冷徹将軍が斬られるッ! (帝都兵F)
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プロローグが斬られるッ!

頭に浮かんだ物を書き殴りました。めちゃくちゃ楽しかったです。


 皆はアカメが斬る! って名の作品を知っているだろうか? 

 帝都と呼ばれる大都市で巻き起こる圧政や癒着やらと色々と暗い部分に反抗……って言うか反乱するナイトレイドと呼ばれる集団の物語だ。

 主人公は辺境の村から名を上げて大金を稼ごうと考える、割と純粋無垢な少年タツミ。そんでもってそのタツミのヒロインが────まぁ沢山いるのです。そしてその一人が彼女、エスデス。

 

「ハァ……」

 

 彼女は見た目こそ可憐で美しくそれでこそ令嬢や美しき姫と言っても過言ではないのだが、実際は見た目とは正反対な性格で帝都最強と呼ばれる女将軍であり、冷徹無情。敵味方関係なしに慈悲など与える事も無く、サドな性格をしている彼女は大変恐れられている存在だった。

 彼女の始まりは北の辺境地で暮らしている部族、狩猟民族パルタス族出身であり生まれながらの殺戮者であった。

 だからこそであろう彼女の実力は作品通しても随一を誇っており、ヒロインの1人でありナイトレイド最強の人物であるアカメに倒されるまでは最強であった。

 

「えっと、蛮族──じゃなくて北の異民族退治に一か月とし逆算して帝都に帰れる時間は────こ、これだけか……」

 

 そんでもってその超危険人物の彼女として転生しちまった哀れな転生者が俺だったりする。ってか何でこんな事になったんだか……

 

「ハァ……さっさと将軍なんて辞めてお家帰りたい」

 

 俺は山と積まれた書類に目を通し、最低限必要な物にサインしながら過去の記憶を思い起こす。

 始まりはさっきも言った北の辺境地から始まる。俺として目を覚ました年齢は5歳ぐらい。親父に連れられて危険種と呼ばれる魔物の狩りに出かけたと時だ。弓と片手剣……って言っても子供の体では大剣ほどある大きさの物を下げて敵の首を吹っ飛ばし、それが俺の頭に思いっ切りぶつかって脳震盪を起こした瞬間だ。

 

「おいエスデス、大丈夫か」

 

「え、えぇお父様。私は大丈夫、問題ありません」

 

 いや、問題あり過ぎなんですが。

 返り血べちょべちょ。血生臭すぎる匂いに鼻が曲がりそうな状態で目覚めた俺に最初に浮かんだ感想はそう、不快感だ。

 これまでこの感覚を楽しんできた俺だったみたいだけども前世の記憶を思い出して価値観が変わってしまった今の俺には唯々不快。それでも生きるには食ってかなきゃいけないので狩りを頑張って行い続け、馴れた頃には一年が経っていた。

 その頃には村の暮らしにも馴れ────って言っても闘争本能の薄れた今の俺はかなりの異端だった為に爪はじき者扱いされていたけど親父とはかなりいい関係に成りつつあった日々を過ごし六歳に。そのお陰かある日の事、そろそろ1人で狩りに行っても良いと親父に許しを受け、初めて一人で狩りへと出かけた。その結果、割と大物が取れていつもお世話になってる村の人にも分けてあげないとなぁーなんて考えながら村へと帰るとそこには燃え盛る村がそこにありさぁー大変。その時の俺はどうなったかだって? そりゃ……怒り狂うよなぁ? 

 

「もし、そこのお方」

 

「あ? まだ生き残りが────ッあが!」

 

 それからの俺の行動は早かった。必要最低限の荷物だけ身に付けると村を狩場と見立て、暢気に立って居た村に火を放っている獲物を切り裂く。具体的には持っていた矢を敵の喉へ突き刺し、解体用のナイフで心の臓を一刺し。普段から危険種相手に同じような事をしていたからか、俺の動きは比較的スムーズで事務的だったと思う。

 

「────仇とは思わん。ただ私が気に入らないから殺した、ただそれだけ……」

 

 コレが俺にとっての最初の殺しにて始まりの殺し。これから俺の中の何かは変わり、人を殺すのに抵抗が無くなっていた。

 慣れ親しんだ村の地理は完璧に把握している。後はそれを生かして効率良く、唯々効率良く外敵を見つけ出して確実に殺すだけ。燃え盛る建物の天井を伝って自分で言うのも何だか、暗殺者のように立ち回り確実に殺して殺して殺しまくった。

 

「や、やめ──」

 

「────お前はそう命乞いをした女子供相手に慈悲を見せたのか?」

 

「あ、あぁ! 俺は誓って女や子供を殺しては────ッガハ!」

 

「答えは否だ」

 

 命乞い? 俺はそれに聞く耳を持たない。慈悲? 残虐に俺の暮らしていた村人を殺した相手に必要はない。全てを殺しつくした後に残ったのは虚しさと悲しさ。あぁやっぱり人を殺すのは嫌だけど強いて言うなら嫌なだけなんだよなぁ……

 前世との価値観の違いを改めて実感しながら俺は────泣いた。家族や村人たちへの死を思う気持ちと本当に自分が変わってしまったと気付いた事への不快感で。

 

 その後村に散らばる元々村人だった無残な遺体を回収、埋葬。一件一件に断わりを入れながら旅に必要なに荷物をかき集め、俺は旅に出た。道中色々とトラブルに巻き込まれながらもなんとか解決し各地を放浪、最終的には大陸最大の都市である帝都に行きついた。そんでもって働き口が無きゃ食って行けないので手っ取り早く安定したお給金がもらえる兵役へ。その後なんやなんやかんやとトラブルに見舞われながら、割と頑張って解決して行ったら強力な武具をもらい何故か将軍の立場に……ハァ、ホント何でこんな事になったんだか。

 

「えっとこれは後回しでこの書類を記入。あ、でもコレの内容は前に見た時と計算が合わないから突き返すか……大元辿って犯人を見つける手配もしなきゃなぁ。……俺の目の届く範囲での不正は流石に許せねぇよなぁ」

 

将軍になったからわかるけどこの国不正とか陰謀あり過ぎでしょ。ちょっと書類を探るだけでも横領が一つ二つ見つかるし、これもあのショタ皇帝を裏で操るクソデブの影響なんだろうなぁ。

 

「ハァ……いっその事反乱軍へ下ろうか」

 

でもなぁ、前に戦場へ赴いた時あのクソデブこと大臣に騙されて反乱軍を大量に殺しちゃったからなぁ……伝手も無いからどちらにしても難しい、か。

ま、現在反乱軍モドキを組織内に作ってる最中だから最終的に下部組織として組み込んでもらえばいっか。

あぁ~、それにしても書類地獄キツイんじゃぁーっと書類を書き書きしていたらコンコンと俺のオフィスの扉からノック音が。

 

「誰だ」

 

「私でございます、エスデス様」

 

「リヴァか、入れ」

 

入って来たのは特徴的なお髭のチャーミングでかなり渋みの効いた良い声の一見執事のおじさん。そんでもって俺の腹心の1人であるリヴァさんだ。元は軍の中でもかなりの地位にいた人で高潔な人だったらしく、大臣からの賄賂を断ったとかなんかやった結果反乱分子扱いで投獄されていた所を丁度有能な部下を探していた俺の目に止まってスカウトを試みた。割と適当な事を喋ってた結果、何かが彼の心に響いたらしく成功。今に至るって訳だ。

 

「何の用だ? 私はお前を呼んだ覚えはないのだが……」

 

「いえ、最近新鮮な食材が手に入りましてな。どうせならエスデス様にも味わってもらいと思いまして……」

 

「え"」

 

あ、いやな予感がビンビンとするぞぉ~。

彼は基本有能な人で色々と任せて安心な多技能な人ではあるんだけど……料理、これだけは駄目だ。

 

「どうぞ」

 

そんでもって出される料理は見た目こそ普通のスープだ。むしろ透き通った綺麗な色をしていて、それから漂う匂いは書類仕事の影響で昼食を抜いた今の俺には大変食欲をそそるものだ。だけども、それは巧妙に隠されたトラップ。実際はどんな劇物よりも酷い、劇毒すら生ぬるい物だ。

 

「……一応聞く、何の肉を使った」

 

「――に――――で煮込んだ――――ございます」

 

「――――」

 

どんな敵に出会っても怯んだり取り乱したりすることは無いと思うけど、毎度の如くリヴァの出す料理に対しては恐怖心しか湧かない。部下がせっかく作ってくれた物なので食わないって言う選択は俺にはない。でもさぁ、でもさぁ余りにも怖すぎるよ。何で見た目は普通なのに材料が物騒な物ばっかなのさッ! 

 

「……い、いただきます」

 

スプンを手に取り覚悟を決めて、一口。

 

……そうか。宇宙とは、銀河とは、地球とは……全てわかって――――ってやべぇッ!

瞬間、俺は宇宙の全てが脳裏に過り、すべてを悟りそうになるがそれは何時もの事。予め持っていたペンで自分の太ももを刺し、正気を取り戻す。

滅茶苦茶に痛いけどコレはコラテラル・ダメージだ、必要な犠牲って事で目を瞑らないと。

改めて味わうが口に広がるのは言葉に表すのも憚られる物が使われたとは思えない旨味……うん、今回は当たりだったか。

 

「いかがでしょうか? 今回は割と自信作なのですが……」

 

表情こそ変わらないがちょっとした声色で不安そうにしていると分かる。こ、これは何とか答えないと。これからの指揮に影響が出ちまう。

 

「う、美味かったぞ」

 

ホントはもう二度と食いたくないけどね。その後一二言会話をした後に退散してくれるリヴァ。さぁーって残ったこの劇物をどう処理したものか……

 

「あれ? 戸が開いて……あ、エスデス様ッ!」

 

忠実な下部2号ッ! ちょうど良いところに、ねぇねぇニャウ君、コレ食べない? てか、食べろ。

 

「エスデス様。こ、これって……」

 

「四の五の言わずに食え、ニャウ」

 

その後、医務室に1人運ばれたらしいけど俺は知らん。だって書類仕事しまくってたんだからな!

 



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市街地で斬られるッ!

「だから言ってるだろダイダラ。たかがパトロールに護衛はいらない、私1人で十分だ」

 

「だがよぉエスデス様、おりゃ心配なんだよ。過去に1人で市街地回ってどうなったか忘れちまったんですか?」

 

「どうなったか、だと?」

 

 えっと確か一か月ぐらい前に回った時は有り金全部掏られて悲しくなり、その次は貧民街で迷子。んでその次がほのぼのとお団子食べてたら明らかに何もしてないだろう民間人を処刑しかかっていた警備隊長の首を刎ねた……確かこれぐらい? 

 

「ふむ、特に何も問題なかったと思うが……」

 

「いやいやいや。問題大ありでしょうよう」

 

 どうしても付いて来ようとするダイダラを何とか説き伏せるけど……心配し過ぎでしょダイダラ。そんなに俺一人で町に行かせるのは心配か? 

 

「はい。何時かエスデス様が気分を害して町に大規模な被害が出ないか凄く心配ですよぉ」

 

「────えぇ」

 

 まさかの町の心配? いや、確かに掏りに遭った時は怒りの余り町中を氷点下まで下げてしまったり迷子になった時は悲しさの余り一部を凍らしてしまったりと偶に被害出しちゃったけどそこまで大きな事には……

 

「なってますぜ。一回目の時は凍死者が幾人か出ましたし二回目の時はその凍っていた区画の影響で商業の一部がストップしたりとかなりの被害が」

 

「────分かった。知り合いの警備隊の者を呼ぶからお前達の付添は勘弁してくれ」

 

 そっかぁー俺の軽率な行動で死者まで出ちまってたのかぁ……ごめんね。後で犠牲者を調べ付くて賠償金を大量に送りつけてやるから。

 そんでもってその日のお昼ちょっと手前。俺は何時もの格好を一変、何処にでもいるような村娘のような恰好になって下町をゆ~らゆらっと。

 

「ふむ、確かここだったな」

 

 そんでもって向かうは今下町で割と話題な美味しいケーキが売り出されているカフェ。此処は俺が個人的に市場調査の為に放っている密偵から大絶賛だから期待値大。そんでもってここは待ち合わせ場所であるから時間つぶしにケーキを食べててもおかしくはない。だ、だからケーキが食べたいからという単純な理由ではないぞ。違うからなッ! 

 

「ストロベリーケーキ。ふむ、コレはアレだけの評価をするのも納得の味だな。素直に美味しい」

 

 ハムハム美味い、美味すぎる。

 ってか最近リヴァのゲテモノ大百科みたいな味の物しか食ってなかったから確実に味覚がおかしくなってるわ、どーしよ。修正の為にもこれから外食中心の生活にしようかな。そんな風に考えているとドアベルの音と共に元気の良いポニーテールが見て取れた。俺の待ち人が来たようだ。

 

「あ、セデスゥさん。お待たせしました!」

 

 あ、セデスゥってのは俺の偽名。エスデスって名前は変に有名になり過ぎてるから本名のままだと割と面倒なんだよね。

 

「いや、急な呼び出しすまなかったなセリュー。警備隊としての仕事があったのではないか?」

 

「いえいえ私を修正してくれた恩師の頼み、断れるはずがありませんッ!」

 

 そんでもって彼女の名はセリュー何とか、名字は忘れた。だってぇ~この子との出会いって割とビックリ仰天だったんだもん。前に警備隊長の首を刎ねたって言ったじゃん。んでこの子はそん時に殺しちまった隊長の元部下だ。首を刎ねた直後に襲い掛かって来たから色々と教育した結果こうなった。

 だってさ、その時の彼女は何と言うかその……狂信的にあの外道の事を慕ってた異常者だった。その様子にちょっと同情心って言うか可哀そうだなぁ~なんて気持ちが湧いたその時の俺は、ちょっと信頼の置ける手下を使って外道に関しての情報をかき集めて現実を叩き込んでやった。んで正義の概念も滅茶苦茶に歪んでたから色々と修正した結果普通の女の子(物騒)になった。いやぁー概念の修正はかなり苦労しましたわぁ~。途中から自分でも正義って何だろ? ってな感じになってたし。ホント正義ってなんだろね? 

 

「とりあえずはセリューも座れ、此処のケーキは美味しいぞ。私の奢りだ、一つ食べてみると良い」

 

「はい! いただきますッ! わぁ……」

 

 美味しそうに食べる姿はまさに少女その者。だけども、戦闘になるとなぁ……この子すっげぇ変貌するんだよなぁ。あ、ってか何か足りないと思ったらアイツいないじゃん。

 

「そう言えばセリュー」

 

「ハムハム。おいしぃ……ん? どうしましたか?」

 

「相棒のコロはどうした?」

 

「コロですか?」

 

 そう言って取り出すは背負っていた小さなリュック。何の変哲の無いリュックだったが、突然モゾモゾと動きだした。うわぁッ!? き、気持ち悪────って、まさか。

 

「ほら、此処にいますよ。ねぇコロ」

 

「きゅうううう〜〜!!」

 

 そこから取り出すは犬のような、人形のようなモゾモゾと動くそれは明らかに危険種と呼ばれる魔物などとは比べ物にもならないぐらい愛らしさをもっていた。帝具、ヘカトンケイル。正式名称魔獣変化(まじゅうへんげ)・ヘカトンケイル。

 これは帝具と呼ばれる超兵器の一つ。愛らしさを秘める外見とは裏腹にコレ一つ、やろうと思えば簡単に街を複数滅ぼせるほどのポテンシャルを持つヤベェ物、正直超怖い。本気で倒そうと思えば倒せない事もないけど、苦戦は強いられるだろうな。前に暇だからと構想を練った時には帝都半分を犠牲にしなきゃ倒せないって言う結果が出て正直引いた。改めて考えるけどそんな危険生物? を相棒扱いで保有してるセリューはやっぱどっかオカシイんだろうなぁ。頑張って修正したのにまだ歪みがあるなぁ。

 

「こら、コロ暴れないの!」

 

「きゅううう!」

 

 見る分には安全、本気で暴れられたら超怖い。俺が何も知らない村娘程度だったらこの光景も美しく見れたんだろうけれど、全部知ってる俺にとっては猛獣が猛獣相手に絡んでいるようにしか見えない。あーケーキおいちいぃー。

 

「きゅ?」

 

「コロ?」

 

 ケーキパクパク、コーヒーぐびぐびっと飲み食いしてるとトテトテとテーブルの上を歩き、こちらへコロが可愛い歩いて来た。ど、どうしたんだろ。何か俺に変なとこでもあっただろうか? 

 

「なんだ……」

 

「きゅぅー」

 

 見つめる先にはフォークで突き刺したケーキを見つめている。右へ逸らすと視線が右へ動き、左へ動かすと視線が左へ。……なるほど。

 

「食べたいのか」

 

「きゅう!」

 

「ちょっとコロ!」

 

 叱りつけるセリューだけども、それに構わずお目目をキラキラと輝かせながら涎を垂らしている。

 でもなぁ~、今持ってるとこって一番美味しい場所なんだよなぁ。正直コイツにやるのはもったなく感じる。どうしたものか……

 

「きゅうううう!」

 

 ────どうした。

 

「きゅううううう!!」

 

 ────ど、どうした。

 

「きゅうううううう!!!」

 

 ────……

 

「ハァ~。残りを食べると良い」

 

「きゅうう!!」

 

 皿ごと渡すと更に嬉しそうな鳴き声? を出しながらガツガツを食い始めやがった。こ、コイツ。遠慮と言うモノを知らないのか。

 

「あわわわ、セデスゥさんごめんなさい!」

 

「気にするな」

 

 今度食べにくるから問題ない。問題ない……が、悲ちい。美味しいケーキを前にして食べれなかったのは悲しすぎる。お見上げで買ってく時に自分用に沢山買ってかなきゃぁ……なぁーんて考えてるとドアベルの音と共に知ってる気配が────ってやっと来たか。

 

「遅いぞチェルシー、案内役であるお前が遅れてどうする」

 

「あはは、すいませぇん。ちょっとエスぅ──―ッゴホン、セデスゥさんに案内するお店を下見してました」

 

 赤いリボンの付いたヘッドホンを付け、飴を咥えている女の子。パリピって言うか陽キャと言うか割と俺の苦手なノリが大好きな彼女。名をチェルシー、俺の部下ってか個人的に雇ってるかなり腕の良い情報屋だ。どうやって情報集めてるのかは分からないけど情報は信頼性の高いモノが多く、彼女にはかなり助けられてきた。主にスイーツとか服関係でだけど。

 

「えっと彼女は?」

 

 そういえばセリューとチェルシーは初対面だったよな。

 

「彼女はチェルシー、私の……友人? のようなものだ」

 

「疑問、系?」

 

「きゅ?」

 

「あはは、コレは手厳しいですねぇ」

 

 だって君、油断すると直ぐに軍部の情報探って来るじゃん。反乱軍側の人間を友達扱いは出来ねぇよ。……まぁ、早く今の政治体制ぶっ壊してほしいから割と故意に彼女に対してはほぼ全ての情報を垂れ流しにしてんだけど。

 

「さて、メンバーはそろったな」

 

 ケーキは食いつくされコーヒーは飲み終えた。お見上げはチェルシーが買ってるみたいだし、行く準備も整ったな。

 

「諸君、凱旋だ。思うままに蹂躪するぞ」

 

「おぉー!」

 

「セデスゥさん、たかがショッピングに大げさすぎませんか?」

 

 俺達は各々目的の為に戦場(ショッピング)へ赴く。目的はそう、今期で話題のスイーツ。ただその一点を求めて。

 

「セデスゥさんそっちは逆方向ですよ!」

 

「なんだと!?」

 

余談だが、何度か俺は道に迷ってしまった……ここどこぉ~???




・エスデス

皆知っての冷徹無情の将軍様―――に転生しちまった可哀そうな転生者。
割とトラブル体質のようで日々そのトラブル解決の為に駆け回っている……が、その中に意図してない大量虐殺も含まれる為に市民や軍部からは恐れられている。
現在軍部内部に私設部隊と称して反乱軍を秘密裏に編成している真っ最中。
団員募集中。

・リヴァ

三獣士と呼ばれるエスデス直属の部下で構成された部隊の1人。
賄賂を贈らなかったとして身に覚えのない罪を着せられ、罪人として投獄されていた元将軍。そんな時に丁度部下探しをしていたエスデスの目に止まり、部下にした。
大体なんでも出来る完璧超人みたいな人であるが、料理の腕が下の下レベルでヤバイ。
最近のマイブームは手料理。

・ニャウ

三獣士と呼ばれるエスデス直属の部下で構成された部隊の1人。
ショタのような外見をしているが何気にエスデスよりも年上だったりする。
大体リヴァの作った劇物と言う名の料理の処理を任されるので医務室の常連だったりする。
最近は医務室で働いている看護師と良い仲になってるらしい。

・ダイダラ

三獣士と呼ばれるエスデス直属の部下で構成された部隊の1人。
何時も経験値経験値と獲物を探し、狂人の様な振舞いをしているが実は三獣士の中では一番の常識人。経験値経験値と言いながら町のボランティア清掃や自警団への参加だったりと怖い人相とは裏腹にファンがいるほど人気が高い。
正確も三人の中では一番高潔であり、間違いは間違いとズッバっというし上司であるエスデスに対してもそれは変わらない。
最近婚約者との間に子供が出来たらしく、幸せの絶頂期らしい。


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