深紅の女王のヒーローアカデミア (913)
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深紅の女王 入学
キング・クリムゾンと私、私と彼


皆さまはじめまして。

私の名前は十月乃 姫渦いわゆる転生者ってヤツよ、よろしくね。

なんで転生したかって?

そりゃあ死んだからよ、死んだから。え?そうじゃなくて原因?

ううんと、たしか寝不足気味でチャリ漕いでて、気づいたら横からドーンって飛ばされたの。

で、気づいたらここにいたってワケ。

学校って始まんのが早すぎよねえ?だから私のような哀れな犠牲者が出るのよ。ったくもう・・・

よくも私の平穏な生活を!爪噛んでやる・・・ガジガジガジ・・・

 

 

あ、取り乱しちゃった!コホン。

えっと・・・気づいたらいた”ここ”ってのは「僕のヒーローアカデミア」って漫画あるでしょ?

あの世界みたい。みたいって言うか、間違いない。

だってオールマイト見たもん、TVで。それに明らかに普通じゃあない見た目の人ばっかだし。

”個性”って言うんだっけ?あのアメコミみたいな力・・・

もち、私も持ってるよ!見たい?ねえ、見たい?見たいよね!?

見ててね、凄いから!

 

 

「キング・クリムゾン!!!」

 

 

どう!?凄くない!?

あれ?見えるよね?あ、いや小説だから分からんとかそうじゃなくてさ。

私の背後に”見える”でしょ?帝王の・・・幽波紋が・・・!

 

 

 

 

 

 

私が”彼”と出会ったのはね、私が転生してまだ赤ちゃんだった頃。

生まれて一月も経たない私の体じゃあどうも寝にくくて、遅くに目を覚ましたときのこと。

 

「アゥ、ウウぅ」(首が座らないってこんなにキツイのね)

 

そう言って目を開けたら何がいたと思う?

全身が返り血を浴びたみたいに真っ赤で、全身には格子模様がたくさんある筋骨隆々の大男。額にはもう一つ顔がついてて、翡翠色の目はまるで狂人のように焦点があっていない。

そう、そこにいたのは前世で私が誰よりも愛した男・・・ディアボロ様のスタンドだった。

 

 

 

 

そりゃあ、最初は「前世での鬱病が再来したか、とうとう幻覚を・・・」なんて思ったけど、そうじゃなかった。というか、この世界自体が幻覚のような世界なんだけどね。

 

彼は、キング・クリムゾンは誰もいないときには必ず私の前に現れてくれた。

 

 

私は前世で彼の本体、ディアボロ様に本気で恋をした。

ある人は言う、「吐き気を催す邪悪」と。

またある人は言う、「お前の行動は上っ面から出た邪悪によるもの」と。

それでも彼は私にとっての英雄だったの。

 

昔から人付き合いは下手だった。友達もろくにいない。

両親には嘘ばかり話していた。「学校は楽しい」「友達もできた」なんてね。

それでも別に良かった。

私には好きなものがある。漫画、アニメ、ゲーム・・・。あと、美味しいもの。

それを、自分のほんの少しの欲求を満たせればそれで満足だったの。

 

 

でも、当たり前が消えるのは一瞬のことで・・・

ある日、私はイジメの標的にされた。理由は知らないし、これと言って無かったと思う。

ただ、したいからされた。それだけ。

いじめられる方も悪いなんて言う人がいる。だとしたら私は何がいけなかったのだろう。

人と接するのが苦手だったから?友達がいないから?親に嘘をついてきたから?

・・・好きなものを好きだったから?わからない。

 

イジメは日に日に悪化していった。

コソコソ陰口を言われていたのが、皆の前で大声で言われるようになった。

隠されていた靴が、ズタズタに破られて出てきた。

クラスの女子全員にリンチされた。

校舎裏に引っ張り出されて・・・上級生の男子生徒にマワされてそれを録画された。

・・・てかさ、最後のはもう犯罪じゃあないか?うん、みんなはヤッちゃダメだよ、ね。

まあ、私可愛かったし?今も可愛いし?しょうがないって言うか?・・・なんかごめん。

 

 

そんなSAN値ピンチ状態の私が出会ったのがあのお方・・・ディアボロ様なの。

羨ましく思った。己の絶頂の為ならどこまでも非情になれる。たとえ自分の娘だろうと殺すことができる程の”悪の覚悟”。

画面に頬ずりする程ウットリした。

確かに、DIO様やカーズ様に比べたら小者っぽく見えるかもしれないけど・・・。

 

過程を吹っ飛ばして、結果のみを得る。最強じゃん?

GERいなかったら「勝った!第5部完!!」ってなってたじゃん?

まあ、そんなこんなでイケオジなヴィジュアルと小西克幸さんのイケボも相まって私はディアボロ様の大ファンになったの。

それはもうドッピオくん以上に忠誠誓ってたよ私!いつ電話来てもいいように待ってたよ!

もうディアボロ様になら何されても・・・何される妄想で自分を慰めてた。末期です、もう。

 

 

ディアボロ様のことを好きになった私は色々と吹っ切れた。

そうだよ、自分の絶頂を脅かす奴なんてみんな始末すればいい!

特に私を嬲ったクズ共は全員後ろから蹴り飛ばした。腹たってたからしょうがないよね?

 

 

そしてスッキリした数ヶ月後にドーンだよ!?ひどくない?まあ、私のことはここらでやめといて、キング・クリムゾンの話。

 

 

 

ディアボロ様はGERの能力で死を繰り返してた。

EOHで脱出したと思ったらまたジョルノにやられる始末。

 

そんな可哀想なディアボロ様を守れるのはキング・クリムゾンしかいないわけで、私の前に出てきてる場合じゃあないわけで。

それにキング・クリムゾンには自我があるわけじゃあないハズだから誰かが差し向けているとしか考えられない。

ムムム・・・。

 

そして姫渦は考えるのをやめた。

もう考えるのはめんどくせえ!!よし本人に聞こう!

 

(ねえ、あなたはなんで私の前にいるの?私の前にいて本体は大丈夫なの?)

 

「やっぱり何も反応しないか。」って思ったとき、彼はゆっくりと私を指差した。

キング・クリムゾンには自我があったのだ!なんて思う余裕は全く無く。

 

(ヒィィィッゴメンナサイ!ゴメンナサイ!黙ってますうう!!)

 

ビビリ散らかした。だってあの顔でこっちを指さされたら誰しも己の死を覚悟するでしょ?

殺意しか感じないもん。

でも、当のキング・クリムゾン本人は若干困ったような申し訳ないような様子で私の額に触れた。

 

(私はただの赤ん坊です!ハアああァァ!!ハア、ハアッ)

 

彼のゴツい指が触れた途端死ぬと思っていた私は、彼の指のその優しさに驚いた。

そして次の瞬間彼の触れた額から”何者か”が這い出て来るのを感じる。

私は確信した。この感覚は間違いなく彼の力・・・”エピタフ”であることを理解した!(黄金の理解発動の瞬間)

 

 

 

こうして私は彼の新たな本体となったってこと。

ね、キング・クリムゾン?・・・・・無反応か・・・・・。

色々とわからないことはあるけど、キング・クリムゾンが私の幽波紋になったのは事実。

 

だったらやることは決まっている。

キング・クリムゾンと一緒にディアボロ様に恥じないような絶頂を目指す!

そしてゆくゆくは幽波紋の矢を手に入れて、新パッショーネを結成し、憎きコロネを倒す!!

そしてディアボロ様を救出して、私はディアボロ様の犬にでも///

ああ、でもディアボロ様用心深いから・・・たとえ自分を助けた犬でも信用しないんじゃない?

ならいっそのこと愛玩具ってことで・・・・・

 

 

いや、でもそのためにはこの世界からジョジョの世界に移動しないとなのよねえ。

また転生して・・・無理か。

う〜ん、この世界にいるヒーローってのならそういう系の能力持ちもいるんじゃ・・・?

そうだ、それだ!!

決めた!私はこの世界で、ヒーローになってD4Cモドキを探します!!!

ディアボロ様、どうか待ってて下さい!私は必ずあなたのもとへ行きます!!

 

 

 

 

 

と、それから約一年後。

私はヒーロー育成校として名高い雄英高校の受験に”キング・クリムゾン”と挑むのだった。




十月乃 姫渦=とつきの ひめか

ラストサバイバー楽ちい。
ディアボロの性能ぶっ壊れ。
でも俺は意地でもリゾットでディアボロに勝つ!

誤字、脱字がありましたら、教えて頂けると幸いです。

因みにオリ主はセクシー系のドM小悪魔女子です。最重要事項。


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入試に挑もう!

十月乃姫渦です!きゃぴ♪

今日は私達にとっての運命の日、雄英高校入学試験の日です!

D4C予備軍を見つけると誓ってからはや一年。

私は今、雄英高校の目の前にいます!

 

この世界に来てからというもの私とキング・クリムゾンは血の滲むような特訓をしていたの。

受かる気しかしないわ!

 

 

 

ー数年前ー

 

キング・クリムゾンは幽波紋の中でも最強ランク、”個性”で渡り合える人はほぼいないと言っても過言じゃあない程の幽波紋!

だが!!

君にはある致命的な弱点がある!わかるか?!

 

(・・・・・・・・)

 

キング・クリムゾンは壁に持たれかかりながら腕を組んで、私を見下ろすようなフォームのジョジョ立ちをしている。流石は幽波紋、普通の動作すら洗練された舞踊の如く美しい。

その、下品なんですが・・・思わず無い筈の”モノ”が勃ちそうになるくらい・・・

 

 

ハッ!またトリップしてた、もといもとい・・・

 

キング・クリムゾンのステータスは

[破壊力-A スピード-A 射程距離-E 持続力-E 精密動作性-? 成長性-?]

つまりは!射程距離と持続力がまるで無いの!

これは大問題よ、射程距離はまだしも、この持続力じゃあダメ!

 

(あなたの敗因をあなた本人は自覚して無いワケなの?!)

 

全く反応しない。これ自覚して無いヤツだ、うん。

 

(ラッシュに対応できなかった。それがあなたの敗因よ。もっとも、GERの能力もステータスも完全にキンクリ殺しみたいな性能だったからしょうがないと言えばしょうがないケド。)

 

でも、ラッシュができない近距離パワー型なんてのはねえ、ネタの無い寿司!紙のないトイレ!露伴先生のいない懺悔室みたいなもんでしょ!?

あ、若干像が薄くなった。気にしたっぽい。

 

(だからさ、特訓するの。あなたと私が、ディアボロ様に恥じない強さを得る為に、ね?)

 

 

 

ー森の奥ナウー

 

ではこれから、キンクリ強化訓練を開始しまーす。いえーい。

じゃあキング・クリムゾン、早速だけどこの岩に全力でラッシュしてみ?

ああ、ストップ!!

掛け声決めなきゃだ!ええと・・・

 

「無駄無駄無駄無駄ァ!!うん却下。パパンはいい。だが息子、テメーはダメだ。」

「オラオラオラオラオラオラオラオラァ!!ダメかな?う〜ん、徐倫の迫力は出ないな。」

「ウバッシャアアアアッ!!・・・ジュルリ、ジュルジュル・・・ウガ?」

 

他にも「レロレロ」「ヨシヨシ」に至るまでやったが、ピンとこない!

ま、また後で考えればいいか。キンクリも半分消えかけてるし。では満を持して・・・

 

「キング・クリムゾン!!!岩を破壊しろおおおお!!」

 

ウオオオ〜、これが生のラッシュ!迫力凄いぃぃ!

てか割と持つじゃん。もう5秒はしてるのに、ペースが落ちない。

ナアンダ、割と余裕・・・あれなんか目眩が、っとと、あれ?空が白い?をっ、地面が近づいて・・・あ、ヤバい。

 

”バタン!!”「グホオ!!」 十月乃姫渦、再起不能!!

 

 

いや、再起可能だから!勝手に病院送りにしないで!

にしても、ウウぅ、目眩がする・・・グッ、吐き気もだあ・・・!この私があ・・・!

どうやら持続力Eは伊達じゃあ無いらしい。精神力の消費が激し過ぎる・・・

幽波紋より先に本体が限界とは・・・。

でも、当の岩くんは無惨に砕け散って、元あったところには巨大なクレーターができているくらいだから破壊力Aも伊達じゃあないみたい。

これから毎日鍛錬を続ければもっと強くなれる!可能性があるということ!

精密動作性と成長性が?ということはまさにその証拠だ、きっとAにまで達する筈!

目指せステータス、スタプラ超え!!

 

 

 

 

・・・・・それからというもの今日に至るまで毎日鍛えたの。

他にもね、破壊力強化にスピードの強化、エピタフの使い方に時飛ばしの限界測定まで。

もちろん、私も鍛えたんだから。

ディアボロ様に近づくべく、来る日も来る日も牛乳を飲み、8時間寝て、ストレッチを続けることで中3にして178cmという長身を手に入れたの!

さらに!毎日筋トレと走り込みをしまくったおかげで、ディアボロ様には及ばずながらも筋肉による肉体美を入手!アイハブアエイトパック、イエス!

鍛えられてちょっとは成長したってことだよね。

 

これまで準備してきたものをフルに使えば余裕で勝てる筈・・・!

でも、ディアボロ様ならここで油断するようなマヌケしない、必ず見る!周囲を、環境を、人を!

そして細心の注意を払いつつ確実に勝つ道を選ぶ・・・

ある意味ではディアボロ様とリゾットって近いものがあるのかもね。

 

 

さてと、周りの人の視線が気になるからそろそろ入ろうかな?

因みに私は今「これがキング・クリムゾンの能力ダッ!」のジョジョ立ちで校門前にいます。

まあそりゃ目立つよね。

アアアッでもでも、ディアボロ様に見られる分にはいくらでもぉぉ///むしろ見てエェ!///

 

「あの・・・君、大丈夫?」

 

「フェ!?ってエエエッ!?アクトン・ベイビー!?」

 

トリップしてた(一種の病なんです。しつこいとか言わないで泣)私は驚いたよ。急に声をかけられたこと以上に、その声の主が空中に浮かんだ制服だったんだもん。

でも、ここはジョジョラー。すぐさま該当する幽波紋は特定した!ハハハッ、どうよ?!

お?貴様ぁ、動揺しているな?

・・・幽波紋この世界に無かったの忘れてたわ・・・。

 

「えっと・・・ベイビー?いや、急に声かけてゴメンね、なんかぼーっとしてたから具合悪いのかと思って。あ!私は、葉隠透。”個性”は透明化!怪しく見えるかもだけどこういう”個性”なだけだから、そこんところよろしく!」

 

ほう、透明化、透明化ねえ。葉隠透ちゃんか、覚えとこっと。姿は見えないものの、初対面の私にぴょんぴょんしながら自己紹介する様子を見るといい娘みたい。そして、動きがいちいちかわいいなあ、この娘。(見にくいけど)

かの承太郎さんでもこの娘には「やかましいぞこのアマァ!」って言えなそうなくらいかわいい。・・・承太郎さんなら構わず言うか。

 

「よろしく葉隠ちゃん、私は十月乃姫渦って言うの。”個性(?)”は、う〜んとね、コレ!」

 

キング・クリムゾンをぽんと出す。向こうが自分の”個性”を語ってくれたのに自分の個性を言わないなんてことできるハズないよね?

お?キンクリは新しいジョジョ立ちを習得したのかな?見たことない立ち方してる。

因みに、気の使えるキング・クリムゾンはわざわざ”個性”として存在してくれてるから皆見えるの。流石は我が帝王の幽波紋!空気が読める!

 

「うわあ!なんか出たあ!!」

 

「フフッ♪ビックリさせてゴメンね?彼はキング・クリムゾンっていうの私の、なんだろ?守護神というか、背後霊みたいなものかな?」

 

「おお・・・!なんか強そうだね、この人」

 

「強いわよ〜、なんならオールマイトさんにも勝てるくらい強い!」

 

「MAJIKAYO・・・」

 

クククッ、マジだよお。最強だよお。もっと自慢したいとこだけどあんまり喋り過ぎるのもアレだし、そろそろ時間も押してるから行かないとね。なんか、この娘は凄く喋りやすいから、一緒に合格できるといいな。

 

そう、実は案外チョロいです、私。誰でも信用しちゃいます。

ディアボロ様に会えたらこの性格を(エッな)お仕置で修正してもらわないとね。だって性格を自分で変えるの難しいもん。ハア、ハア、ハア(犬?)

ま、それは置いといて。

 

「ゴメンね葉隠ちゃん、そろそろ行かないと遅刻しちゃうから。」

 

「(腕時計LOOK)あ!ホントだ!私も行かなきゃ、じゃあまたね、姫ちゃん!」

 

 

 

さてと、前世からは考えられない程爽やかな娘とも出会えて気分は上々!

さあ、いっちょやってやりますか!

 

まずは筆記試験ねえ。こういうときは・・・あ、読者様もご一緒に、

 

「両手をバンザイ、したら手の平を上に向けて指は左右に向ける。はいそこ、手首の角度は90度にしろ。そして、ふう〜っ・・・息を吐きながら両手を正面へ。このとき、指と肘は伸ばしてね。あと、90度をキープするのも忘れずに。」

 

なんかめっちゃ見られてるケド・・・皆もやりたいのかな?言ってくれれば教えるのに・・・。露伴先生式準備体操。

おっと、中断しちゃダメだよ。続けよう。

 

「親指から順に、1、2、3、4、5・・・と折る。最後は小指からまた1、2、3、4、5・・・はい、開いたらお終い!これで完璧!!」

 

皆もここぞという場面ではこれをやろう。何でもできる気になるよ!それでも落ち着かないときは素数を数えよう。あぁ?アンタねえ、1は素数じゃあないわよ、このド腐れがぁ!!

・・・嘘よ、ゴメンね?ジョジョネタがわかるってサイコーね!おっと、歌は歌わないわよ。

 

 

 

 

筆記試験も終わって、待ちに待った実技!ああ、遂に特訓の成果を存分に発揮できる・・・!

キング・クリムゾンは幽波紋パワーが強すぎて若干持て余してたから、全力を出せるこの機会はホント嬉しい!ああ、たまらんわあ!

さあ、いい感じのジョジョ立ちもしたことだし、そろそろかな・・・?

あ!さっき説明してた派手な人出て来た。、てことは・・・?

 

「ハイ、スタートォー!!!」

 

「行くわよ!キング・クリムゾン!!!」

 

私はキング・クリムゾンを発現させて人混みを飛び出す。私が帝王の幽波紋の圧倒的な力を目にすることになるのは、この約10分後のことだった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 





十月乃姫渦 第5部の最終決戦のとき、キンクリに怒鳴り散らしていたらしい。
      画面の中に入れないものかと本気で画策したとか。
      今の趣味はジョジョ立ちの練習と、ディアボロ様に押し倒される妄想にふける     
      こと。



キング・クリムゾン 姫渦の心無い言葉に傷ついた。帝王の誇りが若干消えかけている。
          その一方で特訓によって、持続力はCにまで成長し、時飛ばしの時間            
          も20秒以上にまで増加したらしい。
ステータス  [破壊力-A スピード-A 射程距離-E 持続力-C 精密動作性-B 成長性-A]



葉隠透 なんか面白そうだったから登場。
    キング・クリムゾンの初目撃者になった女。かあいいです。(某トガちゃん風)



露伴先生の指体操 姫渦ちゃんはディアボロ様が好き過ぎるだけで、ジョジョは箱推しして
         ます。露伴先生の我が強くてエゴイストなところも「かわいいなあ」と 
         か思ってます。重症。
         でも、コロネにだけは殺意しか持ってません。


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入試合格!雄英入学!


かなり長くなってダラダラになってしまいました。
シーンが入り乱れて読みにくいかもですが、お許しを。

某アヴドゥル「ダメだね☆」

感想、評価のほどお待ちしています。
あと、バーに色がついてました!ありがとうございます!


 

「キング・クリムゾン エピタフ!!」

 

”墓碑銘”の名を冠するキング・クリムゾンの能力、それがエピタフ!!

これから数秒〜数十秒後に起こる”結果”を予知することができる能力よ。

この予知によって見えたモノは言うなれば”未来の既成事実”。必ずその結果に行き着くワケなの。

 

そして今私が見た事実、それは・・・

 

「キング・クリムゾン!その先を右の所に2体、1Pと3P!」

 

キング・クリムゾンは分かったと言わんばかりに拳を構える。そして、私が右折すると同時に、

「・・・!!!」3,4発くらい見舞った。

 

「あ〜ら、大したことないのねえ。なんか期待外れじゃあないか。もう。(ほっぺプクッ)」

 

一瞬で壊れちゃった。全然じゃあないのよ。

 

そっからは書くまでもなかったよ。

ピッチャーフライどころか、キャッチボールくらい簡単だった。

今、ラスト3分くらいかな?もうポイントは充分かなあ。7,80Pくらいは稼いだし。

 

じゃあ、あと3分間はディアボロ様の魅力でも語ろうかな・・・ん?なんか揺れてる?

もしかして、説明にあった0Pってのかな?あれ?なんか暗くなった気がするようn・・・

 

「って、デッカァ!なあにこれ?!」

 

見上げたらビックリ!ビルよりもデカいロボットが悠々と私の頭上を通り過ぎてったの。

おいおいおいおいおい、こんなの壊せるの(私以外に)いるの?いないよねえ?じゃあどうする?もちろん私がブチ壊す!ということでキング・クリムゾン!ヤツ・・・を?

 

うわあああ!!なんか急に少年が飛んできたと思ったら殴り飛ばしたあ!!

0Pの顔面変形したあああ!凄えええ!!って、なんかこっちに倒れてきてない?

ここにいるとマズイかも、よーし、

 

「エピタフ!」

 

お、幸いこの辺りには私以外いないみたいね、誰も見えないから。

潰されて中身が飛び出た私以外は見えないから・・・。うん、普通にヤバいです。でも・・・

 

「キング・クリムゾン!!!」

 

私が叫ぶと視界から静止しているものが全て消えた。

見えるのはゆっくりと倒れ込んでくる0Pと、遠くにいくつかの人影があるのみ。

これがキング・クリムゾンの主能力”時飛ばし”!!

私はクリムゾン・ディメンションと呼んでいる。前世の某ゲームでそうだったからだけど。

 

「さてと、こっちに移動して・・・と、よし。解除しましょっか。」

 

視界が元に戻ると同時に、私が元いた場所に0Pが倒れ込んで爆発した。危ない危ない。

私がその様子を見届けた直後に試験が終了したわ。ふ〜、まあ受かったっしょ、うん。(フラグ)

まだまだ、キング・クリムゾンも私も・・・こんなもんじゃあないんだから。

 

 

 

 

 

あれから数日後の現在、私の手元には雄英からのお便り!

てことは・・・確定演出キタコレ!!合格間違い無ああし!!では、開封〜♪

ん?ナニコレ?小さい円盤ってことは、おはじきだあ〜?

・・・違うか。なんかボタンが・・・ポチンっと。

 

{私が投影されたァッ!!!}「ワッ!ってオールマイトさん?なぜ?」

 

ヒロアカニワカの私もこの人は知ってる。てか、こっちに来てから15年間のあいだ毎日見てる。

現ナンバーワンヒーロー、オールマイトさんだ。なぜだかわかんないケド、最初見たときは炎系の”個性”だと思ったんだよね。ほんとなんでだろ?

で、なんでここに?

 

{なぜ私がここにいるのかって?それは、今年から私が雄英高校に教師として勤めることになったからさ!!!HAHAHA!!!}

 

「そうなんだ、初耳だ。でもその笑い方はなんか聞き覚えあるような・・・ん?ということは、私はオールマイトさんに授業してもらう可能性も?」

 

{ああ、もちろんあるぞ!!十月乃少女!!}

 

「ウオオオ〜、凄い!なんか興奮するなあ。ナンバーワンの授業か・・・。ん?そういえば

なんかさっきから違和感があるような・・・?」

 

{因みにこの映像は事前に録画した物だから、なんとなく予想で喋ってるよ。HAHAHA!}

 

「違和感の正体・・・そういうことか。この人も予知使えるんじゃあないの?会話が噛み合い過ぎて怖いんですが・・・」

 

{それでは前置きが長くなったね、早速君の結果を発表しよう!十月乃少女、君は・・・}

 

{合格だ!!!ついでに実技は敵P77Pで堂々の首席合格だ!!!おめでとう!}

 

「フッフーン、私達にかかればこんなもんよ!」

あ、キンクリもサムズアップしてくれてる。ありがとう、キング・クリムゾン!

 

 

{・・・これだけならね。}

 

あ、終わった。うん、これなんかあってダメでした~パターンだ。前世の受験で経験済みだよ。あ、キンクリがサムズダウンしてる。わかりやすいね、君。

 

{実技試験で私達が見ていたのは敵Pだけじゃないんだ。いかにヒーローとして必要な心を持ってるか見るための・・・名付けてレスキューP!!君は相手の動きをよく見て危ない他の受験生を救出していた!そこが評価されて、プラス20P!!合計で97P!!!評価していた先生方も見たことない高得点らしいぞ!!その力を一緒にもっと伸ばそうぜ!4月から、ここが君のヒーローアカデミアだ!!!HAHAHA!!}

 

(・・・なんか涙が出てきた。キンクリ〜(泣)私、こんな風に言ってもらえたの30年以上の人生で初めてだよお〜(泣)うう〜)

 

泣いて抱きつく私をキング・クリムゾンは優しく撫でてくれた。

今は合格したことよりも、オールマイトさんの言葉や抱きしめているキンクリの懐を温かく感じられることの方が嬉しかった。

私は前世でイジメられたときの何倍も泣いた。泣いてはいたけど、とても心地よくて幸せな気持ちだった。

そばに立つ者、”幽波紋”。彼は私が泣き止むまでそばにいてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

ー約1週間前ー

 

雄英高校の一室にて、何人かのプロヒーローと一人(?)の小動物が今年の合格者を決める話し合いをしていた。

 

角張った男がリモコンを手にし、モニターに向けて何やら操作すると実技試験の結果一覧が表示された。

 

「何でも、今年は0Pを撃破した生徒がいるらしいですが?」

 

「おうよ!思わずイエエェェーイ!!って叫んじまったぜ!しかもそれまで0Pだったそうじゃねえか!サイコーにクールだぜ!!」

 

「他にも、ああ、彼なんてレスキューP0で2位とは・・・」

 

「これだけ豊作なら、誰かさんが一クラス丸ごと除籍なんて惨劇は繰り返されなくて済みそうね。」

 

「教師の皆さん、ここいらでちゅうもーく。」小動物が声をかける。

 

「皆さんはコレ、見たと思うけどどうかな?」

小動物こと根津校長の操作でモニターに一人の少女が映し出される。

 

「今年の実技トップですか・・・なんでも、”個性”が不可解という。」

 

「彼女の個性は「守護神」ってなってるけど・・・あ、ほら。今、瞬間移動したわよね?」

 

「それに、あまりにも迷わず進み過ぎている。仮想ヴィランの場所を知っているみたいに突っ込んで行くじゃねえか。探知系も考えられるな。」

 

「純粋な戦闘力も相当なもんだぜ?!このリスナーの背後霊、アッパーで3Pをビルの最上階に叩きつけたんだからな!!クレェイジー!!!」

 

「どちらにせよ合格は変わり無いな。でも、入学後に・・・」

 

「そう。”個性”の詳しい概要を確認するのさ。生徒のことは中途半端な認識のままにできないからね。頼んだよ。」

 

根津校長含めその場にいる教師全員が、彼女の担任になる男の方を見た。

 

「見込みがあれば、ですが・・・。」彼はそうとだけ告げると自分のデスクに戻って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの涙の夜から約一ヶ月!

今日は入学式の日、よ〜しD4Cを探すぞ〜!いるかなあ?

お?キンクリも楽しみ?そっか、キンクリは学校とか入ったことないもんね。

それよか見てよ、キンクリ!私、制服似合うでしょ?若干丈も短くしてあるから、こうやって腕を上げるとねえ、おへそがチラって見えるの?エロくない?!

 

「・・・・・(中指)」

 

ヒドイ・・・好みじゃあないのかな?キンクリ喜ぶかな〜と・・・思ったんだけど。

ちょっと痴女っぽいとか、かな?さり気なくしたつもりだったんだけど攻めすぎかな?

もっと研究して、”本番”でディアボロ様によろこんでもらえるようにしなきゃ!

でも、高校生を対象にしてくれるかな?コスプレプレイって事なら許容範囲かなあ?う〜ん・・・

 

 

あ!電車乗り遅れるから急がないと!ていうか、少なくとも入学初日の朝に考えることじゃあなかった!油断したら濡れてたよ、アレ。

ウオオオ〜!間に合えエエエ!!

 

 

 

 

 

ハア、ハア・・・間に合った、私は間に合ったよ・・・。

運動不足を実感したよ(言いたいだけ)。

 

いや〜、改めて見るとデッカイなあ〜ほんとに。流石は最高峰!

最高峰はいいんだけど、教室はどこですか?!1-Aって書いてあったんだけど・・・?

ん〜と?あ、ここ3年だ。あれえ?てことは2個下?いやいやいや、上の場合も・・・

 

「ねえねえ君ぃ?どうしたの?一年生だよね?背ぇ大っきくない?ねえ、迷ったの?」

 

なんか急に声をかけられたら、質問攻めにあってるんですが・・・どなたで?

 

「あ、ゴメンね。私は波動ねじれ!三年生だよ。よろしくね!ねえねえ、何してるの?」

 

「ああっとぉ・・・その、1-Aってどこですかね?」

 

「ああ!なら知ってるよ!ここの・・・あ、それよりもこの方が早いかも。ハイ、これ。」

 

「地図?見取り図?」

 

「これのここをカクカク・シカジカ・・・・・で、とうちゃく!!」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「どういたしまして。じゃあまたね、一年ちゃん!」

 

地図もらっちゃったし、名前も言い忘れたし・・・。でも、我ながらよくお礼を言えたと思う。なかなか成長したな私!ベネ!!

 

 

で、地図を見つつたどり着いたのだけど・・・ここさあ、どこの教室もドアがバカでかいのよね。バリアフリーってやつかな?前世の世界もこういうところは見習ってほしいなあ。要らんところに税金費やしてないでさあ。平穏な生活のできる世界を作ろうよ。

それでは、ファーストコンタクト!

おお・・・!見た目の割にはドアが軽い!凄い技術だn「おはよう!」 へ?

 

「俺は私立聡明中学出身、飯田天哉だ。よろしく!っとおお!なんだそれは?!」

 

「あ、ども・・・私は十月乃姫渦。コレは私の”個性”のキング・クリムゾンっての。よろしく・・・。」

 

「おお、そうか!よろしく!」

 

「・・・ねえ君、モールス信号に興味とか・・・ある?」

 

「ん?なにか言ったかい?」

 

「ああ、いや。何でもないよ。ははは・・・。」

 

なんか凄い眼鏡くんに挨拶された・・・。おまけにビビって幽波紋出しちゃった・・・。

ついでに変なことまで言っちゃったよ!なに?!モールス信号って!

ああ・・・思ったよりも人揃ってるし、視線が怖いんですが・・・。

キンクリ、悠長に握手してる場合じゃあないって。早く座ろうよ!

目立ってるからあ!話しかけて来てくれるのは嬉しいけど!目立つのは怖い!

 

ああ、なんとか席につけた・・・。

 

「ヨウ!」

 

「わ!なに?!あなたも幽波紋?!」

 

「いや、それは俺の個性。黒影だ。」「ヨロシクナ!」

 

「うん、よろしく。本体の君は?」

 

「常闇踏陰だ。よろしく頼む。」

 

「常闇くんね。私は十月乃姫渦、話しかけやすい人が前で良かったよ。」

 

「俺が話しかけやすい?」「オレジャナイノカ?」

 

「二人共だよ。落ち着きある人が一番喋りやすいでしょ?」

 

「そうか・・・」「ヨカッタナ、ホメラレタゾ!」

 

 

あーあ。こちとら平和に話してんのにうるさいなあ、あっちは喧嘩ですか。やれやれだわ。

入学初日なんだからもっと、「ぶっ殺し甲斐がありそうだなぁ!?」・・・は?「殺す!」

 

 

 

・・・・・

注:私は行動派ヲタクなので感情に任せて動く節があります。

  なので、今の私からは目立ちたくないとか平穏な生活とかいう思考は消し飛んでおります。

  私のキャラ崩壊を防ぐために、

  このときの行動を後々に酷く後悔することになったことを先に書き記しておきます。

  皆、「短気は損気」だよ?

 

 

 

貴様ァッ、今ギャングがもっとも口にしちゃあいけないこと言いやがったなあ?わからせてやるよ。いいや、ディアボロ様に変わり教えなければならない!!

そのマンモーニな精神に、ギャングが然るべき信念をなあ!

 

「わ!ビックリしたあ!なんだよ?」音をたてて立ち上がった私に隣の葡萄頭が驚く。

 

私はツカツカと喧嘩(というか一方的な逆ギレ)していたツンツン頭の前に移動する。

なぜだかわかんないケド、君にはギャングの教えを施す必要があると。そう思ったんだよ、君。

なぜだか、君はギャングの素質がありそうだから。

 

「お取り込み中ちょっといいかしら?」

 

「ムッ!君は先程の。」

 

「あ”あ”?なんだぁテメーはよお!テメーもぶっ殺s!!!」

 

言い終わる前に私の行動は終わっていた。また”言おうとした”ツンツン頭の顔・・・口元辺りを右手で鷲掴みにしてやった。周りの人は驚いて固まっている。

これで、邪魔されずに教えてやれる・・・

 

「ねえアンタさあ、さっきからうるさいのよ。口を開けば”ブッ殺す””ブッ殺す”ってさあ。そういうこと言っちゃあいけないのよ。正義も、悪もねえ。」

私は彼に顔がくっつく程接近してドスの利いた、しかし甘い声で囁くように告げる。

 

「そのとおりだ。だが君も離してやり給え、痛がってるじゃないか!暴力に走るのは良くない!」

 

「フガガガガ!フッホロs、グエェ!」

 

あーあ。私を怒らせないの。全く・・・。思わず脇腹蹴っちゃったケドいいわよね。言うこと聞かないコイツが悪いんだから。

 

「おい君!!」

 

「大丈夫、死なないから。こんくらい。

で、アンタは口癖のように言うわよねえ?それって弱虫の証拠を皆に見せつけてるだけだけどいいのかなあ?殺す殺すって脅しかけて、それでいてヒーロー希望ってバカみたい。いい?言っていいのはね・・・」

 

「”ぶっ殺した!!”よ?」

 

このツンツン頭よりもヤベえ奴おったって、皆に思われているのを私はまだ気づいていない。

ほんとにこの時の私は正気を失っていたの。マジ後悔。

 

 

「ブッ殺す!そう思ったならもうその時に行動は終わってなくちゃあいけない!私の好きな言葉よ。分かった?本気で殺すとき以外はそんな口を聞いちゃあダメだよ。殺すときも言うのは殺してその後!言う前に殺れ!!分かった?」

 

大人しくなった。わかってくれたっぽいね。よかった!

(全然良くねえよ過去の私!この行動のせいで皆に変な女認定されたんだからね?!)

 

 

「・・・チッ。クソが・・・テメーこそヒーロー志望かよ、コラ・・・」

 

「う〜ん・・・違うかなあ。私は人を探したくてここに来たの。ヒーローなんて二の次。」

 

「だろうなあ・・・お前、そーとーイッてんだろ頭・・・?なれるワケねえだろーが。」

 

「フフッ、君とは仲良くできそうね。色々とイッてる同士で♪」

 

「できるか、クソデカ女がぁ!!覚えとけコラ・・・いつかテメーをブッ殺したって言えるようにしてやるからよお・・・!!クソが・・・!」

 

「ふ〜ん、楽しみにしてるよ。ならさ、いt「お友達ごっこがしたいなら他所へ行け・・・」

 

 

その声に我に返った私は、もう生徒が全員揃っていることに初めて気づいた。

でも、声の主の姿は見えない。随分と下から聞こえた気がするけど・・・?

 

「ここは、ヒーロー科だぞ・・・ズゾゾゾッ・・・」

 

(((なんかいるう!?)))

 

「はい静かになるまで8秒かかりました・・・時間は有限。君達は合理性に欠くね。」

 

黄色い寝袋から出てきた・・・てかどうやってドア開けたんだろう、この人は。

うああ、汚すぎでしょ、せめて髭は剃りなさいよ!

ん?ここにいるってことはまさか・・・この人って・・・まさか・・・

 

「担任の相澤消太だ。よろしくね。」

 

うわあああ、先生ガチャ爆死したよ、これ。

緑髪のモサモサくんも声漏らしてるじゃん、「担任?」って。

大丈夫かなあ、この人・・・?

(さっきの私と比べたら大して心配することないと思うけど・・・)

 

「とりあえずこれ着てグラウンドに出ろ。」

 

 

 

ああ・・・嫌な予感する・・・。

入学初日にこんなことするとか、絶対にヤバいやつじゃん・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





十月乃姫渦 実は前世でも”人に前向きな言葉をかけられた”経験が少ない。
      飄々と振る舞ってるけどホントはさみしがり屋の気があるらしい。
      ジョジョの登場人物の多くと同じく、激昂すると人が変わってしまう。
      「ジョジョらしく無い思想や行動」を感じとるとキレる。
      キレるレベルはだいたいトニオさん以上、仗助以下
      
      走り込みによる日焼けで肌は若干小麦色。
      入試試験時に髪をピンクに染めた。



キング・クリムゾン この世界でのポジションは姫渦の”個性”
          飯田と率先して握手するなど、二人の本体と違い社交的。
          本体から独立した影響と考えられる。


飯田天哉 爆豪を注意していたら、なんかもっとヤバいやつに巻き込まれた。
     既に不安しかない男。
     後にこいつら全員まとめることになってしまう。


爆豪勝己 姫渦からプロシュート兄貴の教えを聞いたことで、「ブッ殺した!」を言うこと
     を目標にした。
     ギアッチョへの第一歩を踏み出してしまう。
     姫渦の言葉から”凄み”を感じとったことで抵抗をやめた・・・。
     

プロシュート兄貴の覚悟 どうしても爆豪に聞かせたかった名セリフ。
            自然になるよう少し言い換えています。
            プロシュート兄貴の言葉は重みがあって心に響き渡ります。






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個性把握テストに挑め!

ディアボロ様の操作ムズすぎ問題。



皆様こんにちは!前回やらかした十月乃です!

今私は他の女の子達と一緒に更衣室でお着替えしています。

なんかビミョーに、いやかなり距離感を感じます。そりゃあそうか・・・。

 

前回ツンツン頭くん・・・爆豪くんって言ったかな?彼の発言にキレて、ヒーローと真逆の精神論を唱えちゃったから引かれてるみたいです。でも通じるものはあるでしょ?ね?

「入学初日からやれやれだわ」とか言ってたのに自分がやれやれなことやっちゃったよ・・・。

まあ、1名だけ元気に話しかけてくれた娘がいたんだけどね?

 

「めちゃくちゃカッコ良かったよ!姫ちゃんのアレって誰の言葉?ヒーロー?」

 

「ある意味ではヒーローかな・・・ダークヒーローっていうか?兄貴って感じの人の言葉だよ。」

 

「あ〜確かに!姫ちゃんソッチ系のダークな雰囲気あるもんね、鞭似合いそう。」

 

「個人的には叩かれる側の方がいいんだけど、それもありかもね!」

 

葉隠ちゃんはいい娘だなあ。こんな変人にも率先して話しかけてくれるなんて!

ガンガン話題作ってくれるから会話も途切れないし。

ああ、前世で会いたかったよ。君や杜王町の住人達みたい(一部除く)な善人に・・・

それでも、私の性格じゃあ無理か。こうして仲良くなれたのも、この環境があってこそだよね。

 

 

 

 

 

 

「全員揃ったな、よし・・・これから君等には”個性把握テスト”を行ってもらう。」

 

「「「個性把握テストォ!?」」」

 

グラウンドに出てみたら開口一番これよ・・・最高峰ってこういうもんなの?

元底辺だからわかんないんだけれど?

 

「入学式は!?ガイダンスは!?」

丸っこい顔のカワイコチャンがここにいる全員の疑問を代表して問うが・・・

 

「ヒーローになるなら、そんな悠長な行事出る時間無いよ〜・・・」まさかの一蹴!

 

「雄英は自由な校風が売り文句、そしてそれは先生側もまた然り・・・お前達も中学の頃からやってるだろ?”個性”禁止の体力テスト。・・・国は未だ確執的な記録を取って平均を作り続けている。合理的じゃ無い。ま、文部科学省の怠慢だな。」

 

おいおいおいおい・・・この人は教師という立場で国を敵に回したぞ。

いいのか?これは高校生に言ってもいい事柄なのか?

 

「実技入試成績のトップは十月乃だったな・・・」

 

・・・え?私に何か?てか、トップって単語に爆豪くんが反応してるんですが・・・

スッゴイ形相で睨まれてるんですけど・・・彼、プライド高そうだもんなあ。

でも君ぃ、そんな器じゃあトップなんて無理よ?上には上ってヤツ。

 

「中学の時ソフトボール投げ何mだった?」

 

ええっとお、いくつだっけえ?ううんとねえ、たぶん・・・

「6,70mです。・・・恐らく。」

 

なんかざわついてる気が?まあ、女子にしたら飛ぶ方だとは思うけど・・・そんなに?

それとも、もしかして私が敬語使えることに驚いてます?

いや、普通に話せるんだよ!私!

 

「じゃ、”個性”を使ってやってみろ。」

なるほど、デモンストレーションってワケ?まあ、どうせもう目立ってるし全力でやってやるわ!

 

 

 

 

「円から出なきゃ何してもいい。早よ。思い切りな。」

 

言われなくとも。フフフ・・・帝王の力、見せてくれるわ!キング・クリムゾン!!!

 

「ウオオ、なんだありゃあ?」「オバケ?」「僕の方がスマート☆」「デッカイなアレ」

「オールマイトより強いらしいよ?」「チッ・・・」「まっかっかだね〜」

 

おやおや、いい反応じゃあないか。私の幽波紋に恐れをなしたか!?

え?うん、いや全体的にネガティブな意見が多い気がするけどキニシナイ、キニシナイ。

さあて、キンクリ全力でぶん投げるのよ?

 

「帝王はこの・・・」(((?)))「私だァァッ!!!」

 

ボールくんは、キンクリが投げたときの圧力についていけなかったのか、変形しながら凄い速さで空の彼方へ吹き飛ばされていった。いやあーキンクリは凄いなあ。

・・・ていうかアレってどうやって回収するのかな?まさか手動?だっっっる!!

 

「まず自分の最大限を知る・・・”ピコン”それがヒーローの素地を形成する合理的手段。」

 

お?結果は・・・どれどれ?う〜んとお、1843,9m・・・うわ、我ながらキモい記録だこれ。

でも、破壊力とスピードのステータスが同じスタープラチナも離れた相手に石ぶん投げてたからある意味納得かな?

みんなの反応は・・・?(ちょっと期待してる)

 

「1km超えってマジかよ!?」「個性エグいな、おい!」「ナニコレ、面白そう!」

「”個性”全力で使えんだ!さっすがヒーロー科!」

そうそう、もっと言えもっと言え、そういうことはもっと言いなさいじゃ。

 

「面白そう、か・・・」 あれ?もしかして地雷踏んだ?(名探偵)

 

「ヒーローになる為の3年間、そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?」 あ、踏んだわこれ。

 

「よぉし、8種目トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し、除籍処分としよう。」

 

「「「ハアァァ!?」」」 みんな、なんかゴメン。

 

「生徒の如何は俺達の自由っ。ようこそ、これが雄英高校ヒーロー科だ!」

 

なあ、なあなあなあなあ!そんなワケないだろ!だとしたら、この高校ヤバいよ!

てかよぉ、何みんな覚悟決めたような顔をしてんの?

あれ?もしかして冗談だと思ってる?マジだよ!?あの人マジで除籍するタイプの人間だよ!?

いいのかい?そんな感じで!納得していいのかい!?

あ、でもちゃんと危機感を感じてる人もいる。そう、それが普通だよ?

 

「最下位除籍って・・・!入学初日ですよ!?いや、初日じゃなくても理不尽過ぎる!」

おおお!カワイコチャン、よく言った!!そのとおりだ!

 

「・・・自然災害、大事故、そして身勝手なヴィラン達・・・。いつどこから来るのかわからない厄災、日本は理不尽にまみれている。」

 

大勢でリンチするクソビッチ共とか、大勢でレイプしてくる人外のクズ野郎とかね。

あとは、役に立たない勉強しか教えない学校と、ハラスメントだらけの黒い職場。

世の中は地位と金、そして学力と実績。できない、役に立たない人間なんか必要とされない。

理不尽の無いモノなんかこの世には存在しないもの。それは、確かにそう思う。

悔しいけどそれが現実だからね。

 

「そういうピンチを覆して行くのがヒーロー。放課後マックで談笑したかったならお生憎。これから3年間、雄英は全力で君達に苦難を与え続ける。さらに向こうへ、Puls Ultraさ。全力で乗り越えて来い!」

 

おお〜なるほど~ってなるかぁ!!除籍の理由になってねえぞ!

マックで談笑どころか、最下位の子はもう二度と雄英に入れないんだぞ!笑えねえぞ!

さらに向こうへどころか、校門の向こうへ追いやる気だろアンタは!!

みんな、納得している場合じゃあないぞ!

ああ、ダメだ!みんな完全に言い包められているじゃあないか!クッ、最下位の子よ、すまん!

私だけじゃあどうにもできない!

 

 

〜50m走〜

 

うわあ、みんな速い!おお、3秒台が出た!う〜んどうするといいかな、私は。

そうだ!時間を飛ばしてその間にゴールしちゃおう!それならフライングしようが何しようが「いつの間に?」って感じで気づかれない筈!それで行こう!

う〜んと、隣のレーンは・・・真ん中から真っ二つイケメンくんかな?

まあ、仮に妨害されたとしても大丈夫でしょ。攻撃はすり抜けるし。

 

「・・・あなた、クラウチングしなくてもいいの?」

 

「お前もしてないだろ。個性の関係でいらねぇんだ。」

 

「それもそうね。私も・・・これでいい。」

 

{イチニツイテ、}「キング・クリムゾン!!」

 

スタートの合図より早めに発動させた。で、あとはゴールまで走って、あの装置くんのセンサーが作動したタイミングで解除すれば・・・

 

{ドン ピピッ ソクテーフノー!}「ま、タイミングゲーよね。」

 

「速すぎんだろ!走ってんの気づかなかったぞ!」「私も。ていうか、いま機械用意って言った?」

「さあ、ボーッとしてて聞いて無かったわ。」「ワープ系の個性だろうか?」

「ま・・・負けた・・・僕が、速さで・・」

 

ま、そりゃあね。意識だけどっか行ってたんだから当たり前よね。

ある者は驚き、ある者は推測し、ある者は落ち込むというへんな絵面になってる。

さ、次々っと。どんどん行こうぜ!

 

 

 

〜握力測定〜

 

「キング・クリムゾン!!!私の手にヴィジョンを重ねて握れ!てか、握り潰せェ!!」

ウオオオ〜!!”バキッ”・・・あ。ほんとに壊れたお☆

 

「凄え!540kgってアンタゴリラ?!いや、タコか?」「タコってエロいよね・・・」

「うお、1t超えだ!!万力って反則だろ?!」

 

・・・タコ、触手凌辱モノはいいぞ。 結果 測定不能!!

 

 

 

〜立ち幅跳び〜

 

「キンクリ、私をぶん投げて。10mくらいで。」

 

とう!着地!!ハイきた、ドンピシャで10m!

 

 

 

 

〜反復横跳び〜

 

キンクリの脚力を借りてやった。78回。

 

因みにボール投げはデモンストレーションでやったからカット!

そういえば、それまで無個性レベルの記録だった子が700m超えの大記録を出してね・・・

 

 

 

・・・・・

「やっとヒーローらしい記録出たよー!」

 

「指が腫れ上がっているぞ、入試の件といいおかしな”個性”だ・・・」

 

「スマートじゃないね☆」

 

おーおー、素晴らしいことで。まあ、無限のあとだから若干霞むけど。

 

「ねえ、姫ちゃん!このまんまじゃ私ヤバいよ〜みんなと会って1日でお別れになっちゃうよ〜泣」

 

「ダイジョブ。離れてもずっと友達だよ。(ニコッ)」

 

「姫ちゃんやめてぇ〜!」

 

「ウソウソ、ゴメンって。まあ・・・今のところ彼と葡萄には勝ってるし心配無いと思うよ。てか、葉隠ちゃんって無個性での測定なら相当上位でしょ?」

 

「だって透明なだけだから・・・自分鍛えないと。」

 

「いい心がけだと思うよ!私も鍛えるの好きだし。それにさあ「どーいうことだ!!?」

・・・なあなあなあ、爆豪くんさあ、またかい?

 

「コラァァ!訳を言えェ、デクテメェ!!!」

うわあ、おっかない顔をしちゃってえ。

ボール投げた彼が可哀想なくらいビビリ散らかしてるんですけど。あの二人って知り合いかなあ?

よし、爆豪くんの邪魔しちゃおっと。

 

「キング・クリムゾン!!」時間を飛ばし爆豪くんの眼前に移動する。そして・・・解除!

 

「なんだッ・・・グホオッ!!!」

突っ込んできた腕を取って勢いのままに投げる。

爆豪は急に現れた私に勢いよく地面に叩きつけられて、かすれた呻き声を上げた。

 

「独学にしては綺麗な合気だったでしょ?さっき言ったばっかじゃない。聞きたいことがあるなら落ち着いて、相手にわかるように聞かなきゃ。で、言っていいのは?」

 

「・・・チッ」「なんてぇ!?」

「・・・た・・・」「聞こえない!大きな声で、ハイ!!」

「ブッ殺した!!!だろ?言わせんな、クソがァァ!!」「うん、元気でよろしい。」

 

「・・・十月乃、助かったが妙なこと教えてないだろうな・・・?」

 

「ええ、もちろん。あ、先生が個性消してくれてたんですね、ありがとうございます。私はとても大切なことを教えてあげているのです!!」

 

「ならいいが・・・爆豪も時間が無駄になるから下手な真似すんな。俺はドライアイなんだ、余計に”個性”を使わせるな。次準備しろ・・・」

 

(((”個性”強いのにもったいない!!)))

 

 

ってことがあったの。爆豪くんと主従関係が築けるのも時間の問題かもね。

さて、気を取り直して次!

 

 

 

 

〜持久走〜

 

バイクってあり何ですか?ポニテ巨乳ちゃんよお?

普通に走ってる飯田くんが哀れに見えるからやめたげて。でも、追い抜かされない飯田くんはかーなーり、凄いなあ。

なんだかんだあって5位だったよ。走り込みの結果だね!

 

 

 

 

〜長座体前屈〜

 

「キンクリ伸びろ〜もっと伸びろ〜。の〜び〜ろ〜〜」

 

「・・・あれ何してんだ?」「自分で押さなくてもありなんだ、アレって。」

「なんかシュールな絵面だね。」「ウチも耳使おうかな・・・?」

 

キング・クリムゾンに射程距離の限界まで行ってもらってるんだけどダメだ。

近距離パワー型の定めだけど、3mくらいしか行ってくれない。

キング・クリムゾン、足でもいいからなんとか伸ばして。おお、4m行った。

そろそろ限界かな・・・?結果は4m11cm

 

 

 

〜上体起こし〜

 

「キング・クリムゾン!私の頭を掴んで上下運動させろ!!」

 

ナアニ、下はマットだし平気でしょ。

 

”ヨーイ・・・ピピッ” 「・・・!!!」

 

うあ”あ”あ”!!!待って、私シヌ!死んじゃうよおお!加減してっ・・・ウップッ・・・

速いってキンクリ!ああ、ダメだ。意識が朦朧として指示が届かない・・・ングッ!

 

”ピピ!”結果30秒で96回・・・あ、待ってちょっとトイレ・・・

 

 

インWC

 

・・・オエェェ・・・何が持続力Eよ、絶対にAレベッ!!ウッ、オrrrrrr・・・・

・・・ハア、ハア・・・ヒドイ目にあったわ。今度から指示の前には「適度に」って付けよう。

てか、私の嘔吐プレイシーンを世に晒すなよ、オイ。誰得なんだよこれ。

こんな特殊性癖持った読者なんてそうそういな・・・ムグゥッ!オrrrrr・・・・・

うう、もうやだ・・・泣

こういうことはディアボロ様以外に見られたくないよお・・・ディアボロ様ぁ・・・

 

 

 

 

 

「じゃあパパッと結果発表・・・おい、なんで19人しかいない?」

 

「十月乃さんがトイレ・・・お花摘みに行ってます。あ、来ました。」

 

ううう・・・まだちょっと気持ち悪いよお。あ、なんか待たせたっポイ。

でもしょうがないよね。私もこれで女の子だし、うん。

ああ・・・頭痛がするう・・・グッ、吐き気もだあ・・・!(2回目)

 

 

「じゃ改めて結果発表。トータルは単純に各種目の評点を合計した数だ。口頭で説明すんのは時間の無駄なんで一括開示する。」

 

ええっと、私は・・・2位?ああ、1位の娘はあのバイク巨乳ちゃんか。なら納得。

最下位はぁっと・・・緑谷出久・・・え?あの彼!?葡萄じゃないの?

そんなあ、彼ならもっとデッかくできそうだったのに・・・あ、葉隠ちゃんは17位だ。よかった。早速お別れっていう悲劇は回避できたね。

 

「因みに除籍は嘘な。」・・・おい・・・

「君等の”個性”を最大限引き出す為の合理的虚偽(ニタァ)」

 

「「「ハアアアアアア!!??」」」

大変だ、緑谷くんの顔がなってはならないであろう顔になっているじゃあないか!

 

「あんなの嘘に決まってるじゃない、少し考えればわかりますわ。」

 

おいおいおいおい、おいおいおいおいおいおいおいおいおいおい!!!(露伴先生憑依)

違うぞ巨乳ちゃん!そんなバカな話しあるワケないじゃあないか!

あの・・・相澤先生と言ったっけ?あの人の言葉にはジョジョで言う”スゴ味”があった!!

某オカッパファスナー風に言うなら

「わかるんだ私は、嘘やハッタリじゃあない!奴は本当のことを言っている・・・!」ってやつよ!

少なくともあの目は本気のソレだった・・・

 

 

「これにて終わりだ。教室にカリキュラムなどの書類があるから、戻ったら目ぇ通しておけ。」

 

相澤先生はそう言うと緑谷くんに保健室の利用届を渡して去って行った。

 

 

 

「うわあ、ビビった〜!「除籍としよう」なんてマジな顔で言うんだもんな!」

 

黄色い髪の毛の男の子が頭を掻きながら誰にともなく言った。

緊張の糸が切れたからか、みんな周りと喋り始めている。じゃあ、私も・・・

 

「よかったね葉隠ちゃん!”まだ”一緒にいられるよ!!」

 

「そうだね姫ちゃん!ところでなんで”まだ”を強調したのかな?ん?返答しだいじゃ・・・」

 

「深い意味はないから安心して。ただ、そのうち・・・って思ってw」

 

「もう!そういうことばっか言ってると私も拗ねちゃうんだからね?!」

 

ここで怒らずに拗ねちゃうところもまたかわいいなあ。飼いたいこの娘!

抱きまくらとかも良さそう・・・見えないなら感触で攻めるしかないよね?

 

「ゴメンって。」

 

「もう、姫ちゃんったら・・・ん?そういえばさー姫ちゃんは気づいてた?」

 

「何を?」

 

「除籍が嘘ってこと。私は全然だったからさ、姫ちゃんそういうの敏感そうじゃん。」

 

「まあ・・・ここの誰より敏感な自信はあるけど・・・でも・・・」「でも?」

 

「あれ、合理的虚偽なんかじゃあないわよ。」 「「「!!??」」」

 

みんな私のことそんなに好きなの?私が喋るとだいたいみんなこっち向くけど・・・?

え?私だから?ああ、確かに。さっきから目立ってるもんなあ、私ったら。

 

「ちょっと待ってください!先生がはっきりとそう言いましたわ!それに入学初日に除籍処分なんて・・・そんなめちゃくちゃなこと、ありえませんわ。」

 

ほお、向かって来るのか・・・巨乳ちゃん。なら正面から納得させてやるわ!!

何人かはそうだと言わんばかりに頷いてるし、これはわからせエッt・・・もとい、演説をしてやる必要があるみたいねえ・・・。

 

 

「ふ〜ん、ほ〜お・・・君さぁ、そーとーピュアな娘でしょ。信じろって言われたら躊躇なく信じてバカ見るタイプ。で、悪いのは自分だって自己嫌悪に陥るタイプ。フフッ、当たってるでしょ?どう?」

 

「な・・・そのようなことは・・・私は・・・」 ・・・青ざめたな?

 

「めちゃくちゃなこと?どこがよ。入学初日に入学式出てない時点でねえ、とっくにめちゃくちゃなのよ。因みにB組は出てたみたいよ?廊下通った時、体育館の方へ行ったっぽいから。」

 

(波動先輩、こんなところで地図が役立ちました・・・ありがとう!!)

 

「そして、寝袋で移動する、そん中に体操服をしまうという奇行。挙句の果て異常な程の合理主義者ときた!わかる?言わば行動と思想はいつしも表裏一体なワケ。例えるならカプレーゼのトマトとモッツァレラ♪みたいなもんよ。必ずウマく噛み合う!だから行動からあの先生の内面を読み取るなんてごく簡単な事なのよ。」

 

「というと・・・?どういうことでしょうか?」

 

「・・・あそこまで合理性のみを重視する人間なら、わざわざ自分が見込み無しと判断した人間を育てようなんざ思わない。むしろ、その時間を他の見込みある生徒の育成に使いたがる筈。・・・つまりさ、最下位でなくとも見込みが無いと判断されていたら何人でも、下手したら全員除籍されていたかもしれない・・・!私達は判断されたのよ、「全員見込み有り」と・・・ね。」

 

重苦しい沈黙が辺りを包んだ・・・ねえ、お願い誰か喋って!

また私が痛い奴みたいになってるからあ!痛い奴だけども!自覚してるだけマシでしょ!?

 

「なるほど・・・私の考えが及んでいませんでしたわ・・・申し訳ありません。誤解を招くようなことを言ってしまいましたわ・・・」

 

「ええ!?いや、別にあなたは悪くないのよ!?それに・・・私のもあくまで”考察”だしさ?」

 

「いいえ・・・私は・・・そこまで深く熟考せずに発言するなど、言語道断ですわ。それに比べて十月乃さんはこの短時間で人をよく見て、そこまでの考えを張り巡らせている・・・。自分の未熟さを実感しましたわ。十月乃さんは聡明な方なのですね。」

 

ああ、眩しい・・・胸元だけでなく、内面まで眩しいぞこの娘は!

これがリアル黄金の精神なのか?くそお、眩し過ぎて注視できないぞ!

 

「聡明ねえ・・・絶賛変な奴認定されてる私が?」

 

「変だなんて・・・自分の信念を持ってる方は素敵だと思いますわ!」

 

「信念っていうよりヤバめの偏見なんじゃ・・・」

 

「ん?コードちゃん、なんか言った?(3FREEZE並みの重力)」

 

「ええ、いや何でも・・・ははは・・・(ウチ、この人苦手かもしれない・・・)」

 

ウンウン、みんな私の名推理に感動しているなぁ?満足満足。

あ〜前世では決して満たされることの無かった承認欲求が満たされていく・・・

ディアボロ様ぁ、私なんとかここでやって行けそうです・・・

 

 

 

 

 

ふぁ〜疲れた。ガイダンスは思ったより普通だったなあ。

ああ、教師紹介以外は。相澤先生は一言で終わらせてたけど、教師の皆さんキャラが濃すぎでしょ。

あの派手で陽気な人はプレゼント・マイクさんというらしい。

その他にも、エロいSMコスの先生やら真四角の先生やら、挙げ句に正体不詳の小動物まで。

ここはほんとにダイジョブなのかなぁ。

 

その後葉隠ちゃんと、巨乳ちゃんこと八百万百ちゃん、耳がプラグになっている耳郎響香ちゃんと一緒に帰ったよ!たぶん、耳郎ちゃんには嫌われてます私。

目すら合わせてもらえなかったです、全然、全く、ちっとも・・・

 

 

ま、何はともあれD4C捜索作戦の第一歩は無事に踏み出せました!!

明日からもキング・クリムゾンと頑張るぞ!!

 




十月乃姫渦 小さい頃からリバースしやすい体質。今回も御多分に漏れずおrrする。
      葉隠ちゃんが話しかけて来てくれるのが本当はめちゃくちゃ嬉しい。   
      ジョジョを始め、多くのアニメや漫画をみた為に人の心の内を読むのが得意。
      八百万ちゃんに反論したのは2位なのが若干悔しかったからというのが8割方の
      理由である。
      ミッドナイト先生のエロコスに興奮し、ファンになりかけているとか・・・



キング・クリムゾン ボールの行方は不明。リバース中の姫渦の背中を擦ってあげていた。
          久々に力を出せて喜んでいる。



相澤先生 合理的じゃないから後書きはいらないらしい。



八百万百 個性把握テスト1位。自分以上に洞察力のある姫渦に惹かれて仲良しになる。
     若干ポンコツなところもかあいいです。おっぱいがおっきいのもかあいいです。
     


耳郎響香 姫渦に強制連行されるカタチで一緒に帰った。姫渦が苦手。
     でも後に、ロックバンド談議で無二の親友になるのはまだ少し先のお話。
     「お前貧乳は好きか?特にそれを気にしてるってぇのは最高にソソるよなぁ!?」
     「ええ、大好きですよ。」・・・いつしかあったかもしれない会話。

     


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この世界に平穏はあらず



・・・ニョホッ






前世の世界でも全くおんなじこと思ったけどさあ、勉強ってヤツはどーしてこうもメンドイもんなの?

特に数学なんてねえ、素数を数えられれば充分なのよ。

2,3,5,7,11,13,17,19,23,28・・・いや,29・・・てね。いつ空からヤドクガエルが降って来るかわかんないんだから、用心するに越したことはないわ!

ところで、なんでそんな話しをしてるかっていうとね・・・

 

「じゃあ、この英文のうち間違っているのは?(イケボ)」

 

・・・マイク先生の授業が普通過ぎてなんかむしろ不自然なんだけど。

えーと、これはたぶん1か・・・あれ?でも関係詞って動詞の前に来るもんだっけ?

あーと・・・じゃあたぶん3かな?

 

「はい、4が間違っていますわ。」

 

「Yes!!せいか〜い!!ほらリスナー、もっと盛り上がって行こうぜ!イェアァァ!!」

 

この人はテンションの波が激しいな。

でも前世の眠くなるだけの授業よりかは、ずっと楽しいから良しとしよう。

まあ、私の頭の悪さも健在みたいだし楽しけりゃあいいや。

ん?テスト?ナニソレオイシイノデスカ?ワタシ、シラナーイ。

 

 

 

 

ハハハ!なあに、午前中の授業は全く理解が追いつかなかったけど問題ない!

わかるでしょ?

いらぬ方程式を覚えるよりも、大事なのはいかにその時その場面で物事に冷静に対処できるか。

追い詰められたとき程その力は大切になってくるの。どこぞの殺人鬼の言う通りね。

 

 

 

さあて、お昼ごはんにしようか・・・

ここの食堂のサンドイッチはいつもお昼の11時に焼き上がったパンで作るから評判がいいんだ。午後1時には売り切れるんだよ?

んん?なんで知ってるかって?そんなことはいいじゃあないか。

おお・・・ラップの上からでもホカホカしてるねぇ。このカツサンドのカツも揚げたてでサクサクしてるんだよ?っと・・・

ああ、しまった。ラップを突き破ってソースを染み出させてしまったぞ。

フフフ・・・君は力持ちさんなんだね・・・全く・・・

 

「・・・いけない子だ・・・!」デ〜ッデッデレ、デーレレ、デーレレ、デレレ〜d・・・

 

「何して〜ンの、姫ちゃん?まっかっかな手なんて握りしめて。」

 

「・・・もしかして、私に話しかけているのかい?お嬢さん?・・・君、一人かね?」

 

「いや、見ての通り・・・」「ご一緒よろしいですか?」「う・・・ウチも。」

 

な・・・なんだと!!八百万ちゃんに耳郎ちゃん、そして・・・えっと・・・ピンクちゃん!

クソッ!これでは、”これはさっきサンジェルメンで買ったんだ”ごっこができないじゃあないか!

 

「話すのは初めて?だよね!私、芦戸三奈。よろしく!!」

 

「ああ、よろしく・・・お?なんか垂れましたよ?お行儀のわr「あ!ゴメンね、触ると危ないから自分で拭くね!えぇっと、耐酸加工ハンカチはどこにやったっけ・・・」

 

「確か、”個性”の酸だよね、それって。テストで地面滑ってたヤツ。」

 

「うん、さっきちょっと使ってたから・・・フキフキ・・・っと。これで良し!」

 

 

その後、私達はみんなでお昼を食べました。

因みに、あのカワイコチャン・・・麗日ちゃんは男の子二人と食べに行き(爆死させてやる)、もう一人の女の子の蛙吹梅雨ちゃんはお弁当だったらしい。

ご飯誘ってくれると思わなかったから嬉しいなあ。

ん、何怒って拗ねてるんだ?君も一緒じゃあないか?やっぱり二人がいいのかい?ヤキモチ焼きさんなんだね・・・君は。

 

「・・・あのさ十月乃さん、一個言いたいんだけど、ウチ。いいかな?」

 

「んん?なんだい?言ってご覧?」

 

「さっきから何と・・・その手と喋ってんの?それにそんなキャラだったっけ?」

 

おおお!川尻浩作と入れ代わった吉良吉影のヤツだ、これ!!

耳郎ちゃん、ようやくそれっぽい感じになったぞ!ありがとう!

そして、ここでドーンと食事代かなんか払って私に惚れさせてやるぞ!!

 

「ああ、耳郎さん。それは十月乃さんの”個性”のキング・クリムゾンさんの手ですわ。自我があるとお聞きしたので会話していたのだと思いますわ。」

 

「ああ・・・そーゆー・・・ゴメン。知らなかったから・・・」

 

「十月乃ちゃんの”個性”って強そうでいいよねえ。私なんか見た目云々以前に見えないもん。」

 

「私も〜。ピンクって呼ばれるからさ、もっとかっこいい名前がいいな〜。なんかない?ヒーロー名っていうか、なんかかっこいい呼び名とか・・・」

 

八百万ちゃんの”個性”知的ないい娘が発動してしまったじゃあないか!とても、「変態殺人鬼ごっこしてるだけだよ。」なんて言えなくなってしまった!

それに、耳郎ちゃん!君はなんでそんなにも余所余所しい態度なんだ!?えぇ!?

ま、ゆっくりと仲良くなってけばいいか。それよりも・・・

 

「ピンク・フロイドなんてどう?ピンクだし、雰囲気も近いんじゃあないかな?」

 

「プッ・・・それってバンドじゃん。それに、キング・クリムゾンもバンド名だし。」

 

「かっこいいけどなあ、なんかピンクってまんま入ってると略してピンクって言われそうだし。そういえば、耳郎ちゃんってバンド詳しいんだね!」

 

「ええ?いや、それほどじゃあ・・・だったら十月乃さんの方が・・・」

 

どうした?何を恥ずかしがっている?

まあいい。仲良くなるための糸口は掴んだぞ!!ハッハッハッ!!

 

 

 

 

 

 

さあて、午後の授業こそエンペラー(帝王)の独壇場だぜぃ!!

その名はヒーロー基礎学!!こいつで評定5を取ってしまえば他の赤点など怖くは無いのだぁ!

で、その担当教師は・・・

 

「わぁ〜たぁ〜しぃ〜が〜ッ!!」”ガラッ”「普通にドアから来たァァ!!!」

 

そう、かのオールマイトさん!ああ・・・あなたの優しさは罪なものです・・・

私を泣かせたのですからね・・・てか普通にカッコいい。

 

「凄えや、ほんとに先生やってるんだな!!」「あれ、シルバーエイジのコスチュームね。」

「・・・もしかしてエジプト出身だったりして・・・ハハハ。」

 

流石にないか。でも彫りが深過ぎてまるで日本人には見えないよ。

金髪だし・・・ん?金髪だけど日本人・・・吉良さん?あ、クソコロネもハーフだけど金髪だった。

 

「私の担当はヒーロー基礎学。ヒーローの素地を作る為、様々な訓練を行う科目だ!単位数も最も多いぞ!!早速だが、今日はコレ!!!」

 

パネルちっちゃ!!いや、オールマイトさんの手が規格外のデカさなのか?

えっと書いてあるのは・・・BATTLE・・・というと?

 

「戦闘訓練ッ!!!」

 

「戦闘ゥ!!!」「・・・訓練・・・」

 

爆豪くん、好きそうだねえ。かく言う私も楽しみだけど。

 

「そして、そいつに伴ってェ、コチラ!!入学前に送ってもらった個性届と、要望に沿って誂えたコスチュームッ!!!」

 

「「「ウオオオ〜!!!」」」

 

「着替えたら順次、グラウンドβに集まるんだっ!!!」

 

「「「ハーイ!!!」」」

 

 

 

 

 

〜行為室・・・もとい更衣室〜

 

「おおお・・・八百万ちゃんは胸おっきいねえ・・・頬擦り、してもいいですか?(ヤベェ奴)」

 

「え!?いや、そんな破廉恥な・・・でも、いいえ・・・はい、どうぞ。」

 

”ムニュッ”「おお!?ん〜・・・おお・・・オホォ〜これはたまらんな・・・。包まれる・・・」

 

あくまで興味本位で(大嘘)八百万ちゃんの豊満な胸にコスチューム越しに顔を埋める。

ああ・・・このままだと私の”何か”がプッツンしそう・・・これこそソフトアンドウェットだわ!

(因みに八百万ちゃん曰く、大切な友人のお願いを断るなんてできませんわ・・・らしい)

 

「うわあ、なんか八百万ちゃんのコスチューム露出が多いから、十月乃ちゃんの表情も相まって凄い艶っぽいナンカに見えちゃうよ〜!!」

 

「フフフ・・・私には敵わないね!!晒け出さないと!!」

 

「アンタは見えないじゃんって・・・コスチュームは?」

 

「え?これだけだよ。なにせ透明だからね!ハハハ!」

 

「女の子としてどうかと思うわ、透ちゃん。ケロッ」「・・・ウチも同感。」

 

「そんなあ、あ!ほら、この全身タイツのほうが際どいと思うよ!」

 

「フェ!?いや・・・お任せにしたらこうなっただけで狙った訳やないんやけどぉ!」

 

実に!じ・つ・に!!健全な会話をしていたよ。

まあ、最難関校の女のコが卑猥な話しなんてするわけないもんねえ。そうでしょ?

ところがどっこい、するんですよ?これが。これが現実です。

 

 

 

 

 

ちょうど出たら、男子も着替え終わったとこだったみたいで、鉢合わせたよ。

なんで、一緒に歩いてます。

なんか、こういう映画のラストシーンあったなあ。エアロスミスが主題歌歌ってる映画。

そうそう!「アルマゲドン」の帰還シーンみたいな感じ!

 

 

「格好から入るってのも、大切なことだぜ!少年少女!自覚するんだ、今日から自分は”ヒーロー”なんだと!!!」

 

ジョジョなら「ドーンッ」とか「バァァンッ」とかいう擬音が見えそうな名言だな・・・。

 

「いいじゃないか、みんな!!カッコいいぜッ!!」

 

ほんとにみんながみんな、特徴的だなあ・・・

え?私?私はそりゃあ”アレ”をやるためだけのコスチューム・・・というか正装にしたの。

胸元に斜めの切れ込みが入ったやけに丈の短いセーターに、紫色でピッタリフィットするズボンを腰パンにして履いている。ついでに髪は結ってます。

まあ、身体付きを変えるのは無理だけど、コスプレ以上のクオリティにはなる筈!

いや〜前世で一回ディアボロ様のコスプレしたかったの!!ドッピオくんから変身するとこ!

あ〜ようやく願いが叶うよ・・・

 

 

「さあ、始めようか!有精卵共ォ!!!」

 

「先生、ここは入試の演習場ですが、また市街地演習を行うのでしょうか?」

 

流石はマジメロボ飯田。カッコいいコスチュームで発言する姿は最高に様になっている。

なんかこん中で1番強そう。

 

「いいや、もう2歩先に踏み込む。ヴィラン退治は主に屋外で見られるが、統計で言えば屋内のほうが凶悪ヴィラン出現率は高いんだ!監禁、軟禁、裏商売。この”ヒーロー飽和社会”、真の賢しいヴィランは闇に潜む。」

 

そうか。確かにDIO様やディアボロ様も屋内に隠れ潜んでいたな。

いやいやいや!ディアボロ様はヴィランなんかじゃあないもん!未来の私のご主人様だもん!

DIO様は息子がアレだからダメ!父親としての責任を取りやがれ!!

 

「君等にはこれから、ヴィラン組とヒーロー組に分かれて2対2の屋内戦を行ってもらう!」

 

「・・・基礎訓練無しに?」 ああ、言われてみれば。

 

「その基礎を知る為の実践さ!ただし、今回はブッ壊せばOKなロボじゃないのがミソだ!」

 

なるほど、ヴィランブッ壊す=死んじゃうもんね。

 

「勝敗のシステムはどうなります?」「ブッ飛ばしてもい”い”んスかァ?」「また、相澤先生の時みたいな除籍はあるんですか?」「分れるとはどのような分れ方をすればいいのしょうか?」「このマント☆ヤバくな〜い?」「キンクリ、今回は加減してね?」

 

「ンン〜〜〜ッ聖徳太子ィッ!!!」

 

 

 

 

その後オールマイトさんはカンペを見ながらなんとか説明をやりきってくれました。

あの見た目で新採用の先生みたいな事するから、なんか面白くて見ててほっこりしちゃった。

ていうか、オールマイトさん新採用だったわ。

 

で、訓練の設定はヴィランが屋内のどこかに核兵器を所持していて、ヒーローはそれを回収するかヴィランを確保するかのどちらかで勝利。

ヴィラン側は、ヒーローを確保するか時間いっぱいまで核兵器を守りきれば勝ちという、どこぞのアメコミ映画のようなアメリカン設定です。

その組合わせ方はというと・・・

 

「コンビ及び対戦相手はクジだァ!!」 

Lotsと書かれた箱を手にオールマイトさんが宣言する。

 

なるほど、時として偶然は、それこそ必然的に必要とされる。

実戦を見据えての配慮ってわけね。そのくらい察せるわよ。

まあ、今の見解は緑谷くんのパクリだけど・・・

では、運試しといこうじゃあないか!

 

 

 

 

チームA 麗日お茶子ちゃん・緑谷出久くん リア充予備軍コンビ、タヒね!

 

チームB 真っ二つイケメンくん・アシュラマン(正義超人) メチャ強そうだからできれ                      

     ば当たりたくない。(フラグの立つ音)

 

チームC 八百万百ちゃん・チビ葡萄 なんでだろ?八百万ちゃんの身が危ない気がする。

 

チームD 爆豪勝己くん・飯田天哉くん 洗剤よりも混ぜるな危険コンビ。

 

チームE 芦戸三奈ちゃん・マントヤバい人 芦戸ちゃんならああいう癖のある人も大丈夫かな。

 

チームF リアル岩人間・ヤングライオン ロードウォーリアーズかな?(80年代の思考)

 

チームG 耳郎響香ちゃん・金髪チャラ男くん 普通にお似合いの二人、マジカッコいい!

 

チームH 蛙吹梅雨ちゃん・常闇踏陰くん スタンド使いとGEのカエルという。縁がありそう。

 

チームI 葉隠透ちゃん・私+キング・クリムゾン はい来ました〜。最強〜。勝確〜。

 

チームJ 怪人テープカッター・赤髪ギザ歯マン ヒーローショーでウケそうな二人だね、コレ。

 

 

・・・という組み合わせになったよ!どうよ?私のわかりやすい解説付き!!

そして運命の対戦相手は・・・オールマイトさん、あなたにかかってますよ?ね?ねぇ?

 

(なんだろうか・・・私の背後から重圧を感じるぞ・・・いや、気をしっかり持て私ッ!)

「コホン、では!最初の対戦相手はァ〜・・・コイツ等ダァッ!!!」

 

取り出されたのはヒーロー側からA、ヴィラン側からD・・・緑谷くん、君のことは忘れないよ。

今のうちによく顔を見ておかないと・・・

 

「では!他の者はモニタールームへ向かってくれ!!」 「「「ハイ!!」」」

 

 

 

 

 

 

てことで、1戦目が終わりましたが・・・ナニコレ?

下手したらマジで緑谷くん死んでたよ?・・・いや、爆豪くんもワザと大技を外したあたり、気を付けてはいたのかな?

八百万ちゃんの完璧な講評も相まって、凄い戦いだったと思わされたよ。

緑谷くんってワリとガッツあるんだね・・・ちょっと見直した。

それよりも、爆豪くん大丈夫?なんか、目に光が無いよ?まさか、ショック死した!?

あ、生きてた。

 

さてと・・・問題は次・・・私達だ・・・。

 

「では続いて、BチームとIチーム!移動を頼むぞ!!建物が半壊したので、別のビルだ!」

 

 

相手はBチーム。真っ二つイケメンとアシュラマンだけど・・・

 

 

 

「ねえねえ十月乃ちゃん!私、本気出す!全部脱ぐよ!透明なだけだけど索敵とかならできるから、後は待ち伏せとか!」

 

「いや、相手は・・・それを待っててはくれない・・・!勝負は一瞬で決められてしまうわ!」

 

「?・・・それってどういう?」

 

エピタフの予知は確かに見た。始まると同時にこのビルを丸ごと凍らせる真っ二つくんの姿を。

そんなことされたら、戦うどころじゃあない!移動もままならなくなる。だったら・・・

 

「葉隠ちゃん・・・私はこれからとてもおかしな事を言う。でも、どうかその通りに動いてほしいの・・・時間はもう無い。お願いできる?」

 

「もちろん!!私にできる事なら何でも任せて!!」

 

「ありがとう・・・・・じゃあまずは・・・脱ぐね!」

 

「へ?脱ぐ?」

 

私は部屋の真ん中にあった柱を(カメラと葉隠ちゃんから隠れるように)横切り、時を飛ばす。

その間に着ていたセーターを思い切り脱いだ。

 

「これは試練だ・・・過去に打ち勝てという試練と、私は受け取った。人の成長は未熟な過去に打ち勝つことだと、ね・・・!」

 

「あれ?十月乃ちゃんいつの間に・・・ってピギャァァァ!!何?どうしたの?露出に目覚めたの?そ、それ・・・あの、ブ、ブラが・・・」

(その間、モニタールームでは一部の男子の歓喜と、女子の悲鳴が綺麗な不協和音を奏でたらしい・・・。オールマイトさんが見せブラ発言まで、必死に隠していたそうだ。申し訳ない。)

 

「ああ、見せブラだから安心して。一種のスイッチみたいなもんよ。」

お馴染みのアミアミの上着姿になった私はそう説明した。

たぶん、伝わった・・・と思う。

 

「それじゃあ気を取り直して、作戦を伝えるわね。」

 

「お、おお。・・・私はこれ以上脱げないよ?」

 

「いや脱ぐんじゃあない、むしろ着てほしいの。」「・・・?」

 

 

 

 

 

 

「それでは時間だ!屋内対人戦闘訓練!!第2戦、スタァァァトッ!!!」

 

 

 

この後、Bチームの二人も、モニタールームの面々も、歴戦の英雄であるオールマイトですら理解のできない、飲み込めない程の”恐怖”と”戦慄”を目にする事になるだろうとは。

今はまだ、誰も思い至らなかった・・・。

 

 




十月乃姫渦 基本的にキャラの濃いジョジョのキャラが好き。
      ディアボロ様は憧れであり、想い人。吉良吉影は理想の殺人鬼像。モノマネ好き。
      頭は悪い。特に数学は前世で6点の暴挙を達成している。
      一方で、現代文や理科系、歴史にはかなり強い。(作品への理解を深める為)
      ジョジョにハマる過程でロックバンドにハマる。
      好きなバンドは洋楽ならメタリカ、Mr.Big、ディープ・パープル。
      邦楽はLOUDNESS、BUCK-TICK、聖飢魔IIにハマった。現在もよく聴いている。



キング・クリムゾン 吉良吉影ごっこに巻き込まれる。役は吉良の女(右手のみ)
          ちゃんと破ってしまったカツサンドを購入するように仕向けた。
          姫渦のコスチュームの再現度に感動したらしい。



芦戸三奈 酸をナニに使用していたかは不明。一瞬ピンク・フロイドで行こうかとも思った 
     が、略してピンクと呼ばれるのを恐れてやめる。
     十月乃に対して負の感情を抱いていなかった数少ない人物の一人。
     



ヤオヨロッパイ 触りたい。揉みたい。しゃぶりたい。挟まれたい。




ディアボロという男 まさかの完全再現。姫渦大満足。これからも戦闘前に脱ぎ捨てようと
          心に誓った。          


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戦闘訓練!

時飛ばしの表現は〜!〜という風な記号で表します。

今回は説明が多いです。


訓練が開始されると同時に、姫渦の言うアシュラマン・・・障子目蔵はビルへ足を踏み込み、索敵を開始する。彼の”個性”は索敵、戦闘、移動にまで活用可能な複製腕。

大きく広げた触手の先端を耳に変化させることで相手の発する音を察知しようという算段である。

しかし・・・

 

「なぜだ?会話どころか足音一つ聞こえない・・・息を潜めて待ち伏せする気か?」

 

彼の複製した器官は、オリジナルのそれを優に上回る能力を発揮できる。

4階建てのビル全体の音を同時に聞き取るなど朝飯前なはずなのだ。それが物音一つしない・・・

 

 

なんとか手掛かりを掴もうと索敵を続ける障子に彼のパートナー、轟焦凍はどうということは無いと言わんばかり告げる。

 

「外出てろ、危ねえから・・・」

 

・・・広範囲に渡る凍結。炎熱系の個性持ちでもない限り回避は困難な大技だが、彼は”ある理由”からこの技を完全に使いこなせていた。”どれくらい”で凍りきるかまで。

言うなればこの一撃は初見殺しの完封勝利技だ。

 

(4階か・・・10秒と少しもあれば完全に凍る。あとは相方に核を見つけて貰えば終わりだ。)

 

轟は廊下の壁に手を触れる。瞬間、辺りから熱が奪われ猛烈な寒波が押し寄せ始め・・・

巨大なビルはほんの”10秒”で巨大な氷塊へと姿を変えてしまった。

 

轟は己と相手とのレベルの差をありありと感じながら、悠々とした足取りで氷漬けのビルへ踏み込んで行く。しかし、障子がその後ろ姿に、まるで焦るかのように声をかけた。

 

「待つんだ!何かがおかしい。普通、氷漬けにされたら何かしらの動きがある筈なんだ!例えほんの少しでも・・・何か聞こえなくてはおかしい!」

 

「間違いなく凍らせたんだ。無理して隠れてるだけだろ。仮に回避できたとしても、心配ない。部屋の扉を開けると同時に出力を抑えてまたあれをやる。先手はこっちが取れる。」

 

そうとだけ告げると轟は一番手前の扉から順番に開けて内部を確認するという作業を始めた。轟からすればこれはもう勝負でなく単純な作業なのだ。黙々と決まった動きをしていれば終わるもの。轟はその考えに違和感は持たなかった。

 

「・・・これが最後の部屋か。今までの部屋にいなかったとすると、ここだけだな。」

 

「気を付けろ、何があるかもわからんぞ・・・」

 

轟はドアを開けようと・・・〜!!〜!〜開いた。

 

(?・・・俺はいつドアノブを捻ったんだ?まあいい。)

 

開けた先には今までよりも大きい、10坪程度の広さのコンクリート壁の周りを氷に包まれた部屋が広がっていた。その左隅の一角に核がちょこんと置かれている。

人影が無いところを見ると、恐らく柱や核の影に潜んでいるのだろう。

 

(氷結させて強行突破もできなくはないが・・・これ以上低温に晒すと低体温症や凍傷の危険もある・・・かと言ってノコノコ出て行って待ち伏せにハマったら本末転倒・・・ここは降参を求めるべきか?)

 

「おい、もういいだろ?このままだと手足が壊死して取り返しがつかなくなるぞ。」

 

 

・・・返事はない。どうやら、最後まで諦めるつもりはないようだ。

 

「おい、障子といったか?左側・・・核周辺の警戒を・・・障・・・子!?」

 

いるはずの者はそこにはいなかった。轟はそのことに今初めて気づいた。つい先程まで後ろにいた筈の障子は忽然と姿を消してしまったのだった。

あたかも、最初からいなかったと言わんばかりに、なんの痕跡も残さずである。

 

「何が・・・?一体・・・?」

 

轟は全力で思考を張り巡らせる。そして思い至ったのはついさっき、ドアを開けようとしたら開いていたという違和感。その違和感はやがて最悪の仮説へと変換される・・・

 

(まさか・・・相手は透明化とワープ持ち。気づかないうちに奇襲を仕掛けられていたのか!クソッ、どうやって音も無く氷結を回避した?どうやって俺に気づかれず障子を襲った?)

 

〜!〜「・・・チェックメイト。」「そこか!」 響いた声の方向へ轟は大氷結を放つ。

が、そこには虚空のみ。・・・誰もいない。

ただ、出力を抑えたワリには巨大な氷塊があるのみ。

 

「アンタ、舐めすぎよ?自信過剰なのはいいけどそれでいて周りも見えないってどうなのかしらねえ?せっかく障子くんだっけ?は勘付いてたのに。」

 

(間違いない!背後だ、真後ろに奴がいる!)

 

振り返りざまに全力の凍結を背後に見舞う。

が、またそこは無人。誰一人いないのである。

 

(いない?なぜ・・・?確かに気配をk「気配を感じたのに・・・でしょ?」

 

(・・・!!)

三度氷結。今度は自分の周囲一帯を部屋ごと凍てつかせる・・・だが・・・

 

「このまま、取り返しのつかなくなるのはあなたよ?イケメンくぅん?思い込むということは何よりも恐ろしいことね・・・しかも自分の能力や才能を優れたものと過信しているときはもっと始末が悪いわ・・・」

 

轟は次第に余裕が焦りへと、自信が恐怖へと変わり始める。

既に持ち前の冷静さは失われていた。それでもまだ闘志までをも捨ててはいない。

が、その闘志も直後に打ちひしがれることとなる・・・

 

(ヤツは必ず、俺のそばに急接近してくる・・・ならば何か、何かその前触れがあれば・・・」

〜!〜

 

「クスクス・・・無いよ?あっても見つけられない。だってぇ、こんなに簡単に間合いに入られちゃうんだもん、君は・・・”フゥ〜”」

 

(!!!ッ)

 

背中に押し付けられる柔らかい感触、耳に触れる温かな吐息が轟の脳に現実を現在起きていることを忙しなく伝えるも、轟はもはや動くことはできなかった。

 

「ゴメンね、これ・・・巻いちゃうね。クスクス・・・貧弱、貧弱ゥ♪」

 

耳元の声がさも愉快げに笑う。そんなことは今の轟には問題ではなかったのだ。

 

轟は混乱していた。

人一倍、こういう類の訓練は積んで来たつもりだった。不本意ながらも積んで来た筈だった。

訓練とは言っても、戦いの中で冷静さを失うなど今までありえなかった。

それが今はどうだろう?

自分の力を過信したが故に障子を確保され、耳元の甘ったるい声にあらぬ事を考えてしまう。怯えてしまう。そんな自分がいる。

敵わないのか?このまま無様に負けていいのか?・・・いや、許せない。

このまま終わるなど断じて許せない!!自分自身のプライドが!!

 

 

「は・・・なせぇ!!」 「ウオッとっと・・・へえ?やるじゃん。」

 

「・・・でもね、轟くん?もう既に私の作戦は終了してんだよ・・・射程距離に・・・入った時点でねぇ・・・。」

 

轟は全身の力を振り絞り、”何者か”の束縛を逃れる。そのまま全速力で走る、向かう先にあるものは今回の勝利条件・・・

 

「核を・・・あれさえ触れば俺の勝ちだ、あと数m・・・”パチン”〜!〜・・・な?!!」

 

指を弾く音。それが轟の最後に聞いた音。

そして、今にも核に触らんとしたときに突然目の前に現れた、宙に浮かんだセーターが最後に見たモノだった・・・

 

轟・障子ヒーローチーム 敗北 再起可能!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・あの、オールマイト先生?終わったっポイ・・・です。」

 

「ん!?ええ!?あ、そうか!ヴィランチーム、ウィィィィンッ!!!」

 

訓練後のモニタールームは1回戦以上の奇妙な緊張感で張り詰めていた。

それもそのはず、誰一人としてこの10分弱の間に起きたことを”理解”は愚か”認識”すらできていないのだから。

果たして自分達は何を見せられていたのか、何を見ることができたのか・・・

できるのは、ただ口をつぐむだけ・・・

 

 

が、この沈黙を打ち破る、これもまた間の抜けた会話をする声が近づいて来た。

 

 

「・・・つまりはさぁ、男の子なんて色仕掛に乗っければ、みぃんなイチコロなのよ。所詮下半身が本体なんだから。あの性欲とかけ離れてそうなイケメンがかかったんだから間違いないわ!」

 

「でもさあ、それって姫ちゃんだったからじゃない?・・・ックシュ!!」

 

「ダイジョブ?もっと厚着して待ってて貰えばよかった・・・服無いけど。」

 

「ズビッ・・・寒かったんだよ?姫ちゃんのことを信じて凍えそうになりながら待ち伏せしてたんだよお?ああ・・・もうダメ。死んだ筈の緑谷くんが笑ってるよ(生きてる)・・・十月乃ちゃん、あとはよろし・・・く、ガクッ」

 

「葉隠ちゃァァァんッ!!・・・ってあれ?みんなどうしたの?静まり返っちゃって。

まるでよく知りもしない親戚のお通夜に来たからどうしていいかわかんねえけど帰るのは流石に失礼だよなぁ、っていう顔じゃあないの?」

 

「凄い比喩・・・きっとみんな私達の戦いの凄さに開いた口が塞がらないんだよ!きっと!」

 

 

 

 

 

あ、オールマイトさんが喋り始めた、講評かな?MVP私かなあ?

セクシーショットまで披露しちゃったし私しかないかなぁ・・・?

 

「あっとコホン。みんな、色々と気になるのは私も同じなんだ。だから4人揃ったこの場でその色々を聞こうじゃないか!ということで・・・十月乃少女、ナニアレ?」

 

ん?アレ?・・・ああ!はいはいなるほど・・・

 

「男の子の最大の弱点とも言える、色気で轟くんを攻撃しようt「いや、それじゃなくてさあ!」

 

「最初から私も理解ができない点が多すぎるんだ!まず、”個性”について詳しく教えてくれないかなぁ?じゃないと進まなそうなんだよ、十月乃少女・・・少なくとも私が把握していない何らかの力が働いていたのはわかるんだが。」

 

「こ、せ、い・・・彼のことですか?」 キンクリ召喚!!

 

「その赤い彼は一体全体、何ができるんだい?只者でないのは解るんだけどね・・・」

 

「・・・時間を、ブッ飛ばしてそん中を動けます。」 「「「???」」」

 

うん、わかんないよねそりゃあ。お?でも流石はナンバー1。理解したようだな?

私の真の能力を!帝王の力を!!

 

「なるほど・・・私もなにか違和感は感じていたんだがそういう事か。つまり、君は未来の時間を誰も気づかないうちに過去にしてしまうという解釈であってるかい?」

 

おお、オールマイトさん。あれだけの情報でそこまで見抜くとは・・・いくらナンバー1と言えど

簡単すぎる・・・あっけなさすぎる・・・!!

かのポルナレフですら見抜くのに苦戦したというのに・・・クククッ敬意を表するよ、君には。

 

「ええ、それであってるわ。これから起こるであろう事、もしくは起きている最中の事を既に終わった事にできる。”私以外”が気づかぬ間に・・・それが私と彼の能力。」

 

「・・・スマン、全っ然わかんねえ・・・」 

ギザ歯くんの言葉に葉隠ちゃんとヒーローチーム2人を除いた全員が首を縦に振る。

それが、ふつうか。

まあ、基本的にジョジョは理解しやすい能力の方が圧倒的に少ないけどね・・・

 

「う〜ん、CDって聴く?私ね、バンドが好きでさあ。でも、その時その時で聴きたい曲って違うのよねぇ。今ならそうね・・・イングヴェイ・マルムスティーンのMother less childかなぁ・・・「母亡き子のように」なんてまさに今の状況にピッタリでしょ?どうしていいか、何をすればいいのかわからない今のみんなの頭に。」

 

「・・・なんの話だ?」 おいおい、轟くぅん、落ち着けって!?ナァ?

            今からモンキーでもわかるように話してやるからよぉ。

 

「で、ちょうど今すぐにその曲を聴きたいとして。でも、その曲が収録されているのはアルバムの4曲目!そんなときどうする?」

 

「前の3曲を飛ばす・・・ということでしょうか?」

 

「八百万ちゃんグッド!・・・でも、その3曲を飛ばしてもその曲がCDから消えるわけじゃあないでしょ?私の能力はコレにかなり近い。

・・・私にとって未来とは、既に一度聴いたCDよ。どんな曲が入っているか知っている。そして聴きたい曲のとこまで飛ばす。そしてちょうど聴きたいところで早送りを止めて聴く。

これを現実で行っていると思ってくれればいいわ。

みんなやその他の世界の全ては、録音された音源。飛ばされていることをその最中は認識できない。だって、音を出して再生できないんだから気づくはずないでしょ?。

そして、4曲目の始まりと同時に違和感を覚える。「この前の曲は再生したっけ?いつの間に?」ってな具合でね。飛ばした過程を知るのは私のみ・・・

・・・これが、キング・クリムゾンの能力ダッ!!!」”バァーン!!(ジョジョ立ち)”

 

 

おっお〜!ヤッベえ!なんか興奮してきたァァァ!

何だこれは?私とキンクリはカッコよ過ぎかよ!ヤバい、誰か撮って?

てか、ディアボロ様見てますか?私とキンクリ凄いですよね?いいですよね!?

メッチャざわついてますよ、ディアボロさまぁ〜!?

 

 

「・・・ん?お前、一度聴いたCDつったか?」 

 

「轟くん?そうだけど、なにか変なとこでも?」

 

「つまりお前は、予知的なもんも持ってるってことだろ?」(((!!??)))

 

「うん、持ってるわよ。見せましょうか?ッエピタフ!!」 ”ウネウネ、グリン!”

 

(((出てき方気色悪ッ!!!)))

 

「これは数秒〜数十秒後の未来・・・必ず起こる”結果”を切り抜いて見れるスグレモノよ。」

 

「なんだよソレ・・・チートじゃん。」「容赦ないな・・・」「なんか赤い人喜んでない?」

「言うてさぁ、無敵だよねぇ・・・十月乃ちゃんって。」

 

「フッフッフッ、ごめんなさい、その通りよ。葉隠ちゃん?」

 

いやいやいや、無敵なのはキング・クリムゾンなんだけどね。まあ、キンクリも喜んでるし別にいいか!よかったね、キンクリ!

 

「HAHAHA・・・自分に自信を持つことはいい事だぞ。だが!今回のMVPは葉隠少女だッ!!」

 

 

沈黙of沈黙。「「「・・・・・エェェェ!!??」」」

 

「ちょっとみんなァ、その反応は酷くない?ねぇ?納得いかないって言いたいワケぇ?」

 

「HAHAHA!!確かに葉隠少女は最後の最後でしか見せ場がなかったが・・・でもMVP!なぜだかわかる人ォ〜!?」

 

「はい、オールマイト先生。」

 

「え〜っと・・・他は?ああ、いないッ。では八百万少女!」

 

「はい。今回は純粋に、葉隠さんが最も勝つことに直結する動きができていたからですわ。

まずは、十月乃さんは途中の行動に”無駄”が多すぎですわ。”無駄”が。」

 

ウオォォ!!やめろ!私はその”無駄”って単語が大嫌いなんだ!聞きたくもないッ!

しかもなんだ!?なぜやたらと強調するんだ!?私の弱点を知ってるのか、ええ!?

 

「そもそも、最初に障子さんを襲った時点で轟さんも捕獲すればよかったのでは?手を伸ばせば届く距離に二人共いましたのに、なのになぜ障子さんのみを?」

 

「いや、それはホラ〜、なんだ?恐怖感と威圧感を出すための演出というか・・・」

 

「今そんなことする必要は?「もちろんあr」無いですわよね?・・・そうしておけば、あんな卑猥な色仕掛をする必要も無かったハズ。それにその間に氷点下の中をあの薄着で待機している葉隠さんを”無駄”に待たせるなどもってのほか。これは遊びでなく訓練。もっと状況をよく考えるべきですわ。」

 

「シュン・・・グスッ八百万ちゃんひどい・・・」

 

「泣き真似しても”無駄”ですわ。(辛辣)」

 

「あァァァんまりだァァアァ・・・ッ!!!」

 

今ならエシディシのモノマネ世界選手権で優勝できる自信があるよ、私・・・

 

 

「はぁ、次に轟さんは己の力を過信し過ぎている節がありますわ。これはチーム戦なんですから、もっとチーム同士で連携を取るべき・・・一人で突っ走って障子さんの忠告に耳を傾けなかったのが今回の最大の敗因かと。それに、焦って葉隠さんが待ち伏せていることまで考えずに飛び込むなんて実戦でしたら自殺行為・・・。

障子さんも、次からはもっと積極的に止めに入っていいと思いますわ。障子さんのような索敵能力に長けた”個性”なら尚更。轟さんは従うべきかと。」

 

「・・・あぁ。」 「なるほど、分かった。」 二人共素直で偉いなぁ。

「八百万ちゃん!私は?私!」

 

「まず葉隠さんは、視覚だけでなく聴覚による索敵の警戒ができていたこと・・・ですがどうやって音も無く氷結の回避を?」

 

「キング・クリムゾンさんに抱っこしてもらって普通に核の後ろに隠してもらったの。

姫ちゃんいわく、あんな大規模な攻撃なら味方を巻き込まない為に表に出すはずだから、少しなら動いても問題無いだろうって。

ちなみにその後は合図まで核の後ろで息を潜めて存在を消してましたッ!」

 

そうさ。それに氷結中は物体が急速に凍らされる音もノイズとして邪魔してくれるしね。

むしろ、動くのはあのタイミングしか無かったわけだし。

ついでにキンクリなら凍っても無効化できるしまさに完璧!

 

 

「何よりも評価すべきは、その十月乃さんの策を完璧に遂行し終えたことですわ。あの過酷な寒さの中で手袋とブーツ、丈の短いセーターのみで10分持ち堪えた精神力の強さはヒーローとして実力と同じくらい必要なモノですわ。」

 

「ねえ、なら私もこのアミアミだけで10p「作戦を立てることができても、実行できないのなら無意味。それを踏まえれば最も計画的に、確実に動いた葉隠さんが今回のMVPというのはごく当たり前のことですわ。」

 

・・・なんかボロクソに言われた気がする。確かに葉隠ちゃん頑張ってくれたけど・・・

 

ああ、ディアボロ様・・・ディアボロ様ぁ、申し訳ございません・・・

私はこのような失態を晒してしまいました・・・どうか、どうか私に厳罰を・・・///

 

 

(またほとんど言われてしまった・・・)

 

「そ、その通りだ!八百万少女!まあ、次はぜひ葉隠少女も作戦立案をしてみてくれッ!

では次!!3回戦の準備に取り掛かろう!」

 

 

 

 

 

 

・・・てな感じで私の戦闘訓練は終了。

八百万ちゃんの辛辣な言葉に猛省し(してない)ディアボロ様にもお仕置してもらった(脳内で)のでもう私は大丈夫!

あ、いい加減トイレから出ないと怪しまれちゃう・・・よしっと。

 

まあ、3回戦以降ものんびり見ながら休むとしますか・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 




十月乃姫渦 時飛ばしとエピタフの予知を応用して完全勝利。
      更に万が一に備えて葉隠ちゃんに伏兵として待ち伏せてもらう。
      ついでにワリと真面目な色仕掛まで行うがヤオモモに卑猥と一蹴される。
      轟のらしからぬ顔を拝めて満足げなご様子。
      我ながらわかりやすい能力の説明ができたと満足しているが、ちゃんと理解し
      ているのは半分以下である。
      戦闘訓練終了直後にシーザーの最期ごっこをするなど中々の大物。
      終わって早々にトイレでナンカしてるという・・・・・



キング・クリムゾン 凍結の開始と同時に葉隠ちゃんを抱きかかえ、姫渦の足元が凍るほん
          の一瞬だけ時を飛ばすことで回避。
          その後も、時飛ばしを駆使して轟・障子コンビを翻弄した。
          なお、講評の際には自分の能力が大勢に褒められて満足げな様子だった。
          


葉隠透 氷点下のビルを姫渦の脱ぎ捨てたセーター(ヘソ出し)と手袋、ブーツのみで耐え
    抜く。若干低体温症になりかけるも最後の力を振り絞り轟に特攻。
    華麗なショルダータックルで轟を失神させた。
    姫渦の教えで呼吸音にまで気を使ったらしい。



轟焦凍 言わずと知れた原作最高戦力キャラ。
    敗北してしまうも、ドアの開閉から異変に気付いたり、気配を察知すると同時に
    氷結を行い反撃に出るなど戦闘の才能は本物。
    しかし、焦りと敗北への恐怖から葉隠ちゃんへの警戒を怠ってしまった為に、氷結
    を使う間もなく失神し確保されてしまう。
    ここで敗北を知ったことで、原作以上に速く成長して行く事となる。
    姫渦の「お耳フゥ〜」に反応しちゃうなどウブな一面も明らかに。



障子目蔵 普通にコンビ相手と、対戦相手が悪過ぎた男。
     だが、索敵能力の高さに姫渦が警戒して早急に確保するなど、紛れのない実力者
     である。
     ヤオモモの講評を一番真剣に聞くなど向上心も高いようだ。



オールマイトさん 喋ることが無い。だからといって生徒の自主性を欠く訳にはいけないという
         極限状態。
         最後の最後までそれは変わんなかった。


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USJ襲撃
迫るは悪意の手!




EOHがマジで楽しい。
天国DIO様がカッコよ過ぎて、俺も天国に達しました。






 

 

〜行為室再び〜

 

戦闘訓練終了後、私達は先程の訓練について着替えながら振り返っていたのであった。

八百万ちゃんがクソ葡萄のせいで不覚を取った以外は全員が勝利!女のコは強し!!

 

「クッ・・・私があんな不覚を・・・無念ですわ・・・」

 

「いや、100%峰田のせいでしょ。八百万ちゃん一人の方が勝つ確率ずっとあると思う。」

 

「そーそー。そういえば耳郎ちゃんの耳って物理攻撃ようだったんだね、初めて知ったよ!」

 

芦戸ちゃん、私は君の肌の美しさと曲線美を初めて知ったよ・・・クククッ。

あとで、あのお腹にスリスリしてやる・・・!

 

「え、いやさ・・・あれは正しい使い方じゃなくて、ホントは自分の心音を爆音にして出せるって個性なんだけど。でも、相方があんなヘタレだったから、私ががんばんなきゃって思ったら・・・つい。」

 

耳郎ちゃんは、耳のプラグで核の場所を突き止めて相方の・・・上鳴くんかな?合ってる?

に、攻撃を頼んだんだけど、ヴィラン側のプロレスラーがメチャクチャタフな人で彼の放電を強行突破するというカッコよ過ぎる方法で上鳴くんを撃破。

あまりの呆気なさに嫌気が差した耳郎ちゃんは、耳のプラグを伸ばしてヴィランチームを二人同時に締めて頸動脈失神させるという恐ろしい手段に出たのだった・・・。

 

「実質一番圧倒的だったと思うよ、私。」

 

「そ、うかな?」 

 

「そうだよ、何なら暗殺者的なヒーロー目指したら?」

 

「それってヒーローって言うのかな?」

 

「私と葉隠ちゃんも暗殺向きだし、チーム組まない?」

 

「姫ちゃ〜ん、でも反撃されたら私、防御方法がないよぉ・・・」

 

その後、さり気なく芦戸ちゃんに抱きついたらなんか受け入れてくれて、抱き返されました。

いい匂いがして幸せです・・・。

 

 

 

 

 

 

 

時は翌日!

 

ハア、ハア、知らず知らずとは言え、私はレッドラインを超えた・・・

今もし私があのマスコミの群れに話しかけられたら・・・相澤が私を殺すだろう・・・

この場はただ・・・ザ・ラン(死ぬ気で走る)しかない・・・

 

 

クソゥ!この世界にはジョジョの奇妙な冒険が無いから、自分で描いていたら朝になっていた!

そういえば、結局仗助のリーゼント上手に書けなかったなぁ。どうやってんだろ?

・・・いいや、それどころじゃあない!!ヤバい、マズイぞッ!

遅刻なんてしたら、私は奴に殺られる!しかし眼前にはマスゴミの吹き溜まり!

こうなったら・・・

 

「キング・クリムゾン!私以外の全ての時間は消し飛ぶ!!」

 

フフ、これなら簡単だ。コイツ等をすり抜けて・・・そして、時速60キロで教室へ!!

大丈夫、考えるんだ!自分は足跡型になれるんだァ!!

 

 

・・・あ、そうそう。

吹き溜まりと言えば、”相変わらずの「アレ」のカタマリがのさばる反吐の底の吹き溜まり”

っていう、呪詛みたいな曲があるから聴いてみてね?

にしても全く・・・なんで初の邦楽元ネタがパフューム?なのよ!

しかも、能力強いのに瞬殺されるし!・・・もっとねぇ、ロックで行かないと!

ZIGGY、T-BOLAN、BOOWY・・・L'Arc~en~Cielなんかもいいわよね。

洋楽、邦楽共にやっぱノリのいいヤツが一番!!

 

・・・という話しができるくらい、この高校は広い・・・と。

余裕を持って出てもこのだだっ広い校内を移動するだけでかなりギリギリになってしまう。

おお、幸いまだ相澤先生も来ていない様子だし、このまま突っ込む!!

 

”ガラガラッ”「や、やったぞ!間に合ったぞッ!!ハッハッハ!!!」

 

「朝からご機嫌だね、十月乃ちゃん。」

 

「フフッ、まあなぁ芦戸ちゃ〜ん。なにせ徹夜明けのテンションだからなぁ!!」

 

「なんで!?」

 

「まあ、色々とね。話すと長くなるけd”ガラッ・・・”「朝のHR始めるぞ〜・・・」

 

相澤っち、今日は寝袋で移動してないんだね。

ん?でも寝袋での移動が認められてるなら、冬場はこたつで移動するのもあり何じゃあない!?

凄いぞ、革命だ!!

やったぁ~!メルヘンだァ!ファンタジーだァ!こんな体験できる奴他にいねェェェッ!!!

 

 

「昨日の戦闘訓練、お疲れ〜。VTRと成績見させてもらった。」

 

ふ〜ん。合理主義者のワリには、ちゃんとそーゆーのは確認するのねぇ?

ワリとできる先生何じゃあない?この人は。

少なくとも、自分の考えだけで生徒をどーこーしない程度には。(まあ、実技テストのアレはあるけれども・・・ハハハ。)

 

「爆豪、お前もうガキみたいな真似するな。能力あるんだから。」 「分かってる///」

(その通りよ、ったく。これだから気の短いモンキーは・・・)

 

「そして、緑谷は・・・(ギクッ!!)・・・まぁた腕ブッ壊して一件落着か。”個性”の制御、いつまでもできないからしょうがないじゃ通させねぇぞ。俺は同じ事を言うのが嫌いだ。」

 

・・・貴様・・・そのあとに「ムダ」・・・って続けてみろ。俺はお前をぶん殴る!!

 

「それさえクリアすればやれることは多い。焦れよ、緑谷。」「・・・っハイッ!」

(なんだよ、クソいい先生やんけ。)

 

「ホームルームの本題だ。急で悪いが、今日は君等に」 (((また臨時テスト!?)))

 

「・・・学級委員長を決めてもらう。」 (((学校ポイの来たぁ・・・!)))

 

ふ〜ん。やりたい奴なんていんのかなぁ?

そんな事してる時間あったら、美味しいもの食べに行った方がいいと思うけど。

だって、みんなを並ばしたり、指示出したりってめんどくな〜い?

マジ、やるとか絶対ないっしょ!そうでしょ?

ね、キング・クリムゾン?ウンウン、やっぱそうだよね〜やるわk「委員長やりたいです!」

 

・・・エ?

 

「俺も〜!!」「ウチもやりたいっす。」「僕の為にあr「リーダーやるやるぅ!!」

「俺が委員長になったら女子は全員スカート膝上30cmィィ!!」「俺にやらせろ!!」

 

私は真実を見ているのか・・・いや、私は今!なにかの間違いを見ている・・・

こんなのは真実なんかでは無い!!

 

「透明だけどやりた・・・ヒェ!?姫ちゃん!?どうしたの!!?真っ青・・・」

 

「ウアァァァ!やめろおお!!俺のそばに近寄るなァァァァッ!!!」

 

「あああ!なんでかわかんないけど姫ちゃんが発狂したァァ!!で、倒れたァァァ!!」

 

「葉隠ちゃん・・・知らない、知らないよ。ここは私の知る学校なんかじゃあない・・・

学級委員長なんかやりたがる人間なんか、一クラスに一人いりゃあいい方なんだよ?

そ・・・それがこんなにも・・・いる、ッウゥ・・・」

 

「ひ、姫ちゃん!もう喋っちゃダメだよ!!」

 

「葉隠ちゃん・・・最後に願いを聞いてくれ・・・やったことも無い私が言うのもなんだが、

このクラスの学級委員長なんてやってはいけない!こんなまとまりもクソも無いクラスが

まとまるはずないんだ!だから・・・葉隠・・・ちゃん・・・グッ・・・!」

 

「ひ、姫ちゃん?姫ちゃァァァん!!」

 

 

???「終わった!第7話完!!!」

 

 

 

「・・・ねえ、二人共?盛り上がってるとこ悪いけど、相澤先生寝ちゃったわよ?時間内に決まれば何でもいいって。ケロ」

 

おいおい、せっかく最近ハマってる「死亡間近までフラグ立て続ける奴ごっこ」したのに。

相澤先生、気持ちよく寝てる場合じゃあないですよ?もう・・・

 

「ごめんなさい、てかみんなマジでやりたいワケぇ?」 ”コクリ”x19

 

「ハハハ・・・生きてきた世界が違うのかなぁ?最高峰って生徒の質もいいのね。」

 

「・・・なんで他人行儀なんだよ?」 「私もまた生きてきた世界が違うからよ、轟くん?」

 

 

そういえば、あの訓練のあとに反省会的なのをしたんだけど、そそくさと帰ろうとする彼を

(無理矢理)私が引き止めて連れてったの。

だからか知らないけど、たまに声をかけてくれるようになったよ!

前世では無縁そのものだった、イケメン男友達をゲットッ!!

イケメンが味方なら目立つのも怖くは無いのだぁ!

まあ、ディアボロ様には顔も色気も渋さも劣るおこちゃまくんだけど。

 

 

「静粛にしたまえ!!!」 「うん。もう充分に静かよ、飯田くん。なに?」

 

「他を牽引する責任重大な仕事だぞ?やりたいものがやれるわけではないだろう!

周囲からの信頼があってこそこなせる政務。民主主義に乗っ取り、真のリーダーをみんなで決めるというのなら」

 

・・・いうのなら?

 

「これは投票で決めるべき議案!!!」 「「「腕そびえ立ってるじゃ(あ)ねぇかッ!!!」」」

 

飯田くんの腕には鉄骨かなにか入ってんのかなぁ?カクついてる。

それとも動きがラグくなる能力とかあるのかな?

いいや、まさか!自分の関節を”固定”して運動エネルギーをためているのか!?

 

 

「なぜ発案した!?」 「日も浅いのに信頼もクソもないわ、飯田ちゃん。」

「そんなんみんな自分に入れらぁ。」 「私は何でもいいんだけど・・・別に。」

 

「だからこそ!ここで複数票取った者こそが、真に相応しい人間という事にならないか!?」

 

「あ、そう。なら先生に・・・相澤せんせ〜?どう思いますぅ〜?」

 

「時間内に決まりゃなんでもいいって・・・邪魔すんな。・・・・zzzz〜」

 

「だ、そうよ。」

 

 

 

〜時は加速するッ!!〜

 

 

 

来たる結果発表!因みに私はヤオヨロッパ・・・八百万ちゃんに投票したお。

なんか、一番似合いそう。落ち着いた雰囲気も相まっていいんじゃあないかしら?

 

・・・っと八百万ちゃんは2票!で、一番多いのは・・・み、みど、緑谷出久・・・?なぜ?

おいおいおい、3票っておかしいだろぅ?まぁだ飯田くんの方が納得だよ!?

誰の陰謀だこれは・・・ムッ!!

 

「ヒュ〜ヒュ〜♪」 「うぅらぁらぁかぁちゃぁ〜ん?」 「ホワァァァ!」

 

「なぁんで緑谷くんに入れたのかなぁ?」 

 

「な、なんのこと〜かな〜?わかんないな〜・・・」

 

「へぇ〜・・・さっき、キンクリが後ろから見えたって言ってたのになぁ〜」

 

「え?」

 

「嘘つき、麗日ちゃんはいい娘だと思ったのになぁ〜・・・ねぇ!みd」

 

「わあァァ!!タイムタイム!!みんないるとこで言うのはあんまりやん!!」

 

「やっぱ、入れてたんじゃない。そんなに焦るってことは・・・マヌケは見つかったようね。」

 

「へぇ?だって見てたって・・・」

 

「ここにいるのは、こんなデカいのが普通に移動してても気づかないおバカさんかしら?」

 

「ムググ・・・なるほど・・・。」

 

「ま、ちょっとからかいたかっただけだし、理由は聞かないどいてあげる。」

 

「ええ!?こ、ここまでして聞かへんのぉ・・・?」

 

 

フフッ、あの娘もいい娘だねぇ。青春っていいなぁ・・・

ていうかさぁ、なんで飯田くんは0なの?馬鹿なのかい?

ん?あれ?0と言えば、なんで私に1票入ってるんだろ?誰かが入れてくれたのかな?

 

 

 

ま、取り敢えず委員長緑谷くん、副委員長八百万ちゃんに決定!

あと、相澤先生は紹介のときくらい寝袋から出ようか?なんか芋虫に見えてきちゃうから。

 

 

 

 

 

 

 

「ムムム・・・悔しい、悔しいですわ・・・!」

 

八百万ちゃんってワリと根に持つタイプなんだね。まだ言ってる。

でもあんまり言わないであげて。そこまで言われてる緑谷くんが哀れだから・・・

確かに緑谷くんには委員長の役は重すぎかもしれないけど。俺もかなりそう思う。

 

「でもいいじゃん。あんな頼り無いのが委員長なら、八百万ちゃんの活躍の場もたくさんあると思うし。それにカワイイし。おっぱいおっきいし。」

 

「それはどういった関係性があるのでしょうか・・・?」

 

「容姿が綺麗なら、みんな見とれて言うこと聞いてくれるでしょ?」

 

某悪のカリスマ吸血鬼よろしく、美しさで攻める。

ああ、おぜう様って呼ばれてない方のね。あっちはロリだから。カワイイから。

 

「なるほど・・・外見を磨くのもまた成長に繋がると・・・十月乃さんは凄いですわ。私は学力や”個性”を鍛えるばかりでそこまで考えていませんでしたし・・・委員長、変わって下さいませんか?」

 

「いやいや、トンデモナイ。ん?てことはあの1票は八百万ちゃんが入れてくれたの?私は八百万ちゃんに入れたから0のはずなんだけどなぁ・・・」

 

「十月乃さんが投票してくださったのですか!でも、私は自分に投票しましたわ。」

 

「じゃあ誰が・・・?」

 

「さあ・・・?」

 

結局誰だかわかんなかったけど(ていうよりみんな自分の結果しか見てなくて誰が何票か覚えてない)、まあ、どーでもいいかぁ。さて、食事としよう。

 

 

 

 

 

 

「手首は直角。右手は一本指を遅らせて1本差で折る。開くときも1本差。1,2,3,4,5。」

 

「うう・・・指つりそう。姫ちゃん凄いね。指、そんな真っ直ぐなるって。(葉)」

 

「食事前の準備体操がムズすぎていつになっても食えない件・・・(芦)」

 

「なんとかできましたわ!耳郎さんは随分とスムーズにできますのね。(おっぱい)」

 

「まあ、楽器弾いたりとかしてるから・・・(ちっぱい)」

 

今の状況は、いつものみんなでご飯に来たんだけど私の「露伴先生式準備体操ver2」を見たみんながなにそれって感じで見てたから教えたところです。

基礎のver1から教えた方がよかったかな?

この体操で最も難しいのは立てた指を完全に真っ直ぐ伸ばすとこだからね。

 

「今日はみんな何にしたの?私はキャラメルマキアート!!(露出)」

 

「うん、ご飯って概念が欠損してるのかなぁ?私はタコとトマトソースのパスタだよ。こーいう場合はタバスコよりもチリソースの方があう。酸味がせっかくの旨味をかき消しちゃうからね。(究極生命体、私)」

 

「メッチャ洒落てる・・・!私はご飯に納豆と、とろろと、もずくと、おくr「粘っこすぎでしょ!!」そう?美味しいんだけどなぁ(H+)」

 

「皆さん、随分変わったものを・・・「君が一番変わってるとおもうよ?」?そうでしょうか?(巨乳系クリエイター)」

 

「うん、一番変わってる。皿多すぎてウチのヤツが置けないもん。・・・これはどこを食べるんだ?食べれるとこあるの?(耳イヤホン)」

 

基本、女って生き物は群れるとクソウザいけど、この娘達と一緒にいる分には全然そんなこと思わない。むしろ心地よい・・・。

ああ、どうかこの平穏な時が永遠に続きますようn”ジリリリリリリリリッ!!”

 

{セキュリティ3が突破さr}騒々しい!!ガタガタ騒ぐんじゃあねぇ!!!」

 

「姫ちゃん・・・勇ましい娘・・・」

 

「これって警報?だよね。逃げた方がいいのかなぁ?」

 

「いや、動かない方がいいと思う。今ウチらが出てったら人の波に飲まれて動けなくなるかも・・・アイツらみたいに。」

 

耳郎ちゃんが指さした先には逃げようとする生徒の波に押し潰されるA組の愉快な仲間達が。

確かに、ここで待機してる方が得策かもね。

言うて、不審者の100人や1000人くらいならキンクリでボコせるから。

 

「しかし、セキュリティ3・・・一体何があったのでしょうか?」

 

「ちょっと見てみるよ。キング・クリムゾン、エピタフ!!!」

 

ん〜と、見える見える。えっとこれは・・・

相澤先生とプレゼント・マイク先生?その向こうには・・・

 

「・・・溢れんばかりの・・・」

 

「ばかりの・・・?」

 

「マスゴミ共の群れね。これは。」

 

「いや、マスコミかぁい!!私達の心配と焦りを返せ!!」

 

「まあ葉隠ちゃんそう言わずに、私のヤツ一口あげるから。」

 

「なんか、将棋倒し起きてるけど大丈夫かな?そういう事故とかよく聞くし。」

 

「う〜ん・・・キング・クリムゾン、どうs「皆さん、大丈〜夫!!!」・・・流石は真面目マン飯田くん・・・」

 

その後は飯田くんの働きによって騒ぎは収まり、私達も美味しくご飯をいただくことができた。

因みにその後しばらく飯田くんは、「非常口飯田」の異名で呼ばれることになる。

その働きの結果かはわかんないけど、緑谷くんの発言により彼が正式に委員長になった。

 

 

 

 

 

・・・私はこの日、違和感を覚えた。おかしい。

「セキュリティ3」・・・1,2をブッ飛ばして3を突破されたという事になる。

単に1,2では警報が鳴らないのかもしれないが・・・

恐らく3というのはかなり強力なセキュリティのはずだ。入試といい授業といい、あそこまで高レベルな雄英がセキュリティに手を抜くはずが無い。

果たしてマスコミごときに容易く突破できるのだろうか?

 

なにか、黒い影が迫って来ている気がしてならなかっt「ヨウ!ヒメカ、ドウシタ?」・・・黒影くんと常闇くんだった。

 

 

 





十月乃姫渦 前世でストーンオーシャンのアニメを1期分しか見れなかったことが最大の未
      練。岸辺露伴は動かないの実写が次の未練。
      二次元の男に恋焦がれて来た副作用で、若干レズっ気がある。
      三次元の男に恋できない体になってしまう。
      クラスのみんなと打ち解けてきたことで、はっちゃけ始めた。
      トニオさんの影響でイタリア料理を食べたら、スタンドも月までぶっ飛ぶ衝撃
      を味わい大好物になる。
      合計で30年以上生きているので、人一倍頭がキレる。無論プッツンではない。



キング・クリムゾン 遅刻を阻止するために能力を使われたことが不満。
          でも、姫渦が喜んでるから許す。
          勝手に麗日ちゃんに有る事無い事言った姫渦を本気で殴ろうとするも
          なんとか踏みとどまる。
          1000人どころか、1万人くらいは持続力関係無く殺れる幽波紋である。



八百万百 副委員長であること以上に緑谷に負けたことが悔しい。
     姫渦の言葉を参考に、見た目も鍛え始める。
     昼食にフルコースを食べるという・・・お嬢様気質(ベクトルの違う)



葉隠透 「食事?これ3杯だけど?」・・・らしい。
    露出呼ばわりされている。



耳郎響香 ヤオモモのせいで食うスペースが無くなり、バカ狭い範囲で食べる。
     近接戦闘もこなせるなど、実は器用。
     警報が鳴った際に逃げようとしたが、動くと危険と判断し難を逃れる。
     もみくちゃになっている他の生徒の心配をするなど、サバサバしてる性格だが、
     割と心配性で機転が利く。



芦戸三奈 何故か、公式設定で粘りものが好き。
     青山くんの発言を遮りまくっていることにはまだ気づいていない。
     急に抱きついてきた姫渦に抱き返すなど、サービス精神旺盛(無自覚)



常闇踏陰 なにか不安そうな姫渦に声をかけようとしたら、黒影に先を越される。
     その後、姫渦が黒影を撫で回していたのでしばらく動けなかった。


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迫るは悪意の手! 2


我が心と行動に一点の曇り無し、全てが正義だ。・・・大統領大好き。

今回よりTo Be Continued制を採用。








 

「今日のヒーロー基礎学だが、俺とオールマイト、そしてもう一人の3人体制で見ることになった。」・・・らしいよ?みんな。

 

「ハイッ!何するんですか?」

え〜と君は・・・う〜んと、誰だっけ?覚えとらんなぁ。

・・・ああ!テープカッターの怪人か、彼は。思い出したぞ。

 

「災害水難なんでもござれ、レスキュー訓練だ!」

 

「レスキュー?今回も大変そうだな・・・」

 

レスキューねえ・・・小さいころフォースなら見てたけどファイアーは見てないの。

え?ああ、特撮の知識も何か役に立たないかな〜と思ったんだけど・・・無理ね。

 

「大変っていうか、人助けなんてやってるとこが思い浮かばないんだよなぁ、私のキンクリ。」

 

だって、人殴ってるとこしか見たことないもん・・・。

助けると言えばせいぜい命の救済(死)くらいしかやって無いと思うし。

 

「おい、おめえら、これこそヒーローの本分だぜ!鳴るぜ腕が!!」

 

「水難なら私の独壇場。ケロケロッ」

 

流石はヒーローの卵達。やる気がむんむん湧いてきている。

私にできることといえば、予知を使って危ない人を助けるくらいかなぁ。

だって時間を飛ばしてもその中には干渉できないわけだし。

・・・いや、でも使い方によっては・・・

 

「おいまだ途中・・・今回コスチュームの着用は各自の判断で構わない。”ポチッ”中には活動を限定するコスチュームもあるだろうからなぁ。”ウィ〜ン・・・”」

 

ああ、私だわそれ。変なとこに露出があるからたぶんメチャクチャ危ない。

でも着るのがこだわり。

ジョジョに動きやすそうな服装の人なんていないんだからまぁ、ダイジョブでしょ。

 

「訓練場は少し離れた場所にあるから、バスに乗って行く。以上、準備開始。」

 

 

 

 

 

 

ふ〜う、いまだに見慣れないなぁこのだだっ広いエントランスも。

あ、いいもん(人)見っけ。構ってこよっと。

 

「爆豪くん?なぁに黄昏てんの?寂しくなっちゃった?」

 

「あ”あ”?テメェ、舐めたことほざいてっとよお、そのバカデカい背ぇを削っぞ!コラァ」

 

「まあ、怒んない怒んない。ほら、おねえさんがギュッてしてあげるからぁ。ね?」

 

「ッザケンナ!!クソデカ女ぁ!なんでよりにもよって、俺んトコ来るんだよ!?クソがぁ!!他のモブんトコ行け!てか消えろ!!」

 

「君はわざわざRPGでモブの村人に声かける?絶対先に中心人物のところ行くでしょ?」

 

「・・・あ”あ”?で?」

 

「とどのつまり、君はこのクラスの中心人物ってことよ。もちろん悪い、マイナスな、負の感情を込めた意味でのだけど。」

 

「喋んなぁ!テメェにだきゃあ言われたくねぇんだよ!!エロクソ女がぁ!!」

 

「そ、そんな(赤面)お色気清楚系ギャル美少女なんて///照れるなぁ〜」

 

「言ってねぇ!いっぺんその顔ブッ飛ばさせろ!!!」

 

こーいう子ってイジると面白いわね。てかカワイイ。

恋愛感情よりも母性愛的なモノの方が溢れてくるような・・・。

まだなんか言ってるけど、私の「プロシュート兄貴論」も守ってるみたいだし。

もうすぐ立派なギャングになれるよ?そしたら髪の毛水色のクルクルにしようね?

 

 

”ピピーッ”「1-A集合〜うッ!バスの席順でスムーズに行くよう、番号順に2列に並ぼう!」

 

飯田くん絶好調ね。お、バス来たぁ・・・ん?でもあのタイプって・・・

 

 

 

 

「スマン・・・こういうタイプだったか・・・」

 

「意味なかったなぁ〜。」

 

「まあ、ほら!飯田くんの言うことはみんな聞いてくれるってのは解ったし・・・ね?」

 

バスの外装でわかったわ・・・これは観光バスのような縦列の席じゃあなくて、市営バスみたいな向かい合うタイプだってね・・・まあ、わかった時には既に手遅れだったけど。

 

「私、思ったこと何でも言っちゃうの。緑谷ちゃん?」

 

「んなあっ!?ハイッ、蛙吹さんん?」

 

「梅雨ちゃんと呼んで?」

 

「〜〜ッ///」

 

「あなたの”個性”、オールマイトに似てる。」

 

「んひ?s、そそ、そそうかなぁ!?いやでもぉ、あの僕はその・・・」

 

果たしてこれは、女慣れしてないのか?単に嬉しいのか?・・・または図星だったのか?

・・・全部でしょうね、うん。彼の様子を見る限りは。

 

 

「待てよ梅雨ちゃん、オールマイトは怪我しねぇぞ?似て非なるアレだぜ。しっかし、増強型のシンプルな個性はいいなぁ!派手でできる事が多い!」

 

増強型ってぇのは・・・ジョジョで言うとこの近距離パワー型のことかな?

でも、最近のスティール・ボール・ランやジョジョリオンではそうでないスタンドも大活躍してるから一概には言えないかぁ。

ヘブンズドアー、エアロスミス、メタリカ、クリーム・スターター、ワンダー・オブ・U・・・なんてのは近距離パワー型とも充分にやり合えるし。

 

 

 

「俺の硬化は対人では強えぇけど、いかんせん地味なんだよなぁ。」

 

地味だなんてむしろ目立たなくなりそうでいいと思うけどなぁ。

さり気な〜く背後に忍び寄って、片手だけ硬化させてグサッと!!カッコいい〜!!

ん?もしかして、ヒーローってそういう仕事じゃあ無かったりする?

ギャングが慈善活動してるようなもんじゃあないのかな?(大勘違い。)

 

「まぁ、派手で強いって言ったらやっぱ、轟と爆豪だな!!」

 

あれ?・・・ねえ、私は?キンクリ派手じゃあないの?切島くん?

帝王だよ?予知だよ?無敵なのだよぉ?轟くん完封したよぉぉぉ??

 

「あ、あと十月乃もだな・・・うん、言ったからこの赤い人どけてくれないか?なんか今にも殺されそうでおっかねぇんだけどよ?ほら、なんか拳構えてるし。」

 

「あ〜ら、ごめん遊ばせ?キング・クリムゾン、戻れ。」

 

「十月乃に関しては派手っていうよりもなんつーか、そう!妖艶っていうかなんつうか!?ま、バカ強えぇのは変わりないけどな。」

 

「君はやっぱ見る目があるねぇ。そう!我がキング・クリムゾンは、全てのsっ・・・”個性”や生物をブッチギリで超越しているのだァ!!ね?爆豪k「振るなクソが!!」

 

「爆豪ちゃんはキレてばっかだから人気でなさそ。」

 

「ンだとコラ!?出すわァッ!!」

 

「・・・ほら。」

 

「この付き合いの浅さで既にクソを下水で煮込んだような性格って認識されてるって凄えよ。」

 

「テメエのボキャブラリーはなんだコラ!こrっ・・・召すぞっ!!」

 

殺すって言えないから「召すぞ」って・・・w

単純だなぁ。根本が捻くれただけで、ホントは悪い子じゃあないんだろうなぁ。でも・・・

 

「ついでにゲロ以下の匂いもプンプンする、自分が悪だと気づいていない最も黒い悪。」

 

「テッメェ・・・ギリギリギリギリッ(擦り切れんばかりの歯ぎしり)・・・コラッ・・・一番癪に障る言い草しやがってよお・・・このくs「耳郎ちゃん、隣うるさいでしょ?私の隣おいで。」聞けコラッ!!」

 

 

「全く・・・低俗な会話ですこと・・・。」

 

「でもこういうの好きだ!私!」

 

「私も・・・ワチャワチャした雰囲気は・・・嫌いだけど。でもあなた達とならとても楽しいわ。・・・耳郎ちゃん、なに聴いてるの?」

 

「イエモンだけど・・・?」

 

「曲は?」

 

「burn・・・」

 

「一緒にいいかしら?大好きなの私!」

 

「ああ、じゃあ普通のイヤホン出すから待ってて・・・はい、これ。」

 

「ありがと。burnと言えばディープ・パープルもあるわよね。あれも好きなの。」

 

「ウチも好き!!でもあっちは洋楽だしさ、でもやっぱ・・・云々」

 

 

 

 

「もう着くぞ、いいかげ・・・なんだ、あんたは?」

 

「・・・・・(姫渦の方を親指で指し示す)”クイックイッ”」

 

「ああ、十月乃の・・・キング・クリムゾンさんだっけ?申し訳ないが邪魔しないでもらえると助かるんですが・・・」

 

「・・・・・・・」

 

「・・・分かった。どうせもう着く。少しくらい駄弁っててもいいだろう。・・・一睡もできねぇじゃねえか。合理的に時間を使えるよ・・・う・・・zzz~」

 

「・・・・・・・。」

 

 

 

 

「でさあ、やっぱ歪んだソロが一番いい、って・・・みんな見て。」

 

「どしたの姫ちゃん?」

 

「葉隠ちゃんも見てみ?ほら、相澤先生目開けたまんま寝てる・・・立ちっぱで。」

 

「そーとーお疲れなんだろーねー。あ、私達のせいか。」

 

社会人は大変なんだなぁ。しかも最高峰高校の教師ともなれば尚更よねぇ。

ゆっくり寝かせといてあげよう・・・

 

 

 

 

キング・クリムゾン!!

 

 

 

 

 

「皆さん、待ってましたよ!」

 

目的地らしい、大きなドームに辿り着いた私達を迎えてくれたのは宇宙服に全身を包んだヒーロー・・・もとい先生だった。

厳つい見た目して、声カワイイなこの人。

 

「スペースヒーロー・13号だ!!」

 

「うわあ〜!私、好きなの13号!!」

 

しかもかなり人気の方らしい。オールマイト並に盛り上がっている。

喋り方や立ち振る舞いからしてこの人はジョナサンタイプ=紳士系のヒーローだろう。

人気なのも納得。

 

「早速、中へ入りましょう。」

 

「「「ハイッ!よろしくおねがいします!!」」」

 

 

 

・・・なんじゃあこりゃあ?広い・・・東京ドームなんて比じゃあない。

ローマのコロッセオ並みのデカさ。いったいいくらかけたんだろ?

 

「すっげー!USJかよ!?」

 

「水難事故、土砂災害、火災、暴風、etc・・・あらゆる事故や災害を想定し、僕が作った演習場です。その名も、”嘘の災害や事故ルーム”略して”USJ”!!」

 

「「「ホントにUSJだった・・・!」」」

 

この学校はほんとに大丈夫かなぁ?色々な方面から反感買いそうだけども。

USJってこんな禍々しい場所だったっけ?

大惨事を絵に描いたような光景が広がっているんですが・・・?

 

「13号、オールマイトは?ここで待ち合わせるはずだが・・・」

 

「先輩、それが・・・ゴニョゴニョ・・・」

 

「不合理の極みだなぁ、おい。・・・しかたない、始めるかぁ。」

 

オールマイトさん何かあったのかな?熱々のピッツァでも食い行ったのかな?

まだまだお昼時だし。

 

「えぇ、始める前にお小言を一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六・・・」(((増える・・・!)))

 

「皆さんご存知とは思いますが、僕の”個性”はブラックホール。どんなものでも吸い込んで塵にしてしまいます・・・」

 

クリームに近い能力と言うわけね。真正面からの戦闘はなるべく避けないとなぁ。

じゃあないと、粉微塵になって死んじゃいそう・・・

または、肋骨をバキバキに折られて下半身を削られるか・・・

 

「その”個性”でどんな人でも災害から救い上げるんですよね!」

 

麗日ちゃん、そんなにヘドバンしたら頭が吹っ飛んじゃうよ?

 

「ええ。しかし、簡単に人を殺せる力です。みんなの中にもそういう”個性”がいるでしょう。・・・」

 

確かに。キンクリ、特にあなたのことよ。あなた、前世で人殺す以外のことしてないじゃあない?

オレェ?みたいな顔してんじゃあないわよ。自覚なさい?

う〜む・・・13号先生の言うことは全くだわ。使い方ねぇ・・・ディアボロ様、どうすれば?

 

「・・・以上!ご静聴ありがとうございました!!」

 

これは拍手!せずにはいられないッ!!名演説だったわ。

なるほど・・・人を助けるためにある力か。

それを持ち得ている人間があらぬ方向にその力を向けたら本末転倒だものね。

 

「よし、そんじゃまずは・・・」”バチバチッバチッ・・・”

 

 

 

・・・エピタフ・・・あなたも随分と皮肉なもんを見せてくれるじゃあないの・・・。

まさか、あんな話し聞いたあとに・・・その力を人間に向けることになるなんて。

 

 

「・・・ッ、一カタマリになって動くな!!13号、生徒を守れ!」

 

USJの中心部にあった噴水が不規則に水を吐き出した後、そこから暗黒空間・・・いや、ブチャラティのジッパーの方が近いかもしれない。

真っ黒い”ナニカ”が渦を巻きながらグニャりと周辺の景色を歪めながら現れた。

その空間は見る見るうちに広がり、やがて中から大勢の人間・・・ヴィランが次々と出てくる。

 

「なんだありゃ、また入試んときみたいなもう始まってるぞパターン?」

 

「動くなッ!!あれは・・・ヴィランだ!!」

 

 

 

 

暗黒空間を開いたであろう、ヴァニラ・アイスもどきが周囲を見回すと不思議そうにボヤく。

「13号にぃ、イレイザーヘッドですか。先日頂いた教師側のカリキュラムではオールマイトがここにいる筈ですが・・・?」

 

「・・・どこだよぉ、せっかくこんなに大衆引き連れて来たのにさぁ・・・オールマイト、平和の象徴がいないなんて・・・子供を殺せば来るのかなぁ?」

振り向いてはいけない小道の正体が憎たらしい笑みを浮かべる。狙いはオールマイトさんらしい。

 

 

 

「ハァ!?ヴィラン!?馬鹿だろ!ヒーローのいる学校に入って来るなんて、アホ過ぎるぞ!」

 

「先生、侵入者用のセンサーは!?」 

 

「八百万ちゃん、こーいう時にそんな対策しない無能はヴィランでもいないわよ?たぶん・・・連絡用の回線も一通り切られているか、妨害されてるだろーね。」

 

ヒットマンの嗜みはミッションの遂行と平行し、自身の安全も確保する。

これがお決まりコースよ。青のり食べたら歯にくっつくぐらい明らかな決まり、ね。

 

「現れたのはここだけか、学校全体か・・・?」

 

「前者ね・・・私の予知で見えたのはこいつらだけだった。」

 

「だろうな。これ以上の人数が本校舎に向かったとは考えられねぇ。なんにせよ、校舎と離れた隔離空間。それにクラスが入る時間割。バカだがアホじゃねぇ。これは何らかの目的があって用意周到に画策された奇襲だ・・・」

 

 

轟くんの言う通りだわ。

でも・・・ここで忘れちゃあいけないのは私の幽波紋は、”絶対に暗殺できない男”の幽波紋だっていうこと。奇襲なんて待ち合わせと大差ないわよ。

 

 

「13号、学校に電話飛ばせ!上鳴も、個性使って連絡試せ!!」

 

「先生は!?一人で戦うんですか!?あの数じゃ、いくら”個性”を消すと言っても・・・」

 

「・・・一芸だけじゃヒーローは勤まらん・・・!任せた、13号!」

 

 

お〜!相澤先生カッコいい!いつもあんな感じならハードボイルドでカッコいいのに。

いつもはハーフボイルド未満なんだもんなぁ・・・てか、強過ぎじゃない?

あの人はまともな人間なのかしら?

無双シリーズも真っ青な無双っぷりを披露しているんだけれど。

 

「皆さんは今のうちに、コッチへ!!」

 

まあ、あんなけ無双してるなら出る幕ないか。ここは大人しく「逃がすかぁ!!」

目の前に5人ほどのチンピラが立ちふさがってきたけど・・・帝王の眼前に立ち塞がるなど

身の程を知れ・・・!!

 

「皆さん下がって!ここは僕”〜!〜”さあ、来るなら・・・てアレ?」

 

ストレート!フック!からの止めに回し蹴りィィ!!

 

「ウオ!」「グハ!」「はヘェ!?」・・・最後の奴だけジョジョラーだったのかな?

時間を飛ばして後ろに回り込めば済んじゃう話よ、くだらん。

 

「こ・・・コイツいつの間に?」「なんつうスピードだよ?ほんとにガキか?」

 

「フフッ・・・愚民が帝王に歯向かおうなど・・・つまらない考えは捨てた方が身の為よ?」

 

「だっ・・・黙れこのメスが”ドゴオッ!!”・・・ki・・・」”ドサッ・・・”

 

 

誰がメスガキだって?私は「ざ〜こざ〜こ、負けちゃえ♪」とか言うキャラじゃあないの。

同人誌的に言うなら、キモイおじさんに襲われちゃうようなキャラで行きたいの。

その感じでディアボロ様に押し倒されたいの・・・下手なこと言わないでくれないかなぁ?

イメージ大切にしてるんだから、私。

 

 

「さあてと、あれ?生きてるわよね?うん、生きてるとしよう。あ、忘れてた。あんたも・・・」

 

「ヒイィィ!お許しを”ビシィッ!”・・・をぉ・・・」”バタッ”

 

「よし、みんなもうダイジョブだよ!」

 

(((なんだコイツ、パネェ・・・!!)))

 

大体追っ払た(あの世へ)けど、まだだ。あと一人来る筈。

あのクリームのパクリ能力ヴィランが私の目の前に出てくるのを予知済みよ。

 

 

「・・・させませんよ!!・・・と、これは失礼。

我々はヴィラン連合。僭越ながら、この度ヒーローの巣窟雄英高校に入らせて頂いたのは、平和の象徴オールマイトに息絶えていただきたいと思ってのことでして・・・」

 

「大口叩くワリには上手く行ってなさそうだけれど?何かイレギュラーでも?」

 

「ええ。その通り。本来ならば、ここにオールマイトがいらっしゃる筈・・・

ですが・・・何か変更があったのでしょうか?」

 

「せいぜいどっかで一服してるんじゃあないかしら?のんびりお茶でも点てながら。」

 

 

 

 

 

 

〜その頃校長室にて〜

 

「ヘックシュン!!なんだ?誰かが噂をしているような・・・ふ〜む・・・」

 

「いつものことじゃないか。そんな自意識過剰なタイプじゃないだろう、君は。それよりも先日のことなんだけど、何やら新しい美容室が・・・」

 

かの平和の象徴は根津校長の長話に付き合わされていた・・・

 

 

 

 

 

 

「なるほど・・・ではなく、私の役目はこれ・・・」

 

 

役目?ならば、(エピタフ!!・・・っ・・・マズい!これは・・・)

 

「やめろバカ!切島、爆豪!突っ込むんじゃあねえぇ!!!」

 

 

「「ウオオオ!!!」」「デリャア!!」「ッラァ!!」

「その前に俺達にやられる事を考え無かったか!?」「チッ、モヤ野郎が!」

 

 

ダメだ・・・奴は・・・「危ない危ない・・・」・・・無事だ!!そして奴の役目は・・・

 

「生徒と言えど優秀な金の卵。私の役目はあなた達を散らして!嬲り殺す事!!」

 

キング・クリムゾンを使えば回避はできる・・・でも嬲り殺すというのはきっと飛ばした先に確実に殺せるだけの何かがあるということ!

ここは敢えて散らされて、近くの人を守るようにしよう・・・戦闘向きじゃない娘一人じゃ危ないからね。(葉隠ちゃんとか葉隠ちゃんとか・・・)

エピタフの予知も何か激しい炎を映し出してるし、行ってみましょうか。

 

 

 

 

・・・To Be Continued・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




十月乃姫渦 バス通学していた経験で、種類の見分けをつけられる程になった。
      あくまでもディアボロのキング・クリムゾンが最強なのであって、自分ではま 
      だ使いこなせていないと考えている。
      爆豪がお気に入り。理由=騒々しくて反応がカワイイから。
      遂に耳郎ちゃんとの仲良しイベントを引き起こした。
      クリームモドキが二人も同時に出てきたことで混乱中。
      



キング・クリムゾン 姫渦と耳郎ちゃんの邪魔をさせないように勝手に出てきて相澤先生の  
          説得を試みる(スゴ味とジェスチャーのみで)。
          エピタフの進化により、姫渦や自身が関与しない予知も見ることが可
          能となった。



耳郎響香 「アンタの隣も大差ないし」とか思いながら座ってたら、なんか話が弾んだ人。
      僅か数分で完全に意気投合し、互いのロック論を語り合う仲に。
      音楽は人を繋ぐというが、こういうことだろうか?



相澤先生 ぶっちゃけ寝たかったのにうるさくて寝れなかったから静かにして欲しかった。
     限界突破し立ったまま目ガン開きで夢の国へ。



「はヘェッ?」 露伴先生の遺言(死んでないけど)。
        ヤられ方まで超一流の先生はやっぱり最高にカッコいい人。
        「動かない」の露伴先生なら仗助どころか、承太郎さんにも勝てそう。



次回戦闘回です。お楽しみに。      


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帝王の刻、跡絶える時



アリーヴェ・デルチを翻訳すると「さよならだ」以外にも「また会おう」的な意味で使われたりもするらしい。
ブチャラティさんイケメン過ぎだろ・・・


それと、戦闘の時系列や戦況が若干違ったりもしますがお気になさらずに。

岸辺露伴は動かないの実写最高だったなぁ。







 

だぁ〜〜〜!!なんだこれぇ〜〜〜!!?

暗い!真っ暗!!あれ?もしかして私は死んだ?ほんとにクリームだったのかな?

だったらみんなもやばいんじゃ・・・お!明かりがある!!そこか・・・!

 

〜!〜「・・・っと、時飛ばしなら着地も安全にできていいわね。さてと、ここは・・・暑い。ただただ暑い空間!周りがメッチャ燃えてるし、若干ガス臭い・・・言うなら火災ゾーンってところかしら?」

 

辺りに飛ばされた人はいないみたいね。エピタフによると、え〜っと・・・

・・・うん、マズい。みんながみんな相当マズい窮地に立たされてるみたい。

この予知は結果・・・そしてそれに介入できるのが私だけとすると、万が一に誰かが殺される光景が見えたら、私は結果に行き着く前にそれを阻止しなければならない。

ならばどこかもっと開けた場所に移動を・・・とも行かないか。

 

 

「おお!いたぞ、あいつだ!!あいつを殺せ!!」

「ガキ一人ィ?フザケてんだろ!?」

「おい、でも殺しちゃもったいないだろ?マジもんJKだぜ?楽しんでもいいだろ!?」

「別に殺してからヤレればいいんだろう?」

「いや!反応ないとツマンナイ!!」

 

 

まぁた、団体様のお越しか。しかも迷惑客の。

確かに言ったよ?おじさんに襲われちゃうタイプが理想だって。

でもねぇ、私がカラダを許すのはディアボロ様ただ一人なの。申し訳ないけど、死んでもらうわ!

私のカラダ見てあらぬ妄想をした罰よ!せいぜいあの世で泣き喚きやがれ!!

てことで、ディアボロ様のモードになろう・・・ぬぎぬぎ・・・

 

 

「おおお!なんだこのガキ、自分から脱ぎだしたぞ!」「へへ、いい体じゃねえか!」

「言い出しっぺの俺が最 ”バキャ!!” ・・・ィィしょ・・・」

 

ロクでもない事言い出したアンタからよ。さあ・・・帝王の時間よ?

 

・・・変態ヴィラン 再起不能!

 

 

 

 

 

 

 

 

姫渦の前に立つヴィラン達は最初こそ余裕げな態度であった。

しかし、気が付くと一人、また一人とそばにいる人間が突然倒れていくのである。

恐れをなさない筈もない。

・・・”恐れ”というよりも”戸惑い”の方がいい表現だろうか?

 

 

「こ、このガキおかしいぜ!なにか ”〜!〜” だから・・・な!?」

 

”ドガ!!”

 

「・・・あと10人と少しかな・・・?フフッ、弱いわね。アンタら。」

 

一番後ろに立っていたはずの異形型の個性の男が真っ赤な拳に殴り倒される。

・・・それは暗示だった。

どこに立っていようが、どこから仕掛けようが逃げおおせることは不可能だと。

もはやこの場に居合わせた人間が無事で助かる可能性は皆無なのだということの暗示だった。

 

「く・・・クソう!し・・・死ぃねぇぇい!! ”〜!〜” な?いつの間n

 

”バギ!!”

 

「・・・ふ〜う、笑えてくるわほんとに。ロクな力も持たない雑魚風情が・・・自分の実力を客観的に評価することもできない癖に、私を殺すだの、犯すだの。前世でもいたわ、そーゆーゴミ。」

 

 

整った顔をこちらに向けて静かに微笑む彼女の瞳は冷え切っていた。

軽蔑のみでこり固められた目。まさに、養豚場の豚を見るような目である。

が、豚に対しては抱くであろう感謝も、複雑な哀れみも全く含まれていないという差異があるという点のみオリジナルのそれとは違っていた。

 

 

「ひょっとしたら、私も前世ではそういう奴らと同レベルだったのかもしれない。他人から見れば。でもねぇ、他人からの見え方なんてのは関係ない。関係はないけど気にはなる。

アンタらの問題は”気にならない”ことよ。今の自分がどれだけ惨めかを”気にしない”こと!!

それを”気にできない”奴には一生救いなんてもんは無いわッ!!キング・クリムゾン!!!」

 

 

〜!〜

 

時間の消失した暗闇をほんの一瞬だけ見つめた姫渦は、すぐさまキング・クリムゾンを傍ら

に現出させる。

そこからはあっというまだ。ただ、ヴィラン全員の死角に移動しただけ。たったそれだけ。

姫渦は小さな溜息を一つ、ついた後に時飛ばしを解除した。

 

「・・・もう、終わらせましょう。好き勝手させんのもここまでよ?」

 

姫渦はキング・クリムゾンを傍らに走り出す。

 

ある者にはキング・クリムゾンの手刀が炸裂した。

また、ある者は胸板を深紅の拳に刺し貫かれた。

また、ある者は姫渦本人の踵落としをこめかみに打ち込まれ脳震盪を起こし倒れた。

 

「・・・あと4人・・・アリーヴェ・デルチ、”またな”か・・・最高の皮肉よねぇ。もう会うことも無いでしょうに。それか、地獄で会おうぜってことなのかなぁ?

どちらにせよ、アンタ等は地獄も受け入れてくれないだろうけど。」

 

「う・・・うわあああ!!」 ”〜!〜” 「っ・・・どこに行っ「ここよ?」

 

”ドシュッ!!”

 

斧を振りかざして突進して・・・しようとした変形型のヴィランは気が付いた時には既に先程まで姫渦の立っていたはずの地点まで移動していた。

何がなんだかも認識できない間に男の意識はキング・クリムゾンの蹴りによって遮断される。

 

 

「もう残りも少ないし、みんなも上手く戦ってるみたいだし・・・。さっきの続きしてあげる。”気にしすぎ”は良くないなんて言うけど、その程度なんて人それぞれじゃあないかしら?なのに人は知ったように”気にしすぎ”って言葉を使う。」

 

「く・・・舐めるな ”ドゴオ!!” ・・・なぁ・・・」

 

「まだ途中。でさぁ、なんで”気にしすぎ”てはいけないのかな?ネガティブになるから?

ネガティブではいけないのかなぁ?世の中前向きにやろうとした方が疲れない?

それに、私はアンタ等みたいな”気にならなすぎ”の方がよっぽどいけないと思うけど・・・。

つまりはみんな勘違いしてるのよ、”気にしすぎ”がネガティブなことだって。引きずり過ぎるのは体にも心にも毒だから確かにネガティブなこと。

でもさぁ、”気にしない”人間の末路ってアンタ達みたいなことを指すんじゃあないの?」

 

「黙れこのガキg ”バシィ!!” あ、ぁぁ・・・」

 

「ようするにぃ、”気にする”ってのは自分の過ちや失敗に気付いてるからこそできる事。

その経験や感情はむしろ前に進む為に役立つモノ。そう考えるとポジティブでしょう?

”気にしすぎ”ってのはその想いが人一倍強いだけ。悪いことじゃあないのよ?

と言っても前向きに捉えるには時間がかかるけれどね。

むしろ一番邪悪なのは、人に「気にするな」言われたわけでもないのに自分は”気にしなくていい”って高を括ってバカを繰り返すアンタ等みたいなヴィランよ!!!」

 

「う、うるさぁぁ ”ドッ!ガッ!バキャッ”・・・”ドサァッ”

 

 

「その証拠に・・・あなた達は”気にしなかった”!私の能力がどんなもんかを。

だから負けた・・・人生負け続きだった昔の私みたいにね?それが言いたかったの・・・。

一度自分を冷静に振り返るだけの余裕を持てないのなら、一時撤退するのが一番よ。」

 

応える者のいなくなった業火の中で姫渦は、その身を炎で赤く染めながら一人呟いた。

その炎は姫渦自身の後悔、信念・・・そして目指すべき道すらもユラユラと、不自然に揺れながら照らし続けているかのように見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからどれほど経っただろうか。

八百万と耳郎は一人のヴィランによって窮地に立たされていた。

というのも、付近のヴィランを一掃し油断されていたところを、しかもキャパオーバーしアホになった上鳴を狙われたのであるのだから戦闘経験の少ない彼女達ではすぐに反応できなかったのも無理はない。

 

「そんな・・・上鳴さん・・・」

「チッ、やられた・・・完全に油断してたッ・・・」

 

「同じ電気系の”個性”しては殺したく無いが。まぁしょうがないよな?」

 

 

”〜!〜”

「電気系じゃあないけど、そうね。名前も聞けずにお別れなんて・・・」 ”ドゴオ!!”

 

 

・・・いつの間にここまで移動したのか。

白目を剥いて倒れるヴィランの背後には満足げに笑う姫渦と、ヴィランを殴り終えたままの姿でその隣に佇むキング・クリムゾンの姿があった。

 

「上鳴くん大丈夫?怪我は?」

 

「ウェ・・・」

 

「これはマズいぞ!かなりのショック症状が出ている!今すぐ病院に・・・」

 

「いや、ソイツ”個性”を使い過ぎるとそうなるらしいから。たぶんダイジョブだと思う。」

 

 

 

注:読者の皆様はこういった場合の「たぶん」は信用しないようにして、念の為医療機関で  

  検査してもらうようにしましょう。

  TG大学病院などおすすめです。

 

・・・では場面を本編へ戻します。

 

 

 

「へ?あ、そう。ならいいんだけど・・・耳郎ちゃんと八百万ちゃんは?どっか怪我ない?

どこも痛くない?」

 

「私は大丈夫ですわ。そんなことよりも、十月乃さんありがとうございます。助かりましたわ。」

 

「ウチも平気。ごめん、なんか助けてもらっちゃって・・・」

 

「ううん、気にしないで!ほら、私んトコにいたのは雑魚ばっかだったし。」

 

(にしてはコスチュームが血まみれな気が・・・ああ返り血か。なるほど。)

・・・などと納得している耳郎も大概であるのだが、それは触れないでおこう。

 

 

「それよりも他のみんなは?私の予知で真っ先に見えたのがこの場所だったのだけれど。

ここに向かう途中も人の気配が無かったし、心配だなぁ・・・」

 

「確認できる限りでは・・・」

いつの間に創ったのか、八百万は双眼鏡を覗き込んで周囲を見渡していた。

 

「音から解る情報は・・・う〜ん、ごめん。雑音があまりにも多いから詳しい場所までは無理かも・・・。ただ、なんだか凄く嫌な音がする。」

 

「嫌な音?虫の蠢く音とか?」

 

「いや、そうじゃないんだよな・・・なんだろう、空気を無理矢理捻じ曲げてるような音。」

 

「ホントに?じゃあきっとそれは、私達をここまで飛ばしたあのモヤのヴィランの能力よ!」

 

その言葉を言い終わるかどうかのところで八百万が何かを見つけたらしい。

豊満な胸を揺らしながら駆け寄って来る姿に姫渦と耳郎は一瞬目を奪われてしまった。

育ちが良いと身体も育つのだろうか?などと場にそぐわぬ考察をしながら。

 

「見つかりましたわ!広場の中心辺りでモヤのヴィランと、黒い大型ヴィランがオールマイト先生と交戦中のようですわ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうか・・・ならばちょっとエピタフしてみましょうか。

どれどれ、キング・クリムゾン エピタフ!!!

 

「・・・!?、何ィィィッ!?ヤバい、マズいぞ!!」

 

「ヤバいって何が?何がヤバいの?」

 

私が見たのはオールマイトさんのラッシュをモロに喰らっているにも関わらず、何食わぬ顔で立ち上がるあの真っ黒ヴィランの姿だった。

クレーターができ、天候を変えるとまで言われる程の衝撃を脳天に与えられているのにあの様子とは・・・何か能力に秘密があるに違いないわ。

 

 

「その黒いヴィランっていうのかな?デカいの、ソイツはオールマイトさんの攻撃が効いてない!つまりは実質、倒せるヤツがいない!少なくともあの場にはだけれど。」

 

「そ、それでは・・・このままでは皆さんが・・・」

 

「ええ、少なくとも全員無傷じゃあ済まないでしょうねぇ・・・何人か死ぬか、はたまた全滅なんて可能性も・・・」

 

「そんなのウチらじゃどうにもできないじゃん!・・・悔しいけど、ウチらじゃ何も・・・」

 

耳郎ちゃんの言う通りだ。唯一の救いはまだ、誰かが死ぬ予知が見えていないことくらい。

でも、のんびりしている時間はもう無い。

あの状況を見るところ、近くにうちのクラスのバカも何人かいるようだしいつ誰に不幸が訪れるかもわかったもんじゃあない。

 

 

「八百万ちゃん・・・私、行くよ。私なら・・・いいや、キング・クリムゾンならヤツを攻略できるかもしれないから。」

 

「いけませんわ!あまりにも危険過ぎます!それに・・・私達が行ったところで足手まといにしかなりませんわ・・・。」

 

「だったらクラスメートが目の前で殺されるところを見たい?私は御免よ。

確かにキング・クリムゾンが真正面から打ち勝てるかは不明だけど。やれることはある!」

 

「じゃあもしかして、いい方法とかあるの?なんか?」

 

ある!と言えないこの状況。

でも、ファントムブラッドからジョジョリオンまで読み切っている私の脳なら何か閃くはず!

ジョジョの奇妙な冒険での戦闘は基本的に頭脳戦。

その勝手がわかっている私なら、あんな脳みそ丸出し脳筋なんて取るに足らないわ・・・

もちろん、若干不安ではあるけれど・・・。

私の実力でキング・クリムゾンを使いこなせるかって不安はあるけれど・・・。

 

「八百万ちゃん、ちょっと創って欲しい物があるの。お願いできる?」

 

「本当に行くのですか?」

 

「うん、二人はここで上鳴くんの保護と、ヴィランの監視をお願い。・・・大丈夫よ、私にとっての絶頂に仲間の死は許されない。

”失う”ことから全ては綻び始めるんだから。私は何も失わない。」

 

ディアボロ様のように冷酷にはなりきれない。

きっとディアボロ様ならまず最初に自分の安全の確保を優先するだろう。

でも、彼以外にそれが許される人間はいない。ディアボロ様は特別なんだからね。

 

私は広場に向かって全力で走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メキメキと不気味な音をたてながら黒い大男・・・脳無の腕が再生されていく。

筋組織がせり出て、その周りを真っ黒な皮膚が覆い終えるのには10秒とかからない。

 

「なんだ!?ショック吸収の”個性”じゃないのか!?」

 

「別にそれだけとは言ってないだろう?これは超再生だ・・・脳無はお前の100%にも耐えられるよう改造された超高性能サンドバッグ人間さ!」

 

小道の正体改め、死柄木弔はまるで自分のことのような、さも嬉しそうな顔つきで言い放った。

超再生とショック吸収という”個性”の組み合わせ・・・肉弾戦を得意とするオールマイトからすれば天敵のような相手である。

だが、それ如きで怯む平和の象徴ではない。

オールマイトは相変わらずの不敵な笑みを浮かべながら、脳無の動向を注視していた。

しかし、その脇腹は脳無による攻撃で負った傷口から流れる血で赤く染まっている。

活動の限界はもう近い。

 

「まずは出入り口を奪還だ・・・行け、脳無・・・」

 

走り出した脳無の動きに反応できたのはオールマイト一人。

稲光のような速さで疾走する脳無の先にいるのは切島、轟、緑谷、そしてクリームモドキ黒霧を

拘束する爆豪の四人。

 

(おそらく目標は爆豪少年か!しかしその手前にも生徒が三人いるのか・・・四人とも救出しなければ!間に合ってくれ・・・!)

 

が、オールマイトが走り出した時には既に脳無の強靭な腕が爆豪に振り降ろされる時だった。

 

(しまった!!!爆豪少年が!!!)

 

 

〜〜!〜〜

 

 

脳無の動きは止まった。

それどころか、オールマイトも生徒達もヴィラン達も一様に魂の抜けたように立ち尽くしている。

 

「鏡無しで自分の姿を見れるなんてそうそうないわよね?」

 

「十月乃少女・・・これは君の”個性”の能力なのか?」

 

「ええ、どう?面白いでしょ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今、あなた達が見ているのは数秒前の自分の残像よ。キング・クリムゾンの介入が行われる直前のあなた達の姿。

脳無って言ったっけ?あなたを混乱させる為に一瞬だけ時間を飛ばしたの。

驚いたでしょ?目の前にいたのが爆豪くんじゃあ無くて立ちすくむ自分だったんだから。」

 

 

ついでに時を飛ばす直前に爆豪くんをどっかに蹴飛ばしておいたから彼は無事よ。

証拠に彼のいた場所には時を飛ばし中にできた脳無の拳の跡があるだけ。

蹴っ飛ばしてその後、どこに飛んでったかは知らないけれど。

まあ、彼なら無事だよね?いつも爆発してるし(心身共に)

 

 

「なんだよ、子供騙しか・・・驚いて損した。脳無、やれ。」

 

 

おいおいおいおい、子供騙しとは失礼な!

時を飛ばすという行為の恐ろしさをまるで知らんなぁ!?

これはあの平坂野郎にも恐怖を刻み込む必要がありそうねぇ?

 

 

じゃあ、帝王の蹂躙を始めましょうか・・・今度は本気で・・・!!

 

 

 

 

 

 

・・・To Be Continued・・・





十月乃姫渦 戦闘中に謎の美学語りを始めることでジョジョらしさが30%くらいアップ。
      仲間の窮地を自分の能力で助けることでさらにプラス20%。
      かなりジョジョに迫る戦いができたと自己満足。
      上鳴くんのアホ状態を本気で心配したので、上鳴から「もしかして俺の事が」
      とか後で思われる羽目になる。



キング・クリムゾン あいも変わらず強い。メチャクチャに無双する。
          ぶっちゃけ本体がディアボロだったら脳無とか瞬殺できる。
          脳筋をも捻じ伏せる、時飛ばし脳筋。



モブヴィラン 姫渦によってメメタァされる。たぶん生きてる・・・だろう。
       仮に死んだとしても全く可哀想とは思わねぇ。
       が、その場合姫渦がお縄になる可能性が出てくる。
       ・・・過剰防衛で。



オールマイト クソゥ、どうすれば倒せるんだ?とか思ってたら時飛ばしされる。
       目の前に自分がいるのでビックリ!
       この世界でキング・クリムゾンと渡り合えるのはこの人くらい。




次回、脳無vsキング・クリムゾン


       


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帝王vs脳無、決着


明けましておめでとうございます。
遅くなりましたが、襲撃編の決着です。


3人称が苦手なのでところどころ変ですが、そんな厄災はゴー・ビヨンドしてください。
長めですが、楽しんでいただければ幸いです。


 

さあてと、カッコつけたはいいけれどどうするといいかな?

オールマイトさんのパワーが効かない筋肉オバケに効く攻撃・・・八百万ちゃんに創ってもらったコレは切り札として温存してておきたいところだし。

 

 

「・・・3対6だ。数でなら圧倒している。」

 

「とんでもねぇ奴等だが、俺らでオールマイトのサポートすりゃあ撃退できるッ!」

 

「よくも力任せに蹴りやがったなぁ・・・テメエ・・・!」

 

 

轟くんも切島くんもやる気ね。爆豪くんは私を殺る気ね。

 

う〜ん・・・たしかに、人数差があるのは紛れもなくこちらが有利になるけれど・・・何時も圧倒的な力の前では必ず犠牲が伴ってしまう。

相手にはクリームまがいの変なのと3部スタープラチナ並みの殺意マシマシタッグがいるんだし、こういう場合に執るべき作戦は・・・一番危険な奴を自分が相手してフラグを無くそう作戦!

 

 

「あなた達4人はあのクリー・・・モヤモヤをもう一度押さえて!攻撃を無効化できる私があの真っ黒脳無を殺るから!そうすればオールマイトさんがあのひも野郎を「ダメだッ!!」

 

「逃げなさい・・・!!」

 

オールマイトさん・・・逃げろって言ってもオールマイトさん一人じゃあ流石に危ないんじゃ・・・?だってオールマイトさんのパワーが効かない相手だよ?

 

 

「さっきのは俺がサポートに入らなきゃやばかったでしょう?」

 

「私の力が無ければ爆豪くん始め、ここにいる何人かはお釈迦だった筈です。私達だって少しくらい力になることはできます。だから、私達も同行する。」

 

「それはそれだ轟少年、十月乃少女!ありがとな!!しかし大丈夫ッ!!」

 

 

う〜ん・・・エピタフの予知も苦戦するオールマイトさんを映し出してるし、なんとしてでも一緒に戦わなくてはせっかくの機会にキンクリを使えない。かくなる上は・・・

 

 

「プロの本気を見ていなさい!!さあ、どこからでも「オールマイトさァァァんッ!!」

 

「な、なんだい?十月乃少女!早く逃げなさい!」

 

「私は、あなたの秘密を知っているわ!!!」

 

「え?(オ)」 「え?(緑)」 「・・・?(手)」

 

 

ちょっとベタ過ぎたかな・・・もうちょい捻った方がよかったかな?

くぅ〜やっぱりとっさでブラフがポンと出てくるジョジョの世界の住人達は凄いなぁ・・・

ああ、でもオールマイトさんメッチャ焦ってるしいい感じかも。

なんでか知らないけど緑谷くんもメチャクチャ青ざめてるし。

擬人化平坂野郎もなんか食いついて来たし、このまま押し切ってなんとかしよう。

 

 

「ええ!?いや、私はこれから戦うんだけど・・・それにやましいことは、その、なんだ?」

 

「社会のゴミめ・・・何が平和の象徴だ・・・やっぱりゴミはゴミだ・・・。」

 

「手首野郎は黙ってろ!!で、オールマイトさん?言いたいことはわかりますよね?私達のあくまで”自衛”を認めてくださればいいんです。それだけ・・・さもなくば、平和の象徴のあらぬ秘密をネットと言う名の大海にいってらっしゃいしますが?」

 

「ンン〜・・・(私の秘密と言ったらOFAについてのことか、それとも活動限界のことか。十月乃少女の個性はそこまで見抜けるのか?しかし、彼女達をこれ以上の危険に晒すわけには・・・ムウ・・・どうすれば・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの〜・・・死柄木弔?今こそ攻め時では?

彼らは子供とは言えど優秀な人材に相違はありませんし、戦うとなると脅威に・・・」

 

「いや・・・今はいい。」

 

「いや、しかしですね・・・」

 

「・・・いい。」(オールマイトの・・・秘密・・・・・気になる気になる気になる・・・)

 

「は、はい・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「どう?そろそろ答えてもらわないと、あっちの有象無象が襲いかかって来ちゃうわよ?」

 

ごめんなさい、オールマイトさん・・・でもオールマイトさんに万が一があったら今夜の安眠が妨げられるかもしれないから・・・。

だから、私達が戦うことを許可しろォォォッ!!!

 

 

「・・・わかった、許可しよう!だが、くれぐれも私の側から離れてはいけないぞ!!」

 

「いや、許可してくれんのかよ!!」

切島くんナイスリアクション。

 

「ありがとうございます!!流石はナンバー1!!そこにシビれる!あこがれるゥ!」

 

 

さて、許可も得たことだし思い切り暴れてやるとしますか・・・

取り敢えず、あの脳無とかいうデカいのが最優先かな?

 

 

「脳無・・・だっけ?まずはその品のない面を綺麗に修正することから始めましょうか。

・・・さあ、お仕置きの時間だよベイビー。(レロレロレロ・・・)」

 

「ウオオオ!十月乃お前かっけぇな!俺もなんか作ろうかな・・・(逆スパイスガール)」

 

「言ってる場合か、雑魚が!とっととやんぞ端役が!!(オエコモバ)」

 

「・・・負けたな。(帰化冷凍法!!)」

 

「い、いや、かっちゃんていつもあんなかんじだし・・・むしろ絶好調だと思うよ?(破壊力A 持続力E 精密動作性E)」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あーあー・・・めんどくせえ展開になったな。結局秘密を聞けなかったし・・・

脳無、黒霧やれ。俺は子供をあしらう。」

 

「死柄木弔・・・まさかその秘密というのをを聞くために攻撃しなかったのでh「早くやれ。」・・・はあ。承知しました。」

 

「さあ、さっさとクリアして帰ろう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「来るぞ、少年少女!!脳無は私が引き受ける!!

それから、あの黒いモヤのヴィランには注意するんだ!取り込まれると抜け出せなくなる!!」

 

全員がおのおのの戦闘態勢に入る。私はエピタフを額に出現させてこのあと起こるであろう未来を覗いてみる・・・うん。なるほどね・・・

 

「オールマイトさん、私も一緒に脳無をやります。」

 

「・・・悪い未来でも見えたのかい?」

 

「ええ、まあ・・・聞かない方がいいですよ?(大々的なブラフ)」

 

「そうか・・・脳無の個性はもちろんだが、純粋なパワーにも気を付けるんだ!」

 

「はい!」

 

私達は脳無とモヤのヴィランに向かって走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

脳無の初撃は持ち前のパワーを生かした強烈な張り手だった。とは言っても、百戦錬磨のナンバー1ヒーローと物理攻撃を完全に拒否できるキング・クリムゾンには無論通用しない。

 

「うわあああ!地面削れたァァァ!!これって当たったら即死系のやつだ・・・」

 

エピタフの予知と持ち前の動体視力で攻撃をひらひら躱しながら言うのだから聞く相手によっては煽りにしか聞こえないだろう。

もっとも、ジョジョは煽り合いの戦いが多いからと言えばそこまでだが・・・。

 

「ウオオオッ!!喰らえェィ!!」 ”ドゴッドゴッ、バキィッ”

 

オールマイトの渾身のパンチが脳無に絶え間なく浴びせられる。一発見舞うたびに辺りの空気が激しく振動し、凄まじい突風が巻き起こされる。

ショック吸収の個性で無ければ一撃で再起不能になるであろう拳が、平和の象徴と呼ばれる所以を物語っていた。

ちなみにその凄まじい突風の中を平然と移動しながら、脳無へ攻撃を仕掛けている人間も一人いるのだが。

 

「キング・クリムゾン!!! ”〜!〜” 何かわからんがくらえッ!」  ”ドスッ!!”

 

キング・クリムゾンの鋭い手刀が脳無の眼球に突き刺さり、それを無惨に抉り出す。

ショック吸収は筋肉に働く力で、目や脳のような組織には適応されないと姫渦は踏んでいたため真っ先に丸出しになった眼球を狙ったのである。

 

 

「ダメね・・・やっぱり再生が早すぎるからほぼ効いてないみたい・・・」

 

「だが、一時的にコイツの視界を奪えることは解った!十月乃少女は引き続き脳無の感覚に干渉する目や脳、口などを狙ってみてくれ!私は真正面からの一撃離脱戦法をとる!!」

 

「アイアイサーッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

その頃、爆豪と切島は死柄木弔と交戦中だった。

 

「ショック吸収ってさっき自分でいっt「どこ見てんだクソがァ!!!」 ”BOM!!”

 

「ドワア!っと、おい爆豪!俺も殺す気かよ!?」

 

「っせぇ!!テメエも役に立てや、端役がァ!!」

 

さっき姫渦に蹴飛ばされたのが頭にキてるのだろうか。・・・たぶん間違いなくキてる爆豪が死柄木を殴ると同時に掌底から激しい爆破を起こす。

どれくらい激しかったかと言うと、そばにいた切島が若干焦げるくらいである。

 

 

 

 

 

 

 

「本体があるなら凍結も効くよな?」

 

一方こちらでは黒霧に実態があることを知った轟が、圧倒的な力で周囲を巻き込みながら攻撃を行っていた。

 

「たしかに効きます・・・が、それはワープゲートを超えることができればの話。」

 

黒霧はワープゲートを広範囲に展開することで、轟の氷塊や凍結をことごとく回避する。

 

 

「そう言えば移動にも使ってたな・・・めんどくせえ個性だ・・・」

 

「あの・・・轟くん?」

 

「・・・なんだ?」

 

「えっと、僕の個性なら本体にダメージを与えられるかもしれないかも・・・って。」

 

「それで腕ブチ壊されたらたまったもんじゃねえんだ。下がってろ。」

 

「でも、さっきはできたんだ!力の調整・・・だから・・・」

 

「・・・好きにしろ。ただ、俺の攻撃に巻き込まれんな。」

 

「・・・うん!」

 

緑谷は黒霧の本体がいるであろう場所に拳を向ける。

こちらも前記の二人と同様に、なかなかの凸凹コンビだが両者共に”乗り越えて来た”という共通点があるからだろうか。初共闘とは思えぬコンビネーションを発揮していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

場面は再び脳無と戦闘中の二人に戻る。

 

「やはりダメだ!ヒットandアウェイではダメージを与えられない!ならば・・・」

 

このときのオールマイトの考えはこうだ。

ショック吸収=スポンジやゲルなどと同じで吸収できる容量には限界がある。ならば自分の攻撃がその容量上限を上回るまで連続して衝撃を与え続ければいい。

というものであるが、既に活動時間が限界の状態の自分にどこまでできるかはオールマイト本人もわからなかった。だが、やるしかない。

 

〜!〜 そう覚悟を決めたオールマイトが脳無へ距離を詰めようとすると、その手首を誰かに握られる感触があった。

 

 

「ッ!十月乃少女!?」

 

驚くオールマイトの言葉には答えず、姫渦は手首を握ったまま言葉を綴った。

 

「オールマイトさん、ヤケになってはダメよ。力任せに攻めるのは最終手段にしないと。

私に考えがある。アイツと戦ってて一個気づいたことがあるの。だから早まっちゃダメ。」

 

「わかった!・・・ところで離してくれないかな?脳無が今にも殴りかかって来そうなんだが。」

 

脳無は”命令通り”オールマイトに向かって突進して来る。

が、それを事前に予知していた姫渦は事前に時を飛ばしていた。無論、これもオールマイトをあらぬ方向に突き飛ばしてからではあるが。

 

 

 

「・・・コイツは果たして知能があるのかしら?どうもさっきから・・・こう・・・なんだろう?戦いの中で感情を感じないというか、生き物らしさを感じないというか・・・。攻撃は多種多様なのにまるで応用がなっていない。・・・あの平坂野郎が言う通りなら・・・あるいは・・・!!」

 

 

 

時飛ばしが解除されると同時に床に突き刺さっていたオールマイトが起き上がる。

頭からコンクリートに激突してもかすり傷一つないのは流石としか言いようが無いだろう。

 

 

「アイタタタ・・・十月乃少女、もう少し早くしてくれれば自分でも避けれたんだが・・・」

 

「ゴメンナサイオールマイトサン。」

 

「反省の色が見えないのは私の勘違いという事にしようか・・・ところで気付いたこととは結局何だったんだい?」

 

 

姫渦は、突進した最中に時飛ばしを喰らったせいでオールマイトの背後にあった断崖に顔面を突っ込んでしまったらしい脳無を見やった。

 

 

「あいつ・・・自分で考えて行動ができていない。いやむしろ、考えられないようになってるのかもしれない。さっき戦っていて気づいたの、あいつはオールマイトさんばかり狙っていて私には目もくれなかった。殴られても、目を奪われても、真ん前に立っても・・・」

 

「そう言われれば、私にしか攻撃らしい攻撃をしていなかった・・・ハッ!(「専用サンドバッグ」というのはそういうことだったのか!)

そうか!アイツはあの死柄木という男の命令でしか行動をできないんだ!!」

 

「流石ねオールマイトさん・・・私もそう思ったの。アイツ等の目的はオールマイトさんの殺害。そしてあの脳無とか言うのはオールマイトさん専用の言うならば”兵器”。喜怒哀楽を持ち得た”生命”じゃあ無いってことよ!だから命令に含まれていなかった私は攻撃されなかった。」

 

「ならば・・・」

 

「ええ、ならば攻略できる!アイツが私を認識していないうちなら!・・・まあ、再生されるとなんとも言えないんだけれども・・・」

 

「おいおい、そこが一番肝心なんだぞ十月乃少女!」

 

「でも・・・こんなものがあるんです・・・どうでしょうか?オールマイトさんがアイツを惹き付けてる間にこれをこう・・・こんな感じで・・・」

 

「これは・・・うむ・・・これならヤツを止められるかもしれないな!」

 

 

オールマイトと姫渦はようやく頭を引っこ抜いたらしい脳無に目を移す。

もはや突破口の見えた相手に慄く二人ではない。

無言で拳を構えるオールマイトとキング・クリムゾンを現出させた姫渦の目は闘志で溢れていた。

 

 

「キング・クリムゾン!!私以外の時間は消し飛ぶ!!」 〜!〜

 

一気に距離を詰めた姫渦は脳無の目の前に来たところで時飛ばしを解除する。 ”ズザァ”

 

「脳ミソぶちまけやがれェ!脳無さんよォ!!」 

 

少なくともヒーローが口にしてはいけない言葉を発しながらキング・クリムゾンで脳無の脳に手刀を連続して炸裂させる。

そのたびに脳無のイロイロがあちこちに飛び散るが、無論瞬時に再生される。

 

「ここまでしても私を認知できないって・・・これは生きているって言えるのかなぁ?もはや死体が動いてるみたいでなんか気色悪いわね・・・」

 

脳無はキング・クリムゾンの攻撃などお構いなしにオールマイトに突っ込んでいく。

 

 

「十月乃少女!私が脳無を惹き付けておくからその間にやるんだ!!」

 

「Yes!Iam!」

 

 

姫渦はポケットから一本の注射針を取り出す。

その中には紫色の気体が充満しているらしかった。

 

「おそらくアンタのその再生能力って、自分の代謝機能や組織の生成速度を爆発的に上げて無理くり治してるって感じでしょ?

だとしたら可哀想ね。こんないい特効薬をブチ込まれるなんて・・・キング・クリムゾン!」

 

キング・クリムゾンの拳が脳無の脳に叩きつけられる。その手には空になった注射器が握られていた。殴ると同時に中にあった”アレ”を打ち込んだのだ。

もちろん、数秒も経たぬ間に症状は現れる・・・世界一凶悪で”獰猛”なウイルスの侵食が始まった。

 

「キング・クリムゾン!ウイルスが外に放出される前に叩き込め!!」

 

あえて注射器でウイルスを投与した理由がこれである。このウイルスは感染した部位から広がるように症状が現れる性質。体内に注入する形で脳無が感染したため、10秒程度は外にウイルスが漏れない・・・その間にキング・クリムゾンによる追撃を行い完全に始末しようというオーバーキル間違い無しの作戦のためであったのだ。

オールマイトのソレにも劣らぬ威力を誇る帝王の拳が脳無の全身に隈なく炸裂する。

 

「マリオネットで帝王と殺り合おうだなんてふざけんのも大概になさい?さてと・・・ウイルスが全身に回るまであと2秒程度・・・。その2秒の間に100発は叩き込んでやるわ!喰らえ!キング・クリムゾン!!」

 

 

キング・クリムゾンの激しいラッシュ。

本来”この世界”には存在しない、”幽波紋の力”はアニメ好きが「最強の能力談義」をするとき必ず話題となるのだが、それもそのはず。

キング・クリムゾンのラッシュを愉悦の表情で眺める姫渦は紛れも無く”最強”であり、帝王そのモノだった。

 

 

「これで止めだ!!ふるえるぞハート!燃え尽きるほどヒート!!おおおおっ刻むぞ血液のビート!深紅の王の波紋疾走ゥッ!!!」 ”ドゴオッ!!”

 

脳無は(波紋を使用したかは不明の)キング・クリムゾンの拳を受け、後方へ吹っ飛びそのまま動かなくなった。脳無vsキング・クリムゾンの一戦はキング・クリムゾンに軍配が挙がる結果となった。

 

 

 

 

 

「おお、成功だ!脳無の体が崩れたまま再生しないじゃないか!」

 

「オールマイトさん気をつけてね。あれは近づいただけでも感染してモノの2、30秒で人間殺せるくらいやばいもんだから・・・八百万ちゃんには感謝しかないわ、よく聞いただけで創れたもんね。天才かな?」

 

「ところで十月乃少女、私も仕事柄ああいう有害物質やウイルスには多少精通しているつもりだったんだがアレは・・・紫のウイルスはまるで見たことも聞いたこともないんだ。アレは何というウイルスなんだい?」

 

 

姫渦は完全に肉体が崩れ落ちて黒い肉塊に姿を変えた脳無を冷めた目でちらりと見るとすぐに視線をオールマイトに向きかえる。

 

 

「・・・”パープル・ヘイズ”・・・究極の殺人ウイルスよ・・・呼吸または皮膚接触で感染、”獰猛”に繁殖して感染した生物を即死させる。弱点は明るさで室内ライトに数十秒当てれば殺菌できるわ・・・まあ感染してからじゃあ無意味だけど。」

 

 

姫渦は無敵のキング・クリムゾンを持ってしても、脳無を撃破することは難しいと考えていた。

ならばどうするか?

頭の中がジョースターの血筋になっている姫渦ならばこう考えるだろう。

 

(対抗できそうな幽波紋ってなんだろう・・・ああ、あれならイケるんじゃあないか?)

 

・・・と考えるわけだ。誰だってそーする、おれもそーする。

結果、姫渦が辿り着いたのが第5部登場のパープル・ヘイズ。あらゆる代謝機能を阻害し、内側から相手を食い尽くすウイルスは、ショック吸収と超再生という対打撃用のサンドバッグを無力化するにはもってこいの力・・・

・・・で八百万に作れないかと聞いたところ即答で、「できましたわ!」と言われたらしい。

今回の勝利に最も貢献したのはおそらく彼女だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「死柄木弔!脳無がやられました!ここは撤退を・・・ぬああ!」”BOOOM!!”

 

「テメエ等も殺られんだよ、これからなぁ!!」

 

「うわあああ!落ち着けよ爆豪!」

 

黒霧と死柄木の間を飛び回り遊撃を続ける爆豪・・・切島はいまだに巻き込まれ続けているがそんなこと爆豪の眼中にないのは言うまでもなく・・・。

 

「なんなんだよ・・・アァ?オールマイト用に連れて来た脳無を生徒にやられたって・・・こんなことってあるのかよ・・・バグったのか?」

 

「もう終わりだヴィラン、このままお前達も倒す!」

 

「うるさいなぁ・・・うるさいなぁ!!クソ!!」 ”ドスンドスンッ!”

 

乾いた銃声が響く。この襲撃の決着を告げるその音がこだました直後、轟に飛び掛かろうとした死柄木は右手右足に弾丸を撃ち込まれた。

片膝をつきながらも距離をとる死柄木の目は血走り、修羅の如き形相。

もはや、ここからの反撃は不可能だろう・・・。

 

「ゲームオーバー・・・かよ。何もかも計算外だ・・・心底腹が立つ・・・」

 

「死柄木弔落ち着いてくださ!?これは・・・この”個性”は13号!?」

 

撃たれた死柄木を庇おうと、ワープゲートを展開した黒霧は強烈な引力を感じ目を上げる。

そこには生徒達に支えられながらも”ブラックホール”を発動させた13号の姿があった。

 

「動きは止まったみてぇだな・・・あとは俺がブッ飛ばす!」

 

動けなくなっている黒霧と死柄木の前に爆豪が立ち塞がる。

明白な殺意を持った目は普段以上に釣り上がり、必ず爆殺せんという意思が滲み出ている。

 

 

「クッ・・・このままでは・・・!死柄木弔、あなただけでも撤退を!」

 

「・・・出入り口無くしたら終わりなんだよ・・・くだらねぇこと言ってんなら、なんか打開策を出せよ・・・」

 

「打開策・・・そういえば・・・」

 

 

「ベラベラ調子こいて言ってんじゃねえぞクソが!死・・・爆散しろ!!!」

 

ヒステリックに絶叫しつつ駆け出した爆豪だったが、攻撃が行われることはなかった。

なぜなら・・・

 

「かっ・・・はぁ・・・んだと?・・・うぅ・・」

 

爆豪の左肩と右胸にはどこから飛んで来たのか、医療用メスが深々と突き刺さった。

柄の部分まで咥え込んだ傷口からは絶え間なく血が流れでて、既に地面に血溜まりを作っている。

 

 

「爆豪!今行くから待ってろ!緑谷も来てくれ!」

 

「うん!」

 

今にも倒れ伏してしまいそうな爆豪を救助すべく、切島と緑谷が駆け出したとき既にヴィラン連合の二人はワープゲートに飲み込まれ始めていた。

 

 

「逃さねえぞ!」

 

{当たるかよ、エンデヴァーの息子。死にたくないなら手を出すな}

 

「ッ!?」

 

逃走を阻止しようとした轟に語りかける声の主は見当たらない。

ワープゲートの向こうから話しかけられているように感じた。が、それを知ったところで轟が攻める方法は無いのだから、轟ができるのはただその場にあ然と立ちすくむことだけだった。

 

 

 

「今度は必ず殺すぞ!平和の象徴、オールマイトォォォ!!」

 

捨て台詞と共にヴィラン連合の二人はワープゲートに消え、やがてゲートも小さくなり消滅した。

直後にオールマイトと姫渦が駆けつけたものの、ワープ持ちが相手ではオールマイトのスピードでもエピタフの予知でも捕らえることは叶わず逃走を許してしまった。

 

 

こうしてヴィラン連合の襲撃は一度幕を閉じたのだった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・To Be Continued・・・

 

 

 





十月乃姫渦 テキトーに言ったブラフが効果バツグンで複雑な気持ちになった。
      平和の象徴の闇に触れてしまったのではないかと密かに後悔することに。
      何故か全体的にノリが花京院だったが、理由は不明。
      もちろん波紋は使えない。だが、”スゴ味”でそれっぽいことはできた・・・らしい。
      パープル・ヘイズを使おうと思いついたのは、恥パが好きだったから。
      ただそれだけ。



キング・クリムゾン 突然知りもしない「波紋」とか言われてどうすればいいか混乱した。
          が、持ち前の破壊力とスピードで脳無の撃破に成功。
          ワリと、ウイルス無しでも勝てた気がしているとかなんとか・・・



爆豪くん オラつきにオラついて大活躍。大活躍するも、まさかの最後の
     止めを刺そうと気を抜いた瞬間に、ワープゲートからの奇襲を受けてダウン。
     勝ち誇ったら負ける・・・ジョジョの呪いはヒロアカの世界を既に侵食し始めて
     いるようだ・・・。



オールマイト 私が来た!!が、姫渦に騙されて、こき使われて・・・今回の最大の被害者
       (ある意味での)と思われる。
       しかし、今回あまり活動しなかったぶん活動限界は原作ほど酷くはない。
       これからが彼の本領発揮だ、頑張れナンバー1ヒーロー。




次回は一度閑話を挟んでから本編へ戻します。


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閑話
閑話:時は今、雨が下知る・・・


遅くなりました、申し訳ありません(泣)

そして今回は閑話ということで、ヒロアカの原作キャラはほとんど出てこないという・・・。
でも、代わりに”彼”が出てくるぞ!だから許して(泣)



これは雄英高校の入試の合格発表があった日から、一週間程度経った日に起きた話よ。

大変な事かと言われれば何とも言えないわね、だってこの世界が既に大変なことだらけだもん。

 

 

 

 

 

 

 

雨降りだった。予報通りの雨。

家の中から見る雨は好きだけど雨の中を歩くのはあんまし好きじゃあない。

 

受験が終わると授業がほとんどなくなって、自習になるから丸1日学校で寝ていた。

もうすぐこの退屈な日々ともお別れできる。

下駄箱から靴を取り出してふと、玄関の屋根から滴る雫を見ると思い切りテンションが下がった。もうダダ下がり。

 

「何で傘さしても濡れるんだろ・・・ダル。ねえキンクリ、傘代わりにさして歩いてくんない?え?自分は一応”個性”だからダメだってぇ?マジカヨ・・・。」

 

気分は浮かないけれど、ウダウダしててもしょうがないからさっさと帰路に着いた。

 

 

 

ちょうど通っていた中学校の通学路の真ん中あたりに、普通車が一台通るのが限界くらいの狭い路地があった。・・・”坂”はついていないし、振り返っても問題無いごく普通の路地。

 

私は雨の日のここは嫌いじゃあなかった。水はけが良くて車も滅多には通らないの。

こっそりキング・クリムゾンと会話(という名の意思疎通)をしたりとか、ディアボロ様との色んなシチュを妄想して鼻血吹いたりとか・・・結構好きにできる場所だったから雨の日でもここだけは上機嫌で通っていたわ。

皆も無かった?なんとなく安心できる道ってあったと思うんだけど。

 

 

 

その日は風も吹いていなくて、雨と言っても通り雨がパラパラ降ってる程度だったから普段の雨の日よりも歩く速さをゆっくりにして帰っていた・・・筈。

灰色の気だるそうな雲を見上げたり、濡れたアスファルトの匂いを吸い込んだりしているときに私は不思議なものを足元に見つけた・・・見つけてしまった、かな・・・。

 

 

半径10センチ程度の透明な半球が、”あるように見える”。

路地の中腹らへんの向かって右側に雨晒しなのに濡れていない地面を見つけたのがことの発端。

なんだろうと思って近づいてみたらそこは濡れていないわけじゃあなくて、見えないビニールハウスのような半球が濡れないようにその10センチそこらを囲っていた。

 

「ん?、なんだろこれ?ねぇキンクリ、これなんだかわかる?」

 

(・・・?・・・)

 

「だよね・・・何なんだろコレは一体?透明な何かが置いてあるのかな?ボウルというかなんというか・・・触ろっと、えい!」

 

感触・・・ぷにん。ほんとにぷにんって感じ。プリンとも、私の豊満かつ感度抜群の胸とも違う適度な反発・・・そう、一番近いのはゴム風船・・・え!?ゴム風船だって!?

 

 

 

 

 

 

 

〜前世〜

 

 

<見えないゴム風船のようなものを踏んでいる!!>

 

「な・・・なにィィ!?キラークイーンの脚力でも踏み潰せないだと?猫の幽波紋がこんなにも強いなんて・・・流石は荒木神ね。って言っとる場合かッ!!このままでは我らが吉良吉影がやられてしまうぞ!なんだ!?まさかの猫に負けるラスボスの誕生か!?」

 

 

・・・信じられないかもだけど、これは全て私の独り言よ。4部30話を見ているときのね。

自分の過去を振り返るってこんなにも恥ずかしいのかよ///

 

 

<やるしかない、あれをやるしかない!!>

 

「おおお!流石は吉良吉影だ!何か切り札があるんだな? <キラークイーン!!> おお、キラークイーンを出したぞ、さあこのままやってしま ”ドーン!!” えええ!?自分の腕を爆破したあ!?いくら空気を抜くためとは言ってもそんな太い血管吹き飛ばしたら大量出血で死んじゃうんじゃあ・・・・・と思いきや死なない!吉良吉影はこの程度じゃあ死なないのダァ!!ハッハッハーッ!」

 

 

 

 

 

 

 

今思い出すと前世の私のオタクっぷりスゴイわね。(何?今と大差ないって?またまた冗談を)

ある種のスゴ味さえも感じる・・・。

早口過ぎて発狂してるようにしか見えないけれど。それはどうでも良かろうなのだ。

スピードワゴンと解説勝負できるくらい饒舌だけど、それもどうでも良かろうなのだ。

 

今問題なのは、このとき吉良吉影が戦っていた幽波紋使いの猫(通称猫草)の能力と今私が触った”何か”の性質が酷似しているということ。

う〜む・・・試しに・・・

 

 

「キング・クリムゾン、この半球を思い切り蹴り潰して。できる?」

 

キング・クリムゾンが目の前の半球どころか、その下のアスファルトまで破壊せんという勢いで足を振り下ろs・・・”ボムッボムッ!”

 

あちゃー、やっぱし無理か。全部弾き返されてる。

う〜ん・・・肝心の幽波紋像は何も見えないし、声っぽいものも聞こえない。

第一ここは”個性”の世界であって、幽波紋の介入できる世界じゃあない。

ヴァレンタイン大統領の言う通りなのだとしたら”隣り合わせ”でない並行世界とは交わることがないハズ。実際のところ、キンクリも”個性”として発現しているわけで・・・。

 

だとしたらこのナニコレ珍百景は一体何なの?

ていうか、こんなにも目立つのに誰も気付かないのは何故?

 

さっき私の進行方向と反対側から、何人かのカッパを着た小学生が歩いて来たけれどこの半球があった辺りを気にしている素振りは見えなかった。それは何故?

見えていないのか?それとも・・・

 

 

「おい嬢ちゃん、大丈夫かい?具合でも悪いなら、手を貸すぞ。」

 

「ぅわっ!えっと・・・はい、大丈夫です。あの、ちょっと考えごとを・・・その・・・」

 

「そうか、そりゃあすまないな。邪魔してしまった。なにぶんにも、近頃は治安が悪いからつい心配になっちまってのう。」

 

「いえ、そんな・・・私もボーッとしていたので・・・」

 

 

どうやら、しかめっ面で立ちすくんでいる私を心配してくれたらしい。

小柄なヒーローコスの老紳士が声をかけてくれた。

そして私はまたもやお礼を言えていない。そして受け答えが怪し過ぎる。

つっかえつっかえで言葉を絞り出す様は、職質に引っかかった犯罪者のソレレベルに無様だ。

この世で最も忌むべきものは人見知りだと私は思う。ブッフ〜ッ。

 

 

「そうか。あんまり遅くなんないうちに帰んな。こういう裏路地にはヴィランが出やがる。」

 

「はい、わかりました。あの〜・・・ありがとうございます。」

 

「いいってことよ。気を付けてな。」

 

 

老紳士はそう言うと、路地を再び歩き始めた。無論、かの透明なドームには目もくれずに。

 

(な、なんとかお礼を言えた・・・。よかった・・・。)

 

 

 

 

ふと空を仰ぐと、雨は絶えず降っているもののさっきより暗くなっているのを感じた。

どうやらかなりの時間、この半透明なドームとにらめっこしていたらしい。

携帯に表示された時刻は既に6時を回ろうとしている。

 

(あまり遅くなるのもよろしくないわね。私の安眠が妨げられてしまうし。)

 

う〜ん・・・と言ってもなんだか気になるなぁ。

明日も調べに来ようかな、ていうかどうせ帰りに通るだろうし。

 

てな感じでその日は半球をそのままにしてお家に帰りました。

まあ、あんなにも頑丈ならそう簡単に壊れたり無くなったりしないだろうし。

そんなわけなので、翌日までキング・クリムゾン!!

 

 

 

 

 

 

 

〜翌日〜

 

 

「どうなってるかなぁ、あの半球体くん。まだあるといいんだけど・・・」

 

ちなみに朝はまだあったよ!でも、遅刻寸前だったからよく見てる余裕がなかったの。ハハッ!

いやあ何、ローマ法王だって絶対に自分はコントロールできないらしいじゃあないか。私が朝の自分の睡魔をコントロールできなくったって何ら不思議じゃあないだろう?

ま、それはそれとして・・・

 

 

 

「えっと・・・あれ?なんか封鎖されてる・・・おかしいな、朝は普通に通れたのに。」

 

朝も普通に通って来たハズの路地は、いつもの人気のないガランドウとは打って変わって大勢の警官と野次馬によって溢れかえっていた。

誰かが救急車にでも轢かれたかのような人だかりだよ、マジで。

おまけに路地の中腹あたりはご存知ピラニア・・・じゃあなくってご存知の黄色いKEEP OUT!テープまで設置されている。

 

(キング・クリムゾン、エピタフを応用してあの人だかりの中心を見ることできる?

そう、中心・・・ちょうどあの半球があった辺りなんだけど・・・できるの?じゃあ・・・)

 

「キング・クリムゾン、エピタフ。あの場所の10秒後の結果を私に見せろ!」

 

警察官と男の人が一人か。にしてもあの人、人相悪いなぁ。ソッチの極まった道の方かな?車が思い切り横転しているところを見るとたぶん派手に事故ったかんじか。

あ!あの半球くんは・・・あれ?いなくなってる!今朝までいたのに!

 

「馬鹿な!気づかないうちに何をしたと言うんだ!えぇ!?」

 

消えたのか?車にぶつかって・・・いや、ない。キング・クリムゾンの脚力はホイール・オブ・フォーチュン何かとは比べ物にならない。それで破壊できなかったものが、忽然と消えたということは・・・どこかに移動した?

 

 

「う〜む・・・コレは一体ど〜いうことじゃ?わしのハーミット・パープルでも見ることがでk「確保しろ〜!!!」・・・確保?」

 

 

交通事故じゃあ絶対に聞こえてはならない単語が聞こえたような・・・。

ワンモア!キング・クリムゾン、エピタフ!!”ウネウネ、グリッ”

 

うわあ、何かさっきの人相悪い人逃げてる。ということは、もしかしてホントに指が無い系の人なのか?あ、何もないとこでズッコケた。ドジっ子かな?

派手に逃げ出したくせに何もないとこでコケるとかウケるw(他人の不幸は何とや

ら・・・)

 

まあいいや。透明ドームくんも消えちゃったし、面白いものも見れたし。帰ろ。

明日には通れるかなぁ?じゃあないと大回りして行かないとなんなくなっちゃうし・・・。

はぁ、メンドクサ。てかいい加減ハラヘッタフーゴになってきたよ。

パスタくるくる巻いて食べたい・・・オーソンで買ってこっと。

 

 

 

 

 

 

 

注:私が唐突に出て来たァ!!なぜオーソンがあるかって?なぜかと言うと私もわからない!

  恐らくジャンプに出てくるコンビニは大体オーソンだろうという筆者の妄想だ!

  コレは伏線でもなんでもなく自分で考えるだけの力がない作者がそうしただけだぞ!

  それでは少し場面を飛ばそう!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ンンッ!”ビクビクッ”フッフッフッ・・・ふ〜う・・・・・マスター、即ちベーションか。徐倫もいい感じにソソる言い方するよなぁ。それに比べて私は、気品も色気もクソもあったもんじゃあないオナ猿だし・・・あー死にてえ・・・。」

 

・・・あれ?何か見られてる?

どうしたんだい?そんな変な目で見て・・・珍しいもんでもないじゃあないか、賢者タイム中の女なんて・・・。

珍しく若干シリアスな感じできてたのに、これじゃあいつもの下ネタジョジョネタ小説じゃん。

時間かけといて結局これかよって言われても知らんぞ。オールマイトさんだって時系列的には画面越しでしか会ってないのに普通に解説してるし。もう全て無くなればいいんだ、そうだよ。

逆に考えるんだ、シリアスなんて無くてもいいさと考えるんだ。アハハハハハ・・・なんかまたムラってきた。よく見れば君、いい顔じゃあないか。どうだい?私と一晩付きあってくれないか?不本意ではあるが、これでも経験者なわけだし・・・脱げって。まずは咥えてやるかr”ブツッ”

 

ーーーここから先は閲覧できません。ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グッドモーニングエヴリワン!

最高に清々しい朝じゃあないか!新しいパンツをはいたばかりの正月元旦のよーによぉ!

ん?どうしたんだい?

昨晩がどうかしたのかい?私は覚えてないけどなぁ・・・。

あれ?なんでこんなにも手がベタベタしてんだ?何、内股もじゃあないか!幽波紋攻撃か!?

まあいい!取り敢えず朝風呂入って、コーヒーだ!

 

 

 

「インスタントコーヒーで充分!」

いつも飲んだら必ず言う台詞。私の場合は、お金がないから豆買えないだけなんだけれども。

さてと、ニュースでも見ましょうかね。今日のニュースは・・・

 

<昨日午後5時頃、S県M市の県道沿いの小道「昨日のあれじゃん。ニュースになってたんだ。」

で指定ヴィランの”ビック・マーラー”「モロににデカマラって意味よね、それ・・・」

が交通事故を起こしているところを近くの住民が発見。警察が駆けつけるもそれを振り切り逃走。ヒーローが到着する前に姿をくらましたということです。これについて警察は・・・>

 

昨日のアイツ、転んでたのに逃げ切ったんだ・・・。

もし見つけたらぶん殴ろうかな・・・。おっと、あの道が通れなかったことも踏まえるとそろそろ出発しないとね。遅れちゃう。

 

 

 

 

 

 

 

お、ラッキー!通れるようになってやがる。グレートですよ、こいつは!

相変わらず半球体くんの気配は無し・・・か。どこに行ったんだか・・・。

おっと、いけないいけない。テンション上げていかなくちゃ!

 

「や〜み〜を欺いて♪刹那をかわして〜♪刃すり抜けや〜つらのす〜きをつけ〜♪」

 

 

”ガサガサ”「隙を突かれるのはどっちかな?お嬢ちゃ〜ん、ちょっと俺様と来てもらおうか?」

 

こ、コイツは!なぜここに!?

 

「へへへ、現場百回・・・だったか?マッポも間抜けなもんだぜ!昔の教訓を忘れていやがる。」

 

そうだ、この顔は間違いない!既に二度も見ている顔だ!

「き、貴様は・・・!」

 

「そうとも!俺様は、かの「AFO」すらも凌ぐ最強の指定ヴィラン!極悪非道な無敵の鬼神にして悪行に全てを捧げる男の中の男!その名も・・・」

 

「その名も・・・でっかち〇ぽ!!」”ズテン!ドンガラガッシャンシャン!”

 

あれ?違ったっけ?なんか、どこぞの全員集合並みのキレイなコケ方してるんだけど。

おかしいなぁ、純粋な少女が思い浮かべてはいけない単語ばっか浮かんでくる。

なんか、ネタっぽい名前だったような気がするんだけどなぁ・・・

 

 

「イテテテ・・・・そこまでドストレートに言われたのは初めてだ。デカチンでも無ければデカマラでもない!我が名は「ビッグ・マー”タ”ー」だ!偉大なる殉教者を意味する名をどこぞのバカが、「マーター」から「マーラー」に変えたせいでこのザマなのだ!」

 

「ああ、そんな名前だったっけ。で、そのヴィランが私になにか?」

 

「へへへ、少し来てもらえれば痛いことな〜んもしないぞ?近くで人質としてしばらく可愛がってやろう!なにせ、昨日の騒ぎで財布も携帯も身分証も押収されて、アジトもワレてしまった。身を潜めるまでの間の保険というやつだ!さあ来い!」

 

 

自分で言ってて悲しくならないそのメンタルにまずは拍手したいわね。

そして、なんで私の側にはこういう奴がやたらと現れるの?

まあ、こんな奴なんてキング・クリムゾンで一撃すれば・・・

 

「悪いけど、お断りさせてもらうわ。随分と舐め腐った態度だけれど、そういう慢心が後で己の首を絞める事になるわよ?」

 

「ハッ!首を絞められるのはお前だ、もちろんベッドでな!少しばかりタッパがあるくらいで調子に乗ってると俺の気が変わってここで殺しちゃうかもs”ドガ!”

 

腹が立ったんで聞き終わる前にキング・クリムゾンで横っ面を殴る。

衝撃のあまりか、ヤツはアスファルトに顔面から突っ込んだ。

 

「お、お前もだ!お前もこれでヴィランだぞ!個性を使ったんだからな!お前も社会の底辺の仲間入りだ!おm”バキィ”

 

「意識がある点だけは褒めてやる。だが、誇り高き私達を貴様のようなカスと比べるな!

貴様と私では太陽と枯れ葉以上の差がある。身の程知らずが!」

 

「へへへ、こんなガキがこのパワー・・・相当使い込んでいやがるなあ、お前?

俺に”個性”を使わせる程とは、並のプロ以上だぜ?」

 

ヤツはヘラヘラ笑いながら危なげに立ち上がる。そして路地のブロックについていた手を離した瞬間のことだった。ヤツは・・・前に倒れた。

 

(何だ?自分から倒れた?これが”個性”なのか、コイツの?)

 

直立不動の体制で倒れこむヤツの足が地面から離れる。直後、私は凄まじい力で首を絞めつけられた。締められた衝撃で激しく咳き込む程に。

 

「ゲホッウググッ、これ・・・は・・・ヴアァッケハッ・・・ゥゥ・・・」

 

「これが俺様の”個性”だ!言ったろ、気が変わっちゃうかもって・・・残念だ。君の味を知らぬまま絞め殺すなんて背徳感も何もない。さて・・・”ムギギュ!ギチギチ・・・”

 

「ムギィッ!?ァゥ、カッ、ハァ・・・キン、グ・クリム、ゾ ”ギュウゥゥ” ぅグ?!

?!&〇=!?#!!!!!!!」

 

「へへへ、何言ってるのかわかんないなぁ?ところで、もし”個性”を使って見ろ?俺様の”個性:殉教”は自分が倒れ込んだ方向に物理攻撃無視の瞬間移動をできる”個性”だ!

例えお前のバカ力でも関係ない!スルッと躱して路地を抜けた先にいる奴を無差別に殺す!ちょうど通学時間だ、生きの良いガキが山ほどいるだろうなぁ?」

 

「ァ・・・ァァ・・・(キング・クリムゾン落ち着いて、まだ辛うじて意識はある・・・から。

ヤツの言ってることは本当よ。仮に時間を飛ばしたとしても解除後の攻撃を避けられたら・・・終わり・・・だ・・・私が助かっても・・・だれか・・・が・・・)

 

「おお?もうすぐ死ぬか?へへへ、上品な子だなぁお前はよお!ここまでされてもまだ生きた目をしやがる!そして漏らさねぇ!よしよし、そんないい子は俺様がしっかりと死に顔を拝んでやろう!さあ、こっちを向きやがれ!」

 

奴は私の背後から正面に移ると、既に自力では体を支えられなくなった足を崩して無理矢理仰向けに押し倒す。

打ちつけられた痛みは既に感じず、妙な頭痛と異常な倦怠感しかわからない。

それすらも段々と無くなるのが分かる。

 

(ディ・・・アボロ・・・さ、ま・・・)

「!!!!!!」”グリンッ”

 

 

 

 

 

 

 

「・・・へへへ、死んだか。情けねえ顔だぜ、へへへ!さてと・・・!?」

 

・・・彼と私が惹かれ合った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、なんだ!?俺様のゆ、指が!指が無い!!」

 

最初の異変は己の人差し指だった。つい先程まで姫渦の首を絞めていたはずの、人差し指が第一関節からきれいに無くなっている。

 

「一体これは・・・”バチン!”う、ウギャー!」

続いて何かの破裂音。それは自分の脛の肉が弾け飛ぶ音だった。

 

「なにが!なんなんだ!どうなっているんだぁ!?」

 

「・・・吉良吉影。」

 

「!?、お前、なぜ生きて・・・?」

 

彼からすれば、聞き慣れぬ名前を呼んだ声の主は紛れもない、先程自分の手で殺したはずの

姫渦だった。彼女はそれには応じずに続ける。

 

「やはり何事にも天才は存在するのね。殺人もまた同じく・・・。だが、貴様は少なくとも天才ではない。人を殺す程の覚悟ができてる人間は、あんな事故起こさないし、既に死にかけの相手に念を押すような真似はしない。貴様は圧倒的に殺しに慣れていない、真の殺人鬼はあんなアリキタリな言葉遣いはしないモノよ?」

 

姫渦の言葉に呼応するかのように、しかしながら姫渦の能力とは全く違う、見ることのできない”何か”が再び彼を襲う。

時を同じくして、姫渦の体から大きな影がブレるように現れる。

臨戦態勢のそれは、どこか普段以上の覇気を纏い佇んでいた。

 

 

「おのれ!」

彼は叫ぶと同時に姫渦と反対の方向へと、飛び込むように倒れ込む。

 

「もう貴様の手口は既に”見えて”いる。一度かかった手に乗る帝王ではない!

時間は既に私のモノとなった、キング・クリムゾン!!」

 

静止している物が消えた世界。そこには、はっきりと空中に浮かぶ透明な球体が現れた。

(やっぱり・・・この能力は・・・)

 

姫渦が右手を掲げ、キング・クリムゾンがそれに応える。

二人が手を振り下ろすと、風を切る音すらかき消された空間に突風が巻き起こり、透明な球体を弾丸の如き速さで吹っ飛ばす。

マーターの目前で球体が静止すると、待っていたかの如く時飛ばしが解除された。

 

”バチバチバチッ!” 「グアァァァァ!!!」

マーターは3つの球体を同時に受けて吹き飛ばされ、そのまま地面へ落ちた。

 

 

 

「・・・ねえ、アンタさぁ・・・ぶっちゃけ年齢詐称してるでしょ?髭とれてるし。」

 

「え?は!しまった!」

 

「よくそんな血まみれでピンピンしてるわね。」

 

「それはもちろん、ぼ・・・俺様が最強最悪のヴィランだからに決まっt「てかアンタ、人を殺したことないでしょ?」

 

「そんなわけないだろう!b、俺様は既に10人は絞め殺てるぞ!逆になぜお前は死なないんだ!?そういう”個性”なのか「いいや、だって殺されて無いもん私。気を失ってただけだよ。」

 

「ふ、ふざけるな!そんなわけ・・・」

 

「キンクリに、彼にこづかれたから起きたのだけれど・・・」

 

「へ?(あんな苦しそうだったのに?死なないの?え?)

 

「全く・・・何を思ってヴィランやってるのか知らないけど。う〜ん、殺すほどの脅威になるかと言うと違うし・・・そうね。今から5秒以内に自首できたなら生かしといてあげるけど?」

 

「ヒィ!い、行きます!すぐに!!」

 

 

路地を駆け抜けて行った、彼を見送ると姫渦は静かに笑った。

 

「フフ、あの感じじゃあまだ20歳そこらかな?必死に怖そうに見せても、リアリティが伴ってないのよね。まあ、かなり強かったけれど。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜翌日〜

 

指定ヴィランビッグマーラー改めマーターの自首は大きく取り上げられた。

(無論、名乗らなかったおかげで私については言及されていなかったが。)

なぜ自首したのかという問いに彼はこう答えたそうだ。

 

<俺様が霞むほどの強者と出合い、己の在り方を考え直した。>

 

・・・だそうだ。

まあ、それは彼個人の問題だからノーコメントだけれど。

それよりもニュースの中に興味を引くこんな説明があった。

 

彼が事故を起こした状況ついてだ。なんでも、事故現場から猫の死体が発見されたらしい。

最初は轢かれてしまったのかと居合わせた警察は考えたのだが、外傷は無く死因は全く別と推測された。

が、そんな最中にマーターが逃亡を開始し、目を離したところ次に見たときは死体は忽然と姿を消してしまったらしい。

もちろん、私は彼を知っている・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日も雨だ。あの日、あの半球体を初めて見つけた時と同じ小雨。

私は花屋で買った花束をあの半球があった辺りに供えた。

 

「攻撃されたと思ったのよね?・・・ストレイ・キャット、助けてくれてありがとう。」

静かに手を合わせると、雨の音がさっきよりも弱まったのを感じた。

 

私は立ち上がり、その場を去ろうと背を向ける。

すると”パシャ”という水がはねる音がした。

見れば足元に、私がさっき供えた花束から抜き取られたであろう一本の花が落ちていた。

キレイだったので入れてもらった青いバラ。

花言葉は・・・「奇跡」そして「不可能を可能に・・・」

 

振り返っても、もちろん誰もいない。

再び歩き始めようと足を踏み出した私の耳には確かに届いた。

 

「ウニャゥ、ニャウ」

 

彼の声が。

私は青いバラを拾い上げて、今度こそ歩き始めた。

 

雨はまだ降り止まない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 





十月乃姫渦 作者の趣味でいつも可哀想な目に合わされているオリ主。
      今回は特にヒドイ目に。(公開自慰+首締めプレイ)
      予想外の強敵に追い詰められるも、透明な球体と共闘しこれを撃破。
      透明な球体が、なぜ彼女には見えるのか。そもそもなぜ”あれ”が、現れたのかは
      誰も知らない。



キング・クリムゾン 筆者の意見ではあるのだが、キング・クリムゾンが最強であるのは
          あくまで一人のときだけだと思う。
          時間を飛ばすという無敵の能力も、適応されるのは自分だけ。
          偶然思いついた、キング・クリムゾンに勝つ方法。それは、守る対象
          を作らせることじゃあないだろうか?
          ・・・それでもちゃんと最強のキンクリくん、ぱねぇっす。



通りすがりの老人 「老舗のものは言わずもがな、新しくできた店のもんはちゃんと食っと
          かねえとな。鯛焼きの進化は止まらんぞ。」
      


デカマラ オリジナルキャラ。
     実は結構有名なヴィランで、起こす事件の全てが未遂で終わることで有名。
     ヴィラン名「マーター」を面白がって「マーラー」にされた結果、それが浸透し
     変態ヴィランと勘違いされるようになった。
     ”個性:殉教”は強力な個性で、不意討ちにも逃走にも適応可能。
     実はこの”個性”を用いて、時のNO4「ベストジーニスト」から逃走成功している。


オールマイト まさかの解説役として参戦!
       世界の全てを知る、最強のヒーロー。
       オーソンで”唐揚げちゃん”を購入するところをスクープされた過去がある。




この話で私が書きたかったことは、オリ主ちゃんのリョナシーンと受験後から入学までの空白の時間に何をしていたのか・・・という欲望のみである。
「動かない」や「恥パ」みたいなスピンオフだと思って気楽に読んでくださいませ。


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体育祭開幕
襲撃事後


評価が上がると嬉しくてモチベ上がりますよね。
最ッ高にハイってヤツになります。
拙作ではありますが、ぜひ高評価よろしくおねがいします。


・・・ということがあったワケ。だから戦い慣れしてるの。」

 

いや〜、自分の武勇伝を語るのってなかなかに快感。

快感なんだけどさあ、もうちょっと反応してくれてもいいと思うんだよね私。

私は君に言い聞かせてるんだよ?爆豪くん?

 

「ねえ爆豪くん、聞いてるの?」

 

「・・・ッ・・・ァ・・・」

 

「ねえってばぁ、喘いでないでなんか言ってよ?」

 

「ッセエんだよ、カス!黙って手ぇだけ動かせクソが!死にてぇのか、ァア”!?」

 

おいおい爆豪くん、そんなに叫んだら傷が開いちゃうよ?

人がわざわざキング・クリムゾンの手を借りてまで手当てしてやってるんだから、昔話の一つや二つくらい聞いてくれたっていいじゃあないか。

にしても、キング・クリムゾンの精密動作性は凄いな。斜めにブッ刺さったメスをスッと綺麗に抜き出せるんだもんなぁ。

これを超えるスタープラチナとは一体どんだけエグい精密性なのやら・・・。

 

 

 

「あと喘いでねぇ!テメェがチンタラチンタラやってんのが気に食わねぇんだよ!」

 

「ま〜たまた、強がっちゃって。私しかいないんだから、い〜っぱいカワイイ声出していいんだよ?ほら、ヒッヒッフー、ヒッヒッフー・・・」

 

「お産してんじゃねえんだよ!クタバレクソがァァァ!!!」

 

よかった。若干心配してたけど、この様子ならすぐに傷も治りそうね。

傷といえば、爆豪くん以外の子たちは3人共ほぼ無傷のようだし。(一名軽度の火傷)

オールマイトさんも私もピンピンしてるし。

相澤先生は死にかけてるし。(梅雨ちゃんが一応声かけたんだけど、「俺よりも他の奴らの安否確認を最優先にしろ。俺は寝てる。」って言われたらしいから、たぶん生きてると思う・・・恐らく。)

 

めちゃくちゃ心配だったけど、すぐにミッドナイト先生が助けてたみたい。

よかった、何よりも死人が出なかったのはでかいわね。

・・・あれ?でもまさかこれは、最終決戦で半数以上が死ぬスターダストクルセイダースパターンをすでに歩んでしまっているのか!?ムムム・・・

 

 

「お〜い十月乃、爆豪の後始末は俺と緑谷でやるからもう大丈夫だぞ。」

 

「え?ああ、ありがと、切島くんに緑谷くん。二人は怪我とか何かしてない?主に切島くん・・・なんか全体的に焦げてるけど?」

 

「ああ、この程度なんてことねぇぜ。」

 

「僕も大丈夫かな・・・あの〜十月乃さん、ありがとう。」

 

「ん?何がありがとう?」

 

「ほら、そのぉ・・・かっちゃんの手当て。ほら、かっちゃんもお礼しないと!」

 

「抜かしてんじゃねえクソナード。大きなお世話だ、クソが!」

 

 

とか、口では言いつつも手当て中に怖くて私の服の裾をずっと握り締めてたんだよね。

あ〜・・・人類史上かなりトップに来るギャップ萌えだったんじゃあないかな?

今だって、目つきこそ悪いけど若干涙ぐんでるし。

この子は将来いい子に育ちそうだなぁ、私が保証するよ、うん。

 

 

「それはそうと十月乃、オールマイトはどこ行ったんだ?さっきから姿が見えねえけど。」

 

「ああ、言われてみればいないわね。おっかしいなぁ、爆豪くんの手当てを始めるまではそこらへんにいたのに・・・。」

 

 

どうしたんだろ?・・・もしかしてオールマイトさんの身に何かあったんじゃあ・・・

そうだよ、きっとまだまだ動けるヴィランも残ってるだろうし、生徒を探しに行ってそのままヴィランの残党と戦闘になったんだ!違いねぇぜ!

 

「心配だから私見てくる!切島くんと緑谷くんはこの”重傷者”をよろしく頼むわ!」

 

「舐めんな!かすり傷だカス!」

と、言った直後に痛みで顔をしかめる彼が可愛すぎるんだけど、どうしようか?

このままショタコンの本能に身を任せたい気持ちもあるけど、そうこうしてる間に誰かが死んだりとかもあり得るし。

ここはひとまず耐えよう、ディアボロ様に情けないとこ見せるわけにもいかないし、ね!

(夜を除いては・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの、十月乃さん・・・他のプロヒーローの先生方も来てるし、僕達は大人しく待機してたほうがいいかなと思うんだけど・・・。どう、かな?」

(たぶんオールマイトは、活動時間が限界を迎えてどこかに身を隠したんだ。ここで十月乃さんが探しに行ったら間違いなくバレる!しっかりしろ僕、ここはなんとかしてオールマイトを守らないと!)

 

 

この場で唯一オールマイトの裏事情を知る緑谷は、勇気を振り絞った。そう、女子に向かって自分から意見を提案したのである!ヒーローの背を追い続けた結果、一切異性と喋ることなく過ごしていた中学時代。そして高校生になり、麗日お茶子という異性と親しくなったものの、いまだまともに喋れた試しのない彼が”冷静”に異性と会話を試みたのである!

が、そんな彼の覚悟など知る由もない彼女は非情だった。

 

 

「いやダメよ!いまエピタフで見えたの、オールマイトさんじゃあなかったけれど。大きなヴィランが地面をせり上げて攻撃している光景が見えたの!もしかしたら近くに生徒がいるかもわからないわ、急いで向かわないと!」

 

「マジかよ!おい緑谷、俺らも早く爆豪どっかに避難させて助けに行かねぇと!ほら、お前は足の方支えてくれ、早く!」

 

 

緑谷は持ち前の頭脳で考えた。というのも、今ここにいるのはクラス内で最も漢気溢れる漢こと切島鋭児郎と、最強にして最狂の変態女こと十月乃姫渦である。

とても今の緑谷が意見を押し通せる相手ではない。

そう諦めかけていたところへ、姫渦の「ヴィランの残党を見つけた」発言が緑谷の中にある迷いを断ち切らせた。

 

「わかったよ!僕達もすぐに行くから、気をつけて!」

 

「うん!あの岩場の影のところだから。あなた達も気をつけてね!」

 

 

緑谷出久という少年は人一倍優しい少年である。だからこそ彼は、こう考えた。

もしも、この場で自分が彼女を引き止めていたせいで誰かが傷ついてしまったら・・・と。

姫渦の強さは、先の脳無との戦闘を介して知っている。彼女ならきっと大丈夫だ。自分たちもかっちゃんを避難させるだけなのだからそう時間はかからないはず。

それにオールマイトはプロ中のプロ。きっと限界が来る前にどこか遠くで隠れながら休んでいるだろう。

・・・しかし彼の考えは甘かった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えっと、見えたのはたしか・・・ああ、ここだ!この岩が影になってるところ!

私が見たのはだいたい5分くらい先だからもうすぐ攻撃されるはずよね。

よ〜し、来たらすぐさまキング・クリムゾンしてさっと接近、からのラッシュでいこう!

さあてと、どっからでも・・・ん?あの金髪はもしかして・・・!

 

「その影にいるのって、もしかしなくてもオールマイトさん?ですよね!

よかった、急にいなくなっちゃうんだもん!心配したんですよ?でも無事でなによr

 

”ズドドドドッ!”

 

じ、地面が・・・変形した!ということは、こいつがヴィランの攻撃か!

さては狙いはオールマイトさんだな・・・フンッ上手くいくかな?

行くぞ、キング・クリムゾン!

 

〜!〜

「よし、ヴィランは・・・うひゃあ!なんて悪そうな奴なんだ!とりあえずこの壁を乗り越えてと・・・まずはオールマイトさんの保護だ!解除!オールマイトさん今行きますよ〜!」

 

 

 

 

 

 

・・・その頃オールマイトは・・・

 

(よ、よかった・・・見つかるかとおもった・・・。セメントスがいなかったら今頃十月乃少女に見つかっていた。ふぅ〜、あまり無理をするのも考えものだな 〜!〜

 

時がもとに戻ったとき、彼の前にいたのは・・・目が点になっている姫渦だった。

まるでまだ時が飛ばされ続けているかのような静寂。

止まった時を再始動させたのは姫渦の悲鳴とも言えぬような雄叫びだった。

 

「いやあァァ!!オールマイトさんが養分を吸い取られたァァ!!

どこだ!?どこにいるんだハイウェイスターめ!出てこい、ミケランジェロ野郎!」

 

「あ、その、なんだ、えっと私はオールマイトじゃなくてだな・・・通りすがりのヴィランの残党です。だからオールマイトなんてことは無くてだね、十月乃少女・・・」

 

「ハッタリをかますなよ自称ヴィランの残党とやら!そのバカみたいにブカブカな服、脇腹にある血痕、ヘタれた金髪の触角、何よりも私を「十月乃少女」と呼んだ!アンタは正真正銘のオールマイトだ!違いねぇぜ!

そして今理解した!アンタが私の薄っぺらいブラフにあそこまで過剰に反応した理由は、今のこの姿だ!真っ先に誤魔化したってことはソイツは今日の今日で初めてなる姿じゃあねえ!何度もなってる、そしてそのことをアンタは隠してる!だからあんなつまらないブラフにも反応しちまったんだ、どうだ!?」

 

 

オールマイトは姫渦の気迫に押されて完全にフリーズしてしまった。平和の象徴と謳われるナチュラルボーンヒーローの秘密が生徒とは言えど、一般人にバレてしまったのだ。

もはやここから言い逃れることはできない。

すると、顔面蒼白のNO,1を庇うように姫渦の言う「大きなヴィラン」が口を開いた。

 

「君、この件については後で詳しく説明をすr「あぁ、忘れてた!なんにしろテメエを叩きのめしてからだった!私とキング・クリムゾンが相手になってやるぜ!」

 

「・・・十月乃少女、彼はヴィランではなくてウチの・・・雄英の教師のセメントスというヒーローだよ。たしか国語を担当していたはずだが知らないのかい?」

 

「まあ、彼女は毎回寝てるので俺の顔を知らなくても・・・まさかヴィラン呼ばわりされるとは思いませんでしたけどね。」

 

「・・・え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それはつまり、私は助けに来てくれた先生のことをヴィラン呼ばわりしてたってこと?

言われてみればたしかに体力テスト後のガイダンスで聞いた気がしなくもない。いた気がする、この真四角の人。

ああ・・・終わった。てか寝てるのバレてたのか。国語は得意だからもう寝てもいいやって感じで寝ていたんだけれどなぁ。ハハッ・・・留年かなぁ・・・。

もうオールマイトさんの秘密云々とかどうでもいいや。いや、どうでもよくはないけど。

あ、セメントスさんがなんか言いかけてたんだった。もう何でも言ってください・・・

 

 

「十月乃さんと言ったね、この件については他言無用でお願いするよ。本当ならこんなことがあってはいけないからね。俺にも責任があるわけだし、細かい諸々は気にしないで他の生徒と合流してもらえるかな?詳しい事情は後で話すよ。」

 

「・・・はい。あの、セメントス先生ごめんなさい・・・なんか、悪いことを・・・」

 

「気にしなくていいんだ。ほら、友達が呼んでるよ。」

 

「はい・・・失礼します。」

 

 

 

 

 

 

 

「お〜い十月乃、様子はどうだ?てかお前なんか顔色悪くね?」

 

ああ、切島くんに緑谷くん。ごめんよ、私のせいで振り回しちゃった・・・

よくよく考えると私って迷惑かけること多すぎじゃあないか?(その通り)

 

「十月乃さん、ヴィランは?オールマイトや他のみんなもまだ見てないけど・・・」

 

「それなら心配ないわ緑谷くん。先生方が対応してくれてるみたいだから、私達は戻りましょ。わざわざ来てくれたのに申し訳ないんだけど・・・。」

 

「いいってことよ!プロがやってくれんなら俺らの出る幕もねえだろうしな。」

 

「そうだね。」(よかった・・・この感じならオールマイトは見つかってないはずだし。)

 

「緑谷くん?胸に手なんか当てて、苦しいの?」

 

「へ?いや、そういんじゃなくて、気が抜けたっていうか、安心したっていうか?」

 

「そう、ならいいけれど・・・」

 

てな感じで私達はみんなのところへ帰りました。

あー最後で盛大にやらかしたなぁ。締まらないなあ私って・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「17、18、19人か。生徒はさっき搬送された彼以外は無事のようだね。」

 

刑事さん、ここに心を負傷した者が1名いますよぉ・・・調子こいて自分の力過信した結果プロヒーローをヴィラン呼ばわりしたクソ野郎がここにいますよぉ・・・

 

「姫ちゃんどったの?らしくないよ、そんなに沈んでたら。」

 

「葉隠ちゃん、私はダメだよ。ぶっちゃけあのデカい脳無とか言うの倒したのって私じゃあなくてヤオモモだし・・・先生に迷惑かけるし・・・はぁ・・・」

 

「ダメなんかじゃないよ、私なんて怖くて轟くんの後ろをずっと付け回してたんだから!」

 

 

(いたのか・・・危ねえ、凍らせるとこだった・・・)

 

 

「そう。じゃあ轟くんも一緒に反省して小さくなりましょ?」

 

「一人でやってろ。それとお前は心の声読めんのか?」

 

振られた・・・でもいいもん。こういうときはディアボロ様に慰めてもらうもん。

それにキング・クリムゾンも一緒にいてくれるし、一人でいいもん。・・・グスッ・・・

帰ったらキング・クリムゾンにイイコイイコしてもらおう。

 

 

 

 

「とりあえず、生徒らは教室に戻ってもらおう。すぐ事情聴取というわけにもいかないだろう。」

 

そりゃそうだ。色々あり過ぎて何も喋れないよ、現状。

 

「・・・刑事さん、相澤先生は?」

 

「両腕と顔面を粉砕骨折、特に眼窩底骨折が酷くやられていて目に何らかの後遺症が残ってしまうかもしれないそうだ・・・。」

 

「ケロ・・・」

 

相澤先生・・・何が「他の奴らを優先しろ」よ、自分が一番でかい怪我してるってのに・・・。

でも、そういうこと言えるってのは流石先生だ。帰ってきたら抱き締めてあげなくちゃ。

何でも、13号先生も背中に大きな傷を負ったらしい。

で、その原因と思しきみんな大好きかっちゃんくんは救急隊員にまで暴言を吐き散らした後に、ストレッチャーにグルグル巻で拘束されながら搬送されてったらしい。

なぜ彼の報告だけ怪我の状況じゃあなくて、搬送時の様子だったんだろうか・・・

 

それはそうとして、オールマイトさんは現在保健室で治療中らしい。

失礼でないようなら、真っ先に向かおうと心に誓った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日は結局教室に戻るなりすぐに放課となった。

なんでも校舎全体を警察が捜査するんだとかなんだとか・・・。

ついでに一日の臨時休校を挟むとかなんだとか・・・。

帰りのホームルームを担当してくれたミッドナイト先生に保健室にいるオールマイトさんに会いたいとお願いしたら、今は会えないから臨時休校明けに時間を作ると言ってくれた。

ホントはすぐ話したかったけど、焦ってもしょうがない。

 

大人しく帰ることにして、私はカバンを背負い教室をあとにした。

校門を出るとヒュウっと少し強い風が吹いた。

もう4月も半ばだというのに、風はとても冷たくて乾いていた。

 

 

 

 




十月乃姫渦 中学時代に保健委員を担当した際に、医学に興味を惹かれた結果として大体の
      怪我の応急処置をできるようになった。(キンクリ必須)
      爆豪に話しかけ続けていたのは、煽りではなくあくまで安心させるため(?)
      セメントスをヴィランと勘違いしたことで、どれだけ授業をサボっていたかが
      バレる。
      復帰した相澤先生による地獄の補習が待っていることを彼女はまだ知らない。



キング・クリムゾン スタープラチナが肉の芽を取り除く様子を見た姫渦が、キング・クリ
          ムゾンにもできるんじゃあないかという発想に至り実践したところめ
          ちゃくちゃできた。
          しかしこれは姫渦の技量よりも、キング・クリムゾンの動作の精密性
          によるものが大きい。



緑谷出久 ようやくちゃんと姫渦と会話できた原作の主人公。
     この世界線でも相変わらず、優しいけど押しが弱い。でも決めるときは決めきる
     だけの覚悟も持ち合わせる。
     オールマイトやクラスメートと共闘したことで、無意識ながらもフルカウル3%を
     使用することに成功したようだ。



切島鋭児郎 爆豪によってこんがり肉になりかけた男。なんとか生焼け肉ですんだ。
      しかしここで爆豪の爆破を食らったことが、後の体育祭で役立つなどとはまだ
      想像もしていないことだろう。



セメントス 「・・・俺ってヴィランに見えますか?」
      「「「見える(わね)
           (なぁ)
           (ワン)
           (カモシレン)
           (ぜ!Yes!)」」」
      不遇なセメントスよ、案ずるなかれ。
      イレイザーヘッドがもうすぐ全ての元凶に厳罰を与えてくれるはずだ!



次回より体育祭編、オリ主のみ罪の懺悔編です。


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懺悔の果てに・・・

オリ主がビチグソなせいで話が進まない・・・
読者の皆様は授業中に寝ることがくれぐれも無いように心がけましょう。


注:最初で最後のジョジョ系オリキャラ追加回です。
  オリキャラはオリ主と今回出る新オリキャラの二人だけで話が進んで行きます。
  出さないことも考えたんですけれど、それだとヴィラン側がキング・クリムゾンに手も足も
  出なくなりそうなので・・・お許しください。
  


 

人気の無い裏路地・・・そこは今やヴィランの巣窟。

違法賭博専用の裏カジノや未成年売春サービス、麻薬市場といった法に触れるものまでよりどりみどりのこの場所だからこそ普通のバーなんてのはまるで目立たない。

そう、大量の500円玉の中に純金の金貨が1枚紛れ込んでいても大抵は気付かない。

見つけても、純金だと知らなければ手も出さない。・・・そんなものだろう。

 

 

 

バーカウンターにテーブル席が4席。こじんまりとした店の奥の本来ならばマスターがいるべきカウンターに唯一の客がいた。

グラスをゆっくりと揺らしながら憂い気な目で、既に角質の溶けた滑らかな氷を見つめる。

その瞳は、あたかも白目と黒目が反転したかのような奇妙な色をしていた。

 

「彼女」がグラスをカウンターに置き直し、飲みかけのイタリアンワインを注ぎ始めたとほぼ同時に黒いモヤが湧き出し、その中から倒れ伏した死柄木が吐き出される。

と言っても、カウンターが邪魔になり彼女からは見えないのだが・・・。

見えなくとも何が起きたかは分かる程に、死柄木は激昂していた。

 

「痛ってぇ・・・右手右足撃たれた、完敗だ、脳無もやられた、手下共は瞬殺だ!子供も強かった・・・ゔぅぅ・・・」

 

「とりあえず落ち着け、そのままだと最悪右半身が麻痺する。」

 

彼女はバーカウンターから出てくるなり、死柄木の傍らにしゃがみ込んだ。

死柄木の銃創に手をかざすと、体内で止まっていた弾丸が2発飛び出し彼女の手に収まった。

 

「痛え・・・話が違うだろ・・・なんでこうも思い通りに行かない・・・?」

 

「愚痴を聞きに来たんじゃあないんだ、黙ってろ。・・・弾がメタルジャケットで良かったな。あとは血を固めるだけだ。動くなよ・・・」

 

その言葉を言い終わるとほぼ同時に、死柄木の傷口から止めどなく流れていた血が銀色に変色し、液体から個体へと姿を変えた。

 

「こうなる気はしていたが、まさかここまでしてやられるとは・・・驚愕だな。」

 

彼女が無感情に言い放つ。

完全に癇癪を起こした死柄木は、モニターに向けて怒鳴り散らした。

 

「全くだ、平和の象徴は健在だった・・・話が違うぞ先生ェ!」

 

[違わないよ、ただ見通しが甘かったね。]

 

[ふ〜む、舐めすぎたな。ヴィラン連合なんちゅうチープな団体名で良かったワイ。]

 

モニターの向こうからは、死柄木が先生と呼んだらしき落ち着いた声としわがれた老人の声が聞こえた。

この間彼女は、いつの間にか移動し、バーのワインをガチャガチャと物色していたが、ふと振り返り愚痴をこぼした。

 

「だから俺も行くと言ったろう?俺ならオールマイトだろうが誰だろうが、内側から殺せる。」

 

[それについては、すまなかった。僕も君を連れて行くべきだとは伝えたんだが、弔がまだ君のことを信用できていなかったようでね。]

 

「信用・・・?もうそれなりの付き合いになるってのに・・・か?」

 

[あんさんがとっさに助けていなかったら、今頃二人揃ってお縄じゃったろうのう。子供だとは言っても、あの年代の中では最強の子供じゃ。ちと手数が少な過ぎたんじゃろうの。

ところで手数といえば、わしと先生の共作、脳無は?]

 

[回収してないのかい?]

 

唸り続ける死柄木に代わり、モヤから実態を現した黒霧が答えた。

 

「・・・完全に倒されました、粉々に。」[何ぃ!?]

 

再生能力持ちの脳無が破壊されるとは完全な想定外だったのだろう。

モニターからは驚きの声が返ってきた。

 

「あの様子では回収したとしても復元は不可能、何より脳無を回収できるだけの時間も取れないほどに圧倒されました・・・!」

 

[せっかくオールマイト並みのパワーにしたのに・・・]

 

[ま、仕方ないか。残念。]

 

「パワー・・・そうだ、一人オールマイト並みの速さを持つ子供がいたな。あの邪魔がなければオールマイトを殺せたかもしれない・・・餓鬼が!餓鬼ィッ!」

 

「お前もいい歳なんだから、そうすぐに熱くなる癖を治せ。だから任務に失敗する、保護者に迷惑かける、ついでに女も寄り付かない。」

 

[そうさ、悔やんでも仕方ない。今回だって決して無駄だったわけじゃないはずだ。精鋭を集めよう、じっくり時間をかけて。我々は自由に動けない、だから君みたいなシンボルが必要なんだ。死柄木弔、次こそ君という恐怖を世に知らしめろ!]

 

 

 

そこで通信はプツリと切れた。

彼女は新しいワインの栓を抜きながら、静かに笑った。

 

「ハッ、臭いセリフ吐くもんだな、お前の先生ってのは・・・」

 

直後、目と鼻のない男の顔が”ドンッ”という効果音の付きそうな勢いでモニターにドアップで映し出された。死柄木の言う先生だ。

 

[なにか言ったかい?]「ブフッ!」

 

彼女は飲んでいたワインを思わず吹き出した。

 

[ハハハ、冗談だよ。それじゃ弔のことを頼んだよ「黒霧」、そして「メタリカ」。]

 

「はい。」「AFO、アンタ本当は面白い人間だろ?」

 

[さあ、それはどうかな?それじゃ失礼するよ。]

 

 

 

今度こそ通信が切れた。黒霧はとりあえず、暴走している死柄木を諌めることにした。

 

「死柄木弔、傷の具合はいかがでしょうk「憎い、オールマイト・・殺す!殺す!必ず!」

 

「黒霧、騒々しいからどっかに置いてこい、ソイツ。」

 

黒霧はワープゲートを展開し、暴れる死柄木を必死に抱き上げて実体の部分を殴られながらも、なんとか自室へ帰すことに成功した。

 

「苦労が絶えないな、アンタも・・・」

 

「ええ、まあ・・・しかし、死柄木弔ほど純粋に悪をなぞれる者がいないのもまた事実。

彼のサポートが私の務めですから。たしかにもう少し成長した方が良いとも思うのですが。」

 

「俺もできる限りは手を貸そう。」

 

「助かります。が・・・いい加減払って頂けませんかね?貴女が来てからというもの、私のバーは火の車なのですが。それに、一流のワインをロックで飲むのも考えものかと・・・しかも真っ昼間からもういくつの瓶を空にしたのやら・・・」

 

 

彼女・・・メタリカは何故かどんな飲み物の氷で割って飲む癖がある。

曰く、「氷を見てると懐かしい気持ちになる」そうだが、黒霧からすれば見境なくいいワインを飲むくせに氷で割って薄めているという暴挙を行っているようにしか見えないのだ。

ついでに金を払った試しはない。そしてバカみたいに飲む。

現在、彼女の影響によるバーの被害額はうん百万円はくだらないほど。

 

「滅多に無い客の一人なんだ、そう言わずにお前も飲めよ。俺のバーだからな。」

 

「私のバーです、メタリカ。」

 

 

 

真に賢しいヴィランは闇に潜む・・・彼らは果たして・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1日の臨時休校から明けた雄英高校1年A組は、既に全員が席に着いていた。

それぞれ、一昨日の襲撃について思い思いの会話をする中で、姫渦は既に持ち前の明るさ(と言うよりもウザさ)を取り戻していた。

 

「ねえねえ姫ちゃん、昨日のニュース見た?クラスのみんなが一瞬映ったでしょ?なんか私、全然目立ってなかったね・・・」

 

「確かにな。」

 

「障子くん辛辣・・・逆に私は血まみれだったからめちゃくちゃ目立ってたよ。」

 

というのも、ヴィランを血祭りに上げた後に、爆豪の応急処置までしていたのだから彼女が返り血で汚れるのも当然といえば当然なのだが。

 

「しっかし、どこのチャンネルも結構デカく扱ってたな!」

 

「ああ、ビックリしたぜ。」

 

「無理ないよ、プロヒーローを輩出するヒーロー科が襲われたんだから。」

 

「そうだよ上鳴くん。それにもしも誰かが殺されたりなんかしてたら、もう向こう一週間は襲撃のニュースで持ち切りに「やめろよ十月乃ォォ!!」

 

「そんなこと考えただけでもチビっちまうだr「うるせぇぞ!黙れカス葡萄!!」ヒィ!」

 

峰田を黙らせた爆豪が不機嫌そうに鼻を鳴らす。

その様子を見ていた姫渦は登校直後から抱き続けていた疑問を爆豪にぶつけた。

 

「何食わぬ顔でいるけど、もう大丈夫なの?爆豪くん?」

 

「喋んなクソ女、失せろ。」

 

「そう、大丈夫だったんだね!良かったぁ。」

 

「言ってねえわ!テメエもう帰れや!」

 

 

爆豪はリカバリーガールの治癒によって既に完全復活を遂げていた。

かなりの重傷ではあったのだが、搬送時の様子を聞いたリカバリーガールが

「そんだけ元気があるんなら完治させても大丈夫さね。治癒ゥ〜〜〜」

・・・という軽い感じで治療したらしい。

 

 

 

そうこうしてる間に時計はホームルーム開始の時刻を告げようとしていた。

 

「皆!朝のホームルームが始まるゥ!私語を謹んで席に着けぇぇい!!」

 

「もう着いてるだろ?」「着いてねぇのおめーだけだ。」

「おはよう常闇くん黒影くん。」「オゥ!オハヨーヒメカ!」「曙に和むもまた一興・・・」

 

全く私語を慎まない女も1名いるのだが、完全にクラスのヘイトは飯田に向いてしまった。

席に悔しがりながら戻った飯田に麗日は「ドンマイ!」と元気よく声をかける。彼女の持つ穏やかさによって、荒ぶる飯田神は鎮められたようだった。

 

 

 

「ねぇ梅雨ちゃん、今日のホームルーム誰がやるんだろ?」

 

「そうね、相澤先生は怪我で入院中のはずだし・・・」 ”ガラガラッ”

 

クラスの過半数以上が思った。ヤバい、ヴィランだ・・・いやしかし見たことある気がするな、この人。少なくともヴィランからはもっとも遠い・・・いや、まさか。そんな筈はない。一日休んだくらいで回復するような怪我じゃ(あ)なかったはずだ!そうだ、きっとそっくりさんだ!(こいつはJ・ガイルの旦那の幽波紋だ!皆反射に気をつけろ!やられるぞ!)そうに違いない!

 

この間、驚愕の1秒。

そんな彼らの仮説は(1名のみ臨戦体制)は既に聞き慣れ始めていた声によって打破された。

 

「おはよう」「「「相澤先生復帰早えェェェ!!!」」」

 

「先生、無事だったのですね!」(無事言うんかな、あれ・・・)

 

飯田の言葉への、麗日の感想はもっとも。実際、全身包帯まみれで両手はギプス固定されているのか、大蛇の如き太さになっていた。

が、プロヒーローイレイザーヘッドはその程度どうってことないと言わんばかりに話を進める。

 

「俺の安否はどうでもいい、何よりまだ戦いは終わってねえ。」

 

 

戦いという単語に反応したのか、姫渦本人も無意識のうちにキング・クリムゾンがうっすら姿を現していた。他の面々も固唾を呑んで、相澤の言葉が続くのを待っている。

 

「・・・雄英体育祭が迫っている(包帯で見えないがドヤ顔してる)。」

 

「「「クソ学校っぽいの来たぁあ!!!」」」

・・・と興奮する者がほとんどなのだが、異を唱える者もチラホラ・・・

 

「いや待て待て!」

「ヴィランに侵入されたばかりなのに体育祭なんかやって大丈夫なんですか?」

「またまた〜相澤先生は合理的虚偽って奴を使い過ぎですよ?まさか本当にやるなんてこと、流石にありえるわけないんじゃあないかn「ホントにやります。」・・・え?」

 

「逆に開催することで、雄英の危機管理態勢が盤石だと示すって考えらしい。警備も例年の5倍に強化するそうだ。何よりウチの体育祭は最大のチャンス。ヴィラン如きで中止していい催しじゃねえ。」

 

「そのヴィラン如きとやらに、やられた人がなんか言ってr”ビシッバシィドゴッ”

 

例の如く余計なことを口走ろうとした姫渦を止めるべく、キング・クリムゾンの拳が炸裂した。

白目を剥いて意識を失った姫渦を完全にスルーし、相澤は雄英高校体育祭の歴史を語り始める。

 

 

 

 

「さてホームルームは以上だ。あと、十月乃には”個性”について少し話がある。ついて来い。」

 

「あの、相澤先生・・・まだ伸びてます。」

 

「あ、そ。じゃあ引きずってくからいいよ。」

 

引きずられて連行される間抜けな姿を最後に彼女を見た者はいない・・・

少なくとも、その日の昼休みまでは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

う〜ん・・・あれ?なんか目線が低くないか?

しかもこの感覚は・・・誰かに引きずられている!?おのれ、どこのどいつd・・・

 

「おはよう。まあ座れよ十月乃、眠気覚ましに茶でも飲もうや。」

 

「え?アバッキオ・・・?アバ茶?歯をクラゲにしないと・・・」

 

「ダメだ相澤くん、まだ朦朧としているようだ。」

 

声のする方を振り返るとそこには養分を吸い取られたオールマイトさんの姿があった。

やっぱり、いつもの3部スタプラボディじゃあないと見慣れないなぁ。

 

「いいえ、もう大丈夫です。ところでなんで私はここに?しかも引きずられてる感覚があったんですけれども・・・」

 

「ここは職員室だ。詳しい話はオールマイト本人の口から聞け。一応おれも立ち会うが、授業も入ってんでたまに拔ける。それとクラスの連中にはお前本人の”個性”についてってことで通してあるからそのつもりでいるように。以上だ。」

 

「いや、以上って言われても・・・」

 

「十月乃少女、USJでのことは覚えているかい?偶然とは言えどこの姿を君に見られてしまった以上は話さなければならないことがあるんだ。

申し訳ないんだが、少し時間をもらえるだろうか?」

 

「はい、構いません。」(むしろ長けりゃ長いだけ授業をサボれるもんね、ウシシ。)

 

「そうか・・・まずは何故私がこの姿になってしまったかということだ。

荒唐無稽な話になるが・・・どうか最後まで聞いて欲しい。

私は過去、とあるヴィランと闘った。人の心をもて遊ぶ史上最低と呼ばれたヴィランとね。

私はその闘いに辛くも勝利した。しかし、その闘いの中で呼吸器官半壊、更には胃の全摘出をしなければならないほどの大怪我を負ってね。度重なる手術と、怪我の後遺症でかつての・・・」

 

そこまで言うとオールマイトはいつもの筋骨隆々の大男へ姿を変える。

それは「授業サボれる」くらいのノリで聞いていたら、想像を絶する重い話だったあまりあ然としている姫渦を安心させるための彼なりの思いやりだった。

自慢の触覚もいつも以上にピンと立っている。

 

「この姿に気軽になれなくなった、というわけさ!HAHAHA!!

でも心配することはないぞ、制限時間こそ設けられてしまったがこの通り私はピンピンしているのだから!

ちなみにこの事実を知っているのは、雄英高校教師の皆と政府上層部、私の親しい人、そして君くらいだ!だからどうか、このまま何も知らない体を貫いてもらいたいんだ!

そのお願いをするためにわざわざ時間を割いてまでここに来てもらったというわけさ!」

 

「・・・フハハッ、クックックッ、ヒヒヒヒヒ、ケケケケケ・・・」

 

「あれ?十月乃少女、大丈夫かい?」

 

「ノォホホノォホ、ヘラヘラヘラヘラ、アヘアヘアヘ・・・」

 

「情報量が多すぎて混乱してるんでしょう。コイツはよくこうなります。特に授業中に、

”起きてる間”は大体この状態ですよ。」

 

「HAHAHA・・・確かに勢い任せで色々と喋ってしまったからな。・・・ゴメンね?」

 

「ホアァ!あ、なんかキュンと来たおかげで頭がスッキリしました!

ああ、じゃあなくて・・・わかりましたオールマイトさん。誰にも言わないし、できるだけ意識しないようにするので。安心してください。」

 

「そうか、ありがとう!それじゃ、もう大丈夫だよ。また何かあったら呼ぶかもしれないから、その時はよろしく頼むぞ!」

 

「はい、じゃあ失礼しました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オールマイトに頭を下げて教室に戻ろうとした姫渦は一人の教師に呼び止められた。

 

「やあ、姫渦さん。オールマイトさんとはちゃんと喋れたかな?」

 

「あ・・・セメントス先生・・・えっと・・・」

 

「ははは、君はまだ気にしているのかい?もういいんだよ。これから頑張ってくれればね。それに、私自身がそのキッカケになれたんだから、むしろ嬉しいくらい。おっと、あまり喋っていては生徒達を待たせてしまうな。それじゃあ、またね。」

 

「あ、はい。また・・・」

(セメントス先生、いつの間にかキャラが変わっているような気がする・・・しかも一人称が私になってたような・・・)

 

「おい、十月乃」

 

立ちすくんでいた姫渦を相澤が呼んだ。どうやら彼もクラスへ戻るらしい。

 

「悪いが腕がコレなんでな、配布物運んでもらえるか?量が多いから”個性”に手伝ってもらっても構わん。落とすなよ。」

 

「あ、はい。キング・クリムゾン!」

 

 

 

キング・クリムゾンと姫渦は大量のプリントやノートを半分こにして相澤の後ろをついていった。相澤は怪我の影響か、足取りがフラフラとおぼつかない。

姫渦はそんな相澤が焦らないようにゆっくりと、手が届く間隔を保ったまま歩いた。

すると、相澤が不意に足を止めて見知らぬ空き教室に入っていった。

不思議そうに見つめる姫渦に相澤は一言「入れ」とだけ告げると教室の奥にある椅子にダランと腰掛けた。

その近くに姫も同じく配布物を置いて座った。

相澤はそれを見るなり間を置かずに話し始める。

 

「セメントス先生は襲撃事件以降からずっとあの様子だ。口調から顔つきから全部丸くなった。表情に関してはまるで仏様だ。

そうなった原因を作ったのが自分だということは理解しているのか、お前は?」

 

「えっと、はい・・・私がヴィラン呼ばわりしたから・・・」

 

多少動揺しながらも姫渦が答えると、相澤はそのままの口調で続ける。

 

「そうだ。でもまあ、見ず知らずの人間があの人を見たら三人に一人くらいはヴィラン呼ばわりするだろうからそれについては問題ない。

お前が問題なのは、すでに知っていなければならないのに知らなかったことだ。」

 

姫渦の肩がピクリと跳ねた。

 

「国語系の授業は襲撃前日までに8回は行われていた。なのにお前はあの人が教師だとを知らなかった。もっと言うなら、入学した日に行ったガイダンス中に、俺は教師だけは紹介しといた。流石にそれまで削るのは合理的云々以前に他の教師に失礼だからな。

なのにお前は知らなかった。・・・何故か説明しろ、端的にだ。」

 

「それは、えっと・・・ガイダンスは聞いてたんですけど・・・ちょっとド忘れしてて・・・それで・・・とっさに、あの・・・」

 

「俺の説明があまりに簡易的過ぎたのは認める。次からはこうならんようにちゃんとやるよ。それが合理的だ。・・・で?早よしろ。」

 

「授業中は・・・その・・・寝て・・・ました・・・」

 

姫渦の握り締めた拳が小刻みに震えていた。

相澤はそのことにはもちろん気づいてはいるのだが、それを気にすることもしない。

 

「・・・他も一緒に言わせてもらおうか。最後にまとめる。俺とて暇じゃないんでな。

オールマイトに嘘をついてまで共闘したらしいな。オールマイトがわざわざ下がってろと伝えたにも関わらず、だ。普通に考えりゃ分かるだろ、自分達じゃ足手まといになるだけだと。

オールマイトはお前の行動を褒めていたが、俺の考えは違う。身の丈に合った動きができない人間は何も守れねえ。・・・時に、我が身も守れないなんてこともよくある。」

 

「それは・・・だって「言い訳なんて合理的じゃないことは辞めろ。耳障りだ。」・・・はい・・・すいません・・・ゥゥ・・・」

 

「今回こそ怪我人だけでなんとか済んだが、これは単なる幸運だ。一歩間違えていれば、全員殺されてたっておかしくはなかったんだ。

お前は今生きていられるのが、自分の力が及んだからだと勘違いしてるだろうから教えといてやるよ。今お前が生きてるのは”単なる幸運”、”たまたま”だ。

授業中寝て過ごして、自惚れに飲まれて、自分の実力を過信し周りを危険に巻き込む・・・

今のお前はヒーローどころか、一社会人としても世に出れない。」

 

 

・・・姫渦は前世を雑に生きてきたタイプの人間である。

口こそ人一倍達者だが、自身は打たれ弱くすぐに傷つく性格だ。(そりゃ嫌われるわなぁ)

目下の人間や同じ立場の人間に何言われるのは、イジメという経験の中で耐性が着いていた。

だが、目上の人間から反論の余地もなくコテンパンに言われる経験はこれが初めてだった。

だから彼女にできるのは涙を堪えて俯くことだけしか残されていなかった。

 

 

「・・・私は・・・でも・・・ッ・・・」

 

「と、ここまではお前の担任、プロヒーロー「イレイザーヘッド」としての言葉だ。」

 

「へ・・・?」

 

先程の地を這うようなしわがれ声とかけ離れた爽やかな声色で言い放つと、相澤は姫渦の方を向き直した。

 

「火災ゾーンに飛ばされたのはお前一人だったそうだが、その場にいたヴィラン約30名を制圧したのはお前だろう?」

 

「えっと・・・はい、そうです。」

 

「追い詰められてた奴らを助けたのも、大型ヴィランの特徴を見抜いて特効薬を作らせたのも、怪我した爆豪に完璧な応急処置を施したのもお前とお前の”個性”だろ?

さっきので何勘違いしたのか知らんが、もし俺がお前に本気で失望してたらこんな長ったらしい話なんてせずに除籍してる。

体力テストんときそうやって自慢げに言いふらしてたのは他でもないお前だったはずだ。

(裏でオールマイトと一緒に全てを聞いていた男)

・・・そうしないのは、お前に可能性を感じたからだ。それが確信に変わったのはついさっきの話だがな。お前、俺に気ぃ使って歩いてたろ。

お前は自分にとことん甘いが、他人にはもっと甘くする節がある。

それはお前なりのヒーローらしさなんだろう。修正する点も多々あるがお前は・・・」

 

相澤は太くなった手で器用に顔の包帯を解いて、傷だらけの顔を姫渦に向けた。

そしてそっと目を細めてこう続けた。

 

「・・・ヒーローになれる。」

 

 

 

D4Cもどき捜索の為だけにこの場にいた姫渦の考えは、この一言で揺らいだ。

 

(そうだよ。皆ヒーローになりたくてここにいるんだ。

私も”結果”を出さないとディアボロ様に顔向けできないもんね。

D4Cもどき捜索は続けるけど、それよりも今は・・・

前世で出せなかった”結果”を出そう、”ヒーロー”っていうカタチで・・・その上で私は・・・)

 

 

 

向き直った姫渦の表情の変化を感じた相澤は満足げに天井を仰いだ。

 

「いい顔になったな。今のお前なら大丈夫だ。て、ことであとはお願いします。」

 

”ガラガラッ”

「お疲れ様!あとは私に任せなさい!まずこのプリントは、数学Iの分野での基本問題を200問分詰め込んであって、ついでに身についたかの確認の為のまとめが100問程度、そんでもって・・・」

 

「・・・ぇ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の昼休み、食堂から教室に帰ってきた葉隠達が目にしたのはワークブックとプリントの山に押し潰されながら、分厚い原稿用紙の上に突っ伏す姫渦の姿だった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

・・・To Be Continued・・・

 

 

 

 




十月乃姫渦 オールマイトの壮絶な過去にシールドを全て削られる。
      直後に仏となったセメントスに出合い状態異常「罪悪感」に陥る。
      それでは終わらず相澤先生による「質問はすでに”拷問”に変わっているんだぜ」
      尋問により残りHP1にまで追い込まれる。
      しかし、相澤先生のヒーローになれる発言で全回復、闘志を取り戻す。
      が、ミッドナイトの発言から、運んでいた書類の山が全て自分に課されていた
      ペナルティだったと知り、原稿用紙20枚分の反省文ラッシュを喰らったことで
      再起不能となった。



キング・クリムゾン 彼がいなければオリ主ちゃんはただのクソ夢女子。
          空気が読める幽波紋ランキングベスト10入りを果たす(?)
          雄英高校は彼の存在と能力に疑問を抱いていたが、USJでの活躍や
          ヒーロー基礎学中における姫渦の言葉からその能力を知った。
          姫渦が除籍にされないのは彼の能力が、あまりにも強大だからだ。



オールマイト 正体がバレたことをどこぞの老齢ヒーローと老齢ヒロインに、注意力散漫も
       甚だしいと怒られた。
       が、別に彼は悪くない。そして彼はカッコいい。
      


相澤先生 自他共に厳しい性格ゆえに、もしも姫渦の”個性”が危険な物でなければすぐにでも
     除籍したい。
     原作でも厳しい人物として描かれる場面が多いが、見込みがあれば復籍、編入も
     考えてくれる為、極度のツンデレと思われる。(作者調べ)
     過去、インターン中に親友を亡くした経験からヒーローという職業のなんたるか
     を人一倍重く考えている。



ミッドナイト (生意気な生徒が絶望に打ちひしがれていく顔・・・はあぁぁ、なんて良い
        気分かしら・・・もうこのまま堕としちゃいましょうか?
        私のことしか考えられないメスにしちゃって、その後は思う存分・・・
        デュフフフフフ・・・」

        (・・・声に出てますよ、ミッドナイト・・・)




メタリカ 本名不詳、性別女、年齢20代前半、出身地不詳の指定ヴィラン。(オレっ娘)
     ”個性”は鉄分操作で、微細な磁力を操作することで体内外問わず鉄分を自在に
     変異、変形させることができる。
     姫渦同様に原作には存在しないイレギュラーの一人だが、幽波紋は有しておらず
     性別や性格も変わっている為詳細は不明。
     ジョニィ・ジョースターらと同じく世界の一巡から生まれた存在とも考えられる
     が、住んでいる平行世界が異なるため仮説の域を出ない。






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