【悲報】起きたらウマ娘になってたんだが【助けて】 (らっきー(16代目))
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目標設定
1:名無しのヒトミミ
マジで意味分からん。誰でもいいから助けてくれ
2:名無しのヒトミミ
嘘乙
3:名無しのヒトミミ
童貞の妄想か?とりあえずスペックはよ
4:名無しのヒトミミ
>>2 本当なんだって!
>>3 りょ
5:1
スペック
ピチピチのJC
芦毛
スピード:82
スタミナ:88
パワー:80
根性:100
賢さ:68
数字はワイの適当な
6:名無しのヒトミミ
賢さひっく、もっと勉強しろ
7:名無しのヒトミミ
根性だけ自信持ってるのはなんなん?
8:名無しのヒトミミ
可もなく不可もないな
9:1
忙しくてレースとか見た事も無かったからな
根性はブラック企業勤めだからこんなもんやろ
10:名無しのヒトミミ
あっ…(察し)
11:名無しのヒトミミ
過労で頭がぶっ壊れたか
12:名無しのヒトミミ
レース見た事無いやつとかこの世にいるんか?
13:1
ここにいるんだよな…
14:名無しのヒトミミ
JCがこんなネットの肥溜めに来るなよ
15:名無しのヒトミミ
それで?イッチは何して欲しいん?
16:1
正直それすら分からん。ワイは何をしてもらえばいいんや?
17:名無しのヒトミミ
ウマ娘ならとりあえず目標レースでも決めたら?
18:名無しのヒトミミ
自撮り上げてネットのアイドルになったらいいらしい
19:名無しのヒトミミ
エロ自撮りか?拡散は任せろ!
20:1
>>17 まだトレーナーすらおらんのだが…
>>18 >>19 死ね
21:名無しのヒトミミ
よっしゃ、ワイらがイッチの人生の目標決めたる!
22:名無しのヒトミミ
安価か!?
23:名無しのヒトミミ
安価スレだ!囲め!
24:名無しのヒトミミ
ヒャッハー!新鮮な安価だぜぇ!
25:名無しのヒトミミ
どっから湧いたんだこいつら(困惑)
26:名無しのヒトミミ
やっぱ安価スレは人気なんやなって
27:1
ええ…じゃあそれでいいよ
とりあえず目標3つ
>>30
>>35
>>40
28:名無しのヒトミミ
ksk
29:名無しのヒトミミ
ダービーウマ娘
30:名無しのヒトミミ
無敗の三冠
31:名無しのヒトミミ
スタミナをあえて鍛えない
32:名無しのヒトミミ
トレセン学園爆破
33:名無しのヒトミミ
トリプルティアラ
34:名無しのヒトミミ
パカチューブデビュー
35:名無しのヒトミミ
凱旋門賞制覇
36:名無しのヒトミミ
有マ記念出走
37:名無しのヒトミミ
同室のウマ娘とドロドロナメクジおせっせ
38:名無しのヒトミミ
寮長になる
39:名無しのヒトミミ
海賊王になる
40:名無しのヒトミミ
トレーナーを落とす
41:名無しのヒトミミ
火影になる
42:名無しのヒトミミ
こんなもんか
43:名無しのヒトミミ
どれや?
44:名無しのヒトミミ
無敗の三冠、凱旋門賞制覇、トレーナーを落とす
この3つやね
45:名無しのヒトミミ
終わった
46:名無しのヒトミミ
解散
47:1
全然分からんから誰かワイに説明してくれ
48:名無しのヒトミミ
・シンボリルドルフ以外達成したウマ娘がいない
・今まで誰も達成してない
・これはいけそう
49:名無しのヒトミミ
いけそうは草。不純異性交友で退学でしょ
50:名無しのヒトミミ
バレなきゃええ!恋愛は冒険や!
51:名無しのヒトミミ
上の2つから目を背けるな
52:名無しのヒトミミ
無敗の三冠は可能性0とは言いきれんけど凱旋門は0でしょ
53:名無しのヒトミミ
イッチのスペックからして無理でしょ
54:1
そんな…でも美少女やで?
55:名無しのヒトミミ
関係なくて草
56:名無しのヒトミミ
証拠見せろ
57:名無しのヒトミミ
まあ本当にウマ娘なら美人なんだろうけど、イッチブラック企業勤めのおっさんでしょ?
58:1
おっさんじゃない!お兄さんだ!…ギリギリ
59:名無しのヒトミミ
諦めろおっさん
60:名無しのヒトミミ
ハゲ
61:名無しのヒトミミ
童貞
62:1
…話を戻そうか。目標はもう安価通りでいいとして、その場合ワイはまず何するべきなんや?
63:名無しのヒトミミ
練習しろ
64:名無しのヒトミミ
練習
65:名無しのヒトミミ
お勉強
66:名無しのヒトミミ
まずはトレーナー見つけるところやな
67:名無しのヒトミミ
トレーナー探しのために選別レースに出な
68:1
練習して選別レースか。メイクデビューってやつか?
69:名無しのヒトミミ
それはまた別。トレーナーがつかないとデビュー戦も出来んぞ
70:名無しのヒトミミ
こいつ勉強から目を逸らしたな
だからそんな事も知らないんか
71:1
>>70 うるさい
練習って何したらええんや?
72:名無しのヒトミミ
トレーナーに聞け、それが仕事やぞ
73:名無しのヒトミミ
ワイらがエリート様の仕事なんて分かるわけないやろ
74:名無しのヒトミミ
とりあえずトレーナーが付いてないウマ娘を見てくれる教官に聞きな
75:名無しのヒトミミ
そんな人おるんか
76:名無しのヒトミミ
おるらしいで、姉ちゃんが言ってた
77:名無しのヒトミミ
は?
78:名無しのヒトミミ
は?
79:名無しのヒトミミ
は?
80:名無しのヒトミミ
殺す
81:名無しのヒトミミ
妬ましい
82:名無しのヒトミミ
いや、別に有名人やないで。中央でもないし
83:名無しのヒトミミ
それでも殺す
84:名無しのヒトミミ
美人な姉がいるだけで許せねぇよなぁ!
85:名無しのヒトミミ
姉のスペックと顔写真はよ
86:名無しのヒトミミ
画像も貼らずに姉自慢とな!?
87:1
話戻してええか?
とりあえず教官のところいって練習。そのあと模擬レース出場してトレーナーを誘惑する。これでええんか?
88:名無しのヒトミミ
まだおったんか妄想に囚われたおっさん
89:名無しのヒトミミ
それでいいよ(適当)
90:名無しのヒトミミ
誘惑は草、もっと言い方あるやろ
91:名無しのヒトミミ
まあ落とすのが目標だし、多少はね?
92:1
よっしゃ当面の行動は決まったな
それでもう1つ頼みたい…というか決めたいんやが
93:名無しのヒトミミ
なんや?
94:名無しのヒトミミ
暇だし付き合ってやるよ
95:1
サンクス。実はな…名前が無いねん
96:名無しのヒトミミ
は?
97:名無しのヒトミミ
育児放棄でもされたんか?
98:名無しのヒトミミ
嘘乙。ウマ娘は3女神からご信託を受けて名前を授かるから
99:1
いや、ヒトとしての名前?っぽいのはあるんだけど、競走ウマ娘として登録するのにそれ用の名前を決めなきゃいけないらしい。
100:名無しのヒトミミ
ほーん
101:名無しのヒトミミ
そんな風になっとるんか
102:名無しのヒトミミ
姉いるニキ、これってマジなん?
103:1
本当だって!書類upしようか?
104:名無しのヒトミミ
姉一緒には暮らしてないから分からんわ。でも姉ちゃんは結構小さいうちに名前決めてた気がする
105:名無しのヒトミミ
ガセ…いや本当…いやガセ…保留で
106:1
信じてもらえ…たかは微妙だけどとりあえず安価や!みんなこれが目的やろ!
安価、ワイの名前
>>120
107:名無しのヒトミミ
ksk
108:名無しのヒトミミ
ksk
109:名無しのヒトミミ
結構下やな
110:1
ちなみに9文字までな。決まってるらしい
111:名無しのヒトミミ
ウンチーコング
112:名無しのヒトミミ
ウンチーコング
113:名無しのヒトミミ
ウンチーコング
114:名無しのヒトミミ
タドコロ野獣
115:名無しのヒトミミ
ノレドノレフ
116:名無しのヒトミミ
モトヒトミミ
117:名無しのヒトミミ
カロウシ
118:名無しのヒトミミ
エクリプス
119:名無しのヒトミミ
ブラックキギョー
120:名無しのヒトミミ
フォルティシーム
121:名無しのヒトミミ
スペシャルマンス
122:名無しのヒトミミ
ゴールデンウィーク
123:名無しのヒトミミ
汚すぎて涙がで、でますよ
124:名無しのヒトミミ
後半マトモになってきて良かったな
125:名無しのヒトミミ
1文字ずつ決めても良かったかもしれんね
126:名無しのヒトミミ
フォルティシーム?ってどういう意味や?
127:名無しのヒトミミ
最強って意味らしい。名前負けやね
128:名無しのヒトミミ
イッチには名前に相応しいウマ娘になってもらわんとな
129:1
名前が重すぎる…ま、何とかなるっしょ(楽観的)
あ、ついでに1つ聞いてええか?
130:名無しのヒトミミ
なんや?
131:名無しのヒトミミ
しゃーなしやな。早く言え
132:1
サンクス。レースってどうすれば勝ちなん?
133:名無しのヒトミミ
これは賢さ1桁
134:名無しのヒトミミ
そんなもん最初っから最後までずっと前にいるか、1番後ろから全部一気に追い抜いて先頭に出るかよ。そうすれば1位や!
135:名無しのヒトミミ
これは賢さ1200理論
136:名無しのヒトミミ
天才のそれ
137:名無しのヒトミミ
後は距離適性か?イッチ、短いのと普通のと長いのどれが好き?
138:1
分からん!
139:名無しのヒトミミ
ええ…(困惑)
140:名無しのヒトミミ
とりあえず中距離走らせとけ
141:名無しのヒトミミ
三冠走るなら中距離と長距離が必要だな
142:名無しのヒトミミ
凱旋門賞も2400だから中距離か
143:名無しのヒトミミ
中距離走れるようにしとき。安価とか関係なしに1番オススメよ
144:名無しのヒトミミ
世の中普通が1番。はっきりわかんだね
145:1
よく分からんけど分かった!とりあえず模擬レースは中距離にするわ!
146:名無しのヒトミミ
よっしゃ
147:名無しのヒトミミ
残念でもないし当然
148:名無しのヒトミミ
これで生粋のスプリンターだったらクソウケるけどな
149:名無しのヒトミミ
マイラーの可能性を忘れるな
150:名無しのヒトミミ
全部適性なしが1番ウケるぞ
151:名無しのヒトミミ
笑えないんだよなぁ…
152:名無しのヒトミミ
ウマ娘には曇らせが似合う。はっきりわかんだね
153:名無しのヒトミミ
ダークオタクだ
154:名無しのヒトミミ
まあ(一勝もできないウマ娘の方が多いらしいし)多少はね?
155:名無しのヒトミミ
今更だけどそもそも中央のウマ娘なんか?地方やったら全て終わるが
156:名無しのヒトミミ
なんでや!トレーナー落とすのは地方でもできるやろ!
157:名無しのヒトミミ
地方なんてうだつのあがらないおっさんおばさんしかおらんやろ
158:名無しのヒトミミ
嘘乙。ワイらよりマシだから
159:名無しのヒトミミ
やめろ
160:名無しのヒトミミ
マジでやめろ
161:1
中央やで。部屋のパンフに書いてあった
162:名無しのヒトミミ
一安心
163:名無しのヒトミミ
地方から中央にのし上がって凱旋門賞とっても面白そうだけどな
164:名無しのヒトミミ
出来るわけないやろ
165:名無しのヒトミミ
地方とかよく知らんから助かったわ
166:名無しのヒトミミ
安価映えするのは中央でしょ
レースの中継でイッチが嘘つきかどうかも分かるしな
167:名無しのヒトミミ
誰も信じてないから地方でも問題ないぞ
168:名無しのヒトミミ
それはそう
イッチは信じて欲しかったら自撮り晒せ
169:名無しのヒトミミ
自撮り要求ニキは諦めて
170:1
自撮りはなぁ…なんか恥ずかしいからやだ
171:名無しのヒトミミ
乙女かな?
172:名無しのヒトミミ
自称JCだから乙女だぞ
173:名無しのヒトミミ
漢女だろ
174:名無しのヒトミミ
おっさんでしょ
175:1
泣いた
176:名無しのヒトミミ
とりあえず目標も名前も決まったし一段落か?
177:名無しのヒトミミ
今日はこの辺にしといたる
178:名無しのヒトミミ
とりあえず後はイッチに頑張ってもらおう
179:名無しのヒトミミ
また安価する時は呼んでくれよな
180:名無しのヒトミミ
目標とかじゃなくてすぐ結果が分かる安価も欲しくない?
181:名無しのヒトミミ
欲しい
182:名無しのヒトミミ
やれ
183:1
ええ…(困惑)じゃあトレーナーの口説き方を頼む
>>190
184:名無しのヒトミミ
ksk
185:名無しのヒトミミ
ksk
186:名無しのヒトミミ
ドロップキック
187:名無しのヒトミミ
問おう。貴方が私のマスターか
188:名無しのヒトミミ
上目遣いでトレーナーになってって頼む
189:名無しのヒトミミ
色仕掛け
190:名無しのヒトミミ
跪いて手の甲にキス
191:名無しのヒトミミ
圧倒的な結果で引き寄せる
192:名無しのヒトミミ
歌う
193:名無しのヒトミミ
キスか…騎士かな?
194:名無しのヒトミミ
キモ…いや、女の子がやれば許されるのか?
195:名無しのヒトミミ
ブラック企業勤めのおっさんがやるって考えると通報されなければ御の字ってところ
196:名無しのヒトミミ
男女逆じゃね?
197:名無しのヒトミミ
どのみちロクな選択肢がなくて草
198:名無しのヒトミミ
まさか警察の御用になってエターとはな…
199:名無しのヒトミミ
安価は絶対やぞ
200:1
そんじゃとりあえずトレーナー着くのを目標に頑張ってくるわ。キスは…まあなんとかなるやろ
トレーナー誑かせたら報告しに来る
掲示板形式ってこれで合ってる…?
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2話
268:1
ただいま。みんなのアイドルイッチやで
269:名無しのヒトミミ
思い上がるな
270:名無しのヒトミミ
消え失せろ
271:名無しのヒトミミ
死ねカス
272:名無しのヒトミミ
おかえり
273:1
なんかモニターが滲んでる……おかしいな……
274:名無しのヒトミミ
いいから現状をさっさと言え
275:名無しのヒトミミ
使えねーな
276:名無しのヒトミミ
やる気が無いの? 能力が無いの?
277:1
なんでワイがブラック企業で言われた言葉知ってんの?
とりあえず良いニュースと悪いニュースがあるんだけどどっちから聞きたい?
278:名無しのヒトミミ
こういうのは良い方からでしょ
279:名無しのヒトミミ
せやね
280:名無しのヒトミミ
ほら、とっとと言え
281:名無しのヒトミミ
みんな辛辣すぎん?
282:1
なんと! 模擬レースに勝ったしトレーナーも誑かせたで!
283:名無しのヒトミミ
やったやん
284:名無しのヒトミミ
教官ってそんな優秀なんか?
285:名無しのヒトミミ
いや、教官はみんなに平等に教えるから差はつかないはず……イッチ、毒盛った?
286:名無しのヒトミミ
下剤にんじんか、最低だな
287:1
ちゃうねん、実はな……3女神様のおかげなんよ!
3女神様の像にレース前にお祈りしてたらな? なんか不思議な力が流れ込んで来てめっちゃ走れたんよ!
288:名無しのヒトミミ
あー……どう思います?
289:名無しのヒトミミ
幻覚、トリップ……精神科をおすすめします
290:名無しのヒトミミ
勝ったのも妄想とかじゃないよね?
291:1
ホントに勝ったもん! イッチ嘘つかない!
292:名無しのヒトミミ
まあレースはええやろ。多分運が良くて周りが偶イッチより弱いウマ娘だったとかが真実やろうし。それで? どう勝ったんや?
293:1
え? 言われた通りずっと前にいただけやけど……そうすれば1位って言って……え、嘘?
294:名無しのヒトミミ
は?
295:名無しのヒトミミ
これは逃げウマ娘
296:名無しのヒトミミ
嘘じゃないよ。お前がやったのは嘘みたいな事だけど。
297:名無しのヒトミミ
よくスタミナ持ったな。あ、ブラック企業で根性トレーニングしてたからか
298:1
とりあえず勝ちは勝ちでええんやな? ふぅ……焦ったわ……
299:名無しのヒトミミ
とりあえずおめでとやで
ところで、トレーナーに跪いて手の甲にキス。ちゃんとやった?
300:1
そこが悪いニュースやねん
301:名無しのヒトミミ
出来なかったか? どんな罰をしてやろうか……
302:名無しのヒトミミ
耳を削いで……
303:名無しのヒトミミ
鼻にピーナッツ詰めて……
304:名無しのヒトミミ
コスプレ衣装着た状態で自撮りさせて……
305:1
お前ら怖すぎ
安価はやったんやけどな……なんと!
声をかけてくれたトレーナー、女性でした!!!
306:名無しのヒトミミ
キマシタワー
307:名無しのヒトミミ
キマシ
308:名無しのヒトミミ
百合の花が咲いています。大切にしましょう
309:名無しのヒトミミ
女性にやったのか!?
310:1
やったで
状況説明いるか?
311:名無しのヒトミミ
いる
312:名無しのヒトミミ
服脱いだ
313:名無しのヒトミミ
カメラ構えた
314:名無しのヒトミミ
準備万端や!
315:名無しのヒトミミ
最悪の準備だな……
316:1
じゃあ順を追って話すで〜
まずワイが大差をつけて模擬レースに勝利
スカウトを申し込むためにワラワラと集まってくるトレーナー。この時はめちゃくちゃ気持ちよかった
ここまでええか?
317:名無しのヒトミミ
いいぞ
318:名無しのヒトミミ
まあおかしい事はないわな
319:1
続けるで?
そしてイケメンやらおっさんやら美人やらおばさんに取り囲まれてふぇぇ……ってなってな?
ここでワイは気づいてしまったんや。そう、チームを持っているようなトレーナーには個人の練習を見てる暇はないということに!
320:名無しのヒトミミ
それはそう
321:名無しのヒトミミ
むしろ今まで気づいてなかったんか
322:1
という事で天才なみんなのアイドルイッチは1番新人っぽいトレーナーが声をかけてくれたからこの人や! って決めて口説きました
おかげでワイだけを見てくれるトレーナーゲットです
323:名無しのヒトミミ
ほーん、良かったやん
324:名無しのヒトミミ
なんて口説いたん?
325:名無しのヒトミミ
口付けは?
326:名無しのヒトミミ
トレーナー可愛い?
327:1
>>326 めっちゃ可愛い。小動物系
口説き方? そんなもん直球で、一目惚れした。貴女を惚れさせて見せるって宣言よ
そのまま流れで手を取ってキスした
周りはもう黄色い歓声よ
328:名無しのヒトミミ
キッツ
329:名無しのヒトミミ
キッツ
330:名無しのヒトミミ
キショイ
331:名無しのヒトミミ
気づいてないかもしれんけど、キモすぎて悲鳴が上がっただけやで
332:名無しのヒトミミ
もしもし、ポリスメン?
333:名無しのヒトミミ
トレーナー契約解消RTAでもしていらっしゃる?
334:1
あれ? なんかまたモニターが滲んできたな……
335:名無しのヒトミミ
とりあえずイッチが童貞な理由は分かったわ
336:名無しのヒトミミ
切り替えてこ
337:名無しのヒトミミ
トレーナーなんかおらんでええ! レースは冒険や!
338:名無しのヒトミミ
ど、ど、ど、童貞ちゃうわ!
339:名無しのヒトミミ
なんで反応してんねん
340:名無しのヒトミミ
マヌケは見つかったようだな
341:1
はしゃいでるところ申し訳ないけど、これちょっと前の話だから今も普通に契約続いとるで
342:名無しのヒトミミ
!?
343:名無しのヒトミミ
はいダウト。脳診てもらってきな?
344:名無しのヒトミミ
そんな寛容な美人な女性なんて2次元にしかおらんやろ。妄想乙
345:名無しのヒトミミ
なんか弱みでも握っていらっしゃる?
346:1
くやしいのうwwwくやしいのうwwwいやーモテモテ美女ですまんな!
実際安価とか関係無しに普通にお付き合いしたい。一緒に過ごしてくうちに弱み握れないかな……
347:名無しのヒトミミ
犯罪者予備軍
348:名無しのヒトミミ
キモイおっさんがこれ打ち込んでるって想像すると吐きそうになる
349:名無しのヒトミミ
より大きな善のためにこいつは消しておいた方がいい
350:1
負け犬が吠えよるわ
ということでトレーナーを落とすためにどう行動したらいいか安価頼む
>>360
351:名無しのヒトミミ
性欲の安価だ
352:名無しのヒトミミ
薄汚い欲望がよぉ……
353:名無しのヒトミミ
唇を奪う
354:名無しのヒトミミ
レースで勝ちまくる
355:名無しのヒトミミ
真面目に練習に取り組む姿を見せる
356:名無しのヒトミミ
自撮りを晒す
357:名無しのヒトミミ
一緒におでかけする
358:名無しのヒトミミ
温泉旅行に行く
359:名無しのヒトミミ
抱けー! 抱けー!
360:名無しのヒトミミ
トレーニング後とかにゆっくりお喋りする
361:名無しのヒトミミ
襲う
362:名無しのヒトミミ
性癖について語り合う
363:名無しのヒトミミ
無難なのが来たな
364:名無しのヒトミミ
上下がヤバすぎなんだよなぁ
365:名無しのヒトミミ
逮捕エンドをギリギリで回避したな
366:1
よっしゃお喋りやな……何話したらいいの?
おっさん若い女の子と何話したらいいかなんてわかんないよ
367:名無しのヒトミミ
正体あらわしたね
368:名無しのヒトミミ
まあ目が覚めたらウマ娘になってたって設定だから
369:名無しのヒトミミ
おっさん(ガチ)(自称ウマ娘)
370:名無しのヒトミミ
なんでもええやろ。むしろ何話したらいいか探ってこい
371:名無しのヒトミミ
何話したらいいか考えてる時点でコミュ障確定。真の陽キャは喋りながら喋る内容を考える
372:名無しのヒトミミ
そもそもこんな所にいるヤツらが若い女の子と何話せばいいかアドバイス出来るわけがない
373:名無しのヒトミミ
やめろ
374:名無しのヒトミミ
どけ! 俺は既婚者だぞ!!
375:名無しのヒトミミ
あれだろ? スイーツとか猫の話しとけばいいんだろ? ヤバーイ! カワイイー! おいしーい! だけ喋ればなんとかなる
376:名無しのヒトミミ
最早女性を馬鹿にしているレベル
377:名無しのヒトミミ
トレーナーならトレーニングについてとか聞けばいいんじゃないの? なんか質問されると好感度上がるみたいなの心理学で聞いたことある気がする
378:名無しのヒトミミ
これだな
379:名無しのヒトミミ
無難が1番やね
380:1
ふむふむトレーニングの話題とスイーツの話題と猫の話題ね、了解
あとトレーニングの話題が出たついでにトレーニングの内容についても相談させてくれへんか?
381:名無しのヒトミミ
そんなのそれこそトレーナーに聞けや
382:名無しのヒトミミ
安価するなら聞いてやってもええ
383:名無しのヒトミミ
相談相手間違ってるぞ
384:1
そんなガチの相談じゃないんよ
トレーナーからメインでやりたい練習について聞かれてな? 足の速さとかスタミナとかパワーとかどれを優先するか聞きたいんよ
ということで安価
>>390
385:名無しのヒトミミ
根性
386:名無しのヒトミミ
根性
387:名無しのヒトミミ
根性
388:名無しのヒトミミ
根性
389:名無しのヒトミミ
根性
390:名無しのヒトミミ
根性
391:名無しのヒトミミ
根性
392:名無しのヒトミミ
全員一致
393:名無しのヒトミミ
ケコーン
394:1
よっしゃ根性やな! ……根性のトレーニングって何? まあそれも含めてトレーナーと相談してくるわ
次来るときはトレーナーとラブラブになっとるわ! ほな!!
395:名無しのヒトミミ
乙
396:名無しのヒトミミ
ノシ
397:名無しのヒトミミ
逮捕されないことだけ祈っとくわ
398:名無しのヒトミミ
次も安価待っとるで
・
・
・
458:1
ただいま! みんなのアイドルやで!
459:名無しのヒトミミ
消え失せろ
460:名無しのヒトミミ
思い上がるな
461:名無しのヒトミミ
アイドルはもっと輝いているので……
462:1
なんか罵倒にも慣れてきたわ。とりあえず近況報告な
根性を鍛えたいって伝えた
ひたすら坂路を走らされた
練習後にご褒美にスイーツ連れてってもらった
以上
463:名無しのヒトミミ
坂路……なぜかサイボーグって単語が頭に浮かんだわ
464:名無しのヒトミミ
坂路って根性鍛えられるんか? てか根性鍛えるって何? サウナで耐久でもすんの?
465:名無しのヒトミミ
一般的ウマ娘って感じ。知らんけど
466:1
坂路はヤバいわ……根性もつくってもんよ。安価じゃなかったら投げ出して退学願い出してたわ
うそで~~す!!! トレーナーちゃんが可愛いので辞めませ~~ん!!!
467:名無しのヒトミミ
こいつほんまムカつくな
468:名無しのヒトミミ
殴りたい、この笑顔
469:名無しのヒトミミ
可愛いトレーナーとデートしやがってよぉ……あ~んしてもらったんか!? もらったんやろ!!
470:1
当然!! と言いたいところやが、してもらってない。むしろワイがする側だった
471:名無しのヒトミミ
はい犯罪
472:名無しのヒトミミ
はい逮捕
473:名無しのヒトミミ
キッツ
474:名無しのヒトミミ
キッショ
475:1
なんでや! トレーナーちゃん喜んでたぞ!!
476:名無しのヒトミミ
ほんとぉ?
477:名無しのヒトミミ
嘘つけ、顔引き攣らせてたぞ
478:名無しのヒトミミ
トレーナーさんも可哀想に……
479:1
喜んでたもん! 顔真っ赤にしてぷるぷるしてたもん!
480:名無しのヒトミミ
もん! じゃねぇよおっさん
481:名無しのヒトミミ
それ怒りが限界に達しているのでは? (名推理)
482:名無しのヒトミミ
あーあ、トレーナー契約解消やね
483:1
ほんとは怒ってたのかな……なんか不安で吐きそうになってきた……
謝ったほうがいいやつ……?
484:名無しのヒトミミ
早いほうがいいぞ
485:名無しのヒトミミ
土下座しろ
486:名無しのヒトミミ
プレゼントで挽回や
487:名無しのヒトミミ
いや、まだ怒っていると決めつけるのは早い。まずはメッセージアプリで確認を取れ
488:名無しのヒトミミ
策士だ!
489:名無しのヒトミミ
モテてそう。イッチと違って
490:1
ワイを貶さないと喋れないんか? メッセージ内容安価
>>500
491:名無しのヒトミミ
安価に逃げやがった
492:名無しのヒトミミ
根性鍛えたくせに根性無しやな
493:名無しのヒトミミ
腑抜けがよ、ぺっ
494:名無しのヒトミミ
トレーナーちゃん、今日もお仕事かな。トレーナーちゃんと今度イチャイチャ、したいナァ。ゆっくり、身体休めてね。オヤスミナサイ。
495:名無しのヒトミミ
前のデートは積極的すぎたかな……? 不快な思いさせてたらごめんね!
496:名無しのヒトミミ
許してください、腕の一本までなら切り落として侘びます
497:名無しのヒトミミ
トレーナーちゃん! 次のデートどこにする?
498:名無しのヒトミミ
もしもし? 俺だよ俺。実は車で事故っちゃってさぁ、500万ほど必要なんだよね
499:名無しのヒトミミ
今宵、切り株の前でお前を待つ
500:名無しのヒトミミ
今何してる? 暇?
501:名無しのヒトミミ
ごめん、日課の切腹してたら血が止まんなくなったんだけど、絆創膏とかもってない?
502:名無しのヒトミミ
無難of無難
503:名無しのヒトミミ
つまらんな
504:名無しのヒトミミ
まて、まだトレーナーがめちゃくちゃ面白いことしてる可能性がある
505:1
とりあえず、何してる? 暇か? って送ったわ
506:名無しのヒトミミ
よろし
507:名無しのヒトミミ
返事待ちやな
508:名無しのヒトミミ
お仕事中とかだったら返事かなりかかりそうやな
509:1
お、返事きたで
510:名無しのヒトミミ
はっや
511:名無しのヒトミミ
さてはちょうどスマホいじってたな?
512:1
かもね。『アプリで連絡くれるなんて珍しいね。どうしたの?』だって
返事安価
>>520
513:名無しのヒトミミ
既読無視して寝る
514:名無しのヒトミミ
坂路キツすぎぃ! 自分、ご褒美いいっすか?
515:名無しのヒトミミ
坂路一本走るごとに君の乳をひと揉みさせてくれないか
516:名無しのヒトミミ
卍解って静かに言う派? 叫ぶ派?
517:名無しのヒトミミ
少しだけでいいから君の声が聞きたい
518:名無しのヒトミミ
ママ──ー!!! バブゥゥゥゥウウ!!!!!
519:名無しのヒトミミ
なぁ……今何色のパンツ履いてるん?
520:名無しのヒトミミ
今後のレースについて相談したい
521:名無しのヒトミミ
今度私の乳を揉まないか?
522:名無しのヒトミミ
ちっ
523:名無しのヒトミミ
無難はいいがあまり続くとつまらんな
524:1
おっけ今後のレースについてとパンツの色聞いとくわ
送信
525:名無しのヒトミミ
信じてたで
526:名無しのヒトミミ
できるイッチ! さすがアイドル!
527:名無しのヒトミミ
手のひらグルッぐるですよ
528:1
返事来たわ、とりあえずメイクデビュー戦を近いうちに。その後は弥生賞を目標にOP戦とかGⅢとかで慣らしていこうって感じやね。どう? 良さげなのかもわからんが
あとパンツは水色らしい
529:名無しのヒトミミ
水色だって!!!!
530:名無しのヒトミミ
可愛いやん
531:1
『まって』『違うの』みたいな文が届きまくってる。もうトレーナーちゃんのパンツの色は共有しちゃったんだよなァ!
レースはどうかもだれか教えて
532:名無しのヒトミミ
水色はいいぞ
533:名無しのヒトミミ
弥生賞なんか出なくても朝日杯フューチュリティステークス出れば皐月賞出れるぞ。つまり安価目標に一歩近づく。ホープフルステークスに出れば2000メートルも試せるし
534:1
ほーん。よくわからんしそれそのまま伝えてみるわ。謝謝茄子!
今日はこのへんかな、とりあえず次はデビュー戦終わったぐらいで来るわ
ほな
535:名無しのヒトミミ
乙
536:名無しのヒトミミ
ノシ
537:名無しのヒトミミ
イッチはどっちもG1だって知ってるんか?
538:名無しのヒトミミ
多分知らんやろ
539:名無しのヒトミミ
皐月賞の時点で無敗でG1に3つ勝たなきゃいけなくなるってことやんね? 大丈夫かいな
540:名無しのヒトミミ
まあワイらはイッチとトレーナーを信じるよ
541:名無しのヒトミミ
お前何も知らんやろ。ワイもやが
542:名無しのヒトミミ
まあトレーナーが止めるやろどうせ
543:名無しのヒトミミ
せやな。まま、イッチを待ちましょうや
原作組との絡みって欲しい?
あと小説パートって欲しい?
アンケートとります
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3話
750:1
アタイだよ!!!
751:名無しのヒトミミ
誰だよ
752:名無しのヒトミミ
消え失せろ定期
753:名無しのヒトミミ
イッチ久しぶりやね。元気にしてた? 風邪とか引いてない? ご飯ちゃんと食べてる?
754:名無しのヒトミミ
田舎のおばあちゃんかな?
755:1
割と久しぶりなのに意外と人おってワイは嬉しい。やっぱワイはアイドルなんやなって
756:名無しのヒトミミ
思い上がるな
757:名無しのヒトミミ
ワイらはお前の身体に興味があるだけや
758:名無しのヒトミミ
シュレディンガーのイッチだから相手にしてるだけでウマ娘やないって分かった瞬間全員消えるで
759:1
モニターが滲んできたから近況報告していい? いいよ! ありがと!!
760:名無しのヒトミミ
ほざいてろ
761:名無しのヒトミミ
1人で会話するほど友達がおらんのやな……可哀想に……
762:1
何と言われようと近況報告はします(鋼の意思)
いくで〜
トレーナーとイチャイチャした
坂路に慣れてきた
坂路の本数増やされた
坂路で死にかけた
トレーナーとイチャイチャした
トレーナーとイチャイチャした!!
あ、あとメイクデビュー? 済ませたわ
763:名無しのヒトミミ
イチャイチャ出来たんやね。良かったね
764:名無しのヒトミミ
メイクデビューの扱いが刺身のたんぽぽレベルで涙がで、でますよ
765:名無しのヒトミミ
早く逮捕されたら?
766:名無しのヒトミミ
メイクデビューどうやったん? あ……すまん。ビリの思い出なんか語りたくないよな
767:名無しのヒトミミ
未勝利戦頑張ってこ
768:名無しのヒトミミ
安価未達成? はー使えんわ
769:名無しのヒトミミ
ま、ええわ。三冠で許したる
770:1
負けてないんだが? 今回も先頭でゴールしたぞ?
771:名無しのヒトミミ
マジ?
772:名無しのヒトミミ
嘘乙。
773:名無しのヒトミミ
根性しか鍛えてないやつがほざきよるわ
774:1
マジだって。レースに勝つって簡単やんね? ずっと前にいればいいだけだし
775:名無しのヒトミミ
賢さ1200ぐらいありそう
776:名無しのヒトミミ
他のウマ娘が聞いたらキレるか泣くかしそう
777:名無しのヒトミミ
それが出来ないからみんな苦労してるんやで
778:名無しのヒトミミ
坂路ってそんな凄いんか?
779:名無しのヒトミミ
説明しよう! 坂路トレーニングとは!!
よく知らん。なんか坂を走るやつや
780:名無しのヒトミミ
役立たず
781:名無しのヒトミミ
お前船降りろ
782:名無しのヒトミミ
なんか脚にあんまり負荷をかけずに鍛えられるらしいで。ウマ娘の脚は人間より折れやすいからな
783:名無しのヒトミミ
スピードとパワーと根性がつくらしい。ゲームで言ってた
784:名無しのヒトミミ
ほーん、じゃあイッチの脚はムキムキなんか?
785:1
美脚やぞ
786:名無しのヒトミミ
黙れおっさん
787:名無しのヒトミミ
まあ実際スピード付いたから勝てたんでしょデビュー戦
788:名無しのヒトミミ
坂路ってすげー!
789:1
近況報告続けていい?
790:名無しのヒトミミ
ダメに決まってんだろ常識的に考えろ
791:名無しのヒトミミ
いいよ
792:名無しのヒトミミ
しろ。特にイチャイチャのところを具体的に
793:1
賛成多数により自語りします
月末にスイーツ食べに連れてってもらいました。またトレーナーちゃんにあ〜んしてあげました。楽しかったです
794:名無しのヒトミミ
前と同じやんけ
795:名無しのヒトミミ
変化をよこせ
796:1
あとはカラオケ行ったり神社行ったりしたわ
トレーナーちゃんが凶引いてたから、ワイと出会えただけで大吉だから気にすんなって言っといた
797:名無しのヒトミミ
死んだ方がいい
798:名無しのヒトミミ
どうしてキモイセリフがぽんぽん出てくるのか
799:名無しのヒトミミ
トレーナーお手洗い行ってなかった? 多分ゲロ吐いてたで。キモすぎて
800:名無しのヒトミミ
イッチ何歌うん? アニソン? ボカロ?
801:1
軍歌
802:名無しのヒトミミ
普通にドン引き
803:名無しのヒトミミ
マジでありえん
804:名無しのヒトミミ
ミリタリー趣味は嫌われるって義務教育で習わんかった? だから童貞なんよ
805:1
流石に冗談やで。軍歌は1曲だけや。ちゃんと──とか、──とか流行りの歌も勉強しといたで
806:名無しのヒトミミ
1曲でも歌ったのか……
807:名無しのヒトミミ
イッチが上げてる曲全部微妙に古くて草。まあ名曲なのは認めるが
808:名無しのヒトミミ
流行りではないんよ。どちらかと言えば懐メロ
809:1
今マジでなん……だと……? って顔してる
810:名無しのヒトミミ
てか今更だけど神社でデート? ってどうなの? ウマ娘とトレーナーの間では普通だったりするの?
811:名無しのヒトミミ
実は割と普通らしい
812:名無しのヒトミミ
ゲーセン、カラオケ、河原の散歩、神社のお参りが鉄板コースらしい
813:名無しのヒトミミ
前半はともかく後半はお年寄りの趣味やん
814:名無しのヒトミミ
ウマ娘はBBAだった……?
815:名無しのヒトミミ
屋上
816:名無しのヒトミミ
久しぶりに……キレちまったよ……
817:名無しのヒトミミ
ウマ娘はみんな若くて美人でいい匂いするから
818:名無しのヒトミミ
キッショ、イッチかよ
819:名無しのヒトミミ
とうとう卑罵語として用いられるイッチ
820:1
君達ワイになら何言ってもいいと思ってない?
821:名無しのヒトミミ
割と思ってる
822:名無しのヒトミミ
みんなのサンドバッグ君♡愛してるよ♡
823:1
泣いちゃったな
824:名無しのヒトミミ
勝手に泣いてろ
825:名無しのヒトミミ
はいはい可哀想可哀想
826:名無しのヒトミミ
イッチのトレーナーはいい匂いするの?
827:1
めっちゃする。なんか甘い感じのめっちゃいい匂い
柔軟剤の匂いなんか香水でも軽くつけてるんか分からんけど正直近くにいる時大きめに呼吸して堪能してる
正直これに関してはドン引かれても文句言えんわ
でもめっちゃいい匂いするんよ。これがトレーナーちゃんの匂いかぁ……ってしみじみしちゃう
なんで女の子っていい匂いするの?
828:名無しのヒトミミ
急に長文で喋るな
829:名無しのヒトミミ
ドン引き……は置いといてマジでなんでなん?
830:名無しのヒトミミ
なんかホルモンとか関係してる説と髪が長いからいい匂いが付きやすい説とマジでフェロモン的な何かが出てる説があるらしい
831:名無しのヒトミミ
柔軟剤か香水やろ
832:名無しのヒトミミ
まあそうやろな
833:名無しのヒトミミ
今度どこの柔軟剤使ってるのか聞いてきて
834:1
ふへへ……マジで聞いちゃおっかな……じゅるり……
835:名無しのヒトミミ
飲むなよ?
836:名無しのヒトミミ
いきなりウマ娘とトレーナーが同じ匂いになったら色々疑われそう
837:名無しのヒトミミ
百合の花を咲かせよう
838:名無しのヒトミミ
トレーナーもキモがるよ、おっさんと同じ匂いなんて
839:名無しのヒトミミ
また可哀想な女の子を増やそうとしてるの?
840:名無しのヒトミミ
辞めてあげな、ワイらが香水見繕ってやるから
841:名無しのヒトミミ
これとかどうよ
[画像]
842:名無しのヒトミミ
香水の画像見せられても分からんな
843:名無しのヒトミミ
モテ香水として有名らしい。ちょっと甘め爽やかめでくどくないやつや。オススメ
844:1
ほーん、ええやん。なんぼなん?
845:名無しのヒトミミ
1万円しないぐらい
846:名無しのヒトミミ
安い買いもんやろ。どうせレースで勝って金稼ぐし
847:1
それもそやな! 買うわ!
次のデートの時にでもつけてみよーっと
848:名無しのヒトミミ
勝てる気でおるんやな
849:名無しのヒトミミ
まあ全財産使い果たしたとしても寮あるし食事も出るんやろ? へーきへーき
850:名無しのヒトミミ
ここだけの話やけどトレセン学園って学費クソ高いらしいで
851:名無しのヒトミミ
これマジ? てかイッチ学費どうしてんの? 親に払ってもらったの?
852:1
親……?
853:名無しのヒトミミ
あっ……(察し)
854:名無しのヒトミミ
闇が深いやつなんか……? なんかすまんな
855:1
ワイの予想だけど多分今年分は払ってあるっぽい。つまり何らかの方法で金を稼ぐか学費免除の方法を探さんと退学安価未達成ルートやな
やだやだ! 小生トレーナーちゃんと離れたくない!!
ちなみに親はいなそう。少なくともスマホの連絡先にそれっぽいのは無かった
856:名無しのヒトミミ
駄々をこねるな
857:名無しのヒトミミ
ま、レースに勝てばなんとかなるやろ。G1達成とかすれば向こうから在学してくれって頭下げくるで
858:名無しのヒトミミ
そうじゃなくても金が入るだろうから普通に払えるしな
859:名無しのヒトミミ
親がいないって闇深じゃない? イッチどんな環境なんだよ……
860:名無しのヒトミミ
まだ分からん。ただデータが吹っ飛んだだけの可能性もある。単純に不仲な可能性もある。イッチの嘘の可能性もある。
861:名無しのヒトミミ
なーんだ。イッチはドジっ子やな
862:名無しのヒトミミ
そういやイッチ、今後のレース予定はどうなってるん?
863:1
前みんなにアドバイスもらった通りやで! 当面は
朝日杯フューチュリティステークス
↓
ホープフルステークス
↓
皐月賞
やな!
864:名無しのヒトミミ
どういうレースだか全く知らなそう
865:名無しのヒトミミ
G1やぞ! そもそもG1って何だか知らなそう
866:名無しのヒトミミ
距離すら知らなそう
867:1
1600と2000やろ。トレーナーちゃんに教わったから覚えとるわ
868:名無しのヒトミミ
賢さトレーニング成功してて偉い
869:名無しのヒトミミ
賢さ73ぐらいにはなってそうやな
870:名無しのヒトミミ
やっぱエロ目的って人を動かすんやなって
871:名無しのヒトミミ
海外のエロ動画を見るためにパソコンの勉強をするジジイ。トレーナーと仲良くするためにレースの勉強をするイッチ。一緒やね
872:名無しのヒトミミ
ワイも美人に耳元でレース知識教わりたいンゴねぇ……
873:1
そんなんワイかてしたいわ。普通に教わっただけよ
じゃあワイはトレーナーとのイチャラブ個人授業に戻るから……
874:名無しのヒトミミ
待てイッチ!! さよならのちゅーしよ
875:1
キッショ
876:名無しのヒトミミ
普通にキモイ
877:名無しのヒトミミ
待てイッチ!! なんか安価してけ
878:1
ええ……なんもなくない?
879:名無しのヒトミミ
なんかあるやろ
880:名無しのヒトミミ
レースの戦法とか
881:名無しのヒトミミ
レースの賞金の使い道とか
882:名無しのヒトミミ
自撮り体のどの部分晒すかとか
883:名無しのヒトミミ
トレーナーにどんなセクハラするかとか
884:名無しのヒトミミ
自撮り要求ニキはいい加減諦めて
885:名無しのヒトミミ
てかレースの映像見ればイッチの顔分かるやん
886:名無しのヒトミミ
それは風情がないんよ
887:名無しのヒトミミ
変態にも美学ってあるんやな
888:名無しのヒトミミ
イッチの顔、見たいけど見たくないのは分かる。見なければおっさんだって確定しないから……
889:1
元はともかく今のワイは結構美人やで。元男のワイが言うんだから間違いない
890:名無しのヒトミミ
なんかその設定聞くのも久しぶりやね
891:名無しのヒトミミ
美人(笑)
892:名無しのヒトミミ
イッチはキモイおっさんでいてくれないと困る。ワイは自分より下を眺めて安心したいんや
893:1
しょうがないから安価したるわ
レースの戦法について
>>905
レースの賞金の使い道について
>>915
894:名無しのヒトミミ
戦法って何? 逃げとか先行とか?
895:名無しのヒトミミ
まあ細かいとこまで指定すんのは無理やしそのへんやろ
896:名無しのヒトミミ
何があるのかよく知らんわ
897:名無しのヒトミミ
ざっくりやけど追込、差し、先行、逃げって感じやね
898:名無しのヒトミミ
四択か……
899:名無しのヒトミミ
イッチが今までやってたのは逃げやで。最初から先頭を取るのをそう言うんや
900:名無しのヒトミミ
じゃあ逃げ
901:名無しのヒトミミ
追込こそが正義
902:名無しのヒトミミ
あえて正反対の追込
903:名無しのヒトミミ
誰も言わん先行
904:名無しのヒトミミ
逃げ
905:名無しのヒトミミ
逃げながら差せ
906:名無しのヒトミミ
大逃げ
907:名無しのヒトミミ
意味不明で草
908:名無しのヒトミミ
逃げと差しの欲張りセット
909:名無しのヒトミミ
ワイも金が欲しいなあ
910:名無しのヒトミミ
いくらぐらいなん? レースの賞金まで気にしたことないわ
911:名無しのヒトミミ
×××××円らしい
912:名無しのヒトミミ
たまげたなぁ……
913:名無しのヒトミミ
FX
914:名無しのヒトミミ
学費にあてる
915:名無しのヒトミミ
募金
916:名無しのヒトミミ
パクパクですわ!
917:名無しのヒトミミ
おい苦学生
918:名無しのヒトミミ
自分の生活の確保より不幸な人間のことを思える素晴らしい人間
919:名無しのヒトミミ
ワイはそれより逃げながら差す方が気になる。どうやるん?
920:名無しのヒトミミ
そら逃げながら脚を温存して最終コーナーあたりで抜け出すんよ
921:名無しのヒトミミ
抜け出す(先頭)
922:名無しのヒトミミ
温存(逃げ)
923:名無しのヒトミミ
まるで意味がわからんぞ!
924:1
とりあえず難しそうなことだけはなんとなく分かった。まあワイなりに調べてやってみるわ
募金かぁ……お金ちょっとぐらい使わせて?
925:名無しのヒトミミ
ダメです
926:名無しのヒトミミ
全額募金です
927:名無しのヒトミミ
諦めろ
928:名無しのヒトミミ
ユニ〇フにする? 国境〇〇医師団にする? ワイの口座にする?
929:名無しのヒトミミ
ワイの口座でもええで!
930:1
まあどこでもええやろ。コンビニの募金箱にでも突っ込んでくるわ
931:名無しのヒトミミ
もしかしてもう勝った気でいらっしゃる?
932:名無しのヒトミミ
なんでそんなに自信満々なのか。賢さGのくせに
933:名無しのヒトミミ
マジで1回他のウマ娘に怒られて欲しい
934:名無しのヒトミミ
まあ負けたら安価未達成で死んでもらうんですけどね
935:名無しのヒトミミ
ワイは自撮りでも許したる
936:名無しのヒトミミ
死ぬ気で頑張ってこ
937:名無しのヒトミミ
イッチが勝ったらどこかのコンビニの募金箱に札束が突っ込まれるのか……バズりそう
938:1
じゃあワイはそろそろ寝るわ
次はほーぷふるすてーくすに勝ったら来るね
ほな
939:名無しのヒトミミ
賢さG
940:名無しのヒトミミ
自分が出るレースよく分かってなさそう
941:名無しのヒトミミ
もう来ないのか……さよならイッチ
・
・
・
995:名無しのヒトミミ
1000ならイッチが自撮りあげてくれる
996:名無しのヒトミミ
1000ならイッチはビリ
997:名無しのヒトミミ
1000ならイッチのトレーナーがパンチラする
998:名無しのヒトミミ
1000ならワイも起きたら美少女になる
999:名無しのヒトミミ
1000なら明日もいい日になる
1000:名無しのヒトミミ
1000ならイッチは美少女
忘れなかったらそのうちどの世代のウマ娘(原作キャラ)を出して欲しいかアンケートとります
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おまけ
トレーナーが付く前から、模擬レースの1戦も行わないうちから話題に上るウマ娘というのは存在する。
例えばメジロやシンボリといった名門のウマ娘であったり、既に結果を残しているウマ娘を姉や母に持っていたり。
要はその素質に大きな期待を持たれているということだ。強いウマ娘をスカウトしたいというのはトレーナーに共通する欲求であるのだから。
だが、今回に限って言えば少し違った様相を呈していた。
レースを行わないうちから話題に上る。これはいい。よくある、とまでは言えないが有り得ないと言うほど少ない訳でもない。
問題なのは、それが悪評だった事。
理由は、ある1つの噂。
トレセン学園に1人、全く人前に現れないウマ娘がいる。
内向的な性格、健康上の問題。理由はいくつか予想できるが、どれであったとしても何かしらの問題を抱えている事は想像にかたくない。
余程酔狂な人間でもなければそんな相手を数年を共にするパートナーとして選ぼうとは思わないだろう。
情報通のトレーナーの中にはそのウマ娘が数週間前からトレーニング等に顔を出し始めたと知っている者もいたが、そのようなトレーナーはとっくにスカウト候補を見繕っていたからあまり関係は無い。
簡単に纏めると、前情報から圧倒的なディスアドバンテージを背負わされたウマ娘がいるということだ。
模擬レース当日。
幾度かのレースが終わり、本日の最終レース。
大方のトレーナーは既に目を付けたウマ娘をスカウトしており、熱心に見るのはチームに空きがある大御所とも言えるトレーナーか有望なウマ娘をスカウト出来なかった新人トレーナーくらいのもの。
後は研究半分娯楽半分で観戦するトレーナーとウマ娘達。
そんな晴れ舞台とは到底言えないような場所に彼女は現れた。
スラリと伸びた手足。長身と言っていい上背。艶やかな銀の髪と尻尾。
大半の、娯楽として見ている観客達は、こんなに美しいウマ娘がまだ模擬レースに残っていたのかと喜びの声を上げた。どうせ見るなら美しいものの方が良いというのは誰しもに共通する感性だろう。
極一部の、彼女の前評判を知っていた観客達は驚きの声を上げた。少なくとも彼女の外から分かる部分には何の問題もないと、その経験から分かってしまったからだ。
自然、レースを見る目にも熱が入るというもの。
結論を言うと、要は本日の模擬レースは最終戦にして最高の盛り上がりを見せるだろうということだ。
位置について。よーい、ドン
極々気を使って表現するのならレースの実況、有り体に表現するのなら気の抜けたスタートの合図。
それと同時に、白銀が飛び出した。
チラリと後ろを見て、浮かべたのは獰猛な笑顔。
貴様ら、抜かせるものなら抜かしてみろ。
声なく告げられたその挑発に乗せられた者。萎縮した者。反応は様々であったが言える事がひとつ。
このレースの流れは白銀の彼女に握られた。
萎縮した者については言うまでも無いだろう。出遅れに加えて縮こまった体。観客達から見ても本来の力を発揮出来ないであろうことは明白だ。
ならば挑発に乗ったものは?
実力が上回っていれば……とまでは言わずとも、せめて伯仲していれば話は別だっただろう。
だが現実に起きたのは前を行く白銀に追いすがろうとして、無駄に体力を吐き出したという事実だ。
結果、スパートをかける最終コーナーのあたりでズルズルと後ろに下がっていた。
結果は白銀の逃げ勝ち。それも大差での勝利だ。
娯楽として見ていた者達から歓声が上がる。見定めていた者達も思わず唸り声を上げる。
それ程に完璧な勝利であり、悪評の多かった前評判を1回の走りで全て吹き飛ばした。
それが引き起こすのは、控えていた者達によるスカウト合戦である。
原石をなんとか手に入れたい新人トレーナーと、育て上げてみせる自信を持った大御所トレーナー。その全てが白銀1人の元に集まった。
私のチームはG1勝利ウマ娘がいるの。俺のチームにくればトレセン学園1番のトレーニングメニューを考えてやる。といった大御所からの言葉。
新人だが担当させてもらえないかという旨の熱意に溢れた説得。最早賛辞の言葉と化したスカウトとも言えないような、そんな新人トレーナーからのスカウト。
全てを無視し、白銀は1人の女性の元へ向かった。大御所のトレーナーからの言葉にすら耳を絞って目もくれない。不機嫌ですと全身で表しているかのような態度。
その態度はとある新人トレーナーの元へ辿り着いた瞬間に霧散した。
その新人トレーナー──女性であるため彼女と呼称するが──彼女も白銀をスカウトしようと一声かけて、しかし出遅れた事、他にも大御所がスカウトをかけていた事から諦めようとしていたクチだ。
彼女は、目の前に来た白銀に何か言わないとと焦っていた。レースお疲れ様でした。安直すぎる。私と契約しない? 唐突過ぎる。向こうへメリットを提示できない。
というか近くで改めて見ると本当に暴力的なまでの美人……いや麗人という言葉の方が似合いそうだ。
そんな混乱のあまりよそに行き始めた思考を、さらにショートさせるような一言が白銀から放たれた。
「惚れた」
「……え? 今、何て言いました……?」
「貴女に一目惚れをしたと。……絶対に貴女を惚れさせてみせましょう。どうか、私とトレーナー契約を結んで頂けませんか?」
そう言って白銀は跪き、彼女の手を取り手の甲にそっと唇を落とす。
それはまるで忠誠を誓う騎士のような姿で。使い古された表現ではあるが、1枚の絵のような光景という言葉が相応しい。……まあ、顔を真っ赤にしてわたわたと慌てている彼女の存在がコミカルさをもたらしているのだが。
結局。周りの歓声と好奇の視線に耐えられなくなった彼女は、明日この場所でと言って逃げ去って行った。
興奮冷めやらぬ翌日。
レースもないコース近くに、ソワソワといかにも誰かを待っていますというような女性が1人。
言うまでもなく、白銀に誑かされた新人トレーナーの彼女である。
そんな彼女に忍び寄る影が一つ。
こちらも言うまでもなく、誑かした張本人である。
両手に買ったばかりの冷えたペットボトルを持ち、件の彼女にバレないように忍び寄る。
「だーれだ?」
「ぴゃあ!?」
手で目隠しをして問いかけをする──ところで、代わりに冷えたペットボトルを首筋に当てた。
結果は単純明快、奇声と涙目。
「ふふ。貴女は見た目だけじゃなく反応も愛らしいね。ところで、コーヒーと紅茶だったらどちらが好みかな?」
「……紅茶」
憮然とした顔で、しかし素直に質問には答えた。普通に声をかけてくれればいいのにと呟いてはいたが。
「さて。それじゃあ緊張も解れた事だろうし、改めて自己紹介でもしようか。貴女の事が知りたいし、昨日は全然話せなかったからね。……と言っても、大して私に話す事なんて無いのだけれどね。名前はフォルティシーム。目標は一先ず無敗の三冠。特技は大体の事はこなせる器用さ。これぐらいかな」
私の自己紹介なんかより貴女の話が聞きたい。貴女の事を知りたいと、言葉よりも耳と尻尾が雄弁に語っている。
「新人トレーナーの──です。契約を結ぶのは今回が初めてで、その……色々と不慣れな事もあると思うんですけど……よろしくお願いします……?」
無難な自己紹介のお手本のような無難さ。得られた情報は名前くらいのものか。
だが、意外にもフォルティシームが不満げな様子を見せることは無かった。或いは、表に出していないだけかもしれないが。
「──。貴女に似合う、可愛らしい名前だね。本当はもっと貴女のことが知りたいけれど……楽しみはとっておかないとね」
柔らかく微笑みながら、そんなキザなセリフを言ってみせる。並の人物が口にしても自他共に恥ずかしくなるだけだが、それを平然と口にしてみせ、しかも様になっているのだからやはり美しいというのは得であるのだろう。
様になっているのだからやはり美しいというのは得であるのだろう。
「そ、そういうセリフは禁止で! あんまり大人を揶揄うもんじゃありません! ……とりあえず、今日は何本か走るところを見せてもらっていいかな? まずはほる……フォルティシームさんに合う距離を知っておきたいから……」
「ん、了解。……だけど、フルネームにさん付けはちょっと寂しいな。せっかくだからフォルティって、愛称で呼んでよ」
「……フォルティに合う距離を知りたいから?」
「いいね。貴女の口から聞くと私の名前も新鮮な響きに感じるよ。……それじゃ、見ててね」
しれっと自分の要求を通して、コースへと向かう強かな白銀の彼女。
手渡されたコーヒーのペットボトルの冷たさは、気恥しさで熱くなった頬には丁度いいものであった。
「お疲れ様! ……走った後にコーヒーって、大丈夫なの?」
「ありがと。君から手渡してもらえればサラダ油でも甘露だよ。……冗談だから、そんなに怒らないで。
味が強いものが好きなんだ。……ああでも、トレーナーが紅茶派ならコーヒーはやめとこうかな」
「なんで?」
「ん? キスする時に苦かったら嫌でしょ?」
顔を真っ赤にしてポカポカと殴られたのは言うまでもない。
こほんと咳払いをして話の主導権を戻す……戻そうとする。
「とりあえず! フォルティの走ってる姿を見た感じ、向いてそうなのはやっぱり中距離、長距離かな。三冠を目指すならとりあえずはこのままでも問題は無いと思うし、暫くは中距離……弥生賞を目標にしていこうと思うんだけど……」
「うーん、いいのかな? 私は正直レースについてあまり詳しくないから一先ずは任せるよ。なにか出たいレースでも出来ればその都度貴女に相談しよう」
弥生賞。皐月賞と同じく中山の芝の2000メートルレース。目標のレースと同じコースで走れるというのは大きなメリットであるし、G2とはいえ大きなレースの雰囲気に慣れることが出来るというメリットもある。
それに加えてもう1つ。優先出走権という大きな特典がある。至極簡単に言うと弥生賞にて1位〜3位までに入れれば皐月賞に確実に出られるということである……一部例外はあるが。
「後もう一つなんだけど。とりあえず明日から……は難しいんだけど、今後の練習メニューを考えようと思うんだけど、ここを重点的に鍛えたいとかってあるかな?」
「うーん、とりあえず脚が速くなりたいっていうのはまあ言うまでもないだろうけれど……ちょっと一晩考えさせてもらってもいいかな? すまないね」
「分かった。じゃあ取り敢えずは基礎練習メインで組んどくね。やりたいものが決まったらそれをメインに据えつつやっていこうか。その方がやる気も出るだろうし!」
一先ず顔合わせも済ませ、早めに決めておきたいことについても目処を付けることができた。
今日のタスクは概ね消化できたと言っていいだろう。
「……それじゃ、今日は一旦解散しようか。今日自主練習にさせちゃうのは申し訳ないんだけど、とりあえずの明日からのメニュー組んでくるね。……大丈夫かな?」
「寂しいけど頑張るよ、また明日。体を冷やさないようにね」
そんな言葉と共に別れ、一人になったフォルティシーム。
視界からトレーナーが居なくなるまで見送り、ストンと芝生──レースの芝ではなく、グラウンドにある寝転ぶのに丁度いいくらいのものだ──に座り込み、手で顔を覆う。
もし頭の中を覗ける何者かがいたのならば、ドン引きしていただろう。
「トレーナーちゃん、めっちゃ可愛かったぁ……!」
だらしなくなってしまう表情を隠し、頭の中はトレーナーちゃんが可愛かった! トレーナーちゃんと話せてよかった! そんなもので埋まっている。
怜悧に整ったカッコ良いと評されるべき美人さも台無しにして、トレーナーの可愛さに悶えている。
流石にこの姿を見られたら、顔が美人でもどうにもならない引き方をされるだろう。
つまり、フォルティシームはとある掲示板に入り浸るような、そんな状態が素なのである。
Q トレセン学園って学費あるの?
A シングレで学園ってお金かかるという旨の発言があったので
Qぶっ壊れローテ大丈夫?
A3女神の加護です
Q新馬戦で顔バレしないの?
A新馬戦はマスコミもあんまり取り上げない(独自設定)そしてスレ民も全く信じていない(ご都合主義)
感想全部読んでます。こんな感じで答えられるものには答えつつ、指摘点は参考にさせていただきます。
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4話
1:1
ただいま。みんなのアイドルやで……
2:名無しのヒトミミ
美少女の凱旋だ! 貴様ら道を空けろ! 頭を垂れて這いつくばえ!!
3:名無しのヒトミミ
ワイらのアイドルや! 拝んどこ
4:名無しのヒトミミ
熱い手のひら返しに草も生えない
5:名無しのヒトミミ
それもこれもイッチが本当に美少女……美少女? 美人? 麗人? なのが悪い
6:名無しのヒトミミ
イッチにイケメンさで負けて泣いてる
7:名無しのヒトミミ
ワイ社畜。イッチが出たレースどっちも見てないからまだおっさんだと信じてる
8:名無しのヒトミミ
せやせや! たまたまワイらが安価で決めたのと同じ名前のウマ娘がたまたまアドバイスした通りのレースに出て、たまたま安価で決めたのと同じ作戦で一位をとっただけかもしれんやろ!!
9:名無しのヒトミミ
流石に無理がありすぎる
10:名無しのヒトミミ
天文学的確率よりも更に低い。プールに投げ入れた腕時計のパーツがたまたま水流で完成するレベル
11:名無しのヒトミミ
諦めろ。イッチは美少女や
12:名無しのヒトミミ
なんでイッチそんなテンション低いの?
13:1
クラシック三冠とかティアラとかよりは注目度低いだろうけど、それでも全国にワイが放映されたと考えると恥ずかしくて死にそう
14:名無しのヒトミミ
ワイらみたいなブサイクならともかくイッチ美人なんだからええやん。胸張っとき
15:名無しのヒトミミ
ワイらって巻き込まないでいただけます? まあブサイクなんだけど
16:名無しのヒトミミ
そのイケメン美人顔に責任を持て。公共の福祉の為に顔を晒していけ
17:1
顔はまあ100歩譲って許せるんやけど、お腹がね……
18:名無しのヒトミミ
そう言えばへそ出しで走ってましたね
19:名無しのヒトミミ
大丈夫? ぽんぽん痛くなんない?
20:名無しのヒトミミ
あの服って何? 制服?
21:名無しのヒトミミ
トレセン学園のレース用の制服みたいなもん。勝負服が無いウマ娘がG1に出ると着させられる。ちなみにG2以下は体操服
22:名無しのヒトミミ
ワイらみたいなだるんだるんのお腹じゃないんだからええやん
23:名無しのヒトミミ
主語がデカいんよ。ワイはぷにぷにお腹なだけだから
24:名無しのヒトミミ
イッチの体操服姿も見たいンゴねぇ……自撮りとかあげてみない?
25:名無しのヒトミミ
イッチはブルマ派? 短パン派?
26:1
見るならブルマ派。履くなら短パン……ってかブルマ履いたことない
27:名無しのヒトミミ
履け
28:名無しのヒトミミ
そのケツに責任を持て
29:名無しのヒトミミ
ついでにパンツをはみ出させろ
30:名無しのヒトミミ
ところで元おっさん(自称)のイッチはちゃんとブラ付けてんの?
31:1
付けないと揺れて痛くて走れないから仕方なく付けてる。とても嫌
32:名無しのヒトミミ
聞きましたか皆さん。イッチの巨乳アピールですよ
33:名無しのヒトミミ
しかもノーブラ希望アピールですよ
34:名無しのヒトミミ
か──っ! 卑しか女ばい!!
35:1
慣れてないんだからしゃーないやんけ!
ところで一つ相談に乗ってくれまいか
36:名無しのヒトミミ
どしたん? 話聞こうか? 何歳? どこ住み? てかLINEやってる?
37:名無しのヒトミミ
流れるように出会い厨になるな
38:名無しのヒトミミ
トレセン学園住みやろ
39:名無しのヒトミミ
美少女の頼みやから聞いたる
40:名無しのヒトミミ
でもそいつ中身おっさんやで
41:名無しのヒトミミ
そんなんお茶目なウマ娘ちゃんがついた嘘に決まっとるやろ! イッチは身も心も美少女や!!
42:名無しのヒトミミ
むしろtntnが付いてた方がお得まである
43:1
キショいから相談内容さっさと言うな?
ジュニア級で二勝しただけなのにマスコミのインタビューを受けることになりそうです。
ワイコミュ障、喋る内容が何一つ思いつかない。助けて。
44:名無しのヒトミミ
二勝しただけ(G1)
そらそうなるよ
45:名無しのヒトミミ
インタビューって何聞かれるの? 勝った感想とか?
46:1
・レースの感想
・今後の目標
・その他キャッチーな視聴者を惹き付けられそうな質問
らしい
47:名無しのヒトミミ
質問が分かってるなら対策もたてられるやろ。カンペ作ろうや
48:名無しのヒトミミ
3つ目だけふっわふわで草
49:名無しのヒトミミ
カンペを作ろう!! ……安価で
50:名無しのヒトミミ
よっしゃ任せろ!!
51:名無しのヒトミミ
安価はよ
52:1
知 っ て た
それじゃ答えについて安価
一つ目 >>60
二つ目 >>70
三つ目 >>80
放送禁止用語はNG、安価を叩き台にして細かく作っていく感じで
53:名無しのヒトミミ
感想を他人に委ねるな
54:名無しのヒトミミ
ヒールで行くか、人気を取りに行くか悩みどころやな……
55:名無しのヒトミミ
雑魚ばかりで手応えが無かった
56:名無しのヒトミミ
無我夢中で走ってたので覚えていない
57:名無しのヒトミミ
無言でカメラをぶっ壊す
58:名無しのヒトミミ
インタビュアーのマイクをへし折って、次はお前がこうなる番だって言う
59:名無しのヒトミミ
無言を貫く
60:名無しのヒトミミ
勝負は時の運。次はどうなるか分からない
61:名無しのヒトミミ
おもむろに帰る
62:名無しのヒトミミ
マトモなので良かったね
63:名無しのヒトミミ
目標は普通に三冠って答えろや
64:名無しのヒトミミ
むしろボケなんかある?
65:名無しのヒトミミ
トレーナーを落とすことですって言う?
66:名無しのヒトミミ
三冠でいいやろ
67:名無しのヒトミミ
せやな。大喜利じゃないんだし
68:名無しのヒトミミ
三冠でいこう
69:名無しのヒトミミ
無敗の三冠
70:名無しのヒトミミ
両方
71:名無しのヒトミミ
無敗の三冠
72:名無しのヒトミミ
あーあ
73:名無しのヒトミミ
三冠を取ってトレーナーを落とすって宣言する……ってコト?!
74:名無しのヒトミミ
もはや痴女でしょ
75:名無しのヒトミミ
やばいもう次の安価がきちゃう
76:名無しのヒトミミ
こんなんカンペの作りようもないやろ
77:名無しのヒトミミ
高度な柔軟性を維持して臨機応変に対応しろ
78:名無しのヒトミミ
イッチの顔なら笑顔で応援してって言うだけでいいよ
79:名無しのヒトミミ
愛想を振りまけ
80:名無しのヒトミミ
帰る
81:名無しのヒトミミ
終わった
82:名無しのヒトミミ
相手がよっぽどでも無ければ許されない態度
83:名無しのヒトミミ
相手がよっぽどなことを祈れ
84:1
とりあえずまとめると、
レースの感想:勝負は時の運、次はどうなるか分からない
今後の目標:無敗の三冠を取ることとトレーナーを落とすこと
プラスで質問された時の対応:帰る
カスかな?
85:名無しのヒトミミ
安価は絶対なので
86:名無しのヒトミミ
一つ目はマトモだからええやん
87:名無しのヒトミミ
二分の一ぐらいはマトモでしょ
88:名無しのヒトミミ
帰るっていうシンプルな行動だからこそ際立つヤベェやつ感
89:名無しのヒトミミ
とりあえず細かいところ詰めてくか
90:名無しのヒトミミ
せやね。一つ目からやろう
91:名無しのヒトミミ
レースの感想か。そのままでもいい気がするけど
92:名無しのヒトミミ
「皆とても強いウマ娘でした。今回勝てたのは時の運、もう一度やればどうなるかは分からないでしょう」みたいな感じ?
93:名無しのヒトミミ
そんな感じでいこう
94:1
後は噛まずに言えるかが問題やな……
95:名無しのヒトミミ
そこは頑張れよ
96:名無しのヒトミミ
手のひらに天上天下唯我独尊って三回書いて飲み込むと良いらしい
97:名無しのヒトミミ
そんじゃ次行こうか。今後の目標について
98:名無しのヒトミミ
無敗の三冠って答えるだけやろ、簡単や!
99:名無しのヒトミミ
トレーナーから目を背けるな
100:名無しのヒトミミ
どうにか良い話風に出来んか?
101:名無しのヒトミミ
まだトレーナーとあまり仲良くなれてないから信頼を深めていきたいとか
102:名無しのヒトミミ
もうタイプど真ん中だから襲いたいって正直に言い? 実際タイプなんやろ?
103:1
うん
104:名無しのヒトミミ
素直だね♡恥を知れ
105:名無しのヒトミミ
美少女じゃなかったら許されない
106:名無しのヒトミミ
あのイケメン美女だということを考慮して執行猶予かな……
107:名無しのヒトミミ
じゃあ無敗の三冠バになる事とトレーナーと仲良し(意味深)になる事って回答で
108:名無しのヒトミミ
まあそんなもんやろ
109:名無しのヒトミミ
今回はこんくらいで許したる
110:1
普通に無敗の三冠だけにしてくれれば良かったのによぉ(憤怒)
じゃあ最後……帰る。これもうどうにもならなくない?
111:名無しのヒトミミ
(どうしようも)ないです
112:名無しのヒトミミ
諦めろ。途中で帰れ
113:名無しのヒトミミ
椅子を蹴り飛ばせ
114:名無しのヒトミミ
インタビュアーに殴りかかれ
115:1
暴力沙汰は退学になるのでNG
頑張って帰るわ。コミュ障にはキツすぎない?
116:名無しのヒトミミ
ずっと喋るよりはマシやろ
117:名無しのヒトミミ
言うこと言うだけで帰る。カスみたいな態度やな
118:名無しのヒトミミ
ヨシ! 決まったな! これでイッチのインタビュー対策は完璧や!!
119:名無しのヒトミミ
とりあえずシミュレーションしてみようや
120:名無しのヒトミミ
じゃあワイ店員やるわ
121:名無しのヒトミミ
いらっしゃいませー! 店内ですか? お持ち帰りですか?
122:名無しのヒトミミ
まだ何も注文してないんですけど……
123:名無しのヒトミミ
何のシミュレーションなんですかね
124:名無しのヒトミミ
じゃあまず年齢を教えてくれるかな?
125:1
24歳、トレセン学園生です!
126:名無しのヒトミミ
あっ、ふーん
127:名無しのヒトミミ
汚い
128:名無しのヒトミミ
これだけで汚いって思うやつは同類やぞ
129:名無しのヒトミミ
身長体重はどのくらいあるの?
130:1
身長は……170センチ、体重は乙女の秘密です
131:名無しのヒトミミ
彼女とかいるの?
132:1
今はいないですね……こ、前世まではいました
133:名無しのヒトミミ
もうやめろ
134:名無しのヒトミミ
こんだけ喋れたらインタビューぐらい平気やろ
135:名無しのヒトミミ
実際なんか聞かれて答えられそうな質問なんかある? プライベートな事聞かれたら椅子蹴って帰ればいいし
136:名無しのヒトミミ
楽勝やね!
137:1
インタビューは高度な柔軟性を持って何とかするわ
ついでにもう一個安価していい?
138:名無しのヒトミミ
なんぼ安価してもええ! 人生は冒険や!!
139:名無しのヒトミミ
安価なんて多ければ多いほどいいですからね
140:1
ありがとナス!
とりあえず次に出るレースは皐月賞で確定なんやけど、それまでの練習についての内容を決めたい。また前みたいに何メインにするかって感じで1月~3月まで
1月前半 >>145
1月後半 >>148
2月前半 >>153
2月後半 >>156
3月前半 >>160
3月後半 >>165
141:名無しのヒトミミ
多いわね
142:名無しのヒトミミ
細切れになってる
143:名無しのヒトミミ
バランスよく鍛えたいところ
144:名無しのヒトミミ
根性
145:名無しのヒトミミ
根性
146:名無しのヒトミミ
根性
147:名無しのヒトミミ
根性
148:名無しのヒトミミ
根性
149:名無しのヒトミミ
根性
150:名無しのヒトミミ
根性
151:名無しのヒトミミ
根性
152:名無しのヒトミミ
根性
153:名無しのヒトミミ
根性
154:名無しのヒトミミ
根性
155:名無しのヒトミミ
根性
156:名無しのヒトミミ
根性
157:名無しのヒトミミ
バカどもがよ
158:名無しのヒトミミ
根性
159:名無しのヒトミミ
根性
160:名無しのヒトミミ
根性
161:名無しのヒトミミ
根性
162:名無しのヒトミミ
根性
163:名無しのヒトミミ
根性
164:名無しのヒトミミ
根性
165:名無しのヒトミミ
根性
166:名無しのヒトミミ
根性
167:名無しのヒトミミ
一体感を感じるよワイは
168:名無しのヒトミミ
バカしかいねぇ
169:名無しのヒトミミ
賢さを上げろ賢さを
170:1
今日もまた泣いちゃったな
もう坂路飽きたんだけど……
171:名無しのヒトミミ
じゃあ坂路以外考えてもらいな
172:名無しのヒトミミ
タイヤでも引いてろ
173:名無しのヒトミミ
ウサギ跳びでもしてろ
174:名無しのヒトミミ
エロ自撮りでも晒せ
175:名無しのヒトミミ
自撮り要求ニキが過激になってる
176:名無しのヒトミミ
イッチの美しさに狂わされたか……
177:名無しのヒトミミ
でもそいつ中身おっさんやで定期
178:名無しのヒトミミ
諦めろ。安価は絶対だ
179:名無しのヒトミミ
坂路坂路坂路ォン!!
180:名無しのヒトミミ
さあ、今日も練習練習!!
181:1
じゃあワイインタビューに備えてお肌の手入れと台本の暗記してくるから……
ほな
182:名無しのヒトミミ
いっぱい寝ろよ
183:名無しのヒトミミ
暖かくしろよ
184:名無しのヒトミミ
今度使ってるシャンプー教えて。飲むから
185:名無しのヒトミミ
グルシャンはNG
186:1
赤いボトルのアレやで
187:名無しのヒトミミ
答えるのか……
188:名無しのヒトミミ
ありがとう。飲みます
189:名無しのヒトミミ
せめて同じシャンプーを使うだけで我慢しろ
190:名無しのヒトミミ
マフティーのグルシャン、正しくないよ
191:名無しのヒトミミ
またマフティーの罪が増えるのか
192:名無しのヒトミミ
マフティーはカボチャ被って踊ってろ
193:名無しのヒトミミ
なんとでもなるはずだ!!
194:名無しのヒトミミ
暇なんだね、そのグルシャンしてる人
195:名無しのヒトミミ
本当に暇人の所業で草
196:名無しのヒトミミ
イッチのインタビュー楽しみだな
197:名無しのヒトミミ
テレビかな、雑誌かな
198:名無しのヒトミミ
聞いとけば良かったな
199:名無しのヒトミミ
まあイッチが報告してくれるやろ
200:名無しのヒトミミ
分かったらみんなで共有しよう
Q 長身銀髪お姉さんは性癖なんだが?
A ワイトもそう思います
Q 3女神が最初に落とされてそう
A ワイトもそう思います
Q 実装されたif見てみたい
A ワイトもそう思います
Q 抱けー!抱けー!って闇深いやつだよね?
A ワイトもそう思います
Q デビュー戦で顔バレるやろ
A ワイトもそう思います
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おまけ2
朝日杯フューチュリティステークス、及びホープフルステークス。
ジュニア級のレースということもあり、クラシック級の三冠レースやシニア級の有マ記念といったレースに比べれば知名度は一歩劣るものの、これらを制したウマ娘が後の名バとなった事例が多いため注目する人間は注目している。
そんなレースを、一気に制したウマ娘が現れた。
頭がおかしい、と言われても文句は言えないようなスケジュール。それに加えて1600mと2000mという距離の違い。
常識的に考えれば、どちらも出るなどという選択肢はありえない。体力、距離適性、脚への負担。否定する理由は幾らでもある……というよりも、肯定する理由が見つからないと言った方が正しいかもしれない。
事実、批判の声は多く上がった。将来を潰しているだとか、冷酷非道だとか、マトモな知識も無いのかだとか。
「……という声が上がっていますが、いかがでしょうか?」
そんな質問を取り繕わずに伝えてくる記者。意図が伝わらないという事は起きないかもしれないが、その率直さは相手を怒らせるリスクも孕んでいる。
「うーん、言われてみるとその通りだとしか言えないね。我ながら気の狂った事をやったと思うよ」
しかし今回に限って言えば、その当の本人がそのような言い方を好むタイプであったので何の問題もないのだが。……決して、遠回りな言い方を理解出来るほどの賢さが無い、という訳ではない。
「ただ、それでも走りたい理由があっただけだよ」
「それは?」
フォルティシームは、基本的には穏やかなウマ娘である。常に余裕を持ち、芝居じみた仕草を身につけ、柔らかい微笑みを絶やさない女性だ。
そんな彼女だからこそ、今この瞬間に浮かべたような獰猛な笑みが迫力を持つのだ。
「私が最強だと証明する。……言葉にすると、安っぽいかな?」
世間知らずのウマ娘の妄言。そう言い切るのは容易いが、彼女の強さは結果が証明している。
ならばこれは妄言ではなく宣言であろう。
私がレースを支配する。貴様らは黙って私の背中を見ていろ。そんな宣戦布告。
「すると、今後の目標は……」
「一先ずはクラシック三冠かな。分かりやすい最強の証明だろう? ジュニア級で戦わなかった子達とも戦えるだろうしね。……後は、個人的な目標がもう一つ」
それは? と水を向けられて。無敗の三冠を取ると強気の宣言と獣のような笑み──をふにゃりと消して、耳も尻尾も垂らして恥ずかしそうな顔になる。
「……担当のトレーナーと、もっと仲良くなりたいんです……」
先程までの獰猛さはなりを潜め、年相応の女の子といった様子を見せる。
ある意味ではこのギャップこそが彼女の一番の魅力であり、武器なのかもしれない。少なくとも、記者が一時言葉を失う程度には魅力的であった。
コホンと咳払いを一つして、インタビューに戻る。
「話を戻しましょう……では次に、今回のレースの感想についてお聞きしても?」
「感想……うん。みんな強かった。今回の結果は運もあるかな。次があったらどうなるかは分からない……まあ、負けるつもりは無いけど」
先程までの恥ずかしそうな顔は消え、いつもの微笑みの顔になる。フォルティシームにとってはこれがポーカーフェイスでもあるから。
「本当に? 適切な言い方ではないかもしれませんが、楽勝……とまでは言わないまでも、余力を残した勝ちに見えましたが?」
「あー……参考までに、何故そう思ったのかを聞いても?」
「フォルティシームさんは逃げウマ娘ですよね? 普通、逃げウマ娘はレースの始まりに全力で先頭を取りに行ってスタミナを使い切りながらゴールするものです」
でも貴方は違ったと続ける記者と、黙って興味深そうにそれを聞くフォルティシーム。
「最終コーナーで後続のウマ娘に差しきられるんじゃないかというところでの二回目の加速。差しウマならともかく、逃げウマがそんな事を出来るとは思えません……最初から、その為のスタミナを残していたのでもない限りは」
そんな指摘を受けても、不敵な笑みは崩れない。
断じて、言われている意味が理解出来ていないからとりあえず笑っておこうなどと考えてはいない。
「面白い……いや、興味深い意見だとは思うよ。けれど、敢えて否だと明言させてもらおうか。私は……まあ器用にこなせるタイプではあるけれど。流石にレース中にそんな事が出来る程ではないさ」
少しずつ、ゆったりとした語り口調。それはどことなくヒートアップしていた記者を落ち着かせるかのようであり、優しく包み込むかのような印象を与えてもいた。
別に、何を言うか必死で考えながら喋っているからペースが遅くなったという訳では無いのである。
「あれはただ無我夢中で試しただけだよ。私は勝つためなら初めて使う戦法に手を伸ばす事に躊躇いはないからね。逃げて、差す。知人にそんな方法があるとだけ教わってトレーナーと煮詰めて。ぶっつけ本番だったけど形になって良かったよ」
「知人……? 失礼ながら名門の出では無いと記憶していますが……レースに詳しいお知り合いが?」
「ふふ。それは秘密さ。女は秘密を着飾って美しくなるものだからね」
人差し指を唇にあて、小首を傾げて小悪魔的な表情を作る。
自分の美人さで有耶無耶にしてやろうという意図はないと思いたい。
「それでは……そうですね。トレーナーの話を聞いても?」
「構わないよ……と言いたいところだけど、内容によるかな」
「まずは定番ですが、貴方にとってトレーナーとは? 上手くやれていますか?」
「まず一つ目に答えるなら、大切なパートナーで……素敵な人さ。上手くやれているかは……どうだろう? 練習はしっかり考えてくれるし、コミュニケーションに困ったこともないし。うん。上手くやれている、でいいんじゃないかな?」
相変わらずのポーカーフェイス。質問は続き、当たり障りの無いような回答が続く。
それに焦れたのか、はたまた他の理由か。記者が投げかけた質問にポーカーフェイスは崩される。
「トレーナーを変えたいと思ったことは? 例えばチームを持っているようなトレーナーなら──」
「必要無い」
温和な雰囲気は消え去り、絞られた耳と温度を失った瞳を持って、底冷えのするような声が出る。
「あまりにも酷い侮辱だ。今までの私の答えを聞いていればそんな巫山戯た質問は仮定であっても出てこないはずだが?」
地雷を踏んでしまったかと記者の額に一筋の汗が流れる。
名を残すようなウマ娘には、気難しい者も少なくはない。温和な態度に甘えて言葉選びへの注意力が散漫になっていたのか。
どんな罵声が飛んでくるのか、覚悟を決める。吐いた言葉の訂正も、言い訳もしないのは記者としての矜恃故か。
「……帰る」
そんな覚悟は肩透かしに終わったが。気分を損ねても理性を保ったままだというのは良い事なのか悪い事なのか。怒りは短い狂気である。狂気に飲まれた方が幸せなのか、狂気を制御できる方が幸せなのか。
それはさておき、インタビューはここで終了となった。
無論、事実は最初からキレたふりをして帰るつもりだったから丁度いい発言があったのを良い事に帰ってみせた──という訳でもない。フォルティシームとしては元はそのつもりであったが、トレーナーの変更を勧められて嘘偽りなく、キレた。言葉を素直に受け取ってしまう弊害とも言える。トレーナーの事を好き過ぎるだけとも言える。
内容は一先ず置いておいて取材を終え、トレーナーと合流し、取材で溜まったストレスを解消するとの名目で何度か訪れたことのある甘味が食べられる店へと向かう。
甘いものを好むウマ娘は多い。担当ウマ娘にやる気を出させたければパフェを食べさせろなんて言葉もあるほどだ。
ウマ娘に人気のある店は甘味を豊富に取り揃えている店か提供する料理のボリュームが多い店かの二択と言っていい。
今回も例に漏れず、美味しい甘味を食べてリフレッシュを図ろう──とは、少しだけ違う。
フォルティシームが頼んだ甘味は机の隅においやられている。では何をしているのかといえば、単純なことである。
「はい、あーん」
親鳥が小鳥に餌を運ぶように、トレーナーが注文した物を食べさせている。文字にするとそんなところか。
初めてこの店に来た時から行われている定番の行為である。最初は恥ずかしがって拒否するトレーナーをフォルティシームが笑顔の圧で押し切っていたが、今では顔を真っ赤にしつつも受け入れている。慣れとは恐ろしいものである。
ここで余談だが、ウマ娘というのは耳と尻尾がある分普通の人間よりもどうしても目立つ。そしてフォルティシームは神が自分にも美的センスがある事を証明するために作ったのではないかと疑うくらいには美人である。
つまり何が言いたいのかというと、とんでもない悪目立ちをするのである。
好奇の視線、嫉妬心混じりの視線。トレーナーにまだそこまで周りの様子を気にする余裕が無いのが幸いか。
更に余談として、フォルティシームも気づいていない。彼女はトレーナーが食べている様子を見るのに夢中である。周りの視線になど最初から関心は無く、ただトレーナーちゃん可愛いと思っているだけの脳内ピンク色ウマ娘である。
「そういえば、インタビューどうだった? フォルティの事だから大丈夫だとは思うけど……」
「うん? あー……向こうもプロだからね。上手いことやるだろうさ」
「待って何したの?」
目を逸らし、白々しく答える白銀の彼女を問い詰める。何をしたかと言われれば取材の途中でキレて帰ったのだが、そんな事を正直に言う訳にもいかない。そこで彼女のとった行動は……
「はい、あーん」
とにかくこの場を誤魔化して有耶無耶にする事だった。
流石にそんな事で誤魔化せるはずもないし、どの道ただの時間稼ぎにしかならないのだが目先のトレーナーちゃんを可愛がりたいという欲求に従った結果である。バカの考え休むに似たりという言葉があるが、寧ろ何もしない方がマシであろう。
やいのやいのと時間は過ぎる。きっとこんな時間も、後から振り返ればいい思い出になるのだろう。
「何したのかは後で聞かせてもらうからね?」
それはそれとして。フォルティシームは初めて逃げ切れない戦いを経験した。
Q 閃光の歌詞はまずいですよ!
A 修正しました。別に本筋は変わらないので見返さなくて平気です
Q 24歳…?
A 18歳を過ぎたら元ネタを調べてくれ
Q トレーナーの意味って?
A 別に練習内容考えるだけが仕事じゃないから(震え声)
Q スタミナ足んなくない?
A ゲームじゃないんだから坂路でスタミナもつくでしょ(慢心)
Q 安価踏んだところ色変えて?
A やり方調べてきます
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5話
248:1
こんにちは。坂路の女王です
249:名無しのヒトミミ
おは根性
250:名無しのヒトミミ
坂路に帰れ
251:名無しのヒトミミ
タイヤでも引いてろ
252:名無しのヒトミミ
おっぱい晒せ
253:1
おは自撮り要求変態ニキ
ちょっと皐月賞まで来る気は無かったんやけど、相談したいことが出来たから聞いてくれんか?
254:名無しのヒトミミ
嫌だが?
255:名無しのヒトミミ
まあ美少女の相談なら聞いてやってもええ
256:名無しのヒトミミ
しょうがないにゃあ……
257:名無しのヒトミミ
なんや? 練習なら坂路しか認めへんで?
258:1
練習はとりあえずひたすら坂路走ってる。他のこともやってるけどな
それは置いといて今回の相談は……じゃーん! 勝負服です!!
259:名無しのヒトミミ
勝負服って?
260:名無しのヒトミミ
ああ!
261:名無しのヒトミミ
ヨハン・アンデルセンもよう見とる
262:名無しのヒトミミ
簡単に説明するとG1で走るときに着る衣装や
ちなみに一回も着ずに現役を終えるウマ娘のほうが多いらしい。知らんけど
263:名無しのヒトミミ
ああ! あのエッチなやつか!
264:名無しのヒトミミ
ウマ娘を邪な目で見るな
265:名無しのヒトミミ
はい逮捕
266:名無しのヒトミミ
おまわりさーん!!
267:名無しのヒトミミ
で? 勝負服がどうしたんや?
268:1
皐月賞に出るにあたって勝負服のデザインを送らなあかんのや
つってもある程度要望を出せばデザイナーが上手いことやってくれるらしいけど
問題はワイにそういうセンスが皆無なことや
269:名無しのヒトミミ
全部おまかせじゃだめなん?
270:名無しのヒトミミ
ワイらなんかよりプロに任せようや
271:1
ワイもよくわからんが、そのウマ娘の思いがこもってないとダメらしい
だから本人に最低限のネタは出してほしいんやって
272:名無しのヒトミミ
そのウマ娘の思い(安価スレ)
273:名無しのヒトミミ
じゃあ自分で考えろや
274:名無しのヒトミミ
安価に思いを託すな
275:1
でも君等、こんな面白いネタあるなら安価で決めてほしいやろ?
276:名無しのヒトミミ
それはそう
277:名無しのヒトミミ
よくわかってるやん
278:名無しのヒトミミ
物分りの良いイッチでワイは嬉しいよ
279:名無しのヒトミミ
後悔させへんからな。安心しろって
280:名無しのヒトミミ
ワイらの手で最高に魅力的な勝負服にしたる!
281:名無しのヒトミミ
ついでに勝負下着も選んだる!
282:1
(下着まで決める必要は)ないです
さて、どう決めてこうか。まずは基調とする色とか?
283:名無しのヒトミミ
どんぐらい露出するかやろ
284:名無しのヒトミミ
乳を出せ
285:名無しのヒトミミ
太ももを晒せ
286:名無しのヒトミミ
ピッチピチのボディスーツを着ろ
287:名無しのヒトミミ
デカ乳を活かせ。お前の取り柄なんて無駄に良い顔と乳だけや
288:1
怖すぎて泣いちゃったな
じゃあ露出する部位 >>295
289:名無しのヒトミミ
泣いてるくせに自分から露出していくのか(困惑)
290:名無しのヒトミミ
イッチもホントは脱ぎたいんやね
291:名無しのヒトミミ
信じてたよ
292:名無しのヒトミミ
南半球
293:名無しのヒトミミ
腋
294:名無しのヒトミミ
谷間
295:名無しのヒトミミ
ふともも
296:名無しのヒトミミ
背中
297:名無しのヒトミミ
へそ
298:名無しのヒトミミ
ふとももか
299:名無しのヒトミミ
ええやん
300:名無しのヒトミミ
まだ痴女じゃない
301:1
ミニスカとかホットパンツとかか?
まだマシなところで良かった
靴下は長めでええか?
302:名無しのヒトミミ
絶対領域を作り出せ
303:名無しのヒトミミ
かたっぽだけ履け
304:名無しのヒトミミ
片脚露出とかいう意味不明なプレイ
305:名無しのヒトミミ
アニメとかなら稀によくある
306:名無しのヒトミミ
まあファッションなんて意味不明なぐらいでええやろ
307:1
じゃあ片脚露出するよ……みんなが怖いから
308:名無しのヒトミミ
それでええ! オシャレは冒険や! 気後れしたらあかん!!
309:名無しのヒトミミ
イッチの調教が順調に進んでいる
310:名無しのヒトミミ
次行こ次。何決める? 色?
311:1
色で行こか。あくまで基調とする色ね
>>315
312:名無しのヒトミミ
白
313:名無しのヒトミミ
今日のイッチのパンツの色
314:名無しのヒトミミ
濃い緑
315:名無しのヒトミミ
黒
316:名無しのヒトミミ
レインボー
317:名無しのヒトミミ
無色
318:名無しのヒトミミ
黒か。まあええんちゃう?
319:名無しのヒトミミ
銀髪が映えそう
320:名無しのヒトミミ
なんかのゲームで見たことあるカラーリングやね
321:名無しのヒトミミ
パンツの色やったら何色になってたんや?
322:1
黒ね。了解
>>321 白やで
323:名無しのヒトミミ
答えるのか(困惑)
324:名無しのヒトミミ
セクハラは無視してええんやで
325:名無しのヒトミミ
イッチの好感度が上がりました
326:名無しのヒトミミ
白は清楚系アピールしすぎ。黒パンを履け
327:名無しのヒトミミ
もういっそパンツ履くな
328:名無しのヒトミミ
変態しかいねぇ
329:名無しのヒトミミ
こいつら全員逮捕しといたほうが良いよ
330:名無しのヒトミミ
警察は何しとるんや
331:1
はい次! どんな服にするか!!
上 >>340
下 >>350
332:名無しのヒトミミ
こいつパンツの色バラしたのが恥ずかしくなったな
333:名無しのヒトミミ
自爆やぞ
334:名無しのヒトミミ
白パンちゃんオッスオッス
335:名無しのヒトミミ
服のことを上と下って呼び分けるな
336:名無しのヒトミミ
ビキニ水着みたいなやつ
337:名無しのヒトミミ
着物
338:名無しのヒトミミ
コート
339:名無しのヒトミミ
軍服
340:名無しのヒトミミ
スポーツブラにアウター あと乳紐
341:名無しのヒトミミ
パーカー
342:名無しのヒトミミ
痴女レベル上がってきたな
343:名無しのヒトミミ
アガッてきた!!
344:名無しのヒトミミ
ホットパンツ
345:名無しのヒトミミ
何も履くな
346:名無しのヒトミミ
ノーパンにミニスカ
347:名無しのヒトミミ
ズボンで検索して一番最初に出たやつ
348:名無しのヒトミミ
スカートで検索して一番最初に出たやつ
349:名無しのヒトミミ
鼠径部が見える格好
350:名無しのヒトミミ
めっちゃ短いスカート
351:名無しのヒトミミ
かろうじてまだマシ
352:名無しのヒトミミ
痴女にしたがってるやつが多すぎる
353:名無しのヒトミミ
結局露出結構多いの草なんよ
354:名無しのヒトミミ
へそ出しヤッター!
355:名無しのヒトミミ
まあへそは今までの衣装でも出てたし、多少はね?
356:1
整理すると
太ももを露出して、スポブラにアウターを着て、乳を紐で強調して、超ミニスカを履いて、色は黒基調
充分痴女なのでは?
357:名無しのヒトミミ
ソンナコトナイヨ
358:名無しのヒトミミ
スレミンウソツカナイ
359:名無しのヒトミミ
チョウセイソ
360:1
おへそ……というかお腹見られるの恥ずかしいんだが
ちょっとでも太ったらおしまいやんけ
361:名無しのヒトミミ
太らなきゃええやん
362:名無しのヒトミミ
太ったイッチなんてワイらは見とうない!
363:名無しのヒトミミ
体型維持はアスリートの基本
364:名無しのヒトミミ
(アウターで隠れるのでは? おへそ)
365:名無しのヒトミミ
腹筋鍛えとけ
366:1
頑張るわ……
とりあえず安価も終わったしこれを提出するね
痴女だと思われないといいなぁ……
367:名無しのヒトミミ
ダイジョブダイジョブ
368:名無しのヒトミミ
まあ露出多いウマ娘結構いるし向こうも慣れてるやろ
369:名無しのヒトミミ
そもそも学園の衣装がへそ出しの時点で
370:名無しのヒトミミ
トレセン学園くんさぁ……
371:名無しのヒトミミ
なぜ引くんだい? 彼女たちの衣装はドチャシコだよ?
372:名無しのヒトミミ
外国人がドチャシコなんて日本語を覚えるな
373:名無しのヒトミミ
もはやヘイトスピーチ
374:名無しのヒトミミ
ウマ娘でシコるな
375:名無しのヒトミミ
過激派だ
376:名無しのヒトミミ
ちょっと分かる。あんなに頑張ってる子達をそんな目で見れんわ
377:名無しのヒトミミ
おっと! 荒れそうな話題はそこまでや!
378:名無しのヒトミミ
お前らは森で、ワイらはシコリ場で暮らそう
379:名無しのヒトミミ
棲み分けは大事。古事記にも書いてある
380:名無しのヒトミミ
でもウマ娘見てたら正直人間じゃ物足りなくなってこない?
381:名無しのヒトミミ
わかるマーン!
382:名無しのヒトミミ
否定はしきれない
383:名無しのヒトミミ
ヒトミミって可愛くないよね
384:名無しのヒトミミ
人間にも感情に応じて揺れ動く部位を作るべき
385:名無しのヒトミミ
ウマ娘に美人が多すぎるのが悪い
386:名無しのヒトミミ
統計によると小学生男子の初恋の九割がウマ娘らしい
387:名無しのヒトミミ
実際そのぐらい有りそうだから困る
388:名無しのヒトミミ
みんなはどう? ワイは近所のウマ娘のお姉さんに初恋を奪われたけど
389:名無しのヒトミミ
ワイもソーナノ
390:名無しのヒトミミ
むしろそうじゃないやつおりゅ?
391:名無しのヒトミミ
保育園のウマ娘ママに初恋を奪われました
392:名無しのヒトミミ
おぎゃぁぁぁああ!! ばぶぅぅぅうう!!
393:名無しのヒトミミ
急にオギャるな
394:1
ただいま
キミら業が深すぎない?
395:名無しのヒトミミ
ウマ娘の母親が欲しいってのは人類共通の夢でしょ
396:名無しのヒトミミ
姉妹でも可
397:名無しのヒトミミ
妻でもいい
398:名無しのヒトミミ
段々欲深くなってない?
399:名無しのヒトミミ
これが人の夢! 人の望み! 人の業!
400:1
いい加減キミらキショイからちょっと話題変えていい?
401:名無しのヒトミミ
ママになってくれるならええで
402:名無しのヒトミミ
安価してくれるならええで
403:名無しのヒトミミ
自撮りくれるならええで
404:1
はいはいママでちゅよ~
満足か?
405:名無しのヒトミミ
結構満足
406:名無しのヒトミミ
ちょっとイッチの声あげてくんない? 妄想の精度上げるから
407:名無しのヒトミミ
ちょっと優しめの声で頼む
408:名無しのヒトミミ
ヒトミミの欲望に際限はない
409:1
バカどもがよ
410:名無しのヒトミミ
それも言って欲しい。声はよ
411:名無しのヒトミミ
G1に勝ちまくって全国放送されてくれ
412:1
話進まんからもう言うな?
皐月賞……てかこれからG1で勝ったときどんなポーズしたら良いと思う?
みんなで決めたい
413:名無しのヒトミミ
拳突き上げとけ
414:名無しのヒトミミ
もうレース勝ったんでしょ? 今までどうしてたん?
415:1
観客席に手振ってた
416:名無しのヒトミミ
つまんな
417:名無しのヒトミミ
ふっつう~~~~
418:1
そろそろキーボードが涙で濡れて壊れそうなんやが
419:名無しのヒトミミ
しゃーないな。ワイらが最高の考えたるわ
420:名無しのヒトミミ
こんなサービス……滅多にしないんだからね
421:名無しのヒトミミ
任せとき。ワイら天才やから
422:1
ありがとう……じゃあ安価
>>430
他にも心に刺さるのがあったら採用するかも
423:名無しのヒトミミ
観客席に投げキッス
424:名無しのヒトミミ
胸の下で腕組して強調する
425:名無しのヒトミミ
トレーナーにドロップキック
426:名無しのヒトミミ
いきなり服を脱ぐ
427:名無しのヒトミミ
スカートをギリギリまで持ち上げる
428:名無しのヒトミミ
パンツ脱いで投げる
429:名無しのヒトミミ
おもむろに地面を殴って地割れを起こす
430:名無しのヒトミミ
皐月なら指1本立てて一つ目アピールしよう
431:名無しのヒトミミ
中指立てる
432:名無しのヒトミミ
同じ指一本なのに酷い差だ
433:名無しのヒトミミ
碌なのがない中で一番マシ
434:名無しのヒトミミ
これで決まりならダービーも指二本にすればいいだけだから楽でええね
435:1
服脱ぐとかやらされなくてよかった
子供も見るんやぞバカども
436:名無しのヒトミミ
安価で決めるほうがバカだと思うんですがそれは
437:名無しのヒトミミ
正論ティーじゃん
438:1
泣いた
439:名無しのヒトミミ
勝手に泣いてろ
440:名無しのヒトミミ
こいついっつも泣いてんな
441:名無しのヒトミミ
涙なめていいか?
442:名無しのヒトミミ
キッショ
443:1
じゃあ今度こそ皐月が終わるまでバイバイ
ノシ
444:名無しのヒトミミ
乙やで
445:名無しのヒトミミ
乙
446:名無しのヒトミミ
自撮り用意しといてな
447:名無しのヒトミミ
やっとワイもリアルタイムでイッチが見れる……
Q シリウスシンボリっぽい
A 持ってないのでわからん…ください
Q ルドルフ人気やね
A ワイトも好きですが一番好きなのはシービーです
Q 見た目はゴルシで中身はフジキセキ
A ワイトもそう思います
Q ニコニコから消された汚い文化を継承させてはいけない
A 負の世界遺産
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6話
550:1
こんにちは。神です
551:名無しのヒトミミ
思い上がりもここまで来ると清々しいな
552:名無しのヒトミミ
イッチだ! 皐月おめ
553:名無しのヒトミミ
とりあえず皐月おめ! あと二つやね
554:名無しのヒトミミ
三冠とってから神を名乗れ
555:名無しのヒトミミ
無敗の三冠のシンボリルドルフですら皇帝なのに神を名乗るな
556:名無しのヒトミミ
もっと謙虚に生きろ
557:名無しのヒトミミ
そんなんだからマスコミに嫌われるんやで
558:名無しのヒトミミ
イッチ嫌われすぎてて皐月で勝ったのにインタビューしてもらえなかったってマジ?
559:名無しのヒトミミ
哀れ。所詮顔だけの気性難よ
560:1
なんかワイ毎回ボロクソに言われてない? 美少女なのに
561:名無しのヒトミミ
自分で言うな定期
562:名無しのヒトミミ
二枚目半なんよ
563:名無しのヒトミミ
マスコミ不仲説はマジなん?
564:名無しのヒトミミ
なんか前取材されたときに椅子を蹴り飛ばして帰ったって聞いたけど
565:名無しのヒトミミ
マスコミの鼻を物理的にへし折ったらしい
566:名無しのヒトミミ
カメラをぶっ壊して次はお前がこうなる番だって言い放ったらしい
567:1
尾鰭がつくにも限度があるんよ
単にダービー勝ったらまとめてインタビュー受けたるわって言っただけよ
568:名無しのヒトミミ
このウマ娘もう勝った気でいやがりますよ
569:名無しのヒトミミ
今の所有言実行してるから困る
570:名無しのヒトミミ
マスコミもよくそれで引き下がったな
571:名無しのヒトミミ
二冠バにインタビューできる可能性に賭けたんやろな。今インタビューしたら気性難のイッチは今後受けてくれなくなるから
572:名無しのヒトミミ
これでダービー負けたらウケるな
573:名無しのヒトミミ
一番運のいいウマ娘が勝つんやろ? ……不安やな
574:名無しのヒトミミ
なんとなくイッチって不幸そう
575:名無しのヒトミミ
起きたらウマ娘になってた幸運野郎やぞ!!
576:名無しのヒトミミ
その設定忘れてたわ
577:名無しのヒトミミ
久しぶりやね
578:名無しのヒトミミ
本当におっさんだったらワイらに自撮りをくれてるはず。よって嘘
579:名無しのヒトミミ
どっちでもええわ。乳でかいし
580:名無しのヒトミミ
デカパイは正義
581:名無しのヒトミミ
ほんとに男ならもっとガード緩いやろ
582:名無しのヒトミミ
イッチガード緩いやん。セクハラに寛容やし
583:名無しのヒトミミ
せやせや。普通キレて二度とスレに来ないで
584:名無しのヒトミミ
ワイらの基準がイカれているだけだった……?
585:名無しのヒトミミ
気性難って言うけど結構寛容な方やろ
586:1
まあ童貞どもやししゃーないな~って思って見てるよ
587:名無しのヒトミミ
は?
588:名無しのヒトミミ
許さん
589:名無しのヒトミミ
煽りカスがよぉ……
590:名無しのヒトミミ
ど、ど、ど、童貞ちゃうわ!!
591:名無しのヒトミミ
イッチもどうせモテへんやろ。こんなスレにいるぐらいやし
592:1
モテモテだがー? トレーナーちゃんメロメロだがー?
593:名無しのヒトミミ
こういうやつが仕事上の付き合いなのに好意を持たれてるって思い込むんやなって
594:名無しのヒトミミ
そのうちニュースで名前聞けそう
595:名無しのヒトミミ
セクハラするおっさんかよ
596:名無しのヒトミミ
中身おっさん説に信憑性出てきたな
597:名無しのヒトミミ
おっさんがあんな勝負服着れるわけ無いやろ!! 恥を知ってればやけど
598:名無しのヒトミミ
せやせや! ブラもパンツもほぼ丸見えやぞ!!
599:名無しのヒトミミ
待てよ? だからこそおっさんなのでは?
600:名無しのヒトミミ
痴女やぞ
601:1
あの服作ったのキミらじゃん
602:名無しのヒトミミ
記憶にございません
603:名無しのヒトミミ
イッチもノリノリだったじゃん。合意の上です
604:1
チッ、これだからヒトミミどもはよぉ……
605:名無しのヒトミミ
はいヘイトスピーチ
606:名無しのヒトミミ
G1勝利バの問題発言として記念にスクショしておこう
607:名無しのヒトミミ
アンチ乙。G1勝利バがこんな掲示板にいる時点でスキャンダルだから
608:名無しのヒトミミ
今更なんだけど、イッチ見せパン的なもの履いてないの?
609:1
え……?
610:名無しのヒトミミ
あっ
611:名無しのヒトミミ
痴女だ
612:名無しのヒトミミ
パンツを見せびらかしてる痴女がいるらしい
613:名無しのヒトミミ
そのパンツでG1勝利バは無理がある
614:1
安価します!!!!!
615:名無しのヒトミミ
わーい安価ら
616:名無しのヒトミミ
誤魔化しにかかったな
617:名無しのヒトミミ
しゃーなしやな。誤魔化されてあげよう
618:1
ダービーの戦法について安価します!!
皐月賞の時やり忘れてたので!!
619:名無しのヒトミミ
そういやそうやね
620:名無しのヒトミミ
すっかり逃げのイメージついてたわ
621:名無しのヒトミミ
もう逃げでええんちゃうか
622:名無しのヒトミミ
パンツを見せびらかして周りのウマ娘を掛からせろ
623:名無しのヒトミミ
ドン引くだけやぞ
624:名無しのヒトミミ
そうなったらむしろ成功でしょ
625:名無しのヒトミミ
萎縮させていけ~?
626:1
パンツの話は終わり! はい安価!!
>>632
627:名無しのヒトミミ
逃げながらの差し
628:名無しのヒトミミ
普通に逃げ
629:名無しのヒトミミ
追込こそが華
630:名無しのヒトミミ
差せー! 差せー!
631:名無しのヒトミミ
他のウマ娘に下剤盛れ
632:名無しのヒトミミ
大逃げ
633:名無しのヒトミミ
大逃げってなんや?
634:名無しのヒトミミ
逃げの強化版
635:名無しのヒトミミ
なるほどな?
636:名無しのヒトミミ
ド外道おって草
637:名無しのヒトミミ
イッチ得意の逃げやん。よかったね
638:名無しのヒトミミ
大丈夫? スタミナ足りる?
639:名無しのヒトミミ
皐月より400m長いからな……
640:名無しのヒトミミ
まぁダービー走りきれなきゃ菊花はもっと無理だし
641:名無しのヒトミミ
それもそうやね
642:1
そのための、根性。坂路で鍛えた脚を見せてやりますわ
643:名無しのヒトミミ
頑張れイッチ。ワイは応援しとるで
644:名無しのヒトミミ
むしろパンツ見せろ
645:名無しのヒトミミ
2400mも走ればどこかでパンチラするやろ。あとウイニングライブとか
646:名無しのヒトミミ
ウイニングライブで前の席取れたことないワイ、憤死
647:名無しのヒトミミ
勝ちウマを当てると前の方になるらしい(ワザップ)
648:名無しのヒトミミ
イッチのパンチラを見るためにイッチが勝つことを祈るか
649:名無しのヒトミミ
みんなでイッチに投票しよう
650:1
おまえらみんなきらい
・
・
・
748:1
どうも。二冠バです
749:名無しのヒトミミ
こんなのが二冠か……世も末だ
750:名無しのヒトミミ
顔だけは相応しい女
751:名無しのヒトミミ
乳だけは相応しい女
752:名無しのヒトミミ
顔と乳とケツだけは相応しい女
753:名無しのヒトミミ
全国にパンツとブラを見せびらかした女
754:1
見せパンだから恥ずかしくないもん
755:名無しのヒトミミ
賢さSSか?
756:名無しのヒトミミ
入れ知恵で偉そうによぉ……
757:名無しのヒトミミ
あれ見せパンなん!? はー萎えたわ。イッチのファン辞めます
758:名無しのヒトミミ
パンツでファンを失う女
759:名無しのヒトミミ
へぇ……おもしれー女……
760:名無しのヒトミミ
相変わらず後ろの方にいたワイ、咽び泣く
761:名無しのヒトミミ
イッチのパンツ見れてないやつおりゅ?
ほらよ[画像]
762:名無しのヒトミミ
神か?
763:名無しのヒトミミ
ニーチェはアホや……神は死んでなんかない。ここにおるんや……
764:1
!?!?!?!?!?
765:1
ちょっと!!!!!!!!
766:1
何してんの!!!!!!!
767:名無しのヒトミミ
イッチが連投するの初めてやね
768:名無しのヒトミミ
諦めろ
769:名無しのヒトミミ
見せパンなんだからええやん
770:名無しのヒトミミ
言及するとむしろみんな画像見るで
771:名無しのヒトミミ
どうせ全国放送されてるぞ
772:名無しのヒトミミ
水着見られるのと変わらんやろ
773:1
水着でも写真で撮られたら恥ずかしいでしょうが!!!
774:名無しのヒトミミ
それはそう……かも
775:名無しのヒトミミ
撮られたことないからわからんわ
776:名無しのヒトミミ
無知の知
777:名無しのヒトミミ
チッウッセーナ、反省してま~す
778:1
おばか!!!!!
779:名無しのヒトミミ
まあ今更言ってもしゃーないし
780:名無しのヒトミミ
切り替えてこ
781:1
顔あっつい。窓開けてくる
782:名無しのヒトミミ
奇声が外に響くから止めたほうがええぞ
783:名無しのヒトミミ
そういえばイッチ同室は? トレセン学園って基本二人部屋って聞いたことあるんやけど
784:名無しのヒトミミ
そういやイッチから同室の子の話聞いたことないな
785:名無しのヒトミミ
気性難だから避けられてるんじゃないの?
786:名無しのヒトミミ
掲示板見て泣いてる毎日坂路走ってる女の子なんて怖すぎるやろ
787:名無しのヒトミミ
もはやホラー
788:1
同室? いないよ
789:名無しのヒトミミ
あっ(察し)
790:名無しのヒトミミ
気性難で逃げられたか
791:名無しのヒトミミ
同室がカスすぎると部屋変えてもらえるんやね
792:1
泣いていい? 二冠バにこの扱いしてくるの君らぐらいやで?
793:名無しのヒトミミ
裏表のない素敵な人達なので
794:名無しのヒトミミ
肩書で対応を変えないって良いことやん
795:名無しのヒトミミ
で実際なんでなん?
796:1
全くわからん。最初から一人だった。人数比の問題かワイが来るまでに退学したかやな
797:名無しのヒトミミ
そんな簡単に退学することある?
798:名無しのヒトミミ
あるぞ
799:名無しのヒトミミ
中央ならある
800:名無しのヒトミミ
あんまり勝てないと地方落ちしたり退学させられたりするらしい。ソースはウマ娘系の雑誌
801:名無しのヒトミミ
こっわ
802:名無しのヒトミミ
まあ勝てるのなんて一握りやからね。結構退学しとると思うで
803:1
らしいで。ワイには関係ないが。二冠バなので! 二冠バなので!
804:名無しのヒトミミ
はいはいよかったね
805:名無しのヒトミミ
なんで二回言った?
806:名無しのヒトミミ
安価でもしてろ
807:1
んー、それがな。今回の取材は何聞かれるかもわからんし、次のレースは菊花のための神戸新聞杯で決まりやし、正直安価する内容が無いんよね
808:名無しのヒトミミ
内容が……無いよう!!
809:名無しのヒトミミ
は?
810:名無しのヒトミミ
消えろカス
811:名無しのヒトミミ
バカがよ
812:名無しのヒトミミ
あれがあるやん!! 夏合宿!!! 練習内容決めよう?
813:1
キミら練習内容根性しか言わんくなるでしょ
814:名無しのヒトミミ
バレてーら
815:名無しのヒトミミ
信頼の実績
816:名無しのヒトミミ
夏があるならもう一つ安価ネタがありますぜ旦那
817:名無しのヒトミミ
マジ? 有能
818:名無しのヒトミミ
期待しとらんけど言うだけ言ってみ
819:名無しのヒトミミ
非リアの貴様らには分からんかもしれんが夏と言えば夏祭り! そしてこの安価スレの目標の一つはトレーナーを落とすこと。
つまり好感度アップを狙うチャンスや!! 安価しろ!!!
820:名無しのヒトミミ
これは名推理。一言余計だが
821:名無しのヒトミミ
君一言多いってよく言われない?
822:名無しのヒトミミ
友達少なそう
823:1
うーん……それにしても安価内容が思いつかん
夏祭りの行動とかか……?
824:名無しのヒトミミ
それでええよ
825:名無しのヒトミミ
ワイらが必勝のデートプランを考えたる!!
826:名無しのヒトミミ
やれ! イッチ!!
827:1
行動安価ね
>>832
>>837
>>840
828:名無しのヒトミミ
間隔が短い……短くない?
829:名無しのヒトミミ
一気にいったるで
830:名無しのヒトミミ
まずは服を脱ぎます
831:名無しのヒトミミ
一度全裸になります
832:名無しのヒトミミ
そして浴衣を着ます
833:名無しのヒトミミ
そして縁日に向かいます
834:名無しのヒトミミ
まずは食べ物系から攻めます
835:名無しのヒトミミ
かき氷は鉄板
836:名無しのヒトミミ
後はたこ焼き?
837:名無しのヒトミミ
射的をします
838:名無しのヒトミミ
そろそろ花火が見えるスポットに向かいます
839:名無しのヒトミミ
一緒に花火を見ます
840:名無しのヒトミミ
花火の音と重なるように君が好きだと伝えます
841:名無しのヒトミミ
聞こえないだろうからそのまま帰ります
842:名無しのヒトミミ
以上!
843:1
やれば出来るやん君ら
844:名無しのヒトミミ
もうこれ安価とかじゃなくて一連全部やって良くない?
845:名無しのヒトミミ
それは思った
846:1
君らがそれでいいならええで。マトモに出来たご褒美や
847:名無しのヒトミミ
やっちゃー!!
848:名無しのヒトミミ
イッチちゅき
849:1
そんじゃ、合宿中に誘ってみるわ。これで夏祭りなんか無かったら笑うけど。
あと練習は根性を鍛えます
Q 勝負服ってこんな感じ?
A 作者的には前書きの通りですが貴方の感じた事が正しいです
Q 記者とか観客にスレバレそう
A 3女神の加護です
Q 子供の性癖が歪む
A みんなも戦隊モノのピンクがピンチになってトキメキを覚えたでしょ?
Q トレーナー目線見たい
A 最後に書く?需要あるなら
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おまけ3
最も速いウマ娘が勝つレース。皐月賞。
フォルティシームにとってはクラシック級での初めてのレースであり、彼女の掲げる目標である無敗の三冠を達成するための一つ目の山場でもある。
「いやあ。流石にクラシック三冠レースともなると観客の数も凄いね。大丈夫かいトレーナー。君があの中にいったら押し潰されるんじゃないかって心配なんだけど」
そんなレースの前だというのに、相も変わらず減らず口を叩く彼女。
ジュニア級での二回のG1出場は彼女に心理的余裕を与えていた。元来プレッシャーを感じにくい質だというのもあるが。
ちなみにトレーナーやチームのウマ娘など、レース出場者の関係者には最前列が割り当てられるのであまり心配する必要は無かったりする。
それを知らずに言っているのか、それとも知った上で揶揄いとして言っているのか。
当然彼女はアホの子なので無知故の前者──とも言いきれない。彼女は確かに元々はレースの知識などほぼ皆無だったと言っていいが、トレーナーによる授業のおかげで改善しつつある。やる気があれば変わるものである。
幾つか会話を交わして──レースの作戦などといった高尚なものでは無い。そんな難しい事を考えられるほど頭は良くない──パドックへと向かう……前に、最後の一言。
「それじゃあ、勝ってくるよ。勝利の栄光を君に」
まるで散歩に行ってくるかのような、一切気負いのない勝利宣言。誓いを込めて、手の甲に口付けを一つ。
キザな仕草が似合うのはその美貌故か。顔を真っ赤に染めて固まるトレーナーを横目に、今度こそパドックへと向かう。
レースの内容について、特に語ることも無い。
最初から先頭に立って、そのまま一度も譲ることなく最後まで駆け抜けた。文章にすればその程度の横綱相撲。
無論、駆け引きが無かったという訳ではない。離されないように必死で食らいついた他の逃げウマ娘はいたし、差しウマ娘達も虎視眈々と仕掛ける機会を見計らっていた。
ならば何故語ることが無いのか。答えは単純明快。スペックの差によるゴリ押しでケリをつけたからである。
食らいついた逃げウマ娘を、貴様らなど知らぬと二度目の加速で引き剥がし、差しウマ娘達を眼中に無いと無視する。そこに掛かりも戸惑いも動揺もありはしない。
しかし、観客にとって何の面白味もないレースだったかと問われれば、否だ。
そもそもの話として、ウマ娘同士の駆け引きや緻密な作戦などを好むのは専門職だったり、長年レースを見ている古参のファンだったりする者達くらいである。
分かりやすい所で言えば、逃げウマ娘の人気である。
最初から先頭に立ち、それをキープする。勝てればそれでよし、負けてもそれはそれで大きく沈んでいく様は違った意味で見応えがある。
勢いよく最後方から全員を追い抜いていく追込の人気も、まあ似たようなものである。
そもそも娯楽としてレースを見ている大多数は頭を使いたくないのだ。推しを見つけて勝ったら笑い、負ければ泣く。
どれほど感情を動かされるかというのには個人差が大きいだろうが、レースに人生がかかっている訳でもなし。要は気持ちよくなれるかどうかだ。
長々と語ったが、簡単にまとめると観客が理想とするレースを見せつけたからこそ観客は楽しめたと、それだけの話である。
ゴールを圧倒的な一番で通り抜けて、しかしフォルティシームの顔に笑みは無い。視線は遥か遠く。
勝利に歓声を上げることなく、喜びを身体で表すこともなく。
しかし掲げられた人差し指が彼女の意志を言葉よりも雄弁に語っていた。
まずは一つ。無言で語られた三冠の宣言。
ミスターシービー、シンボリルドルフの時の熱狂を人々はまだ覚えている。ならば今また一人と期待するのは必然であろう。
トレーナーを探していたから視線が遠くに向いていたとか、コミュ障が観客に見られているが故の緊張で笑顔を作る余裕が無かったとか、そんな理由ではない。決して。
皐月賞を制して、しかしフォルティシームの名の広がりは緩やかなペースであった……ある時までは。
理由としてはやはり、取材の拒否が大きい。ネットライター、雑誌、テレビメディア、全ての干渉を徹底的に拒否するその姿は最早いっそ清々しい程だ。
しかし、いくらクラシック三冠という注目度の高いニュースといえどもそう何度も流す訳にもいかず、途方に暮れていたメディアの元に届いた一つのメッセージが状況を一変させた。
『取材はダービー勝利後に』
たった一言の、あまりにも大胆な宣戦布告。
負けを考えて試合に臨むバカがいるかとは言うが、勝ちしか考えないのもやはりバカであろう。
ともかくそんな大胆な──或いは無謀な──宣言に、話題に飢えたメディアが食いつかないはずもなかった。
あるメディアは大胆不敵なチャレンジャーとして、別のメディアは唯我独尊のヒールとして。
扱いに差はあれど、間違いなく言えることが一つ。世間の注目は彼女へと集まった。
目立ちたがりの弁えないビッグマウスか、或いは自分の能力への絶対的な自信か、はたまた誰にも予測出来ない意図があるのか。
答えは一ヶ月後のダービーで分かるだろうと、誰もが胸を躍らせた。
コミュ障を拗らせたのをトレーナーにバレないように、こっそりと取材お断り宣言をして、トレーナーに取材は受けなきゃダメだよと怒られたから慌てて訂正の言葉を送ったウマ娘なんていないのである。ましてやその送った文章の内容のあまりの酷さにトレーナーに30分ほど怒られてポーカーフェイスの裏で泣きそうになっていた銀髪のウマ娘などいる訳がない。
5月。日本ダービー。三冠の三つのレースの中でも最も古く、そこでの勝利は最高の栄誉とされる。
パドックに姿を現した白銀の彼女に誰もが期待をした。皐月賞のような圧巻のレースを。三冠の二つ目を。
夢を見たがるのは人類に共通した欲求だ。自力で現実にしたり、他者に託したり、夢は夢のままにしておいたり。形に違いはあれど誰もが現在よりも素晴らしい物を夢想する。
大勢の期待を背負って、しかし彼女に気負った様子はない。何故なら勝利を確信しているから。
他のウマ娘の敵対的な視線も、観客達の好奇の視線も、彼女にとっては全て平等に価値がない。
……というか、気づいていない。やっぱり美人は目立つなあ、美しすぎて申し訳ない。ぐらいにしか考えていない。鈍感もここまでくれば才能である。
ゲートに入って、スタートの合図を皆で待つ。
バチバチと敵対的な視線を向けられているが、フォルティシームは相も変わらず気にしない。まあこの場に限って言えば、ゲートが開くと同時に飛び出なければならないのに余計な物に意識を向ける方が愚かと言えるのかもしれない。
真っ先に飛び出して先頭を奪ったのはやはりと言うべきかフォルティシーム。逃げウマ娘として当然の権利とでも言うかのように他の17人を引き連れて長い縦列を作る。
この時点で、僅かに出遅れた他の逃げウマ娘達にはフォルティシームがスタミナ切れで沈んでくれる以外の勝ち筋が無くなった。逃げながら脚を溜められるような規格外を相手に、無理に仕掛けるのは自殺行為だ。
だから限りなく可能性がゼロに近いと分かっていてもそれに賭けるしかない。
一着をとれるとしたら、やはり差しウマ達だろうか。だが彼女達も難しい選択を迫られている。即ち、いつ仕掛けるのか。
仕掛けるのが早ければフォルティシームとのスタミナ勝負になり、遅ければ差し切れる程の距離が残らない。
差しウマ達が望みを託したのは最終直線前の坂道。
どんな化け物だろうと坂道では速度が落ちる。その積み重ねが逃げウマの傷となるはず。
そこを捉える。差し切って見せる。
事前の打ち合わせも言葉も無かったが、差しウマ達の心は一つとなった。
ともかく今は耐える。耐えてみせる。そして坂道を終えた最後の直線で差し切ってみせる。例え、それが私でなかったとしても構わない。あのビッグマウスに私達を見くびったことを後悔させてやるのだ。
彼女達は知らない。絶対の王者というものを。
違和感があったのは、第一コーナーから。時が進むにつれ確信へと変わる。
下り坂も登り坂も、我関せずと平地の様に駆けていく白銀。坂道では速度が落ちる? そんな貴様ら凡愚共の尺度で私を測るな。
必死で背中を追う。差は縮まらない。可能な限り速度を維持して坂道を登る、降りる。差は縮まらない。ギリギリを攻めたコーナリングをする。差は縮まらない。
肺が破れそうな程に呼吸をする。脚が砕けそうな程に力強く地を踏みしめる。差は縮まらない。白銀の背中には追いつけない。
全力を出し切った。120%の走りをした。追いつけない。敵わない。
レースの結果について、最早語るまでもない。フロックでもなんでもない勝利。
掲げられた二本の指が全てだ。
今回は感想への回答はお休みです…
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おまけ4
時は流れ、宝塚記念も終わった頃。
季節は夏。場所は海。ならばやる事はただ一つ。
「初めて来る場所だけど、とてもいいね。勿論トレーナーの方が綺麗だけれど」
「はいはい。観光したいんだろうけど、まずは手続きとか荷解きとかからね」
そう、夏合宿である。
基本的に年に一回、トレセン学園の生徒は合宿を行う。それはチーム単位であったり個人単位であったりするが、レースに出るようなウマ娘──つまりトレーナーのついているウマ娘──であればほぼ全員だ。
普段使っているよりも良い設備を使うためであったり、普段と違う環境でトレーニングを行うためであったり、ぶっちゃけ練習詰めの生活の羽目を外すためであったり。
目的はそれぞれではあるが、ともかくフォルティシームとそのトレーナーも晴れて海までトレーニングに来ているわけである。
もっとも、多くのウマ娘を擁している大手のチームほど予算は出ていないため、移動は鈍行列車、宿泊先はやや古めの建物と格差の感じられるものとなってはいるが。
宿泊先への手続きに、海、即ち練習場所に近い好立地のホテル──などは取れなかったため、そこそこの距離があるビジネスホテルとでも言うべき場所へと向かう。
「ごめんね、もっと良い場所がとれれば良かったんだけど……新人トレーナーにはこれが限界でした……」
部屋に着いた第一声がそれ。このホテルのために弁明しておくが、別に悪い部屋という訳では無い。きちんと二人がそれなりに快適に過ごせるくらいのスペースはあるし、部屋のカーテンを開けた時にその辺のビルの壁しか見えないなどということも無い。トレーナーの気にしすぎとも言える……まあ二冠ウマ娘という称号から想像出来るような部屋ではないが。
「気にしなくていいよ。君がいない豪邸で過ごすより、君と一緒にボロ屋に住んだ方が私は幸せさ」
当の本人がこの調子なので別にいいのだろう。トレーナーは未だにこの類の言葉に顔を真っ赤に染めるし、銀のアホ娘は顔の良さで得をしている。要はいつも通りの光景である。
「……ところで、移動も疲れたし。少しだけ休まないかい? ちょっと同じ布団に入るだけでいいからさ」
「えー……フォルティ体温高いからなぁ……じゃなくて! まだ設備使用許可願いとか色々あるから!」
「終わってからならいいのかい?」
揶揄うように、意地の悪そうな顔をしてそんなことを宣う。出会った頃なら大声を出して誤魔化していただろうが今回は。
「……じゃあ、夜は一緒に」
恥ずかしそうに、本当に恥ずかしそうにしながら蚊の鳴くような声でそう答えたあたり、きっと彼女等二人の仲も順調に育まれているのだろう。距離感のバグった接し方をしてくるフォルティシームの罪が大きいだろうが。……フォルティシームによる調教が順調に進んでいるとも言える。
果たしていつか、フォルティシームがトレーナーを落とせる日は来るのか。あまり分の悪い賭けでもないのかもしれない。
身の丈を超えるほどの大きさのタイヤを引き摺って砂浜を走る。根性が身につくというトレセン学園の伝統的なトレーニングである。
不安定な砂浜で行うことでおまけにパワーも身につく優れものでもある。人間の基準で考えると狂気の沙汰と言う他ないが、ウマ娘にとっては一般的なものであったりもする。細身に見える身体のどこからそんなパワーが出ているのかはきっと考えない方がいい事なのだろう。
タイヤを限界まで引き摺っては休み、体力が回復したらまた引き摺る。砂浜の端の方までいったら向きを変えてもう一周。
オンとオフをしっかり切り替え、休む時にはしっかり休むように組まれた練習メニューの、オンの時はそんなバカが考えたような脳筋のトレーニングを行っている。
もちろんトレーナーに嗜虐趣味がある訳でもないし、フォルティシームに被虐趣味がある訳でも……それは、まあ置いておくとして、きちんと理由のあるトレーニングである。
フォルティシームはレース中に考えない。逃げウマ娘故に他のウマ娘達との駆け引きはあまり行わないし、コース取りやペース配分などは全て天性のカンに任せている。彼女にとって一番気持ちよく走れるやり方が、大体の場合において最適解となっているのは神に愛された才能故か、常識外れの幸運故か。
ともかく言えるのは、彼女の走り方はその時々によって変わるということである。その為に彼女に求められるのは、最適解に持っていくまでの速さ──即ち加速力──それに加え体重移動の技術力である。
誰よりも速く、誰よりも巧く最適なコースを走れば誰にも負けない。そんな意図の元にトレーナーが考案したメニューである。……もしかしたら、トレーナーも脳筋なのかもしれない。
余談だが、フォルティシームがそんなトレーニングを延々と行っているのは彼女の克己心と強さへの執念の賜物──などではなく、トレーナーに練習メニューを考えて貰えたことが嬉しいからである。ちなみにこれは坂路の時も同じである。お手製のメニュー……つまりこれは実質手料理と言っていいのでは!? などと思っている。実際は先述した通り伝統的なものであるのだが……まあ本人が喜んでいるのならそれでいいのだろう。どうせトレーナーがいるだけでやる気が絶好調になるのであるし。
タイヤを引き摺り続けて──勿論他のトレーニングは行っているが──しばらく経った頃。
フォルティシームはトレーナーと交渉を行っていた。
「いいじゃないか。仕事仕事じゃ頭も働かなくなるし、気分転換は必要だよ」
「それは……そうかもしれないけど」
内容は至極単純なもので、今夜行われる夏祭りにトレーナーと一緒に行きたいというもの。
いつも通りトレーナーと過ごしたいとアピールするフォルティシームと、一人で楽しんできなよと断るトレーナー。
現在は均衡状態、と言うにはフォルティシームの方に傾きすぎている。押しに弱いトレーナーは、いつも彼女にペースを握られてばかりだ。
結局押し切られて行く事を決めるトレーナー。決まり手は君の愛バより大事な仕事があるのかい? という問いかけと、涙混じりの上目遣い。
自分の顔の良さとトレーナーの性格を理解した、実に効果的な卑しい作戦と言える。ちなみにこれは天然でやっている。トレーナーに断られかけて本当に泣きそうになっていたし、君の愛バより……という言葉は別に駆け引きで言ったのではなく、ただ拗ねていただけである。相も変わらず駆け引きとは無縁なウマ娘である。
トレーニングを早めに切り上げて。この為に持ち物として指示されなかったにも関わらず持ってきていた浴衣に着替えて、ソワソワピコピコと耳を揺らしながらトレーナーを待つフォルティシーム。集合時間の一時間前から待つ念の入れようである。トレーナーちゃんが来てくれた瞬間からずっと見ていたい! という乙女心の賜物である。重い女とも言える。
待つことおよそ30分。フォルティシームの耳が足音を捉える。他の人間の足音など全く分からないが、トレーナーの足音だけは聞き間違えない。
ソワソワと揺れていた耳も本当はブンブン振り回したい尻尾も抑えて、あくまでクールを装ってトレーナーを迎える。
「フォルティ早いね。もしかして結構待たせちゃった……?」
どちらかと言えば、約束より一時間も早く来るバカが悪いのだが。申し訳なさそうにそんな事を言うトレーナーに向かってフォルティシームは優しく微笑みかける。
「心配は要らないよ。私も丁度貴女に会う心の準備が済んだところだから。……と言っても、君の愛らしさはいつでも私の想像を超えてくるのだけれどね。今も、貴女の姿を見ただけで胸が高鳴っている」
無駄に良い顔も、歯の浮くようなセリフも、いつものフォルティシームである。それなのにいつもより魅力的に見えるのは普段と違う服装のせいか、或いはこの後一緒に夏祭りに行く事に年甲斐も無く浮かれているからか。そんな事を考えているトレーナーと、トレーナーちゃんの夏服可愛いなんか良い匂いする抱き締めたい持ち帰って抱き枕カバーにしたいいやいや落ち着け私と暴れ放題な内心が漏れでないように必死で微笑みというポーカーフェイスを作っているフォルティシーム。
つまりは、いつも通りである。
ウマ娘の多くは健啖家、つまりよく食べる。それが何を表すかというと──
「トレーナー、アレは何だい? ……氷を削ってシロップをかける? 安そうだが美味しそうだね。バナナのチョコがけ……甘くて美味しそうだ。ああそれに漂ってくる香りは、粉物かな? タコ焼き……お好み焼き……うん! 目移りしてしまうね!」
初めて見る食べ物達や漂ってくる良い匂いに大興奮のフォルティシームである。彼女の記憶には誰かと祭りに来た事は疎か、祭りに参加した事すら無いのである。少々子供っぽくなるぐらいは、まあ仕方ないだろう。
「ちなみになんだけど、かき氷のシロップって全部同じ味らしいよ。香料が違うだけなんだってさ」
浮かれすぎている担当バにそんな残酷な真実を教える。だがまあ、その程度でフォルティシームの笑顔は崩れない。
「おや、そうなのか。それなら貴女と同じ味を選ぼうかな」
「え、別にいいけど。なんで?」
「うん。どうせどれでも味が同じなら、せっかくなら貴女と同じものを食べるという経験を楽しみたいからね」
子供っぽくなっていても、口調や態度は崩れない。天性の演技家である……が、シロップで舌の色が変わっていたり粉物のソースで口元が少し汚れていたり、少しだけ隙が出来ている。ギャップ萌えでも狙っているつもりなのだろうか?
興味深そうに、楽しそうに視線をさ迷わせながら歩いているフォルティシームと、はしゃぐ仔犬を見るような保護者と化したトレーナー。
いつもペースを握られてばかりだから、たまにはこういうのも面白いかもしれない。
「トレーナー、アレは?」
そう言って指さされた先にあったのは、景品の並ぶ棚と玩具の銃。
「射的? えっと、あの銃で棚の上のおもちゃとかを狙って、倒したら貰える……みたいな?」
面白そうだね、やってみても? はいはいどうぞ。そんなやり取りをして、お金を払って銃を構える。
そこまできて、問題が一つ。物欲というものの薄いフォルティシームにとって景品の希望は特に無く、どれでもいい。つまり、何を狙うか迷っているのである。結局
「トレーナー、何か欲しい物はあるかい?」
全部トレーナーに丸投げすることにした。
「フォルティが欲しい物で……ダメ? じゃあ、あれ」
小さな指が指したのは、現在大人気となっている二冠ウマ娘のぬいぐるみ。つまりは隣にいる銀のウマ娘をデフォルメしたぬいぐるみである。
「……ん、了解」
誰にも──トレーナーにも気づかれないほどほんの僅かに不機嫌さを含ませて、了承の返事を返す。
基本的になんでもこなせるウマ娘である。度重なる挑戦者が敗北してきた二冠ウマ娘をことも無さげに撃ち落としてみせた。
屋台の店主から手渡されたぬいぐるみをトレーナーに差し出して、しかしフォルティシームはいつもの微笑みを浮かべず、頬をふくらませていた。
「フォルティ? どうしたの?」
「……この子、どうするつもりだい?」
「え? せっかくだし、部屋に飾っておくつもりだけど……」
「…………私はまだ貴女の部屋に行った覚えがないのだけれど?」
そこまで言われて、トレーナーもフォルティシームの不機嫌さの理由に勘づいた。ぬいぐるみへの嫉妬である。そもそも彼女は現在進行形でトレーナーと同じ部屋で暮らしているだろうに。バカかな?
「じゃあ今度遊びに来る? って言っても、別に何も無いけど……」
単純な白銀のウマ娘は、そんな一言であっという間に機嫌を戻す。
「約束だよ? 後になって取り消しは効かないからね?」
それまではこの子に行ってもらうよとぬいぐるみを手渡す。最初から素直に貴女の家に遊びに行ってみたいと伝えれば良いのに、それが出来ないあたりキザな言動で誤魔化しているだけで実は奥手なのかもしれない。
大きめの荷物が一つ出来てしまったため人混みにいるのは難しく、一旦帰るか早めに花火が見られる場所へ向かうかの選択を迫られる。ちなみにフォルティシームが短い休憩時間の間に必死で調べた穴場中の穴場である。コミュ障というのは事前準備に余念が無いのである。
そんな執念が通じたのか、フォルティシームの内心での望み通りに早めに向かってのんびり待とうと合意した。大体の場合において、彼女がどちらでもいいよと言った場合は内心でどちらかを熱望している。コミュ障というのは自分の意思を表示できないのである。
他愛の無い会話を交わして花火が上がるまでの時間を潰して。
夜空を大輪の花が彩り始め、よくある言葉を交わす。
綺麗だね。そうだね。貴女の笑顔の前では霞んでしまうけれど。
芝居の様なセリフは幾らでも吐けるのに、ずっと言おうと決めていたほんの一言が言えない。
身体中から勇気を掻き集めて、必死の思いでたった一言。
好きだよ、トレーナー。
文脈も何もあったものでは無いそのひと言は、花火の音と重なり誰の耳にも届かず消える──こと無く、トレーナーの耳にはしっかりと届いた。
「どうしたの? 急に。私も好きだよ、フォルティ」
その言葉を。望み通りのはずのその言葉を聞いて、哀しそうに嗤う。
でも、私の『好き』と貴女の『好き』は違うだろう?
Q こいつ平地の練度のが低くない?
A そうだよ
Q 鈍感すぎてデバフ無効…ヌオーかな?
A どっちかって言うとウパーの方が好き
Q トレーナーへの世間の扱いってどんな感じ?
A 妬まれたり尊敬されたりしてる
Q ミスターシービーの再現しそう
A 展開を当てられましたが悔しいので変えません
Q こいつライブの練習一着しかしてないのでは?
A トレーナーに怒られたのでちゃんとやってる
Q 主人公に反感覚える
A 嫌なら見るな!嫌なら見るな!
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7話
1:1
こんにちは。最近脚がバッキバキに鍛えられてきたイッチです
2:名無しのヒトミミ
夏以来やね
3:名無しのヒトミミ
合宿頑張ってたらしいじゃん、お疲れ
4:名無しのヒトミミ
トレーナー落とせた? ワイらの完璧なデートプランがあったからいけたと思うけど
5:名無しのヒトミミ
ワイら(全員童貞)
6:名無しのヒトミミ
マジでやめろ
7:名無しのヒトミミ
チクチク言葉反対
8:名無しのヒトミミ
イッチの膝枕硬そう
9:名無しのヒトミミ
嘘乙。女の子は柔らかいし良い匂いするから。
10:名無しのヒトミミ
イッチに膝枕されたら乳が顔にあたりそう
11:名無しのヒトミミ
無いやろ……いや、ノーブラなら或いは?
12:名無しのヒトミミ
イッチ、一回試しに膝枕してくれんか?
13:1
気づいてないかもしれんけど、君ら相当キモイで
14:名無しのヒトミミ
気づいてるが?
15:名無しのヒトミミ
ネットの海でぐらい自由にさせてくれ
16:1
そんで、トレーナーとのデートやけど……うーん、80点ぐらい? 普通に楽しかったし向こうも楽しんでくれた……と、思いたい
17:名無しのヒトミミ
赤点じゃなきゃええやろ
18:名無しのヒトミミ
抱けー! 抱けー!
19:名無しのヒトミミ
ちゃんとホテルまで行ったか?
20:名無しのヒトミミ
イッチラブなホテルの使い方知らなそう
21:名無しのヒトミミ
そもそも未成年はラブなホテルには入れないぞ
22:名無しのヒトミミ
これマ? ワイ童貞だから知らんかったわ
23:名無しのヒトミミ
ラブホ女子会とかあるやんけ!
24:名無しのヒトミミ
女子(成人済み)
25:名無しのヒトミミ
詐欺かよ
26:1
そんな細かいところにツッコミ入れてるからいつまで経っても彼女の一人も出来ないんやで
27:名無しのヒトミミ
お前も童貞だろ定期
28:1
は? トレーナーとデートしたんたが?
29:名無しのヒトミミ
でも手出せ無かったでしょ?
30:名無しのヒトミミ
その人は仕事上の付き合いであって彼女じゃないんやで
31:名無しのヒトミミ
子供が夏祭り行きたいって駄々こねるから着いてきてあげた保護者やろなあ……
32:名無しのヒトミミ
ウマ娘とトレーナーの禁断の恋なんて漫画の中だけやで
33:名無しのヒトミミ
それはそうでも無い
34:名無しのヒトミミ
そもそも同性だからそんな目で見られていない説、ありますねぇ!
35:1
わァ……あ……!
36:名無しのヒトミミ
泣いちゃった……
37:名無しのヒトミミ
ガチ泣きしてて草
38:名無しのヒトミミ
童貞だけど顔だけは可愛いいきもの
39:名無しのヒトミミ
どうかわ
40:名無しのヒトミミ
どうていだけどかわいいいきもの……ワイらか?
41:名無しのヒトミミ
可愛くないぞ
42:名無しのヒトミミ
それ、チクチク言葉ですよ?
43:1
君らは可愛くないよ。この世で可愛いのはトレーナーちゃんだけ。ワイは美人系やし
44:名無しのヒトミミ
思い上がるな定期
45:名無しのヒトミミ
イッチのトレーナー顔知らんから何も言えんわ
46:名無しのヒトミミ
トレーナーならイッチのインタビューとかの時に顔映らんの? ワイも見た事ないけど
47:名無しのヒトミミ
そもそもイッチが全然インタビュー受けないのが悪い
48:名無しのヒトミミ
ワイらのフォルティシームちゃんはマスコミ嫌いで有名やぞ
49:名無しのヒトミミ
インタビュー実績、ホープフルステークス後、ダービー後、以上だ!!
50:名無しのヒトミミ
二回に一回は受けてるじゃん。なーんだ
51:名無しのヒトミミ
出場レースが全部G1なのが悪い。普通ならG1ぽこじゃかぽこじゃか勝ったりしないから
52:名無しのヒトミミ
「ぽこじゃか」って表現はじめてみた どこの生まれの人?
53:名無しのヒトミミ
どこでもいいだろw言語学者なのかよw
54:名無しのヒトミミ
ここまでコピペ。ここからもコピペ
55:名無しのヒトミミ
それならそれでトレーナーへのインタビューとかないの? トレーナーもマスコミ嫌いなの?
56:1
(マスコミがワイの機嫌を損ねないためにビビってるから)ないです
57:名無しのヒトミミ
うーんこれは気性難
58:名無しのヒトミミ
G1バへの忖度か……
59:1
あがり症のトレーナーちゃんをクソどもが跳梁跋扈するマスコミの世界に晒せるわけないやろ!! (本音)
トレーナーちゃんの可愛い顔を知ってるのはワイだけでいいから(建前)
60:名無しのヒトミミ
お、逆ゥー!
61:名無しのヒトミミ
本音は本音そう
62:名無しのヒトミミ
どっちも本音やろこれ
63:名無しのヒトミミ
今度イッチのトレーナー紹介してよ。顔見てみたい
64:1
ウマ娘の全力見せてやろうか?
65:名無しのヒトミミ
殺すぞ(意訳)
66:名無しのヒトミミ
ウマ娘の全力とか、首の骨壊れちゃーう
67:名無しのヒトミミ
頭蓋骨握り潰せそう
68:名無しのヒトミミ
蹴られたら文字通りに吹っ飛びそう。比喩表現でなく
69:名無しのヒトミミ
足型の穴が空きそう
70:名無しのヒトミミ
じゃあイッチの自撮り晒して? もう顔割れてるんやからええやん
71:名無しのヒトミミ
エロ自撮り晒せ定期
72:1
ワイのグッズ売ってるからそれで我慢せえ。ブロマイドあるで
73:名無しのヒトミミ
(あんな撮影用の作ったイッチじゃ我慢でき)ないです
74:名無しのヒトミミ
ワイらが見たいのは寝巻き代わりのジャージで寝ぼけまなこのイッチだから
75:名無しのヒトミミ
隙だらけの服が見たいんやで。キメッキメの痴女勝負服も好きやけど
76:1
ワイ寝る時全裸やで
77:名無しのヒトミミ
ガタッ
78:名無しのヒトミミ
パンツ脱いだ
79:名無しのヒトミミ
はあー、しゃーなし。じゃあ寝てる時の写真でいいよ。普段通りの姿で我慢したるわ
80:名無しのヒトミミ
ノーブラで寝てると乳の形が崩れるらしいぞ
81:1
締め付けられるのがとっても嫌なんよ。日常でも嫌なのに寝る時まで苦しくなりたくない
82:名無しのヒトミミ
そんな苦しいん? ワイはブラ付けたことないから知らんわ
83:名無しのヒトミミ
女装趣味のおっさんだが苦しいぞ
84:名無しのヒトミミ
ええ……(困惑)
85:名無しのヒトミミ
イッチは無駄に乳がデカいから
86:名無しのヒトミミ
ケツもデカいからパンツがキツいんやろ
87:名無しのヒトミミ
ボンキュッボンの擬人化
88:名無しのヒトミミ
イッチの腰抱きしめたい。そのままバックドロップしたい
89:名無しのヒトミミ
歪んだ愛情だ……愛情か?
90:名無しのヒトミミ
イッチ脇腹つんつんさせて
91:名無しのヒトミミ
あるいは腋舐めさせて
92:1
キショいしワイ擽ったがりだから普通にやめて欲しい
93:名無しのヒトミミ
ヌッ!
94:名無しのヒトミミ
イッチは敏感肌……ってコト?!
95:名無しのヒトミミ
服脱いだ
96:名無しのヒトミミ
風邪ひく……時期でもないか
97:名無しのヒトミミ
まだ暑い
98:名無しのヒトミミ
昔は9月には涼しかった気がするんやけどなぁ……
99:名無しのヒトミミ
イッチ、谷間に溜まった汗舐めさせてくれん?
100:名無しのヒトミミ
第三者目線でも普通にキショいわ
101:名無しのヒトミミ
人の振り見て我が振り直せ
102:名無しのヒトミミ
人のキショさを見ることで自分のキショさを認識したがそれはそれとして別に改めない
103:名無しのヒトミミ
鋼の意思だなぁ……
104:名無しのヒトミミ
変態で前が詰まった時、エロトーク力が回復する
105:名無しのヒトミミ
はよ谷間を強調した自撮りを晒せ
106:1
ワイが三冠取れなかったら晒してもええよ
107:名無しのヒトミミ
ヌッ!
108:名無しのヒトミミ
パンツ脱いだ
109:名無しのヒトミミ
安価達成しろ
110:名無しのヒトミミ
安価達成かエロ自撮りの究極の二択やな……
111:名無しのヒトミミ
そんな事で悩むな
112:名無しのヒトミミ
ウマ娘をエロい目で見るな定期
113:名無しのヒトミミ
あんなエロい服装で走るウマ娘さんサイドにも問題がある
114:名無しのヒトミミ
イッチが三冠を取れなかったらスレ民が腹を切ってお詫びします。イッチはエロ自撮りを上げます
115:1
(自撮りを)晒すだけで(エロ自撮りを)晒すとは言ってないです
116:名無しのヒトミミ
見ぐるしいぞ
117:名無しのヒトミミ
今更逃げようとするな
118:名無しのヒトミミ
逃げウマ娘だからって調子に乗るな
119:名無しのヒトミミ
よっしゃみんなで菊花賞の作戦を考えるぞ
120:名無しのヒトミミ
任せろ
121:名無しのヒトミミ
最高の作戦考えたる
122:名無しのヒトミミ
ワイらに任せとけば勝利はイッチのもんや!!
123:名無しのヒトミミ
イッチ! 早く安価をしてくれ! もう待ちきれないよ!!
124:1
バカどもがよ……犯罪行為以外にしてな? あと退場させられるようなのも禁止。ルール違反も禁止
>>140
125:名無しのヒトミミ
よっしゃ
126:名無しのヒトミミ
差しならやった事ないし出来へんやろ
127:名無しのヒトミミ
前にウマ娘いた事ないし先行とかやりづらいんやないか?
128:名無しのヒトミミ
禁止事項が無ければ降着になるような事させてやったのによ……
129:名無しのヒトミミ
流石にレースを汚すような行為はNG
130:名無しのヒトミミ
淀の坂を全力で駆け上がれ
131:名無しのヒトミミ
ノーパンで出走して他のウマ娘を惑わせろ
132:名無しのヒトミミ
差しでいけ
133:名無しのヒトミミ
3000mは長い。スタミナ温存のためにも抑え目で走る先行で勝負や!
134:名無しのヒトミミ
最初から全速力を出して完全な逃げを見せてくれ
135:名無しのヒトミミ
最後の直線で最後方から一気に全員追い越せ
136:名無しのヒトミミ
敢えての大外を走ろう
137:名無しのヒトミミ
いつも通りの逃げでいいよ
138:名無しのヒトミミ
ゲートが開く瞬間にジャンプしてみて
139:名無しのヒトミミ
ゲートを蹴破れ
140:名無しのヒトミミ
最後方から坂で一気に先頭まで出て逃げ切れ
141:名無しのヒトミミ
追込かな?
142:名無しのヒトミミ
逃げウマ娘に追込をさせる競バファンの屑
143:名無しのヒトミミ
うーんこれはミスターシービー
144:名無しのヒトミミ
勝ち確定じゃん。はい解散解散
145:名無しのヒトミミ
これは三冠バの風格
146:名無しのヒトミミ
強かった作戦を真似したからって強いとは限らんのやぞ
147:1
何処で加速するとか決めてもらった方がむしろやりやすいかもしれん。とりあえず安価は了解
148:名無しのヒトミミ
こいつなんもわかって無さそう
149:名無しのヒトミミ
今までと全然違うレースをしなくちゃならんのやぞ
150:1
目の前にいる奴ら全員追い越せばええんやろ? 楽勝よ
151:名無しのヒトミミ
うーん、ビッグマウス
152:名無しのヒトミミ
でもワイはイッチなら勝てるって信じてるよ
153:名無しのヒトミミ
三冠バ達成の瞬間とイッチの自撮り、どっちが見たいかって言われると悩みどころ。ワイは勝てと祈るべきなのか負けろと祈るべきなのか
154:名無しのヒトミミ
ここまで来たら勝ってほしい
155:名無しのヒトミミ
イッチのエロ自撮りはまだ貰えるチャンスがあるけど三冠バはここで逃したら取れんのやぞ
156:名無しのヒトミミ
ワイはもうどっちの気持ちもあるからただ見守るわ
157:名無しのヒトミミ
三冠バの栄誉と並ぶイッチの自撮り、おかしくない?
158:名無しのヒトミミ
美人って得やね
159:名無しのヒトミミ
それは本当にそう
160:名無しのヒトミミ
でも美人なせいでワイらのセクハラを受けてるって考えると可哀想
161:名無しのヒトミミ
やっぱ美人って損なのかもな
162:名無しのヒトミミ
意見を急に変えるな
163:名無しのヒトミミ
学習能力が高い
164:名無しのヒトミミ
来月にはどっちになるか決まってるのか……なんか怖くなってきた
165:名無しのヒトミミ
三冠バの誕生を祈るURAvsイッチのエロ自撮りを求めるワイらvsダークライ
166:名無しのヒトミミ
またダークライが巻き込まれている……
167:名無しのヒトミミ
イッチのグッズ、銀と黒が基調になってるから普段使いしやすくて助かる
168:名無しのヒトミミ
普段使いするようなものあるか?
169:名無しのヒトミミ
モチーフの時計とかタオルとか眼鏡とかあるで。非公式やけど
170:名無しのヒトミミ
どうしてコラボグッズは普段使いしにくいデザインが多いのか
171:名無しのヒトミミ
そっちのが売れてるからやろ。知らんけど
172:1
ワイの収入にもなるから公式からグッズは買ってくれよな〜
173:名無しのヒトミミ
だったらもっとメディアと仲良くしてグッズを増やせ
174:名無しのヒトミミ
せめてブロマイドは増やせ。営業スマイルでいいから笑顔を見せろ
175:名無しのヒトミミ
イッチの勝負服のコスプレ作ってファン泣かせようずwww
176:名無しのヒトミミ
もうありそう
177:名無しのヒトミミ
動画サイトに上がってそう
178:名無しのヒトミミ
この話は……止めようね!
179:名無しのヒトミミ
てかイッチそんなんせんでも賞金で稼いどるやろ
180:1
お金なんてなんぼあってもええやん
181:名無しのヒトミミ
それはそう
182:名無しのヒトミミ
イッチちょっとウチで働かない? ちょっと映像撮られるだけでええんやけど
183:名無しのヒトミミ
ちょっと(全裸)そう
184:名無しのヒトミミ
裏がありそう
185:名無しのヒトミミ
30分で……5万!
186:名無しのヒトミミ
実際イッチならそっちでも稼げるやろ。顔と身体は三冠バに相応しいし
187:名無しのヒトミミ
止めろって言っただろうが! (豹変)
188:名無しのヒトミミ
ヒェッ……
189:1
怖……本人より怒るやん……
190:名無しのヒトミミ
社会の闇の話をするのは……止めようね!
191:名無しのヒトミミ
じゃあイッチのグッズで一番実用性の高い物or出て欲しい物の話でもするか
ワイはウイニングライブ用のライブTシャツとタオル
192:名無しのヒトミミ
ワイは定番の腕時計
193:名無しのヒトミミ
タオル売ってたぞダービーの時
194:名無しのヒトミミ
これマジ? 買います
195:名無しのヒトミミ
えーなんだろ……団扇?
196:名無しのヒトミミ
ブロマイド(鋼の意思)
197:名無しのヒトミミ
デフォルメしたイッチのアクスタ
198:名無しのヒトミミ
喋る刀のおもちゃ
199:名無しのヒトミミ
ぬいぐるみ
200:名無しのヒトミミ
ぬいぐるみに実用性……? 妙だな……
Q イッチの過去(前世.)って闇?
A 闇。本編に関わるかは内緒
Q しっとりしてきた
A もうすぐ晴れるよ
Q ぬいぐるみって誰?
A フォルティシームのぬいぐるみのつもりで書いてた
Q 本編キャラ
A 次で出てきます
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おまけ5
秋。菊花賞。
クラシック三冠路線の終着点。
距離は3000m。今までの二つに比べて更に伸びた距離は、出走するウマ娘達に膨大なスタミナを要求する。そして当然の事ながらレースに勝つ為の速度や位置取りの巧みさも。
突出した何かが必要とされる訳では無い。だが、ただひたすらに全てにおいて高い能力が要求される。だからこそ菊花賞はこう呼ばれるのだ。
最も強いウマ娘が勝つレースと。
「フォルティ大丈夫? お腹痛くない? トイレは済ませた?」
「大丈夫だよ。貴女の方が緊張してどうするのさ」
何度目かの確認をするトレーナーと、笑っていなすフォルティシーム。その余裕の有無だけを見れば、どちらがレースに出るのだか分からない。
三冠のかかったレースという状況を考えれば、自然なのはトレーナーの態度の方ではあるが。鈍感さも極めれば特技である。やはりバカは悩み事が少なくて幸せなのだろう。
皐月賞の時のように他愛の無い会話を──交わそうとしたが、トレーナーが緊張しきっているせいで中々上手くいかない。
そんな中でフォルティシームがとった方法は黙ってトレーナーを抱き締める事だった。
こんだけ緊張してるなら抱き締めても有耶無耶に出来るのでは? という童貞特有の都合のいい妄想からである。あと見た事ない程に緊張してるトレーナーの愛らしさに我慢が限界を超えたからである。一歩間違えば犯罪者だと理解しているのだろうか。
身長差の関係で、丁度トレーナーの顔がフォルティシームの胸に埋まる。一瞬、と言うには少し長すぎる時間硬直した後、ジタバタと抵抗を始める……が、ウマ娘の力に敵うはずも無く、しばし呼吸の苦しい時間が続く。
抵抗を感じたからか、満足したからか、これ以上は本当に酸素不足になると判断したのか。フォルティシームはようやくトレーナーを解放して、いつもの如く顔を真っ赤にしたトレーナーは新鮮な空気を取り込んでいる。
「落ち着いた?」
悪びれずに微笑んでそんな事を聞くあたり大物なのかもしれない。或いは有耶無耶にしようと必死なのかもしれない。
口を尖らせつつもこくりと頷くトレーナーとはいいコンビとも言える。
「大丈夫。今日の終わりには貴女は三冠ウマ娘のトレーナーさ」
平然と大口を叩いてみせる。それは実にいつも通りの彼女の姿で。
「頑張ってね、フォルティ」
だからトレーナーもいつもの調子で、レースへと向かう彼女を見送った。
パドックに姿を現したフォルティシームを割れんばかりの歓声が迎える。元々人気の高かった彼女ではあるが、皐月賞とダービーを勝ったことによりその人気は更に高まっている。
皐月賞を勝って、強いウマ娘だとは思われてもあと二つだと思う人は少ない。三冠は分け合うものという認識の方が多数派であるし、一度だけならフロックだと思う人間もいる。
だが、ダービーを勝てばどうか。
あと二つとあと一つ。言葉にすれば数字が一つ減っただけだが、周りに与える印象はまるで違う。
フロックで二連勝出来るほどG1レースは甘くない。ならばその結果は、強さの証明と言って良いだろう。
シンザン以来誰も達成しなかった御伽噺の中の存在だった三冠を現実に再現して見せたミスターシービー。
それが神の気まぐれでも奇跡でもなく、人の起こせる事象であると証明して見せたシンボリルドルフ。
その再現を人々は望んでいる。二度あったのならば三度目もと期待するのは仕方の無い事だろう。
偉大なる二人のウマ娘の姿を見た者達はフォルティシームに期待する。御伽噺の再現に血筋も歴史も必要無い事を証明してくれと。誰でも努力さえすれば三冠に手が届くのだと。
二人のウマ娘を見た事のない者達はフォルティシームに期待する。私達にも夢を見せてくれと。あの熱狂に、私達も呑んでくれと。
最早絶叫に近しい歓声を、期待と羨望と、敵意と好奇の入り交じった視線を。フォルティシームはいつもの微笑みで受け流す。
彼女は本質的には、レースの事などどうでもいいと思っているから。三冠への緊張も、みんなの期待という重荷も感じはしない。
適当に他人に放り投げた、生きるためのとりあえずの目標と、あとはトレーナーの喜ぶ顔が見たいから。彼女の走る理由などその程度だ。
気負った様子を見せずに、友人に手を振るような気楽さで指を三本掲げ、ウインクを一つ。
敵も味方も、全ての注目は彼女に集まった。
続々とウマ娘達がゲートに入っていく。
覚悟を決めた顔のウマ娘がいる。敵意を向けるウマ娘がいる。悟ったような様子を見せるウマ娘がいる。鼻歌交じりの気楽そうなフォルティシームがいる。
ゲートが閉じて、僅かな間。
開くと同時に、飛び出した影が数個。
誰の背中も見えない最前列。フォルティシームの指定席であるその場所を奪い取るための熾烈な争いが始まった。
彼女達は、覚悟を決めたウマ娘達だ。
まともに逃げで戦っても、百回やって百回負ける。それ程の差が私達とフォルティシームの間にはあると認めた彼女等は、博打に出ることにした。
それが、今現在行われている作戦。レースの最序盤、スタートの直後から全力を超えた全力を出し切って死ぬ気でフォルティシームより前に出る。
後は、必死でそのリードを維持する。千回やって九百九十九回は負けるだろう。
だが零ではない。ならばその賭けに出た彼女等を誰が責められようか。善戦など要らない。よく頑張ったねなどと褒めてもらいたくはない。勝ちたい。ただ、勝ちたい。
そんな彼女達の執念も、覚悟も勇気も何もかも、銀の彼女には届かない。フォルティシームは誰の事も見てはいない。
そのおかしさに初めに気づいたのは遠くからレース全体を見渡せる観客達。次に後ろの方に控える差しウマ娘達が気づき、最後に先頭を争っていた逃げウマ娘達が気づいた。
彼女がいない。常に先頭を悠々と走っているフォルティシームの姿が見当たらない。
指定席の先頭にいない。逃げウマ娘達の狂奔を避けたかとやや後ろに視線を向けてもいない。まさか出遅れたかと真ん中辺りを見てもいない。
最後方まで視線を動かして、ようやくそこに見つかる白銀。
まさか故障かと動揺の声が上がる。レースを捨てたかと失望の声が上がる。何を考えているんだと疑問の声が上がる。全てを無視して悠々と最後方を走る。
この時点で、先頭に出た逃げウマ娘達の負けは決まったと言っていい。狂った勢いで前に出ても、肝心の相手がいない以上ハイペースはいつまでも続かない。後に残るのは無駄にスタミナを浪費した事実。このまま走ればその内にスタミナが切れて沈む。かといって周りに他の逃げウマ娘がいる以上ペースを緩める選択肢は選べない。つまりは、共倒れである。
ならば差しウマ娘達にとっては楽なレースなのかと問われれば、否だ。まず前方の逃げウマ娘達のせいでレース自体がハイペースになり展開が難しいというのが一つ。そして何より、後方で不気味に沈黙するフォルティシーム。
相手は逃げウマ娘のはず。私達の方が前にいる以上、アイツの事はもう考えなくていい。必死に自分に言い聞かせれば言い聞かせるほど、不安が襲ってくる。
本当にそれでいいのか? 今のうちに一センチであろうと差を広げるべきなのでは?
自分の決心と心中出来るウマ娘は少ない。大半のウマ娘は状況次第で動きを変え、それを臨機応変と呼ぶ。別にそれが良い悪いという話では無く、何もしない事を選ぶのは難しいというだけだ。
ここで脚を使うべきではないと判断したのは極わずか。大半は前につられて少しずつ、少しずつペースを上げていく。少しでも体力の使用を避けるべく内側へと固まりながら。
フォルティシームは未だに沈黙を保っている。観客達の動揺と疑惑が失望と罵声に変わっていく。そんな声など知らぬ存ぜぬと最後方を進む。
いよいよダメかと思われた第三コーナー。
坂を上るために全体のペースが落ちたその時、ようやく彼女は動き出した。
上り坂を、全速力で駆け上がる。周りの速度が落ちているのと併せ、止まった時の中を一人で動く様な姿。
そっちが空いてるならそっちを走るとしよう。そう言わんばかりの大外からの逆襲劇に観客達は言葉を失い、ウマ娘達は憤怒する。
今までのは遊びだったとでも? どこまで私達をコケにする気だ。
一人、また一人と抜かして前に出る。全速力での坂の疾走は、下り坂を終える頃にはフォルティシームを先頭に運んでいた。
巫山戯るな。巫山戯るな巫山戯るな巫山戯るな──
観客達は先程までを忘れたかのように熱狂している。ミスターシービーの再現だと。三冠バの誕生だと。
巫山戯るなよ。私達はお前の踏み台なんかじゃない。まだだ。まだ終われるものか。
一人のウマ娘がバ群から飛び出して食らいつく。とっくにスタミナを使い果たした筈の逃げウマ娘の一人だ。
全力で序盤を駆け抜けて、終盤で沈んでもまだ諦めなかった一人。何故脚が動いているのか自分でも分からない。息はとっくにもう吸えなくなっている。
根性と、執念と、意地と憤怒とよく分からない何か。そんな物の寄せ集めで脚を動かす。
最後の直線。そのウマ娘は逃げウマ娘にも関わらず再度加速して見せた。それは過去にフォルティシームがやった事と同じで。
僅かずつ、気の遠くなるような体感時間の中で、フォルティシームとの距離を詰める。
大差からあと十バ身へ。十から九に。八へ、七、六──
初めて、フォルティシームが後ろを振り返った。視線が、その逃げウマ娘を捉えた。
まず感じたのは今まで感じたことの無いような重圧。それから五感が無くなるような感覚。
何も見えない、何も聞こえない、何も感じない。もしや自分はレース中に死んでしまったのでは? そんな錯覚すら覚える。
キョロキョロと視線をさ迷わせながら、闇の中を歩く……と言っても、足を踏みしめる感触すらも無いから本当に歩けているのかは微妙なところだ。
やがて、真っ暗闇の中に、白銀の彼女を見つける。フォルティシーム。そう言えば、話した事なんて一度もなかったっけ。
ねえ……と話しかけようとする瞬間、彼女がこちらを見た。
憎悪、憤怒、絶望、殺意の混じった眼。見られた瞬間、身体が動かなくなった。ああ。きっと私はここで殺されるんだ──
世界が元に戻る。
フイっとフォルティシームが顔を正面に戻したことで、その逃げウマ娘は彼女の世界から解放された。体感時間とは違い、レースは極極わずかな時間しか経っていない。つまり、まだ差しきれる可能性が──
あの瞳を思い出し、身体の動きが鈍くなる。五が六へ。七、八──
結局、引き離されただけだった。フォルティシームには勝てなかった。
最後方からの強引な追込という今まで彼女が一切とったことの無い作戦で、フォルティシームは三冠を成し遂げた。
フォルティシームがいつもの通り微笑みを浮かべ、指を三本立ててみせた時、観客達の興奮は最高潮に達した。ミスターシービー。シンボリルドルフ。その次はフォルティシーム。中には三人のウマ娘を全て見てきたファンもいる。
歓声は鳴り止まない。他のウマ娘達の健闘を称える声も、次の活躍を祈る声も飲み込んで、世界は彼女に染まっていく。
フォルティシームはいつも通りの微笑みを浮かべて。本当につまらなそうにそれを眺めていた。
「ルドルフが面白そうな子がいるって言うから来てみたけどさ……」
トレセン学園の制服に身を包んだ、焦げ茶色の髪に白いミニハットが特徴的な一人のウマ娘。
観客達の熱狂も何処吹く風と冷静に勝者である銀色のウマ娘を観察している。
「ま、アタシなりにやれることはやりますよっと」
Q 最高に頭のいい作戦
A これで逃げ対策は全部無駄やで!
Q ナイトブラ一緒に買いに行きな
A コミュ障だからそんな誘い出来ないよ
Q 裸で布団に潜り込んだの?
A 裸族も人前では服を着ます
Q トレーナーと胃薬
A お友達
Q 実装して
A 実装した時の反応みたいなおまけ一話書く?
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8話
312:1
おはようございます、三冠ウマ娘です
313:名無しのヒトミミ
思い上が……事実だったわ
314:名無しのヒトミミ
おは三冠
315:名無しのヒトミミ
おはミスターシービーの再来
316:名無しのヒトミミ
おは追込
317:名無しのヒトミミ
おは痴女〜
318:名無しのヒトミミ
おは……イッチもなんか皇帝みたいな二つ名無いん?
319:名無しのヒトミミ
痴女でしょ
320:名無しのヒトミミ
最強でしょ。名前からして
321:名無しのヒトミミ
まだ同世代で最強なだけだぞ
322:名無しのヒトミミ
もう最強になったつもりか? 思い上がるな
323:1
ワイ何も言ってないんだけど
324:名無しのヒトミミ
日頃のビッグマウスが悪い
325:名無しのヒトミミ
イッチなら私が最強だと証明したらインタビュー受けますとか言いそうだからダメ
326:名無しのヒトミミ
ミスターシービーに勝ってから最強を名乗れ
327:名無しのヒトミミ
ミスターシービーに勝ったシンボリルドルフに勝ってから最強を名乗れ?
328:名無しのヒトミミ
最強はミスターシービーなんだが?
329:名無しのヒトミミ
信者乙。シービーはルドルフとの直接対決で負けたから
330:名無しのヒトミミ
アンチ乙。シービーが絶好調で全力を出せてれば勝ててたから
331:名無しのヒトミミ
は? 能力を発揮できるように保つのもアスリートの仕事だろ?
332:名無しのヒトミミ
あ? やんのか?
333:1
人を置き去りにして喧嘩しないでいただけますかね?
334:名無しのヒトミミ
イッチが両方共に勝てば解決するらしい
335:名無しのヒトミミ
こんな痴女が勝てるわけないやろ
336:名無しのヒトミミ
勝てるのは乳の大きさとケツのデカさぐらいでしょ
337:名無しのヒトミミ
乳とケツならルドルフのがシービーより強いからな
338:名無しのヒトミミ
は? シービーの締まった腰付き見てからほざけ
339:名無しのヒトミミ
スリーサイズならイッチの方が強いぞ。目測だけど
340:名無しのヒトミミ
スリーサイズが強いってなんだよ(困惑)
341:名無しのヒトミミ
スタイルがいいって言え
342:名無しのヒトミミ
スリーサイズtear1 イッチ
343:1
変態の会話だけど大丈夫? ワイのスタイルが良いのは事実だけど
344:名無しのヒトミミ
うーん、これはビッグマウス
345:名無しのヒトミミ
あの乳でよく走れるよね
346:名無しのヒトミミ
クーパー靭帯大丈夫? 将来垂れ乳になるよ?
347:1
大丈夫。なぜなら私はフォルティシームなので
348:名無しのヒトミミ
うーん、字面はカッコイイのに
349:名無しのヒトミミ
インタビューとかで出たら名言として取り上げられそうなのに
350:名無しのヒトミミ
締まらねぇなぁ
351:名無しのヒトミミ
締まってるのは腰だけか?
352:名無しのヒトミミ
そういや三冠バになったけどインタビューとか受けないの? なんなら当日に勝利者インタビューとかあっても良さそうなレベルなのに
353:名無しのヒトミミ
ヒント、マスコミ嫌いの気性難
354:名無しのヒトミミ
マスコミがみーんなイッチにビビってるんやぞ
355:1
ワイをなんだと思っているのか。その通りだけど
356:名無しのヒトミミ
正体あらわしたね
357:名無しのヒトミミ
やっぱマスコミ嫌いなんだ
358:名無しのヒトミミ
やっぱ気性難なんだ
359:名無しのヒトミミ
やっぱ椅子蹴り飛ばしてマスコミのカメラに当ててぶっ壊してそのままインタビュアーを病院送りにしたんだ
360:1
どうしてどんどん話が大きくなるのか。マスコミがビビってるって話よ
361:名無しのヒトミミ
それは事実なのか……
362:名無しのヒトミミ
ダービー勝利後のインタビューは普通だったのにね……
363:名無しのヒトミミ
普通(無愛想)
364:名無しのヒトミミ
普通(はい、いいえしか言わない)
365:名無しのヒトミミ
普通(トレーナーの方に話を向けたインタビュアーを殺しそうな目で見る)
366:名無しのヒトミミ
普通(終始不機嫌)
367:名無しのヒトミミ
普通じゃ無かったわ。すまん
368:名無しのヒトミミ
分かればよろしい
369:1
やっぱワイマスコミ嫌いなのかもしれん
370:名無しのヒトミミ
ようやく自覚したか
371:名無しのヒトミミ
寧ろなんで今まで気づかなかったのか
372:名無しのヒトミミ
へいへーい! マスコミビビってるー!
373:名無しのヒトミミ
ガチなんだよなぁ
374:名無しのヒトミミ
三冠バを怒らせるリスクvs三冠バへのインタビューという話題性vsダークライ
375:名無しのヒトミミ
これはダークライの勝ち
376:名無しのヒトミミ
ルドルフはちゃんとインタビュー受けてくれたのにね……
377:名無しのヒトミミ
だから皇帝なんて二つ名も付けられたんでしょ
378:名無しのヒトミミ
ミスターシービーに二つ名が無いのってそういう……?
379:名無しのヒトミミ
シービーはちゃんとインタビュー受けてたから……気が向いた時だけ
380:名無しのヒトミミ
三冠バって気性難ばっかなの?
381:名無しのヒトミミ
セントライトとシンザン知ってるやつ連れてこい
382:名無しのヒトミミ
そんなおじいちゃんはこんなスレ見ないよ
383:名無しのヒトミミ
ミスターシービー:頑固。自由気まま
シンボリルドルフ:大人。一番メディアとも良好な関係
イッチ:メディア嫌い。痴女
なんだこれは……たまげたなぁ……
384:1
勝手にたまげてろ
385:名無しのヒトミミ
やっぱ皇帝様なんだよなぁ
386:名無しのヒトミミ
ルドルフしか勝たん
387:名無しのヒトミミ
イッチは早くインタビュー受けて全国に気性難を見せつけろ
388:名無しのヒトミミ
ダービーの時にもう見せつけたぞ
389:名無しのヒトミミ
そんな事したら三冠バとして売り出してるイッチのグッズの売り上げが壊れちゃーう
390:名無しのヒトミミ
イッチのグッズめっちゃ増えたね。ワイもぬいぐるみ買ったわ
391:名無しのヒトミミ
娘にイッチのぬいぐるみ買ってあげたけど、教育に悪そうで後悔してる
392:名無しのヒトミミ
制服バージョンはともかく勝負服バージョンはダメでしょ。性癖壊るる
393:名無しのヒトミミ
デフォルメされてるからまだいいけど、マジの勝負服姿はちょっと……
394:名無しのヒトミミ
レイヤーがイッチのコスプレしてるの、正直ドチャシコ
395:1
は? ワイでシコれや
396:名無しのヒトミミ
草
397:名無しのヒトミミ
草生える
398:名無しのヒトミミ
イッチじゃシコれん。内面がね……
399:名無しのヒトミミ
シコって欲しけりゃエロ自撮り寄越せ。礼儀を知らんのか
400:名無しのヒトミミ
礼儀とは
401:名無しのヒトミミ
ワイはイッチのライブのパンチラで我慢するわ
402:1
winning the soulはもう一生分歌ったし踊ったわ……
403:名無しのヒトミミ
あまりにも贅沢すぎる発言
404:名無しのヒトミミ
お前が三回も踊るから他の子がセンターになれなかったんやぞ
405:名無しのヒトミミ
普通は一生で一度もセンターで踊らんのやぞ
406:名無しのヒトミミ
そもそも三着までしか踊らんし歌わんから無縁なウマ娘が大半やぞ
407:1
君winning the soul踊ったことある? ワイは三回センターやったけど。って言えるってこと?
408:名無しのヒトミミ
人の心とかないんか?
409:名無しのヒトミミ
あまりにも煽りが酷すぎる
410:名無しのヒトミミ
鬼でももう少し慈悲の心があるぞ
411:名無しのヒトミミ
インタビューで言ってみ? winning the soulは飽きましたって。大炎上するで
412:名無しのヒトミミ
ルドルフにボコられてしまえ
413:名無しのヒトミミ
そういえばイッチ次どのレース出るの? 流石にもう来年? 大阪杯とか?
414:名無しのヒトミミ
有マ記念には出て欲しい。せっかくの三冠バだし。安価で決めてもいいけど
415:1
そういや言ってなかったっけ。ジャパンカップやで。学園から出ろって言われたから安価は無理や、すまんな
416:名無しのヒトミミ
来月やんけ
417:名無しのヒトミミ
外国勢vsイッチが見れるのか。最強に一歩近づけるな
418:名無しのヒトミミ
ジャパンカップならもっと面白いものが見れるで。シービーが出ます
419:名無しのヒトミミ
こマ?
420:名無しのヒトミミ
三冠バ対決じゃん
421:名無しのヒトミミ
シービー脚大丈夫なん? 前の天皇賞でルドルフと走った時から走ってなかったよな?
422:名無しのヒトミミ
分からん。治ったとも治ってないとも発表されてない。まあでも脚治ってなかったら走らんやろ……走らんよな?
423:名無しのヒトミミ
普通は走らんがシービーなら分からん
424:名無しのヒトミミ
楽しそうだったから! って言って脚折れたまま走りそうな怖さがある
425:名無しのヒトミミ
新旧三冠バ対決は胸が熱いな。ルドルフは?
426:名無しのヒトミミ
ルドルフは次有マ記念らしい。ワイの秘密の情報網が捉えた
427:名無しのヒトミミ
普通にメディアで発表してるぞ
428:名無しのヒトミミ
秘密の情報網(笑)
429:名無しのヒトミミ
じゃあジャパンカップでシービーと走って有マ記念でルドルフと走ろう
430:名無しのヒトミミ
そろそろイッチがボコられるところ見たいわ
431:名無しのヒトミミ
シービーにシニア級の強さ教えてもらってきな
432:名無しのヒトミミ
そうかイッチもう無敗の三冠達成したから負けていいのか
433:名無しのヒトミミ
でも負けたらエロ自撮りでしょ?
434:名無しのヒトミミ
いっそこのままインタビューを受けないならエロ自撮り上げろ
435:名無しのヒトミミ
インタビュー受けるのとエロ自撮り上げるのどっちがいい? どっちも選ばないとトレーナーちゃんと会えなくなると仮定して
436:1
…………………………………………インタビュー
437:名無しのヒトミミ
そんなに嫌か
438:名無しのヒトミミ
なんでそんなにマスコミ嫌いなん?
439:1
前世からの思い出がちょっと……ね?
440:名無しのヒトミミ
お、久しぶりのその設定だ
441:名無しのヒトミミ
完全に忘れてたわ
442:名無しのヒトミミ
イッチそこの部分の設定正直あんま考えてないでしょ
443:名無しのヒトミミ
なんとなく前世って言っとけば誤魔化せると思ってそう
444:名無しのヒトミミ
まあワイはイッチが電波少女でもいいよ。強くて美人だし
445:名無しのヒトミミ
ガワだけはな
446:名無しのヒトミミ
せっかくの美人がもったいないんよ
447:名無しのヒトミミ
でもいい加減マスコミから逃げられないでしょ。三冠バを逃すとは思えん
448:名無しのヒトミミ
最近続いてるからスルーしてもらえる可能性が微粒子レベルで存在している
449:名無しのヒトミミ
来年から三冠走るウマ娘、プレッシャーヤバそう
450:名無しのヒトミミ
途中で一回でも負けたら無敗の三冠じゃ無くなるからな
451:名無しのヒトミミ
ルドルフとイッチが悪い
452:名無しのヒトミミ
無敗の三冠を当然のようにするな
453:名無しのヒトミミ
なんなら三冠バが三連続してる時点でイカれてる
454:名無しのヒトミミ
一人なら○○時代って呼ばれてただろうに三人も被りやがってよぉ
455:名無しのヒトミミ
痴女時代はなんかやだな
456:名無しのヒトミミ
マスコミのネーミングセンスを信じろ
457:名無しのヒトミミ
ワイらでイッチの二つ名を考えよ……痴女しか無いわ
458:名無しのヒトミミ
はい解散
459:名無しのヒトミミ
ワイらがマスコミへのインタビュー対応考えたろか?
460:名無しのヒトミミ
昔やったわねそんな事も
461:1
本気でそれはして欲しいけど、台本が無いと無理なのよね安価は
462:名無しのヒトミミ
それは確かにそう
463:名無しのヒトミミ
よっしゃワイらでマスコミ対応考えたる
464:名無しのヒトミミ
まず顔面を殴ります
465:名無しのヒトミミ
鳩尾に蹴りを入れます
466:名無しのヒトミミ
カメラのレンズを黒いスプレーで塗りつぶします
467:名無しのヒトミミ
バックれます
468:名無しのヒトミミ
うーん、バカども
469:名無しのヒトミミ
逮捕エンド待ったなし
470:名無しのヒトミミ
もういっそマスコミの相手したくないって学園に泣きつけば?
471:1
三冠バにそんなワガママは許されないんやぞ
472:名無しのヒトミミ
可哀想
473:名無しのヒトミミ
もうトレーナーに全部任せろ
474:名無しのヒトミミ
そういうところで頼りにはならなそう
475:名無しのヒトミミ
むしろ担当バを出せって怒られそう
476:1
トレーナーちゃんにそんな事したら本当に逮捕エンドになるかもしれん
477:名無しのヒトミミ
うーん、気性難
478:名無しのヒトミミ
イッチ一人に受けさせた方がまだマシ
479:名無しのヒトミミ
愛想0でもキレ出す心配が無いだけイッチ一人だけ呼んだ方がマシとかいうの、もはや事故でしょ
480:名無しのヒトミミ
三冠バにインタビューしてハイとイイエしか言ってもらえないの、放送事故でしょ
481:名無しのヒトミミ
愛嬌×
482:名無しのヒトミミ
そんなんだから他のウマ娘からも嫌われるんやぞ
483:名無しのヒトミミ
そんなんだから友達いないんだぞ
484:名無しのヒトミミ
そんなんだから彼女もできないんだぞ
485:名無しのヒトミミ
でもワイらとイッチは……ずっともだょ
486:1
え、そんなん今関係ないでしょ(威圧)
487:名無しのヒトミミ
実際イッチ他のウマ娘からめちゃくちゃ嫌われてそう
488:名無しのヒトミミ
嫉妬が凄そう
489:名無しのヒトミミ
友達ぐらい作った方がいいんじゃないの? お母さんはたかしの事が心配です
490:名無しのヒトミミ
カーチャン……
491:1
うるせえババア!!
492:名無しのヒトミミ
イッチ……反抗期か……
493:名無しのヒトミミ
お母さんにそんな口の利き方して!! 謝りなさい!!
494:名無しのヒトミミ
カーチャンもヒステリーか……
495:名無しのヒトミミ
最悪の家族関係
496:名無しのヒトミミ
パッパにかかっている
497:名無しのヒトミミ
パッパはいない
498:名無しのヒトミミ
終わった
499:名無しのヒトミミ
これは気性難にもなりますわ
500:名無しのヒトミミ
とうとうイッチの家族歴まで捏造されだした
501:名無しのヒトミミ
イッチ早く友達作ってお母さん安心させてあげな?
502:1
無理。今更新しく友達を作るのはハードルが高すぎる
503:名無しのヒトミミ
あ……(察し)
504:名無しのヒトミミ
次入ってくる後輩に期待しよう
505:名無しのヒトミミ
こんなやつ後輩も怯えて話しかけてこんやろ
506:名無しのヒトミミ
遠巻きに憧れてくれたら御の字。大半は目を逸らして見なかったことにする
507:名無しのヒトミミ
イッチの学校生活は真っ暗闇
508:名無しのヒトミミ
天才は避けられるものだから……
509:名無しのヒトミミ
休み時間寝たフリして過ごしてそう
510:名無しのヒトミミ
やーいぼっちー
511:1
友達なんて要らないもん……
今回はお休みです
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おまけ6
ジャパンカップ。
国際G1であり、外国のウマ娘も参加するこのレースで、しかし観客達の注目は二人の日本のウマ娘に集中していた。
即ち、ミスターシービーとフォルティシーム。
御伽噺の中の存在であった三冠を再現してみせた史上に残るウマ娘と、ジュニア級、クラシック級と圧倒的な勝利を収め、世代最強の名に相応しいウマ娘。
ミスターシービーと、フォルティシームと、今回は出走しないがシンボリルドルフ。生ける伝説と言ってもいい三冠バ達の中で一番強いのは誰か、というのはファン達の議論の種である。少なくとも、ミスターシービーとシンボリルドルフは良く比較されていたし──直接対決の結果、シンボリルドルフの方が優勢だが──フォルティシームが三冠を取ってからはその議論に名前が一つ増やされた。
そんな中で、今回実現したミスターシービーとフォルティシームの直接対決。ファンの注目が集まるのは当然であろう。当人達がどう思っているのかはともかくとして。
一つ気がかりがあるとすれば、二人の脚の状態であろうか。
フォルティシームは、つい一ヶ月前までクラシック路線に全力を出していた。そこから経った僅かな時間で、果たして状態を完璧に戻せるものか。余力を残せるほど余裕のある道中ではなかっただろうから。
ミスターシービーは、シンボリルドルフとの最後の直接対決である天皇賞・春を最後にレースに出走していない。故障しただとか脚の病に罹っているだとか様々な憶測が流れている。公式発表が無い以上あくまで憶測ではあるものの、走れる状態なのかという不安の空気はここ一年程続いている。
それでも。
それでも尚、観客達の興奮は消えはしない。
なまじフォルティシームが菊花賞でミスターシービーの再現をしてしまったから。ミスターシービーがフォルティシームを上回る所を、或いはフォルティシームがミスターシービーを上回る瞬間を見たいと望んでいる。
ミスターシービーの追込ならフォルティシームの逃げを捉えきれる。若しくは、フォルティシームならミスターシービーを突き放して逃げられる。
それぞれのファンが、それぞれの推しているウマ娘の勝利を信じている。
「やあ。フォルティシーム。話すのは初めてだね」
いつもフォルティシームがトレーナーとイチャイチャしている地下バ道で、フォルティシームとは対照的とも言える白を基調とした勝負服に、焦げ茶色の髪のウマ娘が銀色の彼女に話しかけていた。
トレーナーちゃんと話すのを邪魔しやがって……とキレつつもトレーナーがいる手前殺気をなんとか堪えて、ギリギリのところで微笑みを浮かべながら言葉を返す。
「初めまして……どちら様ですか? 生憎、私にウマ娘の友達はいないんですけど……」
かなり寂しいカミングアウトに若干可哀想な物を見る目を向けつつも、そこに触れることなく会話を続ける。大人の対応である。
「アタシはミスターシービー。君と同じ三冠ウマ娘。……それなりに有名な方だと思うんだけど、うん。君みたいな反応は久しぶりだね!」
ミスターシービー。言うまでもない有名人であり、今回のレースでフォルティシームとの対決を望まれている例の彼女である。期待されている当の本人であるフォルティシームは他のウマ娘への無関心故に知らなかったが。
「それで? その有名人が私みたいな寒門のつまらないウマ娘になんの用ですか?」
「君も三冠バなのにつまらない、は無理があるんじゃない? まあそれはどうでもいいんだけど、聞きたいことがあってね。……なんで、そんなつまらなそうに走ってるのかなってさ」
笑顔の仮面が剥がれ落ちた。今まで誰にも触れられ無かった──触れてくる程親しい間柄の相手がいなかったというのもある──内心を言い当てられた動揺のせいだ。
トレーナーにはいつも余裕のある姿だけを見せていたいから、フォルティシームにしては珍しくトレーナーを先に観客席へと帰らせて、ミスターシービーと向き合う。
「やっとこっちを見てくれたね。……それとも、まだ見てくれてないのかな」
「……何を言っているのか、分かりません。見ているじゃないですか、今も」
「そういう事じゃないって分かってるんでしょ? 目を背けてばっかじゃ、そのうち何も分からなくなっちゃうよ?」
「……だから、何が言いたいんです?」
いつものフォルティシームが浮かべているような、内心を隠す微笑みとは違い、本心から楽しそうに。しかし真剣さを感じさせる調子で、ミスターシービーは続ける。
「一人で走ってるレースなんてつまらないでしょ? せっかくのアタシ達の世界なんだから、もっと楽しまないと!」
あんまり喋るのも野暮だから、アタシはもう行くね。そんな言葉を残して二人は別れた。後に残されたのはいつもの微笑みが崩れて不機嫌そうにしているフォルティシーム一人。
「分からないんだって……」
フォルティシームは、常に圧倒的に勝ち続けて来た。駆け引きをした事も無ければ、誰かと競り合った事も無い。
逃げウマ娘は孤独なものだと言うが、彼女程孤独なウマ娘もいないだろう。
競い合うライバルもいない。高め合える同期もいない。彼女にとってレースとは蹂躙であり、作業でしかない。
フォルティシームは、レースに興味が無い。それも当然であろう。
勝利の快感も、敗北の屈辱も。彼女はレースから何も得たことが無いのだから。
パドックにて。やはり注目を集めたのはこの二人のウマ娘。ミスターシービーとフォルティシーム。
海外から来たウマ娘達が新鮮さもあり歓声を浴びた事も間違いではないが、それをそう表すとしたら二人を包んだのは喝采だ。
ミスターシービーは、いつもしていたように笑顔を浮かべて楽しげにブンブンと手を……というより腕を振る。三冠バの愛嬌のある仕草に、不調説の流れていたウマ娘の元気な仕草に観客達は大いに盛り上がった。
フォルティシームは、いつも浮かべている微笑みを浮かべず、ファンへのアピールも皆無だった。普通だったら盛り下がりそうなものだが、観客達の多くは旧三冠バ──天皇賞・秋を含めれば四冠バ──へと挑む為の集中と覚悟の現れと受け取り……まあ、結局盛り上がった。
ゲートに入り、少しの間があって。勢いよく開いてスタート。
まず飛び出したのはフォルティシーム。それから彼女の事をよく知らない外国の逃げウマ娘、さらに続いて差しや先行策を取ったウマ娘達。殿にミスターシービー。
概ねファンの予想通りであり──フォルティシームがどう出るかというのは誰もが恐れ半分期待半分で見守っていたが──最早観客の興味はフォルティシームが逃げ切れるのか、ミスターシービーが追込で捲りきれるのかというところに焦点が当たっている。
外国のウマ娘達は自分達が蚊帳の外に置かれていることに歯噛みを……しない。
走ってみて、噂になっているだけの事はあるとフォルティシームの強さはすぐに分かったし、最後方に控えたミスターシービーが、そのまま沈んで終わるだなんて期待はしない。
それは、フォルティシームも同じ。自分の強さには実は一応それなりに自信を持っている彼女ではあるが、それでも最後方のミスターシービーだけは気になった。レース展開がどうこうでは無く、話をしたせいかもしれないが。……初めて、レース中に誰かを意識した。
暫くは、フォルティシームがレースのペースを作り、他のウマ娘達が追いかけ、悠々と後方からミスターシービーが着いてくるという長い縦列が構成されていた。
縦列の真ん中の辺りでは駆け引きや競り合いも行われているが、先頭をぶっちぎっているフォルティシームと、最後方を進むミスターシービーの二人だけは、そんな煩わしいものから解放されている。
最終直線まで影すら踏ませないフォルティシームと、最後方から一気に追込をかけるミスターシービー。
後400。羽の生えたように走るミスターシービーが止まった時の中を進むかのようにフォルティシームとの距離を詰める。
後300。他のウマ娘達を置き去りにして、三冠バ同士の一騎打ち。
後200。フォルティシームが、悍ましいとすら言える目でミスターシービーを見る。
菊花賞の時の逃げウマ娘のように、ミスターシービーもまた闇を見る。フォルティシームの世界を見る。
太陽の輝きも、月の優しい明かりも、星々の輝きも何一つ無い。情熱も、闘争心も、反骨心も、勝ちたいという執念も。何一つ感じられない、初めて見る世界。
そんな世界の中でも、ミスターシービーは怯まない。
何も見えなくても、何も聞こえなくても、そんな事はどうでもいい。アタシには脚がある。
どこに行くかだとか、どう行くかだとかは関係ない。暗闇の恐ろしさも知ったことでは無い。
走る理由も、暗闇が怖くないのも理由はたった一つ。
だってアタシはミスターシービーだから。
強く脚を踏み込んで、フォルティシームの世界を壊す。驚愕の面持ちの銀の彼女に笑いかける。
後100。グラりとよろけるフォルティシーム。そんな隙を逃す手はない。強く地面を踏み締めて、誰も触れられなかった背中に王手をかける。
初めて。とうとうフォルティシームが負ける日が来たのかと歓声と悲鳴が上がる。あと数秒のうちに決着は付く。
初めて。フォルティシームの顔に、色が付く。胸の内から湧き上がる衝動という初体験に身を任せ、初めての思いを胸に脚を動かす。ゴールまで後──
万雷の拍手と歓声が上がる。
一着、フォルティシーム。二着、ミスターシービー。差はハナ差。
「あー! 負けた負けた! ……疲れたから、ちょっと肩貸して」
「ちょっ……お互い、汗だくでしょう」
「えー、いいじゃん。私と君の仲でしょ?」
見ようによっては仲睦まじく見える彼女達を鳴り止まない拍手が祝福する。
「……良い顔になったじゃん。ハッピーバースデー、フォルティシーム」
「だから意味が分かり……いえ、ありがとうございます」
つまらなそうな顔ではなく、いつもの微笑みの仮面でもなく。
初めて、心から楽しそうな笑顔を浮かべた。
同じレースで競い合って、フォルティシームは初めて友人と呼べるような相手を得た。
Q カス発言
A ナチュラル煽りウマ娘
Q シービーの腰いいよね
A いい…
Q 来年のハードル
A 壊れちゃーう
Q 二つ名
A 痴女
Q ドトウと並べよう
A ドトウよりは小さいけど腰が細いからデカく見える
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9話
600:1
こんにちは。友達が出来た無敵のウマ娘です
601:名無しのヒトミミ
嘘乙
602:名無しのヒトミミ
ついに幻覚を見始めたか
603:名無しのヒトミミ
思い上がるな
604:名無しのヒトミミ
友達だと思ってるのお前だけやで
605:名無しのヒトミミ
もしかしてシービーのこと? 思い上がるな
606:名無しのヒトミミ
一億歩譲ってライバルでしょ
607:名無しのヒトミミ
先輩やぞ。敬意を払え
608:名無しのヒトミミ
痴女に友達なんか出来るはずないやろ
609:1
なんで君達そんなに厳しいの? 泣くよ?
610:名無しのヒトミミ
もう泣いてる定期
611:名無しのヒトミミ
いつも泣いてる定期
612:名無しのヒトミミ
悔しかったら友達の証明してみろ
613:名無しのヒトミミ
一応言っておくけど、話したことあるだけってのは友達とは言わないんよ?
614:名無しのヒトミミ
食堂で横に座ったことあるとかも友達とは言わないで
615:名無しのヒトミミ
プリント貰っただけも違うよ
616:名無しのヒトミミ
なんでおまえらそんな具体的なの?
617:名無しのヒトミミ
は? あの子は俺と目が合う度手振ってくれるんだが?
618:名無しのヒトミミ
あの子は俺と話す時いつも笑顔だから
619:名無しのヒトミミ
お釣り返してくれる時手添えてくれたから
620:名無しのヒトミミ
童貞どもがよ
621:名無しのヒトミミ
おまえらよく勘違い童貞って言われない?
622:名無しのヒトミミ
ど、ど、ど、童貞ちゃうわ!
623:1
[画像]
624:名無しのヒトミミ
なんやこれ
625:名無しのヒトミミ
うそ……だろ……
626:名無しのヒトミミ
読み込めん。誰か書き起こしてくれ
627:名無しのヒトミミ
ツーショット自撮り
美人二人
フォルティシームとミスターシービー
628:名無しのヒトミミ
顔のいい女と顔のいい女が二人で自撮りしてる
629:名無しのヒトミミ
イッチが写真撮られ慣れてない顔してるのがドチャシコ
630:名無しのヒトミミ
後は勝負服だったら完璧やったんやが……
631:名無しのヒトミミ
ジャージにもジャージなりのエロさがあるやろ!!!
632:名無しのヒトミミ
眼福
633:名無しのヒトミミ
三行で頼む
634:名無しのヒトミミ
美人二人の自撮り
恥ずかしそうに笑うイッチ
楽しそうなミスターシービー
635:名無しのヒトミミ
理解したわ
636:名無しのヒトミミ
イッチ本当に顔だけはいいからな。中身はこんなんやけど
637:名無しのヒトミミ
写真って内面が分からんから得やね
638:名無しのヒトミミ
とりあえず保存したわ。今晩のおかずが一品増えた
639:名無しのヒトミミ
シービーのファン憤死しそう
640:名無しのヒトミミ
この写真普通に売れそう。三冠バ二人のツーショットとか貴重すぎんか?
641:名無しのヒトミミ
マスコミが入手したら一面を飾るレベル
642:名無しのヒトミミ
ルドルフ連れて来て三人で撮ってくれ
643:名無しのヒトミミ
お宝ってレベルじゃなくなっちゃーう
644:名無しのヒトミミ
てかイッチシービーと仲良くなったんだね。レース後に肩組んでたのは見たけど
645:1
一緒に食堂でご飯食べるくらいには仲良いよ
646:名無しのヒトミミ
微妙なラインやな
647:名無しのヒトミミ
知り合いよりはちょい上ぐらい?
648:名無しのヒトミミ
顔見知りだったらまあ無くはない
649:名無しのヒトミミ
ワイらでも経験があるレベル
650:1
シービーちゃん、フォルティちゃんって呼び合う仲やで
651:名無しのヒトミミ
ちょっと友好度上がったな
652:名無しのヒトミミ
先輩をちゃん付けで呼ぶのか(困惑)
653:名無しのヒトミミ
はいダウト。イッチにそんなコミュ力は無い
654:名無しのヒトミミ
いやでもシービーがめちゃくちゃ距離感近い可能性がある……?
655:名無しのヒトミミ
シービーも童貞を勘違いさせてそう
656:名無しのヒトミミ
シービーはやたらボディタッチが多かったんだよね(幻覚)
657:名無しのヒトミミ
シービーは軽率に携帯覗き込んでくるからいい匂いがした(幻覚)
658:名無しのヒトミミ
正直ちょくちょくおっぱい当たってたけど黙ってたわ(幻覚)
659:名無しのヒトミミ
幻覚見すぎやろこいつら
660:1
すいません、盛りました……ほんとはシービー先輩って呼んでます……あとおっぱいは柔らかかったです……
661:名無しのヒトミミ
素直でよろしい
662:名無しのヒトミミ
美少女同士でおっぱいを揉みあえ
663:名無しのヒトミミ
抱けー! 抱けー!
664:名無しのヒトミミ
しょっちゅうノスタル爺湧くな
665:名無しのヒトミミ
そこのところ詳しく
666:1
いや……シービー先輩距離感が近いからよくおっぱいが当たるのよ。あと汗かいてるはずなのにめっちゃいい匂いする。制汗剤の匂いとかではなく。なんで?
667:名無しのヒトミミ
幻覚は幻覚じゃなかった……?
668:名無しのヒトミミ
そんなんワイらの方が聞きたい
669:名無しのヒトミミ
なんで女の子っていい匂いするの?
670:名無しのヒトミミ
夢と希望の匂いやぞ
671:名無しのヒトミミ
フェロモンがどうのこうのらしい
672:名無しのヒトミミ
なに? ミスターシービーと一緒に練習してるの? ドリームチームか?
673:1
まあ、多少はね?
674:名無しのヒトミミ
その練習風景を売ってくれ
675:名無しのヒトミミ
全トゥインクルシリーズファン垂涎の映像
676:1
でも先輩脚の調子悪いからたまーによ? たまーに
677:名無しのヒトミミ
!?
678:名無しのヒトミミ
そんな重大ニュースをさらっと言うな
679:名無しのヒトミミ
だからイッチジャパンカップで勝てたんか
680:名無しのヒトミミ
何? 屈腱炎? 病気? 引退? やだやだやだやだやだやだ
681:1
先輩曰く、「なーんかしっくりこない」らしい。故障とかじゃないから安心してええで
682:名無しのヒトミミ
寿命縮んだわ
683:名無しのヒトミミ
それを先に言え
684:名無しのヒトミミ
調整期間みたいなもんか?
685:名無しのヒトミミ
とりあえずイッチが勝てた理由分かってすっきりしたわ
686:名無しのヒトミミ
最強議論は! 終わらねえ!!
687:名無しのヒトミミ
全盛期ミスターシービーvsイッチも見たいンゴねぇ……
688:名無しのヒトミミ
ワイは全盛期ミスターシービーvs全盛期シンボリルドルフが見たい
689:名無しのヒトミミ
イッチとりあえずシンボリルドルフと走ってきてくれん?
690:名無しのヒトミミ
無敗の三冠バ同士の戦いとかヤバすぎるでしょ。観客に死人が出るレベル
691:1
走るで。有マ記念で
692:名無しのヒトミミ
マ??????
693:名無しのヒトミミ
判断が早い
694:名無しのヒトミミ
なんでマスコミが取り上げな……あ……
695:名無しのヒトミミ
気性難くんさぁ……
696:名無しのヒトミミ
いい加減インタビュー受けな? マスコミ泣いてたよ?
697:名無しのヒトミミ
トレーナーも泣いてたよ?
698:名無しのヒトミミ
お母さんも泣いてたよ?
699:1
トレーナーと言えばちょっと皆に相談したいんやけど
700:名無しのヒトミミ
友達に相談しろ
701:名無しのヒトミミ
シービー先輩に聞け
702:名無しのヒトミミ
まあワイらもイッチとは長い付き合いやからな。聞いてやってもええで
703:1
やっぱやめようかな……
704:名無しのヒトミミ
やめないで♡
705:名無しのヒトミミ
ワイらの仲やんか
706:名無しのヒトミミ
話すだけ話してみ?
707:1
まあ話すわ。なんか最近トレーナーちゃんがよそよそしいというか、様子がおかしいというか、なんか距離を感じるんよ。なんでだと思う?
708:名無しのヒトミミ
彼氏でも出来たんやろ
709:名無しのヒトミミ
生理でしょ
710:名無しのヒトミミ
契約解除しようとしてるんでしょ
711:名無しのヒトミミ
このスレ見つけちゃったんでしょ
712:名無しのヒトミミ
答え出たな
713:名無しのヒトミミ
そうだったらもう口も利かないだろうから違うでしょ
714:名無しのヒトミミ
ワイ閃いちゃったかも
715:名無しのヒトミミ
マジ? 童貞のくせに?
716:名無しのヒトミミ
は? 関係ないでしょ
717:1
いいからはよ言え童貞がよ
718:名無しのヒトミミ
こいつトレーナーの事になるとムキになるな
719:名無しのヒトミミ
その前にイッチに聞きたいんやけど、ミスターシービーと一緒に練習する時に、そっち側のトレーナーもいたりしない?
720:1
いるが……?
721:名無しのヒトミミ
そして時々指導を貰ってるとみた。どうや?
722:1
貰ってるが……?
723:名無しのヒトミミ
どう考えてもそれやんけ
724:名無しのヒトミミ
ニブチンがよ……
725:名無しのヒトミミ
嫉妬やんけ
726:1
??????
727:名無しのヒトミミ
なんでまだ分かってないの?
728:名無しのヒトミミ
にぶにぶ……
729:名無しのヒトミミ
クソボケがよ
730:名無しのヒトミミ
王者には人の心が分からない……
731:名無しのヒトミミ
イッチが自分のトレーナー放っておいてシービーのトレーナーとイチャイチャしてるから嫉妬されてるんやで
732:名無しのヒトミミ
しかも自分よりベテランのトレーナーだし。そらそうなるよ
733:名無しのヒトミミ
そうだよ
734:1
結局ワイはどうしたらいいの?
735:名無しのヒトミミ
トレーナーを可愛がれ
736:名無しのヒトミミ
もっとトレーナーを頼れ
737:名無しのヒトミミ
トレーナーと一緒にインタビュー受けろ
738:名無しのヒトミミ
トレーナーとデートしな。最近してないでしょ?
739:名無しのヒトミミ
シービー先輩とシービーのトレーナーに相談してみよう
740:名無しのヒトミミ
より誤解を生ませようとしてて草
741:名無しのヒトミミ
マジレスすると一回トレーナーとゆっくり話しな
742:名無しのヒトミミ
二年目で担当ウマ娘が無敗の三冠とって三冠バ同士の一騎打ちにも勝ったとか、胃が壊れちゃーう
743:名無しのヒトミミ
無敗の三冠だけでもゲロ吐く自信ある
744:名無しのヒトミミ
なんならG1一勝だけでも無理
745:名無しのヒトミミ
イッチのトレーナーは頑張ってるよ……
746:名無しのヒトミミ
こんなクソ気性難のコミュ障で掲示板で全てを決めるようなイカレウマ娘と付き合える時点でおかしい
747:名無しのヒトミミ
しかも次はシンボリルドルフと戦うんでしょ? 無理無理無理、担当出来ない!
748:名無しのヒトミミ
無敗の三冠vs無敗の三冠
749:名無しのヒトミミ
夢のバトル!!
750:名無しのヒトミミ
勝っても負けても胃が壊れそう
751:名無しのヒトミミ
勝ったら史上最強扱いだろうし、負けても次を期待されるだろうし、酷い負け方だと叩かれまくるだろうし……
752:名無しのヒトミミ
救いは無いんですか?
753:名無しのヒトミミ
そこに無ければ無いですね
754:名無しのヒトミミ
イッチどう? シンボリルドルフに勝てそう?
755:1
友達が出来たワイは無敵や
体が軽い……こんな幸せな気持ちで走るなんて初めて……もう何も恐くない━━━!
756:名無しのヒトミミ
ダメみたいですね
757:名無しのヒトミミ
転倒して死にそう
758:名無しのヒトミミ
首が無くなりそう
759:名無しのヒトミミ
(レース中の事故はシャレになら)ないです
760:名無しのヒトミミ
負け……か……
761:名無しのヒトミミ
イッチ負けるの初めてじゃん。これはこれで記念になるね
762:名無しのヒトミミ
皇帝に負けるならまあしゃーなしやな
763:名無しのヒトミミ
トレーナーに慰めてもらい
764:名無しのヒトミミ
童貞卒業おめでとう
765:1
は──??? 負けないんだが──ー???
766:名無しのヒトミミ
大した自信だな
767:名無しのヒトミミ
そんな自信持てるようなことあったか?
768:名無しのヒトミミ
いいから早くトレーナーとなかよししてこい
769:名無しのヒトミミ
ルドルフ対策一緒に考えな?
770:名無しのヒトミミ
あの皇帝に対策なんかあるか?
771:名無しのヒトミミ
無い。王道を王道のまま踏破するから強いのであって、こっちから何か出来ることはゼロ
772:名無しのヒトミミ
あーあ、もう有マ記念までトレーナーとイチャついてた方がいいよ
773:名無しのヒトミミ
ルドルフのレース映像見ながらなかよししろ
774:名無しのヒトミミ
皇帝も自分のレース映像がそんな事に使われるなんて思いもしないやろなぁ……
775:名無しのヒトミミ
そしたらその事実を耳元で囁いて動揺させたれ
776:名無しのヒトミミ
人の心とか……持ってないんですか?
777:名無しのヒトミミ
酷いマッチポンプ
778:1
シンボリルドルフってそんなにヤバいの?
779:名無しのヒトミミ
なんでウマ娘の癖に知らねえんだよ
780:名無しのヒトミミ
無敗の三冠をお前の前に達成したウマ娘だぞ
781:名無しのヒトミミ
そのままミスターシービーを打ち破ったウマ娘だぞ
782:名無しのヒトミミ
そのままG1を四つ……三冠と合わせて七冠とか言う意味分からん勝利数のウマ娘だぞ
783:名無しのヒトミミ
史上最強でしょ
784:名無しのヒトミミ
お? 最強議論か?
785:名無しのヒトミミ
シンボリルドルフで異議は無いんやけどな
786:名無しのヒトミミ
シンザン! セントライト! トキノミノル!
787:名無しのヒトミミ
見たことないし……
788:名無しのヒトミミ
今最強議論したら絶対イッチ入ってくるよな
789:名無しのヒトミミ
こんなのが……? 世も末だ
790:1
無敗の三冠バなんだがーーー???
791:名無しのヒトミミ
なんならもう四冠バ。ジュニア入れれば六。有マで勝てば七。ルドルフさえ出なければなぁ……
792:名無しのヒトミミ
まあ来年から頑張りましょうや
793:名無しのヒトミミ
とりあえずイッチはトレーナーと話しな?
794:名無しのヒトミミ
せやせや
795:名無しのヒトミミ
多分本気で悩んでるから受け止めてやり
796:名無しのヒトミミ
間違ってもシービーのトレーナー連れてくなよ?
797:名無しのヒトミミ
口説き落とすつもりでいけ
798:名無しのヒトミミ
抱けー! 抱けー!
799:名無しのヒトミミ
ノスタル爺もよう見とる
Q 友達のハードル
A 壊れちゃーう
Q 心の中どうなってんの?
A 初めての闘争心。初めて楽しかったレース。シービー先輩いい匂い…いや、私にはトレーナーちゃんいるし
Q しょんぼりルドルフ
A そろそろ出ます
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おまけ7
無敗の三冠バ、過去を破る。
メディア各社は似たような……つまりはフォルティシームがミスターシービーに勝利したという話題で騒ぎ立てる。
当の本人が大のメディア嫌いでなければ今頃は時の人となっていたであろう。少なくとも、URAはフォルティシームのグッズ展開を大きく行い売り上げを伸ばし──これには、ミスターシービーとシンボリルドルフの際の反省という面もある。この二人の際のグッズの売れ行きに味をしめたと言い換えてもいい──テレビは連日のように三冠バ二人の決着の瞬間を垂れ流している。
まあ当の本人であるフォルティシームは同じ映像が垂れ流される事に嫌気がさしてテレビを付けなくなったし、ミスターシービーはそもそも世間の評判などというものに無関心でメディアをあまり見ないのだが。一番盛り上がるのはいつも外野である。
そんな中で、熱心にレース映像を見ている者が一人……いや、二人。
フォルティシームとミスターシービーのトレーナーである。
フォルティシームが初の担当であり、トレーナー二年生である小柄な女性と、既にベテランと言っていい大柄な男性である二人のトレーナー。
二人で並んでレース映像を見ながら、ああでもないこうでもないと意見を交わしている──などということはなく、とりあえず感想を述べて、後は二人でお互いの担当ウマ娘の苦労話をしている。
自由人であるミスターシービーに振り回されている彼と、外面は完璧なくせに意外と甘えたがりだったり我儘だったりするフォルティシームに振り回されている彼女。結構似合の二人なのかもしれない。
まあ彼女の方はフォルティシームに誑かされて悪い所なんて見えなくなっているのだが。痘痕もえくぼとはこの事であろう。
それから話題はシンボリルドルフの話へ。
無敗で冠を七つ取った規格外と戦う予定のフォルティシームにとって、実際に戦った経験のあるミスターシービーの話は役に立つと思ったから。
ただ、実際にはシンボリルドルフの強さを実感させられるだけであったが。王道の戦法で、当然の様に勝つルドルフに対策など考える方が無理というものだ。
結局の所、ミスターシービーとの時と同じ様に全力で逃げて差されない距離をリードするしかない。菊花賞の時のような奇策が通用する相手でも無いことだし。
フォルティシームが見たら憤死しそうな二人きりの会合を終えて──念の為に明記しておくが二人のどちらにもそのような気はない。単純に仕事としてである──一人になったフォルティシームのトレーナーから溜息が零れる。
トレーナーとしてフォルティシームと契約してすぐは、こんな憂鬱な気持ちになる事も無かった。フォルティシームの走りに見惚れて、その本人から逆スカウトを申し込まれたのは本当に嬉しかったし、暫くは子供じみた万能感というか、無知ゆえの全能感というか、そういうものがあった。
ジュニア級ぐらいまでは本当に楽しかったのだ。段々とプレッシャーが大きくなってきたのはクラシック三冠への挑戦を始めた辺りか。
フォルティシームが勝利を刻む。周りからの期待が重くなる。フォルティシームが勝利を刻む。周りからの罵声が増える。フォルティシームが勝利を刻む。無力感が我が身を苛む。
たまたま強いウマ娘と契約出来た幸運のトレーナーだとか、お前にフォルティシームは相応しくないだとか、まあそれなりの事は言われてきた。カミソリ付きの手紙が送られてきた事もある。
それでも、フォルティシームと一緒に居るのは楽しくて。何とか嫌な事も誤魔化しながらここまで来たのだけれど。
最近、フォルティシームには友達が出来たらしい。初めての友達、という言葉が本当なのかは分からないけれど、きっとトレーナーとしては祝福するべき事なのだろうとは思う。
その友達、ミスターシービーと一緒によく練習をしている。そのおかげでミスターシービーのトレーナーと一緒に練習を考え、指導するようになった。
それはつまり、単純に考えてもフォルティシームが頼ってくれる事が半分になるわけで。しかも実際にはベテランのトレーナーである彼の方が頼られている……気がする。
もっと頼って欲しい、なんて言うには実力も実績も足りていないとは自覚している。所詮二年目のトレーナーでしかないのだから。
それでも、フォルティシームが他のトレーナーの所に行っている事を不愉快に思ってしまうのは、あまりにも醜い、自分勝手な嫉妬だ。
この感情は、恋だとか愛だとかでは断じて無い。そんなに綺麗な名前をつけてはいけない。
扉が開いて、部屋に入ってくる銀色の君を、急拵えで作った笑顔で迎える。
願わくば、君がこの思いに気づきませんように。
最近、トレーナーの様子がおかしい。
無敗の六冠にして、皇帝シンボリルドルフとの対決を控えているフォルティシームが抱えている悩みは、そんな俗物的な物だった。
最近出来たばかりの友人に相談するにはプライベートすぎるし、とある頼りにしている場所……というには少し頼りないが、そこに相談してもよく分からない返答しか返ってこない。
もう分からない、なるようになれ。
そんなある意味投げやりとも言える態度で、取り敢えずトレーナーのところに突撃することにした。初めての友達が出来ようと、相変わらず駆け引きの出来ないウマ娘である。
シービー先輩のトレーナーに居場所を聞いて、映写室──良くレース映像を見たり走る際のフォームを確認する為に使っている──へと向かう。
なんか悩んでる事でもあるの? そんなど真ん中ストレートの会話のキャッチボールをする為に。
映写室へ到着。トレーナーを確認。いつもの笑顔で迎えてくれ──いや、ちょっと引き攣っているような気もする。何となく口角の角度や目尻の角度が無理やり作った物のように見える。
さて、どうしたものかとフォルティシームにしては珍しく考えた。直球勝負のつもりで来たが、わざわざ笑顔を作るという事は触れられたくないのではないかと推測したからだ。それならこっちも気づいていないフリをして、一先ず別の話でも振ろうかと、本当に珍しい事に気を回した。
ただ、それはそれで思い付かないのがコミュ障の悲しいところである。シービー先輩のコミュニケーション強者っぷりに助けられてきたツケを支払わされている。
考えて、考えて、トレーナーが怪訝な顔を浮かべるぐらい考えて。
良い案が浮かばなかったから結局全て諦めて、取り敢えずトレーナーを抱き締める事にした。
声にならない叫び声が胸の辺りから聞こえているが、それは気にしないこととする。
トレーナーちゃんを見ていると仔犬や仔猫を抱き上げたくなるように抱き締めたくなる、とはフォルティシームの言葉である。
当初の予定も忘れて胸の中のトレーナーの感触を堪能していると、控え目に、しかし確実にフォルティシームの背中に腕が回された。フォルティシームの脳は破壊された。
なんて事だ一大事だどうしようトレーナーちゃんが甘えてくるなんててか温かいし柔らかいななんかもうこのままでもいいんじゃないかな、などとフォルティシームが考えて……いや、考えられなくなっている時、トレーナーの方はフォルティシームの体温に安心感を得ていた。
結局の所、なんとなくの不安感や寂しさなんてその程度で埋まるものでしかない、などと言葉で言うのは簡単だがこれは二年間の積み重ねがあったからであろう。
ゆっくりとお互いの体温を感じ合った後ようやく、どうしたの? とフォルティシームは口にする事が出来た。
少しだけ、自分の抱えている不安感──つまりは、自分はフォルティシームの役に立てていないのでは無いかという思い──を吐き出して。
フォルティシームは笑って、貴女のおかげで走れていると答える。
その言葉に、嘘は無い。
フォルティシームは、レースに興味が無い。現在の六冠バという称号も、ただ周りの意見に流されて、周りからの期待に応えた結果である。
フォルティシームは、他人に興味が無い。最近たった一人だけ例外が出来たが、基本的に共に走ったウマ娘の事も覚えてはいないし、話しかけてきた相手の事も五分と経たずに忘れている。
自分の意見は持たず、目標も無く、フラフラと流されるままに生きている彼女。
ただ、トレーナーだけは自分で選んだ。
Q 皇帝の戦績
A 感想欄の返信でも書いたけど史実とは違う7冠。私はシンボリルドルフには絶対の強者でいてもらいたいのでフォルティシームより戦績が劣るのは我慢が成りませんでした。またカツラギエース、及びギャロップダイナがウマ娘に実装されていない以上皇帝の敗北に説得力を持たせる描写も出来ないと考えております。本小説においてシンボリルドルフに勝てる可能性があるのはミスターシービーと、主人公補正のかかったフォルティシームだけの予定です。
Q 3女神ノスタル爺説
A あり
Q 自撮り要求ニキ
A シービーにお礼を言いなさい
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おまけ8
A まだオヤジギャグを身に付けていない頃なので
Q マルゼンスキーは?
A 名前だけ出演の予定です
高評価、感想、お気に入り、ファンアートください!(強欲で貪欲な壺)
一年の終わりは、有マ記念。そんな認識のファンは多い。
実際にはホープフルステークスが一年を締めくくるG1レースとして存在しており事実と反しているのだが、知名度や人気から大半のファンに聞けば有マ記念こそがという声が上がるだろう。
要は、それだけの歴史と人気のあるレースだということである。
そんな有マ記念ではあるが、今年は異常とも言える盛り上がりを見せていた。その理由は単純明快。無敗の六冠フォルティシームと無敗の七冠シンボリルドルフ、この二人がとうとう同じレースに出走する事となったからである。
高貴な血を引き、絶対者として君臨する皇帝が八つ目の冠を手にするのか、それとも血も歴史も無い寒門出身の白銀の革命家が七つ目の冠を手にするのか。
最早どちらのファンだとかそんな事は関係無く、ただひたすらにその時を見たいと心待ちにしている者が多かった。 シンボリルドルフに比べると、フォルティシームはメディアに姿を現さない分ややファンが少ないが。メディア嫌いを極め過ぎてとうとう諦められつつある彼女である。
どちらが勝っても、無敗伝説は終わる。これほど心を惹き付ける謳い文句はそうそうないだろう。
そういう意味ではやはり、ミスターシービーの時とは違う。前回は三冠バ同士の対決と銘を打ち、今回は無敗のウマ娘同士の対決と銘を打つ。URAの策略が見え隠れしている気がする。
因みに。相変わらずグッズはとんでもない売り上げを見せている。三冠を取った時に生産されたフォルティシームのグッズは更に増産された上で完売を記録し、今回改めて作られたシンボリルドルフのグッズも同じく完売している。
やはりパカプチが売り上げ、人気共に高いが、レース場にぬいぐるみを持ってくる訳にもいかないため、有マ記念を見に来た観客が身に付けているのはTシャツやタオル、お金に余裕のある者は腕時計、といった感じである。
真に余裕のある者は全て買っているが。
つまりは、観客達の身に付けているものを見ればどちらのファン……というか、今回のレースにおいてどちらを推しているのかが分かる。4:6でフォルティシームが優勢と言った所であろうか。やはり寒門からの成り上がりには夢があるからであろう。
というか、シンボリルドルフにはそういう意味での人気はあまり無いのである。三冠バ達三人の仲では一番グッズの売れ行きが悪いであろう……といっても、他のウマ娘と比べればとんでもないレベルではあるのだが。
ミスターシービーは鮮烈な追込が、フォルティシームは圧倒的な逃げがある。それに比べるとシンボリルドルフは王道の差しである為にやや地味な印象を与えるのである。
ついでに言うと、ミスターシービーはその気侭故の変わったカリスマで、フォルティシームは一切メディアの前に現れない──ジュニア級のたった一回を除いて、だが──神秘的なカリスマでファンを深く魅了しているのである。
分かりやすく言うと、家族で凄いねーとレースを見て記念にグッズを買うのがシンボリルドルフのファン、一人でレースを見て心奪われグッズを買い漁るのがミスターシービーとフォルティシームのファンということである。まあ別にどちらが良いという話でもない。
話が逸れたが、ともかく。
今年の有マ記念は、トゥインクルシリーズでも類を見ない程の注目が集まっているということである。
ジャパンカップの時と同じ様に。地下バ道でイチャイチャしていたフォルティシームとトレーナーの元に一人のウマ娘が訪れる。
鹿毛に、軍服のような勝負服。皇帝、シンボリルドルフその人である。
しかし、フォルティシームがまた邪魔された……と怒るような事態にはならなかった。皇帝はその辺の空気を読むのが上手いのである。しっかりと見せつけられた光景は独り身には少々目の毒でもあったが。
「初めまして、フォルティシーム。まずは、今回のレースに出て来てくれた事に感謝を。……正直、君はレースには興味が無いと思っていたからね」
「……初めまして、シンボリルドルフ。流石に貴方の事は知っていますよ」
嘘では無いが真実でも無い。最近まで全く知らなかったが、トレーナーと一緒に研究の為にシンボリルドルフのレース映像を見まくったので覚えたというのが真実である。基本的にフォルティシームの記憶力はトレーナーとの時間を覚える為にしか使われない。
光栄だね。などと言っているが、知らぬが仏とはこの事だろう。
「それで? 三冠バというのはレース前に話をしなければならないとでも決まってるんですか?」
何処と無く棘のある言い方は、しかし別に機嫌が悪いという訳ではなくただ単純にコミュニケーション能力の不足故である。それならいっそ、何か用? と一言だけ言えば良いものを。皮肉混じりなのは素である。
「勿論決まりがある訳では無いさ。ただ、これだけ世間が注目しているレースの相手だ。気になるのも当然だろう?」
「……要は、宣戦布告でしょう? 少し前までの私なら無視していたでしょうが。今は少しだけ、乗ってもいい気分です」
微笑みの仮面が剥がれ落ちる。ミスターシービーの時と同じ様に見えて、しかしその下から現れた顔は違う。
フォルティシームが一度たりとも見せたことの無い、獰猛な笑み。トレーナーを若干怯えさせたその顔は、シンボリルドルフにとっては期待していたものでもあった。
もっと覇気の無い、興味の無さそうな様子を予想していただけに、そんな顔を引き出せたのは素直に嬉しい事であった。シービーをけしかけた甲斐もあるというもの。
全力を出しても容易ならざる勝負。その上での勝利。それこそが望むもの。今までそれを行えたのはたった二人のウマ娘だけ。
「ああ、それは何とも喜ばしい事だ。君との出会いに感謝を。──砕け散るほどに愛させてくれ。私を、失望させないでくれよ?」
フォルティシームと同じように笑顔を浮かべる。絶対者としての威圧感を持った笑みを浮かべる。
皇帝、シンボリルドルフは全てのウマ娘を愛している。世界中の全てのウマ娘に幸せになって欲しいと心の底から思っている。そこに寒門だとか貴族だとか、優れているだとか劣っているだとか、美しいだとか醜いだとか。そんな差別はありはしない。
そこに悲劇があるとしたらたった一つ。シンボリルドルフは、あまりにも強過ぎた。
同年代に競い合える相手などおらず、トレセン学園に来てからも満たされぬ日々。ようやく出会えたうちの一人は既に第一線を退いており、もう一人は中々好調が噛み合わない。
歯がゆい日々を送っていた。速さを求めるのがウマ娘の本能なら、強い、全力を出せる相手を望むのもウマ娘の本能だ。
全力で競い合いたい。全てを出し尽くして、全てを受け止めたい。──心の底から、愛してやりたい。
今ここにいるのは皇帝、シンボリルドルフではない。
満たされぬ渇きに喘ぎ、飢えを満たすべく獲物を狙う。一人の捕食者である。
「……こ、怖かった……」
「大丈夫かい? トレーナー」
シンボリルドルフが去った後。重圧から解放されたトレーナーから出たそんな気の抜けるような一言に、フォルティシームの纏う空気も穏やかなものに戻る。
「な、なんとか。それよりフォルティ、あんなのと走るなんて……その……」
続けようとした言葉は、大丈夫? だろうか、勝てるの? だろうか。それとも頑張れというような応援だろうか。
フォルティシームは不敵な笑みを浮かべて、トレーナーの唇に指を当てて言葉を遮る。
「いつも通り、勝つさ。貴女に勝利の栄光を」
ウマ娘達がゲートに入る……この時点で、フォルティシームとシンボリルドルフを除いた全てのウマ娘達は、逃げ出したい衝動に駆られる。無敗の六冠と無敗の七冠に同席するプレッシャーとはいかほどか。
ゲートが開いて、逃げ場を見つけた数人のウマ娘が飛び出す。シンボリルドルフにとっての定石。プレッシャーで他のウマ娘を掛からせ、逃げを潰す。先頭に蓋をしてしまえば、後は力押しで終わるから。
フォルティシームも、その戦法は承知している。だからこそ、トレーナーと顔を突き合わせて慣れない作戦などというものを立ててきたのだ。
掛かったウマ娘達を追い抜いて、そのまま先頭へ。そしてペースを上げて、圧倒的な差をつけに行く。
菊花賞でやられた事。スタミナの温存など考えない、破滅的な逃げ。
百のうち九十九を捨て、一パーセントの勝利に賭ける無謀とも言える作戦とも言えないような作戦。だがこちらに利することが二つ。
一つ。菊花賞に比べて五百メートル距離が短いこと。一センチ進むのにも魂を削るような破滅的な逃げは、少しでも少ない方が勝ち目があるというのは子供でも分かるような理屈だ。
二つ。フォルティシームの底力。菊花賞で同じ戦法をとったウマ娘の一人ですら最後に底力を見せ、フォルティシームに食らいついて……いや、食らいつこうとしてみせた。
ならば。強者たるフォルティシームならば、或いは二千五百メートルを全力全開で走り抜ける事が出来るかもしれない。
全てを置き去りにして突き進むフォルティシームを見て、しかしシンボリルドルフに焦りなどは無く、寧ろ笑みを浮かべてみせた。
元よりこの程度の仕掛けだけで勝てるなどとは思っていない。こんな小細工はシンボリルドルフの本質ではない。
レース全体の流れを殺人的なまでに加速させているフォルティシームと比べれば、ゆったりとも言えるような静けさで中央のあたりに陣取る。レースの全体を把握し、流れを操る皇帝の特等席。
じっくりと、詰将棋でも行うかのように一手ずつフォルティシームに迫っていく。
逃げウマ娘達にプレッシャーをかけ追い立てる。自分の前を塞ぐウマ娘達の僅かな隙間を見つけ、こじ開ける。
出せる速さの上限などとっくに超えているフォルティシームに、しかし皇帝は僅かずつ近づいていく。
フォルティシームはその速度故に僅かにコーナーで膨らむ。シンボリルドルフは理想的という言葉を体現するようにコーナーを曲がる。
フォルティシームは呼吸のためにほんのごく僅かに速度が緩む。それに合わせてほんの少し加速する。
じわりじわりと先頭集団との距離を詰める。それも体力はほぼ使わずに。レース全体を把握し、マークした相手の呼吸すらも読む。圧倒的な才覚とスペックによる単純なゴリ押しとも言える戦法。
しかし、それにどう太刀打ちできるというのか。
最終コーナー。
垂れてきた、皇帝に追い立てられた哀れな逃げウマ娘達を追い抜く。一人、二人、三人。
シンボリルドルフのルーティーン。自分の世界を構築するための手順は整った。
フォルティシームの耳に、雷鳴が轟く。視界の端に、紫電が走る。
皇帝が、そのスペックを十二分に発揮して、フォルティシームに迫る。
破滅的な逃げを、速度を保ったまま続けるのは不可能だ。
つまり、シンボリルドルフとの距離が縮まり始めた時点で、後は最初の貯金が尽きるのが早いかレースが終わるのが早いかの勝負になるということである。
最終直線。
最早フォルティシームにスタミナは残っていない。シンボリルドルフは驚異的な速さで近づいてくる。
汗など最早一滴も流れはしない。呼吸は出来ているのかも分からない。視界は半分以上黒に染まっている。
シンボリルドルフがフォルティシームに追いつく。観客達は皇帝が八つ目の冠を得ると確信して歓声を上げる。
僅か、ほんの僅かだが、シンボリルドルフの身体がフォルティシームの前に出た。
ここに、勝負は決した。皇帝に挑んだ革命家は、哀れにも紫電に貫かれ──
──いいや、まだだ。
再びフォルティシームが前に出る。呼吸は最早止まった。脚はこれ以上動かすなと激痛を訴えてくる。
黙れ貴様ら私の身体だろうが。勝つと誓った。勝利の栄光を彼女にもたらすと。ならば私が諦めていい理由など一つもない。
ほんの一瞬、シンボリルドルフと目が合って、紫電と荘厳な城を幻視した。雷も、城も。到底一人で太刀打ちできるようなものではない。あるいは以前のフォルティシームが負の方向に突き進めば、彼女の世界、闇に呑む事も出来たのかもしれないが。フォルティシームの世界はミスターシービーに壊された以上、語っても詮無きことか。
太刀打ちできない。勝ち目がない。それがどうした。そんなものが諦める理由になるかよ。泣き言を言う暇があれば脚を動かせ。
栄光などはどうでもいい。シンボリルドルフも眼中から消え去った。最早自分自身さえも考慮に入れない。
約束のために。ただトレーナーのために。──愛のために。
貴女の笑顔が見たいから。貴方の笑顔が好きだから。私が走る理由など最初からその一つだったし、それだけでいい。
フォルティシームの身体が、有り得ない加速を見せる。シンボリルドルフを突き放す。
皇帝が驚愕の顔を浮かべる。白銀の革命家の刃は、確かに皇帝を貫いてみせた。
──それでも。皇帝は死なず。シンボリルドルフは死なず。
驚愕の顔も消え、最早狂気的と言うしかない笑みを作り、シンボリルドルフも加速してみせる。
お前に出来たのだ。私もやってみせる。そうでなければ失礼にも程がある。
レースである以上、いつかは終わる。時間にしてみればそう長い時間でもない。互いに限界を超えた熾烈な争いも決着を迎えた。
結果はハナ差。
一着、シンボリルドルフ。二着、フォルティシーム。
最早漆黒に染まった視界の、僅かに残った部分でその結果を見届ける。
ああ。負けたのか。ごめんね、トレーナ──―
倒れ伏す身体──をギリギリのところでシンボリルドルフが支える。
しかし、シンボリルドルフにも最早一片の余力も残ってはおらず。
結果として、二人仲良く担架で運ばれることとなった。
Q 大総統。ブラッドレイかよ。賢者の石で出来てそう
A そうだよ
Q 後書きで結果が分かる
A 正直喋りすぎた
Q アプリ版フォルティシーム
A 男女問わず一目惚れしてくるし、ストーリーの最後で、何もかもどうでもよかったけど君だけは輝いて見えたとか言うよ
Q 普段の学園生活
A お前らと同じで寝たフリしてるよ
Q 言えたじゃねえか
A 毎日更新、やっぱ辛ぇわ
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10話
1:1
こんにちは、負け犬です……
2:名無しのヒトミミ
思い下がるな
3:名無しのヒトミミ
イッチは頑張ったよ
4:名無しのヒトミミ
相手がシンボリルドルフじゃしゃーない
5:名無しのヒトミミ
イッチとルドルフ、視聴率紅白の二倍ぐらいになったらしいで
6:名無しのヒトミミ
それはそれとして負けたから詫び自撮りな
7:名無しのヒトミミ
人の心とかないんか?
8:名無しのヒトミミ
弱みにつけこむ畜生
9:名無しのヒトミミ
隙あらばエロ自撮りを要求するファンの鑑
10:1
[画像]
11:名無しのヒトミミ
マジ?
12:名無しのヒトミミ
エッッッッッッッッッ!!!
13:名無しのヒトミミ
ほう……尻尾の裏側の根本ですか……大したものですね……
14:名無しのヒトミミ
実質ケツじゃん
15:名無しのヒトミミ
自撮り要求されていきなりそんなマニアックな部位を選ぶイッチの性癖、ヤバそう
16:名無しのヒトミミ
イッチが頑張って尻尾の根本の写真撮ってる姿、想像するとちょっと面白い
17:名無しのヒトミミ
落ち込んだからエロ自撮りを撮る女
18:名無しのヒトミミ
裏アカ女子か?
19:1
惨めな負け犬で精々シコってな
20:名無しのヒトミミ
ちょっと調子戻ってきたな
21:名無しのヒトミミ
後は一人称が治ればヨシ!
22:名無しのヒトミミ
ルドルフに負けるなんて大半のウマ娘がそうなんだから気にすんなって
23:名無しのヒトミミ
アレに勝てるウマ娘なんておらんやろ
24:名無しのヒトミミ
はいマルゼンスキー
25:名無しのヒトミミ
レース場に連れてこい
26:名無しのヒトミミ
全盛期のマルゼンスキーとシンボリルドルフは全ファンの望む対戦カード
27:名無しのヒトミミ
ワイはまだシービーなら勝ってくれるって信じてるで
28:名無しのヒトミミ
次戦えばイッチが勝つって信じてるで
29:1
ワイは……弱い!
30:名無しのヒトミミ
ルフィか?
31:名無しのヒトミミ
仲間が……いねぇわこいつ
32:名無しのヒトミミ
ルドルフと仲良くなった?
33:名無しのヒトミミ
ウイニングライブ欠席仲間でしょ?
34:名無しのヒトミミ
三着ソロでウイニングライブをやらされたあの子可哀想だった
35:名無しのヒトミミ
四着とかの子も呼べば良かったのにね
36:名無しのヒトミミ
伝説の勝負と伝説のウイニングライブやぞ
37:名無しのヒトミミ
マジで伝説の勝負になりそう。将来のファンからしたらワイらは嫉妬の対象やで。あんなもんをリアルタイムで見れたからな
38:名無しのヒトミミ
最終直線のデッドヒートヤバすぎる
39:名無しのヒトミミ
あれ見てレースに憧れるウマ娘の子供いるでしょ
40:名無しのヒトミミ
これからは逃げウマ娘にも差しが求められるようになるんやろなぁ……
41:1
ルドルフ先輩って呼ぶくらいには仲良くなった。シービー先輩と三人で良くご飯食べてる。ワイごときがすまん
42:名無しのヒトミミ
百合の間に挟まる女
43:名無しのヒトミミ
思い下がるな
44:名無しのヒトミミ
お前が入れなかったら誰が入れるんだよ
45:名無しのヒトミミ
三冠バ同士が仲良しでニコニコしちゃうな
46:名無しのヒトミミ
戦いが終われば友達! 青春してんじゃん!
47:名無しのヒトミミ
今までがして無さすぎただけだぞ
48:名無しのヒトミミ
ようやく友達二人目か……
49:名無しのヒトミミ
冠の数の方が友達より多い女
50:名無しのヒトミミ
せめて六人は作れよ
51:名無しのヒトミミ
もしかしてG1勝つのより友達を作る方が難しい?
52:名無しのヒトミミ
そうだよ
53:名無しのヒトミミ
イッチだけだよそんなの
54:名無しのヒトミミ
友情トレーニングしろ
55:名無しのヒトミミ
パワプロか?
56:1
友情で強くなるなんて嘘やぞ。ホントならワイがこんなに勝ってるわけないもん。もう負けたけど
57:名無しのヒトミミ
めんどくさい女だなコイツ
58:名無しのヒトミミ
いっそ負け犬って呼んでやろうか
59:名無しのヒトミミ
マスコミに頼んで二つ名を負け犬にしてもらえ
60:名無しのヒトミミ
いい加減インタビュー受けなよ。ルドルフは受けてたよ?
61:名無しのヒトミミ
みんなやってるよ?
62:名無しのヒトミミ
ダイエットにもいいし成績も上がるよ?
63:名無しのヒトミミ
マスコミは違法薬物だった……?
64:1
や!!!!!!
65:名無しのヒトミミ
駄々っ子がよ
66:名無しのヒトミミ
ここまで来ると最早一つの伝説よな
67:名無しのヒトミミ
未だにメディアに出てこない六冠バとそのトレーナーがいるらしい
68:名無しのヒトミミ
ジュニア級を制した時のちっちゃいインタビュー記事ぐらいよな
69:名無しのヒトミミ
グッズ作るのも苦労してるらしい。キャラが掴めないから
70:名無しのヒトミミ
だから迷走してきてるのか……
71:名無しのヒトミミ
エロ自撮りはインターネットの海に放流するのに顔は地上波に流さない女。
72:名無しのヒトミミ
そのせいでワイらは未だにイッチの地声を知らん
73:名無しのヒトミミ
歌ってる時の声だけだもんな、聞けるの
74:名無しのヒトミミ
ライブの時は結構ファンサしてくれるのにな
75:名無しのヒトミミ
ちっちゃい子には実は優しいって聞いた
76:名無しのヒトミミ
街中で会うと結構気さくに応じてくれるって聞いた
77:名無しのヒトミミ
嘘乙。イッチはワイらと同じで引きこもりだから
78:名無しのヒトミミ
嘘乙。イッチが優しいのは女子供だけだから。
79:1
ワイの変装は完璧だからバレないで。バレても内緒ねって言ってるからへーきへーき
80:名無しのヒトミミ
へーきへーき、じゃないんだよな
81:名無しのヒトミミ
多分その時の言い方が上手いんだと思うんですけど(凡推理)
82:名無しのヒトミミ
顔良いからな……
83:名無しのヒトミミ
身体も良いからな……
84:名無しのヒトミミ
ワイまだイッチに会ったこと無いんだけど!! どこで会えるの!!
85:名無しのヒトミミ
トレセン学園の周辺をうろつけ
86:名無しのヒトミミ
そして不審者情報として共有されろ
87:名無しのヒトミミ
そして逮捕されてしまえ
88:1
ファン感謝祭まで待ってろ。四月にあるから
89:名無しのヒトミミ
ファン感謝祭って?
90:名無しのヒトミミ
ああ!
91:名無しのヒトミミ
おはヨハン・アンデルセン
92:名無しのヒトミミ
めっちゃ分かりやすく言うと文化祭兼体育祭みたいなもんや。ウマ娘が色々出し物やったりレース見せてくれたりする。イッチは多分パンツ見せてくれる
93:名無しのヒトミミ
滾ってきたな
94:名無しのヒトミミ
検索してみ? 色々出てくるで
95:名無しのヒトミミ
イッチ何やるの?
96:1
まだわかんない。先輩達となんかする予定。声はかけてもらってるので
97:名無しのヒトミミ
友達がいてよかったな
98:名無しのヒトミミ
ギリギリで友達作り間に合ったな
99:名無しのヒトミミ
ぼっちで文化祭はキツすぎるッピ!
100:名無しのヒトミミ
優しい先輩でよかったね
101:名無しのヒトミミ
先輩達ってことは三冠バ三人で何かしらやるの? 豪華すぎない?
102:名無しのヒトミミ
いっそ三人でレースしろ
103:名無しのヒトミミ
映像にとんでもない値がつきそう
104:名無しのヒトミミ
言い値で買うわそんなん
105:名無しのヒトミミ
ファン感謝祭(最強決定戦)
106:名無しのヒトミミ
仕事辞めてでも行くわそんなの
107:1
何をするのかは……んにゃぴ。よくわかんなかったです
108:名無しのヒトミミ
ちゃんと聞いてこい
109:名無しのヒトミミ
これで挨拶だけとかだったらクソ笑う
110:名無しのヒトミミ
コミュ障にはそのぐらいの方が優しさかもしれない
111:名無しのヒトミミ
それにしても四月か……遠いな
112:名無しのヒトミミ
そういやイッチ、次のレースの予定は?
113:名無しのヒトミミ
やっぱ春シニア三冠あたり?
114:名無しのヒトミミ
大阪杯なら三月か。しばらくはお休みやね
115:1
なんも考えてないんよね。所詮顔だけの負け犬だし。とりあえず安価達成のために凱旋門賞には出たいけど。どうしたら出れるん?
116:名無しのヒトミミ
態度と出たいレースが合ってなさすぎる
117:名無しのヒトミミ
賞金稼ぎまくればいいらしい
118:名無しのヒトミミ
G1で勝ちまくれ
119:名無しのヒトミミ
レースを荒らしまくれ
120:名無しのヒトミミ
イッチ出たいレースとか無いん?
121:1
無いが?
122:名無しのヒトミミ
うーんこの
123:名無しのヒトミミ
安価で決める?
124:名無しのヒトミミ
それしか無いな
125:名無しのヒトミミ
たった一つの冴えたやり方
126:1
>>135
127:名無しのヒトミミ
うわあ! 急に安価するな!
128:名無しのヒトミミ
大阪杯
129:名無しのヒトミミ
春シニア三冠
130:名無しのヒトミミ
宝塚記念
131:名無しのヒトミミ
大阪杯
132:名無しのヒトミミ
大阪杯
133:名無しのヒトミミ
フェブラリーステークス
134:名無しのヒトミミ
天皇賞
135:名無しのヒトミミ
高松宮記念と天皇賞
136:名無しのヒトミミ
春シニア三冠
137:名無しのヒトミミ
決まったな
138:名無しのヒトミミ
なんで短距離と長距離を走るんですか?
139:名無しのヒトミミ
千二百と三千二百はもうただのバカなんよ
140:名無しのヒトミミ
長距離と短距離では使う筋肉が違うのをご存知でない?
141:名無しのヒトミミ
でもイッチ、マイルでも勝ってたよね
142:名無しのヒトミミ
四百メートル短いぐらい誤差でしょ
143:1
でもワイ負け犬やからな……
144:名無しのヒトミミ
短距離にはルドルフ出てこないから大丈夫だよ
145:名無しのヒトミミ
ルドルフは中・長距離やからな
146:1
じゃあ平気か……ワイ世界で二番目に強いし……
147:名無しのヒトミミ
草
148:名無しのヒトミミ
急に自信取り戻すやん
149:名無しのヒトミミ
じゃあちゃんとトレーナーに短距離と長距離に出たいって言いな? 呆れられそうだけど
150:1
トレーナーちゃん……合わせる顔が……負け犬……約束も守れないクズ……
151:名無しのヒトミミ
嘘でしょまた落ち込みだしたよコイツ
152:名無しのヒトミミ
めんどくっっっっっさ
153:名無しのヒトミミ
てかトレーナーと顔合わせてないの?
154:名無しのヒトミミ
コミュニケーションとれよ。やくめでしょ
155:名無しのヒトミミ
お前が逃げてるとトレーナーが自責の念に沈むぞ
156:1
顔合わせてはいるけど……正直、直視できない。こんな負け犬が……
157:名無しのヒトミミ
お前普通のウマ娘は負けるんやぞ
158:名無しのヒトミミ
シンボリルドルフ以外の全てのウマ娘に謝ったほうがいい
159:名無しのヒトミミ
お前が落ち込むのは最早失礼なレベルだって自覚しろ。六冠バがよぉ……
160:名無しのヒトミミ
敗北を知らない天才が負けるとこうなるんやなって
161:名無しのヒトミミ
勝てば治るかな
162:名無しのヒトミミ
中距離にしとけば勝てただろうに……よりによって短距離
163:名無しのヒトミミ
まあでもトレーナーはいつもの調子に戻ったって思ってくれるかもしれないし
164:名無しのヒトミミ
全距離制覇はシンボリルドルフですら達成してない偉業やぞ
165:名無しのヒトミミ
高松宮と天皇賞勝てば八冠でルドルフに並べるぞ
166:名無しのヒトミミ
ルドルフが増えなければな
167:名無しのヒトミミ
あと来るとしたら何? 大阪杯? 秋の天皇賞?
168:名無しのヒトミミ
大阪杯回避して良かったな
169:名無しのヒトミミ
秋にはイッチ凱旋門行くからな
170:名無しのヒトミミ
ルドルフに並んで凱旋門行って勝ってルドルフを見返そう
171:1
有マ? あーそんなのもあったね。ところでこれフランスのトロフィーだけど、どう? ……ってコト?!
172:名無しのヒトミミ
調子出てきたな
173:名無しのヒトミミ
それでこそワイらのイッチや
174:名無しのヒトミミ
負けたなら別のところで見返せばええ! 人生は冒険や! 死んだらアカン!!
175:名無しのヒトミミ
とりあえずトレーナーのところに行っときな。心配してるよ
176:名無しのヒトミミ
せやせや。元気になった姿を見せてやり
177:1
ありがとう童貞ども!
178:名無しのヒトミミ
やっぱちょっとムカつくな
179:名無しのヒトミミ
ワイらに自撮りをくれた負け犬ちゃんにもたまには会いたいね
180:名無しのヒトミミ
負け犬ちゃんもよろしくな
181:名無しのヒトミミ
次会うのは高松宮……いや、天皇賞が終わった頃かな?
182:名無しのヒトミミ
また負け犬ちゃんモードになってたら笑う
183:名無しのヒトミミ
ワイらのイッチ自撮りコレクションが増えるか、イッチの冠が増えるか
184:名無しのヒトミミ
いざ尋常に……勝負
185:名無しのヒトミミ
イッチが勝っても自撮りをくれれば良いのでは?
186:名無しのヒトミミ
それだ
187:名無しのヒトミミ
そうじゃん
188:名無しのヒトミミ
じゃあイッチが勝ったら普通の自撮りでイッチが負けたらエロ自撮りね
189:1
またシービー先輩に撮影頼むね
190:名無しのヒトミミ
乗り気で草
191:名無しのヒトミミ
イッチ段々抵抗無くなってきてるよね
192:名無しのヒトミミ
ようこそ……自撮りの世界へ……
193:名無しのヒトミミ
トレーナーとのツーショットでもええで
194:1
トレーナーはワイだけのもんや
195:名無しのヒトミミ
お前のものではない定期
196:名無しのヒトミミ
いい加減ワイらにも紹介してくれても良くない?
197:名無しのヒトミミ
未だにイッチのトレーナー見たこと無いんやが
198:名無しのヒトミミ
あれかなー? ぐらいは検討ついてるがわからん
199:名無しのヒトミミ
教えてよ
200:1
や。好きな人は独り占めしたい
Q 獣殿
A 二人本質は一緒でしょ
Q 安価しなかったから負けた?
A 普通に逃げてたら蓋されて負けた。追込に賭けてもミスターシービーが勝てなかった以上勝てるわけない。安価してても負けです
Q 負けて欲しくなかった
A うるせ〜〜〜〜〜知らね〜〜〜〜〜
Q シービーとルドルフとフォルティ
A 三人仲良し…?
Q 固有スキル
A デバフじゃなくなるかもね
Q ルドルフに負けたから凱旋門100%無理
A 普通にこの理屈は意味が分からなかった
Q 三着ソロライブ
A 胃に穴が空いちゃーう
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おまけ9
あと勘違いしている人が多いので明言しておきますが尻尾の裏は自撮りです。シービーに撮ってもらうのは普通の写真。またって言ってる一回目はシビフォルのツーショットのこと。書き方が悪くてすまんな
ファン感謝祭の日がやってきた。
トレセン学園に所属しているウマ娘達のファンが押し寄せる、文化祭とでも言うようなイベントである。
生徒会長が開会の挨拶を済ませる。熱心なファンは最初から最後までファン感謝祭を楽しむ為にこの時点で参加を始めている。噂では前日から近くのホテルを予約したり、近くに徹夜で並んでいるファンもいるんだとか。
当然トレセン学園としては周辺への迷惑を考慮して徹夜組は禁止している。良い子のみんなには、イベントのルールはしっかりと守って楽しむ事を心がけていただきたい。
開会式が終わると、ファン達は各々自分の目当てのウマ娘を求めて会場を動き回る。
例年であれば、それぞれのファンがそれぞれの推しているウマ娘のもとに集まり──もちろん量の多い少ないはあるが──それなりの混雑はあれど、どこも同じ程度で収まっていたのだが。
今回ばかりは少し事情が違う。原因は簡単で、三冠バ達の存在だ。
たとえ一人存在していただけでも大衆を引き寄せ、混雑を生み出すであろう存在。それが三人。集まる人の数は推して知るべきであろう。
そして更にそれを加速させる事前の発表。
三冠バ三人によりファン感謝祭の出し物を行うとの告知がさらなる民衆の呼び水となった。何をしてくれるのかという期待。単純に三冠バに会いたいという野次ウマ心。後は美人に心を奪われた者たち──元々ウマ娘とは見目麗しい者が多い種族ではあるが、この三人は特に才色兼備という言葉が相応しい美人である──そんなところか。
まあそんなわけで、三冠バ達の担当するブースには大量の人が押し寄せてきたということである。
さて肝心の、三冠バ達三人が何をするのかについてであるが……そこまで奇をてらったものではない。ただの喫茶店である。とはいえ国民的スターである三冠バに給仕してもらえるというのは得難い経験ではあろうが。因みに、提供するのは飲み物のみである。流石に調理まで行うには人も機材も足りなかった。
一つ。普通の喫茶店との差別点を挙げるとすれば、その服装か。
本人達の趣味か、はたまた彼女等のトレーナーの誰かの趣味か。男装、執事服に身を包んだ三冠バ達。
訪れた客──幸運と執念で先頭の景色をもぎ取った女性──は、一目見た瞬間に静かな奇声を上げて失神しかけた。元々この三人はその顔の質故か女性のファンが多いのだ。
「おっと。大丈夫かい? お嬢さん」
キザな仕草でスッと支えに入ったのはミスターシービー。
「こんな序盤で倒れてたら勿体無いよ? 今日はアタシ達が最高の一日にしてあげるからさ!」
近距離で顔の良さの暴力を浴びたその女性は、一周回って無事に平静を……いや、平静にはなれていないが、ともかく失神は免れた。
震える声で注文を、コーヒーを頼んで、一息入れる。
コーヒーとは言ってもインスタントの簡易的な物ではあるが、無敗の七冠たる皇帝が作り、つい先月皇帝と冠の数を並べた白銀の革命家が配膳してくれる。あまりに贅沢なコーヒーブレイク。
完璧主義な面のあるシンボリルドルフなどは豆から挽きたいと希望したが、そんなことをしていては永遠に客が捌けないと止められた。ついでにフォルティシームは可能な限り客とコミュニケーションを取りたくないからドリンクを入れるのに専念したいと希望を出したがあえなく却下された。役割は持ち回り制の時間交代となっている。ただの余談である。
大勢の客が訪れる。混雑してくれば諦めて他のところに回るだろう、という楽観的な思考はすぐに撤回させられた。
コンセプトを守れたのは最初の数人だけで、後はほぼ飲み物を手渡して帰ってもらうこととなった。三冠バ達はともかくそのトレーナー達はこうなるだろうと予測していたため、持ち帰れるような使い捨ての容器はたくさん用意してある。
さて、するとどうなるか。当然のように、不満が出る。提供する品物の方には然程手をかけられない以上そうなるのもむべなるかな。執事服の麗人という外見の暴力によるゴリ押しでなんとか繋いでいる。
そんな危機を解決したのは、意外にもフォルティシーム。
注文を受けて、ドリンクを手渡す……前に、ぎゅっと相手を抱きしめてみせた。自分の顔と身体の良さを理解している卑しい作戦である。
偶然その対象にされたフォルティシームのファンであった女性は、ヒュッと短い息を吐いて崩れ落ち……いや、抱きしめられているので崩れ落ちはしなかったが、全身から力が抜けた。
果たして相手が他の二人のファンであったり男性だったりしたらどうしていたのだろうか。何も気にせずに抱きしめそうでもあるが。
それを見たミスターシービーが面白がって真似をしてファンの呼吸を止め始め、フォルティシームの行為にフリーズしていたシンボリルドルフも、最終的には真似をし始めた。
流石に三人ともハグは女性限定ではあるが。男性客には笑顔で手をぎゅっと握っている。客の心臓は止まった。
こうして三冠バによる執事喫茶改め、三冠バふれあいパークは熱狂を見せた。少なくとも、リピーターが来る程度には盛り上がった。
フォルティシームだけに任せているとそういうお店のようになりかねなかっただけに、単純にカッコいいミスターシービーや、照れがありぎこちなさ、初々しさを感じさせるシンボリルドルフがいてよかったのかもしれない。
フォルティシームは相手が女性だとか男性だとかで対応を細かく変えられるほど頭が良くないから。きっと男性客でも平然と……いや、むしろ男性客の方が喜ぶだろうと計算してやっていたかもしれない。バカだが頭はいいから。
話が逸れた。ともかく大量の客達に満足感を与えつつ捌き切る事に成功して、ファン感謝祭を乗り切って。
三人でドリンクの残りを飲みながらほっと一息。シンボリルドルフはコーヒー。ミスターシービーは炭酸飲料。フォルティシームは紅茶。
「いや、それにしても驚かされたよ。まさかあのような手段でお客さんに満足感を与えるとは」
「アタシもびっくりしちゃった。フォルティ、結構大胆だよね」
「そうですか? トレーナーちゃ……トレーナーにはよくやってるんですけど……」
ヒュウ、と口笛を吹くシービーと驚いたように目をパチパチとさせるルドルフ。
「……なんというか、情熱的なのだな。もっと冷めた人物を想像していたが……やはり、これからも相互理解を進めていく必要があるな」
「相変わらずルドルフは回りくどいね。素直にもっと仲良くなりたいって言えばいいのに」
ぐっ……と言葉に詰まるルドルフを置いておいて、シービーはフォルティシームの方を向く。
「ね、フォルティ。アタシにもしてよ、せっかくだし」
「へ……?」
「ハグ。いいじゃん。アタシにはしてくれないの?」
椅子に座ったまま、いわゆるハグ待ちの姿勢をとるミスターシービー。その表情はいたずらっぽい笑み。
「待たれるとやりづらいんですが……あー、分かりました! だからそんな顔しないでくださいよシービー先輩!」
やりづらいと言われた時点で露骨に悲しげな顔を浮かべて見せ、結局してくれるとなった瞬間ぱあっと嬉しそうな顔をしてみせる。素でこのような反応をしている辺りが彼女が人誑しと陰で呼ばれている所以である。愛嬌がある者は誰からも好かれやすい。
ぎゅうっといつもよりちょっと強めに抱き締める。今までの業務的に行っていたのとは違い照れが混じっているからである。因みにシービーは抱きしめられるためにわざわざ立ち上がっている。シービーの上背のおかげでフォルティシームのトレーナーや今日の客の何人かのように胸に顔が埋まる事態にはなっていない。
しばらくフォルティシームの温かさと柔らかさを堪能して、顔を上げて一言。
「九十六?」
「は……? ああ、いえ。九十八です」
「え! うそ! そんなに!? ちょっと揉んでも──」
コホン、と咳払いが一つ。当然、シンボリルドルフのものである。
「君達、少々気を抜き過ぎではないか? 確かに客はもういなくなったが、勝って兜の緒を締めよ、という言葉もある。つまり──」
そんなルドルフの忠言だったが、しかし。
「はいはい、ルドルフも羨ましいんだね。行け! フォルティ!」
ドンとフォルティシームをルドルフの方へ突き飛ばす。
「……あー、じゃあルドルフ先輩、失礼しますね」
そういって座っているルドルフを、抱き締める。今度は丁度、頭が胸に埋もれる形となった。
少し抵抗して、その後大人しくなるというフォルティシームのトレーナーと同じような反応に、今までとイメージ違うな……と少し前のシンボリルドルフのようなことを思いながらぎゅっと一回強く抱きしめて皇帝様を解放してあげる。
どう? 凄かったでしょ? などとシービーが囃し立てている。それに知らん! と顔を赤くして怒るシンボリルドルフ。
あと二人をいつもの微笑みで、でもいつもより楽しそうな雰囲気で眺めているフォルティシーム。
今まで友人のいなかったフォルティシームにとって、とても幸せな時間だったから。諸々大変ではあったが、今は心地良い疲労感と達成感から少しテンションが上っている。
あとはトレーナーちゃんがいてくれればなぁ。そんな事をぼんやりと考えていたフォルティシームの元に待ち人が来る。
フォルティシームの……というよりここにいる三人のトレーナー達である。
お疲れ様ー! と労いの言葉と、しっかりと栄養バランス、量、味の整えられたお弁当を持って──今日は食堂は開いていないので各自食事は自力調達である──元執事喫茶に入ってくる。因みに三人は未だに執事服である。少々色々なところが緩んではいるが。
トレーナーちゃんの手料理!? といち早く反応したのはフォルティシーム。別に初めてというわけではないが、何回貰おうと嬉しいものは嬉しいのである。
はしゃぎだしたい気持ちを微笑みで隠して。作り上げた余裕で、ありがとうとお礼を言う。
ついでに椅子を引いてエスコートも忘れない。
「せっかくだから、貴女もなにか飲んでいくかい? と言っても、大したものは出せないけれど」
移し替えるだけでいいボトル飲料と、それらを混ぜた簡単なノンアルカクテルのようなもの。提供できるのはそれぐらい。
まあとりあえずカクテルでいいかと、トレーナーの好みを考えて作るものを決める。手早くボトルから注いでちゃっちゃとかき混ぜて完成。
今回はあまり披露する機会に恵まれなかった、練習した執事らしい──と言ってもアニメのマネだが──動作でトレーナーへと提供する。
「ありがとう! ……なんかフォルティ、カッコいいね。あ、いやいつもカッコいいんだけど、いつも以上にというか」
「ふふ、ありがとう。貴女にそう言ってもらえるなら、私としても甲斐があったというものさ」
先輩達二人がこちらを見ているような気がするが、とりあえず意識の外においておくことにする。
ちなみにシービーはこれを見せつけられて、トレーナーにアタシもやってあげよっか? と誘いをかけて断られている。
ルドルフはフォルティシームほどカッコつけず、普通に飲み物を渡している。
人数が倍になって、みんなでワイワイと騒ぐ。今までのフォルティシームからは考えられないことだ。
トレーナー一人しかいなかった彼女の世界は、少しずつではあるが広がり始めている。対等なライバルと言っていい二人の先輩のおかげで。
ああ、このまま時が止まってしまえばいいのに。
フォルティシームは思う。
今が永遠に続けばいい。この瞬間を引き伸ばしたい。
しあわせは、いつか壊れてしまうものだから。
Q 自撮り
A 尻尾の裏はフォルティの自撮り、シービーに撮ってもらうつもりでいるのは普通の写真
Q 終わるの?
A あと凱旋門行ってトレーナーちゃんと温泉旅行行くぐらいしかイベント無いし…
Q バクシンオー
A 世代が違うからセーフ
Q ダート君
A ナレ勝ちで終わっちゃーう
Q トレーナーちゃんのメンタル
A いつかのトレーナー視点で書かれるらしい
Q 三着ソロ
A 無敵のメンタルを手に入れたらしい。もうフォルティのデバフも平気だね
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11話
予想以上の閲覧数になったのでボツにしましたが
300:1
いやぁ、天皇賞は激戦でしたね
301:名無しのヒトミミ
蹂躙しておいてほざくな
302:名無しのヒトミミ
思い上がるな
303:名無しのヒトミミ
八冠おめ。ルドルフとお揃いだね
304:名無しのヒトミミ
三冠バが一人出た上で出場メンバーが地味なんて思う日が来るとは思わなかった
305:名無しのヒトミミ
去年の年末が豪華過ぎたのが悪い。つまり俺達は悪くない
306:名無しのヒトミミ
三冠バ同士の対決……無敗同士の対決……夢のようだった
307:名無しのヒトミミ
あれを超えられるレースが今後見れるのか?
308:名無しのヒトミミ
今回の皐月賞ウマ娘は?
309:名無しのヒトミミ
あー……ルドルフとイッチが悪い
310:名無しのヒトミミ
つまり?
311:名無しのヒトミミ
そこそこ凄い
312:名無しのヒトミミ
いつからワイらはこんな贅沢になってしまったんや
313:名無しのヒトミミ
マジでルドルフと、特にイッチが悪い
314:名無しのヒトミミ
圧倒的な蹂躙、画面映えする逃げ、圧倒的な美貌。イッチのせいだわ
315:名無しのヒトミミ
イッチのせいで普通のレースが僅差に見えるようになった
316:名無しのヒトミミ
イッチのせいでヒトミミに恋できなくなった
317:名無しのヒトミミ
イッチのせいでレースのハードルも美女のハードルも爆上がりしてんだけど。どうしてくれんの? これ
318:1
知らん。ワイの自撮りで惨めにシコってろ
319:名無しのヒトミミ
あ! そういえば勝利記念の自撮りは!?
320:名無しのヒトミミ
イッチが勝ったから普通の自撮りか。まあ今回はそれで勘弁したる
321:名無しのヒトミミ
待ってるよ皆
322:名無しのヒトミミ
やくめでしょ
323:1
ワイは君らの熱意にドン引いてるよ
324:名無しのヒトミミ
ドン引かれてもええ! 人生は冒険や!!
325:名無しのヒトミミ
イッチに軽蔑されるだけで自撮りがもらえるならいくらでも軽蔑されたる
326:名無しのヒトミミ
むしろゴミを見るような目で見てくれ
327:名無しのヒトミミ
罵ってくれ
328:1
お前らおかしいよ
[画像]
329:名無しのヒトミミ
やっちゃー!
330:名無しのヒトミミ
これで全然関係ない画像だったらアホほど面白い
331:名無しのヒトミミ
自撮りじゃないじゃないか!! でもありがとう……
332:名無しのヒトミミ
三冠バ三人のオフショットじゃん。売れるぞこれ
333:名無しのヒトミミ
イッチほんとに友達いたんだね
334:名無しのヒトミミ
てぇてぇ
335:名無しのヒトミミ
これも撮影者シービーなんだね、構図的に
336:名無しのヒトミミ
シービーなんかみんなで写真撮るの好きそう
337:名無しのヒトミミ
あー、なんか分かるかも
338:名無しのヒトミミ
みんなこれなに飲んでるの? タピオカ?
339:名無しのヒトミミ
はちみーをご存知でない!?
340:名無しのヒトミミ
エアプか?
341:名無しのヒトミミ
ウマ娘御用達ドリンクやぞ
342:名無しのヒトミミ
ヒトミミにはちょっと甘すぎるけどな
343:名無しのヒトミミ
シービーとイッチはともかく、ルドルフも買い食いするんだ
344:名無しのヒトミミ
なんか意外かも
345:名無しのヒトミミ
この写真顔面偏差値高すぎない?
346:名無しのヒトミミ
美人しかいない
347:名無しのヒトミミ
てか三人とも顔の系統結構似てるよね。イケメン系っていうか
348:名無しのヒトミミ
女性を喰ってそうな顔してる
349:名無しのヒトミミ
女子校でモテそう
350:名無しのヒトミミ
トレセン学園も実質女子校では? つまり……
351:名無しのヒトミミ
閃いた
352:名無しのヒトミミ
通報した
353:1
シービー先輩はかなりモテてる。ルドルフ先輩も結構。ワイはぼっち
354:名無しのヒトミミ
どうしてこんなことになったのか
355:名無しのヒトミミ
そんなこと言ってこっそりファンクラブとか作られてるんやろ? ワイは詳しいんや
356:1
ヒント。バレンタイン
357:名無しのヒトミミ
あっ(察し)
358:名無しのヒトミミ
バレンタイン? 親からチョコもらう日やろ?
359:名無しのヒトミミ
間抜けは見つかったようだな
360:名無しのヒトミミ
まあ確かに童貞のワイらには関係ないイベントではある
361:名無しのヒトミミ
近くにモテモテの人がいるバレンタイン、めちゃくちゃキツそう
362:名無しのヒトミミ
シービーアホほどチョコ貰ってそう。同級生後輩関係無く
363:名無しのヒトミミ
ルドルフは後輩からモテてそう
364:名無しのヒトミミ
イッチはトレーナーから一個だけ貰えてそう
365:1
全部正解です。トレーナーちゃんから貰えなかったら自害してたかもしれん
366:名無しのヒトミミ
お労しや……イチ上……
367:名無しのヒトミミ
八冠バの姿か? これが……
368:名無しのヒトミミ
でもどうせシービーはみんなで食べようって言ってきたでしょ?
369:名無しのヒトミミ
ルドルフはちゃんと全部一口は食べそう。シービーは平然と横流ししそう
370:名無しのヒトミミ
イッチはシービーにあーんってやってもらってそう。ルドルフはクールぶりつつもチラチラ見てそう
371:名無しのヒトミミ
童貞か? ルドルフ
372:名無しのヒトミミ
童帝
373:名無しのヒトミミ
はい不敬罪
374:1
君らどっかで見てた? 全部当たり……と言いたいけど惜しい! 一つだけ違います!
375:名無しのヒトミミ
マジ?
376:名無しのヒトミミ
一つ以外はあたってるのか……
377:名無しのヒトミミ
ルドルフは我関せずだったとか?
378:名無しのヒトミミ
シービーと二人で食べてたとか?
379:1
ルドルフにもあーんしてもらった
380:名無しのヒトミミ
は?
381:名無しのヒトミミ
なろう主人公か?
382:名無しのヒトミミ
許せねえ
383:名無しのヒトミミ
百合の間に挟まる女風情がよぉ
384:名無しのヒトミミ
愛され系後輩か?
385:名無しのヒトミミ
シビルド派ワイ、憤怒
386:名無しのヒトミミ
ルドシビなんだが?
387:名無しのヒトミミ
宗教戦争やめろ
388:名無しのヒトミミ
なんかえらい可愛がられてるね。なんで? 顔?
389:名無しのヒトミミ
身体? おっぱい?
390:1
憧れられるか、恐れられるかの二択しか無かったところに対等な後輩が来たら可愛がるでしょってシービー先輩が言ってた。ルドルフ先輩も頷いてた。
391:名無しのヒトミミ
後輩って可愛いよね分かる
392:名無しのヒトミミ
有能な後輩だしな
393:名無しのヒトミミ
顔も良いし
394:名無しのヒトミミ
今までは後輩って言うよりファンだっただろうしな
395:名無しのヒトミミ
イッチそろそろ二人のファンに刺されない?
396:名無しのヒトミミ
学園の他の生徒からの視線ヤバそう
397:名無しのヒトミミ
実力がなかったらマジで虐められてそう
398:名無しのヒトミミ
まあでもイッチもファン多いからな。学園の外には
399:名無しのヒトミミ
ファン感謝祭でイッチのファンサの強さ知ったわ
400:名無しのヒトミミ
執事服有り得んほど似合ってたね
401:名無しのヒトミミ
あれ乳どうやってしまってたの? サラシ?
402:1
サラシでギッチギチやぞ。男装のほうが落ち着くからあれでいいならいくらでも着るんやけどな
403:名無しのヒトミミ
いつもあんな露出の痴女勝負服なのにね
404:名無しのヒトミミ
あの執事服のブロマイド売らないの?
405:名無しのヒトミミ
グッズ展開してよ
406:名無しのヒトミミ
やくめでしょ
407:名無しのヒトミミ
ついでにシービーとルドルフの執事服ブロマイドも販売して
408:1
[画像]
これで我慢せえ
409:名無しのヒトミミ
うおおおおお!!!
410:名無しのヒトミミ
いつのまにこんなん撮ったん?
411:名無しのヒトミミ
執事喫茶じゃんこんなん
412:名無しのヒトミミ
顔面の暴力
413:名無しのヒトミミ
イッチも段々と写真撮られ慣れてきてる気がする
414:名無しのヒトミミ
男装しつつ可愛いポーズはワイに効く。やめないでくれ
415:名無しのヒトミミ
シービーが一番慣れてるのは解釈一致でとてもいい
416:名無しのヒトミミ
てかこれ撮影者は? 誰かのトレーナー?
417:1
トレーナーちゃん。この後三人でトレーナーちゃん囲んだやつも撮ったけどそっちは見せない
418:名無しのヒトミミ
いい加減イッチのトレーナーを見せてくれ
419:名無しのヒトミミ
まあコスプレした三冠バ見せてくれたから勘弁したる
420:名無しのヒトミミ
この画像お宝すぎない? あと十年ぐらい経ったらマスコミに売ろうかな
421:名無しのヒトミミ
マジで売れそう
422:名無しのヒトミミ
印刷してオークションに流したらとんでもないことになりそう
423:名無しのヒトミミ
メディア露出ほぼゼロの気性難も写ってるしな
424:名無しのヒトミミ
そう考えると本当にお宝やな
425:名無しのヒトミミ
イッチのブロマイド(公式)、証明写真みたいなやつしか無いもんね
426:名無しのヒトミミ
実際入学時の写真そのまま使ってるらしい
427:名無しのヒトミミ
勝負服のやつも学園で撮らされたやつなんでしょ?
428:名無しのヒトミミ
普通勝利者インタビューの時とか、単純に撮影依頼とかでどんどん写真増えるはずなんやけどな……
429:名無しのヒトミミ
それでも売れてるあたり化け物美人よねイッチ
430:名無しのヒトミミ
APP18ありそう
431:名無しのヒトミミ
生で見たらSAN値減りそう
432:名無しのヒトミミ
ファン感謝祭でイッチに会ったけど正気は保ててるで。おてて柔らかかったなとは思ってるけど。なんか最近ヒトミミのモデルさん見ても綺麗と思えなくなったけど。携帯の待受イッチに変えたけど
433:名無しのヒトミミ
うーんこの
434:名無しのヒトミミ
ダメみたいですね
435:名無しのヒトミミ
狂人は自分では気づけないんやなって
436:名無しのヒトミミ
ヒトミミに満足できなくなってトレーナーを目指すのは誰もが通る道
437:名無しのヒトミミ
あまりの難易度に挫折するまでがセット
438:名無しのヒトミミ
エリートってレベルじゃねぇぞ!
439:名無しのヒトミミ
イッチ……男にもハグしてくれ……
440:名無しのヒトミミ
もしもし? ポリスメン?
441:名無しのヒトミミ
牢屋に帰れ
442:名無しのヒトミミ
性犯罪者が。二度と顔出すな
443:1
君らのキレるポイントが分からないよ。ハグぐらいしたるわ。他の人がいなければ
444:名無しのヒトミミ
はい言質
445:名無しのヒトミミ
来年のファン感謝祭決まったな
446:名無しのヒトミミ
ソロイベント待ってます
447:名無しのヒトミミ
凱旋門勝利記念にやってくれ
448:名無しのヒトミミ
もうそれは違う類のイベントになるんよ
449:名無しのヒトミミ
女性限定イベントになりそう
450:名無しのヒトミミ
女性限定でもダメな気がする
451:名無しのヒトミミ
素直に握手会ぐらいにしとき?
452:名無しのヒトミミ
メディアに一切出てこない奴がいきなり握手会開いたら本当に伝説になるんよ
453:名無しのヒトミミ
ファン感謝祭マスコミ来てたよね? なんか取材入んなかったの?
454:名無しのヒトミミ
客の流れでそれどころじゃなかったぞ
455:名無しのヒトミミ
アレで取材してたらファンに殺されてた。本気で
456:名無しのヒトミミ
イッチ……って言うか三人とも女性ファンが多いから……女オタクは怖いぞ
457:名無しのヒトミミ
まあ大体イッチ達がHPゼロにしたんだけど
458:名無しのヒトミミ
あんなサービスされたら他の出し物じゃ満足できなくなっちゃうよ!
459:名無しのヒトミミ
また取材拒否伝説が加速したんやね
460:名無しのヒトミミ
もう一年ちょい取材受けてないのか
461:名無しのヒトミミ
マスコミを拒絶して、取った冠は六つ!
462:名無しのヒトミミ
トレーナーの胃痛ヤバそう。絶対マスコミからせっつかれてるでしょ
463:名無しのヒトミミ
取材依頼を前に頭を抱えるトレーナーの姿が!?
464:1
トレーナーちゃんから頼まれたら受けてもいい。五分ぐらいまでなら
465:名無しのヒトミミ
妥協したみたいに言うな
466:名無しのヒトミミ
挨拶で終わるぞ
467:名無しのヒトミミ
写真撮れるかどうか……本格的な写真は考えるまでもなく無理
468:名無しのヒトミミ
次に出るレースは?
〇〇です
それでは
こんな感じやろ
469:名無しのヒトミミ
うーん気性難
470:名無しのヒトミミ
実際次何に出るの?
471:1
宝塚記念。ファン投票次第だけど。相変わらずURAからせっつかれてます
472:名無しのヒトミミ
帝王賞に出て欲しかったゾ
473:名無しのヒトミミ
ダートも制覇しろ
474:名無しのヒトミミ
宝塚も勝ったら本当に凱旋門行けそう
475:名無しのヒトミミ
もう既に行けるでしょ
476:名無しのヒトミミ
ルドルフかイッチでしょ
477:名無しのヒトミミ
シリウスシンボリを忘れるな
478:名無しのヒトミミ
あー、あの外国で頑張ってる子
479:名無しのヒトミミ
イッチの同期やぞ
480:1
誰?
481:名無しのヒトミミ
イッチはそんな奴よな。知ってたわ
482:名無しのヒトミミ
君、マジで同期一人も覚えてないでしょ
483:名無しのヒトミミ
つまりイッチはそういう奴なんだな
484:名無しのヒトミミ
普通に最低だと思う
485:名無しのヒトミミ
でもワイも学生時代の同期とか覚えてへんで。友達おらんかったから
486:名無しのヒトミミ
ああ……イッチが覚えてないのってそういう……
487:名無しのヒトミミ
ぼっちだったもんね
488:名無しのヒトミミ
ルドルフとかシービーは宝塚出ないの? 出走表明すれば出れるでしょ
489:名無しのヒトミミ
そういやどうなん?
490:名無しのヒトミミ
また三冠バで戦う?
491:1
先輩達は秋の天皇賞に向けて調整に専念するらしい
492:名無しのヒトミミ
これマジ?
493:1
お互いに絶好調でやる為に本気で調整するって言ってた
494:名無しのヒトミミ
とうとう全力のシビルドが見れるのか
495:名無しのヒトミミ
とうとう強さ議論に決着が……?
496:1
オフレコだからバラしちゃダメだよ。あの二人だから多分もうすぐ発表されるだろうけど
497:名無しのヒトミミ
シービーはともかくルドルフは教えてくれそう
498:名無しのヒトミミ
オラワクワクしてきたぞ
499:名無しのヒトミミ
そういう事をマスコミに話してあげなよ
Q 凱旋門賞の豪華メンバー
A こんなの描写出来ないッピ!
Q 普通のヒトミミで満足出来なくなりそう
A なりました
Q 3着ちゃん
A みんな好きすぎない?
Q 固有スキル
A 多分変わってる
Q シリウスシンボリ
A ダービーで負けさせてごめん…
Q ダンシングブレーヴ
A こんな強い子、描写力が追いつかないッピ!
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おまけ10
天高くウマ肥ゆる秋。
秋は美味しいものがいっぱい増えるから体調管理には気をつけよう!
そんな諺もある季節で、しかしフォルティシームは珍しく顔を曇らせていた。
「まずい……あれもまずい、これもまずい。この国で美味しいのは朝食しかないのかなあ!」
紳士の国。ブリカス。いつも霧が出てる陰気な国。世界一不味い料理が食べられる国。
そんなイギリスに、フォルティシームとそのトレーナーはやって来ていた。
「ごめんね、トレーナー。まずいご飯に付き合わせちゃって……」
「フォルティのせいじゃないよ。味は……うん、アレだったけど……」
珍しくエスコートに失敗して落ち込むフォルティシーム。かなりレアな姿かもしれない。独特な勘のおかげか、彼女は適当な店に飛び込みで入っても大体美味しい店を引き当てる。おかげでトレーナーの外食満足率は脅威の九十八パーセントである。二パーセントはトレーナー自身が行ってみたい店があると言ってハズレを引き当てた。
レースの勘の良さと関係があるのかは分からない。
「……晩御飯は中華にしようか。それかハンバーガー」
一人でいる時ならともかく好きな人といる時にファストフードは……などというフォルティシームの考えを改める程度には美味しくない料理を食べて、意気消沈した様子を見せる。彼女が落ち込んだ姿を見せるのはシンボリルドルフに負けて以来の二度目だ。流石にあの時ほど落ち込んではいないが。
ちなみに、ウマ娘という生き物は種族の特性なのか、中々に食に貪欲である。
ヒトでは考えられない程の量を食べたり、やたらと甘い物を好んで、太りやすい体質から目を背けてパクパクですわ! したり。
特にトレセン学園という寮生活を送っているウマ娘達には、三度の飯が毎日の楽しみであるという者も少なくない。学園の食堂のレベルが高いというのもあるが。
珍しく食にあまり興味が無い側であるフォルティシームにしても、食事という日に三度行う行為には楽しみを求めているし、それが裏切られればそれなりにしょんぼりする。いや、今に限って言えば彼女の場合トレーナーにまずいご飯を食べさせてしまったという罪悪感かもしれないが。頭の中ピンク色だし。
更に余談であるが、イギリスで美味しい物が食べたいならいっそパブにでも入った方がいい。軽食になってはしまうが、得体の知れないまずい料理を食べさせられるよりはパイなどで手堅く腹を満たすべきだろう。
未成年ウマ娘を含んでいるこの二人には取りにくい選択肢ではあるが。
閑話休題。
さて、何故この二人が日本を離れてイギリスまで来ているのか。当然ハネムーンである。結婚記念に特別な思い出を作るために、足を伸ばして外国まで。そう珍しい話でもないだろう。嘘だが。
九冠バ──冠の数だけで言えば、シンボリルドルフを超えた。直接対決では負けた訳だが──としてURAから出走を求められた凱旋門賞。そこで共に走るウマ娘の視察、ついでに外国の空気や芝になれようという魂胆である。この前には十一連勝中のドイツ最強とも噂されるウマ娘を見るためにその国まで行き、そこで彼女の十二連勝目を見届けた。一週間程前の話である。
まあ他人に興味を持たないフォルティシームとしては本音を言えばどうでもいい事ではあるのだが。少なくとも一人だったら早々に切り上げて観光に切り替えるか、ギリギリまで日本に居たかのどちらかだったろう。別に他のウマ娘の走りを見たからと言って作戦を考えられるほど賢くも無いし。
確か同期に外国に行った子がいたなぁ……とぼんやり思っている程度である。サ……シ……? シなんとかだった気がする。全然違うかもしれないけど。などと思いながら外国のレースを見ている。あまりよろしいとは言えない態度である。
今のところの例外は、件の十二連勝したドイツのウマ娘の時ぐらいだろうか。
その時は、フォルティシームにしては珍しくしっかりとレースを見て、観戦しているうちに、少しだけ唇が緩んだ。
そのウマ娘の走りに、雄大な山と激しい噴火を幻視した。
世代を作るようなウマ娘は、自分の世界を他人に押し付ける。
闇に引きずり込むフォルティシームも、紫電轟く城へと招くシンボリルドルフも同じだ。ミスターシービーはその走り故か押し付けるというよりも受け身に回る事が多いが。他人の世界を走破して、打ち破る。彼女にとって世界とは自分のことであり、自分自身こそが押し付ける世界なのかもしれない。
ドイツの彼女が何故そのような世界に至ったのかは分からない。彼女にとっての原初の風景なのかもしれないし、走っているうちに辿り着いたイメージなのかもしれない。
分かるのは、その世界がとてつもなく強固であること。少なくとも、見るものが見ればレース外からでも感じられるくらいには。
いいなぁ、あの子。無意識のうちに小さく呟いていた。その時の顔は、かつてシンボリルドルフが見せたような獰猛な笑みで。こんな相手が他にもいるんだと、柄にも無く胸を躍らせていた。
ミスターシービーに闘争心を教えられ、シンボリルドルフに敗北の味を教えられた。
結果、フォルティシームが目覚めたのは勝利への執念。
強者を捩じ伏せて勝つ。私の名を、最強を証明してみせる。
まずは一人、競走相手を見つけた。
どうせ勝つなら、強い相手でなくてはならない。そうでなくては意味が無い。難敵を捩じ伏せてこそ、勝利の味は甘美になるだろう。
ミスターシービーとの戦いで勝利の美酒の味を覚えた。シンボリルドルフには辛酸をなめさせられた。それからは空虚な勝利を繰り返した。
だから、勝利に飢えている。恐らくそれは、シンボリルドルフがフォルティシームと戦う前に思っていたことで。
だから、勝つ。傲慢と言える自信で勝利を望む。何故なら私はフォルティシームだから。いつかはシンボリルドルフをも打ち倒してみせる。何故ならトレーナーに勝利を誓っているから。
時を現在に戻して、イギリス。
まずいご飯を食べた後。気晴らしに街をブラブラと歩く。
お目当てのレースまではまだ少し日があるから、今は完全に自由な時間だ。
本当はトレーナーと一緒に過ごしていたかったのだけど、食事が終わってすぐに別れてしまった。凱旋門賞に出るウマ娘達の研究の為と言ってトレーナーは大体の時間をホテルで過ごしている。
本当なら一緒に見るべきなのだろうけれど。同じ空間で過ごしているのにトレーナーに構えないし構ってもらえないというのはフォルティシームにとって耐え難い苦痛だ。フォルティシームが他人の走りを見ても何も得るものが無いというのもある。色々と試した結果一番気に入ったのが他人を必要としない自己完結した逃げという戦法だったから、あまり他人の走りが関係する余地が無いのである。
晩御飯の時と、後は寝る前にその分構ってもらおうと考えながら、目的も無く彷徨う。異国の街並みや人は眺めているだけでも割と楽しめる。
知らない街並み。何と書いてあるのかよく分からない看板。外国人……いや、ここでは国民か。イギリス人。ついでにイギリスウマ娘。日本では目にする事の無いそれらを眺めて適当に歩く。
景観に意識が向いていたのが良くなかったのだろう。フォルティシームの肩の辺りに衝撃が起こる。
誰かにぶつかったな、やってしまった。と謝罪の言葉を──つまりは、すみませんと口にして、通じないのかという事に気づく。
ええと、英語ではなんだっけとドイツ語と混じった脳内辞書を検索している間に、相手の方から言葉が飛んでくる。
「コチラこそ。……あの、日本のウマ娘さんデスか?」
聞こえてきたのは、聞き慣れた──訛りはあるが──日本語。
驚いて思わず固まっていると、不安げに言葉が続く。
「ア……日本語、間違ってマス……?」
何処か庇護欲をそそる彼女、イギリスのウマ娘……だろう、多分。に申し訳なくなって、いつもの笑顔を作って応じる。
「ごめんね。異国で日本語が聞けるとは思わなくて、少し戸惑ってしまった。大丈夫。君の日本語は間違っていないし……ああ、君の口から聞くと日本語も美しく聞こえるね」
動揺を隠すための長ゼリフを、聞き取りやすいようにゆっくりと。
そんな事をしている内に、恐らくぶつかった衝撃で落ちたのであろう物に気づく。紙袋。中身は……錠剤?
まああまり人の荷物をジロジロ見るものでもない。さっさと拾って手渡す。
「Ta アー……ありがト」
「どういたしまして。私が悪いのだから、これぐらいはね?」
観光のなんでもない一幕。袖すりあう程度の出会いは、しかしもう少しだけ引き伸ばされた。
「UK……イギリスには何をシに?」
「ん? sightseeing……いや、目的はレースかな?」
「レース?」
「凱旋門賞に出るウマ娘が走るらしいからね。セレクトステークスだったかな」
それを聞いて、少し驚いたように目をパチリとさせ、柔らかな笑みを見せるイギリスウマ娘。
「It's strange……アー、タマタマ? 私も出マスよ?」
「おや、凄い偶然もあったものだ。名前を聞いてもいいかい? お嬢さん」
「ブレーヴ……ダンシングブレーヴ、デス。アナタは?」
「フォルティシーム。この国の言葉で言うなら……strongest、かな?」
「強そうナ名前。素敵デスね」
「君の方こそ。勇ましくて、美しい名前だ」
これが。日本最強──本人はシンボリルドルフがいる以上認めないだろうが、全距離制覇と九冠を成し遂げた彼女への周囲からの評価は高い──と、英国最強のウマ娘の出会いだった。
ダンシングブレーヴがマリー病を発症したのは引退後の話ですが本作においては現役時代から病弱というキャラ設定にさせていただきます。
ご不快な方は読まんでええ!人生は冒険や!他の小説を読め!
Q チョコ
A ファン感謝祭は4月、バレンタインは2月
Q 掲示板の民度
A リアルにしたら掲示板形式の小説なんて成り立たないよ
Q アンケート結果
A 参考にはしますが無視もします。チートオリ主はつまらないので
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おまけ11
セレクトステークス。英国のG3クラスのレース。
既にG1で複数勝利を上げていたダンシングブレーヴが何故そこに出走したのかと言えば、まあ凱旋門賞のステップレースとしてだ。
だが結果を見てみれば、果たしてそんなものが彼女に必要だったのかと疑うような圧倒的なものだった。
大差。それにコースレコード。
つまりは、相手にもならないという事である。
恐らくはダンシングブレーヴというウマ娘を見に来たのであろう観客達の大歓声の上がる中、騒音対策に耳をぺたんと伏せたフォルティシームが口を開いた。
「どう思う?」
トレーナーに向けた、相も変わらず口下手な足りない言葉。しかし長い付き合いのおかげかトレーナーにはしっかりと伝わったようで。
「圧勝……しかも、余力を残してって感じかな? 本当に調整の為に出ただけなんだろうね。実力はフォルティと……うぅん、シンボリルドルフさんと同じくらい……いや、もっと上かも……」
足りない言葉でも言いたいことが伝わる嬉しさと、トレーナーの中で一番強いウマ娘が自分じゃない事への嫉妬を感じながら──ルドルフ、いつか絶対に勝ってやる──とりあえず胸に生じたモヤモヤをかき消すためにトレーナーの頭を撫で回す。
全く。昔はいつもフォルティなら勝てるよ。と結んでくれたのに。同世代で最強になってから、どんどん強い相手と戦わされている気がする。最初はシービー先輩、次にルドルフ先輩。トドメに今回の凱旋門賞ではドイツ最強だとか英国最強だとかフランス総大将だとか。ボスラッシュもいい加減にしてもらいたいものだ。
昔は勝ってくるねと気楽に言えたのに。どうにも私は自分で思っているより引きずるタイプだったらしい。傍から見ればたったの一回、戦績に傷がついただけで勝利を確信出来なくなるくらいには。
ただまあ、それも善し悪しか。フォルティシームは思う。
敗北の味を知った。勝利の快感を理解した。
トレーナーが私のせいで泣くところを見た。無力感を知った。
それが無ければ今も適当に走っていたか、格下を狩って賞金を稼いでさっさと引退でもしていただろう。
それが有ったから。私は今でも走っているし、負けない為に……いや、勝つ為に全力を尽くしている。
だからこそ、私は言うのだ。トレーナーを安心させる為に。彼女に曇った顔は似合わないから。不安を隠して、不敵な笑みを浮かべてただ一言。
「大丈夫。最後に笑うのは私達だよ」
レース観戦も終わって、翌日。
実を言ってしまえばもはやイギリスでやることも無く、現地の空気に慣れるためにも早めにフランスに向かった方が良いのだろうが。飛行機とホテルの日程調整の兼ね合いでまだイギリスで過ごしている。
トレーナーちゃんは相変わらずホテルに缶詰だ。気晴らしに少しは出かけようよと誘ってはいるのだけれど、今のところは全敗している。
少しでも役に立ちたいから、と言ってくれるのは嬉しいのだけれど。本音を言うならもう少しでいいから構って欲しい。大体異国の地で日本語で話せる相手というだけでも貴重なのだ。それが好きな人であれば尚更一緒にいたくもなるだろう。
寂しさを持て余しながら街を彷徨く。
流石にこの辺りももう見飽きてしまったが、自分一人で遠出する気にもなれないからホテル近辺で我慢している。
外国の芝に慣れるために運動公園を走ったりもしてみたのだけれど、外国のウマ娘というのはどうにも目立ってしまうようで。居心地が悪すぎたからさっさと撤退してしまった。
若干拗ねつつ、前にダンシングブレーヴと出会った通りを歩く。なんか良い店でも無いかなという冒険心と、もう一回あの子に会えないかなという下心を持って。
僥倖。信じられない幸運と言うべきであろう。まあダービーウマ娘である以上私が幸運であるのは当然のことか。
読めない看板の建物から見覚えのあるウマ娘が出てきた。
何とも嬉しい事に向こうも私の事は覚えてくれていたようで──いや、どちらかと言うと私が他人を覚えている事の方が異常か? 名前にしろ、顔にしろ──柔らかい笑顔と、軽く手を振ってくれる。
駆け出したくなる気持ちを抑えて、ゆっくりと距離を詰める。あくまで余裕を持って優雅に。
「凄い偶然もあったものだね、約束も無しに二度会うなんて。これは運命と言ってもいいんじゃないかな?」
「フフっ。Italian みたいナこと言いマスね。Were you flirting with me ? アー、口説ク? してマス?」
英語の部分の意味は分からなかったが、とりあえず笑ってくれているので良しとする。やはりこういう喋り方の方が女ウケが良い。ついでにコミュ障なのも隠せて助かる。
「そんなつもりは無い……とは言えないかな。どうだい? このままお茶でも……といっても、私は特に良い店を知らないのだけれど」
「I’d like to. ……行きまショウ。お店は、私が連れて行きマス」
どうやら彼女は意外と積極的なようだ。警戒心が薄い性質なのか、案外私に好意的なのか。前者なら心配だし、後者ならもっと心配だ。悪い男に騙されそうだ。
それは一先ず置いておいて。彼女について歩く。ついでに聞きたかったことを一つ。
「ところで、どうして日本語を? 気紛れに学ぶには向かない言語だと思うのだけれど」
「好きナので、日本。アニメ、マンガ、美味シイご飯! ドレも素晴らしい文化です」
「おや、それは嬉しいね。スシ、スキヤキ、テンプーラかい?」
「サムライ、セップク、フジヤーマ! フフっ」
祖国を好きと言って貰えるのは悪い気はしないものだ。それと、彼女が冗談の通じるタイプである事も。
それから日本の所謂オタク文化について話しながら歩く。どうにもこの手の話は情報が古くなってしまう私だが、今回ばかりはそれぐらいで丁度良かったらしい……いや、別に今まで語り合う相手なんていた事は無いのだけれど。
此処です、と言われた建物──多分喫茶店かカフェ──に入って、席に着いてメニューを見る。うん、全く分からない。teaとcoffeeが分かるぐらいだ。勘に任せて適当に頼もうかとも思ったが、大人しく彼女と同じ物を頼むことにする。日本食が好きなぐらいだし、味覚はそう遠くはないだろう。
「そう言えば、レース見たよ。凄かったね」
ふと思い出したから、そんな事を言う。大差に終わったセレクトステークス。その一着が目の前にいる……こう言ってはアレだが、あまりそのような雰囲気は無いのだけれど。
「アリガト、ございマス。フフっ、どうですか? 私、結構強いデショ?」
「正しく。海外で強いと思えるウマ娘を見たのは、君で二人目だ」
「デート中に他の女の子の話デスか?」
「おっと、これは失礼」
クスクスと楽しそうに笑いながら、機嫌良さそうに話を続ける彼女。
「それに、アナタも強いデしょう? 日本最強のSatanさん?」
「そういう風に呼ぶ人もいるね。もっと可愛く呼んでもらいたいものだけど」
距離の壁を越えて。どの距離で走ろうと立ちはだかる、逃れられぬウマ娘。ルドルフ先輩に挑んだ時は皇帝に挑む革命家だったのに、今では他のウマ娘の心をへし折る魔王。随分と出世したものだ。
「イサマシくて良いと思いマスよ? ……デモ、知ってマスか?」
笑顔はそのままに。レース前のルドルフ先輩のような……いや、それ以上の威圧感が放たれる。
「Satanは、いつだって勇者に負けルんです」
「ダンシング、ブレーヴ。なるほど……宣戦布告かな? やはり、私達の出会いは運命だったのかもしれないね」
そんなじゃれ合いをしているうちに飲み物が運ばれてくる。どうにも締まらないものだ。
それからは年頃のウマ娘らしく──私がそう名乗るのは少し無理があるかもしれないけれど──好きな食事の話やレース談義なんかをする。
まあ分かったのはイギリスに美味しい料理が無いことくらいだったけれど。やはり日本食。日本食しか勝たん。
あとは私と彼女の共通点。無敗に土を付けたたった一人の相手。私にとってはシンボリルドルフであり、彼女にとってはシャーラスタニ。尤も、彼女は既にリベンジを果たしているようだが。
凱旋門賞にはそのシャー……何とかも出てくるらしい。二度と立ち向かえないように完膚なきまでに勝つとは彼女の言葉である。外見に似合わず恐ろしい女性なのかもしれない。私としてはルドルフ先輩にそんな事は到底思えない。
話も、お茶も飲み終えて──結構美味しかった。イギリスもティータイムだけは信用出来る──楽しい時間も終わる。次はレース場で。そんな言葉で別れる。
どうにも、本当に。流石は凱旋門賞と言うべきか、日本でのレースよりも圧倒的に強者が多そうだ。
勘弁してくれという気持ちも滾るという気持ちもどちらも本音だが、折角なら勝ちたいものだ。ここで勝てば世界最強──なんて称号には興味は無いけれど。世界最強を育てたトレーナーという名誉はトレーナーちゃんへの贈り物として良さそうだ。
溜め息を一つついて、足を運動公園の方に向ける。
誰も彼も捩じ伏せる。勝つのは私達だ。
Q なんでその選択肢(ぶっちぎり)入れたの?
A ここの票が少なかったらシリウスシンボリぐらいの成績で終わらせるつもりだったから
Q また口説いてる…
A 目指せ日本へのお持ち帰り
Q わりぃ、やっぱマズイわ…
A 言えたじゃねえか
Q マヤわかっちやった
A イケメン美人との食事に慣れたらもうヒトミミにナンパされてもゴミにしか見えなそう
Q 九冠バにキューカンバー
A ネイチャしか笑ってないよ
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おまけ12
場所は動いて、フランス。
イギリスとは違ってきちんと食事に情熱を向けるという事を知っているこの国の食事には、フォルティシームもご機嫌である。
マトモな食事に、観光地と化しているパリの街並み。しかし今日に限って言えば、二人とも引きこもってレース映像を見ていた。
ダンシングブレーヴ。誰も彼も強敵揃いの凱旋門賞の中で、フォルティシームが一番気にしている相手。単純な強さだけでなく、直接喋った相手だという理由もあるだろうが。
勝ったレース。勝ったレース。唯一の負けたレース。また勝ったレース。
フォルティシームが見て分かるのはバカみたいに強いということぐらいだ。
知っているところで一番近いのはミスターシービーか。後方に控えて、豪快に全てをぶち抜いていく。ある意味では、他人を必要としない強さ。
誰かをマークしてその相手と、沈むも限界を超えるも運命を共にする。そのような走り方をするタイプでは無い。対極的に見えて、フォルティシームの逃げと同じようなものかもしれない。
誰とも関わらない逃げと、何も関係なく全てを追い抜く追込。どちらもあまり競り合いなどをするタイプでは無い。
さてどうしたものかとフォルティシームは考えて、考えて、諦めてトレーナーに抱きつきに行った。
元々、考えるタイプでは無い。やることやって、なるようになればいいという程度にしか物事を考えないウマ娘だ。
真剣な顔で映像を見ているトレーナーに後ろから抱きつく。うひゃっ!? という動揺の声に満足感を覚えつつ、もう少し何かしてやろうかという気持ちもあったがそれは我慢して普通に──とは言っても、抱きついている位置関係の問題で耳元で囁くような形になっているのだが──話しかける。
「やだねえ、こういう単純に強いウマ娘って。こっちのスペックが足りなきゃ挑めもしない」
他の人に聞かれればお前が言うなと突っ込まれるであろう事を、無自覚に三冠バを足切りラインに設定している傲慢ともとれる強いウマ娘が言う。
天然傲慢っぷりに慣れてしまっているのか、フォルティシームの事になるとちょっとバカになるのか。トレーナーも特に突っ込みを入れることなく話が進む。
「凱旋門賞だから、さすがにセレクトステークスみたいにはならないだろうけど……フォルティは逃げだからね。どうしても他のウマ娘頼みになりそうな……内側を塞いでもらうとか、競り合って体力を削ってもらうとか」
「なんとも……歯痒いね。自分の命運を他人任せにするとは。……いや、私の人生、案外そんなものだったかもね」
自嘲するような最後の言葉は、言葉にならずに口の中に消えていった。
「あとは……フォルティの地力を上げる? でも今更一ヶ月でそこまで変わるとも思えないし……そういえばフォルティ、海外の芝には慣れた?」
「イギリスのには割と。フランスはまだよく分からないかな? ただ、私には外国の芝の方が合っているかもしれない。力が要るとは聞いていたけれど、私にとっては大した問題じゃない。……ただ」
「逃げるのには少し向かないかもね。かといって付け焼き刃で他の戦法にする訳にもいかないし……」
いや全く。どうしたものかと二人で頭を悩ませる。ちなみにフォルティシームはトレーナーに抱きついたままである。
「……そういえば、ダンシングブレーヴは何か病気でもしているのかい?」
「え? そんな事は何処も言ってないと思うけど……フォルティはなんでそう思ったの?」
「前話した、彼女と会った時にね。二回とも薬を持っていたから。何か持病でも持っているのかなって」
「うーん……隠してるとかかもしれないけど……薬の名前とか、分かる?」
「何だったかな……トラマ……トラド……しっかり見た訳じゃないからなぁ……」
うんうん唸りながら思い出そうとしてみる。未だにトレーナーには抱きついたままである。
その位置関係をいい事に耳に息を吹きかける。上がる奇声に沈みかけた雰囲気が霧散する。
「分からない事を考えても仕方ないね。よし、とりあえずご飯を食べに行こう! お腹が空いてちゃ何も思い浮かばないからね!」
気分転換。あるいは現実逃避。どう過ごそうと平等に時間は流れる。ならば少しでも楽しく過ごせた方がいいのかもしれない。
凱旋門賞までは、あと僅か。
さて、そんな結びをしてみたものの、特に何か語るべき事が起きる訳でもない。フォルティシームはフランスの芝に慣れるために走り回っていたし、トレーナーは少しでも勝つ確率を上げようと必死で頭を働かせていた。
ならばさっさと時計の針を進めてしまうべきだろう。
凱旋門賞前夜。最早やるべき事は全てやった。対戦相手については擦り切れるほどに調べたし、異国の走り屋として顔を覚えられる程度には身体を洋芝に慣らした。疲労が残っているなんてことも無いし、病気に罹ったなんてオチも無い。身体は正しく絶好調だ。
だから、あとは心を整えるだけ。
そのために──後は、若干の趣味と欲求のために──フォルティシームはトレーナーにピッタリとくっついて頭を撫でてもらっている。
勿論不安にかこつけてトレーナーを堪能する為であり、そこには下心しか無い……という訳でも無い。レースに一切興味が無く、他のウマ娘など眼中に無かった彼女も今は昔。今ここにいるのは、当たり前のようにレースの前に緊張し、誰もがしてきたように不安と戦っている一人のウマ娘だ。
レースの楽しさを知った。それと同時にレースの恐ろしさを知った。
勝つ喜びを知った。負ける辛さを知った。
勝てばトレーナーが喜んでくれる。負けるとトレーナーが悲しむ。
ああ、思えば。フォルティシームが珍しく思考を回す。
思えば、私は何もかもトレーナーに貰ってばかりだ。
レースで勝ちたいのはトレーナーが喜んでくれるから。つまりはトレーナーがいなければレースはおろか勝利にすら興味が無かっただろう。
今生きているのは、トレーナーに好かれたいから。恋の為に生きるなんて最早陳腐な理由ではあるけれど、フォルティシームにはそのくらいしか生きる理由が無い。トレーナーと、後はたった一つの人生哲学が無ければとうに命を絶っていただろう。
貴女に恋をした。貴女に跪かせて欲しい。フォルティシームの思いはそのようなものだ。跪いた結果として差し出すものが無敗の三冠に史上最多の九冠に魔王の二つ名というのはあまりにも重すぎるが。
負けたくないと思えたのはトレーナーの泣き顔を見てしまったから。あの時は、心臓が捻じ切れそうな程に痛んだ。もう二度と見たくはない。
それだけじゃなくて、日常生活すらも。
トレーナーと出会って、楽しいを知った。喜びを知った。トレーナーと出会って、恋を知った。
トレーナーのせいで、無力感を知った。嫉妬を知った。貴女のせいで、寂しさを知った。
フォルティシームが撫でられていた頭をずらして、トレーナーの胸に顔を埋める。寄る辺のない子供が、何かに縋り付くように。
しばらく埋めて、泣きそうなのを何とか我慢して。顔を上げて言葉を紡ぐ。
「トレーナー……」
出てきた声は、フォルティシーム自身も驚く程に弱々しい声だった。ならばトレーナーの驚きは言うまでもないだろう。
「ゴメン……ちょっと、弱いところを見せてもいいかい?」
それは、異常事態と言っていい。今までいつだって粋がって、最高にカッコイイフォルティシームを演じてきたというのに。それを全て御破算にするような行動を取っている。
だがまあなんて言う事は無い。ただドイツ最強だのイギリス最強だのフランス総大将だのを見てきたせいで自信を失っているだけである。
全てに興味が無かった頃のフォルティシームには、そもそも自信なんて物は存在しなかった。だからこその安定性。そこに、ミスターシービーに勝利を意識させられて、シンボリルドルフに打ち砕かれて。そこからの空虚な勝利ではどうにも補強しきれなかったらしい。
「トレーナー……嘘でもいいから、勝てるって言ってくれないかい?」
「……大丈夫。フォルティなら勝てるよ」
「……言って欲しい。強いって」
「強いよ、フォルティは。大丈夫」
「……上手くいくかな?」
「そのために、頑張ってきたじゃない」
「勝てる。強い。上手くいく。勝てる──強い──上手くいく」
それは最早ただの祈りで。きっと気休めではあるのだろうけど、今のフォルティシームにはその気休めが何よりも必要だった。
「ありがとう。貴女のおかげで少しだけ楽になった」
「ううん。……むしろ、ごめんなさい。私はこんなことしかしてあげられない」
「……じゃあ、トレーナー。一つ……私が勝ったら、一つだけご褒美が欲しいな」
珍しいね。と言ってくるトレーナーに、何度か口をパクパクとさせるフォルティシーム。いつもの余裕は無いし、いつもの作ったキャラクターも捨て去った。
「貴女の唇が欲しい。……貴女を、私のものにしたい。愛してる」
それは、フォルティシームに一番最初に産まれた欲求。一目惚れという言葉に一切嘘は無い。あれから二年、好きは強くなり続けている。
トレーナーは顔を赤くして、暫し押し黙って。二人の間に沈黙が流れる。
やがてゆっくりと、言葉を選んで喋り出す。
「大人としては……怒るべきだと思うの。大人をからかうもんじゃないとか、一時の感情でとか。でも私の本心は……嬉しいの。私だってフォルティが好き。一緒にいたいし、トレーナーと教え子の関係じゃ満足出来無い。だから……」
最低な事を言うね? と前置きして、最後の言葉を紡ぐ。
「だからフォルティ、勝って? 誰をも黙らせられる実績を作って、そしたら……」
「ああ、勝とう。貴女は私のもので、私は貴女のものだ。誓おう。どうなろうと勝つと」
「背負わせちゃって、ごめんなさい……でもねフォルティ。どうなろうと勝つなんて言わないで。負けてしまったよって泣きながらでもいいから、無事に帰ってきてよ」
「……誓おう。貴女に、最高の栄誉と……私自身を捧げよう」
心·技·体は全て整った。真実、最早やる事は無くなった。
泣いても笑っても明日には全てが終わる。
凱旋門賞が始まる。
Q 勝つ姿が思いつかない
A ワイも
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おまけ13
日本国内で一番の名誉あるレースとは何か。そう聞かれた時に帰ってくる答えは様々であろう。
一生に一度しか挑戦出来ないクラシック路線。ファンの期待を背負って走る宝塚記念や有馬記念。外国のウマ娘も来るジャパンカップ。盾の栄誉こそが至高ですわ! という天皇賞。
だが、世界で一番の名誉あるレースならば多くの答えは一致するだろう。
即ち、凱旋門賞。本日開催されるレースである。
レース前。控え室。ダンシングブレーヴの、控え室。フォルティシームの姿はそこにあった。
何故そこにいるのかと言われれば、まあ単純に訪ねて来ただけなのだけれど。入ったタイミングがまずかった。
部屋をノックして、Just a moment. なんて英語の意味が分からなかったフォルティシームは返事があったからいいだろうとドアを開けて。
苦痛に喘いで、薬を必死で飲み込んでいる少女を見た。
マリー病。ダンシングブレーヴの身体を蝕む病の名。症状は骨の肥大化、関節の腫れ。そしてそれらに伴う発熱と、全身を苛む激痛。
罹る原因は分かっておらず、治療法も無い。出来るのは精々症状に対応していくだけ。
勿論フォルティシームはそんな病気について知らなかったけれど、何かがヤバいというぐらいには分かったから。
とにかく誰かを──誰を? 彼女のトレーナー……いや、何処にいるかも分からない。救急車? この国ではどう呼ぶんだっけ──連れてこようとして、他でもない彼女にその動きを止められる。
「I'm alright……薬、飲メば……」
振りほどこうと思えば、そう出来たはず。ただ、行かせまいとするその腕には力以上に何かが込められている気がして、何も出来なかった。
薬を飲めば。という言葉は嘘では無いのか、彼女の荒かった呼吸が段々収まっていくのを聞き取る。
「全ク……女の子の秘密を知っテしまいましタね?」
少し余裕を取り戻したのか、そんな軽口が聞こえてくる。ただ、顔色は相変わらず悪いままだ。
「そんなに心配しナイでください。何時ものコトですから」
何時もの事。つまりはこの苦しみようは初めてでは無いということか。そんな身体で、レースを? 狂気の沙汰だ、とフォルティシームは思った。レースというものに、それほどの価値を見出していなかった過去があるから。
「なんで……走ってるの? そんな身体で」
思わず、そんな言葉が出てきた。
もしもフォルティシームが苦痛を押して走るとしたら、それはトレーナーの為だろう。ならば彼女の走る理由とは? そんな好奇心が皆無だったとは言えない。
「ソレしか無いカラ」
返ってきたのは、そんな単純すぎる答え。
「昔カラ身体が弱くて、寝てバカリいたんですけど。……イイエ、だからこそ。ズッと思ってタんです。走りタイって。それニ……」
柔らかい笑みを。どこか壊れたような笑みを浮かべる。
「知ってマスか? 強いウマ娘には、皆優シイんです。強いウマ娘には、皆が憧れルんです。強いウマ娘は、全部手に入れられルンです。お金も、愛も、家族も」
「……だから、君は?」
「ええ。今更、手放しタクないですから」
それは、フォルティシームには分からない理由。レースに伴って手に入る物なんて、地位も名誉も金も何も興味無かったから。ただトレーナーの笑顔が見たいから。繰り返しにはなるがフォルティシームの走る理由はそれが一番だ。
「私には、分からない。何となく気に食わないとは思うけれど、それは私の価値観だから。ただ……」
しかしどうにも、走る理由がもう一つ出来てしまった。
「ただ。君の地獄を今日で終わらせよう。今日、勝つのは私だ」
「例え地獄ダろうと、そこで得られるモノを手放すつもりはアリません。勝ちます。今日も、コレからも」
たった三分で終わるレースに、思いを、夢を、人生を託す。ならば、これ以上ここでの語り合いに意味は無いだろう。
泣こうが喚こうが後三分。それで全てが決まるのだから。
ゲートに各ウマ娘達が入っていく。横一列に並んだウマ娘達は、この一瞬だけは平等だ。フランス総大将も、ドイツの絶対王者も、英国最強も、日本の魔王も。誰もが信じている。私こそが最強だと。
最早、言葉も不要。ゲートが開く。
矢のように。真っ先に先頭を奪ったのはフォルティシーム。逃げウマとして、気が遠くなるほど練習した動きだ。
ほんの極僅かに遅れて、他のウマ娘達が飛び出す。その差はゼロコンマ何秒というレベルだろうが、フォルティシームにはそれで充分だ。
逃げウマとして頭を取る事に成功する。まずは一つレースの流れを掴んだと言っていいだろう。なにせ──視線だけで後ろを見る。
なにせ、後ろで行われているのは化け物共の食い合いだ。
真っ先に自分の世界を作り上げたのは、やはり意地があるのかフランス総大将のベーリング。
嵐の世界に他のウマ娘を引きずり込む。単純に走りにくい嫌な世界だ。
周囲のウマ娘を引きずり込んで、そのまま先頭と最後方を呑もうとする。
大逃げでもしていれば話は別だったかもしれないが、このフランスの芝はそんな事を許すほど軽い芝では無い。
嵐が──雨と暴風が、迫ってくるのを感じる。フォルティシームが呑まれてしまえば、後はしれっとした顔で最後方に控えているダンシングブレーヴだけだ。
ジリジリと迫ってきて──世界が切り替わる。
次に広がるのは、雄大な山。フォルティシームにも見覚えのある世界。ドイツのアカテナンゴの世界。
だが。ああ、この山は静けさとは無縁の物だ。その世界を噴火のように、火砕流のように駆け抜けるドイツの絶対王者。
時代を作るようなウマ娘はそれぞれ世界を持つ。ならば、そんなウマ娘が集まってしまったこのレースで起きることとは何か。
世界の奪い合いである。
嵐が山を飲み込んだ。噴火が風を吹き飛ばした。
紫電がそこに加わった。龍が、狼が、武神が世界を奪わんと挑みかかる。
もし、ウマ娘達の世界を視認できるものが観客にいたのなら。きっと世界の最後というのはこんなものだと思っただろう。
飲み込まれないよう最後方外側を走るダンシングブレーヴ。飲み込まれないよう必死でリードを広げるべく走るフォルティシーム。対極的な両者のうち、より警戒されていたのはどちらかという問いに、答えることは難しい。
前に意識を割けば後ろから一気にぶっちぎられる──かもしれない。
後ろに意識を割けばその隙に届かぬところまで逃げられる──かもしれない。
フォルティシームの内心としては英国最強を警戒してくれと祈っていたが。生憎警戒対象として選択されたのは日本の魔王の方だった。
つまり、こういう事だ。
嵐が。噴火が。紫電が龍が狼が武神が。互いに喰らい合いながら迫ってくる。冗談じゃないと思わず零してしまったのも仕方の無いことだろう。
だがまあ、予測していた内の一つだ。
スタートから今まで、思考を一つの方向に向けてきた。その甲斐あって急拵えだがこちらの世界も見せてやれそうだ。
思い出すのは、かつての精神性。トレーナー以外の世界の全てを塵と断じる。どうだいお嬢様方。今までこんな目をするやつは居なかったろう? 幸せなアンタらが知らない世界があるんだよ。
暗い世界。レースへの情熱も、勝利への執念も、世界への興味も無い。彼女にとって輝くものなどこの世界に存在しない。だから。迫ってくる他のウマ娘の世界を全て飲み込んで──
マイナス成長したもしもの話としてなら、これで終わっていたのかもしれない。呆気なく他のウマ娘達を萎縮させて、残る相手は──耐えられそうなのは──ダンシングブレーヴくらいだったろう。
ただ現実はそうも上手くいかない。ミスターシービーに壊された──これは、世界をという意味でもあり、その精神性をという意味でもある──彼女の世界はそう長くは続かないし、負の感情に慣れていないウマ娘でも踏破出来るぐらいには絶対性が揺らいでいる。
だから、稼げたのは一秒とか二秒とかその程度。だけど、その僅かな時間が欲しかった。
その隙に数歩踏み込んで、些細な距離を稼ぐ。その些細な距離が、値千金の価値を持つ。
なにせ元々他のウマ娘にスタミナを削ってもらう作戦なのだ。ならば世界を喰い潰し合っている今の状況は正に望み通り。本音を言えばダンシングブレーヴをこそ巻き込んで欲しかったのだが……まあ、欲張り過ぎるのは良くないだろう。
重い芝を踏み込んで。一センチでも遠くへ、コンマ一秒でも速く進む。逃げる。逃げる。必死で逃げる。
背後の威圧感に心が磨り減っていく。なるほど、これが逃げウマ娘が味わうレースの怖さか。フォルティシームの笑みは未だに崩れない。
これならまだ、シンボリルドルフの方が恐ろしい。
中団のウマ娘達の喰らい合いは、先頭を逃げるフォルティシームには有利に進んだと言っていい。差してくるウマ娘達は既に体力が削られている。ならば二の矢で突き放せる。
狼が槍を飲み込んだ。龍と巨人が相打った。嵐が山を支配した。世界が、終わる。レースが、終わる。
捻じ伏せられたウマ娘が沈む。捻じ伏せたウマ娘がフォルティシームを差しにかかる。
ここだ。と確信を得て。逃げながら溜めた脚を使おうとする。逃げて差す。フォルティシームの原初の戦術。ただの逃げウマ娘だと思っている奴等への奇襲。
それら全てを。世界の押し付けに勝利したウマ娘を、二の矢を放たんとしたフォルティシームを。全ての思考を御破算にするウマ娘が動き出した。
最終コーナー。とうとう、勇者が全力を出した。
垂れてきていたウマ娘達を一瞬で追い抜く。そのまま、中団で勝利したウマ娘達への距離を一気に詰める。
最早周囲が停止しているのでは無いかと錯覚する程の速さ。誰が彼女が病んでいるなどと信じるだろうか。
他のウマ娘が一歩踏み出すうちに二、三回脚を回転させる。脚の速さはそんな単純な理屈。
すぐに、そのウマ娘達を追い抜く。残った相手はただ一人。
先頭で待ち受けていた魔王と、喉元まで迫った勇者の一騎打ちだ。
まずはフォルティシームが溜めていた二の矢を放つ。常識では有り得ない逃げウマ娘の再度の加速。だがその程度でダンシングブレーヴは怯みはしない。その程度で勇者から逃げ切れはしない。
ただ淡々と。ダンシングブレーヴは自分の走りをするだけだ。それだけで差が縮まる以上、そこに駆け引きも奇策も必要無い。
だからそれを行うのはフォルティシームの方。と言っても、奇策と言うほどのものでも無いが。
行うのは二つ目の世界の構築。狙うは自己の強化。参考にするのはシンボリルドルフ。核にする思いは、ただ負けたくないと。
そう。負けたくない。仰々しい風景など要らない。他を貶める必要も無い。誰かを巻き込む必要も無い。ただ、全力を。本気を。
その世界がもたらすものを無理矢理言葉で表すのなら、脳のリミッター解除といったところか。
ただ自己で完結した世界。自分だけを変革する。脚を無理矢理動かして、心臓を異常に鼓動させる。人為的な限界突破。言うなれば三の矢か。
加速に加速を重ねる。最終直線の五百三十三メートルのうち半分は過ぎたか。
この場で唯一つ、フォルティシームに有利な点がある。
ダンシングブレーヴは世界に入れない。絶え間なく続く激痛から逃れるための薬。麻薬の一歩手前とも言えるようなその薬が彼女から世界を作る為の集中力を奪っている。その上で、肺はその機能を放棄し始めているし、彼女の体温は異常と言える高さに達している。
だが、それでも。
ただ単純な肉体のスペックによって、勇者は魔王に迫って行く。
あと百五十メートル程か。とうとうダンシングブレーヴがフォルティシームに追いつく。最早逃げとしての貯金は尽きた。
しかし。これで終わる程度ならフォルティシームは魔王と呼ばれてはいない。都合、四度目の加速。ほんの僅かに抜け出して。
すぐに勇者に追い付かれる。
相変わらず。どうにも私はいつもギリギリの勝負になる。フォルティシームは頭の片隅でそんな事を思う。
トレーナーは心配しているだろうか。大丈夫だよ、私は勝つから。貴女の為に。可哀想な勇者の為に。負けない。負けたくない。絶対に勝つ。
全ての意志力を振り絞って脚を前に進める。無理矢理推し進める、五度目の加速。限界? そんなものは知らない。私はフォルティシームだ。私は最強だ。ならば私の身体もこの程度は出来るはずだ。
それでも。魔王の覚醒は、勇者に打ち倒されるのがお約束だ。
五度目の加速は、ダンシングブレーヴの加速に及ばない。距離の差が、位置関係が逆転する。ほんの数ミリだけ、ダンシングブレーヴが前に出る。
最早終わったと観客達は判断する。凱旋門賞の栄誉は、英国最強の元に渡ったのだと。
否だ。フォルティシームはまだ諦めてはいない。
何でもいい。世界を作り上げろ。スペックで勝てない相手なら武器を磨き上げろ。
残りは百メートル。じわりじわりと勇者が前に出る。距離の差が開いていく。観客達は歓声を上げる。
とうに呼吸の止まったフォルティシーム。酸素の足りていない脳で、世界を作るために極度に集中して。
残り七十五。ダンシングブレーヴとて尋常ではない状態になっている。肺は役割を放棄した。身体の激痛は最早薬で抑えられなくなっている。それでも勝つ。勝たなければ全てを失う。だから。負けない為にお前が負けろ。
フォルティシーム。視界はボヤけて、脚はもう感覚を無くして。呼吸も出来なくて。最早何も考えられなくて。アレ? 私、なんで走ってるんだっけ──
気がついたら、大きな扉の前に立っていた。
何の理屈もなく、直感した。きっとこの扉を開けば新たな世界に到れる。きっと、勝てる。
しかし、何か大事な事を忘れている気がする。少し考えて──諦めた。元々考えるタイプでは無いから。求めているのは勝利だから。
扉を押し開けようとして……何かに、誰かに腕を引っ張られた。
はて、これは……いや、この人は誰だっけ? 何かを口にしている。恐らくは引き留めようとしているのだとは分かるのだけれど。
関係無いか。私は勝利が欲しい。勝利を捧げる──誰に?
そこまで考えて、ようやく思い出せた。そうだ、私が誓ったのは勝利だけど、私が求められたのはそうじゃなかった。
負けてもいいから無事で帰ってきてと。そう祈られた事を思い出した。
ならば。きっとこの扉は開いてはいけない扉だ。この先に行けば、きっと神の領域にも到れるのだろうけれど。神になろうとした人間の末路などロクなものじゃない。私の一番の望みは貴女の……トレーナーの笑顔だけれど、私が一番望まないのはトレーナーが悲しむ事だ。
だから。フォルティシームは扉に背を向け、敗北を受け入れ──ない。
気合いの雄叫びを一つ上げ、飛び蹴りを扉にぶち込み勢いよく開く。
勝利する。無事に帰る。どちらもやってみせよう。何故なら私はフォルティシームだから。無事に帰ると誓った。勝利を持ち帰ると誓った。地獄から解放すると誓った。ならば全ての誓いを果たして見せよう。
残り五十。フォルティシームの意識が戻る。脚に力が戻る。強く、強く踏み込んで、離された距離を一気に詰める。
二十五。再び並んだ。
十。最早数歩で勝負は終わる。
五。バキリと脚から不吉な音が聞こえる。激痛。知るか。全ては誓いの為に。
最後の一歩。へし折れた脚で踏み込む。痛みを感じている暇があればゴールに突っ込め。ハナ差一ミリだろうと前に出ろ。
それは文字通りのハナ差一ミリで、判定に暫く時間を要するものだったけれど。
勝った。と思った。
負けた。と思った。
「……全ク。酷い人。私から、勝利スラ奪うなんて。これで、何も無くなっチャいました」
「ならば代わりに、君に友をあげよう。何も無くなったというのなら、どうだい? 私と共に日本に来るといい。生きる理由は、追々探せばいいさ」
「傲慢デ、ズルい人。……仕方ナイから、乗せられて上げマス」
掲示板に表示が灯る。一着、フォルティシーム。二着、ダンシングブレーヴ。
勝利の誓いも、勇者の呪いを解く誓いも、無事に帰る誓いも。全てを果たした。いや……無事かどうかには一考の余地があるかもしれないが。
「フォルティ! 脚!! 担架!!」
動揺やら何やらで喋り方がおかしくなっているトレーナーが近付いてくる。ああそういえば脚折れたんだっけと思いつつ、そんな事よりもっと大事な事があるんだと話しかける。
「トレーナー。そんな事より、私、勝ったよ」
「そんな事!? 脚を変な方向に曲げながら何言ってんの!?」
「そんな事さ。約束、覚えているかい?」
「え……? え……! いや、今じゃ無いでしょ!? みんな見てるし──」
「関係無い」
近くにはダンシングブレーヴ。遠くには無数の観客達。
重なり合う二人の姿。
Wowという驚きの声が聞こえる。
こうして見事フォルティシームは本懐を遂げて。
力を使い果たしてパタリと倒れた。
以下読まなくていい書けなかった妄想メモ
ダンシングブレーヴ(本小説)は家族から疎まれている(子馬の時に散々な見栄えだった原作リスペクト)更に病気が伝染ると友達も出来なかった(マリー病のせいで相手が見つからなかった原作リスペクト)
しかしレースで勝つと家族は手のひらを返して擦り寄ってきたし、街ゆく人も憧れてくれるようになった。そこからレースで勝てば愛される。レースで勝てば何でも手に入るという思想に目覚める。
負けたら全部無くなるというのは強迫観念であって実際には多分何も無くならない…けど、多分いいきっかけとして日本には行く。トレセン学園留学生的な?トレーナーちゃんが担当しそう
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最終回(おまけ14)
それはさておき最終回です
凱旋門賞を見事優勝で飾り、堂々と日本へ凱旋……とはならなかった。
折れた脚に一ヶ月は絶対安静ですと医者に言われ、フランスの病院に入院しているフォルティシーム。金にものを言わせて個室を用意してもらって退屈な時間を過ごしていた。
異国に友達など居るはずもなく──勿論日本にもほぼ居ないが。二人の先輩ぐらいである。例外的なダンシングブレーヴもイギリスのウマ娘である。──お見舞いに来てくれるのもトレーナーぐらい。それも諸々の手続きやら取材の申し込みやら大人の何やらであまり会えていない。勝つのもいい事だけでは無いようだ。
テレビを付ける。
最近、フォルティシームのトレーナーはよく取材を受けている。フランス語が分からないフォルティシームには内容は全く分からないが、そこまで険悪な雰囲気ではなさそうで一安心というところだ。
ちなみに。トレーナーが取材をよく受けているのはフォルティシームが入院しているせいである。本当は世界最強にインタビューしたいところを病院に突撃する訳にもいかず、その相方で我慢している。まあ極東の島国のウマ娘が凱旋門賞を制覇するという快挙を一番取材したいのは日本のメディアであろうが。メディア嫌いのせい……ではなく単純な物理的距離によって涙を飲まされている。
ちなみにと言うなら更にちなみに。
トレーナーへの取材は若さに驚くのが二割、今までの戦績が一割、世界最強のトレーニング内容への質問が二割、レース直後のキスについてが五割である。いつだってゴシップネタは大衆の興味を引く。トレーナーは聞かれる度に顔を真っ赤にしている。いっそフォルティシームに聞けば嬉々として語って……いや、メディア嫌いが発動して中指を立てるかもしれない。
余談はこの辺にしておいて。ともかくフォルティシームは大分寂しい入院生活を送っているということである。
一ヶ月程経った。
最近になって松葉杖での歩行の許可が降りたが、だからといって病院の敷地の外に出れる訳では無い。暇潰しはトレーナーとの会話と、お土産に持ってきてもらってる雑誌──当然フランス語。フォルティシームには読めない。写真を眺めるだけである──と、最近までそんな機能がある事を忘れていた電話ぐらいである。と言っても電話の相手は三人しかいないが。そして忙しくしているダンシングブレーヴを雑談に付き合わせるのも申し訳なくて、結局話すのはミスターシービーが七割、シンボリルドルフが二割、ダンシングブレーヴが一割といったところである。
さて、そんなフォルティシームだが、今日は早起きして早朝からソワソワとしていた。正確に言えば電話がかかってくるのを待っていた。何故か。
今日は、秋の天皇賞。ミスターシービーとシンボリルドルフの対決の日だったからだ。
三冠バと無敗の三冠バ。どちらが強いのかというのは誰しもの興味の対象で、だからこそとっくに結論は出たと誰もが判断していた。
直接対決でシンボリルドルフが勝った以上、強いのは彼女の方だ。一度なら偶然でも、二度目からは必然だ。
世間はそう思っているし、その上でミスターシービーを応援したりシンボリルドルフを応援したりしていた。
納得していなかったのは本人達。
負けて終わる気など毛頭ない。皇帝の無敗伝説に終止符を打つのはアタシだ。
アナタはこの程度では無いだろう? 私を。皇帝を殺して見せろ。それすらも上回って私が勝つ。
この一年。この日の為に磨き上げてきた。故に滅びろ。勝つのは此方だ。
振動して着信を告げる携帯電話。どちらからの発信かも確認せずに電話を取る。
『フォルティ──!!!! 勝ったよ──!!!!!』
携帯のスピーカーを音割れさせながら部屋中に響き渡るその声の主は、ミスターシービー。
ウマミミにキーンと響くその声に思わず耳をぺたんと伏せて。少し遅れて言葉の意味を理解した。
「勝った……って、ルドルフ先輩にって事ですか? それは……! うん、おめでとうございます!」
『やー! ありがとねー! ついにアタシも念願成就よ。フォルティのあんなレース見たら、負けてられないからね』
私だって負けるつもりは無かったのだがな。と少し遠くから声が聞こえてくる。どうやらシンボリルドルフも近くに居るようだ。
『次はフォルティにも勝つからね! だからさっさと脚を治して帰ってくること。帰ってきたらいっぱい話聞いてもらうから!』
あ、ちょっとルドルフに代わるねー。という言葉と物音。すぐに代わった声が聞こえてくる。
『フォルティ。脚は大丈夫かい?』
「あー……まあ、一応? 故障して引退、とかも覚悟してたんですけど……リハビリ次第で何とか、らしいです」
『それは良かった。世界最強に、どちらが強いか分からせなくてはと思っていたからね』
「あはっ。知ってます? ルドルフ先輩。凱旋門賞のトロフィーって、結構軽いんですよ?」
『それはそれは。君に勝った後でゆっくり確かめさせてもらうとしよう。……本当は、無敗の皇帝として迎え撃ちたかったのだけれどね』
後ろからミスターシービーのアタシの方が強いからね! という声と、それへの次は私が勝つさという返答が聞こえてくる。
そんなじゃれあいをしてから本題に入る。凱旋門賞後に相談していたこと。つまり。
『ダンシングブレーヴの事だがね。結局、留学という形で落ち着きそうだ。テン会長が色々と頑張ってくれたようだから、お礼を言っておくといい』
「良かった……これで上手くいかなかったら、寝覚めが悪いなんてもんじゃ無いですからね」
『ふふ。勝者としての責任を存分に果たしてくるといい』
それじゃあ私達はライブに行ってくるから。と通話が終わる。そのままダンシングブレーヴに電話をかけようとして、時差に思い至る。
まだ寝てるかも、とフォルティシームにしては珍しく他人に配慮して。とりあえずメッセージアプリでピコンとひとつ。
『留学決まったんだって? おめでとう……でいいのかな?』
さて返信が返ってくるまでどうしようか、と思ったところで既読の印が付く。お、と思っているうちにピコンと返信が届いた。
『ありがとうございます。日本、楽しみです』
そう言ってくれるのは素直に嬉しい。ただ、どうしてもそれが本心なのか疑ってしまう。しかしそれを直接聞いたところで答えてはくれない……というか、気を使った答えを返してくるだろう。
『大丈夫? 不安な事とか、分からない事とか無い?』
結局送れたのはそんな抽象的な文。もっと良い言葉があるのだろうけれど、フォルティシームには思いつかなった。
『優しいですね。でもフォルティシームさんが居てくれるんだから、大丈夫です』
少しだけ口元が緩む。友達という関係性を持ったことの無いフォルティシームにとって、頼ってもらえるというのはそれだけで嬉しい事だ。若干重い感情を向けられている事には気がついていない。
それならいいんだけど。と送り、そこから幾つか雑談をやり取りする。
暫くメッセージを送り合って、相手のトレーニングの時間が来たからそこで終わりにする。
さて、これ以上入院生活をダラダラと紹介しても仕方が無い。早く時計の針を進めてしまうとしよう。
一ヶ月と半分程経った。
脚は未だ治ってはいない……が、一先ず日本に帰れる程度にはなった。お世話になりましたと頭を下げて、迎えに来てもらったトレーナーと一緒に病院を、フランスを後にする。
十二時間程かかるフライトを、のんびり喋ったりダラダラと寝たりして過ごしていた。まあつまり、いつもの二人である。
イチャイチャしている様は割愛して。
日本に飛行機が到着した時、当然のようにマスコミに囲まれる。当たり前の事だろう。何せURA悲願の凱旋門賞を制覇したウマ娘が、およそ二ヶ月も帰ってこなかったのだから。流石にメディア嫌いがどうこうで誤魔化せる範囲を超えて……いや、今までもとっくに超えていたが。トレセン学園というある種守られている場所から出てしまっているせいだろうか。
だが。もしかして今までの経験がフォルティシームを成長させたのだろうか。マスコミに笑顔を向けて──思いっきり中指を立てようとして、慌てたトレーナーに手を掴まれた。
結局、むっすりとしながらマスコミの取材を受ける事になった。その片手は下品なサインを示さないようにトレーナーに握られたままだったが。取材を受けることに苛立ち耳を絞りながらも、トレーナーの手の感触に尻尾はご機嫌に揺れている。実に矛盾したウマ娘である。
フォルティシームのメディア嫌いを良く知らないメディアがどんどんと質問を並べ立て、三、四割ほどはフォルティシームがハイ、イイエで答え、五割ほどはトレーナーが答えている。残りは無視されている。
ある程度答えたところで、脚が痛いと主張して逃げようと試みる。流石にそう言われてはこれ以上妨げる事も出来ないのか、マスコミ達が道を開け──
「最後に一つだけ! トレーナーとの関係は!?」
厄介な記者が、そんな質問を投げてきた。例のキスシーンは世界に流れているから、まあ当然と言えば当然の質問である。
ちなみにフランスでは最高のパートナーと返していた。愛情表現が激しいと少々無理のある主張をして、しかし案外そんなものかと受け入れられた。文化の違いなのかもしれない。
さて、それなら同じようにここでも返せば良かった──現にトレーナーはそうしようとした──のだけれど、フォルティシームは悪戯な笑みを浮かべて。
トレーナーを器用に抱き寄せて、唇を奪って見せた。
「こういう関係です。それでは」
歓声のような悲鳴のようなどよめきを背に、トレセン学園への帰路に着く。
学園に到着して。一先ずトレーナーと別れて自分の部屋へと帰る。二人の先輩への挨拶とか、テン会長にお礼を言いに行くとか、寮長に挨拶に行くとか。やる事は色々とあるのだけれど、とりあえず一旦置いておいてパソコンを開く。
入り浸っていたサイトを開いて、自分がいなくても割と活発に動いていた事に若干の不満と懐かしさを覚えつつキーボードを叩く。
『ただいま。世界最強のウマ娘です』
活動報告に募集を作っておくのでリクエストを投げて貰えれば書けそうなのは書きます。匿名は最終回記念に解除します
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リクエスト集
リクエストその1(イッチの過去編)
死人が出るくらいには暗い話です。完全に手癖で書いたので
物心がついた時には父親はいなかった。病気や事故で死んだという訳じゃないらしい。母曰く、『いつか私達の所に帰ってくる』のだそうだ。アホらしい。
母親はウマ娘。……と言っても、G1で勝利を上げるようなスターウマ娘では無く、夢を抱いてトレセン学園に入って、周りの才能に心を折られ、一勝も出来ずに学園を去る。そんな何処にでも居る、ありふれた可哀想なウマ娘だった。
さて、そんなトレセン学園を退学になるようなウマ娘がどうなるのか。華々しい活躍にばかり目がいって、その辺りを気にかける人というのは案外少ない。
まず一つ。地方レースに移動すること。これは最上の選択肢と言っていいだろう。ある程度──中央では無理でも地方なら活躍出来る程度の──才能があるウマ娘はそうする。少し環境は変わるが、概ねトレセン学園にいた頃のように生活出来る。地方のスターにでもなれば、少々格は落ちるが夢を叶えたと言えるだろう。
二つ目。普通の人間と同じように普通の学校へ通ったり、就職したりする事。
これが、案外難しい。今までレースに全てを賭けていたようなウマ娘が、今更普通に馴染めるか。周囲の理解を得られるか。
まあ、言ってしまえば運次第だ。そして、堕ちるウマ娘というのは得てして運の無いものだ。勿論、楽しく学生生活を送っていたり、肉体労働の楽しさにハマるウマ娘もいるが。
三つ目。何処にもしがみつけなかったウマ娘の堕ちる先。母親が堕ちた先。
ウマ娘達は、種族的特性として美しい女性である。そして、絶対数が少ない。つまりはそういう需要を満たせて、しかし供給量が少ない。
楽な金稼ぎの手段として。或いは承認欲求を満たす手段として。
生活費を稼ぐためならまだ良い方。最悪なのは後者。
トレセン学園で得られなかったモノを、手軽に得る。それも大量に。その偽物の幸せにハマってしまえば、後は堕ちるだけだ。
余談が長くなってしまった。私の悪い癖だ。
まあ別に大した話をしていた訳では無い。只、ロクでもない家庭環境だと、それだけの話だ。
さて、そんな両親……というか、母親だったから。案の定というべきかロクな幼少期は送れなかった。
家に代わる代わる男が来るようになったのは三歳か四歳頃。連れ込んだ男と母の行為を初めて見たのは小学校に入学するよりは早いくらい。……とはいえ、義務教育なんて上等な物は私は受けられなかったが。そもそも私に戸籍があるのかも怪しい。
そんな生活ではあったが、私は別に自分の事を不幸だとは思わなかった。何せ、普通の人間の生活を知らなかったから。そういう意味ではマトモに学校に通っていないのもいい事だったのかもしれない。
ただ、少しずつ、少しずつ。男達を疎ましく思うようになった。母を気持ち悪く思うようになった。今にして思えば、きっと思春期の始まりだったのだろうけど。十二かそこらには、最早嫌悪感しか残っていなかった。
男達が動物にしか見えなくなった。母がおぞましい汚物にしか見えなくなった。母以外に女を、ウマ娘を知らなかったから、憎悪はそこにも及んだ。
世界の全てが汚く思えた。
決定的だったのは十四歳の時。
男を連れ込んでいない日の事だった。母は男に溺れるか酒に溺れるかしかしない女性だったから、恐らくその日も酔っ払っていたのだろう。
いつものように母の財布から金を抜いて食事を買って。寝ている母を起こそうとした時に、グイっと引き倒された。
寝惚けているのかと文句を言おうとして、狂ったような母の目を見て何も言えなくなった。
おとうさんに、にてきたね。
普通の家庭ならきっと何でもない一言なのだろう、と今ならば言えるが。その時は吐き気を堪えるので必死だった。
母の抱擁という、普通の子供であれば恥ずかしがりつつも喜んだであろうソレに限界が来て、突き飛ばした。
世界も、自分も。全てが悍ましかった。
その日の夜に、なけなしの金を盗んで家を飛び出した。
学も無ければ生きる為のスキルも無い。本来だったらこんな反抗心だけの家出などした所で警察にでも保護されて終わっていたのだろうけれど。生憎私にも一つ……いや、二つだけ取り柄があった。
一つは両親譲りの……母曰く父親によく似ている顔。結局美形というのは得だ。美しくて幼い少年。それだけで庇護欲を引き出すことが出来る。
二つ目は母譲りの人誑しの才能。声質とか、言葉選びとか。何となく相手が求める物が分かってしまう。相手の求める自分を演じて、相手が欲しがる言葉を並べる。それだけで大体の人は心を許してくれた。
何をしていたか。結局は母の真似事だ。バカな女を誑かして、宿と食事と、人間並みの生活を得る。狙い目はウマ娘だ。種族的特性なのか弱者を放っておけない優しさを持っているし、大体は承認欲求……誰かの愛に飢えている。ついでに金持ちも多い。
少し小汚い格好をして、繁華街で蹲る。そんな子供に話しかけてくるのはお節介で、他人との関係に飢えているバカだけだ。
薄汚い血にはそういう才能が受け継がれていたのだろう。
繰り返しになるが、母の真似事をしていた。身体を売って、対価を貰う。
男に身体を売った。心のどこかが削れていった。女に身体を売った。心のどこかが削れていった。何奴も此奴も気持ち悪かった。
そんな生活を数年続けて、限界が来た……と言っても、心が折れたとかそういう話じゃない。単純に、警察に見つかった。十六か十七か、とにかく未成年だったから親に連絡を、となった所で自宅の電話番号も住所も知らない事に思い至る。分かるのは名前ぐらい。
ただ日本の警察というのは存外優秀なようで。それだけの情報でも結局家をつきとめて見せた。それなりの日数はかかったが。
家に送り届けられて……つまりは、母と再会して。三、四年ぶりに見る彼女は随分とやつれて見えた。
どうやら子供に出ていかれるというのは彼女のような女性でも結構堪えたようで。久しぶりの実家での生活は随分とマトモな物になった。
家に見知らぬ男が来る事も無かったし、酒に溺れる姿も見なくなった。マトモな仕事に就いたのか規則正しく生活している母の姿を見るようになった。
多分、私の人生で一番幸せだった期間だった──ほんの数週間程だったけれど。
さて、少々話は逸れるが、父の話をしよう。当時の私が母から聞いた事もあるし、後述するとある事情で知った事もある。
父は母の現役時代のトレーナーだったらしい。学生を妊娠させて退学後も連絡を断つというのは控え目に言っても屑の所業だと今ならば言えるのだが、その頃の私にそんな分別は無かった。
そんな父も今では敏腕トレーナーと持て囃されているそうで。G1レース──当時の私は勿論それが何かを理解していない。ただのテレビ番組程度の認識だった──で担当しているウマ娘と一緒にインタビューを受けている姿を母と共に見た。お父さんだよと言われても何の実感も湧かなかったが。
まあ屑が今では社会的名誉を得ているとだけ覚えてもらえればいい。
そして世の中にはそんな人間を許せない正義感の強いバカと、ゴシップネタで喜ぶバカが蔓延している。他人の不幸はいつだって娯楽として消費される。
何があったのかと言えば、週刊誌のすっぱ抜きだ。『G1トレーナーの闇』だなんてありふれた見出しの。
私としては別に父親だとも思ってないし、知らない人の関係無いニュースぐらいにしか思っていなかったのだけれど。世間からすればそうでも無かったらしい。
名誉あるG1トレーナーの醜聞に蝿が集っていた。
それだけなら私はどうでもいい事だった。母は悲しむだろうが、話題が収まるまでテレビを付けないようにすればいいだけだ。
問題だったのは。鬱陶しかったのは、母を追い詰めたのは。正義の元に事実確認を行おうとする屑共。
どうやって突き止めたのか、家や母の職場にまでやってきて、下世話な質問を投げてくる。元々良い噂の流れるような人じゃなかったから、後ろ指を指されるようになるのも早かった。
淫売だとかなんだとか、そんな言葉を向けられて。職も変えざるを得なくなって。また酒に溺れるようになった。暴力を私に向けてこなかったのが救いだけど──老いたとはいえ、ウマ娘の力でそんな事をされたら死んでいただろう──帰ってきて家具が壊れているのをよく見た。
限界だったのだろう。元々強い人では無かったから。よく私に縋り付いて泣くようになった。
ある日、母が私の事を違う名前で呼んだ。
知らない名前だったけれど、その壊れた顔で何となく察した。多分、父の名だ。
違う、と否定したけれど。そんなものは何の意味も無かった。
今まで私が利用して捨ててきたような女達と似たような顔をして。後は私が家出した時と同じような事の焼き直し。
違いは私が拒絶しなかったことか。全てがどうでもよくなったから。そして、それが私の一番の間違い。
全てが終わった後、ごめんなさいと泣きながら謝り続ける彼女の姿を見て、ああ、私は間違えたんだなと悟った。
翌朝目を覚ますと、母は首を吊っていた。
ああ、これはもう手遅れだなと変に冷静な思考を回して。然るべき手続きを……いや、何をすればいいのかなんて分からなかったけれど。
母が死んでも、屑共の追求は終わらなかった。矛先が私に変わったという変化はあったが。おかげでマトモな仕事に就けやしない。
死んだように生きていた。生きる理由なんてもうどこにも無くて、それでも生きていたのは、このまま死ぬのが気に食わなかったから。
人は泣きながら産まれてくる。ならば死ぬ時は笑いながら死ぬべきだろう。母のような死に方は御免だ。
それだけの為に生きていた。いつか笑える、なんて気楽に思えはしなかったけど。ただ生きて、生きて──
目が覚めた。懐かしい、昔の夢を見た。
すぅ、すぅと聞こえてくる寝息に、そういえばブレーヴと一緒に寝たんだっけと思い出す。あれほど母を、ひいてはウマ娘を嫌っていた自分がこんな距離感を許すようになるとは。人も変わるものだ。
あの頃に比べれば、随分と楽しく日々を送れるようになった。三女神の気まぐれか、気が触れた私の見ている夢なのか、未だに理解は出来ていないけれど。
このまま笑って死ねるのかは分からない。幸せになる物語はあっても、幸せであり続ける物語は存在しないから。
それでも、今は明日を信じてもいいと思える。
昔の私へ。死なないでいてくれてありがとう。
おかげで私は今、幸せです。
喪中みたいな話を書いていといてアレですがあけましておめでとうございます
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リクエストその2(凱旋門後の掲示板)
253:1
ただいま。世界最強のウマ娘です
254:名無しのヒトミミ
え
255:名無しのヒトミミ
マジ!?!?!?
256:名無しのヒトミミ
俺達のイッチが帰ってきた!
257:名無しのヒトミミ
夢じゃねえよな……?
258:名無しのヒトミミ
最強の女誑しだ!
259:名無しのヒトミミ
この数ヶ月どこで何してたんよ!
260:名無しのヒトミミ
フランスで凱旋門賞に出てた定期
261:1
失礼だな。純愛だよ
262:名無しのヒトミミ
今まで何しとったん?
263:名無しのヒトミミ
凱旋門から二ヶ月近く空いとるで
264:名無しのヒトミミ
トレーナーとイチャイチャしてたんか?
265:1
脚折れてたから入院してたんやぞ
266:名無しのヒトミミ
それは知ってる
267:名無しのヒトミミ
入院しててもネットぐらい出来るやろ! ワイらの仲やぞ!
268:名無しのヒトミミ
そんな仲良かったか?
269:名無しのヒトミミ
名付け親やぞ!
270:名無しのヒトミミ
どけ! 俺はお兄ちゃんだぞ!!
271:1
忘れてた☆
272:名無しのヒトミミ
は?
273:名無しのヒトミミ
コケにしやがって……
274:名無しのヒトミミ
バカに……しやがって……!
275:名無しのヒトミミ
普通に心配してたんやぞ
276:名無しのヒトミミ
脚がへし折れて変な方向向いてる姿全世界に流れたんやぞ
277:名無しのヒトミミ
ついでにキスしてるところも
278:名無しのヒトミミ
ダンシングブレーヴが驚いてるところも
279:名無しのヒトミミ
目の前でキスシーン見せつけられるの、普通に可哀想
280:1
まあ安価全部達成したんだから許してちょ
281:名無しのヒトミミ
しゃーないな
282:名無しのヒトミミ
まあ帰ってきたから許したるわ
283:名無しのヒトミミ
最後にこのスレに居てくれればいいよ
284:名無しのヒトミミ
世界最強になった感想教えてくれたらいいよ
285:名無しのヒトミミ
凱旋門賞どうだった?
286:名無しのヒトミミ
日本の悲願を達成した気分は?
287:1
凱旋門賞のトロフィーって意外と軽かったわ
288:名無しのヒトミミ
うーんこの
289:名無しのヒトミミ
相変わらずで安心した
290:名無しのヒトミミ
もっとこう……あるやろ!
291:名無しのヒトミミ
これが世界最強の姿か……
292:名無しのヒトミミ
まさかフランスでそういう事言ってないよね?
293:名無しのヒトミミ
日本のイメージ壊れちゃーう
294:名無しのヒトミミ
もう痴女の国だと思われてるから手遅れやぞ
295:名無しのヒトミミ
HENTAIって通じるらしいからな
296:1
言ってないよ。入院してて取材受けなかったから
297:名無しのヒトミミ
セーフ……!
298:名無しのヒトミミ
ギリギリセーフ……!
299:名無しのヒトミミ
脚折れてなかったらヤバかった
300:名無しのヒトミミ
取材受けてたらマジで言ってそう
301:名無しのヒトミミ
相手……? 覚えてないですね。ぐらいは言う
302:名無しのヒトミミ
みんな雑魚でしたぐらいは言う
303:名無しのヒトミミ
日本の悲願……? そうなんですか? は言ってた
304:1
君らのワイのイメージどうなってんの?
305:名無しのヒトミミ
天上天下唯我独尊
306:名無しのヒトミミ
慇懃無礼
307:名無しのヒトミミ
常識知らず
308:名無しのヒトミミ
マスコミ嫌い
309:名無しのヒトミミ
痴女
310:名無しのヒトミミ
バカ
311:名無しのヒトミミ
女誑し
312:1
帰るわ
313:名無しのヒトミミ
待って! いかないで!
314:名無しのヒトミミ
ワイらが悪かった
315:名無しのヒトミミ
話し合おう
316:名無しのヒトミミ
いかないでくれ美人さん
317:名無しのヒトミミ
天才! 最強! トレーナーも美人!
318:1
次は無いからな
319:名無しのヒトミミ
ふう……
320:名無しのヒトミミ
チョロいぜ
321:名無しのヒトミミ
そういやイッチのトレーナー可愛かったね
322:名無しのヒトミミ
キスシーン全世界に流れた可哀想な人
323:名無しのヒトミミ
イッチキスした感想は?
324:名無しのヒトミミ
凱旋門賞勝ったのとどっちが嬉しかった?
325:1
お前らは知らんやろうけど女の子の唇ってめっちゃ柔らかいんやで
感想……っていうか後悔は、舌入れとけば良かったなって
凱旋門賞は割とどうでもいいわ。安価達成した嬉しさはあったけど
326:名無しのヒトミミ
いちいちマウントを取らんと気がすまんのか
327:名無しのヒトミミ
公共の電波で舌入れキスを流そうとするな
328:名無しのヒトミミ
お茶の間凍り付くわ
329:名無しのヒトミミ
ただでさえイッチのファンが悲鳴上げてたんやぞ
330:名無しのヒトミミ
ファン減ったよ、多分
331:名無しのヒトミミ
百合好きのファンは増えたかもしれん
332:名無しのヒトミミ
安価達成を喜んでくれて設定した方としても嬉しいよ
333:1
知らんわ。別にファンの為に走った訳やないし。離れるんなら勝手に離れろ
334:名無しのヒトミミ
うーん気性難
335:名無しのヒトミミ
もっとファンを大事にしろ
336:名無しのヒトミミ
ファン感謝祭の時のイッチはどこ行ったんや
337:名無しのヒトミミ
トレーナー落としたからもう他の女には用は無いってか?
338:1
あれはお仕事だから。ワイがプライベートで優しくするのは友達とトレーナーと子供だけや
339:名無しのヒトミミ
友達は何人いますか……?
340:名無しのヒトミミ
シービーとルドルフしかおらんやん
341:名無しのヒトミミ
トレーナー入れても三人じゃん
342:1
舐めるな。ブレーヴちゃんと仲良くなったわ。四人や
343:名無しのヒトミミ
少な……
344:名無しのヒトミミ
友達の人数って普通数えられるもんじゃないらしいで
345:名無しのヒトミミ
ブレーヴちゃんってダンシングブレーヴ?
346:名無しのヒトミミ
なんで大物としか友達にならないの?
347:名無しのヒトミミ
英国最強を誑かすな
348:名無しのヒトミミ
女誑しめ
349:名無しのヒトミミ
結局顔なんか……?
350:名無しのヒトミミ
ほんとに友達? 同じレース走っただけなのは友達って言わないんよ?
351:名無しのヒトミミ
せめて一緒に食事ぐらいしないと……
352:1
したがー? 凱旋門賞前に一緒にお茶飲んだがー?
353:名無しのヒトミミ
は?
354:名無しのヒトミミ
なんでほんとに仲良くなってんの?
355:名無しのヒトミミ
日本最強とイギリス最強が仲良くなるな
356:名無しのヒトミミ
魔王と勇者じゃん
357:名無しのヒトミミ
イギリスのみんなー! 君の国の最強ウマ娘は日本の痴女とお茶してまーす!
358:1
ちなみにお持ち帰りに成功したのでブレーヴちゃんは日本に来ます。オフレコな
359:名無しのヒトミミ
は?
360:名無しのヒトミミ
ほんとに何やってんのお前
361:名無しのヒトミミ
NTRじゃん
362:名無しのヒトミミ
イギリス最強を引き抜くな
363:名無しのヒトミミ
いくら積んだんだ
364:名無しのヒトミミ
金でどうこうなるレベルを超えてる
365:名無しのヒトミミ
本当に誑かした? 顔か身体で
366:名無しのヒトミミ
マジでどうやったんだ
367:名無しのヒトミミ
おっぱいか?
368:1
え……? 仲良くなったから……
369:名無しのヒトミミ
それだけの理由で国を出てたまるか
370:名無しのヒトミミ
仲良くなった理由の方を聞いとるんや
371:名無しのヒトミミ
ほんとに言えないことやったんじゃ無いだろうな
372:1
夢を潰したから……?
373:名無しのヒトミミ
うわ
374:名無しのヒトミミ
最悪
375:名無しのヒトミミ
心をへし折ってそこを誑かした……ってコト?!
376:名無しのヒトミミ
悪女
377:名無しのヒトミミ
マッチポンプ
378:名無しのヒトミミ
こんな奴が世界最強か……世も末だ……
379:名無しのヒトミミ
トレーナーが居るくせに浮気か……?
380:1
あ──!!! 帰っちゃおっかなー!!!
381:名無しのヒトミミ
いかないで
382:名無しのヒトミミ
分かった。この話題は辞めよう
383:名無しのヒトミミ
じゃあ何の話する?
384:名無しのヒトミミ
そういやイッチ天皇賞見た?
385:名無しのヒトミミ
ルドルフとシービーのやつか
386:名無しのヒトミミ
まさかシービーの執念がとうとう実るとは……
387:名無しのヒトミミ
二千メートルなら勝つって言ってたシービーのトレーナー、マジだったんだな
388:1
見たよ。ワイはシービー先輩ならやってくれるって思ってたよ
389:名無しのヒトミミ
後孔明か?
390:名無しのヒトミミ
もっと悔しそうにしてるかと思った。イッチが負けたルドルフだよ?
391:名無しのヒトミミ
正直これで三冠三人の力関係がよくわかんなくなった
392:名無しのヒトミミ
ジャンケンみたいになってるよね今
393:名無しのヒトミミ
相性なの?
394:1
大丈夫。ワイがルドルフ先輩に勝つから。最強はワイ
395:名無しのヒトミミ
負け犬モードになってたやつの発言とは思えんな
396:名無しのヒトミミ
思い上がるな
397:名無しのヒトミミ
あっさり負けてまた負け犬ちゃんになりそう
398:名無しのヒトミミ
でもこいつ世界最強なんだよな
399:名無しのヒトミミ
凱旋門賞で勝ったくせに有マで勝ったことが無い女
400:名無しのヒトミミ
早く日本のG1全制覇しろ
401:名無しのヒトミミ
ダートも走れ
402:名無しのヒトミミ
まおうでしょ
403:名無しのヒトミミ
でも正直凱旋門賞でイッチ引退しちゃうんじゃないかって思ってたからルドルフに勝つ発言が聞けてよかった
404:名無しのヒトミミ
永遠に走り続けてくれ
405:1
まあ暫くは現役やるよ。お金欲しいし
406:名無しのヒトミミ
学費の為にか……
407:名無しのヒトミミ
そういえばイッチ相当稼いでるよね? お金どうしてるの?
408:名無しのヒトミミ
トレーナーに貢いでるの?
409:名無しのヒトミミ
ダンシングブレーヴ買い取りに使ったの?
410:1
学費。あとは募金
411:名無しのヒトミミ
初期の頃の安価じゃん。懐かしいね♡未だにやってんの?
412:名無しのヒトミミ
律儀と言うかバカと言うか
413:名無しのヒトミミ
結局どこに募金してんの? ユニセフ? 日本赤十字?
414:1
んー? 孤児院
415:名無しのヒトミミ
孤児院!?
416:名無しのヒトミミ
なんか……意外?
417:名無しのヒトミミ
マニアックなところいったな
418:名無しのヒトミミ
盲導犬に賭けてたのに。どうしてくれんの?
419:1
まあワイにも色々思うところがあるんや
420:名無しのヒトミミ
まあイッチのお金だしな
421:名無しのヒトミミ
全部ホストに貢いでるとかよりはよっぽどマシ
422:名無しのヒトミミ
子供好きなのってもしかしてマジなの?
423:名無しのヒトミミ
ショタコン? ロリコン?
424:名無しのヒトミミ
トレーナーの感じからしてロリコン?
425:名無しのヒトミミ
ダンシングブレーヴちゃんもそんな大柄じゃないしな……
426:名無しのヒトミミ
それはイッチがデカいからそう見えるんよ
427:名無しのヒトミミ
三冠バでも一番デカいしね
428:名無しのヒトミミ
タッパとケツのデカい女が好みです
429:名無しのヒトミミ
イッチじゃん
430:名無しのヒトミミ
イッチ好みだってよ。良かったね
431:1
すまん。童貞には興味無いんや
432:名無しのヒトミミ
あーあ、振られたね
433:名無しのヒトミミ
振り方が酷すぎる
434:名無しのヒトミミ
どうせイッチも童貞のクセに
435:名無しのヒトミミ
まあ童貞だからこそ童貞が嫌なのかもしれないし
436:1
ど、ど、ど、童貞ちゃうわ!!
437:名無しのヒトミミ
いつもの
438:名無しのヒトミミ
もはや様式美
439:名無しのヒトミミ
まあイッチはトレーナーと幸せにやってくれ
440:1
言われなくてもするわ
441:名無しのヒトミミ
イッチ金も名誉も女も手に入れて勝ち組と化したよね
442:名無しのヒトミミ
雑誌によく広告載ってるブレスレットでも買った?
443:1
なにそれ
444:名無しのヒトミミ
もしかして今時の子には通じない?
445:名無しのヒトミミ
そうかも
446:名無しのヒトミミ
割と通じなそう
447:1
じゃあワイ色々挨拶回りとか手続きとか行ってくるから……帰国したばっかで色々あるんや……ほな
448:名無しのヒトミミ
乙
449:名無しのヒトミミ
色々あるのにここに顔出してくれたって事実にワイは心打たれとる
450:名無しのヒトミミ
やっぱイッチワイらのこと好きじゃん
451:名無しのヒトミミ
ツンデレめー! このこのー!
452:1
まあ君らの事は嫌いじゃないよ
26話、本性って言われてて笑っちゃった。その通りだけど
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リクエストその3(アニメ世代のチームとの絡み)
時系列とか年齢については気にしないでください。ウマ娘においてそこを考えると死ぬらしいです
トレセン学園最強のチームはどこか。その質問には誰もが口を揃えて言うだろう。リギルこそが最強のチームであると。
では最強のウマ娘とは誰か。リギルのエースシンボリルドルフ? シンボリルドルフに勝ったミスターシービー? 英国から来たダンシングブレーヴ?
リギルのトレーナー、東条ハナは否定する。誰もがリギルを最強と口にするが、そうではないのだと。
最強をその名に冠し、手に入れた冠は二桁を超えた。気紛れにレースに現れ全てを蹂躙する魔王。チームに所属せず、しかしチームの総勝利数と見紛う程の成績を残すウマ娘。
フォルティシームこそが最強であると。
その日、最強と名高いチームリギルは入団試験を行っていた。単純に入団希望者の中から一番速かった者をメンバーとして迎え入れるというもの。
希望者の中で目立つ者は、やはりまずはエルコンドルパサーか。この世代の中では一番強いと言っていいだろう。少なくとも、今のところは。
そして転入生であるスペシャルウィーク。こちらは強さでは無く単純に新顔であるという目立ち方だが。
後は……ハルウララは有名人だと言っていい、が、今回は割愛する。
それを見守るのはリギルエースのシンボリルドルフを筆頭に、テイエムオペラオー、ナリタブライアン……並べていくとキリが無いが、ともかくリギルのフルメンバーが揃っている。
トレセン学園の四強のうちの一人、シンボリルドルフ。やはりその人気は大きいようで、姿を現しただけで黄色い歓声が上がる。
そしてそんな様子を更に遠くから眺める一組の男女。
咥えた飴が特徴的な男性と、白銀の髪に、恵まれたスタイルが特徴的なウマ娘。
男性の方は双眼鏡を用いて。ウマ娘の方は身体能力のスペックによるゴリ押しで選抜を見ている。
「あの笑われてる子が沖野君の推しの子? 転入生なんだっけ」
「ああ、実にいい脚をしてい……え、笑われてるのか?」
「うん。日本一のウマ娘になりたいんだってさ。良い目標だと思うけど、有象無象には気に入らないんだろうね。……人の夢を笑う権利なんて、誰にも無いのにね」
「なんか意外だな。お前は、もっと冷めたタイプだと思ってたよ」
「んー? まあ昔の私ならその通りだけど、色々とあったからね。そんなことより始まるよ、レース」
そいつはいけない、と双眼鏡を構え直す男。
レースの結果だが、転入生は健闘したと言っていいだろう。他人の夢を嘲笑うような連中が、真剣に夢を追うウマ娘に敵うはずも無い。実に素晴らしい末脚をもってちぎっていった。
ただ、勝ったのはエルコンドルパサー。レース慣れの差だとかなんだとか、理由は色々あるのだろうが、結果は結果だ。
「良かったね、沖野君。あの子リギルには入らなそうだよ」
「ウマ娘が負けるところを見て喜ぶほど落ちぶれちゃいないさ」
でも自分のチームに入れたいんでしょ? と問われて言葉に詰まる男性と、そんな様子を見てニヤニヤと笑う銀色のウマ娘。
「……しょうがないだろ。ウチはメンバーも少ないし、あんないい脚してたら欲しくなるのはトレーナーの性だ」
「チーム作るのも大変だねえ。……ところで、いい脚ってまさかまたセクハラしたんじゃないよね?」
目を逸らす男性の姿が言葉よりも雄弁に答えを物語っていた。
「……おハナさんとうちのトレーナーちゃん。言いつけられるならどっちがいい?」
「勘弁してください」
「沖野君はセクハラしないとウマ娘とコミュニケーションが取れないの? 私、今でも初対面の時の事は忘れてないからね?」
世界最強のウマ娘として日本に帰ってきて。シンボリルドルフやミスターシービー、ダンシングブレーヴとG1を荒らしていた頃。
トレーニングも終わってトレーナーと別れて、フォルティシームがさて今日のご飯はなんだろな〜と鼻歌交じりに食堂までの道を歩いていた時。
不審者がその脚に触れてきた。反射的に蹴り飛ばそうとして、校内で殺人はマズイかと躊躇って。触ってくる手の感覚にそういうつもりでは無さそうだと直感して。取り敢えずしたいようにさせておくことにした。
下手人の顔を見る。男。多分トレーナー。見覚えは無いがフォルティシームが顔を覚えているのは極ひと握りだからそれはあまりあてにならない……というか、今のところ男性で顔を覚えている相手は一人もいない。
じゃあこいつは誰なんだと誰何しようとしたが、子供のように純粋な笑顔を浮かべて脚を触っては褒めちぎってくる姿を見ると、何だか邪魔するのに罪悪感もあって。
結局そのまま十分程、世界最強の脚に夢中になる男性の姿と、困った顔で立ち尽くすレアなフォルティシームの姿があった。
「……うん、なんか今思い返してもロクな出会いじゃないね。一回ぐらい殴ってもいいと思うんだ私」
「おかげで仲良くなれたしいいじゃねえか」
「そのせいで私は沖野君には敬語を使う気が無くなったよ」
本当になんであんな出会いから仲良くなったのか。フォルティシームはよく覚えていないが、まあ相性が良かったのだろう。
人の悪意に敏感な、人に期待していないフォルティシームは。それ故に悪意の無い人というものにとても弱い。古くはフォルティシームがトレーナーちゃんと呼ぶ女性との出会い。そして最新は今話しているこの人との出会い。
本人は自覚していないが。幼い頃からずっとマトモな人間関係を築いてこれなかったフォルティシームは、人との繋がりに飢えている。彼女に根深く残っていた人嫌いはトレーナーや先輩達、たった一人の友人のおかげで大分削ぎ落とされている。マスコミは除くが。
結果どうなったか。端的に言えば愛嬌が良くなった……とはいえ、悪意を感じない相手に限るが。具体的には後輩に優しくなったり、担当トレーナー以外のトレーナーからも話しかけられれば答えるようになったり。今ならきっとバレンタインに後輩からチョコを貰えるだろう。因みに同期とは相変わらず仲が悪い。
「さて、それじゃあ転入生ちゃんとお話してきますか。……スピカ勧めといていい?」
「俺としては助かるが……いいのか?」
「いいのいいの。トレーナーちゃんとの間にこれ以上ウマ娘増やしたくないしね」
ウマ娘と書いて、邪魔な女と読む。愛嬌が良くなっても気性難が消えた訳では無い。どちらも含めてフォルティシームである。
ひらひらと手を振って男性と別れる。目指すは転入生のところ。傷心につけ込んで思い通りに動かす……というのは露悪的すぎる言い方か。まあレースに負けて落ち込んでいる迷える後輩を導いてあげようと、そういうことである。
とぼとぼと歩いている転入生を見つけて声をかける。後輩と喋る時用のいつもの仮面を身につけて。
「やあ、転入生ちゃん。見てたよ、さっきのレース。惜しかったね」
「え……っと、ありがとうございます……? リギルの方、ですか?」
その言葉にちょっとだけ驚いて、クスリと笑いを零す。少しムッとした転入生に言い訳をするフォルティシーム。
「ああごめん。私を知らない人に会うのは久しぶりでね。実は私、ちょっとだけ有名人なんだ。ちなみに、リギルでは無いよ。……本題に入ろうか。君に、チームを紹介したくてね。スピカって言うんだけど……おや、聞いたことある?」
「聞いた……というか、見た、というか……」
「ああ、あの看板か……センス悪いから変えなって言ったんだけど。アレを見ちゃったならしょうがない。──ゴールドシップ!」
パチリと指を鳴らすと同時に現れる芦毛のウマ娘……と、二人のウマ娘。全員マスクとサングラスを付けた不審者スタイルである。
「だから最初からゴルシちゃんに任せとけって言っただろ? スカーレット! ウオッカ! ジェットストリームアタックをしかけるぞ!」
転入生にずた袋を被せ三人がかりで担いで運んでいく。後から悠々とついて行くフォルティシーム。正直三人に任せた時点でもう仕事は無いのだけれど、単なる好奇心のようなものだ。何も無かった頃の彼女とは違い、今では楽しみを生活に見出そうとしている。
部室に到着して、転入生が解放される。ついでに三人が付けていた無駄な変装用具も外される。
「チームスピカへようこそ!」
「ふぇ!?」
「お前にもチームスピカに入ってもらう」
「はい!?」
そんな実に和やかな勧誘風景を見て、チームってやっぱ大変なんだなぁ……と嘆息するフォルティシーム。多分大半のチームはこんな事していない。
「日本一のウマ娘になるんだろ?」
「なんで知って……」
「なぁ、日本一のウマ娘ってなんだ?」
G1に勝つこと。有マ記念に勝つこと。日本ダービーに勝つこと。……誰かに夢を見せられるウマ娘になること。
「お前はどう思う? フォルティシーム」
「私? うーん……私未だに有マ勝ってないしな……まあ、私達に……私に勝てばいいんじゃないかな?」
「フォル……!?」
転入生が動揺していた。フォル? 名前がどうか……いや、さては
「もしかして名前だけは知ってたかな? 凱旋門賞で勝ったあのフォルティシームだよ。よろしくね」
「は……? え、あ、あの! 私スペシャルウィークって言います! よろしくお願いします!」
そう。相も変わらずメディア嫌いなフォルティシームは、映像で流れるのはレース中の映像くらい。顔がはっきり分かるはずのブロマイドも入学時の使い回しという始末だ。パカプチはデフォルメされているのであまりあてにならない。後はファン感謝祭の時にファンが撮った写真くらいか。それもあまり共有されるものでもない。
まあつまり。フォルティシームの名前は知っておれど、姿は知らないというファンも、数は少ないが存在してしまっているのである。
「まあそれより今は沖野君だ。ほら、ここらで一発名勧誘を見せてみなさい」
「振りが雑なんだよ……スペシャルウィーク。俺達と一緒に、日本一のウマ娘を目指さないか?」
結局、転入生ことスペシャルウィークはこの誘いを了承する。夢を笑われなかったこと。憧れたサイレンススズカが居ること。その辺が理由だろうか。
スピカのメンバーとトレーナーに挨拶をして──サイレンススズカに対してやけに熱が籠っていたのは気の所為ではないだろう──最後にフォルティシームに一緒のチームなんて光栄ですと言って。
「ん? ああ。私はスピカじゃないよ。……ごめんね?」
困惑の絶叫が部室に広がった。
オリ主持ち上げすぎじゃない?
たたかないで…たたかないで…
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リクエストその4(ニコニコ大百科風フォルティシーム)
反応が芳しくなかったら消します
フォルティシーム(ウマ娘)とは、ダイゲームズメディアミックスプロジェクト「ウマ娘 プリティダービー」の登場キャラクター。
実在の競走馬、フォルティシームをモチーフとするウマ娘である。CV■■■■
■ 概要
誕生日:○月X日 身長:170cm 体重:芸術的 スリーサイズ98 58 92
別名「魔王」
男性的で芝居がかった口調が特徴的なウマ娘。
レースの実力はシンボリルドルフと肩を並べる程だが、彼女以上に近寄り難いオーラを放っている
しかしその実体は、トレーナーに甘えたがりの寂しがりやのウマ娘である。
イタリア人男性か?と思う程にトレーナーを口説いてくる美少女ウマ娘。夢女子製造キャラとして、一部界隈では有名である…が、その実キザな喋り方はコミュ障を隠すためでしかない。他のウマ娘との会話ではキザな姿を、トレーナーとの会話では甘えたがりな姿を見せてくれる。
勝負服は露出が高い…訳では無いがアウターの前を開けて下着を見せる、下着が見えそうな程の長さのスカートを履くなど少々痴女疑惑がある。
■ アニメでの活躍
20○○年、83、84、85世代…というか、ミスターシービー、シンボリルドルフ、フォルティシームを中心としたウマ娘 プリティダービー season0にて登場する。本シーズンは主に三冠馬三人それぞれに焦点が当てられる形となり、フォルティシームは三人目の主人公。例えるならガンダムAGE方式である。
シンボリルドルフが気紛れに見に行った模擬レースで新人女性トレーナーに跪いて告白しているシーンが初出。そこからフォルティシームの三冠、及び三冠馬との戦いの物語が動き出す。
とはいえ史実準拠の為三冠を取るまではあっさりとしており、三冠馬対決、凱旋門賞がメインシナリオとなっている。
第35話「誓い」において脚をへし折りながら凱旋門賞を1着でゴールする。これは史実において凱旋門賞でゴール後に脚が粉砕骨折、予後不良となり安楽死となったエピソードへのウマ娘なりの答え方ということだろうか。
最後に騎手の涙を舐めとったというエピソードも、35話の最後でトレーナーにキスをするという形で昇華されている。是非競走馬フォルティシームのファンにも見てもらいたいシーンである。
■ ゲームの扱い
20○○年、凱旋門賞開催に合わせる形でフォルティシームがプレイアブルキャラとして実装された。
ステータス(☆3) | |||||
---|---|---|---|---|---|
スピード | スタミナ | パワー | 根性 | 賢さ | |
82 | 88 | 80 | 100 | 68 | |
バ場適性 | |||||
芝 | ダート | ||||
A | G | ||||
距離適性 | |||||
短距離 | マイル | 中距離 | 長距離 | ||
A | A | A | A | ||
脚質適性 | |||||
逃げ | 先行 | 差し | 追込 | ||
A | G | G | A | ||
成長率 | |||||
パワー+10% スタミナ +20% | |||||
固有スキル「君との約束」 | |||||
レース中に競り合いに負けそうになった時 トレーナーとの誓いを思い出し 大幅に速度と加速力が上昇する |
◆ 育成目標
1.ジュニア級6月:メイクデビューに出走
2.クラシック級12月:ホープフルステークスで5着以内
3. クラシック級4月 : 皐月賞(G1)で5着以内
4.クラシック級5月:日本ダービー(GⅠ)で5着以内
5.クラシック級10月:菊花賞(GⅠ)で5着以内
6.クラシック級12月:ジャパンカップ(GⅠ)で5着以内
7.シニア級6月 : 宝塚記念(G1)で3着以内
8.シニア級12月:有馬記念(GⅠ)で2着以内
◆ 概要
育成ウマ娘としては「☆3」のレアリティで20○○年10月○日に実装。
モチーフとなった競走馬・フォルティシームの戦績、脚質などが色濃く反映されており、脚質は逃げ・追込の両極端な適性となっている。適性距離は、全距離でG1を制した事からか、オールAの万能型。
育成目標に関して特筆すべきは最後の有馬記念の条件が2着以内となっている事だろう。アプリ版においては凱旋門賞を実装する許可が下りなかったためか、シンボリルドルフとの直接対決という面が強調されたシナリオとなっている。その為最後の有馬記念では勿論シンボリルドルフが出てくるのだが…このルドルフ、スタッフがヤケクソになったのかという程に強化されており、育成初心者がやってもまず勝てないステータス・スキル構成となっている。(むしろ1着が条件なら目覚まし時計が使えたのに)
このようなシナリオ・イベントになっているのは、史実では凱旋門賞後に予後不良となり結局シンボリルドルフには一度も勝てなかったことの再現と思われる。(とはいえ直接対決は一度しか無かったが)
ミスターシービー、シンボリルドルフ、フォルティシームの三冠馬のうち誰が一番強いのかというのは今でも競馬ファンの間で交わされている議論の一つであり、ウマ娘から競馬に入ってきた人の中にも聞いたことがある人もいるかもしれない。
有馬記念を二着で終えると今は負けたがいつか絶対に勝ってみせるとシンボリルドルフに宣言し、ルドルフもいつでも受けて立とうと答える、通称トレーナー置いてけぼりエンドとなる。
有馬記念を一着…つまりヤケクソ強化シンボリルドルフに勝利すると、全ての誓いを果たしたご褒美としてトレーナーに口付けをおねだりする、通称シンボリルドルフ置いてけぼりエンドとなる。トレーナーと明確に恋愛関係となるウマ娘は彼女が初である。ちなみに、これはトレーナーの性別がどちらであっても変化しないイベントである。
「短距離、マイル、中距離、長距離全てのG1レースで一着。有馬記念にてシンボリルドルフに勝利」を達成すると、フォルティシームの固有二つ名「魔王」を獲得することができる。適性は高いため最後のシンボリルドルフを除けば比較的簡単に達成出来る。
◆ ストーリー
キャラストーリーではトレーナーとの出会いから始まり、走る事の意義、勝利とは何かを追い求めていく、史実再現というよりは彼女の内面に触れるものとなっている。(まあ凱旋門賞を出せない以上史実再現は不可能ではあるが)
なお彼女のストーリーはメジロドーベルのようにトレーナーの性別によって変化するのだが…その差がとても大きい。
まず女性トレーナーの場合は、アニメで見たようなフォルティシームの姿を見ることが出来る。キザな口説き文句、懐っこい大型犬のような態度、他のウマ娘がトレーナーに話しかけてきた時の嫉妬など愛情深いアニメでお馴染みの姿を楽しめる。
さて、では男性トレーナーの場合だが、出会いは変わらずフォルティシームの方から一目惚れしたと口説いてくる。しかしその後やたらとボディタッチが多かったり、艶かしい誘いをしてきたりなどこちらを試すような、文章ならセーフと言わんばかりのギリギリを攻めたシナリオが展開される。ストーリーを進めていくと何故そのような態度を取ったのかという事やフォルティシームの過去などが語られる。フォルティシームのファンなら性別を変えて二周するべきだろう。
どちらにも共通しているのは芝居がかった口調と、私のことを好きになって欲しいという単純にして切実な願いである。そこに女性トレーナーの場合は同性愛の難しさ、男性トレーナーの場合は過去から来る人間不信がスパイスとしてふりかけられている。制作会社には恐らく人間の心が無い。
■ 関連項目
・シンボリルドルフ(ウマ娘)
・ミスターシービー(ウマ娘)
競走馬フォルティシームも書きたかったけど、シービーと戦ったりルドルフと戦ったりの辻褄合わせがあまりにも難しかったので諦めました
男性トレーナー×フォルティシームは書いてみたいifです
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フォルティシームif(契約したのが男トレだった場合)
女性トレーナーの時と露骨にキャラが違うけど何となくこっちの方が素に近い気がします
白銀のウマ娘は、前評判を覆し選抜レースで圧倒的な勝利を収めた。本来であれば彼女はここでとある女性トレーナーに一目惚れをし、生涯の相棒を得る。
これは、そうならなかった話。蝶が羽ばたいて、何かが少しずれた話……とはいえ、心配は無い。彼女の幸せを望む者がいて、彼女自身も幸せを望んでいる。ならばきっとこの物語もハッピーエンドだ。
話を戻そう。大差でゴールした彼女──フォルティシームは、当然の様にスカウトしようとするトレーナー達に囲まれる。しかし誰の言葉にも答えること無く、話しかけてくる有象無象を品定めするように見渡す。
恐らくベテランであろう初老のトレーナー。駄目そうだ。取り敢えず確保しておきたいという下心が見え見えだ。飼い殺されるか上手いこと使われるかのどちらかだろう。
同じくベテランと思われる少し歳のいった女性のトレーナー。無理だ。この歳頃の、こんな目をした女性には嫌な思い出しか無い。流石に顔を合わせるだけで嫌な事を思い出す相手を相棒に選ぶのは嫌だ。
名誉欲、金銭欲、性欲。誰も彼もなんだか見慣れた顔をしていて、もしかして中央のトレーナーってロクな人がいないのかと内心で怯えるフォルティシーム。トレーナー達の名誉の為に言っておくと、別に心から下卑た欲望を持っている訳ではなく、単純にフォルティシームが悪意に敏感過ぎるだけである。彼女は黒を嫌うあまり灰色すら避けている。
これは出直した方がいいかなーと品定めを終えようとして、後ろの方にいる若い男に目を止める。
およそ熱の感じられない瞳。目の前のレースの結果も、勝者たるウマ娘にも興味が無いと言わんばかりの態度。どうしてここに来たのかまるで分からない彼の姿に、だからこそ心惹かれる物があった。
「ねえ、君はもう担当決まってるの?」
「あ? 何だお前。担当ならその辺の先輩達に頼みな。お帰りはあっちだよ」
トレーナーとは思えない、チンピラのようなあまりにも冷たい態度。普通のウマ娘ならキレるか逃げるかしていたであろう。
ただ、フォルティシームは慣れていた。幼少期に浴びせられた罵声は数え切れないほどだったし、得てしてそういう人の方が優しくしてくれるというのを経験から知っている。
ガキがいると良く文句を言っていた人は、苛立たしげにしつつも来る度にお菓子をくれた。イカれた行為を笑顔を浮かべながらしていた奴らよりはよっぽどマシだった。
「君がいいの。ほら、一目惚れってやつ? ……担当してくれないと、職務怠慢で理事長に訴えちゃうぞ?」
デカい溜め息を一つついて。渋々という言葉があまりにも似合った態度で心底嫌そうに返事をする。
「俺はそこそこのウマ娘を担当してそこそこ稼いでさっさと田舎で暮らしたいんだがな……まあ、仕事だからな。受けてやるよ」
「よろしい! それじゃさっさと契約を済ませ……どうやるの?」
「書類がある。取りに……いや、書きに行くぞ。……おい、引っ付くな」
「えー、いいじゃん。あっ、もしかしてドキドキしちゃう? 私、おっぱいおっきいし」
「ガキが。十年経ってから出直してこい」
契約初日……いや、契約する前からやいのやいのと言い合う二人組が出来上がった。喧嘩するほど仲がいいという言葉もある事だし、きっと良好な関係なのだろう。多分。
「……驚いた。お前、本当に強かったんだな」
「いや、私もびっくり。私って強かったんだね」
契約から数ヶ月。メイクデビューにジュニア級のG1を二つ、大差での勝利を成し遂げて。しかしそんな気の抜けるやり取りをしていた。
「で? どうすんだこっから。王道ならクラシック三冠かトリプルティアラでも狙うか。ダートよりは芝の方が合ってるだろうしな」
「三冠路線で! ちょっと友達と約束しちゃったからね。無敗の三冠と凱旋門賞って」
「ガキの夢だな。まあ精々頑張ってくれ。お前が勝つと俺の給料も増える」
「トレーナー君冷たくない!? そこはもっと『一緒に頑張ろう!』とか『お前なら出来る!』とか言うところでしょ!?」
あまり似てない声真似をしながらそんな文句を付ける。別にガキの夢と言われたことには何も思うところは無い。何か信念があって語っている目標では無いから。
だがそれはそれとして。適当にあしらわれている事には文句を言う。少なくとも年頃の女の子への対応では無いだろうと。女の子としての自覚が芽生えていて何よりである。
「知るか。俺の仕事はお前を勝たせる事であって、お前を応援する事じゃない。寧ろ俺はそんな有名人には成りたくないしな。新人トレーナーにはG1勝利でも重すぎるぐらいだ」
「いいのかなぁ、そんな冷たい態度でー! フォルティちゃん怒っちゃいましたー! 秋には三冠バのトレーナーって呼ばれるようにしてやるからなー!」
随分と子供っぽく、感情のままに言葉を垂れ流す。どこかのフォルティシームならば有り得ない態度。
無論そこには彼にはこの方がウケが良いだろうという打算がある。だがそれだけでは無い。
フォルティシームは、子供をやってみたかった。ただそれだけの話。
日本ダービーを制して、夏。
何処かの世界と同じように砂浜でタイヤを引き摺り続けて合宿を過ごしている……が、そこは割愛する。
普段過ごしているトレセン学園から離れた場所。いつもと違う空間に、いつもと違うイベントを求めるのは仕方の無い事だろう。
何が言いたいか。つまり、フォルティシームはトレーナーを夏祭りに誘おうとしていた。
「トレーナー君! お祭りだよ! 行こう!!」
「嫌だが……」
あえなく断られていたが。
「可愛い愛バの頼みじゃん! ケチ!」
「人混みは苦手だ。第一、俺が行って何になる?」
「私が嬉しい」
バカか。と冷たい返事が返ってくる。フォルティシームは頬を膨らませて尻尾でペシペシとトレーナーを叩く。ウマ娘の力なのでそれなりに痛いはずだが、何処吹く風でパソコンのキーボードを叩いている。
カタカタカタ、ッターンとキーボードを一際強く打ち込み、おもむろに立ち上がる。怒らせてしまったかとフォルティシームは耳を少しペタンと伏せ、尻尾をしゅんと垂れ下がらせる。親に怒られる事を恐れる子供のような、どこかの世界でトレーナーを口説いていたなどとは到底信じられない姿。
「……どうした? 行くんだろ、祭り」
少しポカンとトレーナーを見つめて。言葉の意味を少し遅れて理解して、ちぎれんばかりに尻尾をブンブンと振る。
「トレーナー君来てくれるの!? 聞いたからね! 後でやっぱなしとか怒るからね!」
準備してくるから! 逃げないでよ! と言い残して着替えに向かうフォルティシームと、それをやれやれと見送るトレーナー。なんだかんだで、トレーナーもフォルティシームに絆されている。口は悪いし愛想も無いが、慕ってくれる可愛らしいウマ娘に、実は内心悪い気がしていない……のかもしれない。単純に構ってやらないでウマ娘パワーで八つ当たりされても困るという理由かもしれないが。
レース中もかくやといった速さで着替えを済ませてトレーナーの元へと帰ってくる。まさか一緒に来てくれるとは思っていなかったから、気合を入れた浴衣などは持ってきておらず普段使いの私服ではあるが。
「どう? トレーナー君。可愛い?」
「ああ、全裸よりはマシだ」
「最悪だよトレーナー君!」
ちなみにこれは褒める語彙が貧困すぎてこんな事を言っている訳では無く、実際に全裸に遭遇したからである。
寝る時に裸族なフォルティシームが寝坊して、起こしに来たトレーナーを寝ぼけた頭でそのまま出迎えた。そんな不幸な事故故に。
さらに余談として、その時トレーナーは一切動じずに練習に来いとだけ伝えて帰って行った。フォルティシームはやらかしたぁ……と結構凹んだ。ついでに全く性的な目を向けてこなかったことに本気で同性愛者なのでは無いかと疑った。本人曰く『ガキに興奮するわけないだろ』との事らしいが。
スタイルなら大人にも勝っているフォルティシームとしては疑わしく思いつつ、しかし結構嬉しかったりする。
そういう目で見てくる大人とばかり接していた彼女にとって、下卑た欲望を向けてこない相手は救いだ。だからこそ親に甘えるようにトレーナーに甘えられる。フォルティシームは子供になれる。
とはいえ。前世から今までずっと。親に甘えた事など一度もないのだけれど。
お祭りの、初めて味わう雰囲気とそこらじゅうにある見た事も無い食べ物に目を輝かせるフォルティシーム。トレーナーの袖をくいくいと引っ張ってはアレは何? コレは何? と聞いている。それにいちいち答えているあたり、トレーナーも悪い人では無いのだろう。愛想は悪いが。
あまりにも物欲しそうな目で見ていたからか、或いはお腹が激しめの主張をしたからか。トレーナーから買い食いのお許しが出る。
「どうしようトレーナー君。私一つに決められそうにないんだけど」
「太るぞ」
「うっ……トレーナー君のオススメは?」
「晩飯食ってないなら炭水化物でいいだろ。どうせ屋台なんて何食ったってそこまで美味くないさ」
「風情が無いよ! もっと雰囲気を楽しもうとか思わないの!?」
「思わん。言ったろ、苦手なんだよ。人混みとか」
その言葉に。一瞬前までのはしゃぎようはどこへ行ったのやら耳も尻尾もしゅんとさせて、付き合わせちゃってごめんねとしおらしく謝る。
耳がペタンと萎れて撫でやすくなった頭にトレーナーの手が置かれる。
「すまん。どうにも俺は一言多いらしい。……ガキは大人に気なんて使わず、ガキらしく楽しめばいいんだよ」
「……それ、慰めにしては下手すぎだからね?」
自覚はあるのか、その一言に押し黙る。デザートも買ってくれたら許してあげる。とのフォルティシームの一言に、軽めの物にしとけよと返事を返す。とことんまで不器用な甘やかし方だ。
花火が見たいと主張するフォルティシームに、人が少ない所からで良いならと返すトレーナー。文句を言いつつもトレーナーの条件を受け入れるあたり、やはり本当は一緒に居たいだけなのだろう。
フォルティシームは、その気になれば一人で生きていけるはずだった。今更汚い手段を取る事に抵抗など無いし、ウマ娘としての身体能力や美貌を手に入れた今なら以前よりきっと楽だろう。
しかし、もう一人では駄目なのだ。消去法で選んだはずのトレーナーとの時間はとても居心地が良くて、もし兄や父親というものがいたならこんな時間を過ごせたのでは無いかと思えたから。思えてしまったから。
フォルティシームは、トレーナーの事が好きだ。子供として扱われたいというずっと抱えていた願いを叶えてくれたし、他の人のように下卑た欲望を向けてきたりしない。
果たしてその好きは、異性に向けるものなのか、家族に向けるものなのか。どちらなのかは彼女自身もよく分かっていない。何故ならどちらも経験した事がないから。彼女にとって異性への──場合によっては同性への──好きという言葉は性欲を覆い隠す物でしか無かったし、家族からは悍ましい捻くれた愛情しか貰えなかった。
けれど、彼女は思うのだ。
彼女でも、教え子でも、妹でも、娘でも何でもいい。ただ彼の側に居たい。叶う事なら、彼と家族に成りたい。親を求める子供のように。寂しさを埋めたいと希う孤独な人のように。
あの不器用で寂しそうな彼との時間が、どうしようもなく心地良いのだ。
それは恋と呼ぶには余りに切実で。愛と呼ぶには余りに身勝手だ。
フォルティシーム(if)
父親代わりの人と会ったせいで前世で一切無かった子供の時間が今来てる。もし女トレーナーが母性に溢れた人だったらこうなってた……訳では無い。
フォルティシームにとって、父親は空白だけど母親は悍ましいものだから。
トレーナー(男)
芦毛のウマ娘の妹と死別してる。元々口が悪かったから、死ぬ直前の妹と交わした最後の言葉が口喧嘩でそれを今でも引きずってる。そのせいで言葉がいつも足りない。
フォルティシームにドキドキしないのは妹の影を重ねてるから。
これ、続き……いる?
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フォルティシームif(おしまい)
この小説はハッピーエンドだし過去以外に鬱要素もありません
因みにタイトルはヴァイオレットエヴァーガーデンifから来てます。どうでもいいね
秋。菊花賞を終えて。つまり世界最強の素質のあるウマ娘、フォルティシームが三冠バとなって。
彼女はトレーナー室で自分のトレーナーを煽り倒していた。
「どうよトレーナー君! これで三冠バのトレーナーとして有名人だね! おめでとう! ねえ今どんな気持ち? どんな気持ち?」
「最高に最悪。お前強すぎんだよ。可愛げが無い……というか、有名人ならお前の方がよっぽどだろう。散々取材の申し込み来てるぞ」
その言葉にうぐっと勢いを失うフォルティシーム。それ程までにマスコミが嫌いなのか。嫌いなのだろうけど。
「お前……取材ぐらい受けたらどうだ? 昔、一回受けてただろう」
「……あの一回で嫌になった。元々嫌いだったけど。トレーナー君がどうしても受けろって言うなら受けるけど……」
嫌だなあと露骨に顔に出ている。好きな人のお願いと心の底から嫌いなもの。天秤にかけたらどちらに傾くかは結構ギリギリの差。嫌悪感と不安が入り交じった顔をしているフォルティシームの頭にトレーナーの手が置かれ、髪が少し掻き回される。
「言わん。俺だって態々目立つような所には行きたくない。URAは文句を言うだろうが……まあどうでもいいだろ」
安堵感で揺れる尻尾と、撫でられる心地良さに少し細められる目。離れていく手にもっと撫でてと言えないのは臆病さ故か。
「ありがと、トレーナー君」
「どうでもいい事を無理強いして臍曲げられても困るからな。なにせ、お前のお陰でボーナスに祝い金に……まあ稼がせてもらってる」
「トレーナー君が喜んでくれるなら勝った甲斐もあるよ」
レースに興味の無い、勝ちに価値を認めていない彼女はそんな事を言う。自分自身の価値を、他人に見出して貰わないと認識できない。自己肯定感というものが身につかないまま育ってしまった弊害である。彼女の行動原理は褒められたい、求められたいというもので、しかし心に穴が空いている故に満たされることは無い。
別の生きる理由を見つけるか、心の穴を埋めるか。きっと幸せになれるのはそれからだ。
「ところでトレーナー君、お金何に使ってるの?」
「パチスロ」
「最悪だよ!」
「冗談だ」
時は流れて、ジャパンカップで薄氷の勝利を得て、有マ記念で惜しくも破れた頃。
フォルティシームは、かつてないほどに落ち込んでいた。耳も尻尾もずっと垂れ下がりっぱなしで、トレーナーと会うのも避けてネットの世界に大逃げするくらいには落ち込んでいた。
しかしトレーナー室で話そうというメッセージが飛んできて、とうとう逃げを封じられた。いつもなら挨拶が飛んでくるだけでも幸せな気分になるのに、今回ばかりは気が重い。
恐る恐る扉を開けて、先に来ていたトレーナーの姿を確認して。声をかける前に、或いは声をかけられる前に、負けた罪悪感とか今まで一人で抱え込んでいた不安だとかが爆発した。具体的には、泣いた。
「すてないで、とれーなー……」
ポロポロと涙を零しながら、出てきたのはそんな言葉。彼女にとって人間関係は互いに利用し合うものだったから。彼女にとって父親は見捨ててくるものだったから。
「まけてごめんなさい……もうまけないから、なんでもするから。おねがい。すてないで……」
泣きながらごめんなさいと繰り返すフォルティシームの姿は誰がどう見ても異常で、それはつまりトレーナーから見ても異常ということだ。
泣いてないでこっちに来いと手招きして。縋り着いて泣く彼女を撫でてやる。
「バカか。負けるのなんざ当たり前だろう。気にしすぎだ」
「すてない?」
「三冠ウマ娘を一回負けただけで手放すバカが居るかよ」
言葉の冷たさとは裏腹な手の温かさと、手放さないという宣言への安堵感からまた涙が溢れる。結局そのまま、五分か十分ほどトレーナーに縋り着いて泣いていた。
まさか一回の敗北でこうなるとは思わなかった、というのがトレーナーの正直な感想である。次は勝とうなとか皇帝相手に良くやったとか、考えていた慰めは何一つ使えなかった。
何となくそんな気はしていたが、きっと何かトラウマを抱えているのだろうなと思う。捨てないで、という言葉から推測するに幼いうちに親が離婚でもしたのか、ネグレクトでも受けていたのか。
頭を撫でながら、内心で溜息。トレーナーはフォルティシームの事を結構好意的に思っている。自分を慕ってくれるというのは嬉しいものだ。
だからこそ、距離感に悩んでいる。フォルティシームを見ているとどうしても思い出してしまう人がいるから。重ね合わせてしまっていると自覚しているから。そしてどうにも、彼女の方も自分に誰か……恐らく父親。或いは兄。を重ねているようだ。
人は誰かの代わりになれない、なんていうのは嘘っぱちだ。求められているモノと成りたいモノが一致してしまえば人はどんな役割でもこなせる。
自分が父親なり兄なりをやって、フォルティシームが娘、或いは妹になる。それは余りにも甘美な誘惑で、実に苦々しい共依存だ。相手を通して、忘れられない誰かを見る。イカれた関係になりかねない弱さがあると自覚しているし、どうにも彼女も危うそうだ。
いつか、お互いに腹を割って話す必要がありそうだ。慕ってくれる彼女の為にも、未だに過去を引きずっている自分の為にも。それが、大人の責任だ。
凱旋門賞。世界で一番名誉あるレースに、見事招待されたフォルティシーム。海外まで来て外国のウマ娘達を見て、闘争心を高める……つもりで、しかしその前に圧倒されていた。
イギリスのウマ娘、ダンシングブレーヴ。彼女に会った。走る理由を聞いた。誤解を恐れずに言えば、ビビった。それでも、勝ちたいと思った。
ダンシングブレーヴを止めてやる為に。トレーナーに誉めて貰う為に。強いフォルティシームでいる為に。捨てられる恐怖から逃れる為に。
しかしやはり不安は消えなくて。頼った相手はトレーナー。勝てると言って欲しかったから。強くて自信満々なフォルティシームに戻りたかったから。
「別に、勝たなくてもいい」
トレーナーから返ってきたのは、職務放棄ともとれるそんな言葉。
「お前、俺が勝てって言ったら本当に勝つだろ。何してでも。嫌なんだよ、そういうの。有マでお前が倒れた時、本当に心臓が止まるかと思った。……少し、つまらない話を聞いてくれ」
トレーナーが語ったのは、彼の妹の事。フォルティシームと同じ芦毛のウマ娘で、生意気な所が少し似ていて、もう世界のどこにもいない女の子の事。
自分は口が悪いから、つまらない事で良く喧嘩したと語る。それは、最期の時も。
他愛の無い口喧嘩のはずだった。些細な事で言い合いになって、熱が入って。でも何日か経って頭が冷えたらお互いに謝って元に戻る、そんな良くある喧嘩。その時の彼はそう思っていた。病状が急変したと聞くまでは。
良くなったらすぐに謝ろうと思って、面会出来るようになるのを待って、待ち続けて。次に会えた時には、もう言葉は届かなくなっていた。
彼は今でも、妹を殺したのは自分だと思っている。人の思いが奇跡を起こして不治の病を治すのなら、逆もまた然りだ。
自分があんな事を言わなければ、今もまだ妹は生きていたんじゃないか。そんな事をよく考える。殺してやりたいほどに自分の事を憎んだし、今もそうだ。トレーナーになったのだって、妹の代わりにウマ娘を幸せにしたら少しは薄汚い自分もマトモになれるんじゃないかという自慰行為だ。
「──だから、俺はお前に勝てなんて言わん。無理して勝つぐらいなら今からでも出走を取り止めて日本に帰った方が良いと思ってる。それでお前を捨てたりなんて絶対にしない」
それは紛うことなきトレーナーの本心。金も、名誉も。命と引き換えにしてまで得るべきものでは無いと知っているから。
「俺に、もう一度妹を殺させないでくれよ……」
絞り出すような、最後の言葉。
フォルティシームは、素直に嬉しいと思った。勝たなくても、逃げ帰っても捨てられない。それはきっと、ずっと求めていた無償の愛というもので。トレーナーの言葉に従ってしまえばきっと楽になれるのだろう。世間から何と言われようと二人とも気にしないことだし。
その後は、シービー先輩やルドルフ先輩と一緒に遊んで、トレーナーとももっと仲良くなって。ルドルフ先輩の夢を一緒に追うのもいいかもしれない。トレーナーが初めて会った時に言っていたように、今まで稼いだお金でさっさと引退してしまうのも一つだ。別に今逃げたって人生が終わる訳じゃないんだから。ダンシングブレーヴだって、自分のしようとしている事は余計なお世話でしかなくて、彼女は今の方が幸せかもしれない。
「……ごめんね、トレーナー君」
なのに、出てきた言葉はそんなもの。
「今逃げたら、ダメな気がするんだ。私が私を好きになるために。私が、生きてていいんだって思えるようになるために。……それに、案外あっさり終わっちゃうかもよ! 私達二人とも悲観的になってるけど、別に何か起きるって決まってるわけじゃないからないんだからさ!」
前半は本心で、後半は空元気。或いは嘘。
ウマソウルなるものが教えてくれているのか、三女神からの警告か。このレースの結果は、ロクな末路じゃないんだろうなという直感がある。
それでも。今逃げたら一生心から笑えなくなる気がしたから。胸を張れる自分でいたいから。運命を乗り越えて、神様に中指を立てて笑ってやる為に、走る事を決めた。
「……そうかよ。それを心から望むなら、俺に止める権利なんて無い。お前は勝てるよ、フォルティシーム」
「トレーナー君が名前で呼んでくれるの、初めてじゃない? ……勝つよ。勝って、杞憂だったねって二人で笑おう。約束だよ?」
「ああ、約束だ。無事に帰ってこい」
小指を絡めて、子供のように約束をする。
凱旋門賞が始まる。
レースは当然のように激戦で。最後に立ちはだかるのはやはりというかダンシングブレーヴ。
必然のように、運命はフォルティシームに選択を迫る。傷だらけの勝利か、無事の敗北か。
さっさと諦めるのが賢い選択だ。凱旋門賞で二着、十分すぎる結果だ。誰も責めたりしないし、トレーナーは無事に帰ってきた事を喜んでくれるだろう。
でも、ごめん。私はバカだから。命より、何より優先したいものがあるから。何としてでも勝利を掴む。勝って、誇れる自分になって、トレーナーに好きだと伝える。何からも逃げなかったと笑うために。
意地と根性と執念で勝利を掴む。代償に脚が折れたが、その程度なら安いものだとトレーナーを探す。勝ったよ。帰ってきたよと伝える為に。一緒に笑う為に。
脚を引きずりながらも踏み出そうとして、視界が傾いた。何かが変だなと思う間もなく意識が途切れた。
「巫山戯るなよバカ野郎が!」
ザワついてる観客達を押しのけてコースへと飛び出す。手にはAED。こんなもの要らなかったと笑い飛ばしたかったが、悪い予感に従って正解だった。
ダンシングブレーヴが救護を呼びに行っている。ならば自分は自分に出来ることを。最悪に備えてシミュレーションしてきた。心臓マッサージ、人工呼吸、電気ショック。とにかくやれることを。
「死ぬんじゃねぇよ! 約束しただろうが!」
胸を押す。息を吹き込む。電流を流す。その繰り返し。
死なないでくれ。もうごめんだ。
俺のせいだ。二度目はもう、耐えられない。
「頼むよ神様……大切な人なんだ……まだ好きって言えてないんだよ……」
哀願とともに、秘めてた想いが零れる。何を言っているのか自分でも意識していないからこそ、それは心の底の本心だ。
どこか妹に似ていて、少し生意気で、いつも寂しそうにしている彼女が気になっていた。いつの間にか恋をしていた。
想いは時に人を傷つけ、殺す。ならば逆もまた然りだ。
胸骨圧迫を行っていた手が、弱々しく握られる。次いで、咳き込む音。
「……両想い、じゃん。私……達」
聞こえてきた彼女の声を幻聴ではないかと疑い、握られている手の感触に現実を理解して。衝動のままに抱えるようにして抱き締めた。
「ちょ……苦しいよ……」
「我慢しろ。どんだけ心配したと思ってる」
「……ただいま、トレーナー君」
「おかえり」
血を採られたりよく分からない機械に突っ込まれたり、脚の治療を受けたりして個室へと叩き込まれた。
少なくとも飛行機に乗れるようになるぐらいまでは入院が確定しているから、これは大層暇になるだろうと予感していたけれど、案外そうでも無かった。トレーナーが四六時中付いていてくれたから。
「トレーナー君、ずっと居てくれるけど、大丈夫なの?」
「迷惑か?」
「そんな事無いけど。お仕事とかさ。いいんだよ? 私にそんな気を遣わなくて」
「……目を離してる間に死なれたら困る」
心配性だなと言おうとしたけれど、彼の妹の話を思い出して口ごもる。もしかしたら、彼は余り病院を信用していないのかもしれない。だから違うことを言う。
「ね、トレーナー君」
「何だ?」
「いつ結婚する?」
トレーナーは思いっきりむせ込んだ。
「唇も奪われちゃったしー、胸も見られたしー。責任取って貰わないと」
「……救命行為だ」
「でも私の事好きなんでしょ?」
「…………ああ」
ニヤニヤといいネタが手に入ったと喜ぶフォルティシームと、苦々しげな顔をしたトレーナー。
人間を信じられなくなった女と、自分を許せなくなった男。傷を抱えた凸凹な二人で、だからこそ噛み合わせは良いのかもしれない。
フォルティシームは父親のように愛情を注いでくれる人を求めていて、トレーナーは妹のように愛せる人を求めている。一見すると代償行為のような関係で、しかしその視線はきちんと相手の事を見ている。
しっかりとお互いに向き合い、傷を見せ合いお互いを理解して。
きっと二人は、幸せを掴むのだろう。
このままだと感想が『いる』に支配されそうだったので特急で書き上げました。
書いてるうちにこの2人の話をしっかり書きたくなりました。書くとしたらリクエストを消化してからですが。
しっかり書いてもいいって言った人は責任をもってお気に入りを外さず待っていてください
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リクエストその5(ファン感謝祭再び)
1:1
春だ!
2:名無しのヒトミミ
4月だ!
3:名無しのヒトミミ
トレセン学園だ!
4:1
ファン感謝祭だ!!
ノリが良くて助かるよ君ら
5:名無しのヒトミミ
鍛えられてきたからな
6:名無しのヒトミミ
それだけが取り柄だからな
7:名無しのヒトミミ
今年ももうそんな季節か
8:名無しのヒトミミ
桜と入学式とファン感謝祭といえば春の季語
9:名無しのヒトミミ
今年はイッチ何するの?
10:名無しのヒトミミ
むしろ去年何したっけ
11:1
……フリーハグ? (女性限定)
12:名無しのヒトミミ
間違っちゃいないけども
13:名無しのヒトミミ
執事喫茶って体でしょうが!
14:名無しのヒトミミ
握手会でしょ
15:名無しのヒトミミ
あんなに人が集まったのが悪いよ
16:名無しのヒトミミ
三冠バが三人も集まるのが悪いでしょ
17:名無しのヒトミミ
今年もトリオなの?
18:1
ざんねーん! 今年はブレーヴちゃんもいるので四人でーす!
19:名無しのヒトミミ
なんでテンション高いの?
20:名無しのヒトミミ
素直にウザイ
21:名無しのヒトミミ
イギリス最強を連れてくるな
22:名無しのヒトミミ
去年でアレなのにそんな事したらトレセン壊れちゃーう
23:名無しのヒトミミ
外国人まで呼び込むつもりか?
24:名無しのヒトミミ
まあキスシーンでイッチのファン減ってるだろうしいけるっしょ
25:名無しのヒトミミ
凱旋門賞勝利はその程度で揺るがないゾ
26:名無しのヒトミミ
むしろ増えたまである
27:名無しのヒトミミ
女性ファンに絶対キスしてって言ってくるやついるよ
28:名無しのヒトミミ
なんなら男でもいるよ
29:1
キスは流石にNG
ワイの唇はトレーナーちゃんのもんや
30:名無しのヒトミミ
キッショ
31:名無しのヒトミミ
一途でいいと思う
32:名無しのヒトミミ
百合なら許す
33:名無しのヒトミミ
顔がいいから許す
34:名無しのヒトミミ
凱旋門賞勝ったから許す
35:名無しのヒトミミ
握手会してくれたら許す
36:1
許せサスケ……今年は握手会や……
37:名無しのヒトミミ
はい許した
38:名無しのヒトミミ
もう喫茶店の体をとるのは止めたのか
39:名無しのヒトミミ
世界最強(メディア露出ゼロ)の握手会!?
40:名無しのヒトミミ
またエグい人が来そう
41:名無しのヒトミミ
シービーもルドルフもファン増えてるんだよ? そこにダンシングブレーヴも加わるんだよ? イッチも凱旋門賞勝ってるんだよ? どんだけ来ると思ってるの?
42:1
810人ぐらい?
43:名無しのヒトミミ
汚い
44:名無しのヒトミミ
性なる数字を出すな
45:名無しのヒトミミ
1人あたりに800人来てもおかしくない
46:名無しのヒトミミ
手が疲れちゃーう
47:名無しのヒトミミ
抽選形式にしろ
48:名無しのヒトミミ
なんとか厳選しろ
49:1
シービー先輩はともかくルドルフ先輩がそんな事すると思う?
50:名無しのヒトミミ
しなそう
51:名無しのヒトミミ
レース並みに本気で取り組んでそう
52:名無しのヒトミミ
全員に平等に愛を注いでそう
53:名無しのヒトミミ
シービーは疲れたら途中でも帰りそう
54:名無しのヒトミミ
イッチは仕事だからって時間中はちゃんとやりそう。定時が来たら途端に冷たくなりそう
55:名無しのヒトミミ
ブレーヴちゃんは……わかんねぇや
56:名無しのヒトミミ
お手並み拝見だな……
57:名無しのヒトミミ
誰目線?
58:1
ということで握手会(無制限)です。ワイが過労死しない事を祈っててくれ
59:名無しのヒトミミ
はーい! イッチせんせー! ワイらも行っていいですかー!
60:1
ころすきか?
61:名無しのヒトミミ
ワイらだってイッチとおしゃべりしたいぞ
62:名無しのヒトミミ
前ハグしてくれるって言ったじゃん
63:名無しのヒトミミ
自分の言葉には責任を持て
64:1
ぐぬぬ……言ったけどさぁ……
君らにイッチって呼びかけられたら猫被ってるのがパァじゃん
65:名無しのヒトミミ
(˙◁˙)パア
66:1
やかましいわ
67:名無しのヒトミミ
猫被ってるイッチが悪い
68:名無しのヒトミミ
本性を晒せ
69:名無しのヒトミミ
男も抱き締めろ
70:1
じゃあ抱き締めたげるから何か見分け方考えといて。イッチって呼びかけるのは禁止ね。スレの人って分かったらやったげるから
71:名無しのヒトミミ
言質とったぞ
72:名無しのヒトミミ
何か合言葉決めるか
73:名無しのヒトミミ
周りに聞かれても不審に思われないやつな
74:名無しのヒトミミ
山、川?
75:名無しのヒトミミ
定番すぎる。あと握手会に来ていきなり山! って叫ぶ変な奴になってしまう
76:名無しのヒトミミ
みんなが言っても違和感の無い言葉じゃないとな……
77:1
なんでこういう時だけ真面目になるの?
78:名無しのヒトミミ
あ、思いついたかもしれん
79:名無しのヒトミミ
期待してないけど言ってみ?
80:名無しのヒトミミ
どうせボツだろうけど
81:名無しのヒトミミ
『アド街を見た』
82:名無しのヒトミミ
バカか?
83:名無しのヒトミミ
アド街でこんな痴女を出すな
84:名無しのヒトミミ
すまんイッチ! もっとマトモなの考えるから待ってくれ!
85:1
もうそれでいいよ。自分の番が来たらアド街を見たって行ってくれ。察するから
86:名無しのヒトミミ
いいんだ……
87:名無しのヒトミミ
いいのか……
88:名無しのヒトミミ
前の人がいきなりアド街を見たって言い出してハグされてたらビビるだろうな……
89:名無しのヒトミミ
サインもくれ
90:名無しのヒトミミ
自撮りもくれ
91:名無しのヒトミミ
欲張るな
92:1
色紙持ってきてくれたらサインはいいよ。自撮りは君ら売り飛ばしそうだからダメ
93:名無しのヒトミミ
サインも売るぞ
94:名無しのヒトミミ
オカズにするだけだぞ
95:名無しのヒトミミ
最悪だよ
96:1
まあ風呂にだけちゃんと入ってから来てくれ。なんなら銭湯寄ってから感謝祭来い
97:名無しのヒトミミ
あいあいさー
98:名無しのヒトミミ
美女のハグ美女のハグ美女のハグ美女のハグ
99:名無しのヒトミミ
ひえっ
100:名無しのヒトミミ
バグっとるヤツおる
フォルティシームにとっては二度目となるファン感謝祭。
相も変わらず大物が集まり──今年はそこに英国最強も加わった──トレセン学園で最大の集客率を誇るその空間。
去年の反省を活かして、もう余計な事はしないと合意が出来た。つまりは、人間のアイドルがやるような握手会。コスプレだとか喫茶店だとかの要素は排除された。
もっと別のこと。例えばレースを見せたり、体育祭のような種目を行ったりなどという案もあったのだが、なまじ去年の執事喫茶が驚異的な集客率を誇ってしまったばかりに学園にファンからの嘆願書が届いてしまった。私もルドルフ様にハグされたかったとか、シービーとお話したいとか、フォルティシームに蔑まれた目で見られた……これは少し毛色が違うか。
ともかくそんな訳で、去年と同じようにファンサを振りまくファン感謝祭が行われるということだ。
会場として用意された教室に入ると、世界的な知名度を持つウマ娘達が勝負服を着て笑顔でお迎えしてくれる。客はここで一回死ぬ。
その後四人の中から一人を選びそのウマ娘の下まで向かう。誰にするか決めた上で来ている筈なのに大体固まって歩けなくなる。そういう店ではない。
来ている客層としては、ミスターシービーには老若男女問わず様々な人が来ており、シンボリルドルフの所には上品な家柄の良さそうなウマ娘、ダンシングブレーヴの所には海外レースまで追うような熱心なファンとヨーロッパ圏の人々、それに外国のウマ娘の美人さに心奪われた者達。フォルティシームの所には……
「いや、多いね! 有難いことだけど!」
開始すぐに長蛇の列が出来上がった。容易に想像できたことだろうに、凱旋門賞勝利バという自覚をいい加減に持ってもらいたいものだ。
ミスターシービーと同じように老若男女バランス良く、強いて特筆するならこちらに来ているウマ娘はお嬢様然としたいかにもなウマ娘ではなく、普通の学生といった様子の──言葉を飾らずに言うのならいかにも寒門といった雰囲気の──ウマ娘が多い。
血筋に頼らず勝ち抜いてきたフォルティシームは、血の無いウマ娘達にとっては希望の星だから。本人はそんな事気づいてないだろうけれど。
「昔から応援してました!」
「憧れなんです!」
「写真撮ってもいいですか?」
「ルドルフに勝って!」
概ね反応はこのような感じ。ダービー辺りから応援してくれた人が多いか。写真はメディア露出が無いせい。マスコミに撮られるのは嫌がるくせにこういう時は笑顔でツーショットを提供するフォルティシームである。
「貴方の三冠を見て、ステータス『憧れ』を獲得しました。私も、夢というものを見つける事が出来ました」
「ふふっ、頑張りなさい若人よ。トレセンに来たら仲良くしようね」
「……つきましては、お願いが。サインを……」
「おっけー! 君、名前は?」
「ミホノブルボンです」
基本的に年下には優しいフォルティシーム。特にウマ娘にはサインをせがまれる事が多く、最早手馴れたものである。
無表情の目の前のウマ娘も尻尾の様子からして喜んでくれているようだ。
テキパキと客を捌いていって、とうとうと言うべきかその男はやってきた。
「アド街見ました!」
何言ってんだお前、という目を一瞬だけして思い出す。そういえばそんな合言葉を決めたっけ。流石にこんなアホな発言を無関係な人がしてくる訳は無いだろう。
「とうとう来たね。君が一番最初だよ」
すんすんと臭いを嗅いで、僅かに香るボディーソープの香りにほんとにちゃんと銭湯に入ってから来たのだなと感心する。
「ところで君はいつからスレに居た人? 三冠辺り?」
「あー……最初から。名前の安価踏みました、はい」
「わお、名付け親じゃん。かなり気に入ってるよ、ありがとね……最初からって事は、結構罵倒してくれちゃった人?」
「……本当だと、思わなかったので……!」
「もう許せるぞおい! なんてね。さて、幾らでも話せそうだけど、列も長いしそろそろやりますか」
そう言って腕を広げて、いわゆるハグ待ちの姿勢を取る。
「ほら、おいで? ……顔真っ赤じゃん、緊張しすぎ」
数秒の逡巡の後、覚悟を決めたのかフォルティシームの元に飛び込む。ウマ娘の少し高い体温と、恵まれたスタイルの柔らかさを堪能して──
「はい、おしまーい」
パッと離れる。満足感を得られる程度には長く、名残惜しさを感じる程度には短い時間。またあそこで話そうねと言って終わる。そして次の客。
「アド街を見た!」
「わ、連続。さてはみんなで集まってから来たね?」
バイト先に友達が来た時のような気恥しさをおぼえつつ、仕事は仕事としてしっかりスレ民を含めた客を捌いていく。
メディアを名乗る人物に首を掻っ切るジェスチャーをした以外には特に何事も無く、無事に感謝祭の終わりを迎える事が出来た。
お疲れー! と一日の労を労って。撤収とか無いから楽でいいなどと話していた時、トレーナー達がやってきた。勿論ミスターシービー、シンボリルドルフ、フォルティシームとダンシングブレーヴのそれぞれの担当である。
だが、一人明らかに様子がおかしい。怒っているというオーラを漂わせている。
「フォ〜ル〜ティ〜?」
声を聞いただけでビクッと怯えるフォルティシーム。尻尾も耳もピーンと立ち上がり、恐る恐るトレーナーの方に顔を向ける。
「どうしたんだい、トレーナー? そんな顔してたら折角の美人が──」
「男の人に、ハグ、したんだって?」
終わった──と直感した。煙に巻くのも無理だし、惚けるのも無理だ。
「いや、アレは……そう、古い友人で。会えたのが嬉しくてつい……」
「だとしても、やっていい理由にはならないよね?」
単純に少しその辺りが緩い事への心配と、私以外の人にするなんてという嫉妬の混じったお説教。
他の三人から哀れみとそりゃそうなるという感情が込められた視線を向けられながら、床に正座して叱られる事となった。
〜〜が見たいって感想に投げられちゃうと流れて追えなくなるので、なんかあったら活動報告に投げといてください
あと高評価くれ!!!
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リクエスト……?(お家デート)
トレセン学園において、ウマ娘達は基本的に寮での生活を義務付けられている。とはいえそこまで堅苦しいものではなく、平日も日帰りならば外出出来るし、週末などは申請すれば外泊も出来る。
一方、トレーナー。トレセン学園の敷地内にはトレーナー寮も用意されており、申請すれば格安で利用することが出来る。居住が義務付けられている訳では無いが、家賃の節約や通勤時間の短縮の為に利用しているトレーナーは多い。
ちなみにウマ娘寮へのトレーナーの訪問、及びトレーナー寮へのウマ娘への訪問は禁じられている。過去に諸々の問題があったらしい。
まあつまり、ウマ娘とトレーナーが交流しようとしたら門限までにグラウンドででもしろという事なのだが……抜け穴もある。
実に単純な話で、学園の外で会ってしまえばいい。生徒のプライベートにまで干渉出来ない以上、外泊申請を出して一緒に遊べば夜遅くなろうと制度上は何の問題もない。とはいえウマ娘という目立つ存在が夜出歩いていれば嫌でも注目を集めるため中々それをする者はいないが。女子校というのは実に噂が広まりやすいものなのである。
だが、その問題も解決する方法がある。街に出ると目立つのなら、街に出なければいいのだ。トレーナーの中には、寮に住まず外部に住んでいる者もいる。結婚していたり、寮での生活が性に合わなかったり、ただなんとなくの気分だったり。
前置きが長くなったが、そう大したことではない。フォルティシームがトレーナーの家に遊びに行くといういつぞやの約束が果たされただけである。
お邪魔します、と既に耳も尻尾もご機嫌に揺らしながらトレーナーの家に上がり込むフォルティシームと、長い付き合いの相手だからこそ自宅というプライベートな空間を見られるのが恥ずかしいトレーナー。
色んな所に視線をやるフォルティシームを何とか抑制して二つある部屋の片方に押し込める。別に見られて恥ずかしい物は……きちんと隠されているが、それはそれとして家の中を見られるのは気恥しいものだ。
台所に立って夕食の準備をするトレーナーを何をするでもなくぼんやりと眺めるフォルティシーム。トントンと包丁とまな板が奏でる音に、何故か懐かしい気持ちを覚える。別に誰かに手料理など作ってもらった覚えは人生で一度も無いのだけれど、不思議なものだ。
ちなみにフォルティシームは料理などした事は無いし、包丁の握り方すら分からない。今回はめでたく戦力外通告を下され、こうして椅子の上で脚をブラブラとさせている。
部屋の中でなんとなく人柄が分かりそうなものに目をやる……つまりは、部屋に置かれた本棚の中身を確認する。
月刊トゥインクルをはじめとするレース雑誌。雰囲気に似合う少女漫画。何故か歯抜けで数冊ある少年漫画。
適当に一冊取ってパラパラとめくる。少女漫画は中々読む機会も無かったが、なるほど意外と面白い。女性向けというともっとドロドロとした内容だとばかり思っていたけれど、少女が夢見るようなお綺麗な恋愛で、なんというか安心して読める。トレーナーの嗜好の問題だろうか。
そんな事をしているうちに料理……というか鍋が運ばれてくる。食材を切って鍋の元と一緒に温めるお手軽料理。更に寒い日に食べれば美味しさ倍増。野菜も取れて栄養バランスも良いし酒にも合う。
まあ手料理と言うには少々色気に欠けるかもしれないが、本人達が喜んでいるのだから良いのだろう。
ウマ娘の例に漏れず健啖家なフォルティシームは食い気優先で、トレーナーは晩酌がてら日本酒をちびちびと飲みつつ、箸を進めていく。
「……なんか、意外。貴女とお酒というのはどうにもイメージが結びつかないけど」
「んー……まぁ、大人には色々とあるんだよ。お酒の力を借りないと見たくもない現実とかね」
食事は進めつつ、お酒を嗜んでいるトレーナーにチラリと視線を向ける。まだフォルティシームでなかった頃には付き合いで飲酒をした事もあったけれど、どうにも自分から進んで飲もうとは思えなかった。楽しく酔えるぐらいにアルコールに弱ければ良かったのだろうけれど、無駄にアルコールに強かったせいで苦くて高い飲み物程度の印象しかない。それなら安くて美味しいジュースでも飲んでいた方がいいというのがフォルティシームの本音だ。
だがまあそれはそれとして。好きな人と同じ物を飲みたいという気持ちもある。好きな人が使っているものを真似るような、子供っぽいそれ。
「ねえ、トレーナー。私にも一口──」
「ダーメ。二十歳過ぎたらね」
そう言われてしまえば何も言えない。諦めて鍋のつゆを飲んでおく。具材の味が染み出してて結構美味しい。別にいいし。発酵したお米なんて飲みたくないし。
食事を終えて、後片付け。この程度ならフォルティシームにも出来る。二人で流しに並んで食器を洗う。ご機嫌にパタパタと揺れる尻尾が時々トレーナーを掠めているが、尻尾の持ち主は気づいていない。
好きな人と一緒にやれば面倒な家事も楽しくやれるくらいには単純なウマ娘である。
洗い物が終わればやる事もひとまず無くなる。食事をした机に戻って、ジュースとお酒で乾杯をする。向かいではなく、敢えて隣り合わせに座る。交わされるのは大して中身のないダラダラとした会話。
休みの日は何してるの? とか、最近話題の映画のこととか、数少ない友達の話とか。
酒も進んで口が滑らかになってきたところで、フォルティシームがずっと気になっていた事を尋ねる。
「ところでトレーナー。貴女はここに誰と住んでいたんだい?」
「にゃ──何を、急に」
「二人分あった食器とか、家具の大きさとか、趣味じゃ無さそうな漫画とかさ。そもそも、一人暮らしならトレーナー寮に住まずに態々家を借りたりしないだろう?」
「……別に、一緒に住んでた訳じゃないよ? トレーナーになる前から一人暮らしの為に借りてて、よく遊びに来てた人が置いてっただけで──」
「彼氏? 彼女?」
椅子から立ち上がって、座ったままのトレーナーの背後に回り、耳に息がかかるくらいに顔を近づける。そしてトレーナーの言葉を遮って確信に迫る。嫉妬心で少々かかっているのかもしれない。
「か、彼氏……ひゃう!」
答えを聞くのと同時に首筋を甘噛みする。歯型が付く程度に強く。強い痛みが生じないように優しく。
もう居ない相手に対して所有権を主張したって何の意味も無いのだけれど、胸に産まれたモヤモヤを解消する為にマーキングする。
「ふぅーん。まあ貴女は魅力的な女性だからね。それは交際ぐらいしていただろうけど。仲良かったのかい?」
「な、内緒! この話はやめ──ひゃ! ちょ、耳舐めないで……!」
「……隠さなきゃいけないような事をしていたのかい? それは……うん、嫉妬で狂いそうなのだけれど」
言葉と共に、もう一度噛み付く。今度は先程よりも少しだけ強く。貴女は私のものだと主張するように。
甘い痛みは痺れとなって、アルコールで鈍った彼女の頭を更にぼんやりとさせる。
「その……ね、向こうから押されて付き合ったんだけど。勉強とか忙しかったし、……そういう事するのも怖かったし。そんな付き合いだったから結局浮気されちゃって。あんまり良い思い出じゃないんだよね」
「ふぅん。……ごめんね、嫌な事思い出させて」
そんな事を言いつつも、トレーナーに見えない尻尾は少し嬉しそうに揺れている。これでもしトレーナーがベタ惚れだったら、フォルティシームは嫉妬に狂って押し倒すぐらいの事はしていたかもしれない。
好きな人の不幸を喜んでいる自分を嫌悪しながら、少しだけ顔を離すと自分が付けた歯型が視界に入る。嫉妬に任せて振舞った罪悪感と、マーキングを付けた事への暗い快感が湧き上がってきて、次にとるべき行動に悩む。
お風呂が沸いた事を知らせる電子音が流れてこなかったら、果たして何をしていただろうか。
「あ、沸いたね。どうする? フォルティ先入る?」
「家主より先に入るのはちょっとね。どうぞ先に。……結構お酒飲んでいたけど、大丈夫かい?」
「あはは、そこまで弱くないよ。なんかあったら呼ぶね」
浴室に向かう彼女を見送り、机に突っ伏す。どうにも弱くなっている気がすると、フォルティシームは自嘲する。
誰かにこんなに夢中になる日が来るとは……というか、誰かに恋をする日が来るとは思ってもいなかった。つくづく一目惚れとは恐ろしいものだ。
だからこそ。しっかり自分の気持ちに手綱を付けなければいけないというのに。独り善がりの愛ほど醜いものは無い。母のように自分の理想を押し付けるのも、先程聞いた元彼のように欲望を押し付けるのも駄目だ。
愛したいし、愛されたい。この気持ちが同じなら良いのだけれど。
ふとした時に不安に感じてしまうし、相手の想いを確かめるのが怖いと感じてしまう。本当に、弱くなったものだ。
私は貴女のもので、貴女は私のもの。
かつての言葉は本心で、今もその想いは変わらない。ただ、偶にどうにも泣きたくなるのだ。
愛を知らないフォルティシームは、未だに心から愛を信用出来ないから。
「私がこんなに弱くなったのは。貴女のせいだよ、トレーナー……」
言葉は誰にも届かずに、宙に消えた。
交代で入ったお風呂から上がって、髪と尻尾をトレーナーに乾かしてもらう。あまり他人に預けたい部位では無いけれど、彼女は例外だ。髪を梳いてくれる手の感触が心地良い。
しばらくされるがままになって、毛並みが整ったら今日はもう寝るだけだ。
布団は二つ用意されたけれど、結局ひっついて二人で一つを使って寝る。
「トレーナーの匂いがする……幸せ……」
「なんか恥ずかしいんだけど……」
眠気で惚けた頭とアルコールで惚けた頭で取り留めのない会話をする。明日は何をするかとか、近くにある店の話とか、人付き合いの話とか。お互いに大して思考せずに話しているから話題がころころと変わる。
「フォルティって結構寂しがりやだよね」
「そうかな……そうかもしれないね」
移った話題は、ある意味ではフォルティシームの本質。親から引き継いだ、愛されなかった者から愛されなかった者への呪い。
産まれた時に愛情を貰えなければ、一生愛に飢えて生きていくしかない。父の代替品としての愛も、家を出てからの偽物の愛も飢えを満たすには至らなかった。
「でも、貴女も寂しいのは嫌だろう? 少なくとも、押しに負けて人と付き合うくらいには」
「うん、まあ……そうだね」
「大丈夫だよトレーナー。私は貴女を離さないから」
だから貴女も私を離さないで。
「死ぬまでひとりぼっちじゃなくなる約束をしよう」
願わくば、この言葉が呪いとなりますように。
私のフォルティシームのイメージは、アークナイツのブレイズを幼く、銀髪に、馬耳馬尻尾にした感じです
何故こんな事を言うかというとファンアートが欲しいからです。誰か書いてくれ
追記
【挿絵表示】
マジで貰えました!!!みんなも君だけのフォルティを書こう!!!
エゴサしてるんでフォルティシームって入れてくれたら見つけ出します
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バレンタイン記念
バレンタインデー。元はキリスト教圏のイベントであったが、製菓会社の陰謀か日本でも大流行りしているそのイベント。最近では恋人同士の一日という印象も薄れつつあり、仲のいい友人同士や、お世話になった相手、憧れの先輩などに甘いものを渡す日になりつつある。
フォルティシームとトレーナーにとってもそんな認識の一日であった。恋人がどうこうというほど甘ったるい意識はなく、せっかくだからとトレーナーはフォルティシームにチョコを贈り、フォルティシームの方は好きな人からの贈り物に喜びつつ、周りのチョコの量に格差を感じる、そんな日であった。今までは。
口さがない言い方をすれば、フォルティシームはモテるタイプではなかった。先輩とはほとんど関わりが無いし、同期からは恐れられている。
だが、二年、三年とトレセン学園で過ごして。数は少ないとはいえ友人が出来たり、ファン感謝祭で営業用の愛想を振りまいたりしているうちに、少しだけ評価が変わった。
相変わらず同期には苦手意識を持たれているが、代わりに後輩から人気が出始めた。
長身で、カッコイイ顔立ちをしていて、文句無しの実力を持った孤高のウマ娘。
そんなクールな彼女が、笑顔を浮かべて少々過激なファンサービスをしてくれた。まだ精神が成熟していないウマ娘が、恋愛観を破壊されても仕方の無い事だろう。
まあつまり。今のフォルティシームは後輩からの憧れの先輩という立ち位置を確立しているということだ。……本人は全く自覚してないが。
先輩、これ貰ってください! と何度目かの声をかけられる。
同期との仲の悪さ故に教室で過ごすのが気まずいフォルティシームは、休み時間になる度にフラフラとその辺を彷徨いていて、それは結構多くの生徒に把握されている。
上級生の教室に入りにくい後輩ウマ娘達にとってそれは有難い話であり、結果として休み時間に気疲れする哀れなウマ娘が出来上がった。
手作りだったり市販品だったり、様々なお菓子を持って襲来する後輩達。最初のうちはとうとう私にもモテ期が来たかと喜んでいられたが、流石にずっと続かれれば笑顔も品切れになる。
それでも慕ってくれるというのは嬉しかったから、なんとか愛想を振りまいて応対をする。……流石に一日中そうなるとは思わなかったが。
集団で来てくれるウマ娘達はまだいい。こっちとしても手間が省けてありがたかったし、大量に送られても困ることを察してくれているのか、集団につき一つぐらいしか渡されなかったから。
それに、”みんな”で来るということは精々憧れとか、そのぐらいのミーハーな気持ちでいてくれているということだろうから。気楽に優しくてカッコいい先輩に夢を見て、ここで過ごすうちに頭を冷やして自分だけの特別な相手を見つけてもらいたいところだ。
ちょっと厄介なのは、本気で気合を入れてくる、お一人様のウマ娘。
「先輩……! その、迷惑かもしれないですけど……」
勇気を出してきてくれたのだろうと、そう思える必死な声と、少々潤んだ瞳。いっそ下心ありきで来てくれたのなら断れたのだけれど、純粋な好意を向けられるというのは……何と言うか、少し居心地が悪くなる。
恋する乙女ってこんな感じなんだなぁと、若干現実逃避とも言える思考をしながらなけなしの愛想をかき集める。
「迷惑なんかじゃないさ。……お礼のために、君の名前と連絡先を教えてくれないかな?」
顔を真っ赤にしたウマ娘から個人情報を入手してお別れする。……果たして、これがあと何人来るのだろうか。願わくばこの子で終わってほしいものだけど。年下の子を悲しませたくはないが、そろそろ精神が限界だ。
そんな一日を過ごしてしまったから、授業が終わってトレーニングのためにトレーナー室に向かう頃には既に疲労困憊としていた。
こんなことならルドルフ先輩……は微妙だから、シービー先輩から後輩のいなし方でも聞いておけばよかった。そんな事を考えているうちにトレーナーも部屋に入ってくる。
「ごめんフォルティ、おまたせー……凄い荷物だね」
ぐでーっと机に突っ伏している銀色のウマ娘と、その傍らに置かれているお菓子の詰まった紙袋──気の利く後輩がチョコと一緒に渡してくれた──を見てそんな一言。
「ふふ……私もついにモテ期だよ……はぁ……」
精神的疲労故か軽口にも力がない。別に甘いものが苦手というわけでは無いのだけれど、改善されつつあるとは言え苦手な存在であるウマ娘に囲まれたことと、慕ってくれる年下という未知の生き物に接した疲労が大きい。
「なんか、言葉の割に嬉しくなさそうだけど……?」
「うん……モテるってのも良いことじゃないね……やっぱ先輩達は凄いなぁ……」
繰り返しにはなるが、フォルティシームは別に甘いものが苦手ではない。苦手ではないが、流石に紙袋一杯の甘いものを見れば食べた時の胸焼けを想像してしまうし、今日一日でやたらと増えてしまった連絡先を思えば返礼に苦労するであろう事は容易に想像出来てしまう。そんな訳で中々に気分は沈み込んでいた。
「……とりあえず、一回置いてきたら? 冬だし溶けはしないだろうけど、冷蔵庫に入れた方がいいものもあるでしょ」
「そうしようかな……ゴメン、一回部屋行くね」
ゆっくりと立ち上がって、チラリチラリとトレーナーの方に視線をやりつつ出口へと向かう。
「トレーナー……その……」
「なぁに?」
ドアノブに手をかけたところで、一つ質問、或いはおねだりをしようと口を開いて。
「──いや、何でもない」
勇気が出せず、言葉は出なかった。
部屋に戻って貰ったお菓子を仕分ける。暫く持ちそうなもの、冷やさないといけないもの、早めに消費しないといけないもの。
最後のグループにだけ共用と記して、後は適当な場所に保管しておく。これで急ぎのものの処分は同室の彼女も手伝ってくれるだろう。
「はぁ……」
ため息が溢れ出る。後輩達からの慕ってくれる気持ちの現れだとか、甘酸っぱい恋心の現れだとか、そんなものを目の前にして、しかし気分は沈みこんでいく一方だ。
だって本当に欲しい人からは貰えていないから。勇気を出して贈ってくれた子達には本当に申し訳ないことだけれど、量より質が欲しいのだ。好きな人から一つ貰えれば、他は何も無くたって構いはしない。
「嫌われちゃったのかな……」
今まで毎年くれていたのに。と恨み言が漏れる。嫌われたというのは流石に飛躍した考え(だと思いたい)だが、他に渡したい相手──本命でも出来てしまったのかなとか、そんな事を考える。
視界が少し涙で滲んできて。いけない、どんどん悪い方に考えてしまっている、と気づく。
深呼吸して気持ちを落ち着ける。トレーナーのところに戻るまでに、いつも通りの格好いいフォルティシームに戻らなくては。
そんな空元気は、全くもって無意味だったようで。練習をしている最中にトレーナーからストップがかかった。
「フォルティ、なんか調子悪い? ……今日は、練習やめとこっか」
精神の乱れが隠しきれずに動きに出てしまったようで、そんな言葉をかけられる。車より速く走るウマ娘が転びでもしたら大事故に繋がる故に、安全管理としては正しい判断なのだろうけれど。それはそれとしてそこまで動揺してしまった自分が嫌になる。お菓子の一つでここまで落ち込むことになるなんて。
「トレーナー」
そんな自己嫌悪から目を逸らす為か、或いは嫉妬心とでも言うべきものが閾値を超えたのか。話の流れも何もかも全て無視して詰問──若しくは泣き言が漏れ出る。
「誰にあげるの? ……誰が、本命なの?」
流石に今は消えているが、最初に部屋で会った時には甘い匂いを漂わせていた。だから誰かに渡そうとしていた事は知っている。そして我慢できなかった問いを投げる。
目的語の無いそんな問いに、トレーナーは戸惑った様子を見せる。
「私以外の誰かに渡すなんて……嫌だけど、許したくないけど。誰が本命かぐらい聞く権利はあるだろう?」
耳をへにゃりと伏せさせながらそんな事を言うフォルティシームに、ようやくトレーナーも何を聞かれているのかを察した。
「あー……いや、その、ね? ……本命はフォルティだよ。というか、今更他の人なんて好きになれないよ」
「……いいよ、気を使わなくて」
「嘘じゃないって! ただその……あんなに貰ってたからさ、私があげても迷惑なだけかなって思って」
少し問答を重ねて。実物を見れば気も晴れるだろうという提案に乗り再度のトレーナー室へ。
別に隠されていた訳でもなし、すぐにそれは見つかる。
「ほらね? ……フォルティが迷惑じゃないなら、受け取ってくれると嬉しいな」
そう言って差し出される物に、しかし受け取るための手は伸びず、銀のウマ娘は立ち尽くしたまま涙をボロボロと流す。
「え!? ごめん、そんな嫌だった!?」
「ちが……! 違うんだ。ただ……もう貰えないかと、嫌われたかと思っていたから……」
子供のように。泣きじゃくりながら喋る、寂しがり屋のウマ娘。
「嫌いになんてならないよ。ずっと一緒。──愛してる」
普段なら照れと立場から絶対に口にしないそんな一言。だが今日ぐらいは良いだろう。
バレンタインデー。恋人達の一日なのだから。
男トレ×フォルティシームを多分みんなが思ってるより気に入ってるからがっつり書きたい気持ちがある。でもそれやると掲示板回とか焼き直しになっちゃうんよね……
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最終更新(の予定だったもの)
ドリームトロフィーリーグという物がある。
トゥインクルシリーズを終えたウマ娘の次のステージ。
トゥインクルシリーズで結果を残したウマ娘はそちらに招待され、現役を続ける事が出来る。G1ウマ娘、或いはそれに並ぶ人気を持つウマ娘達の集まるドリームトロフィーリーグは一定の人気があり、しかしトゥインクルには及ばない。
無論、ファンだったウマ娘がいつまでも走ってくれるというのは嬉しい。嬉しいがしかし、それは全盛期からは程遠い。そして、衰えていくだけだ。
いつまでも好きなウマ娘を見たいという気持ちと、衰えていく様を見たくないという気持ち。それが後者に傾いたところで離れていく。
そして、それはウマ娘本人にとっても同じ。
走って、競って、勝った負けたを繰り返して。段々思い通りにいかない身体や伸びないどころか落ちていくタイムに失望していく。
結局の所、終わりへの準備をする為のレースなのだ。
だから、フォルティシームは断った。
世界最強としての義務だとか、トレーナーともっとずっと一緒に居るためだとか、ファンの期待だとか。受け入れる理由なんていくらでもあったのだけれど。
『生きる事は美しいが、生き過ぎる事は何よりも醜い』
惜しまれるうちに居なくなるのが丁度いいのさと、彼女はレースの世界から消え去った。
学園から出て、アドバイザーになるのも断り、僅かな友人以外には行先も教えず。ただレコードタイムと最強の称号だけが、彼女がそこに居た証明となった。
そんな彼女は今──
「かんぱ──い!」
二十歳の誕生日を迎えて、元トレーナーの家で酒を飲んでいた。
「乾杯。……もう、フォルティも大人かぁ。時間が経つのは早いねえ」
「いやーほんとに。この調子だと気づいたら死んでそうで怖いね」
今まではずっとトレーナーが飲んでいる姿を見るだけだったけれど、今日からは同じ物が飲める。好きな人と同じ味を楽しめる。
そんな思いでトレーナーがいつも飲んでいる日本酒を分けてもらって、噎せた。
「──!? え、辛! 日本酒ってこんな感じ!?」
気取った喋り方が崩れるぐらいには苦手な味。十年近く飲んでいなかったから忘れていたけど、そういえば酒ってこんなものだった。身体が違うから味覚……というか、好ましい味が変わっているというのもあるのかもしれない。
そんな様子を見てクスクスと笑うトレーナーは、拗ねるフォルティシームに、あらかじめ用意していた甘めのお酒を差し出した。
「初めてなんだから、弱めのにした方がいいよ」
「……貴女と同じ物が飲みたかったんだ。無理だったけれど……」
少しだけしゅんとしながらそんな事を言う彼女は愛らしくて、やっぱりまだまだ子供だなと思わせた。
幸い、3%や5%程度のチューハイや果実酒は口にあったようで──トレーナーからすれば酒というよりジュースだが──これは好きかもしれないと飲み進めている。
アルコールが回れば口の回りも良くなるようで、他愛の無い話を始め、近況報告へと移っていく。
「フォルティ、大学はどう? 楽しい?」
「うーん、なんと言うのかな……私には縁の無い場所だと思っていたから、未だに戸惑いがあるかもしれない。みんな気楽そうだしね」
レース生活を終えたフォルティシームが真っ先に取り掛かったのが、勉学だった。一般教養すら怪しい彼女ではあったのだけれど、やる気と教師と目標さえあれば案外世の中どうとでもなるようで。周りより僅かに歳上になりつつも、見事に大学進学を果たしていた。
「まあレースに比べたら気楽だろうし……少なくとも、勝ち負けとかがある世界じゃないから」
「うん。……ああ、あと、時々私の現役時代を知っている人が居てさ。接し方が少しばかり悩ましいかな?」
「それは……うん、有名税かなぁ」
「ファンはまだ良いんだけどね……世間知らずのウマ娘なんて簡単に口説けるだろうって人とか、相手をトロフィーだと思ってる人とかさ。嫌な人も多いね」
同年代の異性から隔絶されたトレセン学園で過ごしたウマ娘達を、くみしやすいと見て狙う人間は意外と多い。
『凄い人』と付き合えば自分も凄いと思われるだろうと思っている人間も。
容姿端麗で、有名人で、騙されやすくて経験が少ない。無論そんなウマ娘の為に学園としても卒業生へ注意喚起や教育を行ってはいるが……効果はあれど、皆無にはならない。
同じ女性として、そして好きあっている者同士として。面白く無い話ではある。
ただ、フォルティシームに限ってそんな男には引っかからないだろうという、そんな信頼もトレーナーは持っている。
「貴女はどうだい? 今の担当とは上手くやれてる?」
「うーん、まあ少なくとも、やる気は凄いよ。フォルティのせいで私を担当して欲しいって頼んでくる子多かったし。その中で勝ち残った子だからね」
「貴女は素敵な女性だから、あまり心配はしていなかったけど。……ああ、でも少し残念かな。上手くいってなければ貴女を慰めてあげられたのに」
「ふふっ、じゃあ困ったら頼らせてもらおうかな」
「……最近、あまり動揺してくれなくなったよね。昔はすぐに顔を赤く染めてくれたのに」
「いつまでもやられてばっかってのは、大人として恥ずかしいからね」
慣れてしまって可愛らしい反応が見れなくなった事を悲しむべきか、慣れるほどに長い時間を共に過ごせていると喜ぶべきか。フォルティシームは少しだけ判断に悩んで、面倒臭くなったから考えるのをやめた。
「じゃあ、大人らしく甘やかして欲しいな。具体的には膝を貸して欲しい」
アルコールで緩んだ顔で、年下の特権を存分に活用してふにゃりと甘える。トレーナーは、そんなおねだりにも慣れた様子でぽんぽんと膝を叩いた。
やった、と喜色満面でいそいそとトレーナーの膝へ頭を乗せる。いつも割と素直に感情を表現している尻尾はアルコールも加わって最早暴走している。
「柔らかいね。あと温かい。……貴女の体温は、とても心地良い」
顔をお腹の方へと向けて、埋める。呼吸をする度にお腹が膨らんだり凹んだりするのを感じて、ああ、生きているんだなぁ。なんて考えている。
温かさと、安心感と、それからお酒のせいで。フォルティシームは心地よい眠気に包まれ、ウトウトと瞼の重みを感じている。
「フォルティ、眠い?」
「ん……貴女と居ると、どうしても安心してしまって……母親とか姉とかって、こんな感じなのかな……」
「寝かせてあげたいところだけど、その前に渡したいものがあるんだよね」
「?」
「誕生日プレゼント」
首を傾げたフォルティシームに告げられたその言葉。先程までの眠たげな様子はどこへやら、目を輝かせて言葉の続きを期待している。頭は膝の上のままだが。
「貴女と一緒にお酒を飲めただけでも幸せな誕生日だったのだけれど。もっと私を幸せにしてくれるのかい?」
気に入ってくれるかは分からないけど。そう言って差し出されたのは──膝の上からフォルティシームの頭を落とさないように取るのに苦労していたのはご愛嬌──小さな箱。
「開けてもいいかい?」
「どうぞ」
開いたそこに入っていたのは。
「……ゆび、わ。…………こ、れは。その。その……そういう意味で、受け取ってしまうよ?」
中身を確認して、驚きから身体を起こす。正面から向き合って、震えた声で相手の想いを確かめる。
「フォルティが嫌なら、飲み会のときにでもつけて虫除けにしてよ。そういう機会も増えるだろうから。……ただ、もし。フォルティが受け入れてくれるなら。あなたの事を、私のものだって宣言させて欲しい」
重くてごめんね? と、不安なのだろう。目をやや伏せながらそんな事を言っていた。
そんな彼女を、フォルティシームは正面から抱き締める。
「言っただろう? 貴女は私のもので、私は貴女のものだって。今更、あの言葉を取り消すつもりはない。むしろ……」
次は、フォルティシームがトレーナーの想いを確かめる番。
「むしろ、貴女の方こそ私でいいのかい? ……私は、無駄に有名人になってしまったから、変に注目されるし、嫉妬深くて面倒くさいし。それに、貴女の子供を残してあげることも出来ない。きっと、他の人と一緒に居たほうが幸せになれると……思う」
それは紛れもない本音。フォルティシームはトレーナーの事を愛しているから。だからこそ自分なんかじゃない人のほうが彼女を幸せにできるのではないかと、常に悩んで、恐れている。
「それこそ、今更だよ。そういう事も全部ひっくるめて、私が好きなのは、私が愛してるのはフォルティだけ」
しっかりと抱き締め返しながら。愛を伝える。
「……もう、返せと言われても指輪は返さないし、離せと言われても貴女を離さないよ?」
「うん。私も、離したくない」
「……私の人生を、貴女にあげよう。だから──」
「──私の人生を、フォルティにあげる」
フォルティシームは、かつて恋を知らなかった。そんな事を考えていられる余裕なんて無かったし、好きになる価値の有る相手なんて見つけられなかった。
かつて愛を知らなかった。大半の人間が家族から与えられるものを受け取れなかったし、その後に受け取ったものはむしろ欲望と名付けられるものだった。
初めてトレーナーと会った時、一目惚れという言葉の意味を知った。
何気ない会話の楽しさを知って、夜別れる時の寂しさを知って。好かれようとする努力の楽しさと難しさを知って、他人への嫉妬を知った。
それが、世間が言う恋というものなのか。フォルティシームにはよく分からない。
けれど、傍に居たいと思っていて、特別な人になりたくて、ずっと一緒に居たいと思って、絶対に離したくないと思った。
その気持ちを。かつて一度も手に入れられなくて、特別な人が教えてくれたその気持ちを。
フォルティシームは、恋と名付けた。
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