青薔薇と天才と呼ばれた少年 (かぴばらの子)
しおりを挟む

プロローグ

俺の名前は黒崎優真、高校2年生。

 

音楽家の両親の子であり、その父さんと母さんも凄い人であった。

 

しかし俺には……生まれつき、他からしたら珍しい能力を持っている。

それは「絶対音感」というものである。

 

絶対音感とは、ある音を単独に聞いた時その音の高さを記憶に基づいて絶対的に認識する能力である。

 

その絶対音感というものを、俺は生まれつき持っていた。

 

その能力を生かし俺は色んな楽器に挑戦した。

 

ピアノから始まり、ギター・ベース・ドラム・ヴァイオリン・歌など、色んなものをマスターした。

 

マスターしてはコンクールやコンテストに出ると必ず最優秀賞を取るほどである……。

 

それを見た親は凄く褒めてくれた。

そうやって褒められるのが嬉しくて気づけば歌うことや楽器を弾くことが楽しくなっていた。

 

いつしか俺は……「天才」なんて呼ばれるようになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし……ある日突然……俺の両親が、交通事故で亡くなった……。

 

飛行機の不具合により発生した事故だったらしい……その事故に父さんと母さんが巻き込まれ、帰らぬ人となってしまった。

 

辛かった……もう……俺の両親は……帰ってこないんだ……そう思うと……悲しかった……。

 

そして……大好きだった歌や楽器も……両親が亡くなったことによるショックか知らないけど……俺は思うように人前やステージで、歌ったり……弾いたりすることが……この時は全く出来なかった。

 

そして俺は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

音楽の世界から……姿を消した。

 

青薔薇と天才と呼ばれた少年

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ある日のこと……

 

「おじさん……おはよう。」

「おうおはよう。お、優真制服似合ってるじゃん。」

「ありがとう。」

 

俺は今日から羽丘学園という場所に編入として入ることになった。

 

「……優真……もう少しビシッとしないか……。」

「これが普通だよ?」

「……まぁ……それは後々直していけばいい。それじゃあ行き方は分かるな?」

「うん、昨日確認したから大丈夫。」

「わかった、じゃあ気をつけて行ってこいよ?着いたら職員玄関ってとこ行けば案内の人がいるからその人のいうことしっかり聞くんだぞ?」

「わかった……じゃあ、行ってきます。」

「行ってらっしゃい!」

 

そして優真はバッグを背負い、学校に向かった。

 

数十分後……

 

「ここ……だよね?」

 

家から歩いて駅まで行き、そっから路面電車に乗り、最寄り駅から数分歩き、優真が通う羽丘学園に到着した。

 

「さてと……職員玄関……。」

 

しかし学校までの行き方まではわかるものの、いざ学校内となると初めて来たということもあり、どこに何があるかわからなかった。

 

「……誰かに聞いてみようかな。」

 

するとそこにいた2人組の女子に話しかけた。

 

「あの……すいません。」

「ん?どうしたの?」

「あの……職員玄関って……どうやって行ったら……いいんですか?」

「どうって……もしかして転校生?」

「は、はい……そうです。」

「そっかそっか!じゃあ私案内してあげるよ!」

「ありがとうございます。」

「友希那も行こっ?」

「わかったわ。」

 

すると、ギターか何がだろうか?ギターケースを背負った茶髪の髪の人と銀髪の髪の人に案内してもらうことになった。

 

数分後……

 

「ここが職員玄関だよ。」

「ありがとうございます。わざわざ案内してもらって。」

「大丈夫大丈夫!困った時はお互い様だしさ!」

「はい、それでは失礼します。」

 

そういうと優真は職員玄関から入っていった。

 

「友希那転校生だって!同級生かな?同じクラスかな?凄いワクワクする!」

「……。」

「?……友希那?」

 

すると何故か友希那は黙り込んでいた。

 

「おーい、友希那?」

「え?あぁ、ごめんない……少し考え事。」

「何考えてたの?」

「ちょっとね。」

「ふーん、まぁいいや。私達も教室行こうか。」

「えぇ。」

 

そして2人も自分たちの教室に向かった。

しかしこの時でも友希那はまだ考え事をしていた。

 

「……あの彼……どこかで見た事ある顔だわ……。」

 

つづく




ということで「青薔薇と天才と呼ばれた少年」再連載開始です。
早めに言っておくと、色々設定が変わっているのでそれはいつかどこかにまとめて置くのでよろしくお願いします。
ということで俺は計5つの作品を扱うことになります笑
のでどうかこの作品や他の作品もよろしくお願いしますm(_ _)m

カピバラの子


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第1話 出会い

やっと第1話です。
年末年始ということもあり書く時間があまりなかったので、少しずつ取り戻せていけたらなと思います。
長話をすると多分俺は止まらなくなるので早速本編をどうぞ。


2人の生徒に案内してもらい職員玄関に入ると、そこには1人の職員が立っていた。

 

 

「あの……すいません。」

 

「はい?」

 

「今日からこの学校でお世話になる、黒崎優真というものなのですが。」

 

「黒崎優真……あ!あなたがそうでしたか、お待ちしておりました!」

 

「は、はい……初めまして!(よかった……。)」

 

 

どうやらこの職員にも話が通っていたようだ。

 

 

「それではご案内しますね。」

 

「は、はい……お願いします。」

 

 

すると優真はそのまま職員に着いて行った。

 

 

数十分後……

 

 

優真は一度校長と理事長先生に挨拶に行き、数十分後担任の先生が迎えに来て、そのまま先生とクラスに向かった。

 

 

「じゃあ少しここで待っててくれるか?」

 

「わ、わかりました。」

 

 

そういうと先生だけ教室の中に入っていくとHRが始まった。

 

 

「よーし!HR始めるからみんな席に着け!」

 

 

先生の声でみんなが席に着いた。

 

 

「HRを始める前に、今日は転校生を紹介する。入ってきていいぞ!」

 

 

すると優真は教室の中に入ってきた。

 

 

「今日からみんなと一緒に勉強する新しい仲間だ、優真……簡単に自己紹介出来るか?」

 

「はい、初めまして……黒崎優真といいます、よろしくお願いします。」

 

 

優真が自己紹介すると、クラスのみんなは拍手で出迎えてくれた。

 

 

「それじゃあ優真は奥の空いてる席に座ってくれ。」

 

「わかりました。」

 

 

そして優真は先生に言われた通り奥の席に着いた。

すると……。

 

 

「君……またあったね♪」

 

「……え?」

 

 

声が聞こえた方を向くとそこには朝職員室まで案内してくれた人だった。

 

 

「あなたって確か……さっきの?」

 

「良かったぁ〜覚えててくれてぇ〜。」

 

「(逆に忘れてると思われてたの……。)」

 

「おいそこの2人、喋るのはHRが終わってからにしてくれ。」

 

「す、すいません……。」

 

「他のみんなも優真に聞きたいことがあれば休み時間に聞いてくれ、それじゃあHR始めるぞー。」

 

 

数十分後……

 

 

休み時間が終わるとクラスの人から好きな食べ物や趣味・彼女はいるかなど10分ぐらい質問攻めだった。

 

 

「はぁ〜疲れた……。」

 

「お疲れ様だね。」

 

「あ、こんにちは。」

 

 

すると声をかけてきたのは先程の人だった。

 

 

「あ!自己紹介がまだだったね、私今井リサっていうんだ!よろしくね♪」

 

「よ、よろしく……お願いします……今井さん……。」

 

「あははっ笑私達同い年なんだしそんな固くならなくて大丈夫だよ!あと私の事はリサでいいよ!」

 

「わ、わかった。」

 

 

こんな感じでリサと会話が盛り上がっていると(?)優真の元にもう1人の人物が近づいてきた。

 

 

「リサ……もう友達になったの?」

 

「あ、友希那だ!やっほー。」

 

「こんにちは、俺黒崎優真っていいます。よろしくお願いします。」

 

「っ!黒崎……優真……?」

 

 

すると友希那は驚いた顔をしていた。

 

 

「ゆ、友希那?どうしたの?そんなに驚いて。」

 

「あ……ごめんなさい、なんでもないわ。」

 

「そ、そう?」

 

「私は湊友希那よ、よろしく。」

 

「よろしく、湊さん。」

 

「友希那で大丈夫よ。」

 

「そ、そう……。」

 

 

すると何故か重い空気になってしまった。

 

 

「ゆ、優真ごめんね(汗)友希那結構こんな感じだからさ笑」

 

「な、なるほど。」

 

「……ごめんなさい……ところで優真?1つ聞きたいことがあるんだけど……いいかしら?」

 

「いいけど。」

 

「……優真って……過去に何か音楽をやっていたりしないかしら?」

 

 

 

と友希那が質問する。

 

 

 

「う、うん……やってたけど……それがどうしたの?」

 

「そ、そう……ごめんなさい、それだけよ。」

 

「そ、そう……(ど、どうしたんだろう……?)」

 

「……と、とにかく!そろそろ次の授業始まるし、用意だけでもしようか!」

 

 

 

するとリサがこれ以上空気を重くするまいと、この会話を止め3人は次の授業の準備をした。

 

 

 

数時間後……優真side

 

 

 

友希那とリサという人と知り合って数時間経ってからの事だった……俺は学校も終わり家まで帰ってきた。

 

「ただいまー。」

 

「お、優真おかえりー。今日学校どうだった?」

 

「まぁ……普通かな?」

 

「普通って……もっとなんかあっただろ……。」

 

「何かあったといえば……クラスの人に色々質問されたり……2人の人と知り合ったぐらい……かな?」

 

「それを聞きたかったんだよ笑ていうか知り合ったって男の子か?」

 

「いや、女の子だよ?」

 

「お、転校初日に女の子と話すとはやるじゃんか。」

 

「あ、ありがとう(?)」

 

 

 

2人はそんな感じで話していた。すると優真は友希那という人が言っていたことを思い出す。

 

 

 

「それでさ……。」

 

「ん?どうした?」

 

「その……1人の女子が「優真は過去に何か音楽とかやっていたりしないかしら?」って聞かれたんだ。」

 

「?……それで……なんて答えたんだ?」

 

「「やってたよ」って答えたけど……それだけで終わったよ。」

 

「……なぁ優真……その子もしかしたらさ……優真の正体を知ってるんじゃないのか?」

 

「え?」

 

 

 

するとおじさんは一旦手を止め優真のところまで行き、また話し始めた。

 

 

 

「いいか優真?お前は前まで音楽の世界では「天才」と呼ばれたぐらいだ。だから音楽をやっているやつがお前の事を知らんやつはいない……わかるか?」

 

「う、うん……。」

 

「……今優真は音楽の世界から消えたことになっている……だから、お前がまたどこかで弾くか歌うかすれば……音楽業界も黙ってはいないだろうな……。」

 

「……確かに。」

 

 

 

 

そう……優真が天才と呼ばれていたのはあくまで昔の話。今は音楽の世界から姿を消したため今は天才でもなんでもない……しかしおじさんが言うに、優真がまたどこかで歌う……もしくは楽器を弾くかすれば、動くのは間違いなく音楽業界の人達だろう。

 

 

 

 

「ちなみにその優真に質問した子は何かやっているとか言っていたか?」

 

「いや……あの時は言ってなかったけど。」

 

「そ、そうか……まぁその子が何かやっているかは別として、お前はまだ完全に歌や楽器が出来なくなった訳ではないのだし……またそういうのに足を踏み入れてみてもいいんじゃないか?」

 

「……考えとく。」

 

「はいはい笑じゃあそろそろお客さん来るから、準備手伝ってくれい。」

 

 

 

 

こうしておじさんに色々言われたまま仕事の手伝いに入り、優真の今日の出来事は終わった……。

 

 

 

 

友希那side

 

 

 

 

「……今日はここまでにしましょう。」

 

「はぁー!疲れたぁー!」

 

「あこちゃん……お疲れ様。」

 

「みんなお疲れー。」

 

 

 

一方その頃……友希那はとある場所である人達とある練習を終えたところである……それはバンド練習だ。

友希那は「Roselia」というバンドを組んでいてそのバンドのメンバーに先程の会話の中にいたリサもRoseliaのメンバーの1人である。

 

 

 

「……やはりあの人は……。」

 

「湊さん?何か考え事ですか?」

 

「え?あぁごめんなさい、まぁそんなところかしら。」

 

「友希那が音楽以外で考え事なんて珍しいねぇ〜。」

 

「わ、私だって考え事くらいするわよ///」

 

 

 

ちゃっかり馬鹿にするリサである。

 

 

 

「はぁ……それで?その考え事というのはどういったことで?」

 

「……みんなは……黒崎優真という人物を知っているかしら?」

 

「「!?!?」」

 

「黒崎優真?それって今日の転校生だよね?」

 

「そうなの?」

 

「え?あぁそっかあこは知らなかったか。実は今日転校生が来たんだけどそれがさっき友希那が言ってた黒崎優真って人だよ。」

 

「えぇ!?今井さん!それどういうことですか!?」

 

 

 

すると何故かRoseliaのギター氷川紗夜が驚いてリサに聞いた。

 

 

 

「ど、どうも何も……今日転校してきたんだって……私のクラスに。」

 

「リサ姉?りんりんも驚いた顔してるよ?」

 

「え?……ほんとだ。」

 

「……どうやら2人には説明しておいた方が良さそうね。」

 

「え?何を?」

 

「優真は……黒崎優真は……昔音楽の世界で天才と言われた凄い人なのよ。」

 

「「えぇ!!!???」」

 

 

 

するとリサとRoseliaのドラム宇田川あこが驚いていた。

 

 

 

「音楽の天才!?あの優真が!?」

 

「えぇ、しかし……まさか羽丘に転校してくるとは思わなかったわ。」

 

「ねぇりんりん?その黒崎優真ってそんなに凄い人なの?」

 

 

 

とあこはりんりんに聞く……あ、りんりんとはRoseliaのキーボード白金燐子の事です。

 

 

 

「う、うん……黒崎優真さんは……小学生で歌やいくつもの楽器をマスターし、その若さでいくつものコンクールで高成績を残した「天才」と呼ばれるくらいでプロにも認められた凄い人なんだよ……。」

 

「「しょ!小学生で!?」」

 

「ただ凄いだけではありません……彼は「絶対音感」という能力を持っています。」

 

「絶対音感って!どんな音でも認識できちゃうってやつですよね!」

 

「そんなところよ、その絶対音感という能力を武器に彼は色んなステージで歌や演奏をして来そうよ……でも……。」

 

「でも?」

 

「……彼は突然……音楽の世界から姿を消したの……。」

 

「えぇ!?なんで!?」

 

「それは他の誰もわかってないのよ。はっきりいえば謎に相応しいぐらいよ。」

 

「そ、そうなんだ……。」

 

 

 

 

するとスタジオのドアが開いた。

 

 

 

「すいません、そろそろお時間ですか、延長なされますか?」

 

「え?もうそんな時間!?あぁいえ!大丈夫です!すぐ片付けますので!」

 

「それじゃあ話の続きはどこかでご飯でも食べながら話しましょうか。」

 

「おっけー♪」

 

 

 

そしてRoseliaはスタジオを片付けスタジオを後にした。

しかし優真とRoseliaが出会うのが近づいてきていることを……この時はまだ知らなかった……。

 

つづく




今回もありがとうございます。
変わる前の「青薔薇の天才と呼ばれた少年」を見てくれていた方はおそらく気づいてるんじゃないかなと思いますが昔の1話と今回の1話大分内容が変わっていると思います。なのでこれからも前のと比べて変わっているところが多いと思うのでよろしくお願いします。
ということで次回もよろしくお願いします。
感想などもお待ちしておりますm(_ _)m


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第2話 偶然の再開

第2話です。
早速本編をどうぞ!



「あ、あったあった!」

 

「ここは……喫茶店……ですか?」

 

 

 

Roseliaが練習後に夜ご飯としてやってきたのは街の中にある一見普通の喫茶店である。

 

「ここ前から気になってたんだよね。」

 

「あこもうお腹ぺこぺこだよぉ〜。」

 

「とりあえず、入るわよ。」

 

「は、はい……。」

 

 

 

ということでRoseliaはお店の中に入っていった。

しかしお店に入った瞬間……思いも寄らぬ出来事が起こった。

 

 

 

「いらっしゃいませ!……ってあれ?」

 

「え?優真!?」

 

 

 

そう……その入ってすぐに来た店員がなんと優真だった。

 

 

 

「こ、こんなところで何やってるの!?」

 

「な、何って……ここ俺の家なんだけど……。」

 

「そうだったのね。」

 

「リサ姉?この人って」

 

「うん……さっき友希那が話してた黒崎優真って言うのはこの人のことだよ。」

 

「この人が!?」

 

 

 

あこは黒崎優真がこの人だと分かると驚いていた。

 

 

 

「と、とりあえず……席に案内するよ。」

 

 

 

優真も少し驚いていたが……とりあえずみんなを席に案内した。

 

 

 

「はい、お冷とお品書きだよ。」

 

「ありがとね!」

 

「それにしても……まさか家のお店に来るとは……。」

 

「こっちこそまさかここが優真の家だったなんてね笑」

 

 

 

まぁそうなりますよそりゃ……。

 

 

 

「とりあえず決まったら教えてね。」

 

「おっけー。」

 

 

 

そう言ってその場を離れようとすると……1人の男性がやってくる。

 

 

 

「おや?友達か?」

 

「あ、おじさん。」

 

「「「「「こんにちは!」」」」」

 

「はーいこんにちは。」

 

 

 

今やってきたのはここの喫茶店のマスター黒崎守である。

 

 

 

「あなたが優真のお父さんですか?」

 

「え?ま、まぁ……そんなところだ。」

 

「……ねぇ話は後でいいからさ。」

 

「あぁーわりぃわりぃ笑ところでお嬢ちゃん達は何にする?なんならこいつが作るけど?」

 

「え?ちょっ……おじさん?」

 

「ゆ、優真も作れるの!?」

 

 

 

リサは驚きながら聞いた。

 

 

 

「優真の作る料理は美味いぞぉー?なんてったってここの常連さんにも評判なんだからな!」

 

「お、おじさん……。」

 

「ほら、期待してるぞ?」

 

「……わ、わかったよ……(汗)」

 

「おすすめはなんですか?」

 

 

 

リサは早速おすすめを聞く。

 

 

 

「色々あるが、優真が作るものの中で1番のおすすめはオムライスかな?」

 

「オムライスかぁーじゃあみんなでそれにする?」

 

「大丈夫よ。」

 

「私も大丈夫です。」

 

「あこも!」

 

「大丈夫……です。」

 

「おっけーじゃあそれでお願いします!」

 

「了解!じゃあ俺こっちやるから、優真厨房入れるか?」

 

「わかった。」

 

 

 

そうすると優真はリサ達のオムライスを作りに厨房に向かった。

 

 

 

「君たち?よかったら優真の料理の姿見てみるか?」

 

「え?いいんですか?」

 

「心配ないよ、ほらおいで。」

 

 

 

そしてリサ達はおじさんに厨房まで案内された。

 

 

 

「危ないから、少し遠くから見ていいよ。」

 

「は、はい……おぉー。」

 

「す、凄い!」

 

 

 

するとその光景はまるでプロの料理人のような手さばきでオムライスを作っていた。

 

 

 

「これでもまだ1年しかだってないのにな笑」

 

「1年!?」

 

「い、1年でここまで……。」

 

 

 

すると優真はリサ達がこっちを見ていたことに気づいたようで。

 

 

 

「……はぁ……俺の料理してるところ見せて何か面白い?」

 

「まぁいいじゃないか、それに沢山の女の子にそういう姿を見られるなんて滅多にないぞ?笑」

 

「おじさん……俺をなんだと思ってる?」

 

 

 

おじさんがいじるせいで優真は少し機嫌が悪かった。

 

 

 

「とにかく戻ってていいよ出来たらリサ達のオムライスは俺が持っていくから。」

 

「はいよ笑……さ、みんな戻ろうか。」

 

 

 

優真の機嫌がさらに悪くなる前にリサ達は席に戻っていった。

 

 

 

数分後……

 

 

 

「お腹空いたぁ〜。」

 

「あこ我慢だよぉ〜。」

 

「みんなおまたせ。」

 

「来た!」

 

 

 

すると優真は全員のオムライスと何故かフライドポテトを持ってやってきた。

 

 

 

「美味しそー!」

 

「ゆ、優真?フライドポテトなんて頼んでないけど……。」

 

「いや、サービスだよ、うち特有の。」

 

「そ、そうなの?」

 

「始めて来たお客さんや偶にだけどこうやってフライドポテトとかをサービスしてるんだよ、まぁ詳しいことはおじさんに。」

 

「あ、ありがとう。」

 

「それでは頂きましょうか。」

 

「それじゃあ……」

 

「「「「「いただきまーす!」」」」」

 

 

 

そしてみんなはオムライスを1口食べる……すると。

 

 

 

「美味しー!」

 

「優真!このオムライス凄く美味しいよ!」

 

「このフライドポテトも中々ですね。」

 

「お、おう……じゃあ俺仕事に戻るから……ごゆっくり。」

 

「うん!ありがとね!」

 

「(……そんなに美味しかったのか……)」

 

 

 

と心の中で思いつつ優真は仕事に戻った。

そして食べ始めてから数分後のことなのだが、サービスでもらったフライドポテトが何故かいつの間にか無くなっていたという……まぁ犯人は……察してください。

 

 

 

数十分後……

 

 

 

「はぁ〜美味しかった〜!」

 

「とても……美味しかったです……。」

 

「紗夜笑フライドポテトに食らいついてたしね笑」

 

「く、食らいついてません!///」

 

「ん?お前ら食べ終わったのか?」

 

 

 

すると仕事中の優真が話しかけてきた。

 

 

 

「あ、優真!うん、食べ終わったよ。」

 

「とても美味しかったです、ごちそうさまでした。」

 

「お粗末さま、じゃあその皿下げちゃうからちょうだい。」

 

「おっけー。」

 

 

 

優真がリサ達の皿を持っていこうとすると。

 

 

 

「優真ちゃん!そういえば今日も何かひいてくれるのかい?」

 

 

 

と……1人の老人客が言ってきた。

 

 

 

「今日も?笑」

 

「お?今日も優真の演奏が聞けるのか!」

 

 

 

するとその言葉に他のお客さんも食いついてきた。

 

 

 

「え!?何何!?」

 

「おや?君達は初めてだから知らないか?」

 

 

 

するとそこにおじさんがやってきた。

 

 

 

「ど、どういうことですか?」

 

「まぁ……この店の名物……と言ってもいいくらいこの喫茶店にはこんだけお客が来る……まぁここら辺に住んでる人達だけど……いっぱいお客が来る理由があるんだ。」

 

「ん?それって……。」

 

「まぁ見てろって。」

 

 

 

そう言われリサ達はその様子を見ていることにした。

 

 

 

「優真ちゃん今日も何かひいてくれよぉ〜弾いてくれれば飯がもっと上手くなるからよぉ〜。」

 

「(どんな理由だよ……)わ、わかったよ……。」

 

「おぉ!待ってました!」

 

「優真?片付けは俺がやっとくから行ってこい。」

 

「あ、ありがとう。」

 

 

優真はおじさんに皿の片付けを任せ、お店のステージに立った。

 

 

 

「あそこってステージだったんだ。」

 

「一体何が始まるんだろう……。」

 

「……何かリクエストは?」

 

「そうだな……じゃあ今日は優真ちゃんのおまかせで!」

 

「おっけー。」

 

 

 

すると優真はステージに置いてあったギターを持ち、弾く構えに入った……。

そして優真が構えると、お客さんは静かになった。

 

 

 

「……っ!」

 

 

 

ジャアアアアアアアアアーン!

 

 

 

そして優真の最初の弾き始めと共に演奏が始まった。

 

 

 

「っ!嘘っ!?」

 

「これは!?」

 

「わぁ〜。」

 

「……。」

 

「……やはり……。」

 

 

 

そんな中リサ達は優真のギターの演奏に驚いていた。

 

 

 

そして数分後……優真の演奏は終わると……。

 

 

 

「「「うぉー!!!!!」」」

 

「今日もかっこいいぞ!優真ちゃん!!!」

 

「す、凄い……。」

 

 

 

お客さんからは凄い歓声があがった。

 

 

 

「優真ちゃん!もう一曲!」

 

「も、もう一曲!?」

 

「アンコール!」

 

「……しょうがないな……。」

 

 

 

そしてこの優真の演奏はもう数十分続いた……。

 

 

 

数時間後……

 

 

 

「じゃあまた来るわ!」

 

「おうまたよろしくな。」

 

「ありがとうございました!」

 

 

優真の演奏も終わり、先程いたお客さんもどんどん帰って行った。

しかし……あの演奏を聞いたせいか、あのあの彼女達はまだ残っていた。

 

 

 

「ゆ、優真!」

 

「うぇ!?」

 

「さっきの演奏!凄かったよ!!!」

 

「あこもそう思いました!なんかドーンとなって(?)ドカァーン!って感じで!(?)」

 

「そ、そう……?」

 

 

 

するとギターの紗夜も近づいてきた。

 

 

 

「はい、私もとてもよかったと思います。」

 

「はっはっはっ笑優真はモテモテだな笑」

 

「なんでそうなるの……。」

 

 

 

そんな感じで話していると友希那も近づいてくる。

 

 

 

「優真?あなたは噂通りの実力……いい演奏だったわ。」

 

「お、おう……ありがとう。」

 

「突然なんだけど……実は私達はバンドをやっているの。」

 

「え?そうなの?」

 

「あぁーまだ優真に言ってなかったね笑私達は「Roselia」っていうガールズバンドなんだ。」

 

「あぁ、聞いたことあるよそれ。」

 

 

 

するとおじさんの言葉にリサは反応する。

 

 

 

「本当ですか!?」

 

「うんうん!前来た君達と同じぐらいの女子高校生の子だったかな?なんかその子たちもRoseliaが好きみたいでよ。ほれ、優真。」

 

「ん?」

 

 

 

するとおじさんが見せてきたのはRoseliaのライブ映像だった。

 

 

 

「そうだったんだ……。」

 

「そこでなんだけど……。」

 

 

 

すると友希那は突然、あることを言い出す。

 

 

 

「もし優真が良ければなんだけど……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Roseliaのマネージャーになる気はないかしら?

 

 

 

「……え?」

 

「「「「えええぇぇ!!!???」」」」

 

 

 

つづく




今回もありがとうございます!
感想などもお待ちしておりますm(_ _)m


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第3話 誘い

第3話目です。
特に言うことはないのでこのまま本編に移ろうと思います。
それでは本編をどうぞ!


「Roseliaのマネージャーになる気はないかしら?」

 

 

 

……それは突然の誘いだった。

なんとこの湊友希那という人は俺にRoseliaのマネージャーになれというのだ。

 

 

 

「……マネージャー……俺が?」

 

「えぇ。」

 

「ちょっ!ちょっと待ってください!それはいきなり過ぎます!!」

 

「私は彼の才能をわかっていて言ってるのよ?」

 

 

 

友希那はそういう。

 

 

 

「……ですがたとえ友希那さんが彼の事を知っていたとしても、こういうところでは私達は初対面ですよ?私はそういう意味で言ったんです!」

 

「確かに初対面よ?でもみんなだって見たでしょ?あの優真の実力を。」

 

「……た、確かにそうですが……。」

 

 

 

すると黙っていた優真が言う。

 

 

 

「なぁ友希那?」

 

「ん?……どうしたの?」

 

「気持ちは嬉しいが、その……マネージャーになる件、断らせてもらうよ。」

 

「……それはなぜ?」

 

 

 

と友希那が聞く。

 

 

 

「確かに楽器の演奏や歌はかなり経験してるからみんなから驚かれるだろうけど、俺はあくまで好きでやっていた人間だからさ、俺が教えるとなると……俺には無理かな……。」

 

「そ、そう……。」

 

「それに……俺がお前たちの力になったとしても……俺はお前らに迷惑をかけるだけだから。」

 

「?……それはどういう……。」

 

「おじさん、俺厨房の後片付けやってくるからあとはよろしくね。」

 

「え?お、おう……。」

 

「じゃあみんな、気をつけて帰ってね。」

 

 

 

そういうと優真は厨房の方に行ってしまった。

 

 

 

「ちょっと優真!」

 

「……。」

 

「……行っちゃいましたね……。」

 

「……なぁ友希那ちゃん?」

 

 

 

するとおじさんが声をかけてきた。

 

 

 

「……は、はい……。」

 

「……どうして優真をRoseliaのマネージャーにしようと思ったんだ?」

 

「……それは……。」

 

「……友希那?」

 

「……それは、私達に足りないものを見つけてくれると思ったからです。」

 

「……足りないもの?」

 

「……私達RoseliaはFWFというコンテストに出場して私達の音楽を証明するためにこのバンドを組みました……ですが、1度コンテストに出ているのですが……落ちてしまって……。」

 

 

 

友希那は優真をマネージャーに入れたい理由をちゃんと説明した。

 

 

 

「……そうか……。」

 

「だから彼がRoseliaのマネージャーになってくれれば私達をあのステージに導いてくれると思ったんです!」

 

 

 

友希那はそう語った。

 

 

 

「……そこまで優真をRoseliaに?」

 

「……はい。」

 

「……まぁいいんじゃないか?」

 

「っ!ならっ!」

 

「ただ……。」

 

 

 

するとおじさんはこういう。

 

 

 

「今の優真は……輝いていた優真ではない……それだけは言える。」

 

「……つまり?」

 

「つまり……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

君が……君達が知っている黒崎優真は……もういない……。

 

 

 

「え?……ど、どういうことですか?」

 

「さぁ!もう閉店時間だから、帰った帰った!」

 

「え?ちょっ!?おじさん!?」

 

 

 

そういうと優真のおじさんは友希那達を店の外に出した。

 

 

 

「お、おじさん!教えてください!今のはどういうことですか!?」

 

「……そのままの意味だ……。」ガチャン

 

 

 

そう言って店は閉まってしまった。

 

 

 

「……なんだったのでしょうか……。」

 

「君達の知っている黒崎優真はもういないって……。」

 

「……。」

 

 

 

訳がわからなくなっていた。

あのような事を言われて……Roseliaは困惑していた。

 

 

 

「ゆ、友希那?どうするの?……こんな状態になっても……優真を誘い続けるの?」

 

「……えぇ。」

 

「そっか……まぁ今日はもう遅いし、今日はもう帰ろうよ。」

 

「そうですね……このことはまた集まって考えましょう。」

 

「……わかったわ。」

 

 

 

そしてRoseliaはこのまま……訳のわからぬまま解散ということになった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日……

 

 

 

「おはよぉー……ってあれ?」

 

 

 

次の日の朝……リサは1人で学校に来ると謎の光景が目の前にあった。

 

 

 

「ゆ、友希那……?」

 

「おはようリサ。」

 

「きょ、今日は早いね……ところで優真と何やってたの?」

 

「何って……尋問よ?」

 

 

 

そう朝教室に来ると友希那と優真が既に来ており、その友希那が優真尋問というものをやっていた……何を聞き出していたのかは知らないが……。

 

 

 

「じ、尋問?何を聞き出していたの?」

 

「どうしてRoseliaのマネージャーを引き受けてくれなかったのかよ。」

 

「り、リサ……た、助けてくれ……。」

 

「あはははは……(汗)」

 

 

 

どうやら昨日と全く同じ事を聞いているらしい。

 

 

 

「それで?どうしてなの?」

 

「だから昨日も言っただろ?俺じゃあお前らの力にはなれないって……。」

 

「どうしてそう言えるの?」

 

「ど、どうって……。」

 

 

 

友希那が尋問を続けていると……。

 

 

 

「あれ?友希那ちゃん何してるの?!」

 

「あ、日菜だ。」

 

「おはよー!……って君ってもしかして噂の転校生!?」

 

「え?そ、そう……だけど……。」

 

「やっぱり!私氷川日菜って言うんだ!君名前は?」

 

「え……く、黒崎……優真……。」

 

「優真かぁ……じゃあゆーくんだね♪」

 

「ゆ、ゆーくん!?」

 

 

 

ご存知の通り……彼女は氷川日菜である。

 

 

 

「日菜はこういう子だから……まぁ許してあげて?」

 

「わ、わかった……。」

 

「それでみんなで何をしていたの?」

 

「尋問よ?」

 

「尋問?なんか面白そう!私も尋問するっ!」

 

 

 

すると何故か日菜まで尋問をしようとした。

 

 

 

「ひ、氷川さんまで……。」

 

「じゃあねぇ……好きな食べ物は?」

 

「え?……ん、ん?」

 

 

 

氷川日菜よ……それは尋問ではなくただの質問である。

 

 

 

「ひ、日菜?……それはただ質問してるだけじゃ……。」

 

「えっとねぇ……。」

 

「真面目に答えなくていいから!(汗)」

 

 

 

すると友希那は少し不機嫌な表情をしながら机を両手で叩いた。

 

 

 

「優真?話を逸らさないでくれるかしら?」

 

「うっ……だ、だから……。」

 

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

 

 

「……時間切れね、それじゃあまた昼休みに来るわ。」

 

「えっ!?ちょっと!」

 

 

 

そういい友希那は自分の教室に行ってしまった。

 

 

 

「……今日はゆっくり食えそうにないな……。」

 

「……優真?」

 

 

 

するとリサが声をかけてきた。

 

 

 

「な、なんすか……?」

 

「お昼さ……いい所があるんだけどさ

……。」

 

 

 

そういいリサはその場所に案内することにした。

 

 

 

つづく




今回もありがとうございます。
感想などもお待ちしておりますm(_ _)m


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第4話 リサの気持ちの変化

第4話です。
それでは早速本編をどうぞ!


昼休み……

 

 

 

「お邪魔するわよ。」

 

 

 

昼休みになると、予想通り友希那が優真の教室にやってきた。

しかしそこには優真とリサの姿はなかった。

 

 

 

「……いないのかしら?」

 

「もしかしてリサの友達?」

 

 

 

すると1人の生徒が言った。

 

 

 

「え、えぇ……。」

 

「リサなら黒崎君を連れてどっか行っちゃったけど。」

 

「そ、そう……ありがとう。」

 

 

 

そう言って友希那は教室を後にした。

 

 

 

???……

 

 

 

「邪魔するわよ!」

 

「おや?誰かと思えば友希那じゃあないか、どうしたんだい?」

 

「黒崎優真という人物を探しているの、ここに来てないかしら?」

 

「黒崎優真……もしかしてあの噂の転校生かい?」

 

「そうよ。」

 

「その彼ならここには来てないよ。」

 

「そう……わかったわ。」

 

 

 

そう言って友希那は行ってしまった。

 

 

 

「……もう行ったよ?2人とも。」

 

 

 

そういうと奥の方から優真とリサが出てきた。

 

 

 

「ありがとー薫!」

 

「おやすいごようだよ、それにしてもあの黒崎優真君とお目にかかれるとはね。」

 

「そんなに有名なの?優真って。」

 

「あぁ、そういえば自己紹介がまだだったね……私は瀬田薫というものだ、よろしく。」

 

「よ、よろしく。」ガラガラ

 

 

 

すると再び扉が開いた、しかし入ってきたのは友希那ではなくまた別の人物だった。

 

 

 

「失礼しまーす。」

 

「やぁ麻弥。」

 

「やっほー麻弥♪」

 

「こんにちはって……えぇ!?」

 

 

 

すると麻弥という人物は突然声を上げた。

 

 

 

「ん?」

 

「あああああなたは!黒崎優真さんですか!?」

 

「う、うん……そうだけど。」

 

「あ、あの!私大和麻弥っていいます!昔黒崎優真さんが出てたコンサートとか見に行ってました!」

 

「そ、そうなんだ……ありがとう。」

 

「(そんなに凄かったんだ……。)」

 

「特にあの出れる人は少ないと言われる、あのFWFとか!」

 

「っ!?」

 

「それも見に来てくれてたの?」

 

「はい!」

 

 

 

するとリサは耳を疑った。

麻弥は確かにFWFと言った。

 

 

 

「……ゆ、優真?」

 

「え?どうしたの?」

 

「優真ってもしかして……FWFに出たことがあるの?」

 

「そ、そうだけど……。」

 

「っ!そうだったの!?」

 

 

 

すると……

 

 

 

ガラッ!

 

 

 

「優真!やっぱりここにいたのね!」

 

「っ!?な、なんでここが……。」

 

「またここを通ったら、優真の声が聞こえたからよ、さて教えてもらおうかしら?」

 

「友希那?ちょっと待ってくれないかい?」

 

 

 

すると薫が友希那を止める。

 

 

 

「何かしら薫?」

 

「どうやら今ならおいしい話が聞けそうだよ?なんなら友希那も一緒にどうだい?」

 

「……わ、わかったわ……でもなんの話なの?興味無い話はお「彼がFWFに出たと言う話をね。」」

 

「っ!……それは本当かしら?」

 

 

 

友希那がそう聞く。

 

 

 

「あぁ、まぁ友希那もこっちに来たまえ。」

 

「……わかったわ。」

 

 

 

そういうと友希那は優真達がいるところにやってきた。

 

 

 

「それで?そのFWFに出たのいうのは本当なのかい?」

 

「……うん。」

 

「そ、そうなんだ……。」

 

「でもFWFはまずコンテストに出るためには3人以上のメンバー、そして上位3位以内に入っていないとダメなはずだけど、優真はそれを満たしてたの?」

 

「ううん、全然。」

 

 

 

するとリサは驚いた顔をしていた。

 

 

 

「え?じゃあどうやって出られたの?」

 

「……俺が出た時は、特別枠ってものがあったんだ。」

 

「「特別枠?」」

 

 

 

麻弥とリサが声を揃えて言う。

 

 

 

「うん、俺が出た当時はコンテストの他に特別枠ってものがあるんだけど、その枠には主催者から招待状を送られた者だけしかその枠を獲得出来ないんだ。」

 

「そうなんだ。」

 

「そしてその特別枠に入れるのは……1人だけ。」

 

「その1人に優真が選ばれたって事?!」

 

「そうだよ。」

 

 

 

と優真は冷静に答える。

 

 

 

「凄いじゃないか。」

 

「……でも。」

 

「?……でも?」

 

「……俺はその時……コンテストがあるものだと知らなくてさ、あるって知ったのは出るって決まった後だったんだ。」

 

「……それを知って優真はどう思ったんだい?」

 

「……確かに、俺が凄いって評判になってたっていう話は聞いた……でも、そのコンテストがプロでも落選が当たり前だって言うのも聞いてる……他のみんなが苦労しているのに……俺だけこんな簡単に出られていいのかなって……俺がみんなに届けてる音楽って……本当に凄いって思われてるのかなって……その時少し心が不安になったよ……。」

 

「優真……。」

 

 

 

優真はその時の気持ちをみんなに伝えた。

 

 

 

「俺は……。」

 

「?」

 

「……俺は、特別なんかじゃなく……自分自身の音楽として見てほしかった……。」

 

「……あなたは……やはり……。」

 

「いやぁ……儚い。」

 

 

 

すると薫はそういった。

 

 

 

「……えっと……儚い?」

 

「あぁ、儚いよ。」

 

「……あの ……どういうこと?」

 

「つまり……そういうことさ(?)」

 

「「「「……(汗)」」」」

 

 

 

みんな訳分からん状態になっていた。

するとまた薫は話し出した。

 

 

 

「特別じゃなく……自分自身の音楽として……いい言葉じゃないか。」

 

「そ、そうなのかな?」

 

「あぁ。」

 

 

 

するとそれを聞いていた麻弥がこんな事を優真に聞いた。

 

 

 

「あの、黒崎さん?」

 

「優真でいいよ。」

 

「優真さん、1つ聞きたいんですけど。」

 

「何?」

 

「優真さん1年前ぐらいにライブとかコンサートで歌や楽器を弾かなくなるどころか、あまり活動しなくなったとお聞きしたんですが、もう人前で歌ったり弾いたりしないんすか?」

 

「っ!」

 

 

 

すると優真の表情が突然変わった。

 

 

 

「ゆ、優真……?」

 

「……。」

 

「?……どうしたんだい?」

 

「……大和……。」

 

「は、はい!」

 

「……悪いけど……それに関してはなんとも言えない……かな?」

 

「そ、そうっすか……なんか理由があるんすか?」

 

「……それもノーコメントで……ごめんね?」

 

 

 

優真はそう返す。

 

 

 

「な、なんかすいません!気になったばっかりに!」

 

「いやいやいいんだよ笑」

 

「……優真……。」

 

「というか早くお昼食べよ?せっかくの昼休みがもったいないよ?」

 

「そ、そうだね……じゃあ食べるとしようか。」

 

 

 

そういうとみんなはお昼ご飯を食べ始めた。

 

 

 

数時間後……

 

 

 

リサside……

 

 

 

「……。」

 

「ん?今井さん、どうしました?」

 

「え?あぁ……ごめんね……おかしかった?私……。」

 

「は、はい……なんか休憩中ずっと下を向いていたので。」

 

 

 

と紗夜が言う。

 

 

 

「リサ姉大丈夫?」

 

「う、うん……。」

 

「リサ?」

 

 

 

すると友希那が声をかける。

 

 

 

「何?」

 

「間違ってたら申し訳ないけど、やっぱりリサもあの時の優真の発言が気になってるの?」

 

「……正直に言うと……そうなんだよね。」

 

「何かあったんですか?」

 

「……実はね……。」

 

 

 

するとリサは優真がFWFに出ていたという話を3人に話した。

 

 

 

「えぇ!?」

 

「黒崎さん、FWFに出てたんですか!?」

 

「私も驚いたよ……まさか優真がそこまで凄いとは思ってなくて。」

 

「私も初耳だったの……だから私も聞いた時、びっくりしたわ。」

 

「……ねぇ友希那!」

 

 

 

すると突然リサは立ち上がった。

 

 

 

「……私……気持ちが変わったよ。」

 

「?……何が?」

 

「優真を……どうにかRoseliaの一員にできないかな?」

 

「っ!?」

 

「今井さん!?」

 

 

 

リサの口からはとんでもない発言が出た。

 

 

 

「……リサ。」

 

「それに……なんとしてでも聞き出すよ……どうして……大きなステージで歌や楽器を弾かなくなったのか……そして……どうして音楽の世界から姿を消したのか……。」

 

「今井さん……。」

 

「私……優真の力になりたい……優真を救いたい!……私でどうにかなる問題じゃないのはわかってるよ?でも……今優真をRoseliaのマネージャー……Roseliaの一員にするにはやれることからやるしかないから!」

 

 

 

リサがそういう。

 

 

 

「……だから……私……友希那に協力するよ。」

 

「……ありがとう……リサ。」

 

 

 

そしてリサの気持ちは変わった。

 

 

 

「ですが、どうやって聞き出すんですか?さっき聞いた話だと、黒崎さんはそれ関連の事は全く口をきいてくれないと言ってませんでした?」

 

「そうよ。」

 

「……じゃあどうするんですか?」

 

「私に考えがあるの。」

 

 

 

そしてみんなに作戦を伝え、

後日それを決行する事になった。

 

 

 

つづく




次回もよろしくお願いいたしますm(_ _)m
感想などもお待ちしております!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第5話 わからない真実

第5話目です。
それでは本編をどうぞ!


数日後……

 

 

 

「優真?」

 

「ん?どうした……ゆ、友希那……。」

 

「ごきげんよう。」

 

 

 

優真はリサの声をかけられ、リサの方を向くとそこには今の優真にとっては危険人物である湊友希那の姿もあった。

 

 

 

「……な、何?」

 

「今日の放課後……何か予定とか入ってるかしら?」

 

「え?……な、何もないけど。」

 

「なら今日の放課後……サークルという場所でリサと2人で練習しようと思ってるのだけれど……優真にも付き合ってほしいのよ。」

 

「練習に?俺が?」

 

 

 

すると優真は少し疑うように聞く。

 

 

 

「優真昔凄いって言ってたじゃん?だからアドバイスみたいなのも欲しいなぁ〜って思ってさ……ダメかな?」

 

「……まぁ……それくらいなら……いいけど。」

 

「じゃあ決まりね。」

 

「じゃあ放課後よろしくね♪」

 

「お、おう。」

 

 

 

そして優真は今日の2人の練習にアドバイス役として付き合う事になった。

 

 

 

数時間後……

 

 

 

「着いたよー。」

 

「へぇー結構大きめなんだね。」

 

 

 

学校も終わると友希那とリサと一緒にサークルというライブハウスにやってきた。

 

 

 

「じゃあ行きましょうか。」

 

「おっけー♪」

 

 

 

そして3人は中に入っていった。

 

 

 

サークルスタジオの前……

 

 

 

「ここだよ。」

 

「さぁ優真から先に入って?」

 

「……こういうのってレディファーストじゃないの?」

 

「いいからいいから♪」

 

「……そ、そう。」

 

 

 

そう言われ優真は練習スタジオの中に入ろうとした時だった……

 

 

 

「……。」

 

「ん?どうしたの優真?」

 

「……あのさ……変な事聞くようだけどさ。」

 

「?」

 

「……今日の練習って……本当に2人だけ?」

 

 

 

優真がそう聞く。

 

 

 

「え?そ、そうだけど?(汗)」

 

「本当に?」

 

「ほ、本当よ?」

 

「……ならいいんだけど。」

 

 

 

優真がそういい、中に入る……すると。

 

 

 

「「やあぁぁぁ!!!」」

 

「(やっぱり……。)」

 

「っ!?」

 

 

 

すると優真は何者かの行動を冷静に避けた、すると……。

 

 

 

「いたたたた……。」

 

 

 

そこには今日はいるはずのない他のRoseliaのメンバーがいた。

 

 

 

「2人とも?」

 

「な、何かなー?(棒)」

 

「……今日は友希那とリサの2人だけじゃなかったの?」

 

「そ、そうだね……なんでいるんだろ?(でももう1人いるんだけどねぇー♪)」

 

 

 

優真がリサに尋ねていると、

後ろの方からもう1人が迫ってきた。

 

 

 

「(い、今だ!)」

 

「ふっ。」

 

「え?キャッ!」

 

 

 

優真はもう1人の気配を感じそれを避け逆に捕まえる……するとその1人もRoseliaのメンバーだった。

 

 

 

「捕まえた。」

 

「えぇ……。」

 

「友希那?リサ?……どういうことか説明してくれる?」

 

「……はい。」

 

 

 

優真の異常な動きにRoseliaは完敗し、リサは謝罪も兼ねて事情を説明した。

 

 

 

数十分後……

 

 

 

「なるほど……俺を捕まえて色々聞き出そうとしてたってことか。」

 

「はい……そうです。」

 

「それで?何を聞こうとしたの?」

 

「そ、それは……。」

 

「……あなたはどうして、大きな舞台で歌うことや弾く事をやめてしまったの?」

 

 

 

すると友希那が唐突に聞いた。

 

 

 

「ゆ、友希那!?」

 

「……だからそれは答えられないって。」

 

「この前大和さんがどうして人前で弾かなくなったのかと聞いて答えられないと言ったけれど、喫茶店であなたの演奏を見せてもらった時、楽しそうに弾いていたじゃない。」

 

「あ、あれはお客さんが聞きたいって言うから仕方なく……。」

 

「仕方なく……私にはそう見えないわ。」

 

「……。」

 

「……優真、まだ完全にわかったわけではないけども……あなたは……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何を恐れているの?

 

 

 

「っ!」

 

「ゆ、友希那?それ……どういうこと?」

 

 

 

友希那は優真にそのような事を聞いた。

 

 

 

「恐れる?……俺が?」

 

「えぇ……何か理由があるのでしょ?あのような……小さな場所で演奏出来るのに……外の世界では全く弾かなくなってしまった理由が……。」

 

「……。」

 

「私が今思うのは……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あなたにはまだ……楽しく音楽がしたいという気持ちがあるということ……。

 

 

 

「っ!!」

 

 

 

すると優真は友希那の言葉を聞いて表情が少し変わった。

 

 

 

「……優真?」

 

「……正直に言うと……理由はないことはないよ?」

 

「……やはりそうなのね。」

 

「その理由って?」

 

 

 

リサが聞く。

 

 

 

「……あるとするなら……。」

 

「?」

 

「……大事なものを……失ったから……かな?」

 

「大事なもの?それって……」ピピピピピ

 

 

 

すると突然優真のケータイが鳴った。

 

 

 

「あぁ、ごめん。」ピツ

 

「もしもし?優真ちょっといいか?」

 

「おじさんどうしたの?」

 

 

 

電話の相手は優真のおじさんだった。

 

 

 

「実はさ卵切らしちゃってさ、今どこら辺にいる?」

 

「サークルっていうライブハウスにいるけど。」

 

「それなら申し訳ないが帰りに3パックぐらい買ってきてくれないか?」

 

「わかった、3パックね?」

 

「おう、悪いな。」

 

「大丈夫だよ、じゃあね。」

 

「よろしくな。」ピツ

 

 

 

そして優真は通話を切った。

 

 

 

「悪いけど今日はもう帰るね。」

 

「う、うん……わかった。」

 

「……練習……頑張ってね。」

 

「……優真!」

 

 

 

すると帰ろうとした優真をリサが止めた。

 

 

 

「何?」

 

「……優真は……どうしても……私達のマネージャーになる気はない?」

 

 

 

リサがそういう。

 

 

 

「……何度も言うけど……今の俺じゃあ……お前らの力には……なれないよ。」

 

 

 

そう言い残し、優真はスタジオを後にした。

 

 

 

「……優真……。」

 

「大事なもの……ですか。」

 

「……とりあえず……練習を始めましょう。時間がもったいないわ。」

 

「そ、そうだね……。」

 

 

 

こうしてRoseliaは優真の真実が分からないままで終わった。

 

 

 

翌日……

 

 

 

「……。」

 

 

 

次の日のお昼、優真は学校の屋上で1人で過ごしていた。

すると昨日リサに言われた事を思い出す。

 

 

 

優真は……どうしても……私達のマネージャーになる気はない?

 

 

 

「……なりたいけど……なれないよ。」

 

「あ、あの!」

 

「ん?……君は……。」

 

 

 

そこには1人の少女が立っていた。

それはRoseliaのメンバーである子だった。

 

 

 

「……えっと……。」

 

「わ、私!宇田川あこっていいます!昨日はごめんなさい!」

 

「昨日?……君、なんかしたっけ?」

 

「昨日……黒崎さんを捕まえようとしたこと……。」

 

 

 

どうやらこの宇田川あこというものは、昨日優真を捕まえてまで質問攻めをしようとした事を誤っているようだ。

 

 

 

「捕まえる?……あぁーその事ね笑もう大丈夫だよ笑」

 

「ほ、本当ですか……?」

 

「うん、まぁ……誰かがいるってわかってたから。」

 

「……あの……その事で1つ気になることがあるんですけど。」

 

「ん?何?」

 

「どうして黒崎さんは……私達がいるってわかったんですか?」

 

 

 

あこがそう聞く。

 

 

 

「あぁー……なんというか……生まれつき……なのかな?……俺って昔から気配を感じ取りやすい人間なんだよね。」

 

「気配を……感じ取る?」

 

「うん、ゲームとかで聞く索敵?みたいなやつでさ、自分の周りに誰が何がいるとかわかるんだ。」

 

「それすごい!」

 

 

 

するとあこのテンションが上がっていた。

 

 

 

「そ、そんなに凄い?笑」

 

「はい!」

 

「そっか笑……それと宇田川さん。」

 

「は、はい?」

 

「俺の事は優真でいいし、そんな固くならずにタメ口でいいよ。」

 

 

 

優真がそういう。

 

 

 

「え?いいんですか?」

 

「うん、俺は全然そういうの気にしないから。」

 

「……じゃあゆう兄って呼んでいい?!」

 

「ゆ、ゆう兄?笑」

 

「うん!」

 

「……まぁ……それがいいならいいよ……宇田川さんが。」

 

「やったー!あと私の事はあこって呼んで?」

 

「わ、わかった。」

 

 

 

ということになった2人であった。

 

 

 

「そういえばゆう兄?」

 

「何?」

 

「友希那さんやリサ姉が言ってたけど、なんで音楽をするのをやめちゃったの?」

 

「してないわけではないよ、ただ……ライブハウスと舞台とかの大きなところで弾く事が出来なくなっただけだよ。」

 

「その理由が言えないの?」

 

「……うん。」

 

 

 

それを聞いてあこがある事を言う。

 

 

 

「じゃああこに言ってよ!」

 

「……ダメだよ……。」

 

「ど、どうして?」

 

「……これは……誰かに簡単に言えるようなものじゃないよ……。」

 

 

 

優真がそういう……

すると……。

 

 

 

「あ!いたいた!」

 

 

 

すると屋上の扉の方から友希那とリサが

やってきた。

 

 

 

「2人とも……。」

 

「探したわよ?」

 

「ていうかあこもいたんだね。」

 

「うん、昨日の事を謝りに来たんだ。」

 

 

 

あこがそういう。

 

 

 

「なるほどね。」

 

「優真?突然なんだけど、昨日の事で聞きたいことがあるの。」

 

「何?」

 

「あなたが昨日言った「大事なもの」って……あなたは……何を失ったの?」

 

「……あこにも行ったけど……簡単に誰かに言えるものじゃない。」

 

 

 

優真は再びそう主張する。

 

 

 

「……優真!」

 

「っ!」

 

 

 

するとリサは優真の手を握ってきた。

 

 

 

「なんで言えないのかはわからないけど!困ってるのなら、私優真の力になりたい!だからお願い私達に話して!」

 

「い、嫌だ!」

 

「……だったら!」

 

 

 

すると今度はあこがもう片方の手を握ってきた。

 

 

 

「なら!あこもゆう兄の力になりたい!あこ達なら大丈夫だよ!」

 

「そういう問題じゃないんだよ!あとお前らどんだけ近づいてくるんだよ!」

 

「私達!どんな内容だって受け入れるから!お願いだから!」

 

「ゆう兄!あこからもお願い!」

 

「あぁー!もぉー!!!」

 

 

 

すると優真は2人の手を振り払った。

 

 

 

「……いいんだろ?」

 

「え?」

 

「言えば……いいんだろ?」

 

「っ!ほんと!?」

 

「……わかったよ……言うよ……理由を。」

 

 

 

どうやら優真は2人の勢いに負け、

理由を言うらしい。

 

 

 

「……大丈夫だよ、私達なら大丈夫だから……聞かせて?」

 

「うん……それは……。」

 

 

 

その時だった。

 

 

 

キーン!!!

 

 

 

「ゔっ!?」バタンッ

 

「「「っ!?優真!?(ゆう兄!?)」」」

 

 

 

すると突然優真は頭を抑えながら倒れてしまい、唸り始めた。

 

 

 

「優真!どうしたの!?しっかりして!!!」

 

「ゆう兄!ゆう兄!!!」

 

 

 

そして優真は……病院に運ばれた。

 

 

 

つづく




次回もよろしくお願いしますm(_ _)m
感想などもお待ちしております!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第6話 優真の過去……失ったもの

第6話です。
早速本編をどうぞ!


リサside

 

 

 

「起きないね……優真。」

 

「えぇ。」

 

 

 

優真が突然倒れてから私達は先生に伝え、

優真は救急車で運ばれた。

そして私達は病院の場所を聞き、私達は優真が寝ている病室に来ている。

 

 

 

「ゆう兄……なんで倒れちゃったんだろ……。」

 

「わからないわ……リサ?学校でおかしかったりしなかった?」

 

「ぜ、全然元気だったよ!」

 

「そ、そう……。」

 

 

 

そんな感じで話していると……。

 

 

 

「湊さん!今井さん!宇田川さん!」

 

「紗夜……燐子……。」

 

 

 

入ってきたのは氷川紗夜、そして白金燐子だった。

 

 

 

「彼が倒れたと……今井さんから聞いたのですが……。」

 

「うん……でも突然過ぎて何が何だか。」

 

「あの……その人は大丈夫なんですか?」

 

「えぇ、命に別状はないそうよ。」

 

「そ、そうですか……。」

 

 

 

するとまた病室の扉が開いた。

 

 

 

「失礼……あれ?Roseliaの子達じゃないか。」

 

「「おじさん!」」

 

 

 

次に現れたのは優真のおじさんだった。

 

 

 

「どうしてここに?」

 

「優真が倒れた時に私達も一緒にいたんです、だから私達も様子を見に。」

 

「なるほどね……俺もさっき優真が学校で倒れたと店に電話が来てね、店を一旦閉めて来たんだ。」

 

「そうですか。」

 

 

 

すると……

 

 

 

「あ、あの!」

 

「ん?どうしたリサちゃん。」

 

 

 

すると突然リサはおじさんに声をかけた。

 

 

 

「教えてください!優真に何があったのか!」

 

「……というと?」

 

「優真は突然大きな場所で音楽をすることをやめてしまったと聞きました!でも……それは大事なものを失ったからと聞いて……だから!教えてください!昔の優真に何があったのか!!!」

 

「リサ……。」

 

「……そうか……。」

 

 

 

するとおじさんは優真の近くの椅子に腰をかけた。

 

 

 

「……どうして知りたい?」

 

「それは……。」

 

「優真をRoseliaのマネージャーにしたいからよ。」

 

 

 

すると突然友希那が割り込むように入ってきた。

 

 

 

「ゆ、友希那。」

 

「私は優真の事は大きなステージに立っていた頃から知っている……でも彼が音楽の世界から姿を消した時……私は彼が心配になったわ……。」

 

「うん。」

 

「でも……彼があの喫茶店で演奏している姿を見てとても楽しそうに演奏しているのが伝わった……それで私は思ったの……彼が……優真のような人がRoseliaのマネージャーになってくれれば……私達を……Roseliaをあのステージに導いてくれると思ったの。」

 

「……。」

 

「友希那さん……。」

 

 

 

そして友希那は話を続けた。

 

 

 

「彼の音楽は……まだ死んでいない……。」

 

「……。」

 

「おじさんは彼のあの演奏を見て、まだ本当の優真じゃないと言えるの?」

 

「……そうだな。」

 

 

 

するとおじさんは立ち上がった……。

そしておじさんは病室の扉の鍵を閉めた。

 

 

 

「あ、あの……なぜ鍵を閉めたんですか……?」

 

「なぜって……聞きたくないのか?」

 

「え?」

 

「……優真の昔話。」

 

「「っ!?」」

 

 

 

すると友希那とリサは驚いた顔をしていた。

 

 

 

「教えてくれるんですか!?」

 

「……君達なら……教えてやってもいい。」

 

「っ!ありがとうございます!」

 

「ただ……。」

 

「?……ただ?」

 

「優真の過去は本当に残酷なものだ……ある意味な。」

 

「は、はい。」

 

「それでも……優真の過去がどんなものでも……友希那ちゃんとリサちゃんは優真を受け入れるか?」

 

 

 

おじさんがそういう。

 

 

 

「えぇ……そのつもりよ。」

 

「わかってます。」

 

「……わかった……そこの3人も大丈夫か?」

 

「はい!大丈夫です!」

 

 

 

あこが返事をしそれに合わせ紗夜と燐子も頷く。

 

 

 

「わかった……それじゃあ話をしよう……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優真の過去の話を……

 

 

 

数年前……

 

 

 

優真は黒崎優一という世界で活躍するアーティストそして花崎実里というアーティストの……そんなプロの間に生まれた男の子だった。

 

2人は優真の誕生にとても喜んでいた。

 

しかし優真が生まれた時……ある能力が判明した……それが「絶対音感」だった。

 

それが判明したのはある日のこと、優真は母実里とテレビを見ていると1人のピアノを弾いた人がテレビに映った……それを優真が見て聞いた事が始まりだったのか……その次の日優真は教えてもいないピアノを弾いていたのだ……しかもそのテレビで弾いていた曲と同じものを……。

 

それが優真の能力……絶対音感の始まりだったの。

 

その能力を生かしピアノから始まり……ギター・ベース・ドラム・ヴァイオリンなど……更には歌も……優真は様々な楽器をマスターしていった。

 

そして優真は楽器をマスターするとコンテストなどでは多くの賞を獲得……そして色んなライブやイベントから出演のオファーが殺到……そして中学1年の頃には優真はいつしか「天才」……そう呼ばれるようになった。

 

そしてある日……優真に一通の封筒が届いた。

その封筒を開けると1枚の文の書かれた手紙とチケットの様なものが入っていた。

優真はその手紙を読むとそこにはこのように書かれていた。

 

黒崎優真様

 

このような形での突然のご挨拶をお許しください。

私はFUTURE WORLD FESというイベントの主催者の者です。

今年にそのイベントが行われるのですが、

是非とも黒崎優真様に特別枠として出演していただけないでしょうか?

ご検討の程よろしくお願い致します。

 

FWF主催者

 

そして入っていたチケットの様なものをよく見るとFUTURE WORLD FES出場特別枠の出場権のチケットだった。

 

優真はその依頼を受け優真はそのFUTURE WORLD FESという大きなステージで演奏をした。

 

その場所で演奏した事で優真は芸能事務所からスカウトが入り、その当時デビュー入りを果たした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしその後……優真に予想もしていなかった悲劇が襲った。

 

 

 

ある日優真の両親は、仕事で海外に行くことになり優真は家で1人で留守番をすることになった。

 

優真もついて行きたかったというのもあったが、これでもアーティストでもあるので日本での仕事があったため優真は行かなかった。

 

 

そして両親が海外に行ってから数日……

親は海外から帰ってきた……しかし……帰ってきたのは優真の両親ではなく……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優真の……両親の遺体だった。

 

 

 

優真の両親が帰国する日、帰りの飛行機の不備による事故で優真の両親はその事故に巻き込まれ、帰らぬ人となったという。

 

優真は両親の死を受け入れられず、アーティストとしての活動はしばらく休止という形をとった。

 

優真の両親の死から数週間後……

アーティストの活動も再開し、優真は仕事でライブの会場に来ていた。

 

しかし……優真はギターを持ち、ステージに立った……しかしその時……その時来ていたお客さんも困惑されるかのような出来事が起こっていた……それは何かというと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優真は歌も……楽器の演奏も出来なかった……。

 

 

 

その時のライブは急遽中止という形となった……。

 

そして医者などにいき、診断の結果両親が亡くなったことによるショックだろうという結果になった……

 

しかし……優真のあの出来事はたまたまだろうと思っていたが……他の場所でもやはり……優真が大きなステージで歌や演奏が出来る事はなかった。

 

 

 

そして優真は事務所とこの事について話し合い、事務所の社長からはかなり厳しめの言葉を言われた……

 

「もうこれ以上……ステージで歌うことも楽器を弾くことも出来ない者に……アーティストとしてステージに立たせる訳にはいかない。」

 

社長から言われた言葉だった。

 

そして優真は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

音楽の世界から……姿を消したのだった。

 

 

 

つづく




今回もありがとうございます!
感想などもお待ちしておりますm(_ _)m


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第7話 託される思いそして紗夜の気持ちの変化

第7話目です。
今回はいつもより短めですのでよろしくお願いしますm(_ _)m
それでは早速本編をどうぞ!


「……これが……優真の昔だ。」

 

 

 

おじさんが優真の過去を話すと……当然のように場の空気が重くなっていた。

 

 

 

「優真に……そんなことが……。」

 

「じゃあゆう兄は……お父さんやお母さんが亡くなってから……ずっと1人だったってことなんですか……?」

 

「……あぁ。」

 

 

 

おじさんはそう答える。

 

 

 

「こんな事って……。」

 

「……優真が……友希那ちゃんの誘いを断ったのは……君達に……迷惑をかけたくなかったからなんだと思う。」

 

「迷惑?」

 

「さっきも言ったように、優真はおそらく……あいつらが死んだことでショックを受け……それで歌うことも……楽器を弾くことも出来なくなったと言ったと思うが……それと同じように……今の状態で……外の世界で弾けないような自分じゃ……きっと迷惑をかける……そう思ったんじゃないかな?」

 

「……そういうことだったんだ……。」

 

 

 

するとリサが納得する。

 

 

 

「あの……1つ気になったのですが。」

 

「なんだ?」

 

「両親が昔飛行機の不備による事故で亡くなったとおっしゃいましたよね?ということはあなたは黒崎さんのなんなのですか?」

 

 

 

と紗夜が聞く。

 

 

 

「あぁーそうなるよな笑……まぁ……俺は優真の……親戚みたいなものだ。」

 

「そうだったのですか?」

 

「そしてもう1つ……。」

 

「?……もう1つ?」

 

「……俺は……黒崎優一の……兄貴だ。」

 

「「えぇ!?」」

 

 

 

するとリサとあこが驚いていた。

 

 

 

「じゃあ……優真のお父さんは……おじさんの弟……。」

 

「改めて……俺は黒崎守というものだ……よろしくな。」

 

 

 

守は簡単に自己紹介を済ませた。

 

 

 

「まぁ……俺は一応優真の過去に関することは全部言った、だからあとはこんな過去と向き合っている優真でもRoseliaのマネージャーにしたいというのなら……お前らの好きにしろ。」

 

「おじさん……。」

 

「俺は……止めはしないから……じゃあ俺は店に戻らなきゃだから……優真の事……よろしくな?」

 

 

 

そういうと守は病室を出ていった。

 

 

 

数時間後……

 

 

 

その後優真は無事目を覚まし、一応様子を見るため今日まで入院し問題がなければ明日退院ということになった。

 

 

 

「……。」

 

「湊さん……結局どうするんですか?」

 

「……どうするって?」

 

「黒崎さんのマネージャーの件です……湊さんは……気持ちは変わってないのですか?黒崎さんをマネージャーにしたいという気持ちは。」

 

「変わらないわよ?」

 

「っ……そうですか……。」

 

 

 

すると紗夜は少し間をあけ、再び話し始めた。

 

 

 

「わかりました、なら……私も協力します。」

 

 

 

紗夜がそういう。

 

 

 

「紗夜!?」

 

「紗夜さん……。」

 

「そこまで黒崎さんをマネージャーとして歓迎したいという気持ちははっきり伝わりました……ですがあなただけでは心配です。」

 

「紗夜……。」

 

「……やるからには……本気でやるものです。」

 

「……ありがとう……。」

 

 

 

こうして紗夜も優真をマネージャーにするという友希那の気持ちに紗夜も加わったのだった……。

 

 

 

つづく




今回もありがとうございます。
感想などもお待ちしておりますm(_ _)m


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第8話 優真の退院後……

青薔薇と天才と呼ばれた少年……連載再開します。
※久しぶりの投稿なので1から読んでからこの話を見ることをおすすめします。


優真「お世話になりました。」

 

病院の人「お大事になさってくださいね。」

 

 

 

優真が倒れてから数日……

優真の体調は良くなり退院する事が出来た。

 

 

 

一応念の為病院の先生からは色々その時に対応出来るよういくつかの薬をもらっている。

 

 

 

そして優真は自分の家に帰って行った。

 

 

 

数十分後……

 

 

 

優真「ただいまー。」

 

守「っ!優真!」

 

 

 

優真が帰ってくると、すぐに守が駆け寄った。

 

 

 

守「か、帰ってくるなら電話かメールくれよ笑」

 

優真「いや、先生がおじさんに連絡するから大丈夫だよって言うから。」

 

守「確かに連絡は来たけど……(汗)」

 

 

 

何も言わずに帰ってきた優真に守は少し困惑していた。

 

 

 

守「とにかく無事でよかった。」

 

優真「う、うん。」

 

 

 

すると優真は言う。

 

 

 

優真「じゃあ俺今日からお店の手伝いに復帰する「まてまてまてまて(汗)」」

 

 

 

すると守は病み上がりの優真を慌てて止める。

 

 

 

守「お前まだ治ったばっかりなんだから今日までは安静にしてろ(汗)」

 

優真「え?でもお店が大変なんじゃ。」

 

守「今日はお店の事は大丈夫だから。」

 

優真「ほ、ほんとに?」

 

 

 

と優真は聞き返す。

 

 

 

守「あぁ。」

 

優真「……わ、わかった。」

 

守「とりあえず部屋でゆっくりしてな?」

 

優真「じゃあ……今日はそうする。」

 

 

 

そう言われると優真は荷物を持って自分の部屋に向かった。

 

 

 

守「やれやれ……。」

 

 

 

すると。

 

 

 

カランカラン……

 

 

 

???「ごめんください。」

 

 

 

お店のドアが開く。

すると1人の少女が入ってきた。

 

 

 

守「おや?君は確か。」

 

???「あぁ、昨日黒崎さんのお見舞いに来ていたRoseliaの氷川紗夜です。」

 

 

 

やってきたのはRoseliaのギター、氷川紗夜だった。

 

 

 

守「あぁー紗夜ちゃんね。昨日はどうもね。」

 

紗夜「いえ。こちらこそ黒崎さんの話が聞けてよかったです。」

 

 

 

そういうと紗夜は一礼する。

 

 

 

守「それより、今日は1人か?」

 

紗夜「は、はい……そうですが。」

 

守「そうなのか。」

 

 

 

すると紗夜が言う。

 

 

 

紗夜「ところで黒崎さんは?」

 

守「あぁ優真なら自分の部屋で休んでるよ。あいつさっき病院から帰ってきたばっかりで病み上がりだから今日まで休ませることにしたよ……まぁあいつ無理に店の手伝いをしようとしたけどね。」

 

紗夜「そうなんですか……。」

 

 

 

すると守がこんな事をいう。

 

 

 

守「なんなら優真の部屋行ってみるかい?」

 

紗夜「え、く、黒崎さんの部屋にですか?」

 

守「あぁ優真の部屋は常に綺麗だから、誰が来ても嫌がるような部屋じゃねぇよ笑」

 

紗夜「そ、そうですか……じゃあお邪魔します。」

 

守「おう。」

 

 

 

紗夜は優真の部屋に向かった。

 

 

 

数分後……

 

 

 

守宅に入り、2階に上がる……そして紗夜は

優真の部屋の前まで到着した。

 

 

 

紗夜「……。」

 

 

 

そして紗夜は優真の部屋をノックする。

すると……。

 

 

 

ガチャ……

 

 

 

優真「なんだよおじ……っ。」

 

紗夜「こ、こんにちは。」

 

 

 

優真は部屋の前にいたのが守ではなく紗夜たったことに少し驚いた。

 

 

 

優真「た、確か。」

 

紗夜「あ、Roseliaの氷川紗夜です。」

 

優真「あぁ……Roseliaの……で、なんで俺の部屋の前にいるの?」

 

紗夜「あなたに用があってきたんです。

そしたら守さんが自分の部屋にいると言われ通してくれたんです。」

 

 

 

すると優真は言う。

 

 

 

優真「……まぁとりあえず入って。」

 

紗夜「失礼します。」

 

 

 

そして優真は紗夜を部屋に通す。

 

 

 

優真「はい、とりあえずここに座って。」

 

紗夜「あ、ありがとうございます。」

 

 

 

優真は紗夜に椅子を用意し、紗夜はその椅子に腰を下ろす。

 

 

 

優真「……で、用って?」

 

紗夜「……あの。」

 

優真「ん?」

 

紗夜「え、えっと、その……。」

 

 

 

すると優真は何かを察しこんな事を言う。

 

 

 

優真「もしかして君も気持ちが変わったのか?」

 

紗夜「っ!」

 

優真「どうせRoseliaのマネージャーを引き受けてくれせんか?……とかでしょ?」

 

 

 

と、優真は言う……すると紗夜は。

 

 

 

紗夜「……そうだとしたら……なんて言うつもりだったんですか?」

 

優真「断る。」

 

紗夜「わ、私からお願いしてもダメなんですか?」

 

優真「誰が来ても同じ。俺は誰かの力になろうなんて思わないし迷惑かけるだけだし。」

 

紗夜「っ!そんなのわかんないじゃないですか!」

 

優真「俺がわかるから言ってるんでしょ?」

 

紗夜「っ!」

 

 

 

そして優真は話を続ける。

 

 

 

優真「……聞いたんでしょ?俺の昔の話。」

 

紗夜「っ!な、なんでそれを。」

 

優真「聞いてたからだよ……あの時。」

 

紗夜「……起きてたんですね。」

 

優真「……うん。」

 

 

 

紗夜の言葉に優真は素直に返事を返す……

すると優真は。

 

 

 

優真「ごめん氷川。」

 

紗夜「え?」

 

優真「申し訳無いけど……俺は……たとえ氷川達がRoseliaでもRoseliaじゃなかったとしても……俺は誰かの力にはなれない……今の俺は……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう……あの頃の黒崎優真じゃないから。

 

 

 

 

 

紗夜「黒崎さん……。」

 

 

 

すると紗夜は……。

 

 

 

紗夜「……私は。」

 

優真「?」

 

紗夜「……私は、昔あなたが大きな舞台で歌ったり楽器を演奏したりしていた頃から……あなたのことは知っていました。」

 

 

 

紗夜はさらに話を続ける。

 

 

 

紗夜「あの頃のあなたは確かに輝いていた……誰よりも……他の人だって輝いていました……でもあなたから見えた輝きは他の誰よりも違かった……でも……そんなあなたは突然姿を消した……その時、私の心は悲しかった……もう……あなたの歌や演奏が聞けないんだ……そう思いました。」

 

優真「……。」

 

紗夜「でも……約1年、あなたの音楽を聞けなくなったある日……あなたは現れた……私達の前に……湊さん達の話を聞いて最初は耳を疑いましたが……でもこの喫茶店であなたのギターの音色を聞いて私は確信がついた……あの人の音色だ……黒崎優真の音楽だって……その時私は……とても嬉しい気持ちになりました……1年ぶりに、あなたの音楽が聞けて。」

 

優真「氷川……。」

 

紗夜「だから……黒崎さん。」

 

 

 

すると紗夜は優真の手を握る。

 

 

 

紗夜「どうか……Roseliaのマネージャーになってください……私からもお願いします。」

 

 

 

その紗夜の思いに対して……優真は。

 

 

 

優真「……ごめん。」

 

紗夜「大丈夫です。」

 

優真「え?」

 

紗夜「……どうしてもダメだと言うのなら……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Roseliaの音楽で……あなたを救います。

 

 

 

 

 

優真「っ!」

 

紗夜「黒崎さん……私はいつでも……いくらでも待ち続けます……あなたが……こっちの世界に戻ってくるまで……。」

 

優真「氷川……。」

 

紗夜「では私はこれで……。」

 

 

 

そう言って紗夜は部屋を出ていった。

 

 

 

優真「……無理だよ……氷川。」

 

 

 

一方その頃……

 

 

 

燐子「やっぱり……あれはゆうくんだ……間違いない。」

 

 

 

燐子は自分の部屋で寝っ転がっていた

 

 

 

燐子「(でも……私を見ても反応無いって事は……やっぱり人違いなのかな……。)」

 

 

 

しかし燐子はこんなふうに1人で

何かを呟いていた。

 

 

 

燐子「(忘れちゃったのかな……ゆうくん……。)」

 

 

 

そう言いながら燐子は、しおりを握りしめていた。

 

 

 

つづく……




感想お待ちしております。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第9話 再開

燐子「……どうしよう。」

 

 

 

ある日の事、彼女は悩みながらどこかに向かっていた。

 

 

 

燐子「本当に人違いかもしれないし……顔が似てるだけかもしれないって可能性も……。」

 

 

 

燐子はどうやら、あの黒崎優真が

数年前に出会った人と同じ人なんじゃないかと悩んでいた。

 

 

 

しかし自分で人見知りだということがわかっているのもあり、踏み出す勇気がなかった。

 

 

 

そう考え事をしている時だった。

 

 

 

???「ちょっとそこのお嬢さん?」

 

燐子「は、はい?!」

 

 

 

燐子は後ろから変な人に声をかけられた。

 

 

 

変な人「君1人?」

 

燐子「は、はい。」

 

変な人「ちょうどよかった♪実は今色んな高校生にインタビューをしていまして♪」

 

燐子「い、インタビュー?」

 

変な人「今お時間いいですかな?」

 

 

そういうと燐子は言う。

 

 

 

燐子「わ、私これから行こうとしてるところがあるので……「すぐ終わるので大丈夫ですよ♪」」

 

 

 

と変な人は言うと、燐子はその変な人が段々怖くなって来ていた。

 

 

 

燐子「ほ、本当に……急いでるんです!」

 

 

 

そう言い燐子は立ち去ろうとすると。

 

 

 

ガシッ!

 

 

 

燐子「っ!?」

 

変な人「すぐ終わりますから……ね?」

 

 

 

燐子はその一言で怖くなり動けなくなってしまった……。

 

 

 

変な人「さ、行きましょう?」

 

???「あの……。」

 

燐子・変な人「っ!?」

 

 

 

すると突然横から少年が声をかけてきた。

その人物とは……。

 

 

 

優真「何してるんすか?」

 

燐子「く、黒崎さん……?」

 

 

 

黒崎優真だった。

 

 

 

変な人「何って……い、今高校生にインタビューしてるんですよ!(汗)」

 

優真「思いっきり彼女の腕掴んでるじゃないですか。」

 

変な人「は!こ、これは!」

 

 

 

すると変な人はこんなことを思っていた。

 

 

 

変な人「(こ、こいつ……いつから俺らの近くに居がった……全然気配がしなかったぞ……。)」

 

優真「もしかして……変質者かなんかですか?」

 

変な人「なっ!お、お前!大人に向かって失礼だろ!」

 

優真「人の体に触れておいてよくそんなこと言えますね?」

 

変な人「っ!……このやろ……。」

 

 

 

すると男は……。

 

 

 

変な人「後悔するなよ!」

 

燐子「っ!?」

 

 

 

変な人は突然優真に襲いかかる。

しかし優真は……。

 

 

 

フンッ……

 

 

 

変な人「っ!?」

 

燐子「え?」

 

 

 

優真は相手の拳を冷静に避ける。

そして相手は体制を崩してしまう。

 

 

 

燐子「す、凄い……。」

 

優真「君!ちょっとごめん!」

 

燐子「え?きゃっ!?」

 

 

 

優真は燐子をお姫様抱っこし、

優真は猛ダッシュで逃げた。

 

 

 

数分後……

 

 

 

変な人から逃げた優真と燐子は

なんとか逃げ、その数分後男が追ってくる様子はなかった。

 

 

 

優真「大丈夫だった?」

 

燐子「は、はい……あ、ありがとう……ございます。」

 

優真「あ、ごめん今おろすね。」

 

 

 

優真は燐子をおろす。

 

 

 

優真「えっと……君って。」

 

燐子「あ、白金……燐子……です。この前……友希那さん達といた……。」

 

優真「あぁ!あの時の!なんかあって間もないのにお見舞いとか来てもらっちゃってなんかごめんね(汗)」

 

燐子「い、いえ!大丈夫……です(やっぱり前と変わらない……。)」

 

 

 

すると燐子はこんなことを聞く。

 

 

 

燐子「そ、そういえば……黒崎さんは……何をされてたんですか?」

 

優真「え?……あ!」

 

 

 

すると優真は何かを思い出したかのように声をあげる。

 

 

 

燐子「っ!?」

 

優真「そうだ……おじさんからおつかい頼まれてたんだった……。」

 

燐子「そ、そうなんですか?」

 

優真「う、うん(汗)」

 

 

 

すると燐子は言う。

 

 

 

燐子「あの……もし良ければ……そのおつかい、お手伝い……させてください。」

 

優真「え?」

 

燐子「さっき……助けてもらったので……そのお礼として……。」

 

優真「で、でもそんなないし大丈夫だよ。」

 

燐子「だ、ダメですか?」

 

優真「うーん……。」

 

 

 

優真は少し考える……そして。

 

 

 

優真「じゃあ……お願いしてもいいかな?」

 

燐子「っ!あ、ありがとうございます!」

 

優真「じゃあスーパーにレッツゴー♪」

 

 

 

そして2人でスーパーに向かった。

 

 

 

数十分後……

 

 

 

カランカラン……

 

 

 

守「お、おかえり優真。」

 

優真「ただいま。」

 

守「ん?」

 

燐子「こ、こんにちは。」

 

 

 

しばらくして2人はスーパーで買い出しが終わり店に戻ってきた。

 

 

 

守「その子は確か。」

 

燐子「あ、し、白金……燐子です……この前黒崎さんのお見舞いに来てた……Roseliaのキーボードです。」

 

守「あー燐子ちゃんか、いらっしゃい。でもなんで一緒に来たんだ?」

 

 

 

と守が聞くと。

 

 

 

優真「あぁ、さっきこの子が変な人に絡まれててさそれで俺が助けた。それでお礼で買い出しを手伝ってもらってた。」

 

守「そうか、すまないね燐子ちゃん。」

 

燐子「は、はい/////」

 

守「じゃあ買ったやつは厨房に置いといていいよ。おじさんがしまっておくから。」

 

優真「わかった。」

 

 

 

そう言われ優真と燐子は厨房に入っていった。

 

 

 

優真「ここでいいよ。」

 

燐子「わ、わかりました。」

 

 

 

燐子は優真の指示で買ったものを指定された場所に置く……すると……。

 

 

 

ポロッ……

 

 

 

優真「ん?白金?なんか落ちたぞ?」

 

 

 

優真は燐子のポケットから本に挟むしおりのようなものが落ちたのに気がつき、腰を下ろしそれを拾う。

 

 

 

燐子「あ、ありがとうございます。」

 

優真「……え。」

 

燐子「?……黒崎さん?」

 

 

 

すると優真はしおりを見てずっと固まっていた……すると優真は燐子の顔を少し見る……そして優真はこんな事を言う。

 

 

 

優真「……このしおり。」

 

燐子「え?」

 

優真「……まさか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

りんちゃん……?

 

 

 

 

 

燐子「っ!」

 

優真「俺がりんちゃんと仲良くなって俺がりんちゃんの誕生日にあげた……だからこれは……このしおりを持っているのは……りんちゃんだけ……。」

 

燐子「……。」

 

優真「りんちゃん……なんでしょ?」

 

 

 

優真は改めて燐子に聞く……。

 

 

 

すると……。

 

 

 

燐子「やっぱり……ゆうくんだ……。」

 

優真「っ!」

 

燐子「本当に……ゆうくんだ……(泣)」

 

優真「……りんちゃん……?」

 

 

 

すると燐子は言う。

 

 

 

燐子「……そうだよ……私は……りんちゃんだよ……(泣)」

 

優真「っ!」

 

 

 

その時だった。

 

 

 

ギュッ!

 

 

 

優真「っ!?」

 

 

 

燐子は優真に泣きながら抱きついた。

 

 

 

優真「本当に……りんちゃんなの?」

 

燐子「……うん(泣)」

 

 

 

すると。

 

 

 

守「ど、どうした!大丈夫……って何してんだ2人は……。」

 

優真「あ、え?こ、これは!ち、違うから!(汗)」

 

守「まさか2人……そういう「だから違うってばぁー!!」」

 

 

 

数分後……

 

 

 

守「あははは!笑そうかそうか2人は友達だったのか笑」

 

優真「いつまで笑ってるの……(汗)」

 

 

 

なんとか守の誤解を解き、優真は2人の関係を話した。

 

 

 

優真「でもりんちゃんがバンドやってたなんて思わなかったよ。」

 

燐子「まぁ……あこちゃんに押されて……入ったようなものだったから……。」

 

優真「まぁ……りんちゃんが楽しそうでよかったよ。」

 

燐子「ゆうくん……。」

 

 

 

すると優真は話題を変える。

 

 

 

優真「それしても、まさかそのしおり大切に持っていてくれてたなんて思わなかったよ。」

 

燐子「だ、だって///ゆうくんからの誕生日プレゼントだったから///」

 

守「へぇーそうだったのか。」

 

燐子「まぁ……小学生の時からの付き合いだったけどね。」

 

 

 

と優真が言うと。

 

 

 

守「え?2人は小学校も一緒なのか?」

 

優真「そうじゃないけど音楽スクールが一緒だったっていうだけだよ。」

 

燐子「そう……です。」

 

守「そうかそうか。まぁでも良かったじゃないか笑また2人がこうして再会出来て。」

 

燐子「は、はい!」

 

優真「りんちゃんも元気そうで良かったよ。」

 

 

 

優真はそういう。

 

 

 

燐子「ゆうくんこそ……それこそ、もう会えないと思ってたから……。」

 

優真「りんちゃん……。」

 

守「じゃあせっかくの再会記念だし、何か作ってやるよ!」

 

優真「ほんと!?」

 

守「何食べたい?2人とも」

 

優真「じゃあ……。」

 

 

 

そして2人は感動の再会を果たしたのだった。

 

 

 

数日後……

 

 

 

友希那「少し休憩にしましょうか。」

 

 

 

数日が経過し、Roseliaはいつものように練習していた……すると。

 

 

 

燐子「あ、あの!」

 

友希那「?……どうしたの燐子。」

 

燐子「少しお話があるのですが……いいですか。」

 

紗夜「白金さんから話があるなんて珍しいですね。」

 

友希那「それで?話って?」

 

燐子「……ゆ、く、黒崎さんについての話なんですが。」

 

友希那「っ!」

 

リサ「も、もしかして……燐子も?!」

 

燐子「……は、はい……私も……気持ちが変わりました……だから……私も……黒崎さんがRoseliaの一員として入れることに……私も賛成します。」

 

 

 

と燐子は言う。

 

 

 

あこ「りんりん……。」

 

紗夜「でもどうして?」

 

燐子「実は……。」

 

 

 

すると燐子はメンバー全員に優真との関係を打ち明けた。

 

 

 

リサ「ゆ、優真と知り合い!?」

 

あこ「そうなの?!りんりん!」

 

燐子「う、うん……音楽スクールに通ってた時の1番仲が良かった人だったから……でも……デビューすると同時にやめちゃって……またこうして会えるなんて思ってなかったから……。」

 

紗夜「そうだったんですね……。」

 

友希那「じゃあ……燐子も優真をRoseliaに入れたいという気持ち……ということで捉えていいのかしら?」

 

燐子「……はい!」

 

友希那「わかったわ。」

 

リサ「これで全員揃ったね。」

 

あこ「うん!」

 

紗夜・燐子「はい!」

 

リサ「じゃああとは……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優真だけ!

 

 

 

 

 

もはや……黒崎優真が……Roseliaに入るのも……そう長くはないようだ。

 

 

 

つづく……




自分の作品の中で第1章が短いんじゃないかというくらい
そろそろ第1章が完結します。
最後までお楽しみに。
感想お待ちしております。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第10話 勝負

この作品も超久しぶりです、お待たせしました(?)
それでは早速本編お願いしますm(_ _)m


ある日の事……。

 

 

 

友希那「優真、おはよう。」

 

リサ「おはよう優真!」

 

優真「お、おはよう……。」

 

 

 

優真は当然の挨拶に少し驚いていた。

 

 

 

友希那「優真、今日の昼休み予定はあるかしら?」

 

優真「え?別に何も無いけど。」

 

友希那「あなたに話があるの……だから昼休みになったら、屋上に来てちょうだい。」

 

 

 

すると優真は言う。

 

 

 

優真「言っとくけど、誰の力にもなる気はないから。」

 

友希那「その件はもういいわ。」

 

優真「え?なんで……。」

 

友希那「要件はあなたが思ってるのと少し違うと思うわ。」

 

優真「……ほんとか?」

 

友希那「えぇ。」

 

 

 

友希那は言い切る。

 

 

 

友希那「それじゃあ昼休みに屋上で会いましょ?」

 

 

 

そう言って教室を後にした。

 

 

 

優真「……リサもいるの?」

 

リサ「私は他に用があるから行かないよ?」

 

優真「そ、そう……。」

 

リサ「なんと言っても、今日の事は全部友希那に任せてるから。」

 

優真「ゆ、友希那に?」

 

リサ「うん♪」

 

 

 

そして時は過ぎ昼休みになった。

 

 

 

屋上……

 

 

 

ガチャ……

 

 

 

友希那「来たわね。」

 

優真「うん。」

 

 

 

昼休みになると飯を食べ終えた後約束通り優真は屋上に来た……すると既にそこには友希那の姿があった。

 

 

 

優真「ごめん、少し遅れて。」

 

友希那「別にそんなに待ってないから大丈夫よ。」

 

優真「そ、そう。」

 

 

 

すると優真は本題に戻す。

 

 

 

優真「それで要件って?」

 

友希那「……単刀直入に言うわ……。」

 

優真「……?」

 

友希那「私と……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勝負しましょ?

 

 

 

 

 

優真「……しょ、勝負?」

 

友希那「正確には優真と私達……Roseliaで。」

 

 

 

すると優真は少し困惑しながら問う。

 

 

 

優真「ちょ、ちょっと待ってよ……勝負って言っても……なんの勝負をするの?」

 

友希那「それを今から説明するわ。」

 

 

 

すると友希那は脇のポケットから何かを取り出した。

 

 

 

友希那「これは今週の日曜日に

私達Roseliaがやるライブのチケットよ。」

 

優真「今週の……日曜日。」

 

友希那「それで……あなたに私達のライブを見に来て欲しいの。」

 

優真「……お前達の……ライブにか?」

 

友希那「えぇ。」

 

 

 

すると優真はまた友希那に問いかける。

 

 

 

優真「……それはわかったけど……それがその勝負となんの関係があるのさ。」

 

友希那「……あなたに……Roseliaの……本気の音楽を……あなたにぶつけるの。」

 

 

 

友希那はそう答えた。

 

 

 

優真「ぶつけて……どうするんだ。」

 

友希那「その後……私からあなたのメールに次のRoseliaの練習の場所と日程を送るわ……それであなたが気持ちが変わって、私達Roseliaの力になってくれるなら……私達の元に来てちょうだい。」

 

優真「……もし行かなかったら?」

 

 

 

すると友希那は答える。

 

 

 

友希那「もし来なかったら……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今後……二度とあなたをマネージャーとして誘うことは辞めるわ。

 

 

 

 

 

優真「っ!」

 

友希那「私思ったの……仮にあなたがダメなら……あなた以外の人を探せばいいのだと……。」

 

優真「……そうか。」

 

友希那「でも……。」

 

 

 

すると友希那は優真の近くによると

友希那は言った。

 

 

 

友希那「私は……私達は……あなたを待ってるわ。」

 

優真「っ……。」

 

 

 

そういうと友希那は優真の手を取り、

チケットを渡した。

 

 

 

友希那「それじゃあ……今週の日曜日……あなたを待ってるわ。」

 

 

 

最後にそういい残し、

友希那は屋上を後にした……。

 

 

 

優真「……どうして……。」

 

 

 

数時間後……

 

 

 

友希那「おまたせ。」

 

 

 

放課後になり友希那は練習スタジオに来るとそこには他のメンバーが集まっていた。

 

 

 

紗夜「っ!湊さん!」

 

あこ「チケット、渡せましたか?!」

 

友希那「とりあえず渡せたわよ。」

 

燐子「それは……よかったです。」

 

リサ「じゃあ後はライブに向けてひたすら練習するだけだね。」

 

友希那「えぇ。」

 

 

 

友希那は返事をする。

 

 

 

友希那「それじゃあみんな?練習を始めるわよ。」

 

みんな「はい!(うん!)」

 

 

 

優真side……

 

 

 

優真「……。」

 

 

 

家に戻り優真は友希那からもらったチケットを眺めていた……すると。

 

 

 

守「受け取ったんだな、チケット。」

 

優真「っ!……おじさん。」

 

守「しかし驚いたよ、突然友希那ちゃんが店に来てよ笑今週の日曜日優真は何か予定はあるかって聞いてきたからよ。」

 

 

 

と守が言うと。

 

 

 

優真「ここに来たんだ。」

 

守「まぁな。」

 

 

 

すると守は話を続ける。

 

 

 

守「まぁとりあえず店はいいから、優真は友希那ちゃんに渡されたチケットを持って見てこい、あの子達のライブをよ。」

 

優真「……行っても。」

 

 

 

すると優真はこんな事を言う。

 

 

 

優真「行っても……何も変わらないよ。」

 

守「優真……。」

 

優真「父さんと母さんが事故で亡くなったせいには出来ないけど……もうあの時のようには……あの頃の俺は……もういないのに……。」

 

 

 

すると優真は……

 

 

 

優真「……おじさん……。」

 

守「……なんだ?」

 

優真「どうして……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの5人は……俺なんかがいいの?(泣)

 

 

 

 

 

守「……さぁな。」

 

優真「おじさんでもわからないの?」

 

守「でも、その答えはそこにあるんじゃないのか?」

 

 

 

そういうと守は優真が持っていたチケットに指を指す。

 

 

 

守「明日行って、その答えを探してこい……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Roseliaが何故優真が必要なのか、

その本当の答えを。

 

 

 

優真「おじさん……。」

 

守「ほら、さっさと片付けて今日は早く寝なさい。」

 

 

 

そう言われると優真は早く店の掃除を済ませ、眠りについたのだった……。

 

 

 

友希那side

 

 

 

一方その頃、友希那はRoseliaの練習が終わったあと、自分の部屋でくつろいでいた。

 

 

 

すると友希那は……

 

 

 

友希那「優真……待ってなさい……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優真は……私達Roseliaが……救うから。

 

 

 

 

 

そんな独り言を言ったあと、友希那も眠りについたのだった……。

 

 

 

つづく……




感想よろしくお願いします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。