【ここは】クロスオーバー系転生掲示板【何の世界だ?】 (ファルコン・Σ)
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設定集纏め
スレ民設定集(平成一期編)


結構人数揃ったので纏めてみました
クウガ~ディケイドまでの主役の纏めです

転生タイプは
・転生特典(転生時にライダーの能力を持っていた者)
・クロスオーバー世界(ライダー要素が混じった世界に転生)
・異世界転移系(リイマジ世界から原作の異世界へ移った者)
・後天入手(クロスオーバー世界ではないが後から変身能力を得たり、ライダー要素が混ざって来たタイプ)
の四つです

また、ライダー転生者は基本的には「原典に近い精神性」の持ち主が選ばれる可能性が高くなっています


・使い魔クウガ/仮面ライダークウガ/十神優祐(トガミ-ユウスケ)

転生世界:ゼロの使い魔

転生タイプ:異世界転移系

記憶:クウガ初変身のタイミング

ヒロイン:ルイズ、タバサ

能力:クウガ、ガンダールヴの印

原作知識:クウガ→無し ゼロ使→有り

現戦力:基本4フォーム+ライジング、及びアメイジングまで(アルティメットはダグバとの最終決戦でのみ使用)

 

裏話

クウガという平成ライダーの礎を築いたライダーの世界をどうするか。というのを考え、「異世界転生」というライトノベルの礎となった(と思っている)ゼロ使を選びました。

五代さんがクウガとして本当に完成している性格なのでどう違いを出すかを悩んだキャラクター。ライダーそのものの始まりである本郷の他、漫画版の五代も参考にしています。

本家よりグロンギへの怒りの感情が強かった為、アルティメットフォームのレッドアイは本家と比べても赤みが強く、興奮したように発光していました。溢れんばかりのの怒りを自制したのがこちらの優祐というクウガです。

 

 

 

・ΑGITΩ/仮面ライダーアギト/金沢徹弥(カナザワ-テツヤ)/ショーイチ

転生世界:ソードアート・オンライン

転生タイプ:転生特典

記憶:茅場昌彦のアナウンス時

ヒロイン:フィリア、ルクス、ストレア

能力:アギトの力、ソードスキル(SAO内部限定)

原作知識:アギト→有り SAO→無し

現戦力:基本3フォーム+トリニティ

 

裏話

SAOは絶対出したかった作品でしたが、いざ考えてみるとどのライダーにするべきかで悩みました。最終的に科学系のライダーではなく、何故真逆のアギトになったのは仮想空間であることが一番の理由です。

他のライダーは肉体変化にしろ、装着系にしろ、変身の鍵となるベルトは外付けになる為、仮想世界に持ち込めないというのが一番の障害となりました。

そうした外付けに頼らない、自分の身体で変身・武装が全部完結しているライダーは平成ライダーでは実はアギトしか居なかったんです。クウガですらアークルは最初外付けでした。響鬼は変身は出来ても武装は別途用意する必要があります。

オリフォームを予定しているライダーです。

 

 

 

・オカ研所属龍騎/仮面ライダー龍騎/劉堂シンジ(リュウドウ-)

転生世界:ハイスクールD×D

転生タイプ:後天入手

記憶:当初から所持

ヒロイン:オリヒロ(ファム)、ゼノヴィア

能力:龍騎のカードデッキ。自身の半身リュウガ

原作知識:龍騎→有り D×D→有り

現フォーム:サバイブ(更なる進化の可能性有)

 

裏話

割と迷いなく決めた組み合わせ。D×Dに限った話ではないですがとにかくバトルの連続。戦わなければ生き残れない世界です。

その上で相手は神やらドラゴンやらの超越存在。ライダー同士で争っている場合じゃねえ!って感じで仲間を割と多く(タイガ・リュウガ・アビスを追加)しました。

D×Dのシナリオはどうあれ、悲劇を残さずしっかりと救われるようになっているので龍騎を生かすためにはやはり原典の城戸真司が成し遂げられなかった仲間の存在が重要になってくるのではないかと思ってます。

更なる強化に関しては……リュウガが鍵となることでしょう。

 

 

 

・時空管理局執務官555/仮面ライダーファイズ/灰狼タクミ(ハイロ-)

転生世界:魔法少女リリカルなのは

転生タイプ:異世界転移系(別次元)

記憶:当初から所持

ヒロイン:なのは、フェイト、はやて、スバル、ティアナ

能力:ファイズギア

原作知識:555→有り リリなの→有り

現戦力:ブラスターまで(管理局の回収により寿命を削るデメリットは除去)

 

裏話

ファイズの何が問題って寿命問題なんですよね。オルフェノクは総じて短命ですし。

管理局による技術サポートでの延命は出来ている……と信じたい所。

以前感想でも言われましたが管理局も怪しいのでは? とのこと。ただ彼の故郷の次元はパラロス一歩手前の抗争激化寸前というかなり厳しい世界。早急に頼れる味方が居なければいずれ潰されてしまいかねない。故にタクミは管理局、というよりもなのはやフェイト、はやての手を取りました。

管理局という大きな組織ではなく、自分が信じた人を信じる事にしたのです。それでもその抗争が起きる一端を担ってしまったが故に罪悪感や自己犠牲が強くなってしまっていますが……。

こちらではカイザ・デルタ・オーガも味方です。

 

 

 

・スペードの剣/仮面ライダーブレイド/剣城カズハ(ケンシロ-)

転生世界:問題児たちが異世界から来るそうですよ?

転生タイプ:異世界転移系

記憶:当初から保持

ヒロイン:黒ウサギ

能力:ブレイドアーマー、ジョーカーの特性

原作知識:ブレイド→有り 問題児→無し

現戦力:キングフォーム(寧ろキングフォームがデフォで基本フォームは手加減用)

 

裏話

一番好きなライダー×一番好きなラノベの組合せ。箱庭に呼ばれるくらいの偉業を成し遂げたということで相当実力を盛りました。多分ディケイド以上の強さ。実際剣崎は動揺していたとはいえ士を一方的にボッコボコにするほどの実力はありましたし(アレを本編の剣崎と考えるかは賛否両論ありそうですが)。

とはいえ問題児世界ではそれで通じない者もいるのが恐ろしいところ。アジ閣下との戦いとかどうなるんでしょうね。

ちなみに統制者滅ぼした設定は異世界転移を無事に成立させるための後付けだったりします。小説版でやってたし出来なくはないんでしょうけども……。

一巻分は全部やるので大暴れにご期待ください。

 

 

 

・半蔵学園教師ヒビキさん/仮面ライダー響鬼/ヒビキ/終日氷雨(ヒネモス-ヒサメ)

転生世界:閃乱カグラ

転生タイプ:クロスオーバー世界

記憶:当初から保持

ヒロイン:飛鳥、斑鳩、葛城、雪泉、夜桜(他多数)

能力:音撃戦士

原作知識:響鬼→無し 閃カグ→無し

現戦力:響鬼装甲まで可能

 

裏話

鎧武の鬼滅は後日談ということで別として、このクロスオーバーシリーズはひそかに「週刊誌の漫画は使わない」という縛りでやってたりします。平成ライダーの風潮はラノベやゲームの方が近く感じたので。

それ故響鬼は鬼滅でも呪術なく閃カグになったわけです。そもそもヒビキさんはやっぱり誰かを導く姿が似合っているので教師であれば違和感ないと思いました。

ただ30過ぎのおっさんが女子高生をヒロインというのは個人的にはキツかったので結構若くしてあります。人生経験豊富そうなのは前世の影響ですね。

カブキを含めて鬼の同僚は沢山います。別に男しか成れない訳でもないので女性の鬼も居ます。

 

 

 

・カブト@ユニオン・重桜指揮官/仮面ライダーカブト/ロバート・ソルジェント

転生世界:アズールレーン

転生タイプ:クロスオーバー世界

記憶:カブトゼクター飛来時

ヒロイン:エンタープライズ、ヨークタウン、ホーネット、赤城、天城(他多数)

能力:カブトゼクターに選ばれた男、人間に出来る全てのスキル

原作知識:カブト→有り アズレン→有り

現戦力:ハイパーフォーム変身可能

 

裏話

艦これではなくアズレンなのは仮面ライダー向きのシナリオしているということと、アズレンの方が巨乳が多いから(おい)。

個人的にはロイヤルや鉄血派なのですがアズレンの主人公格といえばやはりエンプラでしょうし(個人的感想、私はロリコンではない)、原典の天道の性格を活かすなら自由なユニオンが一番性に合ってると思いました。キャプテン・アメリカの他、アイアンマンの要素も混じってたりします。

私は料理はしますが流石にプロみたいなレシピは分からないので料理シーンは恐らく全カット。期待されていた方々には申し訳ない

ガタックがロイヤル&鉄血、サソードがアイリス&ヴィシア、ドレイクがサディアと言った風に分かれています。北方連合と東煌は未定。

 

 

 

・イマジンコネクトDen-Liner/仮面ライダー電王/リョウ/時雨遼太郎(シグレ-リョウタロウ)

転生世界:プリンセスコネクトRe:Dive

転生タイプ:後天入手

記憶:電王に変身した瞬間

ヒロイン:ぺコリーヌ、キャル、サレン、マコト(他多数)

能力:特異点

原作知識:電王→有り プリコネ→無し

現戦力:基本4フォーム+ウイング

 

裏話

一番クロスオーバー先に悩んだライダー。イマジン達が普通に受け入れられそうな世界ってなんだろう……と悩みに悩んで答えが出なかったため、なんと合いそうだけど内容を知らなかったプリコネを執筆開始と同時に始めたというとんでもないことをしました。

プリコネのシナリオを詳しく把握するまでは少し出番少ないかもしれません。とりあえず今言えることはサレンさんが可愛い事と、自称姉と自称妹が連続で来たという事(最初&二番目の星3キャラ)

元ネキなのは気弱な性格をスレでも違和感なく出す為の工夫。イマジン達も地味に書くのが難しい。

ゼロノスも居ます。

 

 

 

・キバってオラトリア/仮面ライダーキバ/ワタル・フォルテ

転生世界:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているのだろうか

転生タイプ:転生特典

記憶:最初から保持

ヒロイン:オリヒロ多数、アイズ、レフィーヤ、リュー(他多数)

能力:ハーフファンガイア、感情を読み取る聴覚(正史後)

原作知識:キバ→有り ダンまち→有り

現戦力:ドガバキフォームまで(エンペラーももう間もなく)

 

裏話

ストブラも検討していましたが、キバは私がかなり好きなライダーであり、出番を増やしたくて最近読んでいたダンまちにしました(ストブラ後半あまり読めてないです)。

ベル君の代理で最初は進めようと思いましたがかなり難しい事を察し、オラトリア一本に絞る為に改変することになりました。その理由付けがあのキバ編三話だったりします……。

改変後は自分が居ていい場所を再確認した為、また時系列の修正が入り、改変前と比べても精神的・能力的に更に強くなってます。アイズやベル君が目標にするくらいには。

エンペラー覚醒したら地味にブレイドニキやカブトニキに並ぶ実力者になることでしょう。

ちなみに母・姉がダキバ、父が先代イクサ、妹がキバーラ、弟がサガという五十嵐家以上のライダー一族です。

 

 

 

・幻想郷が俺の世界/仮面ライダーディケイド/黒神司(クロカミ-ツカサ)

転生世界:東方Project/めだかボックス/魔法使いと黒猫のウィズ/白猫プロジェクト

転生タイプ:転生特典

記憶:最初から保持

ヒロイン:霊夢、早苗、咲夜、妖夢、鈴仙、アリス、文、華扇、空、天子(他の世界も含めたら滅茶苦茶多い)

能力:世界を越える力、世界を破壊する力

原作知識:ディケイド→無し 東方→無し

現戦力:ネオディケイドライバーかつ21まで

 

裏話

東方以外は渡航した世界であり、特にめだかボックスは白いドライバーの時の話です。掲示板も作られる前、つまり前日談に当たるので縛りの対象外です。

魔理沙は同じく転生漂流者であるディエンドのヒロイン。

あまりに膨大になりそうなのでかつての大戦の事は恐らく書きません。

強い事は間違いなく強いのですが、衛宮士郎が言うように「無限の剣を手に入れたところで究極の一には叶わない」ので、強さが完成しているブレイドニキやクウガニキ、カブトニキ、もうすぐ覚醒するキバニキの方が実は単純な戦闘力は上だったりします。

というより彼の一番の強みは世界を繋げる次元干渉の方なので、世界そのものの危機の時は非常に頼りになる人です。




次回は平成二期編です


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スレ民設定集(平成二期編)

平成二期の主役の話です。


・横浜を守る二色のハンカチ(左)/仮面ライダーW/左竹章太郎(サタケ-ショウタロウ)

転生世界:文豪ストレイドッグス

転生タイプ:転生特典

記憶:当初から所持

ヒロイン:オリヒロ(ときめ(仮))

能力:探偵の技、Wの左半身

原作知識:W→有り 文スト→無し

 

・横浜を守る二色のハンカチ(右)/仮面ライダーW/江戸川乱歩

転生タイプ:後天入手/憑依

記憶:当初から所持

能力:超推理(といいつつ無能力) Wの右半身

原作知識:W→無し 文スト→有り

 

現戦力:エクストリーム

 

裏話

基本的にはテレビ本編のWではなく漫画版の風都探偵を主軸にしているので原作開始時点、つまり敦君が探偵事務所に就職する前にエクストリームまで既に入手しています。

戦う探偵ものでは緋弾とこれの二択でしたが、緋弾は割とありがちだったので珍しい方かつ好きな方を選びました。が、その上で推理役は乱歩さんが居るとそれで成立してしまうのでどうすべきか……じゃあ乱歩さんを憑依転生者にしよう(短絡的)

肉体に精神が引っ張られる都合、乱歩さんは乱歩さんであまり変わりません。ヒロインというべきかは分かりませんが与謝野先生と乱歩さんの絡みが好きなのでそこはあまり変わらず。

というか敦鏡が尊い。

翔也は割と原典の翔太郎まんまだったりします。

 

 

 

・奈落のOOO/仮面ライダーOOO/火宮翼(カノミヤ-ツバサ)

転生世界:ありふれた職業で世界最強

転生タイプ:クロスオーバー世界

記憶:奈落に落ちる際

ヒロイン:香織、雫、優香、リリアーナ、アルテナ

能力:オーズの資格

原作知識:OOO→有り ありふれ→有り

現戦力:プトティラ、タジャドル、ガタキリバ、ラトラーター、シャウタ、ブラカワニのメダル

 

裏話

この小説で誰が一番最初に問題を提起するべきか、と考えて一番キャッチーなありふれを選び、かつ物語を進めやすいオーズとなりました。

ヒロインの選択は「原作でそこそこ不憫な枠」を厳選した感じですかね。ありふれ可愛いと思ったヒロインが大抵ちょっと扱いが不憫な気がする……。最推しは香織と雫です。

ハジメにアンクを憑依させたのは、本編通りの凶暴性が高い性格ではライダー、特に聖人枠であるオーズとは相性があまりよろしくなかったのと、それでもハジメの変貌は残したかったため、片腕を失う事に着目してこうなりました。

そんなハジメですが、奈落の経験とアンクの影響を受けて若干原典ハジメには近くなってます。凶暴というより強気になりました。

翼君の方ですが彼もクウガ同様、原典の火野映司との違いに苦労した人物。結果的にはプトティラの影響も含めてかなり別物になってます。

 

 

 

・装者全員と友達になる男/仮面ライダーフォーゼ/葉月弦樹(ハヅキ-ゲンキ)

転生世界:戦姫絶唱シンフォギア

転生タイプ:転生特典

記憶:当初から保持

ヒロイン:奏、翼、マリア、セレナ

能力:フォーゼシステム、誰とでもダチになれる

原作知識:フォーゼ→無し シンフォギア→無し

現戦力:コズミックまで

 

裏話

シンフォギアは本当にライダークロス小説が多いのでどうしようか悩みました。だってほぼ全平成ライダーありましたから……(そんなことある……?)

結果的に個人的に一番相性良さそうなフォーゼをチョイス。友情というテーマがどちらもベストマッチしていた気がしたので。

本編はかなり伏線が多く、複雑だったので書きやすそうなXDの時系列を選んでます。そのお陰でディケイド・ジオウ・ゴーストに並んでコラボしやすいライダーです、

ちなみに名前は「げんき」という、名は体を表すが如き名前。弦という漢字もシンフォギアっぽくなってますよネそういえば。OTONAと諸被りしてるのは内緒。

ところで彼は原作知識が一切なかったのに奏を生存させているのは他のスレ民のアドバイスによるものです。フォーゼシステムは転生特典であり、ノイズに対処できる特別仕様となっております。

 

 

 

・アルザーノ魔術講師ウィザード/仮面ライダーウィザード/ハルト・リングラゴン

転生世界:ロクでなし魔術講師と禁忌経典

転生タイプ:転生特典

記憶:当初から保持

ヒロイン:システィーナ、ルミア、リィエル

能力:指輪の魔法使い

原作知識:ウィザード→有り ロクアカ→有り

現戦力:インフィニティーまで

 

裏話

執行官に所属していた頃から原作に関わっていたのでスレ民ではかなり古参です。

その時点で既に4つのドラゴンスタイルは入手しており、本編開始時点でも既に相当な実力者。インフィニティーの奇蹟はルミアが関係しています。

実はカプ厨な一面もあり、セラとイヴで両手に花なグレンを2828しているのですが、これは私の完全な我欲。グレン先生に憑依転生するルートは最初から考えておらず、純粋なグレン先生にセラとイヴで三角関係になってほしいという欲を解放した結果がこれです(ヒビキさんでも触れましたが私は教師×生徒が少し苦手です)。

転生者としては本当にグレン先生の事が大好きで、幸せになってほしいという純粋な願いで原作干渉しているので、自分の恋愛まで頭が回っていないのかもしれません。

そのお陰でセラは生存、イヴも比較的素直になりましたが、その分グレン先生の苦労は自分が背負ってるというわけです(グレンも講師になりましたが苦労は回って来ません。それでも働いているのは後輩への負い目が故です)。

 

 

 

・鎧武が斬る!/仮面ライダー鎧武/レンジ

転生世界:アカメが斬る!→鬼滅の刃

転生タイプ:転生特典

記憶:当初から保持

ヒロイン:イドゥン(オリヒロ)アカメ、クロメ、チェルシー、コルネリア、タエコ、スピア

能力:オーバーロード鎧武

原作知識:鎧武→有り、アカ斬る→有り 鬼滅→有り

現戦力:ジンバーまで→極アームズまで

 

裏話

好きなライダー×好きな作品の組合せその2。

鎧武の触れ込みが龍騎以上のライダー戦国時代なのでこれ一択でした。帝具、危険種の存在もあって戦乱時代と科学技術、自然というのが一つに纏まっているアカ斬るは鎧武と相性が良かったのです。

黄金の果実は手にしてませんがその欠片の極アームズだけでもチートな人。総合的な戦闘力がエスデスに並ぶのです。

現状のライダー全てがオリキャラの龍騎と異なり、原作キャラがライダーになったりする世界線ですが、物語を組む上でかなり悩んでます。ブラートをあの時点で死なせないようにタツミをバロンにしたり(その上で人外フラグも立てられた)、その上で死ぬキャラと死なないキャラの選別がかなり難しい。

死んでほしくない死亡キャラが多すぎるんですよね。アカメも鬼滅も。

鬼滅を混ぜたのは完全な思いつき。というよりアカメだけで黄金の果実争奪戦が完結するとは思えなかったのですが

 

 

 

・IS学園潜入刑事D/仮面ライダードライブ/速水進太郎(ハヤミ-シンタロウ)

転生世界:インフィニット・ストラトス

転生タイプ:クロスオーバー世界

記憶:当初から保持

ヒロイン:セシリア、シャルロット、ラウラ、楯無、簪

能力:ドライブの適合者

原作知識:ドライブ→有り IS→有り

現戦力:デッドヒートまで(まもなくフォーミュラ)

 

裏話

ただの生徒ではない潜入刑事というのをやってみたかった。ライダー=ISとするのは抵抗があったので「それっぽいごまかしができる立場」を考慮した結果です。

IS自体人によって描かれ方が異なる作品ですが、私の場合はドライブの流れを優先して書いてます。束が善人だったりするのもドライブの諸悪の根源バンノに集中する為。何時かイッテイーヨされる運命にあります。

セシリアやシャルロット、ラウラは刑事として活躍している頃から付き合いがあり、オルコット夫妻の遺産相続問題、デュノア社内部役員の暗躍、VTシステムなど、警察が干渉することになったそれぞれの過去を契機に関わりがあります(なのでシャルロットは男装する必要が無く、最初から女性として転入しました)。奇しくも一夏が関わるべきだった出来事を先んじて潰してしまったわけです。

とはいえ本人は一夏との関係は良好でIS学園という環境での唯一無二の親友。進太郎自身も刑事だと知っても変わらず仲良くしてくれる一夏に恩義を感じているようです。

掲示板で一際口調が堅いですが、リアルでもあんな感じな刑事らしい堅物さを見せます。

 

 

 

・冬木のゴースト/仮面ライダーゴースト/柳洞尊(リュウドウ-タケル)

転生世界:Fate/Stay night他多数の型月世界

転生タイプ:後天入手

記憶:冬木の大火災で死亡時

ヒロイン:武蔵、剣式、沖田、景虎、卑弥呼、玉藻、巴御前、紫式部、清少納言、段蔵、千代女(その他日本サーヴァント)

能力:幽霊体質

原作知識:ゴースト→無し Fate→有り

現戦力:グレイトフルまで

 

裏話

一番の苦労人でおなじみゴースト君。

世界転移しているのは武蔵ちゃんのせいじゃ? とか色々考察が立っていますがここでぶっちゃけるとヒロインの一人、剣式さんが元凶です(実際第二魔法をホイホイ起こせるのこの人くらいですよね)。

別に転生神のように弄ぶ事が目的ではないのでそこは安心していいのですが、彼はゴーストであり、タケル殿と同じく延々とその世界に存命し続ける事が出来ません。その存在を保つ基となっているのがつまり聖杯、それによって引き起こされる聖杯戦争、そしてそれが活性化させる魔素だったり龍脈が尊の存在を保っているのです。

聖杯戦争が終われば即ち、尊君は消えてしまう為、延命のために剣式さんが次々と世界を越えて聖杯戦争の舞台へ飛ばして永久機関たるムゲン魂を手に入れるまで延命させているわけです。

その理由は根源が察知した「グレートアイ」が関係しているようですが……?

日本サーヴァントしか呼ばれないのは召喚の媒介が日本という土地でサーヴァントに近い存在になった尊君自身だからです。仮にギリシャ人でギリシャで幽霊になってたらギリシャサーヴァントしか召喚されません(極端)

ヒロインじゃないだけで金時や天草のような男性サーヴァントも召喚されてます。

 

 

 

・ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ/仮面ライダーエグゼイド/エム

転生世界:超次元ゲイムネプテューヌ

転生タイプ:クロスオーバー世界

記憶:当初から保持

ヒロイン:ネプテューヌ、ネプギア、プルルート

能力:天才ゲーマー

原作知識:エグゼイド→有り ネプ→有り

現戦力:マキシマムマイティまで

 

裏話

作品ごとの世界観が複雑すぎて何時ムテキにすればいいのか分かってない人。

一応構成ではゲイムネプテューヌ次元の基礎にしたエグゼイド的なシナリオですが……。

バイスやリュウガが掲示板に来れているので似た存在であるパラドも掲示板に来れます。そのうち登場するのでお楽しみに。

ちなみにサブライダーですがブレイブはラスティション、スナイプはルウィー、レーザーはリーンボックスに居ます。

そしてそんな女神が統治する世界で新たな神に成り上がろうとするのが神ゲンムなわけです。またアイツかと。

クロノスやムテキの設定もエグゼイドよりはゲイムネプテューヌ由来の設定だったりします。

 

 

 

・学園都市のビルド/仮面ライダービルド/保科戦兎(ホシナ-セント)

転生世界:とある魔術の禁書目録

転生タイプ:異世界転移系

記憶:当初から所持

ヒロイン:フレンダ、絹旗

能力:天才物理学者

原作知識:ビルド→有り とある→有り

現戦力:ジーニアスまで

 

裏話

好きなライダー×好きな作品その3

クウガ・ブレイドも含めたリイマジ組の中では最も原作ライダーと同じ世界線を辿った転生ライダー。

つまり世界が融合して学園都市で目覚めるまではまんま「仮面ライダービルド」のシナリオをなぞったわけです。ただエボルトという屈指のラスボスの存在がそれを非常に難しいものにしているのですが。寧ろ下手に原作知識あるとなまじエボルトが更なる対策取ってくるので……。頭が回るという点では相当厄介なラスボスですよね彼。

出会いが無いと言いつつ予見となるフラグは少し立ってます。上に答え書いてありますが一応ぼかしました。けど出会いが全くないルートも本気で考えてた。不憫すぎるので止めましたが。

本人は科学一辺倒の天才物理学者なのでどちらかというと超電磁砲や一方通行のシナリオが多めかと。魔術の話は万丈と上条に任せておけばいいわけです。

万丈は万丈です。下手に弄る方が魅力を殺してしまうかもですし。転生者じゃなくてもこのジョジョコンビ相性良さそう。

 

 

 

・魔王オーマジオウ・トリニティ/仮面ライダージオウ/夏目ソウゴ(ナツメ-)

転生世界:トリニティセブン

転生タイプ:異世界転移系(別次元)

記憶:当初から所持

ヒロイン:リリス、アナ、ユイ、リーゼ、セレナ、アリエス、龍姫

能力:黄金の魔王

原作知識:ジオウ→無し トリセブ→有り

現戦力:グランドジオウがデフォ。オーマジオウの力は封印

 

裏話

このライダー達で一番クロスオーバー先の作品が知られていないであろうネタ。

面白いから皆さん読んでね(露骨な宣伝)

将来魔王になると予言されている青年が様々な仲間の力を手にしてどんどんその道を歩いていくという、120%合致したシナリオです。

リリなのと同様に多次元設定が作中で明言されているので、原作主人公の春日アラタとは別の次元出身の異次元魔王ということにしました。なので面識もあります。

原作主人公の成長に必須であるヒロインをオリ主のヒロインにしたいときはこういう別次元設定を使うか、セイバーの士道君のように憑依するかになります。

オーマジオウの力を封印しているのはアレが出たらマジで全部解決してしまうので、パワーバランスの崩壊を防ぎ、世界そのものをイージーゲームにして剪定事象にしないためです。

ちなみにこの世界で生まれていたアナザーライダーは全部悪徳転生神による娯楽であり、それを倒してライダーの力を集めたのが現在のグランドジオウです。




次回は令和と平成番外の主役ライダー達になります


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スレ民設定集(令和・番外編)

・テラの運命を変えられるのはただ一人、俺だ!/仮面ライダーゼロワン/リアル

転生世界:アークナイツ

転生タイプ:後天入手

記憶:当初から所持

ヒロイン:かなり多い

能力:ヒューマギアやゼロワン開発のノウハウ

原作知識:ゼロワン→有り アクナイ→有り

現戦力:メタルクラスタまで

 

裏話

実はアークナイツと禁書を入れ替えるべきかという問題を散々、というかつい最近まで悩みに悩んでいました。

ゼロワンの設定であるヒューマギアや衛星ゼアなどの技術は学園都市でなら一切問題無く出せそうですし、逆に主人公が兎で相棒がドラゴンというのはアークナイツのアーミヤとチェンに合致していたのでこっちはこっちでもベストマッチだった気はするんですよね。

結果的に「科学」が全体的なテーマであるビルドと、「悪意に対する善意」をテーマにしているゼロワン、それぞれの作風に合わせて今のままで行こうと決めました。禁書は平成20作品には絶対入れたかったのもあります。

ヒロインに関しては色々悩みどころでして、明確に決めない方がいいかなーと思ってぼかしてます。

ゼロワンニキはライダーとしても相当な実力者でありつつ、ゼロワン関係に限れば周囲の環境も或人に比べれば恵まれているのでしょう。フロストノヴァ救いたい()

ゼアのシステムはロドスアイランドに搭載されているので、例の光線とかはロドスから飛びます。

 

 

 

・ラタトスクの炎の剣士/仮面ライダーセイバー/五河士道(憑依)

転生世界:デート・ア・ライブ

転生タイプ:クロスオーバー世界

記憶:『五河士道として生まれた』当初から保持

ヒロイン:精霊全員+α

能力:すべての聖剣を使える素質

原作知識:セイバー→有り デトア→有り

現戦力:エレメンタルプリミティブまで

 

裏話

デトアはどうしても「士道が主人公」でなければならない作品であり、尚且つオリ主を入れても中途半端になってしまうので思い切って憑依主人公にしています。

味方ライダーが一切居ないように見えてクロスセイバーさえ獲得できればその辺りは大幅に変動します。

原作通りに見せかけて本人が介入しすぎた結果、殆ど原作通りになってないという独特なシナリオ。

これに関しては士道だけでなく、ウェストコットも憑依転生者である為、色々引っ掻き回された結果なのですが……。何はともあれ、精霊全員が味方の状態で最終決戦に挑むことになるのです。狂三の中から飛び出してくるとかそういうのは無いです。

飛羽真も士道も「求められた主人公」という共通点があります。ただ少なくとも精霊皆が仲良く暮らしている光景を見たい、そして守りたいという紛れもない思いはこの憑依士道自身が選んだ揺るがない想いです。

原典士道と比べるとかなり戦闘慣れしていますが、これは幼少期からその時に備えて鍛えていたという、セイバーの没展開を基にしています。

 

 

 

・司波家長男リバイ/仮面ライダーリバイ/司波貴一(シバ-キイチ)

司波家の悪魔バイス/仮面ライダーバイス/バイス

転生世界:魔法科高校の劣等生

転生タイプ:クロスオーバー世界

記憶:バイス覚醒時

ヒロイン:真由美

能力:記憶転写、情報再現

原作知識:リバイス→無し 魔法科→無し

現戦力:基本の10種リミックス

 

裏話

弟と妹が居て、三兄妹揃って仮面ライダーになるのがリバイスの醍醐味であるとは思います。だからって原作兄妹に当てはめるなよ……と自分でも思いました。

ただ魔法科のシナリオはイレギュラーなオリ主に達也が警戒するって感じが大多数なので、敢えてその達也が信頼を寄せる身内に投げ込んでみたところです。そうなったらライブもジャンヌもなし崩し的に確定してしまうわけで。

貴一お兄様は感情の調整などは特にされていません。達也とは別方面の調整が施されたため(その結果生まれたのがバイス)です。

達也の性格は次男でも、尚且つライブでも十分通用する気がしますが、深雪がジャンヌというのはギャップが中々凄いことになってそう……。

要望も多かったですが、三兄妹の同時変身もいずれは描写したいと思います。

現在放送中なこともあり、下手な描写して致命的な矛盾起こすのも怖いので出番は少ないと思いますが、それぞれの悪魔との対話くらいはしっかり書きたいかなあ……?

 

 

・ストライク・Ω・アマゾン/仮面ライダーアマゾンオメガ/鱗牙ハルカ(ウロコガ-)

転生世界:ストライク・ザ・ブラッド

転生タイプ:転生特典+後天入手

記憶:初の破壊衝動

能力:アマゾン細胞

原作知識:アマゾンズ→無し ストブラ→無し

 

裏話

結局転生特典はアマゾン細胞でドライバーが無かった為、スレ民の協力でドライバーを入手。MOVIE大戦的な出来事があったりなかったりしたのですが其方はまたいずれ。

何分、アマゾンズレジスターでアマゾン細胞を抑制するのは当然としても、アマゾンドライバーを用いて変身するかどうかというのは即ち「仮面ライダーとしての覚悟」の問いかけへの解答になりますからね。

体質が体質故に人を近づける事を恐れていた為、同じ境遇を持つ古城としか交流がありません。

ヒロイン枠が無いですがそれもそのはず、

この人女性ですから。

オメガニキではなく実はオメガネキ、掲示板では「俺」と言ってましたがミスリードで俺っ娘でございます。

つまりこの人自身が古城君のヒロインというハルカちゃんでございます。

ついでにチヒロという名の妹が一人います。……不穏ですが大丈夫、溶原性細胞はありませんからね!

原典でアルファの家族だったネオをリイマジ風にオメガの家族にしてみたのです。

そのアルファがいつ出てくるかはお楽しみに

 

 

 

・刃の心の伐刀者/仮面ライダーシノビ/白布二羽(シラフ-フタバ)

転生世界:落第騎士の英雄譚

転生タイプ:転生特典

記憶:当初から所持

ヒロイン:オリヒロ

能力:忍びとしての卓越した技量

原作知識:シノビ→有り 落第騎士→有り

 

裏話

忍者は結構色んな作品で絡ませやすい要素なので、敢えてその忍者要素が欠片も無い、だけど侍という概念はある落第騎士に投げ込みました。

そして忍者ならば誰かに仕える姿が似合いますからね。ハーレムを作らずオリヒロ一人に一途という落第騎士らしく真っ当な恋愛観を通しました。

彼に限った事ではないですが、掲示板は前世の性格が出る反面、リアルでは身体に影響されるので性格とかも結構差異があります。

名前は黒鉄一輝と対になりつつ、蓮太郎っぽさもあるように。

特段強化フォームなどはありませんが昭和ライダーのように単純な能力が高いのでそれで強敵達と渡り合っています。

なお、この世界には二号ライダーとしてハッタリもしっかり存在しています。どういう関係性なのかは検討中。

 

 

 

・東京武偵校情報科〇×/仮面ライダークイズ/天草樋掛(アマクサ-トイカケ)

転生世界:緋弾のアリア

転生タイプ:転生特典

記憶:当初から所持

ヒロイン:レキ、ジャンヌ・ダルク

能力:情報を基にしたクイズで正解を導き出す

原作知識:クイズ→無し 緋弾→無し

 

裏話

クイズはそもそも出すかどうかも迷いましたが、緋弾を出したくなったので逆説的に登場させた転生者です。

出し渋った理由ですが、ジオウのミライダーの中でも単体の番組として成立するくらいに設定があるシノビやキカイ、逆に純粋な異物だからこそ構想の余地があるギンガと異なり、クイズの存在はあくまで「仮面ライダージオウ」という枠組みの中で完結している為、単体の主人公としては出しづらかったからです。

能力も結構ユニークだったのもそれに拍車をかけていましたが、寧ろそれを活かせそうな作品として、Wとは違うもう一つの探偵として活躍させることにしました。

なので他の三人と違ってオリジナル要素は全然思いついてません。

 

 

 

・第三世代アークス機械/仮面ライダーキカイ/スパナ

転生世界:ファンタシースターオンライン2

転生タイプ:転生特典

記憶:当初から所持

ヒロイン:マトイ、サラ、クーナ、アルマ、ジェネ、ハリエット

能力:機械の身体、各種アタッチメント

原作知識:キカイ→有り PSO2→有り

 

裏話

とあるディスコ―ドで友人との会話

「キカイをクロスオーバーさせるとしたら何がいい?」「PSO2!」→即決

実際PSO2はキャストという機械族が居ますし、そういう意味ではベストだったのかもしれません。

シナリオとしてはPSO2準拠の予定ですが、裏話としてこのPSO2の世界はゼロワンのアークナイツ世界と同じ次元の宇宙だったりします。単体で次元超える力のないゼロワンが駆け付けられたのはそれがトリックです。

強化フォームなどは詳しくは考えられていませんが機械なのでアタッチメントによる装備でいくらでも改造できるのではないかと思ってます。

とりあえずF90のAtoZミッションパックがいいヒントになりそうです。

ヒロイン枠はこれでも絞った方ですよ……?

 

 

 

・テイワットに降り立ったギンガ/仮面ライダーギンガ/アレクセイ

転生世界:原神

転生タイプ:転生特典

記憶:ギンガとして目覚めた時

ヒロイン:刻晴、甘雨、ジン、バーバラ(他多数)

能力:元素を惑星の力としてサンプリング

原作知識:ギンガ→有り 原神→無し

 

裏話

原神は実際にやらないとどういう作品なのか分からないと思うんですけどね……。とりあえず旅すればいいんじゃないか? という安易な考えです。実際やってみたら多分詰まる気がする……。

ギンガはクイズと比べれば謎が多すぎて逆に自由な考察が出来たので寧ろ楽でした。ミライダーはフォームチェンジよりも本人の技量と豊富な技が全てだと思ってます。

アナザーキバ戦で大暴れさせたかったのもそれを示したかったからですね。

にしても原神キャラもデザインが良すぎてヒロインが絞れないのですわ。

 

 

 

・波斬りの永遠/仮面ライダーエターナル/エターナル

転生世界:盾の勇者の成り上がり

転生タイプ:転生特典

記憶:ほぼ無し

ヒロイン:不明

能力:不死身、驚異的な戦闘力

原作知識:W→無し 盾勇→無し

 

裏話

サブライダー、かつ劇場版ライダーで唯一主人公の座を勝ち取ったエターナル。圧倒的人気ですからね、私も大好きです。

盾勇はありふれと違って原作雰囲気をブレイクせずに(というかそれが難しかった)進めることにしたのですが、普通のヒーローではあの態度は出来ないし、下手をしたら某勇者(笑)みたいになりかねないので、一貫できるダークヒーローとして彼を選びました。また、T2メモリによって能力が完結していることも主人公として使いやすかった理由でもあります。

ミライダーもそうですがオリジナル能力は思いつくときは思いつきますが考えるとなると中々大変ですので……

ちなみにT2ガイアメモリのそれぞれの能力ですが

 

アクセル→高速移動

バード→翼を生やして飛行

サイクロン→風を操る

ダミー→コピーを生成

エターナル→変身

ファング→斬撃強化

ジーン→再生や肉体変化

ヒート→熱を操る

アイスエイジ→冷気を操る

ジョーカー→身体能力強化

キー→ロックの開閉

ルナ→幻を見せる

メタル→硬質化

ナスカ→武器の生成

オーシャン→水を操る

パペティアー→人や生物を操る

クイーン→性転換/バリア生成

ロケット→ミサイル発射

スカル→???

トリガー→銃撃

ユニコーン→貫通力強化

バイオレンス→パンチ・キックの強化

ウェザー→天候操作

エクストリーム→限界突破

イエスタデイ→対象の状態を前日に戻す

ゾーン→領域内で瞬間移動

 

となっております。十分多芸




一先ず設定集は此処までです。
数が揃って来たらサブライダーの事も纏めてみようかなと思っております

追記

掲示板の参加順ですが
創始者
ディケイド、ジオウ

開設時の参加者
クウガ・ファイズ・ブレイド・響鬼・カブト・フォーゼ・ウィザード・鎧武・ビルド

ベテラン
キバ・W・ドライブ・ゴースト・ゼロワン・セイバー

比較的新顔
アギト・龍騎・電王・エターナル・エグゼイド・シノビ・クイズ

新参者
オーズ・リバイス・キカイ・ギンガ・アマゾンズ

こんな感じです


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リアル/ゼロワン プロファイル

短いですが、ちょっとしたゼロワンニキのプロフィールです。
アークナイツっぽく纏めました


基礎情報

【コードネーム】リアル

【性別】男

【戦闘経験】二年

【出身地】レム・ビリトン

【誕生日】1月2日

【種族】コータス

【身長】175cm

【鉱石病感染状況】

メディカルチェックの結果、非感染者に認定。

能力測定

【物理強度】優秀

【戦場機動】卓越

【生理的耐性】標準

【戦術立案】標準

【戦闘技術】優秀

【アーツ適性】標準

個人履歴

技術部でありながら前線オペレーターとしても行動する開発者。レム・ビリトンの工学によって鉱石病や天災に対策する為のシステムを開発し、ロドスに提供している。

健康診断

造影検査の結果、臓器の輪郭は明瞭で異常陰影も認められない。循環器系源石顆粒検査においても、同じく鉱石病の兆候は認められない。以上の結果から、現時点では鉱石病未感染と判定。

 

【源石融合率】0.0%

鉱石病の兆候は見られない。

 

【血液中源石密度】0.15u/L

源石工学に携わっていた時期があるが、比較的軽度である。

 

戦場にせよ、工学にせよ、自身の防護対策は徹底しているとみられます。あのスーツの影響もあるでしょうが、彼自身がその危険性を十分に理解しているからこそでしょうね。

――フォリニック

第一資料

彼はロドスに加わる前、レム・ビリトンで源石加工の技術を磨いていたという。だがロドスに参加した時点でその経歴の一切を捨て去り、現在は源石を用いない発明にいそしんでいる。

レム・ビリトンの環境は技術者としては素晴らしいものだが、労働者にとっては監獄に等しい閉鎖的かつ悪辣な環境であると、彼を含むロドスのコータス族達は口を揃えて言うのである。

そんな環境で次々と倒れていく労働者の姿に耐え切れなくなった彼はそれまでの名誉も使命も全てを捨て去り、清算の為にロドスを訪れた。

 

国に帰る事は無いと口にしているが、国そのものを嫌悪しているわけではないそうで、同郷のコータスと故郷について話している姿も度々確認されている。

一方で他の国の技術者とも交友している姿もあり、何処までも技術者気質なのは変わらないというところだろうか。

第二資料

当初技術部として加入していたリアルはクロージャからも「将来は自分の跡を継ぐ逸材かもしれない」と高い評判を買っていた。だが彼の情熱はある一点に注がれ、その開発を進めていた。

戦場機動型強化装着スーツ《仮面ライダー》―――夢の技術として語られながらも源石との密な接触が故に感染不可避と語られていたその技術を彼は実現させたのである。

当初はブリキの兵隊のような不細工な色物でしかなかったが、やがて彼の熱意は不可能を―――それも源石を使わない形で―――可能にしたのだ。

このスーツに彼は「01(ゼロワン)」と名付けた。

 

ゼロワンが完成した後、彼は前線オペレーターへの移籍を志願した。

貴重な人材を失うことを恐れた技術部からの反対はあったものの、ロドス上層部から課せられた戦闘技能テストにおいてリアルは高水準の結果と、ゼロワンの有用性を実証して見せた。その輝かしいばかりの運用テストに技術者たちは目を輝かせ、そしてリアルは彼らに背中を押される形で戦いに参加する事となったのである。

何故戦いに出る事を選んだのかをリアルは語らない。だが彼が度重なる源石事故やテロイズムの新聞を苦い顔で見つめていたことからも、譲れない何かがあるのだろう。

第三資料

ゼロワンは単体として見ても非常に高性能かつ画期的な装備である。

何よりも機動性を特化してチューンアップされたその動きは最大出力でならば彼が後引く光の尾しか視界に捉えることはできない。

加えて戦闘技術に関しては本人のトレーニングは勿論だが、オペレーター達の戦闘記録から戦い方(モーション)記録(トラッキング)し、それを搭載(インプット)することで学習(ラーニング)していくことにある。

ゼロワンが完成して以降、リアルの交友の幅は更に広がっていくことになった。

前衛であろうと術師であろうと偏りなく、様々なオペレーターの任務に同行し、その技術を記録していく。リアルの情熱が続く限り、ゼロワンは進化し続ける。

 

現在に至るまで、ゼロワンは幾度かのアップデートを行っており、当初は機動性を優先した為、決定打に欠ける上に反動も大きいという欠陥が目立っていたが、反動の抑制、多方面への戦略性、更なる反応速度上昇と言った機能が続々と盛り込まれていった。

これほどの力を持ちながらも、そのデータは更なる後継型にも用いられており、バルカンやバルキリー、サウザーといった様々な機体へフィードバックされている。

 

【権限記録】

これほどの兵器をリアル自身が一から考えたとは考え辛い。もしやレム・ビリトンに秘匿されていた技術を何らかの形で発掘し、それを持ち出したのではないかと睨んでいる者もいる。

だがあくまでゼロワンは源石を用いないシステムである。それに関してはクロージャを始めとするエンジニア部が確認済みだ。

度々彼は何処か虚空を見つめ、何かを喋っているような光景が目撃されている。あり得ないとは思うが、別次元の存在と交信し、得た情報を元に作られたのがゼロワンなのではないだろうか。

一笑に付すような考察だが、私にはそのように思えてならない。

 

――ケルシー

第四資料

彼の交友範囲は非常に広い。もはや異常と言っても差し支えない程だ。

誰であろうと構わずコンタクトを取り、気付けば親密と言って差し支えない程の交友を持っている姿は天性の人たらしと言えるかもしれない。

時折口に出る、面白味の欠片も無い洒落も、技術者と聞いて気難しく思った相手と打ち解けやすくなるためのコミュニケーション手段として使われているのだろう。ただ一人を除き、口角が上がる事すら無いが。

 

人と話す際、彼は夢を公言して憚らない。「夢に向かって翔ぶ」。だがその言葉の意味は語られない。彼の見る夢は何なのか、彼が鉱石病のリスクを理解し、それでもなお戦いに出た事の根源はそこにあるように思える。

昇進記録

彼の活動はゼロワンの開発に留まらない。故郷での経験から源石によって失われるべきではない命が簡単に散ってしまう事を嘆いた彼はゼロワンの学習機能を元に人型アンドロイドのヒューマギアの開発を始めていた。

機械であるが故に鉱石病にも罹患しないその躯体は既に完成品が4体存在し、ロドスのオペレーターとしてのテスト運用も既に行われているが、世間的な公布はなされていない。

我々としてはこれほどの技術者であるリアルの存在が明かされては彼の身にどれほどの危険が迫るか想像に難くない。

また、彼自身もヒューマギアの技術を表に出す事は当分無いと語っている。

「彼らは人間の道具じゃない。一つの存在だ。だけど今の世界じゃそんなことを認めてくれやしない」と、アーミヤへの必至の訴えにより、ヒューマギアの存在はロドス・アイランド内のみの秘匿とする。

 

 

 

ドクター(転生者)

「君が掲示板を使っている所、見られてるぞ。あと口に出してた」

リアル

「マジっすか!?」




国家試験前なので2週間ほど更新ストップします。気長に再開をお待ちください


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スレ民会話
【どんな世界にも】交流・雑談用総合スレ【ライダーはいる】


掲示板形式に嵌って息抜きで書いたものです。
執筆は超絶久しぶりなので生暖かい目で見てください


701:学園都市のビルド

出会いが無い、悲しい……。

 

702:カブト@ユニオン指揮官

どうして自分から傷口に塩を塗り込もうとするのか。

 

703:鎧武が斬る!

リア充多めのライダー転生者に吐き出すのは中々の猛者だな……。

 

704:学園都市のビルド

言いたい事は分かるが、こうして吐き出せる場所は此処しかないんだよなあ……

 

705:ラタトスクの剣士@クロスセイバーまであと5本

とある時空で出会いが無いのは中々珍しいような……

 

706:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

というかビルドニキは世界融合した後が学園都市だったんだよね?

 

707:学園都市のビルド

そうだよ。前の世界でも今の世界でも出会いのでの字の気配もないわ!

 

708:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

涙拭けよ…。

 

709:時空管理局執務官555

流石に原作キャラにせよなんにせよ、女性の一人たりとも関りが無いなんてことはないんじゃないか?

 

710:学園都市のビルド

ヒント→New World

 

711:ラタトスクの剣士@クロスセイバーまであと5本

ああ……。万丈には新しい出会い、髭と頭はゴールイン……

 

712:カブト@ユニオン指揮官

そんな中一人置いていかれた戦兎………。

 

713:学園都市のビルド

別に彼女欲しくて戦ってたなんてことは全くないんだけど……。

こう、周りがどんどん成就していくのを見てるとな。……やっぱ…つれぇわ……。

 

714:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

そりゃ……つれぇでしょ……

 

715:鎧武が斬る!

研究が君の恋人じゃないか?

 

716:学園都市のビルド

表出ろ鎧武ニキ【ハザードオン

 

717:鎧武が斬る!

すまんかった

 

718:時空管理局執務官555

けど実際戦兎、というかビルドニキって基本ラボに引きこもって発明してるからな。出会いの機会自体が中々ないんだろ。

 

719:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

それはそうかも。俺なんかは発明はロドス艦内搭載のゼアがやってくれる代わりに先民と仲良くならないとプログライズキーのライダモデルが作れないから必然交流する必要ある。

 

720:ラタトスクの剣士@クロスセイバーまであと5本

俺も似たパターンかな。精霊と仲良くなったら聖剣が現れた。

 

721:学園都市のビルド

まあ、なにはともあれこのままじゃ不味いって、カズミンが美空とお付き合いを始めてから言いようのない焦りが生まれてな。このままじゃ前世と同じ独身ルート直行だ。てことで付き合いのきっかけとかがあったら教えてほしい(土下座)

 

722:鎧武が斬る!

死の淵を一緒に超えれば仲良くなれる。

 

723:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

一緒にゲームしまくれば仲良くなれる。

 

724:ラタトスクの剣士@クロスセイバーまであと5本

>>722 >>723

両極端すぎて参考にならないw

 

725:時空管理局執務官555

どちらにしてもそもそも関わりが無いと交流自体が無理だがな……。

 

726:カブト@ユニオン指揮官

一先ず動機の有無は置いておいて、助けた子と親密な関係になったりは………していないか。正体隠していると言っていたからな。

 

727:学園都市のビルド

生憎とな。ビルド=俺とはなっていないんだ。少なくとも今の学園都市では。

 

728:鎧武が斬る!

バレたら暗部とか面倒臭いからな学園都市

 

729:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

まあ顔バレしてないならしてないで面倒臭いことになるけどね。シューティングウルフプログライズキーのデータの為に龍門でのマフィア抗争に巻き込まれた時なんかもう、さ……。

 

730:ラタトスクの剣士@クロスセイバーまであと5本

そう考えると俺は顔隠しててよかったわ

 

731:学園都市のビルド

仲いい人が狙われるかもしれないし、リスクが大きいんだよ。

 

732:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

言うても学園都市世界って戦いに明け暮れてるからなあ。出会いとかしている場合じゃない気がする

 

733:カブト@ユニオン指揮官

それはそうだろうな。此方のケッコンのように交際に世間的なメリットがあるというわけでもない。

 

734:鎧武が斬る!

殺伐としているからこそ花が必要な時もあるだろ?

鎧武で帝国というこの世の地獄みたいな世界でアカメとクロメの姉妹が癒し

 

735:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

やっぱり姉妹だとシェアしがちなのかな? 僕もプラネテューヌのネプ姉妹の共有財産みたいな感じに収まってる

 

736:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

俺は結構色々な人と関わった分、ロドスの中で話し相手が沢山出来て楽しいけどね

 

737:時空管理局執務官555

ゼロワンニキは知らない。その裏でオペレーター達による修羅場が起きていることを……。

 

738:学園都市のビルド

ええい羨ましいぞ畜生め!

 

739:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

来たかったら来てもいいよ? 死亡フラグがそこら中に立ってるけど。

 

740:ラタトスクの剣士@クロスセイバーまであと5本

正直学園都市もそんなもん……と言いたいけどそっちは洒落にならない件

 

741:鎧武が斬る!

命だったものが転がるのは帝国でもよくある。

本当にキツイから癒しは必須だぞ

 

742:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

本当に鎧武ニキの言う通り。仲いい人がいるだけで「ああ、頑張ろう」って気持ちになれる。

逆にそんな人たちを失いたくないからこそ無茶しちゃうときもあるある。

 

>>737

修羅場に関しては555ニキには言われたくない。

 

743:学園都市のビルド

確かにアークナイツの世界は心が死ぬ……ウォルモンド……ウルサス……6章……うっ頭が

 

744:時空管理局執務官555

>>742

? なのはもフェイトも仲いいが?

 

745:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

この世界は本当に鉱石病がねえ……。だからヒューマギアの開発も進めてるんだけど、中々上手くいかない。

 

746:カブト@ユニオン指揮官

そこの鈍感執務官は置いといて、ゼロワンはヒューマギアの開発をしているのか

 

747:時空管理局執務官555

>>746

なんか馬鹿にされた気がする。

 

748:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

開発自体はもう成功してて、滅亡迅雷の四人は完成して、オペレーターとしてロドスで一緒に戦ってる。ただ、社会的に普及できるか、って言われるとなあ……。ライン生命とかリターニアとかレム・ビリトンとかザイアが絶対黙ってないだろうし。

 

749:学園都市のビルド

テクノロジーの扱いは本当に慎重にしないとなあ。

 

750:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

というか滅亡迅雷完成したの? 大丈夫? レユニオンに寝返らない?

 

751:ラタトスクの剣士@クロスセイバーまであと5本

アークが無いなら……いや、あの世界簡単にアーク生まれそうで怖い。

 

752:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

仮にそうだとしても俺はあいつらの意思を尊重したい。それでももし道を間違ってしまったら全力で止める。それがあいつらの「親」である俺の責務だからな

 

753:学園都市のビルド

正直、愛と平和を簡単に謳えない世界だからこそ、そういう信念が大事なんだろうな

 

754:鎧武が斬る!

頑張れゼロワンニキ。応援してる。困ったらいつでも相談に乗るからな

 

755:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

ありが冬霊! 感シャーマン!!

 

756:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

 

 

757:学園都市のビルド

 

 

758:ラタトスクの剣士@クロスセイバーまであと5本

 

 

759:時空管理局執務官555

 

 

760:カブト@ユニオン指揮官

それでそもそもビルドの相談だったんだが

 

761:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

お願いだからスルーしないでぇえええええええええ!!!!

 

752:学園都市のビルド

まあ、色々言ったけど正直ストレス発散の為に愚痴っただけなんだよな。こっちもこっちで色々と事件が起きるし、キルバスとかダウンフォールの事件もあったから、そうなったら仮面ライダーの出番ってね

 

753:鎧武が斬る!

とあるも色々しんどい世界だからな。無理だけはするなよ?

 

754:奈落の底でコアメダルを発見

すみません至急で相談したいことがあるのですが!!

 

755:カブト@ユニオン指揮官

む、新人か

 

756:ラタトスクの剣士@クロスセイバーまであと5本

コアメダル、ってことはオーズか!

 

757:鎧武が斬る!

まず情報を整理しようか。どういう状況? 世界は分かる?

 

758:奈落の底でコアメダルを発見

世界は『ありふれた職業で世界最強』で、俺は転移してきたクラスの一人です。

親友の主人公・南雲ハジメと奈落に落ちた時に前世の記憶と転生していたことを思い出したのですが、落下先が遺跡のような部屋で、石棺が置かれてたんですよね。それを触ったら……こうなりました。

なんでこれがこの世界にあるんですかねえ……。

 

【解放された石棺と、タカコアメダルを持っている右手の画像】

 

759:時空管理局執務官555

oh……。

 

760:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

なるほど、要素複合系の世界か。

 

761:学園都市のビルド

原作の世界にライダー要素が混じってる場合だな。というか封印解いちゃったかあ……。

 

762:奈落の底でコアメダルを発見

石棺から零れたメダルを見てようやく「これオーズじゃぁん……」って気づいたので……。後悔しても後の祭りですが

 

763:鎧武が斬る!

やっちゃったのはしゃーない。それより主人公の魔王は?

 

764:奈落の底でコアメダルを発見

それが問題でして……封印を解いた時点ではまだここまでのトラブルではなかったんですよ。

 

765:カブト@ユニオン指揮官

ふむ。既に相当なトラブルではあると思うが。グリードも解放されたのだろう?

 

766:ラタトスクの剣士@クロスセイバーまであと5本

そういえばアンクはいるのか? 右腕で

 

767:奈落の底でコアメダルを発見

ええ、居たには居たんですが、それがとんでもない問題となってまして……これを見てください。

 

【右腕が無い少年と融合している鳥系グリードの右腕】

 

768:鎧武が斬る!

 

 

769:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

 

 

770:ラタトスクの剣士@クロスセイバーまであと5本

 

 

771:時空管理局執務官555

 

 

772:カブト@ユニオン指揮官

 

 

773:学園都市のビルド

 

 

774:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

なぁにこれぇ?

 

775:奈落の底でコアメダルを発見

どうしましょう。これ……。

 

776:ラタトスクの剣士@クロスセイバーまであと5本

不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い不味い!!!?

 

777:学園都市のビルド

うわあ、これは大分ヤバいのでは……?

 

778:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

え、そんなにヤバい事態? 確かにビックリはしたけども

 

779:カブト@ユニオン指揮官

アンクが憑依したのが主人公というのが不味い。物語というのはよくも悪くも主人公を中心に進んでいくんだ。それが不在となれば今後どうなるかが未知数になる。

 

780:ラタトスクの剣士@クロスセイバーまであと5本

原作主人公に憑依しちゃった俺とは訳が違うし、そもそも存在すらしない世界より先が不明瞭になるみたい。ソースはジオウニキ。

 

781:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

それに初期のアンクじゃ絶対に身体返してくれないでしょ。転生者ってわけでもないだろうしね……。

 

782:鎧武が斬る!

確かに、大迷宮自体がシンプルに難易度跳ね上がるよなあ……。

 

783:奈落の底でコアメダルを発見

想定の数倍ヤバい事態だった。どうしよう……。

 

784:スペードの剣@ノーネーム復興中

話は聞かせてもらった

 

785:学園都市のビルド

ブレイドニキ! ブレイドニキじゃないか!

 

786:ラタトスクの剣士@クロスセイバーまであと5本

我らがブレイドニキが来た!

 

787:奈落の底でコアメダルを発見

え、この人有名な人?

 

788:時空管理局執務官555

インフレ極まる修羅神仏が跋扈する世界で緑の血を流しながらも戦い続ける皆の兄貴だよ

 

789:カブト@ユニオン指揮官

なおキックホッパーは関係ない模様

 

790:スペードの剣@ノーネーム復興中

待ってそんなふうに思われてるの俺? まあいいけど。

で、オーズ君の話は見させてもらった。

その上で俺から出来るアドバイスは「自分が信じたままに生きろ」

 

791:奈落の底でコアメダルを発見

 

792:スペードの剣@ノーネーム復興中

原作がどうこう言っても、今はもうオーズ君自身が生きている世界なんだ。だから君が思う通りに生きればいい。

勿論、好き勝手にすればいいというわけじゃない。悪い方にライダーの力を使えばディケイドやジオウが速攻で探知するし、俺達も許さない。

俺が言いたいのは、原作とか諸々の事は度外視して、「自分が絶対に譲れないもの」を確立させるんだ。

セイバー君もそうだろう?

 

793:ラタトスクの剣士@クロスセイバーまであと5本

……そうですね。俺が原作主人公の代わりを務めなきゃ。って最初は思っていたけど、精霊達と出会って、今は俺自身が彼女達を守りたいって思ってる。

 

794:鎧武が斬る!

俺も苦しむ人を救いたいとは思ってるけど、それはアカメとクロメの存在があってこそだから、そこが柱になってる。

 

795:スペードの剣@ノーネーム復興中

そういうことだ。ライダーの力には責任が伴う。君はその力を何の為に使う? それさえ分からないまま原作の事ばかり考えていたら、その生き様には必ず悔いが残るし、途中で折れることもある。

俺は問題児三人衆と馬鹿やってることが何より楽しいから、その絆の為にもう一度ブレイドになることを決めたんだ。

オーズ、君はどうする?

 

796:奈落の底でコアメダルを発見

……分かりました。それならもう、答えは決まってますよ。

オーズも原作も関係ない、俺自身の望みが。

 

797:スペードの剣@ノーネーム復興中

そうか、既に答えは出てたみたいだな

 

798:奈落の底でコアメダルを発見

ええ。ありがとうございました。確かに兄貴と呼ばれるのも納得ですね

 

799:学園都市のビルド

せやろ?

 

800:スペードの剣@ノーネーム復興中

なんでや

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「ふう………」

「どうするか決まったか?」

 

脳裏でアクセスしていた掲示板を一旦閉じた俺、火宮翼は目の前にいる親友、南雲ハジメ君……の身体を乗っ取ったグリード、アンクと真っ直ぐ向き合う。

……奈落に落ちた時の走馬燈で前世の事やこの世界の話を思い出したけど、元々これはハジメが白崎香織さんと仲良くしていたことを妬んだクラスの一人による意図的な行為だ。

けど、うぬぼれてるわけじゃないけど、この世界で香織さんは俺に良くしてくれている。ハジメとも仲はいいけど、それは俺がハジメの親友だからこそ生まれた付き合いだろうね。

 

つまり、本来狙われたのは俺なんだ。それにハジメは巻き込まれただけだ。

その上、俺がグリードの封印を解いたからアンクの宿主になって……俺のせいでハジメが苦しんでる、俺のせいで世界が終わってしまう。という罪悪感に潰されそうになって、苦しかった。

スレ民に相談していた時も実はずっと心が痛んでた。

 

けど、ブレイドニキは「自分が信じたままに生きろ」と言ってくれた。

その言葉を聞いた時に思い出したのは、大切な人達の顔。

オタクな親友のハジメと幸利、いつも気を使ってくれた香織さんや雫さん、相談に乗ってくれた愛ちゃん先生……。

親が居なかった俺と優しくしてくれた皆、そうだ。この思い出は俺、火宮翼だからこそ得られた日々なんだ。

 

……皆には大切な家族がいる。元の世界で心配している人達がいる。

だったら、俺は皆を無事に家族の下へ帰してあげたい。

それが、俺に出来る一番の恩返しだろうから。

それが、俺が絶対に譲れないことだから

 

だから、まずは

 

「決めたよ。アンク。俺の望みは大事な仲間を守る事。無事に元の世界に送り届けること。その為には、この理不尽な世界に負けない力がいる。だから取引だ」

「はん。俺に取引を持ちかけるなんてな。いいぜ。言ってみろ」

「お前が完全体になれるようにコアメダルを集めるのを協力する。その代わり、お前は絶対にハジメの身体、魂を、心を、命を守れ。絶対にだ。それが出来ないなら、俺はお前以外の他のグリードと結託してでもお前とハジメを引き剥がす」

「…………正気か、お前」

「お前が乗っ取ったその人は、俺にとってそれだけ大切だってことだ」

 

俺の決意は固い。他のグリードを利用するというのも冗談や脅しじゃない。コイツがハジメの身体を無下に扱うなら俺は本気でそうするつもりだ。

俺の目が本気だと察したのか、アンクは一瞬たじろいた。実際オーズの力が自分の下に無ければ右手一本のコイツはほぼ無力だろうからね。

……いや、たじろいたというか、なんだろう。何処か俺に羨望というか、眩しいものをみたような……。

いや、それは今はいい。アンクがハジメの身体を大事にすればそれでいい。だから俺は宣言する。

 

「その代わり、約束できるなら、オーズだろうとなんだろうとやってやる。どんな相手でも戦ってやるさ!!」

 

俺がそう啖呵を切った時、丁度巨大な熊が現れた。

覚えている。ハジメの腕を斬り落とした奴だ。確か爪熊とか言われてた気がする。

……アンクが乗っ取った時、ハジメにはもうすでに右腕が無かった。原作だと左腕だった気がするけど、もうそれは些細な差異でしかない。

 

「……まずは、お前に仕返ししないといけないな。俺の親友の腕を食い千切った事を!!! アンク!!!」

「チッ……仕方ねえ、だったら俺を納得させてみろ! この奈落を攻略して、お前の言葉が嘘じゃねえって見せてみろ!」

 

そう言ってアンクの手から2枚、黄色と緑のメダルが投げられた。

ああ、やってやるさ、だからそこでしっかり見てろ!

 

キャッチした2枚と、持っていた赤いメダルを【オーズドライバー】の【オーカテドラル】にセット!

右腰から【オースキャナー】を引き出し、斜めにスライドさせたドライバーの上を走らせたら、後は、覚悟を決めるあの台詞―――

 

 

「変身!」

 

 

《 タカ! トラ! バッタ! 》

! ! !》

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

801:魔王オーマジオウ・トリニティ

ハッピーバースディ! 祝え! 仮面ライダーオーズの誕生を!

 

802:学園都市のビルド

お前が祝うんかい。




掲示板
転生したディケイドがお互いの世界を確認し合って異常を抑制しあう為と、転生者が事故を起こさないようにするためにジオウと協力して作成した掲示板。
基本的には雑談で用いられているがライダー大戦のような緊急時の連絡網としても機能している。

学園都市のビルド
転生世界:とある魔術の禁書目録
世界融合でエボルトを倒したものの、『とある』世界と融合してしまい、更にNewWorld関連の事件も起きたせいで中々休めずにいる。
そんな中で出会いが無い事にショックを受け、スレに愚痴を吐いたが実際気にはしているものの「自意識過剰な正義のヒーロー」としての誇りがある為、現状に不満はない
そんな彼にも近い将来出会いがあるかもしれない。

鎧武が斬る!
転生世界:アカメが斬る!
アカメとクロメの運命を変える為に幼少期から活動を開始。奔走しまくってなんとか姉妹の別離という運命は変える事が出来たものの、鎧武の要素が混ざったことでヘルヘイムの森、ひいてはアーマードライダーのライダーバトルによって原作以上の乱世となってしまっている。
混沌を巻き起こしてしまった責任に心を痛めながらも贖罪と姉妹を守った事を無駄と言わせないためにナイトレイドとして戦っている。

テラの未来を変えられるのはただ一人。俺だ!
転生世界:アークナイツ
転生者殺しの魔境と言われるほどのアークナイツ世界においてロドスアイランドでゼロワンとして活動を始めた。
スーパーコンピューターとしてゼアが存在し、ゼロワンドライバーやオペレーター達から貰ったデータでプログライズキーを製造している。
ヒューマギアならば鉱石病に罹患しないのではという考えて製造を進めてはいるが、ライン生命やこの世界にあるザイアコーポレーションがどう動くか分からないことや、悪意がはびこるこの世界でヒューマギアの扱いが完全な道具になってしまうことも危惧し表には出さないでいる。

スペードの剣@ノーネーム復興中
転生世界:問題児たちが異世界から来るそうですよ?
転生先でブレイドの適合者になった。剣崎と同じように戦い続けた結果、自身がアンデッドと化し、不死の存在となった事で人間社会から姿を消した。
その後招待状を受け取り、箱庭に招待されノーネームに加入したことで
長らく忘れていた人との交流を取り戻し、その絆を守る為に今は戦うことを決意した。
人生経験が圧倒的に長いため、スレ民達からは「兄貴」と慕われている。実力が普通に高く、チートの一人に数えられる。

奈落のOOO@魔王が右腕に乗っ取られた
転生世界:ありふれた職業で世界最強
コテハンは次回から変更。
記憶が無いまま転生したにも関わらず、原作が始まる前の時間軸に干渉したことでハジメと清水の他、香織と雫の二人と親しくなった代わりに勇者(笑)や小悪党組からは凄まじい嫉妬(勇者は自覚無し)を向けられている。
当初職業の表示がバグっていたが封印を解いたことで「欲望の王」となっている。
元々手が届く範囲にいる仲間は守るという精神だったため、ハジメがアンクに乗っ取られたことで罪悪感に苛まれていたがブレイドニキによって立ち直り、仮面ライダーオーズとしての覚悟を決める。


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2スレ目

反応良かったのと、ネタが思いついたので2話目です
個々の内容に関してはメインの話はあまり決めずに進めておりますので色々な世界のお話になるかと


201:魔王オーマジオウ・トリニティ

皆最近何か面白い事とか、大変な事件とかあった?

 

202:ラタトスクの剣士@クロスセイバーまであと4本

唐突過ぎて草生えて困惑する。

 

203:ΑGITΩ@現在28階層

まあ、魔王様はマイペースがデフォルトだからね

 

204:カブト@ユニオン指揮官

此方は重桜がワームに支配されていたのが分かったからマキシマムハイパーサイクロンで上層部を建物ごと一掃した。汚職とかも全部綺麗に掃除したから今後はユニオンと同盟組めるかもしれないな。

 

205:スペードの剣@アンダーウッド収穫祭満喫

いやあ、巨龍相手は大変だった。ロイヤルストレートフラッシュでぶった切らなかったらどうなっていたことか

 

206:オカ研所属龍騎

シレッと凄い事やってるんだけどそこのカブトムシ二人

 

207:アルザーノ魔術講師ウィザード

巨龍ぶった切ったってどういうことなの……。

 

208:スペードの剣@アンダーウッド収穫祭満喫

いやいや、そんな大したことはしてないよ。俺は美味しいとこを持ってっただけだ。チャージしている間にうちのお嬢様がディーンで巨龍の突進を受け止めてくれなかったらアンダーウッドはぶっ壊れてただろうし、十六夜と耀がいなきゃ大事な仲間を失うところだったからな

 

209:カブト@ユニオン指揮官

此方はそもそも隕石が降ってきたのが渋谷、つまり重桜だったからな。

その時点で割と早々に占拠されてしまっていたそうだ。

そのおかげか重桜は中々ブラックだったからな。同じKAN-SENとして無視できないとエンタープライズやボルチモア達と一緒にワームとそのおこぼれに預かる腐った政治家共を全部始末した。

 

210:ΑGITΩ@現在28階層

二人共凄いなあ……

 

211:魔王オーマジオウ・トリニティ

特にカブトニキはやるとなったら容赦ないからね。

 

212:カブト@ユニオン指揮官

自分が指揮するKAN-SENが望んだのであればな。無論、保護した重桜のKAN-SENの事もしっかりとケアするつもりだ。

グランマが言っていたからな。

 

213:ラタトスクの剣士@クロスセイバーまであと4本

ユニオン出身だからグランマなのねw

 

214:アルザーノ魔術講師ウィザード

うちはイヴが講師になったよ。グレンやセラと再会、和解できてほっとしてる。

あ、そういえばブレイドニキに一つ聞きたかったんだけどさ

 

215:スペードの剣@アンダーウッド収穫祭満喫

>>214

なんだ?

 

216:アルザーノ魔術講師ウィザード

箱庭に転移したけど元の世界大丈夫? またねじれこんにゃく出てこない?

 

217:スペードの剣@アンダーウッド収穫祭満喫

ああ、それなら心配ないぞ。統制者潰したから

 

218:ΑGITΩ@現在28階層

ファッ!?

 

219:アルザーノ魔術講師ウィザード

待って待ってどういうことなの

 

220:オカ研所属龍騎

>>217

マジだぞ。この人人間社会から消えてずっと統制者潰す為に動いて、何十年も戦い続けてようやく統制者の意思とでも言うべき超巨大モノリス(ジオウに出てきたアレ)をぶった切ったから

 

221:ラタトスクの剣士@クロスセイバーまであと4本

流石の豪快なぶった切り。剣士系ライダーの先輩として尊敬しますよ

 

222:スペードの剣@アンダーウッド収穫祭満喫

ついでにアルビノジョーカーと14も出てきたけど纏めてぶった切った

 

223:ΑGITΩ@現在28階層

>>220 >>222

マジでェ……? 巨龍といい色々ぶった切りすぎじゃないっすか?

 

224:カブト@ユニオン指揮官

それに比べたらワームの本拠地のビルごと吹き飛ばした俺は可愛い方だな。

 

225:アルザーノ魔術講師ウィザード

>>224

いやアンタも大概だぞ

 

226:スペードの剣@アンダーウッド収穫祭満喫

まあ、俺がやったことはバトルファイトが二度と行われなくなるということ。他の種族の繁栄の願いを潰したってことだ。

だが、それでも俺は今の世界を守りたかった。だから後悔はしていないし、その罪を背負い続ける覚悟も出来ている。

 

227:魔王オーマジオウ・トリニティ

いつ聞いても本当にブレイドニキの覚悟はガンギマってるよね

 

228:オカ研所属龍騎

俺もライダーバトル止めたくてもうまくいかなくて何度も折れそうになったけど、世界の運命を相手に戦ってるブレイドニキを見て勇気もらえたからな。

 

229:アルザーノ魔術講師ウィザード

やっぱり兄貴だねえ……

 

230:スペードの剣@アンダーウッド収穫祭満喫

あの、流石に恥ずかしいんだが……それよりセイバーニキ、カウントが一個減ったな?

 

231:ラタトスクの剣士@クロスセイバーまであと4本

あ、そうなんです。こっちも一人精霊攻略出来ました。

7本目の風双剣翠風ゲットです!

 

232:カブト@ユニオン指揮官

風双剣は7番だったな。七罪攻略したか

 

233:アルザーノ魔術講師ウィザード

あれ? 順番原作と違う?

 

234:ラタトスクの剣士@クロスセイバーまであと4本

そうなんですよね。まあ俺の行動が原因なんですが、順番全然違うんですよ。

最初に持ってたのが琴里の烈火で、その後が十香(界時)→八舞姉妹(流水)→六喰(黄雷)→美九(月闇)→折紙(最光)なんです。

で、あとは虚無、狼煙、激土、鈴音です

 

235:オカ研所属龍騎

相変わらず思うんだが初手界時は割とヤバい。

 

236:ΑGITΩ@現在28階層

いきなり時止めはジオウニキの特権だぞ

 

237:魔王オーマジオウ・トリニティ

俺も別にいきなり使ってたわけじゃないけどね?

 

238:ラタトスクの剣士@クロスセイバーまであと4本

俺もいきなりアレが出てくるとは思って無くてひっくり返りましたw

けど最初は界時抹消、変身はおろか、そもそも槍モードにもできなかったのでずっと剣モードで烈火との二刀流で戦ってました。

 

239:スペードの剣@アンダーウッド収穫祭満喫

初手のサブウェポンにしては贅沢すぎるんだが?

 

240:奈落のOOO@魔王が右腕に乗っ取られた

進展があったので報告しまーす

 

241:カブト@ユニオン指揮官

お、オーズ君

 

242:ラタトスクの剣士@クロスセイバーまであと4本

元気そうで何より

 

243:オカ研所属龍騎

例の新人かな? 初めまして!

 

244:奈落のOOO@魔王が右腕に乗っ取られた

どうも! ずっと奈落の魔物相手にオーズの特訓をしていました!

ようやく最深部のヒュドラを倒してオスカーの隠れ家に辿り着いたところです!

 

245:ΑGITΩ@現在28階層

コンボ無しの亜種だけでよくそこまで行ったねえ……。

 

246:奈落のOOO@魔王が右腕に乗っ取られた

いや本当に大変だった!! アンクは見定めてやるって言って全然助けてくれないし! いやそれはハジメの身体だから全然いいんけどな!?

問題はユエ、というかアレーティアがアンクと過去からの縁があって二人がいちゃついてることだよ!!

 

247:魔王オーマジオウ・トリニティ

ああー……。小説版のアンクの章的な

 

248:ラタトスクの剣士@クロスセイバーまであと4本

中身が違ってもハジメ×ユエなんだw。

 

248:アルザーノ魔術講師ウィザード

三人しかいない中で自分以外の男女がイチャイチャしてりゃ、そりゃあねえ……

 

249:奈落のOOO@魔王がアンクに乗っ取られた

アレーティアは久しぶりに出会えたアンクに一切遠慮しないで甘えてるし、それをアンクは見せつけて俺の悔しそうなとこ見て愉悦ってるし!!!

仕返しのつもりか畜生が!!!!

 

250:スペードの剣@アンダーウッド収穫祭満喫

落ち着け。荒れれば荒れる程思うつぼだぞ

 

251:奈落のOOO@魔王が右腕に乗っ取られた

だから最後の方は無心で魔物を討伐してました。

早く香織さんや雫さんに会いたい……二人共心配してるだろうし、それに檜山の近くに居させたくない! 回復したら速攻でオルクス迷宮逆行して会いに行く予定。

 

252:カブト@ユニオン指揮官

檜山は檜山だったか。勇者(笑)はどうなることやら。

 

253:オカ研所属龍騎

その勇者に(笑)が付いてる時点で大体どんな奴か察した。

 

254:ラタトスクの剣士@クロスセイバーまであと4本

その想定の数倍アレだぞ。D×D世界の曹操から思慮と覚悟を取っ払った上で思い込みの強さを5倍にしたようなやつ

 

255:オカ研所属龍騎

うわあ良いとこ一切ねえ

 

256:アルザーノ魔術講師ウィザード

最低限カリスマは持ってるけど、寧ろデバフという感じ

 

257:奈落のOOO@魔王が右腕に乗っ取られた

天之河はともかく、清水や愛ちゃん先生は心配だからね。一先ず戻って無事な姿を見せたい。

復活したグリードの動きも気になるし。

というかアンクとアレーティアのイチャラブをこれ以上見せつけられたくない……

 

258:魔王オーマジオウ・トリニティ

絶対最後が本音だw

それよりリリスとアナの弁当がめっちゃ美味しい

 

259:オカ研所属龍騎

強く生きてくれ

それより恋人のファムの耳かきがめっちゃ気持ちいい

 

260:カブト@ユニオン指揮官

リア充空気に負けるな

それより明日ノースカロライナと映画を見に行くことになった

 

261:ラタトスクの剣士@クロスセイバーまであと4本

頑張ってね

それより温泉旅行券を貰ったから精霊達と行こうかな

 

262:ΑGITΩ@現在28階層

気を落とさないように

それよりルクスやフィリアと一緒に過ごす家を検討中

 

263:アルザーノ魔術講師ウィザード

全員追い打ちかけてて草

それよりリィエルが苺タルト食べてるのが可愛くてどんどんあげてる

 

263:奈落のOOO@魔王が右腕に乗っ取られた

>>258 ~ >>263

それが人間のやることか貴様らァ!!!

 

264:スペードの剣@アンダーウッド収穫祭満喫

残酷すぎて草。

かくいう俺はそういうのと縁が無いわけだけども

 

265:魔王オーマジオウ・トリニティ

>>264

君は黒ウサギちゃんの想いにはよ気付きなさい

 

266:カブト@ユニオン指揮官

あと最近褐色赤髪の美女を落としたそうだな

 

267:スペードの剣@アンダーウッド収穫祭満喫

何の話だ?

 

268:ラタトスクの剣士@クロスセイバーまであと4本

駄目だこれ

 

269:オカ研龍騎

ブレイドニキや555ニキの鈍感は今に始まったことじゃないだろ。

ついでにフォーゼニキとドライブニキも

 

270:ΑGITΩ@現在28階層

流れ弾当たりすぎな件。

 

271:奈落のOOO@魔王がアンクに乗っ取られた

覚えてろ……再会したら思いっきり羨ましがるくらいのことしてやる

 

272:鎧武が斬る!

はいはい任務帰りの鎧武が通りますよ

アカクロ姉妹と一緒にな

 

273:ラタトスクの剣士@クロスセイバーまであと4本

鎧武ニキ乙ー

 

274:オカ研所属龍騎

任務乙。無事で何より

 

275:奈落のOOO@魔王が右腕に乗っ取られた

>>272

鎧武―タスオンドゥルルラギッタンディスカー!!

 

276:ΑGITΩ@現在28階層

鎧武―タスwww

 

277:スペードの剣@アンダーウッド収穫祭満喫

>>275

それ俺のー……

 

278:鎧武が斬る!

乗らざるを得なかった。それでようやく進展あったんわ。

レオーネがタツミを連れてきた

 

279:アルザーノ魔術講師ウィザード

原作主人公キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 

280:カブト@ユニオン指揮官

アカ斬るの主人公はアカメだいい加減にしろ

 

281:魔王オーマジオウ・トリニティ

永遠に終わらない議題はそこまでだ。それにしてもこれからだね

 

282:鎧武が斬る!

ああ、バンバン戦死者が出る地獄の物語の始まりだ……

 

283:スペードの剣@アンダーウッド収穫祭満喫

ついに来たか……

 

284:ラタトスクの剣士@クロスセイバーまであと4本

うう、来てほしくなかったような……

 

285:鎧武が斬る!

まあ、可能な限り救える命は救っていくよ。ただそれでも限界はあるだろうし、救うためには斬らなきゃならない……覚悟は出来てる。転生したあの日からずっと

 

286:奈落のOOO@魔王が右腕に乗っ取られた

なんで剣士ライダーはここまで覚悟ガンギマってるの……?

 

287:ΑGITΩ@現在28階層

世界が世界だからかなあ。実際現実として死人が出ると結構心くるよ。

ハザードしたビルドニキもそうだったし

 

288:オカ研所属龍騎

実際自分で手を掛けるとなあ……俺は逆に不殺を貫く覚悟をしたけど、やっぱ甘いかな?

 

289:スペードの剣@アンダーウッド収穫祭満喫

>>288

いや、龍騎ニキはそのままそれを貫いてほしい。

茨の道だろうけどそれが優しい君の在り方だろうし、難しいことで立ち止まって悩むより、突っ走った方が『らしい』からな。

 

290:鎧武が斬る!

>>288

俺らはもう後戻りできないからさ。龍騎ニキが頑張っているなら元気づけられるんだ。これからも眩しいアンタでいてほしい。頼んだぞ

 

291:オカ研所属龍騎

…………へへ、ありがとよ鎧武ニキ、ブレイドニキ

 

292:魔王オーマジオウ・トリニティ

いい話だなあ

 

293:OOO@魔王が右腕に乗っ取られた

やっぱライダー同士、助け合いですね!

 

294:カブト@ユニオン指揮官

さっきの一連のリア充アピールリンチから目を逸らすな

 

295:OOO@魔王が右腕に乗っ取られた

あーあーきこえなーい

 

296:ラタトスクの剣士@クロスセイバーまであと4本

そういえば言い出しっぺのジオウニキは何してんの?

 

297:魔王オーマジオウ・トリニティ

ん? 崩壊現象に巻き込まれて絶賛世界崩壊に巻き込まれそう

龍姫ちゃんとアリエスちゃんが空間斬ってるけど一向に手ごたえない状態だね

 

298:ΑGITΩ@現在28階層

>>297

いやシレッととんでもない状況じゃん!?

 

299:アルザーノ魔術講師ウィザード

>>297

呑気に掲示板開いてる場合ちゃうやろが

 

300:鎧武が斬る!

>>297

ホントフリーダムが過ぎるんよジオウニキ。




魔王オーマジオウ・トリニティ
転生世界:トリニティセブン
ジオウトリニティがある上でこの世界での魔王の称号というのも「トリニティ」だからややこしさ極まりない人。
正確に言えば原作ではなく、「原作とよく似た平行世界」において魔王候補として生まれた。
その為、彼のトリニティセブンは若干の差異があり、アリエスや果心龍姫、東雲鈴香といった人物がその座に就いている。
平行世界故に原作知識が全く通用しなかったが「なんか行ける気がする」で突破しまくる凄い人。流石我が魔王。


カブト@ユニオン指揮官
転生世界:アズールレーン
セイレーンとワーム、ネイティブの三つ巴という状況下でネイティブから齎されたカブトゼクターに選ばれた男。
欧米人版天道。グランマが言っていた。
KAN-SENのレッドアクシズへの分断がワームの工作による意図的なものと言うことを察知し、各勢力が協力できるように尽力している。
高潔な性格でありつつ、人付き合いもノリも良い為、ユニオンKAN-SENに滅茶苦茶慕われている。どちらかと言えばキャップ。
知識が豊富でスレの解説ニキでもある。


ラタトスクの炎の剣士@あと4人
転生世界:デート・ア・ライブ
五河士道に憑依転生してしまった男。まさかの状況に絶望しながらも「主人公の代役」を演じる事で世界を守ろうとした。
原作と異なる展開に焦っていた中で遭遇した時崎狂三や星宮六喰に自分の在り方を「偽物」「偽善」と断じられたことで一時期病んでしまっていた。
そんなときにブレイドニキに「お前が助けた精霊の笑顔は本当に偽物か?」と問われたことで目を覚まし、本気で精霊を守りたいという「本当の主人公」に至った。
将来の決戦を前にクロスセイバーの完成を目指しているが、ライドブックが中々見つからないのでセイバー以外の他のライダーが不在という状況。


オカ研所属龍騎
転生世界:ハイスクールD×D
イッセーの親友に転生。通称「おっぱい馬鹿と馬鹿頭」。
オカルト研究部に入ってはいるものの悪魔に転生はしていない。
ライダーのみならず、神滅具所有者も巻き込まれたライダーバトルの戦いを止める為に二人で頑張っている。
彼らの決して諦めない姿に心を打たれたのか、協力してくれるライダーは少しずつ増えており、ライアの他にもナイトやタイガが仲間になっている。
同じ転生者のファムと付き合っているおしどりカップルだがゼノヴィアからも熱烈なアプローチを受けている。


アルザーノ魔術講師ウィザード
転生世界:ロクでなし魔術講師と禁忌経典
当初は帝国宮廷魔導士団特務分室に所属しており、グレンやセラ、イヴとよく四人で絡んでいた。
友人のグレンとイヴの希望を守る為に原作開始前の時点で介入し、セラを生存させたが、独断行動の責を取る為に特務分室から追放された挙句、正義キチに狙われ、おまけに原作主人公の代理で魔術講師をすることになるという、グレンの苦労を全部背負った人物。
その後は生徒達の希望を守っていく中で慕われており、なんとか上手く原作で起きる事件やファントム絡みの事件を解決している。


スペードの剣@ノーネーム復興中
チート具合が詳細になった人物。出来ない事は世界を越えることくらい。
デカイ相手はキングラウザーの獲物とばかりにぶった切りまくる。
ただ、それでも「全部一人で出来たわけではない」と自分以外の人の功績を立てる聖人。
長く一人で生きていたせいか、異性からの好意に全く気付けない超鈍感。555ニキ以上。


鎧武が斬る!
もう一人の覚悟ガンギマリ勢
「人を守るためのライダーの力で人を斬らなければならない」という、禁断の行為を行わなければならず、「如何に悪人と言えども人斬りの自分は仮面ライダーを名乗る資格が無い」と、あくまで「アーマードライダー」の名乗りを通している。
それでもなお、この戦いの先の世界には明るい夜明けが来ると信じて戦い続けている。
ブラートを死なせたくないが、それではタツミがインクルシオを受け継げない事が目下最大の悩み。


奈落のOOO@魔王が右腕に乗っ取られた
ユエ、もといアレーティアがアンクと封印前の既知だった衝撃の事実が判明し、絶賛のけ者中。
しかし奈落の魔物相手にタトバ及び亜種フォームだけで戦い続け、ラスボスのヒュドラも倒した事で基礎的な体力と身体能力は大幅に向上。
少し休んだら逆行して友や想い人に会いに行く。アンクはハジメの錬成師の技能を使って何やら考えがある模様。


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3スレ目

勢い任せて連投です。
感想くれたら幸せになります。


401:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

ブイブイブイテューヌらしき次元に居ます。うわあ本物だああ……!

 

402:ΑGITΩ@現在29階層

俺の推しは!? こんれーなーは居る!?

 

403:学園都市のビルド

余はいるのか余!?

 

404:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

頼む! 一目でいいから第二皇女を見せてくれ!!

 

405:使い魔クウガ

必死過ぎるなあ……

 

406:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

めっちゃ居る。原作に出てない人たちもいる。凄いわこれ

 

407:キバってダンまち

というかエグゼニキまーた世界超えたの?

 

408:ΑGITΩ@現在29階層

それは俺も思う。ディケイドの専売特許だよそれ

 

409:使い魔クウガ

まあこのスレの住民じゃ珍しくもないよね

 

410:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

それはそう。何しろこのギョウカイ、世界の隔たり緩いからねえ。ゲームエリアを通じて繋がっちゃうことが多々ある。

 

411:装者全員と友達になる男

いやそれでもギャラルホルンよりかは節操あると思うぜ? ゲイムギョウカイ関係の世界とだけ繋がるから。

この間555ニキとあったぞ俺。

 

412:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

俺自身は転移したことはないけど、少し前に別世界から4人ほど流れてきたなあ……

世界観あってるようで間違ってる傭兵四人が

 

413:ΑGITΩ@現在29階層

>>412

虹6コラボじゃん

 

414:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

アポロチョコ……ウワァァァァァァァァァァァァァァァ!!

 

415:使い魔クウガ

なんかトラウマ刺激されてる……

 

416:装者全員と友達になる男

というか世界超える時の感覚って結構気持ち悪くならね? なんか、身体がその世界から溶けるような、途中で途切れてる感じが

 

417:学園都市のビルド

あー、それ分かる。新世界創造の時なんか全身バラバラになるんじゃないかって思った

 

418:使い魔クウガ

流石にビルド君ほど混沌とはしてないけども、俺もルイズに呼び出された時にそういう感覚はあったなあ。

あ、俺死ぬんだって勘違いした

 

419:キバってダンまち

僕は経験ないから話を聞いてもいまいち実感が湧かない……こればかりは経験した人じゃないと分からないのかな

 

420:ΑGITΩ@現在29階層

ダイブする感覚に似てるかも。アレもなんか、ふわーってする虚無感が一気に来る。

 

421:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

こういうのディケイドニキやジオウニキの専門だと思ってたけど、意外と経験者いるんだね。僕もそうだけどさ

 

422:使い魔クウガ

転生先の世界がそういう要素あるとねえ。流石に自由度は劣るけど。

 

423:装者全員と友達になる男

ギャラルホルンは結構融通効くけど、勝手に起動するときもあるからそこでオーロラカーテンに劣るかもな

 

424:使い魔クウガ

>>421

ブレイドニキとファイズニキも転移や次元渡航は経験者だしね。あとオーズ君もそうだったか

 

425:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

俺は転移は絶対できねえ……鉱石病を余所の世界へ持ち出すわけには……!

 

426:ΑGITΩ@現在29階層

そこんところどうなんだろうね。ゲイムギョウカイとかエグゼイドの技術で鉱石病なんとかできない?

 

427:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

分からないけど、それは流石に世界間のルール違反になると思うよ

 

428:ΑGITΩ@現在29階層

だよね。聞いてみただけ。

 

429:冬木のゴースト@聖杯戦争終わった、けど……

あのぉ………

 

430:学園都市のビルド

お、ゴーストニキじゃん!! 久しぶり!!!

 

431:使い魔クウガ

生きてたんだね! 麻婆神父との最終決戦に挑むって言ってから音沙汰無くて心配してたんだよ!!

 

432:装者全員と友達になる男

おかえり! 本当に久しぶりだな! 一ヵ月くらい音沙汰なかったろ!!

 

433:キバってダンまち

いや、ゴースト君既に死んでるからね? というかコテハンどうしたの?

 

434:冬木のゴースト@聖杯戦争終わった、けど……

>>433

まあ、死んでる云々はゴーストなので……。いやそんなに時間経ってたの!? 心配かけてすみませんでした。色々あって……

 

435:ΑGITΩ@現在29階層

何? 第六次聖杯戦争おきそう? それともホロウ始まった?

 

436:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

第六次は洒落にならないんだけどなあ

 

437:冬木のゴースト@聖杯戦争終わった、けど……

>>435

いやあ、それだったらどれだけよかったか……

 

438:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

まあ、とりあえず話聞こうか。何があったの?

 

439:ムーンセルのゴースト@月の聖杯戦争参加者

コテハン変えました。これで察してください。

 

440:使い魔クウガ

は?

 

441:ΑGITΩ@現在29階層

はっ?

 

442:装者全員と友達になる男

え、マジで?

 

443:キバってダンまち

ええ……? うそでしょ……?

 

444:学園都市のビルド

どうして……?

 

445:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

どういう事なんだ……

 

446:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

ああ、そういうことね。武蔵ちゃんだろ?

 

447:ムーンセルのゴースト@月の聖杯戦争参加者

はい、そういうことですね……。愉悦神父倒した直後に武蔵ちゃんの転移が始まって、それに巻き込まれて、気付いたら……はい、月海原学園に居ました。どうしてだよぉ……

 

448:学園都市のビルド

武蔵ちゃんここ一番での大ポカしてんじゃないよ!!!

 

449:ΑGITΩ@現在29階層

い、いや第五次聖杯戦争を武蔵ちゃんと共に乗り越えたゴースト君なら……

 

450:ムーンセルのゴースト@月の聖杯戦争参加者

武蔵ちゃんイレギュラーなサーヴァントなので組めません。

 

451:ΑGITΩ@現在29階層

\(^o^)/オワタ

 

452:キバってダンまち

不幸度合高すぎませんかねえ、ゴースト君……

 

453:学園都市のビルド

うちの不幸さんといい勝負だな……

 

454:ムーンセルのゴースト@月の聖杯戦争参加者

というかもう予選始まってて、一向にサーヴァントが来てくれないです。どうしよう

 

455:使い魔クウガ

スレ開いてる場合じゃないよね!!?

 

456:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

予選落ちしたらそのまま消えるんじゃ!?

 

457:ムーンセルのゴースト@月の聖杯戦争参加者

いや聖杯戦争終わった直後にまた聖杯戦争って、ホントどうして……

 

458:装者全員と友達になる男

ここはダチの台詞を使わせてもらうぜ! 生きることを諦めるな!!!

 

459:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

武蔵ちゃんを置いて消えていいのか!!?

 

460:キバってダンまち

そうだよ! それに士郎君達のとこに帰らないと!!

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

散々走り回り、疲れ果てて膝を突きそうになった時、フォーゼニキとゼロワンニキ、キバニキの言葉が僕を踏みとどまらせた。

そうだ、僕はまだあの、第五次聖杯戦争の結末を見届けていない。

士郎君は、遠坂さんは、間桐さんは、イリヤちゃんは、セイバーさんは、聖杯は……?

本当に戦いは終わったのか? 僕が消えて心配もしているだろう。

 

 

それに、僕が今いるのは武蔵ちゃんが居たからだ。

 

 

僕は冬木市の、第四次聖杯戦争で起きた、聖杯戦争の大火災で死んだ子供に憑依した。

親もいないし、頼れる人もいない。切嗣さんも僕の手は取れなかった。僕の身体は一度死んでるからそれは当然なんだけども。

 

……そんな僕の前に現れたのは、世界を越える流浪の旅をしていたセイバー、宮本武蔵だった。

珍しく腰を落ち着けて過ごせそうと語った彼女は、僕の事を精一杯愛してくれた。

彼女は僕にとって母親代わりで、姉代わりで、大好きなヒトになった。

 

 

『私はね、同じ世界にはずっとは居られないんだ。だから君と家族になれたのは、凄い奇蹟だと思うんだよね』

 

 

あの日、いつもの元気な武蔵ちゃんが切なく、本当に優しい声で言ってくれたあの言葉は、間違いなく本心からの喜びだったと思う。

 

……此処で諦めたら、そんな彼女を、泣かせてしまう。

 

 

「そんなの……いいわけ、ないだろッッッ!!!!」

 

 

……そうだ、僕が今此処で消えたら、彼女はまた一人だ。

もしかしたらいつか別れが来るかもしれない。

だけど、それはこんな悲しい死による別離じゃない。

笑顔で、「またいつか会おう」って、明日への希望に満ちたお別れであるべきだ!!!!

 

「まだ、僕は終わってない……ムーンセル! 僕というイレギュラーを排除したいのかもしれない。試して弄んでいるのかもしれない。だったら! 僕の生き様を、見せてやる!!!!」

 

 

『一発闘魂!!』

 

 

燃え上がるような『闘魂ブーストゴーストアイコン』を起動させる。

あの、冬木での最後の決戦の時に発現したこの燃える魂を、今再び点火する!

 

『アーイ!』

『バッチリミナー! バッチリミナー! バッチリミナー!』

 

「変身!」

 

『闘魂カイガン! ブースト!』

『俺がブースト!奮い立つゴースト!』

『Go!Fight! Go!Fight! Go!Fight!』

 

「命、燃やすぜッ!!!」

 

『サングラスラッシャー!』

 

ゴーストドライバーから召喚された刀剣を手に取り、正面に立ちはだかる無数のエネミーを見据える。

ムーンセルにとっては間違いなく僕は余所者でイレギュラーだろうけど、だからと言って素直に消えてやるつもりはさらさらない!!

 

「オオオオオオオオオッ!!!」

 

一気呵成!

真っ直ぐに突っ込み、次々とエネミーを叩き斬る!

この程度、聖杯の泥に比べたら全然大したことない!!

ただ、突き進め! この命を燃やし尽くすまで!!

 

「だから、道を開けろ!!!」

 

メガマブシー! メガマブシー!

メガ! オメガシャイン!

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

466:使い魔クウガ

やだ、ゴースト君カッコいい……

 

467:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

覚悟決めたライダーはそりゃ、強いよ……

 

468:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

ここにジオウニキ居たら祝ってた気がする。

 

469:魔王オーマジオウ・トリニティ

祝え! 月の聖杯戦争の舞台で命を燃やす、仮面ライダーゴーストの再誕を!

 

470:装者全員と友達になる男

>>468

爆速フラグ回収

 

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「う、おっと!?」

 

突き進んでいた僕の前に現れたのは巨大エネミー。

流石にこのサイズの相手をしたことはないけど……とはいえ、もう俺は立ち止まらないからね!!

 

「動きが遅い!!」

 

振り下ろされる拳も、踏みつけてくる足も、この程度は見切っている!

ランサーはもっと速かったし、バーサーカーの一撃はもっと重かったし、アーチャーに比べたら行動パターンも単調すぎる!!

 

「せい!!」

 

サングラスラッシャーの一閃で怯ませたらすぐに投げ捨ててゴーストドライバーのレバーを引く!

 

『闘魂大開眼!』

『ブースト! オメガドライブ!』

 

「ハアアアアアアアアアアアアッ!!!!」

 

巨大エネミーの胸部に蹴りを叩き込み、後ろの壁まで叩きつける!!!

そしてエネミーの装甲と壁をそのままぶち破る!!!

 

「はあ、はあ……はあ……」

 

壁を突き破った先にあったのは、ステンドグラスに囲まれた空間……。

ダイブトゥハートみたいだ、とかいう意外と悠長な思考をしながらも気を取り直す

……うん、此処は、サーヴァントと出会う場所。

此処で出会えなければ、僕はそのまま消えることになる。

 

勿論、消えるつもりは一切ない。まだまだ、やれるだけ足掻いて見せる。

だから、力を貸してくれ―――!!!

 

『ええ、ええ、その言葉、確かに聞き入れましたとも!』

 

こ、この奈〇様ボイスは!!

 

『覆せぬほどの逆境にあってなお絶えぬ戦意! ええ、その信条、我が身の全てを賭けるに些かの不足なし!』

 

呵々大笑。

白く、眩しく、恐ろしくも美しい軍虎がそこに立っていた。

 

「我こそは刀八毘沙門天の化身、長尾景虎! 弱く強きものよ、そなたの為さんとする大業、我が身の全てを賭けるに些かの不足なし。──改めて、よろしくお願いしますね!」

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

475:ムーンセルのゴースト@月の聖杯戦争参加者

とりあえず景虎ちゃんと戦っていきますが、武蔵ちゃんがめっちゃジト目で見てきますどうすればいいでしょうか

 

476:学園都市のビルド

知るかァッッ!!!!!




ムーンセルのゴースト@月の聖杯戦争参加者
転生世界:Fate/Stay Night→Fate/Extra
経緯は本文にある通りで、士郎や凛、桜と同じ穂群原学園に通っていた。
ストレンジャーである武蔵ちゃんがこの世界に辿り着いた際に世話をしており、柳洞寺で生活していた。
バットエンドがかなり多いSN世界で第五次聖杯戦争を止めたい士郎を死なせない為に武蔵ちゃんと一緒に介入し続けたがエンディング直前に時空転移に巻き込まれてしまった。
今はとにかく生き延びることを最優先に景虎ちゃんと月の聖杯戦争を戦い抜く。
内心、次はApocryphaに行くんじゃないかと嫌な予感がしてる。


ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ
転生世界:超次元ゲイムネプテューヌ関係の多元世界
プラネテューヌで世話になっているエグゼイド。ピンクだと名乗るのは流石に恥ずかしかったのでマゼンタと名乗っている。
当人曰く「リバイよりは赤い」とのこと。
前世からのゲーム好きがネプテューヌの性格とベストマッチだったため、早々に仲良くなった勝ち組。
普段は掲示板にあるような穏やかでのんびりしているが、天才ゲーマーMや女神化と同様の人格変化を持つ。


使い魔クウガ
転生世界:ゼロの使い魔
グロンギを全て倒し、ダグバとの一騎打ちの末にギリギリで勝ち取ったが、その直後にルイズによって召喚され、トリステイン魔法学院による治療を受けて一命を取り留めたという経緯がある。
その後、恩人であるルイズの使い魔として新たな冒険を始めることに。
あの時のアルティメットフォームには恐らくもう成れないだろうと思ってはいるが基本フォームだけで十分すぎる程に強い方。


ΑGITΩ@現在29階層
転生世界:ソードアート・オンライン
記憶を持たずに転生した人。
SAOにダイブし、茅場によるデスゲームが始まり、アバターが変わった瞬間、持っていたアギトの因子が反応を起こして覚醒。
記憶が戻ると同時にSAO内でアギトに変身する力に目覚めた。
実はSAOの原作を知らないため、キリトとは別々に攻略を進めており、そんな中でフィリアやルクスと出会い、救済してパーティを組んだ。
将来的にはラフコフ絶対潰すアギトとなるかもしれないとスレ民達の注目の的になっている。


装者全員と友達になる男
転生世界:戦姫絶唱シンフォギア
テレビ本編の物語は殆ど終わっており、現在はXDにおけるシナリオが中心。
前世の人間性が出やすい掲示板では少し抑えているが、実際はリアル弦ちゃんと太鼓判を押されるほどに友情漲る熱血漢。
ギャラルホルンの影響でディケイド程ではないが色々な世界にお邪魔しており、555ニキとも直接の面識がある。他にも巨人絶対駆逐するマンとか君を退屈から救いに来た巨人とか怪獣王閣下とか。
友情には敏感だが恋情には鈍感。装者の中では響や未来、切歌や調らはどちらかというと「異性の友達」程度だが、他のメンバー(奏やセレナを含む)は割と本気で狙ってたりする。


テラの未来を変えられるのはただ一人。俺だ!
最近ロドスにやってきたザイアの支部社長1000%が自分と同じ転生者で意気投合した。
ザイア本社のアークランド社長が野心家であることを知り、二人で協力してサウザーやメタルクラスタの開発を急いでいる。


学園都市のビルド
絶対能力進化計画を突き止める活動の裏で第四位と交戦。
へとへとになって施設をぶっ壊し、最後の決着は万丈と上条に託した。
その時の戦いがきっかけで麦野に目を着けられており、最近寒気がするらしい。嫌な出会いだったね……。
そんな大変な中でゴースト君の相談内容を聞けばそらブチ切れる。


魔王オーマジオウ・トリニティ
ウォズの代わりによく祝ってくれる。
掲示板管理人の一人なのですぐに把握できるらしい。


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4スレ目

色々な世界が見れたらいいなと思いながら投稿です。
今回は相談がメイン


101:IS学園の潜入刑事D

それでリバイニキ。おかしなこととは?

 

102:司波家長男リバイ

つい先程原作最初の、ブランシュ襲撃が終わったんですが、俺の知ってる原作と、弟の達也が全然違ったんですよね……。

原作では全部分解魔法のショットで片づけてたんですが、やたらと近接戦してて、しかもニヤリって感じで笑ってたんですよ! 深雪のこと以外では表情筋全然動かない達也が!

 

103:カブト@ユニオン&重桜指揮官

いやそれは間違いなく♰カゲロウ♰だろう

 

104:横浜を守る二色のハンカチ(左)

♰を付けるなw

 

105:使い魔クウガ

にしたって格闘戦ならともかく、あのお兄様がニヤリと笑うのはねえ……

 

106:司波家長男リバイ

マジでビックリしたよ。達也が絶対しない顔だったから。

……それにしても、まさかのカゲロウ憑依かよ……。

 

107:奈落のOOO@オルクス迷宮逆行中

原作キャラがライダーになってしまうことってあるんですか?

 

108:ラタトスクの炎の剣士@クロスセイバーまであと4人

>>107

それを言ったら俺は五河士道だよ? 憑依だけども

 

109:IS学園の潜入刑事D

>>107

龍騎や鎧武のとこでは確認できてるな。流石に珍しいけど

 

110:カブト@ユニオン&重桜指揮官

この場合は因果的な関係が原因だろうな。長男・次男・長女という関係で、長男がリバイになった。なら次男の達也=カゲロウと割り振られた可能性が高い。

 

111:司波家長男リバイ

そうかもしれないですが……、それにしたってカゲロウは悪魔ですよね? 感情が表出しないように調整されている達也に悪魔が宿るなんてあるのか……?

 

112:横浜を守る二色のハンカチ(左)

いや、表出しないって言っても例外はあるだろう?

 

113:使い魔クウガ

あ、そうか深雪ちゃんか!

 

114:横浜を守る二色のハンカチ(左)

そう、司波達也は妹が関わると感情が溢れ出す。此処からはあくまで推測になるんだが……リバイニキがライダーとしての力を得て、司波深雪を守れるようになった。そんな長男に次男の達也が嫉妬した……という可能性がある。

 

115:IS学園の潜入刑事D

あり得ない話ではないな。というか寧ろ可能性は高い。

 

116:カブト@ユニオン&重桜指揮官

リバイニキ。何か心当たりはあるか? 深雪関係で

 

117:司波家長男リバイ

あー、正直何かしたというわけじゃないんだけど、俺がリバイになって以降、深雪の中での順位が俺=達也と同等になっているみたい。それで達也が嫉妬したのか……?

 

118:ラタトスクの炎の剣士@クロスセイバーまであと4本

まあまあ、原因を考えるのは後ででもいいんじゃないか? それより今達也はどういう状態なんだ?

 

119:司波家長男リバイ

>>118

カゲロウに乗っ取られてはいないっぽいですね。あくまで主観だし、実際はどうなのかは分かりませんが、辛いカレーを食べたりとかはしてないです。言動もそのまま。ただ違和感とかは感じてるみたいで

 

120:横浜を守る二色のハンカチ(左)

それなら今できることは特に無いか。まさか直接「お前の中に今悪魔いる?」って聞くわけにもいかないよなあ

 

121:カブト@ユニオン&重桜指揮官

バイスの存在見てたら今更な気もするがな

 

122:司波家長男リバイ

嫉妬していたっていうのが正解なら不用意に聞いても答えてくれるか怪しいしなあ……とりあえずしばらくは達也の動向に気を付けておこうかなって

 

123:IS学園の潜入刑事D

そうか。まあ何かあったらいつでも相談してくれ

 

124:使い魔クウガ

もしかしたら一人でカゲロウを抑え込んでたりするかもね。お兄様だし。

けど、達也君がライブになるのは、なんかちょっと納得するかも

 

125:横浜を守る二色のハンカチ(左)

白いヒラヒラの銃使いだからなあ。っとすまん。用事だ。どうやらそろそろ組合との抗争が始まりそうなんだ。今フィッツジェラルドが武装探偵社を訊ねてきた

 

126:司波家長男リバイ

序盤の関門か。頑張れー。あと相談ありがとうございました!

 

127:カブト@ユニオン&重桜指揮官

俺も一度抜ける。ロイヤル&鉄血のガタック指揮官と会議があるんでな。

 

128:IS学園の潜入刑事D

ロイヤルと鉄血を併合したのか……凄いなガタック。

 

129:カブト@ユニオン&重桜指揮官

当然だ。俺の友だからな。ということでさらばだ

 

130:ラタトスクの炎の剣士@クロスセイバーまであと4本

いってらっしゃーい。さて俺も聖剣の手入れしないとな。

 

131:使い魔クウガ

武器の手入れ自分でやってるの?

 

132:ラタトスクの剣士@クロスセイバーまであと4本

いや、フラクシナスにリイマジ大秦寺さんが居て整備してくれてる。

 

133:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

武器の整備は体を鍛えるのと同じくらい大事だぞ

 

134:司波家長男リバイ

入れ替わりで来たな。ヒビキさんちっす

 

135:ラタトスクの炎の剣士@クロスセイバーまであと4本

お疲れ様でーす。仕事終わりですか?

 

136:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

そうそう。いやあようやくこっちにも慣れてきたよ。半蔵学園とは全然雰囲気違うね

というか半蔵学園で慣れてると思ったけど女子高に入るの凄い緊張するね

 

137:IS学園の潜入刑事D

分かる。俺は生徒として入ってるけど毎回見られるから落ち着かない。ベルトさんが話し相手になってくれなきゃきつかった。

 

138:ラタトスクの炎の剣士@クロスセイバーまであと4本

ウィザードニキも女性に変身して聖リリィ魔術女学院に派遣されたって言ってましたよね。

俺は美九が完全な男性不審になる前に救えてよかったと思ってる。女装しなくて済んだ!!

 

139:司波家長男リバイ

>>138

リバイ知ってる。こういうのフラグって言うの。

 

140:ラタトスクの炎の剣士@クロスセイバーまであと4本

やめろぉ! 煙叡剣狼煙っていう嫌な予感しかしない聖剣が残ってるんだよ!!!

 

141:使い魔クウガ

ところでオーズ君全然書き込みないけど大丈夫?

 

142:奈落のOOO@オルクス逆行中

大丈夫です………別に、メダジャリバーも無いまま、トラクローとカマキリソードのみでヒュドラ相手に戦った事なんて思い出してないですから………武器があって羨ましいなあとか思っていないですからァ!!!

 

143:ラタトスクの炎の剣士@クロスセイバーまであと4本

>>142

ああ、うん、その……ごめんね?

 

144:IS学園の潜入刑事D

>>142

本当にすまん

 

145:司波家長男リバイ

>>142

それは同情する……

 

146:使い魔クウガ

>>142

その辺の木の棒でも武器に出来る俺は何も言えないな

 

146:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

>>142

その分身体が鍛えられたと思おう!

 

147:ラタトスクの炎の剣士@クロスセイバーまであと4本

>>146

本家鬼が言うと説得力ある

 

148:奈落のOOO@オルクス逆行中

まあそんな苦痛の日々からももうすぐ解放されますからね。もうすぐ奈落に落ちたあの場所に到着します。

アンク? 多分アレーティアと仲良くやってるよ……

 

149:司波家長男リバイ

強く生きてくれオーズニキ……。いや俺も出会いとか無いんだけどさ。深雪は可愛いけど、あくまで妹って認識なんだよな俺

 

150:IS学園の潜入刑事D

ビルドニキが喜びそうな情報だな。

 

151:キバってダンまち

こんばんは。相談いいですか?

 

152:ラタトスクの剣士@クロスセイバーまであと4本

お、キバ君だ

 

153:IS学園の潜入刑事D

ダンまち世界ならこの中だとクウガニキが一番話しやすいか?

 

154:奈落のOOO@オルクス逆行中

俺もファンタジー世界ですけど、まだ序盤も序盤ですからね。アドバイスできるほどの者ではないです

 

155:使い魔クウガ

うーん。俺もトリステインには来たばかりだからね? まあ聞くけど。どうしたの?

 

156:キバってダンまち

>>153

いえ、というよりも……なんというか、クウガニキとセイバーニキが一番いいかなと

 

157:ラタトスクの炎の剣士@クロスセイバーまであと4本

え、俺も?

 

158:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

ああ、キバ君は主人公のベル君不在ルートだったね

 

159:奈落のOOO@オルクス逆行中

え、キバニキそうだったの!?

 

160:キバってダンまち

あ、うんそうなんだ。クウガニキと同じで主人公不在ルート。珍しいけどね。

オラリオ入った時は焦ったよ。ヘスティア様のとこ冗談抜きで誰もいなかったから。

セイバーニキの話を見てなかったら僕も絶望してたかも。

 

161:ラタトスクの炎の剣士@クロスセイバーまであと4本

いやあ、気持ちは凄い分かる。ってことはそれ関係?

 

162:司波家長男リバイ

主人公不在な時点で絶対原作からズレが生じるのは分かり切ってたこと。

というか俺のとこの主人公はマジでどうなるん……?

 

163:奈落のOOO@オルクス逆行中

>>162

それ言ったら俺もなんですが……。

 

164:使い魔クウガ

はいはいそういう話は後でね。今はキバニキの話を聞こうよ

 

165:キバってダンまち@兎君代理

ありがとうございますー。あとコテハン変えました

えっとですね。こちらも原作始まったところなんですよね。まあそれまでにファンガイアが現れたり、キバの力で眷属が三人いるのでその時点で原作からの解離は始まってたんですけども

 

166:キバってダンまち@兎君代理

で、本題ですが……、ミノタウロス倒してしまいました

 

167:IS学園の潜入刑事D

おい

 

168:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

ああー、倒しちゃったかあ……

 

169:奈落のOOO@オルクス逆行中

ベヒーモスをいきなり倒してハジメ君も奈落に落ちなかったパターンですね

 

170:司波家長男リバイ

>>169

根に持ってて草。

 

171:キバってダンまち@兎君代理

だってあんなのが町で暴れてたら原作の流れがどうこうとか言っていられないでしょ!?

コホン、失礼しました。それが数日前です。その時はまだ良かったんですけど、先程アイズちゃんと遭遇しました。で、言われたんです。

「私を鍛えてほしい」って

 

172:奈落のOOO@オルクス逆行中

フラグの予感がしますねオガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!

 

173:IS学園の潜入刑事D

オーズ君が死んだ!!

 

174:横浜を守る二色のハンカチ(左)

この人でなし!! あ、対面終わって移動中にスレ覗いてる

 

175:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

オーズ君は早く再会目指してもらって……。

 

176:ラタトスクの炎の剣士@クロスセイバーまであと4本

ああ。キバ君の言いたい事分かった。原作キャラの運命変えるの大丈夫かってことか。うんそれは気にしなくていいと思うよ。もうキバ君の物語だからそれはそれであり

 

177:使い魔クウガ

強くなる、だったら全然いいんじゃないかな。弱くなるよりはいい筈。

その後トラブルは起きるかもしれないけど、そうなったらこっちもその都度サポートするから

 

178:横浜を守る二色のハンカチ(左)

あと俺からアドバイス。彼女が何故そう思ったのかは聞いとくといいぞ。思わぬ理由があるかもしれない

ライダーの諍いの原因の大半は「話さなかった」ことが原因だからな!!!

 

179:IS学園の潜入刑事D

それは間違いない。加古川とかもろにその被害者だったからなあ……。

何故言わなかったツクヨミさんよ……

 

180:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

>>171

個人的に聞きたいんだけど、どう鍛えるつもり? アイズちゃんってもう相当に強い筈だけど

 

181:司波家長男リバイ

いやまあ剣姫ちゃん相当ストイックだから……。実際キバニキがミノタウロス倒したって聞いたから興味出たんでしょ

原作でもベル君に興味津々だったし。

 

182:キバってダンまち@兎君代理

>>180

動機はリバイニキが言った通りなんですけど、問題はそこなんですよね……。キバって戦い方がかなり変則的なライダーなんで、どうすればいいのか……

 

183:使い魔クウガ

寧ろそれを基本にしたら? 三次元的な空間を使った戦い方とか

 

184:ラタトスクの炎の剣士@クロスセイバーまであと4本

あ、キバ君もうザンバットソード持ってる?

 

185:キバってダンまち@兎君代理

>>184

まだですね。そもそも何処にあるのかも不明です。

 

186:ラタトスクの炎の剣士@クロスセイバーまであと4本

じゃあそれキバ君も剣術をアイズちゃんに教わるって感じでやったら?

 

187:奈落のOOO@オルクス逆行中

一緒に修行ですか! 仲良くなれそうですねェ!!!!

 

188:司波家長男リバイ

落ち着けオーズニキ!! お前がカゲロウ生み出してどうする!?

 

189:横浜を守る二色のハンカチ(左)

手探り手探りでやっていけばいいさ。完璧にやる必要はないぜ?

ま、俺は完璧なハードボイルドだけどな

 

190:IS学園の潜入刑事D

ハーフボイルドが何か言ってる

 

191:司波家長男リバイ

福沢社長を見習って、どうぞ

 

192:横浜を守る二色のハンカチ(左)

うるせえ!!!

 

193:キバってダンまち@兎君代理

あはは……。とりあえずやってみますね。ありがとうございました。

 

194:使い魔クウガ

いいよいいよ。頑張ってね

 

195:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

ライブモードか録画してくれたら俺もアドバイスできるかも。機会があったら見てみるよ

 

196:奈落のOOO@オルクス逆行中

くそぉ……。けど、俺ももう少しだ。ようやくベヒモスに遭遇した階層に到着………って、え?

 

197:ラタトスクの炎の剣士@クロスセイバーまであと4本

どしたのオーズ君

 

198:奈落のOOO@オルクス逆行中

………あの、序盤に出てきていい存在じゃないと思うんですが

 

【クラスメート達を襲っている[トリケラトプスのヤミー]の画像】

 

199:横浜を守る二色のハンカチ(左)

は……? え?

 

200:司波家長男リバイ

紫のヤミーじゃねえか!!!?




司波家長男リバイ
転生世界:魔法科高校の劣等生
相談しに来た人その1
達也と深雪の兄というとんでもない立ち位置で転生した人物。二人とは異なり二年生である。
本人は知る由もないがバイスが生まれたのは四葉家によって仕込まれた術式によるもの。バイス自身も語ろうとはしないので現状では謎だらけ。
加えて達也にカゲロウが宿ったことから、深雪にはラブコフが宿るかもしれないと今まで以上に弟妹達を気にしてる。
バイスもリバイの一面なので掲示板に勝手に書き込むことがある。今回は真面目な相談だったので珍しく空気を読んだ模様


キバってダンまち@兎君代理
転生世界:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているのだろうか
ただの転生だと思ったら主人公不在だった件
今まではファンガイアを倒しながら、眷属となるガルル、バッシャー、ドッガを仲間にしてのんびりオラリオに向かっていたが、一人も団員が居ないヘスティア・ファミリアに勧誘されて愕然とした様子。
なお、今回は語っていないが眷属は三人とも別々の種族の女の子。ファンガイアに襲われていたところを助け、その恩を返したいと眷属になっている。
アイズたんともフラグの予感があるハーレム勝ち組。


IS学園の潜入刑事D
転生世界:インフィニット・ストラトス
警察の特殊科に所属する若き少年刑事。特殊科は女尊男卑社会による被害者の訴えやIS由来、ロイミュード関係の事件を対処する。
ロイミュードとISのコアに関係性があるという情報を掴み、楯無の協力の下、IS学園に潜入した。
普段は第二の男性操縦者として、ISに偽装したドライブとして生徒活動をしつつ、平行してロイミュード事件に対処している。
その事件経緯で色々とヒロインを落としている。原典の進ノ介と比べて超モテる(おい…なんだとお前…!)。
具体的には一夏に惚れてるのが箒と鈴しかいない。


横浜を守る二色のハンカチ(左)
転生世界:文豪ストレイドッグス
横浜武装探偵社に所属する仮面ライダーWの片割れ。
なお右側も転生者で掲示板にも顔を出すが気紛れなので基本的には左。
原典の左翔太郎らしい人格の持ち主であり、ハーフボイルドと呼ばれると否定するが内心、憧れていた人と同じ呼び方をされて嬉しい模様。
最近ジョーカーメモリを持っていた謎の少女と遭遇した。


ラタトスクの炎の剣士@あと4人
狼煙は女性ライダー用アイテム。七罪の贋造魔女(ハニエル)は女体化できる。つまり……?


カブト@ユニオン&重桜指揮官
同じくワームに支配されていた鉄血は親友のガタックに任せ、自分は重桜のブラック泊地(ワームの支配下)からKAN-SEN達を救い出した。
カブトの存在と本人の活躍も相まって重桜KAN-SEN達からはカミのような扱いを受けているらしい。
ヤンデレな赤城や大鳳に対しても一切動じないヒヒイロノカネメンタル


奈落のOOO@魔王が右腕に乗っ取られた
弄られ&不憫キャラが板についてきた
やっと再会できると思ったらまた一波乱ありそうで……?


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5スレ目

流れに任せて二本投稿です
とりあえず平成は全員揃います


501:奈落のOOO@祝再会

アンクが言うには、グリード達は元々先代のオーズによって生み出された。ただ先代オーズは原典と違って、『8人目の解放者』っていう、人々の欲望を守る為の正真正銘のヒーローだった。

で、グリード達は今はエヒトにコアメダルのほとんどが取られて、全員のロストが存在してる……とのことです。

 

502:キバってダンまち@兎君代理

まさかのグリード味方ポジ!?

 

503:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

珍しくはないと思うけど。滅亡迅雷もサウザーも仲間だぜ俺は。

 

504:オカ研所属龍騎

俺もタイガがこっちサイドにいるからなー。

 

505:時空管理局執務官555

こっちもそうだな。オルフェノクに至っては敵味方が入り乱れてる状況だ。

 

506:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

怪人に人間性があるかどうかによるよね。魔化魍は絶対仲間にならない。

 

507:奈落のOOO@祝再会

とりあえず、今後はその、各地に封印されているグリード達に会いに行く予定です。アンクは今何処にいるのか分からないっていうけど、大体予想できる。

フェアベルゲンにカザリ、エリセンにメズール、アンカジにガメルと予想する。

ウヴァさんは……何処かにいるよ。多分。

 

508:オカ研所属龍騎

安定のウヴァさんの扱いで草。

で、紫のメダルは?

 

509:奈落のOOO@祝再会

グリードのうちの一人、いわゆる恐竜グリードは先代オーズを裏切ってエヒト側に就いたとか。それで先代オーズが使っていたドライバーに恐竜メダルを仕込んだみたいです。

 

510:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

先代オーズが封印されたのは自分が暴走してグリード化することを危惧したから、なのかもね

 

511:時空管理局執務官555

そう考えると、オーズはかなり危ないな……そんな簡単にプトティラは使うなよ?

 

512:奈落のOOO@祝再会

>>510

正解です

 

>>511

アンクにも注意されました。感情の昂りで出てくるみたいなので、今後は気を付けます

 

512:キバってダンまち@兎君代理

とりあえずオーズ君はしばらくは休養かな。また物語が進んだら教えてね

 

513:奈落のOOO@祝再会

ありがとうございます。これでイチャイチャ煽り勢に回れる……!!!

 

514:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

草生える。

 

515:ロドスに左遷された可能性1000%

ふむ。此処が例の掲示板ですか

 

516:時空管理局執務官555

お、新人か。しかも初のサブライダー

 

517:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

そうそう。転生者だってことが分かって連れてきた。

 

518:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

コテハンが悲しい……

 

519:ロドスに左遷された可能性1000%

初めまして。テラのクルビアにあるザイアコーポレーションから派遣された支部社長1000%です。

原典の1000おじのやらかしは一切していませんのであしからず。

 

520:オカ研所属龍騎

原作知識あってあの行為をするのは余程の人間だと思う

 

521:奈落のOOO@祝再会

やったらやったでバルカン→ゼロワン→迅→バルキリー→滅→亡→アークワンとフルボッコターンが待ってる気がします

 

522:キバってダンまち@兎君代理

まあ転生者の中にはそれを回避しようと色々手を回そうとする人もいるらしいけども……。

 

523:ロドスに左遷された可能性1000%

見えている地雷に突っ込むほど愚かではありませんよ。

とはいえザイアはやはりブラック会社でしたので、ライン生命の方々に誘われてロドスへなんとか手を回して派遣されることに成功したのですが……、これ、左遷されてます?

 

524:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

辞表パンチはしなかったんだね。

 

525:時空管理局執務官555

1000おじはされる方だぞ

 

526:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

まあ、そういうわけでザイア本社の社長は原典みたいなやつらしいんで、サウザーと一緒に色々と戦力アップを急いでる所なんだ。

 

527:ロドスに左遷された可能性1000%

現在は1000%安全、暴走リスクなしのメタルクラスタホッパーの開発を進めていますよ。平行してサウザーのサウザンドジャッカーも調整中です。

 

528:キバってダンまち@兎君代理

装備の調整が自分でできると結構気が楽ですよね。そう考えるとキバの鎧は自動修復機能付きで、武器は仲間というキバは結構コストは安いのかな……?

 

529:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

それは間違いないね。鬼は変身こそ鍛えればいいけど、武器はしっかりメンテナンスしないといけないからね。

 

530:時空管理局執務官555

ファイズギアなんか戦いの後にはメンテナンス必須だぞ。オートバジンもな

 

531:奈落のOOO@祝再会

こっちは今、アンクがハジメのスキルと生成魔法を使ってメダジャリバーを作ってくれてます。技術チートは変わらなかったです。

 

532:オカ研所属龍騎

メンテナンスはいらないけどドラグレッダーの世話が大変な俺である。

 

533:時空管理局執務官555

まあ、俺はメンテナンスは管理局の方でやってくれるからな。

 

534:キバってダンまち@兎君代理

ファイズニキの世界はスマートブレインとかはどうなったの?

 

535:時空管理局執務官555

>>534

原作で言うAs後のタイミングでなのは達と共に解体した。

俺が管理局に加入したきっかけでもある。当時俺は16歳。

ただ残党が数多くいてな。オルフェノクはさっき少し言ったが、「スマブレ復活」を掲げ、人類を支配しようとする過激派と、管理局と共に人類との共存を目指す穏健派に分かれて抗争している。

友人のホースオルフェノクがオーガになって穏健派の主体となっているが、やはり厳しいな。

 

536:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

話を聞くだけでも相当苦労しそうだね……

 

537:ロドスに左遷された可能性1000%

そういった種族間の諍いや溝は簡単には埋まりませんからね……

 

538:時空管理局執務官555

ああ。実際スマートブレインは良くも悪くもオルフェノクを纏めていたからな。それが無くなれば対立するのはよく考えれば当然だった。

それに人間側もオルフェノクをよく思わない者がいるからな……。

 

539:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

苦しいよなあ。気持ちは分かるけど……。でも、俺らに出来る事は本当にごく僅かなんだよ。背負い過ぎないでくれよ555ニキ。

 

540:キバってダンまち@兎君代理

ゼロワンニキの言う通りですよ。僕達は原典のようにはなれませんから……

 

541:時空管理局執務官555

分かってはいるんだ。けど……スマートブレインを潰したのは俺だから……

 

542:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

それでも、君がやらなかったら多くの人間が不幸になっていた。君がやったことは間違いだけじゃないよ

 

543:時空管理局執務官555

だといいけどな………ん? なのは? どうし………どうしたその子供? ん? 拾った!?

 

544:オカ研所属龍騎

お、ヴィヴィオかな?

 

545:奈落のOOO@祝再会

タイミング的にはありえそうですね。555ニキパパになるんです?

 

546:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

よし! 松田エンジに祝ってもらおうか!!

 

547:ロドスに左遷された可能性1000%

1000%のお祝いをしましょう

 

548:時空管理局執務官555

しなくていい!!!! あとオーズは煽りに回るの早すぎるだろうが!!

 

549:キバってダンまち@兎君代理

なんだかんだ言いつつ主役ライダーで一番パパが似合いそうなのはたっくんな気がする

 

550:オカ研所属龍騎

>>549

同意するわ。

ファイズニキもぶっきらぼうだけど根は優しいからいいお父さんになりそうだよな

 

551:時空管理局執務官555

うるせえ。つーかマジでヴィヴィオだったわ。ゆりかご事件待ったなしだな。ったく……

 

552:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

実際にその世界にいたとしても何時、どんなタイミングで事件が起きるかなんて分からないものだよね

 

553:オカ研所属龍騎

あー、それはそう。とはいってもある程度はなんとなく察するけどなー。

というか俺は悪魔じゃないからレーディングゲームの回は毎回応援しかしてないんだよ。まあ観戦は観戦で楽しいけどな! ついこの間のイッセーとサイラオーグのガチンコバトルなんかもうめっちゃ応援しちまったぜ!!

 

554:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

なんでライブしてくれなかったんだよそれ!!!

 

555:キバってダンまち@兎君代理

超見たかったんですけどそれ!!

 

556:オカ研所属龍騎

忘れてたぜ! 悪いな!!!

 

557:時空管理局執務官555

微塵も悪いと思って無さそうだな……。

 

558:幻想郷が俺の世界DCD

今戻った。オーズがいるありふれ世界の調査が終わった所だ。

 

559:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

お、おつカレーカツカレーさん! サウザー、この人管理人な

 

560:ロドスに左遷された可能性1000%

例の破壊者ですか。お邪魔させていただいてます

 

561:幻想郷が俺の世界DCD

>>560

おう。まああんま畏まるなゆっくりしていけ。

で、オーズがいる世界だが特に異変はない。元からオーズ×ありふれという世界だったようだ

 

562:奈落のOOO@祝再会

あ、大丈夫だったんですね? ああ良かった……

 

563:魔王オーマジオウ・トリニティ

俺も観測したけど、その世界はもう方向性が纏まってる。つまり君は君が思うがまま生きていいんだよ。頑張ってね

 

564:奈落のOOO@祝再会

ジオウニキもありがとうございます!! 改めて頑張っていきます!!

 

565:時空管理局執務官555

異世界系は色々と複雑だからな……。

 

566:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

ディケイドニキとジオウニキはいつも確認作業お疲れ様

 

567:幻想郷が俺の世界DCD

とはいえ、そろそろ一回各々の世界の状況を確認しないといけないかもな。何か異変が起きていたら教えてほしい

 

568:装者全員と友達になる男

>>567

ギャラルホルンで飛んだ先の世界で俺がTSしていたんだけど!!

 

569:ムーンセルのゴースト@月の聖杯戦争参加者

>>567

武蔵ちゃんと景虎ちゃんが酒のみ勝負して武蔵ちゃんが倒れました!!

 

570:時空管理局執務官555

>>567

幼女にパパと呼ばれるんだが!!

 

571:IS学園の潜入刑事D

>>567

今日も箒と鈴が一夏を巡って模擬戦している!!

 

572:横浜を守る二色のハンカチ(左)

>>567

ジョーカーメモリを持ってた女の子が俺が寝てる布団に潜りこんでくる!!

 

573:奈落のOOO@祝再会

>>567

久々に再会した二人が凄い甘えてきて困ります!!

 

574:幻想郷が俺の世界DCD

大体分かった

まず>>568はよくある平行世界だ気にするな。>>569はその大虎に酒で挑んだ武蔵が悪い。>>570は通報した。>>571は巻き込まれないうちに離れろ。>>572と>>573は良かったな。そのまま抱け

 

575:オカ研所属龍騎

>>574

おい最後www

 

576:奈落のOOO@祝再会

さ、流石にそこまではいきませんけど………。

 

577:ロドスに左遷された可能性1000%

というかまともな相談が一つもありませんね?

 

578:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

それが此処の特徴だからな。

 

579:魔王オーマジオウ・トリニティ

まあ、皆平和そうで何よりだね

 

580:イマジンコネクトDen-Liner

一番平和だと思っていたこの世界が結構ピンチです

 

581:キバってダンまち@兎君代理

あ、電王君久しぶりー

 

582:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

勝ち組電王さんじゃないですかー。チッ

 

583:オカ研所属龍騎

どうして同じ女の子が沢山でるソーシャルゲームで此処までの差がでたんだろうな……?

 

584:ロドスに左遷された可能性1000%

アークナイツはイケメンもたくさんいますよ?

 

585:イマジンコネクトDen-Liner

>>567

目が覚めたらデンライナーが何処にもありません。モモタロス達とも連絡が付きません。何も分からないので探すの手伝ってください

 

586:幻想郷が俺の世界DCD

大体分かった。美食殿で合流しよう。ディエンドも連れ出して協力させる。

 

587:魔王オーマジオウ・トリニティ

こっちも電王のライドウォッチ持っていくね。何か手がかりになると思うから

 

588:イマジンコネクトDen-Liner

ごめんなさいお世話になります。待ってますね

 

589:幻想郷が俺の世界DCD

そんなわけでまた行ってくる。ふっ、人気者は忙しいぜ

 

590:魔王オーマジオウ・トリニティ

はいはいとっとと行くよ。事件じゃなきゃいいけど……

 

591:時空管理局執務官555

まあ、イマジン達がそう簡単にくたばるとは思えねえな

 

592:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

そうだねえ。まあ何はともあれあとはディケイド達に任せよう。

 

593:装者全員と友達になる男

いざとなったら俺もギャラルホルンで増援に行けるぜ!

 

594:オカ研所属龍騎

そんな便利なもんじゃないと思うけどなあ

 

595:鎧武が斬る!

ごめん誰かこのライダー知ってる?

 

【リンゴアームズを纏った女性ライダー】

 

596:時空管理局執務官555

イドゥンだな。鎧武のVシネマ限定ライダー。マリカに続く女性ライダーだ。

 

597:鎧武が斬る!

へえー、初めて知ったわ

 

598:ナイトレイドのイドゥン(シェーレ救済)

お邪魔しますね。此処が掲示板ですかー

 

599:オカ研所属龍騎

って転生者かよ!!?

 

600:キバってダンまち@兎君代理

初ネキだ。




時空管理局執務官555
転生世界:魔法少女リリカルなのは
Asとstrikersの間から加わった。
なのは達とは別の次元でオルフェノクを制御し、支配を目論んでいたスマートブレインと戦っていた人間。
漂着したなのはとフェイトを救い、その恩返しとして時空管理局の協力を得てスマートブレインを倒すも、その結果より混沌と化した世勢を鎮静する為に時空管理局に所属した。
前世の記憶は殆ど覚えておらず、しかもオルフェノクなので転生者の中でも特にハードな人生を歩んでいる。
だからこそ支えたいと思ってくれる人が多い。


月閃女学館臨時教師ヒビキさん
転生世界:閃乱カグラ
以前のコテハンは半蔵学園教師ヒビキさん。
この世界では鬼と忍が協力して妖魔=魔化魍と戦っており、そんな中で忍の教育の為に派遣されたのが彼である。
25歳と原典のヒビキさんと比べると若いが、前世は天寿を全うしたこともあり、落ち着いている大人の風格を醸し出すダンディお兄さん。
今は学炎祭を経て月閃女学館へ一時的に移っている。


イマジンコネクトDen-Liner
転生世界:プリンセスコネクト!Re:Dive
ソーシャルゲーム転生組。
同じソシャゲのアークナイツと比べると圧倒的に光要素が強く、ゼロワンニキには羨ましがられてる。
ユウキとは親友であり、基本的には「プリコネ世界で起きるイマジン関係の事件」を解決する為に動いている。
原典の野上良太郎と同じく不幸体質。加えて実は前世は女子。TSして男になったというかなり珍しいパターン。
イマジン達が心配でディケイドニキ達に救援を出した。


幻想郷が俺の世界DCD
転生世界:紆余曲折あって東方Project
最初の転生者。悪徳転生神に玩具にされ、ディケイドの力のみを与えられたうえで様々な世界を巡らされるという壮絶な経験をしている。
しかし本人の超強力なメンタルもあって様々な世界で士ムーブを噛まし、最終的には悪徳転生神を倒すまでに至った。
その後はディケイドであっても受け入れられる幻想郷に腰を据え、他の転生者達のサポートをする為に紫と協力して掲示板を開いたり、世界の異変が起きていないか視察していたりする。


奈落のOOO@祝再会
初手いきなりグリード化のリスクを背負ったハードな転生者。
他のコンボを得る為にグリード探しの旅を始める。


ロドスに左遷された可能性1000%
ゼロワンニキが出会った転生者。早々に意気投合し、原作とは全然違う二号ライダームーブを噛ましている。
口調こそ1000おじと同じだが礼儀正しく、物腰柔らかな紳士。ただ自分の能力には1000%の自信があり、その点ではゼロワンニキとはボケとツッコミの関係性。
サウザーは出来てるがメイン武器のサウザンドジャッカーが未完成なので現状500%といったところ。


ナイトレイドのイドゥン(シェーレ救済)
アカ斬る世界に現れた新たな転生者。
掲示板初のネキ(厳密には電王ちゃんの前世が女性)


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6スレ目

評価バーに色が着きました。感謝!
今回の後半は原作既読推奨です


601:ナイトレイドのイドゥン

私はライダーの事は全然知らなかったけど、転生したらアカ斬るの世界だってことが分かったの。

そしたら原作でシェーレが死ぬ場面に遭遇して、気付いたら身体が動いてたわ。

シェーレの命は救うことが出来ましたが両足が食い千切られてしまって、彼女からバトンタッチする形でナイトレイドに加入したって感じ。

そこでレンジ君からこの掲示板の事を教えてもらったわ。

 

602:鎧武が斬る!

ちょ、ここでは鎧武ニキだからな!

 

603:魔王オーマジオウ・トリニティ

祝え! 新たなライダーの誕生を!

 

603:ナイトレイドのイドゥン

え、何この人……?

 

>>602

あ、ごめんなさいね

 

604:オカ研所属龍騎

よろしくなー。あとそこの魔王の事は気にしなくていいから

 

605:時空管理局執務官555

ジオウニキはさっさと電王ネキニキの調査に行ってもろて

俺ヴィヴィオの件でなのはと話するから抜ける。

 

606:奈落のOOO@祝再会

>>601

このスレはお互いに困った事があったら助け合うことがマナーだからね。遠慮なくどんどん相談していいよ。俺もそうだし

 

607:ロドスに左遷された可能性1000%

>>601

私もここに来たばかりの新人です。お互い苦労もあると思いますが頑張りましょう

 

608:ナイトレイドのイドゥン

ええ、よろしくね

 

609:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

>>601 >>602

というか鎧武ニキはレンジって名前なのか。オ『レンジ』ってことか?

 

610:鎧武が斬る!

くっそ寒いゼロワンニキが言うとギャグに聞こえるだろうが!!!

 

611:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

いや俺のせい!!?

 

612:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

まあ基本的に何人かはいるからね此処。俺は次の授業の準備作業しているから返答はあまりできないけど見てるよ

 

613:オカ研所属龍騎

あ、俺も一旦抜ける。ちょっと例のキィーンって音が

 

614:奈落のOOO@祝再会

マジですか。気を付けてくださいね

 

615:オカ研所属龍騎

王蛇に遭遇しないことを祈るぜ……変身!!!

シャッ!!

 

616:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

行ってらっしゃい。

 

617:ロドスに左遷された可能性1000%

さて、私達も開発に戻るとしましょう

 

618:キバってダンまち@兎君代理

とりあえず、イドゥンネキはライダーの知識が殆ど無いみたいだし、鎧武について聞きたいことある?

 

619:ナイトレイドのイドゥン

とりあえず虚淵脚本って本当?

 

620:奈落のOOO@祝再会

なんでそこを知っているんだろう……

 

 


 

 

731:ラタトスクの炎の剣士@虚無って誰が持ってるの?

追いついたー。凄い量の鎧武講義レスが流れていたけどそういうことね。

 

732:スペードの剣@アンダーウッド収穫祭満喫

改めて思うと鎧武の世界ライダーの中でも相当なハードコースだよな

 

733:ナイトレイドのイドゥン

 

 

734:鎧武が斬る!

おい、イドゥンが固まっちゃったぞ。真っ白リンゴに

 

735:ナイトレイドのイドゥン

ドウシテ…。果物被って可愛いとか思ってたのに……ドウシテ……。

 

736:装者全員と友達になる男

明るいファンタジーと見せかけたハードコースはよくある事だぜ

 

737:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

尋常でなく重い過去とかあったりね

 

738:横浜を守る二色のハンカチ(左)

>>736 >>737

二人の世界は説得力がありすぎる……w

 

739:鎧武が斬る!

そして改めて現状の俺らの世界は

・腐敗した帝国

・帝国にライダーがいる。少なくとも斬月と龍玄、デュークは向こう側。あと黒影トルーパー量産してるらしい

・ヘルヘイムの森の侵食が始まっている

・危険種&インベスが跋扈

・革命軍側にいるライダーは俺と君だけ

 

740:ナイトレイドのイドゥン

ウボァ

 

741:ラタトスクの炎の剣士@虚無って誰が持ってるの?

イドゥン!? 応答しろ!!

 

742:スペードの剣@アンダーウッド収穫祭満喫

ただでさえアカ斬る原作の時点できつかったのになあ……。

 

743:ΑGITΩ@ストレアに会った40階層

というかいくら鎧武でもそれは冗談抜きでキツイんじゃない? 鎧武後編なんか、ライダーが一致団結しないと……って感じだったし

 

744:横浜を守る二色のハンカチ(左)

一致団結(最終的に分裂)

 

745:鎧武が斬る!

っていうか、割と本当にバロンは何時出てくるんだろうな……二号ライダーなのに

 

746:ラタトスクの炎の剣士@虚無って誰が持ってるの?

お? それはセイバーしかいない俺への当てつけかな?

 

747:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

君には精霊という頼もしい仲間がいるじゃないか。

 

748:ΑGITΩ@ストレアに会った40階層

いやあ、仲間がいても、ライダーが一人っていうのは結構寂しいところあるって

 

749:ラタトスクの炎の剣士@虚無って誰が持ってるの?

そうなんだよねえ。クウガニキスゲエなって改めて思う

 

750:装者全員と友達になる男

そうそう。装者も大事なダチだけど、やっぱメテオは唯一無二の相方って感じするんだよなー

 

751:スペードの剣@アンダーウッド収穫祭満喫

それは間違いない。ギャレンやカリスと一緒に戦っていた時が懐かしく感じる時があってな……

 

752:鎧武が斬る!

>>751

シレッとハブラレンゲルするな

 

753:スペードの剣@アンダーウッド収穫祭満喫

ネタだ。勿論レンゲルも大事な仲間だ。

今の問題児達との馬鹿騒ぎも楽しいが、やはりな……。

 

754:横浜を守る二色のハンカチ(左)

相方がいるだけ俺は恵まれているのかもな……、

 

755:ナイトレイドのイドゥン

とりあえずどういうことなのかは分かったわ。ただ……どうするのよ鎧武? そろそろ兄貴の話でしょ?

 

756:鎧武が斬る!

ああ、そうなんだよな……まあ、色々言っても仕方ない。俺もブラートやタツミと一緒に竜船に乗り込む予定だ。その結果どうなろうと……な。少なくとも後悔だけはしないようにできる事はやるさ

 

757:ナイトレイドのイドゥン

そう、ね……。頑張ってね。私もブラートには死んでほしくないわ

 

758:装者全員と友達になる男

誰だってそうだぜ。ダチが苦しむとこなんかみたくねえよな

 

759:スペードの剣@アンダーウッド収穫祭満喫

それがライダーとして戦う覚悟の最初のきっかけだ

 

760:ΑGITΩ@ストレアに会った40階層

ライダーになった時点で命を懸けるものだからね……だけどイドゥンネキも無茶だけはダメだよ。心は壊さないように

 

761:ナイトレイドのイドゥン

ええ。勿論よ。とりあえず……スピアちゃん助けようかしら。可愛い子だし

 

762:横浜を守る二色のハンカチ(左)

このイドゥンから百合の香りがするぞ

 

763:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

リンゴなのに?

 

764:ラタトスクの炎の剣士@虚無って誰が持ってるの?

あ、万由里発見。ということはこちら劇場版に入ります

 

765:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

ということは虚無所有者って万由里ちゃん?

 

 


 

 

そんな掲示板での会話が数日前。

イドゥン……フジノは宣言通りに事を成した。実際のところ、俺やフジノの身勝手だけど、チョウリ大臣は穏健派として革命後の新たな国には必要な人材だからナイトレイドとしての活動には反していない。

話を聞いた感じ、イドゥンが持つクラックを開く能力で上手く保護したようだ。

ただ、撤退すればいいだけだったフジノと違い、今竜船に乗っている俺は敵……エスデスの三獣士を倒さなければならない。

しかもリヴァが使う奥の手、血刀殺によってブラートが死ぬのを防ぎながら。

 

…………だが、さっき言ったフジノの活動は長い目で見れば成功だったけど、短い目で見れば悪手だったかもしれないと、俺、レンジは思っている。

 

「くそ、しつこい!!!」

「それは、こっちの台詞だぜ!! とっととくたばれっての!」

 

アーマードライダーがナイトレイドにいる。それを情報として与えてしまったせいか、相手もアーマードライダーを持ち出してきたんだ。

相手はシグルド、まだゲネシスドライバーが出来ていない、戦国ドライバー仕様の、言ってしまえばプロトシグルド、といった所か。

ソイツと、使役しているインベス達に阻まれて俺はブラートの救援に行けない、というか俺自身がヤバい!

 

「うおらあああああッ!!!」

『パインオーレ!』

 

パインアームズ状態の俺はパインアイアンを豪快にぶん回して周囲の敵を一掃すると、すぐにロックシードを切り替える。

既にブラートは帝具・インクルシオが解除されている。つまりもう時間が無い。多人数相手でこれ以上時間をかけるわけにはいかない!!

 

『イチゴ!』

『ロックオン!』

 

パインアームズが霧散し、代わりに頭上に開いたクラックからイチゴアームズが降ってきて、それが俺に被さる。

 

『イチゴアームズ! シュシュッと、スパーク!』

 

「とにかく、邪魔をするな!!!」

「いい加減諦めろってんだ! お前も、ナイトレイドの連中も纏めてゴミ掃除してやるからよぉ!」

「誰が、ゴミだッ!!!」

 

イチゴクナイを投擲し、群がってくる初級インベスを次々と斬り裂きながらシグルドを狙う。

サクランボ型の二つの棍棒(名前は知らん。多分チェリーメイスとかそんな感じ)を振ってくるシグルドは容易くイチゴクナイを弾き飛ばしてくるが、その大振りな動きの隙になんとか潜り込んでラッシュを決める!

 

「ハッ! お前程度の奴しかいねえなんて、革命軍も可愛そうだなあ!! 雑魚のアーマードライダーがよ!」

「うる、せぇっ!!!」

 

……力が無いのなんて俺が一番よく分かってる。

だけど、それは諦める理由になんかならねえ!!!

 

『オレンジアームズ! 花道・オンステージ!』

 

「ウオオオオオオオオオオッ!!!!!!」

「このシグルド様の力を嘗めんじゃねえぞォ!!!!!」

 

急げ、急げ、時間が無い!!

とにかく、早く!!! 仲間を守るんだろ!!!

アカメにも、クロメにも、フジノとも誓ったんだ、必ず、誰も死なせないって!!

だから――――――

 

 

 

 

 

『Come On!』

 

『バナナアームズ! KNIGHT・of・SPEAR!』

 

 

 

 

「…………えっ?」

「は? なんだよあのライダー?」

 

………マジかよ。アイツ、何時の間に………?

俺の複眼には、倒れていたタツミが立ち上がり、「騎士」となる姿がしっかりと映っていた。

 

 

SIDE OUT

 

 

俺――――――タツミは前、シェーレが殺されかけたという話を聞いて、今以上の力を求めた。

だけど、俺には今、帝具が無い。レンジやフジノのように変身する力も持ってない。

………いや、本当は持っている。だけど………覚悟が足りなかった。

 

この任務に向かう前、俺の前に現れたのは……

白くて、この世の者とは雰囲気が全然違う女性だった。

 

ソイツは、誰にも気づかれることなく、アジトに居た俺の前に現れ、このドライバーを置いていった。

 

『その力を手にすれば、貴方は運命を手にすることになる』

『貴方はその力を、何の為に使うのか、期待している』

『貴方が師と慕う者の命を、守りたいのならば』

 

そんな意味深な言葉を残して。

ただ、最後の言葉の意味は分かった。

 

 

―――兄貴が死ぬ。

 

 

そんなことが起きるなんて思ってもいなかった。

シェーレだって生きていた。今度だって大丈夫。兄貴は強いんだから―――。

 

 

馬鹿か俺は!!!

この国がどれだけ残酷か、サヨやイエヤスの事を忘れたか!!

 

………レンジはずっと一人で戦っていた。

インベスとかいう、見たこともない危険種を相手に、誰も巻き込まないようにと。

それが、戦う覚悟なんだと言っていた。

俺には、そんなレンジみたいになれるのか、そう思ってこの力を使うことを躊躇っていた。

 

………俺は、もう二度と、目の前で誰かを死なせたくない!

それが出来る力があるのなら!!!

 

「やるしかねえだろォォォ!!!!!」

 

『バナーナ!』

 

やり方はレンジ達のを見て分かってる。

あとは、俺が俺を信じるだけだ!!!

だから――――――変わるんだ! 弱いままの自分から!!!

 

 

「変身!!!!」

 

 

『Come On!』

『バナナアームズ! KNIGHT・of・SPEAR!』

 

 

「………タツミ? お前……」

「兄貴、見ていてくれ………此処からは俺が……アーマードライダーバロンの戦いだ!!!!」

 

 


 

 

915:鎧武が斬る!

ヘルヘイムぜってぇ許さねェ!!!!!!

 

916:奈落のOOO@祝再会

原作ブレイクしちゃってるう……




鎧武が斬る!
実名はレンジ。
覚悟決まっているがチートという程ではない。
カチドキを手に入れるまではアカ斬る世界でなんとか通用するレベルでエスデスには到底及ばない。
タツミがバロンになったことに掲示板で大絶叫した


ナイトレイドのイドゥン
実名はフジノ。
アカ斬るは大好きだったが、仮面ライダー知識は一切ない。
戦極ドライバーとロックシードは始まりの女(仮)によって与えられた物。
比較的使い方は分かりやすい戦極ドライバーだったのが功を奏し、初めてでも変身できたのが幸運。
なおその後鎧武の講義を聞いて真っ白に燃え尽きた。
鎧武×アカ斬るでは三号ライダーというポジションに落ち着く。令和形式かよとはゼロワンニキとリバイニキのツッコミ。
何がとは言わないが両刀である。そして何がとは言わないがデカイ。


タツミ
アカメが斬る! の登場人物。転生者でも憑依者でもない、その世界に元から居た人物。
始まりの女の手引きでバロンになってしまったのでもはや完全に原作の流れは崩壊した。
とりあえず原典の駆紋戒斗のように最終的に対立することは無いかもしれないが、彼の原作の終着点を見ると今後どうなるか大体予想できるかもしれない。


ΑGITΩ@ストレアと会った40階層
この世界もしかして原作ではなくロストソングなのでは? とスレ民達は推測している。
とはいえそんなこと言われても知らないので今日も頑張ってアインクラッド攻略。
ストレアの正体はスレ民から大体聞いたがその上で受け入れている。


オカ研所属龍騎
この後ファムと一緒にミラーモンスターを倒した。
この世界でも王蛇は危険人物。どこぞのキ〇ガイ悪魔祓いよりも危険。
イッセー達に中級悪魔昇格の試験の話が来たので、いよいよ英雄派との決着かと気合を入れ直す


ラタトスクの炎の剣士@虚無って誰が持ってるの?
劇場版の展開を察知した。
万由里生存の為にはどうすればいいかを考え中。


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7スレ目

改めましてあけましておめでとうございます。
アンケートを設置したので気楽にどうぞ。


301:キバってダンまち@紅夜王(ブラッディキング)

だからアイズが可愛いって言ってるでしょ!?

 

302:イマジンコネクトDen-Liner

いーえ! サレンさんの方が気品可愛いですから!

 

303:IS学園潜入刑事D

え、なんだこれ……

 

304:横浜を守る二色のハンカチ(左)

なんか気品あるヒロインは誰かってことで論争してる

 

305:オカ研所属龍騎

とりあえずこの二人が一歩も引かずに言い合ってる感じ

 

306:学園都市のビルド

最終的には推し対決になってるけどな

 

307:キバってダンまち@紅夜王(ブラッディキング)

あ、ドライブニキ! アイズの方が気品ありますよね!

 

308:イマジンコネクトDen-Liner

サレンさんの方が気高いですから!

 

309:IS学園潜入刑事D

どっちも落ち着け……。俺の見解としては……やはりセシリアだろうな

 

310:キバってダンまち@紅夜王(ブラッディキング)

チョロイン筆頭が勝てるわけないでしょうが?

 

311:イマジンコネクトDen-Liner

チョロイン程度で張り合えると思っているんですか?

 

312:IS学園潜入刑事D

お前ら俺の純粋無垢ひたむきなセシリアのこと馬鹿にしたな上等だ表出ろゴラァ!!!

 

313:オカ研所属龍騎

>>312

いや参戦すんな参戦すんな!

 

314:学園都市のビルド

>>312

ブチ切れてて草

 

315:横浜を守る二色のハンカチ(左)

あーもう滅茶苦茶だよ

 

316:装者全員と友達になる男

気品なあー。よく分からねえがキラキラしてるってことでいいか?

 

317:学園都市のビルド

まあ、そっちのサンジェルマンみたいな?

 

318:装者全員と友達になる男

OK把握したぜ

 

319:オカ研所属龍騎

こっちで言えば部長とか結構気品あるよなあ。貴族だし

 

320:学園都市のビルド

>>312

というかシレッと言ったけどドライブニキセシリア派なん?

 

321:IS学園潜入刑事D

ああ。潜入した上で最初に親しくなった人だったからな。一夏は基本箒と鍛錬してたし。

代表候補性っていうのもあって捜査の協力とかもしてもらってる。

 

322:横浜を守る二色のハンカチ(左)

そういう有識者とか、独自のコネを持つ者がいれば刑事や探偵には有利に働くからなー

 

323:オカ研所属龍騎

大変だなあ……こっちは裏で手を回せば即解決だ

 

324:学園都市のビルド

学園都市でももみ消し、抹消、暗部お手の物ですが何か?

 

325:装者全員と友達になる男

お前らシレッとヤベエこと言ってんぞ? 防人かお前ら

 

326:キバってダンまち@紅夜王(ブラッディキング)

秩序保つために必要なんだろうけどよく考えると中々闇が深いよねえ……。

 

327:オカ研所属龍騎

その防人はどうしたんだフォーゼニキは

 

328:装者全員と友達になる男

あの爺さんなー。めっちゃ強かった。ライダー超銀河フィニッシュの直撃食らって無傷ってすげえわ。

ま、俺もあっちもお互いに信念はガチだからな。真正面からぶち破って「アンタが思う程に俺達は弱くねえ」って言ってやった。

 

329:装者全員と友達になる男

まあ、フォーゼの我望理事長と違って和解は出来なかったけど、それでも「そこまで言うなら守って見せろ」っていう激励はもらえたぜ

 

330:イマジンコネクトDen-Liner

シンフォギア屈指の外道にそう言わせただけでも十分すぎるくらい凄いよフォーゼニキ

 

331:横浜を守る二色のハンカチ(左)

ああ、あの理不尽世界で生きてるだけですげえのにな。

 

332:学園都市のビルド

禁書世界だと悲劇ってもう「起きた後」なんだよなあ。介入の余地がねえし、そもそもスマッシュとか出てきちまったからそっちの相手に明け暮れてる。

 

333:キバってダンまち@紅夜王(ブラッディキング)

基本的に科学サイドでの活動が殆どだったねビルドニキ

 

334:学園都市のビルド

そりゃ魔術は流石に専門外だからなあ……。ただ万丈は馬鹿だから魔術事件にも首突っ込んでいくけど。

つかもうすぐアレだな。大覇聖祭

 

335:オカ研所属龍騎

あー、科学サイドと魔術サイドどっちに関わるんだろうな

 

336:IS学園潜入刑事D

というか普通に考えて同じ場所の同じ時期に連続で科学と魔術それぞれの事件が起きるってどういうことだ……

 

337:学園都市のビルド

俺に聞かれても知らん

 

338:名無しの転生ライダー

あの、此処が掲示板であってます?

 

339:幻想郷が俺の世界DCD

ある程度人数揃っているな。丁度いい、少し聞いてやってくれ

 

340:オカ研所属龍騎

お、新人さんか?

 

341:キバってダンまち@紅夜王(ブラッディキング)

歓迎するよ。ところでうちのファミリアに興味ない?

 

342:イマジンコネクトDen-Liner

いらっしゃい。ところでギルドに入りませんか?

 

343:IS学園潜入刑事D

>>341

>>342

勧誘するなそこ二人

 

344:装者全員と友達になる男

ディケイドニキが連れてきたってことは、そいつに聞いてきたのか?

 

345:学園都市のビルド

とりあえずコテハン変えてくれ。此処で相談する上でどういう世界で、どんなライダーなのかは分かりやすくな

 

346:絃神島のアマゾンオメガ

これで大丈夫ですかね? ディケイドさんに教えてもらって尋ねてきました。

 

347:イマジンコネクトDen-Liner

うわあ……

 

348:オカ研所属龍騎

アマゾンオメガ来ちゃったかあ……

 

349:キバってダンまち@紅夜王(ブラッディキング)

中々ヘビーなライダーですね……世界も中々厳しい。

 

350:IS学園潜入刑事D

とりあえずディケイドニキとアマゾンオメガ君は経緯とかを話してくれ。

 

351:幻想郷が俺の世界DCD

俺はいつものように色々な世界を監視していた中で「ストブラの世界」に辿り着いた。そこで人目に付かないところでアマゾンになって暴れているコイツを見つけて鎮圧したわけだ。

 

352:装者全員と友達になる男

え、力を制御できてないって事か?

 

353:絃神島のアマゾンオメガ

はい……。そもそもこの変身が仮面ライダーであることも、この世界が「ストライク・ザ・ブラッド」ということもディケイドさんから聞いて初めて知りました。

 

354:横浜を守る二色のハンカチ(左)

ふむ、アマゾンオメガは転生特典か?

 

355:幻想郷が俺の世界DCD

ああ、アマゾンオメガというライダーの特性上、それは間違いないな。

 

356:絃神島のアマゾンオメガ

転生特典ってなんですか?

 

357:横浜を守る二色のハンカチ(左)

ああ、俺達転生者がライダーの力を得るのは幾つかのパターンがあるんだよ。まず一つは「転生特典」。これは転生した時点でもうライダーの力が手元にある場合だ。この場合、その世界に存在する仮面ライダー要素は転生者が変身するライダーだけになることもある。アギトニキやフォーゼニキなんかはその類だ。

ただ、転生特典でも鎧武ニキやキバニキのように侵食されたり整合性の為にライダー要素が混じる事もあるな。

 

358:横浜を守る二色のハンカチ(左)

もう一つメジャーなのは「世界因子」だ。その世界に既にライダーの歴史が混じっていて、転生者が後天的にその能力を手にする場合だな。

響鬼ニキやオーズニキ、セイバーニキがこうなる。

 

359:横浜を守る二色のハンカチ(左)

他にも「一から自分の手でライダーを作り上げた」タイプのドライブニキやゼロワンニキ。

「リイマジ世界から異世界へ飛んだ」というクウガニキやブレイドニキ、ビルドニキなんかもいるな。

で、アマゾンオメガ君は一番最初の転生特典というものだろう。

 

360:幻想郷が俺の世界DCD

転生特典はあくまで初期ボーナスみたいなもので選ぶことはできない。

以前は神様転生なるものがあったが、これは転生者側が好き勝手に出来てしまう、逆に悪徳神が転生者を玩具にするというケースもあることから、廃止されている。というか俺が廃止させた。

 

361:オカ研所属龍騎

オーマジオウ&ガチコンプリート21&グリッターティガ&ノア&ゴーカイジャー&ゼンカイジャーっていう完璧な布陣での大戦争だったからなあ……

 

362:学園都市のビルド

今聞いてもホントスゲエ戦いだったよな……。

 

363:IS学園潜入刑事D

話が逸れているぞ。今はアマゾンオメガ君の話だ

 

364:絃神島のアマゾンオメガ

えっと、俺は力を全然制御できてなくて……ディケイドさんが言うには「ドライバー」が無いからとのことですが……

 

365:キバってダンまち@紅夜王(ブラッディキング)

あれ? でもアマゾンズドライバーって……

 

366:幻想郷が俺の世界DCD

そう。製造者・製造元・目的すらも一切不明だ。

 

367:装者全員と友達になる男

マジかー。手に入れるにはどうすりゃいいんだ?

 

368:イマジンコネクトDen-Liner

えっと、ディケイドニキが持ってくるとかは……。

 

369:幻想郷が俺の世界DCD

にしたって何処で手に入れるかが分からん。全く出処の情報が無い以上はな……。

 

370:IS学園潜入刑事D

それもそうだな。しかし困った事になったな……

 

371:学園都市のビルド

おいおい、天ッ才物理学者の頭脳が此処にあるのをお忘れかな?

 

372:横浜を守る二色のハンカチ(左)

そして不明と言ったが知識ならば此処にある

 

373:装者全員と友達になる男

>>371

>>372

うおおお頼もしすぎるぜッ!!!

 

374:イマジンコネクトDen-Liner

えっと、作れるのですか?

 

375:IS学園潜入刑事D

俺も技術は一通り備えているからサポートしよう。技術者ならエグゼイドニキもいるしな。

 

376:キバってダンまち@紅夜王(ブラッディキング)

けど、よその世界で作って持ち込むっていいの?

 

377:幻想郷が俺の世界DCD

その点は俺を介する必要はある。ただ、一先ずは様子見だ。アマゾンオメガは一先ずベルトを探せ。もし万が一存在せず、お前の特典が「アマゾン細胞」だけだった時に改めてビルドニキ達に動いてもらえ

 

378:IS学園潜入刑事D

けど、食人衝動はどうする?

 

379:絃神島のアマゾンオメガ

え、食人……?

 

380:学園都市のビルド

ああアマゾンには食人衝動っていうのがあるんだ。一応レジスターを介して接種する薬で抑制は出来る。

 

381:装者全員と友達になる男

お前はそういう衝動あったりしたか?

 

382:絃神島のアマゾンオメガ

現状はありません……代わりに破壊衝動がある感じですが……

 

383:イマジンコネクトDen-Liner

現状では何とも言えない感じですか……

 

384:IS学園潜入刑事D

アマゾンオメガと聞いて俺達が反応したのはそういうことだ。ライダーの中では過酷な存在のトップ級だと思っといた方がいいぞ

 

385:絃神島のアマゾンオメガ

……そう、ですね……分かり、ました

 

386:装者全員と友達になる男

まあ今気にしたってしょうがねえよ! あんま暗くなるな! 困った時はダチや俺達を頼れ!! いいな!

 

387:学園都市のビルド

そーそー。俺達も色々困ったら相談し合ってるからな。ライダーは助け合いっていうし

 

388:オカ研所属龍騎

なんなら俺もライダーバトルっていう戦わなきゃ生き残れないっていう龍騎だからな!

 

389:キバってダンまち@紅夜王(ブラッディキング)

転生したらファンガイアと人間のハーフだったけど仲間と上手くやってるよ!

 

390:幻想郷が俺の世界DCD

そういうことだ。此処の連中はどいつもこいつもお人よしだからな。現実で話せないことも話していけ。

 

391:絃神島のアマゾンオメガ

……皆さん、ありがとうございます。食人……その衝動がいつ来るのか分かりませんが、備えていきたいと思います

 

392:イマジンコネクトDen-Liner

一先ずは落ち着いたみたいで良かったです。じゃあストブラの世界についてもお話しましょうか?

 

393:学園都市のビルド

ツンデレ可愛い

 

394:オカ研所属龍騎

クラスメート一択だろー!?

 

395:IS学園潜入刑事D

王女が至高、異論は求めん

 

396:横浜を守る二色のハンカチ(左)

やっぱメインヒロインは後輩ちゃんだろJK

 

397:幻想郷が俺の世界DCD

今の連中全員浮気と判断していいのか?

ちな俺は妹推し

 

398:絃神島のアマゾンオメガ

さっきまでの空気は何処へ!?

 

399:キバってダンまち@紅夜王(ブラッディキング)

いつもの事だから気にしないで

 

400:装者全員と友達になる男

新しいダチが出来て皆嬉しいって事だぜ!!




オカ研所属龍騎
イッセーが一度消滅した際、ライダーバトル管理者からサバイブの力を渡された。
管理者の思惑通りに事が進む事と、自分が弱いままで仲間や友達、恋人を守れない事を天秤にかけてサバイブに覚醒。
本格的に逃れられない過酷な戦いとなっていくのを覚悟しつつ、不殺の信念は貫き、イッセーと共に曹操ら英雄派を倒した。

「俺は絶対に逃げない。強くなることの責任からも、戦い続ける事の代償からも……。このライダーバトルから皆を守る為なら、神だろうがなんだろうが、戦ってやる!」


イマジンコネクトDen-Liner
前回行方不明だったデンライナーは時空の狭間でイマジンの襲撃を受けて機能不全を起こしていた為。ディケイドニキの協力で難を逃れた。
モモタロスとは仲が良く、良太郎と同じように良き相方同士になれている。
ユウキの親友なだけあって顔が広い。サレンやマコト、なかよし部など仲のいい人は多い。

「本当に心配したんだからねモモタロス、皆……。だけど分かったよ。何度消えたとしても、僕は皆の存在を絶対に諦めないって」


横浜を守る二色のハンカチ
右は文ストの「江戸川乱歩」に憑依した人物。人格は身体に引っ張られる為、基本的に原作と変わらない。
ビギンズナイトで救ったのは彼ではなく、ドーパントの試験体になっていた女性(風都探偵におけるときめポジション)。
敦と鏡花を微笑ましく思いつつ、彼自身もその女性に振り回されている。

「フィッツジェラルド、どんな理由があろうと、アンタはこの街の人々を混沌に貶めた。……さあ、お前の罪を数える時だ!」


IS学園の潜入刑事D
潜入刑事としての身分が知られていないのは一般生徒が殆ど。代表候補生達は素性を知っており、ロイミュード対策の為に協力している。
男性格差社会のこの世界は悪意が生まれやすく、ロイミュードは成長が早い。
被害者の男の駆け込み寺だった特務科で働いているのは、彼自身の父親が貶められた事件がきっかけ。

「ISという技術を俺は否定しない。それでも、それが免罪符として罪が生まれるというのなら、俺が、刑事として、ドライブとして、その悪意と戦う。」


学園都市のビルド
万丈は上条と馬が合うらしく、良く学園都市外の事件に共に向かっていたりする。
そんな彼を学園都市から通信で遠隔サポートする安楽椅子探偵じみてきた。
やはり未だに出会いらしい出会いに恵まれない非リア充。

「マジで俺って出会いが無い星の下に生まれてるんじゃねえだろうな……? というかあのジョジョコンビはまた勝手に学園都市の外行きやがって……はあ、またサポートしてやりますかね」


絃神島のアマゾンオメガ
転生世界:ストライク・ザ・ブラッド
新たなライダー転生者にしてキワモノを手に入れてしまった。
彩海学園高等部で暁古城とはクラスメート。だが前世では仮面ライダーもストブラも知らず、「変わった世界に転生したなー」程度の認識。
アマゾンの力を制御できておらず、突発的に来る破壊衝動のままにトカゲアマゾンとなって暴れてしまうことが極稀にあり、それを目撃したディケイドニキに鎮圧された。

「………変身! って言ってみたい気もするけど……「アーマーゾーン!」ってやつ? え? 伸ばさない? ……そうなの?」


幻想郷が俺の世界DCD
ディケイドの性か、何度も転移させられて弄ばれていた影響か、一カ所にじっとし続ける事が出来ず、頻繁に幻想郷から抜け出してどこかの世界を通りすがり、そこで出会った転生者にアドバイスをして去っていくというのを繰り返している。
そんな中でも最後には必ず幻想郷に帰ってくる。帰る場所があることの大切さは原典の門矢士からも理解している。

「さて、次はどんな世界に行くのかね……なんだ霊夢、……お土産? ま、期待しないで待ってるんだな」



転生神殺し大戦
悪徳転生者や転生神の横暴を止める為の戦争。ディケイドニキとジオウニキが参戦している。
当時はとにかくチート能力を手にして好き勝手する者、転生する魂を玩具にするケースが多すぎた為にこのような事件が起きた。
結果として「神様転生」は無くなり、自然現象としての「転生」や「転移」となった。
クロスオーバー世界や転生特典はこの戦争の余波でバラ撒かれた因子によるもの


以下アンケート
今後主に見たい作品はどれでしょうか?
あくまで参考程度なので気楽にどうぞ


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8スレ目

久しぶりに純粋な掲示板回になります。


201:オカ研所属龍騎

正直サバイブだけじゃ足りない気がするんだよ

 

202:奈落のOOO@エリセン滞在中

それは同意しますね……。

 

203:スノーフィールドのゴースト@Fake

一番強化要素の足りないライダーですからね。

 

204:ラタトスクの炎の剣士@狂三攻略開始

改めて考えるとドラゴンボール並みにインフレの加速が早いDD世界で龍騎って割と致命的では……?

 

205:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

よくよく考えたら割とハードだったな龍騎君

 

206:オカ研所属龍騎

龍騎ライダーってミラーワールドでライダーバトルすることを前提に作られてるからなあ。神クラスの敵と戦う事とか考えられてないんだわ。

 

207:司波家長男リバイ

そりゃ、神崎士郎的には最終的にはオーディンの一人勝ちを目的としてるからなあ。スペック的にオーディンを上回らせる訳にはいかないだろ。

 

208:スノーフィールドのゴースト@Fake

その辺りどうなんですか? 龍騎ニキの世界でも神崎士郎的な存在の目的……みたいなのって、原典通り?

 

209:オカ研所属龍騎

それが分かれば苦労しねえんだよなあ。

 

210:オカ研所属龍騎の影・龍牙

ライダーバトルの活性化が目的なんだろーよ。でなきゃコイツにサバイブ渡したりしねえ。ただそれを「手段」とするなら目的はなんだろうなって話だろ

 

211:ラタトスクの炎の剣士@狂三攻略開始

ちょっと待って誰だソイツ。

 

212:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

リュウガ?

 

213:オカ研所属龍騎

あ、そうそう、コイツがリュウガ。禍の団の奴の神器の影響で生まれた俺の弟みたいな?

 

214:オカ研所属龍騎の影・龍牙

誰が弟だ。こんな馬鹿な兄なんざ願い下げだ

 

215:オカ研所属龍騎

何だとゴラァ!!!

 

216:スノーフィールドのゴースト@Fake

リュウガでも味方なんだ……。

 

217:オカ研所属龍騎の婚約者・ファム

元々英雄派が龍騎君への対抗策のつもりで作られたんだけど、戦ってる間に強さを気に入っちゃって裏切ったって言う感じかなー

 

218:奈落のOOO@エリセン滞在

あれ、ファムネキですか?

 

219:オカ研所属龍騎

ってお前も来たのかファム!

 

220:オカ研所属龍騎の婚約者・ファム

初めまして。龍騎君から話は聞いてたんだけど、ちょっと気になって来てみました。転生者の仮面ライダーファムです。どうぞよろしくお願いします

 

221:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

ようこそいらっしゃい。新人が一気に二人増えたね。

 

222:ラタトスクの炎の剣士@狂三攻略開始

というかリュウガは転生者じゃないのに此処来れるの?

 

223:オカ研所属龍騎の影・龍牙

俺は元々龍騎の一部から生まれた存在だからな。

 

224:オカ研所属龍騎

俺に使われた神器っていうのが「心の闇を増幅させて反転体を作り出す」っていう感じの能力だったんだよな。

 

225:司波家長男リバイ

どこの王国心だ

 

226:オカ研所属龍騎の影・龍牙

だがこの馬鹿は裏表が無かったんでな。単純に「もっと強くなりてえ」ってのだけが増幅して俺が生まれたんだよ。だから俺は強くなれんなら何処に居ようが構わねえ。オリジナルの近くに居た方がもっと面白くなりそぉだからな

 

227:スノーフィールドのゴースト@Fake

結果戦闘狂と。それただのヴァーリじゃないですか……

 

228:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

なんだかんだ言いつつコテハン見ると気に入ってるっぽいね今の立場

 

229:オカ研所属龍騎

素直じゃねえ弟なんだ。皆よろしくな

 

230:オカ研所属龍騎の影・龍牙

うっせえしばくぞ触れんなそこ

 

231:オカ研所属龍騎の婚約者・ファム

それで、少し見てきたけど強化しないといけない。だっけ?

 

232:ラタトスクの炎の剣士@狂三攻略開始

そうだよ。ライダーバトル的には良くってもDD的には不味いなあ。

 

233:司波家長男リバイ

管理人が居る都合、上限が決まってるのが辛いよな

 

234:奈落のOOO@エリセン滞在

なんか、後年になって追加要素が増えるとか……オーズみたいに

 

235:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

もうすでにやっちゃってるんだよねえそれ……

 

236:スノーフィールドのゴースト@Fake

となれば、管理人の想定外の進化をするしかありませんね。ウィザードのインフィニティーとか、ゴーストのムゲン魂みたいな奇跡の力を

 

237:オカ研所属龍騎の影・龍牙

そりゃそうかも知れねぇが、奇跡なんざそうそう起こせるもんか?

 

238:オカ研所属龍騎の婚約者・ファム

いやいや、イッセー君の復活も中々奇跡だったと思うよ?

 

239:司波家長男リバイ

それに奇跡ってのは起きるもんじゃなく、起こすもんだからな

 

240:ラタトスクの炎の剣士@狂三攻略開始

諦めない心。それが奇跡を起こすんだぞ

 

241:オカ研所属龍騎の影・龍牙

……ふぅん、それも強さの一つってことか。なるほどな

 

242:オカ研所属龍騎

とにかく諦めるなってことだな。任せろ根性だけはイッセーにも負けてねえ! とりあえずアイツとゼノヴィアも誘って特訓するぞ!!

 

243:奈落のOOO@エリセン滞在

龍騎ニキらしいというか、龍騎らしいというか。

 

244:オカ研所属龍騎の婚約者・ファム

カッコいい人でしょ? こういうとこが大好きなんだ~

 

245:司波家長男リバイ

愛されてんな龍騎ニキ

 

246:司波家の悪魔バイス

貴一ー! 俺っちにも愛情ちょーだーい!

 

247:司波家長男リバイ

お前は黙ってろバイス! ってかお前来れたのか!!?

 

248:ラタトスクの炎の剣士@狂三攻略開始

>>246

またなんか増えたんだけど!?

 

249:司波家の悪魔バイス

どもども! 俺っち司波家長男の貴一と一心同体のサイキョー悪魔バイスでっせ! 此処の事はずっと見てたけどさっきの龍牙とかいう奴の話を聞いて俺っちも出来るかなって思ったらできちった!! しくよろー!

 

250:奈落のOOO@エリセン滞在

めっちゃ騒がしいのが来た……w

 

251:司波家長男リバイ

はあ……まあコイツが例の悪魔だ。バイス、あんま迷惑かけんなよ? あとここでは本名はNGだかんな

 

252:司波家の悪魔バイス

おおっと! ごめんちゃい

 

253:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

はは、賑やかになったねえ。

 

254:ラタトスクの炎の剣士@狂三攻略開始

結構一気に増えたからなあ。

 

255:スノーフィールドのゴースト@Fake

ちなみに俺の剣式さんもこの掲示板のこと見てるんだよね……

 

256:オカ研所属龍騎

マジかよ根源

 

257:スノーフィールドのゴースト@Fake

めっちゃ面白がってますよ

 

258:奈落のOOO@エリセン滞在

それでいいのか根源

 

259:司波家の悪魔バイス

見てる分にはめーっちゃおもしれーからなここ! 俺っちこういう賑やかなのだーいすきだぜえ!

 

260:オカ研所属龍騎の婚約者・ファム

そうだね~。私もこういう掲示板なら参加してもいいかなーって思ったし。

 

261:ラタトスクの炎の剣士@狂三攻略開始

そういえばファムネキは龍騎ニキとどういう風に知り合ったんだ?

 

262:奈落のOOO@エリセン滞在

そうそう、龍騎ニキそういうとこ教えてくれないんですよね

 

263:オカ研所属龍騎

当たり前だろはずいわ!!

 

264:オカ研所属龍騎の婚約者・ファム

え~? 別に普通だよ? 親に捨てられた私を拾ってくれたのが龍騎君の家で、10歳の時からずーっと一緒の婚約者ってだけだよ~

 

265:オカ研所属龍騎

ファァァァァムさん!!?

 

266:司波家の悪魔バイス

あらま! めーっちゃラブロマンス!

 

267:オカ研所属龍騎の影・龍牙

愉悦w

 

268:司波家長男リバイ

いやそれ普通か……?

 

269:オカ研所属龍騎

>>267

何笑ってんだよリュウガァァァッ!!!

 

270:スノーフィールドのゴースト@Fake

>>268

普通じゃない?

 

270:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

龍騎ニキは落ち着きなさい。

あとゴーストニキは冬木の大火災を経験してるからって普通と受け入れないでね?

 

271:奈落のOOO@エリセン滞在

混沌としてるなあ……

 

272:名無しの転生ライダー

すみません。ライターの転生者掲示板ってここで合ってますか?

 

273:名無しの転生ライダー

初めまして。少し相談したい事があって来ました。

 

274:ラタトスクの炎の剣士@狂三攻略開始

おっとまた新人か?

 

275:スノーフィールドのゴースト@Fake

今日は多いね?

 

276:オカ研所属龍騎の婚約者・ファム

ほら、龍騎君落ち着いて。あとで膝枕でもおっぱい枕でもしてあげるから

 

277:オカ研所属龍騎

アウトだよ!!? あと俺をイッセーと同じにすんな!?

 

278:司波家の悪魔バイス

ファムネキのおっぱい枕だとぉ!?

 

279:司波家長男リバイ

お・ま・え・は黙ってろバイスッ!!!

 

280:オカ研所属龍騎の婚約者・ファム

でも嬉しいんでしょ?

 

281:オカ研所属龍騎の影・龍牙

素直になれよオリジナル

 

282:オカ研所属龍騎

嬉しいですッ!!!

 

283:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

君達一旦黙ろうか? 鬼の地獄トレーニングやらせるよ?

 

284:オカ研所属龍騎

ごめんなさいっ!!!!

 

285:奈落のOOO@エリセン滞在

ごめんね新人さん。とりあえずコテハンと状況を教えてもらってもいいかな? というか二人?

 

286:テイワットに降り立ったギンガ

あ、相談に来たのはもう一人の方です。俺は付き添いですがせっかくなので参加しました。

仮面ライダーギンガとして「原神」世界で戦っています。

 

287:第三世代アークス・キカイ

相談したいのは俺です。PSO2の世界に転生し、仮面ライダーキカイとして戦っている者です。

オラクルに所属してダーカーを相手に戦っていたのですが……何故かこいつらが現れまして

 

【ヒューマギアの画像】

 

288:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

ええ……

 

289:司波家の悪魔バイス

わーお☆

 

290:オカ研所属龍騎

似てるけどちがぁう!!!

 

291:奈落のOOO@エリセン滞在

ぜ、ゼロワンニキ! ゼロワンニキは何処ですかー!?

 

292:テラの運命を変えられるのはただ一人、俺だ!

あー……それ原因こっちだわ

 

293:オカ研所属龍騎の影・龍牙

来るのが早いじゃねえか

 

294:スノーフィールドのゴースト@Fake

なんか通知が来るようになってるらしいよ。管理人のジオウニキが言ってた。

 

295:テイワットに降り立ったギンガ

ゼロワンさん。そちらが原因とは?

 

296:テラの運命を変えられるのはただ一人、俺だ!

セイバーニキ。分かるだろ?

 

297:ラタトスクの炎の剣士@狂三攻略開始

………あー、あのマッドサイエンティストの置き土産……?

 

298:司波家長男リバイ

余計なことしかしてねえなあの野郎!!!!

 

299:第三世代アークス・キカイ

ちょ、待ってなんかデカイやつ来てる!? ギーガーじゃんあれ!? ダーカーに浸食されてるけど!? ってヤバい攻撃してきた!!?

 

300:テラの運命を変えられるのはただ一人、俺だ!

ちょっと待ってろ急いでそっち行く!!




オカ研所属龍騎の影・龍牙
闇が光と共闘するというケース。トリガーとトリガーダークを見て思いついた。
原典のリュウガとは出生の経緯が異なる為、オリジナルを取り込もうという欲望は無く、味方になってくれた。
そもそも龍騎×DDのライダーバトルは彼を除き、アビスを入れての13ライダーなのでリュウガは完全なイレギュラーということになる。
口調は悪いがオリジナルの龍騎ニキや仲間は身を挺して守ろうとするツンデレ。

「仲間……それがテメェの強さの根源か……面白い。だったらその強さってモンを俺にも見せてくれよ。オリジナル」


オカ研所属龍騎の婚約者・ファム
龍騎ニキのメインヒロイン。天然でマイペースに振る舞う白髪の美少女。巨乳。
原作開始前のイッセーが血涙を流すほど龍騎ニキの事が大好き。
誰に対してもフレンドリーで明るく振る舞うが、自分を捨てた親の事だけは心の底から憎悪している。
龍騎ニキの二号ライダーは誰かというのが彼女とナイト、リュウガで論争になりやすい。
ちなみに味方陣営は他にナイト・タイガ・ゾルダ・ライア。
アビスはヴァーリチームに所属しているので若干味方寄り。

「あんなこと言ってたけどね~。彼私の事凄い大好きなんだよ? 私を守るためってコカピエル相手に立ち向かった姿……凄いかっこよかったなあ~」
龍騎ニキ「ハズいんでやめてくださいファムさん!!!」


司波家の悪魔バイス
リバイニキこと司波貴一から生まれた悪魔。四葉家の調整によって生まれたことを除けば言動や能力共に原典のバイスと全く同じ。
めっちゃ目立ちたがり屋なのでリバイニキはもう秘匿が面倒臭くなってガンデフォン経由で学友達とは普通に話すようになってる。

「ねえ貴一ー! すっげーの見えたんだけど!」
リバイニキ「え、深雪から……? ……まさかとは思うが……やっぱり、リバイの妹だからそうなるわけか……」


スノーフィールドのゴースト@Fake
蒼銀から今度はstrange Fakeへ。もう転移は諦めた模様
新たなサーヴァントは巴御前。やはり和のサーヴァントであった。

「英雄王居るじゃん此処……しかも慢心抜きでしょ? 勝てる気がしないんだけど? ……覚えてるかなあ俺の事。覚えてたら嫌だなあ……」


奈落のOOO@エリセン滞在
グリューエンで出会ったガメルの依頼でメルジーネ海底遺跡を目指し、そこでメズールと出会う。
ホルアドの町にいる龍太郎とシアに清水が使役する鳥経由で連絡を飛ばし、ミュウを助けてもらい、合流待ち。
アンク憑依ハジメがプロトバースを完成させた。現状龍太郎に着けてもらおうかと検討中。

「三人共水着着て誰が可愛いか聞いてきたときは一番真剣になった。多分迷宮攻略よりも。……というかアンクは水着のアレーティアに一切動じてないのすげえな。流石グリード。……てかメズールのアンクを見る目ちょっと違くね? え? マジ?」


テイワットに降り立ったギンガ
転生世界:原神
宇宙空間で生まれたエネルギー体として転生。その後仮面ライダーギンガに進化した。CV杉田。
宇宙を航行していたら何やら綺麗な星を見つけて降り立ったら原神だった。
人間に擬態し、テイワットの各地を冒険中。現在進行形でハーレムを拡大し続けている。
キカイニキに宇宙繋がりで相談されたが流石に分からず、掲示板にやってきた。

「まさか世界が繋がっていたとはな……とはいえ解決できそうでなによりだ。さて、そろそろ土産を持って刻晴や甘雨に会いに行くとするか」


第三世代アークス・キカイ
転生世界:ファンタシースターオンライン2
クラスはキャストだが、外見は限りなく人間そのもの(真紀那レントと同じ)。いわゆる安藤のポジションとして生まれた。
ヒューマノイズは今のところ確認できていない為、単純にダーカーと戦う日々を過ごしていたが突然ヒューマギアが現れ混乱。知り合いのギンガニキに相談していたが、彼の提案で掲示板を訪れた。
この後ゼロワンニキの協力で全て殲滅した。

「同じ機械として、叶う事なら倒したくはない……だが、マトイ達を傷つけるというのなら、俺は心を鬼にして、お前達を止める」


テラの運命を変えられるのはただ一人、俺だ!
あのマッドサイエンティストの置き土産が案の定見つかり、ディケイドニキに頼んで世界を越えた。
多分他の世界にも影響が及んでいるかもしれないので転生者達には警戒を呼び掛けている

「本当に勘弁してくれよ! なんで俺が「まだ休んじゃ駄目ですよ?」なんだよ! そういうのはドクターのポジションだろ!!?」


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年末の掲示板

注:転生者達の時間はバラバラなので年末じゃない人もいます


【クリスマス】お前ら年末どう過ごしてる?【誰も死なせん】

 

1:魔王オーマジオウ・トリニティ

気になったからスレ立てたよー。

 

2:ΑGITΩ@攻略休憩

スレ立て乙ー。いやあ魔王様は自由だねえw

 

3:アルザーノ魔術講師ウィザード

乙ー。もう年末ですねー

 

4:スペードの剣@アンダーウッド満喫中

しかしスレタイが中々深刻……

 

5:鎧武が斬る!

確かに風潮ではあるけども……w

 

6:奈落のOOO@目指すはグリューエン

年末かあ、トータスにそういう概念無いから分からなかった。

でも時期的にはそれくらいな気がするし、香織や雫、優花と祝おうかな?

 

7:装者全員と友達になる男

>>6

シレッとハーレム増やしてるw

 

8:ラタトスクの炎の剣士@あと二人

異世界組は年末年始の風習無い所もありそうだよなあ。

 

9:パパ呼びに慣れた執務官555

俺は年越しの概念が無い世界出身だったが、なのはと会えたことで出来るようになった。ウレシイ……

 

10:司波家長男リバイ

三兄妹と友人達と年越し中だ。現在進行形で蕎麦作ってる

 

11:カブト@ユニオン&重桜指揮官

手打ちか? 俺の蕎麦も負けんぞ。

 

12:ΑGITΩ@攻略休憩

ユニオン出身なのに蕎麦打てるんだ……(困惑)

アインクラッドには蕎麦が無い(涙)

 

13:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

お、蕎麦かい? 俺のとっておきの作り方を伝授しようか?

 

14:ラタトスクの炎の剣士@あと二人

主夫ランクEX五河士道の蕎麦打ち嘗めないでもらおうか!

 

15:アルザーノ魔術講師ウィザード

ハイスペック組蕎麦で交戦しないでもろて

 

16:キバってダンまち@ヘルメス絶許

オラリオだと正月の文化ってないからねえ。年の習慣はあるだろうけど

 

17:トゥリファスのゴースト@聖杯大戦に巻き込まれた

衛宮さんちの年越し蕎麦食べたかったなあ……(涙)

 

18:鎧武が斬る!

涙拭けよ……

 

19:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

えっと、とりあえずジオウニキは皆の過ごし方を知りたいってことでおk?

 

20:魔王オーマジオウ・トリニティ

そうだよー。じゃあ俺のとこから。

とりあえずリリスとアナと一緒にパーティの準備中。盛大に祝いたいからね

 

21:パパ呼びに慣れた執務官555

やっぱこいつの中身ウォズじゃね?

 

22:魔王オーマジオウ・トリニティ

はっはっは、ウォズいたらどれだけ楽だったか聞きたい?

 

23:ΑGITΩ@攻略休憩

一瞬闇が見えた……

 

24:魔王オーマジオウ・トリニティ

いやまあ、それでも皆いるしいいんだけどね?

というかエプロン姿の二人が新妻っぽくて凄いイイ

エプロンが胸で押し上げられてるのとか、もう、ね?

 

25:アルザーノ魔術講師ウィザード

この魔王、欲望に正直すぎる

 

26:司波家長男リバイ

お前書庫なんだよ

 

27:魔王オーマジオウ・トリニティ

>>26

《憤怒(イラ)》の《創造(パルタム)》

 

28:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

あー、凄い納得

 

29:鎧武が斬る!

というかソウゴっぽい

 

30:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

自分のことは基本的に笑って受け流すけど、いざキレるとね

 

31:カブト@ユニオン&重桜指揮官

というか、ジオウニキはやはりソウゴに近い精神性なのか

 

32:魔王オーマジオウ・トリニティ

オレは元々王様志望ではないけど、魔王候補って聞いてからはじゃあ最高最善目指すかってなった。

それから色々と頑張っただけだよ

 

33:装者全員と友達になる男

トリセブ違う面子なんだっけ?

 

34:魔王オーマジオウ・トリニティ

そーそー。春日アラタとは別の世界だったからねー。とはいっても次元超えて会ったことはあるけども。

あ、鈴香ちゃんが美味しそうなローストビーフ作ってくれた

 

35:ΑGITΩ@攻略休憩

飯テロやめてくれええええ

 

37:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

ああー、SAO世界だから……

 

37:ΑGITΩ@攻略休憩

味覚信号は確かにあるけど、やっぱりどっか違うって感じ。再現は凄いけど、たまには普通の家庭料理が食べたいよ………

 

38:奈落のOOO@目指すはグリューエン

そうだよねえ。全然素材違ったりするし……、けど飲食店の娘だった優花がパーティに加わってくれたから飯の心配はしなくてよくなった。

嫁三人の料理が最高過ぎてアレーティアもアンクも大好評。

 

39:スペードの剣@アンダーウッド満喫中

そういうオーズ君はどういう経緯でそうなった。

 

40:ラタトスクの炎の剣士@あと二人

そうそう、いつの間にそこまで行ったの?

 

41:奈落のOOO@目指すはグリューエン

いやあ、どうせ他の大迷宮の証を見つけないといけないのに、ハルツィナ目指しても仕方ないじゃん?

だったら空間魔法先に取ろうかなと

 

42:アルザーノ魔術講師ウィザード

こういうの言っていいのか分からないけど、バグウサギ大丈夫なの?

 

43:キバってダンまち@ヘルメス絶許

そうそう。時期的にほっといていいとは思えないけど

 

44:奈落のOOO@目指すはグリューエン

あー、大丈夫。龍太郎が助けてた

 

45:トゥリファスのゴースト@聖杯大戦に巻き込まれた

はい?

 

46:パパ呼びに慣れた執務官555

何故そこで龍太郎が出てくる?

 

47:奈落のOOO@目指すはグリューエン

なんでも、あの時の紫ヤミーに手も足も出ないことが悔しすぎて武者修行の旅に出たっぽい。

そしたら追放されたハウリア族と遭遇して助けてビリーズブートキャンプやってた

 

48:司波家長男リバイ

草生えるけど意外とマッチしてそう

 

49:装者全員と友達になる男

ソイツとは仲良くなれそうだぜ!!

 

50:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

鍛えることで強くなるのは間違いないからね

 

51:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

筋肉勢反応するの早いよw

 

52:トゥリファスのゴースト@聖杯大戦に巻き込まれた

結果的に両方筋肉だからねえ……

 

53:奈落のOOO@目指すはグリューエン

それで、ライセンは多分二人が適任だと思ったから先に他の攻略しようかと思って。

で、幸利との再会の為にウルへ。そこで再会したんだけど、優花が俺に恩返ししたいって。多分オルクス初回のベヒモスだと思う。

それでパーティメンバー入り。幸利はもっと強くなるって言って魔物を支配下に置く訓練をしてる。

 

54:アルザーノ魔術講師ウィザード

ラブコメの波動を感じますねえ

 

55:司波家長男リバイ

ラブコメ(ただし既に二股)

 

56:魔王オーマジオウ・トリニティ

>>55

やめてその言葉は俺に効く

 

57:ΑGITΩ@攻略休憩

>>55

グサァッ!!

 

58:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

>>55

し、姉妹の共有財産なだけだし……プルルートは特別なだけだし……

 

59:鎧武が斬る!

>>55

アカメとクロメは依存だから……あれ、もっとヤバい?

 

60:パパ呼びに慣れた執務官555

>>55

俺もしかしてそうなる? 母2人父1人?

……ヴィヴィオの教育に悪そう

 

61:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

流れ弾当たりすぎじゃない……?

 

62:キバってダンまち@ヘルメス絶許

倫理観緩い過酷な世界だとそうなりがちなのかもしれない……

 

63:カブト@ユニオン&重桜指揮官

それはそうだろうな。こっちは寧ろ推奨してくるが

 

64:スペードの剣@アンダーウッド満喫中

KAN-SENが強くなるというのなら当然の判断と思うが……

 

65:装者全員と友達になる男

こっちはSONG皆と忘年会だぜー。この後泊まりに来いってツヴァイウイングとカデンツァヴナ姉妹とそれぞれに誘われてんだが、一緒に泊まればよくね?

 

66:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

>>65

は?

 

67:ΑGITΩ@攻略休憩

>>65

お前は何を言っているんだ

 

68:奈落のOOO@目指すはグリューエン

>>65

許さん!!!

 

69:装者全員と友達になる男

なんでだ!?

 

70:アルザーノ魔術講師ウィザード

そろそろ友達の次の段階に行ってもいいと思うよ?

 

71:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

まあ、言ってもあまり意味ない気がするけどねえ

 

72:キバってダンまち@ヘルメス絶許

僕はアイズとレフィーヤとデート……デートだよね? 多分デートしてる。

 

73:ラタトスクの炎の剣士@あと二人

やっぱり二人連れてるじゃないか。俺が言える事じゃないけど

 

74:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

というかコテハンどうしたの?

 

75:キバってダンまち@ヘルメス絶許

なんかやたらちょっかい掛けてくる。

 

76:鎧武が斬る!

ああー。ヘルメス的には多分ファンガイア絶対殲滅する英雄キバを望んでるからそういう道を進ませたいんだろうなあ

 

77:トゥリファスのゴースト@聖杯大戦に巻き込まれた

キバニキ自身はどうしたい?

 

78:キバってダンまち@ヘルメス絶許

うーん。まだそこまではなんとも考えられないかな。もっとファンガイアとの関わりを持ってから色々決めたい。

その辺りはヘスティア様にも、眷属の皆にも話してるし、協力してるロキ・ファミリアの人達とも話し合った。

 

79:魔王オーマジオウ・トリニティ

そうだねえ。お互いに色々考えないといけないからね。自分の意見を話すのは凄い大事なことだよ

 

80:司波家長男リバイ

秘密主義は胡散臭く思われるからな~。分かってる? 

 

81:アルザーノ魔術講師ウィザード

ギクゥ。な、なんのことやら

 

82:鎧武が斬る!

ルミアのこととか隠し事多いでしょ。頑張れ

 

83:アルザーノ魔術講師ウィザード

うーん……多分そのうちバレる気がするけど……

 

84:スペードの剣@アンダーウッド満喫中

成り行きでバレてしまうのは仕方ないことだな

 

85:パパ呼びに慣れた執務官555

ブレイドニキはどういう経緯でバレたんだ?

 

86:スペードの剣@アンダーウッド満喫中

白夜叉に試された。あの和装ロリ絶対許さん

 

87:カブト@ユニオン&重桜指揮官

ブレイドニキは功績と恩恵がものだからな……階層支配者として警戒するのも無理はない。

 

88:魔王オーマジオウ・トリニティ

功績的には魔王と言われても変わらないからねえ

 

89:トゥリファスのゴースト@聖杯大戦に巻き込まれた

まあ、その場はごまかせても結局いつかは使っちゃうんだろうねえ。

あっ

 

90:ラタトスクの炎の剣士@あと二人

ゴーストニキ? どうした?

 

91:奈落のOOO@目指すはグリューエン

また世界飛ばされた?

 

92:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

まーた巻き込まれたのかあ……(困惑)

 

93:ゴースト@此処は何処?

はい、そうみたいです。調べてきます(涙)

 

94:魔王オーマジオウ・トリニティ

今度はどんな型月次元へ渡ったのか……

 

95:鎧武が斬る!

強く生きてほしい……。

 

96:スペードの剣@アンダーウッド満喫中

お前もだぞ鎧武ニキ

 

97:鎧武が斬る!

俺は今のところ上手く行ってる……と、思う。

タツミがエスデスに惚れられて拉致された所も原作通り。

多分そろそろスタイリッシュとの交戦……あ、来たわすまん抜ける

 

98:キバってダンまち@ヘルメス絶許

行ってらっしゃい。気を付けて

 

99:魔王オーマジオウ・トリニティ

とりあえず、年越し面子は他にいる?

 

100:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

うちはそうだね。鬼と忍集合して年越しの集まりしてる。

雪泉ちゃんがお酌して、雅緋ちゃんと一緒に飲んでるよ。たしなむ程度に

 

101:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

こっちもそうだよー。ネプテューヌが女神姿で年越しイベントしてる。

僕もそれに引っ張り出されてるところ。

 

102:ラタトスクの炎の剣士@あと二人

ニ亜攻略して、そのまますぐに年末入った。

神蝕篇帙があのクソ社長に奪われた結果、アイツがソロモンになりましたクソぁ

 

103:ΑGITΩ@攻略休憩

それ年末過ごしてる場合じゃなくない?

 

104:パパ呼びに慣れた執務官555

まあ、気張り続けてもいいことは無いからな。

 

105:スペードの剣@アンダーウッド満喫中

ああ。気が抜ける時はしっかり抜いたほうがいいぞ

 

106:司波家長男リバイ

それ俺がいつも達也に言ってることだな……

 

107:カブト@ユニオン&重桜指揮官

こちらも年末だ。ユニオンと重桜のKAN-SEN対抗紅白歌合戦で盛り上がっている

 

108:魔王オーマジオウ・トリニティ

何それ凄い気になる

 

109:奈落のOOO@目指すはグリューエン

LIVEしてほしいんですけど!

 

110:カブト@ユニオン&重桜指揮官

少し待て

 

111:東京のゴースト@蒼銀

いいなあ、楽しそうで……

 

112:ΑGITΩ@攻略休憩

ファッ!!?

 

113:ラタトスクの炎の剣士@あと二人

蒼銀ってマジか……

 

114:キバってダンまち@ヘルメス絶許

それで、新たな助っ人は?

 

115:奈落のOOO@目指すはグリューエン

ゴーストニキ世界を渡る度にサーヴァント増えるからね

 

115:東京のゴースト@蒼銀

剣式

 

116:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

はい?

 

117:アルザーノ魔術講師ウィザード

え、マジで? ………マジで?

 

118:装者全員と友達になる男

来てはいけない人が来てるんだが!?

 

119:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

それだけその世界の難易度が高いということだろうね……

 

120:魔王オーマジオウ・トリニティ

流石根源接続者ってとこかな

 

 


 

 

「大変だなゴーストニキ。頑張れよ……」

 

そう呟くのは『スペードの剣』のコテハンで活動しているブレイドニキこと、『剣城カズハ』。

現在彼がいるのはアンダーウッド。巨龍という危機を脱したアンダーウッドで、現在彼とノーネームの一行はゆっくり過ごしていた。

……ゆっくり、というには語弊があり、先程まで『退廃の風』という箱庭屈指の危険な魔王と相対していたのだが。

あらゆる生命を滅ぼすと言われた『退廃の風』だが、そこは我らのブレイドニキ。

アンデッドの不死性とキングフォームで何とか応戦し、時間稼ぎに成功していたりする。

 

「ま、頑張った後の飯は格別だろうな。期待していいんだろうな十六夜?

「おうよ。前とは比べ物にならねえ出来だと自負してるぜ。食ってみろ。飛ぶぞ」

「何処から持ってきたそのネタ」

 

アンデッドと言えど味覚はある。なのでしっかり手を合わせて味わってみるとしよう。

何か忘れているような気もするが、まあ大したことではないだろうとばかりに逆廻十六夜特性パンプキンキッシュに手を伸ばし――――

 

 

 

「うわああああああああああああああ暴れマッチョだぁああああああ!!!!!」

 

 

 

ピシッ! と固まった。

 

「………あー、そうだ。こいつらが居たんだった……」

「おらカズハ、もう一仕事すっぞ」

「……マジかよ……。はあ」

 

げんなりしながらもカズハは立ち上がり、腰に「ブレイバックル」を装着。

窓際に立つと、暴れながら大量に走ってくる暴れマッチョ人形の群れを前にため息。

流石のブレイドニキでもマジで相手したくないようだ。

 

「諦めろ。おら女性陣お前らも手伝え。マッチョ狩りハードだ」

「……それ私達もやれっていうの?」

「せ、せめてキッシュだけでも一口」

 

だだを捏ねる女性陣、久遠飛鳥と春日部耀の襟を引っ掴んだ十六夜は同じくげんなりしながらも告げる。

 

「後にしろ。それに古今東西、偉い人達は言いました。―――働かざる者食うべからずってな!!」

「俺さっきまで働いてたんだけど……まあいいや、変身」

 

『Turn-UP』

『Evolution King』

 

 


 

 

130:スペードの剣@マッチョ狩りハード

てことでマッチョ狩りしてくる。欲しい人いる?

 

131:奈落のOOO@目指すはグリューエン

お帰り下さい

 

132:カブト@ユニオン&重桜指揮官

何故欲しがると思ったのか

 

133:魔王オーマジオウ・トリニティ

一体欲しいな

 

134:司波家長男リバイ

は?

 

135:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

魔王様そういうこと言うからね……




スペードの剣@ノーネーム復興中
本名が判明した、退廃の風相手でもやり合ってるチート。アンデッドという不死性を遺憾なく発揮し、ロイヤルストレートフラッシュを連発しまくって時間稼ぎした。マジでこの人……。
ただし感性は人間なのでマッチョの群れには普通に生理的嫌悪を示す。
永い間一人で生きてなお精神がマトモなのも割とチートだったりする

「正直ダークローチ相手にする方がはるかにマシだ。……もう筋肉は見たくない……キッシュ食って全部忘れよう」


時空管理局執務官555
なのフェイの二人と仲良し。
他にもスバルやティアナは尊敬込みでの恋慕を向けているが、そちらには気付いていない。
割と自己評価が低く、責任感が強い為、負担が尋常でないブラスターフォームも躊躇いなく使いがちなのでその度に怒られる。
ヴィヴィオとの関わりで少しは改善されれば……というのが機動六課の総意。

「どうした高町……。パパと呼ばれるのに抵抗なくなっただと? ……うるさい。諦めただけだ……その割には穏やか? ほっとけ……」


カブト@ユニオン&重桜指揮官
ケッコン艦はヨークタウン、エンプラ、ホーネット、ニュージャージー。赤城、天城、大鳳、信濃。
ワーム支配下は重桜はかなりヤバい状態だったようでヤンデレ勢が大人しくなってることからも察せる。
ヤンデレ以上にメンヘラという中でのメンタルケアを完遂した人心掌握チート。

「グランマが言っていた。泣いている女の子がいたら迷わずにそっと手を差し伸べるのが男だと。傷ついているKAN-SENが居れば、俺で良ければ寄り添おう」


キバってダンまち@兎君代理
今後の事を考慮し、ヘスティアを説得しまくってロキ・ファミリアとの繋がりを作った。
アイズに自身の「キバ」としての責任、ぼかしつつだが「ベルの代わり」であることの重圧、それらに潰されそうな弱音を吐いた際、偶然レフィーヤにも聞かれており、それを契機に親しくなった。
庇護欲をそそられる顔をしているらしい。紅渡やベルの因子はしっかりと受け継いでいる。
優しい性格の為、自分を恋い慕う女性とどう折り合いを付けるかを常に悩んでいる。

「え、よ、呼び捨てで良いって? い、いやそれは流石に……って、分かった、分かったからそんな見つめないで……え、あ、アイズ? ……レフィーヤ……あー、恥ずかしい!!!」


奈落のOOO@目指すはグリューエン
流石にウザいミレディに会いに行くのはちょっと……となってた。
香織と雫とは正式に交際するようになったが、命を救っていた優花にも惚れられていたことにかなり驚いた模様
このルートではハジメが全てを解決するのではなく、翼の他にも龍太郎や清水、遠藤らと各所各所で原作の問題を並行して解決していくような物語となっている。
ハジメの意思は覚醒しており、自身の宿主であるアンクと交流している

「優花ちゃんの意思? ……勿論、尊重するよ。そもそも二人と交際している俺がどうこう言えるわけないしなあ。……けど、天之河がまた何か言ってきそう……ちゃんと言い返せるように俺も覚悟しないとなあ」


装者全員と友達になる男
鈍感をぶちかました男。
正真正銘好意には気付いてない。響や切歌たちには割と呆れられているが、彼に惚れてる装者達(奏・翼・マリア・セレナ)もそれぞれ恋愛クソ雑魚なので結果的に今の状態が一番安定している。
なおクリスは二号ライダーであるメテオと正式に交際している。

「なんで未来はそんなに冷たい目で見るんだ!? ってか切歌と調もジト目だし!! なあ響……。自分で考えてね? どういうことだー!?」


アルザーノ魔術講師ウィザード
セラとイヴに振り回されるグレンを見て微笑ましく思いながらその話題を肴にアルベルトと酒を飲むのが楽しみ。
口調は軽薄だが一方で堅い性格なので「教師と生徒の恋愛ってどうなんだ?」と思っており、好意には気付いていてもあまり口には出さない。

「セラが生きてるからイヴも随分精神的には余裕そうだよねえ。ねえアル。聞きたい? うちの学校でセラとイヴに揶揄われてタジタジになってるグレンの話」


鎧武が斬る!
両足を失ったシェーレは離脱、ブラートは傷を癒す為に本拠で療養中。
結果的にスサノオとチェルシーは加入することになった。
この後スタイリッシュ相手にジンバーレモンに変身して応戦。
始まりの女のみならず、DJサガラまでもが現れ、ゲネシスコアとレモンエナジーロックシードを置いていった。
タツミはバロンとして凄まじい勢いで成長しており、マンゴーも使いこなしている。
アカメとクロメは義兄であるレンジに依存しており、非任務中は凄まじく空気が甘い。ラバックが吐く。なおクロメは八房を持っていない。

「デュークは恐らくスタイリッシュ以上に倫理観が破綻しているだろうな……。しかもコイツの研究を引き継いでる可能性も……そうなったら……ああもう、今大事なこと考えてるから姉妹揃って引っ付くな!!」


東京ゴースト@蒼銀
また世界超えた不憫なゴースト君。
EXTRAの後にZERO、からのApocryphaへ、そして蒼銀に。
世界を渡る度に味方のサーヴァントが増えていき、景虎→卑弥呼→龍馬&お竜さんときていきなりの剣式
どうにも和のサーヴァントと縁があるらしい。世界を渡る為か、彼の時系列は流れが非常に早い

「根源には根源をぶつけろ、ねえ……。でもそうなると俺もいよいよムゲンの力手に入れないと不味いかもなあ」


魔王オーマジオウ・トリニティ
トリニティセブンのメンバーはリリス(アナスタシア)、ミラ、アリエス、鈴香、ユイ、竜姫、そしてリイマジのツクヨミ。
オーマジオウとなるまでにアナザーライダーを相手に戦い続けた猛者。魔王になってなお精神性を保っているという点では春日アラタに匹敵するレベルの魔王である。
本人が本気で恋愛感情を抱いているのはリリスとアナ。

「皆笑顔でいてほしいからね、その為にはまず俺が笑顔でいないと。リリスとアナを救った時から覚悟は決まってるからね」


ラタトスクの炎の剣士@あと二人
二亜を攻略し、狼煙を入手したがウェストコットがソロモンになったことに愕然。
改めてクロスセイバーに至る事を決意した。同人誌作りはかなり気合が入っていた様子。
反転四糸乃と遭遇した時どうなるのか、今は誰も知る由もない

「にしてもあのウェストコット、改めて考えると原作と性格とか全然違ったな……? それにエレンとも仲は良くなさそうだったし……。少し探り入れてみるかな」



お知らせ
一週間ほど、ほぼ毎日投稿し続けていましたが新年以降ペースを落とします。
書きたかったことをある程度やり終えたのと、色々忙しくなるためです。
週一、または隔週程度になると思うのでご理解ください
活動報告の方で今後書きたい事も乗せてるので一覧ください

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=273448&uid=52707


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9スレ目

―――その名を背負う者にしか出来ない生き方がある。


601:半蔵学園教師ヒビキさん

月閃への派遣期間が終わったよー

 

602:刃の心の伐刀者

お疲れ様ですー

 

603:スペードの剣@アンダーウッド収穫祭満喫

久々の半蔵学園はどう?

 

604:半蔵学園教師ヒビキさん

なんだかんだ言っても居心地いいね。やっぱり

まあ、向こうの生活も結構気に入ってたけどね

 

605:IS学園潜入刑事D

女子高を居心地いいと思ったら大分ヤバいと思うぞ

 

606:アルザーノ魔術講師ウィザード

まあ、言ってもヒビキさんは教師だから生徒とは感じ方も違うでしょ。

 

607:東京武偵高情報科〇×

女装して女子高に派遣された人が何か言ってる

 

608:アルザーノ魔術講師ウィザード

止めろォ!!!

 

609:司波家長男リバイ

その時の写真はよください

 

610:アルザーノ魔術講師ウィザード

あげるわけないでしょ馬鹿じゃないの!?

 

611:刃の心の伐刀者

忍の教師している人ってヒビキさんだけです?

 

612:半蔵学園教師ヒビキさん

んー、そうだけど俺が派遣されたのってお試しみたいなとこあるからね~

今後増えると思うよ。カブキとか

 

613:東京武偵校情報科〇×

カブキいるのか(困惑)

 

614:アルザーノ魔術講師ウィザード

ダークライダーが味方なのは割とあることだよ

 

615:スペードの剣@アンダーウッド収穫祭満喫

カブキはいわゆる悲しい悪役だから、不運が重ならなければ味方側で十分通じる気もするな。

 

616:IS学園潜入刑事D

ゴルドドライブは変わらず悪役なんだろうけどな。ベルトさんからの話を聞く限り

 

617:刃の心の伐刀者

一応ライダーの歴史が絡んでいる以上、根っからの悪役はどうしても変わらないんでしょうね

 

618:東京武偵校情報科〇×

俺達はそういった歴史がまだ無いからな……。基本的に原作から何も変わらない。

 

619:司波家長男リバイ

弟と妹に悪魔が宿った時点で原作通りには絶対行かないだろうなーとは俺の談。

 

620:スペードの剣@アンダーウッド収穫祭満喫

リイマジ世界から異世界転生したから原作通りなんだろうなーとは俺の談。

 

621:使い魔クウガ

ブレイドニキと同じパターン。

 

622:IS学園潜入刑事D

こちらは……ドライブの原作通りと言うべきだろうか?

 

623:アルザーノ魔術講師ウィザード

まあ、転生者が関わっちゃった時点でそういうの気にしていられないとは思うけどね……

 

624:刃の心の伐刀者

純粋に伐刀者として鍛えることに専念できるだけ、シノビで良かったなーって思ったりする

 

625:東京武偵校情報科〇×

上に同じ、ひたすらクイズだして情報を選別する生活。

 

626:スペードの剣@アンダーウッド収穫祭満喫

実際緋弾世界ではクイズ程便利な能力もないだろうな……

 

627:横浜を守る二色のハンカチ(左)

こっちの相棒程じゃないが未来予知に近いと考えると中々な代物だな……。

 

628:東京武偵校情報科〇×

それはそうと前線にも引っ張り出されるのは勘弁願いたい

 

629:半蔵学園教師ヒビキさん

ライダーである以上はそれは避けられないかなあ

 

630:使い魔クウガ

こっちだとグロンギ以外と戦うことが増えてきたからね……。

五代さんはグロンギでも戦うことは苦しんでいたけど、正直今の方がしんどい自信がある

 

631:横浜を守る二色のハンカチ(左)

グロンギと違って対話の余地があると余計にな……

 

632:IS学園潜入刑事D

クウガだと余計に辛いだろうな……

 

633:刃の心の伐刀者

それでも殺しにならないだけ少しは精神的にはマシですかね?

 

634:使い魔クウガ

うん、それはそう。本当に倒しきるまではいかないのが救いかなって。

個人的にはギーシュ君の時のように決闘形式で悔恨を残さないのが一番の理想ではあるけどね……

 

635:スペードの剣@アンダーウッド収穫祭満喫

耳が痛いな

 

636:司波家長男リバイ

ブレイドニキはそういう生き方しか出来なかったんだから仕方ないよ

 

637:半蔵学園教師ヒビキさん

あれこれ口に出しても仕方ないよね。その世界で生きる人達の問題で、その人達が決めた選択なんだから

 

638:IS学園潜入刑事D

余裕があるか無いかなど俺達では分からないからな。その戦い方に口出しする権利はない。

同じ世界でならともかく、な

 

639:アルザーノ魔術講師ウィザード

ドライブニキどうした?

 

640:IS学園潜入刑事D

いや、此方は丁度臨海学校の時期なんだがな……。一夏が密漁船を庇って倒れてる

 

641:横浜を守る二色のハンカチ(左)

ああ、確かに難しい所だな……

 

642:スペードの剣@アンダーウッド収穫祭満喫

確かに犯罪者とはいえ、命を無碍にしていいという事にはならないが、状況が状況だから判断は悪手ではあると思うが……

 

643:半蔵学園教師ヒビキさん

箒ちゃんの言い分もあってるんだけどねえ……まあ代表候補生じゃなくて、こういう状況の経験が一切ない高校生二人が判断できる状況じゃないよねえ……

 

644:刃の心の伐刀者

というか大前提であのタイミングでノコノコ入って来た密漁者が一番悪いんじゃない?

 

645:司波家長男リバイ

それは間違いない。そもそも密漁がダメ絶対

 

646:東京武偵校情報科〇×

マジで邪魔だなあのタイミングは

 

647:IS学園潜入刑事D

無論密漁者は全員逮捕したぞ

 

648:使い魔クウガ

流石刑事さん

 

649:アルザーノ魔術講師ウィザード

というかその密漁船、一夏の進化を促す為に束が仕込んだとかありえない?

 

650:横浜を守る二色のハンカチ(左)

あり得ない話ではないか……

 

651:東京武偵校情報科〇×

ドライブニキ、正解は〇か? ×か?

 

652:IS学園潜入刑事D

×。この世界の束はベルトさん、つまりスタインベルト博士な。彼に師事していた時期があって原作と比べるとそういう行動を起こす人ではない。

ISはドライブ以前のロイミュード対策としての一面もあるからな。

 

653:スペードの剣@アンダーウッド収穫祭満喫

それなら流石に無いな。

 

654:IS学園潜入刑事D

先程ドライブの原作通りと言ったが、ロイミュードに悪意を吹き込んだり、ISを兵器として世界にばら撒いたりしたのは全部バンノらしいからな

 

655:司波家長男リバイ

マジかよバンノ最低だな。

 

656:刃の心の伐刀者

さっさとイッテイーヨされてくれ。

 

657:半蔵学園教師ヒビキさん

というかISにまで干渉しているってなると本当に諸悪の根源だね……

 

658:横浜を守る二色のハンカチ(左)

原典のバンノから見てもそういうことはやりかねないがな……

 

659:使い魔クウガ

まあ原因がハッキリしているっていうのは分かりやすくていい事だと思うけどね

 

660:IS学園潜入刑事D

そういうわけで、俺のいるIS世界は大分原典と既に解離が起きている。全く原作知識が役に立たなくて笑ったわ

 

661:東京武偵校情報科〇×

苦労したんだろうな……

 

662:アルザーノ魔術講師ウィザード

だからゴルドドライブも出てくるって訳だね。こっちにはソーサラーとか出てくるのかなあ……

 

663:刃の心の伐刀者

ブレイドニキは統制者を倒して異世界渡ったわけだし、グレイブが出る事は無さそうだけど、WニキはAtoZで苦労しそうだ……

 

664:横浜を守る二色のハンカチ(左)

どうなんだろうな? エターナル出ないかもしれない

 

665:司波家長男リバイ

あれ? Wのダークライダーってエターナルだよね?

 

666:波斬りの永遠

こういうことだ

 

667:刃の心の伐刀者

え、誰!?

 

668:東京武偵校情報科〇×

エターナルニキ?

 

669:スペードの剣@アンダーウッド収穫祭満喫

うおお珍しい

 

670:使い魔クウガ

久しぶり。元気?

 

671:アルザーノ魔術講師ウィザード

いや呼ばれたから一瞬来ただけじゃない?

 

672:横浜を守る二色のハンカチ(左)

まあ、こういうわけなんだよ。エターナルは俺らと違う世界にいる。

とはいっても俺らの世界で別のエターナルが生まれる可能性は十分あるけどな。

 

673:司波家長男リバイ

へえ……知らなかった

 

674:スペードの剣@アンダーウッド収穫祭満喫

全くと言っていい程掲示板にも顔を出さないからな。俺達も久しぶりに見た

 

675:刃の心の伐刀者

別の世界って何処なんですか?

 

676:横浜を守る二色のハンカチ(左)

盾勇(原作開始前)

 

677:刃の心の伐刀者

うわキッッッツ……

 

678:半蔵学園教師ヒビキさん

生きる事に必死で味方も作ってない、一人で戦い続けるっていう、ハードコースを選んだ猛者だよ。

 

679:IS学園潜入刑事D

スレ民の中では異端のような存在だろうな。自ら過酷な環境を選んだのだから

 

680:東京武偵校情報科〇×

何故……?

 

 


 

 

一つ、二つ、三つ―――

手に持った短剣「エターナルエッジ」の凶刃が煌く度に魔物の首が、腕が、脚がボトリと落ち、命が散る。

返り血が着いたマスクを拭った「仮面ライダーエターナル」は血みどろとなった大地にただ一人立っている生存者である。

 

いや、生存者という言葉もあっているか怪しい。

彼の特典は「NEVER」であり、そういう意味では死体となんら変わりない。

 

「…………」

 

感情も、前世の精神も摩耗している彼には行動原理すらも無く、ただ目の前にある害悪を斬り刻む。

ただ唯一覚えている「仮面ライダー」としての使命だけが彼を突き動かしている。

それも、敵を塵殺するという歪んだ形で。

 

「…………そろそろ活動限界か」

 

死体を動かすという都合、膨大なエネルギーを要するエターナルは一人、近くの都市へ向かった……。

 

そして、そこで彼の運命が動き始めることになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

街に着いたが、様子がおかしい。

 

人を貶める、不快な声がする。

 

王宮からか。

 

気に食わねえ。

 

寄ってたかって一人を食い潰して満足か?

 

だったら、今からお前らがどんな目に遭おうが構わねえってことだよな?

 

 

 

 

「………変身」

 

【ETERNAL!】

 

 

 

 

壁を斬り刻む。

壁が崩れる。

視界が広がる。

 

「な、何奴だ!?」

「ッ!!? まさか、凶刃!!?」

 

まるで魔女裁判みてえな光景だ。

虫唾が走る。

一人を寄ってたかって苛めて気持ちいいだろうな?

アイツが被害者か。

 

「捕えろ!」

「うぜえ。邪魔すんな」

 

一人、二人、三人、兵士共を斬り捨てる。

殺す価値もねえ。

今は、あの青年を助けろ。

 

皮肉なもんだ、人助けしようなんざ、この世界で生まれてから余裕がなかったのによ。

 

「おい、お前」

「……なんだよ」

「ハッ、最悪な面してんじゃねえか。憎いか?」

「……ああ、総てが醜い……」

 

人間不信ってか。気持ちは分からねえな。親愛なんてもんを断って生きている俺には未知の感情だ。

信じた分だけ裏切られるってか。

理不尽、不条理、本当にクソッタレな世界だぜ此処は。

 

「……アンタ、何故俺を助けた?」

「さあな。調子乗ってる奴らがウザかっただけだ。見ろよ」

 

この間も兵士共を蹴り飛ばし、斬り捨てる。

真っ赤な顔でプルプルと怒りに震えている愚王、いい様だ。

 

「いい面だと思わねえか?」

「……ああ、そうだな……いい気味だ。ありがとよ」

「ハッ、お礼を言うなんざよっぽどひねくれちまったな。おいお前、地獄のような生き方をする気はあるか?」

「地獄だぁ?」

「ああ、命と命だけでやり合うクソッタレな殺し合いだ、どうだ?」

 

まあ、どっちを選んでもクソなことには変わらねえだろうがな?

畜生か修羅かの違いでしかねえ。それを選ばせる俺も十分なクソヤロウだがな。

ま、同じ地獄でも俺は修羅の方がマシだってな。

 

「……いいぜ、アンタに着いていってやる」

「決まりだな。ようこそ地獄の道へ」

 

お前も見返してやりてえよな? このクズ共を。

 

「お前。名前は?」

「……岩谷尚文、アンタは?」

「凶刃、殺戮者、色々言われてんな。ま、精々言うならこう呼べ。「エターナル」とな」

 

とりあえず飯を食わせろ。




波斬りの永遠
転生世界:盾の勇者の成り上がり
原作が始まったばかりのタイミングで意図せず介入した仮面ライダーエターナル。。
転生者ではあるがNEVER故の感情の薄さや共感性の欠如により、掲示板には殆ど顔を出さない曲者。
こうなった原因は幼少期、魔物にこの世界での母親を殺されたことで完全に精神はNEVERと化した。だが無辜の人々を魔物から守るという点で「仮面ライダー」に踏みとどまっている。
名前も感情も前世の記憶も捨ててしまったが他者の感情には敏感で尚文の怒りの感情を気に入って助けに来た。
理不尽を理不尽で返す事に快感を覚えるなど、精神性は結構アレ。


刃の心の伐刀者
転生世界:落第騎士の英雄譚
黒鉄一輝の親友にして黒鉄家の従者として生きる一族の者に転生。故に仮面ライダーシノビである。
固有霊装は二本の忍者刀。一輝と合わせて「壱刀弐刃」のコンビとして語られる。
黒鉄家の在り方を嫌悪して一輝の親友という立場を選んだ善人。
前世の原作知識と転生後に実際に見た経験も含めて一輝の幸せを何よりも望んでいる。
目立つ事を嫌う為一輝の影に霞むが実力は相応に高い。


東京武偵校情報科〇×
転生世界:緋弾のアリア
クイズの問題を回答する能力を使って事件解決に臨むライダー。
情報科に所属しているように前線に出る立場ではないのだが戦闘力の高さもあって何かと駆り出される。
キンジも信頼している人物ではあるがリアルはかなり気が難しいことで有名でよく雷を落とす(物理)。
「犯罪という間違いを正すのが俺の役目だ」というのが彼の在り方。


半蔵学園教師ヒビキさん
カブキは鬼としては同期で親友でライバル。最初の頃は蛇女に着いた彼と戦うこともあったが、道元の野望を把握する為に潜入していただけであり、その事実が判明すると無事和解出来た。
鬼は魔化魍を倒す為に立場を問わないという精神であり、カブキは今も悪忍を見張りつつ育成に力を注いでいる。


IS学園潜入刑事D
束が善人になった為、その悪行は全てバンノの責任になった。同情はしない。
束はドライブの開発にも携わっている。なおこの世界ではチェイスが二号ライダーであり、マッハの原型=プロトとしてチェイサーが作られた。


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【脇役でも】サブライダーの会【物語の主役だ】

この掲示板は特殊な理由で転生者でないライダーも参加しています


201:ガタック@ロイヤル&鉄血指揮官

こっち滅茶苦茶寒い~……!

 

202:1000%善意のロドスサウザー課長

ヨーロッパ地区は冷えるでしょうね

 

203:オカ研所属龍騎の婚約者・ファム

こっちも今ルーマニア……寒いぃ……!

 

204:プロテインの風雲児@転生じゃねーぞ

気合いだ、気合で何とかしろ!

 

205:ガタック@ロイヤル&鉄血指揮官

無茶言うなッ!

 

206:オカ研所属龍騎の婚約者・ファム

うう~……龍騎君に温めてもらう……!

 

207:王位継承ΩΩΩ

さりげなく役得だなあ龍騎君

 

208:オカ研所属龍騎の影・龍牙

此奴らはいつもこんなだ

 

209:ハートの弓手@ノーネーム所属

人間は寒いと苦労するだろうなあ

 

210:旅する怪盗@白黒魔法使いと共に

まあ、僕もたまにクソ暑い世界からクソ寒い世界に移った時は風邪引いたことあるよ

 

211:ナイトレイドのイドゥン

環境で考えたら割と帝国は厳しい環境が多いから慣れてる。

 

212:ゲイムギョウカイのシアンタドル

>>204

ところでクローズ。お前も後々寒いとこ行くんだぞ

 

213:ゲイムギョウカイのネイビーシューティング

ああ、そういやそうだな

 

214:プロテインの風雲児

マジかー? ま、俺なら北海道だろうがどうってことぁねえ!

 

215:旅する怪盗@白黒魔法使いと共に

>>214

ロシアだよ

 

216:プロテインの風雲児

………ロシアって何処だ?

 

217:ゲイムギョウカイのシアンタドル

駄目だこの馬鹿

 

218:プロテインの風雲児

せめて筋肉着けろ!

 

219:王位継承ΩΩΩ

そう言ってる時点で既にもう……ね?

 

220:天災トランスポーターAIMSのループス

なんだなんだ、皆情けねえなあ

 

221:ナイトレイドのイドゥン

こっちも北方だから寒いは寒いんだけどね。

 

222:オカ研所属龍騎の婚約者・ファム

そういうバルカン君はどうなの~……?

 

223:天災トランスポーターAIMSのフェリーン

今私達はドッソレスに来ている

 

224:1000%善意のロドスサウザー課長

絶賛真夏のバカンスですね

 

225:ガタック@ロイヤル&鉄血指揮官

>>220

ヤロォブッコロシテヤラァァァ!!

 

226:ハートの弓手@ノーネーム所属

まあ私も絶賛南でバカンス堪能中だけども

 

227:オカ研所属龍騎の婚約者・ファム

>>220 >>226

オマエラニンゲンジャネェ!!

 

228:ハートの弓手@ノーネーム所属

>>227

人間じゃないからなー

 

229:ゲイムギョウカイのシアンタドル

>>227

あとそこのループスもゴリラだからな

 

230:旅する怪盗@白黒魔法使いと共に

あっはは、違いないねえw

 

231:天災トランスポーターAIMSのループス

誰がゴリラだァ!!!

 

232:ガタック@ロイヤル&鉄血指揮官

呼ばれた気がする

 

233:ハートの弓手@ノーネーム所属

お前じゃない座ってろガタックニキ

 

234:王位継承ΩΩΩ

というか自分からゴリラに名乗りあげるのか……(困惑)

 

235:プロテインの風雲児

ダァッハッハッハッハッハwwww

 

236:天災トランスポーターAIMSのループス

>>235

笑ってんじゃねえゴリラはテメェだろうが!!

 

237:オカ研所属龍騎の影・龍牙

いやコイツはゴリラより低能だぞ。

 

238:プロテインの風雲児

なんだとゴラァ!!?

 

239:オカ研所属龍騎の影・龍牙

やるのかこのエビフライ頭

 

240:プロテインの風雲児

エビフライの何処が悪いんだよ!?

 

241:オカ研所属龍騎の影・龍牙

いや悪かねえけどこんがり揚げるぞこの野郎

 

242:ゲイムギョウカイのネイビーシューティング

その辺にしとけ。ヒートアップしすぎると規制されるぞ

 

243:ナイトレイドのイドゥン

じゃあ話題変えよっか。皆好きな人居る?

 

244:ゲイムギョウカイのシアンタドル

ちょっと待てどんな話題転換だ

 

245:ナイトレイドのイドゥン

え? 恋バナは普通でしょう?

 

246:オカ研所属龍騎の影・龍牙

止めておけ。このスレがファムの惚気で埋まるぞ

 

247:旅する怪盗@白黒魔法使いと共に

うーん容易に想像つく

 

248:オカ研所属龍騎の婚約者・ファム

え? 嫌だなあこのスレだけで足りると思う?

 

249:1000%善意のロドスサウザー課長

ヒェッ

 

250:ガタック@ロイヤル&鉄血指揮官

本気だコイツ……イラストリアスやオイゲンと似た雰囲気を感じるぜ……

 

251:王位継承ΩΩΩ

KAN-SEN皆愛情重すぎない……?

 

252:ガタック@ロイヤル&鉄血指揮官

何かしらねえけどそういう調整が入ってるらしいぞ? ……あ、苦手な奴が居たらすまん。昔はKAN-SENがNTRれる事件が多かったからその対策が取られたらしい。

あとただの人間にならともかく、ワームが指揮官に擬態して……なんてこともあったらしいからな。カブトから聞いた。

 

253:天災トランスポーターAIMSのフェリーン

それは……確かに深刻だな

 

254:ゲイムギョウカイのシアンタドル

やはりNTRは悪い文明だな

 

255:プロテインの風雲児

NTRってなんだ?

 

256:ゲイムギョウカイのネイビーシューティング

>>255

寝取られ。恋人や妻が他の男に抱かれて奪われることだ。

 

257:プロテインの風雲児

は!? マジかよ最低じゃねえか!?

 

258:オカ研所属龍騎の婚約者・ファム

間男死すべし慈悲は無い……

 

259:オカ研所属龍騎の影・龍牙

ファムが悪いスイッチ入ったな。少し落ち着かせた方がよさそうだから離脱する。

おいオリジナル!

 

260:ゲイムギョウカイのシアンタドル

ああ、行ってこい

 

261:1000%善意のロドスサウザー課長

つかぬ事をお聞きしますが、カリスさんはどうなのでしょうか?

 

262:ハートの弓手@ノーネーム所属

ああ、ブレイドのこと?

 

263:1000%善意のロドスサウザー課長

ええ。少し気になったもので。その、心象とか

 

264:天災トランスポーターAIMSのループス

おい課長。なんでカリスに話題を振った?

 

265:ナイトレイドのイドゥン

え、カリスさん女の子だからよ?

 

266:天災トランスポーターAIMSのループス

>>265

は!?

 

267:プロテインの風雲児

>>265

え、マジで!?

 

268:ゲイムギョウカイのネイビーシューティング

なん、だと……?

 

269:王位継承ΩΩΩ

嘘!?

 

270:ゲイムギョウカイのシアンタドル

なんだ、意外と知られてなかったのか

 

271:旅する怪盗@白黒魔法使いと共に

そうみたいだね~。まあ先入観ってあるだろうし

 

272:ガタック@ロイヤル&鉄血指揮官

実際俺も言われるまでは知らなかったし、ブレイドニキの実況見た時初めて知った

 

273:ハートの弓手@ノーネーム所属

いや、というよりジョーカーは無姓だからな? この世界のヒューマンアンデッドは女性の姿だから結果として私の人間態は女性になっているだけで

 

274:ナイトレイドのイドゥン

まあ、精神って肉体に引っ張られるものね

 

275:天災トランスポーターAIMSのループス

いや、まあそれは分かったが、なんで課長がそれを知ってんだよ!?

 

276:1000%善意のロドスサウザー課長

私はバルキリーから聞きましたので。彼女は女性専用ライダー掲示板で知ったそうですよ

 

277:天災トランスポーターAIMSのループス

じゃあなんで俺に言わねえんだバルキリー!

 

278:天災トランスポーターAIMSのフェリーン

聞かれなかったからな

 

279:天災トランスポーターAIMSのループス

てめぇぇぇぇ!!!

 

280:ハートの弓手@ノーネーム所属

で、まあサウザーニキが言いたい事は分かる。だが私としては何よりもアイツが普通の生活……とまではいかずとも、報われた生き方をしてほしいと願っている。それが出来るのが私でなくても構わない。ちょっとだけ悔しいのは確かだけど、それ以上にアイツを想ってくれる人が居たことが嬉しいんだよ。

 

281:ガタック@ロイヤル&鉄血指揮官

くっ、聖人過ぎる……!

 

282:ゲイムギョウカイのシアンタドル

自分以上に幸せになってほしい人がいるのなら、そう思うだろうな

 

283:ゲイムギョウカイのネイビーシューティング

健気だな……確かに幸せになってほしい人だからなブレイドニキは。

 

284:ナイトレイドのイドゥン

カリスちゃんの気持ちは私もよく分かるわ……。鎧武の生き方は本当に自分で自分を追い込んでるようなものだから、せめて同じ苦しみを背負ってあげたいのよね……。だから、絶対に孤立なんてさせないんだから。

 

285:王位継承ΩΩΩ

皆本当に優しいよね……

 

286:旅する怪盗@白黒魔法使いと共に

いやそういうオーガ君も真っ当に生きたいオルフェノク達を守る為に過激派に狙われる王位を継承しているんでしょ?

身を張って同胞を守ろうとする君だって優しい心の持ち主だよ。

 

287:王位継承ΩΩΩ

スマートブレイン社の件はファイズにばかり背負わせちゃったから、その償いの為だよ。

 

288:プロテインの風雲児

それで行動できることがスゲエんだぜ。俺は最初は本当に自分の事で一杯一杯だったからよ

 

289:ゲイムギョウカイのシアンタドル

誰かの為に身体を張れるのが仮面ライダー。その対象が特定の個人への強い想いなのがサブライダーの特権なのかもな

 

290:ゲイムギョウカイのネイビーシューティング

それは言えているな。例え物語の主人公にはなれずとも、誰かの為のヒーローであることが俺達の定めだろ

 

291:旅する怪盗@白黒魔法使いと共に

そうだね~。さて、そろそろ魔理沙に新しい世界を見せようかな

 

292:ナイトレイドのイドゥン

あら、新婚旅行再開?

 

293:ハートの弓手@ノーネーム所属

しっかり面倒見るんだぞ? まあ言うまでも無いだろうけどな

 

294:旅する怪盗@白黒魔法使いと共に

はは、言われずとも分かってるよ

 

295:ガタック@ロイヤル&鉄血指揮官

新婚旅行かあ……話題に出すと大変なんだよなあ

 

296:ゲイムギョウカイのシアンタドル

今何人だお前は

 

297:ガタック@ロイヤル&鉄血指揮官

聞かんといて。人数の問題じゃねえんだ。迫ってくる子が……な?

 

298:王位継承ΩΩΩ

どうしてそうなるまで放っておいたの

 

299:プロテインの風雲児

これがNTRってやつか……

 

300:天災トランスポーターAIMSのフェリーン

違うぞ




・王位継承ΩΩΩ/仮面ライダーオーガ
転生者。ファイズの親友のオルフェノクで穏健派。
当初は臆病で中々自分から戦いに参加できず、スマートブレインとの戦いを殆どファイズに背負わせてしまった罪悪感から己を鍛え直し、アークオルフェノクより継承したオルフェノクの王位に就く。
全ての命を尊ぶ優しい心の持ち主。


・ハートの弓手@ノーネーム所属/仮面ライダーカリス/ジョーカー
非転生者。ブレイド編の最後に出てきた人物。
箱庭に転移した事が転生に引っかかった為か掲示板に参加できるようになった。
スレ内で語られたように、女性の身体(女性型ヒューマンアンデッド)に化けているので精神的にも女性寄りの無姓。
当初箱庭の北側に居たが2巻を経てノーネームに加わった。


・ガタック@ロイヤル&鉄血指揮官
転生者。カブトの同期の指揮官。
熱血的で結構勇ましいが、そんな姿勢と少年のようなひたむきさがロイヤル&鉄血のKAN-SENの心に刺さった模様。
ケッコン艦はロイヤルがネルソンとロドニー、鉄血はビスマルクとティルピッツだが、好意を寄せて結婚を迫る子はもっとたくさん。カブトニキより修羅場気味


・旅する怪盗@白黒魔法使いと共に/仮面ライダーディエンド
魔理沙と共に世界を回るもう一人の通りすがり。
世界そのものの異変を見定めるディケイドと異なり、世界へ予期せぬ影響を齎しかねないオーパーツなどのアイテム=お宝の回収をすることで世界を守っている。
本人もお宝には目が無いが、女性は誰がなんと言おうと魔理沙一筋。だがその魔理沙がディエンドの想いに気付いてないという……


・ゲイムギョウカイのシアンタドル/仮面ライダーブレイブ
ラスティションを治めるノワール直属の騎士。
女神を守護する剣としての使命に殉じており、ノワールとその妹かつ女神候補生であるユニを命を懸けて護る騎士の鏡。
ノワールとは相思相愛に見えて両片思いという非常に面倒臭い関係。ユニが必死に後押ししても中々進展しない。


・ゲイムギョウカイのネイビーシューティング/仮面ライダースナイプ
ルウィーを拠点とするフリーの傭兵。
生活に困窮している所をブランに雇われて以降は彼女のボディーガードを務めている。
非常にクレバーな性格で偽悪的だが根が善人すぎてそれをエグゼイドやブレイブ、ネプテューヌには見抜かれており、度々ツンデレとからかわれる。
戦闘技量だけで言えばエグゼイドライダーズでも随一


・プロテインの風雲児/仮面ライダークローズ
非転生者。カリスと同じく、世界を越えた事で転生と見なされ、掲示板に来れた。
言ってしまえば原典と全く同じ存在で名前も万丈竜我(龍が竜になっただけ)。
性格・経歴など全て原典万丈と同じだがとある時空では上条と仲が良く、一緒に魔術絡みの事件に巻き込まれる腐れ縁。


・天災トランスポーターAIMSのループス/仮面ライダーバルカン
転生者。変身能力は雇用契約を結んでいるロドスのゼロワンから貰ったもの。
なのでショットライザーも飛電製である。
不破さんそっくりな人間で、ヒューマギアの代わりにレユニオンへの恨み―――があるわけではないが天災、及び源石技術を嫌っている。
これは同僚のプロヴァンスが深刻な鉱石病を患っており、長く生きられないことに由来する。
オペレータ―・ヴァルカンとは何の関係もない


・天災トランスポーターAIMSのフェリーン/仮面ライダーバルキリー
転生者。大まかにはバルカンニキと同じ経緯。
源石技術を憎んでいるわけではないが、この世界のあらゆる技術が悪用されることには嫌悪感を示しており、技術を正しく使える世界にすることを願って活動している。
その研究の為、術師オペレーターのスカイフレアと共に活動することが多い。
普段から忙しい為、掲示板でもあまり発言はしない


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【もしも】原作キャラクター専用板【非ライダーの交流があったら】

番外編です。原作キャラ側から見たライダー達はどう映っているのか
この掲示板は恐らく存在しません


101:居候二人なカミジョーサン

マジでライダーって身体能力高くね?

 

102:アインクラッドの黒剣士

いやー、マジでそれは思う。ソードスキルの範疇じゃない動きするんだよなあのアギト。

 

103:ヨークタウン級二番艦

ワームはまだ分かるが、海の上を走るのは未だに理解が出来ないんだが……

 

104:剣姫

やろうと思えばできるよ……?

 

105:粗野で凶暴で快楽主義な問題児

おう、少し頑張ればできるぜ?

 

106:きなこパン好き精霊

そうなのか!? 凄いな!

 

107:武装探偵社の虎君

>>104 >>105

いやできないからね!?

 

>>106

信じちゃ駄目だよ!?

 

108:休んでいいんですよ【ロドスCEO】

最近では当たり前のように空を飛んだりしますからね……

 

109:管理局エース・オブ・エース

え、空飛ぶくらい普通じゃない?

 

110:楽園の素敵な巫女

ええ、普通ね。

 

111:きなこパン好き精霊

うむ、それなら分かるぞ!

 

112:オーズ君を守りたい治癒師

いや飛べないからね!?

 

113:イギリス代表候補生

確かに何の装備も使わずに飛ぶのは普通じゃありませんわ……

 

114:ファントムデュオの姉

確かにね……逆にライダーだから説得力あるけど

 

115:司波家次男

現在空を飛べる術式を構築中だから珍しい話ではないな

 

116:粗野で凶暴で快楽主義な問題児

マジかよちょっとそれ教えろよ♪

 

117:アインクラッドの黒剣士

ロクな事にならねえ気がする……

 

118:アカメ・肉好き

十中八九黒ウサギが被害を受けるのだろうな

 

119:クロメ・お菓子好き

自由にしちゃいけない人だよ……

 

120:実は可愛い物好き剣士

別ベクトルで胃が痛くなりそうだわ……黒ウサギに同情するわね

 

121:体は剣で出来ている――

というか魔術で空を飛ぶって……???

 

122:管理局エース・オブ・エース

違う世界を理屈で考えない方がいいよ?

 

123:管理局執務官F

そうかも……原理が違うからね

 

124:司波家次男

そもそもこちらでは「魔法科学」というからな

 

125:フランス代表候補生

でも魔法にはちょっと憧れるよねえ

 

126:ファントムデュオの妹

分かります! 一回使ってみたいなって

 

127:執行官ナンバー0『愚者』

随分お気楽な考えな事で

 

128:乳龍帝おっぱいドラゴン

どーしてそういう冷める事言うかね!? 人類の憧れの一つだろ!!

 

129:楽園の素敵な巫女

その名前で入ってくるのも大分空気読めてないけど

 

130:粗野で凶暴で快楽主義な問題児

俺はいいと思うぜ?

 

131:支配の魔王サマ!

俺も激しく同意する!

 

132:ヨークタウン級二番艦

>>128 >>130 >>131

黙っていろそこの変態三人組

 

133:イギリス代表候補生

最低ですわ

 

134:司波家次男

悪魔ではこれが普通なのか……?

 

135:ファントムデュオの姉

いえ、絶対違うわ……

 

136:支配の魔王サマ!

これが男の性だからな! 男は皆そうなんだぞ?

 

137:武装探偵社の虎君

うええええ!?

 

138:アインクラッドの黒剣士

黙秘する

 

139:居候二人なカミジョーサン

いやあ、まあ……否定はできませんなー……

 

140:休んでいいんですよ【ロドスのCEO】

そう言えばゼロワンさんも胸の大きなオペレーターの方と親しいような……

 

141:体は剣で出来ている――

沈黙を貫いていいか……?

 

142:クロメ・お菓子好き

……やっぱりお兄ちゃんも、コル姉みたいに大きいの好きなのかなあ……

 

143:アカメ・肉好き

大丈夫だ。クロメは何時でも可愛いぞ

 

144:クロメ・お菓子好き

けどお姉ちゃんも最近成長してるじゃん……

 

145:アカメ・肉好き

そ、そんなことはないぞ。多分

 

146:きなこパン好き精霊

うーん、シドーも胸を押し付けたら喜ぶのか……?

 

147:剣姫

……膝枕よりそっちの方が、ワタルも喜ぶ……?

 

148:指揮官様に全てを捧げる九尾

それは当然ですわ

 

149:管理局執務官F

いや駄目だよ!? 赤城さんもそういって煽らない!

 

150:ファントムデュオの妹

絶対二人共パニックになるでしょうね……

 

151:フランス代表候補生

というかライダーの人ってそういう好みあるのかな……

 

152:乳龍帝おっぱいドラゴン

んー? 俺らのとこのライダーは皆やたら個性的だし、あると思うぞ?

 

153:執行官ナンバー0『愚者』

こっちのハルトも憎らしいくらいに俺らの人間関係弄ってくるしなぁ

 

154:オーズ君を守りたい治癒師

翼君も結構感情豊かだしね

 

155:実は可愛い物好き剣士

というか彼は何事にも素直なんだと思うけど

 

156:居候二人なカミジョーサン

で、IS組は何がそんなに気になるんだ?

 

157:イギリス代表候補生

いえ、進太郎さんは結構任務の事ばかりなので、そう言った欲求をあまり見せないもので……

 

158:司波家次男

そういうものではないのか?

 

159:体は剣で出来ている――

そういうものじゃないのか?

 

160:粗野で凶暴で快楽主義な問題児

>>158 >>159

おう人外メンタル共引っ込めや

 

161:管理局エース・オブ・エース

うーん、でもそういう感情があるからちゃんとお話とかしてくれるんじゃないかな?

こっちのたっくんも不愛想だけど話しかけると普通に返事するし

 

162:ファントムデュオの姉

そうね。好きの反対は無関心とも言うし

 

163:アカメ・肉好き

そう言った感情がある以上は大丈夫だと思う

 

164:クロメ・お菓子好き

ええ……恋愛クソ雑魚お姉ちゃんが言うのなんか変

 

165:アカメ・肉好き

ガフッ

 

166:支配の魔王サマ!

今大分デカイダメージ入ったんじゃねえか!?

 

167:きなこパン好き精霊

誰かー! 医者はおらんかー!

 

168:ファントムデュオの妹

そこに製薬会社の社長さんが居ます!

 

169:休んでいいんですよ【ロドスCEO】

え、あ、ごめんなさい私にそういう技術は……

 

170:フランス代表候補生

じゃ、じゃあ治癒師さん!

 

171:オーズ君を守りたい治癒師

心の傷は治せません

 

172:乳龍帝おっぱいドラゴン

うわおバッサリ切ったぞ

 

173:武装探偵社の虎君

心の傷は消えないんだよ……

 

174:ヨークタウン級二番艦

……消えないな

 

175:剣姫

……消えないね

 

176:執行官ナンバー0『愚者』

流れ弾当たり過ぎだろ!?

 

177:居候二人なカミジョーサン

その心の傷があったかもしれないのに記憶ごと消えた俺はどう思う?

 

178:管理局エース・オブ・エース

重い話題持ってこないで!?

 

179:楽園の素敵な巫女

そういうの気にしなければいいのに

 

180:アインクラッドの黒剣士

囚われなさすぎもどうかと思うぞ……

 

181:楽園の素敵な巫女

だって私は気にしないし

 

182:粗野で凶暴で快楽主義な問題児

何事にも囚われないから何も影響されない、ってか

 

183:剣姫

あれ、でもディケイドさんのことになるといつも楽しそう

 

184:楽園の素敵な巫女

気 の せ い よ!

 

185:ファントムデュオの姉

あらあら

 

186:イギリス代表候補生

あらあら

 

187:管理局エース・オブ・エース

あらあら

 

188:楽園の素敵な巫女

封印するわよ!!?

 

189:フランス代表候補生

ま、まあ弄るのはその辺にして、ね?

 

190:管理局執務官F

ま、まあ目が離せないのは間違いないかなあ

 

191:きなこパン好き精霊

うむ、無茶し過ぎぬか心配になってしまう

 

192:乳龍帝おっぱいドラゴン

それは間違いないな~。だから俺が親友として支えてやりてえって思うんだよ

 

193:執行官ナンバー0『愚者』

上に同じ、ってか? 救われた分救わねえとな

 

194:武装探偵社の虎君

まあ、向こうもこっちの事心配してくれているのは痛い程分かるんですけどね

 

195:粗野で凶暴で快楽主義な問題児

そりゃそうだ。だから連中は実は心の中では自分でも気づけねえ悲鳴を上げてんだよ。それに気付いてやらねえとな

 

196:ヨークタウン級二番艦

そうだな……なんでもできるように見えて、指揮官にもできない事があるのかもしれないな

 

197:楽園の素敵な巫女

アンタの所は大丈夫だと思うのだけど

 

198:体は剣で出来ている――

いやアンタの所もだけどな

 

199:居候が二人のカミジョーサン

お前は自分の事を気にしろ

 

200:休んでいいんですよ【ロドスCEO】

ブーメランですよ上条さん




今回のキャラ

SAO:キリト
D×D:イッセー
リリなの:なのは、フェイト
問題児:十六夜
アズレン:エンタープライズ、赤城
ダンまち:アイズ
東方:霊夢
文スト:敦
ありふれ:香織、雫
シンフォギア:マリア、セレナ
ロクアカ:グレン
アカ斬る:アカメ、クロメ
IS:セシリア、シャルロット
Fate:士郎
禁書:上条
トリセブ:アラタ
アクナイ:アーミヤ
デトア:十香
魔法科:達也


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断章・それぞれの世界での物語
再会と恐竜とヒーローの在り方


前回の続き。物語形式です。今までで一番長いです

追記
1/2 描写や心境、場面の加筆を行いました。


―――オルクス大迷宮、六十階層

 

かつて火宮翼と南雲ハジメという二人を失った、彼らにとっては悪夢と言って過言ではない階層。

だが、あの日から強くなった彼らは因縁とも言うべき魔物、ベヒモスと相対していた。

特に想い人を見つけ出すという覚悟を胸に戦い続けた二人の覇気は凄まじく、八重樫雫はベヒモスの角を叩き斬り、白崎香織の回復魔法を前線で戦う者達を決して折らせない。

そんな激闘の末、ベヒモスを打ち倒し、天之河光輝の勝鬨に合わせてクラスメート達の歓声が響き渡る。

 

――――――だが、何時の世の戦場でも、勝利の後に絶望が待っているのである。

 

 

「全てを無に―――」

 

 

浮足立ったクラスメート達の前に現れた「ソイツ」は、これまでの魔物とは全く違う姿をしていた。

エリマキトカゲのような首のフリルに、骸骨のような被り物の眼窩と鼻腔から三本の角が生えている。

何より、モンスター染みていたこれまでの魔物と比べて明らかに異なるのが、「人型」であることだった。

 

「な、なんだアレは……」

 

真っ先に動揺したのは元からこの世界で生き、魔物と戦っていた騎士団長メルド・ロギンスを始めとする騎士達。

彼らから見てもこのような存在は「異形」という他なかった。

 

「なんだ? 新手の魔物か?」

「大丈夫だ! 俺達はアレより遥かに巨大なベヒモスを倒したんだ! あの程度はどうってことない!」

「!! 待て、光輝!」

 

意気揚々と挑んでいく光輝に、何か異質感を覚えたメルドは制止するが、元より突っ走りがちな光輝は止まらない。

そして、それが悪手だった。

 

「破壊する」

「え―――――ガッ!!?」

 

螺旋状に捻れたドリル状の剣で光輝の聖剣を容易く受け止めた怪人。

それに光輝が呆けた直後に螺旋剣が高速で回転を始め、光輝ごと聖剣を弾き飛ばした。

 

「光輝君!?」

「ぐ、だ、大丈夫だ!」

「テメェ!!」

 

壁に叩きつけられながらも光輝は香織に返事をし、親友に続いて坂上龍太郎が突っ込み、拳を振るう。

が、怪人はそれに対しても螺旋剣を持っていない方の手で軽く、虫でも払うような動きで横へふっ飛ばした

 

「ごはぁ!?」

「龍太郎! このぉ!」

「貴様の存在、命に意味はない。悉く無意味に死ね」

「ふざけるなぁ!!」

「止せ光輝! そいつはただの魔物じゃない!」

 

親友が容易く吹き飛ばされ、明確な「邪悪」を前にしたことで完全に頭に血が上った光輝にメルドの声が聞こえるわけもなく、闇雲に怪人に挑んでいく。

だがその剣閃も、ベヒモス相手には通じた聖剣も目の前の怪人は容易く受け流し、斬り返す。

自分の力が通用しない相手に光輝の中には焦りが生まれ、剣筋も乱れ、ただ遮二無二に叫びだす。

 

「こんな、奴に!! 俺が負けるわけにはいかないんだァ! 俺は、勇者だ!! 俺が皆を守るんだ!!! クラスの皆も、この世界の人達も!!!!」

「笑止。所詮子供の戯言。「かの王」とは比べるにも値しない」

「うるさい!! そもそもお前はなんだ!!! お前が魔人族か!? そうか、道理で邪悪な存在だ!!!」

「否、魔人に非ず。我は終焉を齎す者の先兵」

 

怪人の呟きに光輝のボルテージは更に上がる。

こんな悪に、勇者である自分が負けていい筈がない。そんな【あってはならない(自分が主役じゃない)物語】など認めないと。

 

「オオオオッ!!」

「どらぁあああ!!」

 

そんな光輝を救援すべくメルドと、再び挑む龍太郎。

ベヒモスと異なり、等身大のこの怪人が相手では後衛組の援護も誤射しかねない。

加えて『あの時』と同じ場所である為、二度もクラスメートを奈落へ落とす事態を引き起こしかねないことが引け目となっていた。

 

そんな彼ら全てを嘲笑うが如く、怪人(悪魔)は更なる脅威を齎す。

 

「ッ、な、なんだ!?」

 

三人相手でも余裕で立ち回っていた怪人の螺旋剣が纏めて弾くと同時に距離を取る。

そのまま身を低くした怪人のエリマキが回転を始める。

 

「! 皆気を付けて! ベヒモスと同じ突進が来る!」

「わ、分かった!」

 

それを見て真っ先に察した雫の号令に結界師の谷口鈴が"聖絶"を展開する。

 

が、怪人の突進はベヒモスのそれとは比べ物にならない。

回転したエリマキは周囲の大気を激しく振るわせ、迷宮の壁全体を斬り刻み、一つの災害、竜巻となって突っ込んできた。

 

「う、うぁああああああああああああああ!!!?」

「ぐうううううううう!!!?」

「ぬおおおおおおおおおおおおお………!!!」

 

前に立ちはだかった光輝達の全身を斬り裂きながら吹き飛ばし、その凶悪な竜巻は勢い止まらずに光のドームに直撃。

 

「天恵よ 神秘をここに! "譲天"!」

 

即座に香織が回復魔法で鈴のサポートをするが、ベヒモスとは比べ物にならない一撃は容易く"聖絶"を斬り刻み、全てを引き裂く。

その寸前に割り込んだのは雫だった。

 

「このッ!!!! ぐ、うぅあああああああっ!!!!」

『ガアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!』

『きゃああああああああああああああああッ!!!』

 

幸い、聖絶によって威力がある程度殺され、加えて雫の決死の相殺が功を奏し、即死とまでは至らずとも、全員が浅くない傷を負う事となった。

特に直接受け止めた雫は元々鎧などを着ていない軽装だったが故に全身が酷く斬り裂かれ、血を多く流している。

 

「雫ちゃん……!!! 雫ちゃん!!!!」

 

即座に回復魔法を全体に掛けた香織だが、傷が深い雫にトドメを刺そうと近づく怪人を見て、すぐに駆けよって雫を庇うように立つ。

同じく諸に食らい、ズタボロの光輝はすぐに起き上がることが出来ず、手を伸ばして吠えることしかできない。

 

「や、やめろ………!!!」

「見ているがいい。貴様の大切な存在の終焉を」

「か、かお、り………だめ、にげて……」

「逃げない! 翼君もハジメ君もいなくなって、雫ちゃんまでなんて嫌!! 私は離れない!」

「良かろう。諸共に美しい終末を」

 

螺旋剣が唸りを上げ、二人をバラバラに引き裂こうと振り上げられても香織は雫を離さない。

「会いに行けなかった」

そんな思い二人の胸を埋め尽くす。全ての音が止まり、光景がスローになり、その時が――――――

 

 

「ごめんね、翼君。あの時、君の手を取れなくて―――」

 

 

 

「―――ああ、だから、今度は俺がその手を掴みに来た」

 

 

――――――来ることは無かった。

伸ばした手を掴むヒーロー(仮面ライダーオーズ)》がそこに立っていたから。

 

「……え」

「翼、君?」

 

「待たせたな香織、雫。………お前、何をしているか分かっているんだろうな?」

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

210:司波家長男リバイ

よっし間に合ったァ!!!!

 

211:ラタトスクの炎の剣士@クロスセイバーまであと4本

あのトリケラトプスヤミーが竜巻起こして突っ込んだ時はマジで終わったと思った!!!

 

212:IS学園の潜入刑事D

しかし、相手は紫のヤミーだ。コアメダルの力も無力化されてしまう。

 

213:横浜を守る二色のハンカチ(左)

そうだな。とにかく今は食い止めつつ撤退を優先しないとな。オーズ君、俺らで指示するからその通りに……

 

214:奈落のOOO@オルクス逆行中【LIVE】

『…………さない』

 

215:使い魔クウガ

オーズ君?

 

216:奈落のOOO@オルクス逆行中【LIVE】

『お前は、絶対に、許さない……!!!』

 

217:キバってダンまち@兎君代理

オーズ君!! 落ち着いて!!

 

218:ラタトスクの炎の剣士@クロスセイバーまであと4本

……もしかして、これ……。

 

219:使い魔クウガ

うん、そうだね、覚えがある……あの時、ジャラジの時の俺と同じだ

 

220:奈落のOOO@オルクス逆行中【LIVE】

『お前は存在ごと消し去ってやる!!!!!』

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

展開したトラクローで強引に殴り飛ばしたオーズの複眼が不気味な紫色に輝き、その体内から三枚のメダルが飛び出した。

それがオーズドライバーの三枚のメダルを押しのけて自動的に嵌り込み、強引に引き抜いたオースキャナーをドライバーに走らせる。

 

「変、身……!!!!」

 

 

『プテラ! トリケラ! ティラノ!』

『プ・ト・ティラーノ・ザウルース!!!!!』

 

「ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!!」

 

 

「きゃっ!?」

「翼君!!?」

 

凄まじい冷気が吹き荒れ、雄叫びを上げるオーズに、後ろにいた香織と雫がたじろぐ。

 

『仮面ライダーオーズ・プトティラコンボ』

 

原典たるオーズ、火野映司ですら終ぞ完全制御には至らなかった姿。

 

「貴様、同類……。だが、オーズならば、敵!」

 

螺旋剣を起動させた怪人――トリケラトプスヤミーがそれを振るうが、オーズはそれを左手で容易く掴む。

 

「!!」

「グぅウウウ………ガァァァァァァ!!!!」

 

掌がズタボロになるのも構わず、右手の「トリケラガントレクス」をトリケラトプスヤミーの顔面に叩き込み、10m近く吹っ飛ばす。

 

「ガァァァァァァァァァアアアアアアア!!!!!!!」

 

荒ぶる獣は止まらない。

追撃でトリケラトプスヤミーに飛び掛かると馬乗りになり、その荒々しい拳を何度も何度も叩き込む!!!

 

「あ、あれが……翼君……?」

 

そんな、荒々しい暴力を見ている二人、いやクラスメートや騎士団達は呆然とするしかできない。

そんな香織と雫の隣に一人の人間が降り立った。

 

「チッ、あのクソ神め。とんだ落とし物残していきやがって」

「え、な、南雲君!?」

「アァ? ちげえよ。俺はグリードのアンクだ。ったくイヤな予感がしたと思ったらこのザマだ」

 

くりかえすがアンクが宿っている身体は南雲ハジメである。そんな人畜無害人間の乱雑で面倒臭そうな言葉を聞いて更に混乱している二人を一瞥し、アンクは右手で戦いを指差す。

 

「見ろ。あのコンボは本来、自我を失って暴走するんだが……どういうわけかアイツは最低限の自我を保っているようだぜ」

「え……?」

 

「が、ぐ、ご!? き、貴様……!」

「オ前ガ、雫ニ与エタ痛ミハ、香織ニ与エタ恐怖ハ、コンナモンジャ収マラナイ!!!」

 

怒りに任せた蹴りがトリケラトプスヤミーを吹っ飛ばす。

 

なお、現在彼の脳内ではスレ民達が『香織ちゃんと雫ちゃんが見てるぞ!』『この戦いが終わったらイチャイチャするんだろ!!!』などと必死に呼びかけることで理性を留めているのだが、そんなことはアンク達が知る由もない。

 

が、相手はそもそも無機物から生まれる紫のヤミー。痛覚も恐怖も無く、目の前の敵を排除する為に活動する。

 

「終焉を、貴様に」

「ソレハ、コッチノ台詞ダ!!!」

 

トリケラトプスヤミーのエリマキが激しく回転を始める。その勢いは先程使ったものの数倍以上で、準備段階の時点で周囲の風を巻き込み始める。

 

「また、あの攻撃!」

「翼君避けて!!」

 

「………大丈夫ダヨ。二人共」

 

「斬り刻まれろ!!!」

 

巨大な竜巻となって突っ込んでくるトリケラトプスヤミー。

それに対してオーズは『プテラヘッド』の『エクスターナルフィン』を展開させると、その巨大な翼を全力で羽ばたかせる!

 

「な、にぃ!?」

 

災害と災害がぶつかり合えば、より強い方が消し飛ばす。

オーズが起こした氷河期が如き暴風は相手の竜巻を一息でかき消し、無防備となったプテラノドンヤミーを腰部の『テイルディバイダー』で一薙ぎしてふっ飛ばした。

 

『スキャニングチャージ!!』

 

「消エ、去レ!!!」

 

増幅された力によって伸長した『ワイルドスティンガー』がトリケラトプスのヤミーを貫き、もがく敵を強引に引き寄せる。

そして右手にプテラ・トリケラ・ティラノのパワーを一つに込め、眼前のヤミーのどてっぱらに強烈な一発を叩き込む!

 

「が、は……!!!」

 

その拳はヤミーの身体を貫通させ、宣言通りこの世に身体の一つも残さず爆散させた。

なお、吹っ飛んできたセルメダルはアンクがしっかりとキャッチした。

 

「ふん……やはりセルメダル一つか。割に合わねえ……」

「あ、あの……ハジメ君?」

「俺はアンクだ。それよりソイツのとこに行け。随分お前らに会いたがっていたからな」

「「!」」

 

そう促したアンクの言葉に弾かれるように二人は息を荒く吐くオーズに駆け寄る。

 

「翼君!」

「二人、共……今ハ、来ナイ方ガ、イイ……イツ、暴レ出スカ、ワカラナイ」

「………大丈夫だよ。翼君……守ってくくれて、助けてくれて、ありがとう……!」

「……やっと、会えた……守れなくて、ごめんね……!!」

「ッ、ふう……ウ……ハアアアアア……!!!」

 

その言葉になんとかオーズドライバーを元に戻し、紫のコアメダルを体内に戻すことで変身を解除。

二人を安心させるために、火宮翼の姿を見せた。

 

「………謝るのはこっちだ。心配かけてごめんな」

「ううん……いいの……よかった……生きてて……本当に……良かった………!!!」

「ごめん、ね……!! うう、ううう………!!!」

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

235:月閃女学館臨時教師ヒビキさん

良かったね、良かったねえオーズ君……!

 

236:IS学園の潜入刑事D

一ヵ月近く掛かってようやく会えたんだからな。おめでとう。

 

237:司波家長男リバイ

いやあ、プトティラになった時はどうなるかと思ったけど、本当に良かった。というかセイバーニキとWニキよく呼びかけで意識保てるって分かったな。

 

238:横浜を守る二色のハンカチ(左)

ファングジョーカーの時の相棒を目覚めさせた方法が精神への直接の呼びかけだったからな。もしかしたら行けるかなと思った。

 

239:ラタトスクの炎の剣士@クロスセイバーまであと4本

俺はほら、プリミティブで暴走した経験あるからさ。ゼロワンのメタルクラスタみたいに「身体が自我と切り離された」わけじゃないから、自我をキープさせればって思ったんだ。それでもギリギリだったけどね

 

240:奈落のOOO@祝再会【LIVE】

ホントご心配をおかけしました。それとありがとうございました

 

241:使い魔クウガ

いいんだよ。それより再会おめでとう。これで安心だね

 

242:IS学園の潜入刑事D

と言いたいが、もう一つ苦労ごとがあるんだろう

 

243:ラタトスクの炎の剣士@クロスセイバーまであと4本

え? あー……そりゃそうだよね

 

244:司波家長男リバイ

あ、勇者が聖剣をオーズ君に向けてる。

 

245:奈落のOOO@祝再会【LIVE】

ええー……勘弁してくれよ。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「二人から離れろ火宮!!!」

 

聖剣を構えて吠える天之河光輝。その表情には明確な敵意が宿っていた。

 

「お前、さっきの姿はなんだ! お前も魔人になったんだな!? 香織と雫を離せ!! 俺が倒してやる!! この裏切者!!」

「………原作思い出してから実際見ると、うーん……」

「ちょっと光輝! 翼君は私達を守ってくれたのよ!!」

「いいや! この階層にメルドさんでも勝てなかった、あんなに強い魔物が居たのがそもそもおかしいんだ。きっと火宮はあの魔人を利用していたんだ! 全部火宮の自作自演だ!」

「光輝、貴方いい加減に―――」

「ハッ、こりゃ傑作だ」

 

抗議しようと声を出した雫の言葉を遮って前に出たのはアンクだった。

その表情は呆れと嘲笑が混じっており、スレ民達は「魔王ハジメの顔だあれ」などと語っていたがやはりアンクがそれを知ることは無い。

 

「お前は黙っていろ南雲! 生きていたのはいいことだが、お前も火宮の仲間だと言うなら」

「だから俺はアンクだって言ってんだろ? まあ、身体は確かに南雲ハジメだがな。俺はコイツの身体を借りているだけだ」

 

そう言って自分の本体。右手を見せるアンクに光輝はご都合主義を更に固める。

 

「お前、魔人か!? そうか、南雲の身体を乗っ取って―――」

「そりゃ間違いねえが、一つ言っておく。コイツは俺が乗っ取らなきゃ死んでいたんだからな」

 

はっ? と全体の空気が固まる。

それを無視してアンクはクラスメート達の一人……檜山大介を指差した。

 

「このガキと翼はソイツの悪意によって奈落に落とされた。落下の瞬間のコイツの記憶にしっかり残っていたからな。嫉妬に醜く歪んだお前の顔が」

「あ、あれは事故だ! それに……」

「そうだ! それに檜山は謝った!」

「謝りゃ人を殺しても許されるってか? ハッ、そいつは傑作だ!!! コイツがどんな目にあっていたかも知らねえ奴らは随分呑気だったんだろうよ!」

 

ゲラゲラと笑うアンクを制して翼が一歩前に出て、檜山を真っ直ぐ見つめながら口を開いた。

 

「ハジメはボロボロだった。全身傷だらけで、右腕に至っては食い千切られて肘から先が無かった。俺は確かにアンクが乗っ取った事を許したくはないけど、それでも彼が憑りつかなきゃハジメの心は壊れていたかもしれない」

 

ギロッと、プトティラコンボと変わらぬ気迫で檜山や光輝を睨みつけた翼は怒りにままに吠える。

その瞳は怪しい紫の光を放っていた。

 

「お前らに分かるのか!!? 誰もいない暗闇で片腕を失い、いつ魔物に襲われて殺されるのかも分からない。傷も治らない、そんな中で一人で孤独に死んでいくことへの苦痛が! 恐怖が!! 分からないだろうな、だから謝罪すればいいと思ってるんだよ!!! だからそれだけで許せるんだよ!!!!」

「だ、だけど、その罪を償う為にこれから頑張るって」

「そんな言い訳でハジメの家族が納得するとでも思ったか!!? 地球に帰ってハジメのご両親になんていうつもりだったんだ!? 「異世界で貴方達の息子は檜山に殺されましたが、彼は謝ったので許しました。貴方達も許してあげてください」ってか!? それで納得してもらえると思っていたのか!!!? いいや違うな!!! お前はそもそもそんな先の事なんか一瞬たりとも考えてなかっただろうが!!!!」

「そ、そんなことは」

「俺やハジメじゃなくて、お前のダチの坂上や、香織や雫だったら考えただろうな!! 檜山を許しはしなかっただろうな!!! いや生きてると呑気に考えていただろ!!? それで皆救う!? クラスメート全員守って見せる!? 何様のつもりだ大概にしろよお前!!!!!」

 

オーズの力を得たとはいえ、翼は自分が「仮面ライダー(ヒーロー)」になれるとは思っていない。

そもそもこの世界では生きることが精一杯で、自分が救えるのは精々が自分の手が届く範囲だけ。

だから、何処までも手が届く火野映司(本当のヒーロー)のようにはなれないと思っている。

それは掲示板の先輩達も同じだった。言ってしまえば紛い物な彼らはオリジナルのような「究極の救済」は出来ない。

だから彼らは「自分に出来る限りで守り抜く」事を信念にしている。

その結果、間違えてしまうことも、罪を背負う覚悟も持っている。

 

だからこそ、「救う」事の意味を理解していない光輝のいい加減な救済には我慢できなかった。

 

「檜山、お前もだ……俺はお前を絶対に許さない。絶対にだ」

 

ギロッと凄まじい怒りのまま、下手人の檜山を睨みつける。

その気迫と、先程までの戦いを見せつけられた檜山は「ヒッ」と情けない声をあげて縮こまった。

 

「お前がどういうつもりなのか、”何を企んでいるのか”を問いただすつもりはない。復讐したい、とは思うが流石に今この場で衝動のままに手を出せば、俺はお前と同類……。だから、今は見逃してやる。ただ一つ……「二度と俺達に関わるな」。分かったな?」

 

正直、原作知識として檜山の狂気と凶行、そしてその末路を知っている翼としてはこんな言葉程度でどうにかなるとは思っていない。

その上で彼の眼はもはや手遅れとばかりに濁っており、そもそもこの世界に転生し、原作知識や前世の記憶が無い状態、「火宮翼」としてこれまで関わった中で、何度阻止しようとハジメをいじめたり、嫌がっている香織に手を出そうとするのを止めない檜山の運命を変えたいなどとは今更ながらに湧いてこなかった。

それでも今回は見逃したのは、正直これ以上関わりたくないという忌避反応、檜山を始末することで自分の立場が悪くなる面倒を避けたいという気持ちが強かったからである。

また、檜山もあの「オーズ」と戦えばロクな目に合わないと理解していたのか、渋々かつ恐々とした態度で頷くしかなかった。

 

「翼、落ち着け。感情が昂るとまたあのメダルが出るぞ」

「ふぅー……ふぅー……。ああ、そうだな。とにかく………俺が言いたいのは一つだ。嫉妬で人を殺めるような奴がいる集団に、俺の大切な香織と雫を置いておくことなんかできない」

 

だが、と一拍置いて翼は香織と雫に向き直り、静かな口調で語る。

 

「俺も危険性で言えば檜山と大差ない。さっきの姿見ただろ? あの時はたまたま制御できたが、本来は暴走してあらゆるものを破壊してしまう力だ。だから……」

「それ以上言わないで。翼君」

 

翼の告白を遮った香織は彼に近づくと優しく告げる。

今度こそ、間違えないという決意を秘めた目で

 

「それで一番傷つくのは翼君でしょ? だから私はずっと貴方と一緒に居ます。貴方がどれだけ苦しんで、傷ついても、私が癒すから」

「私も、もっと強くなるわ。貴方を守れるくらいに、どんなに暴れても止められるくらいに。だから……もう、離れないで」

「………そっか。ありがとう。二人共」

 

険しい表情を緩めた翼に安堵したような二人。だがやはり光輝は納得できない。

 

「待ってくれ! 二人共どういうことなんだ!? その言い方だとまるで俺達から離れるって言ってるようなものじゃないか!」

「………うん、凄い勝手なこと言ってると思う。最低な人だよ。私。けどね―――私が迷宮に潜り続けてたのは、大好きな翼君に会いたかったから……その一心だったから」

 

後悔していた。守るといったのに手は届かなかった。それでも手を伸ばした。そしてその手を取りに戻ってきてくれた。

大好きな人との離別を経験した香織にはもう、彼と離れることなど考えられなかった。

ただ、幼馴染より、愛する人を選んだ。それだけの単純な気持ちで。

 

「ごめんなさい光輝。貴方を結果的に騙していたのは謝るわ。私も香織と同じ気持ち……だけど、それだけじゃないわ。……やっぱり、私達はまだまだ力が足りない。さっきみたいな怪物を相手に、何時も翼達が助けに来るとは限らない。立ち止まって、もう一回鍛え直すべきだと思うわ」

「そ、そんな! 俺達は確実に強くなってる!」

「それは間違いないわ。ベヒモスを倒したのは事実。だけど……あの程度浮かれていられないというのを身に染みて理解したわ。私達はこれからもっと過酷な戦いに挑むのよ?」

「……ああ、雫の言うとおりだ」

「! メルドさん!」

 

いま語られたことは本心ではあるが、内心にはもう一つ抱えている。

正直雫は下手人が檜山であることを察しており、彼への処断は道理だと考えていた。そうでなければ翼やハジメが報われないと。

だが、それを簡単に、あっさり許した光輝をみて、流石にやるせない想いに囚われてしまった。

つまり彼女も翼と同じ考え―――光輝のふわふわした正義感に呆れてしまっていたのである。

 

そんな彼女の内心を知らずとも、意見は真っ当だったため、なんとか回復したメルドが立ち上がり、一同に向き直り、真面目な口調で告げた。

 

「俺もお前達の成長と、ベヒモスへのリベンジを見て浮かれてしまっていた。迷宮は一瞬たりとも油断できない場所だというのに、一度翼達を失ったというのにな……。それに、今後のことを考えて必要な事も教えなければならない……。一度改めて各々で訓練し直そう。今までのようにどんどん降りていくのは止めて、ゆっくりとだが確実に強くなり、安定する方針に切り替える。……その上で翼、君は……」

「……メルド団長、短い間でしたが世話になりました。……ですが、俺とハジメ……今はアンクですけど、俺達は戻れません。あの姿を制御するまでは………そして、香織と雫は俺と離れたくない。だから、俺達は別のやり方で強くなります。時期が来たら戻りますから……」

 

実際には、迷宮の最深部で知った世界の真実により、仮に戻る事はあったとしても同じ陣営として共に戦うことは無いだろうと思っている。

だがメルド自身の人格に触れた翼は個人的に「死なせたくない」と思っており、いざとなれば助ける事を躊躇うつもりはなかった。

 

「メルドさん、皆、勝手だけど私と雫ちゃんは翼君についていく」

「我儘を言ってごめんなさい。だけど強くなって必ず戻ってくるから。だから皆ももう負けないように強くなってほしいの」

 

そんな二人の発言に、トリケラトプスヤミーの襲撃で現実を再び見せられたクラスメート達もまた、今以上に強くなる必要性を理解していた為、思う事はあれど特に反対することは無く各々で強くなることを決意した。

二人の気持ちを理解していた谷口鈴や、率先して応じた中村恵里、更に強くなることを目標に定めた龍太郎に対し、光輝や檜山に関してはそんなことまで考えられないようだが……。

 

「フン、ま、そういうわけだ。じゃあなガキ共。そっちで救済ごっこでも訓練でも勝手にやってろ。俺らの邪魔だけはしてくれるなよ?」

 

アンクは自分の中から隠し持っていたクジャクコアメダルを翼に手渡した。

 

「!? おいアンク! こんなの持ってるならもっと早く貸してくれよ!!」

「うるせえ。俺の一部を簡単に貸せるか。それよりさっさと戻るぞ。アレーティアを待たせ過ぎだ」

「はいはい、分かったよ」

 

タカ! クジャク! チーター!

 

「待て火宮! そうはさせない!」

「天之河、一つだけ言っとく……。「ヒーロー」なんていうのは、お前が思っているほど万能じゃないんだぞ」

「なにを……うっ!?」

 

亜種形態、タカジャーターに変身した翼は突っ込んでくる光輝を羽ばたきの勢いで吹っ飛ばし、香織と雫を抱きよせるとそのまま『クジャクウイング』を展開して飛翔、奈落の底へ飛び降りていった。

 

「今の考えを少しでも早めに改めておいた方がいいからな。そうでないと苦しむのはお前自身だからな……」

 

一つだけ忠告を、どれほど効果があるか分からないなりに残して――――。

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

261:司波家長男リバイ

吠えたねえ。オーズ君

 

262:使い魔クウガ

まあ、全てを救いたいっていうのは分かるけどねえ……。それに必要な覚悟はそんな簡単なもんじゃないよ

五代さんでもどうしても届かなかった命があるし……。

 

263:IS学園の潜入刑事D

しかしもう紫のコアメダルが宿っているのか……中々不味いな

 

264:横浜を守る二色のハンカチ(左)

詳しくはアンクが知ってるみたいだが……どうなるんだろうか

 

265:幻想郷が俺の世界DCD

なるほど大体分かった。ちょっと様子を見てやるか




トリケラトプスヤミー
能力はワンピースのササキを参照にした。
本気でやれば竜巻による大災害を齎しかねない、紫ヤミーに相応しい存在。

奈落のOOO@祝再会
ようやく再会できた。と思ったら何故か初手プトティラという不穏な状況。
勇者(笑)への怒りは自分自身が英雄紛いだからこその怒り。本物の仮面ライダーへの尊敬故の叫び。

幻想郷が俺の世界
おのれディケイドォォォォォォ!!!!!


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王都襲撃と神の使途と天空の王

Vシネセイバーを見てきました。今までのライダー映画とは一線を画すような内容で新鮮味があり、面白かったですよ

とか言いながら今回はオーズ編です


―――バシャッ!

 

神山上空で弾けた水が地面に撒き散らされ、それが集まると同時に人型を生成し、実体化する。

シャチ・ウナギ・タコの水棲コンボ、シャウタコンボとなっている仮面ライダーオーズ/火宮翼は油断なく、燃え上がる上空を睨みつける。

 

「翼さん!」

「アンク! 香織とリリィを連れてなるべく離れろ!」

 

その複眼で見上げる空―――美しい女が浮遊している。

戦乙女(ワルキューレ)が如き美貌を持つ神の人形は無機質な目で翼を見下ろす。

 

「王を騙る異端・オーズ。貴方を粛清します」

「やれるものなら、やってみろ!」

 

OOO

 

話は少し前に遡る。

いつもの掲示板を見ていただこう。

 

 

450:奈落のOOO@目指すはハルツィナ

えっと、今龍太郎とシアも乗せて王都に向かってる。

重力魔法と再生魔法を踏まえて一旦クラスメイトと合流したいって

 

451:オカ研所属龍騎

あの勇者(笑)に会うの嫌じゃねえの?

 

452:奈落のOOO@目指すはハルツィナ

会いたくないから勿論前で降ろしたらさっさと他のとこ行く

 

453:カブト@ユニオン重桜指揮官

やはり嫌いか?

 

454:奈落のOOO@目指すはハルツィナ

嫌いというより面倒臭い。関わると相当疲れるかな……あれから変わって無ければだけど

 

455:スペードの剣@ノーネーム所属

まあ、固定観念が固まっている相手ほど面倒なことは無いな。

 

456:オカ研所属龍騎

ブレイドニキみてえに世界を旅すれば価値観も変わるんだろうけどなあ

 

457:イマジンコネクトDen-Liner

キバニキのいるオラリオだったら割と活躍できる気はしますけど……

 

458:キバってオラトリア

うーん、どうだろうね。話聞いてる限りだと結構どのファミリアに居ても問題は起こしそうだよ。ベートとか絶対嫌いそうだもん

 

459:スペードの剣@ノーネーム所属

挫折と絶望を繰り返してきた者にとっては冗談抜きで癪に触りそうだというのは同意する。十六夜もああ見えて実際は相当クレバーだしな

 

460:カブト@ユニオン重桜指揮官

それはそうだろうな。ところでブレイドニキは今何をしている?

 

461:スペードの剣@ノーネーム所属

温泉行って俺&カリスVS十六夜&黒ウサギの卓球で旅館の壁が消し飛んだ

 

462:イマジンコネクトDen-Liner

いや何してるんですか!?

 

463:カブト@ユニオン重桜指揮官

弁償ものだぞ……

 

464:ハートの弓手@ノーネーム所属

壊したのは十六夜なんだけども……

 

465:ガタック@ロイヤル鉄血指揮官

いや何しとんねんお前ら

 

466:カブト@ユニオン重桜指揮官

此奴らのスポーツは室内でやるべからずだな……

 

467:キバってオラトリア

そういえばスポーツ、と言っていいのか分からないけど、ロキ・ファミリアの地下にプールが出来たんだよね

 

468:オカ研所属龍騎

イッセーの家じゃん。なんでだよ

 

469:奈落のOOO@目指すはハルツィナ

あ、ごめんちょっとトラブル見つけた。ライブ着ける

 

470:ガタック@ロイヤル鉄血指揮官

なんだなんだ、どうした?

 

471:キバってオラトリア

えっと、盗賊、ですかね?

 

472:イマジンコネクトDen-Liner

商隊を襲ってるみたいですけど……

 

473:奈落のOOO@目指すはハルツィナ

ちょっと行ってくる

タカ!ウナギ!チーター!

 

474:スペードの剣@ノーネーム所属

判断が早い。今白崎が何か言おうとする前に奔っていったぞ

 

475:カブト@ユニオン重桜指揮官

そしてそれに続いて八重樫と園部も飛び出したな

 

476:キバってオラトリア

あ、龍太郎君もバースに変身して加勢した

 

477:イマジンコネクトDen-Liner

クラスメート組が率先して反応してますね?

 

478:オカ研所属龍騎

40人くらいいるけど、あっさり吹っ飛ばしてんなあ……

 

479:奈落のOOO@目指すはハルツィナ

よっし制圧完了。さてと……?

「香織!」

「リリィ! やっぱり、リリィなのね!?」

 

480:ガタック@ロイヤル鉄血指揮官

んー、と。すまん、誰だ?

 

481:カブト@ユニオン重桜指揮官

リリアーナ・S・B・ハイリヒ。王女様だ。

 

482:キバってオラトリア

王女様!!?

 

483:奈落のOOO@目指すはハルツィナ

「えっと、王女様……?」

「……火宮さん……ですね? お久しぶりです。メルド達からも貴方の生存は聞いていました。貴方の生き抜く強さに心から敬意を。本当によかった」

「色々運がよかったりしただけだ。じゃなくて、どうしてこんなところに?」

「っていうか、誰だお前」

「アーンークー!!?」

 

484:ハートの弓手@ノーネーム所属

あ、王女様ショック受けてる

 

485:スペードの剣@ノーネーム所属

まあ、外見は南雲ハジメだからな……

 

486:カブト@ユニオン重桜指揮官

原作では張本人にも忘れられていたがな

 

487:イマジンコネクトDen-Liner

不憫ですね……

 

488:奈落のOOO@目指すはハルツィナ

「えっと、リリィ王女! コイツは身体はハジメだけど中身は今別の奴だからそもそもリリィとは初対面なんで!」

「あ、そ、そうなんですね!! こ、こほん……すみません、改めまして……実は、王都の方でトラブルが……」

「トラブル?」

「………愛子さんが……攫われました」

 

~~~~~~~~~~

 

 

510:奈落のOOO@緊急事態

とりあえず雫と優花に先生の救出を任せて、アレーティアや龍太郎は王都へ向かわせたんだが……多分狙いは俺だろうな

 

511:カブト@ユニオン重桜指揮官

ああ、神の使途・ノイントとの一騎打ちだ。

 

512:ラタトスクの炎の剣士@VSソロモン編

今北。なんか色々ととんでもないことになってんな?

 

513:オカ研所属龍騎

セイバーニキ乙ー。今まさに中盤のボス戦前。

 

514:キバってオラトリア

というか、香織さんと王女さんは近くに置いておくの?

 

515:奈落のOOO@緊急事態

うん。原作だと王都に向かわせたら檜山によって刺し殺されるからさ……。

リリィ王女と仲がいい香織は離れたがらないし、王都に行けばリリィにとっても凄い辛い光景見せることになるだろうから、なんとか説得してね……。

一応増援としてはアンカジに居る幸利とティオにもアンクが連絡を飛ばしたからすぐに飛んでくると思う。

 

516:イマジンコネクトDen-Liner

その辺の鳥を伝書鳩に出来るアンクさん便利ですね……

 

517:スペードの剣@ノーネーム所属

鳥の王だからな。グリードやアンデッドのように既存の生物と強い関係を持つ者はその種族との会話が可能だ

 

518:ラタトスクの炎の剣士@VSソロモン編

だが王都の中は中で大乱戦だろ? 治癒師いないとヤバくね?

 

519:奈落のOOO@緊急事態

そこは平気……って、来た!

 

520:ガタック@ロイヤル鉄血指揮官

うお、空から……めっちゃ美人じゃん

 

521:カブト@ユニオン重桜指揮官

>>520

刺されても知らんぞ。しかし……瞳は人形のように無機質だな。

 

522:ハートの弓手@ノーネーム所属

ああ、上級アンデッドに支配された下級アンデッドがあんな感じだ

 

523:奈落のOOO@緊急事態

「ノイントと申します。〝神の使徒〟として、主の盤上より不要な駒―――王を騙る異端を排除します」

「……!! 変身!」

タカ! トラ! バッタ!

バ! バ! バ!

 

524:スペードの剣@ノーネーム所属

始まったか

 

525:ハートの弓手@ノーネーム所属

いきなり翼から羽根弾丸を撃って来たな。牽制とは思えない威力だぞ

 

526:奈落のOOO@緊急事態

分かってる!

 

527:オカ研所属龍騎

おお、トラクローで全部落とした!

 

528:ガタック@ロイヤル鉄血指揮官

トラクロー君が活躍したぞ!!

 

529:ラタトスクの炎の剣士@VSソロモン編

いや酷くない……?

 

530:キバってオラトリア

だけどオーズ君、戦闘力凄い上がってるよね?

 

531:奈落のOOO@緊急事態

プトティラ使う度に、ね!

けど流石にヤバい!!

タカ!カメ!ゾウ!

 

532:イマジンコネクトDen-Liner

えっと、それ防げますか!?

 

533:奈落のOOO@緊急事態

なん、とか!

 

534:カブト@ユニオン重桜指揮官

戦いながらで悪いがオーズ、聞いていいか

 

535:奈落のOOO@緊急事態

え、何!?

「余所見とは随分余裕ですね。イレギュラー」

っとぉ!!?

 

536:オカ研所属龍騎

大丈夫か!?

 

537:奈落のOOO@緊急事態

大丈夫! それで何!?

 

538:カブト@ユニオン重桜指揮官

いや、白崎香織の強化案どうするのかと

 

539:イマジンコネクトDen-Liner

何故それを今聞くんです!?

 

540:スペードの剣@ノーネーム所属

いや、本来は白崎香織が檜山に刺されて殺された後、ハジメがノイントの遺体に香織の魂を定着させるんだが……

 

541:ラタトスクの炎の剣士@VSソロモン編

そうならないかもしれないと

 

542:奈落のOOO@緊急事態

考えてあるから大丈夫!!

(剣戟音)

 

543:キバってオラトリア

うわあビックリした!! 何々!?

 

544:ハートの弓手@ノーネーム所属

オーズが持っているメダジャリバーとノイントの持つ双大剣が斬り合ってる

 

545:奈落のOOO@緊急事態

っていうかこんなデカい剣片手で振り回すなよ化物か!?

 

546:スペードの剣@ノーネーム所属

>>545

呼んだか?(キングラウザー二刀流)

 

547:ラタトスクの炎の剣士@VSソロモン編

>>545

呼んだ?(激土と界時の二刀流)

 

548:オカ研所属龍騎

>>545

ゼノヴィアも普通にやるんだよなあ

 

549:キバってオラトリア

>>545

ティオナも大双刃ブンブン振り回すよ

 

550:奈落のOOO@緊急事態

ええい化物しかいないなこの掲示板!!

 

551:イマジンコネクトDen-Liner

オーズさん前! 前来てます!

 

552:奈落のOOO@緊急事態

うおお!!?

コブラ! カメ! ワニ!

ブラ・カ~・ワニ!

 

553:ガタック@ロイヤル鉄血指揮官

いきなり真っ暗になったぞ!?

 

554:カブト@ユニオン重桜指揮官

地面に潜ったんだ。ブラカワニにそんな使い方があったとはな

 

555:奈落のOOO@緊急事態

背後取った! 食らえワニキック!

 

556:キバってオラトリア

いや、避けた! 反射神経高いよ!

 

557:奈落のOOO@緊急事態

完全に不意を突いたんだけどな……じゃあこれだ!

シャチ・ウナギ・タコ!

シャ・シャ・シャウタ! シャ・シャ・シャウタ!

 

「あの、先程から流れてる歌は……?」

「歌は気にしちゃ駄目だよ」

 

558:スペードの剣@ノーネーム所属

アンクに守られている二人の声が聞こえたんだが……

 

559;奈落のOOO@緊急事態

食らう前提で突っ込んで動きを止める!

 

560:ハートの弓手@ノーネーム所属

本人気付いていないんだが

 

561:ラタトスクの炎の剣士@VSソロモン編

掲示板のライブモードって周囲の会話勝手に拾いますからね

 

562:オカ研所属龍騎

それよりオーズニキが液体化して突っ込んだ! 銀の羽も透過してる!

 

563:ガタック@ロイヤル鉄血指揮官

よし! そのまま突っ込め!

 

564:キバってオラトリア

いや、駄目だオーズ君! 退け!

 

565:奈落のOOO@緊急事態

ッ!!?

「〝劫火浪〟」

 

566:ハートの弓手@ノーネーム所属

眩しっ!? 炎か!?

 

567:ガタック@ロイヤル鉄血指揮官

コイツ魔法も使えるのかよ!?

 

568:奈落のOOO@緊急事態

ッ……そうだった、液体化解いてなかったら蒸発してた……!

ありがとうキバニキ!

 

569:キバってオラトリア

うん、ベル君がファイアボルト使う時に動きが似てたから

 

570:スペードの剣@ノーネーム所属

規模は違い過ぎるがな

 

571:イマジンコネクトDen-Liner

というか炎が降って来てませんか!?

このままだとアンク達も巻き込まれますよ!?

 

572:奈落のOOO@緊急事態

シャウタじゃ駄目か!?

「アンク! 香織とリリィを連れてなるべく離れろ!」

サメ! クジラ! オオカミウオ!

サーラーミーウオー! サ! ラ! ミ! ウオー!

 

573:オカ研所属龍騎

うおお未来コンボ!!

 

574:スペードの剣@ノーネーム所属

確かエリセンでメズールロストを倒した時に手に入れたものだったな

 

575:奈落のOOO@緊急事態

はああああああああ!!!! 消火じゃああああああ!!!

”コロッサルヘッドバット”!!!

 

576:キバってオラトリア

オーズが大きな水のクジラになって炎に突っ込んだ!?

 

577:ハートの弓手@ノーネーム所属

ッ、凄い水蒸気爆発だ……湯気で何も見えない……

 

578:ラタトスクの炎の剣士@VSソロモン編

オーズニキ! 生きてる!?

 

579:奈落のOOO@緊急事態

なん、とか!

 

680:カブト@ユニオン重桜指揮官

随分無茶をしたな……

 

681:奈落のOOO@緊急事態

「これも凌ぐなど……やはり、あなたは強すぎる。主の駒としては相応しくない」

「自由がナンボの人間様、欲望だからな! お前にはそういう欲望無いのかよ!」

「……無駄です。私に感情はありません」

「そうか。悲しい奴だな……ッく!?」

 

682:ガタック@ロイヤル鉄血指揮官

どうしたオーズニキ!?

 

683:奈落のOOO@緊急事態

力が、抜ける……歌、声……? く、動きも鈍い……!

「イシュタルですか。……あれは自分の役割というものをよく理解している。よい駒です」

 

684:オカ研所属龍騎

あのクソ神官かよ! こんな時に!

 

684:奈落のOOO@緊急事態

「此処で始末するのは容易ですが、主は貴方が苦しみ、絶望して果てる様を望んでいます。故に」

「ッ、待て、お前、何処を見ている……!?」

 

685:スペードの剣@ノーネーム所属

あの視線の先は……! 不味い、アンクや香織を狙っている!

 

686:カブト@ユニオン重桜指揮官

狙うのも当たり前だが……!!

 

687:ラタトスクの炎の剣士@VSソロモン編

銀羽根を出した! 此処から狙撃するつもりか!?

 

688:奈落のOOO@緊急事態

「させる、か!!」

スキャニングチャージ!

「サラミウオブレイクッ!!」

 

689:オカ研所属龍騎

おお、直撃……したけど!?

 

690:イマジンコネクトDen-Liner

それは羽根で出来た偽物です! 本物は頭上に……!

 

691:奈落のOOO@緊急事態

ッ、ぐう!!

「やはり、彼方を狙えば必ずそう動くと思いました」

狙いはブラフか、クソッタレ……! ん!?

「グゥガァアアアアア!!!」

 

692:ガタック@ロイヤル鉄血指揮官

今度はなんだあ!? 炎がノイントを吹っ飛ばしたぞ!?

 

693:オカ研所属龍騎

ドラグレッダーのブレスか!?

 

694:カブト@ユニオン重桜指揮官

違うがまるっきり違うわけでもない

 

695:奈落のOOO@緊急事態

「オーズよ。無事かの?」

「火宮! すまねえ遅くなった! 八重樫達と先生を助け出してたんだ!」

「幸利! ティオ!」

 

696:キバってオラトリア

此処で援軍! いいタイミングだ!

 

697:ハートの弓手@ノーネーム所属

だがまだ先生が乗ってるぞ。何をするつもりだ?

 

698:奈落のOOO@緊急事態

「それで、俺は何をすればいい!?」

「そうだな……とりあえず、狂信者とかいう汚物は消毒!!」

「そう言うと思ったぜ! よっしゃ! これから毎日山を焼こうぜ!」

 

699:カブト@ユニオン重桜指揮官

生き生きしているな、清水……

 

700:奈落のOOO@緊急事態

「先生、本当にいいっすか? 責任は俺が取りますが……」

「……清水君。心配してくれてありがとうございます。……正直怖いですが、やるしかないんです。これから先、皆で生き残って日本に帰るためには、誰よりも私が逃げちゃダメなんです!」

「……分かったっすよ。ティオさんいいか!!」

「既に決めたというなら妾に止める件はない。よかろう。共に愚か者共を蹴散らすとしようか!」

「OK! 火宮! そいつは頼んだ!」

 

701:イマジンコネクトDen-Liner

ちょっと会話が物騒だったんですけど、大丈夫ですかね……?

 

702:スペードの剣@ノーネーム所属

多分この後とんでもないことになる

 

703:奈落のOOO@緊急事態

ッ、この呪いを弾くには………これしか、ナイカ!!

『プテラ! トリケラ! ティラノ!』

『プ・ト・ティラーノ・ザウルース!!!!!』

 

 


 

 

「ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!」

 

太古の咆哮が周囲を絶滅の氷河で凍てつかせ、陳腐な呪いを弾き飛ばす。

もはや猶予を残して戦える状況ではなくなった為、躊躇いなくプトティラコンボを使用したオーズはエクスターナルフィンを広げて飛翔すると一気にノイントに接近し、破壊の爪を突き立てる。

 

「ッ!?」

 

ノイントは銀翼での防御するも、それがトリケラガントレットの爪に引き裂かれるのを見て無意味と見たのか、その手に持つ一之大剣を振るう。

分解の魔法を含んだ防御無視のその斬撃はしかし、反対の手で直接掴まれ、分解魔法が握り砕かれた。

 

――あらゆるものを無に帰す紫のメダルは、魔法だろうと引き裂く。

察したノイントは剣を引き距離を取る。

が、その隙を逃さず飛翔したオーズはテイルディバイダーで強烈な殴打。

地面に吹っ飛ばされるノイントは空中で姿勢を制御し、辛うじて踏み止まる。

 

「くぅうううっ!!」

「ガァアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」

 

更に拳を突きつけて突貫する。

その一撃は躱され、拳は地面を抉るが、オーズはその手で何かを掴み、地上に引き摺り上げた。

その武器を見たノイントが本能的な恐怖を覚える。

ティラノサウルスの頭を模した武骨で凶悪な斧―――メダガブリューだ。

 

「ゴアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

再び飛翔。おびただしい数の銀羽が掃射され迎撃するがそれを食らいながらも突撃し、メダガブリューを振り下ろし、ノイントの大剣を叩き斬った。

 

「グオオオオオオオオオオオオオオおオオオオオオオオオ!!!!」

 

だがノイントは焦らず再び距離を取る。

―――気付かれている。

 

「その力はもう、貴方をかなり蝕んでいるようですね。今はまだ制御が出来るようですが、やがては見境なくなることでしょう。貴方が愛する者全てをその手で破壊しつくした末に絶望する姿は、我が主もさぞお喜びになられることかと」

 

―――初めてオルクス大迷宮で使ってから、ライセン大迷宮、グリューエン大火山、メルジーネ海底遺跡と、既に4回も使っている。

その度に激痛が走り、変身中の意識もまばらになりつつあったが今回で5回目……今回はいよいよ言葉の発語すらできなくなり、怒号と咆哮しか挙げられていない。

今は制御できているがノイントが言うように恐らく限界が近いだろう。

故に今此処で倒さなければ勝機は無い―――!

 

「ツバサ!!!」

「グル!!?」

 

そこに割り込むように着弾した火球。

上を見ると翼を広げて飛んでいるハジメ―――アンクが立っていた。

 

「………今回だけだ」

 

そう呟いたアンクはメダルを投げ飛ばす。

残っている理性で掴んだそのメダルは赤―――クジャクメダルとコンドルメダル。

 

「!!!」

「白崎と王女に感謝しろ。……さっさと決めろ」

「……グルアアアアアアアア!!!」

 

強引に紫メダルを引っ張り出し、体内に押し込むと同時に赤いコアメダル三枚をセット。

そのままオースキャナーを掴み、ドライバーに走らせる!

 

 

『タカ! クジャク! コンドル!』

『タ~ジャ~ドルゥ~!!!!』

 

 

「オオオオオッ!!!」

 

意識が鮮明になる。

太古の恐竜から、空を舞う鳳への進化。

仮面ライダーオーズ・タジャドルコンボ。

 

「反逆者の遺産が……余計な真似を」

「すまないアンク! さあ、やろうか!」

 

メダジャリバーを右手に、左手にタジャスピナーを召喚したオーズは背中から六枚の翼、クジャクウイングを展開し、音速で飛行。

ノイントが迎撃で放つ銀の羽根は背中に広げた孔雀の羽を模した火弾・クジャクフェザーを無数に放って相殺。

白銀の翼と灼赤の翼が光の軌跡を残して空中を駆け、目にも止まらぬ速度でぶつかり合う。

 

―――ノイントは主から無制限の魔力供給を得ている。

彼女は翼がプトティラを使用してから即座に「限界突破」に近い強化を自身に行っているがそれでもそのリミットが訪れることは無い。

故に戦い続ければ先に力尽きるのは翼の方……であるにも関わらず、一向に差は開かない。

 

「……何故」

「アンクが、俺を信じてくれたんだからな!!」

 

―――アンクはグリードの中でも疑り深く、狡猾だ。

他のグリード―――現在までに翼が出会ったのはカザリとガメル、メズール―――と比べても中々翼をオーズとして認めず、自分のメダルを与えることなど片手で数えられるほどしかなかった。

ましてやコンボなど持っての他である。

 

―――そんな彼が自分の勝利を信じて己の魂を賭けた。

ならば自分も、その覚悟に答えなければならない!

 

タカ! クジャク! コンドル! ギン! ギン! ギン! ギガスキャン!』

 

「おぉおおおおおおおっ!!!」

「はぁあああああああっ!!!」

 

全身を炎で包み、火の鳥となったオーズがノイントに突貫。

メダジャリバーと双大剣がぶつかり合う。

ガキィン! ギャギィン! と凄まじい剣戟音が大気を揺さぶり、上空に花火のような閃光を散らす。

 

「ノイント! お前は、なんで叫んでいる!?」

「何、を」

「その叫びは、お前に感情があるからこそだ! この戦いを―――俺は必至でそれどころじゃないけど、楽しんでいるだろう!!」

「だから、どうしたというのです!」

「別に! ただ……これ以上お前の主の思い通りにされるのも悔しいんでな!! 悪いがその心……利用させてもらう!!!」

 

『トリプル! スキャニングチャージ!』

 

「はああああああああああッ!!!」

「!」

 

メダジャリバーに三枚のコアメダルが装填され、そのエネルギーが刀身に集まり、横に振るわれる。

咄嗟にノイントは双大剣でガードするが、それは悪手。

オーズが放つ必殺の一斬、『オーズバッシュ』は()()()()断ち切る一閃。

疲労も蓄積していた双大剣は容易くぶった切られた。

 

「馬鹿な……く!」

 

しかしノイントは咄嗟に銀翼から羽根を放ち、オーズの手からメダジャリバーを弾き飛ばす。

これで両者ともに素手……と思いきや、オーズの腕には新たな得物が握られている。

 

「!? それは……!?」

ゴックン!タジャドル!

 

メダガブリュー。全てを断ち切る無の一閃。

 

スキャニングチャージ!

 

もう逃がさないとばかりにコンドルレッグが変形した、燃え盛る猛禽類のようなツメがノイントの身体をガッチリと捕え、続けてメダガブリューを振り下ろす!

 

グランド・オブ・レイジ!!!

「(死―――――――)」

 

しかし、メダガブリューが断ち切ったのはノイントの身体ではなく、彼女と繋がっていた「主」の支配の糸。

翼はノイントの生い立ちを詳しく知らない。人造生命に戯れに感情を乗せられていただけかもしれないし、何処か滅びた世界の人間の身体を人形にしたのかもしれない。

だが、とにかく彼女は言葉と反するように「感情」があった。ならば――|それを抑え、縛り付けている支配から解き放ってやろう《彼女の欲望というものを見てみたい》。

散々他の者を駒と称する腐れた神が、自分の駒が奪われる事にどんな反応をするのかも見物である。

 

「う、ァ、ギガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァ………!!!!!!」

 

けたたましい断末魔のような絶叫の後、ガクンッ! と縛り付けていたものが途切れたように身体が崩れたノイントを咄嗟に受け止め、ゆっくりと飛翔する。

そんな彼をノイントはぼんやりと、少し光が灯った瞳で見つめてきた。

 

「………何故、殺さないのですか」

「利用価値があるから……っていうのが一番かな。あとは完全な私欲」

「……………」

「ところで……改めて、エヒトとやらをどう思う?」

「………最悪、です」

 

おっ、と意外ながらも満足そうな声が翼から出た。

感情が縛られていたのは大体想像できたが、それを踏まえても本心からエヒトと同類だった可能性は否めなかった。

だが蓋を開けてみれば唾を吐き捨てるが勢いで先程まで主と思っていた存在への嫌悪感丸出しである。

感情が戻った事で人間らしい感性が芽生えたのか、或いはメダガブリューの一閃がそういった精神性まで壊した、はたまたエヒトが戯れや嗜好で反論的な精神を与え、それを屈服させたことに悦を感じていたのかは定かではない。

 

「……新たな主、どうぞ私に命令を」

「気変わり早くね? いや―――」

 

一瞬呆れた翼だがよくよく考えてみれば彼女は非常に永い間、エヒトの人形として生きてきたのだ。

今更どのように生きればいいのかも分からないのも、今までの生き方をそうそう変えられないのも当然だろう。

 

「……まあ、予定通りっちゃ予定通りだけど」

「何か仰いましたか?」

「いいや、なんでも………」

 

直後、

 

ズドォオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!

 

 

神山全体を激震させるような爆発音。

今度は何事かと振り返った翼の目に映った光景は……巨大なキノコ雲と轟音を立てながら崩壊していく大聖堂を含む聖教教会そのものだった。

愛子の土壌の変質と清水によって強化されたティオのブレスの仕業だった。

 

「……うそん」

「……」

 

ノイントも目が点になってる。先程までの激闘を見ていた都合、どうにも表情豊かに見える。元々美女だがかなり印象が変わるものだ。

 

「……今のお前の方がよっぽどいいと思うぞ」

「……そうですか」

「とりあえず……」

 

当初の予定としてはそのまま香織の守護人形としてアンクの中のハジメに改造してもらう予定だったのだが、その手間は省けたと言っていいだろう。

守護人形というアイデアはブレイドニキが居る世界の久遠飛鳥が巨兵ディーンを使役していたり、クウガニキの世界のギーシュが青銅のゴーレムを操っていたことから思いついたアイデアである。

 

ということで、

 

「体のいい奴隷を手に入れたから香織、思いっきりこき使ってやってくれ」

「精々この罪人を使い潰してください、我がマスターの伴侶様」

「急展開すぎるんだけど!?」

「お話は聞きましたし、先程の戦闘も見せてもらいましたが……途方もないですね、翼さん……」




補足も踏まえた後書き

・奈落のOOO/火宮翼
ライセンでカザリ、グリューエンでガメル、メルジーネでメズールに認められたことで猫系・重量系・水棲系を、アンカジに残されていた爬虫類系、メズールロストを倒したこと海洋系を入手済み。
欲望を解放しすぎるとヤミーのようなことが起きるので節制は大事だが、欲望が封じられる状況も好まない。
元々倒したノイントを香織が死なないまま追加できる戦力として起用するつもりでいたがまさかのそのままパーティー入り。

・ノイント
感情の機微=欲望の余地がある事に気付いた翼がエヒトとの繋がりをメダガブリューで断ち切り、解放された。
自我が芽生えたばかりの人間としては赤子のような状態。この後香織との同調の為魂魄魔法で隅々まで改変された。

・白崎香織
死亡展開を回避し、義妹が出来た。
なお戦力アップ同調の為、この後魂魄魔法を手に入れた翼にノイントと共に色々弄られることになる

・アンク/ハジメ
実はハジメの意識は大分表出しており、同じ身体に二人の人格が同居している状態。
オーズとして相応しいかを見定めている翼に対してと異なり、この二人の仲は意外といい。
戦闘やオーズのサポートはアンク、武装の調整や開発はハジメの担当。なお魔王化はアンクが変性する前に憑りついたことで回避した。

・坂上龍太郎
ハジメが開発したバースドライバーを所持している。
トリケラトプスヤミーの後、武者修行の為放浪していた所でシアと出会い、ハウリア族を助け、共に鍛えた事で親しくなっている。翼達との再会したのもこのころ。
その後、ホルアドで人身売買組織に捕まっていたミュウを助けている。
今回別動隊として王都に乗り込み、中村恵里の裏切りから光輝を守り、バース・デイを使って大暴れしている。

・清水幸利
翼が居たおかげでハジメ達と親しくなり、死亡フラグが回避された。
ハジメと翼が奈落に落ちて死んだ(と思い込み)、戦いから逃げるように愛ちゃん親衛隊と共に戦線離脱。
そこで出会ったティオに自分の心境を吐露し、慰められたことと、友との再会をきっかけに立ち直り、魔物を使役する力でサポートしている。
ティオのブレスを強化し、愛子先生との連携で教会を焼き払った実行犯

・リリアーナ・B・S・ハイリヒ
本格的にフラグが立つのは帝国編
とりあえず不憫ではない様子


おまけのアンケート
中々リア充が多いですが、誰の状況が気になりますか?


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希望の開花――指輪の魔法使いと禁忌教典

今回はウィザード編です。



―――指輪の魔法使い。

陽気な歌声にのせた詠唱を奏で、円舞のような華麗な舞いと共に、輝く白銀の剣を以て、この世に蔓延る絶望を祓う、希望の魔法使い。

 

そんな、御伽噺のようなヒーローが居る世界

 

 

 

 

街中にあるとあるBARの一席。

貸し切りのように他に誰もいないテーブルに指輪をした青年が一人佇んでいた。

その右手には赤いルビーの、左手には橙の琥珀を用いた指輪が嵌められている。

 

「………ふふ、凄いなあ」

 

瞼を閉じながらそう呟く彼の脳裏には―――黄金の剣士が紛い物の不死の怪物を倒す姿が映っている。

そう、彼は転生ライダーの一人……仮面ライダーウィザードである『ハルト・リングラゴン』である。

そんな彼が今此処にいる理由だが、とある人物に呼ばれてのことだ。その待ち合わせをしているのだが、待っている間、暇な時間を同胞である仮面ライダーブレイドの戦いを観戦していた、というわけだ。

 

「おーい、ハルト~」

「んっ……ああ、グレン。久しぶり」

 

そんな彼の前に現れたのは帝国宮廷魔道士団特務分室執行官の制服に袖を通している青年―――グレン・レーダス。

そして彼に続いて入店する白髪に右頬の刻印が特徴的なセラ・シルヴァース。

ハルトの元同僚であった。

 

「今日は二人でデート? イヴが嫉妬するよ~?」

「バッ、おま、そういうこと言うの相変わらずだな!?」

「イヴは忙しいからね。あんまり意地悪な事言っちゃダメだよハルト君」

「勿論、分かってて言ってるから」

 

一年前に起きた「天使の塵事件」において、ハルトはイヴの命令を無視してセラの救援に向かい、本来死ぬ定めだった彼女の死という運命を変えた。

その独断行動の責任を取って彼は執行官を辞任。元からやっていたグレンとイヴの関係に決定的な亀裂が入る事を仲介して阻止し、姿を消した。

なお、これらの行動は全部善意ではあるが、何よりグレンの為だったりするのは隠してある。あとちょっぴり自分の為。

 

「で、呼び出した張本人は何処にいるんだよ?」

「うーん、もう来ると思「ん? 私は此処にいるぞ?」ッ……」

 

そう、ほんの一秒前まで空席だった筈の席から声。煽情的なドレスに身を包んだ金髪の美女、セリカ・アルフォネアであった。

驚きすぎて目を見開き、肩が上がった状態のまま固まっていたハルトはドッドッドッと鳴る心臓を落ち着かせた上で姿勢を整える。

 

「ふう……吃驚させないでくださいよ。それで、どうして俺、俺達を呼んだんですか?」

「うん? ああ、グレン達を呼んだのはただの善意だ。お前の元気な姿を見せてやろうと思ってな」

「いやいや、手紙のやりとりはしてますからわざわざそんなことで忙しい二人を連れ出さなくても」

「私はハルトに直接会えて嬉しいよ? グレン君も最近は暇してたしね?」

「おい俺を巻き込むなッ!」

「何だ? お前は別にハルトの事はどうでもいいと思っていたのか?」

「そういうわけじゃッ……クソがあ!」

「諦めなよグレン。女性二人に勝てるわけないじゃんか」

 

クスクス笑うハルトを恨めし気に睨んでいたグレンだったが、やがてその表情も苦笑に変わる。

 

「ま、なんだ、元気そうで何よりだ」

「お蔭様でね。親友の子を見るまで死なないって」

「はは……待て子ってなんだ子って!!?」

「生まれてくる子が白髪だったらセラ、赤髪だったらイヴかな?」

「だからなんでお前の中では俺が二股掛けてることになってんだよ!?」

「私はグレン君との子だったらいいよ……?」

「乗るな白犬!! つかなんだその満更でもない表情は!?」

「男だったら責任取らなきゃ」

「まだなんもしてねえ!!!」

「まだ? ってことはいずれ二人を手籠めにする予定が」

「あるわきゃねえだろォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!」

 

此処にイヴも居たら割と執行官時代からよくある光景だったりする。

イヴはイヴでグレンを揶揄うことにやたらと生き甲斐(というかストレス発散)を憶えていたので基本的にグレンがツッコミを撒き散らすのがいつもの風景だった。

そんな賑やかな三人をクスクスと笑いながら見守るセリカに対し、一通り満足したハルトが向き直る。

 

「それで、セリカさん。俺を呼んだ本題っていうのはなんでしょう?」

「ああ、ハルト。お前は教師というものに興味は無いか?」

 

………一瞬、世界が固まった。というかハルトが固まった。

 

「ハルト、お前には一ヶ月間、アルザーノ帝国魔術学院の教師をやってもらいたいと思っている」

 

そして、グレンによる反撃の弄りが始まるのであった。

 

 


 

 

【緊急】どうして俺が魔術講師に!?【原作来た】

 

1:アルザーノ魔術講師ウィザード

というわけでどうすればいい?

 

2:スペードの剣@ノーネーム復興中

いやコテハンから既に乗り気じゃないか

 

3:装者全員と友達になる男

やっちまえばいいだろ!

 

4:カブト@ユニオン指揮官

寧ろ何を迷っているのか

 

5:アルザーノ魔術講師ウィザード

いやね。原作ブレイクした時点でやるんだろうなとは思ってたけどいざ講師となったらどうするべきか……

 

6:五代さんみたいになりたいクウガ

まあねえ、いきなりやれと言われても困るかもなあ

 

7:半蔵学園教師ヒビキさん

仕方ない。此処は俺が一肌脱ごうかな

 

8:鎧武が斬る!零

そういや現役の教師居たな

 

9:アルザーノ魔術講師ウィザード

お願いします響鬼ニキ!

 

10:半蔵学園教師ヒビキさん

おう、ビシッと鍛えていくからな?

 

 


 

Sideハルト

 

結局依頼を受け入れて、実際に教師として赴任するまでの一週間。

俺、ハルト・リングラゴンは響鬼ニキから教師として生徒との接し方や話す上でのコツを教わりつつ、今世の人脈をフル活用しまくって魔術理論だのの復習に費やした。

 

イヴからは「教えるのはいいけど、その光景後でじっくり見せてもらおうかしらね」

絶対弄る気だ。絶対そうだ。何故だ。俺はグレンとの仲を押し進めようとしただけなのに。

 

アルベルトからは「今まで手紙で済ませていたのをいきなり押しかけてきて教えを乞うのは人としてどう思う?」

正論ですねごめんなさい。今度飲みに誘うから。というか苦労増えた?

 

バーナードの爺さんには「若き教師とは羨ましいのう。可愛い生徒がおるんじゃろうなあ!」

そりゃいますよ俺は原作知ってるし。というかなんでアンタまで俺の事からかうのさ?

 

クリストフには「貴方ならば正しい形で導けるでしょう。応援していますからね」

いい奴だよ本当に。いやマジで。やっぱ執行官癖が強いよ。……なんかグレンから「お前が言うな!」って怒鳴り声が聞こえた気がするが無視!

 

そんなことをしていたらあっという間にその日になってしまったわけで。

 

「さて、と……」

 

ちなみに、俺は詳しいところまでは朧気ではあるけど、この世界―――「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」の物語を知っている。

その上で言わせてもらうと……この時点で既に「ロクでなし魔術講師指輪の魔法使いと禁忌教典」になっちゃってるわけで。

 

その本来のポジションであるグレンはタイトル通りのロクでなし講師として活躍を始めたわけで、最初の印象は散々かつ最低かつ底辺からのスタートだったんだよ。

で、俺はそんな自分から信頼をどぶに捨てるような真似はしたくないしできないしで、そもそもこれからはもう、グレンじゃなくて俺自身の物語になるわけだから、俺のやり方でやらせてもらおう。

 

 

 

 

さてさて、俺が宛がわれたのはやっぱり二組。そりゃそうだよね。此処でクラスが違ったらいよいよ訳が分からなくなる。

ということで改めて入室。談笑していた生徒達が一斉に静まり返る。

ちなみに掲示板では俺のライブ中継が始まっているんだけど、スレ民皆して見守ってる。授業参観の気分なんだけど。教師なのに。皆そんなに暇なの? ブレイドニキのギフトゲームを観戦してた俺が言える事じゃないけどね?

 

「あ~。っと……皆、初めまして。俺は一か月間の臨時講師として今回派遣されたハルト・リングラゴン。好きな食べ物はドーナツだから差し入れしてくれる優しい子は覚えておいてね。よろしく」

 

一先ず自己紹介。響鬼ニキからもOKを貰えた。よし。

 

「じゃあ、個人的なプライベートとかの質問は授業が終わった後に改めて聞くとしようか。今日はとりあえず、俺がちゃんと教師として相応しいかどうかを皆に見定めてもらわなきゃならないね。皆は審査員ってことで」

 

そう言って俺は教科書を……うん、開くことは無い。

とりあえず閉じて教壇の上に置く。そんな俺の態度に少しざわつきが多くなった。

 

「まず授業を始める前に……一つ、皆に質問したいな。君達はこのアルザーノ魔術学園で魔術師になるために勉強をしているわけだけど……皆は魔術師になって何がしたい? うん、そうだね……じゃあウェンディちゃん、君の考えを聞かせてもらおうかな」

「え!? えっと、こほん、そうですわね……、やはり、魔術師として、そして貴族として歴史に名を残せる固有魔術(オリジナル)を生み出すのが目標ですわ」

「うん、立派だと思う。けど、俺の質問の答えにはなってないかな」

 

教室のどよめきが多くなる。その上で俺は会話を続けた。

 

「魔術師っていうのは称号ではあるけど職業ではない。皆は魔術を崇高で偉大なものと考えているだろうけど、反感覚悟で言うね。それは魔術というものを理解していないってことだよ」

「! どういうことですか?」

 

反応したのは猫耳っぽい髪が特長の、システィーナちゃん。

うん、確かにセラの面影はあるね。気が強そうなのはイヴっぽいけども。

 

「気に障る事を言ったのは謝るよ。けどね、魔術っていうのは言ってしまえば極論、『手段』であって『目的』じゃないんだ。さっきの質問を言い換えるなら、君達は将来、魔術をどんな職業に活かしたいかってこと。システィーナちゃんには成し遂げたい夢はある?」

「あ、えっと、私は……その、笑いませんか?」

「笑わないよ」

「メルガリウスの天空城の謎を解きたいんです。祖父への、誓いで」

「うん、立派な夢だね。じゃあシスティーナちゃんは魔導考古学者志望だ」

「はい」

 

今の時点で将来設計がしっかり決まっているなら、この子は将来有望だね。

 

「魔術を使う職業は沢山ある。愛国心があってこの国を守りたいなら宮廷魔導士を目指せばいいし、魔術の真理を追究することに人生を費やしたいなら魔導研究者かな。そういった「意味」が分からないままで魔術に憧れるのは正直おススメしないかな」

「どうしてそこまで言い切れるんですか?」

「ギイブル君だったか。そこにはリスクがあるからだよ。宮廷魔導士なら魔術を悪用する犯罪者を相手に命を懸けた交戦をしなきゃいけないし、魔導研究者なら実験中の事故で死ぬかもしれない。システィーナちゃんが目指している魔導考古学者は調査中に遺跡でのトラップとか災害に巻き込まれて……なんてこともあり得るだろうね」

 

俺の言った事例は実際に事故・事件として報道される事が多い。

それに目を逸らして魔術の価値を求めていたんだろうけど、申し訳ないが此処で目を覚ましてもらわないとね。

 

「言っておくけど、魔術の価値とか至高とかそういうのを聞いているわけじゃない。俺はあくまでも君達の将来に魔術をどう関わらせていくのかを説いている。それを踏まえて言わせてもらうと。この教科書の内容には正直何の意味も無い。例えば……」

 

俺はチョークを手に、黒板に文章、というより魔術の詠唱文を書いていく。

 

「俺は正直に言うと発動の方に才能が無くてね。最高でも二節詠唱が限界なんだけど、今回は分かりやすく、安定する三節詠唱を例に出そう」

 

書いた文章は《雷精よ・紫電の衝撃以て・撃ち倒せ》

 

「これは皆にとってもお馴染み、ショック・ボルトの詠唱だ。今更かよって顔する人が多いけど、じゃあ一節に短縮するにはどうすればいい?」

「そんなもの基礎中の基礎ですよ。《雷精の紫電よ》です」

「うん正解。じゃあさらに質問、()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

二発目の俺の質問に皆が一斉に動きと言葉を止める。

 

「うーん、やっぱりね。この教科書はあくまで英単語帳みたいなものでしかない。今必要になるのは言うならば国語力だよ。さっき言ったように重要なのは意味だ。ショック・ボルトという魔術は「電撃で相手を痺れさせる」という効果。その様を詞のように描いたのがこの詠唱。文章が意味を持つんじゃない。意味に文章が付けられたんだ。理論で言ってしまえば雷の精霊が本当に毎回ショック・ボルトを撃つ人の手助けをしてるわけない」

 

そう言いながら俺はグレン"先生"に倣い、右手を側面に向ける。

 

「魔術は理論で説明できる。崇めるのはいいけどそれだけだと到達できない地点がある。それを越えるためには現実として意味を考えないといけない。それが出来れば………《ビリッと・痺れろ》」

 

ドンッ! と右手からショック・ボルトが放たれる。

ざわつく教室を余所に俺は一つの指輪、ウィザードリングを取り出した。

 

「この指輪は、太古の遺跡や鍾乳洞で採れる、魔力を潤沢に込めた魔宝石を削って加工して作られた術式を内包した指輪だ。だけどこの魔宝石っていうのは加工するまではどんな術式も無い。これは指輪商のおっちゃんのイマジネーションと発想が「どんな魔術になるか」っていう形で定着して完成する」

 

指輪を填め直し、腰の掌型のバックルに添える。

 

『ドレスアップ・プリーズ』

 

「こんな感じで、ね」

 

俺の体を魔方陣が通過すると、白いワイシャツだった俺の服がピシッと決まったコートになる。見たこともない魔術に皆が興味津々だ。

 

「今日は改めて君達に「魔術に込められた意味」を教えようと思う。勿論質問は何時でも受け付けているから、気軽に聞いてくるように」

 

 

 

 

「よう、お疲れ」

「ん? ……なんだ、来てたんだグレン」

 

屋上で黄昏ていると仕事用の服ではない、ラフな来賓者用の格好をしているグレンに声を掛けられた。

何で此処に来てるのかは気になるけど大体予想はつく。

 

「イヴから?」

「まーな。お前がちゃんとやってっか見てこいってよ」

「で、その様を報告しろって?」

「そういうことだ」

 

ニヤリと笑うグレンに苦笑を返す形で応じる。

やっぱりこういう掛け合いは心地いい。グレンも本当に、昔と比べたら大分明るくなったみたいだし……。

 

「誰が明るくなっただよバーカ」

「あれ、何で心読めたの」

「口に出てたぞ」

「うわまじか」

 

あはは、と笑う俺につられて笑うグレン。

そんな彼は俺の指輪―――ウィザードリングを見つめた後に呟く。

 

「ハルト。お前やっぱり先生の方が向いてっぞ」

「んー? どうだろうね。案外グレンの方が向いてるんじゃない? 魔術への理解とか」

「アホ言え。俺はそんなめんどくせえことやりたかねえよ。ただ……お前の在り方はそっちの方が輝いてみえるぜ。指輪の魔法使い様」

「………そうかな」

 

空を見上げる俺。

グレンの語る。そして俺が背負う希望という言葉の重さを噛み締めるように、親友の言葉を何度も咀嚼して飲み込んだ。

 

「ハルト?」

「! ……ああごめん。ボーっとしてた。なんだ?」

「いんや? お前にお客さんだぜ」

 

我に返った俺がグレンの示す方を見ると、二人の女子生徒―――システィーナちゃんとルミアちゃんが居た。

 

「失礼します、先生」

「ん、システィーナちゃんとルミアちゃんか。どうしたの?」

「実は白魔術の件で質問したくて……少しお時間頂けないでしょうか?」

「うん、勿論いいよ」

「本当ですか!? すみません放課後なのに」

「いいよいいよ。俺は一ヵ月しかいないからね。いるうちに色々聞いておこうっという姿勢は嫌いじゃないよ。じゃあグレン、俺は……」

「おう、しっかり面倒をみてやんな。じゃあな。頑張れよ”先生”」

 

ぶっきらぼうに手を振りながら立ち去っていくグレンをキョトンとした表情で見送るシスティーナが俺の方に向いて質問する。

というかアイツ部外者なのにどうやって入ったんだろう?

 

「あの、今の方は……?」

「ん、俺の親友だよ。おせっかい焼きで捻くれてるけど、誰より純粋なね。さて、じゃあその前にちょっと小腹を満たそうか」

 

 

 

 

Side:三人称

 

「あらハルトく~ん!」

「よ、店長」

 

やたらとショッキングピンクなワゴンカーにオネエ風な店長。仮面ライダーウィザードでお馴染みのドーナツ屋「はんぐり~」である。

「なんでこの世界に!!?」とはスレ民達の総意であった。今更ではあるが。

 

「ねね、今日の新作食べてかない? 今日は~」

「いつものチョコリング」

 

ガクッ、とずっこける店長さん。

プレーンシュガーではなくチョコリングしか食べないハルトであった。

 

「んもう、やっぱりそうよねえ……」

「ちなみに新作は?」

「どうせ食べないんでしょっ。今日のは新春トリプルベリードーナツよぉ」

「ふーん。じゃあそれも二つ」

「え!? 食べてくれるの!?」

「ああ、この二人がね」

 

ガクッ、と再びずっこけた店長さん。上げて落とされた気分であった。

 

「あはは……えっと、先生、そんなお気遣いなく……」

「いいよ。甘いもの食べないと頭も魔力も回らないからね。授業終わった後で疲れてるだろうしね」

「ってハルト君! 貴方先生になったの? いやぁだもう言ってよ~。お祝いで特別なドーナツ作ったのにぃ」

「チョコリングしか食べないから結構です」

 

なにはともあれドーナツを買ってから放課後魔術講義となった。ちなみに席は店長が気前よく提供してくれた。

 

「いただきます。はむ……うん、美味しいです!」

「ホントだ! 苺とラズベリーと、ブルーベリーな甘酸っぱさが凄い丁度良くて……」

「ありがと♪ 毎回自信作なのだけどハルト君いっつもチョコリングで買ってくれないのよねえ」

 

店長の恨みがましい目線を意に介さずチョコリングを食べるハルトであった。

最愛の人の思い出の味が何かに勝るわけがないのである。

 

「それで、質問って?」

「えっと、実は法陣の授業に最近ついていけてなくて……これなんですけど……」

「ん、ああ。大体は合ってるかな。ただ此処に気を付けてね。欠けてると水銀が足りなくなるし、そもそも事故の危険もあるからね」

「わ、ホントだ気付かなかった……ありがとうございます!」

「今のうちに分からない所は聞いちゃっていいよ。時間が許す限りでね」

「あ、でしたら私もいいですか? 今日の授業で……」

 

ルミアとシスティーナの質問に丁寧に返していくハルト。

その光景を見て「立派にやってるのね~」と後方保護者面をしている店長。

なんとも微笑ましい光景だった。

そうして数十分後……。

 

「うん、こんな感じかな? 他に質問はある?」

「あ、えっと……先生の事で聞きたい事があるんですけど」

「ん? 俺にか? 別にいいけど、なんで?」

「先生は……”指輪の魔法使い”のこと知ってますか?」

 

ピクッ、と一瞬手が止まる。

 

「確かに、俺は指輪しているけどね。どうして?」

「三年くらい昔……私、悪い魔術師に捕まって殺されそうになったことがあるんです。その時……助けてくれたのが指輪の魔法使いなんです」

「……そっか、それで?」

「? それで、というのは」

「いや、その指輪の魔法使いの事を聞いてどうしたいのかなって」

「どう、って……えっと、あまり大したことではないですが、お礼を言いたくて」

「私も……ルミアと今こうして親友として暮らしていられるのも、その人のお陰ですから」

「そっか………まあ、そうだね。何時かお礼は言えるんじゃないかな?」

 

少しだけ他人事っぽく言いつつ、空を見上げる。

そんな態度に首をかしげる二人を他所に、夕暮れの空に思い出を見る。

 

「(――――――暦。俺は、誰かの希望になれてるかな?)」

 

 

 

 

~~~~~~~

 

 

 

 

―――まだ、今は、救えない僕を、許して

 

 

「波瑠斗………、貴方は………」

 

「駄目だ、暦! 逝くな!!!」

 

 

―――真夜中、一人の部屋で、理由もなく、涙が零れた。

 

 

「……貴方は……希望に、なれる……誰かの、夢を、守れる……そんな、人だから……」

 

「何を、そんなこと……!!! 俺は、君の命すら、救えない……!!」

 

 

―――未来を変えたいけれど、何をどうすればいいの?

 

 

「私なら、十分貰ったよ………貴方に、生きることの、希望を………貴方と一緒に居た時間……何よりも、楽しかった……」

 

 

―――愛されているからこそ、悲しませたくないと、これ以上。

 

 

「暦……暦ぃ……!!!」

 

 

―――一人じゃ生きれなく、君を探すけど。

あの日の、君は僕より傷だらけで

 

 

「だから………私にくれたように、生き方に悩んでいる、誰かの………希望を、守って、あげて………優しい、貴方になら………できる、から………」

 

 

―――それでも笑う涙に濡れた頬に、

 

 

「分かった、から、暦も、お願いだから、生きて………!!!」

 

 

―――暮れ往く街の風が、通り過ぎた。

 

 

「………ありが、とう………―――」

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

………帰路を歩きながらグレンは一度、学園の方を振り返る。

 

 

―――幼い頃はヒーローに夢見てた。

弱い人々を守りたい。なんてね

 

 

物語の主人公のような正義の魔法使いに憧れていた。

 

 

最初の一人目は誇らしかった。

二人目の時は、何か違うと思った。

三人目で自覚した。

ああ、向いてないなって。

 

 

―――僕の心に弱さは住み着いてた。

大人になる度、弱さが強くなる。

 

 

俺は、正義の味方にはなれないんだろう。

だけど、その夢は、そこにあった。

 

 

『俺が皆の希望だ』

 

 

誰かの涙を、絶望を、希望に変える魔法使い。

お前が居るなら、俺の夢はそこに生き続ける。

お前が俺の夢を証明してくれるなら、俺は進み続ける。

 

 

―――言い訳ばかりしている、僕だけど、

今か、今かと、この胸は震えてる。

本当の姿が僕にはある筈さ。

 

 

だから、セラのことも、イヴのことも、もう後は俺に任せてくれ。

お前は俺の希望だから。皆にとっての希望にもなれるだろ?

だからお前は、もっとたくさんの人を救える場所に居る方がいいさ。

 

 

―――幕が降りて、それぞれの未来へ。

 

 

頑張れよ、新米教師さん。

 

 

 




ハルト・リングラゴン
前世で恋人、暦を病によって失っている過去を持つ。
病弱な暦の為に美味しい食べ物や面白おかしなお話をして元気づけていたが結果的に救えなかったという後悔する彼に暦は「貴方と居られた日々が何よりも希望だった」「もっとたくさんの人の希望になって」という言葉に救われた。
前世ではそんな彼女の願いを叶える為、マジシャンとして活動。
そういった経緯から転生特典に「仮面ライダーウィザード」が選ばれた。
飄々としているが友人は非常に多い。
ルミアは暦に似ているらしい。


グレン・レーダス
正義の魔法使いという夢を叶える事は挫折しかけたが、ハルトの存在そのものが自分の夢が絵空事にならない「希望」となっている。
だからこそ、ハルトの在り方が歪まされないように自分は闇を祓う為に宮廷魔導士としての活動に専念するつもりでいる。
故に捻じ曲がった正義を掲げるジャティスに対してはセラの仇ではないにも関わらず原作以上の憎悪を向けている。
そのジャティスはハルトに執心中。


セラ・シルヴァース
ハルトが自分の境遇をグレンに負わせない為に尽力し、生存させた。
今も宮廷魔導士としてグレンと共に活動中。彼との関係はハルトのみならず、執行官全員の揶揄いの対象となっている。


イヴ・イグナイト
天使の塵事件にてハルトがイグナイト家の事情をグレンに伝え、その説得に向かわせたことを契機に呪縛から少し解放され、気が楽になっている。
グレンとセラとの三角関係はハルトが仕向けたもの。


変身シーンが無いなりにウィザードとしての在り方を原作を用いて表現しました。
後半にしようした歌詞は「W」。
ウィザードじゃないんかい、と突っ込まれそうですがロクアカにもハルトにも合っていたので此方です


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クロスオーバー大戦 セイバー×ゼロワン
クロスジェネレーションズファンタズム セイバー×ゼロワン×オペレーションケルビエル


今回はほとんど掲示板要素はありません
幻のセイバー×ゼロワンをお楽しみください


【全てはロドスの】ロドスなんでも掲示板【信念のままに】

 

1:コードネーム・ゼロワン

此処はロドスに所属する人達が色々と情報共有をする為の掲示板だ。

荒らし・鉱石病差別発言などは追放の原因となるので気を着けてくれ。

次スレは>>980を踏んだ人が頼む

 

2:滅亡迅雷が一人・滅

スレ立て乙、と言うのが人間のルールか?

 

3:1000%誠意を見せたいサウザー

何故貴方がその言葉を知っているのでしょうか……

 

4:休んでいいんですよ

掲示板設営お疲れさまです

 

5:滅亡迅雷が一人・迅

あ、掲示板できてる! おつかれー!

 

6:理性が足りないドクター

>>4

(コテハン)そんなことを言うわけがないだろう俺のCEOが!!!

 

7:休んでいいんですよ

>>6

普段言いませんけど…

 

8:1000%誠意を見せたいサウザー

しかし私は何時まで警戒されればいいのでしょうね……。確かにザイアという闇企業からの出向ですが、私は1000%ホワイトですよ

 

9:滅亡迅雷が一人・亡

推測ですが、その1000%という発言が胡散臭いかと

 

10:龍門の龍刃

過大広告は怪しまれるだけだ

 

11:1000%誠意を見せたいサウザー

ですが、このワードを斬り捨てれば私は個性を失ってしまいますから……

 

12:滅亡迅雷が一人・雷

まあ、俺から見ればよくやってると思うぜ? あのサウザーといい、ゼロワンの旦那の兵器開発といい、な

 

13:理性が足りないドクター

ああ。正直私から見たら十分なくらい貢献してもらっているよ

 

14:1000%誠意を見せたいサウザー

いえ、まだですね。メタルクラスタはやはり安全性が確立できていません。今開発しているオペレーター達の善意が集まったプログライズホッパーブレードが完成しなくては……

 

15:安全安心トランスポーター

善意を集めた代物…なんだか楽しみだよね

 

16:コードネーム・ゼロワン

俺がここまで頑張れたのは協力してくれたオペレーターみんなのお陰だからな。だけどもう少しばかり、力を貸してほしい。よろしくな!

 

17:休んでいいんですよ

もちろんです、尽くせる力をしっかりと

 

18:滅亡迅雷が一人・滅

ではこちらも報告しておこう。以前詳細不明の者達が現れた例の研究所を再度調査しているところだが、少し奇妙なものを発見した。

 

19:monster

何が見つかった?

 

20:滅亡迅雷が一人・亡

発見した、というには語弊があります。観測した、というのが正しいかと。

未確認の微粒子を検知しました。

 

21:monster

微粒子…オリジウム由来のものか?

 

22:滅亡迅雷が一人・亡

なんとも言えません。少なくとも我々のデータベースにはこれと同質のものは存在しません

 

23:安全安心トランスポーター

未知の存在かぁ…悪いものかな…

 

24:滅亡迅雷が一人・迅

破棄された研究装置の一つから漏れ出してるみたいだよ。

………って、ちょっと待って!!?

 

25:休んでいいんですよ

どうしました!?

 

26:滅亡迅雷が一人・滅

アンノウンとしか形容できない怪人の群れが現れた。交戦する。

 

27:滅亡迅雷が一人・雷

あの時の変異兵とも違うな。画像送るぜ!!

 

28:龍門の龍刃

いったい何者が…

 

29:理性が足りないドクター

パンデミックを引き起こす可能性があるな。すぐに援軍を派遣する。それまでなんとか持ちこたえてくれ

 

30:1000%誠意を見せたいサウザー

おや……ゼロワンさん。これは……

 

31:コードネーム・ゼロワン

ああ……ヤバい事になってそうだ……

 

 


 

 

俺は五河士道。……正確にはその身体に別の魂が割り込んでしまった存在だ。

最初は驚いて、困惑して、どうすればいいか迷って、悩んで、時に間違えそうになって、それでも他の世界で戦っている先輩達に導かれて、精霊達の優しさに守られて、なんとか俺の守れる範囲の人たちを守る為に「仮面ライダーセイバー」として戦っている。

 

で、そんな俺が今何しているのかというと、

 

「次はあそこのたい焼き屋さんに行くぞシドー!」

 

はい、十香とデート中です。

 

 

 

そもそもの発端は上空に現れた球体、【雷霆聖堂《ケルビエル》】だ。

まあ、この時点では誰もアレの正体どころか、名前すら知るわけがないので、これは俺の原作知識ということになる。

 

俺が干渉しまくったせいでこの世界は精霊の順番もまちまちで、一部の人物(特に折紙)なんかはキャラが大きく解離している。……正直折紙に関してはこっちの方が精神的な負担は軽いけど。

 

つまり俺が何を言いたいかというと、この状況がいつ現れるのか分からなかったということ。

そして現れたとして、俺は本当に精霊達を守れているのかということ。

 

【雷霆聖堂《ケルビエル》】こと【システムケルブ】は世界のシステムだ。

 

俺という存在がそれだけの霊力を持つに相応しい者かどうか。

つまり精霊たちを心から愛し大切に思っているか判断する為のシステム。

だからこそ俺は『万由里』という一人の少女を救いたいという思いとは別に、これまでの俺の歩みが間違っていないかを確認する為にも重要なイベントだった。

 

これまで耶俱矢、六喰、折紙、美九、夕弦、七罪、琴里とデートして、その度に【雷霆聖堂《ケルビエル》】を観測しているが、今のところ上手く行っている。

そして今回、最後となる十香とのデートが成功すれば、何事もなく終わる。

そして、そこからが本当の始まりだ。万由里を消滅の運命から救い、尚且つ無銘剣虚無を入手する。というか虚無は万由里が持っているとは限らなかったけど、ちょくちょく遭遇する時に聖剣の気配は感じていた。間違いなく虚無はあの子が持っている。

 

「ホント、結構な鬼畜難易度だよなあ……」

「む、何か言ったかシドー?」

「ああ、いやなんでもないぞ」

 

そうだ、とにかく俺は今起きていることに精一杯取り組む。皆そうだ。それが俺達「転生ライダー」に出来ることだから……。

 

 

 

そんなデートも終盤、この歴史の折紙はIFの長髪折紙がデフォだから邪魔されることもなく、最後の目的地である高台公園に辿り着いた。

……俺が、初めて「仮面ライダー」になった場所であり、十香との思い出の場所でもある。

 

「シドー、今日はとっても楽しかったぞ!」

 

十香の笑顔を見て、俺はやっぱり、俺の行いは間違っていなかったと思う。

少なくともこの笑顔が出来るなら、俺も報われる気持ちになる。

……さて、本題は此処からだ。

 

「ああ、そうだな。……俺も楽しかったよ。……これで合格かな。虚無の精霊さん」

「………気づいていたのね」

 

公園の入口側に、金髪と白い制服の少女が立ってこちらを見つめている。

隣の十香が困惑していることからもやはり彼女は認識できていないらしい。元々十香が宿していた時刻剣界時を持たせたら見えるかな?

 

「どうやら私と【雷霆聖堂《ケルビエル》】の出番はないみたいね」

「ああ、それなら何よりだ。正直不安だったからな。本当に彼女達を守れているのかは」

 

少しばかり茶化すような俺の発言にくすっと笑った少女は語る。

 

「もう前世で知っているでしょうけど、私は万由里。雷霆聖堂の管理人格」

「ああ、もう狂三と接触したのか……あのゴスロリ口が軽いんだよ……」

 

今度会ったら猫の写真を目の前でお預けしてやろう……などと俺が妙な決意を固めていると、目の前の万由里は少し寂しそうに微笑む。

 

「あとは私の中に宿る無銘剣に存在の構成を分解し、無に還るだけ」

「ああ、それも知っている。だけど俺はそれを認めない」

「………どうして? 前世で私の結末を見て、同情でもした?」

「否定はしない。だって………俺が、お前を助けたい。それだけだ」

 

「偽善」「エゴイスト」。

封印する前の六喰や狂三に言われた言葉は当時の俺の心を酷く抉った。

確かに俺は「五河士道」の偽物で、「仮面ライダーセイバー」としても半端者だろう。

だけど、それでも俺は―――。

 

「俺はもう、精霊を守りたいって自分の気持ちだけは裏切らない。他の人がなんと言おうと、どれだけ非難しようと、世界が許さなくても、俺はお前を救って見せる」

「………本当は私だって、あんたともっと話したい。生きて、色んなものを見て、共に歩みたい。だけど、それは叶わないのよ」

「いいや、絶対にそんなことは無い。そんな悲しいエンディングは、認めない! 絶対に!」

 

 

その直後、突然空が強い輝きを放ち、雷霆聖堂の色が混じり合う。

ついに来た。本題は此処からだ。とにかくまずはこれを抑え―――――――――――え?

 

「雷霆聖堂! なんで!? って、この、なに……!?」

 

 

 

『プログライズ!アーク!』

 

『Imagine…Ideal…Illusion…』

『EDEN the KAMEN RIDER!』

『"The creator who charges forward believing in paradise."』

 

――――――雷霆聖堂を破って現れたのは、この世界には存在しえない存在……

 

仮面ライダーエデンだった。

 

 


 

 

『ドラゴニックナイト!』

 

『ドでかい竜をド派手に乗りこなす、ド級の騎士のドラマチックバトル…』

 

『つまりは、ド級のナイトに進化!』

 

 

「変身!!!!」

 

 

『烈火抜刀!』

 

『Don`t miss it!~The knight appears.When you side,~』

 

『ドメタリックアーマー! ~you have no grief and the flame is bright.~』

『ドハデニックブースター! ~Ride on the dragon, fight.~』

『ドハクリョックライダー! ~Dragonic knight.~』

 

『ドラゴニックナイト! すなわち、ド強い!』

 

突然現れた仮面ライダーエデンに一瞬あっけにとられたが、すぐに俺はドラゴニックナイトに変身。

雷霆聖堂から大量に溢れ出すシミーや、何故か混じっているマギアに応戦を始める。

 

「く、なんでエデンが……!?」

「シドー!!!」

 

そんな俺を追って十香達も限定霊装を展開し、戦闘に加わる。

原作通り、万由里が見えるようになっているようで説明を求めてくるが、ここまで解離しているともう俺でも説明は出来ない。

ファルシオンならまだ分かるけど、どうしてゼロワンライダーであるエデンが現れたんだ……!?

 

「話は後だよ! 皆!」

 

絶滅天使(メタトロン)を展開した折紙がシミーの軍勢に光剣(カドゥール)を飛ばして撃破していく。

それに続き夕弦や六喰が怪人軍団を相手に次々と応戦していくのを見届けつつ、俺は万由里に声を掛けた。

 

「万由里! 雷霆聖堂の制御はどうなっている!?」

「こっちのアクセスを全く受け付けてくれない! そんな、どうして………!?」

 

元々雷霆聖堂が活動したのは万由里の五河士道への想いがきっかけでの暴走だ。

だけど今回のは完全に万由里と切り離されて勝手に活動している………!

 

「士道よ、考え事は後!!」

「っ、すまない耶倶矢!!」

 

シミーを薙ぎ払う耶倶矢の声に我に返った俺は火炎剣烈火と雷鳴剣黄雷を同時に振るい、炎と雷の斬擊を放つ。

一直線に雷霆聖堂に向かう斬擊だが、その上に立つエデンが形成したナノマシンの壁が防いでしまった。

 

「っ、アイツをどうにかしないとってわけか……!!」

「気を付けよ、何か来るぞ!」

 

六喰の声に視線を向けると、雷霆聖堂から放たれた球体が万由里を捕らえようと狙っている!

そうはさせない!!

 

『ドラゴニック必殺読破!』

 

一度烈火を聖剣ソードライバーに収めてから再び引き抜き、聖なる炎を増幅させる!

 

『烈火抜刀!ドラゴニック必殺撃!』

 

「神火龍破斬!!!」

 

烈火を思いっきり振るって放った神獣ブレイブドラゴンが球体に突っ込み、そのまま吹き飛ばして霧散させることに成功した!

 

「士道、まだ来てる!」

「!!!」

 

七罪の声で気付いたが、反対からもう一つ球体が来ている!!

くそ、大技を使った直後だから間に合わない!!!

 

「逃げろ、万由里!!!!」

 

 

インパクト

 

 

「ハアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!」

 

そこに割り込んだ黄色い稲妻が、もう一つの球体を蹴り飛ばして破壊した。

あれはーーーー!!

 

「っと、やっぱりここに繋がってたんだな!!! ようセイバーこと、士道君!!」

 

仮面ライダーゼロワン!!!




ロドスの掲示板
ごく一般的な掲示板。転生関係なくオペレーター、ライダー共に使っている
今回コテハンで参加しているのはアーミヤ、チェン、アンジェリーナ、ケルシーの四名


謎の研究施設
レインボーシックスシージとのコラボで皆のトラウマ進化の本質君が生まれた場所
滅亡迅雷チームが後処理の為に訪れたところ………?


万由里
イレギュラーな精霊
虚無担当を誰にするかは迷いましたが《ファントム》はラストを飾るならストリウスとかの方があってそうだったのと、万由里とファルシオン共に映画キャラという共通点から此方をチョイス


仮面ライダーエデン
セイバー世界に何故か現れたゼロワンライダー。
詳細は次回


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ソノ邂逅、狂気を止めるために

Wi-Fiが死んだりしながらも投稿です
この事件の真相が明かされます


「ゼロワンニキ!? どうして……」

「いやあ、なんつーか……っと!!」

 

【ブレードライズ!】

 

現れた仮面ライダーゼロワンはアタッシュカリバーをブレードモードに展開し、背後から迫りくるマギアを両断。

その無駄のない一閃は彼が如何に戦いの止まない環境で生きていたかを想起させる。

 

「シドー、この者は一体……、お主もカメンライダー、なのか?」

「ああ、仮面ライダーゼロワン! それが俺の名だ。一応コードネームは【リアル】だからそのつもりでよろしく!!」

「ゼロワンニキ……じゃない、リアルさん、アレは一体……」

 

仮面ライダーセイバーに変身している五河士道が雷霆聖堂の上に立つ仮面ライダーエデンを指差して問うと、ゼロワンは少し困ったような声音で返した。

 

「前掲示板で少し話したよな? 虹6コラボの話」

「ああ……。異世界からの傭兵達、だよな?」

「そうそれ。それがちょっとばかり厄介ごとを引き起こしててな! っと! 詳しくはドクターに聞いてくれよ!」

 

【FANG!】

【AUTHORIZE!】

 

「うわっ!? な、なんですかぁこれ!?」

「さ、サメ!? ジョーズ!?」

「疑問。何故空中を泳いでいるのでしょうか」

 

ゼロワンがターコイズブルーのプログライズキーをドライバーにスキャンすると、ドライバーから飛び出したサメのライダモデルが空中を泳ぎ回り、それに精霊達は驚いたり慄いたり不思議がったり。

それを尻目に プログライズキーを装填。

 

【プログライズ!】

【キリキリバイ! キリキリバイ! バイティングシャーク!】

【Fangs that can chomp through concrete.】

 

「さあ、どんどんガブガブ切り刻んでやるぜ!!!」

 

ゼロワンの黄色い装甲が移動し、分解されたサメのライダモデルがデータ変換されることで装着。

「バイティングシャーク」にハイブリッドライズしたゼロワンは両腕に装着された刃を振るい、次々と敵を引き裂いていく。

 

「やっぱ、格が違うな………」

『仮面ライダーセイバー、そしてフラクナシスの者達。聞こえるかな?』

「うぉっ!!? 誰だ!?」

『ちょ、通信に介入!? 誰よアンタ!!』

 

セイバーがゼロワンの戦いに見とれていると、装着していたインカム及び通信回路に謎の声が割り込んできた。 どうやら回線そのものに介入しているらしく、五河琴里も想定外の事態に焦ったような声を出す。

 

『私はロドスの代表者のドクターだ。簡単に説明するならば、ラタトスクが仮面ライダーセイバーを支援しているように、別の世界で今そちらに現れた仮面ライダーゼロワンを支援している組織と思ってくれていい』

『別の世界ですって!? 精霊界でもないのにそんなこと……』

『信じるか信じないかを此処で論争する意味はない。だが、現実問題今そちらに起きている問題の原因を此方は知っている』

「なんだって!? どういうことですか!?」

 

セイバーとしては、【仮面ライダーゼロワン】に登場するエデンが現れたということは、間違いなくその世界が関わっていると推測しているのだが、実際確証があったわけではない。 そんな彼の疑問に答えるかのようにドクターは話を続けようとする。が、そんな内心を知らない琴里は抗議した。

 

『ちょっと士道! こんな怪しい奴の言葉を聞くの!?』

「今は少しでも何か分かればいいんだ! 一先ず聞こう!」

『助かる。さて、元々此方の世界には一度、異世界から人間がやって来たという事件があった。それの首謀者は、此処とも、其方の世界とも異なる、また別の世界のマッドサイエンティストだ』

 

 

―――アークナイツというソーシャルゲームにおいて、『コラボイベント』というものが一つある。

FPSゲーム、『レインボーシックスシージ/虹6』。『オペレーション・オリジウムダスト』と呼ばれるそのイベントは、虹6世界にてある実験を行っていたレヴィという研究者が、彼を確保する為に動いていたAsh、Bliz、Frost、Tachankaというチームを巻き込んでアークナイツの部隊、テラへ転送したことがきっかけである。

最終的にそのイベントは現場に遭遇したオペレーター達と転移したレインボーチームの活躍によって未曽有のパンデミックを防ぐことに成功する、といった所で終結した。

 

『その例の研究者だが、どうやら我々の世界の他にも狙っていた世界があるらしい。報告によれば、元々いた世界では決して得られない未知の技術やエネルギーを狙っていたそうだ。その目的の中には我々の世界でいう源石やアーツがある。そちらはどうかな?』

「………精霊、ですね?」

『!』

 

セイバーの言葉に琴里が息を飲み、同時にドクターが肯定する言葉を連ねた。

 

『そういうことになるのだろうね。恐らくそれらを手にする為の二次、三次的な計画があったのだろう。幸い私達の世界でその野望は一旦は止めることは出来たと思っていたのだが……』

『……その、レヴィとか言う奴の置き土産みたいなのが、あの天使に影響を及ぼしてる、ということなの?』

『恐らくは。実は我々の世界でもその、今そちらで大量発生している怪人達が実験施設の後から溢れ出していてね。恐らく此方と其方両方での大規模なバイオハザードだろうと私は見ている』

 

少し時を遡り、滅亡迅雷の四人が調査の為に訪れた際に感知した粒子は、当人達は知る由もないが所謂『霊力』、つまりは精霊達が引き起こした空間震によるもの。

その時点で『セイバーとデート・ア・ライブの世界』と『ゼロワンとアークナイツの世界』は繋がってしまったのだという。

そして、雷霆聖堂から溢れ出したシミーやマギアがその空間の繋がりを辿ってアークナイツ世界でも溢れ出たのである。

 

「…………(ドクターの言っている事は筋が通ってる。けど、どうして雷霆聖堂なんだ? それに、どうしてエデンが……!?)」

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

185:魔王オーマジオウ・トリニティ

セイバーニキ、ゼロワンニキ、見てる?

 

186:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

ジオウニキ!何か分かったのか!?

 

187:魔王オーマジオウ・トリニティ

うん。観測したり、Wニキ達にも考察してもらって、恐らくこれだろうっていう推測が出来た。とは言ってもセイバーニキは忘れてるのかもしれないけど

 

188:ラタトスクの炎の剣士@劇場版的展開中

え、どういうこと?

 

189:幻想郷が俺の世界DCD

ほら、デート・ア・ライブの世界で『エデン』と言えば何か思いつかないか?

 

190:カブト@ユニオン&重桜指揮官

ヒント:ゲーム

 

191:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

あ、そうか!! 凛弥か!!

 

192:横浜を守る二色のハンカチ(右)

そう。 セイバーニキは忘れてしまってるみたいだけどね。

 

193:カブト@ユニオン&重桜指揮官

以前掲示板にもその時の内容を普通に書き込んでいたが、突然パタッと途切れたからな。恐らく再構築によって記憶から消されていたんだろうな

 

194:ラタトスクの炎の剣士@劇場版的展開中

け、けどそれがあのエデンとなんの関係が!?

 

195:魔王オーマジオウ・トリニティ

まず確実なのが、あのエデンはエス・一色理人とは何の関係もない。というか変身者すらいない、仮面ライダーコアのような概念に近い存在だよ。 その上でまず、ゼロワンニキの世界はあくまで【アークナイツ】と【仮面ライダーゼロワン】の二つの要素で成り立っている。どっちかがおまけなんていうことは無いからね。

 

196:魔王オーマジオウ・トリニティ

恐らく、【仮面ライダーゼロワンの歴史】という要素、そして虹6コラボイベの変異ウイルス、それが【デート・ア・ライブの世界】に流れてしまったから、【凶禍楽園】の残滓と混じり合って、世界のシステムそのものであるシステムケルブに癒着した。

そうして色々な要素が混じり合った結果、あの雷霆聖堂はアクナイ・虹6・デトア・ゼロワン・セイバーっていう要素がごちゃごちゃなキメラになってる。

 

197:幻想郷が俺の世界DCD

そして万由里に変わって新たな管理人格となったアバターがあの「エデン」だろう。 要は………「進化の本質ver雷霆聖堂」といった所か

 

198:ロドスに左遷された可能性1000%

はっはっは。ふざけんな

 

199:テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ!

またアポロチョコかよぉおおおおおお!!!!

 

200:ラタトスクの炎の剣士@劇場版的展開中

なんでこの世界でアレを見る羽目になるんだああああああああ!!!?

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

ジオウの仮説を裏付けるかのように、雷霆聖堂はボトボトとシミーやマギア、更にはメギドやアバドンまでもを生み出していく。

その様はまさにみんなのトラウマ「進化の本質」である。

 

「ちい! こいつら、一体一体はそこまで強くは無いけど……」

「一体、何体出てくるのじゃ……!」

 

精霊達も限定展開では戦力に限界があり、いくらゼロワンやセイバーが強くてもその圧倒的な物量はやはり脅威である。

 

「くそ、本当になんでこの世界には俺しかライダーがいないんだよ!!!」

「嘆いてる場合じゃないって、の!!」

 

【Progrise key confirmed. Ready to utilize.】

【Tigers ability】

【フレイミングカバンストラッシュ!】

 

『烈火抜刀!』

 

炎の斬撃が交差するように振るわれ、無数の敵を斬り払うが、直後すぐに増量された敵がワラワラと群がってくる。

 

「くそ、ホント……多すぎる……!!」

「士道! くっ、邪魔をするな!」

「ああもう、いい加減しつこいっての……!」

「もうちょっとだけ堪えてくれ!! ドクター、まだか!!」

『あと少し………いや、来た!!』

 

 

 

 

 

 

「バラージュ!!」

「抜刀!!」

 

直後、上空からばら撒かれた弾丸と光剣が次々と降り注ぎ、敵を蹂躙する。

さらに続けて、上空の亀裂から次々と人が降って来た。 ――――正確には普通の人間とは異なり、獣の耳や尻尾が生えているが。

 

「来たかドクター!!!」

『君の行動が早すぎるだけだ。全員! 相手は以前交戦した特異生命体に酷似しているが、全くの別物! 能力も別格と心得ろ! テラではないがこの地に生きる者の為、殲滅しろ!!!』

「「「「「「「了解!!!」」」」」」」

 

そう応じた増援、オペレーター達はそれぞれが武器を取り、無数の敵を蹴散らして突き進んでいく。

 

『これは……増援ってことでいいのね。士道! あんたはとにかくあの本体を叩きなさい! 十香達は湧いてくる奴らを、今出てきた人達と協力して倒して士道と、もう一人の仮面ライダーの道を切り開くのよ!!』

「うむ! 任せよ!」

「ダーリンの為なら頑張っちゃいます!!」

「我らが怒りの槍にて混沌を蹴散らしてくれようぞ!」

「承諾、その程度なら楽勝です」

「……まあ、やれるだけやってやるわよ」

「むくが主様の道を切り開いて見せようぞ」

「私も、負けていられないからね!」

「頼んだぜ皆! 行こうかゼロワン!!」

「ああ! たまには世界を救ってみちゃいますか!!!」

「ま、待って!」

 

各々が気概を上げる中、士道に声を掛ける者が一人。 万由里である。

 

「私を……私を消して。そうすれば、雷霆聖堂は制御を失って崩壊する。だから……!!」

「ごめんな。もうあれは雷霆聖堂とは別の「怪物」なんだ。君を消したとしてももはやあれが止まる事はないんだ」

「そんな……」

「それに、仮にそれが出来たとしても、俺は絶対に君を消さない」

「……どうして? 私はそもそも消えるべき存在なのよ!?」

 

「そんなこと、絶対に認めない」

 

落ち着いた、しかし絶対に折れない信念を以て告げる士道。 烈火の柄をぎゅっと固く握りしめ、決意を固めるように。

 

「俺は、自分一人が犠牲になればいいなんて考えは認めない。君を死なせて得られる未来なんて認めない」

「じゃあどうするのよ!? まさかアイツがこのまま世界を滅ぼすのを黙って見届けるというの!?」

「いいや、違う!! お前も救ってこの世界も守る!! それが、俺が決めた物語の結末だ!!」

 

紛い物であっても士道は決して諦めない。絶対に見捨てない。

綺麗事と笑う人もいるだろう。甘ちゃんの我儘と蔑む人もいるだろう。

だが、そんな綺麗事を、我儘を、実現できる「力」と「覚悟」を持つ者を、人はこう呼ぶのである。

 

 

【仮面ライダー】と

 

 

「この世界の未来は、絶やさせやしない!!」

 

【HYPER JUMP!】【オーバーライズ!】

 

「覚悟を越えた先に、希望はある!!」

 

『プリミティブドラゴン!』『エレメンタルドラゴン!』『GET!』

 

ゼロワンはアサルトグリップを取り付けた『シャイニングアサルトプログライズキー』を起動し、セイバーは『プリミティブドラゴンライドブック』に『エレメンタルドラゴンライドブック』をセットする。

 

【Prograiz!】

『烈火抜刀!』

 

【Warning,warning. This is not a test!】

 

バキ・ボキ・ボーン! メラ・メラ・バーン! シェイクハーンズ!

 

【ハイブリッドライズ! シャイニング! アサルトホッパー!】

 

エ・レ・メン・タル! ドラゴォン!!

 

【No chance of surviving this shot】

 

エレメントマシマシ!キズナ・カタメ!!

 

「お前を止められるのは―――」

「物語の結末を決めるのは―――」

「「俺達だ!!!」」




進化の本質/雷霆聖堂
無限アポロチョコ製造ユニットの残滓がシステムケルブと癒着し、更にゼロワンのセイバーの要素、【凶禍楽園《エデン》】の残滓も混じって生まれたカオス・of・キメラ。
制御ユニットのエデンによって制御権が完全に支配されているため、もはや本来の管理者である万由里の制御は一切受け付けない。
破壊されない限り無限にセイバーとゼロワンの敵怪人を輩出し続け、本体は雷霆聖堂の攻撃機能を持ち、更に領域を拡大してやがてデトア世界を飲み込み、崩壊させるという危険な異物。
これのきっかけを引き起こしたのがたった一人のマッドサイエンティストの科学的好奇心というのだから始末に負えない。


ラタトスクの炎の剣士@劇場版的展開中 こと、五河士道
現在エレメンタルプリミティブドラゴンまで変身可能かつ、手に入れた聖剣は全て使える。
ただし「聖剣の所有者」と「士道が封印した霊力」はまた別物である。
例えば「風双剣翠風」を持っていたのは七罪だが、その真価である「双刀分断」を十全に引き出すには属性が一致する八舞姉妹の霊力が必要となる。
つまり現状、士道がフルスペックを引き出せる聖剣は持ち主と該当する霊力が一致する烈火(琴里の炎)、黄雷(六喰の空間)、最光(折紙の光)。
霊力の持ち主を封印した翠風(八舞姉妹の風)のみとなる。

界時の力に必要な狂三(時)、流水の力に必要な四糸乃(氷)、月闇の力に必要な二亜(未来予知)は未封印。 美九の力が適合する錫音(音)、七罪の力が適合する狼煙(幻覚)、十香の力が適合する激土(剣)は未所持。


テラの運命を変えられるのはただ一人。俺だ! こと、リアル
コードネームは「REAL RAIZ」から取った。 現在シャイニングアサルトホッパーまで変身可能。メタルクラスタはプログライズキーのみ完成しており、制御用のプログライズホッパーブレードは未所持。
ゼロワンのシステムで装置に直接アクセスすることで肉体を無理矢理デトア世界に飛ばすというとんでもないことをやった人。
原典以上のハイブリッドライズ用のプログライズキーを所持している。 ドクターとフラクナシスの通信を繋げる中継点も担っている。



滅亡迅雷の一人のヒューマギア。今回の話に登場こそしていないがロドス側のMVP。
装置にアクセスしてハッキングし、次元の通路を開き、ゼロワンを送り込んだ上でフラクナシスとドクターの通信を繋げ、更にオペレーターをデトア世界に送り込むという、影の功労者。
テラでもシミーやマギアが暴れているが、現在雷のアニキや重装オペレーター達がハッキングで無防備な亡を守っている。


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デート・ア・ナイツ

ライダー小説とは、掲示板とはなんだったのか


――――――戦いは熾烈を極める。

 

「Rock "n"roll!!」

「斬り捨てる!!」

 

サンクタ族の狙撃オペレーター、エクシアが両手に持ったサブマシンガンで弾幕を張り、それをサポートするかのようにループス族の先鋒オペレーター、テキサスが光剣を時に投擲し、時には直接斬り捨てる形で次々と殲滅していく。

 

「いやあ、にしたって数多すぎ! ちょっとこれいつものドンパチの比較にならないってば」

「仕方ないだろう。こっちで抑えなければ私達の世界とやらでもあっという間に増量していくぞ」

「まあそれもそうだねえ。よーし、どうせここでなら賠償請求とか来ないし、思いっきり暴れちゃいますか!!」

 

そんな呑気な言葉を言いながら殲滅を続ける二人の後方では精霊・誘宵美九が自身の天使、《破軍歌姫》を用いた歌を奏で続ける。

 

「~♪(喉は、まだ持ちますけど、何時まで……)」

 

攻撃手段はあるが、美九は直接戦闘に長けている精霊ではない。

故にこの戦いでは味方を支援する音を奏でることに専念しているが、その戦場の苛烈さは徐々に彼女の喉を疲弊させていく。

と、一瞬弱気になりかけた美九の隣に一人のオペレーターが降り立った。

 

「もしかして、貴方もアイドルなんですか!?」

 

補助オペレーター、ソラ。

美九と同じく、歌が能力であるオペレーターである。

なおアイドルではあるが先程のテキサスの追っかけであり、種族はループスに見えるが事務所側の要請で公開NGだったりする。

 

「あら、もしかして貴方もそうなんですかぁ? というかすっごい可愛いですぅ!」

 

そしてそんな可愛らしいアイドル少女を見て美少女大好き美九さんは一気にMPMAXまで回復するのであった。

 

「ありがと♪ それじゃ、一度限りのデュエットライブをしましょうよ!」

「ええ、ええ、貴方みたいな可愛い子となら喜んでしますよ~!」

「それじゃ、いってみよー! ライブ・スタート!!」

「一日限りのスーパーライブ楽しんでってくださいねぇ~!」

 

もはや戦地であろうが関係ない。

ステージを邪魔する怪人も異形もそこで私達の歌を聴いていろ。

そんな気迫が伝わってくるかのようなソラの味方を鼓舞する「ファイトソング」と、美九の味方を奮い立たせる《破軍歌姫》の共鳴はお互いの効果を増幅しあい、通常では考えられない程の交響曲(シンフォニー)を奏で、戦場全体に響き渡る。

 

「おおっ、凄い! いくらでも戦えそうなくらい力が湧いてくる!」

「ソラの歌は何時聞いてもいいが、あの少女も中々いい歌だ」

 

気合増幅したかのように更なる無双劇を繰り広げるエクシアとテキサス。

物量を増していく怪人軍団を相手に再び一気呵成に攻め込んでいった。

 

「アイドルデュエット……看板にすれば売り上げ上がりそうやなあ……!」

 

……それを見てミノス族の重装オペレーター、クロワッサンが何か企てていたりするのは誰も知る由は無い。

 

 

 

「嘗めるなよッ!!」

 

腰に下げた専用の剣を抜いて切り刻んでいくのは龍族の前衛オペレータ―、チェン。

残像すら残さない凄まじいスピードで動き、次々と怪人共の一切合切を灰塵に帰すその姿は阿修羅が如く。

故に、その姿を見ることなく、無音がままその身を断たれる者は死神《デスサイズ》を幻視するのである」

 

「……何を言っているんだ君は」

 

などと言っているのは精霊八舞……の、片割れたる八舞耶倶矢。

無双し続けるチェンの姿を見て内に宿る【魂《ソウル》】が触発されたのか、先程までのような実況をしていたわけである。

なお、本人もしっかり《颶風騎士・穿つ者》を用いて怪人連中を相手に無双している。

 

「くくく、そこなる赤き刃を振るいし龍戦士よ! 我が八舞の風と共にその乱舞《ロンド》を奏でよ! さすればこの戦、我々は遥かなる頂の覇者とならん!」

「何を言っているかは分からないが気概は買った! 着いてこい!」

 

チェンは立場上、その両肩に責任が常に重くのしかかっている。鉱石病という悲劇や悪意が蔓延る世界において彼女の心は削られるのも無理はない。

そんな中、今回の戦いは正真正銘、純粋な「世界を救うための戦」である。

互いの正義により魂が摩耗し、多大なるものを失う代わりに何も得ることはない。そんな地獄のような戦いは此処にはない。

ならば、思うが儘に眼前の敵を殲滅してくれよう―――。

 

端的に言うと、チェンは現在、ハイになっていた。

 

「気概は買うが、私に着いてこれるのだろうな!? 足手まといにはなるなよッ!」

「笑止! 我が速度は韋駄天が如くッ! その力、存分に魅せてくれようぞッ!」

 

「………チェンの奴、ストレス抱えすぎておかしくなったのかしら?」

「共感、耶倶矢もヒャッハーしすぎです」

 

そんな二人を白い目で見ているのが八舞が片割れ、八舞夕弦とフェリーン族の前衛オペレータ―、スワイヤーである。

《颶風騎士・縛める者》とチェーン付きの刃車という似た武器を振るう二人は広範囲の敵をなぎ倒しつつも戦場で意気投合していた。

 

「アンタも大変ね。あんな暴走特急みたいな片割れがいて」

「憂慮、否定はしません。ですがあれでも、私の大事な片割れですから」

「ふうん。ま、あっちが派手に暴れまわってるなら、アタシ達がサポートしてあげるとしましょうかね!」

「肯定、あの二人はペースを考慮していません。戦場でぶっ倒れてもいいのでしょうか」

「そうなったら精々笑ってあげながら目の前で私達が無双する姿を見せつけてやりましょ♪」

「賛同、いいアイデアです。暴走二人には精々いい囮になっていただくとしましょう」

「そうそう、前で大暴れすることしか能が無いんだから」

「嘲笑、そうです。笑ってやればいいのです。プークスクスと」

 

「「聞こえてるからなそこ二人!!」」

 

喧嘩する程仲がいい。そんな言葉を体現するかのような二つのペアが協力し合い、次々とシミーを吹っ飛ばす。

その掛け合いは初対面とは思えない程に息ピッタリであった。

 

 

 

先程、美九は戦闘向きの精霊ではない、と語ったがもう一人、戦闘向きではない精霊がいる。七罪である。

彼女の持つ《贋造魔女》はあらゆる存在を変化させる。

それは他の精霊の天使であっても変わらないのだが、如何せん七罪本体自身の身体能力が劣る。

 

「ううううっ、なんでこいつら私を狙ってくるのよ! あたしが視界に入るだけで不快なゴミムシだから!? それともゴミはゴミらしくさっさと掃除しようって言う魂胆なの!?」

 

実際全員に満遍なく襲い掛かっているのだが、七罪特有の超陰鬱ネガティブ思考が発動し、自棄になりながら《贋造魔女》で怪人達をお菓子やら風船やらに変えているのだが、限定展開ではいずれ霊力に限界が来る。

 

「あ、も、もうヤバい……」

「ちょちょちょ、大丈夫!?」

 

そんな彼女の前にひらりっと華麗に降り立ったヴァルポ族の補助オペレーター、アンジェリーナが秘杖を振るう。

すると彼女のアーツ能力によって重力を増幅させられた怪人達は一斉に地に伏せることになる。

 

「あ、ありが……」

「もう! 大勢で小さい子を追い回すなんて最低だよ!」

「って小さい言うなあああああああああッ!!!」

 

安心院アンジェリーナ。七罪の地雷を踏み抜く。

士道達の尽力で自己嫌悪感情からある程度は脱却した彼女、初対面の相手に礼を言おうとしただけ成長だろう。

だが、その初対面の相手に(無論アンジェリーナに悪意はないが)小さい言われて我慢できるわけはない。

《贋造魔女》を自身に使った七罪は一気に「大人七罪」に変身すると、アンジェリーナを押しのけて前に出る。

 

「って、ええええええっ!?」

「失礼なお嬢さんね。ホント。だからこの八つ当たりは、そっちにぶつけさせてもらうわよ」

 

近くにあった大きな瓦礫が巨大な、しかしファンシーなドクロマークデザインの爆弾に変化し、それがゴロゴロと転がると巻き込まれた怪人達はべたべたと張り付いていく。

 

「え、えーと……それ!」

 

大量の怪人を捕まえた爆弾を見て大体察したアンジェリーナはアーツは逆に、軽くする方面で使用し、爆弾を上空高くにふっ飛ばす。

そして空高くに打ち上がった爆弾がこれまたファンタジーな大爆発。

上空に大きな花火が咲いた。

 

「………う、うーん……? こ、これでいいのかな?」

「あら、これくらいで済んだだけ、寧ろさっきの子達は幸運じゃない?」

 

少なくとも仮面ライダーっぽいバトルでないことだけは確かだろう。

 

 

 

「さて……まさか異界の戦いに繰り出されるとはな」

 

多群を相手に見据え、そう呟く長身の男性、シルバーアッシュ。

オペレーターの中でも頭一つ飛びぬけた戦闘力の持ち主であり、ドクターからの信頼も厚い。

そんな彼とて、ライダー怪人との戦闘はほぼ初めてに近いのだが……。

 

「とはいえ、盟友からの頼みだ。私も一肌脱ぐとしよう。多勢に無勢だが、その程度で私を止められると思うな」

 

杖に仕込んでいる剣を引き抜き、コートを脱ぐと雪の結晶のようなオーラが刀身に収束し、それを一閃――。

 

『真銀斬』。

 

シルバーアッシュの代名詞たる必殺の銀雪一閃。

絶えず放たれるその輝く斬撃は無数の敵を葬り去る。

 

「しかし流石に仕留めきれんか……む?」

 

すると、お代わりが如く、上空の穴から別の場所にいた怪人が降ってきて、やはり真銀斬の餌食となる。

みれば浮遊している精霊、星宮六喰の天使《封印主》によって各地に散乱している怪人達がシルバーアッシュの攻撃範囲内に集められているのが確認できた。

 

「ふ……感謝しよう。異界の少女よ」

 

再び剣を振るい、一閃。

ドクターの期待を背負い、その望みに応えるために戦い続ける。

それまで白銀の雪豹が止まることはない。

 

「むう、主様……」

 

そしてそれは星宮六喰にとっても同じことだった。

彼女は一度、士道を再起できなくなる寸前まで追い詰めてしまったことがあり、尚且つ十香を反転まで追い込んでしまったという経験がある。

その後の士道の戦いや、精霊に対する真摯でひたむきな姿勢を見ているうちに、自身のかつての行動には後悔が募っていた。

 

「………あの者は」

 

シルバーアッシュの戦いを支援し、自身も《封印主》の《閉》で怪人の能力や活動を止めつつも、彼の迷いのない戦闘に羨望のようなものを抱いている。

彼もまた、誰かの為に全力を尽くすことができる者。ならば――

 

「ならばむくも、主様の為に。主様が愛するこの町は、例え欠片たりとも貴様らに奪わせはせん!!」、

 

《封印主》の鍵を回し、敵軍に向ける六喰。

罪滅ぼしではない、ただ、それでも自分を救ってくれた士道の為に、全力を以てこの逆境を打破して見せると。

 

 

 

 

飛行できるマギアやメギドはフラクナシスを襲撃し、琴里に収束砲《グングニル》を撃たせる暇を与えない。

だが、そんな好き勝手をさせない者達がフラクナシスの上に立ち、上空を飛び回りながら迎撃している。

 

「少し熱いかもしれませんよっ!」

「そこに並びやがれ!!」

 

キャブリニーのエイヤフィヤトラ、サルカズのイフリータ。二人の火炎を操る術師オペレーターがそれぞれの奥義、『イラプション』『灼獄』を持って敵を焼き尽くし、

 

「逃がしはしません」

「見えてるよ」

 

狙撃オペレーターのフェリーン、シュヴァルツとリーベリのグレースロートはリバース式のクロスボウからの正確無比なスナイプで敵を撃ち落とし、

 

「持ちこたえて!」

「私がお守りします……」

「凝固しろ」

 

補助オペレーターのスズラン、医療オペレーターナイチンゲール、重装オペレーターサリアの三人が展開する領域は堅牢な城壁となって如何なる攻撃も通さない。

 

「精霊じゃないのにこれって、ホント異世界って凄いわね……けど、そろそろこっちも、精霊の意地ってのを見せてやろうじゃない!」

 

フラクナシスの艦橋に立った琴里は自身の天使、《灼爛殲鬼》を展開するとユニットを接続。

狙いは雷霆聖堂……ではなく、そこから未だに溢れ出す大量の敵。

 

「(士道はアレを直接壊すのは無理と言った。なら上に立ってる管理アバターを士道と仮面ライダーゼロワンに任せて、私は少しでも戦力を削る!)」

 

「神無月!」

『発射可能です、司令!』

 

「皆、衝撃に備えなさい! 《グングニル》、発射!!!」

 

カッ! と深紅の光がレーザーとなって放たれ、降り注ぐ大量の敵兵士達を焼き尽くす。

 

 

『ブレイズ! ロスモンティス! 行け!』

「りょーかいっと!」

「うん、任せて……!」

 

一方のロドス側もエリートオペレーターの二人のフェリーンを投入し、灼熱のチェーンソーと、念動力で操られる巨大な攻撃ユニットによって悉くを溶断・粉砕していく。

 

「少しは皆の負担を減らせたかしら……!? 再チャージ急いで! 私が持つ限り、どんどん撃ちまくるわよ……!!」

 

 

 

【POIZON】

 

そして更に降下する者が一人。

人間では即死の高度から飛び降りたその人影は、手に持ったプログライズキーを展開せずに腰に巻いたドライバーに装填。

その「滅亡迅雷フォースライザー」で「スティングスコーピオンプログライズキー」を強制的に展開させる。

 

「変身」

 

【フォースライズ】

 

【スティングスコーピオン!】

【Break Down】

 

降り立った「仮面ライダー滅」は手に持ったアタッシュアローの刃で次々と、機械的と言えるほどに冷静かつ正確な動きで切り裂き、放つ矢で周囲の敵を次々と撃ち抜いていく。

 

「………む」

「あ、あんたも仮面ライダー、なの?」

 

滅は意識したわけではないが、着地したのは万由里のすぐ近くだった。

そんな彼女の問いかけに対し、滅は律儀に応じる。

 

「肯定する。仮面ライダー滅。ゼロワンによって生み出された滅亡迅雷が一人」

「……わざわざ世界を越えてまで……? 貴方達は、どうして人間を、世界を守ろうとするの……?」

「………認識を修正するが、我々は人類も世界も守ろうとは判断していない」

「え……?」

「我々を生み出したゼロワンは、世界の為に戦えなどと我々にプログラミングはしていない」

「そ、それなら尚更、なんで……」

「ゼロワンが我々に命じたのは一つ。自分が信じたものの為に戦え」

 

そう語る滅の瞳は、複眼に隠されながらも強い意志を万由里に刻み付けた。

 

「我々が生きる世界では悪意が蔓延り、差別、怒り、悲しみ、闘争、殺戮、略奪……それらが当たり前のように存在する。だが、それでも誰もが「生きる」事だけは諦めていない」

「生きる、こと……」

「生きる事は罪だというのか? 否、生を受けたのならば誰であろうと生きる権利と義務がある。最期の時まで。ならば、それを理不尽に奪う者などあってはならない。それが、俺がラーニングした結論だ」

 

【STRONG!】

【Heracules Beetles Ability】

【アメイジングカバンシュート!】

 

アタッシュアローにアメイジングヘラクレスプログライズキーを装填した滅が放った強烈な一撃はメギドの群れを貫通し、一斉に吹き飛ばした。

 

「生きる事を諦めるのは、人の勝手だ。だが、それはお前を想う者の心を裏切ることになる。それを理解しているのか?」

「あ………!」

「いくら苦しくても、無謀でも、不可能でも、それでも足掻いてみせろ。それを支える者は必ずいる。ならば、その者の為に生きてみろ」

 

滅はヒューマギア、人間ではない。

だからこそ、彼が語る生への言葉は万由里の心に深く届いた。

 

「………そうね。下を向いてばかりじゃいられない……!」

 

万由里は立ち上がる。その瞳にはもう憂いは欠片も残っていなかった。




ライダー小説ってなんだっけ()
今日はアークナイツガチャ更新です。石の貯蔵は十分か!?


生成されている敵
シミーとトリロバイトマギア、アバドンが大半ですが、ちょくちょくマギアなどの大物が紛れ込んでいます。
とはいえ、精霊やオペレーターと比べれば烏合の衆。厄介なのは数だけ。

ソラと美九
ファイトソングと【破軍歌姫】のコラボ。広範囲の味方を支援し、更にバフ効果がアップする。
美九さん間違いなく補助オペレーター。戦場でパイプオルガン奏でるアイドル。

八舞姉妹と龍門近衛局
ホシグマは元の世界で亡の護衛。
真っ先に思いついたのはこの組み合わせ。似たコンビ同士。
ただ実際にチェンスワの*龍門スラング*を聞いたら八舞姉妹はドン引きすること間違いなし

七罪とアンジェリーナ
相性は悪くない筈だが、安心院やらかし。
この後メイクやネイルを教えてあげる約束をして機嫌を直してもらった。

六喰とシルバーアッシュ
士道ガチ族とドクターガチ勢(だが男だ)
シルバーアッシュ自体は他のオペレーターとすらあまり交流しない人、というかドクターとしか話さないのでそんな彼の戦いを見た六喰が想いを馳せ、覚悟を決めたという形。

滅/仮面ライダー滅
ゼロワンニキこと、リアルが最初に作ったヒューマギア。
テラという大地の過酷さと、ロドスという環境をラーニングした結果、原典の最終回後の滅半分、飛電其雄半分といった精神性になっている。
『人が生きるため、それを脅かす人の悪意を監視する。それが出来るのがヒューマギアたる自分』という精神性。それでも目の前で生きることを諦めている人が居たら手を差し伸べるくらいのことはする。


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突撃

パラスを引きました(勝利宣言)
今回も(多分次回も)掲示板はありません


「はあああああああああああっ!」

「やあああああああああああ!!」

 

《鏖殺公》を振るう十香と《絶滅天使》を無数に飛ばす折紙が交錯しあいながら敵軍を殲滅していく。

精霊の中でもトップクラスの戦闘力を誇る二人の蹂躙劇は凄まじく、この程度の軍勢ならば余裕とばかりに薙ぎ払っていく。

 

「折紙よ、まだへばってはおらぬだろうな!」

「勿論ですよ。十香さんこそ音を上げないでくださいね!」

 

鳶一折紙は、憑依士道の活動によって両親は辛うじて生存している。

とはいえ重傷は負った為、復讐とまでは言わずとも、悲劇を断ち切る為にASTに加入し、精霊化した経緯は変わらない。

そんなことがありつつも現在は十香と共に良き相方として戦っている。

 

「しかし、いい加減こやつらの相手ばかりもしていられぬぞ」

「ですね……。士道君と、あのゼロワンっていうライダーがあそこに辿り着けるように援護しないと……」

 

「いよいしょおおおお!!」

「痛みはないのなら、一切遠慮しないからね…!」

 

と、そこにチェーンソーを唸らせるエリートオペレーターのブレイズ、戦術兵器ユニットを落とす同じくエリートオペレーターのロスモンティスが合流。

集結した四人は挨拶もそこそこに周辺の敵をどうすべきかの意見を交わし合う。

 

「どうすっかねえ、流石にうちのゼロワン君を狙ってる奴らも増えてきたしなあ」

「ぶれいずとやら、一気に殲滅できる能力などないのか?」

「いやあ、あたしはそういうの持ってないからねえ。正直自爆していいならやるけど?」

「駄目、ブレイズが命を削るのは」

「分かってるわよ小猫ちゃん、冗談だって」

「私の砲冠だと巻き込みかねないですし……。! 皆さん上を!」

 

折紙の焦った声に全員が頭上を振り向く。

雷霆聖堂が変形し始めていたのである。球体部分から角が生えた《牛》形態はその角から雷撃を放ち、四人の下へ怪人諸共に落とした。

辛うじて四人は回避するものの、その威力は地面を真っ黒に焦げ付かせるほどのものである。

 

「いやぁこれはヤバいってえ……」

「純粋な霊力……これは恐らくあの天使自身の攻撃です!」

「二発目、来る!」

 

ロスモンティスが自身の周囲の四基のユニットを前面に広げ、その雷撃を防ぐ。

彼女の念動力に近いアーツを全力で放ち、強烈な落雷をなんとか防いだ。

 

「長くは持たない。離れて!」

「私も手伝います! 《絶滅天使》!」

 

《天翼》状態にした《絶滅天使》で結界を生成し、ロスモンティスをサポートする折紙。

だが、雷霆聖堂は初期形態の翼が生えた《鷲》状態に戻るとその翼から縦横無尽に雷を放ってくる。

 

「折紙! 横だ!」

「!」

 

絶滅天使の全てを結界に回していた折紙に防御手段はない。

反応が遅れ、受けるダメージを覚悟して受けようと目をギュッと閉じる。

 

 

 

【INFERNO WING!】

【バーンライズ!】

 

 

 

しかし、その攻撃が折紙に当たることは無く、灼熱の不死鳥のライダモデルが電撃を全て弾いた。

 

「えっ……?」

「変身」

 

【スラッシュライズ!】

【BARNING FALCON!】

【"The strongest wings bearing the fire of hell."】

 

ついで現れた青年にその不死鳥が被さるように、灼熱の炎でその身体を包むと姿を変える。

【仮面ライダー迅 バーニングファルコン】はベルトの【ザイアスラッシュライザー】を外すと火炎の刀身で雷撃を次々と捌いていった。

 

「す、すごい……」

「油断したら駄目だよ? こういう相手はどんな能力を持ってるか分からないんだから」

「迅! あんた遅い!」

「無茶言わないでよブレイズちゃん! これでもある程度の敵斬って来たんだから、っと!」

 

炎の翼を展開し、アクロバティックな動きで飛翔しつつ切り裂いていく迅、その下を潜り抜けつつ、チェーンソーを赤熱化させて暴れまくるブレイズ。

二人の凄まじい熱気は炎の竜巻が如き熱風を撒き散らし、思わず十香は「あち、あち」と退避した。

 

「ドクター、僕はどうすればいい?」

『そこにいる精霊に伝えてくれ』

 

内臓通信機でドクターから指示を受けた迅は何度かうんうんと頷くと、通信を切り、十香の方に向いた。

 

「ねえ君。少し頼みたいことがあるんだけど」

「む、なんだ!」

「難しい事じゃないよ。ただ……君の全力を見せてほしいんだ」

 

 


 

 

「シャインシステム、起動!」

 

シャイニングアサルトホッパーは胸部のオービタルユニットから「シャインクリスタ」を複数出現させると、それを縦横無尽に飛ばし、オールレンジ攻撃やクリスタルの屈折で雷霆聖堂から放たれる雷撃の悉くを弾いている。

【仮面ライダーゼロワン】の中でもトップクラスの機動力を持つこの形態で無ければこの無数に放たれる雷撃を掻い潜ってエデンの下へたどり着くのは困難と判断しての変身だった。

 

「って、うげぇ!!?」

 

すると雷霆聖堂の中心に六角形の口が開き、そこから収束された高出力の雷がゼロワン目掛けて放たれる。

そこに割り込んだセイバー・エレメンタルプリミティブドラゴンが構えた雷鳴剣黄雷でその電撃をキャッチし、それを増幅させて跳ね返す。

 

「わりぃ。助かった!」

「気にすんな! それよりまた来るぞ!」

 

次々と休む間もなく放たれる雷撃をかわし、受け流し、跳ね返すことで二人は突き進む。

再び雷霆聖堂が変形し、《牛》形態となった瞬間にゼロワンは一気に加速して肉薄。

 

「そこだぁぁぁっ!!!」

【アックスライズ!】

 

武装、オーソライズバスターをアックスモードに展開し、そこに追加でプログライズキーを二つ取り出す。

 

【WAVE!】

【"Progrise key confirmed. Ready for buster."】

【BURST!】

【"Bustar Authoraze"】

【プログライズバスターボンバー!】

 

ベギィィッ!!!!

 

「スプラッシングホエール」と「ダイナマイティングライオン」という火力特化の二つのプログライズキーを装填して放たれた、海を割る程の爆発的な一撃は雷霆聖堂の角を一撃で叩き折った。

 

「うわすっご!! よし俺も!!」

 

『必殺読破マシマシ!』

『烈火抜刀!』

『エメンタル合冊斬り!』

 

!」

 

続けてセイバーが放った虹色の斬撃は雷霆聖堂の反対の角を圧し折った。

 

「よし! 再生するだろうけど少しは……へ?」

「うぉおおおなんだこれ気持ち悪ッ!!!」

 

対して雷霆聖堂は更に形状変化。球体に無数の目が出現する【人】となって、その全ての目からこれまで以上の量の雷撃を続けざまに放ってくる。

 

「オオオオオオオオオオオオオオオマジやべぇえええ!!!」

「俺達東方やってんじゃねえんだぞ!!?」

 

流石にこの雷撃の量は洒落では済まない二人は、ゼロワンはシャインクリスタをフル稼働させ、セイバーは身体を様々なエレメントに変換させることでこの猛攻をしのいでいく。

 

「このまま、じゃ、近づくことすらままならねえって!!」

「ッ! セイバー! アレを見ろ!!」

 

と、ゼロワンは新たに雷霆聖堂から出現した怪人を指差す。

肉片が剥がれ落ちるように落ち、それが変化して赤黒い龍騎士のような異形の姿を……

 

「ッ、レジエル!!?」

 

そう、その怪人はかつて五河士道がエレメンタルプリミティブドラゴンの力を得た時に倒したメギドの幹部、レジエル・フォビドゥンだったのである。

 

「久しぶりだなぁ、炎の剣士ィィィィィ!!!!」

 

「クソ、アイツの相手までしている余裕は……クッ!!」

 

雷霆聖堂の攻撃をかわしつつ、突っ込んできたレジエルの剣を受け止めるセイバー。

 

「この野郎!!」

 

【ガンライズ!】

【PRESS!】

【"Progrise key confirmed. Ready for buster."】

【バスターダスト!】

 

「ぐぉおお!!?」

 

すぐにゼロワンはガンモードにし、「ブレイキングマンモスプログライズキー」を装填して砲撃を放った。

ブレイキングマンモスの足を模した砲撃はレジエルに直撃し、セイバーとの距離を大きく離すことに成功する。

 

「今のうちだ、行くぞセイバー!」

「ああ、助かった!」

「逃がすかァ!! 俺と戦えェ!!」

 

「いいえ、貴方の相手は私です」

 

「何ィ!?」

 

と、追いすがろうとするレジエルの前に白いスーツを着た男性が立ちはだかる。

その腰にはまた別のドライバーが。

 

「サイゴク!」

「もしかして、サウザーニキか!?」

「セイバーニキ。此処は私が引き受けます」

「邪魔をするなァ!! お前如きが相手になるわけねえだろ!!」

 

【ゼツメツ! Evolution!】

【BREAK HORN!】

 

凄むレジエル相手にも一切動じず、サイゴクと呼ばれた男性は「ザイアサウザンドライバー」に「アウェイキングアルシノゼツメライズキー」と「アメイジングコーカサスプログライズキー」を装填。

 

「相手にならないかどうかは、その目で確かめてみなさい。変身」

 

【パーフェクトライズ!】

【When the five horns cross,the golden soldier THOUSER is born.】

【"Presented by ZAIA."】

 

出現した二体のライダモデルが交差するようにサイゴクが変身した「仮面ライダーサウザー」は「サウザンドジャッカー」を手に持ち、レジエルに向ける。

 

「遂に完成したサウザンドジャッカーの性能テストにはふさわしい相手、ですね」

「ほざけぇ!!」

 

レジエルは自身から発生させた雷をサウザーに向けて飛ばすが、サウザーはそれを容易く回避しつつ、ジャッカーで受け止め、更に柄尻のジャックライザーを引くことでその電撃を吸収。

 

【ジャックライズ!】

 

「その雷。頂きました。フン!!」

 

【"JACKING BREAK"!】

 

「ぬぐぉあ!!!?」

「多彩な能力を持っているようですね。その力、1000%全て私の糧とさせていただきますよ?」

「ふ、ふざけるなぁ!!!」

 

「……根は1000おじとどっこいどっこいだろ、あれ」

「あ、あははー……」

 

どうにも悪人ボイスが似合うサウザーニキことサイゴクに白い目を向けるセイバーと苦笑しかできないゼロワン。

そんな二人の態度を知ってか知らずかサウザーはすぐに声を張り上げた。

 

「お二人共、今のうちに行きなさい!」

「分かった! ありがとう!」

「それとゼロワン! プレゼントです!」

 

サウザーがゼロワンに向かって何かを投げ、それを左手でしっかりとキャッチする。

それは、蛍光イエローにクリスタルブルーの刀身を持つ一本の剣だった。

 

「おっと!? ……! プログライズホッパーブレード!! 完成したのか!!」

「ええ、ギリギリですがね! それでメタルクラスタも安定するでしょう!!」

「サンキューサウザー! よし、行こうぜセイバー!」

「ああ!」

 

【アサルトチャージ!】

【シャイニングストームインパクト!】

 

『必殺読破マシマシ!』

『エメンタル合冊撃!』

蹴撃破!」

 

無数の弾幕を打ち破りながら、二人は閃光となって突っ込む。

そしてついに制御ユニット。エデンの下へ。

 

決着の時は近い―――!

 

 


 

 

その決戦の場に、一人駆けていく存在。万由里。

足掻いて見せろ。そう滅に告げられた彼女は一直線に戦場へ向かっていく。

 

「士道……アンタが私にこの感情をくれたのよ……。死ぬなんて、絶対に許さない……!!」

 

『―――足掻くんだね。君は』

 

「! アンタは……」

 

そこに現れたのは激しいノイズ。

『識別名:ファントム』として形容されている、始祖の精霊である。

万由里というイレギュラーな精霊に干渉することはこれが初めてであった。

 

「……ええ。結局、これを引き起こしたの大本は私の責任だし、ちゃんと止めないと。……それに……、システムでしかない私だけど……好きになっちゃったのよ。アイツのこと」

 

消えることが当然だと思っていた。

自分意思など無いと思っていた。

それでいいと思っていた。

 

けど、それを違うと断じた人がいた。

そんなの嫌だと、心が、魂が強く叫んでいる。

 

もっと、彼と話したい。もっと、彼を見ていたい。もっと、彼と―――。

 

『―――なら、この力を託すよ』

「え―――」

 

そんな万由里の下へ届いた光は、彼女の中に宿る「無銘剣虚無」と、そして彼女自身の抑えきれぬ感情と共鳴し、一つの形を成していく。

やがて、赤と金で彩られ、「赤、白、黒の三頭のドラゴン」が描かれたその本が、万由里の手に収まった。

 

「……これ……、アンタ、なんで……」

『―――彼を、守りたいって気持ちは汲んであげる』

 

そう言い残し、ファントムは消えた。

残された万由里はその本を胸に抱え、再び飛び立つ。

 

 

「待ってて――――――士道」




迅/仮面ライダー迅
既にバーニングファルコンに変身しているが、スラッシュライザーは出向時にサウザーがロドスに持ち込んだ代物。それまではフォースライザーを使っていた。
若干の無邪気性が残りつつもテラという過酷な環境でラーニングし、復活後の迅に近い精神性も持っている。
その性格から滅亡迅雷とオペレーターの交流を繋ぐ大切な存在になっている。


鳶一折紙
復讐ではなく、自分と同じような被害者を増やしたくないという純粋な気持ちでASTに入った。
その為、士道への依存は無く、原典の折紙と異なり髪はロング、性格も淑女。ヒロイン力が高すぎる。
十香とは良き相方同士で仲も良好。この世界のメギドに洗脳されたうえでファントムによって精霊にされており、それが士道がプリミティブになるきっかけとなっている。


スプラッシングホエールプログライズキー
ダイナマイティングライオンプログライズキー
原典であまりいい扱いをされてなかったので使ってみた。
組み合わせたプログライズバスターボンバーは破壊力だけで言えば断トツ。
海と爆発ってそれゴ〇ラ……


レジエル
折紙の時にプリミティブで手痛い傷を負わされ、七罪の時に覚醒したエレメンタルによって倒される。
原典同様、浄化されたと思われるが今回は進化の本質によって生成された「コピー」なのでその辺りが無い。
地味にサウザーとは相性が悪い。


サイゴク/仮面ライダーサウザー
名前の由来は10の44乗の載と、10の44乗の極。
あの態度はせっかくのサウザーならそれっぽいムーブを噛ましたいと思ってのこと。掲示板の際も語ったが基本的に常識人。
到着が遅れたのはロドスの技術班と共にプログライズホッパーブレードの完成を急いでいた為。
エデンに有利に立ち回れるメタルクラスタが必須と見越しての判断である。


《ファントム》
実は全知全能の書と繋がっている。タッセルに近い状態。
士道の中身については知っているが、彼女の目的を考えればそれは大した問題ではない。


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剣士フィナーレ

セイバー×ゼロワン最終回です
無事年内に終わりました


「っと!」

「着いた!」

 

ようやく雷霆聖堂最上部、エデンの下へたどり着いたダブルライダー。

それを目視したエデンは即座にナノマシンを形成し、無数の円錐状の槍を生成して飛ばしてくる。

 

「シャインシステム!!」

 

それを迎撃するはゼロワン・シャイニングホッパー。

シャインクリスタが槍を次々と相殺している隙にセイバー・エレメンタルドラゴンは右手に烈火、左手に黄雷という装備で一気にエデンに切り込む。

 

「おおおおおおっ!!!」

 

『黄雷居合!』

『読後一閃!』

 

稲妻響鳴斬!

 

必冊ホルダーから引き抜いた黄雷に合わせ、自身を電光に変化させたセイバーがすれ違いざまにエデンの腕を切り飛ばす。

が、即座にその傷口からナノマシンが生成されていき、すぐに腕が再生された。

 

「く、やっぱり再生能力持ちか!!」

「その通りだ、この力こそ科学の真髄!!」

「!?」

 

吐き捨てた瞬間、管理ユニット故に自我などないと思っていたエデンから声が発せられ、セイバーが驚愕に振り向く。

槍を相殺し終えたゼロワンが高速移動で突撃し、オーソライズバスターのアックスモードでエデンに斬りかかりつつも叫ぶ。

 

「お前、まさかあの時の科学者か!」

「久しいじゃないか仮面ライダー。君のお陰でこの力を生み出す事が出来たよ」

「あんな怪物を生み出しておいて、まだ飽き足りないっていうのか!」

 

【ZERO-ONE AUTHORIZE!】

【ゼロワンボンバー!】

 

黄色い閃光を纏った刃を全力で振り下ろし、胴体を叩き斬るゼロワンだが、噴き出たナノマシンが形成した針によるカウンターを食らう。

そう、このエデンが宿している人格こそ、かつて「アークナイツの世界」で進化の本質を生み出したマッドサイエンティスト、レヴィだったのだ。

 

「クッ……!」

「ああ、満足などしていないとも、私は科学者だ。未知というものは大好物でね。あの世界も、この世界も、ひとえには語りつくせぬ素晴らしさがある」

「はあああっ!!」

 

烈火と黄雷という二つの剣を振るうセイバーと、血しぶきのようなナノマシンで応酬するエデン。

聖剣でエデンを押し込みながらもセイバーは問い掛ける。

 

「素晴らしい、だと!?」

「そうとも。源石、精霊……人はそれを人智の及ばない領域と諦める。なんと愚か。その深奥までを解き明かしたいというのが科学だというのに」

「何を……! グッ!」

 

エデンの回し蹴りがセイバーを吹き飛ばし、その背後から斬り込んできたゼロワンを、キックの軌跡で生成されたナノマシンのブレードが弾き飛ばす。

 

「がぁ!?」

「ゼロワン!」

「精霊、実際にこの《凶禍楽園》と《雷霆聖堂》を見て思ったが素晴らしい力だ。もっと知りたい、もっと調べたい。この力を持つ精霊という存在を徹底的に解剖し、その深奥を知りたい。手にしたい。それが科学を突き詰めるということだ」

「ふざ、けんな!!! 精霊は、生きている命だ!!」

「それがどうしたかね?」

「ッ!?」

 

ガキィン!

ナノマシンの剣が黄雷を弾き飛ばし、エレメンタルドラゴンの身体に傷を負わせる。

 

「グッ!!?」

「命を大切に。そんな言葉は科学には何も意味を齎さない。脆弱な感情だ。そんな無意味なものは科学には意味はない。科学の本質、進化は争いによってもたらされるものだからな」

「セイバー! ッ、く! 邪魔だ!」

「ゼロワン、君もそうだろう? その力は、あの争いの絶えない世界だからこそ、より多くの相手を虐殺する為に生まれたものだ」

「何だとォ!!!」

 

シャインクリスタでエデンの攻撃を防ぎつつ、セイバーの救援に向かおうとするゼロワンだが、あまりに激しい猛攻がそれを許さない。

 

「精霊は生きている命。そうだろう。だが私にとっては命の有無は――命がある精霊だろうが、他の人間だろうが、一切関係が無いのだよ」

「ッ……!! 狂っている……!」

「凡人はそう言って、自分の理解の出来ないものを言い表すのが好きだ。まあ、話は此処までだ。そのセイバーの力も、私の実験素材に相応しい」

「! セイバー、逃げろ!!」

「!」

 

【エデンインパクト!】

 

エデンの指先から滴り落ちた、血の雫のようなナノマシンから、全体に広がり、その血の池から無数の棘柱が出現。

元素化を駆使して回避し続けるセイバーだが、やがてそれにも限界を迎え、包囲された棘柱がドームを形成しセイバーを閉じ込め、爆発させる。

 

【エデン     

   インパクト】

 

「ぐぁあああああああああっ!!!」

 

原典において仮面ライダーゼロツーをも追い込んだその一撃に耐え切れず、セイバーは変身が解除され、傷だらけになった士道が地面に倒れ込む。

 

「が、はっ……!」

「感情など、大脳から生成されるただの情報に過ぎない。そんなもので科学に打ち勝とうなど出来んのだよ」

 

倒れ伏した士道を蔑むようなエデンの声。

それにとうとう怒りを爆発させた者が居た

 

「………いい加減にしろよお前」

 

ゼロワンは、リアルは普段の明るい声からは想像もつかない程の低い声でつぶやく。

 

「俺らの世界であんなもんを生み出しただけじゃ飽き足らず、この世界でも色んな人を巻き込みやがって……。貴様みたいなバグは、二度と好き勝手出来ないように……徹底的に駆除だ!」

 

【EVERYBODY JUMP!】

【オーソライズ!】

 

「教えてやるよ……お前の言う科学が、お前が無価値と言った人の想いで進化する姿を! 変身!」

 

【メタルライズ!】

【Secret material! HIDEN・METAL!】

【メタルクラスタホッパー!】

【"It's High Quality."】

 

ゼロワンドライバーから飛び出した無数の、夥しい数の、寧ろ不気味とまで言えるほどの量の「クラスターセル」が巨大なバッタの姿を見せ、そこから素体に群がるようにして装甲となる。

 

「メタルクラスタホッパー」。悪意で生まれ、善意で制御したゼロワンの更なる進化形態。

 

「お前を、止める!!」

 

右手に握った「プログライズホッパーブレード」を構え、全身から放つクラスターセルによってエデンのナノマシンに応戦し、直接斬りかかる。

 

「ふん! 先程の姿以上の力を感じる! やはりその技術はすさまじい! 幾多もの存在を滅ぼしうる兵器だ!」

「違う! これは、あの世界で、それでも懸命に生きる人たちの善意の力だ!!」

 

【プログライジングストラッシュ!】

 

トリガーを連続で引き、エデンを切り付け、更に今度はゼロワンドライバーにブレードをスキャン。連続で技を放つ!

 

【ファイナルストラッシュ!】

 

「ハァッ!!」

「ぬおおおお!?」

 

刀身から放たれた無数のクラスターセルがエデンの身体を貫く。

穴だらけになったエデンだがその身体は即座に再生していく。

 

「無駄だよ。このナノマシンの身体はどう足掻いても、どれだけ傷つこうが再生する。無意味だ」

「無意味かどうか、試してやるよ!!」

 

クラスターセルが再び無数に生成され、メタルクラスタを模した集合体を二つ生成。本体のゼロワンと共にエデンに挑みかかる。

とはいえ相手も屈指の戦闘力を持つエデン。ナノマシンを巧妙に扱い、ゼロワンと二体のクラスターセルコピーを相手に立ち回る。

 

だからこそ、もう一つ力が必要だ。

 

「………立て、立てよ……!!」

 

傷ついた身体に鞭を打ち、腕に力を籠め、震える足を踏ん張って、五河士道はそれでも立ち上がる。

 

「あんな奴に、俺の、大切な皆の、運命を、好きにさせるんじゃねえよ、五河士道……!!!」

 

まだ皆、戦ってる。自分を信じて送り届けてくれている。

ゼロワンも、彼の仲間達も皆、この世界の為に戦う自分に賛同して戦ってくれている。

 

「立って、戦え……!!! 物語の結末を、あんな間違った科学に委ねるな……!!!」

 

「士道!!」

 

はっ、と聞こえた声に頭上を見上げると、霊装に身を包み、翼を広げた万由里が士道を呼んでいる。

 

「万由里!!」

「受け取って!」

「っと!」

 

『エモーショナルドラゴン!』

 

「……! これは……!」

 

勇気!愛!誇り! 3つの力を持つ神獣が、今ここに…!

 

「………ありがとな。万由里……。そうだ。感情こそ、人間の進化の本質だ!」

 

士道は「エモーショナルドラゴンワンダーライドブック」を閉じるとソードライバーの神獣スロットに装填。

そのまま勢いよく烈火を引き抜く!

 

『烈火抜刀!』

 

愛情のドラゴン!勇気のドラゴン!誇り高きドラゴン!

 

士道の周囲を旋回するように赤き「ブレイブドラゴン」、白き「ルーンブライトドラゴン」、黒き「ルーンディムドラゴン」が飛び回り、三体の神獣がその身を鎧に変える!

 

『エモーショナルドラゴン!』

 

『感情が!溢れ出す!』

 

 


 

 

「ぐぁぁ!! 馬鹿な……炎の剣士のみならず、こんなやつに、この俺がァ!!」

「貴方が理性を保ったままであれば、私も危なかったでしょうね」

 

【サウザンドライズ!】

 

「もう眠りなさい。その誇りを穢さぬうちに。ハァッ!!」

 

【"THOUSAND BREAK"!】

 

サウザンドジャッカーに装填されたアメイジングコーカサスプログライズキーから、ジャックライズした様々な属性を集め、巨大な螺旋状のエネルギーとして貫き、レジエル・フォビドゥンに風穴を開けた。

 

「ぐぅあああああああああああああああああ!!!!!!」

 

「ふう……性能テストはまずまず、といったところでしょうかね」

 

 


 

 

「行くぞ、迅」

「うん」

 

  煉  

滅   殲

  獄  

 

バ ー ニ ン グ レ イ ン ラ ッ シ ュ

 

「「ハァァァァァァァ!!」」

 

バーニング    

レイン    

ラッシュ    

    スティング

    ディストピア

 

 

滅と迅。二人のライダーキックは一気に相手を薙ぎ払い、大量の敵を纏めて消し飛ばす。

その後には何一つ残らない、まさに「殲滅」であった。

 

 


 

 

雷霆聖堂は再び形を変える。

これまで維持していた球体の形すらも変え、ドリルのように鋭く尖り、その先端にエネルギーが収束する。

 

「………ふう、はあ……」

 

その正面に立っているのは夜刀神十香。

彼女がドクターから任されたのは雷霆聖堂の最強の一撃、「ラハットヘレヴ」を止めること。

精霊の中でも最大級の威力を誇る技、「最後の剣《ハルヴァンへレヴ》」を持つ十香で無ければ止められない。

そう判断したドクターによる采配である。

 

「…………私が、これを止める……」

「弱音を吐くなら引っ込んでろ。足手まといは要らない」

「…………」

 

そしてドクターが配置しているのはオペレーターの中でも別格の攻撃力を持っている赤髪のサルカズ、スルト。

そして深淵に属するスカジ。

本来ならもっと人数が必要と思われるが、下手な力では巻き込まれてしまうと判断し、この三人が任されている。

 

「何を! 士道があそこで戦っているのだ! ならば私は士道が悲しまぬようにこれを止めて見せる!」

「そう。まあいいわ。とにかくぶっ壊しましょう。あそこであの人も戦っているのだし」

「来るぞ―――」

 

雷霆聖堂の先端に膨大な量の光が集まり、それが一つに収束していく。

一体どれだけの霊力が集まっているのか、想像もできない。

だが、やるしかない。

 

「この身に纏う悪夢よ、唄え―――」

「レーヴァテイン、出番だ―――」

 

スカジから「形容しがたき力」が増していき、その身体能力を極限まで増加させ、スルトは自身が保有する灼熱の剣から炎の巨人を呼び起こす。

 

「止めて見せる……来い!」

 

そして十香の塵殺公が玉座と合体し、巨大な剣と化す。

三者三様に自身の力を解放し、雷霆聖堂と相対する。

 

「―――海嘯の悲歌」

「―――ラグナロク!!」

「―――最後の剣《ハルヴァンへレヴ》!!」

 

ゴォオオオオッ!!!!!!!!

 

三人から放たれた凄まじい規模の斬撃は、しかしそれすら上回るラハットへレヴとぶつかり合い、凄まじい力で拮抗しあう。

その余波は周囲の大気を震わせ、全てを破壊せしめんとする凶暴な爆発を引き起こし、それでも止まらない。

 

「く、オオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

 

だが、拮抗だけでは勝ち目がない。

スルトの使う「ラグナロク」は自身の力を全て解放し、限界を超えた超火力を叩き出す代わりに使用後の戦闘継続は不可能となる。

それが出来るのはおよそ30秒。

つまりこの30秒で押し切る事が出来なければ――――――

 

「もっと、もっと……!!! もっと……!!!!」

 

「十香!!!」

 

その時、十香に万由里が駆け寄り、最後の剣を振るうその手に自身の手を添える。

 

瞬間、十香の身体が輝き―――否、他の場所で戦い続ける美九、耶俱矢、夕弦、七罪、六喰、琴里、折紙の身体も、共鳴し合うように光を放ち、その霊力は万由里を介して十香に集まっていく。

 

「お主……」

「士道の町を守るんでしょ? 私も一緒に戦う!」

「……うむ、共に往くぞ!!!」

 

万由里の中の「無銘剣虚無」が十香に収束する霊力を、暴走しないように制御・統制し、十香に最適な形を成していく。

一番の冠とベール、五番の羽衣、六番の星座模様のドレス、七番のケープ、八番の翼、九番の髪飾り。

それらが一つに集まり、十香に新たな力を齎す。

 

霊装〈神威霊装・十番〉【万《エンスフォール》】

 

そしてその左手には塵殺公とは別の剣、万由里から託された『滅殺公《シェキナー》』。

 

「「さあ、私達の戦争《デート》を始めるぞ/始めましょ」」

 

両手の剣を頭上に掲げ、天を貫くほどの巨大な光の柱を生成。

それを正面、拮抗するラハットへレヴ目掛けて振り下ろす!!!

 

「打ち破れえええええええええええええええええええ!!!!!!」

 

8人もの精霊の力が一つとなったその一撃はラハットへレヴすらも打ち破り、そのまま雷霆聖堂をも貫き、崩壊させた!!!

 

 


 

 

「何ィ!? 私の最高傑作が!?」

「お前の、もんじゃねえ!! 万由里の力だ!!」

 

純白の「セイリングマント」で飛翔しつつ烈火を振り下ろし、反撃の一撃を左手の「滅壊の盾」で防ぐセイバー・エモーショナルドラゴン。

エレメンタルプリミティブドラゴンよりも劣るスペックでありながら、エデンに猛攻を与え、追い込んでいく

 

「はぁっ!!!」

 

更に追撃でゼロワンがプログライズホッパーブレードとアタッシュカリバーの二刀流で追い込んでいく。

 

「なぜ、だ!? このライダーの力は、この程度では……」

「お前はエデンの力を、ちっとも使いこなしていない!」

 

【ドッキングライズ!】

 

二つの武器を合体させ、薙刀状にしたゼロワンはホッパーブレードをゼロワンドライバーにスキャンし、クラスターセルによる刃をホッパーブレードの刀身に収束させて放つ!

 

 

【アルティメットライズ!】

【アルティメットストラッシュ!】

 

「ハアアアアアアッ!!!」

「ぐぬおおおおおお!!!?」

 

ホッパーブレードからの銀色の斬撃を受け止めたエデンに、更にアタッシュカリバーからの稲妻の斬撃が加わり、防御を弾き飛ばしてエデンにダメージを与える。

 

「そのライダー……仮面ライダーエデンは、一人の男が、たった一つの尊い感情……大切なヒトへの「愛」の為に戦ったライダーだ! その感情を否定するお前に使いこなせる代物じゃないんだよ!!」

「何を……ぐぁ!?」

「そして、俺の力は、万由里と、十香、琴里、美九、耶俱矢、夕弦、六喰、折紙、七罪!! 精霊の皆と、仲間達の想いが集まっている! 科学じゃ解析できない程の、凄いパワーが俺にはある!!!」

 

『烈火抜刀!』

エモーショナル必殺撃!

 

「激情爆発斬!!!」

 

三色の斬撃がエデンに放たれ、その身体を大きく斬り裂く。

 

「ふん、そんな力、通じるわけが………な、に!?」

 

すぐに再生しようとするエデンだが、それは叶わない。

度重なるメタルクラスタの攻撃でエデンの体内に潜り込まされたクラスターセルが、その身体を食い破って再生を阻害しているのだ。

 

「こ、こんなことが……私は、まだまだ科学の真理を突き止め……」

「言った筈だ。お前は此処で駆除すると!!!」

 

メ タ ル ラ イ ジ ン グ イ ン パ ク ト

 

「お前の結末は、此処までだ!!!!」

 

『必殺読破!』

伝説神獣! 一冊撃!』

 

情龍撃破!

 

メタルライジング

       イ

       ン

       パ

       ク

       ト

 

「「ハアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!」」

 

クラスターセルによる円錐状のドリルと、三体の神獣と一体化して放たれたゼロワン、セイバー渾身のライダーキックがエデンに突き刺さる!!

そしてそのままエデンの身体を蹴り飛ばす!!

 

「ガハァァァァァァァ!!!!? り、理解不能だ、私が、こんな感情などという認知信号の一つにしか過ぎないものなどにいいいいいい!!!!?」

 

最期まで自分の信条に反する出来事を認めない愚かな科学者は、十香と万由里の一撃によって崩壊する雷霆聖堂の中に叩き込まれ、その盛大な爆発に巻き込まれる形で最期を迎えたのであった。

 

 


 

 

「っと……!!」

「おっとと!!」

 

そして地面に着地したゼロワンとセイバーは変身を解き、お互いの顔を見合うと笑顔でハイタッチ。そしてそこに戦っていた者達も駆け寄ってくる。

 

「士道!」

「ダーリン!」

「主様、無事かの!?」

「ああ、大丈夫だ……皆は?」

「アレが倒されたら、敵正反応は全て消失したわ。お疲れ様士道」

「そうか……よかった」

 

「ゼロワン、大丈夫?」

「問題無いさ迅。それより……例の科学者、アイツが元凶だったよやっぱり」

「……そう、私も一発殴ればよかったわ」

「全くだ。一発、いや十発くらいしてもよかっただろ」

「スカジやスルトに殴られたら一発で木っ端微塵だろ……」

『滅、ドクター。此方の世界で出没していた軍勢も消失しました』

「そうか」

 

すると、オペレーター達やゼロワンライダー達の身体がキラキラと光り、透け始める。

 

「おや、どうやら次元の繋がりが途切れるようですね」

「元の世界に帰る。ということだ」

『ああ。亡。もう一仕事頼む』

『畏まりました。座標を安定させます』

 

「ゼロワン……」

「ってことでお別れだ。いやあー、こんなスッキリとした戦いが出来て満足満足!」

「……そっか。そっちにはこれからも過酷な戦いがあるんだな……」

「おいおい、それはそっちも同じだろ? まだ精霊はいるし、他にも厄介な奴らがいるんだからさ」

「……それもそうだな」

 

二人が会話を交わす中、精霊とオペレーター達は共に戦った戦友の、互いの健闘をたたえ合うかのように言葉を交わし合う。

 

「楽しかったですよ美九さん! 本当に、また歌いたいって思っちゃいます!」

「それでしたら私、ソラちゃんに会う為なら次元も超えていっちゃいますよぉ~!」

「やめてくださいね? ロスモンティスさん。ブレイズさん。ありがとうございました」

「ん、貴方にも助けてもらったからお相子」

「そーそー、本当ならこの後打ち上げでパーっとやりたかったんだけどねえ」

「じゃ、アンタも(主に相方の面倒で)大変でしょうけど頑張りなさい」

「惜別、其方も(主に相方の面倒で)大変でしょうが頑張りましょう」

「「どういう意味だ(よ)!!」」

 

そんな微笑ましい様子を見届けている士道の下へ、十香が降り立つ。

 

「シドー!」

「ん、十香……そうだ、万由里は!!」

「此処にいるわよ」

 

と、その十香の隣には万由里が、消えかけることもなく、しっかりと存在していた。

 

「万由里!!」

「雷霆聖堂の一部が、どういうわけか戻って来たのよ。元の力とは比較にならないくらいの僅かな分だけどね。それと虚無と、そのライドブックのお陰で肉体を維持できたわ」

「そ、そっか……そうか!」

「きゃっ!? ちょ、ちょっといきなり抱き着かないでよ!?」

「あ、わ、悪い!」

「もう……//// デートしてくれないと、許さないわよ?」

「!! ああ、勿論だ!!」

 

「…………」

 

喜ぶ士道を見て、リアルはふと上を見上げる。

エデンを倒した時、その一部のナノマシンが崩壊する雷霆聖堂の一部を切り取って、万由里の下へ飛んでいくのを彼は見ていたのだ。

 

「………(エデンを構成したのは《凶禍楽園》の残滓。そしてエデンの力の本来の持ち主は、愛の為に戦った男……その二人が奇跡を……なんて、な)」

 

推測に過ぎない。だが、そんな奇跡こそが万由里と士道の幸せを守った。

「愛」「勇気」「誇り」。

その三つの「感情」が起こした奇跡というのなら……そういうのもいいかもしれない。

 

「っと、そろそろ時間だな」

「! リアル……」

「じゃあな士道! お前と一緒に戦えてよかった。お前の勇気、俺もラーニングさせてもらったぜ!」

「礼をいうのはこっちだ。ありがとう。またいつか……今度は俺がお前を助けに行くからな!」

「こっちの世界はホントに過酷だからそういうの無い方がいいんだけどな……じゃあ、またな!!」

「ああ、また!!」

 

――――未来に向かって翔ぶ仮面ライダーと、物語を紡いで語る仮面ライダー。

二人の出会い、そして戦いはこうして幕を閉じたのであった。

 

 

《Fin》




レヴィ
「レインボーシックスシージ」の世界の出身であるマッドサイエンティスト
科学の追求しか考えておらず、実際イベント中でもそういった趣旨の発言が見られる。
だからこそエスのようにエデンの力を完全に引き出せず、【善意】と【感情】によって倒されるという因果応報な末路を遂げた


霊装〈神威霊装・十番〉【万《エンスフォール》】
本編のものと微妙に異なる。
この時点で封印していない四糸乃の要素が無く、代わりに折紙、六喰、七罪の要素が加わった。

ちなみに四糸乃だが、この世界では(狂三などを除き)一番最後の精霊となる。しかも追い込まれた結果、反転しており、心を開くことの難易度は原作の六喰に匹敵する。
六喰を早い段階で救えた代償とも言える。


万由里
全知全能の書の一部であるエモーショナル、無と無限を司る虚無。そして存在の核である雷霆聖堂を一部とはいえ取り戻したことで無事生存。
この後改めて士道とデートすることになった。


スレ民
出番は無いが掲示板でLIVEを見て大盛り上がり。
転生したとしてもやはり皆ライダーファンなのである。


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長期シリーズ キバ×ダンまち
白兎の誕生に捧ぐプレリュード・前編


今回はキバ編です。前後編に分けてお送りします
これを読んでくれる友人に「セイバーニキとかオーズニキのような主人公不在って何が不味いの?」と疑問を投げられたのでアンサーとして書きました。


……とある世界を、闇が蝕もうとしている。

 

都市の中で一際高い建物の上から眼下に広がる世界を一人の青年が見下ろしている。

賑わう商店街や酒場、忙しなく働く人々、背中を預け合う仲間と共に冒険に行く準備をする冒険者達……。

一見すると平和で、とても穏やかな世界……。だが、首から下げたトイカメラのレンズ越しに見る、「世界の破壊者」の瞳には、その()()は如実に映っていた……。

 

「……まさかと思ってみてみれば、こんなことになっていたとはな……。アイツには酷な選択を迫られることになるが……」

 

 


 

【鍵付き】とある世界について【相談】

 

1:幻想郷が俺の世界DCD

電王、カブト、それとギンガ。来てほしい

 

2:イマジンコネクトDen-Liner

ディケイドさん? どうしました?

 

3:カブト@ユニオン&重桜指揮官

鍵付きということは余程の事態と見ていいだろうか?

 

4:幻想郷が俺の世界DCD

ああ、そういうことだ。お前らの力を借りたい。

 

5:テイワットに降り立ったギンガ

あのー、つい最近来たばっかりの俺でもいいのでしょうか?

 

6:幻想郷が俺の世界@DCD

ああ、問題無い。寧ろ「ギンガ」の存在が必要になってくる。

 

7:イマジンコネクトDen-Liner

どういうことでしょうか……?

 

8:カブト@ユニオン&重桜指揮官

スレタイから見るに、何処かの世界に異常が起きているという事か?

 

9:幻想郷が俺の世界DCD

ああ、少し「ディケイド」として世界そのものを感じ取る力に違和感があってな。

 

 


 

 

「『(カテナ)』!!!」

 

迷宮都市オラクルにて、迷宮に潜っている青年が一人。

深紅の血のような装甲と、鎖に戒められた鎧――『キバの鎧』を纏う青年。

掲示板の通称キバニキこと、『ワタル・フォルテ』という名の転生者である。

ヘスティア・ファミリアに所属し、ベル・クラネルの代役として……。

 

「よっしゃ! ナイスだぜワタル!」

「ん、ありがとうキバット。今ので最後?」

「みてーだな。よし、ちょっくら魔石回収してくるから待ってろ~」

 

そういって『キバットバット三世』ことキバットがベルトから離れると同時にキバの鎧も剥がれ、ワタルは元の人間態へと戻った。

自分の身体に傷やダメージが無い事を確認していると、後ろから青髪の少女がワタルに声を掛ける。

 

「主様、此方も終わったわ」

「ん、ありがとうフェリ。怪我はない?」

「問題ないわよ。流石にこの程度なら」

 

パーティの一人の狼人、『フェリ・ブルーノート』が得意げに鼻を鳴らし、胸を張る。

その大ボリュームで露出が高めの双丘がゆさっと揺れ、ワタルは思わず顔を逸らす。

 

「ちょっとご主人様? 私の事も心配してほしいのだけど?」

「ッ!? ちょ、ちょっとシーラ!?」

 

するとそこに同じくパーティの一人の海人、『シーラ・アルペジオ』が抱き着いてきて、フェルに匹敵する柔らかな胸がムニュンと腕に押し付けられた。

 

「ッあー! ちょっとシーラ! 離れなさい!」

「いやよ。昨日フェリちゃんはモフモフしてもらったでしょ?」

「あ、あの、どっちでもいいけど離れてほしいかな……?」

「…………」

 

ギャーギャーとワタルを挟んで言い合う二体の眷属に挟まれて困ったような声を出すワタル。

それを見て無言ながら頬を膨らませるのが土人族の小柄な少女『ランシエ』である。

彼女らはアームズモンスター。即ち原典における「ガルル」「バッシャー」「ドッガ」に相当する。

といっても、彼女らは元からこの世界で生きている命であり、アームズモンスターとしての変身能力はキバが持つフエッスルによって与えられたものである。

 

「あまりくっつくと主様に迷惑でしょって言ってるの!」

「とかいいつつ、羨ましいだけなんでしょ? フェリちゃんすぐ顔に出るんだから」

「んなっ! ッ!」

「フェリさん!?」

 

シーラの挑発に乗ってしまったのか、フェリが反対の腕に抱き着いてくる。

それを見て更に動揺したワタルを助けるべく、ランシェがガシッと二人を掴んで引き剥がした。

そしてそのままズルズルと引き摺って行く。

 

「二人共、駄目」

「ちょ、ちょっと~!?」

「く、くび、首しまっちゃう!」

「あいつら最近何時もこうだなあ」

「はは……。まあ、好いてくれているのは素直に嬉しいけどね……」

 

魔石を回収し、足で掴んで戻って来たキバットに、「ビルドニキがこれ見たら発狂しそうだなあ……」と苦笑を返すワタル。

 

実際ビルドこと「保科戦兎」は未だに出会いが無い様子である。いや美少女との出会いはあるにはあるのだが大抵殺し合いか、深く交流する前に事件になってしまうのである。悲しい事に。

更に言うなら鈍感でもなく、助けた相手から好意を抱かれる事すら皆無、つまりそもそもフラグすら立っていないという有様である。彼が何をしたというのか。

 

「………にしても、ワタル。お前変わったな」

「え?」

「ガキの頃はそんなに笑わなかったろ? 話す相手も俺様くらいしかいなかったしな」

「………まあ仕方ないよ。立場が立場だったし」

 

―――この世界には吸血種・ファンガイアが存在する。

そして、その皇たる一族の血を引く者は四人。

ワタルはその中で第二子、長男に当たる。半分血が繋がった姉、同じ両親を持つ妹が居ると聞いているが、二人と出会った事は一度もない。もう一人は存在することしか知らず、兄なのか姉なのか、弟なのか妹なのかも分からないという有様である。

 

この世界でファンガイアは現在空席の「皇」の座を狙った争いが起きており、とてもではないが種族としての統一が見込めるような状況ではない。

争いに興味が無く、その戦いから身を退き、ひっそりと暮らしている者もいるが、多くの野心溢れる者は多くの同胞を殺し、挙句は無関係な他種族からもライフエナジーを食らい、更なる力を得て「皇」の座に近づこうと過激な活動を繰り返す。

 

そんな中で「皇」の血を引いているワタルやその姉妹は存在自体が他のファンガイアに狙われる上に、ワタルは「皇の継承権」たるキバの鎧を保有している為に狙われるのも至極当然であると言える。

彼らの母親―――先代の「皇」はそれを危惧して彼らの存在を隠したのだ。

 

「母さんは、爺さんの無謀な侵略戦争を止めて、ファンガイアの滅びを回避した英雄だけど、元々好戦的で種族絶対主義な者からは酷く恨まれたからね……。それでも強かったから誰も逆らえなかったけど……」

「ああ、レジェンドルガとの戦いで力の半分を失ったからなぁ……。隠遁しなきゃならなくなったんだろうな」

「そうだね……。まあ、仕方のない状況だったと受け止めてるよ。……おっと、そろそろ帰らないと。神様が心配するよ」

 

話を切り上げて迷宮から撤退するワタル。

そんな彼を後ろから見るキバットは―――。

 

「(確かに、他の奴や俺様から見てもワタルの境遇は仕方のない事だったと思えるさ。けどよワタル……。あの時のお前の顔は……それだけじゃなかった筈だ。あんな、「寂しそうな顔」は………)」

 

 

###

 

 

フェリとシーラを引き摺って行ったランシエと合流し、迷宮から出る一行。

すると……。

 

「あ、ワタル」

「あれ、アイズ?」

 

遠征に向かう所だった「ロキ・ファミリア」と偶然遭遇し、普段からトレーニングを共にしている『アイズ・ヴァレンシュタイン』が此方に気付いた。

 

「お疲れ、ダンジョン帰り?」

「うん。そっちはいよいよ遠征?」

「そうだね。だからしばらく会えなくなる。もっと一緒に特訓したかったけど……」

「まあまあ、仕方ないことだからさ。それにこれで終わりってわけじゃないでしょ? だから……無事に帰って来てよ。そしたらまた続きしよう?」

「……うん、わかった。約束するね」

 

後ろのアームズモンスターの視線(というかフェリとシーラ。ランシエは二人をひたすら抑えている)が刺さりながらもアイズと指切りをするワタル。

と、同時にもう一人、

 

「ワタルさん」

「ん? どうしたのレフィーヤ」

 

ロキ・ファミリアで親しい仲(と言いつつ最初は結構突っかかって来られたが)である『レフィーヤ・ウィリディス』から声を掛けられ、そちらに向き直る。

なおアイズは指切りした指を見てポーっと微笑んでいたりする。

 

「遠征。頑張ってね」

「はい! ………それで、えっと……」

「……?」

「わ、私とも約束、してくれますか?」

「ああ、そういうことね。いいよ。はい。無事に帰ってきて、また会うことの約束」

「!」

「あはは、良かったねレフィーヤ!」

 

パアッと顔を輝かせるレフィーヤに背後から感じる二人の視線が更に強くなった気がするが、ワタル自身、無事に帰ってきてほしいというのは本心からの願いである為、しっかりとレフィーヤと指切りの約束をした。

それに嬉しそうな顔をするレフィーヤを『ティオナ・ヒリュテ』が自分の事のように喜ぶ。

 

「ぐううう………私だってご主人と指切りしたいのに……!」

「約束、しないのに、ゆびきり?」

「むうう……って、ゲッ!!」

「あァ? なんだテメェか」

 

そして睨んでいたフェリはロキ・ファミリアの同族、『ベート・ローガ』と目が合うと露骨に態度が顔に出る。

 

「まーた飼い犬のつもりかァ?」

「うっさいわね一匹狼気取り。主様の事を侮蔑しないでくれる?」

「奴のことじゃねェ。テメェに言ってんだよ。尻尾振って媚び諂ってワンワン言ってるのが狼人の面汚しだってんだよ。アマゾネスじゃあるめえし」

「ふん! アンタには分からないわよ! ワタルはプライドが高い私がそうしてもいいってくらい優しくて強い人なんだから!」

「フェリ、やめて」

「頭冷やしなさい」

「あぶっ!?」

 

ばしゃっとシーラに水をぶっかけられずぶ濡れになったフェリ。

だがヒートアップしたままの彼女はそのままシーラに飛び掛かった。

 

「何すんのよシーラッ!」

「熱くなってるのを止めただけよ!」

 

喧嘩する程仲がいいとも言う。

そんな二人をスルーしてランシエがとことことベートの前に出て頭を下げる。

 

「う、フェリが、ごめんなさい」

「……ハッ、テメェが謝ることじゃねェだろ。……アイツの度胸や姿勢は雑魚じゃねえからな。あの飼い犬がその足を引っ張ってるようなら……」

「それは、違う」

 

ベートの言葉に顔をあげたランシエは赤い宝玉のような瞳でじっと見つめる。

普段感情が顔に出ない彼女の真っ直ぐな強い視線にベートは僅かにたじろぐ。

 

「フェリは、ワタルの心を支える為に、必要」

「………チッ、足引っ張る事になんなよ」

「ん、その、つもり」

 

「三人共、そろそろ行くよ」

「あ、うん」

「はい! じゃあ、ワタルさん。また」

「うん。地上で待ってるね。無事を祈ってる」

 

そう語り、ロキ・ファミリアと別れを告げたワタルはキバットや三人の眷属と共に地上へ向かう―――。

 

「というかキバット。ずっと黙ってるけどどうしたの?」

「あ、い、いやなんでもねえ……(……ワタルはロキ・ファミリアの連中とはそこそこの人数と交流があった筈だ。特に団長の小人族や背の高いエルフのねーちゃんはアイズちゃんやベートとの模擬戦で立ち会ってる。なのに……)」

 

 

 

「レフィーヤ、さっきの件だが……」

「はい、ワタルさんと約束してきました。……無事に帰るって。……ふふ、約束破る訳にはいきませんからね! これでより一層気合が入りました!」

「………その、ワタルという少年とは何時知り合ったんだ? 随分親しそうだったが」

「………えっ? い、いやいや、リヴェリア様? アイズさんとの模擬戦も立ち会ってもらったじゃないですか?」

「何? いや、そんなことはしてないと思うが」

 

 

 

「(アイズちゃん、レフィーヤちゃん、ティオナちゃん、ベートの野郎以外が……どうして『ワタルの事を知らない』顔をしてやがんだ……?)」

 

 

 

###

 

 

 

「……………ん?」

「どうしたワタル?」

「いや、迷宮の入口に、誰かが……」

 

ダンジョンから出ようとした時、目の前に立っている青年に気付いたワタル。

その人物は首から掛けたトイカメラを弄っている。

 

「……なんか、怪しいわね?」

「だけど、悪人の匂いはしないわね」

 

すると、向こうもこちらに気付いたのか近づいてくる。警戒する眷属達を尻目にその男はワタルに気安く声を掛けた。

 

「よぉ。初めましてだな。キバ」

「もしかして、ディケイド?」

「ああ、そうだ。俺は『黒神司』、またの名を「通りすがりの仮面ライダー」だ。……なるほどな。流石俺らの中でも勝ち組と言われるだけある。美人揃いじゃねえか」

「からかわないでくださいよ……それで、何か用ですか?」

「ああ、世界の崩壊……それが始まっている」

「! どういうことですか?」

 

ディケイドーー黒神司が原典たる門矢士のように回りくどく、意味深な言い回しをする癖があるのは掲示板でのこれまでの付き合いから知っていたが、そんな彼の一言は無視できず、問い詰める。

 

「お前、ロキ・ファミリアと会ったろ」

「ええ……」

「そのとき、「ミノタウロスと戦った」か?」

「? いえ、ミノタウロスとは遭遇すら………グッ!!?」

「ちょ、主様!?」

 

司の質問に答えた直後、強烈な頭痛が司を襲い、幻覚のような光景がその脳裏に浮かぶ。

『白い青年が傷だらけになりながらミノタウロスと戦い、それを必死に応援するフードの小柄な少女、そしてそれを見守るロキ・ファミリアの面々』……。

 

「貴方、ご主人に何を……!」

「もう一つ質問だ。お前のファミリアは何処だ?」

「そ、それ、は………」

 

―――――思い、出せない。

今朝まで居た筈の自分の居るファミリアが、帰りを待っている神様の名前も、顔も、声も。

いや、それどころか今朝まで自分が居たという事実すら揺らぎ始めている。

……違う、そもそもそれは「自分ではない」。ベル・クラネルが居るべき場所で……。

 

「ワタル、しっかり」

「ッ! はあ……はあ……あ、ありがとう、ランシエ」

「やはり、歪みが始まってるな。おいコウモリ」

「お、おう? って俺はコウモリじゃねえ! キバット様だ!」

「じゃあキバット。何か違和感は無いか?」

「ん? ……ああ、あるぜ。恐らく……一部の人間以外はワタルの事を忘れてしまっている」

「「「えっ!?」」」

「アイズちゃん、レフィーヤちゃん、ティオナちゃん、ベートの野郎……こいつら以外のロキ・ファミリアのメンバーは恐らくな」

「此処じゃ目立つ。落ち着ける場所でゆっくり話そうか」

 

そう言った司が指を鳴らすと上空から特徴的な汽笛が響く。

直後、上空に虹色のゲートが開き、そこから空中に引かれたレールに乗って走ってくる赤と黒と白の列車―――。

 

「な、なにアレ!?」

「で、『デンライナー』……!?」

「乗れ。詳しい話は此処でしてやる。それとこれを持ってろ」

 

キバットを含めた5枚の乗車券を投げ渡した司は彼らを促し、目の前に停車したデンライナーに乗り込む。

困惑していたフェリ達だが頭を抑えるワタルを支えながら後を追い、乗り込むのであった。

 

 

###

 

 

「な、なんなのこの乗り物は……」

「う、凄い……」

「デンライナー、初めて乗ったなあ……」

 

食堂車に案内されたワタル達。そこには4人の人間と4体の異形が居た。

 

「って、モンスター!?」

「あァん!? 誰がモンスターだ魚女!」

「さ、さ、魚女ですってぇ!!!?」

「やめなさいモモタロス!」

「あいでっ!」

 

スパァン! とハリセンがモモタロスに炸裂する。

その下手人は中性的で男の娘と言っても通じるような青年。

他にはコートを着た白人の青年と、某風来坊なウルトラマンのような服装をした青年が客席に座っている。

 

「えっと……掲示板の……?」

「はい、初めましてですね。電王の『リョウ』と言います。一応リアルネームもありますけど、そっちは別に大したものじゃないので……」

「俺は『ロバート・ソルジェスト』。ユニオンと重桜の指揮官をしているマスクドライダー・カブトだ」

「先日から掲示板に入った『アレクセイ』です。テイワットでギンガをやっています。よろしくお願いします先輩」

「ど、どうも初めまして……」

 

此処まで掲示板のメンバーが揃うのは珍しいと感慨のようなものに耽っていたワタルはもう一人の人物を見て動きが止まる。

 

「あれ、メグミ!?」

「ワタルさん! 良かった……!」

 

白い髪が特長の、ワタルと同じファミリアに所属している筈の少女、『メグミ・レジェロ』であった。

仮面ライダーイクサに変身し、ワタルにとっては後輩とも言える存在である。そんな彼女はワタルの胸に顔を埋めるように抱き着いた。

 

「よかった……覚えててくれた……」

「っと……どうしたの?」

「あの……。神様やギルドの人達、『豊穣の女主人』の人達も、私やワタルさん達の事を忘れてて……」

「なっ!?」

「おいイクサ、それだけか? しっかり、正確に言え」

「…………違う……忘れてるのは……私も……思い、出せないの。皆の、顔が……!」

 

司の確認するような追求にメグミは絞り出すように声を吐き出す。

そのあまりの事実にワタルは息が詰まった。

 

「…………司さん、どういうことですか」

「ああ、だがその前に一つ確認だ。キバ。お前が今いるのは「誰の席」だ?」

「ッ、それは………、だって、僕が……あれ……?」

 

分からない。

今自分が居る立場は……? そもそも自分は何のためにヘスティア・ファミリアに入った?

いや、違う。

そもそもこの世界はベル・クラネルの物語で………?

 

「落ち着け。一旦深呼吸しろ」

「ッ、はあー……はあー……あ、ありがとうございます、えっと、ソルジェントさん?」

「ロバートでいい。ほら、お茶だ。飲んで落ち着け」

 

カブトニキことロバートからお茶を受け取ったワタルは一息で飲み干す。

なんとか息を着いたワタルを見た司は改めて確認する。

 

「途中でお前のコテハンが「兎君代理」から突然「紅夜王」に変わったのに違和感を覚えてな。少し調べさせてもらった」

「え…? そういえば、なんで僕は……?」

「記憶から消されてたんだろ。この世界の本当の主人公(ベル・クラネル)の事を。

「ッ!!!?」

 

そうだ、思い出した―――。

 

 


 

 

351:奈落のOOO@エリセン滞在

えっと、ジオウニキ、本来の主人公が居ないと何が不味いんですかね?

 

352:魔王オーマジオウ・トリニティ

不味いと言っても全部が全部危険なわけじゃないんだよ。その危険性は「世界の形」と密接に関わっている。

 

353:アルザーノ魔術講師ウィザード

世界の形、というと?

 

354:魔王オーマジオウ・トリニティ

ディケイドで「〇〇の世界」って言うけどさ。アレってどうして「『仮面ライダー〇〇』の世界」って言うんだと思う?

例えば「グロンギとゲゲルの世界」とか「ミラーワールドの世界」とかじゃなくってなんでわざわざ「クウガの世界」「龍騎の世界」って言うのかな?

 

355:使い魔クウガ

そう言えば、意識してなかったけどなんでだろう……?

 

356:第三世代アークス・キカイ

単純に作品名ってだけでは?

 

357:魔王オーマジオウ・トリニティ

それは「第四の壁」から見てる俺達だから分かる話だよ。

安心院さんでもない限り自分達が住んでる世界が漫画やラノベ、ゲームだなんて知らない訳だから、タイトルだって知りようがない。

それはディケイドのリイマジ世界でもそうだよね。彼らは他所の世界なんか認識してないんだし。

 

358:ラタトスクの炎の剣士@狂三攻略開始

……主人公だから、ですか?

 

359:魔王オーマジオウ・トリニティ

セイバー君正解。

つまりね、その世界は「そのライダーを中心」に回るから成立するんだよ。

龍騎とか鎧武なんか沢山ライダーが出てくるのに物語は主役を中心に回るだろう?

「物語」は即ち「世界」だ。そして「物語」には「主人公」が居る。だから「世界」は「主人公」を中心に回っている。

 

360:奈落のOOO@エリセン滞在

え、じゃあやっぱり俺とかの世界って……

 

361:魔王オーマジオウ・トリニティ

オーズ君達は大丈夫なんだよ。その世界は「ありふれの世界=南雲ハジメの物語」じゃなくて、「ありふれオーズの世界」となっている。

つまり世界そのものの構造、物語が違うから「南雲ハジメ=主人公」というわけじゃない。

 

362:ラタトスクの炎の剣士@狂三攻略開始

じゃあ、俺の場合は憑依はしてしまったけど「五河士道」は存在しているから問題無いってことですかね

 

363:魔王オーマジオウ・トリニティ

そうそう。それはキカイニキも同じだね。安藤って要はプレイヤー次第だからキカイであっても問題無いわけだよ。

 

364:使い魔クウガ

えっと、こっちは大丈夫なのかな?

 

365:魔王オーマジオウ・トリニティ

うん。そっちはオーズ君と同じで「クウガの使い魔の世界」とでも言える世界だからかな?

じゃあ何が問題なのかって言うと、「元々主人公が存在していたのにそれが消された場合」だね。

タイムジャッカーによってライダーの歴史そのものが奪われたりするのとはわけが違う。「世界の形」自体は残っているのにそれを動かすための存在だけが無い。タイムジャッカーによる歴史改変が車そのものが盗まれるのに対して、主人公不在って言うのは動くためのタイヤだけが無いようなものなんだ。

それで放置すればいいんだけど、世界って言うのは常に動き続けなければならない。さっきの車で例えるとエンジンだけは動き続けてる状態。それが続いたら……。

 

366:第三世代アークス・キカイ

壊れていく、ということか……。

 

 


 

 

「おそらく、ベル・クラネルは過去のいずれかのタイミングで殺されている」

「………そんな!?」

「はい、歴史改変が行われたってわけじゃなく、最初から「ベル・クラネル」を狙った殺人事件、或いは事故でしょうか……。これまではキバさんが代理を務めていたから辛うじて保てていました、それも限界が来たということかと……」

「………記憶が消えたりしたのは、それが原因ですか?」

「ああ、まずお前から「元々の主人公」の記憶が失われ、次にその立場を務めていたお前が、本来の歴史とのズレで存在が人々の記憶から消えていってるんだろう」

 

あまりにも衝撃的な事実にワタルは言葉を失う。

ベル・クラネルの不在という事態を補うための自分の行動が更なる事態の悪化を起こしていたというショックは計り知れない。

 

「落ち着け。お前のせいじゃない。そもそも歴史改変じゃないなら、この世界は恐らく、今よりもっと早い段階で……いわゆる「剪定事象*1」によって消されていただろう。少なくともお前のお陰で世界は延命し、俺らが異常に気付けたんだ」

「………そう、でしょうか」

「ああ、だがこのままでは結末は変わらん。そもそも「ベル・クラネルが原作前に死亡する世界線」ならこういう崩壊は起きない。ということは彼の死は物語的に想定されていないイレギュラーということだ。なら彼の運命を変える事で世界は安定を取り戻す。ということだ」

「…………! なるほど……それで電王とカブトなんですね。………あれ? ギンガは?」

 

ジオウは不在(忙しいらしい)とのことで、時間に関するスペシャリスト二人の選抜に納得するワタルだが唯一アレクセイの存在には首をかしげる。

だが当のアレクセイ本人もワタルと同様に首をかしげている。

 

「いや俺も何故呼ばれたのかは分からないんですよ。ディケイドニキには「お前の力が必要だ」って引っ張りだされたんですが……」

「まあ大体のことは行けば分かる。カブト。電王」

「ああ、ハイパーゼクターが次元を超えて確認してきた。座標と時間軸は特定済みだ」

「はい。ベル君が生きている時代に飛びます!」

 

リョウのアナウンスと共にデンライナーは動き出し、時の狭間から出発するデンライナー。

それに揺られながらロバートは司に近づき、追求するかのように尋ねた。

 

「………いいのか。言わなくて」

「何をだ?」

「しらばっくれるな。分かっているんだろう? この歴史を変えれば、彼がどうなるか……」

「………ああ」

「ならば……」

「皆まで言うなカブト。……そうならない為に、俺達がいるんだからな」

 

 

###

 

 

カブトが特定した時間軸に到着したデンライナーからワタルとキバット、司、アレクセイが降りる。

 

「此処はかつて、ベル・クラネルが暮らしていた村だ」

「………向こうで葬式のようなものが行われていますね……」

「今日はベル・クラネルの爺さんが亡くなった翌日だ。此処がアイツにとっての運命の分かれ道になる」

「………! あの、あそこにいるの……」

 

アレクセイが指差した先に居たのは、白い髪に赤い目の人畜無害そうな少年……間違いなくベル・クラネルである。

彼は呆然自失とした表情のまま、とめどなく涙を流し続けていた。

 

「ッ………」

「おい、ワタル?」

 

それを見たワタルは強烈な悲壮感を覚え、胸の前で手を固く握る。

何かを決意するかのような表情を見せた彼はすぐに司に訊ねた。

 

「司さん、この後は……」

「ああ、カブトによればこの後、悲しみのまま森に向かい、そこで……といったところだ」

「分かりました。ではすぐに行きましょう」

「どうしたワタル。やる気でてんな?」

「……うん、少し、いやなことを思い出してね……」

 

 

 

 

その後、その村を後にし、森へ先回りする一行。

身を潜めていると、カブトの情報通りにベル・クラネルがやってくる。

 

「………一人でなんて、危なっかしいな……。唯一の肉親を失って悲しいのかもしれないが……」

「どうしても拭えない程に悲しいときって言うのは、じっとしていると余計に苦しかったりするもんさ。……そら、来たぞ」

 

 

【KIVA】

 

 

 

「みぃつけたぜぇ? ベル・クラネルゥ」

「え……ひっ!!?」

 

「な、アナザーキバ!?」

「な、なるほど……俺を呼んだ理由は分かった。けどどうしてアナザーキバが?」

「歴史を奪うのはタイムジャッカーの役目だ。アナザーライダーそのものにそういう力があるわけじゃない。あのアナザーライダーは……野良転生者だな」

 

転生神殺し大戦で悪徳転生神は滅びたが、あらゆる世界に散らばった転生因子はまだ残っている。

その中で選ばれてしまった邪悪な心を持つ転生者がアナザーライダーの力を得てこの世界にやってきたのだろう。

なんという皮肉だろうか。「キバ」がこの世界の主人公の命を奪っていたとは。

 

「お前を殺して、お前のハーレムを全て奪ってやるぜェ!」

「あ、あ……(何を、言ってるんだこの化物は……!!? に、逃げないと、逃げ……)」

 

腰が抜けつつも必死に逃げようとするベル。

だがふと、その足が止まってしまった。

 

「(……逃げたところで、どうなる? 家には誰もいない。家族ももういない……何処にも……)」

 

この時のベルは酷く心が弱っていた。

故に普段ならば、そして本来ベル・クラネルであれば考えないことであっても思いついてしまうのも無理べからぬことである。

 

「(……なら、いっそ、此処で終わっても……)」

 

 

 

「キバット!!!」

「おう、行くぜワタル!! ガブッ!!」

 

 

だが、それを良しとしない者がいる。

 

 

「変身!!」

 

 

全身を銀に包み、その装甲が弾けるようにして現れた「英雄」がその間に割り込んだ。

 

「えっ……?」

「生きるんだ! 君には、託された命がある!!!」

「お、お前はァ!?」

「その命は、僕が絶対に守るから!!!」

 

―――仮面ライダーキバの、決して引き返せぬ戦いが始まった。

*1
Fateシリーズにおける用語。将来的に発展や進歩が見られないと判断された、現状からこれ以上変動することのない世界が「これ以上存在しても意味がない」と切り捨てられ、抹消される事象




ワタル・フォルテ
キバニキ。世界崩壊の影響でベルの存在が記憶から消えていた。
その為、原作知識も曖昧になっており、リリやヴェルフ、ミノタウロスと言った原作の内容が悉く欠落していた。この辺りが「主人公の代理」の難しい所である。
人畜無害そうな顔というのはベルや紅渡と共通。得意楽器はピアノ。
ベルが仲良くなれた筈の人々と交友できなかったが、アイズやレフィーヤ、ベートとの交流は紛れもない彼自身の行動故のモノで、彼女達の記憶から消えなかったのは「ベルの代理」ではなく、彼自身の縁が紡いだ奇蹟。
彼の転生によってダンまち世界にキバの概念が混ざっており、ファンガイアを相手に戦うことは早くから覚悟を決めていた。
前世をきっかけとするとある問題を抱えている。
ダークキバの持つシールフエッスルから見て他種族をアームズモンスターにする力が追加されている(ガルル達は過去編では一切武器としての力は見せていない為)。


フェリ・ブルーノート
狼人族でキバの眷属。勝気で自信家な性格。
ファンガイアに追い詰められ、乱暴をされかけていた所を、オラリオに向かう為に修行をしていたワタルと遭遇し、彼によって救われた事で眷属になる。
ガルル同様のスピードファイター。動きやすさを重視してアマゾネス並みに露出が高い。
一人だったワタルを幼少期から支えており、またガルルフォームの扱いやすさから彼の一番眷属を自負している。その姿を「飼い犬」と揶揄するベートとの相性は戦場以外では最悪。
また、シーラとはワタルのナンバーワン眷属を取り合う間柄。


シーラ・アルペジオ
魚人や人魚の系譜である海人族。水を操る魔法を持ち、身体能力では劣るが魔法によるサポートはアームズモンスター随一。
普段は大人しく、一途だが怒ると怖いタイプ。ビキニのような服装をしているのでやはり露出度が高い。
希少種であるため、ファンガイアに追われていた所をワタルと出会い、匿ってもらった。その後彼もファンガイアの血を引いている事を知って一度は逃げてしまうが、それでも守ってくれた事をきっかけに彼に謝罪し、尽くす事を決めた。
フェリとは喧嘩ばかりしているが彼女の魔法はフェリのサポートとして非常に相性が良く、戦う際は息ぴったり。


ランシエ
土人族だが小柄で外見上は細身、筋肉も一切ない。だが特異体質であり、パワーは並みの土人族をも上回る。
そのあまりの怪力により異端児扱いされ、洞窟で一人寂しく生きていた所をワタルと出会い、彼の友達となり、その後離れたくないという思いから眷属になった。
三眷属の中では唯一ファンガイアとの因縁を持たない。
大人しく、自己主張はあまりしない末っ子だが一番の常識人でもあり、姉二人の喧嘩を止めようとすることもある。
露出は少ないワンピースのような服を着ているが着やせするタイプで地味に大きい。
戦闘ではそのパワーを存分に活かして戦う。


メグミ・レジェロ
イクサに変身する女性。ワタルに誘われてファミリアに加入した。
名前の由来は麻生恵。
今回殆ど出番はなかった為、詳しい詳細は次回。


黒神司
世界の破壊者ことディケイド。
黒神という性は彼が放浪せざるを得なかった頃、とある世界で家族のように接してくれた大切な人が与えてくれた苗字。
とあるジャンプ漫画の世界と言えば恐らく分かる人はいる。
キバニキの抱えているモノを知っており、それ故にこの戦いの結末を憂いている。


次回に続く―――


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偽物を裁くジャッジメント・中編

前後編のつもりが中編を挟むことになりました。
意外と量が多かったので……。


ーーー僕は、一人だった。

 

僕は僕の本当の両親の顔を知らない。

橋の下に捨てられていたと、施設の人がぶっきらぼうに話しているのを幼い僕が盗み聞いたくらいだ。

そんな出生だったからか、僕は、言ってしまえば要領が悪くて臆病者だった。

いつも部屋の隅っこで、誰かに迷惑を掛けないようにじっとしていた。施設の人はそんな僕を鬱陶しく、苦々しい目で見ていたのを覚えている。

 

何時まで経っても貰われない僕を、まるで、居るだけで迷惑と言われているようで僕は殊更にじっとするしかなかった。

何時だったか現れた裕福そうな夫婦が僕を引き取った時の職員の、まさに「厄介払いが出来た」とでも言いたげな表情が今でも頭から離れなかった。

 

引き取られた先でも僕は一人だった。

あの夫婦は多分、「可哀想な子供を引き取った」という涙ぐましい美談だけを求めていたんだろう。とにかく働きっぱなしで、家に帰ってくることは皆無に近かった。

暴力とかはされなかったし、寧ろ僕が一人でも生きていけるほどのお金や物は用意してくれた。学校に行くための学費も支払ってくれて、僕が何一つ不自由無く暮らせるようにしてくれたことには感謝している。

だけど、それでもーーー

 

使いきれない程のお金を貰うより、一度でも家族で一緒に出掛けたかった。

一人で食べる豪華な料理より、家族で食べる平凡な料理の方が欲しかった。

一流の小学校の寮に入るより、入学式を一緒に祝って欲しかった。

 

僕は、人との交流があまりにも少なかった。

そんな僕がいきなり投げ入れられた「学校」というコミュニティに馴染める筈もなく、また、一流の学校なだけあって生徒達はやたらとプライドが高く、施設出身の僕と親しくしてくれる人は居なかった。

イジメが無くても、僕は孤独だった。

 

僕にとって学生時代は灰色としか言えないような、そんな世界だった。

だけど、「絶望は希望を知らなければ生まれない」とも言うように、「愛情」に飢えていてもそれを経験したことがない僕にはその灰色の世界は当たり前のような光景になっていた。

 

そんな中で唯一、僕にとって色があったのが音楽、ピアノだった。

目に映る景色が灰色だった分、聞こえる音はより一層色鮮やかに見えた。

有り余るお金で楽譜や弾き方の本を買い漁り、家にあったグランドピアノを弾く日々。

聞かせる人も居なかったから上手いのか下手なのかはわからなかったけど、それでもピアノを弾いている時だけは自分を隠さずに居られた。

 

そして、そんな僕が大好きだったお話が二つあった。

 

一つは子供の頃見ていた「仮面ライダーキバ」。

自分と同じ少年が音楽を通じて人々との、そして父親との関わりを紡いでいく物語。

紅親子の在り方は羨ましいと思ったし、描かれる絆や、愛のための戦いは美しいとすら感じた。

 

もうひとつがたまたま見かけた「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているのだろうか」という小説。

その作品の主人公、「ベル・クラネル」が弱者でありながらも命を掛けて人々と交流し、その運命を変え、多くの繋がりを得る英雄譚ーー。

その姿はずっと自分の殻に閉じ籠ってばかりだった僕の殻を壊すには十分すぎるほどに眩しすぎた。

僕は彼の変わる姿に救われたようなものだ。

 

出会いは、待っているだけじゃ変わらない。

なら、これから変わればいい、いや、変わるしかない、と。

 

僕は音楽大学へ進み、本気でピアノに打ち込み、時には熱が出るほどに練習して、ついにコンクールへの出場権を獲得した。

此処で僕は変わるんだと。

紅渡のように、ベル・クラネルのように。

このチャンスを乗り切ったら、今度こそ何かが変わるかもしれない。

 

そう意気込んで、コンクール会場へ向かっていた。

 

そんな僕に、信号無視したトラックが突っ込んできてーーー。

 

 

♯♯♯

 

 

「はああああっ!!」

「邪魔すんなァ!!!」

 

身軽な動きで飛びかかったキバはアナザーキバの肩を掴んでそのまま諸ともに転がり、ベルと距離を離す。

すぐさま起き上がったアナザーキバが腕を振るって放つ血の斬擊を転がりながらもかわし、姿勢を整えたキバはゆっくりと移動しながら隙を伺う。

 

「おいおい、コイツはなんだよ? キバの偽物かあ?」

「そうみたいだね……アナザーキバとか呼ばれていたかな」

「そぉか……そーいうことかぁ……お前が居るから俺はアナザーキバになってんだな!?」

「は? 何いってんだお前……」

「だったら! お前を殺して俺が本物のキバになってやるよォ!!」

「ッ!」

 

アナザーキバの動きが速くなる。

一気にキバの目の前に肉薄したアナザーキバはエンペラーフォームさながらの連続キックをその腹を狙って叩き込む。

 

「ッ、重い……!!」

 

キバも両腕でその蹴りをガードするが、その重い一撃は腕を痺れさせる。

そもそもアナザーライダーは原典のライダーとは表裏一体であると同時に互いが互いへの鬼札。

キバの実力に応じてアナザーキバの実力も上がる。

 

「はあっ!!」

「遅ぇんだよ!!!」

 

蹴りを跳ね返し、拳を放つキバの動きを容易くかわしたアナザーキバが背後から蹴りを入れる。

体幹が揺すられるような衝撃を受けつつも辛うじて受け身を取り、体勢を整えたキバは腰から青いフエッスルを取り出す。

 

「速いなら、こっちはこれで……!」

「ガルルセイバー!!」

 

狼の遠吠えのような声がフエッスルから響き、上空を走るデンライナーの社内に響く。

 

「あら、フェリ出番みたいよ」

「! 今いくわ主様!! スゥ………『アォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!』

「んぎゃあああああああ!!?」

 

フエッスルの音に共鳴するかのようにフェリ・ブルーノートの髪や尻尾の毛が逆立ち、牙を向いて狼の本能を覚醒して吠える。

実は犬嫌いのモモタロスがびびっているのを尻目に彫像に姿を変えたフェリはデンライナーのドギーランチャーから発射され、キバの元へ飛来。

 

彫像が変形した剣、ガルルセイバーを掴んだ左手と左腕、胸部が(カテナ)に包まれ、それが弾けると青き狼の毛皮のような装甲となる。

最後にキバとキバットの目が青く変色。ガルルフォームに姿を変えた。

 

『って、主様!? 何あのキバ擬き!?』

「アナザーキバだよ。とにかく敵!」

『要は偽物ってわけね! 主様を真似るなんて万死に値するわ!!』

「うひぃ、女ってこえーな……」

 

ガルルセイバーを構えたキバが野獣のように低く腰を下ろし、素早い動きで一気に斬りかかる。

アナザーキバの動きに食らいつき、そのまま逆手持ちしたガルルセイバーで狩るように切り裂いた。

 

「ぐっ!?」

「グルァッ!!」

 

先ほどまでと大きく異なる戦闘スタイルにアナザーキバも即座には反応出来ず、腕を切り裂かれた。

その隙を逃さず、連続で飛び掛かり、ガルルセイバーを振るう。

 

「調子に乗るなァ!」

「う、ぐぁっ!!?」

 

が、それを受けるだけではなく、アナザーキバは全身から漆黒のコウモリを放ち、キバを吹き飛ばす。

そのコウモリの群れがキバを貪ろうと迫ってくるのを見て即座に緑のフエッスルを抜く。

 

「バッシャーマグナム!」

 

ガルルセイバーを手放したキバの右手が新たに飛んできた彫像を掴み、両腕と胴体を鎖が再び包み込む。

左腕は元のキバフォーム、右腕と胴体は緑色の魚人ような鱗に包まれ、複眼は緑色に染まったバッシャーフォームへ。

吹き飛ばされた勢いのままシーラが変身したバッシャーマグナムをコウモリの群れに向けて狙撃。

高い威力を誇る水圧弾がコウモリを蹴散らし、アナザーキバへ着弾する。

 

「ぬ、が!?」

「そこよ!!」

 

更にガルルセイバーから元の姿に戻ったフェリが鋭い爪を振るい、アナザーキバを襲う。

辛うじて躱したアナザーキバは彼女の姿を見ると―――

 

「へええ? なぁるほどなあ」

『他所見している暇があるのかしら?』

 

バッシャーマグナムから放たれる連続銃撃。

それをマントを使うことで弾くアナザーキバ。戦況は殆ど互角で進展しない。

 

「バッシャーフォームじゃ威力が足りないか……」

『溜めている時間も無いからね……』

「なら次はコイツだ! ドッガハンマー!

 

更なるフォームチェンジを試みたキバ。

そのフエッスルの音色に応じ、ランシエが変化した彫像が飛来する。

 

「そいつを、寄こせ!!」

 

が、その時アナザーキバの腰、キバットを模したベルトの部分からフエッスルのメロディに似た不協和音が響く。

 

『ッ!! あ、あ、やだ、やだ、ああああっ!?』

「なっ、ランシエ!?」

 

その波長はイクサが使用するフェイクフエッスルのようにキバットのフエッスルの波長を乱し、ランシエはアナザーキバの下へ引き寄せられる。

そしてその彫像をアナザーキバが取り込んでしまった。

 

『わ、ワタル、助け……―――』

「ヒャハハハ! コイツは上物だな!」

「ランシエ!! アンタよくも!!」

「この、返しなさい!」

 

大事な妹分を奪われたことで逆上したフェリが飛び掛かり、シーラが水魔法を用いた激流の槍を複数飛ばす。

アナザーキバはその攻撃を容易く回避すると手にドッガハンマーを召喚、飛び掛かって来たフェリをその強烈な一撃で殴り飛ばす。

 

「ガッ!!」

「フェリ! ッ!」

「遅い遅い! 次はお前だ!」

「ッ、早……っ、ぐう!!?」

 

すぐにキバも加勢するが、飛び蹴りをスルーしたアナザーキバは一瞬でシーラの目の前まで近づくとその首を掴んで持ち上げる。

 

「まさか、ッ、やめろ!!!」

「お前も俺のモノになれ!」

「う、あ、アアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!?」

 

そのまま彫像に強制的に変えられ、シーラもまたアナザーキバに取り込まれる。

すぐにバッシャーマグナムを召喚したアナザーキバは振り返り、キバとフェリを銃撃した。

 

「ッ、ぐああっ!」

「きゃあっ!!」

「はっはっは!! キバの力はすげえな!! 最後のお前も貰おうか!!」

「! フェリ!! 逃げろ!!」

「けど、ワタル……!」

「いいから、急げ!!! (カテナ)!」

 

バッシャーマグナムの銃撃をガードしつつも突っ込んだキバはアナザーキバに掴みかかり、殴って動きを抑える。

その上で蹴りや手刀で猛攻を叩き込み、更にキバの固有魔法「(カテナ)」を生成し、アナザーキバを縛って動きを止める。

 

「返して、貰う……!!!」

「あァ? なーにいってんだ雑魚が!!」

「な、ガッ!?」

 

しかし、アナザーキバが召喚したドッガハンマーが無防備なキバの側面に直撃。

その衝撃でキバは鎖を手放してしまい、横へふっ飛ばされて転がる。予想外の攻撃を受けて肺から空気が漏れ、激しく咳き込みすぐには立ち上がれない。

そしてそんなキバを尻目にアナザーキバはフェリへ急接近、同じように鎖を生成するとフェリを拘束した。

 

「あっ、く……」

「お前も、俺のモノになれ」

「ッ、……地獄に落ちろ、クソ野郎!」

「気が強くていい女だなァ! 屈服させがいがある!」

「ッ、あ、ウウウウウウウウウウァァァァァァァァァァァ!!!!」

 

フェリをも彫像に変えて撮り込まれてしまい、アナザーキバから放たれる魔皇力が更に高まる。

そしてアナザーキバは鎖でキバを縛ると引き寄せる。

 

「ッ、ぐ!」

「どうだ? お前のご自慢の女を奪われた気持ちは?」

「最悪、だよ、コイツ!」

「おうっ!?」

 

右足をアナザーキバに突き立てて蹴り飛ばし、鎖から逃れたキバは構え直す。

此処で焦る訳にはいかない。

フェリ達を取り戻すためにも冷静に、勝ち筋を考える。

 

「(魔封脚(ヘルズゲート)を展開すれば、少なくとも一撃は強い一撃を叩き込んでフェリ達を解放できるかもしれない。だけど……)」

「よくもやったなぁ? 許さねえぞ!! バラバラにしてやる!」

「ッ!(詠唱をする暇がない……!)」

 

ガルルセイバーを持ち、斬りつけてくるアナザーキバの攻撃を捌きながらも防戦一方となるキバ。

そもそもガルルフォームやバッシャーフォームでも互角だったのが、今の相手はドガバキフォームに近い状態である。

簡単に勝てるような状況では既に無くなっていた。

 

「(だったら、隙を見せて……)はあっ!」

「! 嘗めるんじゃねえ!」

 

キバがアナザーキバの右腕を蹴り飛ばしてガルルセイバーを手放させる。

そしてドッガハンマーに持ち替え、動きが遅くなった隙をついて背後に回る。

 

「貰っ……!!!」

 

が、アナザーキバの表面、ステンドグラスにフェリ、シーラ、ランシエの顔が浮かび、思わず攻撃が止まる。

その大きな隙を相手が見逃すはずもなく、ドッガハンマーによる強烈な一撃がキバに直撃した。

 

「が、ご……はっ……!!!」

「はっはっは! ざまぁねえな!」

「ワタル! テメェ、卑怯だぞ!」

「ああん? 俺はただ女共の顔を見せただけ、そいつが勝手に攻撃の手を止めたんだろうが?」

「ッ……」

 

アナザーキバは再びガルルセイバーを持ち、ゆっくりとキバに近づき、その刃を掲げる。

 

「じゃあな。お前のキバの力、俺が貰って俺が本物になってやるよ」

 

そして、その凶刃が振り下ろされ……

 

 

 

 

「でぇぇい!!!!!」

 

 

 

 

振り下ろされることは無く、飛び出してきたアレクセイの飛び蹴りがアナザーキバをふっ飛ばした。

 

「ぐっ!? なんだテメェ!」

「おっと! 大丈夫ですかキバ先輩!」

「あ、アレクセイ君……ベル、は?」

「村まで送り届けました! さーて!」

 

アレクセイが腰に手を翳すと粒子が集まり、『ギンガドライバー』を生成。

そして懐から取り出した『ギンガスコープ』を正面に構え、ポーズを取る。

 

「変身!」

 

ギンギンギラギラギャラクシー!

宇宙の彼方のファンタジー!

仮面ライダー・ギンガ!

 

アレクセイを中心に広がった宇宙空間からの輝きが彼の全身を染めていき、アンダースーツを生成。

そしてギンガドライバーから飛び出した9つの天体が身体の各所にセットされ、最後に隕石のような頭部を宝石のようにカットされるように頭部「ギャラゲイザー」を生成。

「仮面ライダーギンガ」へと変身した。

 

「我は宇宙(ソラ)より来たりて、力を支配する者! 仮面ライダーギンガ! さあ、ギンギラギンに行こうか!」

 

 


 

 

「チッ! どうなってんだ!」

 

一方の現代、迷宮内でベート・ローガは苛立たしげに壁を蹴った。

その近くではアイズ・ヴァレンシュタインが悲しそうな表情で座っており、それを慰めようとオロオロしているレフィーヤも何処か元気がない。

 

「やっぱり、皆覚えてなかったね……ワタルのこと」

 

ティオナが言う通り、ロキ・ファミリアの誰も――間違いなく面識がある筈のフィンやリヴェリア、ティオネまでもが、ワタルを忘れていたのである。

いや、寧ろそれが正常で、未だに彼の事を覚えている自分達の方が異常……そんな気すらしてきた程に。

 

「……けど、ワタルさんが消えたわけではないんですよね? さっきも間違いなく会いましたし……」

「……うん、間違いないよ。指切り、したんだもん……」

 

自分の小指をキュッと握りしめるアイズ。

あの時の感触は確かに残っており、嘘や幻だとは思いたくない。

 

「……あ、ねえロキだったら何か知ってるかも!」

「! そうかも。じゃあ戻ったら聞いてみて……ッ!」

 

希望を見つけて立ち上がったアイズが何かの気配を察して後ろを振り向く。

それに続いてベートとティオナが、突然の事態に困惑していたレフィーヤも奥から現れた異形に気付いた。

が、直後明確になったその姿に一同は息を飲む。

 

「ッ……キバ……? ワタル……?」

「アアッ……!? あの野郎の事を口にすんじゃねえ……!!!」

 

 

【DARK KIVA】

 

 

現れたのは、過去より血のような赤黒さが増し、より一層禍々しくなった存在。

『アナザーダークキバ』。

過去の野良転生者がベルを殺害した後、更に堕ちた姿である。

 

「折角、雑魚兎を殺して、俺が乗っ取ってやろうってのに……あの異物が居たせいで……!!! 全部アイツのせいだ……!!」

「何、言ってるの……?」

「全部、アイツのせいだ……こうなったら、アイツの大切なモン、全部奪ってやる……!!」

 

「そうは、させないッ!!」

 

と、そこに駆けてきたのはワタルの幼馴染、メグミ・レジェロ。

手に持った「イクサカリバー」のガンモードをアナザーダークキバに向け、連続で射撃する。

 

「メグミさん!?」

「ちょ、どうしてここに!?」

「とある人に送ってもらったの! それより……コイツが、ワタル君を……!」

「! ちょっと待って、もしかして」

「うん! ワタル君の記憶が皆から消えたのは、コイツが原因!!」

「「「「!!!!」」」」

 

全員がアナザーダークキバに一斉に目を向ける。

当のアナザーダークキバは「全部俺のだ……俺のものにならないなら消えちまえ……」などとブツブツと呟いている。

 

「……詳しい事は分からねぇが、アイツが卑怯な手でワタルの居場所を奪った雑魚だってのは分かった」

「ワタルの格好を真似した挙句、そんなことするなんて……許せないね」

「…………メグミ、私達も戦う」

「うん。お願い。……それと、ありがとう。ワタル君の事覚えててくれて」

「忘れられませんよ、あんな優しくて綺麗な人は。……だからこそ、私達も許せないんです!」

 

アイズ達の言葉に微笑んだメグミは腰に『イクサベルト』を巻き、『イクサナックル』を右の掌に押し付けて認証させる。

 

『READY』

 

「ワタル君は私の居場所……それを奪うというのなら……変身!」

 

『FIST ON』

 

イクサナックルをイクサベルトに装着。

そこからホログラムのように出現したアーマーがメグミに重なり、装着。

フェイスカバーが展開した『仮面ライダーイクサ バーストモード』となった。

 

「その紛い物の姿、神に返しなさい!」

「全部、全部滅ぼしてやるゥゥゥゥゥ!!!」

 

 


 

 

生まれ変わったこの世界で、憧れていたこの世界で、僕はようやく暖かな居場所を得ることが出来た。

 

最初は結局、この世界でも親の愛情は無かったのだと諦めかけたけど、ヘスティア様はこんな僕を受け入れてくれた。

ファミリアという帰る家が、僕に出来た。

 

だけど、『彼』もまた、誰よりも家族という暖かい居場所を求めていた。

その席を僕は一時的に貰っていたにすぎない。

 

だから、もし、この居場所に本来いるべき『彼』が戻ってくるというのなら……。

 

 

 

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孤独に生き、愛情に飢えていた僕だからこそ、僕のせいで誰かを孤独にさせるわけにはいかないから。

 

 

 

 

 

 

 




キバの固有魔法、『鎖』
速攻魔法で魔力による鎖を生成する。
平ジェネフォーエバーでキバが使っていた鎖が元ネタ。アレ凄いかっこよかった。
縛ったり足場にしたり打撃武器にしたりと使い勝手がとてつもなく良い。
威力や強度を上げるためには正式な詠唱が必要となる。


メグミ・レジェロ
ワタルの幼馴染。ワタルの父親が恋した女性が生んだ娘であり、ワタルとの血縁は無い(要は原作キバと同じ)
幼い頃は引っ込み事案だったが、ワタルはそんな自分と仲良くしてくれた唯一無二の大好きな人。
ワタルの血統を知っており、彼の事を受け入れてくれる『居場所』を多く作ってほしいと願っている。
なのでアームズモンスター達やアイズ達の事は寧ろ受け入れている。
そしてワタルを支える為に彼の父親が使っていたイクサを継承し、自身も戦士となった。
デンライナーに送ってもらってダンジョンに潜り、アイズ達と合流。


アナザーキバ
名も無き転生者。
短絡的な性格でベル・クラネルを殺してそのハーレムを奪おうとしたが、結果的にその座はワタルに取られ、苛立ちのままにアイズを奪う機会を伺おうとダンジョンに潜伏していたら世界崩壊の基軸となってしまった自業自得の成れの果てがアナザーダークキバ。
物語の中心たるベルを手に掛けた張本人ということで世界崩壊の影響を諸に受けており、精神も完全に落ちぶれ、ただワタルへの呪詛を吐くモノに成り下がっている。
過去ではキバとアナザーキバは表裏一体なのでキバの強さに応じてアナザーキバも強くなる。
アームズモンスターを取り込むのはダークキバやディケイドに出たビートルファンガイアのオマージュ。


ワタルの前世
愛情に飢えていたがそれ故に孤独の虚しさや哀しさを人一倍知っており、それを他者が背負うくらいなら……という思考になってしまう。
本人は元の持ち主に返すくらいの気概だが、それでワタル自身の居場所が無くなることを哀しむ人も当然いる、だが前世のそういった交流の皆無だったことが原因でその事実に気づくことができない、それこそが彼の歪みである。
過去に介入して、現在の自分の居場所が失われてしまうのが「分かった上で」この戦いに望んでいる。
そのあまりの残酷な前世故にスレ民達にとっての「幸せになってほしい奴」No.1だったりする。
特にジオウニキやセイバーニキはさりげなく誘導してヒロインを増やそうとする


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新たな旅路に捧ぐレクイエム・後編

キバ編最終回です。ワタルの運命を見届けてください。


「なんだテメェは……? テメェには用はねえ! 邪魔すんな!」

「ふんっ!」

「な、なにぃ!?」

 

突然現れたアレクセイー仮面ライダーギンガに苛立ったように殴りかかるアナザーキバの拳を真正面から受け止めたギンガ。

そのまま怪力でアナザーキバの身体を持ち上げると地面に叩きつける。

 

「ごはっ!? く、舐めやがって!」

 

アナザーライダー特有のタフさですぐに起き上がり、拳や蹴りといった猛攻を叩き込むアナザーキバだが、ギンガが操る重力場によってその攻撃は届かず、逆に自身が弾き飛ばされる事となる。

苛立ったように今度は口からビームを放つも、ギンガは腕を円のように回して「エナジープラネット」によるシールドを形成。それをも防ぎ、尚且つ反射してカウンター。

 

「があ!? この野郎!! これならどうだ!!」

 

今度はガルルセイバーとバッシャーマグナムを手に持ち、銃撃しながら斬り込んでくる。

銃撃を弾き、斬撃を上手く避け続けたギンガは身体の各所にセットされている「スペシメングローブ」のうち、一つを叩く。

 

『ギンガマーズ!』

 

するとギンガの右腕にピュアパワーから生成した真っ赤な炎が宿り、それを纏った拳がアナザーキバの腹部に強烈なパンチをお見舞いした。

 

「ごはぁ!!?」

「まだまだ往くぞ!!」

 

炎を操る「ギンガマーズ」となったギンガは更に脚にも炎を宿して蹴りを叩き込んでアナザーキバを吹っ飛ばす。

そして別のスペシメングローブを叩き、別の惑星のサンプルを選択。

 

『ギンガヴィーナス!』

 

「はああ!」

「ぎゃあああああっ!?」

 

雷を操る「ギンガヴィーナス」による放電がアナザーキバを感電させ、更にギンガは次の惑星を、

 

『ギンガウラヌス!』

 

「吹き飛べ! そして凍てつけ!」

 

『ギンガネプチューン!』

 

風を操る「ギンガウラヌス」が起こした竜巻がアナザーキバを巻き込み、更に氷を操る「ギンガネプチューン」で周囲に氷の槍を形成。

動きを封じたアナザーキバに一斉掃射する!

 

「うぜえええんだよおおお!!」

「む!」

 

だがアナザーキバは背中の翼とマントで氷槍諸共に竜巻を吹き飛ばすとドッガハンマーを装備し、ギンガに殴りかかって来た。

両手の重力場でそれを受け止めたギンガだが、アナザーキバに目立ったダメージは見受けられない事を冷静に判断する。

 

「やはり、ウォズのギンガファイナリーではない、ただのギンガでしかない俺ではアナザーライダーの法則は破れぬか……。いいだろう」

 

『ギンガサターン!』

 

土を操る「ギンガサターン」は地面から錬金術のように槍を生成するとそれを掴み、アナザーキバへと向き直る。

 

「元より、今回の主役は俺ではない。精々時間稼ぎに付き合ってもらおうか!」

 

 


 

 

「くたばりやがれ雑魚がァ!!」

「うるせえェェんだよクソがアアアアア!!」

「ッ!」

「でえええええりゃああああ!!」

 

現代、ダンジョンの一空間でアナザーダークキバとの戦いは熾烈を極めていた。

ベートが得意の強烈な蹴りを放てばアナザーダークキバはそれを返し、斬り込んだアイズは手に持ったザンバットソードのような禍々しい剣で斬り返す。

その上で掌から放たれるキバの紋章が爆発を起こし、レフィーヤに詠唱をさせる暇を与えない。

明らかに過去のアナザーキバよりも強化されているのは明白であった。

 

「どりゃあああああああ!!!」

「ウガアアアアアアアア!!」

「って嘘ォ!? ぐっ!?」

 

大双刃(ウルガ)をアナザーダークキバの頭上から振り下ろすのを受け止められ、ティオナが驚愕。

そんな彼女が蹴っ飛ばされ、イクサが受け止める。

 

「大丈夫ですか!?」

「うん、平気!」

「全部、全部消えろオオオオオオオオオ!!!!!!」

「ッ! レフィーヤ!」

「ひゃあ!?」

 

アナザーダークキバが全身から放った黒い波動をいち早く察知したアイズがレフィーヤを抱えて離れる。

ベートは自慢の脚力で一気に距離を取り、メグミはティオナを庇いつつイクサナックルの衝撃波を使って相殺。

もはや理性があるかどうかも怪しい程に暴れ狂うアナザーダークキバの攻撃を避けつつも攻撃のチャンスを伺い、イクサカリバーの銀の銃弾を叩き込む。

 

「ッ、ファンガイアには効くのにな……」

「えっ、あれファンガイアじゃないんですか!?」

「私も最初はそう思ったけど、なんか別物っぽいんだ。だからといって何かが変わるって訳でもないけど!」

 

イクサカリバーのグリップを押し込み、カリバーモードに変形させたイクサがアナザーダークキバの剣を受け止める。

超振動によって凄まじい切れ味を誇るイクサカリバーの刀身とも渡り合う魔剣の高度に舌打ちしつつ、その猛攻を抑え、アイズの為に隙を作る。

 

「アイズ、今……っぐ!」

「ヌガアアアアアアアア!!」

目覚めよ(テンペスト)……ッ!!」

 

イクサの腕を掴んで投げ飛ばしたアナザーダークキバが放った魔の風と、アイズが体に風を纏わせた突きざぶつかり合い、激しい突風が空間に吹き荒れる。

 

「ッッッ、ベートさん!」

「これも追加で喰らいやがれ!!!!」

 

アイズの声に応じたベートが、彼女と拮抗するアナザーダークキバの反対側からフロスヴィルトによる蹴りを叩き込む。

それにすら対応するアナザーダークキバだが、アイズの方に回されていた魔の風の威力が少し弱まり、アナザーダークキバの体勢が揺らぐのを見逃さなかった。

 

「はあああああッ!!!!」

「な、にいいいぃ!!?」

「余所見してんじゃねェェェ!!!」

 

更にアイズの風とアナザーダークキバの魔の風を取り込んだフロスヴィルトが唸りを上げ、ベートの渾身の一撃を叩き込む。

大きく装甲が抉られたアナザーダークキバが姿勢をよろめかせ、そこにレフィーヤのアルクス・レイの援護を受けたイクサが加勢する。

 

「貰ったああああっ!!!」

「ウルセエウルセエウゼェエエエエエエエ!!」

 

しかし、アナザーダークキバが振るった魔剣が無数の魔剣を召喚。

怯んだイクサに向かって一斉に放たれる。

即座に防御を取り、なおかつアルクス・レイが打ち落とした為、辛うじて大きなダメージを受けることはなかったが、その隙にアナザーダークキバは鎧の損傷を修復。千載一遇のチャンスを逃してしまった。

 

「くっ、アイズ、ベート、ごめん……!」

「大丈夫、もう一度チャンスを狙えば……!」

「もうそんなチャンスはこねえんだよおおおお!!」

 

アナザーダークキバが吠えると、その全身から無数のコウモリが飛び出して収束、それが六体の分身体となる。

 

「っでえ!!? 増えた!!?」

「ッ、あの魔力の量……本体と同じくらいの実力です!!」

「此処でそれは、反則かなぁ……!」

「死ねッ! 死ねッ!! 消えろオォォォ!!!」

 

アナザーダークキバの怒号と共に動き出す分身。

だが、そこに割って入った赤い閃光がその分身を2体蹴散らす。

 

「な、なにぃ!!!?」

 

「いくら増えようが、俺のスピードに追い付けないようではただの的だな」

【CLOCK OVER】

 

「な、な、か、カブトォ!!?」

 

救援に駆けつけたのはロバートが変身した『仮面ライダーカブト』。

瞬く間に分身2体を蹴散らしたカブトは上空に手を翳すと時空を越えてきた2体のゼクターーーーハイパーゼクターとパーフェクトゼクターを掴み、ハイパーゼクターを装着!

 

「ハイパーキャストオフ」

 

【HYPER CAST OFF】

【CHANGE HYPER BEETLE】

 

「奴を倒すには再生出来ない程に消し飛ばすしかない。出来るか」

 

ハイパーフォームに強化変身したカブトはパーフェクトゼクターを構え、後ろのアイズ達に声を掛ける。

 

「……貴方も、ワタルと同じ?」

「……ああ、そうだ。個人的にキバの事は気にかけている。彼の居場所を守りたいのは俺も同じだ」

 

カブトーーーロバートはライダー掲示板の中ではブレイドやクウガに続く古参に当たる。

その人柄ゆえに多くの後輩達から相談されたこともある。

だからこそ、キバーーーワタルのことも気にかけていた。

彼の前世を知る者だからこそ、守りたいと強く思う程に。

 

「……足ひっぱんじゃねえぞ」

「それは此方の台詞だな。それでどうする?」

「……やれるよ! レフィーヤ、詠唱お願い!」

「はい! 私に出来ることをやってみせます!」

「お願いね。……行こう、アイズ!」

「うん……着いてきてね、メグミ」

 

暴走を続けるアナザーダークキバに、二人のライダーと四人の冒険者が向かい合う。

此処からが第2ラウンドだ。

 

 


 

 

「ワタル、大丈夫か?」

「……うん、アレクセイさんのお陰で少し休めた……」

 

まだ万全でないながらもある程度体力が回復したキバは再び立ち上がる。

そして、ウェイクアップフエッスルを腰から抜く。

 

「アレクセイさんが抑えてくれている………今のうちにやるよ、キバット」

「おう! あの生意気な偽者野郎に一発食らわせてやろうぜ!」

 

ウェイクアップフエッスルをキバットに噛ませたワタル。

キバの右足、「ヘルズゲート」は普段はカテナによって厳重に封印されており、キバットによる承認によってそれが解き放たれる。

だが、その力を真に引き出すのはワタル自身であり、それこそがワタルの使う第二の魔法。

 

『血潮よ、魂魄よ、精神よ、我が闇の劇場に集いて唄い、謳い、唱い、詠い、謡え。祖は新月、厄災を叫び。祖は半月、混沌に吠え。祖は満月、狂気へ嘆く。余は三日月、闇夜にて千なる悪と万なる罪を数え、裁き、滅する者。忘れるなかれ、皇は絶滅、即ち支配。皇は繁栄、即ち天下。皇は王、ただ唯一にして絶対の法であれ。我が命と血統に於いて、万象を闇夜が統治する。暁に哭け。宵に興じろ。一切合切の道理を己が元に平伏せ』

 

魔封門(ヘルズゲート)解放(ウェイクアップ)!!!!」

 

周囲が夜に変わり、キバの右足―――一際厳重に封印されていた装甲が展開、真っ赤な「ヘルズゲート」が開門する。

その莫大なまでの魔力にアナザーキバも反応。

 

「!! チッ、こいつはヤバいか!」

「逃がさん!」

 

『ギンガジュピター!』

 

逃走を図るアナザーキバだがギンガはそれを許さない。

木の力を操る「ギンガジュピター」となり、両手から伸縮する木の枝を用いて縛り上げた。

そして身動きの取れないアナザーキバにキバのキックが放たれる!

 

 

「この、離しやがれ!!」

「行け、キバ!」

「せやああああああああああああああああ!!!!!」

「ごはあああああああああああああ!!?」

 

三日月をバックに放たれる必殺の蹴り、「ダークネスムーンブレイク」がキバに炸裂。

その衝撃で吹っ飛んだアナザーキバから青・緑・紫の光が零れ、飛び出した。

 

「きゃ!」

「ッう!」

「わあっ!?」

「フェリ! シーラ! ランシエ!」

「! 主様ー!」

「ったく、世話掛けさせやがって!」

「クソが!! 折角手に入れた俺の女が!」

「貴様の女ではないだろうが!!」

 

なんとか封印から逃れた眷属三人はすぐにキバの下へ。

ギンガの怒りを込めた重力パンチがアナザーキバに直撃し、大きく吹き飛ばす。

その間にキバは腰からフエッスルを三本引き抜いた。

 

「! おいワタル!?」

「これが危険なのは分かってる。けど、やらないと気が済まないんだ!」

「ええ、私達も同じ気持ちよ主様!」

「正直、私も結構頭に来ているのよね……」

「ん、格の違いを、見せる、べき」

「うっひゃあ、こえーこえー。ま、そういうことなら俺様もかなりカッチーンと来てるからな! 出血大サービスだ!」

 

「行くぜ! ガルルセイバー!! 更に、バッシャーマグナム!! そして、ドッガハンマー!

 

三本連続で鳴らされたフエッスルの音色によってフェリ、シーラ、ランシエが一斉に姿を変え、フェリは左腕、シーラは右腕、ランシエは胸部へ。

そしてキバの両腕と胸部にそれぞれ鎖が巻き付き、各部位を各フォームの装甲へと変える。

従来の力であるキバフォームを加えた、キバットを合わせて五位一体、「フォーム」へと変貌した。

 

「アレクセイ君! 行こう!」

「……いいんですね?」

「うん。分かってる。その上で止める!」

「………分かりました。行きましょう!」

 

 


 

 

―――只者じゃねえとは思っていた。

 

駆け出しの、冒険者になってばっかりの素人が、ミノタウロスを斬り刻んだのを見た時は、柄でもねえが感心した。

だが同時に、その覇気のねえ態度にイライラした。

力はあるくせに、顔も雰囲気もへなちょこな雑魚にしか見えなかった。そんな態度で戦っていることには虫唾が走る。

そんな野郎がアイズ・ヴァレンシュタインと絡んでいるのが気にくわなくて、喧嘩を吹っ掛けた。

 

いつもと同じだ。戦う覚悟も度胸もねえなら、どれだけ力があろうが雑魚だ。そんな奴は引っ込んでろ。そのままじゃいつか絶対後悔を残して死んでいく。

そう言われたアイツは、何時ものように困ったように笑いやがった。そして……

 

『……じゃあ、試してみますか? 僕の覚悟』

 

あの時、俺は目が曇っていた事を知った。

確かにいつもは腑抜けた目をしていた奴が、鎧を纏った瞬間からそんな雰囲気を欠片も見せなくなった。

レベルが4つも上の俺に食らいつく様は俺が嫌いな雑魚なんかじゃなかった。

 

『……憧れた英雄が居る。焦がれた生き方がある。手に入れたい生き様がある。それだけだ!!』

 

……ああ、コイツは雑魚じゃねえ。雑魚じゃねえが……ただの馬鹿だ。

けど、アイズと同じタイプの馬鹿だ。道理で俺が柄でもなく関わっちまったわけだ。

―――そこまで吠えんなら手に入れてみろ。曲げんじゃねえぞ。

 

 


 

 

初めて会った時は顔は整ってるけど、ちょっと冴えない男の子だなーって感じ。

寧ろ一緒に居たちっこくてやかましいコウモリの方がよっぽど印象には残ったかな。

アイズからレベル1でミノタウロスを倒したって聞いたけど、正直そんな風には見えなかったんだよね。

 

けど、人は見た目に寄らないってよく言ったものだよねえ。

あんな細くて頼りなさそうに笑う子が、変身すると凄い一人前の戦士になるんだもん。

レベルは1だけど、そんなことは関係ないよ、間違いなく強い、と思う。

 

あと、あの子は優しかった。

正直口下手? って感じはしたけど、それでも落ち込んでいる人の為に一生懸命になれる人だった。

悩みを解決してもらう以上に、アイズもそんなあの子の姿に救われていたのかもしれない。

心が強いって、ああいう人の事を言うんだろうなあ。

 

正直、アイズやレフィーヤの事を羨ましいと思う。

私も色々話したい事あるのに、特訓してるのが、一緒にいるのズルいよね。

けど、いざ目の前にいると話したい事とか全部飛んじゃうんだよね……。

 

ファンガイアっていう化物と戦っている姿を見てから、私おかしくなっちゃったのかな。

 

『お前達にも、誰にも、自分の為に誰かの人生を貶めていい権利なんてない!』

 

……私、もっと君の話聞きたいし、君の事も知りたいな。

アイズにもレフィーヤにも負けないよ。私だって強くなりたいんだからね!

 

 


 

 

アイズさんに纏わりつく不埒な人だと思っていました。

実際に会って、色々と突っかかってしまった私にも、困ったような顔で「ごめんね」と謝る顔を今でも覚えています。

なんですか、その情けない顔は。あのアイズさんが認めてるんですよ。もっと堂々としてくださいよ。

 

そんな文句ばっかり言っていた過去の私をぶっ飛ばしてやりたい。

ごめんなさい。あの話を勝手に聞いてしまって。

 

『どうしても追いつきたい人がいるんだ。自分を変えたいって。生き方に憧れた、あの人のようになりたいって思ったから頑張っただけ』

 

―――そっか、貴方も同じだったんですね。

私がアイズさんを追いかけているように、貴方にも追いつきたい人が居たから頑張った。

 

……ライバルなのは撤回しません。

どっちが先に憧れの人に追いつくかの勝負ですよ。

 

………だけど、貴方の優しさが、私の事をいつも励ましてくれているんですよ。

 

『レフィーヤは僕にはない力を持っているんだから。君の凄い所を僕に教えてほしいな』

 

いつもの、ちょっと頼りなさそうな、それでも穏やかな顔が、今では私の心の支えになっています。

ワタルさん、約束しましたからね。必ず帰るって。

 

だから、待っていてくださいね。勝手に居場所を失くしてたら、私、怒っちゃいますからね?

 

 


 

 

似ている、と思った。

精霊の血を引いている私と、ファンガイアの血を引いている彼。

 

レベル1なのにミノタウロスを倒した。成長速度とかの次元を超えた力。

そんな彼に興味を持った。どうしてそんなに強くなったの?

ギルドに話を聞きに行って、彼に直接話を聞いて、その強さを確かめたいって思った。

 

最初は困ったように笑っていた彼が、そのことを話す時だけ苦しそうな顔をするのが気になった。

そしたら、私と同じだったなんて。

 

ファンガイアの事は知っている。

人々から土地を、財を、命を奪う最悪の吸血族。

私が憎悪し、嫌悪して止まないモンスター。

 

だけど、彼は全然そんな風には見えなかったし、話を聞いた時は何の冗談を言っているんだろうと思った。

 

『僕は家族に会った事ない。だけど多分、僕を愛していたからだと思う。傍に居られないけど、だからこそ僕の事を守ろうとしてくれたんだよ』

 

……モンスターにそんな愛情があるなんて、って言った私に彼はいつものように微笑んで言った。

 

『ファンガイアは『種族』でしかないよ。人間にも神様にもいい人、悪い人がいるようにね。………少なくとも、息子の僕に無関心じゃないってのは分かるんだ。……毎日、手紙くれたからね』

 

……ああ、そっか。彼はずっと苦しい思いをしていたんだ。

私みたいにファンガイアを嫌悪する人はたくさんいる。

だからこそ、隠していたんだ。自分の存在を明かせなくて、ずっと一人でしまい込んで。

 

……私が強くなりたい理由が、もう一つ増えた日だった。

誰にも、彼の存在を否定させたくない。……ううん。絶対にさせない。

 

 


 

 

【KABUTO POWER】

【HYPER CANNON】

 

「オラァ!」

 

カブトがパーフェクトゼクターから放った光弾をアナザーダークキバは躱す。

だが背後に回り込んだベートがそれを蹴り飛ばし、自身の魔力を込めて背後に直撃させる!

 

「おごぁあああ!!!!」

「でえりやあああああああああああああああああい!!!」

 

よろけたアナザーダークキバに大双刃を豪快に振るい、強烈な一撃を何度も何度も叩き込むティオナ。

それだけにとどまらず、拳も蹴りも連続でぶつけ、加勢したイクサに繋げる。

 

「裁きの時間だよ!!」

 

『IXACALIBER RAIZ・AP』

 

イクサナックルにフエッスルを読み込ませ、胸部から過剰なまでの放熱が行われる。

その光は太陽のようなオーラとなり、背負ったイクサは太陽の代行者として罪を裁く一閃。

『イクサ・ジャッジメント』

 

「ぐげええええ!!!? へ、あ、ごばああああああ!!?」

 

更に詠唱を唱え切ったレフィーヤによる『ヒュゼレイド・ファラーリカ』による無数の炎が降り注ぎ、彼の身体を焼き尽くす。

 

「ま、まだ……まだ……」

「いいや、これで終わりだ」

「ワタルの居場所、返してもらう……!」

「ひ、ひい……!?」

 

【KABUTO POWER】

 

目覚めよ(テンペスト)―――」

 

全てを灰燼に帰す赤い光を纏うパーフェクトゼクターと、小さな竜巻と言っても差し支えない風を纏うデスペレート。

二つの刃に恐れをなしたアナザーダークキバは今更ながらに逃亡を試みるがしかし、もう遅い。

 

「ハァッ!」

【HYPER BLADE】

 

「リル・ラファーガ!」

 

「ウギャアアアアアアアアアアアア!!!!?」

 

当然、アナザーライダーはそのライダーの力で無ければ撃破は出来ない。

だが精神・肉体共に完全に折られた転生者はもはや立ち上がる事も出来ず、倒れ伏した。

 

「……あとは、過去か……頑張れ、キバ」

 

 


 

 

「これは、ランシエの分ッ!!!」

『う、吹っ飛べ!』

「ガッ、ッ、ぐへ!?」

 

ドッガハンマーを装備したキバが怒りの猛攻でアナザーキバをボッコボコにし、その顔面をドッガハンマーで思いっきりぶん殴る。

 

「へぶぅ!?」

「これは、シーラの分!!!」

『泣いて謝っても許さない!』

 

吹っ飛んだアナザーキバに対し、すぐさまバッシャーマグナムに持ち替えて無数の銃撃を叩き込む。

チャージするまで絶え間ない連続撃ちはアナザーキバをハチの巣にする勢いだ。

 

「そして、これがフェリの分!!!」

『さっきまでのお返しよ!』

「ぎ、ぎあああああああ!!!!?」

「こ、こわぁ……」

 

そしてガルルセイバーによる高速の滅多切り。

普段怒らないワタルを怒らせたらどうなるか、目の前のアナザーキバは身を以て証明してくれた。

思わずアレクセイが素の口調で引くほどである。

 

「ワタル! そろそろ限界が近い!」

「うん、決めよう! アレクセイさん! 皆!」

「ああ。いいだろう、ビッグクランチの時だ!」

 

『ギガンティックギンガ!』

 

ギンガが放った波動が満身創痍のアナザーキバを吹っ飛ばし、完全にダウンさせる。

それに容赦なく、二人は追撃を行う為、それぞれの必殺技を発動させる!

 

「ウェイクアップ!」

『ストライク・ザ・プラネットナイン!』

 

「「はああああああああああ!!!!」」

「ぐぎゃあああああああアアアアアアアアアアアア!!!!?」

 

9つの天体を一列に並べて貫通するギンガの必殺キックと、3体のアームズモンスターの魔力を束ね、更に威力を増したキバの「ダークネスムーンブレイク」というダブルライダーキックがアナザーキバに直撃。

アナザーキバは大爆発し、その際生じた凄まじい閃光がキバを、そして世界を包み込んだ―――。

 

 

 


 

 

 

「う、うわあああああああ!!!?」

 

ある日のダンジョン。そこに潜っていた新米冒険者の少年はミノタウロスに襲われていた。

 

「チッ! あのガキ素人か!?」

「フェリ! 加速するよ!」

『分かったわ主様!!』

「ガルル・バイト!」

 

その剛腕が少年を潰そうとした瞬間、駆け付けた青眼の「キバ」がミノタウロスを斬り刻む。

その際盛大に飛び散った血飛沫が少年にぶっかかり、顔をトマトのように真っ赤に染めた。

 

「………」

「ふう、危なかった……大丈夫かい?」

「………う」

「………う?」

「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!?」

 

少年、脱兎が如き勢いで逃げ出した。

 

「………ええー」

「は、はは、ハハハッ!! おいおい! お前助けたガキに逃げられてんじゃねえか!! まあそのおっかねえ面じゃ無理ねえよなあ!!」

「む……ねえキバット、フェリ、そんなに怖い?」

『目つきは悪いと思うわ』

「その良さが分からねえ奴はほっときゃいいんだよ~」

 

ええ~……と切なそうにため息を吐くキバであった。

 

「………(けど、良かった。君も此処まで来れたんだね……ベル)」

 

彼の名はワタル・フォルテ。

()()()()()()()()()()()()()一級冒険者である。

 

 


 

 

401:キバってオラトリア

で、僕が生まれたってわけ

 

402:ΑGITΩ@現在63階層

噓おっしゃい

 

403:時空管理局執務官555

分かるように説明しろ

 

404:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

産業

 

405:キバってオラトリア

アナザーキバを倒して気付いたら数年前に戻ってた。

ベル君の居場所を奪うわけにはいかないのでヘスティア・ファミリアには入れない。

心機一転ロキ・ファミリアに加入した

 

406:ストライク・Ω・アマゾン

本当にそれだけですか……?

 

407:キバってオラトリア

うん、本当だけど……?

 

408:学園都市のビルド

いーや、まだ隠してることあるよな?

 

409:テラの運命を変えられるのはただ一人、俺だ!

ほーらキリキリ吐けー!

 

410:キバってオラトリア

いやいや本当にそれだけですって! 本当に―――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――ワタル?

 

――――――……えっ……アイズ?

 

――――――……やっと見つけた。待ってたんだよ?

 

――――――え……もしかして、覚えてるの? どうして……

 

――――――約束、したでしょ? また会おうって。

 

――――――ほら、レフィーヤも、ティオナも、ベートさんも待ってるよ。行こう?

 

――――――………うん。そうだね……ありがとう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全くもう、結構な無茶するねえ」

 

迷宮都市オラリオを見下ろす、トイカメラを持った一人の青年の後ろに現れた、ローブを羽織った青年は呆れたように声を掛けた。

 

「お前ほどじゃないさ。ジオウ―――夏目ソウゴ」

「いやあ、けど司は俺とは違うじゃん? 結構賭けだったでしょ?」

「まあな。だから万全を期した。特異点である電王に元の世界を記録させ、ハイパーゼクターを通じてカブトで次元を繋いだ。後はアイツの事を覚えていた繋がりの深い奴に思い出させるだけだ」

「繋がりがあっても、思い出せなかったらどうするの?」

「そんなことは無い。俺は世界の破壊者だからな

 

――――――仮面ライダーが幸せにならねえ世界を壊したにすぎねえよ」




仮面ライダーギンガ
オリジナル能力としてサンプリングした惑星―――ギンガは原神世界に居るので属性を用いた攻撃を8つまで記録できる。
水星→水
金星→雷
地球→命
火星→火
木星→木
土星→土
天王星→風
海王星→氷
アナザーキバの天敵かつウォズの最強フォームの元なだけあって大暴れ。味方だと頼もしい。


Re:新たに始まるキバってダンまち
ディケイドニキの尽力で辛うじて繋がりを保つ事が出来た。
歴史が変わったのはベル君が本編で関わる事柄のみなのでメグミやアームズモンスターは変わらなかった。
本来ならアイズ達の記憶も失われるはずだったのだが、ディケイド曰く「想いが起こした奇跡は必然だ」とのこと。
これからはロキ・ファミリアの一員として頑張っていく。

なお、ベル君はこの後、エイナさんに「仮面ライダーキバの事を教えてください!!」と頼み込んだ模様。


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第一幕・蝙蝠の迷宮攻略

書きたいものが出たら書いてしまうのが衝動というものでして。
オラトリアをキバ視点で描きます。

ダンまち視点は―――次回をお楽しみに。


―――ダンジョン、と聞いてどういったものを思い浮かぶだろうか?

 

古くは塔だったり、地下牢だったりを示す言葉であるが、現代に生きる我々の多くは剣と魔法で戦うRPGな世界に登場する迷宮を連想するだろう。

そして実際それは間違っていない。

 

レトロな時代、いや、有史以前の神話の時代から現代に至るまで、冒険譚というものには出会い、別れ、そして戦いがつきものだ。

そして、それらを彩る為に欠かせない舞台(ステージ)こそがダンジョンに他ならない。

古くはクレタ島の地下迷宮クノッソスのように。

 

そんなダンジョンが実在する世界は必然、冒険と戦いに満ち溢れたドラマチックな物語を描いていくことに他ならない。

 

これは、そんな出会いに満ちたダンジョン世界に転生した、本来決して交わる事のないヒーロー達が織りなす、壮大な冒険譚である。

 

 

――――こんな感じでいいかな? ディケイドニキ

byジオウニキ

 

――――別にいいがこんな壮大にして大丈夫かよ? どうせそんな書かないだろこの作者

byディケイドニキ

 

――――メタい事を言うんじゃありませんっ!!

byクウガニキ

 

 

~ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているのだろうか?~

~キバってオラトリア~

 

 


 

 

「そこだー! いっけーワタルー!!!」

「ハァッ!!」

 

ここは地下迷宮49階層”大荒野”。

大量のミノタウロスと、一級冒険者ファミリアたる「ロキ・ファミリア」が戦っている。

その前線で一際異彩を放つ存在―――仮面ライダーキバこと「ワタル・フォルテ」。吸血種ファンガイアの母とヒューマンの父を持つ、極めて異例とされる「ハーフ」であった。

深紅の筋組織と白銀の鎧、黄金の複眼が印象的な「キバの鎧」を纏い、軽業師の如き身のこなしで放つ蹴りがミノタウロスの頸を次々と圧し折っていく。

 

―――例の転生者による介入から時がたち、新たな歴史が紡がれた後の世界で力強く生きている。

そして、

 

「兄さん!」

 

そんな彼の戦いをフォローするかのように赤い閃光が光の尾を引き、ミノタウロスの四肢を斬り裂く。

その光は蛇のようにしなり、うねりながらもう一人の鎧を纏う男の下に返る。

仮面ライダーサガ。変身者はタイガ・フォルテ。改変された歴史においてワタルが出会った、血の繋がった弟である。

 

「前出過ぎないでくれ。俺のフォロー追いつかないから」

「大丈夫だよ。それより、あっちの方が心配かなあ」

「え?」

 

ヒュオオオオ……と風が吹き、魔力が迸る。

それは螺旋を描き、大量のミノタウロスをミキサーのように搔き回して切り刻み、道を広げる。

その少女の名を《剣姫》アイズ・ヴァレンシュタイン。数少ない第一級冒険者の最強の一角と呼ばれる少女である。

とはいえ、

 

「前、行き過ぎかな……リヴェリアの詠唱ももうすぐ終わりそうだし……タイガ。お願い」

「うん」

 

自身の背後、副団長リヴェリア・リヨス・アールヴの詠唱が終章に差し掛かるのを聞いたワタルの指示を受けたタイガが鞭、ジャコーダーを伸ばしてアイズを補足。そのまま引き寄せて強制的に自陣へ後退させる。

 

「ッ!?」

 

直後、ミノタウロスの群れを爆撃のような魔力が飲み込み、その全てを跡形もなく消し飛ばす。

引き寄せられたアイズは空中で姿勢を制御するとタイガの隣に降り立つ。

 

「……吃驚した」

「だろうな。……それよりアイズ。後ろ」

「?」

「アイズ」

 

自分に不満を言ってる場合か? と後ろを指差すサガ。

そこに居たのは、笑顔でアイズの肩を叩くロキ・ファミリアの団長、フィン・ディムナ。

お話が始まる事を察して顔が固まるアイズに顔を見合わせて苦笑するワタルとタイガなのであった。

 


 

以前の時間軸で、ワタルは『ヘスティア・ファミリア』に加入していた。

その歴史が歪められたものである。というのは既に描かれた過去の物語。

『主人公の代理』という立場から解放されたワタルは自分の意思で改めてロキ・ファミリアへの加入を選んだ。

理由? 自分の憧れたベル・クラネルという存在と一緒に居ると多分精神が歓喜でおかしくなる気がするからである。思春期の女子かとスレ民達はツッコんだが郁子なるかな、変なところで臆病かつコミュ障なのは治っていないキバニキであった。

 

閑話休題

 

「主様ぁ~……///」

 

この通り蕩けきっているのはロキ・ファミリア―――というよりワタルの眷属である狼人族の少女、フェリ・ブルーノート。

アイズがフィン達にお説教されている間、手持ち無沙汰なワタルに尻尾の毛繕いをお願いし、それをワタルも快諾。結果今の状態になっている。

 

「ぁん…/// もっと、そこ、撫でて…///」

「……………」

 

なおワタルはひたすら無心である。

ナイスバディの美少女の尻尾をモフモフして尚且つこんな可愛い声で鳴かれると色々と理性がヤバいのをひたすら精神を無にすることで耐えている。

何故快諾したと思うなかれ、この狼っ子、断ると捨てられた子犬のようになるのである。そっちの方がダメージが大きかった。ワタル的には。

以前「ティオネ・ヒリュテと同類」などと誰かが噂していた気がするがあながち間違いではないかもしれない。というか確定である。

同族のベート・ローガがその光景をみてゾワゾワしていたのも無理はない。戦場での勇ましさというか勇猛さというか、狼人族の誇りと言うかそういうのが今のこの雌狼には欠片も無いわけで。

 

「はぁン……主様ぁ……///」

「何時までくそ情けねえ声出してんだテメェ!」

 

流石にベートもブチ切れた。内心「よくやった」とは思っても言わないワタルである。

とはいえフィン程は苦労してないワタルとしては甘えてくるフェリも役得だったりするのだけど。

 

「邪魔しないでよアホ狼!」

「テメェが何時までもンな腑抜けた声だしてっからだろうが! ワタルも何時までも構ってんじゃねぇ!」

「いや、それは無理かなあ……泣かれると罪悪感が」

「ンなもん、好きに泣かせときゃいいだろが!」

「まーたそういう! このデリカシー無し男!」

 

ギャーギャーと吠える狼人二人に苦笑しつつ、巻き込まれる前にその場から離れたワタル。

こういった雰囲気も居心地がよくて楽しいが、ふと思うのは、以前の時系列の事。

 

もはや覚えていないだろうが、結果的に置いていくことになってしまった以前の自分の主神、竈門の女神ヘスティア。

今も寂しい想いをしていないだろうかという一抹の不安が過る。この歴史において結果的には自分の我儘を通してしまったワタルにとって、彼女の隣を本来の主人公、ベル・クラネルに託したのは完全な自己満足。

他者の代わりなど、誰にもできることではない。本来居るべき人が還って来たのならば、自分が何時までもその椅子に居るのは許されない。

とはいえ、それでヘスティアが孤独から救われていたのも間違いなかった。勝手に諦めて勝手に見捨てた事。全ては身勝手な考えだが、故にこそその自問自答は重く深く突き刺さっている。

 

「…………はあ」

「考え事ですの?」

「っと……シーラ」

 

そんなため息ばかり付いている姿を見られたのだろうか。眷属のシーラ・アルペジオが不安そうに顔を覗き込んでいた。

彼女を不安にさせていた事に気付いたワタルは頭を振って鬱屈した考えを振り払い、いつもの調子で尋ねる。

 

「なんでもないよ。団長は?」

「アイズさんのお話が終わった所ですわ。今なら本陣も空いているかと」

「そっか。じゃあちょっと話してくるね」

「行ってらっしゃいませ。それと……私達はお傍に居ります故、忘れないでくださいまし」

「……うん、そうだね。ありがとうシーラ」

 

今更、過去を振り返ってももう再稼働した物語が戻ることはない。

それにワタルにはやるべきことがあるのだから。

そう言う意味では前だけをひたむきに向き続けているアイズの方がよっぽど前向きだ。

 

「うん、気にしてても仕方ないよね。それより……」

「兄さん、遅いぞ」

「ごめんお待たせ、シーラと話してて」

「いや、大丈夫だよ。こっちもアイズとの話が少しばかり長引いてしまったからね」

 

本営に居たのはフィン、リヴェリア、彼らと同じくファミリア中核メンバーであるガレス・ランドロックに加えて実弟のタイガ。

 

「じゃあ、改めて迷宮潜伏ファンガイアの対策を考えようか」

 

 

 

―――遥か昔、お伽話のような時代、一つの種族が全ての大地を、種族を、名誉を、この世を手中に収めようと動き始めた。

その名を吸血種ファンガイア。(キング)を頂点とする王族体制を取るその種族は、皇の気が向くまま、欲望のままにあらゆる土地へ攻め込み、城を落とし、国を滅ぼし、侵略の手を広げていった。

 

圧倒的な身体能力、魔術を始めとする特殊能力、様々な武器を製錬する技術を持つファンガイアの軍勢の勢いは留まる事を知らず、次々と支配領域を広げていき、誰もが止められない、このまま世界はファンガイアに支配されてしまうのではないかとさえ思い始めていた。

 

だが、その進軍は突如として止まる。そのきっかけは他でもない、ファンガイア自身であった。

己の意志こそが種族全ての総意と信じて疑わなかった皇による管理体制はまさに圧政であり、反抗するファンガイアは次々と粛清されていったのである。その為に使われていたのが「キバの鎧」、その初代たる「混沌のキバ」である。

そんな皇への不満や怨恨は支配された他種族のみならず、同族たるファンガイアにも募っていき、ついにその怒りは爆発。

その指揮を取ったのが初代皇の実の娘にして、ワタルやタイガの実母。「マヤ・フォルテ」であった。

キバットバット二世と共に二代目のキバ、「闇のキバ」となったマヤは皇に反発するファンガイアや多くの種族を束ねて反乱軍を結成。

その破竹の勢いは止まらず、ついに皇はマヤの手によって討たれることとなった―――。

 

それから長い年月、彼女は先代の暴挙の後始末の為に皇の座に就き、侵略した領土や法の返還、和平交渉を積極的に行った。

当初は信頼していなかった者達も長くに渡るマヤの真摯な対応や身を粉にする行動や、後に穏健派と呼ばれるファンガイア達の贖罪に徐々に考えを改めていた。

 

そんな中での数十年前、初代皇の死を好機と見たのか、ファンガイア族以上の力を持ち、また彼ら以上に凶暴なレジェンドルガ族が侵略戦争を始めたのである。

この第二次侵略戦争に真っ先に立ち上がったのが二代目皇と良識派のファンガイア達。

彼らは自ら矢面に立ち、身を以て強大なレジェンドルガ族と戦い、多くの犠牲を払いながらも多くのレジェンドルガを滅ぼす事に成功した。

その戦いを経て、ファンガイア達はオラリオなどの都市で存在が受け入れられ、良識派のファンガイア達は他種族との共生を許されたのである。

 

しかし、そのレジェンドルガとの戦いの際、敵を一掃する為にマヤは「闇のキバの奥義」である大魔法、キングスワールドエンドを発動し、二度と変身できなくなる程の大ダメージを負い、同時に消息を絶った。

彼女は流れ着いた先で救われたヒューマンの青年、「オトヤ・フォルテ」と恋に落ち、間に四人の子を授かった。

 

同時に空席となった皇の座を狙い(仮にミヤが生きていたとしても二度の変身は出来ないだろうと踏んでいた)過激派のファンガイア達が活動を始める。

その争いにキバットバット二世と共に介入したオトヤがその命と引き換えに過激派をオラリオのダンジョン奥へ追放することに成功したものの、彼らは今も虎視眈々と皇の座を狙っている。

また、今も人の世に忍び、機会を伺う過激派も居り、マヤは彼らの命を守る為にも子供達を見つからないように隠したのであった―――。

 

今も人々を脅かす過激派のファンガイア。

平和に生きたい同族の為、そして人々の為にワタルは父と母の遺志を継ぎ、三代目―――仮面ライダーキバとして戦っているのである。

 

―――さて、此処までの事実を知っているファミリアのメンバーだが、そもそもキバという存在自体、初代、二代目の影響もあり、かなり認知が浸透している。

故にほとんどのメンバーにはキバの存在について知れ渡っているわけだが、現在の過激派の動きやワタルの実母、マヤとの血縁は基本的に秘匿されている。

 

「キバット、この付近でファンガイアの気配は?」

「51階層に3体だな」

 

ワタルの相棒、キバットバット三世が探知したファンガイアの気配。

たかが三体と侮るなかれ、常に弱肉強食のダンジョンに住まう過激派のファンガイアは毎日レベルで実力が上がり続けている。その力は当然、地上のファンガイアとは比較にならない。

 

「三体か。しかも51階層となると……依頼(クエスト)を受けている階層でもあるね。となると……」

「勿論、まあ対話でどうにかできれば越したことは無いけど」

「兄さんはいつもそういうけどな、今までダンジョンで会ったファンガイアの中にそんなことに応じてくれた相手一体でもいた?」

「居なかったね。分かってるよ。一縷の望みを口にしてるだけ。で、団長」

「分かってる。君の眷属は連れて行っていいよ」

「助かるよ。じゃあ無事に再会することを祈る」

 


 

そして翌日、ワタルはフェリとシーラ、タイガともう一人、メグミ・レジェロを連れて51階層を歩いていた。

もう一人の眷属であるランシエは拠点防衛の為に残している。

このメグミという少女はオトヤの親友の娘であり、オトヤが使っていた対ファンガイア用強化鎧「イクサ」を譲り受けた者である。

 

「キバット、例の三体は」

「おう、こっちだこっち!」

 

そう陽気に答えるキバットが先導する先、開けた空間。

そこに目当てとなる三人が居た。

ベースキャンプのような基地の周囲には何処からか攫ってきたであろう冒険者達の遺品が転がっている。恐らく皆ファンガイア達の餌食となったのだろう。

 

「んん? 此処まで来た連中は初めてだな」

「何時も上層で狩っていたからなあ、たまには骨のあるやつがいいんだが……ん?」

「おい待て、アイツキバットじゃねえか? ってことは……」

 

「三代目継承権を持つワタル・フォルテが汝らに問う。その悪逆を認め、心を改めるのであれば陽と月光の下に生きる事を赦そう」

 

「チッ! 生意気な混ざりモンが吠えやがって!」

「お前如きが皇の継承なんざできるわけがねえんだよ!!」

 

ワタルを三代目キバと認識するや否や、即座に三人の男は姿を変え、ステンドグラスのようなファンガイア本来の姿に変わる。

体組織から剣を生成した三体を見て苦笑したようにタイガがワタルの隣へ移る。

 

「また駄目だったよ」

「その口上止めたら? 挑発してるようにしか聞こえないよ?」

「けど厳格にしないと嘗められるし……」

「素の先輩の方が親しみやすいですよ。まあ、どっちにしろ聞かなかったと思いますけどね彼らは」

「だね……残念だけど、キバット!」

「サガーク!」

「おっしゃ! キバって行くぜ! ガブッ!」

『READY』

 

ワタルが差し出した手にキバットが噛みついて特殊な魔力、魔皇力を流し込むとワタルの腰に鎖が幾重にも巻かれ、キバットの止まり木「キバットベルト」を生成。

合わせて飛来した蛇型モンスター、サガークがタイガの腰に巻き付く形で「サガークベルト」となり、メグミは手で回し巻くように「イクサベルト」を装着し、イクサナックルを構える。

 

「「「変身!」」」

『FIST ON』

 

ワタルとタイガは顔にファンガイア特有の文様が浮かび上がると全身を銀色の素体が包み、弾ける形で鎧を装着。

メグミはベルトに装着されたイクサナックルが生成したホログラムに重なるようにして装着。

キバ、イクサ、サガの三大ライダーが揃い踏みとなった。

 

「ガルル・セイバー!」

「アオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!』

「シーラは状況に合わせて援護射撃を」

「お任せくださいませ」

 

更にキバットがフエッスルを読み込むことで追従していたフェリが変化、融合するようにガルルフォームへと姿を変えるキバ。

シーラに指示した後、改めて三体のファンガイアへ向き直る。

 

「……さ、行こうか!」

「ああ!」

「はいッ!」

 

「「「ウォオオオオオオオオオオアアアアアアアア!!!!」」」

 

怒号を上げて襲い掛かる三体のファンガイア。

その中の一体、ホースファンガイアの剣をガルルセイバーで受け止めたキバが弾き、返す刃で一閃。

更に身を低くした姿勢から駆け抜けるような切り裂き、狼の爪で引き裂くようにして身体を引きずると地面に叩きつける。

 

「グルウウウァァ!!」

 

狼人たるフェリと同調したことで野生を解放したキバは基本形態と比べてもかなり荒々しく猛々しい戦い方でファンガイアを翻弄し、蹂躙していく。

 

「ガッ、ぐう!? てめ……!」

「遅い!!」

「兄さん後ろだ!」

「ガッ!?」

 

キバの背後から姿を消して近づいていたカメレオンファンガイアにジャコーダービュートが唸りを上げて叩きつけられる。

その衝撃に透明化が解けたカメレオンファンガイアに怒涛の連続斬撃が叩き込まれていき、追加で縛られて壁に叩きつけられた。

 

「ぐ、はぁ……!!」

「残念だったな」

 

蛇というのはビット器官によって嗅覚が非常に優れている。サガが透明化していたカメレオンファンガイアを視認できたのもそれが由来だ。

そして一方のイクサはイクサカリバーを振るい、シケーダファンガイアの両手の刃と切り結ぶ。

 

「ッ、馬鹿な、人間相手に、この俺が……!」

「人間を甘く見るなってことですよ! そこです!」

「ぐう!! 貴様……ぬあ!?」

 

距離を取られればすぐにイクサカリバーをガンモードに変形させ、銃撃することで暇を与えない猛攻。

怯んだシケーダファンガイアにキバが投げ飛ばしたホースオルフェノクが激突。生じた大きな隙を逃さず、キバとイクサはアイコンタクトを取り、決めにかかる。

 

「キバット! フェリ!」

「おっしゃ、決めるぜ! ガルル・バイト!

『IXACALIBER RIZE UP』

 

キバットがガルルセイバーの刀身に噛みつき、魔皇力を送り込む。

刀身には青い魔力が充填され、その刃の切れ味は極限まで研ぎ澄まされる。

イクサは胸部のコアから限界値を越えた放熱を始め、イクサカリバーの刀身の振動も相まって凄まじい高熱を放つ。

 

「―――ハウリング・スラッシュ」

「―――イクサ・ジャッジメント!!」

 

青き剣閃と赤い一刀、それぞれが振るった刃が煌き、ファンガイアを両断する。

その一閃を受けた二体の身体が煌き、ステンドグラスのような光沢が浮かび上がったかと思えば続けざまに破裂。

ファンガイアの最期だ。

ちなみにわざわざ必殺技名を言うのはどこぞの主神様の吹聴が原因だったりする。

 

「あとは、お前一人だ」

「く、くそが……」

 

カメレオンファンガイアにジャコーダーを向けるサガ。

宣告するかのようにウェイクアップフエッスルを取り出した……のもつかの間、地面が激しく揺れ始める。

 

「なんだ……!?」

「な、な……ん、ぐあああああああ!!!?」

 

カメレオンファンガイアの足元の地面を突き破って現れたのは、芋虫のようなモンスター。

唐突に現れたそれはカメレオンファンガイアを足元から捕食するとその身体を溶かしながら飲み込んでいく―――。

 

「ッ…!?」

「タイガ様!」

 

それに怯んだタイガをフォローするかのようにシーラが指から水弾丸を発射。

軽く怯んだ隙に後退したタイガにメグミが駆け寄る。

 

「大丈夫!?」

「ああ、平気だが……アレ、直接戦いたくはないな。見ろ」

「え、あ……」

 

芋虫の傷口から溢れた体液は地面を腐らせ、溶かし、穴を空けている。

その腐臭に顔をしかめながらも特性を把握したワタルがキバットに問いかけた。

 

「キバット、あれは……」

「知らねえ。未知の新種だ」

「だよね……皆、フェリが怯ませたら退くよ!」

「え、あ、はい先輩!」

「アオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!」

 

ガルルセイバーを正面に構えたキバに合わせてその鍔となっていた狼の口が開口。

そこから放たれる狼の遠吠えに似た衝撃波が芋虫を一斉に押し返す。

それを見たワタルの合図で五名はその場から撤退―――しようとした矢先、その空間を突き破って上方へ這い上がる大量の新種―――。

 

「この上は……不味いぞ兄さん! このままだとキャンプの皆が……」

「ッ、合流は後回しか、行こう!」

 

―――to be continuity




・補足、ライフエナジーについて
ファンガイアのエネルギーの糧たるライフエナジーの問題ですが、これは世界の違いとして重要度が下がりました。
吸血衝動などもなく、普通の食事で生活する上では十分代用可能です。ただし勿論、人の生命エネルギーたるライフエナジーを食えばファンガイアの力はより一層高まります。
過激派は率先してライフエナジーを食らい、より強くなろうとします。

追記
シリーズごとに章分けと並び替えを行いました。


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第二幕・蝙蝠と兎と蜘蛛と

旅行&オーズ映画から帰ってきました。
今回はベル君との邂逅です。……アレ? 蜘蛛?


「動ける者は鍋でもまな板でも構わん。盾になりそうな物を持って来い! もうすぐフィン達が冒険者依頼から戻って来る! それまでは何としても持ち堪えるぞ!」

 

50階層、ロキ・ファミリアキャンプ地。

蠢く大量の芋虫型モンスターによる進軍をファミリア副団長のリヴェリアが良く通る声で指揮を飛ばし、喰いとめていた。

だがあらゆる武装を溶解する消化液をたっぷり蓄えた新種、それが大量に押し寄せる状況では防衛の為の盾も、牽制の為の矢も全く頼りにならない。唯一有効打となる魔法でも詠唱の時間は得られない。

 

「ど、りゃああああ」

 

キバの眷属が一人、ランシエはその辺にあった大岩を掴み、群れに向かってぶん投げる事で応戦しているが、その投石ですら勢いは止まらない。徐々に彼女にも疲弊が見え始めている。

 

「くそ、盾はもうないのかよ!」

「足が、俺の足がぁ……!」

「血が止まらない。早くポーションを!」

 

「くっ……」

 

―――もはやこれまでなのか?

そう諦めかけたその時、翡翠色の水飛沫が舞う。

 

「バッシャーマグナム!」

 

「! う、ワタル!」

「間に合ってくれたか……!」

 

緑色の複眼と、魚人の鱗を思わせる装甲、右手に構えるはシーラ/バッシャーが変化した小型銃、バッシャーマグナム。

キバ・バッシャーフォームは進軍する芋虫型モンスターを追い、なんとかギリギリのところで辿り付いたのだ。

 

「ッ、キャンプ地が……!」

「フェリ、ランシエと合流! 皆を守って!」

「分かったわ! 主様も気を付けて!」

 

即座に空中を駆けるように飛び出したフェリをカバーするかのようにバッシャーマグナムを連射。

芋虫が蓄えるのは矢であろうが鉛玉であろうが溶かしてしまう溶解液。

だが案ずることなかれ、この世界ではまだ存在しないこの銃が撃ちだすのはシーラの固有魔法を更に圧縮した「水」。

溶けるような固体を持たず、しかして威力は鉄筋コンクリートに風穴を空けるような高圧水の弾丸は次々とでっぷり肥えたモンスターの身体を貫通し、一発で息の根を止める。しかも弾切れの心配もない。

 

「纏めて、駆逐するッ!」

 

放射状に放たれた水弾がモンスターを貫通。

水飛沫が飛び交う戦場、そこに新たに舞い降りるは「風」。

 

「ワタル、平気?」

「! アイズ! そっちにも居たの?」

「うん、………!」

『あ、ちょっとアイズ様!?』

 

会話もそこそこに、風を纏って群れに突撃するアイズ。置いていかれたシーラの声も聞こえたか怪しいものである。

 

―――そんな彼女の纏う風はアイズ・ヴァレンシュタインが唯一扱える魔法、【エアリアル】。

その吹き荒れる風はあらゆるものを吹き飛ばす。血飛沫一つ着かないアイズの戦いにおいて、このモンスター達は圧倒的に有利だった。

 

「一人で楽しんでんじゃねーぞ!」

「おっと、ベート!」

「ワタル! お前の水寄こせ!」

 

戦況に乱入してきたベート・ローガの要求に即座に反応し、バッシャーマグナムを撃つ。

専用装備フロスヴィルトがシーラの水を吸収した直後、ベートが駆け出し脚を振るえば、高圧の水が蹴りの軌跡に伴って斬撃を生み出し、発射。

 

「ハッハァ! どうだァ!」

『……ご主人、私の魔法を如何様に使おうとも貴方様のご自由ですが、あの品の無い狼に使わせるのは、どうにも……』

「いやいや、アイツの方がお前より使いこなしてねえかあ?」

『なっ、何を仰るのですかキバット様!』

「はいはい喧嘩しないの。そろそろ決めるよ……!」

「バッシャー・バイト!」

 

バッシャーマグナムのコッキングレバーに該当するヒレをキバットに噛ませると、銃全体に魔皇力が充填、それに合わせてキバの足元を中心に幻影の泉が沸き上がる―――。

 

周囲は闇に包まれ、上空に浮かぶは美しく輝く半月。

掲げたバッシャーマグナムのフィンが高速で回転を始め、足元の泉の水を巻き込み、蓄える。

 

「!」

「……」

 

その意図に気付いたベートと一瞬の視線の交差。

バッシャーマグナムを正面に構え、左手を添え、充填された水弾を解き放つ―――バッシャー・アクアトルネード

 

一発。その勢いを殺すことなく大量のモンスターを蹴散らし、溶解液ごと消し飛ばしながら突き進む水弾。

その先に待ち構えていたベートが跳躍し―――、

 

「っしゃオラァ!!!」

 

水弾を強靭な脚で蹴り飛ばす。

軌道変更した弾丸はそのまま地面に叩きつけられ、大爆発を引き起こし、周囲の芋虫を根こそぎ消し飛ばした。

 

「ふう……流石の判断力」

「フン……」

 

と、彼らの活躍で本陣も体勢を整えたのか、二人の連携に続いて本陣から魔法攻撃の一斉砲撃が群れに降り注ぐ。

後に残ったのは草木一つ残さない更地となった。

 

「終わった、か」

「兄さん!」

「先輩!」

「あ、そっちも終わったみたいだね」

 

フィンの部隊と合流していたタイガとメグミが駆け寄ってくる。サガの鎧は基本的に損傷は見られないものの、イクサの方は幾つか溶解しかけた箇所があり、修繕が必要な程度の損傷があった。

 

「怪我は?」

「ありませんよ。ただ……ティオネさんがモロにぶっ被りましたけど」

「ぶっ……」

「素手でモンスターの身体を貫いてたぞ……」

 

その張本人は万能薬で回復し、彼女が想いを寄せる団長、フィンの説教をデレデレした顔で聞いている辺り、全く問題無さそうだが……回りの身にもなってほしいものである。

 

「さて、キバット、そろそろ変身を……キバット?」

「まだ変身解かない方がいいぜ、ワタル。……来る!」

 

―――――――地震にも引けを取らない凄まじい地鳴り。

大地を突き破って、その巨体が姿を現す―――。

 

……新たな新種。

体表の模様は芋虫型と酷似しているが、第二節からは二対四枚の羽根のようなヒレと、女体のような形状。何より大きさは紛れもなく、怪獣クラスである。

そして、それが()()

 

「……あいつらも下の階層から来たっていうの?」

「迷路を壊しながら進めば……なんとか?」

「馬鹿言わないでよ……」

 

それもそれで驚異的だが、なにより恐ろしいのはその巨体、そして芋虫型と同じ模様を持っていること、つまり……。

 

「あのモンスターも倒したら腐食液をぶち撒くんっすよね? ……あの大きさでそんな事になったら……」

 

……最悪の光景が過る。そうなれば自分達は勿論、さほど離れていないキャンプ地も被害を被ることは間違いない。

更に、

 

「!」

 

タイガが素早く動き、ジャコーダービュートを振り回す。

直後に周囲を漂っていた光る粉―――鱗粉が起爆、ジャコーダービュートによる防御が辛うじて不意打ちを防いだ。

 

「……っ。あの光る粉粒、爆発しよったぞ!」

「総員、撤退だ」

「!? 団長!?」

「あのモンスターを放っておくの!?」

「僕も大いに不本意だ。でも、あのモンスターを始末して、かつ被害を最小限に抑えるにはこれしかない」

 

そう決断したフィンは、ワタルとアイズの方を向き、告げた。

 

「アイズ、ワタル、あのモンスターを討て。一人一体をだ」

「了解、団長」

 

即答。迷うことなくワタルは返答し、アイズも続けて頷く。

 

「待ってください団長!?」

「先輩達を残していけません!」

「レフィーヤ、メグミ」

 

フィンに詰め寄るレフィーヤとメグミ、だがそこに割り込んでタイガが2人を止める。

彼は真っ先にフィンの意図を把握していた。そして、

 

「兄さんとアイズなら大丈夫だ。信じていい」

「ッ、ですけど……!」

「私達も、何か……」

「レフィーヤ、メグミ」

 

未だ言い募る二人の肩をポン、とアイズが叩く。

その真っ直ぐな瞳は嘘偽りなく、一言を告げる。

 

「大丈夫、だよ」

「ッ―――」

「二人共、皆を頼んだよ」

「先輩……分かりましたっ!! 無事に帰ってきてくださいね!」

「うん。勿論。シーラ。君も行くんだ」

「……畏まりましたわ。ご武運を」

「十分に離れたら信号を出す。それまでは持ちこたえてくれ。……すまない、二人共」

 

最後にフィンが離れ、残されたのは二人。

 

「……アイズ、左を僕がやる」

「うん。私は右、だね?」

「そういうこと。……行くよ。キバット」

「おう! キバって、行こうぜ!!」

 

 

―――血の掟、赤き音色、響く旋律、その鮮血を以て、裁を布け。

 

―――【(カテナ)

 

 

キバの魔力が螺旋を描き、身体の周囲に絡みつき、浮かび上がる。

やがて、その形のない奔流は金属が擦れる音を鳴らし、響き、その音がリアルな存在を浮かび上がらせる―――。

 

キバの持つ魔法、【(カテナ)】。

魔力を練り上げ、赤い魔力を具現化、質量を持たせ、無数の鎖として操る固有魔法。

打ってよし、縛ってよし、守りによし。質量をもったその鎖の応用性は単一魔法としては群を抜いている。

 

張り巡らされた鎖はキバの足場となり、空中を立体的に動き回る。

女体型モンスターが吐いた溶解液を浴びた鎖は、しかし溶けることなくその場に残る。

具現化された鎖は質量を持つが「実体」ではない、あくまで魔力が重みを持っただけのもの。故に溶けるような固体を持たない。

 

アイズと同じく、この未知なるモンスターに対する天敵であった。

 

「まずは、進行を止める―――!」

 

無数の鎖がキバの意思に応じて射出され、その巨体を縛り上げる。

魔力と侮るなかれ、キバの鎧を含む数多の存在を封じる際にも用いられるこの鎖は魔狼フェンリルを戒めるグレイプニルにも並ぶ。

 

「!」

 

気付けば周囲に爆ぜる鱗粉が包んでいる。

爆発まで3秒。その僅かな時間に、

 

―――証明せよ、定礎せよ、宣告せよ、我此処に存在を刻む

 

―――【(パニッシュ)

 

爆発、その煙が晴れた中央、無傷のキバが立っている。

 

キバの第二魔法、【(パニッシュ)】もまた、非常に使い勝手が良い魔法。

蝙蝠と三日月を象ったキバの紋章(ライダーズクレスト)を生み出す。周囲に結界を形成させればこのように防御に使え、また……

 

「行けっ!」

 

拳を振るえば、放たれた紋章がモンスターを縛りつけ、指を鳴らすと同時に起爆。

本来ダークキバが用いる技だが、このようにキバにも継承されているのである。

吐き出される溶解液を、鎖と同じく実体を持たない紋は鉄壁となって溶けることなく防ぎきり、尚且つ投じられた紋は爆発し、大きなダメージを与えていく。

鱗粉の爆発も、堅牢なキバの鎧には傷一つ付かない。

 

「ワタル!」

「!」

 

アイズの声に反応し、上空を見れば打ち上がる信号弾。フィンが告げていた、撤退が完了した合図。

ならば、今こそ決める時。

 

「【(カテナ)】ッ! その存在を戒めろ!!」

 

キバの勅命に応じるが如く、鎖は無数に張り巡らされたフィールドから更に迸り、女体型の身体を縛り上げる。

雁字搦めに封じられた巨体は多少の身じろぎはできても、それは何の意味も成さない行動。

ベルトのホルダーから抜き取られた一つの笛をキバットに噛ませ、吹き鳴らす。

 

「ウェイク・アップ!」

 

陽が消え、夜が満ち、月が欠ける。

空―――決してモンスターが見る事のない夜空に浮かぶは三日月。

 

―――かつて、問われた。

どうしてそこまで強くなれるのかと。

 

―――託された想いがある。

―――見届けたい景色がある。

―――守りたい願いがある。

 

―――その望みを叶える為に、皇になる。

それを果たすまでは、さぞ険しい道だろう。

 

だからこそ、倒れることは出来ない。

そう、自分に誓ったから。

 

定めの鎖を解き放ち(ヘルズゲート・オープン)、闇夜の皇が目覚める。

 

 

「月夜に眠れ―――月夜ノ終劇《ダークネス・ムーン・ブレイク》」

 

 

一瞬、赤き閃光が瞬いたと思えば全身全霊を込めたキバの必殺の蹴り(ライダーキック)が叩き込まれる。

貫通はしないものの、その強烈な一撃をモロに叩き込まれた女体型モンスターはそのまま勢いよく吹き飛ばされ、壁に激突。

その腹に刻まれたキバの紋章が赤く輝いたかと思えば、直後、―――爆散。

 

 

―――地下50階層にてロキ・ファミリアは遠征を終了、この時点より帰還行動へ移る。

 

 


 

 

その帰りの道中である。

17階層、彼らはミノタウロスの群れに遭遇。

一級冒険者たるロキ・ファミリア実力者たちには大した脅威でもない、というか寧ろ謎の新種で溜まったフラストレーション解消の為のサンドバックになるのが関の山―――。

 

だったのだが、あまりにも遠慮がなかったのか、相当手荒かったのか、恐怖心を抱いたミノタウロス共は錯乱し大暴走。

あくまでロキ・ファミリアにとっては大した脅威でないだけで、上層の新米冒険者にとってはまだ逆立ちしても敵わない脅威となり得る。

騒動を鎮圧する為、一斉に対処へ赴く。

そんな中で、5階層。

 

「最後の一体、何処に……」

「こっちだワタル!」

 

ミノタウロスを駆逐しながら5階層まで駆け上がってきたワタルとベート。

その先から少年の悲鳴が聞こえてくる。

 

「う、うわあああああああ!!!?」

「チッ! あのガキ素人か!?」

「フェリ! 加速するよ!」

『分かったわ主様!!』

「ガルル・バイト!」

 

その剛腕が少年を潰そうとした瞬間、駆け付けた青眼のキバがミノタウロスを斬り刻む。

その際盛大に飛び散った血飛沫が少年にぶっかかり、顔をトマトのように真っ赤に染めた。

 

「………」

「ふう、危なかった……大丈夫かい?」

「………う」

「………う?」

「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!?」

 

直後、少年、脱兎が如き勢いで逃げ出した。

 

「………ええー」

「は、はは、ハハハッ!! おいおい! お前助けたガキに逃げられてんじゃねえか!! まあそのおっかねえ面じゃ無理ねえよなあ!!」

「む……ねえキバット、フェリ、そんなに怖い?」

『目つきは悪いと思うわ』

「その良さが分からねえ奴はほっときゃいいんだよ~」

 

ええ~……と切なそうにため息を吐くキバであった。

 

 

と、その一つ下の6階層にて。

 

「アイズ! こっちは終わった!」

「うん……!(あと、一体は何処に……)」

 

『ブモォオオオオオオオオオオオオ!!!!?』

 

「! こっち……!」

 

ミノタウロスの雄叫びを聞いたアイズは素早くその声の方へ走り出す。

襲われているであろう冒険者を救う為――だが、彼女の見た景色は全く異なるものであった。

 

『ブム、モゴォ!!?』

「あのさ、僕は別に闘牛士とか目指してるわけじゃないんだけどさ、こういう真っ赤なイカしたコスチュームを着てる方が悪いって言いたいわけ? ていうかアレ? 君達って別に赤いものに反応してるってわけじゃないんだっけ?」

 

「……?」

 

ミノタウロスが翻弄されていた。

相手は冒険者―――にしては奇抜過ぎる格好をしている。

真っ赤な、蜘蛛の巣を張り巡らしたような全身にフィットするようなスーツで一切の露出を隠し、ミノタウロスの周囲、壁や天井を思うがまま軽々と跳び回って翻弄。

極めつけに手首からどういった原理かは不明だが白い糸を放ち、ミノタウロスの目を潰し、口をふさぎ、腕や脚を縛り付けている。

一見細そうなその糸はしかし、強力で知られるミノタウロスがいくら暴れても千切れることはない。

そんな謎の人物―――人なのかも怪しい存在は軽口を叩きながらもミノタウロスを翻弄していた。

 

「ほらほら、牛さんこちら、手のなる方へ、お鼻にたかる蜘蛛さん払えー、おっと、それは蠅だっけ? けど僕は蠅男は勘弁ってね!」

 

完全に四肢を封じた謎の男、そのまま頭上から蜘蛛糸をパチンコのように用いて射出されたドロップキックがミノタウロスの頭部に炸裂、そのまま首を圧し折った。

 

「よっと、いっちょ上がり! ん……? おわぁ!?」

「……貴方、誰? モンスター?」

「ちょちょ、待った待った!! こーんな二足歩行でホールドアップして流暢にジョークを喋るモンスターなんていると思う?」

「………確かに」

 

突きつけていたデスペラードを収めるアイズ。

というかこんなダンジョンでこんな格好をしている蜘蛛男の方が明らかに怪しいのは間違いない。

 

「アーイズー! また一人で……ってあー!!!? スパイダーマンッ!?」

 

そこに追いついたティオナ、アイズの目の前に居た変質者を見るや否やビシッと指差し、勢いよく接近。その目はキラキラと輝いている。

なお世間に疎いアイズはキョトンとしている。

 

「おっと、お嬢さん僕のファン? サインは転売禁止も兼ねて予約制だからごめんね?」

「……スパイダーマン?」

「え、アイズ知らないの!? 最近オラリオに現れた「親愛なる隣人」!」

 

いわく、路地裏でカツアゲしてきた連中を追い払ってもらった人がいた。

いわく、行方不明になった猫を探し出してくれた人がいた。

いわく、ダンジョンで危ない所を助けてくれた人がいた。

 

しかし顔は見せず、正体は愚か、所属ファミリアも不明。

そんな彼に「二つ名」とは別に人々から与えられた名が「親愛なる隣人」。

 

それが彼、スパイダーマンである。

 

「ねえ、空から降って来たって本当!?」

「あはは~? 誰かなそんな暇潰しにしかならないデマを流したのは?」

「……人間、なの?」

「勿論? 覆面の下を見せる事は肖像権の都合できないけどね? それに君達の所にいるキバだって人間だろ?」

「それは、そう」

「んじゃ、僕はそろそろ行かなきゃ。ごめんね!」

 

そう言ったスパイダーマンは蜘蛛糸を飛ばし、ターザンするかのようにダンジョンの彼方へ飛び去っていってしまった。

 

「いやー、珍しいもの見れたね! じゃ、帰ろうかアイズ!」

「あ、うん」

 

 


 

301:キバってオラトリア

ジオウニキ? どうしてスパイダーマンが居るのか説明してくださるかしら?

 

302:スペードの剣@ノーネーム所属

落ち着け口調がおかしいぞキバニキ

 

303:IS学園潜入刑事D

確かに、一周目のキバニキの世界には居なかったな

 

304:魔王オーマジオウ・トリニティ

いや、あのね? 俺はあくまでライダーの力は分かるけど、流石にマーベルヒーローまでは分からないからね?

 

305:ΑGITΩ@現在65階層

魔王の責任じゃないってなると誰?

 

306:幻想郷が俺の世界DCD

俺だ

 

307:オカ研所属龍騎

お前だったのか

 

308:幻想郷が俺の世界DCD

暇を持て余した

 

309:魔王オーマジオウ・トリニティ

ライダーの

 

310:幻想郷が俺の世界DCD

遊び

 

311:スペードの剣@ノーネーム所属

ここまでテンプレ

 

312:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

ここまで天ぷら

 

313:カレイドゴースト@プリヤ時空

(ファミチキ食べたい)

 

314:オカ研所属龍騎

(コイツ直接脳内に!?)

 

315:キバってオラトリア

い い か げ ん に し ろ

 

316:IS学園潜入刑事D

ヤバいキバニキがキレた

 

317:幻想郷が俺の世界DCD

落ち着け、ちゃんと説明する。そもそも世界をつなぎ合わせて今のダンまち世界にしたってのは分かるだろ?

その際、繋ぐ先の世界が「ダンまちとスパイダーマンの世界」だったってだけだ。

 

318:学園都市のビルド

つまるところディケイドニキの確認不足だろ?

 

319:幻想郷が俺の世界DCD

大体そういうことだ

 

320:キバってオラトリア

OK、分かった、とりあえずハメ技&エンペラームーンブレイクで許す

 

321:幻想郷が俺の世界DCD

待ったそれ死ぬやつ

 

322:スペードの剣@ノーネーム所属

加勢するか?

 

323:カレイドゴースト@プリヤ時空

夏未完始まっちゃうw

 

324:ΑGITΩ@現在62階層

おのれディケイド

 

325:オカ研所属龍騎

大丈夫だ。皆の記憶で蘇る。

 

 


 

 

その日の夜、ギルドから帰路についていた新米冒険者、ベル・クラネルは自分のファミリアである廃教会へ帰って来た。

 

「只今帰りました」

「や、お帰りベル」

「あっ、ピーターさん!」

 

出迎えたのは茶髪の好青年『ピーター・パーカー』。

現状二人だけのファミリアの団員であり、冒険者ではなく各地でバイトをしてファミリアの経営を賄っている青年だ。

 

「……ってあれ? そのお茶どうしたんですか?」

「ああ、お客さんが二人ほど来ていてね」

「ベルくーーーん!!!」

「わわ、神様!?」

 

と、奥から飛びついてきた黒髪ツインテール童顔巨乳の少女。この属性盛りな少女が彼らの主神たるヘスティアである。

そんな彼女は非常に上機嫌でベルに抱き着いている。

 

「ど、どうしたんですか?」

「聞いておくれよ! このファミリアに入団希望者が来たんだ! それも二人も!」

「えっ!?」

 

ご機嫌なヘスティアに引かれる形で奥の応接間(便宜上そう呼ぶ)に連れていかれたベルを待っていたのは、二人の女性。

一人は深紅の長髪に碧眼、もう一人は白髪に紫眼、顔つきはそっくりで姉妹かな、とベルは感想した。すると姉と思わしき女性が徐に立ち上がり、

 

「団長のベル・クラネルさんね? 私は「ミオ・フォルテ」という者、此方は妹の…」

「「ナツミ・フォルテ」です。以後よろしくお願いします」

「あ、ど、どうも、ベル・クラネルです……だ、団長なんて、うちには僕とピーターさんしかいませんから……」

 

 

―――運命の夜は、明け始める。




・Reダンまち世界
ディケイドニキが繋いだ世界はまた別のクロスオーバー世界だったというオチ。
最近試験が終わってようやくPS4のスパイダーマンを遊び始めたら予想以上に嵌ってしまったので……

(カテナ)(パニッシュ)
イクサ以外のキバ系列ライダーの固有魔法として採用。
キバに限らずサガやダークキバ、キバーラも扱えるがそれぞれで個性は異なる。
キバの扱うものは特に固有で特殊な性能を持たないオーソドックスなもの。
元ネタは平ジェネForeverのキバの技やダークキバの使う紋章。

・スパイダーマン/ピーター・パーカー
もうこの名前の時点で恐らくモロバレだと思うので明かしてしまいます。
彼もまた転生者ですが、前世の記憶を一切持っていません。なのでダンまちという物語は知らずに生きてきました。
原型となり、尚且つ転生特典は「PS4版スパイダーマン、及びピーター・パーカーの頭脳とスーツ・ガシャットを始めとする発明」。
ベルやヘスティアにもスパイダーマンとしての活動を隠し、純粋な「親愛なる隣人」として活動中。
今回ダンジョンに居たのはベルを密かにサポートする為。一つ先の階層で突然現れたミノタウロスを対処していたら別のミノタウロスにベルが襲われていたと聞いて一人頭を壁に打ちつけた。
なお、その際救ってくれたキバには必ずお礼をするつもりでいる。

・ミオ、ナツミ
苗字から察せられるであろう存在。
何故ヘスティア・ファミリアに来たのかは現状不明。続きを書くなら語るかも


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長期シリーズ ブレイド×問題児
不死の剣が異世界から来るそうですよ?


アンケートで結構人気だったのでブレイドニキのお話。
時系列的には普段の掲示板よりも前です


301:鎧武が斬る!零

コルネリア助けたけど、この後どうしよ……

 

302:装者全員と友達になる男

とりあえず現実見せないとなー

 

303:五代さんみたいになりたいクウガ

本人には酷だろうけど、こればっかりはね

 

304:幻想郷が俺の世界DCD

ああ、仕方ないことだが、生存ルート目指すならアフターケアもしっかりしなければならん

 

305:執行官ナンバー15ウィザード

うーん。とりあえず今はどうなのかな

 

306:鎧武が斬る!零

混乱とかでどうしようもないから拘束してる

 

307:執務官受験生555

誘拐した上で緊縛か……

 

308:カブト@ユニオン指揮官

憲兵さんこの人です

 

309:幻想郷が俺の世界DCD

通報した

 

310:鎧武が斬る!零

仕方なかったんや!!! 暴れられても困るし、右腕斬れてるし!

 

311:執行官ナンバー15ウィザード

裁判長判決を

 

312:魔王オーマジオウ・トリニティ

許す

 

313:装者全員と友達になる男

や さ し い せ か い

 

314:五代さんみたいになりたいクウガ

や さ い せ い か つ

 

315:執務官受験生555

こ こ ま で テ ン プ レ

 

316:カブト@ユニオン指揮官

こ こ ま で て ん ぷ ら

 

317:鎧武が斬る!零

お前らなあ……

 

318:スペードの剣@放浪中

いつ見ても楽しそうだな此処は

 

319:装者全員と友達になる男

お、ブレイドニキ!

 

320:魔王オーマジオウ・トリニティ

旅はまだ途中かな? 元気?

 

321:執行官ナンバー15ウィザード

統制者倒して以来だよね

 

322:スペードの剣@放浪中

あれから結構な年月が経ってな。この掲示板だとそこまで過ぎてないみたいだが、俺は世界ぐるっと一周してしまったぞ

 

323:執務官受験生555

世界一周済んでて草なんだが

 

324:五代さんみたいになりたいクウガ

旅はいいぞー

 

325:鎧武が斬る!零

クウガニキは説得力あるなあ。で、ブレイドニキはこれからどうするんだ?

 

326:スペードの剣@放浪中

どうしようかねえ。人の社会で生きるのはやっぱり厳しいし………おや?

 

327:幻想郷が俺の世界DCD

どうしたブレイドニキ

 

328:スペードの剣@放浪中

なんか空から手紙が降ってきた。というか俺宛てなんだけど

 

329:カブト@ユニオン指揮官

手紙? …………もしかして

 

330:執行官ナンバー15ウィザード

あっ………分かっちゃったあー……

 

331:鎧武が斬る!零

ブレイドニキ? どうするつもりだ?

 

332:スペードの剣@放浪中

そりゃ勿論開けるだろ。俺宛てだしな。何々?

『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。

その才能を試すことを望むならば、

己の家族を、友人を、財産を、世界の全ての捨て、我らの"箱庭"に来られたし』

だって、ってうお!!?

 

333:魔王オーマジオウ・トリニティ

あ、世界越えたねブレイドニキ

 

334:幻想郷が俺の世界DCD

いよいよ世界と本格的に関わってくということか。……しかしあいつは少年と言える歳か?

 

335:装者全員と友達になる男

気にするとこそこじゃなくね?

 

 


 

 

「うぉぉ!? な、なんだこれ……!!?」

 

ブレイドニキ――『剣城カズハ』は気付くと空に居た。

アンデッドになってもはや自分でも分からない年月―――おそらく4,50年ほど生きていたが、「空から降って来た手紙を読んだら異世界の上空4000mだった」という体験は一度もない。

一面に広がる深々とした森、遠くに見える青い湖や滝、ちらっと見えるドーム状の巨大な建築物、遥か彼方に見える更に超巨大な光の柱、そして真下にある湖に落ちていく自分と3人の少年少女―――。

 

「………あー、これ見たことあるわ。前世で……つまり……」

 

―――ディケイド風に言うなら、此処は『箱庭の世界』。

 

「………………あ、俺飛べるじゃん」

 

しばらく感慨やら色々と感情がごちゃごちゃしていたことでぼーっとしていたカズハであるが、ハッと我に返るとアンデッドの力―――スペードのJ、イーグルアンデッドの能力を解き、ふわりと空中に停滞。

隣を落ちていく金髪の少年が此方を見て驚愕と共になにやら好戦的なニヒャッとした笑みを浮かべたのは見なかった事にして、ついでに落下していくのもスルーした。

カズハは別に好戦的というわけではないのである。喧嘩を売られたと言って買うことは余程の事が無い限り無い。

例えばひそかにコンプレックスである、女っぽい名前を弄られるとか。

 

「まあ、助けようにもそもそも変身してないからスピードなんか出ないしなー……」

 

そんな呑気な事を考えているうちに他三人はどんどん落ちていき、最終的に湖に盛大な水柱を立てて無事(?)着水。

見届けてからカズハはゆっくりと降下を始めるのであった。

 

♠♠♠

 

「し、信じられないわ! まさか問答無用で引き摺り込んだ挙句、空に放り出すなんて!」

「右に同じだクソッタレ。場合によっちゃその場でゲームオーバーだぜコレ。石の中に呼び出された方がまだ親切だ」

「…………いえ、石の中に呼び出されては動けないでしょう?」

「俺は(出られるから)問題ない」

「ついでに俺も(死なないから)問題無い」

「……そう。身勝手ね」

 

カズハ、皮肉をぶつけあっている自分と同じ境遇と思われる少年少女とコンタクトを試みる。

 

「それに貴方、飛べるのに私達を助けなかったの?」

「飛べることと自由に飛び回るということはノットイコールなんだよ。つまり俺は鳥のようには飛べない。なんなら人を抱えて飛んだことすらないからな。許せ」

 

ジャックフォームになれば自由に飛べるとは言わない。言ったら喧嘩になる。後が怖いが。

加えてこの時点ではお互い素性も知らない相手に手札を見せる程カズハは愚かでは無かった。

飛べることなど”些細なことに過ぎないのだし”。

 

「そう、貴方も結構身勝手なのね」

「初対面の相手に随分と手厳しいな……。まあそういうことで、此処は自己紹介から始めようか、最初に確認したいのは、あんたら全員、手紙は読んだのか?」

「そうだけど、まずは"あんた"って呼び方を訂正して。私は『久遠飛鳥』よ。それで、そこの猫を抱きかかえている貴方は?」

 

此処で一つ、カズハはこの「箱庭の世界」―――通称、「問題児たちが異世界から来るそうですよ?」という物語を知らない。なぜならば前世で読んだことのない小説だからである。

なので彼の反応としては「高飛車お嬢様テンプレだなあ……」程度である。

 

なおスレ民達はこの、問題児名物の自己紹介に興奮していたりする

自己紹介シーンというのはどの世界でも大事なのだ。推しキャラとの最初の出会いになるわけなので。

 

閑話休題

 

「………『春日部耀』。以下同文」

「そう。よろしく春日部さん。それで、野蛮で凶暴そうなそこの貴方は?」

「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な『逆廻十六夜』です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子そろった駄目人間なので、用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれお嬢様」

「そう。取扱説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君」

「ハハ、マジかよ。今度作っとくから覚悟しとけ、お嬢様」

 

なんだその自己紹介めっちゃ個性出るじゃん。とはカズハの内心である。同時にこの二人初対面なのに相性というか息ぴったりだなー、とか。

さて、間違いなく次は自分の番だろう。如何せん剣城カズハ、30年のぼっちである。自己紹介などやったのはアンデッドになって以来一度もない。

ということで。

 


 

350:スペードの剣@召喚された

自己紹介の安価を取るぞ。

 

351:魔王オーマジオウ・トリニティ

安価だあああああ!!!

 

352:装者全員と友達になる男

生き甲斐じゃああああああああ!!!

 

353:鎧武が斬る!零

おいそれでいいのか

 

354:カブト@ユニオン指揮官

事故る未来しか見えない

 

355:スペードの剣@召喚された

別にいいだろ。俺いい自己紹介とか思いつかないし。

ということで少し短いが>>363で

 

356:執務官受験生555

普通に名乗る

 

357:執行官ナンバー15ウィザード

自分の正体を明かす

 

358:五代さんみたいになりたいクウガ

サムズアップと一緒に挨拶

 

359:装者全員と友達になる男

目の前で変身

 

360:魔王オーマジオウ・トリニティ

性癖暴露

 

361:カブト@ユニオン指揮官

「おばあちゃんが言っていた。この世で覚えておくべき名前はただ一つ……」

 

362:幻想郷が俺の世界DCD

厨二病ゼンカイで名乗る。

 

363:鎧武が斬る!零

名前のコンプレックスを宣言

 

364:スペードの剣@召喚された

まあ無難か。あとジオウニキとディケイドニキは覚えてろ

 

365:魔王オーマジオウ・トリニティ

当たったら面白かったのになー

 


 

「俺は剣城カズハ。放浪の旅をしていたところで手紙が降って来た。一応忠告するけど俺の名前を女の子っぽいとか言った奴には容赦しないんで是非とも胸に刻んでくれ」

「おう分かったぜカズハちゃん」

「斬るぞテメェ」

 

カズハ、キレた!

弄れる要素があれば容赦なく弄る。それが逆廻十六夜クオリティである。

 

傲慢そうに背を向ける久遠飛鳥。

我関せず無関心を装う春日部耀。

けらけらと軽薄そうに笑う逆廻十六夜

十六夜(あと鎧武ニキ)をジト目で睨んでいる剣城カズハ。

そんな彼らを物陰から見ていたウサ耳の少女は憂鬱そうにため息を付くのだった。

 

「(うわぁ……なんか問題児ばっかりみたいですねえ……)」

 

♠♠♠

 

「それで? 呼び出されたはいいけどなんで誰もいねえんだよ。この状況だと、招待状に書かれていた箱庭とかいうものの説明をする人間が現れるもんじゃねえのか?」

「そうね。なんの説明もないままでは動きようがないもの」

「………この状況に対して落ち着き過ぎているのもどうかと思うけど」

「焦って変な行動を起こすより遥かにマシだぞ? 生き残る上では特にな」

「(全くです……)」

 

しかしこんなところで悶々としていてもどうしようもない。意を決して出ようとする兎少女……。

 

「だからこそ、まずはそこにいる女を問い詰めるのが一番だな」

 

ビクッ! と視線が合い、思わず引っ込み直す羽目になった。

 

「あら、貴方も気づいていたの?」

「生憎気配には敏感でね。そういうのにすぐに気づかなきゃ明日も知れぬ我が身だった」

「何だお前、もしかして指名手配犯か?」

「似たようなものかもな。そういう逆廻も、春日部も気づいてたんだろ?」

「当然。かくれんぼじゃ負けなしだぜ? あと別に名前で呼んでも構わねえよ」

「そうか? じゃあ遠慮なく呼ばせてもらうぜ十六夜ちゃん」

「ハッ、表出ろテメェ」

 

ここぞとばかりに仕返しをするカズハである。率先して喧嘩は買わないが、買われた喧嘩は売り返すのが彼の主義である。

とりあえずのところ、コミュニケーションは問題無さそうである。今更ながらに人間社会で暮らす事を始めた『ジョーカー』の気持ちが分かったカズハは内心ほっと安堵するのであった。

 

「もう表じゃない。春日部さんも気づいてたの?」

「……風上に立たれたら嫌でもわかる」

「へえ? 面白いなお前ら」

 

兎にも角にも、理不尽な召集をされた四人衆は怒りの籠った目で草むらの影を睨む。

そんな雰囲気に観念したとばかりに出てきた兎少女は両手をホールドアップ。

 

「や、やだなあ皆様。そんな狼みたいに怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ? ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます。そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ、穏便に御話を聞いていただけたら嬉しいでございすヨ?」

 

そんな少女―――黒ウサギの懇願は割と余裕そうだったので。

 

「断る」

「却下」

「お断りします」

「出直してこい」

 

余裕で断るのであった。この四人阿吽の呼吸である。

 

「あっは♪ 取りつくシマもないでございませんね」

 

バンザーイ、と降参のポーズをとる黒ウサギ。

しかしその眼は冷静に四人を値踏みしており、どうするべきかを考えている―――ので。

 

「……春日部さんよ」

「……何?」

「左行け。俺右な」

「合点承知」

 

気付かれないように高速で背後に回り……

 

「てい」

「おらあ」

「ふぎゃ!!?」

 

力いっぱい引っ張った。

 

「ちょ、ちょっとお待ちを! 触るまでなら黙って受け入れますが、まさか初対面で遠慮無用に黒ウサギの素敵耳を引き抜きに掛かるとは、どういう了見ですか!?」

「好奇心の為せる技」

「おお、柔い柔い。アンデッドのかってー耳とは比べ物にならないな」

「自由にも程があります!?」

 

振り払ってなんとか距離を取る黒ウサギ、そんな彼女の背後に。

 

「へえ? このウサ耳って本物なのか?」

「………じゃあ私も」

「ちょ、ちょっと待――!」

 

今度は十六夜が右から、飛鳥が左から。

森の中に黒ウサギの情けない悲鳴が上がるのだった。

 


 

380:幻想郷が俺の世界DCD

楽しそうで何よりだなブレイドニキ

 

381:スペードの剣@召喚された

めっちゃ楽しい。久しぶりにこんな馬鹿みたいなことできるのすげえ嬉しい

 

382:カブト@ユニオン指揮官

では、今のうちに説明しておこうか

 

383:スペードの剣@召喚された

おう、頼んだ。俺原作知らないからな

 

384:執行官ナンバー15ウィザード

あとで黒ウサギが説明してくれるんだけどなあ

 

384:魔王オーマジオウ・トリニティ

それが黒ウサギクオリティだから




剣城カズハ
統制者は既に倒している。それから2、30年ほど世界中を放浪するがアンデッド故に一カ所に留まると化物ということがバレてしまうため、停滞することが出来ずにあらゆる場所を放浪し続けている。
掲示板での交友のおかげで人格を保っている。剣崎一真と比べると結構問題児気質。
カズハが男の名前で何が悪いんだ! 俺は男だよ! とのこと。


執行官ナンバー15ウィザード
まだ事件が起こる前。このころから既にグレンの事を揶揄っていた。
執行官ナンバー15は確か出てなかったと思うのですが、もし居たら報告ください。変えます


装者全員と友達になる男
AXZくらいの時期。一回死にかけてコズミック覚醒したところ。
装者全員とは友達になっている。シンフォギアは知らないが、スレ民達の応援とサポートで奏を生存させている。
セレナに関しては別の要因、つまりメテオによって生存している。
サンジェルマンともダチになる男


鎧武が斬る!零
まだ零時点。選抜試験中にアカメとクロメを見つけて逃亡。サバイバル生活をしつつ二人を鍛えている。
将来的な事を考えて二人には暗殺もしてもらわなければならない為、心を鬼にしている。
それと並行して零の選抜組メンバーの動きを監視。現状はタエコに殺害されそうなコルネリアを救出。どうすれば帝国の教育が解けるかをスレ民に相談中


五代さんみたいになりたいクウガ
ゴ集団との戦いも佳境に入っている。もうすぐ閣下との戦い。
五代雄介が成し遂げた「アルティメットフォーム・レッドアイ」を自分に実現できるかは分からないが、とにかく自分に出来る事を……と考えて運命の日までを悔いることないように生きている。


カブト@ユニオン指揮官
まだ指揮官としては駆け出しだがカブトとしては既に戦闘経験を積んでいる。
特製料理の腕でユニオンのKAN-SEN達を虜にした。
彼の真似をして「指揮官が言っていた」という口癖を使うKAN-SENが後を絶たない模様。


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不死の剣はノーネームの実情を知るようですよ

問題児×ブレイドシナリオの続きです。
ネタが割り込まない限りはこのまま一巻分まで継続します

ガンバライジングのLR50thブレイドかっこよすぎませんかねえ……?


1:スペードの剣@こんにちは箱庭

ここは「問題児たちが異世界から来るそうですよ?」の世界に転移した俺、仮面ライダーブレイドの異世界道中実況掲示板だ。

原作知識が俺には無いからアドバイスや先のネタバレは気にせず教えてくれると嬉しい。

 

なお今は黒ウサギという少女にこの世界が「箱庭」と呼ばれる都市であることと、「ギフトゲームとはなんぞや」ということを教えてもらい、箱庭に向かっているところだ

 

2:五代さんみたいになりたいクウガ

スレ立て乙ー

 

3:鎧武が斬る!零

ネタバレ気にしないで言っていいのはありがたい。まあ俺も問題児知らないんだけどな

 

4:装者全員と友達になる男

読めよー!

 

5:鎧武が斬る!零

読めたら苦労しねえよこちとら帝国だぞ!!

 

6:執行官ナンバー15ウィザード

現代日本とかけ離れてるとそういうの読めないの辛いよね

 

7:カブト@ユニオン指揮官

まあアドバイスは任せろ、問題児シリーズは履修済みだ

 

8:執務官受験生555

流石はサブカル知識の宝庫カブトニキだな

 

9:ビルド@おのれエボルトォ!

原作知識に困ったらカブトニキを頼れ。これスレ民のお約束

 

10:スペードの剣@こんにちは箱庭

じゃあ早速。なんか十六夜が「一緒に世界の果てを見に行くか?」と聞いてきたんだがどうするべきだ?

 

11:五代さんみたいになりたいクウガ

冒険野郎としてはその世界の果てっていうのも気になるけどね~

 

12:カブト@ユニオン指揮官

止めるのは無しだ。理由は後述だが必須事項だからな。その上でどうするかはブレイドニキが決めてくれ。

 

13:スペードの剣@こんにちは箱庭

了解した。さてどうするかな……世界の果ても面白そうだが、勝手に抜けるのは流石にな……

 

14:執行官ナンバー15ウィザード

後々また行ける機会あるし大丈夫だと思うよ? それに一緒に行くなら第三宇宙速度で走らないと

 

15:鎧武が斬る!零

第三……なんて?

 

16;ビルド@おのれエボルトォ!

地球及び太陽の重力領域から脱出する為に必要な速度。大体16.7 km/sかな

 

17:執務官受験生555

つまりアクセルフォームとほぼ同等か……マ?

 

18:スペードの剣@こんにちは箱庭

マジか。そんな速度が無制限か彼は。凄いな……

 

19:カブト@ユニオン指揮官

クロックアップもかくやの速さだからな

 

20:装者全員と友達になる男

どうすんだブレイドニキ? マッハ全開にすれば追いすがれるんじゃね?

 

21:スペードの剣@こんにちは箱庭

いや、流石にいきなりそれは面倒臭いな……いいや、今回は見送ろう。

 

22:執行官ナンバー15ウィザード

まあ別にどっちを選んでも変わらないからねえ。

 

23:スペードの剣@こんにちは箱庭

今十六夜が走っていった。というか一瞬で見えなくなったんだが……。マジで速いな

「じゃ、ちょくら土産を期待しとけよ」って言われたし期待して待っとくか

 

とか話してたら箱庭ってとこに着いたみたいだ。入口のとこに少年が座ってるのが見える。

 

24:カブト@ユニオン指揮官

ジン坊ちゃんだな。彼がコミュニティのリーダーだ

 

25:スペードの剣@こんにちは箱庭

は? え、マジか? まだ小・中学生くらいだぞ?

 

26:鎧武が斬る!零

アカメとクロメもそのくらいの時期から鍛えてたからありえなくはないんじゃね?

 

27:装者全員と友達になる男

そうだなー、中高生が戦闘要員とか珍しくねえって

 

28:執務官受験生555

ああ、なのは達なんか小学生から戦い始めてたんだぞ?

 

29:スペードの剣@こんにちは箱庭

いや、紛争地帯で戦争兵とかを見てきたから全然違うのが分かる。戦闘・軍略においても初心者というか幼子だ。間違いない

 

30:五代さんみたいになりたいクウガ

そんな子がリーダーねえ……、何か凄い能力を持ってるのかな? もしくはそうせざるを得ない状況なのか……

 

31:執行官ナンバー15ウィザード

まあ、そこはもうすぐ分かるよ

 

32:スペードの剣@こんにちは箱庭

少年に指摘された黒ウサギがようやく十六夜がいないことに気付いた。というか話聞いていただけなのに飛鳥と耀が息ぴったり過ぎて面白いな

 

33:カブト@ユニオン指揮官

以心伝心だからな、問題児組は

 

34:装者全員と友達になる男

ダチになるのが早くていいな!

 

35:スペードの剣@こんにちは箱庭

あ、こっちに矛先が向いた。

 

『カズハさんも! どうして止めてくれなかったんですか!』

『大丈夫だ黒ウサギ、彼はお土産を持ってくると言っていたからな。期待して待ってればいいさ』

『わーそれは楽しみですねーってちがーう!!』

 

36:鎧武が斬る!零

お前もノリいいじゃねえかブレイドニキw

 

37:ビルド@おのれエボルトォ!

類は友を呼ぶってなあw

 

38:スペードの剣@こんにちは箱庭

というか箱庭の外には幻獣がいるのか? なんか少年が焦ってるが、なあカブトニキ本当に大丈夫なのか?

 

39:カブト@ユニオン指揮官

大丈夫だ、問題無い

 

40:執務官受験生555

それ大丈夫じゃないパターンだろ

 

41:五代さんみたいになりたいクウガ

=b

 

42:装者全員と友達になる男

クウガ先輩がそれやると大丈夫な気がするな!

 

43:スペードの剣@こんにちは箱庭

まあ有識者の発言は信じよう。

 

『あら、じゃあもう彼はゲームオーバー?』

『ゲーム参加前にゲームオーバー?…斬新』

『仕方ない、彼の犠牲は次の攻略者の為に記録しておこう』

 

44:執行官ナンバー15ウィザード

いや本当にノリいいねブレイドニキ

 

45:鎧武が斬る!零

久々の人との付き合いでハイになってるんじゃね?

 

46:スペードの剣@こんにちは箱庭

前までは余裕がなかっただけで俺はこういう性格だぞ? おっと……

 

47:カブト@ユニオン指揮官

黒ウサギが十六夜を追っていったか?

 

48:スペードの剣@こんにちは箱庭

ああ、というか彼女も凄い身体能力だな。十六夜に負けていないぞ

 

49:ビルド@おのれエボルトォ!

強くてハエーイウサギか、なんか親近感湧くなあ

 

50:スペードの剣@こんにちは箱庭

ま、十六夜のことは彼女に任せて、箱庭散策でもするかね。

というか自己紹介したけどやっぱり彼がリーダーなんだな……

 

51:カブト@ユニオン指揮官

こればかりはブレイドニキが先入観を持たずに自分で知ってほしいから言わないでおこう

 

52:執行官ナンバー15ウィザード

じゃあ俺も今回は黙ってようかな。割とすぐに分かることだから皆も大丈夫だよ

 

53:鎧武が斬る!零

おk

 

54:スペードの剣@こんにちは箱庭

おおー……まさにファンタジー異世界って感じの町並みだ……

 

55:執行官ナンバー15ウィザード

分かる~。転生直後の俺もそうだった

 

56:装者全員と友達になる男

俺らって元々いた日本と全然変わらないからなあ~

 

57:ビルド@おのれエボルトォ!

だなあ、ちょっと羨ましいわ

 

58:執務官受験生555

俺のとこもそんな変わらないからな……地球もあるし

 

59:鎧武が斬る!零

俺くらいじゃないか? 元の世界とあまり変わらないの

 

60:スペードの剣@こんにちは箱庭

人の営みがしっかりしてるなあ……いい光景だ……

 

61:カブト@ユニオン指揮官

その光景に感慨を覚えている時点で相当の苦労が偲ばれる……

 

62:五代さんみたいになりたいクウガ

辛いなあ……分かるよ

 

63:ビルド@おのれエボルトォ!

本当、何より大事だよな……

 

64:鎧武が斬る!零

本当そうだよ……

 

65:執行官ナンバー15ウィザード

流れ弾当たりすぎじゃない!?

 

66:執務官受験生555

いやホント辛ェって……どうして争うんだよ……

 

67:装者全員と友達になる男

ほ、ほらブレイドニキ! どうなってる!?

 

68:スペードの剣@こんにちは箱庭

あ、ああ。なんか旗を掲げてるカフェに着いた。オープンテラスでいい雰囲気だな……ってか飲み物は元の世界と変わらないんだな。……ん?

 

69:鎧武が斬る!零

珈琲という名の別モンかもしれねえけどな。どうした?

 

70:スペードの剣@こんにちは箱庭

いや、誰も注文してない品があったんだが、耀が抱いてる猫が注文したっぽい。そういやこの店員猫娘だったな。……というかシレッと耀が三毛猫と会話してるな

 

71:装者全員と友達になる男

動物と会話できんのかその子! すげーな!

 

72:執務官受験生555

ブレイドニキあまり驚いていないな?

 

73:スペードの剣@こんにちは箱庭

いやまあ、スペードスートのアンデッドの子孫の生物とは会話できるからなあ……

 

74:執行官ナンバー15ウィザード

あ、そうだこの人融合係数高すぎ君だった

 

75:ビルド@おのれエボルトォ!

いや7って三葉虫じゃん。三葉虫と会話する時とかあるの?

 

76:スペードの剣@こんにちは箱庭

いやないけどさ

 

『ちょ、ちょっと待って!? 貴女もしかしてネコと会話ができるの?』

『…うん、生きているなら誰とでも話は出来る』

『へえ、無制限ってのはすげえな。俺は一部としか話せないからな』

『! カズハもそうなの!?』

 

お、おう食いついてきたな

 

77:鎧武が斬る!零

まあそりゃなあ。似た力を持ってるって聞けば反応するだろ

 

78:スペードの剣@こんにちは箱庭

『あ、ああ。まあ俺が出来るのはカブトムシ、トカゲ、ライオン、猪、バッタ、鹿、三葉虫、牛、コガネムシ、鷲、山羊だけなんだが』

『随分偏ってるわね……三葉虫って』

 

同じこと突っ込まれたよ

 

79:装者全員と友達になる男

そりゃ誰でも突っ込むだろ

 

80:カブト@ユニオン指揮官

今のうちに耀とは仲良くしておくといい。今後の考えておくとな

 

81:スペードの剣@こんにちは箱庭

覚えておくよ。ところでなんかスーツピチピチな男が割り込んできたんだけど

 

 


 

 

「おんやぁ? 誰かと思えば東区画で最弱の名無しコミュのリーダー、ジン=ラッセルくんじゃありませんか」

「僕らのコミュニティは〝ノーネーム〟です。〝フォレス・ガロ〟のガルド=ガスパー」

「黙れ、この名無しめ。聞けば新しい人材を呼び寄せたらしいじゃないか。コミュニティの誇りである名と旗本を奪われてよくも未練がましくコミュニティを存続させることなどできたものだ」

 

煩わしい声だ。とカズハは思う。

多くの国を旅し、善なる人格者も下卑た卑怯者も見てきたカズハは何処からともなく話に割り込んできたんだタキシードの男に本能的な不快感を覚えた。

とはいえそもそも話の中に勝手に割り込んでくる辺り非常識なのは間違いないので、彼のみならず飛鳥も少し眉間にシワを寄せて制した。

まあ短い付き合いながらも飛鳥の性格上はこういう男は嫌いそうだなと察してたりする。

 

「同席を求めるならばまず氏名を名乗ったのちに一言添えるのが礼儀ではないかしら?」

「おっと失礼。私は箱庭上層に陣取るコミュニティ〝六百六十六の獣〟の傘下である」

「烏合の衆の」

「コミュニティのリーダーをしている、ってマテやゴラァ! 誰が烏合の衆だ小僧オ!」

 

バンッ!とテーブルを叩く男、ガルド。

久し振りの食事なのだから静かにしてほしいカズハの不快感が一層増した事に気づかず、ジンとガルドは言い合いを始める。

 

「口慎めや小僧ォ……紳士で通っている俺にも聞き逃せねえ言葉はあるんだぜ……?」

「森の守護者だったころのあなたなら相応に礼儀で返していたでしょうが、今のあなたはこの二一〇五三八〇外門付近を荒らす獣にしか見えません」

「ハッ、そういう貴様は過去の栄華に縋る亡霊と変わらんだろうが? 自分のコミュニティがどういう状況に置かれてんのか理解できてんのか?」

「ハイ、ちょっとストップ」

 

ガルドの話で自身が感じた違和感が確信に近づく。

この場は飛鳥に任せつつ、状況をより理解するためにカズハは傾聴の姿勢を取った。

 

「事情はよくわからないけど、あなたたち二人の仲が悪いことは承知したわ。それを踏まえたうえで質問したいのだけど………ねえ、ジン君。ガルドさんが指摘している、私たちのコミュニティが置かれている状況……というものを説明していただける?」

「そ、それは……」

「ジン、仮にも組織のリーダーを名乗り、これから同胞として迎えようというならその姿勢は不誠実以外の何物でもない。最低限の仁義は通すのが人の道だと思うが?」

「お二人とも、あなた達の言う通りだ。コミュニティの長として新たな同士に箱庭の世界のルールを教えるのは当然の義務。よろしければ、〝フォレス=ガロ〟のリーダーであるこの私が、コミュニティの重要性と、ジン=ラッセル率いる〝ノーネーム〟のコミュニティを客観的に説明させていただきますが」

 

11歳の少年に向けるものではないとは思うが、それでも筋は筋。リーダーを名乗る彼にそれを通させる為にあえて厳しい言動をする。

それを聞いて形勢が自分に回ってきたと察したのか、やはりガルドがニヤニヤと笑いながら声を出してくる。が、

 

「悪いがあんたには聞いてねえ。俺は彼、ジンの口から聴こうとしているんだ」

「はあ、ですが彼は話したがらないと思いますが?」

「話したい話したくないの問題じゃない、人間の道理の問題だ。義務と言う言葉をあんたも口にしたなら、本人がその責任を負うべきだ。違うか?」

「……なるほど、確かにそれは一理ありますね。おい小僧聞いただろうが。自分で言えやお前らの現状を」

「ッ……………」

 

ジンの手はガタガタと震え、脂汗がじんわりと浮かび上がる。

中々話そうとしない彼に痺れを切らしたのか、飛鳥が口を開こうとしたその直前になってようやく震えながら彼は言葉を発した。

 


 

92:ビルド@おのれエボルトォ!

いやブレイドニキ厳しいなあ

 

93:カブト@ユニオン指揮官

組織というものの形を維持するためには必要なことだ。幼子であってもその枠組みの一員であるのならば尚更だ

 

94:鎧武が斬る!零

だよなあ。そこはしっかりと間違えないように厳しくしないとだぞ

 

95:執行官ナンバー15ウィザード

なるほどねえ……確かに必要だよね

 

96:スペードの剣@こんにちは箱庭

それで、今ジンが話しているのを聞いているんだが、名と旗印を奪われた「ノーネーム」か……

 

97:装者全員と友達になる男

他に人がいないから子供のジンがリーダーをしないといけねえってか……

 

98:執務官受験生555

そりゃまた、随分となあ……魔王ってのは名前通りの野郎ってか

 

99:五代さんみたいになりたいクウガ

此処でも人の営みを自分の勝手で潰して楽しむ存在がいるんだね……許せないな

 

100:カブト@ユニオン指揮官

さあ、これを踏まえてブレイドニキはどういう選択を取る?

 

 


 

 

「私の方からも言わせていただきますがね。彼はコミュニティのリーダーとは名ばかりで殆どリーダーとして活動はしていません。コミュニティの再建を掲げてはいますが、その実態は黒ウサギにコミュニティを支えてもらうだけの寄生虫」

「ッ…………!」

「私は本当に黒ウサギが不憫でなりません。ウサギと言えば〝箱庭の貴族〟と呼ばれるほど強力なギフトの数々を持ち、何処のコミュニティでも破格の待遇で愛でられます。コミュニティにとってウサギを所持しているのと言うのはそれだけで大きな〝箔〟が付く。なのに彼女は毎日毎日糞ガキ共の為に身を粉にして走り回り、僅かな路銀で弱小コミュニティをやり繰りしている」

「…………なるほど、な」

 

真っ赤になって震えるジンだが、ガルドが言っていることが事実なのだと、彼自身が一番認めているからなのか、反論することはできずにいる。

この時点でカズハは自分の身の振り方を固めていた。

 

「…………そう。事情は分かったわ。それでガルドさんは、どうして私たちにそんな話を丁寧にしてくれるのかしら?」

 

飛鳥の質問を待っていたとばかりに口角を歪ませたガルドは身を乗り出し、目的である一手を切り出した。

 

「単刀直入に言います。もしよろしければ黒ウサギ共々、私のコミュニティに来ませんか?」

「な、何を言いだすんですガルト=ガスパー!?」

「黙れ、ジン=ラッセル。そもそもテメェが名と旗印を新しく改めていれば最低限の人材はコミュニティに残っていたはずだろうが。それを貴様の我が侭でコミュニティを追い込んでおきながら、どの顔で異世界から人材を呼び出した」

「そ…………それは」

 

これもまた事実。故にジンは反論出来ない。

だが、二人の思惑を無視して飛鳥の口からその結論は出た。

 

「結構よ。私はジン君のコミュニティで間に合っているもの」

「………はっ?」

「春日部さんは今の話をどう思う?」

「別に、どっちでも。私はこの世界に友達を作りに来ただけだから」

「あら意外。じゃあ私が友達一号に立候補していいかしら? 私たちって正反対だけど、意外に仲良くやっていけそうな気がするの」

「…………うん。私の知る女の子とちょっと違うから大丈夫かも」

 

友情成立の場面を間近で見ることが出来た。今日は良いことがありそうだな、などと呑気に考えていたカズハだったが、そんな彼にも飛鳥からの質問が飛ぶ。

 

「カズハ君はどうするの?」

「解りきっている事を聞くなよ。ノーネーム一択、それ以外あり得ないだろ?」

「えっ!?」

 

更に目を見開くジン。そんなに厳しく接したカズハが自分のコミュニティに迷いなく入ると言ったことが衝撃だったのだろうか。

そしてそれはガルドも同じだったようで慌てて問いかけてきた。

 

「なっ、し、失礼ですが理由を伺っても?」

「だから間に合っているのよ。春日部さんは友達を作りに来ただけだからどちらでも構わない。そうよね?」

「うん」

「私、久遠飛鳥は裕福だった家も、約束された将来も、おおよそ人が望みうる人生の全てを支払って、この箱庭に来たのよ? 小さな一地域を支配しているだけの組織の末端として迎え入れてやるなんて言葉を魅力的に感じるとでも思ったのかしら? だとしたら、自身の身の丈を知った上で出直して欲しいものね、このエセ紳士」

「へえ、飛鳥は俺と逆なんだな」

「あら、そういうカズハ君はどうなのかしら?」

「理由は二つある」

 

ビシッと指をまず一本突き立てる。

 

「俺には行く宛も帰る家も辿り着く最果てすらもない。。地球という星の全てを踏破してしまったからな、居場所なんてがどこにもないまま、延々と見飽きた世界をさ迷い歩く事しかできなかった。これまでも、この先も………。だから、俺をこの世界に呼んでくれたジンや黒ウサギは俺の恩人ってことだ。だから俺は彼らに力を貸すだけさ」

「で、ではもう、一つの理由とは?」

「一つ目はジン達のコミュニティに入る理由、二つ目はお前のコミュニティに入らない理由」

 

指をもう一本突き立てつつ、目を軽く閉じる。

脳裏に浮かぶのは唯一無二の友の姿。それほど過酷な運命を背負いながらも後悔は一切していないと、胸を張って言えるのは、その親友の為。

そんな彼が大切にしていた幼い少女の姿を思いだしーーー

 

 

 

「お前は一生懸命に生きようとしている子供のことを糞ガキと呼んだ。そんな奴が治める組織に入る訳がないだろうがこの糞野郎」

 

 

 

「くっ……! お、お言葉ですが」

()()()()()

 

その時、言い寄ろうとしたガルドの下顎がガチン!と歯が傷付く程の勢いで閉じられる。

対面に座っている飛鳥の目が怪しく輝いているようにも見えた。

 

「貴方には聞きたいことがあるの。()()()()()()()()()()()()()()()()

 

今度はドカッと椅子が壊れる程の勢いで座らせられた。

そんな光景を見てカズハはかつて存在したアンデッドを思い出す。

 

「(ハートのカテゴリーQと同じ、他者の支配か! しかもあっちは花粉だったが飛鳥は言葉だけで此処まで!)」

 

確かに女王の風格あるなあ、などと考えてスレ民も同意していたりするがそんなことは飛鳥が知る由もない。

 

「あなたはこの地域のコミュニティに両者合意で勝負を挑み、そして勝利したと言っていたわ。だけど、私が訊いたギフトゲームの内容は少し違うの。コミュニティのゲームとは〝主催者〟とそれに挑戦する者が様々なチップを賭けて行う物のはず。……ねえ、ジン君。コミュニティそのものをチップにゲームをすることは、そうそうあることなの?」

「や、やむを得ない状況なら稀に。しかし、コミュニティの存続を賭けることになりますから、かなりのレアケースです」

「そうよね。訪れたばかりの私たちでさえそれぐらい分かるもの。そのコミュニティ同士の戦いに強制力を持つからこそ〝主催者権限〟を持つ者は魔王として恐れられているはず。その特権を持たないあなたがどうして強制的にコミュニティを賭けあうような大勝負を続けることができたのかしら。()()()()()()()?」

 

その言葉にガルドは抗う術を持たない。自身を破滅に追い込む程の秘密までもを包み隠さず話さざるを得ない。

 

「き、強制する方法は様々だ。一番簡単なのは、相手のコミュニティの女子供を攫って脅迫すること。これに動じない相手は後回しにして、徐々に他のコミュニティを取り込んだ後、ゲームに乗らざるを得ない状況に追い込んでいった」

「まあ、そんなところでしょう。あなたのような小物らしい堅実な手です。けどそんな違法で吸収した組織があなたの下で従順に働いてくれるのかしら?」

「各コミュニティから、数人ずつ子供を人質にとってある」

 

ーーー心が、体温が冷えていくのを感じる。

外道だ。間違いなく。

最初に感じた嫌悪感、アンデッドの闘争本能に似た感覚………それは

 

「…………そう。ますます外道ね。それで、その子供たちは何処にいるのかしら?」

()()()()()

 

この男から馨る、血の臭いが引き起こしていたんだ。

 

「初めてガキ共を連れてきた日、泣き声が頭に来て思わず殺した。それ以降は自重しようと思っていたが、父が愛しい、母が恋しいと泣くのでやっぱりイライラして殺した。それ以降、連れてきたガキは全部まとめてその日のうちに始末することにした。始末したガキの遺体は証拠が残らないように腹心の部下が喰

()()

 

これほどの怒りを覚えたのは、ダイヤのカテゴリーJ……いや、それ以上の屑だ、こいつは。

 

「今の証言で箱庭の法がこの外道を裁くことはできるかしら?」

「厳しいです。裁かれるまでに彼が箱庭の外に逃げ出してしまえば、それまでです」

「そう、残念ね」

 

パチン! と指を鳴らすとガルドの強張っていた身体が弛緩する。が、それも一瞬、膨張した全身の筋肉、剛毛に皮膚が覆われ、ガルドは虎の亜人へと姿を変えた。

 

「こ…………この小娘がァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

怒りのまま、その腕を振るうガルド。

だが、その腕が飛鳥に届く前に止まった。

否、止めざるを得なかった。

 

いつの間にかカズハが持っていた黄金の大剣がその喉元に突き付けられていたからだ。

 

「これで、暴行未遂も罪に追加されたな。怪我は無いか?」

「ええ、お陰さまで。それが貴方の恩恵?」

「そんなところだ。………おい、お前」

 

冷たく、低い声で「重醒剣キングラウザー」を突きつけたカズハに、今の己より二回りも小柄な彼にガルドは動けない。

動くことが赦されない。

彼の野生の本能が、目の前の存在に、ただの人間にしか見えない青年に、「戦ってはならない」と強く警鐘を鳴らしている。

 

「まあ、生き残る上では時に悪知恵を働かせなきゃならない。他種族を脅してでも自分の繁栄を臨むのは間違ってはいない。そもそも文化が違う俺達がお前を裁く権利もなければ口出しする権利すらもないのかもしれない。

 

だがな……外道に身を落としてでも他の命を狩ってきたんだ。自分は狩られないと、いつからそう思っていたんだ?」

 

子供を殺した、それを許せないのはあくまでも自分の感情。

だが感情ではどうにもならない時がある。だからこそ道理を通さなければならない。

たった一人のアンデッドを生かすために自分がアンデッドになったように。

人類史を滅ぼされないように統制者を滅ぼした時のように。

無辜の、それも幼い命を不毛に食らっていながら、自分だけがのうのうと生きているなど、許される運命ではない。

 

「俺は今すぐその首を切り飛ばしたい。だけどな、人としても獣としても道を踏み外したお前と同じ場に身を落とすつもりは微塵もない。だからこそ、道理と摂理と条理を以て、お前には正しく運命を与える」

 

キングラウザーを一度引いて眉間に突きつける。

その、生気の宿っていないような、不死者の瞳は運命を突きつける。

 

「俺達とギフトゲームをしろ。それがお前に残された唯一の運命だ」

 




スペードの剣/剣城カズハ
今回判明したのはスートスペードのアンデッド由来の他種族との会話と、生身でのキングラウザー召喚。
キングフォームを介してアンデッドになったので、それに由来するであろう能力。なので変身しなくても強い。
道理や運命には強い拘りを持つ。カリスを見届けていた彼の地雷をガルドは踏み抜きまくった。合掌
普段はディケイドの剣立カズマに近いが、キレると剣崎一真っぽくなる。

カブト@ユニオン指揮官
数多くのサブカルチャーに精通しているので解説ニキも担ってたりする。
同じカブトムシライダーということでブレイドニキとは馬が会う様子

ビルド@おのれエボルトォ!
まだ学園都市世界と融合する前のリイマジ時空。時期的にはジーニアスが完成した位の頃合い。
現在の目標は安全なブリザードナックルの開発


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不死の剣は焔を斬るそうですよ?

歴代の話で最長の1万2000文字でございます。長いわ!!
その甲斐もあってようやく本領発揮でございます!!


111:スペードの剣@こんにちは箱庭

『な、なんであの短時間で”フォレス・ガロ”のリーダーと接触して喧嘩を売る状況になったのですか!?』

『しかもゲームの日取りは明日!?』

『それも敵のテリトリーで戦うなんて!』

『準備の時間もお金もありません!』

『聞いてるのですか三人とも!』

 

『『『ムシャクシャしてやった。今は反省している』』』

 

『だまらっしゃい!』

 

112:執務官受験生555

やっぱノリよすぎんだろこのブレイド

 

113:鎧武が斬る!零

まあ俺があの場に居たら俺でもそうする。誰だってそうする

 

114:執行官ナンバー15ウィザード

まあこの掲示板の住人だったら誰でもやるだろうねえ

 

115:ビルド@おのれエボルトォ!

ああ、話聞いてても虫唾が走ったな

 

116:装者全員と友達になる男

流石に響でもこいつは許せねえだろうなあ

 

117:スペードの剣@こんにちは箱庭

まあ、懸念というか問題はゲームのルールを向こうが決められるっていうのがな……こういう向こうに有利な条件を譲歩しないと奴はさっさと尻尾を巻いて逃げ出してしまうから止むを得ないわけだが

 

118:五代さんみたいになりたいクウガ

あ、そうか。強制権を持ってるのはあくまで魔王だからね。

 

119:ビルド@おのれエボルトォ!

自分が負けると分かっている勝負に挑むほど相手も馬鹿じゃないだろうしなあ

 

120:カブト@ユニオン指揮官

まあ、此処はそこまで気負う必要はないだろう。チュートリアルのような闘いだ。それにブレイドニキの実力でならば問題無い

 

121:スペードの剣@こんにちは箱庭

高く買ってもらって嬉しいが、流石にお前ほどじゃないよカブトニキ

 

122:カブト@ユニオン指揮官

いや、どの口が言う

 

123:五代さんみたいになりたいクウガ

両方大概じゃない?

 

124:鎧武が斬る!零

いやアンタもその一員だぞクウガニキ

 

125:執行官ナンバー15ウィザード

そういう鎧武ニキもいずれそうなるよね

 

♠♠♠

 

黒ウサギのお説教後、カズハ達はとある店、つまりコミュニティを目指していた。

目的地は"サウザンドアイズ"なるコミュニティ。

ギフトの鑑定も行っている大型組織であり、翌日がガルドとのギフトゲームでもある為、前準備として急遽其方へ赴くことになった。

無論、カズハ自身は自分の能力は分かっているし、何なら自分の正体バレすることに抵抗があるので渋ったのだが流石にこの時点で散々迷惑を掛けられた黒ウサギがそんな単独行動を許すわけがなかった。

ついでにガルドに喧嘩を売った張本人ということで目を光らされているのである。

 

「……監視されると結構困るんだが」

「いいえ! 見張ってないと貴方は何処へ行くか分かりませんから!」

「それは十六夜もだろ……俺が何をしたというんだ。ただ喧嘩を吹っ掛けただけなのに」

「それが大問題なのデスヨ!」

「どうでもいいけどアレ目的の店じゃないか? 閉まりかけてるが」

「! ちょ、待っ「待ったは無しですお客様。当店は時間外営業をしておりません」」

 

黒ウサギ、門前払いされる。

なお自由になったカズハだが今度は先程からやたら見てくる耀の目線が気になって動けなかったりする。

 

「なんて商売っ気のない店なのかしら」

「全くです! 閉店時間の五分前に締め出すなんて!」

「文句があるなら余所へどうぞ。これ以上騒ぐなら出禁にしますのでご自由に」

「出禁!? これだけで出禁とか御客様を舐め過ぎでございますよ!?」

「あ、じゃあまた後日ということで帰「らせませんからねカズハさん」……チッ」

 

帰ろうとしたら黒ウサギに腕が掴まれた。普通なら胸キュン展開だがカズハの胸中は憂鬱である。

アンデッドバレはもう避けられないようだ。

 

「ふむ。確かに"箱庭の貴族"であるお客様を無碍にはできませんね。宜しければ、コミュニティの名を伺いたいのですか?」

「俺達は"ノーネーム"ってコミュニティなんだが」

「ほほう? ではどこの"ノーネーム"様でしょうか? よろしければ旗印をご確認させて下さい」

「……なるほどねえ」

 

お手上げとばかりに両手をあげる十六夜。『名無し』が抱える交渉上のリスクを目の当たりにすることになった。

匿名で交渉など信頼に欠けるのだ。それは道理が通っている。店員の意地悪にフシャーっとなる黒ウサギの気持ちは分かれど今回は全面的に彼方が正しい。

なのだが、

 

「いぃぃぃやほぉぉぉぉぉぉ! 久しぶりだ黒ウサギィィィィィ!」

 

店の中から白い人影が猛ダッシュで飛び込んできた。

本来であればその襲撃者は黒ウサギに飛び込んで諸共に道脇の水道にボチャンする運命だったのだが、たまたま近くに居たカズハが反射的に黒ウサギを抱きかかえて退避。一人で勝手に水に飛び込むことになった。

 

「おい店員。この店にはドッキリサービスがあるのか? なら俺も別バージョンで是非」

「ありません」

「なんなら有料でも」

「やりません」

「何コントしてるんだそこ二人」

「そういうお前は何時まで黒ウサギをお姫様抱っこしてるんだ役得野郎」

「あっ」

 

完全に無意識であった。我に返ったカズハは(囃し立てる十六夜&掲示板の連中を黙殺した上で)黒ウサギに声を掛ける。

 

「悪い黒ウサギ、大丈夫か?」

「…………」

「……おーい黒ウサギさーん?」

「……ハッ!? すすすすみませんカズハさんいやこんなつもりで貴方の手を引いていたわけではなくてデスネ!!?」

「いや、その、とりあえず降ろそうか?」

「ほぁ!?」

 

お姫様抱っこにテンパる黒ウサギ、それに釣られて慌てるカズハ、ケタケタ笑って揶揄う十六夜。他所でやってくれとばかりの女性店員、水路に犬神家状態の和装ロリ。何故かカズハをジーッと見ている耀。ついでに更に囃すスレ民達(カズハの脳内のみ)。

カオスな環境に放置されてしまった久遠飛鳥(15)であった。

 

 

♠♠♠

 

 

「あらためて自己紹介をしようかの。私は四桁の門、三三四五外門に本拠を構えておる"サウザンドアイズ"幹部の白夜叉だ。以後見知りおいてくれ」

 

そういうわけで、この和装ロリ――白夜叉の計らいで彼女の自室へ通された一行。

なお黒ウサギは気まずさからか先程からカズハの顔を見れていない。そしてそれを見てニヤニヤしている十六夜は後で殴ろうと決めたカズハであった。

 

「外門って、何?」

「箱庭の階層を示す外壁にある門ですよ。数字が若いほど都市の中心部に近く、同時に強力な力を持つ者達が住んでいるのです。因みに私達のコミュニティは一番外側の七桁の外門ですね」

 

黒ウサギが書いた図を見て口々に玉ねぎ(耀)だのバームクーヘン(飛鳥・十六夜)だのアーチェリーの的(カズハ)だの好き勝手言う一行。

ちなみに

 

 

151:五代さんみたいになりたいクウガ

バームクーヘンに一票

 

152:鎧武が斬る!零

玉ねぎでもあってるだろ?

 

153:装者全員と友達になる男

バームクーヘンが食いてえ!

 

154:執務官受験生555

お前は黙ってろフォーゼニキ

アクセルフォームの中心部

 

155:ビルド@おのれエボルトォ!

上から見たパンドラタワー

 

156:執行官ナンバー15ウィザード

作画崩壊キャベツ

 

157:カブト@ユニオン指揮官

おいやめろウィザード

 

 

スレ民達も自由であった。呑気である。

 

「今いる七桁の外門はアーチェリーの一番外側部分にあたるな。更に説明するなら、東西南北の四つの区切りの東側にあたり、外門のすぐ外は“世界の果て”と向かい合う場所になる。あそこはコミュニティに属してはいないものの、強力なギフトを持ったもの達が住んでおるぞ―――その水樹の持ち主などな。しかし、一体誰が、どのようなゲームで勝ったのだ?知恵か? 勇気か?」

「いえいえ、此方の十六夜さんが蛇神様を素手で叩きのめしてきたのですよ」

 

その黒ウサギの言葉にカズハは内心で驚き、即座にカブトニキに確認。返答は「マジだぞ」であった。

まあ、生身でアクセルフォームに匹敵する速度で動けるほどの男ならば相応の実力者であるのは間違いないだろうが……。

なおカブトニキ曰く、「ライダーとしてはアギトくらいの力はあるのではないか?」との考察。化物かよと内心で毒づいた。

そしてお前が言うなとスレ民達に突っ込まれた。解せる。実際自分は化物だ。

 

「白夜叉様はあの蛇神様とお知り合いなのでございますか?」

「知り合いも何も、アレに神格を与えたのはこの私だぞ。もう何百年も前の話だがの」

「へぇ、じゃぁお前はあの蛇より強いってことだな?」

「当然。私は東側の“階層支配者”だぞ。この東側にある四桁以下のコミュニティでは並ぶ者がいない、最強の“主催者”なのだから」

 

ふむ、と一つ頷いて白夜叉を改めて見る。

今のところ彼女の雰囲気は年相応の少女と何ら変わらない。故にそれが逆に恐ろしい。

ジョーカーであるカリスも人として暮らしている時はアンデッドの雰囲気は殆ど……それこそ同族となってようやくうっすら分かる程度に抑え込んでいたからだ。

能ある鷹は爪を隠すとは言うが、完璧に隠された爪がどれほどの大きさなのか分からないのが恐ろしかった。

不死者は生存する事には敏感なのである。

無論、それが分かるのはカズハが歴戦の戦士故であって、

 

「そう……ふふ。ではつまり、貴女のゲームをクリア出来れば、私達のコミュニティは東側で最強のコミュニティということになるのかしら?」

「無論、そうなるの」

「そりゃ、景気のいい話だ。探す手間が省けた」

 

こういうわけだ。ライダーになったばかりの自分やレンゲルを思い出す。

あの時は調子に乗ってリザードアンデッド相手に意気揚々と挑んでいってあっさり返り討ちに……思い出したくない黒歴史である。

 

「抜け目無い童達だ。依頼しておきながら、私にギフトゲームを挑むとは」

「え、ちょ!?ちょっと御三人様!?」

「よいよ黒ウサギ。私も遊び相手には常に飢えている」

「ノリがいいわね。好きよ、そういうの」

「ふふ、そうかそうか。しかし、ゲームの前に一つ確認しておく事がある」

「何だ?」

 

「おんしらが望むのは“挑戦”かーーーーもしくは、“決闘”か?」

 

 


 

 

173:五代さんみたいになりたいクウガ

水平に廻る太陽と白い地平線の世界……世界展開かあ、エグゼイドみたいな感じかな

 

174:カブト@ユニオン指揮官

アレはあくまでVRに近い仮想空間。彼女の広げる世界は文字通りそのまま、世界そのものだ。

 

175;鎧武が斬る!零

要は固有結界みたいなもんか

 

176:執務官受験生555

実際どっちが凄いのかは分からんが……

 

177:執行官ナンバー15ウィザード

固有結界は魔術師の奥義。それをただのゲーム盤として召喚できる時点でヤバさ分かるよね?

 

178:装者全員と友達になる男

お、流石に降参したみたいだなー。序盤にいきなり超新星発動ホロスコープス相手にするようなもんだしなー

 

179:スペードの剣@こんにちは箱庭

『して、おんしはどうする?」

『いや、だとしても皆黒歴史はある筈だ……だってサクマさんだってギャレンらしくネタの宝庫だし……』

『……小僧?』

『うん、そうだよブレイドっていう作品自体がネタの宝庫だから黒歴史なんか沢山あるってうん』

 

180:執務官受験生555

おいブレイド

 

181:スペードの剣@こんにちは箱庭

うぉ!? あ、なんです? ここ何処だ!?

 

182:鎧武が斬る!零

黒歴史開いて蹲ってる間にその白夜叉がステージセレクトした

 

183:スペードの剣@こんにちは箱庭

あ、やっぱりこれ白夜叉の能力か。……で、どうするか、だっけか。あー……そうだな。

 

『流石に試練でいい。流石に太陽を斬るようなことはできないからな』

『……ほう? おんし面白い事を言うの?』

 

184:装者全員と友達になる男

なんか目を着けられてね?

 

185:ビルド@おのれエボルトォ!

今の発言は結構挑発だぞー?

 

186:スペードの剣@こんにちは箱庭

いや、流石にそんなこと……ありそう。めっちゃニヤってした

 

187:五代さんみたいになりたいクウガ

アンデッド隠す気ある?

 

188:スペードの剣@こんにちは箱庭

もう無理だろ(諦め)

 

189:執務官受験生555

ちょっと待て、なんか聞こえねえか?

 

190:五代さんみたいになりたいクウガ

向こうの山脈から何か飛んできて……っておおー! これグリフォンじゃない!?

 

191:装者全員と友達になる男

かっけー!! いいなー! 俺も生で見てえ!

 

192:鎧武が斬る!零

盛り上がってんな熱血組(←危険種で散々見た)

 

193:スペードの剣@こんにちは箱庭

『へえ、アンタもサウザンドアイズの一員なのか?』

『グルウ……! グウウ……』

 

194:執行官ナンバー15ウィザード

いやシレッと当たり前のように会話しないで

 

195:スペードの剣@こんにちは箱庭

いや、グリフォンって獅子(♠3)と鷲(♠J)の合体だろ? 会話対象だぞ

 

196:執務官受験生555

それはそうだが……白夜叉に目着けられてること忘れていないか?

 

197:五代さんみたいになりたいクウガ

あれ、白夜叉さんがなんかゲームのルールみたいなの書いてる紙を出してるよ?

 

198:スペードの剣@こんにちは箱庭

……あれー? プレイヤーに俺の名前書いてないんだけどカブトニキこれってどういうことー?

 

199:カブト@ユニオン指揮官

知らんな。つまりオリジナル展開だ

 

200:スペードの剣@こんにちは箱庭

ウソダドンドコドー

 

 


 

 

結果として、グリフォンとのギフトゲームは耀が単身挑み、無事に攻略した。

彼女の恩恵は動物と会話するのみならず、友となった生物の能力を己の力として発現する能力であり、それを以てグリフォンの空を駆ける能力を使い、見事に降り立った。

その核となるアクセサリーを彼女の父親が作ったという話や、白夜叉が買い取りたいと強請って即却下されたりといった事があったがカズハにとっての本題は此処からだ。

 

「では、次いで其方の小僧の試練としようかの」

「あの、なんで俺だけ別なんですかねホント」

「決まっておる。おんしは他の童と違うのがよく分かるからの」

「オウ……魔王に目を着けられるなんてついてないな……」

「うん、カズハの力は私も気になる」

「耀さんはなんでそこまで俺に拘るんです?」

 

実際ずーっと見ている耀である。理由もそろそろ気になるところだ。

そんな一同のやり取りを一歩引いた場所から見ていた十六夜は隣にいる飛鳥に話しかける。

 

「なあお嬢様。アイツの能力はそんなに変わってるのか?」

「いえ、そうでもないと思うのだけど……特定の種族の動物と会話が出来るのと、黄金の大きな剣を召喚するくらいしか見てないわ」

「うむむ、そのくらいの恩恵は箱庭でも珍しくはありませんね。何故耀さんはそこまで興味津々なのでしょうか……」

「なんだ黒ウサギ、お姫様抱っこしてくれた男に他の女が夢中で嫉妬か?」

「い、いやいやそんなことは!? 黒ウサギは200年貞操を守ってきたウサギでございますからそんな軽い女ではないのですよぉ!!?」

「「チョロそう」」

「だまらっしゃい!!」

 

後ろのコントはさておき、白夜叉が軽く手をあげる。

 

「では、おんしにはこやつの相手をしてもらおうかの。来い」

 

その発言から間を置かず、白い太陽から一直線に放たれた閃光が稲穂の大地に突き刺さり、激しく炎上させる。

やがてその炎は頭、腕を象っていき、焔の巨人へとなった。

 

『ギフトゲーム名 “火災を鎮める者”

 

・プレイヤー一覧

剣城カズハ

 

・クリア条件:イフリートとの一対一の交戦

・クリア方法:火災を制し、イフリートを打ち消す

・敗北条件:降参か、プレイヤーが上記の勝利を満たせなくなった場合。

 

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

 

“サウザンドアイズ”印』

 

 

『オオオオオオオオオオオ……!!』

「こやつは炎の精霊イフリート。コミュニティが隷属させたものの、乱暴狼藉が酷く、私が預かっている。こやつがおんしの相手よ」

「いや白夜叉様!? 先程のグリフォンさんとは危険度が比較にならないのですが!?」

「呵々、何を言うか黒ウサギ。のう小僧。この程度()()()()()()()?」

 

実際黒ウサギの抗議も正しい。火の精霊イフリートは時に大火災の象徴ともなる程の悪魔である。

普通の人間にとってはまさしく「厄災」。

 

……そう、普通の人間にとっては。

 

「……十六夜、見ていた方がいいよ」

「へえ? 春日部がそう言うって事は期待していいんだな?」

「うん、裏切らないと思う。多分」

 

「……はあ、仕方ない……」

 

『ABSORB QUEEN』

 

カズハの腰と左腕に出現したのは『ブレイバックル』と『ラウズアブソーバー』。

そして彼の胸から三枚のカードが飛び出し、♠A/チェンジビートルはブレイバックルに、♠Q/アブソーブカプリコーンはラウズアブソーバーに自動的に装填。そして最後の♠K/エボリューションコーカサスはラウズアブソーバーのスリットを自動的に走る。

 

「アレは……トランプ?」

「おいおい、まさか……ハハッ、マジかよ!」

「やっぱり、あの剣間違いなかった……!」

 

「ひけらかす為の力じゃないんだが………変身!」

 

『TURN UP』

『EVOLUTION KING』

 

黄金のオリハルコンエレメントがカズハの身体を通り抜ける。

そしてその身は重厚かつ、豪華絢爛な王の鎧を纏い、その圧倒的な存在感は周囲の空気を震わせる。

 

これが剣城カズハのもう一つの姿。

そして、原典たる剣崎一真もまた同じく辿り着いた最強の姿。

『仮面ライダーブレイド・キングフォーム』である。

 

「……来い」

 

右手に現れる王の剣・重醒剣キングラウザーを携え、悠々と歩みを進めるブレイド。

その余裕の歩みが癪に触れたのか、その、巨大邪神14に匹敵する太さの腕が、地獄の炎の本流がブレイドの身体をいとも容易く飲み込んだ。

 

「か、カズハさん!」

「落ち着くがよい黒ウサギ」

「し、白夜叉様今回ばかりはダメです! イフリートの炎は人間など容易く焼き尽くして……」

「よーく見るがよい。あやつは()()()()()()

 

白夜叉が扇子で指差す先。

炎に包まれているにも関わらず、王はその歩みを一切止めない。

そして、左上腕・スラッシュリザードの文様が光り輝き、その光が左手に持ち替えたキングラウザーに伝わり、刀身を更に眩く輝かせる。

そして一閃。

炎の腕が上下に真っ二つに裂かれた。

 

『ッッッ!!!』

 

それに動揺したようなイフリートが、今度は左腕を伸ばす。

対するブレイド、今度は右の前腕に宿るライオンビートのクレストを輝かせ、拳で炎の巨腕と激突。

 

打ち勝ったのはブレイド、放たれた拳、キングライオンビートが放つ強烈な衝撃にイフリートの腕は届く事すら叶わず、爆散。

 

「オイオイオイマジかよこんなん生で見れるなんて最ッ高じゃねェか!」

「うん、うん…! 本物の、仮面ライダー…!」

「凄い………」

「カズハさん……!」

 

観戦している十六夜と耀は大興奮。

少年のようにはしゃぐ十六夜に対し、耀は目の前の光景を噛み締めるかのように見入っている。

飛鳥は言葉を失ったようにその戦いに魅せられ、黒ウサギは想定以上の実力に衝撃を受けながらも無事を祈る。

 

「……!」

 

イフリートが突如口を開く。直感的に嫌な予感がしたブレイドはその場から横に跳び、その地面に口から放たれた熱線が着弾。

熱を限界まで圧縮されたそのビームは地面を遥か深くまで焼き抉っている。

 

「流石に、これは受けたくないな………」

 

左下腿脛部のクレストが輝く。

そのブレイドが何か行動を起こす前にイフリートは更に太い熱線を口から放ち、その光線はブレイドが居た場所を丸ごと焼き尽くす。

 

「カズハ君ッ!?」

「そんな!?」

『グフフ……ハッハッハッハッハッハッハァ!!!!!』

 

黒ウサギと飛鳥の悲鳴。イフリートの嘲笑。

だが十六夜と耀はその光景を信じていない。彼がどういう存在かを知っているから。

 

 

「何を勝ち誇っているんだ?」

『ハッ?』

 

 

イフリートの背後。マッハジャガーの能力、即ち高速移動によって熱線をかわし背後に回っていたブレイド。

その身体から五枚の黄金のカードが飛び出し、自動的にキングラウザーへ吸い込まれていく。

 

 

『SPADE SIX』

『SPADE SEVEN』

『SPADE EIGHT』

『SPADE NINE』

『SPADE TEN』

 

『STRAIGHT FRASH』

 

 

「お前の運命は、俺の刃が断ち斬る!!」

 

ブレイドの左手に片刃の醒剣・ブレイラウザーが出現。

雷、鋼、磁力、高速、時間の五つの力を束ねた青い稲妻を纏い、長大なエナジーソードが形成。周囲の大気を揺るがし、雷鳴が轟く。

それを左手一本で横薙ぎに振るい、イフリートの巨躯を上下に断つ!

 

『ゴアアアアアアアアアアアアア!!?』

「まだだッ!!!!」

 

更に手を緩めず、キングラウザーにチャージされていた黄金の光刃が続けざまに振るう。

天空から降り注ぐ裁きの落雷が如く、その厄災をぶった斬る!

 

「だりゃああああああああああああああああああああ!!!!!」

 

上下左右に見事に四等分されたイフリートは崩れ落ちるように燃え尽きる。

それを見届けた白夜叉が柏手を打ち、宣言。

 

「そこまで! 勝負あり!」

 

「………ふうぅ……」

 

ブレイバックルのレバーを引き、黄金のオリハルコンエレメントが透過し、元のカズハの姿に戻る。

少し息を吐く彼に白夜叉は両手で拍手しながら歩み寄った。

 

「見事じゃ。やはりおんしは只者ではないのう」

「あー……あの精霊、思いっきり斬ったんだけど大丈夫か……?」

「何、心配は要らぬよ。あやつは精霊故に元素……つまり炎があれば何度でも顕現できる」

「そうか。ならいいけど」

 

やるからには全力。そうして戦ってきた彼は手加減が出来ない。

やるならば通常のブレイドを使うべきなのだが、それでは余裕がなかったのもまた事実であった。

 

「ヤハハハハッ。いやいや、めっちゃ良いもん見させてもらったぜ。まさかお前の恩恵が『仮面ライダーブレイド』だったとはな」

「なんだ十六夜、それに耀も知ってたのか?」

「当たり前だ。剣や響鬼は俺にとっちゃ黄金世代だぜ?」

「私も……よく昔の映像を見てたから」

 

こっそりカブトニキに確認するカズハだが、耀はともかく十六夜は現代日本と遜色ない時代から来た人間とのこと。仮面ライダーを知っていても不思議ではないだろうとの見解であった。

 

「ね、ねえ。その仮面ライダーってなんなの?」

「飛鳥は知らない? 仮面ライダーは人類の愛と平和を守る、仮面と鎧を纏ってバイクを駆る正義のヒーロー、だよ」

「へえ、中々格好いいじゃない。カズハ君はその、仮面ライダーだったということね?」

「面と向かって言われると流石に恥ずかしいな………」

 

少し照れたように頬をかく姿は先程の冷静かつ豪快な戦士の印象を抱かせない。

まさしく「変身」だったのだろう。

 

「か、カズハさん、お身体は大丈夫ですか? 火傷とかあれば……」

「問題ない黒ウサギ。あの程度の熱ならば「効かない」からな」

 

証明とばかりに腕を捲り地肌を見せる。

火傷は愚か、水脹れすらも見当たらない綺麗な肌にようやく黒ウサギはほっと安堵した。

 

「ふむふむ、何はともあれおんしは己の恩恵を理解しておるようだの」

「あ、そ、そうでした白夜叉様! 今日は恩恵の鑑定をして頂こうと思ったのですが」

「ゲッ!? よ、よりにもよってギフト鑑定か。専門外どころか無関係もいいところなのだがの」

 

とはいえ、専門外であっても依頼は依頼として引き受ける辺り彼女の懐の広さが伺える。

 

「ふむふむ………うむ、小僧は勿論、他の三人とも素養が高いのは分かる。しかし現状ではなんとも言えんな。おんしらは自分のギフトの力をどの程度把握している?」

「企業秘密」

「右に同じ」

「以下同文」

「黙秘権を行使する」

 

息ピッタリな問題児プラス序でに乗っかったカズハに白夜叉は盛大にずっこけた。ド○フも納得のずっこけである。

 

「うおおおおい!? いやまあ、仮にも対戦相手だったものにギフトを教えるのが怖いのは分かるが、それじゃ話が前に進まんだろうに」

「別に鑑定なんていらねえよ。人に値段貼られるのは趣味じゃない」

「というか俺は自分の事は自分で分かっているんだが……」

「ふむ、何にせよ"主催者"として、星霊として、試練をクリアしたおんしらには"恩恵"を与えねばならん。ちょいと贅沢な代物だが、コミュニティ復興の前祝としては丁度良かろう」

 

そう言った白夜叉が柏手を打つと四人それぞれの目の前にカードが現れる。

カズハは通常のブレイドを示すネイビーとキングフォームを表すゴールドのツートンカラー。四人の中では唯一紋章があり、ブレイドのライダーズクレストであるスペードのマークが入っている。

なお、十六夜はコバルトブルー、飛鳥はワインレッド、耀はエメラルドグリーンのカードでいずれも無地である。

 

「ギフトカード!」

「お中元?」

「お歳暮?」

「お年玉?」

「ラウズカード?」

「ち、違います! というかなんで皆さんそんなに息が合ってるのです!? このギフトカードは顕現しているギフトを収納できる超高価なカードなんですよ! 耀さんの"生命の目録"だって収納可能で、それも好きな時に顕現できるのですよ!」

「つまり素敵アイテムってことでオッケーか?」

「あーもうそうです、超素敵アイテムです!」

「超高価ってことは売れば……」

「なんてことを言うのですかこのお馬鹿様!!」

 

スパーン! と黒ウサギのライトニングハリセンスラッシュが炸裂した。

無論、カズハはノーダメージだが。

 

「我らの双女神の紋のように、本来はコミュニティの名と旗印も記されるのだがの。文句は黒ウサギに言ってくれ……と言いたいが、おんしは何故かあるの」

「あー、これはコミュニティじゃなくてブレイドの証みたいなもんだから……ふーむ」

 

改めて見るがカズハのギフトカードは記載が多い。

内容は

 

 

剣城カズハ/ブレイドジョーカー

 

ギフトネーム

剣の戦士(仮面ライダーブレイド)

蒼銀の醒剣(ブレイラウザー)

黄金の重醒剣(キングラウザー)

疾駆する青き稲妻(ブルースペイダー)

甲虫(ビートル)の始祖・変身(change)

蜥蜴(リザード)の始祖・(slash)

獅子(ライオン)の始祖・正拳(beat)

(ボア)の始祖・突進(tackle)

飛蝗(ローカスト)の始祖・(kick)

鹿(ディアー)の始祖・(thunder)

三葉虫(トリロバイト)の始祖・(metal)

水牛(バッファロー)の始祖・磁力(magnet)

(ジャガー)の始祖・音速(mach)

黄金虫(スカラベ)の始祖・時間(time)

(イーグル)の始祖・融合(fusion)

山羊(カプリコーン)の始祖・吸収(absorb)

三角王甲虫(コーカサスオオカブト)の始祖・進化(Evolution)

碧の血を流す不死者(アンデッド)

何者にもなれぬ始祖(joker)

 

 

 

「………ははっ、成る程な」

 

思わず自嘲してしまった。改めてこうして形になると自分が如何なる存在になってしまったのかが分かってしまう。

 

「そのギフトカードは、正式名称を"ラプラスの紙片"、即ち全知の一端だ。そこに刻まれるギフトネームとはおんしらの魂と繋がった"恩恵"の名称。鑑定は出来ずともそれを見れば大体のギフトの正体が分かるというもの」

「へえ? 俺のはレアケースなわけだ?」

 

横で十六夜のカードに表示された「正体不明(コード・アンノウン)」をめぐるやり取りをスルーしながらもカードを見つめるカズハ。

それを心配したのか黒ウサギが近づき、声をかける。

 

「カズハさん? どうなさいましたか?」

「ん、ああ、いや何でもない。気にするな」

 

作り笑いのような笑い声を出すカズハにより一層不安そうになる黒ウサギ。

そして此方をいたたまれない顔で見ている耀、白夜叉からカードを取り返しながらも此方を真面目に見つめる十六夜に、カズハはため息を着く。

 

「(恐らく、二人はもう察してるんだろうな……はあ、まあ、一先ずは恩返しの為に残るとは言ったが……何時まで居るつもりだろうな、俺は)」

 

先の戦いでの見事な完勝とは裏腹に、剣の戦士の表情は憂いを帯びていた。

 




スペードの剣
ライダー屈指の実力者。死なない+耐久もとんでもない+馬鹿げた火力。けど痛いのは痛いし、腹が減ると美味いものを食べたくなる。
キングフォームが基本形態という全力仕様。
戦うとなれば一切手加減をしない、というより出来ない質なので、そういう場合はノーマルのブレイドで制限を掛ける。
キングフォームならば無制限にアンデッドの力を使える。今回のストレートフラッシュは斬擊一点集中ver。
原典SFはビートとかタックルとかキックとか混じってて二刀流はおかしくないか?と思ったので。


黒ウサギ
要注意人物として監視してたらさりげなくお姫様抱っこで護られるという危うく絆されかけたメインヒロイン。
チョロそうと言われてましたがまだ落ちません。
カズハにとっても恩人であるため、無意識ながらも割と気にかけている節はある様子


逆廻十六夜
仮面ライダーシリーズが普通にテレビで放映されていた世界からやって来ている。ブレイドは当然履修済み。知識は恐らく鎧武とかその辺りまでだと思われる。
架空のロマンが現実になったことがとにかく心を踊らせた。ただ『仮面ライダー剣』を結末をしっかり知ってるのでカズハのことも大体察している。


春日部耀
恐らく仮面ライダーセンチュリーどころかキカイが放映されていたりするくらいの時系列から。何しろジ○リが古典になっているらしいので……
意外とこういうヒーローものは好みそうな印象がある。キングラウザーだけ一瞬見ただけでは確証が持てなかった様子。
やはりカズハについては察しているかもしれない。


次回はいよいよガルド戦です。


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不死の剣は獣を狩るそうですよ?

テンポを早めようとすると文字数も増えていく……


401:半蔵学園教師ヒビキさん

此所が噂のブレイド君の掲示板かな?

 

402:五代さんみたいになりたいクウガ

いらっしゃいヒビキさん

 

403:執務官受験生555

状況の説明いるか?

 

404:半蔵学園教師ヒビキさん

産業でお願いしようかな

 

405:鎧武が斬る!零

前回の3つの出来事!

1つ! 魔王に滅ぼされて壊滅寸前のコミュニティにブレイドニキは召喚された!

2つ! その箱庭の地で悪逆非道を繰り返す虎の獣人ガルドに決闘を挑む!

3つ! 十六夜の作戦でノーネームは魔王専門コミュニティとして成り上がることを目指すのだった!

 

406:装者全員と友達になる男

三行だけどそれOOOのあらすじじゃねえか

 

407:執行官ナンバー15ウィザード

今はブレイドニキが戻ってくるまで時間潰してる感じかな

 

408:半蔵学園教師ヒビキさん

俺その作品知らないんだよね、どういうの?

 

409:カブト@ユニオン指揮官

黒ウサギ→問題児達を呼んだ張本人。ツッコミ。苦労人。速い。チョロそう。エロいらしい。

十六夜→問題児その1 アクセルフォーム並みに動けてアギト並みのパワーでビルド並みの知能。快楽主義の自由人。仮面ライダー剣を見てた。

飛鳥→問題児その2 言霊で他者の動きを支配する。身体能力は一般人に毛が生えた程度。戦後間もない時期から来たのでライダーを知らない。

耀→問題児その3 動物と会話してその能力を使えるオーズみたいな子。マイペースで三毛猫を連れてる。ライダーのファン

 

410:ビルド@おのれエボルトォ!

解説が早い

 

411:五代さんみたいになりたいクウガ

そして分かりやすい

 

412:半蔵学園教師ヒビキさん

大体分かった。ありがとう

 

413:執務官受験生555

それディケイドだろが

 

414:スペードの剣@ノーネーム復興中

おはようスレ民の皆

 

415:鎧武が斬る!零

お、ブレイドニキ来た

 

416:ビルド@おのれエボルトォ!

いよいよ出陣か? 頑張れよー!

 

417:スペードの剣@ノーネーム復興中

準備してガルドのコミュニティを目指しているところだが、先程昨日のカフェの店員と遭遇してな。なんか詳しくは分からないが居住区間? なる場所でやるらしい

 

418:装者全員と友達になる男

つまり………どういうことだ?

 

419:カブト@ユニオン指揮官

校庭や体育館というスペースがあるのにも関わらず、教室で運動しようと言っているようなものだ

 

420:半蔵学園教師ヒビキさん

うん、分かりやすい例えだね

 

421:スペードの剣@ノーネーム復興中

で、着いたんだが……この居住区間を見てくれ。こいつをどう思う?

 

【画像】

 

422:五代さんみたいになりたいクウガ

すごく……ジャングルです

 

423:鎧武が斬る!零

アイエエエェェェェェ!!? ヘルヘイム!? ヘルヘイムナンデ!!?

 

424:執行官ナンバー15ウィザード

落ち着いて鎧武ニキ! これヘルヘイムじゃないから!

 

425:スペードの剣@ノーネーム復興中

というかなんかこの植物? から命の気配を感じるんだが……

 

426:装者全員と友達になる男

そりゃ植物だって生きてるだろ?

 

427:スペードの剣@ノーネーム復興中

いや、そういうのとは違う。なんというか、生命体のような拍動を感じる。あと序でにこれ契約書類だ

 

『ギフトゲーム"ハンティング"

 

プレイヤー

剣城カズハ

久遠 飛鳥

春日部 耀

ジン・ラッセル

 

クリア条件:ホストの本拠内に潜むガルド・ガスパーの討伐

クリア方法:ホスト側が指定した特定の武具でのみ討伐可能

指定武具以外は"契約"によってガルド・ガスパーを傷つける事は不可能

敗北条件:降参かプレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合

指定武具:ゲームテリトリーにて配置

 

上記を尊重し、誇りと御旗の下、"ノーネーム"はギフトゲームに参加します。

 

"フォレス・ガロ"印』

 

428:半蔵学園教師ヒビキさん

え、これ………攻撃通じなくない?

 

429:ビルド@おのれエボルトォ!

ブレイドニキの火力でも無理なんか?

 

430:執行官ナンバー15ウィザード

こういう縛りとか契約は火力一切関係なく作用するからね

 

431:五代さんみたいになりたいクウガ

けどこのルール、それにステージ……本当にガルドが自分が考えたのかな?

 

432:ビルド@おのれエボルトォ!

だな。誰かの作意を感じる

 

433:スペードの剣@ノーネーム復興中

まあ今それを気にしていても仕方ないだろう。どのみち交流しなければならないゲームだ。攻撃が効かずとも肉壁くらいにはなれる

 

434:執務官受験生555

自分を肉壁と称すな

 

435:半蔵学園教師ヒビキさん

うん君もブーメランだからねファイズ君

 

436:スペードの剣@ノーネーム復興中

まあ体質が体質だから……とりあえず、乗り込めー

 

437:装者全員と友達になる男

わぁい

 

438:執行官ナンバー15ウィザード

ノリいいね君達

 

439:五代さんみたいになりたいクウガ

もう分かりきってることでしょ

 

440:スペードの剣@ノーネーム復興中

とりあえずライブモードにしておくぞ

 

 

♠️♠️♠️

 

 

「どう? 春日部さん、カズハ君」

「うーん……指定武具らしきものは見つからないかな」

 

木の上に登り、周囲を索敵していた耀は頭の上でバツを作り知らせる。

それに対して黙って腕組みをしているカズハは難しい表情で佇んでいた。

 

「あの、カズハさん?」

「………とりあえず周囲一帯の探知をしてみた」

「へえ、そんなことも出来るの?」

「生物限定だけどな」

 

これはジョーカー、というよりもアンデッドがバトルファイトでお互いを見つける為に持っている感覚のようなものなのだが、カズハはそれを意識して高めることで周囲の生命の位置や特徴を感知する事が出来るのである。

ただし、これにはそこそこの集中を要する上、本人が言うように非生物は感知できない。つまり今回必要となる指定武具を見つけることは出来ないのである。

 

「その上で悪いニュースが2つある」

「聞きましょう」

「屋敷の周辺に何体か獣……おそらく、フォレス・ガロのメンバーが潜んでいる。そして問題のガルド自体は屋敷から出ようとせずに一ヶ所から動かない。つまり屋敷に入るには邪魔者が多いということだな」

「………凄い、ガルドは見つけたけど他のは全然分からなかった」

「此方は風上で、しかも巧妙に姿を隠してるからな。こういう直接位置を把握できる能力でじゃないと厳しいと思う」

 

実際環境は獣の恩恵を持つガルド達のフィールドといっても過言ではないジャングル。身を隠すにせよ、動き回るにせよ、向こうに圧倒的なアドバンテージがあると言えるだろう。

最もそんな中で一人目立つ館に隠れているガルドに違和感が募る訳だが。

 

「そう、カズハ君、取り巻きの数は?」

「5体かな。何れも肉食系の猛獣だ」

「外に指定武具がないとなればそれも館の中にありそうですよね……此処は一体ずつ倒していくべきでしょうか」

 

ジンの提案に対し、緩く頭を振ったカズハは彼の肩を叩き、序で飛鳥や耀の顔を見て1つ提案した。

 

「もっと簡単に事を済ませる方法がある」

 

 

♠️♠️♠️

 

 

―――――GAOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!

 

ゲーム会場の外で待っていた十六夜と黒ウサギの耳にその雄叫びは響いた。

 

「い、今の叫びは…………」

「ああ、間違いない。虎のギフトを使った春日部だな」

「あ、なるほど。ってそんなわけないでしょうが!」

「じゃあジン坊っちゃんだな」

「ボケ倒すのも大概になさいッ!!」

 

スパカーン! と十六夜の頭に黒ウサギの必殺ハリセン炸裂。

序でに次々と雄叫びが続く。

コントに興じていた黒ウサギだがその異様な音に内心ではハラハラしっぱなしだった。

ただ、対する十六夜は余裕そうに、

 

「ま、剣城がいるなら特に問題はねえだろうさ」

 

と、自信満々に嘯くのであった。

 

「た、確かに昨日の戦いは凄まじいものではありましたが………しかし、実際のゲームではどうなるか」

「ま、お嬢様や春日部は分からねぇが、剣城がガルドに遅れを取るなんてことはねえよ。100%な」

「………それは、カズハさんがその、仮面ライダーだからでしょうか?」

 

黒ウサギの問い。正義のヒーローだという剣城カズハに対し十六夜はやたらと好意的だ。

好戦的な性格故に寧ろ戦いを挑みそうだと思っていた黒ウサギにとっては寧ろ意外とすら思っていた。

そんな黒ウサギの質問に、少し困ったように頬をかく十六夜は、複雑ながらもこう答えた。

 

「ま、俺にとっちゃ仮面ライダーなんてのはあくまでフィクション、創作上のヒーローものに過ぎねぇ。世の中そんなヒーローが全部解決してくれたり世界を救ってくれるなんてあまっちろい展開なんざあるわけがねぇ」

「それは………はい」

 

その言葉には黒ウサギも同意する。

そんな都合のいいヒーローが実在するのなら、自分達のコミュニティは三年前、あんなむざむざと潰される事はなかったのだろうから。

 

「だけど、アイツは実際に実在している。仮面ライダーがいるってことはその世界では間違いなくヒーローが居たってことだ。絵空事や綺麗事を現実にしちまう、そんな夢物語のようなヒーロー様がな」

 

奥の手も含めた力では負けないだろうが、十六夜はカズハに勝てると思っていない。

どんな逆境でも決して諦めず、不可能を可能にしてしまう。

そんな経験をしていない、17歳という若さで個人の限界を知ってしまっている十六夜は、そんな限界を超えていく「本物の」仮面ライダーに羨望を覚えていた。

 

「ま、だからこそ抱えてるもんのデカさも想定できねえけどな」

「? 何か仰いましたか?」

「ん? ああいや、このゲーム観戦は出来ねえのか?」

「いえ、このゲームでは許可されていませんね」

「希種のウサギさんマジ使えねー」

「せめて聞こえないように言ってください傷つきますから!」

 

 

♠️♠️♠️

 

 

立てた作戦はシンプルかつ単純明快。

即ち、カズハが一人で敵を引き受けてその隙に指定武具を回収する。

 

『1つ確認だが、指定武具が必要なのはガルドだけだよな?』

『はい、契約書類に記載が無い以上、適用されるのはガルドのみでしょう』

 

「リーダーの考え、信じるぞ。変身!」

 

『TURN UP』

『EVOLUTION KING』

 

キングフォームに姿を変えたカズハだが、今回はその手に重醒剣は現れない。

この障害物、しかも蔦が複雑に生い茂っているフィールドでは巨大なキングラウザーは振りづらく、また大振りな攻撃は獣の瞬発力を持つ相手には不利だと判断した為だ。

故にブレイドが取ったのは、ステゴロで5体の獣の討伐。

 

「………ガルドと同じ血の臭いがする……貴様達、ガルドが言っていた腹心か」

 

―――殺した子供は腹心の部下に食わせた。

昨日ガルドはそう言っていた。ならばこの5体はガルドと同罪だろう。

 

「何故か自我が曖昧みたいだが………容赦無しだ。せめて生き残れるように耐えろよ?」

「GUGAAAAAAAAA!!!」

 

挑発を皮切りにまず一体、獅子の獣が飛びかかってきた。

人間の体など容易く引き裂くであろう爪を腕で受け止め、右腕のアッパーブローで強烈なカウンター。獅子の巨体は軽く5mほど上にぶっ飛ぶ。

更にハイエナのような獣が脚に噛みつこうと大口を開き駆けてくる。

同時にジャガーのような獣が突進し、ブレイドの喉笛を狙う。

 

『死ねェェェェェェェ!!!』

「理性も無い、か」

 

脚をずらしてハイエナの噛み付きをかわしつつ、ジャガーの側頭部に強烈な蹴り、キングソバットが炸裂。

メキョッという鈍い音が響き、そのまま蹴り飛ばされたジャガーは木に激突して動かなくなる。

 

「GRAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」

「GYAOOOOOOOOOOOOOOO!!!!」

 

そんな仲間の1体が倒されたにもかかわらず、今度は狼と熊が襲いかかる。

何者かの介入によって理性を失った獣に堕ちた事には憐れむが、彼らもまた、幼い子供の命を喰らってきた者、その報いは受けなければならない。

左膝のクレストが輝く。解放されたタックルボアの能力により、体幹全体の力が上がったブレイドは熊の巨体ののし掛かりにも一切動じず、逆に強烈なショルダータックルで大きく吹き飛ばす。

 

序で右脛部、キックローカストのクレストが輝き、背後からの狼を後ろ回し蹴りで弾いた後、前から再び襲ってきたハイエナの噛み付きを跳躍して避けたのち、空中で身を捻った―――先輩であるギャレンの必殺キックを模したドロップキックを叩き込んで倒す。

更にマッハで狼に肉薄したブレイド、吹っ飛ぶ狼に追撃のライオンビートをぶちこみ、遥か彼方へ吹き飛ばしてしまった。

 

「次」

 

人間の首など簡単にねじきってしまいそうな豪腕。

それを広げて闇雲に襲いかかる熊に対し、ブレイドの左大腿のクレストが光る。

ここに刻まれているのはマグネットバッファロー。

屋敷の一部の鉄筋を強制的に引っ張り剥がし、それを熊に叩きつける。

 

「GRO!?」

 

想定外の攻撃に怯んだ熊の視界に既に敵は居らず、気付けば背後に回っていたブレイドのパワーによってその巨体は容易く持ち上げられた。

 

「耐えろよ。運が良ければ生きているかもな………。ふんっ!!!」

 

そのまま巨漢の熊を頭上に投げ、その間にキックローカストとサンダーディアーのクレストをチャージ。

落下してくる熊のどてっ腹に渾身の「キングライトニングブラスト」が叩き込まれる。

屋敷の壁を破壊して吹き飛んだ熊は間違いなく戦闘不能だろう。

 

「最後はお前だな」

『ぐううう……』

 

最初にアッパーブローを食らった獅子。だがそれがかなり効いているのか、動きはよろよろと鈍い。

それでもなお、野生の闘争本能からは逃れられないのか、牙を剥いて食らいつこうと迫る。

 

「逃げないか。だったら………これで終わりにしよう」

 

ディアーサンダーとバッファローマグネット、ライオンビートの三つのクレストが輝き、その力が右腕に集中。

相手を磁力で引き寄せつつ、雷を纏ったブレイド渾身のライダーパンチ、「キングライトニングフィスト」か獅子に叩き込まれ、青と金色の稲妻が弾けると同時にその身体を勢いよく吹き飛ばす。

 

「………これで全部か」

 

動かなくなった五体の獣を見て気持ちを解いたブレイドはブレイバックルのレバーを引いて変身を解く。

アンデッドの生命感知を使うと、五体ともに息はしている事を感じ取った。

 

「後はゲームが終わった後に白夜叉にでも引き渡せばいいか……。……それより、この血の臭いは……耀か」

 

変身と戦闘で高揚していた精神が落ち着いたことでようやく、遠く離れた場所から感じる血の臭いに反応。

一方で屋敷の方からは火の手が上がり、腹心と同じく、完全なる虎に変貌したガルドが、白銀の十字剣を持った飛鳥と対峙しているのも感知する。

 

「………飛鳥は恐らく問題無いな。相手は一体だし、不意打ちの通じない一本道……耀の方だな問題は……」

 

血の臭いの量からして恐らく相応の出血をしているのだろう。

飛鳥の無事を祈りつつ、ジンの応急処置を確認する為、カズハは合流を目指す。

 

―――自分がやるべきだったと、酷く独善的な後悔を抱えながら。

 

 

♠♠♠

 

 

結果として、ギフトゲームはノーネームの勝利で終わった。

ゲームそのものとしては耀の単独行動や、想定外の事態への対処の遅さと言った問題は目立ったものの、飛鳥の恩恵の指向性や命を懸けたギフトゲームの経験値と言ったものは得られた。

また、一番の問題であったフォレス・ガロが支配して奪っていた、近辺のコミュニティの名と旗印の返還。それを契機に「ジン・ラッセル率いる魔王専門コミュニティ”ノーネーム”」というアピールは出来た為良しとしよう。

耀もまた、黒ウサギの迅速な措置によって無事に回復へ向かっている様子だった。

 

「100点とは言えずとも、十分な成果と言っていいかな」

「ま、お前一人でも解決できただろうけどな」

「買い被りすぎだ。俺はあまりにも人の社会から離れすぎた。ああいう、人の心に響かせる手段なんてのは思いつきもしないさ」

 

人の心は保っていても、人の心はもう分からなくなってしまった。

それ故に耀が一人でガルドに挑む事を予見できなかったと語るカズハの後悔を十六夜は軽く笑い飛ばす。

 

「ハッ、人の心なんか読心でも出来なきゃ誰にも分からねえよ。俺だって実際、箱庭の住人にとって旗印がどれだけ大事かなんてわからなかったしな。あんま気負い過ぎると何時か壊れっぞ」

「………そういう意味じゃ、もう壊れているかもしれないな」

 

自嘲的なカズハに更に口を開こうとした十六夜だったが、そこに浮かない顔をして入って来た黒ウサギを見て一先ず言葉を飲み込む。

 

「ん? どうした黒ウサギ。……まさか医療ミスで春日部を」

「不謹慎ですこのお馬鹿!」

「フォレス・ガロの連中の引き渡しで何かあったか?」

「あ、いえ其方は問題無く。彼らは白夜叉様の下、箱庭の法によって正しく裁かれることでしょう」

 

それが意味があるかは分かりませんが、と続ける黒ウサギにだろうな、と呟く。

何者かによって変貌させられていた幹部達は人間らしい自我を失い、野生の獣となんら変わらない存在となっていた。

彼らに罰が下るにせよ、人間らしく罪を償うことは恐らく困難だろう。

自然の摂理は自然の摂理。他者の命を食い殺す自然界の動物を、人間の法が裁けるわけもない。

故に、ガルドとのギフトゲームは「人食い虎の退治(ハンティング)」だったのだ。

 

「その際に……十六夜さんが仰っていた、我々の同士を取り返すためのゲームの参加申請をしようとしたのですが」

 

昨夜、十六夜が提唱した対魔王コミュニティ作戦。ジンが条件として出したのがこのゲームへの参加。

景品として出されるのはノーネームの同士、それも作戦上非常に重要な隷属させた元魔王だったのだ。

 

「そのゲームが延期になりそうなのです………申請に行った先で、このまま中止の線もあるそうです」

「なんだそりゃつまらねえ。エンターテイナーとしちゃ五流もいい所だぜ。白夜叉に言ってどうにか出来ないのか?」

「無理でしょう。どうやら巨額の買い手が付いてしまったそうですから」

「そんなお金程度で大々的な公表を取り下げるもんかね」

 

黒ウサギ曰く、サウザンドアイズは群体コミュニティであり、白夜叉様のような直轄の幹部が半分、残りは傘下のコミュニティの幹部が構成している。

今回の主催者は傘下コミュニティの〝ペルセウス〟。故に双女神の看板に傷が付くことも気にならないほどの金やギフトが対価ならばゲームの撤回もするだろう、とのことだ。

 

「まあ、運が悪かったってことで次回に期待するとするか。ところでその仲間ってのはどんな奴なんだ?」

「そうですね………一言で言えばスーパープラチナブロンドの超美人さんですかね。指を通すと絹糸みたいに肌触りが良くて、湯浴みの時に濡れた髪がキラキラするのです。近くにいるのなら一度会ってお話したかったのですが……」

「なあ黒ウサギ、話は出来ると思うぞ。そこにいるし」

 

えっ? と振り向くと窓際に黒ウサギが語った通りの美女……というより美少女がいた。

 

「レティシア様!?」

「様はよせ。今の私は他人に所有される身分だ。〝箱庭の貴族〟ともあろうものが、モノに敬意を払っていては笑われるぞ」

 

現れたのはなるほど、確かに前評判通りの美少女だ。

外見こそ幼女のように見えるが妖艶さと凛とした雰囲気が相まって月に映える美女と言っても過言ではない。

 

「黒ウサギの言うとおりだな。目の保養になる」

「ふふ、なるほど。君が十六夜か。白夜叉の話通り歯に衣着せぬ男のようだ。しかし目の保養と言うなら黒ウサギも負けていないと思うが?」

「アレは愛玩動物なんだから弄ってナンボだろ」

「ふむ、否定はしない」

「うん、否定はできない」

「否定してください!」

 

なおスレ民投票では満場一致で弄られ対象に認定されていた悲しい事実を黒ウサギは知る由もない。

 

「しかし君は確かカズハだったかな? 気配を消していたのだがよく分かったじゃないか」

「まあ、流石に此処まで近くに来れば流石にな。それに「昨日見たばかりの気配」だったからな」

「どういうことだ剣城」

「昨日のゲーム、手を加えたのはアンタだろう? あのジャングルの樹木から感じた気配がアンタと一致しているぞ。吸血鬼さんよ」

 

黒ウサギが驚くと同時に懸念が確信に変わったような表情を見せる。そして張本人たるレティシアは否定することなく頷いて肯定した。

 

「そうだ。神格を倒すほどのギフト保持者が黒ウサギ達の同士としてコミュニティに参加したと聞いてな。そこで私は一つ試してみたくなった。新人達がコミュニティを救えるだけの力を持っているかどうかを……。コミュニティの再建は茨の道、それが分からないお前ではないだろう。黒ウサギ」

 

自覚があるのか気まずそうに顔を俯かせる黒ウサギ。

レティシアが言うにはカズハの実力は白夜叉からイフリートとのゲームを聞いている一方、他の面々の実力を確認したかったのだという。

本来ならガルドを嗾けるつもりだったが、カズハの相手をしてもらう為に幹部五人も参加させたのだという。

 

「だが生憎、ガルドでは当て馬にもならなかったよ。ゲームに参加した彼女達はまだまだ青い果実で判断に困る。……だが、解散を諭す時期は既に過ぎてしまった。こうして足を運んだはいいが、さて。お前達になんと声をかければ良いのか……」

「―――違うね。アンタは言葉をかけたくて古巣に足を運んだんじゃない。古巣の仲間が今後、自立した組織としてやっていける姿を見て安心したかったんだろ?」

 

苦笑するレティシアに十六夜が凶暴に笑い、指で挑発するように、

 

「その不安、簡単に払う方法があるぜ。アンタ自身がその身で、その力で倒せばいい。──どうだい、元・魔王様? 俺の力はまだ試してなかったろ?」

「いいい十六夜さん!?」

「下がってろ黒ウサギ。ああなったらもう止まらねえし、レティシアも納得しない」

 

止めるカズハとしても十六夜の実力は見ていない。

彼が世界の果てで倒したという蛇神はカブトニキ曰く、上級アンデッド並みの力は持っていると聞いているが、さて実際十六夜はどれほどの力を持っているのか……。彼自身も気になっていた事である。

 

「ゲームのルールはどうする?」

「双方が共に一撃ずつ撃ち合い、そして受け合う。地に足を付けて立っていた者の勝ちでどうだ?」

「分かりやすくていいね、シンプルイズベストってやつか」

 

窓から庭に出た二人のうち、宙に浮かぶレティシアがギフトカードから大型のランスを召喚。

何かに気付いた黒ウサギを制しつつ、その先端を十六夜に向ける。

 

「悪いが先手は譲ってもらうぞ。その実力、見せてもらおう」

「好きにしな」

 

十六夜の返答の直後、その小柄な身体に似合わぬ全力を込めたランスが怒号と共に放たれる。

普通の人間であれば受ければ即死は免れぬそのミサイルのような槍を十六夜は―――

 

「カッ、しゃらくせえ!!!」

 

()()()()()

 

「「は?」」

 

レティシアのみならず、思わずカズハも呆けた声が出た。

今のパンチは普通にキングビートライオンとも遜色ない威力である。それを生身で放った。

コイツ実はアギトじゃねえのなどという的外れな感想が出るが、砕かれたランスの破片は音速を越えてレティシアに向かって跳ね返されている。

 

「ッ、あの馬鹿!」

 

『EVOLUTION KING』

 

即座にキングフォームに変身したブレイドがマッハジャガーの音速でレティシアの前に割り込み、右膝のメタルトリロバイトの力で全身を硬化させる。

右腕でレティシアの身体を抱きかかえた上で鋼のような全身と左腕のキングラウザーの薙ぎ払いで破片を全て落とした。

 

「この馬鹿! 今のレティシアは他のコミュニティの所属、しかも取引対象だぞ!? 傷つけたら大問題だろうが!」

「おっと、それもそうだったな。まあお前が庇ってくれると信じてたぜ」

「白々しいな! ったく……大丈夫か?」

 

変身を解除したカズハはゆっくりと地面に降りる。

………此処で思い出してほしい。

初日、白夜叉の襲撃(?)から黒ウサギを庇ったカズハが何をしたか。つまるところ。

 

「え、あ、ああ………」

 

箱庭二回目のお姫様抱っこである。

そして無意識でやっていた為気付かなかった。

 

「剣城、お前相当なやり手だな」

「………ガッ!? またやっちゃった!?」

「だ、大丈夫だから降ろしてくれ……///」

 

どうやら騎士にお姫様抱っこされるのはレティシアに相当刺さったらしい。

意外とたらしなカズハを弄るか、初心そうなレティシアを弄るか十六夜が悩んでいると黒ウサギが慌てた様子でレティシアのカードをひったくって中身を見た。

 

「……やっぱり、ギフトネームが変わっている。鬼種は残っているものの、神格が残っていません……!」

「なんだ? もしかして元・魔王様のギフトって、吸血鬼のギフトしか残ってねえの?」

「……はい。武具は多少残してありますが、自身に宿る恩恵は……」

「他人に所有されたらギフトまで奪われるのか?」

「いいえ……武具などの顕現しているギフトと違い“恩恵”とは様々な神仏や精霊から受けた奇跡、言わば魂の一部。隷属させた相手から合意なしにギフトを奪うことはできません……レティシア様、どうして……」

「それは―――」

 

レティシアが気まずそうに口を開いた瞬間、上空が突如光り輝き、褐色の閃光が降り注ぐ――――――。

 

 

 

 

 

――――――『TIME』

 

 

 

 

 




・剣城カズハ
キングラウザー無しでもこの実力。
キック・パンチ・タックルと言った格闘、雷・硬質化・磁力・高速移動・時間停止と多芸な能力と、ブレイドは極めて攻防のバランスがいいライダーではないでしょうか。
タックルはちゃんと当たります。



どうでもいいけど思いついた事

南雲ハジメ「魔王だなんて、そこまで弱くないつもりだぞ?」

逆廻十六夜「ほーう? 言うじゃねえか」(←対魔王専門コミュニティの原典候補者)
高町なのは「そうなんだ~」(←管理局の白き魔王)
兵藤一誠「なんだとお前魔王様嘗めんな!」(←四大魔王から認められた時期魔王候補)
春日アラタ「言うなぁお前」(←大魔王から継承した真の魔王)
常磐ソウゴ「じゃあ試してみる?」(←最高最善の魔王)
アーミヤ「えっと……?」(←魔王と呼ばれたCEO)

ハジメ「……まあ、例外はいるけどなあ……」

魔王道は険しいぞハジメ君よ


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不死の剣は理不尽に吠えるそうですよ!

連投します。恐らく次回でブレイド編は終わりでしょう。
あと今回は掲示板一切なしです。


「――居たぞ! 吸血鬼が……何?」

「何処に行った!? 確かに石化の光は当たった筈!」

 

「――――――はっ!?」

 

黒ウサギ達が気付くと、上空に鎧を纏った騎士達が混乱している様が見えた。

その旗印からコミュニティ・ペルセウスであることもすぐに察する。

だがそちらに意識を向けるより、隣で何かが倒れる音がした。

 

「ッ―――ッ―――ハッ、ハッ―――」

「か、カズハさん!?」

「しっかりするんだ!」

 

カズハが息を荒くしたまま倒れてしまったのだ。

正しくは膝を突いた程度だが、動悸と汗が激しく、支えにしている腕が痙攣を起こしている。

 

「今の……スペードの10か」

「あ、ああ……ハッ……ハッ……咄嗟だったから、生身で使って……」

 

―――実は、カズハの能力には限界がある。

彼のアンデッドとしての力は融合係数を跳ね上げるキングフォームを基にして成り立っているものである。

キングフォームそのものの武器であるキングラウザーや人間を遥かに上回る身体能力はともかくとして、他のアンデッドの力は13体融合のキングフォームが前提なのである。

純粋なアンデッドであり、♡2のカードで人間に変化していたオリジナルのジョーカーや単独で擬態能力を持つアルビノジョーカーとの最たる差が此処に在った。

 

それでも直接ラウズカードの力を使えないわけではないが、反動や負荷はキングフォームは勿論、ノーマルブレイドの変身時とは比べ物にならない。

その上で今カズハが使ったのは領域限定とはいえ、一切の時を止める♠10、タイムスカラベだったのだ。その反動が今彼の身体に襲い掛かっている。

 

なお、あくまでこの反動は生身故であり、確かにタイムスカラベは強力なカードだが変身時は負荷なく使える事を明記しておく。

 

「チッ、休めば戻るな?」

「ああ―――一時的な、消耗だ……すぐに……治る……」

「じゃあ、あっちは任せておけ」

 

黒ウサギがカズハを寝かせるのを横目で見つつ、十六夜は襲撃者たちに目を向ける。

 

「石化していないだと!?」

「落ち着け! あくまで目的は奪還だ! 他の連中は邪魔するなら斬り捨ててでも連れていくぞ!」

「……参ったぜ、生まれて初めておまけに扱われたんだが。手を叩いて喜べばいいのか、怒りに任せて叩き潰せばいいのか、黒ウサギはどっちだと思う?」

「と、とりあえず本拠に逃げてください! カズハさんも心配ですし、それにレティシア様は……」

 

「待て、私は大人しく戻ろう。だからこの者達に危害は加えるな」

 

「レティシア様!?」

 

黒ウサギと十六夜の前に立ち、ペルセウスの騎士達にそう頼み込むレティシア。

 

「そもそも発端は私が勝手に抜け出してきたんだ。彼らはそれを取り戻しに来たのみ。面倒を起こせば立場が悪くなるのは其方だぞ黒ウサギ」

「く……」

「そこの彼に伝えてほしい……。二度も守ってくれてありがとう。と」

 

そう言って歩いていくレティシアを黒ウサギは見届ける事しか出来ない。実際レティシアが言っている事は正論なのだから。

大人しく縄に付くレティシアを見て騎士達は安堵したかのように声を漏らす。

 

「これでよし………危うく取り逃すところだったな」

「ああ。台無しになれば我ら〝ペルセウス〟の居場所は無くなっていたぞ」

「それだけじゃない。箱庭の外とはいえ、交渉相手は一国規模のコミュニティだ。もしも奪われでもしたら―――」

「箱庭の外ですって!?」

 

その呟きを聞いた黒ウサギは先程のレティシアの忠告も忘れて思わず声を荒げた。

何故ならその発言はレティシアの生死に関わる問題だからだ。

 

「一体どういう事です! "箱庭の騎士"は天蓋のある箱庭の中でしか太陽の光を受けられないのですよ!? その吸血鬼を外に連れ出す事の意味が―――」

「我らの首領の取り決めた交渉。部外者は黙ってろ」

「こ、この……!これだけ無遠慮に無礼を働いておきながら、非礼を詫びる一言もないのですか!? それでよく双女神の旗を掲げていられるものですね!」

「ふん。こんな下層に本拠を構えるコミュニティに礼を尽くしては、それこそ我らの旗に傷がつくわ。身の程を知れ "名無し"が」

「なっ……なんですって……!!」

 

度重なる暴言と無礼、誰よりもコミュニティを思っているが故の地雷を次々と踏み抜かれた黒ウサギの堪忍袋の緒は限界だった。

 

「ありえない……ええ、ありえないですよ。天真爛漫にして温厚篤実、献身の象徴とまで謳われた "月の兎" をこれほどまで怒らせるなんて……!」

「馬鹿者! 止せ! 黒ウサギ!」

「このコミュニティは名を失えど、黒ウサギが生涯を駆けてでも守りたい、もう一度立ち上がらせた、何よりも愛している私の家です! それを荒らしておいて、ただで済まされるとお思いですか!!?」

 

レティシアの制止も聞こえない。

電轟雷轟、響く稲妻と共に黒ウサギの髪が桃色に染まり、その手にギフトカードから顕現させようとした時―――

 

「待て、黒ウサギ……!」

 

雷に焼かれながらもカズハがその手を掴む。

 

「ッ、カズハさん!?」

「これ、以上は、駄目だ……お前どころか、レティシアまで問題に巻き込むことに、なる……!」

 

変身していない上に負担が抜けきっていない身体に稲妻のダメージは悉く入る。

慌てて黒ウサギが稲妻を引っ込めると、カズハは更に息が荒く膝を突いた。

 

「か、は……はあ……はあ……ここで、やりあったら、白夜叉と事を構える、ことになる……! そうなったら、本気で、ノーネームは、終わりだぞ……!」

「ッ!!! 申し訳ございません……ですが、レティシア様は……いえ、その前にカズハさん! 黒ウサギの雷に生身で突っ込むなんて、なんて無茶を……!」

「いいんだ……黒ウサギを、止められた、からな……俺の身体程度なら……」

 

チッ、とカズハと同じく黒ウサギを止めようとしていた十六夜が舌打ちしつつ騎士達が居る方を見るも、既に彼らとレティシアの姿はなかった。

 

「不可視の恩恵……ハデスの隠れ兜か。おい剣城。生きてるか?」

「生憎とな……!!」

 

感電していた身体のやがて麻痺が収まる。激痛程度慣れきっているカズハにとってはこの程度、すぐに立ち直れる。

 

「………サウザンドアイズだな?」

「ああ。黒ウサギ、御チビとお嬢様を連れてこい。どうもきな臭い。最悪その場でゲームもありえる、頭数はいた方がいいだろ」

 

 

♠♠♠

 

 

「カズハさん………本当に、申し訳ございません」

 

ジンは耀の治療の為に本拠に残り、飛鳥を加えた四名がサウザンドアイズに向かう道中、黒ウサギは完全に回復したカズハに謝罪を受けていた。

 

「大丈夫だ。もうなんともない。回復だけは早いんでな」

「ですが……」

「何度も謝っても剣城に迷惑なだけだぞ」

 

十六夜の忠言で謝罪こそ止めたが、黒ウサギは浮かない顔だった。

彼女の出生の由来から、仲間を攻撃してしまった事は余程堪えたのだろう。

そしてカズハ自身、本当に気にしていないのだがそう言った罪悪感を露骨に向けられると相当参ってしまっており、早くサウザンドアイズに着かないかなと思っていたりする。

 

箱庭に来て初めての苦悩であった。

 

そして第二の苦悩はそのサウザンドアイズに着いてから始まった。

 

「うわお、ウサギじゃん! うわー実物初めて見た! 噂は聞いていたけど、本当に東側にウサギがいるなんて思わなかったよ! つーかミニスカにガーターソックスって随分エロいな! ねー君、うちのコミュニティに来いよ。三食首輪付きで毎晩可愛がってやるぜ?」

 

この下心丸出しのホストのような男がコミュニティ・ペルセウスのリーダー、ルイオスである。

D×Dのライザーといい、ゼロ使のギーシュといい、何故こうも最序盤の敵は女好きが多いのだろうか。

 

「これはまた随分と分かりやすい外道ね。断っておくけど、この美脚は私達のものよ」

「そうですそうです! 黒ウサギの脚は、って違いますよ飛鳥さん!!」

「そうだぜお嬢様。この美脚は既に剣城のもんだ」

「ちょっと待て何故そこで俺が出る!?」

「そうですそうです黒ウサギの脚はってなななななななあ!?」

「おいおいなんだよ黒ウサギ、剣城を傷物にした責任を取るんだろ?」

「い、いえ責任は取りますがそうはいってもやり方というのがございまして!!」

「とか言いつつ満更じゃなさそうじゃない」

「よし小僧! ならば黒ウサギを良い値で」

「俺のじゃないが変態ロリババァに幾ら積まれても売る訳ねえだろ」

「つまり俺の黒ウサギは誰にも渡さないと」

「はひゅ!!?」

「改変が酷いぞ十六夜」

 

この怒涛の漫才(主に被害者は黒ウサギに見せかけたカズハ)にスレ民達は大爆笑していたりする。

そして同じく爆笑している対面の男。

 

「あっははははは! え、何? “ノーネーム”って芸人コミュニティなの? そうなら纏めて“ペルセウス”に来いってマジで。道楽には好きなだけ金をかけるのが主義だからね。生涯面倒見るよ? 勿論、その美脚は僕のベッドで毎晩好きなだけ開かせてもらうけど」

「お断りでございます。黒ウサギは礼節を知らぬ殿方に肌を見せるつもりはありません」

 

ツイ、と顔を背ける黒ウサギだが、この格好(白夜叉曰くゲームの審判をする時、この恰好を常備すれば賃金を三割増しにするという条件で出されたもの)では説得力の欠片も無いことをカズハは口にはしなかった。

 

「その格好で言うか?」

 

十六夜は容赦なく口にしたが。

 

 

 

改めて交渉の席に着く。

黒ウサギは「レティシアがペルセウスの管理下から逃げ出してノーネームにやってきて暴れた」ということでの責任追及(粗方嘘だが実際十六夜に攻撃を仕掛けたという点においては間違っていない)を試みたが、ルイオス側はそれを一蹴。

そもそもレティシアを逃がしたのはノーネームと話したい彼女の意を汲んだ白夜叉が手引きしたからであり、詳しく経緯を調べれば責任が彼女に及ぶ。それを無視できるノーネーム側ではなかった。

 

「さて、僕はさっさと帰ってあの吸血鬼を売り払うとするかな。日光という檻の中で永遠に玩具にされる吸血鬼ってのも中々いいシチュエーションだよね。というか連中から前払いで恩恵貰っちゃったし今更変更なんてできないんだよねえ」

「あ、貴方という人は………!」

「(……先払いで貰った恩恵?)」

 

ルイオスの発言に懸念を覚えた十六夜に対し怒りのあまり、ウサ耳が震える黒ウサギ。しかし続くルイオスの言葉でその顔は凍りついた。

 

「しっかしアイツも馬鹿だよね。箱庭から売り払われるだけじゃなく、恥知らずな仲間のせいでギフトまでも魔王に譲り渡すことになっちゃったんだもの」

「………なんですって?」

「気の毒な話だよ。他人の所有物っていう極め付けの屈辱に耐えてまで駆けつけたってのに、昔の仲間は誰も助けてくれないんだもんなぁ?」

 

……つまりレティシアが神格の恩恵を持っていなかったのは奪われたのではなく、ノーネームまで赴くまでの対価として自ら支払ったということになる。

それほどの覚悟を以て行動したレティシアに、カズハは息を飲み、また、当初から抱えていた覚悟を更に固めた。

それに気付かずルイオスは続ける。

 

「取引しないか、月の兎。吸血鬼は返してやる。その代わり………君は生涯、僕へ隷属するんだ」

「なっ……」

「一種の一目惚れってやつ? それに“箱庭の貴族”という箔も欲しいし」

 

ガルドといい、箱庭の住民にとってはそれほど黒ウサギという存在は箔なのだろうか。

その考えに苛立ちが募る中、ルイオスは更に続ける。

 

「君は“月の兎”だろ? 仲間のために煉獄の炎に焼かれるのが本望だろ? 君達にとって自己犠牲ってやつは本能だもんなあ?」

「ッ!」

「ほらどうなんだよ黒ウサギ、安っぽい自己犠牲ってので帝釈天にその身を捧げるのが本望なんだろ!? だったら今がその時だからなほらどうなんだよ黒ウサギ―――」

 

 

―――ドスッ!! と卓にキングラウザーが突き刺さる。

 

 

思わず恩恵でルイオスの口を閉じさせようとしていた飛鳥や、張本人のルイオスも動きが止まり、その人物を見つめた。

 

「……黒ウサギ」

「はっ、はい!?」

「俺には自己犠牲が尊いとか、逆に悪い事だとか、そういうことを言うつもりはないし、言う権利は無い。お前がどういう事を考えてどういう選択をするのか、それはお前自身の道理で決めればいい」

「ちょっと、カズハ君!?」

「だがな!」

 

まるで黒ウサギがルイオスの交渉に乗ろうとするのを止めないかのような発言に焦った飛鳥が抗議しようとするが、次いで放たれた強い発言に遮られる。

 

「お前の、お前の一族が選んだ「運命」を嘲笑ったコイツに、その道理を通す必要は一切無い!」

 

続いてルイオスを睨んだカズハは立ち上がり、キングラウザーを引き抜くと一瞬だけ十六夜を見やってから再び告げる。

 

「黒ウサギ、さっき言ってた責任って奴、やっぱり背負ってもらおう」

「そ、それはどういう……」

「お前が居るべき場所は何処だ。お前が俺達を呼んだのは何のためだ。……あの時お前が魅せた怒りは何のためだ」

「………!!!」

「その答えから逃げるな。あの怒りの雷は痛かった。お前の心を感じた。あの時のお前の叫びから目を逸らすな……その誓いには、お前が居ないと意味がないんだよ!」

 

黒ウサギが此処でルイオスの提案に頷けば確かにレティシアは帰ってくるだろう。

だが、そうなってしまえば、彼女が願った「コミュニティの再興」を他ならぬ彼女自身が見ることができなくなってしまう。

そんな不条理は、絶対に認めない。

 

「………あ~あ、もうちょっとで黒ウサギを俺のものにできそうだったのになあ」

「ふざけた事を言うんじゃない。本当に黒ウサギを求めているコミュニティなら俺も止めないだろうよ。だがな……お前も、あのガルドも、黒ウサギの箔だの身体だの、誰も「黒ウサギ本人」を見ていないだろうが。それを見ていないような奴に渡す道理は何処にもないんだよ」

「ま、それならそれで好きにすればいいさ。僕はさっさとあの吸血鬼を売り払うだけ―――」

「待ってください。先程の条件、仲間を説得する為、時間を頂けませんか?」

 

はっ!? と全員が一斉に黒ウサギを見る。

馬鹿なことを言い出したと思ったカズハだが、黒ウサギの目を見て言葉を飲み込んだ。

彼女の瞳は先程とは違う、真っ直ぐだったからだ。

 

「仲間と相談する為、どうか時間を」

「―――良いだろう。一週間待ってあげるよ」

 

ニヤリと笑ったルイオスはそのまま居間から立ち去った。

それを見届けた直後、飛鳥は黒ウサギに問い詰める。

 

「どういうことなの黒ウサギ! 貴方カズハ君の言葉を聞いてたの!?」

「ええ。聞きましたよ。ですから……そのための時間稼ぎです」

 

えっ? と固まる飛鳥の肩を叩きつつ、十六夜が確認する。

 

「一週間、その間に何かペルセウスにギフトゲームを挑める手札を手に入れる、ってことだな」

「はい。短い時間ですが、この場で行動するよりは有効な手を打てるはずです」

「奴は黒ウサギの存在に目が曇っていたからな。いい判断だ」

「……カズハさん、すみません。黒ウサギが間違っていました。……先程のルイオス様の提案に乗っていたら、黒ウサギは無責任者でした……気付かせてくれて、ありがとうございます」

「いいさ。……それにレティシアも必ず助け出す。……二度も助けてくれてありがとう、か……だったら、三度目がある事を見せてやらないとな」

 

決意を固める一同。そんな彼らに扇子を広げながら白夜叉が声を掛ける。

 

「それならば、おんしらに一つ有意義な情報をやろう」

 

 

♠♠♠

 

 

―――箱庭のとある泉。

そこにカズハ―――ブレイド・キングフォームは立っている。

 

『ペルセウスが主催するギフトゲームに、クラーケンとグライアイを打倒せよ、というものがある。その証を集めれば無条件でペルセウスへの挑戦権を獲得できるぞ』

 

「……瞬殺で決めさせてもらおうか」

 

そう呟いた直後、海面が盛り上がり、巨大な蛸―――クラーケンがその姿を現す。

現在ノーネームはカズハと十六夜で手分けして二体の魔物を討伐することとなっており、カズハは此方を担当している。

 

「行け」

 

ブレイドがキングラウザーを上空に投げ、指を鳴らす。

すると()()()()()()()()()()()()()が出現。

 

「無数の刃に刻まれろ―――」

 

手を振り下ろすと同時にその大量の剣が雨のように降り注ぐと、クラーケンの足を見事なぶつ切りにしていく。

更に抵抗の手段を失ったクラーケンに容赦なく、キック・サンダー・マッハを発動。

 

「沈めえええええっ!!!」

 

キングライトニングソニックが炸裂。

深々と胴体に必殺キックを受けたクラーケンはそのまま海底へ沈んでいく―――。

そして、残った光はカズハの手に収まり、スイカサイズの宝球、つまり攻略の印となった。

 

「十六夜の方も問題無いだろうな。さて、急いで帰ろう」

 

ギフトカードからバイクのブルースペイダーを召喚したカズハはその座席に跨り、エンジンを吹かしてノーネーム本拠へ走っていくのであった。

 




・剣城カズハ
黒ウサギの事はかなり気に掛けるようになった。
恩人であるのと同時に在り方を否定できなくなったため。
生身で使用した場合の負担は数字が上がるごとに増していきます。
J~Kは例外。

いつからキングラウザーは一本だけだと錯覚していた?
という訳でソードバレルが如き技を披露。本当にチート。勿論ブレイラウザーも多量召喚できます。

前回指摘いただいたタイムスカラベの箱庭では使えない問題は、ディケイドやジオウのような「細かい事は気にするな」方針で行きます。
荒なんてマジで探せばキリがないですからねえ……クロスオーバーの宿命です


ところで、異世界かるてっとの面々って実は二期追加の盾勇以外、この掲示板には出ていませんね。
カオスになりそうですがやったら面白そうです


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不死の剣は帰る場所を見つけるそうですよ?

ブレイド編最終回です。二巻やる気はあまりないです(それより他のシナリオをしたい)


『ギフトゲーム名“FAIRYTALE in PERSEUS”

 

プレイヤー

剣城カズハ

逆廻十六夜

久遠飛鳥

春日部耀

 

“ノーネーム”ゲームマスター

ジン・ラッセル

 

“ペルセウス”ゲームマスター

ルイオス・ペルセウス

 

クリア条件

ホスト側のゲームマスターを打倒

 

敗北条件

プレイヤー側ゲームマスターによる降伏

プレイヤー側のゲームマスターの失格

プレイヤー側が上記の勝利条件を満たせなくなった場合

 

舞台詳細・ルール

・ホスト側ゲームマスターは本拠・白亜の宮殿の最奥から出てはならない

・ホスト側の参加者は最奥に入ってはならない

・プレイヤー達はホスト側の(ゲームマスターを除く)人間に姿を見られてはいけない

・失格となったプレイヤーは挑戦資格を失うだけでゲームを続行できる

 

宣誓

上記を尊重し、誇りと御旗の下、“ノーネーム”はギフトゲームに参加します。

 

“ペルセウス”印』

 

 

 

どうにか挑戦権を獲得し、ルイオスにギフトゲームを挑む事が出来たノーネーム一同。

そのゲーム内容は一言で言えば「ペルセウスの暗殺」といった所だろう。

本来ならば飛鳥が囮となって雑兵を引きつけ、耀が不可視の敵から兜を強奪。ルイオスの打倒は十六夜が担当するという形でクリアしている。

だが一つ、無視できない懸念があった。

 

 

 

715:カブト@ユニオン指揮官

ブレイドニキ、あの時ルイオスが言っていた「前払いで貰ったギフト」っていうのは、原作にはないことだった

 

716:スペードの剣@ノーネーム復興中

つまり……ガルドの時と同じような?

 

717:カブト@ユニオン指揮官

ああ、元々なかった恩恵をルイオスが持っている可能性は高い。十分に警戒しろ。

 

718:スペードの剣@ノーネーム復興中

となると、十六夜だけで対応できない相手に備えて俺も最上階に行かないといけないわけか

 

 

 

実際十六夜もそれを懸念しており、負けるつもりはないが不確定要素を可能な限り潰す事を考え、カズハの同行を依頼している。

随分と信用が厚いようで、と飛鳥に皮肉を言われたが十六夜は何処吹く風であった。

 

そう言う訳で十六夜がドアを蹴り飛ばし開戦。

なおこの男、先日もグライアイの討伐印を持ち帰って来た際、ドアを蹴り飛ばしている。

ついでにカズハは窓から入って来た。促したのはクウガニキである。

 

そして今回もそれを適用することにした。

マッハやタイムを使うことも考えたが、残光を見られただけでも失格になるのか怪しかったし(流石にアクセルフォームやクロックアップ程の速度は出せない)、時間停止が切れた時に敵の目の前、なんて事故は避けたい。

尚且つ、ペルセウス側も相手の攻略の鍵となるハデスの兜をそう3個も4個も用意しないだろう。精々が2つだ。

リーダーであるジンが見られれば強制失格、十六夜の力はルイオス打倒の為に必須だ。

 

ということで、カズハはクウガニキ直伝の壁クライミングで宮殿の外から直接最上階を目指す。

流石にそんな力技で攻略する人間は今まで居なかったのか、外に見張りはいなかった為、比較的容易であった。

まあ、流石にざっと5、6階建て並みの高さがあるビルのクライミングはいくらカズハがアンデッドでも大変である。というかずっしり重いキングフォームではあまりにも無謀なので生身である。

ジャックフォーム使えよというツッコミも入りそうだが、流石にバトルフィールドとなる屋上以外で飛ぶ事には制約が掛かっていた。故のゴリ押しである。

 

「ふん、ぬおおお………! あと、少し……だぁあああ!!」

「ひゃ!?」

「おお、遅かったなカズハ」

 

そんなわけでようやく辿り着く。

当たり前だが普通に屋内を走って来た十六夜達の方が先に着いていた。

 

「はっ、まさかそんなダサい方法で這い上がってくるとは思わなかったな」

「そうダサいって決めつけていたから、外に見張りを置いたり、ルールで制約付けなかったんだろ? そっちの落ち度だ」

 

念の為、事前に黒ウサギにも確認したが「壁を登ってはならない」というルールは実際無かった。

 

「ホントに使えない奴ら。今回の一件でまとめて粛清しないと。何はともあれ、ようこそ白亜の宮殿・最上階へ。この僕、ルイオス・ペルセウスがゲームマスターとして相手しましょう。……あれ、この台詞を言うのって初めてかな?」

 

実際、ペルセウスはこのゲームで今までに負けたことは無い。

それはルイオスが強いというより、騎士達が優秀で最上階まで上がる事が出来なかった為である。

今回は急にゲームを挑まれて準備をする時間も余裕もなかった為、万全な状態だったらどうなっていたか分からない。

だがそれに気付くようなルイオスではなかった。

 

「突然の決闘だからな、勘弁してやれよ」

「ふん、名無し風情を僕の前に来させた時点で重罪さ」

 

十六夜のフォローを鼻で笑い飛ばしたルイオスがギフトカードから武具を取り出す。

 

「……炎の弓? ペルセウスの武器で戦うつもりはない、という事でしょうか?」

「馬鹿だね。こっちは空が飛べるのになんで同じ土俵で戦わなきゃいけないのさ。それにメインで相手をするのは僕じゃない。コイツだ」

 

ルイオスは首飾りを引きちぎり、それを舞台に落とす。

破裂すると同時に褐色に光が溢れ、膨れ上がり、炸裂する。

 

「目覚めろ──“アルゴールの魔王”!!」

 

「ra……Ra、GEEEEEYAAAAAaaaaa!!」

 

光の中から拘束具に身を包み、現れた女が不協和音が如き絶叫を挙げ、周囲に褐色の光を撒き散らす。

思わず耳を塞いだジンを十六夜が抱えてその場から移動すると、頭上から降って来た岩が先程までジンが居た場所に撃墜する。

 

「いやあ、飛べない人間って不便だよねえ。落下してくる雲も避けられないんだから」

「く、雲ですって……!?」

 

降って来た岩の正体はアルゴールの魔王によって石化させられた雲だったのだ。

次々と降ってくる大岩に混じって一際巨大な岩山が舞台に降ってくる。

 

「! 危ない黒ウサギ! 変身!」

 

『TURN UP』

『EVOLUTION KING』

 

黒ウサギを守るように前に立ったカズハは黄金のオリハルコンエレメントを上方向に発生させて巨岩を弾くと、跳躍して潜り抜けキングフォームへ変身。そしてキングラウザーで巨岩を一刀両断。

 

「ふう……。大丈夫か?」

「ありがとうございます! ですが、この規模となると……」

「ああ、今頃は君らのお仲間も、部下も全員石になってるだろうさ。ま、無能にはいい罰じゃないかな」

 

黒ウサギが屋上から下を見下ろすと、彼が言う通りこの最上階にいる者以外は全て物言わぬ石像と化してしまっていた。

 

「十六夜、一旦降りるぞ」

「ん?」

「石化しているとはいえ、砕けたら大問題だ。安全な場所に飛鳥と耀を避難させてくる」

「OK、それまでこっちは任せな」

 

こくり、と頷いたカズハはそのまま屋上から飛び降りていく。

騎士も全員石化しているならばもう見られる心配は無いだろう。

 

「御チビも下がってな。さーて……準備はいいかよゲームマスター! この程度うちのリーダーが相手するまでもねえ。二度と逆らう態度が出来ねえ程に()()()()()()()()()()!」

「ほざいてろ名無し風情がッ!!!」

 

 

♠♠♠

 

 

屋上での激突音を聞きつつ、降下していくブレイドはやがて地面に着地。

その際キングフォームの重量で地面にクレーターが出来たが些細な事と割り切り、すぐにマッハジャガーを使って走る。

 

まずは一階で囮役を引き受けてくれた飛鳥。

雲を石化する程のアルゴールの恩恵は彼女が使っていた水樹から溢れ出す大量の流水をも石に変えてしまっていた。

 

「よっと……」

 

そんな芸術作品のような岩を潜り抜けて飛鳥の像まで辿り着いたブレイドは慎重にゆっくりと持ち上げるとそのまま抱えて宮殿外まで運びだす。

急ぐ気持ちはあるが、それで万が一にでも落としてしまったら元も子も無い。

 

「此処なら安全か……よし、次は耀だな」

 

耀は兜入手時の戦闘でダメージを負い、宮殿内部で休んでいたとジンから聞いている。

再びマッハを使い、耀の居場所まで向かうが、天井が揺れ、一部が崩れそうになっている。

 

「うおっと……十六夜の奴、暴れすぎだろ……っと、見つけた!」

 

4階層で無事に耀の石像を発見。

後は彼女を抱えて戻るだけ……と思った矢先、地面や壁が突然変質、変形をし始めた。

 

「ッ、なんだ!?」

 

みるみるうちに宮殿の至る場所―――壁も地面も天井も柱もが、恐ろしい蛇へと姿を変えた。

そして蛇を見てトラウマスイッチオンしていたのがファイズニキとかビルドニキだったりする。

 

―――もう生きて帰さないッ! 貴様らの相手は悪魔と宮殿の怪物そのもの! このギフトゲームの舞台に逃げ場は無いものと知れッ!

 

上の階層からルイオスの咆哮が聞こえる。

どうやら十六夜は相当追い詰めていたようだが、その影響が此処まで来るとは思わなんだ。

 

「チッ! 抱えながらはキツイぞ!」

 

耀を抱えている都合、キングラウザーは片手では振りづらい為ブレイラウザー(ディアマンテエッジ版)に換装。

次々と蛇を斬り、強引に外を目指す。

 

―――そうかい。つまり、()()()殿()()()()()()()()()()()

 

え” と上から聞こえた十六夜の言葉にぎょっとなるカズハ。

だが十六夜ならやりかねない。即座に壁にキングライオンビートをぶちかまして穴を空け、そこから外へ。

 

――直後、白亜の荘厳な宮殿は屋上を中心に凄まじい衝撃を持って粉砕された。

 

「あああんの、馬鹿野郎ーーーーー!!!!」

 

耀の石像を壊さないようにしっかり抱え、背面の重力制動装置でゆっくりと降下。

撒き散らされる瓦礫をブレイラウザーで斬り、なんとか耀と、端に避難させていた飛鳥を抱えて崩落する宮殿から脱した。

 

 

♠♠♠

 

 

十六夜が降り上げた脚を地面に振り下ろし、千の魔物を宮殿ごと木っ端微塵に粉砕。

瓦礫の山となったステージを上空から見下ろしたルイオスは呆然と呟く。

 

「……馬鹿な。どういうことなんだ!? 奴の拳は、山河を打ち砕く程の力があるのか!?」

「おい、ゲームマスター。これでネタ切れってわけじゃないよな?」

 

余裕そうに笑う十六夜を化物のように見るルイオスも無理は無いだろう。

幾ら完全な力を引き出せていないとはいえ、最強種たる星霊を相手に真正面から殴り合うどころか投げ飛ばし、翼が無いにも関わらず容易く空を飛ぶ自分に追従する機動性。

加えて山河を砕くほどのこの力。明らかにただの人間ではない。

そんな奴と真っ向から戦おうなどという気にはもうなれない。

 

―――――――これがなければ。

 

「散々コケにしやがって……出来れば、コイツは使いたくなかったが……」

 

そういってルイオスはカードを取り出す。

ギフトカードではない。寧ろトランプのような―――それを見た十六夜の顔色が変わる。

 

「ラウズカード!!? お前、どうしてそれを!!」

「取引先のコミュニティから貰ったんだよ! これでお前らを、根絶やしにしてやる!!!」

 

『TRIAL』

 

ルイオスの身体がレザーのような装甲に包まれていく。

そしてその上から金や錆色の甲殻を思わせる鎧が纏われていき、頭部や肩部、胸部を固めていく。

 

「チッ、コイツは……」

 

仮面ライダー剣という作品を履修している十六夜には見覚えがあった。

アンデッドは合計で54体+α。目の前の存在はいずれとも当て余らない異端。

そんな存在を、十六夜は知っている。

 

「改造実験体トライアルシリーズ……か」

「ハハハッ!! 凄い力だ! これなら……」

 

十六夜の表情が変わり、一足でルイオス―――トライアルPとの距離を詰めてぶん殴る。

その威力はトライアルPの身体を吹っ飛ばし、瓦礫に叩きつけた。

が、十六夜の表情は芳しくない。

 

「……手ごたえが浅い」

「はは、はははは!!! おい、どうした名無し! こんなものかあ!?」

 

ダメージは一切なし。トライアルPは何事も無かったかのように立ち上がり、十六夜を嘲笑う。

 

「今度は、こっちから行くぞお!」

「!」

 

装備された鎌が振るわれ、斬撃が飛ぶ。

瞬時に片腕で弾く十六夜だが、そこに先程のお返しとばかりに連続斬りで迫られる。

 

「チッ……面白くなってきたじゃねえか!!!」

 

口とは裏腹に十六夜の内心は芳しくない。

トライアルシリーズ、及びアンデッドは普通の攻撃では殆ど通じない。

ルイオスが多少強くなった程度で十六夜が押し負けるわけではないのだが、向こうは全然ダメージを受けないのに対して此方ばかり疲労が蓄積していくことになる。

第一、倒れない奴を相手に「ゲームマスターの打倒」というクリア条件をどう満たせというのか。

 

「アハハハハ!!! 僕に逆らうからこうなるんだ!!! もうアルゴールなんか目じゃない! もう誰にも親父となんか比較させないぞお!!」

「ごたごたうるせえんだよ!!」

 

十六夜の蹴りがトライアルPを吹っ飛ばす。

だがその顔がニヤリと一瞬笑ったように見えた次の瞬間、トライアルPは鎌を無茶苦茶に振るい、周囲に無数の斬撃を飛ばした。

十六夜はすぐにそれを弾くが、余った斬撃は真っ直ぐにジンを狙って飛んでいる!

 

「ッ!(御チビがやられたらその時点で俺達の敗北だ!) 逃げろ!」

「う、わ」

 

だが、戦士でもない齢11歳の少年が高速で迫る斬撃を避けるなど不可能。

その斬撃はそのままジンの身体を――――――

 

 

ザクッ!!!

 

 

斬り裂くことはなかった。

黄金の騎士がその前に立っていたからだ。

 

「! カズハさ――」

 

ポタっ……ポタっ……

 

ジンを庇い、斬撃を手で受け止めていたブレイド。

比較的装甲が薄いその部分はパックリと裂けており、血が滴り落ちていた。

 

 

 

―――(人間)ではない、(アンデッド)の血が。

 

 

 

「か、カズハ、さん……!?」

「血が、緑……!」

「…………」

 

十六夜の痛烈な舌打ち。

仮面で隠れた表情は見えない。

カズハは黒ウサギ達には目を向けず、ただ一点――トライアルPを見る。

 

「……ルイオス、一つ聞くぞ。その力、誰から貰った」

「うーん? そんなこと聞いてどうしようってのかなあ? まあいいだろう。冥途の土産に教えてあげるよ。連中はこの箱庭でも中々見られないような珍しい技術や兵器を沢山取り扱っていてね。これもその一端だっていうんだよね。確か―――『財団X』とか言ったかな?」

「「!!!?」」

 

その言葉にカズハ、そして十六夜が目を見開く。

財団X――秘密結社ショッカーが昭和ライダー因縁の敵とするならば、彼らは平成ライダー最大の敵。

ガイアメモリ、コアメダル、アストロスイッチ、ライダーガシャット、ネビュラガス……様々な技術に目を着け、自分達でも製造し、それを世界各地にばら撒いて反乱や混沌を巻き起こす死の商人。

そんな存在が箱庭にも手を伸ばしていた事は相当な脅威となる。

 

「で、このカードはその連中の一人がくれたんだよね」

「ソイツの、名は」

「えーと……うん、お前達みたいな和名だったから覚えているよ」

 

 

 

――――テンノウジ、ヒロシ、とか名乗っていた。

 

 

 

「―――――………そうか、ありがとうなルイオス……そうか、奴がいるのか……!!!!」

 

 

 

831:装者全員と友達になる男

どういうことだよ!? 財団Xはまだ分かるとして、なんで天王路が生きてんだ!?

 

832:スペードの剣@ノーネーム復興中

俺の世界では奴は海に落下したんだ。可能性は低いが生きていた可能性がある……!

 

833:鎧武が斬る!零

というか水落ちは生存フラグだろうが! ダディがそうだったろ!

 

834:カブト@ユニオン指揮官

それは置いておくとして、生きていた天王路が財団Xと合流したということか

 

835:執務官受験生555

そしてこの箱庭の世界で何かまた企んでいる、ってか

 

 

 

「貴様がいるのか、天王路……!!!!」

「なんだよ? もしかして知り合い? ま、そんなの関係無いね。どうせお前達は此処で死ぬんだからさあ!」

 

ルイオスーートライアルPが鎌を持ち、高速でブレイドに接近、そのまま鎌を振るう―――。

 

が、その斬撃をブレイドは片手で掴んで受け止めた。

 

「は、はっ?」

「悪いが、これ以上その力を使わせるわけにはいかない……!」

「ごへえ!?」

 

キングライオンビートを腹部に叩きつけて殴り飛ばす、更に続けてマグネットでトライアルPの身体を再び引き寄せ、今度はミドルキックを食らわせる。

 

「がっ!? 嘗めるなァ!」

 

脚―――元と同じく翼の生えたブーツを用いて空中で態勢を整えたトライアルPは鎌を振るって無数の斬撃を飛ばす。

それを見たブレイドの両肩のクレストが光ると―――背中から3枚6対の翼が出現。

 

「! ジャックフォームの翼か!? キングフォームで出したのか!?」

 

十六夜の驚愕。そのまま「オリハルコンウィング」で飛翔し、キングラウザーでトライアルPに斬りつける。

 

「さっき、飛べない人間は不便と言っていたよな? 生憎、俺は人間じゃないんでな!」

「ぐっ!?」

「はあっ!!」

 

更にもう一発キングライオンビートを叩き込んで地面に叩き落とす。

その攻撃は確実にトライアルPにダメージを与えている。

 

「がっ、はあ……!! ば、かな……!? 化物、め!?」

「言ったろ。人間じゃないってな」

 

ディアーサンダーを起動し、正面に向けたキングラウザーから雷撃のビームをトライアルPに放つ。

それを対して動きで躱したトライアルPはニヤリと笑う。

 

「だったら、アルゴール! コイツを終わらせてしまえ!」

 

傍らに倒れていたアルゴールが起き上がり、その瞳から褐色の光が、一直線にブレイドに迫る―――!

 

 

「カッ、ゲームマスターが今更狡い手使ってんじゃねえ!!」

 

 

だが、それをも十六夜が一撃の下、踏み潰して粉砕してしまう。

そのままアルゴールに音速で接近した十六夜は回し蹴りをその顔面に叩き込んで完全に撃沈させた。

 

「なっ……!!? そ、そんなバカな!!?」

 

ルイオスの絶叫と黒ウサギ、ジンの内心がシンクロする。

ファイズ・アクセルフォームに匹敵する速度、アギト・グランドフォームを越えるパワーを持ちながらも恩恵を砕く。

恩恵を宿しながら恩恵の影響を受けない。矛盾した魂、故の正体不明(コード・アンノウン)

上条当麻の幻想殺し(イマジンブレイカー)、太宰治の人間失格(ニンゲンシッカク)に並ぶ謎の能力である。

 

「もうアルゴールなんか目じゃない、とか言っておいて危なくなったらすぐにそれに頼るなんてな、何処までいっても三下だな、オマエ」

「あ、な、な……」

「お前の相手はこっちだろ!」

 

マッハ×タックル。

翼を広げ、キングフォームの重量そのままに空中から弾丸のように突っ込んできたブレイドがトライアルPの懐に潜り込み、大元たるカブトムシが如きカチ上げで上空へ放り投げる。

そして上空に飛ばされたトライアルPを逃がさず、五枚のカードを出現させる。

 

『SPADE TEN』

『SPADE JACK』

『SPADE QUEEN』

『SPADE KING』

『SPADE ACE』

 

『ROYAL STRAIGHT FRASH』

 

ブレイドとトライアルPの間にギルドラウズカードの10・J・Q・K・Aの幻影が並び、オリハルコンウィングとキングラウザーが黄金に輝く。

 

「く、来るなアァァァ!!!」

 

半狂乱になって斬撃を振り回すルイオスだが、その全てがカードの幻影によって弾かれ、それを翼を大きく広げ、飛翔したブレイドが貫通。

キングラウザーは幻影を通過するごとに輝きを増すオーラエネルギーに包まれ、その威力を限界まで引き上げる必殺の一閃―――『ロイヤルストレートフラッシュ』

 

「でぇりゃあああああああああああああああああああ!!!!!」

「ぎゃあああああああああああああああああああああ!!!??」

 

飛翔したブレイドによる一撃がトライアルPに直撃。

そのまま墜落し、カードが砕けると同時に元の姿に戻ったルイオスは気を失っていた。

 

―――これで、ノーネームの勝利が確定したのであった。

 

 

♠♠♠

 

 

「「「じゃあこれからよろしく、メイドさん」」」

 

ノーネームに戻って来たレティシアを開口一番に出迎えたのは問題児三名の見事にシンクロしたこの発言であった。

 

「「「え?」」」

 

「え?じゃないわよ。だって今回のゲームで活躍したの私達だけじゃない? 貴方達はくっ付いてただけだったもの」

「うん。私なんて殴られたり、石になったし」

「つーか挑戦権持ってきたのは俺と剣城だろ。というか剣城はレティシアを石化から守ったり、ルイオスを倒した張本人だから所有権は4:3:1.5:1.5で話はついた!」

「何を仰ってらっしゃるのですかこの問題児様方はッ!!!」

 

吠える黒ウサギだが三人揃って何処吹く風である。

なお張本人のカズハは本当に話に参加せず、窓から虚空を見つめていた。

 

「ふむ。そうだな。今回の件で、私は皆に恩義を感じている。正式にコミュニティを帰れた事に、この上なく感動している。だが親しき中にも礼儀あり、受けた恩は返さなければならぬもの。君達が家政婦をしろというのなら、喜んでやろうじゃないか」

「れ、レティシア様ァ!?」

 

というか張本人がノリノリだった。

話が分かると喜ぶ飛鳥と耀に対し、十六夜はカズハに近づき、

 

「おら、何時まで黄昏てんだ剣城。財団Xだとか天王路だとかで気掛かりなのは分かるがな」

「ん、ああ……そう、だな……うん……」

 

だがカズハの表情は晴れず、ずっと掌を見つめている。

それを見たジンが勇気を出して問いかける。

 

「……カズハさん、貴方は()()()()()()、のですか?」

「えっ!?」

「やっぱりな」

「うん、そうだよね……」

「……やっぱ、十六夜と耀は気付いていたか」

「そりゃあな。俺が知ってる「仮面ライダーブレイド」は「剣崎一真」っていう奴だ。お前とは違う男だったが……お前がなんの問題も無くキングフォームを、それもあの「十三体のアンデッド全てとの融合」を使っていた時点で察したさ」

 

耀も十六夜の発言に頷いて返す。

 

「ど、どういうことなの?」

「飛鳥、前言った仮面ライダーブレイドっていうのは、私や十六夜にとっては特撮ドラマのヒーローなんだ。その物語で主人公は最後、変身のし過ぎで怪人になっちゃうんだ」

「そ、そうなの?」

「ああ、その特徴ってのが、緑の血………」

 

その十六夜の発言に、黒ウサギとジンはペルセウスでのギフトゲームを思い出す。

 

「剣崎一真と同じ運命を辿った、リ・イマジネーションの仮面ライダーブレイド………それがお前だな?」

「ご明察、と言っておこうか………そうだよ。十六夜や耀が知る通り、親友の為に不死身の存在になる運命を選んだ男の末路………それが俺だ」

 

自嘲するように笑うカズハ。

その表情は滅多に見せない陰りを見せていた。

 

「………不死身……」

「ああ、言っとくけど俺の実年齢は70は優に越えてるだろうさ。もしかしたら80オーバーかも」

「嘘……じゃないでしょうね。黒ウサギもこの外見で200歳を越えてると言ってたし……」

「……あの、カズハ、あのね」

「おっと二人とも、ちょっとだけこっちに来い」

 

と、何か口を開きかけた耀と飛鳥の背中を強引に押して十六夜が退室していく。

 

「ちょ、ちょっと何よ?」

「おそらく、アイツは自分の居場所に迷っているんだろうよ。それを告げられるのは同じ他所からやってきた俺達じゃない。あいつらの役目だ」

 

十六夜は分かっていた。

己以外の超常存在を知らずに生きていた自分達の言葉は慰めにしかならないだろうと。

本心から彼の居場所として受け入れられるのは誰なのかと。

そして、その思いは彼女に伝わった。

 

「……………ペルセウス戦の時に言った通りだ。俺は……死ぬことも出来ない化物だよ」

「……………カズハさん、貴方が人間でない事は分かりました」

 

だろうな、と目を閉じ、次の言葉を待つカズハ。

やはり化物などが居るコミュニティは今後の運営を考えても不味いだろう。追放か、それとも白夜叉に報告か……。

 

だが、そんな言葉を投げ掛けられると覚悟していたカズハに訪れたのは、黒ウサギからの優しい抱擁だった。

 

「ッ!?」

「ですが、貴方には人の心があることも分かっています。理不尽に怒り、誰かが傷つくことを哀しみ、人の過ちを止める事が出来る優しい人です。決して心は化物などではありませんよ」

「ッ、そういう問題じゃないんだ、俺にはもう、人と生き続けることなんて……」

「それを言うなら私だって吸血鬼、それも元魔王だぞ?」

 

ついでカズハの手をレティシアの白い両手が包みこむように握る。

顔を上げたカズハに優しい微笑みを向け、

 

「君には三度も助けられてしまった。だからこそ、今度は私が君を助ける番だ。ーーー君の生きる道が永遠の孤独になるというのなら、私の永い命をもって君の孤独を埋めよう」

「………レティシア」

「カズハさん」

 

ジンもまた、このコミュニティのリーダーとして彼と真っ直ぐに目を合わせる。

そして、告げる。

 

「僕達には貴方が必要なんです。剣城カズハさん。十六夜さんや飛鳥さん、耀さんもそうです。恩恵ではなく、貴方達という存在そのものが、もはやノーネームには必要不可欠な存在になっているんですよ」

「…………」

 

「カズハさん。貴方がこれまでどのように生きてきたかは黒ウサギ達には分かりません。ですが、此処は人外魔境が跋扈する箱庭。我々は皆、人ならざる者を、人として受け入れることができます。だから………」

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーノーネーム(ここ)が、貴方の帰る家になれませんか?

 

 

 

 

 

 

「…………!!!」

 

ーーー何十年も一人だった。

行く宛もなく、帰る家もなく、ただ終わらない命のまま、戦争や陰謀を潰し続けていた。

人でない自分は何処にも受け入れられないと思って。

 

だからーーーその言葉は強く響いた。

 

「……ッ、うっ、ぐっ……う、あ………ッ!!!」

「……カズハさん?」

「う、うっ、ぐ、うぁ、あぁ……ああああっ、あああああ…………!!!!」

 

気付けば、嗚咽が止まらなかった。

涙が止めどなく零れた。アンデッドになって一度も流れることなく、渇れ果てたと思っていた筈の涙だった。

 

「……ふふ、血は緑色だとしても、涙は人と同じ色なのですね」

 

ーーー剣城カズハが、何者にもなれない道を選んだ道化(ジョーカー)が、初めて自分を受け入れられた瞬間だった。

 

 

♠️♠️♠️

 

 

981:半蔵学園教師ヒビキさん

いやはや、まさか星座までもが旗印を印すためにあるとはねえ

 

982:鎧武が斬る!零

スケールがでけぇなホント

 

983:装者全員と友達になる男

星が、星座が消える………?

 

984:ビルド@おのれエボルトォ!

一人ショックを受けてるんだが

 

985:執行官ナンバー15ウィザード

まあ、何はともあれブレイドニキが救われてよかったよ

 

986:執務官受験生555

本当にな。やっぱなんだかんだいっても寂しかったんだろ

 

987:スペードの剣@ノーネーム復興中

本当に皆にも心配かけたな。すまない

 

988:五代さんみたいになりたいクウガ

気にしないでいいって。俺達の仲だしね

 

989:カブト@ユニオン指揮官

俺達から言えることは1つだ。その居場所を二度と手放すな

 

990:スペードの剣@ノーネーム復興中

ああ、勿論だ。

俺を俺のまま受け入れてくれた人達だ。絶対に守ってみせる。そして皆の夢を、願いを叶えてみせる。

 

991:装者全員と友達になる男

おう、その意気だぜブレイドニキ!

 

992:鎧武が斬る!零

お前の姿を見て俺らも勇気もらえたからな!

 

993五代さんみたいになりたいクウガ

うん、俺にも覚悟が決まったよ。

 

994:スペードの剣@ノーネーム復興中

じゃあスレももういっぱいだし、また何か面白そうな事とかあったら立てるか

 

995:カブト@ユニオン指揮官

ああ、その時はまた任せろ

 

996:執務官受験生555

楽しみにしてるぜ

 

997:ビルド@おのれエボルトォ!

1000ならブレイドニキがまた抱っこフラグ立てる

 

998:半蔵学園教師ヒビキさん

1000ならブレイドニキは黒ウサギちゃんとデートする

 

999:執行官ナンバー15ウィザード

1000ならブレイドニキが十六夜と決闘する

 

1000:カブト@ユニオン指揮官

1000ならブレイドニキは幸福な運命を手にする

 

1001:最優最幸の魔王管理AI

このスレッドは1000を越えました。

これ以上は書き込めません。次のスレッドを立ててください

 




剣城カズハ
今回のチート能力はキングフォームでのジャックフォームの翼を顕現。空中ですら自分の支配域。もはや何が弱点なんだろうか?
そして満を持してのロイヤルストレートフラッシュ。やはり此処で出すべきだと思いました。
今回のラストでようやく自分の「帰る家」を得られた事が何よりも救いになりました
この先の運命が過酷でも、今だけは救われてほしいのです


トライアルP
ペルセウスのP。元々はアンデッドに人間の細胞を混ぜて生まれたが、この財団X製の新型トライアルシリーズは変身者の細胞=データを取り入れて完成する為、今回はルイオスの恩恵を持った形で完成した。
とはいえルイオスは所詮傲慢で調子に乗りやすいボンボンだったので本気のキングフォームには敵うわけもなく。
そして取引した財団Xもそれは読んでいて……?


財団X
箱庭を経由した事でほぼ全ての外界にアクセス出来るようになった超危険組織。
この問題児世界史のみならず、今後スレ民達のいるあらゆる世界に悉く、節操なく手を出してくるようになる。
スレ民全員の共通の敵。


天王路 博史
BOARD理事長にして剣本編の全ての元凶にして黒幕。
カズハの世界では生存フラグである水落ちによって生存していたことが判明。
カズハやノーネームの行く手行き先でトライアルシリーズを送り込んで更なる進化・ケルベロスⅢを完成させ、自分の野望を潰したカズハへの復讐や、自分が魔王になることを目論んでいる。



改めて、今回でブレイド編を完結とさせていただきます!!!
次回からまた愉快なスレ民達のやり取りをお頼みください!





























































箱庭、とある外門。
赤い壁に囲まれた炎と硝子の街にて、黒いバイクを傍らに佇む人物が一人いた。

「…………あの世界の破壊者という男によれば、この世界にアイツが居るんだったな」

腰に赤いハートのベルトを身につけた人物は近くの出店で買ったクレープを一気に食べ進め、余った包み紙を律儀にゴミ箱に投げ捨てると、ヘルメットを被り直した。

「統制者が居なくなって、ようやく会えると思って捜していたら、まさか世界を越えていたなんてな………通りでアンデッドの反応が何処に行っても感じないわけだ」

苦笑しつつ、バイクのエンジンを吹かす。
青年が元居た世界と比べてもこの世界は遥かに広く、途方もなく広大ではあるが、その表情や胸中に不安はない。
必ずまた会えるという確信だけが胸にあった。


「この世界で、新しい仲間には会えたかな? こっちはお前に言いたい事が山のようにあるんだよ。だから覚悟しておけよ? ーーーーーカズハ」



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長期シリーズ 鎧武×アカ斬る×鬼滅
鎧武・ネクストステージの刃


天啓(アイデア)が降ってきたので投稿です
今回は逆に少し先の未来の話になります。


【ヒノワが】辿り着いた日本がおかしい【往かないかもしれない】

 

1:鎧武が往く!

ごめん緊急でスレ立てた。

 

2:使い魔クウガ

立て乙。どうしたの?

 

3:ΑGITΩ@ALO

タイトル的にヒノワ編始まるわけじゃないの?

 

4:IS学園潜入刑事D

何かトラブルでも?

 

5:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

とりあえず話を聞こうか

 

6:司波家長男リバイ

三行で解説ヨロ

 

7:鎧武が往く!

エスデスを討ち取り、新国家が成った

だけどヘルヘイムの森の侵食は海を越えて東海の国へ

俺は仲間と共に海を渡り、東海のいわゆる日本に着いた……けど、明らかに雰囲気が違う。

 

8:元ナイトレイドイドゥン

ヒノワって戦国時代じゃない? 明らかにこの日本は明治くらいなのよね……

 

9:テラの運命を変えられるのはただ一人、俺だ!

え、待ってそれ明らかに違くね?

 

10:鎧武が往く!

だからおかしいって最初に言ったろ

 

11:司波家長男リバイ

というかそもそも、日本って言うワード自体がおかしくね?

 

12:使い魔クウガ

確かに、アカ斬る世界だとそうは呼ばれないよね。

 

13:ΑGITΩ@ALO

うーん、どうなっているんだろう

 

14:オカ研所属3年生龍騎

今北。なんかおかしなことになってんな?

 

15:テラの運命を変えられるのはただ一人、俺だ!

お、龍騎ニキ。試合どうだった?

 

16:オカ研所属3年生龍騎

いやあ、サイラオーグさん相手はつれえわ。あの人マジでつええ

 

17:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

そりゃ、肉体最強悪魔だもんねえ

 

18:元ナイトレイドイドゥン

ブラートといい勝負じゃないかしら?

 

19:司波家長男リバイ

って話題ズレてるズレてる

 

20:使い魔クウガ

こういう時はジオウニキが道を示してくれるか、ディケイドニキが見に来てくれるんだろうけど……

 

21:魔王オーマジオウ・トリニティ

呼んだ?

 

22:IS学園潜入刑事D

流石管理人、反応が早い。

 

23:テラの運命を変えられるのはただ一人、俺だ!

ジオウニキ、何かヒントは?

 

24:魔王オーマジオウ・トリニティ

今見たよ。なるほどねえ。とりあえず一番近くの町行こうか

 

25:鎧武が往く!

ん。分かった。行ってみる

 

 


 

 

「さて………」

 

俺、レンジは帝国での戦いを終えた後、帝国から逃げるように姿を消したヘルヘイムを追って東洋の国……日本へやって来た。

当時の俺は「アカメが斬る!」の続編である「ヒノワが往く!」が始まるのではないかと意気込んでいたのだが……。

 

「見事に全然違うわね……」

「ああ、そうだなあ……」

 

俺の隣を歩くフジノの呟きの通り。

ジオウニキのアドバイス通り町に来たのはいいが、汽車は走るわ町は洋服来ている人が歩いているわ……。

何処が戦国時代だと突っ込みたくなる。ファンタジーとは何処へ……。

 

「兄さんアレはなんだ!? 食べてみたい!」

「落ち着けアカメ。換金しないと買えないんだから」

 

一応帝国で使っていた硬貨こそあるが、どうにかして換金しないと使えない。

というかヒノワ前提で考えてたからそういうとこで完全に頭打ちになってる。此処まで文化が進んでいると商売もしっかり成立してるだろうし……どうにか何処かで稼がないと。

下手すりゃ警察のお世話になりかねない。元殺し屋としても割とそれは避けたい。

 

「はー……」

「どうした兄」

「いや、宛が外れたなと……」

「お兄にも考えを外すことはあるんだね」

「そりゃ、まあ思考はまだ人間だよ俺は」

 

そう言って俺の少し後ろを歩いているのは旅に出る際に連れてきたナハシュとコルネリア。

アカ斬る零の時代、俺がクロメの他に唯一救えたのがこの二人。

本来生存していたポニィは戦いの動乱の末に行方不明。ガイとグリーンは運命を変えられず、ツクシは……いや、彼女に関しては俺の出る幕は無かったとしか言えない。

今はタツミにも負けない熱い心を持つ海の男が命を懸けて守っているだろうさ。

 

少し、零時代の俺の事を語ろう。

 

俺は転生特典として「戦極ドライバーとロックシード」を持ってアカ斬る世界に転生した。

その上で俺はまず、自分の衝動のままに選抜試験中のアカメとクロメを拉致し、山奥で育てた。

クロメが薬物強化を受けない為にはそもそも帝国に関わらせないのが一番だと判断したからだ。

その上でアカメの才能はこの物語に必須だと考えた俺は、二人を山奥で育てるのと並行して(転生特典と、俺は元々前世もパルク―ルとかを趣味にしていたのが幸いした)、独自にオールベルグとコネを持ち、メラルド・オールベルグに二人の暗殺者としての教育を依頼したんだ。

ついでにメラルドが姉妹に手を出そうとするのは何度阻止したか覚えてない。

 

その後、ババラの婆さん経由でチェルシーやタエコと知り合い(今思うとタエコってありふれの雫と似てるよな……)、それを上手く使ってタエコと戦っていたコルネリアを、彼女が死ぬ前に引き取った。

いやあ、今思い出してもコルネリアの洗脳教育は深く根付いていたからな……苦労したわ、マジで。色んな町へ連れていったり、時には帝国に潜入したりもした。

 

その後、プトラの墓に埋もれていたナハシュをムディに先んじて回収。

彼はまだコルよりは教育が解けるのは早かったけど、それを踏まえた上で納得させるために戦ったりはした。コイツ才能はアカメ以上だしな。オレンジアームズだけだった俺にはしんどかったよ……。

 

……想定外だったのは、オールベルグ討伐にエスデスが出張って来たことだったな。

メラルドの判断で何とか生き延びることはできたが、彼女は残り、エスデスと一騎打ちした末に果てた……。

問題は多かった人だけど、俺にとっても、アカメとクロメにとっても色々と世話になった恩人だったし、ババラの婆さんの時もそうだけど、親しい人の死にはやっぱり慣れなかった。

アカメは泣いてた。かなりいい師弟関係だったしな……。

 

それから、俺はナイトレイドに勧誘されたわけだが、ナハシュとコルネリアの存在をとうとう嗅ぎつけたゴズキと直接対峙することになったわけだ。

……マジで死ぬかと思った。よく俺基本ロックシードだけで勝てたな。というかアーマードライダーじゃなかったら村雨で即死だっただろうな‥‥…。

結果的にゴズキを殺した俺と、裏切ったコルネリア、ナハシュは奴を一番慕っていたツクシに恨まれるわけだが……。

 

まあ、とにかくそういう感じで俺は革命軍、及びナイトレイドと合流したわけだが……そこからの話は今はいいか。

 

ちなみにチェルシーとタエコは新国家に残してる。まだボスの補助としてやらなきゃならないことがあるらしいからな。時期がきたら追ってくるって言ってたけど。

 

……結論から言って、救える人はいたが、救えない人も相応にいた。

やっぱりライダーの力は神のように万能じゃない。ましてや俺は”人間は止めた”けど黄金の果実までは届いてないしな。それでも一部は使えるけど。

 

さて、俺の話はこれくらいにしておこう。どうせいつかは語るかもしれないしな。

 

「お兄ちゃん………」

「ん? どうしたクロメ」

「あれ、食べてみたい……」

「……わたあめかあ。あとでいくらでも買ってあげるからな?」

「うん!」

「兄はクロメに甘すぎる」

 

まあそういうなナハシュ。

彼は本来でも生存している人間だが、少なくともより良い運命に変わっているのは間違いないだろ。

 

「んー、それはいいけど、どうするの?」

「一先ず換金したら宿を取るかなー。温泉宿とかあればいいけど……」

「ウッ……」

「あ、悪いコルにはトラウマだったな……」

 

コルとタエコは今はちゃんとした友人同士だが、経験が経験だからな……。

というかコルはしっかり者だがメンタルは実は結構弱いからな……。

 

「よしよし、コルちゃん大丈夫よ~」

「うう、お姉……」

 

フジノがコルを優しく慰めているのを見た俺はこの場を彼女に任せ、ナハシュやアカメ達を連れて換金所に向かうのだった。

 

 

 

======================

 

 

その日の夜、俺は胸騒ぎがして飛び起きた。

ただの胸騒ぎじゃない。オーバーロードとなったことで感じることが出来るようになった、異形の気配……。

だが、インベスとは間違いなく違う。だが不思議なことに、何処かそれらしい感覚も同時に気配からは漏れていた。

 

「レンジ!」

 

俺と同じく、オーバーロードになったフジノもそれを感じ取ったのか、隣の部屋から出てきた。

お互いの目線が合い、意見を合わせると旅館から飛び出す。

この気配はいずれにせよ「悪意と血に濡れた匂い」がするのだから―――。

 

 

 

そうして俺達は旅館から飛び出し、外へ走っていく。

すると―――。

 

「! レンジ!」

「フジノにも聞こえたか? ああ、俺もだ! 女性の悲鳴だ、急ぐぞ!」

 

俺とフジノは走る速度を上げる。そのまま町の外れ、人が少ない場所まで走っていくと……。

居た、異形が、町の女性を襲っている。

額から血を流し、怯えているその表情を楽しむかのように、その異形は鋭い爪が生えた手を伸ばし―――。

 

「「変身!」」

 

『極アームズ! 大・大・大・大・大将軍!』

『ミックス! リンゴアームズ! Desire・of・Forbidden Fruit! ジンバー・スターフルーツ! ハハーッ!』

『大橙丸!』

 

すぐに極アームズとジンバースターフルーツアームズになった俺達は大橙丸とソニックアローを用いてその異形を斬りつける。

異形もすぐに此方に気付き、回避したが……とにかく、女性とは引き離せた!

 

「フジノ! その人は!?」

「大丈夫! 気絶してるけど、頭の怪我くらいよ!」

「彼女を頼む! コイツは俺が!」

 

改めて異形を見ると、人の姿なのは間違いない。ただ……目はサメのように瞳孔が鋭く、光が濁っており、更に額には角……あれ、コイツ、どこかで見たような……。

 

「き、き、貴様ら、お、鬼狩り、じゃ、ないな!? お、お、おでの、じゃま、するな」

 

鬼狩り……ってことはこいつは鬼……あッ、これってもしかしなくても……。

いや、それは後回しだ。

 

「邪魔しなかったらどうする?」

「そ、その、女、お、お、おでの、餌。頭から、が、が、がぶって、くいちぎって、やる。お、おんなは、髪が、うまい、から、な」

 

…………ああ、懐かしいな。外道の言葉……。

意味は違うが、人を食い物にする悪鬼……そんな奴らを斬り続けてきた。

皮肉なもんだよな……この地でも、また悪鬼羅刹を斬ることになるなんてな!

 

「シッ!!!」

「あ、あぎっ!?」

 

! 躱された。意外と早い……身体能力は人間以上か。

流石にあのエスデスと比べりゃ劣るけどな……。つか、アイツの氷が未だに後を引いてるな。身体が少し鈍い。

 

「お、お、おまえ、ゆ、ゆるさねえ、からな」

 

そういって異形は自分の髪を引きちぎると周囲にばら撒く。

そしたら、その髪が異形に……。って、お前は孫悟空か!!

 

「……血鬼術、ってやつか」

「そ、そ、そうだ。お、おまえみたいなやつでも、この数、相手じゃ、た、たまらない、だろ」

「確かに多いな……なら」

 

『無双セイバー!』

『バナスピアー!』

 

「手数を増やせばいいだけだ!」

 

無双セイバーを大橙丸と連結した薙刀モードと、バナスピアーの二槍流で旋回しながら切り裂いていく。

俺の攻撃を掻い潜って奥の女性を狙う分身はフジノがソニックアローの正確な狙撃で頭を撃ち抜き、倒していく。

 

「けど、数多いわね!!」

「本当にな!」

 

『ブドウ龍砲!』

『キウイ撃輪!』

 

巨大なチャクラム、キウイ逆鱗を周囲360度に投げつつ、ブドウ龍砲を周囲に乱射して仕留めていくが、倒れた傍から再生しやがる!

 

「む、む、むだ、だ。そいつら、は、俺の分身、本体、の、お、俺を斬らない限り、日輪刀でも、殺せない」

「……そうかな?」

 

丁度いい、試したかったところだ。こいつらに、アレが通じるのかを――!

 

「フジノ! 伏せろ!」

「!」

 

『極スカッシュ!』

 

薙刀モードの無双セイバーを旋回するように振るい、分身を全部切り裂いた。

本体は当然のように避けたが、分身は一回片付けた!

 

「だ、だから、むだ、だ」

「――――――来い、アカメ!!」

 

「葬るッ!!!」

 

斬ッ!! と闇から現れた黒髪赤眼の少女は一切迷わず、異形の首を断ち切った。

 

「が、あ!?」

「兄さん、これは?」

「俺も詳しくは知らないけど、どうにも人を食う鬼らしい」

「そうか……。道理で帝国に居た時の標的と同じ、人を殺した血の臭いがしたわけだ」

 

一斬必殺、村雨。

原作ではエスデスとの決戦で折れてしまった妖刀だが、この世界ではまだ残っており、アカメのメイン装備として未だに現役だ。

さて……。

 

「お、俺、が………あ………………ねえ、さん……かみ、また……ととのえ、て、あげる、から……」

 

そう言い残し、鬼は傷口から村雨の呪毒の文様が浮かび上がり、絶命すると同時に灰化して消滅した……。

 

「……消えた」

「……レンジ、此処ってやっぱり」

「ああ、おそらく……」

 

「鬼を、斬った……!?」

 

バッ! とすぐにアカメが振り向く。

そこにいたのは、市松模様の羽織を着た、額に薄いアザ、日輪の耳飾り、背中に木製の箱を背負い、帯刀している少年―――。

 

―――名は、竈門炭治郎。

 

 


 

121:鬼滅の鎧武

ということで、アカ斬る×鬼滅のクロスオーバー世界だったぜコノヤロウ!

 

122:オカ研所属3年生龍騎

なんでだ!!?

 

123:司波家長男リバイ

鎧武要素も入れて過酷×過酷×過酷とか草も生えない

 

124:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

この世の闇を全部凝縮している……

 

125:テラの運命を変えられるのはただ一人、俺だ!

テラ並みに酷いなあ……。

 

126:鬼滅イドゥン

ねえ、これってこういう世界なの?

 

127:魔王オーマジオウ・トリニティ

そだよ

 

128:使い魔クウガ

軽すぎるよジオウニキ……

 

129:鬼滅の鎧武

どうしようもねえ世界だな此処!!?

 

130:ΑGITΩ@ALO

頑張ってね……

 

 


 

 

そんなわけで俺達は今、炭治郎君の案内で藤の家紋の屋敷を訪れている。

ここに来るまでに話を聞いたけど、どうにもジオウニキが言った通り、整合性が取れている。

つまり、この世界の日本の隣国は中国ではなく、かつての帝国というのが一般常識となっていたんだ。

まあ、鬼滅の土壌にアカ斬るの舞台が重なったとでも言えばいいのかな?

 

そんな炭治郎達、通称かまぼこ隊にはその帝国から来たというのをある程度説明している。

まあ、田舎育ちの炭治郎と、山育ちの伊之助には「海の向こうから来た」程度しか伝わってないかもしれないが………。

逆に炭治郎からは鬼や鬼殺隊、日輪刀などのことを教えて貰った。俺やフジノは前世で読んだから知ってるけど、アカメ達は真剣に話を聞いていた。

皆経緯は違えど民を守るために斬る道を選んだからな。鬼という存在は相当癪に触ったのかもしれない。

 

それはともかく、

 

「~~♪」

「ムー♪」

 

竈門禰豆子とクロメが仲良くなってた。今はクロメが禰豆子に膨らませた紙風船をパスしている。

考えてみれば二人とも妹だからな。それにクロメは俺達の中でも最年少。年下の女の子にお姉さんっぽく振る舞いたいという欲求も出ているんだろーな。

 

「そうか、妹を救うために……。立派な志だな。炭治郎」

「ありがとうございますアカメさん。けど、そのためにはまだまだ俺は未熟ですから。それに今回だってアカメさん達がいなければ俺は間に合わなかった。あの人を助けてくれて、本当にありがとうございます」

「いいや、私だって同じだ。救えなかった命はある。だが、だからこそ生きている限り、今日を生きられなかった者の分まで生きて生きて、生き延びなければならないんだ」

「アカメさん……」

 

アカメは炭治郎と話してる。

原作では妹を救うために殺す道を選んだアカメだったから、人外、それも人を脅かす存在になった妹を、それでも救おうとする炭治郎とその状態で会ってたら気まずい空気になっていただろうけど、これなら大丈夫そうかな。

むしろそれ以外のことを考えれば二人は色々と根っこの部分は同じだからな。

多分相性はいいだろうさ。

 

「そのためにも食う!」

「はい! 俺もどんどん食べてもっと強くなります!」

 

といっても食べ過ぎじゃねえかこいつら……無償で提供してくれるとはいえ家の人のお金と食糧が心配になる……。

 

「アカメ、私達は身を寄せさせて貰ってる身なんだから遠慮しなさいよ?」

「む、だがコル姉、この家の人が用意してくれたものを残す方が失礼だろう?」

「いやまあコルの言う通りだからな?」

 

そのコルネリアは俺にべったりくっついてるから指摘するにしてはなんとも威厳にかけるというか……。

そしてそんな俺を血涙を流しながらめっちゃ面白い顔で睨んでくる少年ーーー我妻善逸である。

 

「ぐぬぬぬぬぬぬこの女たぶらかし野郎があああアカメさんとクロメちゃんという二人の美少女の義兄に飽きたらずコルネリアさんとフジノさんという麗しい女性の方をも侍らせてるなんて、なーんてふてえやろうだチクショーーーーーーーー!!!!」

「黙れ雑魚」

「ハーーーン!!? なんですかこのイケメン野郎済ました顔でモテそうだからってチョーシこいてんじゃないんですよぉー!!!」

 

善逸おもしれー。

というかナハシュにこれだけ食い付けるってのは中々大物かもしれねえ。

………妬み僻みが100%だろうけど。

というかな。

 

「善逸、コルが思いっきり引いてるから奇声上げるのはやめてくれ……」

「ファーーーーッ!! なんですか非モテの気持ちは分からないってことですかキーーーーッ!!! どーせ俺にだってハーレム野郎の気持ちは分かりませんからぁーーーー!!」

「五月蝿いっての!」

「きゃふん!?」

 

おー……ぶちギレたコルネリアの鉄拳が強制的に善逸を黙らせた……。

そんなナハシュだが、さっきまで嘴平伊之助に絡まれていた。というか俺も絡まれてたけども。

 

『おいお前ら! へーこうだかてーぼくだが知らねえが、この伊之助様と勝負しろ勝負!!』

『やるわけないだろう。時間の無駄だ雑魚が』

『なんっだとゴラァ!! 山の王の伊之助様を雑魚呼ばわりすんじゃねえーーーー!!』

『猪……美味かったな』

『また食べたい……』

『アカメさん!? クロメさん!? 伊之助は人間ですからね!?』

 

こんなアホみたいな会話があって、伊之助はそりゃもう猪突猛進が如くナハシュに挑んでいったけど、悉く簡単にあしらわれまくって、今はもう完全に自信を喪失してる。

そこの畳に突っ伏して「雑魚デゴメンネ……」とかぶつぶつ呟いてるくらいだ。あとナハシュはフジノに「やり過ぎ!」と怒られた。

ちなみに伊之助はコルにも挑んで見事に組伏せられていたりする。さすがにあの大決戦を生き抜いた皆に勝てるわけないだろ……。

 

「レンジ」

「ん? どうしたフジノ」

「それで、どうするの? 此処が鬼滅の物語だと知った上で……」

「……そうだなあ」

 

まあ、そもそも俺達の目的はヘルヘイムの侵略阻止。それだけを考えれば鬼殺隊と関わる必要はない。

けど、それ以前にーーー。

 

転生した俺は、アカ斬る世界だと知って、俺はアカメとクロメの運命を変えたいという目的で物語に干渉した。

それがやがていつしか、本気で守りたい人が増えていった。

 

救えた命、守れなかった命、思い通りにいったときも、いかなかったときもある。

けど俺は、皆を裏切らないように、後悔だけはしないように生きた。

そしてそれは、あの世界の皆がそうだった。そこに転生者とか、原作知識とか、そういうのは一切関係無かった。

皆、守りたい人がいて、助けたい人がいて、そのために戦っていた。

一方的な悪意に、その命を理不尽に奪われないように。

 

それは、ナイトレイドも鬼殺隊も同じだ。

だったら、此処で自分には関係ありませんっていうのは、ナイトレイドの仲間達への裏切りだろう。

だったらーーー、

 

「戦うに決まってるだろ? 人だろうが鬼だろうが、悪意が蔓延ることは許さない。それがナイトレイドだからな」

「……ふふ、言うと思ったわ」

 

フジノも俺と同じ気持ちだったか。

ま、そうだな。人斬りである以上、「仮面ライダー」は名乗れなくても、人のために戦うのが「鎧武」だからな。

 

「……ありがとう、兄さん」

「お礼言わなくていいさ。アカメはもう決意してたみたいだしな」

「ああ、斬ることが民の幸せに繋がる。それが私の信念だからな……それを活かせる道があるならば、私は」

「分かってる。………炭治郎、ひとまず次の依頼に着いていってもいいか? 改めて鬼殺隊の戦いを見せてほしい」

「! レンジさん、それって……」

 

 

「『鬼殺の鎧武』として…………新しいステージ、戦ってみるか!」




はい、仮面ライダー鎧武×アカメが斬る!×鬼滅の刃(New!!)
やってしまったぜ、反省も後悔もしていない!
いやあ、アカ斬る最終回でアカメが日本へ船出したのを見て、偶発的に思い付いてしまったんですよね。これはこれで面白そうだったし、そもそもネタを発散するための作品なので好きに書かせていただきました


鎧武ニキことレンジ
エスデスを倒した本人。ただ原作で救いたかった人がいただけという考えから、戦いを通じて本当のライダーとしての覚悟が芽生えた。
零の話を少しだけ語ってみた。本編ネタはやる可能性が高いのですが零までは手が回らない可能性が高いので此処で回収。
既に極アームズになり、オーバーロード化して黄金の果実の力の一分使える(治癒や再生能力、ヘルヘイムの植物やインベスを使役する力)


イドゥンネキことフジノ
戦いの中でレンジに惹かれていき、想いを寄せている。
レンジが兄なら彼女は姉。
鋼メンタルで他の子達のメンタルケアを得意とする。多分鬼殺隊でも人気になる。
彼女もオーバーロードに至っている。最終決戦でマルスからぶんどったゴールデンロックシードや、オリジナルエナジーロックシードのスターフルーツエナジーロックシードを強化アイテムとして保有している。


コルネリア
零最初の脱落者だったが、戦況と、レンジがオールベルグとコネを持っていたことで生存した。
帝国の闇を目の当たりにしたときはゴズキへの盲信との解離で精神発狂を起こしかけたがレンジに寄り添ってもらい、切り替えの良さもあって立ち直った。その際タエコとは和解し、同じ陣営になったことで本当の親友になる。
アカメとクロメの姉のような存在だがレンジやフジノの前だとデレデレになる。
粉砕王と共に失った腕は義手を着けている。両足を失い、戦場に立てなくなったシェーレから帝具エクスタスを後継した。


ナハシュ
零の墓守戦で奈落に落ちた後にレンジ達の一行に加わる。
レンジとは一騎討ちの末に強さを認め、「兄」と呼ぶようになった。判断に長けていたことが幸いして身の振り方を冷静に考えることができた模様。
原作以上に臣具、水龍の剣を使いこなした上に三獣士リヴァが所持していた帝具ブラックマリンも使える。帝具と臣具の同時使用ができるのは彼のみ。
日本に来たのは兄を支えるためでもあり、行方不明になったポニィを探すためでもある。この辺りは原作の逆。


オールベルグ
物語の保険としてアカメの才能を生かすためにレンジが接触した相手。
自分が弱かったが故に戦場にすら立てず、世話になったババラやメラルドの死に目にすら会えなかった事がレンジに割り切れない後悔を植え付け、覚悟ガンギマリのきっかけとなった。
メンバーではタエコとチェルシーのみが生存。二人ともレンジのハーレムメンバー。
タエコ見てて本当にありふれの雫と似てるなあと改めて思った。


ツクシ
この物語では零以降も生存し、なんと仮面ライダー龍玄の変身者だった。原作のクロメのポジション。
つまりウェイブに救われるお姫様。
ゴズキを失った悲しみと恨みだけだった心を溶かし、救ってくれたのがこの熱い海の男である。
コルネリアやナハシュとの和解はできた様子。


アカメと炭治郎
原作で言えば妹への愛情故に真逆の選択を選んだ二人。
根っこのところでは本当に似た者同士だと思うので凄い意気投合するんじゃないかなーと。というか仲良くなってほしい。
ただ、悪人とはいえ人を斬ることをしたアカメは炭治郎の眩しさに少し羨望しそうでもある。
アカメは原作と異なり、今も村雨を持っている。まだ奥の手解放のチャンスはあるだろう。鬼に村雨は効くのだろうか………。


クロメと禰豆子
妹同士。間違いなく仲良し。
ちなみにクロメは八房を持っていない。ナジェンダ曰く「人を冒涜する帝具」なので味方が持つにはあまりにも禍々しい。
なので持っているのは臣具の桐一文字。アカメと組めば最強。


鬼滅×アカ斬る
先にアカ斬るを読んでいたので、無限列車を読んでいた時の私の感想は「乗り物の中で乗員を守りながら襲撃者と戦う先輩………あれこれ兄貴パターンじゃね……?」
からの予言的中。煉獄さんがあんだけ人気なら兄貴だって人気でていいじゃないか。やっぱリーゼントだからか!?

ラスボスが規格外なのも似てる気がする。
とはいえ無惨と比べるとエスデスは遥かに格上だと私は思います。
知性、軍略、能力の規模や範囲、性格の苛烈さ、人望、戦いへの姿勢、生き様の潔さ、強さ………
無惨がエスデスに勝ってるのって年齢と種族だけでは……?
多分エスデスならサクッと鬼を全滅させて弱い種族と吐き捨てるかもしれない。あるいは鬼となってあっさり無惨の呪いを解いてトップの座を奪い取るかも……後者だったら鬼殺隊真面目に勝ち目無くない……?
しかも人望高いから鬼全体が著しいパワーアップする可能性。猗窩座とか黒死鉾とかはもはや手が付けられなくなる。

どっちもバンバン人が死んでいく転生者泣かせの世界。
こちらではレンジは初手極アームズを持っているが、果たしてどれだけの人を救えるのだろうか……?



といったところで零補足を交えた鬼滅クロスでした
一発ネタのつもりですが、一応正史のつもりで、鎧武ニキ達が戦い終わったらこういう展開になると思って下さい
好評でしたらまた書こうかなと思います。試しにアンケートも置いときますね


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鎧武・最後のステージ/事前解説回

お待たせしました!
復活、からのやりたかったネタの一つである、鎧武の決戦です。
鬼滅としてのラストになるのでアカ斬る版とはまた別になります。

なのですが、その前に今回は鎧武ニキの年表を置いておきます。




○アカ斬る編

零1巻・鎧武ニキことレイジ、帝国に転生。暗殺者部隊の選抜試験中のアカメ、クロメと遭遇し、二人を秘密裏に引き取り育てる。

その後、オールベルグとコンタクトを取り、メラルド・オールベルグに二人の育成を依頼。

 

零2巻・ババラ、タエコ、チェルシーに同行し、暗殺者部隊への対処を行う。

その際、タエコのコルネリアの戦いに介入し、コルネリアを引き取るも、ゴズキと交戦したババラが死亡。親しい人の死を始めて経験する。

 

零3、4巻・墓守との戦いを経て奈落に落下したナハシュを秘密裏に回収。同時並行でコルネリアの洗脳教育を解くために各地を巡る中でヘルヘイムの森の侵食を知り、インベス討伐を始める。

 

零5、6巻・オールベルグが暗殺部隊の標的となり、メラルドがレイジ達を逃がす為に自ら相対。師を失う。

 

零7、8巻・オールベルグの壊滅に伴い、復讐者達に誘われるも一旦加入を拒否。隠れ家で修練を積み、更に強くなることを決意。

 

零9巻・帝国の元将軍ナジェンダと遭遇。アカメ達と相談した上でナイトレイド加入を決定。同時期から自分達の存在が嗅ぎつけられた為、本格的に暗殺部隊と戦うことを決意。

 

零10~斬1巻・ゴズキとの決戦、彼一人を標的とし、激戦の末に討ち取る。この際、ツクシやナタラは生存しており、ポニィはヘルヘイムのクラックによって同時期に行方不明となる。

自身はアカメ、クロメと共にナイトレイドに加入。他のメンバーは別部隊として活動開始。後日タツミがナイトレイドに加わる。

 

斬2巻・転生者であるフジノ(イドゥン)が物語に関わる。

彼女によってシェーレを両足を失うも生存させることに成功。ただし戦線離脱。

 

斬3巻・タツミがヘルヘイムの森から送られたドライバーとロックシードを用いてバロンに変身。

重傷を負ったブラートが一時戦線離脱。

 

斬4~5巻・タツミ、エスデスに惚れられる。

イェーガーズには生存していたツクシやナタラ、更にオリジナルキャラ・タカトラが変身する斬月やホウレンが変身するブラーボが加入。

同時期にナイトレイドにはスサノオとナハシュ、コルネリアが加入。また、タツミが脱走する際にゲネシスコアとレモンエナジーを盗んできた為、レンジがジンバーレモンに変身可能になった。

Dr.スタイリッシュが遺した研究をデュークの変身者、センゴクが引き継いでゲネシスドライバーの開発を始める。

 

斬6~7巻・八房を所有していた斬月(通常)を含むイエーガーズの面々との全面交戦。

この際、原作と異なりイェーガーズ側の交戦メンバーにセリューが居るが、この際の戦いで十王の裁きを全てナハシュに破壊されている。

ルビカンテを失うもボルスは斬月によって間一髪で救助され、またチェルシーがナイトレイドに参加していない為、彼女も生存している。

 

斬8巻・ナハシュによって十王の裁きを失ったセリューはセンゴクからゲネシスドライバーとピーチエナジーロックシードを貰い、マリカとなる。

その状態でマインと交戦するも、タツミの支援もあって撃破に成功。ただしパンプキンが起動不可能レベルで損傷した為、ゲネシスドライバーとピーチエナジーロックシードを奪取した。

以後マインは仮面ライダーマリカとしての戦いを始めることになる。

同時期、レンジにはヘルヘイムのアバターからカチドキロックシードが渡される。

 

斬9巻・斬月真となったタカトラやセンゴクの変身するデューク、更に突如現れた仮面ライダーマルスによってボリック暗殺作戦時、ナイトレイドは大打撃を負う。

ここまで戦いでスズカ以外の羅刹四鬼やボリックの暗殺は成し遂げたがスサノオのみならず、リーダーであるナジェンダまでもを失うこととなってしまう。

これにより、ナジェンダを恋い慕っていたラバックとも亀裂が走り、ナイトレイド内に亀裂が走ることとなる。

ナイトレイドの新たなリーダーはレンジとなった。

 

斬10巻・ワイルドハントが活動開始。生存していたもののルビカンテを失い、また暗殺の標的となっていたボルスはタカトラの手配で家族を連れて帝都を離れ、僻地へ隠居していた為、妻子が殺されることはなかった。

この件で鎧武への復讐心に染まっていたツクシをウェイブがシュラから守った事で心境にも変化が生じ始める。

ただし、ワイルドハントのチャンプへ復讐を企てたランを庇ったナタラが死亡する。

ナイトレイド側はワイルドハントに所属していたシグルドを倒し、ゲネシスドライバーを入手。レンジが使っていたレモンエナジーロックシードを譲り受けたタツミがレモンエナジーアームズへの変身が可能になった。

 

斬11~12巻・ラバックの心の闇にマルス(原典と同じくコウガネなる存在)が付け込み、彼が乗っ取られたことでナイトレイドのアジトがヘルヘイムを介してワイルドハントの襲撃を受ける。

その際、フジノとタツミが捕まり、フジノはセンゴクによる人体実験の影響を受け、身体がオーバーロードに近いものに変質。

タツミの公開処刑の下にマインや戦線復帰したブラートが駆け付けて救出。

だがマルス(ラバックに憑依したコウガネが変身したもの)による攻撃を受けたタツミは身体にヘルヘイムの種子が埋め込まれてしまい、ブドー大将軍と相討ちになる形でブラートが殉職。

エスデスや斬月・真、シュラ、デューク、マルスを突破する為にフジノがレンジに力を付与、極アームズへの変身を成し遂げ、犠牲を払いつつも脱出に成功する。

なお、ワイルドハントから続くここまでの一連の事件でタカトラはセンゴクへの不信感を募らせていた。

 

斬12巻・センゴクがシュラらと共に革命軍を襲撃し始める。

この戦いの中でシュラ以外のワイルドハントメンバーは討ち取るも、センゴクのキルプロセスによってタツミとマインがゲネシスドライバーによる変身能力を失う。

その後、センゴクに殺害されかけたマインを救う為、咄嗟にタツミはヘルヘイムの果実を食し、ロード・バロンへ変貌。

デュークを撃破することに成功したが、センゴクは滝壺へ落下。

 

斬13巻・センゴクが遺したヨモツヘグリロックシードを発見したツクシが龍玄としてレンジを狙う。

そこにランからマスティマを譲り受けたウェイブが駆け付け、暴走するツクシをレンジと共闘して止める。

ヨモツヘグリロックシードの破壊と共に精神の病みが消失したツクシをウェイブが引き取る形で二人は戦線から離脱した。

 

斬14~15巻・最終決戦開始。

センゴクが遺したデータを手に入れていた大臣オネストが黄金の果実を目論み、ヘルヘイムの森を帝国と融合させた。

この暴挙にタカトラが完全に離反を決意。

 

ロード・バロンVSシコウテイザー(ヘルヘイム融合型)

斬月&ナハシュ&コルネリアVSマルス

フジノ&マインVSシュラ

クロメ&レオーネVSオネスト

レンジ&アカメVSエスデス

 

この戦いの末、レンジはオーバーロードとして覚醒。

 

アカ斬る編、

ナイトレイド側生存者

・レンジ/仮面ライダー鎧武

・フシノ/仮面ライダーイドゥン

・アカメ

・クロメ

・ナハシュ

・コルネリア

→極東の国、日本を目指して船出

 

・タツミ/仮面ライダーバロン/ロード・バロン

・マイン/仮面ライダーマリカ

→僻地で隠居。タツミは人間態に戻る事が可能なので原作より暮らしはしやすい

 

・レオーネ

・シェーレ

・チェルシー

・タエコ

→新国家にて各々の人生を暮らし始める。シェーレに関しては1.5巻で登場したネアとその父の家に住む事になった。

 

 

ナイトレイド側殉職者

・ナジェンダ

・スサノオ

・ブラート

・ラバック

 

 

イェーガーズ側生存者

・ウェイブ

・ツクシ/仮面ライダー龍玄

→秘湯の地でツクシのヨモツヘグリの後遺症を癒しながら生活。

 

・ラン

・タカトラ/仮面ライダー斬月

・ホウレン/仮面ライダーブラーボ

→イェーガーズとしての活動の罪が免除され、新国家の文官として活動を始める。

 

・ボルス

→家族と共に僻地で生活。引っ越し先がウェイブ達のお隣さん

 

イェーガーズ側殉職者

・エスデス

・セリュー

・Drスタイリッシュ

・ナタラ

 

 

○鬼滅編

刃4~6巻

ヘルヘイムの森を追って日本に渡ったレンジ達6人。鬼と出会った後、任務で同じ鬼を追っていた炭治郎と遭遇(響凱との戦闘後)。

那田蜘蛛山の戦いの中で累と交戦した事で鬼殺隊及び鬼舞辻無惨に存在が割れる。

その後、柱合会議を経てレンジ達が正式に鬼殺隊の協力者となる。

 

刃7~8巻(刀鍛冶の里編)

炭治郎達と共に杏寿郎の任務に同行し、無間列車に乗車。

この際、魘夢のみならず、ヘルヘイムにそそのかされてオーバーロードの力を目論んだ無惨によって生かされた上に強化された下弦が揃って襲撃にくるが、アカメ達の協力もあって全て撃破。

猗窩座との戦いも杏寿郎を片目を失いながらも生存させることに成功した。

 

刃9~11巻(遊郭編)

遊郭編に平行してレンジ達の前に黒死牟と童磨が差し向けられる。

夜通しで行われた戦いの末、レンジは体内に宿る「血」を感知。

なんとか撃退することに成功した。

それと同時期、無惨は海岸に漂着していたセンゴクを発見し、鬼に変貌させている。

 

刃12~14巻(刀鍛冶の里編)

アームズウェポンに日輪刀の特性を付与する為に刀鍛冶の里へ訪れる。

その後の流れは基本的には変わらないのだが、鳴女がヘルヘイムの森へのポータルを繋げることに成功した為、無惨はインベスに鬼の血を与えることで手駒を増やす事に成功している。

 

刃15巻(柱稽古編)

戦いの激化を見通した上でレンジはとある者へ連絡を取るのであった……

 




此処までが鎧武ニキのこれまでの軌跡。
本編は無限城突入からになります。
はたしてどうなるか……ちまちま書いていくのでご期待ください
(なお気分次第で他のネタを挟むこともあります)


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鎧武・最後のステージ/夜入り

いよいよ始まります。鎧武×アカ斬る×鬼滅の決戦。
その序章をどうぞ見届けてください


―――鎧武視点―――

 

俺、レンジは数日前、岩柱の悲鳴嶼行冥さんと共にお館様、産屋敷耀哉さんに呼ばれていた。

 

『五日……以内に……無惨が……来る……私を……囮にして……無惨の頸を……取ってくれ……』

『……なぜそのように思われるのですか?』

『ふふ……勘だよ……ただの……理屈は……ない……』

 

俺は……極論を言ってしまえば、誰も死なない世界であってほしいと願っている。

だけど、この世界は何処までも残酷で、それが叶わないということも、良く知っている。

 

特に……『命を賭けて戦う』ことと、『命を対価に戦う』ことの意味は違う。

前者は救う事が出来るのかもしれない。だけど後者は死が前提に成り立っている。

お館様が囮になる、ということはこの方は自らの命を此処で絶つつもりなのだろう。

そして、それを彼自身が決めたのであれば、他者にその意思を変えることは叶わない。

―――あの日、大聖堂でボスがスーさんと運命を共にした時のように、

メラルドの姉さんが死を理解しながらも単身でエスデスと相対した時のように。

 

柱として長きに渡って鬼殺隊を支え、もっともお館様の側に居た悲鳴嶼さんでも説得しても聞かないのだから、一年ほどしか関わりがない俺では尚更に無理だろう。

それでも、この説明の場に呼ばれているだけ、信頼されていると受け取るべきなのだろうか。それともあくまで他所から来た人間だから情が深くないと思われたか。……お館様の事だから後者の考えがあったとしてもごく僅かだろうけど。

 

『他の…子供達は……私自身を……囮に…使うことを……承知しないだろう……君にしか……頼めない……行冥……』

『……御意。お館様の頼みとあれば』

『ありがとう……そして……レンジ……君達の……旅路に……巻き込んでしまった事……改めて……申し訳ない……』

『……何度でも言わせないでください。お館様。俺達がやることは昔も今も変わりません。無辜の人々の営みを苦しめ、奪う悪鬼羅刹を闇夜で斬る。それがナイトレイドの信念。……もう、鬼舞辻無惨の件は、俺達にとっても他人事ではありませんから』

『……ありがとう……最後に……君に、頼んでも……いいかな……どうか、もうこれ以上……私の…大切な……子供達が……死なない事を……願う……』

 

……己の命を対価に、お館様は願った。なら、俺は……その願いに応じる。

これ以上、奴に命は奪わせやしない……!

 


 

【生放送】鬼舞辻無惨決戦!!【生中継】

 

101:鎧武の刃

産屋敷邸が爆発した!! 行ってくる!

 

102:オカ研所属三年生龍騎

分かった! 気を付けてな!!!

 

103:スペードの剣@箱庭ぶらり旅

何よりも、お前が死ぬなよ鎧武ニキ

 

104:キバってオラトリア

無事を祈ります……!

 

105:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

えっと、改めてこれから決戦ってことだけど、目標は死者ゼロ?

 

106:人理修復ゴースト@藤丸に召喚されました

うん、一応此処からの戦いだと

 

・しのぶさん

・無一郎君

・玄弥君

・悲鳴嶼さん

・甘露寺さん

・伊黒さん

 

107:カブト@艦船連合指揮官

ああ、ただ生存している煉獄さんを含めて誰が何時死ぬかも分からない戦いだ。原作通りにいかないことも考えろ。

 

108:星の剣士@精霊と共に

しかもデューク生きてるらしいからねえ……

 

109:新約学園都市のビルド

! 映像が映った!

 

110:鎧武の刃

無惨だ!

 

111:鬼殺隊林檎

コイツが……!!

 

112:イマジンコネクトDen-Liner

ナイトレイドのメンバーも来てる!?

 

113:鬼殺隊林檎

ええ、四人全員来てるわ!

 

114:鎧武の刃

ッ!

 

115:装者全員と友達になる男

おい画面が揺れてっぞ!?

 

116:鎧武の刃

琵琶の音が聞こえた! これから城に落ちる!

 

117:使い魔クウガ

スレは気にしなくていいからね鎧武君!! 戦いに集中して!

 

 


 

 

――アカメ視点―――

 

「ッ」

 

この空間に落ちる前に一瞬見えた鬼舞辻無惨の姿。かつて相対した魔人、エスデスを思わせる、いや、それ以上の邪悪さを孕んだ男に、改めて奴を葬らなければならないと、対象に認定する。だが、まずは……。

 

「クロメ!」

「うん!」

 

一緒に落ちたクロメと共に近くの手すりを掴み、落下を阻止する。

上下左右が滅茶苦茶な構図のこの空間は視野を鈍らせるだけでなく、何処から出てくるかも予想がしづらい、だが―――

 

「葬るッ!!!」

 

村雨を即座に抜刀。後ろの襖から姿を見せた異形の鬼の首を即座に斬り捨てた。

 

「シュウウウウウ・・・・!」

『影の呼吸・壱の型、立ち隻影』

 

同時にクロメが私の背後に回って薄紫の日輪刀で鬼の首を斬る。

日本に来た当初、私達も全集中の呼吸を教わったのだが、意外にも私達の中で一番呼吸の適性が高かったのはクロメだった。ちなみに私は使えない。というのもエスデス戦で投与した身体強化の薬物が後を引いていて呼吸に適さない身体になってしまっている、とフジ姉さんの評価だった。

村雨が奴らに通じるのがせめてもの救いか……だが無惨に村雨が通じるかは分からない。とにかく今は他の者との合流を目指さなければ……!

 

「クロメ! 敵は私が葬って道を作る! 着いてこい!」

「うん、お姉ちゃん!」

 

兄さんはどうするのだろう? 一直線に無惨の居場所を目指すのだろうか? ならば上弦の鬼は私達で倒さなければ……!

 

 


 

 

―――三人称視点―――

 

『龍の呼吸、弐の型 黎明の伏龍』

 

「邪魔をするな。雑魚共」

 

右手には群青の日輪刀、左手には臣具・水龍の剣。指には帝具・ブラックマリン。

歴史上で見てもこれほどガン盛りに出来たものはいないだろうと断言できる装備で突き進む青年、ナハシュ。

 

『鋼の呼吸、壱の型 百錬成鋼』

 

「だぁあアアッ!!」

 

そして同じく独自の呼吸を使い、敵を殴り倒していくのは帝国より渡航してきたもう一人、コルネリア。

かつて、タエコとの戦いで臣具・粉砕王と共に失った右腕に取り付けられた彼女の義手は日輪刀と同様、高い純度の猩々緋砂鉄を含んでいる。

剣術が不得手で拳が得意な彼女の為にレンジが刀鍛冶の里の者に依頼して作ってもらった一品である。

 

「っし! チーフ、どっちに行けばいい!?」

「……こっちだ。着いてこい」

 

―――肉体を変質させる帝具を多用し続けた場合、使用者本人が素材となった危険種と混ざる可能性が生じる。

実際、ライオネルを多用していたレオーネは獣人と化し、この世界では終ぞ起きる事は無かったが帝具インクルシオもまた、無闇に扱えば装着者は暴龍・タイラントへと変貌する危険性がある。

そしてそれは臣具であっても例外ではない。水龍の剣の多用により、ナハシュは龍人化が進行している。

特に数カ月前、レンジを狙い襲撃してきた上弦二体との戦い以降それは顕著となっている。精神が食いつぶされる様子がないのが幸いと言ったところだろうか。

 

そんな彼の鋭敏な感覚は一度覚えた気配を辿るには容易い。

 

「……此処だ。入るぞ」

 

―――その空間からは、血の臭いがする。

骨を齧る、悪趣味な音がする。

 

「あれぇ? 来たんだ? わぁ、一人は女の子だ。もう一人は……やぁ、久しぶりだね。あの時の奴だろ?」

「………」

 

―――上弦の弐、童磨。

 

「わざわざ女の子を連れてきてくれるなんて、優しいなあ。勿論、君にも会いたかったよ? 殺して、首をあの男へのお返しにしてあげようと思っていたんだ」

「その不快な口を閉じろ雑魚が。会いたかったのはこちらも同じだ。今度こそ、貴様の頸を斬る。……此処が水場で本当に良かった」

 

初手でブラックマリンを発動させたナハシュの周囲に、蓮池から吹き上げた水の柱が立ち上がる。

 

「へえ!? 君人間なのに血鬼術が使えるんだ? んん? いやあ、けどどうかな? なんか気配が変だよね……本当に人間?」

「生憎、今は自分でも分からん……真・濁流槍」

 

ゴォォォォォォォォォッ!!!!

 

「へえ、これは凄いねえ! けど、残念」

 

水の柱が四本、童磨に迫る。

だが彼の血鬼術は『氷』。四本の水の槍は童磨が振るう鉄扇による冷気で瞬く間に凍てつき、砕かれる。

 

「君の手品も、俺には通じないようだねえ」

「知っているさ」

「お―――」

 

『龍の呼吸・伍の型 蟠龍の廻』

 

背後からの回転斬り。童磨の胴体を斬り裂いた斬撃はしかし、即座に回復する。

 

「うーんいいねいいね! 結構強くなってる! あの時と同じように首に届かなくて残念だけど太刀筋とかは人間なりに頑張って鍛えてきたみたいだねえ!」

「貴様に認められても嬉しくはない。それより、こちらを見ていてもいいのか?」

「うん?」

 

『鋼の呼吸・陸の型 鳴鋼』

 

パァン! と弾けるような音と共に童磨の肩に衝撃が走る。

 

「!(遠距離からの衝撃波……! これ、猗窩座殿の空式じゃないか。あの子、猗窩座殿と炎柱の戦いに居たんだっけ? 見て覚えたのか)」

 

『血鬼術・蓮葉氷』

 

童磨が扇を振るい、それによって生成された氷をコルネリアの拳が砕く。

 

「うーん? 君達どうして俺の氷吸ってないのかな?」

「こっちは野生児。息止めて戦うことには自信あるのよ!

 

―――それにしのぶと約束したからね。必ず勝つって!」

 

 


 

 

レンジは愈史郎の目を受け取っている。

それによって無限城を飛び回る鎹烏の視界と共有することで情報を逐一得ることが出来ている。

 

「(ナハシュとコルネリアが上弦の弐と接敵……アカメとクロメはこのままいけば上弦の壱と遭遇する。上弦の参は……移動中、煉獄と炭治郎を目指している……いや、邂逅した)」

 

元より冨岡と炭治郎の二人で倒した敵。煉獄と今の炭治郎ならば勝てる見込みは高いが、それでもどうなるかは分からない。

 

「(フジノは……冨岡と一緒か。悲鳴嶼さんと時透君が共に上弦の壱に近づいてる……)」

「レンジ君!」

「! 甘露寺さん! 伊黒!」

「気安く甘露寺の名を呼ぶな……!」

「いや今それどころじゃなくね!?」

 

そうこう言っているうちにレンジはこの二人と遭遇した。

なるべく死者を減らしたいレンジ本人としてはかなり僥倖と言えるだろう。

 

「それで、お前は何処へ向かっている」

「気配が濃い方向、恐らくこっちに無惨が……」

 

「行かせると思うかい?」

 

声が聞こえる。

そこに居たのは一つ目の琵琶女――単眼には「伍」の数字。

そしてもう一人、口元を悪趣味な頬当てで隠した、白いメッシュが入った鬼――目には「肆」。

 

「久しぶりだねぇ……黄金の果実はまだ手に入れていないようで安心したよ」

「―――センゴクッ!」

 

『極アームズ! 大・大・大・大・大将軍!!』

『ドラゴンフルーツエナジー!』

『ロック・オン! ソーダァ!』

『ドラゴンエナジーアームズ!』

 

―――決戦が、始まる!

 




・アカメ
エスデス戦前に投与した薬物の後遺症で全集中の呼吸が使えなかった。

・クロメ
影の呼吸は風の呼吸からの派生。一番呼吸適性が良い。

・ナハシュ
呼吸+臣具+帝具+人外化の強化ガン盛りチーフ。龍の呼吸は水の派生。

・コルネリア
剣術は向いてなかったことと、猗窩座戦の経験から生み出した徒手空拳の全集中・鋼の呼吸を生み出した。岩の派生。


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