ヘスティアファミリアが英雄の集まる魔窟なのは間違っているだろうか~番外編~ (red knight)
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なぜベルは3歳で旅をすることになったのか

ある方から外伝的なモノもあったらいいなと言われて書いてみました。
本編以上に超不定期ですのでその事を踏まえた上で読んでいただけるとありがたいです。


side ベル

 

これは僕が3歳の頃、エミヤと旅に出る前日の話です。

 

 

 

 

 

 

 

 

side エミヤ

 

さて………これは数日前の事だ。

ある神がアルフィアとザルドを訪ねてきたときの事だった。

 

 

 

「紅茶だ。」

「ありがとなエミヤ。」

「………」

「感謝する。ところでアルフィア、ザルド。この男はゼウスかヘラの新たな眷属なのか?」

「アイツは違う。実力は私達と同等だが冒険者という訳ではない。」

「そうだな。強いて言うならベルの世話係って言ったところか。」

「ベル?………あ~メーテリアの残したお前たちの大事な愛しい仔か。」

そんな会話を続けている3人に対し私はそっと離れベルが眠る部屋にやって来た。

 

 

 

「ベル、まだ寝てないのか?」

「うん………エミヤ、お話ししてほしい………」

「そうか………なら正義の味方になろうとした男の話をしようか。」

ベルを寝かしつけるために私は………私の過去の話を少し脚色を加えて話をした。

 

 

 

それは………正義の味方に憧れた一人の少年の物語………

 

………自らの理想のために突き進み………そして少年は青年になり………理想を現実に変えた………正義の味方になった………

 

だが、その果てにたどり着いたのは………虚しい死だった………

 

だから青年は………その選択をした己を消すため………過去へ飛び………過去の自分を消すことを選ぶ………

 

その選択は………青年に一つの可能性の道筋を見せた………

 

それは………青年(じぶん)が選んだ道は一つではなかったという事………

 

それは………青年(じぶん)の可能性は無限にあるという事………

 

それは………青年(じぶん)は答えを見つけた事………

 

だから青年(じぶん)は胸を張って言える………

 

………青年(じぶん)は………間違ってはいなかったと………

 

 

すぅ~………すぅ~………

「寝てしまったか………いい夢を見れると良いなベル。」

そう言って私はベルが起きないよう静かに部屋を去る。

 

 

外に出るとアルフィアとザルドは神妙な面持ちで星を眺めていた。

「エミヤ………もし私達がベルに黙って死にに行くと言ったらどうする?」

「私にお前たちの考えを否定する権利はない。だがベルが望むなら私は全力でお前たちを止めるだろう。」

「そうか………」

「ならエミヤ、お前に頼みたいことがある。」

そう言ってアルフィアとザルドが話したのは………

 

 

翌朝、ベルは愛する義母(アルフィア)伯父(ザルド)がいなくなったことを知り泣き出した。

私と爺さん(ゼウス)がなだめ言い聞かしてもベルは泣き止まなかった。

そして泣くことに疲れ寝ていたベルを見て

「爺さん………ベルに本当の事を話さなくていいのか?」

「ダメじゃ。もしベルがその事を知れば間違いなくベルは二人について行こうとしただろう。」

「だがまだ猶予はある。3年後、オラリオを襲撃し新たな英雄を生み出すための生贄になろうとするエレボスの計画………もし阻止できるなら今ここで阻止できたはずだ。」

「じゃろうな。主はおそらくアルフィアやザルドですら簡単に殺せるじゃろうって。」

「だがそれはベルの意思に反するから私はやらないがな。」

「………」

「そこでだ爺さん。一つ提案がある。」

「何じゃ?」

「私に恩恵(フォルナ)を刻んではくれまいか?」

「何故じゃ?」

「現状オラリオについて聞く限り恩恵(フォルナ)を刻まれた冒険者はその能力を覚醒させている。なら私がオラリオに出向く際恩恵(フォルナ)を刻んでいた方が怪しまれずに済むだろう。それに私はあくまでベルの守護者であって爺さんの眷属ではない。だが眷属になる事で得られる利があるならそれは充分に活用すべきだ。」

「なるほどのぉ。………いいじゃろ。但し恩恵は刻むが常に改宗(コンバージョン)できるようにはしておく。そうすればベルが英雄を目指す時にお主もついて行けるじゃろうって。」

「ベルはアンタの眷属にするんじゃないのか?」

「儂はあの黒竜の一件でもう眷属(こどもたち)が死ぬのは見たくないんじゃ。だからベルが別の神の眷属になった際に主もその神の眷属になった方がいいじゃろう。」

「………一理あるな。ではそのように」

そう言って私は爺さん(ゼウス)の眷属となった。

 

 

だがすぐにこの選択が過ちだと気付いてしまった………

 

 

ベルがあの一件から癒えた頃の出来事だった。

私は爺さん(ゼウス)が毎回覗きをしているという村娘たちの苦情を聞き水辺の近くに罠を仕掛けていた時の事だ。

ある一人の女性が爺さん(ゼウス)について尋ねてきたのだ。

アルフィアの話を聞いていたので彼女が神様だって事は分かっていたので私はあっさりと爺さん(ゼウス)についてすべて話した。

それを聞いて女性のこめかみは怒りで真っ赤に燃え上がっていた。

そしてその女性と一緒に爺さん(ゼウス)を待ち伏せしていた。

そして………

「なっ!?なんじゃこれは!?」

あっさりと爺さん(ゼウス)が罠にかかった。

「久しぶりだなゼウスよ。」

へっ!?ヘラぁぁ!?」(;゚Д゚)

「色々聞いたぞ。貴様!性懲りもなくベルに変なことを吹き込もうとしやがって………」(# ゚Д゚)

「まっ!?待ってヘラ!?とりあえず罠を解いてくれんか!?それと穏便に話し合いで済ませような!?な!?」

「問答無用!」(# ゚Д゚)

その女性=ヘラは爺さん(ゼウス)に飛びかかりそのまま爺さん(ゼウス)にマウントパンチを浴びせ続けた。

その光景を見て私は思わず………

 

 

「これは………もしベルと一緒に住んだら間違いなく悪影響が出そうだ………」(-ω-;)ウーン

 

 

すぐさま私は小屋に戻って

「エミヤ?何してるの?」

「ベル、アルフィアとザルドに会いたくないか?」

「え?お義母さんと伯父さんに会えるの?」

「あぁ。今から二人を探しに旅に出ようと思うのだが………」

「だったらぼくも行く!」

「………旅は色々過酷だぞ。それでも行くのか?」

「行く!」

「そうか………なら善は急げだ。荷造りは済ませたから早速行こうか。」

「………あれ?お祖父ちゃんは?」

「今村娘たちに捕まって説教されている。」

「そうか………なら仕方ないね。」

「そうだな。それじゃ出発だ。」

そう言ってベルを抱きかかえ小屋を後にする。

 

 

その後ヘラは小屋にいるはずのベルがいないことに怒りゼウスを再度リンチしてその後私達を追いかけようと追手を放ち旅先でひどい目にあわされたりした。

ただ言えるのは私は間違いを二つ犯したことだ。

 

 

一つ目は何故爺さん(ゼウス)の眷属になってしまったのか………

 

二つ目は何故ヘラに爺さん(ゼウス)がベルに吹き込んだことを全て話してしまったのか………

 

あ~後悔しても遅いとはまさにこの事だな………

 




ここからベルとエミヤの旅は始まりました。
そしてヘラ&彼女の仲間から追われる逃亡劇の始まりでもあります………(笑)



『ヘスティアファミリアが英雄の集まる魔窟なのは間違っているだろうか』本編においてエミヤがレベル7だった理由↓
爺さん(ゼウス)の眷属になったから
・旅をしている最中に経験値を溜めていたから
・何時でも改宗(コンバージョン)できる状態だったから
この三つが理由です。



基本前半で少し真面目な話をして後半でオチというスタイルで書いていこうと思ってます。
あと文字数は番外編なので本編より短くするようにしています。


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アイズ・ヴァレンシュタイン(9歳)、白兎に会う。

番外編第二弾はベル君とアイズの出会いとそれに関する一騒動です。


side アイズ

 

これは私が9歳の頃、ベル(当時6歳)と初めてあった日の事………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side ベル

 

こんにちは皆さん。僕はベル・クラネルです。

突然ですが僕は今………道に迷っています。

どうしてこうなったかというと………

 

 

2時間前オラリオの町中をエミヤと一緒に歩いていたら………

「なぁお兄さん、ウチのファミリアに入らないか!」

「何言ってんだ!この兄さんは俺が先に目を付けたんだ!」

「かっこいいイケメンは大歓迎よ♪」

エミヤが神様達の勧誘に合いもみくちゃになって知らず知らずのうちにはぐれてしまい結果………

「ここ何処だろう?」

ダイダロス通りに迷い込んでしましました………

 

 

そうこうしているうちに暗くなりもう夕方になってしまった。

僕は心細くなり泣きそうになる。

そんな僕の前に

「ねぇ君、どうかしたの?」

女の子が話しかけてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side アイズ

 

ダンジョンに行った後の帰り道、疲れからフラフラした足取りで辺りを歩いていたら何故かダイダロス通りに来てしまっていた。

それでも私はこの場所から出る道を知っていたのでとりあえず通りを出ようと歩いていたら………

 

 

ヒック!ヒック!( ノД`)シクシク…

小さな白髪の子供が路地の隅で泣いているのを見つけた。

ねぇ君、どうかしたの?

思わず声をかけてしまった。

「エミヤとはぐれちゃった………」

今にも泣きそうな少年に私はなぜだか心擽るモノがあった。

それによく見ると可愛い………

なので………

なら一緒にここを出よう。

 

 

そう言って少年に手を差し伸べる。

「う………うん。ところで君は誰?」

私はアイズ………君は?

「僕はベル。」

これが私とベルの出会い………

 

 

 

 

 

 

 

 

side エミヤ

 

私としたことが………まさか私を改宗(コンバージョン)させようと他の神々が押し寄せてくるとは………

そのお陰でベルとはぐれてしまった………

何という失態か………

 

 

「いや~エミヤ、どうしようもなかったんじゃねぇか?あれだけの数を振り切るのはかなり難しかったし。」

「本当に神様ってすごい執着心でしたね。」

 

 

トリコとコマツのおかげでその神々を上手く撒くことができたんだが………

それはそうとトリコ、ベルは一体どこに?

「ベルの匂いがダイダロス通りの辺りで残ってた。そこから誰かに連れられて通りを出たみたいだ。」

というとその人物がベルを保護してくれたのか?

でその人物は?

「あ~どうやら冒険者だ。しかも………ヘスティアと仲が悪いロキんとこのな。」

何!?

という事はまさかロキもいたのか?

だとしたら………

「いや大丈夫だ。その冒険者一人だけだ。でも匂いを辿るとどうやら行先は『黄昏の館』みたいだ。」

何だろう?いやな予感がする………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side アイズ

 

ベルを連れてホームに戻ったけどリヴェリアやフィンに見つかったら多分怒られる………

ただでさえ勝手にダンジョンに潜ってはいけないって色々言われてたのにそれを破ってモンスターを倒してた事もバレてしまう………

ならバレなきゃいい。

その為にもベルの事は秘密にしておかないと………

だからリヴェリアやフィン、それとガレス………あとロキ………にも注意しながらこっそりとホームの抜け道から私の部屋まで急いでベルを連れて行った。

「あの~アイズ?ここ何処?」

ここは私の部屋。大丈夫。ここなら安全だから。

「エミヤは?」

大丈夫。あとでそのエミヤって冒険者も探して連れてくるから安心して。

「うん。分かった。」

ベルの頷く姿を見て私はなんだかすごく心擽られた。

ベルって兎みたいで可愛い………

「あの~アイズ?何で僕のほっぺを突っつくの?」

モフモフしてるな。

いつまでもこうしていたいな………

 

 

 

 

 

 

 

 

No side

 

エミヤはトリコとコマツ、それと途中で合流したユキチを連れて『黄昏の館』へやって来た。

「ここにベルが………」ゴゴゴゴ

「あの~エミヤさん、少しオーラを抑えましょう。」

殺気駄々洩れのエミヤに対しコマツが注意を促す。

「すまない。どうしてもオラリオに来た当初のこのファミリアの対応を思い出してな。あの時ベルに言い放った一言は私を怒らせるのに十分だったからな。」

そう言ってエミヤは怒りを隠さず

「まぁとりあえずそこの門番に聞いてみようぜ。もしかしたら保護してくれてるかもしれないしさ。」

そう言ってトリコが門番に話しかける。

「なぁ、ここはロキファミリアの本拠地(ホーム)だよな。」

「ん?入団希望者か?」

「いや、俺はすでにファミリアに入ってるんだ。それより今日この屋敷に子供が入っていかなかったか?」

「子供?アイズちゃんか?」

「そう言えばいつの間にか帰って来てたな。」

「なぁそのアイズって子が誰か連れてこなかったか?」

「いや、アイズちゃんだけだったよな?」

「あぁ。」

「本当か!?」

その言葉にエミヤが反応する。

「ん?お前………前にウチの入団を希望してきた子供の保護者か?」

「あ~いたな。あのガキ、冒険者になるにはまだ早いって教えてやったのにまだ冒険者になるの諦めてなかったのか。」

「あんなガキが冒険者に、ましてや我らロキファミリアの門を叩こうとするなど早いって言ってやったよな。」

笑ながら話す門番にエミヤが青筋を立ててトリコも不快感をあらわにする。

「一つ聞く。君達はロキファミリアの最高責任者………つまり団長殿に何て言われて仕事している。」

ユキチの質問に対し

「入団希望者は誰彼構わず通せと言われてるが………明らかにそうじゃない奴は通さないようにしている。」

「大体入団希望者なんて結構多く来るんだ。そんな明らかに論外の奴にフィン様たちのお手を煩わせるなんてできないしな。」

「ほほう。では君達は勝手に判断して断ったと。」

ユキチの目が鋭く光る。

そして………

「エミヤ、トリコ、コマツ。どうやらオラリオのファミリアは私がいた頃の時より怠慢になっているようだ。」

「そのようだなユキチ。ではどうする?」

「ひとまず出直すか?それも幹部がいる時を見計らって」

「でもその幹部の人もこの人達みたいに怠慢な人だったらどうします?」

4人が話し合いをしていると………

うわ~ん!何でこんな服着せようとするのアイズ!

「ベル………すごく似合ってるよ。」

屋敷からドレスを着せられたベルとドレスを持ってベルを追いかけるアイズが出てくる。

それを見てエミヤ達は

「おい門番。なんでベルがいるのか説明してもらおうか?」

「「………」」

「まぁあれだ。とりあえずあのドレス着せられてる子供はウチの子だから連れて帰るから中に入ってもいいか?」

「「………はい。どうぞ………」」

 

 

 

 

 

 

 

 

side アイズ

 

その後、ベルは迎えに来たエミヤ達に連れられて帰っていく。

その際、リヴェリアに全てバレて叱られた………う~私は悪くないもん!

「私達に内緒で子供を勝手に連れてきて、しかも他のファミリアの眷属を連れてくるとは………本当に分かってるのか!?」(# ゚Д゚)

………それにしてもベルは可愛いかった………また一緒に遊びたい………

でも連れ帰る時………

「ロキファミリアの人形姫、君に一つ釘をさしておく。ベルは私達にとって大事な存在だ。ベル自身が嫌がっているわけではないから会う事に関してはべつに構わない。だがベルを危険な目に合わせる事だけはするな。君の噂は聞いているからな。その危うすぎる考え方、心の在り方、そしてその目が見据えているもの。その先にあるのは何もない虚無だ………」

………

「見てきた者が言うんだ。素直に聞くがいい。」

エミヤの忠告があの時私には分からなかった………

 

 

でもベルの周りには私よりも強い人がいっぱいいた。

それこそエミヤやユキチ等頼れる大人がいたので私はベルに頼ってもらったことが無い。

だから私がベルのお姉ちゃんになろうと思った。

でも………

 

 

「なんでアイズちゃんはいつもいつもベルに抱きつくかな?かな?」

「人形姫よ!わが子ウサギは余のものぞ。立場をわきまえよ!」

「ベル君モフモフだ~♪」

「皆様、ベル様から離れてください!」

「こら!?ボクのベルくんから離れろ!」

ベルの周りには何故か女の子が多い気がする………

なんだかムカッとする。

だからベルの隣は私の場所だってあの娘たちに分からせないと………

 

 

「アイズ………だからってデスぺレート構えるのは止めろ!一人で戦争を起こす気か!?」(# ゚Д゚)

またリヴェリアに怒られた………解せない………

 




アイズとベルの出会いはこんな感じです。
最後笑える終わり方にしよう思ったけど何故か修羅場っぽい感じになってしまった………(-ω-;)ウーン


会って連れてかれてそして着せ替え人形にされるベル君………トラウマにならなかっただけでも良かったけどね(笑)


エミヤのアイズに対する警告は割と的を得てると思ってますが当人がその事に気づくのは大分先になるかと思いますね。
早い所本編を進めていきたいですが基本スローペースなのでお待たせして本当に申し訳ございません。(。-人-。) ゴメンネ


番外編次回は2月14日ぐらいに間に合わせるように書いて行こうと思います。
ではまた。


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第一回白兎争奪正妻戦争(笑)

バレンタインに合わせて書いてみました。
とにかくウチのベル君のモテっぷりには感無量です(笑)


バレンタイン………

 

それは年に一度、女性が好きな男性にチョコを送って愛を伝える日………

まぁそう言う意味合いもある………本来は女性がお世話になった男性に日頃の感謝を込めて甘いものを送る習慣らしい………(諸説あります。)

これはそのバレンタインというイベントが一種の戦争みたいな争いごとになってしまうというお話………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘスティアファミリアの厨房

 

厨房の中央に陣取るエミヤとコマツとにゃん太。

その周りには………

「エミヤさん、コマツさん、にゃん太班長、チョコづくりの指導よろしくお願いいたしますなの。」

「「「よろしくお願いいたします!」」」

ナノハとハヤテ、エステルとリリが参加していた。

「それじゃまずはこの板チョコを溶かしましょうかニャ。」

「「「「はい。」」」」

バレンタインの日が近づくとヘスティアファミリアの女性陣(一部の戦闘狂と厨房出禁になっているシャマルを除く)は同ファミリアでも随一の料理人であるエミヤ達3人にチョコづくりの指導を受けているのだ。

そんな女性陣に料理の指導をする三人だがそれぞれ教え方に特徴がある。

例えばコマツの場合は

「溶かしたチョコにこの柑橘類を絞ったジュースを入れて混ぜると香りが際立ち味を引き立てます。」

自身の知識を生かしたアドバイスで誰でも簡単に作れるようレシピを伝授している。

ちなみに彼はこの才能を生かしダンジョン内での食事面を全面サポートできる希少な人材であるためレベル5以上の高ランク冒険者よりも需要が高い。

ゆえに常に引き抜きの話がひっきりなしに出ているが当人も出ていくことは考えていないとの事。

エミヤの場合は

「もう少し混ぜる時に手首にスナップを利かせると全体が良く混ざるぞ。」

少し厳しい口調ながら全員の作業を見てアドバイスするなど全体を見て技術の底上げをしている。

実際ヘスティアファミリアの女性陣(一部の戦闘狂と厨房出禁になっているシャマルを除く)の料理スキルは上がっているのだ。

それでもエミヤ、コマツ、にゃん太、そしてここにはいないがバレンタイン当日ヘスティアファミリアの出店しているレストランで料理を奮っているスタージュンのヘスティアファミリアの料理四天王(ヘスティア命名)には料理で勝てたことはないが………

そしてにゃん太の場合は

「ナノハっちとリリっちはベルっちの好みに合わせた甘味と苦みのバランスが取れた味にしたいのでしたら柑橘類ではなくバニラエキスを一滴程入れるのをおススメしますニャ。」

送る相手の好みや趣向をほぼ把握しているのでそれぞれの作りたい味に合わせた調理の仕方を丁寧に教えてくれるのだ。

ちなみにナノハが何故実家の翠屋でチョコづくりしなかったのかというと………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翠屋オラリオ支店

 

この時期翠屋は冒険者の女性向けの料理教室を開いているので常に多くの女性冒険者が習いに来ているのだ。

その中には………

「チョコって難しい………」

アイズがいた。

彼女もバレンタインに向けてチョコづくりに励んでいたのだがロキファミリアの本拠地『黄昏の館』だとロキがウザいので静かにチョコづくりできる環境を求めて翠屋にやって来たのだ。

ちなみに

「フィン団長への愛………愛………愛………」

「ねぇティオネ、ちょっと怖い。」

「気合入ってますね。」

ティオネとティオナ、レフィーヤ達も参加している。

無論彼女達だけじゃなく

「これは中々難しいわね。」

「アリーゼよ。しゃべる前に手を動かした方がいいのではないか?」

アストレアファミリアのアリーゼと輝夜も参加していた。

無論その中には………

「えーと………リューさんは一体何を作ってるのかな?」

「何ってチョコですが?」

桃子がリューに何を作っているのか指摘していた。

だって彼女のボウルには紫色のおおよそチョコとは思えない物体ができていたのだ。

(これは………シャマルちゃんやビアンキちゃんレベルの問題児かもしれないわね………)

さすがの桃子も悩ますレベルだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミアハファミリアの厨房

 

「ふんふふん♪」

「本当にマリエは手際がいいですわね。」

「うん。それは思う。」

ヘンリエッタとナァーザは厨房でテキパキと調理するマリエールを見て感嘆していた。

その横で同じようにチョコを調理しているセララやカサンドラ。

「カサンドラさんは誰にチョコを送るんですか?」

「私は………その………」

「ええやないの。好きな人に送るんやから。そんな野暮な質問はしたらアカンよセララ。」

何とも嬉しそうに話す3人を見て

「そう言えばナァーザさんはミアハ様に送るんですか。」

「ええ。喜んでもらえるよう頑張って作りました。そういうヘンリエッタさんは?」

「私ですか?そんな予定は………」

ヘンリエッタの頭に思い浮かぶのはメガネをかけたヘスティアファミリア一苦労人な彼………

(私らしくないですね。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バレンタイン当日のヘスティアファミリア本拠地(ホーム)『聖火の窯』リビング

 

ルルとオサムがチェスをしていると

「ルル、相変わらず休日はチェスをしているのか?」

C.C.(シーツー)、普段は部屋でゴロゴロしているお前が珍しいな。」

「たまには体を動かさないとな。それはそうとお前に贈り物だ。」

「ん?」

そう言ってC.C.(シーツー)が梱包された小箱を渡す。

「なんだこれは?」

「いいから開けてみろ。」

C.C.(シーツー)に言われて小箱を開けるルル。

中には………

「ん?ガナッシュか?」

「ああ。この間フィルヴィスに誘われて一緒に作った。いい出来だからお前にも分けてやる。」

「何でC.C.(シーツー)ちゃんは上から目線なのかな?」

オサムが軽くツッコむ。

「そんな事よりルル、良く味わえ。」

そう言ってC.C.(シーツー)が部屋へと戻っていく。

「せっかくだしいただくか。」

そう言ってルルがガナッシュを食べる。

「ふむふむ。悪くは無いな。中々美味いぞ。」

「いいなルルは。僕も素敵な女性にチョコを貰いたいよ。」

「それよりオサム。」

「ん?なんだい?」

王手(チェックメイト)だ。」

知らぬ間にルルが駒を進めていた。

「ありゃりゃ。」

一方扉の向こうでC.C.(シーツー)が小さくガッツポーズしてた。

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻『聖火の窯』執務室

 

「大丈夫かシロエ。なんかぐったりしてないか?」

直継がシロエをいたわる。

「何でもないよ。それより直継も大丈夫だったかい?だってマリエさんにチョコ貰ったんでしょ。」

「ああ。お陰でオラリオ中のエルフの男たちに襲われまくったわ。」

(リヴェリアさんはオラリオ中のエルフから敬意を持たれてるけどマリエさんはどちらかというとエルフの女性から頼りにされたり男性からは憧れの対象になってるからな………)

シロエと直継がそんなやり取りをしている傍では

「アツシ、これ作ってみた。」

「ありがとう鏡花ちゃん。」

アツシが鏡花からチョコを貰っていた。

「そう言えば鏡花ちゃん、誰からチョコの作り方教わったの?」

「………紅葉が教えてくれた。それとアツシ、これ紅葉から」

鏡花から手紙を渡されるアツシ。

手紙を読むと

『鏡花のチョコを大事に食べないと………どうなるか分かっておるじゃろ♪』

アツシは背中に寒気を感じたそうです。

すると

バタン!

「はぁはぁ………」(;゚Д゚)

ツナが慌てた様子で中に入ってきた。

「ツナ君、どうかしたの?」

「シロエさん、直継さん、とりあえず屋敷内は安全ですよね?」

「そりゃ大丈夫だろうぜ。本当にどうした?」

「実は外に出ようとしたら門の前に………」

ツナが門の方を指さす。

窓越しで門の方を見るシロエ達。

そこには………

 

 

「クスクスクス。あの方はいつになったら出てくるのかしら。」

鬼人族の女の子が門の前でまるで獲物を狙う狩人のような目で屋敷を見ていた。

 

 

「「あ~ディアケンヒトの過激派チームの『破壊王(デストロイヤー)』か。」」

「大丈夫ツナ君?」

「何で俺、あの子に好かれてしまったんだろう………」

「「「「………どんまい。」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オラリオメインストリートにある喫茶店

 

街を歩いていたベルとヴェルフは休憩がてら喫茶店に入っていた。

「はぁ~疲れた………」

「お前も大概だなベル。」

「僕もそう思うよヴェルフ。」

事の発端は約1時間前………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1時間前

 

ベルはバレンタイン当日にヴェルフと約束でダンジョンに潜る約束をしていたのだが………

「ベル様、今日はヴェルフ様とダンジョンでしたよね。だったらこれ持って行ってください。」

リリがベルに何かを渡す。

「ありがとうリリ。」

すると………

「あー!?サポーターくん抜け駆けとはずるいぞ!」

ヘスティアがやって来て

「ベルくん、ボクからもプレゼントだ。」

そう言ってヘスティアがベルに何かを渡す。

「あの~神様にリリ、これは何ですか?」

「「休憩の時に食べてねベルくん(様)♪」」(黒笑)

「………はっ………はい………」(;^_^A

二人の凄みに圧倒されつつ屋敷を後にするベル。

 

 

そしてダンジョンに行く前にギルドに寄ると

「ベル君、今日は二人でダンジョンに行くんだよね。だったらコレ持っていって。」

エイナからもプレゼントをもらう。

「ありがとうございます。」

今度は

「おいベル・クラネル。」

フレイヤファミリアのアレンがいて

「我が女神からの贈り物だ。ありがたく受け取れ。」

そう言って持ってきたのは明らかにリリのバックパックほどあるでっかい箱だった。

「あの~こんなの持ってダンジョンに潜れないんですが………」(;^_^A

「てめぇ!我が女神の贈り物を受け取らない気か!?」(# ゚Д゚)

アレンが怒りで胸倉をつかもうとするが

「何を吠えているのだ駄犬よ。その薄汚い手で我が白兎に触れるでないわ!」

ネロが現れ

「さぁ我が白兎よ。余の自信作である。快く受け取るがいい。」

ネロが持ってきたのは自身の全身像をかたどったチョコだった。

「あの~ネロさん、流石にこれをもってダンジョンに行けませんよ。」(-ω-;)ウーン

「なっ!」(;゚Д゚)

「ははは!所詮お前の贈り物など我が女神の足元にも及ばないな!」

「なんだと!」(# ゚Д゚)

「やるのか!」(# ゚Д゚)

ネロとアレンがメンチを切り合う中で

「止めなさいネロ。」

「落ちつけアレン。」

ネロの付き添いで来ていたジャンヌとギルドに用事できていたフレイヤファミリアの薬師兼魔術師であるスネイプが二人を取り押さえる。

「申し訳ない。こちらの子供皇帝がこのような騒ぎを。」

「こちらこそすまない。我がファミリアの狂犬に鎖をつなぐのを忘れてしまって。」

「余はアダルトな大人であるぞ!」

「誰が狂犬だ!誰が!」

講義する二人を押さえつけてジャンヌとスネイプはそれぞれ帰っていく。

「大変だねベル君。」

「ははははは」(;^_^A

 

 

ギルドを出てダンジョンに行く途中でも

「ベル君、これ作ったから食べてね。」

「ベルさん、これ作ったんで良かったら食べてください。」

「アルゴノゥト君、これ食べてよ。」

アーディとシル、ティオナと立て続けに会ってチョコを貰うベル。

流石にバックパックがパンパンになってきた。

さらに追い打ちをかけるように………

 

 

「ベル………これ、良かったら………」

「ベル君、今日ダンジョンに行くんだよね。だったらこれを持っていってほしいの。」

「ベル………今日はバレンタインだから作ったの………じゃが丸くんチョコレート味。」

「ベルさん………もし良ければ受け取ってもらえるとありがたいです。」

カサンドラとナノハ、アイズとリューが同じタイミングでチョコを渡してきた。

なので

「む!なんで皆同じタイミングで渡しに来るの?」(# ゚Д゚)

「別に他の時間でもよかったよね。なんでかな?かな?」(黒笑)

「ベルに最初にチョコを渡すのは私だと思ったのに………」(゜_゜>)

「何であなた方もいるんですか?」ゴゴゴゴ

修羅場が勃発しそうな雰囲気に………

というかアイズ、最初に渡したかったみたいだけどすでにリリとヘスティアが渡してるからね。

そんなことを頭の中で考えたベル。

その後四つ巴のバトルロワイアルに発展しベルは泣く泣くダンジョン行きを諦めたのであった。

 

 

「よく無事だったなベル。」

「本当にそう思うよヴェルフ………」(-ω-;)ウーン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

ヘスティアファミリアの本拠地(ホーム)『聖火の窯』の執務室では………

「主ハヤテ、アインス、リヴェリア殿、悪いがエミヤへの愛は私がいただくぞ。」

「何言ってるんやシグナム。エミヤはんへの愛やったら私の方が上や。」

「お言葉ですがお三方、私の方がエミヤとの付き合いが長いので彼への愛なら私の方がもっとも強いですよ。」

「時間の長さ=愛の強度という理論などちゃんちゃらおかしいぞお前達。」

某副団長にチョコを渡そうとした『冥王』『烈火の将』『夜天』『九魔姫』が同時刻白兎をめぐって争う4人の乙女たちの戦いと同じような展開に陥っていた。

「………あー君達、できれば外でやってくれるとありがたいのだが………」

 




バレンタイン前に投稿する形になりますがバレンタイン仕様の番外編です。(笑)
各状況を描く形にしたらある意味本編よりも長くなってしまいました。(;^_^A
まぁモテる人は本当にモテるからね。
だけど………相手が一癖も二癖もある人ばかりなのはね………(遠い目)

とりあえず『C.C.(シーツー)、静かにガッツポーズ』『ツナ、ヤンデレストーカーに着け狙われる』『アツシ、(過保護な)保護者の圧を受ける』『料理が上手い男性陣に指導されてチョコづくり』とバレンタインネタとして考えたネタを詰め込めたので満足です。

活動報告にて番外編投稿の報告をしましたがそれに合わせて番外編のネタを三つほど考えました。
アンケートを取りますが基本は活動報告内での返信で答えていただけるとありがたいです。
詳しくは活動報告を見てください。
ではまた次回。


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もう一つの正妻戦争(笑)

本編の方が少し行き詰っているので番外編を投稿します。
今回は前回(https://syosetu.org/novel/277301/3.html)のオマケを補完した内容になってます。
ではどうぞ


バレンタイン………

 

 

 

それは年に一度、女性が好きな男性にチョコを送って愛を伝える日………

オラリオにもバレンタインデーの風潮があり、多くの女性が気になる異性にチョコをプレゼントする大イベントに発展している。

我らが主人公たる白兎も多く貰ったが今回は彼の最大の理解者にして兄のような存在たるヘスティアファミリア最強の副団長のバレンタインでの出来事を振り返ってみる。

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘスティアファミリア本拠地(ホーム)『聖火の窯』リリとハヤテとヴィータの部屋

 

「なぁリリ姉やんはベル君にプレゼント送るんやろ?」

「そういうハヤテはエミヤ様に送るんですよね?」

お互いバレンタインデーにチョコを送る相手について話すリリとハヤテに対し

「でもベルはともかくエミヤの野郎は生半可な料理じゃ靡かねぇんじゃね?」

ヴィータはもっともな意見を言う。

「そうやね………あの人ホンマに家事全般万能すぎるねん。」(´Д`)ハァ…

「オマケにベル様と同じくあの人も無自覚に誑し込みますからね。」

「ライバル多そうだよな。ベルにしろエミヤにしろアイツらに好意持ってる奴多いだろ。実際ウチのシグナムやアインスもエミヤに対し明確な好意見せてるしよ。」

「そうやねん。あの二人に比べたらプロポーションで負けるし他にアピールポイントがあった方がええと思うんやけど………」

「だったら今度の料理指導でにゃん太様にこっそりエミヤ様の好みを聞いてみては?」

「そやね。それならうまく行くと思うわ。よーし!やったるわ!」

ハヤテの狙いはうまく行くのか………

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘスティアファミリア直営レストラン『白兎食堂(ラビットキッチン)

 

オラリオのメインストリートにあるヘスティアファミリア直営の大衆食堂『白兎食堂(ラビットキッチン)』の厨房でチョコづくりに励んでいるのは

「ん~チョコを作るのがこうも難しく奥深いとは………」

シグナムが悪戦苦闘していた。

「さすがの烈火の将(レヴァンティン)も剣と包丁では勝手が違うか。」

彼女のチョコづくりをサポートしているのは『灼熱の調理師(バーナーシェフ)』の異名を持つヘスティアファミリア料理四天王の一人スタージュンだ。

「だがこれはこれで奥深いものだ。ほんのちょっとした作業の善し悪しで味に大きく差がでるのだからな。」

「ふむ。まぁお前は筋がいいから出来上がりはかなり上手いモノに仕上がっているだろう。」

「だが私は必ずこのチョコを完成させて他の者たちより一歩先んじねばならないんだ。」

何か悲壮な決意をするシグナムに対し

(そこまで思いつめなくてもいい気がするが………)

スタージュンはバレンタインチョコ作るだけでそこまで重く考えなくてもいいのではと思っていた………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガネーシャファミリア本拠地(ホーム)『アイアムガネーシャ』

 

シャクティは綺麗に出来上がったチョコを見て

「こんな私でもこれだけうまく作れるものなのか………」

「そうよ。シャクティ団長も女性なんだからそれぐらいこだわってもいいと思うわ。」

ライブベアラーに言われて少し照れるシャクティ。

「そういえばアーディはどうした?アイツもチョコを作ってると聞いたが?」

「アーディちゃんなら今団員たちに配る方のチョコも作ってるわよ。」

「そうか………ところでライブベアラー、何故ウチの厨房にリヴェリアとアインス、ツヴァイがいるんだ?」

厨房の他のテーブルでチョコづくりしているリヴェリア達を見るシャクティ。

「リヴェリアはホームがうるさいから静かなところで作りたいと懇願してきたの。アインスとツヴァイは同盟の定期連絡会が終わったついでに作りたいって言うから誘ったのよ。」

「そうか………(ツヴァイはともかく………リヴェリアとアインスは何故………まぁ牽制が狙いだろうがここは私のホームだ。引く気はない。)」

一方リヴェリア達の心の中では

(ロキにニヤニヤされるのは癪に障るからここに来たが………まさかアインスもチョコづくりに来ていたとは………だが負けるわけにはいかない!)

(予想外でしたね………リヴェリアとシャクティ、この二人がどんなチョコを作るか視察するつもりでしたが………簡単には手の内を見せないつもりですね。なら私もそのつもりで挑まないと)

すでに心理戦が始まっていた………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バレンタインデー当日

 

エミヤが執務室で業務をこなしていると

「エミヤさん、ウチのチョコ受け取ってんか。」

「エミヤ、鍛錬の礼だ。チョコを作ってきた。」

「エミヤ、ツヴァイと一緒にチョコを作ったんだがその…味見をしてはくれまいか?」

「エミヤ、今日はバレンタインデーだろ?チョコを作ったんだが」

「エミヤ、急に押しかけてすまない。出来ればコレを受け取ってもらえないだろうか?」

ハヤテ、シグナム、アインス、リヴェリア、シャクティの五人が同時にエミヤを訪ねてきた。

「「「「「!?」」」」」

さすがにお互いかち合うとは思ってなかったのか、驚いていた。

そんな中………

「なぁなぁ、何でリヴェリアさんとシャクティさんがおるん?アインスとシグナムがいるのは当然やけど他のファミリアの人がいるのはどうなってるんや?これは早急に幹部会議始めんといかんな。エミヤはん、幹部の人達集めてんか。幹部会議「幹部会議とかこつけてエミヤと私達を突き放すなんて子供にしてはやることがえげつないではないかハヤテよ。」!?」

「そうだな。私達はちゃんと赤兎馬の許可をもらって入ってきたし君のいう不法侵入ではないぞ。」

ハヤテが先手を打って他の4人とエミヤを離す作戦に出ようとしたのをリヴェリアが制止しシャクティが入場した経緯を説明することでけん制してきた。

「そんなことよりエミヤ、今日少し時間を作ってもらえるか?久々にお前と手合わせを願いたい。」

「シグナム!?抜け駆けしたらアカン!?」

「くっ!?シグナム、まさか剣一筋の戦闘狂だったはずなのにこんな高度な駆け引きを………侮れんな。」

「ちょっと待て!?お前達ヘスティアファミリアはこの間遠征を終えたばかりだろう。だったら休息はしっかりととるべきだ。幸い私達の方も今日は完全休養にしている。なのでエミヤ、この後一緒に「何勝手にエミヤを誘ってるんですか九魔姫(ナインヘル)。それだったら私と今度の街の見回りについて相談を」っていきなり何をする!?」

執務室の空気が段々冷えていく。

そのおかげでエミヤと5人の恋する乙女たち以外誰もが避難していた。

さすがにエミヤもこの空気がいたたまれなくなったのか彼女たちに見つからないようこっそりと逃げ出そうとするが

「ちょっと待ってなエミヤさん。今ここでOHANASHIして決着つけてくるさかいに。」

しかし回り込まれていた。

「あ~できれば闘技場、そうじゃなきゃ外でやってくれないか?」

「「「「「善処する(しよう)(するわ)。」」」」」

そう言って5人が執務室を去って闘技場へ

静まり返った執務室でエミヤがそっとつぶやく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ~やれやれ、こういう事態にならないようにフラグを立てない努力をしてきたつもりだが………どこで間違えたのか………」(-ω-;)ウーン

ちなみにこの正妻戦争の決着は………ご想像にお任せします。(笑)

 

 




いかがでしたか?
今回は前回(https://syosetu.org/novel/277301/3.html)の裏サイド………つまりベルの保護者枠ポジションにいる某万能家政夫メインの話にしました。
なぜ彼がフラグを立ててしまったのかはいずれ本編で………



あと活動報告内(https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=275285&uid=336088)でアンケートを取っているのでリンク先で解答していただけるとありがたいです。
今後の番外編の方向性を決める上で重要なことなので(笑)



本編は少し行き詰っていますが2月中に完成させるのでしばしお待ちを。(。-人-。) ゴメンネ


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ホワイトデーのご注文は白兎ですか?

ホワイトデー記念番外編です。
ようは『バレンタインデー(https://syosetu.org/novel/277301/3.html参照)』のお返しです。


ホワイトデーとは

 

バレンタインデーでチョコを貰った男性がお返しにキャンディーやマシュマロ、ホワイトチョコレートなどを送る日の事を言う。(Wikipedia参照)

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘスティアファミリア直営レストラン『白兎食堂(ラビットキッチン)

 

店の看板にはこう書かれていた。

『本日、ホワイトデー記念執事喫茶デー』と………

「お帰りなさいませお嬢様。」

「何なりとお申し付けください。」

「シフォンケーキとハーブティーですね。ご注文承りました。」

執事服を着たベルとツナ、アツシがそれぞれウェイターとして接客していた。

「いいわね。美少年たちの執事姿………」(´∀`*)ポッ

「アリーゼ………鼻血拭け。」(*´Д`)

「アリーゼ………自重してね」(*´Д`)

アストレアとアリーゼ、輝夜も客として来ていた。

他にも

「いいわ。すごくいいイベントね♪」

「フレイヤちゃんも楽しんでるね。」(´~`)モグモグ

「フレイヤ様、少し落ち着いてください!?カナミさんもケーキ食べてないでフレイヤ様を止めてください!?」

うっとりするフレイヤと笑顔でケーキを頬張るカナミ、その二人をなだめているヘルン。

「これは中々盛況ではないか姉上。」

「そうだろうヘラ。エステル君が企画してエミヤ君とにゃん太班長が監修したからね。」

何故かいるヘラと彼女に色々説明しているヘスティア。

このイベントの発端は2週間前に遡る………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2週間前ヘスティアファミリア本拠地(ホーム)『聖火の窯』

 

「という訳でヘスティア様、『白兎食堂(ラビットキッチン)』での執事喫茶の件を承認してください。」

「どういう事なんだいエステル君?」

「また突拍子もないことを………」(*´Д`)

執務室でファミリアの収支報告書に目を通していたヘスティアとクエストの月ごとの依頼達成の報告をしていたユーリの前に分厚い企画書を持ってメガネをかけたエステルが入ってきた。

「2週間後はホワイトデーですよね。だからその日に向けて一日だけ『白兎食堂(ラビットキッチン)』を女性客限定の執事喫茶にしたいんです。」

目を輝かせながらヘスティアに迫るエステルとそのエステルの気迫に圧されるヘスティアとユーリ。

「あのさエステル、何で執事喫茶なんだ?別に女性客半額とかそういった方がいいんじゃねぇか?」

「ユーリは分かってませんね。ここ数週間リタやパスカル、ハヤテちゃんに協力してもらって集めたアンケートがあるんです。」

そう言ってエステルが一枚の紙を見せる。

そこにはこう書かれていた。

 

・『白兎食堂(ラビットキッチン)』イベントアンケート

特定客層半額週間を設ける   12%

料理大盛りサービス      8%

メイド喫茶          24

執事喫茶           36%

その他            20%

 

「「………」」(-ω-;)ウーン

「このように『白兎食堂(ラビットキッチン)』でのイベントを行えばお客様が増えるはずです。」

白兎食堂(ラビットキッチン)』はヘスティアファミリアの財源の一つでエミヤ、コマツ、にゃん太、スタージュンのヘスティアファミリア料理四天王が日替わりで厨房に立ち料理を奮う事で多くの客層を集めているオラリオでもかなりの人気店である。

そこのプロデュースを任されたのがエステルなのだが元々とある帝国の姫君でほぼ箱入りだった彼女に店のプロデュースができるか不安だったのだが………

「ハヤテちゃんやネロさん、ルルさんが手伝ってくれたお陰で店を軌道に乗せることが出来ました。」

金銭感覚に優れたハヤテや派手なイベントを思いつく芸能センスを持つネロ、情報収集能力の高いルルの下で経営能力を鍛えられたエステルの才能は開花しヘスティアファミリア直営のレストラン『白兎食堂(ラビットキッチン)』やナノハの実家である喫茶店『翠屋』の2店をプロデュースするコンサルタントとして活躍しているのだ。

「あのさエステル。そのアンケートって女性だけのアンケートか?」

「いえ。ちゃんと男性の方にも応えてもらいましたよ。その結果がこれですよ。」

「「………」」(-ω-;)ウーン

嘘である。このアンケート、バレンタインデー終了直後ギルドの女性職員を中心に女性冒険者や中堅ファミリアの女神などからの解答をまとめたモノで男性の解答は皆無である。

「ちなみに執事喫茶で接客してもらう人のアンケートもしっかりと集めておきました。」

 

・『白兎食堂(ラビットキッチン)』執事喫茶で誰に接客してほしいかランキング(男性限定)

第一位 エミヤ

第二位 ユーリ・ローウェル

第三位 ベル・クラネル

(上位3名のみ記載)

 

「俺もかよ!?」(;゚Д゚)

「そうですよユーリ。当日は貴方にも接客に参加してもらいますから。それとヘスティア様。」

「なっ何だい?」

「前日にプレオープンするので客として参加してくれますか?もし参加してくれるならベルに専属で一日執事をしてもらいますが」

「許可するよエステルくん!」

「ありがとうございます。」

「………(おいおい)」(-ω-;)ウーン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてプレーオープンの日

 

執事喫茶は大盛況だった。

特にユーリやクー・フーリン、ザフィーラたちワイルド系執事やベルやツナ、アツシのような年下系執事、エミヤやルル等正統派執事など正により取り見取りな執事たちに女性客(女性限定の為客は全て女性だが)から黄色い声援がとび朝から昼現在にかけてほぼ客が途切れることが無かった。

そしてエステルがプレオープンの客としてエイナ等のギルドの女性職員やアストレアファミリアやロキファミリアの女性陣に声をかけた事もあってプレオープンにも関わらずほぼ満員だった。

あと何処で聞きつけたのかフレイヤやアルフィア、オラリオの外にいたヘラも駆けつけていたのだ。

「ところでヘラ、君どうやってこの執事喫茶の情報を聞いたんだい?」

「私の所で世話しているビーの仲間達が持ってきた情報だ。我が孫であるベルの頑張りを見たかったから来たんだが来て正解だったな。」

「そっそうかい。(ビーくんの仲間達、ご愁傷様。(。-人-。) )」

ちなみにヘラはその情報を聞いた瞬間ビーとその仲間達のボスである人物?を脅し………説得して半日でオラリオまでやって来たのだ。

「ところで姉上、ちと噂で聞いたんだが………ベルに好意を抱く異性が複数いるらしいな。何でもバレンタインデーの日に祖母である私や義母であるアルフィアを差し置いて正妻戦争なる物を起こしたそうじゃないか?」

「………まぁあの時は僕もびっくりしたよ………」

「ほほう。それでその愚かな小娘共はどこだ?」

「さぁ~。(エステルくんが手を回して今日は来ないように色々仕組んだから大丈夫だよね。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

豊穣の女主人

 

「む~何で今日はここで接客の手伝いしなきゃいけないのかな?かな?」

「私に聞かないで。」

「余がなんでこんな侍従のような姿をせねばならんのだ!?」

「あははは、いいじゃない別に。明日は普通に執事喫茶に行けるんだから。」

「ところでシル、何で私のスカートの丈だけかなり短いのですが?」

ナノハ、アイズ、ネロ、アーディ、そしてリューがメイド服を着て接客していた。

「しょうがないじゃないですか。今日は店の営業があって私執事喫茶に行けないんですから。それとリューの制服は私が改造した試作品です。」

「何故私だけ………」_| ̄|○

「だからって私達まで巻き込むのはどうかと思うの。」

「だって元はというとナノハさん、アイズさん、リューがバレンタインデーで大乱闘を起こしたじゃないですか。それに便乗する形でアーディさんやネロさんも途中参加してエミヤさん達が来るまで収集がつかない事態になったって聞いてますよ。」

「「「「「………」」」」」(-ω-;)ウーン

「乱闘の当事者の一人であるカサンドラさんも今日はミアハファミリアの店で仕事してますしね。」

そう言ってシルが一枚の紙を出し

「あの大乱闘の後、エミヤさん達から誓約書書かされてますしね。」

 

・『ベル争奪正妻戦争に関する誓約書』

1:武力行使してはいけない

2:当事者(ベル)の意思を無視してはいけない

3:アプローチをする際は正々堂々と

(他にも条項があるが長くなるので抜粋)

 

「だから正妻戦争も料理対決とかプレゼント対決とか平和的な決闘になってますしね。」

「う~レイジングハートが使えたら負けないのに………」

「剣を使えたら勝てるのに………」

「武力行使できんとは………」

「家庭的なことなんてやったこと無いのに………」

「ある意味被害を出さない解決策になりましたよね。」

「だってベルさんの事が好きな人達ってほとんど武闘派ばかりですしね。」

「「「「「………」」」」」(-ω-;)ウーン

シルの言葉に反論できない5人だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみにホワイトデー当日『白兎食堂(ラビットキッチン)』でベルにホレている人達による恋愛頭脳戦が当事者(ベル)の知らない所でひそかに行われていた事をここに記載しておく。

 

 




本編が中々進まない中ホワイトデーが近いと思ったので書いてみました。
少し本編が行き詰っているのでしばらく番外編を中心に書いていく形になります。
できる限り早く本編を仕上げれるよう頑張っていきますのでもう少し待ってください。(。-人-。) ゴメンネ
あと作品に対して何か感想があれば下さい。今後の参考にしますので。
あと作品に対するリクエストはメッセージにて受け付けますので。


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音楽祭をやろう(前編)

ふとダンまちでフェスをやってみようと思って考えてみました。
まずはほんの始まりから。


ヘスティアファミリア本拠地(ホーム)『聖火の窯』

 

「という訳で私達のファミリア主催で音楽祭をやりましょう。」

「開口一番で何言ってるんだいエステルくん?」

執務室で書類と睨めっこしていたヘスティアと黙々と仕事をこなしていたエミヤとシロエ、ルルの下に眼鏡をかけたエステルが分厚い書類を持って入ってきた。

「怪物祭が終わってしばらくたちますがオラリオではもう少しイベントがあってもいいと思いませんか?」

「イベントってそう毎週やるもんじゃないよね?」

「ですが神様達は娯楽に飢えてると聞いてますよ。だったらイベントを開いて少しでも楽しむのもいいことだと思うんですよ。」

そう言ってエステルが書類をヘスティアの机の上に置く。

「とりあえず手っ取り早い企画を考えてきました。」

「どれどれ………」

ヘスティアが書類を見る。

エステルがワクワクしながら返事を待っている。

その様子を見て

「なぁルル、お前エステルに何を吹き込んだ?」

「心外だな。俺はあいつに情報収集の必要性を説いただけだ。」

「だとすると一番大きな影響を与えたのはネロだね。」

「「だな………」」

そしてヘスティアが書類を全て見終えて

「エステル君、このオラリオ音楽祭って何だい?」

「これはですね。マクイルショチトル様をはじめとするオラリオでも音楽に精通する神様達が提案してきたことでして」

詳しい内容を説明しよう。

オラリオ音楽祭とは………ガネーシャファミリアの所有するコロッセオ、ヘスティアファミリアの所有する教会広場等を会場に各ファミリアの歌自慢たちによる音楽イベントである。

「ざっくりしてるな。」

「というかこれ〇ど〇慢か何かか?」

「どちらかというと野外フェスっぽいな。」

「エミヤ君達が何を言ってるのか分からないけど面白そうだとは思うね。」

「それで私達のファミリアからも参加者を集めて大々的に宣伝しましょうよ。あと露店も出して収入も確保すれば皆WINWINのイベントになると思ってます。」

「だけど誰が参加する?間違いなくネロは参加するだろう。アイツはこういうイベント程目立ちたがるからな。」

「あとメイルストラ支部の連中も参加しそうだな。」

「とりあえず私達のファミリア内で参加したい人を探してみますね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日中庭にて

 

「それでは………『オラリオ音楽祭』に向けてヘスティアファミリア選抜試験を始めるよ!」

パスカルが司会者として場を仕切る。

「それじゃ審査員のみんな、よろしくね。」

審査員席にはヘスティア、エミヤ、ユキチ、エステル、何故かいるアルフィア。

「なんでアルフィアくんがいるのさ?」

「休みの日だったんで遊びに来ただけだぞ。」

「まぁいいじゃないかヘスティア。彼女ならこの手の審査にうってつけだしな。」

そう言って審査員席に座る5人全員がステージを見る。

「それでは最初の出場者だよ。」

パスカルの紹介で最初にステージに登ったのは

「俺の出番だぜ。最近良い所なかったからな。(本編第10話https://syosetu.org/novel/261022/14.html参照)」

クー・フーリンだ。

「行くぜ!俺の歌を」

「版権違反です。お帰り下さい。」ポチッ。

「ちょぉぉぉぉぉ!」

エステルが押したボタンに連動して何故かステージに設置された奈落に落とされたクー・フーリン。

「クー・フーリンさんが死にました。」

「「「「この人でなし!」」」」

そんなこんなで審査会が始まったのだった………

 

中編に続く




とりあえず三回に分けて書いていこうと思います。



まぁこのネタ………「ランサーが死んだ!?」って定番のアレをやりたかったって言うのが本音ですが。(∀`*ゞ)テヘッ
あと本来番外編はこのような短い形式で書きたいというのが筆者自身の本音ではありますが如何せん書いていく内にネタが膨らむので字数が必然的に増えてしまうのでね………(;^_^A



中編ではトップバッター(という名の出オチ要員)以降の出場者の様子を書いてみようと思います。
短い内容ですが次回も楽しんでいただけたら幸いです。


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音楽祭をやろう(中編)

誰がどんな曲を歌うのか。
想像しながら読んでいただけると面白いと思います。


ヘスティアファミリア本拠地(ホーム)『聖火の窯』特設審査ステージ

 

「パスカルくん、あの落とし穴は何だい?」

「あれは今回のために用意した奈落だよ。エステルの席のスイッチと連動して落ちる仕掛けになってるからね。」

((〇かすぎて〇わらない〇ノ〇〇選手権!?))

エミヤとユキチが心の中でそうツッコむ。

「それよりクー・フーリンは気の毒だったな………」

「「「アーメン。」」」

 

まだ生きてるぞー!

 

ステージ下から何か聞こえたがエステル以外の4人はこれ以上ツッコむ気がないのかスルーした。

ここからは出場者が多いので気になる人だけダイジェストで紹介していく。

 

二組目:イスカンダル

「余が本物の歌とやらを聴かせてしんぜよう。」

イスカンダルが『さ〇きい〇お』を歌えば………

六組目:ハヤテ&ヴィータ&リリ

「ウチらで組んで歌えば最強やで。」

「頑張りましょうハヤテ。」

三人で某スクールアイドル的な歌を歌い………

十八組目:ルル&C.C.(シーツ―)

ほぼ夫婦と言って差し支えない魔王と魔女のコンビが『ロ〇リー・〇ャッ〇〇ン』を歌う

「何でお前と組んでデュエット曲なんだ?というかこれをチョイスするか!?」

「いいじゃないか。これも立派な曲だぞ。」

二十四組目:シロエwithログ・ホライズン年長者組バンド

テトラを除くチーム『記録の地平線(ログ・ホライズン)』が『Reincarnate』を歌い

「てか持ち歌じゃん!?」

「『シャイン』歌ったアンタがいうか………」

舞台袖にいたオサムがツッコミをさらにツッコむアキコ。

 

そして二十五組目………

ステージに立ったのはベルとツナ、アツシとマシュの4人だった。

ちなみにバンド形式でベルがドラム、ツナがピアノ、アツシがギター、マシュがベースだった。

「それじゃ始めていいよ。」

パスカルが合図するとギターを弾くアツシが唄い出す。

 

※何を歌ったかは後編にて

 

二十六組目………

シグナムとシャマルが………

「何だこの衣装は!?」

シグナムが恥ずかしそうにしながらフリフリのゴスロリ服を着てステージに

「いいじゃないシグナム。こういう服を着る機会なんてそうそうないわよ。」

「何でお前は平然としてるんだシャマル………」

「だってこの衣装、桃子さんが用意してくれたし」

「ナノハの母上か………あの方は一体何がしたいんだ………」_| ̄|○

「さぁ、そろそろ出番よ。」

シグナムとシャマルがステージの中央に立ち曲が始まる。

 

※何を歌ったかは後編にて

 

二十七組目………

メイルストラ支部から来たのは

『まぁよろしく頼むわ。』

ポロローン!

喋る琵琶琴『聆牙(リョウガ)』を持つヘスティアファミリアメイルストラ支部の切り札『浪巫謠』だ。

彼がステージに立ったのを見た審査員席のヘスティアたちは

「巫謠くんはある意味反則じゃないか?」(-ω-;)ウーン

「色んな意味でメタいことになるな………」(-ω-;)ウーン

「支部長のアイツはそれを分かってて寄越したのか?」(-ω-;)ウーン

ヘスティアたちの心配をよそに巫謠が唄い出す。

 

※何を歌ったかは後編にて

 

そして最終組は………

「さぁ頑張るわよ。」

「おう。」

「ええ。」

「はいです。」

ヘスティアファミリアの新人トウヤ、ミノリ、五十鈴、そしてミアハファミリアのセララのチーム『小さなワンコ(リトルドッグス)』だ。

「皆、頑張れよ。」

ルンデルハウスが舞台袖で応援している。

「それじゃ行くよ!」

「「「おう!」」」

4人がステージへ………

 

※何を歌ったかは後編にて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

審査後

 

「とりあえずウチからの出場者はこの4組でいいな。」

「ボクはいいよ。」

「私も異論はない。」

「決まりですね。」

「私としてはベルの晴れ姿を見れるなら何の問題もない。」

審査員を務めた五人が音楽祭に参加する4組を選んだ。

「それはそうとエミヤ君、ビーくんから連絡が来て彼の仲間達が参加したいって言ってるんだけど………」

「いや無理だろ。」

「ステージの耐久性とか重量制限で引っかかりますからねあの方々。」

「だよね。それに4日後に開催だからどっちにしろ参加は無理だよね。あ~でもクリスくんがヘラの遣いで来るって………」

「『誓約女君(レジーナゲッシュ)』か………あの戦闘狂が来てただで済むとは思えんがな。」

「たしかアルフィアくんの元同僚だっけ?」

「ヘラファミリア時代のな。アイツはある意味危険な奴だったからな。」

「なぁアルフィア、頼むからアイツと喧嘩だけはするなよ。するなよ。絶対にするなよ。」

「エミヤ、私を何だと思ってるんだ?ベルの晴れ舞台で暴れるような真似はせんよ。」

「「「(………大丈夫かな………)」」」

一抹の不安を抱えながらオラリオ音楽祭に向けて準備が進んでいく。

 

後編に続く

 




オラリオ音楽祭開幕前ヘスティアファミリアの参加者が決まりました。
とりあえず何を歌うかは後編にて………

さてヘラ陣営について力関係をちょっと説明すると以下のようになります。

ヘラ=クリスティーナ&ラビリスタ>シズル&リノ>ビーとそのパートナー&ビーのボス>ビーの同僚

こういう力関係にしました。(;^_^A
何処の組織でも女性が強いのは鉄則です。(笑)


あと他のファミリアの参加者も含めて音楽祭は楽しいモノになればと思ってます。
感想があれば何時でもコメントしてください。
リクエスト等はメッセージにて受け付けます。













追伸:ヘラの従者である戦闘狂とオラリオの戦闘狂が暴れなければ平和な回になるんだけどな………(-ω-;)ウーン


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音楽祭をやろう(後編)

そろそろ本編を進めないとなって思う今日この頃………


オラリオ音楽祭当日

 

旧ヘスティアファミリアホームである廃教会の広場に設営された特設ステージにはこの音楽祭を楽しもうとたくさんの客が詰め掛けていた。

その中には………

「いやぁ、今日は絶好のライブ日和ですね。」

「主は相変わらず呑気じゃの。」

「そう言うなご老体。我らメイルストラ支部が誇る歌い手である巫謡(ふよう)の晴れ舞台だ。精一杯応援しようではないか。」

この三人、ヘスティアファミリアメイルストラ支部の団員である。

「そうですね。それに今日のために仕事を終わらせてきたようなものですしね。」

白い鎧を着て青い髪に少し跳ねたアホ毛が特徴的な青年、彼はアルフレッド。聖騎士と呼ばれる冒険者たちの国の王族でメイルストラ支部の支部長、ヘスティアファミリア対外用チーム『七剣(セブンソード)』の一員でもある。(なお支部長及び支部の団員はヘスティアファミリア序列ランキング外である。)

「おかげで副支部長のアーメスにかなり負担をかけたがの。」

着流しを来た背中に刀を背負った初老の男性、彼は佐々木小次郎。『七剣(セブンソード)』の一人にして世界で最も腕の立つ剣士の一人である。

「うむ。俺としては休暇だと思って楽しめばいいと思う。」

白地に炎の意匠の羽織を着た焔色の髪と眼力のある瞳が特徴的な男性、彼は煉獄杏寿郎。『七剣(セブンソード)』の一人でメイルストラ支部の副支部長の一人。

この3人は今日音楽祭に出る浪巫謠の応援でやって来た。

そして同じタイミングで

「おう。メイルストラ支部の若支部長殿。元気そうで何よりだぜ。」

「ああ。丘に上がって来たのかいジョナサン。」

彼の名はジョナサン・ジョーンズ。世界で唯一神から認められた最初の異端児(ゼノス)であり、メレン近郊の海域に住む異端児海賊団を率いる海の男。そしてヘスティアファミリアメレン支部の支部長でもある。

「ああ。年に一度の定期報告と恩恵(フォルナ)の更新に来たらこんな面白い催しがあったなんてな。久々に丘に上がって正解だったぜ。」

「そうですか。」

そう言って4人は会場にある席に座る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガネーシャファミリア所有コロッセオ、メインステージにて

 

「それでは………これよりオラリオ音楽祭、開催いたします。」

観客の歓声が轟く中で

「ではオープニングを飾るのはヘルメスファミリアの誇る音楽デュオ、チュウヤ・中原とジョニー・シデンです。」

司会役の紹介でメインステージに上がる中原とジョニー。

「何で俺がこんなイベントに参加しなきゃならねぇんだ!?」

「仕方ないじゃないか。この間ヘスティアファミリアのオサムと喧嘩して通りを一つ壊しただろ。その損害賠償金を稼ぐために今回のイベントに参加するんじゃないか。さぁやろうぜ。」

「けっ!しゃぁねぇな。」

そう言ってジョニーはギターを弾き始める。

「それじゃ行くぜ!『LOVEPHANTOM』」

「そこはG〇〇〇R〇DE〇じゃないんだな。」

「うるせぇ!メタい発言すんじゃねぇよ!」

そんなこんなで音楽祭が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び廃教会前特設ステージ

 

最初にステージに立ったのは

「こんばんは皆さん。シャマル&シグナムです。」

「なぁシャマル………こんな大勢の前で歌わないといけないのか?」

「当たり前じゃないシグナム。いつもの面々で歌いに行くのとは違うんだからここでアピールしないと」

「………仕方ないか………」

二人が唄い始める。

「では聴いてください。『愛が止まらない~Turn_it_into_love~』。」

 

※キャラが唄っていると想像してください。

 

『愛が止まらない~Turn_it_into_love~』

 

 

歌い終えた二人に盛大な拍手と歓声が響いた。

特にモルドらいかつい顔の冒険者たちがまるで親衛隊みたいな法被を着て応援していたが………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガネーシャファミリア所有コロッセオ特設会場

 

オープニングから何組かの演奏が終わり次は………

「さぁ私達の出番よ!」

「頑張りましょう。」

「おう。」

「うん。」

トウヤ、ミノリ、五十鈴、セララの『小さなワンコ(リトルドッグス)バンド』が登場する。

「皆!がんばれ!」

観客席の最前列でルンデルハウスが一生懸命応援している。

 

※キャラが唄っていると想像してください。

 

『Your song』

 

新人冒険者チームの歌を聞き入った冒険者たちの惜しみない拍手が彼らを祝福していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからしばらくして

 

「続いてはヘスティアファミリアメイルストラ支部からの刺客。音で敵を倒す最強の楽師、浪巫謠だ。」

司会者の紹介でステージに上がる巫謠。

『そんじゃまぁ、一曲行こうか巫謠ちゃん。』

「ああ。心昂れば、ただ吟じ奏するのみ………」

 

※キャラが唄っていると想像してください。

 

『Crescent Cutlass』

 

この日一番の歓声がステージで響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方廃教会特設ステージにて

 

「それでは音楽祭最後の出演者です。ヘスティアファミリア『英雄の雛達(ヒロイック・ベイブス)』バンドです。」

司会者の紹介でステージに上がったのはベル(ドラム)、ツナ(キーボード)、ナノハ※(リードギター)、マシュ(ベース)、アツシ(ボーカル)の5人。(※選考オーディションの時ナノハは翠屋の手伝いをしていたので不参加でした。)

5人の中でボーカルを担当するアツシが

「では皆さん、最後まで楽しみましょう。」

観客たちが静かに耳を傾ける。

「皆行くよ。ワン・ツー・スリー・フォー」

ベルの合図で演奏が始まる。

 

※キャラが唄っていると想像してください。

 

『名前を呼ぶよ』

 

彼等の演奏で音楽祭は全演目を終了した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜 ヘスティアファミリア本拠地(ホーム)『聖火の窯』中庭にて

 

「それでは音楽祭無事終了アンドボク達の代表であるベルくん達の健闘を祝って乾杯!」

「「「「「乾杯!」」」」」

ヘスティアの音頭でパーティーが始まった。

「皆お疲れ様です。」

ベルやアツシ、シャマルらが他の団員にもみくちゃにされながら談話を楽しんでいる間

「そう言えばアルフレッド、メイルストラ支部の方はどうだ?」

「大分安定しましたよ。お隣のランドソル国と友好関係を結んだことも大きいですね。それに元々歌劇と演芸、娯楽で馳せたメイルストラですから文化面での交流は良い意味で大きいですね。」

「そうか。」

エミヤとアルフレッドが近況報告していた。

その一方で

「ジョーンズ船長、はい。アーン。」

「止めてくれ総司。そんなガラじゃない事は知ってるだろう。」

「ええ。でも貴方と一緒に居られる時間が私にとっては大事ですから………」

「はぁ………俺は異端児(ゼノス)だぞ………」

ジョナサンと総司がイチャイチャしているのを

「あれがヘスティアファミリア公認メレン支部夫婦か………羨ましい………」

「全くですね。リリもベル様と………」

「ナノハさん、リリさん、あの二人を参考にするのはどうかと………」

ナノハとリリが羨ましそうに見てるのを静かにツッコむマシュ。

「そう言えばオラリオで公認夫婦はどうしてるかな?」

ナノハが気づいたように話題を変えてそのオラリオ公認夫婦の方を見ると

「こらC.C.(シーツ―)、ピザばかり食うな。栄養が偏る。」

「うるさいなルル。お前は私の母親か?相変わらず世話焼きな奴だ。」

世話焼きなルルと自堕落なC.C.(シーツ―)を見て別の意味でほっこりするナノハ達。

一方ツナは

「やぁツナ少年。いい演奏だったぞ。うん。素晴らしい。」

「ありがとうございます煉獄さん。」

「ところで杏寿郎、怪我の方はどうだい?」

ツナに激励する杏寿郎、その杏寿郎に質問をするアキコ。

「アキコ女医。体調は良好だ。最初にあなたやオウガイ医師に会ったお陰で俺は第二の生を謳歌している。」

「それはよかったさね。」

何気ない会話が中庭で続く中、

「………」

「どうしたベル?」

「エミヤ、僕、寝ていた4年間僕達のファミリアがどうなったか心配だったけど、でもこの様子を見て少しホッとしてる。」

「………」

「ありがとうエミヤ。僕達の場所を守ってくれて。」

「何を言っている。お前の場所は私の場所でもあるんだ。当然の事だ。」

ベルとエミヤが仲間達の集まる雰囲気を味わいながら静かに微笑む。

「「僕(私)達のファミリアの繁栄を祝して」」

グラス同士が軽くぶつかる音が二人の耳に響く。

 

 




音楽祭という名のほっこりした日常回でした。



ここでヘスティアファミリアに所属する新メンバーを紹介しておきます。

ジョナサン・ジョーンズ(スーパーマリオRPG)
異端児っぽい見た目の団員という事で色々考えた末小学生の頃にやっていたスーファミの人気ゲームの敵キャラをチョイス。海の男というイメージが強く男気溢れる船長という事で選んでみました。船長なんでメレン支部の支部長にしてみました。
沖田総司(Fateシリーズ)
ご存じ桜セイバー。病弱設定ではありますが療養目的でメレン支部を拠点にしている。ジョナサン・ジョーンズとは相思相愛?みたいな関係にしてみました。理由は特にないんですが人間と異端児のロマンス的なのをちょっと考えてみました。
アルフレッド(カードファイト!ヴァンガード)
騎士王の名にふさわしい人物をという事で入れてみたキャラ。というかカードイラストをそのままキャラにした感じ。見た目イメージはアニメ版主人公がライドした姿。メイルストラ支部の支部長にしてみました。
煉獄杏寿郎(鬼滅の刃)
鬼滅の刃でたぶんその死を惜しんだであろう人達が多くいる人気キャラ。設定として息を引き取ってその後魂ごとオラリオに転移した?みたいな感じにして幼少期のベル達と知り合ったみたいな感じにしてみました。その内本編で活躍の場を与えないと読者からクレームが入るレベルかもしれないキャラだと思ってます。(;^_^A



音楽祭なんでシャマル&シグナム以外持ち歌にしました。
何でこの二人に90年代アイドルの曲を歌ってもらったか………
解:ただあの曲が好きだったから誰かに歌ってもらおうと考えた時イメージに近かったのがあの二人だった。ただそれだけです。(。-人-。)



そろそろ本編を完成させないといけないなと思いつつも仕事が忙しいのと書きたいネタが多くて中々話がまとまらないんでかなり遅れてます。(。-人-。) ゴメンネ
とりあえずゴールデンウイークまでには完成させようと思ってます。

次回もお楽しみに。


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音楽祭をやろう(裏話)

アイズが主役の話です。

ここで少しこの作品におけるベルに矢印を向けてる異性が現時点でどれだけいるかリストアップしてみました。↓()※本来の登場作品

ヘスティア(原作)
アイズ・ヴァレンシュタイン(原作)
リリルカ・アーデ(原作)
ティオナ・ヒリュテ(原作)
カサンドラ・イリオン(原作)
リュー・リオン(原作)
シル・フローヴァ(原作)
アーディ・ヴェルマ(原作)
ナノハ・高町(リリカルなのは)
ネロ・グラウディウス(Fateシリーズ)

今後の進行具合ではさらに増えることをお約束(?)します。





音楽祭の二日前ロキファミリア本拠地(ホーム)『黄昏の館』

 

アイズが手紙を読んでいた。

「アイズ、何見てんの?」

ティオナがアイズに話しかける。

「アイズさん、それ誰からの手紙ですか?」

「珍しいわね。アイズに手紙なんて。」

ティオネとレフィーヤもやって来た。

「うん。先生からの手紙を読んでた。」

「「「先生?」」」

するとフィンがやって来て

「クリスティーナからかい?なんて書いてあるんだ?」

フィンがアイズに訪ねる。

「二日後にオラリオにやってくるって。」

「そうか………彼女が来るなら丁重に迎えないとな。」

するとティオナが

「ねぇフィン?そのクリスティーナって誰なの?」

「そうだね。彼女はアイズの師匠って言うべきかな。あの頃のアイズは危なっかしい所があったからね。そんなアイズを鍛えられる冒険者が当時のオラリオに居なかったこともあって彼女に指導を頼んだかね。」

「そんな人がウチのファミリアにいたんだ。」

「いや。彼女は僕達のファミリアの団員じゃなくてね。………まぁそれでも当時のオラリオで彼女に勝てる冒険者はエミヤ達ヘスティアファミリアの三強かオッタルぐらいだしね。」

フィンが少し言いよどみながら話すが

「ねぇアイズ、その人に会うんだよね。私も一緒に行っていい?」

「別にいいよ。」

「ティオナがバカやらないか心配だから私も行くわ。」

「あの~私もついて行っていいですか?」

(ティオナ達に言っておくべきかな………)

アイズはふと自分の師匠である彼女の事を考えてどうすべきか考えたが

「(先生も常識ある人だから大丈夫だよね。)いいよ。」

アイズは考えるのを止めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

音楽祭当日

 

「なんだ?まさか貴様が出迎えとはな。久しいなアルフィア。」

「久しぶりだなクリスティーナ。ファミリアを抜けてどこかの国の騎士団で暴れてると聞いたがまさかまたヘラの下に戻ってたとはな。」

「何、騎士団の方で後継者が育ったから暇してたところをあのエキセントリックな神様に誘われて色々やってたお陰で退屈しない日々を過ごしているよ。金属生命体やら自称”宇宙の帝王”やら遊び相手には困らんしな。」

「楽しそうで何よりだ。私も近くで甥っ子の成長を見守れるから今オラリオにいるからな。」

「その甥っ子で思い出した。ヘラからベルの様子を見てきてくれと言われたからな。ついでだからベルの実力を確かめてみようかと思ってな。」

ニヤリと笑うクリスティーナ。

「言っておくがベルに手を出してみろ。私がお前を殺すぞ。」

「やれるもんならやってみろ。最もお前と殺し合っても十分楽しめそうだがな。」

「「フフフ」」

恐ろしい笑みを浮かべるアルフィアとクリスティーナ。

すると

「ここにいたの先生。」

アイズがフィン達を連れてやって来た。

「なんだ?アイズか。」

「久しぶりだねクリスティーナ。」

「フィンもいたのか。」

「ちょっとアンタ、団長になんて口の利き方を」

「そっちこそ口の利き方に気を付けろよ小娘。私は今気分がいいから手は出さんがその気になればお前如き簡単に殺せるからな。」

ティオネが突っかかって来たのを軽くあしらうクリスティーナ。

「ティオネ、彼女を相手にするのはやめたほうがいい。彼女………『誓約女君(レジーナゲッシュ)』ことクリスティーナ・モーガンはヘラファミリアで二番目に強い実力者だ。今の僕達ですら赤子のように軽くあしらえるほど強い。」

「あ?このばばあがぼふぁ!?」

フィンの説明を聞いてベートがつい失言をしてしまいクリスティーナの不意打ち右ストレートを喰らってしまう。

「おいそこの駄犬。言葉に気を付けろよ。私もそうだが元ヘラファミリアの冒険者たちにその言葉は禁句だと知れ。」

「あークリスティーナ、できればベートをぶっ飛ばす前にその事を伝えてほしかったが………」

「すまんなリヴェリア。だがアイツをしっかりと調教しておかなかったお前たちにも責任があるのではないか?」

「それを言われると何も言えないよ………」(-ω-;)ウーン

クリスティーナに謝罪するリヴェリアとフィン。

「それより先生。一つお願いがあります。」

「なんだアイズ?」

「久々に稽古つけてください。」

するとクリスティーナは

「良いだろう。かつてただモンスターをむさぼるだけのガキだったお前があの頃から大分成長したみたいだ。本気で相手をしてやろう。」

「あーできればダンジョン内でやってくれないか。流石に今日は音楽祭で町中人であふれてるからな。」

「ふん。つまらんな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アイズ(9歳)の思い出

 

私がベルと会ってしばらくしてナノハ(当時9歳)やネロと出会いベルをめぐるライバルだと認識した頃、一人で強くなろうて無謀にもダンジョンに潜っていたが………

「なんだ小娘、ボロボロじゃないか?そんなんでダンジョンに挑み続けるとは無謀通り越して愚かだな。」

そんなときに会ったのがこの挑発的なおば

「おい小娘。今考えて事を口にしてみろ。ここがお前の墓場になるぞ。」

言いそうになるのをグっとこらえた。

するとあちこちからモンスターの群れがドバっと出てきた。

「ほう。キラーアントか?まったく厄介だな。」

そう言う割にはかなり嬉しそうに笑っているこの人は剣を構えて

乱数聖域(ナンバーズ・アヴァロン)。」

放たれた斬撃がキラーアント全てを一掃した。

「やれやれ。これでは全然滾らんな。」

そう言って彼女はその場を去ろうとするが

「待って!」

私は彼女を呼び止める。

「何だ小娘。」

「教えて………どうしてそんなに強いの?」

「そんな抽象的なモノに答えを求めるとは、やはり子供だな。」

「………答えて。」

「なら教えてやろう。」

そう言って剣を私に向けて

「実戦でな。」

そう言って私に剣を振りかざす。

その後気づいたらホームのベッドの上だった。

あの後ロキやフィンから聞いたけど彼女………クリスティーナはかつて二大ファミリアと呼ばれたヘラファミリアの元冒険者で壊滅前に脱退してどこかの国の騎士団にいたのだけど何年かぶりにオラリオに戻ってきて暇つぶしにダンジョンを徘徊してるのだとか

それから毎日のようにダンジョンに潜っては彼女………クリスティーナを探しては挑んで気絶させられて地上に打ち捨てられる毎日を過ごしながら自分が少しづつ強くなっていくのを感じていた。

そうしているうちに

「先生、今日もご指導お願いします。」

「やれやれ、また来たのかアイズ。今日は何分持つかな。」

私とクリスティーナの間には師弟関係が出来ていた。

そしてある日

「本気で相手してほしいなら自分で考えて強くなるんだな。復讐心に踏ん切りをつけてただ己の為だけに力を奮ってみろ。そうすれば少なくとも何も知らなかった小娘だった頃のお前よりは強くなっているだろう。」

そう言ってオラリオから去っていたクリスティーナ。

最初はその言葉の意味を理解できなかったけど、あの後ベルが昏睡状態になる事件が起きて初めて気づいた………

強さとは何なのかを………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『黄昏の館』

 

「そうやってアイズはクリスティーナの元で強くなっていたんだ。」

フィンは皆に説明していた。

「そんな事があったんだ。」

「でもね。彼女のせいでアイズに悪い癖がついちゃってね。」

「「「悪い癖?」」」

「クリスティーナ同様に戦闘狂になっちゃったんだよね。」(;^_^A

「今では鳴りを潜めてるが当時はその影響でヘスティアファミリアのエミヤやトリコ、ネロなんかに単身挑んでいったりしたからこっちはハラハラしてたがな。」

「「「………」」」(-ω-;)ウーン

フィンとリヴェリアの説明を聞いて何とも言えない顔をするティオナ達………

 

※ちなみにベートは医務室でぐっすり寝てます。(笑)

 




音楽祭の内容を補完する裏話でした。


原作で幼少期のアイズがほぼ我流で強くなったのに対しこの作品では師匠を付けて強くなったことにしました。
その師匠がある意味バーサーカーなんですがね………(;^_^A


多分ヘラファミリアにとっての禁句はBで始まりAで終わる3文字………これを言ったら命が危ないので皆さんは言わないで下さいね。(苦笑)


このバーサーカー姉さんことクリスティーナの強さは間違いなくダンまち最強クラスのオッタルと同等かそれ以上かと思いますね。この作品においては某地球外金属生命体のリーダーやバイキンマンボイスの自称”宇宙の帝王”すら上回ってます。
そんな人が何故ヘラに従ってるのか?
解:退屈しない仕事を用意してくれるから


あとこの作品でベートの立ち位置は間違いなくクー・フーリンと一緒でしょうね。(笑)

次回もお楽しみに。


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ツナ君、オラリオ珍道中

これは15話から16話の間に行われたツナサイドの話です。


オラリオ城門前

 

「エミヤさんの言った通りゴクデラ君達を見つけて何とかしないとな………それとリボーンも説得しないといけないし………はぁ~どうしよう………」

数時間前、ヘスティアファミリアの本拠地(ホーム)でヴァリアーの襲撃を受けたツナ。

エミヤのおかげで何とか退けることができたがこのまま一人でいるのは危ないと判断したエミヤに説得され仲間達を探すことにした。

しかし………

「見つけたはいいけど………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ランボの場合………

 

「「「きゃー!可愛い!」」」

ランボを見つけた先はギルドだった。

見た目幼児なのでギルドの受付嬢たちからチヤホヤされていた。

「ランボさん、しばらくここにいるんだもんね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山本武の場合………

 

「ありがとね。助かるわ。」

デメテルファミリアの野菜販売所で手伝いをしていた。

「やぁツナ、しばらくここの手伝いするから。とりあえず争奪戦には顔出すわ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リョウヘイ・笹川の場合………

 

「極限に強いぞ!」

「いいぞ小僧!私をもっと滾らせろ!」

「先生ずるい。私も戦いたい。」

「自重しろアイズ。」

オラリオでも有数の大手ファミリアで模擬戦?みたいな事をしていた。

巻き込まれるのが嫌だったので早々に逃げました………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

G・ゴクデラの場合………

 

「あー十代目!今ここの店の武器弁償中なんですみません。終わらせたらすぐ合流するんで。」

ゴブニョファミリアの店でダイナマイトぶっ放して店の商品を壊したのでその弁償で店の仕事を手伝っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

再びオラリオ城門前

 

「あとはリボーンの奴だけなのに………なんでアイツだけ見つからない!?」

ツナは頭を抱えていた。

「はぁ~、考えても仕方ない。とりあえずしらみつぶしに探してみるか………ん?」

するとツナの目の前に鬼の角を生やした女性が苦しそうに倒れていた。

「だっ大丈夫ですか!?」

流石にほっとけなかったのかツナが女性の下へ。

「すぐ病院に運びますね!」

女性を抱きかかえて急いで病院に行くツナ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ディアケンヒトファミリアの経営する病院

 

「マンドラゴラ薬の原液を嗅いで倒れただけですね。」

アミッドの診断の結果、その女性の病状は大したことは無かった。

ホッとしたツナは

「良かったです。それじゃ俺急いでいるんで。」

そう言って病室を出ていくツナ。

「お大事に。」

運んできた女性に笑顔でお別れを言うツナ。

某家庭教師の指導?のおかげで女性に対する接し方が上手くなっていた。

「………」

ツナが去っていくのを朧げな状態で見送った女性は

「それでエリコさん、何でマンドラゴラ薬の原液なんて持ち歩いてたんですか?」

「いい香りだったのでつい香水かと。」

「原液は猛毒ですよ。はぁ~ミツキ先生には後でちゃんと薬品の管理してと言わないと………」

眼帯をしたあのマッドサイエンティストを思い浮かべながらため息をつくアミッドの横で

「クスクスクス。見つけた………運命の人………」

後にツナにとってトラウマともなるべき出会いだった事をこの時のツナは知る由もなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オラリオの町中

 

そしてツナはやっとリボーンを見つけた。

「チャオっす。ようツナ、遅かったな。」

「遅かったなじゃねぇよ!リボーン、今まで何処に居やがった!」

リボーンは近くの喫茶店でお茶していた。

「俺、今まで大変だったんだぞ!」

「そんな事くらいでいちいち騒ぐな。」

「そんな事って………」

「それより今まで何してたんだ?」

一応リボーンにこれまでの事を包み隠さず話した。

「なるほどな。その男、エミヤって言ったか?かなり優良(マフィア的に)な人材じゃねぇか。よしツナ、そいつに今すぐ会わせろ。」

「その前にゴクデラ君達と合流しないと」

「そこは俺に任せろ。」

「え?(嫌な予感………)」

その後リボーンはあの手この手で仲間達の問題を解決していく………主にツナの力技(パンツ一丁)でだが………

 




本編15話https://syosetu.org/novel/261022/19.htmlから16話https://syosetu.org/novel/261022/20.htmlの間でツナはかなり苦労してますww
リボーンはそんな事お構いなしに仲間達を集めていきます。


ランボの場合:お菓子で釣る(そしてリボーンが〆る)

山本武の場合:死ぬ気ツナが全力でお手伝い(リボーンはデメテルたちにチヤホヤされる)

リョウヘイ・笹川の場合:某バーサーカーと交渉(その裏でツナが全力でアイズの特訓に付き合わされる)

G・ゴクデラの場合:死ぬ気ツナが全力でお手伝い(山本と笹川も加わって一日で終了)

ほぼツナが体張りましたww


さてツナが助けた女性………某ヤンデレさんとのフラグが立ってしまいましたww
とりあえず彼女と積極的に関わるのは大分後になるでしょう。
まぁリボーンなら愛人兼ボディーガードにしろなんて言うかもしれませんが………(-ω-;)ウーン


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