特異点:都市 (侯爵芋)
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プロローグ

先月「Limbus Company」のPVが公開されたので今のうちに投稿しようと思い投稿しました。


「藤丸立香、ただいま到着しました」

「先輩、おはようございます」

 

 特異点が見つかったという知らせを聞き管制室に入室すると、マシュが挨拶で出迎えてくれる。

 

「おはようマシュ」

「よく来てくれた、藤丸君」

 

 マシュの後ろからダ・ヴィンチちゃんが話しかけてくる。

 

「おはようダ・ヴィンチちゃん」

「うむ、元気そうで何よりだ」

「挨拶もいいが時間も有限だ。早く説明した方が良いのではないかね」

 

 挨拶に答えるダ・ヴィンチちゃんに続いてホームズが急ぐように促す。心なしか普段よりも機嫌が悪いように見える。

 

「今回は随分と急かすじゃないか、せっかちな男はモテないぞ~」

「もしかして焦ってる?」

「ふむ、確かにいつもと比べ異常なまでに情報が得られなかったが……、態度に出てしまっていたか」

「ホームズさんほどの名探偵でも今回の特異点については何も分からないのでしょうか」

 

 まるで図星であるかのように振る舞うホームズにマシュが特異点について質問する。

 

「その通りだよ、ミス・キリエライト。韓国の辺りに観測されたことと新宿のような都市が広がっているということ以外の一切の情報がなかった」

「付け加えると観測しようとしたら逆にこちら側に干渉されそうになり、直ぐに中止したことも原因だね。つまり瞬時に察知・反撃ができる存在がいるということが考えられる」

「万能の天才や名探偵と呼ばれるお二人でも観測できない特異点……、非常に危険な場所と推測します」

「マシュの言う通り、どんな危険があるかわからない。そこで今回のメンバーを紹介しよう」

 

 ダ・ヴィンチちゃんが合図を送ると集められたサーヴァントが一斉に入ってくる。

 

「まずは主に戦闘面で活躍してもらうスカサハ、クーフーリン、酒吞童子の三名だ」

「よろしく頼む」

「まかせな、師匠もいるんだ、マスターは大船に乗ったつもりでいな」

「うちも行くことになったけど……、退屈になったら好き勝手させてもろてもかまへんね?」

 

 酒吞童子はいろんな意味で不安だけど、信頼できるメンバーだと思う。そんな感想を抱いていると部屋の外から茨木童子が飛び込んでくる。

 

「酒吞は行くのに吾を呼ばぬのはどういう了見だ!」

「茨木、あまり我儘ばかりゆうたらあかんよ」

「しかし――」

「それに茨木が留守番もできんなんて……うち、悲しいわぁ」

「うぐっ」

「ごめんねばらきー、お詫びに帰ってきたらお菓子を上げるから」

「……分かった、酒吞に免じて許してやろう。だが、マスターのその言葉を忘れるでないぞ!」

 

 不満げながらも引き下がる茨木童子を見て、ダ・ヴィンチちゃんは本題に戻る。

 

「それじゃあ続けるよ、次は医療担当としてアスクレピオスとナイチンゲールの二人に行ってもらう」

「衛生環境、健康の維持は任せてください」

「特異点……新たな医療技術や謎の病気があると思うと楽しみだ」

 

 平常運転のナイチンゲールの横で思ったよりもやる気のアスクレピオスが立っていた。

 

「うむ、やる気が十分なようで安心だ。そしてロビンフッドとエジソンの二人にはサポートに務めてもらいたい」

「はいよ。裏方ならお安い御用だ」

「いかなる場所であろうとも、この天才の偉大な発明を思い知らせてやろう!」

 

 ロビンフッドの返事の後にエジソンが吼える。

 

「最後にマシュ、藤丸君の守りは任せたよ」

「了解です。このマシュ・キリエライト、先輩には傷一つつけさせません!」

「今回は不測の事態に備えるために人数が多くなってしまったから藤丸君には負担をかけてしまうけれどこちらもサポートをするから頑張ってほしい」

「はい!」

「――少し待ちなさい」

 

 俺も意気込み、いざレイシフトしようとするところで声がかかる。振り返ると虞美人がアンデルセンとサリエリを連れて管制室に入ってきた。

 

「どうしたんだい?」

「項羽様に言われてきたの。何でもこの二人も連れていけだそうよ」

「全く迷惑な話だ、締切りに追われている作家を無理やり連れていくとは、少しは遠慮というものを覚えるべきではないか?」

「そんなの私には関係ないわよ、はっきり言って項羽様以外はどうでもいいの。今回も項羽様に命じられたからやったまでよ」

「チッ、面倒な女だ」

「まぁ……そういうことだ。マスター、必要とあらば命令せよ。貴様が言えば、我はそのようにしよう」

「うん、その時はお願いするね」

 

 項羽が言うのなら頼るべきなのだろう。そう思っている立香に虞美人話しかける。

 

「後輩、お前がいなくなるとせっかく会えた項羽様とまた離れ離れになってしまうのだから、どんな場所だろうと絶対に生きて帰りなさい」

「素直に激励も出来んのかこの女は」

「そこ、五月蠅い!」

「ありがとうございます、先輩」

 

 再び口喧嘩を始めそうな二人に苦笑いしながらもお礼を言う。

 

「大丈夫です虞美人さん、私が先輩を守り切って見せます」

「ええ、マシュも頑張りなさい」

「はい!」

 

 マシュも激励されて張り切っている。

 

「それじゃあ皆、行ってきます!」

 

 こうして俺はレイシフトをした。

 

 

 




人選は趣味です。

Limbus Companyの配信日が楽しみですね。人格を借りるとか囚人達のフェイトストーリーがあるとかの気になる要素もあれば、L社のツアーやダンジョンで幻想体に会えるなどの要素もあり、今から楽しみです。


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