冬の能登半島・哀愁の15番ホーム~新横浜発9時59分の失踪人~ (新庄雄太郎)
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第1章 上野発22時44分の女

上野からは夜行で金沢へ向かう


上野駅 11月30日 21時15分

 

「上野から金沢までは夜行に乗ればいいのか。」

 

と、列車の電光掲示版を見ていた。

 

「えーと、次の上越線経由の寝台特急「北陸」は22時44分か。」

 

ホームへ行くと、北陸へ行く人がいた。

 

彼女は上野駅から上越線経由の寝台特急「北陸」金沢行に乗って能登半島へ旅をする事になった。

 

そこへ、アナウンスが流れた。

 

「まもなくー、22時44分発上越線回り寝台特急「北陸」金沢行きが参ります、危ないですから黄色い線の内側まで、下がってお待ちください。」

 

と、アナウンスが流れた。

 

そこへ、15番ホームに寝台特急「北陸」が入線して来た。

 

「あれが、親不知のヘッドマークの列車ね。」

 

と、言って彼女は列車に乗り込んだ。

 

「ここか、個室A寝台だわ、一度乗って見たかったのよね。」

 

「まもなくー、15番乗り場に22時44分発寝台特急「北陸」金沢行が発車します、ドアが閉まります、ご注意ください。」

 

と、アナウンスが流れた。

 

ピィーッ!

 

22時44分、彼女が乗った寝台特急「北陸」は夜の上野駅を発車した。

 

寝台特急「北陸」は上野の夜に出発して翌朝金沢へ着く、上越線を経由して北陸本線に入る、上野を22時40分に発車して、途中停車駅は高崎、水上、糸魚川、魚津、富山、高岡、津幡、終着金沢へは翌朝の6時33分に到着する。

 

「失礼します。」

 

そこへ、車掌がやって来た。

 

「はい。」

 

「恐れ入ります、乗車券と特急券と寝台券を拝見させていただきます。」

 

「はい。」

 

「金沢ですね。」

 

「はい、私、能登へ行くんです。」

 

「ありがとうございます。」

 

高崎を過ぎると、上越線に入った。

 

そう言って、彼女はベットで眠りについた。

 

スースースー

 

と、彼女が眠っている間は列車は走り続けていた。

 

ピィーッ!

 

と、警笛を鳴らし、彼女が乗った寝台特急「北陸」は魚津で朝を迎えた。

 

5時38分 富山着

 

「富山、元気かな、転校して以来あってないからな。」

 

彼女が乗った、寝台特急「北陸」は定刻通り6時33分に到着した。

 

「金沢か、輪島へ行くには七尾線に乗ればいいのか。」

 

彼女の旅行の日程は、次の通りである。

 

1日目 上野発22時44分発寝台特急「北陸」に乗り、金沢へ

 

2日目 金沢から輪島へ 輪島で1泊

 

3日目 輪島朝市へ見物、輪島-金沢-富山まで列車に乗り、富山の友人に会いに。

 

4日目 富山から13時20分発特急「かがやき7号」に乗り、長岡発、上越新幹線で帰京

 

の日程である。

 

七尾線のホームでは、8時02分発の輪島行急行「能登路1号」が停車していた。

 

「あれが、急行「能登路」ね、輪島行か。」

 

と、彼女は金沢駅の電光掲示板を見て七尾線のホームへ向かった。

 

「まもなくー、4番乗り場から8時02分発七尾線経由急行「能登路1号」輪島行きが発車します、ドアが閉まりますご注意ください。」

 

と、アナウンスが流れた。

 

ジリリリリリリリリリリリリリリリリーッ!

 

と、発車ベルが鳴った。

 

ファーン!

 

女は金沢から8時02分発七尾線経由の急行「能登路1号」に乗り、輪島へ向った。急行「能登路」は警笛を鳴らして金沢駅を発車した。

 

金沢と輪島を結ぶ急行「能登路1号」は8時02分に発車し、津幡 七尾 和倉温泉 終着輪島には10時16分に着く、金沢から津幡までは北陸本線を通る、そこから七尾線に入線し七尾線に入ると能登半島だ。

 

10時16分、急行「能登路1号」は輪島に到着した。

 

「やっと、輪島に来たのね。」

 

と、言って、彼女は輪島駅で下車した。

 

輪島の冬は、荒波の波しぶきがする、それが冬の能登半島だ。

 

彼女は、輪島にある輪島温泉で泊まることにした。

 

「ここは、わりと海が見えるのね。」

 

「そうなんです、輪島は奥能登の中でも人気なんです。」

 

「そうなんですか。」

 

そして、彼女は海岸を散策をすることにした。




そして、いよいよ能登半島の輪島へ


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第2章 鴨ヶ浦

そして、彼女は輪島へやって来た。


彼女は、鴨ヶ浦へ散策をすることにした。

 

「この橋を渡れば、何故塩が吹いてるのかな。」

 

海に大きくせり出した輪島岬の突端です。「猫地獄」「象の鼻」「大蛇の瀬」など、ユーモラスな名前の岩場があります。

東西400メートル、南北150メートルにわたる海蝕作用でできた白っぽい岩礁が広がる、海岸沿いを1周するコースは磯遊びや釣りに最適です。

冬に訪れると真綿のように乱舞する「波の花」も楽しめます。夜間はライトアップもしており幻想的な雰囲気を楽しめます。

 

彼女はそこへ、歩いてみると。

 

「あれ、この人どうしたのかしら。」

 

と、起こしてみると。

 

「えっ。」

 

何と、海岸で男が死んでいた。

 

2時間後、石川県警のパトカーが到着した。

 

「やはり、溺死ですね。」

 

「それで、被害者の身元は?。」

 

「ええ、亡くなったのは東京都練馬区の早乙女正雄さん51歳です。」

 

「でも、どうして輪島の海岸に来てたのかな?。」

 

「そこなんだよな。」

 

そこへ、石川県警捜査一課の今岡部長刑事が小沢警部に言った。

 

「警部、被害者の所持品の中からこんな物が。」

 

「何なんですかね。」

 

「これはどういう意味なのか。」

 

と、事件は謎に包まれていた。

 

この水死体で、鉄道公安隊・公安特捜班にも伝えられた。

 

「えっ、鴨ヶ浦で水死体。」

 

「はい、死因は溺死と考えられますが、被害者の身元は東京在住の早乙女正雄さん51歳です。」

 

「わかりました、早速特捜班の方で調査いたします。」

 

と、高杉は電話を切った。

 

「おい、桜井、松本、石川県警から捜査協力の要請だ。」

 

「早速、当たって見ます。」

 

桜井と松本は、早乙女が勤務する若葉商事へ向かった。

 

「ああ、早乙女なら昨日から休暇してるんです。」

 

「何、休暇、あのー理由は何なんです。」

 

「金沢の出張の後、休暇を取って能登へ行くと言っていました。」

 

「それで、能登へ行ったのか。」

 

「なるほど。」

 

松本と桜井は特捜班に戻り、高杉班長に報告した。

 

「なるほど、出張の後に休暇を取って能登へ行ったのか。」

 

「はい。」

 

「主任。」

 

「どうした、桜井。」

 

「何かあったのか。」

 

「実は、石川県の輪島の鴨ヶ浦で男性のでき死体が発見されたんです。」

 

「何、輪島の鴨ヶ浦で水死体。」

 

「ええ、石川県警では溺死と言っています。」

 

「そう言えば、高山はどうした。」

 

「ああ、高山なら4日間休暇で能登へ行くって言ってたぞ。」

 

「そうか、高山は休暇中か。」

 

「明日には、金沢から特急に乗って、長岡から新幹線に乗って帰って来るそうだ。」

 

「ほう、能登か。」

 

と、南は言った。

 




そして、第2の事件は輪島で起きた。



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第3章 輪島

その頃、高山は休暇で輪島へ旅行していた。


一方、高山は休暇で能登へ来ていた。

 

「やっぱ、いいな能登は。」

 

「うん。」

 

そして、高山は輪島の海岸へ歩いていたら。旅館の人は客の捜索をしていると、事件は起きた。

 

キャーッ!

 

その時、悲鳴が響いた。

 

「何、今の声は。」

 

と、高山は行って見ることに。

 

「どうしました。」

 

「大変よ、人が殺されてるのよ。」

 

「何だって。」

 

高山が見たのは、それは男性の毒殺死体でした。

 

「どう。」

 

「やはり毒殺だ。」

 

「毒殺。」

 

「うん、これは青酸系の毒だ。」

 

「やっぱり、毒殺だ。」

 

「ああ。」

 

暫くして、警察が到着した。

 

「あなたが発見者ですね。」

 

「はい、僕は東京中央鉄道公安室の高山直人です。」

 

「なるほど。」

 

しばらくして、石川県警・捜査一課のパトカーが到着した。

 

「警部、被害者の身元が分かりました。」

 

「本当か。」

 

「被害者は、東京出身の福沢 良介です。」

 

「それで、死因は。」

 

「恐らく死因は毒殺だな。」

 

と、小沢警部は言った。

 

高山は、すぐに高杉班長に連絡した。

 

「何、輪島で殺人。」

 

「はい、被害者は福沢良介です。」

 

「輪島って事は、石川県警か。」

 

「はい。」

 

「よしわかった、石川県警に協力して捜査してくれ。」

 

「わかりました。」

 

と、言って高山は事件の捜査をすることにした。

 

石川県警・輪島署

 

「えっ、2件も。」

 

「はい、昨日起きた殺人は溺死で、今回輪島で起きた殺人は毒殺です。」

 

「なるほど、被害者が毒殺されたって事は。」

 

「実はですね、ウイスキー瓶に毒物が混入されていたんです。」

 

「毒物の種類は何だったんです。」

 

「鑑識によると、混入されていたのは有機化合物と考えられます。」

 

「なるほど、すると福沢はそのウイスキーを飲んで殺害したって事か。」

 

「はい。」

 

そして、事件の謎は深まるばかりでした。

 

次の日、高山はある人に出会った。

 

「あのー、あなたも輪島朝市に来たんですか。」

 

「ええ。」

 

「なるほど、実は僕もなんです。」

 

「よく来るんですか。」

 

「ええ、僕は輪島は初めてなんで。」

 

「そうですか。」

 

輪島朝市

 

「こうてくだぁー」

 

と、威勢のいい販売が行われた。

 

朝市の活気がみえる。

 

「うわっ、海の臭いがするね。」

 

「ホントだ。」

 

海産物の試食をする高山。

 

「これは美味しいよ。」

 

「輪島って、いい街なんですね。」

 

「ええ。」

 

「ところで、次の予定は。」

 

「能登へ行った後は、富山へ行くんです。」

 

「えっ、富山って。」

 

「私の友人がいるの。」

 

「じゃあ、その時に列車に乗って富山へ行くんですね。」

 

「はい、よかった一緒の列車で。」

 

「僕も丁度、金沢発の特急「かがやき」に乗って東京へ帰るんです。」

 

「なるほど、そうだったんですか。」

 

そして、高山と彼女は輪島から金沢へは七尾線に乗り、金沢へ向かった。到着したのは12時ごろである。

 

金沢駅

 

「えーと、金沢から東京へ行くには北陸本線に乗ればいいんだな。」

 

「ええ。」

 

そう言って、高山は12時43分発の特急「かがやき7号」に乗って長岡へ向かい、長岡からは上越新幹線「あさひ318号」に乗り東京へ帰京した。そして、彼女は富山で下車した。

 

次の日、高山が特捜班に出勤した。

 

「へぇー、輪島で殺人に会うとはな。」

 

「ええ、僕もびっくりしたよ。」

 

「とんだ休暇だったな。」

 

「ええ。」

 

「どうだった、休暇は。」

 

と、南は言った。

 

「凄かったよ、能登金剛に白米千枚田、後は輪島朝市、結構楽しいよ。」

 

「能登半島か。」

 

「能登へ行くんだったら、寝台特急に乗って行ったのか。」

 

「ええ。」

 

「なるほど。」

 

そこへ、1本の電話があった。

 

「はい、公安特捜班、何、行方不明、わかった、とにかくそっちへ行くから。」

 

と。電話を切った。

 

「班長、行方不明の捜索願です。」

 

「そうか、よし、南、高山、心当たりを当たって見てくれ。」

 

「わかりました、行くぞ、高山。」

 

「はい。」

 

この日、南と高山は歩夢と侑に会った。

 

「で、誰が行方不明なんだ。」

 

「実はね、この子なの。」

 

「あっ、もしかしてしずくちゃん。」

 

「そうなの。」

 

「誰が行方不明なのか話してくれる。」

 

と、高山はしずくに言った。

 

「実は、私の父が一昨日から行方不明になったの。」

 

「えっ、しずくちゃんのお父さんが。」

 

「ええ、一昨日に旅行バックを持って「暫く、仕事の関係で出かけてくる」と言って、そのまま出て行ってしまったの。」

 

「なるほど、旅行バックを持って出かけたまま行方不明になったんだね。」

 

「ええ。」

 

南は高山に言った。

 

「とにかく、しずくちゃんの家に行って見よう。」

 

「えっ。」

 

「話はそれからだ。」

 

「ありがとう。」

 

南と高山は、歩夢と侑としずくと一緒にしずくの実家である鎌倉へ向かった。

 

「ここが、私の家です。」

 

「しずくちゃん、犬を飼っているんだ。」

 

「ええ、名前はオフィーリアって言うの。」

 

「そうか。」

 

そこへ、しずくの母がやって来た。

 

「お帰り、しずく、こちらの方は。」

 

「鉄道公安隊の南です。」

 

「同じく高山です。」

 

と、手帳を見せる。

 

「早速ですが、しずくの父親の事で話したいのですが。」

 

「えっ、南さんと高山さん鉄道の警察の方でしたか。」

 

「はい、鉄道公安隊です。」

 

「うん、なるほどしずくの父親は若葉商事に勤務しているんですか。」

 

「はい、今は電車に乗って横浜から東京へ通ってるんです。」

 

「なるほど、あのー名前は桜坂の前は磯川になっていますけど。」

 

「ええ、前の夫は仕事を失職後に酒におぼれて殴る蹴るやしずくに虐待されたんです、しずくが小学4年の頃に離婚後に転校して、現在の桜坂になったんです。」

 

「なるほど。」

 

「お母さん、お父さんの事で何か話した。」

 

「公安さん、そう言えば父は何処かへ旅に出るって言って出て行ったまま行方が分からなくなったんです。」

 

「どこへ行くか、言わなかったですか。」

 

「ええ、そこまでは、あっ、そうだ、確か新横浜で新幹線に乗って行くとか言ってたけど。」

 

「何時の新幹線とか言ってましたか。」

 

「そうね、そこまでは。」

 

「わかりました、早速捜索してみます。」

 

「そうですか、ありがとうございました。」

 

と、言って南と高山と歩夢達はしずくの家を出た。

 

鎌倉から戻った南と高山は、すぐに高杉班長に報告した。

 

「何、しずくちゃんの父親が行方不明。」

 

「はい、一昨日から行方不明なんです。」

 

「どこへ行ったか、聞かなかったか。」

 

「ええ、わかってるのは新横浜から新幹線に乗ったって事は分ったんです。」

 

「なるほど、するとしずくの父は新横浜から新幹線に乗って行方不明になったんですね。」

 

「はい。」

 

「名前は、桜坂 弘さん52歳です、若葉商事に勤務していたのですが、去年の4月に沼津支社へ異動されていた事が分かりました。」

 

「そうか、と言う事は新横浜で行方をくらましたって事か。」

 

「ええ。」

 

そして、しずくの家には神奈川県警の吉井警部補と大下刑事がやって来た。

 

「よう、大下。」

 

「おっ、南も来てたのか。」

 

「それで、何か分かった。」

 

「それがな、しずくの家に電話があったんだよ。」

 

「えっ、誰かに電話がかかって来た。」

 

「ええ、父の部屋からこんな物が。」

 

「何なんですかね。」

 

「これは、多分伊豆内浦じゃないかと思いますが。」

 

「うん、熱海と伊豆内浦。」

 

「もしかしたら、お父さんは熱海か伊豆内浦って事も考えられるな。」

 

「パパ、もしかしたら静岡に行ったって事は。」

 

「そう考えられるな。」

 

「ええ、確か再婚旅行の時は熱海と伊豆へ行ってましたよ。」

 

「なるほど。」

 

「うん、もしかしたら内浦って事も考えられるな。」

 

「ええ。」

 

特捜班に戻って来た、南は。

 

「何、伊豆内浦か。」

 

「ええ、事件に関係してると思われます。」

 

「なるほど。」

 

と、高杉は言った。

 

 

 




そして、事件は急展開になる


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第4章 伊豆内浦

そして、南と高山は伊豆内浦へ


次の日、南と高山は高杉班長の命令で沼津へ行くため7時25分発の新幹線「ひかり103号」に乗って静岡へ向かい、静岡からは東海道本線に乗り伊豆内浦へ向かった。

 

「静岡へ行くなら「こだま」の筈なのにどうして「ひかり」で行くんですか。」

 

「うん、そこからは一部の「ひかり」で静岡へ行く事も出来るんだよ。」

 

「へぇー。」

 

「でも、どうして内浦に捜査をするんですか。」

 

「しずくの父は、沼津へ行った可能性があるかもしれん。」

 

「それで、内浦へ行くのか。」

 

「ああ。」

 

南と高山が乗った東海道新幹線「ひかり103号」は8時24分、静岡に到着した。

 

そこから、東海道本線に乗り換えて沼津へ到着した。

 

「この辺が、内浦に近いのか。」

 

「ええ。」

 

「とにかく、内浦へ捜査してみよう。」

 

「ええ。」

 

早速、南と高山は内浦で調べることにした。

 

「えっ、先月にこられた。」

 

「ええ、確か11月の下旬ごろにその男を見かけたけど。」

 

「いつ頃です。」

 

「そうですね、11月の23日ですよ。」

 

「その日に来たんですね。」

 

「はい、その人が何か。」

 

「実はですね、新横浜駅で新幹線に乗って行方不明になったんです。」

 

「えっ、行方不明。」

 

「はい、12月の3日頃に。」

 

その後の調べで、しずくの父は11月頃に沼津へ来ていた事が判明した。

 

「その沼津から帰ってきた後、次の日に新横浜で新幹線に乗ったんだ。」

 

「問題は、どこへ行ったんでしょうか?。」

 

そこへ、高山のスマホがかかって来た。

 

「もしもし、あっ、桜井。」

 

「わかったよ、桜坂の足取りをつかめたよ。」

 

「えっ、本当か。」

 

「恐らく、新横浜9時59分発の新幹線「ひかり217号」にに乗ってる。」

 

「えっ、桜井本当か。」

 

「間違いないわ。」

 

「あっ、桜井内浦へ行って調べてきたけど11月の20日に沼津に来ていたそうです。」

 

「えっ、それ本当なの。」

 

「ああ、その日の休みに沼津と内浦へ来ていたそうです。」

 

「なるほど。」

 

「12日に桜坂の家に電話があって、男の声の人からかかってきたって。」

 

「その相手は。」

 

「わかんない。」

 

「そうか、ありがとう桜井。」

 

と、携帯を切った。

 

「高山、何か分かった。」

 

「実はな桜井から電話があって、11月19日に桜坂の家に男の声の人から電話があったって。」

 

「えっ、本当か。」

 

「うん、今桜井が調べてるって。」

 

その頃、桜井は松本と梶山と一緒に桜坂に話を聞くことにした。

 

桜坂家

 

「しずくちゃんのお父さんにかかって来た男の声の人に心当たりはありせんか。」

 

「そうね、私は知らないわ。」

 

「そう。」

 

「桜井、わかったよ。」

 

「本当か。」

 

「調べて見ると、9時59分発の「ひかり217号」下り新大阪行だ。」

 

「それに乗って、どこへ行ったのでしょうか。」

 

「そこなんですよね。」

 

「問題は、何処へ消えたかだ。」

 

その頃、南と高山は伊豆内浦を捜査をしていた。

 

「あっ、電話だ。」

 

と、南は携帯に出た。

 

「はい南です、えっ、何、しずくちゃんのお父さんのコートが発見された。」

 

「ええ、今そっち向います。」

 

「どうした、高山。」

 

「しずくの父の遺留品が見つかったって。」

 

「えっ、本当。」

 

早速、南と高山は遺留品が発見された現場へ向かった。

 

横浜から、しずくとしずくの母と一緒沼津署へやって来た。

 

沼津警察署

 

「所持品は警察庁を通じて、調査はされていますが、奥さん、しずくちゃん、ご主人の物に間違いないですね。」

 

「はい、間違いありませんわ。」

 

「まさか、お父さん。」

 

と、しずくは心配そうに言った。

 

「これ、何処で発見されたんです。」

 

「三津の粟島です。」

 

南と高山達は、静岡県警・捜査一課の横溝警部に案内してもらい発見現場へ向かった。

 

「現場はこちらです。」

 

「それで、発見したのは。」

 

「この女の子たちなんだ。」

 

高山は、発見した女の子たちに話を聞くことにした。

 

「この辺りで発見したのか。」

 

「うん、あそこだよ。」

 

「そこで、見つけたずら。」

 

「この辺ですか。」

 

「そうだよ。」

 

と、ルビィは言った。

 

「しずくちゃんのお父さんは誰かに襲われたのでしょうか。」

 

「ええ、財布の中には40万残されていました、物取りではありません。」

 

「えっ、物取りではない。」

 

「恐らく、誰かに誘い出されて。」

 

「もしかして、お父さん。」

 

そこへ、静岡県警の警官の声がした。

 

「おい、あったぞ。」

 

「何か見つかったか。」

 

「これは、被害者の手帳です。」

 

「間違いない、お父さんのだわ。」

 

「本当か。」

 

そこへ、若い警官がやって来た。

 

「何か分かったか。」

 

「先月、コートを着た50代の男が来た。」

 

「ええ。」

 

磯川の家に沼津署の小川部長刑事と静岡県警・捜査一課の加藤刑事がやって来た。

 

「磯川さん、恐れ入るが同行してもらうよ。」

 

「わしが妻を殺したって言うのか。」

 

「とにかく、署まで来い。」

 

磯川は、神奈川県警の鎌倉警察署へ連行した。

 

鎌倉警察署

 

磯川は捜査一課の大下刑事に取り調べられた。

 

「別れた娘に会ったのは認めるんだな。」

 

「ああ。」

 

「でも、その男は殺してないぞ。」

 

「本当なのか。」

 

「ああ、本当だよ。」

 

吉井警部補は、磯川に言った。

 

その後、南と高山は新幹線「こだま」に乗って東京へ帰った。

 

 




そして、容疑者と思われる男がいた

しかし、彼には鉄壁のアリバイがあった


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第5章 事件の背景

失踪当日に旅行へ一緒だった村岡に話を聞くことにした。

しかし、村岡には鉄壁のアリバイがあった。


翌日、高山と小海は駅で一緒だった村岡に話を聞くことにした。

 

「えっ、わしのアリバイですか?。」

 

「はい、桜坂の行方を追うために一応お聞きしているんです。」

 

と、小海が言った。

 

「そうですか。」

 

「はい。」

 

「12月2日の木曜日当日は、北陸へ行っていました。」

 

「北陸と言うとどの辺りですか?。」

 

「ああ、行先は金沢と能登辺りに行っていました。」

 

「そうですか。」

 

「はい、よく北陸へ行く時は新幹線と特急かあるいは上野から夜行に乗って行く事もあります。」

 

「なるほど。」

 

「帰りは、米原か名古屋辺りで新幹線に乗って新横浜へ帰りました。」

 

「それ、本当なんですか。」

 

「はい。」

 

「後、誰か一緒に席に座っていたとか覚えていませんでしたか。」

 

「そうだな、わしと一緒に座っていたのは覚えているが、誰だったかは。」

 

「そうですか。」

 

「あのー、行きは何時の新幹線に乗りましたか?。」

 

「そうだな。」

 

「何か覚えていますか。」

 

「そうだな、あの時わしは新横浜駅で下車して、別れたからな。」

 

「それ何時頃なんです。」

 

「ああ、19時頃やったな。」

 

「そうですか。」

 

特捜班に戻った高山と小海は高杉班長に報告した。

 

「桜坂が失踪した当日は村岡は北陸へ行っていたのか。」

 

「はい、事件の当日は新横浜から新幹線に乗って行くと言っていました。」

 

「ほう、なるほど。」

 

「それで、何時の列車に乗ったか聞かなかったか?。」

 

「ええ、わかってるのは新横浜から新幹線に乗ったのは確かです。」

 

「そうか、でもどうやって北陸へ行ったんだ。」

 

「そこなんだよね。」

 

「ええ。」

 

「もしかしたら、名古屋か米原で乗って新横浜で下車した事になるわ。」

 

「そうか、それに桜坂が乗った新幹線は何時だ。」

 

「ええ、確か9時59分発の「ひかり217号」です。」

 

「おお、桜坂が乗った新幹線だな。」

 

「ええ。」

 

「問題は、一緒に乗っていた人は誰なんですかね。」

 

「そこなんだな。」

 

調査した結果、事件当日村岡は新横浜から新幹線に乗り、金沢へ行っていた事が分かった。

 

「もし乗ったとしたら、新横浜から金沢へ行ったって事は。」

 

「そうだな。」

 

早速、高山と鶴岡は時刻表を見て調べることにした。

 

「えーと。」

 

東海道新幹線に乗る。

 

新横浜発 7時56分発東海道新幹線「ひかり205号」に乗車

 

米原着  10時04分 下車

 

米原発  10時12分発北陸本線特急「しらさぎ3号」に乗車

 

金沢着  12時07分着 下車

 

「なるほど、村岡は米原から北陸へ行ったのか。」

 

「はい。」

 

「逆に桜坂は米原から乗る特急は違うんです。」

 

「えっ。」

 

と、調べて見ると。

 

新横浜発 9時59分発東海道新幹線「ひかり217号」に乗車

 

米原着  12時04分 下車

 

米原発  12時12分発北陸本線特急「きらめき1号」に乗車

 

金沢着  14時08分 下車

 

「そうか、時間によっては特急が違うのか。」

 

「はい。」

 

「村岡の話だと金沢で一緒になり、夕食は桜坂と一緒に食べたと言っています。」

 

「そうか。」

 

「そして、2人を殺害したって事は考えられますね。」

 

「可能性がありますね。」

 

「とにかく、犯行は可能かどうかだ。」

 

「ええ。」

 




そして、犯行は可能なのか?



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第6章 アリバイ捜査

だが、高山は行きの新幹線は京都へ下車したのではないかと


「村岡は、名古屋か米原で新幹線に乗ったんだよな。」

 

「ええ、問題は一緒に乗っていたって言ってましたけど。」

 

「そこが盲点だよな。」

 

「ああ、調べて見たら米原と名古屋ではなく京都ではないかと。」

 

「なるほど、京都から新幹線に乗って東京へ帰京してたって事か。」

 

「はい。」

 

南は、鶴岡と高山と一緒に村岡と一緒に乗っていた人に会うことが出来た。

 

「あのー、あなたが新幹線で村岡さんと一緒だったんですね。」

 

「はい。」

 

彼の名前は、川本淳郎。

 

「あの時、私は新潟へ行って金沢と輪島へ行き、その翌日は京都へ行っていました。」

 

「えっ、京都ですか。」

 

「ああ、京都から帰京する時ですね。」

 

「ええ。」

 

「6日に京都から東海道新幹線に乗って東京へ帰る時でした。」

 

「村岡さんとはその時は一緒でしたか。」

 

「もちろんです。」

 

「アリバイ成立か。」

 

「はい。」

 

川本は、特捜班たちに話した北陸旅行は次の通りだった。

 

12月2日 午前10時、東京出発

 

東京発10時08分上越新幹線「あさひ309号」に乗車

 

新潟着12時01分 下車 新潟市内のホテルで1泊

 

12月03日 午前7時15分、ホテルを出発

 

新潟発8時26分上越新幹線「あさひ302号」に乗車

 

長岡着8時50分 下車

 

長岡発9時04分発北陸本線特急「かがやき2号」に乗車

 

金沢着11時34分 下車 金沢市内で1泊

 

12月4日 金沢を出発 七尾線で向かい、輪島へ一泊

 

12月5日 輪島-金沢-京都と特急「雷鳥」に乗り、京都へ一泊

 

12月6日 新幹線で東京へ帰京

 

「ほう、新幹線に乗るのは京都だから「加越」ではなく「雷鳥」に乗ったのか。」

 

「はい、川本は金沢から京都へ行ったと言っています。」

 

「それで、桜坂には会わなかったか。」

 

「ええ、金沢駅で七尾線のホームで一緒に輪島へ行っていたと言っています。」

 

「そしたら、輪島で待っても来なかったから七尾線に乗って金沢へ向かったと言っています。」

 

「と言う事は、帰りの新幹線に乗って一緒だったって事は。」

 

「それもあるな。」

 

「と言う事は、行きは京都で帰りは米原って事になりますね。」

 

「なるほど、村岡が2つの殺人の犯人の可能性があると。」

 

「そうです。」

 

「川本が金沢から京都へは「雷鳥」に乗ったって言ってたよね。」

 

「うん、考えられるな。」

 

と、高山は時刻表を見て見ると。

 

金沢から京都へ北陸本線に乗る。

 

金沢発 13時48分特急「雷鳥32号」に乗車

 

京都着 16時36分着 下車

 

「やはり、京都へ行ったのは本当ですね。」

 

「ええ。」

 

「うん、帰りは京都から新幹線に乗って帰京したことになりますね。」

 

「確かに、京都へ行ったのは本当ですね。」

 

「ええ。」




そして、事件の犯人は

村岡のアリバイは崩れるのか


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第7章 しずくと一緒に能登へ

そして、捜索と事件の足取りを追うため、南と高山はしずくちゃんと一緒能登へ


次の日、南と高山と小海と鶴岡はしずくちゃんと一緒に奥能登・輪島へ向った。

 

「と言う事は、しずくちゃんのお父さんは横浜で新幹線「ひかり」に乗ったんだよね。」

 

「ええ。」

 

「と言う事は、名古屋か米原で特急に乗り換えた事になるな。」

 

と、鶴岡は言った。

 

「よしっ、早速能登へ行って見よう。」

 

「ええ。」

 

「時刻表、持ってきました。」

 

「ご苦労さん、高山。」

 

南としずく達は東京駅9時42分発の「ひかり217号」に乗って能登へ向かった。

 

新幹線「ひかり217号」の車内にて

 

「俺、時刻表とても好きなんだ。」

 

「本当。」

 

「ちなみに、しずくちゃんは。」

 

「ええ、歩夢さんと侑さんとせつ菜さんと一緒に旅行したことあります。」

 

「あのー、南さん。」

 

「何。」

 

「お父さんは生きてるんですか。」

 

「ああ。そうだな」

 

「確か、高山は輪島で1人旅の女に会ったって言ってなかったか。」

 

「あ、そう言えば、僕が朝市に行った時にその女にあったな。」

 

「それ、本当か。」

 

「ええ。」

 

新横浜駅 9時59分

 

「ここから、しずくちゃんのお父さんが乗り込んだ。」

 

「はい。」

 

「と言う事は、米原で特急に乗り換えたんだ。」

 

「ええ、間違いないな。」

 

南と高山達が乗った、新幹線「ひかり217号」は米原に到着した。

 

「と言う事は、米原から特急に乗るとしたら特急「きらめき1号」に乗ることが出来ますね。」

 

「ええ。」

 

「あれがそうかな。」

 

「よし、乗ろう。」

 

南と高山達は12時12分発の北陸本線特急「きらめき1号」に乗り込んだ。

 

特急「きらめき」は米原と金沢を結ぶ新幹線連絡特急である、1日2往復運転されている、92年のダイヤ改正で「きらめき」に3列式のグリーン車が導入された。東京と北陸へ行くには便利の特急列車である、南と高山達が乗った特急「きらめき1号」は米原を12時12分に発車し、途中停車駅は敦賀、武生、鯖江、福井、芦原温泉、加賀温泉、小松、終着金沢へは14時08分に到着する。

 

14時08分、金沢へ到着。

 

「金沢から輪島へ行くには七尾線に乗るといいですね。」

 

「ええ。」

 

「よし、早速七尾線に乗って見よう。」

 

七尾線に乗り、輪島へ到着した。

 

ホテル・高州園

 

「ああ、桜坂さんですか。」

 

「はい。」

 

「4日の日に、チェックアウトされています。」

 

「あのー、その後はどこへ行ったか覚えていませんでしたか。」

 

「そうですね、その後の事は知りませんな。」

 

「3日に輪島で殺人が起きた日と同じだな。」

 

「犯人は輪島に来ていたって事ね。」

 

「そして、海岸で高山に会った女と桜坂は偶然現場にいた。」

 

「と言う事は、村岡に共犯がいたって事か。」

 

「ええ。」

 

と、小海が言った。

 

そこへ、村岡がやって来た。

 

「おい、又俺を疑っているのか。」

 

「ええ、今裏付け捜査をしていますよ。」

 

「これ以上しつこくすると、名誉棄損で訴えるぞ!。」

 

「それはどうかな?。」

 

「村岡は事件当日、何をしていましたか。」

 

「えっ、そう言われてもね。」

 

「そうですか。」

 

「いいか、証拠もなかったら訴えるからな、覚えておけよ。」

 

「お父さんは何処にいるの?。」

 

「それは知らんな。」

 

と、村岡は惚ける。

 

「あなたは知ってるんですか。」

 

「しつこいな、あんたも。」

 

「何か、知ってるんですか。」

 

「そして、輪島へ行った後は金沢へ行って、その後は金沢から特急に乗って横浜へ帰ったよ。」

 

「それ本当なの。」

 

「ああ、もちろんさ。」

 

「アリバイ成立ですね。」

 

「ええ。」

 

「とにかく、桜井と松本に調べてもらおう。」

 

「ええ。」

 




そして、事件は意外な展開になった


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第8章 崩れたアリバイ

犯人はどんな列車トリックを使ったのか


「そうか、やっと能登に来たのか。」

 

「ええ。」

 

「実は、桜井に調べてほしいことがあるんだけど、お願いできる。」

 

「それで、桜坂の足取りはつかめた。」

 

「ええ、新横浜から「ひかり」に乗って米原で「きらめき」に乗り次いで金沢へ行った事がわかったよ。」

 

「えっ、それ本当なの。」

 

「うん、9時59分に「ひかり」に乗って米原へ行ったのね。」

 

「そうだ。」

 

「なるほど、失踪事件の前に能登へ行っていたのね。」

 

「そうだ、桜井は松本と梶山と一緒に調べて見てくれ。」

 

「わかったわ、今メモを取るから?。」

 

と、桜井はメモを書いた。

 

「村岡が事前に来ていた、12月の7日に輪島を離れた、二人を殺害した可能性があるのね。」

 

「はい。」

 

「事件前と失踪前に能登へ来ていたと。」

 

「わかった、調べて見るよ。」

 

と、桜井は松本と梶山に時刻表を見せてもらった。

 

「とにかく、犯行は可能かどうかね。」

 

「よしっ、調べて見るよ。」

 

「うん。」

 

「えーと、新横浜から東京から輪島へ行ったって事は。」

 

「それも考えられるわ。」

 

早速、松本は時刻表で調べて見た。

 

「そうか、上越新幹線か。」

 

東海道新幹線「ひかり126号」

 

新横浜発 9時32分

 

東京着  9時49分

 

上越新幹線「あさひ309号」

 

東京発 10時08分

 

長岡着 11時41分

 

北陸本線特急「かがやき4号」

 

長岡発 11時49分

 

和倉温泉着 15時23分

 

七尾線

 

和倉温泉発 15時29分

 

輪島着   16時08分

 

「そうね、犯人はこれに乗って輪島に行くのかな。」

 

「もしかしたら、米原で乗り換えたことは。」

 

「そうだな。」

 

東海道新幹線に乗る。

 

新横浜発 7時56分発東海道新幹線「ひかり205号」に乗車

 

米原着  10時04分 下車

 

米原発  10時12分発北陸本線特急「しらさぎ3号」に乗車

 

和倉温泉着 13時06分

 

和倉温泉発 13時29分七尾線に乗車

 

輪島着   14時48分

 

「そうね、これは無理だわ。」

 

「出発したのは、11月の終わりぐらいかな。」

 

「そうね、失踪前日に輪島で殺人が起きたからね。」

 

「と言う事は、鴨ヶ浦海岸突き落として溺死したって事ね。」

 

「それは考えられるな。」

 

「問題は、どうやって新幹線に乗って何処へ下車したかだ。」

 

と、その時桜井はピン!ときた。

 

「待てよ、新横浜から新幹線に乗るなら京都駅があるじゃないか。」

 

新横浜発 8時34分東海道新幹線「ひかり43号」

 

京都着  10時58分

 

京都発  11時09分北陸本線特急「スーパー雷鳥19号」に乗車

 

和倉温泉着 14時35分

 

和倉温泉発 14時41分発七尾線に乗車

 

穴水着   15時17分 下車

 

「穴水からはタクシーで輪島へ行ったって事ね。」

 

「うん。」

 

「第1の事件は、鴨ケ浦海岸で早乙女を突き落として殺害した。」

 

「石川県警によると、死亡推定時刻は16時15分頃です。」

 

「そして、第2の事件は輪島の毒殺は前もって毒入りのウイスキーを用意していた。」

 

「なるほど、福沢は輪島で毒殺されたって事ね。」

 

「それで松本、死亡時刻は。」

 

「小沢警部の話では、朝の7時20分と思われます。」

 

「そうか、犯人は村岡 辰夫か。」

 

「ええ。」

 

「と言う事は、帰りは輪島から金沢へ行き、金沢から米原特急に乗って新横浜へ帰った。」

 

と、時刻表を調べて見ると。

 

輪島発 8時24分 七尾線に乗車

 

穴水着 8時55分 七尾行に乗り換える

 

穴水発 9時03分 乗車

 

七尾着 9時45分 金沢行に乗り換える

 

七尾発 9時55分 

 

金沢着 11時09分 下車

 

金沢発 13時27分 北陸本線特急「加越8号」に乗車

 

米原着 15時27分 下車

 

米原発 15時35分 東海道新幹線「ひかり252号」に乗車

 

新横浜着 17時39分 下車

 

「帰りは、川本と一緒に乗っていたから、新横浜で下車する事は可能ですね。」

 

「そうか、犯人はそれを利用したのか。」

 

と、松本は言った。

 

そこへ、高杉班長がやって来た。

 

「おう、何か分かったか。」

 

「班長、失踪前日村岡は輪島へ行っていました。」

 

「何、それ本当か。」

 

「ええ、「ひかり」と「スーパー雷鳥」と七尾線に乗り次いで犯行を行ったんだよ。」

 

「なるほど。」

 

「すぐに南達に知らせるわ。」

 

「ところで、南達は。」

 

「今、桜坂しずくと一緒に輪島へ向っている。」

 

「そうか。」

 

そこへ、輪島から高杉と桜井に電話がかかった。

 

「そうか、やはり村岡が。」

 

「ええ、2日間能登に入たのね。」

 

「ああ。」

 

「そして、9日に金沢から米原まで特急に乗って新幹線で新横浜へ帰ったのか。」

 

「はい、可能性があります。」

 

「うん、後伊豆内浦で発見された所持品は村岡ではなく、村岡の共犯が捨てたんだろう。」

 

「やっぱり、そうか、共犯がいたのか。」

 

「ええ、主任と高山の言う通りだったわ。」

 

「そうか、我々は引き続き桜坂の捜索と村岡の捜査を続けます。」

 

「うん、南と高山達は引き続き捜査してくれ。」

 

「わかりました、早速石川県警に連絡します。」

 

「うん、頼むよ。」

 

そして、南は言った。

 

「これで、村岡のアリバイは崩れたな。」

 

「ねぇ、やっぱりお父さんは村岡に殺されたの?。」

 

「いや、詳しいことは分らない。」

 

「えっ。」

 

「主任、鶴岡、小海さん。」

 

「何か分かったか。」

 

「今班長から連絡が会ったけど、この事件に共犯がいるらしいんだ。」

 

「えっ、本当それ。」

 

「恐らく、そいつが村岡の仲間かもしれんな。」

 

「ええ。」




そして、事件は終結を迎える


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第9章 荒波の断崖

いよいよ、最終章がやって来ました。


次の日、南の連絡で石川県警・捜査一課の小沢警部がやって来た。

 

「どうもお待たせしました、私、石川県警・捜査一課の小沢と言います。」

 

「鉄道公安隊の南です、先ほど電話をいただきまして。」

 

「同じく、高山です。」

 

「いえいえ。」

 

「何か分かりました。」

 

「早速、捜査したところ、行方不明の桜坂は午前8時頃に金沢駅であなたが調べた川本と一緒に七尾線に乗るところを目撃されています。」

 

「あのー、何時の七尾線か覚えていますか。」

 

「ええ、調べたところ午前8時の急行「能登路1号」と判明しました。」

 

「やはり、川本と一緒に乗っていたのは本当だったんだ。」

 

「はい、高州園に確認したところ、4日にチェックアウトされ、輪島朝市で一緒だったことがわかりました。」

 

「そうか。」

 

「恐らく桜坂は新横浜から新幹線に乗り、米原から北陸本線に乗り継ぎ金沢へ行った事がわかりました。」

 

「それって、新横浜発の「ひかり217号」じゃないでしょうか。」

 

「そうです。」

 

「やはり、桜坂は。」

 

「はい、金沢へ到着したのは14時頃と着いたと思われます。」

 

「高州園に出たところで、犯人に殺害された可能性も。」

 

「ええ、恐らく。」

 

「やはり、犯人は村岡か。」

 

「いいや、そこまでは。」

 

「もし、そうだとしたら現場は。」

 

と、高山が言うと。

 

「志賀町の能登金剛ですね。」

 

「はい、早速、我々も捜査してみます。」

 

「お願いします、後共犯がいる可能性もありますので」

 

「わかりました。」

 

「主任、やっぱりしずくちゃんのお父さんは。」

 

「ああ、恐らく遺棄したかだ。」

 

「ええ。」

 

「桜坂は、「ひかり」と「きらめき」に乗って金沢へ行って、そこから急行「能登路」に乗って輪島へ行った。」

 

「なるほど。」

 

その頃、桜井と松本は川本に話を聞くことにした。

 

「ああ、桜坂さんの事ですか。」

 

「はい。」

 

「ええ、行く時は8時の急行「能登路1号」で一緒でした。」

 

「それ、本当ですか。」

 

「はい。」

 

「その時に、何か気づいたことは。」

 

「そうだな、下りホームで帽子をかぶった男を見たな。」

 

「それ、何歳ぐらい。」

 

「確か、27歳ぐらいの男でしたよ。」

 

川本の証言で村岡の共犯は27歳の男と判明した。

 

「えっ、共犯がいた。」

 

「はい、家の桜井が調べたんです。」

 

「なるほど。」

 

「よし、恐らく桜坂は能登金剛に突き落として殺害したんだろう。」

 

「早速、志賀町で捜索しよう。」

 

「了解。」

 

小沢警部は南と高山達に言った。

 

「いやー、さすが名推理だよ。」

 

「いえいえ、それほどでも。」

 

南と高山達は、石川県警のパトカーに乗り志賀町へ向かった。

 

「警部、桜坂のコートが発見されました。」

 

「本当か。」

 

「やはり、しずくの父か。」

 

そこへ、高山と鶴岡も駆けつけてきた。

 

「恐らく、桜坂は能登金剛で殺害し、志賀の海岸で遺棄したんだ。」

 

「やはり、村岡が。」

 

「ええ。」

 

「お父さん、お父ーさーん。」

 

と、しずくは父の遺体で泣き叫んでいた。

 

小海はしずくを慰めてやり、南と高山と鶴岡は犯人の逮捕へ向かった。

 

その頃、彼女は七尾線に乗って穴水で下車した。

 

「能登金剛か。」

 

と、言って彼女は能登金剛へ向かった。

 

「どこにいるの、出てきなさい。」

 

能登金剛

 

「イッヒヒヒヒヒ。」

 

「やっぱりお前が犯人だったのか。」

 

「誰だ、てめぇ。」

 

「鉄道公安隊だ。」

 

「その女を放すんだ。」

 

「やはり、お前が殺害したのか。」

 

「あれは、村岡が指示されてな。」

 

と、鶴岡は山辺を確保し、手錠をかけた。

 

「大丈夫ですか。」

 

「はい、あなたは輪島の時の。」

 

「そうです、輪島朝市の時ですよ。」

 

「あなた、鉄道公安だったんですか。」

 

「はい。」

 

「でも、どうして能登へ。」

 

「実は、若葉商事で不正の調査をしていたんです。」

 

「じゃあ、あなたは若葉商事の内部調査員。」

 

「はい、名前は安藤和子です。」

 

「なるほど、やはり村岡と山辺が。」

 

「はい。」

 

「これが証拠か。」

 

「はい。」

 

「わかった、すぐ東京に連絡して捜査してもらう。」

 

そして、次の日南の知人吉井警部補と大下刑事に連絡し、村岡の逮捕へ向かった。

 

「村岡辰夫、殺人及び死体遺棄の容疑でお前を逮捕する。」

 

「えっ、何。」

 

と、大下刑事は村岡に手錠をかけた。

 

特捜班の通報者、上原 歩夢と高咲 侑の後輩桜坂 しずくの父が新横浜発9時59分「ひかり217号」に消えてから丁度4日目の事でした。その後、東京地検特捜部が横浜支社に強制捜査が入った。殺害された3人は村岡の不正を止めようとしたが、村岡の仲間に口封じで殺害したことを自供した。

 

こうして、新横浜発の新幹線ひかり号失踪事件は解決した。

 

 

 

 




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劇中の列車時刻は平成4年のダイヤを使用しています


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