【朗報?】ギャルゲーの世界に転生した【いいえ、悲報】 (空々からら)
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1章 銀色と思いの靄
ワイ、ギャルゲーの親友的ポジのモブだった話


1:名無しのラブコメ脳

最高だと思っていたワイは前世に捨て置いた

 

2:名無しのラブコメ脳

どう考えたって最高やろが

 

3:名無しのラブコメ脳

こちとら筋肉隆々の男が活躍する戦争世界やぞ

 

4:名無しのラブコメ脳

イチャコラしてそのままゴールインどころかヤっていくんだろうがこの鬼畜野郎が…

 

5:名無しのラブコメ脳

俺また何かやっちゃいました系だろ、乙

 

6:名無しのラブコメ脳

とりあえず世界の説明はよ

 

7:名無しのラブコメ脳

<<6りょ

 

8:名無しのラブコメ脳

まずワイがこの世界がギャルゲーだと気づいたのは割と早かった。生まれて少しした時点で髪色が金髪だった時点でおかしいとは思ってた。小学校、中学校と進んでいく内に殆どの生徒は黒髪とかなのに校則違反なんじゃねぇかってレベルの髪色した美少女(ここ大事)がいた。ついでに言えば俺にはその美少女に含まれる桃色巨乳おっとり幼馴染と銀髪クール義妹がいた。

 

9:名無しのラブコメ脳

勝ち組じゃねぇか、ぺっ

 

10:名無しのラブコメ脳

どこが悲報だよ、ぺっ

 

11:名無しのラブコメ脳

童貞特有の妄想だろ、妄想だと言ってくれ

 

12:名無しのラブコメ脳

これのどこが悲報なのか

 

13:名無しのラブコメ脳

イッチのスペックがクソって事やろ、という事でスペックはよ

 

14:名無しのラブコメ脳

スペック

現在高校2年生

身長割と高め

体型は普通、少し筋肉有り

自称少しイケメン

勉強、運動共に出来る

童貞

 

15:名無しのラブコメ脳

最後だけはどうやら仲良くなれそうだな

 

16:名無しのラブコメ脳

童貞四天王の中では最弱…

 

17:名無しのラブコメ脳

四天王どころか億単位の組織になるゾ

 

18:名無しのラブコメ脳

そのスペック、さらに幼馴染に義妹までいてギャルゲーの世界って分かってるのに一体何が悲報なのか、これがワカラナイ

 

19:名無しのラブコメ脳

そうだそうだ!

 

20:名無しのラブコメ脳

そうだそうだ!

 

21:名無しのラブコメ脳

1人くらい寄越せ!ハーレム築いたんだろ!

 

22:名無しのラブコメ脳

まぁ、確かにハーレムは主人公が築いたよ

 

23:名無しのラブコメ脳

ほら見てみろ!何が悲報じゃ!

 

24:名無しのラブコメ脳

永遠に童貞卒業出来ない呪いをかけてやるからな

 

25:名無しのラブコメ脳

ん?

 

26:名無しのラブコメ脳

<<25どうした?

 

27:名無しのラブコメ脳

いや、主人公はハーレム築いたって…なんかやけに他人事みたいだなイッチ

 

28:名無しのラブコメ脳

言葉の綾みたいなものじゃね?

 

29:名無しのラブコメ脳

いや、実際正解だぞ

 

30:名無しのラブコメ脳

ん?

 

31:名無しのラブコメ脳

ドユコト???

 

32:名無しのラブコメ脳

だってワイ、主人公じゃないし

 

33:名無しのラブコメ脳

え?

 

34:名無しのラブコメ脳

え?

 

35:名無しのラブコメ脳

え?

 

36:名無しのラブコメ脳

つまり…?

 

37:名無しのラブコメ脳

ワイはただの親友的ポジのモブに過ぎなかったって事や、笑えよ

 

38:名無しのラブコメ脳

本当にすまなかった

 

39:名無しのラブコメ脳

今すぐ呪いを解こう、そして幸せになる呪いをかけてやる

 

40:名無しのラブコメ脳

こんな事ってあるかよ

 

41:名無しのラブコメ脳

まぁおかしいとは思ってた、何故か頭の中に美少女メンバーの誕生日やら何やらが聞いてもないのに知ってたんだから。やけに主人公から電話もかかって来たしな

 

42:名無しのラブコメ脳

完全にギャルゲーの親友ポジ…しかもヒロインの情報を渡す奴や…

 

43:名無しのラブコメ脳

ちなみに幼馴染と義妹も主人公のハーレムだゾ、割と普通に距離置かれ始めたからな。話しかけないでー、とかも言われた。まぁ好きな男がいて他の男といたら勘違いされるしな、俺だってそーする

 

44:名無しのラブコメ脳

本当にすまなかった

 

45:名無しのラブコメ脳

俺達の胸で泣け

 

46:名無しのラブコメ脳

まぁそこは良いねん。もう運命と思って受け入れてるし。問題はそこじゃないんだ

 

47:名無しのラブコメ脳

これ以上の苦しい事があるというのか…?

 

48:名無しのラブコメ脳

イッチは前世で何をしたんだ…

 

49:名無しのラブコメ脳

まずこの世界は自分の知る限りヒロインが10人いるんだ。それぞれ名前に色が入ってて、それと同じ髪色をしてるって感じ。

 

50:名無しのラブコメ脳

まぁありがちな設定

 

51:名無しのラブコメ脳

10人は多いな

 

52:名無しのラブコメ脳

ハーレムって事は10人全員落としたって事か

 

53:名無しのラブコメ脳

もれなく10人全員ハーレム入り。ただ問題はそのハーレムが出来上がってしまったことにより、たった今地獄が生まれてるって事なんだけど

 

54:名無しのラブコメ脳

どういうことだってばよ

 

55:名無しのラブコメ脳

ははーん、さては修羅場だな

 

56:名無しのラブコメ脳

主人公とやらが刺されたって事だな

 

57:名無しのラブコメ脳

俺らの怨念もその刃に込められていたんでござるな!

 

58:名無しのラブコメ脳

我ら童貞連盟の前ではハーレム主人公など無力…

 

59:名無しのラブコメ脳

まぁヤンデレはいるんだけどさ、問題は主人公がハーレムを築いた上でハーレムエンドで終わらなかったって事なんだよね

 

60:名無しのラブコメ脳

え?

 

61:名無しのラブコメ脳

ハーレムエンドを迎えられたというのに迎えなかった、だと…?

 

62:名無しのラブコメ脳

俺らとは格が違う

 

63:名無しのラブコメ脳

つまりどういうことだってばよ

 

64:名無しのラブコメ脳

主人公は俺にこう言ったんだ。「みんなが好きなのは確かだけど、みんなが好きなんて答えはみんなに失礼だと思うんだ。だから俺は1人に告白する」って

 

65:名無しのラブコメ脳

誠実かよオメェ

 

66:名無しのラブコメ脳

これは真の漢

 

67:名無しのラブコメ脳

その結果、告白は成功。それによりギャルゲーで言えば本編は完結したも同然なんや。でもここってゲームの世界じゃなくて俺にとっちゃ現実世界な訳で。

 

68:名無しのラブコメ脳

あっ

 

69:名無しのラブコメ脳

残されたヒロインの皆様は…

 

70:名無しのラブコメ脳

総じて負けヒロイン

 

71:名無しのラブコメ脳

まぁ、負けヒロインと言ってしまえばそうなる。そして主人公と選ばれた勝ちヒロインは幸せに過ごしてる訳だが…残された負けヒロイン達の鬱と闇のオーラが重過ぎて学校が潰れてしまうッピ!!

 

72:名無しのラブコメ脳

イッチ…

 

73:名無しのラブコメ脳

最早鬱ゲーの一種

 

74:名無しのラブコメ脳

ギャルゲーって一つのエンドを迎えた時点で終わるからこそ至高なんやなって

 

75:名無しのラブコメ脳

現実ではその後に地獄が待ってると…

 

76:名無しのラブコメ脳

もう負けヒロインは放っておけば良いんじゃないだろうか

 

77:名無しのラブコメ脳

もうイッチも彼女とか作って幸せになるべき

 

78:名無しのラブコメ脳

こんな所にいる奴らがこんなに幸せを願うなんて中々ないからな

 

79:名無しのラブコメ脳

だってこんな世界で過ごす事に比べたら今の世界の方が幸せだし

 

80:名無しのラブコメ脳

むしろ幸せってものを噛みしめられる

 

81:名無しのラブコメ脳

日常とかつまんねぇとか思ってたけど男友達と遊んだりするだけで幸せって分かるわ

 

82:名無しのラブコメ脳

そこで男友達って言うあたり童貞だな貴様

 

83:名無しのラブコメ脳

まぁ正直触れたらダメだろって思ってたけどさぁ…幼馴染とか義妹以外にも普通に友達として話してた奴もいるからなぁ…なんか、こう、見ててこっちが辛くなるなって思うんだけど。フラれたような奴に近づいたらそういう目的としか思われないよなって…

 

84:名無しのラブコメ脳

ええいこっちも誠実か!

 

85:名無しのラブコメ脳

このお人好しめ!幸せになれ!

 

86:名無しのラブコメ脳

まぁ大体のヒロインは主人公に勘違いされたくないって事で距離取られてて話してないんだけどな!!

 

87:名無しのラブコメ脳

なんで更にイッチに追い討ちをかけるん?

 

88:名無しのラブコメ脳

仕方ない、仕方ないんだけど…

 

89:名無しのラブコメ脳

もう正直負けヒロイン共はイッチを切り捨てたようにしか見えないわ

 

90:名無しのラブコメ脳

恋は盲目って事か?

 

91:名無しのラブコメ脳

見捨てて幸せになるべきやろ、こっちからしたら自分勝手な奴らが自爆したようにしか思えん

 

92:名無しのラブコメ脳

確かに

 

93:名無しのラブコメ脳

辛辣で草、ワイトもそう思います

 

94:名無しのラブコメ脳

俺も割と辛かったし、主人公とヒロインが結ばれた事は幸せな事だし、俺も変わろうって思った訳だわ。そして心機一転って意味でまず金髪のワイとおさらばした。黒髪に変えて転生前の冴えないワイにより近づいたって事や

 

95:名無しのラブコメ脳

変わろうって思えるのは凄い事

 

96:名無しのラブコメ脳

そうか分かったぞ。つまり俺らはイッチが変わり幸せになるのを見守り、時に力を貸して全力で幸せにすればええんやな

 

97:名無しのラブコメ脳

任せろ、1人の過ごし方は誰よりも知ってる

 

98:名無しのラブコメ脳

童貞の保ち方なら俺も知ってるぞ

 

99:名無しのラブコメ脳

ぼっち飯のプロと言えばワイ

 

100:名無しのラブコメ脳

ええい使えない奴らめ!俺もソーナノ

 

101:名無しのラブコメ脳

見守ってくれるだけでええんや

 

102:名無しのラブコメ脳

イッチが優し過ぎて泣きそう

 

103:名無しのラブコメ脳

もうお前がヒロインだ

 

104:名無しのラブコメ脳

次に家から出ようと思った訳や。一人暮らしぐらい出来ないと生きていけないだろって思って。ウチは両親共に働き詰めでほぼ家にいない、元々義妹が料理を作ってくれたが勿論それも無くなりコンビニ弁当に頼る生活だった訳だ。このままだと金銭的にも無理やん、ってなり料理を覚えようと決意した

 

105:名無しのラブコメ脳

両親に言えばお金くらいくれそうなもんだが

 

106:名無しのラブコメ脳

だってそれだと義妹が料理を作らなくなったってバレるやん。そうなると義妹が何か言われるかもしれへんし。だからお金稼ぐ為にバイトも週6で入っとる

 

107:名無しのラブコメ脳

ええいどこまでいっても聖人か!

 

108:名無しのラブコメ脳

既に社畜の才能あるよキミ、どうだいウチに来ないか?

 

109:名無しのラブコメ脳

悪いがブラックが付くのはNG

 

110:名無しのラブコメ脳

さらにバイト生活との両立が無理だな、って思ってほんの少し身体作りを始めた。ギャルゲー世界だから山や海に簡単に行ける訳やな

 

111:名無しのラブコメ脳

その点だけはいいな

 

112:名無しのラブコメ脳

インドア派な俺らには関係ない話や

 

113:名無しのラブコメ脳

デートでは植物園を良く選ぶ派でした

 

114:名無しのラブコメ脳

何回かセニョールって呼ばれて戦闘した記憶が、ウッ

 

115:名無しのラブコメ脳

おいやめろ

 

116:名無しのラブコメ脳

そしてそんな生活を続けて2週間くらい経ったのが今のワイや。そして今、更に困り果てている事がある

 

117:名無しのラブコメ脳

ようやく俺らの出番か

 

118:名無しのラブコメ脳

ギャルゲーなら任せろ

 

119:名無しのラブコメ脳

既にそのギャルゲーは終了しているんですがそれは

 

120:名無しのラブコメ脳

俺らの力の見せ場だ、皆の者準備はいいか

 

121:名無しのラブコメ脳

つ PC

 

122:名無しのラブコメ脳

つ 勇者の剣

 

123:名無しのラブコメ脳

つ ザク

 

124:名無しのラブコメ脳

つ 丸太

 

125:名無しのラブコメ脳

バリエーション豊富過ぎだろ

 

126:名無しのラブコメ脳

ザクニキは一旦戦争に行ってもろて

 

127:名無しのラブコメ脳

戦争はすでに終わらせた

 

128:名無しのラブコメ脳

強すぎワロタ

 

129:名無しのラブコメ脳

もう数ヶ月話してない義妹が俺の部屋の前で土下座してる

 

130:名無しのラブコメ脳

はい?

 

131:名無しのラブコメ脳

え?

 

132:名無しのラブコメ脳

何も理解できない

 

133:名無しのラブコメ脳

一昨日から学校終わる度に部屋の前に来て土下座してる、夕方から朝まで

 

134:名無しのラブコメ脳

これってホラーの世界だっけ

 

135:名無しのラブコメ脳

俺らホラー展開は求めてないんだけど

 

136:名無しのラブコメ脳

俺にもよくわかんないの、タスケテ

 

137:名無しのラブコメ脳

女の扱いに関しては俺らは最弱だぞ

 

138:名無しのラブコメ脳

ヤンデレにだけ好かれるワイはいるぞ

 

139:名無しのラブコメ脳

ヤンデレに好かれるニキは何者なんですかね…

 

140:名無しのラブコメ脳

ネキだが???

 

141:名無しのラブコメ脳

あっ

 

142:名無しのラブコメ脳

部屋、ノックされた

 

143:名無しのラブコメ脳

え、全く状況が理解できないんだが???

 

144:名無しのラブコメ脳

よく分からんけど逃げた方が良くないか?

 

145:名無しのラブコメ脳

でも土下座してるんやろ?何に対してか分からんけど

 

146:名無しのラブコメ脳

とりあえず分からないってことだけが分かってる訳だが

 

147:名無しのラブコメ脳

あれ、イッチ?

 

148:名無しのラブコメ脳

イッチの霊圧が…消えた…?

 

149:名無しのラブコメ脳

早速幸せになる計画頓挫?

 

150:名無しのラブコメ脳

やばいよやばいよ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

444:名無しのラブコメ脳

離れなくなった

 

 

 




イッチ
名前 不明

ギャルゲーの世界に転生したが、主人公が自分ではない事を知った。それと同時期にヒロイン達から交友を殆ど切られ、落ち込みはしたものの主人公とヒロイン達の幸せを願っている。金髪の為、チャラ男だと思われている事が多い。過去のとある出来事から¥+=%〆*♪|



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銀色の義妹が離れなくなった話

445:名無しのラブコメ脳

どうすれば良いですか

 

446:名無しのラブコメ脳

イッチ!イッチじゃないか!

 

447:名無しのラブコメ脳

やけに不吉な数字

 

448:名無しのラブコメ脳

イッチどういう事だってばよ

 

449:名無しのラブコメ脳

まず状況を話せ、話はそれからだ

 

450:名無しのラブコメ脳

りょ、部屋に入ってきた義妹のスペックやら何やらから話そうと思う。後は土下座を始めた日とかそこぐらいから話そうかな、と。まず名前は銀華。ちなみにワイは透。

 

451:名無しのラブコメ脳

そう言えばヒロインは総じて色が関係してるって言ってたなイッチ

 

452:名無しのラブコメ脳

じゃあこの義妹は銀色担当って事か

 

453:名無しのラブコメ脳

十人十色だとしても銀色ってよく分からんポジに落ち着きそうやな

 

454:名無しのラブコメ脳

ワイが小学生を卒業する時に母親が引き取った子なんやけど、その時から銀髪のサラサラロングが特徴的だった。クールで最初は話しかけても殆ど反応してくれなかったんだけど、銀華が中学1年、ワイが中学2年とかそれくらいで心を開いてくれて「兄さん」って呼んでくれるようになった

 

455:名無しのラブコメ脳

良いお兄ちゃんなんやなイッチ

 

456:名無しのラブコメ脳

イッチはいい奴だって分かってただろいい加減にしろ!

 

457:名無しのラブコメ脳

でもそんな奴に呪いをかけたりしてたワイらもいるんやぞ

 

458:名無しのラブコメ脳

俺らも数日土下座するべきでは?義妹ちゃんを見習って

 

459:名無しのラブコメ脳

流石にそれはやめてクレメンス…まぁ高校に入ってから「兄さん」とも呼ばれなくなったし話してもくれなくなったし、いないものとして扱われてた感あるけど。

 

460:名無しのラブコメ脳

やっぱ見習う必要ねぇわ

 

461:名無しのラブコメ脳

イッチの敵は俺らの敵、イッチの味方は俺らの味方

 

462:名無しのラブコメ脳

まぁワイも当時は若く恐れ知らずでな。銀華が中学入ってから虐められてるって聞いて一年の教室乗り込んで男女問わずぶん殴ってしまった過去を持つ男。それ以来心を開いてくれた義妹の兄離れはしんどかったでござるなぁ

 

463:名無しのラブコメ脳

おまえ、ホントお前…

 

464:名無しのラブコメ脳

2年と数ヶ月で兄離れとか何考えてんだこいつ

 

465:名無しのラブコメ脳

その時点でラブストーリー始まるだろ普通、童貞の俺には分かる

 

466:名無しのラブコメ脳

そもそもここに童貞じゃない奴おるん?

 

467:名無しのラブコメ脳

ネキだって言ってんだろ

 

468:名無しのラブコメ脳

ヤンデレに好かれるネキ草

 

469:名無しのラブコメ脳

おっと義妹の悪口はそこまでだ、まぁ兄って言っても血は繋がってない訳だし、正直幼馴染と同じくらい主人公と結ばれないかなって応援してた。ただ選ばれなかったし、いつもクールで結構無表情だった銀華が落ち込んでたのは俺でも分かったし、ここはワイの出番やなって思ったのが3日前や。ちなみに黒髪にしたのも3日前や

 

470:名無しのラブコメ脳

黒髪にした新生イッチがその実力を解放したんやな

 

471:名無しのラブコメ脳

果たして何をしたんですかねぇ…

 

472:名無しのラブコメ脳

簡単や、ワイの得意料理であるカップ麺とご飯と卵焼きを夜ご飯に披露したんやで

 

473:名無しのラブコメ脳

落ち込んでる奴に対して作る料理かと言われればカップ麺が全てを無にしてる

 

474:名無しのラブコメ脳

実質手作りは卵焼きしか無くて草

 

475:名無しのラブコメ脳

ワイがやるとスクランブルエッグにしかならんからイッチ尊敬

 

476:名無しのラブコメ脳

まぁ会話なんて無かったしワイもどうせ無視されるやろなって思って、義妹が帰ってくる前に作って置いといたんだけど。次の日の朝には使った皿も綺麗に洗われてた。食べたのか捨てたのかは知らんけど。起きてきた銀華はなんか凄い泣きそうな驚いた表情でこっち見てきたし、そんなに不味かったんか…?

 

477:名無しのラブコメ脳

流石に捨てはしないやろ…

 

478:名無しのラブコメ脳

驚いたのは金髪だった兄が黒髪になってるからやろなぁ…

 

479:名無しのラブコメ脳

本当は朝飯も作ろうとしたんや、ただ包丁の使い方は勉強中なんや…普通に自分の手に傷をつけてしまって朝飯作りは諦めた。血が割と出てたのを銀華に見られてしまって恥ずかしかった…深刻そうな表情で見てきたし…

 

480:名無しのラブコメ脳

普段台所に立たない奴が立ってて包丁持って血を出してたらそりゃ驚くわ

 

481:名無しのラブコメ脳

諦めたのは懸命な判断

 

482:名無しのラブコメ脳

料理出来ない奴ほど引き際を弁えてないからな

 

483:名無しのラブコメ脳

まぁそれで学校に行ったんや、血が出てたまんま行ったから学校着いた瞬間に保健室へレット・イット・ゴーしたけどな。そして保健室から出た俺は右手に包帯を巻いたダークネス・ワイになったんや

 

484:名無しのラブコメ脳

レット・イット・ゴーは違うやろ

 

485:名無しのラブコメ脳

ある意味注目を集めた存在って訳だな!

 

486:名無しのラブコメ脳

ダークネス・ワイは草

 

487:名無しのラブコメ脳

ウッ、黒歴史が頭を…

 

488:名無しのラブコメ脳

そして無事に学校を終え、家に帰ってきた。いつも俺の方が帰りは1時間以上早いが今日も夜ご飯作るかどうか悩み、再び包丁を手にした時、何故か銀華が帰ってきた。そして土下座へと至ると言う訳なんだ。

 

489:名無しのラブコメ脳

また包丁を手にしてて草

 

490:名無しのラブコメ脳

今朝怪我をしたと言うのに同じ物を握ってたら流石に止めようとするね、俺でもそーする

 

491:名無しのラブコメ脳

でもさっき部屋がノックされたとか言ってたじゃん、そして離れなくなったってことは少なくとも何かしら話したって事じゃないんかイッチ

 

492:名無しのラブコメ脳

確かに会話はした。とりあえず本当に酷い顔をしてたし落ち着くまで頭撫でたりしてたんだけど、とにかくそれから謝られたんだよね

 

493:名無しのラブコメ脳

謝られた?

 

494:名無しのラブコメ脳

というかサラッと頭撫でる辺り、やはりイケメン

 

495:名無しのラブコメ脳

イッチがイケメンで聖人なのは元から分かりきってた事だろいい加減にしろ!

 

496:名無しのラブコメ脳

聖人でイケメンは言い過ぎやぞ。今までごめんって感じの謝罪だった。中学の頃助けて貰ったのにこんな酷い事をして、毎日話しかけてくれたのに無視して、兄さんにあんな事させようとするまで追い詰めてしまってごめんなさいって。最初の方はともかく、ワイ何かしてしまうほど追い詰められたりはしてなかったハズなんやが…

 

497:名無しのラブコメ脳

突然謝られたん?なんか都合の良い話って気しかしないよなこうやって聞くと

 

498:名無しのラブコメ脳

でも長い時間土下座してたり、反省の色は少なくともあるんじゃないかって思えるけど

 

499:名無しのラブコメ脳

童貞には分からないだろうが女ってのは怖い生き物なんだよ、ワイも童貞だけどな!

 

500:名無しのラブコメ脳

何を自信満々に童貞を誇っているのか

 

501:名無しのラブコメ脳

フッ、ワイには親友的ポジになった事によるヒロイン情報がいくつかあるんや、そして相手が嘘をついてるかどうか、どういうのが好きで嫌いなのかなんて分かるんやで。その上相手は義理とはいえ妹の銀華だから嘘をついてない事くらいは分かったし怒ってるわけでもなかったから許すって言ったんや

 

502:名無しのラブコメ脳

なるほど、そこでそのポジになった事が活きてくるのか

 

503:名無しのラブコメ脳

どうやってお前そんな情報知ったん?みたいな情報持ってる親友ポジいるもんな

 

504:名無しのラブコメ脳

時々ヒロインの1人とくっついたりライバルになったりする親友もいるっちゃいるけど

 

505:名無しのラブコメ脳

ただここからが問題なんや。こっちが許すって言っても私自身が私を許せないんです、って言って突然服を脱ぎ出した

 

506:名無しのラブコメ脳

ん?

 

507:名無しのラブコメ脳

ん?

 

508:名無しのラブコメ脳

ん?

 

509:名無しのラブコメ脳

あれ、これってなんてエロゲ?

 

510:名無しのラブコメ脳

最近のギャルゲーは中々発展しているんだなぁ…ん?

 

511:名無しのラブコメ脳

義妹とは言え血は繋がってない訳だし勿論ワイは焦りまくった。近くにあった服をぶん投げて隠してくれ、と懇願した。でも銀華はこう言ったんや。「私のどこを見ても、触っても、傷つけても構いません。兄さんがするなら全てを受け入れます。手首だって首だって、どこだって切ってくれて構いません、だから、だから…」って言われたんや

 

512:名無しのラブコメ脳

あっ

 

513:名無しのラブコメ脳

これ、あっ

 

514:名無しのラブコメ脳

もしかしてだけど…?

 

515:名無しのラブコメ脳

…どうやらワイ、自殺するんじゃないかって思われてるらしいんや。突然黒髪にしたり山とかに行ったり家で包丁持って傷をつけたりして…

 

516:名無しのラブコメ脳

oh…

 

517:名無しのラブコメ脳

たしかに状況だけ見ればもうゲームセット目前みたいなものだよな…

 

518:名無しのラブコメ脳

後、ワイは覚えてなかったんだけどいじめの時乗り込んだ後、ワイがその時作ったのも卵焼きだったらしくて。それで銀華は自分は一体何をして誰を傷つけているんだ、って突然思ったらしい

 

519:名無しのラブコメ脳

それはどストライクやろ

 

520:名無しのラブコメ脳

ヒロインには選ばれず、傷ついた所を前助けられた時と同じ感じで助けられてるようなモンだし、それまで自分が無視とかしてきたのにそんな風にご飯を作ってくれた兄がいる、それを知ってしまって…

 

521:名無しのラブコメ脳

そして包丁で怪我した所を見て自殺しようとしてると思って…そりゃ自分のせいって思って土下座くらいするよな…

 

522:名無しのラブコメ脳

別に危害を加えられた訳じゃないし、そこまで責任を感じなくても良い訳だし、自殺も勘違いって言ったけど聞く耳持ってくれなかったんよな…

 

523:名無しのラブコメ脳

まぁ、自殺しようとしてるなんて思ったらなぁ…目を離したら自殺するじゃねぇかって恐怖が勝つよな…

 

524:名無しのラブコメ脳

自分が悪い事をした、謝らなきゃ、からの自殺しようとしてる(勘違い)のコンボは…

 

525:名無しのラブコメ脳

とりあえず今はワイの部屋のベッドで寝かせてる訳なんやけど、これからどうすれば良いと思う?聡明なスレ民に聞きたくて今これを書いてるんや。部屋から出ようとしただけで今にも泣きそうな顔で飛び起きて抱きついてくるから部屋からも出られない状況です。

 

526:名無しのラブコメ脳

まぁ…時間が解決するしかないかと…

 

527:名無しのラブコメ脳

そもそも妹もヒロインもいなくてイケメンでもないワイらに聞くのは間違いやぞ

 

528:名無しのラブコメ脳

そもそも許せないって奴もおると思うしなぁ…突然飯も作らなくなって無視されてこれからは心変わりします許してください、やろ?主人公とやらに振られて依存先を求めてる、そんな風にしか見えんぞ

 

529:名無しのラブコメ脳

まぁ悪く言えばそう見える。自分勝手な女に見えるかって言われれば見えてしまうのも事実

 

530:名無しのラブコメ脳

悪いが銀華の悪口はNG、こうして見てくれてるのは嬉しいが本人がどう思ってるかは本人の問題でソレをどう受け取っていくかはワイの問題だから。依存だろうと何だろうと今まで通り接する、それだけや

 

531:名無しのラブコメ脳

かっけぇ…

 

532:名無しのラブコメ脳

イッチ、すまんかった

 

533:名無しのラブコメ脳

こっちも言いすぎた、すまんな

 

534:名無しのラブコメ脳

でもイッチがこれからどうするか、に対してだけど、当面は自殺は考えてませんって思わせないとどうしようもないと思うわ

 

535:名無しのラブコメ脳

まぁ確かに。そうすれば自ずと分かってくれて元の距離感に戻るって訳や

 

536:名無しのラブコメ脳

天才か?ワイ本当にテンパってワイも服脱げばええんかって思って脱ごうとしたぞ?

 

537:名無しのラブコメ脳

イッチ時々バカになるの何でなん?

 

538:名無しのラブコメ脳

こちらも脱がねば不作法というもの…

 

539:名無しのラブコメ脳

裸に対して裸で対応した時点でエロゲならもういってるぞR18ゾーンに

 

540:名無しのラブコメ脳

まぁやらかした気はしたけど銀華も「兄さんがそのつもりなら私は何でも受け入れます…」って言ってたし平気平気

 

541:名無しのラブコメ脳

どこが平気なのか、これが分からない

 

542:名無しのラブコメ脳

裸から始まるラブストーリー

 

543:名無しのラブコメ脳

家族なんやからそんな間違い起きへんやろ、大丈夫大丈夫

 

544:名無しのラブコメ脳

本当に大丈夫なんですかねぇ…?

 

 

 

 

 

 

▽▲▽▲▽▲

 

とある前世の世界

 

 

「この前さ、とあるギャルゲーを買ったんだよ!最新機種のVR型の奴!」

 

「え?あれって普通に10万超えるような奴だろ?よく買えたなお前…」

 

「いや、運が良くてさ…懸賞で最新のVR機器が当たったからゲームソフトだけ買ったんだよ!そのギャルゲーってのが『十人十色』って奴なんだけど…それ、めっちゃクソゲーだったんだよ…」

 

「マジ…?どんなギャルゲー?」

 

「いや、ソレがさ…あらすじとかで面白そうって思ったんだよ。まず1()()()()()()()()()()()()()()()()。それで、モブと1人のヒロインが付き合って、ハーレムが崩壊する訳なんだよ」

 

「へぇ…なんか変わったスタートだな?」

 

「そうそう!それで、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!それでハーレムに入ってた、言わば負けヒロインの1()0()()()()()()()とのラブストーリーが始まるって奴だったんだよ」

 

「あんま見ない感じがするな…興味はそれなりに出てきそうな気はするわ、ソレ」

 

「そう、なんだけどよ…ヒロインの見た目とか声とかめっちゃ良いんだけどよ…そのゲームの仕様がマジでクソゲーとしか言いようがないんだよな…」

 

「マジ?どんな仕様?」

 

「まぁ、全部は俺もクリアしてないし知らないんだけどさ…とりあえずゲーム内の設定がペラペラの癖に条件が厳し過ぎるって感じなんだよな…」

 

「へぇ…」

 

「まぁその条件が…うわ、やべっ!もうこんな時間じゃねぇか!早く帰らねーと!」

 

「うわ!マジか!?走って帰ろーぜ!!時間がある時にでも俺調べてみるわ!」

 

「OK!」

 

 




十人十色

転生者であり『このゲームの主人公』であるイッチ、改め透が転生した世界のギャルゲー。最新機器のVRで発売されたギャルゲーであり、『多種多様の10人のヒロインと主人公の恋愛模様』をコンセプトとしている。しかし、あまりのクソゲーさを表すものとして、数万人が買ったゲームにも関わらず『全クリアを果たした者は0人。』バグなどの対応も行われず、数週間後に生産、販売共に停止。そのまま発売した会社は倒産した。

現時点での公開情報

1、イッチである透にとって主人公と思っている人物はモブであり、ギャルゲーにおける本当の主人公は透である事。
2、ヒロインは全員合わせて10人いる事。
3、ゲーム内の設定が薄い事。
4、何かしらの条件が厳しい事。

なお、3と4に関しては今後情報が更新される可能性があり、それ以外にも情報が追加される可能性があるものとする。



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とある前世の世界でのレビューの話①

 

とある前世の世界

 

「…そう言えば、アイツの言ってたクソゲーの事でも調べてみるかー」

 

 珍しく課題が早く終わり、その上明日は日曜日。明日の天気は雨だと言うし、夜更かししても問題はないだろう。そう思い、パソコンを起動して早速調べてみる。

 

「…うわ、クソゲーって評価しかねぇ…えっと、なになに…?」

 

 俺は一番見られており、参考になったとされているレビュー文を読んでみる事にした。どうやらこのレビューを書いた人はこの『十人十色』の開発班であり、クソゲーだと思いつつ仕事だからと割り切って作っていたらしい。

 だからこそ、買った人からしたら分からない部分も知っているらしい。そりゃレビューとしては人気な訳だ。

 

 

【クソゲー十人十色レビュー① 銀色攻略は転生するしかない?】

 

 

『このゲームは最新のフルダイブ型VR機器を使用する際にプレイヤーの脳波を検知するシステムを採用している。そしてこのシステムにより脳波や身体的特徴を様々な機能を使い、ある程度のそのプレイヤーの個性を主人公へと反映する、というシステムを採用している。このシステム自体は他ゲームにも採用されており、自分の身体を動かす事なくゲームの世界へと没入できる。この反映された個性により、プレイヤーの初期能力値であったり、こういったヒロインに好かれやすく、こういったヒロインにはあまり近付かれない、と言った事が確定する。しかし、まずコレが大きな問題である』

 

「…まずそこからが問題なのな…」

 

 俺は1人なのにツッコミを入れざるを得なかった。読み始めて分かったがこのレビュー、かなり長い。ちゃんと読めば1時間は余裕で越えそうなレビューだ。…だからこそより知れるって意味で人気なのかもしれないけど。

 

『まず第一に脳波を検知しプレイヤーに反映する、と言うことは例え何回ニューゲームをしようともプレイヤーの個性や能力値は変わらず、また好かれやすいヒロインと近付かれないヒロインが変わらないという事。それにより全ヒロインの攻略はほぼ不可能になる。

 

 

【能力値の説明】能力値には学力において文系、理系分野の二つと芸術、家庭科が存在する。(芸術においてはこれから音楽、美術に分かれる)そして運動においては体力と運動能力の二つが存在する。また、その他のステータスとして見た目、センス、性格が存在し、これらを2年間(主人公は高校2年からのスタートの為)で育成しなければならない。そのステータスによってヒロインを攻略できるか、しやすくなるかが大きく変わる。また、ヒロインにもステータスが存在している。

 

 

この中で酷いのはセンスと性格の二つだ。まずセンスにおいてはコレが高くなければ学力における芸術の上がり幅が全く違い、センスが低いと最大値が『999』でありながら『100』が限界値になったりする。性格においては最大値は『100』である。コレが高くないと好印象が与えづらい。が、ヒロインによってはほんの少し悪い事をした方が好感度が上がるヒロインがいる。しかし、性格値を高くするとその悪い事自体を主人公が出来なくなるのだ。そして何よりこの二つの最も酷い点は『1年間が経過する』事でしか能力値が上下しない事だ。つまり、2年間過ごしておきながら上下できるのはたったの一回。それでどうやってヒロインを攻略しろと言うのか?

 

 

一つ例を上げよう。主人公である透には義妹ヒロインである銀華と言うキャラクターがいるが、数万人が買ってこのヒロインを攻略できたのは1()()()()()()。何故ならこのヒロインは先程言った能力値の中で性格値を最も重要視するキャラクターだからだ。

まずこのヒロインを攻略するには中学時代に虐められていた過去を話してもらう必要がある。()()()()()()()()()()()()事が人を信用できない要因になっているからだ。

 

 

そしてその過去を話してもらうには性格値が『70』必要とされている。しかし、この数値は理論上可能と言うだけで実際は不可能に近い。何故ならテストプレイにおいてAIを基準として作った基本の能力値の性格は『30』だった。そして、実際のプレイヤーによって出た値の最大値は『50』であった。つまり、過去を知る為には現在のプレイヤーは全員1年間ヒロインと仲良くなる事もできず、ただ能力を上げるだけの作業となる。そして1年経ち、上がる性格値は理論上では最大『50』上がるとされているが、今の時点で20以上上がった人は確認されていない。よって、現時点で誰1人攻略出来ていないと言う事だ。

 

 

正直言って、これはバグとしか言いようがない。だがコレが正常なのだから開発班であった私からしてもクソゲーと言う他ないのである。さらに、このヒロインに関しては攻略するには性格値を上げる必要があるが、性格値がどのように変わるのかは完全ランダムである。この行動をする事で上がるのか下がるのかすらもランダムなのである。よって攻略と言った攻略法は無いに等しい。

 

 

そもそもの話、義理の兄である主人公が義妹とは言え、家族として迎えられた子に対し、イジメに気づかず過ごしていた、と言うのも無理がある。少しくらい話を聞くくらいはできるのでは無いのだろうか?このクソゲーはそう言ったヒロインの背景であったり主人公との関係であったり、杜撰な部分があまりにも多すぎる。

 

 

さらにもう一つ加えるならば、実はこのゲームを始める際に好きな色を一つ選ぶ場面がある。幼少期パートのようなものが存在しているのだが、そこで選んだヒロインの色に対し、好感度が初期から上がると言うものだ。…が、ここにも問題がある。もしここで銀色を選んでいれば、銀華との出会いがあり、好感度が自動的に上げられる。しかし、その後義妹になるシーンを含めて『一度幼少期出会った事がある』という描写が一切なく、またイジメからも助ける方ができない為、銀華からの印象が悪くなり、通常よりも好感度が下がる上、性格値もより下がるというデメリットしかないイベントが存在している。正直、アホである。

 

 

何故このような好感度下げが行われたのか。それはどうやらこの色での選択肢とプレイヤーの脳波から取られる能力値の値によっては高校2年のステータスの時点で攻略が最後までできるキャラが1人出来てしまうからである。その為、難易度調整であるイベントで好感度を調整する場を設けた。2度言うが難易度調整の為である。元より攻略が不可能に近いヒロインをより不可能に近づけたのだ。

 

 

いや、とにかくそのイベントの説明をしよう。それは高校2年生になって起きる、『ハーレム崩壊イベント』の序章でもある『合計10人のヒロインのハーレム入り』である。これ自体は【モブが入学しており、数ヶ月経っている事】と【後輩のみ入学して少しした後】にそれぞれのヒロインに起きるイベントだ。これにより、元々予定だった『モブでありハーレムの主である人物』に好意を抱く事で、主人公への好感度を相対的に下げた訳である。

 

 

さて、ここまでバグやらアホな事をしでかしてる、と知った方々。今レビューを読んでいる聡明な方々ならもしかしたら予想できるかもしれない。そう、ここの設定も薄っぺらなのだ。まず何故ヒロインがそのモブを好きになってハーレムに入ったのか、その背景や説明はほぼ無し。その相対的な好感度下げにより今回説明している銀華と言うヒロインは、最早無関心と言ったレベルまで好感度が落ちる。何か主人公である透が不祥事を起こしたなどの設定があればギリギリ納得できたかもしれないが、それも無し。コレはまさに()()()()()()()により攻略不可能なヒロインへと追いやられてしまった、と捉える他ないだろう。

 

 

このヒロインに対しどうやって攻略するのか、この強制力を無くすにはどうすれば良いのか、と問われれば、()()2()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()などをしなければ不可能では無いだろうか?つまり、現時点での攻略は不可能と言わざるを得ない』

 

 

 

 

 

「…ふー…コレでまだまだ序盤なんだから凄いな…」

 

 ここまで読み進めたが…既にクソゲーのオンパレードのような気がしてならない。そもそもヒロインなのに攻略出来ないなんて事があって良いのか?

 他のレビューもチラチラ見てはいるが、どうやらこのゲームはハーレムエンドもあるらしい。全クリアとはそう言った意味なのだろうか?だが、買うとかはともかくこうやってレビューを見てるだけならその辺のゲームをするよりも遥かに面白く感じてしまうのは事実だ。

 この1人目のヒロイン、銀華だっけ?このヒロインに対する攻略法の説明はもうそれしか無い、と笑みを浮かべてしまいそうになるくらい最適解のような気がした。…まぁ、そんな事ができるとすればこのレビュータイトル通り…

 

 

 

 

 

 

「…異世界転生でもするか、って事か?…ハハッ、こんな世界に入ったら苦労しそうだな」

 

 そんな独り言を呟きながら、次のレビューを見る事にした。次のページには、こう書かれていた。

 

 

 

 

『クソゲー十人十色レビュー② 桃色攻略は簡単?違う、そうじゃない』

 

 




文系ステータス→『1〜444』主に国語や社会に関連した学力に対して有効なステータス、高ければ高いほどテストの点数が良くなる。ただし

理系ステータス→『1〜444』主に数学や科学に関連した学力に対して有効なステータス、高ければ高いほどテストの点数が良くなる。ただし

芸術ステータス→音楽、美術共に『1〜100』主に音楽、美術に関する芸術面において有効なステータス。高ければ高いほど好成績を残しやすくなる。ただし

体力ステータス→『1〜200』多ければ多いほど行動できる回数が増え、失敗確率が低くなる。デメリットは無し。

運動能力ステータス→『1〜444』運動に関する成績に有効なステータス。高ければ高いほど好成績を残しやすく、体力の減りが少なくなる。ただし

見た目ステータス→『1〜100』見た目に関するステータス。高ければ高いほどカッコよく見える。ただし

センスステータス→『1〜999』センスに関するステータス。高ければ高いほど芸術ステータスの上昇値および限界値、オシャレに対し有効になる。ただし

性格ステータス→『1〜100』性格に関するステータス。高ければ高いほど良い人と見られ、良い行動をする。ただし、高いと悪い行動ができなくなり、一部のヒロインに不利になる。また、低かった場合も一部のヒロインに不利になる。


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真実の銀色の華が咲く話


ヒロイン公式紹介

一ノ瀬銀華
主人公の義妹。常にクールで無表情な時が多く、人に興味を持つ事が殆どない。過去に何かあったようだが…?




 

私は愚かだ

 

 

 どうして、どうして、どうして、どうして、どうして?

 

 

 

 何故?何故?何故?何故?何故?

 

 

 

 

 どれだけ後悔しても、どれだけ謝っても、許されるはずがない。何故、私は、()()()()()()

 

 

 

 

 私には、兄さん()()信じられないのに

 

 

 

 

 何故、私はあの男を()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 私は生まれてからあの日まで、誰1人信じるなんて事ができなかった。母だった人は、薬に溺れて姿を消した。父だった人は、小さい頃の私の裸を見て楽しむ人だった。私は逃げた。逃げて、逃げて。倒れた先で孤児院に拾われて。そして、兄さんと出会った。

 

「ん?どーしたの、そんなところで。ひとりか?」

 

「……うん……」

 

「じゃあ、おれとあそんでよ。おれもひとりなんだ」

 

「……うん、いいよ……」

 

「じゃあ、なまえおしえてよ、おれ、とおるっていうんだ」

 

「……ぎんか」

 

「ぎんか、よろしくな!」

 

 そう言って頭を撫でてくれたのを、今でも覚えてる。その時の笑顔を、今でも覚えてる。忘れる訳がない。忘れてはいけない。だって兄さんは、私の光なんだから。

 孤児院でも1人だった私と、毎日のように遊んでくれた。私は兄さんと同じ学校に行けるように孤児院の先生に頼んだ。初めてお願いしたからか、孤児院の先生達は泣いて喜んでたのを覚えてる。私は、その時初めて私を見てくれる人はいるんだな、って思った。

 

 

 中学生になって、兄さんと同じ学校に行けるようになった。それと同時に、私は孤児院から引き取られた。それは、兄さんの家だった。そして兄さんは私を見るなり、こう言ってくれたんだ。

 

「はじめま…いや、違う、よな?その綺麗な髪…もしかして昔遊んでくれてた銀華か?」

 

 私を()()()()()()()!!小さかった私を、成長した今の私とは違うと思うかもしれない、って不安になってたのに、私を覚えてくれていた!!これが、運命と言わずに何と言うの?

 でも、私はすぐに心を開かなかった。何故って?…私は虐められていたから。中学に入る前から私は何故か女子に目を付けられていた。何か嫉妬されてたのか今でもよく分からないけど。…兄さんに、迷惑はかけたくなかった。

 だから距離を置くことにした。私は辛かったけど。覚えてくれていた兄さんに酷い仕打ちをしてるって思いながら。でも、兄さんが私みたいに虐められるよりはマシだって思ってた。

 

 

 

「お前ら、誰の義妹をいじめてるんだ?…オイ、答えろよ…?」

 

 

 

 兄さんは助けてくれて。私が1人で勝手に背負っていたものを、全部一緒に背負ってくれて。泣いていた私をそっと抱きしめながら、頭を撫でてくれて。

 ゆっくりお風呂にでも入ってくれ、って言われて。お風呂でもたくさん泣いて。そして兄さんはちょっと困ったような笑顔でこう言ってくれた。

 

 

「ごめん、気付くの遅れて。…言い訳にしか聞こえないだろうし、もっと早く助けてあげることは出来たんだと、思う。…怖い思いさせて、こんな不甲斐ない兄で、ごめんな?」

 

「そんなこと、ないっ!!」

 

 そんなことを言われて、つい大きな声を出してしまった。

 

「小さい頃も、今だって!!兄さんは私を助けてくれた!!頭を撫でてくれたッ!!不甲斐ないとか、言わないでっ…!私は、私にとって兄さんは…大切な、人なの…!」

 

「っ!?…そっ、か。…ありがとな、銀華」

 

 私は間違いなく幸せだった。そのあと、兄さんが四苦八苦しながら作ってくれた卵焼きの味は今でも覚えてる。私は甘めに卵焼きを作る事が基本で、兄さんもそれと同じように作ってた。…失敗して、少し甘すぎたけど。…でも、あの甘さが。…私の心を癒してくれてたんだ。

 

 

 

 

 

それなのに

 

 

 

 

 

「ごめん、なさい、ごめん、な、さい、ごめん、な、ざぃッ…!!」

 

「と、とりあえず落ち着けって…な?銀華…」

 

 あの時とは違って、()()になった兄さんが目の前にいる。私はその顔を見ないようにずっと頭を下げ続けている。私は、大好きな、愛する兄さんに今まで、()()してきた?

 頭に靄がかかったようだった。兄さんを兄さんとして認識できなかった。いや、違う。()()()()1()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。今は、信じる事ができていたはず。友達だって出来て、普通に学校生活を送って、帰ったら兄さんがいて、それからご飯を作ったりして…それが当たり前だった。

 その当たり前の幸せを、幸せだと感じられなくなった。この数ヶ月、私は何をしてきたんだ?ロクに兄さんと話もせず、いつものように料理も作らず、家に遅く帰ることもしばしばあった。それ程までに私は、何かに執着していたのだろうか?今や()()()()()()()()()()()誰かを、ずっと追い続けていた。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「わたし、わだじ…ひどい、こと、しましたッ…!!にいさん、はッ…やざじぐ、じて、くれ、たのにッ…!」

 

「それって…話さなくなった事とか料理作らなくなった事?まぁ確かに寂しかったのは事実だけど…そんな泣くほど気にする必要はないって」

 

「だ、っで、だってぇ…!!」

 

 私は兄さんの腕を見つめる。傷を隠すように包帯を巻いている。だって、あり得ないじゃないか。ご飯を作ろうとしていたのは、分かる。だって昨日の夜、帰ってきたらご飯が置いてあったんだから。

 そのご飯を食べた時、頭の中の靄が消えるような感覚に襲われた。そして、ようやく私が兄さんに何をしてきたのかを理解する事ができた。あまりにも愚かで、遅すぎる。

 あの時と同じ、少し甘すぎる卵焼き。私を助けてくれたあの日と、同じ味。その甘さを噛み締めるたびに、涙が溢れて止まらなかった。ただ、あの時と違うのは。兄さんが一緒に食べてくれていない事。

 当たり前だ。この数ヶ月何もしてこなかった私と一緒に食べたいなんて、思う訳がない。なのに、ご飯を作ってくれた。…そして、その優しさが()()()()()()()()()()()と思った瞬間、この身体を自分でズタズタに引き裂きたいと思う程の後悔と、悔恨の念が私を地獄の底へと落とす。それは地獄と言うにはあまりにも私に優しすぎる地獄で、その優しさが私をより落としていく。

 

 私が見たのは、間違いなく()()しようとしていた、兄さんの姿。兄さんはいつも料理をする訳じゃないし、私が料理を作らなかったという最低なことをしてる間も、何か作っているようには思えない。

 あの料理も、私に対するメッセージなんじゃないかって、その姿を見てから思った。あの甘さが、優しさが、自殺しようとする兄さんの姿を見てから。…コレで最後だから、もう関わらないでくれ…そんな風に言われてるような気がして。

 何か言おうとして、でも逃げるように、その傷を隠すようにさっさと学校へ行ってしまった兄さん。追いかけるように私も学校へ行ったけど、どうしてか兄さんを学校で見つける事が出来なかった。クラスに行けばたまたま席を外していたり、包帯を取り替えるためにいなかったり…どうしてこうもタイミングが悪い時ばかりだったのだろう?

 そして、この時に限って帰りも遅くなってしまった。一分、一秒でも早く帰りたいのに、と思いながら急いで用事を終わらせ、帰ってきた私が見たのは。

 

 

 

 兄さんがまた、包丁を握っていた姿だった。逃げるように部屋に閉じこもった兄さん。その背中を見るだけで私の呼吸が荒くなる。身体が重くなる。のし掛かるような、重圧。

 嫌だった。死んでほしくない、謝りたい、前のように話したい…こんな時まで、自分の事しか考えていない私がとことん嫌になる。でも、私が私を嫌いになるのも、私が私を殺す時があったとしても、それよりも優先するべきなのは。今、悩み後悔する事じゃない。

 

「…兄さん、お願い…もう二度と()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。兄さんが私に傷つけというなら傷つく。高い所から堕ちろと言えば堕ちる。死んでくれと言われれば死ぬ。だから、だからッ…私を置いていかないで…!」

 

 全ての服を脱いで、私は叫ぶ。どこまで行っても自分中心の、身勝手なお願いでしかない。醜くても、惨めでも、例えこれからどれだけ嫌われたとしても。本当に兄さんに殺されたとしても。私は例え一秒だったとしても、兄さんより後に死にたくないんだ。

 あんな男を少しでも選んでしまった私に、存在価値なんてない。それならせめて、路傍の石のように蹴り飛ばされて、その身を削ったとしても。…兄さんを、死なせたくないんだ。

 

 慌てて顔を赤くしながら服を投げてきた兄さん。大丈夫、安心して。私が兄さんに()()()()()()()()()()()()。いや、()()()()()()()()()()

 だからもし恋人を作って紹介されたら、私は自分の事よりも喜ぶだろう。勿論、相手次第では反対するけど。だって私は兄さんの()()だから。例えこの先、恋人が妻になったとしても、子供を授かったとしても。家族より上な訳がないんだから。

 でも、もし兄さんが私を選ぶのだとしたら、私はこの身が滅ぶまで全てを捧げるから。あぁ、でも。2度とこんな恥ずかしそうに、顔を赤らめてこちらを見ないでほしい。もし、またその表情を向けられたら。我慢できない。

 

 

 

 真実の私はこんなにも、卑しくて、執着深い女なのだから…

 

 

 

 




ヒロイン真実紹介


銀華

ゲームではクールである、と強制的に定められていた。だが、実際の彼女は嫉妬深く、主人公と家族でいる事に特に執念深い。主人公が優しければ優しいほど家族である事に執着し、余程の事がなければ告白しても断られる。


「私を置いて行かないで?だって私は、兄さんの家族なんだから」




また、()()()()()()()()()により、名字が存在しない。


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2章 桃色と一途の枷
ワイ、校舎裏に呼び出しをくらった話


*転生スレは転生先の世界の意思により運営されています。





333:名無しのラブコメ脳

そう言えばなんだけど、イッチの転生したギャルゲーって誰か知ってたりしないん?

 

334:名無しのラブコメ脳

ん?そんな質問するって事はさては転生スレ初心者か?

 

335:名無しのラブコメ脳

アッハイ

 

336:名無しのラブコメ脳

ワイが説明したる。そもそも転生スレってのは転生者が集まるスレやが、その転生者全員が同じ世界から来てるって訳やない。別世界の可能性はあるし、並行世界の可能性もある。その人間の前世での知識は、他の転生者からしたら知らない可能性もある。自分の常識=他人の常識と思ったらダメって事。

 

337:名無しのラブコメ脳

例を挙げるならザクニキやな。ザクってものが知識として存在してる世界もあればない世界もある。このスレ覗いてる奴らにも間違いなく知らないって奴はいたと思う。ただ、イッチの話してる内容を聞く方がスレ民には重要だし、わざわざそれ知らないから説明して!なんて一々聞かれても反応しない奴らの方が多い。それなら別スレで聞けばええやん、ってなるし

 

338:名無しのラブコメ脳

多分ギャルゲーってのが存在しない世界ってのもあるよ。でもそんな奴が、全く知らないギャルゲーについてのスレに来る事なんてほぼ無い。たとえ来たとしてギャルゲーについて説明しろ!って言ったって説明して理解できるかも分からん。知らないなら聞かないで自分で調べるか別スレでやれ、それが暗黙の了解みたいなものだよ。

 

339:名無しのラブコメ脳

今世が並行世界の干渉及び転生歴史を履修してるワイからしたら、その()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ってのがあるんやが…詳しくは他スレで。

 

340:名無しのラブコメ脳

ついでに言えばイッチはギャルゲーの世界だとは認識してたけど、どんなゲームなのかはハッキリ言わなかったやろ?つまりそれがどんなタイトルのギャルゲーなのか、どんな内容なのか()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()もあるし、そもそも()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()もある。

 

341:名無しのラブコメ脳

その上ギャルゲーなんて売れてないものから名作まで幅広くあるしな、知ってる転生者がこのスレにいる可能性はゼロに近いって事や。

 

342:名無しのラブコメ脳

なるほど…説明サンクス!

 

343:名無しのラブコメ脳

スレがまだ続いてるとは思ってなかった、新しいスレまであるとは…知らなかったし所々しか読めなかったわ

 

344:名無しのラブコメ脳

お、イッチやんけ!

 

345:名無しのラブコメ脳

イッチが前スレにいたのは3日前とかやもんな…

 

346:名無しのラブコメ脳

ここに来たという事はさては幸せになれたんだなイッチ

 

347:名無しのラブコメ脳

もしくはこの我々に何か頼み事があって来たんだな?

 

348:名無しのラブコメ脳

聡明な方々に少し聞いてもらいたい事があるんや、今日あったことを順に説明していくから遠慮なく気になった事を聞いてほしい、本題はそれから入ろうと思う

 

349:名無しのラブコメ脳

正直義妹とどうなったのかも気になる

 

350:名無しのラブコメ脳

付き合ったと言われてもこちらは一向に構わぬ

 

351:名無しのラブコメ脳

付き合ってはないゾ。まずこの3日間家にいる間どころか学校でも授業中とか以外ほぼ銀華といたんだ。ご飯食べる時も寝る時も風呂入る時もトイレの時も

 

352:名無しのラブコメ脳

ガタッ

 

353:名無しのラブコメ脳

風呂とトイレはアウトやろ

 

354:名無しのラブコメ脳

とりあえず風呂の時の義妹ちゃんの姿を一つ頼む

 

355:名無しのラブコメ脳

風呂もトイレも一緒に入る訳がなかったから見せるものはないんだよなぁ…まぁ、それで今日も学校に行った訳や。いつも通りの授業を終え、下駄箱で靴を履き替えようとした時、下駄箱を開けたら何かが落ちてきたんだ

 

356:名無しのラブコメ脳

これは兄の鑑

 

357:名無しのラブコメ脳

何かが落ちてきた?ははーん、さては画鋲だな?

 

358:名無しのラブコメ脳

いや、切り刻まれた教科書かもしれん

 

359:名無しのラブコメ脳

スレ民の過去の苦しい経験で全俺が泣いた

 

360:名無しのラブコメ脳

さてはイッチ…ラブレターだな!?

 

361:名無しのラブコメ脳

残念ながら全て外れなんだ。手紙なのは手紙なんだけど、こう書かれてたんだ。『明日の放課後、校舎裏のダリアの花が咲く花壇で待っています』って。

 

362:名無しのラブコメ脳

ラブレターに決まってるダロォ!?

 

363:名無しのラブコメ脳

放課後、校舎裏…渡されたのがワイだったら間違いなくリンチが待っている訳ですな!

 

364:名無しのラブコメ脳

涙拭けよ

 

365:名無しのラブコメ脳

なんでそれでラブレターじゃないって思ったんだイッチは

 

366:名無しのラブコメ脳

やけに手紙自体がぐしゃぐしゃだったんだよ、所々破れてたし…文字もなんか震えながら書いたのかってくらいヨレヨレで何回も書き直した跡もあってさ…

 

367:名無しのラブコメ脳

なんだその特殊なイベント

 

368:名無しのラブコメ脳

いくらギャルゲーの世界だからってそんな不思議イベントがあってたまるか

 

369:名無しのラブコメ脳

そんな手紙を貰って義妹ちゃんが怒ったりしなかったのか?

 

370:名無しのラブコメ脳

いや、全然?最初無言で見た後に「これって果たし状か何かなのでしょうか…」って小声で言ってたのは聞こえたけど…

 

371:名無しのラブコメ脳

果たし状は草、ははーん、さては不良系のヒロインがいるんだな!

 

372:名無しのラブコメ脳

果たし状から生まれる両者の理解

 

373:名無しのラブコメ脳

そして始まるラブストーリー

 

374:名無しのラブコメ脳

10人ものヒロインのハーレムを築いた男がそんな不良系ヒロインに目をつけられないはずが無いと思うんですが

 

375:名無しのラブコメ脳

つまり既に他の男に惚れていたって事でござるな!

 

376:名無しのラブコメ脳

いや、確かに不良っぽいヒロインはいるしハーレムには入ってたけど…その子最近休んでるから違うんじゃないかなって。来てたら気付くでしょ、髪色が目立つしオーラも違うし…

 

377:名無しのラブコメ脳

本当にハーレムに入ってるのな…

 

378:名無しのラブコメ脳

よくそんな数のヒロインを堕とせたよな、その主人公とやらは

 

379:名無しのラブコメ脳

まぁ男のワイから見てもイケメンで優しい奴だったからな…それ以外の印象?優しい!以上や!

 

380:名無しのラブコメ脳

なに?それってイッチの自己紹介?

 

381:名無しのラブコメ脳

親友ポジのはずなのに印象無さすぎて草、ホンマに親友やったんか?

 

382:名無しのラブコメ脳

いや、まぁプライベートもそんなめちゃめちゃ会ってた訳じゃないけど気づいたらなってた感じ?学校とかだとよく会って話してたし

 

383:名無しのラブコメ脳

まぁギャルゲーの親友ポジと遊び続けたってヒロインの攻略は進まんしな

 

384:名無しのラブコメ脳

とりあえずこの手紙について意見を求めたいんや。流石にこの呼び出しに銀華を連れて行きたくはないし、行くなら1人で行きたいんやが…

 

385:名無しのラブコメ脳

まぁ文章だけなら行ってもいいと思うんやが…

 

386:名無しのラブコメ脳

ラブレターなら破れてる理由はなんやって話だし…

 

387:名無しのラブコメ脳

何かしら備えはしておくべきでは?もしリンチとかだったりした場合に身を守るぐらいの

 

388:名無しのラブコメ脳

まぁ無難なとこやな、ギャルゲーの世界だからって危険がない訳じゃないし

 

389:名無しのラブコメ脳

何なら主人公はハーレムを築いてヒロイン選んだ後なんだから、本編にはない事が起きる可能性は大いにある

 

390:名無しのラブコメ脳

とりあえず行くって事は決めてたけど…でも何を持っていけばいいンゴ?武器とか一般家庭にはないんやが

 

391:名無しのラブコメ脳

まぁそりゃ確かに

 

392:名無しのラブコメ脳

そもそも武器なんて持っていったら学校だろうがギャルゲーの世界だろうが逮捕されるやろ

 

393:名無しのラブコメ脳

こういう時は逆転の発想や、呼び出された場所にある武器になりそうなものを探すんや

 

394:名無しのラブコメ脳

なるほど、でも間違いなく呼び出された場所にあるものって言ったら水道とホースぐらいなんだよなぁ…スコップとかそんなのは元の場所の倉庫に返却されると思うし…

 

395:名無しのラブコメ脳

ホースは片付けられないという雑さよ

 

396:名無しのラブコメ脳

まぁ割とアリじゃね?本当にリンチだったらそれで水ぶっかけて逃げたらいいんや

 

397:名無しのラブコメ脳

しかしその為には相手よりも先に花壇に到着し、水を出せる準備をしておかないと無理ゾ

 

398:名無しのラブコメ脳

そこは…イッチが頑張る!

 

399:名無しのラブコメ脳

頑張れ!

 

400:名無しのラブコメ脳

突然頼りにならなくなった…でもサンクス!まぁ自分でも考えてみて何も思いつかなかったら聡明なスレ民の知恵を借りるゾイ!

 

401:名無しのラブコメ脳

頑張ってくれゾイ!

 

402:名無しのラブコメ脳

流石に突然スレ更新が終わるのは悲しいから無事で帰ってきてくれゾイ!

 

403:名無しのラブコメ脳

環境破壊は気持ちイイZOY!

 

404:名無しのラブコメ脳

ハイ、君逮捕ね

 

 




知識における他世界への干渉力度及び強制力

一つの世界に存在する知識の中で、()()()()()()()()()()()()()()()を数値として換算し、基準にする。その基準値が高ければ高いほど並行世界と他世界へ影響を及ぼし、その影響は幅広い。パンを例に挙げると、基準値が高ければ並行世界及び他世界に干渉し、その世界に()()()()()()()()()()()()()を生み出す事もあれば()()()()()()()()を生み出す事もあり、基準値以上の世界では、より干渉度、強制力が高まり()()()()()()()()()()()などが()()され、ルールにされた世界が生まれる事もある。また、一つの世界の基準値から複数の世界が生まれる可能性もあれば、別世界のパンの基準値により作られる世界も存在する。


ただし、干渉度及び強制力の基準値が低い場合でも()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。この事例に関しては説明が不可能である。さらに詳しい事を知りたい方は『知識における他世界への干渉力度及び強制力を語るスレ』にて







なお、知識における他世界への干渉力度及び強制力という言葉、及び説明を、『イッチである透が知る』、もしくは『理解する事』は()()()に不可能である。

(12/15 本文一部修正 作者が関西住みであり方言であると気づいていなかった為起きた表現の訂正)


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呼び出し相手は幼馴染だった話

(前話の後書きに色々言及してる方々がいますが、作者は意図してめちゃめちゃ難しく書いてます。全て理解されたら今後の展開モロバレなんで…だから頭空っぽにして読んでくれて構わないです、そんな単語があるんだなぁぐらいの認識で大丈夫です)


666:名無しのラブコメ脳

どうにか無事に生還した

 

667:名無しのラブコメ脳

イッチじゃないか!

 

668:名無しのラブコメ脳

無事に生還したって事は…ガチでリンチだったん?

 

669:名無しのラブコメ脳

つまりワイのぶっかけ作戦が成功したって訳やな!

 

670:名無しのラブコメ脳

作戦名以外は成功だな

 

671:名無しのラブコメ脳

いや、リンチって訳ではなかったんだけど結果的にこの作戦が成功したって感じかな…

 

672:名無しのラブコメ脳

全く理解できん

 

673:名無しのラブコメ脳

おいおいここのスレ民は聡明だってイッチが言ってただろ、説明なんていらねぇよなぁ!?あ、ワイには説明下さい

 

674:名無しのラブコメ脳

即堕ち1人劇場で草

 

675:名無しのラブコメ脳

りょ。まず放課後になった瞬間速攻で呼び出し先に行ったんや。そこには誰もいなかったからこれならいける!と思って準備を始めたんや。とは言っても水道とホースを繋いでその側に先にスタンバイしてただけなんやけど

 

676:名無しのラブコメ脳

まぁそこまではOKやな

 

677:名無しのラブコメ脳

問題はどんな奴が呼び出してきたかって事だもんな

 

678:名無しのラブコメ脳

まぁ俺もそこはビビってた。準備も終わって5分ぐらいしたら、すごい寒気に襲われたんだ。なんか、こう、闇のオーラに身体が包まれたような、そんな感じ

 

679:名無しのラブコメ脳

え、これってもしかしてファンタジーの世界だった?

 

680:名無しのラブコメ脳

闇のオーラとか一般人は感じ取れない奴やぞ

 

681:名無しのラブコメ脳

まぁ今思えば闇というか病みだったのかもしれないんだけど…来たのは幼馴染だったんだよ

 

682:名無しのラブコメ脳

えっ

 

683:名無しのラブコメ脳

どういう事や、確かイッチの幼馴染って義妹ちゃんと同じ感じで疎遠になった感じの人よな?

 

684:名無しのラブコメ脳

桃色おっとり幼馴染か!

 

685:名無しのラブコメ脳

おっと待てい、桃色巨乳おっとり幼馴染だった筈や。巨乳なのは大切や

 

686:名無しのラブコメ脳

確かに桃色巨乳おっとり幼馴染で合ってる。話進める前に幼馴染のスペックとか説明しようと思う。名前は桃愛《モア》って言うんだけど、そのおっとりさと基本的に優しくて断れない性格なんだよ

 

687:名無しのラブコメ脳

ギャルゲーのおっとり系幼馴染って感じはするな

 

688:名無しのラブコメ脳

さらに巨乳って事だな

 

689:名無しのラブコメ脳

さっきから巨乳を推してくるニキはなんなんだ

 

690:名無しのラブコメ脳

昔から隣に住んでて遊んでたんだけど…昔から男子に好かれやすいんだよ、言ってしまえばセクハラみたいな事を受けてたりさ。中学生になった時なんて流石にどんな事してたかは伏せるけど普通に犯罪紛いの事をしてた高校生に目をつけられて告白されてたりさ…

 

691:名無しのラブコメ脳

オイこれはギャルゲーだよな?実は18禁だったりしないよな?

 

692:名無しのラブコメ脳

完全にBSSとかNTRの波動感じるんですがそれは

 

693:名無しのラブコメ脳

まぁ告白は受けなかったみたいだし、その後その先輩は高校を退学になったらしいから何もされてないらしいけど。小さい頃よくスカート捲られてたり胸揉まれたり色々あって…その度に俺が突撃してたんだけど

 

694:名無しのラブコメ脳

イッチは聖人でカッコいいのになんでモテなかったんや?

 

695:名無しのラブコメ脳

幼馴染の子も普通に助けてくれてるんだし好き…ってなってもおかしくないよな?

 

696:名無しのラブコメ脳

実はおっとりな感じになったのも中学生ぐらいからなんだよな、その前は人をからかう感じだったんだよ。触られそうになったら「え?もしかして私の事好きなんですか〜?」みたいな感じでむしろ触らせようとしたり…まぁそれで撃退してたみたいだけど

 

697:名無しのラブコメ脳

メスガキやん

 

698:名無しのラブコメ脳

元々そんな感じだったのにおっとり系になるって中々の変化な気はするよな…

 

699:名無しのラブコメ脳

その高校生とやらの告白を機に変わろうとしたんやろか?

 

700:名無しのラブコメ脳

俺も気にはなったけど聞けなかったんよな。…まぁとりあえず幼馴染に関してはそんな感じなんだけど、その幼馴染が校舎裏に来た訳よ。さっき言った闇と病みのオーラを纏って

 

701:名無しのラブコメ脳

突然戦闘が始まりそうな気しかしねぇ

 

702:名無しのラブコメ脳

義妹ちゃんが突然土下座をした時と似たような感じなのか…?

 

703:名無しのラブコメ脳

確か幼馴染ちゃんも義妹ちゃんと同じ感じで距離置かれてたんだっけか?

 

704:名無しのラブコメ脳

距離置いた側が似たような時期に話に来るってそんな偶然ある?

 

705:名無しのラブコメ脳

銀華は手紙の事知らなかったし銀華が何かしら話したとかは思えないけど…かなり驚いたけど、あっちから話しかけられたんよ。「久しぶり、だね。…いきなり、ごめんなさい。話しかけないで、なんてひどい事言った私が、こうして呼び出して…」って。

 

706:名無しのラブコメ脳

やっぱり義妹ちゃんと同じで謝罪っぽいな

 

707:名無しのラブコメ脳

そこからはとにかく謝罪されたって感じなんだよな。昔助けてくれた事も、怒ってくれた事も、全部覚えてたはずなのに忘れててごめんなさい、って。この謝罪だけなら全然俺は良かったんだけど…

 

708:名無しのラブコメ脳

覚えてたはずなのに忘れてたって気になる発言やな

 

709:名無しのラブコメ脳

確かに、でもだけどって事は続きがあるんやろ?

 

710:名無しのラブコメ脳

うん、包丁を取り出してきた

 

711:名無しのラブコメ脳

はい?

 

712:名無しのラブコメ脳

お前もカヨォ!?

 

713:名無しのラブコメ脳

もしかしてこれってギャルゲーを装ったヤンデレ製造ゲームだった…?

 

714:名無しのラブコメ脳

それで「裏切ったのは私だから、死なないといけないの。でも最後にちゃんと謝りたかった。ごめんなさい、そして、幸せになって」って言われてさ…それで包丁握りしめて立ち去ろうとしたから、とにかく冷静になって行動しなきゃ、って思ってまずホースから水出して自分にぶっかけた

 

715:名無しのラブコメ脳

焦ったら行動おかしくなる癖でもあんのかイッチは

 

716:名無しのラブコメ脳

物理的に頭冷やそうとしてて草

 

717:名無しのラブコメ脳

それで包丁取り上げるために立ち去ろうとする桃愛を後ろから抱きしめたんだけど。何故か動きが止まって包丁落として泣き出したんだよね…そんなに抱き締めたのがダメやったんやろか…?

 

718:名無しのラブコメ脳

抱き締められたのが嫌すぎて包丁を落とした説?

 

719:名無しのラブコメ脳

イッチはワイらと違ってイケメンやから無いやろ…

 

720:名無しのラブコメ脳

それからは落ち着いて話してくれたんだよね…なんかさ、中学生の頃に何か頭の中にあった靄が消えた気がしたけど、高校に入ってからまた靄がかかった気がして、何故かとーくんの事を大事に思えなかった、って言われたんだけど…

 

721:名無しのラブコメ脳

靄?靄ってなんゾ…?

 

722:名無しのラブコメ脳

というかとーくんって呼ばれてるのな、誰かと思ったわ

 

723:名無しのラブコメ脳

イッチが女の子だったらとーちゃんだったな

 

724:名無しのラブコメ脳

靄、ねぇ…変な単語が出てきたもんや

 

725:名無しのラブコメ脳

その靄ってのは俺にも分かんなかったんだけど…なんか、こう、俺も引っかかる感じがしたんだよな、それ聞いてから。何かあるんやろか?

 

726:名無しのラブコメ脳

うーん…今の時点では分からんよな…でもその幼馴染ちゃんの事を信じるなら義妹ちゃんにも聞いてみたらどうや?謝罪をしたのは義妹ちゃんも同じだし

 

727:名無しのラブコメ脳

同じ世界にいないワイらじゃ知識とかを共有するのも難しいしな…

 

728:名無しのラブコメ脳

でももし義妹ちゃんも同じ感じだったら、何かしらがあったって事よな。イッチに対して酷いこと言ったりしたのは原因があるって事になるし…

 

729:名無しのラブコメ脳

イッチを幸せになるのを見守るスレかと思ったら何か怖そうな感じに、でも見ちゃうのアタシ

 

730:名無しのラブコメ脳

とりあえず銀華にも聞いてみる事にする!何か分かったらまたスレ立てするからよろしく!

 

731:名無しのラブコメ脳

お疲れイッチ!

 

732:名無しのラブコメ脳

頑張れイッチ!

 

733:名無しのラブコメ脳

それにしても靄かぁ…ワイらにはよく分からんが、ギャルゲーの世界なのにそんなファンタジーがあるんか?

 

734:名無しのラブコメ脳

転生スレなんて所にいるのにファンタジーを信じてないのか

 

735:名無しのラブコメ脳

それもそうだわ

 

 

 

 




*当世界の干渉力度及び強制力の減少を確認

*新たに?人のヒロインとの接触が可能になりました




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