元気娘の青春 (アッシュクフォルダー)
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第一話 神山高校の入学式

よつばの名前は、小岩井よつば

 

都立 神山高校全日制に、この春、入学することになった。

高校一年生の15歳!今日は入学式に来ているぞ!

 

高校の進学を機に、よつばは小岩井葉介と共に、

都内に移り住むことになった。

 

「ここが、神山高校か…」

 

よつばは、自分のクラスを表で探していた。

 

8 小岩井 よつば

 

11 東雲 彰人

 

21 平田 直志

22 星川 真凛

 

「えっと…よつばのクラスは…C組8番か…」

 

よつばは、C組の教室に入るのだった。

 

担任の先生が、第一声を放った。

 

「みなさん!都立神山高校全日制へ、ようこそ!

それでは、みなさんで、自己紹介をしましょう!」

 

「小岩井よつば、よつばです!

15歳ですっ!よろしくお願いしますっ!」

 

「どうも、東雲彰人です」

 

「平田直志です」

 

「僕の名前は星川真凛です。

よろしくお願いします」

 

こうして、C組の27人の生徒の自己紹介が終わるのだった。

 

 

「それでは、みなさん!!それでは、入学式の

ミーティングは終わりです!」

 

 

こうして、よつばの高校生活、最初の一日目が、

終わりを迎えるのだった。

 

 

高校進学を機に、引っ越すことになり、

一緒に住んでいた、紫陽花町から、

義理の父と一緒に、都内に引っ越した。

 

そして、今に至る。

 

 

よつばが、学校に登校した、ある日の事だった。

 

「あっ、彰人くん!」

 

「?キミは、小岩井さん?」

 

「うんっ!同じクラスの、東雲彰人くん?」

 

「そうだけど、何か用かな?」

 

「ううん、言ってみたかっただけ…」

 

「そ、そうなんだね…」

 

 

 

「よぉ、小岩井、男ばっかりに、人気があるらしいな」

 

そう言ってくるのは、同じクラスメイトで、

背が高くて、細見で、メガネをかけている。

高田康一くんだった。

 

「それが、どうしたの?」

 

「彰人には、気を付けろよ?

アイツ、二重人格者だから」

 

「なんで?」

 

「なんでって…アイツ、表の顔と裏の顔が、

激しいからな…気を付けろ、餌食になる前に、

関わらない方が良い」

 

「ふーん、そうなんだね」

 

「呑気だな…お前、まぁ、東雲彰人には、気を付けろ」

 

 

 

それから、小岩井よつばは、

東雲彰人のことが気になっていた。

 

恋心なんて、一切抱いていなかった。

純粋に、彼に興味があるだけだったのだった。

 

「なーなーあきとー」

 

「どうしたの?小岩井さん」

 

「お前、変な奴だな」

 

「何言ってんだ?コイツ?」

 

「よつばは、高校生だから、

何でもできるぞ!」

 

「そんな訳ねーだろ…だいたい、高校生になって、

何でもできるとは、限らねーんだ。

そこは、勘違いするなよ?」

 

「ふーん」

 

こうして、よつばの、ハチャメチャな、

高校生活の一年間が、幕を開けるのだった!



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第二話 よつばとビビバス

小岩井よつばは、今日も、

都立神山高校に登校するのだった。

 

「あっ!彰人!」

 

「はよ、小岩井」

 

「よつばね、外国から、来たんだ」

 

「へぇ~どこから、来たの?」

 

「ひだりーもっと、ひだりー

最後に、ちょっと、みぎー」

 

「えっ、えっと…」

 

「ひだりー…いって、ちょっとみぎ?」

 

「訳わかんねー」

 

「彰人、今日は何して遊ぶ?」

 

「えっ、俺が小岩井とか?

特にすることねーしな」

 

「あっ、彰人、おはよう」

 

そこへ、現れたのは、青柳冬弥だった。

 

小岩井よつばが、冬弥に向かって、

指をさした。

 

「こいつー誰?」

 

「人に指をさすな、冬弥だ、

俺の相棒だ」

 

「小岩井よつば!15さい!」

 

「彰人の恋人か?」

 

「ちげーよ、ただのクラスメイトだ」

 

「そうなのか、はじめまして、

青柳冬弥だ、よろしく、小岩井さん」

 

「おー!よろしくなー!」

 

「コイツ、女の子なのに、喋り方が、

妙に男っぽいな…」

 

「文句あるの?

言い訳は、あの世で聞く!」

 

「俺、死んでしまう前提なのかよ!」

 

「面白い子だな」

 

「ったく、朝っぱらから、機嫌が悪いぜ…」

 

彰人は、どこかへ行ってしまった。

 

「彰人は、こう言っているが、

よつばは、気にしないでくれ」

 

「うん、わかった」

 

 

お弁当の時だった。

小岩井よつばの弁当は、

塩おにぎり三つと、牛乳と、

そして、本人曰く、

ウインナーとソーセージを、

一本ずつ、弁当箱に入れているらしい。

 

「コイツ…変な奴だな…」

 

と、彰人は、感じるのだった。

 

「おー!彰人!お前も、お弁当か?」

 

「あぁ、そうだけど?

その…よつばのお弁当は、個性的だな」

 

「ふーん」

 

「よつばね、彰人のことが、好きなんだ」

 

「おいおい、出会ってから、

まだ、数日しか経ってねーのに、

どうして、俺のことが好きになったんだ?

意味わかんねーし」

 

「なんとなく」

 

「そんな感覚で、人を選ぶなバカ!」

 

「言い訳は、あの世で聞く!」

 

「だから、死なせるなって!」

 

「じゃあ、彰人は、モテねーな」

 

「余計なお世話だ!

ったく、機嫌を損ねるぜ…」

 

 

その後、放課後、ストリートに行った時だった。

 

「あっ、彰人!」

 

「また、お前かよ」

 

「誰なの?この子?」

 

「俺のクラスメイト…確か名前は…」

 

「小岩井よつば!15さい!

彰人が、お世話になっているな!」

 

「お世話になっているって、保護者かよ…

俺のクラスメイトだ」

 

「へぇ~彰人のクラスメイトなんだ、

初めまして、アタシは、白石杏、

よろしくね!」

 

「あ、小豆沢こはねです…」

 

小岩井よつばは、白石杏と小豆沢こはねと出会った。

 

「杏、こはね、よろしく、

彰人は、カッコ悪いけど、面白いヤツだよ!」

 

「余計な事を言うな!バカ!」

 

「だって、事実じゃん」

 

「でもよ…!」

 

「彰人のクラスメイトって、面白い子が、いるんだね」

 

「あぁ、本当に変な女の子だよ…」

 

「彰人」

 

「おぉ、冬弥か、おい、この女の子、

放り出すぞ、うるせー奴だからな」

 

「そんなこと言うと、ビームを撃つぞ!」

 

「マンガの読み過ぎだっつーの!」

 

「でも、面白い子じゃん、気に入った」

 

「うん、何だか、可愛いね、よつばちゃんって」

 

「あのな…」

 

こうして、よつばは、ビビバスの4人と

楽しく?会話をするのだった…

 

 

 



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第三話 よつばとウェディングドレス

彰人は、暇そうに、ファッション誌を読んでいた。

 

「なに、この、白い、フワフワ!」

 

「ウェディングドレスのことか?

んなことも、知らねーのか、ダッセーな」

 

「うるさい!彰人!バカ!早く教えろ!」

 

「人に頼む態度じゃねーだろ!」

 

一々小馬鹿にする、よつばに腹を立てつつ、

彰人は続けて、話す。

 

「結婚だよ。花嫁さんだな」

 

「結婚か!きいたことあるなそれ!」

 

ふんふんと頷いて、

よつばは食い入るように雑誌を見る。

 

「きれいだなー」

 

小岩井よつばは、やはりどんだけ、

ボーイッシュでも、女の子である。

いくつでも花嫁には見とれるもんなんだなぁと、

彰人はこっそり感心した。

 

「よつばもきれるの?」

 

「あ?…あー、大人になって、相手がいて金があったらなー」

 

夢がないとは言ってはいけない。理想と現実を、

しっかり認識することは大事である。愛だけでは食っていけない。

彰人の言葉に、よつばは、ますます首を傾げる。

 

「あいてって?」

 

「結婚は男と女がするもんだから。

まぁ、でも、結婚は男にとって人生の墓場だからなー」

 

「はかば!?しぬのか!?」

 

「そうだなー、男は死ぬのも同然だ、

俺は死んでも、よつばと結婚するのは、御免だけどな!」

 

夢がないとは以下省略。

 

「どうぜんなのかー」

 

うーんと、よつばはしばらく考え込んだ後。

ハーイ!めいあんです!と、

元気よく手を上げて立ち上がった。女の子は忙しい。

 

はいどうぞーよつばさん、と適当に乗ってやって、

彰人は返したら…

 

「じゃあ、よつば、彰人とけっこんする!」

 

は、と口をぽかんと開け、彰人はよつばを見た。

それも気に止めず、よつばは彰人をぽかんと見る。

 

「あのな…俺はよつばと結婚なんて、出来ねーよ!」

 

「なんでだ!」

 

「しろいふわふわ、きてなー

あいての男が、しぬんだろ?」

 

「だから、俺は死ぬのかよ!?」

 

「あきとー」

 

「なんだよ?」

 

「20さいまで、あと、4ねんだぞー」

 

「あー、そうだなー」

 

「いやなら早く彼女見つけろよー」

 

「あー、うん」

 

「本気だからなー、よつばは」

 

「そうかー」

 

「聞いてんかー?」

 

「聞いてる聞いてる」

 

「ほんとにほんとに本気だぞー」

 

「…オレだって本気だよ」

 

「ほー」

 

「俺はな…結婚相手がいるんだよ!」

 

「ほんとか?」

 

「あぁ、本当だ、今度、会わしてやるよ!」

 

「じゃあ、彰人は、死ぬんだな!」

 

(一体、俺は何回死ぬんだよ…)

 

「おい、周りが見ているから、

俺まで、恥ずかしい思いをするじゃねーか」

 

「そっかー、ごめん」

 

「やっと、観念したみてーだな」

 

「じゃあ、彰人のバーカ!」

 

「なんでそうなる!?」

 

彰人は、ホッとするのだったが、

よつばの扱いに、不安を募らせるのだった…。



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第四話 チーズケーキ

これは、東雲家で起きた話だった。

父は仕事、母は用事、

姉は学校の為、今は彰人一人だけだった。

 

小岩井よつばを東雲彰人が、からかった。

 

「はらへった。なんか作って」

 

今抱えている気持ちを、あくびにも出さず、

今までと変わらぬ口調でよつばに話しかける。

 

「しょーがないなー」

 

よつばはやけに嬉しそうに言いながら、キッチンへと向かう。

その姿を他の誰かが愛しい目で見るかと思うと、

今まで感じたことの無い嫉妬を覚える。

 

「ぷっ!」

 

「なんだ?!よつばのエプロン姿がそんなにおかしいか?!」

 

ふと顔を上げると、憮然とした表情を浮かべてこちらを見ている、

よつばがいた。

 

「わりぃ。そんなんじゃねーよ」

 

出来るだけ、いつもと変わらない口調で答える。

 

「全く、彰人は」

 

ぷんぷん、という稚拙な擬音が似合うような、

その表情をいつまでも見ていられたいいのに。そんな事を考えていた。

 

「で、何食う?」

 

「うーん…なんでもいいや」

 

「だと思った!」

 

「じゃあなんできいたんだよ?」

 

「さぁ?」

 

なんだそりゃ。俺の言葉を聞く前に、

よつばは再びキッチンへ消えた。

 

30分後

 

「おきろ!彰人!」

 

「ん…どの位寝てた?」

 

「30分位」

 

「そうか」

 

もっと長いこと寝てしまったのではないか。

一瞬だけ戸惑ったが、夢のような考えから覚めるのには十分な時間だったと、

直ぐに理解して、あくびをしながら身を起こし、

リビングのテーブルに並べられている食事を見た。

 

「…チーズケーキ?これおまえ作ったの?」

 

「よーやく人前に出せるレベルになった」

 

よつばは腕を組んでいるくせに少し照れながら、

 

「まだ、誰も食ったことないんだぞ?」

 

「チーズケーキって…30分で作れるもんなのか?」

 

「…一から説明しないと駄目か?」

 

素直な疑問をぶつけただけなのに、

よつばは、心底呆れたという表情をこちらに向ける。

 

「全く、彰人は…本当全くだ」

 

「…悪かったな」

 

そこまで言うことないだろうに。

 

「光栄か?」

 

「あぁ…光栄です、光栄ですとも!」

 

その答えに満足した、

よつばはテーブルの前に正座をして、はやく座れと促した。

 

「いただきます」

 

「いただきますっ!」

 

テーブルに向かい合って座るその光景が、

ただの「男子高校生」と「女子高生」なのか、

それ以外の何なのかは分からないけど、

きっとこういう機会もこの先少なくなり、

それに合わせて感傷も思い出へと変わるのだろう。

そして、この関係を俺の感情のせいで壊してしまうのは、

恐ろしく勿体無い。今まで以上にこの関係と環境を大事にして、

これまでと変わらず接していればいい。

それでいい。そう結論付けた、彰人だった。



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第五話 神山高校フェスティバル

都立神山高校全日制は、ゴールデンウイーク明けに、

神山祭が行われる。

 

小岩井よつばは、いつもよりも、

楽しそうな表情をしていた。

 

「おーこれが、神山祭か、楽しそうだなー」

 

「ご満悦してくれて、なによりで、ございますよーだ」

 

「彰人、お前は、何をする!」

 

「何をするって…フツーに店番だよ」

 

「そっかー」

 

「よつばは、どうするんだ?」

 

「いろんな所を、周るー」

 

「ふーん」

 

 

こうして、よつばの、神山祭の冒険が始まる。

 

まず、初めにやって来たのは、

ゲーム大会の会場、

対戦格闘ゲームで、対戦することになった。

ある女の子と対戦したが、ボコボコに負けてしまう。

 

「お前、強いな!」

 

「う、うん…」

 

「小岩井よつば!覚えておけよ!」

 

「く、草薙寧々です…」

 

 

しばらくして、廊下を歩いていると、

冬弥と彰人の出会った。

 

「よ、楽しんでいるか?」

 

「お!楽しんでいるよ!」

 

「よつばは、ボーイッシュな口調だな」

 

「5歳の時から、ずっとこう!」

 

「そ、そうなんだね…」

 

「あっ、弟くんと、冬弥くん!

それに…この子は?」

 

「小岩井よつば、一言で言って、変な女の子だ、

俺に、やたら、付きまとってくるしな」

 

「へぇ~そうなんだね!面白い子じゃん!」

 

「どこだだよ?」

 

「小岩井よつばだ!誰だ?オマエは?」

 

「ボク?ボクは暁山瑞希!よろしくね!」

 

「よろしくな!瑞希!」

 

「じゃあ、よつばは、どこかに行っているね!」

 

「どこかって、外に出る訳じゃねーよな?」

 

「はい!ご名答!」

 

「彰人は、よつばのことを心配しているんだな」

 

「るっせー」

 

 

 

よつばは、屋台を観に行った。

わたあめの屋台の前には、草薙寧々がいた。

 

「あっ、しろい、ふわふわだ!」

 

「わたあめ、食べたいの?」

 

「あっ、さっきの強い女の子!」

 

「強い女の子って、ゲームに強いってこと?」

 

「うん、そーだよ!」

 

「はぁ…で、わたあめは、食べるの?」

 

「買うから、ください!」

 

「はいはい…」

 

寧々は不愛想な表情をして、

わたあめを、よつばに渡した。

 

 

わたあめを食べた後、

よつばは、杏とこはねに出会った。

 

「あっ、よつばじゃん!」

 

「よつばちゃん」

 

「おっ!杏にこはね!」

 

「神山祭、楽しんでいる?」

 

「うん、すっごく、楽しい!」

 

「それは、よかった、

どんな所に、行ったの?」

 

「ゲーム大会や、わたあめ!

寧々って人に会ったんだ!」

 

「へぇ~そうなんだね」

 

「彰人って、いつも、パンツまるだしだ!

変な奴で、ヘンタイだ!」

 

「えっ、東雲くんが?」

 

「ま、まさかね…」

 

「いつも、いつも、よつばのこと、

変な奴って、言っているんだ!」

 

「よーし!後で、彰人を懲らしめてやる!」

 

「多分だけど、よつばちゃん、

東雲くんに、からかわれつつも、仲良くしているみたい」

 

「そ、そうなのかな?」

 

「彰人はヘンタイだ!ドヘンタイだ!

いつか、ぶっとばしてやる!」

 

杏とこはねは、よつばの発言に、ドン引きしつつも、

共感するのだった。

 

 



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第六話 よつばと彰人

「よつば」と自分の事を呼ぶ。

そして、その時のよつばは「本気」なのだ。

 

「彰人は…よつばと結婚するの…嫌なんだ…」

 

「はぁ…わかったよ」

 

現実逃避の為現状を冷静に分析していたが、

そんなこと考えても何の意味も無かった。

現実と向き合わないことには、

よつばを傷付けることになる。

考えろ、俺、東雲彰人!

 

「じゃあ結婚してくれるのか?」

 

「あの…だな…。…なんで俺なんだ?」

 

「………」

 

一番疑問に思っていることをストレートに聞いたが、

よつばは、唇を尖らせるだけで何も答えなかった。

 

「なんで、俺なんだ?他にも、男なんているだろ?」

 

「私が、彰人のことが好きで嫌いで、何が悪い?」

 

「まぁ…そうだけど……」

 

「彰人は…よつばのこと嫌いか?」

 

「ま、待てっ?!な、泣くな!き、嫌いじゃないぞ?!」

 

「じゃあ…好きか?」

 

あれ?好き嫌いの話しだっけ?

そうだ。こうなりゃやけだ。認めてしまおう。

あっさり認めてしまおう。あぁ好きだ。おまえの事が好きだよ。

 

「す、好きだ」

 

「女の子として?」

 

「あぁ。女の子として好きだ」

 

「へへっ…嬉しい」

 

よつばは、彰人の言葉を聞いて、

歳相応に照れた少女の表情を見せた。それはとても幸せそうだった。

その表情を見た俺は、自分の心の中にとてつもない衝動が生まれるのを感じた。

 

「よつば」

 

「なんだ?」

 

「冷静に聞いてくれ。なんで俺と結婚しようと思ったんだ?」

 

「まったく、彰人は…。一から説明しないとやっぱり駄目だな」

 

そういって、よつば立ち上がった。

 

「約束しただろ?」

 

「約束?」

 

「彰人…まさか覚えていないのか?」

 

「えっ?!」

 

よつばの表情が途端に曇る。

焦った俺は必死に「約束」を思い出そうとした。

だけど思い出せなかった。

よつばと結婚するなんて約束したか?おい!俺!何とか言え!

 

「はぁ…」

 

また溜息を吐かれた。

 

「んな、約束…したかな?」

 

「うん」

 

「逆に俺も、ため息だわ…」

 

「でも、それくらい、彰人の事、好き」

 

「おいおい、マジかよ…」

 

「あぁ、よつばは、いつだって、本気だ」

 

「はぁ…」

 

「彰人、放課後、デートに向かうぞ!」

 

「あのな!俺は、お前と違って、暇じゃねぇし!

だいたい、俺は歌の活動で忙しい」

 

「歌を歌っているのか?」

 

「あーそうだ。中学の時からだ。

それに、素人が遠足気分で行くような世界じゃない。

あそこは、ガチの歌の世界だ」

 

「観に行きたい!」

 

「そんじゃ、連れてってやるよ」

 

「よつばも行けるのか?」

 

「あぁ、当日チケット買えば、どうにかなるだろ」

 

よつばは彰人の歌が聴きたいと思った。



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第七話 よつばVS寧々 ゲーム対決!

シブヤの公園にて、

よつばは、寧々と出会った。

 

「あっ!寧々!」

 

「よつば…」

 

「この子が、よつばちゃん?」

 

「そ、そうだけど?」

 

よつばの前には、寧々ともう一人、

見知らぬ女の子が、寧々の隣にいた。

 

「よつばちゃん!初めまして!

鳳えむでーす!」

 

「小岩井よつば!15さい!

よろしくな!」

 

「うん!よろしくね!よつばちゃん!

今日は、何して遊ぶ?」

 

「遊ぶ前提なの…」

 

「寧々!よつばとゲームで勝負しろ!

よつばが、圧勝してやる!」

 

「よつばに出来るの…?」

 

「やってみねーと、わかんねーだろ!」

 

「う、うん、わかった…」

 

「それじゃあ、ゲームセンターに、行くぞ!

えむ!寧々!」

 

「二人とも、頑張って!」

 

「えむに、応援されているし…

うん、やってみる!」

 

「頑張れ、頑張れ!寧々ちゃん!

頑張れ、頑張れ、よつばちゃん!」

 

 

こうして、三人でゲームセンターへと、向かった。

 

「よし!寧々!最初は、これで勝負だ!」

 

「これ、カードゲームだよ?

やったことが無いし、遊んだことも無いし、

カード自体、持っていないし…」

 

ゲームのタイトルは、

昆虫女王メスクイーン。

 

どうやら、昆虫相撲をするゲームだが、

カードが一枚もない状態だった…

 

「別のゲームにしよ、興味ないし」

 

「でも、なんだか、面白そうだよ!」

 

「だから、カードが無いと、

遊べれないから」

 

「じゃあ、この子から借りるとか?

カードいっぱい、持っているようだし!」

 

えむは、小さな男の子に、話しかける。

 

「ねぇねぇ!そこのキミ!

カードゲームで遊びたいけど、

終わったら、返すから、

ちょっとだけ、借りてもいい?

寧々ちゃんと、よつばちゃんが、

カードゲームで勝負がしたいみたい!」

 

小さな男の子から、了承を得て、いざ対戦。

 

しかし、寧々の圧勝だった。

 

「どうして負ける…彰人と一緒にゲームをやっていたのに…」

 

「あの、二重人格者と…

まぁ、このゲーム、意外と簡単だったし、

じゃあ、次は、何で勝負する?」

 

男の子に、カードを返した後、

 

次に、よつばが選んだのは、

対戦核とゲームだった。

 

「次は、これで勝負!今度は、よつばが勝つ!」

 

「格闘対戦ゲーム?私に勝てるの?」

 

「勝てる!」

 

「よーし!二人とも頑張れ!」

 

対戦格闘ゲームで、寧々とよつばが対戦。

寧々の圧勝だった。

 

「私の勝ち越しね」

 

「負けない!次は!」

 

それ以外にも、シューティングゲーム、音楽ゲーム、

レースゲームで遊ぶものの、寧々が圧勝していた…

 

「なぜ勝てない」

 

「私に勝てるわけ無いでしょう?

文化祭の時の仕返しとはいえ、

大したこと無いじゃん」

 

「ぐぬぬ…じゃあ、次はこれ!」

 

「これは…?」

 

「ポケットサーキットって、書かれているよ!

行ってみよー!」

 

「おーっ!」

 

「ちょっと、えむ!よつば!」

 

三人は、ポケットサーキットの特設会場に、

やって来た。

 

サーキット会場には、小さな子ども達が、

遊んでいた。

 

「最後は、これで勝負だ!」

 

「えっ、これで…?」

 

ポケットサーキットとは、

巷で人気の小型電動自動車玩具の事であり、

車の模型をカスタマイズして、

その速さを競って楽しみます。

100種類以上のパーツを集めて、

最速のマシンを作り上げよう。

 

小学生の間で、人気らしい。

 

 

「寧々!必ず、これで、勝って見せる!」

 

「興味ないんですけど…」

 

「ビビっているのか!」

 

「わかった、でも、私が勝つのに変わりはないけど」

 

ポケットサーキットで、

車の模型をカスタマイズした、

寧々とよつばは、小さなサーキットで、

対戦するのだった。

 

結果、よつばが、初めて勝つのだった。

 

「やった!よつば、勝ったぞ!

どうだ、まいったか!?」

 

「はいはい、参りました…」

 

「それにしても、ポケットサーキットって、

面白いよね!あたしも、今度、やってみようかな?

あっ、みんなを誘ってみようかな?」

 

「よつばも、またやりたくなったぞ!」

 

「はぁ…二人とも…」

 

こうして、寧々とよつばのゲーム対決は、

寧々の圧勝で終わった。



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第八話 よつば まふゆに出会う

それは、宮益坂で起きた話だった。

 

よつばが、彰人が誰かと話している所を、

見かけるのだった。

 

(…!向こうにいるのは、彰人か?

そして、その隣にいるのは…誰だ?)

 

よつばは、彰人に話しかけた。

 

「おーい!彰人!」

 

「ん?よつばか?」

 

「この人は…?」

 

「俺のクラスメイトの小岩井よつばだ」

 

「小岩井よつば!15歳だ!」

 

「初めまして、朝比奈まふゆです」

 

「おい、彰人、まふゆは彰人の彼女か?」

 

「ちげーよ、姉貴の知り合いだぜ?」

 

「ほぉー」

 

「聞いてて、その反応かよ!」

 

「二人は、いつも一緒にいるの?」

 

「あっ、はい…そんな感じです…」

 

「なぁーまふゆ」

 

「どうしたの?よつばちゃん?」

 

「よつばと一緒に遊ばないか?」

 

「うーん、ごめんね、私、塾に通っているから」

 

「そっかー」

 

「行くぞ、よつば、

まふゆさんは、今日は忙しいから、

俺達だけで、どっかに遊びに行くぞ」

 

「ちぇーまふゆと遊びたかったなー」

 

「また、今度でいいじゃねーか」

 

「わかったー」

 

「という訳で、俺達は、この辺で…」

 

「えぇ、またね、彰人くん」

 

 

 

よつばと彰人、二人で

何故か、ゲームセンターにやって来た。

 

「なぁーなぁー彰人」

 

「なんだよ、よつば」

 

「よつばとカードゲームしろ!」

 

「カードゲーム?

ガキじゃねーんだから、

大体、んなもんに、興味はねーよ」

 

「ビビっているのか?」

 

「別にビビってねーし」

 

「よつば、昆虫女王メスクイーンで、

彰人と遊びたい」

 

「フン、ガキの遊びに付き合う程、

俺は生憎、暇じゃねーし」

 

「じゃあ、クレーンゲームはどうだ?

あの、ぬいぐるみ取れるか?」

 

「ぬいぐるみ?

小豆沢あたりが、喜びそうだな…」

 

「よし、よつば、こはねの為に、

ぬいぐるみを取ってやる!」

 

「取れるのか?

1プレイ100円みてーだな」

 

「よし!よつば、やってみる!」

 

「だいたい、よつば、コイン、持っているのか?」

 

「100円玉、4枚持っているぞ!」

 

「じゃあ、4回出来るな、

でも、気を付けろよ、

クレーンゲームって、決して、簡単じゃねーからな」

 

「んなもん、わかってるし!」

 

よつばは、クレーンゲームを、

100円玉を入れて、始めた…

 

 

そして、なんと…ぬいぐるみが、取れるのだった!

 

「おい!彰人!ぬいぐるみが取れたぞ!」

 

「へいへい、それは、よかったな」

 

「よし、これを、まふゆにあげよう」

 

「なんで、まふゆさんだよ…」

 

「喜ぶかもしんねーぞ!」

 

「わかったよ、宮益坂女子学園に行けば、

会えれるかも知んねーぞ」

 

「うん、わかった」

 

 

後日、よつばは、宮益坂女子学園にやって来た。

しかも、学校から帰った後、

即行で、やって来たようだ。

 

「おい、まふゆ!

プレゼントの、ぬいぐるみだ!」

 

「えっ、えっと…」

 

「受け取れ!じゃあな!」

 

「あ、ありがとう…」

 

まふゆは、そのクマのぬいぐるみを大切にするのだった…

 



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第九話 白熱! 神山高校 体育祭!

よつばは、何やら張り切っているようだった。

 

それは、何故かと言うと、

今日は、神山高校の体育祭だからだ。

 

「おーい!彰人!聞いているか!

今日は体育祭だぞ!」

 

「へいへい、んなもん、わかってるし」

 

「彰人!気合い入れろよ!」

 

「あぁ…にしても、司先輩の手伝いまで、

されるし、憂鬱だわ、こりゃ…」

 

「ゆううつ…なのか!?」

 

「あぁ、ダルイし、好き好んで、

司先輩の手伝いしている訳じゃねーし…

あっ、そうだ!」

 

「どーした!彰人!」

 

「お前に、応援団の役をやらす、

俺の代わりに頼んだぞ!」

 

「よつばが、司の応援をするのか?」

 

「ちげーよ、応援団をするんだよ、

詳しくは、司先輩に聞いたらどうだ?」

 

「わかった、よつば、司先輩に会いに行く!

って、司って、どんな奴だ?」

 

「いっつも、変に叫ぶ野郎だ、

すぐに、気付くだろ…」

 

 

しかし、よつばは、司が、どんな人か、

良く分からないため、

隣のクラスにいる、冬弥と寧々に聞いてみた。

 

「よつば、司先輩に会いたいんだけど?」

 

「司先輩に会い行くのか?

わかった、案内するよ」

 

「よつばも、司も変な奴同士で組んだら…」

 

「それじゃあ、司先輩に会い行こうか」

 

「寧々、司の事を知っているのか?」

 

「知っているも何も、変な奴として、有名だし、

大体、アイツは…って、もう行っちゃった…」

 

と、寧々を置いて、冬弥はよつばを、

司の元へと、案内するのだった。

 

 

「司先輩」

 

「おう、冬弥、何の用だ?」

 

「よつばが、彰人の代わりをするって、

言っているみたいですけど、恐らく、応援団の事かと」

 

「そうか!やってくれるのか!」

 

「応援団って、何をするんだ?」

 

「よくぞ聞いてくれた!応援団とはな!」

 

司はよつばに、応援団の事を説明した。

 

 

「そういうことか!わかった!」

 

「よし、よつば、頑張るぞ!」

 

「フッ、その意気だ!よつば!」

 

 

 

そして、体育祭のプログラムになり…

 

(次は一年生の借り物競争です!

出場者は、位置について下さい!)

 

よつばが参加する、借り物競争

 

そこに…

 

「よぉ、アンタも借り物競争か?」

 

「アンタ誰?」

 

「俺は田中宏和!よつばと同じクラスにいる、

田中宏和だ!まぁ、お互い頑張ろうぜ?」

 

「おう!よつばは、足が速いぞ!」

 

「そうだったのか!

よーし、俺も負けてられねーな!」

 

「にしても、小岩井って、

ボーイッシュだな、なぁ、宏和?」

 

「そーだな、村松、

アイツ、何て言うか…良くも悪くも、

彰人とくっついているけどな…」

 

村松 竜

よつばのクラスメイト、

いつも、田中宏和と一緒に行動する仲

 

「そー言えば、彰人も参加するんだよな」

 

「オイ、俺とよつばは、別に、

そんな関係じゃねーし、向こうが…」

 

「はいはい、そー思っている、

よつばって、男友達が多い気がするなー」

 

「とーちゃんに育てられたからかな?」

 

「父子家庭だったのか…?」

 

「そんな感じだ」

 

 

 

 

(それでは、いよいよ、始まります!)

 

「実況の人が、言っているし、そろそろだな」

 

そして、借り物競争が始まった。

 

「いけっ!負けるな!彰人!よつば!」

 

「彰人も、よつばも、足が速いから、

一位がどっちになるか、予想が付かない」

 

と、司と冬弥は言っていた。

 

 

 

よつばと彰人は、紙をゲットした。

その中身は…

 

「なんだよ!これ!」

 

「どーした、彰人」

 

「とんでもなく、大声の人…」

 

 

すると、司が

 

「彰人ー!何て書いてあったんだ!

オレが力になるぞー!」

 

「はぁ…やる気でねぇ…」

 

「よつば!司先輩、呼んでくる!」

 

「お、おい!よつば!」

 

よつばが、司を連れて、

一気にゴールするのだった。

 

 

「どうだ!よつば!すごいだろ!」

 

「へいへい、お前の行動力には、賛美するわ」

 

「さすがだ!よつば!

君の行動力は素晴らしい!」

 

「褒められたぞ!」

 

「そりゃ、よかったな…」

 

何がともあれ、借り物競争は、

彰人とよつばが一位になった!



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第十話 アップルパイを食べよう

体育祭が終わって、しばらく経った頃…

 

都立 神山高校に

宮益坂女子学園の生徒である、

鳳えむが、草薙寧々と小岩井よつばに会いに、

やって来たのだった。

 

(白昼堂々の不法侵入だが…)

 

「寧々ちゃーん!よつばちゃーん!」

 

「おぉ!えむ!」

 

「じゃないでしょう…よつば…

にしても、えむ!

また、勝手に入ってきたの?」

 

「えへへっ!会いに来ちゃった!」

 

「何しに来たの?

後、何度も言うけど、

えむは、宮女でしょ?

勝手に入ってきて、先生に見つかったら、

大変なことになるよ?」

 

「えーでも、あたし、

寧々ちゃんと、よつばちゃんに、

会いたくて、遊びたいから!」

 

「よつばも、寧々とえむと遊びたい!」

 

「あーもう…とにかく、正門の入り口に行くよ?

ここじゃあ、先生の目が通っているから…」

 

「はーい!」

 

 

三人は神山高校の正門前に向かった。

 

「なーなーえむ、

今日は何して遊ぶ?」

 

「うーん、いっぱい遊びたいな!」

 

「何も考えてなかったの?」

 

「あっ、よつばちゃんに紹介したい子がいるんだ!」

 

「新しい友達か?」

 

「うん!花海陽菜ちゃんって、言ってね、

すっごく、人見知りだけど、いい子だから!」

 

「私は知っているけど、よつばは、会ったことが、

なかったね…」

 

「よつばも、陽菜っていう子に会いたい!」

 

「じゃあ、宮益坂にレッツゴー!

そこにいるから!」

 

 

三人は陽菜がいる、宮益坂女子学園の正門に向かった。

 

「おーい!陽菜ちゃん!」

 

「えむちゃんに、寧々ちゃん…

後…この人は…?」

 

「よつばちゃんだよ!陽菜ちゃん!」

 

「小岩井よつば!えむの友達だ!」

 

「は、初めまして…花海陽菜です…」

 

「ねぇねぇ、みんなで、どこかに行こうよ!」

 

「急すぎるよ…うーん、じゃあ、

アップルパイでも、食べに行く?

友達に教えてもらったんだけど?」

 

「もしかして、寧々ちゃん、穂波ちゃんから、

アップルパイがおいしいお店を知ったの?」

 

「うん、望月さんから、

美味しいお店を教えてくれたから、

そこに行こうかなって…」

 

「よーし!それじゃあ、そこにレッツゴー!」

 

「穂波って、誰だ?」

 

「あっ、よつばちゃんは、知らないんだった!

えっとね、あたしの友達でクラスメイトなの!」

 

「そーなんだ!」

 

 

こうして、4人でアップルパイのお店にやってきた。

 

 

「結構な行列だね…」

 

「でも、待ち時間、20分もあるよ?」

 

「大丈夫!いっぱい、お話ししていたら、すぐだよ!」

 

「でも、話のネタが…」

 

「ない…」

 

「よつば、こうやって、みんなと遊ぶの好き」

 

「あたしも好き!

これからも、いっぱい、遊ぼうね!」

 

「うんっ!そーだな!」

 

途切れ途切れだが、話をして、

アップルパイを4人で食べるのだった。



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第十一話 ぬいぐるみ捕獲ミッション

神山高校全日制が、放課後を迎えた。

 

1年C組、よつばと彰人のクラスにて。

 

「おい、彰人」

 

「どーした、よつば」

 

「この後暇か?よつば、ゲームセンターに行きたい」

 

「あのな、俺は、いつでも、暇そうに見えるか?

俺はな、音楽活動しねーと行けなかったりするから、

まぁ、今日は、たまたま、何もねー日だから、

付き合ってやるよ」

 

「よーし!そんじゃ、行くぞ!

ゲームセンターに!」

 

「へいへい…」

 

彰人は暇なときは、大抵、よつばと一緒に、

お出かけすることが多い。

 

というものの、

よつばが、秋彦が暇な時に誘っては、

ゲームセンターに行くのが、お約束になっている。

 

この前は、昆虫女王メスクイーンといい、

ポケットサーキットといい、プリントシールといい…

 

どれも、プリントシールを除いて、

高校生が好むとは思えないが…

 

この前は、よつばがゲームでボロ負けしており、

パンケーキ代は、よつばが払いざる負えなくなったらしい。

 

「なぁ、よつば、プリントシールが撮りたい!」

 

「嫌なこった。撮らねぇし!

あの、一目がヤバかった…あっ、クレーンゲームだ。

どうしても、取らねぇと、いけねぇな、こりゃ」

 

「この、うさぎかか?」

 

「小豆沢が欲しがっていたからな。

冬弥から取りやすい台や、攻略方法など、

バッチリ予習したからな」

 

「おーっ!よつばも取るぞ!」

 

「よつばも、やるのか?

よし、何としてても、あの、ぬいぐるみ、

何としてても、取るぞ!」

 

お互いに、1000円札を取り出し、

100円玉10枚と両替する。

 

10円玉や50円玉で遊べる、ゲーム台もあるが、

よつばも、クレーンゲームを、やった後に、

やりたがっていたようだ。

それは、別の機会となりそうだった。

 

「冬弥に教わったが、冬弥の情報によると、

この台が一番取りやすいらしいぞ?」

 

「よーし!よつばと彰人とで、やり遂げてみせるぞ!」

 

「ったり前だ!ホントなら、自分で手に入れたいが…

よつばも、やるって言うし…やってやるか!」

 

と、彰人とよつばが、10回ずつ、

そのクレーンゲームに挑戦しようとしていた。

 

1回、2回、3回と続き…

 

「少しずつ、ずらしておいて、

獲得したらいいって、冬弥が言っていた。

一撃で取れるのは、ほんの一握りの人だからな…」

 

「よーし!やってやる!」

 

「歌で心が折れることもある…

もちろん、このクレーンゲームでもだ…

だが、やり遂げるまでは!

せっかく、冬弥からの、攻略方法だ!

必ず使いこなして見せる!」

 

そう喋ると、彰人の目には、非常に熱い熱意が、

身体から伝わって来た。

 

「あ、取れた」

 

「やったぞ!彰人!」

 

「ほらよ、持っとけよ?」

 

「はーい」

 

ぬいぐるみは、無事に入手できたのだ!



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第十二話 よつばとまふゆ

帰り道の時。

 

これだけ、大きなぬいぐるみだから、

視線は当然、釘付けだった。

 

小豆沢こはねちゃんの為の、

ぬいぐるみを、無事にクレーンゲームで、

獲得できたのは、良かったが、

その代わりに、トータルで、1800円も、

使ってしまった。

 

(よつばと彰人、各9回ずつ、

クレーンゲームに、チャレンジしていた)

 

すれ違った、小さい子に指を指されて、

同年代の学生たちから、何気に賞賛を頂いた。

 

ぬいぐるみを持っている、よつばよりも、

彰人の方が、恥ずかしい表情をしていた。

 

「…?」

 

大きなぬいぐるみの隙間から、ちらりと見ると、

ふんわりとした、紫色のポニーテールを揺らして、

こちらに向かって、歩いてきた。

 

「コイツ…姉貴の…?」

 

「まふゆちゃんだ!」

 

「バカ!大きな声を出すな!よつば!」

 

 

彰人の優男モード発動。

 

「こんにちは。偶然ですね」

 

「あ、こんにちは、確か絵名の弟さんの…」

 

そう言って、挨拶する、彰人の顔は、

他人行儀な笑顔が貼りついていた。

 

「よつばだ!彰人の友達で、恋人だぞ!」

 

「恋人じゃねぇし…」

 

「ふふ、二人とも仲良しなんですね。

それにしても、大きな、ぬいぐるみ…」

 

「彰人が、持てって、うるさいからな~」

 

「おまっ、誤解を与えるだろ!

まぁ…友達宛てにって、感じで…」

 

彰人の優男モードは、すぐに解除された。

 

何かを焦る必要があるのか、彰人は、

横から、慌てて、訂正に入る。

 

「それじゃあ、わたしは、この辺で…」

 

「いつか、遊ぼうな!」

 

「そ、そうだね…よつばちゃん…」

 

二人は、まふゆと別れた。

 

「何て言うか…疲れた…思いっきし…」

 

「もっと、話したかったな…」

 

「バカ言うな、朝比奈さんは、予備校で、

忙しいの!」

 

「そうか」

 

「そーだ。俺等みてーに、

いつも、遊んでいるわけじゃねぇだろ?」

 

「そーだな、まふゆと遊びたいな、いつか!」

 

「先輩なのに、呼び捨てかよ…

お前も、距離の詰め方も、どうかと思うけどな…」

 

「ほー」

 

「絶対に、理解してねーだろ…よつば」

 

よつばは、身長をはるかに超える、

ぬいぐるみを抱えて、彰人と口論していた。

 

それでも、よつばは、彰人と一緒にいる、

この時間が、最高に楽しくて、幸せだと感じている。

 

「おい!あの50円ゲーム、やるぞ!」

 

「財布には、優しい方だな…

にしても、50円ゲームか…

何だったら、10円ゲームまであるし…

昔ながらのゲーム機が、沢山あるんだな、

趣があるっていうか…何ていうか…」

 

二人は、50円ゲームと10円ゲームで遊んだ。

 

10円玉か50円玉、1枚で、プレイできるため、

やる人が絶えないらしい。



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第十三話 みんなで女子会!

寧々、えむ、夢葉、陽菜、よつばの、

5人は、どこかに、遊びに行こうとしていた。

 

鳳家、えむの部屋で、

5人は、どこかに遊びに行こうと、

計画していた。

 

「夏休みなのに、

どうして、どこかに行くわけ…」

 

「あたしは、みんなと、どこかに、

行きたいよー!」

 

「そ、その…みんなとなら、楽しいから…」

 

「私も、夢葉と同意見」

 

「よつばも、楽しみたいぞ」

 

「うぅ…この流れだったら、

私も行かないとって感じだ…」

 

5人は、近くの場所や遠い場所まで、

至る所を探していたのだった。

 

「なかなか、思いつかないなー」

 

「なら、いっそ、ショッピングは、どうだ?」

 

「2人組と3人組に、分かれてだ」

 

「それなら、負担はかからないし」

 

「でも、どの組み合わせで行くの?」

 

みんなは、思い悩んでいた。

 

「よつばは、えむと行きたい」

 

「あたしは、よつばちゃんとも、だけど、

みんなで、一緒に行きたいなー」

 

結局のところ、5人全員で、ショッピングに行くことになった。

場所は、少なくとも、東京都内にすることに決まった。

 

とはいえ、色々あって、どこに行こうか、

思い悩んでいたが、

最終的には、5人で、

ショッピングにしようと、決めるのだった。

 

「それで、どこら辺に行く?」

 

「時間は一日中使えるとして、予算も考える必要がある」

 

「うーん、どこに行こうかな…?」

 

「フィールドワークは、どうだ?」

 

「フィールドワーク…?」

 

「現地に直接行ってみて、下調べだ」

 

「面白そう!やってみようよ!」

 

「えっ?今から?」

 

「今からじゃなくても、明日か明後日か、明々後日か!」

 

「そ、それなら、いいけど…」

 

こうして、みんなで、街中の、

どこに行くか、放課後、出掛けに行くことになった。

 

ショッピングや、公園や、レジャー施設など、

色々な場所を、時間のある限り、行っていたのだった。

 

(これ、お金使ったら、完全に、ショッピングデートじゃん…)

 

と、寧々はツッコミを密かに入れた。

 

「あそも、行きたいし、

ここにも、行きたいな!」

 

「よつばも、行きたいぞ!」

 

「わらわもだ!

その…みんなと、行きたい!」

 

「みんなと行くと、そんなに、楽しさが倍増するのか?」

 

「うんっ!みんなで、女子会ショッピングで、

わんだほーい!だよ!陽菜ちゃん!」

 

「そうなのか?」

 

「下見だけど、下見じゃない…」

 

と、寧々は感じた。

 

 

翌日

 

寧々のスマートフォンの着信音が、

鳴り響き、その音で、目が覚める。

 

「うぅ…うるさいな…って、陽菜からだ。

もしもし、まだ、朝の6時だけど?」

 

「実は、私は、今、

えむとよつばと夢葉と一緒に、

ファミレスにいるのだが…」

 

「まだ、開店していないでしょう?」

 

「なら、私のハッキングで…」

 

「それで、開けられる訳ないでしょ…

もう、寝させてよ…

って、この状況じゃ、寝られないし…」

 

と、寧々は困惑していた。



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第十四話 女子会!ショッピング!

寧々は急いで、えむ達がいる、

ファミリーレストランへ…

 

「はぁ…はぁ…

どうして、そんなに、朝早くから、

ショッピングをするわけ…?

訳わからないし…」

 

「えー!だって、時間は限られているんだよ!

だから、みんなで、一日中、

遊びたいもん!」

 

「私が、ハッキングしても、

このお店を開くことは出来ない…!

済まなかったな」

 

「だから、まだ、朝の7時半だから、

開いているわけ、無いでしょう!」

 

「早くみんなで、遊ぶぞ。

わらわは、退屈じゃ」

 

「寧々は、どこに行きたい?」

 

「とにかく、公園のベンチに行って、

休みたい」

 

「じゃあ、公園にレッツゴー!」

 

寧々、えむ、夢葉、よつば、陽菜の、

5人は、児童公園にやって来た。

 

そこで、えむとよつばは、

公園で走り回り、はしゃいでいた。

 

「二人とも、朝っぱらから、

そんなに、元気があるんだね…

逆に感心しちゃう」

 

と、寧々は、陽菜と夢葉と一緒に、

ベンチに座って休憩していた。

 

「ま、魔力を一気に消耗しすぎた。

太陽の光が、わらわの力を吸っていく!」

 

「私は、太陽の下は、苦手だ。

あまり、外で遊んだことは無い」

 

「にしても、よつばとえむは、

砂場で遊んだり、走り回ったりって、

子どもみたい…」

 

午前8時20分。

 

「ふぅ~走り疲れたから、

次は、どこに行く?」

 

「まだ、どこのお店も、開いていないよ」

 

「じゃあ、私のハッキングで…」

 

「だから、それは、やめて」

 

「じゃあ、一度解散して、

お昼に、神山高校に集合したら?」

 

「よつば、それがいい」

 

こうして、一度解散して、

その後、5人は、神山高校の正門にやって来た。

 

「だいぶ寝れた…」

 

「じゃあ、ショッピングに行こうよ!」

 

「うん」

 

「ショッピング~!ショッピング~!

みんなで、楽しい!ショッピング~!」

 

と、えむが歌いだす。

 

辿り着いたのは、都内のショッピングモールである。

 

「初めて来たな。

人混みがある、こんな場所」

 

「陽菜ちゃん、初めてなの?」

 

「うん」

 

「よつばもだぞ!」

 

「よつばちゃんも?」

 

「5人中2人が、初めてなんて…」

 

ここからは、二手に分かれて行動した。

 

えむ、夢葉、陽菜の宮女チームと、

寧々とよつばの神山チームに分かれた。

 

 

「よつばは、二重人格…

彰人と、どんな関係なの?

いつも、よくいるみたいだけど?」

 

「彰人は、よつばの恋人だ。

結婚する約束している」

 

「あの二重人格が、よつばと結婚するとか、

ありえるのかな…?」

 

「彰人が嫌がっているけど」

 

「そりゃ、そうだ」

 

「寧々、ここにレトロゲームが、売っている」

 

「ホントだ、世代じゃないけど、

こういう、ゲームも、興味が無いわけじゃないけど…

見ていくか」

 

寧々と、よつばは、

一緒に、レトロゲームを楽しんだ。

 

「色々なカセットや、

ゲームリモコンがあるな」

 

「うん、これは、このメーカーのゲームで…

あっ、こっちも、懐かしいのがある」

 

「よつばと対戦しろ!」

 

「えーどうせ、私が勝つよ?」

 

「よつばは、負けないぞ?」

 

「はいはい、かかって来てね」

 

どういう訳か、寧々の持っているゲーム機の、

専用ソフトを購入した。

 

レーシングゲームやパズルゲーム、

格闘ゲームが、格安で買えた。

 

1つ600円で、1800円を、

よつばと寧々が、900円ずつ出して買うのだった。

 

お買い物は、しばらく続きそうだ。



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第十五話 遠足日和の一日

今日は、学校行事の遠足だった。

 

クラス内で、生徒が班を作り、

3~5人の班を作って、行動していく。

 

東雲彰人、小岩井よつば、星川真凛の

3人で班を作って、遠足に出かけるのだった。

 

「はぁ…何で俺が、よつばと一緒なんだ…」

 

「文句あるのか?彰人?」

 

「あーなんで、こんな、うるせー奴と一緒じゃねーと、

いけねーか、理解出来ねー

まぁ、真凛がいるのが、救いだけどな」

 

「よつばは、彰人と一緒がいい。

真凛、よろしくな」

 

「クラスメイトだけど、

あんまり、話したこと無いな…小岩井さんとは…」

 

「真凛は、歌や芸能活動で忙しいからな」

 

「後で、サインくれ」

 

「このタイミングでねだるのかよ…」

 

こうして、3人の遠足が始まった。

 

遠足は、各班によって、異なる。

 

彰人、よつば、真凛の班は、

東京都内にある、動物園である。

 

最初は、クマを観に行った。

 

「おーっ、クマだ、彰人、みてーだな」

 

「どこがだ?」

 

「いつも、こえー顔だから」

 

「そりゃ、ご満悦で、何よりですな」

 

「真凛、よつばのことは、よつばって呼んでいいぞ?」

 

「じゃあ…よつば」

 

「なんだ?」

 

「よつばと彰人は、その…仲良しなんだね」

 

「別に仲良くねーし、よつばのペースに

振り回されて、俺の体は、いつも、疲れているけどな」

 

「例えば?」

 

「この前なんかな、おにぎりやたい焼き、

食わされた」

 

「はぁ…」

 

「腹がヤバくなった」

 

「そう…まぁ…いいじゃん。

彰人も、何だかんだと言って、嫌じゃねーだろ?」

 

「まぁ…よつばといると…その…」

 

「よつばのこと、好きだろ?」

 

「別に好きじゃねぇ!」

 

と、彰人が異様にムキになった。

 

 

次は、うさぎと触れ合った。

 

「カワイイな…」

 

「見ていて、フワフワさを感じる」

 

「なんじゃ、そりゃ…」

 

「おい、彰人!真凛!撫でろ!うさぎを!」

 

「へいへい…」

 

「あぁ」

 

彰人と真凛が、立て続けに、

一匹のうさぎを撫でるのだった。

 

 

お昼過ぎになり、動物園から出た後、

近くのファストフード店で、昼ご飯を食べた。

 

「よつばは、ラッキーセットにするぞ」

 

「お前は、お子様か?

15歳の子が買うような商品じゃねーぞ?」

 

「彰人!バカ!ばーか!

よつばは、それが食べたいの!」

 

「そーですか、そーですか」

 

「俺はナゲットとフライドポテトにするよ」

 

「じゃあ、俺はホットドッグで」

 

3人共、頼んだ商品が、見事にバラバラだった。

 

「おーっ!パンダの、ぬいぐるみだ!」

 

ラッキーセットの中身は、

小さないパンダのぬいぐるみだった。

どういう訳か、よつばは彰人に、

それをあげようとした。

 

「彰人にあげる」

 

「いらねー、てか、欲しかったんじゃねーのか?」

 

「同じの持っている」

 

「じゃあ、驚くなよ…」

 

「まぁまぁ…食べようか」

 

なお、このパンダの小さなぬいぐるみは、

よつばが持つことになった。



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第十六話 女子校文化祭!

小岩井よつばは東雲彰人を連れて、

宮益坂女子学園の文化祭にやって来た。

 

「おーい!あきとー!もーすぐ、着くぞー!」

 

「んな、大声で言っても、聞こえるから…

何で、男の俺が、女子校の文化祭なんか…」

 

「よつばは、彰人とデートがしたい!」

 

「どこでもよかっただろ!デートの場所!

何で、よりにもよって、女子校なんだよ…」

 

「えむに会いに行くんだ!それに、まふゆとも!」

 

「えむに、まふゆ…さん…?

あーはいはい。そーですか…」

 

と、彰人が愚痴を言いまくっていたら、

宮益坂女子学園の文化祭の入り口付近にやって来た。

 

そこには、何故か、白石杏がいた。

 

「うげっ、白石がいる」

 

「人を変な目で見ないの!

ひょっとして、ナンパ!」

 

「バカ!俺はよつばの付き添いだ」

 

「よつばは、彰人とデートに行きたいからだ!」

 

「でも、女子校なんて…」

 

「今日は、宮益坂女子学園の文化祭って、

よつばの友達が言っていたぞ!

 

「あーわかったから、さっさと終わらせて、

歌の練習でも、やりてー!」

 

「ねぇ、彰人」

 

「なんだ?」

 

「もし、ナンパしたら、うちのこはねに、

ちょっかいでも出したら…殺すからね?」

 

と、杏が満面の笑みを浮かべて、彰人を脅す。

 

「脅しじゃねーか…しねーよ!んな、アホなこと!」

 

「じゃあ、いってらっしゃい」

 

「白石は、神山だろうが…」

 

「おい!いくぞ!彰人!おいてくぞ!」

 

と、よつばが彰人を引っ張って、

宮益坂女子学園の中へ…

 

「引っ張るんじゃねー!変な目で見られているから!」

 

雨と彰人が、やって来た場所は…

えむのクラスだった。

 

「えむ!」

 

「よつばちゃーん!来てくれたんだね!」

 

「今日は、彰人とラブラブデートだ!」

 

「ラブラブじゃねーし!」

 

と、彰人がムキになった。

 

「よつばちゃんは、彰人くんとは、恋人じゃないの?」

 

「恋人だぞ!よつばは彰人とケッコンする!」

 

「んな奴と、ケッコンしねーし!」

 

「それじゃあ、邪魔したら悪いから、

あたしは、大好きな、寧々ちゃんと、ラブラブデートするぞー!」

 

「はぁ…」

 

「じゃあ、行くぞ!あきとー!」

 

「へいへい…」

 

よつばは次に、まふゆに会った。

 

「よつばちゃん!それに…彰人くん?」

 

「今、デート中だ!よつばは彰人と、

デートの最中!」

 

「そ、そうなんだ…」

 

「違いまーす!俺はよつばに連れ回されているだけでーす」

 

「ふふ、二人とも、ラブラブだね」

 

と、まふゆが彰人をからかう。

 

「…はい…」

 

と、彰人が仕方がなく、頷く。

 

「それじゃあ、彰人!行くぞ!」

 

「はぁ…マジで憂鬱な一日だ…休日なのに…」

 

その後、ラブラブデート?を、続けるのだった。



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第十七話 街探検とラーメン

後日。よつばと寧々は、

えむと夢葉、陽菜に会いに行くため、

宮益坂女子学園の正門に、やって来るのだった。

 

「えむが、神山高校に不法侵入するのは、

度々あったけど、今回は、私達から、

出向くからね」

 

「おー!よつばも、早くみんなに会いたいぞ!」

 

「はぁ…」

 

こうして、二人は宮益坂女子学園の正門に辿り着いた。

 

そこには、えむと夢葉、陽菜の三人が出迎えてくれた。

 

「寧々ちゃーん!」

 

と、えむが寧々を抱き着いてくる。

 

「ちょっと、えむ…いきなり、抱き着かないでよ…」

 

「だって~あたし、寧々ちゃんに、

早く会いたかったんだもん~!」

 

「今日は何をするんだ?」

 

と、陽菜が疑問符を付けて、よつばと夢葉に問いだす。

 

「そうだなーどこか、買い物はどうだー?」

 

「買い物か。私は、あまりしたことが無いから、

よろしく頼むぞ」

 

「陽菜。このメンツで買い物を、

学習するには、ちょっとアレだと思うけど…」

 

「陽菜ちゃんは、あまり外に出たことないの?」

 

「あぁ。ほとんど、外出して、何かをするという、

経験に乏しいからな。自慢では無いが」

 

「じゃあ、今日は5人で街探検だ!」

 

「街探検って…子どもじゃないんだから…」

 

「でも、陽菜ちゃんは、この街を知らないみたいだし!」

 

「もし、みんなが良ければ、案内して欲しい」

 

「よーし!街探検にしゅっぱーつ!」

 

「おーっ!」

 

こうして、5人で街探検に向かった!

 

「街探検といっても…色々行っているからな…

ゲームセンターに、カラオケ、神山高校に、

公園だな」

 

「でもでも!行ったことの無い場所に行ってみるのも、

楽しいよ!」

 

「そうか」

 

「勝手に納得しているし、ま、いっか」

 

5人が訪れたのは、ショッピングモール。

 

「ここのフードコートに行ってみない?」

 

「よつばは、そこの、ラーメンを、

彰人と、よく食べるぞ?」

 

「よつばちゃんの彼氏だね?」

 

「あの二重人格と、よつばが恋人って…」

 

「よつばは、彰人と一緒にいて、毎日が楽しいぞ!」

 

「そうなんだ…」

 

こうして、フードコートのラーメン店へ…

 

「何を頼もうかな…?

あっ、とんこつラーメンにしよう!」

 

えむが、とんこつラーメンを注文しようとした。

 

「私も」

 

「じゃあ、私も」

 

「よつばも!」

 

「そ、それじゃあ…わらわも…」

 

5人共、同じ、とんこつラーメン、600円を、

一杯ずつ、注文するのだった。

 

「結局、同じのを注文しちゃったね…」

 

「よつばは、この、とんこつラーメンを、

彰人と食べているぞ?」

 

「同じのを頼んでいるの?」

 

「おう、同じのだぞ!」

 

「そっか」

 

「みんなとラーメンが食べられて、

よつばは嬉しいぞ!」

 

「私は、みんなと、こうやって、食事をしたことが無いから、

新鮮な体験だ」

 

「そうだったんだ…」

 

「うぅ…ちょっと、熱いけど、でも、美味しい…」

 

「夢葉ちゃんは、熱いの苦手?」

 

「猫舌だから…フーフーしないと…」

 

みんなで、ラーメンを食べるのだった。

 

「美味しかった~!」

 

「また、行こうな!」

 

と、よつばは笑みを浮かべるのだった。



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第十八話 よつばと真凛の一日マネージャー

テレビ局に、小岩井よつばが見学に行っていた。

 

ある番組に、星川真凛と桐谷遥が出演する様だ。

 

星川真凛は、苺プロダクションに所属する役者で、

よつばのクラスメイトでもある。

 

(おー!真凛も、遥も、カッコイイな…!)

 

と、よつばが関心を抱いていた。

 

番組の収録を終えると…どうやら、

番組のプロデューサーとディレクターが、揉めていたようで…?

 

「何?遥ちゃんのマネージャーが、倒れた!?」

 

「えぇ、次の現場に行こうとしたら、急に倒れて、

病院に運ばれていて…命に別条は無いですが、過労かと…」

 

「うぅ…このままじゃ…」

 

現場を終えた、真凛は、よつばに声を掛けた。

 

「よつばちゃん。キミなら、どうする?」

 

「…やる。よつば!遥の一日マネージャーをやる!」

 

「急だね…まぁ、いいや。ちょっと待ってて!」

 

と、真凛が、その場しのぎの為と思い、

一日だけ、マネージャーをやらせてくれと、

プロデューサーとディレクターと交渉していた。

 

「わかった。ただ、失敗は絶対に許されない。

一応、これが、今日の遥ちゃんのスケジュールだよ」

 

「わかりました。任せてください」

 

モアモアジャンプは、マネージャーがいるようであり、

そのマネージャーは、プロダクションに入っておらず、

芸能界の知識は、皆無に通しい…が、

体調管理を正確に出来るような人らしい。

曰く、遥の大ファンである。

 

「よつばちゃん。今日は、よろしくね」

 

「よろしくな!遥!よつばだぞ!小岩井よつば!よつばだぞ!」

 

「桐谷遥です。よろしくね。よつばちゃん」

 

「それで、マネージャーは、どうしたらいいんだ?」

 

「そうだね…次の現場の場所が、そのメモ帳に書かれているはずだけど…」

 

「えっと…次は、B小町の、有馬かなとの共演みたいだぞ?

ついでに、黒川あかねとも」

 

「そうなんだね。かなとは、何度も共演しているからね。

小さい時から」

 

「うん。かなちゃんと、遥ちゃんは、公私共にライバル関係なんだよ」

 

「そーなんだな!」

 

「よし、それじゃあ、挨拶に行ってくるね」

 

有馬かなと黒川あかねと出会った。

 

「どうも、有馬かなです」

 

「黒川あかねです。今日は、よろしくね、遥ちゃん」

 

「よつばちゃん。かなちゃんはアイドルで、

あかねちゃんは女優として、活躍しているんだ」

 

「知ってるぞ!えっと…何かを舐める天才子役!」

 

「ちがーう!十秒で泣ける天才子役!

何度も、言わせるな!」

 

「よつばと、かなは、初対面だぞ!」

 

「ひとまず、次のお仕事のスケジュールを把握しておいてね」

 

「わかった。よつばちゃん、僕がサポートしてあげるね」

 

「そう言えば、真凛君は、よつばちゃんと同じ学校なの?」

 

「同じ神山高校でね、学年とクラスが同じなんだ」

 

「そうなんだね」

 

こうして、桐谷遥は、有馬かなと黒川あかねと共に、

トーク番組で共演するのだった。

 

 



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第十九話 アイドルのマネージャーは大変だ

小岩井よつばと星川真凛は、桐谷遥の

一日だけの臨時マネージャーをすることになった。

 

「よつばちゃん。責任重大だから、

ちゃんとしないと…彰人くんが、雷を落としちゃうかもな!」

 

「怒った、彰人は嫌だ!よつば頑張る!」

 

「フフッ、それじゃあ、彰人くんの為にも、

頑張ろうね。よつばちゃん」

 

次は、ミニライブ。

どうも、ショッピングモールで、行われる様だ。

 

「それで、ミニライブは、何時から?」

 

「えっと…あっ、14時半からです!」

 

「わかった。場所は?」

 

「ここのショッピングモールです!」

 

と、よつばが、スマートフォンを取り出して、

場所を、遥に教える。

 

「わかった。真凛くん、よつばちゃん。よろしく」

 

「それじゃあ、僕たちも、いこっか」

 

「おーっ!」

 

 

ショッピングモールにて、遥がミニライブをしていた。

 

遥のLOVEコールが、止まなかった。

 

「ありがとう!今日は、みんなに会えて嬉しいな」

 

と、遥がアイドルスマイルを、みんなに披露した!

 

多くの観客の心を奪っていった!

 

「アイドルは、華やかだな…キレイ…」

 

「フフッ、でも、アイドルは、

常に努力を怠ってはならない存在。

遥ちゃんは、怠けることが大嫌いなんだよ」

 

「えっと…ストイック!彰人もだ!」

 

「そうだね。僕も彰人くんと歌で競い合っているけど、

ここまで、ストイックに、歌を歌えるのは、

彼くらいだよ」

 

遥のミニライブが終わった後…

 

その後、撮影をするために現場に移動した。

撮影を終え、夕方になり…

 

「今日は一日、お疲れ様。

一日マネージャー大変だったでしょ?」

 

「うん。僕にとっても、とても刺激的で、新鮮で、

それに、学びにもなったよ」

 

「うん!よつば!遥の役に立てて、嬉しい!」

 

「フフッ、じゃあ、よつばちゃん。

大好きな、彰人くんに、めいっぱい、褒めて貰わないとね」

 

「おー!」

 

 

後日、神山高校にて

 

「へぇ~よつばが、あの桐谷遥のマネージャー!?」

 

「うん。よつばちゃん。結構、頑張っていたよ。

彰人くんに怒られないようにって!」

 

「俺、別にコイツと関係ないし」

 

「よつばのことを、褒めないのか?」

 

「はいはい。マネージャーをやり遂げて、エライ、エライ…」

 

と、彰人がよつばの頭を撫でた。

 

撫で終えると、彰人が…

 

「そう言えば、真凛はテスト勉強どうだ?

最近、学校に来ていないけど?」

 

「よつばちゃんや、彰人くんと、一緒にするつもりだよ?

授業も、役者の活動で、なかなか、参加が出来ないからね。

それに、いつか、みんなで、学校行事に参加したいね」

 

「よつばも、真凛と一緒に参加したいぞ!」

 

「ありがとう。僕もだよ」

 

よつばと真凛の仲が深まった気がする。



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第二十話 よつばと義父

彰人は、一応、恋人である、よつばから、

色々と質問してみるのだった。

 

「そーいえば、よつばって、何人家族だ?」

 

「よつばは、とーちゃんに拾われて、

とーちゃんに、育てられたんだぞ!」

 

「その、とーちゃんって、何の職業だ?」

 

「外国語の翻訳をしている」

 

曰く、よつばのとーちゃん、小岩井葉介は、

アフリカの様々な言葉を、日本語に翻訳している為、

仕事柄か、ほとんど、一年中、家にいる様だ。

 

「よつばのとーちゃん、って、翻訳家だったんだな…」

 

「南の島で、とーちゃんに拾われて、

5歳の時から、10年間、ここで育った」

 

「まぁ、よつばは、今、15歳だから、そりゃ、そっか」

 

「よつばのとーちゃんが、彰人に会いたがっているぞ!」

 

「なんで、俺が人様のお父さんに会わないといけない」

 

「とーちゃんに、よく言われるんだ。

彰人は、よつばのことを、いつも、思っていて、

やんだや、じゃんぼみたいだなと」

 

「やんだ…?じゃんぼ…?」

 

「よつばと、よく遊んでいた人」

 

「ふーん」

 

「特に、彰人は、やんだと似ている!」

 

「その、やんだって、誰なんだ?」

 

「えーとね…」

 

よつば曰く、やんだは、10年前に出会っており、

よく、よつばの遊び相手をしていた様だ。

今は、窓際族として、会社員らしい。

 

「俺は、そいつと似ているのか?」

 

「雰囲気が!」

 

「そっか」

 

(昔馴染みと重なっているから、よつばは、俺に勝手に懐くと…)

 

と、彰人は感じるのだった。

 

「おい、彰人、今日は暇か?」

 

「よつば、オメー程、俺は暇じゃねー」

 

「何かあるのか?」

 

「冬弥と歌の活動しねーといけねーから、

オメーと、いちいち、遊んでいる暇はねーよ」

 

「そっかー」

 

その後、何があったのか、彰人とよつばは、

たたいてかぶってじゃんけんぽん、をした。

 

「じゃんけんぽん!」

 

ドン!

 

「じゃんけんぽん!」

 

ドン!

 

と、彰人が立て続けに勝って、よつばを、

丸めたノートで叩いた。

 

「おい、次、パー出せ、パー!」

 

「おーっ、わかったぜ…?」

 

しかし、彰人が嘘をついて、グーを出した。

 

「ずるいぞ!彰人!」

 

「おめーのような、おこちゃまと違って、

大人は、ずるくて、ウソツキなんです~?」

 

「彰人、大嫌い!でも、好き。よつばと遊んでくれるから」

 

「はぁ…その気持ち、ある意味、尊敬できるわ」

 

 

小岩井家にて

 

小岩井葉介が、よつばに晩ごはんは、何が良いと聞き出す。

 

「よつば、ばんごはん、何がいい?」

 

「パンケーキと、にんじんスープ!

彰人の好きな食べ物と、嫌いな食べ物!」

 

「そんなの、取り扱っていません」

 

「じゃあ、美味しい食べ物。フツーに」

 

「それじゃあ、ハヤシライス」

 

「まぁ、ちょうど、ハヤシライスの元が、

あるから、それにするか」

 

今日の晩御飯は、ハヤシライスでした。



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第二十一話 教えて!遥ちゃん先生!

都立 神山高校の全日制の一年生でテストが行われていた。

 

1年C組には、成績不振の4人組が、ブルブルと震えていた。

 

成績表 1年C組は27人いる。

 

22位 星川 真凛

23位 平田 直志

 

25位 小岩井 よつば

26位 東雲 彰人

 

と、いう順だった。学年でも、ワースト10に入っていた。

 

いよいよ、3学期の初頭に開かれる、学年末テスト。

 

冬休みに、勉強が出来るかどうか、思うと、絶望的だった。

 

A組の白石杏の方も、成績が悪かったようであり、

冬弥とこはねに、テスト対策の為、活動が出来ず、しごかれている。

 

ちなみに、杏は、4人の為に、特別に家庭教師を派遣するらしいが…?

 

彰人、よつば、真凛、直志の4人は、宮益坂に来ていた。

どうやら、そこで、特別家庭教師と待ち合わせをしているが…?

 

「おい、誰も来ないぞ?」

 

「白石の奴が、俺らの為に、

テスト対策の為に、家庭教師を派遣するって…ぶっ飛んでいる!」

 

「あぁ、にしても、誰なんだ?

少なくとも、知っている人らしいが…?」

 

「あぁ、顔と名前なら、知っている人って…見当もつかない!」

 

すると、声がした。

 

「みんな、お待たせ」

 

と、そこには、宮益坂女子の桐谷遥が、4人の前に現れた。

 

巻いている、ハチマキには、(必勝勝利)と書かれており、

瞳は、異常にメラメラと燃えていた。

そして、表情も、アイドルというよりは、スパルタコーチだった。

 

「杏から聞いたよ。4人共、成績が悪いみたいだね」

 

「ということは…コイツが、俺らの…」

 

「専属家庭教師!?」

 

「どういうことだね」

 

「マジかよ…白石から聞いてはいたけど…アイツとはな…」

 

「でも、国民的アイドルが、俺らの家庭教師って、

ある意味、成績良くなりそう…」

 

「よつばと真凛が、一日だけ、マネージメントした、アイドルだ!」

 

「マジかよ…」

 

「4人共、一切の妥協と、甘えは許さないから、覚悟してね?」

 

と、遥が4人に言いだす。

 

「わかりました」

 

「よつば!頑張る!」

 

「よーし!やってやる!」

 

最後に彰人が…

 

「わ、わかりました…」

 

「声が小さい」

 

と、遥にダメ出しされる。

 

「わかりましたっ!」

 

 

そして、やって来たのは、桐谷家の空き部屋だった。

 

そして、遥は、ここぞとばかりに、4人に説教をした。

彰人以外の3人は、正座をしていた。

 

「ここなら、問題ないね、杏から聞いたよ。

みんな、普段から、ロクに勉強をしていない上、

テストで大変な目に遭っていると。

杏からの頼みだからね、それに、私も、

しばらく、オフだからね」

 

「ヤバ…国民的アイドルに、しごかれる…」

 

「しごかれるなら、しごくだけ、しごいて!」

 

と、直志が身も蓋も無いような事を言いだす。

 

「そこ、言い訳したら、課題を増やすからね!」

 

「わかった。課題、全部、こなしてやる!」

 

「うわっ、直志。なんか、気持ちワリィ…」

 

「もし、私に歯向かったり、逆らったら…杏に言いつけるからね?」

 

「俺の人生が終わった…」

 

何がともあれ、テスト勉強会が始まった。

 

白石杏が無理して派遣した、専属の家庭教師、桐谷遥が、

4人をしごいてくれるようだ。

 

神山高校の全日制の偏差値は48、

宮益坂女子学園高等部の偏差値は59である。

 

「えっと…真凛くんと直志くん、よつばちゃんは、

3人共、数学だけ赤点。後はギリギリといったところか、

でも、彰人くんは英語以外、全て赤点か…」

 

と、杏からの情報を言いだすのだった。

 

「それじゃあ…まずは、杏からの情報を頼りに、

高校一年生の数学を、やっていくから」

 

「はい…」

 

やり方は、塾のような感じで、遥が先生の如く、説明して、

授業のような感じで、受けていく様だ。

 

真凛は、遥から教わる、数学を真面目に受けているが、

テストで、その結果は、いつも、全く出せていないらしい。

 

アイドルから、勉強を教わるとは、

ある意味、至福の時だった。と、よつばと直志は思った。

 

(白石の親友が家庭教師、それも、画面の向こう側の、

トップアイドルって、ヤバすぎる…完全に…)

 

と、彰人は思った。

 



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第二十二話 アイドルが先生!?

早速、桐谷遥という、特別課程教師の下、勉強が始まった。

 

遥は4人の勉強を見て、こう分析していた。

 

星川さんは、真面目で勉強も熱心に取り組んでいるけど、

それが、テストの成果として、出ないことが問題か…

そう言えば、共演した時の番組でもだけど、

舞台の模擬演技の時には、感情的なシーンが得意なのに、

それ以外は、イマイチって、ある監督が、そう言っていた。

 

小岩井さんは、鳳さんみたいに、素直で、はいと言えるから、

頑張れる姿勢が、十分に感じられる。

何だか、みのりに勉強を教えているみたい。

 

平田さんは、可もなく不可もなく、

でも、不可の方が大きいって感じがする。

成績も、星川さんと、そんなに変わりないけど、

でも、小岩井さんや星川さんと比べると、

勉強に対する、向上心とやる気が感じられない。

 

そして、最後に東雲くんは…

聴いたことは無いけど、歌に情熱があり、熱意があり、

歌に対する、向上心とバイタリティーは、

私よりも上で、実際、イベントの時も、大活躍しているけど、

でも、勉強に対する姿勢は、逆と言っても過言じゃない。

 

彰人以外の面々は、目を細めつつ、

死ぬ覚悟で、勉強をしていたが、

彰人とはというと、目が死んでいた。生きた遺体のように、

ゾンビみたいに、魂が抜けて、もぬけの殻になっていた。

 

「彰人くんが、歌に対する姿勢は、間違いなく、

僕が見ても、本物だけど、勉強の時は…」

 

「よつばと一緒にやっている!」

 

「そうなんだ」

 

「決めた。俺は東都大学に行くわ。

アイドルから勉強したことは、応用する以外、他ない!」

 

「直志。お前、いつから、そんなに、燃えているんだ?」

 

「今日、この瞬間から!見てろよ、俺は学年トップ10に入ってやる!」

 

と、直志が数学のプリントを、次々と解いていった。

 

「小岩井さんの方は、どうかな?」

 

「よつば、頑張って、彰人と解いた!」

 

「うん、頑張っている」

 

「よつば、褒められている!」

 

「フフッ、なんだか、みのりや、鳳さんみたいだね」

 

「えむは、よつばの友達だぞ!よく遊んでいる!」

 

「そうだったんだね」

 

「彰人くんは、僕と直志くんとで、見ておくよ」

 

「うん。じゃあ、私は、小岩井さんの事を見ておくから」

 

「よつばのことは、よつばって、呼んでいいぞ?」

 

「じゃあ、よつばちゃん。

次は、連立方程式に、少数と分数をやってみようか!」

 

「はーいっ!」

 

桐谷遥の勉強の教え方が、上手だったのか、

東雲彰人以外の、3人は、どうにか、数学の問題を解いていったのだった。

 



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第二十三話 教えて!まふゆ先生!

平田直志と星川真凛は、赤点を回避した。

が、東雲彰人と小岩井よつばは、再び赤点を叩き出し、

追試を受けざる負えなくなった。

 

さらに、追い打ちをかけるように、

桐谷遥が、よつばと彰人の為に、新しい家庭教師を呼んでいたようだ。

 

それも、宮益坂女子学園の高等部でも、成績は優秀な優等生らしいが…?

 

「見当はついている」

 

「だれだ?」

 

「よつばも、会ったことがある奴だ」

 

「ほぉ~」

 

「彰人くん、よつばちゃん、今日はよろしくね」

 

声の主は、前に出会った、朝比奈まふゆだった。

 

「姉貴のか…宮女は優秀な子が多いな…

俺やよつばと違って」

 

「うん」

 

「遥ちゃんからの頼まれて、今日は家庭教師をすることになりました。

朝比奈まふゆです。よろしくお願いします」

 

と、優等生の、いい子モードのまふゆだったが、

彰人は素の状態だった。

 

「どーしよう…マジで挽回しねーと、留年の危機が迫っている!」

 

「よつばもだ!」

 

「それで、二人は、どの科目が苦手なの?」

 

「俺は数学と英語」

 

「よつばは国語」

 

「わかった。私に任せてね」

 

小岩井家にて。

義理の父親である、小岩井葉介が、まふゆと彰人を出迎えてくれた。

 

「よつばの友達か。よつば、彰人と共に、

また、赤点取ったらしいな」

 

「とーちゃん、よつば、留年しそうだから、

頑張って、赤点を回避する!」

 

「あぁ、頑張れよ。後でジュース、淹れるから」

 

と、義理父は、ジュースを汲みに、台所へ…

 

「ふふ、それじゃあ、二人とも、頑張ろうね」

 

「うぅ…」

 

「どうしたの?彰人くん?」

 

「いや、何でもない…です…」

 

彰人は前より成績は良くなったが、

英語と数学で赤点を取り、他の科目はいい成績だったようだ。

 

「それじゃあ、二次方程式に関数、円を説明するね」

 

まふゆが、彰人とよつばに、数学の解き方を解説した。

 

「わかりやすいな!」

 

「ホントにわかってんのか…よつばは…」

 

「でも、やる気があるのは、いいことだよ?」

 

「…」

 

 

次は英語。

 

「次は英語だね。テストの範囲だと、

学期末の総集編で、一般動詞、疑問文否定文

疑問詞、命令文、三人称単数現在、現在進行形、

一般動詞の過去、名詞の複数形、代名詞、過去進行形と…

うん。これなら、全部、教えられるよ」

 

「マジかよ…」

 

「すげー優秀だな!よつばより、頭いいな!」

 

「そりゃ、そうだ。

だいたい、俺らと宮女の生徒を比べるんじゃない。

頭の良さの次元が違う」

 

ちなみに、まふゆは英会話が得意なため、

ほぼ、英語は流暢だった。

 

彰人とよつばは、まふゆの説明に付いていくのに、必死だった。

 

果たして、まふゆの指導で、

彰人とよつばは、追試で単位が取れるだろうか…?



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第二十四話 追試明けの冬休み

よつばと彰人は、まふゆの指導による勉強で、

追試を受けて、赤点を回避した。

 

そして、どうにか、こうにか、冬休みを迎えかけようとしていた。

 

「追試、どーにか、終わった…」

 

「よつばも、ギリギリだったぞー」

 

「そーだろ?」

 

「でも、彰人より、よつばの方が点数良かった」

 

「なんか、腹立つ。オメーに負けるなんて、

なんか、嫌だな」

 

「そっか」

 

「そーだよ」

 

と、他愛もない会話をしていた。

 

「おい、彰人。一緒にお買い物するぞ」

 

「嫌なこった」

 

「いくぞ!」

 

「へいへい」

 

「おっきいお店があるって、とーちゃんが言っていた」

 

「そーなんだ」

 

「あきとー!いくぞー!はやくしろー!おいてくぞー!」

 

「はぁ…」

 

「しゅっぱーつ!」

 

と、彰人を連れて、よつばは、お店へ向かった。

 

「おい、よつば。そっちじゃねーだろ!

こっちだろ!」

 

「そっか」

 

すると、イヌが吠えてきた!

 

「うわっ!」

 

「あきと!よつばが守ってやるぞ!」

 

と、よつばは彰人の為と思い、家の塀の中にいる、

イヌと睨めっこしていた。

 

「もういい。いくぞ!」

 

「あっ、階段!」

 

「向こうに神社があるな…」

 

「お祭りか!?」

 

「縁日過ぎてるから。また連れてってやるよ」

 

「ありがとー!」

 

「あっ、ラーメン屋さん!えむ達と一緒に行ったぞ!」

 

「腹減ってんのか?あいにく、金欠だ」

 

「でも、今はいいや」

 

「そっか」

 

「赤は止まれだな!」

 

「あったり前だ!赤信号なのに進んだら、死ぬぞ!」

 

そして、何だかんだと言って、デパートへ…

 

(シロクマデパート)という、デパートにやって来た。

 

「デパートなんて、初めて来たぜ」

 

「そうなのか!?」

 

「まぁ…フツー今どきの高校生が行く場所じゃねーし」

 

「これは!エスカレーターだな!」

 

「見た事ねーのか?」

 

「小さい時に、数回見たほど!」

 

「そっか。顔出すなよ」

 

「はーい」

 

とある売り場にて…

 

「これは!」

 

と、彰人が悪巧みをを考えた。

 

「おーい!よつばー!」

 

「ぎゃぁぁぁ!」

 

「ほらー!ほーらー!」

 

と、彰人が鳥よけの風船を、よつばの顔に近づけた!

 

「こ、怖い…!」

 

「どーだ!怖いだろ~?」

 

その後…ラーメン屋さんで、ラーメンを食べた。

 

「美味しいか?」

 

「らーらーらーめん!ながいぞー!うまいぞー!」

 

「絶妙にお子様ソングだ…」

 

「えむと一緒に歌った!」

 

「ヤベェ…だまってくえ」

 

「はーい」

 

すると、さっきの階段に!

 

「じんじゃ、見る!」

 

「えっ?階段、しんどいぞ?」

 

「平気だ!」

 

と、よつばが、一気に階段を上った!走りながら!

 

「ふぅ~どうにか、俺が勝った…」

 

先に彰人が、頂上に着いた。

 

「ま、負けた…」

 

「どーだ…俺はよつばより早いぞ…!」

 

「おい、彰人!見えるぞ!」

 

「あぁ、神社と街の景色が見えるな…

よし!階段を下ろう!先に付いたら、アイス奢り!」

 

「ずるいぞ!」

 

と、彰人が先に辿り着いたので、よつばがアイスを奢るだった…



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第二十五話 ケーキを買おう

もうすぐ、クリスマス。12月23日。

鳳家にて、えむの部屋にて、

えむとよつばは、一緒にアニメのDVDを観ていた。

(星くずうぃっちメルル)という、魔法少女アニメを観賞していた。

 

(メルル!隕石よりも…)

 

「キラッ!」

 

と、えむとよつばが決めポーズを取った。

 

「よつばちゃん!もうすぐ、クリスマスだね~!

寧々ちゃんや陽菜ちゃんや、夢葉ちゃんも、

一緒に来て欲しかったな…」

 

この三人は、よつばの友達だが…今回は訳あって、

二人しかいない。

 

「冷蔵庫にケーキあったかな…?」

 

「よつばが探そうか?」

 

「じゃあ、お願い!」

 

よつばは冷蔵庫の中を見ていたが…

ケーキは無かった。

 

「よつばちゃん、何さがしているの?」

 

「えむのお姉さん!えっと…ひなたさん!」

 

「ごめんね、ケーキは置いてないの…

あっ、買ってきてくれないかな?」

 

「よーし!よつば!えむと一緒に、ケーキを買う!」

 

鳳ひなたさんに言われて、えむとよつばは、ケーキ屋さんへ。

 

えむとよつばは、二人で歌った。

 

「ケーキ!ケーキ!ゆめの~!ケーキっ!オーレッ!」

 

子ども達が振り向いたような気がするが、気のせいだ。

 

途中で、たい焼き屋さんを見つけた!

 

「美味しそうだな!」

 

「あっ、たい焼き!すっごく、美味しいよ!」

 

「100円か…買った!」

 

よつばとえむは、100円のたい焼きを、2個ずつ買った。

 

ケーキ屋へ…

 

「どれだ!?どれが、ケーキだ!?」

 

「全部ケーキですよ」

 

と、店員が説明した。

 

「これは…シェフが作ったんじゃなくて…

えっと…あっ、パティシエ!」

 

「そうです…」

 

と、店員が言いだす。

 

えむとよつばは、ショートケーキを姉の分も含めて、

3つ買った。

 

鳳家のダイニングルームにて…

 

「じゃあ、いただきまーす!」

 

よつばが、ショートケーキを食べ終えると…

 

「美味い!シェフを呼べ!美味しい!」

 

「あたしも、会ってみたいな~!」

 

「アハハ…あっ、クリスマスパーティーするけど、

えむも、参加する?」

 

「参加したい!よつばちゃんに、夢葉ちゃんに、

陽菜ちゃんに…!」

 

「おーっ!」

 

「恋人の寧々ちゃんと二人っきりで、夜景デート!」

 

「ケッコンするんだな!」

 

「うん!あたし、寧々ちゃんとケッコンする!」

 

「…」

 

と、ひなたが苦笑い。

 

「でも、どこでやるの?」

 

「高級ホテルを貸し切って、ホームパーティーするみたい」

 

「おぉー!セレブの社交場!」

 

「毎年、鳳家でクリスマスパーティーをするんだよ!

それで、みんなが、うわーって、やって来て、

賑やかで楽しいよ!」

 

「よつばもいけるのか!」

 

「うん!一緒に楽しもうね!」

 

「楽しみだー!」

 

クリスマスパーティーは、12月24日の18時からスタート。

12月25日になるまでやるようだ。



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第二十六話 クリスマスパーティー

今日は鳳家主催のクリスマスパーティーだった。

 

司会の人が…

 

「それでは、今宵は楽しみましょう!メリークリスマース!」

 

祝杯を挙げた。乾杯をした。

 

今日のえむの格好は、一着のドレスだった。

鳳家の令嬢に相応しく、落ち着いた雰囲気が出ていた。

 

なお、寧々とよつばは神山高校の制服姿。

夢葉、陽菜は、宮益坂女子学園の制服姿である。

 

「今日のあたしは、オトナだよ~?」

 

「はいはい…」

 

えむがいつもより、オトナっぽい為か、

と、寧々が言いだす。

 

「すげーオトナだー!」

 

と、よつばが関心した。

 

「今日は聖なる今宵!天の使徒が、わらわを祝福する時!」

 

「夢葉は、相変わらずだな…」

 

「こんなに、煌びやかな場所は初めてだ。

たぶん、一生に一度だけだな…」

 

と、陽菜が言いだす。

 

「よつばちゃーん!」

 

と、えむがよつばに抱き着く。

 

「えむから、フワーッって香りがする!お嬢様…!」

 

と、よつばの心臓が何気にドキドキしていた。

えむに抱き着かれて、頬をスリスリされていた。

 

「えむは、財閥の令嬢だけどね…」

 

と、寧々がツッコむ。

 

「ねぇねぇ、寧々ちゃん!一緒に踊ろう!」

 

「えっ?」

 

「ペアでダンスするの!」

 

「えっ…・ええええええっ!?」

 

寧々とえむが、一緒に踊り出した。

ペアの社交ダンスを踊った。

寧々が不慣れであるにも対して、えむは慣れたステップで、

寧々をリードした。

 

「つ、疲れた…」

 

「あっ、あっちに、バイキングがあるから、

一緒に食べよう!」

 

えむとよつばは特に、

好き嫌いが無く、バランスの良い位のメニューになったが、

後の三人は…野菜や果物やパンに偏っていた。

 

夕食を取った後…

 

「あたし、寧々ちゃんと夜景を見ながら、カンパーイがしたい!」

 

「はぁ…わかったから…」

 

と、三人は、どうしようと思った。

 

「陽菜!夢葉!よつば達も、のぞきに行くぞ!」

 

「あっ、うん」

 

「気になる…!」

 

三人がこっそりに覗きに来ると…!

 

「寧々ちゃん、あたしね、寧々ちゃんのこと、

出会った時から、大好きだったんだ!

それでね、オトナになったら、ケッコンするの!

だから、4年後まで…20歳になるまで、コイビトのままで、

いてくれると、嬉しいな…」

 

「わ、わたしも!えむのこと…その好きだから…!」

 

「あたしも!」

 

「相思相愛だ!」

 

と、夢葉とよつばが言いだす。

 

「あー!夜景デートで二人っきりだったのに~!

でも、みんなで観るのも良いかも…!」

 

と、えむが、いつもより、穏やかで大人しめの、

すました表情をしていた。

 

「いつまでも、続いたらいいね」

 

「この時間、この時が、いつまでも、続きますように…」

 

と、陽菜が言いだすのだった。

 

「とっても、わんだほーい!な、クリスマスだね!」

 

「うん!」

 

「あぁ!」

 

「うん」

 

「おう!」

 

5人の友情は、きっと永遠だ。



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第二十七話 シャボン玉

12月27日。

 

彰人とよつばはバドミントンを、大きな公園でやっていた。

 

「それっ!」

 

「なんの!」

 

「とりゃ!」

 

「これしき!」

 

よつば負けてしまう。

 

「よーし!今日のアイスの奢りは、よつばだぜ?」

 

「はーい」

 

よつばが彰人にアイスを奢った後…。

一瞬、バスが通っていた。

 

「バスだ!バスは確か…1人、100円!」

 

「巡回バスならな。でも、市営のは1人、200円」

 

「そうだった!」

 

彰人はよつばの為に、シャボン玉を吹いていた。

 

「しゃぼんだまだ~!」

 

「この前、よつばに買わされたけどな…」

 

パン!パン!パン!と、シャボン玉を割った。

 

「こんなことだって、出来るんだぜ~?」

 

と、彰人が大きなシャボン玉を飛ばした。

 

すると…

 

「彰人、キレイなシャボン玉だな」

 

「冬弥、奇遇だな」

 

「こんにちは。小岩井さん。

彰人と遊んでいるのか?」

 

「彰人と遊んでいる!」

 

「そっか。シャボン玉はキレイだな。

今まで遊んだことが無い」

 

「マジかよ…冬弥もかよ…」

 

よつばと彰人が一緒にたくさん買った、シャボン玉のセットで、

よつばと冬弥は、遊ぶのだった。

 

「冬弥とよつば…お前等、何やっているんだ!?」

 

「見ての通り、シャボン玉で遊んでいる。

大きいシャボン玉を作るのに、肺活量が、かなり必要だな」

 

「へいへい、そーだよ。冬弥や俺なら、

いつも、歌っているから、肺活量くらい、鍛えているだろ?」

 

「まぁ…大きなシャボン玉を作るのには、

俺でさえ、時間がかかる」

 

冬弥が膨らました、シャボン玉を、よつばが追いかけた!

 

「まてー!」

 

「あっ、小岩井さん!走ったら、転ぶ!」

 

と、冬弥が言いだすと…よつばが転んだ!

 

「痛い!」

 

「大丈夫か?よつば?」

 

「こけて、あたまをうった…」

 

「よし、薬局に行こう」

 

と、冬弥と彰人は、よつばを連れて、薬局へ。

そこで、消毒液と絆創膏を買った。

 

冬弥がよつばの手当てをした。

 

「冬弥、ありがとう…」

 

「どういたしまして」

 

「よつば、今年一年、楽しかった!」

 

「そう言えば、もう一年が終わるのか…早いな…」

 

「あぁ、来年の年明けには、一年生の総テストがあるから、

気を引き締めないとな!」

 

「やべぇ…また、第三の家庭教師を白石の奴が、

俺とよつばのために、派遣されたら、命がねぇ…」

 

「死ぬのか!?」

 

「あぁ、死ぬ」

 

「死ぬ程じゃないと思うが…死ない程度に、

勉強をしたらいい」

 

「へいへい、わかっているって…」

 

「彰人!らいねんもよろしくな!」

 

「あぁ、おめーといると、正直疲れるが…

まぁ、悪い気もしねーけどな」

 

「よつばは、彰人と一緒に過ごせてうれしい!」

 

と、よつばは、ニコッと笑うのだった。



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