我こそは〇〇〇〇っ! (ノイフェル)
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 ファンタジー

そろそろ投稿してみる

続くかどうかは未定


拝啓、皆さま如何お過ごしでしょうか

 

私めは現在

 

 

グウウッッ!

 

 

命懸けの逃走劇をしていますです、はい

 

 

 

 

 

此処が何処かは知らない

知らないけど、知ってるという矛盾

 

 

 

間違ってて欲しいと強く、強く願うのだが

 

 

 

 

特徴的なコイツ

 

 

 

お主、フロータイボールじゃな?

 

 

 

 

 

フロータイボールとは、ファイナルファンタジー4において最序盤バロン周辺に出没するモンスターである

 

色違いに悪名高きアーリマンがいる為、そのフォルムは印象に残っている方も多いと思う

 

 

 

FF4は主人公が暗黒騎士ということと、もう1人も竜騎士ということも手伝ってか、通常ならば(・・・・・)バロン周辺で苦戦することはまず無い

 

縛りプレイ?

それはワイの管轄外やで?

 

 

 

 

そんなわけで、媒体にもよるとはいえ雑魚といえるフロータイボール(初代一つ目)ダイブイーグル(そのお供)ソードラット(ハリネズミ)

 

そして、

 

DQ(ドラゴンクエスト)ならば、スライム

FF(ファイナルファンタジー)ならばコイツ

とまで言われる程のある意味では有名な雑魚キャラ

 

 

 

 

 

そう、私がゴブリンです(涙)

 

 

何か違う?

ここはギトランドじゃない?

 

 

 

せやな

 

 

 

ギトランドとはロマンシング・サガ3における町の一つ

隠しキャラ?であるポールをパーティに入れるくらいしか、旨味のないイベント(超偏見)がある町

 

が、此処の町長が非常に印象深い

 

近くに生贄をしないとならないほどの危険生物がおり、その生贄として主人公達を騙して巻き込む。閉じ込めた後は危険生物を倒したら、出す。と言って放置

別段対策さえすれば(全体攻撃によるゴリ押しなら)問題ないが、そうでない場合は非常に面倒なボスキャラが相手

更に主人公達を助けた女性を平気で生贄にするかなりの外道

 

そこまでしておいて、イベントが終われば奴はこうのたまうのだ

 

私が村長です

 

幸いにして、ロマサガ3のリメイクに伴い、この外道(村長)への多少意趣返しができるようにはなっているが

 

 

何故かスマホのアプリにおいて、此奴が実装されている事にいささかならぬ気持ちとなるのは仕方ないだろう

 

 

 

 

 

それはいいとして、だ

 

 

どうやら当方はゴブリンになった様です

ええ、近くの川で確認しましたので間違いないかと思われます

 

 

 

 

 

さて、FFのみならず、当時のRPGにおいて『色違いキャラ』と言うものがいた事は当時プレイしていた方にはお分かりかと思われます

 

当然ですが、此方の世界においても先に挙げたようにフロータイボールという最序盤の敵とアーリマンというラスダンの敵も色違いでございます

 

何が言いたいかと言いますと、進化(クラスアップ)出来るのではないかと、考えております

 

幸いにして、この世界にはレッドキャップ(赤いの)地底のやつ(青いの)リルマーダー?(黄色いの)がいた様な気がします

 

 

レッドキャップなのか、ドモボーイなのかはタイプによったような気もしますが、とにもかくにもゴブリンとて上の階級があるということ

 

つまり、最序盤の雑魚であるゴブリンとて、強くなる余地があるということである

 

多分、恐らく、きっと

 

 

 

あともう一つはかなり難しいが、召喚獣になるという手もある

 

歴代FFでも珍しくFF4では雑魚キャラであるはずのゴブリン、コカトリス、ボム、マインドフレアがレア召喚獣として存在している

 

 

まぁ、ドロップ場所が序盤に集中してる事と、マインドフレアはリディア離脱後にしか入手出来ない事。その召喚士であるリディアが序盤で一時離脱するためにかなーり使いどころの困る召喚獣なのではあるのだが

 

 

次の作品においてならば、ゴブリンとて活躍の場がある『ゴブリンパンチ』を習得しているので多少は(・・・)ましといえるだろう

 

別のRPGにおいては、素晴らしい一門(マスタートビーなど)を擁する事もあるのだが、いかんせんかの世界線にはその様なものは存在しない

 

 

 

 

召喚獣といっても、中盤に合流した時にはシリーズ精勤御三家(シヴァ、イフリート、ラムウ)に加えて、タイタンとドラゴンまで習得しているので、必然的にレア召喚獣の出番はほぼなくなる

 

火力ないからね、仕方ないのさ

 

 

 

ただ、召喚獣になるとしても問題がある気もしなくもないが、それはそれと割り切ろう

 

 

 

 

因みに進化系(仮)の居場所は覚えている

 

赤いのはホブスの山からファブール近郊

青いのは地底世界全域?

黄色いのは月面の地下渓谷。つまりはほぼラスダンである

 

 

歩いていくならば、ホブスの山なのだ。しかし、困った事に主人公であるセシル一行が、向かった後だと山間の町であるミストとオアシスの町カイポの間に崖崩れが発生し、相互通行が不可となる

 

続編であるFF4ジ・アフターにおいても確か通行不可だった気がするのでそれまでに通行しないと多分、詰む

 

 

とはいえ、いきなりホブスの山にのりこめー。などと寝ぼけた事を言おうものなら屍を晒す事となるだろう事は容易に想像できる

 

 

何せミスト周辺はまだ対応できるとしても、カイポ周辺は無理

あそこにはサンドウォーム(りんご配給係)がいるのだ

 

はっきり言うと、主人公であるセシル・ハーヴィにせよ、相棒のカイン・ハイウィンドにせよ、この世界においても上位の実力者

 

であるからこそ、魔物を蹴散らしていけるわけだ

 

 

セシル(暗黒騎士)リディア(うわようじょつよい)がタッグを組めば如何に強いサンドウォームとて打倒できるが、果たしてゴブリンの域を出ない程度の実力しかない私が独力でサンドウォームを打倒し得るだろうか?

 

 

 

無理と言わざるをえない

 

あの地域において、サンドウォームは突出した能力を誇る

どれだけ鍛錬したとしても、彼奴に届くとは思い難い

 

 

 

だが、少なくとも原作開始してしまった場合はカイポ周辺まで進出しておかねばどうにもならなくなるのも事実

 

サンドウォームが落とすリンゴは非常に価値が高いともなれば、メリットは絶大といえよう

 

 

 

現在、どの様な情勢かわからないが、ミストの洞窟を越えなければならないのは確定

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミストの洞窟を踏破しました

 

 

宝箱は全て手をつけない様にしております。主人公(セシル)も大変だからね、仕方ない

 

しかし、ドラゴンもといリディアママンが出てこなかったのは非常にありがたい

 

多分、レベルは上がっただろうからワンパンで沈む事はないとは思うが、それでもミストドラゴンとやりあうなど無理ゲーである

いや、マゾゲーかな?

 

 

さっさとミストの町をスルーしてカイポ周辺まで進出しなければならない

 

 

全ては私の生存戦略の為に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆様いかがお過ごしでしょうか?

 

 

ゴブリンです

 

 

現在、地下水脈の入り口で黄昏ています

 

 

 

 

奴が居ました

 

 

そう

 

最序盤のお荷物こと、賢者(笑)のテラです

 

 

 

 

賢者テラ

 

賢者の名に恥じぬ黒魔法と白魔法両方を駆使するキャラクター

更に中盤?のイベントにて一部以外の黒白魔法を使用可能となり、マジックアタッカーとして、回復役として縦横無尽の活躍を見せる

 

のだが、このテラは致命的な問題を抱えている

 

このテラは老齢故か能力(ステータス)が成長しない!

せっかくの上位魔法(ガ系)とて、消費MP(マジックポイント)が30もある。ぶっちゃけると3発で打ち止めなのだ

 

なまじ、他の能力はボロボロなので魔法が使えないテラは囮くらいにしか使えない

しかし、賢者とはいえどどこかのシリーズみたいに守備力が高いわけではないので、とにかくすぐおちる

 

大体中級魔法(ラ系)かバイオ先生にお世話になる

アスピルで自給自足も出来なくもないが、かなりキツイ戦闘を強いられる

 

 

なまじ、双子の子供魔道士《パロポロ》がレベルを上げればどんどん能力と魔法を習得していくものだから、離脱した時には「テラと替えろやぁ!」と絶叫したプレイヤーも多いのではあるまいか?

 

 

スカルミリョーネ(不意打ち上等)カイナッツォ(死んでなお道連れ増やす外道)バルバリシア(無敵バリア(笑))ルビカンテ(人格者かもしれんが、部下に恵まれない)

 

やっぱり四天王は最悪やな!(ゴルベーザ四天王に対する風評被害)

 

 

 

 

とはいえ、賢者の名に恥じぬ活躍をして大敵ゴルベーザを一時的ではあるが退ける事が出来たのは正しくテラの功績だろう

 

 

 

 

 

 

はてさて、サンドウォーム(リンゴ配給係)がいるから突破は難しいなどといっていたが、ある秘策が私にはあった

 

 

 

この世界の元?となったFF4

 

この作品は他のシリーズと大きく異なる点が一つ存在する

それは同じ作品である筈にも関わらず、二つのタイプが存在するのである

 

FF4とFF4イージータイプと呼ばれるものである

 

 

 

何が違うんだよ?

と思われるだろうが、割と違う

 

シリーズ通してのお供アイテムであるフェニックスの尾(蘇生アイテム)

だが、イージータイプにおいてはふっかつやくとなっていたり、先に述べた中級魔法ことラ系や上位魔法ことガ系もまた、2、3と表記されている

 

 

最大の違いはこの作品におけるラスボス

通称ミジンコとも呼ばれるゼロムスの姿から一部の行動まで異なるのであった

この辺りはPSPに移植リメイクしたFF4において、隠しダンジョンの最後に出てくる

名称もゼロムス(EG)となっており、通常タイプのみプレイしたプレイヤー達を驚かせたのではあるまいか

 

 

そんな仕様の違いの一つに、最序盤であるバロンのある敵の落とすアイテムがある

 

 

 

その名をおうぎの書

 

次の作品における魔法のランプの様なものである

 

 

 

違う点としては、魔法のランプは使用回数無限であるが、おうぎの書は消費アイテムである事

 

だが、消費アイテムであるが故に魔法のランプの様な召喚獣の著しいレベルダウンは存在しない

いうなれば、一回きりの召喚獣ガチャといったところだ

 

今更いうことでもないが、召喚獣というのは決戦戦力となりえる絶大な力を持つ

それ故に軍事大国であるバロンより危険視され、後に悲劇を生むことになるのだが

 

更に言えば、召喚士だからとて召喚獣のみが武器とは限らない

ミストの村においてならば、召喚魔法と白魔法。あるいは召喚魔法と黒魔法を使いこなせる召喚士はかなりいる

 

 

飛空挺団『赤い翼』を有する大国バロンとて、ミストを攻略するとなればかなりの被害を覚悟せねばならなくなる

 

召喚獣や中級以上の黒魔法ならば、熟達した魔道士が行使する事で飛空挺にすら効果を及ぼす可能性はある

 

翼をもがれた人は地に墜ちる(血に濡れる)は必定

 

飛空挺技師シドとその弟子により、飛空挺団は維持されているとは言えどもかかる負担は尋常ではないだろう

当然、運用する側の育成とて簡単ではない。赤い翼は飛空挺団であり、尚且つバロンの(きっさき)であるからだ

 

 

空路がダメならば、陸路での攻略となろう

 

しかし、この場合はミストの村の立地がそのままバロンの負担となる

 

ミストは山間部に位置する村であり、バロン方面からならばミストの洞窟を踏破する他にルートはない

北から侵攻する場合はオアシスの町カイポ方面からとなるが、その周辺は広大な砂漠地帯

大軍を運用する場合、補給線が問題となろう。加えてカイポはダムシアンの勢力下にあり、ダムシアンとの関係にも悪影響を及ぼす公算は高い

 

 

さらに言えば、狭い戦場となれば大軍を展開するとなると、どうしても密集するか戦力の逐次投入となる

 

暗黒騎士セシルや竜騎士隊隊長カインを先鋒とするならいざ知らず、並の隊長クラスをまとめて送り込んだところで召喚獣や黒魔法の餌食にしかならない未来しか見えない

 

 

しかも、バロン王の中身ことカイナッツォの目的はあくまでもクリスタルを集める事

わざわざ主任務に差し支える状況を許すとは思えない

原作において、ボムの指輪をセシルに持たせたのは、そういった意図があったのだろう

 

 

長々と語ったが、結局のところは召喚獣の力は絶大。という事なのである

 

 

 

イージータイプにおいては、このバランスブレイカーとも言えるおうぎの書が何故か(・・・.)ゴブリンドロップなのである

 

 

 

なんでやねん

 

と思われるかも知れませんが、当時の自分はひたすらに相棒(カイン)不慮の事故(・・・・・)としてしょ、もとい亡くしてひたすらにセシル育成に勤しんだのです

 

 

その結果、おうぎの書を複数入手したわけではあるのですが

 

 

 

その経験から、忌まわしい行為であるはずのゴブリン狩り(同族殺し)を繰り返して、なんとかおうぎの書を手に入れたのであります

 

 

 

 

結果として、なんとかカイポ周辺を突破できた次第ではあります

 

無論、ゴブリンとしては破格の能力を持ち、この辺りに出てくるゾンビーくらいならばワンパンで倒せる程の実力を有するに至りました

 

 

 

 

しかし、これで分かった事が一つあります

 

テラが此処(地下水道)待っている(ウォール化している)と言う事はテラの娘のアンナとダムシアンのギルバートはダムシアンへと駆け落ちしたと言う事でしょう

 

 

 

つまり、後からもうすぐセシル(主人公)リディア(ハイパー幼女)が来るということであります

 

 

となれば、自分のする事は一つのみ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はい。カイポ周辺を南下して、ミストから砂漠に続く山間部を視認できるところにつきました

 

 

とりあえず銀のリンゴを配給係(サンドウォーム)からごうだ、げふんげふん。提供してもらいましたので、腰の袋に入れてます

どうするのか?と聞かれても困りますが

 

 

既にこちらの世界に来てひと月ほどになりますが、精神的に変わりはない様ですね

まぁ、序盤のゴブリンであったからこそ、どうにかなっている可能性もなくはないですが

 

因みに、ほとんど寝なくても大丈夫な仕様のようですね

ほんとしょう(・・・)もない話ですが

 

 

何故此処に来たかと言いますと、セシルが赤い翼隊長の任を解かれ、親友のカインとミストの村へと『ボムの指輪』を輸送する任務を与えられます

 

一見すると何も問題ない任務に見えますが、この『ボムの指輪』が曲者でして、発動すると指輪に封じ込められたボム達が解き放たれ、周囲を火の海に変えてしまう外道極まるアイテムなのです

 

これにより、セシルとカインは図らずともミストの村にいる召喚士を全滅させてしまうのです

村一番の使い手であったリディアの母親はミストの洞窟にて召喚獣ドラゴンを使役していましたが、ドラゴンを倒された事によるフィードバックにて亡くなっております

 

そして、唯一の生き残りとなった母親を亡くしたリディアをセシルとカインは保護しようとしますが、セシルとカインが母親のドラゴンを殺した事によりリディアは発狂。召喚獣タイタンを呼び出してしまいます

 

ですが、リディアにとってもタイタンはかなりの負荷となっていたことと彼女の精神状態が不安定になっていたことからタイタンは暴走

 

結果、ミストの村とカイポ周辺を結ぶ山道が山の崩落により塞がれることになります

 

その後、セシルは行方不明になったカインを案じながらも意識を失ったリディアを連れてカイポへと向かう事になるのです

 

 

 

 

つまり、山が崩落するのを確認すれば、セシル達の進行状況を把握できるということなのです

 

 

 

 

 

それまでは、近くのモンスター達を始末しながら気長に待つ事としましょうか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オアシスの街カイポ

 

 

そこはミストの洞窟と地下水脈という難所に囲まれている僻地であり、周辺が砂漠地帯という事も相まって他所から訪れる者は殆どいない

 

いるとすれば、カイポに関係している者あるいはダムシアンの関係者くらいであろうか

 

 

徒歩でカイポに至る為には前述した難所を踏破しなければならず、専ら海路を利用して訪れるのが常となっていた

 

 

 

 

だが、その様なカイポに来訪者が訪れた

 

 

漆黒の鎧を纏う、軍事大国バロンの暗黒騎士と衰弱した少女だった

 

 

見るものがみれば、その少女には尋常ならざる魔法の才がある事が見てとれただろうが、その様なことは此処カイポでは関係なかった

 

 

日中は尋常ならざる暑さを持ち、日が沈めばその暑さと反比例するかの様な極寒の地に変ずるのが砂漠である

 

 

更に獰猛なモンスターが跋扈し、常に命の危機に晒される

 

 

この様な環境で育ったカイポの者達は何よりも命を重んずる

 

 

 

であるからこそ、カイポの宿屋の主人も怪しげな2人を無条件で宿に泊めたわけである

 

 

砂漠地帯に住むもののルール

 

助け合いの原則の元で

 

 

 

 

 

 

 

バロン国王より直々に密命を帯びた暗黒騎士セシル

 

 

しかし、其の命は平和だった村を焼き払う事であった

 

辛うじて、難を逃れた少女を保護したセシル

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、大陸一とも言われているバロンの手は2人を捕らえようとしていた

 

 

 

 

 

 

 

此処はカイポがある砂漠地帯に隣接する海岸

 

そこには十数の影(・・・・)があった

 

 

 

 

 

 

隊長!

総員準備完了しましたっ!!

 

 

その中の1人が報告する

 

 

ウムッ!

これより我々はセシル・ハーヴィーの捜索とミストの村の生き残りの討伐にかかるっ!

 

 

 

彼等はバロン王国の兵士

 

 

今回、ミストの村付近の山が崩落したと赤い翼より連絡を受け、行方不明になった暗黒騎士セシルとミストの村の生き残りがいる可能性を考慮しての捜索隊だった

 

 

言うまでもなく、カイポ周辺の砂漠地帯は広大であり、生息する魔物もバロン近郊より手強いものばかり

 

 

故にカイポ周辺の捜索であるからこそのこの部隊数だった

 

 

 

 

 

総勢40名

小隊と各分隊長で4人編成で10個小隊

 

 

それこそが、セシルとリディアを追うバロンの魔の手であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしである

 

 

物事は早々うまくいくものではないのが世の摂理

 

 

 

ましてや、魔物も絡むのであれば、尚更だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カイポに避難したセシル一行を監視してたら、バロン兵が来た件について

 

 

 

どう見ても追っ手です

本当にありがとう(以下略)

 

 

 

しかし、予想以上に数が多い

 

 

周辺にはギルバート育てるマン(サハギン)状態異常先生(フライングアイ)先生のお供(インセクタス)地震起こしそうなやつ(ハンドレッグ)リンゴ配給係(サンドウォーム)がいる

 

 

恐らくはリンゴ係以外だと苦戦は必至

となると、手傷こそ負わせたとしてもセシル一行を襲う可能性は高い

 

 

 

 

 

 

や、別にね原作に介入するなどという考えはない。あくまでもこの世界で生をまっとうする事が自分の望み

原作を知っているからとて、最強に至れるなどと思い上がるつもりも毛頭ない

 

ないが、セシル・ハーヴィーという人物はこの世界の中心人物であり、後々バロン国王にまでなる人物

 

続編では息子であるセオドアにややスポットは移りはしたものの、決して脇役ではなかった

 

というか、此処でセシル達が亡くなった場合など考えるのも恐ろしい。

 

 

黒幕であるゼムスがどの様な戦略の元で行動していたのかは不明だが、大きな指標であるセシル一行を失うのは余りにもリスキーな事であるのは間違いない

 

 

 

 

 

現在のセシルはミストの村を自分の意思とは無関係に焼き払ってしまい、親友のカインは行方知れず。辛うじて生き残りであるリディアを連れて何とか此処まで来れた

 

常ならば、勝てるかも知れないが迷いのあるセシルであっても、四十名ものバロン兵を相手取るのは可能かも知れないが、不利は否めない

 

更に言えば、カイポの住人を人質に取る可能性だってなくはない

 

 

 

 

 

となれば

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大国バロンに属する彼等兵士は指揮官の指示により、赤い翼の元隊長である暗黒騎士セシルを追跡していた

 

 

何故ならば、赤い翼の新隊長であるゴルベーザが言うにはセシルの行方が不明な上にミストの生き残りを連れて逃亡している可能性があるらしいのだ

 

それ故に彼等はこの様な砂漠地帯にまで足を運んだのである

 

 

この砂漠地帯はそれなりの広さを持ち、敵もバロン近郊に比べるとレベルが高い

 

 

本来ならば、竜騎士団や精鋭を派遣せねばならないはずであるにも関わらず、今回動員されたのはバロン城の各部署から抽出された兵士達であった

 

 

 

 

これはバロンにおいて、国王の秘蔵っ子とまで言われ、国王により暗黒騎士に任ぜられたセシルを使い捨てるかの様な事をした事に不満や疑問を持つ兵士達を集めたからである

 

 

赤い翼の隊員は流石に高度な教育を受けている為に早々クビをすげ替える事がかなわない

 

だが、国王に扮しているカイナッツォからすれば一般兵士などどうでも良い存在でしかなく、今回などの機会に少しずつ『処理』していくつもりだったのである

 

 

 

原作において、ファブールからバロンに侵攻する際、セシルはバロンの海上兵力は比較的(・・・)手薄と言っていた

 

しかしながら、この世界においてバロン以外で国としての規模を持つのはバロン北方オアシス地方を治めるダムシアン。そこから、東の峻険なホブスの山を越えて更に東方に位置するファブール

バロンからすると北東に位置する森林地帯を治めるトロイア

バロン南東部に位置するエブラーナ

 

この4カ国ぐらいであろう

 

 

しかしながら、文治を旨とするダムシアンと諍い自体を否定するトロイアには際立った戦力は整備されておらず、ファブールのモンク僧部隊とエブラーナの忍者部隊くらいがバロンに抵抗できるものとなる

 

 

エブラーナは既にゴルベーザ四天王最強の武人であるルビカンテとその配下により、本拠であるエブラーナ城が落城しており、防衛戦と撤退戦において熟練の忍び達の多くが命を落とした

僅かな生き残りはエブラーナ城の西方にあるエブラーナの洞窟にて反撃の機会をうかがっている

 

つまり、エブラーナの実質的な戦力は壊滅した事と同義であったのだ

 

 

 

ファブールのモンク僧部隊はモンク僧長であるヤンの手腕と現国王も元はその地位にあった事もあり、ホブスの山中において部隊の練度向上に日夜励んでいた

 

 

 

しかし、バロンは竜騎士団に近衛兵団、更には他国では持ち得ぬ飛空艇団『赤い翼』が存在する

 

 

ファブールと隣国であるダムシアンは友好関係をとっており、これはひとえに風のクリスタルと火のクリスタルを有しているという共通点と近年動きが活発であるバロンを警戒しての事でもある

 

同大陸に位置するこの2国とて諸々の理由より、双方の往来にはそれ相応の時がかかるし、近年魔物の動きが市民生活などにも影響を及ぼし始めた事もあり、かなりの準備を必要としていた

 

 

ところが、バロンは飛空艇の存在により、わざわざ地上の洞窟や山地などを踏破せずとも、様々な国や地方へと向かう事が出来る

 

 

赤い翼の隊長が国王の信任あついセシルであったのも、騎士としての自覚や倫理観などを鑑みての事だったのだろう

 

バロン王の命により、水のクリスタルを保有するミシディアにおいてその暴威を振るい、帰国する際も

 

 

 

我々誇り高き赤い翼

力なき者から略奪など!

 

 

と当時のセシルの部下が発言していた事からも、彼等は高い倫理観や信念を持って行動していた事がうかがえよう

 

 

 

更に

 

 

赤い翼も、おちたもんですよ!

 

 

と帰国後、やはり赤い翼のメンバーと思われる人物が言っていた事からもそれは分かるだろう

 

 

 

 

 

相手の頭上という絶対的な優位性を持つ以上、爆撃などをすればたちまち虐殺などを容易に成し得てしまう

 

 

であるからこそ、彼等は高い意識を持ち続けていたのだろう

 

 

 

 

それだけ、飛空艇というものは存在だけでも圧倒的なものだったのだ

 

 

しかも、それを単艦でなく、複数有するとなれば他国におけるバロンの危険性はいうまでもないはず

 

 

 

 

 

 

 

何が言いたいのかと言うと、バロンはセシルが意識する以上に危険な存在だと言う事だ

 

 

 

 

 

 

 

ゴブリンである、彼は一つの企みを実行した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

所謂、トレインである

 

 

彼とて元人間だ

元同族を攻撃する事に躊躇いはあるものの、既に禁忌(同族殺し)をしている身だから迷いはなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぼくはバロンの暗黒騎士

 

 

王の方針に異議を唱えてしまったから、カインと共にミストの村へとボムの指輪を輸送する命を受けた

だが、それはミストの村を焼き払う為のものだったのだ

 

 

陛下は変わってしまわれた

幼い捨て子だったぼくを拾い上げて、暗黒騎士として育ててくれたあの優しい陛下が何故?

 

 

隣のベットで眠る少女を見る

 

この子には本当に申し訳ない事をしてしまった

母親を殺してしまった上に故郷を焼き払うなど

 

 

 

 

 

 

パターン

 

!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここにいたか、セシル!

 

 

何故、ぼくを

 

 

ミストの生き残りを連れて逃げた貴様を放置できぬと陛下よりのお言葉よ!

・・・今ならまだ間に合う。その娘さえ引き渡せば、私がベイガン様にお頼みして貴様の復職を願い出よう

 

 

・・・断るっ!!

 

 

ならば、仕方ない

やれっ!

 

 

 

 

如何にバロンを象徴する暗黒騎士のセシルであっても、その戦い方を理解しているバロン兵相手ではどうしても苦戦は免れない

 

セシルとて砂漠を少女を背負ってここまで来た以上、疲労の度合いも無視できないレベルとなっていた

加えて、少女を守らねばならない事により、ただでさえベットなどの障害物の多い室内での戦闘は困難を極めた

 

 

 

セシル!覚悟!

 

 

っっ!?

しまっ

 

兵士二人に気を取られていたセシルはいつの間にか至近にまで接近していた隊長の攻撃への対処が一瞬だけ遅れた

 

だが、戦場においてその一瞬が最も命を落としやすい要因でもあった

 

 

 

 

 

しまっ!

 

 

避けられない

セシルは迫り来る凶刃に覚悟を決めた

 

 

 

だが

 

 

 

サンダー!

 

 

がっ!?

 

 

 

 

セシルに迫った隊長を一筋の稲妻が打ち据えた

 

 

 

隊長はその場に崩れ落ち、他の3名は隊長を連れて撤退していった

 

 

 

 

 

 

 

 

きみ、は

 

 

セシルは驚いた

 

母親を殺し、故郷を焼いた自分を少女は助けてくれたのだから

 

 

 

 

私は、リディア

 

 

 

 

それが召喚士リディアとセシルの出逢いであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やれやれ

 

手間がかかりすぎたな、こりゃ

 

 

 

彼は独り呟いた

 

 

周辺にはバロン兵の死体があちらこちらに散乱しており、それ目当ての魔物達が遠くに見えていた

 

 

 

 

こりゃ、俺は既にヒトじゃないなぁ

 

 

彼は独り寂しく呟いた

 

 

 

 

 

 

 

翌日の昼過ぎ、セシルとリディアは地下水脈の方角へとカイポから出て行った

 

 

 

となると、砂漠の光を手に入れるのだろうとは思う

つまり、通行禁止が解除される訳です

 

 

ですが、焦りは禁物です

 

既にサンドウォームくらいなら、ワンパンで沈めれるとはいえ、この身はゴブリン

 

 

油断は大敵

しかも、セシル一行が彷徨う可能性もありますので、とにかく時間が経つのを待ちましょう

 

 

遠望すれば、もしかしたらダムシアンの爆撃が見えるかもしれませんし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時、セシルやゴブリンは理解していなかった

 

『軍事大国バロン』が反逆者の始末をそう簡単に諦めるわけがない事を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

所変わってバロン城内

 

 

ベイガンよ

どうやらセシルめは逃げおおせた様だな

 

はっ!

その様で

 

玉座に座るバロン国王と近衛隊長ベイガンは密談をしていた

 

 

 

既に城内で逆らう者達は地下牢に入れるか『処分』していた

 

それでもなお、逆らう者達もいたが

 

 

 

クカカカカッ!

ならば、其奴らをセシル追跡に当たらせろ

 

御意

 

 

 

『邪魔者』は『反逆者』に始末させるに限るのだから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その少し後

 

 

地下水脈、結界内

 

 

 

そうか、その娘はミストの

 

ええ。許されない事をしたと思っています

 

 

ダンジョン内に時折存在する『聖なる結界』

そこで、セシルとテラは話をしていた

 

 

しかし、『ボムの指輪』とはのう

 

テラは唸った

 

 

『ボムの指輪』

魔法の研究が盛んな大陸南方にあるミシディアにおいて、とある魔道士が創り上げた忌むべき代物である

 

それは『火の化身』とも言われているボムを無理矢理指輪内の結界に封じているものであり、特定の条件によりボムは解放される仕組みだ

 

無理矢理閉じ込められていたボムは周囲を焼き尽くすまで止まる事はなく、その危険性からミシディア長老である『ミンウ』はそれを厳重に封じた筈であった

 

ミシディア出身であるテラもその存在は知っていたが、実際どこに封じられているのかは全く知らない

 

 

 

 

あれはミシディアの物と?

 

うむ。何故それがよりにもよってバロン国王の手の者に渡っていたのか不明じゃが

 

 

テラは思う

このリディアという少女も辛いだろうが、セシルというこの青年も辛いだろうと

 

 

テラ殿は何故ダムシアンに?

 

うむ、私の孫娘であるアンナがダムシアンの王子と駆け落ちしたのだ。だが、ダムシアンには不穏な気配が立ち込めておる

それ故にダムシアンに行かねばならぬのだ

 

 

 

ダムシアンの王族は『砂漠の光』を知っていると聞きました

 

確かにそうじゃが

 

 

聞くところによると、目の前の青年を心配して追いかけて来た女性がカイポにて『高熱病』で倒れたらしい

『高熱病』は『砂漠の光』による治療が最も効果が高いのは事実

 

 

しかし

 

 

そなたは騎士

確かに暗黒剣の使い手じゃろうが、アントリオンは厄介じゃ

 

覚悟の上です

 

 

 

ダムシアンの東南にある『アントリオンの洞窟』の主アントリオンはテラの様な熟練の魔道士でも苦戦する魔物である

 

元は温厚な魔物だったそうだが、昨今の魔物達の凶暴化を考えると危険だとテラは思っている

 

 

 

とにかく先ずはこの地下水脈から出ぬことには始まらん

セシル殿、よろしく頼む

 

ええ、此方こそ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、カイポ周辺にはバロン軍の第二陣が到着していた

 

 

 

 

第二班から第六班までは、地下水脈を通り『反逆者』セシルを追え!

 

残りのものはカイポを制圧するっ!

 

 

 

 

バロン軍第二陣

 

 

兵数四十八名

 

小隊数にすると十二隊となる

 

 

 

本来カイポは隣国ダムシアンの勢力圏内だが、これを機に一気に制圧してしまおうというのが国王とベイガンの考えだった

 

 

 

しかし、彼らは知らなかった

 

 

 

此処にはカイポで暮らす者達が最近恐れ始めている魔物がいる事に

 

 

 

 

血塗れ(ブラッディー)ゴブリン

 

 

いつの前にその様な名前で呼ばれはじめたそれは、カイポ周辺の最強モンスターであるサンドウォームすら一刀で切り捨てる危険モンスターだった

 

 

 

既に元人間である事など一切考慮しなくなったゴブリンは、その矛先をバロン軍に向けた

 

 

 

先に述べたように、バロン軍を構成するほとんどの兵は『バロン近郊』の魔物掃討や、他国への威圧などに動員される

 

原作冒頭にて精鋭である筈の『赤い翼』隊員がフロータイボールやズーの襲撃で負傷している事からも、直接的戦闘力がそこまでない事を示していると思われる

 

対するゴブリンはサンドウォームを一撃で屠れる

 

 

 

つまり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぐっ

 

 

このゴブリンに勝てる要素など一つも無かったのだ

 

 

 

 

 

文字通りの『全滅』だった

 

 

軍事的用語の『全滅』ではなく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、征くか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

物語の中に一粒の異物が放り込まれた

 

 

 

 

それが何をもたらすのか、まだわからない

 




初期FFの顔とも言えるゴブリン主役が無さそうだったので、自分で補給してみる

どうなるかは、とりあえず決まってるけど完結時期は未定です



それでも宜しければお付き合いください


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 ホブスの山

良く良く考えたら詰んでいる事に気がつく転生者がいるそうです


どうやら、北側で轟音がしているところを見ると、ダムシアンが爆撃された様ですね

 

 

残念ながら、防ぐ手立てはありませんでした

 

 

 

 

という訳で地下水脈を攻略しましょう

 

先程殲滅したバロン兵以外にもいるかも知れませんので、警戒はします

 

 

 

と言っても、見た目はバロン近辺にいるゴブリンと何ら変わらないので、あっさり油断してくれる事でしょう

大助かりです

 

勝手に油断して死んでいって下さいね?

 

 

 

 

ただ、気にしなければならないのはダムシアンから戻って来るであろうテラです

 

魔法さえどうかすれば、ワンパンで殺れます

 

 

ですが、テラを殺した場合ゾットの塔で誰がゴルニキを止めれるのか?と聞かれたら無理なので、回避一択です

 

 

多分バーサク状態(怒りに我を忘れてるはず)なので少し隠れりゃ分りゃしないだろ

 

 

 

 

 

 

地下水脈の魔物達はカイポ周辺に比べると少しばかり能力が高いです

 

ですが、誤差の範囲でしょう

 

 

 

 

 

 

 

 

ふむ、物音がしますね

 

どうやら、テラは結界内で休んでいるご様子

幾ら怒りの感情を隠しきれなくとも、かの御仁とて賢者と呼ばれ、あの歳まで生きているだけの事はあります

 

では、私は水路に飛び込んで結界を無視するとしましょうか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

む?こ、これは

 

 

テラは地下水脈内の惨状に驚いていた

 

 

此奴らは、バロン兵か?

 

軍事大国バロン

少し前まで共にいた若者もその国の暗黒騎士であった

 

彼が言うところによると、カイポにて追っ手に襲われたとの事であったから、追跡されているとは思っていた

 

 

だが

 

 

 

 

皆殺し、か

 

 

そこには人としての形を残していないバロン兵の死体が軽く見ても20以上あった

 

 

更に魔物達に食われたと思われる様な跡もあり、経験を重ねたテラであっても、顔を顰める状態となっていた

 

 

だが、そんな事(・・・・)はこの世界では極々ありふれた風景でもある

 

 

人の住まう地域というものは、ある程度理由があって決定される

 

 

 

テラの故郷ミシディアは伝承によると『彼方より来訪した船』を封じ、守護する為に魔道士達が集まったのが始まりとされる

 

 

ミシディアの遥か西方にあるエブラーナは聞くところによると、この大地の下にある世界からの移住者の末裔とも聞く

 

そのエブラーナの側には天高くそびえる塔が存在するのだが、険しい山脈に阻まれて、その塔へと至った者は未だにないとも

 

ミシディアから北にあるアガルタという町にもまた、地底世界の伝承が残されており、此方もまた地底世界の住人の末裔との話も聞く

 

 

ミシディア以外にクリスタルを有する国家は、そのクリスタルの守護により、その地を護られているという話もある

 

 

 

 

数少ない例外がバロンであり、かの国は純粋な軍事力によって土地を切り拓いたとされる

 

であるからこそ、バロンという国は他の国や地域に比べると積み重ねてきた歴史においては短いという事実

 

そうであるが故にバロンの人間の中には他国に対して複雑な思いを抱いている者も少なくなかったりするらしい

 

 

 

 

以前のバロン国王は騎士道精神に溢れた人物であったが、最近の国王はその面影など全く無い

とは言え、それをセシルの様に国王個人を知っているならともかくとして、人となりを知らぬ者達からすれば、その変貌など知る由もない訳なのだが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テラは地下水脈を抜けた所で、違和感を感じた

 

 

テラは長年魔物と戦い続けた人物であり、当然故郷であるカイポ周辺の魔物や土地独特の雰囲気などにも詳しい

そうであるからこそ、それ(・・)に気がついたと言える

 

 

 

 

 

魔物が少ない?

 

 

砂漠とは生存だけでも過酷な環境である

それ故に砂漠に棲まう魔物達は常に飢えており、獲物(食事)を求めて徘徊しているものである

 

地下水脈に彼らが入ってこないのは、砂漠に棲む彼らに比べて地下水脈の魔物達が強力であり、自分達が食われる側になる事を本能的に理解しているからだ

 

 

だが、脆弱な人ともなれば、例えテラの様な強力な魔力を持っていようとも生きる為に襲いかかっているのが常である

 

 

 

彼等は飢えているが故に逃げる事など考えない

言うなれば、常に追い込まれているからこそ逃げない、いや逃げる事が出来ないのだ

 

ただでさえ、獲物の少ない砂漠である

そうであるからこそ、数少ない好機を逃す事など出来る筈もないのだ

 

 

 

 

世間では魔物が凶暴化したと言われているが、この砂漠に関しては変わる事がない(弱肉強食の世界)

 

 

 

その砂漠で、魔物の気配が無いなどと云うのは間違いなく異常である

 

 

 

テラは故郷であるカイポへと急いだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いや、何あの滝の高さ。どうしてセシル(暗黒騎士)テラ(賢者)はともかく、リディア(ハイパー幼女)が普通に飛び込めたのですかねぇ

 

 

そう言いながらも飛び込むしか方法なかったので飛び込みましたがね?

 

 

しかし、である

 

セシル達よりも背の低いこの身だと、水に半身浸かってしまう為に動きにくいったらないんだよなぁ

正直な話として、よくリディア(ハイパー幼女)とかパロムとポロム(双子の魔道士)はこんな所を通れたと感心するわ、いやほんと

 

 

※双子は確かインタールードで通っていた様な記憶がありますが、割と曖昧になってます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これがダムシアンか

 

 

ボロボロになった城郭。今なお煙を上げている各所に満足に片づけられていないダムシアンの兵士たちの遺体

 

阿鼻叫喚の地獄

 

そう言っても決して誇張表現ではないと思っている

 

 

 

 

 

 

ダムシアン

 

火のクリスタルを有し、ホバー船という画期的な移動手段を持ち、砂漠特有のこうねつびょうを治療する為に必要な『さばくのひかり』を手に入れる事の出来るアントリオンの洞窟や砂漠のオアシスカイポに影響力を持つ

 

東にあるファブールとは友好関係にあり、ファブールとは交易や有事の際にはファブール主力であるモンク僧部隊を派兵して貰う事がある

 

 

しかしながら、今回のバロンによる襲撃は飛空艇団『赤い翼』による上空からの爆撃とその間隙を縫う様にしてダムシアン城内にバロン兵が侵入。火のクリスタルを奪われてしまった

更に後顧の憂いを断つべくダムシアン城全域に対して猛爆撃を加え、万が一にもバロンによるクリスタル奪取の報がファブールに届かない様にしている

 

元々ダムシアン自体の兵力は城外への警戒兵と宝物庫や城の出入り口付近の護衛兵ぐらいであった事も災いして、バロン側に終始翻弄されてしまう

 

 

更にダムシアンは城内に市民の居住スペースを取っていた事もあり、民間人への多大な犠牲も発生している

 

 

 

 

 

この世界においては、ダムシアンの様に城内で市民を生活させる事は決して珍しく無い

 

ダムシアンの他にも友好関係にあるファブールに南方のエブラーナもこの形態である

 

数的には寧ろ城下町という形を取っているバロンや土のクリスタルを守護するトロイアの方が珍しいとすらいえた

 

 

 

 

これには諸説あるが、旧い国家であるダムシアン、ファブール、エブラーナは攻防一体の様式を好んだともされる

 

トロイアもまた旧い国家ではあるのだが、そもそもクリスタルを守る神職が集まったのが始まりとされており、後に国家として成立するにあたり今まであった集落ではなく、守り易い城を建設し其処に移ったと伝わる

 

更にトロイア周辺には獰猛な魔物が少なかった上に、トロイアの主力は女性兵であった事も理由では無いかと主張する学者もいるそうだ

 

 

 

 

 

 

それに対してバロンは魔物を倒しながら土地を切り拓いたそうであり、城内にも居住空間を有しながらも、城下に町を有する非常に珍しく形態となっている

 

これはバロンの兵士数が他国に比べても多く、城の関係者や家族まで引き受けては飛空艇の様な機密の高い情報が流出するリスクを重く見たとも言われているらしいが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、困ったな

 

実のところ、ダムシアンまでは何とか陸路で来られるのだが、ダムシアンからアントリオンの洞窟までは海で隔てられており、ホバー船が必要となる

 

無論、浅瀬であるとはいえ元々体高の低いゴブリンである

浅瀬などを辿っていけば、間違いなく池ぽちゃであろう事は疑いの余地もない

 

 

さりとて、ダムシアン周辺に留まったところで、先はないのは目に見えているだろう

 

この近辺で最も強力な魔物といえばサンドウォーム(りんご配給係)だが、既に苦戦する事なく倒せているのが実情である

 

 

ゲームシステム的には数を倒せば、更なる高みへ至れる(レベルアップする)だろうが、此処は現実である

 

変わり映えしないモノを倒したところで、経験が増えよう筈もない

 

 

加えて言えば、テラがいつバロンに向かうのかも不透明である以上、迂闊にカイポ周辺へと戻るのは危険だろう

 

ではこのままダムシアン付近に留まるのか?

と聞かれたならば、それもまた下策であろう事は疑いの余地もない

 

 

ダムシアンは確かに現在のところ荒廃している

 

物語が進んだとしても、唯一の王族であるギルバートの帰国は少なくとも物語終盤、バブイルの巨人戦の後だろう

 

あの時ギルバートの登場する戦車にはトロイアの神官たちが同乗していたはずだったから

 

 

 

だが、元凶であるゼムスいやゼロムスを打倒した後は必ずギルバートはダムシアンに帰国するだろう

 

続編である『ジ・アフター』において、ダムシアンは復興を果たしていたし、物語エンディングの際にはダムシアンの王としてセシルの戴冠を祝っていた筈

 

 

それに友好関係であるファブールとて、バロンに襲撃されるとはいえども、ダムシアンに何の支援をしないと言うのも考え難い

ファブールには船があった筈だから、峻険なホブスの山を越えずとも海路でダムシアンに向かう事とて可能だろう

 

 

 

復興の際、魔物である自分がいたとして障害にならないとは思えないしな

 

となると、賭けになるがやるしかない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃

 

 

ホブスの山の山頂にて、魔物『マザーボム』を辛うじて撃破したセシル達は傷を癒すのもそこそこにファブールへの道を急いでいた

 

 

しかし、セシル殿

貴殿はバロンの騎士、しかも最精鋭の暗黒騎士。にも関わらず、何故(なにゆえ)我らに助力を?

 

ヤン・ファン・ライデン

 

ファブールにおける最高戦力であるモンク僧達を率いるモンク僧長を務める人物であり、現在のファブール王にも発言を許されているファブール最高の武人でもあった

彼の率いていたモンク僧部隊は山頂での魔物達の襲撃によりヤンを残して壊滅

 

単身『マザーボム』に挑もうと覚悟した時にセシル達が援軍として参戦してくれた結果、事なきを得た

 

だが話を聞く限りでは、セシルとその恋人であろう白魔道士ローザはバロンの人間というではないか

無論、セシルとローザの善性は疑うべきではない

 

ヤンとて、ファブールの要人として様々な人間を見てきた

そして、今回共闘する事で2人の事を朧げながらも理解しつつあったのだから

 

それでもなお、いやだからこそヤンは聞かざるを得ない

 

窮地に陥っていた己を助ける位には彼等は善い人物なのだろう

何故その2人が祖国であるバロンに反するが如き行動を取るのか?

 

 

 

 

ヤン殿

セシルは現在のバロンの在り方に疑問を、いえ危機感を持っているのです。リディアの故郷を焼き払い、私の祖国ダムシアンも宣戦の無きままに蹂躙されました

 

聞けば、セシル自身もミシディアで水のクリスタルを手に入れる任務を負ったと聞きます

一体、何故バロン王がその様な凶行に及んだのかも不明だと

 

 

む?つまりバロンは水と火のクリスタルを

 

 

その様です

ともすれば、残りの風と土に手を伸ばさないと考えるのは無理がないかと私も思っています

ヤン殿。今はともかくファブールを急ぎましょう。このままではダムシアンの二の舞になりかねません

 

 

・・・承知した

ともかく王に話をせねばならぬ事

道中も助力願いたい

 

 

友好国の王子であり、唯一の王族の生き残りであるギルバートがヤンの疑問をセシル達の代わりに答えた

ヤンとしても、ギルバート王子の事は国王よりある程度聞いていた為に偽りはないと判断

その様な話をしながら、彼等はホブスの山を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、その頃既にバロンは次なる一手を打っていた

 

 

『赤い翼』によるファブールを爆撃

その混乱に乗じて部隊をファブール城内へと侵攻させ、内部の部隊を排除

速やかに風のクリスタルを奪取するというものだった

 

 

しかし、これに対して近衛兵長ベイガンは予定変更を申し出た

 

 

 

とある未確認の情報によれば、反逆者であるセシル・ハーヴィならびローザ・ファレルがカイポに居たというのである

 

 

カイポ周辺の捜索に出していた部隊の回収が出来なかった事を踏まえるとセシル達はダムシアン方面へと逃れた公算は非常に高い

 

最善はミストの村において、山崩れが発生した時セシルが亡くなっていた事であったのだが

しかも、セシルへの処罰を聞いてしまった恋人でバロン白魔道士隊の有力な魔道士であるローザはセシルを追いかけたと聞いている

 

となれば、ダムシアンの惨状を目にしていないとは考えにくい

恐らく、いやほぼ間違いなくセシル達はバロン軍の目的地であるファブールへと向かっているだろう

 

 

 

下手をすれば、ファブールの連中と共闘する可能性もあるとベイガンは考えていた

 

 

暗黒騎士などという立場であるが、セシル・ハーヴィという人物は善良な人物であり、今回のバロンの行動に理解を示せるとは思ってもいない

 

 

 

そうなると軍事大国バロンでも屈指の実力者である暗黒騎士セシルが敵として立ちはだかる事になるだろう

 

 

近衛兵長としては情けない事であるが、通常(・・)の兵士どもで太刀打ち出来ないことは明らかである

 

自身が出るのならば、恐らく問題ないだろうがそれは叶うまい

 

 

 

 

 

 

ヒトの身ではセシルに及ばないのだから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バロン地下牢には国王に反逆投獄した兵士や魔道士達が捕らえられていた

 

 

 

変わりゆく国王を諌めようとした者

国王を実の父の様に慕い、また自身の息子の様にセシルへ接していた事を良く知る者の中にはセシルを半ば追放する様なやり方に反発した者

己が力を歪みつつあるバロンの為に使う事を良しとしなかった者

上司である近衛兵長ベイガンの異常に気がついた近衛兵

 

 

様々な者が狭い地下牢に繋がれていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう。いた(・・)のである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バロンは世界でも類を見ない軍事大国である

 

 

だが、それゆえに他国よりもバロン城に勤める人間は多かった

飛空艇という独自の技術を有するが故に機密保持に努めたが、それでもバロンという国家を運営する為には大量の人員が必要だったからだ

 

例えば、バロン城内の維持管理をする侍女達。或いは食事を作るコックなど軍関係や政治関係以外の人員もそれなりの数を動員せねばならない

 

そうでなければ、バロン城内の現状を維持するのは不可能をなのだから

 

 

 

他国とバロンが決定的に異なるのは『庶民に武器や防具の所持を認めない』事であろう

 

ダムシアンにはそもそもその様な場所はなく、兵士達が魔物から城と市民を守っている。ファブールやエブラーナ、は城内にあり、トロイアは城下町にある

 

バロンも城下町にあるにはあるが、そこを利用するには王国の許可(バロンのかぎ)が必要

 

 

仮に武器の所持許可が出たとしても、バロンのかぎが手に入らねば利用出来ない

 

逆にもし、仮に許可なき者が利用したとしても、判断基準である武器防具屋の出入りがなされた以上、店主が売買しても罪には問われない

 

 

このバロンのかぎを管理するのは国王でも、近衛兵長であるベイガンでもない

 

軍事大国であるバロンにおいては肩身が狭いと言われている大臣であった

 

 

バロン王が即位するにあたり

 

 

私のまでは(まつりごと)を誤るやも知れぬ。お主に任せる

 

 

と発言しており、如何にバロン国王であろうとも

いや、国王であるが故に前言を翻す訳にはいかなかった

 

 

 

 

 

幾度もベイガンは鍵の所有権を譲り渡す様、大臣に迫った。だが、大臣は一度としてそれを受け入れない

彼もまた、今のバロンに危険なものを感じていたから

とはいえ、それ故に国王とベイガンは歯痒い思いをしていたのだが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、バロン城内。大臣執務室

 

 

 

ふん、ミシディアの次はダムシアン。となれば順当にいけばファブールか

 

大臣の地位にある男は不快げに呟いた

 

 

彼は軍事的才能など欠片ほども持ち合わせていない

しかし、彼とて長年戦上手のバロン国王を支えてきたわけではない

 

 

 

それにダムシアン(火のクリスタル)の次はファブール(風のクリスタル)トロイア(土のクリスタル)である以上、選択肢などあろうはずもない

そう判断していたのだから

 

 

 

この世界に存在するクリスタルは四つ

 

ミシディアの水のクリスタル

ダムシアンの火のクリスタル

ファブールの風のクリスタル

トロイアの土のクリスタルである

 

既にバロンは水火のクリスタルを手中に収めている

 

 

 

 

 

 

各国の情勢を調べている彼は、トロイアの保有していた土のクリスタルが現在トロイアの地にない事を調べ上げていた

 

 

 

それに情に厚いファブール王が友好国であるダムシアンの様子を気にかけない筈がないとも確信している

 

 

 

ダムシアン爆撃について、彼は終始反対の立場を取っていたが軍事行動についてのみならば軍の専有事項であり、大臣とはいえど一文官にすぎない彼の意見は認められなかった

 

 

 

 

というよりも、バロン王国主力部隊である飛空艇団『あかいつばさ』の隊長であったセシル・ハーヴィーの解職についてすら彼は国王に対して真っ向から反対した事、その後任であるゴルベーザとやらの選出についても不満を隠さなかった事などもあった為に国王、ベイガン、ゴルベーザ達より懐疑的な視線を向けられている彼のバロン王国での立場以外に身の置き所などなかった

 

 

 

 

だが、それでも彼もまたバロン王国を守ろうとする人間の1人だった

 

 

国王でもバロン軍でもなく、バロン王国の理念を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大臣はそれから半月後、数々の汚職の容疑にて極刑に処される事となる。が、彼が遺したものが後のセシル達の力となった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

し、死ぬかと思った

 

 

ゴブリンである彼は何と無謀にも筏を作り、アントリオンの洞窟のある方面へと漕ぎ出したのである

 

幸いというべきか筏で移動中には魔物と遭遇する事はなく、最後は全力の跳躍にて陸地へと到着していた

 

 

 

賭けでしかなかった方法で何とか陸地近くまで来れた

 

 

 

とはいえ、幾ら切羽詰まっていた状況であったとはいえ危険行為に他ならず死ななかった事自体が稀有な話であった事は言うまでもないだろう

 

 

 

 

 

はっきり言おう

 

自分はFF4(この世界)が嫌いではない

いやむしろ好きだろう

 

 

発売された日からひたすらのめり込み、両親がどう言おうとも、姉がどれだけ邪魔しようとも日々レベル上げに邁進し、ラストバトルのイベントの時は不覚にも涙した事は今でも覚えている

 

バブイルの巨人攻略において、殆どのキャラは生きていることが明かされた

 

 

だが、其処にテラの姿はなかった

 

 

 

しかし、ラストバトル前においてはテラも力を貸してくれた

ギルバート(娘を奪った男)の隣で

 

 

 

そして、敵であった兄ゴルベーザより託されたクリスタルによりゼロムスの正体を暴き、遂にはゼロムスを倒した

 

 

 

なお、作者はイージータイプから入った方であり所謂『ミジンコ』型のゼロムス(通常タイプ)について知るのは初クリアから5年ほど経ってからの事であったりする

 

 

 

後に発売されたリメイク版にて、よもやイージータイプのゼロムスが裏ボス的な存在になるなど予想だにしていなかった

 

 

 

 

 

 

 

更に余談ではあるが、パロムとポロムを試練の山にてレベル上げしてスカルミリョーネ(フシュルル)ベイガン(近衛隊長?)カイナッツオ(あん畜生)を瞬殺したのは良い思い出

 

 

その後のイベントが無ければ、ね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この世界におちるまで相当数のゲームをやり込んだ

 

 

だが、ゲームで涙したのはFF4の他にはシリーズのFF10のみだったのは今でも忘れていない

 

RPGに初めて触れた自分にとって、FF4はあまりにも大きすぎる存在だったのだ

 

 

 

 

なんの因果か知らないが、この世界(FF4)に来た以上は原作キャラに会いたいと思うのは別におかしい事ではないだろう

 

 

まぁ自分が人間でない事が最大の難点であると思われるのはご愛嬌である

 

 

 

 

 

 

 

 

以前触れた様に一ゴブリンに過ぎない自分がセシル達の手助けが出来るとは思ってはいない

 

というか、普通に無理だと思うのです

 

 

確かにトロイアまでは何とか食らいつかなくもないだろう

ああ、ダークエルフお前は別だがな!

 

 

その後、ゾットの塔以降の敵レベルの上がり具合と言ったらかなり厳しい物がある

 

 

ましてや、成長したリディア(パーフェクトリディア)加入後のハブイルの塔からの地上の修羅の国ことエブラーナ近辺、同洞窟

 

ああ、カイン(F F4伝統の裏切り者)が活躍する封印の洞窟もありましたかねぇ?

 

終いには月ですよ、月!

 

 

そこには最終目的であるリルマーダー(ライブラ厨)がいる訳ですが、他はレッドブルー両ドラゴンやぎんりゅうときんりゅう。あんこくまどうしやつきのめがみにまじんへい

 

 

こんなの絶対おかしいよぉっ!!

 

と思わず嘆きの声を上げる程度には鬼畜レベルでしょう

 

 

 

ラスダンに至ってはベヒーモス(カウンター厨)フェイズ(リフレク厨)が跋扈しており、その辺りを余裕で撃破できるセシル一行はやはりレベルがおかしいと思うのです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて問題です

 

 

これから物語が進むにつれてそれ相応に成長するセシル一行と良くてファブール付近までしか遠征出来ない私が、どうやって接触できるでしょうか

 

 

 

 

 

普通にやれば無理ですね

 

 

何せ、セシル達はバロンに戻った後は移動手段が飛空艇となり、文字通り雲の上の人となりますから

 

更にアガルタで地底世界への入り口を開けば、セシル達は地底世界の闇のクリスタルを守りに行きますし、その後魔導船にて二つ目の月に行く訳ですからね

 

 

さて、今後セシル一行が地上で行動するのは何処でしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まぁ、エブラーナ(修羅の国)でしょうね

 

 

とはいえ、幾らこの辺りで余裕をかませていたとしても修羅の国においては雑魚も同然

いえ、それ以下でしょう

 

 

でも、物事には順序というものがありまして

 

 

 

原作的にはファブールから試練の山

試練の山からバロン地下水道

バロンからトロイア。更に磁力の洞窟

磁力の洞窟からゾットの塔

その後、地底世界

戻ってからいよいよエブラーナに至るわけでありまして

 

 

つまり、自分はチャート的には試練の山、バロン地下水道、磁力の洞窟、ゾットの塔、地底世界、バブイルの塔をスキップする事になるわけです

 

 

 

 

 

無理です(白目)

 

順序的に言えば、ファブール近郊まではどうにかなるでしょう

バロンが襲撃する事により、ファブールの誇るモンク僧部隊は事実上壊滅しますから、再建には途方もない時間がかかると思って間違いない

 

その様な状況で、ファブール近郊だろうとも迂闊に兵を派遣する余裕などないでしょうからね

 

勿論、治安維持の為に最低限の兵は出すでしょうがサンドウォーム(リンゴ配給係)一対一(サシ)で倒せる今の自分であればヤンレベルの相手でもなければ早々負けないはず

 

 

メタ的な考えをするのならば、ファブールが軍事力的に再生するのはヤンの娘であるアーシュラやセシルとローザの息子セオドアがそれなりに成長する頃ですから、早くても15年位は猶予があるはず

 

 

ファブールへはホブスの山を越えれば良いので、多分問題ないでしょう

 

山中に取り分け危険視すべき相手は居なかったはずですからね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼は忘れているが、確かにバロン襲撃によりモンク僧部隊『は』壊滅的打撃を受けた

 

 

 

この傲慢ともいえる考えを彼は少し先の未来で後悔する事となるのだがそれはまた別の機会に語ろうと思う

 

 



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 どうすんの?これぇ

という訳で何故か書けたので投稿してみる


バロン王国飛空挺師団『あかいつばさ』を動員したファブール攻撃はバロンの思惑通りにおおよそ進んだ

 

 

飛空挺による爆撃により、ファブールの残存していたモンク僧部隊に痛撃を与え、ファブール側に篭城を強いた

 

加えて、以前より潜ませていた手のもの(魔物)により城内より解錠させ、バロン海兵隊を投入

今なお、ベイガンやゴルベーザはてはバロン国王に不審を抱いていた彼等を同じくバロンに不審を持つセシル達にぶつける事で王国内の反国王派とでもいえる潜在的脅威を排除する事に成功する

 

 

実は海兵隊指揮官自体既に国王への反逆の咎により処刑しており、順次隊長クラスについては魔物へとすげ替えていたりしていた

それでも一般兵の中には現在のバロンの方針に不満を持つ者が多く、下手に彼等を始末した場合、表立ってこそ恭順している者達からの反発が予想されていた為にこの様な回りくどい手段を用いたのである

 

 

加えて、バロン最高戦力である『あかいつばさ』についてはさしものゴルベーザ(現指揮官)ベイガン(近衛兵長)であっても容易に首をすげ替える事は不可能であり、彼等の存在はベイガン達からすれば悩みの種であった訳だ

 

何せ、前指揮官であるセシルに反逆者の汚名を着せたとて、彼等のセシルへの信頼は揺らぐ事などなく、主任技師であるシドを投獄した事やセシルの恋人であるローザがバロンを出た事もまた彼等隊員が現体制に危機感を覚えるに十分な理由となってしまったのはベイガン達からすると悪夢でしかなかった

 

セシルの親友であるカイン・ハイウィンドをゴルベーザの副官とし、『あかいつばさ』の掌握に取り掛かろうとしたこともまたベイガン達の思惑と真逆の効果を出してしまった

 

その為、カインが座乗する飛空挺師団はゴルベーザ直属の兵により何とか運用出来ている有様であったりする

 

なお、ファブール爆撃に際してセシルを信奉する古参兵を中心とした者達は爆撃こそしたものの、全てファブール城より外れたとの報告もあるのだが『あかいつばさ』の主任務は敵地に赴いての武力制圧である事からその不手際を謗る事も難しかった

 

 

何せ、バロンの財政最高責任者である大臣は爆撃演習にかける予算の供出を拒否しており、近衛兵長と言っても一武官に過ぎないベイガンや新参者でありあかいつばさ(直属の部隊)すら満足に統制していないゴルベーザに出来る事はなかった

 

 

国王よりの王命として一度発したものの

 

 

我がバロンは軍事国家なれど、いつから騎士の誇りすら投げ出したのですか?

 

と王命をも一蹴している

 

 

 

この結果として抗命の咎で彼は殆どの権限を剥奪されていたが、飛空挺師団付き筆頭技師シドと彼の反発はあかいつばさの運用に影を落としていた

 

 

 

そんな中でのファブール攻略であったが為に、ベイガン達は何とかして実働部隊であるバロン海兵隊だけでも無力化するべく動いたのである

 

 

バロン王国内における反国王派の実質的トップである大臣は現在殆どの権限を奪い、軟禁中

 

本来なら、即刻処刑するのが望ましいのだが、相手はバロンをここまで育て上げた実績を持つ人物であり、国王が信を置いているとされる程である

 

迂闊に始末は出来なかった

 

 

 

 

だが、ベイガン達にとって良い意味での誤算もあった

 

 

セシルの恋人であるローザ・ファレルをゴルベーザが確保したのである

 

 

 

これにより、セシル達は間違いなく此処バロンに来ることが確定した

となれば、後は簡単だろう

 

バロンに誘い込んで、不意をつけば容易に処分できるだろう

 

 

風のクリスタルも手に入った

ベイガンとしては、早々に最後のクリスタルを保有するトロイアに手を出す事も視野に入れたかったが、肝心のトロイアの情報がベイガンの元にはなかった

 

 

当然だろう

 

彼はバロン王国軍近衛兵長であり、いわば国王の身を護る最後の盾である

対外的な権限などあるはずもない

 

 

 

加えて文官の殆どは大臣派であり、大臣はダムシアン爆撃が決定されて直ぐに彼等文官を城から出している

 

 

 

故に対外的情報を持つのは他ならぬ大臣のみというベイガンやゴルベーザ、国王からすれば好ましくない状態となっていた訳だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とはいえ、海兵隊とあかいつばさのセシル派の者が大臣の身を護る数少ないものであり、その片翼がもがれた以上大臣に対する処刑が早まるのも時間の問題といえるのだが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暗黒の剣では真なる邪悪には打ち勝てぬ

 

 

セシルはファブール王の言葉を思い返していた

 

 

バロンによるファブール襲撃により多大な犠牲を出し、その上親友のカインがその指揮をとっていた

 

その事実はセシルを打ちのめしている

加えて恋人であるローザもゴルベーザの手中に落ちてしまっている

 

 

状況はファブールの支援があると言っても余りにも良くないだろう

 

 

現在、ファブール王とヤンの口添えもありファブールから船を出してもらい海路にてバロン近海まで侵攻している

 

確かにセシルが自身で言った通り、飛空挺師団を有するバロンは海上戦力は『比較的』手薄

だが、セシルは親友のカインの豹変ぶりといざと言う時、カインと戦えるのかについて迷っていた

 

 

状況は待ってはくれない

だが、それでもバロン王国で共に過ごしたカインが敵であるという事実。そして祖国であるバロンに剣を向けねばならない事はセシルに大きくのしかかっていたのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

セシル

 

 

ああ、ギルバートか

 

 

そんな苦悩するセシルにダムシアンの王族唯一の生き残りであるギルバートは声をかけた

 

 

 

 

やっぱり祖国に剣を向けるのは辛い、だろうね

 

そう、だな

 

 

 

セシルはそう返答したが、ギルバートの気持ちを考えると更に気持ちが落ち込んでしまう

 

ダムシアンはバロンにより、その平和を砕かれた。更に軍民問わずバロン兵により虐殺されダムシアン城にいる市民は僅か十数名という有様だった

更に目の前にいるギルバートの恋人でテラの娘でもあるアンナを喪い、ダムシアンが代々守護してきた火のクリスタルも奪われたのである

 

 

 

 

バロンが来なければ私達は幸せに暮らせていたのに!!

 

 

バロン襲撃の数日後、ファブールを後にしようとしたセシルにぶつけられた言葉だった

 

 

 

 

 

儂等はお主を恨まぬよ

とはいえ、これからどうやって生きていくのやら。こんな老いぼれが生き残って若い者達が沢山死んてもうた

 

 

ダムシアンの回復のツボのそばまで避難できた老人はそう嘆いていた

 

 

 

 

 

セシル自身もまたあかいつばさの隊長として、ミシディアで数多くの魔道士達を捕らえ、水のクリスタルを奪っている

 

 

あの頃自分にもう少し勇気があれば

 

 

今となっては悔やんでも悔やみきれない

 

 

 

 

 

セシル

考える事も悩む事もあると思う。だけど今はやめた方がいい

 

 

そんなセシルの苦悩を見てとったのか、ギルバートはセシルにそう声をかける

 

 

確かに僕の祖国ダムシアンやリディアの故郷、ヤンの祖国ファブールもバロンによって被害を受けた

けれど、だからと言って君が全てを背負い込む必要はないんだ

バロンの暗黒騎士は確かに君だ

だけど、君はバロンそのものではない

 

 

王族として、人を見る目は養われてきたギルバートからすれば今のセシルはとても危ういバランスの上に立っていると見えた

 

 

 

 

・・・そうだな。ありがとうギルバート

 

 

この漆黒の鎧を纏う友人にせめてもの安息を

 

力なく笑おうとするセシルを見てギルバートは内心神に祈った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、そんなセシル達を嘲笑うかのように

 

 

 

 

 

 

 

 

な、なんだあれは!?

 

 

船の前方を見ていた船員が大声で叫ぶ

 

 

 

まさか!?

 

本当にいたってのか!

 

大海原の主!!

 

 

 

 

 

 

大海原を征く船の前方に大渦が出来ていた

 

 

そして、その底から出てきたのは紫色の巨躯を持つモノ

大海原を征く船人達が古くから言い伝えてきた災い

 

 

 

 

 

 

あれが

 

 

リヴァイアサンだ!!

 

 

船長が大きな声をあげた

 

 

 

 

 

リヴァイアサン

 

それは海原を根城とする者達が何より畏れるもの

 

 

 

その身はどんな船より大きく、リヴァイアサンに出会った者は余程の幸運がなければ生きていない

 

 

この時代の船の動力は風と人力であり、そうであるからリヴァイアサンの引き起こす大渦から逃れる(すべ)は存在しない

 

 

生きていられるとすれば、遥か遠くからリヴァイアサンを見た者のみ

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな脅威が現実のものとして、目の前に現れたのだ

 

 

船員達の動揺も無理なかった

 

 

 

 

 

 

 

おめーら、落ち着きやがれ!!

 

 

船長は自身の責務、つまりファブールの要人であるヤンやその友人達をバロン近くまで送り届ける事を思い出し、何とか事態を収めようと声を張り上げた

 

 

しかし悲しいかな。海に親しんだ者ほど海への畏敬の念は強く、まさに海の伝説と言っても過言でないリヴァイアサンを前にしている。その事実は船長から負担の落ち着きを奪い去っていた

そうであるからこそ、彼の声もいつもの威厳ある声とはなり得なかった

 

 

 

 

それでも彼等は熟達した海の男たち

どれだけ揺れようが、海に落ちる下手はしない

 

 

 

 

 

 

だが、この船には海に慣れていない者たちが不幸にもいたのである

 

 

 

 

 

きゃあっ!

 

激しい揺れにバランスを崩したリディアは船の外縁に転がってしまう

無理もない

リディアの生家は山間部にあるミストの村。海に行くためにはカイポ周辺の砂漠を経由せねばならず、幼い彼女にはその様な機会は訪れなかった

加えてこの船に乗り込んでいる者達の中で一番幼い事も悪い方へと作用した

 

 

 

リディアッッ!

 

ギルバートはリディアを助けようと慣れない揺れに翻弄されながらも、彼女の所へと駆けつけようとした

 

 

そう

リディアのいる船の外縁(・・・・)へと

 

 

 

 

そしてその時は無慈悲に訪れた

 

 

 

 

うわぁっ!

 

 

!ギルバート!

 

 

 

 

リディアを助けようとしたギルバートは突如として起こった横揺れに翻弄され、転倒した

 

 

 

更に

 

 

きゃあっっ!!

 

 

急な揺れにリディアが荒れ狂う海へと落ちてしまったのだ

 

 

 

 

 

リディア殿っ!

 

 

リディアを助け起こそうとしていたヤンは迷わず海に飛び込んだ

 

 

 

 

 

ヤンッ!

 

 

ギルバートッ!

 

セシルもまた転倒し、意識を失ったギルバートの元へと辿り着いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、それが限界だった

 

 

 

 

船を支える竜骨が折れ、船底も抜けてしまった事によりセシル達を乗せていた船は大海原に沈んでしまったのである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うっ

 

セシルは頭の鈍い痛みを覚えて目を醒ました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、ようやくファブール周辺にたどり着いたゴブリンは困惑していた

 

 

 

 

どう言う事だよ?

 

 

バロンに襲撃され、残存する兵力などないと思っていたファブール

彼はその近辺で魔物を討伐していたのだが目の前で壮年の男性が無双していたのだから

 

 

 

いやいや、おかしいだろ!

これRPG(ロープレ)ですよね!?何で1人無双ゲーやってんのさ!?

 

 

声ならぬ声を内心あげているゴブリンであった

 

 

 

 

 

 

 

ふぅ、やはり身体が余り動かぬか

やれやれ長い国王生活で私も鈍ったという訳か

 

 

明らかに魔物をあっさり駆逐していた男がいたのである

しかも、まだ所々に包帯を巻いているのに、だ

 

 

男はファブール国王

彼とて、国王の地位に就く前はモンク僧長をしており、いわばヤンの先達にあたる人物である

 

 

 

 

 

 

ファブールとエブラーナは距離こそ離れているが、共に武を重視する国家であった

 

ファブールは修行というものを経て精神面での鍛錬に重きを置き、エブラーナは敵に察知されぬ隠密性に重きを置いた

 

 

 

というのも、ファブールは風のクリスタルを守護し尚且つ同盟国であるダムシアンの火のクリスタルをも時によっては守護してきたという背景があった

 

 

 

クリスタルというものは世界の象徴としてファブールには伝わっており、いわばファブールの戦士達は世界を守っているという考えがあったとしても不思議ではない

 

そうであるからこそ、その責に恥じぬ精神を鍛えようとし結果として成立したのがモンク僧という職業だった

元々武僧というものであったのだが、時の国王自らホブスの山に向かい修行した結果後に続くものが現れ始めた

 

 

一方のエブラーナでは常に強力な魔物の脅威に晒されており、尚且つエブラーナの洞窟より地下世界からの魔物が頻繁に現れていた事が理由であった

 

如何に実力が高かろうとも、ほのおのけものやおになどと常に戦い続ければ、どんな凄腕の者であっても不覚を取ることはあり得た

エブラーナでは良質な鉱物資源は希少であり、かの有名な魔法金属(ミスリル)を手に入れる機会は殆どなかった事もあり、他の地域とはそれこそ隔絶したレベルの魔物を常に相手取る事からも一撃離脱を是としたのである

 

更に言えば、エブラーナの民の避難場所として機能させていたエブラーナの洞窟もまた危険であった

ただ、洞窟である事から身を隠す場所に事欠くことはなく、自然と隠密行動ができる様になっていった

 

結果として一撃離脱と隠密行動を得意とするスタイルがエブラーナにおいて確立され、更に物資があまり多くないエブラーナの事情と相まった結果と『忍者』もしくは『忍び』というものが成立した訳である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ファブール国王視点

 

 

しかしおかしなものよ

 

国王は内心首を傾げていた

 

 

ファブール城下は大打撃を受けており、主力であるモンク僧部隊も壊滅した。

その結果、常に欠かさず実施していた城下周辺の魔物の間引きも行なうことが不可能となってしまう

 

であれば、今までの経験から言えば魔物が大挙してファブールへと襲撃している筈

 

 

にも関わらず、その兆候が見られないのだ

 

 

 

国王自身も襲撃により負傷していたが、なんだかんだ言っても元モンク僧の長であった身

 

鍛錬自体にかかる時間こそ減ったものの、現モンク僧長であるヤンとの組手などでその密度は高かった

 

その為、動けない者達よりもリカバリーは早かったのである

 

 

 

もっとも、侍従長はかなり難色を示していた為に代わりに政務の代行を命令していたりする

 

若い頃は横紙破りばかりしていた彼であった故、それを知る者達は

 

 

 

嗚呼、またか

 

 

程度で済ませていたりする

若き頃の王を知らぬ者は顔色を変えて止めようとするが、年長者から国王の行動(奇行)の話を聞くことで止める機会を逃してしまった

 

 

なお

 

帰ったら覚えておいてくださいよぉぉぉっっ!!

 

と侍従長の声が響き渡っていたのだが、それこそファブールにおける日常の一部ともいえるやり取りなので悲しいかな、誰一人として気にも留めていなかったりする

 

 

 

 

 

 

その国王は実力こそ確かに現役時に比べると明らかに衰えはしたが、それでも精兵揃いのファブールの中で今なお上位に位置していた

 

 

でなければ、ファブール周辺とはいえ城から出る事を認められるはずもないのだが

 

 

 

 

 

だが、国王やファブールの人間が予想する程に魔物は多くない

 

それがかえって国王である彼に違和感を強く感じさせていたのである

 

 

 

 

 

 

 

む?

ゴブリンだと

 

 

そんな国王の眼に異質なものが映った

 

 

 

ゴブリンである

 

多少一般的なゴブリンに比べると違和感は拭えないが、少なくともファブール周辺に生息しているドモボーイとは見かけこそ似ているものの異なる

ドモボーイはゴブリン族の一種であり、ゴブリンの纏う装飾品は緑で統一されているのに対してドモボーイは赤で統一されている特徴がある

 

 

少し遠くにいるゴブリンは纏う服などはくすんだ赤色。いや最早あれは紅色といってもおかしくはないだろう

更に言えば、全身ではなく一部にはゴブリンの証である紅色に染まっていない緑の部分が残っているから彼はゴブリンであるとの推測が出来たのである

 

 

 

だが、それでも

いや、そうであるからこそその異質さが一層際立つ

 

 

ゴブリンは側近から聞くところによると、ファブールから遠く離れたバロン近辺やカイポの南西にある山間部のミストの村周辺にしか生息しない

 

 

魔物は本能に忠実である

それ故に、己が生息域を出る事など彼が知り得る限りあり得ない

 

ゴブリン族の場合だと、装備している棍棒や粗末なものであり当然だが格上の相手をした場合だとへし折れるだろう

 

 

 

そもそもゴブリン族の上位種であるドモボーイが雑魚扱いされているファブール周辺にそれ以下の実力しかもたないはず(・・)のゴブリンが存在している事自体が異常事態でしかない

 

 

しかも、その周りにはガトリンガやコカトリスの亡骸が転がっている

 

その亡骸には明らかな殴られた跡があり、ゴブリンの持っている棍棒ではなく石の棒、あえて石棒とでもいうものには鮮血がついていた

 

 

 

つまりあのゴブリンはガトリンガやコカトリスを独力で制したということになる

 

 

 

 

 

 

 

国王とて、40年ほどファブールで過ごしている

 

その中においてこの様な事態は一度として起きたことはない

 

 

 

 

 

 

故に彼は即断した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

え、なんかあの人こっちに来るんですけど?

 

ゴブリンは戦慄した

 

 

 

かなり離れた所にいる人物が魔物を蹴散らしながら、こちらへと一直線に向かってくるのである

 

その圧たるや尋常なものではない

 

 

確かに彼もこの辺の魔物を倒す事は容易に出来よう

だが、路肩の石を蹴るが如く対処出来ている此方に迫ろうとする人物(人外)に叶うとは微塵も思えない

 

というか、かの者からすれば遠目にしか見えない位には距離を置いていたのに、明らかにあちらはゴブリンの存在を認識している動きであった

 

 

 

 

 

脳内会議

 

 

ゴブリン1

さて、どうしようか?

 

ゴブリン2

自殺志願者や破滅願望持ちでもない限り、撤退一択では?

 

ゴブリン3

あんなバグキャラ相手にしていられるか!

俺はホブスの山にかえらせてもらう!

 

 

 

いや、ホブスの山はゴブリンの家じゃない!

とツッコむ余裕もない脳内会議である

 

 

 

 

 

 

 

逃げるか

 

 

当然のように彼は逃げを選択した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

逃げた、だと?

 

 

国王はゴブリンの動きを見て衝撃を受けた

 

 

 

確かに高位の魔物ともなると、明確な意思を持つと聞いた事がある

 

だが、ファブール周辺にある魔物にそんなものがいたという記憶や記録も少なくとも国王である彼の知る限りでは存在しなかった

 

 

 

ゴブリンはここら辺の魔物に比べたなら、圧倒的に格下である

 

そのゴブリンが理性的な行動をとったのであるからして、国王である彼の受けた衝撃は途轍もないものとなった

 

 

 

 

 

 

 

だが、幸か不幸かこの情報がセシル達に齎されるのにはセシル達がゾットの塔にてローザを救出し、親友であるカインと再び合流した時までの時間を要する事になる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんだあれは、たまげたなぁ

 

内心では混乱しながらもゴブリンは只管ホブスの山に向かっていた

 

 

なお、その道中において遭遇した魔物たちは例外なく彼の成長の糧(経験)となっていたが、最早然程の意味をなさなかったりする

 

 

 

 

 

メタ的な事になるが、彼がこの地域に留まり続ける限りセシル達との差は開く一方だろう

 

セシルはこれから試験の山、トロイアから磁力の洞窟。更にローザを助けるべくゾットの塔。その後、地底世界へと降りてバブイルの塔へ至る

 

それから漸く地上最後の城であるエブラーナに向かい、同地の洞窟を経て再度バブイルの塔。そして月へと至る事になろう

 

 

物語的にはそれこそファブールは序盤に過ぎず、敢えて言えば地底世界位から中盤と言ってもいいだろう

なお、最終パーティが揃うのはモロ終盤というとんでも仕様なのがFF4(この世界)であるが、それは仕方ない

 

 

そして何よりもゴブリンからすると困るのが、セシル(主人公)が暗黒騎士よりパラディンにクラスチェンジする事であった

 

 

いうまでもないが、此処はゴブリンやセシル達にとって現実である

となれば、レベルリセットされたとしてもそれまでの経験は無くならないだろう

 

とはいえ、推測ではあるが身体能力の一時的低下や今まで培ってきたスキルなどが使用不能となる事でセシルの戦闘能力は明らかに低下するだろう

 

 

それに適応するために試練の山で鍛える事になるだろうことはほぼ間違いないだろう

時間を費やせば費やす程にセシルの余裕は失われる

となれば、バロンに戻ってからのセシルに精神的余裕は恐らくなくなるだろうし、カインやゴルベーザもそう誘導するはず

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バロンに、戻る?

 

 

ゴブリンの中で一つの考えが生まれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

賢者テラは試練の山にいた

 

 

愛娘アンナの仇討ちの為にバロンへと乗り込もうとしたものの、既にバロン兵は人ならざる者へと多くの者が変質していた

 

残念ながら、衰えが見えていたテラでは如何に賢者という肩書きがあったとしてもその状況を一変させることは叶わなかった

そこで、嘗て魔法の修行にて足を運んだことのあるミシディアの言い伝えを思い出して此処試練の山に来ていたのである

 

テラは既に高齢であり、魔法。特に相手を攻撃する高位の黒魔法を使うには余りにも負担が大きすぎたのである

 

 

確かに若き頃のテラは最上位魔法であるファイガ、ブリザガ、サンダガをも操ることが出来ていた

 

 

だが、黒魔法とは相手を傷つけるものである

高い知性や理性を以て攻撃的衝動を抑え込み、それを魔力と併せ形とする事で初めて魔法として相手に作用する

 

逆に白魔法は高い精神と慈愛の心を併せ持つ事により、殆どの白魔法を行使することが出来るのである

 

 

 

如何にテラの技量が優れていようとも、若い頃から高位の黒魔法を行使し続けていた結果、他者よりも精神的摩耗は非常に早かったともいえる

 

加えて現在のテラはバロンのゴルベーザに対する明確な殺意を持っておりその感情、いや激情は凄まじいまでの攻撃的衝動としてテラの精神に強く根ざしていた

黒魔法とはその衝動を如何にコントロールするかこそが肝要であり、テラはその激情を最早抑え込もうともしていない

 

元々衰えの見えているテラの精神にとってそれは激毒でしかなく、如何に優れた知性を持っていたとしても理性の面においてテラは非常に危ういバランスの上に立っているといえた

 

 

であるからこそ、テラの無意識は彼に中級魔法(ラ系魔法)までしか使わせない様セーブをかけていた

そうでなくば、テラの精神が保たないのだから

 

 

 

 

だが、テラにとって愛娘であるアンナの仇であるゴルベーザを倒す事は何よりも優先すべきことであり、それこそ我が身を惜しむ理由にはなり得なかった

 

 

試練の山の試練とは(アストラル体)に過剰な負担をかけることでその者の眠っている才能を無理矢理引き出す事にあった

 

 

当然の事だが、それは若ければ若い程良い訳であり、テラの様な高齢の人物にとってはハイリスク極まるものである

 

 

だが、それでもテラはゴルベーザを倒す手段を求めていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嘗て己が壊した生活のツケをセシルはミシディアで支払う事となっていた

 

街中で魔道士達に話しかければ、返ってくるのは憎悪や怨嗟に満ちたものばかり

 

 

勿論、セシルとしては当然の事であると受け入れていたが、それがまたミシディアの者達の憎悪を燃やしてしまう

 

 

 

 

 

 

 

あかいつばさの指揮官としてセシルはミシディアにある水のクリスタルを手に入れるべくこの町を襲撃した

 

 

魔道士達は魔法で抗う事も出来たのに、彼等は魔法を使う事なくあかいつばさの者たちにより次々と捕縛されていった

中には激しい抵抗を見せる者もいたが、それはその場で処断する他なかった

 

 

結果として水のクリスタルを手に入れた訳だが、当然ミシディアの民には深い傷をつけることになる

 

 

 

であるからこそ、彼等彼女達はセシルに対して負の感情をぶつけずにはいられないのだ

 

 

バロンに連行された魔道士達はバロン王国の法により裁かれる

だが、バロン王国の法においてミシディアの魔道士たちは魔法を行使していなければ『市民』として扱われる事になっている

それはミシディアの長老であるミンウも理解しており、バロン側もひと月程の勾留の後にミシディアへ送還すると通達していた

 

ところが、ひと月以上経つ今になってすら誰一人としてミシディアに送還されていないのである

 

つまり、バロンは約束を破ったという事だ

 

 

 

 

因みにこの件は本来、大臣扱いの件であった筈が地下牢に繋いでいる時に魔道士の魔物化という悍しい実験の材料とされていた

勿論、大臣にはなんの報告もなく

 

当然その様な報告がなされない以上、書面上はミシディアの魔道士達は地下牢にいる事になっている訳であり、それを確認する事は大臣の職務として間違っては決していなかったのである

 

 

 

とはいえ、その様な事が発覚する事を恐れたベイガンは大臣を偽りの罪状にて拘束するしかなかった

その頃にはバロン城内に不穏な空気が漂いつつある事を朧気ながらに察知した大臣により、王国の政務に携わる者達の大部分が城から出されていたのだが

 

 

結果、政務という最大の武器を手放した大臣を拘束するのにはなんの支障もなかったという訳でもある

 

 

 

 

勿論、あまりにも突然の事であった為にミシディア側への連絡は為されておらず、それがセシルに対する風当たりの強さにつながってしまうのであるが

 

 

 

 

その後セシルはミシディア長老ミンウに会い、試練の山の試練を受ける様に促される

 

ミシディアの民にとって、試練の山の試練を突破するというのは非常に大きなものでありセシルへの風当たりの強さを弱める事も出来るだろうというミンウなりの考えであった

 

セシルには案内(監視)役としてパロムとポロムという双子の幼い魔道士が着いて行く事となる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、バロン王国あかいつばさ指揮官である筈のゴルベーザはバロンを離れとある場所へと来ていた

 

 

 

 

 

セシルめ。試練の山に挑むか

 

ゴルベーザは苦々しく呟いた

 

 

暗黒の剣を振るうセシルであればゴルベーザにはその剣は決して届かない

 

だが、セシルは試練の山に向かっているとの事

 

 

可能性は決して高くはないが、セシルがパラディンになる事もあり得よう

パラディンとは高潔な精神と挫けぬ心を持つ騎士

かつてのセシルであれば不可能であっただろうが、今のセシルであれば不可能とは言い難かった

 

となれば、危険である

 

 

 

ゴルベーザ様、セシルは私が

 

 

黙れ

ファブールでの失態を忘れたか?お前はローザの監視をしておれば良い

 

 

 

セシルに激しい対抗心を燃やしているカインはゴルベーザに申し出るも、ゴルベーザは一蹴した

 

ファブールにおいて、セシルは敵となってしまったカインに動揺していた為に大した抵抗が出来なかった

はっきり言おう。あれでカインが勝ちきれなかった事でゴルベーザはカインを見限ったのだ

 

セシル(ライバル)に勝ちたい

そうカインが願うからこそ、態々ファブール攻略部隊の臨時指揮官に据えたにも関わらず

ローザ(密かに想う女)に惑わされ、千載一遇の好機を逃したのだ

 

 

 

 

・・・・はっ

 

 

うむ

スカルミリョーネ!!

 

 

 

不承不承返事を返すカインを気にも留めずゴルベーザは配下の1人を呼んだ

 

 

 

は、土のスカルミリョーネここに

 

 

誰もいなかった筈の空間に赤いフードを纏った男がいた

 

 

スカルミリョーネよ

セシルめが試練の山に向かっている

 

試練の山?

では奴はパラディンになろうと?

 

 

スカルミリョーネは慎重な男であり、セシルの事を調べ上げていた

故にセシルの中にあるパラディンの可能性を彼もまた感じ取っていたのである

 

 

そうだ

だが今の奴であればお前のスカルナイト達には無力だろう

 

 

はっ

セシルめを我等が仕留めてご覧にいれましょう

吉報をお待ち下さい、ゴルベーザ様

 

 

任せる

 

 

 

 

 

 

スカルミリョーネは今でこそモンスターと化しているが、人間であった

 

 

だが、彼は凄腕のネクロマンサー(死霊使い)であったにも関わらず、人々から迫害され続けた

 

そんな中で唯一彼に手を差し伸べたのがゴルベーザであり、人の身ではゴルベーザの役に立たぬと思った彼は自らの身をモンスターと化す事を決めたのである

 

 

ゴルベーザ配下にはスカルミリョーネを含めて4人のまとめ役がいる

残虐性を持つ者。ゴルベーザを想い慕う者。武人として更なる高みへと登ろうとする者

 

 

スカルミリョーネからすれば、敬愛するゴルベーザが仮に自身の事を捨て駒として見ていたとしても何の問題もなかった

 

彼はゴルベーザによって救われたのだ

であれば、その大恩に報いる為ならばモンスターとなろうが捨て駒となろうがそんな事(・・・・)などどうでもいい

 

 

 

例えゴルベーザが間違った道を歩んだとしても、スカルミリョーネはその道を切り拓く為の(きっさき)となるだけなのだ

スカルミリョーネはゴルベーザよりも後に滅ぶ事など望んではいない

 

 

 

ただあのお方が生きてくだされば良い

あのお方に危害を加えようとする者がいるのであれば、スカルミリョーネはその全てを賭けてでも滅ぼすまでなのだから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうも、ゴブリンです

 

今現在私は困っています

 

 

 

何でかというと

 

 

 

何でお前らついてきてんの!?

 

 

 

ゴブリンの後ろにはドモボーイやガトリンガ、ボムやペイニーボムにコカトリスやスピリット、スケルトンにガーゴイルがついてきているからであった

 

 

はじめはホブスの山近くでドモボーイとガトリンガの二匹?が何故か着いてきた

 

その後、ホブスの山の山頂でボムとペイニーボムが。ダムシアン側の入山口でコカトリス、スピリットにスケルトンとガーゴイルが後ろから追いかけてきたのである

 

 

これでは魔物による大名行列の様なものであり、百鬼夜行とも言えるだろう

 

 

とはいえ、ガーゴイルやコカトリスのお陰でダムシアン方面へと無事に移動できたのも事実なのではあるが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いや、どうすんのさこれ?

 

 

 

 

 

 



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