GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! 仮面ライダーメモリークロスヒーローズ (鳴神 ソラ)
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始まりの章:謎の島
ゆっくり魔理沙「何やってんだ作者」
ゆっくり霊夢「いやね。原作に入ってるゲームをやって、これを前にコラボした混沌さんとの作品+自分のでやってみたいと言うのが出来ましてね」
カズマ「ああ、だからチーズいないのか」
ゆっくり魔理沙「おおう、メタイメタイ;」
ゆっくり霊夢「と言う訳で、ゆっくりして行ってね~」
とある海上、1隻のモーターボートが航行していた。
モーターボートには男性と老人に2人の青年が乗っていた。
その内の1人、横島は運転してる人物、西条に話しかける。
「西条さん。島まであとどれ具合ですか?」
「情報によればそろそろ見える筈だよ」
「やっとか、モーターボートに乗せられてるだけだったのも解放されるな」
「確かにそうじゃな、長時間座っとるのもきついからのう」
ぼやく様に首や肩を動かすもう1人の青年、陰念に老人、ドクターカオスもぼやきながら腰をトントンする。
それを見ながら横島はなぜこうなっているかを思い返す。
☆
「反対です」
早朝に西条により招集され、GS協会の会議室に集まって話された内容から彼にお願いされた事に美神はきっぱりと言う。
一緒に来た蛍やシズクと呼ばれた中にいるくえすも同じ様に渋い顔をしている。
そう言うよねと予想していた西条は困った顔をする。
「そう言いたくなるのは分かるよ令子ちゃん。だけど現状、あそこで十分に捜索出来る人物は横島君や陰念君しかいないんだよ」
そう言って映し出された島を見る。
映し出されている島は昨日、日本から少し離れた海上に忽然と現れた物だ。
突如現れた島に西条は様子を見た方が良いと思っていたが他の国のオカルトGメンが先走って調査に向かってしまった。
結果としては……全滅に近かった。
辛うじて生き残った1人の職員曰く、機械の軍団や異形の怪物に襲われたとの事。
その職員は霊力を使えなくなる程の重傷を負っていた事もあり、オカルトGメンは傍観するしか出来なかった。
ならば神魔が頼るしかないのかと美神は思ったが後から来た聖奈とカズマの報告から頭を抱えた。
島に近づこうとした所、1kmの所で島を調査しようと近づいた神魔達が消えたのだと言う。
偶然付いて行くのに遅れた魔界軍兵士と天界兵士はその現象に巻き込まれる事を避けられ、慌てて戻って報告して来た事で発覚したのだ。
島には神魔を分解し、何らかのエネルギーに変えている結界みたいなのが張られており、それによって最上位の神や魔族を派遣しようとしたが、とある最高指導者より上の人物によって止められた。
彼女も興味本位で見に行こうとしたら問答無用で分解させられそうになったと述べた。
今の最高指導者2人以上の人物でさえそうなってしまうと言うのに聞いていた面々は絶句した。
そうなると英霊はとも考えたがまさかの英霊や幽霊さえもエネルギーに変えてしまう可能性がありえると告げられたのだ。
実際、漂っていた浮遊霊が分解されてエネルギーにされてると言う報告がその後に来た。
オマケでどこぞの国が軍事ミサイルで攻撃を仕掛けたが突然の雷に撃墜され、出撃した戦闘機も戦艦も同様の結果に陥ったのだと言う。
こうなると打つ手なしと普通ならば考えるが通常の船でしかも少人数ならばと島に辿り着いて乗り込めるだろうと西条は考える。
そこで少数精鋭で自分を隊長に分析係としてカオスに付いて来て貰い、護衛もとい捜索しながら戦って貰う者として横島と陰念を選んだ。
彼らは仮面ライダーに変身出来るので機械の軍団や異形の怪物に対抗できる今唯一の存在だと考えてだ。
雪之丞も魔装術で行けるのではと思うが最悪のもしもを考えてバックアップとして残って貰うとの事。
マリアやテレサも置いておくのも万が一の為だ。
だからこそそんな2人に負担がかかる事を美神や陰念の師匠である三蔵も素直に認められなかった。
如何せん、2人とも負担が出るのに長時間戦う事になり、途中で変身解除なんて事に陥ったらと言う美神達に教授が何とも言えない顔で西条のをフォローする様に説明を始める。
【皆があんまり良い顔じゃないのは私も同意見だから分かるけど、あんまり長い事放置できないのも事実なんだよネ。普通の兵器で向かおうにも話に聞いた機械の軍団を考えるとGSの武器で立ち向かえるか、もし立ち向かえても異形の怪物を倒せるかも確率が低いから、歯がゆいけどマイボーイ達に任せるしかないネ】
「そんな……」
それに蛍は愕然とする。
暫く前にジャンヌに横島だけに任せないと言う決意を見せて修行もしたと言うのに、自分達では無理だと告げられたのだから当然だ。
そのジャンヌが小さくなったジャンヌリリィは横島の隣で首を傾げる。
「あ、あの……俺、気づいちゃったんですけど、神魔と英霊もダメとなると……その神魔と英霊の力が入った眼魂、使えますか?」
そこに青い顔をして横島が恐る恐る挙手しながら問う。
その言葉に誰もがあ……となる。
横島が持つ眼魂はほとんどが神魔や英霊の力を宿した眼魂だ。
それらがもしも結界ので消滅なんて事になったら、目も当てられない。
「そうなると……島では基本形態の眼魂以外だと他の仮面ライダーの眼魂しか使えないって事になるわね」
「けど、見方を変えれば負担が少な目になると考えられるんじゃない?」
手を顎に当てて呟く三蔵のに瑠璃がそう言う。
言われてみれば……と誰もが声を漏らす。
元々ホロウ眼魂以外はライダー眼魂しかない陰念はともかく、横島は神霊や英霊のを使ってるのもあって負担が出来てしまう。
陰念自体、ホロウの制御ので負担が来るのであって、そこまで負担もなく、普通に扱えるライダー眼魂は重宝できる。
「そう言われると……タケル達と一緒にいた時に使っていた平成ライダーのもそうだったけど、マッハのを使った時はそんなに感じなかったな」
「俺もそうだな……と言うか普通に馴染む感じで戦いの疲労的な奴はあったが負担じゃなかったな」
「そうなると、活動時間もそこまで短くもならんからそこまで心配しなくてもよいかもしれんな……仮面ライダーは英霊と違って今を生きてる奴等でもあるから霊力もそこまで使わんのもあるかもしれんな」
ヘルズエンジェルとの戦いを思い出して呟く2人のにカオスも自分の推測を述べる。
悩んでいた美神も観念してか、溜息を吐く。
「分かったわ。横島君の事、お願いするわね西条さん」
「こちらも陰念の事、宜しくね」
「ああ、任されたよ」
頷いてからさあ、行こうと3人に言う。
「え、もう行くんですか!?」
「ああ、すまないが準備はこちらで済ませてあるからね」
「せわしねえな……」
「だからわしも早めに来て一緒に準備しておったんじゃがな」
そう言って横島にウィスプとライダー眼魂以外の眼魂を全て机に置いて行かせた後に出発する4人に蛍たちは心配そうに見る中で美神は横島が置いて行った眼魂を取って行く。
不満げなシズクもまた自分の眼魂を手に取ってからジャンヌリリィにジャンヌの眼魂を手渡す。
「見守るしか出来ないってきついわね」
「そうですね」
また横島頼りになってしまった事に美神はなんとも言えない気持ちでちゃんと帰って来なさいよと祈るのであった。
☆
思い返していた横島は西条達の言葉で我に返る。
「見えたぞ」
「おお、あれがそうか」
「なんと言うか、軍が作り上げた様な所って言われても違和感ねえな」
3人の見ている方へと横島は顔を向ける。
その島を見て陰念の言う通りに見えると同時に少し未来的に感じ、嫌な予感を感じた。
見えてる建物が時代が進んでる感じに見えており、中央に見えているタワーと思われる建物を見ていると嫌な汗が額を伝う。
霊能としての直感か、確かに西条や教授の言う通り、あれは長くそのままにしてはいけないと横島は確信する。
そして横島は後で知る。
今向かう島で命に関わる大きな事件に巻き込まれて行くのとかつて出会った自分より先輩との再会や後輩とも言える者達との出会いを果たす事を……
次回、第1の章:再会の探偵
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第1の章:再会の探偵
そこではある再会が待っていた。
「んで、どこから上陸するんだ?」
「聞いた話によると港があるそうだからそこから上陸するつもりだよ」
確認する陰念に西条はそう返す。
現状見ているしかない横島はバンダナもとい心眼に話しかける。
「どうだ心眼?消えるとかないよな?」
【ああ、問題ない。ちゃんと効いてる】
不安そうな横島に安心させる様に出現して心眼はそう返す。
心眼は小竜姫の竜気から誕生した存在なのでそのままだと島の結界で消えてしまう可能性があった。
置いて行くべきだろうが、横島がウィスプに安定して変身するには欠かせないので苦渋の決断で西条が文殊を使う様に指示したのだ。
込めた文字は『保』で、結界から『保護』する為だ。
勿論、4人しかいない状況で見られてない様に使っているのでバレてない。
ちなみにホロウ眼魂も使わないとはいえ、もしも結界で消えてしまってそれが原因で陰念が変身不可能になってしまってはいけないという事で同じ様に『保』と共に大事な状況で強制的に変身させて来て暴走させられて暴れない様に『封』もかけられている。
文殊使えば今後も楽にコイツを封印出来るんじゃ?と陰念は思ったが流石に横島頼り過ぎるのもどうかと思い、自重した。
「む?」
「どうしたカオスのおっちゃん?」
すると何かに気づいたカオスに安堵していた横島は話しかける。
「いや、あっちで何かが光った気がするんじゃ」
「あっちから?」
それを聞いた西条は一旦モーターボートを止めて、カオスの指した方を見る。
よぉく目を凝らして見ると、確かに何かが明滅して光っているのが見える。
「なんだ?あれ?」
「………ん?これは……」
「どうしたんっスか西条さん?」
その明滅する光に何か気づいた西条へ横島は聞く。
「あの光、観察してみると一定のリズムになってないかい?」
そう言われて陰念と横島はじーと見つめる。
すると、確かに光の明滅は長短を付けてリズムを取っている感じであった。
「こりゃあ、モールス信号じゃろうか?」
「恐らくそうでしょう……しかし」
同じく気づいたカオスにそう返してから西条は眉を顰める。
「モールス信号ってなんですか?」
「モールス信号はモールス符号っちゅう長短2種類の音・光などで構成される信号の事じゃよ。かつてはスパイ同士の通信にも使われていた暗号通信じゃ」
「これは……和文か?……『わ・れ・て・き・で・は・な・い・か・め・ん・ら・い・だ』……我、敵ではない、仮面ライダー、だと?」
解読された事に4人は顔を見合わせる。
仮面ライダーの名はこの世界では広まっていない。
その名を知る者はこの場にいる者達に美神達と一部の神魔にガープ達だけだ。
「どうする?罠の可能性がありえるぞ?」
「……光の発信源に向かおう。ここで敢えて仮面ライダーの名前を出して来るという事は僕達と接触したいとも捉えられるからね」
警戒する陰念にそう返して西条はモーターボートを光の発する方向へと動かす。
光は横島達が近づいて来る様にか、付けっぱなしになって道しるべになっている。
近づいて行くと光りを発してるのがなんなのか明確になる。
それは船着き場近くの駐車場に停車してる黒い車体の大型の車両であった。
「なんじゃありゃあ?」
「装甲車っぽいが……変わった見た目じゃのう……」
「確かに、車体前面が顔っぽいですね……」
「んーーーー?なんか見覚えあるような……ないような……」
見えて来たのに誰もが疑問に思う中で船着き場に停泊し、モーターボートから降りて大型車両に近づく。
すると大型車両は車体の前面を開き始める。
誰もが警戒する中、大型車両が開き終えると……青年が立っていた。
「やあ、久しぶりだね。仮面ライダーウィスプに変身する横島忠夫にドクターカオス」
微笑む青年に横島はあっ!?と声をあげる。
「あんたは確か、左翔太郎さんの相棒の……フィリップさんでしたっけ?」
「正解だよ。覚えていてくれて助かるよ」
「おい、誰だよこいつ?」
「知り合いなのかい?」
確認する横島にそう返したフィリップを疑わしい顔で見る陰念と西条に本人は笑う。
「初めまして、オカルトGメンの西条輝彦に仮面ライダーホロウに変身する陰念。僕はフィリップ。探偵、左翔太郎の相棒さ、君達の事は検索済みだよ」
「!」
「わぁ!待った待った!この人、付き合いめっちゃ数分しかなかったけどそこまで悪い人じゃないから、多分!」
「数分って、時間が少な過ぎやしないかな;」
「まぁ、こやつの相方と違って数分なのは事実じゃしのう」
挨拶したフィリップに思わずゴーストドライバーを出して身構えかけた陰念に待ったをかける横島の言い分に西条はツッコミを入れてカオスはそう呟いた後に解説する。
「又聞きになるが、こやつとここにいない左翔太郎と言う探偵は別世界の仮面ライダーでな、ガイアメモリっちゅう地球の記憶が詰まったアイテムを使って2人で1人の仮面ライダーWに変身するんじゃよ」
「別の世界だと?」
「ああ、俺とカオスのじーさんは一度、仮面ライダーディケイドって奴に変身する別世界の俺やその助手のルージに、俺と同じゴーストドライバーを使うタケルと会って共闘した事あるんだよ」
「そんな事があったのかい?しかしなぜ会った事のない僕や陰念君の事を知ってるんだ?」
「僕はその世界の情報が詰まった地球の本棚にアクセスする事が出来るんだ。この世界に来た際に君達の事も知れたのさ」
戸惑う2人にフィリップはそう返す。
「それで、なんでフィリップさんは俺達の世界に、しかも突然現れた島の中にいたんっスか?」
「いる訳を言うなら、この島は元々、僕達の世界に存在する島だからだよ」
「どういう事なんだい?」
気になって聞いた横島に答えたフィリップのに西条はすぐさま食いついて問う。
「それを話す前にこの島が何なのか教えよう。この島の名はセクターシティ……エネルギー研究をしている島で僕らの世界で数日前に事故で封鎖されていたんだ。僕達がここにいるのは僕達が住んでる探偵事務所に『アイダ博士を探して』というメッセージと共にこの島の座標が書かれた1つのメールが来たんだ。翔太郎は探偵としてこの依頼を受けると言って僕と一緒にこの車、リボルギャリーで来た……ところが、着いた途端にこの島は別の世界を経由して、君達の世界に転移したんだ」
「ちょちょちょ、別の世界を経由してってどういう事っスか?」
「確かにその言い方じゃあ、ワシらの世界に来る前にお主達の世界とは別の世界にも跳んだという事になるではないか?」
答えたフィリップのに横島は待ったをかけ、カオスも指摘する。
「その通りだよ。その世界もまた仮面ライダーの世界で、ゼロワンと言う未知の仮面ライダーが存在する世界だった。ただ、詳しく検索する前に昨日、調査に出た翔太郎が今僕達がいる地区、港湾セクターにて謎の敵からの襲撃を受けた後、暫くしてこの世界に転移したんだ」
「謎の敵?どんな感じのだったのか教えて貰えるかい?」
出て来た謎の敵に西条は反応して質問する。
「顔の左半分がギリシャ彫刻のような黄金のマスクで覆った全身が寒色で構成された石像のような怪人で大きさは大体約3m位、自分の身の丈の倍もある稲妻の意匠が施された杖を装備していて、雷を操っていたよ」
「雷……ミサイルや軍の戦闘機を撃墜し、戦艦を轟沈させたのもそやつの仕業かもしれんな……」
「でしょうね。しかもその怪人がこの島の主と思われますね」
詳細を聞いて、その中ので西条の報告を思い出して呟いたカオスのに続いた西条のをフィリップは肯定する。
「あなたの意見には同意だ。奴こそがこの島で起きてる異常の元凶だと僕も思っている。しかも財団Xも絡んでいる可能性もある」
「財団X?また新しい用語だな」
【財団Xとはなんなのだフィリップ?】
勘弁してくれとぼやく陰念をスルーして心眼の問いにフィリップは解説する。
「財団Xは表向きは科学研究財団の看板を掲げており、世間での知名度もあるが、裏では強力な兵士を手にするため、様々な組織・個人に援助を行う死の商人な闇の組織だ。援助の見返りに協力者からその研究成果を吸い上げて、自らの組織の戦力に取り込んだりしている」
「酷いなそれは……」
警察としても義務を持つ西条はフィリップの語った事に顔を顰める。
「それで翔太郎さんは?大丈夫なんですか?」
「……分からない。連絡を取ろうにも、翔太郎は自分の携帯……僕と同じスタッグフォンと言うガイアメモリを模したギジメモリを挿す事によってクワガタムシに変形する携帯を調査の為に探索に出してしまったようで、連絡の取りようがないんだ。さらに最悪なのは、ガイアメモリをその敵との戦いで持って来ていた3本全部無くしてしまったんだ……もしかすると翔太郎の方も持っていたメモリを全部……」
気になって聞く横島にフィリップは不安そうに返す。
すると何かの機械音声と共に蝙蝠型のメカが5人の前に来る。
「なんだこれ?」
「バットショット!それにそれは!」
訝し気になる陰念を無視してフィリップはバットショットに括りつけられていた緑色のメモリを手に取る。
「サイクロンメモリ!翔太郎が見つけてくれたのか!」
「それがガイアメモリかい?」
ああと西条の問いに返した後にフィリップの腰にベルトが出現する。
「ベルトが現れた!?」
「よし、2人とも、バットショットに翔太郎の元に向かう様に指示を出すから変身して追いかけて合流してくれないか?翔太郎には先に説明をしておくから、バットショット、翔太路の元に2人を案内してくれ」
サイクロン!
矢継ぎ早に言ってからサイクロンメモリのスイッチを押すとベルト、ダブルドライバーの右側にセットする。
するとサイクロンメモリはどこかに転送され、フィリップは目を閉じて倒れかける。
「あぶなっ!?」
慌てて横島が支えた後に、戸惑ってからリボルギャリーの方に運んで行く。
「ど、どうしたんだ彼は?」
「話を聞く限り、意識をメモリと共に左翔太郎のベルトの方に転送したんじゃろう。とにかく、ワシと西条はここに残ってフィリップの体をみておこう、お主等はフィリップの指示通り、バットショットに付いて行くんじゃ」
戸惑う西条にそう返してから陰念と戻って来た横島にそう言う。
「了解っス」
「たくぅ、めんどくせぇ状況になって来てやがるな」
それぞれ別々の反応をしながらゴーストドライバーを出現させると眼魂を取り出してセットする。
【アーイ!!】
【シッカリミナー!シッカリミナー!】
【オソレテミーヤー!オソレテミーヤ!】
音声の後に横島の方はウィスプパーカーゴーストが、陰念はメカメカしい感じのパーカーゴーストが飛び回る。
「「変身!!」」
【カイガン!!】
【ウィスプ!アーユーレデイ?】
【バース!!】
ベルトのレバーを力強く引き、ウィスプは空中でUターンをして横島の方に向かって行き、横島は合わせる様に右手を掲げ、それと同時にウィスプも左手を突き出して空中でハイタッチを交わすと横島の身体が鎧に包まれ、同時に陰念も鎧を纏い、パーカーゴーストを身に纏う。
【OKッ!!レッツゴー!イ・タ・ズ・ラ!ゴ・ゴ・ゴーストッ!!!】
【メダルセット!キリ・キリ・カポン!!!】
それにより横島は仮面ライダーウィスプに、陰念はバースの力を宿した仮面ライダーホロウバース魂に変身完了する。
「それってバースのか?」
「ああ、移動ならこいつのが良いからな」
そう言ってレバーを2回引く。
【ダイカイガン!バース!カッターウイング!】
音声の後にホロウの背中に鋭利な翼が装着される。
行くぞという声と共にホロウはウィスプを背中から掴むと飛び上がってバットショットの後を追う。
「頼んだよ2人とも」
それを見送ってから西条とカオスはリボルギャリーへと向かう。
☆
暫く飛んでいて、市街地の所を通り、開いた所を通って地下へと入る。
進んで行く中でここは駐車場かとホロウはちらほら見かける車を見て思う。
「ここに翔太郎さんがいるのか?」
「なあ横島、その左翔太郎って奴はどんな奴なんだ?」
歩きながら周りを見渡すウィスプにホロウは気になっていたのか、そう聞く。
「えっと、自分の事をハードボイルドって言う人で人の痛みに寄り添っていく優しい人だな……後、俺と同じ様に九尾の狐の子と一緒に住んでる!」
「前半はともかく、後半のでなんとなく、お前と似た様な奴って事だけは十分わかった」
楽し気に言うウィスプのにホロウはなんとも言えない声で溜息を吐く。
暫く歩いていると人影を視認する。
さらに近づくとウィスプは嬉しそうに駆け寄る。
「あ、翔太郎さん!お久しぶりッス!」
人影、左が黒で右が緑と言う左右で色が違うカラーリングの仮面ライダー、Wはウィスプの声に顔を向ける。
「よぉ横島。フィリップから聞いてるぜ、まさかお前達の世界に来ていたとはな、そっちは初めましてだな」
「初めまして。俺は陰念で仮面ライダーホロウだ。あんたが左翔太郎か」
気軽に声をかけて来るW(翔太郎)にホロウは頷いてそう聞く。
「ああ、俺が探偵の左翔太郎。今はフィリップと一緒に仮面ライダーWになってる」
「2人とも、無事に合流出来て良かったよ」
挨拶したW(翔太郎)の後に右目が光りながらフィリップの声がしたのにホロウは驚く。
「ビックリした。2人で1人ってそういう事かよ」
「初見だと戸惑うよなぁ」
俺もそうだったとうんうんと頷いてから所で……とウィスプは合流してから気になっていたのに視線を向ける。
それはWの傍に浮いているウィスプ的に見て炊飯器サイズのロボットだ。
「このロボットさんは何っスか?」
「そいつはアイ。危ない所を助けてくれたこの島のナビゲーションAIの1体だ。俺を緊急転送してくれて、今いる市街セクターに連れて来てくれたんだ。まぁ、そのせいでジョーカーメモリ以外のメモリは分散しちまって、さっきサイクロンメモリを見つけてフィリップの所に届けて貰ったって所だ」
【初めまして、紹介して貰った様にナビゲーションAIのアイと言います。翔太郎さんと一緒にアイダ博士を探すお手伝いをしています】
挨拶するロボット、アイにあ、これはどうもとウィスプはお辞儀し、ホロウはお、おうと返す。
「それでさっき翔太郎からこれまでの事を聞いたんだが、この島を全て探索するには、今いる機械の兵士に、僕達が戦ったのとは別の怪人を倒してセキュリティレベルを下げなければいけないらしいんだ」
「倒すって……全然いないですよ?」
【あの陥没した先の奥に反応があります】
【うむ、確かに以前遭遇したドーパントと似た気配を感じるから間違いないだろう】
「なあ、倒すのは良いが、どうしてこの先に進もうとしてるんだ?」
キョロキョロと見渡すウィスプにアイが答え、心眼も肯定する中でホロウは封鎖された入り口を見て問う。
「ああ、この先のビジターセンターって言うこの島に来たゲストがIDを登録する施設に、俺達が探してるアイダ博士の手がかりがあるかもしれねえんだ」
「アイダ博士のIDが分かればこの島でどう行動したかも分かるかもしれないという事でね」
「成程!なあ陰念。どうせなら翔太郎さん達の依頼を手伝いながら調査する感じで良いんじゃないか?」
「調査だけですまねえと思うが、ダラダラ動くよりかはまだマシか……ただよぉ、西条の旦那への連絡はどうする?」
理由を言うW(翔太郎)に補足するW(フィリップ)のを聞いて納得してからそう提案したウィスプはホロウの指摘にあ、となった所……トカゲデンワが飛び出して着信がある事を伝える様に鳴く。
「はい、もしもし」
『おお、繋がった繋がった!ワシじゃ!カオスじゃ!フィリップの持つ携帯で連絡しとる!』
早速出るウィスプの耳に興奮した様子のカオスの声が入って来る。
どうやら待ってる間にリボルギャリーやスタッグフォンを調べてその高性能ぷりにはしゃいでいる様だ。
『すまないドクターカオス。横島君、西条だ。左翔太郎君と合流出来たかい?』
「あ、はい!無事に合流出来ました。それで西条さん。俺達、翔太郎さんの依頼を手伝いながらこの島を調べようと思ってるんですけど……」
直後に代わった西条にウィスプはそう提案する。
それに対して西条の返事は賛成であった。
『だったらそうしよう。我々にとって未知の土地で別れて行動するより、一緒に探索した方が効率が良い。それに、力を失っている彼らをほっておけないからね』
何かあったら連絡すると言って西条は通話を終える。
「すまねえな。協力、感謝するぜ」
「いえ、俺にとっても、シズクの眼魂のでお世話になりましたし」
礼を述べるW(翔太郎)にウィスプは頭を掻いてそう返す。
「んじゃま、セキュリティレベルを下げる為に行きますか」
号令をかけるW(翔太郎)におーとウィスプは乗り、ホロウも拳を鳴らす。
その中で心眼はアイに違和感を感じていた。
(なんだ?このアイから感じる違和感は……特に変わった感じがないのに……なぜ違和感を感じるのだ?)
なんで違和感を感じるのか分からない心眼は不安を拭えない中、3人のライダーは歩き出す。
次回、第2の章:待ち受ける者
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第2の章:待ち受ける者
進む為に向かう先で……
無事翔太郎こそWと合流したウィスプとホロウはセキュリティレベルを下げる為の行動を早速始めた。
まずは陥没した通路をWはサイクロンメモリの力を使って軽々と通り、ウィスプとホロウは浮遊する感じに飛び越える。
曲がり角でWはウィスプとホロウ、アイに止まれと合図してから覗き込んで確認し……疑問詞を浮かべる様な仕草をした後に振り返る。
「なあ心眼。確かドーパントと似た気配を感じるって言ってたよな?」
【ああ、今も感じているぞ】
それがどうした?と問う心眼のにW(翔太郎)はあれを見ろとウィスプに促し、言われた通りに覗き込む。
そこには炎の壁を背に佇む2体の機械の兵士がいた。
「あれ?ドーパントと思われる奴がいねぇぞ心眼」
【む?ああ、そういう事か……どうやらドーパントはあの炎の壁の向こうだな。私の感じたのはそっちだな】
すっとんきょんな声を漏らすウィスプの後に心眼がそう返してすまないと謝罪する
「アイ、君もなんで指摘しなかったんだい?」
【すいません。私も大体の反応しか分からないので】
その後にW(フィリップ)がアイを問い詰め、本人もとい本ロボは申し訳なさそうに電子画面に表示した表情を変えて謝罪する。
「仕方ないだろフィリップ。アイがそれを言う前に心眼も断言しちまったのもあるんだ。アイを責めるのはお門違いだと思うぜ」
【左翔太郎の言う通りだフィリップ。彼女のにかぶせてしまった私にも非があるのだ】
宥めるW(翔太郎)に心眼も追従する。
それにW(フィリップ)は全くと頭を掻く。
「とりあえずあの炎の前に立ってる奴等を倒しとけば良いだろ」
【はい、あの2体の兵士を倒せばビジターセンターの入り口が解放されるレベルに下がります】
話を進めるホロウにアイも肯定すると決まりだなとW(翔太郎)の言葉を合図にホロウはレバーを3回引く。
【ダイカイガン!バース!キャタピラレッグ!!】
音声の後にホロウの両足にレッグアーマー型のキャタピラが装着される。
その後に飛び出して高速で右側の機械の兵士に近づいて回し蹴りを叩き込む。
「ちょいと引く回数で手間がかかりそうだが、使い心地は文句ねえな……」
そう呟いた後に倒れた機械の兵士の胸を右足で踏んでキャタピラを高速回転させて火花を散らす。
「おらぁ!」
隣でホロウを狙おうと銃剣が装備されたライフル銃で狙おうとしたもう1体の機械の兵士をWが蹴り飛ばし、すかさずウィスプがガンガンブレードで切り付けて追撃する。
「ウィスプ、ブランク眼魂を!」
「え、あ、そういう事っスね!」
その際にW(フィリップ)がそう催促し、一瞬戸惑ったウィスプは彼の意図に気づいてすぐさまブランク眼魂を投げ渡す。
「おいフィリップ、何しようとしてるんだよ」
「良いから皆の力を上げた時の様に気合を込めるんだ」
お、おうと言われた通りにW(翔太郎)は投げ渡された眼魂を握って集中する。
すると眼魂は輝いて、緑と黒の眼魂となる。
「翔太郎さん!それを俺に!」
「なんかわかんねえけど!受け取れ!」
軽く投げ渡された眼魂、W眼魂をウィスプはウィスプ眼魂と変えてセットする。
【アーイ!!シッカリミナー!シッカリミナー!】
響き渡る音声の後にウィスプはレバーを引く。
【カイガン!ダブル!二人で一人!ガイアメモリ!】
「さあ、お前の罪を数えろ……数えれるかな?」
【私に聞くな】
パーカーゴーストを纏ってW魂となってWの決め台詞を言ってから首を傾げるウィスプに心眼はそう返す。
「おお!俺達になったぞフィリップ!」
「W魂だね。一気に決めるんだウィスプ!」
「う、うっす!」
言われてウィスプはガンガンブレードとアイコンタクトさせる。
【アーイ!ガンガンミロー!ガンガンミロー!】
音声と共にガンガンブレードの刀身に風が纏わりつき……
「はあ!」
【オメガストーム!!】
振り切ると竜巻が巻き起こる。
気づいたホロウが踏んでいた機械兵士を投げ飛ばしてもう1体のとぶつけると同時に竜巻に飲み込まれ……
ドカーーン!!
竜巻の中で無数の斬撃に斬り刻まれて爆発四散する。
「よっし!」
「やったな横島!これでセキュリティレベルが下がったな」
ガッツポーズを取るウィスプにW(翔太郎)は褒める。
「なあ翔太郎さん。オレ達はフィリップさんからこの島の名前がセクターシティで、なんらかのエネルギー研究をしていたって事位しか教えて貰ってねえんだが、あんたは他に何か見つけてないのか?」
敵がいないのを確認してホロウは気になって聞き、言われてみればとウィスプも西条達と情報を共有する為にフィリップから彼のスタッグフォンの電話番号を聞いて通話を繋げる。
「そういやフィリップに教えたけど、お前等には言ってなかったな。この島で研究されていたのはコアエナジーって言うエネルギーで、ここの責任者の名前はゼウス博士って言うんだそうだ」
『ゼウスだって!?あのギリシャ神話に登場する神々の一柱であり全ての神々の王である雷神じゃないか!』
報告に通話先の西城は驚いた声を出す。
「ほへぇ、別の世界だと神々の名前を持つ人がいるんだな」
「バカ、コードネームに決まってるだろ」
感嘆するウィスプにホロウが呆れてツッコミを入れる。
「……翔太郎の前に現れた謎の怪人……コアエナジー……事故に巻き込まれたアイダ博士に消えたゼウス博士……実に興味深い」
「お前から見て、分かった事はあるか?」
そうだね……とW(フィリップ)はW(翔太郎)の問いに対して、爆発ので散らばった機械の兵士の胸部分の装甲を手に取り、そこに描かれたXを見る。
「彼らにも言ったけど、状況的に考えて、財団Xが関係してるかもしれないね。気を引き締めないといけない」
それに……W(フィリップ)はアイを見る。
「このアイと言うAIの事も僕達は知らなすぎる……翔太郎、君はアイの事をどれだけ知ってるんだい?信用して良い存在なのかな?」
「俺も同感だ。特に俺と横島はここの事を全然しらねえから素直に信用するのは危険だと思うぜ」
W(フィリップ)の意見にホロウも賛同してアイをみつえる。
「そりゃあお前、探偵の勘が……アイを信じろって言ってるんだよ」
「俺も、アイは信じられると思うんっスよ。もしも敵だったら翔太郎さんを助けるメリットがないと思うっス」
あっさりと言い放つW(翔太郎)にウィスプも続く。
お人よしも似すぎだろとホロウは呆れ、探偵の勘、ね……とW(フィリップ)も呆れ気味に呟く。
「おいアイ、お前もなんか言ってやってもいいんだぜ?」
【……わたしは、ただのナビゲートAIですから……】
話を振るW(翔太郎)に対し、アイは無機質にそう返す。
【アイの事に関しては後回しで良いだろう。それよりもこの炎の壁の向こうにいるドーパントをどうするかだ】
「そう言うけどよ心眼。この炎、熱すぎて進めないから先がどうなってるか分かんないぞ?結界さえなければシズク眼魂を持って来て消火出来ただろうな……」
話題を変える心眼に戦ってる間も燃え尽きる様子のない炎の壁を見ながらウィスプはぼやく。
「この炎は全く燃え尽きる気配が無い。ドーパントの事を考えると、この先のドーパントが放った炎の可能性が高いね。となると炎系のドーパントと言う事になるが……」
【気になりますが、先ほどの敵の撃破でビジターセンターの入り口が解放されました】
炎を見て考察するW(フィリップ)にアイは報告する。
「良し、この炎の壁は後回しにして、アイダ博士の足取りを知る為にビジターセンターに行くか」
「今はそうするしかねえか」
手をパンとさせるW(翔太郎)にホロウは頭を掻く。
とりあえずは行けるようになったビジターセンターに向かう為、Wと合流した場所まで戻る事になった。
入り口まで行くと3人の前に虚空から3体のスーツを着た怪人が出現する。
「なんだこいつ等!?」
「いきなり現れた!?」
「マスカレイドドーパント!戦闘員だが油断すんなよ」
驚く2人にW(翔太郎)は注意して殴りかかって来たマスカレイドドーパントのを避けてカウンター気味に蹴り飛ばす。
同じ様にホロウとウィスプもそれぞれ蹴りかかったり、殴りかかったのをカウンターで撃破する。
「ホントに戦闘員だったな……」
「楽に終われて良かったな……」
そう呟いている間にアイはゲート近くの端末を操作するとゲートが解除される。
【セキュリティロックが解除されました】
そのまま道なりに進み、梯子を上り、エレベーターへと乗り込む。
「……なんかシュールな絵面になってるな俺等」
【確かに仮面の男3人が真ん中に小さいロボットを挟んでいる光景がな】
【どこかおかしいでしょうか?】
「おかしくないと俺は思うな」
思わずそう呟くホロウと心眼にアイは聞き、ウィスプはのほほんと返す。
それにW(翔太郎)は苦笑してるとエレベーターは停止し、扉が開いて、全員が出る。
【ここからビジターセンターになります】
「どうだフィリップ、万事順調じゃねえか?」
「順調だったらメモリも早めに集まってると思うんだけどね」
軽い調子で言うW(翔太郎)にW(フィリップ)は溜息混じりにぼやく。
少し進むと閉ざされた扉が目に入る。
「この扉もセキュリティレベルとかなのか?」
【いえ、これはダイヤルロック式のですね】
「5文字で真ん中に単語を作り上げる事で開錠されるみたいだな……案外近くに手がかりがあるかもしれねぇな……」
確認するホロウにアイは返答してる間にW(翔太郎)はダイヤルの一番上部分を動かしながら呟く。
んな簡単にあるわけ……とホロウは否定しようとして……
「あ、翔太郎さん!フィリップさん!デスクにパスワードと思われる奴が書かれた紙がありました!」
「でかした横島!」
「……ここの奴等は馬鹿なのか」
近くのデスクを漁っていたウィスプが紙をヒラヒラさせている様子に顔を抑えた。
その間にWは紙を受け取って早速動かす。
「『A・L・I・V・E』っと」
揃えると扉は自動的に開く。
「よし!これで進めるぜ!」
早速進んだ3人は……マスカレイドドーパント3人と出くわす。
その内1人は白服で銃を装備していた。
「早速かよ!」
すぐさま白服マスカレイドドーパントが放って来た銃弾をそれぞれ避けるとガンガンブレードを銃に変えたウィスプがもう撃たせないと銃撃して怯ませた所をWがすかさず他の黒服マスカレイドドーパントもろとも回し蹴りで蹴り飛ばす。
「建物内もうようよしすぎだろ」
消えて行くマスカレイドドーパントを見ながらホロウはぼやいた後に3人は進む。
道中で敵と遭遇して撃破しつつ進んでいると上の階へと続く道がシャッターで閉じられていた。
「ここも同じ仕掛けか……」
「んじゃあまたパスワードを探しませんとね」
「けどよぉ、ここまで見て来たがどこも扉が閉まってたぞ……後は入ってすぐの戦闘した通路の右側の方に入った仕事場だろうけどもな……」
あそこな……と4人は唸る。
なんて狭い仕事場に……武装した敵がいたからだ。
「あそこだと、なんらかの情報が入ったのを壊しかねないね……」
「もしくは扉の鍵をだな」
「んじゃあどうするんっスか?」
誰もが考え込んでいるとホロウがハッとなる。
「…………いや、あったぞ。周囲のを破壊しないで済む方法」
「ホントか?」
ああと言ってから2つの眼魂を取り出す。
「このパラドクスとレースは、どうやら一種の仮想空間を作り出せるみたいだ。それを使えば敵だけをそこに連れていけて安全に対処出来るぞ」
「すげぇじゃんそれ!」
「レース?おかしいな……パラドクスは分かるけど、そっちの眼魂の正式な名前はレーザーだと思うよ。仮面ライダーレーザーはいるけど仮面ライダーレースなんて名前の仮面ライダーはいないよ」
説明に感嘆の声をあげるウィスプだがW(フィリップ)は首を傾げて指摘する。
そんな事言われてもな……とホロウはなんとも言えない口調でぼやいてから黄色の眼魂を見る。
「とにかく、どっちかを使って奴等を倒そうぜ」
【そうだぞフィリップ。そう言うのは事件が終わってからでも良いだろう】
話を進めるW(翔太郎)と心眼にW(フィリップ)も少し不満げながらも確かに押し問答してる場合じゃないと考えて分かったよと返す。
決まった事で仕事場へと向かい、巻き込める範囲まで近づく。
「んじゃあ行くぞ」
【アーイ!オソレテミーヤー!オソレテミーヤ!】
早速、ホロウはバース眼魂を取り出してパラドクス眼魂をセットし、色が青と赤交互に変わるパーカーゴーストが現れた後にレバーを引く。
【カイガン!パラドクス!LVフィフティー!!体を熱く、ヒートアップ!】
パーカーが赤くなって装着された後。拳を構えているボクサーが描かれたプレートがホロウの体を覆い。プレートが消えると拳に赤い篭手が装着され、ヘッドギアに似た装備が頭に装着された姿となる。
「俺の心を滾らせるなッ!」
拳を打ち付けて咆哮した後に眼魂を1回取り出してから再びセットしてレバーを引く。
【アーイセレクトッ!】
音声の後に周囲の景色が岩肌で囲まれた円形の広場に代わる。
突然の景色変化に驚いているマスカレイドーパントや機械の兵士へと駆け出す。
「おらぁ!」
「「はあ!」」
ホロウが機械の兵士を殴り飛ばし、マスカレイドドーパントをウィスプとWが蹴り飛ばす。
機械の兵士は仰け反った所をホロウは連続パンチをどてっぱらに叩き込んでアッパーで上空に打ち上げて爆発させる。
ゲームクリア!!
音声が響き渡った後に元の場所に戻る。
【ヘルズエンジェルの時に見せて貰ったがなかなか便利だなその眼魂】
「確かに周りに被害が行かない様にすると言う意味じゃあ羨ましいな」
ふうと息を吐くホロウに心眼は感嘆し、ウィスプは羨ましそうに言う。
「君はどこでその眼魂を手に入れたんだい?」
「お師匠様が持っていた巨大なルービックキューブみたいな眼魂の絵柄を揃えたら出て来たんだよ」
「あー……タケル達を迎えに行った時に見たような気がするな、その巨大なルービックキューブみたいな奴……あれ、眼魂だったのか」
確認するW(フィリップ)にホロウは答え、W(翔太郎)は思い出して呟く。
【これで障害はなくなった事だ。この仕事場を探索しよう】
「そうだな。パスワードか扉の鍵を探すぞ」
心眼とW(翔太郎)の言葉を皮切りに机や棚を調べ始める。
「目ぼしいのがねえな」
「この棚にはないな。そっちはどうですか?」
引き出しを開けて中身を見るホロウに棚を見ていたウィスプは別の机を見ていたWへ声をかける。
「丁度見つけたぜ」
そう言ってW(翔太郎)は手に持ったカードを見せる。
「それ、鍵か?」
「カードキー、つまりカード型の鍵だよ」
「ほへぇ、未来的っスね」
(実際、数年進めば出る奴だからな……)
訝しむホロウに簡単に答えたW(フィリップ)のに感心するウィスプのを聞きながら心眼は心の中で述べる。
見つけたカードキーに事務室と書かれていたので、アイの案内の元、事務室前まで移動し、扉の隣にあったカードリーダーにWはカードキーをスラッシュし、開錠して中に入る。
直後、虚空から4体の黒服マスカレイドドーパントと白服のマスカレイドドーパントが現れる。
「またかよ!」
舌打ちしてからホロウは眼魂を1回取り出してから再びセットしてレバーを引く。
【アーイセレクトッ!】
音声の後に周囲の景色が……砂漠に代わる。
「うわ、あつ」
「おーい陰念。もうちょい涼しい場所にできねぇ?」
「知るか!ランダムなんだから仕方ねえだろ!」
思わず手で仰ぐW(翔太郎)とウィスプにホロウは向かって来たのを殴り返しながら怒鳴る。
ゲームクリア!!
とりあえず全滅させてから元の場所に戻ったW達は事務室を探り、今度は会議室のカードキーを見つける。
【会議室はシャッターに塞がれた道の前の扉です】
「今度は広めな場所であって欲しいぜ」
いちいち眼魂抜く手間は省きたいとぼやくホロウのを聞きながら移動し、早速カードリーダーにカードキーをスラッシュして中に入る。
会議室は普通に戦っても広めな場所で安堵してると先ほどと同じ編成でマスカレイドドーパントが現れる。
「ここなら大暴れしても問題ないな!」
「ホロウ、ウィスプ!プロジェクター、あの奥にある機械を壊さない様に戦ってくれ」
「あ、りょ、了解ッス!」
拳をぶつけ合わせるホロウに指示を出すW(フィリップ)にウィスプは頷いてから殴りかかって来たのを避ける。
Wは遠距離攻撃して来る白服マスカレイドドーパントから銃を叩き落とすとかかと落としを延髄に叩き込んで床に叩きつける。
「こいつ等、レブナントの量産型よりも楽で良いな」
「俺としてもありがたいよな」
消えてくマスカレイドドーパントを見ながら言うホロウにウィスプもしみじみしながら頷く。
その間にWはプロジェクターの電源を入れるとスクリーンに企画書の様なのが映し出される。
「なんだよ。パスワードじゃなくて企画書か?」
【待ってください。この企画書の上部分にある大文字のワードはひょっとしたらキーワードかも知れません】
【確かに、文字数的にもその可能性が高いな】
「なら、試してみる価値があるな」
肩透かしを食らったとぼやくホロウにアイが待ったをかけて企画書の最初に書かれている『DIGAL』を見て言い、心眼も同意してW(翔太郎)も早速とシャッターの元へ歩き出し、ウィスプとホロウも続く。
シャッターの所に戻り、Wは早速ダイヤルをDIGALに合わせるとシャッターが上がって行く。
「よっしゃぁ!ビンゴだぜ!!」
ガッツポーズするWにウィスプもうし!と喜んだ後に先を進もうとする。
【待ってください。この先の部屋に反応があります】
【これは……ドーパントか?しかもマスカレイドよりも強いな】
「となると、気を付けた方が良いね。記憶によっては厄介な能力を持つのになるからね」
「対処し難いのは勘弁願いたいな」
直後にアイが待ったをかけ、心眼の言葉に答えたW(フィリップ)のにホロウはぼやく。
「なんであろうと俺達は手がかりを見つけねえといけねぇ」
行くぞという声と共にWは進み、ウィスプとホロウも続く。
そしてドアを勢いよく開いて中へと入り……佇む存在にWは驚きの声を漏らす。
「あいつは……!?」
「ナスカドーパント!?」
「……久しぶりだね、仮面ライダー」
景色を見ていた存在、ナスカドーパントはそう言って顔だけをW達へと向ける。
「なんだあいつは?」
「俺達が戦った幹部の1人だな……本来の歴史と言う意味でだけどな」
「え?どういう事っスか?」
「何度か対峙したが、現在の彼はとある事情で仮面ライダーとなって僕達と一緒に戦っているんだ。今、僕達の目の前にいるのは恐らく、本来の歴史で死んでしまった園崎霧彦だ」
聞いたホロウのに答えたW(翔太郎)の言葉に疑問を持ったウィスプへとW(フィリップ)はそう返す。
その説明にナスカドーパントはほうと声を漏らす。
「確かに私は死んだ存在だ。なぜいるかは、この島の主のお陰で蘇ったんだよ」
【死者蘇生だと……そんな事が出来るのか……!?】
驚きの声をあげる心眼のを聞きながらナスカドーパントはある物を取り出す。
それは、赤いメモリであった。
「所で、君達が探しているのは、このガイアメモリかな?」
「ヒートメモリ!」
「あれが翔太郎さん達の無くしたメモリの1つッスか!?」
ああとナスカドーパントの手にあるメモリを見ながらWは頷く。
【翔太郎さん、その、霧彦さんとお知り合いなのですか?】
「……ナスカは……園崎霧彦は俺と同じ、俺が住む街、風都を愛する男だ」
「でもよ。その話がホントなら、どうやって蘇ったんだ?」
聞くアイに答えたW(翔太郎)にナスカドーパントを見ながらホロウは呟く。
【彼から強力なコアエナジー反応が出ています!】
「コアエナジーって、さっき言ってたエネルギーだよな?」
なんで?とウィスプが呟いているとナスカドーパントは自分の武器、ナスカブレードを構える。
「さて、私がするべき事は、仮面ライダー、君と戦うだけだ」
「な、なんで戦わないといけないんだよ!あんたは翔太郎さんと同じ故郷を愛してる男なんだろ!?」
そう言って切っ先をWに向けるナスカドーパントにウィスプは待ったをかける。
そんなウィスプとホロウへと青い光弾を発射して離させる。
「悪いが部外者は離れていてもらおうか、これから私と彼の戦いが始まるのだからね」
そう言って問答無用とばかりにWに斬りかかる。
次回、第3の章:風を愛した者
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第3の章:風を愛した者
風を愛する者同士、再び交差する。
斬りかかるナスカドーパントにWはサイドステップで避けてから蹴りを入れようとして避けられる。
「「はあ!!」」
「ぬうん!」
Wの右ストレートをナスカブレードを持ってない左手で防いで距離を取ると共に青い光弾を連発し、Wは走って避けながら接近する。
「っ!?たあ!」
接近したWへと横凪ぎに振るうナスカドーパントにWはジャンプして避け、肩を踏み台にして後ろに飛び際に背中へと蹴りを放ち、背中を蹴られたナスカドーパントはたたら踏んでから着地したWの追撃の蹴りをナスカブレードで防ぐ。
そのまま組み合って拳を相手の胸にぶつけ合わせて離れる。
「す、すげぇ……」
「割り込む暇がねぇ……」
攻防を繰り広げるWとナスカドーパントにウィスプとホロウは呟く。
西条は力を失ったWをフォローする様にと言ったがWは通常形態のまま、互角の勝負を繰り広げていた。
これが長く戦い続ける仮面ライダーの実力とウィスプとホロウは見続ける。
【ジョーカー!】
再び距離を取り合った所でWはジョーカーメモリを抜いてマキシマムスロットにセットする。
【ジョーカー!マキシマムドライブ!!】
音声の後にWを包み込む様に緑の竜巻が発生し、Wは浮かび上がる。
翼を展開し、ナスカブレードにエネルギーを纏わせて身構えるナスカドーパントをみつえ、1回転し……
「「ジョーカーエクストリーム!!」」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
途中で正中から分割されたWの時間差での両足蹴りとナスカドーパントの一閃がぶつかり合う。
それにより爆発と衝撃が起こる。
「うお!?」
「っ!?」
衝撃に慌ててウィスプはアイを吹き飛ばされない様に抱き抱え、ホロウと共に衝撃に耐える。
その間にWは体勢を立て直しながら着地し、ナスカドーパントは滑りながら止まる。
「っ!?」
直後、ナスカドーパントはめまいを起こした様に頭を抑え始め、少しして我に返る様な動きをする。
「なんだ?」
「いきなりどうしたんだ?」
変化に疑問を感じるホロウとウィスプだが、ナスカドーパントは向かって来るWに気づいて迎え撃とうと駆け出す。
そして部屋の中央でぶつかり合う瞬間
「!!?」
「おらぁ!!」
再び頭を抑えだすナスカドーパントにWの右ストレートが炸裂する。
「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
それによりナスカドーパントは吹き飛んでガラスにぶつかる。
その際、ヒートメモリが飛び出して、ウィスプがキャッチする。
貼り付けの様にガラスに叩きつけられたナスカドーパントは呻く。
「ぐっ……やはり、強いな……だが、これで良い……」
近づいたWへとナスカドーパントは微笑まし気にそう呟く。
「お前……まさかわざと……なんでそんな事を!?」
え?と近寄ったウィスプはW(翔太郎)のにナスカドーパントを見る。
「これで……良いんだ……」
「何が良いんだよ!?」
「そうだ……どういう事だよ!霧彦!!」
出てきた言葉に問い詰めようとするウィスプとW(翔太郎)だがナスカドーパントは首を横に振る。
「説明する時間は……無いようだ……」
その言葉と共にナスカドーパントの体から光りが漏れ出す。
消滅しかけてると心眼が感じ取る中でナスカドーパントはWへと顔を向ける。
「別世界とはいえ、私に、2つ教えてくれ……君達の世界の風都の風は……私の世界と同じ様に変わらないか?そっちの私はどうなっているんだい?」
「ああ!たとえ世界は違えど、あんたが愛した風都の風と変わんねえよ!それと、俺達の世界の園崎霧彦はさっきフィリップが言った様に、その風を守る為に仮面ライダーとして一緒に守っているよ!」
その問いにW(翔太郎)は力強く答える。
それを聞いたナスカドーパントはそうか……と満足気に呟く。
「……良かった……それならば、私の世界の君達を信じて風都を託したのは……間違って……いな……かった」
バリーン!!!
直後、ガラスはついに割れ、ナスカドーパントはそのまま落ちて行く。
ー本当に……良かっ……た……ー
その言葉を最後にナスカドーパントの姿が見えなくなる。
「心眼!!」
【……ダメだな、気配が弱まっているのか、把握できない】
慌てて叫ぶウィスプに心眼はそう返す。
ダン!
叩きつける音にウィスプとホロウは振り返ると膝を付き、右手を床に叩きつけたWの姿が目に入り……
「霧彦おおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
心の底からの絶叫が響きわたる。
その姿にウィスプとホロウは声をかけられなかった。
ヒートメモリを見てからウィスプはWに殴られた際に手から離れ、床に突き刺さって僅かに輝くナスカブレードを見る。
「…………」
【横島?】
何か決意したのか、ウィスプはナスカブレードへと近づき、抜き去るとそれを床に置く。
「確か……こうだったな」
ナスカブレードに向けて手を翳してから右手の人差し指と中指を伸ばし、かつてタケルに教えて貰った目の紋章を描く。
するとナスカブレードから煙が噴き出した後、ナスカドーパントを模した水色のパーカーゴーストが出現する。
現れたパーカーゴーストにウィスプはブランク眼魂を差し出すとパーカーゴーストは頷いてからブランク眼魂に入り、ブランク眼魂は水色の眼魂に変化する。
眼魂を見てから消滅していないナスカブレードを見る。
「誕生させたら物は消えるって聞いたけど、消えてないな」
【特殊だからだろうか?】
不思議そうに呟いた後に眼魂を懐に入れる。
その間、Wは立ち上がり、無言でナスカドーパントが落ちた窓を見る。
【翔太郎さん?】
「アイ、さっきナスカからコアエナジー反応が出てるって言ってたな?」
声をかけるアイにW(翔太郎)は静かに問う。
【はい。とても高い数値のコアエナジー反応が出てました】
「……フィリップ、お前はどう思う?」
肯定するアイのを聞いてW(翔太郎)は相棒に意見を聞く。
「これまでに現れた兵士に刻まれた財団Xを思わせるXの文字に倒した筈のドーパントの復活……そしてこの島で行われていたコアエナジーの研究……実に興味深いね」
そんな相棒にW(フィリップ)はいつも通りの調子で返す。
「相棒、俺もこの街の風が助けてくれと叫んでいる様に聞こえるぜ」
「ああ、この街には大きな裏がありそうだ。さらに気になる事は……」
W(翔太郎)のにそう返してからW(フィリップ)は顔をアイに向ける。
「アイ、君も本当にこの島のナビゲートAIなのか?」
「フィリップさん!?」
警戒して問い詰めるW(フィリップ)にウィスプは驚く。
ホロウは当然だなと内心フィリップの対応に同意する。
まだまだ出会って間もない状態で信用や信頼できるか判断できない状態。
ましてや今は全貌が分かっていない島の中だ。
自分達の味方と言えるには判断材料も少ないのだ。
それにホロウ、陰念は懸念していた。
もしもアイが敵で自分達を騙していた場合、ウィスプ、横島に悪い変化が起きて美神達から聞いたシェイドに変貌してしまいかねない可能性があるからだ。
だからこそ見極めねばならないと考えていてホロウはハッとなる。
初めて会った際、フィリップは自分達の事を検索済みだと言った。
もしも横島の事も検索していたのならば、シェイドの事も調べ済みではないかと考え、シェイドの事も調べ済みと仮定して、フィリップは最悪の事態を避けたいから警戒をしているのかとも思った。
「これまでのアイを見て怪しい所は何もねえ……それにアイは依頼人だ……依頼人に疑いの目を向けるのは探偵のやることじゃねえ。そんな事じゃ、アイだって俺を信頼してくれるワケがねえ!!それが俺のやり方なのは、お前も知ってるだろ相棒」
その言葉にホロウは唸る。
甘いかもしれないが彼の言い分はGSに当て嵌めても分かるからだ。
横島の応援で美神事務所の手伝いをしていたからこそ依頼人の信頼は依頼を達成させる為に必要な時がある事を実感している。
それを怠れば依頼は来ないし、GSとしても終わりとも言える事だ。
聞いていたW(フィリップ)は溜息を吐く。
「全く君って奴は……ま、それが君のハーフボイルドらしい所だよ」
「誰がハーフボイルドだ!ハードボイルドだ!」
(……ホントにハードボイルドって言ってるよコイツ)
相方のに怒鳴るW(翔太郎)を見てホロウは脱力する。
【“信頼”……】
「?どうしたアイ?」
呟いたアイにウィスプは声をかけるがいえ、なんでもありませんと返される。
「とにかく、これまで通り俺はアイを信じる。これからもよろしくな、アイ」
「こっちも宜しくなアイ!」
【はい、〝信頼”に応えられるよう頑張ります】
そう言い切る2人にアイはペコリとお辞儀する様に体を傾ける。
「あ、翔太郎さん。はいこれ」
「サンキュー横島。これでヒートメモリも手元に戻った。今はとにかく先に進むしかねえ」
【この近くに、ゲストID登録の端末があります。そこでアイダ博士のIDを調べましょう】
【我々以外に生体反応はないから安心して調べられるだろうが、用心して調べてくれ】
了解と返して、部屋を出て、行き止まりの所にある端末へと近づくのであった。
次回、第1のレポート:妖怪の賢者と世界の破壊者
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第1のレポート:妖怪の賢者と世界の破壊者
横島達が島、セクターシティに向かい、翔太郎達と合流して行動してる頃、美神達はGS協会に待機していた。
「待っているのは辛いですね」
「辛いのはあっちで頑張ってる横島君達よ。ホント修行した意味がないわ」
「適材適所と言うからね……場所と都合が悪かったね」
頬杖付いてぼやく蛍へとふうと息を吐く美神に唐巣は苦笑して窘める。
すると会議室の電話が鳴りだし、瑠璃が出る。
「はい」
『あ、会長、西条氏から電話です』
分かったわと返して、早速ボタンを押してから全員に伝わる様にスピーカーをオンにする。
『西条だ。早速だけど、どうやら予想以上の事態になりそうだ』
「どういう事、西条さん?」
最初に告げられた事に美神は問う。
『その前にじゃな、美神よ。左翔太郎とフィリップは覚えておるか?』
「左さん?なんで別の世界の左さん達の名前が出てくるの?」
西条に代わってカオスから出て来た名前に美神は疑問詞を浮かばせる。
知らないメンバーには蛍やシズク達が説明してる間、少し間を空けてから声が響く。
『どうも、今僕達がいる島は彼らの世界に存在する島だったんだよ。しかも、彼らに因縁のある組織が関わってる可能性が浮上して来てね……』
そう前置きしてから西条は得た情報を報告して行く。
報告が終わり、西条との電話を終えた後にその内容に美神達は頭を抱える。
「なんて存在がいるのよ!!」
「こんな状況の中で最悪ね」
絶叫する美神に瑠璃の渋い顔をしてぼやく。
ただでさえ今の情勢でそんな組織に暗躍なんてされたら最悪の展開にしかなりえないし、かつて1度だけ対面したドーパントの脅威以外にその組織が持つ技術をもしもガープが手に入れるなんて事が起これば自分達は負けるのは確定だ。
誰もがその重さに顔を青ざめる中、紫は不安そうに蛍の服の裾を掴む。
「ねえ、お兄ちゃんは大丈夫なの?無事に帰って来てくれるよね?」
そう聞かれた蛍は大丈夫なんて軽々しく言えなかった。
横島に何かあったらと感じるとすぐにでも彼の元に向かおうとするだろう。
だが、紫は人造とはいえ神魔だ。
そんな彼女が島に近づけば瞬く間に消えてしまうだろう。
どうすれば良いと思った時……メンバーから離れた場所で異変が起こる。
何の脈絡もなく、穴が現れたのだ。
それは紫が使う穴に酷似していたが、中には無数の眼が見えた。
「!?なんだ敵襲か!」
「待って!」
それに雪之丞が身構えるが美神は待ったをかける。
【なんで止めるんじゃ?なんか知っとるんか?】
「ええ、もし私の思ってる通りなら……」
同じ様に警戒しているノッブに美神はそう言ってると穴からその人物は現れる。
知らない者達からすれば出て来た者が誰もが目を引く美人な女性に成長した紫と誤解するだろう。
それだけ出て来た人物、女性は着ている導師服と金髪にその顔つきは紫と酷似しているのだ。
ただ、その女性を知っている美神は代表で声をかける。
「久しぶりね。八雲紫さん」
「ええ、翔太郎に頼まれて天空寺タケル君達をお迎えに来た以来ね。美神令子さん」
ざわめく瑠璃達の声を聞きながら美神は八雲紫を見て今まで紫を見て引っ掛かっていたのがすんなり落ちて納得していた。
最初に紫を見た時、美神は初めて会った気がしなかったのだ。
横島は特に気にしていなかったが美神や蛍、くえすやタマモ達はそれが引っ掛かってモヤモヤしていた。
だが、こうやって改めて八雲紫と対面した事で納得したのだ。
あの時は名の通り紫のドレスを身に着けていたが、今の導師服を着ている事でさらに似ていると共に美神は確信できた。
紫はかつて翔太郎がシズクを見て言った様に、八雲紫の並行存在だと……
「お姉さん誰?」
そんな八雲紫へと紫は近づいて声をかけ、八雲紫は少し驚いた顔をした後に笑ってしゃがんで目を合わせる。
「初めまして、私は八雲紫、横島忠夫の知り合いよ」
「お兄ちゃんの知り合い!紫です!」
良い子ねと八雲紫は微笑む中で唐巣が近づく。
「すまない八雲さん。あなたはどうしてここに来たのだろうか?」
「ここに来たのはあなた達が関わってるのに関係してるのよ」
関係してると言う八雲紫の言葉にそれは一体……と聞く前に突如広がったとてつもない覇気に膝を付く。
【な、なんじゃこの覇気は】
「ちょっと、これ……」
誰もが顔を青ざめ、ピート達に至っては床に倒れてしまっている。
その覇気に美神達は明けの明星こそルイより強いと感じてしまった。
そんな中で紫と何時の間にか引き寄せていたジャンヌリリィを抱きしめながら八雲紫は溜息を吐く。
「あのね……事情を説明する為とはいえ、来る際のをちゃんと抑えなさいよ」
その言葉と共に音もなく、その存在は現れた。
視認した美神達は一瞬でその存在が仮面ライダーだと認識させられた。
なぜなら……複眼にライダーとデカデカと主張していたからだ。
黒い体に黄金の鎧を身に着け、肩からは黄金の勲章をかけており、背中には時計の長短針を模したプレートによって構成される大時計をマントの様に装着している。
美神達からすればその見た目は悪趣味な高級時計と思ってしまった。
「祝え!!」
と思っていたらいきなりライダーの左隣に男性が現れて叫んだ事に誰もがギョッとするのを無視して男は本を片手にそのライダーを身振り手振りしながら祝辞を高らかに述べる。
「遥か古の時代より、人の世の理を見守り続ける最強無双を体現する時の王!その名は仮面ライダーオーマジオウ!……今この場にいる者達の記憶に刻まれた瞬間である!!」
言い終えて満足している男に誰もがツッコミを入れなかった。
いや、入れられなかった。
彼の言った様に自分達の前に立つ仮面ライダーは、どんな者が相手だろうと、それが大軍隊であったり、神であろうと、魔族であろうと、1人で無双し、勝ち残るオーラを放っている。
例え、魔人姫や明けの明星も彼の前では赤子同然に思えた。
「いやだから覇気を抑えなさいって何度も言ってるでしょうこの馬鹿上司!?」
そこに扉をバンと開けて男性がやってきてオーマジオウへ向けて叫ぶ。
今度は誰!?と思っていると複数の男女が入って来る。
2人の男性と1人の女性に、同年代な青年2人と少女1人である。
「あ、ウォズ、ここにいたんだ。ってかお爺ちゃんも来てたの!?久しぶり!」
「その通りだ我が魔王。オーマジオウ様が来ているのを感じてすぐに来たのだ」
「またあの祝えをやったのかお前は」
軽々しくオーマジオウに話しかける青年にウォズと呼ばれた祝辞を述べた男性はそう言い、ツンツン髪の青年は呆れた顔で顔を抑える。
お爺ちゃん!?とウォズと呼ばれた男性から魔王と呼ばれた青年の言葉にまたも驚いている中でカメラを首にかけた男性が美神に近づく。
「美神令子……やはりここはウィスプの世界であると共にGS美神の世界か」
「な、何者?」
顔を覗き込んで来る相手になんとか声を出した美神に男性はある物を見せつける。
それは、かつて別世界の横島が変身したディケイドが描かれたライダーカードであった。
「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ」
「ディケイド……!?それじゃああなたが別世界の横島君が言っていたオリジナルの仮面ライダーディケイドの、門矢士!?」
見せられたのに美神は驚きの声をあげる。
そういう事だと驚いている美神のを男性、士は肯定する。
「士、ここってあの横島君の世界に似た世界って事か?」
「ああ、そういう事だユウスケ。だから間違えるなよ」
声をかける男性に士はそう注意する。
ややこしいなとユウスケと呼ばれた男性は唸る。
「ちょっと待て、今、GS美神と言ったか?」
すると呆れていたツンツン髪の青年は青ざめた顔で士を見る。
「大丈夫ゲイツ?顔めっちゃ青いよ」
「ななななな、なにを言ってるんだジジジジオウ、どどどどどど、どうって、事、ななななな、ないからな」
「いや、説得力がないぞゲイツ君」
声をかける青年に震え出したゲイツと呼ばれたツンツン髪の青年にウォズはツッコミを入れる。
「【ばあ!?】」
「ぬぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
「ちょっとゲイツ!?」
すると何を思ったかジャンヌリリィと紫は穴を使ってゲイツの前に出て驚かせるとゲイツは心底驚いてワンピースドレスを着た少女の後ろに隠れる。
「な、なんだか新鮮な反応ね」
「いえ、あれが普通の反応ではないでしょうか」
困った顔をする瑠璃にマリアはそう返す。
「話を進めよう」
「この状況で!?」
「あ、この人、普通にこれが平常運転なんだよ。ちなみに俺は黒井響一郎ね」
そんなぎゃあぎゃあ騒ぎをスルーして話を進めようとするオーマジオウに驚く蛍へ最初に入って来た男性、黒井が自分の名を告げる。
「島を放っておけば、この世界は、あの島にいる者によって滅びる」
「「「「「なっ!?」」」」」
告げられた事に先ほどまで騒いでいた面々は驚いてオーマジオウを見る。
「どういう事ですか!?」
「それを話す前に……」
問う小竜姫にオーマジオウはそう言ってから右手である物を取り出す。
美神達からすればストップウォッチの様なアイテムでそれのベゼルを回して上部のボタンを押す。
【クウガアルティメット!】
「ふん!」
音声が鳴り響いた後に左手を上に突きあげる。
ドカァァァァァァァン!!!
直後、上から爆発音が鳴り響く。
「何したのよ!?」
「少し虫がいたのでな、邪魔されない様にしたのだ……しかし、どうやらこの1発だけで限界か」
驚きながら問う蛍にオーマジオウはそう返した後になんとも言えない口調でそう言う。
どういう……と美神達が思った後、オーマジオウの体が透明になって行ってるのに気づく。
「お、おい、あんた消えかけてるぞ!?」
「私はその強さ故に元々の出身世界以外では力を何回か使えば強制的にその世界から弾き飛ばされてしまう。本来ならば力を使ってももう少しいられる筈だが……やはりこの世界の修正力は私の滞在を許さんか」
「って、全然話してもないのに退場するって事!?あんた何しに来たのよ!?」
慌てて指摘する雪之丞へと答えたオーマジオウのに美神は思わず怒鳴る中でオーマジオウは消えて行く。
ー詳しい事は黒井に聞け、美神令子!芦蛍に横島忠夫を愛する者達よ!覚えておけ!お前達の思いが奴を繋ぎ止める楔となる!決してその思い、忘れずでないぞ!!ー
遺された最後の言葉に横島に好意を寄せてる面々は顔を真っ赤にする。
「どういう事?」
「大体分かった。とりあえず黒井、ここにいる理由を話せ」
「それで流して良いんですか士君!?何人かなんとも言えない顔をしてますよ!?」
首を傾げる青年の隣でそう言って話を進めようとする士に女性は突っかかる。
「GS美神の世界でいちいち気にしてたら話が進まないぞナツミカン。そう言うのはとっとと話を進めた方が良いだろ」
「凄いメタイけど、確かに士の言う通りだよな……黒井さん。お願いしても良いですか?」
「ああ、良いよ。ホントあの上司は肝心な時にちゃんとした説明をしないんだからなーもう」
話を促すユウスケに黒井は溜息を吐いてから言う。
「俺や彼がここに来たのはね。セクターシティって言う本来ならばW達の世界に存在していた島を無理やり転移させられる様にした奴をソウゴ達に頼みにね」
「俺達に?やっぱり転生者関連?」
「転生者?名前の響きからして転生した者と言う事かい?」
黒井へと質問したソウゴの言葉に唐巣が気になって問う。
「そ、ただ、俺達の言ってる奴は前世の記憶をそのまんま持って、しかも神様に特典として能力やアイテムを渡されたりしてるんだよ。オリジナルだったり、他の世界に存在するアイテムや能力だったりとかね。んで元々いた世界に似た所やその転生者がいた世界に存在するアニメや漫画、ラノベの元になった世界に送って貰ったりしてるんだよね」
「なんですのそれは」
肩を竦めて言った黒井のにくえすは嫌悪感を丸出しで呟く。
美神達も同じで小竜姫も楽して力を得ているという事に顔を強張らせている。
「それを良い方向に使うのは良いんだけど、強すぎる正義感や歪んだ欲望で世界を歪ませるのがいたりしてね……そう言う奴等を俺やその上司様が対処してる訳、ただ、最近はその輩が色んな世界や次元にいるから俺達の手じゃあ足りないから旅をするディケイド達にそう言う転生者や神を簡単に対処できるソウゴ君をオマケと付けて同行させて手伝って貰ってると言う事」
「だだだだだ、誰がおおおおお、おまけけけけ【ばぁ】人魂ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「ツクヨミ、耳大丈夫?」
「微妙に大丈夫じゃない」
疲れた顔で説明する黒井のに少女の背中に隠れながら噛み付いて早々に面白かったのか人魂全開で驚かせに来たノッブにゲイツは絶叫し、間近で聞かされているツクヨミと呼ばれた少女は顔を歪ませながらソウゴにそう返す。
「ちょっとノッブ!話を折らない!それで、横島君達が今いるセクターシティにその転生者がいるって事?どうしてなの?」
「どこぞの馬鹿神さんが上司を潰そうと1兆と言う馬鹿げた数の転生者軍団を向かわせてきたのよ。ま、鎧袖一触だったけどね」
「がいしゅくいっしゅうってなんだっけウォズ?」
「鎧袖一触、鎧の袖でちょっと触れたぐらいの簡単さで敵を負かすことを意味する四字熟語だよ我が魔王。つまり、君の言ってる転生者は軍団の生き残りという事だね」
話を促す美神に返した黒井のにソウゴへ教えながらウォズはそう纏める。
そういう事と黒井はウォズの言葉を肯定する。
ちなみにソウゴの返しにこの子、頭が悪いのかと一部が思った。
「だから君達にはセクターシティに行って貰って、W達と合流して欲しいのさ」
「分かった!早速行けば良いんだね!」
「よよよよ、ようし!行くぞぞぞぞぞぞぞ!!」
「……ゲイツ君、あっちに着いた時にはちゃんと戻るんだよ」
お願いする黒井のにソウゴは元気よく言い、この場から離れたいのか震えながらゲイツも続き、ウォズは呆れながら言う。
「あのすいません。聞きそびれる前に聞きたいのですが、皆さんの名前は?」
「あ、そう言えば名乗ってなかった!俺は常盤ソウゴ!夢は最高最善の王!!」
「私はウォズ。我が魔王の臣下を務めている。ちなみに怯えているのは明光院ゲイツ君だ」
「おおおお、お前ががががが、言うななななななななななな」
「こいつ、壊れたテレビになってるぞ」
そんなメンバーへとピートが恐る恐る聞き、ソウゴは元気よく挨拶し、ウォズが続いて震えながら突っかかるゲイツにこいつ大丈夫かと雪之丞や一部の面々は疑問の眼を向ける。
「私はツクヨミ」
「あ、俺は小野寺ユウスケね」
「私は光夏海です。決してナツミカンではありませんので」
「俺はもう名乗った」
「私は白ウォズと呼ばれている。我が救世主ともども宜しく」
続けて、ツクヨミとユウスケ、夏海が名乗り、何時の間にかいた白い服を着たもう1人のウォズが名乗る。
「ってウォズさんがもう1人!?」
【なんじゃ分身したのか?それとも双子か?】
「「いいや違う」」
「……異口同音で否定するな;」
「まぁ、彼らは言わば同一存在だけど歩んだ歴史が違うとかそう言う感じのって思って貰えれば良いよ」
ギョッとする面々に黒井は簡略で返す。
「とととと、というかおおおおまえ、どどどどこに!!」
「あー、我が救世主よ。怖いのは分かるが落ち着きたまえ、全然分からない」
「んじゃあゲイツの代わりに聞くけど、どこに行ってたの?来て早々に黒井さん来る前に外に出たからさ」
必死に脅かしてこないか警戒してるゲイツに代わって白ウォズへとソウゴは問う。
「我が救世主の為に情報収集を兼ねた散歩をしていたのさ」
「あ、確かに情報収集は大事だね」
軽く言う白ウォズにソウゴはあっさり納得する。
ただ、ウォズだけは疑心の眼で見ている。
「あ、ちなみにナツミカンちゃんとツクヨミちゃんに白ウォズは俺と一緒にこっちで八雲の紫さんの手伝いをして貰うから」
「そうなんですか!?」
「ぬぅ、我が救世主と一緒ではないのに些か不満だが、仕方がない」
そう付け加える黒井のに夏海は驚き、白ウォズは唸りながらそう返す。
それを見て八雲紫は穴を作り上げる。
「この穴を通れば近くの海域に出るから、結界のもあって島の中に出せないから飛ぶ奴でお願いね」
「成程な、ユウスケ」
「あ、そういう事か」
そう言った八雲紫のに士はディケイドライバーを取り出して装着し、ユウスケも意図を察して腰部に手を翳すとベルト、アークルが出現する。
士はディケイドライバーを展開して先ほど美神に見せたディケイドのライダーカードを翳し、ユウスケは足を肩幅をちょっと前後に開き気味に開き、両掌を丹田の辺りに翳し、右腕を勢いよく左斜め上に伸ばして、同時に左手を右腰あたりにつけておき、スーッと右腕を左から右に高さを変えずに平行移動させてから左手もそれに合わせてスライドして左腰に平行に添え……
「「変身!」」
士はライダーカードをセットして押し込む様に元に戻し、ユウスケは右手を左腰にある左手の上に素早く移動させ、軽くグッと押し込む。
【カメンライド!ディケイド!!】
音声と共に士を挟む様に18個のライダークレストを伴った幻影が現れて士に重なって仮面ライダーディケイドに変身し、ユウスケは身体を開き、両腕を緩やかに腰の高さで広げるとその体が腕、足、体と変化して行き、最後に顔も変化すると仮面ライダークウガへと変身完了となる。
「おいおい、こいつ等も変身しやがった!?」
「ディケイドは分かりますけど、もう1人は?」
「見た事ないですジャー」
「確か仮面ライダークウガよ」
それに雪之丞は目を見開き、クウガを見て呟くピートとタイガーに蛍が教える中、ディケイドは新たなカードを取り出し、ディケイドライバーにセットする。
【ファイナルフォームライド!ク・ク・ク・クウガ!!】
「え、まさか……」
「ちょっと、何が起こるワケ?」
音声のに顔をひくつかせる美神と蛍、ピート達の反応に知らないメンバーは首を傾げ……
「ちょっとくすぐったいぞ」
「超変形!」
ディケイドがクウガの背中を開く様な動作をするとクウガは浮いた後に新たな装甲が現れてその体を変形させて巨大なクワガタムシ、クウガゴウラムへと姿を変える。
「「「「はいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」」」」
「なにこれ!?人体を無視した変形をしたわよ今!?」
絶叫するメンバーにホントそう言う反応になるわよねと似た様な光景を見た美神達はうんうんと頷く。
「んじゃあ俺達も行くよ」
ソウゴはそう言ってクリアホワイトの胴体部を持つ、巨大な腕時計のようなデザインのベルト、ジクウドライバーを取り出して腰に装着すると先ほどオーマジオウが見せたのと同じ形の白いウォッチに少し大きめのウォッチを取り出す。
「え、まさか我が魔王?」
【ジオウ!】
【ジオウトリニティ!】
ソウゴが取り出したのにウォズは慌てる中、ソウゴは最初に取り出した白いウォッチを右手側のスロットに装填し、もう1つを左手側のスロットに装填し、左側にあるつまみを捻る。
【ジオウ!ゲイツ!ウォズ!!】
それと共にゲイツは金色の光、ウォズは水色の光に包まれる。
「お、おいジオウ!?」
「わ、我が魔王!流石にこんな大勢の前で!」
「変身!」
止めようとする2人を無視してソウゴはベルト本体を反時計周りに360度回転させる。
【トリニティタイム!】
音声の後にソウゴ、ゲイツ、ウォズの姿がそれぞれ仮面ライダージオウ、仮面ライダーゲイツ、仮面ライダーウォズに変わった後……次に起こった光景に美神達は絶句する。
【三つの力、仮面ライダージオウ!ゲイツ!ウォズ!】
ゲイツとウォズが頭部と胴体のバンド部のみの腕時計のような状態に変形するとゲイツがジオウの右肩、ウォズが左肩に装着され、ジオウの仮面が胸元に移動するとライダーの文字が現れて何もない顔部分に張り付くと新たな仮面となり、バンド部が張り付いて鎧となる。
【トーリーニーティー!トリニティ!!】
響き渡る音声の中で黒のライダースーツに金色の鎧を身に纏った姿の三位一体の仮面ライダージオウトリニティへと変身完了する。
「平伏せ!我こそは仮面ライダージオウトリニティ!大魔王たるジオウとその家臣ゲイツ、ウォズ!三位一体となって未来を創出する時の王者である!」
「「いやどういう事!?」」
ウォズの声が響いた後に我に返って叫ぶ美神と蛍に言いたい事は分かるとツクヨミと夏海にクウガゴウラムと黒井はうんうん頷く。
「おいこらジオウ!なんでこっちになった!?」
「いやだってユウスケさんに乗るんだから人数減らした方が良いでしょ?」
「だからと言って我々の気持ちを考えて欲しいよ我が魔王……」
【わしらって、横島に力を貸してる時、はたから見るとああなんじゃな】
【止めてくださいよノッブ。流石にあれと主殿を同じにするのはどうかと思いますよ】
叫ぶゲイツのに返すジオウに苦言を申すウォズの様子を見てそう呟いたノッブに牛若丸は毒をさり気無く入れながら否定する。
「おい、漫才してないで早く乗れ」
「はーい」
「それじゃあ行ってくるね」
クウガゴウラムの上に乗りながら言うディケイドにジオウトリニティも乗るとクウガゴウラムは八雲紫の作った穴を通って行く。
見えなくなると八雲紫は穴を閉じる。
「そう言えば紫さんはなんでここに?」
「そう言えばオーマジオウの登場で普通に聞きそびれていたけど、どうしてこの世界に?」
見送ってから八雲紫へと話しかける夏海に美神も思い出して言う。
「それはね。その転生者のせいで起きた転移した影響での歪みで私が住んでる所の住民が数人この世界に来ちゃったのよ。それで来ちゃった人を回収する為に来たのよ」
「そ、それは大変な事ですジャー!?」
「誰が飛ばされたんですか?」
それは……とクシナの問いに紫が言う前に電話が鳴る。
「はい、また西条さんから電話?」
『いえ、今度は冥華様からです』
冥華からと言うのに瑠璃は眉を顰めながら出る。
『もしも~し、瑠璃さんに美神さん聞こえる~冥華よ~』
「冥華さん。何かあったんですか?」
電話をかけて来るからには何かあると感じて瑠璃は問うとそうね~と困った様な雰囲気の声がする。
『実はね~、突然学園の校庭内に変な穴が現れて~、そこから~輝夜姫様と藤原妹紅ちゃんに1人の女性に2人の男の子達が出て来たのよ~』
「そうなんですか?」
先程の紫のにまさかと思っていると次の言葉に瑠璃や美神達は顔を険しくさせる。
『それでね~。その女性がね~~……月の住人なのよ~』
突然顔を険しくさせた美神達に夏海とツクヨミ、黒井が戸惑う中で八雲紫だけあーと察する。
次回、第4の章:アイダ博士の行方を追って
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第4の章:アイダ博士の行方を追って
取り戻した力で道を切り開いた先にいたのは……
ヒートメモリを取り戻したWと共にウィスプとホロウはゲストID登録用の端末にアクセスするアイの様子を見ていた。
【ゲストIDデータにアクセス……アイダ博士のIDを見つけました。アイダ博士のIDは事故の一週間前に登録されていますね。IDクラスは最上位のVIPです】
「事故の一週間前?随分早くからセクターシティに来たんだな……しかもVIP……」
「そうなると、機密の研究の手伝いをしている可能性もありえそうだな」
報告するアイのに顎に手を当てるW(翔太郎)の後にホロウは腕を組んで呟く。
【滞在中、車に乗っていた記録があります。その車は今も私達が通った地下駐車場に有るようですね】
「ほへぇ、そこまで分かるのか」
続けての報告にウィスプは感心する。
「車か……カーナビを調べれば、博士がどこに行ったか分かるかもしれないね……」
【そうだな、次の手がかりが見つかるかもしれないな】
「よし、次はアイダ博士の車を当たるか!」
提案するW(フィリップ)に心眼も賛同し、W(翔太郎)は早速行こうとし……
「待った翔太郎」
W(フィリップ)が待ったをかける。
「なんだよフィリップ」
「すまないね……ホロウ、君に頼みたい事があるんだ。ここにあるパソコンを1台、リボルギャリーにいるドクターカオスの所に運んでもらいたいんだ」
「あー……成程、確かにここのパソコンならセキュリティレベル以外で閉じられている扉を開ける様に出来るかもしれないな」
相棒に謝ってからホロウにお願いするW(フィリップ)に頼まれた本人は意図を察してから了解したと返して走って行く。
「と言う訳で翔太郎、僕も戻って説明しておくから一旦変身を解くよ」
「分かった。んじゃあ終わったら横島の奴にかけてくれ、俺達は駐車場の所でアイダ博士のを探しておくからよ」
そう言ってメモリを抜き、変身を解いた翔太郎は一旦ベルトを外してロストドライバーに変える。
【ジョーカー!】
「変身」
そしてポーズを取ってジョーカーメモリをセットし、今度は翔太郎単独での姿、仮面ライダージョーカーに変身する。
「んじゃあ行くぜ」
「了解っす!」
頷きあってから2人は駐車場へと戻る。
☆
一方、リボルギャリーでは西条とカオスは置かれていたバイク、ハードボイルダーを見て感心していた。
「このバイクは凄いのう……バイク後部を変える事で陸海空のどれにも対応できる様にしておる」
「まさに万能バイクですね。うちにも欲しい位ですね」
確かにそうじゃなと収められている3つのユニットを見ながら西条の言葉にカオスは同意する。
何分、似た様なのは作れるが1つので換装する事で陸海空どれにも対応できると言うのはカオス以外にGSにとっても喉から手が欲しい一品だ。
依頼ので様々な場所でやらなければならない事を考えるとハードボイルダーはまさに移動手段として重宝しやすい乗り物の理想形だ。
2人で話しているとフィリップが起き上がる。
「ん?フィリップ君。意識が戻ったのかい?」
「ああ、あなた達に状況を共有したいのとは別に横島と翔太郎を抜きに今この場にいる僕を含んだ3人と頼み事でこちらに戻って来る陰念を交えて話したい事があるんだ」
話しかけた西条はフィリップの言葉に真剣な顔をする。
暫くして移動の為にバース魂となったホロウが来て、入れ物として手に入れたバッグの中からパソコン一式を取り出して丁重に置く。
「これ一式持って来たぞ」
「ありがとう。それで3人に話す前に言っておこう……僕は仮面ライダーシェイドの事、今まで横島に起きた事を全て、地球の本棚で知っている」
礼を述べてから告げたフィリップに西条とカオスは驚き、ホロウはやっぱりそうかと呟く。
「通りでアイに強く警戒してた感じか」
「アイと言うとナビゲーションAIと言うロボの事だね」
交換した情報の中で得ていたので確認する西条にフィリップは頷く。
「ああ、翔太郎を助けた事もタイミングも気になってね」
「そう言われると、確かアイと言う奴がいたのが市街セクター、左がおったのはワシらが今いる港湾セクターで離れておる。どうやって気づいたか疑問じゃな……」
顎を撫でながら思案するカオスに西条も腕を組んで真剣な顔でフィリップを見る。
「君は、もしも彼女が敵の内通者だった場合を考え、横島君がそれで暴走してしまう事を懸念しているんだね」
「ああ、翔太郎も横島と同じ様に最後までアイを信じると思うからここにいるメンバーだけはアイに気を付けて欲しい事を留めて欲しいんだ」
「賛成だな。何か遭った時にすぐに対処できる様にしねぇとな」
頼みにホロウは頷き、カオスと西条も同じ様に頷く。
「それとドクターカオス、パソコンでアイを調べられるならその時に……」
そう言ってからカオスにやって貰いたい事を言い、あい分かったとカオスは頼みを受け入れ、早速パソコンの起動にかかる。
その様子を見ながらフィリップは内心、3人に謝罪していた。
(すまない3人とも……僕は、仮面ライダーシェイドの情報を、君達以上に知っていて持っている)
実はと言うとフィリップは検索をした際、ある情報も得ていたのだ。
それは……仮面ライダーシェイドは現段階では昆虫で言えばまだ蛹の状態だという事だ。
得た情報によるとシェイドは外部、つまり自分の周囲からの影響で簡単に変異する性質を秘めており、故に仮面ライダーシェイドは横島の暴走した姿ではなく、善にも悪にも簡単にひっくり返ってしまう様々な可能性を持った仮面ライダーなのだ。
この世界の平安時代に横島は12神将魂での12魔神将になった事で羽化するまでの段階の一段階進んでいるのも知った。
それだけ重大な情報を知れたのも運が良かったとも言える。
これ以上、悪意の変異を遂げてしまえば最悪の未来にしかなりえないのをフィリップは悟った。
だが、これを公言してしまえば美神達に更なる危険に遭う可能性が高まり、そうなればシェイドの最悪の進化は避けられない。
故にフィリップに出来る事はこの島にいる間、横島が怒りに囚われない様に見て置く事しか出来ない。
「んじゃあ俺は戻るぜ」
「僕もそろそろ戻ろう。それじゃあドクターカオス、頼んだよ」
「うむ、しっかりな」
そう返してからホロウは合流に向かい、フィリップも電話してダブルドライバーが現れたのを確認してサイクロンメモリを起動してセットし、翔太郎の元へと向かう。
「やれやれ、大事になって来たな」
「全くですね」
愚痴りながらパソコンの調子を確かめるカオスに西条も美神達への報告の為の情報を整理して行く。
☆
炎の壁の前にて、ウィスプと共にダブルドライバーを装着した翔太郎と共に立っていた。
「お、来たな」
【ジョーカー!】
【サイクロン!ジョーカー!!】
転送されて来たサイクロンメモリを見てジョーカーメモリを起動させてダブルドライバーにセットして展開してWに変身する。
「お待たせ翔太郎。それで、アイダ博士の車は見つかったかい?」
「この炎の壁以外の所を調べたがなかった。あるとすれば、この炎の壁の向こうかもな」
「しかし、この炎まだ燃え続けてますね……」
【未だにドーパントはこの少し先からは動いていないから、慎重に動きたい所だな】
進歩を確認するW(フィリップ)にW(翔太郎)は答え、ウィスプの呟きに心眼がそう報告する。
「一応陰陽術で消せるか試したけど、強過ぎて逆に水が消えちまったんだよな……どうします?」
「それなら安心しな、その対処法はこいつで出来る」
そう言ってWは取り戻したヒートメモリを取り出す。
【ヒート!】
起動して戻したダブルドライバーからサイクロンメモリを抜いて代わりにヒートメモリをセットして再び展開する。
【ヒート!ジョーカー!!】
響き渡るビートと共にWの右半身が緑から赤く染まる。
「行くぜ!」
【ジョーカー!】
そう言ってからWはジョーカーメモリを抜いて、マキシマムスロットにセットする。
【ジョーカー!マキシマムドライブ!!】
響き渡る音声の後に両手から赤と紫の炎を噴出して飛び上がり……
「「ジョーカーグレネイド!!」」
左右二分割して交互に燃えてる車へと炎のパンチを叩き込む。
ドゴーン!!
それにより車は吹き飛んで粉々になる。
【サイクロン!ジョーカー!】
「よし、これで通れるようになったな」
「ごり押しにも程があると思うけどね」
サイクロンジョーカーに戻ってグッとガッツポーズを取るW(翔太郎)にW(フィリップ)は呆れ声でぼやく。
「良かった。これならアイも無事に通れるな」
【別に、炎を作り上げてるだろうドーパントを倒せば消えたのではないだろうか……】
ホッと安堵するウィスプだが心眼はなんとも言えない口調で呟く。
「おいおい、さっきのは何の音だ?」
そこにパラドクス魂のホロウが呆れた口調で合流する。
その後に炎の壁が消えてる事で察したホロウは後頭部をガシガシ掻いてからWに向けて、何かを放り投げる。
「これ、戻る途中で何かを運ぼうとしてた奴等がいたからぶちのめして手に入れたんだが、あんたらのだろう」
キャッチしたWは投げ渡されたのを見ると銀色のメモリだった。
「メタルメモリ!サンキュー、ホロウ!……しかし、そいつ等はこいつをどこに運ぼうとしていたんだ?どこへ、何の為に?」
「復活しているドーパントに彼らから出ているコアエナジー反応……この事件の首謀者はガイアメモリとコアエナジーを利用して何かを企んでいるのかもしれないね……」
礼を述べてから呟くW(翔太郎)の後にW(フィリップ)は推測を述べる。
「チッ!その為に俺達のガイアメモリまで利用させるわけにはいかねぇ!後はトリガーとルナだ。アイ、ガイアメモリの反応も見つけたらすぐに知らせてくれ」
【わかりました。お任せください】
舌打ちしてから頼むW(翔太郎)にアイは了承する。
とにもかくにも3人は現れたマスカレイドドーパントや機械の兵士を倒して先を進む。
「っ、だんだんと熱くなってきたな」
「確かに変身してるとはいえ、ジリジリと来るな」
周りの温度が上がって来た事で警戒しながら進み、広い場所に出ると中央に体が燃えているドーパントが佇んでいた。
「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「あいつは!マグマドーパント!?」
「それって、俺達が初めて会った時に左さんが追ってた奴が変身した奴ですよね?」
「つまり、この熱さとさっきの炎の壁がこいつの仕業か!」
雄たけびを上げるドーパントに驚きの声を漏らすW(翔太郎)にウィスプは思い出して言い、ホロウは構える。
そんな3人へとマグマドーパントは咆哮して火炎弾を放ち、3人は慌てて左右に避ける。
「ホロウ!早くステージセレクトをするんだ!このままだと何もかも焼き尽くされてしまう。アイダ博士の車が壊されたら手がかりが無くなる!」
「あいよ!」
すぐさま指示を出すW(フィリップ)にホロウはすぐさま眼魂を1回取り出してから再びセットしてレバーを引く。
【アーイセレクトッ!】
音声の後に周囲の景色が……南国を思わせる景色と綺麗な海が広がる砂浜に変わった。
「おいおい、好都合なステージが来てくれたな!」
「ウィスプ!」
「了解ッス!」
慌てて海から離れるマグマドーパントをみつえ、ウィスプは砂浜近くの水に入りガンガンブレードをベルトに翳す。
【アーイ!ガンガンミロー!ガンガンミロー!】
離れようとしたマグマドーパントをWが格闘戦を仕掛けて動きを止めた所にホロウはベルトのレバーを大きく引く。
【テンガン!パラドクス!LVフィフティー!心を冷ませ、クールダウン!】
音声の後に両手に装着されていた赤い篭手が分離し、青く変化して肩に装着されるとヘッドギアに似た装備もヘルメットのような姿に変化する。
「さぁ!運命のパズルだ!」
片手を挙げるとパズルのピースのような形状をしたエネルギー弾が作り上げられ、発射するとWが離れると共にマグマドーパントに炸裂する。
【オメガストーム!!】
「はあっ!!」
そこにウィスプの振るいし、竜巻が水を纏いながらマグマドーパントを包み込み、風の斬撃と共に水を浴びせて行く。
「良し!このまま一気に!」
【!待て!奴の力が大きくなっているぞ!】
【心眼さんの言う通りです。コアエナジーの反応が増大しております!】
グッと手を握ったウィスプに待ったをかける心眼とアイの報告の後、竜巻が弾け飛び、中からオーラを発するマグマドーパントが現れる。
「ぐ、ぐおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
咆哮と共にマグマドーパントの体から光を迸る。
3人が光に顔を隠す中、マグマドーパントは変質して行く。
光が収まって、3人は腕を退かして見えた光景に驚く。
マグマドーパントがいた所には炎を身に纏った巨大な四足歩行の蜥蜴がいた。
「な、あれはマグマドーパントなのか!?」
「バカな!?マグマドーパントに巨大化能力はなかった!」
「もしかしてコアエナジーの影響か?」
【恐らくそうだと思います】
【ぬぅ、見た目から幻獣のサラマンダーの様な感じであるな】
「コアエナジー、ヤバすぎじゃね?」
誰もが驚いていると変貌したマグマドーパント、便宜上ビッグ・マグマと言おう……ビッグ・マグマは咆哮と上げると体中が強く燃え上がる。
「あちちちちちちち!?」
するとウィスプが悲鳴を上げて海から飛び退る。
「どうしたウィスプ!?」
「な、なんか海がめっちゃ熱いっス!」
「海が?……っ!?」
問うW(翔太郎)に答えたウィスプのにホロウは海を見て驚く。
なんと海から気泡と共に湯気が立っており、激しく泡立ってる様子であった。
「これは変貌したマグマドーパント、呼称ビッグ・マグマの熱で水の温度が急激に上がったんだ!もしも生身で飛び込んだら一瞬でゆで上がっておしまいだ!」
それにW(フィリップ)が分析してウィスプとホロウはゾッとする中でビッグ・マグマは口から火炎弾を吐き出す。
慌てて3人は飛んで来る火炎弾を避ける。
「くそ!トリガーがねえ分、攻撃が届かねえぞ!」
「なら俺達でちまちま攻撃するしかねえな!」
「あ、そう言えば俺達微妙に浮けるし、近づいて銃撃とかやればいける感じか」
「すまないが2人とも、頼んだよ」
砂浜から遠くにいるので攻撃できない悪態付くW(翔太郎)のにホロウがそう言いウィスプも思い出してからW(フィリップ)の頼みに頷いてから飛び上がる。
向かって来る2人にビッグ・マグマは火炎弾を放つがウィスプとホロウは軽く避けるとエネルギー弾と銃弾を浴びせて行く。
「時間を稼ぐならこれだッ!」
ウィスプは懐から白い眼魂、マッハ眼魂を取り出し、W眼魂と変えてベルトに押し込む。
するとベルトから白いパーカーゴーストが飛び出しトライジェントへと変わったウィスプの回りを踊り始める。
【アーイ!シッカリミナー!シッカリミナー!】
「行くぜッ!」
強く吠えた後にレバーを引く。
【カイガン!マッハッ!変わるシグナル!フルスロットルッ!!!】
「追跡……以下略ッ!!!」
マッハのいつものフレーズとポーズを以下略で強引に終わらせ、ゴーストドライバーの横にマウントされている眼魂を手に取る。
仮面ライダーマッハの力を持つマッハ眼魂……本来の変身者である詩島剛であれば、Wの為の時間稼ぎとして率先して攻撃を繰り出しただろう。
だが横島と剛の性格は真逆で横島は率先して攻撃を繰り出すマッハの力を使うのではなく、徹底して妨害とサポートを行なう為にマッハの能力を使っていた。
「こいつで止まってなッ!!」
【トマーレッ!!!】
ナイトランターンから発射された霊波弾がビッグ・マグマの前で炸裂し、交通標識の止まれのマークを描いた。
するとビッグマグマは金縛りにあったようにその動きを止める。
「陰念ッ!」
「言われなくても分かってるッ!!そらよッ!!」
パズルの能力でエナジーアイテムを大量に取り出しバフをばら撒き始めるホロウ。
【高速化!】
【マッスル化!】
【鋼鉄化!】
【透明化!】
【幸運!】
素早く動いたり、攻撃力を強化した2人にビッグ・マグマは苛立った様に火炎弾を放つ。
「そらよッ!」
【マガーレッ!!】
「ふんッ!!」
ビッグ・マグマの火炎弾をマガーレで逸らし、その隙にホロウが特大の霊波砲を打ち込みビッグマグマにダメージを与える。
「おまけだッ!!」
【カクサーンッ!!】
ナイトランターンを振るうウィスプの動きにそって霊波弾が発射され空中で炸裂し、まるで雨のようにビッグマグマへと降り注いだ。
「うへえ……性格の悪い戦い方だな。俺とは相性最悪だ」
「いや、そうでもないだろう?マッハの力を完全にサポートとデバフに使うというのは実に興味深い」
その戦いっぷりにW(翔太郎)は思わずそう述べ、逆にW(フィリップ)は感嘆してそう述べる。
その間にビッグ・マグマは2人を倒そうと追いかけるがWが攻撃できる距離へと誘導されている事に気づいていない。
「翔太郎!」
「ああ、この距離ならいけるぜ!」
【メタル!】
届く距離になった事で先ほど手元に戻ったメタルメモリを起動してジョーカーメモリと変えて展開する。
【サイクロン!メタル!】
音声と共に左半身が黒から銀色に代わり、Wは背中に出現したメタルメモリ専用武器、メタルシャフトを手に取る。
「オラオラオラ!!」
接近してWはビッグ・マグマの顔に連続攻撃を浴びせて行く。
空中からのウィスプとホロウのと合わせてビッグ・マグマは段々と動きが鈍くなっていく。
「決めるぜ2人とも!」
【メタル!】
「うっす!」
「おう!!」
【マッスル化!】
【マッスル化!】
【マッスル化!】
メタルメモリを取り出してメタルシャフトの中央にあるマキシマムスロットにセットしながら叫ぶW(翔太郎)にウィスプとホロウも力強く返し、ウィスプがレバーを引く隣でホロウはエナジーアイテムを使ってからレバーを引く。
【メタル!マキシマムドライブ!!】
【ダイカイガン!マッハ!】
【ダイカイガン!パラドクス!】
【【オメガドライブ!!】】
Wは回転しながらメタルシャフトに旋風を纏わせ、ウィスプは回転しながらベルトから噴き出した炎を身に纏い、ホロウはエナジーアイテムの効果を足に収束させ……
「「はっ!!」」
「「メタルツイスター!!」」
2人のライダーキックが炸裂すると共に旋風を纏ったメタルシャフトが連続で叩き込まれる。
「!!!!!!!!?」
3人の必殺技を受けて断末魔をあげながらビッグ・マグマは大爆発を起こす。
ステージ!クリア!!
爆発の衝撃に3人は耐える中で音声が響いて元の場所に戻る。
【大丈夫でしたか?】
「ああ、大丈夫だ!アイも大丈夫だったか?」
安全を確認して近寄って聞くアイにウィスプは笑って返す。
その間、Wは周りを見渡し、マグマドーパントが放った炎がまだ残ってるのにふうと息を吐く。
「残ってる炎でアイダ博士の車が炎上しないとか限らねえし、早く探さねえとな!」
「だな。アイ、この周辺にある無事な車の中にアイダ博士の車はあるか?」
W(翔太郎)に続いて確認するホロウに少しお待ちくださいと言ってアイは確認する様に横棒表記に変わった後に縦棒表記に戻して言う。
【この周辺にはありません。まだ奥に続いてる道の方にあるかもしれません】
「よし、奥を見るぞ」
「「うっす/おう!」」
アイの報告に3人は奥へと進む。
「うわ、水が入り込んでる……」
「まだタイヤ半分の所までだからないかもしれねえが、早めに探した方が良いなホント」
足が浸かる程度に入り込んでいる水にウィスプは呟き、ホロウは仮面の中で眉を顰めながら呟く。
歩いて行く中で現れたマスカレイドドーパントを倒しながら、調べて行くとアイが駐車されていた車の中で赤い車に近づく。
【アイダ博士のIDを確認。この車で間違いありません】
「やりましたね翔太郎さん!フィリップさん!」
「喜ぶのは情報を引き出してからだよウィスプ」
【その通りだ。アイ、そこの所はどうだ?】
暫しお待ちをとアイは車に触れて目の部分に様々な文字の羅列が流れる様に浮かぶ。
【ナビゲーション情報にアクセスした結果、滞在期間中から2件の履歴がヒットしました。1件目は浄水セクター、2件目は港湾セクターの研究施設です】
「港湾セクター、メールに書かれた座標の場所だな。しかしもう1つの浄水セクターってのは……」
「やっぱ水に関係する場所なのか?」
報告にW(翔太郎)は呟き、ウィスプがアイに聞く。
【はい、浄水セクターは水質を管理するセクターです】
「科学者がどうして水質を管理する場所に行ったんだ?」
誰もが疑問を持つ中で情報が足りないからこれ以上考えても仕方ないとW(翔太郎)は今後のについて考える。
「気になるから今すぐにでも行きたい所だが……」
【その前にこの市街セクターを開放しなければ、地上からの他のセクターへの移動は不可能です】
「やっぱりな……合流する前に港湾セクターと市街セクター近くを軽く見てみたが、地上はどこも通れる場所を封鎖されていた。もしかすると空中もいずれ移動できなくなるかもな」
「マジかぁ……んじゃあ次の目標はセキュリティレベルを下げて行く感じになるのか……」
アイの言葉にホロウは腕を組んで報告し、ウィスプは唸ってから呟く。
とにかく駐車場にはもう用がないので3人は駐車場を出て外へ向かう。
「そういや、俺達はこっちから来たんだよな」
「あっちに港湾セクターへの入り口があるが……封鎖されてるな」
出て右側を見て言うウィスプにホロウはWにそう言いながら呟く。
【アイよ。今通れるルートはないのか?】
【それでしたら、皆さんがアイダ博士の車を見つける前の戦闘で、第一連絡路方面のゲートが解放されました】
「アイ、そういう話はその時に伝えて欲しかったんだけど」
確認する心眼に答えたアイはW(フィリップ)の苦言にすいませんと謝罪する。
「とにかく、今はセキュリティレベルを下げる事が先決だ。アイ、その第一連絡路へ案内してくれ」
頼むW(翔太郎)にアイはこっちですと港湾セクターとは反対方向へ動き、3人も続く。
第一連絡路の方で待ち受けているのは……
次回、第5の章:襲撃者と猫
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第5の章:襲撃者と猫
その道中にて横島のパッシブスキルが発揮される。
とある場所、そこでは巨大な怪人が並んでいる者達を見ながら思案していた。
「ふむ、ナスカが倒されたか……やはり意思があるのでは無理か……あやつの言っていた通り、意思のない方が制しやすいか」
そう呟いてから並んでいる者達に対して命令を出す。
「お前達は各セクターに散らばり、侵入者を迎え撃て、必ず殺すのだ」
その言葉に並んでいた者達は各々に散らばって行く。
「しかし、奴は何をしているのだ……奴が
愚痴りながら巨大な怪人は消えて行く。
☆
第一連絡路に足を踏み入れたW達。
そこにある端末、ターミナルから放出された光を浴びて回復して行く様子にホロウは感心する。
「すっげぇなこれ、体の負担やら疲れとかが無くなって行くな」
「体力回復するし、心なしか霊力も回復してる感じがするよな?」
【感じと言うよりしてるな……どういう構造をしているのだ?】
「君達の世界でこれは過ぎた技術だよ。知らなくてもいいと思うよ」
「ってか、こんなのがお前等の世界で出回ったらブラック企業も真っ青な状態になると思うぞ」
感嘆の声を上げてる2人+αにWはそう返す。
そう言われると確かに怖いなと思うと同時に使いまくって怒られそうな未来を容易く想像できたのでウィスプとホロウはなんとも言えない気分になる。
実際、2人とも無茶をしまくるので注意しておかなければ絶対にターミナルの様なのがあればそれを使いまくって無茶な進撃をしそうである。
横島にいたってはかつてのマタドール戦で使える物を使った事で危うくなった事があるので凄く身に染みている。
【翔太郎さん、フィリップさん】
「ん?どうしたアイ」
声をかけるアイにW(翔太郎)は顔を向ける。
【この通路の先に大きな敵反応を発見しました。ナスカやマグマと似た反応です】
【確かにこれはドーパントだな。しかも強さを考えるとナスカに近いな】
「うえぇ、それってつまり幹部級の敵って事かよ」
「嘆いてる暇はねえだろ。それに、それだけの敵ならセキュリティレベルも高いんだろ?」
報告するアイに続いた心眼のにげんなりするウィスプへホロウがそう言ってからアイへと問う。
【はい、その敵は高いセキュリティレベルを持っています。その敵を倒せば、このセクターのセキュリティレベルは一気に低下します】
「セキュリティレベルが一気に低下か……てことは……」
「ようやくこの市街セクターが解放できて、地上でも他のセクターに進めるというわけだね」
その通りですとアイはW(フィリップ)のを肯定する。
「そういう事だ横島!気合を入れておけ!」
「うっす!」
W(翔太郎)の発破に元気よく返事をするウィスプにホント似た者同士だなとホロウは思った。
「フィリップも良いだろう?」
「勿論さ、僕も早くこの島について知りたい所だよ」
方針が決まり、早速アイのナビゲートの元、出てくる敵を倒しながら進んで行く。
ーー
「ん?」
敵を倒し終えていざ先に進もうとして、最後尾にいたウィスプは足を止める。
【どうした横島?】
「いや、なんか声が聞こえた様な……」
キョロキョロ見渡すウィスプに少し待てと心眼は言って周囲を調べ……
【……横島、前方の左に見える車の下に微かだが気配を感じる。しかしこれは……】
何か気になる心眼のを頭に聞きながら言われた通りの車の下を覗き込むと猫が見えた。
「こんな所に猫が……おーい、ここは危ないから出て来た方がいいぞ」
そう声をかけると猫は恐る恐ると言った感じで近づいて来て、車の下から出て来る
出て来た猫は全身が黄色く、額に黒い毛が模様を描いている。
ウィスプが手招きすると猫は警戒しつつ差し出された手をスンスン嗅ぐとゴロゴロと甘えた声を出して擦り寄る。
【またか、またやったのかお前は】
「何言ってるんだよ。それにしてもこいつ、見た事ない種類の猫だな。翔太郎さん達の世界にしか存在しない奴か?」
なんとも言えない口調な心眼のに首を傾げながら興味深く自分に甘える猫を観察するウィスプ。
このままここに置いとくのもどうかと思い、連れて行った方が良いかと思い、抱き抱えようとし……
ドカーーーーン!!
「!!」
「あ、ちょ!?」
【待て横島!猫を追いかけるよりも、翔太郎達の方だ!】
突然の爆発音に猫が驚いて走り去ってしまい、追いかけようとしたウィスプだが、心眼の言葉に後ろ髪を引かれながら急いでW達の元へと向かう。
☆
少し時間を戻し、交差点の所でW達はやっとウィスプがいない事に気づく。
「あれ?横島の奴、どこ行った?」
「警戒の為に最後尾に置いたのだが、少ししたら来るんじゃないかな?」
「あー……フィリップさんよぉ、ここって動物とかいるのか?」
振り返って気づくW(翔太郎)の後にW(フィリップ)へと何か思ったのか唐突にホロウはそう確認して来る。
「どうだろうね……まだまだこの島を調べ足りてないからいないとは断言できないからね……ただ、流石にこの世界での神獣とか妖獣、魔物の様な存在は結界ので入って来れないと思うから君の懸念してる事はないと思う……多分」
「うわ、不安でしかねえ……」
顔を抑えるホロウにどういうことだ?とW(翔太郎)はチンプンカンプンな疑問詞を浮かべていると……
【皆さん、大きなコアエナジー反応が接近しています!】
「来てるって事か、どこだ?」
「!あぶねぇ!!」
辺りを見渡すホロウにWはその場からアイと抱えて離れると2人がいた地点に何かが炸裂し、近くにあったタンクの様なのを吹き飛ばす。
ドカーーーン!!
すると吹き飛んだタンクは大きな爆発を起こす。
「な、なんだ!?」
いきなりの事にホロウは驚きながら身構えると2人の前に何かが降り立つ。
降り立った存在にW(翔太郎)は驚く。
「エナジードーパント!あれ?けどこいつは確か、メモリブレイクしたけど使用者は死んでねえよな?」
「おそらく、メモリにコアエナジーを注入してドーパントにしたのかもね……とにかくこいつを倒そう!」
そうだなとW(フィリップ)のに2人は身構えるとウィスプが合流する。
「おせえぞ横島!」
「すいませんッス!ってかあれが言ってたドーパントッスか!?」
「らしいな!奇抜な外見してるよな」
怒鳴るW(翔太郎)に謝ってからエナジードーパントを見るウィスプにホロウが答えているとエナジードーパントは左腕のレールガンから強烈な加速超電導弾を放ち、3人は避ける。
「エナジードーパントは左腕のレールガン以外に右腕で相手の動きを止める電撃を叩き込もうとするから気を付けるんだ」
「了解ッス!ならこのままマッハ魂で!」
【カイガン!パラドクス!LVフィフティー!!体を熱く、ヒートアップ!】
「俺はこっちで行くぜ!右手に触られる前に倒せばいいだけだ!」
同時に駆け出すWとホロウを援護する為にウィスプは後衛に立つ。
それを見てW(フィリップ)はやはりかと心の中で呟く。
(この世界の横島は仮面ライダーとして戦う故に前衛になりがちだが、本来ならば後方支援の方が彼にとっての適正の位置。仲間を助け、木舞する事も彼の真価の1つ。だが、仮面ライダーになる相手が強敵故に美神令子や芦蛍達を護る為に前に出てしまう。この世界の大きな出来事に対応すると言う意味では美神令子達の急なレベルアップ。それも神魔や妖怪とは違う存在であろうと横島と共に戦えるレベルでないと厳しいかもね……)
エナジードーパントの攻撃を避けつつ、後ろからのウィスプの援護にW(フィリップ)は分析しながら蹴りを叩き込む。
【トマーレッ!!】
ホロウへと右手を叩き込もうとしたエナジードーパントを動きを止めた所にホロウがカウンター気味にパンチを叩き込む。
【マガーレッ!!】
邪魔されて怒ったのかウィスプへと左腕をレールガンを向け、加速超電導弾が発射させる直前に嫌な予感を感じ取ったウィスプは咄嗟に曲がらせて反らすと後ろにあったのに炸裂して爆発する。
「うひぃ!?危機一髪!」
【横島!反らす事は極力やめとけ!あの速さだと発射された瞬間でないと対応できん!今回のは偶然上手く行っただけだ!】
爆発に悲鳴をあげるウィスプへと心眼は注意する。
【ヒート!メタル!!】
もう1度撃とうとするエナジードーパントに左側が銀色、右が赤色のヒートメタルへとハーフチェンジしたWがメタルシャフトで殴り飛ばす。
「このまま一気に!」
【待ってください!マグマドーパントの様にコアエナジーが増大しています!】
「マジで!?」
「また変貌するのか!?」
報告に3人は慌てて身構える中でエナジードーパントはマグマドーパント同様に体を光らせ……
「…………おいおいおいおい」
「え、ちょ、マジッスか」
「これはまた……」
「待て待て待て、エナジーどこだ!?元の要素どこ行った!?」
光から出て来たのにWとウィスプは唖然とし、ホロウは思わず叫ぶ。
光から出て来た存在、それは鋼鉄の鳥であった。
ビッグ・エナジーと思われる鳥は甲高く吠えた後に空高く羽ばたき……無数のエネルギー弾を3人へと放出する。
「ひえぇぇぇぇぇぇ!?」
「あんなのありかよ!!」
「無茶苦茶だろ!!」
アイを抱き抱えて必死に走るウィスプにWとホロウも逃げる。
「陰念!バース!バース!!」
「無茶言うな!!この状況で眼魂を変えれるか!!」
叫ぶウィスプにホロウは怒鳴り返す。
「今の俺達にとことん相性が悪すぎだな!」
「どうにかこの状況を変えようにも、足を止めればやられてしまうよ」
毒づくW(翔太郎)にW(フィリップ)はそう返す。
このままでは疲労でいつかやられてしまうと思われた時……
ドーン!!
ビッグ・エナジーの顔に何かが着弾し、それによりビッグ・エナジーは怯んで攻撃が止む。
「!今だ!!」
「「おう!!」」
【サイクロン!ジョーカー!!】
出来た隙にすぐさまWは基本形態に戻して必殺技の態勢に入り、ウィスプとホロウも続く。
【ジョーカー!マキシマムドライブ!!】
【【ダイカイガン!!マッハ/パラドクス!オメガドライブ!!】】
3人同時に飛び上がり、パラドクスのみ拳に炎を収束させる。
「「ジョーカーエクストリーム!!」」
「おりゃあ!!」
「ふん!!」
時間差両足蹴りと飛び蹴りに必殺パンチがそれぞれビッグ・エナジーの顔と胸に炸裂し、そのまま地面へと叩きつける。
「!!!!!!!?」
ドカァァァァァァァン!!!
断末魔をあげながらビッグ・エナジーは爆発四散する。
「はあ、はあ……危なかったな……」
「しかし、さっきの、なんで止まったんだ?」
口元を拭う動作をするW(翔太郎)の後にホロウは疑問を呟く。
ーにゃあ~ー
すると鳴き声と共に先ほどウィスプが見つけた猫が駆け寄って来る。
「おお!猫ちゃん無事だったか!」
「お前、それで遅れてたのかよ」
駆け寄ってくる猫を抱き上げるウィスプにホロウはやっぱりかな感じに顔を抑える。
「…………まさか、そっちの可能性もあったとはね……」
「なあフィリップ。俺、あの猫の模様に見覚えがあるんだけどよ……気のせいか?」
その猫を見てW(フィリップ)は天を仰ぐのにW(翔太郎)はそう聞く。
「気のせいじゃないよ。翔太郎の考えてる通りだよ」
「あ、知ってるんですかこの猫の種類!見るからにそっちの世界の猫ッスよね?」
どういう種類かを目を輝かせて聞いてるだろうウィスプにW(フィリップ)は困った様に頬を掻く。
「……横島、それは猫の見た目だけど、ドーパントだよ」
「…………………ええ!?この子ドーパント!?」
「マジか!?こんなちいせぇのが!?」
告げられた事にウィスプとホロウが驚く中でW(フィリップ)は軽く解説する。
「そのドーパントはスミロドンと呼ばれる新生代新第三紀鮮新世後期から第四紀更新世末期の南北アメリカに棲息したサーベルタイガーの一種の記憶が入ったスミロドンメモリのドーパントでね。ちなみにこっちでの変身者は僕の家族の猫のミックだ」
「猫!?ガイアメモリって人間以外にも使えるのか!?」
「ほへぇ~んじゃあこいつは似てるからニックかな、名づけるなら」
出てきた中で使い手に驚いたホロウはウィスプの言葉に顔を向ける。
暫し無言だった後……
「お前、お前ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?何名前付けてるんだよぉぉぉぉぉぉ!?」
「え、や、フィリップさんのミックの似た奴でニックって付けたんだけど」
「名前の由来を聞いてんじゃねえよ!!?どうすんだよ!?絶対コイツ、お前の使い魔に完全になっちまったじゃねえかぁぁぁぁぁぁぁ!?」
肩を掴んで揺らすホロウにウィスプはおおおおおおおとなる。
「あのな!俺はお前の上司や蛍になんて言われたか分かるか!?動物を安易にお前に懐かせるなだぞ!!?なのにお前!!?絶対にあいつ等の目が死ぬ未来しかみえねえぞ!?」
「おおおおおおおおおおお!?」
「落ち着きたまえホロウ。あくまでそうやって名前を付けて使い魔になるのは妖怪や神獣に魔獣であって、ドーパントは流石に含まれないと思うよ」
ガクガク揺らすホロウにW(フィリップ)が落ち着かせる。
「え、あ、そうか……そうだよな……」
(ただし、この世界ので動物系の怪人にも適応されてなっちゃってる可能性は黙っておこう)
焦ったと汗を拭う動作をするホロウにW(フィリップ)は内心そう呟く。
「…………ニャオーン」
ウィスプを揺すっていたホロウに対して威嚇していた猫もといスミロドンドーパント改めニックを見ていたW(翔太郎)が突然猫の鳴き声をし始めたのにホロウとウィスプ+心眼は止まる。
「ニャア?」
「ニャオニャオーニャオーン?」
「ニャア、ニャアニャア」
「ニャオニャオニャー」
何してるのこの人と、思わずウィスプさえも引いてしまいそうになる。
「ニャア♪」
「ニャオ」
するとニックはポンと胸を叩き、W(翔太郎)はよしとばかりに頷き……
「これでOKだな」
「何がだよ!?」
全力でホロウにツッコミを入れられるのであった。
次回、第6の章:出会うは欲望の王
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第6の章:出会うは欲望の王
「さっきのはなんだよ!?」
もう1度ツッコミを入れるホロウにわりぃわりぃとW(翔太郎)は謝る。
「意思疎通してたんだよ。横島に害をなさないか?とか、横島を手助けしてくれるかを聞いたのさ」
「マジなのか!?」
「ああ、翔太郎は動物の気持ちになりきって探すのが得意でね。それによって鳴き真似をする事で動物との意思疎通を成し遂げるんだ」
「す、すげぇ!翔太郎さん!思わず引いちゃったけど動物と意思疎通できるってマジすげぇ!!」
【……探偵と言うのはそう言う事を平然と出来るのだろうか?】
驚くホロウにW(フィリップ)は肯定してから捕捉し、ウィスプは興奮しながら賞賛する中で心眼は探偵とはいったい……と呻くのであった。
【あの、皆さん……先ほどのドーパントを倒した事でセキュリティレベルが低下し、市街セクターが解放されました】
「おお!これでいけるエリアが増えたんだな!」
喜びの声をあげるウィスプだが続いての報告に肩を落とす。
【そしてこの島には、あと9つのセクターがあります。この調子で頑張って行きましょう】
「うげぇ、これでやっと1つぅ~~~」
「ってか、解放したのも合わせて10個あるのかよ……」
「仕方ないさ、地道に行くしかないよ」
肩を落としたウィスプとぼやくホロウにW(フィリップ)はそう言葉をかける。
【このすぐ先には浄水セクターのゲートがあります】
「アイダ博士が行ったセクターの内の1つか……よし、じゃあ先にそっちに行ってみるか」
「あ、だったら翔太郎さん。西条さんやカオスのおっさんにアイダ博士が向かったもう1つの港湾セクターの研究施設を見に行って貰うとかどうですか?」
報告に行先を決めるW(翔太郎)へとウィスプが提案するがW(フィリップ)が却下する。
「いや、もしも研究施設に上級の怪人がいた場合を考えると2人を向かわせるのは危険だ。他のセクターを開放し、地上から港湾セクターに行ける様にしてからの方がいいだろう」
「一理あるな」
西条ならまだ逃げるなどの行動を出来るだろうがカオスでは素早い対応が歳故に出来ない。
もしも動きの速い怪人と遭遇してしまえばカオスの命が危ない。
ならまずは浄水セクターへと向かう事になったのだが……閉じられてるゲートにおいおいとW(翔太郎)は呟く。
「ここもロックされてるじゃねーか!」
【これは、音声認証によるロックですね。一定以上の階級、権限のある人の音声によって解除できるロックです】
「ええ!?これセキュリティレベルじゃないのかよ!?」
叫んでからどうします?と見るウィスプにWは腕を組む。
「困ったな……音声に関するのなら使えそうなガジェットを持ってたんだが……あいにく出払っちまっててな……」
「フロッグポッドまでも出しちゃったのかい君は……」
唸るW(翔太郎)にW(フィリップ)は溜息を吐く。
「なあアイ、他に行けそうなルートはないのか?」
【もう少し先にある森林セクターならロックが解除されて行けます】
「そうか、まずはそこに行ってみるか……」
「ようし、森林セクターにレッツゴー」
「ニャー♪」
確認するホロウにアイはそう言い、ウィスプとニックを先頭に歩き出す。
その際、前を飛んだアイの背中を見てW(フィリップ)は驚く。
アイの背中の丁度真ん中に……Xの字が刻まれていた。
「あれは!?」
【?翔太郎さん、フィリップさん。どうかされましたか?行きますよ?】
驚きの声を漏らした事で止まったWにアイは呼びかける。
それにWは無言で続く。
(Xのマーク、やはりアイは……)
「どうしたフィリップさんよ、なんか驚いた声を漏らしていたが何を見たんだ?」
そんなWへとホロウは話しかける。
「いや、大丈夫だよ」
「……そうか」
誤魔化すW(フィリップ)にホロウは深く聞かなかった。
アイを見ていた事から彼女に関わる事とウィスプがいる事で話辛い話題であるなとなんとなく察したからだ。
☆
向かって来た敵を倒し、森林セクターへと足を踏み入れたウィスプはほわぁと声を漏らす。
「ここが、新しいセクターか……」
【はい。ここからは森林セクターになります。このセクターは、植物に対するコアエナジー活用の研究セクターです。コアエナジーを供給する事で、あっという間にこのセクターを埋め尽くす深い森になりました】
「すげぇ、綺麗な所だな。チビ達がいたら喜んでいただろうな」
「ニャ~~」
「綺麗なのは良いが、このセクター全部が森なのかよ……調査するには骨が折れそうだな……」
呟くW(翔太郎)へと解説したアイのを聞きながらウィスプは感嘆する隣でホロウは嘆く。
「陰念の言う通り、骨が折れそうだなフィリップ……」
「……翔太郎、アイの背中にXの文字が刻まれている事に気づいたかい?」
声をかけたW(翔太郎)は相棒の小声の問いに口を閉じる。
「アイは財団Xと関係がある可能性がある。今はウィスプ、横島忠夫の事も考えて少しでも情報が欲しい。気づかないフリをするのが得策だろうね」
「なんで横島が先に来たのかは知らねえが、これまでのアイを見てると、悪い奴には見えねえ……俺は変わらずアイを信じる。だから、今回ばかりは俺との相乗りに付き合ってくれ、相棒」
そう進言するW(フィリップ)は相棒の言葉に君らしいねと返す。
【!皆さん、お気を付けください。この先に、強大なコアエナジー反応が2つあり、誰かが戦闘中です!】
「何!?」
「戦ってるって、いったい誰が?」
「とにかく行こう!」
告げられた事に誰もが驚いた後に急いで走る。
すると3人の前に包帯を巻いた様な存在が5体現れる。
「なんだこいつ等!?」
「なんかミイラっぽいからミイラドーパントッスか?」
「いや、こいつ等はヤミーだ!」
「オーズが戦った怪人もいるのか……」
「ニャ!」
出現した存在、屑ヤミーに驚くホロウとウィスプへとWが答えるとニックがウィスプの腕から飛び出す。
「あ、ニック!」
危ない!とウィスプが言う前にニックが前足を振るうと爪型のエネルギー斬撃が飛び出し、屑ヤミーの2体を切り裂く。
続けざまに口にエネルギーを収束し……
「ニャオーン!!」
光弾として放ち、もう1体を吹き飛ばす。
「す、すげぇ!すげぇぞニック!!」
「ニャン♪」
褒めるウィスプにニックは嬉しそうに鳴く。
「小さくても、スミロドンはスミロドンだったね」
「なんとなく、予想は出来てた」
残っていた2体を倒し終えてからニックを見て呟くW(フィリップ)にホロウは悟った口調で諦め気味に言葉を漏らした視線の先では……
「ニック、凄い、賢い、つよい、可愛い」
「みゃ、みゃあ~♪」
とニックを抱き抱えて褒めに褒めているウィスプの姿があり、とにかく褒めて、そして甘やかすという横島式懐かせ術が炸裂し、ニックが懐きまくりに至ってホロウはすっと胃に手を当てるのだった……
(俺は、この島を出る時、胃が大丈夫だろうか)
これからの事を考えるホロウにW(フィリップ)は優しくポンと叩き……
「まぁ、きっと未来でもっと増やしてるだろうから、頑張りたまえ」
「慰めじゃねえのかよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
出てきた言葉に崩れ落ちて絶叫した。
「すげぇな横島、お前絶対に動物園の飼育員とかそう言う仕事も出来るぞお前。もしくは動物園の園長とかな」
「あ、それ言われましたよ~」
ちなみにW(翔太郎)はウィスプを褒めていた。
【あの、皆さん、目的を忘れていませんよね?】
「おっと、わりぃなアイ」
遠慮気味に声をかけるアイにW(翔太郎)は謝ってから胃を抑えるホロウとニックを撫でてるウィスプを連れて向かう。
☆
W達が向かう先、そこで両手両足にメカニカルなアーマーの様なのを装着し、袖なしのスタンダートタイプの緑色のレオタードで身を包んでアホ毛が2本生えた緑髪にヘッドギアを付けた女性が2体の怪人と戦っていた。
双剣を握った女性と対峙しているのは緑色の顔がクワガタの顎の様な角と昆虫に見られる複眼を持った虫型の怪人と黄色のライオンのたてがみを思わせるドレッドヘアの猫型の怪人で向かって来た攻撃を双剣を振るって防いだ女性は舌打ちする。
「まさか
「ウヴァ!大丈夫かい!」
そんな女性、ウヴァの後ろで男性が身を隠しながら声をかける。
「心配するな、それよりもお前は自分の身を護れ!」
そう返しながらウヴァは向かって来た虫型怪人のカギヅメを双剣で受け止めながら猫型怪人の起こした風を避ける。
それを見ながら男性は悔しそうに右手にある鷹が描かれた赤いメダルを見る。
「後2枚、腕と足のメダルがあれば……」
どうすれば……と思った時……ウヴァが戦っていた2体の怪人の胸に何かが着弾して火花が散る。
「!そこだ!!」
それに双剣の刃を光り輝かせると怯んでいる2体に横一文字に斬撃を叩き込む。
その一閃を浴びた2体の怪人は受けた傷から溢れ出したメダルに混じり、他のと違う輝きを放つメダルが1枚ずつ飛び出る。
「映司!」
「!」
飛び出した2枚のメダルを男性、映司は掴み取ると絵柄を確認する。
それぞれ、黄色い虎と緑の飛蝗が描かれていた。
「丁度腕と足のメダル!これで!」
それを見てすぐさま懐から3つの窪みがある奇妙な形状の物体を取り出してそれを腰にあてがうとベルトが伸びて装着され、物体はバックルとなる。
その後に映司から見て右に赤いメダル、左に緑のメダルを装填し、最後に真ん中に黄色のメダルを装填すると3枚のメダルは輝く。
メダルを装填したバックルを傾けると右腰にある円形のスキャナーを手に取ってメダルをスキャンする。
キィンキィンキィン!!
「変身!!」
スキャンし終えると共に力強く吠えると周囲にメダルの幻影が現れ……
【タカ!トラ!バッタ!】
【タ・ト・バ!タトバ!タ・ト・バッ!!】
セットされたメダルの幻影が現れた後に映司に張り付き、その姿を変える。
緑色の複眼に鷹を模した頭、腕は黄色、足が緑の三色で胸にサークルに囲まれた上から赤い鷹、黄色の虎、緑の飛蝗が刻まれた戦士、仮面ライダーオーズへと……
「良し、変身出来た!けどさっきの援護は一体……」
自分の腕を見てから呟いた所で再び何かが2体の怪人を攻撃する。
「大丈夫かオーズ!」
「援護します!」
その言葉と共にW達が駆け寄る。
「翔太郎さんにフィリップさん!それにその声、横島君?君、別の仮面ライダーに変身出来るようになったの?」
「その言い方は俺達の知ってる映司か、わりぃが説明は後だ。こいつ等は一体……?」
「こいつ等はかつての俺達を模した奴だ。いけすかねぇ事をするもんだ」
ウィスプを見て首を傾げるオーズにW(翔太郎)はそう言ってから目の前の怪人2体を見て聞き、ウヴァがそう返す。
その瞬間、ホロウは悟った。
ああ、目の前の女性はクシナと同じパターンかと……
「と、とにかくこのコピーウヴァとコピーカザリを倒そう!」
「分かりました!」
「ニャっ!」
オーズの号令と共にそれぞれ分かれる。
コピーウヴァにはウヴァ、W、ホロウが対応し、コピーカザリにはオーズ、ウィスプ、ニックが対応する。
「あれ!?猫ちゃんも入るの!?」
「大丈夫ッス!ニックは強いっスから!」
「ニャっ!」
驚きの声をあげるオーズにウィスプは強く返し、ニックも証明とばかりにコピーカザリへと自分の体形より大きめの光弾を放つ。
飛んで来る光弾をコピーカザリは切り裂くとその後ろから複数の光弾が飛んで来るのが目に入る。
複数の光弾はカクサンを使ったウィスプの光弾で、ニックが光弾を大きくしたのを見て狙いを心眼が察して横島に撃つ様に指示したのだ。
「!!!?」
予期してなかった無数の光弾を浴びたコピーカザリはその体から複数のメダルを飛び散らかせる。
「!あれは!」
その攻撃で飛び散ったメダルの中で黄色い輝きを発する3つのメダルに気づいてオーズはすかさず回収する。
確認すると虎以外にライオンとチーターが描かれていた。
「良し!これで!」
それを見て、バックル、カテドラルを水平に戻すとタカメダルとバッタメダルを抜いて新たにタカメダルの代わりにライオン、バッタメダルの代わりにチーターを入れるとメダルは輝き、オーズはスキャナー、オースキャナーでスキャンする。
キィンキィンキィン!!
【ライオン!トラ!チーター!!】
【ラタ・ラタ~ラトラァ~タァー!!】
歌が鳴り響くと共にメダルの幻影が張り付くとオーズの姿は猫系で構成された猫系コンボ、ラトラーターコンボになる。
「さっきの歌は何!?」
「歌は気にしないでね!行くぞ!」
ツッコミを入れるウィスプに返した後にオーズはチーターレッグによる高速移動でコピーカザリを翻弄しながらトラクローで切り裂いていく。
【横島!丁度良いのではないか?】
「え、あ、そうか!オーズさん!これ、これに力を込めてください!!」
止まったオーズにウィスプはブランク眼魂を投げ渡す。
来たのに驚きながらキャッチしたオーズは戸惑いながらこう?と握りしめる。
すると黄色の輝きを発して眼魂は変化する。
「えっと、これどうすれば良いの!?」
「それを再び俺に!」
戸惑って聞くオーズにウィスプは催促する。
分かった!とオーズは眼魂を投げ返す。
受け取ったウィスプは使おうとしてん?となって眼魂を見る。
「あれ?オーズの眼魂、赤だよな?これ黄色くない?」
【今のオーズに力を込めさせたからではないか?】
三蔵によるライダー試練ので使った奴を思い返して首を傾げるウィスプに心眼はそう言う。
そういうもんかと思いながら眼魂をセットする。
【アーイ!シッカリミナー!シッカリミナー!!】
飛び出したパーカーゴーストは黄色一色で、やっぱ違うなと思いながらウィスプはレバーを引く。
【カイガン!オーズ!】
【メダル奪った!ライオン!トラ!チーター!!】
音声と共にかつて変身したオーズ魂……とは名前が同じ別物になる。
オーズが変身してるラトラーターコンボの顔に腕にはトラクローが常時装着されている。
「やっぱり違うぅぅぅぅぅぅぅぅ!?これ黄色一色!?音声もタカとバッタじゃないぃぃぃぃぃぃ!?」
あれぇぇぇぇぇぇ!?と驚いているとコピーカザリがウィスプへと鬣を蠢かせるとその先端から弾丸を射出する。
「あぶなっ!?」
慌てて避けようと走ろうとし……思った以上に速く走ってしまい、何も考えずに走った為に勢いが止まらず、その勢いのまま……
「陰念!退いて、退いてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
「へ?うごほぉ!?」
ウヴァとヒートメタルに変えたWと共にコピーウヴァと戦っていたホロウへと激突し、そのままコピーウヴァを巻き込んで木に激突する。
その際にコピーウヴァから3枚の緑のメダルが飛び出し、ウヴァはそれをしっかり回収する。
「おっと、奇抜だが、面白い男だな」
3つのメダルを見てからウヴァは楽し気にウィスプをそう評する中でコピーウヴァ含めてよろけながら起き上がる。
「お前ぇ……もうちょいしっかりしろぉ……」
「だ、だって、ここまで速いって思わないやん」
ふらつく3人にコピーカザリは呆れた様に肩を竦めた後にニックの放った光弾を防いでからオーラを放出し、それにコピーウヴァも頭を振ってからオーラを放出する。
【!怪人達のコアエナジー反応が増大しております!】
「どういう事?」
「こいつらが強くなるぞ!気を付けろ!」
戸惑うオーズにW(翔太郎)が注意するとコピーカザリは両腕を肥大化させ、コピーウヴァは角が伸びて電を迸らせる。
コピーカザリは地面を強く殴りつけると衝撃波が周囲に広がってW達を吹き飛ばす。
「どあ!?」
「ニャン!?」
そのまま地面を転がるW達へと今度はコピーウヴァが伸びた角から電撃を解き放つ。
「うお!?」
「っ!」
電撃をなんとか避けた一同は飛んで来るコピーカザリの光弾を避けながら距離を取りつつ合流する。
「ちっ、変な小細工しやがって」
「ど、どうするんです?あんなのじゃあ近寄れないッスよ」
舌打ちするウヴァにウィスプはニックを抱えながら聞く。
「仕方ねえ、出し惜しみしてる暇がない。オーズ、W!あの電撃や光弾は俺がなんとかする。お前等はその後に必殺技を叩き込め!お前等もだ!」
そう言って右腕のアームアーマーの上部分にあるスイッチを押すとすぐ傍がせり上がってスロットが出て来る。
そのスロットにコピーカザリが攻撃された際に飛び出た銀色のメダル、セルメダルを6枚入れると元に戻す。
【シックス!メダルチャージ!】
音声と共に持っている双剣が強く光り出し、ウヴァは力強く連続で振るう。
振るわれた斬撃の軌道に沿う様にエネルギー刃が飛び出して、光弾や電撃を切り裂き、そのままコピーカザリとコピーウヴァをも斬り、ダメージを与える。
攻撃を破った事で出来た隙にWはメタルメモリをダブルドライバーから抜いてメタルシャフトに装填、オーズはカテドラルのメダルを再スキャンし、ウィスプとホロウはレバーを引く。
【メタル!マキシマムドライブ!!】
【スキャニングチャージ!!】
【ダイカイガン!オーズ/パラドクス!オメガドライブ!!】
音声の後にWは両端から炎を噴き出すメタルシャフトを振り回して構え、オーズは自分の前に3つの黄色のリングを展開されたのをみつえ、ウィスプもオーズと同じ様に構え、ホロウは拳に炎を纏わせる。
「「メタルブランディング!!」」
「おらぁ!!」
「セイハー!!」
「せいはー!!」
噴き出す炎の勢いでスライド移動しながらメタルシャフトによる一撃とライダーパンチをコピーウヴァに叩き込み、隣でオーズとウィスプがトラクローによる必殺斬撃、ガッシュクロスを炸裂させる。
「「!!!?」」
4人の同時必殺技を受けたコピーカザリはメダルと光を放出しながら爆発四散し、コピーウヴァは吹き飛んで木にぶつかった後によろけながら起き上がろうとしたが、メダルと光を放出しながら倒れて爆発四散する。
「ぶべぇ!?」
コピーカザリの爆発を背にオーズが止まる隣で、ウィスプは止まれずにまた木にぶつかる。
「あ、横島君大丈夫!?」
「ニャア!」
「イチチ、だ、大丈夫ッス」
慌てて駆け寄るオーズとニックに鼻に当たる部分を抑えながらそう返す。
一方でウヴァはセルメダルを拾いながら左腕のアーマーに先ほどやったのと同じ手順でメダルを入れて行きながら見上げる。
「やれやれ、どうやら大事に巻き込まれたようだな」
ふーと息を吐きながらオーズ達へと近寄るのであった。
次回、第2のレポート:蓬莱人と天才物理学者と筋肉馬鹿
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第2のレポート:蓬莱人と天才物理学者と筋肉馬鹿
そこで出会うは……
とある空間、ガープ達が潜んでいるそこで芦優太郎ことアシュタロスは唸っていた。
唸る理由は目の前の惨状だ。
そこには複数のベッドに寝かされている数人の人物で、誰もが全身にミイラの様に包帯巻きで苦しそうに呻いていた。
寝かされているのはガープ達で、自分が少し離れていた間にベッドに寝かされた者達が燃えており、炎を消そうにも全然消えず、暫くしてガープ達がギリギリの所で消えたのだ。
まだ話せそうなガープに向けてアシュタロスは問う。
「それで聞くがガープ、私がいない間に何があったんだい?」
「見たまんまだよ。放っていた使い魔が美神令子達の所で奇妙でとんでもない気配を感じ取り、偵察に向かわせたら、その使い魔越しにいきなり攻撃を受けて、蘆屋やアスモデウス達ともども今の結果だ」
憎々しく吐き捨てるガープにアシュタロスは驚く。
使い魔を消されたならともかく、その使い魔越しに見ていたガープ達に暫く何も出来ない程の行動不能状態に陥る程のダメージを与えるなど、出来る者は滅多にいない。
特に蘆屋は並大抵の攻撃でも再生できる筈が再生を全く出来ずに同じ様にベッドで寝かされているからこそそれをやった実力者にアシュタロスの頬に冷たい汗が伝う。
「誰にやられたのか分かるかい?」
「それが分かっていたらとっくにレイを向かわしている!!しかも気配も消えて追えん状態だ!!」
怒鳴ってから痛みに呻くガープにアシュタロスは荒れてるなと思った。
ちなみに、ガープ達がこうなった犯人はオーマジオウである。
オーマジオウが放ったあの攻撃はガープの気配に気づいて放たれたものだったのだ。
実は、オーマジオウならばガープ達が知るより前に彼らを消滅させる事は可能であったが、世界を歪ませない様に、なおかつセクターシティで戦っているW達にちょっかいをかけさせない為に今の状態にしたのだ。
「ちなみにレイは今どこに?」
「無事だったセーレに頼んで美神令子達の所へ向かわせた。奴等から情報を聞き出してこの怪我の借りは絶対に返させて貰う為にもね」
怪我を癒す為に寝ると言って寝始めたガープにアシュタロスは彼らに攻撃した者についてうーむと唸る。
(まぁ、協力するとは言ったけど魔界に来なくて正解だったな……)
直後にガープ達の様にミイラの様な状態にならなくて良かったと肝を冷やすのであった。
☆
一方、冥華からの電話を受け、美神達は八雲紫のスキマを使って六道女学院の前に来ていた。
ちなみに来ているのは輝夜と妹紅と面識のある美神と蛍にもしかしたら自分の所のかもな理由で八雲紫、付き添いと言う事で黒井がいる。
他のメンバーはGS協会で待機である。
待ってたであろうマルタは驚いた様子で門前に現れた美神達に駆け寄る。
「待ってたけど、早く来れたわね」
「まぁ、来る前に横島君からの電話あったけどね」
驚き冷めぬまま声をかけるマルタに美神は疲れた顔で返す。
そんな美神やなんとも言えない顔をする蛍にマルタは怪訝とする。
「どうしたのよ?」
「…………冥華おば様からの連絡の後に横島君から連絡が来てね……横島君がまた動物をね……しかも、別世界のドーパントって呼ばれてる怪人の一種でしかも2体、猫とトリケラっぽい奴をね……」
ああ……とマルタは納得する。
情報交換ので少し前に横島が魔界の魔物を手懐けてしまったと言うのを聞いていたのでご愁傷様と労いの言葉をかける。
「えっと、美神さん達に協力しております黒井響一郎と言います。一緒に話を聞いていたのですが、ここに人が落ちて来たと聞いたんですけど」
挨拶してから確認する黒井に美神を見て頷いたのを確認してこちらよと言ってマルタは歩き出し、美神達も続く。
暫くして応接室に辿り着き、ここよと言ってからマルタはノックする。
「マルタです。美神達を連れて来ました」
どうぞ~と言う声と共に扉を開けて中に入る。
まず目に入ったのは美神と蛍的に前に出会った妹紅と輝夜がいたが、2人を見た瞬間、別世界だとこんなに違うのかと思った。
まずは輝夜、いつもの服装ではなく、外用か制服の様なのを着ており、美神達が知る輝夜よりも……凄くたわわなのが主張していて蛍の目が死んだ。
(なんで、大きい人が多いかな、横島って胸が大きくて美人な人が好みだからくえすや瑠璃さんみたいにスタイルの良い人が多くてヤバいのに……)
落ち込んで自分の胸を抑える蛍にマルタが傍により……
「あなただってこれからがあるんだから大きくなるわよ」
そう言って励ますが、そんなマルタのぽよんに蛍はズーンと落ち込む。
一方の妹紅は美神が知る妹紅と違いボーイッシュより姉御肌みたいな感じで着ているのも上はカッターシャツではあるが、下はモンペの様なズボンではなくサスペンダーが付いた赤いズボンを履いており、右手首に不思議なブレスレットを付けている。
「お、紫じゃないか」
「あら、迎えに来てくれたの?」
「そうだけど、良かった。あなた達は私の世界の2人で合ってるわね」
気づいて声をかける2人、特に妹紅を見て八雲紫は安堵の息を吐く。
どういう事?と妹紅と輝夜が首を傾げる中で黒井は同じ部屋にいた2人の青年に少し驚いた様子で話しかけていた。
「君達だったんだね。戦兎、万丈」
「あんたは黒井!」
「マジか!久しぶりだな!!」
「あら~あなたはこの2人のお知り合いだったのね~」
親し気に話す黒井に冥華は話しかける。
「ええ、この2人、桐生戦兎君と万丈龍我君とはとある時に共に戦った後輩でしてね」
「紹介に預かった様に俺は桐生戦兎、て~んさい物理学者だ。んでこっちは馬鹿の万丈龍我ね」
「バカって言うな!筋肉をつけろ!……先に言われたけど万丈龍我だ」
軽く紹介する黒井に続いて美神と蛍に挨拶した2人に変わった人達だなと自分の一部分を棚にあげて蛍は思った。
「後輩?もしかしてその2人は……」
そう言った黒井の後輩と言う言葉に美神は聞こうとした所であの~と床から声が聞こえ、視線を下を向ける。
「そろそろ、縄を解いて貰えませんでしょうか;」
そこには、グルグル巻きにされて床に転がされた紫髪をポニーテールに纏めた女性がいた。
「もしかしてこの女性が月の住人?」
「そうよ~綿月依姫さんって言うそうよ~」
警戒しながら問う美神に冥華は頷く。
「あのよ、なんでそんなに月の住人で警戒するんだ?」
「確かに警戒するにしても強過ぎると言うか、どことなく憎しみに近い感じのを含んでいるな」
そんな美神の様子を見て万丈は問い、戦兎も続いて感じた事を述べる。
「この世界で月の住人と言うと月神族よね……もしかしてこの世界の私に当たる存在と何かあったの?」
「もう月には行って、そこで何かされたのか?」
「ちょっと待って、どういう事?私達は月になんて行った事ないわ」
気になって聞く輝夜と妹紅のに美神は戸惑いながら否定する。
「え、まだ行ってない感じ?」
「ありゃ、そうなると私等不味ったか?」
その反応に輝夜と妹紅は冷や汗を描く。
それに反応したのは万丈であった。
「なあ戦兎、俺も覚えてる限り、確か月神族と対面するのってなんか月に起きた事件の解決をお願いされてじゃなかったか?」
「おバカさん。あのな、それはあくまで俺とお前が漫画で見た歴史、んであっちも俺達と同じだと考えて、この世界の歴史だと美神さん達はそう言うのを体験していない。可能性としては、過去の世界、平安京らへんで対面して、月神族の悪行を見てそれで依姫さんを警戒してるって話だろ」
それで大体合ってる?と馬鹿と言われて怒る万丈を押し留めつつ戦兎は美神や蛍に問う。
マンガで見たや問われた事に内心驚きを隠しつつ美神は無言になる。
ただ、戦兎にとってはその反応だけで分かった様で頬を掻く。
「どうやら正解っぽいな……しかもこの輝夜姫様関連で横島忠夫に何か起きたとも考えられるな、例えば輝夜姫を護る為にその月神族を殺したとかか?」
「あなたにあの時の横島の気持ちの何が分かるのよ!!」
顔を真っ赤にして怒鳴り叫んだ蛍に妹紅や輝夜、万丈や黒井が驚く中でやっぱりそっちか……と戦兎は溜息を吐く。
それにより蛍はハッと我に返り、口を押さえる。
そんな蛍に戦兎は悪いと謝罪する。
「イヤな事を思い出させる様な言い方をして悪かった。俺だって偉そうに言える奴じゃないし……けどこの世界の月神族がそんなにヤバい感じとはな……」
「え、おい、どういう事だよ戦兎?」
「この世界の月神族は……人の命を、人が蚊を潰す様な感じで簡単に奪い取る存在と言う事だと思います万丈さん」
眉間を揉む戦兎にまだ分からない万丈へと縛られたままの依姫は苦い顔でそう言う。
なんだよそれ!!と叫んだ万丈を黒井はどうどうと宥めながら美神へと顔を向ける。
自分を責めてる様に顔を歪める様子は戦兎の推測を肯定しているようであった。
「成程ね。ピリピリしてるのはそう言う事だったのか」
そりゃあ話したくもないねと黒井は溜息を吐く。
「様々な可能性があるとはいえ、やはり良い気分ではないわね」
「あなた達の知る限りでは月神族の印象は最悪な感じかしら?」
「そこらへんは
「……私達だけの話なのに信じてくれるの?」
眉を顰める輝夜に冥華は先ほどとは打って変わって静かに問うと戦兎は肩を竦めながらそう返した事に蛍はメンバーに向けてそう聞く。
「そりゃあさっきの叫びを聞いたら嘘とは思えないしね」
「おう!俺もル(ドゴッ)ごほ!?何するんだよ戦兎!?」
そう返した戦兎は何かを言おうとした万丈のお腹に肘打ちを叩き込んで遮ってから引っ張って美神と蛍から離れる。
(馬鹿、お前、ルシオラって言いかけただろう)
(馬鹿って言うな!ってかあいつはルシオラで合ってるだろう?漫画で見た潜伏してた時と同じ見た目だしよ)
(おバカ、彼女の様子を見るからに人間として生きてるっぽいから別の名前を名乗ってる可能性あるでしょ?と言うか俺達は彼女の名前を聞いてないのにいきなり言うのは不自然過ぎでしょ)
(あ、そっか、ってまた馬鹿って言うな!)
注意した戦兎のに馬鹿の単語に反応しながら万丈は納得する。
ひそひそ話で万丈に注意している戦兎だが、自分もさっきまで横島と美神の名前をさらりと出してるのに気づいてない。
ドゴーン!!
直後、爆発音が響き渡り、戦兎と万丈は真っ先に飛び出し、マルタと妹紅も続く。
「あ、ちょ!?妹紅さんは出ちゃ!?」
「追うわよ蛍ちゃん!!」
それに慌てて美神と蛍も飛び出す。
「あ、冥華さん、なんかウィッグない?後グルグル眼鏡」
「大丈夫よ~ちゃんと用意するから~」
「あの、ホント、縄を解いてくれませんか;」
見送りながらそうお願いする輝夜に冥華はそう返す中で依姫がジタバタしながらお願いするのであった。
次回、第7の章:2体のトリケラ
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第7の章:2体のトリケラ
彼らから話を聞いた後に遭遇するのは……
【カイガン!オーズ!!】
【メダル奪った!クワガタ!カマキリ!バッタ!!】
「「「「「増えたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」」」」」
「うっせぇわ!?全員で一斉に喋るんじゃねえよ!!」
新たなオーズ眼魂で早速能力を使用して驚きの声をあげているウィスプと怒鳴るホロウにWは苦笑し、発端である昆虫系コンボのガタキリバコンボになってるオーズは楽しそうに見ている。
ちなみになんでいきなり新しい眼魂が作り出されているかと言うとウヴァがやる様に言ったからだ。
面白そうなのと自分のコンボも再現できるかと言う興味からと言う事でやったのだが結果は成功であった。
「それで、なんでお前等がここに?俺とフィリップはちょっと人探しでここに来て今回の事態に巻き込まれたんだが……」
「あ、俺とウヴァは鴻上ファウンデーションからセクターシティの調査を依頼されてここに来たんだ。ウヴァはついでに試作品のテストをお願いされてね」
「今彼女が装着してるアーマーの事かい?なんと言うか、ぱっと見は軽装にしたISみたいだね」
「実際、そのISを元に作り上げた今の俺達用のバトルスーツだな。セルメダルをエネルギー源にしたオーズのコンボを特殊能力以外のを再現した奴でな」
ワチャワチャしてるウィスプとホロウから目を外してとりあえず話を戻すW(翔太郎)にオーズはいる理由を答え、W(フィリップ)の疑問にウヴァは双剣を出し消ししながらそう返す。
「調査と言うわりにゃあ、武装があるんだな」
「なんらかの障害物を取り除く為と活動時間を見る為だからな。まぁ、あの変な機械共相手にするには丁度良かった訳だがな」
呟いたW(翔太郎)のにウヴァは肩を竦めながらそう返す。
「うん、まさか戦兎君達の世界のガーディアンをまた見る事になるとはね」
「!あの機械の奴等を知ってるのか映司!」
腕を組んで呟いたオーズのにW(翔太郎)は食いつく。
「そうか、翔太郎さん達は知らないのも当然か、あれは別の世界で作り出されたガーディアンって呼ばれる機械の兵士で、最上魁星って男が財団Xに提供したから存在するんだ」
「別世界の技術か、あいつ等を知ってると納得できちまうな」
「話の雰囲気から彼らと違って普通に敵だったようだけどね……所でオーズ、君の使ってるメダル、さっきのコピーグリードから飛び出したのだけど、自前のがあったよね?」
答えたオーズのに唸るW(翔太郎)の後にW(フィリップ)がオーズのオーズドライバーに装填されているメダルについて問う。
「あーー……その、実はここに来る前にガラさんにメンテナンスをするで全部預けたんだ。だから今持ってるのはさっき手に入れたこのメダル達だけなんだ;」
「成程ね……さっきタカのメダルもとい赤のメダルを使ってたけど、どこで手に入れたんだい?さっき出たグリードは黄色と緑だけだったのに」
頭を掻いて使ってる理由を述べるオーズにW(フィリップ)は続けて問う。
「実は、タカのメダルは昨日、ここを探索中に空から落ちて来たんだ」
「空から?なんでだ?」
【調べた所、そのメダルから、コアエナジー反応が出ています。他のメダルと同じ様にコアエナジーで作られた物で間違いありません】
やっぱりそうなんだ……と納得したオーズは報告したアイを見る。
「それで話のタイミングが掴めなかったから聞きそびれていたけど、君、誰?」
【わたしはアイ。この島のナビゲートAIです】
「へぇ、AIか……俺は火野映司。今は仮面ライダーオーズだよ」
「俺はウヴァだ」
挨拶したアイにオーズとウヴァは名乗る。
【仮面ライダーオーズ……欲望の怪人、
「あー……その情報は別の歴史の俺の情報だと思う」
そう言ったアイのをオーズは頬をポリポリ掻いて修正する。
そうなんですか?と体を傾けるアイにオーズは頷く。
(オーズの情報を持っている?アイのデータバンクには財団Xが集めた情報が混ざってるのか?)
そんなアイから出て来たのにW(フィリップ)は思案する。
【すいませんが映司さん、ウヴァさん。わたしたちと一緒に、この島の危機を助けていただけますか……?】
「勿論!君が助けを求めるなら、俺は必ずそれに応えるよ!」
「やれやれ、アンクに頼まれた御守を早速する事になるとはな……ま、ダラダラ歩き回るよりかは刺激があって良いか」
お願いにオーズは力強く答え、ウヴァは苦笑しながらそう返す。
「それにしてもメダルからコアエナジー反応か……もしかするとメダルは最近できたものではない可能性があるね……」
「そんな得体をしれないメダルを使って大丈夫なのか?」
「それがさ、いつもと同じ感じ以上に調子が良いんだよね。体にもそこまで負担来てないんだ」
W(翔太郎)のに返してからあ、そうそう!とオーズは懐を探る。
「さっきコピーグリードに襲われる前にさ、これを見つけたんだけど、もしかして2人の所持品じゃないかな?」
そう言って見た目がカエルな小型スピーカーを取り出して見せる。
「なんだそれ?」
「フロッグポッドだ!ラッキーだぜ!」
「「「「「フロッグポッドってさっき言ってたガジェットッスよね?」」」」」
ウィスプとのやり取りに疲れてか話の輪に加わったホロウはオーズの手に持った奴を見て首を傾げたがW(翔太郎)の言葉にまだ分身したままのウィスプが近づいて来て思い出しながら聞く。
「ああ、こいつは高性能マイクに録音、再生機能が付いている他、サンプリングしておけば、別人の声で再生することもできちまう役に立つメモリガジェットだ!サンキューオーズ!」
「どういたしまして、それじゃあこの先を進もうか」
「「「「「分かりましたッス」」」」」
「ニャーン」
「アオーン」
元気よく返事したウィスプに続いて返事をした
分身してるのも含めてすっと顔を反らし、集まって何かを隠してる様子にホロウは顔を手で覆う。
「おい、そこの4人の後ろに隠れてる奴、とっとと隠してる生物もとい怪人を見せろ。言わんとお前の保護者に言うぞ」
「「「「「はい」」」」」
脅されてすぐさま見せるウィスプのにWはどれどれと見る。
それは全体的には所々に黄色で描かれた模様の付いた紫色のトリケラトプスに酷似しているが、足が前足が無くて後ろ脚だけしかなく、円らな黄色い瞳がWを見ている。
「こいつは、目がある以外はトライセラトップスドーパントが巨大化して怪獣みたいになった時の姿だな」
「アイ、君はニックの時もそうだが、なんで気づかなかったんだい?」
【すいません。こうやって近くにいる事で分かるんですが、コアエナジー反応が微量でセンサーに引っかからなかったんです】
【フィリップ。ニックとそのトライセラトップスを霊視してみたのだが、強く見なければ分からない程に隠された強い霊力を秘めているな、もしかすると誕生させる際に霊力を注いだ結果ではないかと私は思うのだが】
述べたW(翔太郎)の後に指摘して責めるW(フィリップ)は心眼の推測に一理あるかもねと呟く。
「それで」
「止めろ!名前を付けるな、絶対に付けるな、フリじゃね、お前は付けるな!」
言おうとしたウィスプをホロウは遮って絶対に付けさせねえぞと言う。
ニックの際に大丈夫?な事を言われたがやはりウィスプもとい横島に名付けさせるのには抵抗があるのだ。
「俺じゃなければ良いんだな?」
「え、あ、ああ……」
真剣な顔で聞いてるだろうウィスプに少し気圧されながら肯定する。
よしと言ってトカゲデンワを取り出してどこかに電話をかける。
☆
場所が変わり、GS協会では美神と蛍は冥華からの伝言ですぐさま行こうと会議室を出ようとするのに夏海が慌てて聞く。
「あ、あのどうしたんです?」
「ごめんなさい。話してる暇はないの」
「はい!急いで行かないと!」
焦った様子の2人にくえすはどういう事ですの?とシズクに聞くがシズクは答えない。
するとまた電話が鳴る。
「もしもし?」
『あの、今度は横島忠夫さんから電話が来たんですけど……』
すぐに繋いで!と瑠璃は指示してスピーカーをオンにする。
『あ、瑠璃さん、すいません。ちょいとリリィちゃんと変わって『アオーン/ニャア~』貰えます?』
「待ちなさい横島!!!?あなたまた何か拾ったの!?」
のほほんと聞こえてきた声に蛍がすぐさま飛びつく。
『やあ、芦蛍。君もなかなか大変だね』
「!その声はフィリップ君よね?さっきの鳴き声は何か知ってる!?」
すると変わりに出たフィリップに美神が聞く。
『ああ、先ほどの鳴き声が彼が手懐けた動物型ドーパント達の鳴き声だよ。ちなみに簡単に見た目を言うなら猫とトリケラトプスだよ』
その言葉を聞いた瞬間、美神と蛍は目が死んでから崩れ落ち、また何か拾ったんだなとシズクやくえす達は頭を押さえたり、顔を覆ったり、苦笑いしたりする。
『それでさリリィちゃんにお願いがあるんだけど良いかな?あ、スピーカーオフにしてね』
【分かりました!】
ふんすと気合を入れて答えてからスピーカーを切って受話器を瑠璃から奪い取ると耳に当ててふんふんと相槌を打ってから自信満々に言う。
【分かりました!そのトリケラトプスさんの名前はラトプスです!】
そう言ってから分かりました~と返事をして通話を終えたのか切れたのを戻したジャンヌリリィにあ、ズルいですわ~と紫が羨ましそうに絡む。
「ホントどこの無自覚眼鏡君を思い出させる程の動物ホイホイ君ね」
「と言うか、もしかして名前を付けて貰う為だけに電話をかけたのかな?;」
その様子を見ていた八雲紫は愉快そうに笑い、黒井はなんとも言えない顔で呟く。
☆
「ありがとうな!ちゃんと紫ちゃんと一緒に良い子にしてるんだよ」
電話を終えたウィスプはどや顔してそうな感じでホロウに顔を向ける。
「ようし!これで大丈夫だな!」
「アウトだろ!?お前!セーフスレスレのアウトだろ!?」
グッとガッツポーズを取るウィスプにホロウは叫ぶ。
俺言ってないも~んとおちゃらけるウィスプと突っかかるホロウを見ながらオーズがWにこっそり話しかける。
「えっと、あれ、横島君が自分で考えた名前を通話先の子に言って貰ったよね?」
「ああ、しかも
「ブラックスレスレのグレーゾーンを通った奴だね……聞かれてる時点で完全に黒だけどね」
「結構悪知恵働かせてるな」
そんな2人のやり取りと分身たちにニックと共にわっしょいされてるトライセラトップスドーパント改めラトプスを見ながら会話するのであった。
気を取り直し、道中出て来るヤミーやマスカレイドを倒して行きながら進んで行く。
その際にラトプスはその小ささに匹敵する破壊力のある体当たりと頭部の角の間に収束して放つ光弾でウィスプや仮面ライダー達を援護して通常フォームに戻ったウィスプに褒められてニックと共に懐き度が上がりまくり、ホロウはまたお腹を押さえる。
途中、避難場所と思わえる関所の様なゲートを通り抜けた所でW(翔太郎)がアイに確認する。
「アイ、この辺に反応はないか?それか、オーズのメダルに似た反応とか?」
【今の所、その類の反応は……】
ズン!!
言いかけた所、地響きが起こり、誰もが倒れないように踏ん張る。
「ななな、なんだ!?」
「今の音と揺れはなんだ!?」
「音の方はかなり遠くから聴こえたね!」
「何かが遠くにいるって事か!?さっきの揺れを起こす奴が!?」
「詳しい場所が分からないと危険だ。まずはバットショットに偵察させよう」
揺れや音に戸惑う中でW(フィリップ)が冷静に提案する。
「ああ、そうだな。頼んだぜバットショット」
提案に乗り、W(翔太郎)は早速バットショットを起動させて偵察に向かわせる。
暫くするとバットショットが戻って来る。
「無事に帰って来たか」
早速撮って来た写真を見てWは唸る。
「なんだ、ブレてて良く分からねえ」
「ダメじゃねえか」
【写真データから撮影された場所が分かりますね。それによると撮影場所はこの奥のようです】
脱力するホロウの後にアイが撮られた写真を分析してそう言う。
「それじゃあ行ってみよう」
「うっす!アイ、案内宜しくな」
【お任せください】
こちらですとアイの案内の元、写真が撮られた地点へと向かう。
その道中、現れる敵を撃破しつつ、ウィスプは気になった事を呟く。
「それにしても、あちらこちら、木が倒れてますね……」
「確かに、見た限り自然に倒れた訳ではないね。何かがぶつかった事でへし折られた様な感じだ」
「おいおい、高さ的に大きい感じじゃねえか?」
倒れた1本の木を近づいて断面から分析するW(フィリップ)にW(翔太郎)は呟く。
「心眼やアイは何か感じたの?」
【ダメだな、市街セクターと違い、どこもかしこもコアエナジーので満ちているからか、調べ難いな】
【今の所はセンサーには反応はありません】
唸る心眼と横棒表記に変えて言うアイにオーズはそうか……と呟きながら進む。
【ここです。このあたりが撮られた写真の座標です】
「このあたりか……何もねえな」
「フロッグポッドのマイク感度を上げればさっきの音の出所を特定できるかもしれない。やってみる価値はあると思うよ」
「なるほど、やってみるか」
暫くしてそう言うアイのにウィスプはキョロキョロ見渡して言い、W(フィリップ)の提案にW(翔太郎)は乗り、フロッグポッドを取り出す。
するとニックとラトプスは地面に鼻を付けてクンクンし始める。
「ニャア!ニャアニャア」
「アオーン」
「え、どうしたニック、ラトプス?」
「もしかして、こいつ等、何らかの匂いを感じ取ったのか?」
自分に向けて鳴く2匹にウィスプはホロウの言葉に成程と手をポンとさせる。
「良し、残響音を探しつつ、匂いの探索を頼んだぜ2匹とも!」
「ニャーン♪」
「アオーン」
W(翔太郎)の言葉に2匹とも元気よく鳴いて走り出す。
途中いた電磁メリケンサックを装備したマスカレイドの集団や銃装備の飛行ドローンを倒しつつ先に進む。
「!ニャアニャアニャア!」
「アオアオーン」
「ここを通ったのか?」
道中のある一点で鳴いた2匹にWはフロッグポットを取り出すと音が響き渡る。
「残響音が残ってるね。この残響音を解析すれば、同じ波形の発信源をある程度特定できるかもしれない」
「そいつを辿れば、音の主を追跡することが出来そうだな!」
「ようし!この調子で行くぞ!」
「「ニャアーン/アオーン!!」」
ウィスプに撫でられて元気よく返事する2匹を先頭にW達は走る。
暫く進むと広い場所に出て、ウィスプは探検隊が使うような無人の拠点を見つける。
「誰もいないな」
【この島に起きた事件のでそのままにされたのであろうな】
散乱したマグカップや物を見ながら呟くウィスプに心眼はそう言う。
「!フーー!!」
「グルル!!」
「どうした2匹とも!?」
すると突如唸りだした2匹にウィスプは驚く。
直後、地響きが起こりだす。
「おおおおお!?」
「もしかして残響音の主か!」
「皆気を付けろ!」
慌てて倒れないようにするウィスプの隣でW(翔太郎)の警告に誰もが身構えるとそれは地響きを起こしながら現れた。
見た目は二足歩行するトリケラトプスで、ラトプスと違い、強靭な腕を持っており、目を赤く輝かせていた。
ーグギャオオォォォォォォォン!!!!ー
「どわわわわわわわ!?今度はデカいトリケラトプス!?」
「こいつもドーパントか!?」
雄叫びを上げるトリケラトプスに思わず後ずさるウィスプと構えるホロウだがオーズとWは別の驚きを見せていた。
「おいおいこいつは!?」
「トリケラモン!?なんでここに!?」
「まさかデジモンもいるなんてね……」
【翔太郎、映司、フィリップ、この恐竜はドーパントやヤミーではないのか?】
3人の驚きに心眼はトリケラモンと呼ばれたトリケラトプスについて問う。
「ああ、この生物はデジタルワールドと呼ばれるコンピュータネットワーク上の電脳空間に生息するデジモンと呼ばれる生命体の1種だ」
「はあ!?コンピュータの中に住んでる生命体がなんでここにいるんだよ!?」
簡単に説明したW(フィリップ)のにホロウは驚きながら息を荒げたトリケラモンを見る。
「オーズ、こいつは見た目はデジモンだが本質はヤミーだ。セルメダルの気配を感じる」
「つまり、デジモンを模したヤミーって事……!」
そんなメンバーへとウヴァが告げてオーズが手を握り締める中でトリケラモンは吠えて突進して来る。
突進して来るのにウィスプ達は慌てて左右にバラけて避けるとトリケラモンはそのまま木にぶつかる。
それにより木は折れて地面へと倒れる。
「今までのはこいつの仕業か!」
「気を付けて2人とも、トリケラモンの表面は固いから生半可な攻撃じゃあダメージを与えられないよ!」
倒れた木を見て呻くホロウや戦々恐々してるウィスプにオーズが注意する。
「ニャア!」
「アオーン!!」
お返しとニックは光弾を放ち、ラトプスもエネルギー光弾を放つ。
放たれた2発の光弾はトリケラモンの横顔に当たるのだが……軽い火花を散らすだけに終わり、トリケラモンはまるで蚊に刺されたかの様に当たった所をポリポリ掻く。
「ぜ、全然効いてねぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
「ニャアン!?」
「アオオン!?」
その様子にウィスプやニック、ラトプスは驚愕する。
ならばとホロウがトリケラモンの懐に飛び込んでパンチを叩きこむがトリケラモンはたじろく様子を見せず、ならばと連続パンチを浴びせるがトリケラモンはうっとおしそうに掴んで投げ飛ばす。
「ぐあっ!?」
「陰念!」
木にぶつけられて倒れるホロウにウィスプは慌てて駆け寄る。
「くそ、固すぎにも程があるだろ」
「中は柔らかいから口に目掛けて攻撃すればいいけど……横島君!そっちでなんとか出来ない!?」
トリケラモンの攻撃を避けながらそう聞くオーズにホロウを見ていたウィスプはうえ!?となってからえっとと眼魂を取り出す。
「この中で……そうだ!ジャック!」
【イヒヒ♪!】
思いついたウィスプは1度ベルトからウィスプ眼魂を取り出すとボタンを4回押してから、再びベルトに戻す。
するとウィスプが纏っていたウィスプパーカーゴーストはウィスプから離れると黒いコートとランタンを手にしたパーカーゴーストへと姿を変える。
姿が変わったパーカーゴーストを見てレバーを引く。
【カイガン!ジャック・オー・ランターンッ!トリック・オア・トリートッ!ハ・ロ・ウ・ィ・ン!ゴ・ゴ・ゴースト】
パーカーゴーストを身に纏うと顔はランタンを持ったウィスプ眼魂のシルエットが左右対称になったものになると同時にバイザーが展開され、左腕にマッハ魂の時にも使っていたナイトランターンが装着されたジャックランタン魂に変わる。
その後にナイトランターンの眼魂をセットする窪みにガタキリバ眼魂をセットし、ダイヤルを一周回転させてからベルトに向ける。
【ダイカイガンッ!!!オーズ!オメガストライクッ!】
ナイトランターンの窪みが緑色の閃光を放つと握り込んでいる左腕に緑色の電が迸る。
「おりゃあ!!!」
勢い良く雷を纏った左腕を突き出すと雷が迸り、トリケラモンの口へと炸裂する。
ーグギャオォォォォォォォォン!?ー
「効いてる!」
口から体内へと侵入して暴れる雷に悶え苦しむトリケラモンにウィスプはこれでいけるかと思っていると……
【気を付けてください!コアエナジー反応が増大してます】
「うえぇぇ!?こいつもなるの!?と言うかこのタイミングで!?」
うげぇとなっている間にトリケラモンはその体がセルメダルに覆われて行くと変貌して行く。
まず、全身がスパイク付きの鎧に覆われ、体のフォルムもより現実のトリケラトプスに近づいたが、前足はどちらかといえば肉食恐竜を思わせるのに変貌し、三本角はドリルとなった姿に変わり果てる。
「嘘でしょ!?Xデジモンになっちゃった!?」
ーギャオオォォォォォン!!ー
その姿にオーズが驚いてる間、トリケラモンXは角のドリルを回転させるとウィスプとホロウへ突進する。
「うえ!?」
そのままウィスプやホロウを貫こうとトリケラモンXは迫る。
次回、第8の章:駆け付ける王を目指す者と破壊者
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第8の章:駆け付ける王を目指す者と破壊者
ピンチの彼らに彼らが駆け付ける……
「逃げろ横島!陰念!」
叫ぶW(翔太郎)だが、ホロウはダメージので動きが鈍く、ウィスプもホロウの事で咄嗟に動けない。
誰もが最悪の展開を予想した時……
ファイナルアタックライド!
トリニティ!タイムブレークバーストエクスプロージョン!!
ク・ク・ク・クウガ!!
響き渡る音声の後にトリケラモンXを横から3つの影が攻撃する。
ーギャオオオオン!?ー
不意打ちを受けたトリケラモンXは踏ん張れずに横に倒れる。
「今の音声は!?」
「どうやら、彼らも来ている様だね」
誰もが突然の事で驚く中でWが気づくとホロウとウィスプの前に影が降り立つ。
振り返った顔を見たウィスプは驚いた声を漏らす。
「ディケイド!?それじゃあ別の世界の俺!?」
「違うな。俺は門矢士。オリジナルの通りすがりの仮面ライダーだ。覚えて置け」
そう訂正してから起き上がるトリケラモンXをみつえる。
「士!」
「士さん!何時ここに!?」
「ついさっきだ」
「よっと、久しぶり、左さん達」
駆け寄ったWとオーズにディケイドはそう返した隣でクウガゴウラムから戻ったクウガが声をかける。
「小野寺!お前もいたのか、んじゃあさっきの3つ目の影はソウゴか?音声が微妙に違ったけどよ」
「俺で合ってるよ」
「正確に言うなら我々だけどね」
親し気に話しかけてから呟いたW(翔太郎)に着地したジオウトリニティが話しかけ、左肩のウォズが付け加える。
その右肩からおばけなんてないさが壊れたレコードの様にリピートで流れていた。
「おい、そのブツブツとおばけなんてないさを歌ってるのはどうした;」
「あ、いやぁ……ゲイツが、ここに来た時に大量の浮遊霊を見て;」
「この通り、現実逃避をしてしまってね」
困ったものだよと聞いたW(翔太郎)へとウォズはジオウトリニティを動かして肩を竦めさせる。
大丈夫かこいつとジオウトリニティを見ていたホロウは起き上がろうとしているトリケラモンXに気づく。
「おい!奴が起き上がろうとしているぞ!」
「なら、とっとと決めるか」
【カメンライド!ウィザード!!】
【フレイム!プリーズ!】
【ヒー!ヒー!ヒーヒーヒィー!!】
冷静に呟いた後にカードを取り出してセットするとディケイドの隣に赤い魔法陣が現れ、それを潜り抜けると仮面ライダーディケイドウィザードへと姿が変わる。
【アタックライド!ウィザーソードガン!】
【アタックライド!コピー!】
続けざまにカードを連続で入れ、右手にウィザードの武器であるウィザーソードガンを出現させるとそれをコピーして2丁にすると片方をクウガに手渡す。
「ユウスケ」
「分かった!超変身!」
すぐさま意図を察したクウガはその姿を緑の姿、クウガペガサスフォームへと変えると手渡されたウィザーソードガンを専用武器のペガサスボウガンへとモーフィングさせる。
「ようし俺も!」
【サイキョーギレード!ジカンギレード!】
それを見たジオウトリニティはケンと書かれた剣、ジカンギレードとジオウの顔が付いた剣、サイキョーギレードを取り出し……
「んでもって変わり種!」
【ジュウ!】
出した内のジカンギレードを刀身部分を倒して銃にしてその先端にサイキョーギレードを取り付けると銃剣、サイキョージカンギレードジュウモードへと変え、サイキョーギレードに付いていたジオウの顔、ギレードキャリバーを取り外して銃に変えたジカンギレードのスロットにセットするとギレードキャリバーの側面のスイッチを操作して顔の文字をライダーからジオウサイキョウに変える。
その隣でDウィザードはカードをセットし、クウガはその体から電が迸って装甲の縁が金で縁取りされたライジングペガサスに変わり、ペガサスボウガンも銃口に剣のような装飾が追加されたライジングペガサスボウガンに変化する。
【ジオウサイキョー!サイキョーフィニッシュタイム!!】
【ファイナルアタックライド!ウィ・ウィ・ウィ・ウィザード!!】
起き上がり、怒声を上げて角ドリルを回転させながら向かって来るトリケラモンXの口をみつえ、クウガがライジングペガサスボウガンの銃後部にあるスロットルを引き、Dウィザードは銃口前に燃え盛る魔法陣が展開されたウィザーソードガンを構え、ジオウトリニティはエネルギーが収束してジオウサイキョウの文字が浮かび上がったサイキョージカンギレードジュウモードを向ける。
「「はっ!」」
「いっけぇぇぇぇぇぇ!!」
【キングスレスレシューティング!!】
同時にトリガーを引くとライジングペガサスから空気弾が、ウィザーソードガンからは炎の弾丸、サイキョージカンギレードジュウモードからジオウサイキョウが描かれた光線が放出され、トリケラモンXの口へと炸裂する。
ー!!!!!!!?ー
断末魔をあげながらトリケラモンXはその体を叩き込まれたエネルギーで膨張させていき……
ドカァァァァァァァン!!!
爆発四散し、辺りにメダルが降り注ぐ。
「す、すげぇ……」
「確かにすげぇけど……」
降り注ぐメダルの中でホロウとウィスプは並び立つ3人を見て……
((あの自己主張の強いライダーの右肩から流れるので台無し感が強い;))
必殺技を放ってる間もおばけなんてないさを歌い続けているジオウトリニティの右肩になんとも言えない気分になる。
「ゲイツ~~そろそろ戻って来て;」
「色々と締まらないね……」
「こいつのお化け苦手も大概だな……」
「ははは;」
それはディケイド達も同じで、ジオウトリニティは歌い続けてる右肩を叩き、ディケイドは首の裏を掻きながらぼやき、クウガは苦笑する。
☆
「すまん、色々と迷惑かけた」
少しして、正気に戻り、ジオウトリニティから合体を解除して分離したゲイツはメンバーに頭を下げる。
「あ、いや、こっち気にしてないから良いよ、な?」
「ああ、まあな」
手を振って話を振るウィスプにホロウも頷く。
「えっと改めて俺は小野寺ユウスケ、今は仮面ライダークウガだよ」
「俺は常盤ソウゴ!夢は最高最善の王で仮面ライダージオウだよ」
「私はウォズ。仮面ライダーウォズで我が魔王の僕さ」
「俺は明光院ゲイツ。仮面ライダーゲイツだ」
「ほへ~ライダーの時も同じ名前なのか~間違えないで済みそうだな」
「いや、正体バレしやすくないか?」
ディケイドを除いて自己紹介する4人で後者2人のにのほほんと述べるウィスプにホロウはツッコミを入れる。
「成程な、大体わかった」
「はは、お前のそれ、変わってないな」
一方でWやオーズから状況を聞いていたディケイドの返しにW(翔太郎)は苦笑する。
「……アイ、先ほどのトリケラモン、あんなに巨大な奴を君なら探知できただろう!コピーグリードやドーパントを探知出来たのになぜ気づかなかったのかい?」
そんな中、黙っていたW(フィリップ)がアイに対してそう指摘する。
【ごめんなさい、まさかあんな相手だとは……】
「フィリップさん。流石に心眼も分からない相手だったんだからしょうがないんじゃあ」
「だからこそだウィスプ。アイ、すまないが僕はやっぱり君を素直に信じる事は出来ない。先ほどのトリケラモンの探知ミスに君に施されたXの刻印、翔太郎との出来過ぎた出会いにオーズの原典と言われた歴史の記録、そして、ナビゲーションAIという今の僕達におあつらえ向きの存在。どうしても……何者かに誘い込まれているような気がするんだ」
「俺もフィリップに同意だな。特に本来の歴史と言われてるこいつのを知ってると言うのがな……」
謝罪するアイをフォローしようとするウィスプのを蹴り、そう言ったW(フィリップ)にディケイドも賛同してオーズをちらりと見てからアイを見る。
「おいフィリップ!いい加減にしろ!士もだ!お前はまだ来て間もないからってな!!」
「お、落ち着けよ、左さん。士、左さんの言う通り、俺達は来て間もないんだからあんまりギスギスする様な感じにするなよ」
「そうだよ。翔太郎さんにフィリップさんも喧嘩は止めましょうよ!ね!?」
それに突っかかるW(翔太郎)にクウガとオーズが宥めに入る。
【……お2人はわたしも敵の仲間じゃないかと言い争っているのですね……】
「そうみたいだね。ホント、俺達の方はまだ来て間もないから判断し難いけど」
「なあ、アイは自分が大丈夫だって証明できることはないの?」
アイの問いにジオウは頬をポリポリ掻きながら呟き、ウィスプが確認する。
【……わたしは、わたしの生まれたセクターシティがなぜこうなってしまったのか分かりません……でも、今ここが怪物だらけなのは確かですから……セクターシティにいたわたしが疑われるのは当然ですよね……】
寂しそうに言うアイにウィスプは心配そうにアイ……と呟く。
「この街で今何が起きているのかは分からないけど、君は絶対にヤツ等の仲間じゃないって俺は信じるよ」
「俺も!話を聞く限り、アイは良い子そうだしね!」
「俺だって!ここまで一緒に来てくれたアイは仲間だよ」
そんなアイへとオーズはそう言い、ジオウとウィスプも続く。
【オーズさん、ジオウさん、横島さん……】
「もし、君が悪い奴の仲間だったとしても、君が助けを求める限り、絶対に助けるよ」
「だね!王様だから機械にだって手を伸ばすよ!」
「そうそう!今は俺達の仲間だからな」
真剣に言うオーズと気軽に言うジオウとウィスプにお気楽な奴等だとゲイツとホロウは溜息を吐く。
【……オーズさんとジオウさん、横島さんは、とても優しいお方なのですね】
「俺やソウゴ君、横島君だけじゃないよ。ユウスケさんと翔太郎さんは勿論、陰念君にフィリップさんや士さん達も、本当はとても優しいよ。きっと同じ行動を取る。俺、わかるんだ!だから、俺達を信じてみてよ」
「ま、映司は底抜けの善人だ。信じてやればとことん助ける為に手を伸ばすからな」
そう言ったオーズはウヴァのに頭を掻く。
【……はい、皆さんを信じてみようと、思います】
そう言ったアイにオーズは頷いた後、トリケラモンが来た方を見て、あと声を漏らして走り出す。
なんだなんだ?と誰もがオーズの後を追うとオーズは自動販売機の前に立っていた。
「は?なんでこんな森の様な所に自動販売機があるんだ?おかしいだろ」
「これはライドベンダーって言うんだよ。セクターシティにもあったんだね」
思わず声を漏らすホロウにオーズはそう言ってからセルメダルを取り出す。
「あ、なんかジュースでも買うんっスか?」
「違うよ。このライドベンダーはこのセルメダルでカンドロイドって言う便利な小型メカが買える自動販売機なんだ」
見ててと言ってオーズはセルメダルを2枚入れて、商品選択ボタンをウィスプ達から見て2種類押す。
タコ・カン
トラ・カン
音声と共に缶が2種類出て来る。
その内の水色の缶のプルトップを引くと缶が展開してタコに変わり、足部分を回転させて浮かび上がる。
「こんな感じに」
「いやこれ別のタコ混じってるだろ!?あっちは人の手いるけども!!」
自分の周りを飛ぶタコカンドロイドにホロウは叫ぶ。
「うわおもしれぇ、もう1つのもこのカンドロイドみたいな感じなんですか」
「うん、このカンドロイドは黄色のメダルのコンボを使用する前提で作られた奴でさ」
これでとライドベンダーの中央部の黒い部分を押すとライドベンダーは自動販売機からバイクに瞬く間に変形した。
「……バイクになっただと!?」
「すげぇ!?別世界の技術すげぇ!?」
キィンキィンキィン!!
【ライオン!トラ!チーター!!】
【ラタ・ラタ~ラトラァ~タァー!!】
おおおおおお!?とウィスプとホロウが驚いている間にオーズはラトラーターコンボになるともう1つの黄色の缶のプルトップを引く。
ートラ~ー
すると虎を模した顔と足が出て、これでどんな感じになるんだとウィスプとホロウは思っていて仮面の中で目を丸くする。
ートラ~ー
再びトラカンドロイドは鳴いた後に缶に戻ったと思ったら大きくなり始め、それに連動する様にライドベンダーも前輪が展開して後輪と合体する様に変形し、フロント部分も左右に開くと空いた部分へと大きくなったトラカンドロイドが合体し、顔部分がフロント部分と重なってトラの様な顔となり、左右が展開して牙のようになる。
直後にオーズが飛び乗る。
ーがおぉぉぉぉぉぉぉん!!!ー
「うおおおおお!?すげぇ!!バイクがさらに変形した!!!」
「と言うか鳴いた!?缶はデカくなるは動物のようになるはでどういう構造してんだ!?」
前輪が大きい三輪自動車の様に変化したトライドベンダーがウィリーの様に前輪を振り上げて咆哮するのを見てウィスプは興奮し、ホロウは絶叫する。
「ホント凄いよね。これを作った人はホント」
「ホントっス!あ、俺乗ってみたいです!!」
「……やれやれ、GS美神が混ざると、話がなかなか進まない時あるな」
はしゃいでいるウィスプにディケイドは肩を竦めるのであった。
次回、第9の章:惑いの森
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第9の章:惑いの森
向かう先は霧が立ち込める森であった。
「いやぁ凄いっスねトライド。道中の奴等をドカドカ倒していましたね」
「頼れる仲間とも言えるからねトライドベンダーは」
「ニャアーン」
「アオーン」
ーグオォォォンー
ゆっくりとトライドを走らせているオーズの後ろに跨りながらニックを頭に乗せて興奮した様子で言うウィスプにオーズはそう返す。
ちなみにラトプスはトライドベンダーの頭部分の上に乗っている。
「胃がいてぇ……」
「お前、苦労してるな」
その様子をお腹を押さえながら続くホロウにゲイツは同情した口調で肩を叩く。
クウガは苦笑した感じに見ており、ディケイドはカメラで撮っている。
「で、この先にセキュリティレベルが下がった事で開けれる様になったゲートがあるんだな?」
【はい、その先も森林セクターですが森林セクターは広さ故にゲートで区切っている所があります】
「それだけ広いって事なんだね」
確認するディケイドへと答えたアイのにジオウは感心した様子で呟く。
「しかし、ドーパントやグリードにヤミー以外にデジモンとはね……」
「正確にはデジモンを模したヤミーだがな。それがどうした?」
呟いたウォズにウヴァは問う。
「もしもデジモンも研究されている可能性もあるならこの先にもヤミーデジモンが出て来る可能性がありえると言う事だよ」
「ヤミーデジモンか……デジモンも俺達と同じ様に生きてるんだ。本物じゃないとはいえ、利用するなんて許せないよ」
ギュっと手を握り締めるオーズにジオウやWも頷く。
「映司さん。そのデジモンってどれ位いるんですか?」
「んー俺も全部詳しい訳じゃないから、又聞ぎのも多いんだよね。分かるのは動物のもいれば機械や物を模した個体もいるんだよ」
ほへーと質問したウィスプは感嘆する。
「……俺は、心底、そのデジモンが、いない事を、深く、感謝している」
「お前、ホントに大丈夫か;」
「いや、ここに来るまでのキミも人の事を言えないぞゲイツ君」
(この世界の横島君。どれだけ周りに苦労させてるのかな;)
お腹を深く抑えるホロウにゲイツは呆れるがブーメランだとウォズが指摘してクウガは冷や汗を掻く。
暫くしてゲートを見つけ、それを通った先は……真っ白であった。
「うわぁ、凄い霧だね……真っ白で先が全然見えないよ」
「こんなにも霧が深いと近づいて来る敵に気付けないね……」
「心眼、この先分かる?」
【……ダメだな。この霧からもコアエナジーが含まれてるせいか把握し難いな】
深い霧に呟いたオーズとW(フィリップ)の後に確認するウィスプへ心眼はそう返す。
「ねえアイ、君のセンサーに反応はないの?」
【すいません、私も霧のせいかセンサーに不調が……待ってください?】
問うジオウに申し訳なさそうに言ってる途中でビックリマークを浮かべる。
「どうした?まさか敵か?」
【いえ、微かな反応を見つけましたが、敵ではありません……】
「それで?敵じゃないのならなんだ?こいつの無くしたガイアメモリか?それともグリードのとは別のコアメダルか?」
身構えるクウガにアイはそう返し、ディケイドが問うとそこまでは……と申し訳なさそうに返す。
「なら、進むしかないな」
「それなら俺とアイが行くよ。皆はここで待っててよ」
「待て火野、それは愚策だろう。敢えて全員で進んだ方が良いと思うぞ」
「俺も同意だ。こんな深い霧の中じゃあ1人で向かったら格好の的だ」
呟いたクウガやウィスプ達へとそう提案したオーズのをディケイドは蹴り、ホロウも同意する。
「そういや、ここってなんか名称あったりするのか?」
【はい、この霧と複雑になっている事から惑いの森と呼ばれております】
「そりゃまた、なおさら1人で行かせるには危険すぎるな」
聞くウィスプへと答えたアイのにW(翔太郎)は呟く。
全員で進む事が決まり、ニックとラトプスと共にラトラーター魂となったウィスプが乗るトライドベンダーを先頭にメンバーは進みだす。
所々いるマスカレイドや屑ヤミーを倒していると左と真っ直ぐ進む道のT字路に辿り着く。
「分かれ道か……アイ、反応はどっちからするんだ?」
【左の道からしています】
「それじゃあ左だね」
分かれ道を見て確認するW(翔太郎)にアイは答え、オーズが早速進もうとする。
直後、奇襲を受けない様に音を探知する為にペガサスフォームにチェンジしていたクウガが警告する。
「皆!避けろ!」
その言葉に咄嗟にそれぞれ前来た道、左の道、真っ直ぐ続く道に飛び込む様に回避するとメンバーがいた場所に斬撃の様なのが炸裂する。
「なんだ今の!?」
「皆!?大丈夫!!?」
驚くウィスプの後にオーズが慌てて声をかけるが霧の中から返事がない。
慌てて戻ろうと走ったウィスプは何かにぶつかる。
「ぶっ!?」
「うわ、大丈夫横島さん!?」
地面に倒れるウィスプにジオウは慌てて駆け寄る中、オーズはタカアイを光らせて驚く。
「ええ!?壁だ!?壁が出来てる!?」
どういう事!?とオーズが驚く中でウォズは壁に触れながら呟く。
「これは……まんまとやられた様だ」
「それって、分散させられちゃったのこれ!?」
だろうねとジオウの問いにウォズは肯定する。
【すいません。私が気づかなかったばかりに】
【いや、私も気づけなかった。どうやらこちらが感知しづらい高さの上空から攻撃して来た様だな】
「えっと、ここにいるのは俺とウォズ、映司さんに横島さんとニックにラトプスとトライドベンダー。ここにいないのはゲイツと士さんにユウスケさんと陰念さんとウヴァさんにWの2人……と」
謝罪するアイに謝る必要がないと言いつつ心眼が分析する中、ジオウが今この場にいるのといない面子を確認する。
「戻れない以上。進むしかないか……」
「それしかないッスよねぇ……」
前を見て呟くオーズにウィスプはトライドベンダーに乗ったまま不安そうに呟く。
☆
「ちっ、味な真似をしてくれるな」
一方、ディケイドは1人、壁となった元道を見て毒づく。
その後に立ち上がると埃を払い……
「出て来いよ。
虚空へとそう言葉をなげかける。
するとディケイドの前に全身をフードで包んだ人物が突如出現する。
「まさかもうバレるとは、流石は世界の破壊者ディケイドだ」
「はん、驚いてもいないくせによく言うな。それと、この分断、お前の仕業だな」
賞賛する様に言うフードの人物、声からして男の言葉に呆れた様に言って続けてそう指摘したディケイドにフードの男は再び驚いた様に手を上げる。
「どうしてそう思ったのかな?」
「都合が良すぎるからだ。突然の分断にあの通路と10人と3匹いる中で俺1人だけしかいない状況となるなんておかし過ぎるんだよ。そして呼びかけたとはいえ1人になった途端に現れるなんて、白ウォズの奴が持ってるのに似たのを持ってるとしか思えないからな。お前は何者だ?」
問うディケイドにこれは失礼とフードの男は懐を探りながら名乗り上げる。
「我が名はレクス・ロー。横島忠夫の行く末を見届ける者……そして」
その後に懐から眼魂と眼魂をはめ込む窪みがあるライドウォッチの様なアイテムを取り出すと眼魂をもう1つの方の窪みに嵌め込む。
【フォーティスッ!!】
その際にレクス・ローの腰にジクウドライバーと思われるベルトが装着されているのにディケイドは気づく。
「変身」
そう言って眼魂を嵌めこまれた機械をレクス・ローから見てベルトの右側にセットする。
【逆行! パラドクスタイム!スゴイ・ネガイ・オモイ 仮面ライダーフォーティス、フォーティス、フォーティスッ!!】
柱時計が現れ、それが時間を刻みながらレクス・ローを覆い隠していき、柱時計が消えた時にはレクス・ローはローブを身に纏った仮面ライダーとなって立っていた。
「数多の世界を巡り、過去と未来を記録する。我は遠い過去と遠い未来より来たりし者にして、未来から過去へと到りし
「簒奪者ね……君主の地位を奪おうとする継承資格が無い者を自称するからにはこの世界の中心者になろうって事か、悪質な転生者と変わらないな」
名乗り上げたレクス・ロー、フォーティスのにディケイドは皮肉気に述べる。
その言葉にフォーティスはディエンドライバーの様な赤い銃を取り出してディケイドへ向けて銃弾を放ち、ディケイドはライドブッカーで受け止める。
「私をあんな小者どもと一緒にしないで貰おうか破壊者よ!」
「悪いな、その世界の住人じゃないのに主役になろうとする奴は区別し難くてな」
怒気を放つフォーティスへと軽く言い返してディケイドはガンモードにしたライドブッカーでフォーティスと激しい銃撃戦を繰り広げる。
☆
一方ウィスプ達は分断されない様に進んでいるのだが、複雑な道にげんなりしていた。
「まだ着かないの?」
【その事なんですが、、おかしいんです】
「おかしいって何が?」
ウィスプの問いにアイは困った様に電子画面を変えながら言った事にオーズは聞く。
【今まで来た道を記録していたのですが……ここは先ほど通った筈なんです】
「え!?それホント」
「ふむ……どうやら彼女の言ってる事は合ってる様だ我が魔王」
出てきた言葉に驚くジオウへとウォズはそう言って見たまえと1本の柱を指す。
そこにはジオウと言う文字が刻まれていた。
【マーキングか?】
「ああ、違和感を感じて我が魔王の名を刻んだのだが……どうやらループさせられている様だ」
「それじゃあ、俺達は知らない内に同じ道を進ませられていたって事!?」
柱を撫でるウォズの言葉に驚いたオーズはどうしようと唸る。
【ふむ、横島よ。ダウジングをして見るのはどうだ?】
「え?あ、そうか!こういう時こそダウジングの出番か!」
心眼の言葉にウィスプは手をポンとさせる。
「ねえウォズ、ダウンサイジングって何?」
「我が魔王、それは機器やシステムなどを性能や機能を保ったまま縮小、小型化、小規模化することであって正確にはダウジングだよ。地下に埋まったものを探す時に使われる手法のひとつだよ。まぁ、この場合は霊能関係のになるだろうけどね」
聞くジオウにウォズが解説してる間、ウィスプはペンデュラムを取り出し、トライドベンダーから降りて地図がないので紐でぶら下げたままので開始する。
「ん、んん?」
するとペンデュラムは浮かんで道を指すのだが、どことなくぎこちない。
「どうしたの横島君?」
「いや、その、上手く出来ないんですよ……」
【変身してる分、動きはするが、反応が鈍いな。おそらく全体に霊力が回っている分、探査に向かう分のが伝わり辛いのだろう。それにこの霧が深い中で正解のを探し出すと言う意味ではより集中しないといけないから変身を一旦解除しないと詳しい感知は難しいであろうな】
声をかけるオーズにウィスプは困った様に答えた後に心眼が上手く行かない原因を述べる。
「だったら横島さんはダウジングに集中してよ!俺が横島さんの分も戦うからさ!」
「ニャアン!」
「アオーン!」
「あ、ありがたいけど、どうやって?」
グッと手を握り締めて言うジオウに続くニックとラトプスの後に聞くウィスプへジオウはこれこれと言ってある物を取り出す。
それはディケイドの顔が描かれたライドウォッチ、ディケイドライドウォッチであった。
「それってディケイド?」
「ライドウォッチ、仮面ライダーの力を封じ込めたアイテムで見て貰えば分かる様に、これにはディケイドの力が封じ込められている」
首を傾げるウィスプにウォズが説明してる間にジオウは上部のボタンを押す。
【ディ・ディ・ディ・ディケイド!】
音声の後にジオウは自分から見て左側のスロットにセットすると機械音が響き渡り、ベルトの中央部分にあるボタンを押してロックを解除してからベルトを回転させる。
【ライダータイム!】
【仮面ライダージオウ!!】
【アーマータイム!】
音声と共に複数のカードの幻影が現れ……
【カメンライド!ワーオ!ディケイド!ディケイド!ディーケーイードー!】
直後に一部分にアーマーを装着した人型に変化するとジオウと重なり、ディケイドを模したアーマーを装着した姿になる。
「祝え!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を超え過去と未来をしろしめす時の王者!!その名も仮面ライダージオウ ディケイドアーマーである!!」
「え!なんかいきなり祝辞言い出したんだけどこの人!?ってか声でか!?」
「そんなにおめでたい事なの?」
それにすぐさまウォズが祝辞を述べだした事にウィスプは驚き、オーズも戸惑う中でジオウは別のライドウォッチを取り出してベゼルを回転させてから上部のボタンを押す。
【エグゼイド!】
音声の後にディケイドライドウォッチの伸びた部分、F.F.T.スロットにセットする。
【ファイナルフォームタイム!エ・エ・エ・エグゼイド!!】
すると右肩アーマーのディケイドの文字がエグゼイドに変わり、左肩から胸にかけてのアーマーに描かれたバーコード部分がダブルアクションXXとなった後……顔と胸から下が変化してから2人に分裂した。
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?分裂した!?どういう原理!?」
「「さあ?」」
【本人も分かってないんかい】
驚きの声を上げるウィスプに肩を竦めるジオウXXRとジオウXXLに心眼は呆れる。
「祝え!破壊者と究極の救済の名を持つ仮面ライダーの力を使いし時の王者!!その名も仮面ライダージオウ ディケイドアーマーエグゼイドフォームである!!」
「もう1回言うの!?」
「ってか名前ながっ!?」
もう1度述べるウォズにオーズとウィスプはまた驚く。
ちなみに言い終えてウォズは満足そうである。
【ま、まあ、とりあえず、横島、ダウジングを行うぞ】
「お、おう」
気を取り直した心眼に促され、言われた通りにウィスプは変身を解き、改めてペンデュラムを構える。
すると先程と違ってスムーズにペンデュラムが動き出す。
「こっちッス」
「よし行こう」
「「おう」」
「ニャーン」
「アオーン」
ーグオンー
横島と彼を護衛するジオウXXLとジオウXXRを先頭に歩き出す。
向かって来た屑ヤミーやマスカレイドにガーディアンなどからWジオウのコンビネーションとニックとラトプスの連携にトライドベンダーのメダル型の光弾が守って行く。
「いやぁ~皆のお陰で無事に出来て良かったですよ」
「こっちも助けて貰ってるんだからお相子だよ」
「そうそう」
「ソウゴ君達の言う通りだよ横島君。ダウジングしてくれるからこうやってループしないでいけてるんだからさ」
安堵している横島にジオウXXRとジオウXXLが続き、オーズも賞賛する。
「む?」
「どうしたのウォズ?」
「何か見つけたの?」
すると何かに気づくウォズにWジオウが話しかける。
あれをとウォズが指さした先を横島達は見ると倒れた岩の柱の上に電子音を鳴らす黒色のクワガタムシを模したメカが鎮座していた。
「これって、翔太郎さん達が持ってるスタッグフォンだ」
「それじゃあこの携帯は翔太郎さんが偵察に出した方のか?」
持ち上げるオーズの手にあるのを見ながら横島は呟く。
【アイ、お前が感じ取った反応はこれか?】
【はい、これですね】
「なら、合流した時に手渡そう」
「これで翔太郎さんも連絡出来ますね」
懐に仕舞うオーズに横島はそう言った後、ペンデュラムが別の方を指す。
「あれ?もう見つけたよな?」
【これは……ペンデュラムの指す方にコアエナジー反応です】
「強い奴がいるって事?」
「もしかすると今起きてる現象を引き起こしてる存在がいるかもしれないね」
首を傾げる横島のにアイが報告し、ウォズが推察する。
「どうします?」
「行こう。セキュリティレベルを下げる意味でもね」
オーズの言葉に誰もが頷いて駆け出す。
そして辿り着くとそこにいたのは頂点近くの真ん中に目が付いたピラミッドに碁盤の脚を付けたような姿の存在にルービックキューブの様なのに真ん中に目が憑いた存在が浮かんでいた。
「え、あれも怪人?」
【……照合した結果、あの2体はドーパントです】
「あれもドーパントなんだ」
「じゃあ早速……」
【ジカンギレード!】
【ライドヘイセイバー!】
いた存在の外見に戸惑う横島にアイが報告し、オーズが呟いた後にWジオウが攻撃しようとし……ドーパントに近づかせない様な衝撃が遮る。
誰もが驚いていると一同の前に何かが降り立つ。
それは緑色の鋭く研ぎ澄まされた大鎌が付いた両腕を持ち、頭から赤い触角が生えたカマキリの様な巨大生物であった。
「こいつはスナイモン!!?もしかしてさっきのはこいつの仕業か!」
「え、もしかしてデジモンって奴っスか?」
驚いたオーズの言葉に横島は聞く。
「うん、こいつの両腕の鎌には気を付け……」
【!?しゃがめ!!】
注意しようとしたオーズの言葉を遮った心眼の言葉に誰もが慌ててしゃがむとメンバーの上を何かが通り過ぎる。
顔を上げるとスナイモンの隣に赤い体で四本の腕を持った鋭い顎が輝くクワガタムシの様な巨大生物が降り立つ。
「クワガーモンまで!?」
「……森に来てから、大型の生物との対決多くあり過ぎじゃないかな;」
吠える2大デジモンに横島は顔を引き攣らせて呟かずにはいられなかった。
次回、第3のレポート:作る者と龍と光の戦士
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第3のレポート:作る者と龍と光の戦士
美神達の前で新たな仮面ライダー達が姿を現す。
飛び出した戦兎と万丈は運動場からしたので駆け付けるとそこでは傷ついた教員を護る冥子と式神達の姿があった。
傍には編入試験の見学を見に来ていたおキヌと舞に彼女達を護る鬼道の姿もある。
そしてそんな冥子達を攻撃している集団に戦兎と万丈は驚く。
「!?ガーディアン!?」
「なんでこいつ等がこの世界に!?」
驚く万丈と戦兎の後ろで追い付いた美神達は何よあれ!?と声を出したので気づいた冥子が顔を向ける。
「あ、令子ちゃ~ん。この人達に全然~~攻撃が効かないの~~~!!」
「なんですって?」
告げられた事に美神は驚いた後によく観察する。
アンチラの鋭い刃となってる耳が当たれば固い音を響かせ、ハイラの毛針攻撃も同じ様に固い音を響かせるだけ、アジラの火炎放射やサンチラの電撃さえ浴びてもダメージを受けた様子もなく平然と動いて手に持った銃剣から電撃弾を放つ。
それに慌てて冥子はサンチラで防ぐ。
すぐさまマルタが駆け出して1体に向けて殴りかかる。
ガン!!
「っ!?」
直後、マルタは顔を歪め、ガーディアンの銃剣をバックステップで避けた後に殴った手を抑える。
「どうしたのマルタ!?」
「それが、急に力が抜けて……」
「っ、マルタさんでもダメなんか」
呻くマルタの言葉に鬼道は呻く。
「なんで効いてねえんだ?」
「……成程な、こいつ等、対GSもといこの世界の力関係に対応したガーディアンかもな」
戸惑う万丈に戦兎は先ほどの奴を見てすぐさま分析してそう呟く。
その言葉に美神は衝撃を受けると共に自分達が考えていなかった事にも気づいてしまった。
相手がガープだから神魔でも対抗できる様に修行をしていたが……逆に
実際、ガープが東京で大規模な隕石堕としを決行した際も結界で神魔の力を弱体化させて挙句の果てに自分達の霊能に制限をかける結界を作り上げていた。
あの時は横島のを見る為だったから弱体化程度に留まっていたが、自分達の力を封じると言う手段を取られれば横島の横で戦う事すら出来ない。
(また、考え不足だった……)
戦う事ばかりに目を向けていて疎かにしていた事に美神がそう考え込んでる間に戦兎と万丈は前に出る。
そこに黒井と拘束を解かれた依姫とグルグル伊達眼鏡と白髪のウィッグを被り、ポニーテールに纏めて変装をした輝夜が来る。
「そこの人下がってなよ。こいつ等は俺達の専門だ」
「餅は餅屋って事だ!」
「え~~!?危ないわよ~~!?」
前に出た戦兎と万丈に慌てる冥子だが美神は待ったをかける。
「待ちなさい冥子。あの人たちに任せましょ」
「え、けど~?」
「大丈夫だと思います。彼らも横島と同じ……」
戸惑う冥子に蛍がそう言ってると妹紅と依姫、黒井も並ぶ。
「この戦い、乗らせて貰うぜ」
「同じ戦士として見ている訳にはいきません」
「俺も同じく」
「へっ、その2人は話を聞いてるのもあるし、あんたがいるなら百人力だな」
拳を鳴らす妹紅とガーディアンをみつえる依姫と黒井に万丈は笑った後に戦兎共に右側に回すタイプのハンドルレバーが付いたバックル、ビルドドライバーを取り出して腰に当てて装着する。
「さぁ、実験を始めようか」
その言葉と共に戦兎は2本の掌サイズのボトルを取り出し、それを振ると戦兎の周りの空間から数式が出現した。
「え、なにこれ!?」
「数式が出て来て、飛んでる!?」
突然の事に美神達が戸惑う中で万丈もまた同じサイズのボトルを取り出して振ってから蓋部分を回すと懐から飛び出した小さい機械の龍を手に取り、変形させると龍の背中部分にボトルをセットする。
【ウェイクアップ!】
音声の後に戦兎と万丈は同じタイミングでボトルや龍を各々のベルトにセットする。
【ラビット!タンク!ベストマッチ!】
【クローズドラゴン!】
音声の後に戦兎はビルドドライバーに付いているレバーを回すとドライバーにセットされた2つのフルボトルが上下に動きだし、そこから小さなパイプが前後に現れ、戦兎の半径1mに装置の様なのが展開、さらのフルボトル2本から流れる液体がパイプを通りプラモデルの様な形状となった後に赤と青の人型を成形し始める。
万丈もまたビルドドライバーに付いているレバーを回すと戦兎と同じ様に装置の様なのが展開されるがこちらは紺色の人型が形成され、さらに左横から翼のようなパーツが形成される。
依姫はスーパー1のサイクロードの中央をウルトラリングにして白い部分を赤くした感じのベルト、エースライザーを取り出して装着してから両腕を胸の前で交差し、妹紅はメタファクターを青く染めた感じのベルト、アグルファクターを装着し、右腕に付けていたブレスレット、アグレイターを取り外してアグルファクターのバックルに逆さまに付ける。
黒井は何時の間にか現れていたベルトのバックル縁を右手で撫でた後に左腕を斜め上に伸ばすとすぐさま右手で右腰に付いたジェットエンジンの様な突起の上を押し、腕を大きく時計回りに動かして右手で握り拳を作る。
【Are you ready?】
「「「変身!!」」」
「「KAMENRIDE!!」」
ビルドドライバーの合図と共に5人は同時に叫ぶと妹紅のアグルファクターに付いたアグレイターが側面の翼状のパーツを展開、180度回転し、依姫は両腕を振り下ろすと共にエースライザーのバックルのリングを合体させる様にスライドさせる。
黒井は左腰の突起の上を押し、バックル中央のシャッターが開くと勢い良く飛び上がる。
【ライダーアップ!!】
音声が鳴り響くと依姫はエースライザーを中心に白い光が包み込まれ、妹紅はアグルファクターを中心に妹紅の体は青い光に包まれ、どちらとも光が収まると姿を変えていた。
妹紅は光の巨人、ウルトラマンアグルV2に胸と肩に肩アーマーを丸くしたナイトサバイブの胸アーマーを装着し、両腕に翼を展開していない状態のアグレイターを模した腕アーマーを、足にアグルの胸のアグルブレスターを模したレッグアーマーを装着した姿。
依姫は光の巨人、ウルトラマンエースの胸に超闘士激伝の闘士ウルトラマンエースの重装鉄鋼を纏い、肩は守護闘士時の重装鉄鋼を纏い、腕と足にはAと描かれた手甲とレッグアーマーを纏い、首に白いスカーフを巻いて靡かせた姿。
戦兎と万丈は前後に展開された人型に挟まれる形で装着し、戦兎は左頭部・右上半身・左下半身が赤色で左の複眼はウサギの横顔を模しており、耳がアンテナ風、右頭部・左上半身・右下半身が青色で右の複眼は戦車を模しており、砲身がアンテナ風になった仮面ライダーに、万丈は左右対称であるがさらに左横に展開されていた翼がヘッドパーツ、ボディパーツとして装着された仮面ライダーとなる。
そして飛び上がった黒井は両腰のジェットエンジンが火を噴き、バックルに風が収束して中のプロペラが回転して光を放つとその体を全体的にダークトーンのカラーリングに肩と腰に3つの金のラインが走り、首には金のマフラーを巻いた仮面ライダーとなって黄金の複眼が輝いてから着地する。
【鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イエーイ!!】
【ウェイクアップバーニング!ゲット!クローズドラゴン!イエーイ!!】
「す、すごい、これが5人の仮面ライダーとしての姿……」
「やっぱりあの2人も仮面ライダーだった。けど、妹紅さんと依姫さんの変身した仮面ライダー……どことなく違和感が……」
「まぁ、2人のはウルトラマンって言う光の巨人を元に誕生したウルトラ系仮面ライダーなのよね」
「わぁ~凄くカッコいいわね~」
変身した黒井を真ん中に並び立つ5人の戦士に美神は驚嘆し、蛍は戦兎と万丈を見てから妹紅と依姫が変身したのを見て首を傾げて輝夜が補足説明し、冥子は素直に褒める。
「仮面ライダービルド。作る・形成すると言う意味でのビルドだからそこんとこ宜しく」
「仮面ライダークローズ!今の俺は……負ける気がしねえ!」
「仮面ライダー3号。機械の兵士に言っても意味ないだろうけど、俺のドライビングテクニックに付いてこれるかな?」
「仮面ライダーエース!この学園には手を出させません!」
「仮面ライダーアグル。熱く行きますか」
美神達に聞かせる様に各々に名乗り上げた後にガーディアンに突撃する。
最初にクローズがガーディアンを持っていたライオットシールドごと殴り飛ばしてから向かって来た別のガーディアンの銃剣による接近攻撃を避けて連続パンチを浴びせる。
そんなクローズを狙おうとしたガーディアンをビルドが取り出した刀身がドリルとなったドリルクラッシャーのドリル部分を外して先っぽの方を差し込んだガンモードで攻撃して行く。
エースは蹴りを叩き込んだ後に胸のアーマーから一部を取り外すとそれを剣、メタリオンソードへと変えて次々に切り裂いていく。
アグルは右手に光の刃、アグルセイバーを展開してライオットシールド事ガーディアンを両断して行く。
3号は複数のガーディアンの攻撃を巧みに避けてパンチやキックに投げを入れて倒して行く。
美神はライダー達の戦いっぷりを見て改めて自分達は目の前の彼らの様な戦いへと飛び込もうと挑んでいる事を再認識し、胸の前で手をギュっと握りしめる。
(つくづく、自分が驕っていた事を痛感させられるわ)
美神が苦い顔をしている中でライダー達はガーディアン達を殲滅し、全員を倒した事でやったーと冥子は喜ぶが5人はまだ警戒する様に身構えていた。
「冥子、どうやら喜ぶのはまだ早いみたいよ」
「え、どういう事ですか美神さん?」
舞と共に傍に来たおキヌに美神は言おうとした時……
「いるのは分かっている……出てこい!!」
3号がとある一角へと顔を向けて叫ぶ。
すると拍手が響き渡り、1人の少女が楽し気に出て来る。
「いやはや、流石は、平成の世で知らされし、昭和に誕生して歴史から消え去った3番目の仮面ライダーだ」
「!!レイ!?」
「え?知り合い?」
「いえ、敵よ」
輝夜へと答えた後に蛍はすぐさま異変に気づく。
なぜ少女、レイが3号を知ってる様に賞賛したのか、それ処か、なぜ楽し気にしているのかだ。
自分達が知るレイはそんなに感情を露わにしていないからだ。
現れたレイの様子に美神達が戸惑う中、ビルドとクローズは驚いた様子を見せる。
「なっ!?まさかお前は!?」
「嘘だろ!?地球に戻ってる処か、別世界に来てたのか!?」
え?とビルドとクローズの予想外の反応と言葉に美神達が戸惑っている間、レイは楽し気に笑った後……
「ああ、ホントに久しぶりだな。桐生戦兎、万丈龍我」
視認出来る程の怪しげなオーラを発すると共にその口からレイの声ではない、
やはりと確信した後にビルドは叫ぶ。
「この世界で何をするつもりだ!エボルト!!!!」
叫んだビルドにくくくと笑いながらレイ、いやエボルトは眼魂を取り出す。
【レブナント】
「丁度良い。久々の再会だ。遊んでやるよ」
そう言って左腕に装着した変身アイテム、ファントムコールダーの篭手の中部を引き出し、そこに眼魂をセットして戻し……
【セット、レブナント!レディ?】
「変身♪」
笑いながらレバーを倒す。
【ヒガン!ヒガン!!ファントムコールッ!】
音声と共にエボルトの目の前に展開された魔法陣からシルバーのワンポイントの入った濃い青のパーカーゴーストが召喚されると同時にエボルトの体はゴースト系ライダー共通の特徴であるトライジェントに変化し、飛んで来たパーカーゴーストを纏うと顔に三日月型の角と丸みを帯びたバイザーが装着される。
「なっ!?」
「仮面ライダーに変身した!?」
「さあ、行くぞ」
その言葉と共に、仮面ライダーレブナントに変身したエボルトは瞬時に驚いているクローズへと接近して拳を振るい、クローズは咄嗟に腕をクロスさせて防ぐが勢いを抑えきれずに吹っ飛ぶ。
「がっ!?」
「万丈!」
「よそ見は厳禁だぜ」
倒れるクローズに叫ぶビルドへと攻撃しようとしたレブナントだが、その拳は割り込んだ3号に抑えられる。
「おいおい、割り込むなんてマナーが悪いな」
「悪いね。マナーが悪い相手にお行儀よく返す気にはなれないからね」
その言葉の後に3号とレブナントは攻防一体のぶつかり合いを始める。
拳をぶつけ合わせれば捌いたり、蹴りを交差させては互いに防いで行く。
「す、凄い……」
「横島君が苦戦した相手に互角の勝負をしている……」
レブナントと互角の勝負をする3号に美神と蛍は呟く。
「万丈!ここは一気に行くぞ!」
「ああ、こいつに出し惜しみなんてしてられねえ!」
それを見て呼ぶビルドに起き上がったクローズも答えて何かを出そうとした時……合流したエースとアグルの前でモザイクの様なのが出現すると、5体の人型の存在が現れる。
顔は三葉虫を思わせるフェイスカバーに覆われており、体は胸部・腕・脚に配線らしきラインが走っていて、さながら人間の骨格を思わせる感じであった。
「な、なんだこいつ等?」
「新手の怪人?」
現れたのに驚くアグルとエースだがレブナントと戦っていた3号は現れたのを見て驚く。
「マギアだと!?なぜここに!?」
「マギア?あれも怪人なの?」
3号の口から出た言葉に美神はビルド達と対峙してる存在を見た後に気づく。
その左腕にレブナントが付けてるのと同じ、ファントムコールダーが装着されているのに気づく。
「あれは!」
「あいつ等、エボルトが使った奴と同じのを付けてるぞ!?」
まさかと誰もが思っているとマギアと呼ばれた者達はそれぞれ茶色、赤、緑、黄緑、水色の眼魂を取り出して、ファントムコールダーにセットする。
【セット、ハルピュイア!レディ?】
【セット、サイクロプス!レディ?】
【セット、グラム!レディ?】
【セット、フェイルノート!レディ?】
【セット、タイタン!レディ?】
慌てて止めに入ろうとしたビルド達だが現れたパーカーゴースト達に足止めされてしまい……変身を許してしまう。
「「「「「ヘンシン」」」」」
【ソニックソルジャー!ファントムコールッ!】
【ガイアソルジャー!ファントムコールッ!】
【ブレードソルジャー!ファントムコールッ!】
【スナイプソルジャー!ファントムコールッ!】
【ディフェンドソルジャー!ファントムコールッ!】
鳴り響く音声の後に5体のマギアはレブナントを劣化させた様なロボットに近い感じのトランジェントになった後に各々のパーカーゴーストを身に纏う。
「あれが……陰念と雪之丞が言っていた量産型!しかも見た事もないのを含めて5体……っ!!」
佇む5体の量産型レブナントを見て美神は顔を歪める。
「「「「「ニンム、ライダーノマッサツヲカイシスル」」」」」
無機質に復唱すると5体の量産型はビルド達へと襲い掛かる。
次回、第10の章:二大昆虫デジモン、激闘、破壊者VS簒奪者
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第10の章:二大昆虫デジモン、激闘、破壊者VS簒奪者
一方でディケイドもフォーティスとぶつかり合うが……
【横島、変身するんだ!!】
「お、おう!」
慌てて叫ぶ心眼に横島は慌てながらウィスプ眼魂を取り出す。
その間にWジオウとオーズはクワガーモンの攻撃を避ける。
「変身!!」
【カイガン!!ウィスプ!アーユーレデイ?OKッ!!レッツゴー!イ・タ・ズ・ラ!ゴ・ゴ・ゴーストッ!!!】
ウィスプに変身した後にWジオウとオーズの援護に出ようとして、スナイモンの飛ばして来た斬撃に慌てて避ける。
それにニックとラトプス、トライドベンダーが各々の遠距離攻撃を仕掛けるがスナイモンは飛び上がって素早い動きで避けて行く。
「ダメだ、相手が速過ぎるし、空を飛んでいるから不利だ!」
【ぬぅ、あの速さではこちらも普通に飛ぶもとい浮かんでも真っ先に堕とされかねないな】
呻く心眼のにどうすれば……とウィスプは考え……ナスカ眼魂を取り出す。
「なあ心眼、こいつならあいつに対抗できる空中戦が出来るんじゃないかって俺は思うんだけど」
【確かにナスカドーパントの記憶の元であるナスカの地上絵にはハチドリなどの鳥の絵がある。それにあの時に翼を出していたから可能性があるな】
なら!とウィスプは早速ナスカ眼魂をウィスプ眼魂と変えてセットする。
【アーイ!!シッカリミナー!シッカリミナー!】
スナイモンの斬撃をドライバーから飛び出したナスカパーカーゴーストが防いでる中でレバーを引く。
【カイガン!ナスカ!風の都に吹きぬく!勇ましき風よ!】
パーカーゴーストを身に纏い、顔にナスカドーパントの顔となった後、ウィスプは自分の手を見る。
「分かる!こいつならいける!」
その言葉の後にナスカウィングを展開して飛び上がってスナイモンへと迫る。
向かって来るウィスプにその刃が振るわれる前に懐に飛び込まれてそのどてっぱらをガンガンブレードで切り裂かれる。
「すげぇ、どう飛べば良いのか、どう言うルートで進めば良いか風が教えてくれてる!」
自分の周りを風が吹き抜けて行く事で道を示してくれる事にウィスプは感嘆の声をあげる。
(そうか、ナスカが、霧彦さんが風都を愛していたから、風もそれに応えようとしてるんだ。ありがとう霧彦さん)
改めてウィスプはナスカの、霧彦の風都の愛を感じ取り、突き進む。
その下ではオーズとWジオウにウォズがニック達の援護を受けてクワガーモンを押していた。
クワガーモン自身はハサミで挟もうとしたり、飛ぼうとした所を援護攻撃で阻止されて苛立った様に唸り声を上げている。
ジオウXXRはライドヘイセイバーの針、ハンドセレクターを動かしてから鍔近くのスクランブルトリガーを引く。
【ヘイ!W!デュアルタイムブレーク!!】
「おりゃあ!」
風を纏い、勢い良く回転しながらクワガーモンの体を切り刻んで行く。
【フィニッシュタイム!】
続けてジオウXXLがジカンギレードを銃モードにしてWのライドウォッチをセットする。
【ダブルスレスレシューティング!!】
「いっけぇ!!」
音声の後にトリガーを引くと放たれた弾丸は途中で複数に分裂してクワガーモンへと炸裂する。
「これで決める!」
よろめき出したクワガーモンをみつえてジオウXXRはライドヘイセイバーにディケイドライドウォッチを装填する。
【フィニッシュタイム!】
音声の後にハンドセレクターを3周回転させる。
【ヘイ!仮面ライダーズ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘヘヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!】
鳴り響く音声と共に最後の悪あがきとばかりに低空飛行して突撃して来るクワガーモンをみつえてスクランブルトリガーを引く。
【ディディディディケイド!!】
【平成ライダーズ!アルティメットタイムブレーク!!】
「おりゃあ!!」
ヘイセイの文字とライダーズクレストが描かれた20枚のカード型エネルギーを纏ったヘイセイバーで横切りからの縦斬りによる十文字斬りをクワガーモンへと炸裂させる。
十文字斬りを受けたクワガーモンはそのままWジオウを通り過ぎ……
ドカァァァァァァァァァン!!!!
後ろで爆発四散する。
「後は……」
それを見たオーズはスナイモンと空中戦を繰り広げるウィスプを見てから戦闘が始まってから微動だにしていない2体のドーパントへと顔を向ける隣にウォズが並ぶ。
「さて、決めようじゃないか」
「だね」
そう言葉を交わした後にオーズはオースキャナーでカテドラルのメダルを再スキャンし、ウォズはミライドウォッチをセットしてるハンドルを戻してからもう1回倒す。
キィンキィンキィン!
【ビヨンドザタイム!】
【スキャニングチャージ!!】
音声の後にオーズとウォズは同時に飛び上がると敵2体の背後にキューブ状の時計型エネルギーが出現、オーズは自身の前に展開された赤、黄、緑の3枚のリングを潜り抜け、ウォズは自分の前に出現するキックの文字型のエネルギーを纏いながらエネルギーを収束し……
【タイムエクスプロージョン!!!】
「セイヤーーーーーーーー!!!」
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
2体がそれぞれの目から放つ光弾を貫きながら同時に蹴りを炸裂させて、キューブに叩き込み……
ドカァァァァァァァァン!!!
時間差で爆発四散する。
「あっちも決めたならこっちも!」
それを見たウィスプはガンガンブレードとゴーストドライバーをアイコンタクトしてからレバーを引く。
【アーイ!】
【ダイカイガン!ナスカ!オメガドライブ!!】
響き渡る音声の中でウィスプは全身を赤く輝かせてスナイモンへと突撃し、鎌による攻撃を避けた後に……
【オメガスラッシュ】
「はあ!!」
高速で飛び回ってスナイモンの全身を切り刻んで行く。
斬撃を浴びたスナイモンはそのまま地面へと落下し……
ドカァァァァァァン!!!
爆発四散する。
爆発を背にウィスプは着地し……
【オヤスミー】
変身を解除して地面に倒れる。
「横島君!」
「どうしたの!?」
突然倒れた横島にオーズとWジオウは慌てて駆け寄る。
「あれ、なんで……」
【これは……神霊眼魂を使った時と同じ負担が起きたのか?】
「おいどうした!!?」
起き上がろうとする横島をWジオウが起こして支えるとそこにWとホロウ、ゲイツが駆け付ける。
「あ、翔太郎さん!無事だったんですね!」
「おいジオウ!横島に何があったんだ?」
「いや、俺にも分からなくて」
「とにかく、ターミナルに連れて行くぞ」
「そうだね。彼の負担を和らげる為にも戻ろう」
話しかけるゲイツにジオウが返す中でWの進言に誰もが頷く。
周囲を警戒しながらオーズ達は入口へと戻る。
☆
一方、フォーティスと銃撃戦を繰り広げていたディケイドは一歩押していた。
【アタックライド!ブラスト!!】
「はあ!」
「ちい!」
さらに威力と弾数を増やすディケイドにフォーティスは呻く。
【アタックライド!スラッシュ!!】
「せや!」
銃撃戦をしながらフォーティスへと近づいたディケイドはすぐさまライドブッカーをソードモードに変えて斬りかかる。
「ぐう!?」
紅いディエンドライバーで防ぐ前に胴体を斬られてフォーティスは胸を抑えながら後ずさる。
「そろそろ他の奴等と合流したいから決めさせて貰うか」
「舐めないで貰おうか破壊者よ!」
ライドブッカーの刀身を撫でるディケイドにフォーティスはそう言ってから取り出したライダーカードを紅いディエンドライバーにセットしてから紅いディエンドライバーの前半分をスライドさせる
【カメンライド!ビルド!】
【カメンライド!クローズ!】
「いけ、幻影達よ」
音声が響き渡った後にトリガーを引く。
ラビット!タンク!ベストマッチ!鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イエーイ!!
ウェイクアップバーニング!ゲット!クローズドラゴン!イエーイ!!
飛び出した幻影が重なると仮面ライダービルドと仮面ライダークローズとなる。
「やれ!」
命令と共にビルドとクローズはそれぞれドリルクラッシャーとビートクローザーを持ってディケイドに斬りかかる。
斬りかかるのをディケイドは防いでいくが合間に放たれたフォーティスの射撃攻撃で怯んだ所を2人の斬撃で転がる。
「薄々考えていたがお前も海東と同じ様に召喚出来るって訳か」
「そう言う事です。どうしますこの状況?」
決まってるだろとディケイドはカードを取り出してディケイドライバーにセットする。
【アタックライド!イリュージョン!!】
音声と共にディケイドは4人になる。
「おや、1人多いですね」
「「「「こうするからに決まってるだろ」」」」
ディケイドの事を知っているだけに3人で同時に挑むと思っていただけにフォーティスは呟く中でディケイド達は各々にカードを取り出してセットする。
【【【【フォームライド!】】】】
【ビルド!ラビットタンクスパークリング!!】
【ビルド!キードラゴン!!】
【ビルド!フェニックスロボ!!】
【ビルド!クロコダイコン!!】
シュワッと弾ける!ラビットタンクスパークリング!イエイ!イエーイ!!
封印のファンタジスタ!キードラゴン!イエーイ!!
不死身の兵器!フェニックスロボ!イエーイ!!
水際の電波ヤロー!クロコダイコン!イエーイ!!
音声と共に同時にディケイドの前後にプラモデルの様なのが現れて装甲に変化した後にディケイドを挟む様にその姿を4種の姿のビルドへと変える。
1人目は装甲の縁がギザギザになり、新たに白がメインカラーに追加されてトリコロールになったラビットタンクの強化形態、仮面ライダービルドラビットタンクスパークリングフォーム。
2人目はクローズが使うドラゴンフルボトルと共にロックフルボトルを使った仮面ライダービルドキードラゴンフォーム。
3人目は不死鳥と機械の力を持った仮面ライダービルドフェニックスロボフォーム
4人目は右肩が鰐の尻尾で右腕に鰐の頭部を模した『ヴァイオクロコガントレット』を装備し、左腕にはリモコンを模した大型の盾『ビルドリモコンシールド』を装備した左目の複眼が紫色の口を開いた鰐の横顔、右目の複眼が青緑色の電波を発するリモコンとなった本来の歴史では姿を見せなかったが故に様々な姿の可能性を持つ仮面ライダービルドクロコダイコンフォーム。
並び立つディケイドビルド達にフォーティスはこれはまた……と言葉を漏らす。
「「「「ビルドにはビルドだ」」」」
(どのベストマッチ形態もビルド自身やビルドの仲間が使うボトルやゼリーと同じ成分を持ってるのをチョイスするとはね……)
駆け出すディケイドビルドでフェニックスロボとクロコダイコンを相手にしながらフォーティスは攻撃をしのぐ。
【アタックライド!ビートクローザー!!】
ビルドにDビルドLTSは強化された高速移動で対抗し、ビートクローザーを使うクローズにはDビルドKDが左腕の鍵を模したバインドマスターキーと召喚したビートクローザーで対抗する。
もしもビルドとクローズが本物であったのならディケイドも苦戦しただろう。
だが相手は意思を持たないただ動くだけの機械的な存在。
同じ力を持つ者同士でなら意思のある方が軍配に上がる。
「はあ!」
「でやっ!!」
フェイントをかける事で隙を作り上げたDビルドLTSはビルドを蹴り飛ばし、バインドマスターキーとビートクローザーのX斬りで吹き飛んで来たクローズとぶつけ合わせた後にカードをセットする。
【【ファイナルアタックライド!ビ・ビ・ビ・ビルド!!】】
音声の後にDビルドKDが左肩から精製した成した鎖でビルドとクローズを拘束した後にDビルドLTSの作り上げたワームホールの様な図形でさらに拘束した後に2人は同時に飛び上がり……
「「せりゃぁぁぁぁぁ!」」
無数の泡と共にダブルライダーキックを炸裂させて、キックを受けたビルドとクローズは消えて行く。
「ぐはっ!?」
別の方でフォーティスがDビルドFRのパワーアームによるパンチを受けた所にDビルドCRのヴァイオクロコガントレットから放たれた鰐の幻影によるカミツキを受けた後に投げ飛ばされる。
「ホント、こちらの予想していない事をしてくれる!」
「ふん、下手なお世辞で誤魔化すな。お前、本気を出してないだろ」
起き上がるフォーティスに向けてDビルドRTSはそう返す。
「本気を出していない、ええ、そのとおりですよ、世界の破壊者」
そう返したのは
やれやれと肩を竦めたレクス・ローは立ち上がると彼が姿を現してから棒立ちとなったフォーティスからベルトを外して変身を解除させる。
すると現れたのはガーディアンであり、ディケイドが戦っていたフォーティスは本気を出していない所か偽物であった。
「やれやれ、本気を出してない処か、偽物を使ってまで動きまわっていたとはな」
「精々私を小者と思うがいい、私のシナリオにお前は邪魔に過ぎない。私を侮るがいい、小者と思うがいい。世界の破壊者よ……」
肩を竦めるDビルドLTSにレクス・ローはそう言う。
そんな彼の言葉に……DビルドLTSは鼻で笑う。
「何が可笑しい?」
「はん、お前みたいなのが小者?笑っちまうな、小者処か獲物を狙う獣の様に罠に嵌るのを待つ狩人の方がよっぽど当て嵌まってるぜ」
皮肉気にそう言った後にああ、そうそうとDビルドLTSは続ける。
「そんな力を持ってるなら、お前がこの世界の悪役を倒せば良いだけなんじゃないか?」
「はっはっはっ……そんな事をすれば事によっては私が代わりの悪役になるのを分かってて言ってるのか破壊者?」
軽く言うDビルドRTSに少し笑ってから低い声でレクス・ローは怒りを放つ。
「俺は倒せば良いと言っただけだ。どうなるかなんてお前の行動次第なのに、沸点が低いな」
「苛立たせるのがホント上手くて憎たらしいな!まあいい、せいぜいこの島の事件を解決するのだな!」
そう吐き捨てるとレクス・ローはその場から消え去る。
それを見届けて1人に戻った後にディケイドは元に戻る。
「さて、ユウスケ達と合流……!?」
するかと言いかけた瞬間、ディケイドの体にのしかかる様な感覚が起きる。
「!?今の感じは!?」
「あ、士!無事だったか!!」
辺りを見渡そうとしたディケイドにクウガとウヴァが来る。
「ユウスケか……」
「どうしたんだ士?何かあったのか?」
話しかけたクウガにディケイドは少し考える仕草を取り……
「悪いが、まだ確証を取れてない。取れたら話す」
「?あ、ああ」
「なんだか分からんが、今は合流に向かった方が良いだろ」
そうだなとウヴァのに返しながら行くぞとクウガを回れ右させて押して歩く。
戸惑うクウガの肩を押して歩きながらディケイドは先ほどの感覚に考える。
(あの感覚、もしも俺の勘違いでなければ……あいつも蘇っているのか……?)
気味の悪さを感じながらディケイドは合流するまで考えるのであった。
次回、第11の章:採掘所に潜む怪異
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第11の章:採掘所に潜む怪異
そんな彼らの前に、かつて横島が遭遇した者が姿を変えて現れる。
分断させられていた一同は無事に合流を果たし、丁度ターミナルで横島の回復を行っていた。
「あーーーーーーーー楽になる~~~~前に別世界の俺にしてくれていたヒーリングみたいで良いな」
ぼへ~~と顔を緩める横島に呑気だなとディケイドは肩を竦める。
「それで次はどこが行ける様になったんだ?」
【次はコアエナジー旧採掘場へ行ける様になりました】
「旧採掘場か……しかし、今の所、浄水セクターへのゲートを開ける為の権限を持つ声が見当たらないな……」
「確かに、もしも遭遇する敵に権限を持っているのがいればそいつの声をフロッグポッドに録音すれば良いんだけどね……」
確認するホロウへと答えたアイのにオーズからスタッグフォンを受け取ったW(翔太郎)はぼやき、W(フィリップ)も懸念して呟く。
「なあ士、もしも声を手に入れられなかったら士のオーロラカーテンでゲートを通り抜けるとかどうだ?」
「俺のはドラえもんのどこでもドアであって通り抜けフープじゃねえぞ」
「いやどう違うんだよ;」
提案するクウガのに対してそう返したディケイドのにホロウはツッコミを入れる。
「えっとね。どこでもドアは場所を言うとその場所に繋がる扉で、通り抜けフープは付けると通り穴を作れちゃう輪っかなんだ」
「何それすげぇ未来」
「実際未来の道具だからな」
【……未来は凄いな……】
解説するジオウのに横島は目を輝かせてウヴァの言葉に心眼はなんとも言えない口調でぼやく。
とにもかくにも、横島が再度変身した後にW達は早速解放されたコアエナジー旧採掘場へと向かった。
「それにしても、なんでナスカ眼魂を使ったら負担が来たんだ?」
「考えられるとしたら、ナスカドーパントの使うナスカメモリは強力なメモリの1つだったからのもあるかもしれないね。僕らの世界の霧彦自身、強くなった分の毒素に苦しんでいた時期があったのを聞いた事がある」
道中、ナスカ眼魂を見ながら疑問を呟いたウィスプにW(フィリップ)が自分なりの推論を述べて付け加える。
「それじゃあこれをここで使うのはいざって時になるのか……」
【その方が良いだろう。近くにターミナルがない場合の時や危険な所では極力使わないでおけ】
少し残念そうに呟きながらウィスプはナスカ眼魂を仕舞う。
「なあ士、合流する前にホントに何があったんだ?」
「言ったろ。確証が取れるまでは話せないってな」
歩いてる途中でクウガが気になって声をかけ、ディケイドは突っぱねる。
なんだよそれとぼやくクウガのを聞きながらセキュリティが解除されたゲートを通る。
「うわぁ、ここが採掘場か……」
【旧とは言うがそこまで古い感じはしなさそうだな……】
目の前に入って来た旧採掘場の風景に呟くウィスプの後に心眼は雰囲気からそう述べる。
「そこまで経ってないんだろうね……」
「アイ、ここに強いコアエナジーの反応はあるか?」
呟いたW(フィリップ)の後にW(翔太郎)が確認の為に声をかけた時
【!?気を付けてください!強いコアエナジー反応が接近中!来る方向は……来た道からです!】
「何!?」
緊急警告に誰もが慌てて振り返ると走って来る影が見えた後に飛び掛かって来たのを慌てて伏せて攻撃を避ける。
顔を上げて襲撃者を見るとネズミを人間にした様な存在が立っていた。
「チュチュチュ、油断してる所を狙ったつもりだが、優秀な奴がいたかぁ」
「なんだあいつ?」
「ネズミの怪人?」
「あいつは!ゴルゴムの怪人、ネズミ怪人!!」
「まんまかよ!?もうちょい付ける名前なかったのか!?」
目の前に存在する怪人にジオウとウィスプが戸惑う中でW(フィリップ)の口から出たのにホロウが思わずツッコミを叫ぶ。
そんな中、ネズミ怪人はウィスプを憎しみの籠った目で睨む。
「そこの黄色いの、聞き覚えのある声だと思ったらぁ、あの時のバンダナを巻いたクソガキかぁ」
「え?」
突然自身を見て言われた事に戸惑うウィスプにネズミ怪人はクククと笑って顔を隠す様に手を動かし……
「こうすれば、分かるかなぁ?」
現れた顔は白く染まり、ピエロを思わせるクラウンメイクをし、体はピエロが着る様な奇抜な衣装に変わる。
「ピエロにネズミ……!?ま、まさかお前は、パイパーか!?」
「え?パイパーってハメルーンの悪魔って言われたあのパイパー!?」
姿を変えたネズミ怪人を見て驚きの声をあげるウィスプにオーズも驚く。
「オイラの事を知ってる奴は他にもいるようだな~あのクソ魔神から渡されたあの石で正気を失った所でお前等によって消滅させられた事は忘れてないぞ」
憎しみの籠った目と怒気を放つネズミ怪人、パイパーにウィスプは思わずたじろく。
「あのお方のお陰でオイラは新たな体を手に入れた!
(!?闇の世界、やはりそうなのか……)
その後にパイパーが告げた言葉にディケイドはある確信を得る。
ただ……とパイパーは勿体ぶる様な素振りをする。
「ここでお前達を嬲り殺すのは簡単だ。そこでゲームをしよう」
「ゲームだと?」
そうだとゲイツの言葉にパイパーは楽し気に動く。
「これからオイラはこの採掘場の奥でお前等を待つ。お前等は道中の奴等を倒しながらオイラが待つ最奥まで来て、オイラと戦って倒したら勝ちだ」
「なんで俺達がお前のゲームをすると思うんだ?デメリットしかないじゃねえか」
説明をしたパイパーはホロウが乗る理由がないと述べるのに話を最後まで聞けと返してから続ける。
「お前達がオイラを倒せばセキュリティレベルを下げられる。つまり行動範囲を広げられるんだぞ。今の状況でありがたいメリットはないだろう」
それで話は終わりだとばかりにパイパーは飛び上がって行くと奥に走り去って行く。
「どうする士?」
「……乗るしかないだろうな」
「僕も士と同意見だ。もしも、奴の声が浄水セクターのゲートを開ける権限を持っているならフロッグポッドに録音しておいて損はない」
「なら、奴を追いかけて声をゲットしようぜ」
話を振るクウガにディケイドはそう返し、W(フィリップ)も同じ意見でW(翔太郎)の号令と共に行こうとし……
「あの~トライドどうしましょう;」
ーグォンー
ウィスプがトライドベンダーの事を聞いて来る。
確かにこれから行く先はトライドベンダーでは登れない高さだ。
と言うか、ここの奴等はどうやって上ったんだ?とホロウは梯子もないライダーだからこそ届く高さの足場にそう思った。
「あー……トラカンに戻して一緒に連れて行こうか」
とりあえず、トライドベンダーの合体を解除させ、ライドベンダーを自動販売機にしてから隅に置いといて、一同は奥へと向かいだす。
ートラ~ー
「おお、人懐っこいな~~」
自分の肩に乗って鳴くトラカンにウィスプは人差し指でなでなでしてあげる。
ちなみにタコカンもウィスプの頭の上に飛んでいる。
「仲良いね~」
「………もう、動物なら、なんでも好かせる才能、あるのか……」
「ホント、君は苦労してるね」
それにオーズはのほほんと言い、ホロウは胃がキリキリし始めたお腹を押さえ、ウォズはそう呟く。
進んでいると目の前に……目、鼻、口だけを出した黒い覆面をかぶった、骨の様な模様が付いた全身黒タイツの集団が現れる。
「なんだこいつ等?」
「他の奴より人間に近く見えるが……」
「ショッカー戦闘員!?こいつ等も出て来るのか!?」
見た事ないのにウィスプとホロウは呟くとクウガは驚いた声を出す。
「ショッカー戦闘員?」
「こいつ等は、仮面ライダーの名の始まりとなった男ともう1人の仮面ライダーが戦った悪の組織の戦闘員だ」
「マスカレイド・ドーパントと同じと思えば良いよ」
ウィスプの疑問にディケイドとW(フィリップ)が教える。
仮面ライダーの名の始まりの男達と戦った組織の戦闘員と言うのに2人は気を引き締め……
「「「「イーーーーー!!!」」」」
「なんだその掛け声!?」
ショッカー戦闘員の口から出たのにホロウはツッコミパンチを入れながら叫ぶ。
その後も出て来るショッカー戦闘員やマスカレイドドーパントにガーディアンを倒しながら進んで行く。
暫くして梯子を昇り……
「!いたぞ!」
最初に昇ったWが広い場所で佇むパイパーを見つけ、誰もが昇り切ってパイパーと対峙する。
「やっと来たか、待ちくたびれたぞ」
「パイパー、お前を復活させたのは何者なんだ?」
ウィスプの問いにパイパーは口から光弾を返答代わりに放ち、誰もが避ける。
「この!」
「チュチュチュ!!」
お返しと殴りかかるクウガのにパイパーは素早くバックステップで避けた後に周囲を駆け回る。
「はやっ!?」
「チュチュチュ!これだけで驚いて貰っては困るぞ!」
驚いているウィスプの背中を爪で切り裂き、火花を散らす。
「横島!ぐあ!?」
「どあっ!?」
そのままホロウやゲイツと攻撃し、ディケイド達もすれ違いざまに攻撃される。
「どうだ!あのクソ魔神がくれたので得たのより強くなったオイラの力を!」
「調子に乗るな」
【アタックライド!イリュージョン!!】
動きながら愉快に笑っていたパイパーにディケイドはそう言ってカードをセットして3人に分身し、攻撃しようとしたパイパーが目の前にディケイドが現れた事で動きが止まった所をライドブッカーソードモードで斬られ、怯んだ所をタコカンから墨を吐かれて目を塞がれた所にディケイドの分身2体のガンモードの銃弾を浴びる。
「チュチュ!?」
転がるパイパーを見て、オーズはチャンスとタカとバッタのメダルを変えてライオンとチーターをセットしてスキャンする。
キィンキィンキィン!!
【ライオン!トラ!チーター!!】
【ラタ・ラタ~ラトラァ~タァー!!】
「ハァァァァァァァァ!!」
ラトラーターコンボになると共にライオンヘッドを発光させる。
「チュアァァァァァァァ!?眩しい!?」
墨を拭って起き上がり様に強烈な光を直視したパイパーは目を押さえて悶え苦しむ。
「はあ!」
「ふん!」
「おりゃあ」
そこをゲイツのジカンザックスオノモードとウィスプのガンガンブレードによる一閃とウォズのジカンデスピアヤリモードの突きで追い打ちし……
「俺も超変身!」
「俺だって!!」
攻撃をやらせるつもりはないとばかりにクウガは赤い姿から青い姿のドラゴンフォームに変えると落ちていたパイプを手に取って専用武器のドラゴンロッドにモーフィングさせてから連続突きを浴びせ、それに混じる様にホロウが連続パンチを叩き込む。
【ヒート!メタル!!】
「おらぁ!」
「オマケだ」
そこをヒートメタルとなったWがメタルシャフトを叩き込んでからウヴァの双剣からの電撃が迸る。
「ビビビビビビビビビ!!?」
「ニャン!」
「ウォン!」
骨が見える位に痺れたパイパーはニックとラトプスの光弾を受けて倒れて煙を吐き出した後に頭を振ってから起き上がる。
「この!オイラの力はまだまだこれからだぁぁぁぁぁぁ!」
そう言ってパイパーは体を光らせる。
【コアエナジー反応増大です!】
光は段々と大きくなっていき……
ーヂュヂュウゥゥゥゥゥゥゥ!!!ー
かつてウィスプが見たパイパーの本体である巨大ネズミと変わらない姿へと変貌し、咆哮する。
「デカくなったぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「ホント、ここの奴等は巨大化か変貌のどっちかを取るのがデフォなのか?」
「言ってる暇があるなら手を動かせ!」
絶叫するウィスプと呆れるホロウへとディケイドはそう言ってライドブッカーをガンモードで攻撃し、ジオウとゲイツもそれぞれの武器を銃や弓に変えて続き、ウィスプも慌てて追撃に参加する。
「効くか効くか効くか!!!そんな豆鉄砲がオイラに効くわけないだろぉぉぉぉ!!」
咆哮と共に一回転すると尻尾が伸び、誰もが慌ててジャンプして避けたり、伏せてかわす。
そのままパイパーはがむしゃらに尻尾を振ったり、口からビームを放って辺りを攻撃する。
「ここはGS世界らしく、妖怪退治と行きますか!」
避けながらそう言ったディケイドはカードを取り出してセットする。
【カメンライド!響鬼!!】
キィィィィィィン!
音声の後に音叉を鳴らした様な音が響き渡ると共にディケイドの体は紫の炎に包まれる。
少ししてディケイドが炎を振り払うとその姿は別世界で魔化魍を対峙する鬼の仮面ライダー、響鬼に変身したディケイド響鬼へと変わっていた。
【アタックライド!音撃棒烈火!!】
「ふっ!はっ!!」
カードで出現させた音撃棒を握り締め、音撃棒の先端に炎の気を集中させ、巨大な火の玉を放つ。
「ヂュヂュ!?」
複数の火炎弾を浴びてパイパーは熱さに悶え苦しむ。
「ゲイツ!俺達も!」
「ああ、鬼の力で行くぞ」
それを見たジオウにゲイツもそう返してそれぞれライドウォッチを取り出してベゼルを回転させて起動する。
【響鬼!】
【威吹鬼!】
音声の後にジクウドライバーの左側にセットして回転させる。
【【アーマータイム!】】
【キィ~ン!響鬼~!】
【ピュイ~!威吹鬼~!】
2人の前にそれぞれのアーマーが現れた後にジオウは響鬼を模したアーマーを、ゲイツは威吹鬼を模したアーマーを装着する。
「祝え!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を超え過去と未来をしろしめす時の王者!!その名も仮面ライダージオウ 響鬼アーマーである!!」
「ソウゴがフォームチェンジしたら毎回やるんかそれ!?」
「声でけぇよ!?すげぇ響いてるぞ!?」
それにすぐさま祝辞を述べるウォズにウィスプは驚き、ホロウが耳を抑えながら苦情を言う。
その間にジオウはD響鬼と同じ様に音撃棒烈火を握り、ゲイツは音撃管・烈風(れっぷう)を持って攻撃を仕掛け、攻撃が当たる度にパルパーは呻き声をあげる。
【横島、ここは一斉攻撃で行け】
「お、んじゃああれだな!」
心眼の指示にウィスプはガタキリバ眼魂を取り出してセットする。
【カイガン!オーズ!!】
【メダル奪った!クワガタ!カマキリ!バッタ!!】
オーズ魂になり、分身能力でパイパーを囲む様に10人になる。
「チュチュ!?」
分身した事に驚くパイパーへとウィスプは電撃を一斉に浴びせる。
「あびゃびゃびゃびゃびゃびゃ!?」
悶えるパイパーにこれで決めるとD響鬼はカードをセットし、ジオウとゲイツもライドウォッチのスイッチを押してからベルトを回転させる。
【ファイナルアタックライド!ヒ・ヒ・ヒ・響鬼!!】
【フィニッシュタイム!!】
D響鬼とジオウの手に音撃鼓が出現した後に、D響鬼はパイパーの頭に飛び乗り、それぞれ音撃鼓をパイパーの頭とお腹に取り付ける。
取り付けた音撃鼓は大きくなる。
ゲイツはパイパーの側面に音撃管から鬼石をパイパーの体内に撃ち込んでから出現した音撃鳴を音撃管に装着する。
【【音撃!タイムブレーク/バースト!!】】
ゲイツが音撃管をトランペットのように吹き鳴らして清めの音を送り込む。
ジオウは音撃棒を大きく振り上げて、左右交互に強い音撃を叩き込み、D響鬼は強打を二回叩き込む。
それによりパイパーの中に清めの音が刻まれる。
「ギュアァァァァァァァァ!?新しい力を得たオイラが、なぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
ドカァァァァァァァン!!!
D響鬼とジオウが離れた後にパイパーは断末魔をあげながら爆発四散する。
「よっしゃ!!うお!?」
喜びの声をあげてから揺れが起こりだしたのにウィスプは驚く。
「さっきのパイパーの周辺へ放った攻撃で採掘場が崩れ始めたんだ!」
「皆!急いで脱出するぞ!」
揺れの原因を察するW(フィリップ)の後にW(翔太郎)が叫ぶ。
慌てて全員がその場から離れる。
ガラガラーン!!
全員が脱出し終えると採掘場は崩落した。
「はあはあ……間一髪だったね」
「ホントだな」
「あ、ライドベンダー置きっぱなしにしちゃってた!?」
誰もが息を荒げる中でウィスプは埋もれた採掘場を見て悲鳴を上げる。
「仕方ねえだろ。命あってのもんだしよ」
「そうだけどさ……」
ートラ~ー
呆れたように言うホロウにウィスプは名残惜しそうに呟き、トラカンが慰める様に鳴く。
「とりあえず、パイパーの声は録音した。アイ、こいつの声に権限があるか分かるか?」
【少しお待ちを】
フロッグポッドを手に持ちながら確認を求めるW(翔太郎)にアイはそう返してからフロッグポッドから再生されたパイパーの声を照合する。
【ありました。照合した所、悪魔パイパーの声はかなりの高い権限を持っているのが期待できます。それと先ほどので森林セクターが解放されました】
「はぁ~これで2つ目か」
【とりあえずは目的の浄水セクターへ行ける様にもなったな】
「それじゃあ浄水セクターに行って見よう」
「ああ、そこにアイダ博士の手がかりがある筈だ」
報告にウィスプは息を吐き、オーズとW(翔太郎)のにうっすと返す。
「少しは落ち着ける場所も、あると良いんだけどね……確認したい事もあるし……」
「おいおい、またアイの事か?」
呆れるW(翔太郎)にそれもあるけどとW(フィリップ)は返してからディケイドを見る。
「ディケイド、悪魔パイパーの言っていた闇の世界、君には覚えがあるようだね。小野寺はどうなんだい?」
「闇の世界……もしかして、けど、あいつは……」
「……分かってる。落ち着いた所で話してやる。こいつの疑惑にも白黒つけたいしな」
その問いにクウガが思い当たる中でディケイドがアイをチラッと見てそう返す。
【〝疑惑”……】
「そうだね。先に進もう」
「ようし浄水セクターへレッツゴーだ」
オーズの音頭と共にメンバーは歩き出す。
ネズミ怪人パイパー
外見:仮面ライダーBLACKに出たネズミ怪人の見た目をピエロっぽくした感じ
概要
かつてハメルーンの悪魔と言われ、狂神石により狂い、くえすにより燃え尽くされたパイパーが怪人として復活した姿。
大人を子供にする力を失った代わりにネズミ怪人の様に素早い動きで相手を翻弄する術に長けている。
かつての自分の本体だった巨大ネズミの様な姿にもなれる。
次回、第12の章:浄水セクターに待ち受ける者
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第12の章:浄水セクターに待ち受ける者
そこで待ち受けているのは……
前回、パイパーと戦い、声を手に入れたW達は浄水セクター入り口前に来ていた。
「行くぞ」
入り口前で早速W(翔太郎)はフロッグポッドを起動する。
ーチュチュ―
ピピッ
鳴き声が響いた後にゲートから音が響く。
【セキュリティロックが解除されました】
「よっしゃ!」
「これで先に進めるね」
早速進む中でウィスプがアイに話しかける。
「なあアイ、浄水セクターってどんな所なんだ?」
【浄水セクターはこの島で使用される水を浄化する施設です。この先を進んだ近くに浄水施設があります】
「へぇ、凄いねそれ」
解説にジオウが感心する中、この先がホールですと言うアイのに言葉を聞きながら踏み入れる。
「……酷い荒れようだな」
入って見た光景にホロウが代表でそう述べる。
彼の言う通り、浄水セクターのホールは床には書類などがばら撒かれ、壁には何かが攻撃したのだろういくつかヒビが出来ており、何かが暴れたのを示していた。
「こいつは調べ甲斐があるな。アイ、まずはアイダ博士がどこに立ち寄ったか分かるか?」
【それが、ここのIDの行動履歴にアクセスできません。施設の基幹制御システムに異常が起きているので異常を解決してシステムを正常な状態に戻さなければアイダ博士の行動を調べられません】
確認するW(翔太郎)にアイはそう返す。
「アイの力で正常に戻せないのかい?」
【それが……!?待ってください。コアエナジー反応が多数!接近しています!】
「うえ!?」
「どうやら、出迎えが来たみたいだな」
W(フィリップ)のに答えようとして放たれたアイの警告にウィスプが驚く中でディケイドは周りを見て呟く。
そんな彼の言葉を示す様にホールの様々な場所からウェットスーツを着て、背中に大きいモーターを背負った赤い目の半魚人が複数現れる。
「なんか出て来た!?」
「ハンギョモンだ!」
「その反応からしてまたデジモンって奴を模したヤミーか!?」
「ああ、その通りだ」
驚きの声をあげるウィスプの隣で言ったオーズのにホロウは確認してウヴァは肯定する。
その間にハンギョモン達はモリを構えてウィスプ達へと襲い掛かる。
それぞれ散開してハンギョモン達の襲撃を避けると各々に迎え撃つ。
「あぶなっ!?」
突き出されたモリを避けながらウィスプは咄嗟に掴み取ってハンギョモンを振り回して別のにぶつける。
少し離れた右側でクウガがドラゴンフォームとなって奪い取ったモリをドラゴンロッドに変えて迎え撃っている。
ジオウとゲイツはお互いに背中合わせとなって向かって来るのを切り裂いていく。
ウォズもジカンデスピア槍モードでモリを弾き飛ばした勢いでハンギョモン達を薙ぎ払い、ホロウはパラドクス魂を青い姿に変えてパズル型光弾でハンギョモンを倒して行く。
【フォームライド!アギト!ストーム!】
離れた場所でディケイドはその姿を左肩を青い鎧に変えた仮面ライダーアギトストームフォームに変えると専用武器のストームハルバードを手に取ってハンギョモンを迎え撃つ。
「これで吹き飛びな!」
ある程度纏まった所でWがサイクロンメモリの力で竜巻を起こし、巻き込んだハンギョモンを竜巻の勢いで壁へと叩きつけて行く。
「ふへぇ、いきなり過ぎだろ」
セルメダルが散らばる中でウィスプは息を吐き出し、ニックとラトプスにトラカンが慰める様に体をスリスリさせる。
「こりゃあ、さっさとシステムを戻してアイダ博士の情報を手に入れた方が良いな……」
【それなんですが……制御システムへのアクセス自体、出来なくなっているようです。制御室までのご案内なら出来ますが……】
「ここで立ち止まってても危険が来るのなら行っても変わんないか……」
呟いたW(翔太郎)のに言いかけていた事を告げるアイのにやれやれとW(フィリップ)はぼやく。
とにかく進むしかないとアイの案内の元、一同は進む。
途中、ロックされたゲートを開ける為にショッカー戦闘員やヤミーにハンギョモンなどと戦ったりしつつ、ゲートを開けて制御エリアへと足を踏み入れた。
「うわぁ、なんか不気味だな」
「おいおい、GSやってるならこれ位大丈夫だろ?」
制御エリアに足を踏み入れたウィスプは雰囲気と流れる警報のからそう呟いてディケイドにツッコミを入れられる。
「そりゃあ除霊ので暗い場所行きますけどそれとこれとは別ッスよ。後、俺はまだGS見習いッス」
「見習いでもプロでも変わらないだろ」
行くぞとウィスプの反論を蹴って進むディケイドになんだかなと思いながらウィスプも続く。
「しかし、壊さねえように気を付けねえといけないのが神経を使うな……」
「財団Xが関わってるなら、遠慮しない方が良いかもしれないけどな、中にヤバいのあったらそのままにしとくのはな……」
「そう言うのを壊すと言う意味では詳細を知ってからのが良いかもしれないけどね」
行く道中ので精密なパソコンなどが置かれてる場所でも現れる敵にぼやくホロウに返したW(翔太郎)にW(フィリップ)は呟く。
大体はパラドクス魂のステージセレクトで済んではいるが、ホロウ的にいちいち眼魂を抜き挿しがめんどくさいもんである。
そうこうしてる内にとても広い場所へと辿り着く。
【ここが制御室です】
「うわぁ、広いな……」
「こりゃまた酷い荒らされようだな……」
そう告げるアイにウィスプはその広さに感嘆し、オーズとWは荒らされように仮面の中で顔を顰める。
【大変です。基幹制御システムの制御ユニットがありません】
「それがアクセス出来ない原因か……」
「誰かが持ち去ったようだね」
その中で調べていたアイが報告し、W(フィリップ)とウォズが呟く。
「でも誰が何のために?」
「そりゃあ、俺達の様に調べに来た奴を妨害する為だろう」
首を傾げるジオウにホロウがそう言う。
【途中で制御ユニットを盗んだ犯人と思われる存在に出会っていないとするとまだ探していない部屋に隠れているのでは……?】
「調べてない部屋……見つけたカードキーで開けられていない部屋に隠れてる可能性があるのかな?となるとこの部屋に別のカードキーがあるのかな?」
「んじゃあこの辺りを手分けして探しますか」
推測を述べるアイにオーズは辺りを見渡し、ウィスプが提案した時……
ウキャキャキャキャキャ~~~~
「ひえ!?」
「なんだ!?」
突如響き渡った声にウィスプは飛び上がってクウガに飛びつき、ゲイツは警戒する。
「今の笑い声、どっかで……」
「!?ユウスケ、後ろだ!!」
ウィスプにくっ付かれたまま辺りを見渡そうとしたクウガはディケイドの警告に慌てて横に避ける。
直後、2人がいた場所を、何かが通り過ぎる。
それは、イモリの様な赤い怪人であった。
「!こいつはショッカーのイモリゲス!」
振り返った怪人、イモリゲスはオーズへ向けて口から舌を伸ばし、オーズは慌てて避ける。
パズル弾を放つホロウだが、イモリゲスは自身の体を液状化させて避ける。
「どこ行った?」
【!陰念!足元だ!】
探すホロウは心眼の言葉に咄嗟に後ろに避けると飛び出したイモリゲスの舌が胸を掠る。
「っ!?こいつの舌はとんでもねぇ熱さを持ってるのか……!?」
煙を少し出してる胸を抑えながらホロウは呻く。
不気味な笑い声を出しながら舌を振るうイモリゲスのを避けながらディケイドはディケイドライバーにカードをセットする。
【カメンライド!ブレイド!!】
【ターンアップ】
音声の後にディケイドの前に青いカードの壁が現れた後にディケイドがそれを潜るとかつてウィスプが出会ったルージが変身した仮面ライダーブレイドに変わる。
向かって来たイモリゲスの舌にDブレイドは出現したブレイラウザーを突き立てて地面に縛り付けた所でもう1回ディケイドライバーにカードをセットする。
【アタックライド!サンダー!!】
現れたカードの幻影がブレイラウザーに吸収されると稲妻が迸ってイモリゲスを苦しめる。
【ブレイド!】
【カリス!】
それを見てジオウとゲイツはライドウォッチを取り出してベゼルを回転させてジクウドライバーの左側にセットしてベルトを回転させる。
【【アーマータイム!】】
【ターンアップ!ブレイド!】
【チェンジ!カリス!】
2人の前にそれぞれのアーマーが現れた後にジオウはブレイドを模したアーマーを、ゲイツはカリスを模したアーマーを装着する。
「祝え!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を超え過去と未来をしろしめす時の王者!!その名も仮面ライダージオウ ブレイドアーマーである!!」
「貴様は世界を移動したらいちいちそれをやらんと気が済まんのか!?」
「え、こういうのを毎回してるの?」
「うん」
すぐさま祝辞を述べるウォズに叫ぶゲイツのを聞いて聞くウィスプにクウガは頷く。
「ゲイツ行くよ!」
「分かってる!」
ブレイラウザーを模した大剣とジカンギレードを手にしながら呼びかけるジオウにカリスアローを模した巨大弓を手にしながらゲイツも続く。
「おりゃあ!」
「はっ!」
ジカンギレードと稲妻を纏った大剣でジオウが切り裂いた後にゲイツの放った矢が突き刺さる。
このままではヤバいと感じたのかイモリゲスは液状化して逃げようとする。
「逃がさねえよ」
【アタックライド!ブリザード!】
【ブリザード!】
それを見てDブレイドはカードをセットすると熊が描かれたカードの幻影が現れてブレイラウザーに吸収された後にそのまま突き刺したままのイモリゲスの舌を伝って強烈な冷気がイモリゲスを凍らせる。
「今がチャンス!」
「さっさと決めさせて貰う!」
それを見てジオウは大剣に鞘へ収める様にジカンギレードを合体させ、ゲイツもジカンザックスゆみモードにかぶせるように巨大弓を合体させる。
【ライトニング!】
【スピニング!】
音声の後にお互いにベルトに付けていたブレイドライドウォッチとカリスライドウォッチをジカンギレードとジカンザックスへとセットする。
【フィニッシュタイム!!】
二度目の音声の後にジオウは稲妻を迸らせる大剣を構え、ゲイツはエネルギーを収束した巨大弓を構える。
【ブレイド!ライトニングギリギリスラッシュ!!】
【カリス!スピニングギワギワシュート!!】
「ウェェェェェェェェェイ!!!」
「はぁ!!」
回転しながら叩きつける様な一閃の後に風を纏った回転弾がイモリゲスを貫く。
ウキャキャキャキャキャ~~~~!?
連続で必殺技を受けたイモリゲスは火花を散らしながら断末魔をあげて爆発四散する。
「はぁ~マジビックリした」
「おい横島、そろそろ降りろよ」
まだクウガにくっ付いたままのウィスプにホロウは呆れながら指摘する。
あ、すいませんと謝りながら降りるウィスプにクウガは大丈夫と返す。
「しかし、なんでショッカーの戦闘員や怪人まで出て来るんだ?大ショッカーも絡んでいるのか?」
「いや、奴等は大ショッカーとは関係ないだろう」
「また新単語かよ、ってか関係ないってなんで断言できるんだ?」
ぼやくW(翔太郎)のをディケイドは否定してホロウの問いに答えようとし……
「ちっ、あの方にまた復活させて貰っておきながらこの体たらくとはな」
「!誰だ!?」
響き渡った声にクウガは叫んで天井から響いた音のに慌ててその場から飛び退るとクウガがいた場所に光線が着弾する。
誰もが天井を見上げると四本の腕を持った大きい目をギョロギョロさせた体が青いハエの怪人が飛んでいた。
「なんだあの怪人?」
「まるで女神転生に出るベルゼブブの様な怪人だな」
自分達を見下ろす怪人を見て呟くW(翔太郎)の後に考察したW(フィリップ)は慌てて飛んで来た光線を避ける。
「ベルゼブブだと!?俺様の名前はベルゼバブ様だ!!覚えて置け!!」
「ベルゼバブ!?それって香港で戦った!?」
「雪之丞の言ってた奴かこいつ!?」
怒気を放つ怪人の口から出た名にウィスプは驚き、ホロウもまた驚いて怪人、ベルゼバブを見る。
【マタドールに倒された奴も別の姿で蘇っているとは……どうなっているのだ?】
「あの方のお陰で、俺は蘇った。ガープ達から手に入れたのよりも素晴らしいこの力!ガープ達やあの骨の奴に復讐する前に、お前等を血祭りにあげてやる!!」
心眼が困惑する中でベルゼバブは咆哮すると分身し、さらにマスカレイドやショッカー戦闘員にガーディアンまでも現れる。
「こんな場所で大人数相手に戦ったらやべえ!」
【アーイセレクトッ!】
団体相手では部屋が闘いの余波で壊れると判断したホロウはすぐさまステージセレクト能力で場所を変え、採掘場のステージに戦いの場を移す。
「うわぁ、相手に有利そうな場所になった」
「愚痴を言うな!ランダムだから仕方ねえだろ!」
思わずぼやくウィスプにホロウは怒鳴り返す。
襲い掛かって来るベルゼバブの分身や兵士達を相手に、ディケイド達は応戦する。
向かって来る兵士達はともかく、その兵士達の攻撃の合間に割り込む様に攻撃をして来るベルゼバブの分身達にディケイドは舌打ちする。
「ちっ、うっとおしい事をしてくれるな!」
「ズルいぞ!分身ばかりに任せて高みから見物してるなんて!」
「戦いにズルいも卑怯もないんだよ!」
叫ぶジオウのにベルゼバブは見下して返す。
「たくっ、おいウィスプ!こいつを使え!」
埒が明かないとある程度をライドブッカーソードモードで薙ぎ払ってからウィスプへ向けて何かを投げ渡す。
慌ててそれをキャッチしたウィスプは見ると眼魂であった。
ただ、今までと違い、ウィスプから見て縦に色が付いており、左から緑、黄色、赤、青、ピンクのカラーリングで、眼魂正面の上部分に金、銀、紫、黒、白の小さい点、眼魂正面の下部分にオレンジ、水色、灰色の小さい点があると言う不思議な感じで、眼魂上部のナンバーは描かれておらず、フェイス部分にはVの字しかなく、下部分にはスーパーと刻まれている。
「え、なんすかこの珍妙な眼魂?」
「出発する前に八雲紫から渡された奴だ!使って見ろ!」
使って見ろって……どんなのか全然分からない眼魂にウィスプは不安がるが分身ベルゼバブをなんとか出来るならと眼魂のスイッチを押してからドライバーにセットする。
その際、ウィスプはドライバーに入れる直前に眼魂がカラフルな色合いから左右が白と黒で上部分が赤色に変化したのに気づかなかった。
【アーイ!!シッカリミナー!シッカリミナー!】
鳴り響く音声の後に飛び出したパーカーゴーストが虹色に光っていたのから赤くなるのに驚きながらレバーを引く。
【カイガン!デカレンジャー!緊急出動!スペシャルポリス!!】
パーカーゴーストを身に纏った後に両手に二丁拳銃、ディーマグナムが出現する。
「二丁拳銃?」
握られたディーマグナムを見て呟いた後にウィスプは向かって来た分身ベルゼバブの攻撃を受け止めると共に銃撃を浴びせる。
そのままショッカー戦闘員をディーマグナムで攻撃を入れてから蹴り飛ばして走りながら次々と撃ち抜いて行く。
「す、すげぇ、格闘戦をしながら射撃も軽々と出来る!」
ワルキューレに教わった銃を近接武器として扱った戦いが今セットした眼魂を通じて出来る事にウィスプは驚嘆しながら倒して行く。
その調子に勢いをつけて、クウガ達も倒すスピードを上げて行く。
それにベルゼバブは苛立った様子で憤慨する。
「くそぉ!さっさと強くなった俺の手で死ねよ!」
【ファイナルアタックライド!ディ・ディ・ディ・ディケイド!!】
「横島ばっかりに気を取られ過ぎだぜ」
後ろからの声に慌てて振り返るとカードのレールを通り抜けているディケイドが目に入る。
逃げようとするベルゼバブだがその前にディケイドの必殺技のディメンションキックに貫かれる。
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
そのままベルゼバブは爆発四散する。
「よっしゃ!」
「後はユニットを探すだけか」
それを見ながら分身ベルゼバブとガーディアン達を倒し終えたので喜ぶウィスプとふうと息を吐くホロウだがWだけは考える仕草をする。
「妙だね……」
「え?何かおかしい所ありました?」
「あれ?言われてみれば……あいつがこの世界のベルゼバブなら……本体が倒されたら分身も一緒に消える筈だよな……」
呟いた事にウィスプは聞いてからクウガのを聞いて戦ってる中でディケイドによって本体と思われるベルゼバブが倒されたのに分身ベルゼバブが消える感じはなかったのを思い出す。
「もしかして……さっきの奴も分身?」
「ありえそうだな。奴の事だ。俺達を消耗させて、美味しい所を自分で貰うつもりなんだろう」
ジオウの呟きにディケイドがそう言う。
【先ほどのベルゼバブと同じ反応を見つけました。まだ行ってない部屋の中にいます」
「なら、決まりだな」
「ああ、本物をぶっ飛ばしてやろうじゃねえか」
W(翔太郎)のにホロウも続いた後にベルゼバブの捜索を開始するのであった。
ブレイラウザーZ
外見:ブレイラウザーのカードケース部分をジカンギレードを収める形に変更した剣
概要
ブレイドアーマー専用武器。
仮面ライダーブレイドのブレイラウザーを模している。
ジカンギレードと合体させる事でラウザーギレードになる。
単体でも必殺技を放つ事が出来る。
カリスアローG
外見:カリスアローのカリスラウザーを合体させる所をジカンザックスに変更している。
概要
カリスアーマー専用武器。
仮面ライダーカリスのカリスアローを模している。
ジカンザックスと合体させる事でアローザックスになる。
単体でも必殺技を放つことが出来る。
スーパー戦隊眼魂
形状:縦に色が付いており、左から緑、黄色、赤、青、ピンクのカラーリングで、眼魂正面の上部分に金、銀、紫、黒、白の小さい点、眼魂正面の下部分にオレンジ、水色、灰色の小さい点があると言う不思議な感じで、眼魂上部のナンバーは描かれておらず、フェイス部分にはVの字しかなく、下部分にはスーパーと刻まれたゴースト眼魂
概要
スーパー戦隊の力が籠った眼魂。
状況に応じて様々なスーパー戦隊の眼魂に変わる。
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第4のレポート:駆け付ける大地と命燃やす者
苦戦するビルドに新たな戦士が駆け付けた。
ビルド達が戦っている頃、セーレは人気のない所を走っていた。
「くそぉ、レイの奴に何時の間にか変なのが憑いてるのをガープに教えなきゃならないのに、なんで使えないんだよ」
苛立った顔で毒づいたセーレは必死に走る。
その足が止まったのは、自分の進む先を妨害するのが現れたからだ。
黒いフードコードで身を包んで全身を隠した存在にセーレは気味の悪さを感じる。
「なんだよお前!こっちは急いでるんだ……」
ぞ……と突っかかったセーレは腹にパンチを受けてかはっと息を吐き出した所で今度は頭を叩きつけられる。
「げぼ!?ごは!?」
不意だった事でマトモに受け身を取れずに地面に叩きつけられたセーレはそのまま何度も殴られたり、壁に叩きつけられる。
こんな大事を起こしているのなら誰かが来てもおかしくないのに来ない事にセーレは自分は何時の間にか何者かの用意した狩場に誘い込まれたと考える間もなくボロボロの状態で吊り上げられる。
「あが、あ……」
意識が朦朧としているセーレに存在は顔の部分から何か管の様なを伸ばしてセーレの額に引っ付かせる。
「が、あああああああああああああああああ!?」
直後、引っ付いた管が光り始めるとセーレは絶叫する。
「や、止め!俺の力とき、記憶がぁぁぁぁぁぁ!?」
うるさいとばかりに空いてる左腕でセーレの右腕から嫌な音が出る程握りしめる。
そのままセーレは先ほど見た記憶が力と共に吸われて行く。
「あ、あぁ……」
そのまま自分はどうしてここにいるんだと言う程記憶と力を奪われてセーレはひっそりと消えそうになりかけた時……
バチッ!!
「!?」
セーレを掴んでいた存在の腕と管に銃弾が命中し、セーレは解放されると共に何かによってその場から消える。
「これ以上私の脚本に土足で踏み入るのは止めて貰おうか転生者よ」
そう言って現れたのはフォーティスで紅いディエンドライバーの銃口を存在へと向けて怒気を放っている。
存在は要は済ませたとばかりに壁を蹴ってその場から逃げ去って行く。
「ちっ、今になってこうも異物が入り込むとは……!?」
舌打ちした後にフォーティスは体に衝撃の様な感覚が走る。
ー我の邪魔をするな……邪魔をしなければ貴様の野望の邪魔はせんー
そんな言葉が脳内に響いた後にフォーティスは膝をつく。
バキッ!!
暫くして紅いディエンドライバーを持っていない右手を握り締めて、壁にヒビが入る程の力で殴りつける。
「どいつもこいつも!人のやろうとしてる最中に踏み入って、許さんぞ!!」
怒りの咆哮をあげた後に忌々しそうにその場から消える。
☆
量産型レブナントの5体はレブナントと対峙する3号を除いた4人のライダーに襲い掛かる。
黄緑色のパーカーゴーストを身に纏ったソニックソルジャーは空を舞いながらアグルと空中戦を繰り広げ、赤色のパーカーゴーストを身に纏ったブレードソルジャーとエースは剣をぶつけ合わせる。
緑色のパーカーゴーストを身に纏ったスナイプソルジャーはファントムコールダーの先にガンバレルを展開して移動しながら拡散や溜め打ちなどを同じモーションでしつつ、攻撃の軌道を変えたりしながらの射撃でクローズを近づかせずに攻撃し、水色のパーカーゴーストを身に纏ったガイアソルジャーと茶色のパーカーゴーストを纏ったディフェンドソルジャーは2人がかりでビルドを攻める。
アグルやエースは苦戦した様子はなく、クローズも攻撃を避けたり防いでいるだけで攻めあぐねてるだけだがビルドは違った。
「ぐあ!?」
攻撃しようとすればディフェンドソルジャーのバリアに守られてしまい、その防御の後にガイアソルジャーが殴りかかって攻撃してくるのだ。
「くそ、めんどくさい相手だな」
自分の攻撃が悉く防がれている事にビルドは呻く。
ボトルを変えようにもそうはさせないとガイアソルジャーが攻撃を仕掛けて来るので変える暇がないのだ。
美神達も援護しようとしたのだが、量産型レブナントは美神達の攻撃に微動だにせず、しかも見向きもしない。
自分達は敵ですらないと言わんばかりの量産型レブナント達に美神達は苦い顔をして見てるしかなかった。
「こんな苦い思いをマタドール以外にする時が来るとはね」
「美神さん」
ギュっと悔し気に手を握り締める美神は仮面ライダー達の戦いを見るしかない自分に自己嫌悪する。
(ホントに私は馬鹿だ!戦う術ばかりに目を向けて弱体化対策に全然目を向けていなかった!ガープが東京に隕石を落とそうとした時だって制限をかけられていた事に気づきもしなかった!私は!)
顔を歪める上司に蛍もまた悔しそうにライダー達、特にビルドを見る。
そんな中で唯一悔しくしておらず、難しい顔をしていた輝夜はある事に気づく。
「あれ?紫の姿がないんだけど、どこ行ったのあいつ?」
「え?」
言われて蛍は気づく。
今のこの場に八雲紫の姿が全然見当たらないのだ。
襲撃のに気づく前は確かにいた筈だった。
美神達が八雲紫を探してるその間もビルドは押されており、ドリルクラッシャーガンモードで攻撃するがやはりディフェンドソルジャーに防がれる。
「おいおいどうした戦兎ぉ?かつての世界で万丈の彼女や仲間となった者の仲間を殺した時の様な勢いはどうした?そんな奴等なんてお前なら簡単に倒せるだろぉ?」
そんなビルドに3号とぶつかり合いを続けていたレブナントが言う。
おちょくる様な軽い感じでかけられた言葉に美神達は目を見開く。
「おいてめぇ!戦兎の気持ちを考えねえで言ってんじゃねえよ!!」
「そうは言うが殺した事は事実だろ?理由を付けようと、人を殺した事実は消えないのだからな」
それにスナイプソルジャーの攻撃を避けていたクローズが怒鳴るがレブナントは3号の攻撃を防ぎながらそう返す。
美神達が驚きを隠せない中で蛍はショックを受けていた。
この襲撃の前、蛍は戦兎が横島の事を分かった風に見えたので思わず怒り叫んでいた。
だが、蓋を開ければ彼は理由はどうあれ、命を奪ったと言う事で言えば自分よりはるかに横島を分かっていた。
戦兎を責めたのもそうだが、蛍――いやルシオラは横島をおいていった側の人間だ。
別離の苦しみと悲しみは分かっても残される者の苦しみも、悲しみも理解出来ていない。
(何が『あの時の横島の気持ちの何が分かるのよ!?』よ!私の方が全然分かってなくて最低じゃない!!)
顔を青ざめて自分を責め立てる蛍は戦うビルドを見る。
そんなビルドはガイアソルジャーの攻撃を避けながらレブナントへ返す。
「確かに俺は万丈の恋人の命も、カズミンの仲間の命を奪った事も世界を作り直したからって消える訳じゃないのは分かってるさ。お前に言われなくても背負っていく覚悟はもう出来てる!」
「はっ、やっぱお前は変わんないな」
楽し気に笑うレブナントにお前の方もなと返しながらビルドは必死に避ける。
状況が好転もしていない状況にどうすればと美神が思った時……
「バクフーン!かえんほうしゃ!!」
声と共にガイアソルジャーに向けて炎が放たれ、慌ててビルドは離れた後にガイアソルジャーは炎を浴びて火花を散らす。
誰もが飛んで来た方を見ると大人の人間サイズのヤマアラシを従えた少年がいた。
「ケンタ!あなたも来てたの!?」
「え?知り合い?」
そんな少年を見て声をあげた輝夜に美神は聞く。
「ええ!知り合いのポケモントレーナーよ」
「ポケモントレーナー?」
「その声、ってかなんでそんな変装をしてるんだ?」
楽し気に言う輝夜の口から出た単語に呟く蛍の後にケンタと呼ばれた少年は輝夜を見て目をパチクリさせる。
声で気づいたがなぜ変装という感じのケンタに輝夜は苦笑する。
「おい戦兎!ゲームの主人公にバクフーンだぞ!生のバクフーン!!」
「興奮してる場合じゃないだろ!と言うかポケモントレーナーとも知り合ってたのか?」
現れたケンタにクローズは興奮し、ビルドは戸惑ってみる中、突如飛んできたのが量産型レブナントを攻撃して行く。
攻撃しているのがパーカーゴーストで、それもかつて出会ったタケルたちの世界のパーカーゴースト達に美神達は驚く。
「あのパーカーゴースト、タケルくん達の!?」
「知ってるの?」
「ええ、もしかして……」
「そのもしかして、ですよ。蛍さん」
問うマルタのに答えた蛍へと肯定する様にその人物は現れた。
あの時と変わりない姿を見せた青年、天空寺タケルにおキヌは叫ぶ。
「タケルさん!」
「お久しぶりです美神さん、蛍さん。おキヌさんもあの後蘇ったんですね。それと久しぶりです戦兎さん、万丈さん」
「ああ、あの時以来だなタケル!」
「また会えるとはな」
笑ってからタケルは真剣な顔である物を取り出す。
それは美神達はかつて見たタケル達の15の英雄達が合体して現れた巨大な眼魂の様な赤い巨大な眼魂であった。
巨大な眼魂をタケルは腰に当ててベルトとして装着する。
【真・平成ライダー!!】
響き渡る音声の後にタケルは左側のスイッチを押す。
【ガッチリミナー!コッチニキナー!】
次の音声が鳴り響く中でタケルは一定の動作を取った後に右腕を静かに降ろし…
「変身!」
気合の声と共に再度スイッチを押す。
【真!平成カイガン!!】
音声が響き渡った後に20体のパーカーゴーストが飛び出してタケルの周囲を飛び、タケルの姿はかつて横島が変身したライダークレストがない平成魂へと変わる。
【クウガアギト龍騎!ファイズブレイド響鬼!カブト!電王!キバ!!ディケイド・W・オーズ!フォーゼウィザード鎧武!ドライブゴーストエグゼイド!ビルド!ジオウ!!真!ヘ・イ・セ・イ・ライダーズ!!】
音声と共にパーカーゴースト達は次々とライダークレストに変化してタケルの体の各部に同化して行く。
最後にゴーストパーカーゴーストが胸の中央に同化した後に1本角と平を象ったフロントブレードが追加されると共に赤い複眼が輝く。
その姿はまさに前に横島が変身した平成魂だが、違いとしては胸のゴーストのライダークレストを逆三角形で囲む様に新たなライダークレストが3つ付いている事だ。
「あれって、平成魂?」
「けど、微妙に横島が変身したのと違いますね」
「へへ、俺も行くぜ」
タケルの変身したゴーストの姿に美神と蛍は思い出して呟く中でケンタは仮面ライダーギルスのベルト、アンクポイントを赤く染めた感じのベルト、ガイアポイントを装着し、エスプレンダーを構える。
「KAMENRIDE!!」
叫んだ後にエスプレンダーをガイアポイントに装填する。
【ライダーアップ!!】
音声の後にケンタは赤い光に包まれ、光が弾け飛ぶとウルトラマンガイアV2に肩アーマーを丸く、ガイアV2の様に胸部分に黒いラインが入った龍騎サバイブの体アーマーを装着し、腕にライフゲージの様な装飾が付いた腕アーマーを装着し、足にガイアの胸のガイアブレスターを模したレッグアーマーを装着した仮面ライダーへと変わる。
「出ました!仮面ライダーガイア!」
「ガイア……」
「大地の女神と同じ名前を持った……戦士」
ゴーストと並び立つガイアに誰もが見るなかで2人は気合を入れる。
「命!燃やすぜ!」
「ガンガン行くぜ!!」
駆け出し、ビルドと対峙していたガイアソルジャーをガイアが、ディフェンドソルジャーにゴーストが対峙する。
「今ならいける!!」
それにより自由に行動できる時間が出来たのでビルドは懐から大きいボトル缶の様なアイテム、ジーニアスフルボトルを取り出すとボタンを押してキャップを捻り、ドライバーに装填する。
【グレート!オールイエイ!ジーニアス!】
音声が鳴り響いた後にそのままレバーを回す。
【イエイ!イエイ!イエイ!イエイ!』
2種類の音声が鳴り響く中でビルドの下から巨大なステージ型のスナップライドビルダー『プラントライドビルダーGN』が出現し、ビルドの周りにフルボトルが生成されていく。
【アーユーレディ?】
「ビルドアップ!」
問われた事に咆哮すると黄金のビルドマークがビルドに重なると同時に白いビルドとなり……
【完全無欠のボトルヤロー!】
その後コンベア上を流れる無数のフルボトルがビルドの様々な所に刺さって行く。
【ビルドジーニアス!スゲーイ!モノスゲーイ!】
「す、凄いわ~美神ちゃん~さっきの凄い派手だったわ~」
「……つくづくライダーの変身ッて音声とか濃すぎない?」
「ですね……」
白いビルドを見てはしゃぐ冥子の隣で美神は疲れた顔で呟き、蛍も同意する。
「ぬおぉぉぉ!俺だって!」
それに釣られたクローズがビートクローザーをスナイプソルジャーに向けて投擲し、気を引かせた後に赤いブラスナックルを模したのを取り出すとそれにオレンジ色のフルボトル、ドラゴンマグマフルボトルをセットする。
【ボトルバーン!】
ドライバーにセットするとナックル部分が中央から開き、挿したドラゴンマグマフルボトルが露わになる。
【クローズマグマ!】
クローズがレバーを回すとナックルに形状が似た坩堝型のマグマライドビルダーが背後に出現する。
【Are you ready?】
「こいや!!!」
咆哮と共にマグマライドビルダーの中で煮え滾る大量のヴァリアブルマグマがクローズの頭上からぶちまけられる。
それに美神達がギョッ!?とする中でクローズの足元からヤマタノオロチのように八頭の龍が伸び上がり、冷めると……
「おらあ!!」
マグマライドビルダーがぶつかってクローズの表面を覆っていたヴァリアブルマグマを壊すと中から頭部以外に胸部、両腕、両脚、両肩に龍の頭部の意匠が追加された溶岩を想起させるメタリックブラックの装甲にオレンジのライダースーツが際立つ姿となったクローズが現れる。
【極熱筋肉!クローズマグマ!アーチャチャチャチャチャ チャチャチャチャアチャー!】
「迸るぜ!!」
「……あ、暑苦しい;」
「凄く、暑苦しい音声でしたね;」
気合の方向をあげるクローズもといクローズマグマに美神は思わず顔を仰ぎ、蛍も凄く同意する。
(くく、戦兎がフリーになったな。これで
そんな美神達はレブナント、いやエボルトが仮面の中でほくそ笑んでいるとは思っていなかった。
仮面ライダーゴースト 真平成魂
外見:平成魂に胸のゴーストのライダークレストを囲む様に逆三角形を描く様に時計回りにエグゼイド、ビルド、ジオウのライダークレストが追加されている。
概要
タケルがアイコンドライバーRを使い、変身した姿。
見てわかる様に平成魂にエグゼイド、ビルド、ジオウのも加わっている。
グレイトフル魂の様に平成ライダーを呼び出す事が出来る。
必殺技は自身も加えた20の平成ライダーの力を借りたライダーキック『オメガドライブ 真ヘイセイ』
アイコンドライバーR
外見:アイコンドライバーGの金色の部分を赤色に変更している。
概要
平成ライダーの力が内包された巨大な眼魂型変身ベルト。
Rはライダー(RIDER)とレッド(RED)の頭文字も兼ねている。
アイコンドライバーGと同じ変身プロセスを踏む事で真平成魂になれる。
次回、第13の章:怒る重力の欲望王
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第13の章:怒る重力の欲望王
追いかける先で待っているのは……
制御ユニットと共に本物のベルゼバブを探し始めたウィスプ達。
新たなカードキーを見つけ、それに対応した扉の元へ向かっているのだが……
「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!ウザッてぇぇぇぇぇぇェェェェ!!!」
苛立ち気にホロウがメンバーを代表して叫ぶ。
他のメンバーもうんざりした様子で歩いている。
「なんだよあいつ!!分身を沢山出しすぎだろ!!」
「ホント、挑発も入れて来るから凄いめんどくさいね」
「ウザすぎにも程がある」
うがーとなるホロウにジオウとゲイツも同意する。
そう、戦闘員以外にW達の体力を減らそうと分身を何体も送り出しているのだ。
その際に場所によってホロウが何回もステージセレクトをする羽目になり、それにより苛立ちも他のメンバーより強い。
「横島君は大丈夫かい?」
「あ、はい。大丈夫です」
声をかけたオーズにウィスプは頷く。
デカレンジャー魂となってからウィスプは銃を近接武器として扱う感覚を掴む為にそのままで戦っていた。
そんなウィスプの様子にオーズは肩を叩く。
「あんまり肩に力を入れ過ぎなくて良いんだよ横島君」
「え」
そう言われてウィスプはキョトンとなる。
「俺達もいるんだからさ、1人気張らなくても良いんだ。俺も人の事言えない時あるけど、他の人を頼るのも大事だよ。ライダーは助け合いだからね」
「俺、そんな風に1人で突っ走りかけてる感じに見えました?」
「確かに、俺から見てもお前は気張り過ぎだな。そういう1人でやらなきゃいけねぇ状況が多かったんだな」
困った様に聞いたウィスプはW(翔太郎)のにはい……と肯定する。
マタドール然り、蘆屋然り、ガープなどなど……美神達には厳しい状況が多かった。
それによりウィスプもとい横島が頑張らなければならなかった。
必然的に彼自身が前に出なければならない状況が多々あった。
(やはり、原作と違ってこの世界の敵の実力は美神令子達よりはるかに跳ね上がっている……故に横島の急激な成長が起こってしまっている感じか……)
そんなウィスプを見ながらW(フィリップ)は地球の本棚から大体の彼の歩んだ経緯を調べていただけに内心そう考える。
(故に美神達はその急成長について行けずに置いてけぼりになってしまっている……こうなると荒療治でもしない限り、彼女達は横島に永遠に追いつけなくなって背中しか見ていられなくなる……)
「どうしたフィリップ?疲れが出たのか?」
ふうと息を吐くW(フィリップ)にW(翔太郎)が声をかける。
「いやなに、君の警戒心の少なさに呆れてるだけだよ」
「おいおい、またそれかよ。いい加減にしろよお前」
考えていた事を悟られない様に誤魔化すW(フィリップ)にW(翔太郎)は少し怒る。
【そろそろ開けなかった部屋の前です】
そんなメンバーへとアイが告げる。
「んじゃあ早速……」
「待て、相手が相手だ。開けた瞬間に不意打ちを仕掛けてくる可能性もある」
扉の前に立とうとするウィスプをディケイドが止める。
「んじゃあどうするんだ?」
「やっぱドアの左右に立って飛んで来るだろう攻撃を避けてから突撃とかじゃないか」
「飛び込んだ瞬間に陰念君のステージに引きずり込むのが良いだろうね」
ホロウのにクウガとウォズがそう提案する。
「なら決まりだな」
「ようし行こう!」
早速扉の左右の壁に立ち、Wがカードキーを翳して扉を開ける。
開いた瞬間、光弾が通り過ぎ、次のを撃たれる前に全員が部屋に飛び込み……
【アーイセレクトッ!】
すぐさまステージへと部屋にいる者全員を飛ばす。
廃工場のような場所で改めて自分達以外に引きずり込んだ相手を見る。
「ちぃ!味な真似をしてくれるな!」
そこにいたのはやはりベルゼバブなのだが……今まで見た分身と違う所があった。
まずは四本の腕、その腕は頑丈な鎧の様なごつい腕となっている。
次に足が強靭な鎧に包まれた感じになっており、強く踏ん張れそうだ。
「あれ?分身と違う」
「確かに腕や足がごつくなってるな」
「!?これは!」
「どうしたのウヴァ?」
その姿にウィスプとホロウが首を傾げる中、ウヴァが何かに気づく。
「オーズ!奴の体から、メダルの気配だ!」
「なんだって!?」
「ほう、メダルとはこの力の事……か!」
そう言ってベルゼバブは右足を振り上げて、強く踏みしめる。
次の瞬間、ウィスプ達に強烈なGが遅いかかり、誰もが地面に這いつくばる。
「ぐあ!?」
「こ、これは!?」
「先ほどの彼女の発言からして、重量系グリードの、ガメルの力か!」
「はははは!あのお方に授けられた力は良いぞ!これでもくらえ!!」
続けて両腕を叩きつけると全員が吹き飛ばされて壁や配置された物へとぶつかる。
ベルゼバブは今度は自分の方へと引き寄せると次々と殴り付けてから、浮かばせた物をウィスプ達へとぶつけて行く。
「ぐは!?」
「がっ!?」
「ニャン!?」
「アオン!?」
地面に倒れるウィスプ達にベルゼバブは興奮する。
「ふはははははははは!!凄いぞ!この力さえあれば俺を馬鹿にした者達も!俺を殺した憎い奴を殺せるんだからな!!」
ギリッ!!
その言葉を聞いた瞬間、倒れていたオーズは右手を握り締める。
「……けるな」
「あ?」
重力で押さえつけられた中でオーズはよろめきながら立ち上がり……
「ふざけるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
咆哮する。
迸る咆哮にベルゼバブはビクッと震えると共に重力を思わず解除してしまい……
「おおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
ぐしゃ!!
咆哮しながら接近したオーズの右腕がベルゼバブの体に突き刺さる。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
絶叫するベルゼバブをオーズは右腕を引き抜いた後に蹴り飛ばす。
「げほ!て、てめがぁぁぁぁぁぁぁ!?」
血を吐き出してから怒鳴ろうとしたベルゼバブの両腕と両足の装甲が弾け飛ぶ。
突然の事にベルゼバブは戸惑った後に自身の体の中にある物がない事に気づいてオーズを見る。
オーズの開いた右手の中には……9枚の重量系コアメダルが握られていた。
「俺の知るガメルは……純粋で誰かの為に頑張れる優しい子なんだ。他の人が嬉しいのなら喜んで、誰かが悲しんでるならそれに寄り添おうとする。あの子の力は、お前の自分勝手な欲望に使って良い物じゃないんだ!!!」
「ひい!?」
怒りの声に怯えるベルゼバブをみつえ、オーズは9枚のメダルの中で3つのメダルを取る。
すると3つのメダルは光を発し、縁が黒から金色に染まり、絵の色がメタリックシルバーになる。
「力を使わして貰うよ。ガメル!」
変化した3つのメダルをオーズドライバーにセットし、オースキャナーでスキャンする。
キィンキィンキィン!
【サイ!ゴリラ!ゾウ!】
【サ・ゴーゾ……サ・ゴーゾォッ!グ~ラ~ビティ~!!】
歌の後、3つのメダルの絵柄が1つとなってオーズに張り付くとオーズの姿が変わる。
本来ならば重力系のサゴーゾコンボなのだが、その姿は変貌していた。
まず、頭のサイヘッドの角部分が巨大化して上ではなく斜め前に伸びていて、腕のゴリラアームの両腕に装着されたゴリバゴーンがガメルの左腕の様な2連装の大砲が混ざった形状へと変わり、足のゾウレッグはガメルの足の様な屈強な装甲で覆われていた。
銀色の装甲は、その輝きをさらに強めていた。
「おおおおおおおおおおおおおおお!!!」
力強く咆哮するオーズに誰もが圧倒される。
【え、映司さんの力が凄く増大しています!?】
「あれは……メダルが進化した?」
「す、すげぇ」
自分達の前に佇む隙間から入り込んだ光を浴びて輝く銀色のオーズに誰もが目を奪われる中でベルゼバブは先ほどから一転して怯えた様子で後ずさる。
「ひぃ!来るな!来るな!!」
逃げようとするベルゼバブにオーズは右足を強く振り上げ……
ドン!!!
力強く踏み付ける。
「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
それにより発生した重力場がベルゼバブを押さえつけて地面に縛り付ける。
続けざまにオーズは左拳を握り締めて自分の方へ引くとベルゼバブは引っ張られる様にオーズへと引き寄せられる。
「たあ!!」
引き寄せたベルゼバブに右拳によるパンチを叩き込むと同時に2連装の大砲から衝撃波がベルゼバブを吹き飛ばす。
げはっ!?と息を吐き出すベルゼバブへとオーズはゆっくり近づく。
「来るな来るな来るな!!!!」
怯えた顔で光弾を我武者羅に放つベルゼバブにオーズはドラミングを行うと目の前に展開された重力のバリアが光弾を弾き飛ばし、跳ね返された光弾をベルゼバブは浴びる。
「はっ!たっ!!」
追撃とばかりに両腕を突き出すとゴリバゴーンがロケットパンチの要領で飛び出してベルゼバブを攻撃して行く。
「これで決める!」
戻って来たゴリバゴーンを装着し直した後にオースキャナーでメダルを再スキャンする。
キィンキィンキィン!!
【スキャニングチャージ!!】
音声の後に両腕で地面を強く叩き、発生した重力でベルゼバブを拘束する。
オーズは高く飛び上がると1回転してからゴリバゴーンを飛ばし、展開された3つの銀色のリングを重力を操って自身を加速させると共に通り抜け……
「セイヤーーーー!!!」
飛ばしたゴリバゴーンを踏み付ける形での両足蹴りでベルゼバブを貫いた
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
ドカァァァァァァァァン!!!
断末魔をあげながらベルゼバブは爆発四散する。
着地したオーズはゴリバゴーンを再装着する。
「ふう……」
「映司さん!大丈夫ですか?」
息を吐いたオーズへとウィスプは声をかける。
「うん、大丈夫だよ。あ、横島君。後でサゴーゾの眼魂を作るよ。重力を操るから君の助けになると思うよ」
「おお!それなら、荷物運びが楽になりそうっスね!」
【それで良いのか?】
そう言うオーズにウィスプは喜ぶがその使い方に心眼は呆れるがオーズは良いの良いのと笑う。
「俺の世界の初代オーズやガメルもそう言う使い方もありだって言いそうだしね」
「古代にも仮面ライダーいたのかよ」
「仮面ライダーの称号は後から付けられたりするからね」
呆れるホロウにW(フィリップ)はそう返す。
「さてと……とりあえず制御ユニットを元に戻すか」
「あ、それじゃあ横島君。サゴーゾを実際に使ってみようか」
そう言ってオーズは今入れてるメダルを抜いて普通のサイメダル、ゴリラメダル、ゾウメダルをカテドラルに入れてスキャンする。
キィンキィンキィン!
【サイ!ゴリラ!ゾウ!】
【サ・ゴーゾ……サ・ゴーゾォッ!】
音声の後に通常のサゴーゾコンボとなる。
直後、残った三枚がオーズの手から離れて浮かび上がる。
「なんだ!?」
「メダルが勝手に!?」
「これは……」
誰もが突然の現象に驚く中、ベルゼバブからコアメダルが抜けた際に装甲だった散らばっていたセルメダルも浮かび上がって3枚のコアメダルを包み込む。
やがてメダルは光を発し……
「パオオン」
1体の小動物になる。
それは見た目はサイとゾウを混ぜた様な顔で三本角が輝き、腕がゴリラの様になっていて、足はゾウの様に太い。
「ど、動物になった!?」
「グリードになった?いや、少し違うな……この世界の影響を受けたのか?」
驚くジオウの後にウヴァは興味深そうにその小動物を見る。
小動物は自分を見るオーズ達を見た後にウィスプを見て、小さい尻尾をピコピコ振って足に擦り寄る。
「…………もう、俺には無理だ(バタッ)」
「いんねぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!?しっかりしろ!!」
「これは駄目だね。この先の展開を予想して意識がない」
キャパオーバーで倒れるホロウにゲイツが抱き起こし、ウォズがそう言う。
「パオオン♪」
「おお、人懐っこいなこいつ」
「ガメルの様に無邪気な感じだね」
そんな3人を後目にウィスプとオーズは小動物と戯れるのであった。
デビルバエ
外見:女神転生に出るベルゼブブの体型を人に近づけた感じの怪人
概要
ベルゼバブが何者かの手により復活した際に手を加えられた姿。
分身能力の他に目から光弾や重量系コアメダルを入れられた事での重力操作が出来ていた。
復活させられた際に弄られて傲慢で強気になっていたがオーズによりメダルを抜かれ、その強さに怯えて消滅する。
仮面ライダーオーズ サゴーゾコンボグラビティ
外見:頭のサイヘッドの角部分が巨大化して上ではなく斜め前に伸びていて、腕のゴリラアームの両腕に装着されたゴリバゴーンがガメルの左腕の様な2連装の大砲が混ざった形状へと変わり、足のゾウレッグはガメルの足の様な屈強な装甲で覆われたサゴーゾコンボ
概要
映司の強き欲望によりコアエナジー製のコアメダルが変貌したサイ・グラビティ、ゴリラ・グラビティ、ゾウ・グラビティのグラビティメダルを使用して変身したコンボ。
メダルも通常のコアメダルの様に縁が金色になり、絵柄の色が銀色に統一されている。
通常のサゴーゾよりも攻撃力も防御力が上がっていて、重力も強くかけられる様になっている。
腕のグラビゴーンは砲門から衝撃波を放つ事でき、ゴリバゴーンの様に発射する事が出来る。
必殺技は重力で相手を拘束してから高く飛び上がってからの1回転をしてゴリバゴーンを飛ばし、展開された3つの銀色のリングを重力を操って加速させると共に飛ばしたゴリバゴーンを踏み付ける形で繰り出す両足蹴り【サゴーゾグラビティインパクト】
次回、第14の章:新たな情報と新たなエリア
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第14の章:新たな情報と新たなエリア
その中で逃せない情報を見つけた。
第14の章:新たな情報と新たなエリア
【カイガン!オーズ!】
【メダル奪った!サイ!ゴリラ!ゾウ!】
ちょっとした騒動の後、ウィスプは早速サゴーゾコンボのオーズ眼魂を貰い、サゴーゾコンボを模した新たなオーズ魂になった後に制御ユニットを持ち上げる。
「おお、軽い軽い!試しに重力ので軽くしてみたけどホント荷物運びに便利だな」
【いや、もうちょい、戦闘に役立てる事を……ま、良いか】
「パオパオーン♪」
「ニャニャーン♪」
「アオオン♪」
ートラ―
制御ユニットを運びながら楽し気に言うウィスプの周りを小動物達が楽し気に歩く。
「賑やかになったね~」
「確かに俺とフィリップだけだったのが何時の間にか大所帯になったな」
「大所帯になり過ぎにも見えるけどね」
呑気に言うオーズと相方にW(フィリップ)は呆れた声で言う。
「うう、俺は悪くない。悪くないんだ……」
「うわぁ、凄い魘されてるよ……;」
「彼は苦労してるんだね……原作だと出番少な目だったのに」
「おい、メタイ事を言ってやるな!」
後ろでゲイツに背負われたホロウの魘されている様子にジオウは呟き、ウォズのしみじみとしたのにゲイツはツッコミを入れる。
「やれやれ、呑気過ぎだろ」
「まぁ、さっきまでのを考えたらこういう時間も良いんじゃないか?」
肩を竦めるディケイドにクウガは苦笑した感じで返す。
暫くして制御室まで戻り、ウィスプはアイの指定した箇所に制御ユニットをセットする。
その間にホロウも意識を取り戻す。
【制御システム、復旧しました】
「よし、これで次の行き先を決められるな」
「ただ、これから先もベルゼバブの様な敵が出てくる可能性を考えると、今後も危機に陥るかもしれないから用心した方が良いよ翔太郎」
報告するアイのを聞いて手をパンとさせるW(翔太郎)にW(フィリップ)は注意する。
「んなこたぁ分かってるさ。アイ、アイダ博士の事で何かわかったか?」
【はい、アクセスして調べてみた所、アイダ博士の行動履歴を見つけました。パソコンが沢山並べられた部屋の中の1つの端末を操作した形跡があります】
「あの部屋か……んじゃあさっさと調べようぜ」
確認するW(翔太郎)へと報告したアイのを聞いてホロウは呟いてから一同は目的の部屋へと移動する。
部屋に着いたアイは1台のパソコンの前に浮かぶ。
【この端末ですね。アクセスします……】
そう言ってパソコンを起動して、履歴をチェックして行く。
【ちょうどアイダ博士が操作している時間に、追加された画像がありますね】
画像を出しますと言ってアイはその画像を表示する。
映し出されたのは、紫色のプテラノドン、トリケラトプス、ティラノサウルスが描かれた3枚のコアメダルであった。
「これってコアメダルっスよね?」
「うん!プテラ、トリケラ、ティラノ……恐竜のコアメダルだよ!」
「まさかギルのメダルまで作り上げてるとはな……」
驚いて声をあげるオーズの後にウヴァはしかめっ面で呟く。
「このメダルも強いのか?」
「ああ、下手すれば他のメダルを壊しちまえる程の強さを秘めてるからな」
「だったら早く回収した方が良いよね!さっきのベルゼバブの様に利用されたら危ないじゃん!アイ、恐竜メダルがどこにあるか分かる?」
確認するホロウのに答えたウヴァのにジオウはアイへと確認を取る。
【画像データに保存されているGPSタグによると……この浄水セクター内、下水道エリアの最深部です】
「下水道だと……?アイダ博士はこの島の秘密を調べ回ってた事か?それも事故の前から……?」
「それならいろんな所に行ってるのも納得がいくな!じゃあアイ、早速下水道エリアへ案内してくれよ」
報告するアイのを聞いて口に手を当てて呟くW(翔太郎)の後にクウガがお願いする。
【それが、下水道へ行くにはまだセキュリティレベルが高く、ゲートがロックされています。行けるので残るエリアは浄水施設エリアですね】
「ふむ、そうなるとそこにいるだろう怪人を倒し、セキュリティレベルを下げなければいけないね」
申し訳なさそうに言うアイのにウォズは呟く。
「なら決まり!目指せ浄水施設エリア!」
「おー!」
「ニャン!」
「アオオン!」
「パオオン!」
ートラ―ー
元気よく言うジオウのに腕を突きあげるウィスプや鳴き声を上げるマスコット組にホント戻った時の説教は勘弁してくれとホロウは愚痴る。
その後、一旦ホールを通り、道中の敵を倒しながら浄水エリアへと足を踏み入れる。
【ここは浄水エリア、汚水を浄化するエリアです。その窓から水質検査ルームが見えます。そこにあるのは浄化済みの水を触って体験出来るコーナーです】
「アイの解説を聞いてると、社会見学に来た気分になるね」
「おお、水も綺麗……なんだけど……んーーー?」
早速今いるエリアについて解説するアイのにオーズは窓を覗き込みながらしみじみと呟く中で流れている水を見ていたウィスプは首を傾げる。
「どうした横島?」
「この水、確かに見た目は綺麗ですけど、なんか違和感を感じるッスよ」
【横島の言う通りだな。この水、邪悪な気を僅かに感じるぞ】
【!気を付けてください翔太郎さん。この水に僅かな不純物、致死性のウイルスを検出しました。触れたら即死してしまいます】
気づいて声をかけるW(翔太郎)へと答えたウィスプのを肯定した心眼の後に分析したアイが報告する。
「致死性のウイルスだと!?」
「うえぇ!?マジで!?」
「イヤな予感が的中か……」
驚くゲイツとジオウの後にW(フィリップ)は疲れた声で呟く。
「あっぶねぇー!?こりゃあ、この奥に原因がありそうだな。ってか、フィリップ……俺、ウイルスですげぇ嫌な心当たりあるんだけどよぉ……」
「奇遇だね。僕の心当たりも君と同じだと思うよ」
距離を取ってから付け加えるW(翔太郎)のにW(フィリップ)はなんとも言えない口調で続く。
「んじゃあ一緒に言うか、いっせーのーで……」
「「バイラス・ドーパント」」
相棒と揃えて出てきた言葉にだよな……とW(翔太郎)は頭を抑える。
「心眼、バイラスってなんだ?」
【ウイルスをさす言葉だな。豆知識だがウイルスはラテン語に近い読み方で、バイラスは英語に近い読み方なのだ】
「そ~なんだ」
「関心してる場合じゃないよ我が魔王。バイラス・ドーパントは有機物、無機物すべてに感染し、意のままに操り、瞬時に死に至らしめる事が出来る最悪のドーパントだ。もしもこの島の水を通して、この世界の海の水も致死性のウイルスに汚染されたら、大惨事で済ませられない、世界の破滅まっしぐらだ」
質問するウィスプのに答えた心眼の知識に感心していたジオウはウォズの言葉にそれヤバいじゃん!と驚く。
ウィスプとホロウも世界の破滅と言う言葉に顔を青ざめる。
「急ぐぞ!ウイルスが広がる前に元凶退治だ!」
その言葉と共にメンバーは走る。
通路に立ち塞がるマスカレイドやガーディアンにヤミーを倒して行く。
「それにしても、ここの水の全てが致死性ってヤバいよな」
「ここだけで済んでるから良いものだけどな……」
通路から見える水にぞっとするウィスプにホロウも水を見ながら呟く。
進んで行くとパイプや貯水タンクと思われる設備が置かれた広い場所に出る
「アイ、このエリアの奥に進むにはどうすれば良いんだ?」
【このエリアの奥に進むには、浄水槽の水位を下げる必要があります】
「そういう事か、教えてくれ、どうすれば良い?」
確認を取るディケイドに答えたアイへW(翔太郎)は聞く。
「!?何か来るぞ!」
直後、気づいたゲイツが叫ぶと同時に何かが転がって来て、誰もが左右に避ける。
後ろでぶつかった音が響いた後に慌てて転がって来たのを見ると巨大化した団子虫のような昆虫であった。
「何あの地球防衛してるゲームに出る様な巨大生物」
「ああ、あれは凄かったな……主に小野寺やお前の誤爆とかな」
「う、止めてくれよ、あれ気にしてるんだからさ」
それを見てそう述べるジオウのに続いたゲイツのにクウガは呻く。
だが、ウィスプとホロウだけは違う反応を見せていた。
「あの昆虫!東京で出て来やがった巨大昆虫!」
「ガープに利用されたシズの体が作っていた使い魔!?」
「はあ!?シズってまさか死津喪比女の事か!?あいつって自分に似た分身しか作ってなかったか!?」
「翔太郎。それは僕達の知る歴史の奴だ!この世界では違うって事だ!っ!?」
出てきた言葉に驚く相棒へとW(フィリップ)に叫んだ後に自分達に向かって来るのに気づいて転がって突進して来たのを避ける。
今度は空を飛ぶ植物の葉の羽を持つトンボのような異形で、W達を囲む様に木と蔓で構成された1つ目の人型の異形が複数現れる。
「なんでこいつらが!?シズがまた利用されたのか!?」
「とにかくこいつ等が俺達を狙っているのは確実だ!」
囲む異形達に戸惑うウィスプへとゲイツは叫ぶ。
ーうう、横島忠夫~美神令子~許さん!巫女ともどもこの恨み、晴らさせて貰う!!ー
「……横島、ご指名だぞ」
「こんなご指名はいやじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
1体の異形から発された恨みの籠った声に思わず言うホロウにウィスプは叫び返した。
次回、第15の章:復讐の病原妖樹
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第15の章:復讐の病原妖樹
その前に並行世界で討伐された妖怪が牙を剥く。
ーゆけ、
その言葉と共に異形達は一斉に襲い掛かって来る。
【!?皆さん危険です!あの異形達の全身から水に含まれていた致死性のウイルスが確認されます!】
「うえぇ!?マジ!?」
「それって攻撃を受けたりでもしたら一貫の終わりって事!?」
直後にアイから報告された事に迎え撃とうとしたウィスプとジオウは慌てる。
「ちい!そうなると炎での遠距離攻撃で迎え撃ちてえがトリガーがねえ!」
「なら俺が代わりをしてやる!」
【フォームライド!】
舌打ちするW(翔太郎)にディケイドはそう言ってカードをセットする。
【W!ヒートトリガー!!】
【ヒート!トリガー!!】
その音声の後にディケイドの姿は右側が赤、左が青となった仮面ライダーディケイドWヒートトリガーに変わる。
【アタックライド!トリガーマグナム!!】
その後にトリガー専用武器のトリガーマグナムを手に取って向かって来たトンボの異形と人型異形を牽制する。
【アタックライド!イリュージョン!】
【カメンライド!響鬼!!】
【フォームライド!オーズ!タジャドル】
【フォームライド!フォーゼ!ファイヤー!!】
キィィィィィィン!
【タカ!クジャク!コンドル!タ~ジャ~ドルゥ~~!!】
【ファイヤー・オン!】
その後にイリュージョンのカードをセットして分身を3人出すとその分身は1人はディケイド響鬼に、他の2人は横島が見たことある別世界の横島が変身したフォーゼの赤い姿、仮面ライダーディケイドフォーゼファイヤーステイツとオーズの鳥系コンボ、仮面ライダーディケイドオーズタジャドルコンボになる。
【アタックライド!音撃棒烈火!】
【アタックライド!ヒーハックガン!】
Dオーズがタジャスピナーから火炎弾を発射してDWと共に牽制してる間にD響鬼とDフォーゼはそれぞれの武器を召喚して同じ様に牽制に参加する。
「今だホロウ!ステージを変えるんだ!」
「!そう言う事か!」
W(フィリップ)の言葉にホロウはすぐさまステージセレクトを行い、戦う場所をよくゲームである様な村の広場へと変える。
それにより牽制していたDオーズ達は攻勢に出て、体に触れないのと攻撃を受けない様に立ち回る。
「ようし!俺も!」
それを見てウィスプはジャックランタン魂になろうとして、その前にカラフルな眼魂が飛び出してウィスプの手に収まった後にその色を白色に変えて赤の獅子、青のゴリラ、黄色の狼、緑の隼、ピンクの山猫の顔が描かれ、瞳部分の周囲を金色の輪が囲んで重なる様にVの字を描いた模様が入ったのに変わる。
「また変わった!?」
【フィリップから聞いたデカレンジャーとはまた違うスーパー戦隊か?】
驚くウィスプは移動してる最中にフィリップから聞いた事を思い返す。
自分が使ったカラフルな眼魂はスーパー戦隊と呼ばれる戦士達の力を宿した眼魂、所轄スーパー戦隊眼魂と言う物。
今の状況を打破する戦隊の眼魂だと思い、ウィスプは早速セットしてレバーを引く。
【カイガン!ギンガマン!!】
【唸れ!銀河に伝わる伝説の刃!!】
音声の後に赤のパーカーゴーストを纏ったウィスプは眼魂から力の使い方を教えられる。
「炎の!鬣!!」
両手を顔の前で合わせてから左腰に引いて前に突き出すと掌から強烈な炎が放たれる。
炎は瞬く間に異形達を燃やして行く。
「す、すげぇ、ジャックランタンや清姫のとは違う。どう言えば分からない何かを感じる!!」
「星獣戦隊ギンガマンのギンガレッドの力だね。彼は炎の使い手、今の状況に最適だ」
自分の両手を見て驚くウィスプにW(フィリップ)はそう言う。
「ようし俺も!超変身!」
それを見てクウガはその身を強靭な黒い姿、アルティメットフォームへと変えるとパイロキネシスで異形達を燃やして行く。
「ようし俺も!」
【ディ・ディ・ディ・ディケイド!】
自分も乗り遅れないようにとジオウはディケイドライドウォッチを取り出してセットしてジクウドライバーを回す。
【ライダータイム!仮面ライダージオウ!!】
【アーマータイム!カメンライド!ワーオ!ディケイド!ディケイド!ディーケーイードー!】
【龍騎!】
ディケイドアーマーを装着してから今度は新たなウォッチを取り出して音声の後にディケイドライドウォッチのF.F.T.スロットにセットする。
【ファイナルフォームタイム!リュ・リュ・リュ・龍騎!!】
右肩アーマーのディケイドの文字がリュウキに変わり、左肩から胸にかけてのアーマーに描かれたバーコード部分がサバイブとなった後……顔と胸から下が龍騎サバイブの姿へと変化する。
「祝え!破壊者と龍の騎士の名を持つ仮面ライダーの力を使いし時の王者!!その名も仮面ライダージオウ ディケイドアーマー龍騎フォームである!!」
「お前ホントにくどいぞ!!?」
すぐさま祝辞を上げるウォズへとゲイツがツッコミを入れる間にジオウはセットした龍騎ライドウォッチを取り外してライドヘイセイバーのライドウォッチ装填ユニットにセットする。
【フィニッシュタイム!】
その後に針を動かして龍騎の所に合わせてからトリガーを引く。
【龍騎!スクランブルタイムブレーク!!】
「おりゃあ!!」
力強い咆哮と共にライドヘイセイバーを振るい、放たれた炎の斬撃で残っていた団子虫の異形を切り裂いて燃やし尽くす。
「これで全部か?」
【はい、ステージに連れ込んだのはさっきので最後です】
「やれやれ、厄介過ぎる相手だろ。こりゃあ戻ったら課題にもなるな……」
確認するゲイツに答えたアイの聞きながらホロウはぼやく。
実際、暫く前に関わったレギオン戦で普通に戦っていたら精神汚染してしまう状況でもあったので触れずに戦えなんていう状況がこの先あってもおかしくない。
とりあえず元の場所に戻った後にウィスプはギンガマン魂のままWに話しかける。
「あの、翔太郎さん、フィリップさん。しずもひめってシズの本当の名前ですか?」
「あー……答える前にそのシズって妖怪なのか?」
問い返された事にウィスプは違いますと返す。
「シズは中国から日本に流れて来た神霊で日本に来るまでに自分の名前を忘れちゃったらしいんだ。本人は温厚で氷室神社周辺の村に豊穣とかを与えていたんだけど、琉璃さんの先祖に自分の仕事を奪われた導師が余計な事をして怨霊になっちゃたんだ。後は完全なマッチポンプで自分で怨霊に変えたのにそれを隠してお殿様とかに擦り寄った導師がシズを暴走させて、おキヌちゃんを生贄にして封印したんだ。しかも本人がさ、悪霊になっててめちゃくちゃ大変だったんだ」
「成程ね……この世界ではそうなっていると言う事か」
「逆に聞くが、しずもひめってなんだ?」
説明を聞いて納得するW(フィリップ)へホロウは聞く。
それにW(フィリップ)はスタッグフォンを取り出すと何らかの操作をして画面をウィスプとホロウに見せる。
そこには死津喪比女の字が出ており、先ほどの操作は文字を打っていたようだ。
「こうやって書いて
「うええ、マジか……」
「俺達はまだマシな感じでもあったのかよ……」
「ちなみに、女華姫の人相はこんな感じだよ」
【……あの導師、よくこんな男のようにゴツイ容貌の者と結婚したな……こっちの場合だと監視も兼ねて無理やりだっただろうが……】
W(フィリップ)の説明にウィスプとホロウは青ざめ、ウォズがサラサラッと描いて見せた女華姫の顔を見て心眼は呻く。
「さっきの雰囲気からするとその歴史の死津喪比女が復活させられてバイラスメモリと融合してる可能性が高いな」
「そうなると俺ってその世界の俺の代わりに怨まれちゃってるって事っスよね;」
「はた迷惑にも程があるな……」
考察するDWのにウィスプは凄く嫌そうに言い、ホロウはげんなりする。
「やっぱりゆっくりしてる猶予はねえな!アイ、水位を下げる方法を改めて教えてくれ」
【はい、まずはこの部屋のあのバルブ解除装置を作動させてください。装置を作動させたら、この部屋の各所にある3つのバルブを全て緩めて回します。成功すれば水位は下がり、奥へ進む通路が現れます】
「えらく手の込んだ装置だねぇ……ってぼやいてる場合じゃないね」
確認するW(翔太郎)のに答えたアイの見ている方にある機械を見てW(フィリップ)が呟いた後に早速近づいてボタンを押す。
「よし、バルブを回しに行こう!」
「気を付けるんだ我が魔王。相手も我々が来る事に感づいてるならまだ使い魔を出して来るに違いない」
早速回しに行こうとするジオウにウォズが注意する。
その注意は当たっており、バルブを回す際にガーディアンやドーパントにヤミーデジモンに混ざって死津喪比女の使い魔が襲い掛かって来て、その際はホロウがステージセレクトで変えてギンガマン魂のウィスプとDWやクウガ、ジオウが対応し、Wやゲイツ達はガーディアン達を倒して行き、終わった後にバルブを回して行く。
「これで、最後っと!」
「うへぇ、ホント出現する場所を選んでくれよぉ……」
「ホント、左右同時に挟み撃ちで現れた時はマジで焦ったよな……」
バルブを回すWのを見ながらウィスプとジオウは嘆く。
ざぁぁぁぁぁぁぁぁ……
すると水位が下がって行く。
「これで奥にいけるな」
「どうやらこの下に奥への通路があるようだね」
下を覗き込んだゲイツの後にウォズがそう言って指さす。
指さした方を覗き込むと、確かに入り口と思われるのが見える。
【気を付けろ横島。あの奥から強い霊力を感じる】
「ああ、確かに凄く来るな」
うげぇとなりながら下へと降りる通路を見つけ、ウォズが見つけた入り口前に立ち……誰もがうわぁとなる。
奥が思いっきり見えてるのだが、そこに大樹が根を張っているのだ。
さらにその前に木が混ざった様な体を持った怪人がいた。
「やっぱりバイラス・ドーパントだな」
「しかも死津喪比女が媒体の」
【あの大樹から致死性のウイルスを感知しました。水と同じ様に気を付けてください】
「行きたくねぇ……」
「我慢しろ。世界の破滅を防ぐためだ。行くぞ」
佇む怪人を見て顔を抑えるWのにうげぇとなっているウィスプの背をホロウが叩いて促す。
律儀に待っているバイラス・ドーパント変異体へ近づくと近づいて来たメンバーの中でウィスプを見る。
「よく来たな横島忠夫!あのスケベだったのが我が使い魔を良く退けてこれたものだ」
「ちょっと待って!?別世界の俺ってそんなに低く見られてるの!?」
((((((あながち否定できない))))))
怒気を纏わせていったバイラス・ドーパント変異体の言葉にウィスプがショックを受ける中でDWとホロウとウヴァを除いて本来の歴史を知ってる面々は内心そう思った。
「ここでも邪魔はさせぬ!我が主の野望の為に!!」
その言葉と共に大樹へと飛び上がると大樹に溶け込む様に一体化する。
その後に大樹の顔に女性の顔が浮かび上がった後に枝が揺らめきだし、咆哮する。
「これ、燃やし尽くせますかね;」
「やるしかないだろ」
しり込みするウィスプにDWはそう言いながら向かって来た枝に向けて火炎弾を放ちつつ、本体に向けてもう1発放つ。
「効くか!」
それに女性の顔が息を吸い込む動作をした後に紫色の空気弾を放ち、火炎弾と相殺させた後にもう1発放つ。
向かって来たのにライダー達は避ける。
【気を付けてください。あの空気弾にも致死性のウイルスが含まれています!】
「ホント、厄介過ぎる相手だろ」
報告のを聞きながらバイラス・ドーパント巨木体にW(翔太郎)は呻き声を漏らさずにはいられなかった。
次回、第5のレポート:エボルトの狙い
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第5のレポート:エボルトの狙い
そんな状況をエボルトは待っていた。
ううむとアシュタロスは唸っていた。
ガープ達が眠りに付いて何もないので少し調べものをした所、記録媒体ので何時の間にか何者かによって量産化レブナントと量産型眼魂のデータが盗まれていたのだ。
流石に誰かに盗まれたと知ったらガープが何をしでかすか分からないので痕跡を知られない様に消しといたのは良いが、誰がやったのかで悩ませていた。
何分、自分がいる場所を知ってるなどガープ達以外ありえない。
(ホントに誰がやったんだ?様子から1~2日前位の間の様だが、それでガープが気づかないのはおかしい……ダメだな、情報が少な過ぎて全然検討が付かない)
再び唸った後、自分の近くで発されたごく小さな不可思議な気配にアシュタロスは振り返り、目を見開く。
そこにはボロボロの姿のセーレが倒れていたのだ。
「どうしたんだセーレ!?一体誰にやられたんだ!?」
慌てて声をかけるアシュタロスのに、セーレは少し呻き声を上げて目を見開く。
「あれ……アシュ……タロス……?」
「ああ、私だ。何があったんだ?レイはどうしたんだ?」
視線が定まってない様子のセーレにアシュタロスは問う。
「レイ?レイって、誰?」
「はっ?」
だが、出てきた言葉にアシュタロスは呆気にとられる。
「と言うか、体中が凄く痛い。きつい……なんで、俺……いや、僕?……どうなって……こうなってるんだ……?」
朧気な様子で幼い口調と大人の口調が交互にセーレの口から発せられる。
「おいッ! 大丈夫かッ!? 分霊と混ざっているんじゃないのか?」
その様子にアシュタロスは驚きながらセーレの状態に戸惑う。
セーレはソロモンの魔神の中で復活した中ではかなり遅い部類になり、大人と新生したばかりの子供の意識が複雑に入り混じった人格をしており、ガープの処置によって大人と子供――人格を2つの姿に分けて活動しているとは聞いていたアシュタロスだが、性格が交じり合っているのは明らかな異常事態だと悟った。
(ガープの実験の影響か?今ならば……)
意識が混濁している今ならば……確実にやれる。
ぐっと拳を握り締めたアシュタロスだったが、俯いていたセーレが顔を上げたときに握りこんだ拳を思わず開いた。
「……敵か?敵ならば殺す、殺さないと」
その特殊能力――短距離のワープを軸にした暗殺術。
それがセーレの戦闘スタイルであり、意識が混濁している状態でも身体に染み付いた技術は健在だった。
「大丈夫だ。私だ、アシュタロスだ。しっかりしろ」
攻撃すれば反撃でやられると悟ったアシュタロスはセーレの手当てを開始する。
「アシュ……ああ、アシュタロスか……」
(これは、嘘は言っている訳ではないな……)
不思議そうに顔を動かすセーレにアシュタロスは眉を顰める。
その後に改めてセーレの状態を確認して愕然とする。
なんと、今のセーレはギリギリ消えかねない程に力を失っていた。
幼い人格の時は完全に無力、しかし大人の人格が顔を出せばかつての冷酷な暗殺者の顔と魔力の増大が発生する。
(魔力の増大のお蔭で存在は保ってるのか)
かつてのセーレの顔が出るのは神魔としての防衛本能。
だがそれは存在を維持するだけの物で無理やり存在を維持しているに過ぎない、それの反動で魂が欠損し記憶が抜け落ちている可能性がありえそうだとアシュタロスは考える。
一体誰がこんな事を……とアシュタロスは戸惑いながらこのままガープのアジトに置いとくのは危険だと判断し、彼の表の住居へと運びに向かう。
「やれやれ、ホントめんどくさい状況だ……」
そんなアシュタロスの背を何時の間にかいたレクス・ローは見送っていて、めんどくさそうにぼやきながらその場から姿を消す。
☆
「おらぁ!!」
六道女学院で空中戦を繰り広げていたアグルはソニックソルジャーの一瞬の隙を突いてかかと落としで地面に落とす。
地面に落ちたソニックソルジャーをみつえ、顔の前で両腕を交差した後に両手の間にエネルギーを放出してそれを収束して光弾に変え……
「リキデイター!!」
ソニックソルジャーに向けて発射する。
放たれた光弾にソニックソルジャーは起き上がる間もなくその体に炸裂し……
「!!!?」
ドカァァァァァァァン!!!
その体を爆発四散させる。
「エイヤッ!!」
ブレードソルジャーと戦っていたエースは途中からファントムコールダーから霊刃を作り上げて二刀流で襲い掛かって来た相手に対し、メタリオンソード以外に右手に作り上げたエースブレードで対抗して弾いた所で左腕をメタリオンソードで両断する。
「!!?」
火花を散らすブレードソルジャーにエースブレードを消した後に右腕にエネルギーを収束し……
「メタリウムバースト!!」
メタリウムエネルギーを直接叩き込んで吹き飛ばす。
「ガガガピーーー!!!?」
ドカァァァァァン!!
吹き飛ばされたブレードソルジャーは体中から光を発して爆発四散する。
そんな見ていた蛍の前に何かが落ちて来て、蛍は思わずキャッチする。
落ちて来たのは、先ほどエースによって両断されたブレードソルジャーの左腕だった。
「うでぇぇぇぇぇぇぇ!?」
「待って蛍ちゃん!?それ貴重!貴重な資料!!」
「きゅぅ……」
「わぁぁ!?冥子さんしっかりして!!」
思わず投げ捨てそうになったのを美神が慌てて止めに入り、隣で意識が飛びそうになった冥子をおキヌが慌てて揺らす。
美神にすれば綺麗な状態で敵の変身アイテムを手に入れられたとも言えるので投げ捨てて前に確保できたが壊れた状態の奴の様になったらいけないと言う所もある。
【ツインブレイカー!】
「おぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
スナイプソルジャーの銃撃をクローズマグマは左腕に装着したツインブレイカーのビームモードで飛んで来るのを打ち落とし、撃ち落とせなかったのを牽制の際に投げ飛ばしたビートクローザーを拾って斬り払いしながら接近する。
「もう撃たせねえぞ!!」
殴れる距離になった事でビートクローザーを投げ捨て、ツインブレイカーをアタックモードに変えるとラッシュをスナイプソルジャーに叩き込む。
「おらぁ!!」
続けざまに右拳から繰り出したアッパーカットで上空に打ち上げた後にクローズマグマナックルをドライバーから抜いてツインブレイカーにセットする。
【レディゴー!!】
鳴り響く音声の後にツインブレイカーごと左腕を包み込む様にマグマライズドラゴンが出現させ、落ちて来るスナイプソルジャーをみつえ……
【レッツブレイク!アチャー!!】
「おらぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
どてっぱらに左腕を叩き込んでからのツインブレイカーでの強力なパイルの一撃で貫いた。
「!!!!?」
ドカァァァァァァァァン!!
スナイプソルジャーも爆発四散し、爆風の中からクローズマグマが飛び出す。
「うぉぉぉぉぉ!」
ガイアソルジャーと殴り合っていたガイアは一旦距離を取ると両腕を上に突き出した後に胸の前に持って行き、横に広げるとその体は輝きに包まれた後に強靭になり、青色が入った仮面ライダーガイアスプリームヴァージョンに変わる。
「変わった!?」
「動作だけで!?」
ガイアのフォームチェンジになんとか蛍を宥めた美神はおキヌ達と共に驚く。
フォームチェンジを終えたガイアは殴りかかって来たガイアソルジャーの腕を掴み……
「ダァッ!!」
地面へと叩きつける。
起き上がろうとしたガイアソルジャーに攻撃はさせないとばかりに再び掴み……
「ダァッ!!」
投げる!
「ダァッ!!」
投げる!!
「ダァァァッ!!!」
投げる!!!
相手が蹴りをしようとすれば振るわれた足を掴んで投げ、向かって来たならばその勢いに乗せて後ろへ投げ飛ばし、倒れている所を持ち上げて投げ飛ばす。
「す、すごい……」
「これ、普通の人間ならグロッキーになってますよね;」
「まぁ、ガイアってあの姿だと投げの鬼って言われてるし」
「た、確かに鬼ね;」
「ホントに鬼です;」
「うわ~~ドンドン投げ飛ばしてるわ~~」
そんな投げ続けるガイアに美神は引きながら驚嘆し、おキヌの呟きに輝夜はそう答え、蛍と舞がドン引きする中で冥子はほへぇという感じで見ている。
全身から火花を散らし始めたガイアソルジャーにガイアは右腕を勢いよく上に突き出した後に全身を光らせてから腕を回転させながらエネルギーを収束し……
「フォトンストリーム!!」
合掌して合わせた両手で右手を下にずらしてから発射する。
放たれた光線はガイアソルジャーに炸裂して跡形もなく、塵へと変える。
【響鬼!電王!オーズ!鎧武!!】
「はっ!!」
一方のゴーストはサングラスラッシャーとガンガンセイバー二刀流でディフェンドソルジャーへと斬撃を叩き込んで行く。
【エグゼイド!ビルド!!】
続けざまに出現したブロックや数式を足場に飛び回って蹴りを叩き込んで行く。
【龍騎!ファイズ!鎧武!ゴースト!ドライブ!!】
怯んでいるディフェンドソルジャーをみつえて、サングラスラッシャーをブラスターモードに変えてからサングラス部分に闘魂ブースト眼魂とエジソン眼魂をセットする。
【メガマブシー!メガマブシー!!】
鳴り響く音声の後にサングラス部分を戻す。
【闘魂ダイカイガン!!】
虹色に輝きエネルギーを収束するサングラスラッシャーの銃口をディフェンドソルジャーに狙いを付ける。
それにディフェンドソルジャーはバリアを貼ろうとし……
【カブト!電王!ジオウ!!】
時間操作によりその動きを停止させられる。
その間にゴーストはサングラスラッシャーのトリガーを引く。
【メガ!オメガフラッシュ!】
「はあ!」
放たれた電気を纏った熱光線がディフェンドソルジャーに炸裂し、ディフェンドソルジャーは吹き飛んで地面を転がる。
「これで決める!」
【クウガ!アギト!龍騎!ファイズ!ブレイド!響鬼!カブト!電王!キバ!ディケイド!ラッシャイ!ゼンカイガン!!】
連続でアイコンドライバーを操作し、クウガからディケイドのパーカーゴーストを呼び出してからボタンを再度押す。
【平成ファースト!平成オメガドライブ!!】
「命は永遠に不滅だ!!」
飛び上がった後にパーカーゴースト達は元となった仮面ライダーの姿となり……
「おりゃあ!」
「はあ!」
「りゃあ!!」
「はっ!」
「ウェーーーイ!!」
「たあっ!」
「ふっ!」
「俺の超必殺技!」
「はあ!」
「でやぁぁぁぁぁぁ!!」
「はあぁぁぁぁぁぁ!!」
11人ライダーによるライダーキックを放ち、ディフェンドソルジャーはバリアで受け止めようとするがその強さに耐え切れずに貫かれて……
ドカァァァァァァァン!!
着地したゴーストの後ろで爆発四散する。
「凄い……」
「ええ、タケル君……あの時よりさらに強くなってる……」
佇むゴーストに蛍と美神はそう呟く。
「エボルト!」
「おっと!」
三号と合流したビルドは協力してレブナントを攻撃する。
「答えろ!お前はホントにエボルトか!!」
「確かに俺はエボルトだが、正確には一部だけの存在だ。この世界ので当て嵌めて言うなら英霊みたいな感じだな。とある奴がある事をやってる際に俺は通りすがり様に魂の一部がそれに吸い込まれて、ある奴と融合したのさ」
組み合いながら問うビルドにレブナントはそう返す。
それを聞いた美神はガープが英霊召喚をした際に呼び寄せてしまったんだと気づく。
「ほら、ハザードトリガーを使ってみろよ!もしかしたら俺を倒せてこの女を開放出来るかもしれねえぞ!」
「だったらお望み通りのをしてやろうじゃないか!」
ハザードオン!!
挑発するレブナントのにビルドは敢えて挑発に乗って中央部にはメーター、本体上部にはボタン、本体下部にはコネクタが付いた紅い小型デバイスをビルドドライバーに装着させると一瞬電撃が迸った後にレバーを勢いよく回す。
【ワンサイド!逆サイド!オールサイド!!】
レブナントをみつえ、ビルドは右腕にエネルギーを収束、駆け出してライダーパンチを叩き込む……
「あ……?」
「え?」
直前、レブナントからエボルトではない、女の声がした事にビルドは唖然とする中で勢いを止められなかったライダーパンチは命中し……
【ハザードフィニッシュ!ジーニアスフィニッシュ!!】
虹色の輝きと共にレブナントは吹き飛ぶ。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁ!?」
悲鳴を上げながらレブナントは変身が解除されてレイの姿に戻る。
「今、あいつ、体の持ち主を表面に出した?」
地面を転がって行くレイを見ながらビルドは戸惑う中、ライダー達が集結する。
美神達も駆け寄り、倒れた状態のまま息を荒げていたレイを見る。
「くくく、はははははははははははは!!」
直後、レイ、否、エボルトは大笑いしながら体を起こす。
「感謝するぞ戦兎ぉ~お陰で、こいつに凶神石でも抑えられない感情が芽生えさせる事が出来た!」
「え!?」
「ど、どういう事?」
「……ジーニアスは人々の強い想いを特殊攻撃成分へと変換し、必殺技と共に放てる。その際、攻撃を叩き込まれた相手に何らかの感情が芽生えさせる事が出来る。まさか、お前、その体の主に感情を芽生えさせる事が狙いだったのか?」
傷だらけの体で楽しそうに礼を述べるエボルトに美神と蛍が戸惑う中でビルドは2人に教えた後にエボルトに問う。
「くくく、これで俺のやりたい事に近づいた。ここでオサラバさせて貰うぞ。チャオ♪」
そう言ってエボルトは銃身は銀で一部に黄色と黒のストライプになっていて引き金付近に黄・緑・赤のパイプが伸びている拳銃を取り出してトリガーを引くと煙が噴き出してエボルトを包み込む。
「!?煙幕!?」
「待て!」
それを止めようとクローズマグマとアグル、ガイアは走るがその前に煙幕が晴れると、エボルトの姿はもうなかった。
「逃げられちまったか!」
「くそぉ!なんかモヤモヤするな!」
それにガイアは悔しがり、クローズマグマは唸る。
「エボルト……お前はこの世界で、何をする気なんだ……」
エボルトのいた場所を見ながらビルドはそう呟くしかなかった。
次回、第16の章:全力全開な奴等と超古代の光
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第16の章:全力全開な奴等と超古代の光
そこに仮面ライダーとは違う戦士達が駆け付ける。
「おわ!?」
「あぶなっ!?」
伸びて来て槍の様に突き刺そうとする木の枝にウィスプとジオウは避ける。
「この!」
「っ!」
向かって来る毒ガスブレスをクウガが超自然発火能力で燃やし尽くし、その合間をDWがバイラスドーパント変異体へ攻撃を仕掛ける。
「なあ士!やっぱり俺が攻勢に出た方が良いんじゃないか!?」
「バカ言うなユウスケ!お前が処理しないとあっと言う間にこの空間はウイルスガスで満たされて俺達は即死だ!いいからウイルスを燃やし尽くせ!!」
燃やしながらそう言うクウガのにDWは攻撃を入れながら怒鳴り返す。
クウガの使う超自然発火能力は霊石アマダムが持つモーフィングパワーで周囲の物質の原子、分子を操って物質をプラズマ化させ、対象を発火させると言うものだ。
原理上、なんの変哲もない水も鉄も火種無しに炎上させられるからこそ、高熱に弱いバイラス・ドーパントのウイルスを殺菌する役目を担っている。
アルティメットフォームとなったクウガなら確かにユウスケの言う通り、バイラス・ドーパントを簡単に倒せるだろうが、その場合、処理をしなかった事で大気中に散らばったウイルスによってウィスプ達はあの世に直行である。
もしもクウガだけで、しかも周りを気にしなければあっと言う間にバイラス・ドーパント変異体を燃やし尽くしていただろうが、場所が屋内であり、さらに言えば精密な機械も近くにあって状況が悪く、ステージセレクトをやれない状況だ
「くそぉ、今後の課題が出来ちまって頭が痛くなるばかりだぜ」
「まぁ、ウイルス自体を相手にする事自体相当ないから仕方ないだろう」
「ニャン」
「アオーン」
「パオパオ」
ートラ―ー
離れて見守るしかない状況に呻くホロウにウヴァがそう言い、避難しているマスコット達も同意する様に鳴く。
「と言うかお前、大丈夫か?」
「攻撃されてるね」
その隣で同じ様に見ているゲイツとウォズがホロウの今の状態を見て言う。
話してる間、ホロウはカンドロイドを除いたミック達にペシペシと攻撃されていたのだ。
「こいつ等もそうだけどよ、基本的に横島に懐いた奴等は横島にしか懐かないんだよ」
「それは大変そうだね」
「苦労してるのだな」
疲れた口調でそう返したホロウにウォズとゲイツはそう返す。
ちなみに一応火炎攻撃が使えるウォズが参加してないのはそれが屋内で使うには適してないのもある。
ーほほほほ!いつまで耐えきれるだろうね!ー
「ちぃ!トリガーメモリがあれば!」
「流石に厳しいね!」
余裕の笑みを浮かばせて甚振る様にジワジワと攻撃の勢いを強めて行くバイラス・ドーパント変異体のにW(翔太郎)は呻き、W(フィリップ)も焦りを見せる。
クウガが疲れ果ててしまったらもう防ぐ手立てがない。
「なあ心眼!なんか良い手ないのか!?」
【無理だ!炎を使える者がこの場にもっといてくれれば!】
求めるウィスプに心眼は苦い声で返す。
ーそろそろ終わりにしてやろう!!ー
その言葉と共に使い魔がさらに現れる。
「くそぉ!」
「このままじゃあ!」
誰もが焦りだした時……バイラス・ドーパント変異体の女性顔に何かが炸裂する。
ーぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?ー
突然の事で悲鳴をあげるバイラス・ドーパントへと続けざまに使い魔もろとも電が炸裂した後に炎で燃やされ、突撃して来た火の鳥でさらに燃やされる。
「な、なんだ?」
突然の事にウィスプが驚いている間にその隣を風が吹き抜けたと思った後に鯱状の鍔とその口から噴き上がる炎を象った刃が特徴の剣を持ったニンジャの様な戦士が使い魔達を切り裂き、続けざまに炎を纏った自分の身の丈以上の巨大刀を持った侍の様な戦士が使い魔達を両断して行き、そんな二人の戦士を援護する様に鳥を模した銃を持ったニンジャの様な戦士がバイラス・ドーパント変異体の使い魔達を銃から放つ炎で燃やして行く。
【!今だ横島!続け!!】
「え、お、おう!炎の!鬣!!」
心眼に促され、ウィスプも慌てて炎の鬣を……自分の両隣にいた黒い騎士と赤い戦士と同時に放つ。
ーうぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!?ー
さらに燃やされて悲鳴をあげるバイラス・ドーパント変異体を見た後に自分の両隣にいる戦士にやっと気づく。
「あれ!?あなた方どなた!?」
「ようし!トドメ全開!!」
「決めるぜ介人!」
ええ!?とウィスプが驚いていると聞き覚えのない声がした後に自分を通り越して白いマントを靡かせた白い戦士と見た目が恐竜っぽいゴツイ赤い戦士が前に出る。
「いやホント誰!?いきなり出て来たんですけど!?」
「あ、そこのギンガマンパイセンと似た顔の兄さん、丁度良かった。一緒に介人を支えてくれねえ?そこの黒い兄さんと顔が龍っぽい兄さんも」
「え?俺?」
「俺も?」
指摘するがスルーされ、クウガとジオウと共に、赤い戦士に促されるまま、ウィスプは介人と呼ばれた白い戦士の後ろに赤い戦士、自分、ジオウ、クウガの順に一見すると電車ごっこのような態勢で白い戦士を支える。
その間に隣に赤い模様のある銀色の存在が立つと両腕を斜め下へ広げると手は大きく広げ、前に向けた掌からエネルギーを発した後に腕を上へ大きく回した後、胸の前で左右の掌を向かい合わせてエネルギーは凝縮して赤い光球とするとそれを左右から掴む様に構える。
白い戦士は中折れ携帯の様な銃身が特徴的な大型の銃を取り出すと上面にある複合ダイヤル機構を勢い良く回す。
【燃やせ!スーパー戦隊パワー!】
その音声の後に銃身の側面の沢山の横顔が付いたディスプレイが輝きだす。
【~♪ゼンカイ!~♪ゼンカイ!~♪ゼンカイ!~♪ゼンカイ!】
音声が鳴り響く中で隣で銀色の存在は光球を宿した右手を、大きく振りかぶり……
「ゼンリョクゼンカイ!フィナーレバスター!!」
「タァッ!!」
燃え盛るバイラス・ドーパント変異体に狙いを定めて白い戦士は大型銃のトリガーを引き、銀色の存在は大きく振りかぶった右腕をまっすぐ伸ばす。
【ダイ・ダイ・ダイゼンカイ!】
「「「うおぉぉぉ!?」」」
直後、大型銃から銃弾が放たれると共に強烈な衝撃に白い戦士が浮かび上がり、それに支えていた赤い戦士と共にウィスプとジオウは浮かび上がり、クウガが慌てて踏ん張る。
【ババババーン!ドドドドーン!】
その間に銀色の存在の右腕から放たれた光球は光熱の奔流となり、白い戦士の放った45発の銃弾は複数の顔となった後に……巨大な白い戦士の顔に変わってバイラス・ドーパント変異体に炸裂する。
ーこ、こんなふざけた技でやられるなんてぇぇぇぇぇ!?いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?ー
悲痛な断末魔をあげながらバイラス・ドーパント変異体は燃やし尽くされる。
「勝利全開!オールオッケー!」
「オールオッケー!じゃないよ!?あんたら誰!?」
「ホント誰だよ!?いきなり横を通り過ぎたと思ったら銃から黒いのを混ぜた赤い奴等が出て来るわ!さっきの変な技とか!マジで意味わかんねえよ!」
それを見届けて元気よく言う白い戦士にウィスプと駆け寄って来たホロウがツッコミを入れながら問う。
「ウルトラマンティガはともかく、その出で立ちに先ほどのスーパー戦隊を呼び出してる所を見るからに、もしや君達は、スーパー戦隊の一員かい?」
「お、そこの緑黒の兄さん分かるかい?そう、俺達はスーパー戦隊の一員なんだわ!」
同じ様に来たW(フィリップ)が銀色の存在を見てから白い戦士と赤い戦士に問うと赤い戦士は自慢げに言う。
「新しいスーパー戦隊って事か?」
【その通りっチュン!45番目の戦隊!その名も機界戦隊ゼンカイジャーだチュン!】
「また増えた……」
呟いたW(翔太郎)のに答えて現れたアイと変わらない大きさの紅白の鳥型ロボットにホロウは顔を抑える。
「ってか、さっきの人達が何時の間にかいなくなってるし……」
「成程な、海東と同じ召喚系か」
「え?俺の名前知ってるの?」
「いや、呼んでねえと思うぞ。と言うかそこの銀色の奴、仮面ライダーや、その、スーパー戦隊?と違うのか?」
あれぇ?と見渡すジオウの後に元に戻ったディケイドが呟いた事に反応した白い戦士にホロウはツッコミを入れてからウルトラマンティガと呼ばれた銀色の存在を見る。
「ああ、ウルトラマンと呼ばれる。仮面ライダーとスーパー戦隊とはまた違う光の巨人だよ」
「え、巨人!?巨人なんか!?」
「そうだよ~デカい大男に吹っ飛ばされてる俺達を助けてくれた時はすげぇ大きかったんだ!」
「待て、大男?もしかして巨大な槍を持ってて、椅子に座って空中に浮かんでいなかったか?」
答えたW(フィリップ)のに驚くウィスプへと答えた白い戦士のに聞き逃せなかったW(翔太郎)が大雑把に聞く。
「おお、そうそう!俺達とここにいないゼロワンの前にいきなり現れてよぉ、わけわかんない事を言ったと思ったらいきなり攻撃して来たんだよぉ!」
【こいつチュン】
答えた赤い戦士のに続いて鳥型ロボットがそう言って何時の間にか撮ってたのか、鳥型ロボットが写真を見せる。
「!こいつだ!俺達を襲ったのも!」
「これが、敵なんっスね」
「凄い石像みたいな見た目だな」
その写真に映し出されていたのにW(翔太郎)は言い、話に聞いていたウィスプとゲイツは改めて知って呟く。
「それよりも、ゼロワンと言ったね。もしかして見た目は黄色い飛蝗の様な感じの仮面ライダーじゃないかい?」
「おお、あんた分かるのか?その通りだぜ」
「フィリップさん。ゼロワンって俺達の世界に来る前の世界にいるって言う仮面ライダーっスよね?」
その後にW(フィリップ)のに赤い戦士は肯定し、ウィスプは思い出して言う。
「ああ、まさか彼も来ているとはね……今、そのゼロワンは?」
「えっと、確か、ここのホールの所にあった閉ざされたゲートを調べて貰っているよ。ね、ジュラン?」
「そうそう、俺達はセッちゃんが誰かいるって言うのを聞いて追いかけて来たって訳よ」
確認するW(フィリップ)に白い戦士が言ってから赤い戦士に話を振り、ジュランと呼ばれた赤い戦士もそう返す。
「なら、情報交換も交えて、そのゼロワンと合流しよう。ウイルスの汚染もこれで大丈夫なんだしさ」
「待てユウスケ、その前に水のウイルス除去が先だ。アイ、ウイルスに汚染されている水を教えろ。ユウスケにはウイルスごと水を蒸発させて後顧の憂いを断って貰わないとな」
提案するクウガにそう言ってアイを連れて向かうディケイドを見送ってウィスプは聞く。
「んでそろそろ、名前を教えてくれね?ティガは教えて貰ったけどさ」
「あ、そう言えばそうだね!俺は五色田介人!この姿では秘密のパワー!ゼンカイザー!」
「俺はジュラン!今は恐竜パワー!ゼンカイジュランだ!よろしこ♪」
「オイラはセッちゃんチュン!宜しくチュン!」
ウィスプの問いに白い戦士、ゼンカイザーはポーズを取って名乗り、赤い戦士、ゼンカイジュランも同じ様にポーズを取り、鳥型ロボット、セッちゃんも続く。
「介人にジュランにセッちゃんだな!宜しく!俺は横島忠夫!今は仮面ライダーウィスプだ!」
「……え?横島忠夫?まさか、この世界、GS美神の世界?」
自己紹介したウィスプのにゼンカイジュランは恐る恐る聞く。
「そうだが、どうした?」
「ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ……マジかよぉ……」
W(翔太郎)に肯定された事で頭を抱えるゼンカイジュランに誰もが首をかしげたがゲイツだけは理解した。
「そうか、あんたもか……」
「!そういう兄さんもか?」
深々と頷くゲイツにゼンカイジュランは同士よ!と手を差し出し、ゲイツも力強く握手して返す。
「おお、ゲイツが早速仲良くなってる!」
「ジュランも早速仲良くなってていいね!」
((((絶対に同族繋がりだな……(チュン)))))
それにジオウとゼンカイザーがのほほんと返す中でウヴァ、ウォズとホロウ、セッちゃんはああ……となるのであった。
次回、第17の章:飛電の社長と現れる神
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第17の章:飛電の社長と現れる神
暫くして、ある者と対面する。
汚染された水の処理が終わったので早速ゼロワンの元へ向かっていた。
浄水セクターのホールに戻り、件のゲート前まで行くとゲートが開いており、その前に1人の人物が立っていた。
黒いライダースーツに黄色のアーマーが装着された紅い複眼が特徴の仮面ライダーを見てあれがゼロワンかとウィスプとホロウは思う。
そのゼロワンは近づいて来たのに気づいて顔を向けてからジオウを見てああ!?と声をあげる。
「ジオウ!と言う事はソウゴか!久しぶり!!」
「あ、もしかして俺が知ってる或人!?ホント久しぶり!!」
嬉しそうに駆け寄るゼロワンにジオウも楽し気に返す。
「なんだ、おたく等知り合いだったのか」
「別世界の可能性もあったからな」
気軽に話しかけるゼンカイジュランのディケイドはそう返す。
「おお、そういうあんたは一緒にいたカメラの人か!良かった良かった!なんかイズと通信出来なくなるわ、セッちゃんが別世界に来たとかでもうわけワカメだったから知り合いがいてマジ助かったるびー」
そんなディケイド見てからゼロワンが嬉しそうに言った事に一部はハテナマークを浮かべる。
「ああ、最後のは料理のタッカルビと助かったをかけてるんだね」
「タッカルビ……そう言う料理あるんか~~」
「あ~そこは真面目に解説しないで~そしてそこの人は素直に関心しないで~」
それにW(フィリップ)は納得し、ウィスプはどんな味なんやろうなと呟いているのにゼロワンは悶える。
「こいつがゼロワンか?」
「うん。仮面ライダーゼロワンで変身する前の名前は飛電或人だよ」
呆れた様子で確認するホロウにゼンカイザーはゼロワンを見て言う。
「紹介された様に俺は飛電或人。この姿では仮面ライダーゼロワンだ。宜しくな!」
「あ、俺、横島忠夫って言うんだ!今は仮面ライダーウィスプだ」
「陰念だ。仮面ライダーホロウに変身してる」
自己紹介するゼロワンにウィスプとホロウは名乗る。
「え!?横島ってあの有名な横島忠夫!?すげぇ!生の横島忠夫に会っちゃったよ!」
興奮するゼロワンに別世界だとそんなに有名なのかこいつ……とホロウはウィスプを見る。
「それで、お前達がこの世界にいる経緯を話して貰えるか?」
全員が自己紹介を終えた後にW(翔太郎)がゼロワンやゼンカイザー達、ティガに問う。
☆
それは横島達が来る前日でまだセクターシティがゼロワンの世界にあって、ウィスプの世界に来る前の時間。
ゼロワンこそ或人はある事件が終わり、自分がしてる事業の更なる海外進出に向けた宇宙のミッションから地球に帰還して休んでいた時、自分の秘書のイズからとあるデータを盗まれたと言う報告が来た。
盗まれたデータはアルトの会社、株式会社飛電インテリジェンスの事業の要であり、先代社長で或人の祖父の飛電是之助が開発した人工知能搭載人型ロボット『ヒューマギア』であった。
さらに知り合いの所からそんなヒューマギアを悪用し、怪人へと改造した『マギア』のデータも盗まれたと言う連絡が来た。
ヒューマギアを悪用しようと考えてる者の仕業と考えた或人はすぐさまイズと知り合いの手を借り、地図に何もなかった場所へ何時の間にか現れていた島、テクターシティからハッキングを受けたのを知ってすぐさま単身、ゼロワンのフォームの1つ、フライングファルコンで乗り込んだ。
「あれだな……問題の島は……」
肉眼で島を視認したゼロワンは全体を見渡す。
「急いで来てみたけど、嫌な雰囲気だな……」
【アルト社長。その島は強力なセンサーが張られており、こちら側で詳しく調べるにはセンサーを強化してる装置を解除しなければなりません。アルト社長の前方に見える高いタワーの屋上から島全体に向けて強いセンサーが張られておりますから、タワー屋上の装置を解除してください】
近づいて見て空の様子からそう呟いたゼロワンの仮面に付けられてる通信装置から女性の声が響いて指示を出す。
「分かったぜイズ。あのタワーだな」
答えてからゼロワンはタワーへと飛んで行き、近づいて来た所でベルト、ゼロワンドライバーに装填していた物、プログライズキーを引き抜く。
【ジャンプ!オーソライズ!】
その後に別のプログライズキーを取り出してゼロワンドライバーに翳してからキーを展開してベルトにセットする。
【プログライズ!飛び上がライズ!ライジングホッパー!】
【
そのまま通常形態に戻りながら着地したゼロワンはタワーの中央にある台座の様な装置に目を向ける。
「あれだな」
近づいたゼロワンは台座の上に1つの赤いメダルがセットされて浮かんでいるのに気づく。
「これを外せば良いのかな?」
早速ゼロワンはそのメダルを取ると装置は停止する。
「これで大丈夫だな。後は来る事になってる不破さんと合流……!」
呟いている所で後ろから突然響いた音に慌てて振り返る。
ゼロワンの目に映ったのは……
「次の世界に到着ぜんか~い!!」
「「「「【イエーイ(だチュン)!!】」」」」
はしゃぐ青年と旅行鞄を持った思いっきりロボな4人と鳥型ロボットであった。
誰!?とゼロワンが思っているとロボットの中で赤いのがゼロワンを見てあーと声をあげる。
「あんた、確かある時に飛羽真と芽依と一緒に里見八犬伝の世界に飛ばされた時に出会った人じゃないか!」
「あ、ホントだ!あの時ジュランと一緒にいた人!!」
近づいて自分を指さす赤いロボットと青年の2人にゼロワンはえ?え?と戸惑った後に2人の顔を見てあ!?と声をあげて指さす。
「思い出した!夢だ!ある時に見た夢の中に出て来た人等だ!?え、もしかして俺、まだ夢を見てるの?」
戸惑ってるゼロワンにどういう事と青年と赤いロボットも戸惑っていると青いロボットが眼鏡をくいっと上げてからもしかすると……と前置きしてから述べる。
「介人とジュランの話にそこの人の話を擦り合わせて考える限り、あの時、私達や飛羽真さん達を除いてアスモデウスにより飛ばされて来た人達は意識だけが体から抜け出て実体化していたのではないでしょうか?それによってここにいる彼も含んだ皆さんはあの時の戦いを夢として認識していたのではないでしょうか?」
「な~る」
「なんかわかんないけど、そんな感じだったのか~」
推論を述べる青いロボットに赤いロボットや他のメンバーは納得する。
「んじゃあ改めて自己紹介だね。俺は五色田介人って言うんだ!」
「俺はジュランだ。改めてよろしこ!」
「僕はガオーンだよ!」
「自分はマジーヌッス!」
「私はブルーンと申します!」
【オイラはセッちゃんチュン!】
「元気良いね~!俺は飛電或人!今は仮面ライダーゼロワンだ!宜しくな!」
青年から、赤、黄、ピンク、青、鳥型ロボットと順番に挨拶して、ゼロワンも名乗る。
直後だ……声が響いたのは……
「ほう、そこにいるのは……先ほどあやつが手に入れたデータにあった仮面ライダーゼロワンだな?」
誰もが慌てて声のした方を見ると、椅子に座り、宙に浮かんだ怪人がいた。
「おわっ、どこから!?」
「ややっ!いきなり現れましたぞ!?」
【あ”あ”っ!?介人!?空間が歪み始めたチュン!!】
「ええ!?」
何もなかった空間に現れた怪人に誰もが驚く中でセッちゃんの言葉に介人は驚いていると確かに空の景色が歪んだ後に先ほどとは違う景色となっていた。
「まさかあの仮面ライダーと同じ様に別の世界に移動する瞬間に紛れ込むとはな……次から次へと油断がならぬ」
「待ってください!次から次って言うからには我々以外にも他に来てる人がいるんですか!?そこの所詳しく!」
「あ、ちょ!」
「危ないよブルーン!」
呆れたようにぼやいた怪人の言葉に食いついて質問しようと近寄ろうとしたブルーンをマジーヌとガオーンが慌てて止めようとする。
直後、怪人が手に持った槍から稲妻を3人に向けて放つ。
ドカァァァァァァァン!!
「「「うわぁぁぁぁぁ!?/きゃぁぁぁぁ!?」」」
「ガオーン!?ブルーン!?チェンジ全開!」
「マジーヌ!?てめぇ!チェンジ全開!!」
地面へ着弾した稲妻の衝撃でどこかへ吹っ飛んで行く3人に介人とジュランは懐から鳥の顔を模した銃口の銃、ギアトリンガーを取り出して後部に歯車の様なアイテム、センタイギアをセットしてレバーを回してからトリガーを引く。
【16バーン!】
【45バーン!】
【ババン!ババン!ババン!ババン!ババババーン!】
【ゼンカイジュゥラン!!/ゼーンカイザー!!】
飛び出した歯車型エネルギーが2人を包み、ジュランは追加パーツの様に恐竜を模したアーマーを纏ったゼンカイジュラン、介人はV字のアンテナや瓢箪型の青いゴーグルのある赤いラインが真ん中に走った白いマスクにピンク、青、緑、黄色のラインが体の中央の赤いラインと左右対称になったスーツを身に纏ったゼンカイザーに変身する。
「ふん!」
直後、怪人は先ほどブルーン達を吹き飛ばした様に雷を放ち、変身直後だったゼンカイザーとゼンカイジュランは避ける暇もなく、ゼロワンは慌ててセッちゃんを護る為に抱きしめる。
ドカァァァァァァァン
「「「うわぁぁぁぁぁぁっ!?」」」
それによりゼロワン達も吹っ飛ばされてしまい、ゼロワンの持っていたメダルも衝撃で手から離れてどこかへ飛んで行く。
「おいおい、ヤバいぞ介人!このままじゃあ海に落ちるぞ!!」
「うええ!?」
【ヤバいチュン!!】
海の方へと落ちて行く事にゼンカイザー達が慌てる中、突然浮遊感はなくなる。
「あれ?」
「俺達、落ちてない?」
「な、何が起きたんだ?」
【あ”あ”!?介人!上を見るっチュン!!】
上と3人は見上げると……自分達を見つめている巨大な顔に気づく。
「ええ!?さっきの奴よりも大きいのが!?」
「ど、どなた!?」
「もしかして、助けてくれたの?」
いきなりの事で驚くゼロワンとゼンカイジュランだが、ゼンカイザーは恐る恐る巨人へと問う。
巨人は静かに頷いた後に、何かに気づいてその場から動く。
すると巨人がいた場所に雷が落ちる。
「なんでいきなり雷が!?」
「もしかしてさっきの奴の攻撃か!?」
「と、とにかく退避全開!」
「テアッ!」
落ちない様にしがみ付きながら驚くゼロワン達を落とさない様に巨人は避けながらセクターシティへと飛んで行く。
森が見えてくると巨人はその体が光に包まれ出し、ゼロワン達を含めて小さくなった光の球は森の中へと入って行く。
そのまま光の球は森の中を飛んで行く中で雷が来ない事を確認すると停止し、光りが弾け飛ぶと地面に尻餅を付くゼロワン達と小さくなった巨人が着地する。
「おおっ!?」
「ぶ、無事に戻れたのか?」
「そうっぽい……はぁ、助かった」
「テアッ」
誰もが安堵の息を吐いた後に元巨人を除いて変身を解除する。
「改めて助けてくれてありがとう。俺は五色田介人って言うんだ?君は?」
礼を述べる介人に元巨人は地面を触って感触を確かめてから指で何かを描く。
3人とセッちゃんは覗くとそこにはウルトラマンティガと書かれていた。
「ウルトラマンティガ?」
「初めて聞くな」
「仮面ライダーと違うのか?」
【ええっと……あ、あったチュン。どうやらスーパー戦隊とも仮面ライダーとも違う。平和を守る巨人だって事チュン】
首を傾げる或人と介人、ジュランの後にセッちゃんが自身の中にあるデータベースから関わる奴があったのか、簡略に伝える。
「まぁ、宜しくなティガ!俺は飛電或人!宜しくな」
「ジュランだ。よろしこ!」
「タアッ!」
挨拶する2人にティガは頷く。
「しかし、マジーヌ達は大丈夫だろうか?」
「セッちゃん。通信出来る?」
【ん~~~……ダメチュン。この島のどこかにいるのは分かるけども、変身してないから繋がらないチュン】
「そうだ俺もイズに通話をつーわ」
心配するジュランの後に介人が確認するがセッちゃんはそう返し、或人はイズに電話しようとするが使われませんと出て来る。
「繋がらない~」
【そりゃあ別世界だから繋がるのは無理チュン】
呻く或人にセッちゃんは呆れて言う。
「早く探さないと!」
「待て介人。こんな広い島を当てもなく探すのは無茶だ。まずは一旦休んでからの方が良いと思うぜ」
「俺もジュランの意見に賛成。当たんなかったとはいえな……」
いつつと呻く或人に介人はうんと不安げに頷く。
☆
「それで、一晩休息を取った翌日に行動を開始して、暫くして今いる場所に着いた後に色々と調べていた所をセッちゃんが俺達とは別の反応を見つけて、それで介人たちが向かった訳」
「成程な」
「と言うか、或人さんは社長だったんかー……」
「にゃあ~」
「アオオン」
ートラ―ー
「パオン」
「ブゥゥン」
「ガオン」
「待て、2匹程多いぞ!?」
締め括るゼロワンのに感嘆するウィスプの後に続いた
そこには、ニックやラトプスに重量系メダルマスコットにトラカンともう2匹いた。
1匹目は顔はクワガタの様な顔付きに太い体に腕がカマキリの様な鎌になっていて、足が飛蝗みたいなキメラ昆虫(想像するならポケモンのクワガノンの腕と足をカマキリの腕と飛蝗の足に変えた感じと想像して貰えれば)。
2匹目は見た目は雄ライオンだが、上半身がトラ模様で下半身がチーターの毛の模様の様な感じになっていた。
「あ、そうそう、ここに来る途中でウロチョロしていたから見つけたんだ」
「余計な事をぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
サムズアップして言うゼンカイザーにホロウは崩れ落ちて絶叫する。
「おお、すげぇカッコいい!見た目もすげぇ心くすぐられるな~~」
「ブゥゥン♪」
「ガオガオーン♪」
それにウィスプはすぐさま褒めて頭を撫ぜると2匹は嬉しそうに鳴く。
「もしかして昆虫と猫系のメダルで誕生したのかな?」
「ありえるな……あのコピーどもも同じ様に複数のメダルがあったのならあの重量系の奴と同じ様にこの世界の変化でなったんだろうな」
もうウィスプに懐いている様子の2匹を見て呟くオーズのにウヴァも呆れた感じで呟く。
だったらと呟いたオーズはマスコット達とじゃれてるウィスプに近寄る。
「横島君。提案なんだけど、この子達が君と住めるまでの間の仮の名前を俺が付けても良いかな?」
「え?良いんですか?」
じゃれあっていたウィスプは提案された事に少し驚く。
うんとオーズは頷いてから3匹を見る。
「この子達は君に懐いているからね。その間名無しなのも可愛そうだからね」
「うーーん。なあ、お前等はそれで良いかな?」
自分ではなく、付けられる者達へと問うウィスプに3匹は少し悩んだ感じの動作をしてから首を縦に振る。
「んじゃあ、重量系はパオパオ、昆虫はクワタン、猫系はトラタで」
「あ、良いっスね!」
この時、ホロウは思った。
あれ?この人も横島レベルのネーミングセンスか?……と……
「パオパオーン♪」
「ブゥン♪」
「ガオ♪」
ちなみに付けられた3匹は嬉しそうに鳴いていた。
「そう言えばさ、そっちで何かしたの?調べていた間もこのゲート、全然動かなかったのに、ついさっきでがぁぁぁって動き出したんだよ」
【それはセキュリティレベルが下がった事で下水道エリアへのゲートが解放されたからだと思います】
「あのバイラス・ドーパントを倒してもレベル下がっただけでエリア全域は解放されてないと言うのがまだまだ強い奴がいるって分からせられるとなんとも言えないな」
目の前の開いた状態のゲートを指して問うゼロワンにアイはそう答え、ホロウはそうぼやく。
【そうなるとこの先も途中何があるか分からないチュンね】
「先に何があるか、しっかり探知は出来ないのかいアイ?」
【この辺りは古い施設なので、わたしもデータを把握していません……】
ゼンカイザーの肩に乗って言うセッちゃんの後にアイに確認するW(フィリップ)に問われた彼女は申し訳なさそうに返す。
「なら、用心しながら進むしかねえなここは」
「ようし!突撃全開!!」
「デアっ!」
先を睨んで言うゼンカイジュランの後にゼンカイザーは走り、ティガが後に続く。
「っ待て!用心しろ!!」
「彼、なかなか真っ直ぐだね」
それにゲイツはツッコミを入れ、ウォズが呟いた後、銃撃音が響きわたる。
「早速敵がいた!?ちょあーっ!!」
「早速か!」
「今行くよ!」
戦っているゼンカイザーの声にクウガやジオウは援護に向かう。
そのままマスカレイドやガーディアンの集団を倒しながら進むとネイビーに彩色された大型のガーディアンが佇んでいた。
「強化体か……」
「なんかブルーンみたいな図体だね」
「ああ、確かにゴツイな」
それを見て呟くディケイドの後にゼンカイザーとゼンカイジュランがそう述べているとゆっくりと歩き出す。
ティガはどこからともなく巨大な斧を2本出現させて斬りかかる。
「ガガ!?」
いきなり強い力で斬りかかれた大型ガーディアンは後ろに下がってから殴りかかるがティガはバックステップで避ける。
「どうやらパワーに特化した分、スピードがない様だね」
「なら、一気に決めるぞ」
「だね!これでいける気がする!」
分析して言うW(フィリップ)のにゲイツとジオウはそれぞれ斧モードのジカンザックスと剣モードのジカンギレードに各々のライドウォッチをセットする。
【フィニッシュタイム!!】
そのままエネルギーを収束させた刃を振り下ろす。
【ジオウギリギリスラッシュ/ゲイツザックリカッティング!!】
「たあ!」
「はあ!」
左右同時に交差する様に切り裂き、X字に切り裂かれたガーディアンは火花を散らしながら爆発四散する。
「こうやって人数が多いと手持ち無沙汰になったりするな……」
「休めて良いだろ。こういうのは役割分担だ」
マスコット達と見ながらしみじみと呟くウィスプにディケイドはそう返す。
暫くするとゲートが見えて、そのゲートを潜る。
ゲートを潜った先でウィスプがあっと声をあげる。
ターミナルの隣にライドベンダーが置かれていた。
「ライドベンダーがある!やったなトラちゃん!これでトライドベンダーになれるぞ~」
ートラーー
「あ、待って横島君。まずはラインナップを確認させてよ」
早速ライドベンダーをバイクモードにしようとするウィスプを宥めて、オーズは確認する。
「タカとバッタか……良し」
確認したオーズはメダルを3枚入れてボタンを押す。
【タ・カ・カン】
【バッタ・カン】
すると赤い缶1個と緑の缶が2個出る。
「あれ?緑の方は2個ですか?」
「うん、バッタカンドロイドは2個使う方が良いんだ」
そう言って起動させると赤い缶はタカを模したのになり、緑の方は飛蝗を模したのに変わる。
「おお、元気の良い機械動物だな~」
「ほえ~ゼンカイジュウギアの様な感じだな」
それにゼロワンとゼンカイザーが感嘆してる間に新たなカンドロイド達はタコカンやトラカンと共にマスコット達と共にウィスプとじゃれ始める。
「!?」
「?どうしたティガ?」
誰もがその光景に苦笑しているとティガが何かに反応して振り返り、気づいたクウガもつられて振り返る。
直後、何もない空間が光り、そこから椅子に座った怪人が現れる。
「こいつは!?」
「ああ!?俺達を吹っ飛ばした奴!」
「転移して来たのか!?」
身構えるW達を見渡した後にアイへと目を向ける。
「ほう、頑張っている様だねアイ」
「お前はあの時の!何者だ!」
感心する様に言う怪人のにW(翔太郎)は言葉を投げかける
「私の名はゼウス。この島の責任者だ」
「ゼウス……ゼウスだと!?」
「ええ!?」
「ゼウスって、さっき話の中に出てた!?」
告げられた名前に誰もが驚く。
【そんな!?まさか……ゼウス……ゼウス博士!?】
(む?)
同じ様に驚いた様子のアイに心眼は違和感を持つ。
彼女から変な感じのをうっすらとだが感じたのだ。
会った時も抱いていた違和感もあって心眼は戸惑う。
「いかにも、私はゼウス……いや、今はゼウス・ドーパントが正しいか」
「うええ、どういう事?」
優雅に言う怪人、ゼウス・ドーパントにウィスプは戸惑うがWは今までのから確信する。
「そうか……そう言う事だったのか……!お前は財団Xと、何を企んでいるんだ!」
「このセクターシティは、元々財団Xの施設なのさ。財団X次世代エネルギー開発部門、のね」
「エネルギー部門の施設にしては、怪人の姿がちょっと多すぎるんじゃないかな?」
問いかけるW(翔太郎)のに返したゼウス・ドーパントのにW(フィリップ)はそう呟く。
「ガイアメモリ、コアメダル、デジモン、マギア、そしてNEVERの能力を強化できるとわかればやむを得まい……」
「NEVERだって!?」
「ヒューマギアやマギアのデータを盗んだのはあんたの仕業だったのか!」
出てきた言葉にW(フィリップ)とゼロワンは反応する。
「おっと!少し饒舌になり過ぎたかもしれないな……」
「おいゼウス!アイダ博士は今どこにいる?」
失敗失敗と漏らしていたゼウス・ドーパントはW(翔太郎)の投げかけた問いに驚いた様子で身を乗り出す。
「アイダ……!?アイダの名前をなぜお前達が知っている!?」
「ありゃ?なんか予想がいな反応してる」
「知りたければ、まずこちらの質問に答えたまえ」
そう言って身構えるメンバーにゼウス・ドーパントはふんと鼻息を鳴らす。
「……まあいいさ」
【ゼウス博士、いったいなぜこんなことをどうしてですか!?】
問い詰めるアイのにゼウス・ドーパントはアイを見る。
「なぜ?研究のため、だよ。ここまで研究は順調に進んできた。多大な犠牲を払ってね……」
「!研究の為に人を殺したのか!?」
笑って答えたゼウス・ドーパントのにウィスプは叫ぶ。
「犠牲はこれからもさらに増えるだろう。邪魔するなら、君達も加わってもらうよ」
「犠牲……犠牲だと……!誰かの命を奪って良いわけがない!」
怒鳴り返してゼウス・ドーパントへ飛び掛かろうとしたオーズの前に何かが降り立つ。
それは二足歩行したリクガメの様な怪人と頭がシュモクザメの顔の様な形をした魚人、逆さになったイカのような外見を持った怪人であった。
「!リクガメヤミーにダイブモン!!?」
「こいつはネオヒマギア!?」
「そいつ等と遊んでいたまえ、私も忙しいのでね」
現れたのに驚くオーズとゼロワンへ達へとそう言ってゼウス・ドーパントは消えて行く。
「待て!」
飛び出そうとしたオーズはリクガメヤミーの鎖付き巨大鉄球に阻まれる。
それを合図に他の2体も襲い掛かって来る。
次回、第18の章:VS水棲怪人
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第18の章:VS水棲怪人
【アーイセレクトッ!】
すぐさまホロウはリクガメヤミーの巨大鉄球で周りを破壊されたらいけないと考えてステージセレクトをして戦う場所を変える。
が、選ばれたステージがどこかのビーチであった。
「うわ、相手にめっちゃ良いステージじゃん!」
「俺に文句言うなよ!ランダムなんだからな!」
思わず呻くウィスプにホロウが怒鳴り返すとダイブモンが早速海へと飛び込む。
そのまま背びれを出した状態で素早く泳いでいく。
「うわ、魚だけに泳ぐスピードがハエーイ!」
【しかも何気に見た目とは裏腹に綺麗に泳いでいるな】
【そう言うコンテストがあったら絶対に優勝できそうチュン】
「関心してる場合じゃないだろ!?」
「おいおい、これはヤバくね?水中戦出来るヤツいる?」
驚きの声をあげるゼロワンの後に泳ぎので評価する心眼とセッちゃんにゲイツがツッコミを入れてゼンカイジュランが懸念してる所に刃物のように形成された水が飛んで来て、ゼンカイジュランは慌てて持っていた盾、ジュランシールドで防ぐ。
「タァッ!」
それにティガが自分がと海の中へ飛び込んで行く。
「ようし俺も!」
【ファング!オーソライズ!】
それを見てゼロワンは浅葱色のカセットテープの様なアイテム、プログライズキーを取り出して起動してからゼロワンドライバーに装着されていたプログライズキーを抜いてから取り出したのを翳すとメカニカルなサメが出現して飛び回る。
「サメが飛んでる!?」
「いや俺等のも似た様なもんだろ!」
それにウィスプが驚き、ホロウがツッコミを入れてる間にゼロワンはプログライズキーのキーコネクタを展開して露出したそれをゼロワンドライバーにセットする。
【プログライズ!】
音声の後にゼロワンの黄色のアーマーが変形・移動し始め、マスクは左右に分割して上下逆に側頭部に、胸部アーマーは腕に、足のアーマーは元あった位置の横に移動する。
【キリキリバイ!キリキリバイ!バイティングシャーク!】
空いた部分にメカニカルなサメは輪切りな感じに分裂してから光の粒子となってゼロワンに張り付くとサメを模した浅葱色のアーマーが新たに装着される。
【
水中移動を得意とするバイティングシャークへとフォームチェンジしたゼロワンはうっしと気合を入れ……
「準備運動してから海に飛び込もう。良い子もちゃんと準備運動をしてから海へと入ろうな」
「誰に言ってんだ!?」
準備運動をしながらどこかへとそう注意するゼロワンにホロウがツッコミを入れてる間に準備運動を終えたゼロワンは海へと飛び込む。
「なんか新しい奴等のテンションにおいつけねぇ……」
ゼロワン達のノリにそうぼやきながらホロウは手足を胴体に引っ込めてジェット噴射して回転しながら突進して来たリクガメヤミーを避ける。
「ふっはっ!」
「はっ!」
頭部に生えた鋭利な刃を備えた触手、マーラタクルを振るうネオヒマギアにディケイドがライドブッカーソードモードで薙ぎ払い、ジオウとゲイツ、ウォズも各々の武器で切り払う。
「おりゃあ!」
「ちょあー!!」
そこにクウガとゼンカイザーが格闘戦を仕掛け、ネオヒマギアはパンチを受けた瞬間に自身のマーラタクルを切り離すとクウガとゼンカイザーを拘束する。
「うわ、巻き付き全開!?」
「この!」
「今助けます!」
身動きが取れないクウガとゼンカイザーをウィスプが助けようとして、横からの攻撃に体から火花を散らして転がる。
【もう1体だと!?】
その言葉通り、ネオヒマギアがもう1体おり、マーラタクルでウィスプを攻撃しようとして、割り込んだゼンカイジュランがジュランソードで切り裂く。
「大丈夫か!忠夫!」
「助かったぜジュランさん!ようし!」
体勢を立て直したウィスプはスーパー戦隊眼魂を取り出すとスーパー戦隊眼魂は変化し、左上が白、真ん中が灰色、右下が黒という感じでサングラスの様な模様が入った眼魂へと変わったのを見てセットする。
【アーイ!カイガン!ゴーバスターズ!!】
音声の後に素早く動くパーカーゴーストが何回もネオヒマギアBに体当たりしてからウィスプに装着される。
【特命!人々を護れ!レディーゴー!!】
「バスターズ!レディーーーーーーゴー!!」
姿勢を低くし、左手首と右手首をぶつけた後にその体を緑色に輝かせて、素早くネオヒマギアBの懐に飛び込み、そのままゴーバスターズの共通武器、ソウガンブレードで切り裂く。
怯んだネオヒマギアBがマーラタクルで拘束しようとするがその前に離脱する。
その後にウィスプの纏うパーカーゴーストの色が青くなると両腕を光らせ……
「どっせい!!」
力強く地面を叩くとそれにより起こった振動で動きを封じられる。
「ヴゥゥゥゥゥン!」
「ガオォォォォン!!」
動きが止まったネオヒマギアBにクワタンが電撃を放ち、トラタが鬣から光弾を放ってさらに動きを封じる。
【メタル!マキシマムドライブ!!】
その隙をヒートメタルとなったWがすかさずメタルシャフトのマキシマムスロットにメタルメモリを装填し、両端から炎を噴き出させて突撃し……
「「メタルブランディング!!」」
力強い一撃を叩き込み、もろに受けたネオヒマギアBは吹き飛んで爆発四散する。
「えっと、これだ!」
なんとか動く腕でセンタイギアを取り出したゼンカイザーはギアトリンガーにセットし、ハンドルを回してトリガーを引く。
【40バーン!ババン!ババン!ババン!ババン!ババババーン!ジュウオウジャー!】
飛び出した光が5人の戦士、動物戦隊ジュウオウジャーとなると中央のジュウオウイーグルがマッシブな姿、ジュウオウゴリラへ変わった後にゼンカイザーと一体化する。
ちなみに、ホロウは一瞬寒気がした。
【動物戦隊ジュウオウジャーのジュウオウイーグルの3つの姿の1つ、ジュウオウゴリラの力が宿ったチュン!】
「うおおお!ゴリラパワー全開!!」
咆哮と共にゼンカイザーは自身の体に巻き付いたマーラタクルを力でぶち破るとクウガに巻き付いたのも外す。
「サンキュー介人!」
「どういたしまして!この勢いでちょあー!」
勢い良く回転しながらゼンカイザーはネオヒマギアAに向けて回転の力を加えたアッパーカットを叩き込んで上空へ打ち上げる。
打ち上げられたネオヒマギアAをみつえ、クウガは右足を燃え上がらせて飛び上がる。
「おりゃあ!」
一回転してからの飛び蹴り、強化マイティキックはネオヒマギアAのお腹に炸裂し、ネオヒマギアAは火花を散らしながら爆発四散する。
「ああ、うっとおしいんだよ!!」
飛びながら回転攻撃をしつこくして来るリクガメヤミーに苛立ったホロウがよけ際に腹部分を力強く殴って吹き飛ばす。
それによりリクガメヤミーは縦回転しながら地面に落ち、仰向けになる。
すると顔や手足を出したリクガメヤミーはジタバタともがき始める。
「あ、起きれないんだ」
【亀怪人の悲しい性と言うべきか……】
「ってか、人と変わらない体系で両足あるのに起きれないんだな……;」
起きれない様子のリクガメヤミーにジオウと心眼は呟き、ウィスプは冷や汗を掻く。
【とにかく今がチャンスっチュン!】
「そうだな。怨むなよ」
「俺達も!トドメ全開!」
【ダイカイガン!ゴーバスターズ!オメガドライブ!!】
【ヒーロー/キカーイ!スーパーゼンカイタイム!!】
【ファイナルアタックライド!ディ・ディ・ディ・ディケイド!!】
【イッツタイムフォアスペシャルバスター!!】
【~♪ゴッゴー!~♪バンバン!】
ジタバタもがくリクガメヤミーをみつえ、ウィスプはソウガンブレードとゴーバスターズのもう1つの共通武器であるイチガンバスターを合体させたイチガンバスター・スペシャルバスターモードを構え、ゼンカイザーとゼンカイジュランはエネルギーを銃口と頭上に集結させ、頭上に巨大なゼンカイジャーのロゴを形成し、ディケイドは数枚のカードの幻影が前方に展開され、ライドブッカーガンモードを幻影に向ける。
その後に4人が同時にトリガーを引く。
【ダイゼンカイ!!】
「「「「はっ!!」」」」
同時に強力なビームと光弾を発射し、リクガメヤミーに着弾した直後に、リクガメヤミーに向けてゼンカイジャーのロゴを落ちて炸裂する。
ドカァァァァァァン!!
「後はあのダイブモンだけか」
爆発を見てからゲイツは海を見る。
海の中では自由自在に動くダイブモンは向かって来たティガとゼロワンに全身の鋭いヒレで斬りかかるのに対し、ゼロワンは両腕の元々のアーマーが鮫の鰭のような形状に変化したアンリミテッドチョッパーで応戦し、ティガは避けつつ、ハンドスラッシュで応戦していた。
幾度目かの突撃を避けた後にティガは腕を交差すると額のクリスタルが光った後に腕を振り下ろすとその体の模様が変わる。
見た目はウルトラマンオーブのスペシウムゼペリオンの赤色の所が紫色に、紫色の所が赤色と言うカラーリングになったのでティガはその手にオーブが使うオーブカリバーのエレメント部分がオーブダークが使うオーブダークカリバーのエレメントに置き換わった剣、ティガカリバーを出現させる。
「おお、かっちょいい剣でちょーけんだね!」
それを見てゼロワンがそう言ってる間にティガは向かって来たダイブモンをみつえ、ティガカリバーの中央のリングを2回回転させると氷の文字が光り輝いた後にトリガーを引いてリングを勢いよく回す。
「ハァァァァァァァァッ!」
ティガカリバーの刀身が青く輝きだし、それを見てヤバいと感じたダイブモンは水を圧縮して刃物のようにして飛ばす。
「タアッ!!」
向かって来た刃物を切り払うと同時に円系の斬撃がダイブモンへと飛んで行き、それに切り裂かれたダイブモンは切り裂かれた所から凍り付く。
「俺も決めますか!」
【バイティング!インパクト!!】
それを見てゼロワンはドライバーの装填されたプログライズキーを再度押し込むと両腕のアンリミテッドチョッパーからエネルギー体の分身が出現する。
そのまま凍り付いたダイブモンに向けて突撃し……
「はぁっ!!」
エネルギー体の分身体チョッパーで噛み砕くかの様に挟み込む。
バ
イ
テ
ィ
ン
グ イ ン パ ク ト
挟み込まれたダイブモンは砕かれると共にセルメダルとなって四散して行く。
「やったぜ!」
サムズアップするゼロワンにティガも返す。
☆
元の場所に戻って来てウィスプはクワタンやトラタを褒めながら一息つく。
「なんとか倒せてよかったっスね」
「そうだね。先を急ごう!」
「ああ!何としてもヤツの陰謀を止めねーとな!」
下水道エリアにある恐竜メダルを早く手に入れる為に言うオーズにW(翔太郎)も頷いて動こうとし……W(フィリップ)が待ったをかける。
「その前に、まずやる事があるだろう、翔太郎!」
「その通りだぜ横島。今、この島で起きてる原因がゼウス博士である事がハッキリして、もう1つ今調べておかねえ事が出来ただろう」
「ま、確かにそうだな……アイがゼウスの知り合いだった可能性だな」
W(フィリップ)に続いたホロウとディケイドの言葉で誰もがアイを見る。
【確かに、ゼウスはアイをハッキリと呼んでいた。もしかすると何らかの罠が仕掛けられている可能性もあるから私としてこのまま同行させて大丈夫なのかと言う懸念がある】
「心眼!お前!」
「だが、心眼のに一理あるぞ。アイ自身になくても、こいつの見ている視線からこちらの行動が筒抜けって可能性だってありえるぞ」
「けどさ、それだったら俺達を不意打ちしまくったっていいんじゃないかな?特に翔太郎さんだけの時にそれをする状況があったんだしさ?」
「アイを信用させる為に敢えてしなかったと言う可能性もあるよ我が魔王」
続いて述べる心眼のにウィスプはありえないだろと言う思いで叫ぶがゲイツも同意し、ジオウのにウォズがそう告げる。
「皆の言いたい事は分かる。しかしフィリップ、ゼウスの言う事が全て正しいとは限らねえ……それに俺は、もうアイの依頼を受けちまった……依頼人の言う事は何があっても……」
「信じるって言いたいんだろ?だったら勝手にしたまえ!僕は僕で、カオス達に先ほどまでの情報を伝えてから別方向で調べさせてもらうよ!!」
W(翔太郎)のにフィリップは怒鳴った後に有無を言わさずダブルドライバーからメモリを引き抜いて変身を強制解除する。
「あ、おいフィリップ!ああ、くそ、聞く耳もたずかよぉ……」
呼びかけるが返事がない事に翔太郎は帽子を押さえてため息を吐く。
次回、第6のレポート:他の世界の戦士達
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第6のレポート:他の世界の戦士達
ひとまず戦闘が終わったので各々に息を付く中でアグルはで?と話を振る。
「どうする?一応は倒したが、ああいう奴がいるならまだ油断できないよな?」
「だよな。なあ戦兎。エボルトいるなら俺達はこのままこの世界に滞在した方が良いんじゃないか?」
「逆だよ馬鹿。俺達はこの事態が終わったらとっとと元の世界に戻った方が良い」
「賢明ね」
話を振るクローズマグマにラビットタンクに戻ったビルドは首を横に振り、何時の間にか合流した八雲紫が同意する。
「あんた、どこに行ってたの?」
「援軍を呼びによ。この世界に来た事あるタケルに妹紅の変身するアグルと相棒なガイアのケンタをね」
「だからこの世界にタケル君がいたのね」
「はい、紫さんから大体の事情は聞いていたので、前に眼魂を集めるのを助けて貰った恩の為に駆け付けました」
問いただす輝夜に八雲紫は理由を述べて、美神も納得してゴーストはそう言う。
「ってなんでだよ!?なんで俺達は事件終わったらとっとと戻らないといけねんだよ!?この世界にはエボルトがいるんだぞ!?後馬鹿って言うな!」
「私としても、あの、エボルトって存在を知ってるあなた達がいてくれた方が良いんだけど……」
突っかかるクローズマグマに続く蛍のにビルドは首を横に振る。
「ダメだ。あいつは正規のルートでこの世界に来た様なもんだ。俺達と違って奴は滞在出来る状態になっているからな」
「は?どういう事だ?」
「……!そうか、英霊召喚ね!」
誰もが疑問を感じる中で美神だけがハッとして気づく。
「あの、どういう事です美神さん?」
「エボルトって奴の話からして、あいつはガープの英霊召喚に巻き込まれる形でこの世界に召喚されたって事になるわ。けど戦兎君達は今回の事件の影響でこの世界に飛ばされて来た。そう言う意味ではエボルトは異世界と言う別の国からガープから英霊召喚と言う形で許可を貰ったパスポートを持ってこの世界と言う国に入国はした。けど、戦兎君達は無理やり連れて来られた言わば不正入国の形でこの世界にいると言う事になるわ」
「?どういう事だ?」
「あなた達がいれば世界に悪い影響を与えるかもしれない……と言う事よ。無論私達もね」
美神の説明にチンプンカンプンなクローズマグマに八雲紫が分かり易く纏める。
「はぁ!?」
「え、待ってください。前にタケルさんや別世界の横島さん達がいた時は眼魔が出た位でそんな悪い事が起きたなんて……」
「彼らはいた期間が短かったからのもあるけど、眼魔が出たのは十分悪い影響よ。なんたって、仮面ライダーゴーストと同じ系統の力がこの世界に誕生している時点でね」
「ゴーストと同じ系統の力……横島君のウィスプの事ね」
「この世界の横島忠夫は仮面ライダーに変身出来るのか!?仮面ライダーの力を何時手に入れたんだ?」
驚いて言うおキヌの言葉にそう返した八雲紫のに反応した美神のにビルドは慌てて聞く。
「韋駄天の時に優太郎さん、蛍のお父さんが作った霊力などを巡回させるための道具……だったのが変貌してゴーストドライバーになったの、それから横島君は仮面ライダーに変身できるようになったわ……」
「つまり凄く前から……最悪だ……」
経緯を聞いたビルドはそう呟いてから頭を抑える。
「何が最悪なの?」
「本来存在しなかった仮面ライダーの力が出るって事は、元々あった力だけじゃあこれから先は乗り越えられないって世界が認識している……つまり、GSや神魔の力だけじゃあ解決できない事態になって来ているかもしれないって事」
気になって聞いた輝夜の質問に答えたビルドのに蛍は嘘……と口を押さえる。
「俺だってそうじゃないと思いたいけど……エボルトがこの世界に英霊召喚と言う形で来られたのも世界になんらかの歪みによる影響が出始めたからだと思う」
「確かに、俺の上司も言ってたね。この世界は歪みの中にあるってね」
「そうなると、私達は色々と考えないといけないのね」
推測を述べるビルドに3号も乗っかって言った事に美神は厳しい顔をする。
ひゅん!
そんな所にだ。
メンバーの中に割り込む様に誰かが現れたのだ……
「ありゃ?タケル君?戦兎君?万丈君?黒井さんまで?それに輝夜やもこたんにケンタ君まで……皆もいたの?」
「あら~」こたぷーん
その人物は、かつて、美神達が見た仮面ライダー龍騎であった。
頭にチビノブサイズの子を乗せていて、その子を見た蛍は……崩れ落ちた。
「なぜだろう。凄く、凄く負けた気分になるのは……」
「あら~可愛いわね~」
「あら~」こたぷーん
胸を抑えながら悔しがる蛍になんとも言えない顔をしながら美神は不思議そうにメンバーを見渡す龍騎へ声をかける。
「えっと、あなたは仮面ライダー龍騎で良いのよね?」
「あ、あなたは横島君の上司の美神さんですよね?初めまして、俺はこういう者です」
美神に気づいて取り出したカードケースから1枚名刺を取り出して渡す。
これ、ディケイドの方と勘違いされてるわねと思いながら美神は名刺を見て……息を噴いた。
その反応に訝しむ何時の間にかいた冥華も含めて蛍達にも龍騎は名刺を手渡して行く。
そこに書かれていたのはこうである。
ー----------------
| |
|765プロ メインプロデューサー |
| |
|仮面ライダー龍騎 |
| |
ー----------------
「プロデューサー!?」
「え、仮面ライダーなのよね?」
「はい!仮面ライダーでアイドルのプロデューサーしております!」
「あら~」こたぷーん
スットンキョンな声をあげる蛍の後に思わず素で聞く冥華に龍騎はサムズアップして返す。
分かる分かると美神達の反応にビルドや3号はうんうんと頷く。
「丁度良かった!一緒に来てくれます?俺達、合流したかったんですよ!」
「合流って、どういう?」
パン!
鬼道とマルタを除いてその場にいた面々を1カ所に集めた龍騎は手を合わせて大きく音を鳴らすと……龍騎達の姿は一瞬で消える。
「き、消えた!?」
「え、ど、どこに?」
突然の事で2人は唖然としてしまう。
☆
時間を戻し、美神達がビルド達の戦いを見ている頃、瑠璃は雪之丞、ピート、タイガー、夏海、ツクヨミ、白ウォズ、ノッブ、牛若丸、紫、ジャンヌリリィと共に横島とピート、タイガーが通う高校に来ていた。
来た理由は、先ほど愛子から電話があり、仮面ライダーがこっちに突然現れたと言う事だ。
「その仮面ライダーが私の知り合いだと良いんですけど……」
「こっちとしては話を進めやすいからその方がありがたいんだけどね……」
バンから降りてから高校を見て心配そうな夏海に瑠璃も頬をポリポリ掻きながらそう返す。
ーきぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!-
ーああああああああああああああああああ!?ー
突如、何かの声と共に男性の悲鳴が響き渡る。
「な、何ですジャー!?」
「あ、大丈夫です。今の声は知り合いですね」
「今ので大丈夫じゃねえだろ!?」
「どういう判断基準ですか!?」
突然の悲鳴に驚くタイガーの後に安堵する夏海のに雪之丞とピートはツッコミを入れる。
慌てて向かうと見えた光景は……真っ黒こげになった仮面ライダーとチビノブサイズの子をあやしてる少女となぜかアリスがいた。
「よしよし、ビックリしたわよね」
「ごめんね驚かせちゃって」
「もっ……」
「お、俺にも言ってくんねその言葉……」
「大丈夫インペラー!?」
「今日も見事な不憫だね」
「ああ、見事なフビンペラーだ」
「いつもなんですかあれ!?」
ピクピク震えながらあやしてる少女とアリスに向けて言う仮面ライダーに虎の様な仮面ライダーが駆け寄る中で、のほほんとお茶を飲みながら犀の仮面ライダーと蛇の仮面ライダーはそう言い、傍にいた青年が驚いてツッコミを入れる。
「そうだぜ坊ちゃん。こいつマジですげぇからよ」
「うむ、不憫な目に何回も遭ってるからな」
「それ、嫌な不憫だね;」
「じーくと比べたらどっちが不憫であろうな」
そんな青年に普通に全身が氷な異形の存在がそう言い、同意する全身が青い異形に少女が冷や汗を掻く隣で横島の家にいる筈の茨木がそう呟く。
他にも数人いて、よく見るとシロ達もおり、気づいたシロが駆け寄る。
「おお、瑠璃殿!来てくれたでござるか~」
「え、ちょっと、なんでアリスちゃんがここにいるのや、あなた達がいるのかとかも聞きたいんだけど……何このカオス;」
頭がいっぱいですと横島以外で痛くなる頭を瑠璃は抑えながら呟くのであった。
早速いた面々を一部は夏海の紹介も含めて全員の自己紹介をした。
まず、アイドルプロダクションで765プロでプロデューサーをしている仮面ライダー龍騎とその仲間で従業員の仮面ライダーインペラー、仮面ライダータイガ、仮面ライダーガイ、仮面ライダー王蛇、そんな765プロのアイドルの天海春香、如月千早、高槻やよい、水瀬伊織、そんな彼女達に似たぷちっとした生物ぷちどるのはるかさん、ちひゃー、いお、やよ、みうらさん、ちびき、こあみ、こまみ
同じくアイドルプロダクションで346プロでプロデューサーをしている仮面ライダーブレイドとアイドルの渋谷凛
同じくアイドルプロダクションで283プロでプロデューサーをしている仮面ライダーファイズとアイドルの白瀬咲耶
妖怪が住む幻想郷に住む河城にとり、岡崎夢美、星熊勇儀、キスメ、別世界出身だが遊びに来ていたゴールドとシルバー
そんなメンバーとは違う世界から迷い込んで来た朝倉リク、ペガ、グロッケン、ヴィラニアス。
ちなみにアリス達がいるのはアリスが横島の家に遊びに来たのだが横島がいなかったのでお留守番となっていたチビやうりぼーと達と一緒に茨木達と共に歩いていたら奇妙な気配を感じて横島の高校に来た所、入り口らへんで変な歪みの後に落ちて来た龍騎達を目撃したとの事
「ねえ、色々と投げ出して良い?流石にこればかりは私、凄く目を背けたいんだけど……」
「し、しっかりしてくださいですジャー:」
「言いたい事は分かるけどな……」
「ホントにね;」
自己紹介を終えて顔を抑える瑠璃にタイガーが慰め、雪之丞もなんとも言えない顔で呟き、呼び出した本人である愛子は申し訳なさそうに返す。
「いやぁ、ホント俺等ってこういう感じの時に再会したりするよなダチ公」
「はた迷惑にも程があるがな」
「こっちもこっちで打ち合わせに来たらこれだからな;」
「早めに戻れると良いんだけどな;」
笑って言うゴールドにシルバーはため息を吐き、困った様子でぼやくブレイドとファイズのにうんうんと春香とやよいは頷く。
「けど、戻れる手段はないですよね?」
「うー-ん。紫さんがいればワンチャンなんだけどな」
「呼んだ?」
「いや、大きい方の八雲紫だと思うわ」
不安そうに聞く凛のにガイが言ったのに紫が反応してツクヨミはそう言う。
「え、紫さんいるの!?だったらみうらさんで迎えに行って来るよ」
「あら~」こたぷーん
「いや、迎えに行くってどうやって……」
パン!
そう言ってみうらさんを頭に乗せる龍騎にリクは聞こうとする前に龍騎は手を合わせて鳴らしてその姿を消す。
「……いつも見ますけど、ホントみうらさんって謎ですね」
「ホントだね」
「「「見慣れた光景なのか/ですか/ですジャー!?」」」
しみじみと呟く咲耶と同意する凛に雪之丞とピート、タイガーは叫ぶ。
え、マジでこれどうなるの?と瑠璃は別の意味で不安に駆られてしまうのであった。
次回、第19の章:闇に潜む者
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第19の章:闇に潜む者
リボルギャリーの中でカオスはパソコンとにらめっこしながらううむと唸る。
「何か分かりましたかドクターカオス?」
「すまんが、表向きの使い方しか出て来んな……表向きの所のだからそこまで重要なヤツはないようじゃな」
確認した西条はやはりか……と呟く。
「これ以上の情報を得るには、もっと重要そうな施設にあるコンピューターや記録媒体を調べた方が良いか……」
「後は横島達の方で何かしらの情報を得ておれば良いんじゃがな……お?」
ふうむと考え込んでいるとフィリップが苛立ち気に起き上がる。
「全く翔太郎は……」
「フィリップ君。どうしたんだい?」
「何かあっちであったのか?」
声をかける2人にええと返してフィリップは得た情報を伝える。
この世界で横島達が戦ったor並行世界で退治された者達の怪人化しての復活。
新たに加わったメンバー達。
ゼウスが翔太郎達を襲った怪人、ゼウス・ドーパントになっている事。
そして、アイとゼウス博士が繋がりがあると言う事。
「ふうむ、わしが思うに、アイはアイダ博士により作られたのではないじゃろうか?だからゼウスと繋がりがあってもおかしくないと思うぞい」
「僕も同じ意見ですね。ただ、意思を持って起動する前になんらかの細工がされている可能性も考えると一概に完全な味方とは言い難いですがね」
顎を摩って推論を述べるカオスに西条も同意してからそう付け加えてから顔を顰める。
「僕としては横島君達が戦った相手が怪人となって復活してるのが気になりますね。さらに言えばパイパーやベルゼバブの言っていたあのお方と言う人物に闇の世界も気になる所です」
「確かに、そこを聞いてから……む?いや、待ちたまえ。どうやら翔太郎が聞いてくれてるようだ。だからダブルドライバーを付けたままにしてるのか」
その言葉にカオスと西条は聞く為に無言になる。
☆
戻ってウィスプ達の所では丁度ライドベンダーにトラカンを合体させてトライドベンダーにしている所であった。
「ようし、これで元通りだなトライドベンダー」
ーグオンー
「ニャアン♪」
「あおおーん♪」
「パオパオ♪」
「ブィィ」
「ガオン」
「まぁ、戦力増えると考えれば良いか」
「兄ちゃん大丈夫か?疲れてなくね?」
嬉しそうに言うウィスプ達に眉間部分を抑えながら呟くホロウをゼンカイジュランが慰める。
「すまねえ、あいつは悪い奴じゃねえんだが、一度怒ると手が付けられなくてな……」
「それだけ、翔太郎さんの事を心配してるんじゃないかな?」
「そうだよな~翔太郎さんは無茶しやすいからな」
「お前も人の事を言えないぞユウスケ」
アイへと謝罪する翔太郎にオーズが言い、追従したクウガにディケイドが呆れて言う。
「ああ、分かってるんだがな……」
【〝怒り”……怒るのも無理はありません……私は翔太郎さん達のお役に立ちたいと思ってますが、案内した進路は敵ばかり……フィリップさん達の反応が普通です……】
「まぁ確かに、翔太郎さんの判断ってちょっと変わってるよな」
「同感だ。こっちも横島の判断が他の奴等と変わっているからな」
「そうかぁ?俺としては分かるな。翔太郎さんの勘」
「俺も同意全開!」
唸る翔太郎のにそう言うアイへオーズとホロウはそう言い、ウィスプとゼンカイザーはそう返す。
【翔太郎さんや横島さん達の影響で、わたしの行動予測も、なんだから楽観的になってきたみたいです。くよくよしても仕方ないので、前に進みましょう】
【私としてはあんまり影響を受けて欲しくない所もあるがな……】
「待て、アイ、確認するが、敵は近くにはいないな?」
そう言ったアイのになんとも言えない口調で心眼がぼやいた所にディケイドが待ったをかけて確認する。
【はい、今の所は……敵の反応はありません】
【オイラも確認したけど問題ないっチュン!】
「ならここいらで話しても良いな。奴等の裏にいそうだと思えるヤツをな」
「奴等って、さっきのゼウスが主犯じゃないの?」
そう返したロボ2体のにディケイドが言った事にゼロワンは問う。
「奴とは違うな……ユウスケ、お前も覚えてるだろう?4つの時代の中で時空を超えた大きな計画で自分の望む世界を作ろうとした邪悪な存在を」
「ああ、五代さんと津上さんが過去の本郷さん、風見さん、光太郎さんと一緒に戦った……!?まさかあいつなのか!?嘘だろ!?」
そう返してからクウガに話を振って、振られた本人は肯定してから驚いて問う。
「おいおい、2人だけで話を進めないでくれないか?」
「そんな存在が別の世界にいたんですか?」
それにホロウがツッコミ、ジオウが確認する。
「いたんだよ。はるか5万年もの昔、自分が成し遂げられなかった事を再び成す為に、現代にて1人の科学者を利用し、蘇ろうとした存在がな……そいつは共闘した過去の仮面ライダーからこう呼ばれた。邪眼とな……」
「邪眼……」
告げられた事に誰もが息を呑む。
「邪眼は世紀王と呼ばれた存在でな、ショッカーの幹部や怪人を蘇らせて、1972年、1974年、1988年、そして2004年の4つの時代でそいつらが計画を遂行するのと並行して自身の新たな肉体となる器を用意した」
「ん?ちょいと待ってくれません?それだともう計画は成功して歴史が変異しちゃってるんじゃないッスか?」
ディケイドの語りにウィスプは質問する。
「奴は科学者を使い、特殊な変異空間を作り出す装置を作り上げたんだ。そうする事で作られた空間内でしか反映されなかった。俺達もそれを利用し、1972年の仮面ライダー1号、1974年の仮面ライダーV3、1988年の仮面ライダーブラックに2004年では俺とユウスケにユウスケとは別のその世界の仮面ライダークウガと仮面ライダーアギトと共に各時代の計画を阻止はした」
「待て、その言い方だと計画は阻止出来たが、その邪眼の器は間に合わなかったのか?」
「え、そうなの?」
今度はゲイツが質問し、ゼンカイザーも聞くとクウガが代わりに頷く。
「ああ、過去の本郷さんがその器の成長していない時に倒したんだけど……丁度俺達の時代の完成した体に邪眼は入り込んで、光太郎さんの時代、1988年にタイムスリップしたんだ」
「邪眼の目的は秘密結社ゴルゴムの支配者であり守護神と呼ばれる創世王になる事で、ブラックの中にある世紀王の証であるキングストーンを手に入れようとしたんだ」
「おいおい、その時どうしたんだよ?」
【確かに、時空を超えるなど、相当な事をしなければ出来ん事だぞ】
クウガとディケイドの語りに翔太郎と心眼は問う。
「ああ、1974年で仮面ライダーV3と共に活躍したライダーマンがその利用された科学者に呼びかけて、生身ではない体になっていた1号、V3、五代、アギトを1988年に飛ばし、ブラックと共に肉体を得た邪眼を打ち倒した……筈だったんだがな……ショッカー並みにしつこい奴だ」
「士は生身じゃなかったからいけなかったのと、俺は機械を護る為に残ったから又聞きで知ったけど……まさかまた邪眼の名前を聞く事になるとはな……」
「あ、あの、その邪眼って強いッスか?」
答えた2人はウィスプの問いに頷く。
「ああ、5人で苦戦しながら倒したそうだからな」
「もしも奴がコアエナジーを手に入れたら厄介だろうな……」
「うえぇ……そんなヤツとやり合いたくないな」
「……(ある意味それフラグじゃねと言うのは止めて置こう)」
クウガとディケイドのを聞いて呻くウィスプのにホロウは内心そう思う。
「とにかく、今は下水道の奥へ向かうべきだろうね」
「ああ、こんな事を聞いたからにはさっさと行かねえとな」
【ジョーカー!!】
ウォズのに同意して翔太郎はダブルドライバーを外して、ロストドライバーを装着してジョーカーメモリを起動させてセットする。
【ジョーカー!】
ジョーカーに変身するとうっしと気合を入れる。
「んじゃあ行こうぜ」
「おー!出発全開!!」
その言葉と共に全員は進む。
進むとそこにはピラニアの様な存在が飛んでいた。
「ピラニアが飛んでるぅぅぅぅぅぅぅ!?」
「ピラニアヤミーだな。やはりメズールのコピーもいるかもな」
「ホント、ヤミーの種類多くね」
それにウィスプは驚き、ウヴァの言葉にホロウはこの島に来てから痛み出した胃を心配しながらぼやく。
「とにかくこいつ等も焼き魚にしよう!」
「いやぁ、流石にメダルの集合体でもあるから無理かな?」
「と言うかあんなの食べたらお腹壊すだろう」
勇ましく言うゼンカイザーのにオーズは呟き、ゲイツはツッコミを入れる。
とにかく、道中出るピラニアヤミー以外にもクラゲの姿をしたクラゲヤミーに、デジモンヤミーや戦闘員達を倒して突き進む。
「マギアがこんなにいるとはな……」
そんな道中を進む中でゼロワンは紛れていたトリロバイトマギアの残骸を見ながら仮面の中で呻く。
「(あ、そう言えば不破さん。今どうしてるんだろう?この島が転移しちゃったから戸惑ってないよな)」
これヤバいかもな……と合流予定だった人物を思い浮かべてゼロワンは唸る。
「しかし、お前は喋らないんだな。ほとんど掛け声しかしないよな」
「テュ?」
「確かに他のウルトラ戦士は会話出来るのに意思疎通が出来難いから不便だよな」
隣でティガの事でそう呟くジョーカーにクウガも同意する。
「ウルトラマンって他にもいるんっスか?」
「ああ、沢山いるぜ。見た目も色々といるからな」
「お前と気が合いそうな奴等が多いな」
マスコット達とじゃれながら聞くウィスプにジョーカーは頷き、ディケイドが付け加える。
「俺も会ってみたいな、ティガ以外のウルトラマンに!王様の様なウルトラマンもいたりする」
「いるな普通に」
「いるのかよ」
楽し気に言うジオウのにディケイドはそう返し、ゲイツは唸る。
そうやって会話しながらメンバーは奥へと進む。
☆
一方、とある場所でそれは機会を伺っていた。
「忌まわしき仮面ライダー共に光の戦士共め……邪魔はさせんぞ。復活させた我が新たな僕達よ、奴等を殺せ」
そう命令をした後にその存在は機が熟すのを待つ。
「(そうだ。奴等に復讐し、我が世界を作る為に……)」
次回、第20の章:下水道の堕ちた神
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第20の章:下水道の堕ちた神
暫く下水道を進んでいたジョーカー達は装置が置かれた大きな扉の前に着く。
「うん?なんだろうこの装置?」
【この先にある通路のシャッターを開くスイッチです。次のエリアへはその通路を通って行くのですが……】
「何か問題があるの?】
装置を見て首を傾げるオーズへ説明してから言葉を切るアイにジオウは問う。
【安全のため、シャッターは一定時間で閉じるので通過するには高速移動手段が必要です】
【高速移動手段となると……何らかの乗り物が必要だな……】
「トライドベンダーがいるから俺は問題ないとして……】
「あ、大丈夫!俺とゲイツもバイクあるよ」
「私も問題ないよ」
返された言葉に心眼は呟く中でオーズはトライドベンダーを見て言い、ジオウも続いてウォズが追従した後にゲイツも含めてバイクと書かれたライドウォッチを取り出して起動するとライドウォッチは大きくなった後に変形してバイク、ライドストライカーとなる。
「俺達も問題ない。いつでも持ってこれる」
「ホント士のは助かるよな」
そう言ってオーロラカーテンを出現させて、そこから自身のバイク、マシンディケイダーとクウガのバイク、トライチェイサーを呼び出す。
「え、ここでバイクって言われてもな……」
「ライドベンダーを調達して来るにしてもどこにあるか分からねえよな?」
「無理やり相乗りするか?」
「俺のバイクは元の世界だからな……カムバーイク!!」
「俺達どうする介人?」
「うーん」
【介人!こういう時はキュウレンジャーギアっチュン!!】
自分のバイクを持ってないウィスプとホロウは困惑し、ウヴァはトライドベンダーを指して言う中でゼロワンがギャグを交えつつ嘆き、話を振るゼンカイジュランのにゼンカイザーは唸っているとセッちゃんが指示する。
「キュウレンジャーギアだね!分かった!!」
早速ゼンカイザーはバックルからお目当てのセンタイギアを取り出し、ギアトリンガーにセットしてハンドルを回してからトリガーを引く。
【41バーン!ババン!ババン!ババババーン!キューウレンジャー!!】
放たれた光弾は一瞬で宇宙戦隊キュウレンジャーのシシレッドの幻影となると左腕に装着したセイザブラスターにキュータマをセットする。
【ギョシャキュータマ!セイザアタック!!】
そして銃口をゼンカイジュランへ向けてトリガーを引き……
「へ?あらぁ!!?」
「にゃああん!?」
「アオオオン!!?」
「パオォォォン!?」
「ヴゥゥゥゥン!!?」
「ガオォォン!!?」
セイザブラスターから放たれた光弾が星座となってゼンカイジュランにニック、ラトプス、パオパオとクワタンにトラタを通り抜けると……それぞれバイクに変化していた。
ゼンカイジュランは自身が使うギアの元になった恐竜戦隊ジュウレンジャーのティラノレンジャーが使うロードザウラー1のバイク先端がジュランティラノの様になったバイク。
ニックは特命戦隊ゴーバスターズのチダ・ニックがバイクに変形した際の姿のをスミロドンドーパントをイメージしたカラーリングのバイク。
ラトプスは同じく恐竜戦隊ジュウレンジャーのトリケラレンジャーが乗ったサイドザウラー3のオートバイを紫色に染めたバイク。
パオパオは炎神戦隊ゴーオンジャーの炎神キシャモスをバイクにして銀色に染めたバイク。
クワタンは並行世界のクウガが乗るビートゴウラムの黒い部分を緑色に染めたバイク。
そしてトラタは魔弾戦士リュウケンドーと共に戦う獣王ブレイブレオンが変形したレオントライクの青い部分を黄色に染めたバイク。
「ば、バイクになったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
【宇宙戦隊キュウレンジャーのキュータマパワーのお陰っチュン!】
「すっげぇ!どれもカッコよさ全開!」
「おお!?すげぇ感じになってるよ俺!!」
驚きの声をあげるウィスプの後にそう言うセッちゃんの後にゼンカイザーは興奮し、ゼンカイジュラン改めジュランバイクは驚きの声をあげる。
【……ホント、なんでもありだな……】
「頭がいてぇ……」
「おいおい、人数的に1機、多くないか?」
「お前、どうやってハードボイルダーを呼ぶ気だったんだ?」
疲れた声を漏らす心眼とホロウの後にジョーカーが指摘してディケイドが呆れて問う。
「そりゃあ、スタッグフォンで呼び出し……あ、港湾セクターのゲート、封鎖されてるから通れねえんだった……」
言ってから思い出すジョーカーにやれやれとディケイドは肩を竦める。
ってか、バイクの名前もハードボイルド拘りなのかとホロウは呆れる。
「にゃあん!にゃにゃ!」
「アオアオーン」
「パオパオーン」
「ヴゥゥゥゥゥン!」
「ガオォォォォン!!」
「え、ちょ、今の状態で近づくの危ないから!」
すると自分に乗ってとばかりにニック達が詰め寄るがウィスプが慌てて止める。
「お前ら落ち着け、横島が困っちゃうだろ」
「それで横島は誰に乗るんだ?」
「ん、んー----……ここは公平に……ど・の・こ・に・し・よ・う・か・な・て・ん・の・か・み・さ・ま・の・い・う・と・お・り!!」
ジョーカーも宥めてからホロウがさっさと決めろと催促するのでウィスプは数え歌で5匹を指さして行き、最後はニックに止まる。
「ようし!ニック、頼んだ!」
「にゃあん♪」
「あー……不満かもしれないが俺が乗っても良いか?」
「アオアオ(こくこく)」
「じゃあクワタン!同じ虫と言う事で俺が乗って良いか?」
「ヴゥゥン(こく)」
「がお、がおがおが?」
「ガオオン(こく)
「俺が乗っても良いか?」
「パオオン(こく)」
撫でるウィスプにニックは喜びの声をあげ、ホロウはラトプス、ゼロワンはクワタン、ジョーカーはトラタ、最後にパオパオにウヴァが跨る。
【カイガン!チェイサー!知られぬ幻影!数奇な運命ッ!!!】
【カイガン!マッハッ!変わるシグナル!フルスロットルッ!!!】
「あれ?レースじゃねえの?」
「これでもバイクの運転はいけるんだよ」
チェイサー魂になったホロウにマッハ魂になったウィスプは気になって問い、ホロウにそう返される。
バイクの運転と言う意味ではレースでも良かったが、フィリップの言葉が引っ掛かり、元々の仮面ライダーレーザーとしての力を引き出せるまでは流石にこの状況で使う気になれなかったのだ。
そっかぁと思いながらウィスプはニックバイクに跨り、ジオウ達も各々のバイクに跨る。
「それじゃあ行くよ」
ラトラーターとなったオーズがメンバーに確認をとって、頷いたのを見て装置を操作する。
【ゲート開きます!急いで!!】
アイの言葉を合図に一斉にバイクを走らせ、ティガも飛んで追従する。
トラタバイクに乗ったジョーカーを先頭に通路を駆け巡る。
「!バイク一台分しか通れねえほど道が細い!気を付けろ!!」
走っていたジョーカーは前を見て後続に注意する。
注意に誰もが縦一列に並んで細い道を駆け抜ける。
「こわ……」
【よくこんな道を作ったものだ】
何も見えない深さにウィスプはゾッとし、心眼は呆れて呟く。
やがて広い場所に出て、最後のウィスプが通り抜けるとゲートが閉まる。
全員がバイクから降りるとマスコット達は元に戻る。
「ここが奥か……」
「広い場所だな……」
周りを見渡して呟くゼロワンとクウガのを聞きながらジオウは前を見て、あ、あれ!と指さす。
奥には台座の様なのが見えた。
【間違いありません。あれが目的の場所です】
「ようし!早速取りに行こう!」
「待て」
そう言って走ろうとしたゼンカイザーをディケイドが肩を掴んで止める。
「ちょ、なんで止めるのさ」
「考えて見ろ。こんな広い場所……敵にとってうってつけの待ち伏せ場所じゃねえか」
「!ハァッ!」
不満げに言うゼンカイザーにディケイドがそう言った直後、ティガがハンドスラッシュでウィスプを狙う様に飛んで来たエネルギー弾を相殺する。
「な、なんだ?!」
【!?皆さん気を付けてください!周囲に沢山のコアエナジー反応が!?】
突然の事に驚くウィスプの後にアイが警告するとメンバーを囲む様に大量の戦闘員が現れる。
「うわぁ!?突然出て来た!?」
「なんだこれは!?」
いきなり現れた戦闘員達に驚いていると女性の笑い声が響く。
「どこからするんだ!?」
「!あそこだ!」
ゼンカイジュランの後にクウガが台座の方を見ると台座の前に5人の女性がいた。
「待っていたぞ!下賤な者よ!」
「我らが恨み!晴らさせて貰う為に黄泉から帰って来たぞ」
「穢れを持って我々を惨たらしく殺してくれた恨みは忘れはせんぞ」
「あのお方により蘇り、新たな力を得た私達の手により死ね!」
「その後は遊戯を楽しみませてもらうわ」
怒りをウィスプに向ける5人の女性にゼンカイジュランがウィスプに話しかける。
「おいおい、忠夫。なんなんだよあの女性陣。あいつ等もお前が戦った奴なのか?……忠夫?」
「う、がぁ……」
頭を抑えて膝を付いて苦しみだすウィスプにお、おい!?とゼンカイジュランは慌てて支える。
【まさか、平安京の月神族か!?】
「はあ!?月神族!?」
「ええ!?平安京で戦ったなんて記憶にない筈だけど!?と言うか味方じゃないの!?」
「ちっ、そう言う事か……お前等、あの月神族は完全な敵だ!ジュランとウヴァはそいつを連れて離れろ!」
心眼の言葉に驚くゼロワンとゼンカイザーの後にディケイドがオーロラカーテンを展開する。
お、おう!と答えてゼンカイジュランはウヴァと共にウィスプを抱え、マスコット達と共にオーロラカーテンを通ってその場から離れる。
「待て!」
「待ちな!お前等の相手は俺達だ!」
それを見て追いかけようとした緑のスーツを纏った女性をティガがハンドスラッシュで牽制し、ジョーカーが言う。
「邪魔をするな!汚れた人間よ!!」
「おいおい、人を見下し過ぎじゃないか?」
「確かに、普通じゃないね……これ、別の月の住民のが混ざってないかい?」
怒る女性達にゲイツは呆れ、ウォズはそう呟く。
「あの横島を汚れたって言うなんて、目が節穴過ぎるぜレディーズ」
「黙れ!!」
呆れた様に言うジョーカーへと怒鳴り返した赤いスーツを纏った女性が火炎弾を放ち、青いスーツを纏った女性が右手に一体化する様に装着されたライフル型アームキャノンから銃弾を放つ。
「俺達が言ったんじゃないんだけど!?」
「避けるの全開!!」
飛んで来たそれをゼンカイザーとジオウは慌てて避ける。
「はあああああ!!」
「うお!?」
「たあ!」
棒を持った黒ずんだ灰色のスーツを纏った女性の振るう棒をクウガは避けて、ホロウは出現した斧で受け止めてお返しの一閃を叩き込もうとして避けられる。
「しねしねしね!!」
「誰が死ぬか」
「君達の様な人の命を軽んじている存在に殺されはしない!」
エネルギー状の鞭を振るう黄色のスーツを纏った女性のをディケイドはライドブッカーソードモードで、オーズはトラクローで切り裂く。
「(横島のあの様子、こりゃあ早くこいつ等を倒して合流しねぇとな!)」
飛ばされて来る風の刃を避けながら先ほどのウィスプの様子から嫌な予感を感じてジョーカーは向かって来たマスカレイドを蹴り飛ばす。
そんなジョーカーの予感は悪い方向で当たっていた。
☆
ウィスプを抱えたゼンカイジュランとウヴァはマスコット達と共にオーロラカーテンから出る。
急いで選んだからか、森林セクターの森の中だと気づいたゼンカイジュランは苦しんでいるウィスプに声をかける。
「おい忠夫!しっかりしろ!」
「ニャアンニャアン!!」
「アオアオーン!!」
「パオパオ!!」
必死に呼びかけるゼンカイジュランとマスコット達だが、ウィスプは段々と苦しむ様子が強くなり……
「!離れるぞ!」
【い、いかん!ジュラン!皆!離れるんだ!!」
「うが、ああぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ウヴァの叫びと心眼の焦りを含んだ声と共にウィスプから強烈な衝撃が放たれる。
「どわっ!?」
「ガオーン!?」
「ヴゥゥゥ!?」
衝撃にゼンカイジュランとウヴァ、マスコット達が吹き飛んだ後にベルトからマッハ眼魂が弾き出される様に排出され、同じ様にマッハパーカーゴーストがウィスプから弾き飛ばされる様に消滅し、直後にウィスプのベルトに別の眼魂が入り込んでから漆黒の禍々しいパーカーゴーストが飛び出す。
【ギガン、シェイドッ!!OK!レッツゴー!イ・ツ・ワ・リッ!ゴースト!】
漆黒のパーカーゴーストを身に纏い、悲しみを含んだ怒りの顔の様なフェイスとなって不気味に佇むウィスプ、否仮面ライダーシェイドに最初は戸惑ったゼンカイジュランだったが成程なと納得してジュランソードとジュランシールドを構え、ウヴァも双剣を構える。
「どうやら止めねえと忠夫がやべぇい事だけは確かだな……良いぜ、忠夫。お前さんのその怒り、おじちゃんが受け止めてやんよ!」
「やれやれホントめんどくさい状況だな」
「■■■■ーーーーーッ!!!」
拳を地面にめり込ませて引き抜かれた漆黒の斧、ガンガンアックスとベルトから飛び出したガンガンブレードをぶつけ合わせて火花を散らせながら吠えるシェイドにゼンカイジュランとウヴァは駆け出す。
次回、第21の章:新たな超古代の戦士と世界の怪盗
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第21の章:新たな超古代の戦士と世界の怪盗
地下水路の奥地で5人の月神族と戦闘員の集団との戦いを繰り広げるジョーカー達。
「おい翔太郎。気づいたか?」
「ああ、否が応でも気づかされたよ!」
近くに来たディケイドの問いにジョーカーは苛立った様子で月神族を見る。
「奴等、俺とフィリップのメモリのコピーを使ってやがる!」
「何!?」
「え、ホント!?」
驚くジオウとゼンカイザーにジョーカーはショッカー戦闘員を蹴り飛ばしながら言う。
「ああ、俺のジョーカーメモリを抜いた、サイクロンメモリ、ヒートメモリ、ルナメモリ、メタルメモリ、トリガーメモリの5つをな!」
「もしかするとお前達の戦闘データをどこかで取っていて、そこから作り出したか、まだ見つけてないメモリがあっちの手にあってそれから複製した可能性がありえそうだな」
苦い口調で言うジョーカーにディケイドは月神族を見ながら呟く。
「たくっ!偉そうな事を言ってる癖に他人の力を自分の物の様に使ってるとは堕ちたもんだな!」
「うるさい!貴様達汚れた奴が偉そうな口を開くな!」
「それはブーメランだろ!」
毒づくホロウへと攻撃を仕掛ける月神族にクウガが蹴りを入れる。
「とにかくこいつ等をどうにかしないとな!」
「横島のあの様子はただ事じゃないからな!」
(くそ、横島の奴は大丈夫なのか!)
応戦するゼロワンとゲイツのを聞きながらホロウは安否を確認できない事に歯がゆく感じながら攻撃を避ける。
☆
「うおっと!?」
森林セクターではシェイドの振るわれた攻撃をゼンカイジュランが避けていた。
最初はジュランシールドで防いでいたがガンガンアックスとガンガンブレードの猛攻にジュランシールドが耐え切れなくなり、このまま防いでいたらジュランシールドは壊れ、腕ごともっていかれてしまうと判断して避ける事にしたのだ。
ウヴァも攻撃を仕掛けているが、頑丈か自身の受けているダメージを無視しているのか、たじろきはせずに返しので吹き飛ばされ、アーマーはボロボロに近くなっていて、レオタードの所々が破けて、素肌を晒しており、豊満な胸元も曝け出していて危ない状態になっていた。
「ちっ、化け物じみてやがるな……こうも勝機が見えねえとはな」
「と言うかあんた大丈夫か?色々と危ない感じになってるぞ;」
舌打ちするウヴァにゼンカイジュランが心配する。
「はん。そんな事を気にしてる暇はねえだろ。それよりも奴を見続けろ。そっちの方が危ないだろ」
いやまぁ、そうだけどもと何とも言えないゼンカイジュランはシェイドを見る。
近距離が無理ならとギアトリンガーで銃撃するが呼び出された無数のブランク眼魂に防がれる。
「そんなのありかよ!?」
それにゼンカイジュランは驚いているとシェイドはガンガンアックスを巨大な龍や獣の口を思わせる形状へと変形させて、その口の部分に出現させた無数のブランク眼魂を噛み砕いて取り込んでいく。
直感的にやばいと悟ったウヴァはセルメダルを右腕のアーマーのスロットに急いで大量に投入して行く。
【ニクンデミナーッ!ニクンデミナーッ!!!】
「■■■■ーーーーーッ!!!」
咆哮と共に振るわれたガンガンアックスの刃から獣の姿をした霊力刃が飛ばされる。
【チャージデンジャー!!チャージデンジャー!!】
「ふうん!!」
エネルギー噴き出し、火花を散らす双剣を握り締めてウヴァは霊力刃へ向けて双剣を振るい、エネルギー刃を飛ばす。
霊力刃とエネルギー刃はぶつかり合うと大爆発が起こり、その爆発の余波でゼンカイジュランとウヴァはマスコット達の所へ大きく弾き飛ばされる
「大丈夫かねーちゃん!」
「俺は良いが、こっちはお釈迦だ」
なんとか起き上がって問うゼンカイジュランにボロボロになった双剣を見せてウヴァは顔を顰める。
しかもアーマーも限界を超えたのか消えており、ボロボロのレオタードだけの状態になっていた。
俺しかもう戦えねえかとゼンカイジュランはオロオロしているマスコット達に安心させる為に頷いてからなんとか構える。
そのままシェイドはゼンカイジュランへ駆け出そうとし……足元に放たれた銃弾で足を止める。
なんだ?とゼンカイジュランが思っていると1人の青年が駆け付け、遅れて黒髪の男性が歩いて来る。
「大丈夫ですか?」
「あ、ああ、おたくらは一体?」
「なあにちょいと目の前の彼を助けに来た助っ人さ。スマイルくん、さっき僕が提案した事で行くよ」
声をかけた最初の青年は男性のにはい!と答えてからシェイドをみつえてある物を取り出す。
それは四角いバックルので腰に装着するとUSBメモリーの様なのを取り出し、端子の横のスイッチを押す
【ウルトラマントリガー!マルチタイプ!!】
響いた音声の後にUSBメモリーの様なのをバックルの右横のスロットへ装填する。
【ライダーブーストアップ!ゼペリオン】
「未来を築く、希望の光!!」
青年は左腕を腰に添えてから、右手を胸の位置で右方向にスライドさせてから左腕と交差し、瞬時に右腕を反時計回りに回し……
「仮面ライダー!トリガーっ!!」
右腕を天へ掲げると共に左手でバックルの中央をスライドさせるとバックル中央が展開して菱形のクリスタルが現れ、紫色の光を発して青年を包み込む。
【仮面ライダートリガー!マルチタイプ!!】
音声と共に光が弾け飛ぶと中から胸に時計回りにコバルト、クリムゾン、バイオレットの順に菱形の3つのクリスタルが一つの逆三角形を作り出す様に配置されたアーマーを装着し、両腕に龍の顔を模したガントレットを身に着け、足首には菱形のクリスタルが付いたアンクレットを装着したウルトラマンとなる。
「ティガに似たウルトラマン!?兄ちゃん、あんたは一体!?」
「僕はマナカ・ケンゴ!今は仮面ライダートリガー!!」
「そして僕は海東大樹、通りすがりの仮面ライダーさ!」
【カメンライド!】
驚いて問うゼンカイジュランに青年いやケンゴ改めトリガーは答え、男性、海東大樹も答えながらディエンドライバーを取り出してカードをセットしてスライドさせてから銃口を向け……
「変身!!」
【ディ・エンド!!】
引き金を引き、放たれた光弾はシェイドにぶつかってから3色の幻影がへ変わり、何回も移動した後に海東に重なると頭にカードの装甲が突き刺さる事でシアン色の仮面ライダーディエンドになる。
「さて、恐竜君。君にも協力してもらうよ」
【カメンライド!】
「いや、確かに恐竜だけどもおじちゃんにはジュランって名前がおおっと!?」
振り向かずにカードをセットしながらディエンドはゼンカイジュランへと何かを投げ渡し、投げ渡されたのをゼンカイジュランは慌ててキャッチして見るとそれは縁が青色のセンタイギアでH04の隣にウルトラマンの顔が描かれていた。
その間にディエンドは引き金を引く。
【コスモス!!】
幻影が射出された後にそれは右肩に仁王を模した顔、左肩に阿弥陀如来を模した顔の肩アーマーを装着し、それを繋ぐ様な袈裟が付き背中に後光を模した様な翼が付いた胸アーマーを纏い、右腕に太陽が描かれた袖、左腕に月が描かれた袖を装着したウルトラ戦士、慈愛の勇者ウルトラマンコスモスを模した仮面ライダーコスモスルナモードへと変わる。
「行こうコスモス!」
トリガーの掛け声にコスモスは頷いた後にシェイドへ駆け出す。
「■■■■ーーーーーッ!!!」
【サークルアームズ!パワークロー!!】
咆哮をあげたシェイドが振り下ろそうとしたガンガンアックスのをトリガーがその手に出現させた丸い輪に鋭い刃が生えた形状をして柄の部分に大理石のような文様が描かれている剣、サークルアームズの刃を二本の爪のように展開して受け止める。
「ハアッ!」
そんなトリガーへと振り下ろそうとしたガンガンブレードをコスモスが割り込んで左手の掌底で跳ね飛ばしてから胸元に右手を光らせた掌底を叩き込んで吹き飛ばす。
転がった後にシェイドは吠えて再びガンガンアックスに出現させた無数のブランク眼魂を噛み砕いて取り込んでいく。
【マルチソード!】
それを見たトリガーはサークルアームズを出した時の剣へと戻してからバックルに装填していたのを抜いてサークルアームズの持ち手とは反対に付いているスロットに装填する。
【マキシマムブーストアップ!マルチ!!】
【ニクンデミナーッ!ニクンデミナーッ!!!】
「■■■■ーーーーーッ!!!」
咆哮と共に振るわれたガンガンアックスの刃から獣の姿をした霊力刃が再び飛ばされるのに対し、トリガーはサークルアームズの持ち手にあるトリガーを引く。
【ゼペリオン!ソードフィニッシュ!!】
「はあ!!」
向かって来た霊力刃にトリガーは光り輝くサークルアームズの刀身をぶつけるとあっさりと霊力刃を打ち砕き、そのままシェイドを切り裂く。
「■■■■ーーーーーッ!!!?」
「あ、あの斬撃をあっさりと消しやがった!?」
「当然だね。今の横島忠夫にとって、いや、この世界の神にとって目の前の2人はまさに厄介な存在だからね」
火花を散らすシェイドを見て驚きの声をあげるゼンカイジュランにディエンドはそう返す。
「え、どういう事?」
「彼は神を狂わせる力を霊力に付与させている。神を狂わせる程の力なんて神と同等の力とも言っても良い。そう言う意味では彼らにとって、横島を抑える役はお誂え向きなのさ」
「成程な、確かに丁度良い人材だったって訳か」
自分達が苦戦したシェイドに善戦してるトリガーとコスモスを見て戸惑うゼンカイジュランへとディエンドはそう返し、ウヴァも呆れた様にぼやく。
「よし!そろそろ決めるぞトリガー!コスモス!」
【アタックライド!クロスアタック!!】
「!はい!」
「シェア!」
カードを入れながら指示を出すディエンドの言葉にトリガーは返事し、コスモスも頷いてからその体を青き姿から赤き姿の強さを体現するコロナモードへ、さらに優しさと強さを併せ持った青と赤の勇気の姿、エクリプスモードへと変える。
「ほら、渡したギアを使いたまえ!」
「え、お、おう!」
言われた通りにゼンカイジュランは渡されたギアをセットし、ハンドル回してからトリガーを引く。
【ババン!ババン!ババババーン!ウ~ルトラマ~ン!!】
飛び出したギアの幻影はすぐさまウルトラマンコスモスエクリプスモードになるとゼンカイジュランと重なって力を発揮する。
コスモスが両腕を交差させてエネルギーを溜めるのに並行して同じ動作をしてエネルギーを収束する。
トリガーはベルトに装填していたのとは別の、ウルトラマンコスモスエクリプスモードが描かれたのを取り出して起動する。
【ウルトラマンコスモス!エクリプスモード!!】
音声の後に銃を取り出し、その銃の持ち手のスロットに起動したのを装填する。
【ブーストアップ!コズミューム!!】
【アタックライド!ピュリフィケイション!!】
ディエンドはディエンドライバーに新たにカードを装填して銃口をトリガーと共にふらついているシェイドへ向け……
「はあ!!」
「シェア!!」
「「はっ!!」」
コスモスとゼンカイジュランが貯めたエネルギーを右腕に移し突き出すようにして放つのと同時にディエンドとトリガーは引き金を引いて光線を放つ。
ふらついていたシェイドは避けれずに4人の放った光線をもろに受ける。
「■■■■ーーーーーッ!!!?」
シェイドは悲鳴の様なのをあげながらその体から黒いのが抜けて行き……
【オヤスミー】
変身が解除されて、横島へと戻り、ウヴァが倒れる前に受け止める。
「ふん、世話をかけさせる奴だ」
「お、おい、大丈夫なのか?忠夫の奴は?」
「大丈夫さ、さっきの光線で彼の中にある神をも狂わせる力はほとんど抜き去ったから、この島にいる間はあの姿には当分ならないだろう」
戸惑いながら問うゼンカイジュランにディエンドはディエンドライバーを回転させてそう言う、
その間にコスモスは消え、トリガーも助け出せてか安堵の息を吐く。
「う、お、れ、は……」
「目が覚めたか寝坊助」
呻きながら目を開ける横島にウヴァがそう言う。
ここで捕捉、ウヴァは横島を前から受け止め、寝転がらせる所だったので横島の顔はウヴァの胸の近くであった。
なんでそんな捕捉をしたかと言うと……
ビリ、ビリビリ!バスン!!
ウヴァの纏っていたレオタードが先ほどまでの戦闘ので耐え切れなくなったのか勢い良く破れてそれにより、
「ぶあっはぁぁぁぁぁ!?」
「「「【あ】」」」
意図していない爆乳プレスをもろに受けた横島は柔らかい感触に目を見開いて思わず鼻血を大量に噴き出して白目剥いて気絶する。
真正面にいた事もあり、全身に大量の鼻血を浴びたウヴァは上半身ビキニで包んだ胸を晒したまま、赤い液体を垂らした状態で呟く。
「なんでこいつ、鼻血を噴いたんだ?」
「【あんたのせいだよ!?】」
「成程、この世界の彼にもちゃんと煩悩があったんだね……」
「いや、あの、これ、大丈夫なんですか!?」
不思議そうな顔でわけわからんなウヴァにゼンカイジュランと目覚めた心眼は叫び、しみじみと呟くディエンドにトリガーは叫ぶのであった。
仮面ライダートリガーマルチタイプ
外見:胸にグリッターブレードの本体部分を模したアーマーを装着し、両腕にナースデッセイ号の龍の頭部を模したガントレットを身に着け、足首に菱形のクリスタルが付いたアンクレットを装着したウルトラマントリガー
概要
マナカ・ケンゴがスパークレンスバックルにウルトラマントリガー マルチタイプキーを装填して変身した姿。
通常のトリガーと同じであるがGUTSスパークレンスを銃として使える事でGUTSハイパーキーを使った戦法が出来る。
必殺技はトリガーマルチタイプと同じゼペリオン光線に足にエネルギーを収束し、飛び上がってからの両足蹴り、ゼペリオンキック。
スパークレンスバックル
外見:GUTSスパークレンスをグリップを銃身の下にくっ付け、スパークレンスモードの展開部分を縦に変更してバックルのような形状にした感じ
概要
ケンゴが使う変身アイテム。
海東大樹により渡された物で実はと言うと、にとりの所から勝手に持ち出されたものである。
変身プロセスはウルトラマントリガー関連のGUTSハイパーキーを装填し、バックル右横のスロットに差し込んでからウルトラマントリガーと同じ変身プロセスの流れをしてから右腕を天へ掲げると共に左手でバックルの中央をスライドさせてバックル中央がスパークレンスモードと同じ状態に展開されて中央のクリスタルが輝いた後に変身者を包み込んで光が弾け飛ぶと変身完了となる。
ライダーとしての必殺技を発動する際は装填してるGUTSハイパーキーを押し込む事で発動できる。
デメリットは他のタイプへタイプチェンジをする際にGUTSハイパーキーを差し替えないといけない所がある。
次回、第7のレポート:混沌の面々、襲撃する悪意
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第7のレポート:混沌の面々、襲撃する悪意
消えた龍騎に雪之丞は戸惑いながらガイ達に話しかける。
「おい、なんだよ今の?」
「みうらさんはね。大きい音でビックリしちゃうとテレポートしちゃう特性があるんだよ」
「もしくは頭に乗せて手をパンとすれば乗せてる奴の思い浮かべてる場所へ飛ぶことが出来る」
「まぁ、本人の意思でテレポートしたりする時もあるけどな」
この時、ガイと王蛇、インペラーの説明を聞いて雪之丞達は思った。
ああ、この世界にそんなマスコットがいませんように……と……
そんな祈りはみうらさんのインパクトので抜けてしまっているが紫も似た様な事が出来るのを雪之丞達は忘れていた。
ひゅん!
雪之丞達の前から消えていた龍騎は美神達を伴って現れる。
「!?ここって横島君の高校!?」
「うそ、何も感じず、一瞬で移動したの?」
目の前の建物を見て驚く美神の隣で冥華はいつもの様な余裕のある感じではなく本気で戸惑う様に辺りを見渡す。
「冥華さんに美神さん。大丈夫ですか?」
「る、瑠璃!?ど、どういう事なの?と言うかなんで横島君の高校に?」
「そ、それは私が呼んだんです」
話しかけた瑠璃に戸惑う美神に愛子が恐る恐る手を上げて事情を話す。
「それは~~正しい判断ね~~」
「けど、ここまで異世界の住民が来るなんて……って思ったけどあなた達、そこまで驚いてないわよね?」
話を聞いてそう言う冥華の後に美神は呟いてから仮面ライダー組と幻想郷組にリク達を除いて一般人なアイドル組を見る。
「いやぁ~私達は異世界に行った事ないですけど摩訶不思議な体験は何回もしてますんで~」
「かっか~」
「プロデューサー達がそう言う事件に何回も巻き込まれてまたか~な感じよね?」
「もっ!もっ!」
「心配だけど、プロデューサー達は強いし、どんな事があろうと戻って来るのもありますし」
「くっ!」
「それに異世界のお土産を買えると考えれば良いですもんね~」
「うっうー!」
「だぞ!」
「とかー!」
「ちー!」
「あら~」こたぷーん
あっけらかんに言う765プロ組にこの子達、肝が据わってるな……と思っていた所……
「えっと、私はプロデューサーが良くお手伝いで似た姿の人達や怪人さん達を呼んでるから慣れました」
「こっちは人魚さん達が度々、遊びに来るので……感覚がマヒってるかも」
「待って!?急にぶっ飛んだ内容が来たんだけど!?」
「怪人!?人魚!?」
続いての凛と咲耶の言った事に美神達は驚く。
「人手が足りない時に手伝って貰ってるんだよな~」
「俺の方は事務所に我が家みたいに来やがって……と言うか人魚がホイホイ陸に上がって来るのをマジで抑えて欲しいんだがな……」
頬をポリポリ掻くブレイドとため息を吐くファイズのにタケルと翔太郎がまだマシな部類であったから美神達は凄く頭が痛かった。
「す、凄いですね龍騎さん達の世界;」
「なんと言うか、急にファンタジーな感じが出て来たから俺達も最初は驚いたもんだよ」
戸惑いながら言うリクのにしみじみと龍騎はそう返す。
「それ以来……俺、不憫な目に遭う事が定評になったよな」
「良いじゃないか、色んな世界にはない個性だぞフビンペラー」
「そうだよ。誇りなよフビンペラー」
嬉しくねえわ!!?と王蛇とガイのにインペラーは怒鳴る。
「よし!どうせだし俺、このまま他に飛ばされて来てないかみうらさんと探しに行って見るよ!」
「あら~」こたぷーん
「え、ちょっと待って、その姿で歩き回るのは……」
パン!
まずいと言う前に龍騎はみうらさんを頭に乗せてその場から消える。
「大丈夫だ。あいつは営業でも普通に歩き回ってるからな」
「そうそう。だから大丈夫だよ」
「いや2人とも、それ僕達の世界だからであって、この世界では普通に不味いでしょ;」
あ、そっかとタイガのに納得する犀と蛇のライダーに美神は仮面ライダーって自由人が多いの?と頭が痛くなって来た。
タケルや翔太郎に別世界の横島とルージを見ていただけに、正義の味方なイメージが強かったからここまでフリーダムなのには理解するのに頭が拒否しかけていた。
「はっはっ!あんまり固く考え過ぎると人生詰まらなくなるぞ!気楽に行こうじゃないか!」バシーン!
「んご!?」
そんな美神の背を勇儀が笑って強く叩き、美神は痛みに手に持っていたエースが斬った事で爆破から逃れたレブナントの腕についていた壊れていない量産型ファントムコールダーを落としかけて慌てて持ち直す。
「お、なんだいこれ?メガウルオウダーみたいな感じだけど?」
「これもライダーの変身アイテムかしら?」
それに気づいたにとりと夢美は興味深そうに美神の手からかすめ取る。
「あっ、ちょっと!?それはまだ調べてない奴なの!」
「ん?調べてない?んじゃあ調べてあげるよ」
「私達はこれでも仮面ライダー、と言うか妹紅達の変身アイテムを作ってるから助けになると思うわよ」
「!それって、仮面ライダーの変身アイテムを作れると言う事ですか!?」
慌てる美神ににとりと夢美が返した事におキヌは慌てて聞く。
「まあね~一部のは違うけど、大体のウルトラ系ライダーのは私と盟友が作り上げたのだからね」
「なら俺もて~んさい物理学者としてその分析に参加させて貰うか」
「美神さん、これはチャンスじゃないですか?」
「そうね……お願いしても良いかしら?後、これと使えるかも調べて貰えるかしら?」
自慢げに言うにとりと手伝いを申し出るビルドに美神は瑠璃に頷いてから韋駄天眼魂をにとりに差し出しながらお願いする。
任されたと2人は笑って早速、機材をにとりのカバンから取り出してビルドと共に量産型ファントムコールダー調べ始める。
「そう言えばよ。なんでインペラーって奴は黒焦げになっていたんだ?」
「ああ、会った時の自己紹介で、アリスちゃんが幽霊だって言ったけど、流石に信じられなかったからそれを証明する為にアリスちゃんが無数の動物のゾンビ達を呼んだんですよ」
「それに驚いちゃったいおがビームを放って……」
「俺がインペラーで受け止めた」
「待って!?聞き逃せないワード出たんだけど!?」
「ビーム!?ビーム撃てるの!?と言うか仲間を盾にしたの!?」
「大丈夫大丈夫。ギャグでは死なないから」
「メタいですジャー;」
その作業を横目に確認する雪之丞のに春香が事情を説明、割り込んだ伊織の後に王蛇が付け加えたのに瑠璃と蛍は絶叫し、ほんわかに言ったガイのにタイガーはツッコミを入れる。
【さっきのみうらさんもそうだが、他の奴等もなんか能力を持ってるおるのか?】
「はいれす~やよは冬だと髪が伸びて、春だとタケノコが生えます」
「うっうー」
「タケノコが生えるってどういう事!?」
「ちなみに美味ですよ☆」
「いらねぇぇぇ!!食糧問題と言う意味ではありがてぇけど普通の日常ではいらねぇぇぇ!!」
【春でタケノコ料理が沢山食べれるのは良いと思いますよ?】
気になって聞く信長に答えたやよいと春香に雪之丞は叫び、牛若丸はそう言う。
「こあみとこまみは悪戯する以外は特にないし、ちひゃーは冬は髪が伸びる。はるかさんは増えて、ちびきは友達の動物を呼びます」
「前者3匹はともかく後者2匹はどういう事!?」
「増えるってどういう事ですか!?後は呼ぶってどうやって!?」
タイガの言った事に瑠璃とピートは叫ぶ。
「はるかさんは水を浴びると増えるんですよ~後は日光が苦手だから日陰が好きで、夜に食べ物を与えたら多少アグレッシブになりますね」
「……妖怪じゃないわよねその子;」
「おもしれぇよなはるかさん。確か大きくもなれるんだよな~」
「え、大きくなるの?うりぼーみたいに;」
「ぷぎ?」
やよいの説明に美神は頬を引き攣らせる中でゴールドの言葉にタマモはうりぼーを思わず見る。
「かっか~♪」
「みむ~♪」
そんなはるかさんはチビと楽しくはしゃいでいる。
「プロデューサーをしているって聞いたが、変わってるのが多いな」
「龍騎達の所だけだろうなこんなカオスな感じの」
はるかさん達を見て呟くクローズマグマに3号は呟く。
「んー--……」
「どうしたのリク?」
そんな中で唸っているリクにペガが話しかける。
「いや、横島さん達がセクターシティって言う島で大変な状況になっているなら僕達も救援で向かった方が良いんじゃないかなと思って……」
「確かにそうだな。ここで話してるだけよりは良いな」
「龍騎さんが戻ったらみうらさんの力でセクターシティに行くのもありですね」
答えたリクのにアグルも賛同し、ゴーストも続く。
「そうね。お願いできるかしらタケル君?」
「はい!あ、けどどうやって龍騎さん達に戻って貰います?」
「だったら俺が呼んでやるよ。別世界でも電波が通じてれば繋がるしな」
頼み込む美神に頷いたゴーストは思い出して言い、ファイズが申し出る。
「うっし!なら暴れてやろうじゃないかい!」
「ギャウン!」
「なんかいた!?ってかこれ恐竜か!?恐竜のメカか!?」
拳を鳴らす勇儀の肩にぴょんと乗った赤いメカ恐竜に雪之丞は驚く。
「ああ、こいつは相棒の獣電竜のミニティラさね」
「また新しい単語が……」
「別世界は凄いですジャー」
二ッと笑う勇儀に美神は眉間を揉み、タイガーが感心した時だ。
「だから……そこに隠れてる外道。出て来な!」
そう言って勇儀は纏っていた着物に手を付けると……一気に脱ぎ捨てる。
それに美神達はブッ!?と噴き出したがその下からは先ほどまで露出していた肌を隠す様に白のワイシャツに黄色の縁取りをされた赤いジャケットを纏い、茶色のジーパンを履いた服装であった。
直後にその場にいた全員の体にのしかかる様な感覚が起きる
「ぐあ!?」
「くっ!」
突然の事に誰もが驚いていると愛子の机からアルテミスとオリオンが飛び出して来る。
「ちょちょちょ、何今の邪気!?」
「ありゃあ普通じゃねえぞ」
「ああ!あそこ!?」
誰もが戸惑っていると春香の言葉に頭上を見る。
そこには半透明の触手を揺らめかす不気味な赤い目玉が浮かんでいた。
「な、何あれ?」
「あれは!?」
「まさか!五代さんと津上さんが言っていた邪眼か!」
怯える冥子の隣でブレイドとファイズが驚いているとメンバーの前に1体の怪人が現れる。
それは複眼や触角の色が鮮やかなオレンジ色で、マジョーラのように宇宙の星雲かプラネタリウムを彷彿とさせる独特の光沢を持つ蜘蛛の巣が描かれたマントを持った4本腕の蜘蛛型怪人であった。
「あれはショッカーの蜘蛛男、いや、付け加えられているが見た目的にスペース蜘蛛男か!」
「なんで宇宙が入ってるんだよ。ってか単純すぎじゃね名前?」
その怪人を見て言った3号のに雪之丞がツッコミを入れる。
「ひゃはははははははは!!!久しぶりだな!美神令子!神代瑠璃!!」
「え?」
「初対面の奴に名前を呼ばれる辻合はないつもりだけど」
すると高笑いして美神と瑠璃を見て言うスペース蜘蛛男に瑠璃は戸惑い、美神は睨み付けながらそう言う。
「そんな事はない!
「私とエミに……!?ま、まさかあんたは黒坂!?あんたは精神病院にいる筈じゃあ!?」
怒気を纏って発せられた事に美神は目を見開き、蛍や瑠璃、冥華も同じ様に驚いた様子でスペース蜘蛛男を見る。
ー我が怪人として蘇らせてやったのだ。お前の恨み、我が僕達と共に晴らすが良い。その後は好きにせよー
「ひゃははっ!ありがたき幸せ!!」
「全く、はしゃぎ過ぎだ」
「同感だ。まぁいい。あの方の為に奴等には島に行かせない様にしないとな」
消えて行く邪眼にスペース蜘蛛男は高笑いしてる後ろに歪みと共に2人の男が数百体のマギアを引き連れて現れる。
「!死神博士に地獄大使!!お前達も蘇っていたか!」
「仮面ライダー3号か、貴様達にあの方の闇の世界の創造は邪魔させん!」
身構える3号に地獄大使がそう言うと辺りの景色が一変し、美神達は何時の間にかただ広い荒野に立っていた。
「う、うそ!?」
「場所が、変わった!?」
「さあ、やろうじゃないか」
驚いている美神達へとそう言った後、地獄大使は不敵に笑い……水の入ったコップを出してから水を口に含み……うがいをし始めた。
「ガ~ラガラガラガラガラ……」
それにはスペース蜘蛛男含めて美神達はずっこけた。
「なんでうがいするのよ!?」
「い、一気にシリアス感が……」
ツッコミを入れる美神と頭を抑える瑠璃だが、次の瞬間、目を見張る。
「グワラアアアアアアアアアッ!ガラ~ガランダッ!」
うがいをしていた地獄大使の姿が右手が鞭と一体化した蛇の怪人へと変貌していた。
「ふふ、私もやって見たかったネタ……イカとビール、否イカでビール」
隣で死神博士は不気味な笑い声をあげてから右手にイカ、左手にビールを掲げ……
「イカデビル!!」
烏賊の怪人へと変貌する。
そして後ろに控えていたマギア達は眼魂を取り出してファントムコールダーにセットする。
【セット、ブランク!レディ?】
「「「「「「「「ヘンシン」」」」」」」」
【ブランクソルジャー!ファントムコールッ!】
のっぺらぼうな白いパーカーゴーストを纏ったレブナントへと姿を変える。
「……なんとも言えない気分ね」
並び立つ3体の怪人と量産型レブナント軍団を見て冷や汗を流しながら冥華はそう呟いた。
次回、第22の章:怒る極限の戦士達
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第22の章:怒る極限の戦士達
地下水路奥地での戦いは熾烈な戦いを極めていた。
ルナメモリによる幻影で生み出される戦闘員達はそこまで強くはないがその中に割り込んで攻撃を仕掛けて来る月神族にジョーカー達は苦戦を強いられていた。
「ほらほら!」
「ちい!」
ヒートメモリを使う月神族の攻撃をジョーカーが掃いている所にそんな無防備な背中へトリガーメモリの力を使う月神族の攻撃が炸裂する。
「があ!?」
「翔太郎さん!この!」
助けに向かおうとするオーズだが戦闘員に阻まれて動けない。
この!とトラクローで切り裂いていくが次々に沸いて壁となって行く。
「しつこさ全開!!」
「ホントにしつこい!」
「倒しても倒してもすぐに現れやがる!!」
「全く、意地の悪いやり方だ」
他のメンバーも随時現れる戦闘員達に阻まれてジョーカーを助けに向かえない。
「ふふ、無様な姿ね」
「あの愚かな存在に報復するのを邪魔した報いだ」
「確か我々が新たに手に入れた力の持ち主だったな」
「この力はホントに素晴らしいわね」
「私達に使われる事をありがたく思いながら死ぬのだな」
そんな倒れているジョーカーへ月神族はニヤニヤ笑いながら各々に見下す。
月神族の言葉にジョーカーは手を握り締める。
「……ふざけんな……ふざけんな!!!!」
「「「「「!?」」」」」
迸った怒鳴り声に月神族は驚いて距離を取る。
「俺達の力は、お前達の様な薄汚れた欲を満たす為の物なんかじゃねえ!!どこかで涙を流して泣いている人の悲しみを拭う為のハンカチだ!!」
「う、うるさい!!」
「そのうるさい口を閉ざしてやる!!」
「「「死ね!!」」」
立ち上がって睨み付けるジョーカーに月神族達は一斉攻撃を放つ。
ドカァァァァァァァン!!
「翔太郎さん!」
「ふん、愚か者め」
「私達に逆らった罰よ」
「残った奴等も後を追わせてやる」
「最初に殺された事を感謝するのね」
爆発にクウガが叫び、月神族が嘲笑おうとし……
【サイクロン!ジョーカー!エクストリーム!!】
音声が響き渡ると共に風が噴き荒れる。
噴き荒れる風に誰もが身構える中で爆風が消し飛ぶとその中から現れたのはWであった。
ただし、その姿は中央に金色のラインが走り、翼を携えた究極のフォーム、仮面ライダーWサイクロンジョーカーゴールデンエクストリームであった。
佇むWに月神族は驚いた顔で後ずさる。
「全く、君は無茶をするね相棒。エクストリームメモリが教えてくれなかったら間に合ってなかったんだよ」
「わりぃな相棒。だけど、来てくれたのは助かったぜ」
呆れ混じりにそう言うW(フィリップ)にW(翔太郎)はそう返す。
「たかが姿を変えただけで!」
「悪いな今は2人で1人の仮面ライダーだ!行くぜフィリップ!!」
「ああ、やろう相棒!これ以上僕達の力を、悪用させる訳にはいかない!!」
その言葉と共に月神族へ言い放つ。
「「……さぁ」」
右手で月神族を指差し、すぐに右手を引きながら、左手を動かして、再び月神族をまた指差し、師より受け継いだ言葉を告げる。
「「お前達の罪を数えろ!!」」
「「「「「高貴な我らに罪などない!!」」」」」
激昂して銃弾を放つトリガーメモリの力を使う月神族と火炎弾を放つヒートメモリの力を使う月神族のにWは飛び上がって避ける。
避けながら専用武器のプリズムビッカーを出現させた後にエクストリームになる事で使えるプリズムメモリを取り出し、プリズムソードの柄尻部分にプリズムメモリをセットする。
【プリズム!!】
その後にビッカーシールドの四隅に展開されたマキシマムスロットにサイクロン、ヒート、メタル、ジョーカーメモリをセットする。
【サイクロン!マキシマムドライブ!!ヒート!マキシマムドライブ!!メタル!マキシマムドライブ!!ジョーカー!マキシマムドライブ!!】
攻撃を放つ月神族達へと接近しながら同時発動したマキシマムドライブのエネルギーを収束したプリズムソードを引き抜き……
「「ビッカー!フルメタルチャージブレイク!!」」
すれ違いざまにサイクロンメモリの力を持った月神族を除いた4人を切り裂いていく。
「「「「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」」」」
ドカァァァァァァァァン!!
滑りながら着地したWの後ろで斬られた月神族は断末魔をあげながら爆発四散する。
「ひぃ!?」
仲間を倒された事に残った月神族は風を纏って逃げようと飛び上がる。
「そうやって逃げようとしてる時点で、お前に誰かを見下す事も、神を名乗る資格なんてねえ!!」
「決めよう翔太郎!!」
【エクストリーム!マキシマムドライブ!!】
逃げる月神族をみつえ、Wはダブルドライバーのエクストリームメモリを一旦閉じた後に再度展開する事でマキシマムドライブを行い、飛び上がる。
「く、来るな!来るなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
風の弾丸を放つ月神族の目に迫るWは自分を殺したシェイドと重なり、発狂する。
「「ゴールデン!エクストリーム!!!」」
風の弾丸を消し飛ばしながらWの黄金のエネルギーを帯びた両足蹴りが月神族に炸裂する。
「ひぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
ドカァァァァァァァァァァァァァン!!
「地獄で閻魔様に裁かれながら数えときな、自分達の犯して来た罪を……」
断末魔と爆風を背にしながら、W(翔太郎)はそう呟く。
それと共にルナメモリの力で生み出されていた戦闘員達は消えて行く。
「やった!!」
「勝利全開!!」
そんなWへと他のメンバーは駆け寄る。
「ありがとな相棒」
「気にしないでくれたまえ翔太郎。僕だって、自分の力を悪用されたくなかったからね」
その言葉と共にダブルドライバーからエクストリームメモリが外れ、変身が解除させられた後、飛び去って行くエクストリームメモリを翔太郎は見送る。
【フィリップさん。怒っていたのに来てくださったんですね】
「それがあいつさ、さあてと、恐竜のコアメダルを取りに行くか」
【いやぁ、それなんだけどね……】
同じ様に見送るアイにそう言った翔太郎にアイと同じ様に隠れていたセッちゃんが気まずそうに来る。
「どうしたのセッちゃん?」
【いやぁ、あいつ等が離れたからオイラ、隠れてあの台座の様な装置に近づいたんだっチュン。けど、そこにはメダルなんてなかったっチュン……】
「なかった?画像だとあそこにセットされていたのに……それがないとなると……待てよ!ゼウスはコアエナジーでコアメダルも強化できると言ってたな……」
「そうだね、だとするとここに恐竜のコアメダルが有ったのは、ゼウスの研究のため?」
聞くゼンカイザーへ返したセッちゃんの報告に翔太郎はゼウスの言っていた事を思い出し、オーズはまさかという感じに翔太郎を見る。
「おそらくな……しかも間違いなく、多くの犠牲を出す邪悪な研究だ」
「邪悪な研究……」
翔太郎の告げた事にホロウはガープ達を思い浮かべて手を握り締める。
ガープによって自分や雪之丞達にさせられた事が脳裏をよぎったからだ。
(あんな事と同じ様な事を、絶対に止めてやる!!)
「アイダ博士がそんなゼウスの悪事を知ったとしたら、研究が進まない様に妨害だってしたんじゃねえか?」
「妨害と言うと……あ、そうか!」
「危険なメダル、恐竜のコアメダルを悪用されない様に持ち去ったって事だね!」
そう続けた翔太郎のにゼロワンとジオウは合点が行ったとここにない理由に言う。
「ああ、そして次に向かったって言う港湾セクターの研究施設で調べた……って所だろうな」
「ならさっさと回収に向かった方が良いだろう」
「そうなると次の目的地は港湾セクターだね」
【先ほどの敵の撃破で浄水セクターは解放されました。港湾セクターへのゲートも、これでロックが解除されているかもしれません】
【皆!ジュランから連絡があったっチュン!今、忠夫を市街セクターのビルで介抱してるみたいっチュン!】
進言するゲイツとウォズのにアイは報告し、セッちゃんも続いて報告する。
「市街セクター?俺が飛ばしたのは森林セクターなんだがな……」
「きっと、移動したんじゃないか?その方が安全そうだしさ」
セッちゃんの報告に首を傾げるディケイドにクウガはそう返す。
「よし!なら横島達と合流して、港湾セクターへ急ごうぜ!」
「テュア!」
頷きあった後に一同は市街セクターへと向かう。
☆
市街セクターの1つのビルにて、ソファーに寝かされた忠夫をジュランとケンゴが見ており、その周りをマスコット達が心配そうに見ていた。
今いるビルまで市街セクターを通った際にガーディアンや戦闘員がうろついていたが海東、ジュラン、ケンゴが対処したのと解放されていたのもあって休める状態になっていた。
なお、なぜターミナルを使ってないかと言うと、心眼からのお願いである。
シェイドになっていた事もあり、横島の体の中の霊力の流れを調整まで出来るか分からなかったのと変な感じに治されてしまわない様にと言う配慮であった。
「そんなに心配しなくても、ちゃんと血の補給もしたし、少しすれば目覚めるだろう」
「いやまぁ、確かにさっきより顔色は良いけどよぉ、凄い鼻血だったなマジで;」
「人間、あれだけ勢い良く出すなんて滅多に見ませんもんね;」
壁にもたれながら言う海東にジュランとケンゴは思い出して冷や汗を掻く。
「ふう、スッキリしたぜ」
そこに湯気を纏いながらバスタオルで体を拭きつつ、ウヴァが水着の状態で凄い主張をしてる胸を揺らしてメンバーの元に来る。
先程まで、彼女はビルに備えられていたバスルームで全身にこびり付いた横島の鼻血を洗い流していたのだ。
艶めいたその爆乳をもし蛍が見たら発狂し、崩れ落ちていただろう。
「ウヴァさん。水着を着てるからってそのまま来るのはちょっと;」
「そうだぞ。女性なんだから羞恥心持った方が良いぞ」
「別に見られても困るものではないからな気にしなくてもいいだろう」
「精神や元の体が男だったとはいえ、いつも通りだね君は、ほら、これを羽織り給え」
そんなウヴァにケンゴとジュランが注意するがウヴァは呆れて返していると、海東からそうわれて緑色のジャケットとパンク・ファッションな青い短パンを投げ渡される。
元男だったの!?と驚いているジュランとケンゴのを聞きながら、ウヴァは渡されたジャケットを羽織り、短パンを履く。
ただ、ホントにジャケットは羽織っただけなので胸は解放されたままなのと艶めいたスラッとした足ので逆にセクシーさを上げている。
男と聞いたケンゴとジュランにはうわぁ、カッコよく着てるなと言う感想しかなかった。
「それとこれ、一応は修復はしておいたが使うのは控えた方が良いと思うよ」
「……見た目は綺麗になってはいるが、そうするか」
着替え終えたのを見てブレスレットを投げ渡す海東にウヴァは投げ渡されたブレスレットを見てから右手首に付ける。
ブレスレットは先ほどまで使用していたバトルスーツを収容する奴ので、シェイドの戦いで少しひび割れを起こしていたから海東が応急処置はしておくと言う事で鼻血を洗い流してる間に預けていたのだ。
「う、うう……」
「ニャン!ニャニャン!!」
「アオーン♪」
「お、忠夫、大丈夫か?」
目を開ける横島にマスコット達は擦り寄り、ジュランが話しかける。
「あ、ジュランさん。なんとか……」
そう返事をしつつ辺りを見渡し、ウヴァを見た瞬間、横島は静かに鼻血を垂れ流して……気絶した。
自分を慕う子供達のよき見本たれと禁欲に等しい生活をしている横島にとって、今のウヴァの姿は脳裏に焼きついたその艶姿(+レオタードが弾け飛んだ際に顔面に炸裂した胸)を思い出させ、オーバーヒートを起こしたのだ。
さらに言えばウヴァは横島が今まで出会って来た女性達よりも自分より背が高い長身で見た事もない凶器とも言える程の魔乳一歩手前な爆乳の下手なモデルよりも凄い美貌の持ち主であったのも加速させている。
ちなみにウヴァは身内にいる女性陣から……
「オリジナルと同じ精神が男性だったのもあって、童貞とか初心な人の目に悪いですよね」同族K氏
「結構小さい子のオモチャにされたりしてるわよね……あの胸ではしゃぐガメルを見てたら羨ましさと共に嫉妬が……」同族M氏
「……羨ましい。あの大きさならアンクに押し付けたら喜んでくれるかな?」同族G氏
「いやホント、元から女性である方だった私から見ても大きいし、あれ、日々成長してるから性質が悪いのよね……」錬金術師G氏
と言うコメントを述べてられている。
「た、忠夫ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
「ああ、これは暫く、君は彼の視線に入らないようにした方が良いね」
「……なぜだ?」
「あ、あはは;」
【……また気絶したか;】
絶叫するジュランのに海東は肩を竦め、訝しむウヴァにケンゴは空笑いするしかなく、霊力の調整をしていた心眼はええ……と呟くのであった。
ちなみにマスコット達はウヴァに少し厳しくなったのは些細である。
次回、第23の章:港湾セクターでの合流
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第23の章:港湾セクターでの合流
ディケイドのオーロラカーテンでショートカットし、市街セクターへ戻ったW達は横島達と合流する為に探し回ろうとしていた。
「させと、この辺りにいる筈だが……」
「どこにいるんだろう」
「総調べになるのかな?」
ジョーカーの隣で辺りを見渡しながら数あるビルを見て呟くゼンカイザーにジオウがそう言った所……
「おーい介人!こっちだ!」
呼びかける声にした方へ顔を向けると手を振るジュランを見つける。
敵がいない事を確認してジョーカー達はジュランへ近寄る。
「ジュラン!今は忠夫は大丈夫なの?」
「あ、あー……一応大丈夫なのは、大丈夫なんだがな……」
ゼンカイザーの問いに言葉を濁し、目が泳いでる感じのジュランに誰もがハテナマークを浮かべていると……
「来たか、こいつらをなんとかしてくれねえか、急に小突きだしてよ」
そこにマスコット達に足やらを小突かれながらウヴァが来る。
そんなウヴァの格好とマスコット達ので、ジオウとゼンカイザー、ティガを除いて誰もが察した。
(あー、レオタード破れちゃったんだ;)オーズ
(横島の奴、死んでねえっぽいけど、大丈夫なのか?;)ジョーカー
(大体わかった。煩悩があったか)ディケイド
(横島君、もしかして胸を見ちゃって;)クウガ
(うわぁ、凄いカッコいいファッション)ジオウ
(と言うかあんなに大きかったのか;)ゲイツ
(成程、あの大きさでは横島君が反応するのはシカタナイネ)ウォズ
(あー、煩悩がぼんのーうしちゃったか……はい、或人じゃ~ないと!!)ゼロワン
(横島……ちゃんと人なりの感性あったんだな)ホロウ
各々に思っていると横島に肩を貸したケンゴと海東が来る。
「海東、お前も来てたのか」
「やあ士、ちょっとそこの彼のオジさんにお宝を報酬に頼み事をされてね」
呆れた様に言うディケイドに海東はジオウを見てから肩を竦めてそう返す。
「おい、横島、大丈夫か?」
「お、おお陰念。にゃんとか……」
声をかけるホロウに横島は顔を真っ赤にしながらそう返す。
訝しんだホロウだが横島がウヴァの方を極力見ない様にしているのとウヴァの格好で、ああそう言えばあんなスタイルの女性いなかったと考えた後にこの時、ホロウは思った。
絶対に蛍達とウヴァが出会ったらひと悶着あるな……と……
「!ウルトラマンティガ!」
「テュ?」
一方でケンゴはティガを見て驚いた顔をしており、見られた本人は首を傾げる。
「ん?そいつは?」
「彼はマナカケンゴ、ティガとはまた違う世界の超古代のウルトラマンの生まれ変わりさ」
そんなケンゴを見て問うジョーカーに海東が答える。
「なんで海東さんと一緒に?」
「あ、僕はオーマジオウって人に頼まれたんです。別の世界の危機を自分の子孫と共に防いで欲しいって」
「流石爺ちゃん。色々と考えてる」
「と言うか手回し良いな」
クウガの問いにケンゴは答え、ジオウは感心して、ゲイツは呆れる。
「と言う訳でマナカケンゴです!宜しくお願いします!」
「テュ!」
挨拶するケンゴにティガもサムズアップして返す。
「おい、ちゃんと戦えるのか?」
「だ、大丈夫ッス……多分」
【あーまぁ、ちゃんと戦えるのは戦えるから大丈夫だ】
ディケイドの問いに横島は目を泳がせ、心眼がフォローする。
「それなら良いが、これから解放されたゲートを通って港湾セクターの研究施設に向かう。まずはカオスの爺さんや西条刑事と合流をするぞ」
「了解だぜ」
4人へとこれからの方針を言うジョーカーにジュランが代表で返す。
横島もなんとか顔の赤さが無くなってから4人が変身した後にジョーカー達は港湾セクターへと足を踏み入れた。
「うわぁ……港だけに広いな……もしアイがいなかったらこの広い場所で研究施設を探すの苦労してただろうな……」
「確かに、この広さじゃ探すのも厄介になっていたな……とにかくここの研究施設に謎を解くカギがある筈だ。アイ、その時の案内を頼むぜ」
【分かりました】
「んじゃあ早くカオスのおっちゃんや西条さん、フィリップさんと合流しないとな」
見渡して呟くジオウのにジョーカーは同意してから、ウィスプの言葉の後にリボルギャリーがある場所へと歩き出す。
「しかし、良く襲われなかったよな……」
「確かにそうだな……ここは敵地だもんな」
「対したことないと思われていたから見逃されていたなら良いんだがな」
ふと、そう呟くクウガのにホロウも倒して爆散する戦闘員を見ながら呟き、ジョーカーは気になっていたのか呟く。
そんな会話しながら出て来る戦闘員を倒しながらリボルギャリーの元に辿り着いた所で中からカオスと西条が来る。
ちなみに、マスコットを見た瞬間、西条はああ、令子ちゃん苦労するなと思い、ウヴァを見た際はそのスタイルに顔を赤くして慌てて目を反らして咳払いしてから気を持ち直した。
「おお、お前等、無事じゃったか」
「フィリップ君からある程度は聞いていたが、なかなか連絡が来ないから心配したよ。特に横島君はね」
「ははは……すんません」
喜ぶカオスと西条のにウィスプは頭を摩って謝罪する。
「しかし……話に聞いていたが、まさか令子ちゃん達、特に横島君が関わって倒した相手が怪人として復活しているとはね……」
「その邪眼と言う奴はホントにほっておけんな……ガープ達との戦いもあるのにそんな奴に割り込まれたらかなわんからな……」
呻いて見上げたカオスはん?と何かに気づく。
「……のう、ここいらでオーロラなんて見れたかのう?」
「え?」
誰もがカオスの見ている方へ顔を向けると確かに怪しく光り、蠢くオーロラがそこにあった。
「ホントだ……けど、なんで北極や南極とかで見られるのが日本の近くで見れるんだ?」
「それにオーロラが出てると電波障害が出て機械とか異常が出てる筈だ。なぜあんなのが……それに不気味な気配を感じるな」
「西条さんもですか?俺も、あのオーロラを見てると嫌な感じがして……」
驚くゼロワンの後に西条は厳しい顔で呟き、ウィスプもブルりと震える。
【介人!あのオーロラは自然で出来た物じゃないっチュン!】
「んじゃあ誰かが作ったって奴か?」
「でも誰が……」
「ちっ!邪眼の奴、俺達以外が来られない様にしたか!」
「!そうか!あの時と同じか!」
報告するセッちゃんのにゼンカイジュランとトリガーが呟くとディケイドが舌打ちし、クウガが思い出した様に叫ぶ。
どういう事と誰もが2人に顔を向けた所……
【!皆さん気を付けてください!巨大なコアエナジー反応が近づいてきます!】
アイの警告の後に地響きが起こる。
誰もがなんだと思っているとそれは姿を現す。
それは体がガラクタで出来たティラノサウルスであった。
「な、なんじゃありゃあ!?」
「ティーレックス・ドーパント!?こいつもいるのかよ!」
「正確にはビッグ・ティーレックスだね」
誰もが現れたビッグ・ティーレックスに身構えているとウィスプを見たビッグ・ティーレックスから怒りの咆哮が迸る。
「横島忠夫~~!!貴様のせいで!!!」
「また、お前かよ」
「ええ!?」
怨嗟の籠った声にホロウは呆れ、ウィスプはたじろく。
「あの小娘のせいで!私は殺された!!貴様がいたからだ!!!」
「こ、小娘?俺がいたから、殺された?」
「こんなに恨まれるなんて、よほど何かを邪魔された奴なのかな?」
戸惑うウィスプにディエンドは呟く。
「忘れたとは言わせんぞ!愚かな鳥の魔族を使い、貴様や過去の美神令子、ベリアルとネビロスの寵児を殺した事にしようとしたが、私の竜族としての地位をあげるのを邪魔し、挙句の果てに小娘に殺された私の事を!!!!」
「!?まさか、お前は!ハーピィに殺しをさせようとしたあの時の竜族か!?け、けど、お前はシズクや聖奈さんによって協力した魔族と一緒に監獄に送られた筈じゃあ!?」
睨み付けるビッグ・ティーレックスの言葉にウィスプは驚きながら問う。
「嘘を付くな!私はあの時、あの小娘に食い殺されたのだ!!魂ごと食われた事で消えかけたそんな私をあの方は蘇らせて復讐の機会を与えて下さった!!あの小娘の前に貴様を食い殺し、その次にあの小娘を食い殺す!!!」
怒りの咆哮を迸らせるビッグ・ティーレックスだがウィスプは彼の言った言葉に愕然としていた。
「シズクが、殺していた?んじゃあ、あの時のは……」
【しっかりしろ横島!!奴はそうされても仕方がない事をしたのだ!自業自得だ!】
ショックを隠し切れないウィスプに心眼が諭す中でジョーカーやディケイド達はビッグ・ティーレックスに構える。
「要は自分勝手な八つ当たり野郎って事か、反吐が出るな」
「心眼さんの言う通りだぜ横島さん!自業自得過ぎて同情もする気が起きないな!」
「誰かの笑顔を奪おうとしたのなら、そんな事を絶対に許せない!!」
「俺も同じだケンゴ君!笑顔を奪おうとする事はさせない!!」
「タアッ!!」
「お前さんのような奴を見ていただけに、怒りがぐんぐん湧き出て来るぜ!」
「うん!横島さんを守護全開だ!!」
「お前の様な奴はお宝を汚す害悪でしかない。ここで消えたまえ」
「そんな身勝手な欲望で命を奪わせはしない!!」
「ゲイツ!ウォズ!絶対に倒すぞ!」
「言われるまでもない!!」
「仰せのままにだよ」
「邪魔をするな下等な生物が!!!」
吠えると共にビッグ・ティーレックスはその体を光らせる。
【こ、コアエナジーが急速に上昇中!!い、今まで以上です!!】
誰もが驚いていると光は大きくなっていき……
―ぐあぁぁぁぁぁぁおおん!!!!ー
巨大なティラノサウルスの顔と尻尾を持った巨人へと変貌する。
変貌したビッグ・ティーレックスは自身の足元にいるジョーカー達を見下ろす。
「あ、あの……仮面ライダーで対処できる範囲、超えておりません?;」
「言うな」
冷や汗流しまくって話を振るウィスプにディケイドはバッサリ切り捨てる。
次回、第24の章:荒ぶる暴君竜人
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第24の章:荒ぶる暴君竜人
―ぐあぁぁぁぁぁぁおおん!!!!ー
「うお!?」
「うひゃあ!?」
「回避全開!!」
踏み潰そうと迫る足にカオスや西条も含めて誰もが慌てて逃げる。
地響きと共に起こった衝撃に耐え切れずに吹き飛んで転がる。
「やれやれ、これではビッグじゃなくジャイアント・ティーレックスだね」
「呼称を付けてる場合か!」
起き上がって見上げて言うディエンドのにディケイドは叫ぶ。
「陰念!ステージ!ステージ!!」
「分かってる!!急かすな!!!」
【アーイ!セレクト!!】
リボルギャリーの事もあって必死に叫ぶウィスプにホロウは怒鳴り返してステージセレクトを発動する。
それにより場所はビルが並ぶ市街地へと変わる。
―ぐあぁぁぁぁぁぁおおん!!!!ー
場所が変わってもジャイアント・ティーレックスは吠え、尻尾を振るい、ビルを粉砕して行く。
「あぶねぇぇぇぇぇぇ!!」
「ぬぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
吹っ飛んで来るビルの残骸に誰もが慌てて避ける。
「どうするんっスかこれ!?」
「ここは僕が!!」
「ダッ!」
叫ぶウィスプにトリガーはそう言ってからスパークレンスバックルからGUTSハイパーキーを抜き、変身を解除した後に手に持った銃、GUTSスパークレンスへと装填する。
【ブーストアップ!ゼペリオン】
音声の後にGUTSスパークレンスの銃口を展開してスパークレンスモードへ変える。
「未来を築く、希望の光!!」
ケンゴは左腕を左腰に添えてから、GUTSスパークレンスを持った右手を胸の位置で右方向にスライドさせてから左腕と交差し、瞬時に右腕を反時計回りに回し……
「ウルトラマン!トリガーっ!!」
右腕を天へ掲げると共に、人差し指でトリガーを引くとGUTSスパークレンスから光りが迸り、ケンゴを包み込む。
【ウルトラマントリガー!マルチタイプ!!】
光の放流からウルトラマンとしての姿、ウルトラマントリガーが現れて大きくなってジャイアント・ティーレックスと対峙する。
「すげぇ!」
「これがウルトラマン……」
佇むウルトラマントリガーにウィスプとホロウが驚く中でティガもその体を光らせて飛び上がると巨大化してウルトラマントリガーと並び立つ。
「これはまた、凄いのう……」
「ええ……」
並び立つ2人の巨人にカオスと西条は絶句する。
「介人!俺達も行こうぜ!」
「うん!ってゼンカイジュウギアがない!」
「ああ、これの事かい?」
そう言うゼンカイジュランに頷いてから頭を抱えるゼンカイザーにディエンドがそう言ってある物を見せる。
それは手のひらサイズのティラノサウルスもしくは怪獣を模したメカであった。
「ああ!ゼンカイジュウギア!!ありがとう海東さん!!」
ようし!とお礼を述べてから自分の手に来たゼンカイジュウギアを折り畳んで龍の顔な形状に変えた後にギアトリンガーにセットし……
「スーパーチェンジ全開!」
ハンドルを回す。
【カーイジュウ……カーイジュウ……】
音声が鳴り響いた後にゼンカイザーはトリガーを引く。
【スーパー!ババン!ババン!ババン!ババン!ババババーン!超!ゼンカーイ!】
音声の後に歯車の幻影がゼンカイザーと重なると、ゼンカイザーに重厚な鎧が装着されて行き、大型の突撃槍を持つ。
「秘密のパワーアップ!スーパーゼンカイザー!」
「おお!カッコいい!!」
「いや、変わり過ぎじゃね!?」
名乗り上げるスーパーゼンカイザーにウィスプやマスコット組がはしゃぐ中でホロウはツッコミを入れる。
その間、ゼンカイジュランは自分のギアトリンガーにセットしていた自分のセンタイギアを裏返し、スーパーゼンカイザーはゼンカイジュウギアの顔を口が開く様に動かす。
【ビーッグバーンッ!】
ゼンカイジュランはハンドルを回してからトリガーを引き、スーパーゼンカイザーは待機音を鳴らすゼンカイジュウギアの顔を閉じる。
【ビッ・グ・バーンッ!】
「機界変形! ジュランティラノ!」
「巨大化ゼンカーイ!!」
【ゴー! ゴー! ゴゴッゴー! ゼンカイジュゥラン!】
それにより、スーパーゼンカイザーはウルトラマントリガーやティガと並ぶ様に巨大化、ゼンカイジュランは巨大化すると共にティラノサウルスに変形する。
「ティラノにはティラノで!」
「さらに全開合体!!」
【ゼンカイジュラン!ゼンカーイ!!】
その言葉と共に2人は並び立つとその体を変形させて、ゼンカイジュランは左半身、スーパーゼンカイザーが右半身となる。
【スーパーガッシーン!!】
「久々のこれだ!」
「いっくぞ!!」
そのまま合体し、1つの巨人となる。
【ゼンカイオー スーパージュゥラーン!!】
「「完成!スーパーゼンカイオー!ジュラン!!」」
左手に突撃槍を持って名乗り上げたスーパーゼンカイオージュランに誰もが唖然となる。
「マジかー……」
「す、すげぇ体を無視した変形をしやがった……」
「凄いな、ファイナルフォームライド張りの超絶変形したな介人君」
「ワシ、色々と追い付けるか不安じゃわい」
「安心してくださいドクターカオス、それは僕も同じです」
各々に呟いている間にスーパーゼンカイオージュランはウルトラマントリガーとティガと並ぶ。
【2人とも頑張ろう!!】
【さっさと冥土に返してやろうぜ】
【う、うん!】
「デュ!」
声をかけるスーパーゼンカイオージュランにウルトラマントリガーは戸惑いながら頷き、ティガも力強く頷いてから構える。
―ぐあぁぁぁぁぁぁおおん!!!!ー
吠えるジャイアント・ティーレックスは口から水弾を放つ。
3人は飛んで来るのを避けると後ろにあったビルを貫いて穴が出来る。
「あの水の弾丸は当たったら一貫の終わりじゃな……」
「み、皆頑張れ!!」
「ニャニャニャーン!!」
「アオアオーン!!」
それを見て真剣な顔で分析するカオスの隣でウィスプがマスコット達と応援する。
放たれる水弾を避けながらティガとウルトラマントリガーはジャイアント・ティーレックスへ接近する。
「タアッ!!」
「テアッ!!」
近づいたティガとウルトラマントリガーは同時にチョップをジャイアント・ティーレックスの胸に叩き込む。
―ぐおおおん!!!!ー
そんな2人のチョップに気にした様子もなく、ジャイアント・ティーレックスは胸を張って弾き飛ばした後に2人を殴り飛ばす。
【おりゃあ!!】
【ちょあー!!】
そこにスーパーゼンカイオージュランが突撃槍、ゼンカイテンランスで突いた所を右腕のゼンカイミサイルの連射を浴びせる。
―ぐあぁぁぁぁぁぁおおん!!!!?ー
怯むジャイアント・ティーレックスをみつえ、起き上がったウルトラマントリガーのインナースペース内でケンゴはGUTSスパークレンスからGUTSハイパーキーを抜くと腰に付いた別のGUTSハイパーキーを1つ取って起動する。
【 ウルトラマントリガー!パワータイプ!!】
その後にGUTSスパークレンスへ装填する。
【ブーストアップ!デラシウム!!】
「勝利を掴む、剛力の光!!」
ケンゴは左腕を左腰に添えてから、GUTSスパークレンスを持った右手を胸の位置で右方向にスライドさせてから左腕と交差し、瞬時に右腕を反時計回りに回し……
「ウルトラマン!トリガーっ!!」
右腕を天へ掲げると共に、人差し指でトリガーを引くとGUTSスパークレンスから光りが迸り、ケンゴを包み込む。
【 ウルトラマントリガー!パワータイプ!!】
ティガと同時にウルトラマントリガーは顔の前で腕を組んで額のクリスタルを光らせた後に、ティガは紫色の所が赤一色になった姿、ウルトラマントリガーは全身を赤くしてからプロテクターがたすきがけのような形に変化し、肉体も強靭になり、腰から太ももにかけてのラインが変化する。
「おお、体が赤くなった!」
「仮面ライダーの様に、自分のスタイルを変える事が出来るみたいじゃな」
それに初めて見る西条とカオスが驚く中でティガとウルトラマントリガーは走る。
―ぐあぁぁぁぁぁぁおおん!!!!ー
向かって来た2人にジャイアント・ティーレックスは尻尾を力強く叩きつけようとする。
向かって来るジャイアント・ティーレックスの尻尾をティガが受け止める。
【サークルアームズ!パワークロー!!】
「タアッ!!」
尻尾を抑え込んだティガへと噛み付こうとしたジャイアント・ティーレックスの首を右手に持ったサークルアームズで挟んで押さえつけてから殴りかかろうとした腕を左手で抑える。
「ダアッ!!」
尻尾を押さえつけながらティガは左手にエネルギーを収束させてリング状に形成して高速回転させると手に這わせた状態で手刀のように光輪をジャイアント・ティーレックスの尻尾へと叩き込んで、尻尾を切断する。
―ぎゃおおぉぉぉぉぉん!!!!?ー
「ダアッ!!」
悲鳴を上げるジャイアント・ティーレックスをウルトラマントリガーはパワークローで挟んだ状態で持ち上げて投げ飛ばす。
【追撃ちょあー!!】
そこをスーパーゼンカイオージュランのゼンカイミサイルでさらに吹き飛ぶ。
【決めよう皆!】
【おお!トドメ全開!】
転がるジャイアント・ティーレックスをみつえ、スーパーゼンカイオージュランはゼンカイテンランスの先端にエネルギーを収束させる。
インナースペース内のケンゴはサークルアームズのスロットにGUTSスパークレンスから抜いたGUTSハイパーキーをセットする。
【マキシマムブーストアップ!パワー!!】
ティガもティガカリバーを出現させるとティガカリバーの中央のリングを1回回転させると炎の文字が光り輝いた後にトリガーを引いてリングを勢いよく回す。
「ハァァァァァァァァッ!」
刀身が赤く燃え上がるティガカリバーを構えるティガの隣でウルトラマントリガーはサークルアームズの二本の爪にエネルギーを収束させ……
【デラシウム!クローインパクト!!】
【【ゼンカイテンランス!スーパークラッシュ!!】】
「「タアッ!!」」
スーパーゼンカイオージュランのゼンカイテンランスから突き出されて発射されたドリル型エネルギー弾にティガカリバーから振るわれたエネルギー斬撃が重なり、ウルトラマントリガーが地面に突き刺したサークルアームズから衝撃波がジャイアント・ティーレックスへと迸る。
―ぎゃおおぉぉぉぉぉん!!!!!ー
それにジャイアント・ティーレックスは口に収束させたエネルギーでエネルギー光線を放つ。
エネルギー光線と3人の必殺技はぶつかり合う。
均等しあい、一方へ押し合おうとする。
【【「「ハアァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」」】】
気合の一声と共にスーパーゼンカイオージュラン、ティガ、ウルトラマントリガーは押し出し、ダメ押しとばかりにティガは両腕を斜め下へ広げると手は大きく広げ、前に向けた掌からエネルギーを発した後に腕を上へ大きく回した後、胸の前で左右の掌を向かい合わせてエネルギーは凝縮して赤い光球とするとそれを左右から掴む様に構えてから右手に光球を宿して大きく振りかぶってから右腕をまっすぐ伸ばして必殺技のデラシウム光流を放つ。
デラシウム光流も加わり、ジャイアント・ティーレックスの光線を押し返して、直撃させる。
―そ、そんな馬鹿なぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?せ、世紀王様ぁぁぁぁぁぁぁぁ!?ー
ドカァァァァン!!
断末魔をあげながらジャイアント・ティーレックスは爆発四散する。
【勝利全開!オールオッケー!!】
爆発を前にゼンカイザーが勝ち名乗りを上げて、ウルトラマントリガー、ティガ、スーパーゼンカイオージュランはポーズを取る。
☆
「お疲れさん4人とも」
「いえ、けどまさか大きくなるとは思いもしませんでしたね」
労いの言葉をかけるジョーカーにケンゴは代表で返す。
「アイ、あれもまたコアエナジーの力なのかい?」
【私も初めて見ました。感情の高まりと共にあれほどの事が起こると言うのは……】
「ふうむ、コアエナジーは絶対に誰かの手に入らん方が良い物でしかないな……こんなもんがガープなんかの手に渡ったらとんでもない事に使用する未来しか見えんな……」
確認する西条にアイも困った様に液晶の表情を変え、カオスは顎を摩って呟く。
ぐぅ~~~~
するとなんらかの音が響き渡り、誰もが音がした方を見るとウィスプがお腹を押さえていた。
「あ、はは、いやぁ、なんか気を抜いたら腹が減りまして……」
「あー……そういや俺も食べてないな」
「どうしよウォズ!!俺達食料を持って来てないよ!!」
「確かに行く事以外考えてなかったな士;」
「戻って食べればいいだろうが……この状況のままで戻るのは無理だからな」
恥ずかしそうに言うウィスプにジョーカーも困った様にお腹を押さえ、クウガのにディケイドはオーロラを見て呟く。
「そう言われると俺も腹ペコ全開~~……」
「あー……俺等もあんま食べてなかったな……」
「そう言えば俺も、急いで出たから昨日のも含めてお腹が空いたな……」
「ううむ、確か食料のも4人で1週間分しか用意しておらんかったからな……」
同じ様にお腹を押さえるゼンカイザーとゼロワンにカオスは唸るとやれやれとディエンドが肩を竦めてから懐からある物を取り出す。
「やはりそうなったか……あの王様もこれを予想して僕にこの道具を渡したのだろうね」
取り出されたのは、テーブルクロスであった。
「なんでテーブルクロスを出すんだよ」
「あ、もしかしてそれって!!」
「この展開から察するに、あの有名な猫型ロボットさんの道具か!?」
呆れるホロウだがゼンカイザーとゼロワンの反応に、え?となる。
「横島、君は今、何を食べたい?」
「え、そりゃあやっぱガツンとカツ丼大盛りとか」
【そんなのを聞いて何……を……?】
続いて取り出して敷いた広めのピクニックシートの上にテーブルクロスを広げながら問うディエンドに軽い気持ちで言ったウィスプは呆れていた心眼と共に絶句する。
敷かれたテーブルクロスの上に、何時の間にか出来立てを示す様に湯気を放つカツ丼大盛りが乗っていた。
カオスや西条も目の前で起こった事に目を点にする。
「そりゃあ何も知らずに〝グルメテーブルかけ”なんて初見で見たらそう言う反応になるよな」
「え、そう言う名前のなんですか?」
「そうそう、色んな料理をだせちゃうんだよ」
「まぁ、とりあえず、食べて英気を養おうじゃないか」
呆れて言うゲイツのに聞くケンゴへオーズが言い、ディエンドがそう言って変身を解き、他のメンバーも各々に料理をリクエストし、食べ始める。
次回、第8のレポート:吠えるぜ!勇士達
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第8のレポート:吠えるぜ!勇士達
ゆっくり魔理沙「実はと言うと、今回話が全然進まないんだぜ」
ゆっくり霊夢「入れた駆った奴を入れた結果ね」
「ひゃはは!凄いだろこいつ等、あのお方はこんな事を簡単に出来ちまうんだぜ!!」
「邪眼がと言うより、その復活させた奴等がしたが正しいと思うけどね」
楽し気に言うスペース蜘蛛男のに3号は呆れた口調で指摘する。
「おうおう、悪の軍団らしく、沢山の兵隊だな」
「ま、奴等らしいといやぁらしいけどな」
「だが、人数が少なくても今この場にいる俺達のやるべき事は決まっている」
「ようし♪張り切って行こう」
それに対し、勇儀、ゴールド、シルバーに
「ちょ、ちょっと待ちなさい!危険過ぎるわ!!」
「あなた達が~出るのは~危険過ぎるわ~」
そんなゴールドとシルバーに対し、美神と冥華が制止しようとする。
「安心してくださいッスボディコン姉さんとほんわか見せかけさん。俺達は、戦隊ッスから」
「そうそう、安心しなよ♪」
ニカッと笑って言うゴールドに少女も続いて言う。
すると王蛇はどこからともなくラジカセを取り出すと再生ボタンを押す。
【行け!強き竜の者たちよ!!(パチン!)】
「どっから用意したそれ!?」
流れ出たセリフと指をはじく音にインペラーが思わずツッコミを入れる中で勇儀達は懐から電池を取り出して突き出す。
「電池?」
「ああ、あれは獣の電池と書いて獣電池。勇儀さん達が変身する為のアイテムさ」
それに疑問を抱く蛍ににとりが軽く説明する。
「「「「ブレイブイン!!」」」」
電池の右上の突起を叫ぶと共に押すと恐竜の咆哮と共にプレートが回転して絵柄が変化した後にそれぞれ、勇儀とゴールドは左腕に装着したガントレット、ガブリチェンジャーに、シルバーと少女はそれぞれ恐竜の顔を模した銃、ギガガブリボルバーとガブリボルバーに装填する。
【ガブリンチョ!ガブティ~ラ!!】
【ガブリンチョ!プテラゴードン!!】
【ギガガブリンチョ!ブラーギガス!!】
【ガブリンチョ!トバスピ~ノ!!】
「「「「キョウリュウチェンジ!」」」」
掛け声と共にシルバーと少女は銃のシリンダーを、勇儀とゴールドはガブリチェンジャーのトリガーを引く。
【ピーピーピ!ピーピーピー!ピピーピー!ピピーピピー!!】
【デンデンデン!デデデン!デンデン!デデンデデン!!】
【デデン!デデン!デデデデデデン!デデン!デデン!デデデデデデン!】
それぞれがサンバ調とハードロック調の三味線のリズムの音楽とロックギター調が流れる中で少女はサンバのステップを、勇儀とゴールドは舞や歌舞伎のような動きを、シルバーはギガガブリボルバーをギターの様にして片足でテンポを取るようにリズムを刻んで回転した後…
「「「「ファイヤー!!」」」」
それぞれのトリガーを引くと恐竜の顔を模したエネルギー、キョウリュウスピリットを飛び出し、それぞれの背に行くと噛み付く様に一体化し、スーツを形成した後にヘルメットが装着される。
「何あれ!?」
「音楽が鳴りだして踊り出したと思ったら変身してる!?」
「仮面ライダーと全然違う!?」
並び立つ4人の戦士に美神達が驚く中で勇儀が前に出る。
「この場にいる奴ら全員聞いて驚け!!」
完了と共に勇儀は両手を広げ、誰もが耳を押さえてしまう程に辺りに響き渡る位の大声を出して勇儀から名乗り上げる。
「牙の勇者!キョウリュウレッド!!」
「雷鳴の勇者!キョウリュウゴールド!見参!!」
「閃光の勇者!キョウリュウシルバー!!」
「自由の勇者!キョウリュウネイビ―!!」
「「「「史上最強のブレイブ!」」」」
ポーズを取って名乗りあげてからしゃがみ込んで地面に右腕を付けた後に勢いよく立ち上がって右腕を天に突き出してから左手で左胸のエンブレムを差し……
「獣電戦隊!」
「「「「キョウリュウジャー!!」」」」
腕を交差させてから4人がそれぞれポーズを取るとその背に爆発が起こる。
「何、今の!?」
「スーパー戦隊特有の爆発だ」
「どういう事!?」
「うわ~カッコいいわ~~」
思わず突っ込む瑠璃に返した王蛇のに冥華も思わず素で叫び、冥子は拍手する。
そしてその後に3人は一緒に名乗り上げた人物に気づく。
「ってこいし!?あんたもいたのかい!?」
「最初からいました~」
「か~流石は無意識だな~」
「……こいつが分かる奴、ホントに凄いな……」
心底驚いたなキョウリュウレッドにキョウリュウネイビ―はあっけらかんに返し、キョウリュウゴールドは一本取られたと笑い、キョウリュウシルバーは溜息を吐き出す。
「誰!?いきなりいて普通にいた子、誰!?」
「ああ、あの子は古明地こいしちゃん。無意識を操る覚の女の子よ」
「覚?それって人の心を読むあの?」
そして遅れて気づいた美神達に夢美が簡単に説明し、冥華は驚いた様子でキョウリュウネイビ―を見る。
「僕も!ジーッとしてても、ドーにもならねぇ!」
そう言ってリクも前に出て、腰に赤と黒のカラーリングの右側に中に細胞の配列を思わせるのが描かれたシリンダーが付いたバックルを腰に装着すると右腰のホルダーからカプセル、ウルトラカプセルを取り出す。
「ユーゴー!」
【シェアッ!】
右横のスイッチを上にスライドさせると上部先端が光り、光が集まって初代ウルトラマンとなった後にウルトラカプセルをバックルの右端のスロットに装填。
「アイゴー!」
【ヌェアッ!】
続けざまに2本目のカプセルを取り出して起動させると放出された光はリクの父、ウルトラマンベリアルとなった後に2本目のウルトラカプセルを真ん中のスロットに装填。
「カクゴー!」
【ふん!】
そして、3本目に仮面ライダーの力を込められたライダーカプセルを起動し、放出された光はディケイドとなった後に3本目は左端のスロットに装填する。
「ヒアウィーゴー!」
その後にシリンダー部分を左へスライドさせるとシリンダー内に青と紫の輝きと共にマゼンタの輝きが加わる。
【ライダー!フュージョンライズ!】
「決めるぜ!覚悟!!はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!はあ!!」
鳴り響く音声の後に右腕を回し、バックルの中央部分にあるスイッチを叩く様に振り下ろす。
【ライダーアップ!!】
音声と共にシリンダー内の光は赤く輝き始める。
「ジィィィィド!」
【ウルトラマン!ウルトラマンベリアル!仮面ライダーディケイド!!】
リクが吠えると共に出現した3人がリクへと重なり、リクの姿は変わる。
【仮面ライダージード!プリミティブディメンション!!】
そのまま光の中から飛び出すのは自身が変身するウルトラマンジードに並行世界のウルトラマンが銀河遊撃隊隊長時に装着していた装鉄鋼を漆黒に染めたのにライトグリーンカラーのカード型の装甲を追加したのを身に纏った姿となる。
「いよ、待ってました!」
「あれぞ我が主、ウルトラマンベリアル陛下の息子!朝倉リク様のもう1つの戦う時の姿!仮面ライダージードである!!」
「ちょっと待って!?なんか凄い事言った気がするんだけど!?」
「わぁ~おじさんと同じ名前だ~」
構えるジードを見てはやし立てるグロッケンの後に言ったヴィラニアスのに美神は驚き、アリスは声を漏らす。
するとキスメもふよふよと飛ぶ。
「あん?チビが、戦う気か?ひゃはは!おかし過ぎるぜ!!」
それにスペース蜘蛛男は嘲笑うがキスメは顔をムッとさせた後に右腕を左に伸ばして右へ動かし、瞬時に左腕を右に突き出した後に桶ごと飛び上る。
【ライダーアップ!!】
「「「「「はい!?」」」」」
響き渡る音声に美神達はギョッとなる中でキスメは光に包まれる。
そして光りの中から闘士ゾフィーの装鉄鋼を身に纏い、足首に黄金のアンクレットを装着したゾフィーが現れて着地する。
「あんな小さい子も仮面ライダー!?」
「うん、仮面ライダーゾフィーだよ」
「か、仮面ライダーとは一体……」
驚く瑠璃にあっけらかんに答えるにとりのに美神はキャパを超えそうになって痛み出した頭を抑える。
「私達も行きましょう!」
「そうね!」
「我が救世主が安心できるように頑張りますか」
それに夏海、ツクヨミ、白ウォズも動く。
「キバーラ!」
「はいは~い!出番ね~」
夏海が呼びかけると懐から小さい白い蝙蝠、キバーラが飛び出し、夏海がキバーラを右手に持って構え……
「「変身!」」
言葉を紡ぐとキバーラがチュとキスする様に鳴くと共に夏海の額と回りに無数のハートが現れて夏海を包みこむ。
そしてハートが消えると夏海の姿は紫と白で、複眼は赤く輝く吸血鬼の様な仮面ライダー、仮面ライダーキバーラへと変わる。
白ウォズはウォズが使うのと同じビヨンドライバーを装着する。
【ビヨンドライバー!】
その後に左手にウォズミライドウォッチを持って起動させる。
【ウォズ!】
その後にウォズミライドウォッチを両手を交差させながらビヨンドライバーにセットする。
【アクション!】
腕を開きながらウォズミライドウォッチのボタンを再度押しそのカバーを開く。
その後に近未来感を想像させる音楽が流れだし、白ウォズの周囲を光の線が走る。
「変身」
呟いた後に右手でビヨンドライバーのハンドルを前に向ける。
【投影!フューチャータイム!】
【スゴイ!ジダイ!ミライ!仮面ライダーウォズ!ウォズ!】
響き渡る音声の後に白ウォズの姿はウォズが変身した仮面ライダーウォズへと変わる。
【これはヤバい!!】
「我が名は仮面ライダーウォズ……未来の創造者である!」
続いてツクヨミがジクウドライバーを装着してライドウォッチを取り出して起動する。
【ツクヨミ!】
音声の後にジクウドライバーにセットし、ロックを解除するとツクヨミの背後に天文時計を模したエフェクトが現れる。
「変身!」
その後にジクウドライバーを回転させる。
【ライダータイム!仮面・ライダー・ツクヨミ♪ ツ・ク・ヨ・ミ!】
響き渡る音声の中でツクヨミの姿は黒のアンダースーツの上に白のベースカラーに金色のラインが入っているアーマーを装着し、三日月をあしらった複眼でライダーの文字が入った仮面を装着した仮面ライダーツクヨミとなる。
「俺達も行くぞゴースト!クローズ!」
「ああ!」
「え、あ、お、おう!」
「やれやれ、休む暇がないな」
「俺達も行こうファイズ!」
「ああ、こいつ等には手を出させてたまるか」
「行くぞインペラー、タイガ、ガイ」
「言われるまでもねえよ!」
「うん!春香ちゃん達やぷちどるの皆を護らないと!」
「んじゃあやりますか」
「行こうぜケンタ!」
「ああ!」
「あの蜘蛛男は野放しには出来ませんね」
それにゴースト、ビルド、クローズ、3号、ファイズ、ブレイド、インペラー、タイガ、ガイ、エース、アグル、ガイアも並び立つ。
「おいおい、聞いてねえぞお2人方!こんなに変身出来る奴等がいるなんて!」
「確かに予想外だが、倒す事に変わりはない!」
「それにお前にはあれがあるだろう」
並び立った戦士達を見て文句を言ったスペース蜘蛛男はイカデビルとガラガランダのにそうだなと笑い声を出す。
「お前等がそんなにいるのなら、こっちも追加だぜ!!」
その言葉と共に地面に手を付けるとそこから光が溢れ出し……
ーうあぁ……ー
ーおあぁ……ー
光を浴びた地面から何かがはい出て来る。
それはゾンビの集団であった。
「ゾンビだと!?」
(この場にゲイツいなくて良かったわ)
「……!?あのゾンビの服、オカルトGメンの制服だわ」
「!言われてみれば!」
驚くインペラーの後に冥華がゾンビたちのボロボロとなった服を見て眼を鋭くさせ、美神も思い出してまさかとなる。
「こいつ等はあの島に乗り込んで来た奴等よ」
「あの島の主はある事以外には無頓着だからこちらで有効活用してやったと言う訳だ」
「ひゃはは!なかなかだろ」
「そろそろ黙りな。依姫の言う通り、野放しにはしておけないな!皆、行くぞ!」
「「「「「おう!!」」」」」
その言葉にキョウリュウレッドは手を握り締めて号令をかけ、全員が応える。
「天怒りて、悪を斬る!」
「あ~れるぜ~~~~~!!!止めてみな!!」
キョウリュウゴールドとキョウリュウレッドの言葉を合図に戦士達は駆け出す。
「かかれ!!」
ガラガランダの号令に量産型レブナントん達も動き出す。
「えっと、確か……あの人に教わった奴は……」
「え、何をする気?」
すると春香が何かを確認する様に左手を大きく上げており、蛍が聞こうとした所……
「こう!!」
上げていた左手を勢い良く振り下ろす。
(BGM:獣電戦隊キョウリュウジャー、荒れるぜ!止めてみな!!)
それと共に壮大な音楽が辺りに響き渡る。
思わず美神達はズッコケる。
「やった!出来た!!」
「春香、あなた、練習してたの?」
「さ、流石765プロ」
「魔境と呼ばれるだけあるわ」
「どんなアイドルプロダクションだよ!?」
喜ぶ春香に千早は呟き、目を丸くする凛と朔耶の後に雪之丞は叫ぶ。
次回、第25の章:研究所までの道のり
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第25の章:研究所までの道のり
「「「「ご馳走様でした~」」」」
「あー久々に高級な奴を食べたな」
「なんか、夏海ちゃん達に申し訳ないな……」
「帰った時に使わせてやれば良いだろう」
各々に注文した料理を食べ終えて手を合わせて満足気に息を吐き出して余韻に浸る中、ケンゴが何かを思い出して懐を探る。
「そう言えば翔太郎さん。さっきジャイアント・ティーレックスが爆発した所にガラクタに混じってこんなのがあったんですけど……なんだか分かります?」
そう言って翔太郎にケンゴが見せたのは黄色の蜘蛛の様なメカであった。
「こいつは……スパイダーショック!巻き込まれていたのか!」
【そう言えば、あの時、コアエナジーの急激な上昇ので報告をし忘れていました。すいません】
「まぁ、あんなことが起こればロボだろうとそうなっちまうだろうな」
喜びの声をあげる翔太郎にアイは申し訳なさそうに謝罪し、陰念はぼやく。
「ありがとうなケンゴ!これで出してたメモリガジェットは全て手元に戻ったぜ!」
「良かったですね翔太郎さん」
「後はガイアメモリだけか」
礼を述べた翔太郎はスパイダーショックを早速ライブモードから腕時計に戻して左手首に装着する。
「それじゃあ改めて研究施設に行きましょう!」
「お前は俺と爺さんと留守だ」
意気揚々と立ち上がろうとした横島だが、ウヴァにより後ろから肩を抑えられて強制的に座らされる。
その際、ウヴァの爆乳が横島の顔を挟む。
「ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
「うるさいぞ」
「いや、そりゃあ叫びたくなると思うぞ;」
自分の顔の両側から来る感触と肩に来る重みに目を見開いて絶叫する横島にウヴァは文句を言い、ジュランにツッコミを入れられる。
「横島、お前……人並みに性欲あったんだな……」
「いやぁ、ホント、今時の若者らしくて安心したよ」
「子供がいるのに不埒な真似できる訳ないでしょうが!!?」
そんな横島の反応に凄く意外そうな顔をする陰念と少し安堵した感じの西条に、横島は怒鳴り返す。
(わしの知る小僧らしくて懐かしさが来るのう)
ちなみにカオスはカオスでしみじみと思いながら懐かしんでいた。
「まぁ、俺もウヴァの意見に賛成だな。お前、まだシズクが殺したってショックが抜けてないだろ」
「……そう見えます?」
「うん。ちょっと無理してる感じだよ。横島君。俺も、少しは休んだ方が良いと思う」
言われた事に顔を顰める横島へ映司も翔太郎と同意見だと気遣う。
「横島君。僕も隊長として、そして令子ちゃんから預かった者として君のメンタルを良くする義務がある。だからこそ2人の言う通り、君はドクターカオスとウヴァさんと共にフィリップ君のいるリボルギャリーで休んでおきたまえ」
西条にも言われて、横島は分かりましたと返す。
そして……鼻血を流し、白目剥いて気絶した。
「……ああ、なんとか煩悩に負けずに返す為に耐えていたけど言い終えたからオーバーフローしたね」
「小僧、ホントに頑張ったな」
ウヴァの胸に顔を挟まれた状態の横島に西条とカオスは神妙な顔で呟く。
普通の思春期な男子がいたら血涙を流して横島に呪詛を放ち、蛍は黒くなっていただろう。
「おい、爺さん。もしもこれを直せるか見て貰っても良いか?」
「ん?興味深いのう。ええじゃろう。今の所、この島に関わる事で調べられるのがないからのう……と言うかお主、動じ無さ過ぎじゃろ;」
マスコット達に小突かれつつ横島を運びながらブレスレットをカオスに渡すウヴァにカオスは渡されたのを興味深く見ながら歩く。
「では、食事してる間の情報交換であったこのセクターにある研究施設に向かおうか」
「ああ、気を付けて付いてきな西条さん」
付いて来る西条に翔太郎はそう言った後に各々に変身し、研究施設へと向かう。
道中で戦闘員などを倒しながら着いたのだが……
「これは……入口がロックされてるね」
「しかもこれ、セキュリティレベルは関係ないっぽいな……」
「おい、アイ。この入り口以外で研究施設に入る手段はねえのか?」
近づいても開かない様子に顔を顰める西条へゼロワンはそう言い、ホロウはアイへ確認する。
少しお待ちくださいとアイは電子画面を横棒に変え、少しして元に戻す。
【この入り口以外に入れる場所はありません。それでこのセクターの倉庫の中に、港湾セクター全体を管理する端末があるようです】
「ならその倉庫を調べて、端末を操作した方が良いな」
次の方針が決まり、一同は行きと同様に戦闘員を倒しながらアイの案内で目的の倉庫に向かう。
「……で、当然の様に厳重にロックされているね。中への侵入口は屋上かな」
「なら、スパイダーショックの出番だな。こいつならこんな高さはお茶の子さいさいだぜ」
「あ、それなら俺がセンタイギアで皆を上に運べるようにしても良いかも!」
「それだったら俺はこの高さなら所々の出っ張りを使えば辿り着けるのと、持ってる奴ので自力で空を飛べるから屋上に行くのは
「いや、それを言うなら容易いだろ?なんだ?その飛べる奴のモチーフが鷹だから容易いとかけてるのか?」
辿り着いた倉庫を見上げながら呟く西条にジョーカーが先ほど戻って来たスパイダーショックを見せ、続いて、ゼンカイザーとゼロワンが乗ってゼロワンのにホロウはツッコミを入れる。
3人のを聞いて西条は暫し考え……
「よし、翔太郎君と僕、或人君に陰念君、士さんにそして介人君の6人とアイで乗り込もう。後の皆は襲撃に備えてここで待っていてくれないかな?」
「俺は良いですけど、西条さんは大丈夫なんですか?」
そう指示する西条にゼロワンはそう聞く。
「君の心配も分かるよ。ただ、僕は横島君達の隊長として付いて来たからね。流石に怪人の相手は出来ないが手がかりになりそうなのを探すつもりさ」
「ま、巻き込まれない様に気を付けるんだな」
【カメンライド!フォーゼ!】
【スリー!ツー!ワン!!】
【アタックライド!ロケット!】
【ロ・ケッ・ト!オン!】
返す西条にそう言いながらディケイドは上下に現れた円から噴き出した煙に包まれてから、煙が収まった後にディケイドフォーゼになり、その右腕にロケットモジュールを装着する。
「ようし俺も!」
センタイギアを取り出したゼンカイザーはギアトリンガーにセットし、ハンドルを回してトリガーを引く。
【40バーン!ババン!ババン!ババン!ババン!ババババーン!ジュウオウジャー!】
飛び出した光がジュウオウジャーとなると中央のジュウオウイーグルがゼンカイザーと一体化する。
「んじゃあ行くぜ!」
「ああ、お手柔らかに頼むよ」
「ようし上昇全開!!」
西条が自分に掴まったのを確認してジョーカーはスパイダーショックを飛ばして屋上へ向かい、それに続く様にディケイドフォーゼとゼンカイザーが飛び、ホロウも浮遊で追いかけ、ゼロワンはジャンプして屋上へと向かう。
先に屋上に着いたジョーカーは安全を確認して西条と共に上がる。
「敵がいないのは良かったが、中で待ち受けてるのが確定したとも言えるな……」
「ありえそうだな。アイ、確認するが強いコアエナジー反応はこの中からするか?」
周りを見て呟く西条の後に続いて来たディケイドが確認する。
【今の所は……!?いえ、これは、突然大きな反応が!?】
「何!?ガッ!?」
「うわ!?」
ないと言おうとして慌てた様子で言うアイのにホロウが驚いた後にその体に衝撃が走り、西条以外のライダー達とゼンカイザーも背中などを何かに攻撃されて倒れる。
「なんだ!?」
突然の事に西条が驚いていると体勢を立て直している5人の前で何かが現れる。
それは埴輪もしくは土偶を思わせる白い身体で、頭の左右部分が蛇の横顔になっており、手首部分が蛇の顔となっている。
「ちっ!やはり少ししか超加速を使えないか……!」
「!?」
「クレイドール・ドーパント!?けど、姿が違う!?こいつも何かの変異体か!」
舌打ちする存在、クレイドール・ドーパントの声を聴いて驚く様子を見せるホロウの後にジョーカーが身構える。
【このドーパント、いきなり反応が……いえ、これは、私達が感知できないとてつもない速さで来た!?】
「それより土人形と蛇が混ざった様な感じのあいつは何?」
「クレイドール・ドーパント、土偶の記憶を持ったドーパントだ。だが蛇が混ざって喋っている……まさか!」
驚くアイの後に聞くゼンカイザーにジョーカーが軽く説明した後にクレイドール・ドーパントを見てこれまでの意思のある怪人達を思い返してある存在を思い出すと……
「あんた、メドーサ様……なのか?」
「あん?」
言葉を絞り出したホロウにクレイドール・ドーパントは顔を向ける。
「その声、もしや陰念か?この世界では生きているのだな」
「……やっぱりそうなのかよ」
珍しそうに言うクレイドール・ドーパントにホロウは仮面の中で苦い顔をする。
「翔太郎君。もしや並行世界では……」
「……あんたの想像通り、目の前の存在は並行世界で横島達と敵対したメドーサで間違いないだろう」
確認する西条にジョーカーはそう返す。
「はん、私の世界じゃあマトモに力を扱えなかったあんたがこの世界じゃあ正義の味方ごっこをしてるなんてね。弱者だから群れてないと戦えないって感じか」
「そんな事ないぞ!陰念は強いぞ!あんたよりずっと!心が強い!!」
嘲笑う様に言ったメドーサにゼンカイザーが反論する。
「はん、心の強い奴は力に飲まれるなんて事はありえないんだよ」
「ああ、確かに俺は、心は強くねえ」
けどな……とホロウは手を握り締めて自分を鼻で笑ったクレイドール・ドーパントを睨む様にみつえる。
「邪眼なんかに蘇らせられた挙句、異形のバケモンになってるあんたに心云々を言われたくねえ!!」
「バケモンなのは事実だね。あの方のお陰で新しい力を手に入れたからね。さしづめ、クレイドールスネークさ」
叫んだホロウへ言い返した後にクレイドール・ドーパント改めクレイドールスネークは浮かび上がり、右手に刺又槍を出現させて切っ先をジョーカー達へ向けて楽しく笑う様に言う。
「ここにはいない横島を殺す前の準備運動としてあんたらを殺そうじゃないか!」
「悪いが俺達はそう簡単にやられる存在じゃないんだよ」
「見下す相手に負けるつもりはないぜ!」
「ここに雪之丞やクシナがいなくて良かったぜ。性根が腐った並行世界のあんたを見せなくて済んだからな!!」
【アーイ!セレクト!】
クレイドールスネークをみつえ、ホロウが港湾セクターとは違う港へとステージを変えるのを合図に戦いが始まる。
次回、第26の章:土偶蛇竜の猛攻
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第26の章:土偶蛇竜の猛攻
「おらおらおら!!」
「ははは!どうした陰念!遅すぎるぞ!!」
浮かび上がり、クレイドールスネークへと接近して連続パンチによるラッシュを仕掛けるホロウにクレイドールスネークは蛇の様に揺らめきながら避けつつ、刺又槍で突く。
「ぐっ!?」
「はん!さっきの威勢はどうした!」
呻くホロウに今度はお返しとばかりにクレイドールスネークは刺又槍で突いて行く。
戦いあっている2人の周りではクレイドールスネークが自身の頭の左右部分の蛇顔から出現させた蛇の使い魔、ビッグイーターをディケイド達は噛み付かれない様に戦っていた。
「うわわ!?危ないの全開!!」
「こいつ噛まれたら一巻の終わりだからな!」
「たくっ、ホント厄介過ぎだぜ!」
噛み付こうとして来るビッグイーターをゼンカイザーはギアトリンガーで打ち抜き、ゼロワンはカバン型の武器、アタッシュカリバーで切り裂き、ジョーカーは噛まれない様に避ける。
「なんて厄介な使い魔なんだ……メドーサ氏はこんな事が出来るのか」
【西条さんが噛まれたら危険です。逃げる事に徹した方が良いです】
物影に隠れて伺う西条に彼に抱えられたアイがそう言う。
「こういう奴が相手なら……こいつの出番だな」
そんなビッグイーターに対し、ディケイドはオーロラカーテンを展開してその中に手を突っ込むと……ジオウを引っ張り出す。
「あれ?これどういう状況?」
「お前の出番だ。行ってこい!」
いきなりの事に戸惑うジオウをビッグイーターへ向けてディケイドは押し出す。
おお!?とよろめくジオウにビッグイーターは真っ先に噛み付く。
「ソウゴ!?」
「ちょ!?士さん!?」
「ええ!?」
それに驚く3人だが、次に目にした事に呆気にとられる。
「え?なにこれ?なんか岩でできたビッグイーターっぽいけど?」
ガジガジ噛まれているのにジオウは平気そうな様子でビッグイーターを掴む。
「なっ!?石化しないだと!?お前達!そいつに噛み付け!!」
そんなジオウにクレイドールスネークは驚いてビッグイーターの軍勢をけしかける。
「うわわわわわわ!?」
向かって来るビッグイーターの軍勢にジオウは飲み込まれる。
流石にこれなら石になって砕けてるだろうとクレイドールスネークは嘲笑う。
【アーマータイム!】
次の瞬間、ビッグイーターの軍勢を吹き飛ばして何かが飛び出す。
【カイガン!ゴー・ス・トー!!】
飛び出したのは頭部や胸部は仮面ライダーゴーストのオレ魂を模し、両肩の装甲は眼魂のような形状をしているアーマーを纏ったジオウであった。
☆
「祝え!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を超え過去と未来をしろしめす時の王者!!その名も仮面ライダージオウ ゴーストアーマーである!!」
「いきなり叫ぶな!?」
「と言うかソウゴさんはどこに!?」
待っていた面々で祝辞を言うウォズにゲイツは叫び、いきなり消えたジオウにトリガーは驚く。
☆
「ああ、もうビックリしたな。士さん、酷いよ」
「お前だから普通にいける気がした。それだけだ。それよりもあっちの援護に行け」
文句を述べるジオウのを流してディケイドはクレイドールスネークを指さす。
「もう、とにかく!命、燃えるぜ!」
困った様にぼやいてから気を取り直してジカンギレードを構えてクレイドールスネークへと向かって行く。
「バカな!?噛まれても石化しない奴などありえない!?」
「よそ見をしてるんじゃね!!」
驚きながらビッグイーターを差し向けようとしたクレイドールスネークへとホロウはパンチを叩き込む。
パキン!!
「があ!?」
それにより避けるのがワンテンポ遅れて、クレイドールスネークの顔の右横の蛇顔が粉砕される。
よし!とホロウは喜ぼうとして驚く。
壊された右横の蛇顔は瞬く間に再生したのだ。
「何!?」
「危ない!」
驚くホロウへと噛み付こうとしたビッグイーターをジオウが庇ってから殴り消す。
「くそ!クレイドールの再生も健在か!」
それを見たジョーカーはすぐさま察して呻く。
「やってくれるじゃないか!なら!さらに本気を出そうかね……はあ!!」
構えるホロウとジオウを睨んでからクレイドールスネーク咆哮するとその体を輝かせる。
【コアエナジー反応上昇!!変貌します!】
ホロウとジオウが警戒する中でクレイドールスネークはその顔は本来のメドーサへと変わり、遮光器土偶の意匠が見られる胴体を持ち、顔の横顔にあった蛇顔は肩に異動し、足は蛇の下半身へと変貌していた。
「どうだい。美しくなっただろう。クレイドールメドーサと呼びな」
「はん、逆に不細工になった様にしか見えねえよ」
うっとりとした顔で言うクレイドールスネーク改めクレイドールメドーサにホロウは吐き捨てる。
「つれない言葉だ、ね!!」
その言葉と共に瞬時にクレイドールメドーサはホロウに近づき、その体に巻き付いて締め付ける。
「がああああああああ!?」
「陰念!この!!」
苦しむホロウを助けようとジオウはパーカーゴーストを呼び出して、突撃する。
「うっとおしいんだよ!!」
それにクレイドールメドーサは腕から重力弾を放つがジオウはそのまま通り抜けてクレイドールメドーサに斬りかかる。
慌てて刺又槍で防いでから肩の蛇を伸ばして応戦するクレイドールメドーサにジオウは次々と伸びて来る蛇を切り裂き、パーカーゴーストはホロウを助けようと飛び回ってクレイドールメドーサの髪を変化させた蛇に阻まれる。
「くそ!このままじゃあ!」
ピリリリ!ピリリリ!!
近づけないジオウと巻き付かれて苦しむホロウを見てジョーカーは呻いているとスタッグフォンから着信音が響く。
「!丁度良いタイミングだぜ!!」
それを見てジョーカーはすぐさまロストドライバーからダブルドライバーに変えて、サイクロンメモリが転送されてきたのを見てジョーカーメモリを装填して展開する
【サイクロン!ジョーカー!!】
響き渡る音声の後にジョーカーからWへと変わる。
「翔太郎、電話には出るものだよ?」
「わりぃ、ちょっと立て込んでてな。用件を言うならこっちの方が早いだろ?」
呆れて指摘するW(フィリップ)にW(翔太郎)は軽く返す。
「やれやれ、君はいつもピンチだねぇ……話したい事があったんだけど、まずはこっちに集中した方がよさそうだね。特にクレイドールならエクストリームじゃないと対応できないしね」
「ああ、俺は1人じゃなんにも出来ねぇ半人前の探偵だ。だから、半分力を貸せよ、相棒」
勿論と飛んで来るエクストリームメモリを見ながらW(フィリップ)は了承する。
「僕達は2人で1人……だからね」
「サンキュー、お前はやっぱり最高の相棒だ!行くぜ!フィリップ!!」
【エクストリーム!!】
【プリズム!!】
咆哮と共にWはゴールデンエクストリームへと変わり、プリズムビッカーを出現させた後にプリズムメモリを取り出し、プリズムソードの柄尻部分にプリズムメモリをセットしてプリズムソードを引き抜いた後にクレイドールメドーサへと向かっていく。
「ハエがもう1匹かい!」
うっとおしいと別の蛇を伸ばすがWはそれを避ける。
「君のメモリは解析済みだ」
【プリズム!マキシマムドライブ!!】
そのままプリズムソードの鍔部分にあるボタンを押してマキシマムドライブを発動し……
「「プリズムブレイク!!」」
すれ違いざまにプリズムソードでクレイドールメドーサを切り裂く。
「があ!?」
「!今だ!」
攻撃を受けてクレイドールメドーサが苦しんだ事で拘束が緩んだ隙にホロウは抜け出す。
「ちい!」
それに不利と感じたのか逃げ出そうとしたクレイドールメドーサは空中に現れた魔法陣から飛び出した鎖に雁字搦めにされる。
「な、なんだこれは!?」
「決めろお前等!」
驚くクレイドールメドーサをみつえ、その姿を何時の間にか仮面ライダーウィザードに変えた仮面ライダーディケイドウィザードは3人へ叫ぶ。
「ホロウ、奴の再生能力は封じている。君が決めるんだ」
「!ああ!!」
【ダイカイガン!パラドクス!オメガドライブ!!】
W(フィリップ)に促され、ホロウは力強く返した後にさらに高く浮かび上がり……
「おりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
急降下キックを放つ。
その際、Wとジオウは一瞬見る。
赤かったパラドクスパーカーゴーストが青と赤が混ざったのに一瞬なるのを……
その間もホロウのライダーキックはクレイドールメドーサに炸裂する。
「があぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?い、いんねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!」
ドカァァァァァァァァン!!
「……じゃあな、別世界のメドーサ様……」
怨嗟の声と爆発を背に着地したホロウは寂し気な声でそう呟く。
「別世界のあんたも、良い出会いがあればマシになってたのかねぇ……」
駆け寄って来るゼンカイザー達を見ながらホロウはそう呟いた後に歩き出す。
☆
一方、リボルギャリーではウヴァはくあ~と欠伸していた。
「暇だ」
「……お主、その状況でよぉそう言えるのう……」
そんなウヴァにカオスはブレスレットを診ながら呆れた顔でそう言う。
今のウヴァだが、横に寝転がった状態でその爆乳を枕代わりに気絶している横島を寝かせており、マスコット達にカジカジされたり、小突かれている。
「別に、ただのじゃれ合いだろう」
「……本気噛みに近いのもおるのじゃけどな……」
【……お前の図太さ、どことなくシズクを感じるな……】
そんなマスコット達のをそう述べるウヴァにカオスはなんとも言えない顔で呟き、心眼はそう言う。
「それで爺さん。ブレスレットはどうだ?」
「何とも言えんな……今ある手持ちじゃあ完全には直せんな……どこかで丁度良い部品が見つかればまた使える要には出来ると思うのじゃが……しかしこれを作った奴が天才じゃな。よぉくできとる」
確認するウヴァにカオスはそう返す。
そうかと退屈そうに欠伸をしながら心眼へと声をかける。
「所で目玉。お前、何か言いたい事があるんじゃないか?」
【目玉!?いや、まぁ、確かにあるが……】
「?何か気になる事があるのか?」
同じ様に聞くカオスに心眼は少し間を空けてから言う。
【アイの事に関してでな……彼女から違和感を感じるんだ】
「違和感か……実はと言うとワシもアイを初めて見た時、どうしても引っ掛かり、いや既視感を感じた。まるでマリア達の様に感じた」
やはりかとカオスのに呟いた心眼はウヴァやカオスに向けて、自分なりの推測を述べる。
【私の思い違いであって欲しいが……もしかするとアイには、
「何らかの魂な……」
深刻な声で告げられた事にウヴァはめんどくさい事だとぼやく。
クレイドールメドゥーサ
外見:顔がGS美神に出るメドーサで、肩が蛇の横顔に、下半身が蛇となったクレイドールエクストリーム
概要
クレイドールスネークが強化変身した姿。
クレイドールエクストリームと同じ事が出来る他、肩の蛇を伸ばしたり、髪を蛇に変えるなどの事が出来る。
本来ならば再生能力やメドーサの実力的に首領レベルに当たるのだが、相手にしたジオウが悪かったのとエクストリームとなったWので持前の再生能力を封じられ、元々の性格から逃げる事を選択した所で動きを止められた所をホロウにより倒される。
次回、第27の章:潜入、研究所探索
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第27の章:潜入、研究所探索
元の倉庫の屋上に戻り、誰もが一息を付く中で変身を解いた翔太郎は隣にいるフィリップに笑う。
「やっぱり、2人で1つのWだな……戻ってくれて助かったぜ」
「こっちとしてはクレイドールが出て来たのに驚いてるよ。しかもメドーサとはね」
「ありがとよフィリップさん。お膳立てをしてくれてよ……あんなメドーサ様をクシナや雪之丞に見せなくて済んだ」
嬉しそうに言う翔太郎にそう返したフィリップへホロウは礼を述べる。
それにフィリップは気にしないでくれたまえと返す。
「それにしてもどうしてソウゴ君。石化をしなかったんだろうか?」
「こいつはそう言うのに強い体質って思ってれば良いんだよ」
それを見てふっと笑ってから気になって呟いた西条にディケイドはそう言う。
【体質、ですか?】
「うん、そうっぽい。俺、爺ちゃんと同じ体質らしくてさ、だから夢を叶える為も兼ねて爺ちゃんのやってる事を手伝ってるんだ」
電子画面をハテナに変えるアイにジオウはそう返す。
「立派じゃないか」
「爺ちゃん位になるのはまだまだだけど!頑張って最高最善の王に俺はなる!」
「んじゃあその為に、ここを調べるか」
褒める西条へそう返したジオウを見ながら翔太郎はそう言う。
再びWに変身してフィリップの体をエクストリームメモリが回収して飛んで行ったのを確認してからW達は倉庫内へ入る。
倉庫内には戦闘員やガーディアンがいたが兵士レベルのだけで幹部クラスのはいなかったのもあり、管理端末を遮る壁を操作するダイヤルロックのパスワードを探す為に戦闘員達を倒して行った後はスムーズに捜索でき、西条が見つけたパスワードと思われるRAITOを入力すると壁が上がり、無事に管理端末に辿り着いた。
「どうだアイ?」
【管理端末に異常はありません……これで研究所のロックが解除出来ました】
「よし、それじゃ映司さん達と合流だね」
確認するW(翔太郎)にアイは答え、ジオウが言う。
☆
「あれ?Wになってる!フィリップさんと仲直りしたんだ!」
出て来たW達を出迎えたオーズはWを見て嬉しそうに言う。
「ああ、やっぱり相棒と一緒じゃなきゃな」
「それでフィリップ。そっちはそっちで何か掴んだのか?」
笑って言うW(翔太郎)の後にディケイドが問う。
「……翔太郎と別れた後、僕は僕でゼウスの目的を調べようと思って地球の本棚に入ったんだ」
「え、調べられたのか?確か地球の本棚は今いる世界のしか見れないんじゃないんだっけ?」
そう言ったW(フィリップ)のにユウスケは思い出しながら問う。
「確かに普通なら見れないけど、今はこの世界に本人とそれに関わりのある島ごと来ているからね。なんとか調べられたんだよ」
「それで、何か分かったのかな?」
確認する西条にW(フィリップ)は頷いて続ける。
「ガイアメモリ、コアメダル、NEVER……マギアもといヒューマギアを除いたその3つの技術をコアエナジーによって融合させて多くの命を犠牲にし……死を超越した怪人を作ろうとしている様だ……」
「死を超越した怪人……!?」
告げられた事に誰もが息を呑む。
その沈黙を破ったのはオーズであった。
「そんな事、許されるわけがない!!」
「死を超越する為に誰かを死なせて言い訳がねえな」
「たくっ、イジルデを思い出させる程、やっこさんは禄でもねえな!!」
「フィリップくん。そうなると財団Xはその死を超越した怪人の技術を得る為にゼウスに協力をしたという事だね?」
憤慨するホロウとゼンカイジュランの後に西条が自分の考えを述べて問う。
それをW(フィリップ)は肯定する。
「僕も同じ考えだよ。財団Xは不死身の兵士を開発するビジネスとしてゼウスを支持した」
「そんなふざけた計画、絶対に止めて見せるぜ!」
「ええ、皆の笑顔を奪うような事は絶対に認められない!」
「誰かを犠牲前提のを止めないとね!」
「タアッ!!」
グッと手を握り締めるW(翔太郎)にトリガー、ゼンカイザー、ティガも同意する。
「もしあのオーロラがこれ以上外部から侵入者を増やさないためのなら、今ここにいる俺達がやるしかないな」
「こんな大事はとっとと解決せねばな」
【そうっチュン!オイラ達は旅行の途中だったチュンからね!】
【あの……わたしも、微力ながらお手伝いさせていただいてもよろしいですか……】
ディケイドの後に続くゲイツとセッちゃんの後にアイが恐る恐る申し出る。
「ああ、もちろんさアイ!」
「……アイ……君の事も地球の本棚で調べさせてもらったよ。君を疑ったのは僕の間違いだ。すまなかったね」
元気よく返すW(翔太郎)の後にW(フィリップ)がそう言って謝罪する。
【いえ、わたしの方こそ……疑われても仕方がない立場ですから……】
「結果的には、今回は翔太郎の勘が正解だったって事みたいだ……」
「……それでフィリップ、アイダ博士については何か分かったか?」
話を振る相棒にW(フィリップ)はああと返す。
「……アイダ博士は元々ゼウスと交流があったようだが、事故後の消息については不明だ」
「成程な……そうなるとアイを奴が知ってたのはその時の交流ので教えて貰った可能性があるって事か」
「どこにいるかは研究所を調べれば分かる可能性がありえそうだね」
顎に手を当てるホロウの後に西条は呟く。
「それだけ分かれば上出来さ」
「では、当初の目的だった研究所へ向かうという事で良いのかな?」
ああとウォズの問いにW(翔太郎)は肯定する。
「アイダ博士の手がかりも西条の旦那が言った様にきっとある筈だ。一度横島と合流してから向かうか……」
「そろそろメンタルも回復してるだろうしな」
「フィリップくん。聞くが横島君は大丈夫だったかい?」
確認する西条のにそれなら大丈夫だよとW(フィリップ)はそう返し……
「今はウヴァの胸を枕に寝ているからね」
「「どこが大丈夫!?というか何がどうしてそうなった!?」」
続けて言われた事に思わずホロウと西条は絶叫した。
☆
西条とホロウが落ち着いてからリボルギャリーの前に戻ったW達。
そこでカオスが待っていた。
「おお、戻ってきおったか!研究施設で何か分かったのか?」
「いや、ロックされていたからそれを解除する為に歩き回っていた所だ」
成程なとカオスは納得してから少しして横島とウヴァが出て来る。
ただ、横島はその顔が真っ赤であった。
「お、おしゃがわせしましゅた」
「お、おう。とにかく良くなったみたいだな」
少しかみかみな横島に戸惑いながらW(翔太郎)はそう返す。
あいと返しながらウヴァの方を見てすぐさま顔を反らす。
その反応にオーズは恐る恐るウヴァに確認する。
「もしかしてウヴァ、いつもアルバイトしてる幼稚園の所でやった事したの?」
「ああ、というか固い床に流石にそのまま寝かせるのはどうかと思うだろう」
「……後で横島君に謝らないとな;」
なんとも言えない口調で言うオーズになぜ?とウヴァは首を傾げる。
「それなら、ワシも付いて行こう。研究施設ならばわしに出来る事があるじゃろうし、それに丁度頼まれとった奴の修理に使えるパーツがあるかもしれんからな」
「分かった!カオスのおじさんよろしくね!」
ああとカオスが返してから一同はウィスプとウヴァ、カオスを加えて研究施設へと向かい、ロックが解除された入り口を見てW(翔太郎)はしみじみした様子で呟く。
「ようやく、研究施設に入れるな」
【ここは特に警戒が厳重な区域です。注意した方が宜しいかと】
【そうなると上級の怪人が配置されててもおかしくないな】
アイの忠告に心眼は呟く。
「最初の目的地だったのに結構遠回りをしたもんだな……」
うっしと気合を入れてW達は研究施設へと入る。
エントランス前にはターミナル以外にライドベンダーがあった。
「あ、新しいカンドロイドがある」
早速とオーズはセルメダルを入れて操作する。
【電気・ウナギ・カン、プ・テ・ラ・カン】
ライドベンダーから2本出してからオーズは起動するとウナギを模したのとプテラノドンを模したのに変わる。
「おお、これも面白い奴ですね」
「俺としては蛇じゃないのが救いだよ」
「あんた、蛇が苦手なのか?」
楽しそうに飛び回るプテラカンドロイドやにょろにょろと動く電気ウナギカンドロイドを見るウィスプにオーズは頬を掻いて言い、ホロウは意外そうに言う。
「ああ、こいつは蛇型怪人を見たら真っ先に我を忘れて攻撃する程の蛇が苦手な奴だ」
((((それは怖いな;))))
(ある意味、並行世界のメドーサと会わなくて良かったかもしれないな……映司くんは;)
ウヴァの言葉にゼロワン達は思い、西条はクレイドールメドーサを思い出して微妙な顔をする。
とにかく研究施設にいるマスカレイドやガーディアンを倒しながら探索していたW達はウィスプがある物を見つけたのでそれを見る。
それはカプセルに入った2体のアイであった。
「これってアイだよな?」
【わたしの同型機ですね。現在稼働しているのは私だけですが……】
「つまりアイはここで造られたという事か……」
「ちょっと見てみるか?懐かしいだろ?」
「俺としても興味あるな……」
驚いて問うウィスプにアイはそう返し、西条は呟いた後にW(翔太郎)はそう言い、ゼロワンは興味深そうにアイの同型機を透明ガラスにへばり付きながら見ている。
【製造時の記憶が無いので、懐かしいという感覚は……それに、ここはVIPブースらしく、今は完全封鎖されていて通常の操作では入れなくなっているようです】
「VIPだって……!?」
「それだけここは見せられない奴があったかもしれないという事だね……」
報告にW(フィリップ)は驚き、西条は真剣な顔で様々な所にあるブースを見る。
直後だ、アイが何かに気づいて報告する。
【待ってください。どうやら近くに、ガイアメモリの反応があるようです】
「ここにも!?どこにあるんだ?」
こっちですとアイが飛んで行くとその前に飛行武装ドローンが飛んで来る。
「危ないアイ!!」
【カイガン!デカレンジャー!緊急出動!スペシャルポリス!!】
攻撃される寸前でウィスプがデカレンジャー魂となってアイを抱えて避けると共に空いた片腕にディーマグナムを一丁持って攻撃して来た飛行武装ドローンを打ち落として行く。
「はあ、アイ、気を付けてくれよ。まだ敵がいるんだからさ;」
【すいません横島さん】
「役に立ちたいからって焦ったらダメだぜアイ。こういう時はおじちゃんが前に出るんだからな」
注意するウィスプに謝罪するアイへゼンカイジュランがそう言う。
「こっちも終わったよ」
「アイ、この扉の先にガイアメモリがあるのか?」
【あ、はい!この扉の部屋の中から反応が出ています】
他にもいた青いガーディアンをティガと共に倒し終えたディエンドの後に目の前のドアを見ながら確認するWにアイは肯定する。
うっしと気合を入れながらWを先頭に一同は部屋の中に入る。
そんな一同は知らなかった。
後にした際、アイの同型機の電子画面にノイズが走り、不気味な光を放っていた事を……
次回、第9のレポート:暴れまくりの戦士達
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第9のレポート:暴れまくりの戦士達
ゆっくり霊夢「いやホント、全然進んでなかったよね前回のレポート」
ゆっくり魔理沙「だぜー」
(BGM:獣電戦隊キョウリュウジャー、荒れるぜ!止めてみな!!)
「おりゃあ!!」
霊波砲の雨を駆け抜け、キョウリュウレッドは量産型レブナントを殴り飛ばす。
その後に荒々しく向かって来たのを殴り飛ばしたり、投げ飛ばす。
「雷鳴飛翔斬り!!」
離れた場所でキョウリュウゴールドが飛び回りながら稲妻を纏った自身の武器、ザンダーサンダーで量産型レブナントをすれ違いざまに斬って行く。
キョウリュウゴールドの斬って怯んだ量産型レブナントをキョウリュウシルバーが的確にギガガブリボルバーで撃ち抜いて行く。
「こっちだよ~」
キョウリュウネイビ―は無意識の力で縦横無尽に動いてガブリボルバーとガブリカリバーを駆使して翻弄する。
「す、凄い」
「仮面ライダーとは変身方法が違うとはいえ、同じ様に連携してるわね」
「ジードクロー!」
戦い方に蛍と美神が感心する中でジードが右手に二又のかぎ爪型の武器、ジードクローを装着し、量産型レブナントの攻撃を弾いたり、反らしつつ攻撃を入れた後に片側の刃をウルトラマンとしての変身アイテムであるジードライザーでリードする。
【シフトイントゥマキシマム!】
音声の後にクローの中心を押してクローを展開してからトリガーを3回引き……
「ディフュージョンシャワー!!」
ジードクローを上に突き出すと光線が放たれた後に無数に分断し、雨となって複数の量産型レブナントを倒して行く。
「ガイハンマー!!!」
「今回も余計に回させて貰っておりま~す」
その後ろで王蛇がジードを攻撃しようとした量産型レブナントを足を掴んで持ち上げたガイを回転移動をしながら武器の様に振り回して吹っ飛ばしていく。
「待って!?なんか普通に間違った戦い方をしてる人いるんだけど!?」
「というか仲間を武器の様に扱ってるんだけど!?」
「いつも通りの蛇と犀ね」
「いつも通りの破天荒な2人ね」
「いつも通りのお2人だね~」
「いつも通りのガイさんと王蛇さんですよ☆」
「いつも通りなのか!?」
「間違ってませんですかのー!?」
そんな王蛇のに冥華と瑠璃は叫び、呆れ顔で言う伊織と千早、のほほんなやよいと春香のに雪之丞とタイガーは叫ぶ。
「ウェェェェェェイ!!!」
「ふっはっ!!」
ブレイラウザーを巧みに振るい、量産型レブナントを斬って行くブレイドの隣でファイズは巧みに殴り飛ばしたり、キックを入れて行く。
「ファイズ!受け取りなさい!」
そう言いながら紫は展開したスキマからある物を取り出す。
取り出されたのはバイクなのだが、そのバイクは変形してロボになる。
バイクが変形したロボは左腕に装着された前輪をガトリング砲として使いながら戦闘に加わる。
「バイクがロボになった!?」
「うそ!?」
「別世界の仮面ライダーってあんなのもあるの……」
【おお!なんとも面白いのう!】
それにおキヌと舞、愛子は驚き、ノッブは興味津々で見ている中でファイズは自分のベルトのファイズフォンのファイズの顔を模した部分、ミッションメモリーを抜いて近づいて来たオートバジンの左ハンドルグリップに当たる所にセットする。
【レディ】
音声の後にファイズはハンドルグリップを引き抜くとそれは刃を形成して武器、ファイズエッジとなる。
「あんたのスキマ、ホント良く出せるな」
呆れ顔でぼやきながらファイズは向かって来た量産型レブナントを切り裂く。
「!」
ゾフィーは四方八方から霊刀を振り下ろして来た量産型レブナント集団のを飛び上がって避けた後に両手を合わせてその先から冷気を放出するウルトラフロストで自分に斬りかかって来た量産型レブナント達を凍らせた後に勢いをつけた飛び蹴りで貫いて爆発四散させた後に腕をL字に組んで光線を放って量産型レブナント軍団を薙ぎ払う。
仮面ライダーキバーラはキバーラサーベルを使い、量産型レブナントの攻撃を防いだり、反らした後にツクヨミが自身のグローブに生体エナジーを高収束させることで出現させた光刃、ルミナスフラクターで切り裂きながら援護する。
【キカイ!】
白ウォズは避けながらミライドウォッチを取り出して、ビヨンドライバーにセットし、ビヨンドライバーのハンドルを前に向ける。
【投影!フューチャータイム!デカイ!ハカイ!ゴーカイ!フューチャーリングキカイ!キカイ!】
「ふっ、はっ!」
音声の後に頭部にスパナ型のアンテナ、額にはマイナスドライバー型のシグナル、両肩は交差したスパナとドライバーが描かれた四角刑のショルダーアーマー、胸部にはロボットを連想させる意匠が入ったアーマーを装着し、仮面の文字がライダーからキカイに変わったフューチャーリングキカイになるとパンチをして来た量産型レブナントの拳をその身で受け止めた後にカウンターでパンチを叩き込み、両肩のアーマーからフックの付いた鎖を伸ばして複数の量産型レブナントを拘束すると振り回して他の量産型レブナントにぶつけて行く。
「みーむ!!」
「ぷーぎゅ!!」
自分達もとチビとうりぼーが電撃とビームを放つが量産型レブナントに当たると四散してしまう。
「ぷぎゅ!?」
「みむ!?」
「うそ!?うりぼー達のが効いてない!?」
「そんな事あるでござるか!?」
「あのチビとうりぼーのが簡単に無力化された!?」
「チビ達の攻撃も無効化出来るのね」
まさかの現象に驚くチビ達と瑠璃、シロ、タマモの隣で美神は苦い顔をする。
「当然だ。この世界の小動物程度の攻撃など、我らが量産したレブナントに効く訳がなかろう!」
「ひゃはは!流石だぜ」
「そう言ってる割にゃあ俺達には簡単に倒せているけどな!」
「確かに、こういう兵士レベルの相手なら慣れてるもんね!」
「こいつ等を倒したらお前等の番だぜ」
見下すイカデビルとスペース蜘蛛男にインペラーは蹴り飛ばしながら指摘し、タイガの後にファイズが手首をスナップさせながらそう突き付ける。
確かに美神達から見ても量産型レブナント達は先ほどまで見たのと違い、ただ霊波砲や霊刀を使う以外に他の行動はしておらず、仮面ライダー達やキョウリュウジャー達に倒されて行っている。
自分達対策しかしておらず、いやそれ以外入れなくても勝てると思われているのに美神は手を握り締める。
「ふん、ならばとっておきを見せてやろう。なんせ、この量産型レブナントを作り上げた奴が成しえていないのだからな」
(ガープが成しえていない?どういう事)
出てきた言葉に美神が疑問を感じているとガラガランダはある物を取り出す。
それはアスタリクの様な金色のラインが入った緑色の眼魂で、それを1体の量産型レブナントに投げ渡し、渡された量産型レブナントはブランク眼魂を抜いて渡された眼魂をセットする。
【セット、
「なっ!?」
響いた音声に美神達が目を見開く中で量産型レブナントは現れた緑色のパーカーゴーストを身に纏う。
【ブラッドソルジャー!ファントムコールッ!】
音声と共に量産型レブナントのマスクのフェイスに骸骨が浮かび上がる。
「な、なんだありゃあ!?」
「うはぁ、骸骨なんて趣味わりぃな」
それに驚くガイアと呆れ顔でぼやくキョウリュウゴールドだが、ビルドとクローズは驚いていた。
「お、おい戦兎!あのパーカーゴーストの見た目ってメガテンの!?」
「ああ、魔人マタドールだな。というかこの世界、メガテン要素も混じってるのか?最悪過ぎる展開がありえるって事じゃないか」
慌てて確認するクローズにビルドは思わず頭を抑えながらぼやく。
(魔人がいるから最悪過ぎる展開がありえると言うのは分かるけども……戦兎君の様子じゃあ他に何かあるって言うの?)
そんなビルドの様子に美神は訝しむ。
実際、彼の考えてる事は美神の予想よりも最悪な展開をある事で見ているから懸念しているのだ。
「どうだねこの世界のGS諸君。私が作り上げたイミテイトを見た感想は?」
「イミテイトですって!?」
「そうだあのお方の力を借りてこの世界に存在する魔人を真似たのが目の前の存在だ」
イカデビルの言葉に驚く美神にガラガランダはそう言う。
「今までの戦闘員よりも力が強いな」
「だけどどんな相手だろうと俺達は負けるものか!」
ブラッドソルジャーを見て呟くガイアの後にゴーストはそう言う。
誰もがブラッドソルジャーに警戒をし始めた時……
「ふむ、同一個体かと思いきや、違う存在か」
空間内にそう声が響く。
誰もが声のした方へ顔を向ける。
そこには短く切り揃えられた紫の髪に赤を貴重にした民族衣装のような服装を身に纏った一見男性と見間違えそうな女性がこちらにゆっくりと歩いていた。
「うそ!?」
「なんで!?」
「何者だ貴様?」
「どうやってこの空間に?」
その女性に驚きの声を漏らす美神と蛍が驚く中でガラガランダとイカデビルは睨む。
「よぉダンディ姉さん。ちょいと危ないから離れた方が……!?」
そんな美神達を知らず、キョウリュウゴールドが近づいて話しかけ、女性が何時の間にか手にして突き出した刀剣を咄嗟にザンダーサンダーで受け止めて反らす。
「ほう、咄嗟の判断が出来るとはなかなかだな異世界のニーニョは」
感心した様に言った女性の姿は何時の間にか闘牛士の様な格好をした骸骨へと変貌していた。
「魔人マタドール!?」
「はあ!?本物のご登場かよ!?」
「ふはは、異世界人にも知られてるとは私も有名になったものだな」
驚きの声をあげるビルドとクローズのに骸骨、マタドールは楽し気に笑う。
「魔人マタドール!?どうしてここに!?」
「なあに同一個体と思われる反応を感じたから来たのさ」
「同一個体?」
瑠璃の問いに軽く返したマタドールは美神の言葉に知らなかったのかとばかりに答える。
「私と同じ存在が沢山いるのさ、最も、その中で自我が強い個体が私であり、同一個体を倒しては取り込んで、自己強化をしている所なのさ。他の魔人も似た様なもんさ」
告げられた事に美神達は戦慄する。
まさか魔人に同じ存在が複数いるなんて初めて知らされたのだ。
「おいおい戦兎、ありえるのか?」
「ありえるな……メガテンじゃあ同一個体が複数いるのは当然だ。この世界もそう言う法則があるんだろう……(というかどこのキル姫みたいな事してんのこの魔人)」
確認するクローズにビルドは仮面の中で鋭い目線をマタドールに向けながら返す。
「さて、折角の機会だ異界のエクストランヘイロー。私と戦いをしようじゃないか」
そう言ってマタドールは刀剣、エスパーダと赤のカポーテを手に構える。
それに美神はちょっと!と叫ぶ。
「横島君に勝つまでは私達とは戦わないんじゃないの!?」
「確かに言ったが、異世界人と戦わないという約束はしてないぞ」
いけしゃあしゃあと返された言葉に美神は苦虫を噛み潰したような顔でマタドールを睨む。
そんなマタドールをキョウリュウジャーが囲む。
「だったら私達が相手をしてやるぜ!」
「皆はそっちを頼んだぜ!」
「こっちは任せろ~」
「付き合って貰うぞ魔人」
構える4人にマタドールは楽し気に笑う。
「ハハハハ!良い気迫だ!セニョリータにニーニョ達とニーニャよ!私を退屈させないで貰おうか!」
その言葉を合図にキョウリュウジャーはキョウリュウレッドが最初にぶつかるのと同時にマタドールとの戦いを始める。
「おい戦兎!」
「ここは勇儀さん達に任せよう!それにマタドールには大人数で挑むのは危険な可能性もあるからな。後!こっちもいるからな!」
気にするクローズにそう言ってから攻撃して来たブラッドソルジャーのをビルドは避ける。
「何よこれ……あの時と同じじゃない……また私達は見守るしか出来ないの……!」
その光景に美神は悔し気にマタドールと戦うキョウリュウジャー達を見ながら戦う横島の姿を重ねるのであった。
次回、第28の章:小さな機械を操る怪人
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第28の章:小さな機械を操る怪人
部屋に入ったW達は部屋の周りを確認する。
中は5本の円柱に囲まれて中央に台座があり、その台座の上に置かれてる青いメモリにW(翔太郎)は声をあげる。
「あれは、トリガーメモリ!!」
すぐさまWは台座に置かれていた青いメモリ、トリガーメモリを手に取る。
「良し、トリガーメモリが戻って来たから遠距離の相手にも対応できる様になったぞ」
「どうやらこのメモリを分析していた様だね」
「ガイアメモリもゼウスの研究対象だったからこうやって調べられていた様だね」
「確かにメタルメモリも運ぼうとしてたからな……」
嬉しそうに言うW(翔太郎)の後に台座を見て言うW(フィリップ)のに西条は呟き、ホロウもメタルメモリを取り戻した時のを思い出して呟く。
すると警報が鳴りだす。
「おっと、すんなり帰してはくれねえか……」
「そう言うセンサーがあったかもしれないのに禄に確認もせずに取るからだよ」
「うええ!?まずいんじゃないですか!?」
「落ち着け」
呟くW(翔太郎)にW(フィリップ)がツッコミを入れる後ろで慌てるウィスプをウヴァが自分の胸で抑え込み、またも悲鳴を上げさせてマスコット達に小突かれたり、齧られる。
その間に飛行ドローンと大型ガーディアンが出現し始める。
「丁度良い。こいつのリハビリだ」
【トリガー!】
そう言って早速取り戻したトリガーメモリをジョーカーメモリと変えて展開する。
【サイクロン!トリガー!!】
音声と共に左サイドが青色に染まったサイクロントリガーとなると左胸に出現した専用武器である銃、トリガーマグナムを握ると共に出現完了した飛行ドローンを瞬く間に撃ち抜く。
「うお、はやっ!?」
「銃を上手く使えるようになるのか」
それにウィスプは驚き、西条が感嘆してる間に一緒に現れた大型ガーディアンをディエンドとディケイドの援護射撃でティガとトリガーが倒していた。
「よし、調子は良いな」
「流石じゃのう。あの時の姿は水を使っておったが、緑の時は風なんじゃな」
「……あれ?翔太郎さん、気になったんですけど、あの時使ったウォーターメモリは持ってないんですか?」
トリガーマグナムを回転させるWにカオスは感嘆する中、ウィスプがウヴァを噛んだり、小突いていたマスコット達を宥めながら聞く。
「ああ、あの時使ったメモリは持って来た奴以外調整に出してないんだよ」
「だから残りはルナメモリ、黄色のメモリだけなんだ」
「そう言う事だったんスか」
「ちなみに参考程度に聞くんじゃが、他にどんなメモリを持っているんじゃ?」
答えたWの2人にカオスは技術者としてか気になって聞く。
「ああ、水の記憶のウォーターメモリを除けば、牙の記憶のファングメモリ、剣士の記憶のブレードメモリ、闘士の記憶のストロングメモリ、夜の記憶のナイトメモリ、魔法の記憶のマジックメモリ、運命の記憶のデスティニーメモリ、そして進化の記憶のエボリューションメモリだ」
「ホントに色んな記憶があるんだなガイアメモリは、概念に当たる物までも記憶になっているとは……」
答えたW(翔太郎)に西条は唸る。
(ふうむ、メモリならば再現してみたいが……使い方を誤れば危険でしかないな……)
話を聞いてカオスは唸る。
ガープの事もあって、カオス的に戦力増強をしたい所ではあるのだが、下手に手を付けてしまったら、大惨事になりかねないと認識してるからだ。
現に翔太郎と初めて会った際のマグマドーパントの暴れっぷりがシズクに集中していた事で結果的に被害が最小限に済んだのが幸いである。
(うーん、ホントままならんのう……)
「さて、ここにはもう何もないから部屋を出るとするか……」
【まってください!この場にもう1体、いえ、2体の敵の反応が接近しています!】
【ああ、この感じ、1体はヤミーでもう1体はドーパントだな】
【あれ?ちょっと待つチュン。近づいて来る機械の反応もあるっチュン】
周りを見てそう呟く西条だが、そこにアイと心眼、セッちゃんが同時に報告する。
「え、機械って何が来るの?」
「敵の方は強敵だろうが……アイにセッちゃん、それぞれどこから来るか分かるか?」
【はい、どちらとも入り口の方から来ます】
【機械も同じ方向チュン。と言うか距離からしてこっちの方が先チュン】
首を傾げるゼンカイザーの後にW(翔太郎)が確認を取るとアイとセッちゃんはそう報告する。
「相手によるがこの場所で戦うのはちと厳しいのう」
「人数多いからな……」
「まぁ、俺のステージセレクトで変えればいいだけだけどな」
唸るカオスとクウガの後にホロウが言った後に扉が開く。
そして来たのは……アイの同型機であった。
「あれ?こいつら、さっき見たアイの同型機?」
「!?ちい!!」
なんでここに?と近づこうとしたウィスプだが、同型機の電子画面にノイズが走ったのを見たウヴァは咄嗟に自分の胸に引っ張った直後に彼のいた位置に1体の同型機が右腕をドリルにして攻撃していた。
「!う、ウヴァさん!胸、胸当たってる!!」
「黙ってろ。それよりもこいつらだ」
その際にまたもウヴァの胸に埋もれる結果となったウィスプのを無視してウヴァは自分達を見る同型機を見る。
【な、何をするんです!?】
「待てアイ!こいつ等、狂っている!」
慌てて近づこうとしたアイをゼロワンが抑えて誰もが同型機から距離を取る。
【【は、破壊セヨ!破壊セヨ!】】
ノイズを走らせ、煙を噴き出すアイの同型機にティガが前に出ると顔の前で交差させて額のクリスタルを青紫に輝かせてから振り下ろすと青紫の姿のスカイタイプに変わり、左腕と右腕を交差させてエネルギーを収束すると同型機の頭上目掛けて左腕をスライドさせて光弾として放つと同型機の上で光弾は破裂するように冷たい冷気へと変わり、降り注ぐ冷気に2機の同型機は凍り付いて床に落ちる。
「なんでいきなり暴走を……」
「もしかしたら来る怪人達が関わっているのかもしれないね」
動かなくなった同型機を見て口に手を当てる西条にW(フィリップ)がそう言った後に2体の怪人が現れる。
1体はカマキリの様な見た目をした怪人、もう1体は頭が電子頭脳を透明なカプセルで覆い、顔が有機物と無機物が混ざり合った様な怪人であった。
「カマキリヤミーか」
「なんだあの怪人?まるでナノモンの様な感じだ……」
「ナノモンって、デジモンの奴?確かに言われてみると人の体系になったナノモンっぽく見えるな……」
【それじゃああいつがドーパントチュン?どんな記憶の奴っチュン?】
「おいおい、フィリップ……」
「ああ、まさかデジモンの記憶のドーパントとはね……工藤タイキ達の世界にあったのに合わせてデジメモリと言えば良いのかね……名前もナノモンドーパントかな」
ウィスプを押さえつけたまま呟くウヴァの後にオーズは片方を見て言い、ジオウも同意する中、W(翔太郎)は相棒に話を振り、W(フィリップ)も困った様にぼやく。
「見つけたぞ横島忠夫!」
「またお前のご指名だぞ横島」
「ワイが何をしたんや!!そしてそのやわっこいの当てまくるのやめてくれまへん!?」
そのナノモンドーパントの言葉にホロウは呆れて言い、ウィスプは叫んだ後にウヴァから慌てて離れる。
(ヤバい、マジで落ち着け、俺、クール、クールになるんだ……)
「おい、聞いてるのか!!並行世界とはいえこのデミアンを殺してくれた恨み!ナノモンドーパントとなった私がこの世界の私に変わって恨みを晴らさせて貰うぞ!!」
「デミアン?魔族のデミアンって事?」
ふう、ふうと息を整えているウィスプへ突き付けたナノモンドーパントのにジオウは思い出して呟く。
「え?デミアンって誰?俺、全然知らないんやけど?」
「…………はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
キョトンとして言ったウィスプにドーパントもといデミアンは絶叫する。
「え?お前、デミアンと戦った事ないのか?」
「いや、全然、デミアンのデの字も会ってないし、戦った覚えねえっス」
「そうなると、完全な八つ当たり?」
思わず確認するW(翔太郎)のに手を振って否定するウィスプにゼンカイザーはナノモンドーパントを見て呟く。
「な、なんだと!?この世界の私は何をしているんだ!!」
(……言わないで置いた方が良いねこれは)
思わず驚きの声をあげるナノモンドーパントのにW(フィリップ)は内心そう呟く。
ちなみにこの世界のデミアンはガープの実験台にされてもうこの世にいない。
これはフィリップが情報収集の際に地球の本棚でこの世界の魔族関連のを調べた際に偶然発見して得た情報である。
「許せん!許せんぞ!悉く侮辱しよって!!」
「いや、俺は侮辱した覚えないんやけど……」
怒りを滾らせるナノモンドーパントにウィスプは手を振るがうるさいと一脚される
「貴様らは絶対に殺す!!」
その言葉と共にナノモンドーパントの後ろに無数の飛行ドローンが現れる。
「ちい!」
【アーイ!セレクト!!】
それを見てホロウはすぐさまステージセレクトし、広い採掘場に場所を変える。
周りには建設機械がちらほらある。
「ふふ、やはりそうするよな」
「何?」
すると楽し気に笑うナノモンドーパントにディケイドは訝しむ。
「貴様らは狭い場所、壊されてはいけない物がある時、広い場所へと変えるのは調査済みだ。故に……」
【!?皆さん、カマキリヤミーのコアエナジー反応が上昇!ジャイアント・ティーレックスと同じです!】
「おい、それってつまり!?」
得意げに語るナノモンドーパントのを引き継ぐ様に報告されたアイのにゼンカイジュランは言おうとした瞬間に今まで黙っていたカマキリヤミーはその体を光らせて巨大化し……
ーキュオオオオオオン!!ー
その姿を怪獣の様なカマキリに変貌させる。
「怪獣になりおった!?」
「くっ、逆手に取られてしまったか」
「そう言う事さ!こいつらも自由に動かせるんだからな!」
目を見開くカオスと呻く西条にナノモンドーパントは飛行ドローン軍団の銃口を向ける。
「さあ、蹂躙してやるよ仮面ライダー共に横島忠夫!!」
「いや、俺達は戦隊!」
「後、ウルトラマンも!」
「今言う事じゃね!」
咆哮するナノモンドーパントにツッコミを入れたゼンカイザーとジオウにホロウは叫んでから……
(ホント俺はこのままだと死ぬかもしれない)
横島の周りのマスコットとウヴァを見て、帰った時ので深い深い、絶望の溜息を吐くのであった。
次回、第29の章:カマキリ怪獣と機械軍団
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第29の章:カマキリ怪獣と機械軍団
ーキュオオオオオオン!!ー
振り下ろされる巨大化したカマキリヤミーの鎌にメンバーは慌てて避ける。
体勢を立て直したティガはすぐさま巨大化して巨大化したカマキリヤミーと対峙する。
「ティア!」
ーキュオオオオオオン!!ー
組み合うティガに巨大化したカマキリヤミーは口から光弾を不意打ちで放つ。
「デュアァァ!?」
「ティガ!?」
「ふむ、あの個体はマンティスヤミーと呼称した方が良いね」
「いや、名前を付けてる場合じゃないですy、うわ?!」
倒れるティガにウィスプが叫び、呑気に名前付けをしてるディエンドにクウガがツッコミを入れてる途中で飛んで来た飛行ドローンの銃撃を慌てて避ける。
「ははは!どうだ!この俺様が操るドローンのに手も足もでまい!」
「調子に乗りやがって!ってかお前の実力じゃねえだろ!高笑いしたいのなら自分のを見せてみやがれ!」
調子に乗って高笑いしたナノモンドーパントはホロウのに言ってくれたなと呟いてステージの障害物の様に設置されていた建設機械の内のショベルカーを見る。
「ならば見せてやろうじゃないか!プラグボム!!」
そう言って指先から何かを飛ばしてショベルカーに当てる。
「おいおい、見当外れな場所に放って何がしたいんだ?」
「!いや、奴はナノモンの力を使えるドーパントなら!?」
それに銃撃をジュランシールドで守りながら呆れたゼンカイジュランはW(フィリップ)の焦り様に訝しんだ後に驚く。
当たったショベルカーはライトを光らせるとアームを動かし、バケットを勢い良く揺らすとクローラーを高速回転させて走り出し、メンバーへとバケットを勢い良く振り下ろす。
「あぶなっ!?」
「うひゃあ!?」
振り下ろされるバケットをウィスプとジオウは慌てて避ける。
「ウィルスで暴走させたのか!」
「その通りだ!だからこうやってな!」
そう言ってショベルドーザーにもプラグボムを放ち、暴走させる。
「そうか、さっきのアイの同型が変だったのも奴の仕業か……」
「ううむ、この状況では建設機械も敵と言う事になってしまうのう……!」
その様子に隠れながら見ていた西条は先ほどのアイの同型の暴走理由を察し、カオスは周りの重機を見て呻く。
マンティスヤミーと対峙するティガは振り回される鎌を避けながら攻撃しようとして放たれる光弾に苦戦する。
「っ!」
それを見たトリガーはウルトラマンの姿になろうとして飛行ドローンの攻撃で阻まれる。
「おっと、させないぞ。お前達も巨大化出来るからな」
「うお!?」
「わとと!?」
そう言ってナノモンドーパントはゼンカイザーとゼンカイジュランも狙う。
「ちい!こうも弾幕が濃いとあっちにも当てられないぞ!」
「まずはこいつ等をどうにかしねえと!」
ジカンザックスゆみモードで攻撃しているが次々と現れる飛行ドローンにゲイツは毒づき、向かって来たダンプカーを避けながらタイヤを打ち抜きつつW(翔太郎)は呻く。
【テンガン!パラドクス!LVフィフティー!心を冷ませ、クールダウン!】
【サークルアームズ!スカイアロー】
ホロウも青い姿のパラドクス魂となってパズル光弾で銃弾を防いだりしながら攻撃を仕掛けていたり、トリガーも変身出来ないと判断してサークルアームズを刃を180度に展開したアローモードで応戦している。
【介人!ここはバイオマンギアっチュン!!】
「ああ、そうか!皆!一瞬でも良いからアイツへの穴を開けて!」
そう言いながらゼンカイザーはセンタイギアをセットしてハンドルを回転させた後にギアトリンガーのトリガーを引く。
それと同時にWはトリガーメモリをトリガーマグナムに装填し、ディケイドはカードを装填、ジオウとゲイツも各々の武器にライドウォッチを装填、ウィスプとホロウはレバーを引き、トリガーはサークルアームズにGUTSハイパーキーを装填する。
【8バーン!!ババン!ババン!ババン!ババン!ババババーン!バーイオーマーン!!】
【トリガー!マキシマムドライブ!!】
【ファイナル!アタックライド!ディ・ディ・ディ・ディケイド!!】
【【フィニッシュタイム!!】】
【【ダイカイガン!デカレンジャー/パラドクス!オメガドライブ!!】】
【マキシマムブーストアップ!マルチ!!】
それぞれの音声の後に狙いを定め……
【ジオウ!スレスレシューティング!】
【ゲイツ!ギワギワシュート!】
【ゼペリオン!アローストライク!!】
「「トリガー!エアロバースト!!」」
「「「「「「はあ!!」」」」」」
強力な銃撃や光弾、光りの矢が放たれる。
「!?ちい!!」
それにナノモンドーパントは飛行ドローンで壁を作り上げ、攻撃を防ぐが、それにより一瞬だけ穴が出来る。
「これで!!」
バイオマンギアの力を受けたゼンカイザーがナノモンドーパントへとギアトリンガーのトリガーを再度引いて、銃口からビームが放たれる。
放たれたビームはナノモンドーパントに炸裂する。
【あいつがウイルスを介して機械を操ってるならバイオマンギアの力でそれが狂って操れなくなった筈っチュン!】
「成程!」
「そうか!それならば奴はもう機械を操るのは……」
「いや、どうやらそう旨くはいかないようだな」
解説するセッちゃんのにカオスは感嘆し、西条もやったと思った後にウヴァの言葉に首を傾げかけて、飛んで来た銃弾に慌てて隠れる。
「ええ!?なんで!?」
【馬鹿め!私がそんな事をされただけでもう機械を操れないと思ったか!!……あ;】
驚いたゼンカイザーは目の前のナノモンドーパントとは別方向からした声にえ?と顔を向けると……離れた場所で浮かぶ飛行ドローンがあって、方向と声の大きさからして、飛行ドローンからしたと認識する。
「!デミアンは元々は小さな生物!目の前の奴はダミーか!」
「盲点だったね。ドーパントになっているから、本体ごと中にあると誤認してしまったよ」
「介人の撃ったデンジマンパイセンの力が宿ったビームでダミーの受信していた奴が狂っちまったから届ける筈だった声がそのまま出ちゃったって訳か!」
「そっか、デミアンだけに
【やかましい!!しかし、この数の壁を越えて攻撃できるかな!!】
それにWの2人はすぐさまデミアンの特徴を思い出して叫んだ後にゼンカイジュランとゼロワンのに怒鳴ったデミアンの本体が潜んだ飛行ドローンを守る様に飛行ドローンが全体を飛び回って壁を作る。
「うわ、あれじゃあ必殺技入り難いよな;」
「安心したまえ、オーズ。これを使いたまえ」
【アタックライド!メダジャリバー!】
ディエンドはウィスプにそう言った後にオーズに向けてカードを装填したディエンドライバーのトリガーを引くと飛び出した銃弾は剣へと変わる。
「おお、メダジャリバー!これで!」
早速オーズはその剣、メダジャリバーの鍔に当たる部分にある投入口にセルメダルを3枚入れて、スロットマシンをイメージしたレバーを引いた後にメダジャリバーの刃に装填されたセルメダルをオースキャナーでスキャンする。
【トリプル!スキャニングチャージ!!】
音声の後にメダジャリバーの刀身が光り輝く。
【ふん、そんな剣を光らせただけで何「セイヤー!!」g……】
出来ると言いかける前にデミアンの意識は消えた。
オーズの振るいしメダジャリバーの斬撃が壁となっていた飛行ドローンとデミアンの本体が入った飛行ドローンを、空間ごと切り裂いた。
直後、空間は戻り、飛行ドローンは爆発四散して暴走していた建設機械も停止し、ナノモンドーパントも本体を失い、爆発四散する。
「「「「」」」」
「く、空間を斬った!?」
「マジかよ!映司パネェ!!」
「うぉぉぉ!凄いや!!」
その光景にウィスプ達GS勢は唖然とし、トリガーも驚きの声をあげ、ゼンカイジュランとゼンカイザーは驚嘆の声をあげる。
マンティスヤミーと戦っていたティガはウィスプ達の戦いが終わったのを見て自分も決めると距離を取ると左手に輪っかが付いたアイテムを出現させ、光りを放つ。
【ウルトラマン!ウルトラマンエックス!ウルトラマンオーブ!!】
【トリニティフュージョン!!】
「シェア!」
「イーサッ!」
「デュア!」
響き渡る音声と声にマンティスヤミーは第六感から脅威を感じたのかさせないと鎌を振り下ろす。
ガキン!!!
だが、光りから飛び出した刃に弾かれてよろめいて数歩下がる。
【ウルトラマンティガ!トライブ!!】
光が収まるとそこには新たな姿となったティガが姿を現す。
胸はカラータイマーを除き、黒い部分が青紫に変わったオーブトリニティの様に変わり、肩もオーブスラッシャーのないのに変わり、腕は赤ではなく銀色で、下半身はティガのマルチタイプの赤と青紫のを反転させたカラーリングとなっている。
「おお!」
「また姿が変わった!」
その姿に誰もが驚く中でティガトライブは光の刃を展開した左手に持ったリング、真オーブリングネオでマンティスヤミーの放つ光弾を切り裂いて行き、続けざまにマンティスヤミーをX字に両断する。
ーキュオオオオオオン!!?ー
ドカァァァァァァン!!
「姿が変わったのは伊達ではないな」
「ええ……ホントに心強さを感じると共に罪悪感を感じますよ」
佇むティガトライブやオーズ達を見て西条はなんとも言えない顔で呟く。
例え別世界から来た事態とはいえ、本当ならば自分達の世界で起こっている事態だから自分達が積極的に解決するべきなのに、自分達のが通用しない事で彼らに頼らざる得ない事にもどかしさを感じていた。
ちなみにホロウは別の意味で頭を抱えていた。
「あー、ホントマジやべぇよな今の状況、マジでこれは事故だし、俺のせいじゃない。横島ホイホイのせいなんだ……」
「えっと……大丈夫か陰念君;」
ウヴァやマスコットズを見て落ち込んでいるホロウにクウガが声をかける。
「すまん。別の場所で待機してる面々の中で話を聞かないやべー女が居るんだよ。そいつに対する弁解とかマジで頭が痛くって」
「……それは、大変だね。なんかあったら俺も弁解するから;」
なんとも言えない声でぼやくホロウにクウガは慰める。
元の場所へと戻った後、アイは放置された自分の同型機を見る。
【……なんと言えば良いんでしょうか……彼らを見ていると、どう言い表せたら良いか分からないノイズが起こります】
「……それは悲しいんだろう。自分の兄弟とも言える奴を悪い事に利用されて、そう思わねえ奴はいないぜ」
神妙な顔の表記するアイにW(翔太郎)はそう言う。
【〝悲しい”、これが悲しいと言うんですね……】
「……なあ、アイ、この事件が解決したらさ、俺達の世界に残らないか?」
気落ちした様なアイにウィスプがそう提案する。
【私が、横島さんの世界に?】
「ああ、んでさ、遊園地の案内ロボットになるのはどうだ?デジャブーランドって言ってさ、そこのオーナーとある依頼で知り合ってるんだ。もしかしたら受け入れてくれると思うんだけど……勿論、アイの兄弟?姉妹達も一緒にさ」
【まぁ、確かにあのオーナーなら、受け入れそうだな……】
戸惑うアイにウィスプは誇らしげに言い、心眼はなんとも言えない声でぼやく。
(まぁ、正確に言えば横島君は参加してなくて、遊んでいた所を偶然参入する形になったんだよな……)
「こやつらの事は心配するな。ワシがちゃんと修理してやるわい」
微妙な顔をしてる西条を後目にカオスが胸を叩いてアイの同型機を見る。
【ありがとうございます。横島さん、カオスさん】
「んじゃ、さっさとここを出ようか」
「だね」
アイの同型機を持ち上げるゼロワンにジオウも持ち上げたのを確認して全員は部屋を出て、他を調べようとして……元来た道が青い六角形で覆われた壁で塞がれていた。
「おっと、また通せんぼか?」
「うえ、んじゃあ戻れないじゃないッスか」
「もしかしたらこの近くにこのバリアを発生させているのがあったりするんじゃない?」
「そんな都合の良い事あるわけないだろ……」
その壁を見て呟くW(翔太郎)のにウィスプは焦り、ジオウの呟きにゲイツが否定するが……
【いえ、この辺りにバリアの発生装置があるみたいです】
「あるんかい!?」
「うーんなんと言うご都合;」
【ガバ過ぎではないか?;】
アイの言葉にホロウは叫び、西条と心眼は唸る。
君達も人の事を言えない時あるけどねとディエンドは内心そう呟いた。
【あ、このミラーボールの様に吊られてるのがそうじゃないチュン?】
【はい、それがバリア発生装置です】
「それを壊せばこのバリアも消えるだろうね」
その後にセッちゃんが吊り下げられている物体を見つけてその周りを飛び、W(フィリップ)は見ながら呟く。
「まだアイダ博士の手がかりを見つけてねえからな、さっさとぶち破って、いただいてくぞ!」
「……その言い方、まるで『風の佐平次』に出て来た押し込み強盗だよ……」
「あ、マジで強盗の言ったセリフだったんスね;」
気合を入れて言ったW(翔太郎)のに呆れて指摘したW(フィリップ)のを聞いてウィスプはどんなドラマだろうと思った。
とにかく、早速Wはトリガーマグナムでバリア発生装置を撃ち抜いて壊すと、壁は消失する。
「よし、これで進めるぜ」
「翔太郎、さっきアイの同型機があった場所に行ってみよう。彼らが出て来たのならあの場所に入れるようになってる筈だ」
「それが良いのう。もしかしたら情報も見つかるかもしれんし、こやつらの修理用のパーツが置いてあるかもしれんからな。行っておくに損はないじゃろう」
トリガーマグナムを回転させて喜ぶW(翔太郎)にW(フィリップ)がそう提案し、カオスも賛同する。
【!皆さん、バリアが解除された事で入所可能な情報が増えました】
「ホント!?」
「どうやら、あの装置は情報セキュリティにも連動していた様だね。何が分かったんだい?」
告げられた事にトリガーは驚き、ウォズが促す。
【はい、まず、わたしの同型機があった場所にコアメダルに似た反応が出てます。それと、わたしの同型機があったブースの使用者が……VIPゲスト、アイダ博士!?】
「アイダ博士だって!?……という事は!」
「恐竜のコアメダルがあるかもしれない!」
「なら、行くしかないな」
告げられた事にW(フィリップ)は驚き、オーズは叫び、ディケイドはブースのある方を見て呟く。
「ようし!出発全開!!」
ゼンカイザーの号令と共に一同はアイの同型機があったブースへと向かうのであった。
次回、第30の章:発見した物と恐怖の魔竜
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第30の章:発見した物と恐怖の魔竜
「あ、あそこだ。あそこ」
ブースの前までたどり着き、入れる場所を見て一同は中を見る。
「そういや、アイダ博士ってどんな研究をしてたんっスか?」
「アイダ博士はAI研究をしていて、その権威の女性さ。それで彼女はアイを造り、セクターシティに寄贈した……ここはその、開発ルームと言うわけだね」
ブース内を見渡しながら質問するウィスプにW(フィリップ)はそう返す。
「でも、アイは俺と会った時、アイダ博士の名前を知らないって言ってたぜ?」
【本当に知らなかったのです。私の記憶には何もありませんでした……】
そんなW(フィリップ)へW(翔太郎)は初めて会った時のを思い返し、アイも困った様に体を前に傾ける。
「アイの言ってる事は本当じゃろう。きっと何者かに意図的に開発者であるアイダ博士に関わる記憶を消された可能性がありえそうじゃ」
「確かに、AIに開発者の記憶が無いのはその部分だけ消されたと考えるのが自然ですね。それを誰が、何の為にしたかは分かりませんが……」
「もしかするとここにそれに関する事があるかもな」
自身の推測を述べるカオスに西条は顎に手を当てて呟き、ウヴァがブース内を見て言う。
「あ!あった!!」
すると机の上を見てオーズは声をあげて近づく。
そこには6枚のコアメダルが置かれていた。
うち3枚は写真にもあった恐竜が描かれた紫のメダルで、もう3枚はコブラ、亀、鰐が描かれたオレンジ色のメダルであった。
「恐竜以外に爬虫類のコアメダルもあったなんて……」
「へぇ、爬虫類のもあるんっスね」
手に取るオーズに呑気にそう言うウィスプの後ろでホロウは何かに警戒する。
【どうしましたホロウさん?ここには敵の反応はないですよ?】
「いや、この流れからして、新たな小動物どもが出てくる可能性がある!」
【えー、そんな可能性あるチュン?小動物グリードは他にメダルがあったから出来た奴チュン。流石にないと思うチュンよ】
そんなホロウに気づいて声をかけたアイの後に呆れたようにセッちゃんは指摘する。
あ、そうかとセッちゃんの言葉にホロウは安堵の息を吐く。
後にホロウは語る。
この時に安堵したのは間違いだった……と……
「と、とりあえず、横島君。プトティラとブラカワニのも作っておこうか」
「あ、了解ッス」
そんなホロウを後目に眼魂を作りに離れる2人とマスコット達を見送ってからWは机の上に置かれていた書類を手に取り、それに書かれていたのに目を見開く。
「『新世代兵士開発工程書』……宛名は財団X、署名はゼウス……!」
「コアメダル、ガイアメモリ、NEVER……開発計画の極秘書類か!」
覗き込んだ西条は強張った顔で呟く。
「アイダ博士は、ヤツの計画をここまで……」
W(翔太郎)が呟く中、同じ様に覗き見ていたゼロワンはあれ?と声を漏らす。
「なんでマギアはこの書類に書かれてないんだ?ゼウスが兵士開発の為に俺の世界に行ったのなら触れていても良いのにな……?」
「アイダ博士が知らなかったからじゃねえのか?あくまでこれはアイダ博士が調べた事なんだしよ」
自分の世界の技術関連に触れてないのに疑問を感じるゼロワンにホロウはそう返す。
「おい、このパソコンの画面にゼウスの研究の進行を確かめる必要があるって事しか書かれてないぞ」
「それなら大丈夫だよ。この工程書によれば、ここから二つ先の砂漠セクターに大量のセルメダルを集積、とあるね」
「それじゃあ次はその砂漠セクターに向かえば良いんだね」
隣のパソコンの画面を見て言うウヴァに返したW(フィリップ)のにジオウは呟く。
「ふむ、ちょいと時間を貸してくれんか?ウヴァに頼まれた奴の修理に使えそうな部品を探したいのじゃが?」
「あ、だったら手伝いますよ」
「俺も!」
「テュ!」
頼み込むカオスのにクウガが手伝いを申し出て、ジオウとティガも続く。
☆
【キィンキィンキィン!】
【コブラ!カメ!ワニ!ブラカ~ワニ!!】
その姿を爬虫類系コンボのブラカワニに変えたオーズはウィスプから渡されたブランク眼魂を握り締め、眼魂はオレンジ色の光を放って、ブラカワニの力を宿したオレンジ色の眼魂になる。
「はい、横島君」
「ありがとうございます。これでオーズのは5つになったな」
【色々と戦うバリエーションが増えたが、戸惑わないと良いがな】
手渡されたブラカワニ眼魂を見ながら、先ほど作り上げた紫の眼魂、プトティラコンボのを見て呟き、心眼のにそうだなと呟き……
「だけどこれ、色々と役に立つだろ?ガタキリバなら人数増やして子供達の面倒見れるし、ラトラーターなら力を弱くして洗濯物を乾かしたり、お届け物を届けるのに良いし、サゴーゾは重い荷物運びに最適で、プトティラはかき氷を作るのに良くて、ブラカワニは……防衛に使える!」
【おい、ブラカワニ以外の使い方】
「平和的で良いと思うよ」
具体例に心眼は思わずツッコミを入れ、オーズは笑う
楽しく笑っていたオーズだが、真剣な声でウィスプに問う。
「ねえ横島君。ベルゼバブの時に心眼の口から出たマタドールって、もしかして魔人マタドールの事かい?顔が骸骨で闘牛士みたいな恰好をしている」
「あ、はい。映司さんの言ってる通りの奴です」
【マタドールを知ってると言う事は映司達の世界にも存在するのか?】
確認したオーズは困った様に頬をポリポリ掻く。
「実際すると言うか……その、俺達の世界だと……そうだね……上位的な存在なんだ……」
「そうだったんですか……」
【やはり、どこの世界でも奴は強い存在と言う事か】
言葉を濁しながら言ったオーズのにウィスプは納得し、心眼は訝しみながら乗っかる。
「もしよかったら教えれる範囲ので君の歩んできた事を教えて貰っても良いかな?」
「んー--……分かりました」
頼みにウィスプは少し悩んだ後に眼魂をくれたお礼と別世界の住人だしと言う事でこれまでの自分が経験した事を語る。
その際、心眼が捕捉したり、訂正しながら加わる。
「そう……か……横島君。これは俺の主観での話だから頭の隅に留めて置く程度に覚えて貰っても良いかな?」
「?良いですけど……」
なんとも言えない感じのオーズに首を傾げながらウィスプは頷く。
「ホントにそうかは分からないけど……この世界の天使を信用するのは控えた方が良いと思う。それも上級の存在のね」
「え?どうしてですか?」
告げられた事にウィスプは驚きながら問う。
これまでのを見た限りオーズ、映司は人が良いのと色んな人とすぐに仲良くなれる感じであったからまさかの言葉だったので驚きを隠せないのだ。
「俺はコアメダルを探して色んな世界を旅したのもあるからなんだけど……同じ世界だけど流れや人の性格が違う並行世界のを見た事あるんだ。この世界には翔太郎さんの知人とほぼ同じ人達がいる。もしそうなら、悪意がないけど邪悪な正義を掲げた者達がいる可能性を俺は懸念してるんだ」
「悪意のない、だけど邪悪な正義……」
【……映司はいると思っているのだな?】
うんと心眼の問いにオーズは頷く。
「ホントにね。俺の懸念は憂鬱であって欲しいんだ。そんな存在と出会ったら、横島君を利用しようとするか、排除してくる可能性があるとね……」
「……」
不安そうに呟かれた言葉にウィスプは顔を伏せる。
オーズの言い分は一理ある。
実際、ウィスプはそうなった事がある。
凄い人に信用を向けられているのに嫉妬した者、気に喰わないで殺そうとして来た者……
「ゴメンね。気分が悪くなる様な話をして……」
「あ、いえ、俺の事を心配してのなんですよね?大丈夫ッスよ!とにかく天使関連は警戒位はしときます!まぁ、杞憂だと思いますけどね!」
笑って言うウィスプにそうだねとオーズは少し笑う。
だが、そんなオーズ、映司の懸念は最悪の形で当たってしまう事を暫くしてウィスプは……横島は美神達と共に知る事となる。
この島で見る事となる人間の悪意と同じ、この世界の人間の悪意を……
やる事は終えたのでオーズはタトバコンボに戻ってから手を叩く。
「さあ、皆の所に戻ろうか」
「うっす!」
「ニャン!」
「アオーン」
ーグオン!-
「パオパオ」
「ヴゥゥン」
「ガオ」
「シャー」
返って来た返事にうんうんと頷きかけて……オーズは止まる。
ウィスプ達も気づいてか、ん?となる。
「えっと、点呼するよ。横島君」
「はい」
「ニック」
「にゃん」
「ラトプス」
「アオーン」
「トライドベンダー」
ーグオンー
「パオパオ」
「パオーン」
「クワタン」
「ヴゥン」
「トラタ」
「ガオ」
「シャー」
点呼して、トラタの後の返事に誰もがトラタの隣を見る。
そこにいたのは……1匹の小動物であった。
体は亀なのだが、その足や尻尾は鰐になっており、顔が首長竜の様になった、蛇であった。
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!!?へびぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」
それにオーズは絶叫して勢い良くジャンプして天井にトラクローを刺し込んでへばり付く。
「おお、凄いジャンプ;」
【蛇が苦手と聞いてはいたが……ここまでとは;】
その様子にウィスプと心眼は唖然としながら呟いた後に紛れ込んでいた小動物を見る。
「この感じ、爬虫類系メダルのマスコットグリードか?」
【マスコットグリードって……そうなるとメダルがもう一組あったと言う事か?さっきの部屋にいなかったのは徘徊していたのか?】
「シャー♪」
自分に擦り寄って来る小動物にウィスプはまじまじ見ながら呟き、心眼はまたかと思いながら考察する。
「おいどうした!?」
「映司さんの悲鳴が聞こえたんだけど!」
そこに悲鳴を聞いてかW達が駆け付ける。
「あー、その……この子を見て映司さん、絶叫しちゃって……;」
「シャー♪」
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!!?新たなマスコットぉぉぉぉぉ!?」
そう言って掌に載せて小動物を見せたウィスプに今度はホロウが絶叫してひっくり返る。
「い、いんねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!?」
「お、おい大丈夫か陰念!」
「違う、俺は悪くない。俺は悪くないんだ……横島の、横島のマスコットホイホイが強過ぎるんだ……勝てる訳がない……もうダメだ。おしまいだ……」
「これは駄目だね。暫くは使い物にならないね」
それにクウガとゼンカイジュランは慌てて揺するが声をかけられた人物はブツブツ呟き、ディエンドは肩を竦める。
「シャーシャー♪」
「うわぁ、すっかり懐いてるな。蛇だけにヘビィな愛を受けちゃって」
「ごめん或人君。その言葉は彼の知人の女性達の前で言わない方が君の身の為だ;」
「え、そんなに危ないんですか?;」
「危ないな普通に」
「変わり者だなその女ども」
ウィスプに甘えている小動物を見て言ったゼロワンのに西条はなんとも言えない顔で注意し、トリガーのにカオスは頷いてからお前さんも十分その対象なんじゃがと他人事なウヴァに内心ツッコミを入れる。
「そう言えばフィリップさん。映司さんから聞いたんですけど、そっちの世界には魔人がいるんですね」
「は?映司ぶぁ!?」
「ああ、確かに魔人はいるね。それがどうしたんだい?」
マスコット達を愛でてからそう言うウィスプに何かを言おうとしたW(翔太郎)のをはたいて止めてからW(フィリップ)は聞く。
「どうして存在するんですか?」
「やはり、強さを求めてだろうね。魔人と言うのはそうやって己をより強い存在にしようと戦いを求めるんだ」
そうですか……となんとも言えない声を漏らすウィスプにおいフィリップとW(翔太郎)が脳内で文句を言う。
(なんでいきなり叩くんだよ。後、俺等の世界に魔人は存在しねえだろ?あいつ等は俺達の世界じゃあゲームの中の存在だぞ?)
(そうだけど、そう言われても信じられないだろ?君だと余計な事を言いそうだから無理やりああしたんだよ)
他にも止めようがあるだろうと文句をブツブツ言ってるW(翔太郎)のを聞きながらW(フィリップ)はやれやれとなる。
実はと言うと、フィリップがウィスプ、横島に言った事は半分はデマだ。
調べていた中でフィリップは魔人にもう1つの役割がある事を知った。
それは死の具現化。
何らかの災厄、もっと簡略に言うと人類を滅ぼす事で世界を浄化しようとする地球意思の側面の1つで、どう足掻いても地球が良くなることはないからリセットを行なおうとする存在だと認識すれば良い。
そんな地球の自浄作用として誕生させるのが魔人なのだ。
まだウィスプ、横島が出会ってない魔人の中に人間にしか害のないのを使う魔人がいる。
(地球の滅びたくないと言う意思が魔人を産んだ……なんてこの世界の住人である横島達もそうだし、他の人には言えないからね)
ふうと息を吐いて新たなマスコットの仮名決めでワイワイしてるウィスプ達を見ながらW(フィリップ)は内心、相棒に伝わらないように愚痴る。
「と言う訳で協議の結果、介人のブーニーに決定!!」
「シャー♪」
「いえい!名づけ全開!!」
元気よく言うゼンカイザーに仮名決め選手権に参加していたジオウとゼンカイジュラン、ゼロワンは悔しがっていると……
【!?皆さん!この研究所に接近する大きな敵反応を】
ドーーーーン!!!!
そこにアイが報告しようとして、揺れが襲う。
「おわ!?」
「な、なんだ!?」
【お、大きな敵反応からの攻撃です!このままでは研究所に生き埋めにされてしまいます!】
「皆!急いで脱出するぞ!!」
誰もが突然の揺れに倒れない様にする中で西条の言葉で慌てて外に出る。
「!あれは!」
最初に外に出たWは研究所を攻撃した存在に驚く。
それは牛とも羊とも言えない獣を象った陶器のような青い顔面に爬虫類のような目とライオンのような四足歩行の脚や尾が付いた異形の怪物であった。
続いて出て来て視認した西条は中国神話における邪神四凶の一角、
「……おいおい!……ありゃ、テラードラゴン!?」
「え、あれ竜なんッスか!?」
「竜って言うより、キマイラの方がしっくりくる見た目だろ」
W(翔太郎)の口から出たのにウィスプとホロウは飛び回るテラードラゴンを見る。
「アイ、あの竜が大きな敵反応なの?」
【はい、あのテラードラゴンから大きな反応が出ているようです……】
「このまま暴れられたらカオスさんや西条さんが危ない!早速アイツを「そう上手くいくかな?」……!?」
確認するトリガーのに対して答えたアイのにオーズは倒そうと言いかけた時、それを遮る様にゼウス・ドーパントが現れる。
「ゼウス!」
「こやつがゼウス博士か!」
「座ってるだけだが……伊達ではないね……!」
身構えるゼロワンのに初めて見るカオスと西条をゼウス・ドーパントは一瞥してからW達を見渡す。
「何者かが研究施設に忍び込んだと聞いていたが、やはりお前達か……私の邪魔をしないようにと伝えた筈なのだがね……」
「何が邪魔だ!?お前がやろうとしている事を素直にさせる訳ないだろ!」
「そういうこった!お前さんのやろうとしてる事は胸糞わりぃだけのいかれた奴だ」
「数多くの命を犠牲にして不死身の化け物を作るなんて、あなたにそんな権利はない!!」
呆れた様に言うゼウス・ドーパントにウィスプは怒鳴り、吐き捨てるホロウとトリガーにゼウス・ドーパントはため息を吐く。
「やれやれ、見くびられたものだ……君も彼らと同じ意見なのかい?人間などと言う不完全な器に戻る選択をしたフィリップくん」
「そうだと言ったら?」
失望したとばかりにゼウス・ドーパントは頭を振った後に全員を見渡して言う。
「考えて見たまえ、私の研究が完成すれば人類はようやく死を超越出来るのだよ。私に選ばれた人間に限るが……哀れな死者から、新しい人類、神のごとき存在として、ね」
「ふん。不死になったって良い事ばかりではない。色んな事を見る事になるんじゃ。そんなもんはな……本当に超越したなどと言えんわい」
優越に浸っているゼウス・ドーパントにカオスはしかめっ面で指摘する。
「それはどうかな?現に君達はその目で生き返った人間や魔族、神族を見て驚き、そして戸惑いを隠せなかっただろう?つまり、君達は私の研究の証人というわけだ」
「そのために、多くの命を犠牲にしていいわけがねえ!!」
「翔太郎さんの言う通りだ!命を弄んでじゃねえよ!!」
「奴も絡んでるそんな計画、俺達が破壊してやるよ」
「テア!!」
自分を睨み付けるW達やマスコット達にゼウスは盛大なため息を吐く。
「……どうやら、私の崇高な研究が理解出来ない様だな……仕方あるまい……これ以上の邪魔をするなら、テラードラゴンの餌となるがいい!行け!テラードラゴン!!」
命令と共に飛び回っていたテラードラゴンは巨大な顎を開いて迫る。
第10のレポート:魔の闘牛士
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第10のレポート:魔の闘牛士
現れたマタドールやその力を模したブラッドソルジャーの登場により戦況は一変した。
「ざんだいん」
「あぶなっ!?」
飛んで来る衝撃波にインペラーは慌てて避け……
「じおだいん」
「うひぃ!?」
放たれる雷鳴をタイガは走って逃げ……
「あぎだいん、ぶふだいん」
「あつ!?」
「ちい!?」
ガイアとアグルはそれぞれ飛んで来た炎と氷を避ける。
「はっはっはっ!どうした?よけているばかりではつまらないぞ!」
「ガイガード!!」
「いやぁ、色々と飛んできますな」
攻撃を仕掛けるブラッドソルジャーのを王蛇は飛んで来る攻撃をガイで防ぎ、盾にされてる本人は猛攻にそう呟く。
「な、何よあれ!?」
「眼魂はマタドールの筈なのに、見た事もない攻撃をしてる!?」
次々とライダー達へと攻撃仕掛けているブラッドソルジャーの使っている見覚えがない魔法のに美神と蛍は驚きの声をあげる。
「戦兎、これってもしかして……」
「ああ、お前の考えてる通りだろうな……(マタドールが悪魔合体で継承出来る奴を全て使えるかもしれないぞあいつ……)」
そんなブラッドソルジャー見て嫌な予感を感じるクローズのにビルドは凄く渋い声で返し、内心ぼやく。
「まはざんだいん」
驚いている美神達へとそんなブラッドソルジャーが放った衝撃波が迫る。
それを見たジードは美神達の前に割り込んでからバックルのシリンダーを戻した後に横側のボタンを押すと装填されていたカプセル3本が飛び出し、それをキャッチしてから新たなカプセルを取り出す。
「ユーゴー!」
【セェアッ!】
カプセルの右横のスイッチを上にスライドさせると上部先端が光り、光が集まってウルトラマンゼロとなった後にウルトラカプセルをバックルの右端のスロットに装填。
「アイゴー!」
【ダァッ!】
続けざまに2本目のカプセルを取り出して起動させると放出された光はウルトラの父となった後に2本目のウルトラカプセルを真ん中のスロットに装填。
「カクゴー!」
【セイハー!】
そして、3本目のカプセルを起動し、放出された光は美神達が見た事ある仮面ライダー鎧武極アームズとなった後に3本目を左端のスロットに装填する。
「ヒアウィーゴー!」
その後にシリンダー部分を左へスライドさせるとシリンダー内に青と緑の輝きと共に白銀の輝きが加わる。
【ライダー!フュージョンライズ!】
「守るぜ!希望!!はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!はあ!!」
鳴り響く音声の後に右腕を回し、バックルの中央部分にあるスイッチを叩く様に振り下ろす。
【ライダーアップ!!】
音声と共にシリンダー内の光は紫に輝き始める。
「ジィィィィド!」
【ウルトラマンゼロ!ウルトラの父!仮面ライダー鎧武極アームズ!!】
ジードが吠えると共に出現した3人がジードへと重なり、新たな姿へと変える。
【仮面ライダージード!マグニフィセントガーディアン!!】
強大な力を持った崇高な戦士と呼ばれたマグニフィセントに並行世界の闘士ウルトラマンゼロの装鉄鋼の胸アーマーと腰当てを装着し、背中に表が黒、裏地が赤のマントを靡かせた仮面ライダージードマグニフィセントガーディアンとなる。
「グロッケン!!」
「あいよ!」
ジードの呼びかけにグロッケンは美神達の前に立つと地面を強く殴り、ジードの後ろに美神達を守る様に氷の壁を作り上げる。
「アレイジングジードバリア!!」
その後にジードは鉄アレイのような光を出現させてから高速回転させてバリアへ変化させると衝撃波を受け止める。
「ぐう!?」
衝撃波の強さにジードは少し押されるがなんとか防ぎ、弾かれた衝撃波は氷の壁で美神達に来るのを阻む。
「うへぇ、魔人って奴は人間もそうだが、下手な宇宙人に取っちゃあヤバい奴だな」
氷の壁に伝わる衝撃を見て肩を竦めるグロッケンだが美神達はその攻撃を防いだジードに驚く。
「あの攻撃を受け止めた!?」
「マグニフィセントガーディアン……崇高な守護者……確かに偉大な姿だわ」
ライダー達への攻撃と共に次々と飛んで来るブラッドソルジャーの攻撃を受け止めているジードに驚く瑠璃の隣で驚嘆の声を漏らした冥華はマタドールを見る。
「おらぁ!」
「ふはは!他の仲間の様に武器を使ったらどうだセニョリータ!」
殴りかかるキョウリュウレッドのを避けたり、カポーテで反らしながらマタドールは余裕綽々で返す。
なら!とキョウリュウレッドはガブリチェンジャーの顔部分を2回動かす。
【メッチャムーチョ!】
「アームド・オン!!」
その言葉と共に右腕に滑らせるようにガブリチェンジャーを持った左腕を動かすと右腕に棘のような銀の武装アーマーが装着されると共に右手に専用武器であるティラノサウルスの形を模したガブティラファングが出現する。
「ガブティラファング!」
「……セニョリータ。確かに武器だが、拳の延長線にしかなってなくないかね?」
そのまま殴りかかるキョウリュウレッドにマタドールは呆れた様にカポーテで攻撃をいなしてからエスパーダで斬りかかるがガブティラファングに噛まれて止められる。
「はっはっ!悪いが私は殴るのが得意なんでね!一応銃も使えるがやっぱり殴る方がしっくり来るんでね!」
「ハッハッハッ!成程、確かに私もこの剣技を使う方がしっくり来るのでね!その気持ちは同意だ!」
そうやって笑いあった後に距離を取る。
「雷電砲!乱れ打ち!!」
「むっ!?」
そこにキョウリュウゴールドがガブリチェンジャーでビームで撃ちまくりながら接近して来たのに、マタドールはビームをカポーテで防ぎつつ、ザンダーサンダーで斬りかかるキョウリュウゴールドに対しエスパーダで受け止める。
「よお、骸骨さんよぉ、さっきの挨拶返しだぜ」
「声に出してたら気づかれると思うがね」
鍔迫り合いに持ち越しながら呆れた様に言ったマタドールにキョウリュウゴールドはへっと笑った後に顔を横に反らす。
直後、キョウリュウゴールドの顔があった場所を銃弾が通り過ぎ、マタドールの顔に炸裂する。
「ぐう!?」
「言ったろ?挨拶返しだってな」
「だからと言って、無茶をするのも大概にしろ」
顔を抑えながら後ずさるマタドールに鼻の部分を摩って言ったキョウリュウゴールドに撃った本人であるキョウリュウシルバーは呆れて言う。
「ぬう、まさか自らも当たりかねない事をするとは、命知らずのニーニョだな……ぬっ!」
「おっと」
そんなキョウリュウゴールドを見て言ったマタドールは振り向いてエスパーダを振るうとそこにいたキョウリュウネイビ―は後ろに飛び退る。
「あは、気づくなんて凄いね骸骨お姉さん」
「気配を感じ難いとは、ニーニャもなかなかくやれないな……」
ガブリボルバーで攻撃しながら距離を取るキョウリュウネイビ―にエスパーダで切り払いしながらマタドールは呟く。
「そうは言ってるが、お前さんは本気をまだまだ出してないだろ?くやれないのはそっちも同じじゃないか」
「ハッハッハッ!当然だ!こういう長く楽しめる者との戦いでは長く楽しみたいものだろう!さっさと終わらせるのは損でしかない!!」
攻撃を仕掛けながら指摘するキョウリュウレッドにマタドールは悪びれもせずに楽し気に返す。
「うへぇ、ホントこういう戦闘狂ってめんどくせぇよな。祭りで楽しんで欲しいもんだぜ」
「戦いがあの骸骨にとっての祭りなら、変わらないだろう」
「戦い好きだね~」
それを聞いてぼやくキョウリュウゴールドにキョウリュウシルバーはそう返し、キョウリュウネイビ―が呑気そうに言う。
「決闘の範囲内なら戦いを楽しむってのには同意だ!こっちも楽しまないと損だからな!」
「鬼であるには惜しい存在だな!簡単に死なないで欲しいものだな!」
その言葉と共にお互いに蹴りを入れて離れる。
そんなキョウリュウジャーとは別にブラッドソルジャーの多彩な攻撃にビルド達は翻弄されていた。
「ぎゃはは!どうした!さっきの威勢はどこに行った!」
「お前自身戦ってない癖に偉そうに威張りやがって!」
「ホントああいう存在はどんな相手だろうと小者臭いよね」
調子づくスペース蜘蛛男にインペラーは呻き、3号の言葉にスペース蜘蛛男は怒る。
「なんだと貴様!こけにしおって!!」
それにスペース蜘蛛男は3号へ向けて触角の先から電撃を放つ。
「それSDな世界の奴が使ってたのだろう!?」
ツッコミを入れつつ飛んで来る電撃を3号は避けた後に続いて飛んで来た蜘蛛の糸を避けて懐に飛び込み……
「ライダー連続チョップ!!」
スペース蜘蛛男の体へと両手でのチョップを叩き込んで行く。
「ぐぎゃあぁぁ!?」
火花を散らすスペース蜘蛛男に追撃とばかりに3号は飛び上がり……
「ライダー!フライングチョップ!!」
脳天にもチョップを叩き込む。
「ごぼぉぉ!?」
「どうやら魂が体の扱い方について来れてないな。慣れて変な事をしない内に成仏して貰おう!」
そう言って3号は飛び上がると勢い良く横回転し……
「スピニング!ライダァァァァキック!!」
両足蹴りをよろめいていたスペース蜘蛛男に炸裂させる。
「ぎぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「来世ではマシな人生を歩んだ方が賢明だよ」
断末魔をあげながら吹き飛んで倒れるスペース蜘蛛男に3号はそう言う。
「ふふ、それで勝ったつもりか、仮面ライダー3号よ」
「何?」
「奴は世紀王様から新たな力を得ているのだ。この様にな!!」
そんな3号へと余裕を持つガラガランダの後にイカデビルがそう言うと火花を散らして倒れていたスペース蜘蛛男は体を光らせて起き上がり……
―ぎゃははははは!勝負はこれからだ!!ー
巨大化し、3号を見下ろす。
「おいおい、巨大化はイマジンとかファンガイアだけにしてくれないか……うお!?」
自分を見下ろす巨大蜘蛛男に3号はぼやきながら振り下ろされた足のを避ける。
「デカくなりやがった!?」
「嘘でしょ!?」
「たくっ、面倒事はこれ以上勘弁しろよ!」
「あ、フラグだね」
「フラグだな」
「言ってる場合じゃないでしょ!?」
それに驚く雪之丞と蛍の後にぼやいたファイズのにガイと王蛇がそう言い、美神が叫ぶ。
―さて、さっきやってくれた分、たっぷりと……ー
そう言って3号をいたぶろうとした巨大蜘蛛男は……頭を細切れにされた。
「「「え?」」」
「「何!?」」
突然の事で唖然とする3号と美神達に驚きの声をあげるガラガランダとイカデビルを前に頭を失った巨大蜘蛛男の体は仰向けに倒れて揺れを起こす。
「な、なんだ!?」
「急に奴の顔が斬られた様に見えたけど……」
「あ、あぁ……!?み、皆さん、あ、あっちを見るんですジャー!?」
揺れに耐えながら戸惑うヴィラニアスとピートの後にタイガーが震えた声で倒れた巨大蜘蛛男の胸部分を指す。
誰もがその方向を見て、美神達は言葉を失う。
今も最悪の状況なのに、さらに最悪な方向へ導く者達がいたからだ。
「はっはっはっ!これはこれは!おもしろいことになったな!」
「ほう、これはこれは、どうやらイミテイトと私に惹かれて来た様だな……しかも4人」
そんな者達、
「最……悪……」
「な、なんと言う事でござるか!?」
【おいおい、勘弁して欲しいもんじゃぞ……】
冷たい汗を流して苦い顔で呟くタマモにシロとノッブも青ざめた顔で呟く。
「!にとり、夢美教授!そのアイテムは使えるの!?使えるのだったら私に使わせて!」
すぐさま美神はこの状況で対応できる人数を増やす為にも量産型ファントムコールダーの使用を求める。
「……ダメだ。これは現状使えない」
そんな美神の希望を砕く様に、にとりはそう返す。
次回、第31の章:空中ドッグファイト!新たな欲望の怪人
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第31の章:空中ドッグファイト!新たな欲望の怪人
「き、来ますよ翔太郎さん!?」
「安心しろ」
迫るテラードラゴンに慌てるウィスプへとW(翔太郎)は慌てた様子を見せずにそう返す。
そして迫った瞬間、テラードラゴンは横っ腹に衝撃を受けて吹き飛ぶ。
テラードラゴンを吹っ飛ばした物、リボルギャリーはタイヤのスリップ音を響かせながら停車する。
「リボルギャリー!」
「お喋りが過ぎた様だな、ゼウス!切り札が来たようだぜ!」
「いつの間に……」
おおと声をあげるウィスプの後に左手に持ったスタッグフォンを見せつけるW(翔太郎)の行動に西条は舌を巻く。
リボルギャリーのタックルを受けて地面を転がったテラードラゴンはよろめいた後に再び飛翔する。
それを見て行くぜ!とWはリボルギャリーへと走る。
リボルギャリーは最初にフィリップが横島達に姿を見せた様に展開し、Wは鎮座していたハードボイルダーに跨るとハードボイルダーは一旦後ろに下がってリボルギャリーの後部のドラム部分に収納すると後部が分離し、前部だけとなったフロントセクションが前に出るとドラム部分が回転し、赤の空中ユニット「タービュラーユニット」に換装してハードタービュラーへと換装し、空中へ飛び上がり、テラードラゴンを追いかける。
「僕も!」
「タッ!」
Wを援護する為にトリガーとティガも追いかけ、ティガは腕を顔の前で交差し、額のクリスタルが輝いた後に腕を振り下ろすと体の色が青紫と銀色のスカイタイプに変わる。
トリガーもバックルに装填されていたのを抜いて、新たなGUTSハイパーキーを取り出す。
【ウルトラマントリガー!スカイタイプ!!】
響いた音声の後にGUTSハイパーキーをバックルの右横のスロットへ装填する。
【ライダーブーストアップ!ランバルト】
「天空を駆ける、高速の光!!仮面ライダー!トリガーっ!!」
バックルの中央を元に戻し、再び展開すると体の色が青紫に変わり、胸アーマーのクリスタルの色が変化して、クリムゾン、バイオレット、上にコバルトと言う感じに変わる。
【仮面ライダートリガー!スカイタイプ!!】
お互いにタイプチェンジが完了すると共に飛び上がり、ハードタービュラーと並走する。
「ようし俺も!」
「おおっと、君達にはこの者達の実戦に付き合って貰おうか」
それにゼロワンも続こうとしてゼウス・ドーパントの言葉に何?と思った後に地響きによろめく。
「おわ!?なんだ!?」
【強いコアエナジー反応接近中!数は4体!】
その言葉と共にゼウス・ドーパントの後ろにインディアンチックな羽飾りを頭に付けて青い仮面を付け、青い体に赤い三角や縞模様を持った恐竜が4体並ぶ。
「あれって、アロモン!?けど、あんな仮面、X抗体でも付けてなかった!」
「ああ、あれはテラードラゴンのに似ている……まさか」
「ぬう!」
「ぐう!」
驚いた声を漏らすジオウと何かに気づいたウォズの後に西条とカオスが膝を付く。
「西条さんにカオスのおっちゃん!?」
「どうした!?」
「わ、わからない。だ、だが、あの恐竜を見た瞬間、体に震えが走って力が……」
「ど、どういう事じゃ、こんな感じ、今まで色んな奴と出会って恐怖を見て来たが、初めてじゃわい」
慌てて声をかけるゲイツに西条は自身の意思に反して震える自分の手を見て、カオスは脂汗を流しながら呟く。
「成程、そいつ等にはテラーメモリの力を宿してるデジモンだな」
「その通りだ世界の破壊者よ。こやつらはガイアメモリの力を宿したデジモンヤミー、名付けてテラーアロモンだ。さあお前達のちからを見せてやれ!!」
その言葉と共に後ろに下がったゼウス・ドーパントの命令を受けたテラーアロモン達は咆哮してウィスプ達に襲い掛かる。
「やっぱりそうなるのね!?」
「ユウスケ!ウヴァ、西条とカオスを守れ!」
「分かった!」
「たくっ、しっかりしろ」
絶叫するウィスプの後に指示するディケイドにクウガは頷いて西条を支え、ウヴァは悪態付きながらカオスを支えてその場から離れる。
「こいつ等をなんとかしないと!」
「全く色々と手を出すね」
構えるオーズの隣でディエンドはぼやきながら銃弾を放つのを合図にテラーアロモンとの戦いが始まる。
一方で赤い火炎弾や青い十字火炎を発射したり、突進して来るテラードラゴンのを避けながらWはハードタービュラーの主翼に装備されたエナジーバルカンで攻撃し、ティガはハンドスラッシュ、トリガーはサークルアームズのスカイアローで追撃する。
「流石はにとりだぜ。テラードラゴンにも通用してるぜ!」
「油断はしない方が良い翔太郎。奴も変貌する可能性があるからそうなる前に倒そう」
「フィリップさんの言う通り、あのドラゴンから得体のしれない何かを感じます。何か起こる前に対処しないと」
「テェア」
感嘆するW(翔太郎)にW(フィリップ)はそう言い、トリガーとティガも同意しながら追撃を止めない。
テラードラゴンは吠えながら火炎弾を放ちながら突進し、3人はそれを避けた後にWが目の部分にバルカンを浴びせて怯ませた所をトリガーはサークルアームズにベルトに装填していたGUTSハイパーキーを装填する。
【マキシマムブーストアップ!スカイ!!】
ティガは両腕を胸の前で交差させたあと瞬時に左右に伸ばしてから上にあげてエネルギーを集約。両手を左腰に置き……
【ランバルト!アローストライク!!】
「ハアッ!!」
「シェア!!」
ティガは右腕を胸の前で水平に伸ばして、爆発力の高い必殺光弾、ランバルト光弾を放ち、サークルアームズから青い閃光の矢を発射してテラードラゴンに炸裂させる。
攻撃を受けたテラードラゴンは断末魔をあげながらコンテナ置き場に落下し、爆発四散する。
「よし!」
「……フィリップ。俺の考えてるのは分かるよな?」
「当然だよ翔太郎。僕も同じだ。テラードラゴンがいる時点でね」
ガッツポーズを取ったトリガーはWの2人の様子に訝しむ。
「どうしたんです?」
「奴は使い魔のようなもんだ」
「だからこそ大本がいるんだよ……テラー・ドーパントっていうドーパントがね」
大本がいるのにトリガーはそうでしたかと不安そうに呟いた後……勢い良く顔を向ける。
それはWやティガも同じであった。
「なんだこの気配?」
「皆がいる方向だ。急ごう!」
「タア!」
「はい!」
不気味な気配に3人は急いで戻る。
☆
一方のウィスプ達はテラーアロモン相手には善戦していた。
元となったアロモンは特に炎を吐く以外は恐竜とほぼ変わらない行動しかしないタイプのデジモンだったので恐怖を放つ以外では脅威になっていないのだ。
「ふうむ、テスト用に作り上げたが、テラーの効果は一般人程度にしか効かないか……」
ディケイドのディメンションスラッシュやジオウ達のライダーキック、ゼンカイザーとゼンカイジュランのゼンカイフィニッシュバスターとディエンドのディメンションシュートで倒されて行く様子にゼウス・ドーパントはつまらなそうに呟く。
「分からんな……何故、そうまでして私の邪魔をする……?」
「当たり前だ!これ以上の犠牲を出す訳にはいかないからだ!」
「今度はお前の番だゼウス!」
心底分からないと言ってるゼウス・ドーパントの前に来たオーズは叫び、ウィスプのにゼウス・ドーパントはため息を吐く。
「そんな私の掲げる理想が理解できないかね?」
「当たり前だろ。犠牲を前提とする理想なんて、誰だって許容できるかよ」
「そうだそうだ!皆で楽しく生きるのが良いんだ」
ゼンカイジュランとゼンカイザーのにさらに深いため息を吐いたゼウス・ドーパントは顎に手を当てていた左手を動かす。
「ならば理解できない君達に私の研究の素晴らしい成果を見せてあげよう」
その言葉の後にゼウス・ドーパントの前に大量のセルメダルが降り注ぎ、4組の塊を作り上げる。
そして開かれた左手から36枚のメダルが浮かび上がる。
「あれは、コアメダル!?」
「そうだ。これは私が作った新たなコアメダルだ。これをセルメダルに与えると……」
そう言って9枚ずつの4組にするとそれぞれ4組のセルメダルの塊へと落とす。
「まさか……!?」
「ちっ」
その行為にオーズは驚き、ウヴァは舌打ちする中、メダルが浮かび上がって行く。
「な、何が起こるんだ!?」
「ふふふ、見たまえ、これが……命の創造だよ!」
その言葉と共にメダル達は姿を変えていく。
「その命で、むしり取れ!〝ムチリ”!」
1体目は頭がムカデの顔になっており、後頭部からムカデの胴体が垂れ、目は他のグリードと同じく赤いモノアイ型、ボディはハチモチーフで構成されており、首にはミツバチの毛、両肩にはアリの顔、右腕にはハチの腹部のような意匠があり、手の甲からは毒針が伸び、下半身にはムカデが巻き付いたようなライン、右足はハチのような縞模様で彩られている。
「その牙で命を食らいつけ!〝クライツ”!!」
2体目は頭がサメの顔になっており、目は黄色のモノアイ型、ボディは青色で染まったウヴァのグリード態と同じ形で右腕にカギヅメではなく鯨の尾びれの様な剣を装着しており、下半身は魚の鱗状に彩られ、足先が牙の様なのが付いている。
「強靭なる足で踏み潰せ!“ミーブ”!!」
3体目は頭がシカの顔になっており、枝分かれした角を持った目は黒色のモノアイ型、ボディは金色のガメルのグリード態と同じ形で、両腕に角状の外骨格が生えており、下半身は白い足に黒ぶち模様が彩られている。
「生命を凍らせて壊し砕け!“シーゲル”!!」
4体目は顔はセイウチの顔になっており、顔の横に牙の様な器官をもった目は銀色のモノアイ型、ボディは白熊モチーフで両肩にペンギンの顔、腕は白熊の毛に覆われており、手は巨大なクロ―になっており、下半身は黒い足になっている。
「この者達が私の全てを賭けた研究の成果!地上最強の生命体の誕生だ!ようこそ!新生グリード達よ!」
並び立つ4体のグリードにゼウス・ドーパントは楽し気に笑う。
「どうだね?コアエナジーと、ほんの少しの犠牲があれば……この神の如き所業を実現できるんだよ……」
「グリードを作っただけで、神様気取りかよ……!」
「ふん!こんな意思を持ってもいない奴等がグリードだと?ヤミー以下の存在にしか見えないな」
そこにW達が合流し、W(翔太郎)の後にウヴァがそう吐き捨てる。
「ふふふ、命を作ったのだ……それがグリードかどうかは関係ないのだよ。このために、私はまずこの島の職員を犠牲にし、次にこの島に来たこの世界の者達を犠牲にした。彼らの命を決して無駄には出来ない!」
「何が無駄には出来ないだ!!!命を奪っている時点で無駄でしかないんだよ!!命をなんだと思ってるんだ!!」
「どわ!?」
咆哮と共にウィスプから衝撃が迸り、W達が吹き飛ぶ中でウィスプは走りながら途中で漆黒のパーカーゴーストを身に纏い、その姿を変える。
【ギガン、シェイドッ!!OK!レッツゴー!イ・ツ・ワ・リッ!ゴースト!】
「■■■■ーーーーーッ!!!」
「バカな、コスモスの力も持って暫くはなれない筈なのに!?」
「それだけ、怒りが爆発してるんだ!」
咆哮するシェイドに体を起こしながら驚くディエンドにW(フィリップ)はそう返す。
ガンガンアックスを手に、ゼウス・ドーパントへと向けて飛び掛かる。
が、その前にムチリ達新生グリードに立ち塞がるとその前にバリアを展開し、シェイドのガンガンアックスの一撃を受け止める。
「ふん」
そしてゼウス・ドーパントは杖を掲げると稲妻がシェイドに襲い掛かる。
「■■■■ーーーーーッ!!!?」
【オヤスミー】
吹き飛ばされながらシェイドは強制解除されて横島に戻るとウヴァが受け止める。
「う、あ……」
「横島君!?」
「命だって?そんなもの、私にとっては実験の素材に過ぎんよ。君達も見たろう?蘇ったグリードやドーパントなどの怪人達を……彼らを復活させたのも私にとってはただの通過点だ。その為に発生した、ささやかな犠牲も、この新生グリード達誕生をもって報われる!」
呻き苦しむ横島をみつえながら言い切ったゼウス・ドーパントへ、マスコット達は各々に光弾やビームに爪の斬撃を飛ばすが新生グリードたちに防がれる。
「そんな事、許されるものか!」
「黙れッ!天才の理想を理解できぬ愚か者たちがッ!人類は、もう命を自由に創造すべき段階に来たのだ!!」
「理解できるわけがない!僕の仲間に頭が良い奴がいるけど、彼だって、お前の理想なんて理解できないどころかしたくないって返すだけだ!」
怒鳴るオーズへと怒鳴り返したゼウス・ドーパントにトリガーは手を握り締めて叫ぶ。
「君達は先ほど見ただろ、ムチリ達のパワー!だが、もっと大きなコアエナジーを与えれば……こ奴等はさらなる力と、不死身の肉体を得るのだ!その時はもうすぐそこに迫っている……」
その言葉と共にゼウス・ドーパントはムチリ達と消えていく。
次回、第32の章:廃棄処理施設の暴力
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第32の章:廃棄処理施設の暴力
「これで大丈夫なはずだよ」
【すまないな海東。しかし、まさかあの姿の横島の一撃を受け止めるとは……(胸が邪魔過ぎだ……)】
前回、シェイドに強制変身し、ゼウス・ドーパントへ強襲しようとしたが新生グリードたちに防がれた後に返しの一撃を受けた横島は重傷を負い、意識を失ったがディエンドにより治療を受けて完治し、敷かれたシートの上で足を延ばして座ったウヴァの膝枕で寝かされていた。
周りではマスコット達が心配そうに寄り添っている。
なお、そんな横島の顔にウヴァの爆乳が乗って微妙に苦しそうであったが……ディエンド的に横島はこれが良い霊力回復だろうなと言う事で敢えて放置し、W達も微妙な感じで見ていたが話題を新世代グリードへと向ける。
「ああ、ケンゴ達が来なかったら俺等も手も足も出なかった暴走形態をああもあっさりぶっ飛ばしちまうとはな……」
心眼のに同意しながら呻くゼンカイジュランにそうだなとウヴァも同意する。
シェイドについてはW達も教えて貰い、月神族の行いに憤慨していた。
(あれ?そうなると月の奴大丈夫なのか?横島君がいたから解決できたようなもんだよなあれ?)
そんな中、クウガはこれからこの世界で起こるであろう出来事のでふと疑問に思った後に唸る。
「正直、足がすくんでしまったね……神魔とは違うベクトルで極力相手をしたくないと思ったのは初めてだよ」
「俺もだぜ……あれがさらに強化されるなんて……考えたくもねえ!」
「島に来るまでに考えていた以上に厄介な事態になってきおったな……」
顔を顰める西条のにW(翔太郎)も同意し、カオスは困った顔でぼやく。
「絶対に阻止しないとな!」
「あの禍々しい恐怖を乗り越えてね……」
【“恐怖”……この港湾セクターの開放が確認されました】
グッと握りしめるゼロワンのに付け加えたW(フィリップ)のにアイは呟いた後に報告する。
「これで後6個か……砂漠セクターは2つ先って言ってたけどよぉ、手前に別のセクターがあるのか?」
【廃棄物処理セクターですね。そのセクターを通り抜けるのが砂漠セクターへの一番の近道です】
「まずはその廃棄物処理セクターを突破しないとダメって事か……」
確認するホロウにアイが答え、腕を組んでジオウは呟く。
「それで横島はどうする?」
「僕と彼女が見ておくよ。彼の目が覚めたら追いかけるからさ」
「珍しいな海東。お前がそこまで積極的に協力するなんて」
確認するゲイツにディエンドが横島を膝枕+胸アイマスクしているウヴァを見て言い、ディケイドは珍しいそうに呟く。
「僕を命令できるのは僕だけだが、誠意をもって頼まれたからには最後までやるつもりさ」
「……ま、余計な事をしなければ良いか」
「では、廃棄物処理セクターへと行こうじゃないか」
【廃棄物処理セクターはこちらです】
返された事に興味なさげにディケイドは呟き、西条の号令の後にアイの案内を受けて出発する。
それを見送った後にディエンドはうーうーと魘されている横島を見る。
「それにしても、煩悩なしでここまで強くなっているとは、なかなかだねこの世界の横島は」
「そんだけ色んな強敵と戦って来たって事だろ」
【まぁ、そうだな色んな奴等との激戦を生き延びて来たからな……】
そう述べたディエンドにウヴァは唸っている横島を見てそう返し、心眼がしみじみとした声で肯定する。
「まぁ、そうなんだけどね……ただ、このままだと足りないとしか言いようがないね」
【ぬぅ、確かに足りてないと言うのは分かっているがな……】
「んじゃあもしそうなったらお前はどうするんだ?」
そうだね……とウヴァの問いにディエンドは少し考え……
「彼の霊力の大本を引っ張り出してやろうかなと思っているよ。その時は君にも協力してもらうよ」
【海東、貴様は横島に何をする気だ?】
「俺に何をさせる気だお前?」
首を傾げるウヴァと少し怒気を放つ心眼の問いに簡単な事だよとディエンドはディエンドライバーを回しながら言う。
「彼の大好きな物で釣り上げるだけさ♪」
「俺で効果が出ると思えないが……?」
【……それは今の状況をしている貴様のジョークかウヴァよ;」
心底疑問とばかりに言うウヴァに心眼はなんとも言えない声を漏らし、ディエンドは肩を竦めるのであった。
☆
【このゲートを通った先が廃棄物処理セクターです】
「廃棄物か……名前だけ聞くと嫌な予感を感じちゃうよな」
「おいおい、本当になりそうだから止めろよ」
廃棄物処理セクターへのゲートを前にそう言うアイのを聞いて呟くゼロワンにホロウは注意しながらゲートを通る。
そして廃棄物処理セクターに付いた途端、マスカレイド・ドーパントが襲い掛かって来る。
「いきなりかい!!」
向かって来たのを叩きのめした後にオーズがあっと声を漏らす。
「ライドベンダーだ。今度のは……これとこれだな」
ラインナップを見てオーズは2枚入れてボタンを押して行く。
【ゴ・リ・ラ・カン!ト・リ・ケ・ラ・カン!】
音声の後に黒と新緑のカンが出て来て、オーズは起動するとそれぞれゴリラとトリケラトプスを模したのに変わる。
「ホント面白いのう……何体か持って帰りたいのう……」
「だったら2匹出してますからバッタカンを1匹渡しましょうか?今も1匹は横島君の所に残してますし」
動き回るゴリラカンドロイドとトリケラカンドロイドを見て呟くカオスにオーズはそう提案する。
「おお!それは助かる!こういうサポート系はいると便利なもんじゃからな!特に通信系はあって損もないからな!」
自分の肩に来てジャンプするバッタカンドロイドを見てカオスは喜ぶ。
【!皆さん、この付近に2つの反応があります。それもどちらとも一緒にあります】
「ホントか?」
「しかし2つ?気になるね……」
「なら、焦らず一つ一つ探っていこう!」
報告に驚くW(翔太郎)の後にW(フィリップ)は首を傾げる隣でオーズがそう言う。
とりあえずはうろちょろしている集団を倒し、辺りを捜索していると1つのコンテナを覗き込んだオーズが驚きの声をあげる。
「なんだこれ!?ガイアメモリがいっぱいある!?」
「何だって!?」
それにWも同じ様に覗き込むと大量のガイアメモリが放置されていた。
【どれも壊れていますから機能していません。実験で使われて、廃棄された物のようです】
「こんなに色んな記憶の奴があるとはのう……」
「壊れていたのが幸いとも言うべきなのか……僕らの世界の住人に下手に渡らないで済んだと言うべきか……」
報告するアイのを聞きながら同じ様に覗き込んだカオスは驚きの声をあげ、西条は複雑な顔で呻く。
「ゼウスの工程書にもガイアメモリのことが書かれていたからありえそうだね……アイ、反応はどうなんだい?」
【!この中から僅かな反応を感じます。
呟いたW(フィリップ)は報告のに訝しむ。
「1つはもしかすると転送ので紛れ込んだ僕達のメモリかもしれないが、もう1つ、壊れていないガイアメモリがある?」
「この量じゃあ取り出すにも時間がかかりそうだな……」
「なあに、デンデンセンサーでどこらへんの位置にあるか把握すれば短縮できるだろう。とにかく探さないとな」
ぼやいたオーズのにW(翔太郎)はそう言ってデンデンセンサーを取り出そうとした時……
【敵の反応を発見!大きさは人間サイズですが質力が大きく、強力そうな敵です!】
「どうやら悠長に探させてくれない様だね」
「こういう時に限って出て来るか!」
その言葉に誰もが身構えると目の前に何かが降り立つ。
その存在は眼が存在せず、歯を剥き出した口を持った顔で、左手は鉄球状で筋肉が隆起した身体に鉄板が刺さっている怪人であった。
「バイオレンス・ドーパントか!」
「こんな場所で大暴れされたら厄介だ。ホロウ!」
「あいよ!」
【アーイ!セレクト!】
すぐさま怪人について看破するW(翔太郎)の後にW(フィリップ)の指示でホロウはすぐさまステージセレクトを行うと夜の砂漠に変わる。
「おおう、寒いのう」
「夜の砂漠は良く冷えますからね……」
肌寒さに体を抱きしめるカオスに西条も白い息を吐き出しながら呟く。
「んでまぁ、広い場所に戦いの場を移したが……これ、出るよな?」
「出そうだね……相手さんの様子がおかしいし」
呆れた様に言うホロウにウォズも同意してバイオレンス・ドーパントを見る。
「う、うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
体を震わせたバイオレンス・ドーパントが吠えると……その背中から大量のセルメダルが噴き出て来る。
「セルメダル!?」
「皆、注意するんだ!」
「分かっている。この展開からすれば……」
驚くオーズの後に叫ぶ西条にディケイドが呟いている中、大量のセルメダルは大きな塊を2つ作ると2体の怪物に変貌した。
1体は1つの体に8本の頭部を持つ巨大な魔竜、もう1体は全身が骨だけで背中に有機物が混ざったミサイルを背負った骨恐竜。
「オロチモンにスカルグレイモン!?どっちも狂暴なデジモンだ!!と言うか知ってるのよりも大きい!?」
「もう怪獣サイズですよ!?」
「あのよぉ……もう嫌な予感しか感じねえぞ」
「俺も陰念と同じだわ」
【ホロウさんとジュランさんの考えてる通りか分かりませんが……巨大化した怪人達と同じ様にバイオレンス・ドーパントのコアエナジー反応が上昇しております】
その竜達を見て驚きの声をあげるオーズとトリガーの後に嫌な予感を感じているホロウとジュランにアイは凄く申し訳なさそうに報告すると共にバイオレンス・ドーパントは強く輝き……
ーグォォォォォォン!!ー
巨大化し、その姿を大きく変貌させていた。
その見た目は顔は竜の様な顔つきになり、右手も鉄球へと変化し、先っぽに巨大な鉄球が付いた尻尾が生え、全身に鉄釘が刺さった二足歩行の竜であった。
「……恐竜の映画でティラノサウルスと対峙した人の気持ちがわかった気がしますね」
「奇遇じゃな。ワシもじゃ」
「マジで仮面ライダーにウルトラマンが相手する様な存在と対面させるならJか一号のどっちかにして欲しいもんだ」
吠える3体の竜を見ながら顔を青ざめて呟く西条に同じ様に青ざめたカオスが同意する隣でディケイドはぼやくのであった。
次回、第33の章:狂竜進撃
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第33の章:狂竜進撃
「うおおお!?」
振り下ろされる元バイオレンス・ドーパントの右鉄球に全員が慌てて避けてそれにより起きた衝撃に吹き飛ぶ。
「奴の呼称は海東大樹にならうのならバイオレンス・タイラントだろうね」
「今つける必要などないだろうが!!」
吠える元バイオレンス・ドーパント改めバイオレンス・タイラントを見て呟くウォズにゲイツはツッコミを入れる。
その間に今度は尻尾のを振り下ろして叩き潰そうとするのに慌てて走って避ける。
追撃をしようとするバイオレンス・タイラントにティガは大きくなりつつパワータイプとなってバイオレンス・タイラントを掴んでオロチモンへと投げ飛ばし、襲い掛かって来たスカルグレイモンを抑え込む。
「今なら!」
それを見たトリガーはスカイタイプのGUTSハイパーキーを取り出す。
【ウルトラマントリガー!スカイタイプ!!】
その後に変身した状態でGUTSスパークレンスへと装填する。
【ブーストアップ!ランバルト!!】
音声の後にGUTSスパークレンスの銃口を展開してスパークレンスモードへ変える。
「天空を駆ける、高速の光!!」
トリガーは左腕を左腰に添えてから、GUTSスパークレンスを持った右手を胸の位置で右方向にスライドさせてから左腕と交差し、瞬時に右腕を反時計回りに回し……
「ウルトラマン!トリガーっ!!」
右腕を天へ掲げると共に、人差し指でGUTSスパークレンスのトリガーを引くとGUTSスパークレンスから光りが迸り、トリガーを包み込む。
【ウルトラマントリガー!スカイタイプ!!】
光の放流からウルトラマントリガーが現れて、バイオレンス・タイラントを別の方に投げ飛ばしたオロチモンの周りを飛び回る。
「介人!俺達も!」
「ああ、スーパーチェンジ全開!」
ゼンカイジュウギアを折り畳んでギアトリンガーにセットしてハンドルを回してゼンカイザーはトリガーを引く。
【スーパー!ババン!ババン!ババン!ババン!ババババーン!超!ゼンカーイ!】
スーパーゼンカイザーになった後にゼンカイジュランは自分のギアトリンガーにセットしていた自分のセンタイギアを裏返してハンドルを回してからトリガーを引き、スーパーゼンカイザーはゼンカイジュウギアの顔を口が開く様に動かして閉じる。
【ビーッグバーンッ!】
【ビッ・グ・バーンッ!】
「機界変形! ジュランティラノ!」
「巨大化ゼンカーイ!!」
【ゴー! ゴー! ゴゴッゴー! ゼンカイジュゥラン!】
「「全開合体!!」」
【ゼンカイジュラン!ゼンカーイ!!スーパーガッシーン!!】
「怪獣大決戦みたいだよな」
「ホントにそうだね」
世間話しながら変形して合体する。
【ゼンカイオー スーパージュゥラーン!!】
「「完成!スーパーゼンカイオー!ジュラン!!」」
合体完了した後に態勢を立て直したバイオレンス・タイラントと対峙する。
「オロチモンは息にアルコールを含んだ物を出す技がある!それを受けたら酩酊する!」
避難しながらのW(フィリップ)の注意にウルトラマントリガーは頷いた後にオロチモンの8本の頭部の口から放たれる超高圧水流を避けながらサークルアームズ・アローモードで攻撃する。
スーパーゼンカイオーはジュランシールドでバイオレンス・タイラントの口から出す小型鉄球弾を防ぎながらゼンカイミサイルで応戦する。
ティガはスカルグレイモンと組み合いながら時たま来る噛み付きを避ける。
「今の所、スカルグレイモンが背中のあれを使っていないのが不幸中の幸いだね……」
「ん?どういう事だい?」
「スカルグレイモンの背中のミサイルはグラウンド・ゼロって言ってとんでもなくヤバい奴なんだ!」
「より分かり易く言うなら核レベル程の大爆発を起こしかねない危険性を孕んでいるのさ」
スカルグレイモンを見て呟くW(フィリップ)のに気になって聞いた西条はジオウとウォズのにカオスとホロウともども顔を青ざめる。
「た、確かに元の所でそんなのを放たれていたら僕達は即死だった;」
「ほ、ホントにヤバい奴じゃな;」
「別世界の生物マジやばすぎだろ;」
各々に述べてる間にウルトラマントリガーはオロチモンが中央の黒色の頭部に攻撃が当たりそうになった際に銀色の頭部で守っているのに気づき、あれが弱点だと気づき、インナースペース内でケンゴはサークルアームズにGUTSスパークレンスに装填していたGUTSハイパーキーを装填して持ち手のトリガーを引く。
【マキシマムブーストアップ!スカイ!!】
飛んで来る超高圧水流や尻尾の先を鋭い刃にして放つ突きを避けながら狙いを定めてエネルギーを鋭く収束し……
【ランバルト!アローストライク!!】
「ハアッ!!」
サークルアームズから青い閃光の矢を発射する。
慌てて銀色の首で防ごうとするオロチモンだが、閃光の矢は少し火花を散らした後に銀色の首を貫き、黒い頭部に突き刺さる。
ドカァァァァァァン!!!
オロチモンは断末魔を上げながら爆発四散する。
「おわっと!?」
バイオレンス・タイラントと戦っていたスーパーゼンカイオーは振るわれた尻尾攻撃を胸に受け、後ずさった所に左足が埋もれる。
「うお!?これ砂地獄か!?」
「う、動けない!?」
なんとか抜け出そうとするスーパーゼンカイオーにバイオレンス・タイラントは飛び上がると尻尾の鉄球を叩きつけようと前に回転して振り下ろす。
「やば!?」
「合体解除!!」
それに慌てたゼンカイザーが合体を解除して左右に分かれ、スーパーゼンカイオーだったら当たっていた攻撃がスーパーゼンカイザーとゼンカイジュランの間を通り過ぎる。
「2人を援護するぞ!」
【ヒート!トリガー!!】
それを見たWはヒートトリガーになり、遠距離攻撃が出来る面々が一斉攻撃を行い、バイオレンス・タイラントの顔を集中攻撃する。
ーグォォォォォォン!?ー
「今だ!ジュラン!」
「サンキュー介人!」
それに怯んで顔を抑えるバイオレンス・タイラントを前にスーパーゼンカイザーは足を取られていたゼンカイジュランを救い出した後に再び合体する。
「ここでトドメ全開だ!!」
「おう!即行で思いついた必殺技!!」
駆け出し、顔を抑えていたバイオレンス・タイラントへ向けて右腕を叩き込み……
「「ゼンカイオー!!全力爆裂ナックル!!」」
ゼンカイミサイルをゼロ距離で撃ち込んで行き、爆発の勢いで空中へ撃ち上げる、
ーガァァァァァァァァァァ!!?ー
ドカァァァァァァン!!!
断末魔をあげながらバイオレンス・タイラントは爆発四散する。
「ようし後1体!」
「!?我が魔王!あれを!」
それにジオウは喜んだ後にウォズの言葉にスカルグレイモンを見る。
未だに組み合った状態のティガとスカルグレイモンが目に入り、次にそのスカルグレイモンの背にあるグラウンド・ゼロのバーナーが火を噴き出そうとしていた。
「や、ヤバい!放たれようとしてる!?」
それに焦る西条のにティガも気づいて距離を取るとティガカリバーを出現させて手に取り、ティガカリバーの中央のリングを2回回転させると氷の文字が光り輝いた後にトリガーを引いてリングを勢いよく回す。
「ハァァァァァァァァッ!」
そんなティガへ向けてスカルグレイモンはグラウンド・ゼロを放つ。
「タアッ!!」
青く輝くティガカリバーで飛んで来たグラウンド・ゼロの側面をギリギリ斬るとグラウンド・ゼロは斬られた所から全体が凍り付き、砂の上に転がる。
「ようし2人とも!スカルグレイモンを空高く放り投げて!」
「こういう危ないのは被害の少ない場所で処置するに限るな!」
転がったグラウンド・ゼロを持ち上げるスーパーゼンカイオーにティガとウルトラマントリガーは頷いた後に向かって来たスカルグレイモンを拘束し、高く放り投げ……
「ほうら!返却だ!」
そのどてっぱらにスーパーゼンカイオーはグラウンド・ゼロを投げ飛ばし、ティガはデラシウム光流、ウルトラマントリガーはランバルト光弾を放って攻撃し……
ドカァァァァァァァァァァン!!!
大爆発を起こさせる。
より遠くへ飛ばしたが向かって来た衝撃にW達は耐える。
「ふへぇ、これが生のグラウンド・ゼロの威力か……ホントマトモに受けたくないな;」
「同感だね;」
「俺、マジでこの世界にあんな奴らいないで欲しいとおもった」
「ワシもじゃ、小僧がそんな奴等見つけていたら絶対に別の意味で大惨事になりかねん」
唸るゼロワンに西条は心底同意し、お腹を押さえながら願うホロウにカオスはなんとも言えない顔で呟いた。
「やれやれ、これでやっとメモリを探せるな」
「だね」
スカルグレイモンが跡形もないのを確認したW(翔太郎)はそう呟き、W(フィリップ)もふうと息を吐き出すのであった。
その頃の横島
「」Ω\ζ°)チーン
「……また血を噴き出したな」
「んー……正常に働いてるから良いんじゃないかな」
【良くないと思うぞー!?】
一旦目が覚めたけどウヴァの胸と膝のややこさにより再び鼻血を噴き出してウヴァを血塗れ状態にして気絶していた。
再び覚醒した後は忘れる為にニック達にネコ吸いやらたっぷりナデナデしたりなどをしてさらにマスコット達から懐かれて行くのであった。
次回、第11のレポート:吠える虎、ご唱和ください我の名を!
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第11のレポート:吠える虎、ご唱和ください我の名を!
告げられた事に一瞬美神は理解できなかったがすぐさま我に返ってにとりに詰め寄る。
「どういう事よ!?それはどこも壊れてないし、眼魂もあるのよ!?」
「ああ、確かに調べた結果、どこも壊れてもないし正常に使えるさ……
またも告げられた事に戸惑う美神や蛍達に夢美が理由を告げる。
「確かに一見して見れば同じ様に眼魂があれば変身出来ると思っちゃうわ。けど、これ専用に調整された眼魂じゃなければ変身出来ない様に互換性を無くしているのよ。分かる様に電池に例えて言えば、通常の眼魂が単三なんだけど、これは単四に調整された眼魂じゃないと動かないって事」
「そんな……」
製作者は良く考えてるわと困った声で呟く夢美のを聞いて美神は愕然とする。
折角無傷に近い形で手に入れたのが役に立たないと分かってしまったのだ。
横島の負担を減らせると思っていた美神にとってはショックを隠し切れなかった。
「まぁ、ライダーを増やすと言うのは出来るけどね」
「え?」
そう言ったにとりのに美神は呆気に取られていると彼女が取り出したのに目を見開く。
取り出されたのはゴーストドライバーとブランク眼魂だったからだ。
「それは!?」
「ここに飛ばされるまでに作っていた試作のゴーストドライバーさ。眼魂はともかく、ドライバーは1回こっきりだけど変身を解除しなければ問題ない」
問う美神ににとりはそう返す。
ならば!と美神は手に取ろうとしたがにとりはそれを交わす。
「悪いけど美神、あんたを仮面ライダーには出来ない」
「!?どうしてよ!?」
マタドールの同位体達もいる事で焦る美神に夢美が言う。
「出来ない理由は2つ、1つ目はあなたを仮面ライダーにした事でこの世界の歪みがさらに増してしまい、下手すればGSでは倒せない存在を増やす可能性があるから、2つ目は……普通にあなたとあのマタドールとの相性が良くないと思うから、あなたは観察をして知力を尽くして相手の手を封じて力でごり押しするけど、それはホントに対策が出来る時だけ、あのマタドールを相手に、しかも色んな事をしてくる初見とも言える相手に対処できる?」
「…………っ!(ぎりっ!)」
述べられた事に美神は歯がゆくなる。
1つ目はどうして自分が変身したら歪みが増すのか分からないが、2つ目が理解させられてしまう。
事実、今の美神にとってマタドールは純粋な実力勝負では負けてしまう存在だ。
搦め手を挑もうにもそれを打ち砕くテクニックを持っている事もあり、美神には少ない情報だけでは勝てない存在と頭に刻まれている。
「なら俺がなっても良いよな!」
「それなら僕もです!」
「あーうー……うん、2人もマタドールには厳しいから無理だね。雪之丞はパワーがある分スピードが、ピートはトリッキーな戦いが出来そうだけどそれを封じられたら決め手がない」
詰め寄る雪之丞とピートににとりは申し訳なさそうに指摘する。
指摘された事に雪之丞は顔を歪め、ピートは自身の手を悔しそうに握りしめる。
「だ、だったらワッシにやらせてくださいジャー」
それにタイガーが真剣な顔で申し出る。
「お前、流石に厳しいだろ」
「確かに、タイガー君。あなたは戦う事自体そこまで得意じゃないわ。無理をしなくても……」
「確かにワッシは皆さんの様に戦うのは得意じゃないですし、苦手ですジャー……けど、ワッシはもう、皆さんの背を、見ているだけなのは嫌なんですジャー……ここぞと言う時に戦えん辛さはもう嫌なんですジャー!」
苦言する雪之丞と瑠璃に真剣な顔でタイガーは告げる。
「だから、お願いしますにとりしゃん!ワシに、戦う力を!」
「……分かった。それに、私から見ればあんたは私が見て来た戦える人間と同じ様に資質を持っているよ」
頭を下げるタイガーににとりはそう言ってブランク眼魂とゴーストドライバーを差し出す。
受け取ったタイガーは早速ゴーストドライバーを腰に装着するとブランク眼魂が金色の輝きを発し、金色の眼魂へと変わる。
金色の眼魂を見たタイガーは一瞬で理解する。
この眼魂は、自身の内にある力の一端を宿していると……
改めて覚悟を決めたタイガーはその眼魂をセットする。
【アーイ!ガオーン!!】
音声の後に獣の咆哮が迸り、虎を模した金色のパーカーゴーストが荒々しく飛び出す。
「うわった!?」
「ひでぶ!?」
その際に虎型パーカーゴーストは本物の獣の如く飛び回り、当たりそうになったタイガは慌てて避けるが遅れたインペラーは同位体マタドールと共に吹き飛ばされる。
【グワッとミロー!グワッとミロー!】
虎型パーカーゴーストが荒れ狂う様に戦場を駆け巡るのを見ながらタイガーは気合を入れる様にグッと両手を握り締め……
「変身!ですジャー!」
咆哮してゴーストドライバーのレバーを引く。
【カイガン!ドゥン!!】
音声の後にタイガーの姿はトライジェントへと変わり……
【食らいつけ!ビースト!ガ・ブ・ガ・ブ!ゴースト!!】
周囲を荒れ狂う様に飛び回っていた虎型パーカーゴーストは飛び掛かる様にトライジェント体になったタイガーに覆い被さって纏わりつく。
その姿は巨体だったのが身長をそのままに雪之丞達と同じスマートな体系に変わり、額に獣の牙の様な2本角アニマオーナメントが強く主張し、ヴァリアスバイザーには縁に牙が描かれたゴーストのオレ魂な複眼が浮かび上がり、ライダースーツが黄色のゴースト系ライダーへとなる。
「ドゥン……インド神話に登場する聖獣だわ~」
「成程、さしづめ、仮面ライダードゥン・ドゥン魂だね」
聴こえた音声のから呟く冥華のににとりが名付ける。
「ううぅぅぅぅ!!おおおおおおおお!!!!」
力強く吠えた後に姿勢を低くしてタイガー、ドゥンは駆け出すと両腕にカギヅメを装着して同位体マタドールに接近してカギヅメを振るう。
「■■■!!?」
「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
怯む同位体マタドールにドゥンは攻撃をさせまいと連続で両腕に付けたカギヅメで攻撃して行く。
(分かる!これですジャー!これが、ワッシが必死に掴もうとしていた感覚!)
野獣の如く襲い掛かりながらドゥンはエミと協力して扱える様にしようとして掴めなかった力の感覚を感じながら攻撃を素早く避ける。
「は、はえぇ!?」
「まるで獣の様な動き!これがタイガー!?」
「す、凄いわ」
ドゥンの動きに雪之丞は驚き、ピートと愛子は驚嘆する。
「!そうだ紫に紫ちゃん。スキマを使って他の場所にいる人や龍騎さんを呼んで来て!」
「ごめんなさい。さっきオートバジンを出した後、全然スキマを使えないのよ;」
「私も」
ハッとなって言う美神のに八雲紫は顔を顰めて言い、紫も困った顔をする。
「ふん、我々がそのままにしてると思うかね」
「今この空間は隔離されている。転移系の能力はもう使えないようになっている」
それにガラガランダとイカデビルが理由を述べる。
「んじゃあそうなると」
「私達も参戦しますか」
それににとりと夢美がそう言い、金のSLと銀の新幹線を模したのが付いた銃を取り出す。
「「快盗/警察チェンジ!!」」
取り出した銃を回転させて、にとりは銀の新幹線の方を、夢美は金のSLの方を前にする。
【【エックスナイズ!快盗/警察Xチェンジ!!】】
それぞれトリガーを引くと銃口から、にとりはカード、夢美はエンブレムが飛び出して2人が飛び出したのを潜り抜けると銀と金の戦士に変わっていた。
【パトレンエックス!】
【ルパーンエックス!】
「気高く輝く警察官!パトレンエックス!」
「孤高に煌めく快盗!ルパンエックス!」
「ええ!?」
「け、警察官と怪盗ですか!?」
名乗り上げる2人のに蛍とおキヌは驚き、紫とアリスと茨木は興味津々で見ている。
パトレンエックスとルパンエックスは専用武器であるXロッドソードを構えて戦線に加わる。
新たに3人が加わり、これならと美神達は思っているとイカデビルは鼻で笑い……
「甘すぎるわ」
パチンと指を鳴らすと新たにガーディアンとマスカレイド・ドーパントが数十人追加される。
「また増えた!?」
「そ、そんな……」
「貴様達は厄介な存在だ。貴様達の希望をとことん折る為ならばこれ位してやろう」
驚く冥子と蛍へとガラガランダは笑う。
その言葉と共に新たに追加された戦闘員達はブランクソルジャーともども同位体マタドールの相手をしているビルド達へと襲い掛かる。
「うお!?邪魔するな!」
「くそ!」
「うっとおしいな」
「これはちょいと苦労しそうですな」
それによりメンバーは同位体マタドールやブラッドソルジャーのに加えて戦闘員達の攻撃を捌かないといけなくなり、段々と攻撃が当たり始める。
「こ、このままじゃあヤバいですよ!」
「どうすれば……」
「沢山の相手を対処出来る奴がいないときついわよこれ」
焦る咲耶と凛のに向かって来たマスカレイド・ドーパントをどこからともなく取り出した銛でやよいと共に対処していた伊織は渋い顔をする。
「だぞ!だぞだぞ!!」
「うっうー!!」
「とかー!」
「ちー!」
その時だ、ちびきがやよやこあみ、こまみに何かを訴え、3匹は頷く。
「あら?何かする気?」
「おいおい、何する気だ?」
誰もが訝しむ中、やよとこあみ、こまみはハリセンを取り出し……
「うっ!」
「とか!」
「ち!」
バシーン!!×3
ちびきの頭を力強く叩く。
「びえぇぇェェェェェェェェェェん!!!!」
「ちょ!?なにしてんのこんな時に!?」
「ふん、どうやら勝てないと感じて狂ったか」
大声で泣くちびきや叩いたちびき達にガラガランダは嘲笑おうとした時……ちびきの前の地面が黄金の輝きを放つ。
「なっ!?」
「これは!?」
「おお!これは何かが来ますよ!!」
「ちびきの召喚が成功した!」
「まさか、これが呼ぶって事!?」
驚く雪之丞とピートの隣ではしゃぐ春香と千早のに戦いが起こる前に言っていた事を思い出してタマモが驚きの声をあげた時……
(BGM:ゼット、ウルトラフュージョン)
「闇を飲み込め!黄金の嵐!」
声が響き渡る。
「ゼロ師匠!ジード先輩!ベリアル!ダブルさん!エグゼイドさん!ジオウさん!!」
響き渡る声と共に5つの光と1つの闇が飛び出して姿を変える。
それは先ほど美神達が見たゼロの強化形態のウルトラマンゼロビヨンド、ジード、ベリアルの強化形態ベリアルアトロシアスに、Wゴールデンエクストリーム、エグゼイドムテキゲーマー、オーマジオウであった。
【ゼロビヨンド!ジード!ベリアルアトロシアス!ダブルエクストリーム!エグゼイドムテキゲーマー!オーマジオウ!!】
響き渡る音声の後に1人の男とウルトラマンが飛び出して来る。
「ご唱和ください、我の名を!仮面ライダーゼーット!」
「仮面ライダーッ!ゼエエエエエット!!」
そして咆哮と共に男が腰に装着していたベルトの上部分を叩く。
【ライダーアップ!】
【シュッ!】
【ヴアァッ!】
【ヌアァッ!】
【【ハァッ!】】
【ダァッ!】
【ヌゥン!】
それと共に3人のウルトラマンと3人の仮面ライダーは2人に重なり、そして男とウルラマンは1つとなると、黄金の輝きを発する。
【仮面ライダーゼット!デルタライズクロ―トライクロス!!】
黄金の輝きが弾け飛んで現れたのはウルトラマンゼットの強化形態、デルタライズクロ―へ肩と腕にエグゼイドのムテキゲーマーの肩アーマーと腕アーマー、胸は闘士ウルトラマンゼロの装鉄鋼の胸アーマーの中央に黄金のラインが走り、背中にオーマジオウの時計の針型マントが付いたアーマー、腰はオーマジオウの腰の装飾が付いたウルトラ系仮面ライダーであった。
「また新たな仮面ライダーが!!」
「ハルキさん!ゼット!」
「うわぁ、あのやかましコンビも来てたのかよ」
「どうやらまだ来る様だぞ」
着地した戦士、ゼットに美神とジードは声をあげ、グロッケンが呆れる中、ヴィラニアスがそう指摘するとゼットに続く様に2体の影が飛び出し……
ーグオォォォォォォォン!!-
同時に雄叫びを上げる。
それは人間サイズだが濃赤色の鱗と外殻、頭部から背中にかけて逆巻く炎を想わせる独特な形状の蒼い突起が立ち並ぶ背部、そして全長の半分近くを占める程に極めて長く巨大に発達した蒼い尻尾が刃の様に鋭さを持った肉食恐竜と紫色の鱗にリーゼントの様に伸びた角にボクサーの様な腕におおきく発達した前脚の二足歩行の恐竜であった。
「うお、一緒に来たでごぜぇますか!?」
「けど、頼りになるッス!頼むッスよ!ディノバルド!ブラキディオス!」
その咆哮に驚きの声を漏らすゼット(Z)の後にゼット(ハルキ)は頼もし気に声をかけると2頭はこくんと頷く。
「皆~お待たせ~」
「あら~」こたぷーん
そんな所に龍騎が戻って来る。
「プロデューサーさん!」
「いや、あの頼もしいんだけど……なにこの状況;」
【是非もないね!】
喜びの声をあげる春香の隣で瑠璃は色々と起きた状況に思わずそう呟き、ノッブも思わずそう続くのであった。
仮面ライダードゥン ドゥン魂
外見:トラを模した金色のパーカーゴーストを身に纏った額に獣の牙の様な2本角アニマオーナメントが強く主張し、顔のマスクは縁に牙が描かれたゴーストオレ魂な感じのライダースーツが黄色のゴースト系ライダー
概要
タイガー寅吉がゴーストドライバーとドゥン眼魂を使って変身した姿。
自分の中に秘められた力により獣の如く動き回る事が出来る。
また、両手に装着したカギヅメは両足に装着させる事も出来る。
必殺技はレバーを1回引く事で発動する両手に装着した爪を巨大化させて相手を切り裂く『ドゥンオメガドライブクロ―』と2回引く事で発動する両足に装着した爪で相手を回し蹴りの要領で切り裂く『ドゥンオメガドライブネイル』
【食らいつけ!ビースト!ガ・ブ・ガ・ブ!ゴースト!!】
次回、第34の章:救出、機界戦隊
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第34の章:救出、機界戦隊
「翔太郎さん。メモリまであとどれ位ですか?」
「あともうちょいだ。そのまま進めてくれ」
ゼロワン達と共にガイアメモリを退かしながら確認するオーズにW(翔太郎)はデンデンセンサーで見ながら返す。
「おーい」
「横島、もう大丈夫なのか?」
そこにウヴァとディエンドと共にウィスプが来て、ホロウが問う。
「お、おう、大丈夫だぜー」
「あ、ああ……そうか……」
少し震え気味に返すウィスプにホロウは気になったが深く聞かないでおいた。
メモリをかき分けていた組の中でゼンカイザーが声を上げる。
「あ、もしかしてこれじゃない?」
ゼンカイザーがメモリをかき分けてそれを手に取る。
その手にある黄色のガイアメモリを見てW(フィリップ)は肯定する。
「ああ、ルナメモリで間違いない」
「ふぅー-っ、これでようやく6つ揃ったぜ!」
差し出されて受け取った黄色のガイアメモリ、ルナメモリを見てW(翔太郎)は安堵の息を吐き出す。
「ん?これは、壊れてないな」
それを見ていたゼロワンはふと、ゼンカイザーがかき分けたメモリの1つを手に取る。
【あ、これです。これがルナメモリと共にあった反応のです】
「或人君。それを見せてくれないかい?」
そんなゼロワンの手にあるのを見て言うアイの後に西条がお願いする。
言われた通りにゼロワンはメンバーに見える様に手に持ったのを見せる。
それはガイアディスプレイに光り輝く鳥の羽で出来たJが刻まれた白みがかった水色のガイアメモリであった。
「なんだこのメモリ?」
「!?これは、まさかこのメモリまで作り上げていたとは……」
訝しむW(翔太郎)だが、W(フィリップ)は驚いた様子でそのメモリを見る。
「フィリップさん。そのメモリがなんなのか分かるんっスか?」
「ああ、これはジャスティスメモリ、正義の記憶を内包したメモリだ」
「正義の記憶か、これがここにあるのは使えないからなのかな?」
聞いたウィスプにW(フィリップ)は答え、ジオウは呟く。
それをW(フィリップ)は首を横に振る。
「いや、これは誰でも使える。故に
「なんだって?」
「なんで?普通、正義なら悪い奴には使えないでしょ?」
「!?そう言う事か、確かにそれは作るのは阻まれるな」
ゼンカイジュランとゼンカイザーが疑問を感じると西条が渋い顔をして言う。
「え?西条さん。どうして作るのは阻まれるんですか?正義なんだから悪い奴に使えないでしょう?」
「逆じゃ横島。悪い奴だからこそ手に渡ったらいかん代物じゃこのメモリは……どうやらゼウスはその価値に気づかんと放置したか、あるいはアイダ博士が危険性に気づかせて壊れた物の中に紛れ込ませた可能性があるのう」
不思議そうに聞くウィスプにカオスはジャスティスメモリを見てそう述べる。
「横島、正義の定義は君には分かるかい?」
「て、定義ッスか?そう言われると……」
いきなり問われた事にウィスプは口籠る。
それは他のメンバーも同じで困った様に唸る。
普通ならば正義の意味は倫理、合理性、法律、自然法、宗教、公正などに基づく道徳的な正しさに関する概念であるがW(フィリップ)のなぜそう問うか分からない面々にW(フィリップ)は言う。
「正義の定義と言うのは、はっきり定まっていない。特に個人の正義の考えた方は千差万別だ。それ故にジャスティスメモリは持ち主によって変化する」
「え?変化するって?」
「文字通りだと思うよ横島君。使用者の正義の持ち方で発揮する力が異なる……それが悪人でもね」
疑問を浮かべたウィスプは西条の言葉に驚く。
「ええ!?ちょ、待ってくださいよ西条さん!なんで悪人が正義の記憶の内包したメモリを使えるんですか!?」
「
慌てて詰め寄ったウィスプは西条の口から出た言葉に驚く。
「そ、そんな、矛盾してますよそれ!?」
「ああ、言葉で言えば矛盾だ。だけど横島君。善と悪とは言葉では収まりきらない程の物だ。だからこそジャスティスメモリは作られてはならない存在だったんだね」
「その通りだ西条。ジャスティスメモリは先ほども言った様にその者が持つ正義によって発揮する力は異なるんだ。純粋に力を増幅するのもあれば憎む存在への特攻や無力化など、故にガイアメモリを最初に作ったミュージアムはジャスティスメモリの脅威を理解し、作らなかった」
「確かにそりゃあ、厄介で済ませて良いもんじゃないな」
思わず叫ぶウィスプに西条は苦い顔で言い、W(フィリップ)のにW(翔太郎)はため息を吐く。
下手すれば自分達の天敵が生まれかねない危険性を孕んでいるのだ。
作ろうなど思わないだろう。
「ちなみにここにロストドライバーはあるけど、使ってみるかい?」
「お前、便利屋な感じになってないか?」
そう言ってW(翔太郎)が使っていたロストドライバーとは別のロストドライバーを見せるディエンドにディケイドは呆れる。
「……ならば僕に使わせて欲しい。僕としては見ている状態から脱せられてありがたいしね」
「……確かにこの状況は人手が多い方が良いしね。ただし西条、この島の事件が終わったらメモリは破壊させて貰うよ。それはあり続けるのは危険しかない」
そう名乗り上げる西条にW(フィリップ)は暫し思案してそう言う。
頷いた西条はロストドライバーを受け取って装着し、ゼロワンから渡されたジャスティスメモリを起動する。
【ジャスティス!】
「変……身!!」
気合を入れて西条はジャスティスメモリを装填する。
【ジャスティス!!】
音声の後に西条の姿は肩と胸が電王ソードフォームの赤い部分を白みがかった水色に変更した肩アーマーと胸アーマー、腕と足が仮面ライダージョーカーの黒い部分を白みがかった水色に変え、紫の部分をメタリックシルバーに変更し、顔は緑色の部分が白みがかった水色になり、複眼が黄緑色になってアンテナ部分がJとなった仮面ライダーJへと変わる。
「ほい、鏡」
「これがジャスティスメモリを使った姿……」
「仮面ライダージャスティスって所だな」
ゼンカイジュランの出した手鏡で映った自分の姿を見て呟く西条にW(翔太郎)がそう言う。
「これで僕も戦える。皆、宜しく頼むよ」
「はい!改めて宜しくだな西条さん」
ああと頷いた後に西条、ジャスティスは大量廃棄されたガイアメモリを見る。
「しかし、ガイアメモリが大量に廃棄されていると言うのが気になるな……」
「ゼウスの工程書にも項目があったな……」
「こうなると、タブー・ドーパントも復活しているか、もしくはその力を持って怪人となった者がいるのを仮定すると……」
「ガイアメモリの工程は完了したと見るべきだろうな」
「ええ!?じゃあ先を急がないと!」
【あ”あ”!?】
ジャスティスやW(翔太郎)の後に考察するW(フィリップ)のにディケイドがそう言い、ゼンカイザーが焦るとセッちゃんが突如叫ぶ。
「おわ!?いきなり叫んでどうしたの?」
【介人!ジュラン!ガオーン達の反応がこの近くにあるっチュン!】
「それホント!?」
「どっちにいるんだ!?」
あっちチュン!と上の通路を見て方向を示したセッちゃんのにアイはすぐさまその方向に何かあるかを言う。
【あちらは廃棄物を焼却するコンベアルームですね。先ほどのでセキュリティレベルが下がった事で行けます】
「それって、ヤバい可能性あるんじゃ!?」
「確かに、急いで向かうぞ!!」
報告に誰もが慌てて上の通路に各々の方法で昇り、戦闘員を倒しながらコンベアルームへと突入する。
足を踏み入れると声が響き渡る
「助けてぇぇぇぇぇ!!!」
「介人ぉぉぉ!ジュランンンン!!」
「お助けぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「今の声!」
「ああ、ガオーン達だ!」
声のした方を見ると縛られてコンベアに乗せられているガオーン、マジーヌ、ブルーンの姿を視認する。
「ガオーン!ブルーン!!」
「無事かマジーヌ!!」
「!?介人!」
「おお!ジュランも!」
「或人さんも無事だったスね!」
声をかける2人にガオーン達は嬉しそうに言う。
「早く助けないと落ちちゃうよ!」
「よし!急いで助けよう!僕はコンベアを止めにスイッチを探しに行くよ」
「なら俺も!」
「俺達は3人を助けよう!」
「おう!」
「それじゃあ俺も!」
ジオウのにジャスティスはすぐにそう言って走ってウィスプもマスコット達に動かない様に指示してから追い、ゼンカイザーとジュラン、オーズはコンベアの方へと走る。
「頼む!俺は援護するぜ!他の皆も西条さんや横島と一緒に探してくれ!」
【ルナ!トリガー!】
そう言ってWは早速取り戻したルナメモリをトリガーメモリと取り出してダブルドライバーにセットして展開する。
【ルナ!トリガー!!】
音声の後に姿を変幻自在の銃弾を放つルナトリガーへと変わり、トリガーマグナムを握る。
「流石にここで大人数は動きづらい。ここで状況を見て手を出すぞ」
「分かった!」
「シュ!」
「ラジャー!」
「了解!」
ディケイドの言葉にクウガとティガ、トリガー、ゼロワンは頷く。
「邪魔だ!!」
立ち塞がる戦闘員をジャスティスが鍔の左側が銃身になっており、反対側にマキシマムスロットが付いた両刃の銃兼用の西洋剣『ジャスティスソード』で切り裂いていく。
「す、すげぇ西条さん」
【成程、確かに純粋な戦闘力を上げている……】
疾風怒濤の攻めにウィスプは驚嘆し、心眼は純粋な戦闘力を上げている事を分析する中、ジャスティス、西条は仮面の中で顔を顰めていた。
(成程、ジャスティスメモリが作られなかったのは
先程から自身の頭の中で声が響くのだ。
自分の正義を貫け、自身の正義を邪魔する者は倒せと……
(ジャスティスメモリは正義、使用者の正義が揺らがない様に誘導する作用、いや自身が正しいという意識を持ち続けてしまう副作用があるようだな……)
ホントに危ういなと感じながら西条は必死に耐えながらジャスティスソードを振るう。
暫く戦闘員を倒して進んでいると装置を見つける。
「あ、あれがそうなんじゃないですか西条さん!」
「ああ!早く止めよう!!」
指さすウィスプにジャスティスは返事をして接近し、緊急停止のボタンを見つける。
すぐさまジャスティスは装置のボタンを叩き押す。
それによりコンベアは停止し、ガオーン達は安堵の息を吐く。
「!コンベアが止まった!」
「今がチャンスだ!」
「おお!救出全開!!」
それにオーズ達はすぐさまガオーン達の元へと急ぐ。
そんな3人へと複数の光弾が迫る。
「!?あぶねぇ!」
「ふっ!」
「ハッ!」
それにW達はすぐさま撃ち落として行く。
が、撃ち落としを逃れた1発がコンベアに着弾する。
「おわっ!?」
「!ブルーン!!?」
それにより起きた振動でコンベアの最終地点近くにいたブルーンは落ちかけてしまい、オーズが慌てて右足を掴む。
宙ぶらりんとなったブルーンをオーズは離さない様に力を強める。
「は、放してください!このままではあなたまで!」
「ダメだ!君が何を言おうと、俺は絶対に離さない!!」
危ないと叫ぶブルーンにオーズは拒否する。
「ブルーン!」
「今助けるぞ!!」
ガオーンとマジーヌを安全な場所に運んだゼンカイザーとゼンカイジュランは急いで助けようと走るが再び光弾がコンベアに着弾する。
「!?うわぁぁぁぁぁぁ!?」
それにより再び起きた振動でオーズとブルーンは落ちてしまう。
「映司さん!!」
「ブルーン!?」
落ちる2人にゼンカイザーとゼンカイジュランは叫ぶ。
仮面ライダージャスティス
外見:肩と胸が電王ソードフォームの赤い部分を白みがかった水色に変更し、腕と足が仮面ライダージョーカーの黒い部分を白みがかった水色に変え、紫の部分をメタリックシルバーに変更し、顔は緑色の部分が白みがかった水色になり、複眼が黄緑色になってアンテナ部分がJとなった仮面ライダーJ
概要
西条輝彦がジャスティスメモリとロストドライバーを使って変身した姿。
彼自身の正義心でその強さを跳ね上げるが正義心を一辺倒にさせて暴走する危険性がある。
彼自身の特徴と霊剣ジャスティスを元に作り上げた鍔の左側が銃身になっており、反対側にマキシマムスロットが付いた両刃の銃兼用の西洋剣『ジャスティスソード』を武器にしている。
必殺技はジャスティスメモリを装填し、持ち手の所にあるトリガーを1回引く事で刃にエネルギーを纏わせて切り裂く『ジャスティスラッシュ』、マキシマムドライブを発動した後に再度トリガーを引く事で強力なエネルギー弾を放つ『ジャスティスシュート』、ベルトのマキシマムスロットに装填して飛び上がり、放つ両足蹴り『ライダーキック』
ジャスティスメモリ
外見:ガイアディスプレイに光り輝く鳥の羽で出来たJが刻まれた白みがかった水色のガイアメモリ
概要
正義の記憶が内包したメモリ。
端子の色が翔太郎達の持つ次世代型ガイアメモリのボディメモリと同じ金色だがその特徴はT2メモリと同じ。
これ1つだけでは特に効果はないが使用者を得る事で真価を発揮する。
その真価は使用者の正義によってそれに沿った力を与えるのだ。
例えば悪を許さないならば強い身体能力を与え、神に対するならば神封じに神殺しの概念を与える感じだ。
毒素はないのだが、使用者の正義感を暴走させてしまう他、使用者が正義だと感じていればそれを正義としてのめり込んでしまう危険性を孕んでいる。
次回、第35の章:6人揃ってゼンカーイ!
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第35の章:6人揃ってゼンカーイ!
落ちて行くオーズとブルーンに誰もがあっと叫ぶ。
「翔太郎!」
「ダメだ!この距離じゃあ間に合わねえ!!」
ジョーカーへ変える様に言うW(フィリップ)だが、W(翔太郎)は顔を歪める。
誰もが落ちて行く2人を見ているしかないと思った時、2人を赤い風が包み込み、そのまま2人を運ぶ。
「あれって!?」
【あ、あれは天装戦隊ゴセイジャーの天装術チュン!】
その風にゼンカイザーとセッちゃんが反応した後に運ばれていたガオーンとマジーヌの前まで来ると風は消える。
「わ、私達助かったのですか?」
「今の風は一体……?」
戸惑う2人の元にW達は駆け寄り、3人の体に巻き付いていた鎖をディケイドとジャスティス、トリガーが斬る。
「ありがとう!」
「助かったっス!」
「しかし、さっき私と彼を助けてくれた風は一体……?」
「確かに、誰が天装術を?」
礼を述べるガオーンとマジーヌの後にブルーンは先ほど自分とオーズを助けた風に首を傾げ、ゼンカイザーも疑問に思っていると……
「全く、間一髪過ぎにも程があるぜ」
愚痴りの言葉と共にメンバーの前に1人の人物が降り立つ。
その人物は、全身が赤一色となったゼンカイザーであった。
「赤い、ゼンカイザー?」
「あれ!?なんか前にニンジンワルドのビームを受けて色が変わった介人に似てない!?」
「と言うか誰ですか!?」
「え?知らないの?」
「初見っス!」
戸惑う面々を後目にゼンカイザーはああ!?と声を上げる。
「ゼンカイレッド!?なんで!?確かあれは夢だったのに!?え、もしかしてこれも夢なの!?」
「落ち着け、ちゃんと現実だ。事情は……こいつを倒してからだ!」
混乱するゼンカイザーにそう言ってゼンカイレッドは振り向き様に手に持ったギアトリンガーで自分達を襲撃しようとした存在を攻撃する。
「ぎゃあ!?」
右腕を抑えるその存在は見た目は女性だが芋虫のような下半身であった。
「タブー・ドーパント!」
「さっきの光弾は奴の仕業か!」
「ぐぎぎ!良くも私の腕を!あと一歩の所を邪魔して!」
憎々し気にゼンカイレッドを睨むタブー・ドーパントにガオーン、マジーヌ、ブルーンは前に出る。
「良くも危ない目に合わせてくれたっスね!」
「ホントに怖かったんだからね!」
「この怒り!ブルンブルンに返しますよ!!」
「うっし、そんじゃあ行きますか介人!」
「ようし!一緒に戦おう!ゼンカイレッド!」
「ああ、あの時の様にやるぞ!」
やる気満々の3人にゼンカイザー、ゼンカイジュラン、ゼンカイレッドも並び立つ。
「ようし!名刺代わりの名シーンを宜しく!」
「え?」
そんなメンバーへと発破をかけるゼロワンのにウィスプが呆気に取られてる間にガオーン、マジーヌ、ブルーンはギアトリンガーにセンタイギアをセットし……
「「「チェンジ全開!!」」
レバーを回す。
【25バーン!】
【29バーン!】
【30バーン!】
【~~♪ババン!~~♪ババン!】
最初にガオーン、次にマジーヌとブルーンが流れる音楽に合わせて回転してからトリガーを引く。
【ババン!ババン!ババン!ババン!ババババーン!】
【ゼンカイガオーン!!/ゼンカイマージーヌゥ!!/ゼンカイブッルゥーン!!】
飛び出した歯車型エネルギーが3人を包み、ガオーンはライオンを模した追加アーマーを纏ったゼンカイガオーン、マジーヌは魔法使いを模した追加アーマーを纏ったゼンカイマジーヌ、ブルーンはダンブカーを模した追加アーマーを纏ったゼンカイブルーンに変身する。
【アーイ!セレクト!!】
それを見てホロウがステージチェンジし、広い平原へと変える。
「それじゃあ皆行くよ!」
「「「「おお!」」」」
「ああ!」
ゼンカイザーの号令と共にそれぞれ名乗り上げる。
「秘密のパワー!ゼンカイザー!」
「恐竜パワー!ゼンカイジュラン!」
「百獣パワー!ゼンカイガオーン!」
「魔法パワー!ゼンカイマジーヌ!」
「轟轟パワー!ゼンカイブルーン!」
「レッドのパワー!ゼンカイレッド!」
「6人揃って!」
「「「「「「機界戦隊!ゼンカイジャー!」」」」」」
ポーズを取った直後、タブー・ドーパントの放って来た光弾を慌てて避ける。
「ちょっと!?人がポーズを決めた所で不意打ちなんてひどくない!?」
「そうっス!お約束破りッス!」
「うっさい!貴様等の様な下等な奴等のなど知るか!!」
怒るゼンカイガオーンとゼンカイマジーヌに怒鳴り返して光弾を放つタブー・ドーパントに各々に避ける。
「ふぉぉぉぉぉぉ!?なんで急に!?」
「黙ってろ」
ちなみに少し離れた場所でウヴァがウィスプを胸で顔の両サイドを挟んでいた。
「ふう、ちょいと強引じゃが小僧の注意を別に向けれたのう」
「ええ、あのタブー・ドーパント、中身は月神族ですね」
「先ほどのもウィスプを狙おうとしていたみたいだからね……ここはゼンカイジャーに任せよう」
「それは良いんだけどよぉ……あれで良いのか耳塞ぎ?」
「彼に聞かせないと言う意味ではこの方が良いからね☆」
「海東……お前、おちょくってるのもあるだろう」
汗を拭うカオスにジャスティスも息を吐き出してなんとも言えない声で言い、相方のにW(翔太郎)はなんとも言えない声で聞き、ウヴァにやるように言ったディエンドにディケイドは呆れる。
(BGM:全力全開!ゼンカイジャー)
その間もゼンカイジャーはタブー・ドーパントの攻撃を走って避ける中でゼンカイブルーンが飛び出す。
「先ほどのお返しですよ!!」
そう言って上半身を分離させて飛び上がり、まさかの上半身を分離させた事に驚くタブー・ドーパントに高速回転しながら自分の武器のツルハシ、ブルーンピッカーを叩きつける。
「があ!?」
「ぬぬぬマジーヌ!!」
それにより地面へと叩きつけられ、走って来たゼンカイブルーンの下半身にサッカーの様に蹴られて転がったタブー・ドーパントにゼンカイマジーヌが呪文を唱えながら手に持った杖、マジーヌスティックを突き出すと草原の草が伸びてタブー・ドーパントを拘束する。
「ガオーン!」
「とおりゃあ!」
「はあ!」
そこゼンカイガオーンが左腕に装備した鉤爪、ガオーンクローで切り裂き、続けざまにゼンカイジュランのジュランソードとゼンカイレッドの手に持ったギアトリンガーから出た炎の剣が切り裂く。
「あれ?オタクのギアトリンガー、すげぇメタリックな感じだな?」
「ああ、これは俺専用のギアファイガーだ。イカすだろ?」
斬ってからゼンカイレッドの持ってるのが自分達が持つのよりメタリックレッドカラーなギアトリンガーなのに気づいて問うゼンカイジュランにゼンカイレッドはそう返す。
「ようしこいつで行くぞ!」
そう言ってゼンカイザーはセンタイギアを取り出してギアトリンガーにセットし、ハンドルを回してトリガーを引く。
【37バーン!ババン!ババン!ババン!ババン!ババババーン!キョーリュウジャー!】
飛び出した光弾はキョウリュウジャーに変わるとガブリボルバーに獣電池をセットしてトリガーを引く。
【ガブリンチョ!アーケノロン!ノッローン!】
放たれた銃弾は獣電池に描かれたエンブレムに変わるとその中にいたタブー・ドーパントは地面に押し付けられる。
「ぐお!?体が!?」
「おお!前と違う効果!」
「おい、ちゃんと見ろ」
効果に驚いていたゼンカイザーは来たディケイドに促された事にちゃんと見ると……
「ちょっと介人!?」
「俺等も巻き込まれてるんですけど!?」
「お、重いっス」
「ぜ、全然動けません……!」
「ちゃんと効果把握しろ!!」
タブー・ドーパントと同様に地面に押し付けられた状態のゼンカイジュラン達の姿があった。
「あれ!?」
「まぁ、ガーディアン獣電竜のアーケノロンの重力操作による鈍足効果は敵味方選ばないからね……」
「とにかく助けるぞ!士!手伝ってくれ!」
驚きの声をあげるゼンカイザーの後に同じ様に来たW(フィリップ)が呆れながら出た効果について解説し、W(翔太郎)はそう言いながらトリガーメモリを抜いてジョーカーメモリを取り出す。
【ジョーカー!】
「なら重力にはこれが一番だな」
それを見てディケイドは選んだカードをセットする。
【フォームライド!ウィザード・ランドドラゴン!】
【ルナ!ジョーカー!!】
【ランド!ドラゴン!ダンデンドンズドゴン!ダンデンドゴン!!】
音声と共にWはルナジョーカーに、ディケイドはウィザードのフォームで黄色の強化形態、ランドドラゴンの姿のディケイドウィザードランドドラゴンへと変わる。
【アタックライド!グラビティ!!】
【チョーイイネ!グラビティ!サイコー!!】
【ジョーカー!マキシマムドライブ!!】
その後にカードをセットして手を翳すと大きな黄色の魔法陣が現れ、Wは体が半分ずつに割れた後、右側が5体に分身し……
「「ジョーカーレスキュー!!」」
伸ばした右手が黄色の魔法陣を通り抜けて、動けなくなっていたゼンカイジュラン達を引っ張り上げて救助する。
「もー!介人ちゃんと考えて欲しいっス!!」
「ホントだよ!苦しかったんだからね!」
「ごめん!!」
「とにかく決めるなら今がチャンスだ!」
怒るゼンカイマジーヌとゼンカイガオーンに謝るゼンカイザーへとゼンカイレッドはそう言う。
「ようしゼンリョクゼンカイキャノンで行くよ皆!」
「「「「おう!!」」」」
そう言ってゼンカイザーはバイラス・ドーパント変異体の時に使用した大型の銃、ゼンリョクゼンカイキャノンを取り出して、ゼンカイジュラン、ゼンカイガオーン、ゼンカイマジーヌ、ゼンカイブルーンの4人がゼンカイザーを支え、ゼンカイザーは上面にある複合ダイヤル機構を、ゼンカイレッドはギアファイガーのレバーを勢い良く回す。
【燃やせ!スーパー戦隊パワー!】
【ヒーロー!スーパーゼンカイタイム!!】
その音声の後にゼンリョクゼンカイキャノンの銃身の側面の沢山の横顔が付いたディスプレイが輝きだし、ギアファイガーは銃口にエネルギーを収束して行く。
【~♪ゼンカイ!~♪ゼンカイ!~♪ゼンカイ!~♪ゼンカイ!】
【~♪ゴッゴー!~♪バンバン!】
お互いにエネルギーの輝きが強くなり、頭上に巨大なゼンカイジャーのロゴを形成される。
「ゼンリョクゼンカイ!フィナーレバスター!!」
「ゼンカイ!フィニッシュファイヤー!!」
タブー・ドーパントが起き上がった所で2人は同時にトリガーを引く。
【ダイゼンカイ!!】
【ダイ・ダイ・ダイゼンカイ!】
ゼンリョクゼンカイキャノンとギアファイガーから銃弾が放たれると共にゼンリョクゼンカイキャノンの強烈な衝撃にゼンカイザー達は浮かび上がり、ゼンカイブルーンが踏ん張る。
【ババババーン!ドドドドーン!】
その間にゼンカイザーの放った45発の銃弾は複数の顔となった後に……巨大なゼンカイザーの顔に変わってギアファイガーの赤いビームがタブー・ドーパントに炸裂すると同時にゼンカイジャーのロゴが直撃する。
「こ、こんなふざけた技に高貴なわたしが!?おのれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
ドカァァァァァァァン!!!
タブー・ドーパントは怨嗟の叫びをあげながら爆発四散する。
「勝利全開!オールオッケー!!」
「初陣はこれにて終了だな」
勝鬨を上げるゼンカイザーにゼンカイレッドはギアファイガーを回転させて締め括る。
「やったな介人!赤い人!」
「うん!忠夫は大丈夫だった?」
元のコンベアルームに戻ってから声をかけるウィスプにゼンカイザーは聞く。
「う、うん、ダイジョウブダヨ~」
【別の意味で大丈夫ではないがな;】
「?」
湯気を出すウィスプとぼやいた心眼にゼンカイザーは首を傾げたがまあいっかとゼンカイレッドへと顔を向ける。
「ありがとうゼンカイレッド!それにしても、どうして君がここに?」
「そうだな。まぁ、理由を話すのはここで話すよりも涼しい場所の方が良いだろ」
「あ、それ賛成!ホント熱かったからね……」
「確かにそうッスね……」
「しかもお腹が空いて、ペコペコですね……」
問うゼンカイザーへと返したゼンカイレッドにゼンカイガオーンとゼンカイマジーヌは賛成し、ゼンカイブルーンはお腹部分を押さえてぼやく。
【んじゃあ情報交換ついでにお食事するっチュン】
「そうだな。んじゃあここを出ようぜ」
賛成と誰もがコンベアルームを後にする。
誰もいなくなったコンベアルーム。
そこに邪眼の幻影が現れる。
ー倒した様だが、良い気になるでないぞー
その言葉と共にコンベアルームの一角に光りが集まって行く。
ーさあ、蘇れ、我が下僕よ。復讐は終わってないのだからなー
その言葉と共に現れた者は産声を上げる。
次回、第36の章:凍り付いた砂漠
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第36の章:凍り付いた砂漠
「「ご馳走様でした~/ッス~」」
「いやぁ、まさかここであのドラえもんさんの道具を生で見る事が出来るとは!私の好奇心がブルンブルンですよ!」
お腹いっぱい食べて満足そうにしている3人にオヤツを食べていた横島は個性豊かだなと思った。
「それでゼンカイレッド。どうして君は現実に存在するの?俺の夢の中のだったよね?」
「分かってる。その疑問についてだが、俺はドリームトピアから来たんだ」
一息ついたので早速変身を解除していたゼンカイレッドに介人は質問するとそう返される。
「ドリームトピア?それはどういう世界なんだい?」
「ドリームトピアは人が寝てる際に見る夢の中で生まれた存在が流れ着く世界だ。俺はそこで過ごしていた……」
西条の問いにゼンカイレッドは簡単に説明してから語りだす。
☆
ただの住人として過ごしていたゼンカイレッドはいつも通りにドリームトピアを放浪の旅をしていた。
ドリームトピアは様々な人の夢により色んな場所や空間、建物が誕生して行く特殊なトピアで普通の時空移動では辿り着けない特殊なトピアでもあった。
それによりゼンカイレッドは無限に広がる世界を修行の良い所だと感じながら修行以外に何もないいつも通りの日常過ごしていた時……
「君が、介人の夢から生まれたゼンカイレッドだね」
「!?」
後ろからの声にゼンカイレッドは振り返る。
そこにいたのは1人の女性であった。
青髪と青い瞳に頭には腰辺りまで長い赤いナイトキャップを被っており、肩出しのストールをボンボンが付いた裾の縁が黒くなっている白のワンピースを着ていて、牛のようなシッポが出ている。
「貴様、何者だ?ドリームトピアの者ではないな」
女性を見たゼンカイレッドは重ねて来た特訓の成果で対峙している女性がこの世界に流れ着いた存在ではないと感じ取っていた。
「ああ、僕は誰かの夢の中で生まれた存在じゃない。それ処か、逆の存在さ」
「逆だと?」
出てきた言葉にゼンカイレッドは驚いていると……
「あのね時間がないんでしょ?まどろっこしい事しないの」
突如飄々としていた顔が一転して呆れ顔でそう言う。
突然の変化にゼンカイレッドが呆気に取られてる間も目の前の女性は1人芝居をするようにコロコロ変わる。
「つれないねぇドレミ―。あんたのお気に入りさんの五色田介人が厄介事に巻き込まれたから援軍を連れて来たいで準備してる彼らとは別にすぐに連れていける彼を派遣する為の協力で体を貸してるんだからね!それには感謝してるさ、この世界を作った僕でさえ普通には入れないからね。だったら早く用件を言う!はいはい分かりましたよ」
「!?介人に何かあったのか?」
会話の中にあったのに問うゼンカイレッドに女性は飄々とした顔を取る。
「ああ、僕が関わっていない世界に偶然迷い込んじゃってね。その世界、凄く不安定な世界でね。そこで馬鹿な事をした奴等がいて、下手すれば他の世界に悪い影響が出てしまう恐れがあるんだ。その為に援軍として君を介人の元に向かって欲しいから話に来たんだ」
「向かえと言うが、ドリームトピアを出れば自分の存在が消えてしまうのにどうやって?」
簡単に言う女性にゼンカイレッドは戸惑う。
ドリームトピアに流れ着いた者は別の世界に行こうとすればゼンカイレッドが言った様に忽ち存在できずに四散して消えてしまう。
消えた存在が再びドリームトピア内に現れる為にはその存在が現れる夢を誰かが見ない限り起こらない。
だからこそドリームトピアに流れ着いた存在は世界の外に出ると言う下手な行動をせずに各々の自由に過ごしている。
「ああ、だからこそできる様に用意したんだよ」
そう言って女性は懐を探るとある物を取り出す。
それはメタリックレッドカラーのギアトリンガーに縁が普通のセンタイギアと同じゼンカイレッドギアであった。
「これは!?」
「君専用に作り上げたギアファイガーとセンタイギアだ。私の知り合いのカッパや科学者に作って貰って今憑依してくれちゃっている奴が1回変身すればドリームトピアから出てから変身を解除しても大丈夫な様に施しているわ。それで君はどうする?」
問われたゼンカイレッドはギアファイガーとセンタイギアを見た後に決意を決めた顔で受け取ってセンタイギアをギアファイガーにセットし……
「チェンジ全開!!」
気合の声と共にレバーを回す。
【45バーン!】
【~~♪ババン!~~♪ババン!~~♪ババン!】
待機音声が鳴り響き、ゼンカイレッドはトリガーを引く。
【ババン!ババン!ババン!ババン!ババババーン!】
【ゼンカイレッド!!】
そしてその姿をスーパー戦隊としてのゼンカイレッドへと変える。
変身完了した事で自分の手を見てから女性へ顔を向ける。
「夢を現実にする!介人やジュラン達と共に!俺も世界を守る為に戦う!」
「その意気だ」
その言葉の後に黄金のオーラを放つ四角形の扉が現れる。
「この扉を通れば介人のいる場所に行ける。頼んだわよゼンカイレッド」
「ああ!」
激励を受けてゼンカイレッドは飛び込んだ。
☆
「……と言う訳で俺はこの世界に辿り着き、さっきそこの映司とブルーンをゴセイジャーギアを使って助け出した訳だ」
「そうだったんだ……神様も関わってたんだな……」
「ほへぇ~介人も神様と知人なんやな~」
語り終えたゼンカイレッドに介人はしみじみと呟き、横島は感心する。
「とりあえずは僕達に協力してくれると言う事で良いんだね?」
「ああ、この世界を守る為に俺も協力する」
確認する西条にゼンカイレッドは肯定する。
【先ほどのタブードーパントを倒した事で廃棄処理物セクターも開放出来ました】
「アイよ。次の砂漠セクターはどういう研究をしておるのじゃ?」
一息付けたのを確認して報告するアイにカオスが問う。
【砂漠セクターではコアエナジーによって汚染物質を取り除く研究をしていたのです】
「おお、それって環境に優しいな……」
「汚染まで取り除けるのか……でも何の汚染を取り除いてたんだ?」
感心する横島の後に翔太郎は聞く。
【それは……コアエナジー精製の際に出る汚染物質です……】
「コアエナジーで出た汚染物質をコアエナジーで消すって事?それって矛盾してるというか……」
「折角精製した奴で消さなきゃならねえからプラマイゼロにしかなってないか?」
「ふうむ……アイ、それによって今はどれ位取り除けてるんだい?」
告げられた事にチンプンカンプンな或人と陰念の後に西条が確認する。
【それは……実際に砂漠セクターへ行き、確認しないと分かりません】
「ふうむ、汚染物質となると、万が一を考えて防護服を着といた方がええかもしれんな……」
申し訳なさそうに言うアイのにカオスは顎を摩りながら呟く。
「あ、だったら自分に任せてくださいッス!」
「そっか!魔法を使うんだね」
「成程!それでウヴァやカオスの爺さんに防護服を着せるんだな」
名乗り上げたマジーヌのに介人とジュランがすぐさま察する。
そう言う事っス!とマジーヌが頷いた後に早速全員変身する。
「ぬぬぬマジーヌ!!」
カオスやウヴァに向けてゼンカイマジーヌが呪文を唱えるとマジーヌスティックから光りが放出して2人の体を包み込むと防護服を纏っていた。
「おお、これは凄い!」
「見事にフィットしてるな」
「凄いぜマジーヌ!」
「エッヘン!」
感心するカオスやウヴァを見て褒めるウィスプにゼンカイマジーヌは誇らしげに胸を張った後にそうだとニック達を見る。
「この子達にもぬぬぬマジーヌ!!」
続けざまにニック達にも先ほどと同じ様にそれぞれの体にあった防護服を着せる。
「おお、皆似合ってるぞ~」
「ニャアン♪」
「アオン♪」
「シャ~♪」
「ヴゥン……」
褒めるウィスプのにクワタン以外はご機嫌だが、クワタンは羽が展開できないからか不満そうだ。
「砂漠セクター出るまでの我慢な」
「ヴゥゥン」
頭を撫でるウィスプにクワタンが頷いた後にゲートへと向かう。
【それじゃあセキュリティロックを解除します】
その言葉と共にゲートが開き……
ビュォォォォォォォォォォン!!!!!
強烈な風がメンバーへと降り注ぐ。
「おわ!?」
「さむっ!?」
突然の風と共に来た寒さに誰もが驚く。
「ちょっとアイ。この先は砂漠セクターなんだよな!?」
【は、はい!砂漠セクターで間違いありません!】
「さ、さっき雪が見えたが……」
「なんで砂漠なのに雪が?」
慌てて聞くゼロワンにアイも戸惑いながら返す中でジャスティスとクウガはチラッと見えたのに戸惑いながら次なるセクターへと足を踏み入れ……目の前に広がった光景に絶句する。
そこは全体が氷に覆われ吹雪が舞う銀世界であった。
「な、なんだこりゃあ!?」
「これでは砂漠セクターと言うより氷セクターだね」
驚きの声をあげるホロウの後にウォズは呟く。
「こりゃあいったい……」
「なぜ砂漠が凍り付いた世界に変わっているのでしょうか?」
【これは!?大変です!変身している皆さんは大丈夫ですが、普通の人間が長時間いると危険な濃度になっています!】
戸惑うカオスとゼンカイブルーンの後にアイが慌てて報告する。
「うえぇ、マジ!?」
「変身を解いたら危険って事か……」
【汚染の浄化には成功したと聞いていたのですが……】
「この状況だし、故障以外に浄化設備が敵にやられてる可能性もあるかもね……」
告げられた事に驚くジオウの後にW(翔太郎)が仮面の中で顔を顰める中、アイのにトリガーはそう言う。
「防護服を着ていたのは正解だったって訳だな」
「とにかく、ここを良く調べないといけないね」
ふうと息を吐くウヴァの後にオーズは向かって来た雪を見ながら呟く。
【でしたらこの先にある汚染観測所を調べましょう。汚染の観測レポートがある筈です】
「それじゃあ早く行こうよ!こんな所にいたら動物ちゃん達も可哀そうだよ!」
進言するアイにゼンカイガオーンがニック達を見て言う。
「確かにガオーンの言う通りだな。皆、少しの辛抱だぞ」
「……どうやらそうもいかないようだな」
「みたいだな」
え?とゼンカイレッドとゲイツのにウィスプは前を見る。
すると前から何かが来ているのに気づく。
【コアエナジー反応確認!種類は……デジモンヤミーです!】
ーパォォォォォン!!!!-
アイの報告の後に咆哮が響き渡る。
吹雪の中、W達の前に現れたのは……仮面をつけたマンモスの集団であった。
「こいつ等はマンモン!!?」
「まさか、砂漠セクターを凍り付けたのはこいつ等が原因か!?」
その集団を見てオーズは叫び、W(フィリップ)が推測を立てた所で地響きが聞こえだす。
そしてマンモン達の後ろから現れたのに誰もが絶句する。
出て来たのは……眠そうな目をした巨大なペンギン型カキ氷機であった。
次回、第12のレポート:死を掃う黄金の嵐と獣の雄叫び
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第12のレポート:死を掃う黄金の嵐と獣の雄叫び
ゆっくり霊夢「と言うか、モンハンのモンスター組が全然触れられなかったね」
ゆっくり魔理沙「来るだろうと思ったら全然ツッコミ入らなかったもんな」
(BGM:ご唱和ください我の名を!(ウルトラマンZOP))
駆け出すゼットに続いてディノバルドとブラキディオスも駆ける。
それにドゥンが相手をしている1体を除いたマタドールの同位体3体が2匹と1人に向けて炎や衝撃波を飛ばす。
「行くッスよベリアロクさん!」
「ふん。骨だけなのが物足りないが、良いだろう!」
ゼットの手にベリアルの顔がついたサーベル、ベリアロクが出現する中でブラキディオスが前に出ると両腕を沢山見える位にぶれる程の音速パンチを放ち、炎を消し去る。
「チェスト!!」
「!!!」
続け様に衝撃波をゼットがベリアログで、ディノバルドが己の尻尾で両断する。
そんな1人と2匹に量産型レブナント達は霊波砲を一斉に発射する。
「ベリアロクさん!宜しくっス!」
「ふん、こんなもん。腹ごしらえにならねえな」
向かって来た霊波砲へゼットは構えるとベリアロクは……全ての霊波砲を直接捕食してしまう。
「うえ!?」
「け、剣が、食べた!?」
「あ、あんなにいるのに飲み込んでますよ!?」
「あら~お腹を~~壊さないかしら~~」
「冥子、触れる所が~~~違うわよ~~~;」
まさかの現象に美神達は目を見開き、1人ズレた発言をする冥子に冥華はツッコミを入れる。
「ほら、お返しだ!」
そう言ってベリアロクは口から強力な必殺光線を発射、沢山いた量産型レブナントを飲み込み、一掃して行く。
「さっさとこいつ等を倒すぞハルキ、ゼット」
「オッス!」
「よっしゃ!ウルトラ行くぜ!」
自分達の攻撃を呆気なく消された事にマタドールの同位体3体は戸惑う様にたじろく中でゼットはベリアログの顔の後ろ側に付いたボタンを3回押す。
「フン!ヌゥン!ハッ!デスシウムスラァァシュ!!」
音声の後に駆け出すゼットに続き、ディノバルドは回転しながら自らの尻尾に喰らい付いて、その勢いで自分の牙を用いて尻尾を研いだ後に空高く飛び上がり、ブラキディオスは拳をぶつけ合わせると赤く輝かせる。
「!い、いかん!」
「奴等を有利にさせるな!!」
それにガラガランダとイカデビルは止める様に戦闘員や量産型レブナントがゼットとディノバルド、ブラキディオスを攻撃しようとしたが飛んで来た3つの光に阻まれる。
「生きる者達の理を乱す者は!」
「俺達が叩き斬る!!」
まだ攻撃を仕掛けて来るマタドールの同位体のをゼットはそれもろとも1体をZ字に両断、飛び上がったディノバルドは高速縦回転を行いその勢いのまま2体目を一刀両断、3体目をブラキディオスはそのどてっ腹に連続パンチを叩き込んでからアッパーカットで打ち上げると殴られた3体目はお腹部分が光りだし……
「「「■■■■■ッッッ!!?」」」
ドカァァァァァァァァァン!!!
同時に爆発する。
「す、凄い……」
「あの、マタドールを……」
「倒した……」
構えたままのゼットと拳を打ち鳴らして雄叫び上げるブラキディオスと尻尾を地面に擦らせてから雄たけびを上げるディノバルドを見て美神達は言葉を無くす。
『お!そこの兄ちゃん!ちょいと体を借りるぜ!』
『そこの君!お体お借りします!!』
「「へ?」」
そこに、先ほど戦闘員や量産型レブナントの行動を阻んだ3つの光の内、青い光がピートに、黄色の光が雪之丞にぶつかり、光りに包まれる。
【【ライダーゴー!!】】
【仮面ライダータイタス!!】
【仮面ライダーフーマ!!】
響き渡る音声の後に光が弾け飛ぶと2人の姿が変わっていた。
雪之丞はその体は鍛え抜かれた筋肉隆々の体付きで肩と胸に闘士ウルトラマンジョーニアスの装鉄鋼を身に纏い、手首と足首に星のマークが入ったアンクレットが付いた姿に……
ピートは逆に細マッチョな体付きで忍者が着る様な鎖帷子の様なアーマーを纏い、手首と足首に四方型手裏剣のマークが入ったアンクレットが付いた姿に……
「ぴ、ピート!?雪之丞!?」
「ふ、二人が変身した!?」
姿が変わった2人に美神達は驚いていると変身した2人の間に赤い光が降り立つと姿を変える。
その姿は二本角を持ったウルトラ戦士に闘士ウルトラマンタロウの新装鉄鋼の青い部分を赤く染めたのを身に纏った戦士。
並び立った3人の戦士は己の存在を示す様に名乗り上げる。
「「光の勇者!仮面ライダーTU!!」」
「力の賢者!仮面ライダータイタス!!」
「風の覇者!仮面ライダーフーマ!!」
その後に飛んで来た攻撃をバリアで防いだ後に紡ぐ。
「生まれた星は違っていても!」
「共に進む場所は一つ!」
「永遠の絆と共に!」
「我ら!」
「「「「トライスクワッド!」」」」
3人、いや4人は名乗り上げて構える。
その出で立ちと発される闘気に美神達は味方と察しても圧倒された。
「「なんじゃこりゃあぁぁぁぁぁぁぁ!?」」
直後に雪之丞とピートの絶叫が響き渡る。
☆
少し時間を戻し、ドゥンはその力を発揮してマタドールの同位体を翻弄していた。
いや、
(まだジャー、まだ扱いきれていない。まだまだ引き出せていない!)
戦いながらドゥン、タイガーは感じ取っていた。
自分は確かに力を引き出せてはいるが、その全てを引き出せてないのを……
言わば今の状態は感覚を掴む為のチュートリアルに近い状態であった。
(ワッシは、もうみなしゃんの背を見るだけの男でいたくない!)
思い返せばタイガーはほとんどの戦いでは裏方でしかなかった。
誰もが必死に戦う中で自分の内なる力を恐れていた。
だが、必死に戦う横島を見て、変わりたいと思った。
「ワッシは!ワッシなりのやり方で皆さんの力になるんジャー!!」
己の身が傷つこうとも誰かを助けようとする姿を思い返し……タイガー、ドゥンは吠える
その瞬間だ。
「うえ、なんじゃこりゃあ!?」
「か、体が光り出した!?」
「うわぁピカピカ」
「これは?」
戦っていたインペラー、タイガ、ガイ、王蛇の体が光りだしたと思ったら胸に光が集まって眼魂へと変わり……
「ひゅい!?」
「うえ!?」
ルパンエックスとパトレンエックスの懐から6つの眼魂が飛び出してインペラー達から飛び出した4つの眼魂と共にドゥンの元へ飛ぶ。
【ライブマン!ギンガマン!ガオレンジャー!ゲキレンジャー!ゴーバスターズ!ジュウオウジャー!インペラー!タイガ!ガイ!王蛇!】
そのままパーカーゴーストとなってドゥンが攻撃していたマタドールの同位体へと体当たりを仕掛けた後に光となってドゥンの右腕を包み込む。
光りが収まると巨大な手甲鉤が装着されており、手の甲に当たる部分に上腕の方向で漢字の由を描く様に10個の眼魂を入れるスロットが備えられていた。
【ガンガンツァンナ!】
「これは!」
驚きながらドゥンはマタドールの同位体の攻撃をそれで受け止めた後に弾き飛ばすと共に一閃を叩き込む。
その後にガンガンツァンナのスロットの左横にスライド式のレバーを部分を見つけてドゥンは左手でそのスライドレバーを動かすと先ほど手甲鉤となった眼魂が出現してスロットに装填される。
それを見てスライドさせたレバーを元に戻す。
【テン!ダイカイガン!!フルオメガドライブ!!】
響き渡る音声の後にガンガンツァンナの爪にエネルギーが収束して行く。
「獣の咆哮をきけぇぇぇぇぇぇい!!」
咆哮と共にガンガンツァンナを装着した右腕を勢い良く振るうとエネルギーが放出され、ライブマンの戦闘メカ、ギンガマンの星獣、ガオレンジャーのパワーアニマル、ゲキレンジャーのゲキビースト、ゴーバスターズのバスターマシン、ジュウオウジャーのキューブアニマル、ミラーモンスターのギガゼール、デストワイルダー、メタルゲラス、ベノスネーカーと眼魂に関わる存在へと変わり、マタドールの同位体へと次々と炸裂して行く。
「■■■■■!?」
ドカァァァァァァン!!
火花を散らしながらマタドールの同位体は爆発に飲まれる。
「やっ、やった……」
それを見ながらドゥンは右手を握り締め……
「「なんじゃこりゃあぁぁぁぁぁぁぁ!?」」
「ほわっ!?」
直後に響いた雪之丞とピートの絶叫に変な声を出す。
「ほう、やるなあのかめんらいだーは」
ドゥンがマタドールの同位体を倒す光景にブラッドソルジャーは感心した様に見る。
「2人ともお待たせ!」
「おせぇよ!」
「こっから行くぞ2人とも!」
「ファイズ!これを使いなよ!」
みうらさんを春香に預けて駆け寄る龍騎にファイズは怒鳴り、ブレイドが言った後にルパンエックスがファイズに向けて何かを投げる。
反射的に受け取ったファイズはそれを見ると時計部分に当たる所を2つのカプセルを入れるスロットが付いたファイズアクセルに近い形状のリストバンドであった。
「そのファイズライザーを右手首に装着した後、このウルトラカプセルを入れてボタンを押してからライザーメモリを抜いてファイズフォンにセットして!」
「お、おい!たくっ、ぶっつけ本番過ぎだろ!」
愚痴りながら次に投げ渡されたウルトラマンガイアとウルトラマンアグルが描かれた2つのウルトラカプセルを言われた通りにリストバンド、ファイズライザーにセットしてボタンを押す。
【フュージョンライズ!!】
音声の後にアクセルメモリーをセットする様に付いていたライザーメモリを抜いてファイズフォンにセットする。
【仮面ライダーファイズ!トライストリーム!!】
続けて響き渡る音声の後にファイズのフォトンストリームの色が赤から緑色に変わり、顔の側面がブラスターフォームの様に赤く染まった後にライダースーツのカラーリングがガイアのスプリームヴァージョンと同じ色合いになる。
ブレイドもラウズアブソーバーにクイーンのカードをセット。
【アブゾーブ・クイーン!】
「行くぞ始!」
続けざまにジョーカーのカードをラウズする。
【ワイルド・ジョーカー!!】
「おおおおおおおおお!」
ブレイドの体から52枚のラウズカードが飛び出し、ブレイドの周囲を飛び回るとスペードスートのカードは1つとなって右腕に、ダイヤスートのカードは1つとなって左腕、ハートスートのカードは右足、クラブスートのカードは左足と一体化した後に胸にジョーカーのカードが融合すると各部位のアンデットクレストの代わりに右腕はスペードシンボル、左腕はダイヤシンボル、右足はハートシンボル、左足はクラブシンボルが付き、胸にジョーカーのクレストが刻まれたライダースーツが青く染まったキングフォーム、仮面ライダーブレイドワイルドフォームとなる。
龍騎はVバックルのカードデッキからアドベントカードをドローするとドラグバイザーが炎に包まれてドラグバイザーツバイとなった後に光り輝き、龍の顔が付いた大剣へと変わる。
新たなドラグバイザー、インペリアルドラグバイザーの龍の顔を上へスライドさせた後にそこにさっきのカード、黄金の龍が描かれたインペリアル・炎神を装填し、龍の顔を戻す。
【インペリアル】
音声と共に龍騎の体はサバイブとなった後にさらなる姿へと変わる。
ライダースーツは赤から白銀へと塗り替わり、両肩が龍の爪を模した装甲へ変わり、足のむこうずね部分も龍の爪を模した装甲に覆われる。
そして仮面の両サイドがナイトサバイブの仮面の両サイドと同じ形状となった仮面ライダー龍騎インペリアルに変わる。
「はっはっはっ!いいぞ!わたしをたのしませてくれたまえ!」
【シンピガン!マタドール!ファントムバースト!】
強化変身して並び立つ3人を見たブラッドソルジャーは笑いながら必殺技を発動する。
同じ様にファイズはファイズエッジを構えてファイズフォンのエンターキーを押し、ブレイドは出現したギルドラウズカードをキングラウザーに装填し、龍騎はインペリアルドラグバイザーの柄の右を引き出して出たカード装填口にアドベントカードをセットして戻す。
【エクシードチャージ!!】
【オールテン!オールジャック!オールクイーン!オールキング!オールエース!ロイヤルストレートフラッシュ!!】
【ファイナルアタックベント!】
響き渡る音声の後にファイズはファイズエッジの刃を赤と青に光り輝かせ、ブレイドは自分の前に出現した5枚のカードの幻影をみつえながらキングラウザーを構え、龍騎はインペリアルドラグバイザーの刃が虹色に光らせて構え……
「ちのあんだるしあ!!」
「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「おりゃあぁぁぁぁ!!」
「ウェェェェェェイ!!」
ブラッドソルジャーの放った衝撃波に、ファイズ、ブレイド、龍騎の放った斬撃が1つとなった巨大な龍がぶつかりあった後に龍は衝撃波を食らい、そのままブラッドソルジャーをかみ砕く。
「は……は……しょせん……まがい……ものは……ほんもの……およばない……か……」
火花を散らしながらブラッドソルジャーは口惜しそうにそう呟きながら……
ドカァァァァァァァァァン!!!
爆発の中に消えていくのであった。
ガンガンツァンナ
外見:仮面ライダータイガのデストクローの見た目をトラのカラーリングと模様にし、手の甲部分に上腕の方向で漢字の由を描く様に10個の眼魂を入れるスロットが備えた手甲鉤
概要
10個の眼魂が合わさる事で誕生したドゥンの専用武器。
ツァンナはインド語で『牙』を意味する。
右腕に装着されており、とてつもなく頑丈で武器としても盾としても使える。
眼魂を入れるスロットの左横にスライド式のレバーがあり、それを引いてから眼魂をセットして戻す事でオメガドライブを発動する。
必殺技は『オメガオーラ』、入れた眼魂に関わるものがオーラとして出現して相手に向かって行く。
入れた眼魂の数だけ必殺技の威力も高まって行く。
オメガドライブ発動音声
1個『シングルオメガドライブ』
2個『ツインオメガドライブ』
3個『トライオメガドライブ』
4個『フォーオメガドライブ』
5個『ファイブオメガドライブ』
6個『シックスオメガドライブ』
7個『セブンオメガドライブ』
8個『エイトオメガドライブ』
9個『ナインオメガドライブ』
10個『フルオメガドライブ』
次回、第37の章:氷結世界の雪女
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第37の章:氷結世界の雪女
「で、デカいペンギン型カキ氷機ぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」
「おいおいおいおい!?あれもデジモンだって言うのかよ!?」
現れたのに絶叫するウィスプの後にホロウが慌ててオーズへと問う。
「いや、俺もあんなの初めて見たから分かんない!!ソウゴ君は知ってる!?」
「知ってる!あれはダイペンモンだよ!」
「ダイペンモン?」
「氷の闘士、エンシェントメガテリウモンの遺した氷のスピリットの力を持つデジモンだよ。あんな見た目だが強いデジモンだ」
「成程、ならばこの風景も納得できるのう……「おっほほほほほほ!!」ぬっ!?」
オーズに変わって答えたジオウの後のウォズの軽い解説にカオスは納得した所に女性の笑い声が響く。
誰もがどこからしたのか辺りを見渡してあそこだとクウガがダイペンモンの頭を指さす。
よぉく見てみると女性の姿が見える。
腰まである紫髪で、服装は肩や胸元が見える程着物をはだけているのだが、その着物がどことなくサイバー感を出しており、ミスマッチしている感じだ。
「待っていたぞ仮面ライダーよ!」
「な、なんだあのウヴァさんとどっこいどっこいな恰好をした人は!?」
「おい」
楽し気に言う女性を見て思わず言ってしまうウィスプにウヴァはジト目で見る。
【彼女からドーパントの反応が出ています!】
「あの女性がドーパントだって!?」
「雪に女……!?まさか、お前は美神令子に液体窒素で逆に凍らされた雪女か!」
「それじゃあアイスエイジのドーパントとして蘇ったのか!」
報告したアイのに驚くジャスティスの後にW(フィリップ)のにW(翔太郎)は状況から考えて言う。
「美神令子……!あぁ!忌々しい!あの女には苦汁を嘗めさせられた!思い出すだけでも腹立たしい!!」
そんなW、特にフィリップのに女、雪女こそアイスエイジ・レディは怒気と共に吹雪を巻き起こす。
その寒さにマスコット達は震えてウィスプに身を寄せる。
特に爬虫類のブーニーや恐竜のラトプスに昆虫のクワタンは元になったのが寒さに弱いので震えが激しい。
「砂漠セクターを氷のセクターに変えた元凶は奴で合ってるみたいだな」
「このまま動物ちゃん達が危ない!早く奴を倒して元に戻そう!!」
ディケイドの後にやる気満々なゼンカイガオーンが勢い良く言う。
動物好きなガオーンとしてはパオパオ達と似た存在であるデジモンヤミーのマンモンとは戦い辛いがそれを理由にゼウスのやろうとしてる事で他の動物達の命の危険を見過ごせないので意を決している。
「ようし俺も!トラちゃん宜しく!」
【ファイヤー!オーソライズ!!】
ゼロワンもまた今の状況を変える為に赤いプログライズキーを取り出してゼロワンドライバーに翳す。
直後に赤い燃え上がるメカニカルな虎が出現する。
【プログライズ!】
その後にゼロワンドライバーにセットすると黄色のアーマーが再び変形・移動し、マスクは両腕の方に移動する。
【
その後に空いた所に光の粒子となってゼロワンに張り付くと虎を模した深紅のアーマーが新たに装着される。
「なら俺達も!」
【ヒート!】
【トリガー!】
【ヒート!トリガー!!】
「なら俺もさっきの様にやりますか」
【アタックライド!イリュージョン!】
【カメンライド!】
【龍騎!!】
【響鬼!!】
【フォームライド!】
【フォームライド!オーズ!タジャドル】
【フォームライド!フォーゼ!ファイヤー!!】
キィィィィィィン!
【タカ!クジャク!コンドル!タ~ジャ~ドルゥ~~!!】
【ファイヤー・オン!】
【アタックライド!ソードベント!ストライクベント!!】
【アタックライド!音撃棒烈火!】
【アタックライド!ヒーハックガン!】
Wはヒートトリガーへと変わり、ディケイドはそう言ってカードをセットしてバイラス・ドーパント変異体の時の様にイリュージョンで分身、炎を使う仮面ライダーへと変身し、クウガもアルティメットフォームに変わる。
「ようし俺も!」
ウィスプもまたスーパー戦隊眼魂を取り出すと眼魂は雪の結晶と十字手裏剣の様な模様が混ざったのに変わり、それをセットしてレバーを引く。
【カイガン!ニンニンジャー!忍び・なれども・しのばな~い!】
音声の後にアカニンジャーを模したパーカーゴーストを身に纏う。
【忍者一番刀!】
「忍ぶどころか、暴れるぜ!!」
「では私も」
続いてウォズが懐から少し大きめのミライドウォッチ、ギンガミライドウォッチを取り出すとサイドパーツを回転させてからビヨンドライバーにセットする。
【タイヨウ!アクション!】
音声の後に流れる音楽を響かせながらビヨンドライバーのハンドルを前に向ける。
【投影!ファイナリータイム!灼熱バーニング!激熱ファイティング!ヘイヨー!タイヨウ!ギンガタイヨウ!】
音声の後にウォズに新たなアーマーが装着されてマントを靡かせた後に太陽の様なオーラを放ってから顔のインジケーショントラックアイは炎を模したタイヨウの文字に変化したウォズの強化形態、ウォズギンガファイナリーの派生形態ウォズギンガタイヨウフォームとなる。
その際、発せられた高熱に近くにいたゼンカイレッドを除いたゼンカイジャーの面々とウィスプはあちゃちゃちゃ!?と慌てて離れる。
「熱さならこれだ!」
【ディ・ディ・ディ・ディケイド!】
自分も乗り遅れないようにとジオウはディケイドライドウォッチを取り出してセットしてジクウドライバーを回す。
【ライダータイム!仮面ライダージオウ!!】
【アーマータイム!カメンライド!ワーオ!ディケイド!ディケイド!ディーケーイードー!】
【アギト!】
ディケイドアーマーを装着してから今度は新たなウォッチを取り出して音声の後にディケイドライドウォッチのF.F.T.スロットにセットする。
【ファイナルフォームタイム!ア・ア・ア・アギト!!】
右肩アーマーのディケイドの文字がアギトに変わり、左肩から胸にかけてのアーマーに描かれたバーコード部分がバーニングとなった後……顔と胸から下がアギトバーニングフォームの姿へと変化する。
「祝え!破壊者と神を退けた仮面ライダーの力を使いし時の王者!!その名も仮面ライダージオウ ディケイドアーマーアギトフォームである!!」
「なんだその名前は!?長いしふざけておるのか!!」
すぐさま祝辞を述べたウォズのにアイスエイジ・レディは怒鳴り、まぁ、言いたい事は分かるとゲイツとホロウ、ジャスティスは思わずうんうんと頷く。
その間にティガとトリガーもそれぞれパワータイプになる。
「ええい!貴様らのその様な熱など、もろとも凍らせてやる!!やれい!!」
そんなメンバーを見てアイスエイジ・レディはマンモン達へと命令し、マンモンの集団は吠えて襲い掛かる。
「カオスのおっちゃん。ニック達を頼む!」
「分かった!」
すぐさまマスコット達をカオスとウヴァに預けるとウィスプも戦闘に加わる。
ーパオォォォッォン!!ー
「おおっと!」
牙で突き刺そうとするマンモンのをウィスプは避けると共に手裏剣の様なアイテム、忍シュリケンで五トン忍シュリケンを忍者一番刀へとセットすると回転させる。
【メラメラジャー!】
「おりゃあ!」
音声と忍者一番刀の刃から炎が飛び出し、ウィスプはもう1度来た牙による攻撃を避けてから切り裂いていく。
「ふん!」
「おりゃあ!」
ホロウは連続パンチを叩き込み、ジオウも続いて炎のパンチを叩き込んで吹き飛ばす。
【カメンライド!ギャレン!カメンライド!アクセル!カメンライド!ブレイブ!】
「行きたまえ!」
ディエンドはディエンドライバーに3枚のカードをセットしてからトリガーを引いて飛び出したシルエットが変化して銃を使う仮面ライダーギャレン、加速の記憶を持つガイアメモリを使う仮面ライダーアクセル、青い騎士を模した仮面ライダーブレイブとなる。
【ファイヤー】
【エンジン!ジェット!】
【カ・チーン!】
ギャレンはラウズカードを自分の武器であるギャレンラウザーにラウズして炎の銃弾を放ち、アクセルはエンジンブレードをギジメモリのエンジンメモリをセットして切っ先からエネルギー弾を超高速で射出し、ブレイブは専用武器のガシャコンソードの炎の剣で切り裂いていく。
「ジャスティスメモリ、お前が持ち主の正義で求める力を出すのなら僕の求める力を出して貰うぞ!」
ジャスティスはジャスティスメモリにそう語りかけると両腕に炎の模様が追加されると燃え上がる。
それを見たジャスティスはすぐさま炎を出して切り裂いていく。
次々とマンモン達が倒されて行くのにアイスエイジ・レディは苛立った様子で手を握る。
「おのれぇ……どうやら私自ら動かないといけないようだな!」
その言葉と共にダイペンモンに冷気を流し込むとダイペンモンは頭のハンドルを勢い良く回し始める。
「ちょちょちょ、あいつ、何かする気だぞ!」
【きょ、強力なエネルギーが放出されようとしています!】
【あ”あ”!あいつ、このセクターを凍らせたのと同じ事をオイラ達に向けて放つつもりっチュン!!】
気づいたゼンカイジュランが叫ぶとアイとセッちゃんが警告する。
「受けよ!!地獄のブリザードクラッシャー!!」
咆哮と共にダイペンモンの口から強烈な雪が雪崩の様に放出される。
「とんでもないのが来たぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
迫る雪崩にウィスプ達は慌てる。
「全員、凍えてしねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
次回、第38の章:黄金の王
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第38の章:黄金の王
迫る飲み込まれようとしているウィスプ達にアイスエイジ・レディは笑う。
彼らを倒したら次は憎き美神令子に復讐を果たせると考えていた時……
「なっ!?」
目に入った光景に驚愕する。
「おおおおおおおおおおおおおお!!!」
一同の前に立ち、超自然発火能力で迫る吹雪を防ぐクウガの姿があった。
「ユウスケさん」
「こんな吹雪!!」
咆哮と共にクウガの全身に電撃が迸り、肩と胸、腕、足が金色の鎧へと変化し、角もさらに枝分かれしたアルティメットの更なる上の姿、ライジングアルティメットへと変わる。
その後に複眼を光らせ、強化された超自然発火能力で完全に吹雪を燃やし尽くし、そのまま吹雪を放っていたダイペンモンの全身を炎で包み込み……
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
そのままアイスエイジ・レディをも飲み込んで燃やし尽くす。
「「「「」」」」
その光景にウィスプ達は絶句する。
ウィスプとホロウはバイラス・ドーパント変異体ので使用してる所は見てはいるが、まさか強敵になると思われていた存在を瞬く間に消滅させてしまったのだ。
しかも極寒となっていた砂漠セクターが元の砂漠としての姿を見せていた。
「凄いよユウスケさん!」
「ホントだぜ!なんで今までそんな力を発揮しなかったんだよ」
「…………ぐっ」
それに興奮して話しかけるゼンカイザーとゼンカイジュランだが、クウガは膝を付く。
直後にその姿は全身が白くなり、角も短くなったグローイングフォームとなる。
「ユウスケ!?」
「ど、どうしたんっスか!?」
「白くなりましたのはどうしてですか!?」
「成程な、世界の抑止力か」
突然の事に戸惑う面々にディケイドは呟く。
「世界の抑止力?」
「別名『カウンターガーディアン』。とある世界において破滅の要因を排除して今ある世界を存続させようとする見えない力の事だよ。世界によるけど、一部の世界はその力によって強過ぎる力を抑制するんだ。抑制する理由は自身のキャパがオーバーして壊れない様にする為さ」
告げられた事に首を傾げるウィスプにW(フィリップ)が軽く解説する。
「んじゃあ小野寺さんの姿は弱体化した姿なのか?」
「そう言う事だ。暫くは休んでおけユウスケ。白のグローイングから赤の姿に戻るまで時間がかかるだろう」
「ああ、そうさせて貰う」
聞いたホロウへとそう返したディケイドにクウガは頷いた後に深い息を吐く。
「これでやっと汚染観測所にいけるね」
「ようし、早く行って調べよう!」
【!?待ってください!強力なコアエナジー反応が接近中!】
そう言ったオーズとジオウの後にアイが慌てて報告する。
【あ”あ”この反応は!?新生グリードだっチュン!】
「何だって!?」
続けざまのセッちゃんの報告の後……
ドォォン!!
ウィスプ達の少し離れた地面に何かが着地して砂が噴き上がる。
誰もが身構えていると現れたのは、シーゲルであった。
「あいつは!確かシーゲルって呼ばれていた!」
「ここで新生グリードと遭遇とは……」
「ようし!だったら俺が相手だ!」
そう言ってジオウが前に出る。
【ま、待てジオウ!奴はシェイドの攻撃を防いだ内の1体だ!1人で向かうのは無謀だ!】
「いや、ここは我が魔王に任せよう」
「そうだね。ここは王様君に任せておこう」
慌てて止めようとする心眼だがウォズとディエンドはそう言う。
「!?見殺しにするつもりか彼を!」
「違うよ。それ処か逆さ、今の我が魔王に援護は必要ない」
どういう事だ?とウォズの言葉にジャスティスは戸惑っているとジオウは新たなウォッチを取り出す。
それは黄金のライドウォッチでジオウトリニティの様に大きかった。
【グランドジオウ!】
スイッチを押すとウォッチは展開し、ジクウドライバーへウォッチをセットする。
すると地中から巨大な黄金の時計台と歴代平成ライダーの石像が出現する。
「な、なんじゃ!?」
「これは!?」
【キュイン!ブゥゥゥン!アドベント!コンプリート!ターンアップ!キィィィン!チェンジ・ビートル!ソードフォーム!ウェイクアップ!カメンライド!サイクロン!ジョーカー!タカ・トラ・バッタ!3・2・1!シャバドゥビタッチヘンシーン!ソイヤッ!ドライブ!】
目の前に現れたのにカオスやゼンカイレッドが驚いていると音声が鳴り響く中で石像の表層が剥がれ、クウガからジオウまでの平成ライダーの姿が現れる。
その後にジオウはシーゲルをみつえ……
【カイガン!レベルアップ!ベストマッチ!ライダータイム!】
「はぁっ!」
ドライバーを回転させる。
【グランドタイム!クウガ!アギト!龍騎!ファイズ!ブレ~イド!響鬼!カブト!電王!キバ!ディケ~イド!】
ライダー達が黄金のフレームに取り込まれ、ジオウの身体に張り付く様に装着されると新たなアーマーが形成される。
【ダブル~!オーズ!フォーゼ!ウィザード!鎧武!ドライブ~!ゴースト!エグゼイド!ビルド!】
開いたフレームからライダー達が現れるとそれぞれの決めポーズを取って固定されて行く。
【祝え!仮面ライダァァァァァァ!!!グ・ラ・ン・ド!ジオウ!!!】
最後に頭頂部にジオウが固定されると巨大な黄金の時計台からライダーの文字が飛び出して新たな姿となったジオウのインジケーションアイへとセットされる。
新たな姿を祝福するかの如く、周囲に時計状の金の紙吹雪が舞う。
「これには言葉は不要だが敢えて述べよう!祝え!全ての平成ライダー達の力を結集した王たる姿!その名も仮面ライダーグランドジオウ!!見よ、我が王の勇士を!!」
驚いているウィスプ達へとウォズが述べている間にシーゲルはふんすと鼻息を荒く噴き出した後に地面を踏みぬくと踏み抜いた先から氷の柱が突き出してグランドジオウへと向かって行く。
【ディケイド!アギト!】
危ないとジャスティス達が声をかけようとしてグランドジオウは胸部中央のディケイドのレリーフと右腕のアギトのレリーフを触れるとディケイドは金色のライダークレストが現れ、アギトの方は白銀のライダーズクレストが現れる。
その後にグランドジオウの隣に2009年の文字が現れると共にゲートが出現してそこからシャイニングカリバーを持つ仮面ライダーアギトシャイニングフォームとライドブッカーを持つディケイドコンプリートフォームが現れる。
グランドジオウの方はアギトのレリーフからアギトが持っているシャイニングカリバーが召喚されて装備される。
【ファイナルアタックライド!ア・ア・ア・アギト!!】
「「はぁ!!」」
向かって来る氷の柱に3人は同時に武器を振るうと斬撃が飛び、氷の柱を打ち砕くと共にシーゲルへ突き進み、シーゲルはバリアを張るが少し抑えた後に砕け散って吹き飛ぶ。
「今度はこれ!」
【ブレイド!】
アギトとディケイドが消えた後にグランドジオウはブレイドのレリーフに触れると上空に2005年の文字とゲートが現れ……
「ウェェェェェェェェェェェイ!!!!」
ライトニングブラストを発動してキック態勢のブレイドが飛び出してシーゲルに炸裂させる。
【響鬼!】
続けざまに響鬼を呼び出して火炎弾で追い打ちする。
「す、すげぇ……」
「ドンドン仮面ライダーを召喚して戦っていやがる……」
「あの戦い方があの姿でのあいつのバトルスタイルだ。だからこそ平成ライダーの王とジオウは言われている」
「平成ライダーの王……確かにその異名は納得だ」
次々と仮面ライダーやライダーに関わりのある武器を召喚してシーゲルを追い詰めていくグランドジオウを見て驚嘆するウィスプとホロウに言ったディケイドのにジャスティスはそう漏らす。
「これで!」
【フィニッシュタイム!グランドジオウ!!】
ベルトのライドウォッチを再度起動させてからグランドジオウはベルトを再び回転させる。
【オールトゥエンティ!タイムブレーク!!】
音声の後にクウガからビルドの平成主人公のライダーが一斉に召喚され、シーゲルへ向けて順番にライダーキックを決め……
「おりゃあ!!」
最後にジオウ本人がライダーキックを叩き込む。
命中する時に各ライダーのライダーズクレストが浮かび上がる。
「!!!!?」
シーゲルは吹き飛んだ後に起き上がると胸に傷跡が出来、そこからセルメダルと共に6枚のコアメダルが飛び出す。
よろけた後にシーゲルはその場から離脱する。
「あ、待て!」
それに追おうとしたグランドジオウだが、その姿が通常の姿に戻る。
「あー--!!?タイムアップ来ちゃった!!」
「な、なんじゃ?」
「あいつはまだあの力を使いこなせていない。だから1回変身したら次の世界まで使えなくなるんだよ」
頭を抱えるジオウのに目をパチクリさせるカオスへとゲイツが答える。
その間、オーズはシーゲルから飛び出した6枚のコアメダルを回収する。
「セイウチにシロクマ、ペンギン……3匹とも寒冷地に生息してる動物だ……あ」
メダルに描かれた動物を見て呟いていると3枚のメダルが浮かび上がり、シーゲルから飛び出したセルメダルと集まり……
「は?」
「ん?」
「ほへ?」
出現したのに誰もが呆気に取られる。
それは足がペンギン、体はシロクマ、顔はセイウチなのだが、どことなくデフォルメされた様な感じの小動物だった。
パッと見はどこかの部下を蹴り飛ばす姫の世界に存在するセイウチにシロクマとペンギンの要素を無理やり混ぜ込んだ様に見える。
「な、なんだか、気の抜ける感じの見た目だな」
「そうか?愛らしくて良くね?」
「ぼへぇ~♪」
「凄い気の抜けそうな鳴き声をするな」
「あ、あはは;」
呆れた様にぼやくホロウにそう言って自分に擦り寄る小動物を見てウィスプは返し、なんとも言えない笑いをジャスティスは漏らすのであった。
次回、第39の章:観測所の復活病原
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第39の章:観測所の復活病原
【キィンキィンキィン!!】
【セイウチ!シロクマ!ペンギン!!】
【セイ!シロギンー!セイ!シロギンー!】
前回の後、クウガを休ませる為に汚染観測所へ入ったW達は入って少し進んだ先に置かれていたPCを調べてる間にシーゲルから得られたメダルを使い、オーズは頭が左右に牙のような器官が付いた赤い複眼のセイウチヘッド、前腕部全体を覆うクマの手の様な外骨格の腕のシロクマアーム、脛部分に翼が付いて足先がフィンのようになったペンギンレッグの寒冷系コンボのセイシロギンコンボにチェンジした。
その後にウィスプから渡された眼魂に力を込めて上から灰色、白、青の横線トリコロールの眼魂になる。
「はい、横島君」
「あざっす!しかし、プトティラと属性が被ったな……」
「ぽへ~?」
「うー-ん。確かに氷の属性は同じだけど、このコンボはさっきの様な極寒の中、超低温の環境下でも最高の状態で戦える様に適してる感じだね。プトティラの様に力で攻める感じでもないようだし」
渡されたセイシロギン眼魂を天井の灯りのに翳しながら呟くウィスプにオーズは先ほどいた戦闘員での戦った際のセイシロギンコンボについてそう述べる。
「まぁ、とにかく力で攻めたいならプトティラ。極寒の中で戦うならセイシロギンって事っスね!そう言う事ならセイシロギンで寒い中を調査するって事も出来そうですし!」
「確かにGSの仕事をする時にそう言う寒い場所にも行くかもしれないから役に立つと思うよ」
【まぁ、確かにそうだな。あんまりライダーの力に頼るのもどうかと思うが、生身では危険な状況なら使うのも手か……】
纏めるウィスプにオーズも同意し、心眼はううむと唸りながらそう呟く。
「どうだアイ?」
【このPCに情報は入ってませんね……】
「ふうむ、そうなるとUSBメモリーなどの別の記憶装置に入れてる可能性があるね……」
「ねえ、記憶装置ってこれの事?」
一方でPCのに何か情報がないかを確認していたW(翔太郎)にアイは答え、W(フィリップ)のに近くの棚を見ていたゼンカイザーが右手に持ったUSBメモリーを見せる。
【あ、それですね。このPCに差し込んでください】
「分かった」
お願いされて早速持って行こうと走るゼンカイザーだったが……突如大きな揺れが起こる。
「うわぁ!?」
【地震です!ご注意ください!!】
「皆!伏せるんだ!」
誰もが突然の地震に慌ててしゃがみ込むが走っていたゼンカイザーはこけてしまう。
その際に持っていたUSBメモリーを手放してしまい、USBメモリーは下の階層へと落ちてしまう。
【あ”あ”!?観測レポートが!?】
「早く取りに行かないと!?」
「待て横島!不用意にそのまま降りようとするな!!」
慌てて飛び降りようとするウィスプをホロウが止める。
「煙が凄くて良く見えないな……アイ、記憶装置が落ちたのはどれ位だい?」
【……反応によると3フロア下まで落下した様ですね……】
「それじゃあさっさと取りに行こう!反応が分かるなら翔太郎さん達のデンデンセンサーで見つけられるだろうしさ!」
確認するジャスティスにアイは答えたのにジオウがそう言って降りようとして待ってください!と止められる。
【下の階に溢れている煙は……高濃度の汚染物質、有毒ガスです!これは変身中でも危険な数値です!】
「つまり拾いに行くのは無理だと言う事か?」
「あ、だったら僕達で行くのはどうかな?僕達だったら毒ガス位なんともないしね!」
「確かに、キカイノイドである我々ならば人間には危険な毒ガスの中を動けると思います。ここは我々4人が行くのが良いかと」
警告するアイのにゼンカイガオーンが提案し、ゼンカイブルーンも続く。
【一応、ここには汚染物質への対策が準備されていますので各フロアに次のフロアの汚染を浄化する装置がある筈です】
「んじゃあ念には念を入れて、それを見つけながら降りて行きますか」
「行ってくるッス!」
「気を付けろよ。敵が突然現れる可能性があるからな」
早速降りて行くゼンカイジュランやゼンカイマジーヌ達にW(翔太郎)が注意する。
アイと共に階段を下りたゼンカイジュランは端末を見つけてあれが装置かと思いながら近づこうとして、マスカレイド・ドーパントの集団に阻まれる。
「いきなりかよ!行くぞガオーン!」
「了解!」
早速襲い掛かって来た敵にゼンカイジュランとゼンカイガオーンは各々の武器で迎え撃つ。
「自分もやるッス!」
「私も上半身飛ばして!」
そんな2人をマジーヌスティックで飛び上がったゼンカイマジーヌと上半身を分離させて飛び上がったゼンカイブルーンがギアトリンガーで援護射撃して倒して行く。
「ようし、これで敵がいなくなったと……」
早速ゼンカイジュランは端末の緑色のボタンを押すと稼働音と共に下の1階分のガスが消えていくのを確認する。
【下の1フロア分の浄化に成功しました】
「おお、効果覿面だな」
「けど、1階分だけしか効いてなくない?」
「そうなると各階の浄化装置を動かして行くしかないですな」
「いやぁ、うっかり落ちたらヤバいッスから自分らで正解だったッスね」
そう会話しながら4人は襲って来る敵を倒しつつ浄化装置を動かして降りて行く。
【最後のフロアの浄化に成功しました。もう毒ガスはありません】
「いや、それは良いんだけど……足場無くない?」
報告するアイのにゼンカイガオーンは進む先を見て呟く。
確かにゼンカイガオーンの言う通り、足場が壊れており、下へと降りる道が見当たらない。
「あ、だったら自分が降りて探して来るッス」
「私もお供します」
「気を付けろよ2人とも」
マジーヌスティックに跨るゼンカイマジーヌと上半身を切り離して降りる準備をするゼンカイブルーンにゼンカイジュランが声をかけた後、2人は下へ降りて行く。
「あ、あった!あったっスよ記憶装置!」
「壊れた様子もないですからしっかり使えますよ~」
「やった!」
「ようし、あ、セッちゃん。記憶装置見つけたぞ~」
少しして元気な声が返って来たのでゼンカイガオーンは喜び、ゼンカイジュランは早速セッちゃんを通じて皆へ報告するのだが……
【あ”あ”!?ジュラン!悪いけど今こっち戦闘中チュン!!】
「はい!?」
告げられた事に驚きの声をあげる。
☆
少し時間を戻し、ゼンカイジュラン達が3回目のを動かす前
「皆大丈夫かな?」
「まぁ、何かあった時はアイが戻って来る手筈だから大丈夫と言う事だよ」
「その通りじゃ横島よ。お前さんはお前さんで新しいマスコットの仮の名前決めを聞いておけい」
心配するウィスプにジャスティスはそう言い、カオスが新しいマスコットグリードの仮の名前決め大会をしてるクウガ達を指さす。
「セイウチがメインだからセッチーとかどうだ?」
「ここはクマも入れてセイマとかどう!」
「いやいやだったらペンギンのも入れてペマウチとか!」
「はいは~い!俺はギンセイが良いと思う!」
さあ、どれ?と顔を向けるクウガ、ジオウ、ゼロワン、ゼンカイザーのにウィスプはうーんと唸った後……
「介人のギンセイに決定!!」
「よっしゃあ!勝利全開!!」
「ぽへ~♪」
新たなマスコットグリードもといギンセイを持ち上げて言うウィスプに付けられた本人も嬉しそうに鳴き、ゼンカイザーもはしゃぐ。
やれやれと心眼はぼやいた後……
【!?全員気を付けろ!何かが入り口から近づいて来るぞ!】
「早速襲撃を仕掛けて来たか!」
その言葉に誰もが入口へ顔を向けて警戒する。
「うあぁぁぁぁ……」
現れたのは、女性であった。
ただ、目に生気を感じられず、その顔の半分から管の様なのが伸び、その体は見覚えのあるものであった。
「あ、あれって死津喪比女がなってたバイラス・ドーパントの!?」
「な、なんなんだこいつ!?」
現れた存在にウィスプやホロウが思い出して驚いていると体に衝撃が走ったのを感じた後に女性の後ろに邪眼の幻影が現れる。
「な、なんじゃあれは!?」
「!?邪眼!やっぱり蘇っていたのか!?」
「あれが話に聞いた邪眼!なんて禍々しい気配なんだ!」
現れた邪眼の幻影に驚くカオスの後に叫んだクウガのにジャスティスはジャスティスソードを構える。
「久しぶりだな邪眼。今回はコアエナジーを使って蘇ろうとしてるのか?」
ー世界の破壊者よ。かつての様に我が野望の邪魔はさせんぞー
「おいお前、死津喪比女に何をしたんだ!!」
ライドブッカーを構えながら声をかけるディケイドにそう返した邪眼へとウィスプは問う。
ー我が力により……本来の姿に蘇っただけだが……ー
「これが本来の姿だと!?」
「バイラス・ドーパントの要素も混ざっている時点で本来のとはかけ離れているとしか言えないと思うがね」
告げられた事に指摘しながらW(フィリップ)はヒートメモリへ変えられる様に手を動かす。
ー我が世界、怪人世界での本来の姿なのだから変わりない。我が僕よ。邪魔ものを排除せよー
「■■■■■■!!!」
その言葉と共に邪眼の幻影は消え、死津喪比女転生体は雄たけびを上げてW達へと両腕の触手を鞭の様に振るう。
【アーイ!セレクト!】
避けたホロウはステージセレクトを行い、広い円形のホールへと場所を変えると死津喪比女転生体を中心に囲む様に構える。
まだグローイングから戻れていないクウガはカオスと共に離れる。
「全員遠距離で攻撃するんだ!奴に毒ガス攻撃をさせる隙を与えるな!」
「了解ッス!」
指示を出すジャスティスのに誰もが了承して戦闘を開始する。
次回、第13のレポート:恐竜カーニバル
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第13のレポート:恐竜カーニバル
第13のレポート:恐竜カーニバル
「なんだよ!?俺の体がすげぇ事になってるんだけど!?」
「あ、あなた達は一体!?」
「私はウルトラマンタイタス。ちょっと訳あって君の体を借りております」
「俺はウルトラマンフーマ!俺も旦那とは理由は違うがお前の体を借りさせてもらったぜ」
顔を触ってから自分の手を見て混乱しているタイタス(雪之丞)とフーマ(ピート)にタイタス(Uタイタス)とフーマ(Uフーマ)がそう言う。
「借りるって何勝手うお!?」
怒鳴ろうとして何時の間にかその姿を雪之丞にとって見覚えのある姿、ガイアソルジャーに変えた量産型レブナントが殴りかかって来てるのに気づいて慌てて避ける。
もう1度パンチを繰り出すガイアソルジャーのをタイタスは右手で軽々と受け止める。
「!?」
「軽すぎるな。それでは、賢者の拳は砕けん!!」
驚くガイアソルジャーにそう言ってタイタスはお返しと左腕によるストレートパンチを叩き込む。
左ストレートパンチはたやすくガイアソルジャーの装甲を貫き、爆発四散させる。
「な、なんてパワーだ……」
かつて自分が苦戦した相手を拳1発で粉砕したタイタスの力にタイタス(雪之丞)は驚愕する。
「伊達雪之丞君。君の力は把握した。故にこの事態の間だけ私の力を貸すと共に、君の今後の手助けになる様に動こう!」
「俺の手助けって、ってかポーズ取ってる意味はなんだ!?」
ボディービルディングの二の腕の太さ、胸板の厚みが強調するサイドチェストをしながらそう言うタイタス(Uタイタス)のにタイタス(雪之丞)はツッコミを入れてるが直感で感じ取っていた。
この男の言葉に信用できると……
「おらおらおら!!」
一方で複数のソニックソルジャーを相手にフーマが、残像が見えるほどの素早い身のこなしで翻弄し、ソニックソルジャー以上のスピードで錯乱しながら光の手裏剣で次々と打ち落として行く。
「な、なんて速さだ。こんな事をたやすく出来るなんて……」
「おいおい吸血鬼の兄ちゃん。あんただってあんたお得意の戦法があるだろ」
その速さに驚くフーマ(ピート)にフーマ(Uフーマ)は指摘する。
その指摘にフーマ(ピート)は一瞬疑問に思ったがすぐさまハッとなった所でソニックソルジャーが霊刀で貫こうとし、霧状となったフーマの体をすり抜ける。
「!?」
「食らえ!ダンピールフラッシュ!!」
驚いているソニックソルジャーの背にフーマ(ピート)は両掌から光線を発射して浴びせ、爆発四散させる。
「ナイスだぜ!」
「ありがとう!」
褒めるフーマ(Uフーマ)にフーマ(ピート)は礼を述べた後に向かって来たのをオーバーヘッドキックで別の量産型レブナントに叩きつける。
「行くぞヒロユキ!久々だからって体を鍛えてるの忘れてないよな!」
「勿論だよタイガ!行こう!」
TU(Uタイガ)のにTU(ヒロユキ)は答えると光を集めてトンファーに収束させると向かって来たブランクソルジャー集団の蹴りや霊刀、霊波砲を巧みに反らしながらカウンターで攻撃を叩き込んで行く。
「「スワローバレット!!」」
左腕を縦に、右腕を横にして十字を組むと光弾を放って向かって来たのを次々と怯ませてから右手を掲げてから両手を頭上で合わせ、瞬時に態勢を低くしながら両腰に当てることでエネルギーを充填させた後に全身を光らせ……
「「ストリウムブラスタ―!!」」
左腕を上に、右腕を下に支えにして腕をT字型に組んで光線を放出して量産型レブナント集団を破壊して行く。
「おお、なかなか彼らもやるな」
それをキョウリュウジャーと戦っていたマタドールは巧みに戦闘員を蹴散らして行くトライスクワッドにマタドールは感心する。
そんなメンバーにキョウリュウレッド達と似たスーツを纏った7人のキョウリュウジャーが加わる。
「キョウリュウジャーがさらに7人!?」
「ど、どんだけ多いの?」
「まぁ、結構多いわね。ここにはいない分入れると軽く20人超えるし」
「にじゅ!?」
新たに現れた面々に驚く美神や蛍に答えた八雲紫のに瑠璃は言葉が詰まる。
「そんじゃあそろそろあんたも一緒に荒れるかミニティラ!!」
「ぎゃう!!」
「トバちゃんいっくよぉ~!」
「ぎゃう!!」
その言葉にミニティラはキョウリュウレッドの腕に、キョウリュウネイビ―の方では紺色のスピノサウルスを模したチビ恐竜、ミニスピノが収まる。
【【クルリンチョ!!】】
直後に2人はお互いの持った相棒の顔を180度、足の方へ回転させるとそのまま背中からピストルグリップと引き金を展開してそれぞれガブティラ・デ・カーニバルとトバスピノ・デ・カーニバルに変える。
【なんと!?】
「恐竜が銃に変形した!?」
「うきゅ!?」
「みむ!?」
【【OH・マツリンチョ!カーニバル!!】】
美神達が再び驚いている間に2人は銃となった相棒の下アゴを閉じる様に動かした後に再び踊る様に動き…
「「ファイヤー」」
銃となった相棒を頭上に向けてトリガーを引くとそれぞれミニティラとミニスピノのオーラが飛び出した後に変身した時の様に2人の背に行くと噛み付く様に一体化する。
キョウリュウレッドの頭部にトサカ状パーツ、胸部にはガブティラヘッド状の装甲が追加され、上半身から足にかけて赤・白・黄色の牙のような装飾が施され、キョウリュウネイビ―も頭部は同じだが、胸部はトバスピノの顔を模した装甲が追加され、上半身から足にかけて紺色・白・黄色の牙のような装飾が施された新たな姿へとなった。
「俺達も乗り遅れない様にしようでダチ公!ブレイブイン!」
「ああ!ブレイブイン!!」
それを見てキョウリュウゴールドはメタリックゴールド、キョウリュウシルバーはメタリックレッドの新たな獣電池を取り出して各々の変身アイテムにセットする。
【ガブリンチョ!プテラゴードン!!】
【ギガガブリンチョ!グレンブラーギガス!!】
「アームドオン!!」
「幻星武装!!」
キョウリュウゴールドはキョウリュウレッドがやった様に右腕に滑らせるようにガブリチェンジャーを持った左腕を動かすと右腕に棘のような金の武装アーマーが装着されると共に右手にメタリックゴールドに塗装されたザンダーサンダー、ゴールダーザンダーサンダーが出現する。
キョウリュウシルバーはギガガブリボルバーを頭上に向けてトリガーを引くと赤い勇の字が飛び出した後に勇の字は5つの光となってキョウリュウシルバーの胸、両腕、両足に当たると鎧武者を模した鎧が装着される。
「ほう!」
「改めて聞いて驚け!!」
変化した4人にマタドールは感心すると再び誰もが耳を押さえてしまう程に辺りに響き渡る位の大声を出してキョウリュウレッドは吠える。
「牙の勇者!キョウリュウレッド!カーニバル!!」
吠えながらキョウリュウレッド・カーニバルは踊る様にマタドールに攻撃を仕掛けていく。
「弾丸の勇者!キョウリュウブラック!!」
ガブリボルバーで量産型レブナントを打ち抜きながら黒いキョウリュウジャーは名乗り上げる。
「ステゴシールド!!どっこいしょ!!」
そんなキョウリュウブラックへ放たれた霊波砲を青いキョウリュウジャーが割り込んで手に持った盾で防いでから弾き飛ばす。
「鎧の勇者!キョウリュウブルー!!」
「斬撃の勇者!キョウリュウグリーン!!」
「角の勇者!キョウリュウピンク!!」
再び攻撃しようとした量産型レブナントを緑とピンクのキョウリュウジャーがそれぞれ斬撃とキックで蹴散らしながら青のキョウリュウジャーと共に名乗り上げる。
「雷鳴の勇者!キョウリュウゴールド!!」
キョウリュウレッド・カーニバルと入れ替わる様にゴールダーザンダーサンダーとザンダーサンダーによる二刀流でマタドールを攻撃しながら名乗り上げる。
マタドールは斬撃を防いでいると木の小舟に乗った水色のキョウリュウジャーが突撃してきて、避けた後に後から飛んで来た矢型の光弾を防いだ後に灰色のキョウリュウジャーの頭突きを胸に受けて後ずさる。
「ぬっ!?」
「鋼の勇者!キョウリュウシアン!!であるぞ!!」
「激突の勇者!キョウリュウグレー!!」
胸を押さえている所に海竜を模した杖を持った紫のキョウリュウジャーの杖による攻撃をマタドールはカポーテで防ぐ。
「海の勇者!キョウリュウバイオレット!!」
続けざまに日本刀型の武器でキョウリュウシルバーが斬りかかり、援護する様にキョウリュウネイビ―が銃となったミニスピノで攻撃する。
「閃光の勇者!キョウリュウシルバー・グレン!!」
「自由の勇者!キョウリュウネイビ―!カーニバル!!」
その後に力強く名乗り上げる。
「はは、11人もいるとはな」
「「「「「史上最強のブレイブ!」」」」」
少し驚いた声を漏らすマタドールへと集いし11人のキョウリュウジャーはポーズを取って名乗りあげてからしゃがみ込んで地面に右腕を付けた後に勢いよく立ち上がって右腕を天に突き出してから左手で左胸のエンブレムを差し……
「獣電戦隊!」
「「「「「キョウリュウジャー!!」」」」」
力強く名乗り上げる。
「ふむ、これは凄いな……こちらも少し本気を出すか」
先程よりも闘志が強くなったのを感じたマタドールはその言葉と共にオーラを発する。
「あのさ勇儀、龍騎にあんたがいるから付いて来たけど、あの骸骨何?」
「す、凄い強者の気配だ!」
「ああ、しかもまだ強さ隠してるだろあれ」
そんなマタドールを見て、量産型レブナントを蹴り飛ばしてからキョウリュウピンクは問い、キョウリュウグリーンとキョウリュウブラックはガブリカリバーとガブリボルバーを構えながら警戒する。
「なあにバトルジャンキーな骸骨さね!あいつも大技出すようだし!こっちも決めるぞ!」
「ええ!?いきなりですか!?」
「ふはは!ならば我も協力するぞ!」
「はん、反逆するには良い強者だな」
キョウリュウレッド・カーニバルのにキョウリュウブルーは驚いた声をあげ、キョウリュウシアンとキョウリュウグレーは意気揚々と乗る。
「とにかく必殺技行くで良いんだね!ノワも頑張る!」
「ノワ、もうちょい考えてくれ」
「まあまあ、とにかく行こうぜ!」
「やっちゃおう!」
ふんすと気合を入れるキョウリュウバイオレットのにキョウリュウシルバー・グレンはぼやく中でキョウリュウゴールドは肩を叩いて言い、キョウリュウネイビ―・カーニバルも続くとキョウリュウレッド・カーニバルと共に3本の獣電池を取り出す。
「ビクトリー獣電池!!」
「マキシマム獣電池!!」
「バースト獣電池!!」
「「「直列!!」」」
獣電池を繋ぎ合わせると3人の周りに他のキョウリュウジャーが手を翳す。
「「「「「バーストビクトリーブレイブイン!!」」」」」
「「「「「「バーストマキシマムブレイブイン!!」」」」」」
同時にブレイブを込める。
キョウリュウレッド・カーニバルはビクトリー獣電池をガブティラ・デ・カーニバルにセットする。
【アミーゴ!みんなアツマリンチョ!】
音声の後に、キョウリュウレッド・カーニバルの右側をキョウリュウブラック、キョウリュウブルー、キョウリュウグリーン、キョウリュウピンクが支える。
【アミーゴ!メチャメチャアツマリンチョ!】
続けてマキシマム獣電池をセットして、下顎を閉じた後に今度はキョウリュウレッド・カーニバルの左側をキョウリュウゴールド、キョウリュウシアン、キョウリュウグレー、キョウリュウバイオレット、キョウリュウシルバーが支える。
【アミーゴ!さらにアツマリンチョ!!】
隣でキョウリュウネイビー・カーニバルがトバスピノ・デ・カーニバルにバースト獣電池をセットして下顎を閉じた後に構える。
ガブティラ・デ・カーニバルとトバスピノ・デ・カーニバルにエネルギーが収束するのを見てマタドールはエスパーダの刀身を輝かせる。
「「「「「十一獣電!ビクトリーマキシマムバーストフィニッシュ!!」」」」」
【【キョウリュウ!みんな!ガンバ!デ!カーニバル!!】】
トリガーを引かれると共に11体の超強力なキョウリュウスピリットの光弾が放たれ、マタドールへ向かって行く。
向かって来るのにマタドールは骸骨の目を輝かせ……
「血のアンダルシア!!」
エスパーダを振るい、ぶつかり合う。
「「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」」
「な、なんて衝撃!?」
「きゃあ!?」
「はわわ!」
ぶつかり合いにより起こりし衝撃にジードに守られながら誰もが吹き飛ばされない様に耐える。
どちらかの均等が崩れた方が勝つと美神や冥華が思った時、キョウリュウジャーは一歩踏み出し、それにマタドールも一歩進む。
吹き飛ばされない様にしながらお互いに距離を縮めて行く。
「「勝つのは私/私達だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」
ドカァァァァァァァァァァン!!!!
直後だ、ぶつかりあっていた力は爆発を起こし、近づいていたお互いは同時に吹き飛ぶ。
「どわった!?」
「うおお!?」
爆発の衝撃に戦っていたインペラー達にビルド達も転がる。
「ば、爆発した……!?」
「な、なんて爆発よ」
クレーターが出来てるレベルの爆発に美神達は戦慄する。
なんとか起き上がったキョウリュウレッド・カーニバルは同じ様に体を起こしたマタドールとみつえあう。
少しの静寂の後、破ったのは、マタドールの笑い声であった。
「はははははははははははははは!!!!!愉快!なんとも有意義な戦いであった!あのニーニョとの再戦前にこんな有意義なのが出来て嬉しいぞ!!」
「はっはっ!まだまだやりたいのなら付き合ってやるぞ!」
いや、止めて置こうとキョウリュウレッド・カーニバルのにマタドールは最初に現れた時の人間の姿に戻る。
「流石にこれ以上続けたらニーニョとの楽しみが薄れてしまいそうだからな。良い暇つぶしになった!!」
「あれで暇つぶしであるのか」
「強者過ぎだろ」
「骸骨さんがお姉さんになった!凄ーい!!」
かんらかんらと笑うマタドールにキョウリュウシアンとキョウリュウグレーはうへぇとなる隣でキョウリュウバイオレットは変化に興味津々である。
笑った後に美神達に楽し気に告げる。
「良い暇つぶしにはなった礼だ。良い事を教えてやろう。基本的に同一個体は 存在の強い者に引かれ、自分が個になる為に、最も強い個体に引き寄せられるのでお前達の前に現れることはないだろう」
「……貴重な情報ありがとさん」
渋い顔でマタドールから告げられた事へ礼を述べる美神にマタドールはそんな顔をするならもっと強くなるのだなと笑う。
「お前達の兵はもういないぞ!」
「観念するんだな!地獄大使、死神博士!」
ガラガランダとイカデビルにゼットはつき付け、3号も続く。
だが、ガラガランダとイカデビルは特に焦った様子を見せていない。
そんな2人の様子になんだ?と3号は思っていると……
「おわ!?な、なんだ!?」
クローズのビックリした声に誰もが顔を向ける。
そこではゼット達により倒された4体の同位体のマタドールが巨大化スペース蜘蛛男の亡骸から伸びた触手に絡め捕られてる光景であった。
さらに破壊されたブラッドソルジャーから飛びだしたマタドールパーカーゴーストも捕え、そのまま捕食する様に頭のあった部分を通って体内に吸い込まれる。
「な、何が起こったんだ!?」
「仮面ライダー!勝負はまだこれからと言う事だ!!」
「奴は万が一1回殺された時、取り込む様に改造して置いたのだ!!」
「何!?」
戸惑うガイアや3号達へ告げるガラガランダと死神博士のにアグルも驚く中で巨大化スペース蜘蛛男はその体を起こし……
―ぎゃははははは!!!!ー
新たに蜘蛛の顔型骸骨の顔を出現させて狂った笑い声をあげる。
次回、第40の章:病原退治
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第40の章:病原退治
バイラス・ドーパント転生体との戦いは変異体の時より安定していた。
その理由は新たなコンボを得たオーズとウィスプ、ゼロワンの活躍があったからだ。
【
「この!」
「冷凍!」
「毒はどくすに限るっと!!」
バイラス・ドーパント転生体は毒液を主に噴き出して攻撃して来るのでオーズがシロクマアームの能力で毒液近くの床の熱を奪い取って床事毒液を凍らせて、ウィスプはガンガンブレードからセイシロギン眼魂の力による氷結弾で凍らせて、ゼロワンはハイブリッドライズ形態の1つフリージングベアーの手の平のフリーズユニット『ポーラーフリーザー』から対象を急速冷凍させる凍結材を噴射する事で被害が広がらない様にしていた。
変異体と違い、気体ではなく液体だからこそ凍らせる事で毒が周りに広がっての死の危険性は低くなった。
「おらぁ!」
「ちょあぁ!」
「ふっ!」
さらに青い姿でのパラドクス魂のホロウとゼンカイザーの援護射撃を受けながらジャスティスメモリの特性でウイルス無効を得たジャスティスが斬りつけてバイラス・ドーパント転生体の動きを封じる。
「士!分かってるな!」
「ああ、こういうのは一気に燃やし尽くすのが一番だからな」
それを見ながらWとディケイドはお互いにWヒートトリガーの姿になりながら必殺技の態勢に入る。
【トリガー!マキシマムドライブ!!】
【ファイナル!アタックライド!ダ・ダ・ダ・ダブル!!】
「横島君!或人君」
「「はい!」」
音声を聞いてオーズはベルトのメダルを再スキャンし、ウィスプはレバーを引き、ゼロワンはプログライズキーを押し込む。
【キィンキィンキィン!スキャニングチャージ!!】
【ダイカイガン!オーズ!オメガドライブ!!】
【フリージングインパクト!】
「「「はっ!!」」」
ゼロワンはポーラフリーザーからさらに強烈な凍結材を噴射し、オーズとウィスプは同時に床を殴りつける事で殴った所から床が凍りついてバイラス・ドーパント転生体へと向かって行き、ジャスティスによりその場に縫い付けられたバイラス・ドーパント転生体を氷の中に閉じ込める。
イ フ
ン リ
パ ー
ク ジ
ト ン
! グ
「「「トリガーエクスプロージョン!!」」
同時に引き金を引くと疑似的なツインマキシマムドライブによる火炎放射がバイラス・ドーパント転生体を閉じ込めた氷事燃やし尽くす。
炎が消えたのを見てからW(翔太郎)は心眼へと問う。
「心眼。もう気配はないか?」
【ああ、大丈夫だ。もう奴の気配はない」
「ふう、これで大丈夫だな」
「お疲れ様です西条さん」
安堵の息を吐くジャスティスにウィスプは労う。
「ああ、ジャスティスメモリはホントに危ういが持ち主の望む特徴を出すのがあって良かったと思うよ」
「確かに、後はバイラス・ドーパントが理性がない状態だったのも助かった要因だね」
「人の姿で液体ばっかばら撒こうとしてたからな……マジでそれで良かったかもな……」
「しかも直接触れたらヤバいもんね;」
そう呟いたジャスティスにW(フィリップ)はそう言い、ホロウとクウガも変異体の暴れっぷりのを思い返してふうと息を吐く。
「とにかく、これで後はジュラン達が戻るのを待つだけか」
【さっき通信して来たっチュン。あっちも観測レポートを無事に手に入れたそうっチュン】
「良かった~」
元の場所に戻り、ゼンカイジュラン達が戻るのを待っているとゼンカイジュラン達が慌てた様子で戻って来る。
「介人!?大丈夫だったの!?」
「うん。バイラス・ドーパントと戦っていたけど大丈夫だったよ」
声をかけるゼンカイガオーンにゼンカイザーはそう返す。
バイラスって何?と首を傾げているゼンカイマジーヌとゼンカイブルーンはゼンカイジュランが簡略に伝えると顔を青ざめる。
「うえぇ、機械にも取り付くってマジヤバな奴じゃないッスか!」
「それが理性がない状態だったのなら毒を色んな所に撒き散らされなくてホント良かったですね;」
ドン引きするゼンカイマジーヌにゼンカイブルーンも冷や汗掻いて言う。
ホントになと頷いた後にゼンカイジュランは観測レポートが入った端末をWに手渡す。
「ほい端末」
「サンキュー、アイ、早速データを出してくれ」
分かりましたとWがパソコンに端末を接続したのを見てアイはアクセスする。
それによりパソコンにデータが表示される。
「……この数値が汚染物質のかな……とても高いな……」
「こんだけ高いからこのセクターは生き物が住めなくなって、砂漠になっちゃったんっスかねぇ……」
「む、これは……ある時点から浄化装置による浄化処理が無くなってるようじゃな」
【おかしいですね……?このリンクは?】
データ内にあったのを見て呟くオーズとウィスプの後にカオスが気づき、アイも疑問を持った後にリンクに気づいてそれを開く。
すると命令書が表示される。
「これは……ゼウスの命令書か……浄化作業を中止せよか……数日前で必要のなくなった浄化の研究を中断し、前作業員は“新世代兵士”プロジェクトに移行するか……」
【必要が無くなった!?安全で無公害、平和利用のエネルギーと……ずっとわたしは……】
「ゼウスの奴!ゆるせねぇよ!平和の為に利用される筈だったエネルギーを悪用するなんて!」
読み上げたジャスティスのを聞いてショックを受けるアイにウィスプは手を握り締めてゼウスに怒る。
「アイの信頼を裏切って許せないよ!」
【“裏切り”……これが……」
「でもこれではっきりしたよね。何があっても……絶対に、ゼウスの野望を止めなきゃって」
「それに邪眼もだな。奴はゼウスの計画に混じって自身の復活に怪人の帝国を作る野望を再びやろうとしてるようだしな」
ジオウの言葉を噛み締めるアイにオーズはそう言い、ディケイドも続く。
【映司さん、士さん……】
「行こう。このセクターを開放しに」
誰もが頷いた後に観測所を出て歩き出す。
「しっかし、めちゃくちゃ広い場所だな……なんもないし……」
「確かに、こうも砂、砂、砂だけなのは味気ねえよな」
歩きながらそう呟くゼロワンにゼンカイジュランも同意する。
「翔太郎、なんだか雲行きが怪しくないかい?」
「そうか?気のせいだろ。このカラッカラの風景を見ろよ!」
ふとそう言うW(フィリップ)のにW(翔太郎)はそう返す。
「言われてみると、風も強くなってるような……」
「風?風は俺達の味方じゃねえか」
「それは風都の風だと思うよ翔太郎」
首を傾げるオーズのにそう言ったW(翔太郎)はW(フィリップ)はツッコミを入れる。
「砂漠で風が強い……まさか!?」
【大変です!砂嵐が接近しています!】
「そうそう、砂あら……す、砂嵐ぃぃぃ!?」
それにジャスティスが気づくと共にアイが警告し、W(翔太郎)は迫ってる奴に気づいて驚きの声をあげた後に強烈な砂嵐が全員に襲い掛かる。
「ぼへぇー---!?」
「ギンゼイ!?マジーヌちゃん!ギンセイにも防護服!!」
「分かったっス!ぬぬぬマジーヌ!!」
マスコット内で新参だったのでただ1匹纏ってなかったギンセイにウィスプが慌ててお願いし、ゼンカイマジーヌも言われてギンセイに防護服を纏わせる。
「ちょ……どこかしのげる場所はねえのか!?」
【この向こうに居住施設がある筈なのですが……センサー類もノイズだらけで……】
「心眼。お前は?」
【無茶言うな。流石に霊的やそれに近いのは分かるが、何もない施設を探すなど出来る訳ないだろう……む?】
確認するW(翔太郎)に答えるアイの後に聞くウィスプに心眼は答えてから訝しむ反応を見せる。
【あっ!何か敵反応が!】
【これは、新生ではない方のグリードだな】
「となると……ここまで出てないアンク、メズールにギルだが……旅したヤツの話じゃあギルじゃなくて恐竜グリードのどいつか?」
すぐさま報告するアイと心眼のにウヴァが呟いた後にそれは姿を現す。
シャチをモチーフにした頭部、イカやタコの様な吸盤の並んだ脚部、首元に巻かれたウナギに上半身にタコの足が垂れ下がったマントの様なのを纏った存在。
「メズール!」
「なんで水棲系のこいつがこんな所にいやがるんだ?」
目の前の存在、コピーメズールにウヴァが訝しむ中にコピーメズールはその場から逃げていく。
「逃がすか!おい、追いかけるぞ!」
「翔太郎、どう考えても罠だよ!」
「そうだな。コピーとはいえ水がないこんな場所に現れたとなれば、何か策を齎してるとか思えんな」
慌てて追いかけようとする相棒をW(フィリップ)は制止し、ウヴァも賛同してそう付け加える。
「僕も同じ意見だね。それに、水があれば強いのなら、このセクターのどこかにオアシスがあって、そこにおびき寄せようとしてる可能性もありえるよ」
【それに、この砂嵐の中で追跡は困難ではないでしょうか?】
「心配すんなって、フロッグポッドで足音を探すし、心眼に追跡して貰えれば良いしな」
【ぬぅ……確かに感じてはいるがな……】
「それ、俺も行かないといけない流れになるのでは?;」
苦言するジャスティスと付け加えるアイのに返したW(翔太郎)のにウィスプは自分を指して言う。
「この砂嵐で逸れたら危ないし、敢えて敵の懐に飛び込むのはどうかな?」
「まぁ、メズールのパチモン1人だけならこのメンバーで行けるか?」
「それにオーズが新しい力を得られれば探索できる範囲も増えるから追うのありだと思う!」
そう提案するディエンドのにウヴァはそう呟き、ゼンカイザーも続いたのでジャスティスは仕方がないかとため息を吐く。
「それじゃあコピーメズールを追跡しよう。油断しないで気を引き締めよう」
「うっす!」
「ようし!追跡開始だ!」
号令の元、W達はコピーメズールの追跡を開始するのであった。
「………」
「デュ?」
そんな中、無言になっていたトリガーにティガは声をかける。
「!大丈夫、僕達も追いかけよう!」
「タァ!」
慌てて返事をするトリガーにティガは頷いて追いかける。
(なんだろう……感じた事のある気配をここに来てから感じる……コレって一体……)
次回、第41の章:オアシスの水棲女性
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第41の章:オアシスの水棲女性
コピーメズールの追跡を開始したW達。
道中で彼女が放っただろう水棲系ヤミーやガーディアンなどの戦闘員を倒しながら進んで行く。
そんな道中で横島はオーズの眼魂を使い分けながら戦っていた。
「横島君。コンボの眼魂のは慣れたかい?」
「はい!こうやって改めて使う事で段々とコツが掴めた気がします!」
現在はプトティラ眼魂を使った状態でグッと手を握り締めて言うウィスプに頼もしいねとオーズは笑う。
【ただ、プトティラは怒りのままに使わない方が良いな。これは下手すれば暴走してしまうぞ】
「まぁ、こいつが普通に使えるのがおかしいけどな。普通なら暴走してもおかしくないのが紫のコンボだからってのが共に旅した奴が言ってた事だな」
注意する心眼にウヴァもオーズを半目で見ながらそう言う。
え、この姿、普通に暴走するん?と暴走の危険性があるのにウィスプは青ざめる。
半目で見られたオーズはあははっと困った様に笑う。
「しかし、メズールはどこにいるんだ?」
「この砂嵐で見えないとはいえ、近づいてはいるんだよね?」
「足音も追ってるからな」
【そこらへんは問題ないぞ。そろそろ見えてもおかしくないが……】
周りを見ながら呟くゲイツにウォズが確認してW(翔太郎)と心眼が答える。
【!強いコアエナジー反応を確認!前方200メートル先にいます!】
「きっとコピーメズールだな!慎重に行くぞ!」
「うっス!」
それにWを先頭にメンバーは進む。
あと90メートルと言う所でそれは起きた。
ドパーーーン!!!
「おわー--!?」
「ジオウ!?」
「我が魔王!?」
突然ジオウの足元から水が噴き出してジオウは上に吹き飛び、突然の事に誰もが驚く中で、気づいたウヴァがWとウィスプを前に押し出して自分も前に出ると共に2人のいた場所からも水が噴き出す。
「うおぉ!?な、なんだ!?」
「み、水が噴き出したじゃと!?いきなり水が何もしてない状況で噴き出すなどありえんぞ!?」
落ちて来たジオウをゼンカイジャーがゼンカイマジーヌが用意した布を広げて受け止めてる間にホロウとカオスが驚きの声を上げる中で誰もが慌てて水から距離を取ると水柱は横に広がり、壁へとなって行く。
【!この水からコアエナジー反応がします!】
「やはりメズールの仕業か!横島君、Wの2人にウヴァさん!大丈夫か!!」
「ああ、大丈夫だ!」
「け、けど、水に閉じ込められちゃいましたよ!?」
「こいつはあいつの仕業で確定だな」
報告するアイの聞きながらジャスティスは中にいるメンバーへと声をかけ、ウヴァは目の前のオアシスの中から飛び出して来るコピーメズールを睨む。
「コアエナジーがあろうとこんな水だけの壁なんて簡単だ!」
それにホロウは赤い姿のパラドクス姿で壁を殴り壊そうとして……飛び出して来たピラニアヤミーに驚いて避ける。
すると水の中から水棲系ヤミーが続々と現れる。
「俺達はこっちの相手か!」
「やれやれ罠と分かってはいたが、ちゃんと掛からなかった相手用も準備してるとはな」
休憩も得たのでマイティフォームに戻ったクウガの後にディケイドは呆れた様にぼやきながら飛んで来たピラニアヤミーを打ち抜く。
「はぁ、やっぱり罠だったね。こんな罠に掛かる人間はとんだハーフボイルドだねぇ……」
「俺を責めるなよ!カラッカラの砂砂漠が我慢できなかったんだよ!!」
「あー俺も分かります!やっぱ水は大事っスよね」
【言っとる場合か!それよりも奴の様子が変だぞ!!】
ため息を吐いて呆れてぼやく相方にW(翔太郎)が言い訳してウィスプが同意する中で心眼の言葉にコピーメズールを見る。
「ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
それと同時にコピーメズールは咆哮すると体を光らせる。
【コアエナジー反応上昇!変貌します!!】
「どんな変貌をするんだ!?」
「元になった奴が混ざった様な外見か、それとも人魚みたいな感じになるか……」
外からのアイの報告に3人は身構える中で光が収まり、ウィスプとWはえ?と声を漏らす。
光から現れたのはメズールの格好をした女性であった。
「え、人間になっちゃってますよ?」
「俺に聞かれても困るけどよ、変貌ちゃあ変貌だが……」
「おい油断はするな。奴の力が上がっているのは確かだ」
戸惑うウィスプとWにウヴァが注意するとコピーメズールはその手にある物を出現させる。
それは……テニスラケットだった。
「なんでテニスラケット!?」
【メズールはああいうのを出すのか?】
「いや出さねえよ」
思わず確認する心眼にウヴァが答えてる間、コピーメズールはその手に水球を作り出すと上に放り投げ、落ちてきた所をラケットで打つ。
「あぶねぇ!?」
「おわ!?」
打たれた事で剛速球で来る水球に3人は慌てて避けると水壁に当たった水球はパァンと大きい音を立てて弾け飛ぶ。
「す、すげぇ音……」
「ありゃあ生身で受けたら即死だな」
その音にウィスプは思わずビビり、ウヴァの呟いた事にゾッとする。
「テニスラケットにあの顔、思い出したぞ……彼女は竜崎 霊華だ!」
「りゅうざきれいか?誰っスかそれ?」
「ってまたお前、出会ってないパターンかよ!?」
そんな変貌したコピーメズールの顔を見てW(フィリップ)は叫び、ウィスプの呟きにW(翔太郎)は驚く。
「竜崎 霊華、かつて日本テニス界のホープであったが、太平洋戦争によって夢を砕かれてしまった女性だ。僕らの知る歴史ではその事で亡霊となって現世に留まっていた彼女を除霊する為に唐巣神父に頼まれた小笠原エミと美神令子がダブルスで彼女1人を相手にするんだが、ホープと言われてただけに2人をテニスとはいえ敗北寸前までに追い込んだ事のある女性だよ」
「そんなに凄い人なんっスか!?」
解説された事に驚いていたウィスプはコピーメズールを見ると再び水球を飛ばしてくる。
(いや、待て、見えた!)
飛んでくる水球を視認したウィスプは狙いを定め……
「そおい!!」
拳で弾く!
弾かれた水球はコピーメズールの頬を掠る。
まさか弾かれた事にコピーメズールは驚いた顔をした後に再び放つ。
「てりゃあ!!」
続けざまに弾いた後に霊力を拳に収束させて霊波刀を作る要領でラケット状に形成すると次に来た水球をラケットで打ち返す。
戻って来たのをコピーメズールも打ち返し、そのままラリーを開始する。
「そぉい!!」
「!!」
「てぇい!!」
「!!」
「ふんりゃあ!!!」
「!!!」
時にはバッグハンド、時にはボレー、時にはスライスとやっていく。
「とわぁ!!」
「!?」
打ち上がったのをウィスプは見逃さずに飛び上がり、スマッシュを打ってコピーメズールが打ち返せずに後ろの地面にバウンドして水壁にぶつかって四散する。
「よっしゃ!」
「すげぇぜ横島!お前、テニスプレーヤーでプロ目指せるぞ」
「あぁ、小笠原エミと美神令子がダブルスでやってやっと勝てた相手にあんなに一本取るとはね」
「アザッス!!」
「おい、悠長にテニスので喜んでんじゃねえよ。あっち見ろ」
興奮して賞賛するWへと返したウィスプは呆れたウヴァの言葉にコピーメズールの方を見て、絶句する。
コピーメズールの周囲で水が盛り上がるとコピーメズールと同じ姿のコピーメズールが複数現れる。
「翔太郎さん。俺、嫌な予感します」
「奇遇だな。俺もだ」
それを見てウィスプとW(翔太郎)が言葉を交わした後、複数のコピーメズールは一斉に水球を放り投げて、ラケットで打って攻撃を仕掛けて来る
「「やっぱりぃぃぃぃぃぃ!!!?」」
「流石はテニスのホープ。狙いが正確だ」
「これはこれで面倒だな」
飛んで来る大量の水球に3人は必死に走って逃げて避ける。
3人が避けた水球は水の壁に当たって弾けたり、岩に当たって岩を粉砕する。
「あんなのが同時に当たったらお陀仏っスよ!?」
「しかも数が多い!このままじゃあやられちまう!」
【だが、実質3人、しかも1人は変身してないからどうすれば良いか!】
「おい、変身出来れば良いんだろ?」
必死に走るウィスプとWへそう言ってウヴァはそう言うと反対方向に走る。
おい!?とWが呼び戻そうとして飛んで来る水球に慌てて避ける。
どうやらコピーメズールは仮面ライダーの方がメインの様で反対方向に走ったウヴァに目もくれていない。
「ふん、こう都合だな」
適当な岩場に隠れるとウヴァは懐からある物を取り出す。
それはゼロワンが付けている飛電ゼロワンドライバーに新たなアタッチメントが被さったような見た目をしたバックルであった。
「ふん。奴の親切がここで役に立つ時が来るとはな」
☆
それは丁度砂漠セクターのゲートを開けるまでに向かう道中であった。
「ウヴァさんはさ、今は丸腰に近い形だよな?」
「まあな、防護服も着てるのもあるから修理して貰った奴を纏えん」
確認するゼロワンに話しかけられ、ウヴァは手首に付けているブレスレットのを見て返すとじゃあとゼロワンはバックルとプログライズキーを差し出した。
「このゼロツ―ドライバーとプログライズキーを貸すよ。もしもの時の護身用ってね」
「それは良いが……俺でも使えるのか?」
訝し気に貸し渡されたバックル、ゼロツ―ドライバーを見るウヴァに大丈夫と返す。
「ゼロワンドライバーはちょっと権限があるけど、こっちならウヴァさんでも使えると思うよ」
「ふぅん。まぁ、ありがたく借りるぞ」
そう言ったウヴァは続いてプログライズキーを受け取ろうとした時、プログライズキーのレンズから光りが照射されると空中に何かを作り上げ、光りが消えて落ちそうになったそれをウヴァは手に取る。
それは緑色のプログライズキーでオーズのクワガタヘッドが刻まれていた。
「こいつは……」
「そいつを使えって事かな?」
☆
思い返した後にウヴァはゼロツ―ドライバーを腰に当てて、装着する。
【ゼロツ―ドライバー!!】
その後にウヴァはバックルのアタッチメントを開いて展開する。
【
鳴り響く待機音声を聞きながら続けて取り出した緑色のプログライズキーのスイッチを押す。
【インセクト!!】
その後にゼロツ―ドライバーにプログライズキーを翳す。
【オーソライズ!】
「変身」
音声の後にキーコネクタを展開してウヴァはゼロツ―ドライバーにセットする。
【
それにより緑色のクワガタ、カマキリ、バッタのライダモデルが出現してウヴァの周りを飛び回った後に光の粒子となり、同時に形成されたアンダースーツを身に纏ったウヴァの各部位にまとわりついて装甲を形成する。
【
形成が終わった後にはオーズガタキリバコンボをゼロワンの装甲風にメカニカルになった仮面ライダー、仮面ライダーゼロツ―ガタキリバシンギングオーズが佇んでいた。
「ほう、成程な」
変身完了と共にゼロツ―は脳に直接教えられたのに納得するとその体から粒子が放出され、その粒子は複数のゼロツ―の姿に変わる。
「!?」
突然現れた複数のゼロツ―のにWとウィスプを攻撃していたコピーメズールは慌ててそちらにも水球を放つがゼロツ―の体は水球を受ける処か素通りする。
驚いているコピーメズールに本物のゼロツ―は近づいて両腕に装着したカマキリソードで切り裂いてダメージを与えて行く。
「おお、すげぇ!」
「横島、今がチャンスだ。奴の動きを封じるんだ」
押して行くゼロツ―に感嘆していたウィスプはW(フィリップ)の言葉に自分がまだプトティラ魂だったのでそう言う事かとレバーを引く。
【ダイカイガン!オーズ!オメガドライブ!!】
「よいしょ!!」
フードのプテラ部分が大きくなって翼を形成して大きく羽ばたくと強烈な吹雪が放たれてオアシスの水が急速に凍って行きながらコピーメズールに迫り、気づいたゼロツ―は斬撃による攻撃を入れてコピーメズールを硬直させてから飛び上がると硬直により動けなかったコピーメズールは強烈な吹雪に全身が一瞬で凍り付く。
それを見たゼロツ―はプログライズキーを押し込む。
【ガタキリバシンギングビッグバン!!】
音声の後にゼロツ―の周囲に同じゼロツ―が出現し……
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ガ タ キ リ バ
シ ン ギ ン グ
ビ ッ グ バ ン
複数の分身がコピーメズールへとライダーキックを決め行き、最後は本体のゼロツ―がライダーキックで貫き、コピーメズールを背に着地する。
ドカァァァァァァァン!!!
その後ろでコピーメズールは叩きつけられたエネルギーで氷事爆発四散する。
「やった!!凄いぜウヴァさん!」
「すげぇぜウヴァ!」
「ふん、なかなか使い心地が良いな」
賞賛しながら手をグッパするゼロツ―へと駆け寄ったウィスプは頭に衝撃が来ていてぇと思っていると自分の顔の前に落ちて来たのを思わず掴む。
手を広げるとそこには6枚の青いメダルがあった。
「これが水棲系のメダルか、どんなマスコットが産まれるんだろうな」
【……もう、産まれる前提か……】
ワクワクするウィスプに心眼は遠い目をしてそうな声でぼやくと3枚のコアメダルは浮かび上がり、散らばったセルメダルを集めて体を形成し……
「キュウイ♪」
顔がシャチで体はウナギの様に長く、尾びれがタコの足みたいになった小動物に変わる。
「おお!こいつも可愛いな~」
自分の顔の前に浮かんで来た新たなマスコットにウィスプは頭を撫でているとおーいとホロウたちが駆け寄って来る。
なお、新たなマスコットにホロウはうっとお腹を抑え、ジャスティスとカオスが労う様に肩を叩く。
「おお、映司。奴から手土産を貰ったぜ」
「はい、水棲系メダル」
「やった!これでシャウタも使えるよ!」
「やれやれ、ウヴァが仮面ライダーに変身していなければどうなったか……」
ウィスプからメダルを渡されて喜ぶオーズを見ながらW(フィリップ)はぼやく。
「悪かったって、次は気を付け……」
【待て、何か大きな気配が近づいて来てるぞ!】
【はい、コアエナジー反応、頭上を通り過ぎます!】
ーがぁ~~ー
それにW(翔太郎)が返そうとした時、心眼とアイが遮って報告した直後、鳴き声と共に1羽の巨大な翼竜が一同の頭上を通り越して飛んで行く。
その際、口から数枚のセルメダルを落ちる。
「……なんだ、今の……?」
「さっきのは、翼竜。しかも史上最大級と言われたケツァルコアトルスか?」
【先ほどの奴からはドーパントの気配がしたぞ。つまりケツァルコアトルス・ドーパントと言う事になるな】
「成程、そうなると……なぜあのドーパントはセルメダルを運んでいたんだ……」
飛んで行った翼竜に言葉を漏らすW(翔太郎)の隣でジャスティスは自分の知識から呟き、心眼の分析にW(フィリップ)は飛んで行ったケツァルコアトルス・ドーパントの落としたセルメダルを拾いながら呟く。
「これは後を追ってみる価値はあるかもしれないな!アイ、心眼。あいつの反応を追えるか?」
【問題ない、ちゃんと追えるぞ』
【オイラも追えるっチュンよ!】
【私も問題ありません。あのドーパントが通ったルートを追跡します】
確認するW(翔太郎)に心眼が答え、セッちゃんも続いた後にアイがナビゲートを開始する。
「それにしても、あのドーパントはどうしてセルメダルをあんなに大量に持っていたんだろう?」
「もしかするとゼウスの計画に使う為に集めてる可能性があるな」
「となると、ケツァルコアトルスが向かっとる場所に答えがあるかもしれんのう」
疑問を浮かべるオーズにゼロツ―は呟き、カオスはマスク越しに顎を摩りながら飛んで行った方向を見る。
「だったらハードタービュラーで追跡するとしますか」
「待った翔太郎。このままだとここじゃあ僕の体がヤバいでしょうが……エクストリームにならないと」
「後、ここに来るまでに時間がかかるだろう。俺が運んで来てやるからその間にエクストリームメモリを呼んでおけ」
スタッグフォンを取り出してリボルギャリーを呼ぼうとするW(翔太郎)にW(フィリップ)が指摘して、ディケイドが呆れた声で言う。
「それじゃあ僕が先に追跡しておきます」
「テュ!」
「なら俺も鳥ちゃんで!」
【ウィング!オーソライズ!】
それにトリガーが名乗り上げ、ティガも続いた後にゼロワンがそう言ってマゼンタ色のプログライズキーを取り出してゼロワンドライバーに翳すとマゼンタ色のメカニカルなハヤブサが出現する。
「行くぜ鳥ちゃん!」
【プログライズ!
ゼロワンドライバーにセットするとマスクは左右に分割し側頭部に装着され、ボディアーマーは肩や脇の下へ、足のアーマーは元あった位置の横に移動すると空いた部分にメカニカルなハヤブサは光の粒子となってゼロワンに張り付くとハヤブサを模したマゼンタ色のアーマーが新たに装着される。
【
島に来た際に使用したフライングファルコンへと姿を変える。
「あ、そうだケンゴさん!眼魂に力を込めてくれないか?」
「え、あ、良いけど……そうかトリガー魂だね!」
そう言う事とブランク眼魂を差し出すウィスプにトリガーは素直に力を籠めるとブランク眼魂は少し明るい紫色の眼魂へと変わる。
「んじゃあ行くぜ!」
【アーイ!カイガン!トリガー!】
すぐさま出来上がった眼魂をセットしてウィスプはレバーを引く。
【未来を照らす古代の光!スマイルスマイル!!】
飛び出したウルトラマントリガーを模したパーカーゴーストを身に纏い、ウィスプはトリガー魂へとチェンジを完了する。
「未来を照らす希望の光!ってね」
「ようし、そんじゃあ行くぞ!」
元気よく言ったウィスプはおうとゼロワンに返した後にトリガーとアイを抱えたティガと共に飛び上がる。
「んじゃあ翼竜の追跡、よーくりゅういして行こうぜ!」
「こ、ここでもギャグは通すんだね;」
元気よく言ったゼロワンのにトリガーは脱力しそうになるがケツァルコアトルス・ドーパント追跡の為に気を持ち直すのであった。
次回、第42の章:翼竜追跡、美しき終焉を求める者
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第42の章:翼竜追跡、美しき終焉を求める者
セルメダルを運ぶケツァルコアトルス・ドーパントを追跡するウィスプ、トリガー、ティガ、ゼロワン。
いつもとは違う飛び方にウィスプは戸惑いながら追従していた。
「おお、なんと言うかいつもとまた違うな……」
「僕もウルトラマンに変身してる時と違う感覚だけど、慣れればスムーズに行けるよ」
新鮮な感覚にそう呟いたウィスプにトリガーはそう言う。
「俺も鳥ちゃん使っての移動ってあんましてないけど、空を飛んでる時って凄い爽快感を感じるよな」
「あ、分かる分かる!ホントこう空を飛んでる時って凄く楽しさあるよな!」
【お前達、一応追跡してるのだから気取られない様にするべきだぞ】
楽し気に話すゼロワンや乗ったウィスプに心眼は注意する。
はーいと返事する2人のを聞きながら笑っていたトリガーは前を見て気づく。
「あ、いたよ!」
前方を飛んでいる大きな翼竜、ケツァルコアトルス・ドーパントにウィスプは改めてデカいなと思う。
【横島、奴の前には絶対に飛ぶなよ。フリじゃないからな。絶対にだぞ】
「そ、そんなに念押しするなよ、俺はそこまでドジじゃないぞ」
(絶対に横島君に懐かない様にしてるのもあるんだろうな;)
凄く念押しする心眼のに少し不満げなウィスプのを聞きながらトリガーはそう思った後に切り替える。
「とにかく付かず離れずの距離で追跡しよう。どこにセルメダルを運んでいるかをまずは突き止めないとね」
「「了解/ッス!」」
「テュ!」
それぞれ返した後に4人はケツァルコアトルス・ドーパントの後を追う。
暫くするとケツァルコアトルス・ドーパントは一番高い山地へと下りて行く。
【あそこはセクターシティ最大の山地。大地のササクレですね】
「あそこが目的地か……」
「この後はどうします?」
「おーい!」
それを見てアイは報告し、次はどうするかを考えているとハードタービュラーに跨ったサイクロンジョーカーエクストリームになったWとオーズにホロウたちを背に乗せた巨大なピンクの龍が来る。
「うえ!?何っスかその龍!?」
「ああ、私ッス!マジーヌッス!マジンドラゴンになってるッス」
「ドラゴンになれるんだ……」
驚くウィスプにピンクの龍もといマジンドラゴンが答え、トリガーは驚嘆する。
「それでケツァコアトルス・ドーパントは?」
「あいつはあの大地のササクレって場所に降りたッス!そこに皆さんが合流したって所です」
「成程、アイ、敵の反応はあるかい?」
【はい、先ほどのドーパントも含めて強い敵の反応を2つ、他に複数の敵反応があります】
「つまり、待ち伏せされててもおかしくないという事か……」
確認するW(翔太郎)にウィスプは報告し、確認したジャスティスに答えたアイのを聞いてW(フィリップ)は呟く。
「とりあえずどうする?」
「セキュリティレベルを下げる為に倒しておくべきだな。この人数だから対処も出来るだろうしな」
「ようし!大地のササクレ、パンダは“笹食え”、ってね!」
「何が言いたいんだお前は?」
確認するオーズにディケイドはそう返し、気合を入れるゼロワンにゲイツが呆れていると……
【!?横島避けろ!?】
「え?おわ!?」
突然の心眼の警告にウィスプは呆気にとられた後に大地のササクレから向かって来た何かが体に巻き付いてそのまま大地のササクレに引っ張られてしまう。
「横島!?」
それにWは急いでハードタービュラーを動かして後を追い、トリガーも続く。
「マジーヌ!俺達も!」
「了解、ッス!?」
それに後を追おうとしたマジンドラゴンだったがビームが向かって来るのに気づいて慌てて避ける。
その際、背中に乗っていた面々は振り落とされない様に必死にしがみ付く。
ーがぁ~!!-
「ケツァルコアトルス・ドーパント!」
「こいつ!俺達を近づけさせない気か!」
威嚇するケツァルコアトルス・ドーパントにゼンカイジュランは呻く。
「とにかく奴を倒そう!」
「それしかないな!」
「テュ!」
ゼロワンの言葉にケツァルコアトルス・ドーパントとの戦闘が始まる。
☆
「おわぁぁぁぁぁぁぁ!?」
一方で何かによって引き込まれたウィスプは大地のササクレの山上に放り出され、地面を転がる。
「いてて……なんなんだ……?」
「横島君!」
「無事か!」
お尻を摩りながら起きたウィスプは追いかけて来たWとオーズ、トリガーになんとかと返していると……
「やれやれ、余計な虫が3匹も付いて来たか」
その言葉に4人はした方へと顔を向けると怪人が立っていた。
紫色でティラノサウルスを思わせる頭部、プテラノドンの顔をあしらった肩鎧、胸部にあるトリケラトプスの顔、そして背中にマントを携えたその存在にオーズが声をあげる。
「恐竜グリード!こいつもコピーが作られていたのか!」
「コピー?否!私はコピーではない!偉大な天才学者!プロフェッサーヌルとは私の事ですよ!」
「ヌルだって!?お前まで復活していたのか!?」
高らかに名乗りあげた恐竜グリードの言葉にウィスプは驚きの声を上げる。
「その声、あの時のガキか!ああ、思い出すぞ。にっくきガープの事を!奴のせいで私は殺された!あんな奴に仕えた事、このヌルにとっての汚点だ!ああ、憎い!奴が憎い!!」
そんなウィスプの声を聞いた恐竜グリードは怒気を纏わせて、背中からタコ足を出現させて怨嗟の籠った声で体を震わせる。
「どうやら奴も邪眼によって蘇った口みたいだね」
「確かにあいつ、ガープに殺されて吸収されていたな……」
「そりゃあ怨まれても仕方ねえな」
そんな恐竜グリードのにW(フィリップ)は呟き、ウィスプも思い出しながら言い、W(翔太郎)は呆れる。
「それもこれも!お前のせいだ!お前のせいで私の全ては奪われたのだ!」
「そんなの八つ当たりじゃないか!お前に彼を責める資格なんてない!」
だまれい!と怒鳴り叫ぶ恐竜グリードは指をパチンと鳴らす。
すると恐竜グリードの後ろに始祖鳥を思わせる独特な風貌を持った怪人と鳥人を思わせるシンプルな出で立ちで、下半身のみが鳥の足を思わせる装甲に覆われた機械の怪人が複数現れる。
「バード・ドーパント!」
【もう片方は特徴的にマギアか!】
「あの方の偉大な計画を成し遂げた暁にはにっくきガープをこの手で殺す!手始めに貴様達から血祭にしてやるわ!!バード・ドーパント軍団!ドードーマギア軍団!やれい!!」
恐竜グリードの怒声と共にバード・ドーパントと機械の怪人、ドードーマギアの軍団は同時に動く。
「うお!?」
両手に持つ羽根を模した剣、ヴァルクサーベルで斬りかかって来るドードーマギアに対し、Wはプリズムビッカーで受け止めながら次々と来るのを弾いて行く。
トリガーやウィスプはそれぞれサークルアームズで応戦し、オーズもトラクローでカギヅメで攻撃して来るバード・ドーパントを攻撃する。
「メダルを変える暇がない……っ!」
次々と押し寄せる軍団にオーズはコンボチェンジをする事が出来ず、防いでいた所にドードーマギアの1体の攻撃を受けたのを皮切りに次々と攻撃を受けて吹き飛ぶ。
「オーズ!邪魔するな!」
「くそぉ!」
助けに向かおうとするが他のドードーマギアやバード・ドーパントに身動きが取れないW達は焦る中、吹き飛ばされたオーズは置かれていた大量のセルメダルの山にぶつかる。
その際、懐から小袋が飛び出してセルメダルの山に埋もれる。
「まずは1人、地獄へ行け!!」
右手に光弾を作り上げてオーズへと飛ばす恐竜グリードにオーズは咄嗟に腕でガードしようとする。
だが、それはオーズの後ろにあるセルメダルの山から飛び出した複数の針によって相殺される。
「何!?」
ドパーン!!
突然の攻撃に恐竜グリードが驚く中、オーズの後ろのセルメダルの山が吹き飛ぶ。
オーズは驚いて振り返ると……1体の怪人がいた。
それはムカデを模した全体が紫色の黄色いモノアイ型を持った顔に肩がハチの顔で胸がハニカム状な感じになっており、両腕はハチの尾の様な黄色と黒の縞模様で手の甲に穴が2つあり、足は漆黒のアリを群れさせたような模様で構成されたグリードであった。
「~~~~~~~あー------!いい気分だ~~~~~!!」
んー--と背伸びしてからそのグリードは軽い準備運動をするとオーズに気軽に話しかける。
「よう映司!俺はゴーダ!宜しくな!」
「え、あ、よ、宜しく。ってか君は一体?」
戸惑いながら挨拶するオーズにゴーダと名乗ったグリードは何言ってんだ?と首を傾げる。
「母上から行く前になんか小袋を受け取っていただろ?あれには俺がメダルの状態で入ってたんだよ。お守り代わりって渡されたのに忘れたのかよ?」
「ええ!?ガラさんに渡されたあれがそうだったの!?ホントにヤバい状況になったら開けなさいって言われたけども!?」
驚きの声をあげるオーズに全然開けてくれなかったよなとゴーダはぼやいた後に恐竜グリードの放った光弾を手の甲から針を射出して再び防ぐ。
「ごちゃごちゃとうるさいぞ!いきなり現れよって!!(ドゴーン!!)なんだ!?」
憤慨していた恐竜グリードは突然の爆発音に驚いて顔を向けるとそこには尻餅着いたウィスプの前に別の存在がいた。
赤と黒を基調としたカラーリングに鎧状のディテールにメカニカルな意匠を持った存在は大地に拳を振り下ろしていた状態を解いて後ろを振り返り、ウィスプに手を差し伸べる。
「大丈夫か?トリガーに似た者よ」
「え、あ、ああ」
差し伸べられた手にウィスプは戸惑いながら手に取り、立ち上がる。
「なんなんだ!なんなんだお前達はぁァァァァァァァァァ!!!!?」
予想外な者達に登場に、恐竜グリードは怒鳴り叫ぶ。
ゴーダ
外見:顔は青色の所を紫色に染めて複眼を黄色のモノアイ型に変えたBFカブトのムカデリンガー、体は肩がハチの顔で胸がハニカム状な感じになっており、両腕はハチの尾の様な黄色と黒の縞模様で手の甲に穴が2つあり、足は仮面ライダーゴーダのゴーアリレッグを漆黒に変えた感じ
概要
映司が持っていた小袋の中にあったムカデメダル、ハチメダル、アリメダルが大量のセルメダルで体を構成したグリード。
本来は映司が不測の事態になった場合の変身する為に持たされていたのだが、映司が持っていた事で意思を会得し、大量のセルメダルを得られるチャンスが来たので実体化した。
正史の歴史である復活のコアメダルにて出た個体から狡猾で自分勝手な所と力の欲求を省いたフランクな性格となっている。
手の甲からエネルギー形状の針をマシンガンの様に飛ばす事が出来る。
毒を生成したり、吸収する能力を持つ。
次回、第14のレポート:骸骨蜘蛛退治
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第14のレポート:骸骨蜘蛛退治
ーぎゃははははは!!!!ー
狂った笑い声をあげながら踏み潰そうとするスペース蜘蛛男に誰もが避ける。
そんなメンバーへと今度は口部分から光弾を放って追い打ちする。
「危ないでごぜえますね!」
「やりたい放題だな!」
「こうなったらにとり!」
「おうさ!一気に行くよ!」
光弾を避けながら呼びかけるパトレンエックスにルパンエックスは銃身が2つ付いた白い銃を取り出すと新幹線と機関車を取り出して銃にセットする。
パトレンエックスは金色に青がサブカラーの機関車と銀色に赤がサブカラーの新幹線、ルパンエックスは金色に赤がサブカラーの機関車と銀色に青がサブカラーの新幹線で前に翳すとレールの様なのが出現する。
【ファイヤー!サンダー!】
【ウォーター!ロック!】
「「GO!!」」
同時に引き金を引くとセットされた新幹線と機関車は出現したレールの上を走り……
【ファ・ファ・ファ・ファイヤー!!】
【疾・風・迅・雷!】
【ウォ・ウォ・ウォ・ウォーター!!】
【震・天・動・地!!】
巨大化する。
「お、大きくなった!?」
「ええ!?」
「エックストレインゴールド!」
「エックストレインシルバー!」
巨大化してスペース蜘蛛男に体当たりを仕掛ける新幹線と機関車、エックストレインに美神達が驚く中でパトレンエックスとルパンエックスはXチェンジャーを再び回転させる。
【前方よーし!
音声が鳴り響いた後にそれぞれトリガーを引く。
【しゅっぱーつ!進行ー!!エ・エ・エ・エッークス!!】
それによりXチェンジャーも巨大化して新幹線と機関車となり、巨大化したそれにルパンエックスとパトレンエックスはそれぞれ乗り込む。
「変身アイテムも巨大化するの!?」
「はわ~移動が楽になりそ~」
「冥子~だから~触れる所が~ズレてるわ~;」
再び驚く美神の後の冥子のコメントに冥華は頭が痛くなってる間に操縦席で2人はXロッドソードを操縦席の右側にセットして操縦レバーにする。
『『エックス合体!』』
【【快盗/警察エックスガッタイム!】】
『ファイヤー・サンダー連結!』
『ウォーター・ロック連結!』
お互いにレバーをそれぞれ、ルパンエックスは下向き、パトレンエックスは上向きに動かすとエックストレインは連結を解除し、各々に呼び出したエックストレインと並ぶとエックストレインゴールドの後ろに銀色のエックストレインが、エックストレインシルバーの後ろに金色のエックストレインが連結する。
エックストレインゴールドが先に停止すると展開された穴の所にエックストレインシルバーが入り込む様に合体し、X字を作り上げる。
中で2人が引く様に動かすと操縦席が変形すると共に、パトレンエックスの方はエックストレインゴールドを上に、ルパンエックスの方はエックストレインシルバーを上になる様に起き上がると変形して巨大なロボへと変わる。
【【エ・エ・エ・エックス!!】】
『『完成!!』』
『エックスエンペラースラッシュ!』
『エックスエンペラーガンナー!』
【エックスエンペラー!スラーッシュ!!】
【エックスエンペラー!ガンナー!!】
「きょ、巨大なロボになった!?」
スペース蜘蛛男と対峙する2体の巨大ロボに美神達が驚く中でエックスエンペラーGがガトリング砲で先制攻撃を仕掛ける。
向かって来た銃弾をスペース蜘蛛男が骸骨の口から光弾を放って相殺した所に接近していたエックスエンペラーSが右腕の刃で切り裂き、続けざまにパンチを叩き込む。
「うおお!凄い燃えるじゃねえか!!」
「これなら!」
「どうやらそう簡単ではないようだ」
それにタイタス(雪之丞)は興奮し、フーマ(ピート)もいけると思った直後にタイタス(Uタイタス)の言葉を示す様に起きた現象に驚く。
もう1撃入れようとしたエックスエンペラーSの斬撃をスペース蜘蛛男が輪郭がぶれる様に避けたと思ったら、2機を囲む様に6体に分かれる。
『うそん!?』
『増えた!?』
それにルパンエックスとパトレンエックスが驚く中でスペース蜘蛛男は集中砲火を2機のエックスエンペラーに浴びせる。
『『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』』
「にとり、夢美!!」
「タイガ!僕達も行こう!」
「おう!」
「うー--んなんか同じ名前で複雑!」
「まぁ、お前の方が先輩だけどな」
「んだんだ」
「メタい事言ってんじゃねえよ;」
火花を散らすエックスエンペラーにTU(ヒロユキ)は叫び、TU(Uタイガ)が乗る様子を見てぼやくタイガにメタい事を言った王蛇と頷いたガイにインペラーはツッコミを入れてる間にTUは右腕のタイガスパークの下部にあるレバーを左手でスライドさせる。
【カモン!】
響き渡る音声の後にUTはベルトに装填されていたウルトラマンタイガキーホルダーを抜いて掲げる。
「光の勇者!タイガ!!」
続け様に右手で握りしめるとタイガスパークの手の甲部分のクリスタルに光りが収束して、赤く輝く。
ーハアァァァァァァァァァァァッ!フッ!!ー
「バディーゴー!!」
上半身を右に捻り、力強く吠えて右腕を上に突き出すと目映き光りがUTを包み込み……
【ウルトラマンタイガ!!】
「シェア!!」
光の中からウルトラマンタイガが飛び出す。
「こっちも巨大化出来るの!?」
「正確にはウルトラマンがね」
驚きの声をあげる蛍に八雲紫が捕捉する。
「雪之丞!我々も続くぞ!」
「へっ、その提案乗った!」
「ピート!俺の動き、魅せてやるよ!」
「なら見せて貰うよフーマ!」
それを見てタイタスとフーマも続いて右腕のタイガスパークの下部にあるレバーを左手でスライドさせる。
【【カモン!】】
響き渡る音声の後にそれぞれベルトに装填されていたウルトラマンタイタスキーホルダーとウルトラマンフーマキーホルダーを抜いて掲げる。
「力の賢者!タイタス!!」
「風の覇者!フーマ!!」
続け様に右手で握りしめるとタイガスパークの手の甲部分のクリスタルに光りが収束して、タイタスは黄色に、フーマは青く輝く。
ーウアァァァァァァァァァァァッ!フン!!ー
ーハアァァァァァァァァッ、ヌン!!ー
「「バディーゴー!!」」
上半身を右に捻り、力強く吠えて右腕を上に突き出すと目映き光りが2人を包み込み……
【ウルトラマンタイタス!!】
【ウルトラマンフーマ!!】
「フン!!」
「セイヤッ!!」
ウルトラマンタイガに並ぶ様にウルトラマンタイタスとウルトラマンフーマは降り立つ。
それを見たゾフィーは変身を解除してキスメに戻ると胸元を探ってペンライトを取り出す。
「なんでペンライト?」
「待って、この流れだと……」
首を傾げる愛子だが、瑠璃が察した後にキスメはペンライト、ベーターカプセルの赤いボタンを押す。
ピカッ!!
「うお、眩し!」
「やぁん、神様でも眩しいわ」
目映い光りにアルテミスさえも顔を守り、収まったのを確認して手を退かして、巨大化したウルトラマンゾフィーにやっぱりと瑠璃は疲れた顔で呟く。
仮面ライダーで結構お腹いっぱいなのに巨人やロボも出て来ているので胃が凄く堪えている。
2機のエクスエンペラーと並び立った4人のウルトラマンにスペース蜘蛛男はたじろかずに光弾を放つ。
飛んで来る光弾を避けた4人のウルトラマンと2機のエックスエンペラーは1体ずつぶつかり合う。
「ぬん!」
殴りかかるスペース蜘蛛男をウルトラマンタイタスは逆に殴り返して吹き飛ばした所を次々とパンチをぶち当てて行き、最後は胸元にアッパーを叩き込んで上に吹き飛ばす。
(すげぇ、こうやって一体化してるからか、分かる。タイタスの動きに全然無駄がねえ……!力の入り方も、やり方も、全て俺にとって見本になる!)
そんなウルトラマンタイタスの力強い連撃をインナースペース内で雪之丞は驚嘆する。
やられたままはとばかりにスペース蜘蛛男は電撃をウルトラマンタイタスに放つ。
ウルトラマンタイタスは電撃を避けた後にスペース蜘蛛男をみつえながら緑色のエネルギー光球を形成し……
「プラニウムバスター!!」
右手のパンチで打ち出す。
電撃を弾きながらエネルギー光球はスペース蜘蛛男へと向かって行き……
ドカァァァァァァァァン!!!
直撃と共に爆発四散させる。
爆発を背にウルトラマンタイタスはボディービルのラット・スプレッドのポーズを取る。
「おらおらおらおら!」
ウルトラマンフーマは先ほどのソニックソルジャーを相手した様に残像が見えるほどの素早い身のこなしで攻撃を入れながらスペース蜘蛛男の飛ばす糸や光弾、電撃を避けて行く。
(す、凄い!乱戦の中で大胆に動きながら敵の放った攻撃が味方に当たらない様に周囲に気を付けて動いている!フーマ。改めて凄い!)
ウルトラマンフーマのインナースペース内でピートはウルトラマンフーマの手腕に手を握り締める。
「これでおしまいにさせて貰うぜ!」
その言葉と共にウルトラマンフーマはタイガスパークに巨大な光の手裏剣を形成し……
「極星光波手裏剣!!」
相手の背に回った瞬間に投げつける。
振り向いたスペース蜘蛛男はそのまま手裏剣により両断され……
ドカァァァァァァァン!!
爆発四散し、ウルトラマンフーマは静かにポーズを取る。
「シェア!」
ウルトラマンゾフィーは巧みな蹴り技でスペース蜘蛛男にダメージを与えた後にローリングソバットで顔を蹴り飛ばして地面に倒れ込ませると跨ってチョップを叩き込んで行く。
そんなウルトラマンゾフィーの顔にスペース蜘蛛男は骸骨の口から火炎を放出する。
「ヌア!?」
放たれた炎をウルトラマンゾフィーは顔にまともに受けてしまう。
「ああ!?」
「おいおい!マタドールを吸収したからアギを使いやがったのか!?」
それにおキヌは声をあげ、クローズは驚きの声を上げる。
―ぎゃははははは!!!!ー
後ずさり、顔が燃えているウルトラマンゾフィーにスペース蜘蛛男は愉快そうに笑う。
だが、ウルトラマンゾフィーはその炎を利用する。
「ハァァァァァァァァ!!!」
光りを額に収束させるとまるで歌舞伎の毛振りの様に炎を長い毛の様に振るう。
それにより油断していたスペース蜘蛛男は振るわれた炎の鞭を何度もその体に浴びる。
―ぎゃは!!!!?ー
ドカァァァァァァァン!!!
驚愕したままスペース蜘蛛男は火花を散らしながら爆発四散する。
爆発を見ながらウルトラマンゾフィーは頭を撫でて炎を払う。
「敵の力を利用するなんて……」
「凄いわねあの子……」
「ってかあれ、ファイヤーカイザーのファイヤースピンブレードじゃね?」
「流石はミスターファイヤーヘッドの異名は伊達じゃないわね」
【そんな異名を持ってるんじゃな】
その光景に美神と冥華は唖然とし、アグルはそんなウルトラマンゾフィーの放った技についてそう述べて、輝夜のコメントに信長は感嘆する。
残りは後3体
次回、第43の章:剛力闘士と有毒グリード
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第43の章:剛力闘士と有毒グリード
ゴーダが現れる少し前に遡る。
「くっそ!映司さんを助けにいけない!!」
サークルアームズのマルチソードを振るいながらウィスプは次々と来るドードマギアとバード・ドーパント軍団の猛攻に呻く。
【横島!映司を気にするよりもこちらだ!他の者達よりも来る数が多い!】
「そうは言っても、ぐっ!!!」
心眼のに返してる間にドードーギアの攻撃でサークルアームズが弾かれてしまい、そこに強力な火炎弾が放たれて吹き飛ぶ。
倒れた状態から起き上がろうとしてる所にトドメを刺そうと軍団が迫る。
ヤバいと迫る軍団にウィスプはサイキックソーサーで防ごうとした時、懐から眼魂が飛び出す。
それは、赤黒い眼魂でウィスプに見覚えのないものであった。
飛び出した眼魂にえ?とウィスプが驚いた後に、眼魂から闇が噴き出す。
【な、なんだこの闇は!?】
驚く心眼だが、ウィスプだけはその闇に怖さを感じなかった。
今まで、様々な者達を見ていたが、その者達と違い、目の前の闇には悪意などを感じなかった。
「ふん!」
直後、闇から突き出た拳が向かっていたドードーマギアの顔面を殴り飛ばす。
闇が晴れると全身が赤と黒を基調としたカラーリングに鎧状のディテールにメカニカルな意匠を持った存在が立っていた。
現れた存在に警戒するドードーマギア軍団とバード・ドーパント軍団に存在は両腕でエネルギーを発生させ……
「どりゃあ!!」
振り上げた拳を大地に突き立てると爆煙を伴った衝撃波が迸り、ドードマギア軍団とバード・ドーパント軍団を吹き飛ばして行く。
「す、すげぇ……」
一撃で軍団を吹き飛ばした存在にウィスプは驚嘆する中、存在は構えを解いて後ろを振り返り、尻餅着いた状態のウィスプに近づくと手を差し伸べる。
「大丈夫か?トリガーに似た者よ」
「え、あ、ああ」
差し伸べられた手にウィスプは戸惑いながら手に取り、立ち上がる。
「なんなんだ!なんなんだお前達はぁァァァァァァァァァ!!!!?」
そんな存在へと怒鳴り叫ぶ恐竜グリードに構える中でトリガーが驚いた様子で存在に近づく。
「ダーゴン!?」
「久しぶりだな我が好敵手!また会えて嬉しいぞ!」
「え?知り合い?」
嬉しそうにトリガーへと笑うダーゴンと呼ばれた存在の会話にウィスプは驚く。
「うん。詳しくは後で話すから」
「ああ、この剛力闘士ダーゴン!友の為に振るおうではないか!」
そう言って拳をぶつけ合わせるダーゴンやW達と共に合流したゴーダに恐竜グリードは苛立った様子で背中の触手を震わせる。
「ぽっと出が調子に乗って!邪魔をするな!!」
その言葉と共に触手が燃え上がるとダーゴンとゴーダに向けて振るわれる。
その触手をゴーダは蹴り飛ばし、ダーゴンは軽々と受け止める。
「ふん、軽いな」
「なっ!?」
驚いている恐竜グリードを触手を引っ張って引き寄せる。
【 仮面ライダートリガー!パワータイプ!!】
「「はあ!!」」
引き寄せた恐竜グリードをパワータイプにチェンジしたトリガーがダーゴンと共にどてっぱらにパンチを叩き込む。
「ごぶぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
直撃した事で恐竜グリードはセルメダル撒き散らしながら岩壁に叩きつけられる。
煙が舞う中、オーズはセルメダルと共に舞う赤い光りに気づく。
「!あれは!」
すぐさまオーズは駆け出し、赤い光りを放つのを掴み取る。
手を開いて確認するば、9枚の鳥が描かれた赤のコアメダルが輝いていた。
「やっぱり、アンクのメダルだ!」
「!?返せ、それは私が世紀王様から授かった物だぞ!」
それに恐竜グリードが取り戻そうと触手を伸ばす。
向かって来た触手をオーズはトラクローで切り裂く。
「アンクのメダルで、悪意のままに誰かを傷付けさせるものか!」
オーズの気迫に恐竜グリードが思わず後ずさる中、オーズは赤のメダルを3枚手に取るとそれは強い輝きを発して金縁のになったのを見てからオーズドライバーにセットし、オースキャナーでスキャンする。
【キィン!キィン!キィン!!】
【ブレイブタカ!ブレイブクジャク!ブレイブコンドル!タージャードル~!!ブ・レ~イ・ブ~♪】
鳴り響く歌と共にメダルのオーラがオーズへと吸い込まれるとオーズの姿は強化皮膚の色が従来の黒から真紅へと変色し、胸のオーラングサークルの不死鳥や赤いアーマー、頭の鳥が金で縁取られ、右腕にもタジャスピナーを装着し、背中に真紅のマントを装着したタジャドルコンボの進化した姿、勇気不死鳥系コンボ『仮面ライダーオーズ・ブレイブタジャドルコンボ』へと姿を変える。
「はっ!!」
気合の声と共にオーズは背中のマントを翼に替えて飛び上がる。
飛び上がったオーズに恐竜グリードは触手も含めて光弾を放つ。
オーズは両腕のタジャスピナーで防ぎながらタジャスピナーから火炎弾をマシンガンの如く放ってやり返す。
「ぐおお!?」
火花を散らす恐竜グリードをオーズはすれ違いざまに肘のエルボウィンサーで切り裂いて舞い上がる。
「す、すげぇ」
「やっぱすげぇな映司!」
怒涛の攻めをするオーズにウィスプはそう漏らし、ゴーダはいけいけと応援する。
「ぐが、わ、私はガープに美しき……終焉を……」
「……あなたも哀れだ。だから、これで開放する」
ふらつきながらもオーズを倒そうとする恐竜グリードの様子に元々のが混ざり始めてるのを見てオーズはそう言ってオースキャナーでドライバーをスキャンする。
【キィンキィンキィン!スキャニングチャージ!!】
全身を燃え上がらせると足部分を猛禽類のようなツメに変形させて恐竜グリードに向けて突撃し……
「セイヤァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」
体育座りにも似た姿勢で両足蹴りを叩き込んだ。
「わ、私の、私の終末……私が完成して……!」
ドカァァァァァァァァァァン!!!
何かを言いきる前に恐竜グリードは爆発四散し、オーズは爆発を背にゆっくりと降り立つ。
「やったな映司!」
「うん……あ」
声をかけたW(翔太郎)にオーズは頷いた直後、残った鳥系コアメダルの6枚の内、3枚が浮かび上がるとセルメダルを集めて行き……
「キィィィィィィィン!!!」
新たな存在が産まれた。
ただ、産まれた存在を見た一同の言葉は……
「「「「「【でかっ!?】」」」」」
【大きいですね】
「大きいな」
であった。
彼らの言う通り、他のマスコットと違い、人を1人乗せる程大きい猛禽類な大鳥で、顔は鷹、体は赤、黄色、緑、紫のグラデーションが施された孔雀、足はコンドルであった。
「す、すげぇ、デカいぞ心眼」
【な、なぜ他のと違うのだ?】
「恐竜グリードが取り込んでいたからか、はたまた、セルメダルを多く取り込んだ結果大きくなったのかな?」
「ってかホントでけぇな……」
おおと声を漏らすウィスプと戸惑う心眼にW(フィリップ)は推測を述べるなか、ゴーダは大鳥にそう呟く。
「皆と違うけど、これはこれでカッコよくね?特にこの羽のグラデーションとか!後この顔つき!良いなお前!!」
「キィン」
褒めるウィスプに当然だろとばかりに大鳥は鳴く。
「ねえ、横島君。この子の名前はチェアウェってどうかな?」
「チェアウェ……ですか?」
告げられた名前にウィスプは首を傾げる。
「古代エジプトの言葉で風を意味しているんだ。風の様に自由に空を飛んで欲しいって思いを込めてチェアウェってね」
「自由に空を飛ぶ……良いですね!なあお前、チェアウェでどうだ?」
「キィン」
名前の由来にウィスプは納得してから大鳥に聞くと大鳥は勝手に呼べな感じに鳴く。
「んじゃあお前はチェアウェだ!宜しくな!」
ドォォォォォン!!
元気よく言った後にメンバーの近くに何かが落下する。
「なんだ?」
「新手か!」
「いや、これは……」
身構えるダーゴンとゴーダだったが、煙が晴れると……ピクピクと体を震わせたケツァルコアトルス・ドーパントが姿を現す。
その後におーいと言う声と共にゼロワンとティガ、マジンドラゴンが降り立って来る。
「さて、まずは情報交換だな」
そんな面々を見ながらW(翔太郎)はそう呟くのであった。
☆
「成程、そういう事があったのか……」
情報を交換し、ジャスティスはちらりとウィスプを見る。
「かぁ~♪」
「よぉしよぉし、良い子だな」
「ぐ、うう、お腹が……」
「あんた、大丈夫か?」
そこでは、ディエンドの手により鳩サイズに小さくなったケツァコアトルス・ドーパントがウィスプに甘えまくっており、その様子にホロウはお腹を押さえ、ゴーダに心配されていた。
そんなウィスプにチェアウェはつまんなさそうに少しいじけた感じで見ていた。
また増えたな……と内心ため息を吐きながらジャスティスは次にダーゴンに目を向ける。
「ダーゴンと言ったね。君はどうして眼魂の中にいたのだい?死んだ存在で幽霊ならば普通ならば結界に取り込まれてしまうんだが……」
「確かに我は死んだと思っていた。だが、意識を取り戻すと精身体としてこの世界にいたのだ。彷徨っていた所で不思議な気配を感じてこの島の近くまで来た所、お前達を見つけ、その中であの男の持つ奴に何時の間にか引き寄せられ、そのままあの眼魂と言う物に入ってしまったのだ。なかなか快適だったので実体化出来るまでいさせて貰ったのだ」
【彼からコアエナジーを確認できます。どうやらコアエナジーを吸収しているのも実体化するまでの時間を短縮できたんだと思います」
「成程、この島を包んでいる結界はあくまで死んだ存在や神魔を取り込むのであってただ体を失っただけの精身体は取り込まれずに済んだと言う事だね」
理由を問うジャスティスにダーゴンはそう答え、アイのを聞きながらW(フィリップ)はそう言ってから、裏道過ぎるねと漏らす。
「とりあえずはお前さんは協力してくれると言う事でええんじゃな」
「ああ、我が剛力!お前達に手を貸そう」
「ありがとうダーゴン!君が生きててくれて嬉しいよ!ユナやアキトも喜ぶよ!」
確認するカオスにダーゴンは胸を叩いて答え、トリガーは嬉しそうに手を差し伸べ、うむとダーゴンは握り返す。
「そう言えばアイ、このセクターはもう開放できたのか?」
【はい。セキュリティレベルが低下したので無事解放出来ました。これで残りは4つです】
「残り半分以下を切ったな……しかし、セルメダルを大量に集めていた奴はガープって奴に復讐する為に力を蓄えようとしていたって訳か」
確認するW(翔太郎)にアイは肯定し、ディケイドはセルメダルを見ながら言う。
「ここにあったセルメダルも、元々はゼウスが作った物だろう。セルメダルの工程は完了と見るべきだね……」
「確か次の工程は……計画書によるとこの二つ先の精製セクターで進められている様じゃな」
【コアエナジーの過剰摂取での暴走を制御する工程ですね】
呟いたW(フィリップ)のに続いたカオスとアイのにめんどくさい工程だなとディケイドはぼやく。
「ドーパントやグリードにマギアが新生グリード達の様にこれ以上コアエナジーの力で強化されると厄介だね」
「しかし、また二つ先か……」
グッと手を握り締めるジオウにゲイツはぼやく。
【きっとゼウスも更に用心を重ねてくる筈、わたしも前以上にしっかりとナビゲートいたします】
「ああ、宜しく頼むぜアイ!」
「君のナビゲートを頼りにさせてもらうよ」
気合を入れるアイにWの2人はそう言う。
【はい、わたし……皆さんの為に頑張ります!精製セクターは荒野セクターを通って行きますので付いて来て下さい】
「ようし!案内宜しくアイ!」
はい!とゼンカイザーのに答えたアイのを聞きながら一同は荒野セクターへと向かうのであった。
次回、第44の章:新たなるセクターへ
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第44の章:新たなるセクターへ
新たにダーゴンとゴーダ、マスコットとして加わったチェアウェとリトルケツァコアトルス・ドーパントと共に精製セクターへ向かう為にアイの案内の元、荒野セクターを通ろうと向かったW達だが……
【この扉の先が荒野セクターなんですが……】
「これ、ロック解除されてないな……」
向かうだった荒野セクターへのゲートがまだロックを示す赤いランプなのにあらぁとウィスプは呟く。
「砂漠セクターの解放だけじゃあまだ足りないって事?」
「アイ、他に目ぼしい強い怪人の存在は確認できないかい?」
【いえ、確認できません。それとこのドアは、セキュリティレベルではなく、こちら側からは開かなくされてるようです……】
「来れない様に先手を打たれたと見るべきじゃろうな……」
「では、精製セクターにはいけないと言う事ですか!?」
首を傾げたオーズの後に確認するジャスティスへアイは確認し、アイの報告にカオスは呟き、ゼンカイブルーンは慌てる。
【いえ、反対側から進めるルートがあります……森林セクターまで引き返し、そこから行ける湿地セクターを通れば精製セクターへ行けます】
「そうなると、結果的に湿地セクターを開放してから精製セクターに行く事になるかもしれないな……」
「あそっか、精製セクターのゲートが閉じていたらそこにいる奴を倒してセキュリティレベルを下げる必要が出来ちゃうからか……」
告げたアイのを聞いてゼンカイレッドは先の事を推測し、ゼンカイガオーンは呻く。
「とにかく、湿地セクターから精製セクターへの道を閉ざされる前に行こう。ナビゲートをよろしく頼むよアイ」
【はい、皆さん付いて来てください】
その言葉と共に一同は森林セクターへと向かうのであった。
☆
「あー楽になったのう……」
「そうだな。やっぱ楽に動けるのが良いな」
砂漠セクターを抜けたので防護服を脱いだカオスは肩を叩き、変身を解いて防護服を脱いだウヴァもんーと背伸びを取る。
その際に胸がボヨンと跳ねたのでウィスプは精神集中で必死に鼻血が出ない様に堪えたのは心眼だけが知る。
チェアウェとリトル・ケツァコアトルスを覗いたマスコット達も脱げたので思い思いにリラックスしている。
「あ、そう言えば水棲系の子の名前をまだ決めてなかった!」
「ケツァコアトルス・ドーパントのですっかり抜けていたね」
「キュウイ」
それを見てホッコリしていたウィスプは気づき、ゼンカイザーも気づいて言う。
「はいは~い!このマスコットちゅわ~んの名前はシャッチャンはどうかな?」
「あ、かわいらしくて良いな!どうだ?」
「キュキューイ♪」
それにゼンカイガオーンがいの一番に提案し、本マスコットも気に入った様である。
「んじゃあシャッチャンに決定!アトルスともども宜しくな!」
「おいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?さり気無くケツァコアトルス・ドーパントに名前を付けるんかいぃぃぃぃぃぃ!!!」
「かぁ~♪」
「キューイ♪」
喜んでいうウィスプのにホロウが絶叫してる間にマスコット達も喜びの舞をする。
「オーズの眼魂も2つ増えて良い感じだな~」
【今度は空中と水中での戦いに役に立つのだからな】
赤と青の眼魂を取り出して見るウィスプに心眼も同意し……
「そうそう、空中高い高いしたり、水をすぐに出せて水浴びも出来る」
【だからもうちょい使い方を考えろ!?】
続けての言葉にツッコミを入れる。
「ほらよ或人。これは返すぞ」
「ああ、確かに返して貰ったぜ」
それを横目にウヴァはゼロワンにゼロツ―ドライバーとガタキリバシンキングオーズプログライズキーを返す。
「なあなあアイ。次に行く湿地セクターってどんな所なんだ?」
【湿地セクターはコアエナジーの供給によって緑と水が豊かな場所に変わったセクターです】
「森林セクターに水も付け加えて木の部分を減らした感じか……」
「砂漠セクターの後だとその説明も色あせるけど……コアエナジーは使い方次第で変わる感じだね」
気になって聞くゼンカイジュランの質問にアイは解説し、その解説を聞いてホロウはそう解釈し、オーズはしみじみと述べる。
「技術や理論に罪はない。罪はいつだってそれを利用する人間の側にあるのさ」
「一理あるね。僕達の世界では魔族や神族も当て嵌まるね」
エクストリームを解いて通常形態に戻っていたWの言った事に一旦ジャスティスメモリの誘惑をリセットも兼ねて変身を解いた西条は同意してから困った様にぼやく。
「知識ある存在はいつだってなんらかの罪を背負っておるのかもしれんな……」
「あんま難しく考えない方が良いんじゃねえか?技術を悪用する奴はぶっ飛ばすで良いんじゃねえの?今だってコアエナジーを利用してるゼウスや邪眼をぶっ飛ばす為に動いてるんだからよ」
神妙な顔で言うカオスや他の面々にゴーダがそう言う。
「そいつの言う通りだな。今は精製セクターへ向かう為にも湿地セクターを通りすがるついでに開放するで良いだろう。アイ、さっさと湿地セクターに案内しろ」
【分かりました。湿地セクターへのナビを開始します】
「ホント、お前はこういう時ばっさり言うな……」
話を締めくくり、そう言うディケイドにW(翔太郎)は苦笑しながら他のメンバーと共に歩き出す。
☆
森林セクターを通り、湿地セクターへ足を踏み入れたウィスプはその光景におぉと声を漏らす。
「森林セクターとはまた違う光景だな~」
「確かに、こういう時でなければゆったりと満喫したいと思える環境だね」
辺りをマスコット達と共に見渡すウィスプに西条も感嘆する。
「こういう所で本を読むと気持ちいいでしょうね~」
「いやいや動物ちゅわ~ん達と遊びまくるのも良いと思うよ」
「こういう所でハンモックでのんびりするのもありだな」
「確かにありッスね!」
キカイノイド面々も各々に述べてる光景に呑気過ぎじゃないかとホロウは呆れる。
【!これは……センタータワーのセンサーの動きが、さらに活発になりました!コアエナジーの採掘が急ピッチになり、それに伴って警戒レベルがさらに上がった様です】
「なんだと!?そう言えば、新生グリードの強化には大量のコアエナジーも必要だったな!」
「工程の完了が近づいてるって事か……先を急がないと!」
するとアイが焦った様子で報告し、W(翔太郎)はゼウスの言っていた事を思い出し、オーズのにウィスプやジオウがおう!と答えた時……
【!皆さん気を付けてください!コアエナジー反応が多数近づいてきます!】
「うえ!?どこから!?」
警告するアイのにジオウは慌てて周りを見る。
敵と思われる影がない事にウィスプやゼンカイジャーともども首を傾げていると……
【あ”あ”!?地面チュン!地面からこっちに来てるチュン!!】
「!あれか!」
セッちゃんの報告と共にゼンカイレッドが気づく。
地面から何かが飛び出てこちらに向かっている複数の存在を……
すぐさまゼンカイレッドはギアファイガーで引きずり出す為の牽制射撃をするとまるで水から飛び出す様にその存在は飛び出して来る。
それはサメを人型にした怪人であった。
「さ、さめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
「ヤミーだな」
「サメと言う事は……あのクライツと言う新生グリードが誕生させたのか」
驚きの声をあげるウィスプの後に自分達を囲む様に立ち塞がるサメヤミーを見て西条はジャスティスメモリを構えながら警戒する。
バシャーン!!
直後、オーズの後ろにあった池から水柱を上げながら、何かが飛び出してオーズへと襲い掛かろうとする。
【!?オーズさん、危ないっ!】
それにアイがオーズへ体当たりしてその場から退かす。
「うわ!?」
それにより地面を転がったオーズは慌てて体を起こして、目に入った光景に驚く。
オーズを庇ったアイを捕まえたクライツに横に控えたミーブがいたのだ。
「アイ!?」
「ミーブって奴もいるのか!」
すぐさま助けに向かおうとするクウガだがサメヤミー軍団が立ち塞がる。
【翔太郎さん!映司さん!横島さん!!」
その間にクライツはアイを抱えて池の中へ飛び込み、ミーブも続く。
「アイ!」
それにオーズはすぐさまメダルを変えてスキャンする。
キィンキィンキィン!
【シャチ!ウナギ!タコ!シャ・シャ・シャウタ!シャ・シャ・シャウタ!!】
その姿を水棲系コンボのシャウタコンボに変えるとクライツ達を追う為に池に飛び込む。
「横島!後を追え!!こいつ等は俺達が引き受けた!」
「早く行って上げて!」
「お、おう!」
「俺も!」
「僕も行くよ!」
「タァ!」
「では我も!」
向かって来たサメヤミーを殴り飛ばしながらそう言うホロウと援護しているゼンカイザーにウィスプはシャウタ眼魂を取り出し、ゼロワンもバイティングシャークプログライズキーを取り、トリガーとティガ、ダーゴンも続く。
【カイガン!オーズ!!メダル奪ったシャチ!ウナギ!タコ!!】
【ファング!オーソライズ!プログライズ!キリキリバイ!キリキリバイ!バイティングシャーク!
シャウタ魂となったウィスプとバイティングシャークへとフォームチェンジしたゼロワンはティガ達3人と池に飛び込んで進むとサメヤミーを電気ウナギウィップで倒しているオーズを見つける。
「映司さん!」
「助太刀するぜ!」
「キュウイ!」
「ほげー」
すぐさま加勢に向かうティガ達に混ざって付いて来ていたのかギンセイとシャッチャンも泳いできて、気づいて向かって来たサメヤミーにギンセイは口から氷の棘を飛ばし、それが体に突き刺さって動きを止まった所をシャッチャンが体に電気を纏って突撃し、貫いて倒して行く。
「おお!シャッチャンにギンセイ凄いぞ!!」
「キュキューイ♪」
「ほげー♪」
すぐさま褒めるウィスプに2匹は嬉しそうに鳴く。
「映司さん。アイを捕まえた2人は?」
「この先を進んだ。早く進もう」
頷いた後に6人と2匹は追跡を開始し、飛び出すとサメヤミー軍団と共に屑ヤミー達が待ち構えていた。
「くそっ!わらわら出て来て!このままじゃアイが……!」
「ならばここは我に任せて先を行け」
「タッ!」
毒づくオーズにダーゴンがそう言い、ティガも自分も一緒にと構える。
ダーゴンは両腕でエネルギーをチャージして振り上げた拳を大地に突き立てて起こした必殺技、ファイアビートクラッシャーの爆煙衝撃波で行く手を遮る集団を吹き飛ばす。
「今だ!」
「ありがとうダーゴン!」
礼を述べた後にオーズを先頭に4人と2匹は先を進み……そんな4人を踏み潰そうと迫ったミーブの踏み付けをパワータイプになったティガが受け止める。
「ダァッ!」
「足止めか!」
【ティガが受け止めてる間に走るぞ!】
「頑張れよティガ!」
踏ん張るティガは激励を送った4人と2匹を見送った後にミーブを投げ飛ばす。
ミーブは鼻息を荒くし、右足で地面を何度も蹴り、ティガとダーゴンは構える。
(待っていてくれアイ!!)
アイの無事を祈りながらオーズ達は走る。
次回、第45の章:踏み潰す欲望
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第45の章:踏み潰す欲望
「!!」
勢い良く頭の角や腕の外骨格で突き刺そうと突進して来たミーブをダーゴンとティガは左右に避ける。
ミーブはそのまま急ブレーキをかけると共に反転して再び突進して来る。
「ぬん!」
それに対し、ダーゴンは今度は避けずにミーブの腕の外骨格を掴んで受け止めると少し押された後に停止する。
「たあ!」
掴んだままダーゴンはジャイアントスイングで振り回してから投げ飛ばす。
地面を転がったミーブは怒った様に鼻息を荒くすると地面を強く踏みつける。
「ぬっ!?」
「テュ!?」
それにより地面が揺れだし、2人は直感から自分達がいた場所から飛びのくとさっきまでいた場所から木の杭が飛び出して来る。
次々と飛び出して来る木の杭をダーゴンとティガは避けているとミーブが踏み潰そうと高く飛び上がり、ダーゴンへ向けて飛び蹴りをかます。
「ぬうん!」
「タァッ!!」
それをダーゴンは受け止めた所にティガが飛び蹴りをかましてミーブにダメージを与えて距離を取る。
「むぅ、巨大化できんのがもどかしいが、下手な事を起こしてしまうのはいかんらしいから難しいものだな」
「デュ(こくこく)」
不服そうにぼやくダーゴンにティガも下手な事はの部分に同意しながらミーブを見る。
ダーゴン的にはこういう相手は大きさで圧倒するべきではと考えたりしたのだが話を聞いた西条から止められた。
もしも新生グリードが対抗する為にコアエナジーの力で巨大化を得てしまったら戦える面子はダーゴン、ティガ、トリガー、ゼンカイジャーの面々、一応ディエンドなので、もしもいない時にそう言うのをされてしまったら対処できなくなる可能性も高いのだ。
故に極力新生グリード以外で巨大な敵が現れた場合以外は巨大化しない様に指示されたのだ。
「とにかく下手に力を得る前に早めに終わらせるに限る!」
「デュ!」
方針は決まりとティガは両腕を斜め下へ広げると手は大きく広げ、前に向けた掌からエネルギーを発した後に腕を上へ大きく回した後、胸の前で左右の掌を向かい合わせてエネルギーは凝縮して赤い光球とするとそれを左右から掴む様に構えてから右手に光球を宿して大きく振りかぶってから右腕をまっすぐ伸ばして必殺技のデラシウム光流を放ち、ダーゴンは両腕にエネルギーをチャージして振り上げた拳を大地に突き立ててファイアビートクラッシャーをミーブに向けて放つ。
ミーブは向かって来る必殺技をシェイドの攻撃を防いだバリアを張って防ぐ。
それによりティガとミーブは動けなくなるがダーゴンだけは違った。
「その隙貰った!」
ファイヤービートクラッシャーは爆煙衝撃波なので放った後は少しの硬直の後は動くことが出来るのでダーゴンは込めたエネルギーを少な目にして硬直時間を短くして早く動けるようにし、バリアを張ってる事で動けないミーブへと接近し……
「ふん!」
その顔を挟み込む様に両腕パンチを叩き込む。
「!!?」
それにより怯んだ所にバリアが消え、ダーゴンが離れた後にデラシウム光流がミーブに炸裂する。
吹き飛んだミーブは受けた所からセルメダルを撒き散らし、コアメダルが6枚飛び出す
飛んで来た6枚のコアメダルをダーゴンはキャッチする。
「トドメを刺すぞティガ。こいつを野放しには出来んからな」
「ジュ」
相手の計画のもあるのでトドメを刺そうと2人は再び必殺技を放そうとした所、電撃に阻まれる。
「そうはさせんよ」
その言葉と共にゼウス・ドーパントが現れるとふら付いているミーブを浮かばせてその場から消え去る。
「逃げられたか……む?」
いた場所を見てダーゴンは呟いた後、手に持っていたコアメダルで3枚が浮かび上がってミーブから出たセルメダルの方に飛んで行くとセルメダルで体を構成し……
「ピィーーー!!」
顔がシカ、体はガゼル、足は牛の様な黒ぶちの小さなマスコットとなる。
「横島忠夫がいない中でも生まれるのか……む?」
そのマスコットはぶるると体を震わせた後にウィスプ達の向かった方へと走る。
「行ってしまったな」
「タァ」
☆
一方、クライツを追いかけていたウィスプ達だったが、ゲートの前まで来て姿を見失っていた。
「くそぉ、どこに行ったんだ?」
「ゲートがあるけど、その先に行ったのかな?」
辺りを見渡すウィスプの隣でオーズはゲートを見て呟く。
【ぬぅ、この先はどうも変な感じと言うか乱れてる感じだ……】
「何かがあるって事?」
「そこんとこは実際に行かないと分からないって感じか……」
ゲートを見てそう述べる心眼にトリガーとゼロワンもゲートを見る。
ーピィーーー!!ー
「ん?そげぶ!?」
そんな所に後ろからの鳴き声に振り向いたウィスプはどてっぱらに衝撃を受ける。
「横島君!?」
「あ、また新しいマスコットだ」
それに驚くオーズの隣でゼロワンは倒れたウィスプのお腹にグリグリと顔を摩り付けている存在を見て呟く。
「甘えたいの分かるけど痛い!?角が!?角が色々と顔に当たって!!」
【見るからにミーブと言う奴のメダルで産まれた奴か……】
タップするウィスプのを聞きながら心眼は疲れた声を漏らしているとおーいとW達が駆け寄って来る。
ちなみにホロウは新たなマスコットにさらに胃に負荷がかかる中、経緯を聞いたW(フィリップ)はなるほど……と呟く。
「アイは連れ去られてしまったか……」
「ゴメン……俺が油断しなければ……!」
「あの状況では仕方ないよ火野君。とにかくアイの奪還を目指し、このゲートの先に行くしかないね……」
「けど、アイがいないとこの先がどうなってるか分からないッスよ」
謝罪するオーズにジャスティスはそう言ってからゲートを見て、ゼンカイマジーヌが不安そうに言う。
【大丈夫っチュン!こんな事もあろうかと休憩の間にデータのを貰っておいたんだっチュン!】
「おお!セッちゃんやる!!」
「それじゃあこの先がどうなってるのか分かるのか?」
そんなメンバーに対し、セッちゃんがそう言い、ゼンカイザーが褒めた後にゼンカイレッドが問う。
【あー……それなんだけど……なんでもこのゲートの先は……虚数空間の祠らしいっチュン……】
「は?虚数?空間?」
「現世とは切り離されている異空間の祠じゃと……世界を移動する事が出来るからそう言うが出来てもおかしくないがのう……」
告げられた事にチンプンカンプンなウィスプの隣でカオスは唸る。
「危険な香りがプンプンしてくるなそりゃあ……」
「確かに、異空間となると何が起きてもおかしくないな……」
神妙な声で言うW(翔太郎)にディケイドも同意してそう言う。
「まぁ、オーズも新しい力を得て、こうして新しい子、バーリンを迎えられたしな」
「ピー」
「確かに、まだどういう感じかは使って見ないと分からないけどね」
自分に甘えている新たなマスコット、バーリン(命名者マジーヌ)を見て言うウィスプにオーズもうぉぉぉぉお腹がぁぁぁ……と呻いているホロウを極力視界に入れないようにしながら返す。
「まぁ、何が来ようとこのメンバーなら大丈夫じゃね?」
「そうそうウルトラマンに仮面ライダー、スーパー戦隊が一緒だからな」
ゴーダの言葉にゼンカイジュランも乗って気楽そうに言う。
「油断はできんとおもうけどな」
「ゲイツ君に同意だね。虚数空間は特にどういう感じか分からないしね」
「とにかく進もうぜ。アイを早く救助しないとな」
呟いたゲイツのにウォズも同意してからW(翔太郎)の号令でゲートの向こうへ行く。
【それじゃあ開けるっチュン!】
その言葉と共にゲートが開いた瞬間、メンバーの視界は光に埋め尽くされた。
次回、第15のレポート:炎の絆
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第15のレポート:炎の絆
ーぎゃははははは!!!!ー
「おっと!!」
引っ掻こうと腕を振るうスペース蜘蛛男のにウルトラマンタイガはバク転で避ける。
直後に右手を掲げてから両手を頭上で合わせ、瞬時に態勢を低くしながら両腰に当てることでエネルギーを充填させた後に全身を光らせ……
「ストリウムブラスタ―!!」
左腕を上に、右腕を下に支えにして腕をT字型に組んで光線を放出する。
向かって来る光線に対し、スペース蜘蛛男は両腕にエネルギーを収束させて振るうと共に衝撃波としてエネルギーを放出して光線と相殺する。
「こいつ、他の奴より強い感じがするな……」
【だったらフォトンアースで行こう!】
それにウルトラマンタイガは少し驚いてからヒロユキの言葉にああと返す。
インナースペース内でヒロユキの腰に付いてるウルトラマンタイガキーが光り輝いてフォトンアースキーホルダーに変化する。
右腕のタイガスパークの下部にあるレバーを左手でスライドさせる。
【カモン!】
その後にフォトンアースキーを手に取って左上、右上の順で宝玉部分を読み込んで行く。
【アース!シャイン!】
「輝きの力を手に!」
改めて掲げた後に右手で握りしめるとフォトンアースキーホルダーは展開し、タイガスパークの手の甲部分のクリスタルに光りが収束して、黄色、青と輝いてから再び赤く輝く。
ーハアァァァァァァァァァァァッ!フッ!!ー
光の中でタイガの身体へ脚から順に鎧が装着されていき、最後にウルトラホーンが巨大化し、黄金に輝く。
「バディーー-ゴー!!」
上半身を右に捻り、力強く吠えて右腕を上に突き出して強い光に包まれる。
【ウルトラマンタイガ!フォトンアース!】
「シェア!!」
光から飛び出したウルトラマンタイガは着地すると共に地響きを起こす。
「鎧を、装着した……」
「綺麗……」
黄金の鎧を纏ったウルトラマンタイガに美神達が見惚れる中、スペース蜘蛛男は口から火炎弾を2発放つ。
それに対し、ウルトラマンタイガは拳を振るい、1発目を墜とすと共に返しの裏拳で2発目をスペース蜘蛛男へと返す。
自分の足元に着弾した火炎弾ので怯んだがすぐさまウルトラマンタイガへとスペース蜘蛛男は殴りかかり、それを受け止められると逆にパンチのラッシュを浴びせられる。
「セヤッ!!」
お返しとウルトラマンタイガは回し蹴りを叩き込んでスペース蜘蛛男を吹き飛ばした所にエックスエンペラー2機の攻撃で吹き飛んで来た別のスペース蜘蛛男とぶつかり合う。
『これで決めるよ2人とも!』
「ああ!」
『行くわよ!』
ルパンエックスのに応えた後にウルトラマンタイガは腕を引き、大気中の光エネルギーを体内に吸収して体を輝かせた後にストリウムブラスタ―を放つ様に腕をT字型に組み……
「オーラム!ストリウム!!」
『エックスエンペラー!スラッシュストライク!!』
『エックスエンペラー!ガンナーストライク!!』
腕から一つ一つが金色の長剣の形状の光線を一気に発射し、エックスエンペラースラッシュは右腕のブレードでX字に切り裂きオーラ状のエックストレインを突撃させ、エックスエンペラーガンナーはガトリング砲に頭部の銃口、両膝から一斉射撃する。
同時に放たれた必殺技にスペース蜘蛛男3体は避ける間もなくその身に受ける。
「やったわ~」
「あ、それフラグ」
「これは、何か起こるな」
それに冥子が喜ぶがガイが指摘し、王蛇がそう呟くと2人のを示す様にスペース蜘蛛男3体に異変が起こる。
火花を散らしていた3体はまるでお互いを補い合う様にその輪郭が1つとなる。
その姿は、腕が6つ、顔が3つと言う阿修羅を思わせるのになっていた。
【合体した!?】
【まるで阿修羅像だな】
【気配も3つ合わさって大きくなってるっ!】
スペース蜘蛛男改め阿修羅蜘蛛男にヒロユキは驚き、合流したウルトラマンタイタスとウルトラマンフーマのインナースペース内にいる雪之丞とピートも身構えてると阿修羅蜘蛛男は口にエネルギーを収束する。
「!?グロッケン、全力で守って!!」
「あいよ!」
「バリアを張れる人はジードと共に!張れない者は一緒に隠れて!!」
その収束にジードは叫び、エースの指示で戸惑いながら戦士達は慌てて動き、バリアを協力して張ると共に阿修羅蜘蛛男の口から青白いエネルギーは放たれ……
ドカァァァァァァァァァン!!
ウルトラマンタイガ達の足元に着弾すると共に強大な爆発を起こす。
「「「【【【『『うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』』】】】」」」
「デュアァァァァァァ!?」
その爆発に戦っていた者達全員吹き飛び、衝撃波はバリアを張っていた面々をたやすく吹っ飛ばす。
グロッケンの氷の壁はバリアので威力が弱まっていたから破壊を免れたが、壊れかける程にひび割れを起こしており、守られていた美神達もその威力と揺れに一部が尻餅付いたりなどして倒れてしまう。
「皆!?」
「せ、戦兎、今の!?」
「あぁ……さっきの雰囲気や見た目からして超強力な万能属性魔法、メギドラオンに間違いない!」
「万能属性魔法!?」
「メギドラオン!?」
倒れているウルトラマンタイガ達を見ながら驚きの声を上げるクローズに頷いたビルドの言った事に美神と瑠璃は目を見開く。
「ど、どんな魔法なんですか?」
「とにかくあらゆる相性を貫いて大ダメージを与えて来る強烈な魔法だ。対策すれば防げるかもしれないだろうが、現状、撃たれたら防ぐ手立てがない……!」
「そんな!?」
慌てて聞くおキヌに対して答えたビルドのに蛍は目を見開く。
「ぐ、あ……」
「これが話に聞いたメギドラオンとは、実際に受けるときついな……」
「マジでヤバ過ぎだろ」
『エックスエンペラ―もギリギリだ!』
『このままじゃあ……っ!』
カラータイマーが赤く点滅し始め、呻くウルトラマンタイガ達に阿修羅蜘蛛男は再び口にエネルギーを収束し始める。
「ヤバい!?またメギドラオンを撃たれたら死を免れない!!」
「絶対に撃たせるな!」
「了解だゼーット!!」
それにすぐさまビルド達は各々の遠距離武器や必殺光線で阿修羅蜘蛛男の顔を重点的に攻撃する。
ーぎゃは!!?ー
それに阿修羅蜘蛛男はうっとおしいとばかりに6本の腕から電撃、吹雪、火炎弾、衝撃波を放ち、ビルド達を攻撃する。
「っ!ミニティラ頼む!ブレイブイン!!」
「スピちゃんGO!ブレイブイン!!」
それに避けながらキョウリュウレッドとキョウリュウネイビ―は武器状態から戻したミニティラとミニスピノの口から獣電池を抜いてから投げ飛ばしてから別の獣電池を取り出して投げ飛ばす。
投げ飛ばされたミニティラとミニスピノは途中で本来の姿、ガブティラとトバスピノに戻った後に飛んで来た獣電池を口に装填する。
【ガブリンチョ!ガブティ~ラ!!/トバスピ~ノ!!】
それによりバトルモードになった2匹は阿修羅蜘蛛男に攻撃を開始し、自分達もとブラキディオスとディノバルドも加わる。
【立ってくれタイガ!】
【根性見せろタイタス!あんたはまだ立ち上がれるだろ!】
【立ち上がってくれフーマ!】
「分かってる!けど、体が……!」
「ぬぅぅ!!」
「くそ、起きやがれ俺の体!」
鼓舞するヒロユキ達にウルトラマンタイガ達は必死に体を起こそうと力を入れるが、メギドラオンを直撃で受けた事により、なかなか起き上がれない。
その間に阿修羅蜘蛛男はガブティラやトバスピノ、ブラキディオスとディノバルドの攻撃を受けながらも着々とエネルギーを収束させて行く。
「ヤバいわね……!」
「ど、どうすれば良いの~~!!?」
「あ、アルテミス様!」
「ごめん!この空間に来てから全然力を出せないの!」
「神対策も万全過ぎだろホント」
冥華も焦り、愛子がアルテミスに助けを求めるがアルテミスは謝り、オリオンも頭を抱えて万事休すかと思った時……音楽と共に歌が響き渡る。
(イメージBGM:RADIANT FORCE Ver.如月千早、渋谷凛、白瀬咲耶)
誰がと美神達は歌のする方を見ると千早、凛、咲耶が歌いだしていたのだ。
【な、なんじゃ?】
【なぜ歌を?】
「こんな時に歌ってる場合じゃ!」
「待て、ふむ、成程……これは興味深い」
歌いだした3人にノッブと牛若丸は戸惑い、それに美神が止めようとしてマタドールが制止して興味深くウルトラマンタイガ達を見る。
「おいおい、この歌……熱くなるじゃねえか!」
【す、凄い、心に響く!】
「なんとも我々の心を熱く滾らせてくれる歌だ!」
【ああ、歌に疎い俺でも分かる!すげぇ気力が沸き上がって来るぜ!!】
「俺達にしっくり来る歌を聞かせて貰って……寝てる訳にはいかないよな!!」
【そうだねタイガ!僕達の絆!見せてやろう!!】
「「「【【【うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!】】】」」」
歌を受けたトライスクワッドは気合を入れて起き上がると体を輝かせて炎の竜巻を形成する。
「タイガ!トライブレード!!」
インナースペース内でヒロユキが右腕を突き出すとタイガスパークから柄の部分に回転盤が付いた炎を想起させる剣、タイガトライブレードが出現する。
タイガトライブレードを手に取ったヒロユキは柄尻にあるスイッチを押す。
「燃え上がれ!仲間と共に!!!」
タイガトライブレードの柄の部分の回転盤を勢い良く回すと刀身内で炎が渦を巻くように先端へと舞い上がり、剣先の球体が白く輝きを発する。
「「「【【【バディ~~~~ゴーーーー!!!!】】】」」」
ヒロユキ、雪之丞、ピート、ウルトラマンタイガ、ウルトラマンタイタス、ウルトラマンフーマの6人が上半身を右に捻り、力強く吠えて右腕を上に突き出すと同時にヒロユキはタイガトライブレードの柄にあるトリガーを引く。
それによりウルトラマンタイガ、ウルトラマンタイタス、ウルトラマンフーマは1つとなり……新たな巨人が現れる。
「「「【【【俺はウルトラマンタイガ!トライストリウム!!】】】」」」
タイガトライブレードを構えながらウルトラマンタイガトライストリウムは己の名を発する。
歌を背に駆け出し、阿修羅蜘蛛男の放つ火炎弾を切り払いしながら接近して何度も切りつける。
ーぎゃは!!?ー
ダメージを受けながら貴様だけでもと阿修羅蜘蛛男は収束していたメギドラオンを放そうとし、直前にブラキディオスが顎にアッパーを炸裂させて強引に口を閉じさせる。
強引に閉ざされた事で放たれようとしていたメギドラオンは阿修羅蜘蛛男の口内で暴発、顔の1つが吹き飛ぶ。
「今だ!!」
それを見てインナースペース内のヒロユキはタイガトライブレードのスイッチを4回押す。
「「「トライスクワッド!!」」」
柄の回転盤を勢い良く回し、刀身内で炎が再び舞い上がった後に刀身を撫でた後に上に突き上げた後に顔の前に持って行き、トリガーを引く。
よろめいている阿修羅蜘蛛男をみつえ、ウルトラマンタイガトライストリウムは剣を3回振ると刀身が青→黄→赤の順に発光し、エネルギーを収束させる。
「「「【【【トライストリウムバースト!!!!】】】」」」
後ろに引いたタイガトライブレードを勢い良く突き出して剣先から3色の光線を発射する。
阿修羅蜘蛛男からガブティラ、トバスピノ、ブラキディオスとディノバルドが離れた直後に光線は炸裂。
ーぐぎゃぁぁぁぁぁ!!?お、俺の、俺の欲望がぁぁぁぁぁぁぁぁ!?ー
ドカァァァァァァァァァン!!!
「……哀れね黒坂、地獄で裁きを受けるのね」
「お姉ちゃん……」
最後に断末魔を遺して爆発四散する阿修羅蜘蛛男、黒坂に瑠璃はなんとも言えない顔で呟く。
「うぉぉぉぉぉぉぉ!!やったでござるよタマモ!!」
「はしゃぐんじゃないわよバカ犬!まだあの蛇男と烏賊男がいるでしょ!!」
「あれ?そう言えば、その2人の姿が見えませんね!」
「む?逃げたのか?」
それにチビ達と共にはしゃぐシロへタマモが注意した直後、ジャンヌオルタ・リリィと茨木の言葉に周りを見る。
「確かにいない!?」
「後はないから逃げたって事か!」
「いや、ここは奴等が作り出した空間なら……」
ビルドはまさかと思った直後、空間内が揺れ始める。
次回、第46の章:分断の迷宮
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第46の章:分断の迷宮
「う、すげぇ眩しかった……」
「やれやれ、どうやら誘い込まれちまったみたいだな」
「そうみたいだね」
光が収まったので腕を退かしたウィスプは隣のウヴァとウォズの言葉にえ?となりながら周りを見渡す。
先程の森とは一転して周りが石で囲まれた空間となっており、自分とマスコット達にウヴァとウォズ、ゴーダ、ゼンカイガオーンしかいなかった。
「あれ!?皆は!?」
「先ほどの光でバラバラにされてしまったようだ。この場には僕達しかいないね」
慌てて周りを見るゼンカイガオーンの隣でウォズは冷静に呟く。
「おいおい、どうするよ姉貴?」
「あそこを通るしかねえんじゃねえか?」
話を振るゴーダにウヴァは目の前のに視線を向けながら返す。
そこには不可思議な裂け目が存在していた。
【どうやらここはあの裂け目を通って行かないと抜けれないようだな】
「えぇ……それって大丈夫なのか心眼?」
不安がるウィスプにそれしかないんだぞと呆れた声で心眼は続ける。
【下手に壁を壊そうなんて事をして壁を壊し、それで空間が消滅なんて事が起きたらこっちの身もどうなるか分かったもんじゃないからな】
「あの裂け目を通って行くしかねえって事か」
なんともめんどくさそうな空間だなとゴーダはぼやく。
「早くみんなと合流する為にも頑張って行こう忠夫!」
「おう!んじゃあ出発進行!!」
元気よく言うウィスプのマスコット達も各々に鳴いて答えて続く。
「……ある意味遠足だな」
そんなマスコット達を引き連れて歩くウィスプにウヴァはそう呟いた後に肩を竦めて続く。
「……で、入るんっスよね」
「おい、ここで尻込みするな」
裂け目を前にして恐る恐る問うウィスプにウヴァはジト目になる。
【横島よ、紫が開けるスキマも似た様な物だろうが】
「いやぁ、あれは紫ちゃんが開いているから安心な所があるしな……」
「とにかく行くぞ」
呆れ声の心眼に指をちょんちょんさせながら返したウィスプにそう言ってウヴァが最初に通る。
「あ、ちょ!?敵がいるかもしれないのに危ないですよウヴァさん!」
それにウィスプは慌てて後を追って飛び込む。
飛び込んだ先には……ウヴァの爆乳の胸が待っていた。
「もがぶ!?」
「……おい、なんで前から出て来るんだ?」
無防備に自分の胸に埋もれる形で飛び込んで痙攣するウィスプにウヴァは呆れている後ろで何かの刺さる音の後に……
「アゥオゥオゥオッホホフゥ!!」
悲鳴が迸る。
「うわごめんゴーダ!?」
そこにはお尻を押さえてセルメダルをこぼしながら飛び跳ねるゴーダに慌てて謝っているゼンカイガオーンの姿があり、何が遭った!?と心眼が思っていると……
「ああ、どうやら1人通る度に入り口が微妙に変化するみたいでね。ゴーダは床からエレベーターの様にせり上がる形で出たから一瞬動きが止まった所にガオーン君が突撃する形で彼の後ろから出て、左腕のクローがお尻にぶつりと」
【成程……だからギャグアニメな悲鳴が……】
静かに来て解説するウォズに心眼は疲れた声を漏らす。
この時、心眼は確信した。
この先、横島はラッキースケベな感じの展開になると……
そんな心眼のは当たった。
現れるマスカレイドやガーディアンを倒して1回進む度にウヴァにラッキースケベを連発した。
ある時はウヴァより先に入ったら上から落ちて来たウヴァに乗っかられる形でお尻がウィスプの顔に当たったり……
またある時は受け止めようと腕を伸ばしたらウヴァの胸を揉む形になり……
またまたある時は間にゴーダやゼンカイガオーンを挟んだのにピンポイントにウィスプの前に出て再び胸で顔を挟み込んだりなど……
度々起こるのにウィスプは悶絶したり、柱などに頭突きを連発したり、敵に八つ当たりなどしたりした。
美神達に聞かせられんなホント……と心眼は目が死んだ状態な感じで愚痴た。
「だ、大丈夫忠夫?」
「お、おぅだ、大丈夫だ……」
「いや大丈夫じゃねえだろ、すげぇ震えてるぞ;」
恐る恐る問うゼンカイガオーンにガンガンブレードを杖代わりに地面を突きながらよろめいたウィスプは弱弱しく返し、ゴーダにツッコミを入れられる。
「フー!!」
「シャー!!」
「……俺はなんで噛まれたり、威嚇させられてるんだ?」
「君ってホント、忠夫君とはまた別に無自覚だねぇ……」
マスコット達に威嚇させられたり、噛まれた状態のウヴァにウォズは呆れた声で肩を竦める。
「い、いつまで続くんだこれ……」
【そうだな。(こちらの心境メンタル的な意味でも)そろそろ出口に着いて欲しいのだがな……】
「とにかくこの裂け目を通ろうぜ、姉貴、変な事ねえように忠夫にくっ付いておいたらどうだ?」
「それが良いか」
(いや逆に忠夫のメンタルに響く気がするんだけど;)」
やめてくれぇと弱弱しく言う心眼のを聞きつつ、ウヴァはウィスプを無理やり支持搬送で一緒に裂け目を通り、マスコット達、ゼンカイガオーン、ウォズ、ゴーダの順番で通る。
すると、祭壇の様にせり上がった段差の中央に裂け目がある空間へとたどり着く。
「この感じは……どうやらやっと出口に辿り着けたようだね」
【ああ、あの裂け目を抜ければこの場所から抜けれるな】
「よ、ようし、さっさと抜けようぜ……」
「暫く忠夫は休ませてあげないといけないねこれ;」
「ああ、今にも倒れそうだよなホント;」
周りの雰囲気からそう呟くウォズに心眼も探知したのか肯定したのにウィスプは心底安心した様子で言い、ゼンカイガオーンとゴーダは冷や汗を掻いていると……体に衝撃が走る。
「ぐっ!?」
「なんだ、この感覚!?」
「こいつは……」
初めての感覚にゼンカイガオーンとゴーダが驚く中、メンバーの前の空間が揺らめき、邪眼が現れる。
ーまだ抗うか……ー
「と、当然だろ!お前のやってる事はぜ、絶対に止めてやんよ!」
((あ、少し回復した))
目を向ける邪眼に返すウィスプにゴーダとゼンカイガオーンは場違いな事を思う。
ー……何度も未来を改変されているこの世界にそんなに救う価値があるのか?ー
「は?」
「何言ってるんだお前?」
(何度も?もしや……)
そんなウィスプに対して告げた言葉に誰もが訝しむ中、ウォズが何かに思い当った所で邪眼とウィスプ達の前に何かが降り立つ。
それはオーズに倒されたベルゼバブをより醜悪に、狂った様な瞳をギョロギョロさせた怪人であった。
【これは、ベルゼバブか!】
「こいつまで変貌されたのかよ!?」
驚いている間に邪眼は消えていき、ベルゼバブもといデビルバエ転生体は野獣の様な咆哮をあげて分裂する。
「うわわ来た!?」
「やるしかねえよな!」
それに誰もが構える中、ウィスプが前に出る。
ただ、その体からオーラを発していた。
「え、あの、忠夫?」
「俺はな……色々と溜まってるんだよ……だからとっとと出たいから邪魔するな!!」
「あら!?」
威圧感に思わず恐る恐る話しかけるゼンカイガオーンに咆哮と共にウィスプから衝撃が迸り、ゴーダ達が吹き飛ぶ中でウィスプは現れた漆黒の眼魂を掴んでドライバーにセットして飛び出した漆黒のパーカーゴーストを身に纏い、その姿を変える。
【ギガン、シェイドッ!!OK!レッツゴー!イ・ツ・ワ・リッ!ゴースト!】
「行くぜおい!!!」
咆哮と共に出現したガンガンアックスを手にシェイドへと変わると向かって来るデビルバエ転生体の集団を薙ぎ払う。
「うええ!?なんか黒くなったんだけど!?」
「どういうこっちゃ!?」
「おいおい、ここでもなるのか?」
「だが、あの時と違い、彼には意識がある」
無双していくシェイドにゼンカイガオーンとゴーダが驚く中、ウヴァとウォズは別の意味で驚いていた。
【お、おい横島!落ち着け!】
「俺はな、色々といっぱいいっぱいなんだよ!!」
思わず心眼も停止の声をかけるがシェイドはオーラを発しながら出て来たブランク眼魂をガンガンアックスにセットしてかみ砕く様に動かしてから元に戻す。
【ブットバシナー!!ブットバシナー!!】
「おぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
音声が鳴り響く中、シェイドはたじろいているデビルバエ転生体を逃がさない様にみつえて接近し……
【オメガ!ビッグバン!!】
「そいやっさ!!」
強烈な斬撃で両断する。
デビルバエ転生体はそのまま爆発四散する。
「や、やった!」
「凄いぜ横島!」
駆け寄ってシェイドの肩を叩く2人だが、シェイドはプルプル震えた後……
【オヤスミー】
「ぶびゃっはーーー!?」
「「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」
変身が解けると共にどこに詰まっていたと言う位に鼻血を大量に噴出し、噴水の様に噴き上がった鼻血にゴーダとゼンカイガオーンは絶叫する。
「また噴き出しやがった」
「ある意味、彼らしいと僕は思うよ」
【呑気に言ってる場合かぁぁぁぁぁ!?】
ぎゃあぎゃあと血塗れで騒ぐゴーダとゼンカイガオーン、慌てて駆け寄るマスコット達に倒れて体をビクンビクンさせている横島にウヴァは呆れ、ウォズがしみじみと呟いてるのに心眼は絶叫する。
次回、第47の章:湖の探索
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第47の章:湖の探索
「だぁぁぁぁぁぁ!!疲れたあぁぁぁぁぁぁ!!」
「酷い目にあった……」
「あの祠のコンセプトを考えた奴、イカレてるだろ」
「へとへとゼンカーイ」
湖の近くにて、W(翔太郎)は叫んで仰向けになり、他の面々も各々に疲れた感じで座り込んだり、Wと同じ様に倒れたりしていた。
ディケイドやディエンドも何とも言えない感じで疲れている。
祠の中の空間のでウィスプ達と違い、全員の出る場所がランダムで、それによりぶつかったり、乗っかられたりとで苦労させられ、肉体的より精神的に疲れが出たのだ。
「えっと、後来ていないのは?」
「横島君とウヴァさんにガオーン君、ウォズ氏、ゴーダ、マスコット集団だね」
確認するオーズにジャスティスが答える。
(嫌な予感しかしない……)
「ガオーンもそうだが、忠夫の奴大丈夫かねぇ……」
「大丈夫だろう。奴だって仮面ライダーだ。こんな事位……「おーい」どうやら仲間が来た様だ……」
ギャグ的な方向で嫌な予感を感じてるホロウの隣で心配するゼンカイジュランにそう返したゲイツは言ってる途中でゼンカイガオーンの声に顔を向けて、固まる。
どうした?と固まったゲイツにゼンカイジュランも同じ様に見て、固まった。
「介人~皆~」
「お待たせだぜ~」
そこには……全身血だらけのゼンカイガオーンとゴーダが同じ様に血塗れの横島を抱えていた。
「「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」
(ああ、やっぱり……)
その光景にゲイツとゼンカイジュランは抱き合って悲鳴を上げ、ホロウは仮面の中でため息を吐くのであった。
ーーただいま、ディエンドによる横島回復中+ゼンカイガオーンとゴーダ洗浄中ーー
「ふう、これで大丈夫だね」
汗を拭う様に腕で頭を撫でてディエンドはそう言う。
なんとか回復した横島はチェアウェの背中に寝かされ、マスコット達によるマスコット布団に埋もれていた。
ウヴァの奴による刺激を抜き取る為か顔にモフモフのニックとトラタを寝かせてネコ吸いを行いスーハース―ハーしている。
ちなみにゴーダとゼンカイガオーンはディエンドに消臭して貰ってもう血の匂いしてない?とお互いに匂いを嗅いで安堵する。
「あー……そんな事があったのか……」
「彼らしいと言えばなんと言うか……」
その間、ゼンカイガオーンとゴーダから事情を聞いてWの2人はなんとも言えない声を漏らし、他の面々もあーとなる。
「ホントウヴァ、君は女性なんだからそこらへん気を遣って上げなよ;」
「俺が悪いのか?」
「半分悪いっスね」
その原因の1つであるウヴァはオーズとゼンカイマジーヌに説教されていた。
「しかし、祠を抜けた先が湖とはな……」
【どうも、
「変わった名前を付けてるのう……意味分かって付けとるんじゃろうか……」
そんな説教されてるウヴァから視線を外して目の前に広がる湖を見渡すゼンカイレッドにセッちゃんが解説し、カオスは呆れた顔で呟く。
「クライツはメズールと同じ様に水棲生物のグリード。きっとこの湖のあの島に逃げたに違いないね」
「となると……普通に泳いで行くんじゃあ外壁に阻まれるから、空を飛んで行くしかなさそうだな……」
「だったら僕が空中から島に侵入します」
「タァッ」
「あ、だったら自分も行くッスよ」
湖に浮かぶ島を見て推測するW(フィリップ)にW(翔太郎)は島の外壁を見て言い、それにトリガーが名乗り上げ、ティガとゼンカイマジーヌも続く。
「だったら俺は水中を調べて見るよ」
「俺も付いて行きますよ」
「我も付いて行こう」
水の中を見てみると提案するオーズにゼロワン、ダーゴンも乗っかる。
「だったら僕達は水上を調べるよ。一応島以外にいないかを確かめる的な意味でもね」
「お、ハードスプラッシャーの出番だな」
「ならユウスケ、俺達も水上だ」
「クウガゴウラムで行くんだな。分かった!」
W、ディケイド、クウガはクライツや他に怪人がいないかを確認する為に水上で調べると言う。
「良し、なら他のメンバーはこの辺りの周囲を数人でチームを組んで探索しよう。怪人を見つけたら倒して行く感じで」
「僕は彼の介護の為に残るよ。護衛と言う意味では僕が最適だからね」
「ちゃんと見て置けよ海東」
「わしも残るから安心せい」
「俺も残る。こんなにいるんだ。残ってても大丈夫だろう」
ジャスティスが残ったメンバーへとそう言い、ディエンドが横島の護衛を買うと言い、念押しするディケイドにカオスとウヴァも残る事を言う。
「良し、皆行くぞ」
W(翔太郎)の言葉におーと各々に返した後に分かれる。
「しかし、小僧もこやつが大胆な恰好をしているとはいえ初心過ぎじゃろ」
「僕の知ってるのより初心すぎるから新鮮でもあるね」
「鼻血を流し過ぎて将来死にそうなんじゃね?」
ウヴァをチラ見してからメンタル回復中の横島を見てカオスは頬を掻き、ディエンドはウヴァのにあながち外れてはいないだろうねと肩を竦める。
(蛍の嬢ちゃん達の事もあるから否定できんのがな……)
「まぁ、横島の煩悩云々はひとまず置いとくとして……!」
うーむと唸っていたカオスはディエンドが行った行動に目を見開く。
突如ディエンドはディエンドライバーである方向を撃つ。
放たれた銃弾は通り過ぎず……何かに着弾する。
「出てきたまえ、いる事は分かっているんだ」
「っ!」
「成程な離れるぞ」
ディエンドの言葉にカオスはすぐさまウヴァとチェアウェと共に任せたぞ!と離れる。
「やれやれ、世界の破壊者と言い、勘が良すぎじゃないだろうか泥棒よ」
その言葉と共にフォーティスが現れる。
現れたフォーティスにディエンドは仮面の中で目を鋭くさせる。
「……ふぅん。君、その力をどうやって手に入れたのかな?」
「……どういう意味かな?」
そんなフォーティスを見てディエンドはそう問い、フォーティスはとぼける様に返す。
「では聞き方を変えよう。君は
「おやおや、なにを根拠に言ってるのだ」
続けざまに問われた事にフォーティスはディエンドをみつえながら再びとぼける。
「とぼけなくて結構。何分、僕は別の世界の横島と関わっているのでね。霊力関連のもかじってるからか分かるんだ……君から
「……ふん。世界の破壊者と言い、やはりお前達は好かん存在だ」
ディエンドライバーを向けながらみつえているディエンドにフォーティスは毒づく。
「僕はあんまり首を突っ込む性分じゃないが、お前はどうも気に入らないね」
「それはこちらのセリフだ。私も図々しい顔で土足で踏み込む貴様達が気に喰わん!!」
その言葉と共に互いに手に持っていた銃が火を噴いて銃弾がぶつかり合う。
【【アタックライド!ブラスト!!】】
続けざまにカードをセットし、今度は強力な銃弾を同時に放つがディエンドの方が多く、相殺されなかった銃弾がフォーティスに命中する。
「ぐう!?」
「下手な芝居はやめたまえ。受けた振りをするのならばもう少し演技を良くした方が良いんじゃないかな?」
火花を散らして後ずさったフォーティスにディエンドは冷めた声で指摘する。
それにフォーティスは不機嫌そうにふんと鼻息を荒くする。
「ホント貴様達は人をイライラさせる。ちょっかいをかけるのも大概にするのだな」
「そう言うのを現在進行でしてる君に言われたくない言葉だね」
抜かせ!とフォーティスは紅いディエンドライバーにカードを2枚セットする。
【カメンライド!クウガ!】
【カメンライド!ディケイド!】
「はっ!」
キュインキュインキュインキュインキュイーン!!
カメンライド!ディケイド!
引き金を引く事で放たれた銃弾はすぐさまクウガとディケイドに変わる。
「おや、2人を出せば僕が油断すると思ったのかい?」
「慌てるな、ここからさ」
軽口を叩くディエンドにそう返すとフォーティスは呼び出したクウガとディケイドの背に腕を突き刺し、何かを抜き取る様に引き抜く。
それによりクウガとディケイドは消えるが、フォーティスの手には見慣れた物、ディケイドライドウォッチとクウガライドウォッチがあった。
「!ライドウォッチを作り出しただと!?」
【ディ・ディ・ディ・ディケイド!】
驚いているディエンドにフォーティスはディケイドライドウォッチを起動させた後に自分から見て左側のスロットにセットすると機械音が響き渡り、ベルトの中央部分にあるボタンを押してロックを解除してからベルトを回転させる。
【逆行! パラドクスタイム!スゴイ・ネガイ・オモイ 仮面ライダーフォーティス、フォーティス、フォーティスッ!!アーマータイム!】
音声と共にフォーティスの纏っていたローブが弾け飛び、その体にディケイドアーマーが装着される。
【カメンライド!ワーオ!ディケイド!ディケイド!ディーケーイードー!】
「見よ!これが簒奪者が破壊の力を得た姿!さらに!」
【クウガ!!】
今度はクウガライドウォッチをディケイドライドウォッチのF.F.T.スロットにセットし……
【ファイナルフォームタイム!ク・ク・ク・クウガ!!】
その姿を右肩アーマーのディケイドの文字がクウガに、左肩から胸にかけてのアーマーに描かれたバーコード部分がアメイジングマイティに変わって顔と胸から下がクウガのアメイジングマイティフォームを模したのに変化したディケイドアーマークウガフォームへと変える。
【ライドヘイセイバー!】
「古の力をさらに纏った姿だ!」
「やれやれ、めんどくさい相手だね」
ライドヘイセイバーを構えたフォーティスにディエンドはぼやきながらディエンドライバーで攻撃を開始するのであった。
次回、第48の章:終焉者VS簒奪者
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第48の章:終焉者VS簒奪者
【ヘイ!クウガ!クウガ!デュアルタイムブレーク!!】
「っ!」
振るわれしライドヘイセイバーから放たれた封印エネルギーの紋章をディエンドは避ける。
「どうした泥棒!先程から避けるのが精いっぱいか!」
「そうやって奪った力で偉そうな事を言うなんて、横島より肝っ玉が小さいね」
抜かせ!と挑発するディエンドにフォーティスはライドヘイセイバーを振るい、猛攻を続ける。
お返しとディエンドはディエンドライバーで攻撃するが全てライドヘイセイバーで防がれる。
「簒奪者を名乗り、裏に徹し続けて君は何を望んでいるか分からないが、こっちも暇ではないんだがね……」
「ならばとっとと終わらせて去るか!私によってここで消えるのだな!!」
愚痴ったディエンドは避けながら仮面の中で顔を顰める。
先程のもあって大きい戦闘音がしているのにも関わらず、他のメンバーが戻って来ないのだ。
(ここまで戦い続けて誰も戻ってこないのを見るからに、色々と手を使った感じか……そこまで自分の存在を他に、特にこの世界の住人である横島達に知られたくない感じか……)
考察しながら避けていたディエンドだが一太刀が当たり、火花を散らしながら吹き飛ぶ。
「ぐっ!?」
「これで終わりにしてやる!!」
転がるディエンドにそう言い放ち、フォーティスはライドヘイセイバーにディケイドライドウォッチを装填する。
【フィニッシュタイム!】
音声の後にハンドセレクターを3周回転させ……
【ヘイ!仮面ライダーズ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘヘヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!ヘイ!セイ!】
鳴り響く音声の直後にスクランブルトリガーを引く。
【ディディディディケイド!!】
【平成ライダーズ!アルティメットタイムブレーク!!】
「ぬあぁ!!!!」
ヘイセイの文字とライダーズクレストが描かれた20枚のカード型エネルギーを纏ったヘイセイバーで横切りからの縦斬りによる十文字斬りを放つ。
「!?」
ドカァァァァァァァァァン!!!!
十文字斬りにより起きた爆風を見ながらフォーティスはふんと背を向ける。
「この世界に来た事が貴様の過ちだ」
そう言って去ろうとし……
【カメンライド!】
「!?」
響き渡った音声に驚いて振り向く。
【セイバー!リバイス!ギーツ!!】
直後に爆風から3つの弾丸が飛び出し、仮面ライダーへと姿を変える。
【烈火抜刀!どんな時も大切なものを守る為、正義が紡ぐ勝利の歴史!スーパーヒーロー戦記!『時代が望む限り、ヒーローは必ず現れる!』】
1人はスーパーヒーロー戦記ワンダーライドブックを装填して変身したスーパー戦隊と仮面ライダーの力を1つにした全体のカラーリングがゼンカイザーとなった仮面ライダーセイバー、仮面ライダーセイバースーパーヒーロー戦記。
【一心同体!居心地どうだい?超ヤバいっす!豪雷と嵐でニュースタイル!仮面ライダー!リ・バ~イス!】
1人は仮面ライダーリバイと仮面ライダーバイスが1つとなった青にマゼンタに黄色と色とりどりなカラフルなデザインが特徴の仮面ライダーリバイス。
【ツインセット!テイクオフ コンプリート ジェット&キャノン!レディファイト!!】
最後の1人はデザイアドライバーに一対のレイズバックルであるコマンドツインバックルを装填し、重装甲なアーマーを纏った狐をモチーフとした仮面が特徴のギーツ、仮面ライダーギーツコマンドフォームジェットモード。
「な、なんだこいつ等は!?」
「ゼロワンから続く、令和にて誕生した仮面ライダー達さ」
並び立つ3人の仮面ライダーに驚くフォーティスに爆風の中から無傷の状態でディエンドが現れて告げる。
「バカな!?なぜあの攻撃を受けて無傷なのだ!?」
「君の様に僕も似た様な事をしただけさ」
たじろくフォーティスにディエンドは涼しげに返す。
それに激昂して攻撃を仕掛けようとしたフォーティスに瞬時に近づいたリバイスがパンチを叩き込む。
「ごほぉ!?」
無防備にパンチをどてっぱらに受けて吹き飛んだ所を背中のウィング、ウインガンカーによる空中機動力で接近したギーツが手に持つレイジングソードによる一閃を浴びせた所でセイバーがスーパー戦隊のロゴであるVの字と歴代ライダーの目の意匠が合わさった紋章を発生させてからスーパー戦隊や仮面ライダーの歴史が刻まれた禁書を空中に投影して、無数のページをフォーティスへと弾幕として浴びせる。
「があ!?」
火花を散らしながら転がって行くフォーティスをみつえながらディエンドはディエンドライバーにカードを2枚セットしながら言い放つ。
「先ほどのお返しだ。4倍にして返させて貰うよ」
【アタックライド!クロスアタック!!ファイナルアタックライド!ディ・ディ・ディ・ディ・エンド!!】
直後、周囲の空間が野球場へと変わり、よろめきながら起き上がるフォーティスにまずリバイスが赤黒い風を纏ったパンチで上空に吹き飛ばし、ギーツと共に吹き飛ばされたフォーティスより高く飛び上がるとリバイスは電撃を、ギーツは水色のエネルギーを纏って同時に飛び蹴りを浴びせ、そこへディエンドがディエンドライバーの銃口から渦を巻く様に形成して伸びた青緑色の光のカード群を通り抜けたエネルギー波、ディメンションシュートを、セイバーは漫画風の仮面ライダー1号とアカレンジャーの幻想を召喚して光球に変えたのち、巨大ゼンカイザーと共に斬撃を放つ。
「ぐぅぅぅぅぅぅぅぅ!?ディエンドぉぉぉぉぉぉ!!」
ドカァァァァァァァァン!!!
4人同時の必殺技を浴びて叫びと共に爆発に飲まれるフォーティスに、ディエンドはやれやれと肩を竦める。
「ホントめんどくさい相手だね……こんな奴の相手をするだろうこの世界の横島は苦労するね……」
あれだけでフォーティス、レクス・ローが死ぬ訳ではないが、ちょっかいはこの事件が解決するまでかけて来ないだろうとディエンドライバーで肩をトントンしながらディエンドはぼやく。
「おーい!海東!無事か~?」
そこに丁度カオス達と合流したであろうゼンカイザー達が駆け寄って来る。
「ああ、無事だよ。襲撃者も退けたからね」
「そうか、無事で何よりだぜ」
「助けに行きたかったけど、こっちはガーディアンやら戦闘員にデジモンヤミー達がうようよ出て来て大変だったよ」
軽く返すディエンドにゼンカイジュランは安堵し、ジャスティスはふうと息を吐く。
(成程、やはりなんらかの細工をしてこちらに来させない様にしていたか……)
「そう言えば忠夫の奴、また増やしたのか?」
ディエンドが内心そう納得していると、ゴーダがチェアウェの上で寝ている横島を見て問う。
誰もが横島を見ると、彼の布団みたいになってるマスコット達に混ざって……アノマロカリスがいた。
「おい、おいぃ……」
「倒れていた所を横島が助けるって言うから保護した」
目元を抑えるホロウにウヴァが理由を述べる。
「さて、後は士達と火野君達か……」
ワイワイガヤガヤしてる面々を後目にディエンドは呟く。
そんなディエンド達を無傷のレクス・ローが見下ろしていた。
その足元には火花を散らす倒れたフォーティスがおり、変身が解除されるとマスカレイド・ドーパントが姿を現して消えていく。
ディエンドの前に姿を現す前に、レクス・ローは身代わりと入れ替わっていたのだ。
「やれやれ、どうも写し身に私のデータを与えると必要のないことばかり喋ってしまうので困ったものだ。とは言え……手持ちにないセイバーとリバイ、バイスを手に入れれたのは素晴しい成果だ」
新たにアノマロカリスので話している横島達を見つめてからその手にあるセイバー、リバイとバイスが描かれたライダーカードを見てレクス・ローは笑う。
ギーツに関しては上手く収集できずに手に入れられなかったが新たな仮面ライダーのカードを手に入れられたのは大きい。
これにより彼らに関するライダーのも手に入れられるのだからこそレクス・ローにとってディエンドとの戦いは有意義な成果を得られたも同然であった。
「泥棒よ、お前と同じ様な事をさせてもらったぞ」
先ほどのディエンドと同じ言葉を口にし、嘲笑うような笑みを浮かべたレクス・ローは溶ける様に消えるのだった……
次回、第16のレポート:空間からの脱出
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第16のレポート:空間からの脱出
「な、何!?」
「これは!?」
突然の揺れに驚く中でタイタスから戻った雪之丞がおい!?とメンバーの後ろを指す。
誰もが雪之丞の指さした方を見て驚愕する。
なんと空間がドンドン崩壊しているのだ。
そんな所に笑い声と共にガラガランダとイカデビルの映像が現れる。
『ビックリしたかね諸君?』
『その空間は我々がいなくなれば自動的に消滅する様になっていたのだ!どうあれお前達は死ぬ運命だったのだ!』
「なんだと!?」
「へん!こっちには自由に移動できる奴がいる事を忘れてるだろ!」
「その通りっス!ベリアログさん!「無理だ」ええ!?」
「あらあら~」どたぷーん
「え!?転移出来ないんれすか~!?」
「はい!?」
告げられた事に驚くピートの後にキョウリュウゴールドがそう返し、ゼット(ハルキ)も乗ろうとしてまさかの否定に驚き、みうらさんも無理だと手を振ってやよいの翻訳にタイガは驚きの声をあげる。
「今入り口を切り開こうとしたら、その瞬間、この空間は瞬時に消滅しちまう。鍵を開く様に入り口を開かなければ脱出なんてできねえよ」
「あーみうらさんの場合は鍵関係なく行こうとするからそれを認識されたら消えちゃう様にとされてるからって事かな……」
「あらー(コクコク)」どたぷーん
「正解みたいね……」
理由を述べるベリアログの後に龍騎も自分なりに出来ない理由を解釈し、みうらさんが頷いたのを見て伊織は呻く。
『精々消滅するまであがくのだな!!』
『まぁ、何も出来ずにただ佇む事しか出来ないだろうがな』
ガラガランダとイカデビルの高笑いを最後に映像が切れる。
「白ウォズ!未来ノートので入り口を作る事は出来ないの!?」
「無理だ。あれは導くのであって操るものではない。ありえない未来を引き寄せられないのは君も知ってるはずだ」
ツクヨミの問いに白ウォズはそう返す。
「あわわどうしましょう!?」
「どうするたって……」
「くっ!僕達に何も出来ないのか!」
「リク……」
誰もが自分の力でこの状況を打破できない事に呻く中、美神もまた痛感していた。
「ホント課題が多過ぎるわ。自分達の無力化や弱体化に対する対策、空間に閉じ込められた際の脱出法……どれもこれも、私達に抜けている事ばかり……何がガープに勝つためよ、何が横島君ばかりに戦わせない様によ……何1つ、出来てないじゃない!!」
「美神さん……」
悔しさに涙が出る美神に蛍も悔しそうに顔を歪める。
【ワシまだやりたいことあるんじゃけどもぉぉぉぉぉぉ!!?】
【主殿……!】
「みむ、みむ~~~!!!」
「ぷぎぃぃぃぃ!!」
「お兄ちゃん……!黒おじさん、赤おじさん!」
「ど、どうすれば良いんですジャー!」
「ああ、こんな時、ゼロ師匠の持ってる鍵の剣ならこう、出口を開けるかもしれないのに!!」
「いや、ないものねだりしてもな……」
頭を抱えて呻くゼット(Z)のにアグルが呻く中、ウルトラマンタイガが気づく。
「おい、ゼット、お前のゼロのメダルが輝いてるぞ?」
「え?」
その指摘にゼット(ハルキ)は自分のベルトを見て、その中にある1枚のメダルを外して見る。
確かにそのメダル、ウルトラマンゼロビヨンドライズメダルは輝きを発していた。
「これは……まさかゼロ師匠が……どわっ!?」
それにゼット(Z)は引き寄せられて来るのではと思った後にメダルはさらに強い輝きを放出する。
放出された光はやがて人型を形成し……姿を変える。
(BGM:キングダムハーツ3テーマソング『誓い』)
全員の前に現れしは……全身が銀色に光り輝き、鎧、ウルティメイトイージスを身に纏ったウルトラマンゼロ、ウルティメイトシャイニングゼロが立っていた。
「ゼロ師匠!!」
「また新たなウルトラマンって奴か?」
「す、凄い輝き!?」
「なんちゅう強さを秘めてるんだこいつ!?」
歓喜の声をあげるゼット(Z)の雪之丞が呟く中、アルテミスとオリオンはその体から発される力に驚く。
誰もが現れたウルティメイトシャイニングゼロに驚く中、ウルティメイトシャイニングゼロは右手にある物を出現させる。
それは鍵の形をした剣であった。
「鍵?」
「まぁ、大きい鍵ね~合う奴あるのかしら~?」
「冥子、今非常事態なのよ……けどこれは?」
「キーブレード……限られた者にしか持つ事の出来ない、伝説の武器と言われる鍵よ。ありとあらゆる鍵を開け閉めできる力を持っているわ」
「おお!そうそうその剣!ってあれ?なんか色が違うし、付いてるキーホルダーもゼロ師匠の胸を模した感じのじゃない……?こう、もっと派手な感じだった筈だけど……」
呟いた瑠璃の後に冥子にツッコミを入れてから疑問に思っている冥華に八雲紫が答え、ゼット(Z)は興奮した後に訝しむ。
「キングダムチェーン!?」
「うそ、あなた……」
その中で幻想郷のメンバーとキョウリュウシルバーとキョウリュウゴールドがキーブレードを見て別の驚きを見せる中でウルティメイトシャイニングゼロはキーブレードを前に突き出すと剣の先端が光が収束した後、それから伸びた光が一同の前に光る巨大な鍵穴を出現させる。
「急いでこの鍵穴を抜けるんだ。外に繋がっている。もう時間がない」
「!皆急いで!!」
脱出を促すウルティメイトシャイニングゼロから出た声に八雲紫は驚きの様子を見せながら叫び、誰もが鍵穴へと急ぐ。
まずは安全確認と3号が抜けて、龍騎達に促されて春香達アイドル組、舞、おキヌ、ノッブ、牛若丸、紫、ジャンヌリリィ、アリス、シロ、タマモ、マスコット達が入って行き、戦士達も続々と脱出する。
後は美神と蛍にゼット、アグルと輝夜だけで、出ようとしたアグルは輝夜が鍵穴を維持しているウルティメイトシャイニングゼロに近づいているのに気づく。
「輝夜!早く……」
パシン!!
呼びかけようとした瞬間、輝夜はウルティメイトシャイニングゼロの頬をはたいた。
それに美神と蛍、ゼットが驚く中、輝夜は涙を流して怒っていた。
「あんたね……ホントにどこにいるのよ……皆が……あの子が心配しているのよ……助けに行って、勝手に消えていなくなって!あの子は、あんたを待っているのよ!!分かってるの!!?」
「…………………」
怒鳴る輝夜にウルティメイトシャイニングゼロは無言を貫く。
アグル自身も気持ちは同じか、輝夜に何も言わない。
そんなウルティメイトシャイニングゼロに輝夜は背を向けて鍵穴に向かう。
「必ず、必ず帰りなさいよね。大切な人がいなくなる気持ちを味わうのは……寿命を迎える以外で見るのは耐え切れないのよ……ソラ」
そう言い残し、輝夜は鍵穴を潜る。
その様子に蛍は他人事ではいられなかった。
自分達がもたもたしていたら、何時か横島はいなくなってしまうのではないかと思ってしまった。
そうならない様にと頑張っているのに、そんな嫌な予感が頭の中で蠢いてしまう。
「おい、早く行くぞ!」
「空間もホントにもう崩れそうになっております!!」
「蛍ちゃん!!」
「っ!?は、はい!!」
アグルやゼット(Z)、美神に呼ばれ、蛍は我に返った後に鍵穴へと向かい、再びウルティメイトシャイニングゼロの方を見る。
そこにいたのはキーブレードを構えた横島と年が近い少年がおり、自分を見ている蛍に対し左手で自身の胸を叩く。
「例え、どんなに離れていても、心と心が通じ合っていればいつかまた会える。だから、信じるんだ」
「!?」
送られた言葉に蛍は目を開いた後に頷いて鍵穴を抜ける。
それを見届けて少年はニッと笑って消える。
誰もがいなくなると共に鍵穴は消え、空間は消滅した。
ーそう、例えどんな事があろうと、記憶が失ったって、心と心が繋がっていれば、会えるんだ……ー
次回、第49の章:陽気な海賊とトレジャーハンター、怪力狼
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第49の章:陽気な海賊とトレジャーハンター、怪力狼
ディエンドがフォーティスと戦っていた頃、オーズはダーゴンとゼロワンと共に水中で襲い掛かって来るハンギョモンなどのデジモンヤミーやピラニアヤミーを倒しながら調査していた。
「!この穴、あの島の中に通じているのではないか?」
少ししてダーゴンが島の方へと行けるだろう穴を見つけ、ゼロワンとオーズは頷いてその穴へと突入する。
暫く進んでいると光が見えて、そこから飛び出す。
「島の中に入れたかな?」
「どうやら我ら以外にも来た様だな」
周りを見て呟くオーズはダーゴンの言葉に見上げると丁度トリガーがティガとゼンカイマジーヌと共に降りて来る所であった。
「おお、3人も丁度来た感じか」
「うん、飛んでるデジモンヤミーがいたから少し大変だったけどね」
「ホントっスね;」
話しかけるゼロワンにトリガーとゼンカイマジーヌはそう返す。
そんなメンバーの前にクラゲヤミーやハンギョモンが現れる。
「!」
「皆行こう!!」
オーズの号令にそれぞれ攻撃を開始する。
向かって来る戦闘員やヤミーを倒しながら進んでいると広い場所に出る。
「島の中央部だろうか?」
「クライツとアイはここにはいないのか?」
周りを見て呟くダーゴンの後にトリガーは姿を探していると……
ドパーーーン!!!
水飛沫をあげてクライツが現れる。
その腕にはアイが拘束されている。
「アイ!」
【映司さん!皆さん!】
駈け出そうとしたオーズはクライツがアイを掴んでいる力を強める。
それにより呻きだしたアイにオーズ達は足を止めるとその前にハンギョモンやサメヤミーの集団が現れる。
「くそぉ、アイを助けないといけないのに」
「ま、魔法を使う暇がないっス」
ジリジリと迫る集団に誰もが身構える。
クライツはそれをじっと見ている中……
バキューン!!
「!?」
アイを押さえていた腕を何者かに撃たれ、アイを放すと共に割り込んだ人物により奪取される。
「よっと、ゴクジョーじゃないが奪わせて貰ったぜ」
その人物は茶色のコートを靡かせてクライツに向けて不敵に笑う。
「!?イグニス!?」
「よ、ケンゴ。久々だな」
驚きの声をあげるトリガーにアイを救助した人物、イグニスに驚く中、そんなイグニスへとサメヤミーが飛び掛かり……割り込んだ男性に殴り倒される。
「何してるんだ社長!!」
「ええ!?不破さん!!」
怒鳴った男性にゼロワンは驚いた声をあげていると陽気な男女の声が響く。
「「ヨホホイ♪ヨホホイ♪ヨホホイホイ♪俺はカイゾク♪ お宝求めて海から海へ〜♪俺はカイゾク♪ 自由求めて世界から世界へ〜♪必ず手に入れるぜ〜♪ そしたら気分痛快〜♪」」
「ええ!?」
「え?知り合いっぽい?」
陽気な歌に驚きの声をあげるゼンカイマジーヌにオーズが聞く中、暗くなったのでなんだろうと見上げると、上空にワニ型の巨大戦艦が浮かんでいた。
「デカァァァァァァァァァァイ!?以下説明不要!!」
「空飛ぶ鰐!?」
「クロコダイオー!やっぱりゾックス達ッスか!?」
それにゼロワンとトリガーが驚き、ゼンカイマジーヌが言っていると戦艦から2人の男女は降りて来る。
「ヨッホッホーイ!久しぶりだなマジーヌ」
「お久ー」
「ゾックスにフリント、どうしてここに?」
気さくに話しかけて来る2人の男女にゼンカイマジーヌが戸惑って聞く中、クライツが怒って口から水球を飛ばす。
「おっと、割り込むのは止めて欲しいもんだな……行くぞフリント」
「りょ~かいアニキ☆」
そう言って2人が取り出したのは、本体を覆い隠す程巨大な赤い舵輪とサーベルの様に湾曲した刃が付いた銃、ギアダリンガーだ。
「ええ!?なんで2つあるんっスか!?」
「新しく作ったのだ~」
にひひと笑ってからフリントはゾックと共にギアダリンガーにセンタイギアをセットする。
【回せー!】
「「チェンジ痛快!」」
そう言ってギアダリンガーの舵輪を回す
【ツーカイザー!/ツーカイフリント!】
音声の後に音楽が鳴りだす。
【ヘイ!~~♪ヘイヘイ!~~♪ヘイ!~~♪ヘイヘイ!!】
流れる音楽に合わせて2人は手を振り上げてジャンプすると共に1回ギアダリンガーをタンバリンの様に軽く叩き、口に手を当ててアワワワワ〜の振りから2回、腕を回してから足で1回、最後に一回転してから2回叩いてからトリガーを引く。
【ヨーソロー!ツーーカイに、レボリューーション!】
飛び出した歯車型エネルギーが2人を包むとその姿を海賊を模した戦士に変える。
ゾックスは金の、フリントはピンクのサブカラーが入った銀色だ。
「海賊のパワー!ツーカイザー!」
「発明のパワー!ツーカイフリント☆」
クライツへと向けて2人は名乗り上げる。
「面白い変身するねお2人さん。なら俺も」
それにイグニスは笑った後に懐からトリガーが使うスパークレンスバックルを黒く染めたのを取り出して腰に装着するとGUTSハイパーキーを取り出して起動する。
【トリガーダーク!】
その後にバックルの右横のスロットへ装填する。
【ライダーブーストアップ!ダークゼペリオン!!】
「未来を染める漆黒の闇……!」
右手を後ろに引き、左手を前に突き出した後……
「仮面ライダー!トリガーダーク!!」
右腕を天へ掲げると共に左手でバックルの中央をスライドさせるとバックル中央が展開して菱形のクリスタルが現れ、黒い闇の竜巻がイグニスを包み込む。
【仮面ライダー!トリガーダーク!!】
闇の竜巻が弾け飛ぶと中から顔を除き、体が通常トリガーと同じ体系に骸骨を模した鎧を胸と腕、足に纏い、両肩に鋭い突起を生やし、右肩は若干の丸みを帯びたショルダーアーマー、左肩は非常に鋭角的なショルダーアーマーを身に纏ったトリガーダークへと変わる。
「これが仮面ライダートリガーダークか……良いな」
「イグニスも仮面ライダーに!?」
調子を確かめて笑うMRトリガーダークにトリガーが驚く中、不破はゼロワンドライバーを取り出して装着するとプログライズキーの1つ、ダイヤウルフゼツメライズキーを取り出して、それにグリップタイプの拡張モジュール、アサルトグリップを装着して起動する。
【ダイアバレット!】
「ふん!」
音声が鳴り響いた直後、不破は……ダイヤウルフゼツメライズキーをこじ開けようとする。
「ええ!?」
「あの人、無理やりこじ開けようとしてるッス!?」
「不破さん!ドライバー!キーをドライバーに翳して!!それだとエラー起こす!!」
その行動にオーズとゼンカイマジーヌは驚き、ゼロワンが慌てて指摘するが不破は気にせず……
「うぉぉぉぉぉぉおーそらぁぁぁーいず!」
そのままキーを無理やり展開する。
その勢いのまま展開されて振り下ろされたダイヤウルフゼツメライズキーは偶然、オーソライザーの前を通過する。
【オーバーライズ!】
それにより狼のロストモデルが出現し、周囲を駆け巡る。
【プログライズ!】
飛び回るロストモデルを見ながら不破はダイヤウルフゼツメライズキーをゼロワンドライバーに装填し、右手を大きく振り上げ、スナップをかけてから握りしめて体を少し右に捻った後に勢い良く飛び上がり……
「変身っ!!」
向かって来たロストモデルを殴り壊す。
【
壊されたロストモデルはアーマーへと変換され、着地してアンダースーツを装着した不破の体へと伸びたバンドで装着されて行き、その姿を仮面ライダーバルカンローンウルフに変える。
「そ、そう言う風に変身していたんだ……」
えぇ……とゼロワンが唖然とする中、並び立った4人の戦士にサメヤミーとハンギョモンが襲い掛かる。
「痛快に……」
「行くぜ☆」
ツーカイザーとツーカイフリントの言葉と共に駆け出し、オーズ達も続く。
駈け出す中、オーズはメダルをダーゴンとティガがミーブから得たコアメダルに変えてスキャンする。
【キィンキィンキィン!!】
【シカ!ガゼル!ウシ!シーガーゼシー!シーガゼシー!シィーガーゼシィー!】
その姿を3本ずつ枝分かれした形状の角シカアントラーが特徴のシカヘッド、手首から前腕部にかけて強靭な角状の外骨格ガゼルアントラーを装備したガゼルアーム、膝が鼻輪を付けた牛の顔で足全体が牛模様なウシレッグの偶蹄類系コンボ、シカゼシコンボとなる。
「おぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
咆哮してオーズは勢い良く突進と同時に刺突を行ってハンギョモンやサメヤミーを吹き飛ばしたり、突き貫いて行く。
「イグニス!」
「おっと、サンキュー」
サメヤミーを蹴り飛ばした後、トリガーから投げ渡されたサークルアームズをマルチソードで振るった後にGUTSハイパーキーを取り出す。
【ザイゴーグ!】
それをサークルアームズにセットする。
【マキシマムブーストアップ!ザイゴーグ!!】
音声が鳴り響いた後にトリガーを引く。
【インパクト!ソードフィニッシュ!!】
「おらぁ!!」
刀身が赤く輝き、振るうと共に伸び、数体サメヤミーを切り裂いた後に戻って赤いトゲが生え、トリガーダークはそれを突き出し、伸びた棘がハンギョモン達を貫く。
「ヨホホーイ!!」
「イエーイ☆」
ソードモードにしたギアダリンガーを振るうツーカイザーをツーカイフリントがギアダリンガーとフリントロックピストルの二丁拳銃で援護する。
「ぬぬぬマジーヌ!!」
飛び上がったゼンカイマジーヌはサメヤミーの水球攻撃やハンギョモンの銛を避けながら電撃の雨を浴びせる。
「ふん!はぁ!」
「おりゃあ!」
「タッ!」
クライツにバルカンがパンチのワンツーを食わらせ、そこにティガとゼロワンが蹴りを食らわせる。
「ぬん!」
続けざまにダーゴンがアッパーで打ち上げる。
「おい社長、一気に決めるぞ」
「ああ、一気に行こうぜ不破さん!」
見上げながらアサルトグリップのボタンを押して声をかけるバルカンにゼロワンも返す。
【ファイナルバレット!】
その後に同時にベルトのキーを押し込む。
【ローンウルフインパクト!!/バイティング!インパクト!!】
音声の後にバルカンは左足に狼型のエネルギーを纏い、ゼロワンは両腕のアンリミテッドチョッパーからエネルギー体の分身が出現させてから同時に飛び上がり……
「はぁぁぁ!!」
ゼロワンがエネルギー体の分身体チョッパーで噛み砕くかの様に挟み込んでからバルカンの飛び蹴りが炸裂する。
ロ ー ン ウ ル フ
バ
イ
テ
ィ
ン
グ イ ン パ ク ト
イ ン パ ク ト
「!!!!?」
ドカァァァァァァン!!
爆風を背に2人が着地した後、オーズは落ちて来る6枚のコアメダルに気づいてキャッチする。
「これ……ポセイドンのメダルだ!?」
そこに描かれた、サメとクジラ、オオカミウオのメダルにオーズが驚いた直後、雷が降り注ぐ。
「うえ!?何々!?」
「まだ敵がいるのか!!」
突然の事に驚きの声をあげるツーカイフリントの後にバルカンが構えると爆風を振り払い、傍にクライツを浮かばせたゼウス・ドーパントが現れる。
「やれやれまさか虫がまだこんなに侵入していたとはな」
「虫だと?」
「成程、お前さんがオーマジオウって奴が言ってた神様気取りか」
「イグニスもオーマジオウさんに頼まれてきたの?」
呆れた様に言うゼウス・ドーパントにバルカンは不愉快そうに呟き、肩を竦めたトリガーダークのにトリガーは驚く。
「こやつは私の計画に欠かせない存在なのでな。倒される訳にはいかないのだよ」
「ふん、そんなの関係ないな。話からしてヒューマギアのデータを盗んだお前を倒すだけだ」
「え、不破さん、一緒に行動してた訳じゃないの?」
「溺れそうになっていたのを助けたんだよなアニキ」
「だな」
ゼウス・ドーパントのに手をポキポキ鳴らすバルカンのにゼロワンは呆気にとられ、ツーカイフリントとツーカイザーがそう返す。
「悪いが私も忙しいのでね。こやつの相手をして貰おうか」
その言葉と共にゼウス・ドーパントは指をパチンと鳴らすと辺りが揺れ始める。
「な、なんだ!?」
【きょ、強大なコアエナジー反応です!大型が来ます!!】
誰もが倒れない様にする中でゼウス・ドーパントの後ろで水柱が起こる。
「お前達は混沌の水龍の餌になるが良い」
そう言い残してゼウス・ドーパントはクライツと共に消え、それと入れ替わりに水柱が弾け飛ぶと中から全身が黒とシルバーグレーの装甲に包まれた龍が現れる。
「あれはメタルシードラモン!?」
「いやいや、確かあれ、カオスシードラモンッス!?なんてマイナーな奴を出すッスか!?」
ーぎゃおぉぉぉぉぉぉぉん!!!ー
驚きの声をあげるオーズの隣でゼンカイマジーヌが絶叫する前でカオスシードラモンは雄叫びを上げる。
次回、第50の章:混沌の水龍
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第50の章:混沌の水龍
ーぎゃおぉぉぉぉぉぉぉん!!!ー
オーズ達へ咆哮したカオスシードラモンは口から氷の棘を放出する。
「アイスアローッスか!?ゲームでは使ってなかっスよ!?」
「危ない!」
それに驚くゼンカイマジーヌをトリガーは手を引っ張って避ける。
「どうするんだ社長!」
「そりゃあやっぱ巨大な奴と戦える人に任せるしかないかな!」
「僕が行きます!」
「なら、こっちも行きますか」
カオスシードラモンを見ながら問うバルカンに対して返したゼロワンに応えてトリガーはスパークレンスバックルからGUTSハイパーキーを抜き、変身を解除した後にGUTSスパークレンスへと装填し、MRトリガーダークも同じ様にダークスパークレンスバックルからGUTSハイパーキーを抜き、変身を解除した後にケンゴの持つGUTSスパークレンスを黒くし、白いファイヤーパターンのような模様が付いたダークスパークレンスへと装填する。
【ブーストアップ!ゼペリオン】
【ブーストアップ!ダークゼペリオン!!】
音声の後にスパークレンスの銃口を展開してスパークレンスモードへ変える。
「未来を築く、希望の光!!」
「未来を染める漆黒の闇……!」
ケンゴは左腕を左腰に添えてから、GUTSスパークレンスを持った右手を胸の位置で右方向にスライドさせてから左腕と交差し、瞬時に右腕を反時計回りに回し、イグニスはダークスパークレンスを持った右手を後ろに引き、左手を前に突き出した後…………
「ウルトラマン!トリガーっ!!」
「トリガーダーク!!」
同時に右腕を天へ掲げると共に、人差し指でトリガーを引くとGUTSスパークレンスから光りが、ダークスパークレンスから闇が迸り、ケンゴとイグニスを包み込む。
【ウルトラマントリガー!マルチタイプ!!】
【トリガーダーク!!】
光と闇の放流からウルトラマンとしての姿、ウルトラマントリガーとトリガーダークが現れて大きくなり、カオスシードラモンと対峙する。
現れた2人にカオスシードラモンは頭の角を光らせると雷撃を飛ばして来る。
飛んで来る雷撃をウルトラマントリガーとトリガーダークは左右に避ける。
「今のってメガシードラモンのサンダージャベリンッスか!?」
「あのカオスシードラモンはシードラモン系列の技を使えるみたいだね」
続けざまに放たれた技に驚くゼンカイマジーヌにオーズが冷静に呟く。
空中から攻撃しようと飛び上がったウルトラマントリガーに対し、カオスシードラモンは背びれを光らせるとエネルギー弾を放つ。
「!デア!」
向かって来るエネルギー光弾に対し、一部はハンドスラッシュで相殺した後に残った一部は避ける。
「ダア!」
そんなウルトラマントリガーを攻撃し続けるカオスシードラモンにトリガーダークがチョップを叩き込んで中断させてから首をヘッドロックしてパンチを叩き込む。
殴られ続けてウザく感じたのか揺らしていた尻尾をトリガーダークの首に巻き付ける。
「グゥ!?」
それによりトリガーダークは首を絞められ、引っ張られた後に介抱されたカオスシードラモンがアイスアロー浴びせてダメージを与える。
助けに向かおうとしたウルトラマントリガーには背びれからのエネルギー弾で妨害する。
「2人を助けるよ!」
【キィン!キィン!キィン!!】
【ブレイブタカ!ブレイブクジャク!ブレイブコンドル!タージャードル~!!ブ・レ~イ・ブ~♪】
「了解!不破さん!」
【ガンライズ!】
「ああ!」
それを見たオーズはブレイブタジャドルコンボへチェンジし、ゼロワンはその手に取りだしたゼロツ―プログライズキーの特殊レンズから青い大型銃、オーソライズバスターを2丁作り出し、片方をバルカンに手渡す。
【バレット!】
受け取ったバルカンは狼が描かれたプログライズキー、シューティングウルフプログライズキーを取り出して起動するとオーソライズバスターの銃で言うリアサイト部分にプログライズキーをセットする。
【プログライズキー コンバイン レディ フォア バスター!】
ゼロワンはオーソライズバスターをゼロワンドライバーに翳す。
【ゼロワンオーソライズ!】
音声の後にゼロワンとバルカンは狙いを定める。
オーズは両腕のタジャスピナーのテーブルを回転させてオースキャナーでスキャンする。
【【ギン!ギン!ギン!ギン!ギン!ギン!ギガスキャン!!】】
「私等も行くッスよ!」
「良いぜ」
「いっちょやりますか☆」
それにゼンカイマジーヌはギアトリンガーのハンドルを回し、ツーカイザーとツーカイフリントはギアダリンガーの舵輪を回す。
【キカーイ!スーパーゼンカイタイム!!】
【【全速前進!回せ回せー!いっぱーい!!】】
ゼンカイマジーヌはエネルギーを銃口と頭上に集結させ、頭上に巨大なゼンカイジャーのロゴを形成し、ツーカイザーとツーカイフリントと並んで構える。
ティガも、肘を若干内側に曲げてから両腕を前に突き出し交差させてから大きく横に広げてエネルギーをチャージし、ダーゴンは右手にエネルギーを収束させる。
「「「「「「「「ハッ!!」」」」」」」
【ダイゼンカイ!!】
【ツーカイに、弩ッキューン!!】
8人の同時に放たれた光線や斬撃と銃撃が一体化した様な衝撃波、メダル型火炎弾、狼と鮫を模したエネルギー弾、ロゴがカオスシードラモンへと炸裂して行く。
ゼロワン
バスター ダスト
ーぎゃおぉぉぉぉぉぉぉん!!!?ー
体中に攻撃を受けて悶えるカオスシードラモンに尻尾の拘束が緩んだのをトリガーダークは脱出し、距離を取ってから上空のウルトラマントリガーを見てお互いに頷きあい、同時に腕を前に突き出して交差した後に横に広げ……
「「ダァッ!!」」
ゼペリオン光線とダークゼペリオン光線を放ち、カオスシードラモンは鼻先の砲門から強烈なエネルギー光線を放ってぶつかり合う。
お互いに踏ん張る中、ウルトラマントリガーとトリガーダークはさらに力を入れて勢いを増し押して返す。
カオスシードラモンは押し返されたビームごとゼペリオン光線とダークゼペリオン光線を鼻先を通して逆流したエネルギーで体を膨らませ……
ドカァァァァァァァァァァァン!!!
爆発四散する。
その後に大量のセルメダルが降り注ぐ。
「やったっス!」
「メダルが沢山だな……価値はあるのか?」
「えっと、場所によるかな……あ」
降り注ぐセルメダルの1枚を取りながら呟くツーカイザーにオーズはそう返した後に持っていたメダルの3枚が浮かび上がって落ちて来ていた大量のセルメダルを集めていく。
そして……
「シャーーーーーク!!」
新たな存在が産まれた……チェアウェと同じサイズのが……
「「「「「「デカっ!?」」」」」」
「デカいな……」
「テュ」
【またも大きいですね】
メンバーが驚いてる間に顔がサメで体は鯨、尻尾部分はオオカミウオと言う存在はスケートの様にスイーと地面を滑る様にオーズ達の周りを移動する。
「カオスシードラモンが究極体だったからこんなサイズになったんっスかねぇ?」
「ある意味、横島君の助けになりそうだよね……」
動き回る存在を見ながらゼンカイマジーヌとオーズは述べてる間、変身を解除したケンゴとイグニスはええと驚くのであった。
☆
「アイ!無事でよかったな!」
【はい、ご心配かけてすいません】
新たに増えたメンバーを加えて戻ったオーズ達をW達が出迎えて、アイの無事にW(翔太郎)は安堵する。
「シャーク♪」すりすり
「おぉ、今回はデカいな……」
一方で回復した横島に早速産まれた存在は甘えており、ホロウはガクガクに震えていた。
隣でアノマロカリスがマスコット達に何時の間にか混ざっていた。
「あれ?また増えたの?」
「あーどうやらさっき襲撃が遭ったらしく、避難した先で怯えていた奴を保護したら甘えられたらしくてな」
「ちなみにあれもドーパントだよ……多いね」
アノマロカリスを見て聞くゼロワンにWの2人がそう返す。
「えーそんじゃあ本人が気に入ったから鮫の方は鮫太郎、アノマロカリスはアノボーで」
「ぴき~♪」
「シャーク♪」
「あれが横島忠夫か……なんだか煩悩野郎と言うより動物ブリーダーにしか見えないな……」
「と言うか色々といて面白いねアニキ」
早速名前を付けている横島を見てツーカイザーはそう呟き、ツーカイフリントは楽し気に笑う。
「しかし、これだけ仮面ライダーやスーパー戦隊、ウルトラマンがおれば何があっても大丈夫だろうし、ゼウスにも対抗できるじゃろうな……「私が、なんだね……?」……ぬお!?」
それにカオスがしみじみと言ってた所にゼウス・ドーパントが現れる。
「貴様!」
「大将がいきなり来るとはな」
オーソライズバスターを構えるバルカンと興味深そうにするイグニスや構えるW達を見渡してやれやれとぼやく。
「お前達は何故そこまで私の邪魔をするのだね……?命の再生と復活という結果を見てもなお、この素晴らしい研究の邪魔をするというのか?」
「何が素晴らしい研究だ!人の命を奪ってる時点で矛盾してる計画は絶対に止めてやる!!」
「横島君の言う通りだ!ふざけた計画は絶対に止めてみせる!」
「ああ、多くの犠牲で成り立つ命なんて、あって良い訳ねえだろ!」
横島、オーズ、W(翔太郎)の言葉にゼウス・ドーパントは嘲笑う様に鼻で笑う。
「止める?どうやってだね?工程の完了まであと一歩、と言う所まで来ていると言うのに?アイを取り戻すために、大切な時間を浪費してしまったようだな。実にくだらない執着だよ。その間に私は計画を進める事が出来た」
「たかが一歩 されど一歩って言葉が世の中にはあるんだ。お前の様な奴ほど、足元を掬われる可能性がありえるんだよ」
「あなたが奪った命の持ち主を大切にしてる人がいた筈だ!そんな事してるあなたには大切な人はいないのか!!」
そんなゼウス・ドーパントに対し、ディエンドが肩を竦める隣でケンゴが叫ぶ。
次の瞬間、ゼウス・ドーパントは殺気と怒気を放つ。
「ほざくな!!お前達と話す事はもうない!!」
その言葉を残し、ゼウス・ドーパントは消えていく。
「……どうもあのゼウスって奴、あいつも何か執着してそうだな……」
「……アイ、この湿地セクターは解放されたのか?」
呆れた様に呟くイグニスの後、ゼンカイレッドがアイへと確認する。
【はい、湿地セクターは解放されました。残るは精製セクター、荒野セクター、センタータワーです】
「いよいよ大詰め的な感じか……」
誰もが見えるゲートを見る。
この先で待ち構えている存在、未だ幻影だけの邪眼。
敵の待っているだろうエリアへとW達は足を踏み入れる。
次回、第51の章:精製セクターの怪異
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第51の章:精製セクターの怪異
精製セクターへと足を踏み入れたウィスプはその光景に声を漏らす。
周りが青白く照らされており、目の前にはなんらかの光が渦巻いていた。
「今までのセクターと雰囲気が全く違うな……」
【ここ、精製セクターはコアエナジーの精製プラントがあるセクターになります。研究で使われるコアエナジーはここで採掘され、そして使えるようにするのです】
「過剰摂取の実験をするには丁度良いセクターでもある訳か……」
周りを見て呟くW(翔太郎)のに対し解説したアイのを聞いてジャスティスは呟く。
「過剰摂取による暴走の制御、か……それがいったい何なのかを調べないとね」
「どこかにそれに関する資料があるかもしれん。探してみる価値はあるじゃろう」
【その前に……上の階の右側のフロアに強いコアエナジー反応があります。波長パターンは……新世代ではないグリードに近いです】
オーズのに続いたカオスの後にアイが報告する。
「新世代じゃないグリードだと?残りはアンクだが、アンクのメダルを恐竜グリードで手に入れてるからその可能性は低いか?」
「え、じゃあ何がいるんっスか?」
「調べて見るしかないだろう……ただ、この中で部屋が万が一狭かった場合を考えて、陰念君のエリアセレクトで大体の広い場所に行けるとはいえ、少ない人数で行く事にしといた方が良いかもね……」
眉を顰めるウヴァのにジャスティスはそう思案する。
「だったら俺が行きますよ」
「あ、俺も行くッス!」
「俺も行かせて貰う……またマスコットを拾われても困るからな」
「……うん。僕も行こう;」
それにオーズが名乗り上げ、続けて挙手したウィスプとホロウにジャスティスがホロウの負担を考えて自分も行く事を決めた。
マスコット達には良い子でいるんだぞとウィスプに言われてディケイド達の方に行って貰い、途中までは全員で移動し、目的の部屋の前にジャスティスをリーダーに4人は立つ。
【部屋のロックは開いています】
「良し、用心して行こう」
その言葉にウィスプとオーズ、ホロウが頷いたのを確認して4人とアイは中に入る。
中は広い四角形な空間となっており、壁に巨大なファンが左右に2基ずつある。
その中央でその存在は佇んでいた。
頭は伊勢海老を模した信長の南蛮胴の兜みたいなのにいかつい武者の相貌をしており、全身を銀の鎧に包んで左腕は蟹の鋏になっており、その足はサソリの尻尾の様な形になっていた。
「待っとったぞ小僧。小娘がいにゃーのが残念だが、おみゃーを倒した後のお楽しみにしとくがね」
佇んでいた鎧武者の怪人は4人の中でウィスプへと十字架型の大剣の切っ先を向けて殺気を放つ。
「またお前のご指名かよ」
「横島君、奴が何者なのか分かるかい?」
ぼやくホロウの後にジャスティスが問う。
それに対しウィスプは……
「あの……どなた?」
心底戸惑った様子で聞き、鎧武者の怪人は派手にこけてからすぐさま立ち上がって憤慨する。
「おみゃー!ワシの事を忘れたとは言わせんだがね!!?」
「えっと……話し方が名古屋弁っぽいから、もしかしてノスフェラトゥ?」
怒る鎧武者の怪人の口調からオーズは自分が知る限りで横島が関わった奴で当て嵌まりそうなのを呟く。
「おお、そこの3色男は分かっとるがね!」
「えぇ!?こいつがノスフェラトゥ!?ノッブちゃんから立場を奪ったあの吸血鬼!?」
【間違いではないか?我々が対峙した奴は普通に喋っていて、名古屋弁で喋ってはいなかったが……】
心底驚いた様子で鎧武者怪人を指さすウィスプに心眼も同意する。
「けど、俺の知るのだと名古屋弁で喋っていたんだよ?」
「喋り方がちぎゃーのは当然がね。それは……こっちの作者が名古屋弁を上手う使えんかったでじゃ」
「「メタイ!?」」
首を傾げたオーズのに答えた鎧武者怪人の返しにホロウとジャスティスは思わずツッコミを入れる。
※ちなみにこちらも名古屋弁は上手く使えないので見つけた変換サイトや辞典サイトを使ってなんちゃってな感じになっております。by鳴神ソラ
「まぁ、茶番はここまでにしとこうがね。邪眼様に復活させて貰い、新たに得たこの体で貴様の血を貰おうだがね!!」
そう言って十字架型の大剣を振るうと共に稲妻がオーズ達に放たれ、4人は左右に避ける。
「はあ!」
最初はジャスティスが斬りかかり、鎧武者怪人が持つ大剣に防がれると共に鍔迫り合いに持ち込む。
「おらぁ!」
そんな鎧武者怪人の背にホロウがパンチを叩き込む。
「おーおー、背中がこそばいがね。攻撃とは、こうやりゃあ!!」
だが、ダメージを受けた様子はなく、逆に鍔迫り合いしていたジャスティスもろとも回転して切り飛ばす。
「ぐっ!?」
「がっ!?」
「西条さん!陰念!」
「なら!」
【キィンキィンキィン!】
【サイ!ゴリラ!ゾウ!】
【サ・ゴーゾ……サ・ゴーゾォッ!グ~ラ~ビティ~!!】
倒れる2人を見てからオーズはサゴーゾコンボグラビティにコンボチェンジして、鎧武者の怪人とぶつかり合う。
「はっ!」
「おお、力にときんときんとしおるな!」
パンチを叩き込むオーズに対し、鎧武者の怪人は左腕のカニバサミで防いで行く。
そのまま攻防一体の接近戦を繰り広げていく。
「ようし俺も!」
【カイガン!オーズ!】
【メダル奪った!タカ!クジャク!コンドル!】
そんな2人の戦いの中でウィスプはその姿をタジャドル魂に変える。
【ガンガンスピナー!】
その左腕にタジャスピナーを模したタジャドルコンボのマークの代わりにゴーストの目の紋章となり、眼魂を入れる様に変更されたガンガンスピナーが装着される。
「おりゃあ」
ガンガンスピナーから火炎弾を放ち、それにオーズを弾き飛ばした鎧武者怪人は大剣で薙ぎ払う。
薙ぎ払った所を体勢を立て直したオーズが重力を操って動きを封じた所でウィスプが眼魂をセットしてゴーストドライバーに翳す。
【アーイ!オーズ!オーズ!オーズ!オーズ!オーズ!オーズ!オーズ!ギガカイガン!オメガブレイズ!!】
「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
全身が虹色のオーラに包まれたウィスプは飛び上がるとすぐさま急降下キックを鎧武者怪人に炸裂させる。
「ぐが!?こがわく奴だがね!!がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
火花を散らしながら後ずさった後に咆哮と共に電撃を迸らせながら大剣を振るい、斬撃を我武者羅に飛ばす。
「うお!?」
「っ!」
【きゃ!?】
飛んで来る斬撃を4人はそれぞれ避け、アイも慌ててかわして行く。
「があぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
その間も鎧武者怪人はドンドン周りを攻撃をしていき、狂った様に暴れる。
「な、なんだ?様子がおかしいぞ……?」
【これは、コアエナジーが増大中!?巨大化や変貌とはまた違うパターンです!】
【奴の力がドンドン増しているぞ!?どうなっているのだ!?】
「増大……!?まさか、コアエナジーを今も摂取させているのか!?今起こっているこれが過剰摂取による暴走!?」
避けながら戸惑うホロウの後にアイと心眼が報告し、ジャスティスはすぐさま察して鎧武者怪人を見る。
「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「うひ!?」
「過剰摂取の影響で人格も消えて行っているっぽいな……っ!」
「だったら!」
慌ててしゃがんで避けるウィスプやジャスティスの後にオーズがドラミングによる重力ので鎧武者怪人を抑え付ける。
「横島君!さっきのを今度は俺と一緒に!!」
「!はい!」
呼びかけたオーズにウィスプは返事した後に再びガンガンスピナーをゴーストドライバーに翳し、オーズもメダルを再スキャンする。
【アーイ!オーズ!オーズ!オーズ!オーズ!オーズ!オーズ!オーズ!ギガカイガン!オメガブレイズ!!】
キィンキィンキィン!
【スキャニングチャージ!!】
「「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」
全身が虹色のオーラに包まれてから飛び上がるウィスプにオーズも合わせて高く飛び上がると1回転してからゴリバゴーンを飛ばし、展開された3つの銀色のリングを重力を操って自身とウィスプを加速させ……
「「セイヤーーーー!!!」」
斬撃を打ち砕きながらダブルライダーキックを鎧武者怪人に炸裂させて吹き飛ばす。
「な、なぜだがね!?ふ、復活出来たのに……む、無念!!!」
ドカァァァァァァン!!!
火花を散らし、メダルを噴き出しながら鎧武者怪人は爆発四散する。
爆発の中、オーズは光り輝くコアメダルを見つけ、重力で引き寄せて手に取る。
「エビ、カニ、サソリ……元黒のメダルの節足動物系コアメダルだ……」
「え?その並びだと甲殻類じゃないッスか?」
【横島よ、サソリはどちらかというとクモに近い動物であって甲殻類ではないからな……】
「細かい分類だとサソリはクモガタ類と呼ばれるのであってエビとカニとは違うからねぇ……」
自分の手にあるメダルを見て呟いたオーズのに首を傾げたウィスプへ心眼とジャスティスが訂正する。
へぇ~とウィスプが感心してる間、ホロウはやっぱり起こるんだろうなとオーズの手にあるメダルの内3枚が浮かび上がったのを仮面の中で死んだ目で見送りながらマスコット誕生を見届ける。
「ヘイヘーイ!!」
そのマスコットは顔はエビ、体はカニでサソリの尻尾が付いている感じで元気よく動き回っている。
「おお、元気良いな。宜しくな」
「ヘイ!ヘイヘイヘイ!!」
手を差し出したウィスプに節足動物マスコットは閉じたハサミで握手すると嬉しいのか勢い良く振り、その結果……
「あらぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「横島ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
それによってウィスプは振り回されてマスコットの後ろに飛んで行って壁にぶつかり、それにホロウは叫ぶ。
「へ、ヘイィィィィィィ!?」
「んーーーーーーホント令子ちゃんに凄く申し訳ない気分になるな;」
「あ、あはは;」
慌ててウィスプに駆け寄る節足動物マスコットを見ながら唸るジャスティスにオーズは苦笑いで返すしかなかった。
ガンガンスピナー
外見:タジャドルコンボのマークの代わりにゴーストの目の紋章となり、眼魂を入れる様に変更されたタジャスピナー
概要
タジャドル魂専用の武器。
コアメダルやセルメダルの代わりに眼魂をセットする様になっており、オリジナルと同じ数、つまり7個の眼魂をセットできる。
ゴーストドライバーとアイコンタクトする事で必殺技オメガブレイズを発動できる。
オメガブレイズはセットした眼魂によって効果や技の流れが変わる。
例えばセットした眼魂の属性が同じ炎なら強力な火炎弾、氷なら氷結弾、バラバラなら突進や飛び蹴りになったりする。
読み込んだ際の音声は『ギガカイガン』
次回:第17のレポート:神の山の異邦人
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第17のレポート:神の山の異邦人
ゆっくり霊夢「読む前の注意、今回の話では作者の脳内設定に留まってる物語の住民達が沢山出て来ます」
ゆっくり魔理沙「なんでこうなったとかはマジで作者に言っちゃってくれなんだぜ」
とある山、そこは人間嫌いで神嫌いの乙事主がヌシとして住んでいた。
だが、ガープが神霊を呼び出す為に襲撃し、乙事主は一度命を終えて新たな生を歩む事となり、極上の霊地と呼ばれていた山はその力を失った。
そんな山に乙事主の巫女を務めていた化け猫の緋鞠がケイと美衣の親子と共に静かに……
「うまい!!!」
静かに……
「「うまーーーーい!!/ピッカー―――!!」」
し、静かに……
「ウマすぎる!!(大塚明夫ボイス)」
………………;
緋鞠は目の前の光景に頭が痛くなってきた。
かつて訪れた者達、特に横島の様に濃いのが今、緋鞠の前にわんさかいるのだ。
「うまい!うまい!!うまい!!!」
「あ、あの杏寿郎さん、美味しいのは分かるけど、もう少し静かにした方が良いんじゃないですか?;」
炎を思わせる焔色の髪と眼力のある瞳の青年がおでんを1回1回食す度に叫び、白髪と赤目の少年が注意するが全然収まらず……
【ベル・クラネル観察日誌、なんと再び異世界に来てしまう。いやぁホント日誌に書き記すのにネタが多くて良いね☆しかも私は久々に生身を得られて嬉しい!!】
「なあなあアル兄ちゃんに飛羽真兄ちゃん!話を聞かせてくれよ」
「ああ、良いよケイ君」
赤目の少年と瓜二つの青年が楽し気に手に持った本に書き記し、ケイにせがまれて中折れハットを被った青年は笑う。
「ふうむ、このおでん、なかなか良い食材を使っていやがる。あんた、なかなか良い腕してるじゃねえか」
「ふむ、同業者にそう言って貰えると嬉しいものだな」
山に不釣り合いな屋台をやっている色黒の大男の出したおでんを賞賛する鳥人。
「ふふ、お姉さま、2人っきりですね」
「いや周りに人が多いから2人っきりじゃないし、トラちゃんやガルちゃんもいるからね」
「がぁ」
「ぐぅ」
自分より小さめに見えるが三本生えた悪魔の尻尾と、羊のように捩れた黒い角を持った少女にそんな少女にしなだれて呆れる女性とその傍でおでんを食べている赤い龍と白いメカニックな狼
「あのさエース。さっきの声はどこから出したの;」
「なんとなく」
「サトシ、流石に山の中でも大声を出すのはどうかと思うっしょ;」
「え?そうか?杏寿郎さんの様に美味いって伝わり易いだろ?」
横島と似た声の人間ではない宇宙人と頭身が時たま小さくなってる宇宙人と見た事ない黄緑色の小猿を肩に乗せた色黒の少年に注意される黄色のネズミを連れた少年。
「やるでねえかメビウス!オラワクワクして来たぞ!」
「ゴクウさんもなかなかやりますね!」
少し離れた場所で模擬戦をしている黒いカエルと宇宙人。
【フィンよ。鮭だ!鮭を所望する!!】
「こんな山に鮭がいる訳ないだろ……全く、さっきから実体を再び持って望むのが鮭を食べたいと言うのはな……」
「鮭ならあるよ~取り寄せバッグで取り寄せたの~」
【シャケ~!!!シャケ~!!!】
「なんで鮭があるんだ;」
「ドラニーニョがすいませんねフィン;」
「鮭を食べたがる馬って新鮮だねドラえもん……」
「そうだねのび太君」
「と言うか平然と喋るウマをウマルス以外で見るのが新鮮だな」
「おいキッド、それはお前の相棒にも言える事じゃねえの?」
「ペガサス型のロボではあるがエドも立派な喋るウマであ~る」
「あうあう」
金髪の少年(年上)に呆れられながら焼けた鮭を丸かじりしている黒い馬にメガネをかけた少年と7人の猫型ロボット。
「いやぁ、こうやってまた一緒に語れるなんて嬉しいなタギル、マサルさん」
「おうよ!大輔も大きくなったな」
「また語り合えるのは良いもんだなアグモン!」
「おうよ!」
「このおでんうめぇ!」
嬉しそうに語り合う3人組に仲良く食べる黄色の爬虫類なのと紫色の生物。
「ねえ!もうちょい驚きを持たない!?なんでこうやってワイワイガヤガヤしてるの!?と言うかさっき来て飛んだ龍仮面とかももうちょい触れても良いんじゃない!?」
「うっせえぞワンイツ!おでんでも食ってろ!!」
「まぁ、言いたい事分かるけどな」
「フィンの野郎が残るって言ったのもあるしな」
顔がワンコな黄色い獣人が慌てふためきながらわめくのにうり坊みたいな緑色のが顔面に突進して黙らせるのを見ながら口に枝を加えた水色の二足歩行の蜥蜴は呟き、狼耳と尻尾のある女性が呆れた顔で呟く。
「……良い天気だな」
「緋鞠!?しっかりして!!!」
思わず現実逃避する緋鞠に美衣は慌てて揺さぶる。
1時間前、ケイが戻らないので緋鞠は美衣と共に探しに出た所、目の前の彼らと楽し気に話してる所を見つけた。
話を聞いた2人は頭が痛くなってしまった。
彼らは別世界から迷い込んでしまった者達、しかも各々に住んでる場所も世界も違うと言うのだ。
最初に美味いと叫んでいたのは煉獄杏寿郎、とある組織に所属している炎の剣士。
そんな杏寿郎に声をかけていたのはオラリオで冒険者をやっているベル・クラネルで、彼の守護霊もとい相棒霊であるアルゴノゥト、彼とは別の所に所属していて団長のフィン・ディムナと相棒霊のウマのフィネガス、フィンと同じ所属で元の性別は男現女性のベート・ローガ
ベルとはとある時に知り合い、一緒に冒険をしている鳥人もといバシャーモのサンジ、黒いカエルもといゲッコウガのゴクウ、ワンコ獣人もといルカリオのゼンイツ、ウリ坊もといウリムーのイノスケ、蜥蜴もといジュカインのゾロ。
中折れハットを被った青年は神山飛羽真。
おでんの屋台を引いている大男はガノンドロフ、魔王だと聞いて緋鞠と美衣は卒倒しかけた。
少女はプロヴァト・ペコラ・アリエースで彼女も別世界であるが魔王で、そんなペコラからお姉さまと呼ばれているのがアズサ・アイザワ、300年も生きている魔女でその強さに緋鞠と美衣は思わず腰が抜けかけた。
そんな2人の傍にいる赤い龍と白い狼はデジモンと呼ばれるヴリトラモンとガルムモン、それぞれトラちゃんとガルちゃんと名付けられていてアズサとペコラの家族だ。
横島と似た声の宇宙人は闘士ウルトラマンタロウ、いきなりボケたのは闘士ウルトラマンエース、ゴクウと模擬戦をしていたのは闘士ウルトラマンメビウス
叫んだ少年はサトシ、ネズミは相棒のピカチュウ、そんなサトシに注意したのはゴウ、彼の肩にいる子ザルはサルノリ。
3人仲良く話していたのは本宮大輔、大門大、明石タギルで、一緒に食べていたのはマサルのパートナーデジモンのアグモン、タギルのパートナーデジモンのガムドラモンだ。
フィネガスを興味深そうに見ていた眼鏡の少年は野比のび太、猫型ロボットはのび太の友達のドラえもん、ドラ・ザ・キッド、王ドラ、ドラメッドⅢ世、ドラリーニョ、エル・マタドーラ、ドラニコフ
この面子には緋鞠は思わず挫けそうになった。
(なぜこうも濃いメンツが多いのだ……横島の師の美神や蛍はこういう風に苦労していたのだろうか……)
最初に横島達と出会った時のを思い出しながらもしも再会出来たら労おうと緋鞠は思うのであった。
「しかし、フィンさんよぉ、龍騎の合流するってのをどうして断ったんだ?」
「そりゃあ初対面だから信じられないかもしれないけど、あの人は基本的に良い人だぜ」
「ああ、彼が悪い奴じゃないのは分かってる……ただ、疼いたんだ。俺の親指が……彼に付いて行くのは待った方が良いとね」
一通り喋ったのでフィンに話を振るマサルと大輔のにフィンは腕を組んでそう言う。
「親指が疼くでぇ?」
(親指が疼いた……と言う事はこの山で何かの危機があると言う事なのか?性格は微妙に違うとはいえ、フィンの親指が疼いたって事はそう言う事だよな……)
半信半疑な闘士エースだが、タギルだけは思案する。
「僕もフィンさんの意見に賛成です。先ほどから嫌な気配がこの山に漂い始めています」
「うぇ、マジで」
「確かに……魔族的にもあんまり良いとは思えないのが漂い始めてますね。ガルちゃんも警戒してますし」
「ぐる」
「ぐぅ」
フィンの懸念に闘士メビウスも賛同し、たじろくゴウに対しペコラは頬に指を当てながら呟き、ガルちゃんとトラちゃんも唸る。
「ま、こんな巻き込まれた時点で薄々は感じていたけどな」
「異世界の住民が大勢が来てる時点でな……」
「よもやよもや、この世界でも厄介事が来てる様だな」
肩を竦めるキッドにマタドーラも呆れながら肩を竦めて呟き、杏寿郎は腰に下げたのに手を付ける。
「……確かにドンドン近づいて来てる」
飛羽真もまた真剣な顔で辺りを見渡す。
「は、フィンの直感大当たりってか」
「探しに行く手間が省けた感じか」
ベートは獰猛な笑みを浮かばせ、ゾロも首を鳴らす。
「どうやら腹ごなしに良い感じのが来るみたいだな」
「ド、ドラえもん。なんだか嫌な感じがするよ」
「なんで異世界に来る度にこうなるかな……」
「ひぃぃぃぃぃ!!なんでこう怖い事が起きるの!!」
「うるせぇぞ!しっかり構えやがれ!来るぞ!」
拳から音を鳴らす大の隣でオロオロするのび太にドラえもんは嘆き、絶叫するゼンイツに怒ったイノスケの言葉の後、周囲から音が鳴り響き……
ーぐぎゃおぉぉぉぉぉぉぉん!!-
咆哮が響き渡る。
次回、第52の章:電子の欲望が産まれる場所
オマケ
ゆっくり霊夢「今回出た面々で一部のはこんな感じの組み合わせだよ」
ダンまち+ポケダンシリーズ(設定)×多重クロスオーバー
スライム倒して300年×デジモンフロンティア(十闘士のみ)
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第52の章:電子の欲望が産まれる場所
「そうか……コアエナジーの過剰摂取による暴走は人格を失う可能性と言う事か……」
前回からW達は合流したジャスティス達から聞いたのに腕を組む。
「やべぇなそれ、マジで麻薬じゃね?」
「確かに、使い過ぎれば体に悪い影響を与えると言う意味では同じだな」
うげぇとなるゴーダのにディケイドもそう述べる。
「制御をされたら神や魔族でも対処できない存在になりうると言う事か……」
「ホント、ワシらは皮一枚の状況じゃな……」
「とにかく、先を急がないとね」
呻くジャスティスやカオスにゼロワンはそう進言する。
「それにしても……この先からヤミーの気配を感じるぜ。それも相当大きく育ったのが」
「うえ?マジか」
「そうだな……遠くだが、それでも分かる気配だな」
【凄いですねウヴァさん、ゴーダさん。私も言われて気づきました】
【むむ、そうなるとスカルグレイモンの様な大型の存在がいると言う事か】
何気なく言うゴーダのに驚くウィスプへとウヴァも肯定し、調べたアイが感嘆した様に言い、心眼は呻く。
「急ぐと同時に気を付けないといけないと言う事か……」
やれやれとぼやくジャスティスのを聞きながら一同は進む。
「そういや、新たに生まれた奴はどんな名前にしたんだ?」
「映司さんの案でサガビになったッス」
「ヘイヘーイ!」
そんな中、前回増えた節足動物系マスコットので聞くゼンカイジュランにウィスプは答え、本マスコットも嬉しそうに鳴く。
他のマスコットとも仲良くなっているからウィスプは賑やかになったなと微笑ましそうに見ている。
その隣で本格的に胃痛になりかけているホロウには一部が同情した。
閑話休題
ある程度進んでいると先頭を歩いていたWが立ち止まる。
「妙な気配を感じるな……これがさっきゴーダ達が気づいたヤミーの気配か……」
【今いる場所は精製ルーム、この奥がコアエナジーの精製プラントです。その為、普段から探知するコアエナジー量は大きいのですが、今はさらに強いようです……】
「さっきゴーダ達が感じたので大型となるとさっきのカオスシードラモンの様な究極体の可能性もありえそうだね」
「うへぇ、さっきの奴の様なヤバい奴がいるって事か……」
「けどこの人数なら平気だし!陰念がいるから広い場所にも出来るもんね!」
「おいおい、あんまり期待を高めないでくれよ。俺のステージセレクトはあくまでランダムだからな……」
呟いたW(翔太郎)のにアイが解説をし、オーズは通路の先を見ながら呟き、ゼロワンはぼやいたのに対しゼンカイザーはそう言い、言われたホロウはぼやく。
「とにかく、先に進まない訳にはいかないって事だな……」
「なんであろうとぶっ飛ばせば良いだけだ」
通路の先を見て言うディケイドの隣で拳を鳴らすバルカンに脳筋だねぇとディエンドは肩を竦める。
少し進んで入った部屋の中で誰もが呆気にとられる。
部屋の隅々にラグビーボールサイズの卵が沢山保管されていたのだ。
「なんじゃこれは?」
「見た事もない卵ですね……」
「おお、結構でかいな……」
「止めろよ、ここで孵化なんてしないでくれよ……」
興味深そうにケースに保管されている卵群を観察するカオスとジャスティスの隣で興味津々でへばり付いているウィスプにホロウは心の底から願う中、オーズ達は驚いていた。
「これって、デジタマ!?」
「デジタマ?」
「デジモンの卵だよ……しかしこれは……」
「ああ、こいつ等全てがヤミーだ。言わば羽化する前の繭状になってる感じだ」
驚きの声をあげるオーズのに首を傾げるトリガーへとW(フィリップ)は簡略に答えてウヴァを見て、見られた本人は頷いてそう言う。
「……翔太郎。もしかするとセクターシティが異世界に転移したのは不幸中の幸いだったかもしれない」
「なんで……っ!そう言う事か……確かに不幸中の幸いだな」
デジタマを見ながら言った相棒のにW(翔太郎)は一瞬呆気にとられたがすぐさま察して手を握り締める。
「どういう事?」
「2人だけで納得してないで教えてくんねぇ?」
「……俺達の世界は色々とあったけど、デジモンと共存できる状況になってるんだ。けど、もしもデジモンとほぼ同じ姿のデジモンヤミーが暴れていたら……」
「成程、デジモンと人の関係が悪化しちゃって戦争が起こりえたかもしれねぇって事か……ひでぇ事を考えるもんだな」
ツーカイフリントとゼンカイジュランの問いにオーズが代わりに答え、理解したMRトリガーダークは心底気に入らない声で吐き捨て、他のメンバーも理解して憤慨する。
「だったら壊しておいた方が宜しいのではないでしょうか?」
「えぇ!?けどまだ産まれてない様なもんだから流石にそれは可哀そうだよ!!」
「だが一理あるぞ。この卵達が一斉にデジモンとなり、都市部で暴れれば大混乱は間違いない。悪意の根は断っておいた方が良い」
「ダメダメダメ!!俺もガオーンのに賛成!まだ何も知らないのに殺すのってどうかと思う!」
進言するゼンカイブルーンのにゼンカイガオーンが反対し、ゼンカイブルーンに賛同してジカンザックスを構えるゲイツにウィスプがケースを背に庇う。
「どう思うフィリップ?」
「もしも、これまで遭遇したデジモンヤミーがコアエナジーを過剰摂取しての場合なら、今の状況ならまだ暴れる事はない可能性があるかもしれない……」
話を振るW(翔太郎)にW(フィリップ)はそう返す。
「おお!なら、過剰摂取させられる前にある奴全部孵してやった方が……ってなんで離れてるの陰念、それに西条さんにカオスのおっちゃん?」
「いやぁ、流石に怒られたくないからね……」
「小僧よ、流石に全部やったら怒られる未来しか見えんぞ」
「止めろよな!絶対に全部孵化なんて止めろよな!!マジでフリじゃねえからな!!!」
それにすぐさまそう提案したウィスプにジャスティス、カオス、ホロウは各々にそう返す。
【横島よ、フィリップはもしもと言ってるのだぞ。孵化させてすぐさま襲い掛かられたら損でしかない】
「う……だったら1匹!1匹だけ孵化させて確かめさせてください!!」
「賛成賛成!1匹なら対処できるし良いでしょう!」
粘るウィスプにゼンカイガオーンも強請る。
「あたしも気になるから見てみたい☆」
「1匹だけならこのメンバーで対処できるであろう?特に問題もないのではないか?」
「……はぁ、分かった。1匹だけ、確認の為に孵化させよう」
続いて乗っかるツーカイフリントと軽く言うダーゴンのにジャスティスは梃子でも動かないと判断したからか許可する。
「ようし!あ、そう言えば映司さん。デジモンって普通に生まれるのに時間かかります?」
「いや、確か知り合いの話だとデジタマはナデナデしてあげると早く生まれるって聞いたよ」
「普通のデジタマの方だがな……」
確認したウィスプはならとケースからデジタマを取り出して優しくナデナデしてあげる。
「戦闘兵器で産まれて来るなんてそんなの損してるだけだ。色々と遊んで、色々と見て、色々と食べて、元気に過ごした方が良いもんだ。だから元気に生まれて来いよ」
良い子良い子と声をかけながらウィスプはデジタマをナデナデし続ける。
【あ、卵の反応が強くなっています。変化しようとしてるかも】
「お!生まれるのか!」
嬉しそうにデジタマを見ていたウィスプは……周りで起こり始めた事に呆気にとられる。
なんと、ケースに収められていたデジタマが次々とセルメダルになって行くのだ。
「え?え?なに?何が起きてるの?」
いきなり起きた現象に誰もが戸惑っていると、大量のセルメダルが浮かび上がるとウィスプの持つデジタマへと次々と吸収されて行く。
「何々何!?」
「おいおい、横島、お前、ホント予想もしてない事を起こすな!」
驚いているウィスプを知らず、卵はドンドン大きくなる。
「にゃん!?」
「パオ!?」
「ブゥゥン!」
「皆、構えるんだ!」
何が起きても良いように誰もが身構える中、卵は成人男性位に大きくなった所で光り出し……
「キシャァァァァァァァッ!!」
1体のデジモンへと変化した。
黄色い頭に赤いラインが数本入った青緑色の細長い胴体を持つ龍であった。
「こいつはシードラモン!ちっさ!」
「うわぁ~人間サイズだ!!」
「なんと言うか、ゲームで主人公のパートナーになった際に見る様なサイズですね」
「おお!こいつもカッコいい!どんな奴ッスか!」
「海竜型の成熟期デジモンだよ。しかし、やはりヤミーだからか、幼年期から段階をすっ飛ばしてるね……」
現れたのにゼンカイジュランは驚き、ゼンカイザーとゼンカイブルーンが珍しそうに見ている中で自分に擦り寄るシードラモンに対して聞くウィスプにW(フィリップ)は簡略に答えてから興味深そうに観察する。
「シャア~♪」
「おお、どうやらコアエナジーをたっぷり入れられたからむやみやたらに暴れていたみたいッスね」
(君だからと言う可能性もありえるけどね……)
(横島ホイホイ強過ぎだろ……)
(ホントに横島には卵を与えん方がええな……)
頭を摩り寄せるシードラモンを優しく撫でて上げるウィスプにジャスティス、ホロウ、カオスは各々に心の中でぼやく。
ーぎゃおぉぉぉぉぉぉぉん!!!ー
直後だ、けたたましい雄叫びが聞こえて来たのは……
「おわ!?なんだ!?」
「まさか、さっきアイやウヴァが言っていた大型ヤミーか」
突如響いた雄叫びにゼロワンは驚き、ゼンカイレッドが聞こえて来た方の扉を睨んだ後に誰もが頷いてからWとバルカンが扉を開けて進む。
そこは大きく広がった大部屋で、ガラスで仕切られた先に、そいつはいた。
全身を赤い装甲で身を包み、背中に巨大な砲門を備えており、無機質な赤い瞳は入って来たW達を捉えるとその強靭な口を開かせて吠える。
ーぎゃおぉぉぉぉぉぉぉん!!!ー
「うわ、うるさっ!?」
「映司さん、こいつは知ってるのか?」
「ムゲンドラモンみたいだけど、亜種なのかな?ゼンカイジャーの皆は知ってる?」
「確かこいつはカオスドラモンだけど……角に黄色の線があるって事は……」
「もしかしてカオスロードッスか!?こいつまで作られてるってマジヤバッス!!」
耳を抑えるツーカイフリントの後にクウガは確認し、オーズも知らないのかゼンカイジャーに話を振って、記憶から当て嵌めたゼンカイザーの後にゼンカイマジーヌが頬を抑えながら目の前の存在に絶叫する。
「そんなにヤバい奴なのか?」
「ゲーム的に言えばちゃんと育ててないと勝てない相手ですから、とてつもなく強いかと!」
(つまり究極の魔体並みの可能性があるっちゅう事か……なんとも厄介過ぎであろう……!)
質問するゴーダにゼンカイブルーンはそう返し、カオスは逆行する前に対面したのに当て嵌めて呻く。
そんなカオスロードに天井からコアエナジーを帯びたセルメダルがドンドン流し込まれる。
「こいつも過剰摂取状態にされてる状況か?」
「そうなると、今送られている以上にさらに過剰に摂取させれば、不安定になるかもしれない……実に興味深いね」
「お前な……だけどさらに過剰摂取させるのは名案かもな!流石相棒!」
「確かに、想定以上に過剰に摂取させれば自己崩壊を起こして倒しやすくなるかもしれん」
興味深そうに見ながら呟くツーカイザーの続いたW(フィリップ)のにW(翔太郎)は指を鳴らし、カオスもカオスロードを見ながら追従する。
【それでしたら、先ほど通った部屋に実験用のコアエナジー活性剤がある筈です!それで今カオスロードに送られているコアエナジーを増幅させられます!それを供給装置にセットすれば……!?皆さん気を付けてください!右前方から巨大なコアエナジー反応接近!数は2です!】
誰もがその言葉に身構えると一行の前にその姿を現す。
1体は全身が黒とシルバーグレーの装甲に包まれた竜人。
もう1体は全身を黒とグレーに染めて、肩から赤い紐が伸びている道化師
「あれはウォーグレイモンにピエモン!?」
「と言うかこの流れ的にカオスグレイモンとカオスピエモンっス!」
【カオス三将軍の残り2体も来たっチュン!!】
「大将を守る為に来た感じか!」
現れたのに驚くオーズの後にゼンカイマジーヌとセッちゃんは叫び、バルカンはオーソライズバスターを構える。
そんなメンバーへと2体は構える。
次回、第53の章:混沌の竜人と道化師
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第53の章:混沌の竜人と道化師
【アーイセレクトッ!】
「ちい!」
ステージセレクトを発動したホロウはカオスピエモンが投げつけて来た剣をギリギリ避ける。
周りが荒地となったステージへ変わったのを見てカオスグレイモンとカオスピエモンはセルメダルを大量に放出すると屑ヤミーを出現させる。
「カオスピエモンの放つトランプソードは縦横無尽に動き回りますからお気をつけてください!」
「後、テレポートさせたりして来るよ!」
「それはまた、厄介な技だな!」
屑ヤミーの対処に当たりながらのゼンカイブルーンとゼンカイザーの注意にジャスティスは飛んで来たトランプソードを避けながらぼやく。
「くっ!がっ!?」
飛んで来たトランプソードを避けようとしたトリガーは別方向からテレポートで来た別のトランプソードで背中を斬られる。
「あぶなっ!?全然動きがよめねぇ!」
「だったら!」
ニックを庇いつつ呻くウィスプに対し、ジオウは新たなライドウォッチを取り出して、上に付いたボタンを押す。
【ジ・オウ!ツー!!】
その後にウォッチの側面のダイヤル、スプリットリューザーを動かしてウォッチの中央のピクトウィンドウをスライドすることで金のD'9サイドと銀のD'3サイドに分割してから2つのウォッチとなる。
【ジ・オウ!】
その後にジクウドライバーの右側に金のD'9サイドを、左側に銀のD'3サイドをセットする。
それによりジオウの後ろに2つの鏡合わせの時計の幻影が現れる。
「ふっ!」
ポーズを取ってから左手でベルトをベルト本体を反時計周りに360度回転させる。
【ライダータイム!】
音声と共に2つの時計の幻影からライダーの文字が飛び出して重なって行くと共にジオウの姿が変わる。
【仮面ライダー!ライダー!ジオウ・ジオウ・ジオウ!ツー!!】
頭部の針やバンドなどの時計のモチーフが2つ分になっており、肩部や首回りにオーマジオウを思わせる金色が追加されたジオウの強化形態、仮面ライダージオウⅡとなる。
「王の凱旋である!祝え!全ライダーを凌駕し、時空を越え、過去と未来をしろしめす時の王者!その名も仮面ライダージオウⅡ!!今新たな歴史を刻み込んだ瞬間である」
「だから貴様はいちいち祝わんと気がスマンのか!!」
カオスグレイモンを相手にしていたウォズが攻撃を回避した後にすぐさま反応して祝辞を述べ、同じ様に避けたゲイツが怒鳴る。
そんなジオウⅡへとカオスピエモンはトランプソードを大量に投げて途中でテレポートさせる。
左手にジカンギレード、右手にサイキョーギレードを手に持ったジオウⅡのジクウドライバーにセットされたD'9サイドが光ってからジオウⅡの頭部の時計の長針を模したセンサー、バリオンプレセデンスが回転すると彼の脳裏に自分へと向かって来るトランプソードの事象を観測する。
「ふっ、はっ!!」
それに基づき、ジオウⅡは次々と迫るトランプソードをジカンギレードとサイキョーギレードで切り払って行く。
ついでとばかりに他の人に向かう剣をジュウモードにしたジカンギレードで撃ち落とす。
「おぉ、剣をドンドン落として行く!」
「あの動き、まさか予知しているのか?」
それにウィスプは驚き、ジャスティスは動きから驚きの声を漏らす。
彼の知る限り、そう言う予知系は負担が大きい。
だが、目の前のジオウⅡは特にそう言うのを見せずに余裕で動いている。
(数秒先の未来予知であるが、夜光院君より正確と見て間違いない……あの姿だからこそなせる事だろうか……)
「西条さん!後ろから来るよ!」
驚嘆しながらジャスティスはジオウⅡの助言に従い、自分の後ろに現れて飛んで来た剣を斬り落とす。
【ゲイツリバイブ!豪烈!!】
「パワーにはパワーだ!」
離れた場所でカオスグレイモンと戦っていて、パワーで負けていると判断したゲイツは砂時計型の大型ライドウォッチ、ゲイツリバイブライドウォッチをジクウドライバーの左側にセットして、ジクウドライバーを回転させる。
【ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!リ・バ・イ・ブ・剛烈~! 剛烈!!】
それと共に顔のらいだーの文字のサイズが大きくなり、胸部が腹筋が割れているような形状となったアーマーが装着され、上半身がオレンジがかった赤い姿の仮面ライダーゲイツリバイブ豪烈へと変わり、右手に専用武器のジカンジャックローが出現する。
「格闘戦向けの奴って訳か、なら俺も、リッキー出番だ!」
「あいよアニキ!!」
「なんかいた!?」
それを見たツーカイザーはセンタイギアを取り出しながら誰かを呼ぶとツーカイフリントの背からぴょこんと小さなSD体型の青いロボットが飛び出し、それにウィスプが驚いている間にツーカイザーは取り出したセンタイギアをギアダリンガーにセットして回す。
【回せー!オーーレンジャー!】
音声の後に音楽が流れてツーカイザーはギアダリンガーをマラカスのように振りながら、フラメンコのような舞を踊る
「ほい!」【オーレ!】
「え、また踊るの!?」
「ほい!」【オーレ!】
「エジプト壁画に描かれた絵の様に踊るのう……」
【オーレ!オーレ!オーレ!】
「ほいーーー!」
それにウィスプがツッコミ、カオスが考察してるのを後目に最後にタンバリンの様に3回ギアダリンガーを叩いてから銃口を左斜めに向けてトリガーを引くと飛び出した歯車型エネルギーにリッキーと呼ばれた青いロボットが重なる。
【ヨーソロー!チョーーリキにレボリューション!】
それによりリッキーは巨大化し、赤いピラミッドの様なエフェクトの中に入ったツーカイザーと重なるとアーマーとなって装着される。
今のツーカイザーは額の35が刻まれた交差した2本の剣のシンボルは19が刻まれた星の記号が加えられたシンボルに、肩と腰には青い装飾の肩アーマーと腰アーマー、胸部には頭部同様の星型シンボル、バックルから★▼■〓●の5つのシンボルが加えられた前垂れを装着していた。
「【熱血超力!オーレン!フォームだ!!ワタァ!!】」
「姿変わったぁぁぁぁぁぁ!?後キャラも変わったぁぁぁぁぁぁ!?」
驚きの声をあげるウィスプをスルーして、ゲイツリバイブと共にツーカイザーは駆け出す。
「ふん!」
迎え撃つとばかりに右腕を振るうカオスグレイモンのに対し、ゲイツリバイブはのこモードのジカンジャックローで迎え撃ち、弾き飛ばす。
「うわたたたたた!!!」
それにより仰け反ったカオスグレイモンのどてっぱらにツーカイザーは怒涛の連打による徒手空拳を浴びせる。
「「タッ!」」
続けざまにパワータイプとなったティガとトリガーがツーカイザーの上を飛び越えて飛び蹴りをかます。
「「いけいけアニキ!いけいけリッキー!」」
「【おうよ!】」
「俺って、皆に体を貸してる時はあんな風なんだな~」
【お前の場合は貸し過ぎだけどな】
屑ヤミーを倒しながら応援するツーカイフリントと何時の間にかいたリッキーと同じ小さいSD体型の赤いロボットのに答えるツーカイザーを見てしみじみと呟くウィスプに心眼は呆れ気味にそう返す。
「とあ!!」
ダメ押しとカオスグレイモンにダーゴンが掌底をかました後にツーカイザーはギアダリンガーを回す。
【全速前進!回せ回せー!いっぱーい!!】
音声の後にピラミッドのエフェクトを出現させて全身にオーラを纏い、そのオーラがツーカイザーの前にワームホールを出現させる。
「【ツーカイザー!超力スターナックル!!】」
【チョーリキに!弩ッキューン!!】
自分の前に出来たワームホールへと真下に殴りつけると同時に、カオスグレイモンの上空にワームホールが発生し、そこから巨大化した拳がカオスグレイモンに迫る。
「!?」
迫る巨大な拳にカオスグレイモンは背中のシールドを構えて防ごうとする。
「その隙貰った」
【ジカンジャック!】
ジカンジャックローの天面にあるライドウォッチ装填用スロットにゲイツリバイブライドウォッチを装填し、リミッターを解除した後に駆け出し……
【剛烈!スーパーのこ切斬!】
「はあ!!」
無防備なカオスグレイモンの胸へと一閃!!
直後にカオスグレイモンは巨大な拳に潰され……
ドカァァァァァァァァァン!!!
セルメダルを撒き散らして爆発四散する。
「ようし俺達も決めよう!」
「ああ!」
【ジャスティス!】
向かって来た剣を弾き飛ばした後にジオウⅡはジクウドライバーにセットしたD'9サイドのボタンを押してベルトを回転させ、ジャスティスはジャスティスメモリをマキシマムスロットにセットする。
【ライダーフィニッシュタイム!!】
【ジャスティス!マキシマムドライブ!!】
音声の後にジオウⅡとジャスティスは飛び上がる。
【トゥワイズタイムブレーク!!】
「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」
2人のライダーダブルキックにカオスピエモンは剣を交差させて受け止める。
「私も割り込まさせて貰うよ」
【ジカンデスピア!カマシスギ!!】
それを見たウォズが専用武器のジカンデスピアを取り出し、持ち手の部分のタッチパネルに触れてカマモードにしてからカメンアイコンをタッチする。
【フィニッシュタイム!!】
音声の後に駆け出しながらタッチパネル全体をスワイプし……
【一撃カマ―ン!!!】
「ふっ!」
回転横切りでカオスピエモンに切り裂く。
体勢を崩された事で防御が緩み……
「「はあっ!!」」
剣が砕かれると共に胸に蹴りを受ける。
ドカァァァァァァン!!!
セルメダルを撒き散らしながらカオスピエモンは吹っ飛んで爆発四散する。
「ふぅ……長く相手にしたくない存在だったな」
「確かに、ってかマジで俺等だけじゃあ対処し難かった存在ばかりで気が滅入るぜ……」
爆発を見届けながらジャスティスは呟き、ホロウもぼやきながら肩を落とす。
「まあまあ!とにかく倒せたんだし!これでコアエナジー活性剤も探しに行けるな!」
「そうだな!予定通り、カオスロードにさらにコアエナジーを送り付けてやろうぜ!」
そんな2人にウィスプはそう言い、W(翔太郎)も乗る。
「とりあえず、さっきの部屋にあるのなら1人だけで十分だろ」
「だね。アイ、コアエナジー活性剤がどれか教えてくれ」
【分かりました。すぐに探しに行きましょう」
見張っておくと言うディケイドのにゼロワンも頷いてアイにお願いして先ほどの部屋へと戻る。
「さあせ。セルメダルの回収しとくか」
その間にゴーダはセルメダルを回収して……
「ん?」
拾い上げた1枚のメダルを見て首を傾げる。
「どうしたのゴーダ?」
「いや、このメダル……コアっぽい?」
え?と告げられた事に声を漏らしたオーズへゴーダはほらと拾い上げたメダルを見せる。
確かに言われて見ると、他のコアメダルの様に黒縁になっており、絵柄も先ほど倒したカオスグレイモンの顔に近い。
「ホントだ……」
「おい映司、こっちにもあったぞ」
驚いているとウヴァが近づいて1枚のメダルを見せる。
それも同じ様に黒縁のコアメダルでカオスピエモンの顔に近い絵柄が刻まれていた。
「これって……もしかしてカオス三将軍のコアメダル?そうなるとカオスシードラモンにも、コアメダルがあったのかな……?」
「んー?メダルってこれの事か?」
手に持った2枚のメダルを見て呟くオーズに赤いロボットがそう言ってその手に抱えたメダルを見せる。
そこにはカオスシードラモンの顔に近い絵柄が刻まれていた。
「あれカッタナー、何時の間に持ってたの?」
「姉貴達があの長い蛇の様な奴を倒した時に散らばって飛んで来たメダルに混ざってあったんだよ」
そんな赤いロボット、カッタナーへと聞くツーカイフリントにカッタナーはそう返す。
「なんでカオス三将軍だけメダルが……?」
手元にある3枚のメダルを見て、オーズは嫌な予感を感じずにはいられなかった。
次回、第54の章:深紅の邪悪龍
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第54の章:深紅の邪悪龍
「見つけて来たぜコアエナジー活性剤」
前回から少しして、ゼロワンが両手でシリンダーを持って来る。
「これを供給装置に付ければ良いのか?」
【はい、供給装置は丁度、カオスグレイモン、カオスピエモンが現れた先です】
「む?もしそうなら供給装置が壊されていないかが心配じゃな」
「確かに、下手に操作されてエナジー供給を止められてはいけないと言う感じで壊されていてもおかしくないですね」
問うW(翔太郎)に返したアイのにカオスは顎を摩りながら眉を顰め、ジャスティスも懸念する。
心配されていた供給装置だが、破壊されず無事だった事から杞憂で済み、Wは早速活性剤を供給装置にセットし、操作する。
ーぎゃおぉぉぉぉぉぉぉん!!!ー
暫くすると隣で咆哮と共にガラスの壊れる音が響き渡る。
誰もが供給装置が置かれていた部屋を出るとガラスが壊し、暴れ狂うカオスロードが目に入る。
「効いてるようだな!」
「ようしなら早速……!?」
暴れ狂うカオスロードを見て早速倒そうと動こうとした時、全員の体にのしかかる様な感覚が起き……
「!?カオス三将軍のメダルが!?」
オーズの手元からカオスシードラモン、カオスグレイモン、カオスピエモンのメダルが飛び出してカオスロードの方へと飛んで行く。
自身へと飛んで来た3枚のコアメダルをカオスロードは、飲み込んだ。
「メダルをくっちまいやがった!!?」
「ちょちょちょ!?カオス三将軍の力を取り込んだって事になるんじゃないッスか!?」
「ええ!?それって不味くない!!?」
「何が不味いんだ!?」
【!?コアエナジー反応が急速に増大しています!!】
驚くMRトリガーダークの後に慌てるゼンカイマジーヌとゼンカイガオーンにホロウが問おうとする中でアイが慌てて報告する。
ーぎゃおぉぉぉぉぉぉぉん!!!ー
雄叫びを上げるカオスロードの体に異変が起こる。
両足と右腕がカオスグレイモンと同じ形に変化し、胸が黒く染まり、尻尾がカオスシードラモンの尻尾の様な二股に、背中の砲台にカオスグレイモンのシールドが追加され、肩からカオスピエモンの肩の装飾の紐が追加され、顔の形がメカニカルになった顔の前の角がないカオスグレイモンに変わる。
「!?変貌した!」
「げぇ!?ネオクリムゾンッスか!?」
驚くトリガーの後にゼンカイマジーヌは絶叫する。
「それよりもさっきの感じ!」
「ああ、どこにいる邪眼。姿を現せ」
身構えるクウガにディケイドもうっとおしいそうに呼びかけると……
ー姿を現せだと?……我はお前達の目の前におるわー
「何!?」
「え!?まさか!?」
響き渡った声に誰もがネオクリムゾンへと変貌したカオスロードを見るとネオクリムゾンは顔を伏せる様に動かし、見えた鼻先に目が現れる。
「うえ!?目が出た!?」
「おいおい、今度の実体にデジモンを選んだのかよ」
ーくく、なかなか心地よくて良いものだぞー
ディケイドの言葉に笑ってからこのようにな!と言う咆哮と共に振るわれた腕の衝撃に誰もが吹き飛ぶ。
「がっ!?」
「ぐっ!?」
【アーイセレクトッ!】
倒れた状態のままホロウはステージセレクトを行い、それにより不可思議な空間へと変わる。
「邪眼、お前はどうやって蘇った?」
ーなぜそんな事を問う?ー
起き上がりながら問うディケイドに邪眼は聞き返しながら腕を振るい、斬撃を放つ。
「あぶなっ!?」
「違和感しかないからだ。ゼウスがドーパント達やヤミーを蘇らせれたのは財団Xが集めた情報でデータがあったからだ。だけどな、例えお前のデータがあったとはいえ、お前の様な制御できない存在をわざわざ蘇らせるなんてあのゼウスの性格的にありえないからな」
攻撃を避けながら指摘するディケイドのにくくくと笑う。
ーそうだな、冥土の土産に教えてやろう。我は奴の実験で蘇ったのではない……この世界で起こりし時の歪み、そしてとある世界で起こりし人理焼却により我は精身体として再び蘇ったー
「なっ!?」
「この世界の時の歪みと別の世界の人理の焼却じゃと!?」
告げられた事にジャスティスとカオスは驚く。
ジャスティス、西条は時の歪みと言うのが平安京のだと結びつけたがカオスは自分達が逆行した事が関わっているのかと考えていた。
「人理の焼却ってなんだよそれ……」
ー文字通りその星の人類の歴史を焼き尽くし惑星を作り変える事よー
「お前がやろうとした歴史を変化させて、怪人世界の創造に似てる感じか」
スケールの大きさに戸惑うウィスプへ答えた邪眼のにディケイドは仮面の中で顔を顰める。
「ゼウスに協力しているのは怪人世界を作り上げる為か!」
ーそうだとしたらどうする?あの時の奴等の様に我を止める気か?ー
「止めるに決まってるだろ。そんな勝手な事でこの世界の人等の日常を奪わせる訳にはいかないだろ」
問う邪眼にゼンカイジュランはそう返す。
ーこんな腐りきった世界をお前達が救う価値があるのか?ー
「腐りきった世界だと?」
出てきた言葉にバルカンは眉を顰め、他のメンバーも顔を見合わせる中で邪眼は続ける。
ーそうであろう?この世界の人類もそうだが、神や魔族、天使は誰もが他者を蹴り落とし、自分達の世界を作ろうとしている。そんな奴等がいる世界を作り変えようとして何が悪い?貴様達はしょせんこの世界では異物でしかない。こんな世界を救う価値などあるまい。とっとと出て行ったらどうだ?ー
「………………」
その言葉にジャスティスは言い返せなかった。
彼は横島や陰念よりも裏を見ているのもあり、邪眼の言った事を否定する事は出来なかった。
ウィスプ、横島も平安京での陰陽師や月神族が過り、ホロウ、陰念はガープ達、カオスは生きていた人生の中で見て来た者達の闇が脳裏を横切る。
「俺達がこの世界にとって異物なのは当然だ」
(BGM:ディケイド劇中BGM、パラレルワールド)
そんな中でディケイドが口火を切る。
「俺達は通りすがり、他の奴等は迷い込んだり、俺達の様に通りすがり、この事態を終わらせる為に来たりと様々だ。この世界は腐ってるかもしれない。けれどな、その中でもこいつ等の様にそれに抗って生きる奴等がいる。この世界での大いなる出来事はこいつ等が乗り切るべき壁だ。その壁を俺達が打ち砕くのはお門違いなんだよ」
「士さん……」
前に出て邪眼へと言い返すディケイドにウィスプは彼の堂々とした姿に目を奪われる。
「それに、お前はこの世界だけじゃなく、他の世界もお前の望む怪人世界に変えようと考えているだろう」
ー……くく、そうだ。我はこの世界を拠点に全ての世界を怪人世界にし、次元の王となる!世紀王よりも壮大な王となる為に!ー
「欲張りな奴だな」
「その為に命を奪うのをこれ以上はさせない!!」
指摘に対し、邪眼は笑い、W(翔太郎)とオーズに対して黙れ!と背中の砲台から光弾を放つ。
ドカァァァァン!!
「どわっ!?」
「あぶなっ!?」
ー今度は貴様達が滅ぶ番だ!!しねぇい!!ー
巨大な火球を作り上げながら避けた直後のメンバーへと放つ。
「やばっ!?」
「っ!」
迫る巨大火球にウィスプは皆を守ろうと文殊を取り出そうとし……
ーそうはさせないぞ邪眼!!ー
その言葉と共に火球は四散する。
「なんだ?」
「今の声は!?」
(BGM:仮面ライダー正義の系譜OP曲)
突然のに戸惑うウィスプだが、クウガやW達は驚いた様子を見せていると閃光が邪眼へと放たれる。
ーぬぅぅぅ!?この力は!?ー
放たれた閃光に邪眼は目を守った隙にティガとダーゴンが巨大化して邪眼の体となっているネオクリムゾンに組み付く。
その間にウィスプ達は閃光が放たれた方へと顔を向け、佇む5人の戦士に気づく。
飛蝗を思わせる仮面を纏いし仮面ライダー
赤い仮面に緑の複眼の仮面ライダー
飛蝗を思わせる黒い仮面に赤い複眼の仮面ライダー
アルティメットフォームとなった仮面ライダークウガ
クウガと似た顔付きだがこちらは竜を思わせる黄金の仮面ライダー
「ああ!仮面ライダー1号!」
「仮面ライダーV3に仮面ライダーBLACKRX!」
「ええ!?クウガがもう1人!?」
「五代さん!津上さんも!」
「あの人達が、邪眼と戦った仮面ライダー……!」
並び立つ5人にゼンカイザー、オーズ、ゼンカイマジーヌ、クウガは驚き、ウィスプは5人の仮面ライダーに呟く。
「邪眼よ、お前の野望!例え世界が違っても叶えさせはせん!」
「今度こそ成仏させてやろう!」
「邪眼、別の世界を巻き込んだ事はゆ”る”ざん”!!」
「この世界の人々の笑顔を奪わせはしない!」
「皆さん!俺達も一緒に戦います!!」
ーなぜだ!?なぜお前達がここに来れているのだ!?ー
力強く言う5人の仮面ライダー達にティガとダーゴンを弾き飛ばした邪眼は驚きの声をあげる。
次回、第18のレポート:戦士出陣
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第18のレポート:戦士出陣
身構えるサトシ達。
美衣やケイを庇うメンバーの前に何かが降り立つ。
それは、手や顔、足、尻尾など体の一部が岩石のような甲殻で覆われたマントヒヒに似た生物であった。
「なんだこいつ?」
「こいつはバブンガモンだ!」
「けどよぉ、なんだかこいつおかしいぞ?」
構えるベートにガムドラモンが答えるがアグモンは目の前のバブンガモンに訝しんで首を傾げる。
【タギル!あのバブンガモンは見た目はデジモンだが、中身はヤミーだ!】
「なんだって!?」
「どこから声が!?」
するとタギルのポケットから声が響き渡り、それに美衣が驚く中で次々とバブンガモンが現れて一同を囲む。
「こんなに沢山の奴が何時の間に!?」
「そりゃあやっぱ、定番として悪の組織が基地にしようと連れて来たとかじゃねえの?」
「げへへ、その通り!!」
自分達を囲むバブンガモンの数に驚く緋鞠に推測を立てた闘士エースは聞こえてきた声にマジかよと呆れる中、バブンガモン達の後ろにタツノオトシゴの様な怪人が2体現れる。
「あいつ等はシードラゴン!!左手を見るからに…Ⅰ世とⅢ世か!」
「Ⅱ世がいねえのかよ」
そこは揃えと闘士エースが思わずツッコミ、そうじゃないでしょと闘士タロウは呆れてから真剣な顔でシードラゴン2体へ問う。
「お前達!この山で何をしようとしてるんだ!!」
「!その声!あの時の餓鬼か!」
え?と目を丸くする闘士タロウを知らず2体のシードラゴンは怒気を噴き出して体を震わせる。
「なんだよタロ坊、どっかで会った感じかよ」
「いやいやいや、エースも知ってて言ってるでしょ、僕は知らないよ」
「忘れたとは言わせねえぞ!俺と蛮アニキが死んだ原因を作りやがった憎き餓鬼が!!」
「ってつまり八つ当たりじゃねえか」
「どっかで横島さんに退治された奴か?と言うかこの世界の横島さんも仮面ライダーになれるのか?」
脇腹を突っつく闘士エースのに返した闘士タロウに対して2体のシードラゴンの片方の言った事にキッドは呆れ、タギルは首を傾げる。
「だが今度はそうはいかないぞ!」
「俺達は鬼から竜になったのだ!今度はこちらが殺してやる!」
「……シードラゴンはタツノオトシゴが元になってるから竜じゃねえぞ」
「タツノオトシゴは魚類であるな」
「全然竜と程遠いね」
自信満々に言うシードラゴン達へタギルは指摘し、続いたドラメットとアズサの言葉に何!!と怒気を放つ。
「人を馬鹿にしやがって!!」
「俺達を殺した奴の様に見下しやがって!」
「これ、全然話にならない感じじゃね?」
「うむ!かつて鬼と言うなら納得の知能の低さであるな!」
「杏寿郎君の知るのとは違うだろうけど、こいつ等をほっておいたらいけないのは確かだ」
憤慨するシードラゴン達にマタドーラは肩を竦め、杏寿郎のに飛羽真は目を鋭くさせてシードラゴン達を睨む。
「ま、とりあえずは敵で間違いねえって事だな」
そう言いながらおいっちにーさんしーと準備体操を始める闘士エースに何を呑気な!と緋鞠は怒鳴ろうとし……目を見開く。
何時の間にか闘士エースは飛び出していて、シードラゴンの1体の顔にずつきをかましていた。
「ごぴゅ!?}
「~♪」
「あ、アニキ!?や、やれ!!」
まさかの不意打ちに驚きながら攻撃されなかったシードラゴンがバブンガモンの集団に命令を出し、バブンガモン達は一斉に襲い掛かる。
「母ちゃん!」
「っ!」
それに美衣はケイを抱きしめ、緋鞠は迎撃しようとして、それよりも先に動いた者達がいた。
「はあ!」
「レディに手を出そうとしてんじゃねえぞ!!」
霊力を纏ったフィンが槍を突き出してバブンガモン1体の顔を貫き、隣でサンジが足に炎を纏って蹴り砕き……
「ファイアボルト!!」
「三刀流!深緑斬!!」
ベルが右腕から走る稲妻の様な爆炎を放ってバブンガモンの1部を爆炎に飲み込み、ゾロが口に咥えた枝と共に腕の葉っぱの様な突起を刃に変えて両断する。
「ピカチュウ!10万ボルト!」
「ピッカチュゥゥゥゥゥゥゥ!!」
「エースバーン!火炎ボール!インテレオン!狙い撃ち!」
「バーン!!」
「インテ!」
続けざまにサトシがピカチュウに指示を出してピカチュウは全身から電気を、ゴウはボールを2個取り出して投げながら指示を出すとボールから人と同じサイズのウサギとスラッとした青いカメレオンが飛び出し、エースバーンと呼ばれたウサギは石を蹴り上げると炎に包まれたそれを蹴り飛ばし、インテレオンと呼ばれた青いカメレオンは右手の人差し指の先から水を飛ばしてバブンガモンを吹き飛ばす。
「子供が怖がるでしょうが!」
「おりゃあ!!」
「ふん!!」
「ジャックドハンマー!」
「ベビーバーナー!!」
続けざまにアズサ、大、ガノンドロフが素手でバブンガモンを殴り飛ばし、隣でガムドラモンが前転跳びしつつ巨大化させた尻尾槌を振り下ろしてバブンガモンの1体を叩き付け、アグモンは口から炎を吐き出してバブンガモンを燃やす。
「コロナブラスター!!」
「ソーラーレーザー!!」
殴り飛ばした3人をフォローする様にトラちゃんが両腕の兵器、ルードリー・タルパナからレーザーをマシンガンの如く放ち、ガルちゃんが口から光線を吐き出してバブンガモンの集団を薙ぎ払う。
「炎の剣術!肆ノ型!盛炎のうねり!!」
そして美衣と抱き抱えられたケイを後ろから襲おうとしたバブンガモンを杏寿郎が右腰から引き抜いて手にした剣で自身を中心にして渦巻く炎のように薙ぎ払う
「な、なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」
命令を出したシードラゴンはまさかの展開に驚く。
緋鞠と美衣もまた先程まで騒いでいた面々、特に一部自分より年下の者達がそれぞれ真剣な顔で立つ姿に歴戦の戦士の風格を感じさせているのを……それにアルゴノゥトは笑う。
「嗚呼、喜劇!なんて喜劇!世界を越え、異世界にて集う未知なる戦士達の軌道を間近で見れるとは!まさに奇跡にして喜劇!そんな戦士達の前に現れる破壊の足音!聞こえるぞ、恐ろしき魔物の咆哮が!だが、可憐な猫2人と子供猫よ、安心したまえ!今戦士達がこの悪意を払って見せる!!さあ、喜劇を始めよう!!」
「よもやよもや!こうやって並んで戦うとは、思いもしなかったな飛羽真殿!」
「そうだね杏寿郎君、行こう!物語の結末を、奴等の好きなようにはさせない!」
アルゴノゥトの語りに杏寿郎は笑みを浮かばせ、飛羽真も返した後に2人は同じベルトを取り出し、杏寿郎は手に持っていた剣をそのベルトにセットする。
【聖剣ソードライバー!!】
その後に2人は腰に当てると装着され、続いて赤い本、ブレイブドラゴンワンダーライドブックを取り出して開く。
【ブレイブドラゴン!!】
【かつて全てを滅ぼすほどの偉大な力を手にした神獣がいた……】
開かれると共に物語が語られた後、2人はワンダーライドブックを閉じ、ベルトの一番右に装填する。
それによりワンダーライドブックから本が勢い良く開かれる様なエフェクトが起こり、ベルトから待機音が鳴り響く中、杏寿郎と飛羽真は右手でベルトに装填された剣、火炎剣烈火の柄を握り思いっきり引き抜く
【烈火抜刀!】
「「変身!」」
掛け声と共に2人は目の前でX字を描くように剣を振るう。
斬撃が飛ぶのと同時に赤い龍が出現して2人の体にそれぞれ巻きつくと2人の姿は右肩に龍がついた鎧を纏い顔を仮面に覆われる。
【ブレイブドラゴーン!】
X字に斬った斬撃の炎が2人に戻ってくるとそれは顔にくっ付いて複眼となり、黄色く輝く。
【烈火、一冊!勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く!】
物語が語られる中、仮面ライダーセイバーへと姿を変えた杏寿郎と飛羽真は火炎剣烈火を構える。
「こっちも行くっしょ!」
「ええ!」
「ようし!」
それを見てゴウはゼロワンドライバーを、ベルはオーズドライバーをそれぞれ腰に装着、のび太はカードを取り出して念じると腰にダブルドライバーが装着される。
「わたぁ!!」
「せやっ!」
「名刀電光丸!!」
させるかとばかりに攻撃を仕掛けようとしたバブンガモンを闘士メビウスと王ドラ、ドラえもんが阻む。
【ジャンプ!オーソライズ!】
【サイクロン!ジョーカー!】
ゴウはライジングホッパープログライズキーをゼロワンドライバーに翳し、ベルはオーズドライバーのカテドラルにメダルを3枚セットし、のび太は2本のガイアメモリを取り出してダブルドライバーにセットする。
【キィンキィンキィン!】
「「「変身!!」」」
飛蝗のライダモデルが周りを飛び回る中、ゴウはキーを展開してベルトにセットし、ベルはオースキャナーでメダルをスキャンし、のび太はダブルドライバーを展開する。
【プログライズ!飛び上がライズ!ライジングホッパー!】
【タカ!トラ!バッタ!】
【サイクロン!ジョーカー!】
【タ・ト・バ!タトバ!タ・ト・バッ!!】
【
響き渡る音声の後にゴウは仮面ライダーゼロワン、ベルは仮面ライダーオーズ、のび太は仮面ライダーWに変わる。
「こっちも乗り遅れないで行こうぜタギル!」
「おうさ!!暴れるぜポセイドン!!」
【おう!】
それを見て大輔はガチャポンの様なベルト、エクスバースドライバーを腰に装着し、タギルはポケットから3枚のメダルを取り出すとメダルの1枚、サメメダルから声が響いた後に3枚のメダルは浮かび上がってタギルの腰回りを飛び回るとベルトが出現して、それに収まる。
「「変身!!」」
【キリ・キリ・カポン!!】
【サメ!クジラ!オオカミウオ!!】
その後に大輔はセルメダルを取り出してエクスバースドライバーの左手側上部の挿入口にセルメダルをセットしてベルトの右側にあるハンドルレバーを回すとに中央のガシャポンの様なカプセル、トランサーシールドを展開し、そこからエネルギーが出て、大輔の体の計10か所に行き、それ等がアーマーを形成し、最後に大輔の顔をU字型の白い複眼があるマスクが装着され、大輔は緑色の部分が青くなり、スーツも黒から白へと変わり、銀色の部分が金色へと変わった仮面ライダーバース、仮面ライダーエクスバースへと変身完了して複眼が青く発光する。
タギルは3つのメダルの幻影が周囲を飛び回った後に右にサメ、左にクジラ、下にオオカミウオの逆三角形を描いた1つの絵柄となってタギルに張り付くと頭部にサメ、胴部にクジラ、下半身にオオカミウオの意匠を持った仮面ライダー、仮面ライダーポセイドンとなる。
「俺も行くぜ!」
「ではオレも行こう」
続けてサトシとガノンドロフはそれぞれ銀色と金色の携帯電話を取り出す。
「チェンジソウルセット!」
「ガオアクセス!!」
サトシは携帯の画面部分上の蓋を開いて中に8角形のチップの様なのをセットして蓋を閉じ、ガノンドロフは開いた携帯の中央のボタンを押しつつ、顔の左横に持って行きコールし……
「レッツ!」
サトシは斜め左に突き出してから後ろに引いて携帯のT字型のキーを押し……
「ゴーオン!!」
「はっ!」
ガノンドロフと共に同時に前に突き出す。
直後、サトシの持つ携帯から光りが放出され、サトシは赤いスーツに身を包んだ後に手首に出現したタイヤが装着されると共に襷掛けでシートベルトの様な装飾がバックルに繋がって胸にエンブレムが出現、サトシは両手に上に掲げるとヘルメットが出現し……
「メットオン!!」
それを被る。
ガノンドロフは持っていた携帯がゴリラを模した形態になった後に反転して人型に変形する。
「サモン!スピリット・オブ・ジ・アース!」
人型に変形した携帯は光となってガノンドロフの体を包み込むと緑色のスーツとなり、最後に顔にゴリラを模したヘルメットが装着される。
「マッハ全開!ゴーンレッド!!」
「剛力の賢者!ガオグリーン!!」
変身完了と共に2人はそれぞれポーズを取って名乗り上げる。
「おぉぉぉぉぉぉぉ!!凄い凄い!仮面ライダーにスーパー戦隊の変身!燃える展開だ!!」
「お姉さま、こういう系のも好きなんですね」
「ルキッ♪」
それにバブンガモンを吹き飛ばしていたアズサは興奮し、ペコラはゴウから離れたサルノリを抱えながらバブンガモンを尻尾ではたく。
「ど、どうする蛮アニキ!?」
「お、落ち着け勇!俺達は強くなったんだ!負ける訳がねえ!!」
戸惑うシードラゴンに頭突きされた方のシードラゴンが顔を抑えながら叫ぶ。
「悪いけど、時間をかけるつもりはない!」
「そうだな!ケイの安全の為にもおめぇらを早く倒させて貰う!」
バブンガモンを圧倒しながらシードラゴン2体へと言う闘士タロウにゴクウも水を纏った拳で吹き飛ばしながら宣言する。
「……普通にオーバーキルですね」
「それはメタイと思うぜ王ドラ」
「アウアウ」
「え?どこがメタイの?」
憐みの籠った目でシードラゴン2体を見ながら呟く王ドラにバブンガモンをひらりマントで吹き飛ばしたマタドーラは肩を竦め、頷くドラニコフの隣でサッカーボールを連続シュートしていたドラニーニョが首を傾げるのであった。
次回、第55の章:歴戦の勇士達
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第55の章:歴戦の勇士達
ーお前達、どうやってこの島に!?島はもう外界とは切り離していた筈なのに!?ー
並び立つ仮面ライダー1号、仮面ライダーV3、仮面ライダーブラックRX、もう1人の仮面ライダークウガ、仮面ライダーアギトの5人に邪眼は叫ぶ。
「なあに裏技で来させて貰ったのさ」
「俺達だけじゃあ無理だったけど、王様でお陰でこうやって来れたんだ」
「王様って……」
「成程な、大体わかった」
「え、それで良いんっスか?」
V3の後のアギトの言った事に小野寺クウガはまさかとジオウを見て、ディケイドもいつも通りに察するのにウィスプは思わずツッコミを入れる。
「懐かしいね……旅を満喫してるかい小野寺君」
「まぁ、今はこの状況ですけど、飽きない感じですよ五代さん」
傍に来たアルティメットフォームとなってるクウガの問いに小野寺クウガはそう返す。
「とにかく場所を変えるか」
【アーイ!セレクト!】
場所を変えようとホロウはステージセレクトを行うと足場が雲の様な青空が広がる広いステージへと変わる。
「行くぞ!トゥ!!」
直後に1号が飛び……その体をティガとダーゴンと同じ様に巨大化させて邪眼と戦う2人に加わる。
「待って待って待って待って!?ねえ、あの人、平然と巨大化してるんだけど!?出来るの!?仮面ライダーも巨大化できんの!?」
「一部だけな」
「他にも巨大化出来る仮面ライダーがいるのかい!?」
「……ワシ、とんでも光景が続いたら仮面ライダーが理解できん様になる気がする……」
「爺さん、俺もだ」
【仮面ライダーとは、いったい……】
そんな1号の巨大化に慌てて聞くウィスプにディケイドはそう返し、驚いているジャスティスの隣でカオスとホロウ、ウィスプの中で心眼は現実逃避気味に呟くのであった。
ー貴様、どこでそんな力を!?ー
「お前の様な悪に対抗するためだ!」
「いや説明になってないッス!!?」
「こればかりは俺も知らん」
「ちなみに後輩の俺も知らん」
「それは駄目ではないかの!?」
驚きの声をあげる邪眼に対して攻撃を仕掛けながら返した1号のにウィスプは叫び、ディケイドとV3のにカオスは思わずツッコミを入れる。
「俺達も行くぞ!」
「そ、そうですね!」
「乗り遅れたらいけないッス!」
「ようし行こう!」
ゼンカイジュラン、ゼンカイガオーン、ゼンカイマジーヌ、ゼンカイブルーンは自分のギアトリンガーにセットしていた自分のセンタイギアを裏返してハンドルを回してからトリガーを引く。
【ビーッグバーンッ!】
「「「「機界変形!」」」」
「 ジュランティラノ!」
「ガオーンライオン!」
「マジンドラゴン!」
「ブルーンダンプ!」
【ゴー! ゴー! ゴゴッゴー!】
【ゼンカイジュゥラン!】
【ゼンカイガッオーン!】
【ゼンカイマッジーヌ!】
【ゼンカイブッルゥーン!】
それにより4人は巨大化し、ゼンカイジュランはジュランティラノ、ゼンカイガオーンは黄色いライオン、ガオーンライオン、ゼンカイマジーヌはピンク色の龍、マジンドラゴン、ゼンカイブルーンは青色のダンブカー、ブルーンダンプに変形する。
「おお!ライオンにドラゴンにダンプカー!」
「……なんだろうな、ダンプカーがすげぇ場違い感を感じさせているのは……」
「ようし!4人とも行くよ!」
「なら一緒にやらせて貰う」
変形した面々を見て感嘆の声をあげるウィスプの隣でホロウがボソリと呟いてる間にゼンカイザーとゼンカイレッドは自分達のギアを裏返してそれぞれの銃のハンドルを回し……
「「全開合体!!」」
トリガーを引く。
【ゼンカ~イガッタ~イ!】
鳴り響く音声の後、ジュランティラノとガオーンライオンは球戯場、マジンドラゴンとブルーンダンプはボクシングのリングに移動していた。
【ゼンカーイ!!】
「ようし暴れて行こうぜガオーン!」
「オッケーイジュラン!」
「ブルンブルンと激しく行きますよ!」
「ウルトラマンや仮面ライダーに遅れない様にするッス!」
その間に4人とも変形、ガオーンライオンはジュランティラノと合体、マジンドラゴンは左半身、ブルーンダンプは右半身として合体する。
【ガッシーン!!】
【ゼンカイジュラン!ゼンカイガオーン!】
【ゼンカイブッルゥーン!ゼンカイマッジーヌゥ!】
その後に合体したガオーンライオンとジュランティラノの方にゼンカイレッド、マジンドラゴンとブルーンダンプにはゼンカイザーが乗り込む。
【GO!GO!GO!HO!】
【ゼンカイオージュゥラガオォォォォン!!】
【1・2・3・4・GO!1・2・3・4・GO!1・2・3・4・GO!】
【ゼンカイオーブゥルマジィィーン!!】
「「ゼンカイオー!ジュラガオーン!!」」
「「ゼンカイオー!ブルマジーン!!」」
完全な人型へと変形して、それぞれ名乗り上げる。
「すげぇ!ジュランは介人以外にも合体できるのか!!」
「ん?なんだかガオーンの色が変わってなくね?」
それにウィスプは感嘆の声を上げた後にゴーダの言葉にえ?とゼンカイオージュラガオーンを見る。
確かにゼンカイオージュラガオーンのガオーンの所が赤く染まって行く感じになり、完全に赤くなると全体にオレンジ色のファイヤーパタ―ンが描かれて行く。
「あれ!?僕の体が赤くなってる!?」
『成程、ゼンカイオージュラガオーンファイヤーと言う感じか』
「おお、言われてみると、炎の模様が付いたのと同時に体が凄く燃えて来たぜ!」
その言葉の後に剣先が燃え上がるジュランソードと爪が燃え上がっているガオーンクローで邪眼へと攻撃を仕掛ける。
ー小癪な!!ー
代わる代わる攻撃を仕掛けて来る1号達に邪眼は苛立ってシールドを飛ばしたり、肩の砲門からビームを放ったりして2体のゼンカイオーと1号達を攻撃する。
「僕達も行こうイグニス」
「待ちなケンゴ。俺達は俺達でこの大きさだからこそ出来る事をしようぜ」
「なら奴の周りを飛び回る感じでどうだ?」
【ファイナルフォームライド!ク・ク・ク・クウガ!!】
ウルトラマンへとなろうとするトリガーをMRトリガーダークは止めてそう言い、割り込んだディケイドがカードを装填し……
「ちょっとくすぐったいぞ」
「分かった!」
「よし行くぞ!」
その言葉と共に小野寺クウガをクウガゴウラム、五代クウガは角の部分にも金色の装飾が施されたアルティメットゴウラムへと超絶変形する。
「あの時のルージの様に肉体構造を無視した変形をした!?」
「どういう仕組みだ!?」
超絶変形にウィスプとホロウが驚いている間にトリガーはバックルに装填されていたのを抜いて新たなGUTSハイパーキーを取り出す。
【グリッタートリガーエタニティ!!】
響いた音声の後にGUTSハイパーキーをバックルの右横のスロットへ装填する。
【ライダーブーストアップ!グリッターゼペリオン!!】
「宇宙を照らす、超古代の光!!仮面ライダー!トリガーっ!!」
バックルの中央を元に戻し、再び展開するとアーマーを除いて体の色が銀・金・オレンジのカラーリングに変わり、胸アーマーのクリスタルの色が全てゴールドに変わる。
【仮面ライダーグリッタートリガーエタニティ!!!!】
「イグニス!」
「サンキュー!」
強化形態、グリッタートリガーエタニティへと変身完了するとサークルアームズをトリガーダークへ渡し、右腕を胸アーマーに翳すと右腕にグリッタートリガーの顔をイメージした造形で手の甲部分にグリッタートリガーエタニティの胸部のトライアングルクリスタルに刀身が備わったような見た目をした手甲一体型の剣、グリッターブレードが装着される。
「背中借りるよ!」
「借りさせて貰うぞ」
その後にジオウⅡがクウガゴウラムの背に、ゲイツリバイブはアルティメットゴウラムの背に乗り込むと2体は同時に飛び出す。
ウォズもまたギンガミライドウォッチを取り出すとサイドパーツを回転させてからビヨンドライバーにセットする。
【ワクセイ!アクション!】
音声の後に流れる音楽を響かせながらビヨンドライバーのハンドルを前に向ける。
【投影!ファイナリータイム!水金地火木土天海!宇宙にゃこんなにあるんかい!ワクワク!ワクセイ!ギンガワクセイ!】
音声の後にウォズに新たなアーマーが装着されてマントを靡かせた後に8つの惑星を模したオーラが体に吸い込まれて顔のインジケーショントラックアイはワクセイの蒼文字に変化したウォズの強化形態、ウォズギンガファイナリーの派生形態ウォズギンガワクセイフォームとなる。
【キングギリギリスラッシュ!!】
【剛烈!スーパーのこ切斬!】
「たあ!!」
「ふん!」
攻撃を避けながら飛ぶクウガゴウラムとアルティメットゴウラムの背の上でジオウⅡとゲイツリバイブはすれ違いざまに邪眼の体となっているネオクリムゾンの顔を切り裂く。
【ファイナリービヨンドザタイム!】
怯んだ邪眼を見ながらウォズギンガファイナリーはベルトを操作すると邪眼の上空に疑似惑星弾、エナジープラネットを大量生成し……
【水金地火木土天海エクスプロージョン!!】
雨のごとく降り注がせて攻撃する。
「行くよイグニス」
「ああ!」
【アローモード】
ダメ押しとばかりにグリッタートリガーエタニティはグリッターブレードの持ち手にあるボタンを押してからクリスタルを回転させて刃の所に合う様に紫色のクリスタルを合わせる。
【バイオレット!!】
音声の後に再びボタンを押す隣でMRトリガーダークはベルトからGUTSハイパーキーを抜いてサークルアームズに装填する。
【マキシマムブーストアップ!ダーク!!】
【エタニティゼラデス!】
音声の後にグリッタートリガーエタニティは刀身に紫色の光刃を発生させたグリッターブレードを構え、MRトリガーダークはサークルアームズの闇の弦を引いて出来た闇の矢の狙いをネオクリムゾンの顔に現れている邪眼の目に狙いを定め……
「「はあ!!」」
【ダークゼペリオン!アローストライク!!】
同時に光線と闇の矢を放ち、邪眼の目を攻撃する。
ーぬぉぉぉぉぉぉ!!!ー
『今がチャンスだ!』
『ようしトドメ全開!!』
それを見てゼンカイオージュラガオーンFはジュランソードの刀身とガオーンクローの爪を激しく燃え上がらせ、ゼンカイオーブルマジーンは高速滑走で接近し……
『「「ブルーンピッカー!アクセルストライク!!」」』
『「「ジュランソード&ガオーンクロー!ファイヤーブレイク!!」」』
ゼンカイオーブルマジーンが持ち手を変えたブルーンピッカーの連打を浴びせた後にゼンカイオージュラガオーンFのX字斬りが炸裂する。
「行くぞティガ!赤き巨人よ!」
「ダーゴンだ!」
「テュ!」
続けざまに1号は高く飛び上がり、ティガは両腕を前に突き出し交差させてから大きく横に広げてエネルギーを溜め、ダーゴンは右腕にエネルギーを収束し……
「ハッ!!」
「タッ!!」
ティガはL字に構えてゼペリオン光線を放ち、ダーゴンは腕を突き出して光線を放つ。
「ライダァァァァァァァァキィィィィィィィィック!!」
光線が直撃する直前で1号のライダーキックが同時に邪眼の体へと叩き込まれる。
ーがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?ー
全身から火花やセルメダルを散らしながら後ずさった邪眼は体のあちこちからエネルギーを噴出させ……
ーおのれ、仮面、ライダァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!?ー
怨嗟の断末魔をあげながら倒れて行き……
ドカァァァァァァァァァァン!!!!
爆発四散する。
『勝利全開!オールオッケー!!』
「「「「オーーーー!!」」」」
勝鬨を上げるゼンカイザーに2体のゼンカイオーも勝鬨を上げ、見ていたウィスプ達も喜びの声を上げる。
「凄いな陰念!」
「合わせていたとはいえ、ただのキックで決めるとは」
「始まりの仮面ライダーのキックは伊達じゃないのさ」
「始まりの仮面ライダー……まさに威風堂々としているな」
はしゃぐウィスプに揺すられながらホロウは1号のライダーキックの威力に驚き、ディケイドの言葉にジャスティスは噛み締める様に呟く。
(……妙だ、
そんな一同がはしゃぐ中、1号だけは違和感を感じていた。
(奴は執念深い存在だ……たかが、あれだけで消える様な存在ではない筈……)
かつて戦った時の事を1号は思いだす。
あの時、1号は五代クウガ、アギト、ブラック、V3と共に邪眼と激闘を繰り広げ、最後は5人の仮面ライダーによるファイブライダーキックでトドメを刺した。
(まさか……あの体は
嫌な予感を感じながら1号はまだ邪眼との戦いは終わってないのを感じるのであった。
次回、第56の章:世界の悪意を見つめる者
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第56の章:世界の悪意を見つめる者
前回から少しして、1号達はWやジャスティスからこれまでの事を聞き、1号は成程と納得する。
「邪眼以外でもそんな事が起きていたとは……」
「我々が時空を超えて戦った時と似てますね先輩」
そうだなとV3の言った事に1号は同意する。
「そうなんですか?」
「ああ、邪眼に利用された科学者、田所博士は奴の依り代となる究極の人工生命体を作らされていたんだ……再び蘇った奴がしている事はあの時の戦いに似ている……」
「今回は時間をかけずに急成長させていたデジモンヤミーを利用して復活しようとしていた。ホントに危機一髪だった」
「確かに、奴がコアエナジーを過剰摂取していた事で不安定化していたカオスロードをカオス三将軍のメダルを使って無理やり安定化なんてさせていなければ僕達も危なかったね」
聞くウィスプにV3と1号は答え、W(フィリップ)の言葉にウィスプはゾッとする。
【邪眼が介入したせいで分かり難かったですが、ゼウス博士はもしかすると、まだ過剰摂取の制御はできていないかもしれません】
「君達の話を聞くとここはコアエナジーを過剰摂取させて暴走した個体からデータを採取する為の実験場だったんだろう。もしかするとその際に得たデータを分析する場所がある筈だ」
報告するアイのを聞いてRXがそう述べる。
「ねえねえ、もしかしてあいつの後ろ側の入り口の先とかにあるんじゃない?」
【そうです。あの入り口の先に研究データや資料などが保存されているデータセンターがあります】
「オッケー、そういう事なら早速そこに行こう!」
辺りを見ていたツーカイフリントがそう言って指さした先の入り口を見てアイが肯定し、ゼロワンは歩き出す。
「あ、この世界の横島君」
「?あ、えっと、五代さんで良いんですよね?」
誰もが続く中、最後尾になった五代クウガがウィスプに話しかけ、ウィスプは小野寺クウガと一緒にいたのもあって確認する。
「うん、五代雄介だよ……やっぱり、君は、クウガに似てるね」
「クウガに、ですか?」
頷いてからウィスプを観察して何かに納得している五代クウガに観察された本人は戸惑う。
「横島君、俺から言えることは……痛みを忘れないで欲しい」
「痛みを……ですか?」
突然告げられた事に呆気にとられるウィスプに五代クウガは自分の手を見る。
「俺はね。中途半端や拳を振るうのはとっても嫌いなんだ……殴った時の感触は……例え相手がなんであろうと、守るためとはいえ暴力を振るわなくてはいけない時にやったあの感触は好きになれないんだ……」
「…………」
その言葉に込められたのにウィスプは言葉が出なかった。
心眼もまた、それが綺麗事であると分かってはいるが言葉に出せなかった。
目の前の人物はその事を分かっている……だけど、誰かを傷付けている者がいるのならば、その為に嫌っている拳を振るう。
誰かの笑顔を守る為に、己の嫌う暴力を使うと言う男にウィスプは過去の時代での月神族との戦いを思い返す。
目の前の男の痛みを忘れてはいけないと言う言葉を当て嵌めて、手が震え始めた。
「……俺、凄く怖くなりました。自分が怒った相手に一方的にやった事、相手が楽しんでいたからって、理由を付けて、そうやって殴り続けた自分の姿に……」
「……それで良いんだ。俺は君を責めてる訳じゃない。ただ、戦うからには、拳を振るう事で起こる痛みの重さを忘れてはいけない……そして優しさを捨てないで欲しい」
手の震えをなんとか抑えながら言葉を絞りだしたウィスプに五代クウガは優しく声をかける。
「五代さん……」
「大丈夫!その痛みを忘れない君ならね」
そう言ってサムズアップする五代クウガにウィスプは1号とはまた違う偉大な先輩だと感じる。
「これ、俺の得意技で俺の恩師から教わった古代ローマで満足できる、納得できる行動をした者にだけ与えられる仕草だよ」
「はは、すげぇですねそれ」
笑顔で言ってるだろう五代クウガにウィスプは笑う。
【なお、中南米の国々ではサムズアップは侮蔑を意味する仕草になるから、その国の者の前ではやらない様にな】
「ちょ、心眼……」
「良い相棒だね……あ、そうだ横島君、何も入ってない眼魂を俺に渡してくれないかい?」
そんなウィスプへと心眼は注意し、台無しだよと言うウィスプへとクウガは笑ってからそうお願いし、ウィスプは言われた通りにブランク眼魂を渡し、五代クウガは力を籠めるとその眼魂は黒く輝き、黒いクウガの眼魂へと変わり、五代クウガはその眼魂をウィスプに差し出す。
「これは俺の願いを込めたんだ。怒りのままに誰かを傷付けず、誰かの笑顔を守る為に、戦う君を見守り続けたいと言う願いを込めてね」
「五代さん……俺、五代さんの様に出来ないかもしれないけど、それでも、オレ、怒りのままに傷付けない様に、親しい人達を守りたい……この眼魂に誓って行きたいと思います!」
受け取ったクウガ眼魂を手にウィスプはそう宣言する。
頷いた五代クウガはそれじゃあ行こうと言い、ウィスプもはいと答えて後に続く。
☆
ゲートを通り抜けた面々は少しの通路の後に円形の部屋を目にする。
見渡せば天井まで高く、上に通路と思われるのがある。
そして視線を下げて正面に戻せば、中央に情報を映し出すだろう黒い台の上に設置されたモニターとキーボードがあり、そんなモニターを囲む様に端末が複数設置されている。
「ここがデータセンター……」
「すっげー!最先端のデータ処理設備だ!機密データが、ここから“出ーた”ら良いんだけどな……」
「そりゃあここデータが出るんだから出るに決まっとるやろ!!」
「「はい、アルトじゃ~ないと!!」」
呟いたオーズの後にゼロワンが言った事にウィスプがツッコミを入れてから同時に正面を指差す2人に何してんだお前等とディケイドとホロウは呆れ、バルカンは笑わない様に体を震わせる。
「君、ひょっとしてデータと出た「ウォッホン!!こ、ここならゼウスの革新に迫る情報があるかもしれねえな」」
「けど、多過ぎゼンカーイ!!」
「確かにこれは骨が折れそうっス……」
「なあに、こんなに人がいるんだ。手分けして探して行けばすぐに見つかるさ」
「良いね。こういう極上なお宝探しは得意分野だ」
「ヨホホーイ!なら探しに探しまくってやろうじゃないか」
何かを言おうとした相棒を遮ってW(翔太郎)は見渡して言い、ゼンカイザーとゼンカイマジーヌは思わず嘆くが1号がゼンカイザーの肩を叩いて励まし、MRトリガーダークは楽し気に指を鳴らし、ツーカイザーも乗っかる。
【でしたら、私が各端末で厳重に管理されているファイルをリストアップしてみます。それなら時間を短縮できると思います】
【オイラも手伝うっチュン!】
「頼んだぜアイ!」
「では、探索開始だ」
そう申し出るアイにセッちゃんも乗っかり、W(翔太郎)の後に1号が号令する。
早速、メンバーは散らばり、端末を調べ上げて行き、アイとセッちゃんにより見つけ出されたファイルを中央の端末へと持って行く。
「これだけ見て、重要そうなのが2つだけってな……」
「まぁ、あまり多過ぎるのも骨がおれそうだしね……」
ぼやくホロウにジャスティスが苦笑する中、2つのファイルをアイはロックを解除して行き、あるファイルのに声をあげる。
【!?これは……事故の前日にゼウス博士が書いた記録です!】
「おお!いきなり重要な奴が来たんじゃない?」
「僕らの世界にあった時に閉鎖の原因となった事故の詳しい経緯が分かるかもしれない。読んでみよう」
喜びの声をあげるジオウの後にW(フィリップ)のにそうだなと返した後にW(翔太郎)は読み上げる。
「なになに……『いよいよ明日、ムチリの創造実験を行う……やや不安定な数値も散見されるが誤差の範囲だ。結果に大きな影響も出ないだろう……成功すれば他のグリード創造も容易く行えるだろう……このプロジェクトは財団内の注目度も高い。盟友であるアイダ博士も島に来てくれた。彼女はナビAIのメンテナンスだと言っているが、実験に注目している事は一目瞭然だ。財団、そして彼女の期待に応える為にも、実験の失敗はもちろん、遅延も許されない……』」
「ムチリは事故が起こる前から作られる事が決まっていたのですね……」
「しかも他の新世代ってほざいてやがるグリード共も同じか……」
読まれた事にゼンカイブルーンは顎を摩りながら呟き、ウヴァは不機嫌に呟く。
「アイダ博士とは盟友か……それなら彼女がセクター内を調べ回れた理由も納得が行きますね」
「そうじゃな。分野は違っておるが天才同士故にウマが合ったのであろうな……」
「けどこれってゼウスの計画について書かれてないね」
「まぁ、事故前の日誌だし、アイダ博士との関わりをより知れたから良くね?それにまだファイルがあるんだしよ」
文章を見ながら呟くジャスティスにカオスは同意した所でゼンカイガオーンが残念そうに言う中でゼンカイジュランが窘める。
「次のは……事故の後の記録だな……『まさか、実験が失敗してしまうとは、不死身化の為に供給した大量のコアエナジーに耐え切れず、ムチリは暴走し、爆発、私も瀕死の重傷を負ったが、ゼウスメモリによって一命を取り留めた……】
「ムチリの奴、1回誕生させられてたのかよ!?」
「しかし、内容を見るからにまだコアエナジーの扱いに慣れていなかった故に起きてしまったと言う事だね」
驚きの声をあげるウィスプの後にディエンドはそう言ってから欲張った故だね……と肩を竦める。
「なっ!?」
「どうしたんだ翔太郎さん?」
「何か衝撃的なのがあったんですか?」
続いての文章を見て驚きの声をあげるW(翔太郎)にホロウとトリガーは聞く。
「『しかしアイダが……
「ええ!?」
「アイダ博士は、もう死んでると言う事か……」
告げられた事に誰もが驚き、1号は静かに呟く。
「まだ続きがあるね……『同じレベルで語り合える盟友を失う事がここまで苦しいとは……私は、生き残ったアイダの助手と名乗る女と共に計画の目的を変更し、ムチリをベースに、アイダを復活させる事を決意する』」
「復活……だと?」
「成程、邪眼はそれを利用して……」
「ってかここで新しい人物が出て来たな……」
続きを読み上げたW(フィリップ)の言った事にV3は反応し、RXも納得する中、ホロウはめんどくさそうに頭を掻く。
「……『ムチリの不死身な肉体があれば、アイダを二度と失う事は無い。失敗の原因も分かっている。問題は彼女の頭脳だ……肉体は消滅した。あの頭脳を再生させる事が出来るだろうか……』」
「事故に巻き込まれたアイダ博士の復活、それがゼウスがこの事態を引き起こした切っ掛けか……」
「…………」
腕を組んで呟くバルカンのを聞きながらウィスプは顔を伏せる。
先程まで、ウィスプはゼウスの事を身勝手な存在で月神族と同類とも思っていた。
だが、先ほどの記録を聞いて、ウィスプの脳裏に過ったのは過去でガープによって殺されるジャンヌオルタの姿であった。
自分ももしも復活させれると聞いたら、どうなっていただろうかと思わず考えてしまう。
(それに、ゼウスってもしかしてアイダ博士の事……)
「これで元々の依頼は永遠に果たせなくなっちまった訳だ……」
考えていたウィスプはW(翔太郎)の残念がる言葉に意識が浮上する。
【翔太郎さんっ!?まさか!この事件から手を引くんですか!?】
「何言ってんだ!こんな世界を跨いだ大事を今更手を引くわけねえだろ……つーか、なにビビってるんだ?アイ?」
慌てるアイにW(翔太郎)は力強く返してから少し茶化す様に声をかける。
【それが……先ほどから、私の処理が不安定なのです……どうしてでしょうか……】
「それってさ、生みの親のアイダ博士が死んじゃったのを知って悲しいんだよ」
「そう言えば情報交換のでアイはアイダ博士に開発されたから生みの親の死を知って動揺しちゃうのは仕方ないよ」
戸惑いを見せるアイにゼンカイザーはそう言い、アギトも慰める。
「そう言われると、改めてアイのAIは高度なんだなって感嘆しちゃうよな」
「おい社長。ゼウスの計画を阻止しなきゃならないんだ。そう言うのは後回しにしておけ」
興味深そうにアイを見るゼロワンにバルカンが注意する。
「計画が進んでいると言っていたからゆっくり出来ないのは事実だな」
「そうだな……アイ、生みの親の死を知っちまった事で動揺してる所悪いが引き続き頼んだぜ」
【はい、ですが、ここに暴走制御に関する資料はないようなので、上のフロアへ向かいましょう】
「上に行くって……どうやって行くんだよ?」
「そりゃあやっぱ、飛ぶ奴に変身するかこれじゃないか?」
アイの言った事に見上げた小野寺クウガはFFRカードを見せるディケイドにだよな……と頬をポリポリ掻く。
「隠しエレベーターがあるかもしれんから探すのもありかもしれんぞ」
「まぁ、飛べる奴のは最終手段として早速……」
探そうとジャスティスが言おうとした瞬間、一陣の風がメンバーを駆け抜ける。
直後……何かがぶつかる音が響きわたる。
「がはっ!?」
「!?或人!!」
続けて聞こえたゼロワンの声に誰もが慌てて振り返る。
そこには壁に叩きつけられたゼロワンと、そんなゼロワンの首を掴んでいる存在がいた。
その存在を見てバカなとバルカンは呟く……
「ふ、不破さん。或人さんを掴んでるの知ってるんですか?」
「ああ……なぜだ。なぜ
怒声を発するバルカンに呼ばれた存在、仮面ライダー滅亡迅雷は振り返り……
《仮面ライダーの抹殺を開始する》
無機質な複眼を輝かせて英語で告げる。
※:作者は英会話が苦手なので滅亡迅雷の《》で喋っているのは英語で話してると認識してください。
次回、第57の章:操られし滅亡を望む者
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第57の章:操られし滅亡を望む者
「或人!」
「或人を放せ!!」
ゼロワンの首掴んでいる滅亡迅雷へとウィスプとゼンカイジュランが駆け出す。
それに対し、滅亡迅雷はウィスプへと掴んでいたゼロワンを投げ飛ばし、振るわれたジュランソードを片手で受け止める。
「なっ!?」
驚いているゼンカイジュランに滅亡迅雷はジュランソードを掴んでいない左手に握ったスラッシュライザーで切り裂いた後に蹴り飛ばす。
「がはっ!?」
「ジュラン!?」
「大丈夫ですか!?」
「ちい!」
【アーイ!セレクト】
倒れるゼンカイジュランにゼンカイガオーンとゼンカイブルーンが駆け寄る中でホロウはステージセレクトを行い、場所を変える。
出て来たのは森林の中であった。
「またお前等とここで戦うのかよ」
移された場所を見て思わずぼやいたバルカンは駆け出そうとして、全身から電撃が走り、膝を付く。
「ぐっ、なんだこれ」
「か、体が自由に!」
それはWとゼロワンも同じで、バルカンと同じ様に膝を付いていた。
「な、なんだ?何が起きてるんだ?」
「あいつが何かやった感じか?」
戸惑うゴーダにMRトリガーダークは滅亡迅雷を見て呟く。
「3人は下がってるんだ!僕達だけでやるぞ!」
「了解!」
すぐさま庇う体制に入るジャスティスに他のメンバーも頷いて滅亡迅雷へと向かって行く。
【【アタックライド!ブラスト!!】】
「ふっ」
「くらいたまえ」
「俺達も続くぞ」
「OK、アニキ」
「我々も!」
「行くよ!」
「ハイっス!」
ディケイドとディエンドが連続射撃を放ち、それにツーカイザーとツーカイフリント、ゼンカイブルーン、ゼンカイガオーン、ゼンカイマジーヌが乗り、同時に射撃をすると滅亡迅雷は両手に両手に持つ羽根を模した剣、ヴァイクサーベルを出現させると次々と銃弾を斬り払いして行く。
「嘘だろ!?アニキ達のに加えて沢山の銃弾飛んでいたのを全て斬りやがった!?」
「へぇ、剣ならこっちは刀だ、カッタナー」
「あいよアニキ!」
カッタナーに呼びかけながらツーカイザーは取り出したセンタイギアをギアダリンガーにセットして回す。
【回せー!シーーーンケンジャー!】
音声の後にまるで横にしたギアダリンガーの表面を刀を抜刀する様に右手で手刀を繰り出した後に和風な音楽に合わせてギアダリンガーを鼓の様に叩きながら、手刀で空を切る。
【ソレ!ソレ!】「ほっほっ!」
「え、また踊るの?」
【ソレ!ソレ!】「ほっほっ!」
「これは、ソーラン節や歌舞伎などの日本舞踊を元にしてるのかな?」
「ふん!」
オーレンフォームの時と同じ様にツッコミを入れるウィスプの隣で今度はジャスティスが踊りので考察してる間に大きく手刀を縦に繰り出して3回ギアダリンガーを叩いてから銃口を前に向け……
【ソレ!ソレ!ソレ!】
「ふん!」
トリガーを引くと飛び出した歯車型エネルギーにカッタナーが重なる。
【ヨーソロー!シーーンケンに、レボリューション!!】
それによりカッタナーはリッキーの様に巨大化し、ほら貝を鳴らした様な音が響き渡る中でツーカイザーと重なるとアーマーとなって装着される。
今のツーカイザーは額の35が刻まれた交差した2本の剣のシンボルは33が刻まれた火のシンボルに、胴体には赤い陣羽織、胸部には頭部同様の火のシンボルが現れる。
その後にギアダリンガーのセンタイギアを入れる側に付いていたサーベルの様に湾曲した刃を展開してソードモードにする。
「【クールに侍、シンケンフォーム……いざ参る!】」
「今度は凄い静かになったな」
「ってか、合体したヤツと同じ性格になるとかじゃないんだな」
静かに構えるツーカイザーにウィスプとホロウが各々に呟く中、滅亡迅雷は今度は刀を取り出す。
「?あの刀、普通の刀だな」
【確かに、先ほど出して来た2つの武器と違い、一般的な刀だな……】
そんな滅亡迅雷が手に持った刀に流石にあれは折れるのではとウィスプは思ったが……それは裏切られた。
「ふっ!はっ!」
「!」
斬りかかるツーカイザーの剣戟を滅亡迅雷は刀で悉く防いでいく。
振るわれる刀は折れる様子を見せずにツーカイザーのギアダリンガーの刀身とぶつかり合う。
お互いに繰り出されるのを防いでいく様子をウィスプはその目に焼き付ける。
(どちらともシロとも小竜姫様とも違う剣術、かたや冷静沈着かつ流麗な剣術を使い、もうかたほうは最低限の動きで防いでいる……)
もしも小竜姫がその場にいればどうなっていたのだろうかと心眼は思う。
そんな均等が崩れたのは、割り込んだ者が現れたからだ。
【ウルトラマン!ウルトラマンエックス!ウルトラマンオーブ!!】
【トリニティフュージョン!!】
「シェア!」
「イーサッ!」
「デュア!」
【ウルトラマンティガ!トライブ!!】
強化形態となったティガが入り込んで真オーブリングネオで滅亡迅雷へと攻撃を振るい、迫る光刃に対し、滅亡迅雷は刀ではなく別の武器、ゼロワンが使っていたアタッシュカリバーとは別のアタッシュウェポン、アタッシュアローで防ぐ。
【仮面ライダーグリッタートリガーエタニティ!!!!】
続けざまにグリッタートリガーエタニティがグリッターブレードで加わり、ツーカイザー、ティガと共に仕掛けていくが悉く最低限の動きで避けられる。
「3人がかりのを避けるだと!?」
「不破よ、あの滅亡迅雷と言う仮面ライダーは一体なんなんじゃ?」
3人による攻撃を避け続けている滅亡迅雷にホロウは驚き、カオスはバルカンへと問う。
「……
「自ら悪に……」
その言葉にカオスは滅亡迅雷を見る。
カオスは滅亡迅雷は人類の欲望と咎で誕生した事にシェイドの誕生を被らせた。
そんな彼の横を駆け出す者がいた。
【メタルライズ!
「はぁぁぁぁ!!」
全身が鈍い白銀に輝く金属質な見た目となり、蛍光イエローの複眼と全身に駆け巡るエネルギーライン兼特殊装甲を持ったメタルクラスタホッパーとなったゼロワンがプログライズホッパーブレードを手に割り込む。
「社長!?」
「無理するな或人!」
「ここで無理をしないでどうするんだよ!!」
驚きの声をあげるバルカンとW(翔太郎)にゼロワンはふらつく体になんとか力を入れながらプログライズホッパーブレードを振るう。
「目を覚ませ滅、迅!アニキ!亡!!お前等はこんな事をさせられる為にその姿になったんじゃないだろ!!!ヒューマギアの未来の為に!仲間の明日を守る為になったんだろ!!」
「!?」
ほとんど鈍い斬撃を避けていた滅亡迅雷はその言葉に一瞬動きが止まる。
「俺は不破さんから話を聞いたからには、今のお前達を絶対に止めて見せる!!」
「!?」
力強く振るわれたプログライズホッパーブレードが止まっていた滅亡迅雷の胸に炸裂し、滅亡迅雷は地面に倒れる。
《敵の戦闘レベル予測より上方修正、リミッター解除》
直立不動で立ち上がると全身が緑色に輝く。
【こ、コアエナジー反応増大!!こ、これは過剰摂取状態に近いです!】
「こいつ、制限していたのか!?」
慌てて報告するアイのを聞いてV3は驚きの声を上げる。
《ゼロワンを絶滅させる》
複眼を強く輝かせるとゼロワンに向けて滅亡迅雷は刀を振るうがそれに割り込んだ者がいた。
青い姿に剣を持った戦士は滅亡迅雷に蹴りを入れて距離を取る。
「俺は怒りの王子!RX!バイオライダー!!」
「え!?RXってフォームチェンジ出来るんですか!?」
「ああ、出来るんだよ彼はね」
ポーズを取る戦士、バイオライダーに驚きの声をあげるウィスプへとディエンドはそう返す。
「同族の為に戦い抜いた者達の思いを踏み躙るゼウス、絶対にゆ”る”ざん”!!!」
《バイオライダー、貴様も絶滅させる》
怒りに手を握り締めたバイオライダーに滅亡迅雷は静かに告げる。
次回、第19のレポート:邪龍神の復活
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第19のレポート:邪龍神の復活
ゆっくり霊夢「※今回は大幅に色んなキャラが出て来ます」
ゆっくり魔理沙「だから敵の扱いがお察しくださいなんだぜー」
「「ぎょへぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」
ダブルセイバーの斬撃を受けて無様な悲鳴をあげながらシードラゴンは吹き飛んで木にぶつかる。
吹き飛ばされて木にぶつかったシードラゴン2体を見て、闘士エースは呆れ顔になる。
「こいつ等、粋がっては割にゃあ弱過ぎだろ」
「油断しない方が良い。こういう輩程自暴自棄になったらめんどくさくなるであろうからな」
火炎剣烈火を構えながら杏寿郎セイバーは注意する。
周りをバブンガモンの集団を倒し終えたメンバーが囲んでいる。
「決めるぜ!ベルさん!のび太!」
【ライジングインパクト!!】
「うん!」
【キィンキィンキィン!スキャニングチャージ!!】
「分かった!」
【ジョーカー!マキシマムドライブ!!】
ゴウゼロワンの言葉にベルオーズとのび太Wが答えた後に必殺技の体勢に入る。
「あ、アニキ!!」
「に、逃げるぞ勇!!」
「逃がさん」
「大人しくする!」
逃げようとするシードラゴン2体をガオグリーンとアズサが3人へ向けてアッパーで打ち上げる。
【【「ジョーカーエクストリーム!!!」】】
「タトバキック!!」
「ライジングインパクト!!」
ラ
イ
ジ
ン
グ イ ン パ ク ト
打ち揚げられた事で無防備な所にトリプルライダーキックをマトモに受け、全身を火花を散らしながら……
「そんなバカなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「あ、あにきぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」
ドカァァァァァァァン!!!
シードラゴン2体は爆発四散し、爆風を背に3人は着地する。
(流石はGS時空、あっと言う間に終わったな……)
そんな爆風を見ながらポセイドン(タギル)は内心メタい事を思っていた。
「あぁ……ホントこういうの慣れないっしょ、と言うかこれを長くやってるサトシをマジで尊敬するっしょ」
「ま、まあ慣れない方が良いと思うよ僕は;」
緊張が解けたからか尻餅着く形で座り込むゴウゼロワンにのび太Wはフォローのつもりかそう言い、ベルオーズは困った様に頬を掻く。
「あー少年組、すまないが休むのはまだ早いみたいだ」
「え?それってどういう事?」
「お、おい!空を見ろ!」
そんな3人へとフィンは激しく疼く親指からそう言い、ゴーオンレッドがその訳を聞こうとして、マタドーラの言葉に空を見る。
「うそ!?」
「あらあら、これは……」
「こ、これは一体……」
見えた光景にアズサとペコラの後に緋鞠は戸惑いを隠せずに呟く。
☆
一方別の場所、霊能病院にて……
「ぎゃああああああ!?止めなさい!!!変なのを見せないでぇぇぇぇぇぇぇ!!!?」
病院前でのたうち回る白を基調とした身体に人形や鳥の頭部を生やした脈絡もない不気味な外見の怪人、ナイトメア・ドーパントにその場にいた戦士達はうわーとなる。
「私の知る限りナイトメアがあそこまで悶絶したのは六道冥子の心象風景を見てであったが……流石はアホのゴーグルだ」
「ええ、あそこまでナイトメアが苦しみ始めるとは、流石はアホのゴーグル殿でござるな」
「アホだからこそ成せる事だな」
「よ、大アホのゴーグル!」
「いやぁ~」
「「褒めてない褒めてない!!?全然褒めてないからね!!?」」
「ゴーグルはアホの子で可愛いのは当然!」
「ズレてますよティアマトさん;」
そんなナイトメア・ドーパントの前に立っている仮面ライダーエグゼイドに、思わずそう言う仮面ライダーゲンムのに仮面ライダースナイプ、仮面ライダーパラドクスパーフェクトノックアウトゲーマー、顔付きがケモノっぽくしたゲンムで全身がゾンビゲーマーの白い部分を青く染めたエグゼイド系ライダー、仮面ライダーヴィランのに照れるエグゼイドに仮面ライダー風魔とレーザーターボに酷似した黄緑とメタリックピンクのボディと、同じカラーリングの髪の毛が無いゲンムめいた仮面、身体に纏ったスポーツゲーマが特徴の仮面ライダー、仮面ライダーサイクルがツッコミ、見ていた大きな角を生やした青髪の女性の言った事にもう1人のエグゼイドがツッコミを入れる。
「んで、こいつはどうするんだ?」
「病院を襲おうとしたんだ、切除するのが当然だろう」
「飛彩殿の言う通りだな。子供まで狙おうとしたのだ。許せん事だ」
「だな、ノリの悪い事をしようとしたんだ。因果応報だろう」
「んじゃ満場一致で倒すの確定だな」
呆れた様子で見ていたもう1人のスナイプのに仮面ライダーブレイブがそう言い、もう1人のブレイブも同意、見ていた仮面ライダーレーザーターボのに仮面ライダーレーザーチャンバラゲーマーはゴーグルエグゼイドがツンツンしていたナイトメア・ドーパントに近づいた後に……
「あーらよっと!!」
持ち上げると勢い良くある方向へと放り投げる。
【【キメワザ!】】
ナイトメア・ドーパントが投げ飛ばされた方向に待機していた体は金色の所を黒色に、赤と銀色の所を深青色に、胸の部分のセレクテッドモニターをエクスコントローラーとライダーゲージに変えてマテリアライズスマッシャーを外し、頭のPDヘッド-FTG50をエグゼイドのEXヘッド-ACT2に変えた目が黄色のパラドクスノックアウトゲーマー、仮面ライダーゼノと両手足と腰部分・仮面はチャンバラゲーマと同じ形状で、胸と腰が白と紫色を基調とした鎧武者を彷彿させる姿となっている仮面ライダー、仮面ライダーザムライチャンバラゲーマーは目を輝かせ……
【【ギリギリ!/マイティ!クリティカルストライク!!】】
「「ふっ!」」
まずはゼノが飛んで来たナイトメア・ドーパントに連続蹴りを浴びせてからのアッパーで打ち上げた所を飛び上がったザムライが手に持った刀で縦一文字に一刀両断する。
「こんな特に描写もされず倒されるなんて、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
ドカァァァァァァァァァン!!
悲痛な断末魔をあげながらナイトメア・ドーパントは爆発四散する。
「まぁ、GS美神のキャラ故のサガでしたでしょうね」
「そんなもんか?」
「メタイ発言だぞメドゥーサ;」
そんなナイトメア・ドーパントの最後に見ていたもう1人のゲンムはそう呟き、胸にライダーゲージがあるライダースーツで全体の色が黒いのに電子的な青いラインが走り、両肩は狼の顔型ショルダアーマーで包まれ、両腕にはカギヅメ、顔はクー・フーリンオルタが宝具を使用した時の仮面をエグゼイド系ライダーの見た目にし、右目が赤、左目が青の複眼が追加された仮面ライダー、仮面ライダーボルクは興味なさげに呟き、顔が仮面ライダーエグゼイド ダブルアクションゲーマーレベルXのをスマートにした感じで色を左側を銅色に変え、右側を青色、身体は胸部分が中央がライダーゲージが表示された騎士王アルトリア・ペンドラゴンの鎧をモチーフとしたボディ、腕にガントレットを装着、肩と二の腕部分と腰の横側のを第3再臨時のエミヤのモチーフとし、二の腕部分が左腕側が銅色、右腕側が青色に染めて黒色のライダースーツの仮面ライダー、仮面ライダースワードがなんとも言えない口調でツッコミを入れる。
「クールに終わったね」
「だが、増援が来てもおかしくねぇ、警戒しといた方が良いだろう」
「ふっ、なんであろうと王が倒してやるだけだ」
頭を整える様な感じで撫でる仮面ライダークロノスのにもう1人のパラドクスはそう言い、仮面ライダートゥルーブレイブは笑って返す。
「病院を守ってくださり感謝します」
「いえ、同じ医者として当然の事をしたまでですよ」
病院の入り口を守る様に構えていたナイチンゲールが礼を言い、もう1人のエグゼイドは笑って返す。
「しっかし奇妙な奴等じゃったな……この世界の奴等の攻撃を無効にする癖に、ワシらの攻撃は無効にせんって、作った奴は何を考えておるんじゃ?」
「さあな、こっちとしては防衛しやすくて助かるけどな」
そんあナイチンゲールと共に防衛に出ていた少女、ディアボロスは疑問に思ったが腕を回しながら言った褐色銀髪の女性、バアルのにそうじゃなと放り捨てる。
いや、放り捨てるなとオレンジ髪のポニーテールの女性、アリサがツッコミを入れている隣で茶髪の女性、セイはふと空を見上げて、ギョッとする。
「み、皆!?空!空が!!?」
「!?なんじゃこりゃ……」
慌てて呼びかけるセイのに誰もが空を見て驚く。
☆
さらに別の場所、GS協会前ではくえすは目の前の戦いを見ながら自分の詰めの甘さに苛立っていた。
つい先ほど他の場所と同じ様に異世界の住民が落ちて来て、話を聞いていた所、襲撃を受けたのだ。
7mもある巨体のロボ(ハードガーディアン合体状態)に乗ったカメバズーカと言う亀怪人として蘇った日本軍人の言い分にイラっとして攻撃を仕掛けたが無力化されてしまう。
唐巣やエミも各々に攻撃したが効いておらず、勝利を確信したカメバズーカの顔面に、何時の間にか接近していた異世界の住民の1人の炎のパンチが炸裂した。
攻撃した人物にはエミは思わず呆気にとられるが唐巣とくえすは感じていた。
メンバー内で年長者でおだやかで人当たりの良い性格だが、戦いの経験を積んでいるのを見ていて感じたのだ。
それがどこからともなく取り出した額部分に隼形の装飾が張り付いた赤いヘルメットを被ると共に首元からマフラーを覗かせた青いスーツと右肩のみ金色に輝く角ばったプロテクターを装着した姿になると共に確信し……
「リュウ!魔理沙!変身だ!」
「分かってるさファルコン!」
「怪人相手ならスーパー戦隊の出番だもんな!」
呼びかけに答えた青年と黒い帽子をかぶった少女からファルコンと呼ばれた人物のにくえす達はまさかと思った後に取り出した銃に続いて飛行機の様なのをセットして上に来るように回転させ……
「「「快盗チェンジ」」」
【レッド! 0-1-0!】
【ブルー! 2-6-0!】
【イエロー! 1-1-6!】
【【【マスカレイズ!快盗チェンジ!】】】
ダイヤルを各々に3回回してから流れた音声の後に3人はトリガーを引く。
カードとVの字が刻まれたシルクハット状のエンブレムが飛び出すと戻って来たエンブレムは3人の体にぶつかるとスーツへと変わり、カードもまた左胸にぶつかるとシルバーのエンブレムへと変わると共にマントが装着され、最後にシルクハットが出現して3人の目元を隠す様に被さるとマスクに変わる。
リュウと呼ばれた青年は赤、魔理沙と呼ばれた少女は黄色、ファルコンは青であった。
【【【ルパンレンジャー!!】】】
「リュウ達に遅れちゃいけねぇな!クランク!ルーシー!」
「当たり前だろジャック!」
「ええ、行きましょう!」
変身完了を告げる音声の後に佇む3人を見て金髪ツンツン髪の男性の呼びかけに黒髪の青年と褐色肌の女性が答えると先ほど3人と同じ銃を取り出した後に車の様なのをセットする。
「「「警察チェンジ!!」」」
【1号!】
【2号!】
【3号!】
【【【パトライズ!】】】
音声の後にこちらは銃身を下側に回転させた後に頭上に向けてから取り付けた車に付いたトリガーを引く。
銃口から飛び出した警察手帳がSの字が刻まれた盾状のエンブレムへと変化し、3人を通り抜けるとスーツを形成、その後に両肩にプロテクターが装着されると体中央に走っていたラインの胸部分が変化してネクタイの様な模様になり、3人が敬礼すると現れた警察帽がマスクへと変わる。
【【【パトレンジャー!!】】】
ジャックと呼ばれた男性は赤、クランクと呼ばれた青年は緑、ルーシーと呼ばれた女性はピンクであった。
その後にリュウが変身した戦士が指を鳴らすのを合図に名乗り始める。
「ルパンレッド!」
「ルパンブルー!」
「ルパンイエロー!」
「「「快盗戦隊!ルパンレンジャー!!」」」
「パトレン1号ッ!」
「パトレン2号!」
「パトレン3号!」
「「「警察戦隊!パトレンジャー!」」」
ポーズを取る6人の戦士に他にいた2組の3人の兄弟達も変身した。
悪魔をその身に宿す五十嵐一輝を長兄とする次男、五十嵐大二と末っ子の五十嵐さくらの3人はそれぞれ……
一輝は仮面ライダーリバイと一輝の悪魔、バイスが変身する仮面ライダーバイス
大二は仮面ライダーライブ。
さくらは仮面ライダージャンヌ。
湊カツミを長兄とする次男、湊イサミ、末っ子の湊アサヒの3人はウルトラ系ライダーで……
カツミはルーブジャイロを模した赤色の胸アーマーを纏い、足首に2本角の様に伸びた赤いクリスタルと中央に漢字の火が描かれたアンクルが付いたウルトラマンロッソ、仮面ライダーロッソ
イサミはルーブジャイロを模した青色の胸アーマーを纏い、足首に1本角の様に伸びた青いクリスタルと中央に漢字の水が描かれたアンクルが付いたウルトラマンブル、仮面ライダーブル
アサヒはルーブジャイロを模した橙色の胸アーマーを纏い、足首に3本角の様に伸びたオレンジのクリスタルと中央に漢字の星が描かれたアンクルが付いたウルトラウーマングリージョ、仮面ライダーグリージョ
並び立った12人の戦士はそれぞれの戦いでカメバズーカの操る巨大ロボを圧倒して行く。
「全く……ホント、つくづく考えていなかった自分にイラつきますわ」
「まぁ、確かに僕達は戦いを甘く見ていた所があるかもしれないね……」
「腑抜けと言われても仕方ないワケね。そこらへんの対策もこの事件が終わったら考えないといけないわね」
ほぼ全壊した状態となっているロボを見ながら苛立ち気に呟いたくえすに唐巣とエミは渋い顔で呟く。
「き、貴様等!卑怯だぞ!!1体に複数で攻めよって!!」
「あらやだ、凄く小心者が言いそうな事を言っちゃってるよこの軍人さん」
「いや、お前に言われたくないんだぜ」
「だよな、さっきのくえすって子にお前は戦争だから卑怯もねえとか言ってたくせによ」
怒鳴るカメバズーカにMRバイスとルパンイエローは呆れ、パトレン1号も指摘する
「うるさいうるさいうるさい!!貴様等は人の誇りはないのか!」
「悪魔だから人じゃないでーす☆」
「普通の魔法使いなんだぜ☆」
「日本軍から怪人軍団に鞍替えした人に誇り云々言う資格ないじゃん!」
「もう子供の癇癪だな」
叫ぶカメバズーカにバイスとルパンイエローはそう返し、MRジャンヌの隣でライブが呆れ声を漏らす。
「なら、お前の望み通りに人数を減らしてやろうじゃないか!」
「ふっ、成程な」
そんなカメバズーカに対してルパンレッドがそう言い、ルパンブルーは彼の意図を察して笑う。
一方でブルとロッソ、リバイとMRジャンヌはええ!?と驚いた声を上げる。
「来い!ジャックポット!」
「!な~る♪カムヒヤーグッディ!!」
叫ぶルパンレッドのにパトレン1号も意図を察して指を鳴らして呼びかける。
【オイラ参上!グッドストライカー!】
【同じく参上!ジャックポットストライカー!】
すると車と戦闘機をかけ合わせたようなデザインのマシンが2機飛んで来て、黒い方はパトレン1号、赤い方がルパンレッドの手に収まる。
【ジャックポット!】
【グッドストライカー!】
【7-7-7!】
先程やった様にルパンレッドはダイヤルを操作してから上に、パトレン1号は下にロール操作する。
【突撃よ~い!】
【マスカレイズ!】
【1号!2号!3号!】
直後、起こりし出来事にくえす達は絶句する。
【ははっ!ははははっっ!!】
【一・致・団・結!!】
ルパンレッドにルパンブルーとルパンイエローが重なるとルパンレッドの上半身の右側が青、左側が黄色に染まり、スーツも赤く染まり、バイザー部分が赤く染まるとマントも青・赤・黄色のトリコロールカラーのルパントリコロールに変わる。
パトレン1号もまたパトレン2号とパトレン3号と重なるとパトレン1号の各部プロテクターと上半身の右側が桃色、左側が緑色に染まったパトレンU号となる。
「ね、ねえあの人たち、確か人間だったわよね?」
「ですわね……あの飛んで来た奴の力でしょうか」
「な、なんと言う……」
「そう言う事か!イサミ!アサヒ!グルーブで行くぞ!!」
「分かったぜカツ兄!」
「ようし、行こう!」
茫然としながら問うエミにくえすや唐巣も茫然とする中でロッソはルパンレッドの言った事を理解し、ブルとグリージョに呼びかけ、右手に輝く中央に真の文字が、側面に赤、青、オレンジの三つのエンブレムが刻まれた大きなクリスタルを取り出す。
【マコトクリスタル!】
「「「セレクト!クリスタル!」」」
ブルとグリージョと共に吠えた後にロッソはクリスタルを左胸の前に翳してからクリスタル下部を押すとクリスタルは三つの角を展開する様に開き、ウルトラ戦士の肖像が露わになる。
【重ねろ!三つの魂!】
響き渡る音声の後にロッソは腰のベルトのバックル部のジャイロ中央にマコトクリスタルをセットする。
「「「纏うは
唱えると共にロッソはベルトの両側のレバーを3回引くとマコトクリスタルの輝きが強くなり、3人を包み込む。
【仮面ライダーグルーブ!】
そして光りの中から男性的な骨格と女性的なボディラインを併せ持つ、どこか現実離れした細身に胸にマコトクリスタルを模した胸アーマーを纏ったウルトラ系ライダー、仮面ライダーグルーブが現れる。
「おお!皆も合体できるのか!ようし!沸き上がって来たぜ!バイス!大二!さくら!俺達も行くぞ!」
「ええ!?もしかしてあれやるの!一回こっきりだったスペシャルバージョン!」
「と言うか出来るのかあれ!?母さんがいたから出来た奴だぞ!?」
ライブの指摘に対し、リバイはあるバイスタンプ、サンダーゲイルバイスタンプを出して握ると、なれ~なれ~と念じる。
するとサンダーゲイルバイスタンプは輝き、別のバイスタンプに変化する。
「よし!」
「凄いよ一輝兄!!」
「……(GSだからってこのご都合主義は良いのか;)」
グッと握りしめるリバイと褒めるMRジャンヌとは別にライブは顔を抑える。
「行くぜ!!」
【フィフティゲイル!】
上部のボタンを押した後にリバイはフィフティゲイルバイスタンプのスタンプ部分に息を吹きかけた後にリバイスドライバーに押印する。
【フィフティゲイル、カモンオン!フィフティゲイル、ゴォ!ゴォ!】
鳴り響く音声にリバイ、バイス、ライブ、MRジャンヌはポーズを取り……
「「「「変身!!!」」」」
同時に叫ぶと共にリバイはフィフティゲイルバイスタンプをリバイスドライバーにセットし、上部ボタンを押してからバイスタンプをロール操作する。
【トルネードアップ!】
【三位一体!俺たち兄妹!湧き上がる嵐は無限大!仮面ライダー!五十嵐!!】
音声と共にリバイはバイス、ライブ、ジャンヌと一体化する。
肩から下った右側がライブ、左側がジャンヌのカラーリングのマントを靡かせ、右肩は5、左肩は0を模したショルダーアーマー、胸部にはフィフティゲイルバイスタンプにもあしらわれている、ピンクの「嵐」のマークがついているボディアーマー、顔は仮面ライダーリバイに仮面ライダーライブ、仮面ライダージャンヌの意匠を加えたような姿の仮面ライダー、仮面ライダー五十嵐へと変身する。
「……最近の仮面ライダーは合体できるのですね」
「あ、頭が痛くなってきたワケ」
「な、なんなのだ貴様等!?いきなり合体すると言うのはどういう事だ!?」
英霊との一体化はこれまで見ていたが、まさか人間同士での合体は予想もしていなかったので茫然とするしかないくえす達を知らずにカメバズーカが叫ぶがルパントリコロールとパトレンU号はエネルギーチャージした銃の銃口をカメバズーカに向け、グルーブはエネルギーを両腕に収束し、五十嵐はベルトのフィフティゲイルバイスタンプを1回ロール操作し……
『五十嵐 GO! GO!』
「「「サクッと大事に一気に決めるぜ!」」」
上部ボタンを押し、再びロール操作をしてから飛び上がる。
【トリニティリミックス!必殺!スタンピング!ジャスティス!リベラル!フィニッシュ!】
「「「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」」
「「「「「「イチゲキストライク」」」」」」
【イチゲキストライク!!】
「「「グルービング光線」」」
五十嵐がキック態勢に入ると共にルパントリコロールとパトレンU号は同時にトリガーを引き、グルーブは握りしめた左手首を右肘のあたりで組んで交差すると共に十字型の光線を放つ。
「そ、創世王様バンザァァァァァァァァァァイ!!?」
ドカァァァァァァァァァァァァァァン!!!!
ルパントリコロールとパトレンU号の強力な銃撃とグルーブの光線を受けた後に五十嵐のキックに貫かれ、火花を散らしながらカメバズーカは爆発四散する。
それぞれ佇む合体戦士達を見ながらくえすはふと考える。
もしも文殊で自分達を【合・体】させれば、通常よりも凄い状態になるのではないかと……
(それならばガープ達に対抗できる可能性が高まる。しかしそうなると相性が良くないといけない……時期を見て美神と相談するべきですわね……)
「ちょ、ちょっと!?あれ、空が!?」
考えていたくえすはエミの言葉に顔を上げ、分離した戦士達と共に空に起きた異変に気づく。
空を黒い雲が覆い始めていたのだ。
「なっ!?これは一体!?」
「ちょっと今日の天気曇りか雨なの?傘差さなきゃ」
「ボケてる場合じゃないだろバイス!」
驚きの声を上げるルパンレッドの隣でどこからともなく傘を取り出すバイスにリバイはツッコミを入れる。
「な、なんだあの闇は……」
「しかもこれは……神の気配……!?」
その中で唐巣は冷たい汗を流し、くえすも息をのむ。
☆
少し時間を遡る。
空間から脱出を果たした美神達は息を整えながら周りを見る。
目に見えるのは横島の学校……ではなく、全く別の場所であった。
「ここは……学校じゃない!?」
「うそ、ここはどこなの!?」
驚きの声をあげる愛子と蛍の隣で美神は冷静に周りの風景から特定する。
「ここって……栃木県の岩舟山の採石場跡……」
「間違いないね。アイドルの仕事で何度も来ているから分かるよここ」
「なんで学校じゃなくてここに出たんだ?」
「ふむ、もしかすると奴等がいるからではないだろうか?」
美神のに続く龍騎の後にファイズは不思議そうに呟いてからまだいるマタドールの言葉に彼女の見ている方へ視線を向ける。
そこには何かを前に佇むガラガランダとイカデビルがいた。
「ガラガランダ!イカデビル!お前達は何をしようとしている!」
「!?仮面ライダー!?なぜお前達が!?」
「あの空間からどうやってここに!?」
「ここにはいない私等の仲間が助けてくれたお陰だよ」
驚きの声をあげるガラガランダとイカデビルにアグルが返してる間、3号はガラガランダとイカデビルが見ていたのに驚く。
それは良く神話の様な話に出る聖杯の様な形をしているがその色は黒かった。
「それは……まさか邪竜神インフェリオスが封印された杯!?」
「邪竜神?」
「嘘!?なんでそれがここにあるの!?」
「何なのその邪竜神とは?」
3号の口から出てきた言葉に驚きの声をあげる輝夜に冥華は問う。
「邪竜神インフェリオス。とある世界の地球を光の届かない闇と氷の惑星に変えようとした邪悪なる竜の神。奴が復活すればとんでもない事になる」
「地球を闇と氷の惑星に!?」
「とんでもねぇ怪物じゃねえか!?」
「まさか、空間に閉じ込めたのは邪竜神の復活を邪魔させない為に?けどまだ復活していないのなら今のうちに破壊すれば……」
3号が教えた事にピートと雪之丞が驚きの声を上げ、蛍のに対し、イカデビルとガラガランダは嘲笑う様に大声で笑う。
「何が可笑しいんだよ!!」
「いやはや、そこまで甘ちゃんな考えで良く生きていられたものだなと思ってな」
「全く持ってその通りだ。そこの小娘よ!もう遅い!邪竜神はもうこの世界の人間達の悪のエネルギーで復活を遂げるのだ!!」
見よ!とイカデビルの声を合図に黒い杯は青い輝きと共に空へと高く浮かび上がる。
その後に強い輝きを発し……
ーピヒャオォォォォォォン!!!!ー
産声をあげて解き放たれた。
上半身は翼を生やし、槍を持った四本の腕を生やしたおぞましい怪物の顔を持った人型、下半身は蛇のようになった巨大な怪物、邪竜神インフェリオスに戦士達が身構える中、美神達は茫然とする。
今まで神族や魔族を見ていた美神達だったが、目の前の存在はどの存在よりも強大で恐怖を振りまいていた。
美神は無意識に恐怖に怯える自身の体に気づかず、口から闇を吐き出して空を覆い始めたインフェリオスに目が向いてしまうのであった。
次回、第58の章:太陽の子
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第58の章:太陽の子
「バイオブレード!」
「!」
お互いに剣と刀をぶつけ合うバイオライダーと滅亡迅雷。
「バイオアタック!」
滅亡迅雷が繰り出す突きを体を液状化させて避けたバイオライダーはそのまま突撃して滅亡迅雷を攻撃して行く。
《バイオライダーの弱点、確認……確認完了》
【インフェルノウィング!!】
自分にスラッシュライザーを取り出した滅亡迅雷はスラッシュライザーにバーニングファルコンプログライズキーを装填するとスラッシュライザーの持ち手のトリガーを引く。
【バーニングレイン!!】
バ
┃
ニ
ン
グ レイン
鳴り響く音声の後に滅亡迅雷は炎を纏ったスラッシュライザーを振るい、突撃しかけていたバイオライダーを繰り出した炎の斬撃で吹き飛ばす。
「くっ!?」
液状化から戻ったバイオライダーは床を転がった後に立ち上がると共にその姿を青い体からRXの時より機械的で体にオレンジのラインがある姿へと変える。
「悲しみの王子!ロボライダー!!ボルティックシューター!!」
両手にエネルギーを収束し、そのエネルギーで右手に光線銃を実体化させると滅亡迅雷へと必殺技ハードショットを放つ。
ハードショットを受けて体から火花を散らしながら滅亡迅雷は仰け反ったが反撃とばかりにアタッシュアローで応戦する。
「RXパイセンばかりに気を取られてんじゃねえぞ!!」
「この!」
そこにゼンカイジュランとゼンカイガオーンが横から攻撃、続けざまにティガとトリガーダークが蹴りを叩き込む。
「!先程より動きが鈍いぞ」
「もしや或人の言葉で意識が戻りかけておるのか?」
後ずさる滅亡迅雷を見てジャスティスはカオスの言葉に理解し、なんとか立っているゼロワンに話しかける。
「或人君。もし意識を取り戻せる手段はあるかい?」
「マギアに改造されたヒューマギアをこいつを使えば元に戻せますけど……元に戻す以外の効果と……あいつに効くかどうか……」
「ならば或人君。君の思い、俺に預けてくれないか?」
プログライズホッパーブレードに目を向けてから自信なさげに漏らしたゼロワンにロボライダーから戻ったRXが提案する。
「光太郎さん……」
「俺もこれ以上、彼らの決意を汚させたくない。誰かの為に戦った仮面ライダーを、野望の道具などにさせない」
力強く言うRXにゼロワンは顔を伏せてから顔を上げ……
「分かりました。頼みます」
「ああ!」
プログライズホッパーブレードをRXに託し、RXは託されたプログライズホッパーブレードの使い方を聞き、早速持ち手のキックオントリガーを5回以上引く。
【フィニッシュライズ!!】
音声の後に刀身にクラスターセルの刃が形成される。
「キングストーンフラッシュ!!」
続けざまに腰のベルトの前にプログライズホッパーブレードを翳し、キングストーンの力を光として照射すると光りを浴びた刀身は金色に輝きだす。
「津上さん!」
「了解!」
それを見た五代クウガがバーニングフォームとなったアギトと共に滅亡迅雷の両腕を拘束し、動きを封じる。
「今です光太郎さん!」
「ありがとう五代君!津上君!行くぞ!!」
呼びかけるアギトにRXはプログライズホッパーブレードを手に飛び上がり……
「トアッ!!」
【プログライジング!ストラッシュ!!】
五代クウガとアギトが離れると共に滅亡迅雷の胴体を力強く切り裂く。
間合いを取ってから背を向け、Rの字を描くようにしてプログライズホッパーブレードを振るってRXが見得を切ると共に……
ドカァァァァァァァァァン!!!
滅亡迅雷は爆発に飲まれる。
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?あれ大丈夫なんか!?普通に爆発に飲まれてるんだけど!?」
「確かに、あれ、倒してそうじゃね?;」
その光景に思わずウィスプは叫び、ホロウも冷や汗を掻く中、爆発の中から滅亡迅雷が現れる。
火花を散らしてはいるがまだ健在なのにホロウや小野寺クウガは身構える。
【っ……飛電、或人……?】
「!?滅!意識を取り戻したのか!!」
その言葉を聞いてゼロワンは滅亡迅雷へと駆け寄る。
【ここは……俺達は確かに……】
「良かった。また、お前達に会えて俺……」
嬉しさで体を震わせるゼロワンに良かったとウィスプも安堵した時……
【っ!!】
「うわっ!?」
何かに気づいた滅亡迅雷はゼロワンを突き飛ばす。
直後、雷がゼロワンを突き飛ばした事で無防備になった滅亡迅雷に直撃する。
「滅!!?」
「なんだ!?」
膝を付く滅亡迅雷の後ろにゼウス・ドーパントが現れる。
「滅亡迅雷。お前には失望した。奴の言っていた事で1人でもやれるかと思ったが、1人も殺せなかったとはな……」
「ゼウス!」
「こいつがゼウス博士か」
落胆した様に滅亡迅雷を見下ろすゼウス・ドーパントにゼロワン達が構える中、ゼウス・ドーパントは続ける。
「だが、1つだけ感謝しなければならない。機械ではあるが君だけが膨大なコアエナジーに持ち堪えた。君のデータがあれば、研究はようやく完成する!」
「てめぇ!」
その言葉にウィスプは怒り、駆け出そうとして……
【ゼウス……とうとう完成するのね……】
アイから響いた別の声に足が止まってしまう。
「今のは……!?」
「アイの声じゃない!」
誰もが突然の声に戸惑う中、ゼウス・ドーパントだけは違った。
「……!?今の声は……アイ…ダ……!?」
「!?アイダ博士だって!?」
出て来た名に誰もが驚く中でゼウス・ドーパントは電撃でウィスプ達を後ずさらせると瞬時に戸惑っていたアイの前に跳び、彼女を掴む。
【!?きゃあ!?】
「アイ!君を今すぐ調べる必要がありそうだ!来てもらうぞ!!」
「アイ!?」
助けだそうとすぐさま駆け出すウィスプだが、その前にアイを抱えたゼウス・ドーパントは消えてしまう。
「アイィィィィィィィィィィィィ!!!!」
膝を付き、響き渡るウィスプの声。
悔し気に床を叩くウィスプに小野寺クウガと五代クウガが駆け寄る中、まともに動けるようになったゼロワンとバルカンはすぐさま消えそうになっている滅亡迅雷に駆け寄る。
「滅!迅!」
「しっかりしろ雷!亡!」
【飛電或人、不破諫……こうやってお前達と再び出会えるとはな……】
【けど、僕達はこれで良かったと思う。僕達はもう託したからね】
【しっかりしろよ社長!この世界の皆の未来を今守れるのは社長たちだけだ!】
【だから、立ち止まらず進んでください】
ゼロワンとバルカンに滅亡迅雷から4つの声がそう声をかけた後、滅亡迅雷は光となって消えていく。
滅亡迅雷がいた場所には、2つの物が遺されていた。
1つは右側が滅亡迅雷の顔を模したプログライズキー。
2つ目は白いガイアメモリであった。
遺されたプログライズキー、マスブレインゼツメライズキーを手に取ったゼロワンはそれを暫く見ていたが体を震わせ……
「ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
亡き友達への叫びをあげるのであった。
「!?このガイアメモリは……」
「そうか、だから僕達も影響を受けていたのか……」
傍に来たWはもう1つの遺されていたガイアメモリを見て驚きの声を上げていた。
各々が見ている中、ジャスティスが1号とカオスに話しかける。
「……本郷さん、ドクターカオス。先ほどのを見てどう思います?」
「……君と同じ考えだと思う」
「流石にあの言い方を聞いて分からんバカはないと思うな……」
ですよね……と2人の言い分にジャスティスは肩を落として唸る。
そんな彼の気持ちを代弁する様に1号は呟く。
「アイダ博士は……我々の敵である可能性が高い」
次回、第59の章:攫われたアイ、突入、荒野セクター
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第59の章:攫われたアイ、突入、荒野セクター
ステージから元のデータセンターへと戻り、上層部へ上ったW達は1号から告げられた事に戸惑いを隠せなかった。
「アイダ博士が敵って、マジで言ってるのか1号!?」
「ああ、あの時のアイの様子とゼウスの言葉から、アイダ博士は自分の死を利用してゼウスのコアエナジー研究を進ませて、それによって誕生した不死の体で蘇ろうとしているのではないかと私や西条君、ドクターカオスはそう考えた」
「邪眼がやっていた事を真似てますね……だけど納得できるな。先ほど得たアイダ博士の助手の存在、その助手にゼウスが計画を進める様に唆す事を指示し、ここに来る者達と戦わせるか怪人同士で争わせて復活の為の過剰に注入されたコアエナジーの完全制御の為のデータを集めさせる……邪魔者が来ようと来なかろうと計画に支障がないと言う事か……」
問い詰めるW(翔太郎)に答えた1号のにV3は顎に手を当てて呟く。
「け、けどアイを造った人なんですよ!?そんな人が……」
「横島君、作られたモノが良きモノだったからと言って作った人物が善の持ち主とは限らない時だってある」
「先ほどの情報でアイにアイダ博士が作り手だと言う記憶が無かったのもその助手が意図的に消し、もしゼウスを止める者が来た場合はサポートする様に彼女が気づかない様にプログラミングをしていた可能性が出来たのもある。これはワシらにアイは何も知らないAIロボとして付いて行かせて守らせる為であったのならば、なぜアイが奴等の傍にいなかったのも納得が行くからのう……そうじゃろうフィリップ。お前さん、アイに
それに反論しようとするウィスプをジャスティスは止め、カオスも続いてWを見る。
「おいフィリップ!ドクターカオスの言う事はホントか!?」
「……その通りだ翔太郎。万が一にもゼウスに知られない為に、皆にも言ってなかった事……アイには、
「成程、ゼウスの計画が完成直前まで行き付いたから先ほど顔を出し……」
「あのロボットちゃんを連れ去って調べさせる様に仕向けたって事か……なんとも質の悪いやり方だな」
問い詰める相棒にW(フィリップ)はそう返し、RXは先ほどの出来事に納得し、MRトリガーダークは胸糞悪そうに吐き捨てる。
「そうなると、1号のアイダ博士が敵って説は濃厚だな。ちっ、俺達は掌の上で踊らされていたって感じかよ」
「ゼウスがアイの秘密を知っちまったら……研究が完全に至る前にアイダ博士を復活させようとするかもしれないな……」
「そうなるとアイダ博士の助手の人は敢えてアイの秘密を話さなかったって事になるよな……なんでめんどくさい事をしたんだ?」
「そんだけ愛していたって事じゃないッスか、ゼウスがアイダ博士を?」
「あー、確かにありえそうじゃね?日記を見ると友人っぽく見ていた感じだけど、実際に見ていた感じ、惚れてる感じあったな」
「それもあってうっかり中途半端な状態で復活させない様に黙っていたって事だろうね」
同じ様に胸糞悪そうに吐き捨てるホロウの後にW(翔太郎)はそう言い、首を傾げるゼロワンにゼンカイマジーヌがそう言い、ゼンカイジュランも賛同し、ディエンドは肩を竦める。
「ところで、これからどうする?アイがいないと、セクターの解放が出来ないよ?」
「それならアタシにお任せ☆」
困った様に言うオーズにツーカイフリントがそう言ってノートパソコンを取り出すと数回タイピングを行うとゲートが開く音が響き渡る。
「ほい、出来上がり☆」
「流石はフリントだな」
「何時の間にアクセスできる様にしてるとは……」
「うーーんその腕、ウチに欲しいな……」
高らかに言うツーカイフリントにツーカイザーは褒め、ゼンカイブルーンは驚き、ジャスティスは自分の所の使えない面子を思い浮かんでそうぼやく。
「これで精製セクターを開放できたんだね……」
「とにかく先に進むしかないか……」
呟くトリガーと小野寺クウガの後に一同は次なるセクターへと歩き出す。
「……翔太郎、行くよ」
「……この気持ちを抱えながら……進まなきゃな……」
足を止めている相棒へ声をかけるW(フィリップ)は呟きのを聞きながら皆の後に続く。
☆
「どういう事だ?アイはただのAIロボだと言ったのはアイダの助手である貴様ではなかったのか?」
センタータワー内部にて、ゼウス・ドーパントは目の前の女性に睨む様に問い詰める。
見た目は腰まである白髪の髪をポニーテールで纏めており、グルグル眼鏡をかけている。
「すいません……私も博士には……ただのAIロボとしか……聞いていなかったので……」
ボソボソとしながら謝罪する女性を暫く見ていたゼウス・ドーパントは鼻を鳴らして視線を外す。
「……まあいい。とりあえずアイを徹底的に調べないとな……アイダ復活の手がかりになりえるかもしれないからな」
拘束されて動けないアイへと視線を向けたゼウス・ドーパントは顔を伏せながらはいと答えていた女性の様子に気づいていなかった。
伏せていた顔の口がつり上がっていたのを……
☆
「はぁ……ここが荒野セクターか……砂漠セクターと変わんないな……」
「違いがあるとすれば、遠くに見える壁っぽいバリアかね……」
一方、荒野セクターへ足を踏み入れたウィスプは風景からそう呟き、ジャスティスは遠くに見える青いバリアを見て呟く。
「とにかく、ここを開放すれば残りはセンタータワーだけだね」
「そうだな、さっさとここを開放して奴を止めないとな」
「砂漠セクターの様にこんだけ広大だと迷わない様にしねぇとな……」
「だったら飛べる人達で捜索するのもアリっスね!」
オーズのにバルカンは呟き、見渡しているゼンカイジュランにゼンカイマジーヌがそう言う。
そんな中、考え込んでいるゼロワンにトリガーは話しかける。
「或人君、大丈夫?」
「!?ご、ごめん、ちょいと考え込んでた」
「……あいつ等の事を考えていたのか?」
慌てて謝るゼロワンに滅亡迅雷の事をバルカンは指摘するとうんとゼロワンは頷く。
「或人、引き摺りたい気持ちは分かるが、今はゼウスを倒すのが優先だ!」
「それに、あいつ等は、俺達の世界じゃあ犯罪者になっちまってる。あれが良かったんだよ」
「……不破さんの様に簡単に割り切りたいけど……ちょっと待ってね……」
W(翔太郎)とバルカンの言葉にゼロワンはそう言ってからああ、うんと喉の調子を確かめる様に声を漏らす。
その後にゼロワンは顔の頬部分に当たる両側を仮面越しに叩く。
「よし!とにかくゼウスは絶対に倒しに行く“ぜ、ウス”!!」
その瞬間、少し無言の空間が出来上がり……
「くっ!」
「え!?笑うの!?」
「さっきので笑うのかお前!?」
噴出したバルカンにリッキーとカッタナーは驚く。
「空気の替え方下手じゃないか貴様」
「おもしろくな~い」
「ぐはっ!?凄い辛辣~~!!」
呆れて言うゲイツとバシッと言うツーカイフリントのにゼロワンは崩れ落ちる。
何してんだかとホロウは呆れる中、うしっとWは気合の声を入れる。
「とりあえずはこの気持ちは全てゼウスにぶつけてやろうぜ!」
「「「ウス!!」」」
答えたゼロワンとウィスプ、ついでのアギトに今のはフリじゃねえーぞ!とW(翔太郎)はツッコミを入れる。
「え?フリじゃなかったんっスか?」
「俺も、なんかやった方が良いかなと思って」
「お前等な……」
「なあ、そろそろ先に進もうぜ」
「ようし出発全開!!」
素でボケたウィスプと乗ったアギトにW(翔太郎)は顔を抑えながら歩き出したのであった。
「道路があるんだな……砂で埋もれてたりしてるけど……」
「以前は道路整備はされてはいたが、ゼウスが島を支配した事でそれは行われなくなった様だな」
砂に紛れて見える道路を興味深そうに見るジオウに1号は道路の状況を見て呟く。
「そう言えば、あのバリアはどう解除するのだ?」
【アイと共有していたデータによると、どうやら荒野セクターは7つのバリアで守られてるみたいっチュン!バリアの近くにバリアを発生させて制御する塔があるそうだから、それを壊せばバリアも消えるっチュン!】
「おいおい、それってつまり、守っている奴がいるって事じゃねえか」
「ま、当然だろうな。なあにこの人数だ。そんなに苦労はしないだろう」
バリアを見て質問するダーゴンにセッちゃんが答え、ホロウは疲れた声を漏らし、ディケイドはそう言う。
ですよねとウィスプも笑い……
☆
「さっきまでそう思っていた自分を殴りたいぃぃぃぃぃぃぃ!!?」
「叫んでねえで走れ!!焼かれるぞ!!」
「にゃあああ!?」
「ぶぅぅぅん!!?」
マスコット達と共に必死に走りながら叫ぶウィスプにホロウも叫ぶ。
その後ろを沢山のピラニアヤミーが集まって巨大なピラニアとなったのが口からビームを吐いて追いかけていた。
「士ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?何フラグ立ててるんだよお前!!?」
【アタックライド!イリュージョン!!】
「「「GS時空を舐めてたとしか言いようがない。反省はしてねぇ」」」
「ホントお前さん。ここぞと言う時になんか苦労させてくれるよな」
沢山来るピラニアヤミーをドラゴンロッドで捌きながら叫ぶ小野寺クウガにイリュージョンで分身しながら撃退しつつ言い訳するディケイドに向かって来たのを手刀などで叩き落としながらV3はぼやく。
「津上ぃぃぃぃぃぃ!!!走れ!!走らんとワシ喰われる!!?」
「任せてください!」
カオスを背負い、必死にピラニアヤミーから逃走するアギト。
「大量全開!!!?」
「どんだけいるんだよこのお魚!?」
「ひえぇぇぇっス!?」
「撃ちまくりますよ!!」
「と言うか撃って撃って撃ちまくらないとヤバいでしょこれ!?」
「喋ってる暇があるなら手を動かせ!!」
自分達の周りを飛び回るピラニアヤミーをゼンカイジャー6人はギアトリンガーやギアファイガーで撃ち抜いて行く。
ツーカイザー達も同じ様にピラニアヤミー達を撃ち倒し、ロボライダーとなったRXの援護を受けて1号とジャスティスは連携して倒して行き、W達もお互いに背中を預けて戦う。
離れた場所では巨大化したティガ、ウルトラマントリガー、トリガーダーク、ダーゴンが同じ様に巨大化しているハンギョモンの群れと戦っている。
【この調子でバリア破壊するの大変そうっチュン;】
「GS美神の世界は些細な言葉で大事に繋がるよな……」
それを隠れた場所で見守りながらセッちゃんは愚痴り、抱えたウヴァが呟くのであった。
次回、第60の章:蘇る禁忌の女
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第60の章:蘇る禁忌の女
「いやぁ……流石にあれはきつすぎッスよ」
「だな。いきなり大群で来られたのはマジビビるだろ」
海東の出したグルメテーブルかけから出したコーラを飲みながら愚痴る横島に同じ様にコーラを飲みながらジュランは同意し、一部のメンバーもうんうんと同意する。
今、横島達はデータセンターまで戻っていた。
あの後、ピラニアヤミーと巨大ハンギョモンの大群をなんとか倒し、守られていたバリア発生装置を1つ破壊した後、一時の休息を西条が提案して誰もが賛同して戻って来たのだ。
メンバーの体力なども気にかけてだが、もう1つは……
「すまないダーゴン。お陰で幾分か楽になった」
「たかがメモリを壊しただけなのだが、それだけヤバかったのだな」
ふうと一息付く西条にダーゴンは掌にあったジャスティスメモリだった残骸を床に落としながら呟く。
上記の通り、西条がこれ以上のジャスティスメモリの使用に危機を感じたからだ。
これ以上戦い続けてる内にジャスティスメモリの侵食が高まり、このままでは暴走すると判断した西条はダーゴンに壊してくれと頼んだのだ。
(ホントに危なかった……このまま戦い続けていればボクはボクじゃなくなっていた……仮面ライダーの力は惜しいが、自分でなくなっていたら後の祭りだ……)
大きい力の扱い方はホントに注意だなと思いながら西条は紅茶を飲み干す。
「それにしても、なんであんなに大量のヤミーが現れたんだろう?」
「きっと過剰摂取の制御のコツを掴んだからヤミーに使った事であんな大量発生や巨大化を引き起こしたのだろう」
「そうなると、うかうかしてられなくなったな……」
首を傾げるソウゴへと先に補給を済ませて再変身していたW(フィリップ)が推測し、W(翔太郎)は渋い声で言う。
「じゃあ早くアイを助けに行かないと!」
「落ち着きたまえこの世界の横島。焦っての行動は蛮勇に近い。時にはゆっくり行くときも大事だよ」
立ち上がる横島に海東が宥める。
「彼の言う通りだ横島君。焦りはミスを生みだす。冷静に物事を見る事が大事だ」
「先輩の言う通り、アイの心配は分かるが、自分の事も考えないといけないぞ」
「う、ウっス」
諭す本郷と風見のに横島は素直に頷く。
【流石は歴戦の仮面ライダー。言葉の重みが違うな】
(改めて見ると普通の子が視たら泣く絵面だよな心眼って……)
「さて、休憩も出来た事だし、進むのを再開しよう」
しみじみと呟く心眼を見て風見が内心そう思う中で本郷の言葉にですねと返して立ち上がる。
☆
再び進行を開始した一行は次々と現れる戦闘員やヤミー達を倒して行き、サメヤミーの大軍を撃破した後、2つ目のバリア発生装置を破壊した。
「ふう、これで2個目か」
「後5つ、遠くにない事を祈りたいな」
「俺も同意~」
「近すぎるのもどうかと思うがな」
汗を拭う様に頭を腕でこするゼンカイガオーンの後のゼロワンとウィスプのぼやきにバルカンは呟く。
「おいおい若者たちよ、俺達の時と違って結構優しいと思うぞ」
「そうですね。俺達の時に比べたら優しいと思うよ」
「あんた等昭和と比べてやんな」
そんなメンバーへとV3は茶化し、RXもしみじみと言うのにディケイドは呆れてツッコミを入れる。
(ある意味、横島君も我々と近い環境な気がするが……最近の若者には優しくなったものだな……)
そんな面々を見て1号は感慨深くなるのであった。
【あ”あ”!?皆!幹部クラスの強いコアエナジー反応が近づいてるっチュン!!】
「幹部って事はムチリかな?」
「俺とメダル被ってる奴か、丁度良いから名前の通りにむしり取るのもありかもな」
「映司さんのコンボを増やす的な意味でムチリだけにむちり取るのも良いかもな!」
「後、マスコットがどんな感じか気になる」
「「止めてくれ」」
そこにセッちゃんが報告し、ゼンカイザーの後にゴーダのにゼロワンがボケ、続いたウィスプのに西条、ホロウは止める。
「!散開するんだ!!」
何かを察した1号の言葉の直後、複数の光弾が雨の様に降り注ぐ。
「どわわ!?」
「ちい!?」
「あぶなっ!?」
降り注ぐ光弾にそれぞれ避けたり、武器で防いだりするが1部は体の一部分に当たってしまう。
「皆無事か!!?」
「俺は大丈夫です!」
「こっちもなんとか!」
「俺当たったけどなんともないよ~」
すぐさま岩壁に隠れたので難を逃れた西条の確認の声に五代クウガ、アギト、ジオウがそう返すが……
「ぐっ、体が、動かない!?」
「あ、足が……動かせない」
「こっちは腕が……」
「サークルアームズが!?」
「デュ!?」
だが、一部は体のどこかや全身が動かせない事を訴え、ティガとトリガーは防御に使った武器が色を失っている。
「これは……封じられた?」
「先ほどの光弾……だけどあんな能力は……いや、あのメモリの記憶なら……」
その様子に西条は目を見開き、W(フィリップ)がブツブツ呟いていると……
「あぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
上空からの声に誰もが見上げる。
そこにいたのは異形の女性であった。
顔の目が狂った様に動き、裂けた口からだらしなく声が漏らす。
逆立った金髪に紛れて燃えるような紅い悪魔の様な人形。
背中には骸骨が連なって形成した翼。
両腕に巻き付いたベルト。
宙ぶらりんとなった両足は芋虫のような模様で複数の目があって顔の目と同じ様に狂っている。
体の各所に異業の模様が浮かんでいる姿にウィスプは思わずたじろぐ。
「あ、あの女性、もしかしてコンベアルームでゼンカイジャーの皆に倒されたタブー・ドーパントか?」
「まさか、あの後に邪眼によって変異させられていたのかよ!」
「そうだろうね。そして、変異した事で冴子姉さんが使えなかったタブーメモリの本来の力を使える様になったみたいだ」
驚くW(翔太郎)の後にW(フィリップ)がそう言う。
「どういう事?」
「タブーとは触れたり口に出したりしてはならないとされているもので、日本語で言う禁忌とも同義語で、こちらは特定の物事や言葉、方位などについて忌むべきものとして言葉に出す事やそれを行う事などを禁ずることです!」
「そ、そう言う事か、先ほどの光弾に当たった所を動かすのを禁止って形で封じられたって事かよ!」
(だが禁忌の記憶と言う意味ではまだ能力を引き出せてない感じで良かったとも言える。もしも体の内部器官を止められていたら、死んでいた!)
動けないゼンカイブルーンを必死に動かそうと押していたゼンカイザーにゼンカイブルーンは解説し、同じ様に動けない呻くホロウのを聞きながら西条は最悪のを考えて冷たい汗が伝う。
改めてガイアメモリの危険性を感じながら西条はこの世界に眼魂以外の仮面ライダーの力がない事を安堵する。
「とにかく早くタブー・ドーパントを倒そう!ジオウ!君がアタッカーを務めるんだ!」
「分かった!ようし!相手がドーパントだし!」
【ディ・ディ・ディ・ディケイド!】
すぐさま指示を出すW(フィリップ)にジオウは答えた後にディケイドウォッチを取り出してジクウドライバーにセットして回す。
【ライダータイム!仮面ライダージオウ!!】
【アーマータイム!カメンライド!ワーオ!ディケイド!ディケイド!ディーケーイードー!】
【ダブル!】
ディケイドアーマーを装着してから今度は新たなウォッチを取り出して音声の後にディケイドライドウォッチのF.F.T.スロットにセットする。
【ファイナルフォームタイム!ダ・ダ・ダ・ダブル!!】
右肩アーマーのディケイドの文字がダブルに変わり、左肩から胸にかけてのアーマーに描かれたバーコード部分がファングジョーカーとなった後……顔と胸から下が仮面ライダーWファングジョーカーの姿へと変化する。
(祝え!破壊者と2人で1人の探偵の仮面ライダーの力を使いし時の王者!!その名も仮面ライダージオウ ディケイドアーマーWフォームである!!)
「貴様は喋るのを封じられても祝うのを止めんのか!!」
「何時用意したんだ!?」
どこからともなく巨大看板を出して祝辞を述べるウォズにゲイツとバルカンがツッコミを入れる。
【ルナ!トリガー!】
【カイガン!デカレンジャー!緊急出動!スペシャルポリス!!】
「RX!ロボライダー!!」
構えるジオウの後ろでWはルナトリガー、ウィスプはデカレンジャー魂、RXはロボライダーとなる。
それ以外の動けるメンバーは動きを封じられたメンバーを守る為に構える。
【皆!その変異体タブー・ドーパントはコアエナジーを過剰摂取されてるチュン!!気を付けるっチュン!】
「これまでの敵と同様に厄介な戦いになりそうだな。やれるか横島」
「だ、大丈夫ッス!」
セッちゃんの注意を聞きながらトリガーマグナムを構えるWにウィスプもディーマグナムを構える。
「ようし!さぁ、お前の罪を……教えて?」
「「「叫んでるだけの奴が教えられるか!!?」」」
「ってか微妙にちげぇぞセリフ!!?」
気合を入れて決め台詞を言ったジオウだがホロウとゴーダ、バルカンに突っ込まれ、本家にも指摘される中、タブー・ドーパント変異体との戦いが始まる。
次回、第20のレポート:奪われる力、GSの意地
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第20のレポート:奪われる力、GSの意地
アシュタロスは強張った顔で目の前の使い魔から送られて来る映像を見ていた。
映し出されている映像には邪竜神インフェリオスが復活し、闇を吐き出して空を暗黒に染め上げている光景であった。
映像を見てアシュタロスは確信してしまっていた。
この存在は
さらに言えば、ガープでさえ、凶神石を使おうとも勝てない。
眼魂に封じ込めようとすれば強引に封印をぶち壊すか、逆に乗っ取られるのが目に見えている。
(なんて異質な存在感!このままでは地球は愚か、天界や魔界でさえも奴の闇に飲み込まれる!)
ギリッと唇を噛み締めたアシュタロスはガープ処ではないと例えバレようとも動くべきだと考え……膝を付く。
「な、力が……っ!?」
自身の体から力が抜け出て行く感覚に戸惑いを隠せない中、まさかと治癒に入っているガープ達の元へと向かう。
そこではガープ達が怪我以外の苦しみで呻いていた。
(ど、どうなってるんだ?何が起こっていると言うんだ?)
なぜガープ達が目覚めないのか、なぜ力が抜けていくかにアシュタロスは戸惑うしかなかった。
☆
美神は目の前のインフェリオスを見上げながら確信していた。
かつての自分だったら絶対に心が折れている存在だと……
横島と共に戦うと言う意思を持ったからにはここでは折れてはならないと言う思いが美神を奮い立たせる。
「蛍ちゃん!おキヌちゃん!冥子!絶対に怖気づくんじゃないわよ!!ガープや色んな怪異と戦う事になったら横島君と並んで戦えないわよ!」
叱咤する美神に恐怖に飲まれそうになっていた蛍達はハッとなる。
そんな美神に嘲笑う様にガラガランダとイカデビルは大笑いする。
「何がおかしいのよ!」
「いやはや、娘もそうだがその上司もここまで頭がハッピーだとは思いもしなくてな」
「全くだ。そいつ等と違い
「それはどういう、うっ!?」
美神に続いて問おうとした冥華は突如膝を付く。
お母様!?と駆け寄ろうとした冥子だったが突然倒れかけて、輝夜が慌てて支える。
「ちょ、いきなりどうしたの!?」
「あ、あれぇ~なんだか、体が……」
「お、おい!大丈夫か!?」
「しっかりしろ!」
他にも雪之丞やピートも苦しそうに膝を付き、蛍やおキヌまでも座り込んでしまっている。
マタドールも魔人の姿になれないのかぬぅと眉を顰めている。
「クゥン!?」
「キャイン!?」
「タマモ!?シロ!?」
「う、うぅ、力が出ないよ……」
「アリスちゃんしっかりして!?」
それ処かタマモとシロも人化を維持できず、チビ達と共に慌てて、アリスも立てない様子でタイガに支えられる。
そしてドゥンも纏っていたパーカーゴーストの色が真っ白になっており……
【カイガン!タイガ!!目指すぜ英雄!ゴーマイウェイ!!】
すると出現した白銀と青の眼魂がドゥン眼魂をドライバーから取り出して強引に入ると飛び出した白銀と青の虎型パーカーゴーストが覆い被さる事でドゥンの姿は仮面ライダータイガの力を宿したタイガ魂になる。
直後、ドライバーから外されたドゥン眼魂は金色だったのが灰色になる。
「ど、どうなってるんジャー?眼魂が……それにワッシの中にあったのが……消えている……!?」
「……!?まさかアナザーパワーロスト現象!?」
戸惑いを隠しきれないドゥンやGS組を見て3号は驚きの声をあげる。
「な、何そのアナザーパワーロスト現象って……」
「……世界から力が失われる一種の現象だよ。起こる原因は転生者がアナザーライダーへと変貌してしまった際なんだが……まさかこの世界のどこかでアナザーライダーが誕生した!?」
「流石は3号。こういう事態の解決者は頭の回転が速いな」
なんとか立っている美神が問い、3号は答えてから現象の発生原因を察するとイカデビルは賞賛する。
「お前達さえいなければこの世界を我が主が望む怪人世界に容易く出来たのだがな……故にお前達には大軍団で殲滅してやろう」
その言葉と共にガラガランダとイカデビルの後ろに大量のガーディアン、量産型レブナント、ショッカー戦闘員、マスカレイド・ドーパント、屑ヤミーの大軍団が現れる。
「おいおい、沢山い過ぎだろ」
「この世界を征服する為に用意していたのを出して来たか」
驚くクローズの隣でビルドは呻く。
「ゆけい!!」
「「「「「「「イーーーーー!!!」」」」」」」
腕の尻尾鞭を地面に叩きつけて号令を出すガラガランダのに大軍団は美神達へ向けて進軍を開始する。
「王蛇とガイは美神さん達を!」
「分かった」
「りょ~かい」
「グロッケン!ヴィラニアス!美神さん達を守って!」
「あいよ」
「了解した」
「行くぞあんた達!荒れるぜ~止めて見な!!」
向かって来るのを迎え撃つ為に駆け出す戦士達。
「タイタス!もう一度俺と一体化してくれ!!」
「フーマ!僕も同じ様に!」
『こちらからも望んでいた所だ!』
『アイヨ!もう一度行くぜ!』
【【ライダーゴー!!】】
【仮面ライダータイタス!!】
【仮面ライダーフーマ!!】
再び己の体を貸すと言う雪之丞とピートにUタイタスとUフーマはすぐさま同意して2人の姿を再び仮面ライダータイタスと仮面ライダーフーマへと変え、戦線に加わる。
「ホント数だけ多いな!」
「めんどくせぇよな悪の軍団ってのは!」
向かって来るショッカー戦闘員をファイズエッジで切り裂いてからスナップするファイズの隣でガイアが投げ飛ばしながらぼやく。
「大丈夫かいタイガー君!」
「だ、大丈夫ですジャータイガさん!」
「お前等、ある意味字面だけ見るとややこしいな……」
ドゥンをカバーするタイガとのやり取りを見てインペラーはなんとも言えない口調で言いながらショッカー戦闘員を蹴り飛ばす。
(何をしてるの美神令子!このまま指を咥えて見ていて良い訳ないでしょ!)
そんな戦う戦士達を見ていた美神はギリッと唇を噛んだ後、駆け出していた。
「み、美神さん!?」
「令子ちゃん!?危ないわよ~!!?」
それに蛍と冥子は呼び止めようと叫ぶが美神は構わずショッカー戦闘員の1人に向かって行き、突き出されたナイフのを避け、ナイフを握っていた腕を掴んで投げ飛ばす。
「イーーー!?」
「ふっ!!」
倒れたショッカー戦闘員の手から落ちたナイフを手に取って倒れたショッカー戦闘員の胸に突き刺した後に再び抜いてから別の方へ向いていたガーディアンの関節部分へと向けてナイフを投げ飛ばす。
投げ飛ばされたナイフは寸法狂わずにガーディアンの右腕の関節部分に刺さり、それにより落ちた銃剣が装備されたライフル銃を投げた瞬間に駆け出していた美神は手に取ると銃の反動を意地で耐えながら他のショッカー戦闘員やマスカレイド・ドーパントを攻撃する。
「美神さん危険です!」
「私達はともかく、今力のないあなたには「だからこそよ!」っ!」
美神へと飛んで来た攻撃を弾きながら合流したジードとキバーラ(夏海)に美神は叫ぶ。
「力が無くなったからって黙って見ていたら、私は横島君と一緒に戦うなんて言えなくなる!だから私は!引き下がる訳にはいかないのよ!」
必死な思いで向かって来たショッカー戦闘員をライフル銃に付いた銃剣で切って怯ませた所を蹴り飛ばした美神にキバーラ(夏海)は分かりますと返す。
「私も、士君やユウスケが戦っているのをジッとして見ているのが出来なかった。そんな私にキバーラは仮面ライダーとして一緒に戦う力をくれました……だから美神さんのその気持ち、私は凄く共感できます」
「そうそう、夏海ちゃんの熱心なハートにチュチュッと来たからね~」
「夏海さん……」
共感してくれるキバーラ(夏海)に美神の所に攻撃を避けて来たキョウリュウグリーンとキョウリュウブルーが来る。
「あたしも似た感じだよ。尊敬する姉君と一緒に戦って自分の剣術を完成させたいって思いと仲間を守りたいって思いに先代が応えてくれたからキョウリュウジャーになったんだ」
「私も、弱くて武器に頼ってばかりでしたけど、お姉さまや皆を守りたいって思いを胸に頑張っています!だからあなたも頑張ってください!」
「……!ありがとう」
「美神さんだけじゃないわよ。横島君だけに戦わせたくない人はね!」
そんな所に同じ様にライフル銃を拾って来た瑠璃と蛍が来る。
「未来ある若者(+お婿さん)だけには戦わせたくないからね」
「わ、私も横島の隣で戦うのを諦めません!」
そう言い切った2人の他にも二丁スタイルのノッブが持ち前の速さと運動力を駆使してナイフ二刀流で戦闘員達に切りかかる牛若丸を援護し、冥子とおキヌ、舞、愛子がライフル銃を鈍器にして近づいて来たショッカー戦闘員を殴っているのを見て美神は皆……と呟き、涙ぐんだ目をゴシゴシ擦ってから強い目でガラガランダとイカデビルをみつえる。
「良く聞きなさい蛇男に烏賊男!例え霊力がなくなろうとも!このゴーストスイーパー美神令子は最後の最後まで抗って、あんた達を極楽へ行かせてあげるわ!!」
力強く宣言する美神令子の気迫にガラガランダとイカデビルは思わずたじろぐ。
「っ!!ええい黙れ黙れ!」
「いでよデジモンヤミーよ!小うるさい女を殺せ!!」
その言葉と共に空中に穴が開き、そこから巨大な竜型ロボットが沢山現れる。
「んげぇ!?ムゲンドラモン!?なんちゅうもんを沢山呼び出してるの!?」
「んーー……だけど、心配はいらないみたいよ」
それに輝夜が絶叫する中、明後日の方向を見ている八雲紫が呑気そうにそう返す。
なぜ?と冥華が聞こうとして……
―惚れたぜ、その心意気!!―
闇広がる大空にその声は響いた。
次回、第61の章:風の絆
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第61の章:風の絆
「おりゃあ!!」
タブー・ドーパント変異体へと突撃して右腕のアームファングを振るうジオウ。
その攻撃をタブー・ドーパント変異体は飛んで避ける。
「ああ!また飛んだ!!」
降りてこーい!と叫ぶジオウに対し、タブー・ドーパント変異体は光弾を放つ。
光弾をジオウはアームファングで切り裂き、当たらなかったのをW達が打ち落としつつタブー・ドーパント変異体を攻撃する。
先程から今の流れが続いており、なかなか勝機が見いだせてないのだ。
「ちぃ、少しジリ貧だな」
「と言うかソウゴが攻撃しようとしたら飛び上がるし、どうしますこれ?」
「あの翼をなんとかしないといけないな……切り裂く飛び道具があれば……」
「!ジオウ!ショルダーファングだ!!肩に刃を出すんだ!!」
打ち落としながらぼやいたW(翔太郎)とウィスプのにそう呟いたロボライダーのを聞いてW(フィリップ)がそう叫ぶ。
「肩に刃だね!!ようし!」
その言葉と共にジオウはWウォッチのボタンを2回押して操作すると右腕前腕にあった刃が消えて、右上腕に刃が出現する。
「あれ?」
「……そうか、ディケイドアーマーでの変則的なフォームチェンジだから肩の下部分から変化しているので腕の上腕部分に生えるのか……」
生える場所が違うのにハテナマークを浮かべるジオウを見ながらW(フィリップ)は眉間部分に指をあてて呟く。
とりあえず!とジオウは生えた刃を掴むと切り離してからタブー・ドーパント変異体へと投げ飛ばす。
投げ飛ばされた刃に対し、タブー・ドーパント変異体は光弾を放つが刃は光弾を切り裂き、タブー・ドーパント変異体の右翼を断ち切ってからブーメランのように戻ると共に残りの左翼を断ち切る。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「今だ!必殺技を叩き込め!!」
「おう!!」
W(翔太郎)の指示にジオウはディケイドライドウォッチのボタンを押す。
【ダ・ダ・ダ・ダブル!!ファイナルアタックタイムブレーク!!】
音声が響き渡った後、ジオウの右足にマキシマムセイバーが出現。
ジオウは腰を低くして力を貯めてから……
「はあ!!」
飛び上がると……縦回転で回りながらタブー・ドーパント変異体へ突撃する。
「うおい!!?微妙にちげぇ!!?ファングストライザーは横回転だ!!!」
「彼、微妙に間違える癖でもあるんだろうか……」
そんなジオウの必殺技の流れにW組は各々に述べてる間にジオウはタブー・ドーパント変異体へと踵落としの要領で切り裂き、命中の瞬間恐竜の頭部のようなオーラが現れ、喰らったタブー・ドーパント変異体にはF字の残光が浮かんだ後……
ドカァァァァァァァァァァン!!!
爆発に飲まれる。
「やったか!!?」
【ばかもん!それはフラグだ!!】
叫んだウィスプに心眼が叫んだ後、爆発から光弾がW達へと襲い掛かる。
「がっ!?」
「ぬぅ!?」
「ぐえ!?」
それにより光弾に被弾してしまったWは通常のサイクロンジョーカーに、ウィスプもウィスプ魂、ロボライダーはRXへと戻る。
皆!?とジオウは飛び出したタブー・ドーパント変異体のタックルを食らってW達の方へと転がる。
「フォームチェンジを封じられたっ!?」
「くっ……!?」
ヤバいとW(翔太郎)が思っていると何かが突き刺さる音が聞こえ、顔を上げ……自分達とタブー・ドーパント変異体の間に突き刺さった剣に驚く。
その剣は……ナスカブレードであった。
「あれは!?」
「ナスカ・ドーパントの剣!?あれはビジターセンターに置きっぱなしにしていたのに……」
ウィスプも驚く中、Wは体を起こすと駆け出し、それに遅れてタブー・ドーパント変異体がナスカブレードを取ろうと飛び出すが……
「行くぜ、霧彦!!」
行動が早かったWが右手でナスカブレードを掴み取るとすれ違いざまにタブー・ドーパント変異体を横一文字に切り裂く。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
ドカァァァァァァァァァァン!!!
一刀両断されたタブー・ドーパント変異体は爆発四散する。
「おお!?」
「動けるようになった!!?」
「ん、んん、あーうむ、喋れるようになった」
タブー・ドーパント変異体が倒されたので動けなくなっていた面々は自由を取り戻し、武器も元の色を取り戻す。
「ふぅ……かなり手強かったな……」
「そう……だね……」
一息ついたW(翔太郎)は右手に握ったナスカブレードを見る。
「しかし、この剣……まさか……」
「この島ではもう何が起こったって不思議じゃないからね……それにあの時の状況を考えれば生死不明でもあったしね……」
「それじゃあ!」
W(フィリップ)の言葉にウィスプは嬉しそうに声をあげる。
「ま、あんな悲しい再会は、もう二度としたくないぜ……」
「……確かに悲しい再会はしたくないのは同意だよ」
そう呟いたW(翔太郎)にRXも同意する。
【あ”あ”!!皆!こっちに3つ目のバリア発生装置があったチュン!!】
「やりぃ!これを壊せば後は4つになるな!」
そんな所にセッちゃんがバリア発生装置を見つけ、ゼンカイジュランは嬉しそうに言う。
「とりあえずは……先に行くか」
「ウっス」
「ああ」
バリア発生装置が壊されたのを見てからW達は先へと足を進める。
そんなW達を1つの影が見ていた。
☆
暫く進んでいたW達は荒地の中である物を発見する。
それは古びた建物で、あちこちに沢山建てられていた。
「これって……団地か?」
「この島にいた研究員やスタッフ達が住んでいた所でしょうか?」
【ここは旧居住区チュン。市街地もとい市街セクターが完成すると共に閉鎖されたってデータにあるっチュン】
ウィスプとゼンカイブルーンの呟きにセッちゃんが解説する。
「この荒廃っぶりはただ放置されただけではないな……」
「どう考えてもコアエナジーによる汚染が原因だな」
荒れ果てた団地の壁に触れながら冷静に分析する1号の隣でW(翔太郎)は呟く。
「ううむ、デンデンセンサーを使わして貰って調べたが、ここも砂漠セクターと同じ様にコアエナジーによる汚染の濃度のが危険なレベルじゃな……予め防護服を着て正解じゃったわい」
「また生身では歩きづらい状況か」
「長居は無用って事だね……とりあえずはバリア発生装置を探してセンタータワーへと向かうしかないか」
唸るカオスの言葉にウヴァは心底めんどくさそうに自分の着ている防護服を見てぼやき、西条は遠くのセンタータワーをみつえながら呟く。
そんな見ていた西条はバリアが次々に消えて行くのを目撃する。
「バリアが消えている?」
「え、どういう事?」
同じ様に気づいた面々も突然の現象に戸惑う。
「誰かがバリア発生装置を壊しているのかな?」
「一体誰がやってるんだ?まさか他にも呼ばれてる奴がいたのか?」
「良いじゃん良いじゃん!こうやって楽に進めるならご厚意に甘えようぜ」
首を傾げるトリガーとMRトリガーダークにゴーダが楽観的に言う。
【おお、反応を見ると後は1つだけっチュン!】
「なら、その1つを破壊すれば……」
「センタータワーへいよいよ突入と言う訳だな」
セッちゃんの報告にV3とホロウはやる気を見せる。
「よし!この団地を抜けて行くぞ」
1号の号令の元、全員が進む中、Wは手にあるナスカブレードを見る。
「……まさかな……」
ーぎゃおおおおおおん!!!!ー
直後、響き渡った咆哮に誰もが見上げる。
そこには見覚えのある青い怪物が飛んでいた。
「テラードラゴン!!」
「復活したのか!?」
「奴は他のと違いあるドーパントが生み出した存在だ。ドーパントが健在な限り、出現し続けるんだ」
「どうやらその飼い主が来たみたいだぜ」
自分達を見下ろしているテラードラゴンに驚くウィスプとホロウにW(フィリップ)が教えた所でW(翔太郎)が前を見て言う。
そこにいたのは、マント付きの巨大な仮面を帽子のように被った古代の王を思わせる姿のドーパントであった。
次回、第62の章:恐怖の王を打ち砕け
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第62の章:恐怖の王を打ち砕け
ゆっくり魔理沙「なぜ1カ月も遅れた?」
天龍「げ、ゲームなど色々とやってました」
ゆっくり霊夢「よし、死ぬがよい」
天龍「あーーーーーーーーー!?」
カズマ「更新が遅れてすいませんでしたm(_ _;)m」
「テラー・ドーパント……!」
「あいつがあの怪物の飼い主って訳か」
ドーパントを見たW(翔太郎)の言った事にMRトリガーダークは呟く。
誰もが身構える中で西条は震えそうになる腕を抑える。
(道中で聞いていたが……恐怖の記憶の名はホントに伊達じゃないな。あのデジモンヤミー以上の恐怖が来る)
なりふり構わず逃げてしまいそうになる恐怖。
一度テラーアロモンの精神干渉を受けた西条は恐怖を知ったつもりでいた自分に毒づく。
(ホントこれ以上の恐怖があるのかと言う位の恐怖だ。考えていないと逃げ出してしまいそうだ)
本来、テラー・ドーパントは恐怖のエネルギーである黒い精神干渉波、テラークラウドを用い、周囲にどす黒い粘液状の精神干渉空間、テラーフィールドを発生させて接触した者や能力を視認した者の心身にダメージを与える。
だが、コアエナジーを過剰摂取されているからか、いるだけでこの場にいる者達に恐怖を与える。
そう、
「な、なんで体が、震えちゃう!」
「ぬ、ぬぅ、この我が、恐怖しているだと……!?」
「その場にいるだけで恐怖を撒き散らすとは……!」
段々と誰もがテラー・ドーパントのテラークラウドので後ずさる中、影響を受けていないのはWとティガ、ジオウ、ディケイド、RX、1号、ディエンドの7人だけであった。
「どうやらマトモに戦えるのは我々だけの様だな」
「なら、ティガとあんたは今にも変貌しているテラードラゴンを頼む」
「あ、やっぱ気のせいじゃなかったんだ」
ディケイドの言葉にジオウは見上げる。
上空を飛んでいたテラードラゴンは全身を光らせながら咆哮すると全身が光りに包まれ……
ズズーン!!
「おおお!?」
光りに包まれたテラードラゴンが地面に勢い良く着陸しておきた地響きと土煙に誰もが吹き飛ばされる。
ーギャオオオオオオン!!ー
光りから現れたテラードラゴンは牛とも羊とも見えない獣を象った陶器のような青い顔面から一転してその名の通りに良く話に出る龍の顔付きに変わり、ライオンのような四肢はガッチリとした二足歩行となり、尻尾も太くなって力強さを示す様に地面へと叩きつけて大きい音を響かせる。
「怪獣サイズになったよ!」
「あわわわ退避ゼンカーイ!!」
「行くぞティガ!」
「タッ!!」
慌てて退避するゼンカイザー達を後目に1号とティガは飛び上がって巨大化して変貌したテラードラゴンと対峙する。
「ネオテラードラゴンとも言うべきか……RX、僕のとっておきのお宝を使って君も参戦したまえ」
【カメンライド!!】
「え?」
パワーアップしたテラードラゴン、ネオテラードラゴンと取っ組み合う1号とティガを見てからRXへとそう言ったディエンドは戸惑ってるRXを後目にディエンドライバーにカードをセットして引き金を引く。
【J!!】
「行きたまえ!仮面ライダーJ!!」
放たれた銃弾は大きくなり、ディエンドの背後に飛ぶと巨大な緑の仮面ライダー、仮面ライダーJジャンボフォーメーションに変化する。
【ファイナルフォームライド!】
「痛みは一瞬だ」
「まさか士にやったあれを俺に?」
思わず振り向こうとするRXを前を向くと強制的に前をみつえさせてからディエンドはその背中に続けざまにカードを装填したディエンドライバーの銃口を向け……
【ブ・ブ・ブ・ブラック!アールエックス!!】
「うわっ!?」
引き金を引くと撃ち抜かれたRXはその体を超絶変形させ、現れた装甲に包まれると自身のベルト、サンライザーを巨大化させたのに変わると仮面ライダーJの腰に装着し、その姿を仮面ライダーBLACKRX・ジャンボーフォーメーションへと変える。
「新しく出て来た仮面ライダーがRXになった!?」
【と言うかベルトにも超絶変形させられるのか!?】
驚きの声をあげるウィスプと心眼を知らず、RXもティガと1号と共にネオテラードラゴンの放つ火炎弾を避けながら接近する。
【ウルトラマン!ウルトラマンエックス!ウルトラマンオーブ!!】
【トリニティフュージョン!!】
「シェア!」
「イーサッ!」
「デュア!」
【ウルトラマンティガ!トライブ!!】
その途中でティガはティガトライブとなると剣となった真オーブリングネオを構えてネオテラードラゴンの胴体を一閃を叩き込んだ所に、返しとばかりに振るわれた尻尾がどてっぱらに炸裂して吹き飛ぶ。
「ダァッ!?」
倒れるティガトライブにネオテラードラゴンは火炎弾を吐こうとして1号に顎を蹴り上げられて中断させられた所にRXがライダーチョップを横水平に連続で叩き込む。
その下ではディエンドの援護射撃を背にジオウ、W、ディケイドがテラー・ドーパントと交戦していた。
テラー・ドーパントは衝撃波を飛ばして来るのを避けながらジオウとWはケリを叩きこみ、そこにディケイドがライドブッカーで切りかかると受け止められ、投げ飛ばされる。
「ぐっ!だったらこれだな」
地面を転がった後にディケイドはケータッチを取り出してコンプリートカードを入れるとライダークレストをタッチして行く。
【ダブル!オーズ!フォーゼ!ウィザード!鎧武!ドライブ!ゴースト!エグゼイド!ビルド!ジオウ!】
最後にジオウのライダークレストの下にある自分のライダークレストをタッチする。
【ファイナルカメンライド!ディケイド!!】
流れる音声の後にディケイドの額部分に現れたカードが装着されるとディケイドの姿は変化していく。
マゼンタから銀色へと変わり、スーツの肩から胸にかけてヒストリーオーナメントが装着され、その中に10枚のライダーカードが配置され、額に今のディケイドの顔が描かれる。
ライダーカードは中央がジオウで向かって左からW、オーズ、フォーゼ、ウィザードとなり、ジオウの右側はビルド、エグゼイド、ゴースト、ドライブ、鎧武となっている。
仮面ライダーディケイドセカンドコンプリートフォームへと変身完了するとディケイドはケータッチをバックル部分に装着し、元々あったバックルを右腰に移動させる。
「なんだありゃあ!?」
「額と胸にライダーのカードが付いた姿?」
「確かあれってコンプリートフォームか!」
「コンプリートフォーム……成程、じゃからライダーのカードが……」
驚きの声をあげるホロウと西条の後に唯一知っているウィスプが声を上げる中、ディケイドはケータッチのゴーストのライダークレストを触れてから右上のFのボタンに触れる。
【ゴースト!カメンライド!ムゲン!】
音声の後にディケイドの胸のライダーカードが一斉に回転し、その絵柄を1つにするとディケイドの隣に仮面ライダーゴーストムゲン魂が出現する。
「あれって、見た目的にゴーストか!?」
【見るからに最終形態と言うべきだろうか……】
それを見たウィスプが声をあげ、心眼が考察する中でディケイドは右腰に移動したバックルにカードをセットする。
【ファイナルアタックライド!ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!!】
音声の後にライドブッカーソードモードを構えたディケイドに連動する様に幻影ゴーストもガンガンセイバー・ナギナタモードを構えてエネルギーを収束し……
「はっ!!」
【ヨロコビストリーム!!】
同時に振るうと黄色い半月状の衝撃波が飛び、Wとジオウを吹き飛ばしたテラー・ドーパントに炸裂して火花を散らして後ずさらせる。
「次だ」
【オーズ!カメンライド!スーパータトバ!!】
幻影ゴーストが消えた後に続けざまにディケイドは今度はオーズのライダークレストに触れるとオーズがスーパータカメダル、スーパートラメダル、スーパーバッタメダルを使った強化コンボ、仮面ライダーオーズ・スーパータトバコンボが姿を現す。
【ファイナルアタックライド!オ・オ・オ・オーズ!!】
連続でカードをセットして響き渡る音声の後にディケイドは幻影オーズと共に飛び上がると幻影オーズは背中に赤い翼を出現させて、同時に跳び蹴りをテラー・ドーパントに炸裂し、テラー・ドーパントは火花を散らしながら地面を転がる。
段々と勢いを増したライダー達にテラー・ドーパントとネオテラードラゴンは押されて行く。
「とお!!ライダーチョップ!!」
ネオテラードラゴンの火炎弾を飛び上がって避けた後に1号がその顔面に急降下した勢いを乗せたチョップを叩き込む。
ーギャオオオオオオン!?ー
「リボルケイン!!」
怯んだネオテラードラゴンをみつえ、RXはサンライザーから必殺武器、リボルケインを生成し、引き抜くとその切っ先をネオテラードラゴンへ向けて飛び上がり……
「トアッ!!」
その胴体にリボルケインを突き刺す。
トドメとばかりにティガトライブもティガカリバーを取り出して真オーブリングネオの輪っか部分に刀身を差し込む。
【解き放て!超古代の光を!!】
響き渡る音声の後、ティガカリバーのリング部分を高速回転させトリガーを引き、中央のリングの中にある炎、氷、岩、嵐、ティガの胸を模した紋章が輝きを発した後に刀身が虹色に輝き出し、ティガドライブは光り輝くティガカリバーを振るった後……
「タアッ!!!」
前に突き出すと共に虹色の光線が放たれ、RXがリボルケインを抜くと同時に引いた後に光線はネオテラードラゴンに炸裂する。
ーギャオオオオオオオオオ!!?ー
ドガーーーン!!
全身を火花を散らしながらネオテラードラゴンは爆発四散する。
「あっちも決めたし、そろそろこっちも決めるか」
「ああ、っておい、なんで後ろに回るんだ?」
「成程、そう言う事かい」
撃破している所を見てそう言うディケイドのに同意してから自分の後ろに回ったのにW(翔太郎)が疑問に思う中でW(フィリップ)は納得すると……
【ファイナルフォームライド!ダ・ダ・ダ・ダブル!!】
「ちょっとくすぐったいぞ」
カードをバックルに装填してからそう言ってディケイドはWの背中に手を翳して開く様に動かすと……Wの体が真ん中から分断された後に、2人のWとなる。
【サイクロン!サイクロン!!】
【ジョーカー!ジョーカー!!】
「こういう事か!」
「行くぞお前等」
「ああ、いつでもだね」
だなとそれぞれWJとWCはディケイドと共に飛び上がり、ディケイドはカードを装填して必殺技を発動する。
【ファイナルアタックライド!ダ・ダ・ダ・ダブル!!】
「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」」
ディケイドはカードのレールを通り抜け、WJとWCは風を纏ってテラー・ドーパントへと必殺キックを叩き込む。
ドカァァァァァァァァン!!!
爆発を背にディケイドと元に戻ったWが着地する。
「!今まで感じていた怖さが消えた!」
「ぬぅ、まだまだ精進が必要であるな……」
「良かった……」
テラー・ドーパントが倒された事でテラークラウドの干渉から解放されたウィスプ達を見ながらW(翔太郎)は物思いに更けている相棒に声をかける。
「……大丈夫かフィリップ?」
「……あれが、父さんじゃないとは分かっている……分かってはいるんだけど……今度は自分で倒したのが、こんなに心に来るとはね……」
沈痛な思いで呟かれたW(フィリップ)のにW……翔太郎は目を閉じてからセンタータワーを見る。
「……ゼウスの罪は、死んだ人達への冒涜だけじゃねぇ……生きてる人間の思い出も踏み躙りやがった事だ。だからこの借りは戦いで晴らそうぜ」
励ましてくれた相棒にそうだね……とW(フィリップ)は頷く。
「前に進もう、翔太郎。父さんも前に進めって言うだろうしね」
ああと力強く答えた相棒のを聞きながらセンタータワーを見る。
次回、第63の章:センタータワーへの突入前哨戦
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第63の章:センタータワーへの突入前哨戦
最後のバリア発生装置を破壊したウィスプ達はバリアのあった方へと進んでいると荒野に似つかわしい巨大なゲートを見つける。
「こんな荒野に、あんな門があるなんて……」
「ふむ……見るからにセンタータワーへ物資を運ぶ為の搬入口の様だな」
「それじゃああの門を通ればセンタータワーに入れるって訳っスね!!」
驚きの声を漏らすオーズの隣で1号は位置を見てそう言い、ウィスプは早速行こうとしてホロウに止められる。
「待て横島。あんな目立つ搬入口だぞ。何か罠を仕掛けられていてもおかしくねえぞ」
「そうなると、慎重に敵の様子を見ながら進むべき、かな?」
「いや、ここから見えるセンタータワーの感じを見るからにコアエナジーの備蓄が完了しているかもしれん……集めたコアエナジーを過剰摂取させる工程がされるまで猶予がないじゃろう」
センタータワーを見て目を鋭くさせるカオスのになら決まったなとW(翔太郎)はゲートを守っているガーディアンやマスカレイド・ドーパントの集団を見て言う。
「強行突破だ!行くぜ皆!」
「タア!!」
号令と共に全員が走り、防衛部隊を撃滅して突入する。
が……
【あーこれ、セキュリティレベル関係ないロックチュン】
中にあったゲートを前にセッちゃんが真っ先に述べる。
「えー!?じゃあどうやってこれを開けるの!?」
【えっと、どうやらこの端末にあるボタンを含めた6つのボタンを同時に押さないとこの扉は開かないっチュン】
驚いた後に問うゼンカイザーのにセッちゃんはゲートの左横にあった端末に泊まりながら解説してからただ……と続ける。
【このボタン以外の5つの端末は、森林、湿地、砂漠、港湾、市街地と各セクターに散らばってるチュン】
「えぇ……凄くめんどくさい仕様」
「防犯対策にしては範囲が広すぎッス」
告げられた事にゼンカイガオーンとゼンカイマジーヌはげんなりする。
「しかしそうなると、こんなにメンバーがいるなら複数で分かれてやった方が良いな」
「だね。ボクとドクターカオス、ウヴァさんにニック達とセッちゃんを除けばW、映司さん、横島君、陰念君、門矢さん、小野寺さん、ソウゴ君、ゲイツ君、ウォズ君、ティガ、或人君、ゼンカイジャーの6人、ケンゴ君、海東さん、ゴーダ、ダーゴン、ゾックス君、フリントちゃん、イグニス君、不破君、本郷さん、風見さん、光太郎さん、五代さん、津上さんの30人か……」
「ならセッちゃんと西条さんとカオスさんにウヴァと動物達と一緒に5人はここに残って後の各セクターに5人ずつで手分けして行けばいいね」
W(翔太郎)のに西条が見渡して確認し、オーズがそう提案する。
同時に押す為にゼンカイジャーの面々を各チームに1人ずつ分かれて話し合った結果、組み合わせはこうなった。
搬入口前:オーズ、ゼンカイレッド、アギト、ウィスプ、V3
森林:W、ホロウ、ゼンカイザー、バルカン、トリガーダーク
湿地:ディケイド、ゲイツ、ゼンカイジュラン、ティガ、ツーカイザー
砂漠:ジオウ、ゼンカイブルーン、ツーカイフリント、ウォズ、小野寺クウガ
港湾:ゼロワン、トリガー、ゼンカイガオーン、RX、ゴーダ
市街地:1号、ゼンカイマジーヌ、ダーゴン、五代クウガ、ディエンド
決まったので早速ディケイドとディエンドが世界の壁でそれぞれのセクターへ道を繋げる。
「それじゃあセッちゃん。ゼンカイジャーの皆に君のナビゲートで詳しい場所を教えてくれるかな?」
【了解っチュン!皆気を付けるんチュン!】
「OK!ようし案内全開!!」
早速5組はそれぞれのセクターへと向かう。
手持無沙汰になったウィスプはそうだとあんまり会話をしていなかったアギトとV3に話を振る。
「あの、津上さんと風見さんはどうして仮面ライダーになったんですか?」
「俺が仮面ライダーになった切っ掛け?……俺が仮面ライダーを名乗る切っ掛けは士が言ってたからなのもあるけど、変身する切っ掛けは偶然かな……」
「俺の場合は、当初は家族を……父と母と妹を奪った当時対峙した組織に復讐する為に本郷先輩と一文字さんにお願いしたがその時の俺の事を考えて拒否られたんだが、ちょいと先輩達を助ける為に無茶をして死にかけた所を2人の手で仮面ライダーにして貰う事で命を拾ったんだ」
話を振った結果告げられた事、特にV3のにウィスプは言葉を失くす。
【……津上よ、偶然と言ったがどう言った経緯だったんだ?】
「当時、俺の姉さんが突然自殺したと聞かされてさ、その死に疑問を感じて姉さんの恋人だった人に本当の話を聞きたくて船に乗っていたら怪人に襲われて、その時にある人に俺の中にあったアギトの力を引き出されてアギトに変身出来る様になったんだ。その後は俺、海に落とされて、暫く記憶喪失になっちゃったんだよね……」
(こっちもこっちで重かった!!)
気になったので問う心眼に答えたアギトのにウィスプは内心おっふ!?となる。
「あ、横島君は気にしなくていいんだよ!今は記憶を取り戻してるからね!!」
「そうだぞ若者!顔を伏せるよりも前を見て一気に進め!それが若者の特権だからな!」
そんなウィスプにアギトはフォローし、V3はウィスプの背中をバンバン叩く。
その勢いにウィスプはごっふ!?と息を吐き出す。
その光景にオーズや西条達は楽し気に見つめて、ゼンカイレッドは呆れていると……全員の体にのしかかる様な感覚が起きる。
「ぐあっ!?」
「「「っ!?」」」
「ぬっ!?」
誰もがその感覚にまさかと思った後に自分達が入って来た方を見る。
音を立てながらオーズによって倒された恐竜グリードが歩いて来るのが目に入る。
ただ、その顔はタコの様に変貌し、8本のタコ足を揺らめかせていた。
「ぬ、ヌル!?どうして奴が!?」
「横島、こいつが復活して変な姿になっている理由は分かり切っているだろう」
「邪眼が蘇らせた!つまり、まだ邪眼は生きている!?」
驚きの声を上げるウィスプにV3はそう返し、アギトは構えながら恐竜グリード変異体を見ると恐竜グリード変異体は言葉になってない雄たけびを上げるとタコ足から炎や雷、氷、水、風などで出来た複数の球を放つ。
それにウィスプ達は慌てて避けて、西条達は物陰に隠れる。
【あ”あ”!?端末を壊されたらダメっチュン!壊されたらゲートを開けられなくなるチュン!!】
「!?だったら!」
慌てて叫ぶセッちゃんのにアギトは端末の前に立つとベルトの両腰を強く叩くと右側に赤く、左側が青く点灯するとアギトの両腕が変化する。
右側は右肩の突起がグランドフォームのよりさらに隆起しており、全体的に赤くなっており、左側は左肩が右肩のと対照的に丸くなっており、全体的に青くなっている。
三位一体の姿、トリニティフォームとなったアギトはフレイムセイバーとストームハルバードを生成すると次々と飛んで来る球を切り払って行く。
「俺が端末を守ります!4人はあの変異体を!」
「分かった!行くぞウィスプ!オーズ!ゼンカイレッド!!」
「は、はい!!」
「分かりました!」
「了解した」
V3の号令にウィスプとアギト、ゼンカイレッドは駆け出す。
そんなメンバーへも恐竜グリード変異体は球を飛ばす。
「トウッ!!」
飛んで来る属性球をV3は飛び上がって避けると回転して天井に足を付けて勢い良く蹴って恐竜グリード変異体へと飛んで行き……
「V3・火柱キック!!」
両足に炎を纏ってキックを叩き込む。
「っ!?何!?」
だが、蹴りが炸裂した個所から氷が迸り、V3を炎事包み込もうとする。
【1バーン!ババン!ババン!ババン!ババン!ババババーン!ゴーレンジャー!!】
「レッドビュート!!」
それにゼンカイレッドがセンタイギアでゴレンジャーの力を開放してアカレンジャーの専用武器のレッドビュートを手にV3を助け出す。
「大丈夫か?」
「サンキュー、あのままだったら氷漬けにさせられていた」
「と言う事は下手な近接攻撃だと自分達が凍り付いちゃうかもしれないって事っスよね;」
「遠距離攻撃で攻めるべきだね」
【キィン!キィン!キィン!!】
【ブレイブタカ!ブレイブクジャク!ブレイブコンドル!タージャードル~!!ブ・レ~イ・ブ~♪】
問うゼンカイレッドにV3は氷を落とす為に足を振りながら礼を述べる中でウィスプは恐竜グリード変異体を見てゾッとする隣でオーズがブレイブタジャドルコンボへとなり、両腕のタジャスピナーから火炎弾を連発し、恐竜グリード変異体を攻撃する。
「オーズに続け!V3サンダー!!」
【カイガン!デカレンジャー!緊急出動!スペシャルポリス!!】
「了解ッス!」
【22バーン!ババン!ババン!ババン!ババン!ババババーン!ギーンガマン!】
「炎の!鬣!!」
続けざまにV3は触覚から電撃、ウィスプはデカレンジャー魂となり、ディーマグナムで追撃、ゼンカイレッドはギンガマンギアでアースを発動する。
恐竜グリード変異体は向かって来るのを球で防いでいく。
「横島君!俺に眼魂を!」
「え?あ、はい!!」
攻撃が飛んでこなくなったのでアギトはフレイムセイバーとストームハルバードを地面に突き刺してからウィスプに呼びかけ、呼びかけられたウィスプは慌てて眼魂を投げ渡す。
投げ渡されたのをアギトは両手で覆って力を送る。
それにより眼魂は赤、黄金、青の光を放った後に左側から赤、黄金、青のトリコロールカラーの眼魂へと変わる。
「横島君、この眼魂に秘めた魂を見せつけてやれ!」
「!はい!」
激励と共に投げ返された眼魂を早速ウィスプはセットしてレバーを引く。
【アーイ!カイガン!アギト!!目覚めし魂!三位一体!!】
現れた赤、黄金、青のトリコロールカラーのパーカーゴーストを身に纏い、アギト魂となったウィスプは体の底から湧き上がる力に驚く。
「な、なんだ凄い、力が、溢れ出て来る!!」
【これはあの姿のアギトの特徴なのか】
驚いている2人だが実際は違う。
これは横島自身にあるタマモの加護とシズクの加護が作用しているのだ。
横島と言う地にタマモの炎、シズクの水が1つとなっている事でアギトトリニティフォームの特徴が合わさり、力を増したのだ
【ダイカイガン!アギト!オメガドライブ!!】
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
出現したフレイムセイバーとストームハルバードを構えると共に炎と水がそれぞれの武器に纏う。
「せいはーーーーーーーー!!!」
恐竜グリード変異体へ接近すると共に炎と水の回転斬りを炸裂させる。
「!!!?」
火花を散らしながらウィスプへとタコ足を伸ばそうとした恐竜グリード変異体に対し、V3がたこ足を蹴り飛ばして行く。
ドカァァァァァァン!!
直後に恐竜グリード変異体は爆発四散する。
「あ、ありがとうございます!風見さん」
「なあに気にしなくていいさ」
礼を言ってからV3は恐竜グリード変異体の爆発した所を見る。
「邪眼……貴様がまだ生きているのならば……絶対にお前の野望を止めてやる」
グッと手を握り締めるV3にウィスプ達も頷く。
【皆~他の皆も着いていつでもOKだそうチュン!】
「分かったよセッちゃん」
そこへセッちゃんが報告し、オーズは早速端末へと向かう。
次回、第21のレポート:アピアランスヒーロー
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第21のレポート:アピアランスヒーロー
ゆっくり霊夢「所で作者」
天龍(代理)「はい」
ゆっくり霊夢「どうしてここまで遅れたのかな?」
天龍(代理)「コラボ先の混沌さんの家事情のとゲームのでなかなか進みませんでした」
ゆっくり魔理沙「良し、逝け」
天龍(代理)「アーーーーーーーーーー!?」
カズマ「ホントに待たせてごめんね;」
―惚れたぜ、その心意気!!―
闇広がる大空の中、響き渡った声に美神は顔を上げる。
そこにはオレンジ色の尾を引いた何かが飛んでおり、そこから何かが飛び出し……
「おおりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ムゲンドラモンの1体の顔面を殴り飛ばす。
殴り飛ばされたムゲンドラモンは他の個体を巻き込んで倒れ込む。
倒れた際の振動で美神達がよろめく中で殴り飛ばした何かは降り立つ。
それは青年で生身であの巨体を殴り飛ばした事に美神達は驚く中でキョウリュウジャーやインペラー達はおぉと声をあげる。
「大!!」
「お前さんも来てたのか喧嘩番長!!」
輝夜やキョウリュウレッドが楽し気に声をかける。
「待たせたな!俺は無敵の喧嘩番長!大門大!」
「その舎弟のアグモン様だ!!」
振り返って名乗り上げた大の肩書に番長!?と美神達は驚く。
「他の皆も来てるぜ!」
見な!と言う声に誰もが大の見ている方へと顔を向ける。
そこには飛翔する2人のセイバー、闘士メビウス、闘士タロウ、闘士エース、カッターウイングと両肩に金色のアーマーを纏ったエクスバース、フライングファルコンとなったゼロワン、頭にプロペラを付けたW、オレンジ色の龍に乗ったゴーオンレッドとガオグリーン、絨毯に乗ったドラメッドとドラえもん、ポセイドンとガムドラモンとオーズとアルゴノゥト、ガルちゃんを抱えたトラちゃんの背に乗ったアズサとペコラ、緋鞠が飛んで来るのが見えた。
「おぉ、知ってる顔がチラホラいるな!」
「ムゲンドラモンまでいやがるのか……」
降り立ったポセイドン(タギル)は楽しそうに声を上げる中でエクスバースは起き上がっているムゲンドラモンを見て呟く。
「美神殿!久しぶりだな!」
「え!?緋鞠!?どうしてここに!?」
久々に会う緋鞠に美神は驚く。
「また新たな奴等か!」
「たかが人間が殴り飛ばしただけで倒せると思うな!」
「へっ、わりぃが俺もな……仮面ライダーなんだよ!」
それを見て苛立ったガラガランダとイカデビルに対し、大はベルトを取り出すと腰に装着し、右手を輝かせ……
「変身!!」
輝いた右手をベルトのバックルに滑らせる。
【トランスエボリューション!】
音声の後に大の周りに0と1で構成されたリングが現れて大を通り抜けるとその姿を変えた。
その姿はバックル部分がデジヴァイスバーストの様になってるベルトを付け、ドラグバイザーがない龍騎だが体のカラーリングがシャイングレイモンで肩の所がシャイングレイモンの翼を模した装甲に変わり、顔は目と口を除き、ツノのないシャイングレイモンの顔を模した仮面を纏った仮面ライダーであった。
「仮面ライダーグレイ!」
「彼も仮面ライダーに!?」
名乗り上げたグレイは右手にオレンジ色の光を纏わせると左手に四角い端末、デジヴァイスバーストを取り出す。
「行くぜアグモン!」
「おう!」
呼びかけにアグモンは飛び出す。
「デジソウルチャージ!オーバードライブ!!」
輝く右手をデジヴァイスバーストの上に翳した後にアグモンに向けてデジヴァイスバーストを突き出すと画面から光りが放出されてアグモンに当たる。
「アグモン進化!」
咆哮と共にアグモンを包み込んだ光は巨大化し、ムゲンドラモンと大差ない大きさまで膨れ上がると光の中でアグモンは姿を変えていた。
強靭な体にメカニカルな鎧を纏いし竜人は目を輝かせた後に名を叫ぶ。
「シャイングレイモン!!」
「うそ!?」
「大きくなりました!?」
「みむぅ!?」
「ぷぎぎ!!」
佇むシャイングレイモンに蛍とおキヌは驚きの声をあげ、チビ達マスコットも興奮する。
「おぉ、凄いですね~お姉さま、私達も出遅れてはいけませんよ!ガルちゃん!」
「グル!」
「だよね。トラちゃん!こっちも行くよ!!」
「グォウ!」
そんなシャイングレイモンを見てペコラは懐からある物を取り出し、賛同したアズサも懐からペコラが取り出したのと同じのを取り出す。
「デジヴァイス!?って太一さん達のに似てるけど微妙に違う?」
2人が取り出したのを見て驚きの声をあげるエクスバースに見られながらアズサとペコラはデジヴァイス:を翳すとデジヴァイス:の画面の周りが輝きだす。
アズサのは赤く輝いて画面に火の文字が、ペコラのは白く輝いて画面に光の文字が現れるとガルちゃんとトラちゃんへと力を与える。
「ヴリトラモン!」
「ガルムモン!」
「「究極進化!!」」
咆哮をあげると共に2体の姿は変わる。
トラちゃんは二足歩行から四足歩行の強靭なる翼を携えた龍。
ガルちゃんは四足歩行から二足歩行の二本の大剣を携えた人狼。
「エンシェントグレイモン!!」
「エンシェントガルルモン!!」
「どっしぇぇ……伝説の十闘士に進化しちまった」
「タギル!俺達も負けてられないぜ!」
シャイングレイモンと並び立つ2体に驚きの声をあげたポセイドン(タギル)はガムドラモンにそうだなと返してクロスローダーを構える。
「ガムドラモン!超進化!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
クロスローダーを放出された光を浴びたガムドラモンは咆哮をあげてその姿を変えて行き、強靭な体を持つ竜人となる。
「超進化!アレスタードラモン!!」
「紫の龍も進化した!?」
「けど、他のより小さいわね。私達より少し大きめだけど」
「まだまだ!ここからだぜ!」
着地するアレスタードラモンに蛍が驚き、瑠璃が呟く中でポセイドン(タギル)が叫ぶとアレスタードラモンの尻尾に緊箍児が現れる。
「いっけぇぇ!!」
クロスローダーをアレスタードラモンに向けると画面から光が放出される。
クロスローダーから放出された光を浴びたアレスタードラモンは口が開いて牙は剥き出しとなり、手足からは金色の鱗が生えて爪も鋭くなり、胸には金の宝珠が現れ、尻尾のテイルアンカーと翼は金色となってさらに巨大化した姿へとなる。
「アレスタードラモン!スペリオルモード!!」
「さらに姿を変えた!?」
驚きの声をあげた美神は続けざまに行われた事に驚く。
「仮面ライダーポセイドン!」
【おう!】
「アレスタードラモン・スペリオルモード!!」
「おう!」
2人の名を叫ぶと同時にクロスローダーの画面にアレスタードラモンの顔と3つのメダルの絵柄が重なる。
「ライダー!デジクロス!!」
叫ぶと共に3人は光に包まれる。
その中でポセイドンの顔の形状がアレスタードラモン・スペリオルモードの顔の形状と似た感じに変化し、首に黄色のスカーフを巻き、肩がアレスタードラモン・スペリオルモードの翼を模したアーマーに変化し、腕にアレスタードラモンのグローブを模した籠手『アレスタードパンツァー』を装備して、胸のマークがアレスタードラモン・スペリオルモードの顔へとなっていた。
「【【クロスアップ!仮面ライダー
「仮面ライダーが合体、いえ融合した!?」
【アタックライド!!】
予想もしていなかった事に驚く中で音声が響き渡る。
その音声が自分の近くで聞こえたのでクローズがなんだ?と思って顔を向けるとその胸に銃身が付きつけられる。
それを突き付けたのが何時の間にか現れたディエンドで、突然のにクローズはえ、は?と呆気に取られ……
「アーユーレディ?」
「ダメです!!!」
【ユニゾン!!】
問われた事に思わずクローズが叫んだ後にトリガーは引かれ、放たれた奴の衝撃でクローズは吹き飛び、吹き飛ばされた先にいたビルドとぶつかり……1人の仮面ライダーとなる。
【ラビット!ドラゴン!ビーザーワン! クローズビルド!イェイ! イェェーイ!】
響き渡る音声の中、赤と金のビルドのウサギ部分と紺と銀色のクローズの二つの外見を併せ持ち、腰から下半身にかけてコートの裾の様なローブを靡かせた姿、仮面ライダークローズビルドは自分の両腕を見てから顔を触り……
「「また合体しちゃった!?」」
「「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」」」
驚きの声をあげるクローズビルドに美神達も驚きの声をあげる中でそれをやったディエンドは満足気にディエンドライバーを回す。
「ディエンドさん!?」
「やぁ、青狸君」
「その言い回し、吾輩達が知るディエンドで間違いないようであ~る;」
狸じゃない!猫型ロボット!!とディエンドのに怒鳴り修正するドラえもんのを横で聞きながらドラメッドは呆れながら呟く。
「ちなみに僕以外にも来てるよ」
見たまえと言うディエンドの言葉に彼が指さす方を美神達は見る。
赤い獅子、青い狼、黒い牛、桃色の鷲、黄緑のカメレオン、黄色い梶木を模した6機の戦闘機が空を飛んで来ており、別方向から赤の戦闘機、青のレシプロ機、黄色のローター飛行機が、地上を赤と緑とピンクのパトカーが走って来ていた。
あれは一体と美神が思っているとパトカーが通り過ぎるとくえすがロッソ、ブル、グリージョ、リバイ、バイス、ライブ、Rジャンヌと共に降り立つ。
「くえす!?一緒にいるのって!」
「話したい事は山ほどありますが、遠くでも感じていましたが、とんでもない存在が出て来てますわね」
驚く美神にそう返しながら近づいて来たくえすはインフェリオスを睨みながら苦々しい顔で自分の手を見る。
「しかも力が全く出せない状況。全く、とんでもない事が起こり過ぎですわ」
愚痴るくえすにホントにそれには同意と美神は頷いた時だった。
「ハッハッハッハッハッ!」
高笑いが響き渡る。
今度は何と美神は思っていると雅な音楽が聞こえだす。
「やあやあやあ、祭りだ祭りだ~!」
その声と共に踊り舞う天女達に先導される筋骨隆々の屈強な男達が担ぐ豪華な神輿の上に乗せられたバイクに跨る赤い戦士が現れる。
「袖振り合うも他生の縁、躓く石も縁の端くれ!共に踊れば繋がる縁!この世は楽園!悩みなんざ吹っ飛ばせ!笑え笑え!ハーハッハッハッハ!!」
楽し気に笑う赤い戦士にまたとんでもないのが来たと美神は頭が痛くなる。
「あんた誰だ?」
「ん?今俺を見たな?これでお前とも縁が出来た!」
声をかけたグレイに赤い戦士は疑問に答えずにそう言う。
「ちょっと!あんた誰よ!名前位名乗りなさいよ!!」
「名乗りだと?名乗りは苦手なのだが……良いだろう!特別に名乗ってやろう!」
突っかかる美神に赤い戦士はやれやれと言いたげな感じにバイクから飛び降りて名乗り上げる。
「桃から生まれた、ドンモモタロウ!!」
よっ!日本一!
ポーズを取って見得を張る赤い戦士、ドンモモタロウの名乗りに声が響き渡る。
「え、スーパー戦隊には童話の主人公を模した奴もいるの?」
「色々といるよ。童話以外にも様々なモノをモチーフとした者はね」
「止めて、なんかもう、頭パンクしそう」
「まぁ~~~カッコいいわね~」
名乗りを聞いて驚いて問う蛍に白ウォズはそう返し、流石の冥華も頭が痛くなりまくって呻き、冥子は逆に目を輝かせて拍手する。
【嗚呼、喜劇!なんて喜劇!!次々と現れる英雄達!ならば私、アルゴノゥトも『英雄の船』として笛を吹き、帆を張って、多くの希望を連れ立つ
そんなドンモモタロウに感化された様に高い場所へと何時の間にか昇っていたアルゴノゥトが高らかに叫ぶと共に彼の周囲が輝きだす。
「あの青年、まさか英霊!?」
「アルゴノゥト……それに英雄の船、まさか、アルゴ―船?」
美神とくえすが驚く中、アルゴノゥトは高らかに言葉を紡ぐ。
【さぁ来るぞ来るぞ!『
【カメンライド!ディケイド!!】
【ターンアップ!】
ブゥゥゥゥゥン!!
【コンプリート】
キィィィィン!!
【ソードフォーム!】
【ハリケーン!プリーズ!フー!フー!フーフー、フーフー!】
【オレンジアームズ!花道、オンステージ!!】
【カイガン!オレ!レッツゴー!覚悟!ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!!】
【鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イエーイ!!】
強くなった光の中から11人の人影が現れ、光が晴れると共に、ディケイド、ブレイド、アギト、ファイズ、響鬼、電王、ウィザード、鎧武、ゴースト、ビルドに仮面ライダーとは違うメカニカルな存在が立っていた。
「ここは一体?と言うか何時の間にデスティニーを纏っているんだ俺?」
「シン、どうやら俺達は誰かに導かれて来たみたいだな」
「ならば俺達のやるべき事は変わらないな」
「へ、いつも通りだねヒイロよぉ」
「やろうアセム。目の前の奴等は、倒すべき存在だ」
「ああ、あのデカい奴はほっておけない奴だな父さん」
「最初からクライマックスって事か!」
「巧さん達がいる……なら僕もやるべき事は決まった!」
「やる気満々だな。ま、俺も同じだけどな!」
「蛍や美神さん達がいる。そうか、またこの世界に来たんだな俺」
「行きましょう!横島さん!」
当たりを見渡し戸惑うシンと呼ばれた存在に声をかけてからアギトはインフェリオスをみつえ、ウィザードはウィザードソードガンを構え、もう1人のゴーストはその様子に肩を竦め、気合を入れるもう1人のビルドを父と呼んだ鎧武は無双セイバーと大橙丸を構え、もう1人のファイズはファイズを見てグッと手を握り締め、電王もデンガッシャーをソードモードにし、響鬼は音撃棒烈火を取る中、ディケイドは蛍や美神達を見て懐かしそうに呟き、ブレイドの言葉にああと返す。
「あのディケイドとブレイド……別の世界の横島とルージ君?」
「役者は揃った様だな!!さあ、楽しもうぜ!勝負勝負!!」
並び立っている戦士の中でディケイドとブレイドを見て蛍は驚きの声を漏らす中、ドンモモタロウの言葉を皮切りに戦士達は闇の軍勢との戦いを再開する。
第63の章:センタータワーへの突入
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