最後の転生 (狼黒)
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自己紹介、及びテロリスト襲撃まで

やぁみんな、いきなりですがこんにちは

(いきなりすぎではないでしょうか‥)

そうかねぇ?まぁ良いんじゃない?

あ、どうも皆さん、私、ラクネート・クレーヌと申します

そしてさっきの声は

(初めまして皆様、私、この方の補佐をしております、キャロル・ドーリーと申します、以後、お見知りおきを)

説明してあげようと思ったのにー

(貴女がやると長くなるからです)

‥否定できねぇ‥

因みに私はキャロリンと呼んでいる

まぁあれだ、某スライムの正妻と思ってくれたらいい

(正妻‥///)

あれ?照れてる?

(いいえ)

そっかー

まぁそれはさておき、唐突だが皆さん転生と言うのはご存知だろうか?

そう、あの死んだら異世界に生まれ変わるとかいう奴である

まぁ何でこんなことをいうのかというと、私がその経験者だからだ

頭イカレてんのかと思われるかも知れないが本当の事だからしょうがないね

因みに私の場合、あの馬鹿神のせいで死んで転生したんだけど、こいつがまた酷いもんでね

まぁ簡単にいうと、その作品の色々な時代に生まれ変わるというものだ

しかも何回も繰り返してきたからね‥

(ざっと1億2000万4999回ですね)

言わなくて良かったのに‥っ!

まぁキャロリンが言った通り、私はもうそれぐらいの数の転生をしている

因みにこの世界は「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」の世界だ

いやぁ本当に色々なことがあったよ‥

ある時はセリカと一緒に邪神共をぶっ殺したり、ある時はアルベルトを騙してたパウロを道連れに持ってたり、ある時はリディアを治してその反動で死んだり、ある時はイグナイトのくそやろうを失脚させて、暴れようとしたから相討ちに持ってたり、ある時はリィエルの兄にあたる人物を救ったり、ある時はあのイカレ野郎‥ゲフンゲフン、ジャスティスと相討ちになったり、ある時はテロリスト共と一緒に自爆したり、ある時はアール=カーンと一緒に爆発したり、ある時は‥えーと何だっけ‥ラ‥ラ‥ラザニアだったっけ?

(ラザールです、正確には彼が魔人となった時に共に死んでいます)

そうそう、そいつそいつ

またある時は銀翼竜と一緒に自爆したり、ある時はレザニアのイカレ野郎共と心中したり‥

あれ?私死にすぎかもしれんぞ?

(‥‥)

ねぇ黙らないで、何とか言って?

まぁ唯一の救いは毎回死ぬ前の魔術が纏めて使えるってことぐらいかな

え?どれくらいなのかって?

セリカの《イクスティクション・レイ》を改変省略して300発同時にぶっぱなせるぐらいだよ?

「やあやあ!元気かな!?」

ヌッ!この声は‥!

「私だよ!神様《死ね》うおっ!?あぶなっ!」

ちっ、外したか‥

「ねぇまって!頼むから話を聞いて!」

「うるせぇ、大体ろくな話じゃないのは目に見えとるわい」

こんな転生やらかしてくれた奴じゃ、ろくな事じゃないのは目に見とるわ

「待って!今度は良い話だから!その左手を下げて!」

しょうがねぇなぁ‥下らねぇ話だったらぶっ飛ばすよ?

「分かった!分かったから!」

その後の馬鹿神の話はこうだった

簡単に纏めると、これが最後の転生で、アルザーノ学院の生徒時代に転生してもらう

そして、今まで私がやってきた救済とかは、全部やった状態になると

つまりあれだ、リディアとかアルベルトの姉さんとかリィエルの兄に当たる奴とかセラとかが全員生きてるってことだ

そしてあのイグナイトのくそったれとパウロのくそ爺はもう居ないということらしい

「本当かな?」

「本当だよ!神に誓っても良いよ!あ、私が神だったね!」

うぜぇ‥こいつ‥

「じゃ、後は頑張ってねー!」

そうあの馬鹿神がいうと、私は光に包まれた

あいつ、今度あったらぶん殴ってやろう

(手伝いますよ、マスター)

 

「こらぁ!起きなさい!」

そんなことを夢で見ていると、突然怒鳴り声で眠りから覚めた

「なんだよ‥フィーベル‥」

のろのろと顔を上げると、そこにいたのはシスティーナ=フィーベル

いかにも怒ってますと言わんばかりの顔だ

(だから猫みたいと言われるのでしょう)

こら、言っちゃ駄目ですわよ

「なんだよって何!?貴女にはこの学院に所属している誇り‥」

あぁ、またなが~い説教が始まった‥

そう思いながら、私は席を立つ

「あ、こら!何処に行くの!?」

「屋上‥眠いから‥」

そう言って私は教室からでた

 

そして時と場所は移り、私がいるのは屋上

と、ここで説明をしておくべきだね

あの馬鹿神が言い終わって光に包まれた私だけど、目を開けてみれば何処かに捨てられた捨て子のような感じで路地裏に放り出されていた

また孤児から始まることにうんざりしつつも、魔術で歩けるようにしてそこで育った

そしてそのまま普通に過ごしていたんだけど、ある日アルザーノ学院の入学試験に飛び入りで参加して、そのまま合格してここにいるって感じかな

因みに飛び入りで参加してきた生徒は居ないらしく、私が始めてだったとか

(まぁそうでしょうね‥)

さてと、眠いから寝るとしますかね

キャロリン、誰か来たら教えてね

(了解しました)

 

あれから日数は経ち、相変わらず屋上でボーッとしています

一回教室に行ったんだけど、グレンが授業をしていた

セラに関しても、事務員兼助講師という形で働いているらしい

あの馬鹿神が言ったことは本当だったらしいね

(リディアに関しても本人の魔力が確認できることから、おそらく生きているものかと)

なら良かった

「ここにいたのか」

そんなことを考えていると、後ろから声が聞こえてくる

「どうしたの?教授?」

そう言いながら目を開けると、そこには金髪の美人なねーちゃんがいた

(言い方がおっさん臭いですよ)

まぁ皆さんご存知セリカだよね

「相変わらずだな‥私にタメ口で話すのなんてお前とグレンくらいだぞ‥」

「別に良くない?」

まぁそりゃ400年以上も生きてる奴に敬語使わないのなんて、私とグレンくらいだろ

(ハーレイ教授は?)

あの人はノーカン

「で?ここで何してたんだ?」

「昼寝」

「お前学生だろ‥」 

因みに何でこんな関係になってるかって言うと、まぁ飛び入りで試験に参加して合格してから以来かな

何でもセリカ曰く

「昔の知り合いに似ているからな」

とのこと

(似ているも何も本人ですからね‥)

「で?どうかしたの?」

「あぁ、そうだそうだ、お前明日も学校だからな?」

「あー、そういや担任居なくなって授業日数足りないんだっけか」

「その事は知ってるんだな、というかお前授業出てるのか?」

「一応ね、というかあの先生分かりやすいね」

「まぁ私の弟子だからな!」

「そーなのかー」

胸を張って自慢するセリカにそう言っておく

というか昔と比べて丸くなったもんだ

昔は何というか人を寄せ付けない感じがあったんだけどな

「まぁそれは良いとしてだ、最低限学校には来いよ?」

「わーってるわーってる」

「なら良い、じゃあな」

「おーう」

そう言ってセリカは去っていった

というか明日って‥

(テロリスト襲撃の日ですね)

そうだったわ

 

翌日

(相変わらず昼寝ですか)

「良いじゃん別に、学校には来てるんだし」

屋上のフェンスに寄り掛かりながらキャロリンと話していると、次の瞬間、一つの閃光が壁を貫通させ、そのまま突き抜けていった

「‥始まったねぇ」

(そのようですね、どうします?)

‥まぁ面倒くさいけどね‥

「グレンが1人目をぶちのめしたら報告お願い」

(了解しました)

まぁ平穏な人生なんて、この世界じゃ望んだだけ無駄だからね

ならやることは一つ

「最後の人生、思いっきり楽しむことにするさ、そしてあの馬鹿神をぶちのめす!」

(最後の目標が物騒ですね‥まぁ私も同感ですが)

これに尽きるね



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テロリスト?うざいから死ねや

「聞いてない聞いてないッ!僕こんなの聞いてないッ!」

そう叫びながら逃げるグレン

腕の中には悲鳴を上げているシスティーナを抱えている

そして彼等の後ろからは、大量のゴーレムが追いかけてきている

グレンが【愚者の世界】という切り札によって、テロリストの一人はボコボコに出来た

だが、最悪なのは、今まさに追ってきているゴーレムが天井を突き破って来た事である

しかも悪いことに、そのゴーレムは只のゴーレムではなく、竜の牙という厄介極まりない材料で作られている事であった

物理攻撃は勿論、基本三属性の攻性呪文もまるで効かない為、【ウェポン・エンチャント】による直接的な魔力干渉による攻撃しか効かない

そのため、急遽システィーナから【ウェポン・エンチャント】を受け取り、逃げながらゴーレムを粉砕していく

だが、破壊しても破壊しても沸いてくる為、埒が明かない

ましてや、今はシスティーナというハンデまで抱えているため、状況は確実にグレンに不利になりつつあった

(‥そういやあいつは無事か?)

ゴーレムを粉砕しながら脳裏に浮かぶのは、自分が受け持つクラスの一人で、授業にまともに参加していない女子生徒の事である

先程テロリストを尋問した時も、「知らない」ということだったので少なくとも教室には居なかったのだろう

無事でいるといいが‥

「先生っ!左っ!」

そんなことを考えていると、システィーナの叫び声が聞こえた

その方向を見ると、ゴーレムの一体が今にも武器をグレンに振り下ろそうとしているのが見えた

(ちっ!しくった!)

そんなことを考えつつも、防御姿勢を取るグレン

もはや避けられない、なら最悪でも致命傷は避けようと覚悟を決めたその時

 

『ふぁいやー』

 

そんな声が聞こえたかと思うと、目の前のゴーレムが青い光に飲まれた

あまりの眩しさに目を閉じたグレンとシスティーナ

やがて目を開けると、目の前のゴーレムだけでなく、追ってきていたゴーレム達とその後ろにあった学校の壁が吹き飛んでいた

「な、何が‥」

システィーナが唖然としているが、グレンも何が起きたのか全く把握できていない

いや、正確には何が起きたのかということは把握できている

かつて所属していた職場に同じ魔術を使う同僚が一人居たが、その同僚は既に死亡している筈だった

「無事なようでなによりなにより」

そんなことを考えていると、グレン達に話しかけてくる声が聞こえた

その方向を向くと、そこに居たのはつ

「え、クレーヌ!?」

「そうじゃぞい」

安否が分からなくなっていたラクネート・クレーヌだった

 

いやー、間に合って良かったわ

(余裕だったの間違いでは?)

気にしちゃ駄目よ

「お、お前‥」

「聞きたいことは山程あるのは理解できるけど後でねー」

グレンが色々と聞いてきそうだったけど、それは後回しじゃ

「居るんでしょ?出てきなよ」

私がそう言うと、廊下の陰からダークコートを纏った男が出てきた

いや普通出てくるかね?

(貴女が出てこいと言ったのでしょう‥)

「貴様‥一体何者だ?」

「何って‥ただの学生だけど?」

「ただの学生があれだけの規模の魔術を使って立っていられる筈がない」

(確かに)

いやキャロリンまで同意しちゃ駄目でしょ

「だが貴様が何者だろうと関係ない、計画を邪魔するならば消すまで」

そう言って5本の浮遊する剣をこちらに向けてくるテロリスト

「あっそ、そんなら消されても文句言うなよ?」

キャロリン、あれ

(何時でも射出可能です)

「ほざけ、その余裕も『行けよファング』っ!」

ほー、勘だけは鋭いね

(まぁ一応凄腕のようですから)

「貴様‥何だそれは」

「教えてやるとでも?」

そう言う私の回りにはテロリストと同じような浮遊物が取り巻いている

まぁあれより高性能だけどね

「ふん‥だが次は通じんぞ」

「そうかい、グレン先生だっけ?」

目線はそのままでグレンに話しかける

「あ、あぁ」

「こいつは私がやるから、今のうちにもう一人のところに行って、学園の塔にいるからさ」

「お、おう‥任せていいんだな?」

グレンが確認のようにそう聞いてくる

「もちのろん、そこのシスティーナも連れってね」

「‥分かった、行くぞ、白猫」

「は、はい‥気を付けてね?」

そう言ってグレンとシスティーナが去っていく

「行かせて良いの?」

「貴様に隙があったらの話だがな」

「あっそ、まぁどうでもいいわな」

じゃあキャロリン、殺ろうか

(了解いたしました)

 

結果的に、その勝負は一瞬にして終わった

あらましを説明するならば、私のファングが五本の剣を叩き落とし、それと同時に2基のファングで前と後ろから串刺しにしたからね

いやぁそれにしても一瞬で叩き落とした時の顔が面白かったね

「貴様‥まさか‥成る程な‥」

「一人で納得すんなや」

串刺しにしているテロリストに話しかける

まぁまもなく絶命するだろうけど、情報は搾っておきたい

だってこいつが所属している組織色々と謎だらけだしな

「まぁいい‥いずれまた会うことになるだろう」

「お断りじゃ、くそったれ」

その言葉を最後に、そいつは絶命した

まぁ情報は搾れたらいいやっていうような感じだからいっか

さてと、じゃあ寝ますか

(後の事は?)

グレンが何とかするから問題なーし

(‥どうやら出来ないようです)

‥みたいだねぇ

「素晴らしいですね」

その言葉の方を向くと、そこには全身黒ずくめの奴が拍手をしながら歩いてきていた

声は女、そしてこいつらの関係者‥

となれば

「見てたのかい、天の智恵研究会のお偉いさんよ」

「あら、そこまで分かりますか」

そりゃそんだけ怪しさ満載じゃあねぇ‥

「何しに来たの?殺る?」

そう言ってファングをその人物に向けるも

「やめておきましょう、今回は見物に来ただけですから」

そう言ったかと思うと、姿が消えていく

「いつかまたお会いしましょう、輪廻転生者様、では‥」

「二度と来んな変態」

「ふふふ‥///」

うわぁ、少なくとも顔を赤らめて悶えてるのは分かったわ

(生粋の変態ですね)

言われんでもわかる

そんなことを考えていると、その人物は完全に姿を消していた

多分‥あの変態メイドだよね?

(恐らく)

‥厄介な奴に目ぇつけられたもんだ

というか何で知ってるのかね?

(さぁ‥あの組織は色々と謎が多いですから気にするだけ無駄ですね)

確かに、来たら返り討ちにすりゃええか

 

その後の話だが、結果的に事件は解決した

まぁ分かってはいたことだが、黒幕は前任のヒューイ先生だったそうだ

何でも計画通りに行けば、自分もろとも学院を吹き飛ばすつもりだったらしい

怖いねぇ‥

(一人で星ごと殲滅出来る貴女がそれを言いますか‥)

ただまぁ後悔している部分もあるらしいから、死刑は免れると思うがね

で、グレン達はお偉いさん達に呼び出されて、そこでルミアが元王女だということを教えてもらったらしい

そして絶対に漏らすなということも

まぁ死んだ筈の王女が生きてたら色々と面倒だよね

え?私はどうなのかって?

それより問題が起きてんだよくそったれ

「お待ちしておりました、どうぞ」

「へいへい‥」

何でか知らないが、私は今王宮の廊下を歩いている

何でこうなったんだっけな?

(昨日自宅に王宮からの手紙が来て、是非とも会いたいと女王が言ってきたからですね、そこから女王親衛隊の面々が来て馬車で王宮まで運ばれて今目の前の執事の後をついていっているというわけです)

‥嫌な予感しかしないねぇ

(奇遇ですね、私もですよ)

しゃーねぇ、覚悟決めるか

「失礼しまーす‥わーお」

扉を開いて部屋に入ると、そこに居たのは

「どうも初めまして、ご機嫌いかがですか?」

「よう、遅かったな」

この国、アルザーノ帝国の女王であるアリシア7世と、大陸最高峰の魔術師であるセリカ=アルフォネアが二人仲良くお茶を飲みながら、こちらに顔を向けていた




オリ主がゴーレムと学校の壁を吹き飛ばした魔術の正体、分かった方は何がとは言いませんが正解です


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魔術競技祭

「‥部屋を間違えたかな?」

「いいや、ここであってるぞ?」

思わず現実逃避をする私に、セリカがそう言ってくる

「いやだって、女王?女王本人が目の前にいるんじゃぞ?」

「本人の前でよくそんなこと言えるな‥まぁいい、ここに座れ」

そう言って空いてるソファーを指差すセリカ

今すぐ帰りたいけどねぇ‥

(部屋の外にゼーロス率いる親衛隊がいるので無理かと)

だよねぇ‥

そんなことを思いながら、ソファーに座る

「で?何で呼び出されたの?こんなところに」

「いやなに、ちょっと聞きたいことがあってな、その事を話したらこいつも聞きたいと」

「‥マジで?」

「マジですよ」

女王、あんたそんなキャラだっけ?

「で、聞きたいことって?」

「いや、大したことじゃないんだがな」

そう言ってセリカは持っていたコップを置くと、こっちをみてくる

うわぁ、顔が笑顔だけどこの威圧感パネェ

「学校の壁の大穴、あれをやったのはお前か?」

「そだよ?」

え、待って、何で素直に答えたのにそんな反応されなきゃならないの

「‥意外だな、少しは誤魔化すかと思ってたんだが」

「私は何時だって正直だよ!」

(嘘でしょ)

こらキャロリン、茶々をいれない

「そうだったか‥?」

ねぇセリカ、頼むからそんな目で見ないで?

「ごほん、話を戻すぞ」

「うい」

「で?お前は何者なんだ?」

すごく真剣な目で見てくるセリカ

うわーすごい、特務分室時代の時だー

とはいえどうしようかな‥

(正直に話した方がよろしいかと)

ま、この二人ならいいか

となると、セリカと私しか知らないことを言うとするか

「あーいつぞやだったかな、酒を飲みすぎて、翌日起きてみたらお互い全裸だったから何をしたのかと思って取り乱したよね、セリカ」

「なっ‥それは‥!?」

「他にも魔術使いすぎて倒れたからおんぶしていったけど他人に見られるのは恥ずかしいと言うことで途中で降りた結果、全員の目の前で倒れたり、焼き芋やろうってなって火事になりかけたり‥他にもあったよね」

「も、もうやめてくれ‥」

そう言うセリカは顔が真っ赤だ

「というかその事を知ってるとは‥まさか‥」

「そうだよー、特務分室第二の切り札のクレーヌちゃんだよー、元気そうだねセリカぁ!?」

その瞬間、セリカに思いっきり抱き締められていた

「生きてたんだな‥良かった‥!」

うん、感動するのは良いんだけど苦しい‥

「セリカ、そこまでにしておいた方が良いですよ」

ナイスぅアリシアちゃん!ありがとう!

アリシアにそう言われたセリカは渋々と言った感じで座る

「まぁまぁ、後でいくらでも抱きついていいから」

「本当か!?」

おう、そんな目をキラキラさせんでくれや

「後でね?それと‥えー‥」

「アリシアで構いませんよ」

「じゃあアリシアちゃん、何で驚いてないの?」

滅茶苦茶冷静やん、目の前の奴が400年前の伝説とか聞いたら動揺すると思うんやけど

「何というんでしょうか‥もう慣れてしまいまして」

「お、おう」

慣れるもんなのか‥

「で、話を戻すのですが」

「うい」

アリシアちゃん、軌道修正上手いねぇ

「あの娘‥ルミアが私の娘だということは聞いていますね?」

「まぁ一応」

「元気ですか、あの娘は?」

「まぁあんなことがあっても元気やぞ」

「それは良かったです‥」

母親の顔だねぇ‥

(少なくとも元気で安心したということでしょう)

「実はお願いがあるのです」

「何じゃらほい」

「あの娘を守ってあげてくれませんか?」

「別に良いけど」

え、待って、滅茶苦茶驚くこと?

そしてセリカ、腹を抱えて笑うのを堪えるな

「だから言っただろう、大丈夫だって!」

(恐らく元々貴女の正体を問いただすのと、このお願いの為に呼ばれたのかと)

なる程ねぇ‥

「で、ちょっとお願いがあるんだけど」

私は二人にそう言って、そのお願いを言い始めた

 

 

はい、あれから時は経って、今現在屋上から中庭を眺めています

それにしても相変わらずグレンとセラは教えるのが上手いねぇ

因みにお願いと言うのは、私の正体を秘密にしておくということだ

だってバレたら色々と面倒だし‥

(まぁ色々なところから狙われるのは確実ですね)

因みに外にいた親衛隊には、「凄腕の魔術師」ということで話がついた

セリカがあの部屋に遮音結界貼ってくれたのが功を奏したね

因みにあの後はセリカにこれでもかというぐらい抱き締められました

で、それからと言うものの、特に何事もなく、気づけば魔術競技祭の時期がやってきました

ま、私のクラスもグレンのお陰で団結出来てるみたいだからヨシ!(現場猫)

因みに私は面倒くさいので参加しない

ま、これは学院長とセリカの公認だからヨシ!(現場猫)

(現場猫が二回出てますよ?)

ま、影ながら応援させてもらうとするさ

にしてもグレン、多分勘違いされてるなこりゃ‥

セラは薄々気づいているみたいだけどな‥

 

さて当日、魔術競技祭が始まりました

いやぁ皆熱狂してるねぇ‥若いことはいいね

(貴女も十分‥いえ何でもございません)

空気を読んでくれて助かるよ

「あ!クレーヌさん!」

そう言って手招きしてくるのはルミア、隣にはシスティーナもいる

「意外ね、貴女がここに来るなんて」

「サボりはするけど応援はするさよ」

「まずサボりを止めなさいよ‥」

「無理!」

どや顔でそう言うと、システィーナは頭を抑え、ルミアは苦笑いする

頭痛でもするのかね?

「お、ルミアの番じゃの」

「頑張ってね!」

「うん!」

そう言ってルミアは会場に向かった

念のため奴さんの近くにファング置いときますか

 

「凄い‥」

そう言うシスティーナの視線の先にあるのは、魔術競技祭の競技である『精神防御』で見事一位になったルミアである

ま、当然と言えば当然かな

(確かに、少なくとも一般的には経験できないことを経験していますからね)

その分、精神も強いと

けどあの変態男爵どうにかなんねぇのか?

(一応貴族の一員ですから‥)

ま、どうでもいい‥おや?

ねぇキャロリン、アリシアちゃん首にあんなの着けてたっけ?

(‥解析完了、あのネックレスには呪いが掛けられています)

マジか‥道理で何かおかしいとは思ったけど

こりゃ少し考えとかんとアカンな‥

 

「その娘‥ルミア=ティエンジェルを討ち果たしなさい」

それから時は経って、今はグレンとルミアが変装を解いてアリシアちゃんの目の前に現れたところだ

因みにグレンとルミアが追われている時は、遠くからファングを遠隔操作して、見えないところから援護してたよ

因みに私だが、学園の外にある高台から狙っている

(同タイミングでアルベルトとリィエルも変装を解きました、現在追ってきていた親衛隊と交戦中の模様)

いやぁ、やっぱあの二人は凄いね

とと、目の前の事に集中しないと

キャロリン、宜しく

(風速東から3キロ、距離5000メトラ、ぴったりです)

OK、じゃあ後は待とうか

 

 

アリシアのその言葉に一時的に唖然としたグレンだったが、やがてアリシアの変わったところを見つけ、この騒動の原因を突き止めた

が、ゼーロスが目の前にいる以上、まずは彼をどうにかして突破しなければならない

その方法をグレンが模索していた時だった

 

パキンッ

 

「なっ!?」

ゼーロスの驚く声が聞こえたので、その方向を向くとそこにあったのは

 

アリシアのネックレスが何かによってちぎれ、そのまま落ちていくところだった

 

(くそ!まずい!)

慌てて懐から『愚者の世界』のアルカナを取り出すグレン

恐らくあのネックレスには何らかの術式が組み込まれており、外れたらアリシアの命はなくなるのだろう

(ちぃっ!間に合え‥は?)

「へ、陛下!?」

呆気にとられるグレンとゼーロス

それもそのはず、当の本人がネックレスが外れても生きているのだから

「ゼーロス、私はもう大丈夫です、だから、もういいんです‥」

呆気にとられるゼーロスに対し、微笑みながらそう言うアリシア

その言葉を聞いて安心したのか、両手に構えていた剣を落として、その場にへたりこむゼーロス

そしてこの瞬間、魔術競技祭とその裏で起きていた騒動も終息したのだった

 

 

うまくいったねぇ

(当然ですね)

まぁ何をしたのかというと、5000メトラ離れたところからライフルでアリシアちゃんのネックレスを狙撃したのよ

因みに銃弾は、当たったところの魔術を無効にする術式を組み込んだ銃弾

だからちぎれても何事もなかったのさ

それにしても、ゼーロスのあの何が起きてるのか分からない顔は面白かったね

ま、後はアリシアちゃんがどうにかするでしょ

(取り敢えずここから離れますか)

そやね

キャロリンとそんな話をしながら、私はその場を立ち去った

 

その後の展開だが、アリシアは自身の身に起きたことを一部をぼやかしながら生徒達に演説し、魔術競技祭は無事終了した

因みにアリシアのネックレスをちぎったのは痕から見て銃弾だということが分かり、親衛隊などが調べたが、結局誰が撃ったのかは分からずじまいに終わった



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耳掻きとは

「‥ねぇセリカ、一つ聞いても良いかね?」

「何だ?」

「何だってこんなことやってんの?」

「私がしたいからだ、それより動くなよ」

えーどうも、ラクネート・クレーヌです

私が今何をやっているのかといいますと、セリカ膝枕をされなから耳掻きをされています

何?意味が分からないって?安心しろ私も分かんないから

何時も通りに屋上で寝ようと思ったら、セリカに学院長室に呼ばれて来てみたら、ソファーの上で耳掻きを持ったセリカが座ってて、あれよあれよという間にこんな感じになってる

うん、改めて振り返っても意味が分からん

(少なくともこの事を男子生徒が知ったら羨ましがられるでしょうね)

「仲がいいのう、君達は‥」

学院長がそう言ってくるけど、私が理解できてないからね?

「ところで話があるんじゃなかったの?」

「あぁ、そうだったな」

耳掻きの手を続けるセリカによれば、今度クラスに転校生が来るらしく、その転校生はルミアの護衛らしい

で、その転校生の本職は軍人なので、くれぐれもバレないようにフォローしてくれということだった

まぁ別に良いけどね

「ういうい、気が向いたらフォローするわ」

「頼む」

その後は他愛もない雑談をしながらも、耳掻きをされました

まぁその後セリカの耳掻きもしたけどね

 

「顔が真っ赤じゃぞ、セリカくん」

「‥ほっといてくれ」

 

「‥上手く馴染めているようで」

(まぁこのクラスの雰囲気というのもあるのでしょう)

あれから数日経って、私は食堂で飯を食べながらキャロリンとそう話す

その視線の先には、クラスメートが楽しそうに食事をしている光景がある

まぁ一回顔出したけど、上手く行ってるようで安心した

「邪魔していいか?」

そんな声が聞こえた方向に意識を向けると、そこにはこれでもかと飯を盛ったグレンがいた

「別に構わないけど、というか先生こっちで食べるんだ」

「まぁな」

(本当はリィエルが心配なようですが‥まぁ言わないでおいた方が良いでしょう)

それには同感

「というかお前もこっちで食べるんだな、何時も見ないからどうしてるかと思ってたが」

座ったかと思うと早速食べ始めたグレンがそう聞いてくる

「ま、今日は偶々こっちで食べようかなって思ってね」

そう言いながら肉を口に放り込む

うむ、ちょうどよい味付けじゃ

「それにしても結構馴染めてるじゃん、転校生」

「‥まぁな、初めはどうなるかとヒヤヒヤしたもんだが」

「あら?その言いぐさだと知り合い?」

「まぁな」

ま、同じ職場で働いてた同僚ってことは知ってるんだがね

「グレン君みーっけ!」

その声と同時にグレンの隣に現れる女性

まぁお察しの通りセラだ

(また夫婦漫才が始まりそうですね)

そやね

「じゃ、後はごゆっくり~」

何かグレンが言ってたようだが、私はそのまま食堂から去った

 

「ねぇグレン君‥」

「‥あぁ、前にも会ったような気がする‥何者だ、あいつは‥」

「そうだね‥それより!一緒に食べよう!」

「ちっ、しゃーねぇーな‥」

 

「何もいうな、黙って俺についてこい」

「「「「「「先生‥!!」」」」」」

久しぶりに教室に顔出したと思えばどういうことやねん

「何がおきとんじゃい、一体」

「あはは‥実はね‥」

ルミアの説明によれば、今度の「遠征学習」の場所がサイネリア島にある「白金魔導研究所」になったらしく、それに男子生徒が文句を言っていたところ、グレンが「水着が拝める」的なことを言ったらしく、それでさっきの光景になるらしい

(相変わらずですね‥)

「けど珍しいね、クレーヌさんが教室に来るなんて」

「今日は太陽が出てないから」

「太陽が出てたら来るつもりは無かったのね‥」

「まぁね~♪」

その言葉にシスティーナが頭を抱える

今度頭痛薬でも渡しておこうかね

「そう言えば貴女は参加するの?」

「白金魔導研究所に興味はないけど行くよ?あそこ魚が旨いらしいし」

「行ったことあるの?」

「いや、本で読んだ」

そう返すと、システィーナは頭を抱え、ルミアは苦笑いだけしてた

まぁ本当は何十回、何百回と行ってるんだけどね

 

「うーみーはーひろいなー大きいーなー」

「何を歌ってるのよ‥」

サイネリア島に向かう船の上で歌う私に、システィーナがそう言ってくる

まぁここに来るまでに、ナンパ師に絡まれたりしたが概ね順調だ

しかしここに来るまでに何であんな日数掛けなきゃならんのかね‥

(車もありませんし仕方ないでしょう)

それにあのナンパ師、アルベルトだったよね

何しに‥って考えるまでもないね

(恐らくリィエルが囮、本命の護衛はアルベルトといったところなのでしょう)

まぁそう考えるのが自然やな

「あの光景よりはマシじゃろ?」

「まぁ‥確かに‥」

そう言う視線の先には

「オロロロ‥」

「大丈夫?グレン君?」

船酔いに苦しむグレンとそれを介抱するセラがいた

グレンに至ってはもう死ぬんじゃないかと思うくらいに顔が青い

因みに何でここにセラがいるのかというと、セリカがグレンの補佐としてつけたらしい

セリカも心配症だねぇ‥

「それより貴女、荷物はそれだけで良いの?」

システィーナがそう言う私の荷物だが、肩からかける小型のバック、これが私の全荷物だ

「最低限の着替えと水着は入ってるから問題ない」

「よくそれに入るわね‥」

まぁ冷凍圧縮してるからこれに入るんだけどね

 

「何やってるんだか‥」

部屋に寝っ転がってると、システィーナが呆れた口調でそう言っていた

這いずりながらシスティーナのもとに行って外を見てみると、グレンが男子生徒複数を相手にした魔術戦を繰り広げていた

まぁ魔術戦とは言っても『ショック・ボルト』しか使っていないが

「男子生徒が忍び込もうとしたけど、先生に見つかって道を切り開こうとしてるって感じかね?」

「正解、というかよく分かったわね」

状況からしてそうとしか見えん

「というか貴女、普通に立って来なさいよ‥這いずって来た時は何が出たのかと思ったわよ?」

「面倒くさいからねぇ‥」

「ねぇ」

唐突に後ろから声が聞こえたので振り向くと、そこにはリィエルがいた

「ん?どうかしたの?」

「私‥貴女と会ったことがあるような気がする‥」

‥おーう、これは一体どういうことだ?

私、バレるようなことしてないよ?

(まぁあくまでも気がするというだけですから)

それもそやな

というか勘が昔より鋭くなったな‥

「多分気のせいじゃろ、少なくとも私は会ったことないしね」

「そう‥」

その後は普通に他の部屋の連中と色々と遊んだよ

 

「貴女、もっと他の水着は無かったの?」

「これが一番安かったから」

そう言う私が身に付けているのは水着、因みに一番安い物買ったから黒色だ

少なくともまだリィエルの方が色気があるじゃろうな

「海で泳ぐだけじゃし別に良いじゃろ」

「貴女本当適当よね‥」

(多少色気は出した方が良いとは言いましたよ?)

別にいーじゃん

「お待たせ皆!」

「「「「「おお!!」」」」」 

ルミアが待っていたのであろう男子生徒に声を掛けると、途端に男子生徒は目の色を変えて見てくる

まぁこのクラス女子のレベルが高いからねぇ、特にルミア辺りは

セラも結構似合ってるしねぇ

システィーナは‥まぁ‥うん‥

「失礼なこと考えてなかった?」

「イエソンナコトナイヨ?ウミガキレイダナー」

片言でいうとシスティーナからジト目で見られた

因みにその後だが、皆でビーチバレーしたりした

リィエルの殺人スパイクでグレンとカッシュが吹き飛ばされたりした以外は概ね順調だ

(それは順調と言えるんですかね‥?)

さぁ?グレンは気絶したけどセラに膝枕されてたから結果オーライじゃろ

(男子生徒が血涙流してましたけどね‥)

‥あいつそのうち刺されるんじゃないかな

 

‥やっぱり接触しようとしてたねぇ

(まぁ敵としては妥当な判断かと思いますが)

そうキャロリンと話している視線の先にあるのは、リィエルの兄と名乗る奴がリィエルに接触しているところだった

まぁ会ったことがある私からしたら偽物としか言いようが無いがね

というか待て、あいつイルシア殺した奴じゃねーか

(兄の方は救い出せたのですがね‥)

まぁ‥不可抗力ってやつじゃね

ま、それはいいとしてあいつから引き離すとしますかね



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人体実験やってるやつはろくな奴じゃない

リィエリの兄と名乗ってる偽物と、それに遭遇しているリィエルの元に近づく

抜き足差し足忍び足で近づいても良かったんだけどそんな気分じゃないから堂々と近づくとしますかね

「やっほーリィエル」

「!?」

「だ、誰だ!?」

おう、そんなに驚くこと?

(貴女は堂々と近づいたつもりでしょうけど、他人からしたらいきなり現れたようなものですよ)

そんなもん?

(そんなもんです)

「だ、誰かな君は」

「こっちの台詞じゃ」

偽物の言葉にそう返す

「え、えっと‥」

「リィエル、悪いけど少し寝ててね~」

そう言って指を鳴らすと、リィエルが崩れ落ちる

「な!リィエルに何をっ!?」

「心配すんなや、寝てるだけだしな」

リィエルが崩れ落ちたのは睡眠魔術のせい、まぁこれは私しか使えない限定魔術だ

「ふ、ふざけるな!今すぐリィエルを‥!」

「黙れや偽者さんよ」

リィエルを片手間に宿に転移させながらそう言う

「な、何‥!?」

「少なくともあいつの兄に当たる奴に会ったことがある、少なくともてめえみたいなくそったれじゃねぇよ」

あいつは自分の罪の重さに耐えながらも、自分の妹と自分の親友を助けようとしてた

ま、目の前の奴がその親友ってのは皮肉なもんだがね‥

「‥糞が!」

そう言って素早く左手を向けてくる

その対応は素晴らしい、だけどね‥

 

それは私じゃなければの話だがね

 

「なっ!?があぁぁぁぁぁ!」

その悲鳴と共に左手を抑えながら蹲る偽物

その左手だが、完全に燃え落ちている

「うーん、やっぱり誤差があるねぇ、オリジナルじゃないし」

そう言いながら左手に炎を灯す

「な、何なんだそれは‥っ!」

「あら?知らない?お前さんたちの天敵とも言える組織のやつなんだけど」

「ま、まさか‥!」

「ま、寝てろや」

そう言って頭を蹴って気絶させる

まぁ多分勘が良い方なのかね‥言ったら気づくとは‥

まぁお察しの通り、さっきのはイグナイト家の眷属秘呪である【第七園】のコピーのようなもんだ

名付けるなら【偽・第7園】ってとこかな

さすがに本家と比べるとコンマ数秒起動が遅れるけど、本家の特徴はそのままだ

まぁ1億回もやり直してるとこれぐらい出来るようになるよ

まぁこれをあの二人に見せた時はすげえビックリしてたけどね

あの二人は元気にしてるかなぁ‥

(それよりこいつどうします?)

ま、それは任せようとしようじゃないの

「居るんでしょ?出てきなよ」

「‥気づいているとはな」

そう言いながら木の陰から出てくるのはアルベルト

滅茶苦茶警戒してるねぇ‥

「そう警戒しなくても良いじゃん、取り敢えずこいつ任せるね」

「‥どこに行くつもりだ?」

「白金魔導研究所、後は言わなくても分かるでしょ?」

「‥」

黙ったってことは良いってことかね

「じゃあね~」

そう言って私は白金魔導研究所に向かった

 

(あの雰囲気‥どこかで‥)

転がっている外道魔術師を拘束しながらアルベルトはそう考える 

あの雰囲気はまるで昔の同僚のような‥

(いや‥まさかな)

そう考え、拘束した外道魔術師を連行することにした

 

「くそ!やつはまだか!?」

そう周りに当たり散らしているのはバークス、この研究所の所長だ

この研究所は表はまともな研究をしているのだが、裏では天の智慧研究会に資金を流し、異能を持った人物を人体実験に使うという非道な研究をしていた

今回、とある人物から魅力的な交渉を持ちかけられた為、その実験体を待っているのだが一向に姿を見せない

それどころか、その交渉してきた人物すら姿を消していた

「くそ、一体何処に‥!」

『どーん!』

バークスがイライラしていると、突如壁が吹き飛んだ

「な、何だ!?」

「おーおー、派手に吹き飛んだねぇ」

土煙を掻き分けながら現れたのは、今日ここに見学に来ていた生徒の一人だった

 

いやぁ、まさかこんなに土煙があがるとは 

(そりゃ思いっきり爆発させたらそうなるでしょう‥)

「き、貴様!どうやってここに!?」

おー、予想通りいたなぁ、グズ外道が

「何って‥そりゃ普通に通ってきたんだけど?」

「ば、馬鹿な!あそこには私の傑作が‥!」

「あぁ、あの気持ち悪い連中のこと?奴さん死んだよ」

「なっ‥!貴様何をしたのか分かっているのか!?」

ちょっと何言ってるのかよく分からない

「知らねーよ、取り敢えずてめぇが外道だということだけは分かった」

罪もない連中を実験に使ってしかも罪悪感が無いとかさ‥私が一番嫌いな奴だよ

「ということはあの実験体も‥!」

「救ってやったさ、少なくともてめぇの不利益にしかならんようにね」

「許さん‥許さんぞ貴様ぁ!」

そう言って注射器を自分の体に突き刺した外道

するとその体が滅茶苦茶筋肉モリモリマッチョになっていく

ハゲの筋肉モリモリマッチョとか誰が得するんだ

「フハハハハ!今までの傑作を集めた!これで貴様を殺してやる!」

「あっそ、『死ね』」

その瞬間、目の前のハゲが文字通り内側から爆発四散した

うわー、きたねー花火だぜ

(呆気ないですね‥)

しゃーねぇ、話してただけで気持ちが悪い

(まぁ同感ですが)

さてと、後はこれでやるか

そう言って通信魔器を取り出す

この通信魔器は特務分室に繋がるようになってる

まさか持っていたなんて思ってないけどさ

『あーあー、えーと聞こえてる?』

通信魔器を起動すると、そう伝える

壊れてないから恐らく特務分室の連中に聞こえてるはず

『サイネリアで多数の民間人を保護、それと白金魔導研究所のバークスが人体実験、後はよろしく』

そう言って通信を切る、まぁ後は何とかなるでしょ

 

「‥まさか」

「姉さん、それより‥」

「‥うん、分かってる、直ちに召集して」

 

何か物々しい連中がサイネリアに上陸してきたことと関係があるのか分からないが、サイネリアからの避難命令が出された

急の避難命令に戸惑うものも居たが、逆らうわけにもいかず、大人しく指示に従うことになった

なお、私のクラスは船の都合により1日遅れることになり、1日の自由時間が出来たことによって、やることは決まった

 

「皆元気だねぇ」

(そうですね、目の保養になるとか思ってませんよね?)

「‥オモッテナイヨー」

(何で片言なんですか‥)

クラスメートの連中がビーチバレーをしているのを木の影で寝転びながらキャロリンとそう話す

リィエルも吹っ切れたのか、はたまたグレンから自分が何者なのかを聞いたのか知らないけどまぁ皆とわちゃわちゃやっている

ま、一歩成長したって感じかな

(それにしても帝国も対応が速いですね)

ま、あの連中多分特務分室のメンバーでしょ

因みにあのハゲに拉致されていた民間人だが、私が魔術で治療した後にちと眠ってもらったから無事だ

今頃特務分室に保護されてると思うね

(アルベルトがグレンと話していますね)

あ、ほんとだ

というか本当に変装のバリエーションが多いね‥

(そっちでも食べていけそうですね)

確かに

「クレーヌ!」

お、システィーナが呼んでるから行きますか

(スイカのようですね)

ま、ビーチで食べるものと言ったらそれだよね

 

「ラクネート・クレーヌ‥あいつには気を付けろ」

「はぁ?何でだよ」

「‥バークスが人体実験をやっていたことに気づいていた」

「‥!?」

「得体が知れない‥恐らくだが‥」

「‥へっ、誰が何と言おうとあいつは俺の生徒だ、それ以外でも何でもねーよ」

「‥‥警告はしたぞ」

 

いやぁ、サイネリアは暑かったねぇ

(ここが涼しいだけでしょう)

そうかね?まぁそれよりかは‥

(遠くから監視されてます、恐らく特務分室のメンバーかと)

ま、あんだけ暴れたらそりゃそうなるか

(確かにハゲを殺したり、リィエルの真実をほのめかすような事を言ってたらそうなりますよ)

ま、悪いことはしてないから別に良いや

それよりも面倒なのがね‥

(あの胡散臭い貴族ですか?)

まぁね、もう怪しいとしか言いようがないぜよ

‥という待て、あの御者って

(‥解析完了、ジャスティス=ロウファンに間違いありません)

‥おかしーな、あいつは確かにぶち殺したはずなんだが

(貴族の解析も完了、あの貴族ですが、『天使の塵』によって操られてます)

‥あーらら、じゃあもう助からんな

(どうします?)

取り敢えず様子見、多分だけどあいつの狙いはグレンだと思うし

(手出しをしてきた場合は?)

そりゃ無論

 

叩き潰す(叩き潰しますよね)

 

なーんだ、分かってるんじゃん

(長い間貴女と居ますから)

今の台詞妻みたいだね

(つ、妻‥///)

ま、しばらく様子見、何かしてきたら叩き潰す

(了解しました)



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ゾンビでしょあれ

いやぁ、グレンもせこい手使うねぇ

(確かに‥) 

グレンのクラスとレオスとやらのクラスの『魔導兵団戦』を見ながらそう思う

グレンの評判が下がってるけど、まぁあいつも怪しいとしか思ってるからじゃない?

じゃなきゃあいつがこんなことしないでしょ

え?私?だるいから参加してないよ?

大体どちらがシスティーナと結婚するかなんて興味ないし

それにしてもグレンは実戦型、レオスとやらは理論型、全く正反対の型がぶつかり合ってるねぇ

(今のところ勝負は五分五分ですね)

それにしてもリィエルは避けるだけに使うのかね?

いや確かに錬金術以外は全くといって良いほど駄目だけどさ‥

(でもそのお陰か一人で前線を抑えてますから良いのでは)

まぁね、リィエルの評判知らない奴からしたら滅茶苦茶脅威だからね

それよりもあのレオスとやら‥

(末期ですね、恐らくこの対決が終わったら死亡するかと)

ま、あんな物取ったのが運の尽きだね

流石に私でもあれはどうにもならん

さてと、私もそろそろ動くかね

 

結婚式ねぇ‥面倒くさい

早く終わってくんねぇかな

(まぁ待ちましょう)

それにしてもさぁ‥

(完全に偽物ですね、恐らくジャスティス=ロウファンかと)

分かってる、多分そろそろグレンが来るさ

「システィ‥」

私の隣に座っているルミアが心配そうな顔をしながらそう呟く

ルミアと一緒に居るリィエルも心なしか表情が悲しそうだ

心配しなさんな、もうすぐ‥

(五秒後到達)

さてと、そろそろ準備しますか

 

生きる屍ねぇ‥バイオハザードのゾンビじゃん

(武器などを使ってくるのでまだあっちの方が厄介かと)

そんなことを考えながら、結婚式会場である教会の端っこにクラスメートと一緒に居る私です

まぁ何でここに居るかと言うと、グレンが殴り込んで来て

システィーナを拐った後、『天使の塵』中毒者がここに殴り込んできたから、皆端っこに避難したって感じ

「大丈夫‥皆は私が守る‥」

そう言って錬金術で錬成した大剣を構えるリィエル

成長したねぇ‥私は感激だよ‥

(そんな親みたいな事を言いましても‥)

ま、それはそれとして

「はいごめんね~」

そう言ってリィエルを掴むと後ろに下がらせる

「なっ!?おい!」

キャロリン、準備は?

(誤差修正0.5、エネルギー充填完了、拡散か収束どちらにします?)

まとめてやる、拡散で行こう

(‥切り替え完了、照準よし、発射準備完了)

キャロリンの報告と同時に中毒者が襲いかかってきた

ま、もう遅いんだけどね

『ふぁいやー』

その言葉と同時に私の目の前に魔法陣が現れ、太くて青い閃光が放たれる

その閃光が中毒者の目の前に行くと、次の瞬間には分裂し無数の閃光となって中毒者に降り注ぐ

あ、皆に目閉じてた方が良いって言うの忘れてた

(今さらですよ?)

そんなこんなを話しているうちに閃光が収まった場所を見てみると、中毒者は跡形も無く消し飛び、その場所にはちょっとしたクレーターが出来上がっていた

埋め立て面倒くさそうだな‥

さて、後は外の連中を片付けに行きますかと

「じゃあリィエル、クラスメート宜しく」

「う、うん‥」

おう、リィエルが驚いてる所なんて久々に見たね

クラスメートの方は‥後で記憶操作しておくか

そんなことを考えながら、外の連中を片付けるために外へ飛び出した

 

その後の話をしよう

あの後、中毒者を殺しまくって戻ったら、システィーナがグレンにおんぶされながら戻っていた

因みに私が暴れた件だが、記憶操作してるから私の事がバレることはなーい

で、あの婚約者は偽物らしく、本当の目的はグレンだったとか何とか

あのイカれ野郎に好かれるとは‥モテモテだねぇ

ま、公式にはフィーベル家を乗っ取ろうして、それに勘づいたフィーベル家がグレンに阻止を依頼してきたと言うことになった

ま、その方が世間体にもよろしいんじゃろ

(ま、あんなことがあっても何時も通りの学校生活を送れているのは凄いことだと思いますけどね)

そーだねー、メンタルの強さは見習うべきだね

ま、それはそれとして今日は教室で寝るか

外は曇ってるしねぇ

「どうかこのゴミクソボケカスクソ野郎に力をお貸し下さいぃぃぃぃぃーーー!!」

おー、見事な土下座だねぇ

「で?これは何事?」

「ク、クレーヌさん、実は‥」

リンの説明によれば、グレンは論文を提出しておらずこのままだとクビになるためすぐさま研究をせねばならないらしく、遺跡調査に自分の生徒を動員しようとしたが、ギイブルによってそれがバレ、もうやけくそで土下座をしたのだとか

報告書は出してたのによぉ‥何でこういうことを忘れるかね

(どうもそんなものがあることを知らなかったようです)

マジかよ‥

等と思いながらリンの頭を撫でている

何と言うかね、こいつ子猫みたいな感じがあるんだよね

「先生、顔を上げてください」

お、天使のルミアがグレンに救いの手を差しのべた

その後も次々とグレンに救いの手が差しのべられる

ギイブルよ、なんだかんだ言ってついていくんじゃないの

後システィーナよ、もっと素直になった方が良いぜよ?

ま、これだけいればどうにでもなるでしょ

私は知りませんよーっと

「あ」

ん?何かあったのかね?

「クレーヌ、お前も同行な」

「はいぃ?」

思わずとある刑事ドラマの警部殿の返事になったのはしょうがなくない?

 

「あー‥何でこんなことに‥」

「まぁ良いじゃないか、こういうことも経験だぞ?」

しゃーないねん、寝たかったんじゃ

(まぁまぁ‥)

まぁあの後は特に何事も無く目的地の「タウムの天文神殿」に着いた

まぁ今私に後ろから抱きついてきているセリカがついてきたこと以外は問題ナッシングだ

(抱きついてきていることに関してはノーコメントですか‥)

もうね、慣れたからヨシ!(現場猫)

ま、さっさと終わらせようかね

 

「あー‥」

(おっさん臭いですよ)

しゃーないねん、ここ気持ち良いねん

まぁ何でこんな声出しているのかと言うと、セリカが見つけてきた温泉に入っているからだ

まぁ女子は美容とかにも気を付けるから尊敬されてたけどね

(貴女も女子でしょう?)

転生回数全部数えたらセリカより年上やぞ?

(まぁ‥確かに‥)

「む?入ってたのか」

そう言いながら入ってきたのはセリカ、相変わらずデカイねぇ‥何処がとは言わんけど

「何か変なこと考えてないか?」

「いや別に~?」

(おっさんみたいな感じになってますよ)

良いじゃん別に

そんなこんなでキャロリンと話していると、入ってきたセリカが私の隣にまで近づいてくる

「あり?どうしたの?」

「まぁ良いじゃないか、お前と私の仲だろう」

戦友だからかな?

(‥我がマスターながら鈍すぎますね)

ん?どう言うこと?

(何でもありません)

キャロリンがそう言ってると、セリカが頭を私の肩に乗せてくる

(何も言わない方が良いですよ)

キャロリンにそう言われたから、黙ってセリカの思うままにさせていた

 

デカイねぇ、ここ

(そうですね)

ま、少なくともここが天文関連だと言うことは分かったね

天文で思い出したけどプラネタリウムも見れるのかねここ

(どうでしょうか‥?)

ま、それは良いとしてさっさと終わらせ天文‥ってあれ?

ねぇ、あそこ誰か居ない?

(‥確かに居ますね)

あ、消えた

(まぁ気にする程の事ではないかと)

ま、それもそう「クレーヌ!」

「んあ?」

グレンがそう叫ぶと同時に物凄い力が私を吸い込む

吸い込んでくる方向を見ると、無かった筈の扉が現れており、そこから何か凄い力が働いて私を吸い込もうとしてくる

「ちぃっ!キャロリン!」

(反転、増強魔術全開!)

キャロリンがそう言って体に増強魔術を展開してくれるけど、吸い込む力の方が強いからどうにもならない

そうしてそのまま私は扉に吸い込まれた

 

 

慌てて駆け寄っまセリカとグレンだが、クレーヌを吸い込んだ後扉が直ぐに閉まってしまった為、どうにもならない

何とか扉を開けようとするも頑丈すぎてどうにもならなかった為、一時撤退することになった

 

 

「あーもうくそ、何でこうなるかね‥」

(文句を言いたいのは分かりますがどうにもなりません)

吸い込まれた後、強かに体を打った痛みを堪えながらも周りを見回してみる

墓っぽい物があることから多分ここは墓地なのだろう

こういう所って幽霊出るのかね?

(幽霊かどうかは分かりませんが亡霊のようなものが出てきてますよ)

『『『『『憎イ、憎イ、憎イィィィィー!!』』』』』

わーお、面倒くさそうだねこれ

ま、さっさと成仏してもらおうかね

キャロリン、やるよ

(了解)

 

 

「こりゃいったい‥」

クレーヌの捜索に当たっているグレン一行が言葉を失うのも無理はない

何せ今進んでいるのは町と思われる場所なのだが、あちこちが焼け焦げていたり、崩れ落ちているのだ

こんな事をしたのは、恐らく今自分達が探している一人の女子生徒だろう

「何者なんだ‥あいつは‥」

「落ち着けよ、グレン」

「‥分かってる」

事情を聴くのはあいつを救い出してからだ



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死なぬなら 死ぬまで殺そう 何度でも

うざーい、亡者は亡者らしく成仏しろや

(それには同感です‥左から新手)

『『『『憎いィィィィー!!』』』』

何で叫びながら出てくるのか‥

(速射魚雷、波連装ミサイル、準備完了)

『くたばれ』

『『『ギャアァァァァァーー!!』』』

そうしてまたしても建物ごと灰にした

‥あーあ、また荒らしちゃったよ

(特に問題ないでしょう、過去のものですし)

それもそうやなっと‥

‥何ここ?

(競技場‥いや闘技場ですね)

うん、それもそうなんだけどあの門は何よ

(‥解析不能、不明です)

ま、開けるなり何なりすれば全て解決ってね

そう思いながら扉に手を掛けると、次の瞬間

(っ!緊急回避!)

すると突然キャロリンが一時的に私の体を制御して、バックステップで後ろに下がらせた

『今のを避けるとは‥見事だ、愚者の民』

体勢を立て直して前を見ると、そこには闇?がローブを羽織い、私が居たところに二刀を振り下ろしている‥なんかこう、訳の分からん不審者

(呑気ですね‥)

「誰やねんお前」

『我、この尊き門を守る者。即ち、汝のような下郎を排除するもの。』

「下郎って‥言いかたないのかね?」

『ある筈もなし、汝は愚者の民であろう』

何を言ってるのかさっぱり分からん

(まぁ、少なくとも敵だと言うことは分かりましたが)

確かに、二刀振り下ろしてきた奴が味方なわけないわな

「で?どうするの?」

『愚問なり。その尊き門に触れたのみならず、此の聖域に足を踏み入れた時点で既に汝の命運は尽きた』

‥ようは殺すと

『構えよ、愚者の民。我が双刀の錆びにっ!?』

「遅ーい」

訳の分からん事を話してる不審者に対し、即座に接近して蹴りを叩き込むと、バウンドしながら飛んでいく

蹴りを叩き込む時に、一緒に刃を叩き込んでやったから終わり‥わーお、外したのかな?

(いえ、確実に急所を捉えていました)

だよねぇ‥

『‥我が不覚をとられるとは‥』

「ペラペラ喋ってるからそうなるんじゃない?」

そう言いながら私は銃を錬成すると、不審者へ向ける

「不審者は不審者らしく地獄に送ってあげよう」

『‥良かろう!』

そう言って不審者は双刀を構えると私に向かって飛び込んできた

私に飛び込んで良いのはセリカだけじゃあぁぁ!

(論点間違ってますよ)

キャロリンからそうツッコミを受けながらも、突っ込んできた不審者に対して応戦することにした

 

さて、今日は皆は双刀を構えて突っ込んでくる奴に対しての対処法を教えたいと思います

(何故いきなりそんな教育番組みたいなことを‥)

いやぁ、だってさ

 

余裕だしねぇ?

 

キャロリンとそんなことを話している私の目の前には、膝をついている不審者の姿

『不覚‥愚者の民がここまでやるとは‥』

そう言ってるけどお前が弱いだけなんじゃ

まぁ、一応教えておくと、まず突っ込んできたところにファングを叩き込みます

それでも死なないのならば、【偽・第7園】で二回程焼き殺します

で、それでも死なず、なおかつ魔術っぽいでかいものを撃ってきたならば、『重力子スプレッド』で防ぎ、それに驚いている間に近づいて心臓辺りにナイフを叩き込みます

以上を行うことで、目の前の光景が出来上がるのです

さぁ!貴方も今すぐやってみよう!

(そんなことを出来るのは貴方しかいません)

あ、そう?

(そうなのです)

そーなのーかー

『良かろう‥汝を強敵として認める』

そう言うと立ち上がって再び双刀を構える不審者

というかこいつは一体何回殺せば死ぬのじゃ

(‥解析完了、目の前の存在はアール=カーンと思われます)

アール=カーン?そういや昔そんな奴が居たような‥

(13個の命を持っているようです、うち7つは既に無くなっているようです)

‥つまり、私が殺した分と合わせると?

(12個ですね、あと1個ということになります)

‥なーんだ、あと一個かぁ‥

じゃあ‥さっさと終わらせようか

『雷鳴を呼べ』

そうやって思いっきり手を掲げると、私の周りに雷鳴と共に雷が落ち、それが収まると私の上に雷を圧縮した塊が現れる

『ぬう‥それは‥』

「さっさとくたばれ!魔煌刃将さんよぉ!」

そう叫んで思いっきり不審者‥もといアール=カーンを指差すと、次の瞬間圧縮されていた雷がアール=カーンに向かった

『ぬう‥!?』

必死に避けようとするが、こいつにはホーミングだからどうしようもねぇよ

やがてそれは直撃し、アール=カーンは雷に打たれまくった

「綺麗な花火がうち上がりました、っと」

そう言って手を握ると、次の瞬間には大爆発を起こした

『愚者の民がここまでやるとは‥誉めてやろう』

なんか脳内にそんな声が響き渡った気がするが、知ったことじゃない

というか上から目線とか腹立つんじゃ

『また相見えよう、愚者よ!我が本体は尊き門の向こうで汝を待つ!』

何か聞き捨てならん台詞が聞こえたような気がしたが、こう言ってやろう

お断りじゃ、クソッタレ

 

さてと、どうしよ「クレーヌ!」‥問題ないかな

「やぁ教授、ご覧のとおり「クレーヌ!」ぬぉわ!?」

セリカよ‥抱きつくのは構わんけどせめて勢いを殺してくれ‥

「無事で良かった‥!」

‥これは黙って頭を撫でた方が良いかね‥

「‥で、見せ物ちゃうぞ、そこの連中」

なお、セリカの頭を撫でている時、グレンはニヤニヤしており、システィーナとルミアは唖然としており、リィエルは‥何時も通りじゃな

『貴女‥何者?』

ん?誰か‥って何じゃありゃ、ルミアそっくり

「なっ!?誰だ!?」

グレンが驚いているけど、まぁ気持ちは分かるよ

『何者って聞いてるのよ!答えなさい!』

そう言って私の胸ぐらを掴んでくる不審者

というか実体ねぇのか、こいつ

「何者ねぇ‥さぁね、私にも分からん」

『‥もういいわ』

そう言って私の胸ぐらから手を離す不審者

まぁ実体がないからすり抜けてるだけなんだけどね

『着いてきなさい、ここから出してあげる』

そう言って進み始めた不審者

グレンは怪しんでたけど、まぁ取り敢えず着いていこうということになった

 

まぁその後だけど、特に何事もなく脱出することが出来た

まぁあの不審者‥もといルミナスとやらには疑われるような目を向けられてたけどさ‥

で、その後はクラスメートから荒い歓迎は受けたんだけどね

お陰さまで髪がボサボサじゃい‥

(貴女別に美容とかに興味ないでしょう)

まぁそうなんだけどね

で、その後グレンから質問責めはされたんだけど、まぁ適当に誤魔化しておいた

あの破壊痕は私がやったけど、何かに誘爆したりしてあぁなったとか色々言って誤魔化した

(まぁ怪しげな目で見られてましたけどね)

ま、誤魔化せたからヨシ!

 

で、あの出来事から早1ヶ月が経ちましたとさ

まぁ私は何時ものように屋上で寝っ転がってるんだけどさ

(周りは忙しそうにしてますね)

そだねー、まぁ私には関係ないね

大体「社交舞踏会」なんて面倒くさいしねぇ

ってあら?あの二人は‥

(隠蔽魔術をしているようですがリディア=イグナイトにイヴ=イグナイトですね)

だよねぇ‥何でこんなところに?

(確かに、特務分室の室長とその妹が何故こんなところに‥あ、アルベルトがグレンに接触しました)

‥またあのイカれテロリストと何か関係でもあんのかね?

(最近件の組織も「急進派」と「穏健派」に分かれていますからね‥それと何か関係が)

そうなのかねぇ‥って何でキャロリンそんなこと知ってるの?

(内緒です)

そっか‥まぁ良いんだけど

(グレンがあの二人と接触、ルミア暗殺計画を「社交舞踏会」で迎え撃つつもりのようです)

何でここでやるのか‥

(グレンが反対しています、ですがあの姉妹も今回の件には反対のようです)

反対ならやるな‥上からの圧力か

(恐らく、上も手柄が欲しいのでしょう)

おかしいねぇ、そう言うアホは私があらゆる手を使って失脚させた筈なんだけどね

(まぁあれも氷山の一角に過ぎないと言うことでしょう)

はぁ‥面倒くさいねぇ

(で、どうします?)

何時もならひとまず様子見、仕掛けてきたら対処って感じなんだけどねぇ‥

あの姉妹が関わってる以上そうもいかんから‥

(甘いですねあの姉妹には‥どうするんです?)

うーん、見えないところから援護って形で

(了解しました)



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社交舞踏会

「な~んでこんなことに‥」

「こら!リズムを乱さない!」

やぁ皆、面倒くさいことはやらない主義のクレーヌだよ

私は今、『社交舞踏会』で踊るダンスの練習をさせられてるよ

(まぁ私が居ますから大抵の事はどうにかなりますけどね)

私としては面倒くさいからやりたくないんだがね‥

(私も同感ですが今の彼女に言えます?)

‥無理やな 

(でしょう?)

「ほら!キリキリ動いて!」

そう言ってくるシスティーナ、何処ぞのコーチかな?

まぁ何でこうなっているのかと言うと、どうもグレンがルミアを誘ったことに嫉妬したシスティーナが、対抗しようとしてリィエルと私に出場するように言ってきたのが原因

断りたかったけどシスティーナの勢いが強くて断れなかったんじゃ‥面倒くさい‥

(まぁまぁ、美味しい飯が食えるようですし‥それにあの姉妹を手伝うのなら参加した方が動きやすいかと)

そう言うもんかね‥ま、大人しく参加するとしますか

というかドレスどうしよっか‥セリカにでも借りるか

 

さて、当日なんだが‥

(中々派手ですね、これ)

まぁセリカのもんだから予想はしてたけどさぁ‥

すげえ悪い笑顔だったのはこれが原因か‥

(お陰さまで周囲もこちらに夢中ですよ)

「よう、似合ってるじゃねぇか」

その言葉に振り向くと、そこには正装したグレンが

「‥似合わないねぇ」

「お前ドストレートに言ってくるな‥」

だってしゃーないやん、これでもかってレベルで似合ってないんだからさ

「そういや奥さ‥ゲフンゲフン、セラ先生は?」

「今何を言い掛けたのかはこの際置いておくが‥セラならあそこだ」

そう言って指差した方向を見ると、お偉いさん方と話しているセラの姿が

「すげぇ、先生の一億倍は似合ってるわ」

「うっせぇわ」

まぁ元々お姫様らしいしな‥似合ってるのは当然かね

「取り敢えずだが‥勝ちを譲ってくれるってのは?」

「そうしたいのは山々だけどさ‥出来ると思う?」

その視線の先には滅茶苦茶張り切っているシスティーナ

「‥だよな、すまん」

「ま、精々勝てるように頑張りなよ」

 

「ザイードに殺されないようにさ?(小声)」

 

「っ!?」

「じゃーねー」

グレンの耳元で小さい声でそう言ったあと、ペアであるリィエルの元へ向かった

(良かったんですか?あんなこと言って)

まぁ良いじゃん、頑張って貰うのもさ

(そうですけども‥)

ま、それは良いとして出来る限りの事はやりますか

 

グレンside

 

「‥何で知ってる?」

この件は俺とセラ、そしてアルベルト達特務分室の面子しか知らない筈なんだが‥

「‥一応あいつらにも伝えておくか」

そう言って俺はリディアから貰った通信魔導器を起動した

 

「いやぁ、負けちゃったねぇ」

あれから時は経ち、決勝が終わったところだ

まぁ結論から言うと何事もなく決勝に進んで、何事もなくグレンとルミアに負けましたとさ

まぁ昔セラと踊ってて経験豊富なグレンと、元々王女のルミア相手に付け焼き刃で勝てるわけがないんだけどね

それにしても夜空は綺麗だねぇ

(貴女そんなにロマンチストでしたか?)

‥気分だよ、気分

リィエルはあの後どこか行っちゃったけど‥ま、大方外にいるアルベルト達と合流したんでしょ

因みに外にいる連中との交戦だけど、遠隔操作したソードビットで僅かながら援護したよ

(魔術を切り裂いたり、フィールドを張ったりしたのが僅かですか?)

‥細かいことは良いんじゃ!

(開き直らないで下さい)

ま、それは良いとして

(そろそろですね)

ですか‥ん?

「きゃー、不審者ー」

「ちょ、違うよ!?」

「姉さん、静かに!」

適当に言った言葉に慌てるイグナイト姉妹

いやぁ、相変わらずリディアの反応は可愛いねぇ

イヴもからかったら可愛いんだけど‥

(まずはからかうのをやめては?)

嫌だ、ってそうじゃなくて

何で上からイグナイト姉妹を初めとした特務分室のメンバーが‥って成る程

(室内で異変、いち早く気づいたシスティーナがアルベルトと共に阻止しようとしてますね)

‥はぁ‥まぁ良いか

「え、えっと、君は?」

「監視してたから知ってるでしょうに‥じゃない、そんなこと言ってる場合じゃないと思うよ?中にザイードが居るんでしょ?」

「‥何で知ってるんじゃ?」

スケベ爺‥ゲフンゲフン、バーナードが疑いの目でこっちを見てくる

しつこくナンパしてきたことは忘れとらんぞ

「まぁどうでも良いじゃん、着いてきなよ」

そう言ってザイードが居るであろう部屋に進み始めると、一定距離を開けながら特務分室のメンバーが着いてきた

警戒されてるねぇ

(そりゃ一学生が自分達しか知らない筈の事を話したら警戒しますよ)

まぁそうだけども‥っと、着いたか

(精神防御しなくても良いレベルですが‥一応掛けておきます)

ありがと

さて、始めよっか

 

‥グレンは後ろでセラが嫉妬してるのに気づいてないのか?

(まぁスーパー鈍感マンですし‥)

はい、あの後無事?と言って良いのかどうか分からんけどルミアとグレンとセラを何とか連れ出すことが出来ました

そしてルミアがグレンの胸を借りて泣いているんですけどね、バーナード、血涙を流すな

「はい、というわけで今後の動きなんだけど」

ナイスリディア、このままここにおっても色々面倒くさいことにしかならんからな

因みに二人を連れ出す時にザイードの弁慶の泣き所殴ってきた、泣きながら踞ってて笑った

(特務分室のメンバードン引きしてましたけどね)

「で、クレーヌさん」

「ん?」

そんなことを考えていると、リディアが声をかけてくる

「ごめんね、こんなことに巻き込んじゃって‥」

「気にしてないから問題なーい」

相変わらず責任感が強いねぇ、こいつは

「そう言って貰えると助かるけど‥一つお願いがあるんだ」

「この人達の援護?承知した」

「‥ノリが軽いね」

「まぁ良いじゃないの」

リディアが呆れてたけど、まぁいっか

 

(ターゲットロック完了、出力調整OK)

『ふぁいやー』

そうしてまた生徒が数十人単位で沈んでいく

あ、出力は死なないレベルに抑えてあるから心配なく

「滅茶苦茶ですね、貴女‥」

「余裕だねぇ」

「貴女があの二人以外を一人で抑えてくれていますし、なおかつ僕達の援護もしてくれていますから」

そう、私は操られている生徒だのを一人で抑えている

まぁ殺しちゃいけないっていう面倒くさい縛りはあるけどそれ以外は余裕

初めこの提案した時は反対されたけども

因みにグレンとセラがルミアを連れて逃げ、アルベルトはシスティーナとイヴを連れて何処かに行った

まぁ多分狙撃でもするんでしょ

イカれ野郎共は、あの脳筋みたいな奴をリィエルとバーナード、変態‥ゲフンゲフンビッチはクリストフとリディアが抑えてる

(どちらも同じ意味でしょう‥左、速射魚雷)

『撃てー』

左から襲ってきた生徒達を魚雷の爆発で眠らせる

「あっちは‥大丈夫っぽいね」

だってリィエルとバーナードは一方的にあの脳筋をぼこぼこにしてるし、ビッチはクリストフとリディアが完全に押さえ込んでるしねぇ

というかリィエルとバーナードは片腕しかない相手に容赦がないねぇ‥本当に

‥と、あら?

(生徒全員が気絶しましたね‥恐らくザイードに何かがあったのかと)

お、あの二人も撤退したね

煙幕撒いての撤退か‥別に追いかけても良いんだけどね

(面倒くさいからやらない、でしょう?)

おう、分かってるじゃん

さてと、グレン達と合流しますかね

 

あの後の展開を話すとするかね

まぁあの後は特に何事もなく『社交舞踏会』は再開された

まぁ全員記憶が無いならしょうがないね

それにしても優勝したルミアが着たドレス姿は全員が見とれてたね‥

ま、元王女だからしょうがないね

因みにあの後は特務分室のメンバーに何者って問いただされたけど只の学生で押し通した

世の中勢いがあればどうにかなるもんよ

(まぁグレンとセラ、リィエルと意外な事にアルベルトまでが擁護してれたからですね)

まぁ翌日からさらに監視の目が強くなったけどね



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未熟者めが!!(ドリフ)

やぁー皆、見た目は少女、心は1億才超えのババァのラクネート=クレーヌだよ

(何故どこぞの名探偵のような‥?)

気分じゃ、気分

まぁそれはさておき、私は今、聖リリィ魔術女学院に行くための列車の部屋で外を眺めてるよ

え?どういうことか分からない?安心しろ私もわかんねーから

何かリィエルが退学になりそうになって大変だなーと思ってたら、アルベルトが来て問答無用で聖リリィの制服を押し付けて来たからだよ

で、何事かと思えばセリカが来て、私も留学することになったからなとな言ってきて、気がつけばこうなってるよ

いや、何でだろうね

(諦めてください)

そっかー

それにしても女体化したグレン中々似合ってるねぇ

(あまり言わない方が良いかと)

そういうもんかね?

にしてもエルザとか言ったっけ?

(そうですね、恐らく‥)

分かってる、ま、そんときは止めるさ

(了解です)

 

‥クラス崩壊ってレベルじゃ無いんだよなぁ、これ

(同感ですね)

まぁ引きこもりのお嬢様学校なんてこんなもんか

白百合なんたらとやらはお茶会してるし、黒百合なんたらは賭け事してるしなぁ

(因みにどちらが好みで?)

そうだねぇ、個人的には黒百合‥って違うねん

(おお、ノリツッコミ)

言っとる場合やないねん

さて、この惨状をグレンはどうするのか‥ってあ

(あー、やる気ですね‥)

そやなぁ‥

次の瞬間私が見たのは、白百合なんたらと黒百合なんたらの授業に関係ない物をすげぇスピードで回収して、窓から放り投げたグレンの姿だった

トランザムもかくやだったね

 

「実力の違いを見せてやりますわ!」

「泣いても知らねぇからな!」

‥威勢が良いねぇ

あれから場所は移り、私達は中庭に来てるよ

まぁなぜかと言うと先ほどのグレンの行動にキレた白百合なんたらと黒百合なんたらのリーダーさん達がグレンに決闘を申し込んで、システィーナとルミア、それにリィエルに任せようとしてたけど、私が志願して私VS白百合なんたらと黒百合なんたらのリーダーさん達と白百合なんたらのリーダーさんの付き添い?みたいな奴と魔術戦やることになったんだよね

炎熱魔術禁止って‥まぁ察しはつくけども

因みにグレンからはあまり本気出すなと言われてるけどさ

リィエルは‥よし、頼んだことやってくれてるね

そんなことを考えていると、グレンが合図を出そうとする

「よーし、じゃあは『メーン!』は?」

まぁ言い終わらない内に『ゲイル・ブロウ』撃ったんだけどね

「な!?きゃあぁぁぁ!?」

「ぐあぁぁぁ!?」

「くっ!?」

おー、付き添いだけはギリギリかわしたねぇ、まぁ最終的に二人共々吹っ飛んだけど

「‥(唖然)」

おーおー、グレンとか全員口開けてるねぇ

さて、煽るか

そう思いながら吹っ飛んだ三人のもとへ向かう

「て、てめぇ‥!」

おーおー、睨んでる睨んでる、さて言うかね

そうして私は顔を近づけると

「未☆熟☆者☆め☆が☆(加トちゃん風)」

と言った

おーおー、三人とも顔真っ赤にしてる

「今のは無効だ!ナシナシ!」

そう言いながらグレンが私の首根っこ掴んで引き摺ってくる

あの三人にはルミアが治癒魔術掛けていくみたいだね

ちぇー、つまらないなー

「馬鹿かお前!?本当に馬鹿なのか!?」

「馬鹿とは失礼な、私は天災だ!」

「意味がちげえよ!」

そんな感じでグレンと話していると、治癒魔術掛けて貰ったのか、三人がフィールドに戻ってくる

うわぉ、三人ともやる気満々だぁ

「いいか!?さっきと同じようなことするなよ!?」

「へいへーい」

ま、今度は真面目にやりますかね

(遊ぶの間違いでは?)

細かいことは気にしなーい

 

さーて始まりました魔術戦、まぁどうなってるかと言うと

「すばしっこいたらありゃしませんわ!?」

「くそ、どうなってんだあいつ!」

「お二人とも、落ち着いてください」

完全に遊んでますね、はい

だって魔術起動するタイミングとかまるわかりだし、付き添いの奴は中々やるけど太刀筋見えてるしなぁ

(まぁそろそろ終わらせた方が良いかと)

そだねぇ、んじゃそうしよっか 

「捉えました!」

そう言って付き添いの奴が飛び込んできたけど、隙ありすぎやねん

「はいまずは一人」

「がっ!?」

突っ込んできた足を引っ掻けて転ばせると、転倒してくる流れで首筋に手刀を叩き込む

はい、まずは一人目

「なっ!?ジ「余所見げんきーん」きゃあ!?」

狼狽えた白百合なんたらのリーダーさんに「時間差起動」で発動した『ショック・ボルト』を叩き込む

はい、二人目

「な、く「遅~い」なぁ!?」

そして最後は黒百合なんたらのリーダーさんの懐に入り込むとそのまま腰を掴んで投げ飛ばす

まぁ無論これじゃやられるわけもなく、膝を着きながらも着地した

ま、その場所はリィエルの近くなんだけども

「て、てめ「じゃばー」冷たっ!?」

着地して安心してたのか、立ち上がろうとしたところに急接近して、水をぶっかける

因みに手にはリィエルから受け取ったバケツがあり、先程リィエルに頼んでたのはこの事だ

いやぁ、一回やってみたかったのよこれ

まぁこんな感じで黒百合なんたらのリーダーさんも脱落して最終的に私の勝利に終わった

(まぁ当然ですね)

 

その後の話になるけど、まぁグレンが無自覚に魅力な演説かましたせいで、白百合なんたらの全員と、黒百合なんたらの殆どがグレンに懐いてしまったわけで

で、引っ張りあいになってシスティーナに吹っ飛ばされたんだよね

セラの目が笑っていない姿が浮かぶぜ‥

因みに私はあの後システィーナに怒られた、何で?

(自業自得です)

そうかい

え?黒百合は全員じゃないのかって?

まぁそれがね‥

「なぁなぁ、一緒に飯食おうぜ!」

「わーったからそんな顔近づけてくんなや‥」

そう、この黒百合なんたらのリーダーさんが私に懐いてきたんだよね

いやぁ、何でこうなったんだろうね

(貴女が「可愛い娘には意地悪したくなるねぇ」とか言ったからですよ、その後も色々言ってましたから)

え?そんなこと言った?

(無自覚だったんですか‥)

まぁこういう感じの奴は嫌いじゃないから別に良いんだけどさ

「もうやだぁぁぁぁぁ!!おうち帰りたぁぁぁぁい!!」

「あぁぁん、レーン先生!お待ちになってぇぇぇぇぇ!」

あー、最近名物になりつつあるグレンと白百合なんたらの追いかけっこだー

んで、対抗意識燃やしたのかどうか知らんがシスティーナが吹き飛ばし、ルミアが目が笑っていない笑顔で話すと

うーん、カオス

「早く行こうぜ?」

「わーったから引っ張るなぁ‥」

まぁそんなことはどうでも良いとばかりに私を引っ張ってくる黒百合なんたらのリーダー‥コレットに連れられて私はそのカオスな現場を後にした

因みにあだ名をつけようかどうかと悩んでる

(‥またライバルが‥(小声))

ん?何か言った?

(いえなにも)

そっかー

 

「な、なぁ‥あーんしてもいいか?」

「はいぃ?」

場所は変わって食堂、向い合わせで座ってるコレットがそんなことを言ってきたからこんな返事になるのは仕方ないと思う

「だ、駄目か?」

「いや別に構わんよ?けどどったの急に」

「あ、あたしがやりたいからだ!文句あるか!?」

「お、おう‥」

むきになるなや、可愛い顔が台無しやぞ

「じ、じゃあほら‥あーん」

「あーむ‥旨いねぇここも」

アルザーノよりは落ちるけど十分旨い方だね

それよりは‥

(顔を赤くしながら見ている聖リリィの学生とシスティーナとルミア、そしてニヤニヤしながら見ているグレンをどうするか、ですね)

おーう、分かっとるやん

(ではこう言いましょう、自業自得です)

最近それ多いね、どうかしたの?

(別に‥)

「どうしたんだ?」

「あー、何でもないわい」

まぁ考えても分からんなら考えない方が良いと思う

前世‥あぁ、この世界に転生する前にいたばっちゃんが言ってた

(‥馬鹿)

何で罵倒されたん?




コロナに感染しました


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ババァがキレる姿とか吐き気しかない

やぁー皆、現在進行形で「送別会」なるものに参加していてコレットに差し出されたお菓子を食べているラクネート・クレーヌだよ

因みにグレンはいつもの姿に戻ってるよ

何でも風呂に入ってたら戻ってしまったんだとか

まぁ男だとバレないように色々な設定盛り込んでたけど、それに騙される方もどうかと思うのよ

ま、私はどうでも良いんだけどさ

因みに風呂に入った後の出来事だったらしいから、システィーナから聞いた

もし現場にいたら大笑いしてやろうと思ったのにぁ‥

(性格が悪いですよ)

いつも通りじゃん‥ってお?

(エルザがリィエルを連れ出しましたね‥恐らく)

だよねぇ‥後つけるとするかい

 

(どうします?)

あの状況に飛び込めと?奴さんの為にもならんよ

まぁリィエルが危なくなったら飛び込むけど‥って言ったそばから

(エルザ抜刀まで後数秒、起動準備完了)

OK、じゃあ起動

『させなーい』

ガキンッ!!

「なっ!?」

「く、クレーヌ?」

驚くエリザをよそに割り込んで刀を奪う

因みにエリザの抜刀を防いだのは私特製魔術『フィールド・アルファ』だ

まぁ神鉄すら防ぐレベルだからねぇ、刀ぐらいならどうにでもなる

(ある意味チートですね)

そうかね?まぁどうでも良いのじゃ

「‥刀を返してくださいクレーヌさん、私はそこにいる重犯罪者、イルシア=レイフォードに用があるんです、」

「いやぁ、クラスメートに刀向けてて止めない奴がいると?」

そう言いつつも、さりげなーくリィエルを後ろに隠す

任務以外だったら可愛かった癒しを殺させはせんぞ!

(自分の欲望混じってますよ)

「まぁ殺したくなる気持ちは分からんでもない、自分の親を殺されて自分の進路すらねじ曲げられたらね?」

「っ!?何故それを‥!?」

「私の情報網を甘く見ないことだね」

まぁ本当は何回も転生して知ってるんだけども

「大方ここの学院長様に唆されたってとこかな、まぁ隠れて様子を見ているんだから確定なんだろうけど」

「へぇ‥気づいてたの」

「っ!?マリアンヌ!?」

そう言って出てくるこの学院の学院長‥いや糞ババァ

「気配隠してるつもりだったんだろうけどバレバレだよ、大方元いた組織に戻ろうとでも思った?」

「あら、そこまで知ってるのね」

やっぱ嫌いだなぁ、こいつ

「元いた組織‥?」

「『蒼天十字団《ヘブンズ・クロイツ》』、噂話程度かと思ってたんだけどねぇ」

「それが実在するのよね、これが」

そんなことを話している内に、周りはこの学院の生徒が囲んでいた

大方このババァに唆されたんだろ

そんなことを考えていると、ババァが腰の剣を抜き放つ

すると、周囲に炎が上がり始めた

「はぁーっ、はぁーっ、じゃ、じゃあの話は‥!?」

「勿論嘘に決まってるじゃない!貴女って馬鹿よねぇ!」

そう言われたエルザが膝をつく

まぁトラウマになってるとは知ってたけどここまでとはねぇ‥

「さて、貴女達三人とも拘束させて貰うわよ?あぁ、安心しなさい、私の実験サンプルとして使わせて貰うから」

そう言って取り押さえようとしてくる生徒達

「リィエル、エルザを連れて逃げな」

「え、でも‥」

「いいから」

そう言ってエルザとエルザの刀を押し付けて離脱させようとすると、させまいと防ごうとして躍りかかる生徒達

まぁさせないけどね

(起動準備完了)

『起爆』

私がそう唱えると、躍りかかろうとした生徒達が皆吹き飛んだ

「行きな」

「‥分かった、クレーヌも気をつけて」

そう言って出来た隙を見逃すリィエルではなく、自慢の体力で一気に離脱した

「余計なことをしてくれたわね‥!?」

「ババァがキレても気持ち悪いだけなんだけど?」

顔真っ赤にしてキレてるババァ、キモいわー

「良いわ、こうなったら貴女を実験サンプルとして連れていかせて貰うわよ!」

その言葉が合図かのごとく、一斉に襲いかかってくる生徒達

(ブレストリガー、準備完了)

「やれるもんなら、やってみなwww」

そう言って出現させた二丁の拳銃を持って迎え撃った

 

「グレン!」

「何だよリィ‥ってどうした!?」

グレン達が驚いたのも無理はない、何せリィエルの制服は所々焦げており、エルザに至っては顔面蒼白なのだから

「クレーヌが‥グレーヌが‥!」

「落ち着けリィエル、一体何が‥!?」

事情を聞こうとした瞬間、街の一角から火の手が上がった

「なんだなんだなんだぁ!?何が起きたぁ!?」

想像以上の事態に椅子を蹴り飛ばして立ち上がるグレン

「くそ‥!白猫!ルミア!リィエル!消火活動だ!他の連中は街の人達の避難を頼む!」

「分かりましたわ!」

「りょーかいだぜ!」

そう言ってその場で散開すると、グレン達は火元であろう場所へ全力疾走する

「リィエル!何があったか教えろ!簡単でいい!」

そう言って全力疾走で向かいながらもリィエルから事情を聞くグレン

「クレーヌが‥何かよく分からない人達に連れ去られそうになった私とエルザを助けようとして残った」

「‥!あいつ!」

リィエルを連れ去ろうとしたのは想像がつく、大方件の実験のせいだろう

リィエルから事情を聴いた後、取り敢えず別れて消火活動に当たることにした

「くそ‥!無事なんだろうな‥!?」

そう言っている内に火元であろう場所につく

そこに居たのは、二丁の拳銃を持ったクレーヌと何故なのか分からないがこの学院の学院長であるマリアンヌだった

 

「あははははははーーーー!!」

「イカれてるねぇ‥」

(恐らく魔術の副作用かと)

ババァの剣術を適当にいなしながらそう考える

まぁ剣自体に宿ってる使い手は立派なんだろうけど、再現度が低いんだよねぇ‥

「おろ」

何か気配を感じたから振り向くと、グレンが居た

「あーら先生、居たんですかい」

「お前‥何やってる?」

「何って‥このイカれババァを抑えてるんだけども」

斬りかかってくるババァから一旦離れて近くに行く

「‥大丈夫なんだな?」

「まぁ遊んでおくぐらいは、それにあれを倒したらエルザの為にならんよ‥ってなわけでじゃあの」

「あ、おい!」

そう言って再びあのババァに肉薄する

「あは、あははははーーーー!!」

「うるせぇと言ってるのが‥って聞こえてねぇなこれ」

(最早完全に乗っ取られたのかと)

うわぁ、面倒くさい

怪しいものは使うなって小学生で習わなかったのかね?

(習わないでしょうそんなこと)

それよりエルザはどうなってんの?

(リィエルに支えられながらもこちらに向かってきているようです)

ふーん‥じゃあ大丈夫かな

取り敢えず

「少し黙ってろババァ」

そう言って鳩尾に一発蹴りを叩き込んで吹き飛ばすも、空中で回転しながら体勢を立て直すババァ

これが美女だったら良かったんだけど‥ババァだと気持ち悪いだけだわ

(リィエルとエルザが到着)

「お」

キャロリンの報告に後ろを振り向くと、そこには大剣を錬成したリィエルと一緒に刀を構えるエルザ

「やれる?」

「やれます‥やってみせます!」

その場まで下がりながらエルザに聞くと返ってきたのは力強い返答

「OK、ま、障壁は掛けてやるからあとは頑張りなよ」

そう言って二人に『フィールド・アルファ』を掛ける

まぁこれどんな攻撃だろうが絶対に通さんからなぁ‥大丈夫でしょ

それを掛け終わると、二人は同時に飛び出した

因みにグレンも拳銃片手に殴りかかってた

じゃ、あとは見物と行きますか

 

その後はまぁエルザがトラウマを克服してグレンがババァを殴り飛ばして気絶させた

まぁ尋問でもするんだろうけどあんな状態のババァから聞き出せる情報なんてないじゃろ

で、その後は何事もなく帰ったんですよね

まぁ帰る時にコレットに抱き着かれて「また会おうぜ」とか言われた時には周りがうるさかったけど

というかあいつ顔赤かったけど風邪かね?

(馬鹿ですね貴女)

何で罵倒されたん?

ま、次に会えるかどうかは分からんがね‥

で、今は何か撒き散らされてた新聞を読みながら屋上に寝っ転がってる

いやぁ、グレンがテロをするとはねぇ‥まぁあのイカれ正義野郎に何か言われたんだろうけども

しかしなんでセリカの家は吹き飛んだのかね‥あの家高いでしょ

(援護は?)

しなくても大丈夫でしょ‥ってあいつは

(ラザールですね、大昔の骨董品が何故ここに‥?)

言い方どうにかならんかったん?

まぁ他の先生達が対処しようとしてるけど大丈夫‥って言ってるそばから吹き飛んでるじゃん

(どうします?)

まぁバーゲ‥違ったハーレイ教授と変態伯爵がどうにかするでしょ

まぁどうしてもヤバイなら突撃という感じで

(了解しました)



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アセロ?アセロラじゃないの?

‥劣勢だねぇ

(そりゃ仮にも伝説の存在ですから)

まぁそれもあるやろうし、奴さんが持ってる盾のせいでもあるんじゃろ

(魔力を100%光に還元して周囲に拡散して魔力場を自身の周囲に形成する‥ですね)

改めて思うけどチートすぎひん?

(貴女が言っても何の説得力もありません、貴女の場合弱点すらないではありませんか)

まぁ確かに、あれは真銀さえ使えばダメージ通るしねぇ

私の場合そんなもの要らないんだけどさ

あ、とうとうハゲ‥ハーレイ教授と変態伯爵とセラだけになったね

(言い間違いに悪意がありませんか?)

キノセイダヨー

(まぁそれは良いんですが‥でどうします?)

どーせそのうちグレンが来るって‥と言ってるそばから

「《‥ーーー・いざ森羅万象は須く此所に散滅せよ・遥かな虚無の果てに》ーーーッ!!」

相変わらずあの呪文を噛まずに言えるのは凄いと思うよホントに

まぁラザールも反応してあの盾かざしたから効果ないけど‥

「まぁ取り敢えず‥馬鹿騒ぎはしまいにしようぜ?」

ひゅー、カッコいいねぇ

(茶々を入れない)

いーじゃん別に

 

その後、セリカとリィエルも合流して押しに押していた

というかリィエルよ、大怪我負いながら寝たら治るって‥

(まぁ回復力がアホみたいに違いますからね)

化け物みたいに言わない、あの娘は人間だよ

(‥失礼しました)

まぁそれは良いとして、セリカは大丈夫なのかね?

アール=カーンによって負わされる怪我は私が未然に防いだからどうにかなるとは思いたいねぇ‥ってあら?

「‥これから、こいつを解呪せずに起動する」

おーう、グレンよ‥大正解だね

(実際は別物ですからねあれ‥あのまま解呪してたら一大事でした)

ま、グレンが気づいたからヨシ!

「おのれぇぇ!グレン=レーダスゥゥゥゥゥゥ!!

うるせぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!

(貴女も十分うるさいですよ)

 

綺麗なもんだねぇ、まるで前世のノアの方舟みたい

(前世はこの世界の住人でしたよ)

じゃーかしいわい

まぁあの後、グレンが起動してくれたラザールは不完全な状態で《鍵》を使わざるを得なくなり、その結果不完全な形で《鉄騎剛将》アセロ=イエロと融合した形になった

で、今頭上にある方舟はあの魔人が召喚したものだ

まぁ全員が唖然としてるけど当然だろうね

というか失禁だの失神だのしてるけどこりゃある意味で大惨事だな

ハゲ‥ハーレイよ、頭をかきむしるな、貴重な毛根が死滅するぞ

(何か恨みでもあるんですか?)

いや、別に‥ってお

(盾と槍を粉々にしましたね‥まぁ必要ないんでしょうけど)

確かに‥体が神鉄で出来てるからねぇ

あ、グレンが仕掛けた

(結果は見えてませんか?)

まぁ予想通り貫ける筈がなく、グレンは右手が大惨事になってしまったね

ルミアが治癒魔術掛けてるけど時間がかかるねぇ‥

じゃあそろそろ‥ってあら?

(イグナイト姉妹、アルベルト、変態ジジイ、クリストフ、システィーナが来ましたね)

いやこの国のトップクラスの戦力来とるやん

それに衝撃から立ち直った連中もあいつ囲んどるし‥

これ勝ったかな?

(フラグ建設乙です)

言わないのそういうことは

 

まぁこうなるか‥

(予想通りですね)

キャロリンとそう話ながら目の前の光景に目をやる

変態ジジイ、リィエルが呻きながら倒れ、イグナイト姉妹、クリストフ、システィーナ、セリカ、変態伯爵、ハーレイがマナ欠乏症で倒れ、アルベルトは立っているものの左手がお釈迦になっている

これ言っててあれだけど中々酷いな

(国の最高戦力がこうなってますからね‥)

さて、そろそろいきますか

 

 

最早戦力となる者が殆ど無効化されたその状況を見て、ルミアは自分の命と引き換えに皆を助けるよう懇願した

が、アセロ=イエロはそんなことをしてもこのフェジテ自体を贄として滅ぼすため意味がないと一蹴した

当然そんなことを許すグレン達ではなく、この中でまともに動くことが出来るグレンとアルベルトがルミアを守るためにアセロ=イエロと向き合う

そして激突するかと思われたその時だった

「意味がないと思うならやめるこったね」

突如そんな声が聞こえたかと思うと次の瞬間

『ファイナルアタックライド』

という音声が聞こえてきたと思うと、頭上に幾つもの魔方陣が展開され、誰かがその魔方陣を次々と通過してきたかと思うと、アセロ=イエロに蹴りを放った

すると、どれだけ強力な攻撃を加えてもびくともしなかったアセロ=イエロが吹き飛び、学校の壁に激突した

その蹴りを放った人物とは

「な、クレーヌ!?」

「やっほー」

最近何かと目立っていたラクネート・クレーヌだった

 

 

おーおー、驚いてるねぇ

(自分達が歯が立たなかった相手を吹っ飛ばしたんですからそれはそうでしょう、ましてや学生が)

学生といえる年でもないんだけどね‥まぁそれはさておき

『愚者の民がここまでやるとはな』

吹き飛ばされた時についた埃を払いながら立ち上がってくる魔人さん

(再現とはいえ破壊力をあげる魔術に波動防壁も加えて蹴りを放った筈なんですがね)

ま、仮にも魔人ということかい

『まぁいい、さっさと貴様もーーっ!?』

「隙がありすぎなんじゃボケぇ」

偉そうに話している魔人に急接近して、今度は波動防壁を纏った拳を放つ

まぁ仮にも伝説の一人なのか、直ぐ様反応して防がれたけど、勢いは殺しきれず10メトラぐらいは後ろに下がったね

(今の攻撃で波動防壁50%消失)

わぉ、固いから消費が半端ないねぇ

まぁ消えたら消えたで重ね直せば良いんだけども

『貴様ァ!』

「おーおー怖い怖い」

激おこぷんぷん丸だねぇ、別に怖くないけど

その激昂のまま私を殺そうと拳だのを繰り出してくるけど見えてるから避けるのなんざ簡単なり

「ほい」

『ぐっ!?』

隙があったので鳩尾?当たりに一発叩き込むと、また吹き飛ぶアセロ何たら

おいこれ本当に伝説の魔人か?

(本人というわけではないので)

「殺してやるぞ貴様‥」

「威勢が良いこって」

そうしてまたアセロ何たらが私に襲いかかってこようとすると、突然

『待ちなさい』

そう言って現れたのはいつぞやの遺跡で見た妖精ちゃん

相変わらずそっくりだねぇ、ルミアに

(後はどうにかしてくれるのでは?)

だねぇ、後は任せるとしようか

 

その後、あの妖精ちゃん‥じゃなかったルミナスちゃんとやらがアセロ何たらに何か訳がわからん事を言うと、何を承諾したのかアセロ何たらは、頭上にあるノアの方舟擬き‥じゃなかった、《炎の舟》とやらに帰っていった

帰る途中何か偉そうな事ほざいてたから

「一介の学生に圧倒されてた奴が言っても説得力ないよー」

と言ってやったら

『‥貴様だけは必ず殺してやる』

とドスの効いた声でそう言いながら帰っていった

まぁそのドスの効いた声でちょっと空気が重くなったけどどーでもいい

(ちょっとではありません、並大抵の人間なら失神してます)

あ、そういうもん? 

まぁあの魔人はグレンが倒せないとおかしいらしくてね

あいつまさか伝説の存在‥?

(なわけないでしょう)

いやまぁ私も倒せるけどすげぇ真面目な雰囲気だったから茶々を挟むのは慎んでおいたんだけど

『あと貴女もよ、ラクネート・クレーヌ』

とルミナスちゃんが言って来たから(あ、そうなんだ)みたいな感覚だったね

その後ルミナスちゃんはルミアの取った行動‥まぁ自分を犠牲にしようとした事に激怒してルミアに何か言ってたけど、グレンに止められて消えていった

まぁ何処にでも現れるみたいだしそのうち出てくるでしょ

それはさておき、グレン達はこれからクラスメートに全てを明かすつもりらしい

大変だねぇ、まぁ頑張れーや

(貴女も明かさないといけませんよ、クラスメートだけでなく全員に)

‥そやなぁ、まぁ魔人相手に一方的に攻撃してたんだからただの学生じゃ誤魔化せんなぁ

(どうするんです?)

どうするもこうするもないよ、正直に話すしかないし

まぁもしそれで避けられるなら大人しくこの世界から去るとするさ



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