エイティシックスRTA特別偵察ルート連邦到達エンド (オオサカ)
しおりを挟む

パート1 タイマースタート 初陣

初投稿です(半分本当)
エイティシックスのRTA読みたいなぁ、誰も書いてないやんけ! なら自分で書けばええやん、と思って書きました。


 はーい、よーいスタート。

 

 地獄の86区でレギオンやエイティシックス達ときゃっきゃウフフするRTAはーじまーるよー。

 

 本動画は探してもエイティシックスのRTAがどこにも見当たらなかったのでじゃあ今走れば世界記録じゃね? というくっそしょうもない理由で投稿するに至りました。レギュレーションも私が作るからやりたい放題です、つまり自動的に私が世界1位です(世界1位にこだわる走者の鏡)。これを機にエイティシックスRTA流行れ……流行れ……。

 

 計測開始はゲームのタイトル画面の「86区送り(スタート)」を選択した時から。計測終了は連邦到達が確認できたタイミングとします。

 てなわけでいざゲームスタート。

 

 飛ばせないOP(主観視点で赤紙を受けとり、世界観の説明が流れる)を背景にこのゲームとチャートの説明をば。

 今回走るゲーム、86-絶望の淵へ-は皆さんたぶんご存知エイティシックスのゲームで、エイティシックスとしてアルミの棺桶に乗ったり白豚としてエイティシックス達を指揮(指揮するとは言っていない)したりできるアクションRTSです。

 

 本作の特徴としてそのえげつない難易度と立場により天と地ほどに変わるゲーム性が挙げられます。エイティシックスになればアクションゲーム(オワタ式)ですし、ハンドラーになればリアルタイムストラテジー、エイティシックスでも戦隊長ならまた違ったゲーム(部下の育成監督指揮)になります……ちなみに隠しモードとしてレギオンにも成れます(その場合超ヌルゲーになる)。

 ゲームのストーリーとしてはエイティシックス又は白豚になって地獄の戦争を生き抜く! というもので現在連合王国編までのストーリーが実装されています。とはいえ今回のレギュでは共和国から連邦に到達できたらそれでタイマーストップとします、連合王国編までやると走者が死ぬからねしょうがないね(諦観)。

 

 大まかなチャートとしましては……チャートも何もこのゲームエイティシックスの場合自由度が皆無なんですが……基本はスピアヘッド入隊を目指し、入隊できたら特別偵察で連邦に逃げ込むという、何の面白みも独創性も無いチャートです。つーかそれ以外のルートで生き残る目が無い。

 

 一応プロセッサーになる時期はキャラクリで選べるので、時期をシン達とはずらして連邦が来るのを待つという手もありますが……難易度はそっちの方が高いです。ちなみに何故かシン達の親世代も選べて、その場合最初の内は歩兵として戦い、アルミの棺桶の支給に喜び、最後は記念すべき特別偵察第一号になるという死亡率100%のモードです……お前もレギオンにならないか、杏寿郎by顔無

 

 っと説明を終えたところでOPが終わってキャラクリが始まりました。キャラクリはこのゲームで二番目に重要と言っても過言ではありません、なお一番大事なものはプレイヤースキルな模様。

 ともかく、キャラクリ次第でゲーム性までもが変わります。人種や年齢、外見等々。ちなみにエイティシックスの場合白系種は選べません(逆もまたしかり)。ハンドラーとしてプレイしたいなら最初のタイトル画面で「共和国万歳!」を選んでください。

 

 で実際なぜキャラクリが大事なのかと言えば、異能の有無がそれで決まるからです。有るのと無いのじゃヤバいくらい違う、例えばシンと同じ夜黒種と焔紅種の混血の場合シンと同じようなレギオンの声を聞く能力が手に入ったりしますが、敵がいつ来るか分かるだけでもかなり有益です。といっても異能は確定で生える訳ではなく、確率やイベントに左右されます。

 ので下手に異能厳選リセマラなんてやろうものなら時間が溶ける通り越して蒸発します(86敗)。のでので今回は異能が無くてもいけるチャートを組んで来ました、まぁあった方がタイム短縮に繋がるので狙ってはいきますが。

 ……余談ですがキャラの外見を青髪にして名前をキリコ・キュービーにすると確定でレギオン相手に無双できるチート染みた異能が入手できますが……自戦隊の被害が跳ね上がりさらに何度やっても共和国がほぼ確定で滅ぶ上、連邦に行ったら行ったで連邦も滅びるとかいう疫病神になります。

 

 さて画面はキャラクリ、しかしこれはRTAなので年齢や人種等チャートに関わる部分以外はランダムですませます。年齢はスピアヘッド達と同じくらい、人種はシンと同じ夜黒種と焔紅種の混血でイベントでの異能覚醒を狙います。スピアヘッドまでたどり着けたら異能はシンが居るのでいらないんですがこのゲームそこまでが長くてムズいんですよ。

 さて外見はランダムで決めましたがどうなったかなっと……うーん一言で言うならシンを性転換させたような外見ですね。胸もぺたんぬですし。顔つきは若干カイエに似てるかな? まぁスタート時点では幼女なんですが。ちなみに本作はジェンダーに配慮してるのか性別による能力差はありません。

 名前はセイナ・ネイケース、まかり間違ってシンの兄妹だったりしないな、ヨシ!(1敗)

 

 さてキャラクリが終わったのでいよいよゲームスタートです。

 

 では、イクゾー!イクイク、あ、トイレ行っとかないと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 お父さんとお母さんが死んだと知らされた時、私は特に何も思わなかった。自分が戦場に行くということを聞いても同じだった。まぁそうだろうなという、奇妙な納得だけがあった。

 

 私はセイナ、ただのセイナだ。

 

 

 

 

 

 

 「よぉ、新入り。ああ自己紹介はしなくて良い、名前なんか覚えるだけ無駄だ」

 

 知覚同調越しにそんな言葉を投げかけられる。実際ここでは死は日常で、初陣が一番死にやすく、つまり新入りの名前なんてまさしく覚えるだけ無駄ということなのだろう。あるいは、名前も知らない人物であれば死んでも悲しくないという、ある種の精神的な自己防衛なのかもしれない。

 ともあれ、今の自分に必要なのは今の言葉の意味を考察することではなく、目先の敵を倒して生き残ること、その為の手段としてこの"ジャガーノート"と呼ばれているアルミの棺桶を乗りこなすことだった。

 

 ロクな訓練が行われないとは聞いていたが、いくらなんでも初搭乗が初陣というのはひどいと思う。レギオン共も、よりにもよって私が着任して挨拶したタイミングで攻めて来るなと言いたい……鉄屑に人間の都合を考慮するよう期待するのが無駄か。

 

 「ああ、新入りの嬢ちゃん? 戦隊長の言う事は気にするな。これが初陣なんだろ、俺らもフォローするよ、今日のはいつもより少なめだしな」

 

 ……これでいつもより少なめ? いつも通りのが来たら私は死ぬな、そういう意味では私は運が良いのか?

 

 「嬢ちゃん、初めてでそれなら操縦のスジは悪くないが、やっぱり知識が足りないな。この棺桶に装甲と呼べるものは無いから攻撃は遮蔽に隠れるか勘で避けるしかない」

 

 なるほど。隠れるのはともかく避けるのはどうやるんだ? 人間をやめろと?

 

 「攻撃は敵を狙って撃つのはその通りだがコイツの主砲には欠点が盛り沢山だ。まず狙うために機体全体をいちいち旋回させる必要があるし、レギオンの種類によっては至近距離からの砲撃でなきゃ装甲を貫通できん」

 

 つまり敵に近づく必要があると……死ぬのでは?

 

 「そして機動。火力も装甲も糞ったれのジャガーノートで唯一優れて……いない。機動力でもレギオンが上だ、しかしこれを活かせなきゃ死ぬ、なんで履帯が廃れたのか、多脚の利点がなんなのか考えて戦え」

  

 それを教えて欲しいんだけど、建物に登ったりとにかく柔軟に考えろってことかな?

 

 「さて、もう何十秒もしない内に会敵だ。教えたこと、忘れんじゃねーぞ」

 

 いよいよ戦闘、死ぬかもしれない、教えてもらったことと操縦マニュアルを復唱し、覚悟を決める。

 敵が射程距離に入る、それはこちらも敵の射程に入ったことを意味している。操縦桿を握りしめたところで、ふと自分に色々教えてくれた人の名前を聞いていないことに気づいた。

 

 まぁ、戦闘が終わった後に聞けばいいか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結局、彼自身に名前を教えて貰う機会は永遠に訪れなかった。

 

 

 

 

 

 

 東部戦線第三戦区第四防衛戦隊 イェーガーズ 

 

 戦死3名

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




一話なので短めかも。

追記、原作を読むと自分の書いた文章との矛盾点が出てくる出てくる……二次創作書くんならその前に原作くらい読めよ自分。
もう今更修正できないので原作との違いはこの世界線の86区ではそういうもんだと思ってください(作家の屑)。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

パート2 チュートリアル 戦場での新生活

年越しの瞬間執筆してて気づかんかった……ちなみに実は連載小説を書くのは初めてです。ついでにエイティシックスの知識はアニメと他作者様の二次創作が頼りです……はーつっかえ、こんなんでエイティシックスの二次創作書こうとしたの?(自問自答)


 訓練無しで戦場に放り込まれるRTA、はーじまーるよー。

 前回はキャラクリが終わってゲームが始まったところまででしたね。ゲームが始まったらいきなり輸送機から乱雑に主人公が降ろされ、戦隊の皆とご対面です。まぁどうせすぐ全滅するんですけどね。

 そしてさあこれから命を預けあう戦友達と挨拶だというタイミングでレギオンがいきなり攻めて来ます。訓練? (そんなもん)無いです(本当)。

 

 ゲーム的にはこれから始まるのはチュートリアルです。親切な先輩戦隊員が色々教えてくれますし、ハンドラーはサボってるから気が散らないし、レギオンの数も控えめ(いつもと比較して)です。まぁチュートリアルはくっそ不親切ですしレギオンも数が控えめなだけで質は据え置きなので普通に死ねます。チュートリアルで詰んだというプレイヤーも多いのではないでしょうか。

 まぁ私はこの走りのためにプレイヤースキルを磨きに磨いて来ているのでチュートリアルなんか余裕です。まぁ手は抜きますけど。

 なんで手を抜くかというとこのゲーム活躍しすぎると顔無君に目をつけられて脳味噌確保のためにつけ狙われるようになります。原作のシン状態ですね。ので基本的にここぞという場面でしか本気は出しませんし、もし異能が手に入ったとしても可能な限り乱用は避けます。その為に基本モブプロセッサーは見捨てます、号持ちは助けるかもだけど。モブプロセッサーは犠牲になったのだ、タイムの犠牲にな……。

 

 っと話していたら初陣ですね。初めて配属される戦隊は何回目かの戦闘でほぼ全滅するのでコミュを取ったりする必要も味方を守る必要もありません、ひたすらチキってましょう。先輩戦隊員がなんかありがたい蘊蓄をおっしゃってますが、もう知ってる。

 おや、キルゾーンに敵が入りましたね。景気よくぶっぱなしましょう。

 

 全戦隊24機で一斉射撃を実施、へなちょこの57mmでもこれだけ撃ち込めばまあまあな火力になりますね。ちな参考までにリアルの自衛隊の一〇式戦車の主砲は120mmです。ジャガノがいかに貧弱な火力か分かりますね。

 まぁアルミの棺桶のポンコツ話は横において今しがたの攻撃の戦果は……微妙! まぁこれで決着ついたらチュートリアルになりませんしね。

 かくして火点を特定したレギオン達は反撃開始。勿論それを想定していた戦隊は次のポイントへ移動しますが……離脱が間に合わずに1機やられましたね。いつもより少ないからって油断してたのかな? ちなみに私は真っ先に離脱してます、新人の癖に逃げ足がやたら早い奴と思われそうですね。

 

 そして真っ先に次の射撃ポイントに到着と。ちょっとだけ撃ってすぐ陣地転換とかスナイパーかな? 今は新人なので許されますがこういうムーブを続けていると戦隊員との仲が悪化します。そら(そんな敵前逃亡を続けてたら)そうよ。まぁこの戦隊はどうせすぐ全滅するので噂が広まることも無い為安心してチキりましょう。このゲームいかに顔無君の目に止まらないかが重要ですから、戦果挙げちゃダメなんです。というかむしろ顔無にあれだけつけ狙われて生きてる原作主人公様はなんなんですかね……。

 

 あっ他の戦隊員も来ましたね。戦隊長からパラレイドでもうちょい撃てと説教されます、新人なんです外見幼女なんですだから許してクレメンス!(中身は歴戦な模様)

 

 ちなみにチュートリアル戦隊が採用する戦術はランダムなんですが、今回の戦隊では一斉射撃で削って、取り巻きを剥いだら戦車型に突撃して接射で倒すという戦術を採用してるみたいです。ちなみにチュートリアル戦隊ではありませんが、以前一回だけ戦隊員全員がブレード付けて突撃しまくるとかいうスピアヘッドでもやらないような変態戦隊に配属されたことがあります。確か北部戦線だったか、シンがいっぱいいるみたいで凄く怖かった(小並感)。

 

 さてさて離脱した戦隊を追いかけてノコノコレギオン達がやって来ましたね。チュートリアルのレギオンは羊飼いの指揮下にないので簡単な罠に引っ掛かります。一斉射撃をもう一度食らわせてやりましょう。

 各々方、配置に着かれたな? ようし十字砲火を食らわせてやれい!(ド新人なのに無駄に威勢の良い幼女)

 

 あ、今の射撃で戦車型以外は片付きましたね。まぁチュートリアルだから、多少はね?

 

 さて遠距離からの砲撃では戦車型の装甲を貫通できないので近づく必要があります。誰かが行かないとトドメをさせない訳ですね。しかもいやらしいことに戦車型をやらないとギリギリレギオンの撤退判定に引っ掛かりません。誰が突っ込むのかって? そりゃ私以外の誰かですよ。味方に任せれば何人か死にますが撃破できますので。

 新人が戦車型数機を接射で仕留めるとか注目度上がりまくリングですからね。このチャートではいかに目立たないよう立ち回るかが肝ですので。

 

 流石に戦隊長も新人にこんな大任預けないので、自分含め号持ち何人かで行きましたね。あ、二人死んだ。ま、まぁレギオンは撤退し始めたので万事オッケーです。

 

 かくして初陣を生き残ったセイナちゃん、味方を見捨ててサボるのが生存戦略の彼女の明日はどっちだ。

 といったところで今回はここまで。ではまた次回お会いしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私は生き残った。私より経験豊富で優秀なプロセッサーが死んだのに、私は生き残った。生き残るのに実力が関係無いのだとすれば、生死を分けたのは運と、いくらかの恐怖心なのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 初陣を終え、帰還する途中に私は戦隊の皆と自己紹介をした。戦隊長からはどうやら名前を覚える価値の有る奴と思ってもらえたらしい。私が真っ先に逃げた件に関しては初陣だから仕方ないとのこと。そして私にジャガーノートの戦い方を(軽く)教えてくれた人の本名も教えてもらった……名前は本人から聞きたかったな。

 

 帰って来てジャガーノートを駐機し、改めて戦隊編成やここでの生活のルール、寝床などを教えてもらい、整備班の人達に挨拶し、食事をとり、あれよあれよの内に消灯時刻になった。その時になってようやく私は一息つけたのだった。

 ベットの中で、私は今日の戦闘を思い返す。今にして思えば、もう少しやりようがあったように思える。初陣なのだから生きて帰って来れば上出来ということは分かっていても、もしかしたら私がもっと積極的に戦っていればあの人達は死なずにすんだかもしれない。

 

 ……いや、そうなったら私が死んでいただろう。そうなのだ、本当に今更のことだが、私は生死の境につい数時間前まで立っていたのだ。先輩方曰く、プロセッサーが二番目に死にやすいのは、初陣だという。一番死にやすいのは"退役"の時らしいが……ともかく私は死線を超えた。それは喜ばしいことだが、同時に過ぎ去った過去、もし敵の攻撃が自機に命中していたら、もし私がもっと勇気を出していれば……そんな事が頭に浮かぶ。

 

 次第に怖くなってきた。私は明日も明後日も一年後もそれこそ死ぬまでこんな生活を、戦いを続ける。五年後の"退役"まで私はあと何回出撃する? 一週間に一回出撃するとして、二百回くらいか? 今日みたいな戦いを二百回……無理だ、生き死にがというよりは心が持たない。

 どちらにしろ死ぬに変わりはないとか、そういう問題じゃない。私は自分が死ぬことに納得していた、していただけだ。恐怖を、悲しみを覆い隠すために。けど実際は死の前段階の戦いですら怖がっている。そうだ、とどのつまり、私は戦いが、死ぬのが嫌なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 起きた。昨日は色々自分でもこんがらがったことを考えている内に寝てしまったようだ。私の悪い癖で、どうしようもない、考えても仕方のないような事に思索を巡らせてしまうというのがある。これはこれで暇を潰せるのだが、いかんせん思考がネガティブな方に行きやすくなってしまう。

 よし、ポジティブに考えよう。どうせ人間いつか死ぬんだし、なら少しでも長く生き抜いてやろう。それに希望が無いわけじゃない。あり得ないことだが、もしかしたら白豚が今までの悪行を悔いるとか、実は生き残っていた外国が助けに来てくれるとかそういうことが……無いよなぁ。

 

 「起きたか新入り、いや、セーナだっけ? とにかく昨日は着任早々大変だったな、でもまぁ初陣があの程度ならラッキーな方だよ」

 

 あれのどこがラッキーだ。

 

 「俺の時なんて初陣で味方が半分以下になったからな、よく俺生き残れたなって今でも思うよ」

 

 なるほど確かに私はラッキーだったらしい、ジャガーノートへの搭乗時間がほぼ0だった点を除けばだが。

 まぁ次の出撃がいつかは分からないが、流石に毎日出撃があるわけでは無いらしいし、一週間後に来るとしてもその頃にはもう少し技量も鍛えられるだろう……訓練のために物資を消費することが許可されたらの話だが。

 

 「ねえ、セーナちゃんって呼んで良い?」

 

 朝食をとっていたら戦隊員の少女が話しかけてきた。確かこの人の名前はリヴィス・アングレーだったか、知覚同調越しに声が震えながら自己紹介してきたから印象に残っている。

 なんでも、私にジャガーノートの戦い方を教えてくれたあの人と仲が良かったらしい。しかし一晩明けて吹っ切れたようだ……ここでは人死にが日常茶飯事だから、悲しみを乗り越えなければ生きて行けないのだろう。

 相槌を返しながら、ぼんやりとこの人もすぐに死んでしまうんだろうなと思う。いや、むしろこんな環境では早くに死ねた方が幸せかもしれない。

 

 もっとも私は死にたいとは全く思わないが。私は生きたい、一秒でも長く、それこそ味方を見捨ててでも……自分のこんな思考が嫌になる。

 結局私は自分が最優先で、そのくせ見捨てたことを引きずって、でも誰かの為、誇りの為に死ねるような気概も無くて……

 

 「ねえ聞いてる? 寝起きだからぼんやりしてるの?」

 

 またやってしまった。気を抜くとすぐネガティブなことを考える癖、どうにかしたい……

 

 着任2日目、敵は来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 




読者の皆、オラに文才を分けてくれ(切実)! いや実際マジの小説書いてる人とかどうやったらあんなセンスに溢れた文章書けるの?

 真面目にあとがきを書くと、セイナは一般的なエイティシックスの逆、つまり戦いが嫌いなエイティシックスです。死ぬ覚悟はしていたけど実はできてなくて戦う覚悟もしていなかったわけです。
 ぶっちゃけると走者の手を抜くという方針とエイティシックスの価値観が噛み合わないのでこんなキャラになりました。恐怖で保身に走るけど一度本気を出すとめっちゃ強いって感じのキャラ。まだ幼女でこの思考ってことを考えればかなり早熟。
 たぶん連邦に来たら絶対軍には戻らない。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

パート3 今後の準備 哨戒

毎日投稿って大変。もうちょい文章量を増やしたいんだけどそうなると毎日投稿を維持できるか……


 束の間の休息は穏やか、なRTAはーじまーるよー。

 さてさて現在は初陣を終えて帰還中です。ちなみにここで戦隊員達との自己紹介が挟まりますがどうせ死ぬ奴らの自己紹介なんか倍速だぁんオラァ!

 

 帰還してからですが、正直やることはあまりありません。初日ですが、コミュをとる必要も無いですし棺桶の安全装置の解除は明日整備班に頼んだ方が僅かにタイム短縮になるので……よし、寝よう。

 

 てれれれれーれー(ドラクエの宿)

 

 2日目です、確定で攻撃が無いので安心できます。今日やることは整備班に頼んで安全装置の解除と自キャラの強化です。

 このゲームプロセッサーの場合アクションゲームになるんですが、ちゃんとプロセッサー一人一人に個性があり、ステータスが設定されてます。モブプロセッサーやモブ号持ちの場合ランダム生成ですが原作キャラやゲームオリジナルキャラならあらかじめステータスが決められてます。

 原作キャラだと例えばシンはブレードが超得意で機動が人間辞めてる、クレナは精密砲撃が得意といった具合です。

 

 勿論自キャラにもそういったステータスが設定されています。基本は実戦経験を積めば積むほど強化されますが、それ以外にも射撃訓練をしたり筋トレしたり勉強したりイベントでステータスが上がることもあります。

 ただステータスが高ければ無双できるかと言えばそんなことは無く、むしろプレイヤースキルの方が重要です。イメージ的にはステータスは台風の予報円みたいなもので、プレイヤーがどんなでも円の外にはでませんが円の範囲なら腕次第で変動します。

 つーかそもそもの乗機がアレなのでプロセッサーがいくら凄くても無理なものは無理。

 ちなみに原作のシンの動きを再現しようとするとTASさんになります。主人公ほんとに人間? 人型レギオンだったりしない?

 

 さて話をゲームに戻して、朝食中になんか戦隊員に話しかけられてますが適当に相槌うっときましょう。それよりも整備班に会いに行って安全装置を解除してもらいましょう。軍規? 幼女が頼んどるんやぞ!

 

 やったぜ。

 

 ゲーム的には安全装置とか付けるだけデバフでしかないからね、しょうがないね。

 なんか整備班のおっちゃん達から可哀想な子を見る目で見られてるけど気にしない気にしない。ちなみにこのタイミングで安全装置を解除する必要性は……経験値稼ぎ以外には特に無かったりします。まぁどうせいつかは解除するので誤差だよ誤差!

 

 宿舎に戻ったら新人だからとにかく搭乗時間を伸ばせという名目で哨戒に行かせられますね。昨日の今日で攻撃が来るわけないので押し付けられましたねコレハ……まぁ経験値が欲しいので素直に行きます。小隊の皆と初哨戒です(韻を踏んだ高度なギャグ)。

 

 ふむ、どうやら哨戒という名目で訓練してくれるみたいですね。まぁこれもチュートリアルの一環なんですけどね。なら初陣前にやれよとは言ってはいけない。基本チュートリアル戦隊にいる間はずっとチュートリアルみたいなもんです。チュートリアル戦隊が全滅してからがゲーム本番ですから。

 

               幼女哨戒中……

 

 いやー良い経験値になりました。序盤はプレイヤースキルがあってもステータスの低さに足を引っ張られて死ぬことがあるのでいかに経験を積むかが重要です。経験値は稼ぐ、ノゥフェイスには媚びる、「両方」やらなくっちゃあならないってのが「エイティシックス」のつらいところだな。

 

 帰還してからは筋トレ! 射的! とステ上げに勤しみます。実戦であまり注目されたくないのでその分戦闘以外で手に入る経験値が重要です。まぁある程度いくと中々上がらなくなるんですが。

 

 そんな訳で2日目も終了。からの3日目開始。

 

 3日目からは低確率ですが攻撃の恐れがあり、そこから日を重ねるごとに攻撃を受ける確率が増えていき、攻撃を受けるとまた確率がリセットされます。RTA的にはさっさと攻めて来て欲しいけど攻略の安定度的には攻めて来ないで欲しいというジレンマ。

 なお哨戒をサボると奇襲を受けることがあります。この奇襲の可能性を0にできるのがシンの異能の強みで、しかも哨戒しなくてよくなる上レギオンの動向まで手に取るように分かると激烈に有能です。それ以外の異能も大概有能で有れば有るだけタイムが縮まります。

 

 ただしあまりにも異能を活用しすぎると顔無君に、君良い脳ミソしてるね~? されてしまうのでヤバいです。普通にプレイヤースキルで無双するのとは桁違いに注目されるので、だから少しでも注目を避ける為に手を抜く必要があったんですね。

 まぁそれもこれも異能が手に入ればの話です。これだけのリスクを背負ってでも手に入れる価値が異能にはあります。

 

 っと4日目にして二度目の攻撃が来ましたね。といったところで今回はここまで。次回またお会いしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 戦場での日常は、平穏と緊張が連続する。1時間前に笑っていた戦友が今悲鳴をあげ、そして次の瞬間には物言わぬ骸と化す。それが当たり前、それがいつも通り……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さしあたって生き延びる為にはどうすれば良いだろうか。まず間違いなく私がうだうだ考えるより実際に生き延び続けている先輩方に生き残る秘訣を聞いた方が良いのは確かだ。

 だから、戦隊の号持ちプロセッサー全員に聞いてみた。

 結果、いくらか有用な情報が手に入った。誇りがうんぬん恐怖がうんぬんといった精神論を抜きにして、実用的な情報に絞ると、安全装置は付けるだけ無駄、接射する時は発射と同時に後ろに下がらないと破片が危険、レギオンは敵味方識別の為こちらを捕捉した時に一瞬隙ができる、機動力の不足はワイヤーアンカーを用いた立体機動で補う等々の知識。

 

 これらの細々とした知識の有無で生死が別れるのが戦場、そして単純な"強さ"も生き残る上で重要らしい。なるほど、号持ちで弱いプロセッサーなどめったにいないらしいからその通りなのだろう。

 では強く成るためにはどうすれば良いのかと聞けば、ひたすら訓練と実戦を重ねるしかないらしい。

 実戦は黙っていてもやって来るのだから私がやるべきは訓練、そして教えてもらった知識の実践だろう。

 

 早速安全装置を解除する為私の機体を預けている整備班に会いにいく。

 ……安全装置を解除したいと言ったら嫌そうなで見られた。なんでも安全装置を解除すると脚部の消耗が激しくなるというのと、操縦がピーキーになるから私には扱えないというもの、ついでに誰も守っていないとはいえ一応安全装置の解除は軍規違反らしい。

 それは承知の上だし、操縦がピーキーになるなら尚更早めに慣れておきたい。どうにか無理を言って解除してもらった……なんだか可哀想なものを見るような目で見られているのが納得いかない。

 

 宿舎に戻ると、新人だから少しでも経験を積んでおけと哨戒任務を任された。ちょうど安全装置を外したジャガーノートの乗り心地を確かめたかったので快諾した。

 仲間の小隊員と一緒に哨戒に出撃、すると小隊長が

 

 「セーナ、コイツは勘だが多分攻撃は無い、のでせっかくだから少し訓練でもしてやろう」

 

 それはありがたいが、哨戒中にそんなことして良いのか?

 いや、願ったり叶ったりのことなのだから非難することもないか。

 

 「まずはそうだな、ワイヤーアンカーの使い方でも教えるか。ちょうど都合のいい建物があるな、あれに登ってみろ」

 

 いきなりだなぁ、一応やり方はマニュアルで読んだけど……

 アンカーを打ち出し、建物の屋根に引っかける。脚を壁につけ、ワイヤーを巻き取りよじ登る。

 

 「ふむ、少し危なっかしいが上出来だな。登る時は脚をもっとつけて、壁を地面に見立てて歩くようにするともっと早く登れるぞ」

 

 ご教授どうも。

 

 「なら次はアンカーを使った加速だ、コレができないとレギオン共に機動力で対抗できん。具体的にはアンカーを適当な物に……」

 

 そんな具合で移動しつつ訓練を行い、機体の中でレーションをかじり帰還する頃には安全装置を外したジャガーノートにも慣れた(慣れるも何も殆ど乗っていないが)。

 

 帰還した後はくそ不味いレーションに自生していたという野菜を添えた簡単な夕食をとり、戦隊員の人達が歓談しているのを横目に少しでも体を鍛える為に筋トレ、そうしていたら気まぐれにか射撃を教えてもらえることになった。アルミ缶を的に拳銃を撃つ。初めての割にはスジは良いと言われた。

 いつまにか大会になっていた射撃訓練を終え、ベットに潜り込むと、昨日とは異なり疲れていたのかあっさり寝てしまった。

 

 次の日も同じような生活だった。朝起きて、掃除して、哨戒に出て、訓練を積み、筋トレをし、そして寝る。

 意外にも穏やかな日々が続いているように思えた。

 

 着任4日目、哨戒中に敵を発見した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうにも文章がのっぺりしてしまう……あれか? 語彙力の問題なのか、それとも文才?

創作者の立場になって気づいたけど評価や感想って本当にもらえると嬉しいもんなんだなぁ。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

パート4 チュートリアル(実戦)二度目 本当の初陣

毎日更新は維持したぞ……。プロットが練れてないから自分でも続きが分からないのもいやーキツイっす。(ノリで執筆する作家の屑)


 一度あったことは多分二度も三度もあるだろう、なRTAはーじまーるよー。

 さてさて前回は二度目の攻撃が来たところでしたね。

 

 二度目の戦闘ですが、チュートリアル(口頭で説明されただけ)の内容を活かせないと普通に死にます。一度目の戦いもそうですが、このゲームは原作を忠実に再現しているのかあるいはゲームデザイナーがひねくれているのか全体的に高難易度、不親切です。

 例えばこの二回目の戦闘なんか一回目より多い敵を1個小隊で応援到着まで耐える必要があります。初見でこれを突破するのはほぼ無理です。チュートリアルとは?(哲学)

 

 このチャートでは顔無君の注目を集めないことがタイム短縮の肝なので、できる限り活躍したくないんですがどうしても自キャラが活躍しないとヤバい場面があります。

 直近だとチュートリアル戦隊が壊滅する三回目の戦闘と今回の戦闘です。普通に頑張らないと死にます。とはいえ私の本気を出す程ではありませんがね(慢心)。

 

 この戦闘は戦力の差もそうですが遭遇戦なので対レギオン戦闘の定石である待ち伏せが使えないのが難易度を上げている要因です。前回の戦闘はぶっちゃけ他の戦隊員に合わせて一斉射撃と陣地転換を繰り返せばそれでクリアできたんですが今回はそうはいきません。

 まぁ所詮チュートリアル、この程度の戦闘をこなせないとゲームクリアなんて夢のまた夢なんですけどね。やっぱこのゲーム難易度高すぎでは?

 

 幸いなことにこの付近は障害物が多いので遮蔽にもアンカーを打ち込むにも最適です。基本戦術としてはワイヤーを活用して常に動き回り続け引き撃ち、接近しないと撃破困難の戦車型は放置します。味方には囮として頑張ってもらいます。

 その際忘れてはいけないのがいかにも新人が味方を見捨てて無様に逃げ回り、それでも辛うじてどうにか反撃しているように装うことです。そうしていたら小隊員が全滅する頃には応援が来ます。

 戦闘経験二回目のはずの新人が進撃の巨人みたいなワイヤーアクション始めたらホラーですからね。プルプル、僕は悪いプロセッサーじゃないよ、とアピールすることを忘れないようにしましょう。

 

 まず初手は小隊から離れます。するとパラレイドでどうしたんだと聞かれるので砲撃しやすい位置に移動中とか言っときましょう。実際は小隊を囮にするためですがどうせ戦闘が始まればこちらを気にする余裕も無くなります。

 おっ、目論見通りレギオンは小隊の方に向かって行きますね、数の多い方と少ない方、どっちに戦力を振り向けるべきかなんて分かりきってますからね。羊飼いが指揮してるとこう簡単にいかなくなるんですが。

 

 それでも少しはこっちに来ますね、ワイヤー使って機動しつつ引き撃ち、斥候型ばかりなのでとにかく当てれば倒せます。まぁそれはこっちも同じですが(装甲がアルミ)。

 ふむ、小隊の方は苦戦してるみたいですね、だからと言って救援になんか行きませんが。

 あっ、一機やられた……想定内です。

 

 想定内ですが戦車型が一機来ましたね……無視します。戦車型の120mmは至近弾でも危険ですが要は射線を通さなきゃ良いだけの話です。常に自機と戦車型との間に建物が来るように心がければ問題ありません。そのためのワイヤーアンカーです。

 ん~自キャラ的には追いかけ回されてヤバいんでしょうが絵図的にはぶっちゃけ逃げて撃って逃げて撃ってを繰り返してるだけなのでいまいち面白くありませんね……折角なのでこの時間を使ってみなさまのためにぃ~このゲームのノゥーフェイスからの注目度について解説しましょう。

 

 活躍し過ぎると顔無君に目をつけられてヤバいという話はもうしましたが、具体的にはポイント制で注目度がたまっていきます。

 まず86区で長生きすればするほどそれだけで注目度がたまっていきます。1年で殆どが死ぬような環境で何年も生き残るとか頭おかしいですからね。原作ではたとえ号持ちであってもポンポン死んでますが、冷静に考えて長生きしてるってことは長生きしてる理由があるってことなので号持ちは基本超優秀です。

 ただそれだと号持ちは全員つけ狙われていることになりますが実際にはそうではありません。長生きしてるプロセッサー自体は割と沢山(沢山とは言っていない)いますから。

 あくまで注目度が上がる一因というだけです。

 

 それよりも注目度を上げるのが戦果を挙げることと技量を示すことです。この二つはより直接的に注目度を上げる要因になります。戦車型の弱点部位を遠距離から狙撃とか、ブレードで突っ込んでしかも生きて帰って来るとかするとかなり上がります。

 そして最後に最も注目度を上げる要因、異能を使うことです。使うと言っても異能を本当にただ使うだけ、例えばシンの場合レギオンの声を聞くだけなら特に問題は起こりません。

 問題なのは異能をより直接的に戦闘や作戦立案に利用することです。明らかに異能無しでは不可能な挙動をするとすぐ怪しまれます。

 

 顔無君に注目されると行く先々でレギオンを差し向けられます。そうなるとゲームの難易度が跳ね上がります。つまり、えげつないロスに繋がるということです。

 だから、味方を見捨ててでも舐めプしないとダメだったんですね。

 

 っと画面ではやっと応援が来ましたね。小隊は全滅しましたが私が生きている間に応援が来たので問題ありません。

 そして戦闘で機体が限界、さらに弾切れということを伝えれば戦隊の皆は撤退を許してくれます。

 え? スカヴェンジャーに補給してもらえ? いやぁ私も本当は戦いたいんですが弾よりも機体が限界なんですよいやぁホント残念だなぁ(棒読み)。

 

 はい、戦闘終了です。さっさと自分だけ帰還しましょう。

 

 サボりってなんであんなに楽しいんですかね!

 

 といったところで今回はここまで。では次回までサイナラ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初陣は、修羅場でもなんでもないただの"作業"に過ぎなかったのだろう。ただ準備を整えて敵を鴨撃ちにするだけ、そんなものは戦いではなかった。そういう意味で私の"本当の初陣"はこの日だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それは唐突だった。少しずつ慣れてきた訓練を兼ねた哨戒任務、きっとこんな日常がずっと続くのだろうと思った矢先のこと、そもそも哨戒とは何の為にするのか私は失念していた。

 ふと目線を向けたら、敵がいた。小隊の人達に報告しようとしたが手遅れだった。私達は発見された。

 前回の時よりもだいぶ多い。

 

 「敵襲だ! 糞、早く応援を、」

 「一旦味方と合流……」

 「馬鹿、連れ帰る気か! 応援到着まで遅滞するぞ!」

 

 ……どうやら逃げられそうな空気ではない。あの数を4機で相手したところで死ぬのは目に見えている。どうにかして私だけでも生き残る為には……レギオンは兵器の質と量でこちらを圧倒しているが、戦術面は稚拙だという。

 なら、こちらが妙な動きをしてもそれに対応した行動を取るとは思えない。

 ……リスクはあるが、これしかないか。

 

 「各員、戦闘陣形へ……!?!いきなりどうしたD-4!」

 「……現在地では危険です。より砲撃に適した位置に移動します」

 「待て、孤立するぞ、死ぬ気か!」

 

 死ぬ気なんか欠片も無い。むしろ死ぬのはあなたですよ、小隊長。

 数日の間ですが、あなたに教えてもらったことは胸に刻みます。だから安心して死んでください。

 ……それと恩を仇で返してごめんなさい。

 

 私は生きる。たとえいずれ死ぬのだとしても限界まで生き抜いてやる。その為なら、他人なんかいくら死んでも、死んでも……そうまでして生きる価値、私に有るかな?

 いや、今はそんなこと考える時じゃない、目先の危機を乗り越えなければならないのだ。

 

 肝心のレギオンの動きは……よし、予想通り小隊の皆の方にほとんど行ってる。

 こっちに来てるのは斥候型ばかり、それでもやられる可能性は有るけど戦車型の相手をするよりよっぽどマシだ。

 教えてもらったワイヤーを使った移動で距離をとりつつ、砲撃を加える。撃って、逃げる、この動きをひたすら徹底する。端から見れば無様に追い回されて、逃げながらどうにか反撃しているようにしか見えないだろう、実際その通りだ。

 

 そうすれば、死ぬ可能性は減らせる。見てくれや戦果などどうでも良い。死なないことが第一なのだから。

 

 「嘘、脚が動か、イヤ、助け」

 

 金属が抉れるような音が遠くから響く。あの悲鳴は、リヴィスか? 食事の度に話しかけて来て、面倒くさかったな……でも、おかげで宿舎では一番話したっけ。

 

 ……考えるな、ここでは死は日常だ。それに、所詮数日だけの仲だ……早く"慣れ"よう。

 それよりまずいのが一機仕留めて余裕ができたのか戦車型が一機来たことだ。ジャガーノートの主砲では接近するか弱点部位を正確に撃ち抜かないと撃破は困難、そんなリスクの高い行動は取れない、無視が妥当だ。

 奴の120mm砲は脅威だが、当たらなければどうということはない。つまり射線を通さないようにする。

 ワイヤーを使って機動、奴との間に常に建物が来るようにする。戦車型の射線が通らないよう細心の注意を払いつつ、斥候型を排除する。運が悪ければ斥候型の射撃一発で機体を貫通され中の私が死にかねない。

 

 逃げる、撃つ、逃げる、撃つ……どれ程そうしていただろうか、自分で思っていたよりは短かっただろう、小隊長からの知覚同調が途絶え、それと同時に敵が殺到してきた。

 あ、まず、弾がもう

 

 瞬間、十数発の砲弾が私を狙っていたレギオンに降り注いだ。

 

 「D-4! 大丈夫か!」

 「うげ、お前以外全滅かよ、新入りのお前がよく生きてたな」

 

 ……助かった。私は、生きている。

 

 「機体の、特に脚部が限界です。それから弾を使い切りました」

 「なら下がってろ、そんな状態の新入りなんかいるだけ足手まといだ」

 

 言質は取った。私はただちに踵を返して撤退する。

 

 ……今日も私は生き残った、味方を見捨てて。でも、果たしてそうするだけの価値はあったのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 




エタらせる作家の気持ちが分かるようになったけど、それ以上に好きな作品がエタった読者の気持ちも嫌という程知ってるから頑張れる……投稿間隔をいくら空かせてでも完結させてやるゾ(自分にプレッシャーをかけている)。
 
 作品の話をするとチュートリアル戦隊のハンドラーはもっぱらサボっていて繋いできません。つまりエイティシックス視点のハンドラーとしては極めて優秀です。
 繋いでこないハンドラーが一番有能ってそれ一番言われてることだから。

 


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

パート5 帰還後 言い訳

ぬおー、なんとか毎日更新、達成!


 誉は無いのか! 誉は86区で死にました、なRTAはーじまーるよー。

 さてさて前回は味方を見捨てて逃げ帰って来たところまででしたね。

 

 帰還したら早速ガレージに棺桶を駐機して整備班に診てもらいましょう。

 ふむ、やっぱり脚部が限界でしたね、そら(安全装置外してあんなに動いたら)そうよ。

 なに? 脚部が限界でも支援砲撃くらいできただろって? いやぁ私新入りだからそこら辺の判断つかなかったんですよ(大嘘)。

 ちゃんと戦隊長の許可も取って撤退しましたから! 敵前逃亡じゃありません!

 

 よし、分かってもらえたみたいです。

 

 さてこの後はどうするかというと、帰って来る戦隊の皆の為に料理を作っておく……なんてことはしません。私幼女だからお料理できないの~というわけではなく単純にロスでしかないからです。

 何度となく周回してきた私のデータによれば恐らく戦隊は次の戦闘、三回目の戦いで全滅します(無慈悲)。

 

 チュートリアル戦隊の全滅回避は不可能ではありませんがかなり難しい上、結局解散するのは一緒なのでメリットが無いんですよ。

 そんな戦隊の好感度を稼ぐ必要なんか無いというわけですね。

 じゃあこの隙間時間はどうするのかというと……筋トレでもしてましょう。ステは上げておいて損はありませんからね。

 

                 幼女筋トレ中……

 

 おっ戦隊の皆が帰って来ましたね。被害は囮にした小隊含めて6機ですか、初陣で三機やられてますから現在の戦隊の戦力は15機、微妙なところですね。スピアヘッドじゃないので補充は普通に来ますが、それより先に三回目の攻撃が来るでしょうね。

 

 まだ意外と戦力が残っているのになぜ全滅してしまうかと言えば、三回目の攻撃は羊飼いに指揮されたレギオンが相手だからです。

 ゲーム的には羊飼いとの戦闘チュートリアルです。基本的にレギオンは性能や物量でこちらを圧倒してきますが唯一戦術面が稚拙という弱点がありまして、そのおかげでジャガノみたいなポンコツでもなんとか渡り合えている(とは言っていない)んですが羊飼いに指揮されたレギオンはその弱点を克服しています。

 

 つまり、人類/(^o^)\ということです。何が恐ろしいってゲーム後半、あるいは顔無に目をつけられると対羊飼いがデフォになります。控えめに言って無理ゲーです。

 なんで原作の共和国は大攻勢まで戦線を維持できてたんだ……? ボブは訝しんだ。

 とにかく次の戦闘でこの戦隊が全滅するのは確定です。ついでにその戦いが序盤の難所でもあります。チュートリアルが序盤の難所ってどういうことなの?

 まぁ突破する方法は考えてます。普通に攻略する場合味方が全滅した頃に救援が来るんですがそれだと時間がかかるのでこのチャートでは別の方法で乗りきります。

 

 具体的な方法はまたその時になったら解説します。

 

 それより今は戦隊の皆に労いの言葉をかけて……あげません!(どこぞのウマ娘)

 一人だけ逃げ出した奴に労われても腹が立つだけでしょうからね。まぁコミュ取る必要が無いってだけなんですが。

 皆帰って来たので食事の準備をしましょう。具体的には食堂の机にレーションを配ります。

 地獄をやっとの思いで耐え抜いたと思ったら地獄のように糞不味いレーションを食わされるプロセッサーの境遇に涙が止まらない!(ツイフェミ構文)

 

 はい。食事も終わったし寝ましょう。戦隊員からの目線は無視無視! 私は幼女だぞ(周りも少年兵な模様)。

 

 てれれれれーれー(前回ぶり二回目)

 

 オッハー! 朝だよー。

 

 そして朝は日課の筋トレ! 射的! 掃除! 朝食! 筋トレ! からの哨戒! コックピットで昼食! 帰還! 筋トレ! 夕食! 射的! KINTORE! 入眠!

 以上のルーティンを数日繰り返した結果がこちらになります。

 

 はえーすっごいいっぱい来てる。

 

 というわけで三回目の襲撃です。隊列を見るだけで今までのとの違いが分かりますね。

 今まではレーヴェがあーでアーマイゼがこうでグラウヴォルフがそうだったのが今回はまーになってます(語彙力の霊圧が消えた……?)。

 

 戦隊の皆はいつも通り待ち伏せするみたいですが、このままだと死にます。

 具体的には奇襲したと思ったら奇襲されます。レギオンは一見こちらに気づかず無防備に進軍しているように見えますが、実は斥候型が一機浸透してきていてこちらの位置は割れています。

 つまり敵は気づいていないふりをしているわけです。こちらが攻撃しようとした瞬間左右から敵が、上から砲弾が、前から堂々と敵がやって来るという寸法です。

 

 つまり死にます。

 

 ので素直に死にます。

 

 は? と思いの皆様、残念ながら今回はここまで、ではまた次回お会いしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 自分が生き残る為に、誰かを殺す。それはたぶんごく当たり前のことだったのだ。誰もが目を背けていただけで……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 機体が限界なのだと言い訳して私は一人帰還した。ジャガーノートを駐機させ、整備班に診てもらったところ確かに脚部が限界だと告げられて、私は安堵した。

 これで少なくとも敵前逃亡の汚名を着せられることは無い。

 

 整備班の人から脚部が限界だったのは確かだが、あまり移動せずに遠目に支援するくらいはできただろうと言われるが、経験が浅いので判断がつかなかった、戦隊長からも撤退の許可は貰えたと説明、いや、言い訳をする。

 ……納得はしてもらえたみたいだ。次からは脚の損耗に気を使って戦えと説教されてその場は解放された。

 

 宿舎に戻り、やることも無く手持ち無沙汰だったので筋トレをする。

 体は鍛えておいて損はない、実際ジャガーノートの操縦には体力が必要不可欠だ。乗り心地が悪く、高速で機動すると体があちこちに当たって痛む。

 戦闘より先に体がダメになって死ぬ可能性もあるのだ。

 

 ……それに筋トレをしていれば、余計なことを考えなくて済む。

 

 外から音がしてきたので帰って来たのだろうと見に行ってみればやはり戦隊の皆が帰って来ていた。

 

 視界に入るのは14機のジャガーノート。元は私を入れて21機で、1個小隊が全滅していたから……あれから更に3機やられたのか。

 

 労いの言葉をかけようと思って、やめた。真っ先に逃げ出した私に同情されたところで神経を逆撫でするだけだろう。

 せめて食事の準備くらいはしようと食堂にレーションを配って、こんな糞不味いレーションを食わされたところで心が安らぐはずないと気づいてしまった。

 

 案の定、皆辟易とした様子だった。

 

 戦隊の皆からなにやら視線が突き刺さる。逃げ出したことか、まともな食事を準備していなかったことか、どちらにしろ良くは思われていないようだった。

 

 ……早く、寝よう。

 

 朝起きれば、いつものメンバーが6人足りないこと以外はいつも通りの朝がまたやって来た。

 私は努めて今まで通りの生活を送るよう心がけた。

 

 

 

 

 

 

 

 何日か経って、絶望が群れを成してやって来た。

 

 

 

 

 

 




昼間は受験勉強するから夜に執筆してるんですがそのせいでいつもギリギリになりそう。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

パート6 チュートリアル終了 私は死んだ

ランキングにあがるような作品ってどれもこれも面白くて設定が良くて文才に満ち溢れてて……こりゃ勝てねえなって思い知らされます。

本話を執筆中にエイティシックスの原作十巻冒頭を読みまして、86区の詳細な生活が描かれていてこの小説書き始める前に読んどきゃよかったーと後悔しています。
今後も原作既読者の方には違和感を感じるような描写をしてしまうかもしれませんがどうかご容赦ください。

そして何の脈絡もありませんが腱鞘炎で指が痛くて辛いです。(指の使いすぎ)
親指がダメになったら人差し指、中指、左手……モルフォ戦のシンかよ。


 おいおいおい死んだわアイツ、そうだよ死ぬよ、なRTAはーじまーるよー。

 さてさて前回は三度目の戦闘に突入した直後からでしたね。

 

 本来であればこのままいくと戦隊は奇襲をくらって総崩れ、そのままレギオンの猛攻を受け全滅します。そんな中プレイヤーは一人生き延び、救援にやって来た戦隊に助けられ九死に一生を得て羊飼いの存在とレギオンが脳を回収していることを知りうんたらかんたら……。

 というのが本来の筋書きです。ちなみに戦隊員とちゃんとコミュを取った上で奇襲に気がつくとまた少し違った流れになりますが、大筋は変わりません。被害甚大で解散という流れは一緒なので。

 

 では今回のチャートではどうするのかというと、このタイミングで異能の覚醒を狙います。

 まず戦闘中盤までは普通に戦います。このチャートの肝はそこからで、大幅なタイム短縮と異能覚醒を狙える一石二鳥な方策が有るのです。非常にハイリターンな分ハイリスクな方法ですが、成功するとかなり美味しいです。

 

 具体的には、死にます。

 

 どういうことかは実際にお見せしてご覧に入れましょう。

 といってもまずは目先の敵を倒すところからですがね。

 まず申し訳程度にパラレイドで戦隊員に警告して自分は全速力で後退します。

 

 するとその次の瞬間には長距離砲兵型の砲撃と両側面からの突撃が来ます。一応警告したので多少は陣形を保てていますがあの調子だとすぐ崩壊しますね。そもそもジャガーノートの基本戦術は数機で連携して敵機の側面や背後を狙うというのが定石です。

 特に戦車型相手だと号持ちでも一騎討ちで仕留めるのは困難です。原作のスピアヘッドは号持ちでも化け物中の化け物が集められてるからなんとかなってるだけです。

 なおシンは初陣で戦車型を単機撃破した模様。原作主人公本当に人間??

 

 まぁ要するに何が言いたいかというと陣形が崩壊して分断されたら詰みます。前回は自分でなんとかしなくても応援に任せればなんとかなると分かってたのでひたすら逃げに徹してなんとかなりましたが本来ジャガーノートは孤立したら死ぬ兵器です。

 ではなぜまた自分だけ逃げて孤立するのかというと、連携したところでどちらにしろ勝てないからです。羊飼いに指揮されたレギオンとかいうなろう主人公並みのチート。

 

 孤立したジャガーノートが脅威では無いというのはもちろんレギオン側も把握していますからそれだけ狙われにくくなります。羊飼いの性格によってはむしろ孤立している方から仕留めるパターンもありますが、チュートリアルで来る羊飼いは固定なのでその心配もありません。

 つまり普通は孤立したら死ぬけど一人でもなんとかなる腕前が有ってかつ囮になる味方部隊が存在するなら逆に死ににくくなります。前回も同じロジックで部隊から離脱したわけです。

 

 おっ味方が半包囲されましたね。下手に孤立を恐れて留まっていたらあの中に取り残されていました。自分の判断とチャートの正しさに満足しつつ自機は大回りして敵の背後を突きます。まさか羊飼いも取り逃がした一機が単機で味方の救援を試みるとは思わないでしょう。

 なんでせっかく逃げ出せたのにまた突っ込むの? 馬鹿なの? 死ぬの? とお思いかもしれませんが流石にこのタイミングで全滅されると救援到着まで持たないので助けます。

 

 ならなんで最初から警告しなかったんだと言われるかもですが、コミュをとってない状態だと信じてもらえないんです。まさか異能(プレイヤーチート)だと言うわけにもいきませんし、なによりある程度追い詰めないと救援を要請してくれないからです。

 包囲下の戦隊はあっという間に壊滅してこれはヤバいと救援を要請してくれるわけです。

 ちなみにちゃんとコミュとって警告すると中央突破からの背面展開とかいうブラックホールを背にして戦うどこぞの元帥みたいな戦術が実行されます。

 まぁそれでも壊滅するんですがね。

 

 さてさて画面は戦隊を包囲するレギオンの背後に単機踊り掛かるセイナちゃん。今までのチキンっぷりが嘘のようだ!

 早速レギオンが想定外の奇襲に硬直している隙に突貫、とりま戦車型1機の懐に飛び込みアンカーを射出して更に肉薄、接射で仕留めます。

 これで注目度が上がってしまいますが今までチキってきた分で相殺されます。

 そしたら近接猟兵型や斥候型にも砲弾をお見舞いしましょう。これで包囲網に穴ができます。

 

 すると包囲網にも穴は有るんだよな……と言わんばかりに戦隊が脱出してきます。

 ひいふうみい、生き残りは7機ですか、思ったより残りましたね。これだと救援を呼んだか微妙ですが……ちゃんと呼んだみたいですね。

 これにて仕込みは完了! ではいざ私が編みだしたタイム短縮と異能覚醒を両立する奥義、

 

 自分から上手い具合に被弾して気絶、からの戦闘スキップ&異能覚醒イベ発生

 

 を実行します。この奥義は、まぁそのまんまです。ワンチャンそのまま死ぬというリスクと引き換えに大幅なタイム短縮を実現するまさに奥義!

 

 はい。引っ張った割に糞しょうもない方法ですいません。

 でもこの奥義"上手い具合に被弾する"っていうのがコツが要りまして割と難しいんですよ。練習のためにどれだけ多くのプロセッサーが犠牲になったか……(86敗)。それに他にも細々とした条件を揃える必要がありますし。

 

 しかしその条件(味方と救援の存在)も達成した今、隙は無し。

 

 ではいざ実行。

 

 てなわけでいざ実践、あっ戦車型の砲撃が思ったより深い角度でヤバいもう再走は嫌だ

 

 といったところで今回はここまで、ではまた次回お会いしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 よくあることだ、戦隊が全滅するのも、日常が崩れ去るのも、この86区では。だから私が経験している"これ"もよくあることなのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 補充もまだ来てない内に、攻撃が来た。哨戒からの報告ではいつもより多めとのこと。

 前回よりこちらの戦力は少ないのに、あちらの戦力は前回より多い。控えめに言って、絶望。

 

 ……それでも戦わないという選択肢は取れない。寡兵による、圧倒的対多数戦闘が当たり前のエイティシックスにとってこの程度の戦力差はまだマシな方である。

 戦隊長の号令と共に、次々とアルミの棺桶に乗り込むプロセッサー達。この内何人が生きて帰って来るのか、予想したくもない。

 だがそれでも私は必ず生きるという覚悟を決めてジャガーノートの操縦桿を握る。

 

 作戦は、いつも通りの待ち伏せ。特に異常も見られ……いや、良く見るとレギオンの隊列に違和感がある。

 なぜだろう、根拠は無いが嫌な予感がする。動きからして奴らはこちらに気づいていない。だからこのままいけば奇襲を喰らわせてやれる、そのはずだ。まさかレギオンが人間のように奇策を用いるはずもなし。

 

 ……本当にそう断言できるのか? 私は着任1ヶ月未満の新入りだ。戦場の知識はベテランに比べれば無いも同然、つまり私が予想だにしないことが起こってもおかしくない。

 そう、例えば"レギオンが気づいていないフリ"をするとか。

 

 一機の斥候型。それを、どういうわけか戦隊の中で私だけが発見した。位置関係からしてこちらに気づいているはず。

 なのに、敵は

 

 「!?!見つかってます! 攻撃が来る!」

 「見つかってるなら攻撃されてるはずだぞ、D-4少し落ち着」

 

 私は一人全速力で後退した。理由はない、ただそうするべきだと本能が叫んだ。

 

 次の瞬間、頭上に砲弾が降り注いだ。それとほぼ同時に両側面から敵が突っ込んで来た。

 一瞬で戦隊は包囲された、離脱した私以外は。

 

 どうする? このまま戦隊が全滅するのを指を咥えて見ていればいずれ私の番が来る、ジャガーノートの機動力では逃げ切れない。

 なら、解囲するしかない。大きく回りこんで、敵の背後を取る!

 敵に発見されないよう細心の注意を払いながら戦車型の背後を取り、念のため更に接近して接射する!

 

 私は、生き残るためにリスクを徹底的に避ける、これは変わらない。

 でも、生き残るためにそれが必要なら、躊躇は無い。

 

 だから、レギオンもエイティシックスも白豚も、

 

 私のために、死ね。

 

 戦車型を仕留めたら周りの斥候や近接猟兵共に砲弾を浴びせる。やっと状況を理解した鉄屑が反撃してくるが、もう遅い。

 

 「セーナ、良くやった!」

 

 私が作った包囲網の穴を見逃さず、戦隊長を先頭に皆が飛び出してくる。その数7機。

 私をいれて戦力はジャガーノート8機。

 絶望に変わりはないが、希望は見える。

 

 聞けば救援もすぐ到着するという、あと少し、もう少し耐えれば私は生き延びられる!

 

 

 

 

 そう思った矢先のことだった、私の機体を戦車型の砲撃が打ち砕いたのは。

 

 

 

 

 

 

 




ここまで書いてふと情景描写をほとんどしてないことに気づいた……自分の文才の無さが嫌になる(そういう次元の話ですらない)。

原作で1ヶ月未満だけどエイティシックス達の訓練期間有るって言及されてましたね。
いやこれ二次創作だから……私の中ではエイティシックス達は訓練無しで放り出されてるってイメージだったから(震え声)。
所詮は素人の二次創作なので原作との設定の矛盾なんかは読み流していただけると幸いです。(後になって修正するかもしれません)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

パート7 九死に一生 覚醒

自分で書いた文章を読み返す度に書き直したくなる。これってあるある?



 さぁよみがえるのだ、この電撃で~なRTAはーじまーるよー。

 さてさて前回は上手い具合に被弾しようとしたら思ったよりひどい損害を食らったところまででしたね。

 

 これワンチャン死んだかな? もう再走は嫌なんですが……

 あっ意識を取り戻しましたね。良かった、見る限り気絶しただけで重症でもないみたいですね。エイティシックスにとって戦えなくなる=死ですからね。相変わらずですが86区は地獄かな?

 

 それで現在地は……ふむ、どうやら救援に来た戦隊の基地に寝かされてるみたいですね。自分の戦隊の基地じゃないのは、多分チュートリアル戦隊が全滅したからですね。

 まぁチャート通りです。問題はここから、異能が覚醒したかどうかで今後のチャートが大きく変わる……めっちゃ音声がうるさくなりましたね、めでたく異能覚醒です。

 

 あ、音声うるさいんでミュートにしますね、ゲーム音なんかは後で編集でつけときます。

 

 とにかくこれで序盤の山は越えました。一応異能が覚醒しなくても大丈夫なようチャートは組んでありましたがこれでまさしく本RTAの完走は決定づけられたと言っていいでしょう。

 ゲームの方は戦隊が全滅したので新しい戦隊に配属されるところですね。これがいわゆる戦隊ガチャ&ハンドラーガチャというヤツです。

 配属戦隊によってはシンやライデン等の原作メンバーと会えますしそれ以外にもゲームオリジナルのプロセッサーやハンドラーとの出会いも楽しみの内です。

 まぁプロセッサーはともかくハンドラーの方は原作再現かロクなのがいないんですが。

 

 プロセッサーの方も戦隊によってはとんでもないところがあったりします。チュートリアル戦隊では戦隊員が(比較的)優しかったのでそういうことはありませんでしたが戦隊の中にはイジメで秩序維持してるとことかありますし、特に今回のプレイヤーキャラはシンと同じまんま帝国貴種の外見なので敵国民として攻撃される恐れがあります。

 まぁ、そうさせないためのチャートですがね。チュートリアル戦隊ではどうせ死ぬからとあまりコミュをとっていませんでしたがこれからはむしろ好感度を荒稼ぎして戦隊のアイドルになってやります。

 

 そして情に絆されたプロセッサー達を盾にして生き残ります。こうすることにより、レギオンからはなんかやたらモテてるヤツとしか思われなくなるわけですね。

 ちなみにせっかく手に入れた異能ですが、可能な限り乱用は控えます。理由は今まで散々お話ししてきた通りですね、私はこれでもかなりのプレイヤースキル(自画自賛)を持っていますがそれでもシンには叶いません。

 ですから、原作でシンがやられたようなレギオン君迫真のストーキングをされたが最後、詰みます。

 

 ので異能を持っていることを隠蔽しつつその上で更に私無能ですよアピールを続けることで顔無君からの注目を避けるわけです。

 要するに、味方を見捨てて自分はサボる。これが本チャートの基本戦略です。

 

 まぁスピアヘッドまで行けたら後は原作通りで問題無いんですがね。特別偵察にメンバーが一人増えるってだけなので。

 怖いのが同じ異能持ちってことでシンとの間に何かイベントが発生しないかってことなんですが、試走ではレギオンの声ってうるさいよね程度の雑談が挟まる程度なので問題無いでしょう、スピアヘッドまでいけば原作イベントが盛りだくさんですし、原作主人公は原作ヒロインとの文通に夢中になるので。

 

 ともあれ、これでチュートリアルは終了! ようやくゲーム本編が始まります。

 チュートリアルがチュートリアルになってないという事は言ってはいけない。

 

 さて新しい戦隊に配属されるといったところで今回はここまで、ではまた次回。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私はたぶん一度死んで、蘇ったのだと思う。だからきっと、こんな死者の声を聞く力が備わってしまったのだ。そうに……違いない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最後の記憶は、戦車型が私に砲を向けたところまでだった。そこで意識が途絶え、ふと気がつくと暗闇の中に一人残されていた。何も考えられないまま、一瞬とも、永遠とも思えるような時間が経った後、どこからともなく"声"が聞こえた。

 一人や二人の声ではない。おびただしい数の声だ。それがうるさくて、私は思わず……

 

 「起きたかい?」

 「……はい」

 

 夢、そうだと思いたかった。さもなくば死後の世界か。しかしあたりを見渡せば、見覚えがあるようで無い、たぶん私を助けた戦隊の隊舎。つまり、ここは現実の中の地獄、86区の戦場だ。

 ならなぜ夢で聞いたあのおびただしい量の声がまだ聞こえるのだろう?

 分からない、夢なら覚めろ。覚めてくれ……でないと私は、狂ってしまう。

 

 だけど現実は非情で、忌々しい声は止む気配もなく、ただ肌に伝わる感触が意識を固定する。

 

 「運が良かったね、戦車型の砲撃を食らって生きてる、それもかすり傷で」

 「……戦隊の皆は」

 「ああ、君の戦隊は、その……」

 

 それだけ聞けば十分だった。つまり、私の戦隊は全滅したのだ。

 

 それがどうした、私は生きてる、つまり私の勝ちだ。そう自分に言い聞かせても、たった一二週間の付き合いのはずの戦隊の皆のことが頭に浮かぶ。

 落ち着け、私は何が何でも生き残ると決意した、その為なら他人なんかどうなったって構わないと、そう思った。

 だから、死人の顔を一々思い出すな、考え込むな私。

 

 ……このわけのわからん"声"のせいで気が立っているみたいだと、自分を分析する。大丈夫、こんな声は幻聴だ、たぶん頭をやったんだろう、すぐ聞こえなくなる。

 

 そこまで考えて、ようやく自分の今後に思い至る。

 

 「たぶん君は別の戦隊に転属という形になるだろうね、なんせ全滅だから。しばらくしたら白豚が輸送機で迎えに来るか、それすら面倒くさがってここらの戦隊に配属されるかも」

 

 戦隊長らしい女にそう説明され、それまでは戦わなくて良いと安堵する。もっとも、ほんの僅かな間だけだろうけど……。

 

 「それにしても本当に君は危なかったんだよ、あと少しで回収されるところ……」

 

 話し声を聞き流し、私はぼんやりと頭に響く"声"を呪いながら意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 私の新しい配属先は、東部戦線第二四戦区第一防衛戦隊"ツヴァイハンダー"というところらしい。

 さて、どうやって生き残ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ここまで書いて思ったことを一つ、走者が白豚に見えてきた。考えてみれば自分は安全圏からエイティシックス達の戦いを傍観してるだけってまさしく白豚の所業じゃないですか。
まぁ走者にとってみればただのゲームなんですから当たり前のことですが。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

パート8 新しい戦隊 うるさい声

アンケート機能を試してみました、めっちゃネガティブなアンケとってすいません。ただ一回書く期間空いちゃうとモチベが……。


 なぜか一週間くらい空いたような気がするRTAはーじまーるよー。

 

 さてさて前回はチュートリアルが終了、新しい戦隊に配属されたところからですね。

 

 今回からは積極的に戦隊員とコミュをとっていきます。つまり殺伐としたエイティシックス達を救済するレギオンの声を聞くお姫様になろう! ということです。

 

 まぁ最後には自分だけ逃げる気満々なんですがね。いや、好きで逃げるわけじゃないから、白豚が行けって言っただけだから。

 

 ちなみに普通に戦隊員とコミュをとろうとした場合帝族に間違えられそうな見た目と異能も相まってイジメられます。や人愚滅(火竜並感)。

 

 まぁその為のチャートですがね、恋愛シミュレーションじゃないので好感度の荒稼ぎ自体は割と簡単にできます。

 

 荒んだエイティシックスを癒してあげるなんてセイナちゃんは優しいなぁ(なお盾にする模様)。

 

 まぁそんなわけで戦隊員達との顔合わせです。

 

 オッス、オラセイナ・ネイケース! 仲良くしてくんな!

 

 ん~反応はイマイチですねぇ。

 

 まあこっからが走者の腕の見せ所です。人間初対面の印象に引っ張られるもの、つまり初対面の印象に引っ張られるということですから、初対面の印象を引っ張ります(極めて論理的な文章)。

 

 つまり、全力幼女プレイします。

 

 わ、私この戦隊が二つ目の戦隊で、前の戦隊の人たちは皆死んじゃって……でもこの戦隊では皆のお役に立てるよう頑張ります!

 

 ふぅ、成し遂げたぜ。いくら人種が帝国貴種でもこれでイジメられるということはなくなります。というかこんな幼女をイジメたらそれこそ白豚と大差ありませんからね。まぁ周りも少年少女なんですけど。

 

 まぁそんな具合で初日は平和に……

 

 

 レギオン「ハァイ!」

 

 

 いかないんだなぁこれが! そんな流れで新戦隊での初戦闘です。

 

 今回からはチュートリアルではなくマジの戦闘です、油断するとすぐ死にます。(なおチュートリアルでも普通に死ぬ模様)

 

 棺桶に乗り込みいざ出撃、今回セイナちゃんは第三小隊の所属で、コールサインはC-2とかいうらしいですねぇ……ギアス授けられそうなコードネームしてんなセイナちゃん。

 

 まぁそんなどうでもいい(実際どうでもいい)事より目先の戦闘です。チュートリアル戦隊以降に配属される戦隊は特定の条件を満たしたりイベントが発生しない限り基本的にランダムです。一応時期や戦況によって傾向はありますがチャートに組み込めるほど確実なものではありません。

 

 ゲームデザイナーのRTAを妨害してくるスタイル、好きじゃないし実際嫌い。

 

 まぁつまり配属される戦隊はランダムなので初回の戦闘でどんな戦隊か見極める必要が有るんですね。

 

 今回の戦隊は……特徴が無いことが特徴みたいな戦隊ですねぇ! まぁ変に特色がある戦隊よりこういう戦隊のほうがRTA的にはやり易いんだけどですが。

 

 ともあれ戦闘です。レギオンの襲撃はランダム性が強いですが、異能に覚醒した今ならレギオンの行動は手に取るように分かります。あ、そういえば安全装置外すの忘れてましたね(ガバ)まぁ大丈夫でしょう、本来付けるのが当たり前の機能ですし(フラグ)。

 

 基本的な戦闘スタイルは今までと同じ味方を見捨てて自分はサボる、なんですがまだ好感度を稼いでいない内に初陣でもないプロセッサーがそんなムーヴかましたら粛清案件なので今回は比較的真面目に戦います。

 

 小隊の皆と一緒に頑張りましょう(黒い笑み)。

 

 敵戦力はこちらの異能で丸分かりなので、それによれば今回の攻撃の規模はまぁまぁってとこですね。まぁそれを戦隊に伝えはしませんが(ゲス顔)。

 具体的な動きとしては新人が下手くそなりに健気に頑張ってる風に戦いましょう。というか自キャラのステなら普通に戦えば勝手にそんな戦い方になりますがね。

 

             以下戦闘の様子

 

 オラァん! 鉄屑はさっさと帰んな! あ、レーヴェは勘弁してくださいこのタイミングで本当の実力がばれるとチャートがガガガ……あ、先輩方マジサンクスってこのタイミングで長距離砲兵型! 跳躍して回避って安全装置外すの忘れて、あ~戦力が削れるんじゃ~おいおいおい死んだわアイツ(脚部が故障した棺桶を見て)

 

 ふう、生き残ったぜ……いや相変わらずですけどこのゲーム難易度高すぎません?

 RTAどころか普通にクリアするのもキツイですよ、あ、だから先駆者兄貴姉貴がいなかったのかぁ。

 

 まぁこの戦闘で戦隊の皆からの好感度は稼ぎましたしよしとしましょう。

 

 といったところで今回はここまで。ではまた次回……投稿できるかなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんで最初に思いつかなかったんだろう、そうだ、他人に好かれて、利用して盾にして見捨てて生き残れば良いんだ。どうせすぐ死ぬ命なんだから、精々私に利用されればいい……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの、忌々しい声が止まない。最初はショックから来た幻聴だと思っていた、しかしいくら時間が経っても心を落ち着かせても声は止む気配もなく、死に際の絶叫のような、あるいは呪詛のような声が延々頭の中に響いている。

 いい加減に認めざるを得なかった、私は当分、この声と付き合っていかなければならないのだと。

 

 ……この声の正体は薄々察していた、どうやら、私はレギオンの声が聞こえるようになってしまったらしい。

 だからなんだ、それが生き残ることの役に立つのか? 私はそう思い、頭の中に響く忌々しい声を呪いながらひとまず生き延びるための方策を考えた。

 前回の戦隊で、私は味方を囮に使いリスクを最小限にすることで助かった。安定を求めるなら実際に成功したやり方をそのまま踏襲するのがいいだろう。

 だが、まるっきり同じように振る舞うのはそれはそれでリスクがある、前回の戦隊は私が全くの新人だったからあのような行動が許されたところがあるのだ。

 

 となると、どうにかして前回と似たような行動を取っても許されるような環境を作らねば……戦隊の人員と仲良くなって守ってもらうのはどうだろう?

 実現できれば理想的だが、いくら仲良くなったところでそれを理由にこの86区の戦場で戦わずに済むとは思えないし、そんなプロセッサーをエイティシックス達は認めないだろう。

 となると、戦闘には出るが優先的に守られる程度の立ち位置が現実的か。

 

 「おい、さっさと行け」

 

 白豚の言葉を聞き流しながら私は大まかな方針を決定していた。

 よし、ひとまずこれでいこう。

 

 「お前が補充の奴か? またチビがきたな、しかもその髪と目、帝国人か?」

 「戦力にならなさそうだなぁ」

 「ちょっと、いきなりそんなこと言わないの」

 「とりあえず自己紹介しろ、話はそれからだ」

 

 

 「あ、えっとわ、私この戦隊が二つ目の戦隊で、前の戦隊の人たちは皆死んじゃって……でもこの戦隊では皆のお役に立てるよう頑張ります!」

 

 

 まぁこんなところだろう、無論この程度で同情が買えるほど簡単ではない。この程度の境遇、エイティシックスにはいくらでもいる。

 だが、少なくとも悪印象は与えなかったはずだ。

 

 ここから、どうにかしてコイツらから守ってもらえるほどの関係性に……。

 

 その時だった、頭の中に響いている声が突如騒がしくなったのは。

 ……来た。

 

 戦隊員とうんぬん以前に、まずはこの戦いを生き延びなければ。

 私が声を聞いてからしばらくして、哨戒から敵発見との連絡が入った。

 

 ジャガーノートに乗り込み、知覚同調で所属小隊とコールサインを伝えられ、小隊員と最低限の戦術会議を行い、戦場に向かう。

 何度も経験した、だが慣れそうにないこの感覚。今回は何の仕込みもない、死ぬ可能性は十分にある。

 それでも、エイティシックスに戦わないという選択肢は存在しない。

 

 ……なら、私はエイティシックスではないのか?

 

ダメだ、考えるな、戦いに集中しろ。

 

 ああ、うるさい、私の安寧を邪魔するレギオンどもめ、一機残らず、破壊してやる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 考え込むのは私の悪い癖だが、考えることを放棄するのも考えものだ。

 ……結果的に生き残ったから、良しとするか。

 

 

 




今思ったけど号持ちって千人に一人くらいしか発生しないわけで、一個戦隊が二十四人だから……号持ちが一人もいない戦隊が圧倒的多数派を占めることになるのでは?
となると号持ちが複数人いる戦隊って……スピアヘッドの頭おかしさを改めて再確認した(小並感)。

エタった時のために今後の展開をエンディングまでネタバレしておくべきかな?(エタらせる前提の作者の葛)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

パート9 懐柔 哀悼

アンケートの結果思っていたよりも多くの人が完結を望んでくださっていたので勉強に支障がでない範囲で頑張ってみます。具体的には最低でも月1は更新……できたらいいなぁ(願望)。
お待たせした割りにあまりストーリーが進まなくてすいません、あるタイミングで一気にペース上げるのでご容赦を……。
久しぶりに書いたんで若干文体が変わったかも?


 かーなり時間が空いたような気がするRTAはぁーじぃまぁーるよぉぉぉ!

 

 さてさて前回は新戦隊での初陣を済ませたところまででしたね。

 今回は戦隊員達を懐柔して信者に染めていきます。

 

 このゲーム、というか原作でもそうなんですが一度同じ戦隊になって生き残った隊員とは同じ戦隊に配属される可能性が高くなります。原作でシンとライデンが出会ってからずっと同じ戦隊だったりしたのもそれです。

 人間関係や連携を白豚が考慮するとも思えないので多分事務処理の都合だと思われます。

 

 つまり何が言いたいかというとここで忠実で優秀な信者を作っておけば今後も連れ回すことができます。まぁ一回限りの肉壁でもいいっちゃいいんですが行く先々の戦隊で好感度稼ぎをするのはロスなので出来れば死なせないほうが良いです。

 まぁどんなに頑張ってもスピアヘッド送りになる頃には信者は全滅するんですがね……。

 

 とにかくあれもこれもまずこの戦隊で信者を獲得しなければ始まりません。戦闘を終え帰還した戦隊各員。とりあえずよく知らない戦死したプロセッサーを悼んどきましょう。そしてそこからの労いと励ましの言葉!

 一周回ってキレられそうな言動ですが年齢と第一印象もあるので悪い印象は持たれません。こうしたこまかな配慮が好感度稼ぎにおいては重要です。

 基地内では仲間が戦死してショックを受けている人を中心にフォローを行います。見知った仲間を失った直後に幼女からの励まし、これは効きますよ~

 

 まぁこれだけだとただの良い人止まりなんで、ここからさらにもう少し頑張る必要があるんですがね。具体的には上げて下げてまた上げます。

 なんのこっちゃ? と思うかもしれませんが他人を自分に依存させるにはこれが効くんですよ、ほら恋愛でも適度に焦らしたほうがいいって言いますよね? つまり、仲間の死で下げて励ましで上げるってことです、なに? つまり励ますだけだろって?

 そうですが何か?

 まぁ好感度稼ぎは1日にして成らずなので気長にいきましょう。

 

 そんなわけで新戦隊1日目は終了。

 

 からの二日目開始!

 まぁやることといったらこまめな気配りとカウンセリングくらいですがね、あと哨戒と訓練。

 ん~今日はレギオン来ませんでしたね、まぁ来ないにこしたことはないんですが。

 

 そんなわけでそんなわけで二日目終了……見所さんの霊圧が消えた? いやこれRTAなんで別に構いませんが。

 

 三日目、四日目も同じ具合で、五日目にやっと敵が来ました。

 以下戦闘風景

 

 ドンドン、パフパフズッガーンドッカンドンパチまて俺には基地に恋人がドーン工事完了です……

 

 NKT~いやー戦車型は強敵でしたね、味方が三人もやられました。まぁプロセッサーの死者数なんて誤差だよ誤差!

 それよりも戦死者が出ましたねぇ! これは好感度upのチャンスです。前回の戦闘はなんだかんだほとんど戦隊員と関わっていなかったのでそんな状態で仲間を悼まれてもいやお前死んだ奴のことなんも知らんやろってなりあまり好感度稼ぎにはならなかったのですが、今回はある程度見知った関係ですのでかなり稼げます。

 

 この調子でドンドン好感度を稼いで新興宗教を立ちあげましょうね~

 

 あと懸念事項としてはセイナちゃんのメンタルですが……レギオンの声と仲間の死のダブルパンチを食らってもパッと見大丈夫っぽいので当分なんとかなるでしょう!

 

といったところで今回はここまで、ではまた次回。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 忌々しい声は鳴りやまない、誰かの死に際の絶叫、嘆き、怒り、様々な感情が流れて来る。そんな声の中に、特に聞きたくないと願っていた叫びを耳にした。

 

 「ハイル・ライヒ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 新しい部隊での初陣を終え、私は帰路についていた。死線を越えて一息つきたいところだが、私の生存戦略を考えればそうも言ってられない。必要なのはまず好感を得ること、その為にはサボってなどいられない。

 その上で、戦友を失いショックを受けている彼らの状態は都合が良い。人は弱っているところに漬け込まれると脆い……収容所でもそうだった。

 とりあえずは戦隊の輪に入るために戦死者を悼むところから始めよう、入ったばかりの新人に口先だけ悼まれるとはいえ、何もやらないよりかは好感が得られるはずだ。

 

 「その、亡くなった方は残念でした……よかったらどんな人だったのか教えてくれませんか?」

 

 食堂で、不味いレーションを口に詰め込みながらそう口にする。エイティシックスにとって死は日常だ。無論、だからといって死ぬのが怖くない、仲間が死んでも悲しくないなんてことはない。

 表面上はよくあることだと平静を装えても、その実内心では着実に心は磨耗していく。自殺者が出ないのは……私が知らないだけで出ているのかもしれないが……エイティシックスの精神性もあるだろうが、単に自殺などしなくてもレギオンが殺してくれるからのように思える。

 

 「あぁ、新人の子か……そんな風にいちいち気にしてたら疲れるぞ、出撃の度に誰かしら死ぬんだから」

 

 承知の上だし、それに会ったばかりに人間にそこまで情は……移っていないと思う。

 

 「まぁそれでも、君みたいに思ってくれる人がいるってだけで死んだ奴も浮かばれるよ」

 

 ……反応は上々か。その後も数人と戦死した人の話をして、その日は眠りについた。

 

 二日目は、人間関係を把握するために戦隊全体とまんべんなく話をした。勿論哨戒と訓練も欠かさない、ついでに哨戒中に廃墟を漁るのも。

 

 三日目、四日目は”いけそうな”人物に限ってアタックを掛けた。といっても所詮会って数日の関係性だから誤差と言えばその通りではあるが。

 そして五日目、敵が来た。まずい、まだ”仕込み”は完了していない。懐柔という意味では好都合だが、限度がある。

 

 ふぅ、落ち着け、落ち着け、恐怖に潰されるな、こんなところで死ぬようじゃどっちにしろいずれ死ぬ。

 操縦桿を握り締める。

 

 戦隊長の号令で出撃する。運動性、追従性が共に悪いジャガーノート特有のどこかもたついた無様な動きで、体を震わせながら。

 

 

 

 「撃て撃て、弾幕を絶やすな! 遮蔽から出るな、孤立もするなよ、必ず数機で一機に当たれ、奇襲、各個撃破、一撃離脱を徹底するんだ!」

 「やべぇ遮蔽ごと吹き飛ばされる!」

 「レーヴェが纏まって来やがった、どうにか分断しないと……!?」

 「痛いぃ、痛いよぉぉっぉ」

 

 ……逃げたい、凄く逃げたい。でも逃げてもどちらにしろ死ぬ。だから戦うしかない、ああぁ、もう、糞。戦車型相手に効かない弾を撃って、逃げて、その繰り返し。

 一人死んで、また一人死んで、今しがた一人死にかけている。……メンタルケアが捗るなぁ、とそんなことを考えていたら、戦闘が終わっていた。

 

 意外となんとかなったらしく、被害は三人だけだった。

 

 ……次の出撃までには。

 

 

 

 

 

 




scp財団に就職した転生者たちの掲示板とか萌えミリ作品でヤンデレものとかディストピアな世界で百合魔法少女モノとか神世紀ゆゆゆゲリオンとかクトゥルフ神話と乃木若葉は勇者であるのクロスとか書きたいネタはいくらでも有るのに筆がそれに追い付かない……誰か代わりに書いて(懇願)。

追記、言い訳がましいですがコロナ陽性でぶっ倒れてました(治ったし後遺症も無いので心配なさらず)。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

パート13 訓練あるのみ 命の価値

パート数を見て、!????となった方へ、仕様です。アンケ取った手前で申し訳ないんですが何年かけても良いとは言われましても流石に本当に何年もかけられないので。

まぁ要するにこのままチンタラやってるといよいよもっていつまでも完結しそうにないのでペース上げていきます(ペースのあげ方が間違っているのは自覚してますし申し訳ないと思います)


 

 信者を侍らせるRTAはーじまーるよー。

 

 さてさて前回パート12にてようやく戦隊員全員の懐柔&信者化完了したところまででしたね。いやぁ~パート11でセイナちゃんの異能の件で一悶着ありましたが結果的に全員堕とせたのでロス分はおつりが来ます……くるよね?

 

 そして今回は堕とした戦隊員達を間引き……鍛え上げていきます。現時点でほぼセイナちゃんが戦隊長みたいな立場になってるので隊員達はこちらの命令に従ってくれます、それこそ必死前提の命令でも従っちゃうくらいには。

 普通のプレイだと平隊員→小隊長→副長→戦隊長という具合にステップアップしていくんですが、平からいきなり戦隊長にジャンプできるのがこのチャートの利点です。

 のでそれを活かして本来哨戒に費やされる時間を訓練にあてて鍛え、わざわざ連れていく価値の無い奴は実戦で間引きます。哨戒なんかしなくてもレギオンの動きは異能で分かりますしね。ちなRTA的には部隊には頻繁に全滅してもらったほうが短縮になります(次の戦隊に配属されるまでの日数がスキップされるため)。

 

 そんなわけで訓練開始、エイティシックスは訓練期間が他国の正規軍人と比べて無いに等しいので号持ち以外は案外基本的な動作が怪しかったりします。しかも哨戒が多いせいで訓練する暇が少ねぇ! 共和国さぁ……ただでさえ機体性能が酷いのに乗員の練度まで酷いとか質より量を徹底しすぎでは? 訓練期間をあと1ヶ月長くするだけでどれだけ戦況が……あ、そもそも処刑人代わりにレギオン利用してたんですね、これは失敬。

 ともかく訓練の教官は号持ちにして元戦隊長殿にやってもらいましょう、戦隊長の立場食われた可哀想な人ですがなぜかやる気満々ですね、まぁ今まで新入りに訓練とかそういうことしてあげる余裕なかったですからね。

 

                ~戦隊訓練中~

 

 うん、(練度の上昇が)おいしい! 特に見込みのありそうな……号持ちになれる素養(なれるとは言っていない)のあるプロセッサーは三人ですか、原作キャラじゃないモブだと考えるとまぁまぁ、いやかなり良い引きです。

 まぁ数日の訓練なんか焼け石に水と言えばそれまでですが、これはRTA、その僅かな違いでタイムが縮まるから訓練も中々侮れません。

 

 そうこうしていたら戦隊掌握後初のレギオンの襲撃です。ここでポイント、異能でレギオンが来たのが分かってもあえて若干遅めに出撃しましょう。

 それだと準備に使える時間が減らないかってとこですが、それよりも顔無君のヘイトを買わない方が重要です。原作のシンはこれを怠ったせいでバーレイグなんて中二病みたいなあだ名レギオンに付けられちゃったわけですね。

  

 てなわけでいざ実戦、ちなみに今回から戦隊の指揮は私がとります。いや懐柔したの私とはいえよくこんな幼女に従うなこいつら……いよいよもって元戦隊長君の立場が無くなってます。

 で、肝心の指揮ですが、まず死んでも構わない才能無しを突撃させます。そうやってレギオンを撹乱、誘導したら有能組で狙撃。プロセッサーは死にますが有能組は無事だしレギオンは撤退するので問題ありません。

 清々しいほどの糞戦法ですが無能の間引きと有能の保全を両立できる合理的判断と言っていただきたい(人間の屑にして走者の鏡)。

 

 そして帰還、戦隊のハンドラーに補充申請はしません。したところでどうせ来るのにしばらく、あるいは永遠にかかりますし、何よりこの戦隊は見込みのある奴だけ残して全滅させる予定です。

 それから戦隊員のメンタルケアも忘れずに、釣った魚には餌をやらないと死んじゃいますからね。

 

 とりあえずこれで本RTAの基本的な形は整いました。この懐柔、部隊掌握、間引き、壊滅からの部隊解散という流れをスピアヘッド行きまでひたすら繰り返します。

 そこまでの道中で原作キャラとの遭遇とか羊飼いとの戦闘だとかのイベントをこなしていくわけです。

 ただそうなるとイベントの時以外は同じ作業の繰り返しなので、視聴者の皆さんを退屈させてしまうので~特に何もありません! ひたすら同じ作業を繰り返す私と同じ苦しみを味わえ(走者の屑)。

 

 といったところで今回はここまで、ではサイナラ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 脳裏によぎる故郷の記憶は良いものでは無かった、もし故郷が素晴らしければよりにもよって共和国になんかに行くはずが無かったからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ”仕込み”が完了したことを確認した私は心の内で計画通りとほくそ笑んだ。元々、収容所にいた時から人心掌握は得意だった、というより得意になれなければ帝国貴種の私などとうに殺されていただろう。

 思えば、生まれた時から私は人の心を察するのが不気味なほど上手かった。死にかけて、レギオンの声が聞こえるようになってからは分からなくなってしまったが、それでも過去の経験から予想はつく。

 だから、その力を活用して生き残ろうという発想は少しも不健全では無いはずだ、そのはずだ。

 

 幼い頃から拷問染みた環境に晒されてきたエイティシックス達は、一見頑強な精神を持っているように思える。しかし、彼らはあくまでもまだ十代の”子供”。

 幼くして家族を失い、過酷な戦場に放り込まれたエイティシックスは一皮剥けば脆い心が露になる。

 そこを突き、甘い抱擁の味を思い出させてやれば、たちまちに依存してくれる。

 

 ……そうして依存させて、利用する。

 

 私が、生き残るために。私が、死ぬのが、戦うのがどうにも嫌な私のために。

 そうまでして、生きる価値、私に……

 

 

 

 

 「セーナ、訓練の内容はこんなもんでいいか?」

 「ん、んぁあ、うんそれで良いと思うよ」

 

 また悪い癖が出ていたらしい、どうにもヤツらの声を意識から外そうとするとあの癖が出てしまう。

 いまや戦隊の全員を掌握することに成功し、ほとんど戦隊長のような立場になった私だが、だからこそボロを出すわけにはいかない。

 そして私が生き残るためには単にプロセッサーを盾にすれば良いというものではない。なんせこの86区域では戦隊が丸ごと全滅することも珍しくないようだし、そうなれば自分を守ってくれる味方はいなくなる。

 

 ならばこそ、自分を守るプロセッサーは優秀でなくてはならない。そして、いざという時私を守るプロセッサーを確保しておくために、そうでないプロセッサーを使い捨ててでも優秀なプロセッサーを育成しなければ……勿論、私自身の自衛のためにも訓練は欠かせない。

 今までは哨戒が忙しくて訓練に十分な時間を割けなかったが、戦隊員達に私の”力”を教えたこともあってこれからは訓練に力をいれられる。

 

 そういう意図から、私は哨戒が無くなった分浮いた時間を自分自身と隊員達の訓練に当てていた。号持ちの戦隊長から教えを受け、動きを磨いていく。

 

 そうしている内に、レギオンどもの声が一際大きくなったのを感じた。

 

 「来たか……」

 

 仕込みは済んだ、生きると覚悟を決めて戦隊員達に号令する。

 

 戦隊各位、出撃。

 

 

 

 

 

 

 

 戦闘は、おおよそ想定通りに進んだ。

 死ぬべき者は死に、生きるべき者は生き残った。

 

 そう、私にとって利用価値のある者は……

 

 

 

 

 

 

 




22話と23話めっちゃっっっ良かったです。これは数ヶ月待たされても見る価値有りましたわ……こっちもさっさと完結させないと(焦燥)

前書き非表示にしてる方へ、パート数とか内容が飛んでるのはそういう表現……という名の手抜き&ペースupの体の良い理由です、完結後に飛ばしたパートは改めて書くかも?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

パート19 名付け 魔性の女

 エタったと思ったか? 作者が一番エタらせようとしてました。原作一気読みしてきたので初投稿です。逆に今まで原作全巻読まずに二次創作書いてました、我ながらアホかな?


 号持ちって冷静に考えて人間辞めてね? なRTAはーじまーるよー。

 

 さてさて前回はあと一週間で晴れて号持ちというタイミングで羊飼い指揮のレギオンが攻めて来やがったところまででしたね。

 この襲撃はゲーム的には号持ちになるための登竜門みたいなもんです。ゲームスタートから一年が経過して号持ちになると一気にイベントが増えるためここからが本番、今まではチュートリアルみたいなもんです(なお難易度)。

 

 ちな現在の状況を整理すると、セイナちゃんは数えて五つ目の戦隊の戦隊長をしていて、戦隊の生き残りは18人でその内古参の信者は3人です。この襲撃に備えてこの戦隊では間引きは控えめ(しないとは言っていない)にしておきました。

 さーて敵の戦力は……ファッ!? なーんかすっごくうるさいですねぇ~

 いやいや試走の時の何倍ですかこれ、こんなのチャートに……。

 

 はぁー(クソデカため息)もぉ下振れ引いたと割り切るしかありませんねこれ。

 

 まぁこんなこともあろうかとセイナちゃんのステは鍛えに鍛えてあります。顔無からの注目度は……たぶんなんとかなるやろ(楽観)。

 とにかく御託よりもさっさと出撃です。とりあえず部下を使い捨てるのは確定として、他の戦隊にも応援要請、ハンドラーの戯れ言は無視するとしてとにかくできることは全てやります。

 

 ~もはや親の顔より見た棺桶発進シーン~

 

 さーて、応援が来るまで(部下の命が)もつかどうかが勝敗の分かれ目、負けたらもれなく再走……再走もうやだぁ!

 

 再走を防ぐためにも自分のプレイヤースキルと豪運(そんなものは無い)を信じて頑張るしかない!

 

      ~少女戦闘中~

 

 はい、え? 戦闘シーンの描写しろって?

 

 必要ある? セイナちゃん以外きれいさっぱり全滅しました。まぁ、うん……タイムの為の致し方ない犠牲でした。

 

 はぁ~~~~~(クソデカため息)、手塩にかけて育てた信者が全滅するとかもうやんなりますよ、まぁ信者が途中で全滅するのも織り込み済みのチャートなんで続行はしますがね、好タイムはキツイですかね、いや残り全てノーミスなら以下略。 

 気をとりなおしてパーソナルネームでも決めますか、戦隊が全滅している場合整備班の人達が案を出してくれます。とりま出た案は……『カッサンドラ』『カルメン』『カミーユビダン』 

 

 カが最初にくるやつ多くない? この中だったらカルメンですかね、一番文字数少ないですし。何よりエイティシックス達を誑かすセイナちゃんにはぴったりです。

 パーソナルマークは黒髪の美人さん、まぁ画材も技術も無いので酷い出来ですが、ここらへんはセオきゅんが合流したらマトモになります。

 

 そんな訳で雑に戦隊一つ潰してそのまま新戦隊へin、オッスよろしくお願いしま~す。

 

 てなわけで新戦隊、どうもどうも皆さん私セイナネイケースどうか仲良く懐柔されろやオラァン!

 

 はい、工事完了です……当然のごとく戦隊長の座をぶん獲り戦隊のトップへ、エイティシックス達ちょっと精神脆すぎない? ちょっと優しく(洗脳)されただけで信者になっちゃうなんてやっぱみんなまだ子供なんだよなぁ。

 とりま異能のおかげで哨戒がいらないことを伝えて余分な時間は訓練へ、実戦でしか磨けない力があるなら訓練でしか磨けない技能もあります。

 

 あっ当然ですがレギオンが来たことを伝えるのは若干遅らせてます、カモフは大事。

 

 とまぁ晴れて号持ちになったこと以外は平常運転といったところで今回はここまで、ではサイナラ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 疲れた、ただただ疲れた。愛想を振り撒き、仲間を盾にし、ひたすら戦う。同じことの繰り返し……自分がなんのために生きてるのか、もう分からない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それは急に起こった。もう少しで着任一年だという時に、忌々しい奴らの声が、途端に増えて近づいてくる。もう何度となく経験した、襲撃の合図。いつもと違うのは、その声が嫌に多いこと。

 

 ……ちょっとまずい、かな。

 

 「どうした、セーナ?」

 「来たよ」

 「……そうか、みんなを呼んでくる」

 

 今回は、ちょっと保身がどうだとか言ってる場合じゃない、死ぬ気でいかなきゃ死ぬ。

 

 経験的に、この規模の攻勢だと1個戦隊での迎撃は、玉砕しても無理だ。応援を呼ばなければ、だが間に合うのか? ああ、糞、絶対に私だけでも生き残ってやる。

 

 

 

 

 砲声が響く。戦区の4個戦隊、100機には届かない程の、だがエイティシックス達の感覚からすれば最大規模の戦力。

 それが、レギオンの攻勢と真正面から撃ち合っている。86区で見れる戦いとしてはかなり大規模なもの。

 この戦区の担当ハンドラー4人のうち、一人だけだが変わりものがいたらしい。その変わりものがここまでの戦力を集めてくれたおかげでどうにか戦線を形成出来ている……一方ソイツ以外のハンドラーはめったに見れない大規模戦闘に大興奮であり、私達が全滅するかどうかで賭け事まで始めたらしい。

 

 私の戦隊は、敵の攻勢に真っ先にぶつかったため、結果として他の戦隊が集結するまでの時間稼ぎをすることになった。

 6~70機はいるかという増援が来た頃には、生き残っているのは私と、古参の部下一人だけだった。

 脚部は損耗し、弾薬は使い切り、エネルギーパックの残量も心もとなくなっていた時だった。

 

 増援がくるやいなや私は機体がもう戦闘不可だと主張して後退した。それであとは観戦を決め込めるのであれば良かったのだが、やけに動きの良いスカヴェンジャーが瞬く間に私と部下の機体に補給してしまったものだから戦線離脱という訳にはいかなくなった。

 私は弾薬はあっても駆動系がイカれていると叫んで安地からの火力支援に徹していたが、もはや唯一となった部下は前線に行ってしまった。

 

 そしてあっさり死んだ。

 

 ……攻勢を撃退して、基地に帰還したあと、私は気の毒そうな顔つきをした整備士連中からパーソナルネームを決めてはどうかと勧められた。

 気晴らしにもならないようなことだが、他にやることも無かった。

 

 いくらか案を出される中で、やけにしっくりくる案を見つけた。なんだったか、"故郷"にいた頃に教養として学ばされたことの中に、確か小説、いやオペラだったか? 魔性の女、だったか。

 

 ……私にはちょうど良い。

 

 

 

 

 

 

 

 「皆さん、私の名前はセイナです。一応号持ちで、パーソナルネームは"カルメン"です、これからよろしくお願いしますね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




毎月一本は投稿したかった(願望)、いやテストが……模試が……。すんません完結だけはいつか絶対させるので(信頼性0)。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

パート23 人違い 良い拾い物

 創作意欲が湧いたので初投稿です(気が乗った時しか書かない作家の葛)

 創作活動は意欲が湧いてる時はくっそ楽しいのに意欲が無いときに無理やりやると拷問になるのなんなん? これを仕事にしてるクリエイターの方々マジで尊敬するわ……。


 人違いって実際やるとすごい恥ずかしいよね、なRTAはーじまーるーーーよー。

 

 さてさて前回は新しく入って来たプロセッサーにシンと間違えられたところまででしたね。

 そりゃ帝国貴種でレギオンの声聞けて凄腕の号持ちなんてのが同じ戦線に二人もいるとは思わんよなぁ。

 とにかくこのイベントでセイナちゃんが原作主人公ことシンの存在を認識しました、まぁだからなんだという話ですがね。

 

 ところでこのキャラどこかで……原作キャラだったら覚えてるはずですが、その割には見覚えがない……この暗い金髪……あ! マシューかコイツ!

 

 原作開始時点でもう死んでるから知名度最低でしかも寡黙で影が薄い不遇枠、当然回想にもめったに(というかほぼ皆無)登場しないしたぶんレーナにも忘れられてる人じゃないか!

 

 このタイミングで原作キャラと遭遇……まぁチャートに影響はありません、むしろプラスです。マシューは地味ですがスピアヘッドまでたどり着いているだけあってそこらの号持ちよりは強い上、無口なので原作キャラとの遭遇にありがちな色んなイベントが皆無です(RTA的に最重要要素)。

 

 問題は懐柔出来るかどうかなんですが……うん無理だわこれ、会話が成立しません。

 

 ……よし、放置しましょう、マシューは本作において機銃の扱いに優れるキャラという設定です(原作にそれ以外に情報がないから)ので戦力としては十分役に立ってくれるでしょう、問題なのはスピアヘッドに行った時にセイナちゃんの悪行(洗脳&肉壁扱い)が晒されないかなんですが……無口だし大丈夫だろ(ガバの予感)。

 

 ってかこの時期にマシューがシンのことを知ってる? あぁ前の戦隊にいたときに噂で知っただけと。シンのことを知ってるプロセッサーだとほぼ死んでるのでたぶん整備班から聞いたんですかね。

 とにかくまぁ原作キャラが加わった以外は平常運転、洗脳して訓練して間引いて戦隊解散の繰り返し、心なしかマシューがこちらを見る目線がどんどん冷たく……いやそんな露骨に信者を盾にしたりはしてないんですがねぇ。

 

 といったところで今回はここま……え、今回短い? そうは言っても現状セイナちゃんがエイティシックス達にひたすらチヤホヤされマシューがそれを眺めるという絵面を垂れ流すだけになるんで……それでたまに出撃してはセイナちゃんとマシューと号持ち信者以外全滅する流れの繰り返し。

 

 ……といったところでサイナラ、また次回。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……まさか、こんな偶然があるとは思ってもみなかった。ならばこそ、私はまだ見ぬ"彼"に同情し、共感しよう……同じ悪夢を見ている者として。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「男だと聞いていたんだが……噂は当てにならないな」

 「……はい? 性別を間違えられるような覚えは無いのですが」

  

 私の噂が多少広まりつつあるのはそうだが、どうしたら性別が逆転する?

 

 「……お前じゃないのか、東部戦線の死神?」

 「いえ、そんな物騒な異名は付けられた覚えはありませんが」

 

 確かに部下を盾にしたりはするが、それとて私を思いやる隊員が勝手にやったこと……だ。

 それに私の生存戦略を考えれば評判というものは最重要、死神だなんて不名誉なあだ名をつけられるミスは犯せない。

 

 そうなると……まさか別人?

 

 「……なんでも、死人の声が聞こえて、赤目に黒髪だと」

 

 いや、そんな偶然あるか? 偶然たまたま私と同じくレギオンの声が聞こえて、偶然たまたま人種、それも混血、まで同じだなんて。

 

 「……なんでも、死んだ仲間の名前を持って歩いてるとか」

 

 あ、これ私と別人だわ。

 私なんか生きてるのはともかく死んだ部下の名前なんか覚えてないぞ。

 

 

 

 とまぁ、そんな具合で新人が一人増えた……のだが、この新人、まるで会話しようとしない。

 どうも初対面のあれは例外中の例外だったらしく、普段は食事以外でめったに口を開かない(流石に戦闘中は最低限の連絡はするが)。

 

 これでは懐柔することも困難、だがそもそもが無口なので戦隊の人間関係に影響をほとんど与えない、ので放置することにした。一応号持ちらしいが、この86区だ、すぐ死ぬだろう……。

 

 

 

 

 

 

 物言わぬ鉄塊と化したレギオンとジャガーノートが群れを成す風景、ここでは日常茶飯事のことだが、この光景を目にできる者は限られる。

 大抵のプロセッサーは、そのまま鉄塊に仲間入りするからだ。

 

 そんな、敵も味方も壊滅した戦場で、数機のジャガーノートが基地への帰還の途についていた。

 生き残った者はいずれも号持ち、それもいつものことだが、普段と異なるのは一機新たなジャガーノートが加わっていることだった。

 

 

 (……まさか生き残るとは、流石に号持ちか)

 

 そうは思いながらも、戦闘を思い返しその非凡な動きを脳裏に浮かばせれば、案外もしかしたら良い拾い物をしたのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 この時の私は知らない、コイツとはなんだかんだで最後の最期まで付き合うことを。

 

 

 

 

 

 




 走者がやってる作業が単調すぎて書くことがねぇ! いや構想練ってる時はもうちょい色々イベント起こす気だったんですがいざ筆を持つと文章にできない、もうさっさとスピアヘッド入りさせよう……。

 自分の調べた範囲ではマシューってマジで情報と呼べる情報が無いのでどうしても口調や性格等はオリジナル設定が多くなる……。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

パート37 基地防衛戦

毎月投稿は維持したぞ……(別に偉業ではない)


 なんか展開がマンネリ化してきたRTA、HAZIMAARUYO!

 

 さてさて前回はクジョーとミナが戦隊に加わったところまででしたね、なんか序盤に死ぬキャラばっか集まってね?

 ともかくここまで時間が経過し、原作キャラが自戦隊に集えばもうスピアヘッドは目前……なんですが、実はここでやらないといけない事があります。

 

 クジョー、ミナそしてマシュー……この三人の内誰かに死んでもらう必要があります、なぜかと言われれば簡単な話で一個戦隊の定員は24名、ゆえに原作でのスピアヘッドの人員も24名でした(過去形)。

 

 はい、お分かりですね? ここにオリキャラであるセイナちゃんが加わることによって25人になってしまう、つまり一人溢れます。

 その場合誰かしらがランダムで戦隊に加入せず"次のスピアヘッド"になるわけなんですが、この時溢れたキャラが原作、及び本チャートの重要人物だったりすると……チャートの霊圧が、消えた??

 

 と、なってしまいます。だからどうでもいいキャラを殺す必要が有るんですね。殺すとしたら……どいつも原作じゃ序盤も序盤に死んでるんで別に誰を死なせても不都合は無い、何ならセイナちゃんの今までの悪行の口封じも兼ねて全滅させてもいいんですが、流石にそれをやるとスピアヘッドに原作キャラ以外が二人も入って展開が予想できなくなるので自重します。

 

 まぁ、適当にいけそうなヤツを殺しますか、どうせチャンスは出撃の回数だけあります。

 そう言うなりほら早速屑鉄共の賑やかな声が聞こえてきましたよ……いやこれ羊飼いに指揮されてますね、しかも物量もエグいと来ましたか。レギオン君ちょっと空気読みすぎ、てかこれ普通に全滅しかねませんね。

 

 hey! ハンドラー、増援を頼んま!

 

 というわけで増援が来るまでの耐久戦です、あれなんかこれついこないだやったような……気の所為ですね。何パートも前ですし。

 

             ~~親の顔より見た戦闘~~

 

 な ん で 信 者 が 全 滅 し て コ イ ツ ら が 生き残るんですか?

 

 しかもこれだけ人数が減っちゃうと出撃命令も流石に来ませんよこれ。

 

 おいおいおい、壊れたわチャート。

 

 ヤダー再走ヤダー……いやまだだ、まだ終わっていない!!

 

 要するに、どうでもいいやつが溢れればいいんですよ。つまり試されるは走者の運!!

 

 ……不安しかねぇ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ん? なにこのイベント?

 

 深夜にレギオンの声が聞こえる……それ自体はなんでも無いことですが、やけに近いような……。

 

 な ん で 基 地 の 鼻 先 ま で レ ギ オ ン が 来 て る ん で す か ⁇

 

 警報はどうした警報は!!

 

 そんなもの故障してるに決まってるんだよなぁ。

 

 はい、というわけで基地防衛戦スタートです、戦力はセイナちゃん、マシュー、クジョー、ミナの四人。

 全員この4年間戦い続けてきた精鋭ですが、たったの4機で襲撃を撃退は、いやーキツいっす。

 

 いやでもこれチャンスだな……上手い具合に一人死なせればそれで万事解決です、問題は一人どころか全滅しかねないってことですが……あ、整備班の人たちが加勢してくれてますね、そういや君ら原作でも大攻勢の時戦ってたわ。

 ……素朴な疑問なんですが、85区に籠城して戦ってた時は誰がジャガノの整備してたんですかね、整備班は残って戦ったわけで……プロセッサーと一緒に逃げた人たちがいたのか、さもなくば白豚の技術者にやってもらってたんでしょうか。

 

 まぁ原作の粗を突くのはやめて現実を見ましょう、うわぁ基地が燃えてる。大攻勢より前にプレイヤーキャラの基地がやられるのってなんか新鮮ですね。

 整備班の人たちは……見事な最期でした、敵を引き付けて自爆なんていかにもな死に方です。

 

 残りの敵は……自走地雷が少々、最初は絶望的に思えましたが、意外となんとかなりましたね、まぁ弾薬がもう残り少ない上補給のアテも今しがた消えたわけですが。

 それでも自走地雷程度この面子ならあっと言う間に……ミナちゃん?

 

 なんか抱き憑かれてるよ、いや早く迎撃……ああもう弾ないのね、しかも足回りが限界と。

 

 なるほど、それでは……ミナちゃん、君に決めた!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 というわけでついにスピアヘッドです、長く苦しい戦いだった……いやここからが本番なんですが。

 

 と言ったところで今回はここまで、ではさいなライオン(激寒)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




セイナ視点は後日書き加えます……(毎月投稿くらい楽勝だと思うやろ?)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

パート37 セイナ視点 あと少し

 パート37の続きです、大した内容じゃないのにお待たせしてすいません。


 4年、4年だ。私が仲間の生き血を啜って手に入れた時間は。だがその4年で私はなにか意味のあることをしたか? 生存本能に支配され、心にもない言葉で仲間を支配し……そうまでして生きる意味は、果たしてあったのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この86区では、長生きしすぎたプロセッサーを処分するための仕組みが存在する。ある程度歳のいったプロセッサーはあちこちの激戦区を転戦させられるようになり、大抵はそこで死ぬ。それでも死なないヤツは、いわゆる"処刑戦隊"に送られる。

 そして現在私はそのあちこちの激戦区を転戦させられている真っ最中、もっと言えば処刑戦隊に送られる直前だ。

 

 正直、よくもまぁここまでもったものだと自分でも思う。ほとんどのプロセッサーは号持ちにすらなれずに死んでいくというのに。

 もっとも私の場合は自分の実力というよりは私の盾になって死んでいった味方のおかげで、純粋に己の腕だけでここまで生き残ってきた者達からすれば噴飯ものだろう。

 多くのエイティシックス達が質でも量でも、場合によっては指揮官の頭でさえ負けているという絶望的劣勢の中自らの技量だけを頼りに戦う中、私は仲間をいかに懐柔し、いかに効率的に殺すかばかり考えていた。

 

 控えめに言って、クズの所業だ。

 

 それもすべては死にたくないという生存本能に突き動かされた結果だが、そうまでして生き残った割に私は何も成しえてはいなかった。

 

 日々を享楽的に過ごすわけでもなく、白豚共を相手にいっちょ一泡吹かせてやろうともせず、ただ生きるために生きていた。

 他の多くのエイティシックス達のように誇りを持っていたわけでもなかった。

 

 ああ、ああ、私はなぜ……こんなにも生に縛られて

 

 

 

 

 

 

 「ちょっとセーナ! いくら戦隊長だからって掃除サボらないでよ!」

 「ああ、ごめん、少し考え事を……」

 

 陰鬱な思考を断ち切ったのは仲間の声だった。

 

 私に傾倒している者はこんな口をきかないから、つまり彼女は私に依存せず、自分というものを持っているということだった。

 

 この戦隊で私に依存していないのは、なんだかんだもう長い付き合いになるマシュー、今話しかけてきたミナ、そしてそのミナと数年間共に戦ってきたというクジョーの3人だけだ。

 

 残りは私の術中にすっかり嵌まっている……ああほら、私にそんな口をきくものだから他の戦隊員から睨まれているぞ。

 どうも長い年月を生き延びてきたエイティシックスほど私の懐柔にのらない傾向がある。誰かに依存しなければ生きていけないような軟な精神の持ち主は淘汰されるということだろうか。

 

 「まぁまぁ、"アレ"のこともあるし疲れてるんだろ!」

 

 そう元気よく……煩いくらいに空気の振動を発するのはミナともう長いとかいうクジョーだ。コイツも私の懐柔にはのらない、というかそんなタイプじゃない。

 

 こういう明るい性格のエイティシックスを見ると……自分が嫌になる。こういう性格の者は場の雰囲気を盛り上げる、翻って私は、相手の心に踏み入ってトラウマを撫で回すくらいのことしかできない、あとはレギオン共の声を聞けるくらいで……。

 

 そう考えたのが悪かったのだろうか、途端に耳を形容しがたい騒音が埋め尽くす。

 

 奴らだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 よく通る声、指揮官がついている……物量も相当なものだ、少なくとも私の戦隊だけでの迎撃は困難。

 ハンドラーに応援を要請し、応援到着までの遅滞戦闘のためただちに出撃する。

 

 4年の間にすっかり乗り慣れてしまい、もはや安心感すら感じるジャガーノートのコクピットで、私はパラレイド越しに戦隊を鼓舞する……自分でも信じていないような言葉で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 戦闘自体に何か特別なことはなかった、いつも通り私を守ろうと味方が敵に立ち向かい、そして死んでいく。

 もう何回繰り返したかも分からない作業……この戦闘でなにか特筆すべきことがあるとしたら、私を守って戦った者は皆死に、私をどうとも思っていないような者は生き残ったということくらいか。

 

 死んだ仲間を想うようなことをほざきながら、内心私は喜んでいた。なんせ戦隊で生き残りは私とあとは3人だけ、こんな惨状ではさすがに出撃命令は来ない。つまりしばらくは命の危険が無いということだった。

 

 「……皆、死んじまったな」

 「うん、また私達だけ生き残った」

 「……(無言のアピール)」

 「いや、私も生きてるが」

 

 ……なにはともあれ、今夜は枕を高くして眠れそうだ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい

 

 そんなこと、いつものことだ。

 

 夜寝る時

 

 朝起きる時

 

 食事をする時

 

 そして戦う時

 

 いつもいつもこのうるさい声は私を苦しめる。

 

 それでも、基地は多少前線から離れているからマシになるはずだった。

 

 だが今夜のこれは……!

 

 

 

 

 「戦隊各位、起きろ、襲撃だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「なんでこんなに近づかれるまで気づけなかったんだよ!」

 「セーナにあたっても仕方ないでしょ、それよりも……」

 「……(無言で焦る)」

 

 「ごめんなさい、まさかここまで近づいて来てたなんて……」

 

 警報は作動せず、私は気づかず、恐らくその他様々な要因がいっそ奇跡的なまでに組み合わさって、基地のすぐ側にまでレギオンが侵入していた。

 大急ぎで整備班の人達を叩き起こして、ジャガーノートに乗り込み出撃、だが昼の戦闘の損耗がまだ残っている……幸いなことに敵は多くない、あくまでいつもの襲撃と比較しての話だが。

 つまりたった4機での迎撃であるということを考慮すればあまりにも敵が多すぎる。それでも戦わないという選択肢は存在しない。

 

 どうにか地形を利用して対抗できるか……? だがそれにしても戦力が、

 

 そう思ったのも束の間、整備班の面々が、今まで何処に隠していたのか爆薬だの対戦車兵器だのを持ち出して戦う準備を進めていた。

 

 「何を!?」

 「嬢ちゃん、俺らだってエイティシックスだぜ」

 「そうだ、久しぶりの戦いなんだ、邪魔をしないでくれよ?」

 「……もうガキ共を見送るのは懲り懲りなんだよ」

 

 ……まさか、整備班が戦力として加わるとは。だがこれは吉報だ、やりようによっては勝ち筋が見える。

 

 私は思いがけず加わった歩兵戦力に喜び、彼らをどう"運用"すれば最も"合理的"かを思案し……そして、最悪な案を思いついた。

 

 

 

 

 

 

 銀色の群れが行進する、魂無き亡霊に指揮された軍団が。

 

 彼らは進撃する、すべてを踏みつぶして。

 

 彼らは殲滅する、悲鳴を聞き流して。

 

 彼らは……

 

 ドガァン!!

 

 一発の成形炸薬弾が先頭を走っていたレーヴェの横っ腹に命中する。無論、その程度で撃破されるような装甲ではない。

 だがその攻撃を受けて彼らを指揮する羊飼いは一瞬困惑する、彼が日頃戦っているジャガーノートにロケット弾など搭載されていない。

 だがアーマイゼのカメラが捉えた光景を見て納得し、そして追撃を命令した。

 

 

 

 

 

 ……陽動は成功か。

 

 私が立てた作戦は、そこまで大層なものでは無い。まず整備班が敵の注意を惹きつけて基地に戻り、すると当然敵は整備班の逃げ込んだ基地に攻撃を集中する。

 そうして敵が基地の方を向いている間に我々ジャガーノート部隊が側背から敵を奇襲する、基地と整備班を囮として割り切った作戦だ。

 

 さて、ここからどうなるか……?

 

 「来やがったぞ、レギオン共」

 「……やってやる」

 「もう、こんな悪夢とはおさらばだ」

 

 散発的な攻撃を受けたレーヴェが出処の基地に砲撃を行い、しかるのちアーマイゼと自走地雷、グラウヴォルフが突貫する。

 見知った基地に敵がなだれ込んで行くのを見るのは心臓に良くないが、死ぬのはもっと心臓に良くない。

 

 そうしてしばらく経てば……爆発音、どうやら上手くいったらしい。

 

 爆発音を合図に、一斉にお目当てのレーヴェに砲弾を撃ち込む。後背に砲弾4発を喰らえば、いかなレーヴェとて沈黙する。

 間髪入れずに他のレギオンにも一斉射撃を浴びせる。

 

 レギオンが奇襲に対応して振り向く頃には厄介なレーヴェは殲滅し、残りは有象無象といったところだ。

 目についた敵を殲滅していき、アーマイゼやグラウヴォルフを撃ち抜いていく。

 

 ふぅ、弾薬が心もとないが、残りは自走地雷ばかり、さっさと殲滅……ん?

 

 「……ミナ! 後ろ!」

 「!? 自走地雷なんかに、あ、やば、ちょ」

 

 ……不運としか、言いようが無かった。時刻が夜でなければ接近に気づけたろう、弾薬が残っていれば撃って撃破できたろう、機体の整備、特に足回りのソレが行われていれば咄嗟に回避できたろう……。

 

 すべて、仮定の話でしかない、目の前の出来事だけが現実だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「セイナネイケース、呼び名はセーナでいい……東部戦線の死神さん?」

 「シンエイ・ノウゼンだ、魔性の少女……で合ってるか?」

 

 

 

 

 

 




 ……いやぁ、うん、自分の筆の遅さに死にたくなる……もう筆者が書くよりAIとかに書かせた方が良いんじゃないかな。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

パート38 スピアヘッド到達 余生の過ごし方

 エッジランナーズを見てしまったせいでサイパンの二次創作を書きたくてたまらない……アダムスマッシャーが色んなシチュエーションで死にまくる二次創作とか絶対面白い。


 37パート(14パート)もかけてやっと原作本編に突入するRTA、はーじまーるよー。

 

 さてさて前回はついにスピアヘッドに入隊! というところまででしたね。

 輸送機に詰め込まれ、やって来たわ東部戦線第一戦区第一防衛戦隊。原作通り写真撮影の後は自己紹介、と言ってもここまで生き残ってきた面子だけはあってほとんど顔見知りですね、シンと愉快な仲間達一党とは初対面ですが。

 

 オッス、ワイはカルメン、なんか知らんうちに魔性の少女とか呼ばれてるらしいけどよろしゅうな!

 

 あと部下を盾にして生き残ってる云々の話は悪質なフェイクニュースだから気にしないでください(震え声)。

 

 ああ、いやこれバレてますね。まぁうん、そもそも号持ちなんて皆が皆どこぞの銀河のどこぞの吸血部隊の赤肩みたいなもんだから、皆同罪ってことで……よしとりあえず私刑は回避しましたね。

 ただ今までの部隊でやってきたようなミートウォール戦術はもう取れませんね、いや取る気もありませんが。

 

 ともあれここまで来てしまえば本RTAは完走したも同然、なんせあとは原作イベを消化するだけ、勝ったな(慢心)。

 

 不安要素があるとしたらセイナちゃんの異能が何か起こさないかということですが……まぁ大丈夫やろ。

 

 話題を画面に移せば今は宴会の最中ですね、お、シンさ~ん。噂は聞いてますよレギオンの声が聞こえるんですってね私も聞こえるんですよいやーほんとあれうるさいですよね~私なんか戦車型の砲撃食らっちゃってこうですよ(世間話)。

 

 うん、まぁ信頼関係は築け……て無さそうですけど、まぁまぁこれからこれから。つってもどんなに頑張って好感度稼いでも原作正ヒロイン様にかっさらわれるんですが、原作負けヒロイン達は泣いていいですねこれ。

 

 そんなわけで親睦を深めつつも夜は更け……

 

 翌朝

 

 なんかうるさいですね~。このあたりにはレギオンも山ほどいるし、前の戦隊とはえらい違いだ。

 ああ、周辺の戦力は軒並みここにに回してんのかもな

 まっ、そんなのもう関係ないですけどね~!

 上機嫌だな

 そりゃそうですよ!みんな号持ちだし、タカキも頑張ってたし!私も頑張らないと!

 ああ

 そうだ。俺たちが今まで積み上げてきたもんは、全部無駄じゃなかった。これからも、俺たちが立ち止まらない限り、戦いは続く……

 

 親 の 顔 よ り 見 た 光 景

 

 というわけで戦闘です。

 

 シンとセイナちゃんがほぼ同時に敵を察知、ちなみにスピアヘッドからは顔無君対策のナメプは必要ないです、ヘイトは原作主人公様が引き受けてくれるので。

 

 ちな当然ですがセイナちゃんは戦隊長じゃありません、せいぜいが小隊長です、当然の帰結なんだよなぁ。

 むしろ平じゃないだけ有情まである。

 

 で、具体的な編制は……オリキャラが入る都合上どうしても原作とは異なった編制になるんですが、セイナちゃんの指揮する小隊は第四小隊、隊員はマシュー、クジョー、カイエ……なんかすぐ全滅しそうな面子ですが、原作改変ができるのがこのゲームの醍醐味なのでなんとかなるでしょう(なんとかなるとは言っていない)。

 

             ~少女(元幼女)戦闘中~

 

 うん、強い!

 

 流石に号持ち、それも上澄みが集められてるだけはありますね、相手に羊飼いがついてないならもうほぼ作業って感じです。

 ただこの成果は戦隊員が24人揃ってるからこそです、皆さんご存知の通りスピアヘッド戦隊には補充が来ないので損害を出したら最後、回復されることはありません。

 

 最初のうちはいいんですが、少しずつ戦力が減ってくるにつれて一人当たりにかかる負担が増えてますます損害が出るという悪循環に突入します。

 一般部隊ならそうなったら補充が来る(来ないこともある)んですが、なにぶんここは処刑戦隊。

 

 原作開始まで、そして特別偵察まで何人残せるかが肝です。基本的に生き残った人数が多いほどチャートの安定性は増しますので。

 

 さてスピアヘッドでの初陣を終えいよいよこれから、といったところで今回はここまで、ではさいなら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ついに、ついにたどり着いた。ここが私の墓場か、ここが私の終わりか……ここにたどり着くまでに私は何人死なせた? 思い返せば、私は、私は……もう何も考えたくない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 憎たらしいほどに晴れ晴れとした空、そんなありふれた風景を私は茫然と眺めていた。

 新しい、戦隊。転属など今までに何度となく経験してきたが、今回は特別だ。

 なんせこの戦隊こそが私の最期の棲家であり、墓場であるからだ。散々乗せられてきた輸送機にしたところでこれが最後だと思えば感慨も湧く。

 もっともそんな感慨は白豚の罵声にあっさり掻き消されたが。

 

 ふと目をやれば今までの部下たち、もといクジョーとマシューの二人がこれから戦友になるエイティシックス達と何やら話しているのが見える(マシューは無言だが)。

 

 ……コイツらに最期を看取られるのか、コイツらの最期を私が看取るのか、さてどうなるか。

 

 今までに同じ戦隊に属したことのある者もいるが、私にとっては初対面の者の方が多い。向こうはほとんど顔見知りらしいが……。

 

 そうぼんやりと戦隊の様子を眺めていると、ふと頸元をスカーフで覆った、パイロープの瞳と、オニクスの髪を持った青年が目に入った。

 ……間違い無い、噂で聞いた容姿と瓜二つ。なるほど、間違えれるのも分かる外見だ。

 

 事情を知らないものが私とヤツの外見を見れば兄妹かと思う程度には似ている。隊員達の掛け合いを見るに、彼が戦隊長になるのは確定だろう、どのみち余生を戦隊長としてのプレッシャーに耐えながら生きるつもりは無い。

 

 意を決して、まず自己紹介からしよう。

 

 「セイナネイケース、呼び名はセーナでいい……東部戦線の死神さん?」

 

 「シンエイ・ノウゼンだ、魔性の少女……で合ってるか?」

 

 恐らく、彼も私に間違えられた経験があるのだろうか、当然のように私の事を知っていた。

 ちなみに魔性の少女というのは私のあだ名で、私に心酔していない者が私を揶揄する時に使う。

 

 「噂によると仲間を盾にして生き残ってきたと……」

 「そんなことはしていない、後方で指揮に専念していたからそういう風に思われていただけ」

 

 嘘は言っていない、結果的に私の指揮で死んだとしても、それはソイツの腕が無かったから……。

 

 「……そうなのか?」

 「あぁ、うん、間違ってはいねぇけど、自分が生き残るために手段を選ばないヤツなのは本当だ、あと部下に無茶な命令を出す悪癖がある」

 

 クジョーが割り込んできた、余計な事を……いや、いずれバレたことか。

 

 「まぁ、仲間の血を啜って生き延びているってのは、号持ちはみんなそんなもんだろ、気にすることじゃない……この戦隊ではそういうことは勘弁して欲しいが」

 

 やたらと大柄な、アイゼン純血の男がそう言った。

 なんでもライデンとか言ったか、死神がいる部隊では決まって副長をやっているとか。

 ……言われなくても、もうあんな事をするつもりは無い。そんな事をせずとも、この戦隊の練度なら十分敵を撃退できるし、私が死ぬ確率も低いだろう。

 

 

 

 ……

 

 

 

 寝床を決めたり、家具の配置を弄ったり、整備班の人たちとも挨拶をしたり、その他部隊編制から掃除当番に至るまでここで共同生活を営む上で必要な事々などを手早く済ませていく。

 流石、数年この地獄で生き延びてきただけあって皆動きが良い。

 想像以上に早く終わってしまい、就寝まで時間が余ったので宴会をやることになったくらいだ。

 

 少し前までの私ならこういう機会を逃さず仲間の懐柔に走っていたろうが、今はもうそんな事をする気も湧かない。

 

 ……そういえば、と思い出した。

 彼は、私と同じでヤツらの声が聞こえるらしい。同じ人種で、しかも同じ異能を持っているだなんて偶然だとは思えないが、彼は一体どういう経緯でこんな能力を手に入れてしまったのだろう?

 

 降って湧いた好奇心に、逆らう必要性を私は見出さなかった。

 

 「ねぇ、ノウゼン戦隊長……あなたもヤツらの声が聞こえるんですよね」

 「……ああ」

 「……煩いよね、なにかに没頭してないと発狂しそうになるくらい」

 「そうだな」

 「えっと、いつからこの能力に? 私はまだ号持ちにもなって無かった頃にレーヴェの砲撃を食らって……」

 「知ってどうなる?」

 「……ごめん」

 

 どうも、触れられたくない過去だったらしい、恐らくはあの頸が関わっているのだろうが……無駄に怒らせたところで私の生存率が下がるだけなのでこれ以上の深入りは避けるか。

 

 

 

 その後は、順当に他の戦隊員と交流を深めつつ、眠りこける者が出始めたあたりでお開きとなった。

 

 

 

 そして、朝っぱらからけたたましいレギオン共の騒音に叩き起こされた。飛び起きて、パラレイドで襲撃を伝えようとしたところで一瞬早くノウゼンが戦隊員に直ちに集合するよう伝える。

 ああそうか、彼も"分かる"のか。

 

 彼から大まかな作戦を聞かされ、もう安心感さえ感じるアルミの棺桶に乗り込む。

 

 さて、お手並み拝見といこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 敵はこちらを圧倒する戦力を有していながら、しかし我々は損害無しで敵を殲滅した。その練度、その戦いぶりは間違いなく86区のエイティシックス達の中でも随一と言って差し支えないだろう。

 ……もう、あんな事をしなくても、いいのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どうにも、どうにもこの戦隊は居心地がいい。この戦隊にたどり着くために今までの地獄があったのだとしたら、あの犠牲は無駄では無かったと言えるのだろうか。……もう、私は死を忌むべきものとは思わない。

 

 

 

 

 




 いつも通りの月末更新です、更新速度が亀すぎて泣きたい。
 エイティシックス12巻が11月10日発売ということで、いよいよあそこからどうなるのかが楽しみです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。