逆行の餃子 (よぬよぬ)
しおりを挟む

1話-無印へ

ボクはチャオズ。ボクは考えていた。もっと今までに何か出来なかったのか?もっと強くなれたんじゃないか?と。人造人間に対抗するために天さんと修行していたけど、いざ人造人間が来るという時、「チャオズはここの人達を守ってくれ。俺は行くぞ。」と言われ、取り残されてしまったため、この街の人達だけは守ろうと修行しながら見回りをしている。

いつも天さんのお荷物になって、前線から離脱してしまった。そんな罪悪感を抱えながら宙に浮いて上空から街を見回っていると現れたのは、人造人間たちだった。おかしい。天さんは直接戦闘に行ったはず。人造人間が天さんが戻らないうちにこんな辺鄙なところに来るはずが…。「天さんをどうした!」というと、「ああ、あの三つ目の男か。最期の言葉、チャオズ、死ぬなよ。だっけか?よくわからん手を四角にする技、あれは面倒だったが…足止めにしかならんかったな。安心しろ。さっき跡形もなく消しとばしてやった。お前も仲が良かったのだろう?同じように消しとばしてやる。」そう言うと、こちらに向かってくる。「うああああ!天さーーん!!」僕は、せめてもの相討ちを狙い、自爆した。

閻魔様に前回界王星に行った時と同じ審判を受け、鬼さんに案内され、さあ界王様の元に向かおうと思い、歩き出す。天さんが待っているはずだ。天さんに、力になれずにその上死んでしまったこと、謝らないと。

するとふと見たことのない装置とボンベが目に入る。「鬼さん、コレは何?」と聞くと、「ああ、それは時の超能力を吸い取る装置オニ。この間だとフリーザの部下だか知らないけど口の臭いやつが地獄に落ちて来たから、地獄に行く前に吸い取ったオニ。あいつはそんなに強くないからよかったけど、フリーザみたいに強いやつに地獄でそんな能力使われたら困るからオニ。だから使える悪人からは全員平等に吸い取ってるオニ。それと、チャオズさんの後ろのヤツも時の超能力を使える悪人だったオニよ。だから今日はここに機械を置いてるオニ。ちょうどいいから吸い取るところ見ていくオニ?」

すると、後ろの罪人の審判が終わり、鬼たちが暴れる罪人を取り押さえながらその機械に繋ぐ。機械がゴウンゴウンと音を立てて起動し、罪人の超能力を吸い取る。しかし、途中から様子がおかしい。きっと昔から悪人の超能力を吸ってきて古い機械なのはわかるけど、ところどころからガスのようなものが漏れている。

「鬼さん、コレ、大丈夫?」と言うと、「ちょっと超能力をガスに変換したものが漏れてるオニが…大丈夫オニ!今回はバイトのサイケ鬼が使う前にメンテナンスしてるらしいオニ!」と。すると、その瞬間いきなり機械がボンっ!という音を発し、爆発した。そしてボクは、そのあふれてきた超能力のガスを全身に浴びた瞬間、意識が無くなった。

ふいに目が覚めるとボクは、なんだか懐かしい天井を見上げてた。周りを見渡すと、恐らく小さい頃住まわせてもらっていた、鶴仙流の門下生の寮だった。

カレンダーを見ると752と年があり、その月の日付けに途中まで丸がついている。

どうやらここはエイジ752年。つまりボクが初めて出た天下一武道会の1年前みたいだ。

なぜだかボクは時の超能力を圧縮したガスを浴びて過去に逆行してしまったみたいだ。気の総量も、本来のこの時代よりは多いけど、さっきまでよりだいぶ減っている。

でも何にせよこれは好都合だ。天さんには戦力外通告され、力になれなかった上にあんな情けない死に方を、ボクはもうしたくない。ボクは決心した。決して天さんの足手まといにはならないと。天さんを殺した人造人間はボクが強くなって何とかすると。

それからボクは道場の稽古場に向かう。ちょうど天さんも修行が始まる前のウォーミングアップをしているところだった。「天さん!!」ボクは飛びついた。「何だチャオズ。いきなり抱きついて。しかも普段は天と呼ぶじゃないか。」天さんが驚いた様子で返してくる。そんな時、本殿の扉が開き、鶴仙人様がやって来た。「何じゃ、チャオズよ。赤子にでも戻ったか?殺し屋になる者がそんなではいかんぞ。甘さは隙を生む。生き残るには馴れ合いは不要じゃ。」「す、すみません鶴仙人様…。」今なら鶴仙人様の言葉の意味がわかる。ピッコロ大魔王封印のため師匠が命をかけた結果、封印は成功したけど、武道のみでは太刀打ちできなかった。鶴仙人様は、生き残るため、裏の世界を生きるようになってしまったんだ。圧倒的な力にも屈しない策略と殺人術を至高として。

でも、人造人間たち相手ではそんな鶴仙流の教えだけではどうしようもない。確かに戦略は大事だけど、圧倒的な力を前に何とかできるのは、殺人術ではなく、仲間との絆と磨いた武道の力だと思う。

でも、今の体勢のまま鶴仙人様に言っても説得力は皆無だ。天さんから離れ、その日の修行を開始した。

数日して、逆行したことは言っていないが、数十年分積み重ねた舞空術の技術のほんの一部を使って、天さんより舞空術が得意なことをアピールした結果、カリン塔に登ることを許された。

鶴仙人様は、生き残ることを第一に考えてらっしゃるから、カリン塔に登ることに必要なのは落ちずに登り切ることだと言い、3日間飲まず食わずで眠らずに上空10メートルに浮遊し続けられれば良いと言う条件を出し、それをクリアしたんだ。ダメ元で出したであろう条件をクリアしたボクに、鶴仙人様は驚いてたけど、ニヤリとした後、次の武道会で、天さんと優勝準優勝をもぎ取ることを約束させられた。「あのツルッパゲが苦労して登ったカリン塔を登り切ることが出来そうであるとは。よくやった。カリン様とやらに鍛えてもらい、次の武道会で亀仙流をケチョンケチョンにのしてやれい!」とのこと。

さて、カリン塔の登頂は、前にちょっと飛んでしまったから今回はちゃんと素手で最後まで登り切ろう。

心を読んだカリン様は、その瞬間、普段閉じたように見える糸目をカッと少し見開いて震え出すと、「お主、未来から逆行して来た者じゃったか…。しかも壮絶な未来から…。ちょっと待っておれ。」と言い、仙豆を入れた巾着を渡してくれた。

「餞別じゃ。未来は壮絶であろう。神様にはワシから伝えておいた。神殿へ行くことを許可しよう。ワシに教えられることはない。厳密に言えば、もう教えておるようじゃからな。未来は頼んだぞ。」

舞空術で神殿に着いたボクは、神様にお願いした。「お願いします。精神と時の部屋を使わせて下さい!」と頼み込んだ。

外での2日間という2年の修行を経て精神と時の部屋から出たボクを見て神様とミスターポポは目をまんまるにして止まってた。しばらくして神様が口を開くと言った。「こ、このような膨大な気を放つ者、未だかつて見たことがない…」ミスターポポも、「神様超えたのお前初めて…ポポビックリ」気の総量が、今の地球の規模だと想像もつかないらしい。それでも気を解放してないんだけど、神殿を壊すと困るからやめておいて、逆に部屋に入る前の気の量に落とす。「神様、ミスターポポ、ありがとうございました。ボク天さんたちのところに戻ります」と言うと、「あ、ああ…達者でな…」と、絞り出すように言って見送ってくれた。

さて、今日も鶴仙人様の道場で天さんと組手をしてる。

天さんが3つの目で、ボクが気で作った2体の実体ある分身を見抜いて、向かってくる本体のボク以外を気功波で撃破しながら、「チャオズ、お前そんなことできるようになったのか!俺は嬉しいぞ!」と言ってくれた。「うん!ボク頑張った!天さんの足はもう引っ張らない!」と言い合いながらも拳を打ちつけ合う。

神殿から帰って1ヶ月。精神と時の部屋で修行して出来ることが増えたボクは、最近は自分の気で作った分身同士を遠くの荒野で戦わせながら、道場で普段通りの修行をしてる。そうすることで戦闘中の気の細かい操作や、気の総量を増やす修行になるんだ。

更には超能力で周りに見えないようにした界王拳と、超能力で自分だけの重力を重くするのを併用しながらずっと生活してる。これが超能力のトレーニングになって持続力も出力も上がるし、超重力下での肉体の強度とスタミナの鍛錬にもなるんだ。

ナメック星でのフルパワーのフリーザのように、普段慣れてない負荷をかけて無理すると、その時はパワーが上がってもすぐにスタミナ切れになってしまう。今重力は2倍、界王拳は1.1倍しか常時発動出来てないけど、修行が進んで力がついたら倍率を上げて行くつもりだ。

そして、試してみたんだけど、少しだけど時間を操る能力が身についてるみたいだ。

息を止めている間の自分以外の周囲の時止めと、体力をほぼ使い切るけど最大2秒の逆行の能力。あのガスを浴びたからだと思うけど、ボクが超能力使いだったから覚えるのは簡単だったのかもしれない。

 

--------------------

戦闘力表記

ネットの考察サイトと著者の偏見で決めております。 気を抑えた時・気の解放時・界王拳の最大倍率-界王拳使用でのフルパワー時の順で書きます。

 

チャオズ

戦闘力:

人造人間襲来時16万→

逆行時43・1600・1.0-同じ→

精神と時の部屋終了時50・11000・2.5-27500

四身の拳のようなものを使っていますが、これは四身の拳を参考にして、分離させる気の量や数をコントロールできるものになりますので、四身の拳そのものではありません。

また、操気弾と同じような、人の形をした操る気功波の原理ですので、99%の気を分離し分身を作り、仙豆でチャオズ本体を回復させると、ほぼ2人のチャオズの戦力が作り出せます。

またそれを繰り返して量産すれば、結構な戦力になりますが、本体の操作でしか動かないので、四身の拳や、スーパーゴーストカミカゼアタックのような自由度はなく、気の操作に集中が必要です。

現在チャオズが目の前の戦闘に集中しながら可能な最大操作数は3体。

また、本体や仲間がダメージを受けても、分身を気として吸収すればその気の分は回復します。また、クリリンと18号が2人の合わせ技とした、気を打ち合うたび上乗せさせるような方法で強化可能です。元気玉の原理をマスターはしていないながらも朧げに理解していたチャオズだから可能であったということで。

例えば1体の分身に仲間が全員気を送り込めば、本体の何十倍も強い相当な強さの分身が出来上がり、チャオズは気を操作すれば良いだけです。また、超巨大な元気玉を吸収した場合、面白いことになりそうですが、19号に吸収だけはさせたくないですね。

常時超重力下の界王拳発動による生活は、界王星から帰ったチャオズだから思いついた修行です。悟空と悟飯が精神と時の部屋に入ったあと、超サイヤ人の姿のまま生活したのに似ています。

また、分身は当然気功波のようなものなので界王拳や超能力は使えません。しかし気功波を打ったり肉弾戦はできます。実体があると言うのは、気をチャオズの形にして練り、その周りに硬い気を纏わせた形でイメージしていますので、原理としてはチャオズ以外の形にも出来ますが、自分の形以外には気の集中が余計に必要なため、現在は1体しか出来ません。自分以外の分身で敵を欺く時に使うと思います。

神殿を降りた後神様が「下界の脅威はお主に任せたぞ、若き戦士よ。」と呟いたのをチャオズは知りません。神様、半身であるピッコロ大魔王出てきても傍観決め込んでましたもんね。



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。