山間戦線の行方はどこに? (AMEN鬼威惨)
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悪夢を知らせる狼煙
鬼威惨諸君、戦争の夜へようこそ!
人類が中世に突入した時に、全く新しい種が誕生した。
──その名もゆっくり。
饅頭であり、種族ごとに異なる豊富な餡と人語を話せる位しか大した特徴もないこの種は戦後、山を踏破し、資源を荒らすようになった。
生活圏は人類とも重なり、ありふれた害獣の一つとなった。
そんな害獣を除去しようとするある同好会の話
・・・・・・・
I県某所の山
「今回、自治体と企業からの依頼があり、俺らがやるのはこの山での害獣駆除だ、、、いつものやり方で行こう、良いな?」
リーダー格の男はそう確認を同好会メンバーと有志三百名に取る。
「基本的な戦法を教えてくれるなら有志の私たちは動けます」
余裕しゃくしゃくで更に喜色満面に口々に有志たちは宣言した。
彼らは農具や行政から認可を受けた威力を向上させたエアガンを持っていた。場合によっては何も持ってすらいない人も居る。
そしてこれから行われるのは駆除の名前をした虐殺戦である。
・・・・・・・・・
そんな虐殺なんて全く知らないゆっくり達は人類に革命を起こすべくエアガンの点検をしていた。
エアガンは愛護団体から得た物である。
革命の為に愛護団体に周辺のゆっくりを掻き集めてもらったり、
塹壕やトーチカ(土製)の建設をしたり、
一部のゆっくりを人の形に変えてもらったりして準備をしていた。
愛護団体は駆除される可哀想なゆっくりを助ける為、各所にスパイを送り、事前に事態を察知していた。
察知していたからゆっくりを色々助け、事態を伝えていたが綺麗サッパリ忘れられていた。哀れである。
大っ丈夫だよ!駆除団体なんてドスにかかればノープロブレムだからっ!
これだけ側近達は胸を張って言っていたのに、、、
・・・・・・・・・・
─かっくめい!かっくめい!だいかっくめい!
山に入って直ぐこんな戯れ言を聞く羽目になって私──相沢はうんざりしていた。
別にゆっくりは嫌いでもない、単純に郷土愛から参加しただけだが、躾がなってないと人の赤ン坊と変わらんな。赤ン坊と違って可愛くないか。
今回は親衛隊の装備で来ている。
ヒストリカル鯖ゲーに参加していてその帰りだったからだ。
今は友人を呼んで親衛隊の小隊を編成している。
反り餡を顔に付けたくないからガスマスクを着用している。
、、、お陰でミレニアムのモブ扱いをされている。止めてもろて。
─そこの人間達は〝駆除団体〟さんなの?
ガキが、、、舐めてると潰すぞ()
あぁ~あ見つかったか、しかも成体ゆっくりまでいやがる。
指示は見つけ次第殺せ、だから仕方ない、人工吸血鬼(笑)の力、試させて貰う!
・・・・・・・・
ゆっくり達は全身黒色の服で顔が見えない人物と接触した。
顔が見えないということは遥かに劣る生物だ、というゆっくりらしい論理を導きだして、好き勝手言っていたが、
ガスと有機プラスチックの弾が吐き出されていくMP40と
次々と奇声を上げながらのたうち、死んでいく同胞を見て事態を察したゆっくり達は急いで逃げようとした。
だが間に合わなかった、ただの饅頭に次々なっていくのを最後まで見ていたまりさは最期に叫んだ。
「でぎじゅうだよー!、駆除団体が来だよー!」
次の瞬間、走馬灯すら観れずに死んだ。中枢餡ごと餡を破壊されたからである。
こうしてゆっくりと駆除団体の熾烈な(一方的な)戦争が開始された。
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