閣下とかいう殿堂入り除いたら実質1位な感じのグラン君(ダイジェスト) (練乳ミルク)
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独白~覚醒

グラブル生放送を見て、書き綴りました。
続いてくれっていう声があるなら続くかもしれない。
超ダイジェストどころか、説明文ばっかりだぜ!(・ω≦) テヘペロ


 ───”勝利”とは何だ? 

 

()()()()()()()()()()。どんな生物であろうとも例外なく目指す結果。

 

 それが自然で、当たり前の行動原理。負けてばかりでは生きることさえ難しく、また無制限に敗者を許してくれるほど世の中は甘い形に出来てはいない。

誰しも現状をより良くしたいから勝利や栄光を願うもの。

 

 だがこの惨状を見てみろ。勝つ度に状況が良くなるどころか、難易度がアップした状態で似たような事態が連続するという始末。

身をすり減らして血反吐を吐くような戦いに勝ち生き抜いた途端、より恐るべき課題が必ず目の前にふりかかる。空の果てから容易に超えざる大敵が次は俺の番だと出現してくる。

運命という宝箱をぶちまけでもしたかのように。

際限なく湧き出てくる次の問題、次の敵、次の次の次の次の──()()()()()()()()()()()()

闘争と勝利の螺旋からは解放されることなく、そしていずれ超えられない強大な壁にぶつかりあえなく散っていくのだろう……

 

 だから俺は逃げた。

このまま破滅に向かって走り続けろと? 馬鹿言え、そんなこと平気で実行できるのなんて頭のおかしい奴だけだ。

無論、だからといって勝利するなと言っているわけでもないのだ。そんなことを真剣に語る奴は心底馬鹿だし、目が曇っているという他ない。

 

 逃亡逃走脱走逃避、それは問題の放棄。

 自分の器に見合った勝利と妥協できる程度の敗北。そのラインを見極めて行動すればいい。それこそが人生を充実させるコツなのだと、思わざるを得ない。

反吐がでそうなほどに弱者の論理展開だが許してほしい。

 

 しかし運命は逃がしてはくれなかった。

 この空の世界を創ったであろう創世神様とやらの歯車の中で回り続けているだけ。

 

 このまま逃げて逃げて……逃げ続けて袋小路に追い込まれた先で運命とやらに轢殺されるまで逃げ続ければいいのか? 

 勝ち続けても破滅、負けても破滅、逃げてづけても破滅。

 終末しか用意されていないレールの上を走り続ける。

 

 

 ───”勝利”とは何だ? 

 

 

 誰か俺にその答えを教えてくれッ! 

 

 ────────────────────────────────────────────

 

 ファータグランデ空域の東端に存在する巨大な浮島。赤き地平へと繋がる塔のような遺跡、パンデモニウム。

 その正体は遥か昔、星の民に反旗を翻した堕天司含む原初獣たちを封じこめて空の底へ堕とした塔である。

 

 その最下層、数えるのも億劫になる時間とともに朽ちた外壁は今でも荘厳だったはずの名残を残している場所で……

 両腕の肘から先が断たれ、夥しい量の出血と傷を負っていない場所を探す方が難しいほど満身創痍な状態をした男性をボロボロな服に夕焼けのような茜色を揺らしたポニーテールがほこりや煤で汚れている女性が抱きしめていた。

 

 抱きしめあいながら互いに吐露していくのは愛していたがゆえに隠した心の本音

 

 ───かつて出会いがあった。

 勝利の螺旋から逃げ出した男と、錬金術を生業とする家に生まれながら何かを分解することしかできなかった女が。

 なんてことのない出会いが彼らを惹き合わせ、苦難や闘争に巻き込まれながらもともに歩いた二人は順当に愛し合い恋に落ちた。

 

 たとえその根底の感情が愛でなかったとしても。

 

 男は臆病故に最愛を心の底で疑い

 女は強がるあまりに本音を隠しながら

 

 こうして大切な相手に対し本音で向き合わなかったがために二人の関係は捻じれに捻じれて、

 歪んでしまった愛を狡知の謀略に絡めとられて、二人は引き裂かれた。

 

「だからさ……、俺、言うよ」

 

「本当はずっと───怖かったんだッ」

「……うん、そっかぁ」

 

 光の英雄になれなかったとしても、彼女の根底にあるのは確かに光だ。

 “きっと明日は今よりもよくなる”などと笑顔を振りまく、太陽のような明るい姿を見せる「素晴らしい」はずの在り方が

 あまりにも綺麗で(怖くて)、そんな姿に憧れ(恐怖し)ながら。

 それを愛情の内に偽って。

 

「ごめん……ごめんよ。俺が謝るべきは見抜けなかったことじゃない。傍にいられなかったことでもない」

「償わなければならなかったのは、本当の気持ちを言えなかった弱さの方だ……勝手に一人で疑って怯えたまま、本音を隠していた臆病さが悪かったんだ……!」

 

「うちだって自分一人で弱さを抱えてしまったこと。頑張っている心を全部、ちゃんと明かしていればよかった」

「ふふ……おかしいね。うちら、こんなに相手が大切なのに」

 

「ああ、こんなに大好きなはずなのに」

 

 お互いにさらけ出した本音の簡単さに笑いながら、二人の心は寄り添いながら共鳴していく(落ちていく)

 

 そうだ───、勝利とは、その答えとは……

 

()()()()()()()()()()()

 

 今まで生きた過去を、あるがままに受け止めること。

 勝利からは逃げられない──なぜなら、常に消え去らない過去おもいでとして、己の中にずっと存在しているものなのだから。

 そして過去は減るものではない。どれだけ振り払おうとしても、降り注ぐ雨のように内へ溜まって増えていくものだから。

 

 今まで歩いてきた道(過去)を振り返ってどう思うかは当の本人が決めることだ。

 悲しいことも、苦しいこともあったとしても、だからといって嘆かなければならない理由なんてどこにもなかった。

 目をそらさなければならない理由も、逆に見つめなければならない義務さえ同時になかった。

 

「でも、もし(未来)優しい過去(思い出)を焼き尽くすというのなら、俺は……!」

 

 この瞬間もこの塔を揺らす轟音は終末への福音。

 遥か二千年前から続く神への宣戦。

 自分の掲げる未来を描くために堕天司の王とその仲間たちはすべてを滅ぼし進んでいくだろう。

 

 自分たちの仕組んだ壮大な計画のために邪魔な奴らはすべて死ねと? 

 運命の車輪に轢殺されながら何の価値もなく死んで行けと? 

 認められるはずがねェだろうが! 

 

 切り落とされてないはずの腕に黒く光り輝く何か取り付き、復元されていく。

 それは彼が幼き頃より共に育った竜に貰った鉱石。

 かつて神と呼ばれた龍の亡骸のごく一部。

 

 抱き合う二人を縛るものはもうなにもない。

 同じ思いを共有しあう二人

 世界の根幹へ干渉するための触媒

 物質への干渉性という一点に極まった性能

 

 “勝利”とは何か。その答えを出した男がついに彼自身の意思で逆襲を宣言し、禁断の魔星が産声をあげる。

 

 もはや、彼は只人ではなく。

 そして既に、嘆きを謳う吟遊詩人(オルフェウス)ですらなくなった。

 そう、彼こそが──

 

 創生───星を滅ぼす者(スフィアレイザー)

 極限まで凝縮された負の慟哭、殺意の奔流が、あらゆる勝者を呪いながら邪悪を氾濫させていく。

 

()()()()()()()という人類最強の宿業(カルマ)が、終末譚を陵辱して奈落へと貶め、運命の車輪に紛れ込んだ小さな砂粒として、勝者の栄光を踏みにじる。

 

「行こう、クラリス。みじめでもみっともなくても俺は君と笑える未来が欲しい。だから……」

「一緒に行きましょうグラン。───あなたの意地を、私に見せて」

 

 

天墜せよ、我が守護星──鋼の冥星(ならく)で終滅させろ

 

狡知に愛を攫われて、悲哀の雫が頬を伝う。眩きかつての幸福は空の底へと消え去った。

ああ、雄弁なる伝令神(ヘルメス)よ。彼女の下へどうか我が身を導いてくれ。

蒼褪あおざめて血の通わぬ死人しびとの躯になろうとも、想いは何も色あせないのだ。

嘆きの琴と、慟哭(さけび)の詩を、涙と共に奏でよう。幽世さえも魅了して吟遊詩人は地平へ降る。

 

だから願う、愛しい人よ───どうか過去(うしろ)を振り向いて。

光で焼き尽くされぬよう 優しく無明へ沈めてほしい。

二人の煌めく思い出は、決して嘘ではないのだから。

 

ならばこそ、呪えよ冥王。

目覚めの時は訪れた。怨みの叫びよ、星へ轟け。輝く勝者を喰らうのだ。

───これが、我らの逆襲劇(ヴェンデッタ) 

超新星(Metalnova)──闇の竪琴、謳い上げるは冥界賛歌(H o w l i n g S p h e r e r a z e r)!」

 

 これは光の物語ではない。───これは闇の物語




この後、エテメンアンキでファーさんに滅茶苦茶逆襲劇かました。

でも、原作と違ってサハル(ルシオ)を完璧に取り込んだファーさんがカグゼライドしてくるんだよね♡
がんばれグラン君!もっと狂い泣いてくれ

ファーさん、結構光の奴隷素質あるような気がするけど、君たちはどう?
ファーさんもバブさんも目的にストイックすぎて「まだだ!」って言ってもあんまし違和感ないような・・・



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