二人の女神の憂鬱 (性別はヒデヨシ)
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入学式

小学校から中学校の義務教育期間は、長いようであっという間に過ぎてしまう。

だが、このあっという間の時間の中でどれだけ多くの人と出会い、そして高校に進学することで多くの友達と別れる事となる。

ただ違う学校に通う事になっただけと言えばそれまでだが、中にはその”たかが”で二度と会わない友達も居るというのだから世知辛いものである。

各由俺も、多くの友と別れ高校に進学し新しい出会いに向かっている最中ではあるが

 

「(試験の時も思ったがこの坂は本当に嫌になるな)」

 

今日から我が学びやとなる高校は坂の上に建っている。しかしその坂が異常に長く勾配がある。

これから3年間この坂を登るとなるとせっかくの入学式を前に鬱な気分になるというものだ。

 

校舎入口

 

長く続く坂道を歩き続けてようやく校舎にたどり着く

 

「おはよう、キョン」

 

中学校からの同級生゛国木田゛である

 

「うーす、国木田」

 

「今クラス分け見たけど僕とキョンは同じクラスみたいだよ」

 

「そうか、知ってる奴が居るのは助かるな」

 

入学早々はクラスメイトといえど初顔合わせが多い直ぐに仲良く出来るものでもない。知り合いが居るに越したことはないのだ。

 

「他にも何人か同じ中学の人が居たよ。」

 

「そうか、まぁ高校側もちゃんと考えてあるってことだろうな。」

 

同じ出身校のやつが居ればクラス内です孤立する人間は減らせる。高校側も色々考えてるのかもな

 

「だね。キョンが喜びそうな人もいたし、良い高校生活になりそうだね」

 

「俺が喜びそうなやつ?」

 

国木田の言葉に疑問を持ったが答えまでは教えてくれないようだ

 

「まぁ同じクラスなんだし直ぐに分かるよ」

 

それもそうかと、国木田とクラスに向かう事にした。

 

キョンのクラス

 

クラスに着くとまだ時間が早いせいか数人しか部屋には居ない

、皆俺同様に新しい学生生活に期待と不安で緊張しているようだ。

 

「席順は名前順だね」

 

「まぁコレにかんしてはどの学校も同じようなもんだ」

 

どの学校でも入学、進級の最初の席順は名前順と相場は決まっている

 

国木田「僕は、窓側の席の前から三番目、キョンは……同じ列の後ろから二番目だよ」

 

俺が見るより前に国木田が席順を見てくれた

 

「なんだ、クラス分けを見てくれていたり、席順を見てくれたりと今日はやけに親切じゃないか。」

 

いつも親切なやつだかここまでは無かったはずだ

 

「席順見たらさっき言ってた人が誰かバレるちゃうからね。」

 

どうやらクラス分けの表を見たときに話してた"俺が喜ぶ"人物について知られないようにしてるらしい

 

「どうせあと20分もすればクラスメイト全員と会うんだから変わらないと思うんだがな。」

 

「そうだけど、知らないで会う方が驚きがあるからね。」

 

「まぁ、いいがな」

 

ーそうこう言っている間に時間は過ぎ一人の少女がクラスに足を踏み入れた

 

「ふむ、私の席はここか、そして後ろの席は…おや?」

 

ー少女は自分の席と後ろの席を確認して微笑む

 

(彼の前の席か…クラス分けの表を見て同じクラスだからもしかしたらと思っていたけど実際になるとうれしいものね)

 

ー少女は、嬉しさを胸に席に向かい後ろの席の男に声をかける

 

「やぁ君が僕の真後ろさんかい?これから同じクラスの一員として宜しくたのむよ」

 

「え?」

 

聞き覚えのある声をかけられ振り向くとそこには

 

「さ…佐々木?」

 

「クックック」

 

中学時代の親友がいた




初投稿。
ハーメルンで色々な人の作品を読んでいますが皆一話一話が面白い上に長いどこからあんなに案が浮かんでくるんだろう

2014年7月2日(水)修正
失念していました。
名前順で席順決まるなら、佐々木はハルヒやキョンより前の席に居るはずでした。




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同級生(親友)

「さ…佐々木?」

 

「クックック」

 

中学時代の親友がいた。

 

「どうしたんだいキョン?そんなに驚いて」

 

「お前…何でこの高校に?」

 

「おや?キョンは僕なんかが同じ高校に入学するのが嫌だったかい?」

 

佐々木は、俺がそんな事を思うはずが無いことを重々知った上で言っている

 

「そんな事思うはずがないだろ。ただ、お前は私立の高校に行くって言ってただろ?」

 

そぅ、こいつは有名な私立の高校を受験するために塾通いをしていた。同じ塾に通っていたのにこれほど学力に差が出るものなのかと良く思ったものだ。

まぁ、勉強が出来ないから塾に通った俺と勉強がしたいから塾に通った佐々木とではそもそも頭の出来が違ったと言うのもあるが…

 

「確かに僕は、私立高校に行くって君に伝えていたね。…ただね…キョン、僕が行きたかった私立高校は進学校でね。」

 

「それが何か問題が有るのか?私立で進学校なんて別に珍しくもないと思うが?」

 

偏差値の違いあれど私立で進学校の高校なんてこの日本は沢山ある。佐々木の場合は県内有数の有名進学校だったが

 

「考えたんだ……ただ勉強だけし続けて友達と言えるような人も出来ずに過ごす学生生活は楽しいのかな?って。」

 

「友達が出来ないって………さすがにないだろ。」

 

佐々木は、人に嫌われるタイプではない。むしろ男女分け隔てなく好かれるタイプだ。そんな佐々木に友達が出来ないというのは考えにくい。

 

「確かに、表面上の友達は出来るだろう。しかしねキョン、進学校と言うのは回りは皆ライバルみたいな考えなんだ。いい成績を納めて、学内の学力の順位でその後の一生を左右される。僕は、そんな争いの中に身を投じて学生生活を過ごすのに疑問を感じたんだ。」

 

「それで、この高校にランクを落としてまで入学したと?」

 

「そう…。僕はね、キョン。別にいい大学を目指しているとかはそういうのは無いんだよ。」

 

「そうなのか?てっきり名門大学を志望してるから勉強を頑張っていると思っていたんたが?」

 

「たまたま勉強する事が少し楽しいと感じているだけだよ。もちろん、いい大学に行けば将来の仕事も良いところに就職出来る。だけど、そこでも進学校から就職したような人達は回りを昇進を争うライバルだと考えるだろうね。」

 

「なるほどな」

 

佐々木の話しを聞いていると俺はえらく納得した。高校、大学、そして職場、人生の大半を回りのライバルと争うという生き方。例え佐々木にそんなつもりが無くとも回りは勝手に佐々木をライバルとして見るということだ

 

「僕は、そんな人生が楽しいかどうかを考えていて思ったんだ。進学校に通うより普通校に通って友達と過ごす方が有意義な人生になるってね。」

 

佐々木はただの我が儘途かで無くしっかりと自分の道を考えた上での行動としてこの高校への新学を決めたと言うことだ。難しい考え方をしてる所もあるが

 

「まぁ、お前がしっかりと考えて選んだんだ。俺がとやかく言うことはない。…また三年間宜しくな佐々木。」

 

「此方こそよろしくたのむよ。」

 

「まぁ、俺がしっかりと三年間で終わるかは分からないがな。」

 

自分で言うのも悲しくなるが俺自身の学力は平均より低い下手すれば留年をする可能性だってあり得るのだ

 

「大丈夫だよ、キョン。危なくならないように時間が有るときに僕が勉強を見てあげるよ。」

 

俺の言葉を聞いた佐々木から嬉しい申し出が出てきた

 

「それは本気で助かるが良いのか?」

 

確かに勉強を見てもらえるのは嬉しいが佐々木に迷惑を掛ける訳にもいかない。

 

「クックック、心配には及ぶないよキョン。勉強と言うのは人に教えれるようになって初めて理解したと言えるんだ。つまり君に教えれるようになることがそのまま僕の為にもなるんだよ。」

 

「なるほどな。ならお言葉に甘えるとしよう。」

 

「二人とも劇的再開でイチャイチャしたくなるのも分かるけど、もうすぐ時間だよ。」

 

俺達の話が一段落付いたのを見て国木田が話に入ってきた。そういえばコイツ朝から俺にクラスメイト達の名前が見えないようにしてたな

 

「別にイチャイチャなんてしてないだろ、それとお前知ってたな。」

 

「やぁ、国木田。キョンが僕の入学を知らなかったのはやはり君の計らいかい?」

 

「おはよう、佐々木さん。キョンには知らせない方が驚きが大きいと思ってね。」

 

「確かに、驚いたが国木田は何時知ったんだ?」

 

「1週間位前かな?たまたま制服を買う時に同じ時間になってね。あの時は僕も驚いたよ、有名進学校に行ったはずの佐々木さんが同じ北高で制服見てるんだもん。」

 

「同じ中学の人と遇うと恥ずかしから、わざと人が少なそうな最後の日を選んだけどね。まさか国木田に会うとは思わなかったよ。」

 

「なるほどな、佐々木は何で俺に教えてくれなかったたんだ?」

 

別に気にしてる分けでは無いが国木田にばれた時点で俺に話が行く可能性が有るわけだ。なのに知らされてないと言うのは少し引っ掛かる。

 

「クックック。僕は君の驚く顔が見たかったんだよ。君が一番驚くと思ってたからね」

 

「あぁ…確かに驚いた。」

 

「僕も黙ってて良かったよ。」

 

ガラガラ

 

「おはよう、新入生諸君。」

 

ドアが空き担任らしき人物が教室に入って来た

 

「おや、先生が来たようだね。本当に楽しい時間は直ぐに過ぎてしまうね。アインシュタインの相対性理論とはこの事を言うのかな?」

 

相対性理論とかはよく分からないが、確かに楽しい楽しい時間は確かに直ぐに過ぎてしまう。

 

「クックック、名残惜しいが席に着こう。といっても君の目の前だけどね」

 

そういうと佐々木は俺の前の席に座る。といってもまだ顔を此方に向けているが

 

「今からこの三年間が始まるとなると少し緊張するね。」

 

「まぁ、どうせやるのは自己紹介位だろ。気軽にいけば良いさ。」

 

しかし、この時俺は知りもしなかった。平凡な俺の人生は今日から劇的に変わることを

 

 

「(たく、どいつも詰まらないわね。宇宙人位現れないかしら。)」

 

 

 

 




仕事の合間にスマホのアプリに書いてるのでなかなか書き溜めが出来ません。


さて、最後の登場人物の正体は?次回明らかに


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自己紹介

「おはよう新入生諸君」

 

生徒一同「おはよございます」

 

担任が教壇に立ち挨拶をして、それに返す一同。まぁどこでもこんなものか

 

「まずは、入学おめでとう。これから北高の生徒して頑張ってくれ。俺は担任の岡部だ。担当は体育でハンドボール部の顧問もしている。ハンドボールに興味があったら是非見学に来てくれ。」

 

担任の岡部先生はなかなか熱い人みたいだ

 

「さて、じゃあ俺の自己紹介の次は皆の自己紹介だ。簡単でいいからな。じゃあ窓際の席から頼む。」

 

「はい、西中出身……」

 

出身校と名前、そして趣味位の簡単な自己紹介をしている

 

「南東中から来ました朝倉涼子です。趣味は料理です。皆さん宜しくお願いします」

 

おぉ、誰が見ても美人って答えそうな顔立ちだな。

しかも、南東中っていえばこの辺りじゃ有名なお嬢様中学じゃないか。なんで北高なんかにいるんだ?

 

俺がそんなことを思ってると朝倉さんは席に座り次の人がまた自己紹介を始める。

着々と順番は進み佐々木の番が来たようだ

 

「北中出身の佐々木 …です。趣味は読書です。皆さん、これからよろしくお願いします。」

 

佐々木の自己紹介が終わり次は俺の番か

 

「北中出身の………です。趣味はこれと言ってないで何か面白い事が合ったら教えて下さい。これからよろしくお願いします。」

 

自分で言っててなんだが趣味が無いってのは自己紹介としてどうなんだろな、まぁ簡単な自己紹介なんてこんなもんか。

そう考えながら席に座り次の奴の自己紹介を聞こうとした。

たしか、次のやつは女だったな

 

ガタ

 

後ろのやつが立ち上がった。

顔と名前を覚えるため後ろを振り向く

 

「東中出身、涼宮ハルヒ。ただの人間に興味ありません。このクラスの中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしの所まで来なさい。以上。」

 

なんだこの女は?

宇宙人?未来人?異世界人、超能力者?急に何を言ってるんだ?

いや、別に宇宙人がいないなんて言わない。未来人が居ないとも言わない。異世界人や超能力者も同じだ。

ただ目立ちたいだけか?

それとも本気で言っているのか?

そう忙しく考えながら前を向くと佐々木と目があった、さすがに驚いたようでやや困ったような笑いを浮かべている。

 

ハルヒが座り回りがどう反応していいか分からない中、担任の岡部先生が

 

「独特な自己紹介だな。まぁこのクラスに宇宙人や未来人がいるか分からないが、普通の人の友達も作るようにな。では次の人頼む。」

 

「あっ…はい。えっと南中出身の…」

 

さすがに先生だけあってこういうことの受け流しは上手い。もしここで「ふざけるな」などの強めな言葉を言ったら生徒との間に溝が出来るし、涼宮さんも孤立する事になりかねん。

しかし、涼宮さんの次の挨拶はやりにくそうだ。席順が前で良かったぜ

 

自己紹介が次々と終わり最後の一人

 

「東中出身の………。これからよろしくお願いします。」

 

涼宮さんの後からは多少やりにくい感じはあっただろうがこれと言って変な自己紹介もなく無事に終了した。

 

「よし、まだお互いに知らない事だらけだろうかそれは一緒のクラスで生活していく内に分かるようになるだろう。改めてこれからよろしく頼む。あと、今日は授業もないからここで終わりだ。配布物がちゃんと揃っていることを確認してから帰ってれ。」

 

こうして我ら新入生の入学式は終了した。

 

配布物を確認して、帰る準備をしていると前の席に居る佐々木がこちらを振り向いて

 

「キョン、せっかくの高校生活一日目だ、一緒に帰らないかい?」

 

 

 

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自己紹介だけだから短い、、、
速くいろんなキャラ出したいね


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寄り道

配布物を確認して、帰る準備をしていると前の席に居る佐々木がこちらを振り向いて

 

「キョン、せっかくの高校生活一日目だ、一緒に帰らないかい?」

 

せっかくの佐々木からのお誘いだ、断る理由も無い

 

「あぁ、いいぜ。ただちょっと待ってくれ配布物を確認しないと。」

 

そういいながら急いで確認する

 

「佐々木はもう配布物の確認終わったのか?」

 

高校生活初日と言うことで、教科書やらプリント、生徒手帳などかなりの配布物が配られており、回りの生徒も忙しく配布物の確認をしている。

 

「自己紹介の時に少しずつ確認していたからね。こういうのは速い内にやっておくものだよ。」

 

「さすがだな。俺なんて、自己紹介の時は自分の自己紹介考えるのと、他の人自己紹介聞くので手一杯だったぞ。」

 

まぁ涼宮さんの強烈な自己紹介を聞いたせいでそれどころじゃなかったと言うのもあるが……

 

「まぁ、自己紹介を聞くための時間だからね。それが正解だよ。」

 

そういと、配布物確認のプリントを取りだし俺の配布物の確認を始めた。

 

「お!手伝ってくれるのか?」

 

佐々木「僕から一緒に帰ろうって誘ったからね。なら、相手が帰れるように協力するのは当然さ。」

 

「すまんな。助かる。」

 

「気にするなよ。僕が好きでやってるんだ。」

 

佐々木はそう言いながら微笑み、配布物の確認を始めた。その微笑みが可愛くて少し見とれた事は内緒だ。

 

二人で話しながら確認していくと思いの外速く終った。

 

「終ったね。こっちは足りないものはなかったよ。」

 

「こっちもだ。本当にありがとな。」

 

「いいさ。もう正午だし早く帰ろうか。」

 

今日は、入学式と自己紹介だけで昼には帰れる。まだ、クラスには何人か喋っている奴らも居るが大半は帰ったようだ。

 

「だな。良い時間だしついでに昼飯でも食べて行くか。」

 

「おや?高校生活初日から寄り道なんて君もなかなか悪い奴だね。クックックッ」

 

俺の提案に佐々木は喉を鳴らしながら答える。

 

「なんだ?嫌だったか?」

 

「いや、そんなことは無いよ。寧ろ喜ばしいイベントだ。」

 

「イベントってそんな大それたもんでもないだろ。」

 

確かに男子高校生にとって佐々木みたいな美人と飯に行けるのは一大イベントだ。

しかし、それは男にとってのイベントであって女子からすれば俺みたいな冴えない男とデートするような事になっても対した特は無い

 

「いやいやキョン、僕たちは今日から高校生になったんだ。中学時代じゃ寄り道はもとよりご飯を食べに行くのもなかなか無いからね。それに僕達は塾にも通ってたからねよりそんな時間はなかったよ。」

 

「そういえば、そうだな」

 

「だから、こういうイベントは新鮮で嬉しいのさ。」

 

確かにこいつと出会ってからは塾に試験と忙しくて休日に遊びに行くなんて事は無かったな。やや大人びてる言動が多い佐々木もやはり高校生だ、友達との遊んだりしたいのかもしれん。

 

「そうか、なら早速行くか」

 

こうして、俺たちは長い坂道を下り二人で歩き始めた。

 

「さて、じゃあ何を食うかだな、平日だしどの店でも入れると思うがあまり高いのは金銭的に辛いしな。」

 

「そうだね、この道を少し外れれば街中の通りだから基本的に何でも有るしね。」

 

そう言いながら街中へ足を進める

 

「まぁ、無難にファミレスで良いんじゃないか?財布にも優しいしメニューも多いからな。」

 

「うん、僕もそれで良いよ。じゃあ、あのファミレスにしようか。」

 

佐々木も俺の提案に賛成してくれたようだ。ちょうど近くにファミレスが合ったため二人でその店に入る

 

-ファミレス中-

カランカラーン

佐々木がドアを開けるとドアの上にぶら下がっている木の板が音を立てた

 

「いらっしゃいませー。お二人様ですか?」

 

「はい、禁煙席をお願いします。」

 

「かしこまりました。では此方へどうぞ。」

 

店員に案内され窓際の席に向かい合わせで座る。

 

「ご注文がお決まりましたら、そちらのスイッチを押してください。」

 

そう言うと店員はスタスタと歩いて行った

 

「初めて入る店だけどなかなか雰囲気が良いね。」 

 

「だな、結構レトロな感じだけど其が落ち着けるな。」

 

店内は映画に出てきそうなレトロな内装だ。ファミレスというよりは喫茶店に近い気がする。

 

「さてと、じゃあ何を食べるかねえ。メニューが多いのが一つのメリットでも有るが逆に何れにすれば良いかわからなくなるな。」

 

ご飯ものから麺、パン等色々有るこんだけ良く揃えたものだ。客としては嬉しいが何れにすれば良いか迷いもんだ。

 

「クックック。こういうものは一番最初にコレって思ったのにした方が良いよ。じゃないと決まらないからね。僕は、この春の香り漂う桜のパスタにしようかな。」

 

そう言うと佐々木は直ぐに食べたいものを決めた。確かにグダグタ迷っていても腹はふくれないな。

 

「なら、この桜ソバって奴にするかな。他に頼むのはないか?」

 

「あぁ、大丈夫だよ。」

 

「なら、店員を呼ぶか。」

 

ピンポーン

 

「はーーい」

 

俺がスイッチを押すと元気の良い声と共に店員がやってきた。

 

「ご注文お決まりになりましたか?」

 

「はい、私が春の香り漂う桜パスタ、彼が桜ソバでお願いします。」

 

「かしこまりました。それと…」

 

店員がおもむろにポケットから一枚のチラシを差し出す。

 

「「?」」

 

「今当店で春の男女限定イベントを行っておりまして、男女二人組で来店されている方に限り春のフルーツパフェが半額になっております。」

 

なるほど、要するにカップル向けのイベントって事か、まぁ俺には無縁なイベントかな

 

「なら、それもお願いします。」

 

「!!佐々木?」

 

「かしこまりました。では少々お待ちください。」

 

俺が驚いているうちに店員は行ってしまった。

 

「おぃ、佐々木どういうつもりだ?」

 

「クックック。良いじゃないか、面白そうだし。」

 

「しかしだなぁ」

 

俺が納得していないが佐々木は楽しそうだ。

 

「キョン、せっかくの高校生活1日目だ。こういうのも悪くないだろ?」

 

そう言いながら笑顔を向ける佐々木の顔は何時も見てる顔よりも数倍綺麗に見えた

 

「まぁ…そうだな。」

 

その笑顔を見せられては俺も折れるしかあるまい。

 

「クックッ、キョン顔が少し赤くなっているよ。」

 

「な?そんなことは無い。」

 

確かに佐々木の笑顔に見とれたのは事実だ、しかし赤くまでなっていたのか。

 

「クックック。君のそう言う反応が見れるなんてね。僕も存外捨てたもんじゃ無いね。」

 

佐々木はこう言っているが佐々木は十人が十人とも綺麗と言うであろう容姿をしている。中学の時も佐々木の事が好きだという男子が多く居たとも聞く。何人か告白した奴も居たが成功したって奴の話は聞かなかったな。

 

「お前は中学時代から結構モテてたと国木田から聞いたが?」

 

「クックック。確かに何人かから告白されたこともあったね。でもキョン、君も知っているだろ僕が恋愛についてどう考えているか。」

 

「確か、一種の精神病だとかに言ってたな。」

 

そぅ、佐々木いわく恋愛感情とは精神病の一種らしい。

 

「そぅ、見た目が好みだからという理由で良くも知らない人を好きになる。優しくされたから好きになる。助けられから好きになる。全部一時の感情で動かされているだけの精神病だよ。」

 

「なるほどな。しかし、その話だと長い付き合いのもと生まれる感情は精神病による恋愛感情ではないというかとか?」

 

「どうかな?所詮まだ16才だ。言うほど長い時間を共有した異性なんて居ないよ。」

 

「確かにな。」

 

「お待たせしました。春の香り漂う桜パスタと桜ソバです。フルーツパフェは食後にお持ちしますので此方が食べ終わりましたらまた及び下さい。」

 

「ありがとうございます。さぁキョンこの話はもうやめて食べようか。」

 

「だな。」

 

「「いただきます」」

 

言い終わると共に食べ始める。

桜ソバのピンク色の麺はほんのりと桜の香りするなかなかに旨い

 

「なかなかに美味しいね。」

 

「あぁ、ピンク色のソバってのが斬新だが旨いな。」

 

旨いと話も弾むものだ、中学時代の話が一旦落ち着けば高校の話題となる

 

「そう言えば、君の後ろの席の涼宮さんだっけ?なかなか面白い自己紹介だったね。」

 

「あぁ、宇宙人、未来人、超能力者だったか?」

 

「それと異世界人だね。インパクトは凄かったよ。」

 

「確かにな。しかし本気なのかね、居てもノコノコと出て来るわけないと思うが。」

 

「おや?君は宇宙人やその他もろもろの存在を信じているのかい?」

 

佐々木が興味深そうに聞いてくる

 

「いや、信じている訳じゃない。ただ居ないという証拠もないだろ?」

 

「なるほど、確かに居ないなんて証拠はない。宇宙人に関しては数々の目撃情報なんてのもあるんだし、居ないと断言するのも難しいのかも知れないね。」

 

「そう言うことだ。まぁいた方が面白いかもしれないな。」

 

「そうだね。」

 

そうこう話しているウチに二人とも食べ終わった。

 

「食べ終わったし、フルーツパフェを食べようか。」

 

ピンポーン

 

「はーい」

 

「フルーツパフェお持ちしてもよろしいですか?」

 

「お願いします。」

 

「かしこまりましたー」

 

店員がパフェを作りに向かった。

 

「そういえば、ソバとパフェってのも斬新だな。」

 

「和と洋だからね。まぁ気にするほどでもないよ」

 

「お待たせしました。フルーツパフェです。」 

 

さすがにパフェなだけあって早いな。

 

「こちらになります。」

 

キョン「?1人分にしては大きいな。」

 

「いえ、こちらはお二人分になります。」

 

佐々木「え?二人分?」 

 

「はい、スプーンはこちらになりますのでお願いします。」

 

「お、お願い?」

 

どうやら、佐々木はただ男女ペアでパフェが安くなるだけだと思っていたようだ。まぁ俺もそうだが。

そして一つのパフェ、2つのスプーン、店員のもつカメラこれから導き出せる答えは

 

「はい。二人であーんをして食べさせあっているところを写真に撮らせていただきます。」

 

「「えぇぇ!?」」

 

「ではお願いします。」

 

「「………」」

 

どうする?いくら何でも恥ずかし過ぎる。かといって出来ませんとも言えない空気だ。

 

「キ、キョン」

 

俺が頭の中でどうするか考えていると佐々木の声で現実に戻された。

 

「どうし…た?」

 

そこにはスプーンにパフェの生クリームをのっけてこちらに差し出す佐々木がいた

 

「ほ、ほらキョン、き、君も早くやってくれ。僕も、そ、その恥ずかしいから。」

 

どうよらさっさと済ませようと言う考えに至ったらしい。店員を見上げると物凄い笑顔で俺を見ている。

 

「そ、そうだな。」

 

二人に見られ俺も決心をつけた

スプーンを手に取り、一口位の大きさにパフェをすくあげると佐々木の方に差し出した。

 

「では撮りますねー。」

 

店員楽しそうだなぁ

 

「「あ、あーん」」

 

恥ずかしい気持ちを押さえながら二人で食べさせ合う。

 

カシャッ

 

店員「はい、有り難うございました。写真は後程レジにて渡しますのでごゆっくりお食べ下さい。」

 

そういうと現像するためかスタスタと言ってしまった。しかし、凄い笑顔だったな

 

「いやはや、まさかこんな事になるとは思わなかったよ。」

 

「全くだ。凄く恥ずかしかったな。人前では二度とやりたくたくないな」

 

「おや?人前ではって事は,人前じゃない二人きりの空間ならまたやっても良いと思って居るのかい?」

 

俺の言葉に佐々木は過敏に反応したようだ

 

キョン「い、いや。言葉のアヤだ。」

 

口では、こう言っているが佐々木のような美人に「あーん」なんて出来る事はまず無いからな。もしもう一度出来る機会があったら恥ずかしがりながらもやるかももしれんな。

 

「そうか…。まぁこれも高校生活の良い思い出になりそうだ。さぁ、せっかくのフルーツパフェが溶ける前に食べよう。美味しいよ。」

 

「そうだな。さっきは緊張と恥ずかしさで味を気にしてる暇がなかったが旨いな。」

 

こうして、俺と佐々木の長いようで短い昼飯が終わった。

 

「パフェ代は俺が出すよ。飯に誘ったのは俺だしな。」

 

「それは悪いよ。ここはパフェ代だけは折半にしようじゃないか。」

 

「いや、しかしだな」

 

佐々木「そんな、後ろめたく思う事はないよ。3年間君とは同じ学舎で過ごすんだ。はじめから奢って貰っては悪いと思ってるだけだよ。また、次の機会に奢ってくれよ」

 

「……ちゃっかりしてるな。まぁ高いものは止めてくれよ。」

 

「分かっているさ。」

 

「あ!お客さまー。」

 

レジにてお金を払い終わると先ほどの店員が現れた。

 

「こちら、先ほどのお写真になります。どうぞ。」

 

「あ、ありがとございます。」

 

「ど、どうも。」

 

「また、来てくださいね。」

 

「ふふ。えぇまた来ます。」

 

佐々木の言葉共に二人で店を出た

 

「ありがとーございました。」

 

残り少ない帰り道二人並んで帰っている。

 

「あの店、気に入ったのか?」

 

「うん、雰囲気も良いし。料理も美味しかったからね。」

 

「確かにうまかったな。」

 

「また、行こうか。」

 

「だな、何せ3年間も有るんだ、幾らでもいく機会はあるからな。」

 

そうこう話している間に分かれ道になる。

 

「キョン、今日は楽しかったよ。ありがとう。」

 

「なーに。俺も楽しかったし、お礼を言われるほどでも無いよ。」

 

「クックック。君と凄す高校生活はとても面白いものになりそうだ。改めてよろしくキョン。」

 

「あぁ。こちらこそよろしくな佐々木。」

 

「じゃあ、僕はこっちだから。また、月曜日にねキョン。」

 

「おぅ。またな。」

 

こうして、別れそれぞれの家に向かっていった。

 

佐々木宅 夜

 

佐々木はベッドの上で今日の出来事を思い返していた。

 

「キョン、君に話した事には一つの嘘がある。」

 

佐々木は、心の中でキョンの顔を浮かべながら呟く。

 

「長い時間を共有した異性、間違いなくそれはキョン…君だよ。中学3年からの一年間だけどそれでも他の男子何かとは比べ物にならないほどの時間を君とは共有してきた。」

 

塾で、クラスで、修学旅行で、多くの記憶を思いだす。

 

佐々木「キョン、君は長い付き合いのもと生まれる恋愛感情は精神病じゃないのかと聞いたね。答えはまだ分からない。この感情が恋なのかどうかも分からない。でもこう考えてしまうこと事態が既に恋愛感情と言う精神病なのかも知れないね。」

 

今日撮ったフルーツパフェを食べさせ合う写真。写真立てに入れ机の上に飾っている。

 

「この気持ちが本物かどうなのか。直ぐに答えが出るか分からないけど、時間はたくさんあるんだしじっくりと見極めていこう。」

 

そう言いながらベッドから立ち上がり、写真立てを手に持つ

 

「とりあえず、おやすみキョン。」

 

 

 

 




なんとか間に合った

個人的な考察では佐々木は、中学の時からキョンを意識してるよね


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友達

俺たちが入学して2日目いよいよ授業が始まる。まぁ、授業と言っても始めだから中学の復習が多い。

さすがに三年生からだったとはいえ塾に通っていたからさすがにこのくらいはなんとか理解出来る。

 

「キョン、授業の内容はきちんと理解しているかい?」

 

「まぁ、この辺りは中学の復習だからな。まだなんとかなってる。」

 

「中学の授業がそれほど重要と言うことだよ。中学の授業をしっかり理解出きれば高校の授業にもしっかり着いていけるよ。」

 

「なるほどな、結局小学校や中学の基本が大事って訳か。」

 

勉強は基本的に基礎の応用だ。特に数学なんて、結局は足算、引算、掛け算、割り算の4つ分かれば後は公式に当てはめるだけだ。

まぁ結局は公式を覚える必要があるが

 

「そう言う事だね。さて、次の授業が終わればお昼だし。もうひと頑張りといこう。」

 

「だな。」

 

話が終わると次の授業の教師が入って来た。

教師の自己紹介とちょっとした確認テストという内容なのでまぁ楽な授業だった。

 

授業が終わりに近づくと昼休みについて考え始める。この昼休みの時間というのは長い学校生活において癒しの時間になる。飯を食べ友人と話し、遊ぶ。

しかし、入学仕立ての俺たちに取ってはかなり大事な時間となる。出会ったばかりの俺たちに取って友人を作る時間になるのだ。もちろん、佐々木や国木田、他にも北中だったやつらが居るから一人ぼっちというわけではない。ただ、ここで仲良くなった奴とはこの3年間ずっと付き合う毎になるだろう。そうすると、まず誰に話しかけるかだ。

ちょうど、前からプリントが回された為ついでにクラスの人間を改めて見る。

それぞれ、最初の授業と言うことで真面目に授業に取り組んでいる。

 

(まぁ、最初の授業で寝てるやつなんか居るわけないか。)

 

俺はそう思いながらプリントを後ろの人に回した。

だが、俺はその時目を疑った。

 

「Zzz ……Zzz …」

 

寝ている

 

まさか、最初の授業から堂々と寝てるとはな。あの自己紹介で変わってるとは思ってたがまさかここまでとわね。

しょうがない、プリントは後で渡すか。

 

そして、プリントの内容を先生が話し終えると授業終了のチャイムが鳴った。

 

ガバッ

 

涼宮さんは、チャイムが鳴ったのと同時に起きたようだ。

 

「あぁ、涼宮さんこれ今の授業で分けられたプリント。」

 

「そぅ、ありがとう。」

 

涼宮さんは、一言言ってプリントを受けとると直ぐに机にしまった。ふと自己紹介の事を思い出す。

 

「何よ?」

 

「いや、あの自己紹介は本気なのかと思ってね。」

 

ふと涼宮さんに訪ねてみる。

 

「なに?あんた宇宙人なの?」

 

疑問に疑問で返すのかよ、聞いてるのはこっちなんだが。

 

「いや、正真正銘の地球人の一般人さ。」

 

「そ、じゃあ興味ないわ。」

 

そう言うと立ち上がり教室から出ていってしまった。唖然としながら涼宮さんが出ていった入口をみていると

 

「なんだ?お前涼宮に興味あるのか?だったら止めといた方がいいぜ」

 

突然話しかてくる人物がいた。

 

「お前……確か谷口君だっけか?」

 

「おぉ、ちゃんと名前覚えてくれてるのか、嬉しいぜ。あと君付けなんていらないから気楽にいこうぜ。」

 

まぁ、自己紹介の時にクラスメイトの名前は代替覚えた。

 

「そうか、じゃあよろしくな谷口。俺は………だ。基本的にはキョンって呼ばれてる。」

 

「よろしくな!キョン。昼飯一緒に食わない?」

 

どうやら結構付き合いやすい奴みたいだ。谷口と昼飯を食べながら雑談をしているとふとさっきの言葉が浮かんだ。

 

「そういえば、さっきのはどういう意味なんだ?涼宮さんは止めといた方が良いってやつ。」

 

たしか谷口は涼宮さんと同じ東中だ。涼宮さんの事を知ってるらしいし聞いてみることにした。

 

「あぁ、俺も涼宮と同じ東中の出身なんだかな。中学時代の涼宮を知ってるからの意見だ。」

 

「どんな中学生だったんだ?」

 

「ん~、一言で言えば変わりもんだな。まぁ、それは自己紹介時に分かってるよな。」

 

「あぁ。」

 

未来人、宇宙人、超能力者、異次人だもんな。そりゃ変わり者だろうよ

 

「それと、あいつ顔は凄い可愛いだろ、それで中学の時に良く告白されてたんだ。」

 

「モテるんだな。」

 

確かに可愛い顔だ。

誰に聞いても可愛いと答えるだろう

 

「あぁ、モテモテだったな。だから、男をとっかえひっかえで付き合ってた」

 

「……それは凄いな」

 

それはそれで凄いな。そういう軽率なタイプには見えないが…

 

「あ~、一応言っておくが別に男好きって訳じゃぁない。暇潰しの一種みたいなもんらしい。現に最長で一週間、最短で5分だ。」

 

「5分ってのは付き合ったに入るのかね?」

 

「さぁ?気の持ち用じゃないか?」

 

「なるほどね。」

 

「おっと、昼休みももう終わりか。席に戻るぜ。」

 

「おぅ。これからよろしくな。」

 

「こちらこそ、よろしく。」

 

谷口か、こんど国木田にも紹介しよう。仲良くなれそうだ。




久しぶりの投稿
今回はヒロインじゃなく友達の谷口が主になった。
あんな悪友もいいよね


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昼食

谷口という友人も出来、俺の高校生活は順調な滑り出しをしている。

たが、その中に1つ気になる事が有る。俺の後ろの席にいる涼宮さんの存在だ。

いや、別に恋愛的な興味ではない。単純に気になるってだけだ。

 

昼休み

国木田に谷口を紹介し三人で昼飯を食べる事になった、谷口と国木田はすぐに打ち解け昼飯を一緒に食べる事になる。こういう何気ない日常がいいと思えるのは果たして普通なのか、それとも単にじじくさいだけなのか。

 

「そういえばキョンは、好きな人とか居ねぇの?」

 

谷口が急に質問をしてきた

 

「?、なんの話だ?」

 

「だから~、好きな人はいねぇのって話よ。高校生なんだから一人や二人いても可笑しくないだろ」

 

「あ!それ僕も気になるなぁ。キョンの好きな人」

 

までもがそんな質問をしてきた

 

「好きな人ねぇ、特にいないなぁ」

 

これと言って恋愛感情を持つような人物は今は居ない、我ながら高校生としてどうなんだとも思うが居ないものは仕方がない。

 

「何だよ、俺はてっきり涼宮の事が好きなんだと思ってたが」

 

「あれ?僕は佐々木さんだと思ってたよ」

 

「なんで、その二人が出てくるんだ?」

 

幸い佐々木も涼宮さんも他の場所で昼飯を食べているためこの話を聞かれていない。しかしこんな話を聞かれたらどう思われるかわからん。

 

「だってお前、涼宮に興味ありげだったじゃん。」

 

「あんな自己紹介さらたら気にはなるだろ。」

 

「まぁ、確かにね。」

 

「国木田は?なんで佐々木の名を出したんだ?」

 

「なんでって中学の時からあんなに仲良しなんだから好き合ってるって思うでしょ。普通に考えて。」

 

確かに、中学三年になって塾に通いはじめてからは学校でも塾でも一緒にいたな。端から見れば恋人どうしなんだと思うやつもいるかもしれん。

 

「なんだと、キョンはあんな美人と中学の時から仲良かったのか?」

 

「仲が良いなんてもんじゃないよ。塾の帰りはキョンが佐々木さんを乗っけて二人乗りで帰ってたんだよ。」

 

「待て、国木田。なんでお前がそれを知ってる?」

 

確かに塾の帰りは俺が佐々木を乗せて送っていた。だが俺は誰にも言ってないはずだ。

 

「同じ塾に通ってた奴が言ってたよ。キョンが佐々木さんとイチャつきながら帰ってるって。あと、多分知らないと思ってるのキョンくらいだよ。学年中で噂になってたし。」

 

「マジか………。」

 

「まぁ、あんな美人とイチャイチャしてれば嫌でも噂になるわな。」

 

知らなかった。俺と佐々木がそんな風に噂されてたなんて。

俺は良くても佐々木には迷惑だったろう……ん?待てよ

 

「国木田、さっき俺くらいって言ってたが佐々木もその噂知ってたのか?」

 

俺は知らなかったからずっと同じように接していたが、佐々木がもしその噂を聞いたら多少なりと接し方が変わる気がするんたが……

 

「もちろん知ってたよ。何人か女子に聞かれてたし。でも皆が思ってるような間柄じゃないって言ってたみたいだよ。特に噂を気にしてる様子も無かったし」

 

「そうか。」

 

確かに皆が思ってるような間柄じゃ無いからな。特に気にしてなかったのかもな

 

「まぁ、途中から試験勉強だ、面接練習だで忙しくなって人の噂に構ってる暇も無くなっていったからね。卒業式近くなったら誰も噂しなくなったよ。」

 

「なら良いがなぁ。」

 

喋りながら時刻を見るともうすぐ昼休みも終わろうとしている。

 

「やば、もうすぐ昼休み終わりか。急いで食わないと。」

 

ガツガツと飯を食う谷口の横で俺と国木田も残りの飯を食う。

 

「話変わるけど、もうすぐ部活とかの勧誘が始まるね。」

 

「部活かぁ、特に入りたいのも無いんだかな。」

 

「俺は、スポーツ系にするかな、女子にモテるかも知れないし。」

 

「そういう、動機の人は多分活躍出来ないからモテないと思うよ。」

 

「だろうな。」

 

「オメーらなぁ、人の夢を壊すなよ。」

 

こんな話をしてるうちに昼休みは終わってしまった。

 

 

 

 

 

 




久しぶりの投稿です
いやー、また佐々木とハルヒそのほかのヒロイン達の出番が無かった。

この次には佐々木もハルヒも出る予定なので時間があったら読んでください


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見学

久しぶりの投稿です


放課後教室

部活の勧誘が始まり、先輩方の下級生を誘う声がいきかっている。

まだ、高校の生活に慣れきれていない下級生は誘われるがままに先輩の後をアヒルの子どもの用に着いていく。

そんな同級生の姿を日直の仕事を片付けつつを教室から眺めていると不意に後ろから声がかかる。

 

佐々木「キョン、一緒に部活見学にいかないかい?」

 

突然の声に少し動揺しながらも俺は振り返る

 

キョン「佐々木か、別に構わんが男の俺で良いのか?」

 

普通こういうものは同性同士で行くような気がするが

 

佐々木「別に構わないさ。むしろ変に気を使わない分楽だよ」

 

キョン「そうか、なら行くか」

 

そう言うと二人で部活見学に向かう。

 

キョン「さっき気を使わないから楽とか言ってたが他のやつらには気を使うのか?」

 

いつもは女子陣の中にいるし、少なくとも俺といるよりはいやすいと思うが………

 

佐々木「同じ女子でもまだ会って1ヶ月も経ってないからね。お互いに気を使いあうのさ。」

 

キョン「なるほどな。」

 

確かに高校に入ってからまだ1ヶ月も経ってない。俺の場合最初仲良くなったのが谷口だったからあまり感じなかったが、他の人だとまだ違うのかも知れないな。

 

佐々木「そう意味では高校からの付き合いの有る君の方が気を使わなくていいんだよ。」

 

キョン「ん?だが、坂中とかも同じグループにいなかったか?」

 

あいつは同じ北中出身で仲もいいはずだ。

 

佐々木「坂中さんは、運動部に入るみたいでね。僕はどっちかと言うと文化部派だから。」

 

キョン「あぁ、なるほど。」

 

そういえば、坂中は中学でもバレー部だったな。

 

佐々木「色々言ってるけど、君こそ女子の僕と一緒に見学で良いのかい?国木田や谷口君でなく。」

 

キョン「国木田は、谷口の希望で運動部見学に付き合ってる。一人で見学するのは恥ずかしいらしい。俺も誘われたが日直の仕事があってね。」

 

佐々木「なるほどね。」

 

こうして俺ら二人でたわいもない話をしながら、文化部の見学していった。一言に文化部と言っても数が多いから見学だけでも大変になる。

 

キョン「コンピューター部、茶道部、手芸部、軽音部、料理部、どれも力の入った紹介だったな。」

 

佐々木「部活も人数が減れば大変になるし、最悪廃部何てことにもなりかねないからね。新入生の勧誘はどこも力を入れるよ。」

 

キョン「ここまでで何か心引かれる部はあったか?」

 

佐々木「残念ながら。君は?」

 

キョン「俺も特に無いな。部活事態はどれも楽しそうなんだがな。」

 

確かどの部活も楽しそうなんだがあの中で自分がやっていけるかと言うと微妙だ。

 

佐々木「クックッ、確かにどの部活の先輩達も楽しそうだったね。

文化部は趣味の延長が多いから自分の好きな事を出来るからかな。」

 

キョン「かもな。さて、残りは2つだけどどっちからいく?」

 

乗ってる文化部は書道部と文芸部だな。

 

佐々木「なら、ここから近い書道部に行こうか。」

 

こうして、残り2つの部活見学を目指して俺と佐々木は歩き始めた

 

 

書道部

???「なかなか新入生来ませんねぇ。」

 

???「あははは、心配ないよ。そのうちひょっこり現れるっさ。」

 




段々と主要キャラが出てきますよ


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見学2【書道部】

久しぶりの投稿です


校内

佐々木と共に部活動見学をしているのだが残らる部活もあと二つだ。

今まで見てきた部活はどれも楽しそうでは有るが入りたいと思うものはなかったのだが、はてして残りの二つはどうなのだろう。

 

「佐々木よ、書道部は何階なんだ?」

 

「2階だよ。文芸部も2階だから丁度良いね。」

 

「ん?コンピューター部も2階だったよな。あのときに一緒に見学すれば良かったんじゃないか?」

 

全部見るなら同じ階の部活はその階にいた時の方が楽だと思うが…。

 

「場所の問題だよキョン。」

 

「場所?」

 

「そうだよ。この高校は西と東で別れているからね。僕たちの教室と今まで見た部活は西、残りの書道部と文芸部は東にあるんだよ。」

 

「なるほどな、それで最後にしたのか。」

 

佐々木らしい効率的なやり方だ、俺ならとりあえず見たいのからって感じになってだろうな。

 

「そう言うことだよ。ほらあそこの教室が書道部の活動場所だよ。」

 

教室の前には大きく「書道部」と書かれた看板があった。

荒々しく書かれているように見えるがしっかりと書かれた字だと素人目にも分かる。

 

「凄いね、この看板。顧問の人が書いたのかな?」

 

佐々木もこの看板の文字には注目したようだ。

見るものの心を掴む何かが確かにこの字にはある。

 

「多分な。学生で掛ける人は少ないんじゃないかな?」

 

「クックッ、以外にその少ない学生がいるのかもそれないよ。」

 

「かもな。とりあえず見学させて貰おうぜ。」

 

「だね。」

 

佐々木がそう言いながらドアに手を掛けようとすると

 

ガラ

 

勢いよくドアがあいた。

 

「やっほー、君達新入生かい?」

 

いきなり元気いっぱいの声が飛んできた。

 

「え?あ、はい。」

 

「そいつは、めがっさおめでとうー。ここに来たってことは部活動の見学だよね?さっさ、入った入ったー。」

 

ぐいっと佐々木の手を掴み教室の中へ入っていく、俺はそんな様子をただポカンと見ているしかなかった。

 

「君も部活動見学なんでしょ?早くはいりなよ。」

 

「あ、はい。お邪魔します。」

 

先輩と佐々木を追うように部屋の中に入っていくと中には何人かの生徒が半紙に思い思いの書を書いていた。その中の一人がこちらに気付き近づいて来た。

 

「あっ、鶴屋さーん。見学の方ですか?」

 

…………天使か?

 

俺は頭の中で一人呟いた。

顔つきは幼さが残るような可愛らしい顔だが、それ以上に胸の膨らみに眼が行ってしまう。

 

「おぉ、みくる。どうだい、待ってたらそのうち見学者が来るって言ってただろ。」

 

この元気一杯の先輩は鶴屋さんと言うらしい。

 

「始めまして、朝比奈みくるです。」

 

この天使は朝比奈さんと言うらしい。

 

「どうも、佐々木です。そしてこっちは…………です。キョンって呼んであげて下さい。」

 

「おい、佐々木。」

 

まさか、他人に自己紹介だけでなくあだ名まで言われるとは

 

「佐々木さんにキョン君ですね。よろしくお願いします。」

 

「よ、よろしくお願いします。」

 

「よーし、佐々木さんにキョン君。早速部活紹介をするよ。うちら書道部は部員10名で活動してるよ。活動内容としては書道部らしく字を書いてて、この学校の文化祭とかの垂れ幕や看板造りも頼まれて作成しるよ。」

 

「部長が鶴屋さん。私が一応副部長をしてます。顧問は、教頭先生がやってくれています。」

 

(書道部って中学の頃だと帰宅部ってイメージあったけどこの部活はしっかり活動してるんだな。)

 

「外にあった看板は顧問の方が書いたんですか?」

 

あの看板の字を書いた人は佐々木も気になるらしくふと質問した。

 

「あれは鶴屋さんが書いたんですよ。」

 

「「え!?」」

 

鶴屋さんが書いたのかあのすごい字を。

 

「てっきり顧問の方が書いたものだと思ってました。」

 

「いやー照れるにょろ。」

 

にょろ?先程のめがっさといい独特なしゃべり方をする人だな。

 

「それでどうだい?書道部は?」

 

「大変興味深かったです。」

 

「そう言って貰えると嬉しいです。」

 

「もし、入りたくなったら何時でも来てね。うちは兼部も大丈夫だから。」

 

「兼部?」

 

「うん、ただ一年中書を書いてるだけだと行き詰まるからね。やりたい人は他の部と兼部でも良いってなってるんだよ。ただ、運動系の部活は兼部OKな所が少ないから何でも良いって分けでもないんだけどね。」

 

なるほど、双方の部で兼部がOKな事が条件なのか

 

「逆に文化部は兼部でも大丈夫な所が多いからもし良かったら考えてみてくださいね。」

 

「分かりました。今回はお時間頂いてありがとうございました。」

 

「良いってことさ。私も結構楽しかったし。ねぇみくる?」

 

「はい。此方こそ見学に来てくれてありがとうございました。」

 

「では、私たちはこれで。」

 

こうして、俺たちは書道部を後にした。

 

「いい先輩達だったね。」

 

「あぁ、そうだな。」

 

元気一杯の鶴屋さん、天使のような可愛さの朝比奈さん。どちらも本当に可愛くて優しそうな先輩だった。

そして、朝比奈さんの胸は本当にすごかった。

 

「………キョンは、朝比奈先輩の胸に大変興味を持っていたみたいだったね。」

 

「な!?何を言ってる佐々木!?」

 

いきなり心を読まれたかのような佐々木の発言に同様が隠せない。

そんな、ジト目で見ないで下さい。

 

「隠さなくても、分かるよ。ほら最後の部活を見に行くよ。」

 

そう言うと佐々木は足早に文芸部の部室に向かっていった。

 

「お、おい、待てよ佐々木。なんでちょっと怒りぎみなんだよ。」

 

俺も置いていかれないように佐々木の後を追う。

 

(キョンのバカ、私だって成長途中なんだから。)

 

佐々木の考えが分からぬまま俺たちは文芸部を目指し足早に歩いていった。




かなり遅れました。
もし、待ってくれてた人がいたら本当にすみません。
今年は投稿頻度あげたいです。


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見学3【文芸部】

遅れてすみません


見学3【文芸部】

 

校内

書道部の見学を終えいよいよ最後の部活見学に向かう俺と佐々木。

先程の書道部は先輩二人の印象がとても強く残る。

太陽のように明るい鶴屋先輩。

そして天使のような朝比奈先輩。

特に朝比奈先輩はあの幼顔が残る顔とあの胸が......

 

「ン....キョン....キョン!!」

 

「うおっっ」

 

佐々木の声でとたんに我に帰った

 

「ど、どうした?佐々木」

 

「どうしたじゃないよキョン。さっきから隣で呼んでるのに何も反応しないじゃないか。」

 

どうやら、佐々木の声も聞こえないほど自分の考えにひたっていたらしい。

 

「す、すまん」

 

「全く、大方朝比奈先輩のことでも考えていたんだろ。」

 

エスパーかこいつ

 

「そ、そんな事はないぞ。次の文芸部について考えていただけだ。」

 

「本当かな?どうも、鼻の下が伸びていたような気がするけど。」

 

どうやら、顔にも出ていたらしい

 

「ま、まぁ、良いじゃないか。時間もないし早く文芸部に行こうぜ、佐々木。」

 

「...まぁ...時間がないのは確かだから、さっさと向かうとしよう。」

 

話ながらも歩いて行くとすぐに文芸部に着いた。

 

「ここが、文芸部だね。ただ、他の部活と違って活発な新入生勧誘らしてないみたいだね。」

 

確かに、先ほどの書道部の看板などもそうだがどの部活も新入生勧誘にかなり積極的だった。しかしこの文芸部は特に勧誘にをしてないようだ。

 

「他のところと違って活動内容が分かるものがないな。」

 

「とにかく入ってみよう。」

 

そういうと佐々木は文芸部のドアをおもむろに開けた。中はあまり広くなく真ん中に机と椅子。その回りに本棚があるくらいだ。

 

「誰もいないのか?」

 

「そのようだね。」

 

「今日は部活自体が休みなのかもな。」

 

「いや、部活の一覧には基本的に毎日活動していると書いてあったよ。」

 

ガラッ

「.....文芸部になにか用?」

 

二人で話しているとドアが空き一人の女性が入ってきた。

 

「あ、その勝手に入ってすみません。部活動見学にきた者です。」

 

「そう.....」

 

そう答えると机に座り一人本を読み始める。背は佐々木よりも一回り小さく、整った顔をしている。先ほどの先輩二人とは違いクールなイメージの顔をしているが間違いなく美少女と呼ばれる顔だろう

 

「あの?文芸部の方ですよね?」

 

「そう」

 

「他の部員の方々は?」

 

「いない」

 

佐々木の質問に淡々と答えていくあまり興味がないのか、それともこれが地なのかはわからないが表情に変化がみられないのが不思議な感じだ。

 

「いないということは部員は貴方一人という事ですか?」

 

「そう、去年の卒業生で部員が0人になって廃部になりそうだから私が入った。あと私も一年だから敬語じゃなくて良い。」

 

どうやらこの子は同級生のようだ

 

「そう、なら普通にしゃべらせて貰うわ。えっと.....」

 

「長門有希」

 

「そう、長門さんね。私は佐々木...よ。同じ一年と言うことでよろしくね。」

 

「えぇ」ジィ

 

長門さんは佐々木との挨拶を終えるとおれの顔をジッと見つめていた

 

「あ、俺は........だ。よろしくな長門さん」

 

「長門で良い。」

 

「そうか、よろしくな、長門」

 

「よろしく」

 

(やはり、こうみるとすごく可愛いな。クールビューティーとだろか)

 

「長門さん、早速だけど部活の内容を教えてくれないかしら?」

 

「現在、決まった活動はない。私は本を読むか宿題をして帰ってる。」

 

「なら、基本的は何をしても自由ということか。」

 

「そうなる。」

 

「顧問の先生は?」

 

ながら「一応いる。しかし、形式上のものでここに来る事はまずない。」

 

まぁ、廃部予定の部活だっただろしそれも当然といえば当然か

 

「なるほど、ちなみに兼部とかはどうなの?」

 

「特に、規定はない。」

 

「そう、わかったわ。ありがとう。キョンは何か質問はあるかい?」

 

「いや、特には。」

 

「なら、今日はもう時間だし帰ろうか。それじゃ長門さんまた。」 

 

「さようなら。」

 

こうして俺たちは文芸部を後にした。

 

下校中

 

「ぐるっと回ってみたがどうだった?佐々木の目にかなう部活はあったか?」

 

「二つほどね。君はどうなんだい?」

 

「俺も二つほどだな。」

 

「クックックッ、まぁ部活見学の日にちはまだあるしゆっくり決めようじゃないか。」

 

「そうだな。」

 

「じゃあキョンまた、明日。」

 

「おぅ。」

 

こうして二人はそれぞれの家に帰って行った。

 




言い回しがおかしかったりしたらコメントよろしくお願いします。

※長門の口調を少し直しました。


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部活決め

部活見学を終えた俺達二人だが、最終的な決定をまだしていなかった。

 

「やぁ、キョン。部活何にするか決まったかい?」

 

「いや、まだだ。お前は?」

 

「僕もまだだよ」

 

「一応この前言った通り候補は二つ有るんだがな。」

 

「書道部と文芸部かい?」

 

佐々木は俺が迷っていた二つの部活をピタリと当てた

 

「よくわかったな。」

 

「クックック、僕もその二つで迷っていたからね。キョンもそうだろうと思ったんだよ。」

 

どうやら佐々木も俺と同じ二つの部活で悩んでいたようだ。

 

「さて、そんな僕たちに朗報がある。」

 

「朗報?」

 

「文芸部も書道部も両方とも兼部O.K. と言うことさ。」

 

あぁ、確かに書道部の鶴屋さんも文芸部の長門も兼部に関しては大丈夫みたいな話をしてたな。

ん?という事は…

 

「まさか佐々木、二つの部活に入るってのか?」

 

「そういうことだよ。調べると書道部は毎日活動してるけど兼部O.K. と言うこともあって自由な時間が多いらしいし、文芸部は長門さんと言う通り主な活動は特にないらしいんだ。」

 

「なるほどな。二つとも自由な時間が多いならいけるかもな。」

 

「だろ、ただ悩んでいても解決しないだろうしいっそ兼部で二つの部活に入るのも悪くないと思うよ。」

 

中学時代は帰宅部だったから思い付かなかったな。まぁ、佐々木と一緒なら飽きることはないだろう。

 

「なら、そうしてみるか。」

 

「クックック、君ならそう言ってくれると思っていたよ。なら今日の放課後共に入部届けを出しに行こうじゃないか。」

 

「そうだな。(二つ共入るってことはコレからは毎週長門や鶴屋さん、朝比奈さんに会えるってことか…心が弾むね)」

 

「キョン、やけにニヤケているけど?」

 

「い、いや何でもない」 

 

俺の考えを察してか佐々木がジト眼で見てくる。正直怖い

 

佐々木「書道部の先輩達や、文芸部の長門さんと美人、美女揃いでニヤケるのもいいが僕との約束を忘れないでくれよ。」

 

「約束?」

 

はて?遊ぶ約束はしてない筈だが…

 

「君の勉強見るって話をしただろ。」

 

「あぁ、そうだったな。」

 

ヤバイ、頭から飛んでた。

 

「ふーん、僕との約束は君にとってその程度なんだね。」

 

「い、いや、そんな事は断じてないぞ。」

 

「ふんだ、良いよ。どうせ僕との約束なんて忘れるていどなんだ。」

 

大分機嫌を損ねてしまったな。

 

「俺が悪かった、佐々木。機嫌治してくれ。」

 

佐々木「……ふん」

 

「俺に出来る事ならやるから許してくれ。」

 

「なんでも?」

 

「なんでもって言われると難しいが出来る事はやる」

 

我ながら情けないが男にはやらなければならないときもある。

 

「なら、前に行ったファミレスで奢って貰おうかな。」

 

どうやら、この前二人でパフェを食べたファミレスの事のようだ。

 

「分かった。それでいいなら奢るぞ。」

 

「まぁ、僕も少し意地悪だったしそれでこの話はよしとしよう。」

 

「あぁ、恩にきるよ。」

 

「その代わり次こんな事があったら許さないからね。」

 

「肝に命じておくよ。」

 

「なら、入部届けを書こうか。」

 

こうして俺達二人は部活を決め二人で部活の書類を書いた。

 

 

 

その時

廊下

「ふん、どれもこれもつまらない部活ばっかりだわ。」

 

一人の少女が期限悪そうに廊下を歩いていた。

 

 

 

 

 

 




どうも久しぶりです。

もう忘れてる人もいるかも知れませんが最新話投稿させていただきました。
次回はいよいよあの娘と本格的に絡んでく展開です


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