天翔ける喰種 (RUru:狩人)
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設定集

懲りずに新シリーズです。

今作には、オリ主最強要素が含まれています。

それと、筆者は東京喰種を深くは知りません。

これらを踏まえたうえでも大丈夫!って方はどうぞ!



主人公 星野 葎 (ほしの りつ)

 

今作の主人公。

 

人間の父親と喰種の母親の間に生まれた隻眼の喰種。

 

隻眼、というだけでも異端だが、その中でも葎は”突然変異”と言われている。

 

その理由は、まずは一般的な喰種ではありえないほどのRc細胞の数。

 

赫眼を発現させるだけでも口、肩と肘の関節から霧状にRc細胞があふれ出てくるほど。

 

葎の体内で絶えずRc細胞が増殖しているためと思われる。

 

もう一つは、そのRc細胞の圧倒的な量が原因で変化した赫子を持つことだ。

 

羽赫、鱗赫、甲赫、尾赫、そのどれにも属さない形状をしている。

 

わかりやすく言うなら、モンスターハンターのバルファルクの槍翼のような形状だ。

 

噴出口からRc細胞を噴出させ、一瞬だが滞空できる。

 

そのほか、バルファルクが行う攻撃パターンはほぼすべてできる。

 

赫者化も可能。レートはSSS、「彗星」人によっては「凶星」としてCCGに追われている。

 

性格は怠け者、極度の気分屋。そこまで好戦的ではない。だが情に厚い。

 

好きなもの・・・昼寝、散歩、暇つぶしの白鳩との闘い。

 

嫌いなもの・・・面倒なこと、勉強、月山。

 

見た目は特徴的な銀髪に赤い眼、身長は173cmの、すらっとした体形。

 

だいたいいつもあくびしてる。暇あれば寝てる。

 

白鳩見つけたら時々赫子を出さずに襲い掛かり遊んでいる。

 

エトですら弱いとみなす、圧倒的強者。

 

いつかは有馬貴将とも戦いたい。

 

そこまで重要な戦いでもなければ赫子は出さない。

 

一応甲赫も出せるため、事実上の二種持ち。

 

時々アオギリの樹に潜り込み、雑魚のふりをして楽しむ。(タタラ?知らない。)

 

戦闘面ではとにかくやばいやつ。

 

普段は怠け者なため基本家かあんていくで暇つぶししてる。

 

 

 

登場人物からみた葎

 

トーカ・・・尊敬。稽古の相手になってもらっている。

 

カネキ・・・つかみどころがない人。

 

店長 ・・・いざというときに頼りになる。

 

四方 ・・・動きが軽率だから警戒しておかなければ。

 

月山 ・・・面白い。食べさせてほしい。

 

ウタ ・・・いい人だね。

 

エト ・・・頼み事があるんだ

 

???? ・・・期待している。

 

 

葎から見た登場人物

 

トーカ・・・これから強くなるんだろうな

 

カネキ・・・いろいろ大変だな

 

店長 ・・・厄介ごとは面倒だけど、店長のためならやるかな

 

四方 ・・・なんか喋ろうよ?無口すぎてこわいんだけど

 

月山 ・・・きっも、食べようとしてくる。無理。

 

ウタ ・・・毎日楽しそう

 

エト ・・・あんた弱いんだし頼み事とかもめんどいからやらないよ




エトで弱いとかバケモンでは...?


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災厄

さっそく無双始まります(((

キャラの語尾安定しません、ご了承を


日本の首都、東京。

 

そこでは、いつもと変わらない光景が広がっていた。

 

ある一点を除いて。

 

 

 

 

 

繁華街の一角にある、人通りの少ない路地裏。

 

そこでは、見るに堪えない凄惨な光景が広がっている。

 

かつて人だった肉片を、人の形をした異形がむさぼっている。

 

周りは血が飛び散っている。

 

人の形をして人を喰らう異形。

 

それが、”喰種”。

 

 

 

「ふぅ、なかなか美味かったじゃねぇか」

 

一人の喰種がそこを離れようとしたところ、

 

「そいつはよかったな?」

 

「!!」

 

上からまた異形が降りてくる。

 

「人の肉って変な味するよね、あんまりおいしくない」

 

「てめぇも喰種か、おかしなこと言うじゃねぇかよ」

 

降りてきた喰種は飄々とした態度で話し続ける。

 

「おかしなことって心外だなぁ、個人的な感想を言ったまでじゃないか」

 

「なめてんのか?真面目に話しやがれ!!」

 

そう言って男は”赫子”を振りかぶる。

 

「死ねぇぇぇぇぇ!!!」

 

常人にはだせないスピードでもう一人の喰種に襲い掛かる。

 

しかし、

 

 

 

「君こそ、落ち着きなよ?」

 

 

ごとっ。

 

 

「!?」

 

なんと、襲い掛かった男の首が、斬り落とされていた。

 

(見えなかった!?何をされた!?何故俺の首が切られているんだ!?)

 

「はぁ、君は面白そうだから期待したんだけどなぁ」

 

さっきの声が、今度は後ろから聞こえる。

 

まだある意識で、男の姿を視認する。

 

「まさか...あんたは...『凶星』か...?」

 

「お、正解、俺の事知ってるんだね」

 

その男は、肩や腕から赤黒い霧を出しながら、転がる首を踏みつぶした。

 

 

 

 

~あんていく~

 

「葎君、またやったのかい?」

 

「いやぁ...面白そうなのがいたからつい...」

 

星野 葎こと、『凶星』は、喫茶店「あんていく」で昨日の出来事について問いただされていた。

 

「全く...興味本位で喰種や白鳩に近づくなっていつも言ってるだろ?」

 

「ごもっともです...」

 

四方さんに咎められ、葎は言い返せずに縮こまる。

 

「これは四方くんに賛成かな、むやみやたらに近づきすぎるのはよくないよ?」

 

「はい...」

 

「いくら君が強くても、ここら一体が戦場になったら君でも危ないよ」

 

「気を付けます...」

 

店長にも正論をぶつけられ、ばつが悪くなる。

 

「じゃぁ、いつも通り『面倒ごと』を頼もうかな」

 

「今回は何ですか?」

 

面倒ごとは嫌いだが、今回は葎に非があるため、素直に受け入れる。

 

「1区の喰種達と一戦交えてほしいんだよ、最近は20区が目立ちがちだからね」

 

「焦点を1区にずらすって訳ですか、結構規模大きくした方がいいですね」

 

「そうだね、特等とも戦うことになりそうだ。気を付けてくれ」

 

「了解っす」

 

「すまないね、こんなことを頼めるのは君しかいないんだ」

 

申し訳なさそうに店長が眉を八の字にする。

 

「大丈夫ですよ、帰ってきますから」

 

今日の夜にでも1区に襲い掛かるか。そう考えた葎だった。

 

 

 

 

 

~深夜 1区の廃工場~

 

「お、いたいた、白鳩と喰種が交戦してんな」

 

廃工場で白鳩とSレート以上と思われる喰種が交戦している。

 

「さて、始めようか...」

 

そう言って、葎は赫子を纏い、「槍赫」と名付けた赫子を出し、『凶星』と呼ばれる姿になる。

 

そして、槍赫から異常なまでに増幅したRc細胞を放出し、戦場に猛スピードで突っ込んだ。

 

 

 

 

「ぐっ...!」

 

「おいおい白鳩さんよォ、立派なのはクインケだけか!?」

 

喰種が優勢となりつつある戦い。

 

しかし捜査官も負けてはいない。

 

「っ...!がはっ!!」

 

「はあぁ!!!」

 

「おらぁぁ!!!」

 

そんな戦場を篠原特等は、指示を出しながら警戒を解かずにいた。

 

(喰種が多すぎる...何かの組織だったのか?)

 

そう考えていると、赫い光のようなものが上に見えた気がした。

 

「なんだ?今の光は...」

 

次の瞬間

 

 

ドゴォォォォン!!!

 

 

すさまじい音と共に目の前が爆発した。

 

捜査官、喰種それぞれが吹き飛ばされた。

 

爆風が止み、視界が開けた先にいたのは...

 

 

 

「まさか...『凶星』だと!?」

 

 

 

特徴的な赫子をした、赫者がいた。

 

 

 

「やぁ、今日は絶好の狩り日和だね」

 

「喰種、捜査官の方々、ごきげんよう♪」

 

篠原特等は戦慄していた。

 

Sレート相当の喰種がいると聞いたから念のため任務に同行したら、

 

まさかSSSレートが出てくるとは思わなかった。

 

幸い、クインケは持参している。

 

本部に無線をつなげて奴と話をする。

 

「『凶星』、今回はなんだ?」

 

「あ、確かしのはらさん?だったっけ?」

 

「...覚えてもらえて光栄だ」

 

「ははは、君結構強かったからさ、覚えてるよ」

 

「うーんとねー...目的はないかな?」

 

「は?」

 

目的がない、篠原特等には理解できなかった。

 

「面白そうだったから、ここに来た、それだけだよ」

 

面白そうだから、で特等がいるところに来るか?と信じられない気持ちになった。

 

「せいぜい楽しませてよ?喰種の方々、捜査官の方々♪」

 

「ちぃ...本部に応援要請しろ!」

 

「了解!」

 

 

「お前ら!いったんここを離れるぞ!「おっと」!!?」

 

廃工場から離れようとした喰種たちを、『凶星』が回り込んで牽制する。

 

「速い...!」

 

「逃げられるなんて思わないことだよ?逃げようとしたら、

 

 

 

そいつから殺すから。」

 

 

 

圧倒的な強者を前に逃げたものは死刑宣告。

 

捜査官、喰種、『凶星』の絶望的な三つ巴の戦いが始まる。




実質2vs1ですね、これ

感想お待ちしています!


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絶望

お久しぶりです!

今日からぼちぼち更新しますよ~


「篠原特等!応援要請、完了しました!」

 

「よし、それまで持ちこたえるぞ!」

 

「了解!」

 

『凶星』を前にして一歩も引かないのは、さすが特等といったところか。

 

冷静に指示を出し、部下を鼓舞す。

 

「へへ、楽しくなってきた!!」

 

『凶星』は心底楽しそうにしている。

 

「くそが...俺らは完全にアウェーじゃねぇか!どうしろってんだ!」

 

喰種達は絶望している。

 

「さて...凶星さんよ、俺で楽しめるかい?」

 

「篠原さんからかぁ...いいよ!!」

 

了承と共に『凶星』が駆ける。

 

「はぁぁ!!!」

 

篠原も甲赫のクインケ「クラ」を使い応対する。

 

『凶星』は赫子を使わずに拳で攻撃を仕掛ける。

 

「ほらほらほら!!ついて来いよ!!」

 

「ぐっ...!目で追えない!!」

 

今までの喰種とは一線を画すスピードで翻弄する。

 

「はぁ!!」

 

「ぐおっ!?」

 

追いつけずに脇腹を殴られ、壁にたたきつけられる。

 

その一撃だけで内臓が少し潰れ、肋骨も3本程折れている。

 

「がはっ...!」

 

血反吐を吐く。ダメージは尋常ではない。

 

「やってくれるね...!」

 

「これくらいで参ってもらっちゃ困るよ!!」

 

「内蔵と肋骨でこれくらい、か...!」

 

「君はとことん規格外だな!!!」

 

クインケを振りかざし凶星に向ける。

 

 

 

クラが”落ちた”。

 

 

 

「な...!?」

 

 

 

 

「遅い」

 

 

 

 

最後に篠原が見たのは、一対の翼のような赫子を広げ、瘴気を立ち昇らせる凶星だった。

 

 

 

 

 

「ちぃ、こうも数が多いとまずいな...」

 

「篠原特等も奴の相手をしているし俺らでやるしか...!」

 

捜査官は苦戦を強いられていた。

 

喰種達の息の合った連携に翻弄され、むやみに行動できないでいる。

 

「次で仕掛けるぞ」

 

「それしかないな...今だ!!」

 

「「おおおお!!!」」

 

「な!?」

 

「ぐはっ!?」

 

息を合わせようやく連携を破ることができた。

 

が。

 

「おぉおぉお見事」

 

絶望が降り立つ。

 

「っ...!!『凶星』!!」

 

「よ、次は君たちだよ」

 

篠原特等の相手をしていたはずの凶星が目の前に来た。

 

「篠原特等はどうした!?」

 

「安心しな?殺しちゃいない」

 

「ただ、内蔵と肋骨を損傷してるし、死ぬのも時間の問題だな」

 

「そんな...」

 

特等でもかなわないSSSレートの喰種が目の前にいると知り、喰種と捜査官両者とも戦意を喪失した。

 

「あれ?みんななんか士気下がった?」

 

途端、凶星は心底つまらなさそうに言うと、

 

 

 

 

「面白くない、消えろ。」

 

 

 

槍赫の噴出孔を地面に向け、彼を中心に廃工場一帯を巻き込む爆発が起きた。

 

 

 

 

「こいつはひどいな」

 

丸手特等は『凶星』との戦闘があったと思われるその惨状をヘリコプターから見た。

 

飛び散る肉片。

 

赫子だったもの。

 

持ち主のわからない手足など、はっきり言って異常だった。

 

それに何より、

 

「なんだ...この霧みてぇのは...」

 

周囲に赤黒い霧が薄く立ち込めていた。

 

明らかに体によくないものだとわかる。

 

「念のため捜査官は全員ガスマスクを装着しろ!」

 

「了解!」

 

捜査に踏み込んだ丸手達は、連絡の取れない篠原を捜索していた。

 

「篠原特等...どこにいるんでしょうか...?」

 

捜査官の一人が不安そうにつぶやく。

 

「わからん。今は生きていることを祈るしかできねぇよ」

 

丸手もそう自分に言い聞かせる。

 

一縷の望みを持ちながら懸命に捜索を続けていると、

 

「ぅ...く...」

 

といううめき声が聞こえた。

 

「!!篠原!!どこだ!!」

 

うめき声をたどっていくと、篠原は瓦礫の下敷きになっていた。

 

「おい!大丈夫か!?」

 

瓦礫をどけると、体には夥しい数の傷と出血が確認できた。

 

篠原もギリギリ意識を保っている状態だった。

 

「...はは...やられたよ...」

 

「...『凶星』か?」

 

「あぁ...まるで歯が立たなかった...」

 

息も絶え絶えに篠原は凶星にあっさりやられたことを報告。

 

「あいつは...もしかしたらあいつでも...」

 

「!おい!篠原!」

 

意味深なことを言い残して、篠原は意識を手放した。

 

(篠原でさえこの有様...)

 

丸手は戦慄した。

 

(『凶星』...いったいどんな化け物なんだ...?)




短すぎて大丈夫か...?


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逡巡

今回は大人しめです


葎が1区を襲撃した翌日、CCGの捜査官はあわただしく動いていた。

 

その理由というのも、長らく確認することのできなかった『彗星』が動き出したからだ。

 

それを常時が黙っているはずもなく、行方を調査しろ、と指令が下った。

 

「はぁ...なんたってSSSレートの喰種を探せってんだよ」

 

「特等ですら一瞬だったんだ、俺達じゃかないっこないよ...」

 

二等捜査官からはそんな声が聞こえてきたとかこなかったとか...

 

 

 

処置を受けて意識も回復した篠原は、ほかの特等捜査官に情報を共有していた。

 

「奴の赫子は異常だ。鱗赫、甲赫、尾赫、羽赫、そのどれにも属さない形状の赫子だった。」

 

「それに加えて、完全な赫者にも変貌できる。」

 

「それだけでも脅威だが、最も恐ろしいのは奴が扱う赤黒い霧だ。」

 

「ありゃぁどうやら、彗星本人の意思で爆破させることができるかもしれない。」

 

「そんなにか...またおっそろしいやつがいるもんだな黒巌さんよ」

 

「うむ」

 

篠原は『彗星』と交戦した際の経験談を話し続ける。

 

そのどれもが異質だった。

 

「...と、ここまでが交戦した際の出来事だ。」

 

「なるほどな、奴の情報なんかはあるか?」

 

「そうだな...奴は極端な気分屋だ。」

 

「は?」

 

「俺達特等捜査官と戦う事ですら『楽しい』って言ってるぐらいだ、なんら不思議じゃない」

 

「ちぃ...バケモンめ...」

 

気分屋程行動が予測できない存在は時に何よりの脅威となりうることをここにいるみんなが知っていたため、相手の悪さにげんなりした。

 

「さらに...だが、奴はまだまだ余力をかなり残している。」

 

「そうだろうな...奴の限界は計り知れん」

 

未だ交戦していない捜査官の間にも緊張が走る。

 

すると、ここにきて一言も発していなかった彼が口を開く。

 

「私が行きます」

 

その声の主は、『CCGの死神』、有馬貴将だった。

 

「有馬君の0番隊なら、互角な戦いができるやもしれんが...」

 

そう懸念する声を、衝撃の一言でかき消す。

 

 

 

「いえ、私一人で戦います」

 

 

 

「「「なっ...!?」」」

 

「部下が無駄死にするのは避けたいので」

 

と、あろうことか彗星と単騎でやりあおうというのだ。驚かないはずがない。

 

「...俺は一度任せた方がいいと思うぞ、篠原」

 

丸手が切り出す。

 

「こいつだって引き際をわきまえてるはずだ、死にそうなら撤退するさ」

 

「...有馬、いけるか」

 

「はい」

 

いつもどおり淡々と答える様子を見るあたり、大丈夫だろう、そう踏んだ。

 

「では有馬君、頼んだよ」

 

死神と彗星が衝突する。

 

 

 

 

 

ー22時 都内の廃ビルの屋上ー

 

「はぁ~...眠れないなぁ...」

 

葎は昼に寝すぎてしまい眠気が来ないため、散歩に来ていた。

 

「最近の捜査官は腑抜けが多いし、戦ってもつまらないし...もっと骨のある相手が欲しいなぁ」

 

そう嘆いていると、ある声が聞こえた。

 

「...お前が『彗星』か。」

 

「お、捜査官?」

 

念のため赫子で顔だけマスクで覆って振り返ると、

 

「有馬...貴将...!?」

 

『CCGの死神』有馬貴将がいた。

 

「まっじか...こりゃ、本気出さないと死ぬかもなぁ、でもさ、」

 

「俺、あんたと戦ってみたかったんだ!」

 

無邪気に笑顔を見せる彗星。

 

「...来い」

 

静かにクインケ「IXA」を構える死神。

 

 

 

最強と最凶の戦いが、幕を開ける。




この戦い、なかなかやばそう(小並感)


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乱舞

課題に追われてました(((


更新遅れて申し訳ない...


現状最凶の喰種、『彗星』、

 

『CCGの死神』、有馬貴将、

 

その二人の間に緊張が走る。

 

向かい合ったまま、微動だにしない。

 

 

 

刹那、二人の姿が消える。

 

先に仕掛けたのは彗星だった。

 

槍赫でまずは有馬を狙う。寸分のずれもない。

 

が、その攻撃はむなしく地面を少し抉るだけだった。

 

そして彼は、おおよそ人間とは思えない反応速度で反撃を仕掛けてくる。

 

『IXA』を突き出し、尋常ではない速度で迫ってくる。

 

かろうじて体を捻りかわすが、彗星自身は驚いていた。

 

(人間なのにこんなスピードと攻撃精度か!?正気じゃない!)

 

(まずはあのクインケをぶっ壊さないとな...!)

 

本体を狙うことより、クインケを狙う方向にシフトチェンジした。

 

対して有馬は、それにいち早く気づいていた。

 

(クインケを集中して狙ってきている。攻撃が重くなった。)

 

(なら遠慮なく本体を狙える。)

 

有馬もおおよその攻撃方針を決めた。

 

そうして両者とも譲らず接戦を繰り広げる。

 

すると彗星が槍赫の噴出口を前に向けた。

 

(!!)

 

有馬は直感で何か来る、と思い『IXA』のシールドを展開した。

 

そして、

 

「はぁぁ!!!」

 

赤黒い雷のようなものが爆ぜた。

 

それはすさまじい威力で、有馬はもちろん、攻撃した本人の彗星も反動で後ずさりしていた。

 

「...あぁ」

 

有馬は何かを悟ると、おもむろに『IXA』を投げ捨てる。

 

ガシャン、と音が鳴ったと思えば、『IXA』がバラバラに砕け散った。

 

「...『IXA』を破壊されたのは、お前が初めてだ、彗星」

 

「へぇ、そいつはどうも」

 

彗星はクインケを破壊したことで勝ったように思っていた。

 

それが仇となった。

 

 

 

「だが、まだ終わりではない」

 

 

 

そういった瞬間、有馬の手から別のクインケが飛び出す。

 

『ナルカミ』だ。

 

「なっ!!」

 

油断していた彗星は、『ナルカミ』の電撃に直撃してしまう。

 

「がっ...!!」

 

痺れてしまい行動が遅れる。

 

その間にまた有馬が迫ってくる。

 

「っ...やられてるだけってのは...嫌なもんだな!!」

 

彗星も槍赫を展開して正面から激突する。

 

 

 

ガキィン、と音が響いた。

 

 

 

有馬の手から『ナルカミ』が離れ、地面に突き刺さる。

 

 

 

彗星の槍赫の先端が切り落とされる。

 

 

 

戦いの結果は...引き分けだった。

 

「赫子を切られたの、初めてだったな」

 

「...痛み分け、だな」

 

「ま、楽しかったよ?またやろうね」

 

そういって彗星はビルから飛び降りた。

 

有馬は追うことはしなかった。

 

 

 

 

「またやろう、か」

 

誰もいない屋上で一人、有馬はつぶやいた。




戦闘描写むっず...リハビリみたいで短くなって申し訳ないです...

不定期更新ですが頑張ります!


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再開

今回戦闘描写ほぼないです


「いってぇ~...」

 

『彗星』こと葎は赫子を初めて切り落とされたことによる痛みに襲われていた。

 

「ほんっと容赦ないなぁ...」

 

そう言いながらあらかたの再生は終わっている。

 

葎は喰種だが、あくまで人間社会で生活している。

 

つまりは、大学、バイト等やるべきことが沢山あるわけだ。

 

「つっても3時間ぐらいしか寝てないし...うーん」

 

大学をさぼって寝てしまうか、あきらめて大学に向かうか、葛藤していたが

 

「...行くしかないか」

 

渋々大学へ向かうのだった。

 

 

 

朝日が眩しい。

 

「なんたって今日に限ってこんな暑いんだ...」

 

気温は29℃。時期的には仕方がない。

 

葎としては早いとこ講義室のエアコンにあたりながら授業を流し聞きしたいところだったが、

 

「あっ、葎君じゃないか」

 

厄介なのに捕まった。

 

「...”高槻さん”」

 

「やだなぁ名前で呼んではくれないのかい?」

 

緑色で癖っ毛なこの女性は高槻泉。

 

日本でかなり活躍している小説家だ。

 

ただそれは表の姿。

 

彼女の正体はSSSレート喰種”隻眼の梟”だ。

 

「で、何の用ですか、今から俺大学なんですけど」

 

「ちょっち、頼みごt「じゃ、大学行きますね」まてまてーい!」

 

葎は面倒ごとが嫌いなため、頼みの”た”を聞いた瞬間に踵を返した。

 

が、阻まれるように回り込まれる。

 

「この話は君にとっても得があるものなんだよ」

 

「...また”アオギリ”ですか?」

 

「そそ、ご名答」

 

アオギリの樹。

 

”隻眼の王”をはじめとした喰種の組織だ。

 

「...はぁ。幸い単位は足りてるので午前中なら付き合いますよ、」

 

「そうこなくっちゃ!んじゃ、アジトまでひとっ走りいこー!」

 

そういうや否や手をつかまれて一緒に走り出す。

 

面倒だろうというのに、悪い気はしなかった。

 

 

 

 

~アオギリの樹 アジト~

 

「タタラさーん、連れてきたよー」

 

「来たか、エト、葎」

 

「半ば強制だったけどな...」

 

アジトにつくや否や早速タタラさんに出会った。

 

タタラさんはアオギリの樹のリーダー的存在だ。

 

「で、俺をここまで呼び出したってことは、またなんかあったんですか?」

 

「あぁ、どうやら他区の喰種が俺達の喰い場を荒らしたらしくてな」

 

「結局戦うのか...で”エト”」

 

「なぁに?」

 

「俺に得があるって話だったが、その話は?」

 

するとエトはいたずらをする子供のような笑顔を零し、

 

「後で話すよ」

 

と耳打ちしてくる。正直いろいろしんどいからやめてほしい、

(葎も一応男なのだ。)

 

「...とりあえずまた俺が制圧すればいいのか?」

 

「雑魚ばかりだろうが、」

 

「まぁいいか、タタラさんには世話になってるし、やるよ」

 

「感謝する」

 

とまぁ、また葎が戦うことが確実となってしまった。

 

尚この日の夜以降、その地域での喰種出現数が極端に減ったという。

 

 

 

 

午後まではアジトに残ることにした葎は、ついでにアヤトに会いに行くことにした。

 

「お、いたいた」

 

「あ、葎さん」

 

アヤトはまた一人で稽古?をしていた。

 

「っす」

 

「相変わらず口数少ないな...」

 

こんな感じでアヤトはあまり自分から話さない。

 

「今ちょうど暇だし、組手相手しようか?」

 

「いいすか、じゃ、お願いします」

 

組手、とは言ってもアヤトは赫子を使って俺はよけるだけなのだが。

 

ちなみに一発も当たらなかった。

 

そうこうしていると、

 

「あー、やっと見つけたー!」

 

さっき聞いた声だ。

 

「「エト?」」

 

「こら葎、勝手にどっかいかないでよね!さっきの話してないんだから!」

 

そういえば俺の得がどうとか言ってたな、と思い出す。

 

「悪い悪い。そういうことだアヤト、次は当たるといいな」

 

「うっせ!」

 

 

 

アヤトのいた場所を後にして、エトと二人きりになる。

 

「で、俺の得ってなんだ、さっき話さなかったのはタタラさんがいたからか?」

 

「そう、彼に聞かれても面倒な話だからねぇ」

 

どうやら極秘事項ってことらしい。

 

「君と話がしたいって人がいるんだ」

 

「は?なんで俺?」

 

その問いには答えず件の人物を呼ぶ。

 

「んじゃ、入ってきて!」

 

 

 

「久しぶりだな、『彗星』」

 

「は!?

 

 

 『有馬貴将』!?」




おまけ

「タタラさん、『彗星』とどんな関係なんすか」

「大したことではない、協調しているだけだ」


アオギリの樹は葎に協力を申し出ている代わりに彼の生活を保障する、という協定?を結んでいる。


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星夜

たいっっっっっっっっっっっっっっへん遅くなりましたぁぁぁぁぁ!!!


時間かけたわりに短いです(((

試験とかが忙しくて...え?にしても期間空きすぎ?

ヒィン...


俺は今、おそらく人生で一番驚いているだろう。

 

何故か?理由は簡単だ。

 

「なんであんたたちが知り合いなんですか...」

 

『CCGの死神』有馬貴将。

 

SSSレート喰種『隻眼の梟』。

 

立場の全く違う二人が協調している事だ。

 

「まぁまぁ、そう驚くでないよ葎君」

 

「無理な話でしょうよ...」

 

そう嘆く俺を無視してエトは話始める。

 

『隻眼の王』は”まだ”いないこと。

 

有馬を殺せる喰種が現れるのを待っている事。

 

 

 

その候補が、俺だということ。

 

 

 

簡潔に言えばそんな感じだった。

 

「...俺の得ってのは?」

 

そうエトに尋ねると

 

「今まで以上に生活は保障するよ」

 

「隻眼の王になって戦いに駆り出されるんじゃ意味ないだろ...」

 

とのことだった。正直面倒なのが大きい。

 

「申し訳ないが、断らせてもらう」

 

「まぁ、そうだろうと思ったよ」

 

そしてエトは話を続ける。

 

要は『隻眼の王』を探す手助けをしてほしいんだそう。

 

「...ってわけだ。やってくれるかな?」

 

「まぁ、それぐらいなら」

 

「ありがとう、私も君にはぜひ協力してほしいと思っていた。」

 

そういうと有馬はエトにこそこそと言う。

 

「これで彼との時間が少しは増えるんじゃないか?」

 

「んなぁ!?///」

 

見る見るうちにエトの顔が赤くなる。

 

「...まぁ、一旦はこの日時にこの場所に来ればいいんだな?」

 

「あぁ、それで頼む」

 

話がまとまったところでちょうど正午に近かったので大学に向かうことにした。

 

...後ろからのからかうような有馬の視線は無視した。

 

 

その後の上井大学では遅刻の罰として課題を増やされた学生がいたとかいないとか...

 

 

 

翌日。

 

葎は久々となる休日をあんていくで過ごしていた。

 

「葎君がここでゆっくりするのは久しぶりじゃないかい?」

 

「そうですね~、最近野暮用で忙しかったもんで...」

 

「...アオギリか」

 

勘にしちゃ鋭すぎやしませんか四方さん。

 

「エトに、会ったのかい」

 

「ええまぁ、元気でしたよ」

 

「...そうかい、ならよかったよ」

 

エトの話になると店長いつも"親の顔"するよね。心配なんだろう。

 

 

 

...いいこと思いついた

 

「...今度、お話しますか?」

 

「!?」

 

露骨に驚いたって顔してるよ店長。珍しい。

 

「エトと貴方にどんな関係があるかは大体察してます。一度二人でお話してみてはどうでしょう?」

 

「そんなことができるのかい?」

 

「はい。少なからず関わりはあるのでね」

 

店長...いや、"芳村さん"はしばらく難しい顔で考え込み、答えを出した。

 

 

 

夜中の廃墟の屋上にて。

 

「お父さん、ね。」

 

そういって静かに空を見上げる。彼と話すのは何年振りだろうか。

 

「...ちゃんと話せるかなぁ。」

 

空には、夏の大三角がいっそうっとうしいほど綺麗に瞬いていた。




エトさんと店長の和解シーン...かけるかなぁ(((


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和解

テスト忙しい中でしたがなんとか
今回は店長とエトとの和解回です!!


-「私が”喰種”だなんて!!!」-

 

-彼女の臓器を彼に!!-

 

 

「20区で鉄骨落下事故が発生し、死傷者が発生しました。その場に居合わせた女性1名は即死、男性1名が意識不明の重症を負い、死亡した女性の臓器の移植手術を…」

 

朝からそのような物騒なニュースが世間をざわつかせる。

のんきに考えながら葎は今日もあんていくに向かう準備をする。

 

いつもなら準備なんてしないが、今日は店長が”用事”でお休みらしい。董香から聞いたから間違いない。

 

(まぁ、知ってたんだけど)

 

そう、”用事”というのはほかでもなく、芳村さんとエトがお話をする日だ。

双方にも了承を得ている。(なお、芳村さんにはその日のシフトを変わること、エトには今度お出かけをすることを条件とされた。)

シフトに関しては芳村さんが董香に根回しをしており、エトに至っては「もし約束破るなら公の場でギャン泣きするぞ?最近話題の高槻泉を泣かせたって君の悪名を世間に知らしめるぞ?」と食い気味に脅された。

 

…とまぁこんな感じで従うしかなかったのだ。

 

「いらっしゃいませ…って葎じゃん」

「よ、董香」

あんていくに入るなりすでに開店の準備を進めていた董香がいた。

「じゃ、今日は頼むよ」

「はいはい、っはぁ~、今日はほんとなら漫画の新刊買いに行く予定だったんだがなぁ~」

「うっさい」

 

店長不在でも今日もあんていくは通常運転だった。

 

 

芳村は約束の場所となっている街はずれの廃墟にいた。

彼の心境はどうしてもざわついてしまっていた。

 

(年甲斐もなく悩んだのはいつぶりだろうか…)

 

自身が彼女に行ってきたこと。その結果。

それらすべてが、彼を悩ませていた。

 

(憂那…私は愛支とまた、親子になれるのか?)

 

決して帰ってこない質問を頭の中で投げかける。もちろん答えはでない。

そうして思考の海に浸かろうとしていると、待っていた人物の足音が聞こえた。

 

「…待っていたよ、愛支」

「…お父さん」

 

 

 

互いに何から話せばいいかわからずに時間が過ぎる。

そんな中、先に口を開いたのは

 

「お父さんはさ、お母さんのことをどれくらい知ってるの?」

「…憂那は、」

 

そこまで話して、芳村は押し黙った。

このことを愛支に話すべきかわからなかったからだ。

 

「憂那は、いつも笑っていたんだ。」

 

「私が喰種と知った時でも、」

 

「私たちの間に子供ができた時も」

 

「Vに見つかって死を悟った時も」

 

「いつも、笑っていたんだ」

 

「っ…!」

 

愛支は湧き上がる激情を抑え込んでいた。

 

「私たちは、愛支、お前が生まれてきてくれたことで、少しの間だったが幸せだったんだ」

 

「なら!!!」

 

我慢できなかったのか、エトは芳村に赫子で攻撃をしかける。

 

とっさの出来事だったが、芳村は応戦する。

 

「ならなんで!!!お母さんは殺されなきゃいけなかったの!!!」

 

「Vなんかにお父さんがいたの!!!」

 

「私は捨てられなきゃいけなかったの!!!」

 

それはエトの。「愛支」の。心からの叫びだった。

 

「私はVの存在を知ってから、この世のすべてを憎んでた!!」

 

「こんな腐った世界、ぶっ壊してやろうと思ってた!!」

 

「そのうち、お父さんも殺すつもりだった!!!」

 

「でも!!!」

 

「…葎君と出会ったんだね」

 

「っ!!」

 

「彼は気分屋だが、なにより」

 

 

「優しすぎるんだ」

 

 

芳村はつい昨日の事を思い返す。

 

『店長』

『なんだい?葎君』

『…何をそんなに生き急いでいるんですか?』

『…何のことだい?』

『とぼけないでください』

彼はその特徴的な赫子を私に突き出した。

幸いここは二階、などと考えていると葎君は凄まじい殺気を放つ。

『教えろよ。芳村。』

いつもとはかけ離れた葎君に狼狽えた私は、観念して全て話した。

『…なるほど』

そういうや否や、彼は私を蹴り飛ばした。

 

「っ!!」

 

エトは驚きを隠せないでいる。当然だ。

葎がそんなことをするとは思えないからだ。

 

『っ…葎君?『くだらねぇ!!!』』

彼は滅多に出さない怒声を上げた。

『何”その程度”のことでうじうじしてんだ!!!』

『✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕んだろ!?』

『何も行動を起こさずにそんな事が伝わると思うなよ!!』

『本当にそう思っているなら本人にそう言え!!!』

『っ!!』

 

 

「そう、彼は私に言ったんだ」

「…」

 

一通り話し終えた芳村はどこか晴れ晴れとした顔をしている。

 

「…私は、過去の過ちを否定するつもりはない」

 

彼は、妻を自らの手で殺めた。

 

「私とて一人の親だ」

 

実子すらも自分から遠ざけた。

 

「だが、今更親の顔をするのも愚かだ」

 

それでも、彼は想い続けた。

 

「私の事を恨み続けてもいい」

 

これは彼の、”芳村功善”のささやかで大きな願い

 

「だから」

 

 

 

「『愛支の幸せを見守りたい』んだ」

 

 

 

これが、彼が伝えたかった本当の願い。

 

エトは…

 

その場に泣き崩れた。

 

「わた…し…ずっと…お…と、さんを…」

 

「もういいんだ、愛支」

 

しばらく”親子”二人は、抱き合っていた。

 




亀更新ですが何卒...()


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