「……何があった?そもそも、何でこんな事態になった?」

 

 一応、理由を聞いてみると。

 

カズマ「借金だよ!あいつん家には、莫大な借金があるんだと!領主と結婚すればチャラだと!」

カイト「借金?あいつん家が?」

カリン「おかしいって!何で借金が!?」

零士「………リナ、ユーリ。調べるぞ。」

リナ「………分かってる。」

ユーリ「あぁ。しかし、途中から用事の為に一旦離脱するぞ。」

零士「分かった。」

 

 そのまま、カズマは不貞腐れて寝てしまった。

 結婚式は一週間後に決まり、街はお祭り騒ぎだ。

 俺は、カズマと共に新商品の開発をしつつ、リナとユーリと共に、アルダープの調査をしていた。

 だが、好き放題にやっている割には、決定的な証拠が1つも出てこない。

 バルターにも聞いてみたが、バルター本人も、父が何をしているのか良く分からないらしい。

 遂に、当日になり、調査結果をカズマ達に伝えた。

 ユーリは、古い友人、つまりタッセルの元へと向かった。

 

零士「……調査結果だ。アルダープは好き放題やっている割には、決定的な証拠が1つも出て来なかった。」

リナ「不当な搾取に贈収賄、良い女の人をどんな手を使っても物にして、しかも、飽きたら少ない手切れ金を渡してポイで、被害女性も頑なに口を閉ざしてるわ。」

カリン「そんな……。」

カイト「最低なクズだな。」

めぐみん「でも、尚更放ってはおけませんよ!カズマならどうにかなりませんか?」

カズマ「無理だ。ダクネスの借金の額が分からない。借金の額を調達しても説得出来ない。そして貴族同士の結婚で、警備も厳重。結婚式にも乱入出来ない。」

 

 その話を聞いた後、めぐみんは出かけた。カリンもついていかせて、方針が決まり次第連絡する手筈になっている。

 アクアは接客中らしい。

 俺達が作った物を纏めていると。

 

バニル「へい毎度!見通す悪魔が助けに来たぞ!さあ!貴様らの持てる知識を見せて貰おうか!」

 

 そうしてバニルがやってきて、アクアと喧嘩をするというトラブルがありつつも、色々な疑問を聞く事にした。

 

バニル「さて、あの土の剣士の借金の経緯だったな。事の発端は、貴様らがデストロイヤーを倒した事である。」

零士「………え?」

リナ「どういう事?」

バニル「本来なら、アクセルの街は蹂躙されて、仲良く路頭に迷う筈が、そうはならなかった。」

カイト「良い事だろ。」

バニル「街自体は助かった。しかし、穀倉地帯や治水施設はデストロイヤーが街の目の前で倒された事により、破壊されて蹂躙された。そして、農業に携わっていた者たちは、領主に助けを求めていたが……。」

カズマ「………まさか。」

バニル「そう、貴様らの予想通りだ!あの領主は見捨てた。責務を放棄した強欲な領主以外、誰も悪くないが、このままでは路頭に迷ってしまうだろう。」

零士「……まさか。ベルディアの時の洪水被害の借金も、ダスティネス家が負担したのか?」

リナ「え!?」

カイト「まさか!?」

バニル「ほう。分かっていたとはな。そう。あの土の剣士は、責務を放棄した領主に頭を下げて金を借りたのだ。渋る領主に、返済が困難になった場合には、担保としてその身体でと……。」

 

 俺とカズマは、柱とテーブルを殴りつけた。

 アクア、リナ、カイトが怯える。

 全て繋がった。

 あいつ、俺が1人で抱えるなって言った筈だ。

 俺とカズマはバニルに尋ねた。

 

カズマ「あいつの借金の額はいくらだ?」

零士「それを用意出来るか?」

バニル「丁度、お客様ら2人の半分の資産とこの鞄の中身を合わせると、丁度同額になります。では、商談に入ろうか!」

 

 覚悟を決めるか。

 




今回はここまでです。
ユーリがいよいよエックスソードマンを手に入れます。
そして、アルダープの結婚式を妨害します。


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43話 思いを込める、剣士達

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、ダクネスが失踪して、零士がカリンと剣をぶつけ合い、お互いの思いを確かめたよ。しかし、どういうわけかダクネスがアルダープと結婚するという話が出て来た。どうなってるんだろうね?……それはそうとユーリ。どうしたの?ここに来て?」
ユーリ「ああ。これを見てくれ。」
タッセル「へぇ。これが君が気に入った話って事ね。」
ユーリ「アイツらを助けるために、再び剣士となろう。……さあ、返してくれ。俺の剣士としての歴史が入った、ストーリーオブ光剛剣最光を。」
タッセル「…………。」
ユーリ「まさか無くしたのか!?」
タッセル「いやいやいや、待って、待って。すぐ探すから……。」


ダクネスside

 

 私は、ドレスを着ていた。

 しかし、これは私の自己満足だ。

 領主との式が終わって、父にこの姿を見せたらきっと悲しむだろう。

 

アルダープ「離せ!ララティーナに合わせろ!」

 

 領主め。本性を隠す気がないな。

 

守衛「ダメです。ここから先はダスティネス家の方のみしか入れません。」

アルダープ「通せ!どうせ貴様らの主になるのだぞ!ここを通せ!」

守衛「無理です。今は貴方の部下ではありませんゆえ。」

アルダープ「貴様の顔は覚えたぞ。貴様らのララティーナを嬲った後は覚悟するんだな。」

 

 領主は去っていった。守衛を呼ぶ。

 

守衛「あぁ!お嬢様!なんと美しい姿です!」

 

 この守衛は、昔からずっといる守衛だ。

 

ダクネス「すまない。私の為に……。」

守衛「いえ。この式が済んだら辞めるつもりですよ。まあ、お嬢様が認めた相手なら仕えても構いませんが。」

 

 認めた相手か。それを聞くと、あの2人が思い浮かぶ。

 片方は、臆病な癖にここぞというときは大胆にやる奴だ。口も悪いが、仲間思いで、水の剣士でもあるあの男。

 もう片方は、色んな相手に優しく、剣の腕も上手くて、毒舌を放つ事はあっても、明るく、炎の剣士でもあるあの男。

 私はその2人を思い出して、つい口元が綻んでしまう。

 

守衛「お嬢様は、たまに見せるその笑顔が本当にお美しい。最後にそのお顔を見られて、自分は幸せ者です。」

 

 その後、ろくでもない噂の元凶になったカズマをとっちめたいと思ったが、その後に流れたのはあいつらとの思い出だった。

 土の剣士としての活動は本当に良い思い出だった。

 そして、ハーゲンと共に、教会へ。

 

零士side

 

 ここはアクセルにあるエリス教会だ。

 しばらくすると、ダクネスが入ってきた。

 だが、その顔は、とても悲しんでいる表情だ。

 何勝手に居なくなってるんだ。お前がその身体を差し出せば解決すると思ったのか?

 

ジュン(いよいよだな。)

零士「あぁ。こっからが本番だ。」

 

 俺はジュンにそう答えて、事の顛末を見ている。

 アルダープめ。当初はあまり恨みは無かったが今は、仲間を悲しませた奴と思っている。

 今、アルダープとダクネスが祭壇にやって来た。

 そこにはカズマとアクアが居て、俺、リナ、カイトの3人は、カズマからの合図を待っていた。

 そして、アクアが喋り出す。

 

アクア「汝ー、ダクネスは。この熊と豚を足したみたいなおじさんと結婚し、神である私の定めじゃないものに従って、流されるまま夫婦になろうとしています。あなたは、その健やかな時も、病める時も、喜びの時も、悲しみの時も、富める時も、貧しき時も、おじさんを愛し、おじさんを敬い、おじさんを慰め、おじさんを助け、その命の限り、堅く節操を守る事を約束しますか?出来ないでしょう?私はこのままダクネスと帰って、カズマと零士の料理をつつきながら、キュッと一杯やりたいなぁ……。」

 

 その場違い発言に全ての人の視線がアクアに集まった。

 カズマからGOサインが出た。

 

零士「……行くぞ!」

カイト「……おう!」

リナ「………私も犯罪者か。」

 

 俺達は、潜伏していた所から飛び出し、カズマ達と合流した。

 ごめん。父さん、母さん。あなた方の可愛い息子は貴族に喧嘩を売って、お嬢様を拉致ろうとしています。

 我に返ったダクネスの顔がみるみるうちに青くなり、涙を零した。

 

ダクネス「な、何て事を……。アクア、リナ、カイト……、カ、カズマ!零士っ!放せ!手を放せ!お前達は何をしている!コレは洒落にならんぞ!処刑されてしまうぞ!バカな事を!」

カズマ「バカバカうっせー大バカ女が!お前こそ勝手にバカな事をしやがって!!」

零士「君が勝手に離れといて、しかも、勝手に俺達の借金を肩代わりするな!」

ダクネス「お前達は何を言っている、この大バカがっ!」

アルダープ「こっ、こいつらを捕らえろ!この貧乏人風情が!早く捕まえろ!」

零士「領主の責任を放棄したクズに言われる筋合いはねぇ!!」

 

 俺のその発言に、アルダープが顔をドス黒くして。

 

アルダープ「黙れ!関係無い貴様らはすっこんでいろ!こいつには膨大な負債があるのだ!この女を買う代金を用意してこい貧乏人供が!!」

零士「言ったな!じゃあ、出させてもらいますよ!!」

カズマ「約束守れよおっさん!ダクネスが借りた金、総額20億エリス!これでダクネスは貰っていくぜ!!」

 

 カズマはそう言って、中身を足下にぶち撒けた。

 その理由は。

 

アルダープ「何!?ララティーナを!ワシのララティーナを……、ああっ金が!拾ってくれ!!」

 

 アルダープが金にがめついのは、既に知っているので、時間稼ぎだ。

 ダクネスを連れて逃げようとすると、食って掛かった。

 

ダクネス「お前達は!誰がこんな事をしてくれと言った!貴様ら、私の覚悟を何だと思っているのだ!それにこの大金はどうした!?」

零士「売ったんだよ。俺たちの知的財産権を纏めて。」

カズマ「それに、討伐賞金も半分ずつ出したら、ちょうど20億エリスになった。分かったら、とっとと逃げるぞ!」

ダクネス「そんな事をしてまで、お前達は……、お前達という奴は!」

零士「後で、夜逃げする時に、手伝って貰いますからね!」

カズマ「そう言うこった!逃げるぞ!!」

カイト「その前に変身するぞ!」

リナ「そうね!!ダクネス、色々と手伝って欲しい事が山ほどあるの!!」

 

『ドラゴニックナイト!』

『キングライオン!』

『ランプドアランジーナ!』『ニードルヘッジホッグ!』『トライケルベロス!』

『ジャオウドラゴン!』

『ジャオウリード!』

『烈火抜刀!』

『流水抜刀!』

『黄雷抜刀!』

『闇黒剣月闇!』

 

「「「「変身!!」」」」

 

『ドラゴニックナイト!』

『キングライオン大戦記!』

『ゴールデンアランジーナ!』

『ジャオウドラゴン!』

 

 俺達は仮面ライダーになって、領主の部下を牽制する。

 

零士「ダクネス!ほれ!お前の聖剣だ!」

ダクネス「ここまでやらかしてしまった以上は仕方がない、もう色々と吹っ切れた!領主の犬どもそこをどけっ!どかぬと言うなら、ぶっ殺してやるっ!!」

 

『玄武神話!』

『玄武神話!』『一刀両断!』

 

ダクネス「変身!」

 

『ブッた斬れ!ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!』

『激土重版!絶対装甲の大剣が、北方より大いなる一撃を叩き込む!』

 

 ダクネスは、ドレスを引き裂き、ヴェールも脱ぎ捨てて、仮面ライダーバスターに変身して、突撃していく。

 俺たちも、領主の部下を殺さずに気絶させる様に倒していく。

 俺は、ある程度片付けたら、ドラゴニックブースターで炎を出して牽制する。

 膠着状態に陥らせている所に。

 

ゆんゆん「ライト・オブ・セイバー!」

 

 教会の壁がドアごと倒れた。

 そこには、3つの人影が。

 野次馬冒険者達は、これから何が起こるのかを楽しそうに見守っている。

 領主の部下は、距離を取った。

 

ゆんゆん「めぐみん、やったわよ!親友の頼みだから、こんな犯罪紛いの事だって大丈夫だから、私!」

めぐみん「はいはい、ご苦労様です。では、もう屋敷に帰ってもらって良いですよ。」

ゆんゆん「ええっ!?」

 

 なんと、めぐみんは街中で躊躇いなく、爆裂魔法を完成させていた。

 そして、めぐみんとカリンは、剣斬とスラッシュに変身していた。

 

めぐみん「悪い魔法使いが来ましたよ。悪い魔法使いの本能に従い、花嫁を攫いに来ました。」

カリン「私も、親友を取り戻しに来たわよ。」

 

 俺達が目立たなくなるぐらいに目立っていた。

 

めぐみん「私のあだ名は知っていますね?なら、もちろんこの杖の先の魔法が何か知っていますよね?制御を失うとボンッ!てなります。そこら辺をよく注意してから来て下さい。」

カリン「私も、今、大分イライラしてるから、刺激させると、銃撃を喰らうからそこら辺を注意してかかって来なさい。」

 

 要約すると、ちょっとでも手を出したら爆発するから、それでも良いならかかってこいやと言っている。

 なんともまあ、凄い脅迫だ。

 

ゆんゆん「あ、あれ?ねえめぐみん、カリンさんカズマさんと零士さんが既に、ほら。」

カリン「ありがとね!親友を助けてくれて!」

めぐみん「ほぉら。」

 

 めぐみんが杖と風双剣翠風を、カリンが音銃剣錫音を向けると、領主の部下は、慌てて参列席へと逃げる。

 その隙に俺達6人がめぐみん達のもとへ駆け寄ると……!

 

アルダープ「なっ、何をっ!何を怖気付いているバカ者がっ!あんなものはハッタリに決まっているだろうが!取り押さえろ!」

めぐみん「ほう!この私が怖気付くと!爆裂魔法を撃つのを怖気付くと、本気で言うんですか!良いでしょう!その挑戦を受けましょう!!」

カリン「ほぉら、バン!」

 

 めぐみんとカリンは、爆裂魔法を撃とうとしたり、音銃剣錫音を実際に撃った。

 

部下「ヒィ!本当に撃ちやがった!あの女!」

部下「アルダープ様!これ以上の挑発は止めて下さい!」

 

 めぐみんとカリンが牽制している中、合流を果たすと。

 

カズマ「美味しい所を持っていきやがって!」

零士「助かった!ありがとう!!」

めぐみん「派手に美味しい所を持っていくのは紅魔族の本能ですから。」

カリン「本当に親友を取り戻してくれてありがとうね!零士!!」

ダクネス「めぐみん、カリン!それにゆんゆんまでこんな事を!帰ったら礼を……!」

零士「そんな事は後にしてくれ!」

 

 そう。これはあくまで一時的な膠着状態。いつ襲って来てもおかしく無い。

 アルダープが野次馬冒険者達に。

 

アルダープ「おい!そこの野次馬達!ワシの花嫁をそいつらから取り返してくれ!そうしたら、多額の報酬を出そう!頼む!ララティーナを!ワシのララティーナを!」

冒険者達「…………。」

 

 冒険者達は顔を見合わせると、明後日の方を向いたり、欠伸をするなど、聞こえてないふりをしだした。

 ありがたい!!

 だけど、冒険者達の考えている事が分かるぞ。

 図太い冒険者連中が、今更態度を変えないだろう。暫くは揶揄われそう。

 その時。

 

めぐみん「くっ………!カズマ、零士。そろそろ魔法の維持が限界です!撃っていいですよね!どうせ私達は犯罪者です!」

 

 マジで。それだけは止めろ!

 

めぐみん「あぁ!もうダメです!維持が出来ません!離れて下さい!!」

 

 制御不能になった!!

 俺達は突風に備えて腕をクロスして衝撃に備える。

 

めぐみん「エクスプロージョン!!」

 

 街の遥か上空で閃光が炸裂し、ガラスがあちこちで割れる。

 

めぐみん「今の内に逃げましょう!!」

零士「そうだな!」

カズマ「よし!遠距離攻撃で迎撃だ!」

 

『ハバネロ!リーディング!ドラゴニックナイト!』

『スプラッシュ!リーディング!キングライオン!』

『黄雷居合!』

『月闇居合!』

『ドラゴニックホットスパイシー!』

『ライオニックフルバースト!』

『『読後一閃!』』

 

零士「ドラゴニックホットスパイシー!」

カズマ「ライオニックフルバースト!」

リナ「黄雷居合!」

カイト「月闇居合!」

 

 俺、カズマ、リナ、カイトの4人は、襲って来た部下共を遠距離から攻撃した。

 水蒸気の煙幕を出して、全員で一斉に撤退していく。

 後ろをチラリと見ると、アルダープの部下は軒並み野次馬冒険者達に袋叩きにされていた。

 俺達はダスティネス家に到着して、ダクネスの親父さんの元へ。

 俺達は空気を読んで、部屋から退出した。

 後は、カズマ達に任せよう。そう思っていたら外から悲鳴が聞こえて来る。

 外に出ると、一体のメギドが居た。

 

ユーリside

 

 ビクトールは、俺のストーリーオブ光剛剣最光をどこにおいたか忘れたみたいで、必死に探していた。

 その際に、他のワンダーワールド物語のワンダーライドブックが投げ捨てられていたが、気にしないでおく。

 すると、帽子の中から出てきたそうだ。

 

タッセル「あった……!これで彼らを導いて下さい。」

ユーリ「再び剣士となり、世界を守ろう。」

 

『光剛剣最光!』

『最光発光!』

 

 すると、黒い雲が現れて、雷が落ちると同時に、ストーリーオブ光剛剣最光が変化していく。

 

『エックスソードマン!』

 

 ビクトールが怯えた様に周囲を見渡すが、俺は気にせずに、エックスソードマンワンダーライドブックを手に取る。

 零士達の元に戻るか。

 

 

 




今回はここまでです。
ユーリがエックスソードマンを獲得!
そして、カリュブディスが現れた。


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44話 最高に輝く、光の剣士

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、ダクネスを救出した剣士達!しかし、ダクネスの屋敷にカリュブディスが現れた。ユーリも向かっているんだけど………。」


 俺達は外に出ると、一体のメギドが居て、暴れていた。

 あのメギドは、カリュブディスメギドだ。

 

零士「何で、カリュブディスがここに!?」

リナ「そんな事より、とっとと倒すよ!」

カリン「えぇ!」

カイト「あぁ!」

 

 カズマ達は変身を解いていたが、俺達は変身解除していなかったので、カリュブディスと交戦する。

 4人の連携でカリュブディスを攻撃して、着実にダメージを与えられていたが、カリュブディスは口を開けると、俺達とは違う方向に伸ばしていた。

 そこには、逃げ遅れたメイド達が。

 

零士「不味い!!」

 

 俺がメイド達を助けたものの、俺が逃げ遅れてカリュブディスに喰われてしまった。

 

リナside

 

 零士がカリュブディスに食べられちゃった!

 零士は逃げ遅れた人を助けたものの、零士自身が逃げ遅れて食べられてしまった!

 

リナ「どうしよう!零士が!!」

カイト「落ち着け!」

カリン「でも、どうすんのよ!!」

 

 私達が戸惑っていると。

 

ユーリ「すまん!待たせたな!」

 

 ダスティネス家の屋敷の屋根にユーリが居た。

 

リナ「ユーリ、急いで!零士が食べられちゃった!!」

ユーリ「俺に任せろ!」

 

『Gold or silver ?』

『最光発光!』

 

ユーリ「変身!」

 

『Who is this?』

『最光2章!光より生まれし影!shadow!』

 

ユーリside

 

 丁度、ビクトールの元で生成した、これを使って剣士に戻る時だ!!

 

『エックスソードマン!』

『エピソード1!全ての色で戦え!』

 

 エックスソードマンワンダーライドブックを聖剣サイコウドライバーのバックル部分に装填して光剛剣最光のライドシグヌムでバックルのトラーディオライドを押す。

 

『最光発光!』

『Get all colors!エックスソードマン!』

『エピソード1!フルカラーで参上!ババババーン!』

 

ユーリ「私は世界を守る剣。いや、剣士だ!」

カイト「ユーリが、人型に……!」

リナ「随分とド派手ね。」

カリン「調べてもいいのかな?」

 

 何か、寒気がするが、あいつを倒すとしよう。

 私はカリュブディスに斬りかかる。

 ある程度、弱らせると、カリュブディスは私を食べようとする。

 

リナ「危ない!」

ユーリ「問題無い!」

 

『移動最光!』

『腕最高!Full color goes to arm!』

『エピソード2!カラフルソードで、スバズバーン!』

 

ユーリ「零士は返してもらおう。」

 

 私はエックスソードマンパワフルに変身し、カリュブディスの口に腕を突っ込み、零士を引っ張り出す。

 

ユーリ「無事な様だな!」

零士「ユーリ!?助かった!」

 

 零士を引っ張り出すことに成功して、必殺技へと移行する。

 

『フィニッシュリーディング!』

『サイコーパワフル!』

 

ユーリ「光あれ!」

 

 光剛剣最光とパワフルエックスソードでカリュブディスを斬り裂く。

 カリュブディスが怯んだ隙に、カラフル形態へと戻り、再び必殺技へ。

 

『フィニッシュリーディング!』

『サイコーカラフル!』

 

ユーリ「エックスソードブレイク!」

 

 私は、光剛剣最光を構えて、X字にカリュブディスを斬り裂いて、カリュブディスは爆散した。

 爆発音を聞いてカズマ達が出て来た。

 

零士side

 

 俺はカリュブディスに食べられちゃったが、ユーリがエックスソードマンに変身して、助けて貰った。

 その後、ダクネスの親父さんが、悪魔の呪いに掛かっていた事が判明し、アクアが解呪した。

 

翌朝

 

 俺達は夜逃げしようと準備していたが、ダクネスから意外な事を告げられる。

 それは、アルダープが失踪したという事だ。

 

零士「……アルダープが失踪?」

ダクネス「あぁ。何でも、朝になったら居なくなっていたそうだ。それと同時に数々の不正や犯罪の証拠が湧いて来た。」

ユーリ「恐らく、その証拠が隠し切れなくなったから、逃げたという事か。」

カリン「ざまあって思うんだけど、何で急に証拠が湧いてきたんだろ?」

リナ「分かんないけど、まあ、夜逃げする必要が無くなったって事でしょ!」

カイト「そうだな。」

カズマ「どうしたんだよダクネス、早く中に入れよ。」

ダクネス「あぁ。本当にすまない!今回は自分勝手な事をして、皆に迷惑を掛けた。」

 

 そう言ってダクネスが謝罪した。

 

リナ「仲間なんだから当然でしょ。」

カリン「そうよ!気にしないで!」

カイト「あぁ。」

ユーリ「お前はやるべき事をやろうとしたのだろう?」

零士「そう言うこった。気にすんな。」

めぐみん「そうですよ。」

カズマ「あぁ。」

アクア「まったく、ダクネスってば。後であの仮面悪魔にお礼参りに行きましょう!」

ダクネス「ありがとう……。しかし、金が返還されるが、お前達は知的財産権を売ってしまったでは無いか。」

カズマ「屋台でもやろうかなって思って……。」

零士「え?返ってくんの?」

ダクネス「あぁ。そ、それと、もう一度、私を仲間にしてくれませんか?」

零士「当たり前だろ。お帰り。」

ダクネス「ただいま!」

 

 そうして、リビングで、少し話をしていた。

 ダクネスとカズマが一線を越えそうになったりカズマが、本当の事をチクったりするなど、色々あった。

 カズマが俺達に、聞いてきた。

 

カズマ「そういやさ。この国の結婚って、入籍とかどうなってんの?」

リナ「いきなり何?まず挙式の朝に入籍の書類を役所に出して、お昼から結婚式……だけど……。」

零士「……まさか。」

 

 俺達全員、カズマの言いたい事に気づいた。

 ダクネスは、ついてこれていないが。

 カリンとめぐみんがフォローする様に。

 

カリン「ま、まあ。バツイチでも、良い相手見つかるよ。」

めぐみん「さ、最近は、バツイチなんて珍しくもないですしね、ええ!」

ダクネス「!!」

アクア「これってどうなるのかしら?式の最中にダクネスは攫われたわけだけど。」

ユーリ「次の日に相手が夜逃げという事は、世間からしたら、ダクネスが捨てられたという事になるな。」

カイト「あぁ……。」

リナ「そ、そうね……。」

 

 ダクネスが俺とカズマを見てきた。

 

カズマ「まあ……籍ぐらいなんて事はないさ。」

零士「気にすんな……。」

「「………バツネス。」」

 

 ダクネスが逃げた。

 クリスに会うと言っているカズマに面白い事を伝えて、送り出した。




今回はここまでです。
カリュブディスを放ったのは、ストリウスです。
次の話から第8章になり、あの踊り子ユニットに、残りの聖剣、あのフォームも登場します。


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第8章
45話 邂逅せし、始まりの街の踊り子達


タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、カリュブディスが出現して、零士が食べられかけるも、エックスソードマンとなったユーリに助けられて、領主も失踪して、夜逃げする必要が無くなったよ。さて、何か出会いがありそうだね。」


 俺は、カズマに面白い事を伝えて、久しぶりにギルドに行くと、そこに3人組の女の子が居た。

 

???「ああ、どうしたら良いの!?アタシが高難易度クエストに行かなくちゃならないなんて!こんなに可愛いアタシじゃ高難易度クエストなんて無理よ!」

???「だ、大丈夫だー、私が付いているー。こう見えても槍の武術の大会で優勝したことがあるんだー。」

???「そ、そうですよー。ボク、アークプリーストですが、武道の心得もあるんです!」

???「なんて頼もしいのかしら!可愛いアタシがついているし、これならドラゴンとかでも怖くないわね!」

零士「………何だあれ?」

 

 ピンクの髪のツインテールの子と、ショートカットのボクっ娘。更には黒髪ロングの子が居るが黒髪ロングの子が見覚えがある。

 

零士「黒髪ロングの子、もしかして日本人か?何か見覚えが……。」

 

 その女の子達の芝居は続いているが、近くの冒険者に聞く事にする。

 

零士「なあ?あの娘達って?」

冒険者「あぁ。あの娘達は、アクセルハーツって言う踊り子集団だよ。ピンクの髪の子がエーリカちゃん、ショートカットの子がシエロちゃんで、黒髪の子がリアちゃんだよ。」

零士「………もしかしてファンか?」

冒険者「余計な詮索は無しだぜ。炎の剣士。」

 

 そう言ってチケットを渡してきた。

 その冒険者は、サムズアップしながら去っていった。

 だが、あからさまな大根芝居では逆に怪しいだろ。

 一瞬、視線があった様な気がするが、無視して立ち去る。だが、エーリカという子に腕を掴まれていた。

 

エーリカ「ちょっと!?視線が合っといて無視なんて有りえなくない!?」

零士「何の事でしょうかね!?」

リア「す、済まない!高難易度クエストと言っておけば高レベル冒険者が来てくれると思って!」

 

 選り好みしてただけかい!

 確かに俺、高レベルだけど、どうしたらいいんだろうか?

 

シエロ「え、え〜っと。その男の人も、困ってるし……。あ!」

 

 シエロの視線の先には、俺が先程受け取ったチケット。

 これは不味い!

 

シエロ「見てよ、リアちゃん!この人、ボク達のチケット持ってるよ!」

リア「本当だ!もしかして私達のファンなの?」

零士「い、いや……。」

エーリカ「もう、そんなにアタシ達に会いたいのなら、正直に言えば良かったのに。」

 

 不味い。この状況、どうしたらいいんだ?

 そこに、リナ、カイト、カリンがやってきた。

 

リナ「あ。零士!丁度良いところに!」

カイト「ん?その3人は?」

カリン「あらあら、もしかしてナンパ?」

零士「違うわい!」

リア「ん?パーティーメンバーか?」

 

 俺はリア達にリナ達を紹介して、リナ達にどうしてこうなったかを伝える。

 

リナ「なるほどね。確かに、アクセルハーツは、そこそこ有名だからね。」

カイト「そうだな。だが、一体何のクエストを受けるんだ?」

カリン「そうね。一体何のクエストなの?」

リア「実は……、お金が無くて。」

シエロ「そういうわけで、換金率の高いクエストに行こうかと。」

エーリカ「そういう事よ!」

零士「やっぱり、鉱石系統のクエストか?」

カリン「それよ!それにしましょう!」

 

 カリンのテンションが高い。

 恐らく、聖剣の強化に必要な鉱石が不足し始めているのだろう。

 なら、俺たちにとっても好都合だ。

 そういう事で、カズマ達に連絡を入れて置いて俺達はアクセルハーツを連れて、とあるダンジョンへと向かった。

 カリン曰く、このダンジョンは、中々レアリティの高い鉱石が沢山出て来る所で、中には換金率の高い鉱石もあるという。

 俺達はそのダンジョンに到着する。

 

零士「ここか。」

カリン「さあて!稼ぐわよ!」

リナ「そうね。ところで、変身しておく?」

カイト「カリンはどうしてんだ?」

カリン「私は、変身して入ってるわよ。」

零士「なら、変身するか。」

リア「変身?」

シエロ「それは、どういう意味ですか?」

エーリカ「ちゃんと説明しなさいよ!」

リナ「まあ、実際に見せるから。」

 

『ブレイブドラゴン!』

『ランプドアランジーナ!』

『ヘンゼルナッツとグレーテル!』

『ジャアクドラゴン!』

『ジャアクリード!』

『烈火抜刀!』

『黄雷抜刀!』

『銃剣撃弾!』

『闇黒剣月闇!』

 

「「「「変身!」」」」

 

『ブレイブドラゴン!』

『ランプドアランジーナ!』

『音銃剣錫音!』

『ジャアクドラゴン!』

 

 俺達は変身して、アクセルハーツは全員、驚いた表情を浮かべる。

 

シエロ「えぇ!?」

エーリカ「どうなってんの!?」

リア「もしかして、君たちが噂の仮面ライダーだったのか!?」

零士「そういう事!」

リナ「さあ!行くわよ!」

カイト「あぁ!」

カリン「ええ!鉱石を集めるわよ!」

 

 俺達は、変身している事もあって、モンスターは大抵すぐに倒している。

 だが、目的の鉱石はレア鉱石が多い為、そう簡単に集まらないのが現状だ。

 アクセルハーツの目的の鉱石は、集めきったそうだが、こちらはそう簡単に集まらないものの、少しずつ集めている。

 その後、何とか集めきった。

 

カリン「これで、暫くは足りると思うわ!」

カイト「やっぱり、そう簡単に集まらないな。」

リナ「そうだね。」

零士「まあ、それでも集めきったんだし、これで良いだろ。」

リア「ありがとう!手伝ってくれて!」

シエロ「これで大丈夫ですよ!」

エーリカ「そうね!」

 

 俺達は外に出た。その時、ソフィアから連絡が入る。

 

零士「どうしました?ソフィア?」

ソフィア「皆さん!皆さんの近くでワンダーワールドが侵食し始めています!」

零士「え!マジで!?分かりました!すぐに向かいます!」

リナ「どうしたの?」

零士「この近くで、ワンダーワールドが侵食し始めているらしい!」

カイト「こんな時に!」

カリン「鉱石は、ノーザンベースに預けたから、すぐに向かうわよ!」

リア「どうしたんだ?」

リナ「あなた達はここで待っていて!」

シエロ「ま、待って下さい!」

エーリカ「そうよ!借りを作ったまま、引き下がれないわ!私たちも行く!」

零士「ダメだ!危険すぎる!!」

リア「頼む!足を引っ張らない様にする!」

零士「………。」

 

 どうしたもんか。

 

リナ「………分かったわ。ただし、自分達の身は自分達で守ってね!」

カリン「そういう事なら、行くわよ!」

カイト「ああ!」

零士「良いのか!?」

リナ「彼女達も強いから大丈夫よ。」

零士「……分かった。」

 

 こうして、アクセルハーツを連れて、侵食を起こしている所へ。

 




今回はここまでです。
アクセルハーツが登場しました。
エイミー、メリッサ、ミーア、メル、ダニエル、チャーリーと言った他のこのファンのキャラクターは登場しません。
ややこしくなりそうなので。


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46話 覚醒せし、煙と時の剣士

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、アクセルハーツという踊り子ユニットと出会った神崎零士達。彼女達と共にクエストに出ていたが、ワンダーワールドの侵食が起きてしまう。どうにかして欲しいよ!」


 アクセルハーツを連れて、ワンダーワールドの侵食が起きている所に到着した。

 そこには、レジエルが、ゴブリンメギドを6匹メデューサメギドを3体連れていた。

 

零士「レジエル!」

レジエル「炎の剣士か!!」

リナ「まさか、鬱憤晴らし?」

カイト「そうだろ。」

カリン「そうね。」

レジエル「うるさい!お前らまとめて俺が倒してやる!」

零士「やってみろ!」

 

 そうして、俺達は、戦闘を開始した。

 ゴブリンメギドをカイトとカリン、メデューサメギドをリナに任せて、俺はレジエルと交戦する。

 ダンジョンから出た時も変身していたので、そのままを継続している。

 

カイトside

 

 俺はカリンと共に、ゴブリンメギドを6体相手している。

 以前、ベルディアが召喚していたが、何故、レジエルが連れているのか?

 その答えは、ソフィアから教えて貰った。

 メギドは、アルターブックが無事な限りは、何度でも現れるらしい。

 そんな事を考えていても、余裕はある。

 

カリン「カイト!」

カイト「あぁ!!」

 

『必殺リード!』『ジャアクドラゴン!』

『ヘンゼルナッツとグレーテル!』『イェーイ!』

『月闇必殺撃!』『習得一閃!』

『錫音音読撃!』『イェーイ!』

 

カイト「邪悪斬撃波!」

カリン「スナック・音・ザ・チョッパー!」

 

 俺とカリンの斬撃波で、4体のゴブリンメギドを一掃して、フォームチェンジする。

 

『ジャオウドラゴン!』

『ブレーメンのロックバンド!』

『ジャオウリード!』

『銃奏!』

『闇黒剣月闇!』

『銃剣撃弾!』

『ジャオウドラゴン!』

『音銃剣錫音!』

 

 俺はジャオウドラゴンへと変身し、カリンはヘンゼルブレーメンへと変身して、2体のゴブリンメギドを追い詰めて、一気に決める。

 

『必殺リード!』『ジャオウドラゴン!』

『ブレーメンのロックバンド!』『イェーイ!』

『月闇必殺撃!』『習得一閃!』

『錫音音読撃!』『イェーイ!』

 

カイト「邪王斬撃波!」

カリン「ガンズ・アンド・ミュージック!」

 

 闇の斬撃波と青い光弾がぶつかり、残りのゴブリンメギドを一掃した。

 

リナside

 

 私はメデューサメギドを3体纏めて相手していた。

 零士曰く、メデューサメギドの目を見ると石になってしまうので、エスパーダとしての加速能力を駆使して、回避して、必殺技を発動する。

 

『必殺読破!』

『黄雷抜刀!』

『アランジーナ!一冊斬り!』

『サンダー!』

 

リナ「トルエノ・デストローダ!」

 

 トルエノ・デストローダで、メデューサメギド2体を一掃する。

 私は、ニードルヘッジホッグとトライケルベロスを起動して、ワンダーコンボへと。

 

『ニードルヘッジホッグ!』『トライケルベロス!』

『黄雷抜刀!』

『ゴールデンアランジーナ!』

 

 ゴールデンアランジーナになって、メデューサメギドを追い詰めて、必殺技を放つ。

 

『必殺読破!』

『黄雷抜刀!』

『ケルベロス!ヘッジホッグ!アランジーナ!』

『3冊斬り!』

『サ・サ・サ・サンダー!』

 

リナ「トルエノ・デル・ソル!」

 

 トルエノ・デル・ソルで、メデューサメギドを撃破出来たが、アクセルハーツの方を見ると、なんと、ゴーレムメギドがいた。

 

リアside

 

 私達は、シミーを倒していたが、そこにメギドが一体乱入してきた。

 シエロが吹っ飛ばされていた。

 

シエロ「ウゥッ!」

リア「エーリカ!」

エーリカ「うん!」

ゴーレムメギド「これで、とどめだ!」

シエロ「ウッ!」

 

 私とエーリカは、自分達の武器で受け止めた。

 

ゴーレムメギド「何だ貴様ら!」

リア「大切な仲間はやらせはしない!」

エーリカ「あんたなんかにやられてたまんないわよ!」

 

 その時、零士の方から、青と赤の光がやってきて、ゴーレムメギドを吹き飛ばした。

 青い光は私に、赤い光はエーリカに向かっていった。

 その光を取ると、オーシャンヒストリーと描かれた本があった。

 エーリカの方は、昆虫大百科と書いてある。

 

零士「昆虫大百科とオーシャンヒストリーが反応した!」

エーリカ「これって!」

リア「あぁ。」

 

 その時、私の頭に何かが流れてきた。

 

『ここは、神聖なる王の間。貴様如きが剣を振るって良い場所ではない。』

『マスターロゴスの直属の剣士、神代凌牙。またの名を仮面ライダーデュランダル。』

『まずは、火炎剣と、光剛剣。』

『かしこまりました。しかし、この男だけは!』

『ブレイズ!ズオスを倒し、玲花を追い詰めたようだな。どれほど強くなったのか確かめてやる。』

『俺達のやるべき事は変わらない。マスターロゴスを守る事。しかし、マスターに値しない時には粛清しなければ。』

『マスターロゴス。聞きたい事があります。今のあなたは、マスターロゴスですか?』

『そうか。それを聞いて安心した。マスターじゃないのなら、神代家の名において、お前を粛清する!玲花!』

『手出しするな!』

『聖剣を振るい、巨悪を討つ!』

『黙れ!俺を怒らせるな!』

『あ……、ありがとう。』

『気安く話しかけるな!仲間になった訳ではない!』

『玲花、逃げろ!』

『借りが出来た。』

『一生そこで嘆いていろ。』

『何故、俺を見る?』

『神代凌牙。またの名を仮面ライダーデュランダル。俺を、怒らせるな……。』

『いつだ?』

『玲花、鍛錬を続けるぞ。』

『玲花は、………命に変えても俺が守る!』

 

 私は、神代凌牙さんの記憶を見た。

 一方、エーリカは。

 

『あれがセイバー。なかなかやるじゃない。』

『あなたがこの戦いの鍵を握ります。』

『神山飛羽真。サウザンベースに来て下さい。』

『世界を救う為には、多少の犠牲は止むをえません。』

『あなた達を粛清する。』

『私はありません。』

『黙れ愚者が!』

『マスターの意思は私の意思。あの方の偉大な理想を実現させるのも、私!』

『お兄様。』

『あなたは用済みです。』

『はい。お兄様。』

『マスターロゴス。あなたを粛清します。』

『それが、剣士の使命!!』

『分かっています。お兄様。』

『お兄様!無事、回収しました!』

『お兄様の覚悟を無駄にしたら、承知しませんよ!』

『助けて頂き、ありがとうございます。』

『ツンデレなお兄様もたまらない………!』

『あなた如きがお兄様を理解しないで!!』

『お兄様を囮にするとは、死にたいのか………!』

『神代玲花。またの名を仮面ライダーサーベラ。』

『お兄様は、………命に変えても私が守る!』

 

 エーリカは、恐らく、神代玲花さんの記憶を見ていた。

 そして、私とエーリカの腰に聖剣が出現した。

 

『煙叡剣狼煙!』

『時国剣界時!』

 

ゴーレムメギド「何だと……!?」

リア「お前を倒す!」

エーリカ「覚悟しなさい!」

 

『昆虫大百科!』

『オーシャンヒストリー!』

 

 ワンダーライドブックを起動して、ストーリーページを開く。

 

『この薄命の群が舞う幻想の一節……。』

『この群青に沈んだ命が今をも紡ぐ刻まれた歴史!』

 

 ワンダーライドブックをそれぞれの聖剣に装填して、変身する。

 

『狼煙開戦!』

『界時逆回!』

 

「「変身!」」

 

『Flying!Smoke!Sting!Steam!昆虫!Cho 大百科!』

『時は、時は、時は時は時は時は!我なり!オーシャンヒストリー!』

『揺蕩う、切っ先!』

『オーシャン、バッシャーン!バッシャーン!』

 

 エーリカは仮面ライダーサーベラに、私は仮面ライダーデュランダルへと変身した。

 私は早速、時国剣界時の力を使う事にする。

 

『界時抹消!』

 

 カイジスピアを抜いてカイジトリガーを引くと、私の周りの空間が色が抜けて、私はゆっくりとゴーレムメギドの後ろへと。

 これが、時国剣界時の力。時間を削る事の出来る聖剣の力。

 ゴーレムメギドの後ろについたと同時に、カイジスピアを挿し直し、カイジトリガーを引く。

 

『再界時!』

 

 時間の抹消を解除したと同時に、槍の一撃を叩き込む。

 エーリカが追撃に、自分の身体を煙にして、翻弄していた。

 

『狼煙霧虫!』

『インセクトショット!』

 

リア「エーリカ!」

エーリカ「分かってるわよ!」

 

 私は、カイジトリガーを3回連続で押す。

 エーリカは、デフュージョンプッシュを2回押した。

 

『一時一閃!』

『狼煙霧虫!』

『煙幕幻想撃!』

 

リア「一時一閃!」

エーリカ「永煙の一刺し!」

 

 2つの必殺技がゴーレムメギドに命中して、撃破出来た。

 私とエーリカは、リナ、カリン、カイトと合流して、零士の元へ。

 

零士side

 

 どうやら、昆虫大百科とオーシャンヒストリーはエーリカとリアを選んだようだな。

 こっちも本気を出すか!

 レジエルを吹っ飛ばして、ドラゴニックナイトへと変身する。

 

『ドラゴニックナイト!』

『烈火抜刀!』

『ドラゴニックナイト!』

 

 変身し終えたら丁度、リア達も合流してきた。

 一気に倒す!

 

『ドラゴニック必殺読破!』

『必殺読破!』

『ブレーメンのロックバンド!』『イェーイ!』

『ジャオウ必殺読破!』

『超狼煙霧虫!』

『必殺時刻!』

『烈火抜刀!』

『黄雷抜刀!』

『ドラゴニック必殺斬り!』

『ケルベロス!ヘッジホッグ!アランジーナ!』

『3冊斬り!』

『サ・サ・サ・サンダー!』

『錫音音読撃!』『イェーイ!』

『ジャオウ必殺撃!』『You are over!』

『昆虫煙舞一閃!』

『オーシャン三刻突き!』

 

零士「神火龍破斬!」

リナ「トルエノ・デル・ソル!」

カリン「アイアン・シャウト!」

カイト「邪王斬撃波!」

エーリカ「昆虫黙々斬り!」

リア「オーシャン三刻突き!」

レジエル「グワァァァ!!」

 

 俺達6人の必殺技がレジエルに命中したが、未だに健在だった。

 

レジエル「くそ!覚えていろ!炎の剣士!」

 

 そんな捨て台詞を吐いて逃走した。

 それと同時に、ワンダーワールドの侵食も止まった。

 俺達はアクセルへと帰り、カズマ達と合流してソフィアに煙と時の剣士が現れた事を伝えた。

 




今回はここまでです。
超バトルDVDで、ビルドモチーフのカンガルーゲノム、ボルケーノレックスゲノムなどが発表されました。
アギレラ様もクイーンビー・デッドマンに変身するという事で、プレバンでカメレオン、サーベルタイガー、プラナリアのプロトバイスタンプと一緒に出るんですかね?


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47話 開幕せし、感謝祭

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、ワンダーワールドの侵食が起こってしまったけど、何と、アクセルハーツのリアとエーリカが時と煙の聖剣に選ばれたんだよ!これで、十剣士が勢揃いだね!」


 アクセルハーツのリアとエーリカが、デュランダルとサーベラへと変身出来る様になった翌日、ひよこことゼル帝が生まれたり、ダクネスの権力で結婚を無かったことにしたりと、色々あったがクリスから、神器回収を頼まれた。

 

クリス「そんな訳で。助手君にはもうお願いしてるんだけど、出来れば皆にも神器回収を助けて欲しいなって思ってね。」

ユーリ「俺は構わないぞ。」

零士「俺もだ。」

リナ「私も。」

カイト「俺も。」

カリン「実際に神器を見たいしね!」

ダクネス「手伝ってやりたいのは山々なのだが、すまない。領主代行の仕事が忙しくてな。」

めぐみん「私も構いませんよ。」

アクア「残念だけど手伝えないわ。」

 

 どういう事だ?

 年柄年中、暇そうなアクアが?

 そして、アクアから放たれたのは、女神エリス感謝祭を止めて、女神アクア感謝祭をやろうという事だ。

 アクシズ教徒には関わりたく無い俺は、すぐさまに断った。

 

アクア「何でよ!!あんた暇そうじゃ無い!」

零士「君には言われたく無い!」

リナ「何でなの?まあ、気持ちは分かるけど。」

零士「アクシズ教徒には金輪際関わりたく無いからな!」

カイト「否定はしない。」

カリン「確かにね。」

ユーリ「俺も、アクセルに居るセシリーというアクシズ教徒に絡まれて、もうウンザリしているんだ。」

 

 結果として、ダクネスは領主代行の都合で参加せず、めぐみんとクリスは手伝う事になり、カズマ、俺、リナ、カイト、カリン、ユーリは手伝わない事に。

 その後、クリスから自分の正体をカズマにバラした事を咎められたが、協力者が居る方が良いと言って納得させた。

 そして、どういう訳か、エリス祭りとアクア祭りの共同開催になった。

 俺たちも俺たちの用事を終えて、屋敷に帰るとダクネスがトイレに立て籠っていると言う。

 理由は、カズマがダクネスの恥ずかしい秘密を広めた結果、冒険者達に揶揄われたかららしい。

 カズマが交渉したが、失敗したそうで、トイレの前にテーブルを置いて、上に向かった。

 その時に俺に耳打ちして、ダクネスに伝えた。

 

零士「ダクネス。カズマが、今からダクネスの部屋に行ってタンスにクローゼット、ベッドの下まで全てをひっくり返して、欲望の限りを尽くしてくるって言って何処かに行ったぞ?」

ダクネス「カズマーっ!止めろっ!貴様、止めろ卑怯者が!おい止めろ!止め……!冗談だろう?アクア、カズマはまだそこにいるのだろう?めぐみん達も、カズマはそこにいるんだろう!?」

 

 ダクネスの声に俺達はハモった。

 

「「「「「「「居ないよ。」」」」」」」

ダクネス「カズマ、私が悪かった!悪かっ……!ちょっ、出してくれ、出られない!アクア、めぐみん、零士、リナ、カイト、カリン、ユーリ、出してくれ!カズマすまない、ごめん!ごめんなさい!許してくださいカズマ様!」

 

 て言うか、土豪剣激土はどうした?

 その後、食事をして、今後の方針を定めて、寝た。まあ、カズマはエリス様と一緒にいるだろうけどな。

 翌日に、俺達がギルドに行くと、大量の人が居た。

 理由は、モンスターを完全に倒さないと、祭りが開催されないからだそうだ。

 後、蝉が出るそうで、それが夜であろうと鳴き続けるそうで、俺の安眠の為に協力する。

 ちなみにアクセルハーツとも合流して、クエストに挑む。

 

零士「蝉が夜でも鳴き続けるとは。」

ユーリ「倒せばいい話だ。」

リナ「変身していこっか?」

リア「そうだな。」

 

『ブレイブドラゴン!』『ストームイーグル!』『西遊ジャーニー!』

『ライオン戦記!』『天空のペガサス!』『ピーターファンタジスタ!』

『ランプドアランジーナ!』『ニードルヘッジホッグ!』『トライケルベロス!』

『玄武神話!』

『猿飛忍者伝!』

『ヘンゼルナッツとグレーテル!』

『ジャアクドラゴン!』

『エックスソードマン!』

『昆虫大百科!』

『オーシャンヒストリー!』

『烈火抜刀!』

『流水抜刀!』

『黄雷抜刀!』

『一刀両断!』

『双刀分断!』

『銃剣撃弾!』

『闇黒剣月闇!』

『最光発光!』

『狼煙開戦!』

『界時逆回!』

 

『変身!』

 

『クリムゾンドラゴン!』

『ファンタスティックライオン!』

『ゴールデンアランジーナ!』

『土豪剣激土!』

『風双剣翠風!』

『音銃剣錫音!』

『ジャアクドラゴン!』

『エックスソードマン!』

『昆虫CHO!大百科!』

『オーシャンヒストリー!』

 

 まさか、十の剣士が揃い踏みとはな。

 

零士「行くぞ!皆!」

『おう!』

 

 作戦としては、俺達仮面ライダーと防御に自信がある前衛職でモンスターを引き寄せて、後の人たちで殺虫剤をかけるという物だ。

 やはりと言うべきか、この世界のカブトムシやクワガタムシ、カマキリ等大きさは日本と違って子犬並みだった。

 それゆえ、突進を喰らうだけでも、変身していても吹っ飛ばされかねない。

 俺は、希望の竜使いウィザードワンダーライドブックをシンガンリーダーにスキャンして、スラッシュストライクを発動する。

 

リア「行くぞ!」

 

『界時抹消!』

『再界時!』

 

リア「ハァ!」

 

 リアやエーリカのアクセルハーツもそれぞれの聖剣を使いこなしている。

 

めぐみん「まだですか!?私の爆裂魔法はまだですか!?」

カズマ「悪いがお前の爆裂魔法は出番無しだ。なにせ森の中だからな。木にでも当たったら大惨事だ。だから、剣斬として。」

めぐみん「エクスプロージョン!」

 

 めぐみんがその先は言わせるかと言わんがばかりに爆裂魔法をかなり上空に放つ。

 爆風が吹き荒れて、俺達は軒並み吹っ飛ばされてしまった。

 その後、第二波が来たり、祭りの準備に追われたりして、1週間が過ぎて、遂に、祭りが開催された。




今回はここまでです。
零士がアクシズ教徒を嫌がっている理由は、アルカンレティアでの一件がトラウマになっているのと、セシリーにしつこく勧誘されたからです。


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48話 荒れ狂いし、破壊の手

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、祭の準備をしていて、無事開催できたよ!………でも、何か、胸騒ぎがするね。」


 そうして、俺達は祭りを楽しんでいる。

 アクシズ教徒のエリアには行かない様にして。

 だが、アクアが焼きそばを出した事で、少しはアクシズ教徒のエリアにも来ていた。

 リナにアクセルハーツ、ユーリも俺と一緒に行動しており、中々に楽しい。

 

零士「いやぁ。この国の祭りは楽しいな。」

リナ「そうね。それにしてもユーリさん。飲食は出来ないんじゃなかったっけ?」

ユーリ「剣士としての姿になってからは、飲食も出来るようになった。」

リア「皆もありがとう!」

シエロ「まさか、アクセルハーツとしてお仕事に呼ばれるとは!」

エーリカ「本当にそうよね!」

 

 そう。アクセルハーツも祭りを盛り上げる為に呼ばれたそうだ。

 その為、彼女達は離脱する事になっている。

 しばらくして、時間になった為、離脱した。

 

ユーリ「それにしても、この、焼きそばと言うのか?これは実に美味だな。」

リナ「本当よね!零士やカズマの国はこんな美味しい物があるの!?」

零士「あぁ。焼きそばだけじゃなくて、タコ焼きもあるとは。」

 

 なんと、クリスがアクシズ教徒のブースで手伝っていて、そこで焼きそばやタコ焼きを売っていたので、それを買った。

 エリス様。本当に何してんすか?

 結果として、アクシズ教徒の方は、焼きそばのみが黒字だった。

 翌日は、リナと一緒に行った事ぐらいしか出来事が無かった……訳ではなく、ワンダーワールドの侵食が起こったので、それの対処も行った。

 

零士「ハァ。ワンダーワールドの侵食を起こすストリウス達も、空気を読んでほしいな。」

リナ「相手は空気を読んでくれないから。」

ジュン「まあ、そうなんだけど。」

 

 そうして、2日目は無事に終わった。

 だが、妙に胸騒ぎがする。

 翌日、リナとユーリと共に出掛けていたが、夜の花火にモンスターが釣られてきて、迎撃に当たっていた。

 疲れた俺は1人で居ると、とある人物を見かけて追いかけた。

 ちなみにリナとユーリは、アクセルハーツに剣技を教えていた。

 追いかけていると、その男が立ち止まり、振り向いた。

 その男は、やはりと言うべきか、ストリウスだった。

 

零士「何してんだ!ストリウス!!」

ストリウス「何、禁書を手に入れたので。」

零士「!!その本を渡す訳には行かないな!」

 

『ドラゴニックナイト!』

『烈火抜刀!』

 

零士「変身!」

 

『ドラゴニックナイト!』

『すなわち、ド強い!』

 

 俺はドラゴニックナイトへとすぐさま変身して怪人態となったストリウスと交戦する。

 俺自身の技量の上昇もあるが、ストリウスが禁書を片手に持ったままなので、そこまで苦戦せずに戦えている。

 しかし、ストリウスが禁書を開こうとしていた。

 

ストリウス「早速、禁書の力を試してみましょうかね。」

 

 禁書を開いた途端、骨ばった手が天空へと伸びていき、恐ろしい力で地上へと叩きつけられた。

 その反動で、ストリウスから禁書が離れたが、俺は変身解除してしまった。

 

ストリウス「これが禁書の力……!」

零士「本当に渡しちゃなんねぇな!」

 

 ストリウスが手放した隙に回収する。

 でも、この禁書って、プリミティブドラゴンになるやつじゃ……。

 

リナside

 

 私とユーリは、アクセルハーツの剣技の上達の為に、特訓していた。

 

リナ「だいぶ上達したんじゃない?」

ユーリ「あぁ。これなら単独でも戦えるな。」

リア「ありがとうな。手伝ってくれて。」

エーリカ「助かったわ。」

 

 その時、アクセルの反対側、つまり、私達が居る反対側から、巨大な骨の手が出現した。

 

リア「何だ!あれは!?」

シエロ「巨大な、骨の手?」

エーリカ「何よあれ!?」

リナ「大丈夫かしら?」

ユーリ「嫌な予感がする。向かうぞ!」

 

 私達は、巨大な骨の手が出てきた所へ。

 

零士side

 

 俺はストリウスから禁書を奪還したが、どうしたらいいのか途方に暮れていると。

 

レジエル「見つけたぞ!セイバー!!」

 

 毎度お馴染みのレジエルが現れた。

 レジエルがすぐさま怪人態へと変わり、俺は火炎剣烈火で対応する。

 その時、俺の腕の中で禁書が勝手に開き、文字を読んでいると、悲しげな表情の少年が現れて、巨大な骨の手が再び現れて、レジエルを吹き飛ばし、俺を締め付ける。

 

零士「うわぁァァァ!!」

 

 そして、禁書はプリミティブドラゴンワンダーライドブックへと変化した。

 俺は目の前の敵を倒す事しか考えていない。

 

零士「………。」

 

『プリミティブドラゴン!』

『ブレイブドラゴン!ゲット!』

 

 ソードライバーに装填して変身する。

 

零士「………変身。」

 

『烈火抜刀!』

『バキッ!ボキッ!ボーン!』

『ガキッ!ゴキッ!ボーン!』

『プリミティブ!ドラゴン!』

 

零士「グゥゥ……グォオオオオオ!!ウウ……ハァァ……」

 

ストリウスside

 

 まさか、あの禁書が炎の剣士の元へと渡るとは。

 

ストリウス「レジエル。彼は危険です!」

 

 私が斬撃波を放つが、彼は気にせずに突進してくる。

 まるで戦闘スタイルが、野生の猛獣そのものに感じる。

 

レジエル「何だ、あれは!?あれは本当に炎の剣士か?」

 

 レジエルも戸惑っていますねぇ。

 だが、流石にまずい。

 戦力差が著しい。

 

リナside

 

 私達は、巨大な骨の手が出現した所に向かった所、そこにはレジエルとストリウスが居た。

 あと、水色のセイバーが居た。

 

リナ「………零士!?」

リア「え!?」

シエロ「あれが零士さん!?」

エーリカ「でも、何か戦闘スタイルが野生の猛獣にしか見えないんだけど!」

ユーリ「暴走している!今の零士に意識は無いだろうな!」

リナ「え!?暴走……!?」

 

 そういえば、富加宮賢人さんの記憶の中に、神山飛羽真さんもプリミティブドラゴンで暴走している記憶がある。

 つまり、零士はプリミティブドラゴンによって操られていると言う事。

 レジエルとストリウスは、あっという間に追い詰められて、零士が必殺技を放とうとしていた。

 

『グラップ必殺読破!』

 

零士「うわぁァァァァ!!」

ストリウス「不味い!退きますよ!!」

レジエル「舐めるな!そんな物、俺の力で打ち返してやる!」

 

 零士に向かって、雷に炎、岩といった攻撃を仕掛けるが。

 

『烈火抜刀!』

『クラッシュ必殺斬り!』

 

 零士のベルトから出た巨大な骨の手がレジエルを掴んで、引き寄せて、火炎剣烈火で斬り裂いた。

 その後に衝撃波が来て、私達全員纏めて変身解除に陥った。

 

リナ「………あれが、プリミティブドラゴン!」

リア「凄まじい力だ……。」

エーリカ「何よあれ。反則でしょ!」

シエロ「大丈夫ですか!?」

ユーリ「あぁ。」

 

 零士も変身解除して、そのまま気絶した。

 




今回はここまでです。
プリミティブドラゴンが登場しました。
一輝に大二にさくらの3人のキャラソンが1月16日に配信されますね。
そして、次回、ボルケーノバイスタンプが登場しますね。



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49話 降臨せし、幸運の女神

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、祭りを楽しんでいた神崎零士。しかし、ストリウスが現れて、禁書を奪還したけれど、まさかのプリミティブドラゴンに変身。……さて、彼はプリミティブドラゴンの心を救えるのかな?」


 俺は目が覚めると、屋敷の自分の部屋に居た。

 ベッドにはリナも居て、起きた時にリナに抱きしめられた。

 

リナ「零士!」

零士「うわ!」

リナ「良かった……!良かったよ……!」

零士「リナ………。」

ユーリ「目が覚めた様だな。」

零士「ユーリ……。すまん、迷惑かけた。」

ユーリ「気にするな。幸い、禁書は奴等の手には渡らなかった。それに、被害もそこまで無い。」

 

 ユーリ曰く、祭りが盛り上がっていた事もありそこまで人への被害は出ていないそうだ。

 そして、銀髪盗賊団が現れて聖鎧アイギスを盗もうとしたが、失敗したそうだ。

 更に、アクシズ教徒が売り上げを理由に、アクア祭りの単独開催を要求してきたそうだ。

 アクシズ教徒の事も放って置けないが、プリミティブドラゴンの事もどうにかしなければ。

 もし、街中で戦闘になって、プリミティブドラゴンに変身する事になれば、大惨事になりかねないからな。

 カイトとカリンにプリミティブドラゴンの解析を頼む事にした。

 俺は、カズマとダクネスとクリスの元へと向かう。

 

零士「よお。」

カズマ「零士!?」

クリス「零士くん!?」

ダクネス「零士、大丈夫なのか?」

零士「あぁ。心配かけた。」

 

 やはり、エリス様ことクリスは、自分の祭が消えるかもしれないという事で、元気がない。

 エリス様に救って貰った身としては、何とかしたい所だ。

 その時、カズマが提示した意見は、コンテストを行う事だった。

 コンテストの意味は、マンネリ化しているエリス感謝祭に新たなイベントを出す事、逃げ出した聖鎧アイギスは女好きなので、それで聖鎧アイギスを誘き寄せる意味も兼ねているそうだ。

 ダクネスを始めとするエリス教徒に反対されたが、アクシズ教徒に押されて、エリス感謝祭が無くなるのは困るだろうと俺も説得して、なんとかやる事に漕ぎ着けた。

 俺としても、アクシズ教徒には関わりたく無いから協力する。

 俺はクリスの買い出しに付き合う事にした。

 

クリス「それにしても、プリミティブドラゴンまで行きましたか。」

零士「だけど、プリミティブドラゴンともどうやって和解したら良いんだろ?」

クリス「それは、あなたらしくやったら良いじゃ無いですか?」

零士「俺らしく?」

クリス「あなたと神山飛羽真さんは違うじゃないですか。あなたらしくプリミティブドラゴンと向き合ってはどうでしょうか?」

零士「分かりました。エリス様。でも、それってエレメンタルドラゴンが出るか分からないですよね。」

クリス「2人きりだから良いですが、他の人がいるときはクリスですよ。それに、多分、エレメンタルドラゴンは出ますよ。」

零士「分かってますって。」

『脱ーげ!脱ーげ!』

 

 そこには、ダクネスに向かって脱げコールをしていたカズマと聖鎧アイギスがいた。

 

クリス「キミは一体何してんのさ。」

 

 カズマとアイギスが、肝を冷やしたそうだ。

 その後、色々と揉めており、このままでは、アクア祭りの単独開催になってしまう。

 それだけは避けたい。

 

クリス「ねえ、アイギスお願い。あたしの言う事聞いてくれない?」

アイギス《えー……。ちょっとだけ心動かされちゃったけど、そんな寂しそうな顔しても流されたりしないんだからねっ!》

零士「アイギス。とびっきりの美少女紹介したら、クリスの言う事に従うか?」

アイギス《まあ、とびっきりの美少女を紹介してくれたら、やぶさかでは無いけど?》

零士「という事で、クリス。いや、エリス様、お願いがあるんですが。」

アイギス《おい、お前?まさか熱中症か?待ってろよ、医者呼んできてやるから……。》

カズマ「零士……。」

クリス「お聞きしましょう零士さん。私に出来る事があるのなら、言ってください。」

アイギス《おい、何度も無視するんじゃねーよ!一体何企んでるんだ?》

零士「アイギス。本物を拝ませてやる。」

 

 そうして、その場にいる人全てが終わろうとしているコンテストのステージの中央に注目した。そこには、1人の少女が。

 

司会者「…………あの。飛び入りの参加者……という事で……よろしいので……しょう……か?」

エリス「はい。飛び入りという形になってしまい申し訳ありません。」

司会者「いいいいいいいえ!とんでも!とんっでもございませんっ!ここ、この度は、女神エリス様コンテストに御参加頂き、ありがとうございますっ!」

 

 司会者がさりげなく、女神エリス"様"コンテストと言っている事から、司会者も何となく正体に気がついたのだろう。

 周囲が少しではあるが、騒めき出す。

 隣のアイギスとカズマも、呆然としていた。

 

司会者「そそ、それでは……。これは、参加者全員にお尋ねしている事なので、どうかお許し頂きたいのですが……。その、出来ればお名前なんか伺っても……。」

エリス「名はエリスと申します。」

 

 エリスの名乗りに、会場に歓声が轟いた。

 エリス教徒は特に顕著で、嗚咽して、跪いて涙を溢れさせていた。

 

零士「流石、エリス様だ。」

カズマ「本物の女神って凄いな。ウチの駄女神とは大違いだ。」

 

 隣にいるアイギスを見ると、小刻みに震え出した。

 

アイギス《見つけた……。見つけた。見つけたああああ!俺、見つけたよ!見つけちゃったよご主人様を!なんなん!?》

 

 と、物凄く惚れていた。

 神器すら惚れさせるって、凄いですね。エリス様。

 

司会者「はわわわわわ、あり、ありがとうございます!お答え頂き、ありがとうございます!あの実はあと2つほど質問があるのですが……。」

エリス「その2つは内緒です。」

 

 そう言ったら、周囲が沸いた。

 その後、エリス様に握手しようとする人が現れたので、防衛した。

 その時に、アイギスが協力してくれた。

 翌日に、説教されたり、宴会をしたりと、中々に楽しかった。

 しかし。

 

セシリー「ねえ、零士君?お姉さんと、結婚しない?」

零士「断固断る!!」

 

 セシリーというアクシズ教徒に絡まれて、ウンザリしたが。

 




今回はここまでです。
次回の1話をやって、第8章は終わりです。
活動報告に新しいのを入れたので、見て下さい。


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50話 特訓する、煙と時の剣士

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。開催していたエリス感謝祭とアクア感謝祭は、プリミティブドラゴンや、アクシズ教徒の暴走もあったものの、無事に閉幕出来たよ!アクセルはしばらくはエリス教徒の聖地になるだろうね。さて、今回は何をしているのかな?」


 俺とカズマ、アクア、めぐみん、ダクネス、リナ、カイト、カリン、ユーリはアクセルハーツの元へと来ていた。

 実は、アクセルハーツから、特訓をしてほしいと相談を受けていた。

 理由は、俺のプリミティブドラゴンの強大な力に対抗する為、強くなりたいと相談を受けたからだ。

 俺達はそれを快諾して、現在、ノーザンベースの闘技場で修練を重ねていた。

 

リナ「リアさんも大分上達したわね!」

リア「ありがとう!でも、まだまだだよ。」

カリン「もうちょっと、身軽に動けても良いんじゃないかしら?」

エーリカ「ええ!分かったわ!」

シエロ「はい!カズマさん!カイトさん!零士さん!これを持って腕立て10回!」

カズマ「ヒェェェェェ!!」

「「…………。」」

ユーリ「ふむ。めぐみんもダクネスも大分上達したな。」

めぐみん「ありがとうございます。」

ダクネス「すまない。私たちの修練に付き合って貰って。」

アクア「皆頑張ってるわね。」

 

 リナはリアの、カリンはエーリカの、シエロは俺、カズマ、カイトの、ユーリはめぐみん、ダクネスの相手をしていた。

 アクアは何もせずにボーッとしていた。

 それにしても、10人の剣士がここに集結するとはな。

 暫く修練が続き、休憩に入ると、リアに呼ばれた。

 

零士「どうしたんだ、リア?」

リア「零士、君には伝えておくべき事があるんだ。」

零士「伝えておくべき事?」

リア「あぁ。それは、私が日本から来た転生者だという事だ。」

零士「………やっぱりか。」

リア「………その反応から、やっぱり気づいていたんだな。」

零士「あぁ。それに、君には見覚えがある。」

リア「見覚え?」

零士「あぁ。とある無名のアイドルグループに所属してただろ?」

リア「………そうだ。見た事あるのか?」

零士「………あぁ。初めて会った時に既視感を感じて、歌声を聴いて確信した。」

リア「………結構見てるんだな。」

零士「まあな。ところで話したい事ってそれの事か?」

リア「………それだけじゃないんだ。実は、アクセルハーツを抜けようかと考えていてな。」

 

 という事をカミングアウトした。

 俺はすぐさま頭を落ち着かせて理由を聞く事にした。

 

零士「………理由は?」

リア「私も、君の仮面ライダーと同じ様に、特典を受け取っている。だからこそ、魔王討伐をすべきかと思ってな。」

零士「………それは、心からの思いなのか?」

リア「………それは………。」

 

 リアが口籠もっていて、俺は更に追求する。

 

零士「心からそう望んでいないのにやるのは、精神的に負荷がかかる。」

リア「………。」

零士「本当は、アイドルとしても活動したいんじゃないのか?」

リア「そうだけど!私も勇者候補なんだよ!魔王討伐が使命なのに!!」

零士「そんな強迫観念に駆られた状態だと、自分の身が持たないぞ。」

リア「………。」

零士「それに、あの2人もきっと君を待っていると思うよ。」

リア「シエロ……エーリカ……!」

零士「確かに、魔王討伐も大切だ。でも、他の事を蔑ろにしてはいけないと思うよ。大切な仲間とかな。」

リア「私は、踊り子を続けていいのか?」

零士「そうだと思うよ。後の事はゆっくりと考えればいいじゃん。」

リア「そうだな。」

 

 リアの顔から憑き物が落ちたかの様な笑顔が浮かぶ。

 俺とリアは仲間達の元へと向かう。

 大切な仲間達と共に世界を救う。そんな思いを持ちながら。

 




今回はここまでです。
この話で、第8章は終わりです。
次回から第9章です。


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第9章
51話 享受する、平和の日々


タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、神崎零士に転生者であると告げたリア。アクセルハーツを抜けようかと葛藤していたけど、神崎零士の助言もあって、これまで通りに過ごす事に。さて、当の神崎零士は何をしているのかな?」


 俺達は修練が終わった後、カズマ達は平穏に暮らしていたが、俺は単独でリベラシオンへと向かっていた。

 理由は、プリミティブドラゴンとどう向き合うかである。

 

零士「行くぜ。」

 

『プリミティブドラゴン!』

『ブレイブドラゴン!ゲット!』

 

零士「変身。」

 

『烈火抜刀!』

『バキッ!ボキッ!ボーン!』

『ガキッ!ゴキッ!ボーン!』

『プリミティブ!ドラゴン!』

 

零士「プリミティブドラゴン!俺の話を聞いてくれ!」

プリミティブドラゴン「嫌だ!どうせ僕を拒絶するんだろ!」

 

 と、説得は難航していた。

 その度に、変身解除されて、ボロボロになっていく。

 今回も、拒絶されて、リベラシオンを後にした。

 屋敷へと戻ると、リナ達が出迎えた。

 

リナ「零士!」

カイト「その様子だと、ダメっぽいな。」

カリン「どうしたら良いんだろ?」

ユーリ「焦るな。焦ると、失敗してしまうぞ。」

零士「あぁ。それはそうと、カズマ達はどうしたんだ?」

リナ「それなんだけど……。」

 

 リナ達曰く、カズマとアクアがいつもの如く喧嘩していた。

 アクア曰く、なんでこんな元クソニートが、水勢剣流水に選ばれたのかが分からない。水の女神である私のほうが相応しいと言っており、カズマ曰く、そんな足りない知能を使って考えろ。お前みたいな奴が選ばれる訳がないと言っている。

 いつもの事ながら、めんどくさい。

 

零士「アクア。自分が水勢剣流水に選ばれなかったからって、駄々をこねるな。」

リナ「そうよ。落ち着いて……。」

アクア「落ち着ける訳ないでしょ!」

カズマ「なら、勝負するか?」

 

 そうして、カズマとアクアで対戦する事になった。

 ルールは、ゴブリンをどちらが多く倒すと言う物になった。

 カズマ1人とアクアとダクネスのチームで挑み俺達は審判だ。

 

零士「それじゃ、ゴブリン討伐、開始!」

アクア「見てなさいなカズマ!ゴブリン3匹ぐらい、この私がアッサリと仕留めてみせるわ!」

 

 そう言ってゴブリンに突っ込んでいくアクアとダクネス。

 しかし、カズマが狙撃スキルで、アッサリ仕留めてしまった。

 カズマは狙撃スキルの命中率が高いよな。

 

アクア「ちょっとカズマ!今から戦おうと思ってたゴブリンを先にやっつけちゃうってどういう事よ!」

カズマ「お前らが倒そうとする敵を先に食っちゃえば、俺は絶対に負けない作戦です。」

「「卑怯者!」」

 

 現在、カズマが8匹仕留めて、アクアとダクネスは0だ。

 カズマの潜伏スキルでアクア達を追跡、アクアとダクネスがゴブリンを引きつけている間に狙撃スキルで一網打尽にしている。

 俺達はそれをのんびりと見ている。

 遂にアクアとダクネスが本気で切れて、カズマを追い回していた。

 カズマが水勢剣流水から水を出して、即座に凍らせた。つまり、原始的な罠だ。

 

アクア「あっ!いたわねカズマ!そんな所に立ち止まって、とうとう観念……ふぐっ!」

ダクネス「い、いたなカズマ!はあ……、はあ…。きょ、今日こそは貴様に一矢報いてはぶっ!」

カズマ「ざまあああああ!」

 

 カズマ。それは人が悪い。

 俺達は、大喜びしているカズマの元へと向かった。

 それと同時に、周囲を取り囲まれていた。

 周囲にはゴブリンの群れ。

 そして、その守護者と言わんばかりに、真ん中から堂々と歩く黒い獣。

 初心者殺しだ。

 流石のアクアとダクネスも、状況を理解して、カズマと共闘していく。

 流石に、俺達も参戦する。

 ゴブリンと初心者殺し如きで遅れは取らないと思うので、生身で戦う。

 

カズマ「おいめぐみん。俺達が力を合わせればどんな相手にだって……。」

めぐみん「エクスプロージョン!」

 

 途端に、爆風と爆音が襲いかかる。

 俺は周囲を見渡すと、ゴブリンと初心者殺しは一掃されていて、ダクネスは土豪剣激土を手放さずに、気絶していた。

 カイトとカリンもそれぞれの聖剣を手にしたまま気絶していた。

 

ユーリ「まったく、この状況で撃つか?」

 

 ユーリは文句を言っていて、気絶はしていなかった。

 俺は何とか気絶せずに済んだが、俺の上に雷鳴剣黄雷を持ったまま気絶したリナがいた。

 カズマとアクアは気絶せずに済んだようだ。

 その元凶は。

 

めぐみん「美味しい所は持っていく。そんな紅魔族の本能には抗えませんでした。そして、これで私こそがこのパーティーの中で一番強い事が決まりましたね。」

カズマ「お前って奴は!お前って奴は!!」

零士「あははは………。」

 

 俺は元凶の開き直りに苦笑いした。

 




今回はここまでです。
プリミティブドラゴンの説得に難航する零士。
それでも、彼はめげないと思います。


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52話 準備せし、剣士達

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、プリミティブドラゴンの説得が難航する零士に、佐藤和真とアクアが争ったりしたけど、それでも平和な日常を過ごしているよ。さて、今日は何があるのかな?」


 俺は、プリミティブドラゴンの説得に再び失敗したが、話を聞いてくれそうな雰囲気が少しだけした。屋敷に戻り、新聞を読んでいた。

 

アクア「ねえ零士。先に私に読ませてよ。見たいのは4コマ漫画だけだから。」

零士「4コマ漫画だけかい。」

リナ「ん?何何?『魔王軍幹部2人が最前線に参戦し戦況一変。王都の危機』……?随分と物騒な話題ね。」

ダクネス「王都の危機だと?ちょっと私達にも見せてくれ。」

カイト「王都近くの最前線の砦が、魔王軍幹部の攻撃を受けていて、片方は恐るべき魔法を操る邪神で、もう片方は様々な属性を操る魔物だと。」

めぐみん「え!?」

カリン「片方は分からないけど、もう片方の幹部って……。」

ユーリ「おそらく、レジエルだろうな。」

カズマ「レジエルも来るとか、アイリスは大丈夫だろうな?」

 

 俺達が推測する中、めぐみんが立ち上がった。

 

零士「どうしためぐみん?」

カズマ「ははーん、邪神って言葉が琴線に触れたんだな。お前、以前から自分の前世は破壊神とか言い張ってたもんな。」

めぐみん「私の前世はおそらく破壊神であっていますがその事ではありませんよ!そうではなくてその邪神に心当たりが……。」

 

 喧嘩するカズマとアクアを見ていたが、めぐみんのとある呟きが聞こえた。

 

めぐみん「戦況を一変させた魔王軍幹部は、邪神ウォルバクとレジエルとの事……。」

 

 翌日、プリミティブドラゴンの説得にやはり失敗して、屋敷に戻った。

 カズマが新聞を見ていた。

 

カズマ「冒険者格付けランキング、第三位ミツルギキョウヤ?第二位神崎零士?おいふざけんなよ!なんでアイツとお前の名前が上位にあって、俺の名前は無いんだ!」

零士「俺は、定期的に王都に行って、クエストをこなしているからな。」

ダクネス「なら、援軍にでも行くか?ここ最近は事務仕事ばかりだったから鬱屈していたのだ。私はちっとも構わないぞ?」

めぐみん「零士とダクネスの言う通りですよ!ランキング入りしたいのでしょう?なら、魔王軍幹部を討ち倒すのです!」

 

 その時、ドアがノックされたので、玄関へと向かうと。

 

リア「すまない。少し話があるのだが……。」

ゆんゆん「あの、この子を保護したので連れてきたんですが……。」

 

 そこに居たのは、アクセルハーツとちょむすけを抱いたゆんゆんだった。

 

零士「どうしたんだ、リア?」

カズマ「ゆんゆんもどうしたんだよ?」

リア「まずは私達からだ。つい最近、王都でコンテストがあったのだが、そこで優勝したのだ。」

ユーリ「ほう。それは凄いな。」

シエロ「私達は、それの報告に来たんです。」

エーリカ「まあ?可愛いアタシが居たから優勝出来たもんだけど?」

リナ「あまり図に乗らない!」

カイト「それは凄い事だな。」

カリン「おめでとう!」

カズマ「それで?ゆんゆんの方は?」

ゆんゆん「あの、近所の公園を散歩していたら、ちょむすけが子供達に捕まっていじめられてるのを保護したのですが……。」

 

 俺も、ちょむすけの事は謎に思っていた。

 時折、火や雷を吐いたり、空を飛んだりするので、ただの猫ではないと思っている。

 俺がちょむすけの事を考えていると。

 

ゆんゆん「うえええええ!?ちょちょ、ちょっと待って!?めぐみん、これって……。」

めぐみん「こ、今度は騒ぎすぎですよゆんゆん!そこまで大袈裟な記事でも無いでしょうに!」

ゆんゆん「いや全然騒ぎすぎでも大袈裟でもないから!だってこの記事にある邪神ウォルバクって元は私たちの里に封印されてた……。」

めぐみん「シーッ!声が大きいですよ、ゆんゆん!」

「「おい。」」

 

 と、そんな聞き捨てならない事を口走った。

 

カズマ「今、聞き捨てならない事が聞こえたんだけど。」

めぐみん「気のせいですよカズマ、この子はちょこちょここういったおかしな事を言うせいで、紅魔の里でもハブられていた程ですから。」

零士「今、紅魔の里に封印されてたって…。」

ゆんゆん「そうなんです!かつて私達の里には、この邪神ウォルバクが封印されてたんです!ある日何かの弾みでその封印が解けてしまったんですが、めぐみんは里の皆には内緒で、その邪神を勝手に使い魔に……。」

めぐみん「や、やめろぉ!紅魔族の恥を世間に広めてはいけません、このまま王都近辺で暴れている、邪神を名乗る偽物とついでにレジエルを退治し、何事もなかったフリをするのです!」

 

 俺達はすぐさまめぐみんを取り押さえる。

 カズマに頼まれたダクネスが、警察署から嘘発見器でもある魔道具を借りに行った。

 数時間後、カズマのバインドで拘束されためぐみんに尋問を開始した。

 

零士「よし。隠してる事を答えて貰いましょうかね。」

カズマ「そもそも、邪神ウォルバクってのは何なんだよ?」

めぐみん「実は私とゆんゆんは、この邪神と因縁があるのですよ。それで気になって、昔、邪神の事を調べた事があるのですが……。ウォルバクは怠惰と暴虐を司る邪神なのだそうです。」

 

 俺達は魔道具を見つめても、鳴らず、ゆんゆんも無言のままだ。

 

ユーリ「そもそも、何故、紅魔の里に封印されていたんだ?」

めぐみん「その昔、我々のご先祖様が邪神と激闘を繰り広げた末に、封印に成功して、紅魔の里まで運び込んで厳重に管理する事にしたのです。」

 

 チリーン。

 早速音が鳴った。

 

めぐみん「……。『邪神が封印されてる地って何だか格好良いよな。』と誰かが言い出し、何処かの誰かが邪神を勝手に拉致し、里の隅っこに再封印して観光名所にしたのです。」

「「「「おい。」」」」

 

 その男性陣の呟きにめぐみんとゆんゆんが顔を逸らす。

 

ダクネス「そ、それはもういい、やってしまったのはしょうがない。」

リナ「それはそうと、何で封印が解けたの?封印を解いたのは誰なの?」

めぐみん「それはおそらく、封印された邪神が本来の力を取り戻し人類を滅ぼすため、自らの下僕達を操り封印を……。」

チリーン。

「「「「「「「「…………。」」」」」」」」

「「「「………。」」」」

 

 俺達が無言で見詰める中、めぐみんは観念したかのように項垂れた。

 

めぐみん「………私の妹が遊び半分に邪神の封印を解いちゃいました。」

ゆんゆん「ちょっと待って!?ねえめぐみん、それって私初耳なんだけど!」

チリーン。

めぐみん「あれっ!?」

 

 めぐみんの告白に魔道具が鳴った。

 めぐみん自身も驚いていた。

 めぐみんはポンと手を打つと。

 

めぐみん「そうでした!邪神の封印が解けたのは過去2回。1回目はうっかり私が封印を解いてしまい、通りすがりの謎のお姉さんに助けられて事なきを得たのです。妹が封印を解いたのは2回目でした。」

ゆんゆん「どういう事よおおおおおお!!」

めぐみん「な、何をするかっ!やめっ……!ちょやめて下さい!私は大人しく答えてるのですから落ち着くべきです!」

 

 その後、俺達は最前線の砦へと向かう事になった。

 アクセルハーツも暫くは用事も何も無いので、同行する事になった。

 ちなみに、準備過程で、カズマがダイナマイトを開発した。




今回はここまでです。
観光名所が欲しいという理由で、邪神を攫う紅魔族……。
本当にどうかしてますよね。


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53話 向かいし、前線の砦

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、めぐみんの口から、ウォルバクの封印を解いた事が明らかになる。さて、今回は剣士達が砦に向かう事になったよ。」


 翌日。俺達はソードオブロゴスの隊服を身に纏い、日持ちする食糧をリュックに入れた。

 

零士「皆、準備は出来てるな?」

カズマ「おうよ!」

 

 今、この場には俺、リナ、カイト、カリン、ユーリ、カズマ、アクア、めぐみん、ダクネス、ゆんゆん、リア、シエロ、エーリカの合計13人が集結していた。

 ちなみにゼル帝はウィズに預けた。

 砦には他のチート持ちも居て、作戦は、俺達仮面ライダーとチート持ちで砦を守り、めぐみんの爆裂魔法で撃退する物になっている。

 王都へは、テレポートではこの人数は行けないので、ブックゲートを使う。

 ブックゲートには、アクセル、王都、紅魔の里の3つが登録されている。

 

ゆんゆん「が、頑張ります!荷物持ちだってしますし、食事の支度に夜の見張り当番に戦闘の切り込みまで、何でもやりますから!」

零士「気合いが入ってるな。」

リナ「少し入りすぎだと思うけど……。」

カイト「どんだけソワソワしてるんだ。」

 

 確かに、少し落ち着きがない。

 興奮しているゆんゆんにめぐみんが宥めるという珍しい光景を見た。

 

零士「よし皆、行くぞ!」

 

『ブックゲート!』

 

 ブックゲートを通ると、目の前に王都の正門が立っていた。

 ブックゲートで何度も来ていることから、門番も慣れたようで、驚いていない。

 

カリン「本当、ブックゲートって便利よね。」

リア「私達はあんなに苦労して王都に向かったのに……。」

シエロ「これがあれば、王都へ行くのも簡単だよね。」

エーリカ「私たちの苦労は一体……。」

 

 アクセルハーツが意気消沈していた。

 よっぽど馬車代を用意するのが大変なんだろうな。

 

零士「さて、情報収集してくるから、少し待っててくれ。」

 

 俺は仲間にそう言って門番に話しかける。

 

零士「お勤めご苦労様です。」

門番「あぁ。零士さん。どうしたんですか?」

零士「いえ、王都近くの最前線の砦に援軍として向かうので、地図が欲しいんですが。」

門番「そうですか!あなた方、仮面ライダーが来てくれるのは本当にありがたいです!」

零士「いえ。それはそうと、状況はどうなっているんですか?」

門番「それが、幹部の攻撃が凄まじく、怪我をした冒険者を後退させている所です。」

零士「なるほど。戦局は危うい感じですか?」

門番「そうなんです。」

零士「分かりました。すいません。お仕事中でしょうに。」

門番「いえいえ。冒険者ギルドや城の連中にちゃんと伝えておくよ、神崎零士率いる勇敢な冒険者パーティーが前線に向かっていったって!」

零士「お願いします。」

 

 俺は、砦の戦局の情報と砦までの地図とモンスター分布図を手に入れれた。

 

零士「お待たせ。地図とモンスター分布図を手に入れたぞ!」

リナ「門番の人と随分親しげに話してたわね。」

ユーリ「そんな事より、地図を元に向かうぞ。」

 

 こうして、俺達は砦に向かう前に、中継地点にある宿泊施設へと向かう。

 俺は、向かう途中で、戦況について話した。

 

カイト「そうか。戦況は悪いのか。」

ユーリ「レジエルは普通の冒険者では太刀打ち出来ないからな。」

カリン「これって、結構ヤバいんじゃ……。」

リナ「だから、私たちが向かってるんでしょ。」

アクア「ねえ、このフワフワ浮いてるのは一体何なの?」

リア「あぁ。それはケサランパサランという綿毛の精霊だ。」

シエロ「それは大変無害なのでそっとしておいた方が……。」

エーリカ「ちょっと!あんたシエロの話を聞いてたの!?」

ダクネス「言ってる側から!!」

めぐみん「ケサランパサランは雪精の亜種なのであまり触り続けると、元締めの大精霊が襲撃してきますよ。」

カズマ「それはそうと、そいつ連れてきて良かったのかよ?」

 

 そいつとは、ちょむすけの事である。

 現在、ちょむすけはゆんゆんの足元に居る。

 めぐみん曰く、魔王軍幹部の牽制になるかもしれないと連れて来たとの事だ。

 その時、何かの気配を感じる。

 

レジエル「見つけたぞ!炎の剣士!!」

零士「レジエル!?」

 

 そう、そこに居たのは、レジエルだった。

 

リナ「何でここに!?」

カイト「砦の方に居た筈だろ!」

レジエル「黙れ!今ここでお前を倒す!」

 

『ドラゴニックナイト!』

『エックスソードマン!』

『ジャアクドラゴン!』

 

「「「変身!」」」

 

『Don’t miss it!』

『ドラゴニックナイト!』

『エックスソードマン!』

『ジャアクドラゴン!』

 

 俺、ユーリ、カイトは変身して、後の面子は変身出来ない人達を守る事にした。

 3人の連携でレジエルにダメージを与えていたが、レジエルが大量のアルターブックを取り出していた。

 

レジエル「今度こそお前を倒すっ!!俺の全てを賭けて!!」

 

 レジエルは自らにアルターブックを取り込み、強化した。

 その強さに押され始めた。

 

カイト「くっ!こいつ強くなった!」

ユーリ「油断するな!訳が違うぞ!」

零士「あぁ!………あれって。」

 

 苦戦していると、そこにあるはずのないワンダーライドブックが飛んできた。

 

ユーリside

 

 俺達は、アルターブックを取り込み強化されたレジエルに苦戦していたが、そこに、アクセルに置いて来たプリミティブドラゴンが飛んできた。

 零士の前に来ると、零士の意識がまた消えた。

 

ユーリ「不味い!」

リナ「まさか、暴走!?」

カイト「しまった!」

零士「ふぅぅぅ。」

 

『プリミティブドラゴン!』

『ブレイブドラゴン!ゲット!』

『烈火抜刀!』

『バキッ!ボキッ!ボーン!』

『ガキッ!ゴキッ!ボーン!』

『プリミティブ!ドラゴン!』

 

 零士はドラゴニックナイトから、プリミティブドラゴンへと変身した。

 先程とは逆に、レジエルを追い詰めていた。

 

ユーリ「零士!しっかりしろ!」

カイト「零士!」

零士「………!」

 

 俺達は零士に声をかけるも、今度は逆に俺達がターゲットになってしまい、攻撃を受ける。

 

アクア「ちょっとカズマさん!どうにかして!」

めぐみん「カズマ!」

ダクネス「カズマ!」

ゆんゆん「カズマさん!」

リア「カズマ!」

シエロ「カズマさん!」

エーリカ「カズマ!」

カズマ「………やるしか、ないのか……!」

 

 カズマが覚悟を決めて、ファンタスティックライオンに変身しようとするが。

 

零士「………!」

カズマ「うわっ!うう……。あっ!」

 

 その時、零士のプリミティブドラゴンワンダーライドブックから、骨の手が伸びてきて、カズマを吹き飛ばし、ファンタスティックライオンを構成するワンダーライドブックを取った。

 

『ライオン戦記!ゲット!』

『烈火抜刀!』

『プリミティブ!ドラゴン!』

 

 零士は、プリミティブドラゴンのライオン戦記verへと変身した。

 背後からレジエルが攻撃を仕掛けるも、あの骨の手に跳ね返される。

 

『グラップ必殺読破!』

『烈火抜刀!』

『クラッシュ必殺斬り!』

 

 闇に染まったライオンセンキを召喚して、レジエルを吹き飛ばした。

 

リナ「目を覚まして零士!」

零士「………!」

 

 その時、リナが声をかけた故に、リナにターゲットした。

 

ユーリ「カイト!」

カイト「ああ!」

 

 俺とカイトは、光と闇の聖剣を共鳴させて、零士とリナの間へと向かう。

 そして、2本の聖剣で、零士を斬り裂く。

 ダメージが大きく入った為か、変身解除する。

 

零士「ウゥッ。」

 

 零士は、プリミティブドラゴンに支配されていた事と、ダメージの反動からか、気絶した。

 その後、気絶した零士からファンタスティックライオンを構成するワンダーライドブックをカズマに返し、零士を背負い、さっさと中継地点の宿へと向かう。

 

カズマ「あれが、プリミティブドラゴン……。」

アクア「何よあれ!ヤバいんですけど!」

めぐみん「零士がアクセルに置いてくるのも分かりますね。」

ダクネス「しかも、カズマのワンダーライドブックを使って変身出来るとは。」

リナ「これ、どうにか出来ないの?」

ユーリ「今は、零士を信じるしかない。」

ゆんゆん「零士さんが怪物のように感じましたよ。」

カイト「だが、力は凄まじい。どうにかして欲しいけどな。」

カリン「そうね……。」

リア「……凄まじかったな。」

シエロ「うん。」

エーリカ「何で、ここに飛んでくるのよ!」

 

 強行軍で宿に着き、俺達は、順番に風呂に入って、寝た。

 

零士side

 

翌日。

 

零士「すまん。迷惑かけた。」

リナ「大丈夫なの?」

零士「何とかな。」

ユーリ「とにかく、レジエルは退いた。もしかしたら、砦の方に居るかもしれないな。」

零士「……皆。プリミティブドラゴンの事は俺に任せて欲しい。」

カズマ「……分かった。でも、また暴走したら、斬ってでも止めるからな。」

零士「その時は、頼む。」

 

 カズマは覚悟を決めたそうだな。

 なら、俺もどうにかしないとな。

 その後、何とか砦に着いて、砦の人達と合流した。




今回はここまでです。
やはり起きる、プリミティブドラゴンの暴走。
零士にはどうにかして欲しいですね。


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54話 邂逅せし、怠惰と暴虐の女神

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、砦の途中にある宿に向かおうとするけど、そこでレジエルが現れて、またプリミティブドラゴンが暴走してしまう。どうにかして欲しいんだけど……。」


 俺は、ふらついていた所、見覚えのある人に声をかけられた。

 

ミツルギ「神崎零士!零士じゃないか!」

零士「ん?おお。ミツルギじゃん。」

ミツルギ「良かった。佐藤和真と違って、ちゃんと正しい名前で呼んでくれた。」

 

 そこに居たのは、月の剣士こと、ミツルギキョウヤだった。

 

零士「お前も来てたんだな。ところで、取り巻きはどうしたんだ?」

ミツルギ「あぁ。クレメオとフィオなら、戦況の悪化と共に、王都に下がらせたよ。君が居るという事は、仮面ライダーとしての使命を果たしに来たという事か?」

零士「まあな。ところで、なんで苦戦してるんだ?レジエルの攻撃が凄まじいのか?」

ミツルギ「それなんだが。ちょうどいい。アクア様と佐藤和真に見せたが、君にも見せたい物があるんだ。」

 

 そう言って連れて来たのは、砦の外だが、砦は激しく損傷していた。

 その跡に見覚えがある。

 

零士「おい。これって。」

ミツルギ「あぁ。魔王軍幹部ウォルバクは、爆裂魔法を使うんだ。」

 

 そんな事実を自嘲気味に語った。

 その後、カズマ達の元へ。

 

カズマ「どこ行ってたんだよ?」

零士「いや、防壁の所へ。」

ユーリ「という事は、お前もあれを見たな。」

零士「あぁ。」

めぐみん「だから、ウォルバクこそが、私のライバルに相応しいのです!」

ゆんゆん「だから、なんで会ったことの無い魔王軍幹部が、ライバルに昇格するの!?めぐみんのライバルは私でしょ!!」

 

 と、めぐみんとゆんゆんが言い争っていた。

 その後、奇襲をかけて、ウォルバクを倒す事になった。

 流石に全員で行く訳にはいかないのでカズマ、アクア、めぐみん、ダクネス、ゆんゆんが向かう事になった。

 暫くすると、水が溢れてきた。

 それにより、壁がダメージを受けてしまった。

 カズマに理由を聞くと、邪神ウォルバクに喧嘩を売ったアクアが水を大量に召喚した結果、この惨状らしい。

 翌日、めぐみんとゆんゆんの様子がおかしい。

 アクアは、壁の補修に行かせた。

 

めぐみん「……私に出来る事があるなら言って下さいね?とは言っても、私の取り柄といえば爆裂魔法を撃つ事くらいのものですが。」

リナ「どうしたのめぐみん?大丈夫?」

リア「ゆんゆんも様子がおかしいし、大丈夫なのだろうか。」

零士「まあ、何にせよ、全員で作戦を考えようぜ。」

 

 その時、砦が激しく揺れた。

 どうやら、ウォルバクが爆裂魔法を叩き込んだようだ。

 俺達も少しは手伝おうとすると……。

 

アクア「あーっ!ちょっと、これどういう事よ!さっき見た時よりも酷くなってるじゃない!」

零士「アクア?」

ユーリ「何だその格好は?」

アクア「気合を入れて、用意してきたのに、どういう事?」

カズマ「昨日会った邪神だよ。アイツはこの外壁を破壊するのが目的だって説明したろ?」

 

 冒険者達も修復作業を開始する。

 

アクア「ちょっと、ダメよそんなんじゃ!外壁の補修はね、まずは壁の中に芯を入れるの。それから、周囲を土で固めてから最後に石膏で塗り固めるのよ。ほら、こうしてこうして、こーするのよ。」

 

 そんなこんなで、アクアの指示の元、外壁があっという間に直った。

 アクア曰く、親方にスカウトされたらしい。

 だが、これならいける!

 その後も、ウォルバクは爆裂魔法を撃ち込んでいたが、アクアが補修隊長になってから3日。連日の爆撃にも関わらず、日に日に頑丈になっていった。

 お通夜ムードの砦内が、あっという間に戦勝ムードになっていた。

 

めぐみん「……あの、最初来た時の悲愴感はどこに行ったのでしょうか。」

ゆんゆん「本当に、一晩掛けて悩みに悩んだ私の葛藤を返して欲しい。」

ユーリ「俺達、要らないんじゃないか?」

カイト「何の為に来たんだろ?」

リア「さあ?」

 

 やり切れない顔の紅魔族に、光と闇と時の剣士3人。

 その時。

 

冒険者「ウォルバクが来たぞーっ!」

 

 どうやらウォルバクが来たそうだ。

 ウォルバクの元へと向かっている最中に、ユーリが用事ができたと言って、退出した。

 

ウォルバク「どういう事なの!?」

カズマ「ど、どういう事とは?」

ウォルバク「壁よ壁!何でこんなに分厚くなってるのよ!!」

カズマ「それは俺じゃなくてアクアに言ってもらわないと……。」

ウォルバク「またあの女の仕業なの!?」

零士「あいつがウォルバクか。」

 

 俺はウォルバクと初めて邂逅した。

 その時、めぐみんに抱かれているちょむすけが暴れ出す。

 

カズマ「おい、絶対にそいつ渡すんじゃないぞ!めぐみん、しっかり押さえとけよ!」

ウォルバク「ねえ、その子は私の半身なのよ!」

カズマ「なら、俺達と敵対しないと誓えるのか?そうでなきゃ、相手の力が増す事態は避けるだろう?おっと、それ以上近寄るなよ。ほら、こいつを解放して欲しければ俺の言う事を聞くと誓うんだ。」

冒険者「うわぁ……。」

 

 カズマ、それは流石にやりすぎだろ。

 全員、ドン引きしている。

 ウォルバクは諦めたのか、撤退した。

 その前に、ゆんゆんとめぐみんの質問に答えて撤退していった。




今回はここまでです。
次回、ウォルバクとの決着です。


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55話 激突する、剣士達と邪神

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル。前回、ウォルバクと邂逅した神崎零士。何とかアクアのおかげで膠着状態に持ち込めたよ。……ところで、ユーリはどうしたの?」
ユーリ「ああ。プリミティブドラゴンに関してだが……。」
タッセル「プリミティブドラゴンは、途轍もない悲しみを背負っているんだよ。」
ユーリ「それでも、俺は零士を信じたい。」
タッセル「分かった。その件は君に任せる。僕はちょっと出かけてくるよ。」


膠着状態に陥った俺達と魔王軍の戦い。

 次の手は、めぐみんの爆裂魔法を叩き込み、テレポートで撤退して、俺達が迎撃する作戦になった。

 魔王軍への攻撃は、カズマとめぐみんとゆんゆんで行って、俺達は迎撃だ。

 カズマ達が向かい、暫くすると、爆音が聞こえてきて、カズマ達が戻ってきた。

 

カズマ「大戦果だ!」

 

 カズマがそう言った直後、殺意が漲っていた魔王軍が押し寄せてくる。

 俺達は既に変身していて、カズマとめぐみんも仮面ライダーに変身して、迎撃した。

 これなら、プリミティブドラゴンへと変身する必要がないから、ドラゴニックナイトでもどうにかなる。

 これを暫く続けていると、遂には魔王軍は攻めて来なくなった。

 だが、ある日、小規模な爆発音と同時にカズマ達がテレポートしてきた。

 

零士「どうした?大丈夫か?」

ユーリ「今日の爆裂魔法は、随分と小規模だったな。」

カズマ「危うく爆裂魔法を喰らいそうになった。劣化マイト投げつけて逃げた。」

リア「ダイナマイト作るって凄いな。」

カイト「倒した可能性もあるよな。」

シエロ「そうだね。」

めぐみん「すみませんでした。」

エーリカ「どうしたの、めぐみん?」

めぐみん「あれほど、アクセルの街でもこの砦でも、何度も威勢の良い事を言ったのに。本当にすいません……。」

カズマ「お前、あのお姉さんと何かあんの?」

めぐみん「……言えません。」

 

 カズマ、それは地雷ワードだぞ。

 その時、ウォルバクが傷だらけでこちらに来ていた。

 俺達はめぐみんをカズマに任せてすぐさまウォルバクの元へ。

 その後、めぐみんがカズマと共にウォルバクと対峙していた。

 

ウォルバク「あなた、やっぱり勇者の末裔じゃあないの?随分とまあ恐ろしい物を使ってくれたけど。」

カズマ「あれは文明の利器って奴だよ。今後は大量生産しておくか。なあ、なんでこの期に及んで砦に来たんだ?」

ウォルバク「あんな武器を大量生産されたら、不味いじゃない。それに、その子は見逃す訳には行かないのよね。このままじゃ私消えちゃうの。」

カズマ「……アンデッドの類ですか?」

ウォルバク「失礼ね。酷く力を失ったから、このままだとやがて自分の半身に取り込まれちゃうのよ。」

カズマ「聞いてもいいか?もしコイツをあんたに渡したら、どうやって力を取り戻すの?こう、ちょむすけと合体でもすんの?」

ウォルバク「いいえ、自らの手でその子を消滅させるのよ。」

 

 つまり、ちょむすけを渡したら、ちょむすけは消滅するという事だ。

 猫を好んでいる俺からしたら、見過ごす訳にはいかない。

 

めぐみん「あなたとちょむすけが封印を解かれた時に、近くに女の子が居ませんでしたか?5歳か6歳くらいの紅い目をした女の子が。」

ウォルバク「覚えていないわね。」

 

 めぐみん……。まだ、そんな事を言うのか。

 めぐみんにはめぐみんなりの思いがあると言うことか。

 

カズマ「なあ、こんなに話が出来るのに、なんで魔王軍に居るんだ?」

ウォルバク「それが聞きたいなら、私を倒してからにする事ね。」

カズマ「俺の隣にいるコイツは、もう知っていると思うが爆裂魔法の使い手だ。つまり、決着が付いた時にはもう、お互い話が出来る状態じゃないんだよ。」

ウォルバク「……そうね。それなら……、魔王に聞けば教えてくれるわ。」

 

 不味い!爆裂魔法を唱え始めた!

 俺達はそれぞれの聖剣を構える。

 だが、めぐみんは杖と風双剣翠風を持ったまま立ち尽くしている。

 

めぐみん「………本当は、私の事、覚えてくれていたんですね?」

ウォルバク「………。」

めぐみん「私とゆんゆんに会った時、あなたはあの子の名前を聞いてこう言いました。『……一応聞くけど、あなたのそれ"も"あだ名じゃないのよね?』って。」

零士「めぐみん……。」

めぐみん「あなたにずっと言いたかった事と、見せたかった物があるんです。あなたに教えてもらった爆裂魔法。もはや詠唱がなくても制御が可能なほど、誰よりも極める事が出来ました。ありがとう。エクスプロージョン!!!」

 

 めぐみんの爆裂魔法が炸裂し、ウォルバクは確認出来なかった。

 今ここに、ウォルバクが討伐された瞬間だ。

 

タッセルside

 

 僕は、とある人物の前に来ていた。

 

???「現れましたね。ビクトール。」

タッセル「今は、タッセルって呼んで欲しいな。」

 

 そう、現ベルゼルグ大臣、ノエルの元へと。

 彼は、全知全能の書の一部を持っている。

 

タッセル「君達はこの世界を、僕はワンダーワールドを守り、2つの世界の均衡を守る。それがベルゼルグ初代大臣との約束だ。」

ノエル「所詮、偽善者の自己満足だ。私がした約束ではない。」

タッセル「君の目的は?」

 

 そう聞くと、ノエルは歪んだ笑みを浮かべてくる。

 

ノエル「私は『全知全能の書』を手に入れ、その力を我が物とする。この愚かな世界を創り替え、支配者となる………!」

タッセル「君は、その為に、プリミティブドラゴンをわざと盗ませて、神崎零士に渡るようにしたのかい………?」

ノエル「その通りです。神崎零士、良い駒ですよ。彼はまだ本性に気づいていないでしょうしね。あのジンという剣士と同じくらいに役に立ちますねぇ!!」

 

 狂っている。

 その為に、神崎零士君を巻き込んだのか。

 そして、以前、伝説の剣士として語られていたジンも、彼の策略によって、殺されてしまったのか………!

 

タッセル「人の運命を弄んじゃいけません……!」

ノエル「良いんですよ!!私にはその資格がある!だから私は全てを利用する。剣士も、メギドも。そして、あなたも……。」

 

 すると、全知全能の書の一部を取り出して、私は消えてしまった。




今回はここまでです。
タッセルの前にだけ本性を現したノエル。


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56話 哀しみを、笑顔に変えて

 俺達は、ウォルバクが倒された所を見ていた。

 しかし、ある気配を感じた。

 そこに居たのは、レジエルだった。

 しかも、ストリウスの秘術で強化された、レジエル・フォビドゥンだ。

 

零士「レジエル!?」

レジエル「見つけたぞ!セイバー!!」

アクア「なんかアイツの姿が変わってるんですけど!?」

ユーリ「禁断の秘術を使ったか!」

リア「とにかく止めるぞ!」

リナ「めぐみん、行ける?」

めぐみん「!!……大丈夫です。」

カイト「とにかく行くぞ!」

 

『ドラゴニックナイト!』

『キングライオン!』

『ランプドアランジーナ!』『ニードルヘッジホッグ!』『トライケルベロス!』

『玄武神話!』

『猿飛忍者伝!』

『ヘンゼルナッツとグレーテル!』

『ジャオウドラゴン!』

『エックスソードマン!』

『昆虫大百科!』

『オーシャンヒストリー!』

『ムーンドラゴン!』『エクストリームラビット!』『銀河特急の夜!』

『烈火抜刀!』

『流水抜刀!』

『黄雷抜刀!』

『一刀両断!』

『双刀分断!』

『銃剣撃弾!』

『闇黒剣月闇!』

『最光発光!』

『狼煙開戦!』

『界時逆回!』

『萬月抜刀!』

 

『変身!』

 

『ドラゴニックナイト!』

『キングライオン大戦記!』

『ゴールデンアランジーナ!』

『土豪剣激土!』

『風双剣翠風!』

『音銃剣錫音!』

『ジャオウドラゴン!』

『エックスソードマン!』

『昆虫CHO!大百科!』

『オーシャンヒストリー!』

『萬月の力を宿し神獣のその名は!フルムーンドラゴン!』

 

 俺達は仮面ライダーへと変身して、レジエルと交戦するも、レジエルの圧倒的な力に押されつつある。

 

レジエル「俺の全てでお前を倒す!炎の剣士!」

零士「くっ!このままじゃ……!」

 

 その時、プリミティブドラゴンが飛来してきた。

 

カズマside

 

 ウォルバクを倒したってのに、レジエルまで強化された状態で現れるとか!

 しかも、零士の元にプリミティブドラゴンが飛来してきた。

 

『プリミティブ!ドラゴン!』

 

 そして、零士はプリミティブドラゴンへとなり、レジエルを押していた。

 しかし、暴走状態で冒険者達に攻撃されるのは不味いので、ユーリが抑えにかかった。

 

ユーリ「零士!しっかりしろ!」

零士「………!」

 

 だが、いくらのエックスソードマンでも、プリミティブドラゴンに押されていた。

 

ミツルギ「サトウカズマ!神崎零士のあの姿は一体なんだ!」

カズマ「俺だっていまいち把握しきれていないんだよ!」

レジエル「ハァァァァ!」

めぐみん「うわっ!」

ダクネス「クッ!」

カリン「キャア!」

リア「クッ!」

エーリカ「キャア!」

 

 そうこう言い争っているうちに、めぐみん、ダクネス、カリン、リア、エーリカの5人が変身解除に追い込まれていた。

 残りで仮面ライダーに変身しているのは、俺、リナ、ミツルギ、カイト、ユーリ、そして暴走状態の零士だ。

 その時、暴走状態の零士が唐突に動きを止めた。

 

零士side

 

 俺はプリミティブドラゴンの精神世界で、説得していた。

 

零士「頼む!話を聞かせてくれ!」

プリミティブドラゴン「嫌だ!出ていけ!」

 

 プリミティブドラゴンは炎を吐いて俺を追い出そうとしている。

 だが、俺は仲間の為にも、どうしても説得しなくてはならない。

 俺は炎を気にせずに前進して、遂に、プリミティブドラゴンの顔へと触れた。

 

零士「頼む。聞かせてほしい。」

プリミティブドラゴン「君も頑固だね。なら、話すよ。」

 

 そうして、プリミティブドラゴンの口から語られたのは、一つの物語だった。

 かつて、ドラゴンと人間達は、仲良く過ごしていました。

 しかしある日、人間達はドラゴンを倒して行きました。

 ドラゴンは殆ど倒され、残ったのは、1匹の幼い竜だった。

 その幼き1匹の竜は、仲間を探していた。

 どこまでも、どこまでも。

 その幼き竜は、骨になってでも、仲間を探していた。

 

プリミティブドラゴン「これが、僕の物語だ。」

零士「プリミティブドラゴン……。」

プリミティブドラゴン「本当に、友達は一体どこにいるの?」

零士「友達は、いるさ。」

プリミティブドラゴン「え?」

零士「耳を澄ませてみて。風の声が、笑っている。水の声が、優しい。大地が、懐かしい匂いがする。炎は、暖かい。」

プリミティブドラゴン「皆、友達?」

零士「そうさ。友達はこの自然の中に沢山いるんだぞ。」

プリミティブドラゴン「ありがとう。友達を見つけてくれて。」

零士「俺とも、友達になってくれないか?」

プリミティブドラゴン「うん!」

 

 そうして俺とプリミティブドラゴンは握手をした。

 その時、2匹の竜が空へと高く昇っていく。

 

カズマside

 

 唐突に零士が動きを止めてから、チャンスと言わんがばかりにレジエルが攻撃を激しくしてきた。

 俺達は、零士を守る様に戦闘していた。

 

『スプラッシュ!リーディング!キングライオン!』

『『必殺読破!』』

『ジャオウ必殺読破!』

『フィニッシュリーディング!』

『黄雷抜刀!』

『萬月抜刀!』

『ライオニックフルバースト!』

『ケルベロス!ヘッジホッグ!アランジーナ!』

『ムーンドラゴン!ラビット!銀河鉄道の夜!』

『『3冊斬り!』』

『サ・サ・サ・サンダー!』

『フ・フ・フ・フルムーン!』

『ジャオウ必殺撃!』

『サイコー!カラフル!』

 

「「「「「ハァァァァ!!」」」」」

レジエル「甘いわ!」

「「「「「うわぁァァァ!!」」」」」

 

 俺達は必殺技を放つも、レジエルに跳ね返されて、変身解除してしまった。

 

レジエル「俺の前から消え失せろ!!」

 

 そして、守る者は誰もいなくなった零士に攻撃が当たる。

 しかし、零士と幼い少年が手を繋いだ様に見えて、変身解除した零士がそこに居た。

 

カズマ「零士……!」

リナ「零士……!」

ダクネス「零士……!」

めぐみん「零士……!」

カリン「零士……!」

カイト「零士……!」

ユーリ「あいつ、やりやがったな。」

リア「零士……!」

エーリカ「零士……!」

シエロ「零士さん……!」

ゆんゆん「零士さん……!」

ミツルギ「神崎零士……!」

アクア「零士……!」

 

 零士の手には、左にはプリミティブドラゴンが、右には新たなワンダーライドブックを手にしていた。

 

零士side

 

 どうやら間に合ったようだな。

 俺は両手にあるプリミティブドラゴンとエレメンタルドラゴンを見て、こう呟いた。

 

零士「一緒に戦ってくれ。」

 

『エレメンタルドラゴン!』

『そして太古の力と手を結び、全てを救う神獣となる!』

 

 俺はエレメンタルドラゴンの朗読文を流して、プリミティブドラゴンにエレメンタルドラゴンを装填する。

 

『エレメンタルドラゴン!ゲット!』

 

 エレメンタルドラゴンを装填したプリミティブドラゴンを聖剣ソードライバーに装填して、火炎剣烈火を抜刀する。

 

『烈火抜刀!』

 

零士「オオオオッ……!変身!ハアッ!」

 

『バキッ!ボキッ!ボーン!メラ!メラ!バーン!シェイクハンズ!』

『エレメンタルドラゴン!』

『エレメントマシマシ!キズナカタメ!』

 

 俺は、2体の竜が手を結んだ力、エレメンタルプリミティブドラゴンへと変身する。

 

リナ「凄い……!」

リア「2体の竜が合体した……。」

レジエル「フンッ!どんな姿になろうと無駄だ。俺は、無敵だ!」

零士「フッ!」

 

 俺は水の力で空中を飛び、レジエルの斬撃を躱して、レジエルに火炎剣烈火を叩きつける。

 レジエルが反撃と言わんがばかりに、雷をぶつけてきたが、雷を跳ね返して、こちらの雷をぶつけた。

 

レジエル「なんだと……何故、人間如きにこんな力が!?」

零士「レジエル……。お前も元は人間だったんだろ?」

レジエル「馬鹿な事を言うなっ!俺は…くっ!」

 

 その時、レジエルが頭を抑えた。

 おそらく、過去と今の記憶が混濁して、フラッシュバックが起こっているのだろう。

 

レジエル「嘘だ……嘘だ!嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!俺は人間なんかじゃない!選ばれし、崇高な存在だぁっ!!」

 

 俺とレジエルはお互いの剣に炎を纏わせて、お互いにぶつけ合う。

 俺は途中に蹴り技を入れて、レジエルを押していく。

 火炎剣烈火で斬り裂いて、怯ませたら、風の力で空を飛び、3回ほど斬り裂いたら、土の力で地中から奇襲をかける。

 その時、レジエルの体にひびが入り、火を噴き出し始める。

 

カズマ「な!?」

カイト「一体何が……!?」

リナ「レジエルの体から、火が……!」

エーリカ「あれ、大丈夫なの!?」

ミツルギ「どういう事だ!?」

ユーリ「奴は禁断の秘術を使った。もう助からない!お前の手で救ってやれ!」

零士「うん。」

 

 俺は火炎剣烈火をソードライバーに納刀する。

 

零士「物語の結末は……、俺が決める!!」

 

『必殺読破マシマシ!』

『烈火抜刀!』

 

零士「森羅万象斬!」

 

『エレメンタル合冊斬り!』

 

 俺は火炎剣烈火を逆手に持ち、七色に輝く炎の斬撃をレジエルに叩き込む。

 レジエルは斬撃を喰らい、吹っ飛んだ。

 

零士「………。」

レジエル「ウゥッ!ウワァァァ!!」

 

 一瞬、レジエルの人間態の姿が映り、その顔は憑き物が落ちた様な安らかな微笑を浮かべていた。

 その直後、レジエルは爆発した。

 

ストリウス「ウォルバク、レジエル。あなた方の物語はここで終わりです。」

 

 なんか聞こえたような気がしたが、気のせいだろう。

 俺は変身を解く。

 

『エレメンタルドラゴン!thank you!』

 

 その時、再び、プリミティブドラゴンの精神世界に居た。

 そこには、プリミティブドラゴンの心を表した少年と1人の男性が手を繋いでいた。

 

タッセル「ボンヌ・レクチュール!やっぱり君は凄いよ、神崎零士!」

零士「もしかして、タッセルさん?」

タッセル「そうだよ。ありがとう、誰も救えなかったこの子の魂を救ってくれて。それに、ジュンも元気かな?」

ジュン「はい。」

タッセル「世界は今、最悪の方向へと向かっている。君達は、早くあの子に会わなければいけないんだ。」

零士「あの子?」

ジュン「まさか、レイナ!?」

タッセル「頑張ってね。」

 

 そうして、タッセルの助言を受けて、俺は現実世界へと戻った。

 

リナ「零士!凄いよ!プリミティブドラゴンを使いこなすなんて!」

カズマ「これで、大幅な戦力増強だな!」

ユーリ「よくやった。」

リア「お疲れ様!」

 

 そう言って、皆が俺に駆け寄る中、ミツルギは思い詰めた表情をしていた。

 

ミツルギside

 

 僕は、まだまだかもしれない。

 零士が渡してくれた残りのワンダーライドブックを使い、ワンダーコンボまで行ったのに、零士は、更にその先へと行っていた。

 当初はただの暴走する力だと思っていたが、まさか、新たな力として昇華させるとは。

 

デザスト「どうしたんだ?月の剣士。」

 

 僕の背後にデザストが現れる。

 あの後も、デザストは僕の前に現れて、度々勧誘していた。

 最初こそは勝っていたが、次第に負けばかりになっていった。

 もう、アクア様の約束を果たす為には、手段を選んでいられない。

 

ミツルギ「デザスト……。君と一緒に行こう。」

デザスト「へぇ……。良いぜ。」

ミツルギ「だけど、勘違いするな。君を最初に倒すのは、この僕だ……!」

 

 こうして、僕はデザストの元で特訓する事にした。

 

零士side

 

 ウォルバクとレジエルを倒した際に、戦勝祝いのパーティーが開かれたが、めぐみんの様子がおかしかったので、俺達は参加せずに帰る事に。

 疲労もあったので、途中の宿泊施設で一泊する事に。

 今は、女性陣が入浴中だ。

 ユーリにカイト、カズマは、自分達の部屋でゆっくりしている。

 俺は、少し考え事をしていた。その時にジュンと脳内会議をしていた。

 

零士(ジュン。もしかしたら、レイナが世界を繋ぐ存在かもしれない。)

ジュン(あぁ。俺もタッセルさんからそう聞かされてる。)

零士(そうか。俺も今回の一件で、可能な限りは変身形態を増やせた。後は、刃王剣十聖刃だけだけど……。)

ジュン(肝心の無銘剣虚無は今も封印されてるからなぁ。)

零士(それに、破滅の書もどこに行ったのか調べないと……。)

 

 そう脳内会議をしていると、ドアがノックされた。

 

リナ「零士?皆入ったから、お風呂に入って良いよ。」

零士「ん?あぁ。分かった。」

 

 そう言ってリナが部屋に入ってきた。

 その為、ジュンとの脳内会議を一時中断した。

 そして、俺の隣に寝そべってきて、そのまま身を寄せて来た。

 俺が突然の出来事に戸惑っていると。

 

リナ「今日は一緒に寝ていい?」

零士「いや……。それは構わないけど……。どうしたんだ?」

リナ「それはね……。ジュンと話したい事と、どうやってプリミティブドラゴンを救ったのかを聞きたいの。」

零士「分かった。」

 

 そうして、暫くジュンの人格に切り替えて、リナと話させた。

 その間に俺は、物凄くドキドキした。

 何せ、これまでの人生で、女性と一緒に寝ているという状況が無かったからな。

 しばらくして、俺は風呂に入る事にした。

 リナ曰く、リナが俺の部屋に行く事は女性陣には話しているそうだ。

 風呂から上がって、部屋に戻ると、ベッドにはパジャマを着たリナがベッドの端っこに座っていた。

 俺はリナの隣に座った。

 だが、凄く気まずい。

 なんて話したら良いんだろうか?

 

リナ「………あのね、零士。もうあんな無茶しないでよ。」

零士「………善処する。」

リナ「分かれば良いのよ。………それからね、私、やっぱり君の事が好き。」

零士「………な、なるほど……。」

 

 やっぱり告白されると、本当に緊張する!

 その時、リナが突然押し倒した。

 

零士「あの、リナさん……?」

リナ「ごめんね。」

 

 そう言ってキスしてきた。

 しかも、舌が俺の口の中に入ってくるディープキスを。

 暫くすると、顔を物凄く赤くしたリナが。

 

リナ「……私のファーストキス、あなたに捧げたからね。」

零士「え?え?え!?」

 

 やばい。このままじゃ、俺の理性が持たない!

 

リナ「興奮させて悪いけど、もう寝よっか。」

零士「あ、はい。」

 

 助かった……。

 ここで一線を越えたら、仲間との関係が変わってしまうかもしれない。

 そういう事は、付き合う事になってからだ。

 リナが少し、悪女な様に思える。

 モヤモヤしつつも、俺は何とか寝れた。

 翌日、俺達はブックゲートで、アクセルへと帰った。




今回の話から、タッセルが消された為、前書きは無くなります。
遂にエレメンタルドラゴンを習得した零士。
今回で第9章は終わりです。
次回から第10章です。


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第10章
57話 舞い込む、王女からの依頼


ウォルバクとレジエルを倒して、早くも1週間が過ぎた。

 ここ最近、ちょむすけの餌を食べる量が増えた気がする。

 

リナ「………そう言えば、零士とカズマに手紙が届いてたわよ。」

零士「俺達に?」

アクア「ドラゴンの卵入荷しましたって手紙でしょ?ゼル帝を買ってから、私宛てに毎日の様に手紙がくるわよ?」

 

 それは、アクアが格好のカモと思われれているからだろうな。

 一度引っかかった訳だし。

 

ダクネス「お前達に手紙という時点で嫌な予感しかしないのだが。どれ、私にも見せてくれ。」

リナ「これよ。」

めぐみん「と言うか、この封筒はどこか見覚えがある気がするのですが。」

カイト「なんか一回来た様な気が……。」

カリン「そうよね……。」

 

 それを見たダクネスが、即座に胸元に仕舞い込んだ。

 

カズマ「……おい、お前人様宛ての手紙に何やってんの?」

ダクネス「……アクアの言う通り、ドラゴンの卵入荷の手紙だった。」

アクア「ほらね!良かったじゃないカズマ、零士。」

零士「絶対あれだ。アイリスからの手紙だろうな。」

ユーリ「またこの展開か。」

 

 そう。ダクネスは以前にも、これと似た様な行動を起こしていた。

 

カズマ「おい!アイリスからの手紙を奪うんじゃねぇよ!」

ダクネス「何故分かる!?こ、これはだな。」

 

 カズマがダクネスの胸元に手を突っ込み、手紙を奪い取った。

 

ダクネス「なああああ!?」

カズマ「ほら見た事か!やっぱりアイリスからの手紙じゃねーか!」

零士「カズマ。見せてくれ。」

 

 アイリスの手紙を読んでいたら、唐突にカズマが引き裂いた。

 書いていた事を要約すると、隣国の王子と顔合わせするので、護衛をお願いしたいとの事。

 その時に、カズマがデュラハンの死の宣告を覚えようとしていた。

 俺は、アイリスが王子様と結婚するのは別に構わないが、クレアからカズマを止めて欲しいと言われている以上、どうにかしなくては。

 アイリスからの依頼なので、断る訳にはいかないので、準備をしていた。

 翌日、どういう訳か、俺もカズマと同じ様に拘束されていた。

 

零士「………ダクネス?何で俺も拘束されてるんだ?」

ダクネス「カズマよりはマシとはいえ、何かとんでも無い事をしそうだからな。」

零士「それ酷くない?」

 

 その後、アクアのブレイクスペルで拘束を解いてもらった。

 

零士「助かった、アクア。」

カズマ「危うくこの痴女のおかげで漏らすとこだった。」

ダクネス「うう……。わ、私は痴女では……。」

アクア「ダクネスが痴女なのは今に始まった事じゃないからどうでもいいけど、一体何の遊びをしてたの?」

ダクネス「ア、アクア!?」

 

 カズマに説明を任せた。

 ダクネス曰く、気難しい王子で、無礼を働けば一発で外交問題に発展しかねないからそうだ。

 アクアもカジノ大国と聞いて、随分と行く気満々だった。

 後の人達にも聞く事になった。

 カイト、カリン、ユーリは受ける気満々だったのだが……。

 

リナ「嫌よ。」

零士「えっと、何でかを聞いてもいいか?」

リナ「なんでアイリスの頼みを聞くのよ。」

零士「えっと、それって嫉妬?」

リナ「そうよ、妬いてるのよ。私のファーストキスをあげたんだから、少しは私の事を気にかけて欲しいんだけど。」

零士「えっ。………あっ、はい。」

 

 あの激しいディープキスをした影響か、遠慮が無くなった様な気がする。

 何処か、吹っ切れた様な感じがする。

 

リナ「そんなにアイリスが気になるの?」

零士「いや、アイリスは何か、周囲に気を遣っていて、寂しい想いをしている感じで気にしちゃうんだよ。」

リナ「……まあ、良いわ。そのかわり、エルロードで一緒に観光しよう?」

零士「いいぞ。」

 

 そして、了承も得た所で、カズマ達と合流する。

 ユーリから顔が赤いと指摘されて俺は動揺するが、リナは平然としている。

 

アクア「めぐみんとリナってば、もっと早く帰っていれば面白い物が見られたのに。ダクネスがカズマと零士の2人をベッドに縛り付けようとして、いたずらしようとしていたのよ。」

めぐみん「ほう。」

リナ「へぇ……。」

 

 アクアの言葉に、めぐみんとリナが反応する。

 

ダクネス「待てアクア、私はいたずらしようとしていない!縛り付けていたのは事実だが、あれは先程説明した様に……。」

カズマ「いやあ、アクアが駆けつけるのが後ちょっと遅かったら、危うくダクネスにズボンを下ろされる所だった。」

零士「まったくだ。」

ダクネス「なあっ!?」

 

 追加の俺達の言葉にめぐみんは瞳を紅く輝かせて、リナは目元に影が出来ていた。

 

めぐみん「………まあ、年中盛っているダクネスが誰に何をしようが私達には関係ありませんが。」

リナ「仮にも良家のお嬢様が、男を無理矢理手籠めにするのは感心しないね!」

ダクネス「ちちちち、ちが……!違うんだめぐみん、リナ、これには事情が!それに年中盛ってるとか言わないで欲しい!」

 

 その後、俺たちは極楽ふぐを食べて、ユーリ以外は見事にふぐの毒に当たった。

 その時に、リナの顔が肩に当たって、マジでドキドキした。

 一応、ユーリにふぐの毒の解毒をしてもらう事になった。

 




今回はここまでです。
極楽ふぐって、どんな感じなんでしょうね。
フグ毒まで治療できるユーリは本当に凄い。


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58話 向かいし、隣国エルロード

 翌朝。

 

ダクネス「なあカズマ、零士。本当にアイリス様の依頼を請けるのか?ハッキリ言うぞ。お前達の無礼な態度がなくとも、私達の実力では護衛依頼を失敗するのが関の山だと思うのだが。」

零士「昨日のふぐの事を言ってるのか?」

カズマ「あれは冒険中の失敗じゃないからノーカンだ。」

ユーリ「俺達はこの世で最も魔王軍幹部を倒しているアクセル1のパーティーだ。問題無い。」

 

 俺達はブックゲートで王都に向かう事になっている。

 だが、アクアがウィズ魔道具店にゼル帝とちょむすけを預けに行ってから大分経つ。

 そう思っていると、アクアが戻ってきた。

 

アクア「あの子達はちゃんと預けてきたわ。性悪仮面がちょむすけを見て、『ほほう、これはまたちょっと目を離した隙に、面白い事になっておるな!フハハハハハ!』とかわけわかんない事を言ってグリグリしてたけど、まあ問題はないでしょう。」

 

 面白い事って何だろうか?

 それも気になるが、すぐさまブックゲートで王都へと向かう。

 久しぶりの王城だ。

 

門番「止まれ!この先には用のない者は立ち入り禁止だ、冒険者が近づいて良い場所ではない!」

零士「すみません。アイリス姫からの依頼を請けた神崎零士と佐藤和真です。」

門番「こ、これは失礼を……!今すぐ上の者をお呼びしますので、少々お待ちを!そちらの封筒を預かってよろしいですか?」

零士「分かりました。」

 

 俺は封筒を兵士2人に渡した。

 封筒の中身の手紙を確認していた兵士が首を傾げた。

 

門番「あの、手紙が破けてますけど……。」

カズマ「それは、モンスターと戦う冒険者だからですよ。」

門番「な、なるほど。でしたら、この待合室でお待ち下さい。」

 

 カズマが引き裂いたのだが、そこはカズマも誤魔化したか。

 

兵士「あなた方の事は聞いていますよ。知略でウォルバクを追い詰めた佐藤和真さんに、2体の竜の力を合わせてレジエルを倒した零士さんですね。それに、最前線の砦で指揮を執ったダスティネス様に、それぞれの聖剣を操る剣士達、大会で優勝して、増援に来てくれたアクセルハーツ、凄まじい魔力を誇るアークウィザード、そして左官屋を引き連れた凄腕パーティーだとか。」

アクア「ねえ、麗しいアークプリーストの存在が無かった事にされてるんですけど。」

 

 どうやら、王都の中でもかなり有名らしいな。

 まあ、魔王軍幹部を多数葬ってきたパーティーだからな。

 

兵士「今の所パーティーメンバーの名前が判明しているのは零士殿とカズマ殿とダスティネス卿にリナ殿、カイト殿、カリン殿、ユーリ殿だけらしいですが、ひょっとしてそちらの方が爆裂魔法すら操れるとの噂がある、大魔法使い様ですか?活躍の割にはあまり語られない事から、謙虚でミステリアスな人物と噂されていますが……。」

めぐみん「……ほう、私にその様な噂があるのですか?まあ謙虚と言えば謙虚ですね。なにせ私は冒険で得たお金等はすべてカズマに預けている身ですから。」

アクア「ねえ、私の名前も無いんですけど。世界的に有名な私の名前が無いんですけど。」

 

 多分、めぐみんの名前が語られないのは、余りにも特殊だからな。

 アクアの場合は、左官屋というイメージが定着しつつあるからだな。

 めぐみんの言葉を聞いた兵士は、感極まったのかますます目を輝かせて。

 

兵士「す、凄いですね、お金や名声には興味が無いという事ですか!?」

めぐみん「ふ……。我が願いは魔法の真髄を極める事のみ。カズマと零士にどうしてもと我が力を乞われた時、私はこう答えたのです。我が欲するは最小限の食費と雑費。そして、我が力を正しく振るえる活躍の場である、と……!」

兵士「おおおおお!!」

 

 なんか格好つけてるけど、乞いていないし、その時に風双剣翠風を手に入れたからな。

 と、その時だった。

 

レイン「ああっ!本当に来た!」

ノエル「そのようですね。」

 

 そんな2人の声が聞こえた。

 そこに居たのは、アイリスの護衛兼教育係のレインと、大臣のノエルだ。

 

零士「ノエルさん。お久しぶりです。」

ノエル「お久しぶりです。あなたの活躍は兼ねてから聞いていますよ。」

 

 と、ノエルと多少、世間話をした。

 その時、白スーツを着た女性、つまりクレアが入ってきた。

 カズマがクレアに連れて行かれて、しばらくすると、カズマとクレアが笑っていて、扉からアイリスが出てきた。

 

アイリス「2人とも、随分と楽しそうですね。」

零士「よお。アイリス。」

アイリス「お久しぶりですお兄様方。お待ちしておりました……!」

 

 そこには、装備を整えていて、星雲剣恒星を携えたアイリスがいた。

 その後、王城の裏へと向かうと、質素ながらも頑丈な馬車があった。

 馬ではなく、リザードランナーが引くそうだ。

 クレア曰く、通常の馬車では10日も掛かるのでこれを用意したそうだ。

 

ノエル「全く、これを用意させられた私の身にもなって欲しいですね。」

クレア「感謝してはいるぞ……。一応な。」

 

 ノエルの嫌味に、クレアが少しイラつきつつ答えていた。

 どんだけノエルを嫌ってるんだ?

 その時、アイリスとめぐみんが取っ組み合いを始めた。

 一応、カズマ達が馬車に乗り、俺達は、ディアゴスピーディーとライドガトライカーを取り出して、着いていく事になった。

 俺がディアゴスピーディーを取り出して、カイトとユーリがライドガトライカーを取り出した。

 

カリン「ねえ、ユーリ?私があなたを持っててあげるからさ。一緒に乗りましょうよ。」

ユーリ「断る!身の危険を感じるからな!」

カイト「アハハハハ………。」

 

 カイトとカリンが一緒に乗って、ユーリは単独で向かうようだ。

 つまり、俺とリナが一緒に乗るという事だ。

 あのディープキスを思い出して、ドキドキしてきた。

 

レイン「それではアイリス様、あまり無理はされませぬよう、どうかご無事で。良い旅を!」

ノエル「アイリス様の護衛を任せましたよ。剣士達!ご武運を!」

クレア「サトウカズマ、神崎零士、アイリス様を頼んだぞ!………アイリス様ああああ!!」

 

 俺達は、ノエルとクレアとレインの3人に見送られて出発した。

 俺達はあまりの速さで突き進む馬車になんとか追随できている感じだ。

 途中、馬車が止まった。

 理由は、モンスターの群れに突っ込んでしまったようだ。

 その時に、俺達も停車して、応戦する事になった。

 だが、アイリスが一掃してしまった。

 その後、俺も協力してカズマが餃子とチャーハンを作った。翌日には、アクアがツナマヨご飯を作り、その翌日にはめぐみんがザリガニ料理を振る舞った。

 なんだかんだあったが、俺達は、エルロードへと到着した。




今回はここまでです。
零士は、ノエルの事を怪しいと思ってはいるけど、まだ確信には至っていません。


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59話 観光せし、剣士達

エルロードへ到着した俺達。

 流石にディアゴスピーディーとライドガトライカーは仕舞った。

 俺達は宿に到着した。

 

ダクネス「さあ、ここが手配していた宿だ。皆。まずは部屋に行き荷物を置いてくるといいだろう。アイリス様と王子との顔合わせは明日になる。今日はゆっくりと観光でもして旅の疲れを癒すとしよう。」

アイリス「私は、明日の会談に向けての準備があります。私は宿で休んでいるので、皆さんはどうか観光をしてきて下さい。」

 

 アイリスはそう言って休む事に。

 俺達は部屋に荷物を置いて、カズマ、アクア、めぐみん、ダクネスのチーム、カイト、カリンのコンビ、俺とリナのコンビ、ユーリは単独で観光する事になった。

 

リナ「それじゃ、行こっか。」

零士「あぁ。それじゃあ、どこに行こうか?」

 

 俺達は2人で観光をする事になった。

 途中、リナがナンパされかけたが、リナが俺の腕に自分の腕を絡ませて、『ごめんなさい。私、この人と一緒に観光するから。』と言ってナンパ師を退けた。

 

リナ「まったく、私をナンパするなんていい度胸じゃない。」

零士「だからって、民間人に聖剣を向けるのはどうかと思うんだけど……。」

 

 そう、リナはしつこいナンパ師に対しては、雷鳴剣黄雷を向けて脅した。

 その影響もあって、リナをナンパする人は居なくなったが。

 

リナ「まあいいじゃない。それよりさ、手を繋いでくれない?」

零士「良いけど……。」

 

 俺はリナと俗に言う、恋人繋ぎをした。

 まあ、恋人って訳じゃないけどね!

 周囲から少し噂されている。

 男性からは俺を妬む声、女性からはリナを羨む声が聞こえてきた。

 その後、レストランにて食事をしたりして、時間を潰して、夕方にカズマ達と合流した。

 

めぐみん「あ、零士達も帰ってきましたか。」

 

 カズマ達と合流したのだが、様子がおかしい。

 何があったのか聞くと、ダクネスと砂風呂に付き合った人は、瀕死になって病院に搬送されて、めぐみん達にカモネギを見せたが、爆裂魔法で一掃されて、アクアは酔っ払った結果、高級な調度品を使って芸を始めて、その結果、高級店から高級な調度品の請求とカモネギの養殖場からも弁償をしてくれと言われたそうだ。

 カイト、カリン、ユーリも合流して、俺達は逃走した。

 すまん。だが、うちの癖者をナンパしたそっちに非がある。

 俺達が宿に戻ると、アイリスが出迎えてくれた。

 

アイリス「エルロードはどうでした?皆さん、羽は伸ばせましたか?」

零士「あぁ。アルカンレティアよりも遥かにマシだな。」

アクア「ちょっと零士、あんた、後で覚えてなさいよ。」

カリン「いやぁ!なかなかこの国の鍛冶屋も悪くないわね!」

カイト「そうだな。」

ユーリ「中々に楽しめた。」

 

 その後、俺達は休む事になった。

 だが、ノエルから言われていた事がある。

 それは、レインとダクネスがカズマを寝かせようとする事だ。

 気持ちは分かるが、そんなにする事か?

 一応、リナにも伝えてあり、部屋でのんびりしていると。

 

カズマ「こいやオラァ!」

ダクネス「お、お前!」

 

 と、カズマとダクネスの叫び声が聞こえてきたので、うるさいと文句を言いに行く。

 途中、めぐみんとリナとも合流して、部屋に突入する。

 

めぐみん「さっきからバタバタと喧しいですよ!一体何をやってるんですかあなた方は!」

零士「近所迷惑だからやめろ!」

カズマ「零士、リナ、めぐみん助けて、犯される!」

ダクネス「ああっ、お、お前!?」

 

 その後。

 

めぐみん「まったく、一体何を考えているんですかダクネスは。この宿にはアイリスだっているんですよ?せめてそういう事は家に帰ってからして下さい。」

ダクネス「ち、違うんだめぐみん!こ、これはだな!」

リナ「何がどう違うのよ?そんなあからさまに際どい格好をしていると、説得力がないわよ?」

零士「やれやれ。」

 

 そうして、ダクネスはカズマにダスティネス家のペンダントを渡して、俺達は明日に備えて眠った。




今回はここまでです。
次は、隣国の王子が登場します。


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60話 邂逅する、隣国の王子

翌日、俺達は城の前に居た。

 その城は、ベルゼルグの城よりも大きく、豪華だ。

 俺達がその城を見ていると、アクアにめぐみんが物騒な事を言い出し、ダクネスが2人を牽制する。

 と、そこに件の王子が現れた。

 

???「まったく、これだからベルゼルグの田舎者は……。城の前で騒がしいぞ、礼儀というものを弁えろ。」

 

 俺の目から見た感じ、アイリスとは同い年だろうな。

 アイリスが目の前に出てきて、挨拶する。

 

アイリス「あなたがエルロードの第一王子、レヴィ様ですか?私はベルゼルグの第一王女、アイリスと申します。あなたにお会いする為にやって参りました。本日はあなたのお顔が見られて嬉しいです。」

 

 屈託のない笑みを浮かべたアイリスは、優雅さと愛らしさを併せ持った完璧な礼をする。

 と言うかあの王子、レヴィって言うのか?

 恐らく愛称だから、本当の名前があるのだろう。

 だが、件の王子は、小馬鹿にする様な笑みを浮かべた。

 

レヴィ「お前が俺の許嫁か?ベルゼルグの一族は女子供に至るまで武闘派だと聞いていたが弱そうだな。もっと強そうで凛々しい姿を想像していたのに拍子抜けだ。」

アイリス「えっ?あ、その……。すいません…。」

レヴィ「それにその護衛の少なさはなんだ?ベルゼルグにはそこまで金が無いのか?筋肉だけではなく、もう少し金を稼ぐ頭も鍛えた方がいいぞ!」

 

 家臣達も同調するかの様に笑った。

 あれ?同盟国の割には、随分と見下されているような気がする。

 レヴィ王子と家臣団は俺たちにも見下す様な視線を向けてきた。

 だが、家臣団は俺、めぐみん、アクアを見て、ハッとした様に目を見開いた。

 

レヴィ「その護衛にしてもパッとしないな。どいつもこいつもまだ若いし、装備も高そうには見えない。よくここまで無事で来れたものだな。」

 

 レヴィ王子は家臣達の様子が変わった事に気付かないようで、揶揄ってきた。

 だが、家臣達は笑わない事を不思議に思った王子が後ろを振り向くと。

 

めぐみん「その喧嘩、買おうじゃないか。」

 

 と、うちの爆裂娘に火が付いた。

 暫くして、家臣達は王子を諫めていた。

 

家臣「違うのです!レヴィ王子はそちらの国に詳しくなく、紅魔族の存在を知らなかったのです!本気で喧嘩を売ろうとバカにしていたわけではなくて……!」

家臣「王子、ちゃんと相手を見てください!アレは紅魔族です、魔王ですら一目置いている厄介な連中です。あの連中にはシャレが通じないので迂闊な発言は止めてください!」

レヴィ「わ、分かった、悪かった!俺が悪かったから魔法を唱えるのは止めろ!」

 

 と、流石にレヴィ王子も謝った。

 まあ、駆け引きのつもりでも、めぐみんを怒らせたのは不味かった。

 

めぐみん「今回は見逃しますが、次はありませんよ?」

家臣「分かっておりますめぐみん殿、今後この様な事が起こらないように致しますので!」

 

 流石にヒヤヒヤした。

 こんな所で爆裂魔法を撃ってしまったら、取り返しがつかない。

 リナ、カイト、カリン、ユーリも同じ様で、安堵のため息をついていた。

 

アクア「よく分からないけど、ちゃんとごめんなさいが言えるのは良い事ね。パッとしないって言われた時は聖なるグーを食らわせてあげようかと思ったけど私も許してあげるわね。」

 

 おい、そんな余計な事を言うんじゃない!

 王子が胡乱な視線を向けた。

 

レヴィ「貴様、プリースト風情がこの俺に…。」

家臣「王子、王子、アレはアクシズ教徒です。しかもあの青髪にあの格好、相当に熱心な信者ですよ!安楽少女より厄介で、アンデッドよりもしぶといと言われるあのアクシズ教徒です!」

 

 家臣の警告に、王子が怯える。

 アクアが吠えているが、自業自得だと俺は思うけどな。

 王子と家臣がヒソヒソ話しているのを見て、どうしようかと困り果てていると。

 

???「一体何を騒いでいるのですか?」

家臣「宰相殿!いや、これは……。」

 

 どうやら、宰相の様だな。

 カズマから聞いた話によると、この国を牛耳っているそうだ。

 

アイリス「初めまして。私はベルゼルグの第一王女、アイリスと申します。お目にかかれて光栄です。」

ラグクラフト「これはこれは、噂に聞くベルゼルグの一族とは思えないほど可愛らしいお姫様だ。私は宰相を務めているラグクラフトと申します、よろしくお願い致します。」

 

 凄いな。あれだけの騒ぎをあっという間に収めてしまった。

 その後、俺達は城の中へ。

 アクアがラグクラフトの背中をペタペタ触り、ユーリが俺に話しかけてきた。

 

ユーリ「なあ零士?」

零士「どうした?」

ユーリ「いや。あの男、どうも怪しくないか?」

零士「そうかな?……少し気になる。」

ユーリ「あぁ。何も起こらなければいいのだろうが。」

 

 ユーリが気になるなんて、何かあるな。あの宰相は。

 俺達は宰相と歓談していたが、アイリスの声が会場に響き渡る。

 理由は、支援金の事に関してだそうで、宰相に断られ続けている。

 

零士「大丈夫か?」

カイト「財政が苦しいと聞こえたけど、街を見る限り、そんな風には見えないな。」

リナ「そうよね。」

カリン「なんで断るのかしら?」

ユーリ「何かありそうだな。」

 

 その後、アイリスとカズマが交渉するも、断られて、支援を頂くまで来る事になった。

 ちなみに、めぐみんとアクア、ダクネス、俺、リナ、カイト、カリン、ユーリは連れてくるなと言ったそうだ。

 連れてくるなと言われた以上、付いて行くのは不可能だろう。

 そう言う事で、俺達はカズマとアイリスの交渉を待つ事にした。

 結果を聞く度に、どんどんと取り戻していくのに少し引いた。

 最初こそ、アイリスの剣技とカズマのイカサマギャンブルをしていたが、次第にカズマのイカサマギャンブルだけになった。

 

零士「………俺達って、いる?」

リナ「………いらないかも……。」

カイト「俺達って、護衛で来たんだよな……。」

カリン「交渉もアイリスとカズマだけでやっているからねぇ。」

ユーリ「あの宰相。やはり怪しいな。」

 

 その後、どういう訳か捕まったカズマ達をアイリスと共に迎えに行った。

 

零士「お前ら何をしたんだ?」

リナ「爆裂魔法を使ったのね……。」

ユーリ「何をしている?」

ダクネス「ア、アイリス様……?その、カズマと共に勝手な行動を起こした事は謝ります。ですがこれも全ては良かれと思った事で……。」

アイリス「……けない……。」

カイト「アイリス?」

カリン「どうしたの?」

 

 と、アイリスがポツリと何かを言った。

 カイトとカリンの問いかけに対して。

 

アイリス「……情けない。」

 

 まずい。アイリスの機嫌を損ねたか?

 ダクネスがアイリスの前に跪き頭を下げた。

 

ダクネス「申し訳ありませんアイリス様、この度の失態は私の不徳の致すところ。どうか……。」

アイリス「私は自分が情けないです。交渉では殆ど何も出来ないまま、大半をお兄様に任せ……。そして、本来の仕事である追加の支援も断られ、部屋に籠って落ち込んでいました。私はまだ、何もしていないのにです。」

 

 そんな事ないですアイリス様。

 それを言うなら、俺達も宰相の調査だけで、特に何もしてません。

 そんな事を思う俺の内心をよそにアイリスは頭を振って。

 

アイリス「私がメソメソと落ち込んでいる間、ララティーナやお兄様、零士お兄様達は体を張ってくれました。本来、それは私がやる事であるのに。」

 

 アイリス。一国の王女がそんな事を言っちゃダメだと思う。

 そうして、どういう訳か、王城に乗り込む事になってしまった。

 本当、どうしてこうなった。

 俺は、アイリスが自分のスキルで城門を斬り裂くのを見てそう思った。

 

零士「……なあ。これヤバくね?」

リナ「……そうね。」

ユーリ「だが、これも悪くないな!」

カイト「それだけはやめて。」

カリン「もう。どうしようかしら?」

 

 俺達は謁見の間に着いたが、周囲にはアイリスに倒された騎士や兵士達が悶絶していた。

 

レヴィ「ここここ、こんな事をして、ど、どうなるか分かっているんだろうな!?」

 

 流石の王子様も怯えていた。

 王子様が騒いでいると。

 

アイリス「レヴィ王子。」

 

 アイリスの声で王子が静かになり、宰相もジリジリと後ずさっていた。

 

アイリス「私はあなたと会談がしたかっただけです。手荒な真似をしたのは謝りますが、王子が常々仰る通り、私の国は野蛮なのです。不調法な田舎者のやる事ですから、どうか大目に見て頂けませんか?」

レヴィ「なっ……、そんなバカな言い分が……!」

めぐみん「そんな言い分が通らないのなら、我が爆裂魔法とアイリスの剣、そして仮面ライダーがこの国を滅ぼす事になる。」

零士「おい!バカな事言うな!」

ユーリ「それは流石に頂けないな。」

リナ「とにかく!めぐみんを取り押さえて!」

 

 俺達はめぐみんを取り押さえて、アイリスの言葉を続けさせる。

 

レヴィ「では一体どんな要求をするつもりだ?どうせ追加の支援金の話だろうが、俺はたとえ脅されようとも……!」

アイリス「これは、元はベルゼルグという私の国がまだ成り立ったばかりでお金がない頃、王族がよく行っていた事なのですが……。この国において、最も大きな被害を与え、最も強大なモンスターを教えて下さい。このベルゼルグ・スタイリッシュ・ソード・アイリスが、必ず退治してみせます。」

 

 ベルゼルグの王女は、そう言って、ニコリと微笑んだ。




今回はここまでです。
ボルケーノバイスタンプで、五十嵐一輝が負傷してしまった……。
大丈夫ですかね……。


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61話 激突する、剣士一行と黄金竜

 俺達は、レヴィ王子から、金鉱山に住み着く黄金竜の討伐を依頼された。

 厳密に言えば、宰相が受けさせるように進言した結果で、宰相はこちらを見てニヤニヤしていた。

 で、俺達は、件の金鉱山へと向かっていたが。

 

アクア「いやあああああああ!いやああああああああ!いやああああああああ!」

零士「いつまで騒いでいるんだ!」

カズマ「今回ばかりは相手が相手なんだから、お前みたいなのでも必要なんだよ!」

ユーリ「全く、騒がしいぞ。」

 

 と、アクアが駄々を捏ねていた。

 クローンズヒュドラの時といい、何故アクアはドラゴンの討伐を極端に拒むのだろう。

 

アクア「ドラゴンを退治するだなんてバカじゃないの?ねえバカなの?皆バカなの!?」

リナ「知能のステータスが私よりも低いあなたに言われたくない。」

カイト「それに、いい加減にドラゴンスレイヤーにもなりたいしな。」

カリン「ジャアクドラゴンやジャオウドラゴンを使ってるあんたが言う?」

ダクネス「全くだ。」

 

 めぐみんが先輩風を吹かせて、カズマとアクアに悉く潰されつつも数時間歩き続けた。

 そうしてめぐみん達が騒いでいるのを眺めていると、物凄い気配を感じた。

 後ろを振り向くと、そこには黄金竜がいた。

 

零士「ヤベェ!流石に変身するぞ!」

ユーリ「そうだな!」

アイリス「はい!」

 

『プリミティブドラゴン!』『エレメンタルドラゴン!』

『キングライオン!』

『ランプドアランジーナ!』『ニードルヘッジホッグ!』『トライケルベロス!』

『玄武神話!』

『猿飛忍者伝!』

『ヘンゼルナッツとグレーテル!』

『ジャオウドラゴン!』

『エックスソードマン!』

『スタードラゴン!』

『エレメンタルドラゴン!ゲット!』

『ジャオウリード!』

『スターリード!』

『烈火抜刀!』

『流水抜刀!』

『黄雷抜刀!』

『一刀両断!』

『双刀分断!』

『銃剣撃弾!』

『闇黒剣月闇!』

『最光発光!』

『星雲剣恒星!』

 

「「「「「「「「「変身!」」」」」」」」」

 

『エレメンタル!ドラゴン!』

『キングライオン大戦記!』

『ゴールデンアランジーナ!』

『ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!』

『風双剣翠風!』

『音銃剣錫音!』

『ジャオウドラゴン!』

『エックスソードマン!』

『スタードラゴン!』

 

 俺はエレメンタルプリミティブドラゴン、カズマはキングライオン大戦記、リナはゴールデンアランジーナ、カイトはジャオウドラゴン、ユーリはエックスソードマン、残りの面子は基本形態へと変身した。

 そうして、俺達は襲ってきた黄金竜を迎撃する事に。

 だが、俺達が引きつけている時に、アイリスのセイクリッド・エクスプロードを発動し、一瞬で片付けた。

 改めて、俺達はいるのかと思った。

 その後、ギルドに回収を依頼して、王城へと向かっていたが、めぐみんがアイリスに突っかかっていた。

 興奮で顔を赤くしている王子の元に着いた。

 

レヴィ「本当にやったのか!」

アイリス「はい、これは証拠の黄金竜の角です。どうぞ。」

 

 当初こそ、俺たちを侮っていたが、黄金竜の討伐を行った事が影響し、誰もが好意的な視線を向けていた。

 

レヴィ「輝く黄金の角……。これはまさしく、金鉱山に住み着いた黄金竜の角……。」

ラグクラフト「お待ちを。」

 

 と、宰相が冷たい表情でこちらを見ていて水を差した。

 なんだ、難癖つける気か?

 

ラグクラフト「流石は勇者の血を引く王女。代々魔王軍に恐れられている一族なだけはあります。 ………おい!」

 

 宰相の合図と共に革袋が持ってこられた。

 だが、追加の支援金にしては小さすぎる。

 大物賞金首を倒した報酬なら分かるが、支援金としては小さい。

 

アイリス「……これは?」

ラグクラフト「それは今回のドラゴン討伐依頼の報酬ですな。冒険者に依頼を出し、支払う場合よりも色を付けてあります。それを持っていくとよろしい。」

アイリス「そ、そんな!」

 

 流石に家臣達も、ざわめきだし、同情的な気配を感じる。

 と、王子が待ったをかけた。

 

レヴィ「ま、待てラグクラフト!それは流石にどうかと思うのだが……。い、いや分かっている。ここで追加の支援金などを支払えば色々マズい事は分かっている。それは理解しているのだが、ドラゴンスレイヤーの英雄にその程度の額というのも……。」

ラグクラフト「王子、あなたには既に何度も説明したはず。本来ならば防衛費の支援を止められれば良かったのですが、それが為らなかった以上、攻勢の為の資金を支払わない事はこの国の為なのです。……アイリス様、あなた方の都合は承知しております。ですが、我々にもやむを得ない事情があるのです。どうかご理解下さいますよう。」

 

 やむを得ない事情?

 アイリスに嫌がらせしていた訳では無いようだが、一体何だ?

 

ユーリ「やはりあの男、怪しいな。」

カイト「ウッ!まさか……!」

零士「どうしたカイト?」

カイト「闇黒剣月闇が未来を見せてきた。」

ユーリ「闇黒剣がか。どんな未来だ?」

カイト「それは、後で皆の前で話します。」




今回はここまでです。
闇黒剣月闇に見えたのは、どんな未来なのか。
それは、次回分かります。
そして、来週の日曜日には、五十嵐三兄弟と、一輝とバイスのキャラソンが配信されますね。


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62話 激突する、剣士達とドッペルゲンガー

その後、カズマがレヴィ王子からVIPカードを受け取って、宿に戻り、闇黒剣月闇の未来予知について話す事になった。

 

零士「それで、どんな未来を見たんだ?」

カイト「あぁ。それは、宰相がドッペルゲンガーで、しばらくして俺達はあいつに攻撃される未来がな。」

アイリス「それは本当なのですか!?」

ユーリ「あぁ。闇黒剣月闇が見せたという事は、十中八九本当だろう。」

カズマ「マジかよ……。」

ダクネス「何でそんな事をあの場で言わなかったのだ!!」

リナ「ダクネスよく考えて。あの場でそれを言っても恍けられるだけよ。」

カリン「そうね。ていうか、闇黒剣月闇ってそんな能力があるの?」

めぐみん「そう言えば、冬将軍の時もそんな事を言ってましたね。」

アクア「で?どうすんのよ。」

零士「そうだな、カズマ。お前、カジノに行くつもりなんだろ?」

カズマ「まあ、そうだけど……。」

零士「それを利用する。」

 

 俺が立てた作戦はこうだ。

 まず、カズマの運の高さを利用して、カジノで荒勝ちする。

 勝てば勝つほど金が増えて、追加の支援金まで達すれば、宰相も動かざるを得ないだろう。

 そこで王子をうまく説得出来れば、事によっては宰相が本性を現すかもしれない。

 宰相が本性を出したら、それぞれの部屋にダミーの人形を置き、欺いて、アイリスの部屋に来た場合はすぐさま迎撃する事に。

 なんか、全員から少し引いた視線を向けられた気がする。

 

カズマ「……お前、結構えげつない作戦を思いつくよな。」

リナ「………私達を信頼しているんだろうけど。」

ユーリ「最高だな!」

カイト「え!?」

 

 翌日、カズマの荒稼ぎが始まった。

 全員で行く訳にもいかないので、カズマ、アクア、めぐみん、ダクネス、アイリスに行かせた。

 俺、リナ、カイト、カリン、ユーリは、ダミー人形の用意をしていた。

 カズマの話を聞く限り、かなりの額を稼げているそうで、日に日に額が増えている。

 そして、ダミー人形の用意を終えて、しばらくすると、王子に呼ばれた。

 王子は酷くやつれた状態になっていた。

 

レヴィ「頼むからもう帰ってくれないか。」

カズマ「おいおい、お前がアイリスに言ったんだろうが、カジノで気晴らしをしてこいって。俺達は気晴らしをしているだけ。気が晴れたらその内帰るよ。」

レヴィ「待ってくれ、これ以上毟られるとシャレにならんのだ!これでは我が国が追加の支援金を出していると受け取られるのだ!」

零士「別にいいだろ。カズマ達はカジノで遊んでるだけなんだから。」

レヴィ「ぐ……。それは。我が国にも、とある事情が……。」

 

 またとある事情か。

 闇黒剣月闇で未来をカイトが見た時に、大体は分かっている。

 

アイリス「その、とある事情というのは何なのですか?どうしても私達には教えられない事なのですか?」

レヴィ「いや、こればかりは……。」

 

 王子も戸惑いの表情を浮かべ、申し訳なさそうに言いかけると。

 

ラグクラフト「我が国は、魔王軍と取り引きをしているのです。」

レヴィ「ラグクラフト、お前……!」

ラグクラフト「我が国は、魔王軍との和平交渉を進めております。魔王軍がもし貴国に勝利したとしても、この国には関わらない事。その条件として、魔王軍と交戦中のベルゼルグにはこれ以上の支援を行わない事を約束しています。」

 

 と、淡々と宰相が告げた。

 ダクネスがカッと牙を剥いた。

 

ダクネス「貴様、魔王軍なぞの言葉を信用するのか!人として恥ずかしいとは思わないのか!」

ラグクラフト「ですが、ベルゼルグが魔王軍を攻めあぐねているのもまた事実。魔王軍と貴国は膠着状態に陥っており、どちらが勝つかは分からない状況。そこに、中立を保ってくれれば関与しないと言われれば、一国を預かる者として無下にする訳にもいきますまい。」

 

 と、宰相はある意味では正論を述べた。

 確かに、国を守る為には、しなければならない事かもしれないが。

 ユーリも反論する。

 

ユーリ「ストリウス達がそれを守るとは思えないな。蹂躙されるだけと思うがな。」

ラグクラフト「魔王様はストリウス達にもちゃんと言うそうだ。問題無い。」

ユーリ「何故そう確信して言える?まさか、魔王軍のスパイじゃないだろうな?」

 

 確かに、ストリウス達がそんな約束を守る可能性は限りなく低い。

 ストリウス達の言動を見る限り、魔王には忠誠心を持っているとは思えない。

 俺達は宰相にさらに警戒を強めていると。

 

アイリス「あの、レヴィ王子?なんとなく事情は分かりました。魔王軍からは、ベルゼルグが滅んだ後はエルロードを攻撃する、それが嫌なら手を組め、と言われてるんですね?それで、王子なりに考えて、生き残る為にそう決めたのなら私は何も言いません。」

 

 アイリスはレヴィ王子を傷つけないように優しくはにかんだ。

 

アイリス「だから安心して下さい。今後もお互いの国の関係が悪くならない様、お父様に取り成します。……私は人を見る目だけは長けているんですよ?王子が、本当は私の事を嫌っていない事を最初に会った時からなんとなく分かってました。自惚れじゃないですよ?なんとなく分かるんですよ。ベルゼルグの王族は強いんです。例え支援が無くても魔王軍にだって負けません。だから……そんなに辛そうな顔をしないで下さい。」

 

 アイリスは傷ついた子供を慰める優しい声でそう言って無邪気に笑った。

 その時、レヴィ王子がポツリと呟いた。

 

レヴィ「……俺は世間ではバカ王子と呼ばれているらしい。政治にも関心を示さず、ギャンブルにばかり明け暮れているからそうだ。」

零士「レヴィ王子……。」

レヴィ「俺と、もう一度ギャンブルで勝負しないか?今度はイカサマ抜きでな。その上で、この俺に勝つ事が出来たなら……。俺は、ベルゼルグが魔王を倒す方にベットしよう!」

ラグクラフト「お、王子!?」

 

 宰相が悲痛な声を上げる中、王子はコインを取り出して、それを後ろ手に回し隠した。

 

レヴィ「さあ、コインはどっちにある?」

 

 その後、カズマは勝った。

 魔王軍と戦う為の支援金はこれまで通り。

 更には近々魔王軍に攻勢を仕掛ける為の莫大な支援金も貰えた。

 だが、宰相の反応を見てやはり、仕掛けてきそうという事で、宰相の城に泊まる事をあえて受けて、誘いだす。

 まず、割り当てられた部屋へと向かい、すぐさまベッドにダミー人形を置いて、ブックゲートでアイリスの部屋へと向かう。

 全員集結したところで、アイリス以外はそれぞれ別の場所へと隠れる。

 しばらくすると、ラグクラフトが部屋に入ってきた。

 

アイリス「どうされましたか?」

ラグクラフト「いえ。他の人達が見当たらなくてですね。」

アイリス「……そうですか。」

ラグクラフト「それはそうと、まさか王子を説得するとは。」

アイリス「それがどうされましたか?」

ラグクラフト「いえ。あなたには消えて貰おうかと思いましてね!」

零士「悪いけど、そうはいかない。」

 

 俺達は本性を現したラグクラフトの前に現れた。

 当の本人は少し驚いたぐらいだった。

 

ラグクラフト「やはり、ここに居ましたか。ちょうどいいです。私はドッペルゲンガーのラグクラフト。ここで私の計画を水泡に帰してくれたお前達には復讐を。」

リナ「ちょうどいいのはこっちもよ!」

ユーリ「お前を倒させてもらう。」

カイト「皆行くぞ!」

カリン「えぇ!」

ダクネス「貴様、よくもやってくれたな!そこになおれ!ぶっ殺してやる!」

めぐみん「さて、行きますか!」

 

『プリミティブドラゴン!』『エレメンタルドラゴン!』

『キングライオン!』

『ランプドアランジーナ!』『ニードルヘッジホッグ!』『トライケルベロス!』

『玄武神話!』

『猿飛忍者伝!』

『ヘンゼルナッツとグレーテル!』

『ジャオウドラゴン!』

『エックスソードマン!』

『スタードラゴン!』

『エレメンタルドラゴン!ゲット!』

『ジャオウリード!』

『スターリード!』

『烈火抜刀!』

『流水抜刀!』

『黄雷抜刀!』

『一刀両断!』

『双刀分断!』

『銃剣撃弾!』

『闇黒剣月闇!』

『最光発光!』

『星雲剣恒星!』

 

「「「「「「「「「変身!」」」」」」」」」

 

『エレメンタル!ドラゴン!』

『キングライオン大戦記!』

『ゴールデンアランジーナ!』

『ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!』

『風双剣翠風!』

『音銃剣錫音!』

『ジャオウドラゴン!』

『エックスソードマン!』

『スタードラゴン!』

 

 俺達は仮面ライダーへと変身して、ラグクラフトと対峙している。

 

ラグクラフト「ここでは狭いので、移動しますかね!」

零士「待て!」

アイリス「逃がしません!」

カズマ「待てやゴラァ!」

 

 ラグクラフトは何か扉を開くと、そこに飛び込み、俺たちも向かう。

 そこは、どこかの山の中だった。

 

ラグクラフト「ここならいいでしょう。なら、私はこれを使いますかね!」

 

『白雪イエティ!』『はだしの王様!』『ネコにアクセサリー!』

 

 ラグクラフトはアルターブックを開くと、イエティメギド、王様メギド、ネコメギドを召喚した。

 

ラグクラフト「さあ!アイリス王女には私が相手をしましょう!他の奴らは貴様らが相手するがいい!」

 

 そう言ってけしかけてきた。

 俺、カズマ、リナはイエティメギドを、ダクネス、めぐみん、カリンは王様メギドを、カイト、ユーリはネコメギドを相手にする事に。

 イエティメギドは、吹雪を放ち、俺達を氷漬けにしようとしてきた。

 

カズマ「寒っ!」

リナ「このままじゃ凍っちゃう!」

零士「俺に任せろ!」

 

 俺はエレメンタルドラゴンの力で、吹雪を無効化した。

 そのままエレメント化し、イエティメギドの背後に入り、斬りつけた。

 その隙に、体制を整えたカズマとリナの一閃がイエティメギドに当たる。

 

零士「一気に決めるぞ!」

カズマ「おう!」

リナ「えぇ!」

 

『必殺読破マシマシ!』

『キングライオン必殺読破!』

『必殺読破!』

『烈火抜刀!』

『流水抜刀!』

『黄雷抜刀!』

『エレメンタル合冊斬り!』

『キングライオン必殺斬り!』

『ケルベロス!ヘッジホッグ!アランジーナ!』

『3冊斬り!』

『サ・サ・サ・サンダー!』

 

零士「森羅万象斬!」

カズマ「ライオネル・ハイドロ・ストリーム!」

リナ「トルエノ・デル・ソル!」

 

 炎、水、雷の3つの属性の斬撃波が、イエティメギドを斬り裂き、爆散した。

 

ダクネスside

 

 私は、めぐみんとカリンと共に王様メギドを相手にしていた。

 王様メギドは、王冠状の攻撃をぶつけてきて、私達は少し苦戦していた。

 

ダクネス「やるな!」

めぐみん「どうしましょう!?」

カリン「なら!ダクネス!」

 

『ブレーメンのロックバンド!』

 

ダクネス「あぁ!めぐみん!」

 

『ジャッ君と土豆の木!』

 

めぐみん「はい!こっちは更に面白いと思いますよ!」

 

『こぶた3兄弟!』

 

カリン「上等じゃない!」

 

『錫音!』

『激土!』

『翠風!』

 

 私は玄武ブレーメンに、めぐみんは忍者ジャッ君に、カリンはヘンゼルぶた3へと変身して、王様メギドと交戦する。

 私達は零士達と違って、形態がそこまで多い訳じゃない。

 しかし、連携をすれば、どうにか格上の相手にでもどうにかなるという事で、連携攻撃で王様メギドを追い詰めていく。

 

王様メギド「何!?この余が追い詰められるだとな!?」

ダクネス「貴様を王様とは認めない!」

めぐみん「一気に決めましょう!」

カリン「えぇ!」

 

『ブレーメンのロックバンド!』『ドゴーン!』

『ジャッ君と土豆の木!』『ニンニン!』

『こぶた3兄弟!』『イェーイ!』

『激土乱読撃!』『ドゴーン!』

『翠風速読撃!』『ニンニン!』

『錫音音読撃!』『イェーイ!』

 

「「「ハァァァァ!!」」」

王様メギド「さらばじゃぁ〜〜〜っ!!」

 

 私達の必殺技が命中し、王様メギドは爆散した。

 

カイトside

 

 俺とユーリは、ネコメギドを相手にしていた。

 ネコのメギドというのもあって、中々に素早くて、剣が当たりにくい。

 

ネコメギド「残念だニャ!お前らじゃ私は倒せないニャ!」

カイト「やかましいわ!」

ユーリ「俺が行こう!」

 

『移動最光!』

『腕!最高!』

『Fullcolor goes to arm!』

『エピソード2!カラフルソードで、ズバズバーン!』

 

 ユーリがエックスソードマンパワフルへと変身して、光剛剣最光とパワフルエックスソードで斬り裂いて、怯んだ隙に俺も闇黒剣月闇で斬り裂く。

 

ネコメギド「ニャニ!?」

カイト「もう終わりだ!」

ユーリ「一気に決める!」

 

『移動最光!』

『脚!最高!』

『Fullcolor goes to leg!』

『エピソード3!カラフルキックで、ドカドカドカーン!』

『ジャオウ必殺読破!』

『フィニッシュリーディング!』

『ジャオウ必殺撃!』

『サイコーワンダフル!』

 

カイト「邪王龍必殺破!」

ユーリ「エックスソードブレイク!」

 

 俺達のダブルライダーキックがネコメギドに炸裂して、爆散した。

 零士達も片付いた様だし、アイリスの元へと向かうか。

 

アイリスside

 

 どうやら、お兄様達はメギドを倒したようですね。

 

アイリス「あなたは終わりです!」

ラグクラフト「ならば、せめてあなたを葬ってあげましょう!」

 

 ラグクラフトは剣を出して、私の星雲剣恒星にぶつけてきた。

 だが、そんなに苦戦する事なく応戦出来たが、突然、岩の檻が現れて囚われてしまった。

 

アイリス「これは!?」

ラグクラフト「これで仮面ライダー達を一掃できますね!」

 

 まさか、私を人質にして、お兄様達を倒すつもりでは。

 と、ちょうどお兄様達がやってきた。

 

カズマ「アイリス!」

零士「人質かよ!」

ダクネス「貴様!」

ラグクラフト「王女の命が惜しければ、変身を解き、聖剣とワンダーライドブックを私に渡しなさい。」

 

 どうすれば。

 でも、ラグクラフトはちょうどお兄様達に夢中になっていて、私に意識は向いていない。

 零士お兄ちゃんがアイコンタクトを向けて、合図を出した。

 そう。闇黒剣月闇の未来予知にこの未来も見えていた。

 私は星雲剣恒星を必殺ホルダーに装填する。

 

『恒星居合!』

『読後一閃!』

 

ラグクラフト「何!?」

アイリス「エクステリオン!」

 

 私のエクステリオンと居合技がラグクラフトに命中して、ラグクラフトが居たところは、何かの泥があった。

 

零士side

 

 アイリスがラグクラフトを倒した後、城から宿の方へと泊まるのを変えて、翌日王城へと向かったが。

 

レヴィ「面目ない!」

 

 レヴィ王子はそう言って土下座しだした。

 その行動にアイリスだけでなく家臣達も戸惑っていた。

 

アイリス「あの、レヴィ王子。あなたは関与していなかったので、それくらいで……。」

レヴィ「すまない!俺があまりにもバカだった。ああ、バカ王子と呼ばれても仕方ない!アイリス姫がこの国に来なければ、魔王軍の手先にこの中枢を乗っ取られたままだった……!」

 

 宰相がドッペルゲンガーだったという大事件は既に城の中に留まらず、街にいる人々にまで広がっていた。

 アイリスは、ドラゴンスレイヤーに留まらず、ドッペルゲンガーに乗っ取られそうだったこの国の救世主だ。

 先ほどから王子はこの調子だ。

 

アイリス「王子。王族たる者は簡単に頭を下げてはいけないんですよ?」

レヴィ「わ、分かった。だが、今回の事で大きな借りが出来てしまった。我が国はベルゼルグに対してこの恩は忘れない。今後、何かあったらどんな事でも言ってくれ。その……。ベルゼルグとエルロードは同盟国にして友好国だからな。」

 

 と、王子は照れ臭そうに笑った。

 謁見の間が和やかな空気に包まれた。

 

レヴィ「頼むぞ。仮面ライダー。この世界を救ってくれ。」

零士「言われるまでもないですよ。」

ユーリ「あぁ。」

 

 そうして、カズマがレヴィ王子とアイリスの婚約破棄に突っ込んだりはしたが、エルロードを後にして、ベルゼルグへと戻っていく。




今回はここまでです。
今回の話で第10章が終わって、次は、第11章です。


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第11章
63話 束の間の、平和


とある日、ベルゼルグ王城内の和室にて。

 

アクア「あははははは!あはははははは!ねえカズマ、見なさいな!ほらほら、商店街のチラシでへんてこ悪魔の仮面を作ったわよ!」

カズマ「ぶはははははは!なにこれすげえ、チラシ製とは思えない出来じゃねーか!お前はこういう事やらせるとほんと凄いな!」

 

 カズマとアクアが酔っ払っていた。

 その様子はまさに、めんどくさい酔っ払いのおじさんおばさんの様だ。

 

零士「………何してんだお前ら。」

リナ「酒は飲んでも飲まれるなって言うけど、どう考えても飲まれてるわね。」

カイト「大丈夫か?」

カリン「アンタ達、調子に乗りすぎよ。」

ユーリ「まあ、宴会を楽しもう。」

 

 何故、宴会になっているのか。それは俺達がベルゼルグに帰ってきた頃に遡る。

 アイリスがドラゴンスレイヤーの称号を得て戻ってきた事に激震が走った。

 

ノエル「お帰りなさい。よく戻ってきてくれましたね。お疲れ様です。」

クレア「よくやってくれたカズマ殿、私はあなたを誤解していた様だ!今回の成果は私が予想していた以上のものだ!」

 

 感極まったクレアが結構な本音をぶちまけて、アイリスに締め上げられている。

 その後、クレアが報酬として、宴会が始まったのだが、クレアは早々に酔い潰れてダウンした。

 カズマと話していると、アイリスが寄ってきて話しかけてきた。

 

アイリス「お兄様方は、この宴が終わったらどうするのですか?もうアクセルの街に帰ってしまうのですか?」

零士「そうだな。結構旅してたよな?」

カズマ「あぁ。たまにはゆっくり休もうかと思ってるよ。」

 

 俺達は最前線の砦に向かったと思ったら、アイリスの護衛まで入ったので、たまにはゆっくりしたい。

 

アイリス「……ゆっくりするだけなら、ここでも出来るのではないですか?お部屋はたくさん空いていますし、急いで帰る必要もないのでは?」

カズマ「……まあ、アイリスがそう言うのなら、もうちょっとここに滞在してもいいんだけど。」

アイリス「出来れば……、出来れば、皆と一緒に暮らしたいなぁ……。」

 

 皆の許可を得て、泊まることにした。

 しばらくして、俺、リナ、カイト、カリン、ユーリは大臣に呼ばれた。

 

零士「どうしました?」

ノエル「いえ、あなた方の活躍は凄まじいと評判でしてね。」

零士「そうなんですか?」

ノエル「ええ。それと、あなたとお茶会でもしようかと。」

零士「良いですけど……。」

リナ「何故突然?」

 

 俺達はお茶会を始めた。

 少しの間は些細な会話をしていたが、ユーリが尋ねたい事があるそうで、話し始めた。

 

ユーリ「大臣。あなたは全知全能の書の一部を持っているな。」

零士「え?」

ノエル「気づいてしまいましたか。では、本題に入りましょう。」

カイト「本題?」

ノエル「えぇ。私の一族は代々、全知全能の書の一部を引き継いでいるのです。」

 

 そんな事を話し始めた。

 やはり、ノエルはイザクみたいな奴なのか?

 だが、ノエルの言葉からは、あまり野心みたいなのは感じられない。

 

ユーリ「そうか。なら、この世界の均衡を守る使命はあると?」

ノエル「はい。その為に魔王軍と戦うこの国を支えているのです。」

零士「なら良いんじゃないか?」

ユーリ「……そうだな。」

 

 あまりユーリは信頼してなさそうだ。

 まあ、俺も少し警戒心が湧いたもんな。

 

ノエル「それでは、私の話を聞いてくれてありがとうございます。」

 

 そう言ってお茶会はお開きになった。

 何か企んでいないといいけどな。

 俺達は自由行動になって、ユーリは単独で、カイトとカリンのコンビ、俺とリナのコンビで行動する事にした。

 

リナ「零士はさ。あの大臣どう思う?」

零士「少し怪しいけど、いい人だとは思う。警戒はするけどな。」

リナ「そう……。ねえ、夕食を食べ終わって風呂に入った後、部屋に行っても良いかな?」

零士「良いけど……。」

リナ「ありがとう。じゃあ、また後で。」

 

 その後、夕食を食べ終えた後、風呂に入って部屋に戻って暫くすると、リナが入ってきた。

 そして、ベッドに座った。

 

リナ「さて、私、少し話があるの。」

零士「ジュン関係か?」

リナ「うん。だからさ、少しジュンと変わってくれない?」

零士「あぁ。」

 

 俺はジュンと人格を入れ替えて、リナと会話させて、俺はしばらく考えていた。

 あのノエルが何か企んでいる気配はあまりしなかったが、警戒はしておくことにする。

 長時間考えていたせいか、あまり会話は聞こえなかった。

 

リナside

 

 私はジュンの人格に変わった零士と話していた。

 内容は、零士に対する想いをどうやったら打ち明けられるかという事だ。

 

リナ「ジュン?私、どうやって零士に想いを伝えれば良いんだろ?」

ジュン「そうだな。零士は結構鈍感だから、もうちょいアプローチを増やしたらどうだ?」

リナ「それはしたよ。私の初めてのキスを彼にあげたからね。」

ジュン「そ、そうか。なら、もう告白しても良いんじゃないのか?」

リナ「それはもうしたけど、零士の返事待ちって感じかな。」

ジュン「そう言ってると、零士は多分気づかないんじゃないか?」

リナ「でも、彼はそれなりに動揺してたわよ。」

ジュン「まあ、もうちょいアプローチを増やした方が良いんじゃないか?」

リナ「……まあ、頑張るけど。」

 

 ジュンとの会話を終えて、零士の人格に戻った。

 

零士「ジュンと話は出来たか?」

リナ「うん。ありがとうね。」

零士「あぁ。じゃあ、寝ようか。」

リナ「うん。おやすみ。」

 

 流石に私が添い寝する事は慣れたのか、気にしなくなっていた。

 私は良い加減に覚悟を決めた方がいいかも。

 段々、この気持ちが膨らんでいって、抑えきれなくなってきた。

 最近は、零士の事を考えていない時間が無いくらいだ。

 覚悟を決めつつ、私は寝た。

 

零士side

 

 そんなこんなで、暫くすると、ダクネスから帰るぞと言われた。

 

ダクネス「帰るぞ。」

カズマ「断る。」

 

 俺達は既に準備を終えているが、カズマが拒絶した。

 カズマの予想通りの反応に俺達は溜息をついた。

 

ダクネス「なあカズマ、ここ2週間ほどの城の暮らしは楽しかっただろう?十分に歓待を受けただろう?」

 

 ダクネスはそう言ってカズマに手紙を渡した。

 その内容は、基本的にカズマへのファンレターだった。

 それを読んで、カズマは帰る気になったそうだな。

 何か怪しいが。

 俺はダクネスと喧嘩するめぐみんを眺めているカズマを見ながらそう思った。

 

アクア「決めたわ。ねえカズマ、零士、私は決めたわよ!」

零士「俺まで?」

アクア「私達の当初の目的を思い出して?そう、私達の望みは悪しき魔王とメギドを倒す事。そして世界に平和をもたらす事なの!この子達の手紙で本来やるべき事を思い出したわ!」

カズマ「分かったよアクア。アクセルの街に帰って、基本に立ち返ろう。」

 

 そして、カズマと俺はアイリスが話があるそうで、リナ達は先に帰した。

 ちなみに俺は、アイリスに渡したい物があり、そのついでにカズマを連れ帰る名目で残った。

 

アイリス「お兄様達が部屋に来るのは久しぶりですね。遠慮せずにこちらへどうぞ。」

 

 アイリスはクレアから貰ったお菓子を出してくれた。

 カズマは自分の過去の話をアイリスにしだした。

 俺は暫くして、頃合いを見て、アイリスに話しかけた。

 丁度、俺達が部屋に戻ろうとして、アイリスに止められた時に。

 

零士「アイリス。これを君に渡しておくな。」

アイリス「これは、お兄様達が持ってる魔道具でしたよね。」

 

 俺はガトライクフォンをアイリスに渡した。

 目的は一つだ。

 

零士「アイリス。俺達は聖剣を持った剣士である以上、戻らないといけないんだ。」

アイリス「そんな……!」

零士「だからこそ、それを君に渡す。俺達が離れていても声と姿は届くからな。」

アイリス「え?」

カズマ「まさか、テレビ電話か!?」

アイリス「テレビ電話?」

 

 そう、アイリスが寂しがるのは目に見えているので、ガトライクフォンに搭載したテレビ電話機能を使う事にした。

 アイリスにガトライクフォンの使い方を教えてあげた。

 

零士「寂しくなったらそれでいつでもかけてきて欲しい。……まあ、繋がらない場合はあってもきっと声は届くからな。」

カズマ「零士………。」

アイリス「ありがとうございます……!でも、今夜だけは甘えてもいいですか?」

零士「いいぞ。なあ、カズマ?」

カズマ「あぁ。」

 

 俺達はたった1夜だけでもアイリスに甘えさせて、翌朝、帰る準備が出来た。

 

カズマ「ハァ……。」

零士「大丈夫だ。ガトライクフォンで俺達は繋がれるだろう?」

カズマ「それはそうなんだけどよ。」

クレア「それではカズマ殿、零士殿、魔王討伐を頑張れ。」

レイン「吉報をお待ちしております。」

ノエル「あなた達にご武運を。」

アイリス「お兄様方。またいずれお会いしましょうね。」

カズマ「あぁ……。」

零士「元気でな!」

 

『ブックゲート!』

 

 俺達はブックゲートでアクセルの屋敷へ、大切な仲間の元へと帰った。




今回はここまでです。
零士は、ノエルの野望に関しては、怪しいと思っているが、まだ確信には至っていない。


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64話 激突する、水の剣士と水の女神

俺達がアクセルへと帰ってきて1週間すると、カズマとアクアが喧嘩しだした。

 

アクア「何でなのよ!!」

カズマ「何だと!?」

零士「何やってんだお前ら?」

リナ「いつもの事でしょ。」

 

 理由を聞くと、毎度の如く水勢剣流水は水の女神である私に相応しいと言い出したようだ。

 それにカズマもキレだして喧嘩に発展したそうだ。

 アクアもいつまで言ってるんだろう?

 

アクア「何でこんな零士が居なかったら城に留まりそうだったクソニートが水の剣士なの!?納得いかないわ!」

カズマ「お前、言っていい事と悪い事があるくらい学習しろよゴラァ!」

ユーリ「いつまで喧嘩しているんだ?」

カイト「落ち着けよ2人とも。」

カリン「見苦しいわよ。」

めぐみん「2人とも落ち着いて下さい。」

ダクネス「ハァ……。零士が連れ帰ってくれてありがたかったが、こればかりはどうにも出来ないからな。」

ソフィア「どうにかして欲しいのですが。」

 

 そうして、どういう訳か勝負が始まった。

 内容は以前やったゴブリンの討伐数を競う物だ。

 確かに、以前はめぐみんが一掃した事で有耶無耶になったからな。

 カズマとアクアの一対一の対決で、俺達は観戦兼審判を行う事に。

 

カズマ「お前とはいい加減決着つけねぇとな。」

アクア「上等よ!女神である私が負ける筈ないじゃない!」

零士「じゃあ、ゴブリン討伐開始だ。」

 

 カズマはブレイズに変身して、アクアと共にゴブリンに向かって駆け出していく。

 アクアは自分に支援魔法をかけてゴブリンを倒していく。

 カズマもトラップや水勢剣流水を駆使してゴブリンを倒していく。

 時折、カズマの仕掛けたトラップにアクアが引っ掛かり、アクアが喚いていた。

 現状、カズマが優勢だ。

 理由は、先ほども伝えたが、アクアがトラップに引っかかり続けて時間を食っていた事だ。

 それにより、カズマが有利に勝負を進めていた。

 

零士「カズマの奴、結構成長したな。」

カイト「そうだな。」

ユーリ「やるな。」

 

 しばらくして、結果は、アクアが10体なのに対して、カズマは80体撃破した事により、カズマの勝利となった。

 勝因は、カズマのトラップにアクアが引っかかり続けた事、カズマが必殺技に範囲攻撃を混ぜた事により勝利。

 

アクア「何でよー!!!」

カズマ「ウワッ!何だよ!負けたからって掴みかかるんじゃねぇ!」

零士「アクア、落ち着け。」

ユーリ「とにかく、アクアはカズマに謝ったほうがいいのでは?」

アクア「ごめんねカズマさん。」

カズマ「まあ、いいけどな。」

 

 と、カズマとアクアの喧嘩は、無事に終結したが、これからも続くと思う。

 だが、これもまた、俺達の生活だと思うとなかなかに飽きない。

 




今回はここまでです。
今回は短めです。
次回、あの妹が来訪します。


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65話 来訪せし、風の剣士の妹

カズマとアクアの喧嘩騒動の翌日、俺達はリビングに集結していた。

 集結する前に俺とカズマとリナの3人の連携練習と、ダクネス、めぐみん、カリンの連携練習、カイトとユーリの連携練習をしていた。

 

零士「あぁ!疲れた!」

カズマ「俺達の連携も上手い具合になってきているよな。」

リナ「そうね。」

カイト「ところで、ダクネスは何を作っているんだ?」

ダクネス「あぁ。めぐみんが作ってくれたロブスター料理が気に入ってな。無理を言って食材から用意して貰ったのだ。」

ユーリ「あぁ。あれは美味い。」

 

 世間知らずの箱入り娘と千年も生きる光の剣士は、ザリガニ料理を大変気に入った様だ。

 流石に少し苦笑した。

 めぐみんの反応を見る限り、本人もまさかハマるとは思わなかったらしく、カズマの視線を直視出来ずに目を泳がせていた。

 暫く談笑しながら食事をしていると、玄関のドアがノックされた。

 

零士「はーい!一体誰なんだろ?」

リナ「お客さんかしら?」

カリン「でも誰なのかしらね?」

ふにふら「ここ、こんにちは!」

どどんこ「まぐ………!め、めぐみんさんは、いらっしゃいますか?」

 

 そこに居たのは、めぐみんの妹、こめっこの手を引いた、レッドプリズンで会った2人の紅魔族がいた。

 中に入って貰ってソファーに座らせた。

 

アクア「お茶ですけど。」

ふにふら「ど、どうも!」

どどんこ「ありがとうございます!」

めぐみん「それで、ふにくらとどろんこの2人は突然私の妹を連れて来たのは、一体どうしたのですか?」

ふにふら「あんた人の名前ぐらい覚えなさいよ!ふにふらよふにふら!」

どどんこ「どろんこじゃなくてどどんこだから!さっき私がまぐみんって言い間違えそうになった事を根に持ってんの!?」

 

 そう。ふにふらとどどんこだ。

 レッドプリズン以外で接点が無かったので、あまり覚えていなかった。

 ちなみに、リビングに居るのは、俺、リナ、ユーリ、カズマ、めぐみんの5人で、後の面子はこめっこの面倒を見ていた。

 

ふにふら「久しぶりねめぐみん。あんたの妹が大変な事になってたから私達で連れてきたのよ。」

どどんこ「そうそう、めぐみんの妹っていうかあなたの家がっていうか。まあえらい事になってこの子が路頭に迷いそうになってたからさ。」

零士「えらい事?それは一体なんだ?」

カズマ「めぐみんの家に何があったんだよ?」

 

 男慣れしていないのか、2人はビクッと身を震わせた。

 

ふにふら「緑目のあなたはめぐみんの彼氏なんだっけ。実はこの子の家っていうか、里全体が大変な事になっちゃってさ。」

どどんこ「そうそう。まあその、ちょっと言い辛いんだけど……。」

 

 痺れを切らしためぐみんがこめっこの方を向くと、こめっこは口の中の物を飲み込んで。

 

こめっこ「家がボンッてなって無くなった。」

めぐみん「ボンッてなんですかボンッて。もっと分かる様に言って下さい。」

 

 そんな脈絡もへったくれもない説明をした。

 それを聞いて困惑するめぐみんに、ふにふらとどどんこの2人は顔を見合わせた。

 

ふにふら「魔王の娘が大軍を率いて、紅魔の里に攻めてきたのよ。」

 

 それを聞いて俺、リナ、ユーリは紅魔族内で話した方が良いと思い、退出した。

 その後、2人の泣きながら捨て台詞を吐いて逃走する声が聞こえた。

 そして、俺達はこめっこの身の回りの小物を揃えるべく買い物した。

 

めぐみん「さて。こめっこは私と同じ部屋に寝泊まりするといいでしょう。暫く会えなくて寂しかったでしょうから、久しぶりに一緒に寝ましょうか。」

こめっこ「姉ちゃんはさびしんぼ。」

めぐみん「こ、こめっこ!」

 

 めぐみん。君の妹はとことん辛辣だね。

 こめっこは、ゼル帝とちょむすけを見て涎を垂らしていた。

 どんだけ食欲旺盛なんだ?

 

カズマ「さて、それじゃあ折角だしこめっこの歓迎会でもしてやるか。」

変身「そうだな。美味しい物たくさん作ってやるからな。」

こめっこ「お兄ちゃん達カッコいい!」

 

 そして、日記みたいなメモ帳を取り出して何かを書いていた。

 内容は、俺達が餌付けしてきたと書いてあった。

 餌付けって。

 こめっこ曰く、ゆいゆいさんが、めぐみんの男とその周りであった事を書けと言われたそうで、まさかの密告者がいた。

 翌日、俺達は泣いていた。

 こめっこのあまりの貧困っぷりに。

 

アクア「ねえダクネス、なんだか今日のお昼ご飯がしょっぱいの……。」

ダクネス「うっ……、涙で前が見えない……。」

零士「やばいって……。」

リナ「どうしてこんなに貧困なの……?」

カイト「涙が止まらない……。」

カリン「本当よね……。」

ユーリ「なぜ泣いている?」

 

 ユーリは泣いていなかった。

 

こめっこ「だってこんなに食べられる事なんて滅多にないもん。」

めぐみん「それはそうかもしれませんが、姉としてはちょっと恥ずかしいのです。ほら、デザートのプリンもありますから。」

こめっこ「ひゃほう!」

 

 俺達はプリンをこめっこに渡した。

 その時の反応も貧困さを醸し出しており、目頭を抑えた。

 

カズマ「そう言えば、今日は冒険者ギルドに行かないのか?」

ユーリ「そうだな。元はといえばそれが目的だからな。」

零士「でも、こめっこはどうするんだ?」

こめっこ「冒険者ギルドに行って、姉ちゃんの凄いとこが見たいから。」

めぐみん「ウッ!」

 

 めぐみんが思い当たる節があるのか、身を震わせた。

 

こめっこ「姉ちゃんから最近もらった手紙に、冒険者ギルドでは皆が姉ちゃんにあこがれてて、姉ちゃんを一目見ただけで敬語を使って頭を下げるって書いてあった。」

カズマ「おい。」

 

 こめっこがそんな聞き捨てならない事を言ってきた。

 めぐみんがちょむすけを生贄にしてこめっこを外へと向かわせる。

 

カズマ「……おい。」

めぐみん「違うのです!」

零士「えっと、理由を聞かせて欲しいな。」

リナ「なんでこうなってんの?」

 

 めぐみんは理由を語ったが、結論として、少し見栄を張ったかららしい。

 めぐみん曰く、両親を少しでも安心させる為に大袈裟に言ったからだそうだ。

 流石にそんな嘘はバレるので打ち明ける事にするようだ。

 

めぐみん「こめっこ。……実はあなたに大事な話があります。」

こめっこ「明日食べさてくれるって約束してた、洗面器プリンは出ない……?」

 

 そっちかい。

 食い意地が本当に張ってるな。

 

めぐみん「こめっこ。私達は、この街においてとても凄い冒険者パーティーであると手紙に書きましたね?」

こめっこ「うん。姉ちゃんはどんなモンスターも一撃でやっつける凄い魔法使いの風の剣士で、街の冒険者にとても尊敬されてて……。」

めぐみん「そう。その部分なのですが……。」

 

 淡々と述べるこめっこに、めぐみんは一つ頷くと。

 

こめっこ「それでクルセイダーのお姉ちゃんは、どんなモンスターでも絶対に逃げない上に、どんな攻撃も耐える頼りがいのある土の剣士で、青髪の姉ちゃんは、どんな悪魔やアンデッドにも負けないアークプリーストで、鍛治師の姉ちゃんは、姉ちゃん達の聖剣の調整をしっかりやってくれる音の剣士で、光のお兄ちゃんは、お姉ちゃんをしっかり鍛えてくれる光の剣士で、闇のお兄ちゃんは、どんな事でも絶対に諦めない闇の剣士で、雷の姉ちゃんは、素早く動いて敵を倒す事が出来る雷の剣士で、姉ちゃんの男は、嫌がりつつも最後は付き合ってくれる水の剣士で、炎のお兄ちゃんは、単独で魔王軍幹部を倒す事が出来る炎の剣士なんでしょ!」

めぐみん「こめっこ!一々大きな声で言わないで下さい!その事なんですが……!」

 

 めぐみんがこめっこの口を塞いで、打ち明けようとしたが。

 

アクア「あれね、流石はめぐみんね。分かってるじゃないの。」

ダクネス「う、うむ。まさかめぐみんがその様に思ってくれていたとはな。」

ユーリ「最高だな!」

カイト「そんな風に思ってくれたのか。」

カリン「ありがたいわね!」

リナ「ありがとう、めぐみん。」

めぐみん「な、何ですか皆!?いえ、違うんでんすこめっこ!私が言っていたその話なのですが……!」

 

 慌てためぐみんが言い終わる前に俺とカズマはこめっこにキッパリ告げた。

 

「「大体合ってる。」」




今回はここまでです。
こめっこの食欲は凄まじい。
次回、アイツが再登場します。


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66話 討伐せし、地縛霊と安楽王女

 その後、こめっこを連れてギルドへと向かっていたが、カズマとめぐみんは先に向かい、冒険者達と口裏を合わせる事になった。

 

零士「カズマ達は説得出来たか?」

リナ「まあ、大丈夫じゃない?」

カイト「だと良いが。」

カリン「さあて!ついたわよ!」

アクア「ほら、ここがアクセルの冒険者ギルドなのよ!駆け出し冒険者の街だから皆レベルも低くて弱っちそうだけど、優しい冒険者が沢山いるのよ!」

ユーリ「アクア、それは褒めてるのか?それとも貶してるのか?」

 

 どうやら説得は上手くいった感じのカズマとめぐみんが居た。

 着いた途端にこめっこが。

 

こめっこ「でも姉ちゃんは、この街の冒険者は凄いんだって言ってたよ。メギドにも、魔王の幹部ベルディアにも、デストロイヤーにも、クローンズヒュドラにも逃げずに向かっていった、凄く勇気のあるかっこいい人達だって!」

 

 そんな事を大声で、満面の笑みを浮かべた状態で堂々と言い放った。

 その結果、冒険者達がこめっこに集り、こめっこに料理を渡す事になった。

 

零士「………めぐみんの妹って、かなり計算高い気がするよな。」

リナ「………そうよね。あれで純粋にそう言ってるのなら、納得するけど。」

カイト「あれ?ルナさんが、こめっこの背後にいて、アイスを持ってるけど……。」

カリン「あれって、塩漬けクエストの依頼書だよね。」

 

 こめっこにアイスを渡したルナさんが語ったのは、アクセルの冒険者達がスパッとクエストを解決してくれるという事だ。

 結果として、カズマ、アクア、めぐみん、ダクネスのパーティーと俺、リナ、カイト、カリン、ユーリのパーティーに別れて塩漬けクエストをこなす事になった。

 翌日、カズマ達はルーシーズゴーストの討伐に行き、俺達はグレイトワイバーンと呼ばれるモンスターの討伐に向かう事になった。

 

零士「まさか、塩漬けクエストの討伐依頼を出されるとはな。」

リナ「まあ、確かに塩漬けクエストが問題になっているって聞いてるもん。」

カイト「まあ、丁度いいだろ。」

カリン「そうね!それに、グレイトワイバーンから手に入る素材が欲しかったのよね!」

ユーリ「では、早速行こう。」

 

 俺達はグレイトワイバーンが居る地域に向かっていて、到着した。

 存在感は、以前に戦った黄金竜と比べると大した事ないが、油断は出来ない。

 

零士「じゃあ、行きますか!」

「「「「あぁ!」」」」

 

『エレメンタルドラゴン!』『プリミティブドラゴン!』

『ランプドアランジーナ!』『ニードルヘッジホッグ!』『トライケルベロス!』

『ヘンゼルナッツとグレーテル!』

『ジャオウドラゴン!』

『エックスソードマン!』

『エレメンタルドラゴン!ゲット!』

『ジャオウリード!』

『烈火抜刀!』

『黄雷抜刀!』

『銃剣撃弾!』

『闇黒剣月闇!』

『最光発光!』

 

「「「「「変身!」」」」」

 

『エレメンタルドラゴン!』

『ゴールデンアランジーナ!』

『音銃剣錫音!』

『ジャオウドラゴン!』

『エックスソードマン!』

 

 俺達はそれぞれ変身して、グレイトワイバーンと対峙する。

 グレイトワイバーンは、属性ブレスを吐いてきたり、竜巻を起こしてきたりしたが、なんとか無事に終わらせられた。

 カズマ達の方は、無事に成仏したそうだが、アクアに勝利の傷跡を残しての勝ち逃げだそうだ。

 翌日、めぐみんとこめっこのやりとりを見てホッコリとしていた俺達。

 だが、突然ギルドのアナウンスが入った。

 

ルナ「緊急!緊急!全冒険者の各員は、装備を整えて冒険者ギルドに集まって下さい。繰り返します。全冒険者の各員は、装備を整えて集まって下さい。」

零士「何だ?」

リナ「別に、キャベツの到来時期じゃないね。」

カイト「大物賞金首が近づいているという噂も聞いてないな。」

カリン「じゃあ、何かしら?」

ユーリ「行ってみないと分からないだろ。」

 

 その後、どういう訳か、この街にいる紅魔族は必ず参加しろというのに、俺達はもう一度顔を見合わせた。

 ギルドに着くと、どういうわけか、こめっこが優遇されていた。

 

ルナ「皆さん、昨日はお疲れ様でした。あのルーシーズゴーストやグレイトワイバーンまでもがアクアさんや聖剣を操る剣士達に討伐されました!流石はアクセルの冒険者の皆さんです!」

 

 ルナさんは、やたらと皆を褒めそやす。

 冒険者達も満更ではないのか、照れ臭そうにして誤魔化していた。

 

ルナ「で、ですね。そんな素晴らしい皆様のために、新しい仕事をご用意させて頂きました!昨日よりも高難度で大変なお仕事ですが、この街の冒険者の皆さんなら大丈夫です!」

 

 あぁ、分かった。

 昨日の事で味を占めたギルド職員達は、こめっこが居る間に塩漬けクエストを全部片付ける気だ。

 ルナさんがこめっこに同意させて、青ざめていた冒険者達は、即座にクエストを受けた。

 俺達も適当なクエストを行おうとしたが、ルナさんから、安楽王女と呼ばれるクエストを受けた。

 実は以前、俺とカズマは、安楽少女と呼ばれる安楽王女の下位的な奴を倒したのだ。

 その時、仲間達から外道、鬼畜等と罵られた。

 特にアクアから。

 俺とカズマは、安楽少女が腹黒い事を知っていて、アッサリ討伐した。

 

リナ「ねえ零士?本当に大丈夫?」

零士「何がだ?」

カイト「安楽王女を討伐する事だよ。」

カリン「またアクアから罵られるわよ。」

ユーリ「人に害をなすなら、討伐する。零士、お前は正しい。」

 

 その後、安楽王女の元に到着したが、やはりと言うべきか、アクア達が懐柔されていた。

 どうしたもんかと考えていると、安楽王女の後ろから強烈な気配を感じる。

 突然、安楽王女が斬り倒された。

 

アクア「安楽王女!!」

めぐみん「アクア、後ろに!」

ダクネス「あれは!」

 

 安楽王女の後ろに居たのは。

 

ズオス「よお、剣士ども。まさかここで会い見えるとはな!」

 

 魔王軍幹部にして、生物のジャンルを司るメギド、ズオスが居た。

 

アクア「アンタ!鬼!鬼畜!悪魔!何でこの子を討伐するのよ!」

ズオス「アァ?こいつが邪魔だったからなぁ。」

零士「安楽王女は兎も角、さっさと倒すぞ!」

リナ「えぇ!」

ズオス「あぁ。そう言えば、用事があるのは、炎の剣士と、水の剣士だけなんだわ。」

カズマ「俺と零士?」

 

 どういう事だ?

 

ズオス「なぁに、レジエルを倒した炎の剣士に、王都で借りを作った水の剣士には、借りを返しに来たぜ!」

 

 そう言って怪人態になった。

 

零士「カズマ、行けるか?」

カズマ「あぁ。行けると思う。」

零士「分かった。皆は下がってくれ。」

リナ「分かったわ。」

零士「行くぞカズマ。」

カズマ「あぁ。」

 

『エレメンタルドラゴン!』『プリミティブドラゴン!』

『キングライオン!』

『エレメンタルドラゴン!ゲット!』

『烈火抜刀!』

『流水抜刀!』

 

「「変身!」」

 

『エレメンタルドラゴン!』

『キングライオン大戦記!』

『エレメントマシマシ!キズナカタメ!』

『それすなわち、砲撃の戦士!』

 

 俺達は、エレメンタルプリミティブドラゴンとキングライオン大戦記に変身して、ズオスを迎え撃つ。

 

零士「行くぜ!」

カズマ「ズオス!」

ズオス「纏めてかかってこい!」

 

 俺達は連携攻撃で、ズオスを追い詰めていくが徐々に形勢が拮抗状態になっていく。

 

カズマ「おい!おかしいぞ!なんかあいつ強くなってるぞ!」

ズオス「俺は、お前ら人間とは根本的に違う!強い奴と戦う度に強くなる!今も、そしてこれからもなぁ!お前にやられた事も俺にとっては強くなる為の餌に過ぎない。お前らに、1ミリも勝ち目はねぇんだよ!」

零士「ウワッ!」

 

 ズオスがそう言ったと同時に俺とカズマを吹っ飛ばす。

 

リナ「2人とも!」

カイト「参戦した方がいいか!?」

カリン「そうじゃない!?」

めぐみん「カズマ!今助けます!」

ダクネス「あぁ!」

カズマ「手出しすんな!」

零士「あぁ!これは、俺達の戦いだ!剣士の戦いに、ちょっかいだすな!」

アクア「アンタ達何言ってんの!?」

ユーリ「いや、あの2人の言う通りだ。剣士の戦いに手出し無用。」

ズオス「へえ!言うじゃねぇの!なら、遠慮なく行くぜ!」

 

 そう言ったものの、突破口が中々掴めない。

 なら、心の強さで勝ってやる!

 

零士「カズマ!」

カズマ「あぁ!」

ズオス「何をしようが無駄だ!」

 

 俺達の想いを高める!

 ズオスの強さを打ち破るくらいに!

 俺達の仮面ライダーとしての誇りをあいつにぶつける!

 その時、俺の火炎剣烈火と、カズマの水勢剣流水が光りだした。

 そのまま、ズオスに俺の火炎剣烈火とカズマの水勢剣流水で交差するようにズオスを斬り裂く。

 ズオスは派手に吹っ飛んだ。

 

ズオス「よくもやってくれたなぁっ!!」

カズマ「ズオス、お前には感謝する!お前のおかげで更に強くなれた!でも……。」

零士「ここで終わらせる!」

 

 俺達は聖剣を納刀し、必殺技の体勢に入る。

 

『必殺読破マシマシ!』

『キングライオン必殺読破!』

『エレメンタル合冊撃!』

『キングライオン必殺撃!』

 

零士「五大元素蹴撃破!」

カズマ「ライオネル・グランド・カスケード!」

 

 俺達のダブルライダーキックがズオスに炸裂して、ズオスは吹っ飛び、爆発する。

 

リナ「やった!」

ユーリ「最高だな!」

アクア「安楽王女の敵討ちよ!」

カイト「いや、安楽王女の敵討ちでは無いんじゃないのか?」

めぐみん「凄いですよ!」

ダクネス「あぁ!これで魔王軍幹部も1人減ったな!」

カリン「凄いじゃない2人とも!」

カズマ「いやぁ。」

零士「あははは……。いや、まだだ!」

 

 ズオスの方を向くと、火だるまになりつつも、ズオスは立ち上がっていた。

 

ズオス「まだだァ、まだ……まだまだ……、まだだァァァァァーー!!」

ストリウス「流石に撤退しますよ。」

 

 ズオスの傷が赤く光ったが、ストリウスがズオスと共に撤退した。

 その後、安楽王女は魔王軍幹部ズオスが討伐して、ズオスを俺とカズマで迎え撃って撤退したとギルドに報告した。

 ちなみに俺達が討伐した訳では無いので、このクエストは失敗扱いとなる。

 




今回はここまでです。
撤退したズオス。
あと少しで、タテガミ氷獣戦記も登場します。


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67話 回帰する、始まりの街の冒険者

 ズオスを撤退に追い込んだ俺達は、家へと帰り着いて、休んでいた。

 少し、めぐみんとこめっこが姉妹喧嘩をしていたそうだが。

 翌日、こめっこが失踪したとめぐみんが言っていた。

 

零士「こめっこが失踪?」

めぐみん「そうなんです。あの子ときたら朝食が待ちきれなかったのか、台所の物を勝手に食べて何処かに行ってしまったのです。」

リナ「めぐみんの妹って、なんでそんなに逞しいの?」

めぐみん「私だって、こんな野生児に育てた覚えはないのですがね。」

カズマ「まあ、アクセルの街が色々と珍しいからじゃないのか?」

めぐみん「まあ私も、最初この街に来た時は目移りしたので気持ちは分かるのですが……。」

 

 その後、全員で冒険者ギルドへと向かう。

 そこに居たのは、サキュバスにお菓子を貰っていたこめっこだった。

 サキュバスにお菓子を貰うとか、大物になるだろうな、こめっこは。

 こめっこは皆の事を褒めていたが。

 

こめっこ「でも姉ちゃんはあんまり凄くなかったね。」

 

 そんな爆弾を投下した。

 

零士「ルナさん、ズオスは目撃されていませんか?」

ルナ「申し訳ありません。ズオスを目撃しても、生きて帰れるか分からないので。」

リナ「そりゃそうでしょ。」

 

 その後、俺達は、グリフォンとマンティコアの討伐を行う事になった。

 ちなみに、アクセルハーツに来れないかと聞いたが、踊り子活動でアクセルにいない為無理と言われた。

 

零士「それにしても、アクセルに来てから、本当に長い時間経った気がする。」

リナ「どうしたの突然?」

カイト「そうだな。リナを助けて貰って、仲間に入って貰って、聖剣を手に入れた。結構濃い人生送ってるよな。」

カリン「確かにね。」

ユーリ「そんな事より、来るぞ!」

 

 グリフォンが現れた。

 俺達はすぐさま、変身する態勢をとる。

 

『エレメンタルドラゴン!』

『キングライオン!』

『ランプドアランジーナ!』『ニードルヘッジホッグ!』『トライケルベロス!』

『玄武神話!』

『猿飛忍者伝!』

『ヘンゼルナッツとグレーテル!』

『ジャオウドラゴン!』

『エックスソードマン!』

『エレメンタルドラゴン!ゲット!』

『ジャオウリード!』

『烈火抜刀!』

『流水抜刀!』

『黄雷抜刀!』

『一刀両断!』

『双刀分断!』

『銃剣撃弾!』

『闇黒剣月闇!』

『最光発光!』

 

「「「「「「「「変身!」」」」」」」」

 

『エレメンタルドラゴン!』

『キングライオン大戦記!』

『ゴールデンアランジーナ!』

『ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!』

『風双剣翠風!』

『音銃剣錫音!』

『ジャオウドラゴン!』

『エックスソードマン!』

 

 俺達は気圧されつつも、変身し、グリフォンと交戦するが、途中、マンティコアも現れた。

 

零士「くそ!どうにかするぞ!カズマ、リナ!連携行くぞ!」

リナ「ええ!」

カズマ「めぐみんは、爆裂魔法の準備をして待機してくれ!ダクネスとカリンは、めぐみんを守ってくれ!」

めぐみん「承知しました!」

ダクネス「あぁ!」

カリン「分かってるわよ!」

カイト「ユーリ、俺達も引きつけるぞ!」

ユーリ「あぁ!」

 

 俺、カズマ、リナの3人でグリフォンを抑えてめぐみんが爆裂魔法を放つ準備をして、ダクネスとカリンがめぐみんを守り、カイトとユーリはマンティコアを引きつける役目になった。

 しばらくして、まさかの雌のマンティコアまで現れた。

 ダクネスとカリンもそのマンティコアの対応に追われている。

 

めぐみん「爆裂魔法の準備が出来ました!」

零士「分かった!なんとかして3体を一箇所に引きつけるぞ!」

カズマ「あぁ!」

リナ「えぇ!」

ダクネス「あぁ!」

カリン「分かったわ!」

カイト「任せろ!」

ユーリ「行くぞ!」

 

『必殺読破マシマシ!』

『スペシャル!ふむふむふーむ!』

『必殺読破!』

『玄武神話!ドゴーン!』

『猿飛忍者伝!ニンニン!』

『ヘンゼルナッツとグレーテル!イェーイ!』

『ジャオウ必殺読破!』

『フィニッシュリーディング!』

『烈火抜刀!』

『黄雷抜刀!』

『エレメンタル合冊斬り!』

『完全読破一閃!』

『ケルベロス!ヘッジホッグ!アランジーナ!』

『3冊斬り!』

『サ・サ・サ・サンダー!』

『会心の激土乱読撃!』『ドゴーン!』

『翠風速読撃!』『ニンニン!』

『錫音音読撃!』『イェーイ!』

『ジャオウ必殺撃!』

『サイコー!カラフル!』

 

零士「森羅万象斬!」

カズマ「ライオネル・ソウル・スプラッシュ!」

リナ「トルエノ・デル・ソル!」

ダクネス「大断断!」

めぐみん「疾風剣舞・回転!そして、エクスプロージョン!」

カリン「スナック・音・ザ・チョッパー!」

カイト「邪王撃滅斬!」

ユーリ「エックスソードブレイク!」

 

 俺達の必殺技と、めぐみんの爆裂魔法が炸裂して、グリフォンとマンティコアは跡形もなく消し飛んだ。

 

零士「終わったな。」

カズマ「あぁ。疲れた!」

リナ「そうね。」

ダクネス「だが、グリフォンとマンティコアまで倒してしまうとは!」

めぐみん「帰ったら、こめっこにちゃんと自慢して下さいよ!」

カリン「それでもいいんじゃない?」

カイト「めぐみんが止めを刺したのは事実だもんな。」

ユーリ「あぁ。……何か来るぞ!」

零士「え?」

 

 ユーリの声で警戒心を出すと、冒険者達の方から悲鳴が上がり、そっちに向かうとそこには、ズオスが居た。

 しかも、ズオス・プレデターとして。

 

ズオス「水の剣士はどこだ!?」




今回はここまでです。
次回、タテガミ氷獣戦記が登場します。
リバイスのキャラソンが配信されましたね。
津波には、気をつけて下さい。


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68話 水の剣士の思い、結晶となりて

グリフォンと2体のマンティコアを討伐した俺達。

 だが、ズオス・プレデターへと進化したズオスが現れた。

 

ズオス「水の剣士はどこだ!?」

カズマ「ズオス!?」

零士「まずい、強化されてやがる!」

リナ「どうにかして倒さないと!」

ズオス「見つけたぜ……水の剣士!」

 

 俺達が相談していると、見つかってしまった。

 しょうがないから、交戦する。

 

カズマ「お前はここで倒す!」

ズオス「やってみろよ!」

 

 俺達も連携攻撃で行っているものの、進化した影響か、物凄く強くなっている。

 

零士「やはり、強くなってる!」

カズマ「くそ!」

ズオス「俺の前から、消え失せろ!」

 

 ズオスのその一閃と共に、俺達は、変身解除に追い込まれてしまった。

 

ズオス「水の剣士!もっと本気になれ!さもなくば、ここにいる冒険者達を一掃してやる!」

カズマ「!やめろ!」

冒険者「あれ?ヤバくね?」

冒険者「まずい!逃げるぞ!」

ズオス「逃すか!」

零士「止めろ!」

 

 俺達はダメージで動けない中、ズオスが冒険者達に攻撃するも、結界によって阻まれた。

 

ズオス「何!?」

カズマ「あの結界って……!」

ソフィア「皆さん、大丈夫ですか!?」

リナ「ソフィア様!」

零士「何とか間に合って良かったです!」

 

 ソフィアがギリギリで結界を施して、冒険者達を守っている。

 俺達もアクアに回復してもらい、ソフィアの元へと。

 だが、ズオスの激しい攻撃に、結界が傷つき始めて、ソフィアも怪我をし始める。

 

カズマ「ソフィア様!」

ソフィア「皆さん!冒険者達を連れて撤退して下さい!」

リナ「え!?」

零士「それは出来ないですよ!」

めぐみん「そうですよ!」

ソフィア「良いから早く!」

ズオス「鬱陶しい!そこを退け!」

 

 何と、ズオスによって、結界が壊されてしまった。

 ズオスが怯んで隙だらけのソフィアに襲い掛かるが、カズマが間に入って守っている。

 

カズマ「ハァァァァ!変身!」

 

『キングライオン大戦記!』

 

零士「カズマ!」

カズマ「俺が何とかする!」

リナ「カズマ!」

 

カズマside

 

 俺が何とかキングライオン大戦記に変身して、ソフィア様を守ることが出来た。

 だが、ズオスとの戦力差があるのは事実だ。

 それでも、身軽さを利用して、ズオスにダメージを与えていく。

 

ズオス「ハァァァァ!」

カズマ「グハァァァァ!!」

 

 だが、ズオスのリミッターが外れたのか、更に攻撃が増して、また変身解除してしまった。

 そんな俺にズオスが容赦なく攻撃してくる。

 

アクア「カズマ!アンタ逃げなさい!」

めぐみん「そうです!戦略的撤退です!」

ダクネス「このままでは、お前がズオスによって死んでしまうぞ!」

カズマ「無理だ!」

零士「カズマ……。」

 

 俺は、めぐみん達から、逃げる様に言われたがそれを無視した。

 その間も、容赦無く攻撃が俺に当たる。

 だが、俺は諦めない……!

 

カズマ「俺だって、水勢剣流水に選ばれたんだ!こんな所で、逃げる訳には、行かねぇんだよ!」

零士「カズマ、お前……。」

ズオス「なら、一思いに止めを刺してやる!」

 

 と、ズオスが迫る中、何かの本が飛んできて、ズオスを吹っ飛ばす。

 その本を手に取ると、一冊のワンダーライドブックに変化する。

 それには、タテガミ氷獣戦記と書かれていた。

 

零士「あれは……!」

ソフィア「ノーザンベースの力が、ワンダーライドブックに!」

リナ「あれってノーザンベースの力なの!?」

カリン「凄い……!」

カイト「カズマ、行け!」

 

 俺は、インデックスライダを操作して、ページを開く。

 

『タテガミ氷獣戦記!』

『吹雪く道行く百獣を率いる、百戦錬磨の白銀のタテガミ……!』

 

カズマ「……水勢剣流水に誓う……!大切な仲間は、俺が守る!」

 

 俺は、横向きにしたタテガミ氷獣戦記ワンダーライドブックをミッドシェルフに装填して、水勢剣流水を抜刀する。

 

『流水抜刀!』

『タテガミ展開!』

 

カズマ「変身!」

 

『全てを率いし、タテガミ!(タテガミ……!タテガミ……!)氷獣戦記!』

『ガオーッ!LONG GET!』

 

零士「カズマが、タテガミ氷獣戦記に……!」

リナ「凄い……!」

めぐみん「凄いですよ、カズマ!」

ダクネス「行け!カズマ!」

アクア「それで、アイツを倒しなさい!」

ユーリ「行け!水の剣士!」

カイト「今のお前の実力を見せろ!」

カリン「行きなさいよ!」

 

 凄い……!力が漲ってくる!

 これなら、行ける!

 

ズオス「姿が変わった所で、無駄だ!」

カズマ「行くぜ、ズオス!」

 

 俺は、先程とは打って変わって、ズオスを追い詰めていた。

 剣戟の最中に、他の剣士の幻影が入ってきた。

 上條大地さん、新閃恭一郎さん、亀巳川寿和さんに、鏡天袮さん、富加宮隼人さんに、長嶺謙信さんの幻影が俺に力を貸してくれる。

 

カズマ(感じる。これは、これまでの剣士達の想いの結晶……!)

 

 その剣戟に押されたズオスは逃げ始めるが、俺は逃がさない。

 俺はすぐさま、スノーブックマーカーを操作する。

 

『大空の氷獣!』

『タテガミ大空撃!』

 

 大空のエレメントの力を選択して、タテガミブレイザーを氷の翼に変化させて、ズオスを追う。

 すぐにズオスを見つけた。

 ズオスは迎撃の為か、木や岩を投げつけてくるが、俺はそれを躱して、ズオスを水勢剣流水で上に斬り上げて、氷の柱を打ち込み、そのまま飛び蹴りを撃ち込んだ。

 

ズオス「グッ!まだだ!」

 

 ズオスは少し大きい湖に飛び込んだ。

 俺もすぐさまズオスを追い、湖に飛び込む。

 また、スノーブックマーカーを操作する。

 

『大海の氷獣!』

『タテガミ大海撃!』

 

カズマ「ハァァァァ……!ハァ!」

 

 俺はタテガミブレイザーを翼から氷の鮫へと変化させて、湖を氷結させつつ、サメの歯状の氷塊を飛ばして、ズオスに攻撃させて、地上に引き摺り出す。

 

ズオス「グワァァァァ!!グッ!」

カズマ「ズオス……!誤った道を歩み、化け物になったお前に、剣士や冒険者達が紡いできた意志が負ける筈がないッ!」

 

 俺は水勢剣流水を納刀して、インデックスライダを操作して必殺技の態勢へと入る。

 

『必殺凍結!』

『流水抜刀!』

 

 ズオスは構えた俺の姿を見て、即座に大木を引っこ抜いて、投げ飛ばしてきた。

 俺はそれを躱して、ズオスに迫る。

 

カズマ「ハァァァァ……!ハァ!」

 

『タテガミ氷河斬り!』

 

 これを喰らったズオスは即座に凍結した。

 氷にズオスの人間態の姿が映り。

 

ズオス「強ぇじゃねぇか、またやろうぜ。」

 

 ズオスはそう言って、満足気な表情を浮かべて爆発四散した。

 俺は、変身解除した。

 そこに零士達がやってきて、俺を取り囲んで喜んでいた。

 

ストリウス「ズオス、あなたの物語は、ここまでです。あなたのおかげで私は、目的の物を手に入れられましたよ。もう、魔王軍には用はないですね。」

 

 騒がしかったからか、そんな声があまり聞こえなかった。

 

零士side

 

 グリフォンと2体のマンティコア、更にはズオスを討伐した俺達は、アクセルへと帰った。

 冒険者ギルドに着くと、職員達に出迎えられた。

 

ルナ「お疲れ様です!そして、おめでとうございます!これでこの街の塩漬けクエストは全て達成されました!」

カズマ「あの、ルナさん。ズオスも倒したので、お願いします。」

ルナ「え!?魔王軍幹部のズオスまで撃破したのですか!?少し拝見して良いですか?」

 

 カズマが冒険者カードを見せると、冒険者ギルドが沸きたった。

 職員達のど真ん中に、こめっこが居た。

 

こめっこ「凄いね。皆、凄いね!」

零士「まあな。でも、グリフォンとマンティコアに止めを刺したのは、君の姉なんだよ。」

こめっこ「姉ちゃん、凄いねっ!」

 

 その後、グリフォンとマンティコア、ズオスの討伐報酬でギルドで飲み食いした。

 ちなみに、ズオスの討伐報酬も渡そうとしたけれど、冒険者達の一存で、カズマが受け取る事になった。

 しかも、リナがソードマスターへと、ジョブチェンジした。

 翌日、めぐみんのお母さんのゆいゆいが迎えに来て、こめっこを引き取っていった。

 その際に、めぐみんがカズマに、仲間以上恋人未満になりたいというのが、こめっこのメモによってカミングアウトされた。

 こめっこ達を見送って、玄関に集まっていた俺達だったが、玄関のドアがノックされた。

 ドアを開けるとそこには、こめっこより少し小さい金髪碧眼の女の子が居て、ダクネスの姿を見ると。

 

???「ママーーーーッ!!」

 

 感極まった様な声と共に、ダクネスにしがみついた。




今回はここまでです。
今回の話で11章は終わりです。
リバイスも、フリオが救われて良かったです。
ただ、身体が80歳オーバーになっているヒロミさん……。
不安ですね。


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第12章
69話 来訪せし、土の剣士の娘


まるで大切な任務を与えられたかの様な、決意に満ちた顔でアクアが言った。

 

アクア「広めなきゃ……。ギルドの皆に広めなきゃ……!」

ダクネス「ま、待て、待つんだアクア、私の話を聞いてくれ!」

 

 まさかのダクネスに娘がいた。

 

ユーリ「まあ、貴族は若くして子供を産むのは義務みたいなものだ。」

めぐみん「でも、本当にお母さんにそっくりですよね……!」

カリン「そうね!おめでとう!」

ダクネス「ユーリ、めぐみん、カリン違う、これには理由が……!」

 

 つい先日、塩漬けクエストを全てこなし、ズオスを撃破した俺達。

 こめっこの期待にも応えて、平穏な日常が戻ってきたはずだった……。

 

カズマ「お前また新しい属性をつけやがって。」

ダクネス「ちちちち、違!!」

カイト「自分にそっくりな女の子がそこにいるじゃないか。」

リナ「往生際が悪いわよ。」

零士「そう言えば、君の性癖を考えたら、子作りをしてもおかしくないよね。」

ダクネス「ぶっ殺すぞ貴様ら!」

 

 俺はそんなダクネスを無視して、困惑している女の子の前に屈み込んで、安心させる様に笑いかけた。

 

零士「お嬢ちゃん、お名前は?」

ダクネス「あっ!ま、待ちなさいシルフィーナ、今私が説明するから……!」

 

 ダクネスが慌てて止めようとする中、少女は、もじもじと指を捏ね回し、恥ずかしそうに呟いた。

 

シルフィーナ「ダスティネス・フォード・シルフィーナ。」

カズマ「お前の娘以外の何者でもないだろ。」

ダクネス「違う、この子は私の従姉妹だ!従姉妹なのだから、家名が同じなのは当たり前だろ!」

 

 そう言ってダクネスは、泣いた顔で俺達に訴えた。

 そうしてダクネスは俺達に説明をしだした。

 シルフィーナは、幼い頃に母親を亡くして、何かと世話を焼いていたダクネスの事を母親の様に慕っている。

 ちなみにダクネスの母親はこの子の実の姉で、母方の家系は強い魔力や魔法抵抗力を持つが体が弱く、シルフィーナも例に漏れず病弱らしい。

 ダクネスは、母方の強い魔法抵抗力に父方の頑強な体という両親の良い所だけを受け継いだ、ダスティネス家のハイブリッドらしい。

 

零士「ハイブリッド……?」

ダクネス「う、うるさいぞ零士、何か文句でもあるのか。余計な口を挟まず最後まで聞け!」

 

 最近何かと魔王軍が活発化している中、体の弱いこの子を何度も疎開させるのも負担がかかる。

 その結果、ダクネスの誘いでこの街に来て、ダクネスの親父さんからこの屋敷を聞いて、遊びに来たそうだ。

 

カズマ「……なるほど、なかなか良く出来た設定じゃないか。」

めぐみん「確かに今の所は無理のない設定ですよね。」

ダクネス「設定じゃない!そもそもこの子の年を考えろ、私がいくつの時の子供になるのだ!」

 

 その後、シルフィーナが屋敷に泊まる事が決まったり、アクアを追ってダクネスが飛び出して、カズマとめぐみんがシルフィーナと一緒におままごとで遊び、俺達はそれを和やかに見ていた。

 

零士「良いよな。子供の無邪気っぷりは。」

リナ「そうよね。……私も子供、欲しいな……。」

カイト「確かにな。」

カリン「可愛いわね……。ってリナ!?あんたとんでもない事を言ったの自覚してる!?」

 

 その日の夜。

 あの後遅くにアクアを連れて帰ってきたダクネスがシルフィーナに訪ねた。

 

ダクネス「シルフィーナ。今日はカズマとめぐみんの2人に遊んで貰ったと聞いたがどうだった?一体何をして遊んでいたんだ?」

シルフィーナ「はい、お2人にはおままごとで遊んでいただきました。」

 

 シルフィーナはカエル肉のステーキに四苦八苦しながらも笑顔で答えた。

 その光景を見ると、母子というよりは姉妹みたいな感じだな。

 だが、気になる事がある。

 

カズマ「で、お前は一体何やってんの?」

 

 と、カズマが正座したまま反省させられているアクアに尋ねた。

 それを受けて、アクアが騒ぎ立てる。

 

アクア「聞いてよ皆!ダクネスってば、ちょっと冒険者ギルドや色んな所で話を広めたくらいで大変な怒り様だったのよ?ダクネスに捕まった後折檻される端からヒールで癒して平気な顔してたらお家の権力を使って私にお酒を売らない様に圧力をかけるって脅されたの。私は見たままを話しただけなのに、酷くないですか?」

ダクネス「冒険者ギルドに入った瞬間おめでとうを言われた身にもなってくれ!酔っ払い冒険者には冷やかされるわ、ギルドの受付嬢には何故か妬まれるわで散々だったのだぞ!それに、父親は誰かと聞かれるし……!」

 

 シルフィーナが申し訳なさそうに俯いた。

 

シルフィーナ「私のせいでごめんなさい、ママ……。久しぶりに会えたから、嬉しくて、つい……。」

ダクネス「あ、違うんだシルフィーナ!私は子供は好きだし、お前の事は迷惑だなどと思ってはいない!父親が誰だと勝手な予想をされ、揶揄われただけで……。」

アクア「本命予想がカズマさんで、2番が零士さんで、3番がどこかに居なくなっちゃった熊みたいな領主のおじさん。」

カズマ「俺が自分で言うのもなんだけど、お前ロクでもない男との噂しか立てられないな。」

ダクネス「うるさいぞ、本当にお前が言うな!」

零士「なんで俺も入ってるの?」

 

 その後、皆でシルフィーナを囲んで今までの冒険話をしたりした。

 俺は、カリンに聖剣を預けて、部屋でのんびりしていたら、ドアがノックされた。

 ドアが少し開き、リナがそこにいた。

 

リナ「零士、起きてる?部屋に入っていいかしら?」

零士「構わないけど……。どうしたんだ?」

リナ「実は……。話があってさ……。」

零士「ジュンに対してか?」

リナ「いや、ジュンじゃなくて、零士に。」

零士「え……?」

 

 そう言って、リナが入ってきて、ベッドに座ってきた。

 俺は動揺したが、既に何回も一緒に寝ている事もあり、すぐに復帰した。

 

零士「……それで、話って何だ?」

リナ「実はね……。あの時の返事をしてほしいなって。」

 

 特大の爆弾をぶつけてきた。

 流石に、これにはフリーズした。

 

零士「……あの時の、返事?」

リナ「そうよ。あの砦の時の告白のよ。」

 

 あれか!

 そういえば、あの時に告白されて、ディープキスされたんだったな。

 

リナ「それで……、どうなのよ?」

零士「どうなのって……。」

 

 改めて、リナの事を考えていると、リナが口を開いた。

 

リナ「ならさ、まずは、仲間以上恋人未満から行ってみない?」

零士「……それって、めぐみんが言ってた奴だよな?」

リナ「うん。私としては、すぐに恋人になりたいけど、零士の決心がついたらでも構わないんだけど。」

零士「はぁ……。」

 

 そうは言われても、彼女いない歴=年齢の俺には、好きになるだとか、恋焦がれるとか、そんな気持ちがいまいち……。

 …………。

 あれっ。

 軽く将来の事を想像してみたが、リナといきなり結婚、そして子作りは重いなと思うが、リナと付き合うのは、ちっとも構わない。

 むしろ凄く嬉しく感じる。

 

零士「あの……、女の子と付き合った事が無いから、正直どうすればいいか分からない。でも、まずはそんな関係から始めてもいいですか……?いずれ返事はする。」

リナ「……わ、分かった……。とりあえず、今はそれで……。返事を待ってるわよ……。」

 

 リナも照れながらそう言った。

 ヤバイ、初々しいバカップルみたいだ。

 えっ、俺、彼女持ちになるの!?

 そうして、リナと今は仲間以上恋人未満の関係になった。

 




今回はここまでです。
次回、アクセルの冒険者が苦しみます。


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70話 絶望する、始まりの街の冒険者

リナと仲間以上恋人未満の関係になった翌日。

 どうやら、カズマとめぐみんも同じ様な感じになったようだ。

 カズマとめぐみんはどこかに出かけるみたいだが、アクアも行く事に。

 カイトとカリンもどこかに出かけてしまったので、俺達は、初となるデートをする事に。

 デートと言っても、クエストも同時にやるもので、いつもと変わらない。

 

零士「デートと言っても、いつもと変わらないよなぁ。」

リナ「そうなんだけどね。まあ、デートって事で良いじゃない。」

零士「そうしとくか。」

 

 だが、俺の心境はマジでヤバい。

 何これ、これがリア充の気持ちなのか?

 人生経験に於いて、デートした事のない俺からしたら、ものすごく新鮮だ。

 仲間以上恋人未満とはいえ、彼女とデートと捉えるべきなのか?

 

零士「じゃあ、行こうか?」

リナ「うん。」

 

 丁度、ゴブリンの討伐クエストを行なった。

 だが、俺は少し悩んでいた。

 それは、これからリナとどう接すればいいのかという事だ。

 恋人未満なので、そこまでガツガツ行くべきではない。

 しかし、本音を言うと、凄くイチャイチャしたいと思う。

 考えすぎたのか、リナがジッと見つめている事に気づけなかった。

 それも、とても不安そうに。

 

リナ「どうしたの……?」

零士「あ、いや……。これから、リナとはどう接すればいいのかなって……。」

リナ「あぁ……、そういう事。なら、皆にはまだ内緒でいこう?」

零士「えっと……。それでいいですかね?」

リナ「大丈夫よ。……皆に言うのは、正式に恋人になってからにしよ?」

 

 リナは上目遣いでそんな事を言ってきた。

 ヤバい、破壊力が半端ない。

 あざといよ、リナさん。

 その後、少し悶々として、アクセルに帰ると、守衛さんに声を掛けられた。

 

守衛「君達、冒険者だろ?さっきギルドから招集が掛かってたぞ。早く行った方が良いぞ。」

零士「招集?」

リナ「何があったんだろ?」

 

 冒険者ギルドに向かうと、ルナさんが俺達を呼んで、冒険者達の所に向かわせると、周囲をこの街の公務員が取り囲んでいた。

 あれ、何だろうこれ?

 カズマ達を見つけて、合流する。

 

零士「カズマ、何だこれ?」

カズマ「俺が聞きたいよ。」

ダクネス「心配ない。非道な行為が行われる訳ではない。」

ユーリ「なら、周囲を取り囲んでいる公務員は何なんだ?」

 

 その時、ルナさんが喋り出した。

 

ルナ「皆さんにお願いがあります。そう、緊急のクエストです。というのも、本日で年度末から1週間になりました。………そう、今日が納税の最終日で、まだ、税金を納めていない人がいます。」

 

 あぁ、税金か。

 確かに、この世界の税金の払い方は分からなかったので、払えていなかったな。

 だが、周囲は騒いでいた。

 公務員が喋り出した。

 内容としては、これまで冒険者達は、温情で納税を見逃されていた事、賞金首を倒したのなら、納税して欲しいとの事だ。

 1人の冒険者がぽつりと言った。

 

冒険者「えっと、税金って幾らぐらい取られるんスか?」

公務員「収入が一千万以上の方は、今年度までに得た収入の半額が税金と……。」

 

 それを聞いた途端、蜘蛛の子を散らす様に逃げ出した。

 それを俺達は呆然と見ていた。

 

零士「あれ?何で皆逃げてるんだ?」

リナ「多分、お金が無いんでしょ。」

カイト「冒険者達は金遣いが荒いからな。」

カリン「ハァ……。納税するか……。」

ユーリ「何で落ち込んでいるんだ?」

 

 そうして俺、リナ、カイト、カリン、ユーリ、めぐみんは税金を納めた。

 と言っても、ユーリ、めぐみんに関しては所得が少ない為、免除となった。

 この2人は、そこまで金を欲しがらない。

 それ故、俺が払う額が多くなった。

 痛い出費だと思うが、これも国の為だと思うので妥協する。

 しかし、カズマとアクアは逃げた。

 俺達は一足先に屋敷に戻り、のんびりしていると、アクアが泣いて帰ってきた。

 

アクア「うわぁぁぁん!」

零士「どうしたんだ……?」

リナ「何があったのよ……。」

 

 アクア曰く、カズマのアドバイスで浄水場に逃げたものの、徴税官に見つかり、農業用水の小さい池に飛び込んだものの、炎系の魔法を打ち込まれて、茹でられそうになったそうだ。

 この国の徴税官、容赦ないな。

 その後、カズマとダクネスが帰ってきた。

 どういう訳か手錠で繋がっていて、2人揃って帰ってきた。

 カズマ曰く、カズマを逃さないためにダクネスが手錠をつけたが、ブックゲートで逃げられた為に、納税を免れたらしい。

 だが、手錠の鍵をカズマに奪われない様にダクネスはこの屋敷の庭にポイ捨てしたらしい。

 

零士「そうか。なら、カズマとダクネスは、今日は一緒に生活するんだな。」

「「……………。」」

 

 俺がそう言うと、2人は黙った。




今回はここまでです。
次回、ダクネスが、その胸に秘めている想いを明かします。
と言っても、基本的には零士視点ですが。
復活のコアメダルの予告が来て、とても楽しみになりました。
今月には、深罪の三重奏もありますし、楽しみです。


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71話 決着する、土の剣士の思い

納税騒動の後に、夕食を取る俺達。

 だが、ダクネスが緊張しているのか、食器の音を上げながら食事をしていた。

 半分以上も残してダクネスが食べ終えた。

 

零士「おいダクネス、半分以上も残ってるじゃないか。」

ダクネス「す、すまない……。」

めぐみん「……二人共、今更何を緊張してるんです?長い付き合いの中、一緒に寝るなんて今更でしょうに。」

カリン「2人きりが心配なら、私達も一緒に、皆で仲良く寝る?」

「「ぜ、ぜひ……!」」

 

 その後、ダクネスが衝撃の事実を明かす。

 それは、冒険者が大金を得た影響か、最近働かなくなってきたので特例措置として納税する様に求めたそうだ。

 ギルド職員も乗り気になり、税収が増えて懐が寂しくなった冒険者達も働き出す様になるという案だそうだ。

 それを聞いたカズマはダクネスと喧嘩し出してしまった。

 それを見ていためぐみんとリナが呆れた様に言ってきた。

 

めぐみん「……どう見ても間違いなんて起こり得ない感じですし。今日はいっそ、2人で寝て下さい。」

リナ「そうね。2人はもうちょっと仲良くなりなさいよ。」

 

 その後、カズマとダクネスが風呂に入り、アクアとめぐみんはボードゲームに興じていて、カリンは聖剣の調整をして、カイトとユーリは特訓をし始めた。

 そして、俺とリナはカズマとダクネスが風呂から上がった後、一緒に入った。

 

零士「ハァァァァ……。やっぱり風呂は良いよなぁ……。」

リナ「零士、少し親父臭いよ。」

零士「すいません。でも、混浴が2度目とは言っても緊張して……。」

リナ「そ、それもそうね……。」

 

 と、リナも恥ずかしくなってきたのか、顔を赤くしてきた。

 それを見てると、俺も恥ずかしくなってくる。

 

リナ「ねえ零士?」

零士「どうかしたのか?」

リナ「……もうちょっと、近づいても良い……?」

零士「え……?あぁ……。良いけど……。」

 

 流石に断る訳にもいかないので、了承すると、近づいてきて、リナの鍛えられて程よく引き締まった体に、程よく大きい胸の谷間を見てしまう。

 だって仕方ないだろ、俺も男である以上、異性の体を見てしまう。

 見ている事に気づいたのか、リナが顔を更に赤くしてきて。

 

リナ「………エッチ。」

零士「いや、これは不可抗力で!」

リナ「冗談よ。寧ろ、あなたが女性には興味がない訳ではない事に安心した。」

零士「さいですか……。」

 

 なんだろう、リナに手玉にされているような。

 リナはケラケラ笑いながらそう語った。

 やっぱり、リナは悪女の様な気があるような気がする。

 その後、俺達は上がった。

 とは言っても、リナを先に上がらせて、その後に俺が上がった。

 

リナside

 

 私は少し過激なスキンシップをして、零士を困らせてみた。

 あの反応を見る限り、仲間以上恋人未満の関係になってから、だいぶ私の事を意識しだした様な感じがする。

 実は、リーンに私が零士と付き合う事になった事がバレた。

 

回想

 

リーン「それで?リナと零士は恋人になったのよね?おめでとう。」

リナ「あ、ありがとう。でも、彼とはまだ、仲間以上恋人未満の関係だから。」

リーン「何よ、その煮え切らない関係は。」

リナ「しょうがないでしょ!流石に零士にも気持ちの整理が必要っていうか……。」

リーン「あぁ、そういうことね。」

ダスト「何だ何だ?俺も混ぜてくれよ。」

リーン「アンタは引っ込んでて!」

 

 リーンのパンチがダストに命中して、ダストが気絶した。

 

リーン「まあ、その関係になったのなら、過激なスキンシップをしても怒らないと思うけど。」

リナ「過激な?」

リーン「そうよ。例えば、風呂に一緒に入って、体を見せつけるとか。」

リナ「風呂には一緒に入ったけど、流石に見せてはいないかも。」

リーン「え、入ったの!?なら、アンタのその程よく締まった体を零士に見せつけてやれば?」

リナ「………うん。やってみる。」

 

回想終了。

 

 それでやってみたが、何とも言えない。

 でも、零士ともいずれ恋人になったら、あんな事や、こんな事も……。

 想像するだけで、頬が熱くなり、ドキドキする。

 

リナ「ハァ……。私って、こんな事考えるんだっけ?」

 

 やっぱり、零士に助けて貰って、変わった様な気がする。

 零士と恋人になったなら、積極的に行ってみよう。

 私がこんな風になったのは、彼が悪い。

 

零士side

 

 そんなこんなでお風呂が終わり、流石にそれぞれの部屋で寝る事に。

 俺はベッドに入って寝ようとするが。

 

零士(アァァァァァ!ヤバい!リナの体を見てから、頭から離れない!)

 

 タオルが巻いてあったとはいえ、あれを見たら恋人がつい最近まで居なかった俺からしたら、刺激が強すぎる!

 最近、リナの事を考える時間が増えた。

 やっぱり、俺ってリナの事が好きなのか?

 

零士「どうしたら良いんだ?」

ジュン(何がだ?)

零士「リナだよ。俺って、リナの事が好きなのかな?」

ジュン(ハァ……。良い加減にお前の気持ちに素直になれよ。)

零士「え?俺の気持ち?」

ジュン(そうだぞ。そんなにリナの事を考えるって事は、本当に好きって事だろ!)

零士「そうかもな……。でも、もう少し考えて答えを出したい。」

ジュン(なるべく早くにな。)

 

 ジュンにもアドバイスをもらって、俺は覚悟を固める事にする。

 少し喉が渇いたので、水を飲んで、部屋に戻ろうとすると、カズマの部屋からダクネスの声が聞こえてきた。

 

ダクネス「私じゃダメか……?……なあ、私じゃ、ダメか………っ?」

 

 そんな、ダクネスの懇願する声が。

 え、何が起こってるんだ?

 流石に首を突っ込むと、痛い目を見そうなので部屋に戻る。

 だが、暫くすると、今度は喧嘩しだした声が聞こえてきた。

 流石にうるさいと文句を言いに行く為、部屋から出ると、そこには、リナ、アクア、めぐみんも居た。

 カズマ達の部屋に入ると、ダクネスがカズマを襲っていた。

 

カズマ「助けてえ!この女に犯される!」

ダクネス「ああっ!?」

 

 その後、アクアが見つけた鍵を使って手錠を外した。

 

零士「あのな?何でこんな夜中に喧嘩してるんだよ。」

リナ「少しは近所迷惑を考えて!」

めぐみん「二人共、仲良くと言ったんですよ!誰が夜中に騒いで喧嘩しろと言いましたか!」

ダクネス「……す、すまない……。」

 

 ちなみに、鍵を見つけたアクアはさっさと部屋に戻った。

 カズマが正座をするのを呆れながら見てると。

 

めぐみん「まったく。一晩一緒にいればお互い少しは素直になるかと思ったのに……。」

リナ「それで、ダクネスはちゃんと言いたい事を言えたの?」

「「「!?」」」

 

 そんな事を言い出した。

 え、この状況を見越してるの?

 ダクネスが謝る中、めぐみんが慰めていた。

 さて、俺は撤退するかな……。

 

めぐみん「リナも、零士に想いを伝えれたんですか?」

「「「!?」」」

 

 こっちにまで飛び火した。

 カズマとダクネスが俺とリナを見てくる。

 

カズマ「おい、どういう事だよ!?」

ダクネス「まさか、2人は……!」

リナ「そうよ。私と変身はお付き合いしているのよ。それに、ついさっき、私達は一緒にお風呂に入ったのよ。」

零士「まだ、仲間以上恋人未満だけどな。」

「「!?」」

 

 その後、カズマがダクネスにキスされた事を暴露して、ダクネスが縮こまり、カズマには質問攻めされた。




今回はここまでです。
次回は、騒動が起こります。


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72話 苦しみし、孤児院の子供達

 翌朝。

 俺はリナと一緒にデートをまたする事にした。

 ダクネスは、シルフィーナをアクセルの子供達と遊ばせるそうだ。

 めぐみんは、ゆんゆんに女としての勝利宣言をしてくるそうだ。

 カイトとカリンも、俺とリナ、カズマとめぐみんと似たような立場になり、一緒に出掛けるそうだ。

 

零士「それにしても、何回かデートをしていても、緊張するな。」

リナ「そう?私は、君と一緒にいれて、とても嬉しいなぁ。」

零士「そうなんだな。………あれは。」

リナ「カズマ達よね。何してるんだろ?」

 

 耳を澄ませると、ダクネスが何をやっているのか気になるそうだ。

 何やってんだか。

 放っておいて、俺達は一緒にデートをする。

 

零士「それにしても、俺で良かったのか?」

リナ「何?あんな颯爽と助けて、私を惚れさせた癖に。」

零士「そうですね。」

リナ「冗談よ。あの時助けてくれたから、私は今ここにいる。」

零士「リナ……。」

リナ「零士……。」

 

 何か、キスしそうな雰囲気だ!

 待って、これ以上はヤバい!

 だが、ガトライクフォンに連絡が入った。

 

零士「あ、カズマだ。」

リナ「そう。」(あと少しだったのに………!)

零士「何!?すぐに戻る!!」

リナ「どうしたの?」

零士「不味い事になった。」

リナ「え?」

 

 リナを連れて、先程通りかかった孤児院に向かうと、子供達が大量に倒れていた。

 アクアが魔法陣を書いていて、バニルが様子を見ていた。

 

リナ「ちょっとこれ、どういう事!?」

零士「何が起こってる?」

バニル「おや、コロリン病に感染しているな。」

リナ「コロリン病?」

零士「何だそのふざけた名前は。」

バニル「ふざけた名前だが、かなり危険な病である。キャリアは、あの娘だな。」

 

 バニルが指差した先には、シルフィーナがいた。

 原因はシルフィーナという事か。

 その後、アクアの魔法陣の効果か、子供達もそこまで苦しまなくなった。

 

バニル「コロリン病を治療する特効薬があるにはある。」

ダクネス「それには、何が必要なんだ!」

バニル「まあ、待て。材料は5つ。一つはカモネギのネギ、一つはマンドラゴラの根、一つはゴーストの涙、一つは………。」

 

 それを聞いている間にも、俺達は材料をメモしていく。

 

バニル「そして最後に。これが大変だとは思うのだが……高位の悪魔の爪がいる。」

アクア「ゴッドブロー!」

 

 おい待て!

 いきなりかよ!!

 

バニル「貴様、この非常時に何をするか!床が土塗れになったではないか!遊んでいる場合ではないのだぞ!!」

アクア「だからよ!いいからさっさと生爪寄越しなさい!!」

 

 確かに、バニルも高位の悪魔だ。

 だが、バニルは首を振って。

 

バニル「我輩は仮初めの体でこの世にいる。仮面以外は全て土塊だ。」

 

 なら、どうしたらいいのか。

 バニルが提案したのは、知り合いの高位悪魔がいるが、その名はゼーレシルト。

 貴族だそうだ。

 そうして、ダクネスとカズマの2人でそいつの元に向かうそうだ。

 俺達は、他の材料を集めるか。

 




今回はここまでです。
今回は少し短めです。


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73話 邂逅せし、残虐公

カズマside

 

 俺とダクネスは、ゼーレシルトという貴族の元へ向かう事に。

 だが、あんな事があったからか、とても緊張してしまう。

 一応、零士からは、防犯ブザーもどきを受け取った。

 そうして、旅を行う事に。

 ダクネスに、侍や忍者の事を語ったりした。

 特にモンスターに襲われる事もなく順調に進んでいった。

 ………そう、これまでは。

 

カズマ「丁度いい洞窟が見つかって助かったな。これならわざわざテントを張る必要もない。馬は洞窟に入れて、入り口に馬車を残しておけばバリケードにもなる。」

ダクネス「そうだな。」

 

 だが、その後、色々な事がありギクシャクしてしまった。

 干し肉や黒パンも食べれずにいて、俺は弓矢と水勢剣流水を持って、角を生やした兎を捕まえて串焼きにした。

 その後、寝ようとしたのだが。

 ……眠れない。

 俺が寝返りを打つと、その時。

 

ダクネス「カズマ、起きているか……?」

 

 囁く様な、とても小さいダクネスの声が聞こえてきた。

 

ダクネス「寝ているのか……。」

 

 その後、ダクネスが外に出ると、大音響が響いた。

 

カズマ「おい何事だよ!こんな夜中に何やってんだ!」

ダクネス「違う、これはその、簡易トイレの魔道具が、突然音を放ち出して………!」

 

 そう、以前バニルに見せてもらったあのトイレの魔道具が音を放っていた。

 その結果、モンスターが寄ってきたので、馬が可哀想だが、歩かせる事に。

 そんな一夜を過ごした、あくる日の昼近くに屋敷に到着した。

 だが、ダクネスがトイレを貸して欲しいと言った結果、大恥をかいた。

 その後、何とかゼーレシルトという貴族に会える事に。

 

ダクネス「お久しぶりですゼーレシルト殿。この度は、突然押しかけてしまって申し訳ない。しかし火急の用件だったのです……。」

ゼーレシルト「ダスティネス卿、ようこそ来られた。……話は既に聞いている。なんでもある薬の作成のため、私の爪が必要だとか。という事は、我が正体を知っているという事ですね?」

 

 だが、相手はどう見ても着ぐるみだった。

 それを突っ込むと、2人の貴族は黙った。

 その後、交渉は進んでいき、何と、決闘する事になった。

 だが………。

 

ダクネス「……面目ない。」

カズマ「本当だよ。」

 

 そう、ダクネスが喜びの感情を放った結果、ゼーレシルトの機嫌を損ね、帰ってしまった。

 俺達はどうしたら良いのか途方に暮れていると目の前に見覚えのある盗賊がいた。

 

クリス「やあ親友!助けに来たよ!」

 

 そう言って、満面の笑みを向けてきた。

 




今回はここまでです。
promiseのリリックビデオが配信されましたね。
本当に、ビヨンド・ジェネレーションズはいい映画です。
深罪の三重奏や復活のコアメダルも楽しみです。


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74話 加護を受けし、水と土の剣士

俺達は、クリスと共に、城に殴り込みに行く。

 少し、村で馬車を置いてきたら、城に乗り込む。

 城を見て頭を悩ませていると。

 

ダクネス「なあカズマ、お前は一体何を悩んでいるんだ?もうここまで来たら乗り込むしかないだろう。子供達の為にも、急ごう。」

 

 ちなみに、今のダクネスは重い鎧を外させている。

 不測の事態に陥った際に備えて、土豪剣激土とワンダーライドブックは持たせている。

 俺も水勢剣流水とワンダーライドブックは全部持ってきている。

 その後、色々とトラブルはあったものの、何とかゼーレシルト伯がいる部屋の前に着いた。

 だが、クリスが声を掛けてきた。

 

クリス「ねえ助手君、ここって本当に悪徳貴族の屋敷なの?何だか、魔王軍の幹部が住んでそうなんだけど。」

 

 中々に鋭い。

 そう、ゼーレシルト伯爵の正体が悪魔である事は黙っている。

 ダクネス曰く、クリスは妙に悪魔やアンデッドの類に容赦無く攻撃するらしい。

 恐らく、女神として、悪魔は放っておけないのだろう。

 何度か警告して、部屋の中に殺到する。

 

ゼーレシルト「これはようこそ、侵入者よ!ここがどこだが、勿論分かっているのだろうな。フフッ、初対面の、謎の侵入者達よ。」

 

 どうやら、バレてるみたいだな!

 

カズマ「分かってるのなら、遠慮は無しだ!」

ダクネス「そうだな!」

クリス「ねえ、こんな着ぐるみに攻撃なんて出来ないよ!」

ダクネス「おいクリス、油断するな!そいつは悍ましい存在が詰まってる!我々の目的は、そいつの爪の一欠片だ!コロリン病を治すのに必要な特効薬に欠かせないのだ!ー

クリス「コロリン病の特効薬になる、爪の欠片って……。」

 

 クリスが突然真顔になったと思ったら、いつの間にか突撃していた。

 やっぱり、こうなるか!

 クリスを宥めて、俺達も変身する。

 

『タテガミ氷獣戦記!』

『玄武神話!』

『流水抜刀!』『タテガミ展開!』

『一刀両断!』

 

「「変身!!」」

 

『氷獣戦記!ガオーッ!Long Get!』

『ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!』

 

クリス「行くよ、2人とも!あの悪魔は滅ぼさないと………!」

カズマ「だから、滅ぼさなくていいんだよ!」

ダクネス「とにかく、行くぞ!」

 

 そうして、俺達とゼーレシルトとの戦いが始まった。

 

カズマ「とにかく、動きは止めるぞ!」

 

『大地の氷獣!』

『タテガミ大地撃!』

 

 俺は、タテガミ大地撃でゼーレシルトの動きを止めた。

 そして、ダクネスが抑えて、クリスが爪の欠片を回収した。

 だが、俺が全力で凍らせた結果、ダクネスも巻き添えになってしまい、その後、クリスがエリス様としてやってきて、伯爵をボコボコにした。

 そうして、俺達はアクセルへと戻った。

 

零士side

 

 俺達は、アクアの強力すぎる回復魔法を子供達にかけさせていたら、カズマ達が帰ってきた。

 

カズマ「おい。」

零士「言いたい事は分かる。」

 

 その後、色々なトラブルが起こったものの、なんとかコロリン病の特効薬が出来た。

 その結果、シルフィーナはあっという間に元気になった。

 翌日、パーティーメンバーとシルフィーナでピクニックに出かけた。

 俺達が魚を食べようとしたら、なんと、ダクネスがカズマにキスしていた。

 

シルフィーナ「マ、ママ……!ご、ごめんなさい、私……。」

ダクネス「ま、待てシルフィーナ!これは……!」

めぐみん「想いを告げるのは勝手ですが、乳繰り合えとまでは言っていませんよ!子供を人に預けておいて人目を盗んで逢瀬だとか、この娘は本当にとんだドスケベですね!」

ダクネス「だ、だって……!だって……!!」

 

 ダクネスが慌てていると。

 

アクア「広めなきゃ……。ダクネスがカズマさんを襲った事を、早く皆に広めなきゃ……!」

ダクネス「ちち、違ー!いや、違う事はないのだが!ああっ、待てアクア、行くんじゃない!」

 

 そうしてダクネスがアクアを追いかけるのを見て、俺はつくづくこの平和な生活が続いていくようにと願った。




今回はここまでです。
今回の話で第12章は終わりです。
不吉なデモンズドライバー………。
次に変身したら、命がないと言われるヒロミさん………。
そして、スピンオフに追田警部補が登場!


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第13章
75話 出現せし、宝の山


 冒険者ギルド内に、野太い声が響いた。

 

冒険者「ママーっ!」

ダクネス「貴族がここまで舐められ、バカにされてたまるか!もういい、貴様らそこになおれ!全員ぶっ殺してやるっ!」

 

 顔を真っ赤にしたダクネスが、大声でママと叫んでいた男性冒険者に襲い掛かる。

 その拳を難なく躱した男が、尚も懲りずに言い放った。

 

冒険者「ママー!何で怒るの?お腹空いたよママーっ!おっぱいちょうだいぐえっ!」

 

 だが、ダクネスに襟首を掴まれて、絞められた鶏みたいな声を出す。

 怒りのあまりこめかみに血管が浮き上がっていたダクネスが、漸く捕まえられた事に喜色をあげるが。

 

アクア「ちょっとダクネス、宴会の席で暴れるのはマナー違反よ?見なさいな、この楽しそうな皆の顔を。ちゃんと空気を読まなきゃダメよ?」

 

 ならお前は、普段は空気を読んでるのか?

 俺はそう心の中で思った。

 ダクネスがショックを受けたのか、冒険者を放して膝をついた。

 

ダクネス「こ、この私が、まさかアクアに空気を読めと言われるなんて……。」

ユーリ「相当にショックを受けているな。」

 

 そんなダクネスに、1人の女冒険者がニヤニヤしながら近づくと。

 

冒険者「ママー!あたしも薬の材料集めに協力したんだから、おっぱい……痛たたたたたた!」

ダクネス「おっぱいならここに自前のがあるではないか!私の自慢の力で搾ってやろう!」

冒険者「やめて、ララティーナちゃんやめてぇ!おっぱいちぎれるー!」

零士「なら、揶揄わなければいいのに。」

リナ「全くよね。」

 

 俺達は、シルフィーナ完治祝いのパーティーをしていた。

 内容は、ほとんど、カオスと言っても過言ではないが。

 だが、皆楽しんでいる。

 それはそれで、良いと思う。

 翌日、俺がリベラシオンで特訓をし終えて上がってきたら、カズマが何かの肉を持っていた。

 

零士「カズマ、何だその肉?」

カズマ「零士!ちょうど良かった!このドラゴン肉を一緒に食べてくれ!」

零士「ドラゴン?」

 

 カズマ曰く、ドラゴン肉を取り寄せたものの誰も食べてくれないので、困っているそうだ。

 まあ、俺もドラゴンの肉は気になるので了承した。

 ただ、脂肪が少なそうだが。

 めぐみんが、アクアが作っためぐみん自身のフィギュアを取り上げようとしていると。

 

ゆんゆん「あの、めぐみん居ますか……?」

 

 果物の詰め合わせを持ったゆんゆんがいた。

 ちなみに、ダクネスは、ダクネス自身のフィギュアの回収に動いていた。

 ゆんゆん曰く、紅魔の族長試練があるから、是非受けてくれとの事だ。

 しかし、めぐみんは受ける資格が無く、八つ当たりしていた。

 その後、ゆんゆんと共にドラゴン肉を食べたのだが、心の中で二度と食わないと誓った。

 本当に、美味しく無かった。

 翌日、俺、リナ、カイト、カズマ、アクア、めぐみん、ユーリの7人でウィズ魔道具店を訪れた。

 

カズマ「ウィズ、バニル、いるかー?」

零士「ちょっと用事があるんだが……。」

バニル「何故だ、何故我輩の言う事を聞かぬのだ!我輩は見通す悪魔!助言を真摯に受け止めて、指示の通りに動いてくれれば赤字になどならぬのだ!」

ウィズ「バニルさんの言う事だけを聞いているのなら、それってバニルさんが店主みたいなものじゃないですか!私はバニルさんと一緒にこのお店を盛り上げていきたいんです!」

 

 扉を開けると、毎度の如く、バニルとウィズが言い争っていた。

 

カズマ「朝っぱらから何してんだ?」

零士「またウィズが変な物を仕入れて喧嘩ですか?」

バニル「おお、これはこれは小僧共!こ、こらっ、そのガラクタを放さぬか!」

零士「ガラクタって、それを買いに来た訳じゃないんだけど。」

カズマ「俺達は、礼を言いに来たんだよ。」

バニル「あのガラクタを買い取ってくれる事こそ我輩にとっての最大の礼なのだが。それより最近風の剣士と雷の剣士と良い感じになっておる水の剣士と炎の剣士よ。貴様らには本当に良い商品があるぞ、お一つどうだ?」

 

 アクアとめぐみんとリナとカイトとユーリが箱に興味を示す中、バニルが耳打ちしながら小瓶を渡してきた。

 

零士「胡散臭い物は買わないぞ。」

カズマ「ちなみに、これって何だ?」

バニル「避妊薬である。ちなみにお値段1万エリスだ。」

カズマ「はい。」

零士「………一応、俺も。」

 

 皆に見られないようにお金を渡した。

 

バニル「お買い上げありがとうございます!男性が飲めば1週間は効果があるぞ。汝ら偉大なるお得意様よ、他にも強力な精力剤や、匂いを嗅ぐだけで何となく良い雰囲気になる芳香剤もあるが、どうであろうか?」

カズマ「買います。全部買います。」

零士「………一応、俺も。」

バニル「ありがとうございます!!」

 

 若干迷いつつも、購入した。

 これは、リナの為を思って買った物だ。

 そう言い聞かせていると、リナが近づいてきた。

 

リナ「随分とホクホクしてるけど、一体何を買ったの?」

零士「まあ、仲間を労わる奴だ。仲間を労わるのは大切だからな。」

リナ「そっか。零士は本当に仲間を気遣ってくれるのね。」

零士「あっ、はい。」

 

 これは本当に、リナの為の行動だ。

 傷つけない為の行動だ。

 改めてそう言い聞かせていると、着ぐるみが入ってきた。

 その着ぐるみは、アクアに浄化された。

 カズマ曰く、特効薬の件で世話になったゼーレシルト伯爵らしい。

 伯爵曰く、エリス様に残機を減らされまくって、逃げてきたそうだ。

 容赦無いですね、エリス様。

 と、暫く話していると。

 

ルナ『緊急クエスト!緊急クエスト!街の中にいる冒険者の各員は、至急冒険者ギルドに集まって下さい!』

零士「お前ら、今度は何をしたんだ?」

カズマ「俺は何もしてない。」

アクア「私だってそうよ!」

めぐみん「私もです!」

 

 何事かと思っていると。

 

ルナ『繰り返します。街の中にいる冒険者の各員は、至急冒険者ギルドに集まって下さい!冒険者の皆さんっ!!宝島です!!』

 

 その声に、バニルとウィズが走り出した。

 気付いたら、アクアも並走していた。

 何事かとカズマと目を合わせていると、リナに手を掴まれた。

 

零士「リナ?」

リナ「何してんの!早く行くよ!」

カイト「行くぞ!」

カリン「宝の山よ!!」

 

 そうして、俺達は街の外へ。

 カズマ達と合流して、アクアからツルハシにリュック、ヘルメットを受け取った。

 

零士「良い加減に説明してくれ!宝島って何だよ!」

カズマ「割の良いクエストだと思うけど!」

リナ「宝島はね、文字通りよ!玄武の俗称なんだけど、その甲羅には希少な鉱石がくっついているの!」

カリン「さあ、稼ぐわよ!!」

 

 なるほど、だからカリンはやる気になっているのか。

 それにしても、バニル達も来るとは、店の経営はどんなに上手くいってないんだ。

 

カズマ「…………ありえねぇ。」

零士「うそーん………。」

 

 小山が居た。

 確かに、これは神獣だ。

 多くの冒険者が次々とよじ登っていく。

 その中には、アクセルハーツや一部見知った顔が混じっていた。

 

アクア「いくわよカズマに零士!タイムリミットは日没まで!リュックがパンパンになるまで稼ぐのよ!!」

 

 まあ、レア鉱石が混じってるのなら、俺も採取しに行くか。

 俺達はヘルメットを被り、ツルハシを振るい始める。

 一応、念には念をと言う事で、火炎剣烈火は持ってきている。

 リナ曰く、中には鉱石モドキというモンスターが混じっているそうで、現れた時には、火炎剣烈火を振るい、撃退している。

 しかし、いつもは飄々としているバニルも必死になるとは。

 

カリン「アハハハハハ!!何よこれ!!!本当に宝の山ね!!!!」

 

 カリンが、ブレーメンのロックバンドを使用している時よりもテンションが高い。

 よほど、嬉しいのか。

 ツルハシで鉱石を取り、鉱石モドキには、音銃剣錫音で撃退する。

 鍛治師とは、ああいう物なのか?

 半日が過ぎて、飽きて入口にいたカズマの元へと戻る。

 俺は、こういう地味な作業は飽きないので、リュックがパンパンになるまでやった。

 単純作業には飽きないのだが、周囲からは、ブラック企業に勤めてそうと言われた。

 その後、めぐみんの爆裂魔法で、甲羅に残った鉱石を取ってあげたりして、宝島は地面に潜っていった。




今回はここまでです。
昨日のリバイスは急展開でしたね。
ヒロミさんのデモンズドライバーが喋った。
次回のリバイスはどうなるのでしょうか。


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76話 鍛える、それぞれの剣士達

翌日、俺とダクネスは、それぞれの聖剣を片手に向き合っていた。

 

零士「どうしたんだ?ダクネス。」

ダクネス「いや、お前には、散々世話になったなと思ってな。」

零士「そうだな。」

ダクネス「だからこそ、今の私がお前に勝てるのかどうか知りたい。」

零士「分かった。」

 

『ブレイブドラゴン!』

『玄武神話!』

『烈火抜刀!』

『一刀両断!』

 

零士、ダクネス「変身!」

 

『ブレイブドラゴン!』

『ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!』

 

 俺とダクネスは、セイバーとバスターに変身して、対峙していた。

 

ダクネス「行くぞ!」

零士「来い!」

 

 俺とダクネスは、それぞれの聖剣をぶつけ合う。

 ダクネスも、実力を上げたのか、スカの確率が減っている。

 俺とダクネスは、しばらくして、フォームチェンジを行うことに。

 

『クリムゾンドラゴン!』

『ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!』

 

 俺はクリムゾンドラゴンに、ダクネスは玄武ジャッ君へと変わった。

 ダクネスが遠距離から土豆を飛ばしてきたので、俺はクリムゾンウイングを使って躱して、上空から烈火をぶつける。

 負けじと激土をぶつけてきて、衝撃波が起こり、俺とダクネスは吹き飛ばされた。

 そして、二度目のフォームチェンジを。

 

『ドラゴニックナイト!』

『ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!』

 

 久しぶりにドラゴニックナイトを使い、ダクネスは玄武金三郎に。

 俺達は徐々にボルテージが上がっていった。

 

零士「どうした!?そんなもんか!」

ダクネス「そんなわけがあるか!」

 

 俺のドラゴニックブースターからの炎を、ダクネスは、パワーで押し切った。

 

零士「力技か!」

ダクネス「なら、次で決めさせてもらう!」

 

『玄武神話!』『ドゴーン!』

 

零士「そっちがその気なら!」

 

『ドラゴニック必殺読破!』

『ワン!リーディング!ブレイブドラゴン!』

『ツー!リーディング!ストームイーグル!』

『スリー!リーディング!西遊ジャーニー!』

『会心の激土乱読撃!』『ドゴーン!』

『烈火抜刀!』

『ドラゴニック必殺斬り!』

『ドラゴニックスパイシー!』

 

ダクネス「大断断!」

零士「ドラゴンインフェルノ!」

 

 ダクネスは大断断を発動して、俺は神火龍破斬とドラゴニックスパイシーを合わせたオリジナルの技、ドラゴンインフェルノを発動する。

 お互いの必殺技がぶつかり合い、お互いに変身解除になった。

 

ダクネス「や、やるな。」

零士「お前もな。」

ダクネス「私も、まだまだか。」

零士「でも、やるじゃん。」

 

 俺達は、お互いを認め合い、屋敷へと戻っていく。

 ユーリに治して貰った。

 

ユーリ「それにしても、お前達は激しい戦いをしたな。」

ダクネス「私も、もっと強くなる。」

零士「そうだな。」

リナ「お疲れ!」

カリン「強くなるのは私もよ!」

カイト「無論、俺もだ!」

 

 そうしていると、ゆんゆんを連れたカズマ達が入ってきた。

 ゆんゆん曰く、族長試練には、2人で受ける必要があるそうだ。

 めぐみんが着いて行こうとするが、ゆんゆんにあっさり断られた。

 ゆんゆんが、俺とカズマに声を掛けようとしたが、結局、めぐみんが着いていくことに。

 翌朝、めぐみんはゆんゆんと共に紅魔の里へと向かっていった。

 

カズマ「さて。めぐみんが居なくなった事だし、家事当番決めるか。」

零士「そうだな。」

アクア「私、いい加減トイレ掃除は嫌なんですけど。料理当番を回してちょうだい。」

ダクネス「いや、アクアが料理すると食材の大半が無駄になる。」

リナ「そうね。液体調味料が料理の度に無駄になるのは非効率的ね。」

カズマ「なら料理当番は俺が受け持つ。ダクネスや零士達は普通だし、アクアは論外。代わりに掃除をダクネス、カリン、カイトが、トイレと風呂はアクアで、買い出しは零士、リナ、ユーリが担当な。」

ユーリ「分かった。俺に任せろ!」

零士「ユーリは、目を離すとどこかにいってるからな。」

リナ「私達はお目つけって事でしょ。」

 

 アクアが畑当番を増やして欲しいと懇願したが却下されて、ダクネス達はアクアを追っていった。

 その後、昼食を取り終えると。

 

アクア「討伐するわよ!」

 

 アクア曰く、パーティーの看板みたいな自分が一番レベルが高くないといけないのではという事だ。

 

ユーリ「お前がいつ、看板になった。」

カイト「それは無いだろ。」

カリン「そうね。」

リナ「同意するわ。」

零士「右に同じく。」

アクア「何で皆否定するのよ!!」

 

 そりゃあ、確かにアクアのステータスは高いが、それだけだからな。

 知能と運のステータスは最悪だからな。

 アクアが、その後、ゼーレシルトを倒してレベル上げを提案したが、胸が痛むので却下。

 その後、ジャイアントトードに挑む事に。

 

アクア「イヤァァァ!!嫌よ!何でカエルなんか討伐しないといけないのよ!!」

零士「つべこべ言うな。」

カズマ「とにかく行くぞ。」

リナ「そうね。」

 

『エレメンタルドラゴン!』

『タテガミ氷獣戦記!』

『ランプドアランジーナ!』『ニードルヘッジホッグ!』『トライケルベロス!』

『玄武神話!』

『ヘンゼルナッツとグレーテル!』

『ジャオウドラゴン!』

『エックスソードマン!』

『エレメンタルドラゴン!ゲット!』

『ジャオウリード!』

『烈火抜刀!』

『流水抜刀!』『タテガミ展開!』

『黄雷抜刀!』

『一刀両断!』

『銃剣撃弾!』

『闇黒剣月闇!』

『最光発光!』

 

「「「「「「「変身!」」」」」」」

 

『エレメンタルドラゴン!』

『氷獣戦記!』

『ゴールデンアランジーナ!』

『ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!』

『音銃剣錫音!』

『ジャオウドラゴン!』

『エックスソードマン!』

 

 俺達は、カズマがダイナマイト擬きで起こしたカエル達を倒していく。

 だが、そこで気になったのは、アクアの食われる確率だ。

 アクアを助けたと思ったら、また食われていたという事があり、アクアの言う、天敵説を信じかけてしまった。

 その後、ダクネスがカズマを襲ったそうだ。




今回はここまでです。
この小説は、第20章までは書くつもりです。
これが終わったら、賢者の孫とリバイスの小説を書くつもりです。


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77話 追跡される、魔道具店店主

翌日、屋敷の広間で、俺達は話し合っていた。

 カズマ曰く、知り合いの冒険者から有名どころの冒険者に狙われると言われたらしい。

 

カズマ「……とまあ、知り合いの冒険者にそんな事言われたんだけど大丈夫だよな?別に襲われたりしないよな?っていうか、いきなり襲うとか犯罪だもんな?」

ダクネス「おお、お前……!また私の家の威光を使って、そんなくだらない事をしていたのか……!おいめぐみん、どこへ行く!カズマと共に説教だ!」

 

 どうやら、ダクネスの家の権力を背景に新聞社に圧力をかけたそうだ。

 その新聞を見ると、俺の事は魔王軍幹部を単独で撃破した炎の剣士と書いてあった。

 襲われる件に関しては、ダクネス曰く、俺とミツルギが戦った時みたいに、あるらしい。

 本当に、細かい法があるのにも関わらず、こういう所は大雑把だな。

 その後、アクアが大量のアンデッドを見つけたそうで、ウィズ魔道具店へ行く事になった。

 翌日、めぐみんの爆裂散歩に付き添っているダクネスとカイトとカリンを除いた俺たちでウィズ魔道具店へ。

 

アクア「頼もう!」

バニル「朝から騒がしい逸れ女め。一体何の用だ?」

アクア「ゴースト管理が不行き届きなウィズを叱りに来たんだけど、あの子はどこにいるのかしら?それに、逸れ女ってどういう意味なのかしら?」

バニル「逸れ女というのは、大変チョロい水の剣士や炎の剣士、闇の剣士、光の剣士にすら相手にされない、ハズレ女という意味だ。」

 

 それを聞いたアクアが店の商品を水に変えようとするので、取り押さえる。

 バニル曰く、昨日の夕方頃にどこかへ出掛けたきり帰ってこないとの事。

 その後、ウィズが帰ってきて、ストーカーが出たと言うので事情を聞く事になった。

 

零士「それで?ストーカーが出たってどういう事なんだ?」

ウィズ「はい。真っ黒なローブを着たその人はフードを深く被ったままこう言ったんです。」

 

 ウィズ曰く、その男はデューク。

 デューク曰く、ウィズに会う為に遥か遠い地からやって来たそうで、ウィズの事を調べて、ウィズの事だけを考え続けたそうだ。

 まさかのガチの奴だった。

 それには女性陣は顔を顰めている。

 その後、襲われたそうで、ゴーストが漂っていたのは、デュークの動きを探って貰っていたそうだ。

 

零士「……予想以上にガチだったな。」

リナ「引くんだけど。」

アクア「なるほどね。そういう理由なのね。仕方ないわね。後で元いた場所に還してあげるのよ?」

カズマ「お前がやれよ。」

ユーリ「なるほどな。そのストーカーが店の傍から離れなかったから帰れなかったという事なのだな?」

ウィズ「……それが、街中にゴーストを放ったのですが、ゴーストの多くは浄化されてしまったようで……。」

 

 ゴーストを浄化出来るガチもんのストーカーね……。

 

カズマ「犯人はアクシズ教徒か。」

零士「そうだな。」

ユーリ「そう考えて間違いないだろうな。」

リナ「その可能性は大ね。」

バニル「うむ。我輩の見通す目を使う必要すらないな。」

アクア「ちょっとアンタ達待ちなさいよ、ウチの子に冤罪を擦りつけないで!」

 

 その後、ウィズがそのデュークに会いに行くそうだ。

 

カズマ「………まあそんな訳で、明日、ウィズは決着を付ける事になった。」

 

 それを聞いためぐみん、ダクネス、カイト、カリンの3人は微妙な表情を浮かべた。

 

零士「まあ、こっから先は当人達の問題だ。赤の他人の俺達が首を突っ込む訳には行かないしな。」

リナ「まあ、そうね。」

 

 翌日、カズマ、アクア、めぐみん、ダクネスが見守っていたが、ウィズがテレポートで逃走したようだ。

 3日後、リベラシオンでユーリと共に特訓していたが、カズマの発言に少し違和感を感じた。

 ウィズの仕事を辞めさせる。

 でも、ウィズの仕事って、魔道具店の店主にゴーストの浄化、そして、魔王軍幹部として、結界の維持。

 

零士「まさか、あのデュークって奴、魔王軍じゃないだろうな……?」

ユーリ「あの男が気になるのか?」

零士「ああ。」

ユーリ「なら、警戒は怠らない様にな。」

 

 そんな事をユーリと相談して、俺はその日を終えた。

 翌朝、デュークと接触したらしいカズマがこう言い放った。

 

カズマ「という訳で、俺はアイツを応援する事にした。」

アクア「ちょっと何言ってるのか分かんないんですけど。」

零士「それは別に良いけど、あのデュークって奴、怪しくないか?」

リナ「確かに……。」

カズマ「大丈夫だって。あのデュークって奴は頑固だけど、案外漢気溢れる良い奴なんじゃないかと思ってな。」

 

 一応、伝えておくか。

 秘密は抱えたくない。

 

零士「あのな、デュークがウィズの仕事を辞めさせるって言ってるけど、それって魔道具店じゃなくてさ、魔王軍幹部としての仕事じゃないのか?」

「「「「「「「!?」」」」」」」

 

 どうやら、皆その考えには至っていなかったようだ。

 

アクア「そう言えばそうよ!ウィズって魔王軍幹部だったわ!」

めぐみん「まさか、デュークは、魔王軍の手先なのでは……!?」

ダクネス「おい零士!何でそれをもっと早く言わなかったのだ!!」

零士「俺だって、推測だし……!」

カイト「……とにかく、デュークには警戒しておこう!」

カリン「そうね!」

リナ「とにかく、皆落ち着いて。」

カズマ「………そうだな。考えてみれば色々と引っ掛かるもんな。」

ユーリ「だが、今行動を起こせばデュークに怪しまれる。慎重に行くぞ。」

 

 その後、アクア達が育てていた畑に安楽少女が生えている事に気づき、討伐しようとしたらアクアに止められた。

 そして、畑で秋刀魚が獲れたり、海でスイカが獲れる事を聞いて、カルチャーショックを受けた。

 




今回はここまでです。
賢者の孫とリバイスの小説に関しては、活動報告にてリクエストを受け付けています。
後、ミツルギが変身する仮面ライダーの名前を、月影からグラムに変更しました。


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78話 決着せし、それぞれの勘違い

しばらくして、めぐみんがゆんゆんと共に試練を受けたものの、試練会場を破壊した事により、失格になったそうだ。

 その後、ウィズ魔道具店へ。

 

アクア「セイクリッド・ハイネス・エクソシズム!!」

ゼーレシルト「ピャアアアアアア!!」

バニル「毎度毎度ゼーレシルトを浄化するな!復活させるのにも手間がかかるのだぞ!」

 

 出会い頭にゼーレシルトが浄化された。

 すまん、毎度これでは身が持たないな。

 

零士「なあ、バニル。あのデュークって奴、魔王軍じゃないだろうな?」

バニル「さあ?答えを言ってしまっては興醒めというものだろう!」

零士「コイツ知ってやがるな。」

 

 まあ、バニルはこういう奴だ。

 しばらくして、ウィズが出てきて、デュークと決着をつける様だ。

 それで、アクセルの街から離れた共同墓地へと向かう。

 

零士「なあ、カズマ。あのデュークがウィズに最初に接触した際に、どんな風に言ってた?」

カズマ「ああ、それなんだけどな、俺からしたらどうにもプロポーズというよりは決闘みたいな感じで……。」

零士「何かあるな。」

 

 しばらくして共同墓地に到着して、そこにはデュークが居た。

 

デューク「そこに居るサトウカズマはともかくとして、色々と居るな。」

零士「何、友達としてウィズを見守りに来ただけだ。」

デューク「そうか、まあいい。」

 

 その後、ウィズとデュークが会話しだした。

 だが、アイツの言葉を聞く限り、どうにも決闘にしか聞こえない。

 ウィズが氷の魔女という異名で呼ばれてたせいで碌にナンパされなかったとバニルから聞いていた。

 

デューク「ではそろそろ始めようか。俺達の間に言葉は要らないだろう。」

ウィズ「分かりました。ですが、今の仕事を辞める訳には行きません。だって……もう長い付き合いになる、変わり者の友人との、約束ですから。」

デューク「そうか。アンデッドの王、リッチーよ!お前に決闘を申し込む!」

 

 やっぱり。

 そして、デュークとウィズの魔法対決が始まったのだが、興奮してきた。

 そうだ、この世界には慣れたつもりだが、日本との常識の違いにショックを受けていた。

 

リナ「零士。もしかして、興奮してる?」

零士「ああ。こんな戦いは初めて見るしな。」

リナ「そっか……。」

 

 何か、リナが少し嫉妬した様な表情を浮かべてくる。

 だが、ウィズは乗り気ではない。

 流石に助けようかと思ったが。

 だが、カズマから止められた。

 

カズマ「おい零士!止めるなよ!」

零士「何で?」

カズマ「あんな決闘に横槍入れるのは失礼だろうが!」

 

 その後、爆裂魔法を撃とうとするめぐみんや飛び込もうとするダクネスをカズマは取り押さえた。

 

カズマ「ウィズ、いい加減本気を出せ!でないと相手にも失礼だぞ!」

アクア「このアンポンタンは何言ってんの!?さっきからめぐみんやダクネスの邪魔をしてないで、ウィズの援護をしなさいよ!」

リナ「零士は助けに行かないの?」

零士「流石に上級魔法が飛び交っている中を突っ込みたくない。」

ユーリ「正しい判断だ。」

ウィズ「そんな事言われましても!あれだけ情熱的に口説いてきた人と、いきなり戦えと言われても……!」

 

 それを聞いて、焦りの表情を浮かべていたデュークは、意を決した表情をすると。

 

デューク「やはり俺を舐めている様だな!『サンクチュアリ』!」

零士「神聖魔法!?」

カイト「おい、おかしいぞ。本来、神聖魔法が使えるのは、プリースト、アークプリースト、そしてクルセイダーだけの筈だ!」

カリン「おかしいわね。」

 

 そして、ウィズが耐えて、お友達からと言うと、静寂に包まれた。

 肝心のデュークは、呆然としていた。

 

アクア「やったわ!よく言ったわウィズ!」

ユーリ「そうだな。」

デューク「は?」

ダクネス「まあ、これが一番丸く収まるのかもな……。」

カリン「まあ、まだチャンスはあるわよ。」

デューク「……は?さっきから、友達だの結婚だの心配しなくてもいいだのと、お前達は何を言っている?」

零士「え?告白じゃないの?あれ?……それとも、魔王軍幹部の仕事か?」

デューク「そ、そうだ……。」

 

 そう言ってデュークはマントを撥ね退けるとそこには見た事のない紋章が。

 

ウィズ「それは、魔王軍の……!」

アクア「あーっ!アンタ、堕天使だったの!?アンタも神に逆らう愚か者じゃないの!」

デューク「う、うるさい!貴様こそ、聖職者なのか!?」

 

 そう、デュークの背中には漆黒に染まった翼が生えていた。

 怒れるデュークにアクアは胸を張り自信満々に答える。

 

アクア「バカね、私を誰だと思っているの?堕天使如きが、平伏しなさい!私の名はアクア!全国二千万の信者を持つ、アクシズ教徒の御神体!女神アクアその人よ!」

デューク「何だ、ただの痛い女か。」

アクア「アンタちょっと待ちなさいよ!」

 

 堕天使にすら信じてもらえないという。

 

零士「アクシズ教って……信者が二千万も居るのか?」

リナ「全世界合わせて……数百人がいい所じゃないの?」

 

 ですよね。

 何盛ってんだ。

 すると。

 

バニル「フハハハハハッ!フハハハハハッ!この様な辺境の街へようこそ、汝、身の程も知らずに魔王軍幹部を欲する者よ。元から忌むべき神のパシリが、堕天した事により情けなさに更に磨きがかかっておるな!」

 

 そこに、バニルが居た。

 

バニル「どうやら美味しい所に間に合った様だな!いやはや、この一大イベントを危うく見逃すところであったわ!」

デューク「……バニル殿、これは俺とウィズの問題です。」

 

 一大イベントとは何の事だ?

 そう首を傾げていると。

 

ウィズ「……騙したんですか?」

デューク「騙したとは何だ。俺は最初から魔王軍幹部の座を賭けて勝負を挑んだつもりだ。」

ウィズ「………プ、プロポーズだと思ったんです……。そして、生まれて初めての告白をされたんだと……。」

デューク「そ、そうか、それは気の毒な事をしたな。だが、言っては何だが、勘違いが甚だしいぞ。出会ってすぐに求婚はないだろ。」

 

 正論だね。

 それはまさしく正論だったが、今のウィズには通じなかった。

 

ウィズ「わわ、私は、一時は店を辞めようかどうしようかと、本気で悩んだのに……!そんなに行き遅れのリッチーの心を弄んで楽しいんですか!許せない!」

バニル「フハッ!フワーッハッハッハッハッハッハッ!!」

 

 途端、バニルが爆笑しだした。

 まさか、悪感情目当てだったのか。

 

零士「お前、悪感情が目当てで来たんだな。」

バニル「ああ!まさしくその通りだ!極上だ!久方ぶりの、超極上の悪感情!美味である!美味である!フワーッッッッッッ!!」

ウィズ「バニルさん!」

リナ「本当に、バニルって性格悪いわね。」

カイト「今に始まった事じゃないな。」

カリン「そうね。」

 

 どうしたものかと呆れていると、デュークから気になる事が聞こえた。

 

デューク「今や魔王軍幹部は数を減らしていてストリウスが逃げたのだぞ!それに、最前線の砦も陥落し、調略すらも失敗した。」

ユーリ「ストリウスが逃げた?」

デューク「ああ、そうだ!『もう、魔王軍に用事はありません。それでは、精々頑張って下さいね。』……そう言って逃げた!」

 

 あのストリウスがねぇ。

 絶対何か企んでるだろうな。

 

デューク「調べると、アクセルを拠点にしている剣士達がどれもこれもに介入している。既にこの事は魔王様に報告済みだ。いずれ、ここは魔王軍の最重要攻略拠点になるだろう。」

零士「何!?」

 

 まさか、ここが攻められる?

 デュークが更に何かを言おうとすると、ウィズに吹き飛ばされた。

 

ウィズ「この街が最重要攻略拠点に?……ここが襲われる?」

 

 あ、ウィズがキレた。

 その後、一方的な蹂躙が起こった。

 そうして、デュークは降参した。

 

零士「まさか、攻略拠点になっちまうとは。」

リナ「この事をルナさんに伝えた方が良いのかしら?」

カイト「そうだな。」

カリン「それに、ストリウスが魔王軍から離脱するなんて。」

ユーリ「何を企んでいる?」

 

 そういえば、ソフィアから、ソフィア自身を作った本がいつの間にか消えていたと言っていたな。

 まさか、ストリウスに奪われたのか?

 その後、デュークはリッチーに成り下がったものの、ウィズの爆裂魔法で消し飛んだ。




今回はここまでです。
今日、オムニフォースとグリモワールとドゥームズドライバーバックルが届きますね。
そして、明日は、深罪の三重奏が公開しますね。
ちなみに、賢者の孫とリバイスの小説で、原作キャラを変身させるかは、まだ未定です。
そして、この聖なる刃に祝福をと賢者の孫とリバイスの小説で、ビヨンド・ジェネレーションズの話をやる予定です。


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79話 思いを告げし、炎の剣士

 あのデュークとの決闘騒動の翌日、俺はリナに話があり、呼び出した。

 それも、リナだけを。

 

リナ「君が私だけを呼び出すなんて、珍しいわね。」

零士「ああ、まあな。」

 

 俺はこれから、自分の気持ちに正直になる。

 それが、どうなるのかはいまいち分からないけれど。

 

零士「実はさ、話があるんだよ。」

リナ「………なあに?」

 

 やばい、緊張してきた。

 でも、いつまでもヘタレで居るわけにはいかない。

 

零士「あの、告白の返事なんだけど……。」

リナ「うん。」

零士「そ、その……。俺も、いつの間にか君の事が好きになってた。だから、付き合って下さい!」

 

 よし、言えた。

 それを聞いたリナは、顔を赤くしつつも、聞いてきた。

 

リナ「うん。それで、私のどんな所が好きになったの?」

零士「ああ。自分の剣の腕にストイックに鍛えている所、仲間をちゃんと見ている所、それから……。」

リナ「ストップ。自分で言わせてなんだけど、恥ずかしくなってきた。」

 

 お互いに顔を赤くして、見つめる。

 

零士「それで……返事は……?」

リナ「バカね。断る訳ないじゃないの。」

 

 よかった。

 ここで断られると、トラウマになりそうだったからな。

 

リナ「やっと、素直になってくれたわね。」

零士「悪いな。」

リナ「ううん。」

零士「あとさ、リナ。」

リナ「うん?……うん!?」

 

 俺はリナを呼び止めて、リナの口を自らの唇で塞いだ。

 リナも流石に少し抵抗したが、すぐに抵抗を止めて、されるがままになる。

 口を離すと、顔を赤くしていた。

 

零士「あん時の仕返しかな?」

リナ「………狡いわよ。そんな事されると、更に好きになっちゃう。」

零士「アハハハハ……。」

 

 こうして、俺達は付き合う事になった。

 ちなみに、さっきのキスシーンをユーリが目撃していたそうで、ユーリから祝福された。

 そして、それからしばらくして。

 

ウィズ「わあああああっ!酷いです、あんまりですうううううう!」

 

 ウィズは未だにあの出来事を引きずっていたのか、さめざめと泣き続ける。

 まあ、あれはなぁ。

 バニルがここ最近艶々してて幸せそうだ。

 多分、毎日の様に生み出される悔しさの悪感情でご満悦なんだろう。

 アクアが慰めていたが、バニルが止めを刺した。

 だが、こうやってのんびり出来るのも、今だけかもしれない。

 デューク曰く、魔王軍がこの街を最重要攻略拠点に据えると言っていた。

 もしかしたら、この街に戦火が襲いかかるかもしれない……。

 そう思っていると。

 

バニル「ええい、いつまでピーピー泣いているのだ失恋店主め!いい加減泣き止んで、とっとと店番でもするがいい!」

カイト「バニルもさ、失恋店主って言って追い詰めないであげて。」

カリン「本当にそうよ。」

ウィズ「そんな事は言われなくても分かっていますよ……。どうせリッチーなんて存在は、例え誰かと結ばれたとしても、いつかは孤独になってしまうですよ。」

 

 今回の件を大分引き摺ってるな。

 バニルが溜息をつくと。

 

バニル「まったく……。不老不死は汝だけではない。我々悪魔族も不老であり不死なのだ。いつか我輩が冒険者に討ち取られるまで、せめて我輩が構ってやる。」

ウィズ「……つまり、ダンジョンがいつまでも完成しなかったら、バニルはずっと一緒に居てくれますか?」

バニル「よし、当面の目標は貴様から経営権を奪う事だな。いいだろう、久しぶりに我輩が相手してやろう!」

ウィズ「待って下さいバニルさん、今のはちょっと言ってみただけです!すいません、ごめんなさい!私、頑張ります!頑張りますから許して下さい!!」

 

 ウィズの鳴き声がアクセルに響き渡った。

 その後、俺達は買い食いしながら屋敷へと戻って行く。

 

めぐみん「……結婚ですか。」

リナ「ダクネスは貴族の家の一人娘だから、こういった事は他人事じゃないでしょ?」

ダクネス「わ、私はお父様が理解がある方だから、その辺はまあ、他の貴族よりは自由だ。しかし、年齢的にそろそろ考えなくてはな。まあ年齢の事を言ったら一番はアクアが。」

アクア「ねえカズマに零士、最近知った面白い話を教えてあげる。あのね、ダクネスの部屋には私達の生活を書いた日記があるんだけど、日記の置いてある場所の下には変な仕掛けがあってね、そこには、ダクネスの妄想が綴られている。」

ダクネス「おいアクア!鍵はかけてたはずなのにどうやって入ったんだ!」

 

 そう言った直後、ダクネスに連れて行かれた。

 ユーリがその妄想日記を俺に渡してきた。

 それを見ると、マジでヤバい。

 それをユーリに返し、ダクネスに連れて行かれた。

 カイトとカリンも呆れて追いかけて行く。

 すると。

 

めぐみん「カズマは将来、子供は何人欲しいんですか?」

リナ「零士は将来、子供は一体何人欲しいのかしら?」

「「ブフォッ!」」

 

 どう答えるべきか迷っていると、玄関先にゆんゆんが待ち構えていた。

 

めぐみん「ゆんゆんではないですか。」

リナ「どうしたの?」

ゆんゆん「あの、その……。カズマさんか零士さんにお願いが……。」

 

 お願い?

 首を傾げていると、めぐみんとリナの2人だ立ち塞がった。

 

めぐみん「カズマに一体何の用ですか?」

リナ「一応、聞いておくけど。」

ゆんゆん「アンタのせいで試練に2回も落ちたから、後が無いのよおおおおおお!!」

 

 ゆんゆんの叫び声がこだました。

 




今回はここまでです。
この話で、13章は終わりです。
次回から、14章に入ります。
今日から、深罪の三重奏が公開しますね。


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第14章
80話 再訪せし、紅魔の里


あの後、ゆんゆんを家に上げた。

 理由を聞いてみると、3回までしか受けれない族長試練を、2回も落ちてしまい、もう後がない模様。

 

ダクネス「なるほどな。我がダスティネス家と紅魔の里には交流があって、この鎧も、紅魔の里のお手製なのだ。」

ユーリ「そうなのか。」

ダクネス「これも何かの縁だ。ゆんゆん。この私が前衛を務めよう。」

ゆんゆん「いいんですか!?ぜ、ぜひお願いします!」

 

 ダクネスは微笑んで、再び紅茶を口元に運ぶが。

 

カズマ「おいダクネス、お前最近目立たないから出番が欲しいんだろ?」

ダクネス「ブハッ!」

 

 どうやら図星の様だ。

 それにしても。

 

零士「族長になれないと困るのか?族長の家だから、跡を継げないと勘当されるのか?」

リナ「族長はトップだから、競争率も高いんじゃないかしら?」

ゆんゆん「いえ、紅魔族は気ままな人が多いですから、何かと束縛されたり責任を伴う族長は誰もやりたがらないんですよ。」

 

 おい。

 それはいくらなんでもダメだろ。

 

ゆんゆん「それに、私、他に目立つ特徴や特技だったり、目標も無いので、紅魔族の名乗りを上げる時に凄く困る事に……。」

カズマ「もう族長は諦めるといい。新しい名乗りを考えてやるから。」

アクア「流石ねカズマ、5分で解決よ。」

ゆんゆん「待って下さい!違うんです!それだけじゃなくて!紅魔族は纏まりがなくて、誰かが代表にならないと何を始めるか……。」

 

 確かに、自由気ままな紅魔族が野放しにされるのは問題だ。

 

零士「なら、俺か、カズマか、カイトか、ユーリか、カリンか、リナって事になるよな。」

リナ「そうなるわね。」

ユーリ「ダクネスは耐久力はあっても、スカだからな。」

カリン「めぐみんは、対象外なんでしょ?」

カイト「アクアだと、アンデッドモンスターを引き寄せそうだしな。」

アクア「ちょっと待ちなさいよ!!」

ダクネス「何故私が省かれている!?」

 

 その後、ルナさんがやってきて、カズマと俺に会いたいという人が居ると伝えて帰った。

 翌朝、俺達は準備出来て、ゆんゆんが来るのを待っていた。

 

零士「あとはゆんゆんが来るのを待つだけだよな?」

リナ「ええ。」

カイト「そういやさ、お前はさ、知ってるか?あの剣士の事を?」

零士「あの剣士?」

カリン「知らないの!?」

零士「ま、まあ。」

 

 そりゃ、異世界から来た人にそんな事を聞かれても。

 

リナ「その剣士の名前はジン。強い剣士で、王族からも信頼されてたの。」

零士「へぇ。そいつは今、生きてるのか?」

カイト「それがなぁ、以前、あのノエルって言う大臣からクエストを依頼されたけど、その際に死亡しちゃったんだ。」

カリン「そうなのよ。」

 

 あの大臣が依頼ねぇ。

 何か怪しい様な気がする。

 まあ、気にしたら負けか。

 そういえばアクアが居ないと思ったら、何やら水を撒いていた。

 

零士「しばらく旅に出るから野菜に水でもやってんのか?」

カズマ「そこら辺はウィズに任せたから大丈夫なんだけど……。」

 

 アクアが水をやっていたのは、安楽少女だった。

 

カズマ「そういや、色々あって有耶無耶になったけど、居たな!」

零士「よし!アクアを取り押さえろ!今、討伐してやる!」

アクア「やらせないわよ冷血コンビ!何で生まれたばかりの命を奪おうとするの!?」

零士「お前はその優しさを少しでも悪魔やアンデッドにも分けてやれよ!」

カズマ「て言うか、ゼル帝とちょむすけとお前の世話だけでも大変なのにこれ以上増やすんじゃねえ!」

アクア「お願いよ!私が生み出す水ならきっと良い子に育つわ!……ていうか、その中に私の名前が入ってなかった?」

 

 その後、ゆんゆんも来た事で、紅魔の里にはブックゲートを使う事に。

 ちなみに、安楽少女は漏れなく討伐して、アクアから非難された。

 そして、ブックゲートで紅魔の里に到着すると。

 

紅魔族「えっ?ゆ、ゆんゆん?めぐみん!?」

紅魔族「大変だー!めぐみんとゆんゆんが外の人を連れて来たぞ!皆、早く着替えるんだ!」

 

 すると、紅魔族の面々は、焦ったかの様に何かの準備を始める。

 里の入り口から見覚えのある紅魔族2人が現れた。

 

ふにふら「ちょっとあんた達、外の人連れて帰ってくるなら事前に連絡寄越しなさいよ!」

どどんこ「そうそう、おかげで里の皆がパニックになってるし!歩いてくるならともかく、そのテレポートみたいな事をするなら事前の準備ぐらいさせなさいよ!」

 

 そう、ふにふらとどどんこといった面子が現れた。

 ちなみに、2人に慌てている理由を聞くと、魔法使いの里なのに普通の格好をしているとお客さんがガッカリするからだそうだ。

 心の中で、その努力を魔王軍との戦いに回して欲しいと思った。

 

ユーリ「なるほど。ここが紅魔の里か。」

 

 そうだ、ユーリは初めて来るのだった。

 その後、アクアがそけっとという紅魔族を追い詰めていた所をやめさせて、めぐみんの家へと向かう。

 そういえば、めぐみんの家は消し飛んだ筈だったが。

 改めて見てみると紅魔の里は、普通の村と少しズレがある。

 例えば。

 

カリン「ねえめぐみん、あの人は何してるの?回転する壺にゴーレムが攻撃を仕掛けているんだけど?」

めぐみん「あれは紅魔族随一の陶芸家ですよ。直接壺を触ると手が泥だらけになるからあんな方法を思いついたらしいです。」

零士「世の陶芸家に謝れ。」

アクア「ねえねえ。じゃあ、あの人達は一体何をやってるの?」

 

 アクアの視線の先には、主婦と思われる紅魔族が水の竜巻を生成して、その中に洗濯物をポイポイと投げ込んだ。

 

めぐみん「あれはただのお洗濯です。」

カズマ「お前らって、魔法の無駄遣いも甚だしいな。」

ユーリ「本当に優秀なのか?」

零士「ユーリ。それは言わないで。」

 

 その後、めぐみん宅に着き、一新された家は豪華だった。

 だが、そんなに裕福じゃないはず。

 ゆいゆいさんが帰宅して、事情を聞くと、借金を背負って家を建てたらしい。

 そこまでするか?

 その後、カズマに誘われて、サキュバス・ランジェリーという店に連れて行かれた。

 

零士「なあカズマ?何で俺まで連れて来たんだよ?」

カズマ「零士もリナと仲がいいだろ?なら、本番に備えないとな。」

零士「そういうもんなのか?」

 

 中に入ると、ただの酒場だった。

 

紅魔族「おっ、いらっしゃい外の人達。そこのテーブル席でいいか?」

カズマ「えっと、ここって普通の酒場なんですか?」

紅魔族「ああ、紅魔族随一の知力を持つ者が名前を考えた酒場兼宿屋だよ。外から来たお客さんは皆同じ事聞くね。」

 

 なるほどな。

 カズマみたいな思考でここに行った奴が何人か居るということか。

 一応、ジュースを頼んだ。

 ジュースを飲んでいると。

 

ねりまき「外からのお客さん、いらっしゃい。我が名はねりまき、紅魔族一の酒屋の娘!いずれこの店の女将となる者!お兄さん達はめぐゆんのお仲間らしいしサービスするよ。その代わりに、アクセルでの2人の様子を教えてくれないか?」

 

 めぐゆんと聞いて誰かと思ったが、めぐみんとゆんゆんの事だろうと察する。

 つまり、こいつはGLという事だ。

 説明をカズマに任せてのんびりしていると、あの聖鎧アイギスが現れた。

 アイギス曰く、エリス様が聖剣と魔剣を使うソードマスターに渡したらしい。

 聖剣と魔剣を使うと聞いて、ミツルギの事だろうと察する。

 ミツルギも災難だな。

 すると、気になる事を言った。

 

アイギス《そういえば、あのいけ好かないイケメンが、何かの怪物と一緒に居たな。》

零士「怪物?」

アイギス《確か、デザストとか言った奴だったような。》

 

 何でデザストがミツルギと共にいるんだ?

 まあ、デザストの考える事は俺にはいまいち理解できないしな。

 その後、流石にカズマを放ってはおけず、外泊した。




今回はここまでです。
深罪の三重奏を昨日、見ましたが、かなり良かったです。
この小説でも、いずれやりたいと思っています。


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81話 判明する、人造種族の秘密

 翌日、捕まったダクネスとめぐみんの回収をカズマと共に向かった。

 

零士「何で2人とも捕まってんの?」

ダクネス「面目ない………。」

 

 その後、何とか回収した。

 そして、ゆんゆんとアクア、リナ、カイト、カリン、ユーリと合流する。

 ゆんゆんの口から語られたのは、めぐみんが試練場を破壊した結果、今日は試練を受けられないとのこと。

 

零士「なるほどなぁ。」

リナ「どうする?今日1日は暇になるわね。」

カイト「だからってなぁ、アクセルに戻るのもどうかと思うが。」

カリン「そうだ!ユーリ!調べさせて!」

ユーリ「俺を暇潰しの道具にしようとするな!絶対断る!」

 

 その後、レベリングも兼ねて、森で戦闘をする事になった。

 俺はエレメンタルプリミティブドラゴン、カズマはタテガミ氷獣戦記、リナはゴールデンアランジーナ、カイトはジャオウドラゴン、ユーリはエックスソードマン、残りの面子は基本形態に変身した。

 

零士「紅魔の里の周辺って、強いモンスターが多いんだな。」

カイト「だからレベリングにはもってこいなんだけど。」

リナ「そうね。」

カリン「さて、もうちょいやる?」

カズマ「そうだな。俺たちも結構レベルが上がったから、そろそろ切り上げるか。」

ダクネス「ああ。」

ゆんゆん「何か、複雑なんだけど。」

めぐみん「何がですか?」

ゆんゆん「めぐみんが爆裂魔法だったり、風双剣翠風を使って戦ったりするのが変だなぁって思って。」

 

 まあ、俺が居なかったら、めぐみんは爆裂魔法だけで戦うだろうしな。

 それは現時点ではもうIFの可能性の世界になっているだろうが。

 その後、めぐみんが唐突に爆裂魔法を放ち、俺たちは転がった。

 そして、めぐみんから爆殺魔人もぐにんにんという単語が出てきた。

 ぶっころりー曰く、本来は、紅魔の里の奥深くにいる筈らしい。

 そして、めぐみん宅に帰宅した。

 

カズマ「という訳で、何か手伝えませんか?」

零士「自分も。」

ゆいゆい「あらあら、手伝ってくれるの?明日は魔道具作りに使う素材を集める為に、この国で最も深いダンジョンに潜りに行くのだけれど……。」

 

 なんでそうなる。

 

めぐみん「なら、皆で謎施設の探索をしませんか?」

零士「まあ、良いけど。」

ダクネス「………なぜ私が居ない時に限って、冒険者らしい事をするのだ……。」

ゆいゆい「そうと決まったら、早く寝なさい。まあ、カズマさんとイチャイチャするのは良いと思いますよ。うふふふふっ。」

 

 この人は何言ってんだ?

 めぐみん達を放って、俺達は当てられた部屋に向かった。

 俺とリナは正式に付き合う事を既に皆には伝えているので、俺とリナの2人きりの割り当てになった。

 

零士「さて、寝るか。」

リナ「そうね。………それはそうと、私はいつでも産める体だと思う。」

零士「ブホッ!?」

 

 リナの爆弾発言に、俺は吹き出した。

 いきなり何を言うんだ!?

 

零士「リナさん!?あなたはいきなり何を言うんだよ!?」

リナ「………私だって、子供が欲しいの。」

零士「そんな事言われたって……!?」

 

 どうしろと。

 そう言おうとすると、抱きつかれて、ベッドに押し倒された。

 

零士「もしかして、さっきのゆいゆいさんの発言を気にしてるのかよ?」

リナ「……そうよ。まだ結婚してないけどさ、いつでも私の初めてをあなたにあげる準備は出来てるのよ。」

零士「へ、へぇ……。」

 

 そんな事言われると、理性が持たない。

 流石に今は早いだろ。

 そう思い、何とか落ち着かせる。

 だが、リナの顔は赤く染まっていた。

 

リナ「どうしたの?………そうだ。いっその事さ、ここで、男女の一線を超えない?」

零士「落ち着け!一旦落ち着こう!!」

 

 そう言うと、どこかからか爆発音がした。

 それを聞くと、リナは落ち着いたのか、冷静になった。

 だが、自分の発言を思い出したのか、顔に耳まで赤くしていた。

 

リナ「………さっきまでの発言は忘れて。」

零士「お、おう。」

 

 そうして、寝る事に。

 

リナside

 

 アアアアアア!!!

 私ったらなんて事を!?

 零士と付き合い始めて、どうにもタガが外れそう。

 リーンからあんな事を言われるからだ。

 遡る事少し前。

 

リーン「それで?付き合えたの?」

リナ「う、うん。」

リーン「おめでとう!リナ!!」

リナ「あ、ありがとう。」

リーン「なら、もう彼とは付き合ってるいるんだよね?」

リナ「そういう事よ。」

リーン「………よし。ダストは居ない。リナ。なら、もう既に一緒に風呂に入ったり布団で寝たりしてるからさ。いっその事さ、男女の一線を超えたら?」

リナ「な、何言ってるの!?」

リーン「だって、もう付き合ってるんでしょ?超えても良いんじゃない?」

リナ「それはそうだけど……。」

 

 その後、いっその事私が襲えばいいんじゃないかと言われて、悶々としながら帰った。

 その後、零士を見ていると、リーンのあの言葉を思い出して、頬が熱くなってくる。

 

リナ(零士ったら。私の事を大切にしたいのは分かるけど。)

 

 いずれ、私は彼と一線を超える。

 でも、私は後悔しない。

 そんな思いを抱きながら寝た。

 

零士side

 

 翌日、目を覚ますと、めぐみんが捕まっていた。

 理由として、紅魔の里の近くで爆発があり、それがめぐみんの仕業だと言う。

 その後、めぐみんが嘘を言って、濡れ衣を自ら被った。

 ゆんゆんとダクネスを見送って、俺達は謎施設に着いた。

 

めぐみん「ここが謎施設です。」

アクア「カズマさん、零士さん。これって研究所よね?」

カズマ「研究所だなぁ。」

零士「研究所だね。」

リナ「研究所?」

カリン「3人って、たまにおかしい事を口走るわね。」

零士「ノイズ開発局ね。」

カイト「読めるのか?」

 

 そりゃあ、日本語ですもん。

 という事は、十中八九、迷惑なチート持ち日本人が建てた施設だ。

 

カズマ「おいアクア。爆殺魔人ってひょっとしなくてもチート持ち日本人の仕業だろ。」

零士「ていうか、デストロイヤーといい、魔術師殺しといい、冬将軍といい、この世界の厄介事って、大体君のせいじゃ?」

アクア「何を言うのよ。私のせいじゃなくて、非常識な日本人のせいなんですけど。変な文化を流行らせたり、生態系も変えたりで、もう少し自重して欲しいんですけど。」

 

 アクアの人選ミスだろ。

 まあ、ミツルギやリアはマシだが。

 その後、俺達は中に入る事に。

 

めぐみん「まずは最初のトラップです。親切そうに扉が開いたと思ったら、1泊おいて閉まるのです。」

 

 ………これって、自動ドアだよな。

 リナ、カイト、カリン、ユーリは警戒する様な姿勢をとるが、日本人からしたら、便利設備だな。

 そうして、真剣な表情のめぐみんを先頭に、施設内へと入る。

 

《この先はクリーンルームです。防塵服に着替えて下さい。》

めぐみん「皆、聞きましたか?今の謎の声は警告なのです。この先に入るならボウジンフクなる装備を手に入れろ、と。」

カズマ「多分、クリーンルームに埃を持ち込まないためなエアーシャワーだと思うよ。」

リナ「知ってるの?」

零士「ああ。大丈夫だ。毒が散布されているとかは無いから。」

カリン「何でアンタ達知ってるのよ?」

 

 そりゃあ、日本の施設だしな。

 やっぱり、地球では便利設備であっても、異世界では危険なトラップに見えるらしい。

 クリーンルームの中へ入ると、ベルトコンベアーが並んでいた。

 

ユーリ「これは?」

めぐみん「アレこそは多くの被害者を出した恐るべきトラップです。今でこそ討伐されていますが、油断しないで下さい。」

カズマ「何かの組み立て機だと思うけど、壊しちゃったのか。」

アクア「『ゲームガール製造レーン』って書いてあるわよ。」

リナ「要するに?」

零士「これで作ってたのは、玩具だ。」

カイト「玩具……?」

 

 という事は、この設備を作った奴はゲームガールを再現しようとしたのだな。

 その後、ガチャポンを見つけて、そこに紅魔族改造権という物を見つけたぐらいしか発見がなく、爆殺魔人に関する情報は無い。

 めぐみん宅へと帰宅すると、ダクネスが泣いていた。

 ダクネス曰く、最初は謎かけだったが、めぐみんが破壊した事により在庫切れで、紅魔族達が満足するまで、ゆんゆんと共にポーズと名乗りをあげさせられたらしい。

 気の毒だなぁ。

 




今回はここまでです。
次回、オルテカがデモンズに!?
そして、ヒロミさんは、どうなるのか……!?
テラサのスピンオフに、照井竜も登場。
賢者の孫とリバイスの小説も、プロローグは書きました。


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82話 再会する、月の剣士

 翌日、めぐみんが捕まって、カズマとダクネスが引き取りに行って、カイトとカリンとユーリは、周辺の森でレベリングをしていた。

 俺とリナは、一緒に紅魔の里を散策していた。

 

零士「それにしても、本当に長閑だよな。」

リナ「そうね。」

 

 すると、見覚えのある奴がいた。

 

リナ「ねぇ、あなたのライバルがいるわよ。」

零士「ライバルになった覚えは無いけど……。えっと、ミツルギ。お前は何してんだ?」

ミツルギ「や、やあ。久しぶりだね。」

 

 そこには、魔剣の勇者にして、月の剣士のミツルギが居た。

 デザストの事は聞かないでおくか。

 こいつにも事情がありそうだし。

 

零士「こんなとこで何してんだ?」

ミツルギ「それがね。神器に逃げられてしまってね。はは、何を言ってるんだって笑ってもいいよ……。」

 

 ああ、アイギスの件か。

 まあ、ここに居るけど、言わないでおくか。

 

ミツルギ「まあ、僕の事はどうでもいい。それに、君に忠告があるんだ。」

零士「忠告?」

ミツルギ「実は、魔王軍幹部がアクセルの街を狙っているらしい。まあ、十中八九君達が狙われているんだろうけど。君は僕が倒す。魔王なんかに負けてもらっては困るからね。」

零士「忠告どうも。だけど、逃げる訳にはいかない。それに、負けもしないさ。」

ミツルギ「君らしいというか。僕も最近とある人と共に鍛えていてね。いつか、君とまた勝負しても良いかな?……今度は剣を交えて。」

零士「いいぜ。」

ミツルギ「そうか。では、これで失礼する。」

 

 そう言って去って行った。

 

ミツルギside

 

 どうやら、彼は相変わらずだったな。

 あの時よりも強くなっているのが分かる。

 だけど、今度こそ彼に勝ちたい。

 あの時はデザストとの勝負の結果だったが、剣を交えてみたい。

 

デザスト「少しはマシになったな。」

 

 デザストが戻ってきた。

 一応、人間態になってもらっている。

 

ミツルギ「………彼には本気で戦って勝ちたいんだ。」

デザスト「そうか。なら、更に特訓しねぇといけねぇな!」

ミツルギ「そうだね。」

 

 デザストも良い奴だと分かった。

 少し、僕は迷っていたが、それでも強くなって、アクア様を守れる様になりたい。

 改めてそう決意した。

 

零士side

 

 ミツルギと話し終えて、しばらく散策していると、カイト達と合流して、食事をして、その日は帰宅した。

 すると。

 

アクア「ふわあああああ!ぶわあああああ!あああああああ!!」

 

 アクアが号泣しながら帰ってきた。

 床に両手をつけて泣き喚いていた。

 しかも、やけに泥だらけだ。

 

零士「どうした?」

カズマ「何があったんだ?」

アクア「うっ、うっ……。今日の試練は、正解の扉を選ぶまで何度でもチャレンジしてもらう感じだったけど、それで………!」

 

 それってアレだな。

 日本のバラエティ番組とかでよくある、ハズレを選ぶと泥のプールに突っ込むあれか。

 よりにもよって運試しかよ。

 運のステータスが極端に低いアクアとは相性が悪すぎる。

 ミツルギがコレを見たらキレるだろうな。

 会わせなくて良かった。

 アイツ、良い奴だとは思うが、アクアが絡むと人の話を聞かないしな。

 その後、リナと2人きりでまた布団の中へ。

 

零士「やっぱり、緊張する。」

リナ「そ、そうね。」

 

 ヤバい。

 いくら日数が経っていても、緊張してしまうな。

 すると、リナが口を開く。

 

リナ「あ、あのさ。あの時はごめんね。」

零士「ああ。気にするな。」

リナ「良かった……。」

零士「それに、君と一線を超えたいのは、俺も一緒だからさ。」

リナ「そうなの……?」

零士「ああ。だけど、それは今じゃないと思うから。」

リナ「そっか……。」

零士「でも。」

リナ「えっ。ウッ!?」

 

 俺は不意打ちでリナの口を塞ぐ。

 そして、リナの口の中に舌を入れる。

 もう慣れたのか、リナが自身の舌を俺の舌と絡ませる。

 それは息が続くまで続いた。

 

リナ「………いきなり狡いわよ。」

零士「悪い。でも、こんな事をするのは、君だけだよ。」

リナ「………益々好きになっちゃう。」

零士「そっか。なら、寝ようぜ。」

リナ「………お休み。」

 

リナside

 

 零士とのあの激しいキスを思い出すと、どうしても赤くなっちゃう。

 何か、手玉に取られてるみたい。

 

リナ「………まったく。君のせいなんだから、ちゃんと責任取ってよね。」

 

 そう、あんな風になったのは、彼が原因だ。

 彼に対する愛は、もう抑えきれない。

 いずれ、結婚すると思うけど、子供も欲しいと思っている。

 その為にも、彼に更に猛アタックしないと。

 




今回はここまでです。
リバイスも、ヒロミさんがどうなるのか不安です。
このファンも小説化しますし、楽しみです。


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83話 激突する、炎の剣士と世界の破壊者

零士side

 

 翌日、まためぐみんが連れて行かれ、今度は解放されなかった。

 呆然としているゆんゆんを見て。

 

カズマ「という訳で、ゆんゆんの最終試験なんだが。」

アクア「私は絶対嫌。」

ダクネス「わ、私は……その、うう……。」

ゆんゆん「皆さんはそれで良いんですか!?めぐみんがまた連れて行かれちゃいましたけど!」

 

 まあ、慣れた。

 すると、ダクネスが俺達を見てきた。

 

ダクネス「……第一試練は私が受けて、第二試練はアクアが受けた。なら、ここはカズマか零士、リナ、カイト、カリン、ユーリの誰かの方が良いだろう。」

カズマ「それなんだがな。めぐみんから止められてて。もぐにんにんが出るからな。」

ダクネス「だから、そのもぐにんにんとは何なのだ!?」

 

 知るか。

 紅魔族に聞いてくれ。

 

リナ「私も、零士が参加するのは反対。もぐにんにんに倒されちゃ嫌だから。」

ユーリ「なら、俺が受けよう。」

ゆんゆん「良いんですか!?」

 

 という事で、ユーリと共に試練を受ける事になったそうだ。

 

ゆんゆんside

 

 まさか、ユーリさんと共に受けるなんて。

 

ゆんゆん「あ、あの!宜しくお願いします!」

ユーリ「ああ。俺に任せろ。」

 

 どうするのかというと、モンスターが近づいてきたら、私の魔法で撃退。

 それでも近づいてきたら、ユーリさんが迎撃する手筈になっている。

 

ユーリ「では、行こうか。」

 

『エックスソードマン!』

『最光発光!』

 

ユーリ「変身!」

 

『Get all colors!エックスソードマン!』

『エピソード1!フルカラーで参上!ババババーン!』

 

 ユーリさんは、仮面ライダー最光に変身している。

 仮面ライダーであるユーリさんが居てくれると、本当にありがたい。

 

ゆんゆん「ユーリさんは、大丈夫ですか?」

ユーリ「問題無い。……それよりも、ゆんゆんはどうしてそこまで族長の座を欲するんだ?」

ゆんゆん「それはですね………。」

ユーリ「もしかして、めぐみん関連か?」

 

 この人はどこまで見通してるんだろう?

 

ゆんゆん「今度こそ、めぐみんに私の勝ちだって言ってやりたいんです。」

ユーリ「なるほどな。………それよりも、モンスターが出たぞ!」

 

 ユーリさんの一言と共に、私は魔法を放ち、仕留めきれなかったモンスターは、ユーリさんが聖剣で斬り捨てる。

 そして、ずっと言えなかった事をめぐみんに言ってやるんだから。

 

零士side

 

 翌朝、疲れた顔でゆんゆんとユーリが帰ってきた。

 本当に大変だったんだな。

 これにより、ゆんゆんが次期族長となった。

 そうして、泥の様に寝ていたゆんゆんが起きると、お祭り騒ぎになっていた。

 

紅魔族「族長!族長!」

ゆんゆん「ま、待って!まだ私は次期族長だから!お父さんが寂しそうにしてるから!」

ユーリ「良くやったよ。」

ひろぽん「ユーリと言ったね。我が娘の事をよろしく頼むよ。」

ユーリ「ああ。友人としてな。」

ひろぽん「え!?」

 

 どうやら、ユーリはゆんゆんと付き合う気はこれっぽっちも無いようだ。

 まあ、ユーリらしいが。

 

リナ「良かったわね。」

零士「ああ。………ところで、後ろに居るお方はどちら様で?」

???「勘のいい奴だな。」

 

 そう言って現れたのは、門矢士だった。

 

リナ「士さん。どうしたんですか?」

士「何。そこの炎の剣士に用があるだけだ。」

零士「………分かりました。」

士「決まりだな。場所を移すぞ。」

 

 カズマに用事で席外すと伝えて、リナと共に士さんの元へ。

 

零士「それで?俺に用事って?」

士「なあに。簡単な話だ。お前の実力を知っておきたくてな。」

 

 そう言って、ネオディケイドライバーを取り出して腰に装着した。

 

零士「分かりました。……リナは下がって。」

リナ「うん……。」

 

 俺も聖剣ソードライバーを取り出して腰に装着する。

 士さんは、ライドブッカーから一枚のカードを取り出して、構える。

 

士「変身。」

 

『KAMEN RIDE…DECADE』

 

 その音声と共に、門矢士さんは、10番目の平成仮面ライダーにして、世界の破壊者、仮面ライダーディケイドへと変身した。

 俺もブレイブドラゴンのワンダーライドブックを取り出す。

 

『ブレイブドラゴン!』

『烈火抜刀!』

 

零士「変身!」

 

『ブレイブドラゴン!』

『烈火一冊!』

『勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く!』

 

 俺も変身し終えて、俺と士さんは、それぞれの武器をぶつけ合う。

 

士「ほう。やるじゃないか。」

零士「伊達にこの世界で生きてた訳じゃあ無いんでね!」

士「そうだったな。なら、次はこれだ。」

 

 お互い離れると、士さんは、ライドブッカーから新たなカードを取り出す。

 

『KAMEN RIDE…AGITO』

 

 その音声と共に、ディケイドは、2番目の平成ライダーである仮面ライダーアギトへと変身した。

 まあ、ディケイドアギトにだが。

 

リナ「姿が変わった。」

零士「アレがディケイドだ!なら……!」

 

『金色龍のアギト!』

『かつて記憶をなくした1人の男が金色の戦士に目覚めた…。』

 

 俺は金色龍のアギトワンダーライドブックをソードライバーのライトシェルフに装填して、抜刀する。

 

『烈火抜刀!』

『神獣を宿す!レジェンドライダー!』

『アギト!』

『伝説一冊!』

『正義の心は、さらなる力を剣に宿す!』

 

 俺は《セイバー×ゴースト》を見て、もしかしたらと思いやってみた。

 

士「ほう。まさか、アギトにアギトの力をぶつけてくるとはな。」

零士「アギトが2人。粋な計らいでしょ?」

士「……俺がかつてゲイツに向かって言った事を言うとはな。良いだろう。」

 

 そうして、双方共にフレイムセイバーを召喚して、二刀流でぶつけ合う。

 

士「ほう!アギトの力まで使いこなしているとはな!」

零士「まあですね!」

士「なら、次はこれだ。」

 

『KAMEN RIDE…WIZARD』

『ヒー!ヒー!ヒーヒーヒィー!』

 

 次は、14番目の平成ライダーにして、希望の魔法使い、仮面ライダーウィザードへと変身した。

 

零士「なら……!」

 

『希望の竜使いウィザード!』

『かつてドラゴンを従え最後の希望となる戦士がいた…。』

 

 希望の竜使いウィザードワンダーライドブックを取り出して、アギトのワンダーライドブックを抜いて、抜刀する。

 

『烈火抜刀!』

『神獣を宿す!レジェンドライダー!』

『ウィザード!』

『伝説一冊!』

『正義の心は、さらなる力を剣に宿す!』

 

 俺も、ウィザードの力を宿した形態へと変身する。

 

士「ウィザードも合わせてくるか。」

零士「行きますよ!」

 

 俺は、ウィザードの得意とするアクロバティックな動きを入れた攻撃をする。

 ウィザーソードガンのソードモードと火炎剣烈火を使い、イメージとしてはフレイムドラゴンの様な戦闘スタイルで。

 

士「なるほどな。なら、次はこれだ。」

 

『KAMEN RIDE…GHOST』

『レッツゴー!覚悟!ゴ・ゴ・ゴ!ゴースト!』

 

 次は、17番目の平成ライダーにして、英雄の心を繋いで戦った、仮面ライダーゴーストのオレ魂に変身した。

 

零士「だったら……!」

 

『ゴースト偉人録!』

『かつて歴史に生きた偉人の魂をその身に宿し命を燃やす…。』

 

 ゴースト偉人録ワンダーライドブックを取り出して、抜刀する。

 

『烈火抜刀!』

『神獣を宿す!レジェンドライダー!』

『ゴースト!』

『伝説一冊!』

『正義の心は、さらなる力を剣に宿す!』

 

 俺も、《セイバー×ゴースト》にて披露されたゴースト偉人録へと変身する。

 

士「なるほどな!」

零士「行くぜ!」

 

 火炎剣烈火とガンガンセイバーの二刀流でディケイドゴーストと戦う。

 お互いにぶつけ合い、吹っ飛ばされる。

 

士「そろそろ締めと行くぞ。」

零士「そうですね!」

 

『FINAL ATTACK RIDE…GHO GHO GHO GHOST!』

『必殺読破!』

『ゴースト!一冊撃!』

『ファイヤー!』

 

 俺とディケイドは、お互いにオメガドライブ オレを発動する。

 お互いのキックが当たって、変身解除する。

 

士「まさか、ここまで成長するとはな。」

零士「俺だって、世界を救うんだよ。」

士「なるほどな。……ほれ。」

 

 すると、士さんはワンダーライドブックを放り投げてくる。

 それは、ディケイド世界旅行記NEOだった。

 そう、どういう訳か、エリス様から渡された際にこれだけ無かったのだ。

 

士「お前なら、神山飛羽真の様に物語の結末を決めるかもな。……またいずれ会おう。」

 

 オーロラカーテンを出しながら撤退した。

 さて、帰るか。

 俺達は紅魔の里へと戻って、寝た。

 翌日、カズマとめぐみんを迎えに行き、そのままアクセルへと戻った。

 カズマ曰く、海東大樹と出会い、彼が召喚した深海マコトとも出会って、彼からスペクター激昂戦記を受け取ったそうだ。

 




今回はここまでです。
零士の前に門矢士、カズマの前に海東大樹が現れました。
次回で、第14章も終わりです。


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84話 邂逅せし、プリースト

 その後、アクセルへと戻り、俺達はギルドへと向かっていた。

 その際に、俺とリナが居なかったのは、門矢士と出会っていて、カズマとめぐみんが居なかったのは、爆殺魔人もぐにんにんを倒して、海東大樹と出会っていたからと説明した。

 

ダクネス「まさか、以前出会った門矢士とまた会うとはな。」

アクア「それに、あの怪盗まで現れるなんて。あの2人は何を企んでるのか分かんないわ。」

 

 そう言うなって。

 そんな話をしつつ、ギルドへと到着する。

 カズマがもぐにんにんの賞金を受け取っていると、声を掛けられた。

 

???「あの、あなた方が、サトウカズマ様と神崎零士様ですか?」

 

 そこに居たのは、いかにも神官みたいな格好の女性だった。

 誰だろうか?

 

零士「あの、どちら様ですか?」

セレナ「私はセレナと申します。……突然ですが、どうか貴方様方のパーティーに入れて頂けませんか?」

アクア「はあー?いきなり現れて何言ってるのよ?このパーティーには既に私がいるので、他のプリーストは要りません。分かったら、あっちへ行って。ほら、あっちへ行って!」

 

 恐らく、自分の存在意義を奪われないかと警戒しているようだ。

 

零士「悪いけど、アクアが居るから、他を当たってほしいな。」

カズマ「悪いけどな。」

セレナ「………仕方ありません。今日はこれで失礼します。ですが、私が居ると役に立ちますよ?」

 

 そう言って引き下がっていった。

 翌日、ギルドは凄い事になっていた。

 セレナがタダで支援魔法をかけていた。

 

セレナ「あら、カズマ様に零士様ではありませんか。どうですか?支援魔法のサービスを受けていきませんか?」

 

 そう言ってきた。

 その後、アクアが突っかかってきたものの、正論を言われて引き下がった。

 そして、ギルドの職員から、共同墓地からアンデッドが大量発生しているようで、それを聞いて、アクアに視線が集まった。

 その後、共同墓地に向かうと、大量にいた。

 

零士「多すぎやしないか?」

リナ「そうね。」

ユーリ「早く片付けるか。」

 

 だが、アクアのターンアンデッドがどういう訳か効かずに、セレナのターンアンデッドでアンデッドが浄化された。

 その後、セレナは大量の冒険者に取り囲まれていて、アクアは放置されていた。

 少し気になる事があるな。

 

零士「………。」

リナ「何が気になるの?」

零士「………いや、アクアのターンアンデッドが効かないで、セレナのターンアンデッドが効いたのは何でだろうなと。」

カイト「確かにな。」

カリン「何でだろう?」

ユーリ「怪しいな。」

 

 アクアが追い詰められているな。

 しばらくして、セレナが女神だと崇められる様になっていた。

 ちなみに、ダクネスは、俺とカズマを除く全員を連れて、何処かへ行った。

 アクアはギルド受付のカウンターに勝手に入って、そこから監視していた。

 アクア曰く、本来、あそこで冒険者達を治療して癒しの女神扱いされるのは自分の仕事だと言っている。

 アクア、一度もそんな事してないだろ。

 その後、色々な騒動をカズマと共に見ていると、セレナがこっちに来た。

 セレナ曰く、話があるそうだ。

 俺達は人気の無い路地に移動していた。

 

零士「……それで、話って何ですか?」

セレナ「実はですね………。」

 

 セレナが語ったのは、美しい少女が呪いで魔王にされたそうだ。

 

セレナ「カズマ様に零士様。貴方がたこそは神に選ばれし者。魔王を退治しようとしているのでしょう。ですが魔王も、元は憐れな1人の少女なのです!」

零士「それは分かったけど、何で俺達が神に選ばれた存在だって断定出来るんだ?」

セレナ「実は、貴方がたの聖剣を聞いて、直感しました。稀にとてつもない力を秘めた者が現れるのと合致するんです!」

 

 まあ、エリス様から火炎剣烈火を受け取った訳だし。

 とてつもない力を秘めた者というのも、チート持ちの日本人だろうしな。

 そんな事を考えていると。

 

ウィズ「セレスディナさん?セレスディナさんじゃないですか!?」

 

 どうやら復活したらしいウィズがセレナに声を掛けてきた。

 まさか、こいつ魔王軍の幹部か?

 だとしたら、先ほどの話も信憑性が薄れてくるな。

 

ウィズ「あっ、カズマさんに零士さんまで!2人って、私といいバニルさんといいセレスディナさんといい、魔王軍の幹部に随分と縁がありますね!」

 

 確定だな。

 ウィズって、天然なのか?

 ハンスの時も世間話をするかの様なノリで正体を明かしてくれた。

 セレナ改めてセレスディナは、ウィズにヒールをかけて、ウィズは、怒りながら帰って行った。

 

セレスディナ「……変わった方ですね、ヒールを掛けたら煙が出ました。」

零士「そりゃあ、リッチーだからな。」

カズマ「そんな事はご存知でしょうセレスディナさん。」

セレスディナ「………違うんです!」

零士「………何が違うか聞いてもいいか?」

 

 セレスディナ曰く、あの話は本当で、呪いで魔王と化した少女の姉で、助けたいが為に仕方なくだそうだ。

 すると。

 

バニル「妹の事を想うと何だ?汝、良いところで邪魔をされ、呪いに掛かっているのではと悩む男よ。汝、いつ一線を超えようかと悩んでいる炎の剣士よ。」

 

 そう言ってバニルが現れた。

 セレスディナは、バニルに苦手意識を持っているのか、体を震わす。

 バニルが出してきた商品は、虫コロリンというらしく、これを使うと、虫刺されを気にする事なく寝れるらしい。

 セレスディナはそれを買った。

 

零士「……なあバニル、それって虫以外も、ネズミよりも小さかったら死ぬのか?」

バニル「もちろん死ぬ。」

カズマ「……じゃあ、人の体の中の微生物やら抗体とかも?」

バニル「もちろん死ぬ。」

 

 ガラクタじゃないか。

 セレスディナはそれを聞いて返品しようとするも、バニルに暴露されそうになり、有金をむしり取られたらしい。

 その際にチンピラ言葉になっていた。

 

セレスディナ「……あ、有り金が……。」

 

 気の毒だなぁ。




今回はここまでです。
今回で第14章は終わりです。
ジャックリバイスも、一輝とバイスの立場が入れ替わるので、心配になりますね。


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第15章
85話 交渉する、2人の剣士と魔王軍幹部


 俺達の目の前に、魔王軍幹部の1人、セレスディナが居た。

 そのセレスディナが人差し指と中指を閉じたり開いたりしてイライラしていた。

 

セレスディナ「煙草だよ煙草。お前ら、冒険者なら吸ってるんじゃないのか?」

零士「生憎、吸ってない。」

カズマ「俺も。」

 

 この女は、チンピラだった。

 やがて深々とため息を吐いて。

 

セレスディナ「今更誤魔化してもしょうがねぇな。………あたしは魔王軍幹部、謀略と諜報を担っているセレスディナ。傀儡と復讐を司る邪神、レジーナを崇拝するダークプリーストだ。」

零士「邪神ね。………普通、邪神って呼ばれるとキレるのが相場じゃないのか?」

セレスディナ「まあ、あたしんとこの神様は傀儡と復讐を司るんだぜ?邪神以外の何だってんだよ。」

 

 そういうもんか。

 ん?傀儡……。という事は。

 

零士「じゃあ、共同墓地のゾンビも。」

セレスディナ「理解が早いな。おう、あたしあたし。ありゃゾンビじゃなくて、あたしの傀儡だ。大変だったよ。いちいち死体を引き摺り出さないと行けないしな。」

カズマ「………じゃあ、さっき話してた、美少女が呪いで魔王に云々とかってのは……。」

セレスディナ「ああ?あんなもんを本気で信じてたのかよ?………まあ、そこの炎の剣士は信じてないっぽいが。」

零士「そりゃそうでしょ。」

 

 怪しかったしな。

 一応、用件を聞くか。

 

零士「それで?用事って?」

セレスディナ「ああ。………お前らと取引したいのさ。」

カズマ「取引?」

セレスディナ「実はな。誰かさんらのおかげで長い間膠着状態だった戦況が、ここ最近動きまくってな。そろそろ魔王城の結界が壊れそうなんだよな。」

零士「確かにな。結界が壊れれば、紅魔族が連日連夜、テレポートで襲撃に来るしね。」

セレスディナ「だけどな、人類側もなんだよ。ヤバいのは。ちょっと前まではどこからともなく、現れるヤツらが、ここ最近現れないんだよな。」

カズマ「…………。」

 

 ああ、大体分かった。

 カズマがアクアを連れてきた事で、チート持ち日本人が補充されなくなったからだ。

 俺はエリス様を介してだが、恐らく、俺が死んだ時にジュンの魂が入り込んだからだ。

 だから、エリス様が対応したんだな。

 

セレスディナ「それで、お前さんらに取引を持ち掛けたいのさ。」

カズマ「ど、どんな取引?」

零士「…………。」

セレスディナ「お前らさ、魔王軍に入れよ。」

「「……………は?」」

 

 何でそんな事を言うんだ?

 

セレスディナ「お前らが入れば多少はバランスは取れるだろ。」

零士「悪いが、それは無理だ。」

セレスディナ「まあ、そうなるのは分かってるから、別の条件だ。あたしの正体は例えアンタらの仲間だろうとバラさない事。この街でこれからやろうとしている事に手出しはしない事。ウィズとバニルにはチクらない事だ。」

カズマ「…………分かった。」

零士「致し方あるまい。」

 

 まあ、闇黒剣月闇の未来予知であっさりバレそうだけど。

 そうして、セレスディナに金を貸して、去って行った。

 屋敷への帰り道に、俺はカズマと話し合っていた。

 

カズマ「………どうすんだ、零士?」

零士「多分、カイトの闇黒剣月闇で予知している可能性があるな。」

カズマ「つまり。」

零士「戦いは避けられないって事だ。」

 

 そう話して、屋敷に帰ってきた。

 すると、カイト達に首根っこを掴まれた。

 

零士「どうした?」

カイト「話がある。」

カズマ「ですよねぇ。」

 

 俺達はリビングに集まった。

 全員、少し苛立った顔をしていた。

 まあ、理由は分かるけど。

 

零士「………それで?話って?」

カイト「お前ら、魔王軍幹部と交渉したみたいだな。」

カズマ「ですよね。」

ダクネス「何故それを言わない!?あのセレナとか言う女は魔王軍幹部だろう!?」

リナ「ダクネス落ち着いて。………カイト曰く闇黒剣月闇が未来を見せてきたの。」

 

 やっぱり。

 アクアが近づいてきて。

 

アクア「何でアンタら黙ってたのよ!!」

 

 そう言って首を絞めてきた。

 おい待て!死ぬ!!

 

めぐみん「アクア!落ち着いて下さい!!」

カズマ「おい!やめろよ!!」

零士「悪かったって!でも、色々と脅迫受けてて仕方ないんだよ!」

カイト「………明日言われるけどな、アイツを殺すと大量虐殺の呪いを振り撒くらしいぞ。」

 

 マジかよ。

 迂闊に手が出せないな。

 流石にアクアも解放した。

 

ユーリ「とにかく、奴を倒すと大量虐殺の呪いが振り撒かれる。」

ダクネス「なら、アイツを今すぐひっ捕らえれば!」

カイト「多分、無理。冒険者の大半がセレナ側についてる以上、迂闊には動けない。」

 

 くそ、こんな時に動けない自分が悔しい。

 このままじゃ、この街は魔王軍に乗っ取られるかもしれない。

 そんな葛藤を抱きつつ、俺達は寝た。

 一応、アイツにバレない為に、話していないフリをしてくれと依頼した。

 




今回はここまでです。
いよいよ、このすばの原作のストーリーが佳境に入りました。
リバイスでは、weekendにフェニックス、そしてジャックリバイスと、機になる事が多いです。


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86話 追い詰められし、水の女神

そうして、セレスディナが現れてからしばらくしたアクセルでは、セレスディナがアクセルの聖女として崇められていた。

 久しぶりにアクセルハーツと出会っていた。

 

リア「何なんだ、あの人は?」

シエロ「あの人がいるせいで、僕の存在価値ってあるのかな?」

エーリカ「シエロは私たちには必要なの!」

零士「………厄介な事になりそうだ。」

 

 一応、アクセルハーツには黙っている。

 流石にこれ以上言うと、ボロが出そうなので。

 しかし、アイツは何を企んでいるのだろうか?

 そんな事を考えていると。

 

冒険者「セレナ様ー!すいません、討伐の最中にコイツが怪我しまして……!かなりの重傷でして……!どうか助けて貰えませんか!?」

 

 すると、冒険者が入ってきた。

 2人ほど、即席の担架で運ばれていた。

 かなりの重傷だ。

 すると、負傷した冒険者が。

 

冒険者「……クア……、アクア……の姉ちゃん……の所に……。」

アクア「私ならここにいるわよー!任せなさいな!」

 

 だが、どういう訳か、セレナの取り巻きの連中に遮られた。

 セレナがヒールを掛けまくって、治した。

 

冒険者「あ………ありがとうございますセレナ様……!」

 

 何だこれ?

 冒険者が負傷するのは日常茶飯事だが、涙を零して様付けするまでもない。

 アクアが近づいてまだ治りきってない傷を治そうとすると、アクアの翳した手が振り払われた。

 

アクア「えっ………。」

冒険者「俺はセレナ様に癒して貰いたい。余計な事はしないで放っておいてくれ。」

 

 ソイツは、そうキッパリと告げた。

 アクアはトボトボと帰ってきた。

 

エーリカ「何よあの言い方!?」

シエロ「流石にアクアさんが可哀想……。」

リア「どうなっているんだ……?」

リナ「零士。話があるの。」

零士「何だ?」

 

 俺はリナと共に冒険者ギルドの外へと出て、話をする事に。

 

零士「どうした?」

リナ「あちこち駆けずり回って分かったけど、レジーナは傀儡と復讐を司って、借りを作ると傀儡にされるの。」

零士「そういう事か………!」

 

 なるほど、さっきの態度の豹変の意味が分かったぞ。

 セレスディナに回復してもらった事で、借りを作った事になり、それで操られているのか。

 なんて事考えやがる。

 …………どうしたものか。

 現在、ある意味で、冒険者達を人質に取られているのに等しい。

 下手に動けば、危険に晒される。

 

リナ「とにかく、警戒しないと。」

零士「分かってる。」

 

 だが、現状どうにもできないのは事実だ。

 セイバーも、傀儡と化した冒険者の解除なんて出来る能力はない。

 出来るとしたら、仮面ライダーゴーストなのだが、アレは体内に侵入した眼魂を取り出すだけだ。

 今回、眼魂は埋め込まれていない。

 何か、セレナの能力をどうにかできないか。

 一旦、カズマ達を連れて離脱する。

 屋敷のリビングにて。

 

カズマ「厄介だな、その能力。」

ユーリ「カイト。闇黒剣月闇の未来予知は、どうなっている?」

カイト「アクセルに、魔王軍が襲来してきて、アクセルが壊滅する未来が見える。」

リナ「でも、何でアクセルを?」

零士「分かった。………確かに、このままじゃあ、人類は滅ぶ。」

めぐみん「どういう事ですか?」

 

 俺は語った。

 アクセルが無くなれば、駆け出し冒険者は鍛える事が出来ない。

 即ち、冒険者が強くならずに、そのまま人類は負けて、滅ぶ。

 それを聞いて全員が青褪めた。

 

カリン「それって、不味いじゃない!」

ユーリ「どうにか阻止しなければ。」

零士「…………簡単に言うけどな、どうしたもんかねぇ。」

 

 俺はそこを悩んでいる。

 

リナ「どういう事なの?」

零士「俺達の聖剣には、傀儡を解除する力なんて無いし、そんな事が出来る仮面ライダーも、一応居るけど効くかどうかは分からない。」

 

 そう、これが現実だ。

 聖剣を持った剣士とは言っても、こればっかりはどうにも出来ない。

 一応、出来なくは無いが、慎重になってしまう。

 すると、後ろから声がかけられた。

 

???「だからって、諦めるのか?」

零士「!………士さん。」

 

 どこから入ったのか、門矢士が居た。

 

士「お前は物語の結末を決めるんだろう?諦めてどうするんだ?」

零士「でも、傀儡を解除する力を持つ仮面ライダーなんて、居ない………。」

士「いるだろ。ゴーストを使え。」

零士「え?」

 

 確かに、仮面ライダーゴーストの力を使う事を考えはしたが、出来ない可能性が高いので、躊躇してしまう。

 

零士「でも………。」

士「ハァ……。お前も仮面ライダーだろ?そんな事で諦めてどうする?」

零士「士さん……。」

リナ「そうよ。諦めるなんてあなたらしくないわよ。」

カイト「そうだぜ。お前は何度も闇黒剣月闇が見せてきた未来を変えただろ?」

カリン「なら、本気で行きなさいよ。」

カズマ「ああ。仮面ライダーなら、やるべきだと思うぜ。」

ユーリ「ああ。未来を掴め。」

めぐみん「1人で抱え込みすぎですよ。」

ダクネス「そうだな。私たちも頼れ。」

アクア「お願い………。」

零士「皆………。」

 

 そうだった。

 この世界を救う為に仮面ライダーセイバーになってこれまで戦ってきたんだ。

 それなのに諦めるなんて、火炎剣烈火や、神山飛羽真さん、上條大地さんに呆れられる。

 覚悟を決めるか。

 

零士「分かった……!士さんもありがとうございます。」

士「それで良い。………それに、俺が渡したあのワンダーライドブックも使え。」

 

 俺達は、魔王軍幹部のセレスディナと決着をつける事にした。

 




今回はここまでです。
前章と同じく、ゴーストの力が役に立つ。
次回、セレスディナとの決着です。


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87話 決着する、剣士達と魔王軍幹部

零士side

 

 しばらくして、セレスディナと対峙していた。

 

セレスディナ「どうした、神崎零士?分かってんだぞ。お前にはどうしようも出来ない。」

零士「………そうだな。でも、俺ってさ、こう見えても諦めが悪いんだわ。………傀儡化した冒険者達は返してもらうぜ。」

セレスディナ「へっ!やってみろよ!お前ただ一人じゃあ、何も出来ないぞ!」

 

 そう、セレスディナの背後には傀儡化した冒険者達が溢れているのに対して、俺はたった1人でいる。

 

零士「確かに、俺1人じゃあ、無理だな。」

セレスディナ「分かってんじゃねえか。」

零士「でも、俺は1人じゃない。」

 

 背後からブックゲートを使って、カズマ達が現れた。

 それに、ウィズとバニルも。

 

セレスディナ「え?ウィズにバニルまで?」

ウィズ「セレスディナさん。この街を襲わせるって本当ですか?」

バニル「フハハハハハ!!人類が滅んでしまっては、悪感情を得る事も、我が夢も叶わないのでな。助太刀に入った。」

 

 そう、この際、ウィズとバニルにもぶっちゃけた。

 セレスディナが何を企んでいたのかを。

 そうして、2人の助太刀も入った。

 

セレスディナ「や、やんのか!?私を殺したら大量虐殺の呪いが振り撒かれるんだぞ!」

零士「なら、生捕りだ。それに、こんなもんを使えるしな。」

 

『ゴースト偉人録!』

『烈火抜刀!』

 

零士「変身!」

 

『神獣を宿す!レジェンドライダー!』

『ゴースト!』

『伝説一冊!』

『正義の心は、さらなる力を剣に宿す!』

 

 ゴースト偉人録へと変身して、セレスディナを退かして、天空寺タケルがやっていた様に、印を結んで、それを冒険者にぶつける。

 すると、冒険者達は気絶した。

 

セレスディナ「ど、どういう事だよ!?」

零士「見たまんまさ。傀儡状態は解除した。」

 

 上手くいって良かった。

 

セレスディナ「ば、馬鹿な……!」

零士「さて、お前は捕まえる。」

セレスディナ「クッ!そうは行くか!」

 

『カリュブディス!』『白雪イエティ!』『はだしの王様!』『猫にアクセサリー!』

 

 すると、カリュブディス、イエティメギド、王様メギド、ネコメギドを召喚する。

 

零士「遠慮は要らないな!」

カズマ「行くぜ!」

 

『エレメンタルドラゴン!』

『タテガミ氷獣戦記!』

『ランプドアランジーナ!』『ニードルヘッジホッグ!』『トライケルベロス!』

『玄武神話!』

『猿飛忍者伝!』

『ヘンゼルナッツとグレーテル!』

『ジャオウドラゴン!』

『エックスソードマン!』

『昆虫大百科!』

『オーシャンヒストリー!』

『烈火抜刀!』

『流水抜刀!』『タテガミ展開!』

『黄雷抜刀!』

『一刀両断!』

『双刀分断!』

『銃剣撃弾!』

『闇黒剣月闇!』

『最光発光!』

『狼煙開戦!』

『界時逆回!』

 

「「「「「「「「「変身!」」」」」」」」」

 

『エレメンタルドラゴン!』

『氷獣戦記!』

『ゴールデンアランジーナ!』

『ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!』

『風双剣翠風!』

『音銃剣錫音!』

『ジャオウドラゴン!』

『エックスソードマン!』

『昆虫!CHO!大百科!』

『オーシャンヒストリー!』

 

 俺達は仮面ライダーに変身して、カリュブディスには俺とリナが、イエティメギドにはカズマとめぐみんが、王様メギドにはダクネスとカリンとカイトが、ネコメギドにはユーリとリアとエーリカが担当する。

 カリュブディスメギドは、食った物の能力を取り込めるから、遠距離戦はしない。

 だから、接近戦に持ち込む。

 

カリュブディス「ハアッ!」

零士「フッ!」

リナ「セイッ!」

 

 俺とリナは連携し合って、カリュブディスを追い詰めていく。

 時折、空間を食って、そっちに近づけたりしてきたが、それもどうにかした。

 

零士「そうだ!」

 

『ディケイド!』

『ふむふむ』

『習得一閃!』

 

 俺は、ディケイド世界旅行記NEOをシンガンリーダーで読み込んで、ディメンションスラッシュを発動して、怯ませる。

 

『必殺読破マシマシ!』

『必殺読破!』

『烈火抜刀!』

『黄雷抜刀!』

『エレメンタル合冊斬り!』

『ケルベロス!ヘッジホッグ!アランジーナ!』

『3冊斬り!』

『サ・サ・サ・サンダー!』

 

零士「森羅万象斬!」

リナ「トルエノ・デル・ソル!」

 

 俺達の必殺技が当たり、カリュブディスは倒された。

 

カズマside

 

 以前に戦ったイエティメギドと戦う。

 めぐみんとも連携は取れていて、問題なくイエティメギドと戦っている。

 イエティメギドが吹雪の攻撃をしてくるが、タテガミ氷獣戦記となった俺からしたら、何の問題もない。

 

めぐみん「案外上手く行ってますね!」

カズマ「ああ!行くぜ、めぐみん!」

めぐみん「はい!」

 

『必殺凍結!』

『猿飛忍者伝!』『ニンニン!』

『流水抜刀!』

『タテガミ氷河斬り!』

『翠風速読撃!』『ニンニン!』

 

カズマ「ブリザード・ブレイズ!」

めぐみん「疾風剣舞・二連!」

 

 俺の氷の刃とめぐみんの風の刃がイエティメギドに命中して、爆散した。

 

カイトside

 

 ダクネスとカリンが以前戦ったという王様メギドと戦っている。

 王様メギドは王冠のエネルギー弾をこちらに向かって撃ってくる。

 それを、居合技で蹴散らしている。

 

ダクネス「もうお前の顔を見るのも飽きた!」

カリン「さっさと決めよう!」

カイト「そうだな!」

 

『玄武神話!』『ドゴーン!』

『ヘンゼルナッツとグレーテル!』『イェーイ!』

『ジャオウ必殺読破!』

『会心の激土乱読撃!』『ドゴーン!』

『錫音音読撃!』『イェーイ!』

『ジャオウ必殺撃!』『You are over……!』

 

ダクネス「大断断!」

カリン「スナック・音・ザ・チョッパー!」

カイト「邪王斬撃波!」

王様メギド「またまたさらばじゃあ〜〜!」

 

 俺達3人の必殺技が当たり、王様メギドは爆散した。

 

リアside

 

 私、エーリカ、ユーリの3人でネコメギドと相対していた。

 ネコという事もあり、とても俊敏だった。

 

ネコメギド「お前らには私は倒せない!」

ユーリ「一度俺に倒された奴が言っても説得力が無いな!」

リア「私に任せてくれ!」

 

 私は時国剣界時のカイジスピアを抜いて、カイジトリガーを引く。

 

『界時抹消!』

 

 時間削り攻撃を発動して、ゆっくりとだが、ネコメギドの背後に向かい、そこでカイジスピアを戻して、カイジトリガーを引く。

 

『再界時!』

 

 即座にネコメギドに時国剣界時を振るい、ダメージを与える。

 

リア「一気に決めるぞ!」

エーリカ「ええ!」

ユーリ「ああ!」

 

『必殺時刻!』

『狼煙霧中!』

『フィニッシュリーディング!』

『オーシャン三刻突き!』

『インセクトショット!』

『サイコーカラフル!』

 

リア「オーシャン三刻突き!」

エーリカ「ハァッ!」

ユーリ「エックスソードブレイク!」

ネコメギド「にゃに〜〜!?」

 

 私たち3人の必殺技が当たって、ネコメギドは爆散した。

 

零士side

 

 どうやら、全員倒したようで、腰を抜かしているセレスディナの元へと向かう。

 

零士「終わりだ。」

セレスディナ「………!ストリウス!ストリウスはどこだよ!?」

ストリウス「呼びましたか?」

 

 そう言ってストリウスが現れた。

 

セレスディナ「ストリウス!私を助けてくれ!」

ストリウス「いや、あなたは助ける価値などありませんよ。アルターブックは回収させてもらいますね。」

セレスディナ「へ?」

ストリウス「それでは、また今度。」

 

 そう言って消えた。

 セレスディナが呆然としていると、俺達はセレスディナを捕まえた。

 一応、簀巻きにして動けなくした。

 カズマが責任を持って、レベルリセットポーションを使い、セレスディナのレベルを1にして、呪いにより、カズマもレベル1になった。

 抵抗するセレスディナを気絶させて、俺も気絶した。

 




今回はここまでです。
次回で、第15章は終わりです。
そして明日、ヒロミさんが死ぬのか、生きるのかが分かりますね。
賢者の孫とリバイスの小説での世界線としては、アールスハイドよりも遠い国では、仮面ライダーが現れている事になっている。


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88話 失踪する、水の女神

 セレスディナを捕縛して、警察に預けた後、俺達は魔王軍幹部捕獲の成功により、お金を受け取った。

 そして、ガトライクフォンにエリス様から連絡が入った。

 

エリス「零士さん。」

零士「エリス様。どうやってかけてんすか?」

エリス「それは気にしないで下さい。」

 

 いや、気になるけど。

 用件は聞くべきだろう。

 

零士「それで、用件は?」

エリス「それがですね……。」

 

 エリス様から語られたのは、世界の危機だ。

 日本からチート持ちの勇者を送り込むのがアクアの仕事だが、後任の天使に変わった途端、異世界送りが上手くいかないようだ。

 理由は、後任が大変生真面目で、勧誘の際に誤魔化しを一切しない。

 今までに送られた日本人の末路と現在の生存率、異世界言語習得の際の副作用やこの世界の世知辛さに至るまで、詳しく話している。

 つまり、アクアだからこそ、送れることに天界側が気づいて、早く戻ってきてほしいとの事だ。

 まあ、アクアが適当に送った結果、デストロイヤーや魔術師殺し等、後に災いとなる物が生まれてしまったわけであるが。

 

零士「エリス様。言っちゃなんですけど、天界って人手不足なんですか?」

エリス「ま、まあ………。」

零士「分かりました。これをアクアに伝えれば良いんですね?」

エリス「はい。お願いします。」

零士「それじゃあ。」

 

 と、通信を切る。

 カズマとアクアを呼び、この事を伝える。

 

アクア「そ、そうなの……!?」

カズマ「マジかよ………。」

零士「マジだ。」

アクア「そうと決まったら、カズマさん!レベル上げをするわよ!」

カズマ「俺が?」

アクア「カズマさんが魔王を倒してもらわないと私、帰れないの!」

 

 なるほど、そういう事か。

 ちょうど、カズマもレベル1になってしまった事だし、良いとは思う。

 

カズマ「分かった分かった。なら、早速レベル上げするぞ。………でも、スキルが使えないのは辛いなあ。」

零士「いや、スキル自体は使えるんじゃないのか?」

カズマ「……へ?」

 

 カズマの冒険者カードを見せてもらうと、そこにはカズマがこれまで習得したスキルが全て残っていた。

 つまり、強くてNEW GAMEみたいな物だと推測する。

 

カズマ「これは、覚醒するかもしんねぇ。」

零士「いっちょ覚醒してやれ!」

アクア「ちょっと待って。………何でカズマが覚醒すんのよ!」

カズマ「何すんだよ!?」

 

 そんなトラブルはあったものの、カズマのレベル上げを開始する。

 カズマがレベル1になっても、ファンタスティックライオンの変身には負荷がかからないようだ。

 要は慣れだな。

 だが、少しずつしか上がらない。

 しばらくすると、カズマのステータスの伸びが悪くなってくる。

 

カズマ「ステータスの伸びが悪いな。」

零士「そうか……。」

アクア「…………。」

 

 しばらくすると、アクアが失踪した。

 

零士「アクアが失踪したって、どういう事なんだ!?」

カズマ「俺に聞かれても!」

めぐみん「実は、置き手紙が!」

 

 そこに書いてあるのは、アクアが魔王退治の為に旅立った事だ。

 カズマのステータスの伸びが悪くなっている事から、焦燥感が優ったのか。

 でも、少し手紙に書かれている事に引っかかるのがある。

 アクシズ教徒って、十億もいるのか?

 

カズマ「あのバカ……ッ!」

リナ「そう言えば、アクアはここ最近、カズマと零士から貰ったお小遣いをコツコツ貯めてたわよね!」

カイト「という事は、道中で凄腕冒険者を雇う気なのか?」

カリン「でもね………。」

 

 皆の微妙な表情を見て、違和感を感じていると、ユーリが手紙の隅っこを指差す。

 そこには、一度書いて消したと思われる字が書いてあった。

 

『追伸。探して下さい。』

 

 探さないで下さいじゃないのかよ。

 ったく。

 




今回はここまでです。
ヒロミさん!!
でも、崖から転落しただけなので、貴虎みたいに生きてて欲しいですね。
賢者の孫とリバイスの小説も、現在、考案中です。
ただ、リバイス最新話でのデモンズのライダーキックを、アルティメット・マジシャンズにもぶつけようかと考えています。
次回から第16章に入り、賢者の孫とリバイスの小説でのアンケートも出そうかと思います。


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第16章
89話 特訓する、剣士達


 アクアが失踪したのが判明したのと同時に、ギルドに招集された。

 アクアを追いかけようとしたものの、この街の防衛に関する物なので、気になる。

 現在、捕縛中のセレスディナへの尋問の結果として、指揮官であるセレスディナが不在でもアクセルへの襲撃は止められないとの事。

 更に、魔王軍の主力による王都への襲撃も計画されていて、援軍は期待できない模様。

 

ルナ「各街に襲撃の事は伝えられていて、腕利きの冒険者は現在、続々と王都に向かっています。なので、この街に関しては、我々だけで守らなければなりません。」

冒険者「でも、こっちには仮面ライダーがいるだろ。大丈夫だって。」

零士「………すいません、その件に関しては、力を貸せません。」

ミツルギ「どういう意味だ!?」

 

 そう言うと、ミツルギが現れた。

 取り巻きも居るが、デザストは居ない。

 

ミツルギ「君も仮面ライダーだろ!?この街を放ってどうするんだ!?」

零士「それなんだが、アクアが魔王城に向かっちゃって…………。」

ミツルギ「何だって!?……佐藤和真も!神崎零士も!一体何をしているんだ!?」

カズマ「そんな事言われても!アクアが居なくなったのに気付いたのがついさっきで、その後招集があったから、ここにこうしているんだろうが!」

 

 すると、ギルドが蜂の巣を突いたような騒ぎになった。

 て言うか、散々な言われようがするな。

 その後、ルナさんが聞いたところ、有力な手掛かりは無いそうだ。

 

ミツルギ「こうしちゃいられない!僕はアクア様の後を追う!佐藤和真、神崎零士、キミ達はどうするんだ!?」

零士「追うっちゃ、追うんだけど、もう少し準備がいる……。」

ルナ「こ、困りますよ!皆さんには王都かこの街の防衛に回ってほしいんですが………!」

ダスト「おい、行かせてやれよ!」

 

 そう言ったのは、ダストだった。

 ダスト曰く、この街には高レベル冒険者が沢山居るらしく、どうにかなるらしい。

 そこに、更にやって来た。

 

リア「アクセルの防衛は、私たちにも任せてほしい!」

シエロ「アクセルは、アクセルハーツの拠点でもあるんです!」

エーリカ「私たちも力を貸すわ!」

 

 アクセルハーツだ。

 確かに、リアとエーリカは、デュランダルにサーベラだ。

 心強いだろうな。

 

冒険者「よ、よぉし!零士さん達が住んでいるこの街を守るんだ!」

冒険者「そうね!思えば頼りっぱなしだしね!ここで、借りは返さないと!」

冒険者「仮面ライダー達に俺達の実力を見せてやろうぜ!!」

 

 そんな風に盛り上がっている中、ミツルギが地図を取り出して、テーブルに広げる。

 

ミツルギ「ここが魔王城だ。魔王軍に行くには王都へテレポートして、そこから徒歩で向かうんだ。国境付近には、要塞化した村が幾つかあるんだ。そこで食料の補給が出来る。」

めぐみん「果たして、あのアクアが素直にそう行きますかね?案外回り道をしてるのでは?」

リナ「確かに、真っ直ぐ向かう可能性は限りなく低いわね。」

ユーリ「見た所、アルカンレティアからも行けるそうだな。」

カズマ「なら、アイツの向かうルートはこうだな。アルカンレティアに行って、腕利き冒険者を雇う。それが一番ありえる。」

零士「確かにな。」

ミツルギ「待ってくれ。君達はアクア様を何だと思っているんだい?」

 

 そんな事言われても。

 そういえば、ミツルギはアクアが未だにどんな奴か知らないんだったな。

 一応黙らせて、それで決定する。

 ゆんゆんも加わった。

 

ミツルギ「それじゃあ、アクア様を追いかけるのは、僕のパーティに、君たちのパーティー。これなら魔王も倒せるんじゃ無いか?」

零士「すまない。俺達が出発するのは、少し遅れされてくれないか?」

ミツルギ「何故だ!?」

零士「色々と準備があるんだ。アルカンレティアで合流しないか?」

ミツルギ「準備?というか、何故そうなっているんだい?」

カズマ「俺が一度レベルリセットして、今上げてる最中なんだ。もう少しレベルを上げておきたいし、準備がいるんだ。」

ミツルギ「そ、そういう事か。………分かったよ。なら、先に行ってるよ。」

零士「置いてくなよ。」

ミツルギ「分かっているさ。」

 

 若干不安と苦笑を残しつつ、ミツルギは取り巻きとゆんゆんと共に旅立った。

 

カズマ「という訳で、一旦ウィズの店に行ってくるわ。」

零士「分かった。」

カリン「何か買うの?」

カズマ「まあな。あと、スキルをもうちょい覚えておきたい。使えるスキルを持ってる人を片っ端から集めてくれ。」

カイト「分かった。」

 

 そうして、俺達はノーザンベースへと向かって、めぐみんと対峙していた。

 

零士「めぐみん?どうした?」

めぐみん「いえ、零士の強さを知りたくて。この私と戦って下さい。」

零士「分かった。」

 

『ブレイブドラゴン!』

『猿飛忍者伝!』

『烈火抜刀!』

『双刀分断!』

 

「「変身!」」

 

『ブレイブドラゴン!』

『風双剣翠風!』

 

 俺はセイバーに、めぐみんは剣斬に変身し、それぞれの聖剣をぶつけ合う。

 めぐみんも、アークウィザードとは思えないくらいに成長していた。

 

零士「成長したな、めぐみん!」

めぐみん「紅魔族一の天才が、剣を使うのも悪くは無いですしね!」

 

『こぶた三兄弟!』

『ストームイーグル!』『西遊ジャーニー!』

『双刀分断!』

『烈火抜刀!』

『風双剣翠風!』

『クリムゾンドラゴン!』

 

 めぐみんは忍者ぶた3に変身して、俺は久しぶりのクリムゾンドラゴンに変身する。

 ぶつけ合う強さは更に増していき、お互いに疲弊していく。

 めぐみんも強くなっていて、俺も負けじと剣を振るう。

 

めぐみん「さて、一気に決めますよ!」

零士「俺も決めるか!」

 

『こぶた三兄弟!』『ニンニン!』

『必殺読破!』

『烈火抜刀!』

『翠風速読撃!』『ニンニン!』

『ドラゴン!イーグル!西遊ジャー!』

『三冊斬り!』

『ファ・ファ・ファ・ファイヤー!』

 

めぐみん「疾風剣武・三豚!」

零士「爆炎紅蓮斬・改!」

 

 めぐみんが3人に分裂して、三方向に別れて一斉に攻撃を放って来て、俺は火炎剣烈火を水平に振るう。

 めぐみんの攻撃をいなしつつ、めぐみんに攻撃を叩き込む。

 俺の攻撃がめぐみんに当たり、めぐみんの攻撃もいなしきれずに俺に命中して、お互いに変身解除する。

 

めぐみん「や、やりますね。」

零士「魔王を倒すには、これぐらいはやんないとな!」

めぐみん「そうですね。………私が魔王を倒してみせようじゃないか!」

零士「頼もしいな。」

 

 そうして、俺達は仲良くユーリに治療され、元気になった。

 カズマから連絡が入って、ウィズのテレポートで、ダンジョンに挑むそうだ。




今回はここまでです。
いよいよ、このすばとしてのストーリーが終盤に差し掛かりました。
賢者の孫とリバイスに関するアンケートを出します。


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90話 旅立つ、剣士達

カズマside

 

 改めて、ウィズとバニルが凄いということがよく分かった。

 俺は、隣に座っているヴァンパイアに話しかける。

 

カズマ「その、ウチの連れがすいません。」

ヴァンパイア「いえいえ、こちらこそヴァンパイアみたいなボウフラ風情が、こんな大層なダンジョンを構えていてすいませんでした。」

 

 どうしてこうなったのかを思い出す。

 あれは、ウィズの店に向かった時だ。

 

バニル「フハハハハハ!!探して下さい!なんという構って女神か!誰かが追いかけて来てくれるのを心待ちにしているのか!ブワハハハハハハハ!」

ウィズ「ちょっとバニルさん、笑いすぎですよ!!」

カズマ「バニル、レベルリセットポーションをくれ!」

 

 そう、零士が指摘してくれた方法で、チート主人公に成り上がる!

 だが、バニルから掛けられたのは、無情の一言だった。

 それは、レベルリセットポーション自体が禁制品で、生産自体が禁止されている。

 なら、出来る限りでレベルを上げなければならないな……。

 

カズマ「ウィズ。レベルリセット自体は置いておいて、レベル上げに付き合って欲しい。」

ウィズ「それは構わないのですが、バニルさんにも手伝って貰いたいなと。」

バニル「断る。」

 

 コイツ!

 なら、あの手を使うか。

 どうせ、別の目的でも来たしな。

 

カズマ「バニル。レベル上げを手伝ってくれるお礼に、とある物を買ってやる。」

バニル「ほう。………して、買う物とは一体なんであろうか。」

カズマ「それは………。」

 

 それを言うと、バニルはレベル上げの手伝いを協力してくれる事に。

 その際に、ウィズのリッチーとしてのレベルリセットの状態異常を当てて貰うという事にして貰う。

 そして、ウィズが使っているという世界一深いダンジョンに挑む。

 

カズマ「ウィズって凄いんだな。」

ウィズ「伊達に魔王軍の幹部を任されてはいませんからね!」

 

 そうだった。

 ウィズって、魔王軍の幹部だったな。

 ウィズが魔法を使い、バニルが殺人光線を放ち、俺がブレイズに変身して戦う。

 全二十階層で、1日では終わらなそうで、予め零士達には連絡してある。

 時折、ウィズにレベルを下げて貰い、眠くなったら、一発覚醒ポーションを飲む。

 途中で、アマリリスという悪魔と出会い、先に進む。

 何か、バニルの服装がステテコなのだが、気にしないでおく。

 

カズマ「ていうか、思ったんだけど、2人は魔王の知り合いなんだろ?俺たちに魔王が倒されても良いのか?」

ウィズ「魔王は最後には倒されるのも仕事の内ですしね?」

バニル「であるな。ネチネチと人類を苦しめ、最後には冒険者と派手に戦い、派手に散る。それが魔王というものだ。」

 

 そういうもんなのか。

 しばらくして、バニルが眷属達を召喚して、先に進む。

 そして、最下層に到着して、現在に至る。

 

カズマ「そうだな。それが良いかもしれないよな。」

ヴァンパイア「ええ、こんな恐ろしい思いをするくらいなら隠居してのんびり暮らす方を選びますよ。」

 

 現在、バニルの眷属は帰らせて、ウィズが蘇らせたドラゴンゾンビ達は成仏された。

 バニルとウィズはお宝を漁っていた。

 なぜだろうか、お宝を漁る物欲に塗れた2人よりも、ヴァンパイアの方が大物モンスター臭がするのだが。

 そして、クルセイダー限定装備とソードマスターにしか扱えない魔剣を貰って帰る事に。

 一応、鎧がダクネスの、魔剣が零士、リナ、ユーリ、カイトのどれかに渡す。

 スキルポイントも山ほど手に入り、テレポートと中級魔法を習得した。

 屋敷に帰ると。

 

カズマ「ただいまー。」

「「お帰り!」」

 

 そう言って、めぐみんとダクネスが出迎えてくれた。

 しばらくすると、零士達も現れた。

 

零士side

 

 俺達は特訓をしていたが、まさか、丸一日以上も掛かるとはな。

 それで、ダクネスが鎧を受け取っていると。

 

カズマ「ほれ。こっちもだ。」

零士「これは?」

カズマ「ソードマスター専用の魔剣だ。」

零士「へぇ。」

 

 そう言って、魔剣を渡して来た。

 なるほどな。

 でも、一本しかないから、どうしたものかと思っていたが、カイトに渡す。

 

零士「ほれ。」

カイト「良いのか?」

零士「ああ。俺は火炎剣烈火で十分だしな。」

ユーリ「俺もカイトに渡すのは賛成だ。」

 

 そうして、魔剣はカイトの手に渡った。

 カリンが調べたそうにしていたが、アクアを連れ戻してからなと釘を刺した。

 まあ、どうせ俺は刃王剣十聖刃を手に入れるだろうしな。

 その後の夜、明日旅立つ事もあり、早めに寝る事にする。

 風呂から上がると、リナが俺の部屋にいた。

 

零士「あの、リナさん?俺の部屋で一体何をやってるんですかね?」

リナ「何って、一緒に寝るの。」

 

 え。

 俺がフリーズしていると。

 

リナ「今回の旅は、危険が凄い。だからさ、お互いに、後悔のないようにしよう。」

 

 え…………。

 すると、俺の中のジュンが。

 

ジュン(良いじゃないか。もうこの際、一線を越えちゃえば?)

零士(何言ってんだ!?)

 

 だが、正直言うと、そんな事をしても良いんじゃないかと思っている。

 リナのワンピース姿が、正直言って、色気がすごい。

 すると、リナが視線に気付いたのか。

 

リナ「これは、私が選んだ物なんだけど……。大丈夫?」

零士「大丈夫だ。………凄く、綺麗だ。」

リナ「ありがとうね。」

 

 やばい、辛くなってきた。

 俺の顔を見て察したのか。

 

リナ「辛いんでしょう?大丈夫よ。今日は私が全部受け止めるから。だから、好きにしてくれていいんだよ?」

 

 リナが俺のベッドに横たわりながらそう語ってくる。

 やばい………、限界だ。

 俺は、体重をかけないようにリナに覆い被さる。

 そうして、どちらからともなく、深いキスをする。

 そして、以前買った避妊薬を飲んで。

 

零士「リナ………。もしかしたら、リナが痛くなるかもしれない。それでも良いか?」

リナ「フフッ……。バカね。さっき言ったじゃない。受け止めるって。好きにして良いよってさ。だから………、来て。」

 

 こうして、俺とリナは男女の一線を超えた。

 翌朝、俺とリナは、何も着てない状態で抱き合っていた。

 

零士「まさか、遂に一線まで越えるとは。」

リナ「そうね。………妊娠してないよね?」

零士「まさか。一応、アレは避妊薬で、一週間は持つらしい。」

リナ「そうなの。…………でも、子供、欲しいなぁ…………。」

零士「流石に、魔王を倒して、メギドもどうにかしてからな。」

リナ「そうね。………じゃあ、魔王を倒したらさ、もっと凄い事しよ?」

 

 生き残んなきゃな。

 その後、しっかりと服を着て、カズマ達と合流した。

 カズマが購入したであろう何かを受け取っていて、俺の前に立った。

 

零士「どうしたんだ?」

カズマ「いや、皆、お前と一度は戦ったんだろ?」

零士「そうだな。」

カズマ「なら、お前に勝負を挑む。変身しないで生身のだ。」

零士「分かった。」

 

 俺は火炎剣烈火を、カズマは水勢剣流水を構えた。

 風が吹いて、止んだと同時に俺とカズマは駆け出して、お互いの聖剣をぶつける。

 

カズマ「これが……。零士の思いか……!」

零士「そうだぜ!」

 

 俺は思いを高めて、火炎剣烈火を光らせる。

 すると、カズマも対抗してか、思いを高めて水勢剣流水を光らせる。

 その立ち合いはしばらく続き、俺とカズマは聖剣を持ちながら寝っ転がっていた。

 

零士「や、やるな、カズマ。」

カズマ「俺だって、強くなるんだよ。」

零士「それじゃあ、よろしく頼むぜ。」

カズマ「ああ!」

 

 その後、カズマは色んな人からスキルを覚えさせてもらい、街の出入り口の前に俺達は集合した。

 

カズマ「それじゃあ、ちょっとあのバカ連れ戻してくるわ!」

零士「だから、アクセルを頼む!」

リア「ああ!任せろ!」

シエロ「アクセルは僕達が守ります!」

エーリカ「だから、アクアをちゃんと連れて帰りなさいよ!」

 

 そんな会話をして、俺達は、ブックゲートを使って、アルカンレティアへと向かう。

 




今回はここまでです。
賢者の孫とリバイスの小説で、原作キャラも変身させるが多いですが、エビル、ライブ、デモンズ、ジャンヌに関しては、賢者の孫におけるリバイスのキャラに変身させるので、オリジナルライダーとして出すかもしれません。


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91話 決着する、邪教徒

 ブックゲートを使って、アルカンレティアに着くと、丁度、アクアがミツルギ達と合流していたようだ。

 

ミツルギ「神崎零士!?いつの間に来たんだい!?」

零士「ブックゲートがあるからな。」

ゆんゆん「本当に便利ですよね、その魔道具。」

 

 まあな。

 すると、アクアがカズマを見て。

 

アクア「アンタ!いつの間に覚醒したってどう言う事よ!!」

カズマ「アクア!首を絞めんじゃねぇ!」

 

 アクアを落ち着かせて、俺達はこれからの日程を話す。

 

零士「さて、ブックゲートを使った事で、ミツルギ達とも早く合流出来たわけだが。」

ミツルギ「君は何でもありかい?」

ユーリ「それはどうでも良い。………流石にここから先は、自力で向かうぞ。」

ミツルギ「一応、馬車があるけど、流石にこの人数は乗り切れないかな………。」

カイト「まあ、ライドガトライカーを使えば大丈夫だろ。」

カリン「そうね。」

 

 そうして、ミツルギの馬車には、アクア、ゆんゆん、クレメオ、フィオが乗り、俺はリナを乗せてディアゴスピーディーに、カズマはめぐみんを、カイトはカリンを、ユーリはダクネスを乗せてライドガトライカーに乗る事に。

 ちなみに、俺達が自然体でバイクを出した事に関してミツルギは。

 

ミツルギ「それがあるなら、馬車は使わないんだけどな………。」

 

 苦笑しながらそう語った。

 そうして、俺達は魔王城へと向かって行く。

 いよいよ魔王に喧嘩を売るのだ。

 覚悟を決めないとな。

 すると、何かの人だかりが見えてきた。

 

零士「なあ、何だあの人だかり?」

アクア「ああ。一応、安全に向かう為に、私のアクシズ教徒を向かわせたのよ。」

 

 え。

 嘘だろ、勘弁してくれ!

 ミツルギが馬車を停めて、俺達もバイクを停める。

 すると、誰かが近づいてきた。

 

???「おや!お久しぶりですめぐみんさん、それにゆんゆんさん。まさか、こんな所で出会えるとは!もう、アクシズ教団に入るか、私とステディな関係になって頂くしかありませんな!」

めぐみん「ゼスタさん。開口一番にセクハラですか。やめて下さい。」

 

 アクア曰く、アクシズ教団の最高責任者であるゼスタらしい。

 何か、どうしようもない事を言ってる。

 すると、俺とカズマの方を向いて。

 

ゼスタ「あなた方の事は、聞き及んでおりますぞ、カズマ殿に零士殿!私の事は呼び捨てにするか、パパ、ダーリン等と好きなようにお呼びください。」

零士「あ、大丈夫です。」

 

 ああ、ろくでもない奴だ。

 だが、俺達以上に疲れ切っている奴が1人いた。

 それは………。

 

カズマ「随分とやつれてんな。」

リナ「大丈夫なの?」

セレスディナ「うるせーよ……。何でお前らがここに居るんだよ。」

 

 そう、魔王軍幹部の、セレスディナがここに居た。

 実は、特訓の最中に入った情報だが、アクセルの警察署から逃げ出したそうだ。

 セレスディナは、アクシズ教徒にセクハラされていたのか、我慢の限界が近そうだ。

 

ミツルギ「彼女と知り合いか?」

零士「ああ見えても、魔王軍の幹部なんだよ、アイツ。」

ミツルギ「なっ!?」

 

 そう語ると、ミツルギは、魔剣グラムと月光剣萬月を持つ手に力を込める。

 カズマが交渉しているようだ。

 すると、セレスディナがとある発言をする。

 

セレスディナ「アクアとか言ったか、あの女?アイツを殺って、回復手段を減らしておくべきだったかね?まったく………。」

 

 ………場の空気が一気に冷えた。

 ああ、アクシズ教徒の地雷に触れに行くとかバカなのか?

 さっきまでおちゃらけていた雰囲気のゼスタでさえも、無表情になった。

 

ミツルギ「貴様!アクア様を殺るだと!?」

零士「ミツルギ、落ち着け。」

ゼスタ「カズマ殿、零士殿。こちらのお嬢さんがどこの誰かを、私に紹介しては頂けませんか?」

 

 うわぁ、ゼスタも声に抑揚がない。

 セレナに紹介していいのかと見ると。

 

セレスディナ「紹介してやんな。まあ、全員皆殺しだけどさ。」

 

 アイツ、アクアばりに空気を読めないな。

 そう思いながら、俺はセレスディナの、カズマはゼスタの紹介をする。

 

零士「こちらは邪神レジーナを崇めるダークプリーストにして、アクアに嫌がらせをして傷付けた挙げ句に街を出て行くキッカケを作った、魔王軍幹部のセレナだ。」

カズマ「で、こっちが、アルカンレティアからやって来た、あの悪名高いアクシズ教団の皆さんと、アクシズ教団最高責任者のゼスタさんです。」

 

 すると、セレナは青褪めた顔で、脂汗をかいて震えて、メイスを落としていた。

 そして………。

 

「「「吊ーるーせ!吊ーるーせ!!」」」

セレスディナ「やああああめええええてえええええええーーーーーっ!!!」

 

 目が血走り、完全に逝っちゃってる様子の女アクシズ凶徒達と、簀巻きにされて木に吊るされて泣き喚いているセレナの声が響き渡る。

 あの後、セレナは逃げようとしたものの、あっさりと捕縛された。

 

アクア「あの、皆。その人には聞きたい事があるから、協力して欲しいの。」

セレスディナ「カズマー!零士ー!そこまで接点無かったけど、助けてくれーーっ!」

リナ「…………。」

 

 すると、癇に障ったのか、リナが石をセレナに投げつけ始める。

 セレナの頭に石が当たると、リナの頭にたんこぶが出来た。

 レベルは下がっても、呪いは健在か。

 フォーゼのワンダーライドブックのメディカルモジュールの力で回復させる。

 すると、リナが顔を赤らめて、震える。

 それを見て思い出したのか。

 

セレスディナ「そうだ!私を殺せば、今みたいにアンタらも死ぬんだぞ!理解出来たのならとっとと解放しろ!」

「「「それが?」」」

 

 アクシズ教徒はそう言い放った。

 それには、セレナはおろか、アクアを除いた全員も絶句する。

 

アクシズ教徒「何かを勘違いなさってますね。私達はアクシズ教徒です。死んだ暁にはアクア様の下に送られて、ニホンという楽園に転生するのです!」

零士「はっ?」

カズマ「えっ?」

ミツルギ「えっ?」

 

 俺を含めた転生者3人が反応する。

 何で日本が出てくるんだよ。

 ゼスタ曰く、異端や変態扱いされるアクシズ教徒が堂々と胸を張って生きていける世界という。

 おい止めろ。

 それ以上言うな。

 まさか、一部の変態は、アクシズ教徒が転生した結果なのか!?

 俺、カズマ、ミツルギが唖然とした表情で固まっている。

 リアには聞かせない方が良いな。

 

アクア「何で固まってるのよ。」

 

 全ての元凶がそう言った。

 セレナも。

 

セレスディナ「狂信者………!」

 

 同意だよ。

 俺、カズマ、ミツルギは話し合っていた。

 

零士「おい、日本が変な国みたいに言われてんぞ。どうなってんだ?」

カズマ「まさか、一部の変態は、アクシズ教徒が転生した結果か!?」

ミツルギ「いやいや、まさか………あり得るかもしれないな………。」

 

 俺達は打ち切る事にした。

 これ以上は想像すると、怖い。

 セレナから、魔王軍について聞く事が出来た。

 セレナ曰く、最古参の幹部が自ら門番の役割をする事にしたらしい。

 ソイツは世界最強の魔法使いだそうだ。

 その言葉にめぐみんが反応する。

 

零士「さて、魔王の事も………。」

セレスディナ「断る。」

 

 さて、どうしたものかと考えていると。

 唐突にゼスタが奇声を上げる。

 ゼスタ曰く、セレナの純潔を奪えば、その痛みも自分に帰ってくるから、男でありながら破瓜の痛みを知れると語る。

 何言ってんだ。

 それに怯えたセレナはアッサリ教えてくれた。

 セレナ曰く、魔王は、同じ部屋にいるモンスターを、幹部クラスにまで強化できるそうだ。

 そこまで教えた後の対応はカズマに任せる。

 

カズマ「ゼスタ、入信書くれ。」

ゼスタ「入ってくれるのですか!?」

カズマ「違うわ。………汝、自らの行いを悔い改め、今までの信仰は全て捨て去り、女神アクアを崇め、敬い、奉り。敬虔なアクシズ教徒になる気はありますか?」

セレスディナ「マ、マジで………?」

 

 こうして、セレナはアクシズ教徒になった。

 えげつな。

 その後、同行すると言うゼスタを引き連れて魔王城へと向かう。

 




今回はここまでです。
賢者の孫とリバイスの小説で、オリ主のヒロインは誰にするかは現状未定です。
リクエストがある場合は、活動報告で承っています。


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92話 到着する、魔王城

 その後、カズマ、めぐみん、ダクネスはゼスタの馬車に乗り、アクア、ゆんゆん、フィオ、クレメオを乗せたミツルギの馬車、ディアゴスピーディー、ライドガトライカーが併走していく。

 ゼスタの影響か、モンスターに遭遇しない。

 何せ、モンスターがゼスタを見た途端、我先に逃げ出したのだ。

 流石に馬車なので、休息が必要という事で、所々の村に泊まったりしている。

 とある村に泊まった時、俺、カズマ、ミツルギの3人が、ゼスタを除いた全員に呼び出された。

 

零士「どうしたんだよ、皆して。」

カズマ「?」

めぐみん「いえ、聞きたい事があるので。」

零士「聞きたい事?」

リナ「バニルから聞いたわ。零士、カズマ、ミツルギ。あなた達が異世界から来た人間だってね。」

「「「!?」」」

クレメオ「え!?」

フィオ「キョウヤが、異世界の人間……!?」

 

 俺たちが驚いていると、アクアとユーリを除いた全員が真面目な顔で見てくる。

 ていうか、ユーリは知ってたのか。

 俺とカズマとミツルギは顔を見合わせて。

 

零士「そうだな。」

カズマ「まあ、俺と零士とミツルギ、ここには居ないけどリアも転生者なんだよ。」

ミツルギ「そうなのかい!?」

 

 そういえば、ミツルギとリアって、接点どこにも無いしな。

 

零士「まあ、俺はエリス様、カズマとミツルギとリアはアクアによって転生されたんだ。」

ダクネス「なるほどな。アクアは神様だという事だな。」

アクア「漸く信じてくれたわね!じゃあ、エリスよりも私の方が信じられるわよね!?」

カイト「いや、エリス様の方が信じられる。」

アクア「何でーよ!」

 

 アクアは信頼度がないな。

 すると、皆が安心した様な表情を浮かべる。

 

リナ「そっか………。」

カリン「いやぁ、アンタ達の変な知識や常識を疑う発言も納得だわ。」

ユーリ「例え転生者であっても、お前らはお前らだろう?なら、問題無い。」

「「…………………。」」

 

 俺たちの仲間は納得しているが、クレメオとフィオは呆然としていた。

 まあ、荒唐無稽だしな。

 その後、俺たちの世界が一体どんな風になっているのかと質問攻めにあった。

 魔法ではなく、科学が発達した世界であると話すと、全員驚いた。

 仮面ライダーもその世界の産物で、俺たちの世界では、架空の存在であるとも話した。

 どうやら、クレメオとフィオも受け入れた様だ。

 その後、リナに話しかけられた。

 

リナ「ねぇ、零士。」

零士「うん?」

リナ「つまり、私は違う世界の人間を好きになったって事よね?」

零士「まあ、そうだな。」

リナ「そっかぁ………。」

 

 そんな風に言って、満足気味だった。

 数日後、馬の様子が変だった。

 

零士「どうした?」

ミツルギ「馬が怯えている。魔王城が近いという事だ。」

ユーリ「なら、ここから先は徒歩だ。」

カズマ「という事で、おっさんは、引き返してくれ。」

 

 その後、ゼスタは引き返していく。

 めぐみんとダクネスの下着を一枚ずつ奪っていって。

 その後、ゼスタというモンスター避けが居ないせいか、モンスターが襲ってきたが、それぞれの武器で斬り捨てた。

 そして、坂を登り切ると、そこには漆黒の巨城が広がっていた。

 

零士「遂に着いたのか………。」

ミツルギ「ところで、作戦はあるのかい?」

アクア「ね、ねぇ。もう引き返そう。」

 

 アクアがヘタレた発言をするが、放っておく。

 すると、カズマが考えがあるかの様に、前に出た。

 

カズマ「めぐみん、あの結界を、爆裂魔法で消し飛ばせるか?」

めぐみん「一発では無理だと思います。」

カズマ「なら、何発………いや、何十発ぐらいで行ければ良いんだな?」

めぐみん「出来ます。」

ゆんゆん「カズマさん?何言ってるんですか?」

クレメオ「ちょっと、アンタの仲間、頭がおかしい事を言い出したけど、大丈夫?」

零士「ちょっと黙ってろ。」

 

 すると、カズマがリュックから大量のマナタイトを取り出した。

 

『……………………。』

カズマ「やるよ。遅ればせながら、めぐみんへのプレゼントだ。」

ミツルギ「サ、佐藤和真………。コレ、本気なのかい?」

カズマ「おう。本気だ。」

アクア「コレを換金すれば………!」

ユーリ「アクア、空気を読め。」

 

 全員に驚愕の表情が浮かぶ。

 めぐみんがマナタイトを指差して。

 

めぐみん「カズマ……!これ………!」

ゆんゆん「これ、最高品質のマナタイトじゃないですか!」

零士「すごいな。」

カズマ「まあ、全財産の大半が消し飛んだ。これで結界を吹き飛ばしてやれ。」

 

 カズマ………、まさに漢だ。

 やるじゃないか。

 感極まったのか、めぐみんがカズマに抱きつく。

 そうして………。

 

ゆんゆん「あ、あの!爆裂魔法よりも、私のライト・オブ・セイバーの方が良いじゃないんですか?」

零士「カズマの漢気に水を差すな。」

リナ「まさか、爆裂魔法の連発……!?」

カイト「そりゃあ、最強だわな。」

カリン「確かにね……。」

ミツルギ「本当に良いのか!?佐藤和真!この後きっと後悔するぞ!」

ダクネス「ミツ何とかの言う通りだぞ!」

ミツルギ「あの、僕の名前はミツルギです。」

カズマ「う、うるさい!一度半分くらい叩いたけど、そん時は後悔してないわい!」

ユーリ「最高だな!」

めぐみん「では、行きます!エクスプロージョン!!」

 

 その日、めぐみんは世界最強の名を手に入れた。




今回はここまでです。
今回の話で、第16章は終わりです。
賢者の孫とリバイスの小説で、オリジナルのバイスタンプとして、ビートルバイスタンプを出します。
後、もう一つ、アンケートを出す予定です。


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第17章
93話 爆裂する、風の剣士


 魔王軍。

 それは、長らく人類を脅かした存在だ。

 その魔王軍の本拠地が、今………。

 

めぐみん「『エクスプロージョン』ーーッ!『エクスプロージョン』ーーッ!」

カズマ「わはははは!わははははは!いいぞめぐみん、もっとやれ!お前こそが世界最強の魔法使いだーッ!!」

 

 たった1人の風の剣士兼魔法使いによって、未曾有の危機に晒されていた。

 

零士「これ、俺達いる?」

リナ「いらないかも………。」

カイト「見ろ。魔王軍の精鋭がなす術もなく消えていく………。」

カリン「ヤバすぎでしょ………。」

ユーリ「凄いな、これは。」

ミツルギ「地獄絵図だ………。」

ダクネス「この世の地獄だ………!この光景を陛下や貴族達が見たら、めぐみんは間違いなく最重要危険人物に認定されるぞ……!国が放っておかなくなる………!」

ゆんゆん「ちょっと!めぐみん!目の色がかつてないほどに真っ紅なんだけど……!」

アクア「このまま、魔王を倒してくれると、ありがたいんだけど………。」

 

 まあ、そんな確率は限りなく低いがな。

 ちなみに、ミツルギの取り巻きは、言葉が出ないのか、呆然としていた。

 敵も泡を食ったみたいに出てくるが、悲壮感が漂っていた。

 出るとやられるのを理解しているのだ。

 魔法使い達も、涙目になっていた。

 しばらくすると、白い仮面を身につけた、魔法使いが現れた。

 

めぐみん「あれが世界最強の魔法使いとやらでしょうか?」

 

 何か、本当に強そうだ。

 どうしたものかと思っていると、めぐみんが迷いもなく魔法を放った。

 

めぐみん「『エクスプロージョン』ーー!」

『ちょっ!』

 

 俺たちが静止させる間もなく、その魔法使いに突き刺さる。

 その男は、羽が生えていて、身を震わせながら立ち上がった。

 

『おおっ!』

 

 まさか、めぐみんの爆裂魔法を受けて、耐え切るとはな。

 ソイツはこちらを見てくると。

 

天使「……我が……は………ッ!魔王軍……最……の……ッ!いきなり……!」

 

 何かを叫んだのだろうが、こちらにまで聞こえてこない。

 カズマに千里眼と読唇術を使わせる。

 すると、何言ってんだコイツみたいな顔をしたカズマに聞いてみる。

 

零士「どうしたカズマ?」

めぐみん「あいつが何を言ってるのか分かったのですか?」

カズマ「読唇術スキルを使ったんだけどな。なんか、遠くから城を攻撃するのはズルい、超ズルいみたいな事言ってる。」

ダクネス「それは何というか、最強の魔法使いと呼ばれる割に、子供みたいな奴だな……。」

ミツルギ「ていうか、こんな魔王退治なんて、普通はあり得ないからね!!」

 

 そう言うな。

 その後、めぐみんが遠慮なくブッパして、部下と思われる魔法使い達が回収した。

 そして、めぐみんは爆裂魔法を再開した。

 双眼鏡を取り出して、結界内部の様子を見てみると、恐慌状態に陥っていた。

 そりゃあ、なあ。

 世界最強の魔法使いも、目を覚ました様で、何か指示をする。

 

カズマ「俺が本気になれば、あんな貧乳紅魔族なんてイチコロだぜ、だってよ。」

 

 それを聞いためぐみんは、青筋を少し立てながら再開する。

 

ダクネス「カ、カズマ、本当か?本当に、アイツはそんな事を言っているのか!?」

カズマ「大体合ってる。」

 

 再び双眼鏡で覗くと、どうやら、マント天使も、結界を修復しだした。

 

カズマ「頭がおかしい紅魔族の魔力切れを狙うってさ。俺は無限に魔力があるんだ、いかれ魔法使いの相手なんかしてらんねーから、結界直しながら長期戦に持ち込もうってよ。」

めぐみん「ブッコロ。」

ミツルギ「待て、佐藤和真!本当なのか!?本当にそんな言い方をしてるのか!?」

カズマ「大体合ってる。」

 

 すると、めぐみんは爆裂魔法を連打しまくって、結界を完全に破壊して、マント天使も瀕死の状態になった。

 その後、名乗ろうとしていたが、めぐみんの爆裂魔法で消し飛んだ。




今回はここまでです。
賢者の孫とリバイスの小説では、シンは、ビートルバイスタンプを使って変身させます。
ただ、ベルトはどうするか考え中です。
そして、もう一つ、アンケートを出します。


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94話 引きつける、それぞれの剣士

 カズマがめぐみんを確かめると、鼻血が出ている上に、のぼせ上がったように顔が赤くなっていた。

 

カズマ「おい、めぐみん!これ、大丈夫なのかよ!」

めぐみん「だ、大丈夫ですよ……。」

 

 すると、めぐみんが倒れかかって、ユーリが抱き抱える。

 

ユーリ「恐らく、爆裂魔法を何度も放った影響だろうな。」

ダクネス「あんな事をすれば、普通の魔法使いならともかく………。」

カズマ「めぐみんの体では負荷が大き過ぎたのか……。」

めぐみん「大丈夫ですよ!まだまだ行けます。というか、行かせて下さい!」

ユーリ「分かった。多少治療する。」

 

 そう言って、ユーリが手を翳すと、光がめぐみんに当たり、元気になったそうだ。

 

ユーリ「一応、剣斬として戦闘出来るくらいには回復した。これで、問題無いな。」

零士「そうだな。じゃあ、行くか!」

リナ「そうね!」

 

『エレメンタルドラゴン!』『プリミティブドラゴン!』

『タテガミ氷獣戦記!』

『ランプドアランジーナ!』『ニードルヘッジホッグ!』『トライケルベロス!』

『玄武神話!』

『猿飛忍者伝!』

『ヘンゼルナッツとグレーテル!』

『ジャオウドラゴン!』

『エックスソードマン!』

『ムーンドラゴン!』『エクストリームラビット!』『銀河特急の夜!』

『エレメンタルドラゴン!ゲット!』

『ジャオウリード!』

『烈火抜刀!』

『流水抜刀!』『タテガミ展開!』

『黄雷抜刀!』

『一刀両断!』

『双刀分断!』

『銃剣撃弾!』

『闇黒剣月闇!』

『最光発光!』

『萬月抜刀!』

 

「「「「「「「「「変身!」」」」」」」」」

 

『エレメンタルドラゴン!』

『氷獣戦記!』

『ゴールデンアランジーナ!』

『ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!』

『風双剣翠風!』

『音銃剣錫音!』

『ジャオウドラゴン!』

『エックスソードマン!』

『フルムーンドラゴン!』

 

 各自の最強形態へと変身する。

 そうして、魔王城の中へと突撃していく。

 まだ、残党が居るそうで、ソイツらを片っ端から斬り捨てていく。

 そこから更に上層階に登っていくと、大広間があり、そこには騎士達が居た。

 しかも、シミーを使役していた。

 

騎士「ああっ!コイツら、ちょくちょく噂になっている仮面ライダーだ!」

零士「その通り!」

騎士「殺れ!魔王様の前に出す訳には行かないんだ!!」

カズマ「かかってこいやぁ!!」

 

 その声と共に、俺たちは戦闘を始めた。

 だが、12対5では、こちらが優勢になり、しばらくして、倒す事が出来た。

 一旦休息を取る事にした。

 

零士「さて、後、残すのは魔王とその親衛隊だけだが……。」

ミツルギ「早く突入しよう!」

ユーリ「落ち着け。まずは休息を取るぞ。」

カズマ「ここまで、休みなしの戦闘だったんだしな。」

めぐみん「確かに、休みたいですね。」

ゆんゆん「まあ、あまり休み過ぎると、王都を襲撃している部隊が戻って来ちゃいますね。」

 

 確かに。

 10分ほどして、俺たちは休息を止める。

 すると、ミツルギが振り返ると。

 

ミツルギ「皆………ここまで一緒に着いてきてくれたね。これから始まるのは人類の命運をかけた戦いで………。」

 

 そんな演説を始めた。

 すると、アクアが俺とカズマに話しかける。

 

アクア「カズマさんに零士さん、ねえ、本当にやるの?」

零士「ミツルギの言う通り、今がチャンスなんだ。これを逃す訳には行かない。」

カズマ「そうだな。俺たちも仮面ライダーだ。そういう危機に立ち向かってこそだろ。……それに、お前には街に帰ったら説教だからな。」

アクア「ねえ2人とも、私ならもう天界に帰れなくてもいいから。だから、帰りましょう?」

 

 アクア………。

 だけどなぁ。

 

零士「魔王を倒すって、エリス様に約束したんでね。約束を破るのは俺としては、気に食わないしな。」

カズマ「何か、神山飛羽真さんみたいな事言ってるけど。………まあ、俺も新堂倫太郎さんと約束したしな。」

アクア「だから、もう帰りましょう!」

 

 俺たちがそんな話をしている中、ミツルギの演説は終わったそうだ。

 現在、変身は維持したままなので、そのまま突入する。

 すると、リナが近づいてくる。

 

リナ「死なないでよ?」

零士「誰に言ってんだ?」

ダクネス「おいカズマ!良いか、魔王へのトドメは誰かに譲れ!……いや、ミツルギや零士が魔王を倒すと面倒な事に………!ええい、魔王の首は私に寄越せ!」

カズマ「何すんだよ!」

 

 何かダクネスとカズマが争っているけど、気にしないでおく。

 念には念をという事で、アクアの支援魔法を全員に掛けてもらう。

 全員で顔を合わせて、頷き合い、ダクネスが扉を蹴り開ける。

 




今回はここまでです。
賢者の孫とリバイスの小説で、シンが変身する仮面ライダーのベルトは、デモンズドライバーをベースにしたベルトで、シンの内部の悪魔が格納される設定で、考えています。
ただ、シンが変身する仮面ライダーの名前が思い浮かばない。


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95話 それぞれの思い、剣に宿る

 ダクネスが気合いよく突入して行く。

 

ダクネス「魔王!覚悟ーー!」

「カースド・ライトニング!」

 

 扉を開けた途端、無数の闇色の雷光がダクネスに襲い掛かる。

 ダクネスは、大きく身体を震わせるが。

 

ダクネス「おのれ、口上も無しにいきなりの魔法攻撃とは卑怯者めが!それでも魔王か、名を名乗れっ!!」

 

 あれっ、ダクネスの奴、変身しているとは言え、ヤバそうな魔法を食らった筈だが。

 そんな事を思っている中、俺たちは次々に突入していく。

 

魔王「これは我が部下達が失礼した!なるほどな、貴公の言にも一理ある。さあ……!」

ゆんゆん「インフェルノ!」

魔王「ぐあっ!?」

 

 今度はゆんゆんかよ。

 何してんの?

 

魔王「………紅魔族か。相変わらず、お前達はやってくれるなぁ……。」

ゆんゆん「す、すいません!で、でもあの、私の悪友から……『ちょっとクソ迷惑な魔王のとこまで行ってきて、俺達の代わりに一発かましてこい。』と頼まれまして……!」

 

 ダストかあ。

 まあ、そんな事は放っておいて、俺たちは魔王の親衛隊をそれぞれ別れて倒して行く。

 俺とカズマとリナ、ダクネスとめぐみんとカリン、カイトとユーリとミツルギに別れる。

 後の面子は、それらのサポートだ。

 

零士「行くぞ、カズマ!リナ!」

カズマ「おう!」

リナ「分かったわ!」

 

 確かに、魔王の影響かとても強い。

 だけど、そんなぐらいで引き下がっては、仮面ライダーとして、恥ずかしい。

 俺たちは、鍛えに鍛え上げた連携攻撃で、親衛隊にダメージを与えていく。

 

カズマ「行けるぞ!」

零士「油断すんなよ!」

リナ「2人こそ!」

 

 俺はエレメンタルドラゴンの力で、体を元素化して、敵の攻撃を避けつつ、背後から奇襲していく。

 カズマは、初級魔法のコンボ技や、習得一閃技を駆使しながら、倒していく。

 リナは、エスパーダとしての加速能力を最大限に使い、翻弄しつつ倒していく。

 

零士「一気に決めるぞ!」

カズマ「おう!」

リナ「ええ!」

 

『必殺読破マシマシ!』

『必殺凍結!』

『必殺読破!』

『烈火抜刀!』

『流水抜刀!』

『黄雷抜刀!』

『エレメンタル合冊斬り!』

『タテガミ氷河斬り!』

『ケルベロス!ヘッジホッグ!アランジーナ!』

『三冊斬り!』

『サ・サ・サ・サンダー!』

 

零士「森羅万象斬!」

カズマ「ブリザード・ブレイズ!」

リナ「トルエノ・デル・ソル!」

 

 俺たちの必殺の斬撃が親衛隊に当たり、そのまま爆散する。

 

めぐみんside

 

 私たちは、3分の1の親衛隊を相手にしている最中だ。

 私達のメンバーは、零士達と比べたら、そこまで強い形態にはなれない。

 でも、これまでに鍛え上げてきた剣の腕が私たちにはある。

 それに。

 

めぐみん「はいっ!」

親衛隊「!?」

 

 私は、零士発案の爆発する火炎瓶を親衛隊に投げつける。

 中には、ちょっとの衝撃で爆発するポーションがぎっしりと詰まっている。

 これは、突入する直前に、零士がギリギリで調合した物だ。

 そして、ダクネスとカリンと合流する。

 

カリン「よしっ!ダクネス!」

 

『ブレーメンのロックバンド!』

 

ダクネス「ああ!めぐみん!」

 

『ジャッ君と土豆の木!』

 

めぐみん「はい!カリン!』

 

『こぶた三兄弟!』

 

カリン「行くわよ!」

 

『音銃剣錫音!』

『ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!』

『風双剣翠風!』

 

 以前やった通りに、ヘンゼルぶた3、玄武ブレーメン、忍者ジャッ君へと変身する。

 カリンはこぶた三兄弟の力で、3人に分裂して、攻撃していく。

 ダクネスはブレーメンのロックバンドの力で、攻撃に音の力を混ぜている。

 私はというと、左腕から土豆の種を射出していき、攻撃していく。

 私達が対処しきれない敵は、ゆんゆんが倒している。

 

めぐみん「一気に倒しましょう!」

ダクネス「ああ!」

カリン「そうね!」

 

『ジャッ君と土豆の木!』『ニンニン!』

『ブレーメンのロックバンド!』『ドゴーン!』

『こぶた三兄弟!』『イェーイ!』

『翠風速読撃!』『ニンニン!』

『会心の激土乱読撃!』『ドゴーン!』

『錫音音読撃!』『イェーイ!』

 

「「「ハァァァァ!!!」」」

 

 気合いの必殺攻撃は、親衛隊に当たり、爆散していく。

 

カイトside

 

 零士との作戦会議で、俺、ユーリ、ミツルギの3人で行動する事になった。

 3分の1を俺たちが対処して、残りの3分の2は残りの面子が倒していく。

 そして、ミツルギの取り巻きが、ミツルギのサポートをする。

 

カイト「行くぜ!」

ユーリ「ああ!」

ミツルギ「行こう!」

 

 俺はジャオウドラゴンの力で、敵の攻撃を吸収しつつ、相手に跳ね返している。

 ユーリは、エックスソードマンの状態で戦ったり、あえて光剛剣最光と最光シャドーに別れて敵を倒していく。

 ミツルギも、魔剣グラムと月光剣萬月の二刀流で戦っていて、敵を倒して行く。

 

ミツルギ「一気に決めようか、2人とも!」

ユーリ「何故お前が指揮している?」

カイト「何でだろうね?」

 

『必殺読破!』

『フィニッシュリーディング!』

『ジャオウ必殺読破!』

『萬月抜刀!』

『ムーンドラゴン!ラビット!銀河鉄道の夜!』

『三冊斬り!』

『フ・フ・フ・フルムーン!』

『サイコーカラフル!』

『ジャオウ必殺撃!』『You are over……!』

 

ミツルギ「月光兜割り!」

ユーリ「エックスソードブレイク!」

カイト「邪王斬撃波!」

 

 俺たち3人の必殺技が当たり、敵は爆散していく。

 気がつくと、魔王以外は倒したようだ。

 

零士side

 

 俺たちの戦闘の結果、魔王以外は既に全滅したようだ。

 

魔王「まさか……。ここまでとはな……!」

ミツルギ「後はお前だけだ!」

魔王「良いだろう……!但し、誰か代表者1人で来い!」

零士「何だと………?」

 

 まあ、人数差もあるしな。

 それはそうか。

 すると、カズマが声を上げた。

 

カズマ「魔王の相手は、俺に任せて欲しい。」




今回はここまでです。
次回、魔王とカズマの戦いが始まります。
そして、ネオバッタゲノムの、ゼロワン演出が凄く良かったです。
ジャックリバイスも、カッコよかったです。
バイスが、ボウリングやバッティングセンター、太鼓の達人をするのを見て、楽しそうと思いました。
賢者の孫とリバイスの小説も、ここまで書くと思うと、大変だなぁと思いますね。(苦笑)
アンケートの結果を見て、ヒロインはマリアにすべきかと思っています。
本当に、シンが変身する仮面ライダーの名前をどうするかが思い浮かびません。(泣)


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96話 対峙する、水の剣士と魔王

零士side

 

カズマ「魔王の相手は、俺に任せて欲しい。」

 

 カズマは確かにそう言った。

 その発言に、俺達は驚いた。

 

アクア「ちょっとアンタ!何言ってんの!?」

めぐみん「そうですよ!幾らカズマでも1人では厳しいのでは………!」

ダクネス「お前は、先ほどの話を聞いていたのか!?」

ミツルギ「佐藤和真………!」

零士「……………。」

カズマ「頼む。」

 

 そう言って頭を下げる。

 皆の視線が俺に集中する。

 要するに、俺が決めろって事か。

 

零士「…………分かった。」

カズマ「零士………!」

零士「ただし!…………必ず、生きて帰ってこい。約束だ。」

カズマ「分かった!」

 

 そう言って、カズマは前に出た。

 すると、アクアが詰め寄る。

 

アクア「本当に良いの!?」

零士「俺は、アイツを信じる。」

リナ「………そうね。今は彼を信じよう。」

 

カズマside

 

 意外と止めるであろう零士が送り出してくれたのは意外だった。

 俺は魔王の前へと出る。

 

カズマ「待たせたな、魔王。」

魔王「漸く決まったのか……。なら、この我が相手になろう!」

カズマ「行くぜぇ!ゴラァァァ!!」

 

 魔王が剣を取り出して、俺は水勢剣流水を魔王に向かって振るう。

 魔王は水勢剣流水を受け止める。

 

魔王「まさか、これは聖剣か?」

カズマ「ご名答だぜ!」

魔王「なるほどな……!少しはやるな……!」

カズマ「俺も鍛えたからなぁ!!」

 

 魔王の剣を弾き飛ばそうとするも、しっかりと握っていて、吹っ飛ばなかったものの、パリィするまでには至った。

 その隙を突いて、水勢剣流水をぶつけようとするも、すぐに剣を戻して、ぶつけて来る。

 ならと思い、少し下がって、スノーブックマーカーを操作する。

 

『百大氷獣!』

『タテガミ大氷獣撃!』

 

カズマ「レオ・ブリザード・カスケード!」

 

 巨大な氷塊を生成して、魔王にぶつけて、受け止めた隙に、ライダーキックを放つ。

 氷塊ごと砕いて、魔王にキックを放ったのだが、少し手応えが浅い。

 

魔王「まさか……!ここまでとはな……!」

 

 その言葉に驚いて、魔王の方を見ると、左腕は吹っ飛ばせたものの、健在だった。

 

カズマ「マジかよ………!」

魔王「左腕を持ってかれたのは驚いたぞ、小僧よ!」

 

 やっぱり、一筋縄では行かないか。

 改めて、水勢剣流水を構える。

 

魔王「久しぶりにヒヤッとしたぞ!では、ここからは本気で行くか………!」

カズマ「!?」

 

 アレで本気じゃねぇのかよ!

 すると、魔王が消えて、どこに消えたのかと戸惑っていると。

 

カイト「カズマ!後ろだ!」

ユーリ「気をつけろ!」

カズマ「えっ………!グワっ!」

 

 すると、背後から強攻撃を食らって、タテガミ氷獣戦記から、ライオン戦記へと戻ってしまった。

 

魔王「まさか、この我をここまで追い詰めたのは褒めてやろう。」

カズマ「くそッ!背後からの強襲とか、大人気ないぞ!」

魔王「何とでも言え。我が本気を出したのだからな。」

アクア「カズマさん!ライオン戦記じゃあ、部が悪いわ!」

めぐみん「流石にこれ以上は………!」

ダクネス「カズマ!無理はするな!」

カズマ「うるせぇ!」

「「「!?」」」

 

 ごちゃごちゃうるさいアクア達にそう言う。

 本当にうるさいからな。

 

カズマ「これは俺の戦いなんだよ………!」

零士「そうだな。カズマの漢気に水を差すんじゃあ無い。」

魔王「貴様の勇気には賞賛を送ろう。しかし、その状態では、どうにも出来まい。」

カズマ「どうだがな?俺にはなぁ、奥の手があるんだよ!」

 

 俺は、海東大樹さんが呼び出した深海マコトさんから渡されたスペクター激昂戦記ワンダーライドブックを取り出す。

 

魔王「何だそれは!?」

カズマ「大樹さん、マコトさん!力を貸して下さい………!」

 

『スペクター激昂戦記!』

『とある兄貴が激昂の末に紫炎を纏う戦いの歴史…。』

 

 ライオン戦記を抜いて、スペクター激昂戦記を装填して、水勢剣流水を抜刀する。

 

『流水抜刀!』

『動物を纏いし!レジェンドライダー!』

『スペクター!』

『伝説一冊!正義の心は、さらなる力を剣に宿す!』

 

 俺は、スペクター激昂戦記へと変身する。

 

ミツルギ「何だアレは!?」

零士「アレはスペクター激昂戦記。仮面ライダースペクターの力も宿っている形態だ。」

アクア「何故かしら、アンデッドの力が宿っているような気がするわ。」

 

 アクアの奴、案外鋭いな。

 仮面ライダースペクターとは、深海マコトが変身する仮面ライダーだ。

 お化けがモチーフに入っている以上、アクアが嫌いな形態だろうな。

 見た目は、ライオン戦記の状態から、ディープスペクターゴーストを纏った様な外見だ。

 

魔王「姿が変わった所で、我には勝てんぞ?」

カズマ「どうだがな?行くぜ!」

 

 俺は魔王に突撃していく。

 水勢剣流水の剣栽と拳打を織り交ぜて、魔王に攻撃していく。

 

魔王「何っ!?剣だけでは無い!?」

カズマ「この形態じゃあ、俺も拳打を使うからな!」

 

 突如として、戦法が変わった事に動揺しているのか、魔王の判断力が鈍っている。

 そして、その隙をつき、ガンガンハンドを取り出して、魔王の右手を掴んで、引き寄せて、そのまま銃撃する。

 

魔王「何だその武器は!?」

カズマ「俺の国の武器だよ!」

 

 魔王が吹き飛んだと同時に、ガンガンハンドを捨てて、必殺技の体勢に入る。

 

『必殺読破!』

『流水抜刀!』

『スペクター激昂戦記!』

『この動物!一冊斬り!』

『ウォーター!』

『メガハゲシー!メガハゲシー!』

『極限ダイカイガン!』

『ギガオメガギリ!』

 

カズマ「ハイドロ・オメガドライブ!」

 

 水勢剣流水とディープスラッシャーにそれぞれ、水流と紫炎を纏わせて、魔王に向かって攻撃する。

 

魔王「グオッ!」

カズマ「俺の生き様、見せてやる!!」

 

 怒涛の連続斬りを放ち、怯んだ所で、水勢剣流水とディープスラッシャーを構えて、魔王に突進して、胸に大穴を開けた。

 

カズマ「…………。」

魔王「見事だ………。」

 

 魔王はそう言って、倒れた。

 

零士「カズマが、魔王を倒した……!」

めぐみん「凄いですよ、カズマ!!」

リナ「やるじゃない!」

ユーリ「本当に、最高だな!!」

カイト「まさか、カズマが倒すとはな。」

カリン「おめでとう!!」

ダクネス「まさか、カズマが倒すとは……!どうすれば良いんだ……!?」

ゆんゆん「凄いですよ!!」

アクア「…………。」

ミツルギ「まさか、彼が………。」

 

 周囲はものすごく盛り上がっていたが、突然に、俺とアクアはその場から消えた。

 目を開けると、そこには、あのアクアと会った部屋に居た。

 

エリス「おめでとうございます。カズマさん。」

 

 声が聞こえて、前を向くと、エリス様とアクアが居た。

 俺はいつの間にか変身解除していた。

 

エリス「さて、魔王を倒したあなたには、どんな願いでも一つだけ叶えましょう。」

カズマ「……………。」

 

 それを聞いて、俺は願いを決めた。

 

カズマ「この世界に来る際に、貰い損ねたチートを下さい。」

エリス「その願い、承りました。そうですね、魔王が倒されたとはいえ、まだまだ強敵やメギドが居ますしね。」

 

 そういえば、まだストリウスが残っていたような気がする。

 

エリス「それで、どのような能力を、あなたは望みますか?」

カズマ「…………女神はチートに入りますか?」

 

 そう言って、またアクアを連れて行くことにした。

 その後、色々とトラブルはあったものの、零士との約束通り、生きて帰ってこれた。




今回はここまでです。
このすばとしての物語は終わりました。
次回から、仮面ライダーセイバーとしてのストーリーです。
シンが変身する仮面ライダーに関しては、仮面ライダーライノセラスにする事にしました。
由来は、カブトムシの英語での呼び方から取りました。


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第18章
97話 目を覚ます、不死身の剣士


ノエルside

 

 どうやら、佐藤和真が魔王を倒した様だな。

 これで、私の計画も動けますよ。

 

ノエル「さて、剣士達に対して、猟犬でも放ちますかねぇ。」

 

 以前、回収した破滅の書を開く。

 すると、黒くなった不死鳥が現れて、そこから、バハトが現れた。

 

バハト「貴様、何者だ?」

 

 そう言って、私に襲い掛かったが、私は全知全能の書の一部を使い、対抗する。

 

バハト「破滅の書を返せ。」

ノエル「私が世界を滅ぼします。」

バハト「…………どうやら、これまでの大臣とは違うようだな。」

ノエル「あなたに、剣士の相手をして欲しいのですよ。」

バハト「良いだろう………。」

 

 さて、剣士達よ。

 どのように対応するか、見させてもらおう。

 

零士side

 

 カズマが魔王を倒して、アクセルは凄く沸き上がった。

 何せ、最弱職である冒険者が、一対一の勝負で魔王を倒したのだ。

 リアとエーリカからも聞いたが、結構苦戦したが、どうにかなったらしい。

 その為、魔王を倒した賞金がカズマに入ってきた。

 そうして、その日は宴会となった。

 しばらくして、俺はユーリと向き合っていた。

 リナも同行していた。

 

零士「どうしたんだ?ユーリ。」

ユーリ「いや、お前は本当に成長したなと思ってな。」

零士「そうかな?」

ユーリ「だからこそ、お前と一対一の真剣勝負を望む。」

零士「分かった。」

 

『エックスソードマン!』

『エレメンタルドラゴン!』

『最光発光!』

『烈火抜刀!』

 

「「変身!」」

 

『エックスソードマン!』

『エピソード1!』

『エレメンタルドラゴン!』

『エレメントマシマシ!キズナカタメ!』

 

 ユーリはエックスソードマンに、俺はエレメンタルプリミティブドラゴンへと変身して、お互いの聖剣をぶつけ合う。

 

ユーリ「成長したな!」

零士「まあな!」

 

 俺は、この世界を守ると決意したのだ。

 その為に、強くなる。

 今までも、そして、これからも。

 その想いを、火炎剣烈火に乗せる。

 戦いは、白熱していく。

 

リナ「2人とも!頑張って!!………ん?何よあれ!?」

 

 鍔迫り合いをしていると、リナが何かを見つけたようで、上を見ると、一体の不死鳥が。

 すると、俺とユーリが居る所に落ちてきた。

 俺とユーリは、急いで躱す。

 土煙が立っていて、目を凝らすと、誰かが居る。

 土煙が晴れると、そこには、無銘剣虚無を携えた1人の剣士が。

 

ユーリ「お前は………!」

零士「バハト………!」

 

 そう、かつての紅魔の里における戦いで、確かに封印されたはずのバハトが居た。

 

リナ「バハトって!零士が封印したはずじゃないの!?」

バハト「貴様ら剣士を地獄に落とす為に……蘇った。」

ユーリ「なら、もう一度封じるまで!」

バハト「…………ユーリ。」

 

 やはり、ユーリとバハトは面識があるみたいだな。

 

バハト「丁度良い。」

 

 そう言って、無銘剣虚無を、覇剣ブレードライバーへと納刀して、エターナルフェニックスワンダーライドブックを取り出す。

 

『エターナルフェニックス!』

『かつてから伝わる不死鳥の伝説が今、現実となる……。』

 

 エターナルフェニックスワンダーライドブックを、覇剣ブレードライバーへと装填して、無銘剣虚無を抜刀する。

 

『……抜刀!』

 

バハト「シーッ……。変身。」

 

 バハトの背後に巨大なエターナルフェニックスワンダーライドブックが出現して、無銘剣虚無を振るう。

 

『エターナルフェニックス!』

『虚無!漆黒の剣が、無に帰す……!』

 

 バハトは仮面ライダーファルシオンへと変身する。

 

ユーリ「零士、来るぞ!」

零士「分かってる!」

バハト「フハハハハハッ!!」

 

 バハトは笑いながらこちらに襲ってくる。

 エレメンタルドラゴンの力で、火炎剣烈火に属性の力を乗せて、迎撃すると、無銘剣虚無から漆黒の炎が噴き出して、あっという間に属性付与が無くなった。

 そのまま斬られる。

 

リナ「どういう事!?」

零士「アレが無銘剣虚無だ!聖剣の力を無に帰す力を持ってるんだよ!」

リナ「!!………加勢するわ!」

 

『ゴールデンアランジーナ!』

 

 リナも仮面ライダーエスパーダゴールデンアランジーナに変身して、加勢するも、状況は変わらない。

 

バハト「どうした!炎の剣士!」

零士「悪いけど、負けてらんねぇんだよ!」

 

 俺は、火炎剣烈火の力を引き出す。

 すると、上空が歪んで、ヒビが入る。

 そこには、1人の少女が。

 

零士「…………!」

リナ「レイナ!」

ジュン「リナ!」

リナ「分かったわ!」

 

 リナが上空に向かって俺を打ち出して、俺はレイナに手を伸ばして、手を繋ぎ、重力に従って、レイナと共に落ちる。

 

バハト「まさか、貴様が選ばれた者だったとはな………。」

 

 バハトはそう言って、離脱した。

 

ジュン「レイナ………!」

レイナ「久しぶりね、ジュン、リナ。………そして、初めまして、神崎零士さん。」

零士「…………どうも。」

 

 俺たちはひとまず、レイナを保護して、アクセルへと戻り、剣士達に緊急招集をかける。

 流石に、ミツルギとアイリスは呼べなかったので、ひとまず、十剣士に集まってもらう。

 俺、リナ、ユーリは、バハトが再び現れたことを言う。

 

カズマ「ハァッ!?おいおい、バハトがまた現れたのかよ!」

アクア「嘘でしょ……!?」

めぐみん「まさか………!」

ダクネス「何………!?」

カイト「マジかよ………!!」

カリン「ええっ!?」

リア「あの、すまない。バハトとは誰だ?」

エーリカ「ちゃんと説明しなさいよ!」

シエロ「そうですね。」

 

 そっか、アクセルハーツは、バハトとは会っていないもんな。

 紅魔の里で起こった事件を簡単に彼女達に説明する。

 

リア「そうだったのか………。」

リナ「さて、ユーリ。話してもらうわよ。あなたとバハトの関係を。」

ユーリ「………そうだな。分かった。話しておこう。バハトがどういう男なのか。」

 

 そうして、ユーリはバハトとの関係を話し始めた。

 

ユーリ「あの男は、かつて、同じ騎士団に所属していた戦士で、俺の同僚だ。使命感に溢れていて、良い奴だった。」

アクア「今の姿からは大分想像出来ないんですけど……。」

カイト「確かに。」

ユーリ「俺達は、世界の平和を守ろうとそう誓ったのだ………。あの事件が起きるまでは。」

リア「あの事件?」

カリン「何があったのよ?」

ユーリ「同じ騎士団の仲間が、力に溺れてしまって、アイツの……バハトの家族を殺めてしまったのだ。」

エーリカ「ええっ……。」

シエロ「そんな………。」

ユーリ「その結果、アイツは怒り、悲しみ、絶望に飲まれて、家族を手にかけた仲間を斬殺したんだ。」

カイト「そうなのか………。」

リナ「そんな過去が………。」

 

 ユーリは、何かの過去を思い出すかの様に、目を瞑った。

 恐らく、バハトの事を思い出してるのだろうな。

 

ユーリ「そうして、人間を、世界を恨んだアイツは、無銘剣虚無に選ばれて、聖剣と破滅の書の2つを使って、世界を滅ぼそうとした。」

めぐみん「絶望の果てにですか………。」

ダクネス「大切な者を失った悲しみが、あまりにも大きかったのだな。」

ユーリ「だが、俺が光剛剣最光と、闇黒剣月闇を使って、アイツを封印した。だが、その事がトラウマになって、アイツをあんな風にしてしまったのだ。」

零士「…………。」

カズマ「………そうなってもおかしくはないよな。俺だって、そんな風になったら、世界を滅ぼそうとする。」

 

 やはり、バハトの過去は、壮絶な物だったのだと容易に想像がつく。

 俺たちが重い空気になっていると、急に謎の煙が周囲を包む。

 

零士「何だこれ!?」

ユーリ「気を緩めるな!」

 

 すぐに煙が晴れて、周囲を見渡すが、レイナが居ない。

 

ジュン「レイナ!?」

リナ「レイナ!?」

カズマ「何であの子が居ないんだ!?」

???「この子は確かに頂きましたよ。」

『!?』

 

 外を見ると、フードを目深に被った男が、レイナを抱き抱えていた。

 

ダクネス「貴様!何者だ!?」

???「あなた方には答える義務はありませんねぇ。」

アクア「待ちなさいよ!」

 

 すると、先ほどの煙がその男を包み、消えてしまった。

 俺達は、突然の出来事に、動く事が出来なかった。

 




今回はここまでです。
遂に動き出すノエル。
次回、本性が明らかとなります。
シンが変身するライノセラスは、ライノセラスドライバーを使って変身して、音声は、デモンズドライバーが津田健次郎なら、ライノセラスドライバーは杉田智和で、シンにとって、キバットみたいに気軽に相談出来るような悪魔が格納される設定にする予定です。
形状自体は、デモンズドライバーと同じです。
賢者の孫とリバイスの小説は、リバイスのストーリーを軸にやりますが、賢者の孫としてのストーリーも入るので、リバイスとは展開が異なる可能性もあります。


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98話 暴かれる、新たな危機

 レイナが謎の男に攫われてしまい、リナが呆然としていた。

 しばらくすると、魔王討伐記念のパーティーを開く為、魔王討伐に関わったパーティと、アクセルの防衛に尽力したアクセルハーツも来てくれと招待状がやって来た。

 俺達は分かるのだが、何故、アクセルハーツも呼ばれるんだ?

 そんな疑問を抱きつつ、俺達は正装に身を包んで、大臣が用意したという王都の野外の特設会場へと向かう。

 

零士「………何で、特設会場なんだ?」

リナ「…………分かんないわよ。」

カイト「リナ。しっかりしろ。」

カリン「ショックなのは分かるけど、ここで暗かったら、皆が盛り下がるでしょ。」

リナ「それはそうなんだけど……。」

ユーリ「…………。」

 

 周囲には、色んな来賓の人たちで、溢れかえっていた。

 俺たちの近くには、カズマ達のパーティにゆんゆん、ミツルギのパーティも居た。

 しばらくすると、王女アイリスが現れて、俺達が呼ばれた。

 

アイリス「皆さん、魔王討伐、お疲れ様です。本当に良くやりました。」

カズマ「あ、ありがとうございます……。」

アクア「魔王討伐のMVPは、この私だからね!」

 

 アクアがそう言うが、アイリスはにこやかに笑っていた。

 すると、大臣のノエルが現れて。

 

ノエル「皆さん、本当に良くやりました。魔王討伐お疲れ様です。」

リア「しかし、私たち、アクセルハーツは、魔王討伐に関わっていないのに、どうして呼ばれたのですか?」

ノエル「何。気にする事はありませんよ。……あなた方にも用があるので。」

 

 そう言うと、雰囲気が変わった。

 何か様子が変だ。

 

ノエル「さて。フッ!」

ユーリ「不味い!零士とカイトを逃がせ!」

 

 ノエルが何かの本を振るうと、赤い衝撃波が俺たちを襲おうとするが、ユーリに突き飛ばされて、俺とカイトは躱せたものの、残りの皆が衝撃波に吹き飛ばされて、聖剣とワンダーライドブックが大臣の元へ。

 ユーリも消えてしまい、聖剣とワンダーライドブックが大臣の元へ。

 だが、ミツルギの聖剣とワンダーライドブックは奪われていない。

 

アイリス「大臣!?これは一体……!?」

ノエル「ああ。もう、私は大臣ではありませんよ。世間知らずのアイリス様?」

クレア「貴様!アイリス様を侮辱するとはな!到底許せん!!」

カズマ「まさか………!」

ノエル「そうですよ!あなた方が魔王を倒してくれたおかげで、私の計画が動き出す!」

 

 やはり、本性を隠していたか……!

 という事は、レイナも……!

 

リナ「まさか………!あなたがレイナを攫ったの!?」

ノエル「その通りです。………そうです。あなた方に面白い話をしてあげましょう。」

カイト「面白い話だと?」

カリン「何の事よ?」

ノエル「ジンという伝説の剣士が居ましたね。実はですね……あの剣士が私の依頼したクエストで彼が死んだのは、私が誘導したからなんですよ!」

「「「!?」」」

 

 リナとカイトとカリンが驚愕の表情を浮かべる。

 

ノエル「あの剣士は、私の計画に察知して、止める様進言して来た。だから、鬱陶しくなったので、消したのですよ!!」

「「「!!」」」

アイリス「では………。あなたの部下の四賢神はどうしたのですか……!?」

ノエル「ああ。あの頭の硬い老いぼれ共には退場してもらいました。」

アイリス「えっ………。」

ノエル「私はね。この退屈な世界を創り換えるんです。争いの絶えない世界に。朝の小鳥の囀りが、人々の悲鳴に変わる。そんな刺激的な世界にね!」

 

 まさか、こんな事をカミングアウトしてくるとはな。

 しかも、気付いたが、レイナがベッドに寝かされていた。

 

リナ「レイナ!」

ノエル「さあ。火炎剣烈火と、闇黒剣月闇を私に渡しなさい。」

ミツルギ「…………貴様ァァァ!!」

零士「渡せって言われて、渡す奴が居るとでも思ったのか!」

カイト「ここで、ジンさんの敵を討つ!……そして、アンタの野望はここで終わらせる!」

アイリス「ここまでの蛮行、到底見過ごす事が出来ません!!」

 

『エレメンタルドラゴン!』『プリミティブドラゴン!』

『ジャオウドラゴン!』

『ムーンドラゴン!』『エクストリームラビット!』『銀河特急の夜!』

『スタードラゴン!』

『エレメンタルドラゴン!ゲット!』

『ジャオウリード!』

『スターリード!』

『烈火抜刀!』

『闇黒剣月闇!』

『萬月抜刀!』

『星雲剣恒星!』

 

「「「「変身!!」」」」

 

『エレメンタルドラゴン!』

『ジャオウドラゴン!』

『フルムーンドラゴン!』

『スタードラゴン!』

 

 俺はセイバー、カイトはカリバー、ミツルギはグラム、アイリスはグラディウスへと変身する。

 すると、カイトが動いた。

 

カイト「聖剣は、ここで封印する!」

 

 どうやら、カイトは俺と約束した事を果たしているのだ。

 以前、万が一、聖剣を奪われた場合は、すぐさま封印してくれと依頼した。

 それにより、水勢剣流水、雷鳴剣黄雷、土豪剣激土、風双剣翠風、音銃剣錫音、光剛剣最光、煙睿剣狼煙、時国剣界時が封印された。

 

カズマ「よし!」

アクア「これで、悪用はされないわ!」

めぐみん「お願いします!私たちの聖剣を取り戻して下さい!」

ダクネス「頼む!アイツを止めてくれ!」

零士「言われなくても!」

 

 だが、一体の不死鳥が突進してきて、俺達は吹き飛ばされる。

 そこにいたのは、バハトだ。

 

カイト「バハト………!」

バハト「剣士は、皆滅ぼす。」

 

『エターナルフェニックス!』

『……抜刀!』

 

バハト「シーッ……。変身。」

 

『エターナルフェニックス!』

『虚無!漆黒の剣が無に帰す……!』

 

アイリス「この人が、バハト……!」

ミツルギ「誰だか知らないけど、邪魔をするなら倒させてもらう!」

カイト「行くぞ!」

零士「ああ!」

 

 俺達は、4人の連携で、バハトと戦う。

 流石のバハトも、ミツルギとアイリスを相手にして、苦戦している。

 

ミツルギ「これでとどめだ!」

アイリス「一気に決めます!」

 

『必殺読破!』

『必殺リード!』『スタードラゴン!』

『萬月抜刀!』

『ムーンドラゴン!ラビット!銀河鉄道の夜!』

『三冊斬り!』

『フ・フ・フ・フルムーン!』

『恒星必殺撃!』

『習得一閃!』

 

ミツルギ「萬月斬り!」

アイリス「エクステリオン!」

バハト「グッ!」

 

 2人の必殺技を食らって、バハトは消滅した様に見える。

 

ミツルギ「やったか!?」

カズマ「おい!それ、フラグ!」

バハト「やーられた!」

カイト「危ない!」

 

 バハトがアイリスとミツルギの2人の背後に現れて、一閃するも、カイトが身を挺して守って、2人は無事だ。

 しかし、カイトは変身解除して、闇黒剣月闇とジャアクドラゴンが大臣の元へ。

 つまり、封印が解けてしまった。

 

零士「カイト!大丈夫か!?」

カイト「ああ。ジャオウドラゴンは無事みたいだしな。」

 

 よかった。

 ミツルギとアイリスがそれを見て、震え出した。

 

ミツルギ「貴様ァァァ!!」

アイリス「許せません!」

バハト「かかってこい!」

 

 だが、冷静さを欠いたのか、少ししたら、倒されていた。

 だが、2人の聖剣とワンダーライドブックはどういう訳か、手元にある。

 

バハト「後はお前だけだ……。」

零士「かかってこい。」

 

 俺は単独で、ファルシオンに立ち向かう。

 

ノエルside

 

 闇黒剣月闇は手に入りました。

 後は、火炎剣烈火と無銘剣虚無だけだ。

 すると、隣から動く気配が。

 

レイナ「ううん……。ジュン、零士さん。」

ノエル「お目覚めですか。では、最後の仕上げと行きましょうか。」

 

 私は、破滅の書を開き、彼のブレイブドラゴンと呼応させて、あの本を精製する。

 

零士side

 

 やはりというべきか、ノエルは破滅の書を持っていて、開くと同時に、俺のブレイブドラゴンも反応して、ブレイブドラゴン、ルーンブライトドラゴン、ルーンディムドラゴンの3体が飛び出して、エモーショナルドラゴンワンダーライドブックを精製する。

 

ジュン(どうする?罠だろうな。)

零士(でも、バハトを倒す為には使うしかないだろうな……!)

 

『エモーショナルドラゴン!』

『勇気!愛!誇り!3つの力を持つ神獣が、今ここに……!』

 

 俺は、エモーショナルドラゴンワンダーライドブックを、ライトシェルフに装填して、火炎剣烈火を抜刀する。

 

『烈火抜刀!』

『愛情のドラゴン!勇気のドラゴン!誇り高きドラゴン!エモーショナルドラゴン!』

『神獣合併!感情が溢れ出す……!』

 

 俺は紅魔の里にて変身した、エモーショナルドラゴンへと変身する。

 

カズマ「アレって………!」

バハト「ウアァァ……!お前はやがて力を手にする……。しかし!その力がまた争いを生む!それが人の本質!宿命だ……!」

零士「俺が手にするのは、この世界に生きる人達を守る為の力だ!」

 

 ファルシオンが斬りかかってくるが、滅壊の盾で受け止め、凄まじいオーラを纏った火炎剣烈火で、ファルシオンを二度攻撃する。

 すると、呆気なく変身解除して、無銘剣虚無とエターナルフェニックスワンダーライドブックも、大臣の元へ。

 

ノエル「あなたの役目はここまでです。」

バハト「……フッハハハハハハッハッハッハッハッハッ………!」

 

 バハトは笑いながら消滅した。

 皆が俺の元へと駆け寄る。

 

ノエル「やはり、あなたは凄いですねぇ!」

零士「ウワッ!」

リナ「零士!」

 

 すると、衝撃波が当たり、火炎剣烈火、ブレイブドラゴン、キングオブアーサー、ドラゴニックナイト、プリミティブドラゴン、エレメンタルドラゴン、エモーショナルドラゴンを奪われてしまった。

 そうして、ノエルの元に全ての聖剣とワンダーライドブックが集合してしまった。

 

ノエル「さあ!儀式を始めましょう!」

レイナ「ウッ!」

リナ「レイナ!」

ジュン「レイナ!!」

 

 すると、レイナが上空に現れたセフィロトの樹に吸い込まれていく。

 

アクア「カズマさん!どうにかならない!?」

カズマ「無茶言うなよ!」

ソフィア「私が行きます!」

 

 すると、ソフィアが現れた。

 

ダクネス「ソフィア様!」

めぐみん「どうやってここへ!?」

ゆんゆん「そんな事より!早くあの子を!」

ソフィア「分かっています!」

カイト「まさか、ソフィア様が身代わりになるつもりじゃ……!?」

 

 そう言って、ソフィアはレイナの元へと向かうが。

 

ノエル「今更何しにきた。この役立たずが!」

 

 しかし、ノエルに引き剥がされて、地面に落下する。

 そして、上空に、目次録が出現して、そこにワンダーライドブックとアルターライドブックが吸い込まれていく。

 

カリン「ソフィア様!」

カイト「大丈夫ですか!?」

リナ「レイナ!!」

レイナ「ジュン!リナ!」

ジュン「レイナ!」

 

 すると、レイナが己の力を振り絞ったのか、坂が出現する。

 

ノエル「何………?」

ジュン「行くぞ、零士!」

零士「ああ!」

 

 俺は、必死に力を振り絞って、その坂を駆け上がる。

 側から見ると、シュールだが、俺としては必死なのだ。

 そこら辺を突っ込んではいけない。

 天辺まで来て、あと少しでレイナと手を繋げる。

 

レイナ「ジュン!」

ジュン「レイナ……!」

零士「行けェェェェ!!」

 

 すると、手を繋げて、レイナを引き寄せる。

 

レイナ「ありがとう。」

ジュン「レイナ……!」

ノエル「どうぞご自由に!もうその少女も要りませんので!」

零士「お前にその力は渡さない!」

 

 俺はすぐさま、火炎剣烈火を引き抜く。

 

零士「物語の結末は、俺が決める!」

 

 火炎剣烈火を振るい、儀式を強制的に中断させる。

 流石のノエルも動揺していた。

 

ノエル「何だと……!?」

ジュン「大丈夫か。」

レイナ「うん!」

 

 すると、それぞれの聖剣とワンダーライドブックが、手元に戻り、ユーリも復活した。

 

ユーリ「おおっ!やっぱり零士は最高だな!」

カリン「音銃剣錫音………!」

 

 俺の手元にも、奪われていた全てのワンダーライドブックが戻ってきている。

 すると、目次録が小さくなっていき、ノエルの元へと向かう。

 つまり、オムニフォースワンダーライドブックへと変化したのだ。

 

ノエル「………!フハハハハハッ!フハハハハハッ!」

アクア「何か、ワンダーライドブックを持ってるんですけど……!!」

カズマ「お前ら!」

ダクネス「奴を倒す!」

 

 俺たちが変身しようと、ワンダーライドブックと聖剣を構えると、オムニフォースからキングエクスカリバーに酷似した剣、カラドボルグを取り出す。

 

ノエル「虫ケラどもが……!フッ!」

 

 ノエルがカラドボルグを振るい、周囲が闇に包まれると、世界が滅ぶイメージが浮かぶ。

 気がつくと、ノエルは逃げていた。

 

零士「逃げられたか……!」

アイリス「心配要りません。クレア。」

クレア「はい。王女アイリスの権限により、ノエルを指名手配する!」

ダクネス「でも、全知全能の書が、奴の手に渡ってしまった……!」

ユーリ「いや、アレはまだ不完全だ。」

カズマ「なら、打つ手はあるな。」

 

 その後、力を使いすぎたのか、レイナは消えてしまった。

 




今回はここまでです。
次回、仮面ライダーソロモンが登場します。
現在、デモンズドライバーやワンダーオールマイティが届き始めてますね。
賢者の孫とリバイスの小説は、現在書いています。


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99話 破滅の未来を、変えるのは誰だ

 あの後、俺たちはノーザンベースに集まっていた。

 

ダクネス「それにしても、落ち着くな。自分の聖剣が手元にあるのは。」

カリン「お帰り!音銃剣錫音ェェッ!!」

カイト「カリン……!?」

アクア「カリンが気持ち悪くなってる……!」

 

 まあ、刀鍛治として、自分の剣はとても大切なのだろう。

 だからといって、剣に頬擦りするのは、いささか危ない気がするが。

 

カズマ「まあ、喜んでばかりじゃないんだけどさ。」

零士「ああ。ノエルが不完全とはいえ、全知全能の書を手に入れた。何としても奴の目論みは阻止しないと。」

カリン「なら、私に任せて。今こそ……、光の聖剣を調べる時………!」

ユーリ「なっ!?お前、まだ諦めていなかったのか!?」

 

 カリンがそう言うと、ユーリの肩を組み、逃げられない様にした。

 

ユーリ「くそっ!アレ以来何も仕掛けてこないから油断した!離せッ!!」

カリン「光の聖剣を調べればこの現状を打破出来る何かが分かる!これも世界を救うためよォォォ!」

ユーリ「零士!この女を止めてくれ!!」

 

 流石に可哀想なので、カリンを全員で取り押さえる。

 

リナ「そうね。まだ不完全である以上、レイナを狙う可能性もあるからね。」

めぐみん「とにかく!あの全知全能の書はとってもカッコいいです!出来れば欲しい所ですよね!」

カズマ「………もう、突っ込まないぞ。」

 

ノエルside

 

 なるほど、指名手配にして来ますか。

 なら、剣士達にも、現実を教えましょう。

 

ノエル「今こそこの私に見せてみろ!全知全能の力を!」

 

『オムニフォース!』

 

 オムニフォースを太陽に向かって翳すと、そこから、黒雲が広がって行く。

 これなら、あの剣士達も来るでしょう。

 

零士side

 

 ノーザンベースで話し合っていると、どこからともなく、黒雲が広がっていき、雷が落ち始めた。

 

ソフィア「ノエルが動き出しました!皆さん、お願いします!!」

零士「分かった!」

カズマ「よし!行くぞ!!」

 

 俺たちは聖剣を手にして、すぐに駆け出して行く。

 アクアはどうやら、雷にビビったようだ。

 とある丘に着くと、そこにはノエルが佇んでいた。

 

ノエル「来ましたか。」

カズマ「そんな所で何やってんだよ!?」

ノエル「あなた方には、私の計画を話しておこうと思いましてね。フッ!」

 

 ノエルが手に持っているカラドボルグを振るうと、黒雲はあっという間に消えていった。

 俺は気になる事があるので、聞く。

 

零士「争いの絶えない世界にするって言ったよな。何でそんな事をするんだ!?」

ノエル「私の一族は、代々大臣としての職務を受け継いでいて、2つの世界の均衡を守り、全知全能の書の復活を防ぐのが私の使命でした。しかし、折角全知全能の力があるのにも関わらず、何もしない愚かで怠惰な一族でした。」

ユーリ「それでも世界を守るのがお前の使命の筈だろ!」

 

 ユーリがそう言うと、ノエルは狂ったように笑い出す。

 

ノエル「使命?世界……!?そんなものもう飽き飽きです。力を手にした。だからその力を使う!この退屈な世界を、破壊と殺戮という刺激に満ちた世界に変えるために!」

ダクネス「あいつ、何を言っている……!?」

 

 ダクネスが理解出来ないのは分かる。

 俺も理解出来ない。

 どうやら、全員理解出来ないようだ。

 

ノエル「愚かな人類への……私からのささやかなプレゼントです。」

 

『オムニフォース!』

『伝説の聖剣と選ばれし本が交わる時、偉大な力を解き放つ……!』

 

 オムニフォースの朗読文を流したノエルは、笑ったり真顔になったりしながら、ドゥームズドライバーバックルにオムニフォースを装填して、ドゥームズライドを手で押す。

 すると、背後に巨大なオムニフォースが出現する。

 

ノエル「変身。」

 

『OPEN THE OMNIBUS,FORCE OF THE GOD!』

『KAMENRIDER SOLOMON!!』

『FEAR IS COMING SOON……!』

 

 ノエルが、仮面ライダーソロモンへと変身した。

 それを見て、俺たちも変身する。

 

『エレメンタルドラゴン!』

『タテガミ氷獣戦記!』

『ランプドアランジーナ!』『ニードルヘッジホッグ!』『トライケルベロス!』

『玄武神話!』

『猿飛忍者伝!』

『ヘンゼルナッツとグレーテル!』

『ジャオウドラゴン!』

『エックスソードマン!』

『エレメンタルドラゴン!ゲット!』

『ジャオウリード!』

『烈火抜刀!』

『流水抜刀!』『タテガミ展開!』

『黄雷抜刀!』

『一刀両断!』

『双刀分断!』

『銃剣撃弾!』

『闇黒剣月闇!』

『最光発光!』

 

「「「「「「「「変身!!」」」」」」」」

 

『エレメンタルドラゴン!』

『氷獣戦記!』

『ゴールデンアランジーナ!』

『ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!』

『風双剣翠風!』

『音銃剣錫音!』

『ジャオウドラゴン!』

『エックスソードマン!』

 

 俺たちもすぐさま仮面ライダーへと変身してソロモンと戦闘する。

 しかし、相手は、ノエルとはいえ、仮面ライダーソロモン。

 苦戦していた。

 ダクネス、めぐみん、カリン、カイト、ユーリが行くも、吹き飛ばされる。

 それでもカズマがソロモンの足を凍らせて、リナが鎖で右手を動けなくして、俺が上空から奇襲をして、カズマとリナも攻撃を仕掛ける。

 

『OMNIBUS LOADING!』

『SOLOMON BREAK!』

 

 しかし、ソロモンがすかさずソロモンブレイクを発動させて、俺たち全員の攻撃が跳ね返されて、吹っ飛ぶ。

 

ノエル「己の無力を思い知れ。」

 

『OMNIBUS LOADING!』

『SOLOMON STLASH!』

 

 そして、ソロモンストラッシュを発動させて、巨大なカラドボルグのエネルギー体を召喚して、俺たちは薙ぎ払われる。

 

ノエル「ご覧なさい。これが私の力です。」

 

 そう言って、カラドボルグから謎の黄色の光が放出されたと思ったら、上空に巨大な本が。

 

リナ「何よあれ!?」

ノエル「これから始まります。では。」

 

 そう言って撤退した。

 

カズマ「皆、下がってろ!」

 

『必殺凍結!』

『流水抜刀!』

『タテガミ氷河斬り!』

 

 カズマの必殺技が、上空の本に命中するが、傷ひとつついたようには見えない。

 俺たちは、状況を整理するべく、一旦ノーザンベースへと帰還した。

 

アクア「皆!これを見て!」

 

 アクアが見せてきたのは、世界各地に出現したあの巨大な本だ。

 

ダクネス「世界各地に出現したのか!?」

めぐみん「でも、何の為に?」

カイト「あの本が開くと、世界は滅ぶ。」

カリン「そんな!?」

カズマ「見ろ!」

 

 すると、画面に映っていた本が、開くと、ノエルが現れた。

 

ノエル「諸君、ご機嫌よう……。我が名はノエル。世界の支配者となった男だ。私は、この世界を破滅に導く神……ですが、私は無慈悲ではありません。貴方達が生き残る方法を教えます。………それは『戦争』です。戦い会え人間ども!勝利した者は生かしてやろう!さあ……始めるのだ!!」

 

 そう言って、消えた。

 

アクア「何が神よ!?ちょっと強い力を手に入れたからって調子に乗って!!」

ダクネス「しかし、不完全とはいえ、あのような強大な力を持つのは事実だ。」

めぐみん「じゃあ、私たちにはどうしようも出来ないんですか……!?」

カリン「人が鍛えし始まりの聖剣に、火を灯さんとする者現れし時、星を結びて力を束ね、物語を終焉へと導く聖剣が生まれる。」

カズマ「何だよそれ?」

カリン「実は、音銃剣錫音を使ってた大秦寺哲雄さんの一族に伝わる伝承。これが鍵になるかもしれないの。」

 

 その伝承はまさに、刃王剣十聖刃の伝承だ。

 

リナ「でも、人が鍛えし始まりの聖剣って一体何なの?」

ユーリ「零士が持つ、火炎剣烈火だ。」

零士「そうだ。だから、頼む。皆、力を貸してくれ。」

カズマ「言われるまでもねぇよ。」

リナ「分かった。」

カイト「…………。」

 

 まずは負った傷を癒す事にする。

 

バハトside

 

 あの大臣がそんな事を言った際に、俺は無銘剣虚無を持ちながら、1人呟いた。

 

バハト「世界を滅ぼすか………。」

 

 とりあえず、どうするのかをあの大臣に聞きに行くとしよう。

 

ノエルside

 

 あの演説をして、数日が経ち、私のこの隠れ別荘にも、ベルゼルグ王国軍が迫ろうとした際には、迎撃して、今は近寄ってこない。

 

バハト「世界を滅ぼされるかもしれないってのに、随分と静かだな。」

ノエル「まだ、現実を分かっていない様でしょうね。なら、思い知らせましょう。」

 

 バハトにも聞かれた事で、私も、動くとしましょうかね。

 

ミツルギside

 

 僕は、まだまだなのか。

 魔王も、佐藤和真が単独で倒してしまい、その佐藤和真でさえも、あのノエルという大臣に押されたと聞く。

 何故、そこまでして、彼らは戦うんだ。

 

デザスト「どうした?」

 

 デザストに鍛えてもらってから、徐々に強くなってはいるものの、これではアクア様を守れない。

 

デザスト「もしかして、お前、自分が役に立ってないって気にしてんのか?」

ミツルギ「なっ……!?」

デザスト「そうだよな。お前、何にも役に立たなかったしな。魔王を水の剣士が単独で倒したり、あの不死身の剣士にも勝てなかった。あいつの事気になってるんだろ?そうやって逃げてても仕方ねぇだろ。情けねぇ奴。」

クレメオ「アンタ、何言ってんのよ!?」

フィオ「そうよ!キョウヤはね、あの神崎零士よりも強いんだから!」

ミツルギ「やめてくれ!」

「「キョウヤ………。」」

 

 そうだ。

 いつまでも考えている訳にはいかないんだ。

 

ミツルギ「少し出かけてくる。」

デザスト「ふぅん………。」

 

零士side

 

零士「カイトが居ない!?」

リナ「そうなの!目を離した隙に居なくなっちゃって!」

カズマ「まさか、単独で大臣のとこに行ったのかよ!」

 

 少し思い詰めていた表情をしていた事から、あり得るな。

 俺たちはすぐさまカイトが居るところに向かう事にした。

 ちなみに、ユーリはアクアを連れて、どこかに行ってしまった。

 すると、ミツルギが現れた。

 

リナ「どうしたのよ?」

ミツルギ「神崎零士!僕と戦え!」

カズマ「何言ってんだよ!?」

ミツルギ「そうしないと、僕は前に進めないんだ………!」

零士「分かった。カズマとリナは先に行っててくれ。」

カズマ「………分かった。先に行くぞ!」

リナ「早く来てね!」

 

 カズマとリナはそう言って、カイトの元へと向かう。

 

ミツルギ「手加減はなしだ!」

 

『ムーンドラゴン!』『エクストリームラビット!』『銀河特急の夜!』

 

零士「俺もそのつもりだ!」

 

『エレメンタルドラゴン!』『プリミティブドラゴン!』

 

『萬月抜刀!』

『烈火抜刀!』

 

「「変身!!」」

 

『萬月の力を宿す神獣のその名は!フルムーンドラゴン!』

『萬月三冊!』

『萬月の剣が、悪を貫き、全てを照らす!』

『バキッ!ボキッ!ボーン!メラ!メラ!バーン!シェイクハンズ!』

『エレメンタルドラゴン!』

『エレメントマシマシ!キズナカタメ!』

 

 ミツルギはフルムーンドラゴンへと変身し、俺はエレメンタルプリミティブドラゴンへと変身する。

 俺とミツルギは、お互いの聖剣をぶつけ合っていく。

 途中で、俺がエレメント化して避けようとしても、月光剣萬月の力で無力化される。

 以前と比べて、ミツルギは強くなっている。

 それでも、俺は負けない。

 色んな剣士と戦って、本当の強さを学んだんだ。

 最終的に、俺が勝った。

 

ミツルギ「何で!僕は強くなった筈……!!」

零士「お前は確かに強い。でも、強くなったからって、弱さを受け入れない限り、お前は前に進めないと思うな。」

 

 俺はそう言い残して、カイト達の元へ。

 

カズマside

 

 何とか、カイトを見つけ出す事に成功した。

 

カズマ「カイト!どこ行ってたんだよ!」

リナ「探したんだから!」

カイト「悪い。」

カズマ「……まさか、聖剣を封印して、ノエルの野望を阻止する事を失敗したからか?」

カイト「お見通しかよ。」

 

 カイトは肩を竦めると、ため息を吐きながら語り始めた。

 

カイト「俺は、この未来を見る事は出来ていたんだよ。でも、零士が居なかったら、最悪な状況になってた。」

リナ「………だからって、闇黒剣月闇の力で、ノエルを道連れに死ぬ気なの?」

カイト「…………!」

リナ「分かるよ。私も、富加宮賢人さんの記憶を見たんだから。」

カイト「そうだったな………。」

カズマ「だからよ、俺たちをもっと頼れよ!」

カイト「…………!そうだな。俺たちは世界を救う役目があるんだ。死ぬ訳には行かないな。」

ノエル「話は終わりましたか?」

 

 すると、ノエルがそこに居た。

 何でここに!?

 

ノエル「さて、中々動かないので、私が動かすとしましょうか。」

カイト「零士は?」

リナ「ミツルギと交戦してる。」

カズマ「何とか、零士が来るまでは持ち堪えるぞ。」

ノエル「では、行きますよ。」

 

『オムニフォース!』

『伝説の聖剣と選ばれし本が交わる時、偉大な力を解き放つ……!』

 

ノエル「変身。」

 

『OPEN THE OMNIBUS,FORCE OF THE GOD!』

『KAMENRIDER SOLOMON!!』

『FEAR IS COMING SOON……!』

 

カイト「3人とも、覚悟を決めろ。」

カズマ「分かってるよ。」

リナ「行くわよ!」

 

『ジャアクドラゴン!』

『タテガミ氷獣戦記!』

『ランプドアランジーナ!』『ニードルヘッジホッグ!』『トライケルベロス!』

『闇黒剣月闇!』

『流水抜刀!』『タテガミ展開!』

『黄雷抜刀!』

 

「「「変身!!」」」

 

『ジャアクドラゴン!』

『氷獣戦記!』

『ゴールデンアランジーナ!』

 

 俺たちはすぐさま変身して、応戦するも、押されていた。

 不完全とはいえ、全知全能の書の力だ。

 油断は出来ない。

 

零士side

 

 どうやら、間に合ったみたいだな!

 すぐさま、もう一度変身する。

 

『エレメンタルドラゴン!』

『烈火抜刀!』

 

零士「変身!」

 

『エレメンタルドラゴン!』

 

 上空から奇襲をかけるが、迎撃される。

 

カズマ「遅いぞ!」

零士「悪い!」

リナ「行くわよ!」

ノエル「1人増えたぐらいで、図に乗るな!」

 

 俺たちは、連携しつつ、ヒットアンドアウェイの戦法で戦う。

 しかし、途中で連携を崩される。

 

ノエル「そこで見ていろ!私の本気を!」

 

『OMNIBUS LOADING!』

『SOLOMON ZONE!』

 

 カラドボルグから、赤い光があの本に当たると、本が開いた次の瞬間、周囲が砂漠と化してしまった。

 

カズマ「あっ……!街が……消えていく……!」

リナ「そんな………!」

カイト「………!」

零士「ヤバい……!」

ノエル「これで、少しは本気になってくれますかねぇ。」

 

 俺は、とある作戦を思いついた。

 

零士「皆。考えがある。」

カズマ「?」

 

 俺はその作戦を、皆に伝える。

 皆、了承してくれた。

 

ノエル「何をコソコソしている。」

零士「なぁに。少し賭けに出るだけさ。」

カイト「まずは俺からだ!」

 

『ジャオウドラゴン!』

 

 カイトがジャオウドラゴンへと変身して、ノエルに斬りかかる。

 すかさず俺たちも追撃に入る。

 俺たちが立てた作戦は、もう一気に倒すという事だ。

 作戦もへったくれも無いが。

 

『必殺読破マシマシ!』

『必殺凍結!』

『必殺読破!』

『ジャオウ必殺読破!』

『烈火抜刀!』

『流水抜刀!』

『黄雷抜刀!』

『エレメンタル合冊斬り!』

『タテガミ氷河斬り!』

『三冊斬り!』

『ジャオウ必殺撃!』

 

「「「「ハァァァァッ!!!」」」」

ノエル「クッ!」

 

 俺たちの全力の攻撃がノエルに当たり、爆発する。

 俺たちが、油断せずにノエルを確認していると、斬撃波が飛んできて、変身解除してしまった。

 

ノエル「今のはヒヤヒヤしましたよ。」

零士「嘘だろ………!」

カズマ「くそッ!」

リナ「零士………!」

カイト「…………ッ!」

 

 すると、ノエルが俺に近づいてくる。

 

ノエル「お前達は、たった一度のチャンスを無駄にした!」

零士「クッ!」

 

『who is the shining sword ?』

 

 その音声と共に、光剛剣最光の状態からエックスソードマンに変化したユーリが現れた。

 

ノエル「貴様か。」

ユーリ「ハァッ!」

 

 ユーリがノエルに斬りかかる。

 ユーリが歴戦の剣士という事もあって、押していく。

 光剛剣最光が光ったと同時に、闇黒剣月闇がユーリの元へと引き寄せられる。

 

ノエル「何!?」

ユーリ「ハアッ!」

 

 ユーリが光剛剣最光と闇黒剣月闇の二刀流で戦い、押していく。

 

ユーリ「光と闇。これが初めに生まれし聖剣の力だ!」

 

 ユーリが光剛剣最光と闇黒剣月闇を同時に振るうと、ノエルの後ろにブラックホールが精製されて、ノエルが吸い込まれた。

 

カズマ「やったのか?」

ユーリ「いや、あれはあくまで一時的な物だ。すぐに脱出されてしまう。」

 

 俺たちは、態勢を整えるため、撤退した。

 




今回はここまでです。
次回、クロスセイバーが登場します。
ワンダーオールマイティも届き始め、後は究極大聖剣ですね。


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100話 聖剣を束ねる、銀河の剣

零士side

 

 あの後、世界各地のあの本も開きだしたそうで、世界の破滅が始まった。

 

カズマ「もう、ここで決着を着ける。」

リナ「そうね。」

零士「………先に行っててくれ。ちょっと色んな人を呼んでくる。」

ユーリ「分かった。」

 

 カズマ、リナ、ダクネス、めぐみん、カリン、カイト、ユーリがノエルの元へ行き、俺は残りの剣士達にも招集をかける事に。

 アクセルハーツの元へと向かい。

 

零士「頼む!力を貸して欲しい!」

リア「分かった。……君には色々と借りがあるからね。」

エーリカ「私も聖剣に選ばれたんだから!行くに決まってるでしょ!」

シエロ「僕は、2人のサポートに回ります。」

 

 アクセルハーツが、ノエルの元へと向かっていき、次は王城に。

 

零士「お願いします!アイリス!!この世界を守る為に、力を貸して下さい!」

クレア「零士殿………。」

アイリス「分かっています。私も剣士です。この危機に立ち向かわなければなりません。」

クレア「アイリス様………!分かりました。神崎零士。アイリス様を頼む。」

レイン「私からもお願いします。」

零士「分かりました。」

 

 アイリスも同行する事になった。

 ミツルギは、来るかどうか分からないが、来ると信じている。

 

カズマside

 

 俺たちは、用事があると言う零士を除いて、ノエルが居る所に。

 

ノエル「アアア!まさに刺激的ですね!」

カズマ「そこまでだ!」

リナ「ノエル!」

ユーリ「お前を倒し、世界を守る。」

カイト「俺たちが倒す!」

カリン「覚悟しなさい!」

ノエル「良いでしょう。破滅に向かう世界にぴったりな、無駄な抵抗という名の音楽を添えるとしましょう。」

 

『オムニフォース!』

『タテガミ氷獣戦記!』

『ランプドアランジーナ!』『ニードルヘッジホッグ!』『トライケルベロス!』

『玄武神話!』

『猿飛忍者伝!』

『ヘンゼルナッツとグレーテル!』

『ジャオウドラゴン!』

『エックスソードマン!』

『流水抜刀!』

『黄雷抜刀!』

『一刀両断!』

『双刀分断!』

『銃剣撃弾!』

『闇黒剣月闇!』

『最光発光!』

 

「「「「「「変身!!」」」」」」

ノエル「変身。」

 

『氷獣戦記!』

『ゴールデンアランジーナ!』

『ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!』

『風双剣翠風!』

『音銃剣錫音!』

『ジャオウドラゴン!』

『エックスソードマン!』

『KAMENRIDER SOLOMON!』

『FEAR IS COMING SOON……!』

 

 俺たちは、すぐさま変身して、ノエルと戦う。

 俺たちは、連携や囲い込んで攻撃するも、全然通用しない。

 強攻撃が来そうになった時、上空から誰かが奇襲攻撃をかけた。

 

カズマ「お前は……!カナヅチ……!」

ミツルギ「そうそう、釘を打って……。違う!ミツルギだ!君は本当に僕の名前を覚える気があるのかい!?」

リナ「何でここに……!?」

ミツルギ「そうだった。……君たちより僕が強い事を証明する為だ!」

 

 まさか、アクアの為か?

 だが、ミツルギが加勢しても、状況は変わらずの状態だった。

 

ノエル「剣士如きが数を揃えた所で、意味がないと言うのになぁ!!」

 

『狼煙霧中!』

『再開時!』

 

 その音声がしたという事は、と思い、前を見てみると、サーベラにデュランダルが居た。

 

エーリカ「ノエル!あん時の借りは返すわ!」

リア「あまり、私を怒らせないで……!」

シエロ「私もサポートします!」

 

 アクセルハーツが集合していて、シエロの回復魔法と支援魔法がかかった。

 

ノエル「ほう。アクセルハーツも来るとは。しかし、王女は……。」

アイリス「私ならここに居ます!」

 

 すると、既にグラディウスに変身していたアイリスが来ていた。

 

ダクネス「アイリス様……!」

めぐみん「零士に呼ばれたのですか!?」

アイリス「そうです。ノエル。私は、ベルゼルグ王国の王女、アイリス!その名にかけて、あなたを倒します!」

カズマ「皆!行くぞ!!」

 

 俺たちがノエルに向かおうとした次の瞬間、一体の不死鳥が現れて、バハトが現れた。

 

ユーリ「バハト………!」

バハト「邪魔をするな、剣士共!まもなく世界が終わる………!」

零士「バハト!」

 

 すると、零士も合流した。

 

デザストside

 

 結構盛り上がってやがんな。

 

デザスト「じゃあ、俺も……!」

ストリウス「デザスト。そこで大人しく見ていなさい。」

 

 ストリウスが横槍を入れて、少し白けたが、まあ、見届けるか。

 

零士side

 

 どうやら、剣士が全員揃ったようだな。

 後は、俺とバハトだけだ。

 

バハト「炎の剣士か。」

零士「バハト。何でこんな事を。」

バハト「『想い』や『絆』など、信頼に値しない事を俺は知っている。争いこそが人の本質であるとな。」

零士「何に、どう生き方を捻じ曲げられたとしても、その中で絶望を……諦める選択をしたのはお前だ!全てを、自分以外の……人の力のせいにするな!」

バハト「……シーッ………。俺の1000年を……お前如きの想いに覆されてたまるかァッ!」

 

『エターナルフェニックス!』

『エレメンタルドラゴン!ゲット!』

『………抜刀!』

『烈火抜刀!』

 

「「ハァァァァ……!変身!!」」

 

『エレメンタルドラゴン!』

『エターナルフェニックス!』

 

 俺とバハトは変身して、お互いの聖剣をぶつけ合う。

 だが、バハトの剣はとても重い。

 

零士「剣が……重い!」

 

 しばらくはどうにかなっていたが、最終的に押されていく。

 

ユーリ「零士!」

ノエル「余所見をしてる場合ですか?」

 

『OMNIBUS LOADING!』

『SOLOMON BREAK!』

 

 すると、ソロモンブレイクが発動して、皆が変身解除に陥る。

 俺も、バハトの激しい攻撃の末、変身解除に陥る。

 

零士「そんな実力がありながら、どうして、世界を滅ぼそうとするんだ!」

バハト「死ねない体、無限に続く再生!お前ら人間には到底理解出来ない……!絶望だ……!」

零士「確かに、人は絶望する。それでも、立ち上がる事が出来るんだ、人にはさ。」

 

 すると、後ろの剣士達も、立ち上がる。

 

カズマ「俺は俺を、絶対に諦めない……!」

リナ「私は私の、想いを貫く……!」

ダクネス「諦めたら、世界が終わってしまう。そうはさせない……!」

めぐみん「私の最強への道は、まだまだ続くんです……!」

カリン「この聖剣も、そう言ってるわ。」

アイリス「私には、この国の民を守るという、義務があるんです……!」

カイト「この世界は、終わらせない……!」

エーリカ「私には、守りたい大切な物があるのよ……!」

リア「守り抜く、大切な物を………!」

ミツルギ「君の強さは、正義じゃない……!」

ユーリ「バハト!人こそが世界なんだ!人が変われば世界も変わる……!」

零士「俺は、この世界を守る。この、仲間達と共に。」

 

 俺たちの想いが高まっていく。

 

バハト「……下らん。」

零士「ずっと、アンタは逃げ続けてただけだ!それを、人の力のせいにするな!」

バハト「黙れ………。」

零士「俺がアンタの知らない未来を創る!」

 

 俺は火炎剣烈火を持ち、バハトに突進していく。

 バハトは迎撃しようとするも、俺の想いを火炎剣烈火に乗せて、無銘剣虚無を弾き、ガラ空きになった体に斬りかかる。

 

バハト「ずっと、傷つかなかったこの体が……!」

 

 ファルシオンのボディに傷がつき、変身解除しても、傷が残ったままだった。

 

バハトside

 

 あの炎の剣士に斬られた所が、塞がらない。

 

バハト「ウォオオオオッ!!これが人の想い……人の力………!」

 

 少し遠くを見ると、そこには、ユーリが連れてきたアクアとかいう女が居た。

 しばらく前に、ユーリがアクアという奴を連れてきて、そいつが、この世界の事を語ったのだ。

 そして、アンタとは仲良くなれるとかほざいていたな。

 女神だと名乗っていたが、本当かもしれないな。

 

バハト「………フハハハハハッ……!ハハハハハハハッ………!!お前がこの先の未来に何をもたらすのか………俺が見届けてやる。」

 

 そうして、1000年続いた不死は破られ、俺は死んだ。

 炎の剣士に、無銘剣虚無を託して。

 

零士side

 

 バハトは、これからの未来を見届けると言って、消滅した。

 その場には、無銘剣虚無だけが残されていた。

 

ノエル「なかなか面白い見せものでした。もうこの世界に剣士は必要ありません。」

 

『OMNIBUS LOADING!』

『SOLOMON STLASH!』

 

 見物していたノエルが動き出し、巨大なカラドボルグの幻影を俺に叩きつけてくる。

 俺は火炎剣烈火と無銘剣虚無の2本で、カラドボルグを受け止める。

 

零士「クッ………!お前の剣は、軽い!!」

ノエル「何だと………!?」

零士「ハァッ!」

ノエル「グッ!」

 

 俺は巨大なカラドボルグを、火炎剣烈火と無銘剣虚無の2本で、打ち破る。

 そう、バハトと比べて、剣が軽い。

 

零士「お前の剣からは、何の想いも感じられない!!」

ノエル「だから、何だというのだ!!」

零士「剣士は、それぞれの想いを剣に乗せて戦っている!お前にはそれが無い!!」

 

 カズマは世界を守る為に、ダクネスは貴族としての責務を全うする為に、めぐみんは仲間を助けようとする為に、カリンは親友の為に、カイトは剣士としての務めを果たす為に、ユーリはカズマ同様、世界を守る為に、ミツルギはアクアを守る為に、バハトは絶望をする経緯や、バハトの想いが込められていた。

 しかし、退屈になったからと世界を滅ぼそうとするノエルには何にも感じられない。

 

ノエル「想いなど、絶対的な力の前には何の役にも立たない!」

零士「俺たちの想いが、未来を創るんだ!」

 

『烈火!流水!黄雷!激土!翠風!錫音!月闇!最光!狼煙!界時!虚無……!』

 

 すると、火炎剣烈火から順番に聖剣が光り出して、俺たちは、11本の聖剣を空に投げ出す。

 11本の聖剣は、上空に巨大なセフィロトの樹の図形を描き出す。

 

ノエル「一体、何が起こっている……!?」

カリン「人が鍛えし始まりの聖剣に、火を灯さんとする者現れし時……!」

ユーリ「星を結びて力を束ね、物語を終焉へと導く聖剣が生まれる……!!」

 

 11本の聖剣の力が、一箇所に集まって、刃王剣十聖刃を精製する。

 

アイリス「凄い………!」

 

 そうして、全ての聖剣が持ち主の所に戻っていき、俺の手元には刃王剣が。

 

『刃王剣十聖刃!』

 

零士「…………ッ!」

ノエル「全知を司る聖剣が生まれましたか。ですが、もう世界は終わります!ハハハッ!」

零士「物語の結末は……俺が決める!」

 

 聖剣ソードライバーのバックルに、刃王剣十聖刃を装填する。

 

『ブレイブドラゴン!』

 

 ブレイブドラゴンを取り出して、ソードライバーに装填する。

 すると、壮大な待機音が流れ出して、全員が息を呑んで見守る。

 

零士「…………ハアッ!」

 

『聖刃抜刀!』

 

零士「変身……!」

 

『刃王剣クロスセイバー!創世の十字!』

『煌めく星達の奇跡と共に……!』

『気高き力よ、勇気の炎!』

『クロスセイバー!クロスセイバー!クロスセイバー!!』

『交わる10本の剣!』

 

 俺は、仮面ライダーセイバーの最強形態、仮面ライダークロスセイバーへと変身する。

 

アクア「凄いわよ零士!キラキラで超美ボディ!」

カリン「あれが伝説の聖剣……!刀鍛冶の血が滾るわ!!ヒャハハハハッ!」

零士「創造するのは俺だ!」

 

『刃王必殺リード!』

『既読十聖剣!』

『刃王必殺読破!』

『刃王クロス星烈斬!』

 

 俺は10本の聖剣の力を同時に発動させる、刃王クロス星烈斬を発動させて、空中に、火炎剣烈火、水勢剣流水、雷鳴剣黄雷、土豪剣激土、風双剣翠風、音銃剣錫音、闇黒剣月闇、光剛剣最光、煙睿剣狼煙、時国剣界時を召喚し、上空に飛ばす。

 それぞれの聖剣は、水勢剣流水、雷鳴剣黄雷と闇黒剣月闇、風双剣翠風、土豪剣激土と音銃剣錫音、光剛剣最光、煙睿剣狼煙と時国剣界時に別れて、6箇所の終末の書を破壊して、ベルゼルグ上空の奴は、俺が火炎剣烈火を使い、破壊する。

 

零士「俺が今を創る!」

 

『刃王必殺読破!』

『聖刃抜刀!』

『刃王一冊斬り!』

『セイバー!』

 

 俺はすぐさま、刃王創星斬を放ち、崩壊した街を新たに創造して、復元した。

 

ダクネス「見ろ!消えた街が戻ってる!!」

アイリス「凄い………!」

ノエル「創造する力を持つ聖剣……!実に素晴らしい!」

 

『OMNIBUS LOADING!』

 

ノエル「その聖剣も、この世界も全て私の物!」

 

『SOLOMON STLASH!』

 

 上空に巨大なオムニフォースを出して、そこから、キングオブソロモンと呼ばれる巨大兵を出してくる。

 俺の前に2体現れる。

 

零士「お前を倒して、世界を守る!」

 

 俺はすぐさま、刃王剣十聖刃エンブレムを操作して、聖剣をセレクトする。

 

『烈火!流水!黄雷!』

『既読!』

『激土!』

『既読!』

『黄雷!激土!クロス斬り!』

『激土!』

『黄雷!』

 

 俺は巨大な土豪剣激土を召喚して、片方を倒して、もう一体は、上空に大量の雷鳴剣黄雷を召喚して、落雷を発生させて倒す。

 そして、もう一度エンブレムを操作する。

 

『激土!翠風!』

『既読!』

『激土!錫音!』

『既読!』

『翠風!錫音!クロス斬り!』

 

零士「ハアー……フッ!」

 

『翠風!』

『錫音!』

 

 俺はジャンプして、上空に向かい、風双剣翠風を召喚して、途中で表と裏に分離させて、俺の目の前の2体のキングオブソロモンを撃破する。

 俺の背後に現れたキングオブソロモンの剣に乗って、頭から更に上空に向かい、銃奏モードの音銃剣錫音からビームを発射して、3体を撃破して、地上に降り立つ。

 すると、俺の周囲を7体のキングオブソロモンが取り囲む。

 またエンブレムを操作する。

 

『烈火!』

『既読!』

『烈火!クロス斬り!』

 

 キングオブソロモンが攻撃を開始するが、キングオブソロモンの攻撃は、大量に召喚された火炎剣烈火を回転させて防御する。

 刃王剣十聖刃を、ソードライバーに納刀し、必殺技を放つ。

 

『刃王必殺読破!』

『聖刃抜刀!』

『刃王一冊斬り!』

『セイバー!』

 

零士「ハアーッ……!ハァァァァ!!」

 

 すかさず刃王創星斬を放ち、キングオブソロモンを一掃する。

 

ノエル「うっ……!ああーっ!!」

 

 ついでにノエルも吹っ飛ばされた。

 俺はブレイブドラゴンワンダーライドブックを抜いて、変身解除する。

 すると、ミツルギを除いた全員が駆け寄ってきた。

 

ユーリ「よくやった、零士。」

アクア「他の街も全部元に戻ったわ。」

カイト「零士、よくやった。」

カリン「アンタのおかげで、世界は救われたわ。」

カズマ「世界を書き換えるとか、凄まじいよな!」

リナ「そうね!」

ダクネス「ああ!」

めぐみん「そうですね!」

零士「いや、俺だけじゃない、皆の想いがあったから、成し遂げたんだ。」

リア「そうだな。」

エーリカ「そうね!」

シエロ「そうだね。」

アイリス「ありがとうございます。」

 

 俺たちは、そんな風に盛り上がっていたからか、何者かが無銘剣虚無を持ち去り、ミツルギが去った事に気づけなかった。

 




今回はここまでです。
遂に誕生した、刃王剣十聖刃。
この小説でのRewrite the storyは、零士、カズマ、リナの3人が歌っているという設定です。
現在やっている賢者の孫とリバイスの小説に関するアンケートは、ここで終了します。
オリ主のヒロインは、マリアという事にします。


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101話 信じる道を行く、剣士達

タッセル「ふ〜っ!大臣のせいで、大変な目にあったよ!やっと体が元に戻ったよ!どうやら、その間に、神崎零士が世界の危機を救ったみたいだね。君も、今の剣士の活躍を見れて良かったね。………っ!?世界を繋ぐ少女が!?」


 あの戦いの後、俺たちはノーザンベースへと戻って、ユーリとアクアが治療していた。

 

ダクネス「それにしても、凄い聖剣だな。」

カリン「物語を終焉へと導く聖剣。その名も、刃王剣十聖刃!」

 

 俺は、改めて刃王剣十聖刃を眺める。

 本当に、凄い聖剣だ。

 

めぐみん「世界を書き換えるとか、紅魔族の琴線に激しく触れますよ!」

カイト「確かに、凄い聖剣だ。」

カズマ「これなら、アイツにも対抗出来るな。」

リナ「そうね。」

アクア「ていうか、もう零士さんだけで十分なんじゃないの?それに、何かこの飛び出す絵本に新しいページが追加されてるわ。」

 

 そう言うな。

 

カリン「お願い、早速調べさせて……!……アイタ!!」

カイト「おい、無茶するなよ。」

零士「そうだぜ。ユーリが治療中なんだから。っていうか、ユーリは?」

アクア「ああ!聖剣と本になってる。」

ソフィア「恐らく、治療に力を使いすぎたのでしょう。」

 

 あ、終わったな、ユーリの奴。

 

ノエルside

 

 私は、隠し別荘へと戻っていた。

 

ノエル「あの聖剣。やはり素晴らしい。世界を繋ぐ少女と共に手に入れなくては。」

 

 あの聖剣と世界を繋ぐ少女が手に入れば、私は本当の意味で全知全能の存在になれる。

 なんとしても、手に入れなくては……。

 

零士side

 

 アクアの方も、治療が完了したようで、今後の方針を立てる事に。

 

カズマ「とにかく、今後の方針をどうする?」

ダクネス「ノエルに対抗出来る力が手に入ったのだ!一刻も早く攻撃せねば!」

零士「その前に、アイツが何を考えているのかを知りたい。」

めぐみん「零士らしいですね。」

リナ「そうね。」

カイト「それに、気になる事がある。」

アクア「何よ?」

カイト「無銘剣虚無がいつの間にか消え失せていたしな。」

カリン「確かに、誰が持ち去ったんだろ?」

 

 そうだな。

 まあ、デザストが持ってったんだろうけど。

 一応、ノエルの隠し別荘に関しては、アイリスから所在を聞いた。

 あとは、どう行くかだが。

 

カリン「まあ、その事は、零士達に任せるわ。ユーリの事は任せて。何故なら私は、聖剣の刀鍛冶だからね!ハァーハッハッハッハッ!ハァーハッハッハッハッ!!」

ユーリ「ん?嫌な予感がする……!おおお……!離せ!」

 

 ユーリ、頑張れよ。

 俺は俺たちで頑張るから。

 結果として、隠し別荘には、俺とカズマが乗り込む事になった。

 アクアが、ミツルギの説得に向かっていった。

 

ノエルside

 

 私は、いずれ来るであろう、神崎零士を待つべく、屋敷の一番大きい部屋で待っていると、ストリウスが現れる。

 

ストリウス「あの聖剣は一体何ですか?」

ノエル「あれは、本来なら、儀式が最後まで上手く行けば、共に精製される筈だった物なのです。」

ストリウス「そうなのですか。」

ノエル「あの聖剣を手に入れれば、私は本当の意味で全知全能の力が手に入る。」

ストリウス「なるほどですね。」

ノエル「………おっ。噂をすれば。」

 

 どうやって入ってきたのかは分からないが、神崎零士が、佐藤和真と共にやって来ていた。

 

零士side

 

 俺たちは、ダブルのワンダーライドブックからデンデンセンサーを取り出して、周囲を警戒しつつ、カズマの潜伏スキルでノエルのいる部屋にやってこれた。

 そこには、ストリウスも居た。

 

零士「ストリウス……!」

カズマ「メギドとも手を組んでたのかよ!」

零士「ノエル。聞きたい事がある。」

ノエル「何ですか?」

零士「どうして、こんな事をするんだ?」

 

 少し、静寂があって、ノエルが答えた。

 

ノエル「かつて愛する人を失った。人の過ちのせいで………。」

カズマ「そうなのか……?」

ノエル「………とでも言えば満足ですか?」

零士「………何?」

ノエル「理由などありませんよ。退屈だったのです。私の一族はこの世界を守る代わりに代々、『全知全能の書』の一部が伝えられてきました。その所為で、あなた達より少し……長生きなのです。約束、戒律、使命?長い間それに縛られて生きる事ほど退屈な事はない。それは死も同然だ!そして繰り返される人の愚かな行為………。私は気づいたのです。この世界を変えれば……人も変わるのでは、と。」

零士「………そんな事をしなくても人は変わる事が出来る!」

 

 そんな風に反論すると、即座に返答が返って来た。

 

ノエル「あなたが……今の人類が創造出来る事なんてたかが知れています。だから一度壊して、新しい世界を作るのです。」

カズマ「………何一つ理解できないな。」

 

 確かに。

 すると、ノエルが手を伸ばして来た。

 

ノエル「神崎零士。あなたには私の創る世界の住人になる資格がある。共に世界を創り替えましょう。」

零士「ふざけるな……。そんな事をする為に、リナにレイナ、ジュン、ジンという剣士の人生を狂わせて、よくもそんな事が言えるな!」

ノエル「なるほど。交渉決裂ですね。では、少女とその聖剣も、私がいただきます。」

 

『オムニフォース!』

 

ノエル「変身。」

 

『KAMENRIDER SOLOMON!』

『FEAR IS COMING SOON!』

『OMNIBUS LOADING!』

『SOLOMON ZONE!』

 

 ノエルがソロモンに変身したと同時に、ソロモンゾーンを発動させて、屋敷の一つの部屋が野外に変わった。

 

カズマ「……零士。ここで奴を倒すぞ。」

零士「物語の結末は……俺たちが決める!」

 

 俺とカズマは、ソードライバーを腰に装着する。

 

『タテガミ氷獣戦記!』

『ブレイブドラゴン!』『キングオブアーサー!』

『聖刃抜刀!』

『流水抜刀!』『タテガミ展開!』

 

「「変身!!」」

 

『ワンダー!クロス!ワンダー!』

『掛け合わせ!高まる二冊の超パワー!』

『ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!』

『ハイブリッドセイバー!セイバー!』

『推薦図書!』

『全てを率いし、タテガミ!(タテガミ……!タテガミ……!)氷獣戦記!』

『ガオーッ!LONG GET!』

 

 俺はハイブリッドセイバー、カズマはタテガミ氷獣戦記へと変身する。

 すると、ストリウスがカリュブディスを出してくる。

 

『カリュブディス!』

 

ストリウス「あの聖剣を奪いなさい。」

カリュブディス「ストリウス様の仰せの通りに。」

 

 そうして、カリュブディスが俺とカズマに襲ってきた。

 カリュブディスに気が向いていると思ったのか、ノエルが不意打ちをかけるが、俺がノエルに対処する。

 

アクアside

 

 私は、零士に頼まれて、ミツルギを連れてくるように説得を頼まれた。

 ちょうど、ミツルギが居た。

 

アクア「ちょっとアンタ。」

ミツルギ「ア、アクア様!?どうしてここにいらっしゃるんですか!?」

アクア「何でって、零士達に頼まれたのよ。アンタと一緒に戦う為に、合流してくれって。」

ミツルギ「………今の僕には、彼らと共に戦う資格は無いんです………!」

アクア「まあ、零士さんも無理にとは言わないから、気長に待ってるって言ってたわ。」

 

 今の彼は、何か思い詰めているわね。

 まあ、用件は言ったし、帰りましょう。

 

カズマside

 

 俺ががカリュブディスを、零士がソロモンを相手にしている。

 途中で、カリュブディスが零士を食おうとするので、それを阻止する。

 だけど、コイツ、以前セレナが使役していた時よりも強くなっている。

 

カリュブディス「ズオス様を倒したあなたを、私が倒します!」

カズマ「コイツ、成長してんな……!なら!」

 

『必殺凍結!』

『流水抜刀!』

『タテガミ氷河斬り!』

 

 俺は突き出した掌から、吹雪を放つが、カリュブディスは気にせずに突進し、そのまま攻撃してくる。

 嘘だろ……。

 

零士side

 

 俺は依然として、ソロモンと相対していた。

 カリュブディスはカズマが相手してくれている。

 俺は、刃王剣十聖刃とキングエクスカリバーを使って、ノエルのカラドボルグと打ち合っている。

 

ノエル「世界が崩壊する時、今の人類は淘汰され、優れた者だけが生き残る!」

 

『烈火!流水!』

『既読!』

『流水!クロス斬り!』

 

 ノエルがそんな事を言うと同時に、俺は刃王剣十聖刃で、水勢剣流水を選択して、クロス斬りを発動する。

 ノエルが攻撃してくるが、水流や氷などで迎撃する。

 

ノエル「そして……新たに生まれた人類が争い、生き残った者だけが、私の世界の住人となる……!」

 

 ノエルが引き続き攻撃してくるも、俺は刃王剣十聖刃とキングエクスカリバーで迎撃する。

 

ノエル「私は人類の新たな可能性の扉を開く!なんて刺激に満ちた世界だ!!」

 

 ノエルがカラドボルグを地面に突き立てて、大量の隕石を放つ。

 

『刃王必殺リード!』

『既読六聖剣!』

『刃王星烈斬!』

 

 俺はすかさず刃王星烈斬を発動して、六つの属性を秘めた斬撃を放ち、俺の後ろには、火炎剣烈火、水勢剣流水、雷鳴剣黄雷、土豪剣激土、風双剣翠風、音銃剣錫音の幻影が出現していた。

 

ノエル「…………ッ!」

零士「お前は壊す事は出来ても、世界を……未来を創る事なんて出来ない!未来を創る事が出来るのは、今をちゃんと生きている人達だ!」

 

 ノエルが近づいてくるが、俺は気にせずに語り続ける。

 

零士「その想いが希望になり、明日を……未来を創る!それが人間の可能性だ!」

 

 ノエルが斬りかかってくるが、俺は刃王剣十聖刃とキングエクスカリバーで迎撃して、ソロモンを吹っ飛ばす。

 そして、久しぶりのこれらを使う。

 

『ストームイーグル!』『西遊ジャーニー!』

 

 キングオブアーサーを抜いて、ストームイーグルと西遊ジャーニーを装填して、刃王剣十聖刃を抜刀する!

 

『聖刃抜刀!』

『クリムゾンセイバー!(クリムゾンセイバー!)銀河の果てに放つ!』

『広がれ上がれコスモ!甦れworld once more!光・真実・愛・希望!時空はとっくにRock on!』

『クロスセイバースリー!』

『豪華三冊!』

 

 俺は、クロスセイバー版クリムゾンドラゴンとも言える形態のクリムゾンセイバーへと変身する。

 

ノエル「この身は既に、世界の法則、世界そのもの。私が世界を、人を創り替える……!」

 

『OMNIBUS LOADING!』

 

ノエル「選びなさい。私に従うか、ここで消えるか……!!」

 

 必殺技を放とうとするソロモンから、凄まじいオーラが溢れる。

 しかし、答えは決まっている。

 

カズマ「いや、従う選択肢も、負ける選択肢も!俺達には無い!!」

零士「創造するのは俺だ!!」

 

『刃王必殺リード!』

『既読三聖剣!』

『星烈斬!』

『SOLOMON STLASH!』

 

 ソロモンはソロモンストラッシュを発動するが、俺は星烈斬を放ち、追撃に、火炎剣烈火、水勢剣流水、雷鳴剣黄雷を放つ。

 一方で、カズマもカリュブディスを撃破する事が出来たようだな。

 

『OMNIBUS LOADING!』

『SOLOMON ZONE!』

 

 ソロモンも、ソロモンゾーンを発動させて、ワンダーワールドへと転移して、隕石を放ってくるが、それを刃王剣十聖刃で斬る。

 そして、刃王剣をソードライバーへと納刀する。

 

『刃王必殺読破!』

『聖刃抜刀!』

『刃王三冊斬り!』

『セーッ!セイバー!』

 

 俺はクロストームウイングを広げて、空を飛んで、時折飛んでくる隕石を躱したり、斬撃波を別の方向へと逸らす。

 

零士「刃王爆炎紅蓮斬!」

 

 巨大なカラドボルグをぶつけてくるが、刃王爆炎紅蓮斬を発動させて、カラドボルグを斬り裂いて、ソロモンへと攻撃する。

 

ノエル「ウゥッ……!ウワァァァ!!」

 

 ソロモンは吹っ飛ばされて、変身解除して、ソロモンゾーンの効果も切れた。

 

カズマ「大臣!お前は、ただの人間だ!」

零士「それでもあなたは、ベルゼルグ王国を支えてきた。だから、これからも、支えて欲しい。」

 

 そう手を差し伸べるが、ストリウスによって撤退した。

 




今回はここまでです。
ハイブリッドセイバーに変身していなかったので、この小説では、変身させました。
次回で、第18章も終わります。
この小説の最後の話で、賢者の孫とリバイスの小説のオリ主を出す予定です。


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102話 輝く友情、三剣士

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!僕はタッセル!前回、クリムゾンセイバーとなって、ノエルを撃破した神崎零士!だけど、相手も本気になってしまったよ!そんなことより、早く、あの子を保護しないと!」


ノエルside

 

 私は、もう限界だった。

 あの男に手を差し伸べられて、私のプライドが傷ついた。

 

ストリウス「あの聖剣は凄まじいですねぇ。」

ノエル「神の前で喋るな。」

ストリウス「これは失礼。」

ノエル「………変身!」

 

『KAMEN RIDER SOLOMON!』

 

ノエル「たかが剣士如きが、神に逆らったらどうなるか……思い知るが良い!」

 

 今度こそ、世界を繋ぐ少女を手に入れる。

 私は、アクセルハーツの元へ。

 

リアside

 

 ノエルは、ここ最近姿を見せない。

 

シエロ「何か、ノエルが大人しいですね。」

エーリカ「諦めたんじゃない?」

リア「いや、あんな奴だ。諦めるなんて事は無いと思う。」

 

 そう、シエロ達と話し合っていると。

 

ノエル「おやおや、私の話ですか?」

シエロ「ノエル!?」

エーリカ「リア!」

リア「ああ!」

 

 ノエルがソロモンに変身した状態で現れて、即座に変身しようとするが。

 

『OMNIBUS LOADING!』

『SOLOMON BREAK!』

 

 ソロモンが謎の波動を放ち、私はすぐさま、シエロとエーリカを守る為に前に立つが、ワンダーライドブックに謎の力が流れ込み、私は気づいたら変身していた。

 

ノエル「さて、大切な仲間を斬り刻みなさい。」

リア「ウゥッ……!シエロ……!エーリカ……!逃げてくれ………!」

シエロ「えっ………?」

エーリカ「リア………?」

リア「うわぁァァァ!!」

 

 体が、言う事を聞かない……!

 まさか、あのワンダーライドブックの力なのか……!?

 気がつくと、ノエルは逃走していた。

 

零士side

 

 しばらくして、ユーリが吉報を出した。

 

零士「レイナが現れたって!?」

ユーリ「ああ。古い友人からの連絡だ。」

カズマ「良かったな!ジュン!リナ!」

ジュン「ああ!」

リナ「うん!」

ユーリ「ただ、まだ見つかっていない。」

ソフィア「この事は、既に大臣も知っている可能性が高いです。」

アクア「なら、一刻も早く保護しないと!」

カイト「ただ、俺達はワンダーワールドには行けないな。」

 

 そう、俺たちは、ワンダーワールドそのものに行く事が出来ない。

 すると、カイトが闇黒剣月闇を、ユーリに渡してくる。

 

カイト「ユーリ。リナ達の助けになってほしいんだ。」

ユーリ「………分かった。必ず返す。」

 

 ユーリは闇黒剣月闇を受け取り、ワンダーワールドへと向かっていった。

 

ノエルside

 

 さて、では、捕まえますか。

 

ノエル「世界を繋ぐ少女。今、捕まえてあげますからね。」

 

『OMNIBUS LOADING!』

『SOLOMON ZONE!』

 

 私はソロモンゾーンを発動して、ワンダーワールドに干渉する。

 さて、どこにいるのか。

 

タッセルside

 

 僕は、傘を使って、空からレイナを探しているんだけど、ノエルが干渉してきた様で、吹っ飛ばされる。

 

タッセル「うわぁァァァ!!……これ、ちょっとまずいかも……!」

 

 零士君達……!

 急いでくれ………!

 

零士side

 

 どうしようかと思っていると、ソフィアが苦しみだした。

 

ソフィア「大臣が、ワンダーワールドに干渉しています!」

カズマ「動きだしたか……!」

 

『狼煙霧中!』

 

 すると、その音声と共に、サーベラが煙の状態で現れた。

 

カリン「エーリカ!?」

エーリカ「お願い!リアが……!ウワッ!」

 

 そう伝えると同時に、消えてしまった。

 

ダクネス「何か、ヤバそうだな……!」

めぐみん「リア達のところには、私とダクネスとカリンで行きます!」

カリン「零士達は!?」

零士「ノエルの元に向かう!」

 

 そうして、俺、カズマ、リナ、アクアがノエルの元に向かい、めぐみん、ダクネス、カリンは、アクセルハーツの元へ。

 俺たちが着くと、ノエルは笑いながらレイナを捕獲しようとしていた。

 

ジュン「レイナ!!」

リナ「レイナ!!」

ノエル「うるさい!」

 

 と、ノエルに吹っ飛ばされた。

 

ノエル「お前達とは後で遊んでやる。」

レイナ「イヤァァァ!!」

「「レイナ!!」」

 

 すると、ノエルが怯み、裂け目からユーリが現れた。

 

零士「ユーリ!」

ユーリ「あの子は無事だ!」

ノエル「もう少しだったのにな……!」

 

『OMNIBUS LOADING!』

『SOLOMON BREAK!』

 

 ノエルが波動を放ち、ユーリが聖剣の状態になってしまい、ノエルの元へ。

 

零士「ユーリ!」

ノエル「だぁけぇどぉ!これで光と闇の剣は、私の物だ!!」

零士「ユーリを返せ!!」

「「「変身!!」」」

 

 俺達は、それぞれ、クロスセイバー、タテガミ氷獣戦記、ゴールデンアランジーナへと変身した。

 

めぐみんside

 

 私たちは、すぐに、リア達が住んでいる家へと向かうと、そこには、変身したリアが、エーリカとシエロに襲いかかっていた光景だった。

 

「「「変身!!」」」

 

 私たちはすぐに変身して、リアを跳ね飛ばす。

 

ダクネス「一体、何が起こっている!?」

めぐみん「何故、リアが2人を……?」

カリン「そんな事より、止めるよ!」

 

 流石に、攻撃出来ないので、抑え込んでいく。

 

零士side

 

 俺達は、ノエルと対峙していた。

 

アクア「来たぁ!最強トリオよ!」

零士「ユーリを助けるぞ!」

リナ「レイナには手出しをさせない!」

カズマ「この聖剣にかけて、お前を倒す!」

ノエル「いちいちうるさい!まずはその伝説の聖剣から頂くと………し!ま!しょ!う!かーっ!!」

 

 流石に、本気になっているのと、始まりの聖剣を使っている影響か、ダメージを受ける。

 しかし、碌な信念もないこいつには負けるわけには行かない!

 俺達は、3人の連携攻撃をして、ノエルにダメージを与えていく。

 途中、ユーリがやった様に、ブラックホールを生成するが、俺の刃王創星斬によって、破壊された。

 

『烈火!』

『既読!』

『烈火!クロス斬り!』

 

 刃王剣十聖刃、水勢剣流水、雷鳴剣黄雷の3本から、炎、氷、雷の斬撃波を放ち、ノエルにダメージを与えていく。

 そして、それぞれの聖剣をソードライバーに納刀する。

 

『刃王必殺読破!』

『百大氷獣!』

『必殺読破!』

『刃王一冊撃!』

『セイバー!』

『タテガミ大氷獣撃!』

『ケルベロス!ヘッジホッグ!アランジーナ!』

『三冊撃!』

『サ・サ・サ・サンダー!』

 

零士「銀河大爆発!」

カズマ「レオ・ブリザード・カスケード!」

リナ「オーロ・ボンバルデーロ!」

 

 俺達は、ライダーキックを放つ。

 ノエルが光と闇の斬撃波を放つが、それを食らっても止まらずに、リナ、カズマ、俺の順番でキックを叩き込む。

 ノエルは変身解除へと陥った。

 

ノエル「貴様らァァァ!!よくも神を足蹴にしたなぁァァ!!」

 

 ノエルがオムニフォースに手を触れて、黒い波動を放つが、何も起こらない。

 

ノエル「やはり、あなたには無理ですか。ならば………!」

 

 すると、次はカズマとリナに向かって波動を放ち、操る。

 

ノエル「さあ、大切な仲間を殺しなさい。」

アクア「ちょっと!何やってんのよ!?」

カズマ「体が言う事を聞かない……!」

リナ「オムニフォースの力かしら……!」

 

 すると、カズマとリナの2人が俺に向かって襲い掛かる。

 クソッ、本当にタチが悪い能力だな!

 やっぱり、仲間には手出し出来ない故、やられるがままだ。

 

アクア「セイクリッド・ブレイク・スペル!」

 

 アクアのセイクリッド・ブレイク・スペルが当たるが、何にも変わらない。

 

ノエル「アハハハハ!これは傑作だ!!」

 

 そうしている隙に、ノエルは再変身して、レイナを捕獲しようとする。

 

タッセルside

 

 何とか、レイナを見つけて、保護出来た。

 

タッセル「大丈夫かい!?」

レイナ「あなたは……?」

タッセル「僕はタッセル。ジュンの協力者なんだよ。」

レイナ「ジュンの!?」

タッセル「うん。………君には、どうしたいのか聞いておくよ。」

レイナ「何を……?」

タッセル「それは、君はジュンが入った神崎零士と接触しなくちゃいけない。」

レイナ「………!そうだ……!」

タッセル「でも、君と会うと、ジュンと共に神崎零士君も消えてしまう。」

 

 その言葉に、レイナは驚愕の表情に。

 

レイナ「ジュンとも会いたい……!でも、その為に、神崎零士さんまで巻き込む訳には……!」

タッセル「それが、君の選択する事さ。」

 

零士side

 

 ノエルがソロモンに再変身して、レイナを捕らえようとするが、俺は隙をついて、ソロモンに攻撃する。

 

ノエル「ハァァァァ……!さっさとソイツを始末しろ!!」

 

 苛立ったノエルが、カズマとリナに攻撃を激しくする様に命令する。

 すると、リナが叫ぶ。

 

リナ「ノエル!人の心を弄んで、そんなに楽しいの!?」

ノエル「いちいち当たり前の事を聞くなァ!」

アクア「うわぁ……。」

 

 アクアがドン引きしてる。

 

リナ「ジンさんは、本当に凄い剣士だったんだから!」

ノエル「今更恨み言か!恨むのなら、私を疑わなかった愚かで惨めなあの男を恨め!」

リナ「アンタには分かんないでしょうけどね!彼は、私たち、この国の剣士の憧れだった!アンタの様な胡散臭い依頼を受けたのも、私たちのような、後世へと続く剣士達の為なんだから!」

零士「リナ!」

 

 リナは、ノエルの支配に抗いつつ、雷鳴剣黄雷をノエルに向ける。

 

リナ「彼は、死んじゃう最後まで誇り高き剣士だった!それを分からないアンタの方が愚かで惨めよ!恨む価値も無い……!」

ノエル「何……!?」

カズマ「ノエル!!」

 

 カズマが、振りかかろうとすると、辛うじて止めて、足を凍らせる。

 

零士「カズマ……!」

カズマ「お前、寂しい奴だな。」

ノエル「何だと………!?」

カズマ「俺だって、水勢剣流水に選ばれても、1人だけだったらお前みたいになったかもしれない。でも、俺には仲間が居る。だからこんなに強くなれた。だけどなぁ、四賢神を殺した時点で、お前は1人だ。」

ノエル「黙れェェッ!黙れ黙れ黙れ!黙れ!」

アクア「ウワッ、正論を言われただけで、逆ギレしたわ。」

 

 激昂したノエルが、光剛剣最光と、闇黒剣月闇を振るい、斬撃波を放つが、俺が守る。

 

零士「大臣!!ハアッ!」

ノエル「何……!?」

零士「お前がどれだけ大きな力を手に入れようと、俺たちの絆を断ち切る事は出来ない!」

ノエル「誰に向かって言っている!虫ケラどもがァァァ!!」

 

 ノエルが闇黒剣月闇を突き立てて、俺たちを動けなくする。

 止めを刺そうと、光剛剣最光を振るおうとするが。

 

ユーリ「ハァァ……!ハァ!」

カイト「返してもらったぜ、闇黒剣月闇!」

 

 ユーリが支配から逃れて、闇黒剣月闇を飛ばして、カイトに回収させて、俺たちの呪縛を解く。

 

零士「ユーリ……!カイト……!」

カイト「零士達の言う通りだ!」

ユーリ「ああ!歪んだ貴様の剣では、何も斬れはしない!!」

 

カリンside

 

 私たちは、リアを何とか抑え込もうとしたけれど、吹き飛ばされて、リアは、シエロとエーリカの元へ行き、剣を振り下ろそうと……!

 

リア「ウッ……!ウウウッ!私を、これ以上、怒らせないで………!」

エーリカ「リア……。」

シエロ「リアちゃん……。」

 

 何と、リアが堪えていた。

 私たちは疲れが来て、地べたに座る。

 

カリン「やるじゃない、リア。」

めぐみん「本当にですね。」

 

零士side

 

 ノエルが、カラドボルグへと持ち替えていおり、激昂していた。

 

ノエル「ゴミどもが……!消え失せろ!!」

 

『OMNIBUS LOADING!』

『SOLOMON STLASH!』

 

 ノエルがソロモンストラッシュを発動させて頭上に大量のカラドボルグが現れる。

 

零士「未来を、世界を創造するのは……。」

「「「俺(私)達だ!!」」」

 

 だが、それぞれの聖剣の力を高めて、カラドボルグを全て迎撃する。

 

「「零士!!」」

 

 すると、ライオン戦記とランプドアランジーナが、俺の元に来て、2人は変身解除する。

 

『ライオン戦記!』『ランプドアランジーナ!』

 

 俺は刃王剣を納刀して、ライオン戦記とランプドアランジーナを装填する。

 そして、刃王剣を抜刀する。

 

『聖刃抜刀!』

 

ノエル「ウガァァァ!!」

 

『ドラ!(ドラ……!ドラ……!)ドラゴン!ライオン!戦記!ah〜アランジーナ!』

『絆が導く、勝利の約束!合併出版!』

『フィーチャリングセイバー!』

『三冊特装版!』

 

 カラドボルグを、ブレイブドラゴン、ライオンセンキ、ランプドアランジーナが迎撃して、俺と融合する。

 ブレイズとエスパーダ、2人の剣士と力を合わせた形態、フィーチャリングセイバーへと変身する。

 

アクア「変わった……!」

零士「行くぞ!カズマ!リナ!」

ノエル「私には敵わないと、何故分からない!?」

 

『刃王必殺リード!』

『既読三聖剣!』

『星烈斬!』

 

 俺は、火炎剣烈火、水勢剣流水、雷鳴剣黄雷を大量に召喚して、カラドボルグに対抗するように撃ち込んでいく。

 ノエルが闇の波動を放ってくる。

 

リナ「フッ!」

 

 リナが雷鳴剣黄雷を振るうと、俺は空飛ぶ絨毯に乗りながら、ノエルの攻撃を躱す。

 

カズマ「ハァ……!ハァ!」

 

 カズマが水勢剣流水を振るうと、俺から銀河の様に輝くライオンセンキが召喚されて、ノエルに突っ込んで、ノエルが吹っ飛ぶ。

 

ノエル「グゥゥゥゥ……!」

「「「これが俺(私)達の3人の、未来の物語を紡ぐ力だ!!」」」

 

 そう宣言して、刃王剣をソードライバーに納刀する。

 

『刃王必殺読破!』

 

零士「銀河友情蹴烈破!」

 

『刃王三冊撃!』

 

アクア「行っけーー!!」

 

『セーッ!セイバー!』

 

 俺は、稲妻の如く跳躍して、炎、水、雷の三つの属性を纏って、ライダーキックを放つ。

 そして、左足で、追撃を掛ける。

 

ノエル「うわぁァァァ!!」

 

 すると、オムニフォースワンダーライドブックが、消し炭になった。

 

ノエル「私の、全知全能の書が……。神の……神の力が………!」

 

 すると、まるで焚書するかの如く、ノエルが燃え上がった。

 

アクア「よし!よし!よーーし!イェーイ!」

 

 アクアが喜び、カズマとリナも、お互いの聖剣をぶつけ合う。

 

ダクネスside

 

 堪えていたリアが、突然、変身解除して、倒れ込んだ。

 

エーリカ「リア!」

シエロ「リアちゃん!」

 

 シエロとエーリカも駆け寄る。

 つまり……。

 

カリン「零士達がやったのね。」

めぐみん「流石は、カズマ達です。」

ダクネス「そうだな。」

 

 すると、リアが2人の助けを借りて、起き上がる。

 

リア「心配かけた。」

シエロ「ありがとうございます……!」

エーリカ「ありがとうね!」

 

 それを見て、笑みが溢れる。

 

零士side

 

 俺も変身解除して、それぞれのワンダーライドブックを返却する。

 そして、3人で頷き合い、それぞれの聖剣を重ね合わせて、上へと上げた。

 

アクア「ちょっと待って!私も!!」

 

 アクアがどこからか拾ってきた枝を合わさせてきて、ユーリとカイトが見守る。

 

ノエルside

 

 私は、オムニフォースの残骸を、何とか集め切って、どこかの洞窟へ。

 燃えた事によって、ダメージを受けた。

 私は、自らの力によって、オムニフォースを復元する。

 

ノエル「私は死なん!この力同様に、不滅だ!私の神話は、ここから始まる……!」

ストリウス「それは無理ですねぇ。」

 

 すると、ストリウスが現れた。

 

ストリウス「あなたの物語は、ここで終わりです……。」

ノエル「何を言っている……!?神の御前なんだぞ!平伏せェェッ!」

 

 だが、ストリウスが何かの魔法を使って、私は、消滅した。

 

ストリウスside

 

 これで、私の計画は動き出す。

 ノエルが落としたオムニフォースを手に取り、歩み出す。

 

ストリウス「神になり損ねた男の最期は、実に滑稽で、惨めで、美しかったですよ。」

 

 ノエルに、皮肉と嘲笑を含んだ賞賛を送る。

 あの男も、役に立ちました。

 

ストリウス「これからの物語は私が紡ぎます。美しい結末の為に……!」

 




今回はここまでです。
次回から、第19章に入ります。
リバイスも、カゲロウがさくらを守ったりしてましたね。
次回、一輝、消滅の危機!?
果たして、どうなるんでしょうか。
賢者の孫とリバイスの小説も、楽しみにして下さい。
最近、東映特撮ファンクラブに入り、短編活動萬画集を見て、とても面白いと思いました。


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第19章
103話 明かされる、タッセルの真実


ストリウスside

 

 レジエルのアルターブック、ズオスのアルターブック、私のアルターブック、そして、大臣のオムニフォース。

 始まりの5人の内、4人分まで手に入りました。

 後は、あの男だけ……!

 すると、誰か入ってきた。

 

デザスト「おい。話がある。」

 

 そう言って入ってきたのは、デザストだった。

 私は、デザストと共に外出する。

 

零士side

 

 俺たちは、ノエル討伐記念パーティーを開いていた。

 と言っても、納涼祭も兼ねたものだが。

 すると、アイリスが感激したように言ってくる。

 

アイリス「これが、流し素麺なんですね!」

零士「ああ!」

カズマ「まさか、この世界で、素麺を食べられるなんてな……!」

リナ「皆!食べよう!!」

ダクネス「それにしても、あのミツルギも来れたら良かったのだが……。」

 

 そうして、流し素麺パーティーが始まった。

 場所は冒険者ギルドを貸し切って行なっていて、他の冒険者達も居る。

 ゆんゆんにダスト、リーン、セシリー、ウィズ、バニル、ルナ、アクセルハーツも居る。

 ソフィアも。

 

バニル「フハハハハハ!!凄まじいな!どれ、この素麺をこの時期に売り出せば、たくさん売れるに違いないわ!!」

ウィズ「それにしても、美味しいです!」

ダスト「ただで食えるなら、沢山食っちまおうぜ!!」

リーン「ちょっとダスト!」

セシリー「沢山食べれるわ!!」

 

 まあ、一部、欲に駆られた人もいるが。

 それでも、この世界で初めての流し素麺だ。

 思う存分楽しむぞ。

 その後、パーティーはお開きになって、アイリスも王城へと帰った。

 俺たちは屋敷へと戻る。

 

めぐみん「それにしても、美味しかったです!」

ダクネス「ああ。あれも、カズマ達の国の料理なのか?」

カリン「美味しかったわね!」

カイト「ああ!」

ユーリ「アレは悪くない。」

 

 と、皆絶賛していて、リビングに入ると。

 

タッセル「ボンヌ・レクチュール。神崎零士君。」

零士「あなたは……タッセルさん。」

アクア「アンタ誰よ?」

ユーリ「彼はビクトール。俺の古い友人だ。」

カズマ「何で、そんな奇抜な格好を?」

リナ「ていうか、あなたは何者?」

 

 流石にタッセルが質問攻めにされた。

 質問は終わらせて、タッセルさんに用件を聞く事にした。

 

零士「それで、ご用件は?」

タッセル「そうだった。………これから話すのは、僕にとって過去の話で、これから君に起こる話でもあるんだ。」

零士「………え?」

タッセル「全知全能の書とは何か?ワンダーワールドとは何か?全ての始まりは、2000年前にまで遡る……。」

 

 タッセルが話し始めたのは、かつて、ストリウス、レジエル、ズオス、後のベルゼルグ大臣と共に、文明の礎となった技術、物語を人に授ける知識の源を探していた。

 それらが見つかれば、人々が飢えや天災、疫病に怯えずに済み、更なる世界の繁栄に繋がると信じて………。

 

タッセル「そして、見つけたんだ。ずっと探していた、知識の源を!」

 

 タッセルがその知識の源に触れると、本になり、ワンダーワールドが生まれたらしい。

 タッセル一行は、それを見て、喜びの声をあげた。

 

タッセル「………だけど、力に魅入られたストリウス、レジエル、ズオスは、全知全能の書の一部を取り込み、メギドになったんだ。」

 

 そこから、更に争いが起こり、本と共に現れた巫女は、全知全能の書をワンダーライドブックに変え、消滅した。

 それでも、争いは終わらず、タッセルと初代ベルゼルグ大臣は、残された全知全能の書を3冊に分割して、2つの世界の均衡を守ると約束した。

 

アクア「でも、そんな力を持ってるなら、アンタも対抗しなさいよ。」

タッセル「僕は、現実世界には干渉出来ないんだ。」

アクア「いや、アンタ、今ここにこうしているじゃない……!?」

 

 アクアが触れようとした途端、すり抜けてしまった。

 

カイト「マジかよ……!?」

カリン「嘘………!?」

 

 そして、タッセルは語り出した。

 傍観しているしか無かった時、世界を繋ぐ存在であるレイナが現れ、ジュンを選んだ。

 しかし、レイナが消え、ジュンが死んでしまった時、絶望した。

 

タッセル「それでも、驚いたんだ。ジュンの魂が、神崎零士君、君の中に入ってた事に。」

リナ「そうだったの………。」

タッセル「神崎零士君、ジュン君。レイナに会えば、君達は、ワンダーワールドの全ての力を手にする事が出来る。………代償として、現実世界から、2人が消えてしまう。」

「「「「「「「……え!?」」」」」」」

「「……………。」」

 

 やっぱりか。

 神山飛羽真の件もあって、そうなるのではと予感していた。

 

タッセル「神崎零士、ジュン。それでも君たちは、レイナに会いたいかい?」

零士「…………。」

ジュン「俺は、それでも会いたい。……零士。俺の我儘だけど、付き合って欲しい。」

零士「………分かった。でも俺は、レイナやジュン、大切な仲間達と共に笑い合いたい。だから、俺はこの未来を変える。約束します。仲間達と共に、この争いを終わらせます。」

タッセル「………!そうか。なら、レイナを呼んでくるね。」

 

 タッセルはそう言って、去った。

 

デザストside

 

 俺は、ストリウスと共に、どこかの平原に来ていた。

 すると、ストリウスが笑い出す。

 

デザスト「何が可笑しい?」

ストリウス「物語の結末に必要な、最後のピースが揃いそうで、つい………。」

デザスト「そうか?なら俺がお前を倒す。」

ストリウス「何故?」

デザスト「まだまだ十分楽しんでねぇ!その前に世界が無くなるのは……困るんだよ!」

 

 俺は、あの時回収した無銘剣虚無と覇剣ブレードライバーを装着して、エターナルフェニックスワンダーライドブックを起動する。

 

『エターナルフェニックス!』

『……抜刀!』

 

デザスト「………変身。」

 

『エターナルフェニックス!』

『虚無!漆黒の剣が、無に帰す……!』

 

 それを見たストリウスも、怪人態に変化し、俺たちは戦い始める。

 ストリウスは分身して、攻撃してくるが、グラッジデントと無銘剣虚無の二刀流で、アイツと戦う。

 ストリウスは、踊るように囁く。

 

ストリウス「初めてその力に触れ、世界に降り立った時、詩人だった私の頭に浮かんだのです。壮大なる叙事詩が……!そう!力に魅入られた人間達が織りなす……愚かで愛おしい……。生と死の物語ですよ……!!」

デザスト「ああ?」

ストリウス「物語には、結末があるからこそ、美しい……!人は死ぬ時が一番美しい……。」

デザスト「お前は、さっきから何の話をしているんだ!?」

ストリウス「彼らの物語の結末は、美しかった……!ベルディアにバニル、ハンス、シルビア、ウォルバク、レジエル、ズオス、魔王、そして大臣!」

 

 アイツ、何言ってんだ?

 ていうか、アイツらの死亡した光景を見ていやがったのかよ。

 俺が若干唖然としていると。

 

ストリウス「デザスト。貴方は私が作った。なら、貴方の物語を私が終わらせましょう。」

 

『カリュブディス!』

 

 すると、メギドが現れた。

 恐らく、アイツが作ったメギドだな。

 2対1になったな。

 それでも、二本の剣を使って、対応する。

 

デザスト「さっさと決めるか!」

 

『必殺黙読……!』

『……抜刀!』

 

デザスト「カラミティ・ストライク!」

 

『不死鳥無双斬り!』

 

 不死鳥無双斬りの威力を上乗せしたカラミティ・ストライクを、あのメギドに放ち、爆散する。

 しかし、何事もなく居た。

 

デザスト「俺と同じか。厄介だな……。」

 

 長期戦になる事を覚悟して、ストリウスに斬りかかる。

 

ストリウス「貴方が気にかけている月の剣士。彼にはどのような最後が似合いますかねぇ。」

デザスト「テメェ……!」

ストリウス「今です!!」

 

 ミツルギを引き合いに出されて、ストリウスに意識を向けすぎた結果、あのメギドが俺の右手足を喰らい、俺は変身解除した。

 そして、俺のアルターブックが、損傷してしまった。

 それでも、無銘剣虚無を奴に投げつけて、撃破する。

 

デザスト「何か、白けちまったな……!」

 

 俺は撤退する。

 

ダクネスside

 

 零士は、ミツルギを連れてくると言って、出掛けていった。

 

カズマ「何でアイツまで?」

めぐみん「戦力としてでしょうね。」

ダクネス「だろうな。」

 

 すると、ソフィア様が苦しみだした。

 

カイト「ソフィア様!?」

カリン「どうしたの!?」

ソフィア「ワンダーワールドが、侵食し始めました!!」

めぐみん「こんな時に!?」

カズマ「皆!行くぞ!!………ウッ!」

リナ「分かってるわよ!………クッ!」

 

 すると、カズマとリナの2人が倒れた。

 

カイト「2人とも!!」

アクア「大丈夫なの!?」

ユーリ「恐らく、大臣に操られていた時のダメージだろう。」

ダクネス「なら、私とカリンで行こう!」

カリン「そうね!!」

 

 私たちは、ワンダーワールドが侵食した所まで行き、着くと、カリュブディスが境界を食っていた。

 

カリン「あのメギドって……!」

ダクネス「何度でも倒すまでだ!」

「「変身!!」」

 

『ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!』

『音銃剣錫音!』

 

 私たちはすぐさま変身して、カリュブディスに向かって行く。

 

ストリウス「後は頼みますよ。」

 

 すると、カリュブディスの右腕が肥大化した。

 

零士side

 

 俺は、ミツルギの所に説得に向かっていた。

 アイツも、本当の強さに気づいた頃だろう。

 

ミツルギ「デザスト……。どこに行った?」

 

 やっぱり……。

 デザストはミツルギと共に居たか。

 

零士「ミツルギ。」

ミツルギ「………!?神崎零士……!?」

 

 俺が声をかけると、ミツルギは驚いた様に体を震わせる。

 

ミツルギ「何故ここに……!?」

零士「調子はどうだ?」

ミツルギ「何の用だ……?」

零士「何、単なる世間話だ。」

 

 俺は、語り出した。

 俺が消えるかもしれない事。

 一緒に世界を救って欲しい事を。

 

ミツルギ「僕は……君みたいに強い訳じゃないんだ……。」

零士「………。」

ミツルギ「でも………アクア様を守りたい。」

零士「それでいいだろ。」

ミツルギ「え……?」

零士「守りたい物がある。それだけでも、十分だと、俺は思うよ。」

 

 すると、ガトライクフォンに連絡が入った。

 連絡者は、アクアだ。

 

零士「何だ?」

アクア「零士!ワンダーワールドが侵食し始めてるみたいなの!早く行って!!」

零士「分かった。………お前と一緒に戦える日を、楽しみにしてるぜ。」

 

 俺はそう言い残し、ワンダーワールドが侵食している場所へと向かう。

 

カリンside

 

 私たちは、右腕が肥大化したカリュブディスと交戦しているのだけど、苦戦している。

 パワーが増していて、あっさり投げ飛ばされる。

 すると、オーラを纏って、突っ込んでくる。

 これは、一度見た事がある。

 

ダクネス「カリン!今のは……!」

カリン「ええ!デザストの技よ!!」

カリュブディス「私は吸収した相手の力を使える……メギドだけじゃない、お前達も私の一部となれェェ!!」

 

 すると、カリュブディスが地面を殴りつけ、私とダクネスは吹っ飛ばされる。

 怯んでいると、食おうと口を広げる。

 

零士side

 

 間に合ったか!

 ダクネスとカリンが食われそうになっていた。

 俺はすぐさま、ブレイブドラゴン、ストームイーグル、西遊ジャーニーを装填する。

 そして、刃王剣十聖刃を抜刀する!

 

『聖刃抜刀!』

 

零士「変身!」

 

『クロスセイバースリー!』

『豪華三冊!』

 

 俺は変身時の斬撃を、カリュブディスにぶつけて、妨害して、クリムゾンセイバーへと変身する。

 

零士「メギドを倒し!この争いを終わらせてみせる!」

「「零士!」」

零士「仲間と共に!心と力を合わせて!!」

 

 俺はそう宣言し、刃王剣のエンブレムを操作する。

 

『激土!』

『既読!』

『翠風!錫音!』

『既読!』

『激土!錫音!』

 

カリン「これって………!」

 

『イェーイ!』

『ドゴーン!』

 

ダクネス「……フッ!」

 

 俺は土豪剣激土と音銃剣錫音を複製して、2人に渡す。

 俺は火炎剣烈火を取り出して、二刀流の構えを取る。

 俺は即座に、刃王剣十聖刃を必冊ホルダーに装填しながら駆け出す。

 

『刃王居合!』

 

カリュブディス「ハァァァァ!!」

 

『刃王超一閃!』

 

 クロストームウイングを広げながらカリュブディスの攻撃を躱して、刃王超一閃を放ち、刃王剣十聖刃と火炎剣烈火を振るう。

 

『激土乱読撃!』

 

ダクネス「ハァァァァ!!」

 

『錫音音読撃!』

 

カリン「ハァァァァ!!」

 

 追撃に、ダクネスとカリンがそれぞれの必殺技を放つ。

 俺たち3人は並び立ち、再び必殺技の体勢へと入る。

 

『刃王必殺読破!』

『烈火居合!』

『聖刃抜刀!』

『刃王三冊斬り!』

『セーッ!セイバー!』

『読後一閃!』

 

 俺は刃王爆炎紅蓮斬と、烈火居合を同時に発動して、ダクネスは大断断、カリンはスナック・音・ザ・チョッパーとガンズ・アンド・ミュージックを同時に発動して、カリュブディスを撃破する。

 

タッセルside

 

 僕は、自宅に戻れたけど、レイナが居ない。

 

タッセル「レイナ!?可笑しいな。家から出ないでって言ったのに……。」

 

 すると、いきなり暗転した。

 何事かと思っていると。

 

ストリウス「漸く見つけましたよ。ビクトール!」

 

 そこには、ストリウスが居た。

 




今回はここまでです。
遂に動き出すストリウス。
デモンズドライバーが届いて、一部の猛者は、オーバーデモンズという新たな音声を見つけたという。
デモンズドライバーの音声の中に、カブトバイスタンプがありましたが、シンが変身に使うビートルバイスタンプとは別物にします。


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104話 始まる、世界の終わり

タッセルside

 

 どうやって来たのかは分からないけど、僕は逃げる。

 しかし、ストリウスがメギドになった事も影響して、逃げ切れない。

 

ストリウス「どうしました?逃げなさい。」

タッセル「………!」

 

 流石に、これを奪われるわけには……!

 だけど、遂には追いつかれる。

 

ストリウス「反撃しないのですか?この世界で消滅すれば、貴方は本当に死ぬんですよ?」

タッセル「もう、終わりにしないか……?」

ストリウス「では、遠慮なく……。」

タッセル「思い出してくれ!僕達が何故、力を求めたのか……!全ては人の為……人が困らず、豊かに暮らす為だった筈だ……!」

 

 ストリウスに問いかける。

 本当は、僕と同じ理由のはずだ……!

 

タッセル「力を追って、見つけた時は、嬉しかったなぁ……。でも結局!力を求めて争いになった……!悲しかったよ……!友達と戦わないといけないのは……!」

ストリウス「……"友達"……。なんて懐かしい響き……。」

タッセル「……もう、始まりの5人も、僕と君だけになっちゃったね……。」

ストリウス「私がこの力を手にした時、世界の終焉を見ました。」

タッセル「……でも、待ち望んだレイナとジュン、そして神崎零士が現れた……。」

ストリウス「私も待ち焦がれました……。」

タッセル「この物語は……いや、運命は……僕達の手から離れたんだ。」

ストリウス「でも……。」

タッセル「グッ……!」

 

 僕がそこまで言うと、突然、腹に痛みが。

 見てみると、ストリウスの剣が、僕に突き刺さっていた。

 

ストリウス「結末を他人に委ねるなんて……愚かだ!」

タッセル「ごめんね……。グアッ!ウゥッ……!僕が……力を見つけた所為で、君達は……!ごめんね………。」

 

 僕は、彼に、長きに渡る争いの引き金を引いてしまった事を謝り、倒れた。

 全知全能の書の一部が持っていかれた。

 

タッセル「君達はきっと、大丈夫だよ。零士、ジュン………。」

 

 僕は、シャボン玉になって、消えていった。

 

ミツルギside

 

 あの後、デザストが帰ってきて、僕に剣を向けた。

 

デザスト「俺と戦え、本気でな。さもなきゃ、お前は死ぬぞ。」

 

 そう言われた。

 その後、彼と戦っていたが、変身解除した。

 

デザスト「おい!どうした!?」

ミツルギ「こんな事をしていても、意味がないんだ。」

デザスト「ふざけるな……強くなって証明するんじゃ無いのか!?」

 

 止めて、僕達は昼休憩をとる事に。

 デザストがはまったと言う豚骨ラーメンを食べていた。

 すると。

 

デザスト「おい!紅生姜入れないのか!?」

ミツルギ「入れても意味がない。」

デザスト「入れてみろ!うまいぞ!!」

ミツルギ「紅生姜に意味は無い。」

デザスト「ある!紅生姜に謝れ!!」

ミツルギ「うん。無い方が美味しい。」

デザスト「……ったく。だからお前はいつまでも強くなれねぇんだよ。」

 

 それを聞いた僕の脳裏に、神崎零士に、佐藤和真の姿が浮かぶ。

 彼らはいつの間にか強くなっていた。

 

ミツルギ「彼らは強くなっていた。……僕の知らない強さだ。」

デザスト「それを知って、どうすんだよ?お前には関係ないだろ?」

ミツルギ「君には分からないさ。……死なないからね。戦う目的とか生きる意味なんて考える必要無い。仲間も居ないしね。」

デザスト「仲間とか……意味がなけりゃ生きてちゃダメなのか?」

ミツルギ「………ああ!今のままじゃダメだ!」

 

 僕は、そのまま立ち去る。

 

カリンside

 

 私たちは、ストリウスとの戦いに備えて、おにぎりを食べていた。

 すると、アクアが持ってきた。

 

アクア「はい!……ところで、何でユーリが食べてるの?」

ユーリ「ダメなのか?」

 

 アクアが作ったであろう大きいおにぎりを頬張る。

 すると。

 

カリン「しょっぱ!塩かけすぎでしょ!どんな事をしたらこんな不味いおにぎりができるのよ!?」

アクア「あ……。それ、私じゃ無い……。」

 

 アクアが上にいるソフィアを見て、私たちの視線もソフィアに集まる。

 

ソフィア「ああっ!アクアさんと本を見ながら作ったんですが、下手ですいません……。」

 

 私が気まずい表情をする中、零士、カズマ、リナ、ダクネス、めぐみん、カイトはリベラシオンへと向かう通路にまで行き、全員で揃って、拳を握る。

 

カリン(一枚岩とはこの事……!?)

 

 すると、ユーリが肩を叩く。

 

カリン「ユーリ……!」

ユーリ「光あれ。」

カリン(意味………分かんない……。)

アクア「まあ、カリン。ここは、正直に。」

 

 アクアがニヤニヤしながら、私をみる。

 覚悟を決めて、おにぎりを頬張る。

 不味かったが、流石に忖度しないと……!

 

カリン「……美味しいです……。」

アクア「ああーっ!今、忖度した!」

ソフィア「止めてください!」

 

ユーリside

 

 まあ、そんな事があった。

 光あれと言った理由は、俺を解析した報いだ。

 俺がスッキリしていると。

 カリンとダクネスが気になった事があるようで、呟く。

 

カリン「そう言えば、あのメギド、ワンダーワールドの境界線を食べてたけど、何でだろ?」

ダクネス「確かに……。」

 

 それを聞いて、嫌な予感がした。

 

ユーリ「……!何故それを早く言わない!?」

「「すいません……。」」

 

 俺は、確認するべく、ワンダーワールドへと向かい、ビクトールの家へ。

 しかし、もぬけの空で、ワンダーワールドの様子がおかしい。

 そして、シャボン玉が隣を通った事で、全てを察した。

 

ユーリ「……逝ったか、ビクトール……。俺もいずれそちらに行く……。」

 

 俺は、零士達の元へと戻る。

 

零士side

 

 ユーリが突然飛び出した事に、胸騒ぎを覚えていると。

 ソフィアが苦しみだす。

 

カイト「ソフィア様!?」

めぐみん「どうしたのですか!?」

ソフィア「ワンダーワールドが侵食し始めています!」

カズマ「ええっ!?」

ユーリ「ビクトールがストリウスに倒され、最後の全知全能の書の一部が奪われたからだ。」

 

 そう言って、ユーリが戻ってきた。

 

ユーリ「こうなっては、方法は一つ。」

リナ「まさか、零士を犠牲にするの!?」

 

 リナが詰め寄る。

 だが、ユーリは首を横に振る。

 

ユーリ「いや、ビクトールが持っていた本を奪還すれば、その力で収める事が出来る。」

リナ「……!それを早く言いなさい!」

ダクネス「だが、その前に、ワンダーワールドの侵食をどうにかしないと!」

めぐみん「でも、どうやって……!?」

ソフィア「刃王剣を使いましょう。」

 

 ソフィアが立てた作戦は、こうだ。

 俺の見た記憶の上條大地も、火炎剣烈火一本で、侵食を食い止めた。

 しかし、広範囲の為、聖剣一本では持たない。

 そこで、刃王剣と残りの聖剣を共鳴させて、一時的とはいえ、防御壁を築く。

 その作戦で行く事にして、俺たちは、各地に散らばって、それぞれの聖剣を突き立てて、防御壁を立てる。

 

零士「……これで、何とか持つといいが。」

ストリウス「ご機嫌よう。」

 

 すると、ストリウスが現れる。

 

零士「お前……!何でタッセルを!!」

ストリウス「まもなく、長きに渡る物語に結末が訪れるんです。」

零士「何……!?」

ストリウス「希望が絶望に変わり、苦悩に満ちた物語の結末を、私が紡ぐ!」

零士「……!お前が望む結末にはさせない!」

 

 クロスセイバーへと変身しようとすると、何かが攻撃してきた。

 避けて、その主を見ると、デザストだった。

 

零士「デザスト……!」

デザスト「お前が邪魔だ。炎の剣士。」

 

 無銘剣虚無を振るってきて、俺は躱す。

 

零士「変身!」

 

『クロスセイバー!』

 

 すぐさまクロスセイバーへと変身して、デザストと交戦する。

 

ストリウス「またあなたですか。ソイツは、私にとって、不要な存在です。私が気まぐれに作ったメギド。存在する理由もなければ目的もない。意味なく生まれ意味なく消える。」

デザスト「黙れ!お前が消えろ!!」

 

 デザストは怒りの矛先を、ストリウスに向けて、攻撃するも、ストリウスはカラドボルグを召喚して、迎撃する。

 その手には、オムニフォースが。

 

零士「やっぱり持ってたか……!」

ストリウス「期待してますよ?私の英雄……。」

 

 ストリウスはそう言って、撤退していった。

 俺は棒立ちになっていると、デザストが襲い掛かった。

 

デザスト「余所見してんじゃねぇよ!!」

零士「……ッ!」

デザスト「お前がいるから、アイツは迷うんだ!それじゃ強くなれねぇんだよ!!」

 

 それを聞いて、思った事がある。

 

零士「ミツルギとお前は似てるのかもな。」

デザスト「はあ?俺を人間如きと一緒にするんじゃねぇ!」

零士「一緒だろ、お前にも感情があるんだからさ。」

デザスト「……清々しくて……イライラするぜ!」

 

 そう言って跳躍して、俺は刃王剣のエンブレムを操作する。

 

『激土!』

『既読!』

『激土!クロス斬り!』

 

 俺は激土クロス斬りを発動して、デザストを迎撃する。

 デザストは体を修復しようとするが、塞がらない。

 

零士「お前……!」

デザスト「……しらけちまったなぁ。」

 

 デザストはそう言いながら、撤退した。

 やはり、デザストは、カリュブディスに食われたんだ。

 ユーリから連絡が入り、結界の作成が完了したようだ。

 




今回はここまでです。
いよいよクライマックスに向けて動き出します。


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105話 激突する、魔剣の勇者と混合種メギド

ミツルギside

 

 まさか、デザストが、あんなに弱っていたなんて……。

 急に戦えと言い出したのは、それが理由だったのか。

 僕は、デザストと神崎零士との戦いを見て、そう思った。

 そして、影から、デザストを見ていた。

 

デザスト「………もう、時間がねぇか。何も残せなかったな……。」

 

 デザスト……。

 ………僕も覚悟を決めよう。

 

零士side

 

 俺は、結界を精製し終えて、ノーザンベースへと戻っていく。

 すると、アクアがレイナに出会ったと言う。

 

アクア「何か……。目を離すと、消えちゃったのよ……。」

カズマ「お前、何かやらかしたんじゃ無いのかよ?」

アクア「何でそうなるの!?私、女神よ!ありえないんですけど!!」

零士「まあまあ……。」

リナ「レイナが無事なら、それでいいわ。」

ジュン「そうだな。」

 

 とりあえず、火急の件を話し合う。

 

ダクネス「結界は敷く事には成功したが、いつまで持つのかが分からない。」

めぐみん「どうにかして、ストリウスを見つけないといけませんね!」

カリン「ええ。あの大臣が持ってた本を持っている以上、放っておけないわ。」

ユーリ「とにかく、ストリウスを見つけ、ビクトールの本を奪還する。解決する為には、それしかないだろう。」

 

 そういう結論に至り、カズマ、めぐみん、ダクネス、アクアが飛び出していく。

 ストリウスが出没している所に向かうそうだ。

 カイトが考え込んでいた。

 

リナ「どうしたの?」

カイト「闇黒剣月闇が見せた未来に、幾つかストリウスと戦う未来が見えた。」

カリン「そうなの!?」

零士「何処らへんか分かるか?」

カイト「幾つか、目印になりそうな物があったぞ。」

 

 地図に、その目印があるところを書き込んでもらって、ソフィアと同じ様な気配が南からするそうで、そこに向かう。

 

ミツルギside

 

 僕は、覚悟を決めて、廃墟にいるデザストの元へと向かう。

 

デザスト「苦悩と決意に満ちた、甘くて苦々しい匂いがする……。」

ミツルギ「……お望み通り、君と戦ってあげるよ。」

デザスト「へぇ……。どういう風の吹き回しだ?」

 

『ムーンドラゴン!』

 

デザスト「……まあいい、来いよ……!」

 

 僕はすぐさまに変身して、デザストと戦っていく。

 デザストはグラッジデントではなく、無銘剣虚無を使っている。

 僕は、デザストと激しく斬りかかる。

 

デザスト「アアアッ!そんなもんか?」

ミツルギ「君を倒して、僕は先に進む!」

デザスト「今のお前には無理だ!」

 

 だが、徐々に押されていく。

 僕は、彼を倒して、前に進むんだ……!

 でも、零士に諭されたのを思い出して、僕の本当の迷いは、デザストにあると思った。

 僕だって、成長してるんだ……!

 即座に、佐藤和真……仮面ライダーブレイズの剣裁を再現して、食らったデザストは、吹き飛ぶ。

 だが………。

 

デザスト「あーあ……そりゃねぇだろ。」

 

 と、失望したかのような声を上げて、立ち上がる。

 すぐさま追撃するが、全く気にして無い。

 

デザスト「おい………おい!そうじゃねぇだろ!」

 

 その声と共に、デザストの強い攻撃が僕に命中して、変身解除に追い込まれる。

 

ミツルギ「何でだ!何で、僕はこんなにも弱いんだ……!」

デザスト「もういい。俺がお前を終わらせてやる。」

 

 僕が己の力不足を嘆いていると、デザストが斬りかかってくる。

 それに恐怖心が宿り、情けなく逃げ回る。

 だが、しばらくすると角に追い込まれて、デザストが目の前に来る。

 

デザスト「お前の存在意義はない。」

 

 デザストはそう言って、無銘剣虚無を振るってきて、首筋に迫る。

 すると。

 

「「キョウヤ!!」」

 

 声がして、横を見ると、クレメオとフィオの2人が居た。

 そして、脳裏に。

 

アクア『さあ、勇者よ!この世界を救いなさい!』

デザスト『お前、強さの果てを見たく無いか?』

 

 と、アクア様とデザストにかけられた声が過ぎって、僕は咄嗟に転がって回避する。

 

ミツルギ「僕は……絶対にアクア様を守りたいし、強さの果てを見たい……。だから、このままじゃ終われないんだ……!アアアーッ!」

 

 僕は、決意と雄叫びを混ぜて、再びデザストに挑みかかる。

 魔剣グラムと月光剣萬月を振るい、グラムで無銘剣虚無を受け止めて、月光剣萬月でデザストに攻撃する。

 

デザスト「ハハハッ!どうした?お前らしくなってきたじゃねぇか!」

ミツルギ「お前じゃ無い!僕は……御剣響夜だ!」

デザスト「………俺は……デザストだ!」

ミツルギ「ハァァッ!変身!!」

 

 僕はまたフルムーンドラゴンへと変身する。

 お互いに、果たし合いをする武士のように名乗り、お互いの存在意義を確かめ合う。

 そして、僕は覚悟を決めて、2本の剣を振るっていく。

 

デザスト「いいねぇ、響夜!楽しくなってきたぜ!!」

 

 だが、今度は僕が圧倒して行き、デザストが倒れて、苦しそうだ。

 

ミツルギ「デザスト……!」

デザスト「まだだ!」

 

 僕が気遣うと、デザストは気にせず攻撃してくる。

 鍔迫り合いの状態になる。

 

デザスト「もっともっと感じさせろ!」

ミツルギ「………!」

 

 すぐさま鍔迫り合いから抜け出して、転がって、宣言する。

 

ミツルギ「僕の全存在を懸けて…………君を倒す。」

デザスト「フフフフフ……フッフッフッ………ハハハハ……ハハハハハ……来いよーッ!!」

 

 デザストの泣いている様な、嬉しそうな笑い声を聞いて、すぐさまデザストに駆け寄って、お互いに攻撃する。

 僕のグラムと月光剣萬月、デザストの無銘剣虚無がお互いの体にぶつかり合う。

 さっきの借り物の技ではなく、僕自身が持てる技の全てをデザストにぶつける。

 僕の全力の斬撃が、デザストに当たって、デザストは転がる。

 

デザスト「これだよこれ……!生と死が混じり合い、刃と刃が交じり合う……!ハハハッ……最低で、最高の匂いだ!!」

 

 デザストはそう言って立ち上がり、また、鍔迫り合いとなる。

 すると、デザストが。

 

デザスト「ったく……。お前になんか声かけるんじゃなかったぜ。」

ミツルギ「ああ……君となんか、出会わなきゃ良かった……。」

デザスト「もう会わねぇよ……!」

 

 デザストはそう言って、無銘剣虚無に込める力を強めて、僕を押し込む。

 だが、僕も負けじとグラムと月光剣萬月を振り上げて、デザストが隙だらけになる。

 少し躊躇していると、デザストの「構わずに斬れよ。」と言わんがばかりの小さな笑い声を聞いて、そのまま渾身の一撃を放つ。

 そして、デザストが倒れ、グラムが折れる。

 そう、この戦いの中、グラムに無理をさせたのか、ヒビが入った。

 そして、折れたのだ。

 まるで、もう、僕にはグラムが必要ないと言わんがばかりに。

 変身解除して、デザストに近寄る。

 デザストの体は、徐々に崩れていく。

 

デザスト「ああ、つまんねぇな……。もう終わりか……。」

ミツルギ「デザスト……。」

デザスト「お前はそのままでいいんだよ……。ああ、それとな……。紅ショウガ、ちゃんと食えよ……。ハハハッ……ハッハッハッ……。」

ミツルギ「それは、無いかな……。」

 

 最後に言い残すのがそれかい。

 そして、デザストは消滅した。

 その場には、アルターブック、マフラー、無銘剣虚無、エターナルフェニックスのワンダーライドブックが残されていたが、僕はマフラーとアルターブックを拾う。

 

ミツルギ「ありがとう……。デザスト……。」

 

 敵とも仲間とも言えない奇妙な関係の相棒に対して、万感の想いと共に呟く。

 

零士side

 

 俺は、すぐさま南の方に行き、ストリウスを探していた。

 ソフィア達曰く、ここら辺で、ソフィアに似たような反応があったらしい。

 どこかと探していると、後ろに塔があって、その塔から、人の声がしてきた。

 

零士「まさか……。変身!」

 

『クロスセイバー!』

 

 俺はクロスセイバーへと変身して、後ろの塔に向かって斬りつける。

 すると、空間が歪んで、入り口が現れた。

 一旦変身解除して、中に突入しようとすると。

 

リア「待ってくれ!」

零士「リア、エーリカ、シエロ……。」

 

 そう、アクセルハーツが居たのだ。

 だが、連絡して無いはずだ。

 俺の表情から察したのか。

 

エーリカ「ソフィア達から連絡があったの!零士を手伝ってやれって。」

シエロ「そういう事です。」

零士「分かった。」

 

 俺はアクセルハーツと共に、中へと入っていく。

 その中は、屋敷の部屋みたいになっていて、先に進んでいくと、階段がある広間に出る。

 

カリュブディス「お待ちしておりました。」

 

 そんな声がしたと思って、振り向くと、そこにはカリュブディスとソフィアが居た。

 

シエロ「ソフィアさん……!?」

エーリカ「何で!?」

リア「多分、偽物だろうな。」

零士「いや、ソフィアだ。ノーザンベースに居るソフィアとは違うけど。」

 

 上を見ると、大量のアルターブックがあり、アルターブックから顔が出ている。

 それを見て呆然としていると。

 

ストリウス「意外と早かったですね。」

 

 そう言って、ストリウスが現れる。

 

零士「ストリウス……!本にされた人たちを元に戻せ!!」

ストリウス「まあ、そう言わずに。なら、これでどうでしょう。」

 

 そう言うと、カリュブディスが大きく口を広げる。

 

零士「やめろォォォ!!」

 

 そう言って駆け出そうとするが、リアに必死に抑え込まれる。

 そうしている間に、アルターブックが残さず食われてしまう。

 そして、隣にいたソフィアをも食らった。

 俺はショックから崩折れる。

 リアとエーリカがそれぞれの聖剣を手にして前に出る。

 

リア「零士。こんな所で落ち込んでるなら、とっとと帰った方が良い。」

零士「分かってる!行くぞ……!」

エーリカ「ええ!」

 

『昆虫大百科!』

『オーシャンヒストリー!』

『ブレイブドラゴン!』

 

「「「変身!!」」」

 

『昆虫!Cho!大百科!』

『オーシャンヒストリー!』

『クロスセイバー!』

 

 俺たちはすぐさま変身して、カリュブディスと交戦する。

 すると、カリュブディスがページを開く様な動きをして、風景が変わる。

 屋敷にいた筈が、池があるエリアに変わった。

 すると、ピラニアのランチアルターブックの力か、大量のピラニアが襲ってくる。

 俺たちはピラニアに対処する。

 

リア「大海の怒りを思い知れ……!」

 

『必殺時刻!』

『オーシャン三刻突き!』

 

 リアがオーシャン三刻突きを発動して、ピラニアを一掃して、カリュブディスに攻撃する。

 怯んだ隙をついて、エーリカが煙状態になって奇襲を仕掛ける。

 しかし、見切られた。

 

エーリカ「何で!?」

カリュブディス「あなたの匂いですよ。」

零士「デザストか……!」

 

 やっぱり、デザストはカリュブディスに食われたんだ。

 そして、カリュブディスは火山地帯のページに切り替えて、ザルツドラをブーメランのごとく投げてくる。

 俺はすぐさま狼を創造して、カリュブディスに突撃させる。

 しかし、狼が一体食われた。

 

零士「何!?」

 

 そして、カリュブディスが狼を出してきて、こちらが攻撃される。

 そして、またページが変わり、今度は屋敷の庭みたいなエリアになった。

 攻撃しようとするが、リアに止められる。

 

リア「多分、クロスセイバーじゃ、カリュブディスとは相性が悪い。私達に任せてくれ。」

零士「でも……!」

エーリカ「私たちを舐めないでよ!」

カリュブディス「しつこいですねぇ……。」

 

 エーリカはまた煙状になって、4人に分裂する。

 そして、その内の一体に攻撃しようとすると、界時抹消で近づいていたリアが現れて、カリュブディスに攻撃する。

 しかし、カイジスピアの部分を持たれて、動けなくなり、食われそうになる。

 

エーリカ「リア!」

 

『界時抹消!』

 

 俺は刃王剣十聖刃から、時国剣界時を召喚して、界時抹消を発動する。

 

『再界時!』

 

 俺はリアを助けて、背後からカリュブディスに攻撃する。

 

リア「何……!?」

零士「良かった!上手くいって……。イテッ!」

エーリカ「リアを囮にするなんて……!死にたいの………!?」

零士「ごめんなさい!ごめんなさい!」

 

 エーリカに怒られて、謝っていると。

 

ストリウス「情けないですねぇカリュブディス……。」

 

 カリュブディスを見かねたのか、ストリウスが現れた。

 俺たちは一気に決めるべく、突撃していく。

 すると、ストリウスは、始まりの5人の本を出して、光の弾に衝撃波を放つ。

 光の弾は躱したが、衝撃波は躱しきれずに受けてしまい、転んでしまう。

 

ストリウス「今です!!」

 

 ストリウスがそう叫び、食われない様にしようとするが、ストリウスがカリュブディスに食われてしまう。

 

リア「何をやってるんだ……!?」

エーリカ「自分から食われてるわよ!?」

シエロ「どういう事ですか……!?」

零士「………まさか。」

 

 直後、カリュブディスが苦しみ出して、中からストリウスが出てきた。

 その手には、一冊のワンダーライドブックが握られていた。

 

ストリウス「やはり……そうでしたか……!……私は全てを知った……!物語の、結末は……私が決めます!!!」

 

カズマside

 

 俺は何とかレイナを見つけ出そうと奔走していたが、見つけた。

 だが、俺を見て逃げ出してしまう。

 

カズマ「ちょっと待ってくれ!怪しい人じゃないからさ!」

レイナ「普通に怪しいです。」

 

 それを言われてショックを受けたが、へこたれる訳にはいかない。

 

カズマ「俺は佐藤和真。水の剣士だ。まあ、零士の仲間って所だな。」

レイナ「変な人。」

 

 レイナは笑いながらそう言った。

 地味にショックだな。

 すると、レイナが上を向いて。

 

レイナ「世界が終わっちゃう……!」

カズマ「えっ?」

 

 レイナはそう言うと、消えてしまった。

 

カズマ「どうなってんだよ……!?」

 

 胸騒ぎがして、一旦ノーザンベースへと戻っていく。

 

ミツルギside

 

 僕は、豚骨ラーメンを頼んで、近くの椅子に月光剣萬月と無銘剣虚無、折れた魔剣グラムを立てかける。

 そして、デザストの遺言通り、紅ショウガを豚骨ラーメンに入れて、麺を啜る。

 

ミツルギ「しょっぱいなぁ……。」

 




今回はここまでです。
ミツルギとデザストが決着をつけました。
次回、ストリウスが変身します。
ちなみに、will save usを歌っているのは、アクアという設定です。


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106話 集結する、剣士達

ストリウスside

 

 神崎零士達は、一旦撤退したようですね。

 私は、ベルゼルグ王国の王城の地下に安置されている墓の前へと来ていた。

 ここは、かつて大臣によって始末された四賢神が眠っている所だ。

 

ストリウス「さあ、目覚めなさい。」

 

『グリモワール!』

 

 すると、棺が動き出し、手が出てくる。

 

レイナside

 

 ストリウスが、グリモワールワンダーライドブックを完成させてしまった。

 その結果、あちこちがワンダーワールドへと飛ばされていた。

 このままじゃ……。

 私の手を見ると、透けていた。

 

レイナ「世界が終わっちゃう……。」

 

零士side

 

 ストリウスがグリモワールワンダーライドブックを完成させて、撤退した。

 しばらくは何も無かったが、遂に、俺たちが張った結界が崩壊した。

 

ソフィア「皆さん!各地が、ワンダーワールドに飛ばされています!」

カズマ「嘘だろ!?」

ダクネス「とにかく、行くぞ!!」

 

 俺、カズマ、リナ、ダクネス、めぐみん、カリン、カイト、ユーリが現場に着くと、既に多数がワンダーワールドへと転送されていた。

 

めぐみん「どうなっているんですか!?」

リナ「ひとまず、ワンダーワールドに飛ばされた人達を助けないと!」

カイト「そうだな!」

 

『ブックゲート!』

 

 カズマがブックゲートを取り出して、中に入ろうとするが、本が壊れる。

 

カズマ「おい!入れないぞ!!」

カイト「どうなってんだよ!!」

 

 すると、ユーリの手先が透ける。

 

カリン「ユーリ!?」

めぐみん「透けてますよ……!」

ユーリ「ワンダーワールド崩壊の影響だ。」

ダクネス「大丈夫なのか!?」

ユーリ「俺には光剛剣がある。……それより、ストリウスは、全知全能の書に匹敵する力を手に入れた。」

零士「一刻も早くこの異変を終わらせるには、ストリウスのあの本の力を……!」

ストリウス「まもなく終わりの時です。」

 

 そう言って、ストリウスが現れた。

 その手には、グリモワールワンダーライドブックを持っていた。

 

『グリモワール!』

『WHEN THE HOLY SWORD AND THE BOOK INTERSECT REWRITE THE WORLD』

 

 その英文を訳すと、聖剣と本が交わる時、世界を書き換える。

 ストリウスはドゥームズドライバーバックルにグリモワールを装填して、ページを開く。

 すると、ストリウスの影が巨大化して、そこから黒い液体が溢れてくる。

 

ストリウス「この世界の終焉は、荘厳で美しくなければなりません……。変……身!」

 

『OPEN THE GRIMOIRE THE END OF THE STORY!』

『KAMENRIDER STORIUS!』

『フハハハハハ……!』

 

ストリウス「物語の結末は……私が決めます……!」

 

 ストリウスが、仮面ライダーストリウスへと変身する。

 それを見て、俺たちはすぐさま変身する。

 

「「「「「「「「変身!!」」」」」」」」

 

『クロスセイバー!』

『氷獣戦記!』

『ゴールデンアランジーナ!』

『ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!』

『風双剣翠風!』

『音銃剣錫音!』

『ジャオウドラゴン!』

『エックスソードマン!』

 

 俺たちが駆け出すと、ストリウスがドライバーを操作する。

 

『OPEN THE STORY OF THE END!』

 

 その音声と共に、4人の男性が取り囲む。

 

カズマ「誰だよ、コイツら!?」

ダクネス「まさか、四賢神!?」

めぐみん「それって、ノエルに始末されたという人たちですか!?」

カリン「よりにもよって……!」

ストリウス「大臣に始末されたようですが、全盛期以上の力を与えて蘇らせました。」

 

 すると、四賢神は、ロード・オブ・ワイズへと姿を変える。

 俺たちは、それぞれの剣士達と相対していた。

 

カズマside

 

 俺はめぐみんと共に、大型の蛮刀と片刃の戦斧を持つ奴と戦っているのだが……。

 

カズマ「何だよコイツ!」

めぐみん「強い……!」

 

 そう、俺たちの連携攻撃が当たっても、まるで怯まないのだ。

 しかも、コイツの一撃が重い……!

 そんな風に、苦戦していた。

 

リナside

 

 私は、ユーリとカイトと一緒に、細剣を2本持った奴と戦っていた。

 ユーリとカイトの連携攻撃に対しても、細剣の凄まじい突きを放っていた。

 

リナ「ハァァァァ!!」

 

 私が、上空から奇襲をかけるも、相手も同じ様な技を放ち、反撃される。

 

リナ「クッ!何で……!?私の技を!?」

 

 すると、ダクネスから返事が返ってきた。

 

ダクネス「当然だ!私たちが使っているスキルや魔法は、四賢神が生み出したと言われているんだ!!」

カリン「何ですって!?」

 

 それは、聞いていない。

 しかも、ダクネス達の戦闘を見る限り、ダクネス達の方は、ダクネス達が放った攻撃を、別の属性に変えてダクネス達に攻撃している。

 私たちも、追い詰められる。

 

零士side

 

 やっぱり、強い!

 何せ、原作仮面ライダーセイバーでも、ロード・オブ・ワイズには、誰もタイマンでは勝てなかったのだ。

 

零士「………だからって、諦めるわけにはいかない!!」

 

『刃王必殺リード!』

『既読十聖剣!』

『刃王クロス星烈斬!』

 

 無論、出来る限りは抵抗する。

 クオンという個体に対して、刃王剣で吹っ飛ばして、その隙に、刃王クロス星烈斬を発動して、俺の周りに、10本の聖剣が現れる。

 そして、クオンに向けて飛ばすが、クオンはそれを無効化して、即座に俺の周辺に沢山の剣を出現させて、それをぶつけてきた。

 

零士「グワァァァァ!!クッ……!」

カズマ「零士!」

めぐみん「零士!」

ストリウス「どうです?堪能していただけましたか?……私からも一つ、差し上げましょう……!」

零士「不味い!」

 

『刃王必殺リード!』

『既読十聖剣!』

『刃王クロス星烈斬!』

 

 ストリウスが上空で巨大なエネルギー弾を生成していて、俺は即座に刃王クロス星烈斬で結界を生成するも、あっさり破られて、大爆発を起こす。

 

『うわぁァァァ!!』

 

 その攻撃を食らって、俺たち全員、変身解除へと追い込まれた。

 ストリウスが俺の眼前に降りてくる。

 

ストリウス「2000年かけて創りあげてきたこの文明……。そしてこの世界が壊れる時も、ほんの一瞬です。ああ……。何と美しい……!」

零士「俺たちで、必ず止めてみせる……!」

ストリウス「それでは、こういうのは、どうでしょう……!」

 

『OPEN THE STORY OF THE END!』

 

 その音声と共に、巨大な剣が現れて、少し離れた所に、巨大な塔が現れた。

 

ストリウス「待ってますよ……私の英雄……!」

 

 ストリウスはそう言い残して、撤退した。

 その後、アクアが来て、全員治療してもらった。

 そして、アイリスに連絡して、緊急事態宣言を発令してもらった。

 ノーザンベースにて。

 

アクア「ヤバいわね……。」

ダクネス「アイツらに手も足も出なかった……!」

めぐみん「このままでは、世界が……!」

カリン「でも、私たちに勝てるの!?」

カイト「どうすれば……!」

 

 みんなから、そんなマイナス発言が聞こえてくる。

 すると、リナが口を開く。

 

リナ「………確かに、勝てないかもしれない。でも、私たちはこれまで、何度もそんな出来事が起こったでしょう。そして、それに打ち勝ってきた。」

カズマ「そうだ……。俺たちは、世界を守る剣士なんだ……!その程度でへこたれる訳にはいかないんだ……!」

零士「必ず、この世界を守ろう。……俺たちの力で!」

 

 こうして、俺たちは戦いに備える。

 

カリンside

 

 私たちは、全員から聖剣を預かった。

 

ユーリ「聖剣を、明日の戦いまでに、万全の状態にするんだな?」

カリン「ええ。皆の想いに聖剣が答えられるように、聖剣をベストな状態にする。今の私の役割よ。」

カイト「頼む。」

ダクネス「私たちも、冒険者となって、随分と時が経ったな。今度は、零士達や、これからの冒険者達の未来を切り開いてやりたい。」

ソフィア「そうですね。……ウッ!」

 

 すると、ソフィアが苦しげな表情をあげる。

 

ダクネス「ソフィア様!?」

カリン「まさか、ワンダーワールドが崩壊している影響!?」

ユーリ「カイト。」

カイト「ああ。」

 

 カイトが闇黒剣月闇をソフィア様に翳すと、ソフィアの容体が落ち着く。

 

ユーリ「闇黒剣月闇で、結界を施した。しばらくは大丈夫だろう。」

カイト「そうだな……。」

 

 だけど、私たちは見過ごさなかった。

 それは、ユーリの手が透けていることに。

 

アクアside

 

 私は、ソフィアに頼まれて、ミツルギの元へと向かっていた。

 

ミツルギ「アクア様……!」

アクア「アンタ。アンタも来なさいよ。」

ミツルギ「それに関しては分かりました。それと……。」

 

 そう言うと、彼は、魔剣グラムを渡してきた。

 それも、折れた状態で。

 

アクア「これは……。」

ミツルギ「今の僕には、もう、グラムは要りません。」

アクア「まあ、分かったわ。」

 

 何で折れてるんだろう?

 それに、無銘剣虚無も持っているし。

 

アクア「ほんとに来るの?」

ミツルギ「行きますよ。………アクア様を守って、この世界を守る。」

 

 そういう確認ができて良かったわ。

 

カズマside

 

 俺とめぐみんは、アクセルハーツの元へと訪れていた。

 

シエロ「カズマさん。めぐみんさん。」

エーリカ「どうしたのよ?」

カズマ「ええっと……。」

リア「いつなんだ?」

 

 すると、リアが何を聞いてくるのかを察知したのか、聞いてくる。

 

めぐみん「明日、早朝からです。」

カズマ「頼むぜ。」

 

 俺たちは退出する。

 すると。

 

「「リア………。」」

リア「エーリカ、シエロ。鍛練を続けよう。」

 

 と、鍛練する声が聞こえる。

 すると、めぐみんから声をかけられる。

 

めぐみん「カズマ。」

カズマ「何だ?」

めぐみん「カズマは、怖くないんですか?」

カズマ「怖いさ。死ぬ可能性があるしな。」

めぐみん「そうなんですか?」

カズマ「ああ。でも、水勢剣流水を、倫太郎さんや謙信さんから託されたんだ。」

めぐみん「なるほど……。」

 

 ヤバい、めぐみんと会話してると、緊張してくる。

 魔王を倒した後、晴れてめぐみんとお付き合いをしている。

 すると、めぐみんが頭を俺に置く。

 

カズマ「めぐみん?」

めぐみん「カズマ。この戦いが終わったら、一緒にもっと凄い事しましょう?」

カズマ「………ああ。」

 

 死亡フラグにしか見えないが、悪くはない。

 

ダクネスside

 

 私は、お父様に呼び出されて、屋敷へと戻った。

 そこには、シルフィーナの姿も。

 

ダクネス「お父様?」

イグニス「ララティーナ。偶には、一緒に食事をしないかと思ってな。」

 

 と、2人と食事をする。

 

イグニス「シルフィーナ。ララティーナは、上手くやっているのかい?」

シルフィーナ「はい。ママは、ちゃんとやってるよ。」

ダクネス「シルフィーナ……。」

イグニス「ララティーナ。」

ダクネス「?」

イグニス「カズマ君達と、ストリウスとの最後の戦いに行くんだろう?」

ダクネス「…………。」

イグニス「絶対に帰ってきてくれ。」

ダクネス「………分かっています。シルフィーナの為にも、ちゃんと帰ってきます。」

 

 私も、まだまだだな。

 絶対に死ぬ訳にはいかない。

 

零士side

 

 俺とリナは、リナとジュンとレイナがよく遊んでいたという所に来ていた。

 

零士「ここが、3人がよく遊んでた所なのか?」

リナ「うん。」

ジュン「懐かしいな。」

 

 俺の中のジュンも懐かしがる。

 まあ、側から見ると、俺とリナのデートにしか見えないんだけどな。

 すると、1人の少女が居た。

 

ジュン「レイナ……!」

リナ「レイナ……!」

レイナ「………!」

 

 しかし、俺たちを見ると、逃げ出しそうになる。

 

リナ「待って!」

ジュン「お姉ちゃん!」

リナ「………お姉ちゃん?」

零士「へ?」

 

 そう、お姉ちゃんと言ったのは、俺ではなくジュンだ。

 俺も唖然としている。

 

ジュン「忘れちゃったの!?」

リナ「………ああ!そうだったわね!」

 

 と、リナも察したのか、それに乗る。

 どうやら、暗い雰囲気のレイナを笑わせようとしているようだ。

 俺は、2人に任せて、俺は見守っている。

 と言っても、主人格をジュンにして、俺は意識の中で見守っているという形だが。

 その寸劇は、しばらく続いた。

 すると、レイナが近づいてくる中で、少女から大人の姿に。

 

レイナ「ねぇ!私も混ぜてよ!!」

リナ「え……。あ!レイナが大きくなってる!」

ジュン「本当だ!」

レイナ「え?あ!本当だ!」

 

 と、3人は盛り上がっていた。

 本当に、幼馴染なんだな。

 そう思っていると。

 

ジュン「そうだ、零士。」

零士「ん?……ってウオっ!」

 

 すると、俺の人格に戻ったと同時に、ジュンの人格が出て行く感覚。

 そして、俺の目の前には、1人の男性が。

 

零士「えっと、もしかして、ジュン?」

ジュン「ああ!」

 

 え、マジで。

 ジュン曰く、タッセルから、時間がある程度経つと、独立出来る様になるらしい。

 あの人、本当に良い人だな。

 そう思って、俺は幼馴染3人の空気をぶち壊さない為にも、少し離れた。

 俺は部外者だからな。

 

リナside

 

 零士が気を遣ってくれたのか、少し離れていく。

 

レイナ「本当に良い人だよね、零士さんって。」

リナ「うん。」

ジュン「そうだな。」

 

 すると、レイナが少し俯いて語る。

 

レイナ「私、不安なんだ。世界を救う為に、ジュンや零士さんまで犠牲にしないといけないなんて……。」

リナ「大丈夫よ。ジュンや零士なら、きっとそんな未来を変えられるわ。」

ジュン「俺じゃなくて、零士がな。………それに、あの時、助けられなくてごめん……!」

レイナ「………良いのよ。アレは仕方ないからね。」

 

 私たちは、そんな風に慰め合っていた。

 それを遠くから見ていた零士は、少し顔を背けていた。

 

リナ「ねぇ、約束しよ。私たちは離れていても一緒ってさ。」

ジュン「そうだな。」

レイナ「うん。」

 

 私たちは、約束する。

 零士も近寄ってくる。

 

ストリウスside

 

 さて、そろそろ動きますか。

 

ストリウス「精々頑張って下さいね。私の英雄……。」

 

 グリモワールの力を使い、外に大量のシミーを召喚する。

 

零士side

 

 俺が近づいた途端、レイナとジュンの体が薄くなった。

 

リナ「レイナ!」

零士「ジュン!」

ジュン「そうだった……。独立すると、俺はワンダーワールドの崩壊の影響をモロに受けるんだった。」

レイナ「2人とも、急いで……!」

リナ「ええ!」

零士「ああ!必ずストリウスを倒してみせる!」

 

 そして、俺とリナは向かう。

 集合場所に。

 聖剣の調整をしているカリン。

 立ち会いをしているユーリとカイト。

 一人で特訓をしているミツルギ。

 シルフィーナを見守るダクネス。

 二人で一緒に居るカズマとめぐみん。

 そんな事を思っていると、集合場所に到着して、そこには、カズマ、ダクネス、めぐみん、カリン、カイト、ユーリが居た。

 俺はカズマから火炎剣烈火を、リナはカリンから雷鳴剣黄雷を受け取り、俺を先頭にして歩み出す。

 途中、アクセルハーツとミツルギと合流する。

 そして、朝日が昇り、朝となる。

 俺たちは、ストリウスと決着をつけて、世界を守る。

 その決意の元、破滅の塔へと足を動かす。

 




今回はここまでです。
遂に、物語は最終章へと突入します。


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最終章
107話 それぞれの勇者達、世界を賭けて


零士side

 

 俺たちは、ストリウスが生み出した破滅の塔の間近にある丘に着き、そこから見下ろすと、多数のシミーが居た。

 

カズマ「大量だな………。」

リナ「あの塔の天辺に、ストリウスが居るんだよね……。」

零士「ストリウスを倒して、この異変をすぐにでも終わらせる。」

アイリス「私も戦います。」

 

 すると、アイリスの声がして、振り返ると、アイリスも来ていた。

 星雲剣恒星を携えて、腰には聖剣グラディウスドライバーを巻いていた。

 

ダクネス「アイリス様!」

カズマ「アイリス……。」

アイリス「剣士として……!」

 

 俺は頷き、すぐに変身する。

 

『ブレイブドラゴン!』

『ライオン戦記!』

『ランプドアランジーナ!』

『玄武神話!』

『猿飛忍者伝!』

『ヘンゼルナッツとグレーテル!』

『ジャアクドラゴン!』

『エックスソードマン!』

『昆虫大百科!』

『オーシャンヒストリー!』

『ムーンドラゴン!』

『スタードラゴン!』

『ジャアクリード!』

『スターリード!』

『烈火抜刀!』

『流水抜刀!』

『黄雷抜刀!』

『一刀両断!』

『双刀分断!』

『銃剣撃弾!』

『闇黒剣月闇!』

『最光発光!』

『狼煙開戦!』

『界時逆回!』

『萬月抜刀!』

『星雲剣恒星!』

 

『変身!!』

 

『ブレイブドラゴン!』

『ライオン戦記!』

『ランプドアランジーナ!』

『ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!』

『風双剣翠風!』

『音銃剣錫音!』

『ジャアクドラゴン!』

『エックスソードマン!』

『昆虫!CHO!大百科!』

『オーシャンヒストリー!』

『ムーンドラゴン!』

『スタードラゴン!』

 

 今ここに、12本の聖剣と、それを振るいし剣士達が集結した!

 

カイト「ここは、俺たちがどうにかする!お前達は先に行け!」

ユーリ「奴らは光と闇の聖剣で薙ぎ払おう!」

零士「分かった!」

 

 俺たちは、ユーリとカイトの二人を先頭にして、突っ込んでいく。

 

『最光発光!』

『習得一閃!』

 

 ユーリとカイトの、光と闇の斬撃波がシミーを薙ぎ払う。

 そして、俺たちも各々交戦しつつ、先へと進む。

 

『界時抹消!』

『再開時!』

『狼煙霧中!』

『煙幕幻想撃!』

 

 リアのデュランダルが、界時抹消で一気に接近して、薙ぎ払う。

 エーリカのサーベラが、体を煙状にして、シミーを翻弄する。

 

『錫音音読撃!』

『激土乱読撃!』

『ムーンドラゴン!一冊斬り!』

『習得一閃!』

 

 カリンのスラッシュが、ビート・ロリポッパーを発動して、シミーの大群に放つ。

 ダクネスのバスターが、大断断を発動して、シミーの大群に叩きつける。

 ミツルギの月影が、必殺技を放ち、シミーを斬り捨てる。

 アイリスのグラディウスが、エクステリオンと同時発動して、シミーを一掃する。

 

『翠風速読撃!』

『アランジーナ!一冊斬り!』

 

 めぐみんの剣斬が、疾風剣舞を発動して、シミーを斬っていく。

 リナのエスパーダが、雷の如く移動して、シミーを倒していく。

 

『ライオン!一冊斬り!』

『ドラゴン!一冊斬り!』

 

 カズマのブレイズが、水の斬撃波を放ち、シミーを倒していく。

 俺のセイバーが、炎の斬撃波を放ち、シミーを倒していく。

 そして、カイトとユーリ以外は、破滅の塔の内部へと侵入する。

 内部に入って、暫く進んでいると、四賢神の1人が現れた。

 すると、ミツルギが前に出て。

 

ミツルギ「コイツは、僕が倒す。」

 

 そう言って飛び出して行った。

 

めぐみん「ちょっと………!」

カリン「私とめぐみんも残るわ。アンタ達は先に行って!」

零士「分かった!」

アイリス「皆さん、ご武運を!」

 

 四賢神の1人を、ミツルギ、めぐみん、カリンの3人に任せて、俺たちは先に進む。

 

ストリウスside

 

 どうやら、神崎零士たちがこの塔に入ってきたみたいですねぇ。

 

ストリウス「まもなく、物語の結末が決まりますねぇ……!」

 

 すると、グリモワールワンダーライドブックが開いて、風景が変わる。

 そして、2人の人物が。

 

ストリウス「おやおや、これは懐かしい面子がいますねぇ。」

 

 そこに居たのは、レジエルとズオスだった。

 私が移動すると、レジエルとズオスも着いてきた。

 

レジエル「なあ、ストリウス。教えてくれ。どうして俺たちは化け物になってしまったんだ………。」

ズオス「俺たちはただ、争いの無い世界を創ろうとしただけなのに………。」

ストリウス「その希望が強い欲望となり、力に飲み込まれたのです。2000年前、私は全てを悟り、欲望など消えました。私は、私のままですよ。」

レジエル「何で、こんな事をするんだ。」

ズオス「お前は、本当に詩を書くのが好きだったじゃないか!」

 

 埒が明かず、私は2人を消した。

 そして、誰の仕業なのかが分かりました。

 

ストリウス「一体、これは何の真似です?」

レイナ「お願い。世界を滅ぼさないで。」

ジュン「俺からも、世界を滅ぼすな。」

 

 そこには、世界を繋ぐ存在であるレイナと神崎零士の中にいた筈のジュンが居た。

 

ユーリside

 

 俺とカイトの2人は、シミーを倒していたが、カイトが疲労したのか、動きが鈍っていた。

 

カイト「クッ……!」

ユーリ「カイト!」

 

 カイトを助けようとするが、シミーの一団に阻まれる。

 動けなくなったカイトにシミーの攻撃が殺到する………。

 すると、カイトの目の前に、3人の剣士が現れた。

 それは、上條大地、富加宮隼人、ジンだった。

 

大地「若い奴らの未来を繋ぐんだろ?」

隼人「行けるか?」

ジン「カイト君。」

カイト「………はい!」

 

 すると、3人が吸い込まれて、カイトの動きが元に戻った。

 それだけじゃなく。

 

ウィズ「皆さん、行きましょう!」

ダスト「おうよ!」

リーン「世界を終わらせてたまりますか!」

バニル「世界が終わるのも悪くはなさそうだが、助太刀に参った。」

セシリー「アクシズ教徒の恐ろしさ、目に物を見せてあげるわ!」

 

 そこには、アクセルの冒険者が来ていた。

 

ユーリ「ビクトールか。味な真似を……。最高だな!!」

 

 カイトがシミーを斬り捨てて、俺は光剛剣最光と最光シャドーに別れて攻撃する。

 

アクアside

 

 皆、頑張って………。

 そう思っていたが、体が透けてきた。

 

アクア「何で………。」

 

 まさか、この世界が消えそうだから、私も消えるというの………?

 そんなの困るわよ……!

 

アクア「私にも、出来る事があるはず……!」

 

 私は、屋敷から飛び出していく。

 

零士side

 

 ミツルギ、めぐみん、カリンの3人が離脱して、更に先に進んでいくと、四賢神の1人が現れた。

 すると、今度はカズマ、ダクネス、アイリスが前に出る。

 

カズマ「こいつは、俺が倒す!」

ダクネス「私も残ろう!」

アイリス「皆さんは、先に進んで下さい!」

 

 カズマ、ダクネス、アイリスに任せて、俺、リナ、リア、エーリカ、シエロは先に進む。

 そして、第3階層にまで来ると、レイピアを2本持った四賢神が現れる。

 俺が応戦しようとすると、リアに押し止められる。

 

リア「コイツは、私たちが相手する。」

エーリカ「アンタ達は先に進みなさい!」

シエロ「僕は、2人のサポートです!」

 

 アクセルハーツが残り、俺とリナは先に進んで行く。

 

レイナside

 

 私とジュンは、思念体をストリウスの元に飛ばしていた。

 

ストリウス「貴方も全知全能の書の一部なら、分かっている筈です。この世界に人が生み出した物が何一つない事を。既に終わりは確定しているのです。」

レイナ「それでも!彼らなら……!ウッ!」

ジュン「レイナ!」

 

 倒れそうになる私をジュンが支える。

 尚もストリウスは語り続ける。

 

ストリウス「絶望を希望に変え、何度も立ち上がる彼は、"英雄"と呼ぶに相応しい。今も剣士達は諦めていない。本気で世界を救えると信じている。"神崎零士なら、未来を変えられる"と!残酷な物語です。でも、それで良いのです。最後の希望が打ち砕かれ、絶望の中、結局何も変えられずに死んでいく!これぞ私が思い描いていた、物語の最終章です!!題名は………『救世主の死』!」

ジュン「お前………可哀想だな。」

ストリウス「何ですって……?」

 

 ジュンの放った言葉に、ストリウスが反応する。

 

ジュン「アイツはな、レイナすら知らない物語を生み出したんだ。」

レイナ「そうね………。零士さんなら、未来を変えられるわ。」

ストリウス「黙れ!!」

 

 そう言った途端、激昂したストリウスによって追い出されてしまう。

 そして、あの広場に居た。

 

レイナ「ジュン……。」

ジュン「ああ………!」

 

 私たちは、零士達の元へ。

 

カイトside

 

『サイコーカラフル!』

『習得一閃!』

 

 俺とユーリの闇と光の斬撃波がシミーを薙ぎ払う。

 だが、力を使いすぎて、変身解除する。

 

カイト「これで、全部か?」

ユーリ「恐らくな。」

 

 だが、カイトが疲労して、倒れそうになる。

 すると、上條大地と富加宮隼人とジンの3人が支える。

 

大地「良くやった。」

隼人「後は、任せるよ。」

ジン「少し回復するから、行け。」

 

 ジンさんに回復してもらい、3人は消え去った。

 

カイト「行こう、ユーリ。」

ユーリ「ああ……!」

 

 俺たちは体に鞭打って、先に進む。

 

ミツルギside

 

 神崎零士達を行かせたものの、苦戦を強いられていて、僕達3人は変身解除に追い詰められる。

 

ミツルギ「こんな所で……止まってられないんだ……!」

めぐみん「私だって、止まるわけには行かないんですよ……!」

カリン「行こう……!」

 

 カリンが再変身して、突っ込んでいく。

 

『音銃剣錫音!』

 

 その隙に僕達も再変身する。

 音銃剣錫音から弾丸を発射するものの、跳ね返されて、カリンに命中する。

 

カリン「グッ!ハァァァァ!!」

めぐみん「今です!」

 

 すると、めぐみんが風双剣翠風を投擲して、カリンが弾丸でトリガーを引く。

 

『こぶた3兄弟!』

『翠風速読撃!』

 

 すると、風双剣翠風が幾つもに分裂して、相手の武器を落とす。

 そして、カリンがしがみつくも、カウンターを食らって、変身解除する。

 

カリン「ウワァ!………フフッ!」

ミツルギ「ハァァァァ!!」

 

 そして、僕が壁走りをして、一気に近づいていき、無銘剣虚無のシンガンリーダーに、デザストのアルターブックをリードする。

 

ミツルギ「カラミティ・ストライク!」

デザスト『カラミティ・ストライク!』

 

『永久の悪!』

『無限一突!』

 

 奴の周辺に、大量のグラッジデントが出現して、僕は、グラッジデントを拾いながら、攻撃していく。

 その最中に、デザストも現れて、攻撃していく。

 そして、僕とデザストが挟み撃ちをするかのように、奴に止めを刺す。

 その際に、僕には、デザストが笑ったような気がする。

 そして、奴は爆発して、腰につけていたデザストのマフラーとアルターブックが、役目を終えたかの様に消えていく。

 いつの間にか変身解除していたが、めぐみんは無事の様だ。

 

ミツルギ「カリンさん、大丈夫ですか?」

カリン「私には構わないで、先に行って。」

めぐみん「カリン………。分かりました。行きましょう。」

ミツルギ「そうだね………。」

 

 無銘剣虚無は置いて行って、僕とめぐみんは進んでいく。

 

カリン「少しはマシになったじゃない……。」

 

 そんな呟きが聞こえた気がする。

 

零士side

 

 俺とリナは先に進み、そこには、クオンというロード・オブ・ワイズが居た。

 

リナ「ここは私が……!」

 

『ニードルヘッジホッグ!』『トライケルベロス!』

 

零士「いや、俺も戦う。」

 

 俺は、火炎剣烈火から刃王剣十聖刃へと切り替える。

 

『ゴールデンアランジーナ!』

『クロスセイバー!』

 

 そして、応戦する。

 

カズマside

 

 俺、ダクネス、アイリスは、ハイランダーという個体と応戦していた。

 しかし、別属性に変換する攻撃に押されて、変身解除に追い込められる。

 

カズマ「ダクネス、アイリス。死んでないよな?」

ダクネス「勝手に殺すな。」

アイリス「まだ、行けます……!私は、絶対に諦めません……!」

 

『タテガミ氷獣戦記!』

『玄武神話!』

『スタードラゴン!』

 

カズマ「行くぜ……!」

 

『流水抜刀!』『タテガミ展開!』

『一刀両断!』

『星雲剣恒星!』

 

 俺たちは再変身して、ハイランダーに戦いを挑む。

 

『必殺凍結!』

『流水抜刀!』

『タテガミ氷河斬り!』

 

カズマ「ブリザード・ブレイズ!」

 

 俺はブリザード・ブレイズを発動して、攻撃するが、すぐに炎属性に変えられる。

 だが、ダクネスとアイリスが受け止める。

 

カズマ「2人とも!……あ!めぐみん!」

 

 すると、めぐみんとミツルギが駆けて行った。

 

ダクネス「カズマ!お前はめぐみんの所に行ってやれ!」

カズマ「でも!」

アイリス「私は、ベルゼルグ王国の王女です!こんな所で、死にはしません!」

 

『会心の激土乱読撃!』

『習得一閃!』

 

 ダクネスが大断断を、アイリスが習得一閃技を放ち、応戦している。

 

カズマ「分かった!頼んだぜ!!」

 

 俺は先に進む。

 

リアside

 

 私とエーリカは、ディアゴという個体と応戦していたが、あまりの素早さに、変身解除へと追い詰められる。

 だが、決して諦めていない。

 

リア「エーリカとシエロは………!」

エーリカ「リアとシエロは………!」

「「命に懸けても、私が守る!!」」

 

『昆虫!CHO!大百科!』

『オーシャンヒストリー!』

 

 私とエーリカは再変身して、ディアゴに勝負を挑む。

 

零士side

 

 俺はクロスセイバーに、リナはゴールデンアランジーナに変身していたが、流石は、四賢神の中でも、最強の存在だ。

 攻撃しても、すぐに跳ね返される。

 そして、変身解除へと陥る。

 

リナ「零士!私が食い止めるから、零士は先に進んで!!」

零士「でも………!」

ミツルギ「零士!」

めぐみん「零士!」

 

 すると、ミツルギとめぐみんが目の前に現れた。

 

ミツルギ「コイツは、僕が倒す!」

めぐみん「早く行って下さい!」

 

 すると、リナも立ち上がる。

 

リナ「私達で………でしょ?」

ミツルギ「……足を引っ張らないでくれ。」

めぐみん「貴方が言いますか?」

リナ「精々頑張るわよ。」

 

『ムーンドラゴン!』

『猿飛忍者伝!』

『ランプドアランジーナ!』

『萬月抜刀!』

『双刀分断!』

『黄雷抜刀!』

『ムーンドラゴン!』

『風双剣翠風!』

『ランプドアランジーナ!』

 

 3人は再変身する。

 

リナ「行って!コイツを倒して、必ず追いつくから!!」

 

 3人はクオンに立ち向かう。

 

零士「分かった!頼んだ!!」

 

 俺は、ストリウスの元へと駆け出す。

 

アクアside

 

 私は、何かできないのかと駆け出していたが、誰かが転んでいる。

 

アクア「大丈夫……!?」

 

 それは、成長しているとはいえ、レイナとジュンであるのが分かる。

 

レイナ「アクアさん………。」

ジュン「アクア………。」

 

ストリウスside

 

 どうやら、神崎零士が向かっていますねぇ。

 

ストリウス「物語の結末は、私が決めます。」




今回はここまでです。
遂に始まる最終決戦。
どうなっていくのか……。


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108話 さようなら、私の英雄

アクアside

 

 倒れているレイナとジュンを見つけて、起こそうとすると、2人の体が透けている。

 

アクア「ワンダーワールドが崩壊している影響なの………?」

 

 そう呟いた。

 

零士side

 

 俺は、仲間達に押されて、何とかストリウスが居る最上階へと到着した。

 

零士「ストリウス!」

ストリウス「待ってましたよ、私の英雄。」

 

 ストリウスは椅子に座っていた。

 

零士「お前を倒して、世界を救う!」

ストリウス「貴方に教えてあげましょう。あなたが女神エリスの元で炎の剣士になったのも、その後なしえた数々の勝利も奇跡も、全ては全知全能の書に記された事にすぎない。全ては決まっていたのですから。そして、全てを絶望に変えた上で、滅亡させるのです。」

 

 そう言って、ストリウスは衝撃波を放つ。

 俺は吹き飛ばされて、刃王剣で支える。

 

ストリウス「そう……世界は終わるのです!」

零士「俺は、英雄なんかじゃない。……ただの本好きの剣士だ。誰もがそれぞれの人生、それぞれの物語の主人公だ。俺や仲間達には、かけがえのない物、守りたい物がある。………だから戦うんだ!」

 

 俺はそう宣言する。

 

ユーリside

 

 俺は、カイトと共に、塔の中へと入り、進んでいく。

 すると、カリンを見つけて、治療する。

 

カリン「カイト……。ユーリ……。」

ユーリ「これで、何とか大丈夫。」

カイト「3人とも、行くぞ……!」

 

 俺たちは足を引き摺りながらも、先へと進んでいく。

 途中、消えかけている。

 

アイリスside

 

 私は、カズマお兄ちゃんを先に進ませて、ララティーナと共に応戦しているけど、やっぱり強いです。

 そして、変身解除へと追い詰められる。

 

ダクネス「アイリス様……!」

アイリス「ララティーナ……!」

 

 止めを刺そうと大鎌を振るおうとするけど、そこに、攻撃が入る。

 そこにいたのは、カイトとカリンだった。

 肩で支えていた。

 だけど、2人に容赦なく攻撃が入ろうとした途端、私たちが2人を抱えて避ける。

 

ダクネス「カリン………!あの世でも、よろしく頼むな……。」

カリン「そんなの、お断りよ。」

アイリス「行きましょう……!」

カイト「はい………。」

「「「「変身………!」」」」

 

『一刀両断!』

『銃剣撃弾!』

『闇黒剣月闇!』

『星雲剣恒星!』

 

 敵が振るってきた鎌を、私達の聖剣で受け止める。

 だけど、私たちもボロボロで、そこまで動けるわけじゃない。

 すると、ララティーナがワンダーライドブックを読み込む。

 

『ジャッ君と土豆の木!』

 

 すると、蔦が敵に襲いかかる。

 そして、私たちが攻撃を喰らいつつも、抑え込んで、カリンが敵の鎌を弾く。

 だけど、カリンが吹き飛ばされる。

 でも、カリンが音銃剣錫音に力を溜め込んでいた。

 私たちは敵を抑え込む。

 

ダクネス「撃てッ!カリン!!」

アイリス「お願いします!!」

カイト「カリン!!」

カリン「うわぁァァァ!!」

 

 カリンは音銃剣錫音から攻撃を放ち、敵は爆発する。

 私たちは変身解除して、変身解除したカリンに向けてサムズアップをして、そのまま倒れ込む。

 

エーリカside

 

 ディアゴという奴と戦っていた私とリア。

 すると、ディアゴに攻撃が当たる。

 

カズマ「大丈夫か!?」

リア「カズマ!?」

エーリカ「どうして!?」

カズマ「とにかく、加勢するぜ!」

 

 だけど、リアが止める。

 

リア「お前は一刻も早く、ストリウスの元へと急げ!!」

カズマ「でも……!」

エーリカ「こんな奴、私たちだけでも大丈夫だから!!」

カズマ「………!分かった……!死ぬなよ!」

 

 苦悩していたカズマを先に行かせて、私たちはディアゴと向き合う。

 そして、リアが界時抹消で近づき、私も攻撃するけど、即座に躱されて、天井から攻撃を受ける。

 

シエロ「2人とも!」

リア「大丈夫だ……!」

エーリカ「シエロは危ないから下がって……!」

 

 私はディアゴに向かって煙化して突っ込んで行くけど、躱されて、背後からレイピアを抉る様に突き刺される。

 

エーリカ「キャアアアア!!」

シエロ「エーリカちゃん!!!」

 

 そして、倒れて、変身解除に陥る。

 

リア「うわぁァァァ!!これ以上、私を怒らせないで!!!」

 

 リアが連続で界時抹消を行い、背後から攻撃しようとするけど、即座に見抜かれて、時国剣界時をへし折られて、連続で滅多刺しにされる。

 

シエロ「リアちゃん!!」

エーリカ「リア!!」

リア「…………漸く、捕まえた………!」

 

 リアが決死の覚悟でレイピア2本を抑え込んで、シエロが煙睿剣狼煙と折れた時国剣界時の切先を持って駆け出す。

 

シエロ「うわぁァァァ!!」

 

 そして、ディアゴは爆散する。

 シエロはギリギリ躱せたけど、私とリアは限界だった。

 

ユーリside

 

 俺は、カイト、カリン、ダクネス、アイリスの4人を治療して、上層階へと進む。

 そして、アクセルハーツの元へと着く。

 アクセルハーツも治療しようとすると。

 

シエロ「大丈夫です……!僕もアークプリーストなんです……!この2人は、絶対に死なせません!!」

 

 と、決死の表情で治療していた。

 それを見て、俺は上へと駆け出す。

 既に消えかかっているが。

 

めぐみんside

 

 私たちは、零士を上へと行かせて、クオンという個体と応戦していた。

 リナとミツルギも、ワンダーコンボとなっているが、押されているとしか言えない状況に陥っていた。

 私たちの攻撃も、全て跳ね返されて、倒れる。

 すると、ワンダーライドブックが震えだし、色も薄くなっている。

 

めぐみん「これって、まさか……!」

ミツルギ「時間がないのか……!」

リナ「急いで倒さないと……!」

 

 このままでは、変身を維持出来ない……!

 

アクアside

 

 レイナとジュンを見つけて、声をかける。

 

アクア「大丈夫?」

ジュン「ああ……。」

レイナ「でも、このままじゃ世界が……!」

 

 そんな後ろ向きな発言をする2人に対して、私は言う。

 

アクア「メソメソしない!顔を上げなさい!!そんな所で諦めないで!!」

レイナ「アクアさん……。」

ジュン「アクア……。」

アクア「アンタ達は、何がしたいのよ?」

レイナ「零士さんの助けになる……!」

ジュン「そうだな……!」

 

 2人はそう言って、駆け出していく。

 

アクア「私にも、やれる事があるよね……!」

 

 そう言って、一旦天界に向かう。

 そして、エリスの元へ。

 やはり、エリスも消えかかっていた。

 

エリス「アクア先輩!?」

アクア「ほらエリス!私たちにもやれる事があらでしょ!」

エリス「………分かってますよ!」

 

 私とエリスは、各地のアクシズ教徒の教会とエリス教徒の教会へと呼びかける。

 

アクア「あなた達には、忘れられない物語はない?」

エリス「今、世界から物語が消えようとしています。物語が消えると、この世界もまた、消えてしまいます。」

 

零士side

 

 俺は、刃王剣を支えにして立ち上がる。

 すると、ストリウスが声を出す。

 

ストリウス「この世界が終わる前に、いい事を教えましょう。」

零士「………。」

ストリウス「2000年前、私は言葉を紡ぎ、物語を綴る詩人でした。言葉は次々と私の中に生まれ、私は無我夢中で美しい物語を書き続けた。そして、歴史に残る大傑作を書き上げたのです……!フフフ………。」

 

 ストリウスは歓喜に満ちていた表情から、真顔になった。

 

ストリウス「でも、見てしまったのです……。私が生み出した全ての詩は、『全知全能の書』に既に書かれていたのです。今まで創造したと信じた物は、何もかも与えられた物だった。それを私は書き上げただけだった……。」

零士「ストリウス………。」

ストリウス「人間に創造力など、なかったのです!神崎零士!貴方がこれまで語ってきた物語も、同じです!ただの……模造品に過ぎない!今度は理解しましたか?全てが……無意味だという事を!!宇宙の真理に比べれば、人間などゴミ同然のちっぽけな存在!!何も……変える事は出来ないのです!!」

 

 やはり、ストリウスは知ってしまったのだ。

 だからこそ、こんな事を……。

 だけど、俺の想いは揺るがない。

 

零士「確かにな……。人間はちっぽけかもしれないさ。でもな、本には無限の可能性がある。本の中で、人は自由になり、幸せになれる。本を通じて、色んな人たちと出会った。」

 

 そう言うと、俺の脳裏に、これまで出会ってきた人たちが思い浮かぶ。

 

零士「例え、俺が語ってきた物語が、何かに与えられた物だとしても、どうだっていい。その物語が、想いが、それを読んだ人の中で新しい物語として生き続ける。だからさ、俺は本が大好きなんだよ。」

 

 そう、俺はこれまで、孤児院の子供に物語を語っていた。

 それが、その人達に生きるなら、それで充分なんだ。

 すると、ストリウスが何かをフラッシュバックするかの様な表情を浮かべる。

 

ストリウス「いい加減、認めたらどうです……!?いや、認めろォォ!!お前が何一つ生み出していない事を!お前に!新しい物語など作れやしない!!変……身!!」

 

『KAMENRIDER STORIOUS!!』

 

ストリウス「私が見届けてやる!お前の死を……この世界の終わりをォォッ!」

 

 ストリウスは激昂して、変身する。

 それを見て俺も変身する。

 

零士「俺は絶対に諦めない!!」

 

『ブレイブドラゴン!』

『聖刃抜刀!』

 

零士「変身!!」

 

『クロスセイバー!』

 

 俺はクロスセイバーへと変身して、ストリウスと交戦する。

 お互いに、剣をぶつけ合い、一進一退の攻防を繰り広げる。

 

ストリウス「ハアッ!」

 

 すると、ストリウスが分身体を生み出す。

 俺はすかさず刃王剣をソードライバーに納刀する。

 

『刃王必殺読破!』

『聖刃抜刀!』

『刃王一冊斬り!』

『セイバー!』

 

 ストリウスの分身体の攻撃を無力化して、刃王創星斬を放ち、分身体を消す。

 そして、エンブレムを操作する。

 

『刃王必殺リード!』

『既読十聖剣!』

『刃王クロス星烈斬!』

 

 刃王クロス星烈斬を発動して、俺の周辺に10本の聖剣が浮かぶ。

 ストリウスが斬撃波を放つが、土豪剣激土で防御する。

 

ダクネス『変身!』

 

 刃王剣をソードライバーに納刀して、音銃剣錫音を構える。

 

カリン『変身!』

 

 音銃剣錫音から、音の斬撃波を放つが、ストリウスはそれを躱す。

 すかさず、闇黒剣月闇と光剛剣最光を持って飛び上がる。

 

カイト、ユーリ『変身!』

 

 闇黒剣月闇と光剛剣最光の2本で、ストリウスの背後にブラックホールを生成するが、ストリウスに無力化される。

 ストリウスはマントら辺から触手を伸ばしてくるが、風双剣翠風で防御する。

 

めぐみん『変身!』

 

 そして、ある程度触手を刻み、風双剣翠風をストリウスに投げつける。

 しかし、ストリウスは剣で風双剣翠風を弾く。

 俺は煙睿剣狼煙を取り出す。

 

エーリカ『変身!』

 

 煙睿剣狼煙の力で、ストリウスの周辺に煙幕を張る。

 そして、上空から時国剣界時を振り落とす。

 

リア『変身!』

 

零士「ハァァァァ!!」

 

 俺は水勢剣流水と雷鳴剣黄雷を手に、ストリウスに駆け出す。

 

カズマ、リナ『変身!』

 

 水と雷の斬撃波を放ち、ストリウスを吹っ飛ばす。

 ストリウスは反撃と言わんがばかりに、黒い波動を放ってくる。

 俺は、火炎剣烈火と刃王剣十聖刃で防御する。

 

零士「………!物語は、消えはしない!!」

 

 そう言って、黒い波動を打ち消す。

 

ストリウス「いいえ、消えるのですよ。ワンダーワールドの消滅と共にィィィッ!」

 

『GRIMOIRE READING!』

『THE END OF THE WORLD!』

 

 すると、ジ・エンド・オブ・ザ・ワールドを発動して、ワンダーワールドの消滅を進める。

 俺はストリウスを刃王剣十聖刃と火炎剣烈火で抑え込む。

 しかし、世界の荒廃はどんどん進んでいく。

 

ストリウス「どんなに足掻こうが、結末は変わらない!」

零士「世界を終わらせはしない!」

 

『刃王必殺リード!』

『既読十聖剣!』

『刃王クロス星烈斬!』

 

 刃王クロス星烈斬を発動した刃王剣十聖刃を塔の後ろにある巨大な剣に突き刺す。

 これで、多少は進行を遅らせるはず……!

 だが、次第に押されて、変身解除される。

 

ストリウス「消えろ!神崎零士ィ!お前には何も変えられない!消えろォォォッ!」

零士「うわぁァァァ!!」

 

 ストリウスによって、穴に落とされていく。

 




今回はここまでです。
次回、決着の時。


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109話 終わる世界、生まれる物語

リナside

 

 私たちは、依然として、クオンに追い詰められていた。

 私たちが、ケルベロス、針、魔神、風、ドラゴン、兎、何かの乗り物を出して攻撃するけれど、跳ね返される。

 

めぐみん「2人とも、行きますよ……!」

リナ「ええ……!」

ミツルギ「ああ……!」

 

 私は、めぐみんの猿飛忍者伝とミツルギのムーンドラゴンをランプドアランジーナとトライケルベロスの代わりに装填して、めぐみんはランプドアランジーナをシンガンリーダーに読み込ませて、ミツルギはトライケルベロスを装填する。

 

『『三冊斬り!』』

『翠風速読撃!』

 

 私は、風と月を帯びた高速移動をして、クオンに攻撃する。

 めぐみんも緑色の雷を纏って高速移動し、攻撃する。

 ミツルギも紺色の雷を纏って高速移動し、攻撃する。

 その際に、何発かカウンターを叩き込まれるけど、気にせずに突っ込む。

 私たちの攻撃が当たり、クオンは爆発する。

 そして、私たちも変身解除しながら吹き飛ばされて、倒れる。

 ミツルギは絶命していた。

 私とめぐみんはギリギリ意識を保っている。

 

零士side

 

 俺は穴に落ちていき、意識が遠くなっていく。

 すると、一冊の本が飛び出して、俺を上へと引っ張り上げる。

 

ストリウス「何……!?」

 

『プリミティブドラゴン!』

 

 その手に握られていたのは、プリミティブドラゴンだった。

 すると、以前入ったプリミティブドラゴンの精神世界が見えた。

 

プリミティブドラゴン「僕……お兄ちゃんのお話、もっと聞きたい!」

 

 俺は目を開ける。

 

『プリミティブ!ドラゴン!!』

 

 俺は、セイバー、プリミティブドラゴンへと変身する。

 プリミティブドラゴンの特性、それは、持ち主の危機に必ず現れる事。

 俺は上空からストリウスに向かって一閃を放つ。

 

『グラップ必殺読破!』

『クラッシュ必殺撃!』

 

 プリミティブハンドと俺の回し蹴りでストリウスの攻撃を弾いて、プリミティブハンドでストリウスを掴み、壁へと吹っ飛ばす。

 

ストリウス「ううっ!何て忌々しい……!」

零士「ハァァァァ!!」

 

 俺はストリウス一矢報いて、再び応戦する。

 

リナside

 

 ミツルギが絶命して、私とめぐみんが死にかけている中、ユーリが現れる。

 

リナ「ユーリ……。」

 

 ユーリがミツルギに手を翳すと、ミツルギが意識を取り戻す。

 そして、私とめぐみんも治療される。

 

リナ「なんで………!?」

ユーリ「信じられる友がいる……。それって、最高だぞ!」

 

 そう言って、ユーリが消える。

 

めぐみん「リナ……。早く、零士の元に行って下さい……!」

リナ「分かってる……!」

 

 多少楽になったとはいえ、それでもまだ痛む体に鞭打って、最上階へ。

 

エリスside

 

 私たちが呼びかけている中、ワンダーワールドの崩壊が進み、私の愛読書が消えていく。

 

アクア「本が……物語が消えていく……!」

エリス「この世界が消えると分かった時、貴方はどんな物語を作りますか?」

 

零士side

 

 尚も、ストリウスの剣を受け止めていたが、プリミティブドラゴンワンダーライドブックが震えだして、俺は変身解除する。

 

ストリウス「遂に、ライドブックの力が失われたようですねぇ!貴方が信じていた全ての物語が消えるのです!!」

零士「クッ……!」

 

 このままじゃ、まずい……!

 そう思っていると、後ろからレイナとジュンの声がする。

 

レイナ「零士さん!!」

ジュン「零士!!」

零士「2人とも……!?」

ストリウス「………折角、美しい終わりになると思ったのになぁ!!」

 

 ストリウスがレイナとジュンを攻撃しようとすると、カズマが現れて、ストリウスの剣を受け止める。

 

零士「カズマ!!」

カズマ「水勢剣流水に誓う!大切な仲間は、俺が守る!!」

ストリウス「邪魔をするなぁ!」

 

 カズマが止めている最中に、俺はレイナとジュンに近寄るが、ストリウスは尚もレイナ達を攻撃しようとする。

 しかし、リナも現れる。

 

零士「リナ!!」

リナ「彼らには、絶対に手出しさせない!!」

 

 2人がストリウスを抑え込む中、俺はレイナとジュンに近寄る。

 

零士「2人とも……!」

レイナ「零士の話も聞きたいな………。」

ジュン「だから、新しい物語を創れ……。」

零士「ああ……。創ってみせるさ。」

 

 その言葉に反応するかのように、レイナとジュンの2人が浮かび上がる。

 

零士「2人とも……!」

ストリウス「そうはさせるかぁ!」

 

 ストリウスが攻撃を放つが、突如現れた3本の聖剣に阻まれる。

 ストリウスが弾いて、床に刺さったのは、無銘剣虚無、月光剣萬月、星雲剣恒星だった。

 

ストリウス「何だと……!?」

 

 すると、2人を軸に、何かの陣が出来る。

 一方。

 

めぐみん「呼んでる……!」

ダクネス「私たちを呼ぶ声が……!」

カリン「確かに、聞こえる……!」

 

 そして、火炎剣烈火、水勢剣流水、雷鳴剣黄雷、土豪剣激土、風双剣翠風、音銃剣錫音の6本が飛来して、レイナとジュンに合わさる。

 2人は、ワンダーライドブックとなった。

 

ストリウス「何が起きているというんだ!?」

零士「2人とも……。」

 

 その本、ワンダーオールマイティワンダーライドブックを開く。

 

『ワンダーオールマイティ!』

ダクネス『子供達の未来!』

カリン『聖剣の声!』

めぐみん『強さの果て!』

カズマ『大切な誓い!』

リナ『大切な友!』

レイナ『大切な約束!』

零士、ジュン『全ての想いを紡ぎ、』

『『『『『『『『物語は永遠に続く!!』』』』』』』』

 

 朗読音を流して、俺は火炎剣烈火をソードライバーに納刀して、ワンダーオールマイティを装填する。

 

『ライオン戦記!』

 

 カズマも水勢剣流水をソードライバーに納刀して、ライオン戦記を装填する。

 

『ランプドアランジーナ!』

 

 リナも雷鳴剣黄雷をソードライバーに納刀して、ランプドアランジーナを装填する。

 そして、3人は並び立つ。

 

零士「信じる力が……未来を変える!!」

「「「変身!!」」」

 

『烈火全抜刀!』

『A NEW STORY IS BORN!』

『WONDER!WONDER!WONDER!』

『ALL ALL ALL!ALMIGHTY!!』

 

 俺は、新たに生まれた全知全能の書であるワンダーオールマイティを使い、オールマイティセイバーへと変身して、カズマとリナも変身する。

 その際に、ブレイブドラゴン、ライオンセンキ、ランプドアランジーナがストリウスに攻撃する。

 俺達は、これまで極めてきた連携攻撃で、ストリウスに攻撃していく。

 俺がある程度攻撃したら下がり、カズマとリナが攻撃して、そして、3人で大きく攻撃する。

 ストリウスが吹っ飛び、俺はワンダーオールマイティを火炎剣烈火のシンガンリーダーに読み込む。

 

『壮大なる物語!』

 

 すると、俺たちの背後に、セイバー、ブレイズ、エスパーダ、バスター、剣斬、スラッシュ、カリバー、最光、サーベラ、デュランダル、ファルシオン、グラム、グラディウスが使っていたワンダーライドブックが出現する。

 

零士「火を吹け!」

 

『ブレイブドラゴン!』

 

 ブレイブドラゴンワンダーライドブックからブレイブドラゴンが飛び出してきて、尻尾や頭を使って攻撃する。

 

カズマ「ハアッ!」

 

『ライオン戦記!』

 

 その次に、ライオンセンキに乗ったカズマが水流や水の斬撃波で攻撃する。

 

リナ「ハアッ!」

 

『ランプドアランジーナ!』

 

 その次に、黄金に輝く魔法の絨毯に乗ったリナが雷鳴剣黄雷ですれ違いざまに斬って、落雷を落とす。

 ストリウスが怯んだ隙に、俺が攻撃する。

 そして、カズマとリナの2人も攻撃するが、受け止められ、吹っ飛ばされる。

 

『ピーターファンタジスタ!』

『猿飛忍者伝!』

 

 吹き飛ばされたカズマとリナを妖精の力と風遁の術で受け止める。

 そして、俺の横に2つのワンダーライドブックが現れる。

 

『西遊ジャーニー!』

『こぶた3兄弟!』

 

 3匹の子豚を召喚して、子豚が3色の筋斗雲に乗り込み、藁、木材、レンガを投げつける。

 

ストリウス「……!物語にィィッ!力など、無ああいッ!」

 

 ストリウスが剣を振り回す。

 そして、俺の後ろにカズマとリナが着地する。

 

零士「お前は何故、詩を書こうと思ったんだ?」

ストリウス「そんな理由、とっくに忘れたわァァァ!!」

 

 ストリウスが剣を突き立てて、黒い波動を放ってくる。

 

『金の武器!銀の武器!』

 

 俺が火炎剣烈火から聖なる光を放ち、ストリウスの攻撃を無効化する。

 

零士「いや、覚えている筈だ!物語は、心の中で消えはしない!!」

ストリウス「うるさい!消えろーっ!!」

リナ「カイト、お願い……!」

 

『ジャオウドラゴン!』

 

 リナがジャオウドラゴンの力を使い、ジャオウドラゴンと4体の邪竜が突撃する。

 

ストリウス「消えろ!」

カズマ「ハアッ!」

 

『天空のペガサス!』

 

 カズマがテンクウノペガサスを召喚して、ストリウスの攻撃を打ち払う。」

 

ストリウス「消えろ!ハァッ!」

零士「フッ!」

 

『ジャッ君と土豆の木!』

 

 俺が落ちた大穴から土豆の木を伸ばし、攻撃を防いだ後、ストリウスに叩きつける。

 しかし、ストリウスは脱出して、上空に浮かぶ。

 

ストリウス「全て、消え去ってしまえぇーーッ!!」

 

 あの、巨大なエネルギー弾を精製する。

 俺たちは、各ワンダーコンボの力を使い、ストリウスに突撃させる。

 そして……。

 

『必殺読破!』

『流水抜刀!』

 

カズマ「俺は俺を、絶対に諦めない!ハァァァァ!!!」

 

『ライオン!一冊斬り!』

『ウォーター!』

『必殺読破!』

『黄雷抜刀!』

 

リナ「私は、私の想いを貫く!!ハァァァァ!!」

 

『アランジーナ!一冊斬り!』

『サンダー!』

『必殺読破!』

『烈火全抜刀!』

 

零士「物語の結末は……俺たちが決める!!」

 

『オールマイティ必殺斬り!』

『GRAND FINALE!!』

 

「「「ハァァァァ!!!」」」

 

 俺たちは、火炎十字斬、ハイドロ・ストリーム、トルエノ・デストローダを放ち、最後に全員で斬る。

 そして、ストリウスが倒れる。

 ストリウスが徐々に消えていき、俺を見つめる。

 そして、塔が力を失ったからか、崩壊し始める。

 

ストリウス「それでも………もうじき世界は、終わる………。」

 

 そう言って、消えた。

 俺たちも変身解除して、塔から脱出する。

 しかし、途中で力が入らなくなり、倒れてしまう。

 

リナ「零士!」

カズマ「零士!」

 

 すると、俺も消えかけていた。

 

リナ「何で……!?」

カズマ「零士!!」

リナ「約束したでしょ!?一緒に帰ろうって!消えないで、零士!!」

カズマ「嘘だろ、零士!!」

 

 そして、世界が崩壊し始める。

 

カズマ「まずい………!」

リナ「零士!!」

 

 崩壊の中、ワンダーオールマイティが光った。

 そして、世界は崩壊する。

 

エリスside

 

 どうやら、神崎零士達が、ストリウスを打倒したみたいですね。

 しかし、世界の崩壊は止まらず、私たちも消えかけていたその時………。

 

???「私には、忘れられない物語があります。」

アクア「………!エリス……!」

エリス「ええ。届いたみたいですね……!」

 

 そして、私たちも消える。

 

零士side

 

 世界が消えて、俺はたった1人で、謎の空間に転がっていた。

 起き上がると、そこには、沢山の人たちが、自分にとっての物語を語っていた。

 

アクア「私はね、私が生まれた物語が一番大切なのよ!」

エリス「私は、創世神話が好きなんです。」

 

 そして、カズマ、リナ、ダクネス、めぐみん、カリン、カイト、ユーリ、エーリカ、シエロ、リア、ミツルギ、アイリス、ソフィア、アクア、エリス様と、これまで会ってきた仲間達が笑っていた。

 

零士「皆………。ありがとう……。」

 

 そうして、感謝の言葉を述べる。

 

 

 

 

 

 

          1年後………。

 

リナside

 

 零士が消えて、世界は救われた。

 ワンダーライドブックは、力を失って、そのページを開く事も無かった。

 光の聖剣も力を失ってしまった。

 零士が言ってた、カリュブディスに喰われた人たちも、帰ってはこない。

 それでも………。

 

リナ「零士。一つだけ、いい事があったの。」

 

 それは、ベルゼルグ王国が世界を救った神崎零士の功績を認めて、王国の歴史に刻まれる事になった。

 その為、各地に伝承を残す事にしたらしい。

 でも、私にとっては、そんな事どうでも良かった。

 ただ、願った。

 

リナ「………零士、待ってるから。」

 

零士side

 

 俺はあの後、ワンダーオールマイティと刃王剣十聖刃の力を使い、ワンダーワールドを再生させて、その運命通りに、管理者となった。

 そして、カリュブディスに喰われてしまった人たちの物語を丁寧に書き続け、ユーリを含めた人たちを現実世界に返す。

 

カズマside

 

 俺は、アクア、めぐみん、ダクネス、ゆんゆんと共にアイリスが零士の功績を認めて、王国の歴史に刻まれると聞いて、納得していた。

 でも、零士が居ないのにな………。

 すると、俺の近くに、あのサスペンダーを付けたおっさんが現れる。

 

カズマ「おっさん!?」

荒くれ者「どうやら、運命の歯車が回り出したようだな………。へっ!」

 

 すると、兵士が1人入ってきた。

 

アイリス「どうしました?」

兵士「報告します!!各地で、行方不明になっていた人達が、現れたようです!」

めぐみん「えっ………!!」

ダクネス「もしかして……!!」

アクア「ノーザンベースから連絡で、ワンダーライドブックも力を取り戻して、ユーリが戻ってきたわ!!」

 

 俺、めぐみん、アクア、ダクネス、ゆんゆん、アイリスは駆け出す。

 

リナside

 

 私が地面に座っていると、何かの違和感を感じて、顔を上げる。

 

カリン「リナ!」

カイト「リナ!」

ミツルギ「リナさん!」

ソフィア「エスパーダ!」

リア「リナ!」

シエロ「リナさん!」

エーリカ「リナ!」

ユーリ「リナ!」

カズマ「もしかして!」

アクア「もしかして!」

めぐみん「もしかすると!」

アイリス「もしかして!」

ダクネス「ああ!」

ゆんゆん「もしかして!」

 

 皆が集結して、周囲を見渡すと。

 

零士「ただいま!」

 

 声がする。

 それは、私にとって、最愛の人の声だ。

 皆が微笑む。

 

リナ「おかえり!」

 

 そこには、世界を救った英雄、神崎零士がそこに居た。

 皆で零士の周辺を取り囲む。

 

カズマ「でも、どうやって……!?」

 

零士side

 

 カズマの疑問に答えるべく、俺は語る。

 新たなワンダーワールドを創造して、1人1人を帰していた事を。

 

レイナ「零士さん。」

ジュン「零士。」

零士「2人とも……。」

レイナ「新しい物語を創ったのね。」

零士「ああ。」

 

 すると、始まりの5人の姿も見える。

 

タッセル「これで、皆が、元の世界に戻れた筈だ。」

初代大臣「世界はやっと、均衡を取り戻しましたね。」

レジエル「何が世界を変える力なのか、漸く分かった。」

ズオス「俺たち自身が力だったんだな。」

ストリウス「人々の想いが、物語が、世界を創る……!ウウーン……。やっぱり、貴方は私の英雄だ。」

零士「だから、俺はただの本好きの剣士だって。」

 

 すると、バハトが現れる。

 

バハト「お前の居るべき所は、ここじゃないだろう?」

 

 更に、いつの間にか、門矢士と海東大樹が現れた。

 

士「なるほどな。これがお前の答えか。」

零士「はい。」

大樹「君は凄いねぇ。」

士「俺たちのこの世界での役割はここまでだ。後は頑張れよ。」

 

 2人は、オーロラカーテンで帰っていく。

 

レイナ「零士さん。リナをよろしくね。」

ジュン「あとさ、伝言頼むわ。」

 

 そう言われて、俺はワンダーワールドを後にした。

 

零士「リナ。」

リナ「何?」

零士「2人がな、離れていても一緒だとさ。」

リナ「………!そうね。」

 

 こうして、俺たちの戦いは終わった。

 




今回はここまでです。
次回、最終回。
リバイスも、次回、新たな仮面ライダー、ベイルも登場。
デモンズドライバーから逃げ出した悪魔が、ベイルと判明し、色々と波乱な展開になってきました。


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110話 始まる、それぞれの物語

零士side

 

 俺たちは、ノーザンベースでのんびりと過ごしていた。

 バカンス気分を味わいながら。

 そこに居たのは、俺、カズマ、リナ、ダクネス、めぐみん、カリン、カイト、ユーリ、ミツルギ、ソフィア、アクアだ。

 ユーリが俺が作ったかき氷を食べていた。

 

ユーリ「ふぅむ。奇怪な食べ物だが美味い。」

ミツルギ「アクア様、どうぞ。」

アクア「ありがと。」

ミツルギ「あの、アクア様……。」

 

 たが、アクアはジュースを飲んでいた。

 リナ、ソフィア、ダクネス、カリン、カイトが乗り出していたが、即座に戻す。

 

零士「それで、これからどうするんだ?」

ソフィア「幾つが行方が分からないライドブックがあるので、組織はこのままにします。」

ダクネス「そうだな。私も、そろそろ領主の仕事をお父様から受け継がなければならなそうだしな。」

カリン「私は、新たな聖剣を創るわ。」

カイト「闇黒剣月闇でまだまだ戦っていくさ。」

リナ「皆、それぞれの道を歩むのね。」

めぐみん「そうですねぇ。」

カズマ「そうだな……。」

 

 俺も、どうするか考えるか。

 すると、ミツルギが立ち上がった。

 

ミツルギ「アクア様!話があります!!」

アクア「え……何?」

 

 俺たちの視線が、ミツルギとアクアに向かっていき、ミツルギが口を開こうとすると。

 

リア「居るか?」

ゆんゆん「あ、あのめぐみん居ますか……?」

 

 そう、アクセルハーツとゆんゆんが入ってきたのだ。

 それを見て、ミツルギが口を閉じて、俺たちは椅子を叩く。

 

めぐみん「で、何の用ですか、族長さん?」

ゆんゆん「あ、そうだった……。」

 

オルテカside

 

 どうやら、違う世界にはつけたようですね。

 ここなら、リバイスも来れないでしょう。

 そして、1人の男性に声をかける。

 

オルテカ「貴方の悪魔を解き放ちましょう。」

 

 そう言って、プロトバッタバイスタンプを渡す。

 そして、バッタデッドマンが現れる。

 

オルテカ「グラシアス・デッドマンズ。」

 

零士side

 

 リアの伝言は、俺に会いたいという人が居るらしく、会いに行っていた。

 名前はケイというらしい。

 

ケイ「いやぁ、まさか世界を救った剣士である貴方に会えるなんて、光栄です!」

零士「いやぁ……。」

ケイ「あ、あの!サイン下さい!!」

 

 と、本を出してくるので、俺なりのサインを書く。

 

零士「はい。」

ケイ「ありがとうございます!これ、一生の宝にします!友達にも見せたいなぁ……!」

零士「じゃあ、今度連れて来てくれ。」

ケイ「あ、はい………。」

リナ「?」

 

 その後、あの広場の近くにリナと共にいく。

 

零士「それにしても、いい天気だなぁ。」

リナ「そうね。」

 

 そうやって寝っ転がっていると。

 

???「キャアアアア!!」

「「!?」」

 

 悲鳴が聞こえて起きると、そこには女性に襲いかかるバッタみたいな化け物が居た。

 

リナ「メギド!?」

零士「メギドじゃないな。」

 

 メギドではないが、助けに行く。

 

「「変身!!」」

 

『ブレイブドラゴン!』

『ランプドアランジーナ!』

 

 俺たちはすぐさま変身して、その怪物に立ち向かう。

 すると。

 

???「この解放感、きもてぃーーー!!大暴れしちゃうもんねぇ!!とぉー!!」

???「臭っ!」

「「臭っ!」」

 

 謎の仮面ライダーが、オナラをしながらそのバッタの怪物に襲い掛かる。

 だが、バッタの怪物が跳躍して、逃げられる。

 

???「ちょっと待ってったら!ああ、もう飛んでいかないで!!」

「「誰?」」

???「俺っちの獲物を横取りする気か!?」

リナ「え!?何の事!?」

 

 と、今度は八つ当たり気味にこちらに攻撃してくる。

 どうすればいいのかと戸惑っていると。

 

???「こらー!!やめろ!バイス!!」

バイス「あ。やべ!もう見つかっちゃった!」

 

 もう1人仮面ライダーが現れて、跳躍する。

 

「「誰!?」」

???「コラ!お前、今この人達に攻撃しようとしただろ!」

バイス「してない!してない!あー!バッタが逃げた!バッタが逃げた!」

???「しょうもない嘘をつくな!!」

リナ「あれ、居ない………。」

零士「どこ行った!?」

???「え、あ。本当だ。」

バイス「だから言ったじゃねぇかよ!」

 

 と、ピンクで牙がついてる仮面ライダーが、もう片方に乗り掛かっていた。

 

リナ「今のは一体何なの?」

???「誰しもが心に宿してる悪魔です。」

リナ「悪魔?」

 

 すると、ピンクの仮面ライダーが変身解除して、もう片方が彼に吸い込まれる。

 

イツキ「俺はイツキ=フィフティゲイル。」

バイス(俺っち、バイスです。)

イツキ「こいつ……こいつと一緒に、人間から解放された悪魔、デッドマンと戦っているんです。」

リナ「独り言……?」

零士「で、どいつ?」

イツキ「俺はさっきの追うから、後は任せて!」

 

 そう言って去っていった。

 思い出したが、アレは仮面ライダーリバイとバイス、2人合わせてリバイスだ。

 だが、俺の記憶が正しければ、リバイの変身者は五十嵐一輝の筈………。

 別の世界から来たという事か?

 名前的に、リ・イマジネーションの五十嵐一輝と考えるべきか?

 そんな事を考えながら変身を解くと。

 

???「アアアーッ!神崎零士さん!」

 

 その後、屋敷に連れて行って、アクアに治療してもらった。

 彼女はミコと言うらしい。

 

ミコ「まさか、零士さんに会えるなんて……!」

カズマ「ところで、何で零士に関してそんなに詳しいんだ?」

ミコ「はい。零士さんに憧れて、剣士を目指しているんです!あの場所は、零士さんの聖地らしくて、幼馴染と会う約束をしてたんです。」

リナ「幼馴染?」

ミコ「はい。タクトとケイって言うんです。」

 

 ミコはそう言って、写真を見せて来た。

 片方は、先程来た青年だ。

 

リナ「この子って、さっきの……。」

零士「あの怪物は、君を狙っていた。その理由に心当たりは?」

ミコ「無いですよ。あんなモンスター見た事ないですし。……あっ。」

ダクネス「どうしたのだ?」

ミコ「タクトとケイとあの場所で会う約束だったんですが……。連絡が無くて。」

リナ「じゃあ、ケイと会ってくるわ。」

零士「俺はタクトだな。」

めぐみん「なら、彼女はここで保護しましょう。」

カズマ「そうだな。」

 

 そして、俺はタクトの元へ。

 

タクト「モンスター!?………ミコは無事なんですか!?」

零士「無事だ。でも、またそのモンスターが襲ってくる可能性がある。」

タクト「分かりました。今日は帰ります。会わずに帰ろうと思ってたので。」

零士「約束じゃないのかい?」

タクト「そうなんですけど……。今、会うと寂しくなりそうだから……。俺、明日から親の仕事の関係で引っ越すんです。だから、アイツらとは離れ離れになりそうで……。」

零士「こら。約束は守らないと、きっと後悔しちゃうぞ。」

タクト「え?」

零士「身近に幼馴染がいる人がいるから分かるんだ。昔からも、これからも変わらない。それが幼馴染だと俺は思うよ。」

 

 そう、リナにレイナ、ジュンは離れていても繋がっているのだ。

 コイツらもそうだと思う。

 

タクト「俺、行きます!」

零士「分かった。」

 

リナside

 

 私は、ケイ君の自宅前にて。

 

ケイ「約束の場所………。」

リナ「行かないつもりだったの?」

ケイ「皆と会うのが気まずくて……。」

リナ「どうして?」

ケイ「タクトは立派な商人になろうとして、ミコは剣士になろうとしてる。でも……僕には何も無いんです。僕だけ取り残されてそうで……。」

リナ「それでも、約束は守らないと、きっと後悔するよ。どんなに離れてたって、心と心は繋がってるんだから。」

 

 そう、私とレイナとジュン、この3人は離れているけど、心は繋がってる。

 そう信じてる。

 

リナ「それに、目的なんて、これから見つければいい。もしかすればすぐ身近にあるものかもしれない。幼馴染の絆のように。」

ケイ「そうですね。そうですよね。」

リナ「あ。ミコちゃんなら、怪物から避難して安全なところに居るから。」

ケイ「怪物……?ミコを襲った……?」

リナ「どうしたの?」

 

 何か、様子が変だ。

 聞いてみよう。

 

ケイ「知らなかったんです。怪物が生まれるなんて……。」

 

 彼曰く、オルテカを名乗る怪物が、スタンプを渡して来たらしい。

 彼はそのスタンプを渡す。

 

ケイ「お願いします。怪物から皆を、タクトを守って下さい!」

リナ「ええ。約束するわ。」

 

零士side

 

 俺とタクト君は、その広場に着いた。

 すると、バッタデッドマンが現れた。

 

零士「大丈夫。君は下がってて!」

 

 そして、そこにミコ、アクア、ミツルギ、カズマ、ケイ、リナがやって来た。

 

ミコ「2人とも、大丈夫?」

ケイ「ごめん。俺……俺……。」

タクト「ごめん……俺、本当は来ないつもりだったんだ……。」

 

 すると、ミコが2人に蹴りを入れる。

 

ミコ「アンタ達、本当にバカね。」

 

 それを見て、ホッとした。

 

零士「リナ!」

リナ「ええ!」

 

『ブレイブドラゴン!』

『ランプドアランジーナ!』

『烈火抜刀!』

『黄雷抜刀!』

 

「「変身!!」」

 

『ブレイブドラゴン!』

『ランプドアランジーナ!』

 

 俺とリナは変身して、バッタデッドマンと交戦する。

 すると。

 

イツキ「バイス!一気に行くぜ!」

 

『レックス!』

 

アクア「えっ……誰……?」

 

『Come On!レ!レ!レ!レックス!』

『Come On!レ!レ!レ!レックス!』

 

イツキ「変身!!」

アクア「アアアーッ!判子出た!」

 

『バディアップ!』

『オーイング!ショーニング!ローイング!ゴーイング!』

『仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス!』

 

イツキ「来い!バイス!!」

バイス「あいよ!!」

アクア「ああー!アイツ悪魔じゃない!」

カズマ「どゆこと?」

ミツルギ「さ、さあ……?」

???「あのカラフルなのがリバイ。黒いのがその相棒の悪魔バイス。スタンプの力で悪魔を解き放ち変身する、新たな仮面ライダーさ!」

 

 と、平成ライダーの顔がプリントされたスマホを持ち、服にはゼロワンとセイバーの人形をぶら下げる人物が現れた。

 彼はジョージ=カリザキ。

 

カリザキ「令和ライダーの共演!実にワンダホー!!」

 

 と、ジョージ・狩崎似の人物まで現れる。

 俺はエスパーダ、リバイ、バイスと連携を取りつつ、攻撃する。

 バッタデッドマンが逃げようとすると、バイスが尻尾で叩き落とす。

 

バイス「サメちゃんカモン!」

アクア「あ!1人になった!」

イツキ「行くぜ!」

 

『メガロドン!』

『Come On!メガロドン!』

『Come On!メガロドン!』

 

アクア「えっ!?サメ!?」

 

 オーバーヒートしたのか、カズマとミツルギが気絶する。

 

アクア「あ!また2人になった!」

 

 すると、2人が起き上がる。

 

『バディアップ!』

『潜るドンドン!ヨーイドン!ドボン!メガロドン!』

『通りすがりのハハハハンター!』

 

バイス「目がサメるとはまさにこの事!」

 

 すると、リバイスは絶滅した巨大なサメのメガロドンと、世界の破壊者こと10番目の平成ライダー、仮面ライダーディケイドがモチーフになったメガロドンゲノムになる。

 

アクア「アレ?て言うか、ディケイドに似てないかしら?」

カズマ「え?あ。ほんとだ。ディケイドに似てるな。」

バイス「ハッ!この小説を見てるそこの貴方!俺っちの格好いい所を見て!」

イツキ「お前、誰に向かって話してんだ!」

 

 そんな事を言いつつ、2人はバッタデッドマンに攻撃する。

 そして、2人は必殺技を放つそうだ。

 

『メガロドン!スタンピングフィニッシュ!』

 

 必殺技を放ち、バッタデッドマンが怯む。

 

零士「リナ。」

リナ「フフフ……。零士!」

「「物語の結末は……俺(私)達が決める!」」

 

『『必殺読破!』』

『烈火抜刀!』

『黄雷抜刀!』

『ドラゴン!』

『アランジーナ!』

『『一冊斬り!』』

『ファイヤー!』

『サンダー!』

 

「「ハァァァァ!!」」

 

 俺たちの一閃で、バッタデッドマンが爆散する。

 

ケイ「これ、餞別だよ。零士さんのサイン本。」

ミコ「ええ〜。ていうか、助けてもらった時にもう貰ったのよ。」

タクト「ハハハ…ありがとう。ありがとう。俺、あっちでも頑張るよ!」

ケイ「応援するよ!俺も2人には負けていられないな!」

ミコ「離れていても、幼馴染の絆は不滅ね!」

「「「イエイ!」」」

 

 俺たちがそれを微笑ましく見ていると、イツキがやって来た。

 

イツキ「あの、バイスタンプって奴、見ませんでしたか?」

リナ「ああ。これの事?」

イツキ「そうそう!ありがとうございます!」

 

 イツキがバイスタンプを受け取って、カリザキに渡す。

 

イツキ「カリザキさん。」

カリザキ「バッタのバイスタンプか。これもナ〜イスなんだけど、当面欲しいのは、あの十種のバイスタンプだね。そっちの回収も宜しく頼むね。」

バイス(10?めんどくせ〜!俺っちご褒美くれないと頑張らないー!)

イツキ「おい、それでもヒーローかよ!?」

バイス(風呂入らしてー!)

イツキ「悪魔が風呂に入ってどうすんだ!?」

バイス(イツキ何言ってんのか分かんなーい!)

 

 と、側から見ると独り言を言っているイツキを呆然と見ていると。

 いつの間にかユーリが来ていた。

 

ユーリ「悪魔なのに、マスクしてるなんて、変わってるなぁ……。」

バイス(えっ。お前、俺っちが見えるの?)

アクア「そうだったわ!その悪魔を浄化しないと気が済まないわ!!」

カズマ「やめろよアクア!すいません!ウチのバカがすいません!!」

イツキ「いえいえ。………そうだ。これ、ウチの銭湯。一っ風呂浴びたい時にはぜひ!」

 

 と、配られたチラシには、『しあわせ湯』と書いてあった。

 

零士「今度、遊びに行くよ。」

リナ「ええ。」

カズマ「行っていいか?」

イツキ「じゃあ、協力してくれてありがとうございました!……お湯?……そうだ!銭湯のお湯沸かさなきゃ……!」

零士「またなー!」

バイス(ヘイ!次回からは、こことは違う世界で俺っち達が大活躍するぜ!!皆、絶対見てくれよな!!)

ユーリ「光あれ!」

アクア「ゴッドブロー!」

バイス(なぁ!止めて!光と拳はやめて!あーーっ!)

ユーリ「決まったな。」

バイス(何てね〜、嘘だよ〜ん!はい!!)

 

 すると、周囲が臭くなった。

 その後、ミツルギがアクアに告白するも、玉砕して、ソード・オブ・ロゴスを結成して、俺にカズマ、ユーリ、ソフィアの評議員制を取る事になった。

 俺たちの物語は、これからも紡がれていくんだ!

 




今回はここまでです。
遂に完結。
賢者の孫とリバイスの小説は、しばらくしたら投稿します。
シンが変身する仮面ライダーですが、仮面ライダーベイルの使うバイスタンプが、カブトムシなので、ビートルからセミに変更します。
ちなみに、賢者の孫とリバイスの小説のジョージは、原作リバイスからの転生者です。


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特別編 交わる世界
特別編 界賊来たりて、交わる世界。


零士side

 

 ノエルを倒して、しばらくが経った。

 しばらくの平和を享受していた。

 今回は、カズマ、リナ、アクアの3人と共に、出掛けていた。

 

零士「本当に、綺麗な夜空だな。」

カズマ「まあ、ノエルを倒したんだ。この平和は守りたいよな。」

リナ「そうね。」

アクア「まあ、私の家来達なら、やってくれると思ったわ。」

カズマ「誰が家来だ。」

 

 すると、流れ星が見えた。

 

零士「あ!流れ星!」

リナ「本当だ!………って、アレ?何か、こっちに来てない?」

零士「ヤバい、ヤバい、ヤバい!!」

 

 俺とリナは、即座に躱した。

 すると、そこには、謎の怪物が。

 

???「着地成功オリヒメ⭐︎」

アクア「ええっ!?宇宙人!?」

カズマ「そんな訳があるか!」

???「さぁ、仕事を始めるオリヒメ!『恋人達が喧嘩をしますように。』」

 

 すると、周囲の人たちが喧嘩を始める。

 

???「愉快愉快。この短冊は、願いが叶う短冊オリヒメ。」

リナ「どうやら、アイツが原因みたいね。」

カズマ「そうだな。………っていうか、なんで零士とリナは喧嘩してないんだ?」

リナ「零士と喧嘩なんて、したくないもん。」

零士「俺も。」

アクア「ていうか、あれってメギドなのかしら?」

零士「メギドじゃないのは確かだな。」

 

 そう、アレは、機界戦隊ゼンカイジャーの敵であるトジデンドの尖兵、オリヒメワルドだろう。

 

零士「おい!」

オリヒメワルド「ああ?何か用オリヒメ?」

リナ「何が目的か知らないけど、妙な事をするのはやめなさい!」

オリヒメワルド「言われて止めるなら、やらないオリヒメ!」

 

 そう言って、襲いかかって来た。

 俺たちは即座に変身する。

 

『ブレイブドラゴン!』

『ライオン戦記!』

『ランプドアランジーナ!』

 

「「「変身!!」」」

 

『ブレイブドラゴン!』

『ライオン戦記!』

『ランプドアランジーナ!』

 

 俺たちは変身して、オリヒメワルドと戦う。

 連携攻撃で、追い詰めるが、星形の攻撃を受けてしまう。

 

アクア「皆!」

オリヒメワルド「この世界も、トジデンド王朝の支配下になるオリヒメ。」

 

 すると、オリヒメワルドが銃撃を喰らう。

 そこに居たのは、金色の海賊だった。

 

???「ヨホホーイ!」

アクア「誰?」

零士「アレは………?」

カズマ「え?ゴーカイジャー!?でも、何か違うような………?」

リナ「誰?」

 

 そう、アレは、ゴーカイジャーをパクって出来た、ツーカイザー。

 つまり、ゾックス・ゴールドツイカーだ。

 

ゾックス「やっぱりいたな、トジデンド。」

オリヒメワルド「界賊が現れるなんて………!邪魔が入りますように。」

 

 すると、勝手に引き寄せられ、ガードベンドされた。

 

ゾックス「何だ?フッ!」

 

 更に、リナとカズマも引き寄せられ、勝手に盾にされた。

 

オリヒメワルド「今のうちに退散オリヒメ!ちょっと、アンタ!ボーッとしてるんじゃないオリヒメ!」

アクア「何これ?」

 

 オリヒメワルドは退散してしまった。

 ツーカイザーは、変身解除した。

 

ゾックス「おい。何してくれてんの。お前らのせいで逃げられたじゃねぇか。」

カズマ「誰?」

 

 事情を聞く為に、一旦屋敷に戻る事にした。

 ちなみに、めぐみんとダクネスは帰省、カイトは修行、カリンは素材確保の為に、屋敷にはいない。

 

零士「さて、説明してくれるかな。さっきの奴は一体何?君は誰?」

ゾックス「奴はオリヒメワルド。こことは違う並行世界からやって来た。俺と同じくな。」

カズマ「並行世界?」

ゾックス「トジデンドの奴らが、並行世界間ゲートで何か仕掛けるのを妹が見つけてさ。」

零士「つまり、君はそのトジデンドを追ってやって来たという事か。」

リナ「並行世界ね………。本当にあるなんて。」

カズマ「沢山ある世界を守って戦ってるって事か?」

ゾックス「守る?ハッ!興味ないね。俺は奴らを倒せればそれでいい。俺は、界賊だからな。」

アクア「海賊!?」

 

 やっぱりか。

 

アクア「海賊って、海でお宝を奪ったりする人の事よね?」

ゾックス「世界海賊。略して界賊。まあ、お宝は頂いちゃうけど。」

カズマ「って、おい!家のもの勝手に奪うなよ!」

零士「界賊ね。面白いな。」

リナ「あなた、名前は?」

ゾックス「ゾックス・ゴールドツイカー。」

 

 すると、アクアが何かを取り出して、書き出す。

 

零士「アクア?何を書いてるんだ?」

アクア「何って、大事なお宝がなくなってしまうって書いてるのよ。」

零士「何書いてんの?」

カズマ「ていうかソレって、あのオリヒメワルドが落とした奴じゃねぇか!」

リナ「やめて!」

 

 すると、俺たちが光って、懐を見ると、ワンダーライドブックが消えていた。

 

カズマ「なんて事してくれんだぁ!!」

アクア「だって、だって!何か、小説家になれそうな気がしたのよ!」

リナ「そんな事を言ってる場合じゃないでしょ!?」

零士「ていうか、ゾックスはどうした?」

 

 まさか、ノーザンベースに向かったのか!?

 そんな結論になり、ノーザンベースに向かうと、ゾックスが、アクセルハーツに捕まっていた。

 

リア「アンタ、誰!?」

エーリカ「私たちのワンダーライドブックを返しなさいよ!」

シエロ「早く返して下さい!」

ゾックス「知らねぇっての!」

ソフィア「どうしたんですか?」

アクア「いや、その…………。」

カズマ「すいません、原因、アクアです。」

ゾックス「なるほどな。オリヒメワルドの力で、消えたんだな。」

リア「アクア…………。」

アクア「だって、だって!折角メモ帳があって、思いついたんだから!」

カズマ「だからって、アイツが落とした物に普通書くか!?」

 

 危ない、危うく俺が書くところだった。

 すると、ゾックスが提案する。

 

ゾックス「何なら、俺が倒してやってもいいけどな。」

リナ「確かに、敵に関しては、ゾックスの方が詳しいだろうし。」

ソフィア「分かりました。なら、手伝って貰いましょう。」

 

 翌朝、俺、カズマ、リナ、アクア、ゾックスは、オリヒメワルドを探していた。

 

アクア「何で私まで………!?」

カズマ「お前が元凶だからな。………それにしても、アイツが短冊に願いを書くと、本当にそうなったよな。」

リナ「確かに………。」

零士「喧嘩してる恋人を見つければ、その近くに敵が居るんだけど、そんな都合よく……。」

 

 すると、恋人達が喧嘩しているところに到着して、オリヒメワルドがいた。

 

オリヒメワルド「うっふふふ、おっほほほほー!皆喧嘩して、離れ離れになるがいいオリヒメ!」

アクア「居たーっ!」

カズマ「メギドより杜撰じゃねぇの!?」

零士「本当に居たよ!」

ゾックス「お前を追って、わざわざやって来たんだ。感謝しな。」

オリヒメワルド「また界賊!?キィーーーーッ!」

 

 ゾックスは、ツーカイザーギアを、ギアダリンガーに装填する。

 

『回せーーー!!』

 

ゾックス「チェンジ痛快。」

 

 ゾックスが、ギアダリンガーの舵輪の部分を回すと。

 

『ツーカイザー!』

 

 そして、踊り出す。

 

カズマ「なんで踊るんだ?」

零士「ソレは突っ込んじゃダメだと思う。」

 

 まあ、変身する際に踊るのは、獣電戦隊キョウリュウジャーもそうだしな。

 ただ、カズマはフォーゼまでしか知らなかったんだ。

 キョウリュウジャーも知ってるかは分からない。

 そして、ゾックスは変身する。

 

『ヨーソロー!』

『ツーカイに!レボリューション!』

 

ゾックス「ヨホホーイ!」

零士「お願いします!」

 

 俺たちは変身できないしな。

 ゾックスは、オリヒメワルドと戦って行く。

 

オリヒメワルド「もう!邪魔しないでよ!」

ゾックス「ほい!」

オリヒメワルド「痛っ!もう!イライラマックスオリヒメ!!」

 

 すると、あの星形の攻撃を仕掛けて来て、ゾックスに、俺たちは躱すが、アクアは躱しきれなかった。

 

アクア「ああーっ!うわぁぁ!!」

カズマ「アクア!!」

 

 アクアは、黒焦げのアフロになっていた。

 

アクア「私、女神なのに!なんでこんな目に遭わないと行けないのよ!」

カズマ「言ってる場合か!?」

零士「アイツ!」

リナ「行くわよ!」

 

 俺とリナは、オリヒメワルドに向かって行くが。

 

オリヒメワルド「逃げられますように。」

 

 短冊にお願いを書いた結果、俺たちの足が止まった。

 

オリヒメワルド「1年後までご機嫌オリヒメ。」

リナ「身体が前に進まない!」

零士「待て!」

カズマ「アクアを頼んだぞ!」

 

 どうやら、カズマが追跡するみたいだな。

 俺たちは、屋敷の俺の部屋に戻った。

 

ゾックス「俺とした事が、2回も逃すとはな………。チッ!」

アクア「だから、盗っちゃ駄目でしょ!」

ゾックス「なんだよ、アンタ。」

アクア「私を知らない?私は、アクア。そう、水の女神アクアよ!平伏しなさい!」

ゾックス「………お前、頭おかしいんじゃないのか?」

アクア「何でよー!!」

 

 並行世界の人間にすら信じてもらえないなんてな。

 ていうか、アクシズ教を知るはずがないのに。

 

ゾックス「それに、こんなもん盗らねぇよ。面白くもねぇ。」

零士「何言ってんだ。ここには、面白い本しか無いぞ。」

ゾックス「へぇ………。どんな価値がある訳?」

零士「沢山の物語だ!」

ゾックス「物語ねぇ………。たとえば?」

零士「あのメギドみたいな奴、織姫って言ったよな。なら、こんな物語だ!」

 

 俺は話した。

 織姫と彦星の話を。

 その時の映像は、俺が彦星、リナが織姫、アクアが牛、カズマが天帝だった。

 

アクア「ちょっと!何で私が牛なのよ!」

リナ「零士………。」

ゾックス「何で、リナって奴、顔を赤くしてクネクネしてるんだ?」

零士「いや…………。」

 

 多分、何か変な妄想でもしてるんじゃないか?

 すると、我に返ったリナが話す。

 

リナ「それにしても、あのオリヒメワルド、この世界を征服したいなら、短冊に書けば1発じゃない。」

アクア「それに、短冊に書いて叶うなら、勝つ為に使うでしょ。」

零士「なるほどな………!」

 

 そこに、カズマから連絡が入り、オリヒメワルドと交戦中らしい。

 ゾックスも連れて、俺たちはカズマの元に向かう。

 どうやら、押されていたようだな。

 

零士「カズマ!大丈夫か?」

カズマ「大丈夫だ。」

オリヒメワルド「しつこい奴らオリヒメ!」

 

 オリヒメワルドが、星形の攻撃を仕掛けてくるが、ゾックスに打ち落とされる。

 

ゾックス「俺に任せろ。チェンジ痛快。」

 

『回せーー!!』

『ツーカイザー!』

 

 そして、踊り出す。

 

カズマ「どうしても踊らないと行けないのか?」

リナ「それ以上はやめて。」

 

 そして、変身する。

 

『ヨーソロー!』

『ツーカイに!レボリューション!』

 

 そして、オリヒメワルドと交戦する。

 

ゾックス「痛快に行くぜ!」

オリヒメワルド「今度は返り討ちにしてやるオリヒメ。」

ゾックス「いつまで余裕ぶっていられるかな!?」

 

 カズマが声を出す。

 

カズマ「とにかく!どうにかしないと!」

零士「大丈夫!ワンダーライドブックは取り戻した!」

リナ「ええ!」

カズマ「………?えっ?2人とも、おかしくなったのか?」

零士「そう!おかしくなったんだ。」

カズマ「え?どういう事?」

零士「アイツのせいでな。」

 

 俺とリナは話した。

 アイツの能力は、短冊に書いた内容を、その世界の人たちに思い込ませる幻覚攻撃。

 つまり、ワンダーライドブックはあるけど、認識出来ない状態になっていた。

 

零士「俺たちにとって、ブックは宝だ。でも、宝だと思ってない人には。」

アクア「悪かったわね!ぼんやりとだけど、ちゃんとあるわよ!」

カズマ「そういう事か!」

零士「俺たちも行くぞ!」

リナ「ええ!」

 

 俺も本気を出すべく、刃王剣が装填されているソードライバーを装着する。

 カズマとリナも装着する。

 

零士「ていうか、アクア。頼む。」

アクア「分かったわ!」

 

 そして、ワンダーライドブックを装填させてもらう。

 

『ブレイブドラゴン!』

『トライケルベロス!』

『タテガミ氷獣戦記!』

 

アクア「行っちゃって!」

「「「変身!!」」」

 

『流水抜刀!』

『黄雷抜刀!』

『聖刃抜刀!』

 

 俺はクロスセイバーに、カズマはタテガミ氷獣戦記に、リナはゴールデンアランジーナへと変身する。

 

『クロスセイバー!クロスセイバー!クロスセイバー!!』

『交わる10本の剣!』

『氷獣戦記!』

『ガオーッ!LONG GET!』

『ゴールデンアランジーナ!』

『黄雷三冊!』

 

ゾックス「時間かけやがって……。」

零士「お待たせ。」

ゾックス「ああ。」

 

 俺たちは、ツーカイザーと協力して、オリヒメワルドと戦う。

 連携攻撃を仕掛け、オリヒメワルドを追い詰めて行く。

 

オリヒメワルド「なら、願い事を………!」

カズマ「願いは書かせねぇよ!」

 

『必殺凍結!』

『流水抜刀!』

『タテガミ氷河斬り!』

 

 カズマがブリザード・ブレイズで敵の武器を凍らせて、リナが雷を放ち、破壊した。

 

オリヒメワルド「私の願いが粉々オリヒメ………!」

アクア「よし!」

ゾックス「そろそろ止めだ、剣士。」

零士「ああ!」

 

『全速全身!回せ回せー!!』

『刃王必殺読破!』

『聖刃抜刀!』

『いっぱーい!』

『刃王一冊斬り!』

『セイバー!』

 

ゾックス「ツーカイザー・ゴールドスクランブル!」

零士「刃王創星斬!」

 

 俺とゾックスの必殺技がオリヒメワルドに命中する。

 

オリヒメワルド「やっぱり季節外れだったかオリヒメーー!!」

 

『ツーカイに!弩っキューン!』

 

 オリヒメワルドは爆散して、オリヒメトジルギアも粉々に砕けた。

 

ゾックス「あれ?ギアごと木端微塵?」

零士「どうした?」

ゾックス「いや、お前のパワー、凄えなって話。」

零士「そっちこそ!」

 

 そうして、ゾックスと別れる時になった。

 

零士「ありがとう!君のおかげで助かった。これ、良かったらお土産。」

ゾックス「これは?」

零士「俺の気に入ってる本だ。よかったら読んでくれ。」

ゾックス「ふーん。」

カズマ「どうやって、並行世界に帰るんだ?」

 

 そうして、ゾックスは帰ることに。

 

リアside

 

 私は、あのゾックスって人がいまいち信用できないから、つけていた。

 

ゾックス「つけてたんだ。」

リア「悪さをしないか、不安だったんでね。」

ゾックス「しないって!」

 

 すると、ハグされ、去っていく。

 

ゾックス「サラバーイ。」

リア「あ!?ワンダーライドブックがない!」

 

 すると、ゾックスが、オーシャンヒストリーワンダーライドブックを取り出す。

 

ゾックス「これに興味湧いてな。土産として貰ってくぜ。」

リア「エーリカ!シエロ!」

ゾックス「え!?」

エーリカ「ええ!」

シエロ「はい!」

ゾックス「どうなっても知らねぇぞ!」

 

 そのまま、違う世界へと行く。

 




今回は、二本立てです。
ゼンカイジャーの世界に行ったアクセルハーツは、どうなるのか。


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特別編 剣士と界賊、それぞれの誓い

トジデンドside

 

 ゾックスが、零士の世界から戻ってきたその頃。

 

ボッコワウス「新しく発見した並行世界の制圧に失敗した上、ツーカイザーにしてやられるとはな!」

 

 ボッコワウスは、バラシタラとイジルデに向かって説教していた。

 

バラシタラ「全く!イジルデが界賊共に並行世界間ゲートの設計図を奪われたおかげで、いい迷惑であります!」

イジルデ「何を言うか!?軍隊長の貴様がだらしないから………!」

ボッコワウス「ええい!黙れ!」

 

 自分の目の前で、醜く責任の擦りつけ合いをしている部下に対して、床を叩くボッコワウス。

 すると、ゲゲが進言してきた。

 

ゲゲ「そろそろあの界賊を少しばかり懲らしめた方がいいかもしれないな。」

ボッコワウス「おお!わしもそう思っていたぞ!流石はワシの可愛いゲゲじゃ。」

イジルデ「では、奴の家族を狙ってはいかがでしょう?あの男、大変な家族想いのようですから。」

 

 そうして、トジデンドが動き出す。

 

ゼンカイジャーside

 

 一方、ゼンカイジャー達は、短冊を飾っていた。

 

マジーヌ「占いが当たりますように!」

ジュラン「よーし!書けた!」

マジーヌ「ジュランの願い事は何すか?」

ジュラン「ん?人間とキカイノイド皆が、ハッピーに暮らせますようにってな!」

ガオーン「はあっ!?ワンちゃん、猫ちゃん、鳥ちゃんその他たっくさんの生き物達はどうでもいいの!?」

ジュラン「全部ひっくるめたんだよ。」

ヤツデ「ただいま。」

介人「ただいま!」

 

 彼らは、機界戦隊ゼンカイジャー。

 トジデンドから、世界を守る戦隊だ。

 

介人「え!?どうしたのこれ!?」

ジュラン「見りゃ分かるだろ。マジーヌが七夕を盛り上げようってな。」

ヤツデ「七夕は終わったろ?うちでもちゃ〜んとやったじゃないか。」

 

 そう、ここカラフルでも、七夕パーティーをやったのだ。

 その問いに、マジーヌは答える。

 

マジーヌ「あれがはちゃめちゃ神秘的で楽しかったから、もう一回やりたくて!」

ヤツデ「でも、マジちゃん。七夕ってのは、1年に一回なんだよ。」

マジーヌ「ぬぬっ?2回やっちゃダメなんすか?」

ブルーン「七夕というのは、1年に一度だけ、織姫と彦星が会える日なんですよ。」

マジーヌ「ガーン!そんな!折角準備したのに!」

介人「いいじゃん、やろうよ!2回も七夕をやるなんて、世界初かも!」

 

 五色田介人は、世界初を狙う人だ。

 マジーヌが励まされる。

 

マジーヌ「うん!やる!」

???「織姫見っけ!」

 

 すると、マジーヌが消える。

 

ジュラン「あれ!?」

ガオーン「消えた!?」

介人「え?」

 

リアside

 

 ようやく着いたと思ったら、日本じゃ無いか!

 ゾックスが降り立ったと同時に。

 

『狼煙霧中!』

 

 煙睿剣狼煙の力で現れて、ゾックスからワンダーライドブックを取り戻そうとする。

 私が時国剣界時、エーリカが煙睿剣狼煙を持って、攻撃する。

 

ゾックス「へぇ〜〜。ここまで追ってくるなんてやるじゃないか。」

リア「私のワンダーライドブックを返して貰うぞ!」

ゾックス「一度手に入れたお宝を、返す訳ないじゃん。」

エーリカ「ここは私が!」

リア「いや、私が行く。」

シエロ「リアちゃん………。」

 

 私は時国剣界時を振るおうとするが。

 

???「マジーヌ!」

???「ああっ!どけどけ!」

???「あっ!ゾックス!」

???「界賊のあんちゃん!」

???「マジーヌ見なかった?」

???「見てないか?」

ゾックス「見てないな。」

???「マジでか。」

ゾックス「それより、今俺と絡むと危ないぜ。」

 

 あのゾックスの仲間か?

 それにしても、片方人間じゃないし。

 

リア「なんだ、この怪しい奴は!」

???「怪しい奴って、俺の事?」

エーリカ「アンタ達も、この界賊の仲間なの?」

???「仲間みたいなものかな。俺たちはゼンカイジャー!よろしく!」

???「よろしこ。」

リア「なら、君たちも倒させてもらう!」

 

 そうして、赤いやつに剣を振るう。

 

???「危ねぇ危ねぇ!」

???「ゾックス!この人に何やったの!?」

ゾックス「ちょっとお宝を頂いただけ。」

???「だけって、お前!」

リア「返せ!」

 

 そんな感じに攻撃していると、何かが降ってきた。

 

エーリカ「あぶな!」

シエロ「降ってきましたよ。」

???「トジデンド!」

???「痛たた………着地失敗ヒコボシ。」

エーリカ「アンタ、この前の………!」

シエロ「違うと思いますけど………。」

???「あーっ!織姫見っけ!」

シエロ「エーリカちゃん!?」

リア「エーリカ!?」

 

 すると、エーリカが消えた。

 さらに、色んな人たちが消える。

 

???「もっと織姫を見つけるヒコボシ!」

???「これってまさかマジーヌも………!」

???「ジュラン!行くよ!」

ジュラン「おうよ!」

「「チェンジ全開!ハァッ!」」

 

『ババババーン!』

 

 何かに変身した2人を追って、私も追う。

 

リア「エーリカを返せ!」

シエロ「リアちゃん!」

ジュラン「ちょっと危ないって!」

???「危ないよ!」

リア「貴様!」

ジュラン「だからアンタ誰!?」

???「避難全開!」

 

 すると、日本でよく見る虎の模様のロープが私に絡まって、動けなくなる。

 

???「今のうちヒコボシ!」

???「あーっ!逃げた!」

ジュラン「お前のせいで逃げられたじゃねぇか!」

リア「うるさい!元はといえば、君たちの仲間のせいじゃないか!」

???「まあまあ!!」

 

 私は、シエロと共に、彼らの家にお邪魔する。

 どうやら、白い服の人が五色田介人、赤い奴はジュラン、黄色い奴はガオーン、青い奴はブルーンというらしい。

 そして、お茶を出してくれた人が、ヤツデというらしい。

 

ヤツデ「仲間が攫われたんだって?」

リア「ありがとうございます。」

シエロ「ありがたく頂きます。」

ヤツデ「心配だろうけど、介人達が何とかするよ。何って言ったって、ゼンカイジャーだからね。」

シエロ「あの、ゼンカイジャーって何ですか?」

リア(スーパー戦隊か?私も知らない。)

 

 日本の事は思い出したけど、ゼンカイジャーなんて戦隊は知らない。

 

ガオーン「ヒーローなんです!」

ジュラン「しっかし、アイツ、レディーばっかり攫って、何が目的だ?ヒトデみたいな顔してたな。」

介人「織姫探すって言ってた!きっと織姫に似てる人を探して攫ってるんだと思う。」

ブルーン「なるほど。」

ガオーン「介人!マジーヌと、その、エーリカって人間ちゅわん、似てるところあった?」

ブルーン「そうですよ!2人の共通点を探せば、狙われている人のタイプが分かります!」

介人「あ!2人とも女性だ!」

 

 そんな風にずっこけていると、ゾックスが喋る。

 

ゾックス「あの2人、髪を後ろに束ねてた。」

介人「それだ!流石ゾックス!」

リア「とにかく!私がエーリカを見つける!ワンダーライドブックを返して貰おう!」

ゾックス「やだね。」

リア「…………!」

 

 私ももう、堪忍袋の尾が切れそうだ!

 ゾックスに向かおうとすると、ブルーン達に止められる。

 

ブルーン「まあまあ!」

介人「ゾックスも分かるだろ!大切な人が攫われたんだよ!」

ゾックス「フリントは無事だ。捕まったのは、間抜けなコイツらの仲間だ。」

シエロ「エーリカちゃんは間抜けじゃない!」

ゾックス「退け。」

リア「あっ。」

シエロ「いぃやぁ!!」

 

 すると、ゾックスに触られたシエロが、ゾックスを殴る。

 そして、ゾックスは吹っ飛ぶ。

 

ブルーン「大丈夫ですか!?」

介人「どういう事?」

リア「シエロは、男性恐怖症でね、触れられると殴っちゃうんだ。」

ゾックス「それを早く言え………!ま、無意味な議論には賛成だ。サラバーイ。」

 

 なんか、嫌な奴だな!

 

トジデンドside

 

ヒコボシワルド「織姫候補の皆さーん!楽しくやってますかヒコボシ?ハッハッハッ!」

マジーヌ「どこすか………ここ……!」

エーリカ(どうすれば………。)

 

 と、マジーヌとエーリカを含めた人たちが攫われていた。

 そこに、イジルデが現れる。

 

イジルデ「おい、ヒコボシワルド。」

ヒコボシワルド「あ!イジルデ様!」

イジルデ「界賊の家族が居ないではないか?」

ヒコボシワルド「えーっ!?……では、もっと織姫候補を見つけるヒコボシ………!」

イジルデ「織姫などどーでも良い!界賊の家族を攫ってこいと言ったのだ!」

ヒコボシワルド「ええーーっ!?そうっすか!?」

 

 そんな風に会話していると、マジーヌが前に出てくる。

 

マジーヌ「もしや、フリント狙いっすか?」

イジルデ「ぬぬっ!?貴様はゼンカイジャーの………!捕らえろ!」

 

 そうして、マジーヌは捕まってしまった。

 

イジルデ「怪我の功名とはこの事か。ヒコボシワルド!とっとと行ってこい!」

ヒコボシワルド「はい!もっと探してきますヒコボシ!」

マジーヌ「流石におバカだったす………。」

イジルデ「お前らは後でスクラップにしてやるぞ。」

 

 その声に、女性達は怯える。

 すると、マジーヌが声を張り上げる。

 

マジーヌ「自分がどうにかするっす!自分、ゼンカイジャーっすから!」

エーリカ(ゼンカイジャー………?)

 

 すると、エーリカがマジーヌに近づく。

 

エーリカ「あなたって、あのカラフルな人たちの仲間なの?」

マジーヌ「え?介人達の事知ってるんすか?」

エーリカ「ちょっと手を貸して。」

 

リアside

 

 どういう訳か、私たちであのヒコボシワルドを誘き寄せることになったけど………。

 

介人「フゥ〜っ!」

ガオーン「介人、可愛いよ!」

ジュラン「ああ、汗ばむなぁ………。」

介人「LOVE!ゼンカイジャー!………トジデンドなかなか来ないね。」

ブルーン「ううむ。ゾックスの言う通りなら、このような女性を狙ってくるはずですが……。」

ガオーン「焦っちゃダメ!じっくり待つの!」

ジュラン「やだガオーンちゃん、ノリノリじゃない。」

 

 そんな対応をしている介人達に、流石に堪忍袋の尾が切れる。

 

シエロ「皆さん、ふざけてるんですか!?」

リア「仲間が誘拐されたんだぞ!何をのんびりと構えてるんだ!」

ガオーン「その仲間ちゃんの事、大好きなんだね!」

シエロ「そんなんじゃないですよ。」

リア「私たちは、3人揃ってアクセルハーツなんだ。1人欠けるなんて、考えられない。」

介人「………だったら、考えなきゃ良い!」

リア「仲間が心配じゃないのか?」

 

 お気楽に答える介人に対して、そう問うと、返ってくる。

 

介人「心配だよ。だからこそ、失う事より、助ける事だけを考えてる!」

ジュラン「マジーヌももう、ただ守られてるだけの小さい子供じゃないんですわよ。」

ブルーン「大人しく見えて、意外性の人ですしねぇ。」

ガオーン「ほ〜んと、キレたら怖いんだからあ〜!」

ジュラン「ハハッ、俺らこう見えても信じてるんだわ、マジーヌの事。」

介人「だから、俺たちは全力全開で!ヒコボシワルドを誘き出す。そんで倒す!それが、皆を助ける事につながるんだ。」

 

 意外と、信頼してるんだな。

 私たちも、その作戦に乗る事に。

 

ゾックスside

 

 胸騒ぎがして、クロコダイオーに戻るが、フリントの姿が見えない。

 

ゾックス「フリント?フリント!」

フリント「なぁに、うるさいなぁ。」

 

 何だ、ソファの後ろで寝てただけか。

 

ゾックス「いや、なんでもない。それより、トジデンドを見つけたぞ。」

フリント「本当!?じゃあ、ちょうど良いな!手ぇ出して?」

 

 フリントに言われて手を出すと、3枚のギアが渡された。

 一枚は、あの剣士のギアだった。

 

ゾックス「これは?」

フリント「前行った世界で思いついて作ったんだ!出来立てホヤホヤだ!」

ゾックス「サンキュ。……いつもありがとうな。」

フリント「なんだよ兄貴?なんか変だぞ。あっ、熱でもあるんじゃないか?」

ゾックス「かもな。」

 

 俺も、トジデンドの方に向かうか。

 

リアside

 

 しばらくすると。

 

ヒコボシワルド「織姫が沢山見っけ!」

介人「あーっ!来た!」

ジュラン「マジか!」

介人「ジュラン!」

ジュラン「おうよ!かっ飛ばすわよ!あ、た、し!」

 

 本当に引っかかるとは。

 メギドよりもバカじゃないのか?

 そして、謎の音楽と共に、ジュランがヒコボシワルドを吹っ飛ばす。

 

ヒコボシワルド「俺を騙したなヒコボシ!」

リア「エーリカを返してもらう!」

ヒコボシワルド「一先ず退散ヒコボシ!おとと!どわっ!?」

 

 すると、どこかからか銃撃される。

 上を見ると、ゾックスが居た。

 

ゾックス「俺を忘れてないか?返すよ。」

リア「どういうつもりだ?」

ゾックス「俺にとって、それよりも妹の方がお宝でね。」

 

 よく分からないけど、返して貰ったからには、戦える!

 シエロを安全な所に隠す。

 

介人「皆!すぐに倒すぞ!」

「「「おう!」」」

リア「私も!」

 

『オーシャンヒストリー!』

 

「「「「チェンジ全開!」」」」

リア「変身!」

 

『界時逆回!』

『オーシャンヒストリー!』

『ババババーン!!』

『オーシャン、バッシャーン!バッシャーン!』

 

 そうして、変身を完了して、介人達が名乗り出す。

 

介人「秘密のパワー!ゼンカイザー!」

 

『ゼンカイザー!』

 

ジュラン「恐竜パワー!ゼンカイジュラン!」

 

『ゼンカイジュラン!』

 

ガオーン「百獣パワー!ゼンカイガオーン!」

 

『ゼンカイガオーン!』

 

ブルーン「轟轟パワー!ゼンカイブルーン!」

 

『ゼンカイブルーン!』

 

介人「4人合わせて!」

「「「「機界戦隊!ゼンカイジャー!」」」」

ブルーン「やや?」

 

 すると、私を見てくる。

 

リア「何で見てるの?」

ジュラン「いやこういう時はバシッと名乗らねぇと!ちょっとでいいからやってみ!ハイ、あなたのお名前なんてぇの?」

介人「ほらほら!」

ブルーン「やってみて!物足りないでしょ!」

 

 いや、私は仮面ライダーであって、スーパー戦隊ではないから、名乗る必要ってないんだけど………。

 やるしかないか………。

 

リア「ハァ……。私はリア。」

 

『時国剣界時!』

 

リア「またの名を、仮面ライダー、デュランダル!私を、怒らせないで………!」

ジュラン「なーんだ!出来るじゃねぇか!」

介人「カッコいいよ!」

 

 そして、大量に現れた敵を倒していく。

 すると。

 

ゾックス「ゼンカイジャー!受け取れ!」

介人「え?何これ?」

ジュラン「色違ぇな。」

ゾックス「土産だ!使いな!」

介人「うん!ありがとう!」

 

 介人達が、ゾックスから受け取ったやつを使う。

 

『ババン!ババン!ババン!ババン!ババババーン!』

『仮面ライダー!』

 

 すると、ジュランが未来を予知したようなセリフを言いつつ、剣から『ジオウサイキョウ』と書かれたエネルギーで敵を倒す。

 ガオーンは、脚力が強化されて、敵を薙ぎ倒す。

 その際に、大きい文字が表記されていた。

 

ライジングイ

     ン

     パ

     ク

     ト

 

 介人は、零士が使ってる筈の火炎剣烈火を振るっていた。

 しかも、火炎十時斬を放っていた。

 

ブルーン「良いなぁ……仮面ライダー!私のギアはないんですか!?私も変身したいです!」

 

 私は、そんなブルーンを横目に、ヒコボシワルドと交戦する。

 

リア「エーリカを返して貰うよ!」

ヒコボシワルド「返せと言われて返すやつがいるかヒコボシ!グワっ!」

 

 すると、ヒコボシワルドが突然攻撃される。

 後ろを見ると、エーリカとマジーヌが居た。

 

リア「エーリカ!」

ヒコボシワルド「何でお前ら、ここにいるヒコボシ!?」

エーリカ「アンタ、私たちを舐めてたわね。」

 

 エーリカが語ったのは、サーベラに変身して、倒した事だ。

 

ヒコボシワルド「そんなあー!!」

マジーヌ「捕まってた人たちも、みーんな!逃したもんね!」

エーリカ「リア!心配かけてごめんね!」

リア「無事なら良いさ!」

介人「君の仲間、凄いね!」

リア「ああ!」

 

 すると、2人も変身するみたいだ。

 

『昆虫大百科!』

 

マジーヌ「チェンジ全開!」

エーリカ「変身!」

 

『昆虫!CHO!大百科!』

『ババババーン!』

『揺蕩う切っ先!』

 

マジーヌ「魔法パワー!ゼンカイマジーヌ!」

 

『ゼンカイマジーヌ!』

『煙睿剣狼煙!』

 

エーリカ「エーリカ。またの名を、仮面ライダーサーベラ!」

 

 すると、エーリカが煙状になり、ヒコボシワルドを翻弄して、連携で追い詰める。

 ゾックスが急に現れる。

 

ゾックス「ヨホホイ、ヨホホイ、ヨホホホイホイ♪」

ヒコボシワルド「何がヨホホイだ!」

ゾックス「来い!ゼンカイジュウギア!」

 

 すると、何か機械の恐竜が現れて、ゾックスが、変身アイテムに装填する。

 

介人「あ。呼べば来るんだ。」

 

『ZEN-KAIJU GEAR!』

『回せー!』

 

ゾックス「スーパーチェンジ痛快!」

 

『KAIJU…KAIJU…』

『スーパー!!』

 

 すると、見張っていた時よりも更に激しいダンスを踊りだす。

 そして。

 

『ヨーソロー!』

『超!ツーカイに、レボリューション!』

 

 すると、強化形態へ変身する。

 

介人「かっこいい!!」

リア「何で踊るの?」

ゾックス「海賊のパワーアップ!スーパーツーカイザー!」

 

 するとゾックスは、高速移動をして、ヒコボシワルドにダメージを与える。

 

リア「私も!」

 

『界時抹消!』

『再界時!』

 

 私も、界時抹消でヒコボシワルドに接近して、攻撃する。

 

ヒコボシワルド「もう限界ヒコボシ!」

ゾックス「おいおいおい!おい!俺の獲物だろうが!」

リア「いや、私がやる!」

ゾックス「いや、俺だ!!」

リア「私だ!!」

 

 私たちは、必殺技を発動する。

 

『必殺時刻!』

『全速全身!回せ回せ!』

『イッパーイ!』

 

ゾックス「ツーカイザー・レックスリフレイザー!!」

リア「オーシャン三刻突き!!」

 

『オーシャン三刻突き!』

 

ヒコボシワルド「グワァぁ!織姫に会いたかったヒコボシ………!」

 

『超!ツーカイに!弩ッキューン!』

 

 ヒコボシワルドは、爆散した。

 

ゾックス「ハッ!勝った!」

リア「いや、私が倒した!」

ゾックス「ああん?俺だ!」

 

 すると。

 

???「季節外れの七夕は、俺が貰った!」

リア「何だ、アレは!?」

ダイヒコボシワルド「ヒコボシパワーが満ち満ちたヒコボシ!」

ゾックス「俺に任しとけ。」

 

 そうか、仮面ライダーは、巨大化した相手は基本的には相手をしない。

 ここからは、スーパー戦隊の仕事か。

 

『ツーカイオーカッタナー!オペレーション!』

 

 ツーカイオーというのが、巨大なヒコボシワルドと戦っていたが、あの短冊の力を使い、押されていく。

 すると、あのマジーヌとブルーンが巨大化して、合体したロボが、加勢に入り、あっという間に形勢が逆転して、倒された。

 

ダイヒコボシワルド「旧暦の七夕は、今年は8月14日だー!」

介人「世界全開!オールオッケー!」

ゾックス「ヨホホーイ!」

 

 そうして、決着が着いて、ゾックスに元の世界に帰して貰う事に。

 

ゾックス「この俺に送り届けろって、良い度胸してんな。」

シエロ「元々は、あなたが原因ですからね!」

リア「なあ、エーリカ………。」

 

 すると、エーリカが、マジーヌに抱きついていたのだ。

 

ブルーン「HUGっと!」

エーリカ「リア、シエロ!行くわよ!」

マジーヌ「胸が………。」

介人「ちょ、ちょっ、違う違う違う!!ゾックスのはあっち!」

エーリカ「間違えた………!」

シエロ「エーリカちゃん?」

リア「どうしたんだ?」

ジュラン「あの子気持ちダダ漏れね!」

 

 そうして、元の世界へと戻っていく。

 

ゼンカイジャーside

 

 ゼンカイジャーは、アクセルハーツを送るゾックス達を見送った。

 

ジュラン「さて、マジーヌも無事戻ってきた事だし、パーティーでもやるか!」

マジーヌ「あっ!2回目の七夕やりたいっす!」

ガオーン「なら、僕がご馳走作っちゃうよ!」

ジュラン「そういう事なら、もう一つ願いを考えないとな!」

介人「思いついた!」

「「「「えっ?」」」」

 

 介人に視線が集まる。

 

介人「この世界には、色んなヒーローがいるって分かったし、これからもっと沢山のヒーローに会えますように!」

 

 そんな風に願う介人。

 だが、この時は、五色田介人達、機界戦隊ゼンカイジャー、神崎零士達、仮面ライダーセイバー達は、まだ気づいていない。

 新たな危機が迫っている事に。




今回はここまでです。
二本立てでお送りしました。
いずれ、スーパーヒーロー戦記の物語も書きます。
賢者の孫とリバイスの小説に関しては、リバイスが現行作品の為、そこまで更新頻度は高くありません。


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特別編 時の王者との、邂逅

今回は、『この仮面の戦士に祝福を』とコラボした話です。


 ある日、零士はのんびりと過ごしていた。

 

零士「平和だねぇ。」

 

 俺は、ストリウスを撃破して、イツキ=フィフティゲイルと邂逅した。

 それからというものの、メギドという脅威が無くなり、平和だった。

 ちなみに、他の皆は出掛けていた。

 カズマは、めぐみんと共に紅魔の里へと向かって、めぐみんの両親に挨拶に行った。

 ダクネスは、領主としての仕事に追われていた。

 アクアは、天界で急な仕事が入り、天界に向かわざるを得なかった。

 リナは、親戚で集まる事になっていた。

 カイトとカリンは、カリンの鉱石集めに、カイトが手伝っていた。

 当の俺は、する事がなく、のんびりと過ごしていた。

 ちなみに、今の俺の服装は、神山飛羽真の様な服装になっている。

 何故、神山翔羽真の服装を着ているのかというと、エリス様から貰ったのだ。

 

零士「暇だなぁ………。」

 

 俺はそう呟いていた。

 だが、メギド、アスモデウス、バッタ・デッドマン、ダークワールドのタッセルなどといった強敵と戦って手に入れた平和。

 それを享受するのも悪くない。

 そう思っていると、ドアがノックされた。

 

零士「誰だ…………?」

 

 俺は首を傾げながら入口へと向かう。

 ドアを開けると、マゼンタのトイカメラを首に下げた青年が居た。

 

士「よお、神崎零士。」

零士「士。」

 

 そこに居たのは、門矢士だった。

 門矢士とは、俺の前にちょくちょく現れた青年で、仮面ライダーディケイドへと変身する。

 

零士「あれ、俺がワンダーワールドからこの世界に戻る際に、この世界での役目は終わったとか言ってませんでした?」

士「確かに、そう言った。だが、とある用事が出来てな。」

零士「用事?」

士「お前には、並行世界へと行ってもらう。」

零士「……………へ?」

 

 士の放った言葉に、俺は間の抜けた声を出す。

 

零士「どういう事ですか…………?」

士「文字通りだ。」

零士「待って、待って下さい。…………つまり、俺は、イツキの世界へ行けば良いんですか?」

士「いや、イツキ=コリントの世界じゃない。お前が行くのは、並行世界のこの世界だ。」

零士「え?」

士「簡単に言えば、パラレルワールドのこの世界という事だ。」

零士「パラレルワールド…………。」

 

 士は、事情を説明した。

 その世界は、この世界とはほぼ同じだが、俺が居なく、霧島賢治という青年が、仮面ライダージオウの力を転生特典にして、降り立った世界との事だ。

 そこには、常磐ソウゴが世界を元に戻した際に、ライダーの力がほんの一部が流れ込んでおり、それがその世界で仮面ライダーになっているが、一部の力は、アナザーライダーになっているとの事だ。

 

零士「…………でも、それなら、その霧島賢治って人に任せれば良いんじゃないですか?」

士「だが、そうも言ってられなくてな。実は、お前の持つ、仮面ライダーセイバーのアナザーライダーが出現したのだ。」

零士「!?」

 

 どういう事かというと、原因は、ストリウスにあるとの事だ。

 ストリウスによって、一度世界は崩壊した。

 その際に、俺の力のほんの一部だけが、その世界に流れ込み、アナザーセイバーを誕生させたとの事だ。

 

零士「…………つまり、世界が崩壊した際に、一部の力が流れ込んで、アナザーセイバーを生んでしまったんですか?」

士「そうだ。お前に頼みたい事とは、その世界に向かって、アナザーセイバーを倒し、セイバーライドウォッチを賢治に譲渡しろ。」

零士「分かりました。………どうやってその世界に行くんですか?」

士「忘れたのか?俺にはこの力があると。」

 

 そう言って、士は手を翳すと、オーロラカーテンが現れる。

 

零士「そうでしたね。」

 

 俺はそう呟いて、オーロラカーテンの中へと入っていく。

 その際に、使えるかもと思い、ブランクライドブックを持っていく。

 そこには、エリス様と会った部屋があり、エリス様が座っていた。

 

エリス「こんにちは。」

零士「エリス様………と言っても、並行世界のエリス様………ですね。」

エリス「そうです。」

 

 俺は、納得していた。

 エリスから事情を聞くことに。

 

零士「それで、俺に会いたいのは?」

士「お前に渡したい物があるんだと。」

エリス「はい。それが、これです。」

 

 そう言ってエリス様が渡してきたのは、本体が赤色で、ベゼルの部分が黒のライドウォッチだった。

 それは、俺にとって見た事がある物だった。

 

零士「これは………。」

エリス「これは、セイバーライドウォッチです。これを、賢治さんに渡して下さい。」

零士「分かりました。」

 

 俺は、エリスからセイバーライドウォッチを受け取り、門矢士がアナザーセイバーがいる場所へと俺を送る。

 すると、剣戟音が聞こえてくる。

 見てみると、アナザーセイバーが、ジオウII、ゲイツリバイブ、ジオウのプログライズキーを使ったであろうゼロワンと交戦していた。

 しかも、アナザーセイバーは、クリムゾンドラゴンに似た姿になっていた。

 

零士「既に交戦してたのか!」

 

 俺はそう呟く。

 しかも、かなりの劣勢を強いられており、ゼロワンがフリージングベアーと思われる力で迎撃するも、追い詰められる。

 アナザーセイバーは、賢治に向かって行き、賢治は、サイキョージカンギレードで迎撃しようとする。

 俺は、すぐに間に入り、火炎剣烈火でアナザーセイバーの剣を受け止める。

 

零士「助太刀するぞ!」

 

 俺は、賢治達にそう言って、アナザーセイバーを蹴っ飛ばす。

 

零士「君が、霧島賢治か?」

賢治「え?そうですけど。あなたは?」

零士「俺は神崎零士、俺も………仮面ライダーさ!」

「「「え!?」」」

 

 俺はそう言って、アナザーセイバーに向き直る。

 そして、聖剣ソードライバーのバックルを取り出し、腰に装着する。

 

聖剣ソードライバー!

 

 俺はすぐさま、火炎剣烈火を納刀して、ブレイブドラゴンワンダーライドブックを取り出す。

 そして、ガードバインディングを開いてストーリーページにし、朗読文を流す。

 

ブレイブドラゴン!

かつて全てを滅ぼすほどの偉大な力を手にした神獣がいた…。

 

 俺はワンダーライドブックを閉じて、ソードライバーのライトシェルフに装填する。

 すると、背後に巨大なブレイブドラゴンワンダーライドブックが出現する。

 待機音が鳴ったら、火炎剣烈火を抜刀し、変身ポーズを取る。

 背後のブレイブドラゴンワンダーライドブックが開き、ブレイブドラゴンが現れる。

 

烈火抜刀!

 

零士「変身!」

 

 俺は、火炎剣烈火を振るい、仮面ライダーセイバーへと変身する。

 

ブレイブドラゴン!

烈火一冊!勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く!

 

零士「………物語の結末は、俺が決める!」

ゼロワン「嘘!?仮面ライダーセイバー?」

ゲイツ「あの人が?」

賢治「…………すげぇ!」

零士「ハアアア!」

 

 賢治が興奮している中、俺はアナザーセイバーへと駆け出していく。

 俺は、火炎剣烈火でアナザーセイバーを攻撃していく。

 3回アナザーセイバーを斬ったら、更に一回転斬りを放つ。

 アナザーセイバーは、セイバーの攻撃が効いているのか、距離をとる。

 

零士「逃すか!」

 

 俺すぐにジャンプして、上から下へと、火炎剣烈火を振るう。

 アナザーセイバーは反撃してくるが、俺はしゃがみながら避け、アナザーセイバーを踏み台にして背後に回りつつ、炎を纏わせた火炎剣烈火で左から右に斬る。

 

アナザーセイバー「グゥ………ゴオオオ!」

 

 アナザーセイバーは、自身の体から、三体の動物を呼び出す。

 ドラゴンと鷲と雲に乗った猿だ。

 

零士「ブレイブドラゴンにストームイーグル、西遊ジャーニーか。」

 

 俺はそう分析して、ブレイブドラゴンワンダーライドブックをタップする。

 

ブレイブドラゴン!

 

 その瞬間、ドラゴン・ワンダーが発動して、ブレイブドラゴンが召喚される。

 2体のブレイブドラゴンは、絡みつくように上空へ飛んで行く。

 ストームイーグルと孫悟空は、俺へと向かって行き、すぐに火炎剣烈火を構える。

 すると。

 

アタッシュショットガン!


『スピードクロー!

 

 ゼロワンがアタッシュショットガンを持ってストームイーグルに、ゲイツリバイブ疾風が孫悟空へと向かっていく。

 

零士「あ!」

ゼロワン「鷲の方は任せて!」


ゲイツ「ちっこい孫悟空は任せろ!」


零士「ゼロワンと………その声、カズマか?」

 

 俺は驚いた。

 そう、零士の世界ではカズマはブレイズだが、この世界ではゲイツなのだ。

 驚いている俺の横に、賢治がやって来る。

 

賢治「貴方だけを戦わせる訳にはいかないからな。一緒に戦おう!」


零士「あぁ、行こう!」

 

 俺はそう言って、ストームイーグルワンダーライドブックと西遊ジャーニーワンダーライドブックを取り出す。

 そして、朗読文を流す。

 

ストームイーグル!

西遊ジャーニー!


『この大鷲が現れし時、猛烈な竜巻が起こると言い伝えられている…。

とあるお猿さんの冒険記、摩訶不思議なその旅の行方は…。

 

 俺は、朗読文を流した二つのワンダーライドブックを、ミッドシェルフとレフトシェルフに装填する。

 そして、予め納刀していた火炎剣烈火を引き抜く。

 

烈火抜刀!

語り継がれし神獣のその名は!クリムゾンドラゴン!

烈火三冊!真紅の剣が悪を貫き、全てを燃やす!

 

 俺は、アナザーセイバーと同じく、クリムゾンドラゴンへと変身する。

 アナザーセイバーの横向きの斬撃を、俺と賢治はスライディングで躱し、同時に剣で攻撃する。

 すかさず起き上がり、背後から斬り付ける。
 

 俺は縦横無尽にアナザーライダーに攻撃をする。


 賢治は俺の背後からジャンプして、アナザーライダーに攻撃した。


 その勢いで、アナザーライダーは後方へ吹き飛び、剣を突き刺してなんとか起き上がろうとする。


 しかし、俺達がその隙を見逃すはずも無く。
 

 

賢治「今だ!」


零士「よし!」

 

 賢治と俺は、必殺技の体勢に入る。

 

ライダーフィニッシュタイム!

必殺読破!

ドラゴン!イーグル!西遊ジャー!

 

 すると、賢治の右足に黄金とピンクのエネルギーが収束し、俺の右足に炎が渦巻く。

 

トゥワイス!』『タイムブレイク!

 

 
零士「轟龍蹴烈破!」


 

三冊撃!

ファ・ファ・ファ・ファイヤー!

 

 賢治・零士「ハアアアアアアァァァ!!」

 

 俺達は同時にジャンプし、ライダーキックを放った。


 アナザーライダーを黄金とピンクのキックが貫通し、右足の炎のキックがヒットした瞬間にアナザーライダーを踏み台にし、更に左足のキックが炸裂する。


 俺達が地面に着地すると、アナザーライダーは爆発した。

 アナザーセイバーライドウォッチが排出されて、砕け散る。

 すると、そこに居たのは。

 

賢治「………うん?」


零士「?これは………。」


???「………ギ………ギィ………。」

 

 現れたのは小さな赤い竜だった。
 

 どう見てもまだ子供のドラゴンである。

 

ゼロワン「よいしょ!ねぇ、鷲が消えたんだけど、終わったの?」


カズマ「あの猿!俺をおちょくりやがって、うん?このドラゴンは?」

 

 全員、変身を解除する。

 俺は、賢治、零子、カズマに話をする。

 俺が来た目的は、俺が元いた世界を救った時、仮面ライダーセイバーの力の一部がこの世界に飛来し、その力がアナザーライダー化したと、門矢士から聞き、賢治達の世界へとやってきた事。

 そして、この世界の平行世界であり、賢治が体験した事は、俺も経験した事。

 そして、細部が違っており、俺の世界ではカズマはブレイズだが、こっちの世界ではゲイツになっており、めぐみんは剣斬かウォズ、ダクネスはバスターかダークキバの違いだ。

 

零士「俺の話はここまでにしておく。」


カズマ「え?もう少しいいだろ?せめてそっちの俺がどうなったのか………。」


賢治「カズマ。」


カズマ「?」 


賢治「やめとけ。向こうは向こう、こっちはこっちだ。」


カズマ「………そうだな。」

 

 そう、世界によって、起こる事が違う。

 似た様な平行世界であっても。

 事実、賢治の方には、リナ、カイト、カリンの3人は居らず、逆に俺の方には、エルシャとルミという人物はいない。

 だから、聞いても無駄だという事だ。

 すると、沖田零子が、零士に質問をする。

 

零子「じゃあ、零士さんはケン君に自分のウォッチを渡すためにこの世界に?」


零士「あぁ。士とエリス様に頼まれてな。」

 

 俺はそう答える。

 だが、もうアナザーセイバーは討伐してしまったので、意味は無いが。

 俺は、口を開く。

 

零士「けどその前に。」

賢治「うん?」


零士「俺に君の力を見せてくれ。」

 

 俺がそう言うと、賢治は、少し戸惑ったのか、質問してくる。

 

賢治「それは…………必要なのか?」


零士「う〜ん……俺の気持ちの問題かな。」

賢治「………分かった。」

 

 俺は、確かめたい。

 この霧島賢治が、世界を救えるのか。

 俺のセイバーの力を持つに相応しいのか。

 すると、零子が口を開く。

 

零子「その前にさ、この子………どうする?」

 

 そう言って指差したのは、未だに気絶している子竜だった。

 元はといえば、ストリウスが原因なのだが、俺が原因ともいえるしな。

 流石に討伐するのは可哀想だ。

 すると、俺は妙案を思いついた。

 

零士「あ!じゃあ、これを渡せばいいだろう。」


賢治「うん?」

 

 俺はそう言って、ブランクのワンダーライドブックを出す。

 これは、もしかしたら使えると思い、持ってきた物だ。

 

零士「この本には物語がない、白紙の本だ。アナザーライダーを討伐した時に、この本が出てきたといえば討伐の証になるだろう。」


カズマ「………他に方法がないし、それで行くか。」


零子「そうね。この子が可哀想だし。」


賢治「じゃあ、ありがたく使わせてもらうよ。」 


零士「あぁ。(元は、俺のせいだしな。この子供の竜に罪はないし。)」

 

 俺は、そう考える。

 後は、賢治と戦うだけだ。

 

零士「じゃあ、始めようか。」


賢治「あぁ。」

 

 俺はソードライバーを、賢治はジクウドライバーを装着する。

 賢治は、ジオウとディケイドのライドウォッチを取り出し、俺は、ブレイブドラゴン、ストームイーグル、西遊ジャーニーのワンダーライドブックを取り出す。

 それぞれのアイテムを、ドライバーに装填して、賢治は叫び、俺は火炎剣烈火を抜刀しながら叫ぶ。

 

賢治「変身!」
 

 

烈火抜刀!

 


零士「変身!」

 

ライダータイム!仮面ライダージオウ!

『
アーマータイム!KAMEN RIDE!WOW!

ディケイド!ディケイド!ディケイドー!


『語り継がれし神獣のその名は!クリムゾンドラゴン!


『烈火三冊!真紅の剣が悪を貫き、全てを燃やす!

 

 賢治はジオウ・ディケイドアーマーに、俺はセイバー・クリムゾンドラゴンに変身する。

 賢治はライドヘイセイバーを、俺は火炎剣烈火を持ちながら歩き出す。

 次第に走り出し、お互いの剣が相手に届く距離で交差する。


 剣と剣が打ち付け合った瞬間、火花が散る。

 剣士としての戦いが始まる。

 お互いにあらゆる方向から剣を振り、相手に攻撃する。


 一旦お互いが離れると、賢治はヘイセイバーのハンドセレクターを時計回りで動かす。

 

ヘイ!ウィザード!

 


 ヘイセイバーに火水土風の四属性の力が発生する。

 それを見た俺は、すぐに火炎剣烈火を納刀して、レッカトリガーを引く。

 

必殺読破!

烈火抜刀!

 

 火炎剣烈火を引き抜くと、刀身に炎が渦巻く。

 それと同時に、俺の周囲に複数の火の玉が出現する。
 

 賢治はヘイセイバーのトリガーを引く。

 

ウィザード!』『デュアルタイムブレイク!

ドラゴン!イーグル!西遊ジャー!

三冊斬り!

ファ・ファ・ファ・ファイヤー!

 

零士「爆炎紅蓮斬!」


賢治「ハアアアァァァ!」

 

 賢治は、ウィザードの力で、ヘイセイバーから火水土風の斬撃を四本放つ。

 俺の方は、周囲に浮かんでいた火の玉が賢治に向かって飛んでいく。


 斬撃と火の玉がぶつかり合う。


 次の瞬間、俺は横薙ぎの炎の斬撃を放ち、火の玉と四属性の斬撃を飲み込み爆発した。


 その衝撃で賢治は軽く後退りした。

 まだまだ余裕だな。

 

賢治「ならこいつだ!」
 

 

ビルド!

 

 賢治は、ビルドライドウォッチを取り出し、ディケイドライドウォッチのスロットに装填する。

 

ファイナルフォームタイム!

ビビビビルド!

 

 賢治は、ビルド・ラビットタンクスパークリングの力を宿した形態、ディケイドアーマー・ビルドフォームになる。
 

 右肩のコードインディケーターに『ビルド』と表示され、胸から左からにかけて『スパークリング』と表示されている。


 両腕両足をラビットタンクスパークリングを彷彿とさせるアーマーがついている。

 

零士「ならばこっちも。」

 

 俺はそう言って、今ソードライバーに装填されているワンダーライドブックを取り外す。

 そして、ドラゴニックナイトワンダーライドブックを取り出して、ページを開く。

 

ドラゴニックナイト!

ドデカい竜を、ド派手に乗りこなす、ド級の騎士のドラマチックバトル!

 

 俺は、ドラゴニックナイトのページを閉じて、ライトシェルフに装填する。

 そして、火炎剣烈火を抜刀する。

 

烈火抜刀!

 

 ドラゴニックナイトのページが開き、ブレイブドラゴンが出現して、俺はX字に斬り裂く。

 

零士「ハァ!」

 

Don’t miss it!

The knight appears. When you side,

ドメタリックアーマー!

you have no grief and the flame is bright.

ドハデニックブースター!

Ride on the dragon, fight.

ドハクリョックライダー!

Dragonic knight.

ドラゴニックナイト!

すなわち、ド強い!

 

 俺は、久しぶりにドラゴニックナイトへと変身する。

 賢治は、それを見ていた。

 

零士「?どうした?」

賢治「いや、気にすんな。続きをしようぜ。」 

零士「あぁ!」

 

 賢治は、ヘイセイバーだけでなく、ドリルクラッシャーも取り出していた。

 武器がぶつかり合う際に、火花だけでなく炭酸飲料のような泡が弾け飛ぶ。

 ラビットタンクスパークリングのインパクトバブルだ。

 賢治はスパークリングの持つ高速移動の力を使い、ヒットアンドアウェイの攻撃を繰り返す。

 だが、シルバリオンスケイルにより、防御力が向上している為、効かない。

 

賢治「硬!もしかして、効いてない?」


零士「う〜ん………チクチクするくらいか?」 


賢治「マジか!」 


零士「今度はこっちの番だ!」

 

 俺はそう宣言して、ブレイブドラゴンワンダーライドブックを取り出し、ドラゴニックブースターにリードする。

 賢治は、何かを取り出していた。

 

ワン!リーディング!ブレイブドラゴン!

フレイムスパイシー!

 

 俺は、ドラゴニックブースターから火炎放射を放つが、賢治はドリルクラッシャーにフルボトルを装填していた。

 

Ready Go!

ボルテックブレイク!

 

 すると、ドリルクラッシャーが回転し、螺旋状に高速回転する水のドリルを放つ。

 よく見ると、海賊フルボトルが装填されていた。

 

零士「何?!うわっ!」

 

 水のドリルが火炎放射を貫き、俺に直撃する。
 

 その衝撃で、俺は吹き飛んでしまう。

 

零士「グゥ………なんでフルボトルが?」


賢治「俺のスキルさ。俺は平成ライダーの全ての武器と能力を使うことができるんだよ。フルボトルも例外じゃないさ。」


零士「そんなスキルを?!」


賢治「さぁ、どんどん行くぜ!」

 

 そうだった。

 ジオウの時点で、そんなスキルを持ってる事を想定するべきだった。

 だが、平成ライダーの能力は把握している。

 賢治は、フルボトルを駆使して、俺に挑んでくる。

 ラビットフルボトルで、ドリルクラッシャーの回転速度を上げて斬りかかったり、ロケットフルボトルで、ロケット状のエネルギーの塊をぶつけたり、忍者フルボトルで、ドリルを分身させて連続で攻撃したりした。

 だが、俺はそれに全て対応した。

 

賢治「マジかよ!ここまで手を尽くして、息一つ乱さないなんて………!」

零士「各ボトルの特性を知っていればな、そこから予測して対応することはできるさ。」

賢治「………なら次はこいつだ!」

 

 賢治はそう言って、ダブルライドウォッチを取り出す。

 

ダブル!

 


 賢治はビルドのウォッチを外し、ダブルのウォッチをディケイドウォッチに差し込んだ。
 


 

ファイナルフォームタイム!

『
ダダダダブル!

 

 賢治は、仮面ライダーダブル・ファングジョーカーの力を持つ、ディケイドアーマー・ダブルフォームになる。

 ファングジョーカーか、なら!

 

零士「次はダブルか、ならこっちも。」

 

 俺は火炎剣烈火をソードライバーに納刀して、プリミティブドラゴンワンダーライドブックを取り出す。

 

プリミティブドラゴン!


『古の大いなる竜が、本の力を掴み取る!

 

 今の俺なら、プリミティブドラゴンにもノーリスクでなれるはずだ。

 力を貸してくれ!

 ブレイブドラゴンワンダーライドブックを、プリミティブドラゴンワンダーライドブックに装填する。

 

ブレイブドラゴン!ゲット!

 

 ソードライバーのライトシェルフに装填して、火炎剣烈火を抜刀する。

 

烈火抜刀!

バキッ!ボキッ!ボーン!


『ガキッ!ゴキッ!ボーン!

プリミティブ!ドラゴン!

 

 俺は、哀しみを背負った竜の力を宿した形態、プリミティブドラゴンへと変わる。

 

賢治「またすごい姿だな!」


零士「………この子と友達になるのに苦労したけどな。」


賢治「この子?」


零士「こっちの話だ、行くぞ!」

 

 プリミティブドラゴンとファングジョーカー。

 これらのフォームは、所謂暴走フォームだ。

 それがまさかの戦闘とはな。

 まあ、プリミティブドラゴンは、ストリウスとの戦いで、勝利のきっかけを作ってくれたがな。

 

賢治「まるで、ファングジョーカーみたいだな。」 

零士「実際、プリミティブドラゴンは以前は暴走する姿だったからな。」


賢治「なるほど、それで『友達』か?」 


零士「あぁ。」 


賢治「じゃあ、こっちも進化しないとな。」


零士「進化?」

 

 賢治の言葉に、首を傾げる。

 賢治は、ダブルライドウォッチに手を翳す。

 

ファイナルフォームタイム!

ダダダダブル!

 

 さっきまで、白と黒のファングが、白と銀のファングになった。

 これは、あの漫画で見た事がある。

 

零士「それは!ファングメタル?なんで?」


賢治「零子に教えてもらったんだよ。『風都探偵』の続きをな。」

 

 そう、ファングメタルは、風都探偵で登場した形態だ。

 だが、賢治はファングメタルの存在を知らない筈………。

 そう思っていたが、賢治が答える。

 衛星ゼアのデータの中に『風都探偵』の最新話の情報があったので、賢治は零子と二人でそれを見たのだ。
 

 そして、ダブルウォッチの『星の本棚』の力で検索したら、『ファングトリガー』や『ファングメタル』の本が出てきた。
 

 そのおかげで、ディケイドアーマーを使用した状態で、『ファングトリガー』と『ファングメタル』の力も使える様になったらしい。

 賢治は、ダブルライドウォッチのボタンを2回押す。

 

アームファング!

 

 賢治はそこから更に2回押す。
 


 

アームファング!

 

 体から、大量の牙が現れる。

 これが、ファングメタルの厄介さだ。

 

賢治「ハアアアァ!」 


零士「っ!」

 

 賢治は、肉弾戦に切り替える。

 そう、セイバー系列の仮面ライダーの欠点。

 それは、肉弾戦には不慣れな事だ。

 基本、聖剣を使って攻撃するので、肉弾戦が起こらない。

 俺はたまらず、防御に徹する。

 賢治は、俺を蹴り飛ばし、距離をとり、ディケイドライドウォッチのスターターを押す。

 

ダダダダブル!

ファイナルアタックタイムブレイク!

 

 すると、肩についているタクティカルホーンが大型化する。
 

 


零士「!(やっべ!!)」

 

 俺はすぐに火炎剣烈火を納刀して、プリミティブドラゴンワンダーライドブックを2回押し込む。

 

グラップ必殺読破!

クラッシュ必殺撃!

 

零士「骸龍相蹴撃!」

賢治「ファングスピアバレット!」

 

 俺は、足に青い炎を纏わせ、ライダーキックを放つ。

 賢治は、頭から高速回転して突っ込んでくる。

 

零士「はああああああ!!」

賢治「おおおおおおお!!」

 

 俺たち二人の必殺技がぶつかり、暫くすると爆発する。
 

 その衝撃で俺達の変身は解除された。


 

賢治「うわっ!」


零士「のわっ!」


カズマ「賢治!」


零子「………!」

 

 俺と賢治は、何とか立ち上がり、お互いを見合う。

 

賢治「はぁ、はぁ、………すげぇな、さすが世界を救った仮面ライダーだな。」 


零士「かはっ!はぁ、君こそ、さすが今日まで戦ってきただけのことはある。」 


賢治「………そろそろ本気で行こうか、お互いに。」


零士「あぁ。本気で行こう。」

 

 その言葉に、賢治はジオウライドウォッチIIを、俺はエレメンタルドラゴンとプリミティブドラゴンのワンダーライドブックを構える。

 

ジオウⅡ

エレメンタルドラゴン!

そして太古の力と手を結び、全てを救う神獣となる!

 

 賢治は、ジオウIIのライドウォッチを二つに分けて、俺はエレメンタルドラゴンを、プリミティブドラゴンに装填する。

 

エレメンタルドラゴン!ゲット!

 

 お互いに装填して、再変身する。

 

賢治・零士「変身!!」

 

ライダータイム!

仮面ライダー!ライダー!

ジオウ・ジオウ・ジオウ!Ⅱ !


『烈火抜刀!

バキッ!ボキッ!ボーン!メラ!メラ!バーン!シェイクハンズ!

エレメンタルドラゴン!

エレメントマシマシ!キズナカタメ!

 

 俺はエレメンタルプリミティブドラゴンに、賢治はジオウIIへと強化変身する。

 クロスセイバーは、世界の危機が迫った時にしか使わないと決めたので、これが俺の本気だ。

 そして、周囲が沈黙する。

 

「「…………。」」

 

 もう、お互いに言葉はいらない。

 後は、全力で戦うのみだ。

 

「「…………ハアアアアアアァァァ!!」」

 

 掛け声と共に、火炎剣烈火とサイキョージカンギレードがぶつかり合う。

 

賢治「ハッ!ヤァ!」


零士「フッ!セイッ!」

 

 お互いの剣がぶつかり合う。

 賢治の剣からは、3人の大切な人を守りたいという思いが伝わってくる。

 そして、賢治の覚悟と決意もまた。

 賢治は、俺を斬ろうとするが。

 

エレメンタルドラゴン!

 

賢治「うわっ!」

 

 賢治の剣は空振りした。

 これがエレメンタルプリミティブドラゴンの力。

 元素の形態になり、攻撃を躱す。

 俺は、賢治の背後から攻撃するが、賢治はそれに対応する。

 

賢治「ハァッ!」


零士「! うわっ!」

 

 まさか、対応されるとは……!

 そういえば、ジオウIIって、未来予知が出来るんだったな………!

 

零士「嘘だろ?初見で対応するなんて。」


賢治「ジオウⅡには未来視があるんだ、背後から攻撃してくるのは分かっていたからそれに合わせただけさ。」


零士「未来視か、なるほど………。ならもうこの戦い方は通じないか。」

 

 そこからは、それぞれの剣技と能力の応酬が始まる。

 賢治は、ジオウⅡの未来視の能力をフル稼働させて、俺の攻撃に対応する。


 俺は火・水・土・風の四属性の能力で、炎を球を飛ばしてきたり、足元に水を発生させて地面を滑るように移動したり、風を纏って空を飛んだり、地面に潜って攻撃したりする。

 だが、賢治は息が上がっていた。

 まあ、こればかりは戦闘経験の差だな。

 

賢治「これで決める!」
 

 


『
ライダーフィニッシュタイム!』『ジオウサイキョー!

 

 賢治は、ジオウIIウォッチのスターターを押し、サイキョージカンギレードのフェイスユニットを、『ライダー』から『ジオウサイキョウ』に切り変えていた。

 

零士「! 来るか。」

 

 俺は、火炎剣烈火を納刀して、ブックのページをタップする。

 

必殺読破マシマシ!

 

 待機音が流れ、俺は火炎剣烈火を抜刀する。

 

烈火抜刀!

エレメンタル合冊斬り!

 

 すると、火炎剣烈火に四属性の力が集まっていく。

 

零士「森羅万象斬!」


賢治「っ!」

 

 賢治は、対抗して、サイキョージカンギレードに黄金とピンクのエネルギーが集まり、『ジオウサイキョウ』の文字が現れる。


 賢治はサイキョージカンギレードのトリガーを引く。

 

キングギリギリスラッシュ!


『トゥワイス!』『タイムブレイク!

 

 2本の剣から放たれるエネルギーが、ぶつかり合う。

 俺たちは叫び、力を込める。

 これは、少しでも気を抜いたら吹っ飛ぶな。

 だが、エネルギーが限界を迎えたのか、爆発して、吹き飛ばされる。

 俺たちは、それぞれの剣を支えにして立ち上がり、ふらつく足で近寄り、剣を振り下ろす。

 だが、振り方が悪かったのか、火炎剣烈火とサイキョージカンギレードは、宙を舞って、地面に突き刺さる。

 俺たちは変身解除して、地面に倒れ込む。

 

零子「ケン君!」


カズマ「賢治!」

 

 零子とカズマが近寄る中、俺と賢治はうつ伏せから、仰向けになって空を見上げる。

 

賢治「ハハッ!勝てなかったか。」 


零士「俺も勝つ気で戦ったのにな。」


賢治「………零士、俺………あなたと戦えて良かったよ。」


零士「こっちこそ。」 


零子「二人とも無理しちゃって。」


カズマ「けど、二人とも良い戦いだったぞ。」

 

 俺と賢治は、お互いを認め合い、笑いながらグータッチをする。

 その様子を離れたところでX字に交差した火炎剣烈火とサイキョージカンギレードが、見守るように輝いていた。

 そして、幼き竜も。

 暫くして、俺は回復して、火炎剣烈火を回収する。

 

零士「君なら、俺のセイバーの力を使いこなせるかもね。はい。」

賢治「ありがとうございます!」

 

 俺は、賢治にセイバーライドウォッチを託す。

 すると、賢治のツールベルトが青く光っていた。

 賢治がブランクライドウォッチを取り出すと、そのウォッチは、ブレイズライドウォッチへと変化した。

 ブレイズライドウォッチは、賢治がカズマに託す。

 すると、オーロラカーテンが現れる。

 

零士「どうやら、お別れの時間だ。」

賢治「ありがとうございます!」

カズマ「そっちの世界の俺たちにもよろしくな!」

零子「ありがとうね!」

零士「ああ!頑張れよ、ジオウ、ゲイツ、ゼロワン!」

 

 俺はそう言って、オーロラカーテンを通り、元の世界へと帰る。

 良い奴らだったな。

 だが、気になるのは、ブランクワンダーライドブックを悪用されないよな?

 まあ、悪用されたなら、また士が呼びに来るだろ。

 俺はそう思いながら、屋敷へと戻る。

 屋敷へと戻ると、全員帰ってきた様で、俺は話した。

 この世界の平行世界に行き、そこで仮面ライダーと出会ったのだと。




今回はここまでです。
スーパーヒーロー戦記は、近いうちに更新します。
他の小説もよろしくお願いします。


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短編活動萬画集
第1集 ダンス本番、その前に。


今回は、短編活動萬画集の話です。
久しぶりにこの小説を書いたので、若干キャラ崩壊が入ってるかもしれません。


 ある日、エンディングダンスの練習をしていた、零士、カズマ、アクア。

 

零士「皆、これからダンスの撮影だけど、その前に確認させてもらっていい?難しい所があってさ。」

アクア「良いわよ。ところで、カズマって、ダンスの経験あるの?」

カズマ「ん?ねぇよ。」

零士「即答だな!」

 

 アクアの問いに、即答するカズマ。

 零士は驚く。

 

アクア「そもそも、ダンスが本来どういう物か知ってるの?」

カズマ「知らねぇよ。」

零士「逆にアクアは知ってるのか?」

アクア「私を誰だと思ってるのよ。太古の昔から、神々に捧げる舞の事よ!つまり、アンタ達も、私に踊りを捧げなさい!」

零士「あ、大丈夫です。」

カズマ「さて、やるぞ。」

アクア「あとさ、零士が確認したいの、分かるわよ。アソコは確認しておきたかったのよ。」

カズマ「そうだな、俺も確認しておきたかったし。」

零士「本当?じゃあ、やるよ!せぇーの!」

 

 3人は踊り出す。

 だが、各々が違う部分を踊っていた。

 それに零士は戸惑い、声を上げる。

 

零士「あれ?全然違うじゃん!」

アクア「よし!本番行きましょう!」

零士「いやちょっと待って!今、バラバラだったから!確認出来てないから!」

カズマ「ああ、あの腕を回す所だろ?確か、新井式回転抽選器だったな。」

零士「え!?何!?新井式!?」

アクア「ああ、ガラガラの事でしょ?」

カズマ「ああ、一度調べた事があってな。それで覚えてる。」

零士「分かった、分かった!この部分の意味は、大きな力に飲み込まれそうになることに抗うっていう意味があって………!でもまあ、覚え方は人それぞれか。」

 

 零士はカズマのボケに突っ込もうとするが、思い直して、突っ込むのをやめる。

 

アクア「よし、本番行きましょう!」

零士「いや、ちょっと待ってって!まだ何も確認出来てないし!俺が確認したい所はそこじゃなくて………!」

アクア「あっ!私、ここを確認しておきたかったのよ!」

零士「えっ………!?分かった。なら、そこから確認しようか。」

カズマ「なら、俺がカウントするぜ。アン、ドゥ、トロワ、カトル。アン、ドゥ、トロワ、カトル。」

 

 カズマのフランス語のカウントに、零士は堪えきれずに突っ込む。

 

零士「ちょちょちょちょっと待って!何それ?」

カズマ「カウントだ。」

アクア「確か、フランス語のカウントよね?何か問題あるの?」

零士「いや、あんまり聞き覚えないし………。ていうか、カズマ、フランス語知ってるのか?」

カズマ「いや、俺が転生する前にやってたネットゲームで、フランス語のカウントをよく使う奴がいてな。」

零士「あっ、そ、そっか………。」

アクア「まあ、聞き慣れないのはそうね。それじゃあ、本番行く?」

零士「何でそうなるの!?アクアが確認したいんでしょ!?」

アクア「あぁ、そうだった!それじゃカズマ、普通のカウントにして?」

カズマ「分かった。1、2、3、4。ファンデヴ、ファンデヴ、パラードフォウ!ファンデヴ、ファンデヴ、パラードフォウ!」

 

 カズマの突然のフェンシング用語に、零士は戸惑い、再び突っ込む。

 

零士「ちょーっと!ちょっと、ちょっと!」

カズマ「うん?」

零士「ごめん、何を言ってるの?」

カズマ「ああ、フェンシング用語だ。マルシェしながらファンデヴしてパラード。ファンデヴ、ファンデヴ、パラード。ファンデヴ、ファンデヴ、パラード。」

零士「うん、ここは、色んな剣の動きを意味する踊りだから、カズマがフェンシングで例えるのなら、それで良い!………ていうか、またネトゲ関連か?」

カズマ「ああ。フェンシング用語を言いまくる奴がいてな、それで覚えちゃったんだよ。」

零士「ああ、なるほど。」

アクア「よし、本番行く?」

 

 本番に是が非でも行こうとするアクアを、零士は止める。

 

零士「いや、待ってって!俺が確認したい所が確認出来てないから!」

アクア「どこなのよ?」

零士「この剣を振る動きだよ!ここをちゃんと合わせたくて。」

アクア「大丈夫よ。よし、本番行こう!」

零士「待って!確認させて!」

カズマ「俺は、右肩口から大きく袈裟斬りする様なイメージだな。」

零士「ああ、うん。うん?」

アクア「よし、本番行こう!」

零士「待ってって!確認させて!」

 

 零士がそう言うが、アクアはそれを無視してスタッフに何かを頼み込む。

 

アクア「あっ、スタッフさん、今のフリの時、上から紙を振らせて下さい!」

カズマ「良いな!変身の掛け声の時にもお願いします!」

アクア「スタッフ〜!」

カズマ「スタッフ〜!」

アクア「スタッフ〜!」

カズマ「スタッフ〜!」

零士「ねぇ、何やってんの!?2人揃って!」

アクア「あっ!ここらへん寂しいから、脚立起こっか!」

零士「ちょっと!勝手に動かさないで!」

アクア「よぉ〜し!本番行きましょう!」

零士「ちょっと!マイペースすぎるよ!もう時間無くなるから、確認させて!」

アクア「ええ〜。確認したいの?それを早く言いなさいよ。」

 

 アクアのその言葉に、零士は叫ぶ。

 

零士「さっきからそう言ってるよ!なのに聞いてくれなかったのは君たちじゃないか!ちなみにね、アクアの立ち位置だけどね、そこじゃなくてここだから!そこ、俺の立ち位置だから!」

カズマ「マルシェ。」

零士「分かってる!?」

カズマ「マルシェ。」

零士「いちいちフェンシング用語使わなくて良いから!」

 

 零士が前に進みながらそう叫び、カズマのボケに零士が突っ込む。

 

アクア「零士!時間ないから早く確認しましょうよ!」

零士「ううう………!だから君たちが………やってくれるのなら、それで良い!」

 

 アクアのマイペースっぷりに、遂に零士は匙を投げた。

 すると、アクアは零士を見ながら口を開く。

 

アクア「あっ、零士。もっとカラフルな衣装の方が良いんじゃない?」

零士「えっ?」

アクア「人気出ないわよ。よし、衣装チェンジしよう!」

零士「待って!そんな時間ないから!」

アクア「スタッフさん、衣装チェンジ入りまーす!」

零士「本当に待って!衣装変えてたら、すぐに本番になっちゃうから!」

カズマ「…………これはつまり、衣装を超えた先に本番はある!………だな。」

零士「ちょっと!その言い方やめて!『覚悟を超えた先に、希望はある!』みたいな感じで言うのやめてくれ!」

アクア「零士、時間ないわよ!スタッフ〜!」

 

 そう言って、アクアは衣装小屋へと引っ込む。

 

零士「え!?スタッフって、俺の事!?ああもう!こうなったら、ぶっつけ本番だ!俺がやる時はやる男だって、見せてやる!立ち位置は譲らないからなぁ!」

 

 そう言って、零士も衣装小屋へと向かって行く。

 その場に残されたカズマは。

 

カズマ「俺の踊りが上手いことを、めぐみんやアイリスに見せてやる。フフフッ。」

 

 その後、本番になり、無事に成功した。

 




今回はここまでです。
短編活動萬画集って、面白いですよね。
何度も言いますが、久しぶりに書いたので、キャラ崩壊があるかもしれません。

 次回予告

レジエル「Is this a cat or dog?」
ストリウス「No. This is trailers of the short anime.」
ズオス「何なんだ、この会話!」

 別冊 この聖なる刃に祝福を
 短編活動萬画集
 第2集 ロック、シザーズ、ペイパー。


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第2集 ロック、シザーズ、ペイパー。

今回は、第2集です。
メギド三幹部が出てきますよ。


 ある日のストリウス達。

 ストリウスは、何かの本を読んでいた。

 

レジエル「ストリウス、何を読んでいる?」

ストリウス「英語の本です。英会話のセールスと会って、試しに買ってみたのですよ。」

ズオス「何!?ここに来たのか!?ここ、売りに来れるんだな。」

 

 ズオスが驚いている中、レジエルがストリウスの近くに寄り、本を見る。

 

レジエル「うん?good afternoon?ハハッ!そんな事、実際には言わないだろ。」

ズオス「舐められたものだ。語学が堪能な俺様たちに、こんな物を売るとは、人間は下らん!」

ストリウス「…………では、ちょっと遊びましょうか。」

ズオス「遊ぶ?」

ストリウス「そうです。人間達に、私たちのやり方で英語を教えるのです。」

 

 そう言って、歌が始まる。

 

「「「A B C D メギド 英語でメギド」」」

ズオス「ズオス。」

レジエル「レジエル。」

ストリウス「ストリウス。」

レジエル「ロングスリーブ。」

ストリウス「ロングスリーブ。」

ズオス「ノースリーブ。」

「「「A B C D メギド 英語でメギド」」」

 

     えいごでメギド

 

 何か、変な風になってしまった。

 

ストリウス「フフッ。では、始めましょう。これから私たちが言う英文を、皆さんも言ってみて下さい。まずは人間達が使う教科書を参考に言ってみましょうか。」

 

 ストリウスはそう言って、レジエルに英語の質問を出す。

 

ストリウス「Is this a cat? or a dog?」

レジエル「うう〜ん。I don’t know.」

ストリウス「さぁ、皆さんも一緒に………。」

 

 その英文に、ズオスが突っ込む。

 

ズオス「ちょっと待て!この文章おかしくないか!?犬か猫か分からない動物なんかいねぇだろ!居たら連れて来いよ!ったく!これが人間どもの英語の教科書か?人間は頭がおかしいのか?」

ストリウス「ですので、私たちなりに改良して教えてあげるのです。それが、えいごでメギドです。」

ズオス「ふむ。なるほどな。まあ、とりあえずやってみるか。」

ストリウス「では改めて、ここからは、私たちが考えた文で行きましょう。」

 

 そうして、ストリウスは、再びレジエルに英語で質問をする。

 

ストリウス「Is our purpose to get the WONDER RIDE BOOK?」

レジエル「No. Our purpose is to get the ALTER RIDE BOOK.」

ズオス「うん。まあ、良いだろう。」

ストリウス「All rite. Are these ALTER RIDE BOOKs STORIOUS’s or LEGEIEL’s?」

レジエル「う〜ん。These are STORIOUS’s and LEGEIEL’s.」

ズオス「うう〜ん。まあ、良いだろう。俺の名前も出して欲しいがな。」

ストリウス「フフッ。良いでしょう。Is this ALTER RIDE BOOK ZOOOUS’s?」

レジエル「ハハハッ。Yes. ZOOOUS is no sleeve.」

 

 レジエルの発言に、ズオスが叫ぶ。

 

ズオス「おい、ちょっと待て!何だ今のは!?」

レジエル「えっ?」

ズオス「えっ?じゃなくて、アルターライドブックの事を聞かれてただろ!?」

ストリウス「What is ZOOOUS’s purpose?」

レジエル「ハハハッ。Yes. ZOOOUS is very no sleeve.」

 

 レジエルのノースリーブ発言に、ズオスは再び叫ぶ。

 

ズオス「何だよそれ!訳わかんねぇよ!そしてまたノースリーブ!ちなみに正式名称は、ノースリーブじゃなくて、スリーブレスな!」

ストリウス「ハハハッ。Who is angry LEGEIEL or ZOOOUS?」

レジエル「No sleeve is.」

ズオス「何で、ノースリーブばっか言ってんだよ!弄ってんのか!?」

レジエル「弄ってなんかないよ。寒い時は元気だなと思うがな。」

ストリウス「冬でも薄着なのは、ズオスとやんちゃな子供くらいですよねぇ。」

ズオス「やっぱりバカにしてるだろ!?」

 

 ズオスがそう叫ぶと、レジエルが口を開く。

 

レジエル「最初の歌の時も、自分で歌ってたじゃないか。」

ズオス「あ、あれは!何か流れでそう言った方が良いかなって思ったんだよ!」

ストリウス「落ち着いて下さい。これらのいくつかは、特にあなたをバカにしている物たちではない物でしたよ。」

レジエル「ストリウス、何か、揶揄っている時のバニルみたいな口調だったぞ。」

ストリウス「気のせいですよ。私たちは、オシャレに気を遣っていますからねぇ。ズオスの服装も、オシャレで素敵ですよ。」

 

 そこまで言うと、突然英語を口にして、語調を荒くする。

 

ストリウス「I hate ugly fashion! I can’t accept us three being ugly!! What’s ugly? Ugly ugly ugly…. The person who says ugly is ugly!!」

 

 ストリウスの激しい主張に、流石のズオスも大人しくなる。

 

ズオス「そ、そうか………。そんなにダサいのが嫌なんだな。ま、まあ、バカにしてないのなら良いよ。」

レジエル「ズオスの事も紹介しているんだ。感謝しろ。」

ズオス「いや、服を紹介しただけだろ!?よぉ〜し、分かった!今度は俺がお前を紹介してやる!ストリウス!俺にもやらせろ。」

ストリウス「分かりました。では、仕切り直して。」

 

 そうして、ストリウスによって仕切り直しとなり、ストリウスがズオスに話しかける。

 

ストリウス「What is LEGEIEL like?」

ズオス「LEGEIEL is………well……….」

レジエル「何だ?出ないじゃ無いか。ハハハッ!アドリブの利かないやつめ。」

ズオス「んだと!?」

レジエル「まあ、俺はどんな力でも使えるバランスの取れた男だからなぁ。どう紹介するのかを迷っちゃうのも仕方ないよ、ズオスちゃん?」

 

 レジエルがズオスに向かってそう言うと、ズオスは真顔で英語を言う。

 

ズオス「LEGEIEL is neither good nor bad.」

レジエル「何か、嫌な言い方だな。」

ズオス「LEGEIEL is an ordinary guy.」

レジエル「おい!何か悪意がないか?」

ズオス「LEGEIEL is a guy with a weak personality.」

 

 その言葉に、レジエルは激昂する。

 

レジエル「ふざけるな!俺はバランスが取れた男なんだぞ!このどこがキャラが薄い!?」

ズオス「じゃあ、自分で自己紹介してみろよ!」

レジエル「ああ、良いだろう!」

 

 そうして、レジエルは自己紹介を始める。

 

レジエル「My hobby is playing the organ.」

ズオス「ほう。」

レジエル「My speciality is playing the organ.」

ズオス「ほう………!」

レジエル「My strong point is my ability to playing the organ.」

 

 その言葉に、ズオスが叫ぶ。

 

ズオス「オルガンしかねぇじゃねぇか!」

レジエル「うるせぇなぁ!What’s strong point? ZOOOUS? Are there any other besides no sleeve?」

ズオス「Of course there is! My strong point is…… eating very well!」

レジエル「ハッ!Childish!」

ストリウス「Well,well calm down.」

 

 ストリウスが、そう言って落ち着かせようとするが、レジエルとズオスは、英語でお互いを罵り合う。

 流石のストリウスも、堪忍袋の尾が切れたのか、口調を荒げる。

 

ストリウス「Ugly!………ハッ。仕方ない。それなら、勝負で決着をつけましょうか。」

「「勝負?」」

ストリウス「そうです。私も参加します。」

ズオス「何すんだよ?」

 

 ズオスが怪訝そうな声を出す中、ストリウスが説明をする。

 

ストリウス「私たちの勝負は、私が用意した勝負によって、本当の決着がつく事を、幾つか約束しましょう。」

レジエル「ストリウス。お前、またバニルみたいな口調になってるぞ。」

ストリウス「おっと、失礼しました。教科書に載っている、Rock scissors paperで勝負です。」

ズオス「グーチョキパーの、あれか?」

ストリウス「ええ。グーとチョキとパーで組み合わせて、一番良い物を作れたら勝ちです。」

レジエル「Awesome! 」

ズオス「I like it!」

 

 すると、風景が、ワンダーワールドに変わり、歌が始まる。

 

「「「Rock, Scissors, Paper. Rock, Scissors, Paper. What shall we make? What shall we make?」」」

ズオス「Let’s make a rock. Let’s make a rock. Bear, bear, bear. Bear, bear, bear. 」

ストリウス「フフッ。流石、生物を司るズオスらしい。」

ズオス「ヘヘッ!さあ、レジエル!見せてみろ!」

レジエル「Don’t run away.」

 

 次は、レジエルのターンだ。

 

「「「Rock, Scissors, Paper. Rock, Scissors, Paper. What shall we make? What shall we make?」」」

レジエル「Let’s make a scissors. Let’s make a scissors. メデューサ。メデューサ。」

ズオス「…………いや、無理あるだろ!これ!」

レジエル「俺は幻獣を司ってるんだ!」

ストリウス「Well, well. I’m next.」

 

 次は、ストリウスのターンだ。

 

「「「Rock, Scissors, Paper. Rock, Scissors, Paper. What shall we make? What shall we make?」」」

ストリウス「Let’s make paper. Let’s make paper. I wiil never let you go.」

ズオス「何だよ、それ!!」

レジエル「気持ち悪い………。」

ストリウス「すいません、つい、ロマンティックでちゃいました。これも物語を司る者の、性なのかもしれませんねぇ。」

ズオス「ダメだ、こんなんじゃ!もっと勝負をつけられるようにしてやる!One more time!」

 

 そうして、再びズオスのターン。

 

「「「Rock, Scissors, Paper. Rock, Scissors, Paper. What shall we make? What shall we make?」」」

ズオス「Let’s make a rock. Let’s make a rock.うらぁ!ダブルパーンチ!!」

 

 ズオスは、怪人態になり、ダブルパンチを炸裂する。

 レジエルも対抗して、怪人態になる。

 

レジエル「貴様………!Let’s make a scissors! Let’s make a scissors! メデューサ!ハハッ!メデューサビーム!」

ズオス「この野郎!ダブル!ダブル!ダブルパーンチ!」

レジエル「ダブルじゃねぇ………!ビーム!」

ズオス「ビームだろ、ただの!ビーム!ビーム!あっ…………!間違った!パンチ!」

レジエル「ダブルパーンチ!」

 

 ストリウスが仲裁に入る。

 

ストリウス「2人とも、落ち着いて下さい。」

ズオス「うるせぇな!お前のチョロっと出た髪が気になるんだよ!」

レジエル「お前、それは言わない予定じゃ……!本当は思ってないと思うんですけど、揺れるとダサいなって、二千年前からずっと気になってたみたいです。」

ストリウス「カッチーン………!ならば、私もこの状態でお相手しましょう!」

 

 そう言って、ストリウスも怪人態になる。

 

ストリウス「Let’s make paper! Let’s make paper! Love somebody!!!」

「「うわぁァァ!!」」

 

 ストリウスは、大量の薔薇をばら撒きながら爆発を起こし、レジエルとズオスを吹っ飛ばす。

 爆発が晴れると、悲惨だった。

 

ストリウス「フフフフフッ。つい、ロマンティック出ちゃいました。」

ズオス「Is this a cat? or a dog?」

レジエル「I don’t know.」

ストリウス「教科書通りの会話、強ち、人間の作った教科書も、悪くないですねぇ。」

「「じゃあ、もう辞めない?」」

ストリウス「そうしましょうか………。」

 

 そうして、メギド三幹部は、片づけを始めた。

 

ズオス「下らない事で3人で争うのはやめようぜ。」

ストリウス「そうですね。私たちの関係はまさに、Rock scissors paperの様な関係かもしれませんねぇ。」

レジエル「おお、なるほどな!an three brothersってことか。」

ストリウス「それを訳すなら、ジャンケン兄弟。」

ズオス「Oh! Ugly!」

 

 そうして、メギド三幹部は落ち着いた。

 しかし、それを見ていた、ベルディア、ハンス、シルビアは。

 

ベルディア「何をやってるんだ、アイツらは?」

ハンス「分からねぇ。だけど、これだけは言えるな。」

シルビア「あの3人って、意外と仲が良いかもしれないわね。」




今回はここまでです。
セイバーの究極大聖剣も、月光雷鳴剣黄雷を追加して、再販してほしいですよね。
闇黒剣月闇はいずれ出るんでしょうけど。
無銘剣虚無や、刃王剣十聖刃も出してほしいですね。

 次回予告

ソフィア「皆さん、助けて下さい!」
リナ「早くしないとソフィア様が!」
ダクネス「皆、気合を入れろ!」
カイト「そうしないと、ソフィア様は救えないぞ!」
カリン「ええ!じっちゃんの名にかけて!」
めぐみん「真実は、いつも一つです!」
「「ウェイ!!」」
ソフィア「ぎゃああああ!!」

 別冊 この聖なる刃に祝福を
 短編活動萬画集
 第3集 ソフィアを救え、電流ビリビリ脱出ゲーム〜前編〜。


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第3集 ソフィアを救え、電流ビリビリ脱出ゲーム〜前編〜。

今回は、リナ、ダクネス、めぐみん、カリン、カイト、ソフィアが登場します。
少し、このすばとの設定と矛盾が生じますが、ご了承下さい。


 これは、ある日のノーザンベース。

 リナ、カイト、カリン、ダクネス、めぐみんが集まっていた。

 

ソフィア「皆さん、困った事になりました。」

 

 そう言って、ソフィアが出ようとするが、本棚が途中で止まってしまう。

 

ダクネス「ん?止まった。」

リナ「ソフィア様、どうしたんですか?」

ソフィア「見ての通りです。本棚から出られなくなったんです。」

「「「「「ええっ!?」」」」」

カリン「一体どうして!?」

カイト「どうなってんだ!?」

ソフィア「実は………。」

めぐみん「引っ張り出しましょう!」

 

 めぐみんの声と共に、ダクネス、めぐみん、カリンの3人がソフィアの腕を引っ張る。

 

「「「うう〜ん!!!」」」

ソフィア「痛い!痛い!痛い!」

リナ「ちょっと、皆やめて!」

カイト「ソフィア様の腕が千切れる!!」

 

 リナとカイトの2人がめぐみん達を引き剥がし、事情を聞く事に。

 

ソフィア「実は、暇だったので、ノーザンベースのシステムを使って遊んでいたら、こんな事になってしまいました。」

リナ「何やってんですか。」

めぐみん「遊びとは?」

ソフィア「脱出ゲームです。」

カリン「脱出ゲーム!?」

ダクネス「確か、謎を解かないと出れないっていう、アレか。」

ソフィア「はい。皆さんを閉じ込めて遊ぼうとしたんです。」

カイト「何やってんですか。」

ソフィア「そしたら、失敗して、私が閉じ込められてしまったんです。」

ダクネス「自業自得だな。」

めぐみん「よし!引っ張り出しましょう!」

 

 そう言って、めぐみん、ダクネス、カリンは再びソフィアを引っ張る。

 

「「「うう〜ん!!!」」」

ソフィア「痛い!痛い!痛い!」

リナ「だから、やめてって!」

カイト「そういうのキャラじゃないから!」

 

 リナとカイトは、ソフィアの奇行に呆れながらも、めぐみん達を引き剥がす。

 

ソフィア「はぁ………。はぁ…………。だから、力づくでやったって、ダメなんです。」

めぐみん「そうなんですね。」

 

 すると、画面に何かが表示される。

 

ソフィア「どうやら、完全に脱出ゲームが始まってしまったみたいです。あなた達が謎を解かない限り、この本棚は開きません。」

ダクネス「それは、大変ですね。」

ソフィア「ええ。何とかするしかありません。」

カイト「そうだな。」

ソフィア「だから、何とかして下さい。」

ダクネス「………まさかとは思いますけど、私たちに謎解きをさせようとしてるんですか?」

ソフィア「そうです。」

「「「「「ええ〜〜っ!?」」」」」

 

 ソフィアの言葉に、嫌そうな声を出す5人。

 それに、ソフィアも声を出す。

 

ソフィア「ええ〜〜っ!じゃなくて、やって下さい!」

めぐみん「めんどくさいですよ。ソフィア様の自業自得なのに。」

カリン「なんだって、私たちが脱出ゲームをやらないといけないのよ。」

ソフィア「あら、スラッシュ。もしかして、自信ないんですか?」

カリン「えっ!?はぁ!?何!?刀鍛冶だから、謎解きぐらい出来るわよ!ハァッ!?意味分かんないわよ!」

 

 カリンが動揺しまくりの言葉を吐く中、リナとカイトがため息を吐きながら口を開く。

 

リナ「仕方ない、皆でやりましょう。」

ダクネス「だが…………。」

カイト「謎を解かない限り、ソフィア様は、あの本棚にずっと閉じ込められる。あんな残念なソフィア様、見てられない…………。」

ダクネス「それはそうだが、私たちが戦っている間に、アレで遊んでいるなんてな………。」

カリン「しかも、私たちを閉じ込めようとしたんでしょ?」

 

 ダクネスとカリンが尤もな事を言うと、ソフィアは泣き出す。

 

ソフィア「良いじゃないですか!ちょっとくらい遊んだって!私、ずっとここに居るんですよ!あなた達にこの気持ちが分かりますか!?外に出たら、寒いじゃないですか………!」

「「「「「………………。」」」」」

 

 ソフィアの言葉に、全員が黙る。

 すると、めぐみんが口を開く。

 

めぐみん「やってあげましょうか。なんか、不憫ですし。」

ソフィア「剣斬にそんな事言われるなんて………。」

カリン「仕方ないわね、やってあげるわよ。どうせ大した問題じゃないだろうし。」

リナ「よし、ソフィア様救出ゲーム、スタート!」

ソフィア「頑張って下さい!」

 

 その声と共に、リナ達は、画面の近くに寄る。

 

めぐみん「この謎って、ソフィア様が全部考えたんですか?」

ソフィア「いえ、私じゃありません。勝手に出してくれます。」

リナ「どうやったら、このノーザンベースを謎解き小屋に改造出来るんですか………?」

ソフィア「なんか、エイッてやって、エイッてやったら出来ました。」

カリン「雑じゃない?」

ダクネス「まあ、良いじゃないか。早速始めてみよう。」

 

 ダクネスが画面にタッチすると、謎解きの概要が説明される。

 

カリン「何何………?『3問の謎を解き、キーワードを導き出せ。尚、間違えると罰ゲームがある。』」

カイト「なお、間違えると罰ゲームがある!?」

ソフィア「罰ゲーム!?そんなのがあるんですか!?」

ダクネス「もしかして、知らなかったんですか?」

ソフィア「知りませんよ!罰ゲームなんて絶対に嫌です!」

カリン「まあ、任せて。私たち………いや、私が間違えるはずないもの。」

めぐみん「あっ!問題が出ましたよ!」

 

 そこに出たのは、丸に縦棒が入ったマークと、バツと三角だった。

 

めぐみん「何ですか、これは………?」

ソフィア「どんな問題ですか?」

リナ「記号の下に、何か丸とカタカナと数字が書いてあるわね。」

ソフィア「出来ますか!?」

カイト「うう〜む。さっぱり分からん。」

ソフィア「どんな記号なんですか!?」

ダクネス「丸みたいなのと、三角とバツが書いてあるな………。」

ソフィア「何を意味してるんですか!?」

ダクネス「分からないけど………。」

 

 その言葉を聞くと、ソフィアが叫ぶ。

 

ソフィア「早く答えて下さい!」

ダクネス「あの、ソフィア様。こっちは解いてる最中なんで、少し静かに………。」

ソフィア「こっちは不安なんですよ!人の気も知らないで!このドMライダー!バツイチで行き遅れライダー!」

ダクネス「なっ………!?いくらのソフィア様でも、聞き捨てならん!ぶっ殺してやる!」

 

 ダクネスが土豪剣激土を振り回しながらソフィアの元に向かおうとするが、リナとカイトが抑える。

 

リナ「まぁ、まぁ、落ち着いて。」

カイト「多分、1に入る文字が答えだと思うしな。」

カリン「大丈夫!そんな事は分かってるわ!」

めぐみん「分かりました!バツのバ………です!打ち込んでみましょう!」

 

 めぐみんがそう言って、バと打ち込む。

 すると、ソフィアに電撃が走る。

 

ソフィア「痛い!痛い!痛い!」

リナ「どうしました!?」

ソフィア「で、電撃が………!」

カイト「電撃!?という事は、それが罰ゲームで、間違える度に執行されるのか!?」

めぐみん「という事は、間違えられませんね!」

ダクネス「いや、めぐみんが間違えているだろう!」

めぐみん「分かりました!ペケのペ、です!」

 

 めぐみんがそう言って、ペと打ち込む。

 すると、再びソフィアに電撃が走る。

 

ソフィア「痛い!痛い!痛い!痛いってば!痛い!痛い!」

ダクネス「勝手に答えるな!」

ソフィア「だから、考えてからやって下さいって!この………緑色ライダー!」

めぐみん「アハハハハ!」

カイト「笑い事じゃねぇぞ!」

ソフィア「お願いですから、2度と間違えないで下さい………!」

めぐみん「分かりました。」

 

 カイトの突っ込みの後、リナがまとめる。

 

リナ「多分、イとタにヒントがあると思う。」

カリン「私も丁度そう思ってたのよ!ソフィア様!板よ!」

ソフィア「えっ!?板?板が何?」

カリン「そこにスケートボードがあるでしょ!」

ソフィア「あっ、はい。」

ダクネス「そんなのがあったのか。」

カリン「ええ!私が旅行のお土産で買ってきたのよ!」

ソフィア「暇な時、遊んでるんです。」

めぐみん「ソフィア様って、結構暇なんですね。」

ソフィア「どうすれば良いんですか?乗れば良いんですか?」

カリン「そうよ!乗ってみて!」

 

 ソフィアは、スケートボードに乗る。

 

ソフィア「イェ〜イ!フッフ〜!イヤッホオウ!あっ………!」

カリン「どう!?答えが分かったでしょ!?」

ソフィア「特に、何も。」

 

 その言葉に、リナ、ダクネス、めぐみん、カイトは、呆然とする。

 カリンは、腕を震わせながら叫ぶ。

 

カリン「そんな筈は無いわ!滑り方が悪いのよ!姿勢がなってないのよ!もっと腰を入れて………!」

カイト「絶対、違うと思う。」

カリン「何!?」

ダクネス「確かに、この数字とか、記号の意味がなくなるしな。」

カリン「何を言うのよ!あれは、神聖なスケボーなのよ!多くの歴史が誇るギリシャで買ってきたギリシャ産のスケボーなのよ!」

ダクネス「そんな訳がないだろ!大体、神聖なスケボーとは何だ!」

ソフィア「スケボーは、意味が無いんですか……!?では、なぜ私はあんな事を………!?スケボーに乗せられて、どんどんキャラが崩れていく………!」

 

 ソフィアは、劇画調になりながら泣いていた。

 

ダクネス「…………そんな、劇的になる事でも無いだろうに。」

めぐみん「ソフィア様、ご愁傷様です。」

 

 すると、何かを考え込んでいたリナが目を開ける。

 

リナ「ギリシャ………?いや、関係なくも無いかもしれない。分かった!」

「「「「えっ!?」」」」

リナ「これは、ただの記号じゃなくて、ギリシャ文字よ!この丸はファイで、三角はデルタ、バツは、カイ!つまり、答えはカ、よ!」

めぐみん「そういう事ですか!」

ソフィア「凄い!流石、エスパーダ!」

カリン「私のおかげよ!私のおかげで分かったのよ!やっぱり、スケボーだったのよ!」

カイト「分かったから、落ち着け。」

ダクネス「よし、打ち込んでみよう!」

 

 ダクネスがカ、と打ち込むと、正解の文字が出る。

 

ダクネス「よし!」

めぐみん「一門目、正解しましたよ!」

ソフィア「イヤッホーイ!流石、エスパーダ!いよっ!エスパーダ!フッフー!」

カイト「流石に、こんなにテンションが上がってると、少し引くな。」

リナ「お願いですから、ソフィア様、取り乱さないで下さい。」

めぐみん「あっ!2問目が来ましたよ!」

 

 そこに書いてあったのは、計算問題で、25+15=3、26+21=?と書いてある。

 

ダクネス「何だこれは?」

ソフィア「どんな問題ですか?」

めぐみん「計算問題みたいですね。25+13=3、26+21=?と書いてあります。」

カイト「25+13=3?どういう事だ?」

カリン「なるほど、大した問題じゃないわね!答えは!」

めぐみん「あっ!分かりました!」

ソフィア「剣斬、本当に分かってるのですか!?」

めぐみん「はい!」

カイト「ちょっと待て!勝手に答えるな!」

めぐみん「これです!」

 

 めぐみんがそう言って、47と打ち込む。

 すると、ソフィアに電撃が走る。

 

ソフィア「痛い!痛い!痛い!ちょっと!痛いってば!」

めぐみん「はぁっ!?普通、足したら47じゃないんですか!?」

ダクネス「そんな訳があるか!」

カイト「もっと捻った問題に決まってるぞ!」

リナ「ソフィア様、大丈夫ですか!?」

ソフィア「剣斬………!お願いですから、皆さんと相談して下さい………!」

めぐみん「分かりました。」

 

 めぐみんが頷く中、カリンが青褪めていた。

 

カリン「危なかったわ……。まさか、捻りが効いた問題だったなんて………!」

カイト「カリン?どうしたんだ?」

カリン「いや、何でも無いわ。」

リナ「よし、改めて考えるわよ!絶対にソフィア様をあの本棚から救出するわよ!」

ダクネス「ああ!」

カイト「おう!」

カリン「ええ!」

めぐみん「はい!」

ソフィア「よろしくお願いします………。」

 

 後編へ続く。

 




今回はここまでです。
リナが、久しぶりの大活躍!
この小説の深罪の三重奏の設定は、少し変えます。
倫太郎に接触した篠崎真二郎に相当するキャラは、カズマの関係者か、肉親のどちらかを考えています。
賢人が接触した立花結菜に相当するキャラは、リナの親戚にする予定です。
飛羽真が接触した間宮と陸に相当するキャラに関しては、そこまで変更する予定は現状、考えていません。
深罪の三重奏に関するリクエストは、『この聖なる刃に祝福を』のリクエストを受け付けている活動報告にて承っています。

 次回予告

ソフィア「あなた達がふざけてるから、後編にまで続いちゃったじゃないですか!」
カリン「私に任せておきなさい!後編はすぐに終わる!答えは!」
ダクネス「待て待て待てーい!」
リナ「あの、ソフィア様。電流のおかげで、肌艶が良くなっていますよ。アハハ………。」
めぐみん「そうですね。可愛いですよ!」
カイト「確かに!」
ソフィア「カッチーン!こうなったら………!変身!!」

 別冊 この聖なる刃に祝福を
 短編活動萬画集
 第4集 ソフィアを救え、電流ビリビリ脱出ゲーム〜後編〜。


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第4集 ソフィアを救え、電流ビリビリ脱出ゲーム〜後編〜。

今回は、前回の続きです。



ソフィア「皆さん、ボンヌ・レクチュール。私はソフィア。今、私は大変困った事になっています。何故って?暇だった私はノーザンベースを改造して、皆さんを閉じ込めて脱出ゲームで遊ぼうとして失敗して、閉じ込められてさあ、大変。皆さんが私を助けようと、謎解きをしてくれる事になりました。早くこの本棚から私を出して下さい!help!help me!」

 

 以上、ソフィアによる、前回のあらすじ紹介でした。

 

リナ「25+15=3、26+21=?。?が表す文字は何?ああ、もうこれ以上、ソフィア様に電撃は食らわせられない………!」

カイト「絶対に、間違えられない問題が、ここにはあるんです!絶対に、絶対にだ!むむっ!」

ソフィア「お願いします………。」

めぐみん「ええ、分かっていますとも!」

ソフィア「本当に分かっているんですか!?あなたですよ!私に3度も電撃を食らわせたのは!」

めぐみん「ですよね、アハハ………。」

ソフィア「…………不安。」

 

 めぐみんの笑い声に、ソフィアは不安な表情を浮かべる。

 

ダクネス「何にせよ、どうして、25と15を足して3になるのか。それが分からないとな………。」

カリン「そうね………。足したら40、かけたら375。かけて出た最初の数字……ということは、26と21をかけて、546という事は、5じゃないかしら?」

めぐみん「凄いです!そんなすぐに答えが出せるとは!」

ダクネス「何か、複雑すぎじゃないか?」

リナ「私もそう思うわ。」

カイト「俺も。」

カリン「分からないからって、妬まない。合ってるか間違ってるかは、打ち込んでみればすぐに分かるわ!」

 

 そう言って、カリンは画面に近寄る。

 すると、ソフィアが叫ぶ。

 

ソフィア「ちょっと待って下さい!答える気ですか!?」

カリン「勿論!」

ソフィア「絶対に合ってるんですよね!?大丈夫なんですよね!?」

カリン「勿論!!」

ソフィア「何か、不安なんですけど………!」

リナ「カリン、やめておいた方が良いわよ。」

カイト「やめておけ。」

カリン「大丈夫よ!なんたって、私なのよ!全ての謎は、私に解かれる為にある!キラン。見ていて!うおおお!!!」

 

 カリンは、自信満々に打ち込む。

 

ソフィア「みぎゃあああ!!」

「「「「……………。」」」」

カリン「……………。」

 

 ソフィアに電流が流れて、リナ達は、カリンにジト目を向ける。

 カリンは、気まずそうに外を見ながら、汗を拭う。

 

ソフィア「はぁ………はぁ…………。だから、言ったじゃないですか。」

カリン「……………ごめんなさい、ソフィア様。」

リナ「皆!このままじゃ、ソフィア様が面白お姉さんになっちゃうわ!」

カイト「冷静に、もう一度問題を見よう!」

ダクネス「………そうだな。あんなソフィア様、見てられないしな。」

カリン「とにかく!数字が入るのは間違いないのよ!」

 

 すると、ダクネスが何かに気付いたのか、口を開く。

 

ダクネス「ちょっと待て。ここ、数字じゃなくて、文字って書いてある。という事は、文字が入るんじゃないか?」

リナ「あっ!本当だ!」

カイト「1問目は「カ」だった。という事は、2問目も文字じゃないか?」

ソフィア「良いわよ、エスパーダ、カリバー!」

カリン「そうなのよ!私も最初からずっと気になってたのよ!」

リナ「という事は、この問題も文字じゃないのかしら。」

めぐみん「きっとそうです!」

ソフィア「その調子よ!エスパーダ、カリバー!」

カリン「うるさい!外野は黙ってて!」

ソフィア「ヨッ!エスパーダ!カリバー!」

カリン「うるさい!!」

ソフィア「ヨッ!ヨッ!」

 

 カリンが激昂する中、ソフィアはリナとカイトを煽てる。

 すると、2人が何かに気付いた。

 

リナ「ヨ?………そうか、ヨよ!」

カイト「これは、数字の3じゃなくて、ヨの事だったんだ!」

ダクネス「なるほどな!………だが、どうしてヨになるんだ?」

リナ「あっ………分かったかも。」

カイト「俺も。」

カリン「はい!ちょっと待った!私が答える!!ええっと………。」

 

 カリンが言い淀む中、リナとカイトは説明を始める。

 

リナ「そうか!これは、アルファベットの順番よ!母音と子音で別れているから、25はY、15はO。だから、ヨになるのよ!」

ダクネス「なるほどな………!」

カリン「なるほど?なるほど?うん?」

カイト「という事は、26番目のアルファベットは………。」

カリン「T!Tよ!」

リナ「Zよ!」

カリン「そうだ、Zよ!21番目は………!」

めぐみん「Uですよ!」

カリン「ちょっと!私に答えさせて!」

カイト「子音がZで母音がU。という事は!」

カリン「ズ!ズよ!」

ダクネス「そうだな。」

カリン「見ましたか、ソフィア様!ちゃんと答えましたよ!」

ソフィア「殆どエスパーダとカリバーが解いてるじゃない!」

カリン「くっ!」

 

 ソフィアの突っ込みにたじろぐカリン。

 

リナ「答えはズよ!」

カリン「私が打ち込むわ!」

 

 カリンがズと打ち込むと、正解と出る。

 

カリン「いやったァァァ!!」

ソフィア「ありがとうございます!エスパーダ!カリバー!剣斬!バスター!」

カリン「私は!?私も答えてるわよ!!」

めぐみん「あっ!最後の問題が出ましたよ!」

ソフィア「頑張って下さい!早くここから出して下さい!」

 

 カリンが突っ込む中、最終問題が出る。

 そこには、動物とかモンスターの着ぐるみを着たリナ達が映っていた。

 

カリン「今度は何!?」

ソフィア「どんな問題ですか!?」

リナ「私たちが、動物とかモンスターの着ぐるみを着ていて、カタカナを持っています。私は、一撃必殺うさぎとク。」

ダクネス「私は、黄金竜とカだな。」

カイト「俺は、ツバメとニ。」

カリン「私は、ランニングジョーズとキ!」

めぐみん「私は、岩石ゴーレムとケです。」

ダクネス「待て!何か続きがあるぞ。」

カイト「一番おもしろいのは誰?………どういう事だ?この中で、面白いやつのカタカナを打ち込めって事か?」

 

 首を傾げるカイト。

 そんな中、めぐみんが動く。

 

めぐみん「フッ。一番面白いのは、この私に決まってます!」

ダクネス「待て待て待て!待て!」

リナ「待って!めぐみんが打ち込んだら、ソフィア様がまた面白お姉さんに!」

カイト「勝手に動くな!」

めぐみん「何故ですか!?紅魔族随一のこの私が一番面白いですよ!」

カリン「私に決まってるでしょ?」

カイト「あっ!カリン!やめろ!!」

 

 めぐみんを静止させる事に成功したが、カリンが打ち込んでしまう。

 すると、ソフィアに電流が流れる。

 

ソフィア「みぎゃあああ!!」

カリン「えっ!?私じゃないの!?」

ソフィア「スラーーッシュ!!アンタちょっと良い加減にしなさいよ!このテンションイカれライダー!!!」

カリン「ごめんなさい………。」

 

 カリンは、正座されて、反省中の看板をぶら下げられる。

 

カイト「ソフィア様があんなに怒るなんてな。」

めぐみん「電撃、辛そうですしね。」

ダクネス「しかし、一番面白いのは誰?どういう意味だ?」

めぐみん「もしかして、モノマネかもしれません!それぞれのモンスターや動物の!一番面白かった人の文字を入れるんじゃないんですか!?」

リナ「そんな問題ある?」

カイト「まあ、何もしないよりはマシだろ。」

ダクネス「なら、誰が一番面白いか!」

カリン「そういう事なら、私に任せて!色んなモンスターや動物を見た事があるこの私に!」

リナ「はぁぁ…………。」

 

 リナはため息を吐く。

 そうして、モノマネ大会が始まる。

 カリンの場合。

 

カリン「シャーッ!!」

リナ「………誰もが知る、ランニングジョーズよね。」

 

 カイトの場合。

 

カイト「チュン!チュン!チュン!」

リナ「………世間一般的なツバメね。」

 

 ダクネスの場合。

 

ダクネス「ご、こわぁぁぁ。」

カリン「全然迫力がない!ダメ!」

ダクネス「クッ………!この様な辱めは、私のタイプじゃない………!くっ殺!!」

 

 めぐみんの場合。

 

めぐみん「グワァァァァ!!」

ダクネス「リアルな岩石ゴーレムだな。」

 

 リナの場合。

 

リナ「ピョン!ピョンピョン!ピョン!ピョン!ピョンピョンピョン!」

「「「「…………。」」」」

リナ「………ちょっと、何か言ってよ!!」

 

 こうして、モノマネ大会は終わった。

 

カリン「どうよ!私が一番面白いでしょ!?」

カイト「ソフィア様、誰が一番面白かったですか?」

 

 カイトはそう聞くが、ソフィアは、スケートボードで遊んでいた。

 

ソフィア「イェ〜イ!フッフ〜!イヤッホオウ!………って、あ。見てませんでした。」

カリン「ちょっと!」

めぐみん「私、思ったんですが。」

カイト「何だ?」

めぐみん「モノマネ、関係ないと思います。」

ダクネス「めぐみん!?モノマネだって言ったのは、めぐみんだろ!?」

めぐみん「もっと、岩石ゴーレムに近づければ良かったのですかね。ていうか、何で私だけ、尻尾がないんですか。」

 

 めぐみんのボヤキを聞いたリナは、何かを思いついた様だ。

 

リナ「そうか!それよ!」

めぐみん「何がですか!?」

リナ「おもしろいっていうのは、尾も白いって事じゃない!?」

カイト「そういう引っ掛けかよ!」

ダクネス「なら、尻尾が白いモンスターが答えか!」

リナ「ええっと………。」

カリン「一撃必殺うさぎよ!」

カイト「そうか!一撃必殺うさぎって、尻尾白いもんな!」

めぐみん「という事は、クが答えです!」

ダクネス「よし!打ち込もう!」

 

 ダクネスが答えを打ち込むと、正解の文字が出る。

 

ダクネス「よし!これで全問正解です!ソフィア様!」

ソフィア「ありがとうございます!」

カイト「カ、ズ、クが答えです。」

リナ「カリンも最後は大活躍でしたよ!」

ソフィア「そうですか!………ですが、私は今日、スラッシュの事を信用できません。」

カリン「そんな!間違えたの、私だけじゃないでしょ!?」

ソフィア「ていうか、本棚がまだ開かないんですけど。」

 

 すると、画面に、「カズク」かな?という表記が出る。

 

リナ「まさか、まだ終わってない?」

ダクネス「このキーワードを使って、何かをするんじゃないか?カズクかな?」

カリン「ソフィア様!今度こそ、私の力で解いてみせるわ!」

ソフィア「大丈夫ですよ、信用してませんから。」

カリン「ちっくしょぉぉぉ!絶対に答えてやるわ!!」

 

 カリンが叫ぶ中、剣士達は考える。

 

ダクネス「『カズクかな?』って、答えが合ってるのか聞いてるみたいだな。」

リナ「かなって、なんか馴れ馴れしい気がするわね。」

カリン「もしかして、かなって、カタカナの事じゃない?」

「「「「え?」」」」

カリン「カズクは、カタカナかなって聞いてるんじゃないかしら?」

カイト「カリン、冴えてるな。」

カリン「ええ!何かいける気がするわ!ええっと、カズクはカタカナかなって聞かれてるんだから、答えは、はい!よ!」

ソフィア「違うと思います。」

 

 その一言で、カリンは黙る。

 

カリン「え?」

ソフィア「私は今日、スラッシュの事を信用しませんから。あなたの発言は疑って聞こうと思います。お疲れ様でした。」

カリン「そんな!ちょっと待って!」

ソフィア「そんな風に疑って聞いてたら、分かりましたよ!」

「「「「「ええっ!?」」」」」

ソフィア「カタカナじゃないんですよ!」

めぐみん「どういう事ですか!?」

ソフィア「正確には、カが、カタカナじゃないんですよ!それは、漢字なんです!」

リナ「漢字?」

ソフィア「それは、力になるんです!」

カリン「という事は!」

ソフィア「つまり、答えは力ずくです!」

「「「「「うおおおお!!!」」」」」

 

 ソフィアが自力で答えた。

 ちなみに、全員に過ぎった思いは、「漢字って何?」という物だった。

 

めぐみん「凄いです、ソフィア様!」

ソフィア「ええ!スラッシュを信用してなくて良かった!」

カリン「ハハハハハ………素直に喜んで良いのかしら?」

カイト「まあまあ。」

リナ「いいじゃない。」

ダクネス「という事は、力ずくでアソコを開ければ良いんだな!」

カイト「………ていうか、結局力ずくかよ!」

 

 そうして、力ずくで、ソフィア様を引っ張る剣士達。

 

「「「「「うう〜ん!!!」」」」」

ソフィア「痛い!痛い!痛い!ねぇ、これは前半でやったでしょ!痛い!こっちじゃない!本棚の方です!」

カイト「あっ、そっちか。」

 

 そうして、本棚に配置する。

 

「「「「うおおおお!!!」」」」」

リナ「行くわよ!」

めぐみん「待ってて下さい、ソフィア様!」

ダクネス「はぁぁぁ!!」

カイト「開けるぞ!!」

ソフィア「皆さん、頑張って下さい!」

カリン「任せて!」

 

 余談だが、この時の全員の顔は、劇画調になっていた。

 そして、遂に本棚が開いた。

 

ソフィア「開いた!開きました!!」

カリン「ソフィア様!!」

めぐみん「ソフィア様!!」

ダクネス「ソフィア様!!」

リナ「ソフィア様!!」

カイト「ソフィア様!!」

ソフィア「皆さーん!!」

「「「「「ええ〜〜っ!?」」」」」

 

 ソフィアが外に出て、入れ違いに、本棚の中に剣士達が入ってしまう。

 

ソフィア「これでやっと、私のやりたかった脱出ゲームが出来ます!皆さんを、私の謎解きで救ってみせます!」

ダクネス「そんな………。」

めぐみん「ソフィア様って、謎解きが得意なんですかね?」

リナ「信用していいの?」

カリン「うう〜ん。分かんない。」

ソフィア「大丈夫。任せて下さい!ふふっ!」

カイト「…………何か、不安。」

 

 そうして、扉は閉じられた。

 その後、ソフィアは憂さ晴らしと言わんがばかりに、剣士達に電撃を浴びせていた。

 その際、ダクネスが顔を赤く染めていたが。

 その後、零士達が合流して、何とかリナ達は救出された。

 




今回はここまでです。
相変わらずの性癖を発揮するダクネス。
バスターになって、性癖は鳴りを潜めていましたが、本質は変わらなかった。

 次回予告

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール!」
ユーリ「ちょっと待て。」
タッセル「えっ?何?ユーリ。これから予告なんだけど。」
ユーリ「予告なら、俺に任せろ。」
タッセル「ほ、本当………?じゃあ、任せようかな。」
ユーリ「とはいえ、そういう気分じゃないな。」
タッセル「じゃ、じゃあ、僕が。」
ユーリ「さ〜て、次の短編は。」
タッセル「………お任せします。」
ユーリ「………見れば分かる。」
タッセル「そ、そうだね………。」

 別冊 この聖なる刃に祝福を
 短編活動萬画集
 第5集 ル・グラン、シューペルマルシェ。


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第5集 ル・グラン、シューペルマルシェ。

今回は、ユーリとタッセルの話です。


 ある日のワンダーワールドの、とある家では。

 

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール。僕はタッセル。ユーリが復活してしばらく経った今日この頃、ユーリはちゃんと馴染めているのかなぁ?さあ、最近のユーリに注目してみよう!」

ユーリ「呼んだか?」

 

 タッセルが、ナレーション風に話していると、中にユーリが入ってくる。

 

タッセル「あっ、いきなり来た。うん、呼んだ………ような物………かな。」

ユーリ「何だ?一緒に踊りたいのか?」

タッセル「いや、一言も言ってないけど?」

ユーリ「今日は天気が良いなぁ!」

 

 タッセルが呆然とする中、ユーリはタッセルとは反対側の方に行く。

 

タッセル「ユーリ、この世界には慣れたかい?」

ユーリ「まあ、そうだな。今は、零士やカズマ達の協力もあって、知識を身につけている。」

タッセル「そっか!あの2人って、妙な所で知識があるからね!」

ユーリ「とある場所にハマっていてな。そこは知識の宝庫だ。」

タッセル「ほう………!そこで知識を得ているんだね。それは、どこなんだい?」

ユーリ「大きめのスーパーだ。」

タッセル「大きめのスーパー………?」

ユーリ「ああ、大きめのスーパーにハマっている。」

タッセル「…………。」

 

 ユーリの発言に、タッセルは戸惑う。

 ちなみに、大きめのスーパーとは、スーパーの店長を勤めた事がある転生者が作った物だ。

 正式名称は、カ●ミで、零士曰く、『まんまじゃねぇか!』らしい。

 

タッセル「良いよね………。色々あるし、便利だし。」

ユーリ「お前の格好はそれで良いのか?」

タッセル「え?格好?」

 

 ユーリの指摘に、タッセルは服を摘みながら首を傾げる。

 

ユーリ「色々文化を知った上で思ったんだが、お前の格好、変じゃないか?」

タッセル「うう〜ん。おかしいかどうかを判断するのは、個人のセンスだから。」

ユーリ「まあ、ワンダーワールドの住人だと思えば、許せるな。」

タッセル「そうでしょ!?そう言ってくれると思ってた!」

ユーリ「よし、衣装を変えよう!」

タッセル「え?」

ユーリ「試しに。俺の力で変えてみせよう。」

タッセル「………じゃ、じゃあ、お願いしちゃおうかな?」

ユーリ「じゃあ、変えてみよう。光あれ!」

 

 そうして、タッセルの衣装変えが始まる。

 ユーリの光あれによって、タッセルの衣装が変わる。

 その姿は、南国の女性の衣装だった。

 

ユーリ「……………どう?」

タッセル「うう〜ん。南国女子じゃない。」

ユーリ「よく似合ってるよ。」

タッセル「そうかなぁ………?」

ユーリ「これで、いつものをやってみろ。冒頭の奴、得意だろ?」

タッセル「ま、まあ、得意だけど………。」

ユーリ「じゃあ、やってみろ。」

タッセル「うん、分かった。やってみる。」

 

 そして、ナレーションが始まる。

 タッセルは、ビーチにおいてある椅子に座っていた。

 

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール。僕はタッセル。ああ〜、良い日差し!折角だから体をこんがり焼けようと思って、日焼けクリームを塗ったら、ヌルヌルになっちゃって、大失敗!さあ、最近のユーリに注目してみよう!」

 

 しばらくの沈黙。

 ユーリが口を開く。

 

ユーリ「…………どう?」

タッセル「良いかも。」

ユーリ「だろ?しっくり来るもんな。」

タッセル「これからは、これで行ってみようと思うよ。」

ユーリ「ダメだ。他のも試すべきだ。」

タッセル「…………やっぱり、そうかな?」

ユーリ「ああ。俺に任せろ。一番似合うのにしてやる。」

タッセル「最初からそうしてよ。」

ユーリ「光あれ!」

 

 ユーリの声と共に、タッセルの服装が変わる。

 その姿は、シャツの上にセーターを着て、ズボンを着用した姿だった。

 

ユーリ「…………どう?」

タッセル「日曜のお父さんじゃない。」

ユーリ「どうだ?」

タッセル「うう〜ん。清潔感はあるかもね。」

ユーリ「だろ?これでちょっとやってみ?」

 

 そして、ナレーションが始まる。

 タッセルは、ソファに座っていた。

 

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール。僕はタッセル。今日は休みだから、少しのんびりと過ごそうかな。よし、折角だから、釜で何か作ろうかな。おっと、その前に庭の芝刈りもしないと!いけない、いけない!さあ、最近のユーリに注目してみよう!」

 

 しばらくの沈黙。

 タッセルが口を開く。

 ユーリは、いつの間にか椅子に座っていた。

 

タッセル「………終わったんだけど?」

ユーリ「内容が変わったな。」

タッセル「………うん、さっきの服もあったし、この服をモチーフにして………。」

ユーリ「服によって変えるのか?」

タッセル「うん、そういうお約束で行こうかなって。」

ユーリ「………で、どう?」

タッセル「う〜ん………。これも良いんだけど、首から上が浮くなぁって思うんだけど。」

ユーリ「ああ………。じゃあ、首から上に合わせようか?」

タッセル「良い?」

ユーリ「ああ。光あれ!」

 

 ユーリの声と共に、タッセルの服装が変わる。

 その服装は、まごう事なきサッカーのサポーターのそれだった。

 

タッセル「………これ、首から上に合わせたの?」

ユーリ「そうだね。」

タッセル「何か、大きい大会の期間中の飲み屋の変な親父じゃない。」

ユーリ「良いだろ、格好いいよ。

タッセル「格好いいのかなぁ………?」

ユーリ「ああ、カッコいいよ。ちょっとやってみ?その格好でやるとどうなるのか。」

タッセル「そ、そうだね………。」

 

 3度目のナレーションが始まった。

 ちなみに、ユーリが見ていた雑誌の一つに掲載されていた服装になっている。

 

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール。僕はタッセル。この間、この格好で外を歩いていたら、スースーしちゃったよ!通りすがりの子供達から、『おじさん、変な人だね!』って言われちゃった!笑っちゃうよねぇ!さあ、最近のユーリに注目してみよう!」

 

 三度の沈黙。

 ユーリが不満顔で口を開く。

 

ユーリ「………俺の話をしろよ。」

タッセル「………そうだよね、やっぱりその方がいいよね。」

ユーリ「衣装は、今までで一番良いな。」

タッセル「あっ、本当?」

ユーリ「それで行けよ、これから。」

タッセル「そ、そうだね。これから、これで行こうかな?」

ユーリ「俺もやってみるよ。」

タッセル「…………え?」

 

 ユーリの発言に、戸惑うタッセル。

 ユーリは口を開く。

 

ユーリ「冒頭の奴。」

タッセル「あ、やってみたいの?」

ユーリ「ああ、自分で俺の話をするよ。そこからオープニングテーマが始まれば良いんだろ?」

タッセル「まあ、そうだね。」

ユーリ「だったら出来るな。よし、参加しよう。2人でやろう。」

タッセル「えっ、2人でやるんだ。」

ユーリ「…………嫌なのか?」

タッセル「いや、嫌じゃないよ!よし、やってみよう!」

 

 そうして、2人のナレーションが始まる。

 

タッセル「皆さん、ボンヌ・レクチュール。僕はタッセル。」

ユーリ「こんにちは、俺はユーリ。最近、大きめのスーパーに行くのにハマってます。大きめのスーパーって、迷路みたいで、何か楽しいんだよな。」

タッセル「分かる、分かる。」

ユーリ「この間、迷っちゃったもん。」

タッセル「…………分かる、分かる。あるよね。」

ユーリ「………うん。」

 

 そうして、オープニングテーマが流れる。

 だが、タッセルが強制的に止める。

 

タッセル「待って、待って!何か、これじゃダメな気がする!」

ユーリ「………やっぱり、笑顔が必要か。」

タッセル「それはそうなんだけど、もっとオープニングに繋がる煽りが必要だと思う!これだと、2人のおじさんが喋ってるだけだから!」

ユーリ「うう〜ん。専門的な事は分からないな。」

タッセル「うう〜ん………。何か、勿体つけたり、振り返ったり。」

ユーリ「お前がそこまで言うのなら、やってみるよ。」

タッセル「ああ……ありがとう。」

 

 そうして、ナレーションが再び始まる。

 ユーリは、サングラスをしながら語っていく。

 

ユーリ「正しそうに見えるが、間違っている推論は、パラドックスを生みます。皆さんの身近な所にも実はパラドックスが生まれ、皆さんを不思議な世界へ誘っています。私も、吸い込まれるように大きめのスーパーに入り、2時間くらい迷ってしまいました。パラドックスは皆さんのすぐそばに、そして、大きめのスーパーはあなたのすぐそばに………あるのです。」

 

 再び、オープニングテーマが流れる。

 だが、またもやタッセルが強制的に止める。

 

タッセル「待って、待って!まだいけない!オープニング感は出たけど、何か違う!何か、内容が今ひとつピンと来なかった!結局、笑顔もないから。」

ユーリ「…………そうかぁ………。じゃあ、少し雰囲気を変えてみる?」

タッセル「お願い。」

 

 ユーリによる3度目のナレーションが始まる。

 

ユーリ「物語というのは、人々が交差し合い、様々な人間関係が展開されていく物です。そして、それが予期せぬ出来事を生む。まあ、これを所謂群像劇と言いますが、予期せぬ出来事といえば、私も意外な所で迷ってしまったんです。どこだったんでしょうか?そう、大きめのスーパーです。」

 

 3度目のオープニングが流れ出す。

 だが、1度目2度目よりも早く、タッセルが強制的に止める。

 

タッセル「待って待って、待って!あんまり変わってないかも。」

ユーリ「ダメかなぁ?」

タッセル「そうかも。」

ユーリ「そうかぁ………。」

タッセル「うう〜ん。」

 

 2人は、沈黙する。

 4度目のオープニングテーマが流れるが、タッセルはすぐに止める。

 

タッセル「え!?何で!?何で今入ったの!?」

ユーリ「今かなあって思って。」

タッセル「ええっ?今、だったのかなぁ……?」

ユーリ「もっと………アレかな?ニュアンスの問題かな?」

タッセル「ニュアンス?」

ユーリ「大きめのスーパーの。」

タッセル「あっ、そっち?うう〜ん………そう、かもね。」

ユーリ「フランス語で、大きめのスーパーって、なんて言うの?」

タッセル「えっ?フランス語で?うう〜ん。Un grand supermarché.」

 

 タッセルがそう言うと、5度目のオープニングが始まる。

 タッセルはすぐに止める。

 

タッセル「違う!違う!違う!今でもいけない!だんだん意味が分からなくなってきてるから!」

ユーリ「じゃあ、この翻訳機に、さっきのフランス語を言ってみて。」

タッセル「どっから持ってきたの、それ?」

ユーリ「カズマと零士に作ってもらった。」

 

 タッセルは、翻訳機を作った零士とカズマに呆れつつ、フランス語を言う。

 

タッセル「Un grand supermarché.」

翻訳機『大きめのスーパー。』

 

 6度目のオープニングが流れ出す。

 だが、またもやタッセルがすぐに止める。

 

タッセル「ダメ!ダメ!ダメ!オープニングで遊んでるみたいになるから!大きめのスーパーの話ばっかしてるし!」

ユーリ「そうだな。ていうかタッセル。大きめのスーパーの話はしない方が良いんじゃないか?」

タッセル「うう〜ん。やっぱり、そうかな?」

ユーリ「だって、関係無いんだし。」

タッセル「うん、賛成。」

ユーリ「後、服も最初の方が一番良いよ。」

タッセル「やっぱり、そうかなぁ………?」

ユーリ「うん。何でその格好をしてるんだ?いつまで浮かれているんだ?首から上が合ってないし。」

タッセル「ええっ、やっぱり、合ってないよね?」

ユーリ「元に戻してやる。光あれ!」

 

 ユーリの光あれと共に、タッセルの服装が、最初の奴に戻った。

 

ユーリ「やっぱり、これだろう?最高だろう?」

タッセル「う、うん、最高。」

ユーリ「じゃあ、また来るよ。オープニング、頑張れよ。」

 

 ユーリはそう言い残して、タッセルの家から立ち去っていく。

 

タッセル「僕が迷った気分………あの場所に。そう、Un grand supermarché.」

翻訳機『大きめのスーパー。』

 

 タッセルの家のテーブルに残された翻訳機だけが、そう答える。




今回はここまでです。
短編活動萬画集も、次回で終わりです。
キャラ紹介のところに、イメージCVを載せておきます。

 次回予告

リア「さあ、いよいよ、さいしゅっ!さいしゅうちゅうだ!よし!」
エーリカ「最終集よ、リア。」
シエロ「大丈夫ですか?」
リア「ちょっと噛んだだけだよ。」
アイリス「これまでの短編にも、ハプニングがたくさんあったみたいですよ。」
ミツルギ「という事で。」

 別冊 この聖なる刃に祝福を
 短編活動萬画集
 最終集 2022年、全部見せます!NG大賞。


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最終集 2022年、全部見せます!NG大賞。

今回で、短編活動萬画集は終わりです。


 ベルゼルグ王国のアイリスの部屋に、リア、シエロ、エーリカ、アイリス、ミツルギの5人がいた。

 これからタイトルコールが始まる。

 

エーリカ「皆、こんにちは!」

シエロ「せえの!」

「「「「「《この聖なる刃に祝福を 短編活動萬画集 NG大賞》!!」」」」」

リア「最終回である今回は、NG大賞を決めていくよ!」

ミツルギ「という事で、早速見ていこう!」

アイリス「はい!これから見せるのは、これまでの短編での未公開シーンを見ていきます!」

 

 そうして、NG大賞を決める為に、未公開シーンを見ていく事に。

 

シエロ「まずは第1集からです!」

エーリカ「第1集では、私たちアクセルハーツが見ていくわ!」

リア「それじゃあ、スタート!」

 

 そうして、第1集の未公開シーンが始まる。

 

シエロ「まずは、OKシーンからです。」

 

 アクアの解説の動画が流れる。

 

アクア「私を誰だと思ってるのよ。太古の昔から、神々に捧げる舞の事よ!つまり、アンタ達も、私に踊りを捧げなさい!」

 

 それを見たエーリカは。

 

エーリカ「アクアってば、自分の事を神だって思ってるのかしら?」

リア「そうかもね………。(本当に神様なんだけどなぁ………。)」

シエロ「まあまあ、NGシーンです。」

 

 アクアの解説のNGシーンが流れる。

 

アクア「私を誰だと思ってるのよ。太古の昔から、かむ………太古の昔から、かむがみ、かむがむ………。」

零士「いや、神々を噛みすぎ!」

 

 アクアが噛みまくり、零士が突っ込む。

 そして、23回目の挑戦。

 

アクア「太古の昔からかむがも、かるがも。」

カズマ「ちょっと待て!噛みすぎだろ。もう何が言いたいのか分からないし!」

零士「もう23回目だよ!?」

アクア「待ちなさい!ここで引き下がるなんて、女神としてのプライドが許さないわ!もう一回よ!」

 

リア「ちなみに、アクアは、結局37回目で成功したみたいだ。」

シエロ「噛みすぎでは………?」

エーリカ「次は、またもやアクアのおとぼけシーンからよ!」

 

 そして、場面は変わり、アクアが脚立を置こうとした時の映像になる。

 

アクア「あっ!ここらへん寂しいから、脚立起こっか!」

カズマ「いや、それ炬燵!」

アクア「間違えちゃったわね!」

零士「いや、普通間違えないでしょ!?」

 

リア「零士の言う通りだな………。」

シエロ「ここで、第1集の未公開シーンは終わりです!」

エーリカ「次は、第2集よ!」

 

 そうして、第2集へと移る。

 その際に、ミツルギとアイリスの2人にチェンジしている。

 

アイリス「撮影前の一幕の様ですね。」

 

 ストリウスが、ズオスに話しかけていた。

 

ストリウス「OK,ZOOOUS? Repeat after me?」

ズオス「おう!」

ストリウス「LEGEIEL is an ordinary guy.」

ズオス「LEGEIEL is an ordinary guy.」

ストリウス「No, no. ズオス。」

ズオス「何だよ?」

ストリウス「an ordinary guy.」

ズオス「an ordinary……….」

ストリウス「No, no, no. ズオス。ordinary…….」

レジエル「なぁ!それ、何度も何度も練習するのやめてくれないか!?」

 

 レジエルは絶叫する。

 次の場面に移る。

 

ミツルギ「第2集といえば、歌………だね。」

 

 そこには、ABCでメギドを歌っている3人の姿が。

 

「「「A B C D メギド 英語でメギド」」」

ズオス「ズオス。」

レジエル「レジエル。」

ストリウス「ストリウス。」

レジエル「ロングスリーブ。」

ストリウス「ロングスリーブ。」

ズオス「コーンスープ〜。あっ、間違った!」

レジエル「いや、そんな間違え方があるか!」

ズオス「さっき飲んだから………。」

レジエル「意味が分からん!」

ズオス「コーンスープ、美味いんだよ!」

レジエル「ノースリーブだって言うたやろ!」

 

 レジエルとズオスが言い争いをしている中、ストリウスは。

 

ストリウス「コーンスープ(笑)……!アハハハハッハハ!アハハハハッハハ!!コーンスープ………!アハハハハ!!」

 

 ストリウスのゲラ発動。

 それを見たズオスは。

 

ズオス「お前、笑いすぎだ!」

 

 ズオスは絶叫する。

 そして、違う場面に移る。

 

ミツルギ「そして、こんなのも。」

 

 その場面は、『Rock, Scissors, Paper』を歌っていて、レジエルの番だった。

 

「「「Rock, Scissors, Paper. Rock, Scissors, Paper. What shall we make? What shall we make?」」」

レジエル「Let’s make a scissors. Let’s make a scissors. …………シザースの後って、何だっけ?」

ズオス「ほら!お前も間違えたー!間違えた所か、忘れてるじゃねぇか!」

レジエル「うるさい!コーンスープ!意味が分からん!」

ズオス「コーンスープ、美味いんだよ!」

 

 再び、レジエルとズオスが言い争いをしている中、ストリウスは。

 

ストリウス「アハハハハッハハ!アハハハハッハハ!!アハハハハッハハ!!!」

 

 またしてもゲラ発動。

 それを見たレジエルは。

 

レジエル「お前は笑うなって!」

 

 レジエルが突っ込む。

 場面は変わり、クライマックスシーンに入っていた。

 

アイリス「続いてはこちらです。」

 

レジエル「おお、なるほどな!an three brothersってことか。」

ストリウス「日本語で言うなら………コ、コ、コ………コーンスープ………!アハハハハッハハ!アハハハハッハハ!!」

ズオス「いつまでツボに入ってんだ!」

レジエル「そこ、大事なとこ!」

 

ミツルギ「ストリウスって、意外としょうもない所にツボがあるんだね………。ていうか、どうやって撮影したんだ?」

 

 ミツルギがそう呟く中、第3集と第4集の未公開シーンに移り、アクセルハーツがまた出てくる。

 

エーリカ「次は、第3集と第4集を纏めてどうぞ!」

シエロ「ここからは、テンポを上げていきますよ!」

リア「それでは、どうぞ!」

 

 次は、ソフィアの初めのシーンが映る。

 だが、本来なら、本棚は途中で止まったのだが、全開になってしまった。

 

ソフィア「あっ、開いちゃダメじゃないですか。どうなってるんですか!?スタッフさ〜ん!?」

リナ「スタッフさん、ソフィア様がご立腹ですよ………。」

 

 場面は移り、最初の問題の映像になる。

 

めぐみん「打ち込んでみましょう!」

ソフィア「痛い!痛い!痛い!待った!カットカット!えっ?こんなガチの痛さなんですか?こんなの、嘘で良いでしょ!?ちょっと、スタッフさ〜ん!?」

めぐみん「スタッフさ〜ん、ソフィア様がブチ切れてますよ。」

 

 場面は変わり、ソフィアが閉じ込められた時の話になる。

 

ソフィア「どうやら、完全に脱出ゲームが始まってしまったみたいです。あなた達が謎を解かない限り………あっ、ちょっと………。」

 

 ソフィアが話している中、シルフィーナが入ってくる。

 

カイト「あっ、シルフィーナちゃん………。」

ダクネス「待て、シルフィーナ!今は本番中だから!」

めぐみん「逃げて下さい!」

カリン「フフッ。」

リナ「お願いだから………。」

ダクネス「こっち来なさい。怒るよ。」

 

 場面は再び変わり、めぐみんがまた打ち込む場面に。

 

めぐみん「これです!」

ソフィア「痛ーい!痛い……痛い………。えっ?弱すぎなんですけど?リアクション取れないんですけど?」

カリン「スタッフさんの仕返しね………!」

ソフィア「すいませーん!さっきのに戻してくださーい!」

 

 場面は再び変わり、ソフィアを助ける際の、劇画調の部分に入っていく。

 

「「「「うおおおお!!!」」」」」

めぐみん「イェーイ!」

ダクネス「あれ、めぐみんだけ劇画調じゃない。」

カリン「ちょっと!ここは劇画調だって、台本に書いてあるでしょ!」

めぐみん「あれ、ダサいじゃないですか。」

リナ「めぐみん…………。」

カイト「頼むから、ソフィア様が………!」

ソフィア「ちゃんとまじめにやりなさーい!私、この後用定あるんだから!」

 

 そして、場面は変わり、モノマネ大会時の服装で入ってくるリナ達。

 ちなみに、ソフィアは休憩でいない。

 

ダクネス「ソフィア様が居ないと、気が楽だな。」

リナ「そういう事言っちゃダメでしょ、ダクネス。」

カイト「まあ、さっきからダメ出しばっかだったし。」

カリン「ほんと、それよね!」

 

 すると、めぐみんがつまづいて、皆纏めて転ぶ。

 

「「「「「うわぁぁ!!」」」」」

カイト「ちょ、起きろよ!」

ダクネス「カリン!」

リナ「めぐみん!後で稽古つけてやらないからね!」

めぐみん「それは、無理な相談ですねぇ!」

ダクネス「何が無理なんだ!」

カリン「痛ててて………。」

 

 それを見ていたアクセルハーツは。

 

リア「何をやってるんだ………?」

シエロ「さあ………?」

エーリカ「めぐみん達って、たまにバカみたいな行動をするよね。」

 

 そして、最後の第5集に入り、再びミツルギとアイリスに変わる。

 

ミツルギ「最後は、第5集だ。」

 

 場面は、ユーリが翻訳機を取り出した時になっている。

 ユーリは、翻訳機のボタンを連打していた。

 

翻訳機『大きめの、大きめの、大きめ、大きめの、大きめ、スーパー、大きめのスーパー、大きめ、大きめ、大きめの、スーパー、ス、スーパー、大きめのスーパー。』

 

 しばらく沈黙して、ユーリは床に翻訳機を投げ捨てる。

 タッセルが驚く。

 

タッセル「あっ。あっ………ええぇ!?何してんの!?ちょっ………どうしたの!?」

ユーリ「……………うるさい。」

 

アイリス「これで、以上です。」

 

 そうして、これまでの未公開シーンは全て映した。

 

ミツルギ「彼らは、この程度だったのか。」

アイリス「それでは、NG大賞の発表です!」

 

 アクセルハーツがドラムロールを行い、しばらくして止まった。

 

アイリス「映えあるNG大賞に選ばれたのは、シルフィーナちゃんです!」

零士「待った、待ったーー!!」

 

 アイリスがNG大賞の発表を終えたと同時に、零士が入ってくる。

 

零士「待った!ねぇ、なんでシルフィーナちゃんなの!?皆だって、面白いNGだしてたよ!?俺だって………!」

ミツルギ「アクア様と一緒に撮影していながら、そんな事を軽々しく口にするな!プロ意識が欠けてる!」

零士「グサっ!!」

リア「す、すまない………。」

シエロ「それに、今回のNG大賞というのはですね………。」

エーリカ「ネクスト・ジェネレーション大賞って意味よ。」

零士「うん。いや、そっち!?」

 

 エーリカの答えに、零士は突っ込む。

 

零士「NGっていえば、NO GOODの方だと思ってた………のは、俺の早とちりだ。子供達の未来を讃える事は、大事だ!」

 

 そうして、波乱のNG大賞は幕を閉じた……。

 

         きゃすと

 

     れいじ    くさお・たけし

     かずま    ふくしま・じゅん

     あくあ    あめみや・そら

     すとりうす  ふるや・ろびん

     れじえる   たかの・かいる

     ずおす    さいかわ・コージ

     そふぃあ   ちねん・りな

     りな     のぐち・るりこ

     だくねす   かやの・あい

     めぐみん   たかはし・りえ

     かりん    たかがき・あやひ

     かいと    おうさか・りょうた

     ゆーり    いちかわ・ともひろ

     たっせる   れ・ろまねすくとびー

     りあ     かわせ・まき

     しえろ    いそべ・かりん

     えーりか   かとう・せいな

     みつるぎ   えぐち・たくや

     あいりす   たかお・かのん




零士「ちょっと待ったー!これで終わりじゃない。キャスト紹介を超えた先に、NGはある!」

 零士がそう言うと、アクセルハーツとミツルギとアイリスが映る。

シエロ「せぇの!」
リア「《この聖なる刃に祝福を 短編活動萬画集 NG大賞》!」
エーリカ「可愛い私と見る、短編活動萬画集NG大賞!」
シエロ「《この聖なる刃に祝福を 短編活動萬画集 NG大賞》!」
ミツルギ「アクア様の活躍を見る、短編活動萬画集 NG大賞!」
アイリス「《この聖なる刃に祝福を 短編活動萬画集 NG大賞》!」
エーリカ「ねぇ、皆バラバラじゃない?」

 それを見て、零士は突っ込む。

零士「皆だってNG出してたじゃないか!」
ミツルギ「なっ………!?削除してもらった筈じゃ………!」
リア「こんな姿を見せないでくれ!」
アイリス「うわぁ!」
エーリカ「嘘っ!?」
シエロ「あはは………。」
零士「ハハハ!ミツルギ、お前さっきあんな事言ってたけど、俺たちと大して変わらないじゃないか!アハハハハ!!」
ミツルギ「ちょっ!ここぞとばかりに煽って……!僕を怒らせるな!」

 その言葉と共に、カズマ達も映る。

ユーリ「勝手に怒っているぞ。」
ソフィア「あらあら。」
ダクネス「頭に血が上りやすいのだな。」
カリン「アハハハハ!!」
カイト「クククッ………!」
リナ「煽り耐性低いわね。」
カズマ「お前だってミスってやんの!アイリスはミスってないのにな!」
タッセル「彼を注目して見てみよう!」
めぐみん「マジないですね。」
リア「ちょっ、これ以上煽るのはやめてあげたら………?」
シエロ「そうですよ!」
エーリカ「でも、つい笑っちゃうわね……!」
アイリス「フフフッ………。」
アクア「笑えるわね!」
ミツルギ「アクア様まで!?」

 メギド陣営も爆笑していた。

零士「それじゃあ、今まで短編活動萬画集を見てくれた皆!」
『今まで、読んでくれてありがとうございました!』
零士「だけど、まだこの物語は終わった訳じゃない。まだ書かれていない物語があるからね!スーパーヒーロー戦記、ビヨンド・ジェネレーションズ、深罪の三重奏に関しては、いずれ書かれると思います!by仮面大佐。」

短編活動萬画集、終了です!
零士が言ってくれた通りです。
いずれ、その3つを書こうと思います。
ただ、他にも小説があったり、新しく書きたい小説もあったりして、それはも書いているので、もうしばらくかかると思います。
スーパーヒーロー戦記に関しては、近いうちに書こうと思っています。
深罪の三重奏のブルーレイとDVD、そして、アラビアーナナイト、アメイジングセイレーンが届いていますね。
そして、bitter sweetがフルで配信されました。
良い曲でした。


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スーパーヒーロー戦記
プロローグ


今回から、スーパーヒーロー戦記の話に入っていきます。


 ソード・オブ・ロゴスには、サウザンベースと呼ばれる施設があるのだが、その上空には、アガスディアベースと呼ばれる施設がある。

 そこには、これまでの仮面ライダー、スーパー戦隊の禁書が保管されている。

 そして、とある石像があった。

 すると、その石像の石の部分が剥がれ、一体の怪人が姿を現す。

 その怪人の名は、アスモデウス。

 アスモデウスは、仮面ライダーとスーパー戦隊の禁書が置かれている本棚に近寄ろうとすると、罠が発動して、上空から斧が降ってきたり、矢が飛んでくる。

 だが、アスモデウスは難なくそれを防ぐ。

 そして、アガスディアベースの衛兵6人がアスモデウスに襲い掛かるが、呆気なく返り討ちに遭う。

 アスモデウスは、怪人としての姿から、人間としての姿へと変わる。

 アスモデウスは、禁書の封印を解く。

 すると、本がアスモデウスの周辺を飛び交う。

 

アスモデウス「これより、物語は私が支配する………!さあ、禁じられた物語達よ、混ざりあえ。混沌の物語を作り出す!」

 

 アスモデウスに禁書が集まり、すぐに散らばっていく。

 一方、ゾックス・ゴールドツイカーが来たり、アクセルハーツがゼンカイジャーの世界に行ったりしたという出来事があった神崎零士達はというと、のんびりしていた。

 

零士「平和だねぇ。」

カズマ「そうだな。」

リナ「でも、まだストリウスが居る。あんまり気を抜けないね。」

アクア「ねぇ、ユーリ。アンタ、一体何を読んでるのよ?」

ユーリ「ん?ああ、この物語はとても面白いぞ。一度読んでみろ。」

 

 そう言ってユーリが零士に渡したのは、タイトルが、《機界戦隊ゼンカイジャー》と書かれている本だった。

 

零士「どれどれ?」

リナ「どんな本?」

カズマ「へぇぇ。キカイノイドって登場人物がいるのか。」

アクア「まあ、面白いじゃない。」

リナ「ん?ここにも似た様な本があるわね。」

 

 そう言ってリナが手にしたのは、《激走戦隊カーレンジャー》という本だった。

 

リナ「あれ?本の一部の内容が違う。乱丁かしら……?」

 

 リナが開いて見てみると、そこには、カーレンジャーだけでなく、《仮面ライダーBLACK RX》と、《仮面ライダードライブ》の物語が挟まっていた。

 すると、リナと零士が手にした本が光り出す。

 

リナ「本が………!?」

零士「俺の本まで………!?」

カズマ「零士、アクア、リナ、ユーリ!?」

 

 光が収まると、4人は消えていた。

 それを、カズマは呆然と見ていた。

 一方、零士、アクア、ユーリの意識が戻ってくると、手を差し伸べられていた。

 

???「大丈夫か?」

「「「ウワッ!?」」」

 

 零士達は驚いた。

 そう、そこには、人間も居るが、機械の人間も居たのだ。

 

ユーリ「何だここは………!?」

アクア「ロボット………?」

零士「えぇ………!?(あれ?何か、この展開に覚えが………。)」

 

 零士が、何かを思い出そうとすると、赤いキカイノイドが、何かを喋っていた。

 

???「………ピンクの可愛いキカイノイドを……おお、お前ら。介人って奴、見なかったか?」

零士「介人?」

???「いやぁ、本がピカーッと光って、皆が居なくなっちまってよ。」

アクア「私たちと同じ………?」

零士「君、もしかして、キカイノイド?」

ジュラン「あん?見りゃ分かんだろ?キカイノイドだよ。俺はジュランっつうんだ。よろしこ。」

 

 すると、その名を聞いたユーリは、首を傾げる。

 

ユーリ「介人?聞いた事がある名前だな。」

零士「まさか!」

 

 零士は、すぐに手に持っていた本を捲る。

 そこには、ジュランと介人という名前があった。

 

零士「この本の登場人物だよ!」

アクア「あっ!!」

ユーリ「おっ!」

ジュラン「様子のおかしいキカイノイドを……ん?」

零士「もしかして、物語の世界に来たのか!?(そして、この展開は、間違いない。スーパーヒーロー戦記の話じゃん!!)」

 

 零士は絶叫する。

 

 

 

 

 

      仮面ライダー 50周年

      スーパー戦隊 45作品

 

      スーパーヒーロー戦記

 




今回は、プロローグの為、短めです。
少しずつ、投稿していきたいと思います。
どうか、宜しくお願いします。


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第1話 機界と聖刃の邂逅

今回は、零士達が物語の世界へと転送される直前までです。


 一方、五色田介人達は、零士達が住む屋敷の庭に転がっていた。

 

セッちゃん「重い………潰れるチュン………。」

介人「あっ!セッちゃん!」

セッちゃん「助けて………。」

介人「腕立て全開!!」

 

 介人は、力を込めて、起き上がり、介人の上に乗っかっていたガオーン、マジーヌ、ブルーンが吹っ飛ばされる。

 

介人「大丈夫、セッちゃん!?」

セッちゃん「もうダメチュン………。」

ガオーン「介人は大丈夫!?」

マジーヌ「ここ、どこっスか………?」

ブルーン「やや、ジュランの姿だけが見えませんが………。それに、横に大きい屋敷がありますね…………。」

介人「ここには、ジュランだけが来なかった………。」

 

 なぜ、こうなったのかは、話は少し前へと遡る。

 カラフルで、朝を過ごしていたゼンカイジャー。

 

介人「おはよう全開!」

ガオーン「ゼンカーイ!」

介人「マジーヌ!今日の俺の占い見てよ。」

マジーヌ「かしこー。」

ブルーン「図書カードを忘れてしまいました。やや?」

 

 その時に、ブルーンはカウンターに一冊の本が置かれていた事に気づく。

 

ブルーン「こんな所に本が。」

介人「え?」

ブルーン「何でしょう?」

介人「見た事ないな………。」

 

 ブルーンが徐にその本を開くと、本が光り出して、ジュランを除く全員が零士の世界へと飛ばされていたのだ。

 

介人「ねぇ、なんでジュランは飛ばされなかったんだろ?」

ブルーン「さぁ………?」

 

 介人とブルーンが話している中、屋敷の扉が開いて、カズマが飛び出していた。

 カズマは、介人達に気付いたのか、声をかける。

 

カズマ「………アンタら、誰だよ?」

介人「俺?俺は五色田介人。」

カズマ「介人………?まさか、そっちの連中は、ガオーンとか、マジーヌとかって言ったっけか!?」

ガオーン「僕は、ガオーンなんだよ!宜しくね、人間ちゅあん!」

カズマ「ちゅあん………?」

ブルーン「何故、私だけ名前が出ないんですか!教えて下さい!」

カズマ「い、いや、アンタが出る所までは読んでなくてな………。」

マジーヌ「読んでないってどういう事っスか?」

 

 キカイノイド3人がカズマに質問攻めをしている中、介人が割り込む。

 

介人「落ち着いてって!落ち着いて!ガオーンも離れる!」

カズマ「これ、大分やばい状況なんじゃねぇのか………?」

介人「え?」

カズマ「え?」

 

 一方、零士、アクア、ユーリは、ジュランに案内して貰っていた。

 

零士「機械と人間が共存してる。」

ジュラン「そういう事。そして、俺たちはゼンカイジャーとして、トジデンドの野郎とも戦ってるわけ。」

零士「この物語を守ってるって事だな。」

ジュラン「そうそう………。いや、ちょっと待て。さっきから物語、物語って………。」

アクア「ねぇ、アレ………。」

零士「うん?」

 

 アクアが指差した先には、怪人が人々を襲っていた。

 そこには、仮面ライダービルドで登場したガーディアンに、仮面ライダーゼロワンで登場したトリロバイトマギアなどがいた。

 

怪人「人間達を蹴散らせ!」

ジュラン「何だアイツら?トジデンドか?」

零士「とにかく、助けよう!」

ユーリ「ああ。」

 

 零士とユーリは駆け出していく。

 それを、ジュランが驚く。

 

ジュラン「おいおい、戦うって、お前ら戦えるのかよ?」

アクア「ええ。」

ジュラン「ええって言っちゃったよ。」

零士「ユーリ!」

 

『ブレイブドラゴン!』

『金の武器!銀の武器!』

『烈火抜刀!』

『最光発光!』

 

「「変身!」」

 

『ブレイブドラゴン!』

『who is the shining sword?』

 

 セイバーに変身した零士は、最光に変身したユーリを持って、二刀流で戦っていく。

 一方、それを見ていた少年が居た。

 少年は、セイバーを描き出す。

 

ジュラン「なるほど、そういう方々ねぇ!俺も負けてらんねぇ!」

 

 ジュランはそう言って、ギアトリンガーを取り出して、変身する。

 

零士「ジュラン!」

ジュラン「ほら、こっちこっち!」

 

『ババン!ババン!ババン!ババン!ババババーン!』

『ゼンカイジュラン!』

 

ジュラン「おおーし!」

少年「凄い!また別のヒーローが!」

 

 少年は、セイバーとゼンカイジュランの絵を描いていた。

 

零士「ユーリ行け!」

ユーリ「おう!」

 

『最光発光!』

『エックスソードマン!』

 

 零士は最光を投げて、最光はすぐさまエックスソードマンになる。

 怪人軍団は、瞬く間に倒されていく。

 

ユーリ「ハアッ!何………!?」

零士「ユーリ!?」

 

 ユーリは、怪人軍団を倒していたが、突然光ったと思ったら、消えてしまった。

 一体の怪人が、絵を描いていた少年の元へと向かっていく。

 

怪人「貴様!呑気に絵を描きやがって!」

アクア「危ない!」

 

 すると、少年が鉛筆を怪人に向けると、怪人の剣を受け止める。

 

零士「え?」

少年「今、良い所なんだ。邪魔しないでよ。」

アクア「ペンが剣よりも強し………。」

 

 衝撃波が放たれ、怪人が吹っ飛ぶ。

 

怪人「おのれ………!」

零士「アクア!その子を頼む!」

アクア「分かったわ!」

ジュラン「よっと!後はソイツだけだ!」

 

 零士が少年に襲い掛かろうとした怪人を抑えつけている間に、アクアは少年の元へ。

 ジュランも、零士の加勢に入る。

 

アクア「ちょっと!絵を描いてる場合じゃないでしょ!早く逃げるわよ!」

少年「うるさいな。邪魔しないでよ。……!?」

アクア「ほら!」

少年「うん。分かった。言う事聞く。」

アクア「あっち行くわよ!」

 

 少年は、アクアの顔を見た途端に、素直にアクアの言う事を聞く。

 アクアが少年を避難させてる中、零士とジュランは決めようとしていた。

 

零士「ジュラン!一緒に!」

 

『必殺読破!』

『烈火抜刀!』

 

ジュラン「オーライ!」

怪人「ハァァァァ!!」

 

『ドラゴン!一冊斬り!』

『ファイヤー!』

 

 零士の火炎十字斬と、ジュランの連続射撃が、怪人を撃破する。

 零士とジュランは変身解除する。

 

ジュラン「はい、お疲れさん。」

零士「大丈夫?怪我はない?」

 

 零士の問いに、少年は頷く。

 零士は、ホッとした表情を浮かべると、少年に視線を合わせる。

 

零士「君、名前は?」

章太郎「章太郎。」

セッちゃん『ジュラン!聞こえるチュン?』

 

 零士が章太郎の名前を聞いていると、セッちゃんの声がする。

 

ジュラン「セッちゃん!」

零士「誰、この声?」

ジュラン「セッちゃん!介人達は無事か!?」

セッちゃん『無事じゃないチュン!違う世界に来ちゃったみたいチュン!』

零士「別の世界?(もしかして、俺たちの世界の事か?)」

ジュン(どうなってんのやら………。)

 

 一先ず、事情を聞く為に、ジュランが零士達をカラフルに案内する。

 

ヤツデ「よかったら、好きなだけ食べて!」

零士「ありがとうございます。」

アクア「まあ、戴くわね。」

 

 五色田ヤツデが、零士とアクアにお茶とお菓子を振る舞って、ジュランの近くに寄る。

 

ヤツデ「折角、お客さんが来てくれたのに、介人達は別の世界に行っちゃったなんてさ。介人達はいつ戻ってくるんだい?」

ジュラン「まあまあ。セッちゃんと通信が繋がってるんだ。」

 

 一方、零士達の世界では、ノーザンベースに介人達も来ていて、カズマ、ダクネス、めぐみん、カリン、カイト、リア、シエロ、エーリカ、ミツルギ、アイリス、ソフィアが集まっていた。

 

ブルーン「本がいっぱい!………って、あ!アクセルハーツの皆さんじゃないですか!」

リア「やあ、久しぶりだね。」

シエロ「ご無沙汰してます。」

エーリカ「今度は介人達がこっちの世界に来るなんてね。」

カイト「俺………じゃないな。」

カリン「それより、アガスディアベースって聞いた事ある?」

零士「アガスディアベース………。(やっぱり、スーパーヒーロー戦記の物語だ。)」

 

 カリンが零士にアガスディアベースの事を聞いてる中、ソフィアが解説し出す。

 

ソフィア「たった一冊でも、この世界そのものを揺るがしてしまう程、危険なS級の禁書が納められている場所。そこを守っていたアガスディアベースの衛士の1人、アスモデウスが反乱を起こしました。」

カリン「禁書の封印を、アスモデウスが破ったみたいなのよ。」

カズマ「零士。あの時開いた本を持っているか?」

零士「ああ。機界戦隊ゼンカイジャー。」

介人「え?」

 

 零士の言葉に、ゼンカイジャーの面々は驚いていた。

 

カズマ「確か、封印されていた禁書の一つだよな?」

ソフィア「封印が解かれたのは、全ての仮面ライダー。そして、全てのスーパー戦隊の書の様です。」

アイリス「それを、アスモデウスが解き放ったのですか………。」

シエロ「おそらく、ゼンカイジャーの登場人物が現実に溢れて、零士が物語の中に引き摺り込まれたのは、その禁書が関係しているんじゃないでしょうか?」

カズマ「リナも、本を開いた途端に、どこかに行った。」

アクア「ユーリも、こことは違う物語の世界に飛ばされたって事かしら?」

 

 カズマとアクアがそう話す中、ソフィアも話し出す。

 

ソフィア「物語と現実の間には、本来、越えられない壁があるのですが、禁書が解放された影響で、物語と現実の境界が曖昧になり、この異常事態を引き起こしてるのだと、推測されます。」

ダクネス「とにかく、一刻も早く禁書を取り戻して、書庫に戻さないと、現実世界が崩壊するのだそうだ。」

めぐみん「ふふん。そんなの、この私に任せて下さい!」

セッちゃん「そろそろ通信も限界チュン。」

マジーヌ「セッちゃん………。」

介人「ああっ!」

 

 介人が叫んで、セッちゃんを持ち上げる。

 

介人「そっちの人、零士って言ったっけ?」

ジュラン「介人………!」

零士「そっちは、五色田介人だね。このゼンカイジャーの主人公の。」

介人「ヤッちゃんに伝えてよ!」

零士「ヤッちゃん?」

ジュラン「ヤッちゃん、ヤッちゃん!」

介人「こっちで頑張って、すぐに帰るから、ヤツデスペシャルをよろしくって!」

零士「だってさ。分かった。君に会える日を楽しみにしてるよ。」

ブルーン「はい!」

 

 零士がそう言うと、ブルーンが叫ぶ。

 

ブルーン「待って下さい。ゼンカイジャーという物語とは、どういう意味ですか?」

介人「すげぇ!俺たちの活躍が、もう本になってるんだ!」

リア「相変わらず前向きだね、君は。」

セッちゃん「そういう事じゃないチュン!」

ガオーン「という事は、僕たちは物語の登場人物だって事だよね!?」

マジーヌ「ぬぬっ?それって、自分達が架空の存在って事っスよね?」

ソフィア「架空ではありません。物語の世界、ワンダーワールドは存在します。あなた達はちゃんと、そこに居るでしょう?」

 

 一方、カラフルでは、ジュランが口を開いていた。

 

ジュラン「説明されたけどよ?ぶっちゃけ全然分かんねぇよ!」

ヤツデ「大丈夫だよ!介人が戻ってくるって言ってたんだから!ちゃんと帰ってくるよ!」

ジュラン「まあ、そりゃあ、そうだけどよ………。」

 

 ヤツデがジュランにそう言った直後、章太郎の絵を見て、声を出す。

 

ヤツデ「あらまあ、絵が上手ね!絵描きさんになりたいのかい?」

章太郎「まあ、ね。」

ヤツデ「大志を抱いていて、良いわね。あ、もっと、好きな物持ってこようか?」

章太郎「別に良い。」

ヤツデ「あっ………。じゃあ………。」

 

 ヤツデが、お菓子を章太郎の近くに置いて、少し離れると、アクアが章太郎に近寄る。

 

アクア「うわぁ!凄く上手いのね!」

章太郎「いやぁ、それ程でも。」

ヤツデ「………全然、態度が違う!」

 

 ヤツデは、少しショックを受けていた。

 一方、アスモデウスは、大量にある赤いリボンの内、一本に触れる。

 すると、リボン全体が光りだし、アスモデウスから、大量の本と、一つのトジルギアが飛び出してくる。

 大量の本は、ゼンカイザーを模した怪人、戦隊メギドに、一つのトジルギアは、セイバーを模した怪人、ライダーワルドへと姿を変える。

 

アスモデウス「物語が混ざり合う。沢山、色を混ぜると、どうなるか知ってるか?」

ライダーワルド「いいえ。」

アスモデウス「美しい色は混ざり合い、やがては真っ黒に。次の段階に移ろう。」

 

 そう言って、アスモデウスがリボンの一本に触れると、黒く染まっていき、空へと飛んでいく。

 それは、カラフルにまで来ており、章太郎が光り出す。

 

ジュラン「これだ!」

アクア「光ってるわ!」

零士「あの時と同じだ!」

 

 すると、章太郎だけでなく、零士、アクア、ジュランも光り出す。

 それだけでなく、介人、セッちゃん、ガオーン、マジーヌ、ブルーン、カズマも光り出していた。

 

セッちゃん「なんチュン!?なんチュン!?」

ミツルギ「これは………!?」

リア「異常事態が加速してるのか!?」

シエロ「やばいんじゃないですか………!?」

カズマ「不味い、俺もどこかに飛ばされる!」

アイリス「お兄様!?」

めぐみん「カズマ!?」

カズマ「皆、ソフィア様を守ってくれ!」

ソフィア「ブレイズも、気を付けてください!」

 

 すると、カズマ、介人、セッちゃん、ガオーン、マジーヌ、ブルーンがどこかに転送される。

 一方、カラフルでは。

 

ジュラン「ああ!こうなりゃ、ヤケだ!どこへでも行ってやるぜ!」

アクア「ああァァ!!」

ジュラン「はい、出発!」

 

 零士、アクア、ジュラン、章太郎の4人も何処かへと転送されていった。

 

ヤツデ「ヤツデスペシャル、何人前作れば良いんだがね!?」

 

 ヤツデの叫び声が、カラフルに響く。

 一方、天界でこの状況を見ていたエリスはというと。

 

エリス「遂に、アガスディアベースの禁書が開かれてしまいましたか。神崎零士さん、ジュンさん。あなた達は、真実を見つめなければなりませんよ。」

 

 そう呟いていた。




今回はここまでです。
エリス様が言う、真実とは………。
次回は、原作とは違って、里見八犬伝の世界に飛ばされた零士達の方を先に書いて、その後に、西遊記の世界に飛ばされた介人とカズマの方を書きたいと思っております。
いよいよリバイスですね。
五十嵐家がどうなるのか。
そして、オーバーデモンズが誰なのかが分かりますね。


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第2話 それぞれの邂逅

今回は、それぞれが事情を聞く直前までです。


 どこかの物語の世界へと飛ばされた、零士、アクア、ジュラン、章太郎。

 アクアとジュランに起こされ、章太郎が周囲を見渡すと、そこは、江戸時代ぐらいの町並みだった。

 

アクア「ここどこ?何か、景色が変じゃない?」

零士「言われてみれば………。」

ジュラン「何だここ………?」

アクア「また、新しい物語の世界へと飛ばされたという事かしら………?」

章太郎「お姉ちゃん。服が変わってる。」

アクア「え?」

零士「えええ!?」

 

 章太郎がアクアを指差すと、全員、和服へと変わっていた。

 

アクア「えええ!?」

零士「頭!頭!あああ!俺もだー!!」

ジュラン「侍って言うのか?ぶっちゃけ悪くねぇな………って。」

 

 ジュランは、腰に帯刀していた刀を抜こうとするが、苦戦して、抜刀する。

 だが、それが、零士の足元に向かって行き、零士は腰を抜かす。

 

零士「ちょっ!危ない!」

ジュラン「ごめん。」

 

 一方、カズマと介人とセッちゃんは、どこかの砂漠で転がっていた。

 3人は目が覚めて、起き上がる。

 

介人「あっち!あっち!!ここはどこ?」

セッちゃん「砂漠だチュン!」

カズマ「多分、何かの物語の中だろうな。」

介人「あれ!?ガオーン達が居ない!」

???「旅人よ。」

 

 介人が、ガオーン達を探していると、背後から声がかけられる。

 そこに居たのは、仮面ライダージオウで登場した、オーマジオウだった。

 

セッちゃん「うわぁぁ!」

介人「デカっ!?」

カズマ「まさか、仮面ライダー………?」

オーマジオウ「我は、天竺で教典を守る魔王。」

セッちゃん「魔王。」

オーマジオウ「旅人よ。三蔵法師一行を手伝い、教典を取りに来るのだ。」

 

 そう言って、オーマジオウが光を介人とカズマに照らすと、2人の服装が変わった。

 

介人「あっ!」

カズマ「あっ!」

セッちゃん「西遊記だチュン!似合ってるチュン!」

介人「俺、子供の頃、絵本で見た!」

カズマ「西遊記は、禁書には含まれてない筈。やっぱり、現実と物語の境界が曖昧になってるのか………?」

???「おおーい!」

 

 カズマが考え込む中、声が聞こえてくる。

 そこに居たのは、仮面ライダー電王の、モモタロス、ウラタロス、キンタロス、リュウタロスだった。

 彼らが、三蔵法師一行だそうだ。

 

モモタロス「おおーい!俺たちを手伝ってくれるのは、お前らか?」

キンタロス「喉渇いたなぁ。」

リュウタロス「はぁ………。はぁ………。」

セッちゃん「三蔵法師一行チュン!」

カズマ「三蔵法師一行っていうか、モモタロスに、ウラタロス、キンタロス、リュウタロスじゃん………。」

 

 セッちゃんはそう言って、モモタロス達に向かっていき、カズマはそう呟く。

 

セッちゃん「三蔵法師さん!」

モモタロス「鳥かよ!」

 

 モモタロスはそう言って、如意棒をセッちゃんに当てようとする。

 

モモタロス「俺は、鳥が苦手なんだよ!」

 

 どうやら、ここには居ないが、相変わらず、ジークの事を嫌っている様だ。

 

リュウタロス「悟空のバカ!バーカ!鳥さんをいじめちゃダメだよ!」

モモタロス「三蔵………てめぇ………!」

リュウタロス「締まれ!」

モモタロス「ああ!イテテ………!」

 

 モモタロスがリュウタロスに突っかかろうとした瞬間、モモタロスの頭にはめられた金冠が絞まる。

 カズマと介人が近寄る中、ウラタロスは2人に話しかける。

 

ウラタロス「僕は沙悟浄。亀じゃなくて、河童ね。で、こっちは猪八戒。」

キンタロス「んあっ!?豚の役とは、泣けるで!」

リュウタロス「うわーい!」

モモタロス「待て!」

カズマ「本当に、モモタロス達だ………!でも、何で、野上良太郎は居ないんだ………?」

 

 カズマが、そう呟く中、敵が現れる。

 そこに居たのは、仮面ライダーセイバーの敵のシミー、侍戦隊シンケンジャーのナナシ連中、獣拳戦隊ゲキレンジャーのリンシー、手裏剣戦隊ニンニンジャーのジュッカラゲなどが居た。

 そして、その背後には、戦隊メギドの姿も。

 

モモタロス「おらぁ!行くぜ、行くぜぇ!」

介人「アイツらは?」

ウラタロス「僕たちが天竺に行くのを邪魔してるんじゃない?」

 

 介人の質問に対して、ウラタロスが答え、キンタロスと一緒に駆け出していく。

 

リュウタロス「君達も、お供するよね?」

カズマ「いや………。」

リュウタロス「答えは聞いてないよー!」

 

 リュウタロスはそう言って、駆け出す。

 

カズマ「何か、嫌な予感がするな………。」

介人「楽しそうじゃん!手伝ってやろうよ!チェンジ全開!」

 

 介人は、ギアトリンガーとゼンカイザーギアを構える。

 カズマも、躊躇いつつも、キングライオン大戦記を取り出す。

 

『キングライオン!』

『ババババーン!!』

『ゼンカイザー!』

 

介人「秘密のパワー!ゼンカイザー!いくぜ!」

カズマ「ゼ、ゼンカイザー?」

 

『キングライオン大戦記!』

 

 カズマは、変身して、介人の背後に現れたゼンカイザーの文字を見ながらつっこむ。

 そして、カズマと介人は、戦隊メギド率いる軍勢に戦いを挑む。

 カズマは、戦隊メギドと交戦していた。

 

戦隊メギド「天竺へは行かせん!」

カズマ「このメギド、介人に似てる……!?」

介人「えっ?全然似てないと思うけど?」

 

 介人はそう言って、ギアトリンガーで敵を倒していく。

 一方、モモタロスは、敵と戦っていたが、如意棒を捨てる。

 

モモタロス「孫悟空の出番を取るんじゃねぇ!変身!!」

 

 モモタロスはそう言って、デンオウベルトを取り出し、ライダーパスでスキャンする。

 

『ソードフォーム!』

 

 モモタロスは、仮面ライダー電王へと変身する。

 

モモタロス「俺、参上!おらぁ!行くぜ、行くぜ、行くぜぇぇ!」

 

 モモタロスは、デンガッシャーソードモードを持ちながら、敵を倒していく。

 戦隊メギドは、カズマ、介人、モモタロスの3人の連携に押される。

 3人は、必殺技の体勢を取る。

 

『ワン!リーディング!ライオン戦記!』

『ヒーロー!スーパー!ゼンカイタイム!』

 

モモタロス「俺の必殺技、パート2!」

 

『FULL CHARGE!』

 

 3人は、タンサンバースト、ゼンカイフィニッシュバスター、エクストリームスラッシュで、敵を薙ぎ払う。

 戦隊メギドは、撤退した。

 カズマと介人は、変身を解く。

 

モモタロス「へへへ!よっ、お疲れ!」

介人「うん!」

カズマ「やっぱり、電王だったんだな。」

モモタロス「おうよ!仮面ライダー電王だ!」

 

 モモタロスはそう言って、変身を解く。

 すると、リュウタロスが声を上げる。

 

リュウタロス「ねぇ!お供ども!」

モモタロス「お供じゃねぇし。」

リュウタロス「歩いていくの嫌だから、デンライナー呼んだけど、良いよね?」

介人「えっ?」

カズマ「デンライナー!?」

 

 すると、警告音が鳴り、デンライナーが現れる。

 その際に、セッちゃんが轢かれそうになっていた。

 

セッちゃん「ああ!轢かれるチュン!!踏んだり蹴ったりチュン!」

介人「すっげー!」

カズマ「本当にデンライナーだ………!」

 

 カズマ達は、デンライナーへと乗り込む。

 カズマは、これまではテレビでしか見た事がなかったデンライナーに興奮していた。

 すると、ウラタロスが何かに気付いたのか、キンタロスに話しかける。

 

ウラタロス「あれ?先輩は?」

キンタロス「悟空役なら、アレに乗らないとあかんって言うてたで!」

ウラタロス「アレ………?」

 

 モモタロスは、筋斗雲に乗っていた。

 

モモタロス「オラァ!!よっと!」

オーマジオウ「フフフ………。」

モモタロス「じゃあな!」

オーマジオウ「行くが良い。」

 

 オーマジオウは、去りゆくデンライナーを見送っていた。

 一方、零士達が居る世界では、長老………ショウ・ロンポーと娘………ラプター283が、怪人に追われていた。

 

ショウ「おわ!」

ラプター「おじいちゃん、隠れて!」

ジュラン「マジーヌ………じゃねぇな。」

零士「やめろ!」

 

 そこに、ゼンカイジュランと、セイバー・ドラゴンヘッジホッグピーターに変身したジュランと零士が到着する。

 

『ピーターファンタジスタ!』

 

 零士はピーターファンタジスタワンダーライドブックをタップして、フックを放って、敵を拘束する。

 拘束した敵を、川へと捨てて、アクアと章太郎が駆け寄る。

 

アクア「あなた達、大丈夫?」

ショウ「はい………。」

 

 零士とジュランは、怪人達と応戦していた。

 一方、橋には、事態を見ていた一般人に混じって、ドギー・クルーガーが居た。

 

ドギー「エマージェンシー。」

 

 そう呟いて、零士達の元へと向かう。

 零士達は、どんどん湧いてくる敵に苦戦していた。

 

零士「数が多い………!」

ジュラン「このままじゃ、いくら、俺たちだって………!」

ライダーワルド「くらえ!釘バッ刀!」

 

 すると、ライダーワルドが現れ、零士が応戦する。

 

ジュラン「釘バット!?ヤンキー漫画かよ!?」

 

 零士とジュランが、ライダーワルドに集中している中、周辺の敵が、ドギー・クルーガーが変身するデカマスターに倒される。

 

ドギー「只事では無いようだな。銀河一刀流の妙技を味わってもらおう!」

 

 そのまま、周辺の敵を倒していく。

 すると、ジュランがドギーに気づいた様だ。

 

ジュラン「誰だか知らんが、まあまあやるな!」

 

 ドギーは、変身を解く。

 

ライダーワルド「フハハハハハ!」

ジュラン「ちょ、待てよ!」

 

 ライダーワルドは撤退して、2人は変身を解く。

 

ジュラン「大丈夫だったか?」

零士「大丈夫?」

アクア「うん。」

ラプター「ありがとうございます。」

ショウ「ありがとうございます。助かりました。おや?あの御人は………?」

 

 零士達は、事情を聞く為に、ショウ達についていく。




今回はここまでです。
少し短めです。
それにしても、零士達が交戦した敵キャラの名前の内、レオ・ダスタードしか分かりませんでした。
カズマは、本物のモモタロス達と会ったり、デンライナーに乗れた事を喜んでいますが、同時に胸騒ぎがしています。
原作のカズマも、そういう嫌な予感を察知するのは得意ですし。
賢者の孫とリバイスの小説で、オーグがデモンズドライバーを使って仮面ライダーにするかを検討中です。
設定としては、カリザキがオーグに頼まれ、デモンズドライバーを量産するという方向で考えています。
まあ、かなり先になるんですが。
活動報告に、このすばの新しい小説の考えを投稿したので、良かったら見て下さい。


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第3話 事情の説明

今回は、事情の説明がされる所までです。


 零士達は、ショウ・ロンポーとラプター283に連れられて、とある屋敷に入る。

 

ラプター「ありがとうございます!」

ジュラン「ああ、良いって事よ。」

ショウ「たまらん戦い振りでした。もしや、あなた達は、犬士様?」

ラプター「ああ………!」

「「犬士?」」

 

 零士とジュランが首を傾げる中、ショウが説明をする。

 

ショウ「我ら里見家にとって、究極の救世主です!」

ラプター「本を持つ8人の犬士が集まる時、里見家は再興する。そう言い伝えられているのです!」

章太郎「八犬伝だ!」

零士(確かに、これは八犬伝の物語だ。ただ、この後の展開が、全く思い出せないな……。)

 

 章太郎がそう叫ぶ中、零士は考えていた。

 実際のスーパーヒーロー戦記でも、飛羽真とジュランは八犬伝の物語に来たのだが、零士はその先の展開を思い出せずにいる。

 だが、零士はひとまず本を出しておくべきだと思い、本を取り出す。

 

零士「本なら、持ってるけど。」

ラプター「はわわわ!」

ドギー「俺もだ。」

 

 零士は『機界戦隊ゼンカイジャー』、ドギーは『仮面ライダーブレイド』の本を取り出す。

 どれも、封印されていたはずの禁書だ。

 

ラプター「はわわわわ!犬士様!」

 

 ラプターは、高速移動をして、団子を取り出す。

 

ラプター「戦いでお疲れでしょう!食べて下さい!」

零士「ありがとう。」

ジュラン「おっしゃ、ラッキー!」

ドギー「ありがとう。」

ジュラン「丁度お腹が空いてたんだよなぁ。俺、本とか持ってないんだけど、漫画なら……。」

ラプター「え?返せ!」

 

 ジュランがそう言うと、ラプターに団子を取り返される。

 そう、ジュランは禁書を持っていなかったのだ。

 

ジュラン「え?そんな大事?」

ショウ「犬士様が8人集まれば、里見家は救われます。」

ラプター「どうか、探して下さい。」

ショウ「どうか………。」

ラプター「あと、6人の犬士様を………。」

 

 一方、デンライナーに乗っていた、カズマと介人の方は。

 

カズマ「やっぱり、西遊記の登場人物じゃないんだな。」

モモタロス「俺たちだって、急に変な世界に放り込まれて迷惑してるんだよ!」

ウラタロス「あの金ピカのでかいのに、役を振り分けられたんだよね。」

 

 ウラタロスの言う、あの金ピカのでかいのとは、カズマと介人、セッちゃんの前に現れたオーマジオウの事である。

 すると、ウラタロスは何かに気付いたのか、口を開く。

 

ウラタロス「でも、リュウタが三蔵法師なのは、納得がいかないよねぇ。徳が高いと言ったら、僕なのにね。」

モモタロス「お前は河童がお似合いじゃねぇか、この亀公。」

リュウタロス「僕が三蔵ー!」

モモタロス「お前は三蔵じゃなくて、鼻垂れ小僧だってんだよ!」

リュウタロス「締まれ!」

 

 そう言うと、モモタロスの金冠が締まり、モモタロスが倒れる。

 すると、先ほどまで寝ていたキンタロスも口を開く。

 

キンタロス「ま、天竺行ったら、このお話も終いや。これで解決やろ!」

リュウタロス「介人も遊ぼうよ!」

 

 キンタロスがそう断言する中、カズマは腑に落ちない顔をしていた。

 

カズマ「そうか?」

セッちゃん「カズマ。浮かない顔、どうしたチュン?」

カズマ「いや、機界戦隊ゼンカイジャー、仮面ライダー電王、それに、あのオーマジオウ……仮面ライダージオウの三つの物語が、この西遊記という物語で出会ってる。」

オーナー「君の疑問は、この状況を引き起こした黒幕の意図は何か、という事ですか?」

カズマ「ああ。(ていうか、オーナーも居るんだな。やっぱり。)」

 

 カズマの言葉に、口を開くオーナー。

 今回は、エビチリチャーハンを食べていた。

 カズマは、薄々予感していた事もあったのか、大して驚いていなかった。

 

カズマ「物語を混ぜこぜにして、一体何を企んでいるんだ………?」

オーナー「既に西遊記という物語のレールに乗せられてしまった以上、私たちに出来る事は、終点に辿り着く事だけです。」

カズマ「終点に着いたら、何が起こるんだ?」

オーナー「そこで待っているのは、カタストロフ………かもしれませんね。」

 

 すると、オーナーの食べていたエビチリチャーハンに立っていた旗が倒れる。

 

セッちゃん「倒れたチュン。」

カズマ「カタストロフ…………。」

 

 カズマは、オーナーの言葉を呟く。

 それを聞いて、カズマは胸騒ぎがしていた。

 このまま、完結にまで持ち込んで良いのかと。

 一方、零士達は、犬士達を探していた。

 そんな中、ジュランはぼやいていた。

 

ジュラン「な〜んで、俺たちが八犬士とやらを探さないといけねぇ訳?」

零士「どっちみち、禁書を集めないといけないんだ。犬士が本を持ってるのなら、好都合!それに、この微妙に改変された八犬伝の物語の結末、見てみたいだろ?」

ジュラン「ぶっちゃけ、俺はオリジナルの八犬伝読んだ事ねぇから。ていうか、いつまで歩かせるんだよ。」

アクア「こっちに犬士が居る気配がするのよねぇ。」

ジュラン「いや、ただの勘って事だよね!それ!」

章太郎「酷い!お姉ちゃんを疑うの?」

 

 章太郎が、ジュランに抗議する。

 ジュランは、ドギーの所まで下がる。

 

ジュラン「疑うつぅか、勘に頼るのは………ねぇ、犬のパイセン。どうかと思いません?」

ドギー「………まあ、そうだな。」

 

 すると、ジュランはある事に気付いたのか、章太郎に近寄る。

 

ジュラン「ん?え、ちょっと待って。いつの間にアクアに懐いてんの?」

零士「見ろ!」

 

 零士が指差した先に居たのは、2人の剣士だった。

 片方は、侍戦隊シンケンジャーの谷千明、もう片方は、魔進戦隊キラメイジャーの押切時雨だった。

 

時雨「何故に果たし合いをしなければならぬのだ。」

千明「浪人しながら、修行してんだ。俺、殿様超えなくちゃなんねぇからさ。」

時雨「手加減はせぬぞ!」

 

 そう言って、お互いに日本刀を構える。

 零士達が見守る中、決闘が始まる。

 お互いに、武器をぶつけ合う。

 

千明「へぇ………。やるじゃん。」

時雨「お主もなかなかやるな。」

 

 そう言って、お互いに離れる。

 

千明「じゃあ、そろそろ、本気出させてもらおうか。」

 

 日本刀を仕舞い、千明はショドウフォンを、時雨はキラメイチェンジャーを構える。

 

千明「ショドウフォン!一筆奏上!」

時雨「キラメイチェンジ!」

 

『キラメイGO!』

『キラメこうぜ!』

 

 谷千明はシンケングリーンに、押切時雨はキラメイブルーへと変身する。

 千明はシンケンマルを、時雨はキラメイソードを構えて、斬り結ぶ。

 お互いに、実力は拮抗していた。

 すると、それを見ていた章太郎が呟く。

 

章太郎「芳流閣の決闘みたい!」

アクア「何それ?」

章太郎「八犬伝だとね、そこで2人が戦って、川に落ちるんだ。」

ジュラン「えっ!?」

千明「木枯らしの舞!」

時雨「ブルーブライトスラッシュ!」

 

 千明の木枯らしの舞と時雨のブルーブライトスラッシュがぶつかり合い、お互いに吹っ飛ばされる。

 それでも、お互いに向かっていく。

 

零士「あの2人も八犬士だったら、不味いぞ!」

ジュラン「よっしゃあ!ここはレッドの俺が止めてくらぁ!」

ドギー「おい!」

ジュラン「待たれよ!待たれよ!」

 

 ジュランはそう言って、2人を止めようとするが、木で躓いて転び、2人の剣を足で止める。

 2人は、戦うのをやめた。

 

ジュラン「待たれよ。」

千明「何だこいつ?」

 

 そこに、零士達も合流して、事情を説明する事に。

 説明を聞いた2人は、禁書を取り出す。

 千明は『仮面ライダーディケイド』、時雨は『仮面ライダーゼロワン』の禁書を持っていた。

 

「「あっ!」」

時雨「つまり、我らが八犬士か!ハハッ!よし!義によって、助太刀致す。」

千明「どうせなら、殿様の方が良かったけど。ま、やってやるか。」

零士「ありがとう。」

ジュラン「かたじけない。」

 

 そんな中、章太郎は、キラメイブルーとシンケングリーンを描いていた。

 だが、鉛筆が止まり、アクアが声をかける。

 

アクア「どうしたの?」

章太郎「う〜ん。何か、僕の描きたいヒーローと、ちょっと違うんだよね。」

 

 そう言って、描くのを中断して、移動する。

 アクアは、それを見つめていた。

 




今回は、ここまでです。
次回は、西遊記の方だけを書き、その次は、八犬伝の方を書きます。
良かったら、このすばとビルドの方も見てください。
リバイスも、まさかの、アギレラが変身!
私は、デモンズドライバーを予約しました。
リバイスも怒涛の展開になってきました。


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第4話 西遊記の終点

今回は、西遊記側に居るカズマ達の話です。


 カズマ、介人、セッちゃん、モモタロス、ウラタロス、キンタロス、リュウタロスは、無事に天竺に到着した。

 

リュウタロス「わーい!着いた着いたー!」

ウラタロス「天竺って、こんなんなんだ。」

モモタロス「おおーい!早く教典を寄越しやがれ!」

ウラタロス「教典って、ありがたい物なんだけど。」

モモタロス「わざわざ来てやったんだ!せめてお茶でも出しやがれ!」

リュウタロス「頂戴、頂戴!」

カズマ「出てくるのは、お茶じゃないみたいだな。」

モモタロス「ああん?」

 

 カズマが指差した先には、シミー、ナナシ連中、リンシー、ジュッカラゲ、眼魔コマンドだった。

 その中に、戦隊メギドの姿も。

 

戦隊メギド「ハッハッハッ!待っていたぞ。」

キンタロス「力づくで、教典を奪えっちゅう事やな!とらぁ!!」

リュウタロス「全部倒すけど、良いよね?」

カズマ「待て!この物語、決着をつけて良いのか?」

リュウタロス「答えは聞いてなーい!」

モモタロス「任しとけー!!」

ウラタロス「だってさ。」

 

 カズマの制止も聞かずに、イマジン達は駆け出し、交戦する。

 すると、カズマの隣に介人が来る。

 

介人「俺も見てみたい!この物語の先って奴を!」

 

 介人はそう言って、ギアトリンガーにゼンカイザーギアを装填する。

 

介人「チェンジ全開!」

 

『45バーン!』

『ババン!ババン!ババン!ババン!』

『ババババーン!!』

『ゼンカイザー!』

 

介人「行くぜ!ちょあー!」

 

 介人は、ゼンカイザーに変身して、駆け出していく。

 カズマは、諦め顔でキングライオン大戦記を構える。

 

カズマ「………ったく!しょうがねぇなぁ!」

 

『キングライオン!』

『流水抜刀!』

 

 カズマも、ブレイズ・キングライオン大戦記に変身して、砂漠へと移動する。

 戦闘自体は、カズマ達の優勢で進んでいた。

 だが、そこに戦隊メギドの声が出る。

 

戦隊メギド「戦いをやめろ!」

介人「ん?」

戦隊メギド「こいつがどうなってもいいのか?」

セッちゃん「オイラを放せチュン!」

 

 そう、セッちゃんがいつの間にか戦隊メギドに捕まっていたのだ。

 

リュウタロス「ああ!鳥さん!!」

介人「ひ、卑怯だぞ!」

戦隊メギド「卑怯結構!お前らだって卑怯な真似をやって良いぞ。」

モモタロス「卑怯って言ったら、お前の出番だぞ。」

ウラタロス「僕は卑怯じゃないの。正々堂々と嘘をつくだけ。」

モモタロス「ああん?」

キンタロス「その嘘で、何とかならへんのか!」

ウラタロス「ん?あれ、誰?」

 

 ウラタロスは、近づく誰かに気がつく。

 介人は、その青年を避難させようとする。

 

介人「君!こんな所に来ちゃ危ないよ!えっと、安全な所に………。」

ソウゴ「多分、大丈夫な気がする。俺、魔王らしいから。」

 

 その青年は、常磐ソウゴ。

 平成最後の仮面ライダー、ジオウに変身する青年だ。

 モモタロスは、ソウゴに質問をする。

 

モモタロス「魔王?俺たちに天竺に行けって言ったのは、お前か?」

ソウゴ「そう………なるのかな?ま、俺も、この物語に巻き込まれただけだけどね。」

 

 ソウゴはそう言って、戦隊メギド達の方を向く。

 帽子を放り投げると、ソウゴはジクウドライバーを装着していて、右手にはジオウライドウォッチ、左手にはグランドジオウライドウォッチを持っていた。

 

『グランドジオウ!』

 

 ソウゴは、2つのライドウォッチをジクウドライバーに装填して、叫ぶ。

 

ソウゴ「変身!」

 

 ジクウドライバーが回転して、変身が始まる。

 ソウゴの背後には、歴代平成ライダーが並んでいた。

 

『祝え!』

『仮面ライダー!グランドジオウ!』

 

 歴代平成ライダーがソウゴに張り付いて、グランドジオウへと変身する。

 

介人「金ピカゼンカーイ!」

 

 介人が叫ぶ中、ソウゴは怪人達と交戦する。

 戦隊メギドは、ソウゴに向かって叫ぶ。

 

戦隊メギド「お前、こいつの命が惜しくないのか?」

 

 戦隊メギドがそう言う中、ソウゴは、仮面ライダーカブトのレリーフをタッチする。

 

『カブト!』

 

カブト「クロックアップ。」

 

『クロックアップ!』

 

 仮面ライダーカブトが召喚され、セッちゃんを奪還する。

 これが、グランドジオウの力。

 平成ライダーを召喚して、共に戦う力。

 カブトは、セッちゃんを地面に置いて、戦隊メギドへと向かう。

 

セッちゃん「助かったチュン!」

 

 カブトは、戦隊メギドに攻撃する。

 戦隊メギドは、カブトに攻撃しようとするが、消える。

 

戦隊メギド「卑怯だぞ!」

ソウゴ「言わなかったっけ?俺、魔王だって。」

 

 ソウゴはそう言って、ビルド、ゴースト、龍騎のレリーフにタッチする。

 

『ビルド!』

『ゴースト!』

『龍騎!』

 

 すると、ビルド・ラビットタンクスパークリング、ゴースト・グレイトフル魂、龍騎サバイブが召喚される。

 それぞれの仮面ライダーは、それぞれの怪人達を倒すと、そのまま消える。

 ソウゴは、ビルドのレリーフを再びタッチして、フルボトルバスターを召喚する。

 フルボトルバスターから赤いエネルギー弾を放って、怪人達を撃破する。

 

『フルフルマッチブレイク!』

 

 フルフルマッチブレイクを放ち、それを食らった戦隊メギドは倒れる。

 

戦隊メギド「おわっ!」

介人「魔王全開!」

 

 すると、倒れた戦隊メギドから、これまでのスーパー戦隊の禁書が出てくる。

 

モモタロス「おおっ!?何だ!?これが教典って奴か?」

ソウゴ「教典?」

カズマ「いや、禁書だ!これが、西遊記の物語の終点って事か?」

セッちゃん「助けてチュン!」

 

 すると、これまでのスーパー戦隊の禁書は、カズマ達の上空を旋回する。

 

介人「やったー!あっ、そうだ!俺の本も、禁書って奴?」

カズマ「これって………!?」

 

 介人の持つ禁書を見て、驚くカズマ。

 だが、カズマ、介人、セッちゃん、ソウゴ、モモタロス、ウラタロス、キンタロス、リュウタロスは、何処かへと転送される。




今回はここまでです。
少し、短めです。
リバイスも、最終フォームが明らかになりましたね。
究極大聖剣の無銘剣虚無、欲しいですね。


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第5話 八犬伝の結末

今回は、八犬伝側です。


 カズマ達が、何処かへと転送される中、零士達は、押切時雨と谷千明を連れて、ショウ達の元に戻った。

 

ショウ「いやぁ!早くも犬士様を2人も見つけてくれるとは!こりゃあ、たまらん!」

ジュラン「まあ、俺の勘が冴え渡ってたからな!」

アクア「はぁ!?私のおかげでしょ!?」

ラプター「八犬士様は、あと4人です。」

ショウ「うん!」

 

 そう、残り4人だ。

 そんな中、アクアは気になる事があったのか、零士に言う。

 

アクア「ねぇ、零士。」

零士「うん?」

アクア「章太郎君がさっき、変な事を言ってたんだけど、僕の書きたいヒーローじゃないって。」

零士「僕の書きたいヒーローじゃない?」

 

 零士は、章太郎にどういう事かと聞こうとするが、悲鳴が聞こえる。

 視線の先には、ライダーワルドが現れていた。

 零士達は、怪人と応戦する。

 

ジュラン「いや、早い早い!まだあと4人集まってないんだぞ!」

ライダーワルド「集まる前に、お前ら、里見家残党、叩き潰す!」

ジュラン「ハッ!お前ら如きが………。」

ドギー「お前ら如きが何人で来ようと、負けはしない!」

ジュラン「そう言いたかった………。」

千明「俺たちだけでも、千人力だ!」

時雨「千人力じゃない、万力だ!………って、何言わすんじゃコラァッ!!」

 

 余談であるが、押切時雨は、マンリキ邪面という敵と遭遇した際に、トラウマを植え付けられたのだ。

 ドギー、千明、時雨の3人は変身する。

 

『キラメイGO!』

 

時雨「キラメイチェンジ!」

千明「一筆奏上!」

ドギー「エマージェンシー!デカマスター!」

 

『キラメこうぜ!』

 

 時雨はキラメイブルーに、千明はシンケングリーンに、ドギーはデカマスターに変身する。

 

ドギー「百鬼夜行をぶった斬る!地獄の番犬!デカマスター!!」

千明「シンケングリーン!谷千明!」

時雨「切っ先アンストッパブル!キラメイ……ブルー!!」

 

 3人が変身して交戦する中、零士もソードライバーを腰に装着して、変身する。

 

ライダーワルド「犬士共が………!」

 

『ブレイブドラゴン!』

 

 零士もセイバーに変身して、戦いの場面は、竹林へと移動していた。

 零士達は、応戦していたが、数が多く、一部がショウとラプターにまで向かっていた。

 

ジュラン「待て待て待て!女の子とおじいちゃんでしょうが!!」

ラプター「こっち来ないで!!」

 

 ラプターは逃げるが、転んでしまい、ナナシ連中の一体が迫る。

 だが、突如現れた青年に倒される。

 その青年とは、飛電或人こと仮面ライダーゼロワンだった。

 或人は、ラプターに手を差し伸べる。

 

或人「君の、心からの笑顔を見せてくれよ!」

ラプター「あなたは、八犬士様………?」

或人「八犬士を!発見した!!パン!パン!スポットライトピカン!ピカン!ああっ!眩しい!はいっ!アルトじゃ〜〜〜ないと〜〜ッ!!」

 

 或人は、お馴染みのギャグを披露する。

 ラプターは、呆気に取られるも、すぐに解説する。

 

ラプター「………は?あぁ、八犬士と、発見をかけた言葉遊びですか。」

或人「うん!そうなんだけど!説明したら………!」

 

 或人は、ラプターに対してそう言うが、すぐに引き締まった顔をして、ライジングホッパープログライズキーを構える。

 

『JUMP!』

『オーソライズ!』

 

 或人は、ライジングホッパープログライズキーを飛電ゼロワンドライバーにオーソライズして、構えて叫ぶ。

 

或人「変身!」

 

 ゼロワンドライバーに、プログライズキーを装填する。

 

『プログライズ!』

『飛び上がライズ!ライジングホッパー!』

 

 或人の頭上から、《騎士竜戦隊リュウソウジャー》の禁書を持ったライジングホッパーのライダモデルが現れ、或人に纏わり付き、ゼロワンへと変身する。

 その際、ラプターは或人から離れている。

 或人は、すぐに零士達に加勢する。

 零士は、或人に気付いたのか、声をかける。

 

零士「君も犬士!?(ていうか、本物の飛電或人だ!!)」

或人「そうみたい!」

 

 或人も加勢して、戦いは均衡状態になった。

 アクアと章太郎が離れた場所で見ている中、ライダーワルドの攻撃を食らったジュランが腰痛で倒れる。

 

ジュラン「あっ!腰が………!」

ラプター「大丈夫ですか!?」

 

 ジュランが腰に手を当ててる中、ジュランの手に《仮面ライダーJ》の禁書が現れる。

 

ジュラン「何だこりゃ?」

ラプター「うわぁぁ!!」

ショウ「これは………!」

ジュラン「俺も犬士だったって事か?つぅか、団子食えたじゃ〜ん!!」

ラプター「じゃあ、この後………!」

ジュラン「チェンジ全開!」

 

『ゼンカイジュラン!』

 

ジュラン「行くぜ!!」

 

 ジュランは、ゼンカイジュランになり、怪人へと向かっていく。

 

ショウ「これはたまけだ!ジュランも犬士様!」

ラプター「はい!でも、後2人足りません!」

 

 そう、残り2人が居ないのだ。

 すると、それを聞いた章太郎は、スケッチブックを開く。

 

章太郎「意外な所から犬士が現れるのも、八犬伝の醍醐味なんだよな。なら………!」

 

 章太郎は、スケッチブックにキューソードを書くと、ショウとラプターの前でキューソードが実体化して、《仮面ライダーエグゼイド》と《仮面ライダー龍騎》の禁書が現れる。

 

ショウ「僕ちんたちも犬士だったのか!行くぞ!」

ラプター「オッキュー!」

 

 ショウとラプターは、それぞれの変身アイテムを取り出す。

 

『リュウキュータマ!』

『ワシキュータマ!』

 

ショウ「ガリョウテンセイ!」

ラプター「スターチェンジ!」

 

『セイ・ザ・チェンジ!』

 

 ショウはリュウコマンダーに、ラプターはワシピンクに変身する。

 

ショウ「ドラゴンマスター!リュウコマンダー!」

ラプター「スピードスター!ワシピンク!」

 

 ショウとラプターは、それぞれの武器や能力を駆使して、怪人達を倒していく。

 そして、零士達とも合流する。

 

ショウ「究極の救世主!八犬士が揃ったぞ!」

或人「お前らを止められるのはただ1人、俺たちだ!!」

ラプター「全然1人じゃないし!8人だし!」

或人「折角決めてたのに〜!!」

 

 ラプターと或人がそんなやり取りをしている間にも、全ての怪人が倒され、ライダーワルドのみとなった。

 

ライダーワルド「貴様ら………!」

零士「皆!力を一つに!!」

或人「分かった!!」

 

 零士の掛け声と共に、それぞれの武器を合わせて、力を高める。

 その際に、それぞれが持っていた禁書も共鳴する。

 

『ハァァァ!!!』

 

 それぞれの斬撃波が、ライダーワルドに命中する。

 アクアと章太郎が駆け寄ってくる。

 

零士「これが、八犬伝の物語の結末か………。これから何が起こるんだ?」

 

 零士は、そうつぶやく。

 すると、ライダーワルドから大量の仮面ライダーの禁書が現れて、零士達の頭上を旋回する。

 

ジュラン「今度は何だ!?」

 

 零士達が戸惑う中、どこかへと転送される。




今回はここまでです。
或人社長のギャグは、相変わらずでした。
そして、何処かへと転送される零士達。
スーパーヒーロー戦記の物語が、加速していきます。
関係ないですが、リバイスと賢者の孫の小説が、あまり投稿出来ていない理由としては、少しモチベーションが上がらなくなった事です。
このすばとビルドの小説でアンケートをしていますが、ダクネスが別の仮面ライダーにしたいという場合は、活動報告の『新規小説にて3』か、『このすばとビルドの小説について』のどちらでも良いので、意見を入れて欲しいです。
しつこい様ですが、お願いします。


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第6話 敵の真の目的

今回は、セイバーたちが消えるまでです。


 零士達は、どこかの荒野へと転送され、零士、ジュランは変身解除していた。

 

ジュラン「どこ、ここ?」

零士「あれは!?」

 

 零士の視線の先には、カズマ、介人、モモタロス、ウラタロス、キンタロス、リュウタロス、ジオウが居た。

 

セッちゃん「ナイスキャッチ。」

介人「あ。」

零士「カズマ!」

ジュラン「介人ー!」

カズマ「零士!あっ………。」

 

 カズマは、介人から受け取った本を見つめる。

 ヒーロー達は、後ろで話していた。

 

介人「君が、神崎零士?」

零士「ああ。君が介人だね。」

アクア「あれ?章太郎は?」

 

 アクアは、章太郎の行方を気にしていた。

 

モモタロス「退けよ。」

ジュラン「いや、お前が退け。」

モモタロス「誰だテメェ!!」

ジュラン「被ってんだよ!」

 

 モモタロスとジュランが喧嘩してる中、介人がジュランに近寄る。

 

介人「ジュランも久しぶり!」

ジュラン「おう!」

介人「西遊記ごっこをしたら、ここに来たんだ!」

ジュラン「偶然なんだけど、こっちも八犬伝ごっこをしてたら………そんな偶然あるか?」

カズマ「偶然じゃない。」

 

 介人の話を聞いたジュランが首を傾げると、カズマが口を開く。

 それには、話していたヒーロー達も耳を傾ける。

 

カズマ「………というより、敵の作戦に嵌ったのかもな。」

零士「作戦?敵の狙いは………まさか。」

ライダーワルド「こういうのはどうだ?」

 

 ライダーワルドの声が聞こえてきて、全員が崖の上を見ると、ライダーワルドと戦隊メギドを始めとする怪人軍団が居た。

 

ライダーワルド「我らの目的は、貴様らの物語を一つに集めて、止めを刺す事!………ここでお前のセリフだ。」

戦隊メギド「あ、ああ。ここが貴様らの墓場となるのだ!ハッハッハッ!」

 

 ライダーワルドと戦隊メギドはそう言い、怪人達も頷く様に動く。

 

介人「ならないよ。だって、お前らだって集まってるじゃん。」

リュウタロス「だよねー、鳥ちゃん。」

セッちゃん「撫でんな。」

零士「ああ。俺たちを集めた事、後悔させてやるよ!!」

 

 介人と零士の言葉に、怪人達は、戦闘態勢に入る。

 だが、カズマは微妙な表情を浮かべていた。

 零士と介人、ジュランは変身する。

 

『エレメンタルドラゴン!ゲット!』
『烈火抜刀!』

 

「「チェンジ全開!」」

 

『45バーン!』

『16バーン!』

『ババン!ババン!ババン!ババン!』

『ババババーン!』

『ゼンカイザー!』

『ゼンカイジュラン!』

『エレメンタルドラゴン!』

『エレメントマシマシ!キズナカタメ!』

 

 零士は、セイバー・エレメンタルプリミティブドラゴンに、介人はゼンカイザーに、ジュランはゼンカイジュランに変身して、この場にいる全員が戦う。

 カズマは、不安そうな表情を浮かべていた。

 

アクア「何してんの!?アンタも早く行きなさいよ!」

カズマ「アクア。この禁書、見てくれよ。」

 

 そう言って、カズマは自分が持っていた禁書をアクアに見せる。

 それを見たアクアは、驚いていた。

 

アクア「これって………!?」

 

 驚いたアクアは、禁書の中身を見る。

 カズマも、変身する。

 

カズマ「変身!」

 

『氷獣戦記!』

 

 カズマは、ブレイズ・タテガミ氷獣戦記へと変身して、加勢する。

 ライダーと戦隊VS怪人の乱闘は続く。

 そんな中、崖の上から見ていた章太郎の元に、アスモデウスが来る。

 

章太郎「………アンタか。」

アスモデウス「お前の求めるヒーローは掴めたのか?」

 

 アスモデウスの問いに対して、章太郎はスケッチブックを捲りながらつぶやく。

 

章太郎「違う。皆カッコいいけど、僕の描きたいのと違う。」

アスモデウス「これだけヒーローを見せてやったのに、まだ自分のヒーローが掴めないのか?」

章太郎「そう、そうだよ。見れば見るほど、僕のヒーローって奴が分からなくなってきた……!」

 

 そう言って、デカマスター、ゼロワン、ジュランが描かれている絵を破ると、そのヒーロー達が消える。

 

或人「あれ!?」

 

 そして、次にリュウコマンダーとワシピンクが描かれている絵を破ると、その2人が消えていく。

 シンケングリーン、キラメイブルー、ジオウ、モモタロス、ウラタロス、キンタロス、リュウタロスもまた、消えていく。

 

モモタロス「また、違う世界に飛ばされるのかよ?」

キンタロス「つぅか、何かヤバい感じがするで!」

モモタロス「どうなってんだ!?」

ウラタロス「変な感じ……!」

 

 そう言って、消える。

 

介人「モモタロス!皆!」

零士「ハアッ!………皆!どうして?」

 

 そして、章太郎が、ブレイズとゼンカイザーの絵も破く。

 

介人「俺たちだけでもやるぞ!うおおお!ってあれ!?」

カズマ「何!?」

 

 カズマと介人もまた、消滅する。

 

零士「2人とも!」

アクア「零士!この本を!」

 

 アクアに渡された本のタイトル部分を捲ると、《この聖なる刃に祝福を》と書かれていた。

 よく見ると、それだけでなく、《仮面ライダーセイバー》とも。

 

零士「《この聖なる刃に祝福を》と、《仮面ライダーセイバー》………!?」

 

 驚いた零士は、本の中身を見てみると。

 

エリス『もちろん、ただ送るだけではすぐに死んでしまうので、こちらの方で特典を渡しているんです。』

零士『特典?』

 

 何と、零士がエリスと邂逅した時の会話が本に書かれていた。

 それだけでなく。

 

カイト『すごいな零士!段々と腕が上達しているな!』

リナ『やるわね!!』

零士『まぁな。俺も少しずつ上手くなってきたかも。』

 

 それは、屋敷を手に入れた直後の話。

 

零士『………理由は?』

リア『私も、君の仮面ライダーと同じ様に、特典を受け取っている。だからこそ、魔王討伐をすべきかと思ってな。』

零士『………それは、心からの思いなのか?』

リア『………それは………。』

 

 それは、リアから、リアが転生者である事を明かされた時の話。

 

レイナ『ジュン!』

ジュン『レイナ……!』

零士『行けェェェェ!!』

 

 それは、ノエルから、零士とジュンが力を合わせて、レイナを掴んだ時の話。

 

アクア「この本、私たちの事が全部書いてあるの。」

 

 零士は、本を見ると、アクアが言ったセリフが本にも書いてあった。

 

戦隊メギド「お前達は、最後まで、アスモデウス様の作戦に気付かなかった。」

 

 そのセリフもまた、書かれていた。

 アスモデウスは、ニヤけていた。

 

戦隊メギド「神の力で、ヒーローをこの世から消す。」

零士「神だと?」

ライダーワルド「さようなら。愚かなヒーロー達。」

 

 そのやり取りもまた、本には書かれていた。

 章太郎は、ヒーローが消えた事に驚いていた。

 

章太郎「ヒーローが消えちゃう!」

アスモデウス「お前のせいだ。」

 

 その言葉と共に、アスモデウスは怪人としての姿になる。

 章太郎が後ずさる中、アスモデウスが近寄る。

 

アスモデウス「お前は用済みだ。物語の世界からお引き取り頂こう、神よ。」

 

 その言葉と共に、章太郎も消える。

 そして、セイバー達も、世界から消えた。

 

        〈了〉




今回はここまでです。
アスモデウスの計画により、消えてしまった、零士達………。
次回、とある事実が明らかになります。
スーパーヒーロー戦記も、あと、3〜4話辺りで終わります。




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第7話 本当に描きたいヒーロー

今回は、最終決戦直前まで行きます。


 ジュンが目を開けると、そこは、リビングで、リナが目の前にいた。

 

リナ「ジュン。どうしたの、ぼうっとして。」

ジュン「リナ………。他のライダーや、スーパー戦隊は、物語の存在で、俺たちが現実の存在だと思ってた。」

リナ「えぇ………?」

ジュン「でも、違った。俺たちも物語の登場人物だったんだ!」

リナ「何言ってるのよ?」

ジュン「でも!これに全部書かれてた!」

 

 すると、誰かがその本をひったくって、中を見る。

 それは、レイナだった。

 

レイナ「………何も書いてないけど?」

ジュン「えっ………!?(ていうか、零士は何処に行ったんだよ!?)」

 

 ジュンは、女性から本を返してもらって、見てみるが、何も書いていない。

 ジュンは、零士の行方を気にしていた。

 

レイナ「食事の時くらい、妄想の世界に入るのをやめて欲しいんですけど。」

リナ「いい加減、大人になりなさい。ねっ?」

レイナ「うん。」

 

 そう言って笑う。

 

ジュン「君は………?まさか、レイナ………?」

レイナ「まさかって、なぁに?レイナさんですよ!」

 

 まさか、レイナと再会出来るとは思わず、ジュンは思わずレイナに抱きついていた。

 

ジュン「レイナ!」

レイナ「はいはい。きっと悪い妄想だったのね。リナもおいで。」

リナ「はいはい。」

 

 そう言って、リナも抱きつく。

 すると、風景が変わって、ジュンたちの幸せな風景が見えてくる。

 俺たちは、幸せな生活を送ってたんだ!

 戦う必要なんてない、平凡な毎日。

 ジュンはそう思っていた。

 すると、ジュンは先ほどの本を取ろうとすると、一冊の本が落ちる。

 そこには、石ノ森章太郎と書かれていた。

 それは、零士の世界の言葉で、有名な漫画家だった。

 すると、とある可能性が出た。

 更に、零士を介したこれまでの記憶が蘇る。

 

ヤツデ『あらまあ、絵が上手ね!絵描きさんになりたいのかい?』

章太郎『まあ、ね。』

戦隊メギド『神の力で、ヒーローをこの世から消す。』

 

 そうだ。

 こんな事をしてる場合じゃない!

 ジュンはそう決意をする。

 すると、零士の意識が戻ってくる。

 一方、零士が目を開けると、そこは、エリスと出会った部屋だった。

 

零士「ここは………?」

エリス「目が覚めましたか。」

 

 そこには、エリス様が居た。

 

零士「エリス様………。俺、死んじゃったんですか………!?」

エリス「違います。あなたは、追い出されたのです。」

零士「追い出された………!?」

エリス「はい。この物語から。」

 

 そう言ってエリス様が取り出したのは、『この素晴らしい世界に祝福を!』という本だった。

 それを開いて見てみると、そこには、カズマ、アクア、めぐみん、ダクネスの物語が描かれていた。

 だが、その中に、零士の名前はない。

 というより、その小説には、仮面ライダーという物が存在しない。

 

零士「まさか………俺は、この物語にとって、要らない存在だったって事ですか………!?」

エリス「…………はい。本来なら、この様な物語を刻んでいく筈でした。…………ジュンの魂を持った貴方が、セイバーの力を手に、その世界に降りるまでは。」

零士「……………。」

 

 そういう事なのだ。

 つまり、零士はこの物語を書き換えてしまったのだ。

 物語を一つ、犠牲にして。

 

エリス「無論、貴方のせいではありません。」

零士「ええっ………?」

エリス「貴方をあの世界に送り込んだのは、この私です。貴方には、その真実には気付いてほしくなかった。」

零士「…………セイバーの物語と混ざった結果、スーパーヒーロー戦記の物語も発生しちゃいましたからね………。」

エリス「はい。ですから、どんな謗りも受け入れます。私のせいですから………。」

 

 零士は、どうしたら良いのか分からなくなり、呆然とする。

 ここで謗りをして、何かが変わるのか?

 いや、何も変わらない。

 ただの自己満足で終わってしまう。

 零士の心にそんな思いが出て、自然と口が開く。

 

零士「………謝らなくて良いですよ、エリス様。」

エリス「…………え?」

零士「その提案に乗ったのは、俺だ。だから、エリス様のせいじゃないですよ。」

エリス「零士さん…………。」

零士「それに、仮面ライダーとスーパー戦隊という存在が無くなったあの世界は、現在、混乱している。そうですよね?」

エリス「はい…………。」

零士「だから、この後始末は、俺がします。だから、俺を、ジュンの元に戻して下さい。」

エリス「良いんですか………?」

零士「はい。それが、仮面ライダーセイバーとしての運命を選んだ、俺の性ですから。」

エリス「分かりました。彼の元に戻します。」

 

 その声と共に、ジュンの元に戻る。

 すると、風景が変わり、背後からアクアと章太郎の声がする。

 

アクア「ただいま。」

章太郎「お帰り。」

アクア「よいしょっと。良いの描けた?」

章太郎「うん!」

アクア「凄いじゃない。物語から抜け出せて良かったわね。」

 

 アクアも、あんな事を言う奴じゃない。

 零士はそう思いながら、章太郎に話しかける。

 

零士「章太郎………アクア………。探したよ。」

アクア「零士…………。」

 

 零士は、章太郎に近寄る。

 

零士「章太郎。ヒーローを描いてくれ。」

章太郎「ヒーロー………。」

アクア「零士。章太郎はもう、ヒーローを描かないって決めたの。」

章太郎「僕には、ヒーローって奴が分からない。戦争や喧嘩が悪い事なら、ヒーローが戦うのだって、悪い事じゃないか。正義のヒーローを描こうとしても、どうしても悪の匂いがしてしまう。そんなの、ヒーローじゃないじゃん!」

 

 章太郎の独白は分かる。

 確かに、勧善懲悪の物語を書こうとなると、どうしても悪が生まれてしまう。

 でも………。

 

零士「違うよ、章太郎。君にしか描けないヒーローなんだ。正義でもあり、悪でもある。それって、人間って事だろ?君はヒーローを通じて、人間を描こうとしてるんだ。それが君の戦いなんだ。だから、戦ってくれ!」

アクア「零士!アンタ、何言ってんの!?折角あの戦いの物語から抜け出せたのよ!?」

零士「………逆だ。追い出されたんだ!」

 

 そう、今の『この素晴らしい世界に祝福を!』という物語は、カズマという主人公が居なくて、変わりに怪人達が沢山いる物語に変わってしまったのだ。

 

零士「俺たちが物語の登場人物だったとして、それには書き手がいた筈だ。物語世界の神だ。その神の創作意欲を無くして、その世界からヒーローを消す。それが敵の狙いだったんだ。その神とは、章太郎。君だ。」

章太郎「僕が………神………?」

 

 そう、章太郎の正体とは、仮面ライダーとスーパー戦隊の原作者である、石ノ森章太郎その人だったのだ。

 

零士「仮面ライダーとスーパー戦隊の大元。その最初の物語を、君が描くんだ!君は、君の世界の造物主になるんだ!」

章太郎「…………分かった。描くよ。僕は、僕にしか描けないヒーローを。」

 

 そう言って、章太郎は描き出す。

 本当に描きたいヒーローを。

 すると、リナが現れる。

 

リナ「バカな真似はやめて!自分が何をやってるのか、分かってるの?」

ジュン「分かってるよ。」

リナ「現実から逃げて、物語の世界に行きたいの?」

ジュン「逆だ。俺には物語の世界の方が辛い!君たちと一緒に、ずっと現実に暮らしていたい!でも、物語の登場人物が、物語から逃げちゃダメだ!それに俺は、物語の作者の思惑通りには生きない。俺の物語を書く。」

章太郎「登場人物が、作者の手を離れて、勝手に生き始める。僕が描きたかったのも、そういうヒーロー。」

 

 リナの問いに対しては、ジュンが答える。

 零士は、章太郎と共に、物語を書いていく。

 ジュンが考え、零士が書く。

 すると、レイナが現れる。

 

レイナ「ジュン。」

 

 すると、ジュンの手が止まる。

 

ジュン「…………ごめん、レイナ。また君を悲劇に巻き込んでしまう。でも、約束だ!物語の中で、君を絶対に助けてみせる!」

レイナ「…………約束だよ。零士さん、ジュンの事をお願いします。」

零士「ああ。」

リナ「ジュン…………零士………。」

 

 そうして、零士達は再び書き出す。

 書き終えた零士達は、アスモデウスの元へと戻る。

 一方、怪人達は、アスモデウスを讃えていた。

 空には、ザンギャックの戦艦、クライシス要塞、ビッグモライマーズ、モアイダー、トライアングラーが街に攻撃をしていた。

 

アスモデウス「もう、ヒーローは居ない。邪魔する奴はいない。お前達も、存分に暴れてこい!」

怪人達「ウオオオオ!!」

ライダーワルド「ん?アイツら。」

 

 ライダーワルドが指差した先には、零士と章太郎がいた。

 零士と章太郎がある程度近寄ると、アスモデウスが口を開く。

 

アスモデウス「お前達………どうしてここに?この物語に、お前達の居場所はない筈だ。」

零士「どの物語だって?」

 

 そう言って零士が掲げたのは、スーパーヒーロー戦記というタイトルの本だった。

 

アスモデウス「スーパーヒーロー戦記だと?」

ジュン「俺は、物語を産むのが得意でね。この物語は、もはや俺が書いた物語だ!」

章太郎「僕も、やっと描きたいヒーローが描けた!」

 

 そう言って出したのは、仮面ライダー1号と、秘密戦隊ゴレンジャーの絵だった。

 すると、バイクの音が鳴る。

 サイクロン号が、零士達の近くに来て。

 

アカレンジャー「といや!」

 

 そこに現れたのは、アカレンジャーと仮面ライダー1号だった。

 アスモデウスは、余裕を見せていた。

 

アスモデウス「たったそれだけか。私たちの敵ではない。」

アカレンジャー「とりゃあ!」

1号「行くぞ!」

 

 1号とアカレンジャーは、襲い掛かる怪人軍団に戦いを挑む。

 二人は怪人達を倒していく。

 だが、怪人軍団は余裕だった。

 

ライダーワルド「お前一人で何が出来る!?」

1号「甘いな!私から始まり、50年に渡って、ライダーの系譜が繋がる!」

 

 そう言うと、1号の背後から、2号、V3、ライダーマン、X、アマゾン、ストロンガー、スカイライダー、スーパー1が現れる。

 一方、アカレンジャーの場合は。

 

アカレンジャー「『秘密戦隊ゴレンジャー』からスタートしたスーパー戦隊シリーズも、45作を数える!」

 

 そう言うと、アカレンジャーの背後から、スペードエース、バトルジャパン、デンジレッド、バルイーグル、ゴーグルレッド、ダイナレッド、レッドワン、チェンジドラゴンが現れる。

 怪人達が驚く中、仮面ライダー1号の背後には、2号、V3、ライダーマン、X、アマゾン、ストロンガー、スカイライダー、スーパー1、ZX、BLACK、BLACK RX、真、ZO、J、クウガ、アギト、龍騎、ファイズ、ブレイド、響鬼、カブト、電王、キバ、ディケイド、W、オーズ、フォーゼ、ウィザード、鎧武、ドライブ、ゴースト、エグゼイド、ビルド、ジオウ、ゼロワンと、歴史仮面ライダーが集結する。

 一方、アカレンジャーの背後には、スペードエース、バトルジャパン、デンジレッド、バルイーグル、ゴーグルレッド、ダイナレッド、レッドワン、チェンジドラゴン、レッドフラッシュ、レッドマスク、レッドファルコン、レッドターボ、ファイブレッド、レッドホーク、ティラノレンジャー、リュウレンジャー、ニンジャレッド、オーレッド、レッドレーサー、メガレッド、ギンガレッド、ゴーレッド、タイムレッド、ガオレッド、ハリケンレッド、アバレッド、デカレッド、マジレッド、ボウケンレッド、ゲキレッド、ゴーオンレッド、シンケンレッド、ゴセイレッド、ゴーカイレッド、レッドバスター、キョウリュウレッド、トッキュウ1号、アカニンジャー、ジュウオウイーグル、シシレッド、ルパンレッド、パトレン1号、リュウソウレッド、キラメイレッドと、歴代スーパー戦隊の赤い戦士が集結する。

 ここに、全ての仮面ライダーとスーパー戦隊が集まった。

 すると、怪人達の後ろから、クロコダイオーが現れる。

 その中のゾックスは。

 

ゾックス「ヨホホイ、ヨホホイ、ヨホホホイホイ♪何これ?」

 

 ゾックスは、全ての仮面ライダーとスーパー戦隊が集まっている事に驚いていた。

 

ゾックス「面白そうな事には、頭から突っ込むのが、ゴールドツイカー一家の、モットーなんだけど?ヨホホーイ!」

 

 ゾックスは、クロコダイオーから飛び降りて、スーパー戦隊の前に立つ。

 そこに、介人、ジュラン、ガオーン、マジーヌ、ブルーンがやって来る。

 

ジュラン「揃いましたよ、と。」

 

 仮面ライダーの方から、カズマ、リナ、ダクネス、めぐみん、カリン、カイト、ユーリ、エーリカ、リア、ミツルギ、アイリスが出て来る。

 それを見たアスモデウスは、嘲笑う。

 

アスモデウス「フン!どんなに数が多くても、ヒーローなど、幼稚で薄っぺらい夢物語に過ぎん!何の意味もない!」

介人「意味がなかったら、こんなに続くわけないじゃん!」

ブルーン「そうです!」

マジーヌ「そうっス!」

ガオーン「それに、物語は実在するってさ!」

零士「ああ!」

 

 その声と共に、零士と章太郎が、カズマ達の前に立つ。

 

零士「物語は実在するし、現実さえ変えてしまう!それが物語の力だ!!」

アスモデウス「黙れ!物語は今や、私の物だ!」

 

 アスモデウスはそう叫ぶ。

 零士と介人は、頷き合う。

 

「「皆!行くぞ!!」」

 

 そうして、変身を開始する。

 

「「「「「チェンジ全開!!」」」」」

 

『回せー!』

 

ゾックス「チェンジ痛快!」

 

『スタードラゴン!』

『エックスソードマン!』

『ジャアクドラゴン!』

『ヘンゼルナッツとグレーテル!』

『玄武神話!』

『ライオン戦記!』

『ムーンドラゴン!』

『オーシャンヒストリー!』

『昆虫大百科!』

『猿飛忍者伝!』

『ランプドアランジーナ!』

 

ブルーン「ブルン!」

 

『30バーン!』

 

マジーヌ「ぬぬっ!」

 

『29バーン!』

 

ガオーン「ガオッ!」

 

『25バーン!』

 

ジュラン「うっーす。」

 

『16バーン!』

『ブレイブドラゴン!』

『ツーカイザー!』

『45バーン!』

 

 全員の変身準備が整い、章太郎は退避する。

 1号は、章太郎を見ていた。

 

『変身!!』

 

 零士達は、そう叫ぶ。

 

『星雲剣恒星!』

『最光発光!』

『闇黒剣月闇!』

『銃剣撃弾!』

『一刀両断!』

『流水抜刀!』

『黄雷抜刀!』

『双刀分断!』

『狼煙開戦!』

『界時逆回!』

『萬月抜刀!』

 

零士「ハッ!」

 

『ブレイブドラゴン!』

『ヨーソロー!』

『ツーカイに!レボリューション!』

『ババン!ババン!ババン!ババン!』

『ババババーン!!』

『ゼンカイザー!』

『ゼンカイジュラン!』

『ゼンカイガオーン!』

『ゼンカイマジーヌ!』

『ゼンカイブルーン!』

 

 全員が変身し終え、名乗り始める。

 

『火炎剣烈火!』

 

零士「炎の剣士!仮面ライダーセイバー!」

 

『水勢剣流水!』

 

カズマ「水の剣士!仮面ライダーブレイズ!」

 

『雷鳴剣黄雷!』

 

リナ「雷の剣士!仮面ライダーエスパーダ!」

 

『土豪剣激土!』

 

ダクネス「土の剣士!仮面ライダーバスター!」

 

『風双剣翠風!』

 

めぐみん「風の剣士!仮面ライダー剣斬!」

 

『音銃剣錫音!』

 

カリン「音の剣士!仮面ライダースラッシュ!」

 

『闇黒剣月闇!』

 

カイト「闇の剣士!仮面ライダーカリバー!」

 

『光剛剣最光!』

 

ユーリ「光の剣士!仮面ライダー最光!」

 

『煙叡剣狼煙!』

 

エーリカ「煙の剣士!仮面ライダーサーベラ!」

 

『時国剣界時!』

 

リア「時の剣士!仮面ライダーデュランダル!」

 

『月光剣萬月!』

 

ミツルギ「月の剣士!仮面ライダーグラム!」

 

『星雲剣恒星!』

 

アイリス「星の剣士!仮面ライダーグラディウス!」

零士「我ら!」

 

 そうして、零士達の目の前に、歴代仮面ライダーが並び。

 

『仮面ライダー!!』

 

 そう叫ぶ。

 

介人「秘密のパワー!ゼンカイザー!」

ジュラン「恐竜パワー!ゼンカイジュラン!」

ガオーン「百獣パワー!ゼンカイガオーン!」

マジーヌ「魔法パワー!ゼンカイマジーヌ!」

ブルーン「轟轟パワー!ゼンカイブルーン!」

ゾックス「海賊のパワー!ヨホホーイ!ツーカイザー!」

介人「我ら!」

 

 介人達の目の前に、歴代スーパー戦隊が並び立つ。

 

『スーパー戦隊!!』

 

 介人達はそう叫ぶ。

 そして、スーパーヒーロー達と怪人達が一斉に動き出す。

 最終決戦の幕が開ける。




今回はここまでです。
遂に、最終決戦の幕が上がります。
今回のリバイスは、光君のお母さんが亡くなってしまい、本格的に兄弟喧嘩が始まってしまいました。
異世界おくてっとも、第二話までは書けました。
紫紺の剣士がアリシゼーションが終わったら、投稿します。
スーパーヒーロー戦記も、あと2話です。


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第8話 スーパーヒーローの戦い

今回は、リバイスがアスモデウスを倒すまでです。


 こうして、仮面ライダーとスーパー戦隊VSアスモデウス率いる怪人軍団の戦いが始まる。

 ある場所では、トッキュウ1号、キラメイレッド、電王、最光、エグゼイド、グラディウスが戦っている。

 

キラメイレッド「キラメイソード!」

トッキュウ1号「出発進行!」

ユーリ「最高だな!」

アイリス「星雲剣恒星!」

エグゼイド「ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!」

電王「オラァ!」

 

 それぞれが、キラメイソード、レールスラッシャー、デンガッシャー、光剛剣最光、ガシャコンブレイカー、星雲剣恒星を振るう。

 別の場所では、ディケイド、ジオウ、カリバー、ゴーカイレッド、ルパンレッドが戦っている。

 

ジオウ「ハアッ!でやっ!!」

ゴーカイレッド「派手に行くぜ!」

カイト「闇黒剣月闇!」

ディケイド「大体分かった。」

ルパンレッド「アデュー♪」

 

 ジオウとカリバーは剣で敵を倒し、ルパンレッドは銃撃で敵を倒し、ディケイドは格闘戦で敵を倒し、ゴーカイレッドはゴーカイサーベルを振るう。

 一方、別の場所では、剣斬、ZX、ニンジャレッド、ハリケンレッド、アカニンジャーが戦っていた。

 こちらは、忍者チームだ。

 

ニンジャレッド「ニンジャレッド、サスケ!」

めぐみん「風双剣翠風!」

ハリケンレッド「疾風流忍法!」

ZX「ゼクロス!」

アカニンジャー「忍ぶどころか、暴れるぜ!」

 

 忍者チームは、忍者ならではの身軽さで敵を倒していく。

 別の場所では、ZO、キバ、バトルジャパン、ゴーグルレッドが戦っていた。

 

ZO「仮面ライダーZO!」

キバ「行くよ、キバット!」

キバット「よっしゃあ!キバって行くぜ!」

ゴーグルレッド「ゴーグルゴー!」

バトルジャパン「フィーバー!バトルジャパン!」

 

 そこでは、それぞれの格闘戦で敵を倒していく。

 また別の場所では、エスパーダ、ストロンガー、ビルド、デンジレッド、レッドワンが戦っていた。

 

ストロンガー「ストロンガー!」

ビルド「ベストマッチだ!」

 

『ベストマッチ!』

 

デンジレッド「デンジパンチ!」

レッドワン「見たか!バイオ粒子の力!」

リナ「私は私の想いを貫く!」

 

 電気系ヒーローが戦っていた。

 一方、別の場所では、サーベラ、ドライブ、レッドレーサー、ゴーオンレッドが戦っていた。

 

レッドレーサー「戦う交通安全!」

エーリカ「行くわよ!」

 

『狼煙霧虫!』

『煙幕幻想撃!』

 

ドライブ「ベルトさん!タイヤ交換だ!」

ゴーオンレッド「マッハ全開だぜ!」

 

 エーリカが煙になり、周囲の敵に攻撃して、ドライブとゴーオンレッドが加速して敵を倒していく。

 別の場所では、スラッシュ、ブレイド、鎧武、バルイーグル、シンケンレッドが戦っていた。

 

ブレイド「ウェーイ!」

鎧武「ここからは、俺たちのステージだ!」

バルイーグル「飛羽返し!」

シンケンレッド「天下御免の侍戦隊!」

カリン「ハアッ!」

 

 それぞれの剣技を活かして、敵を倒していく。

 別の場所では、スーパー1、フォーゼ、グラム、レッドフラッシュ、ファイブレッド、シシレッドが戦っていた。

 

フォーゼ「宇宙キター!!」

ミツルギ「月光剣萬月!」

レッドフラッシュ「プリズム聖剣!」

シシレッド「よっしゃラッキー!」

スーパー1「パワーハンド!」

ファイブレッド「これが兄弟の絆だ!」

 

 この6人のヒーローは、砂漠の丘で戦っていた。

 傾斜をものともせず、戦っている。

 別の場所では、2号、J、ダイナレッド、ゴーレッドが戦っていた。

 

J「Jパワー!」

ダイナレッド「ダイナレッド!」

2号「お見せしよう!仮面ライダー!」

ゴーレッド「人の命は、地球の未来!」

 

 その四人は、格闘戦で敵を倒していく。

 別の場所では、セイバー、アギト、龍騎、チェンジドラゴン、リュウソウレッドが戦っていた。

 

チェンジドラゴン「地球守備隊だ!」

龍騎「ソードベントだ!」

リュウソウレッド「勇猛の騎士!」

アギト「皆の居場所は、俺が守る!」

零士「はあっ!」

 

 それぞれのドラゴンヒーローは、敵を倒していく。

 別の場所では、ゼンカイジュラン、ティラノレンジャー、アバレッド、キョウリュウレッド、オーズが戦っていた。

 

ティラノレンジャー「龍撃剣!」

ジュラン「恐竜のパイセン方!勉強させていただきます!」

アバレッド「ダイノガッツ!」

キョウリュウレッド「荒れるぜ!止めてみな!」

オーズ「セイヤー!」

 

 恐竜系ヒーローが集まっていた。

 オーズは、プトティラコンボで初めて恐竜になるのだが。

 別の場所では、バスター、BLACK、レッドマスク、リュウレンジャー、ゲキレッドが戦っていた。

 

ダクネス「土豪剣激土!」

BLACK「ライダーチョップ!」

リュウレンジャー「天火星・亮!」

レッドマスク「オーラパワー!」

ゲキレッド「ニキニキだ!」

 

 その5人は、格闘戦をしている。

 バスターの場合は、土豪剣激土の斬撃と蹴りを組み合わせているが。

 別の場所では、スカイライダー、レッドファルコン、レッドホーク、ジュウオウイーグルが戦っていた。

 

スカイライダー「セイリングジャンプ!」

レッドファルコン「ファルコンソード!」

レッドホーク「バードニックウェーブ!」

ジュウオウイーグル「この星を、舐めるなよ!」

 

 全員が飛行能力を有しており、それを駆使して敵を倒していく。

 別の場所では、ゼンカイブルーン、BLACK RX、W、レッドターボ、ボウケンレッドが戦っていた。

 

ボウケンレッド「熱き冒険者!ボウケンレッド!」

W「さあ、お前の罪を数えろ!」

BLACK RX「リボルケイン!」

レッドターボ「レッドターボ!」

ブルーン「ブルーン!って、うわ!ヌルヌル!」

 

 ボウケンレッド、W、BLACK RX、レッドターボは格闘戦で敵を倒していき、ブルーンも、自分に群がった敵を取れたが、イカデビルに追われる。

 別の場所では、デュランダル、ファイズ、カブト、メガレッド、タイムレッドが戦っていた。

 

リア「時国剣界時!」

タイムレッド「時間保護法違反だ!」

ファイズ「夢を守る事は出来る!」

メガレッド「百万倍の好奇心!」

カブト「おばあちゃんが言っていた……。この世に悪の栄えた試しはない。」

 

 時間と空間を司るヒーロー達が、敵を倒していく。

 別の場所では、ブレイズ、ゼンカイガオーン、アマゾン、ギンガレッド、ガオレッドが戦っていた。

 

カズマ「ハァァァ!!!」

ガオーン「ハァァァァ!!ってか、水汚な!」

ガオレッド「邪気退散!」

ギンガレッド「炎のたてがみ!」

アマゾン「キィー!」

 

 野生味溢れるヒーロー達が、泥水の中、敵を倒していく。

 別の場所では、ライダーマン、響鬼、オーレッド、デカレッド、パトレン1号が戦っていた。

 

響鬼「鍛えてますから!」

デカレッド「エマージェンシー!」

ライダーマン「仮面ライダー4号だ!」

オーレッド「オーレッ!オーレッド!」

パトレン1号「国際警察だ!」

 

 それぞれの組織に所属するヒーロー達が、敵を倒していく。

 別の場所では、ゼンカイマジーヌ、ゴースト、マジレッド、ゴセイレッド、ウィザードが戦っていた。

 

マジーヌ「ヌヌヌパチンコ!ハアッ!」

ゴースト「命、燃やすぜ!」

マジレッド「ジー・マジカ!」

ウィザード「ハアッ!」

ゴセイレッド「スカイックパワー!」

 

 不思議な力を操るヒーロー達は、その力をフル活用して、敵を倒していく。

 別の場所では、ゼンカイザー、ツーカイザー、アカレンジャー、スペードエース、レッドバスターが、戦隊メギドとその他の怪人達と戦っている。

 

アカレンジャー「といや!」

レッドバスター「バスターズレディーゴー!」

スペードエース「唸って踊れる、核の鞭!」

ゼンカイザー「ハアッ!」

ツーカイザー「ハアッ!」

 

 別の場所では、1号、クウガ、ゼロワン、V3、セイバーが、ライダーワルドとその他の怪人と戦っている。

 

ゼロワン「さっさと倒すぜェェ!!」

零士「ハアッ!」

1号「ライダーパンチ!」

V3「V3パンチ!」

クウガ「ハアッ!」

ゼロワン「シャキーン!」

 

 各時代の1号とV3とセイバーは、敵を倒していく。

 介人は、とあるセンタイギアを装填して、発動する。

 

介人「よっと!ハァァ!!」

 

『欠バーン!』

 

介人「ハアッ!」

 

『ズッキューン!』

『アキバレンジャー!』

 

 そう、このギアには、非公認戦隊アキバレンジャーの力が込められているのだ。

 

介人「誰!?てかサイン!?今!?」

 

 アキバレンジャーは、ゼンカイジャーに吸い込まれる。

 すると。

 

ゴーレムメギド「冥土の土産に教えてやろう!おおっ!?」

マジーヌ「メイドさん………?」

敵「ここは俺に任せろ!なぁに。すぐに追いついてやる!ああっ!」

ブルーン「追いつく………?」

イカデビル「俺、この戦いが終わったら、結婚するんだ。」

介人「ええっ!?何言ってんの!?」

セッちゃん「ああ!!それは非公認のギアチュン!敵が死亡フラグを立てちゃったチュン!」

 

 そう、アキバレンジャーの力は、敵に死亡フラグを立たせる物だった。

 

マジーヌ「じゃあ!ホイ!」

ブルーン「はたき!」

ガオーン「コショコショ!」

ジュラン「公認と非公認のコラボデコピン。」

介人「痛さは強さゼンカーイ!」

セッちゃん「ある意味本当に痛いチュン。」

 

 死亡フラグを立てた敵は、ゼンカイジャーに倒される。

 だが、アスモデウスの斬撃波を食らったヒーロー達は倒れ伏す。

 

アスモデウス「舐めるな!」

『ウワァァァ!!』

アスモデウス「所詮お前らは二次創作に過ぎん。似た様なモチーフを繰り返し使ってネタ切れしているではないか。既にお前らはオワコンなのだ!」

 

 アスモデウスはそう言って、ヒーロー達に止めを刺そうとする。

 だが、そこに章太郎が鉛筆を手に間に入り、アスモデウスの斬撃波を防ぐ。

 

零士「章太郎!」

章太郎「僕が描きたかったのは、ただカッコいいヒーローじゃない!正義でもなく、悪でもない。精一杯生きている人間だ!ヒーローに、一次も二次もあるか!!」

 

 章太郎はそう言って、アスモデウスの斬撃波を打ち返す。

 零士は、刃王剣十聖刃をソードライバーに納刀して、抜刀する。

 

『聖刃抜刀!』

『クロスセイバー!クロスセイバー!クロスセイバー!!』

『交わる10本の剣!』

 

 零士は、クロスセイバーとなり、介人との連携攻撃でアスモデウスを追い詰めていく。

 一方、カズマと1号は、ライダーワルドの方にいた。

 

『必殺読破!』

 

1号「とう!」

ライダーワルド「なっ!?」

1号「ライダー!キック!!」

カズマ「ハイドロ・ストリーム!」

 

『ライオン!一冊斬り!』

『ウォーター!』

 

 ライダーワルドは、1号のライダーキックとカズマの変身するブレイズのハイドロ・ストリームを食らって爆散する。

 一方、戦隊メギドの方には、アカレンジャーとツーカイザーが居た。

 

ゾックス「痛快に!」

アカレンジャー「レッドビュート!」

 

『ダンシング!』

 

戦隊メギド「ハァァァァ!!」

 

 戦隊メギドは、二人に向かっていくが、ゾックスはギアダリンガーを戦隊メギドに叩く。

 

『ツー!カイ!ツー!』

 

アカレンジャー「といや!」

ゾックス「ヨホホーイ!」

 

『フィニッシュ!』

 

 戦隊メギドは、レッドビュートで縛られた所を、ツーカイザーのマーキング攻撃を食らって、爆散する。

 残りはアスモデウスのみだ。

 零士と介人は、必殺技の体勢に入る。

 

『刃王必殺リード!』

『既読三聖剣!』

 

介人「必殺全開!」

 

『ヒーロー!スーパー!ゼンカイタイム!』

『GO!GO!バンバン!』

 

 敵を全て倒し終え、全ての仮面ライダーとスーパー戦隊が集まってくる。

 

『星烈斬!』

 

介人「ゼンカイフィニッシュバスター!」

零士「星烈斬!」

 

 二人の必殺技は、アスモデウスに向かっていくが、アスモデウスは持ち堪える。

 それには、全員驚く。

 そして、その二つの必殺技が跳ね返され、ヒーロー達が食らう。

 

アスモデウス「善も悪も関係ないなら、自分が物語の主人公になって良いはず………!」

 

 アスモデウスはそう言うが、途端に暗雲が立ち込めてきて、誰かが現れる。

 それは、仮面ライダーだった。

 

???「フフフ………!」

「「誰!?」」

???「ブヘヘヘヘ!!」

 

 その仮面ライダーは、笑いながらアスモデウスに近づくと、ピンク色の仮面ライダーがその仮面ライダーの頭を叩く。

 

???「だかぁら!」

???「あたー!」

???「勝手に暴れんなって言っただろ?」

???「良いじゃねぇかよ!だって俺っち、悪魔だし?」

???「言う事聞け!バイス!!」

バイス「痛い痛い痛い!ちょっと、やめてー!」

???「捕まえた!」

バイス「ああー!尻尾触ったね?怒っちゃうよ?ねえ!!」

???「離さないからな!」

 

 目の前で喧嘩し出して、それを見ていた介人は、零士に尋ねる。

 

介人「零士、君が書いたの?」

零士「いや、知らない。章太郎、君が書いたの?」

章太郎「僕も知らない。でも、好きな感じ!」

 

 鴻上ファウンデーションにいる、鴻上光生は。

 

鴻上「happy birthday!素晴らしい!新しいライダーの誕生だ!!」

 

 そのケーキには、仮面ライダーリバイスと書かれている。

 そう、二人揃ってリバイスなのだ。

 アスモデウスは、二人に襲い掛かる。

 

アスモデウス「ふざけるな!!」

 

 アスモデウスは攻撃するが、二人には躱される。

 

バイス「引くわー。邪魔すんなよな!」

リバイ「ったく!以下同文!一気に行くぜ!」

 

 リバイは、レックスバイスタンプをリバイスドライバーから取って、ボタンを押す。

 

『レックス!』

 

バイス「え!?あわわわ!ボワァァ!!」

 

 すると、バイスの口から火炎放射が放たれ、更に巨大化した尻尾で薙ぎ払う。

 その際に、突風が来て、零士、介人、章太郎は怯む。

 

バイス「ちょっと、勝手に………!ボワワワワワ!」

 

 バイスから再び火炎放射と尻尾の薙ぎ払い攻撃が炸裂して、アスモデウスは吹っ飛ぶ。

 リバイは、足をレックスと似たような形状にして、アスモデウスを蹴って、猛烈なスピードで崖を登って、アスモデウスを地面に叩き落とす。

 二人は合流する。

 

リバイ「よぉ〜し!沸いてきたぜ………!」

バイス「俺の方が沸いてきたぜ!」

 

 リバイは、レックスバイスタンプを2回倒す。

 

『レックス!スタンピングフィニッシュ!』

 

 リバイスは、決めポーズを取り、大きくジャンプする。

 すると、アスモデウスの前に巨大なカウンターが現れ、数字が50になった瞬間、リバイとバイスがライダーキックをする。

 

「「ハァァァァ!!」」

アスモデウス「ぬわぁぁ!!」

バイス「はい、皆さん!ご一緒に!3!2!1!」

 

 バイスのカウントダウンと共に、アスモデウスは爆発する。

 

バイス「悪魔!あっくまー!」

アスモデウス「グワァァァァ!!」

バイス「イェーイ!フォウ!ねぇ、決まったぜ!この小説を見てる皆、見てくれたかよ、俺の活躍………!」

リバイ「はいはい。良い子、良い子。」

バイス「ちょっと!今良いところなのに!」

 

 そう言って、リバイス達は去って行った。




今回はここまでです。
次回で、スーパーヒーロー戦記は終わります。
一部、グラディウス、グラム、カリバーを追加しました。
スーパーヒーロー戦記が終わったら、暫くは、他の小説の方を優先したいと思います。
ゼロワンと賢者の孫の小説も、よろしくお願いします。


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第9話 Hero is Forever

今回で、スーパーヒーロー戦記は終わりです。


 リバイスがアスモデウスを倒して、介人は叫ぶ。

 

介人「世界全開!オール………!」

アカレンジャー「いや、まだだ!」

 

 アカレンジャーは、まだ終わっていない事を悟る。

 何故なら、アスモデウスが爆発した上空には、ザンギャックの戦艦、クライシス要塞、ビッグモライマーズ、モアイダー、トライアングラーがいて、黒いリボンがそれらに巻き付いたと思ったら、全て爆炎の中に取り込まれていく。

 

1号「見ろ………!来るぞ!!」

 

 すると、巨大なドラゴンになったアスモデウスが現れる。

 

介人「でっかー!!」

アスモデウス「殲滅してくれる!!」

 

 アスモデウスは、火球を放ち、仮面ライダーとスーパー戦隊達に攻撃していく。

 それには、ヒーロー達も怯んでしまう。

 だが、アカレンジャーは立ち上がる。

 

アカレンジャー「スーパー戦隊、45作品分の力を見せてみろ!!」

『おう!!』

 

 すると、各スーパー戦隊の巨大メカが現れる。

 セッちゃんは、空中から見ていた。

 

セッちゃん「来た来た来たー!!戦隊メカ大集合チュン!………あれ?なんかオイラに似てるチュン。」

 

 セッちゃんは、バリドリーンを見ながらそう言う。

 各スーパー戦隊の巨大メカは、アスモデウスに攻撃を仕掛ける。

 一方、仮面ライダーは、アスモデウスの攻撃を食らって怯む。

 仮面ライダーには、巨大メカという概念が存在しないからだ。

 仮面ライダーは、アスモデウスの攻撃を食らいそうになる………次の瞬間。

 

ゾックス「ヨホホーイ!」

 

 ゾックスがクロコダイオーを操縦して、仮面ライダー達を回収する。

 クロコダイオーのハッチが開いて、天井部分に仮面ライダーが現れる。

 

1号「ライダー達よ!50年分の力を集めるのだ!!」

『おう!!』

 

 その声と共に、トッキュウレッシャー、ゴーカイガレオン、シシボイジャーがクロコダイオーと並行して飛び、それぞれに仮面ライダーが飛び移る。

 それぞれの戦隊メカの上から、巨大な斬撃をアスモデウスに叩き込み、ダメージが大きくなったからか、アスモデウスは、怪人態のまま巨大化した状態になった。

 零士は、介人に話しかける。

 

零士「介人、君の力を俺に貸してくれ!」

介人「もちろん!零士の書いた物語、面白いじゃん!」

零士「俺と君達の物語だ。だが、物語の結末は、俺が決める!!」

介人「うん!!」

 

 その声と共に、介人は零士の持っていた本に吸い込まれ、スーパーヒーロー戦記ワンダーライドブックに変わる。

 

『スーパーヒーロー戦記!』

 

 零士は、そのワンダーライドブックを開く。

 

『時代を越えて戦い続けるヒーローたちの物語…。』

 

 零士は、火炎剣烈火に変えたソードライバーにそのワンダーライドブックを装填して、火炎剣烈火を抜刀する。

 

『烈火抜刀!』

 

零士「ハァァァァ!!」

 

『どんな時も大切な物を守る為、正義が紡ぐ勝利の歴史!』

『スーパーヒーロー!戦記!!』

『時代が望む限り、ヒーローは必ず現れる!』

 

 零士に、ブレイブドラゴン、機界モードになったジュラン達の幻影、そして、仮面ライダーとスーパー戦隊のロゴが合わさり、セイバー・スーパーヒーロー戦記になる。

 

零士「ハアッ!」

アスモデウス「グワァァァァ!!」

 

 零士は、火炎剣烈火を振るうと、アスモデウスの周辺に禁書が現れ、その禁書がアスモデウスに攻撃する。

 

ジュラン「オラ!オラ!オラ!」

 

 更に、ヒーロー達がアスモデウスに追撃する。

 すると、上空から、クロコダイオー、エンジンスピードル、レッドダイヤルファイターが現れる。

 

ゾックス「ツーカイに行くぜ!!」

 

 それぞれのメカの上には、仮面ライダー達が乗っていた。

 零士は、必殺技の体勢に入る。

 

零士「行くぞ!!」

 

 零士は、ジュラガオーンが合体するスタジアムに居て、1号とアカレンジャーの絵が、背後の巨大なセイバー・スーパーヒーロー戦記によって合わさる。

 

『スーパーヒーロー!必殺斬り!』

 

零士「ハァァ!ハァァァ!!!」

介人「ちょあーっ!!」

 

 二人は、その光球を斬撃と共にアスモデウスに向かって放つ。

 ヒーロー達も、とどめを刺す。

 

1号「ライダー………!」

『キーック!!』

 

 仮面ライダーのライダーキックと、スーパー戦隊の巨大メカの攻撃がアスモデウスに命中して、セイバー・スーパーヒーロー戦記が放った光球が、アスモデウスに命中する。

 アスモデウスは、爆散した。

 

『HERO IS FOREVER!』

 

 アスモデウスが持っていた仮面ライダーとスーパー戦隊の禁書は、アガスディアベースへと戻って行った。

 そこには、ソフィアとシエロが居た。

 

ソフィア「みなさん、ありがとう。世界は救われました。」

シエロ「ソフィア様、本が一冊増えてますよ。」

ソフィア「あら、新しい物語が増えたのですね。」

 

 ソフィアは、その本を取り出して、シエロと共に見る。

 その本のタイトルは、仮面ライダーリバイスと書かれていた。

 一方、章太郎が歩く中、その進行先には、1号が居た。

 

1号「先生!!」

章太郎「先生………?」

 

 1号は変身を解き、本郷猛としての姿に戻った。

 それを、零士達は見守っていた。

 

猛「会いたかった………!もう2度と会えないと思ってました………!」

章太郎「………やっぱり、僕は死ぬんだね。」

セッちゃん「えっ………。」

アクア「死ぬなんて言わないでよ!」

 

 アクアの言葉に、章太郎は振り向く。

 

章太郎「お姉ちゃん!僕は嬉しいんだ。自分が死んだ後も残るヒーローを書くのが、夢だったから。」

猛「………先生の描いたヒーローは、残るだけじゃあない。その時代や世界のヒーローによって、子供達の心に焼きついた感動は、永遠に、人生に息を与え続けます。」

章太郎「………ありがとう。君は、本郷猛だね?」

猛「はい。」

 

 章太郎は、零士に向かって問いかける。

 

章太郎「零士。君は、僕が死んだ後に生まれたヒーローなんだね。そして、違う世界の仮面ライダーセイバー。」

零士「章太郎。」

章太郎「ありがとう。僕の手から離れても、人間として生きてくれて。」

 

 すると、章太郎の後ろに、金色の穴が開く。

 別れの時が来た。

 

アクア「章太郎は、どこに帰るの?」

章太郎「石ノ森町。でも、高校を卒業したら、上京して、漫画家になる。君達の物語を描くよ。皆も、それぞれの物語に帰る時だ。」

 

 そう言って、章太郎は、帰って行った。

 本郷猛の所にも、サイクロン号が現れる。

 

猛「ライダーもスーパー戦隊も不滅だ。これからも、世界人類の為に戦い続けろ。永遠に、皆の傍に居る。神崎零士。」

零士「はい。」

猛「君も、頑張れよ、違う世界の、仮面ライダーセイバー。」

零士「はい!」

 

 本郷猛は、サイクロン号に跨り、そのまま去って行く。

 セッちゃんは、何かに気付いたかの様に、口を開く。

 

セッちゃん「石ノ森章太郎………?彼が仮面ライダーとスーパー戦隊の原作者チュン!?」

「「「「ええっ!?」」」」

零士「さあね!!でも、一つだけ分かった事がある。たとえ、俺たちが物語の登場人物だとしても、物語の結末は、俺たち自身で決めないといけないんだ!」

介人「分かりみ全開!!」

 

 介人の言葉に、皆が笑う。

 すると、介人も、何かに気付いたのか、口を開く。

 

介人「そういえば、新しい仮面ライダーリバイス。どんな物語になるんだろ?」

零士「ああ。楽しみだ!!」

 

 零士達は、カラフルへと向かって行く。

 それぞれのヒーロー達は、これからも、世界の為に戦い続けるだろう。

 零士もまた、《この素晴らしい世界に祝福を!》という物語の、仮面ライダーセイバーとして。




今回はここまでです。
スーパーヒーロー戦記、完結!
しばらく、この小説の投稿は少し止めます。
賢者の孫とリバイスの小説とコラボした、ビヨンド・ジェネレーションズ編をやって、深罪の三重奏で、《この聖なる刃に祝福を》は、完結します。
ただ、賢者の孫とリバイスの小説は、賢者の孫の要素をあまり活かしきれていないので、もしかしたら、賢者の孫の要素を強めにして、再投稿するかもしれません。
それに、リバイスは、未だに放送中の為、あまり手をつけられないのも事実です。
どうするかは、まだ考えていません。
もし、再投稿する事にしたら、ビヨンド・ジェネレーションズ編は、かなり先になると思います。
一応、賢者の孫とリバイスの方で、このまま行くのか、修正して再投稿するのかのアンケートを取りたいと思います。
良かったら、そちらの方で、アンケートに票を入れて欲しいです。
追記、賢者の孫とリバイスの方でと言いましたが、こちらでアンケートをします。


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1周年記念
特別話 伝説!ライダーの魂!!神獣編


 ある日、剣士達が集められた。

 

零士「ソフィア様、どうしたんですか?」

ソフィア「実は、貴方達に、頼みたい事があります。」

カズマ「頼みたい事?」

リナ「何ですか?」

ソフィア「貴方達には、他の仮面ライダーの悪しき存在と、戦ってもらいます。」

零士「どういう事ですか?」

 

 ソフィアは、理由を話した。

 実は、アスモデウスとの一件の後、禁書は再び封印されたが、アスモデウスが呼び出した怪人の残滓及び悪しき存在が、漏れ出てしまったのだ。

 そこで、剣士達には、その敵を撃破してもらいたいとの事だ。

 

めぐみん「アスモデウスとの一件が、まだ影響が続いていたとは。」

ダクネス「ならば、倒すべきだろうな。」

カリン「私も、異論はないわ。」

カイト「それで、その敵は、何処にいるんですか?」

ソフィア「はい。その敵は、3つの世界に分かれました。」

ユーリ「なるほど、その三つの世界に向かえば良いわけだな?」

エーリカ「それなら、3グループに別れた方が良いんじゃない?」

リア「そうだな。その方が良いだろう。」

シエロ「では、分かれましょう。」

 

 そうして、3つのグループに分かれる事になった。

 組み合わせは、一つは零士、カイト、ダクネス、ミツルギ、アイリスで、二つ目はカズマ、リア、エーリカ、シエロで、三つ目は、リナ、めぐみん、カリン、ユーリとなった。

 

零士「こんなもんか?」

ミツルギ「しかし、この組み合わせには、どんな意味が…………?」

ソフィア「実は…………基本形態に用いるワンダーライドブックと同じジャンルでなければ、入れない世界なんです。」

アイリス「つまり…………神獣、生物、物語の三つのジャンルの内、それぞれと合う物でなければ、入れないという事ですか?」

ソフィア「そうです。」

 

 アイリスの質問に、ソフィアは頷く。

 それを聞いた一同は、納得する。

 

零士「一応、カズマ、リナ。二人には、これらを渡しておくわ。」

 

 そう言って、零士が渡したのは、カズマにはクウガ、ブレイド、カブト、キバ、オーズ、ビルド、ゼロワンの、リナには1号、電王、ディケイド、ダブル、フォーゼ、ドライブ、エグゼイド、ジオウのワンダーライドブックを渡す。

 

カズマ「レジェンドワンダーライドブック!?」

リナ「良いの?」

零士「もしかしたら、そのライダーの敵が出てくると思うから、使ってくれ。」

リナ「ええ。」

 

 そうして、それぞれが、それぞれの世界へと向かっていく。

 零士、カイト、ダクネス、ミツルギ、アイリスは。

 

零士「ここか…………。」

ダクネス「一体、何が居るのだ………?」

カイト「油断するなよ。」

ミツルギ「分かっているさ。」

アイリス「はい。」

 

 全員が、周囲を警戒していると、突如、攻撃が来る。

 零士達は、それに気づき、躱す。

 攻撃が放たれた方を見ると、地のエル、仮面ライダーオーディン、アークオルフェノク、オロチ、仮面ライダーソーサラー、ロード・バロン、グレートアイザーが居た。

 

零士「あれは…………!」

ダクネス「敵か!」

カイト「みたいだな…………。」

アイリス「気を引き締めましょう。」

ミツルギ「はい。」

 

 零士達は、ワンダーライドブックを取り出す。

 零士、カイト、ミツルギは、強化形態に変身する様だ。

 

エレメンタルドラゴン!

玄武神話!

ジャオウドラゴン!

ムーンドラゴン!』『エクストリームラビット!』『銀河特急の夜!

スタードラゴン!

ジャオウリード!

スターリード!

烈火抜刀!

一刀両断!

闇黒剣月闇!

萬月抜刀!

星雲剣恒星!

 

 全員が、それぞれのワンダーライドブックをベルトに装填して、聖剣を構える。

 

「「「「「変身!!」」」」」

 

バキッ!ボキッ!ボーン!メラ!メラ!バーン!シェイクハンズ!

エレメンタルドラゴン!

エレメントマシマシ!キズナカタメ!

ブッた斬れ!ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!

激土重版!絶対装甲の大剣が北方より大いなる一撃を叩き込む!

Jump out the book. Open it and burst. The fear of the darkness.

You make right a just,no matter dark joke.

Fury in the dark.

ジャオウドラゴン!

誰も逃れられない……。

萬月の力を宿し神獣のその名は!フルムーンドラゴン!

萬月三冊!萬月の剣が、悪を貫き、全てを照らす!

Shooting starry!Stellar!Than get keen!

スタードラゴン!

恒星翻訳!流れし流星の剣が、温厚無比に星竜を従える!

 

 零士はセイバー・エレメンタルドラゴン、ダクネスはバスター・玄武神話、カイトはカリバー・ジャオウドラゴン、ミツルギはグラム・フルムーンドラゴン、アイリスはグラディウス・スタードラゴンへと変身する。

 すると、まずは、地のエルが向かってくる。

 

ダクネス「私に任せろ!」

湊翔「ダクネス!?」

 

 ダクネスはそう言って、土豪剣激土を持って、地のエルに向かっていく。

 ダクネスの土豪剣激土と、地のエルの敬虔のカンダという長剣がぶつかり合う。

 

ダクネス「くうっ…………!」

地のエル「貴様は、アギトと同じく、私の邪魔をするのか。」

ダクネス「貴様…………!何を企んでいる!」

地のエル「人間を…………アギトを倒すだけだ。」

ダクネス「そのような事は…………させない!」

 

 ダクネスと地のエルは、そう話し、戦いを再開する。

 すると、零士が持っていたアギトのワンダーライドブックが、ダクネスの方に飛来する。

 

ダクネス「これは…………。」

地のエル「ぐぅぅ…………!アギト…………!」

零士「ダクネス!それを使え!」

ダクネス「ああ!」

 

 ダクネスは、アギトのワンダーライドブックを手に取り、土豪剣激土のシンガンリーダーに、読み込ませる。

 

金色龍のアギト!』『ドゴーン!

 

 すると、地のエルとダクネスの間に、アギトとバスターのライダーズクレストが現れる。

 ダクネスが、土豪剣激土を振りかざすと、その二つのライダーズクレストが吸い込まれる。

 

会心の激土乱読激!』『ドゴーン!

 

ダクネス「食らえ!!」

 

 ダクネスはそう叫ぶと、土豪剣激土を振り下ろす。

 すると、アギト・シャイニングフォームのシャイニングクラッシュが発動して、地のエルに命中して、爆散する。

 次に、仮面ライダーオーディンが出てくる。

 

ダクネス「次は、貴様か………?」

零士「ダクネス、無理すんな。俺が行く。」

ダクネス「零士…………?分かった。」

 

 次は、零士が前に出る。

 零士は、火炎剣烈火を持って、オーディンに向かっていく。

 だが、オーディンは、瞬間移動で、躱す。

 

零士「くそっ………!瞬間移動か…………!」

オーディン「お前には、私は倒せない。」

零士「それは、どうかな!?」

 

 零士は、ソードライバーに火炎剣烈火を納刀して、必殺技を撃つ。

 

必殺読破マシマシ!

 

 待機音が流れ、零士は火炎剣烈火を抜刀する。

 

烈火抜刀!

エレメンタル合冊斬り!

 

零士「森羅万象斬!」

 

 零士は、オーディンに向かって、四属性のエネルギーを纏った斬撃波を放つ。

 だが、攻撃はオーディンのガードベントにより防がれてしまった。

 

零士「防がれた!?」

オーディン「無駄な足掻きだ。」

 

 オーディンは、自身の召喚機、ゴルドバイザーに、ソードベントのカードを入れる。

 

ソードベント!

 

 オーディンは、ゴルドセイバーを召喚して、零士に攻撃する。

 

零士「くぅぅぅ…………!」

オーディン「お前は、私には勝てない。」

零士「悪いけど、諦めが悪くてな!」

 

 零士はそう叫んで、自身の体を、エレメント化した。

 

オーディン「無駄な事を…………。」

 

 オーディンはそう呟いて、実体化した零士を斬ろうとする。

 だが、零士は再びエレメント化して、オーディンを掴む。

 

オーディン「何っ!?」

零士「ゼロ距離なら、防ぎようが無いだろ?」

 

 零士はそう言って、龍騎のワンダーライドブックを取り出して、シンガンリーダーに読み込む。

 

龍騎!ふむふむ!

習得一閃!

 

零士「ハァァァァ!!」

 

 零士は、龍騎サバイブの炎の斬撃波をゼロ距離から放ち、オーディンに攻撃する。

 

オーディン「ぐぅぅ………!優衣…………。ぐわぁぁぁぁ!!」

 

 オーディンは、神崎優衣の名前を口にして、爆散する。

 次は、アークオルフェノクが出てくる。

 

カイト「零士。次は俺だ。」

零士「ああ…………任せる。」

 

 零士は、カイトと交代して、休む事に。

 カイトは、闇黒剣月闇を持って、アークオルフェノクに向かっていく。

 アークオルフェノクは、光の鞭で、カイトに攻撃する。

 

カイト「危ねぇ!」

 

 カイトは、光の鞭を躱す。

 アークオルフェノクは、無言でカイトに攻撃していく。

 何発か、攻撃が命中しつつも、カイトはアークオルフェノクと戦う。

 

カイト「お前、何が目的だ!」

アークオルフェノク「オルフェノクの世界を作る。」

カイト「人間を滅ぼされてたまるか!絶対に守ってみせる!」

 

 カイトは、アークオルフェノクの答えに、そう叫ぶ。

 すると、零士が持っていたファイズのワンダーライドブックが、カイトに向かっていく。

 

カイト「使えって事か!」

 

 カイトはそう言って、ジャオウドラゴンワンダーライドブックを一回閉じる。

 

ジャオウ必殺読破!

 

 必殺待機状態になり、闇黒剣月闇で、カリバードライバーのボタンを押して、ジャオウドラゴンワンダーライドブックを開く。

 

ジャオウ必殺撃!

You are over……!

 

カイト「ハァァァ!!」

 

 カイトは、ジャオウドラゴンを召喚して、アークオルフェノクに突進させる。

 アークオルフェノクは、五匹の龍を受け止める。

 その隙に、カイトは、ファイズのワンダーライドブックを、ジャガンリーダーに読み込ませる。

 

必殺リード!オルフェノク!

 

 すると、闇黒剣月闇の刀身に、フォトンブラッドが生成され、纏う。

 

月闇必殺撃!

習得一閃!

 

カイト「ハァァァァァ!!」

 

 カイトの斬撃が、ジャオウドラゴンとともに、アークオルフェノクにダメージを与える。

 そして、アークオルフェノクは爆発する。

 次は、オロチが向かってくる。

 

アイリス「ここは、私が。」

カイト「お願いします…………。」

 

 アイリスが、星雲剣恒星を携え、オロチに向かっていく。

 オロチは、火炎弾と尻尾による攻撃をしていく。

 アイリスは、その攻撃を躱し、斬撃波を放つ。

 

アイリス「フッ!ハッ!ハアッ!」

 

 その斬撃波を、オロチは受けるも、オロチは少し怯んだ程度で、火炎弾を撃ち込み、アイリスは吹っ飛ぶ。

 

アイリス「キャア!」

ダクネス「アイリス様!」

 

 アイリスは、何とか立ち上がる。

 

アイリス「私は…………負けません!ベルゼルグ王国の第一王女で、星の剣士です!」

 

 アイリスがそう叫ぶと、零士が持っていた響鬼のワンダーライドブックが、アイリスの元に向かう。

 

アイリス「これを使えば…………!」

 

 アイリスは、響鬼のワンダーライドブックを、星雲剣恒星のシンガンリーダーにリードする。

 

必殺リード!響鬼!

 

 すると、アイリスの星雲剣恒星の刀身に、炎が纏う。

 

恒星必殺撃!習得一閃!

 

アイリス「ハァァァ!!」

 

 アイリスは、装甲響鬼の必殺技、音撃刃・鬼神覚醒を放ち、オロチを一刀両断する。

 オロチは、断末魔の叫び声を上げながら、爆散する。

 次に、ソーサラーが出てくる。

 

ミツルギ「アイリス様。ここは、おまかせを。」

アイリス「はい…………。」

 

 ミツルギは、アイリスを下がらせて、月光剣萬月を構える。

 ミツルギは、ソーサラーに向かっていく。

 ミツルギの月光剣萬月と、ソーサラーのディースハルバードがぶつかり合う。

 

ソーサラー「ほう。君が私の相手か。」

ミツルギ「それがどうした?」

ソーサラー「君には、私は倒せまい。」

ミツルギ「やってみないと、分からないだろう!」

 

 ミツルギはそう叫んで、月光剣萬月を振るう。

 ソーサラーは、魔法を発動して、ミツルギに攻撃していく。

 ミツルギはソーサラーが放つ魔法を躱しつつ、応戦する。

 

ミツルギ「貴様の目論見はなんだ!?」

ソーサラー「人間を滅ぼし、ファントムの世界を作り上げるのだ!」

ミツルギ「そんな事は…………絶対にさせない!」

ソーサラー「魔法使いでもない貴様に、この私が倒せるのか?」

ミツルギ「……………確かに、僕は魔法使いじゃないさ。でも、人々の希望になってみせる!」

 

 ソーサラーの言葉に、ミツルギはそう答える。

 すると、零士が持っていたウィザードのワンダーライドブックが、ミツルギの元に向かう。

 

ミツルギ「これを使えば良いんだね!」

ソーサラー「させるか!」

 

 ソーサラーは、ミツルギの動きを止めようとする。

 それを見たミツルギは、銀河特急の夜のワンダーライドブックをタップする。

 

銀河特急の夜!

 

ミツルギ「ハアッ!」

ソーサラー「何っ!?」

 

 ミツルギとソーサラーの間に、電車が通り、ソーサラーが怯む。

 

ミツルギ「ちょっとしたアドリブさ。」

 

 ミツルギは、月光剣萬月のシンガンリーダーに、ウィザードのワンダーライドブックを読み込ませる。

 

ウィザード!ふむふむ!

習得一閃!

 

ミツルギ「ハァァァァ!!」

 

 ミツルギは、ウィザード・インフィニティースタイルの必殺技、ドラゴンシャイニングを発動して、ソーサラーを一刀両断する。

 

ソーサラー「バカな…………この…………私が……………グワァァァァ!!」

 

 ソーサラーは、本来の姿であるドレイクの姿になり、そのまま爆散する。

 次に、ロード・バロンが出る。

 

カイト「次は、俺だ。」

ミツルギ「大丈夫なのかい?」

カイト「問題ない。」

ミツルギ「分かった。」

 

 ミツルギが下がり、カイトが前に出る。

 

ロード・バロン「貴様か。俺の相手は。」

カイト「ああ。」

ロード・バロン「少しは、楽しませてもらおうか。」

カイト「ハァァァァ!!」

ロード・バロン「フン!」

 

 カイトは闇黒剣月闇を、ロード・バロンはグロンバリャムという長剣を振るい、ぶつかり合う。

 

ロード・バロン「ほう。少しはやるな。」

カイト「俺だって、負けられないからな!」

ロード・バロン「ならば、貴様に問う。貴様は、何の為に戦う?」

カイト「俺は…………仲間を、世界を、守る為に戦う!」

ロード・バロン「フン!笑止!少しはやるが、俺には及ばない!」

 

 ロード・バロンは、自分の体を霧状にして、カイトに攻撃する。

 

カイト「ぐぅ…………!うわぁぁ!!」

 

 カイトは、ロード・バロンの攻撃に吹っ飛び、地面に倒れる。

 ロード・バロンは、カイトに言う。

 

ロード・バロン「その弱さで、何をどう守ると言う?それは、力の無い者が語る言葉ではない!」

カイト「……………そう。そうさ。確かに、アンタからしたら、俺は弱いかもしれないさ。でもな…………。俺は、そんな弱さをも受け入れて、前に進む!絶対に…………屈しはしない!!」

 

 カイトは、ロード・バロンの言葉に、そう返す。

 すると、零士が持っていた鎧武のワンダーライドブックが、カイトの元に向かう。

 

カイト「…………使ってやる!」

 

 カイトは、鎧武のワンダーライドブックを、ジャガンリーダーに読み込ませる。

 

必殺リード!インベス!

 

 カイトは、鎧武のワンダーライドブックを読み込ませると、姿勢を低くして、闇黒剣月闇を腰の辺りに構える。

 

ロード・バロン「ほう。良いだろう。」

 

 それを見たロード・バロンも、グロンバリャムを腰に携える。

 その光景はまさに、一騎打ちを行う武士の様だった。

 しばらくの静寂の末、二人は駆け出す。

 

カイト「ハァァァァァァ!!」

ロード・バロン「セェェェェイ!!」

 

月闇必殺撃!習得一閃!

 

 カイトは、極アームズの必殺技、火縄大橙無双斬を放つ。

 その必殺技は、ロード・バロンに当たり、カイトは、ロード・バロンの攻撃を躱す。

 ロード・バロンは、火花が出る中、カイトに話しかける。

 

ロード・バロン「なるほど…………それが貴様の強さか。貴様だけの強さを求めれば良い!!」

 

 ロード・バロンは、カイトの強さを称えて、爆散する。

 それを聞いたカイトは。

 

カイト「…………言われるまでもない。」

 

 そう返す。

 グレートアイザーが前に出る。

 

零士「…………あとは、俺に任せろ。」

カイト「そうさせてもらう。」

 

 カイトが下がり、零士が前に出る。

 零士とグレートアイザーが、ぶつかり合う。

 グレートアイザーの攻撃を、零士は躱しつつ、攻撃していく。

 

グレートアイザー「ぐぅぅ………!何故だ!?全知全能の存在である私が、不確定な人間如きに…………!」

零士「確かに、人間ってのは、不確定さ。でもな、不確定だからこそ、手を取り合い、力を合わせる事が出来る!」

グレートアイザー「黙れ!コントロール出来ない存在など、あってはならない!!」

零士「アンタに教えてやるよ!人間の力、可能性をな!」

 

 すると、零士の懐から、ゴーストのワンダーライドブックが飛び出す。

 零士は、それをキャッチする。

 

零士「行くぞ!」

 

 零士は、シンガンリーダーに、ゴーストのワンダーライドブックを読み込ませる。

 

ゴースト!ふむふむ!

習得一閃!

 

零士「ハァァァァ!!」

 

 零士は、ムゲン魂の必殺技の一つ、ヨロコビストリームを放つ。

 グレートアイザーは、それを受けてしまう。

 

グレートアイザー「グゥゥゥゥ…………!グワァァァァ!!」

 

 グレートアイザーは、爆散する。

 これで、アギト、龍騎、ファイズ、響鬼、ウィザード、鎧武、ゴーストから出た悪しき存在は打ち倒された。

 残りは、15体。




今回はここまでです。
この聖なる刃に祝福をは、今日で1周年を迎えました。
そこで、1号と平成ライダー、ゼロワンの敵を、零士達と戦わせる事にしました。
次回は、生物のジャンルに割り振られたレジェンドライダーの敵と、カズマ、エーリカ、リアが戦う話です。
3人には、頑張って欲しいです。
そして、この聖なる刃に祝福をが1周年を迎えたという事は、ハーメルンで、小説を投稿し始めてから、1年が経ったという事です。
他の小説も、頑張っていきます。
このファンで、防振りとのコラボが始まりましたが、中々、メイプルやサリーが当たりません。
何とか、当ててみせます。
これの他にも、ビルド、リバイス、ギーツとクロスさせたこのすばの小説や、転キメ、SAO、リケ恋、ゼロワンとブレイドとクロスさせた賢者の孫の小説など、色々ありますが、頑張っていきます。
これからも応援の程、よろしくお願いします。


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