この貧乏ポンコツ店主に祝福を・・・ (黒音195(kurone))
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番外編!
番外!転生したら魔王城にいました
番外編だけ、アンチ・ヘイトが含まれます!
皆さん初めまして、私はイトウミユと申します。先程、水色髪の女神様、アクアさん・・・ではない天使さんに転生させて貰ったんですけど・・・ここは何処でしょうか・・・?大きなお城みたいですけど・・・
「むっ?貴様は何者だ?よもや魔王の城に人間が居るとは思わなかったが。どれ・・・フハハハハハ!面白い過去を持っているな!厄病女神に良い様に言われ、転生させられた小娘よ!汝には魔王軍の配下になるのが吉と出た!さて、どうする?魔王軍になるなら我が口添えしてやるが?」
「え、えっと・・・その・・・」
「ふむ、まだ混乱しているか・・・ならば共に来るがいい。魔王の奴に会わせてやろう」
そう仮面の人に言われ、私はドナドナされていきました・・・
道中話してて、この方はバニルさんという方で、魔王軍の幹部をしてらっしゃるということが分かりまして、もしかしたら魔王さんより強いかも?らしいです。そんな人がなんで幹部なんてしてるんですかね・・・
魔王さんに会って、色々とこの世界の説明をされて、冒険者になるより魔王軍に居た方がいいのでは?と思ってきた私は、とりあえず、魔王さんの所で給仕をやらせて貰ってます。まだこちらの料理には慣れてないんですけど、なんとかなってるので大丈夫だと思います・・・多分・・・
そういえば、私が転生する時に女神、アクアさんが転生特典というものをくれると言ってましたね。それがどういったものか分からなかった私は、家事能力が欲しいって願ったんです。
それを聞いたアクアさんは私をバカにしてきました。ムカついたので頭突きしたんです。子供の石頭を舐めない方がいいですよ?・・・その後、気絶したアクアさんに変わって、天使さんが来て、それは願いと受け取った。
と、屁理屈を言われ、もう1つ特典を与えると言ってくれたんです。ので、沢山の魔力が欲しいと言いました。それを聞き入れてくれたのか、魔法陣が現れ、私を転生させてくれました・・・途中でアクアさんが目覚めて、天使さんの身体をめちゃくちゃに揺らしてましたけど・・・その時でしょうか?魔法陣が揺れ、天使さんが騒いだのは。アクアさんのせいで座標がズレただの、なんだの・・・それって不味くないですかね・・・?そう思っても、もう遅く、私は転生をさせられてしまいました。
確かに、バニルさんが言った通り、あの方は厄病神ですね!
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日常編
転生して楽しい生活!
という事で新作です!
「いらっしゃいませー!ウィズ魔道具店へようこそ!本日は何をお求めでしょうかー?」
皆さん初めまして。私はこのウィズ魔道具店でバイトをやらせて貰ってるアークウィザードのミユです。この街、アクセルで冒険者も兼用してます!まぁ、所謂転生者・・・になるんですかね?
若くして死んだ人は天国、日本、異世界のどれかに転生するって女神様に言われて転生するんですが、私は日本も天国も割に合わないので異世界に来ました!まぁ、正直異世界も割に合ってないんですけどね・・・
あの女神様は転生したらサトウカズマさんに頼るように言ってたんで頼ったんですけど、そんな幼い子を冒険やダンジョンには連れて行けないと言われて屋敷で家事をさせて貰ってる訳です。
けど、カズマさんにあまり負担を掛けたくないのでこうして店主さん・・・ウィズさんに雇って貰ってます!バニルさん曰く、私が来てから赤字が無くなったと言われてかなり嬉しくなってますよ!
一応、これでも修羅場を潜ってたりするんですけど・・・魔王軍幹部のベルディアさんに嫌がらせしたり、裁判でカズマさんに有利に立って貰えるように裏で色々したり、バニルさんと少し戦ったり・・・それ以前からこっちで色んなモンスターを倒したり・・・一応こんな形ですけどレベルは王都でも活躍出来るんです!
それでも連れてって貰えないんですけどね・・・悲しみ・・・
「お嬢ちゃん、これはどんな魔道具だい?」
「あ、そちらはですね!」
あ、因みに余ったスキルポイントを家事スキルや鍛治スキルの向上に使ってます!なのでウィズさんが仕入れてくる
因みにウィズさんが仕入れてくる魔道具はカズマさんのパーティにいるめぐみんさんのお父さん、ひょいざぶろーさんが開発してるそうです・・・大変ですね・・・
因みにこの魔道具店で働いてるのはカズマさん達にこの間バレました。丁度クエストから帰ってきた時に鉢合わせてしまって・・・それでもちゃんと事情を説明したらOKを貰ったんですよ!まぁ、バニルさんに相手の心情を読むための方法を教えてもらったり、生前のいざこざで心が読める様になったんでカズマさんの考えてる事が手に取るように分かってしまったんですけどね・・・
「これもとってもいい魔道具だ、幾らだい?」
「そうですねぇ、個数にも寄りますけど1つ5000エリスでどうです?更に3つ買って頂けるなら1つオマケで他の魔道具の試作品を付けますけど・・・」
「はっはっは!お嬢ちゃん商売上手だねぇ、分かった!3つ貰おう!」
「!ありがとうございます!こちらの試作品は私が作ったものなんですけど、魔力を使わないで簡単にティンダーの魔法を出せるという物なんです!けど、使い方を間違えると大火事になるのでお気をつけ下さい!」
「それは世紀の大発明なのではないかね?!これが世に出回れば更に便利な世の中になる!ありがとうねお嬢ちゃん!この世紀の大発明、必ず成功させてくれ!」
「はい!またお越しください!」
実はこれ、昔日本で見た商談の仕方に書いてあったんです。どんな人でもオマケには弱い。それに試作品と銘打っておけば後でなんと言われてもそれ試作品と言ったはずだと弁明も出来る。さらに、その試作品の説明をすれば効果的だと・・・悪徳ですけど、それでも最終的にこちらが有利に立てるので覚えておいて損はあまりない。と・・・
あんな世界の事でも意外とこちらでは役に立つことがあるので覚えておくと意外と便利なのですよ!・・・あ、そろそろカズマさん達がクエストから戻ってくる頃ですかね?
「ウィズさーん!・・・ってそうだ、今仕入れに行ってるんだった・・・バニルさんも今日は用事があるって言ってたし・・・どうしよう・・・帰って皆さんの夕食を作らなきゃいけないのに・・・」
「こんにちわ〜、お、ちゃんと店番してるな?ミユ・・・って、ウィズとバニルは?」
「あ、お疲れ様です!ウィズさんは新商品の仕入れ、バニルさんは所用で出掛けてます!」
「なら2人が帰ってくるまで店で待たせてもらってもいいか?今日の迎え担当は俺だし」
「そういえば、皆さんはどうしたんですか?」
「アクアとめぐみんは先に帰ってる。ダクネスは食材の買い出しだな」
「今日は確かリザードランナーの討伐でしたね?如何でしたか?」
「今日もひでぇのなんの、アクアが余計な事をしてリザードランナー達をこっちに誘き寄せるわ、めぐみんは今朝の事があって爆裂魔法を撃てないわ、ダクネスはいつもの事だ。そして俺は木の上から狙撃してたんだが突っ込んできたリザードランナーに首をへし折られて死ぬわで大変だった・・・」
「あー・・・えっと・・・今日も大変でしたね。今日のご飯は腕によりをかけて作りますね!(最近死ぬ頻度が早い気がするんですが・・・大丈夫ですかね・・・)」
「あのな、ミユ・・・今日の、じゃなくて今日も、だろ?いつも助かってるよ」
「・・・これくらいしか出来ませんから、というかそろそろ私もクエストに連れてってください・・・」
「ダメだって、お前はまだ幼いんだから」
「むぅ、めぐみんさんだって私と5つしか変わらないじゃないですか!不公平です!」
「・・・お前にはまだ早いんだよ。(実際、こいつが居ればクエストも早く終わる。けど、それにアクアやめぐみんが対抗してモンスターをもっと誘き寄せるんだよな・・・それで疲弊してもっと厄介な事になるからほんとにやめて欲しい・・・)」
「・・・分かりました。けど!10歳になったら絶対連れてってください!」
「はいはい、分かった分かった。10歳になったらな(このやり取りももう何回もやってる。けど、ミユは聞き分けが凄くいいからもう少しやり過ごせるかな)」
「今度、クエスト行く時にこの嘘発見器を持っていきますね・・・」
「うぐっ・・・てかなんでそんな物持ってんだよ!」
「作ったんです!」
「鍛治スキルがやばい方向に進化してやがる!!」
そんなこんなで、次の冒険は私も着いていくことになりました!やった!
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転生して楽しい日常?
「最高級の紅茶が入りましたわよ、カズマさん」
「うむ・・・お湯なんだけど、もしかして、紅茶を浄化しちゃったのかな?」
「あらあら、私とした事がうっかりしていたわ。ごめんなさいね、カズマさん」
皆さんこんにちわ、ミユです。実は今、私は絶賛家出中なんです・・・そろそろ治ったかなと思ってたんですけど・・・
「・・・」
「入れ直せばいいだけさ。ありがとうアクア、これはこれでいただくよ・・・・・・うん、お湯!」
「気持ち悪いですぅ!!!」
「はぁ、バニルから大金を渡すと言われてから、ずっとこんな調子だな・・・ミユもあれから帰って来てないし・・・」
そうなんです。バニルさんがカズマさんの持つ全ての知的財産権を買うって言ってからずっとこの調子で・・・正直見てるのが辛いので今はウィズさんの所で住み込みという形で働いてます。
そんな私を見兼ねてか、バニルさんがそろそろ屋敷に戻ると良い事があるぞ。と教えてくれ、戻ってきた次第なんですけど・・・
「最高級の紅茶がまた入りましたわよ、カズマさん」
「・・・お湯なんだけど、また浄化しちゃったね?」
「あらあら私ったら・・・」
「触れた液体を浄化して、ただの水にしてしまうとは。うちのプリーストはおっちょこちょいだなぁ」
「「あはははははっ!」」
まだ戻ってないじゃないですか・・・
「まぁ、お金に余裕がある事は素晴らしいです。さて、討伐にでも行きますか」
「え、嫌だよ何言ってんの?大金が入ってくるってのにどうして今更働かないといけないんだよ」
「・・・分かりました」
「お?今日はやけに素直だな」
「今からウィズの所に行って、ミユを連れてクエストに行ってきます。」
「今なんて言った?」
「ミユを連れてクエストに行ってきますと言いました。あの子なら快く受け入れてくれるでしょう!あぁでも爆裂魔法を使った私をミユは運べるでしょうか、それに私を運んでる時にモンスターに襲われたらいくらミユでも危ないかもしれませんね。けど仕方ないですよね、私とミユしかパーティを組まないんですから。えぇ仕方ない事ですとも。それでは」
「待てめぐみん、ミユを連れてくのは許さん。というか、ミユを引き合いに出すのはせこいぞ・・・それに俺は首がポッキリいって死んだばっかりなんだぞ?せめてこの古傷が癒えるまでは安静にさせてくれ」
「は!分かりました。カズマの傷を癒しに行きましょう」
「いや別に、暫くゴロゴロ遊んでれば治るから・・・」
「温泉に参りましょう!水と温泉の都!アルカンレティアに!」
「俺のことはお構いなく・・・温泉と聞こえたが?」
「ねぇ!アルカンレティアって言った?水と温泉の都、アルカンレティアって言った?なら私すぐ準備してくるわ!」
「俺達も強敵との連戦で疲れてるし、温泉も悪くないな!」
なんかアルカンレティアって所に行くという事になってたんですが・・・でも温泉かぁ・・・いいなぁ・・・
「折角だし、ミユも誘っていこうぜ!帰ってきた時に1人は寂しいだろうしな!」
「カズマはほんとにミユには甘いわね。だからロリコンって言われるのよ」
「違ぇから!なんつーか、ミユは妹みたいな感じなんだ。ほっとけないっつーか・・・」
「私もそれは分かる気がします。里に残してきた妹にたまに会いたくなりますよ」
「あぁいった小さな命を守る為に私達のような冒険者が居るのかもしれないな」
「よし!ウィズの店行って、ミユと合流するか!」
そうカズマさんがいい、扉を開ける。顔が熱くてその場からさっさと逃げたい私は、転移魔法を使ってウィズさんの店に転移した。バニルさん、待っててくださいね?今すぐ残機0にしてベルディアさん達の所に送ってあげます!
~ウィズ魔道具店~
「ふははははは!恥辱に塗れた最大級の悪感情!大変美味である!!」
「バニルさんこうなる事分かってましたね!!!?とりあえず最大級の水魔法喰らわせるのでそこを動かないでください!!」
「しかし家出娘よ!吾輩があの様にするのは珍しい事なのだぞ!」
「美味しいご飯の為なら何でもしますもんね!!・・・というか、ウィズさんはどうしたんです?まるでまた使えない魔道具を仕入れてきたからバニルさんがそれにキレてバニル式殺人光線を放った後みたいな事になってるんですけど・・・」
「花丸をやろう!当たりだ」
「・・・帰ってきたらまた大仕事ですね」
「ついでだ、こやつも連れて行くといい」
「店主が店員に厄介者扱いされてるってどうなんでしょうか・・・これは、返品するしか使い道がないですね・・・タダじゃないのに・・・」
「全くだ・・・」
「こんちわ〜、って何だこの状況・・・」
「へいらっしゃい!何やら屋敷で小っ恥ずかしい事を言った挙句それを聞かれているとも知らずに何事も無かったかの様にこの店に来たしがない冒険者よ!」
「長ぇよ!てか聞かれてたってどういう事だ!?」
「実は先程まで屋敷にこの家出娘が居たのだ。そして入ろうとした時に貴様達の小っ恥ずかしい台詞を聞いて顔を真っ赤にさせて転移魔法で帰ってきたのだ!ん〜!中々の悪感情!美味である!」
ちくしょう!この悪魔嫌いです!!
~アルカンレティア行きの馬車停留所~
魔道具店で1悶着起こした後、私達は、アルカンレティア行きの馬車停留所に来ました。
そこでもまた1悶着ある様です・・・
「・・・話が進まないので私が馬車の1番後ろに行きますよ?」
「それはダメだ、ここは公平にジャンケンで決めよう。アクア、俺と3回ジャンケンしようぜ。それで、お前が1回でも勝ったら俺が1番後ろな」
「それ公平なんですか・・・?」
「カズマカズマ!確率の計算って知ってる?「うん」カズマが全部勝つとか有り得ないんですけどぉ!プークスクス!」
「・・・俺、ジャンケンで負けた事ねぇから」
そして、皆さんご存知の通りとは思いますけど、カズマさんが3回とも勝って、アクアさんが1番後ろに行くことになりました。けどそれに駄々を捏ねたアクアさんがもう一度ジャンケンを仕掛けました。
推察なんですけど、アクアさんの幸運値は超絶に低く、カズマさんは恐ろしい程に運が高い。その時点で負けるはずが無いんです。けど、アクアさんはブレッシング、幸運値を上げる魔法を使ってもう一度ジャンケンを挑みました。それでもカズマさんに届く筈が無く、あえなく撃沈。後ろでは不貞腐れているアクアさんが座っています・・・
「えっと、アクアさん?場所交換します?私はそっちでも良いんですけど・・・」
「ほんと!?代わってくれるの?!」
「アクア、お前これでほんとに代わったらアクシズ教は子供相手でも容赦なく踏み台に使うって広めるからな?」
「なんでよぉ!!折角ミユが提案してくれたのにぃ!!」
「正直お前が近くにいるとウィズが苦しむんだ。悪夢に魘されてる様な感じがしてな。逆にミユの傍に置いとけば凄い安らかなんだよ」
「そりゃ、夢見の魔法掛けてますから・・・ん?カズマさん」
「カズマだよ?」
「何かがこっちに向かって高速で来てます・・・」
私がそう警告を鳴らすと、馬車の手網を握ってる人・・・面倒なのでおっちゃんと名します。その人が説明をしてくれた。
「ありゃあ走り鷹鳶だな、チキンレースっていう雌への求愛行動を取るから硬いものに強く反応して向かってくるんだ。まぁ、その辺の岩にぶつかっていくだろう」
「・・・硬いもの・・・?確かダクネスさんの鎧は・・・」
「あぁ、アダマンタイトを少量だが含んでいる。走り鷹鳶もこっちへ来るだろうな。ハァハァ・・・」
「お前、興奮しただろ」
「してにゃい!」
そんなこんなで、私達がアルカンレティアに着いたのは次の日の昼間でした・・・時々ウィズさんが消えかかったりしましたけど、なんとか生きてます。いや、リッチーだから死んでるんでしょうけど・・・
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楽しくないオリ主の設定
今回はオリ主の設定を吐き出すだけですので短めです!
名前 伊藤 未夢(イトウ ミユ)
年齢 9歳
出身 日本
職業 アークウィザード
レベル 46
スキル 全ての攻撃系魔法、探知系魔法、空間転移系魔法、鍛治スキル、料理スキル、読唇、読心術スキル、高速詠唱。
ステータス
筋力-76
生命力-83
知力-94
魔力-98
俊敏性-88
器用さ-98
運-86
自己分析
全体的にステータスは高めだがアークウィザードだからか防御面がやや心配。けど今は殆ど冒険に出る事も無いしカズマさん達が居れば多分魔王も倒せると思ってる。
カズマから見た印象
本当に9歳か?と思う。精神面も俺より大人っぽく見えるし、鍛治スキルや料理スキルも高いから屋敷の事は殆どミユに任せっきりにしてるな。たまに悪ふざけで俺の事をお兄ちゃんと呼んでくるからドキッとする・・・
設定
生前はカズマの家の近くに住んでいたがカズマが引きこもっていた事もあり、お互いこっちに来るまで面識が無かった。カズマの屋敷に来てからは家事全般を任され、カズマ達が冒険に行く時に屋敷に一人という事もあり、ウィズの店でバイトをするという体で預かって貰っている。その実、アークウィザードの適性はかなり高く、たまにウィズやバニルの手伝いで採取や討伐に行く事もあるのでレベルがいつの間にかカズマ達より高くなっていた。
現時点で、カズマのパーティは平均19だが、ミユが入る事により、平均が上がっている。冒険が大好きでよくカズマ達に付いていこうとするが、その度にカズマに言いくるめられている。
本人曰く、いい子ぶるのも疲れるらしい。
魔法は全てウィズから、鍛治スキル、料理スキルはカズマから教えて貰っており、読唇、読心術スキルは何故か最初から持っていた。
死因は親からの虐待による衰弱死。
外見はローブ姿に魔女帽子。赤目の事もあり、カズマと出会った当初は紅魔族と思われていたが、カズマによって同郷と分かり事なきを得た。
ローブと帽子はアクアお手製であり、さりげなく神聖属性が付いている。
カズマにクエストに連れてって貰えない時は囁かな嫌がらせでシュワシュワを半分水に変えていて、カズマたちが居ない時に飲んでいる。が、その日は何故かクリスが屋敷に来る。そして飲んで帰る。
アークウィザードとしての性能はウィズ並だが溢れんばかりの魔力があるお陰で若干ウィズより強いがウィズはそれを経験で補っている。
ベルディアやバニルともタイマンで互角以上の戦いをし、魔王軍キラーと呼ばれる事もしばしば……それでも、これ以上強くなる気も無いらしく、トドメをめぐみんやアクアに任せている。
紅魔族流の挨拶も考えている模様。
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アルカンレティア編
転生して楽しい温泉!
こんにちは、あっしです。アルカンレティア編開始ですよ!
誤字報告、感想ありがとうございます!
私達がアルカンレティアに着いた瞬間、街では熱狂的なアクシズ教徒達からの勧誘に会いました。皆さんそれに疲れてしまい、一旦宿に来たんですけど……ウィズさんがまた苦しそうにしてます。回復魔法だとウィズさんにダメージ入りますし、どうしましょう……あ、そうこう考えてるとかずまさんがウィズさんにドレインタッチを使ってくれました。ダクネスさん大丈夫です?
「あぁ、これくらい構わないさ。ウィズの為だしな」
「そうでしたか……てっきりダクネスさんがドレインタッチで体力を持っていかれるのも悪くないと思ってるのかと思ってました……」
「そ、そんな事……ないぞ?」
「なんでそこで否定しねぇんだよ!」
素早くツッコミを入れるかずまさん流石です!冒険者辞めて芸人になってはどうですかね……
そんな会話をしていると、ウィズさんが目を覚ましました。身体の色も元に戻ってて良かったです……毎日のようにバニル式殺人光線受けてて良く死なないなと思いますけど……
アクアさんはめぐみんさんを連れてアクシズ教団本部へ行きました。アークプリーストとしてチヤホヤされたいそうで……絶対厄介事を持ってきますよね。分かってます……
「ウィズさん、一緒に温泉行きませんか?ちょっと疲れちゃいました……」
「温泉!行きます!行きましょう!」
という事がありまして、現在私は温泉街に来てるんです。ウィズさんとちょっと離れちゃいましたけど、何とかなります!温泉に入りつつ、ちょっと待ちます……
「あら?可愛らしい子が来たわね」
「あん?そうだな」
「あ、こんにちわ……ここって混浴だったんですね…」
「そうよ?どの温泉も気持ちいいけどここは別格ね」
「まぁ、そうですね。どの温泉も気持ちよかったですよ……ここは別格なんですか……失礼しますね」
「にしても、石鹸洗剤石鹸洗剤……いい加減嫌になるぜ……」
「そうなのよね……」
「まぁ、アクシズ教ですから仕方ないって言ったら仕方ないんでしょうけどね……これ、良かったら飲みます?私の家事スキルで作ったものなので、美味しいかどうかは好みに寄ると思いますけど……」
「これは、飲み物なのかしら?」
「一応飲み物です!コーヒーとミルクを甘めに混ぜて、温泉に合うように作ったコーヒー牛乳という代物です!私は温泉に浸かる時はいつもコーヒー牛乳を飲んでるんです……」
「そうなの?それじゃあ頂くわね?貴方もどうかしら?」
「あぁ、ここに来てからろくな事がないしな。有難く貰おう……本当にこんな街……こんな街ぃ!!」
「気持ちは分かります……」
「はぁ、全く人が下手に出てりゃ……やれ入信だ、やれ勧誘だ……なんだかんだなんだかんだ言いやがって!くそがァァァァ!!」
「うわっ!」
「危ないじゃない!この子に当たったらどうするの!?」
「す、すまねぇ……お嬢ちゃんもできる事なら早めにここを立ち去った方がいいぞ……」
「勧誘怖いですもんね……私も此処には湯治に来たんですけど、逆に疲れが溜まった気がします……というか、顔がめちゃくちゃ怖かったんですが……」
「さて、私はそろそろ行こうかしらね。貴方、ここを案内してくれない?」
「無理だ、ここは魔境だと言っただろ?」
まぁ、確かに魔境ですね……仕方ないですアクシズ教の総本山なので……私、アクシズ教徒でもエリス教徒でも無いんですけど……
「そう、じゃあまたね。また会いましょう?お嬢さん」
「は、はい!またいずれ!」
そう言うと、エルフ耳の女の人は温泉から出て行った。男の人の方はまだ出ないみたい……結構怖いです……
「えっと…失礼ですけどお名前教えて貰っていいですか?ずっと貴方やお嬢ちゃんだと呼びづらいでしょうし…私はミユです。さっきも言いましたけどアークウィザードをやってます!」
「あ、あぁ、俺はハンスって言うんだ。旅商人をやっている……アークウィザードか、確か知り合いにも居たな……」
「そうなんですね……ハンスさん旅商人なら面白い装飾品ありますよ?アクシズ教が勧誘してこなくなるやつが」
「そんなのがあるのか・・・」
「はい!このエリス教のシンボル!私エリス教徒じゃないんですけどここに来る時は持ってた方がいいって言われて貰ったんです!それを模して作ったのがこれです!」
「鍛治スキルでも持ってんのか?すげぇいい出来だが……」
「鍛治スキルと家事スキルはMAXにしてます!」
「おぉ・・・」
「これあげますよ。仲良しになった印です!」
「仲良くなった……のか?」
「はい!仲良くなりました!」
「そうか、ありがとな」
ハンスさんはそう言うと、私の頭を撫でてくれました。なんか久しぶりに他人から頭を撫でられた気がします・・・生前はあまり撫でてくれる人居なかったですし・・・
「どうした?暗い顔して」
「い、いえ!なんでもないです!」
「そうか、さっきも言ったがなるべく早く立ち退くんだぞ」
そう言うと、ハンスさんは温泉から出て行ってしまいました。もう少し話していたかったですけど、仕方ないです。
私はそう思いつつ、温泉から出て自分の着替えがある所を見ると、入信書と石鹸が置いてありました・・・石鹸ちょっと美味しくて腹が立ちました・・・
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転生して楽しい温泉②!
今回は書けるところまで書きます・・・
「うわぁぁぁん!ミユぅぅぅ!聞いてよぉ!私!温泉に入ってただけなのに!私の体質で温泉がただのお湯になっちゃっただけなのにぃぃ!!それで追い出されたのよ!?どうして私を崇める教会から追い出されなきゃ行けないの!?私、女神なのに!」
「それ、絶対浄化したからですよね・・・そりゃ追い出されますよ・・・効能を無くされてお湯にされたらお風呂と同じですもん。営業妨害ですしそれ・・・私なら追い出す前に相手を精神的に追い詰めて二度と温泉に入れないようにしますけど・・・」
「酷っ!?あ、そうだわ!私が女神らしく問題を解決して、皆に認めさせればいいのよ!これで全部上手くいくわ!」
「更に面倒な事になるんで大人しくしててもらっていいですか?本当なら温泉を浄化した時点でアルカンレティアを出禁になってもおかしくないんですから・・・」
「なんでよぉぉぉ!!というか!なんでミユは私にだけそんな冷たいの!?不公平よ!」
「・・・クエストに行けば借金作ってくる。店の物は使えなくする。何処かに行けば問題しか起こさない自称女神様に公平にするって・・・聖人でも匙を投げるレベルですよ?それに、この間アクアさんにダメにされた商品の事、まだ怒ってるんですからね?なんですかライターオイルを浄化して水にするとか、何ができるんですかそれ!」
「うわぁぁぁん!カズマしゃぁぁぁん!」
「なんだろう・・・ミユに口喧嘩で勝てる気がしない・・・それくらいにしてやれよミユ、アクアも悪気があってやった事じゃないだろ?」
「悪気があってやってる人なんて犯罪者くらいしか居ませんよ!」
「ご最もです・・・」
「全部カズマさんに責任押し付けて、リーダーでもそこまで責任を被ることなんて無いんです!自分でやった事は自分で片を付ける!それが一人前の冒険者ってものです!」
「なんか、ミユがパーティを組まずに1人でクエスト行ってた理由が分かった気がするぞ・・・」
「カズマさんもカズマさんです!人が良過ぎるんですよ!・・・いやそこがカズマさんの良い所なんですけどね!」
「ミユ、ストップだ。それ以上言うなら私にしてくれ。さぁ!私をなじってくれ!」
「・・・」
「あぁ、良いぞ。その薄汚い豚を見るような目!最高だ!」
「ダクネスさんは正直性癖以外は別に問題行動して無いですし・・・」
「あぁ、それは俺も思う。性癖さえ何とかしてくれれば完璧なんだけどな・・・」
「・・・もういいです。頭痛くなるんで辞めます。言うの・・・」
私は若干痛くなってる頭を休める為にその場に座って、ため息を吐いて、他の皆さんの話を聞きます・・・もうどうにでもなれですよ・・・
「なら!管理人さんが言ってた「最近温泉の質が悪くなってる」って件、私達で解決しましょ!私の考えでは、我が教団を危険視した魔王軍が、真っ向勝負では勝てないと踏んで温泉という貴重な財源を奪いに来たんじゃないかと思ってるのだけど!」
「魔王軍って、それはちょっと無理があるだろ。考え過ぎだって」
「私は!この街を救うために立ち上がるわ!さぁ!行くわよ!ミユ!」
「嫌です。連れてくならダクネスさんにしてください」
「なんでよぉぉぉ!」
「問題というより暴動が起きる気がしてならないからです。帰ってくるまでに荷物まとめておくので気が済んだら帰ってきてください」
「いいわ!そこまで言うなら見てなさい!軽やかに事件を解決してくるわ!行くわよダクネス!」
「あ、あぁ」
「あ、待ってください。もう夜も近いですし、明日行ってはどうです?夜だと意外と話聞いてくれない人が多いので」
「そうね、それもそうだわ!明日にしましょ!」
こんなので言いくるめられてるからアクアさんほんとチョロい・・・
そして次の日、宣言通りアクアさんとダクネスさん。何となくでカズマさんとめぐみんさん、ウィズさんも付いていきました。
暫くして、荷物をまとめ終わると同じくらいに皆さんが帰ってきて、案の定暴動が起きた事を告げられましたとさ・・・知ってたとしか言いようがないです。
「なんでよぉぉぉ!なんで私信者の子に石を投げられなきゃいけないのよォ!」
「まぁ、分かりきってた事なんで驚きはしないです。さ、荷物まとめ終わってるのでここを出ますよ」
「お前、随分冷静だな。もしかして、ここまで見通してたのか?」
「いや、バニルさんじゃないですから見通すなんて出来ないです。けど、少し考えたら分かる事じゃないですか。トラブルメーカーのアクアさんが何かやろうとすれば絶対こういうことが起きるって・・・」
「酷っ!?カズマさん!ミユが反抗期だわ!私に対してだけ反抗期だわ!」
「なるほど、これが反抗期ってものなのですね?」
「違ぁぁぁう!色々間違ってる!」
「というより、早くここを出た方がいいのでは?アクシズ教徒達が外に群がってますよ?」
「え?」
カズマが窓から外を見ると松明を持ったアクシズ教団がゾロゾロと宿の前に集合していた。
「悪魔倒すべし!魔王シバくべし!」
「うわぁぁぁ!見ろ!窓の外にアクシズ教徒達が!」
「居たぞ!あの部屋だ!窓からこっちを覗いているぞ!」
「女神の名を語る魔女め!許すまじ!」
「魔女狩りだぁぁぁぁぁぁ!!」
「おおおおおおおおおおおお!!!!」
「・・・これは、流石にマズイですね・・・窓から逃げた方が良いと思います・・・」
「だな!魔女狩りとか言ってるし!やばい!みんな逃げるぞ!」
そんなこんなで、私達は窓から外へ脱出して、街中を走ってます・・・今は、ちょっと隠れてますけど・・・捕まえて簀巻きにしろとか言う人達を助けるのもなんか嫌なんですけど・・・
「あんな風に言ってる奴ら、別に助けなくてもいいんじゃないか?」
「うぅ、みんな私の可愛い信徒達なんだから・・・温泉が汚染されて、興奮してるだけだと思うの」
「汚染された温泉か・・・もしかしたら、源泉が毒されているのかもな・・・」
「源泉を浄化すれば、信者の方達も冷静になるかもしれませんね」
そのまま効能ごと浄化して更に怒られる未来が見えます私・・・
「偽アクア一行だぁ!ここにいるぞぉ!!」
「くっ、見つかりましたか・・・とりあえず、源泉へ急ぎましょう!」
「逃げたぞ!人を集めろ!追え!追えぇぇぇぇ!」
剣幕が凄い!圧が強い!責められてる感覚・・・吐きそうな感情・・・憎い・・・憎い・・・
「ミユ!今はアイツらのことは後だ!止まるな!」
「は!はい!」
アクシズ教徒達から逃げつつ、私達は源泉のある山頂に来ています。綺麗な所で、汚染されているとは思えない場所なんですけど・・・
「待て、誰かいる・・・」
ダクネスさんが制止し、私達が目を凝らすと、そこには・・・
「ハンス・・・さん?」
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転生して楽しい温泉③!
自分書き溜めしない派なので即興です!
「ハンス・・・さん?」
私がそう呟くと、カズマさんが不思議そうにこちらを向いた。
「あの人と知り合いなのか?見るからに怪しいけど・・・」
「はい、昨日間違って混浴入った時に「混浴!?」煩いです。入った時に女の方と一緒に居た人です。この街から早く立ち去った方がいいって言ってたんですけど・・・」
私がそう言うと、アクアさんが唐突に怪しいとか言い出しました。
「あいつが源泉を汚してたのね!とっ捕まえてやるわ!」
「待ってくださいアクアさん!ハンスさんは悪い人じゃ!」
「いや、ミユ?あれを見てみろ」
「えっ?」
私はカズマさんに言われた通りにハンスさんの方を見るとハンスさんが自分の手を源泉に突っ込んで居ました・・・なぁぁにやってるんですかぁぁぁぁ!?と叫びつつ、私はハンスさんの所に駆け寄りました。
「ハンスさん!?何をやっておられるのですか!?ここ源泉ですよ!?火傷するじゃ済まないんですよ!?」
「なんだなんだなんだ!?お、お嬢ちゃんか・・・脅かすなよ・・・というかどうやってここへ・・・」
「そんな事はいいんです!重要なことじゃないので!それよりも手!手見せてください!火傷してないですか!?痛くないですか!?」
「あのな嬢ちゃん、実は俺は・・・」
「あぁ!爛れてるじゃないですか!待っててください!今回復魔法掛けますので!」
「は、話を聞けえええぇ!」
カズマさんは後に、なんかこの状況見た事あるな・・・と言ってたそうな。知りません。
「あぁ!ハンスさんってやっぱり!私ですよ!ウィズです!同じ魔王軍に居たじゃないですかぁ!忘れちゃったんですか?」
「魔王軍!?」
「え?ちょ、ちょっと何を言っているのか……」
「ハンスさんは確か、デッドリーポイズンスライムの変異種でしたよね?!ひょっとして、ハンスさんが源泉に毒を入れていたんですか?」
「!カズマ!やっぱりこいつが源泉に毒を入れていたのよ!私の勘に狂いは無かったわ!」
「いやぁ!そんな!ただの管理人である私にそんな事は・・・」
「あれ?私と話してた時は旅商人って言ってませんでした?」
「ぐっ・・・」
「何言ってるんですか!毒を出すのは得意でしょう?昔、魔王さんのお城で・・・」
「ああああああああ!急ぎの用事が!今から街へ戻りますんで・・・」
「ちょっと待て!どこへ行こうと言うのだハンス!」
「逃がさないわよ!ハンス!」
「誤魔化そうとしたようですが無駄ですよ!ハンス!」
「悪足掻きは辞めて、そろそろ正体を表せよ!ハンス!」
「ハンスさん!悪い事をしたらダメですよ!皆さんに謝りましょ!?私も一緒に謝りますから!」
「ちくしょぉぉぉ!ハンスハンスと気安く呼ぶんじゃねぇぇ!というか誰が謝るかァァァ!」
「反抗期ですか?!ハンスさん!?実は私も最近反抗期が来たって言われましてね?」
「世間話をするな!相手は魔王軍だぞ!?」
「え、けどウィズさんも魔王軍幹部ですよ?」
「ウィズはまだいいんだ!人に危害を加えてないから!けどこいつは人に危害を加えやがったからダメだ!!」
「そんなぁ・・・せっかく仲良くなったのに・・・」
「泣くんじゃねぇ!俺とお前は魔物と人間!相容れない存在なんだ!」
「けど!魔物使いというジョブがありますよ!」
「あんな奴らと一緒にするな!・・・あぁ、年月をかけて隠密に計画してきたのに・・・ウィズのせいで台無しだ・・・確かお前は結界の維持以外で魔王軍に協力しない。その代わり俺達に敵対をしないという不干渉の契約だったはず。そんなお前が、どうして俺の邪魔を?」
「えぇ!?私、ハンスさんの邪魔をしてしまいましたか!?久しぶりに会ったから声を掛けただけじゃないですか!」
「それが邪魔になってんだぁぁぁ!」
「あんたが源泉を汚染したせいで、こっちは魔女呼ばわりされてるのよ?覚悟しなさい!」
「いや、それはアクアさんの体質のせいでそうなったのでは・・・」
「ウィズ、ミユ、こいつとは顔見知りなんだろ?戦いにくいだろうから下がっててくれ」
「え、カズマさん?た、確かに私としては戦うことは遠慮したいのですが・・・」
「大丈夫、最弱モンスターのスライムなんて、余裕で倒してやるよ」
「いい度胸だ、相手をしてやる・・・俺の名はハンス。魔王軍幹部の1人。デッドリーポイズンスライムのハンスだ」
「今なんて?魔王軍幹部?!」
「カズマさん!ハンスさんは魔王軍幹部の中でも高い賞金が掛けられている方です。とても強いので注意を・・・」
「・・・あ、もしかして日本だとスライムは最弱モンスターだから余裕で勝てると思ってました?!こっちの世界だとスライムは強敵ですよ!物理攻撃はほぼ効かないですし!その身体に飲み込まれたら最後ドロドロに溶かされちゃいます!」
「まじか!?」
「しかも!ハンスさんの毒は街中の温泉を汚染する程の猛毒なんですよね?!触ったら即死しますよ!」
「即死!?」
「大丈夫よカズマ、私がいるから死んでも復活させてあげるわ、けど捕食はダメよ?消化されたら蘇生できないからね?」
「ふはははははは!さぁかかってくるがいい、勇敢なる冒険者よ。この俺を楽しませてみろ!」
魔王軍幹部
デッドリーポイズンスライムのハンスを討伐せよ
即効で逃げ出したカズマさん、それを追いかけていくアクアさん達。私はその場にポツンと取り残されてしまいました・・・逃げ足速いなぁ・・・
「えっと、お前は逃げないのか?」
「え?えぇまぁ、と言っても戦う気も無いですし、どうせ戻ってくるので少しお話しませんか?」
「え?ま、まぁいいが・・・」
という事で、カズマさん達が帰ってくるまで暫くハンスさんとお喋りです。
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転生して楽しい温泉(終)!
今回は、ミユがチートっぷりを発揮します!
誤字報告ありがとうございます!ちゃっかりそちらの作品も読ませていただいてますよ!
「という事がありましてね?ウィズさんが作った赤字を消すのに苦労しました・・・」
「商売向いてないんじゃないかあいつは・・・」
皆さんおはこんちー!私です!今はカズマさん達が帰ってくるまでハンスさんとお話してますよ!ハンスさんが殺した人の数だったり、どういう風に殺したとかだったり、大体食べてたらしいですけど・・・物騒な世間話をしてたらいきなりハンスさんが立ち上がり
「さぁ、話は終わりだ。どうやら戻ってきたみたいだしな」
「あの、ハンスさん。どうもハンスさんが悪い人だと思い切れないんですけど・・・というか魔王軍の方がホワイトな気がするんですけどどうしてなんでしょう・・・?」
「それは知らん。第1、そうだったとしても俺の預かり知らん所だしな。いつか魔王軍に来た時にでも聞いてみるといい」
「いや入る気は無いんですが・・・?」
「ほんと、お前と居ると調子狂うぜ・・・おら、奴さん方が来たぞ。戻れ戻れ」
うぅ、どうしても改心して欲しいし、何となくだけど食べてきた人種があれだったせいでこんな性格になってるだけな気がする・・・でも、私の一存じゃあ・・・
「待たせたな、ハンス。覚悟を決めてきたぜ」
「ようやく戻ってきたか、冒険者達よ。待ちくたびれたぞ」
「ミユを返してもらうぞ!ハンス!」
「いや捕まってないですから・・・」
「ふはははははは!返して欲しけりゃ俺を倒すんだなぁ!」
「いやだから捕まって無いですって・・・」
「そういえば貴様、ここに居るはずの管理人はどうした!」
「食った」
「・・・カースド・クリスタルプリズン!」
ウィズさんの放った魔法は、ハンスさんの腕を一撃で砕く程の威力だった・・・いつも見せてたあの優しそうな店主は何処へ?
「がぁぁぁぁ!!お、俺の左腕が・・・」
「確か私の中立でいる条件は・・・「戦闘に携わる人間以外を殺さないこと」でしたね?」
「ぐぅぅ、やめろ!魔法を解け!」
「冒険者達が戦闘で命を落とすのは仕方の無い事。彼等だって、モンスターの命を狩って生計を立てているのですから、逆に自らが狩られる覚悟を持つべきです。ですが・・・ですが!管理人さんには!何の罪も無いじゃないですか!!」
確かに、逆の立場になればそういう事も有り得なくはないし、いつ死んでも文句は言えないです・・・
「ちょっと、ウィズが怖いんですけど・・・」
「氷の魔女と呼ばれたお前を相手にするには、やむを得ん!本能のまま喰らい尽くしてやる!うぉぉおおおお!」
そうハンスさんが言い放つと、ハンスさんは異形の姿。本来のデッドリーポイズンスライムに成り代わった。
「なんか・・・炎で世界を焼き尽くした巨人の腐った姿に似てます・・・」
「懐かしいけどそんな事言ってる場合じゃねぇ!逃げろミユ!」
「・・・大丈夫ですよ、カズマさん。決心は付きました・・・私、ハンスさんを・・・倒します!」
-カズマside-
「大丈夫ですよ、カズマさん。決心は付きました・・・私、ハンスさんを倒します!」
何言ってるんだ。お前、すげぇ泣きそうじゃないか・・・そうだよな、言っちまえば友達を倒すんだもんな・・・
「そんな辛い思い、お前だけに背負わせるなんて出来るかよ!俺達もやるぞ!」
「「「「勿論(です!/よ!/だ!)」」」」
-side out-
・・・皆さん・・・優しい方達です・・・本当に私はこちらに来てから、恵まれていますよ・・・エリス様・・・
「ハンスさん!私は貴方を倒します!向こうでベルディアさんによろしく伝えといてください!」
「がぁぁぁぁ!!」
「カズマさん、援護は任せますよ?」
「おう!・・・え?今なんて?」
「援護は任せますと言いました。ダメですか?」
「・・・あぁもう!危なくなったら下がれよな!」
「っ!はい!」
私はハンスさんに近付き、今まで覚えてきた中で1番ハンスさんに効きそうな技を選ぶ。
「ハンスさん、今から出す技・・・受けて生きてたらまたお話したいです・・・理性が残ってたら・・・ですけど・・・」
そう言ってる間にも、ハンスさんはどんどんこちらに近付いてくる。それが私の作戦でもあるんですけどね・・・
「いっけぇ!『ライトニング・ストライクぅぅ!6連射ぁ!!』」
それを放った瞬間、ハンスさんにかなり強力な落雷が当たる。6回も・・・カズマさん達は「うわっ、えげつねぇ・・・」って言ってたらしいけど気にしません。え?上位魔法は連射出来ないだろって?それは魔力が足りないからじゃないですかね?
「いや、まだだ・・・まだ・・・動ける・・・ぞ・・・」
「・・・なんか、小さくなりました?」
「お前が・・・あんな・・・無茶苦茶な事・・・するから・・・だろ・・・」
「爆裂魔法喰らうのとどっちが良かったです?」
「まだ・・・爆裂魔法の・・・方が・・・よかったわ・・・クソが・・・」
「そうですか・・・そこでハンスさんに素晴らしい提案をします!」
「なん・・・だよ・・・」
「貴方も1回死んでもう1回こちらに転生して、私の働いてる魔道具店に来ませんか?転生する時にエリス様っていう人に私の名前出せば多分特例で認めてくれますよ?」
「そんなことが・・・可能・・・なのか・・・?」
「出来なかったらエリス様脅します」ニッコリ
「お前・・・悪魔より・・・悪魔らしいぞ・・・」
「じゃあ、そういう事で。必ず私の名前、出してくださいね?この事は、カズマさん達には内緒ですよ?」
「ちっ、好きに・・・しやがれ・・・」
「ちょっと痛いけど、我慢してくださいね・・・私もすぐ行くので・・・『バニル式殺人光線!』」
「ぎぃやぁぁぁぁぁ!!!」
私達がアクセルの街に帰ってきたのは、次の日の昼頃でした。あの後、バニル式殺人光線を使った私は、やっぱりという風に死にました。命の価値観が軽すぎると言われましたし、3時間位エリス様にお説教されましたけど、ハンスさんもこっちに連れて来れましたし、ちゃんとハンスさんを討伐したという証も冒険者カードに刻まれてました。計画通り!です!帰ってから報酬もちゃんと貰いましたし、一件落着です!
「いらっしゃいませ!ウィズ魔道具店へようこそ!本日はどのようなご要件でしょう!」
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日常編!
転生して楽しい日!
はい、どうもあっしです。
「えっと、これはここ・・・これはここ・・・これは・・・ハンスさん、そこの棚にこれお願いします!」
「おう」
皆さんおはやっふーです!私です!今ちょっと棚卸ししてるんですけど、ハンスさんのお陰で高い所にも商品が置けるようになりました!ウィズさんとバニルさんはまた居ません!
バニルさんはなんか、新しくダンジョンを見つけたらしく、そこの改装に力入れてるみたいです。後で攻略しに行きましょうかね?
「お嬢ちゃん、これは何処に置くんだ?」
「だからミユです!それは・・・あそこの棚ですね。ポーション類なので」
「あ、あぁ悪いな・・・どうしてもお嬢ちゃんって固定概念が・・・」
「もう・・・ハンスさん?貴方は転生したんですよ?そりゃ冒険者登録した時はえぇ・・・ってなりましたけど!でも!これで冒険者の仲間入りなんですから!」
「そういえば気になる事を言っていたな。確かベルディアも転生させたとか」
「えぇ、まぁ、変態ですけどそれ以外は普通に騎士ですから!今頃何処かの王国で騎士団長でもしてるんじゃないですか?」
「あいつが騎士団長・・・まぁ、分からなくはないな。ん?これはなんだ?」
「あ、それは私が作ったやつなんです。まだ試作段階なので商品として棚に置けないんですよ」
「ほんと、色んなもの作ってるんだな・・・」
「作るしかないんですよ・・・店主さんがつっかえないものばっかり仕入れてくるから・・・」
「・・・お前も大変だな・・・」
「慣れたのでいいんです・・・よし!これで棚卸しは終わりにしましょう!棚卸し終わったら今日は自由にしてていいと言われてるんで今日は街を案内しますよ!」
「いや、いい。クエストでも行くか?すぐ終わるやつがいいが・・・」
「ならジャイアント・トードの討伐でも行きます?冬だからあんまり居ないですけど・・・」
「そうか、冬だしな・・・モンスターは大体冬眠に入っているだろうから危険もないか」
「なら行きましょう!」
「クエストが全然無い・・・この時期いつもこうらしいですけど・・・あ、雪精の討伐がありますよ!」
「こいつら討伐してると冬将軍が出てくるだろ・・・だが1匹10万エリスか・・・」
「冬将軍ってかなり強いんでしたっけ・・・確か討伐報酬は2億エリス・・・倒せばカズマさん達を少し楽に出来ますかね?」
「俺は別にそっちの討伐報酬なんか要らねぇからやるならお前が持ってっていいぞ。お前なら余裕で倒しそうだしな」
「はい!じゃあこれ受けてきます!」
あ、そうそう。ハンスさんは名前と容姿以外は元魔王軍幹部という実力者なのでステータスがめちゃくちゃ高いです!けど何故か商人にしちゃったんですよ!?勿体ないですよね!?
「お姉さん!これ受けます!」
「え?雪精の討伐?大丈夫ミユちゃん?」
「はい!少しでもカズマさん達に恩返ししたいですし!」
「立派過ぎるわ・・・けど危なくなったらすぐに帰ってきなさいね?」
「大丈夫です!この間またレベル上がったので!じゃあ行ってきます!」
「そ、そう・・・気をつけていってね」
「えいっ!えいっ!とぉ〜!」
「なんでアークウィザードなのに物理なんだ・・・よ!」
「なんか!この間!魔法と!物理を!合わせた!魔法剣士が!お店に!来たので!その!影響!ですかね!これで!20体目!」
「今年の春は結構早く来そうだな。この辺でいいだろう。そろそろ現れるぞ、冬将軍が!」
そうハンスさんが言うと同時に、辺りが吹雪いて来ました。
「ハンスさん、寒くは無いですか?」
「あぁ、お前のくれたカイロと言うものが役に立っている」
「なら良かったです!これは売り物でいいですね!」
話してる間に冬将軍が現れて、こちらをガン見してます。どう見ても侍です本当にありがとうございました。日本の冒険者さん達、見つけたら後でシバきます!
「先手必勝!インフェルノ!!8連!」
私が魔法を放つと辺り1面雪が溶け、冬将軍も居なくなってました。雪精の討伐数もかなり増えてます・・・最強系の小説って萎えますよね、分かってます・・・けど私は生きる為にやってるんです・・・ご容赦してください・・・この間王都から推薦状来てたみたいですけどカズマさん達が一緒じゃないと行きません!
「相変わらず容赦ねぇ・・・この辺の雪精半分消し飛んだぞ・・・」
「ついでに1匹捕まえたので冷蔵庫にでもしますか?」
「お前モンスターに対して情が無さすぎな・・・」
「戻りました〜!ルナさーん!換金お願いしまーす!」
「おかえりなさい!大丈夫でしたか?」
「はい!ハルさんが冬将軍に切られそうでしたけど何とか大丈夫でした!これ2人の冒険者カードです!」
「はい、確かに・・・では、換金してきますね?」
「幾らになるかな?ハルさん?」
「さぁな、20は超えてるだろうけどな」
そんな事を口走っていると、ギルドカウンターの奥から驚きと賞賛の声が聞こえてきました。
「お待たせしました。ミユちゃん、今回の換金なんだけど、1人で持って帰れる?かなり多いのだけど」
「はい!頑張って持っていきます!」
「そ、そう。じゃあこれが雪精の討伐分ね。雪精の討伐数が合計で50体。ミユちゃんが35体で、ハルさんが15体です。1匹10万だから500万エリスよ」
「ありがとうございます!あ、ちゃんと分けてある・・・」
「それとこっちが、冬将軍の討伐報酬。2億エリスね」
「なに!?冬将軍を討伐しただとぉぉぉぉ!?」
「わぁ、いっぱいだぁ・・・持って行けるかな・・・」
「流石ミユちゃんだ!稀代の天才アークウィザードだぜぇ!!」
「恥ずかしいです!その呼び方!!」
「お、なんかギルドが賑やかだな。なんかあったのか?」
あ、カズマさん達も丁度帰って・・・なんかまたヌメヌメになってますね・・・
「あぁ!ミユちゃんがまたでかい事をやってくれたぜ!」
「ミユが?今度は何をしたんだ?」
「なんと!あの冬将軍を討伐したんだ!流石だぜぇ!」
「ええええぇ!?あの冬将軍を!?」
「あ、カズマさん!はいこれ!討伐報酬です!」
「いやいやいやいや!これはお前のだろ!?ならお前の好きにしていいんだぞ?!」
「?好きにしてるからこうして渡してるんですけど・・・」
「だからといって・・・これは受け取れないぞ!」
「・・・分かりました!なら皆さん!今日は私が奢ります!」
私がそう言うと、ギルドの皆さんは大歓喜しました!皆さんの笑顔が見れるならたまにこういう事してもいいかもしれませんね!
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過去編!ベルディアとの邂逅!
今回はベルディア編です!少々長くなるかもしれませんがご了承ください!
大体ミユが転生して2週間くらい経ってからの話です!
こんにちは!ミユです!私は今、最近魔王軍幹部が近くに居るという事でクエストが少なくなってしまって、若干引きこもり気味のカズマさん達を他所に、ウィズさんにお使いを頼まれたので採取クエストに来てます!あ、これこれ。
「よし、いっぱい集まったし、そろそろ街に・・・あれ?あんな所に廃城なんてあったんですね・・・」
「はぁぁぁ・・・全く・・・どこのどいつだ人の城に爆裂魔法なんて放ってる大馬鹿者は・・・」
「あ、こんにちは」
「あ、どうも・・・じゃねぇ!なんでこんな所に人が!お前か!?お前が人の城にポンポン爆裂魔法を撃ってるやつは!」
「えぇ!?違いますよ!!私、爆裂魔法なんて使えません!」
「そ、そうか・・・すまねぇ、勘違いした・・・じゃねぇよ!なんでこんな所に居るんだ!?まだ幼ぇガキじゃねぇか!いいか?この辺は危険なモンスターがうようよいやがるんだ。お前みたいなガキはすぐ食われちまう!分かったらさっさと街に戻れ!」
「で、でも!私お使いの途中なんですよ!?確かにもう少ししたら戻ろうとしてますけど!」
「お使い?こんなガキに頼むやつは相当な腰抜けだなぁ!」
「えっと、その人はお店が忙しくて、その人の代わりで来てるんです!悪く言っちゃダメですよ!」
「そ、そうか・・・悪い・・・言い過ぎた」
「いえいえ、分かってくれたならいいんです・・・それで、あの・・・貴方はアンデッド・・・ですか?首落ちてますけど・・・」
「あ?あぁ、俺はデュラハンのベルディアってもんだ。さっき城に爆裂魔法を撃った大馬鹿者のせいで首だけ城の外に放り出されちまったんだよ。ったく、どこのどいつだ・・・」
「あはは・・・大変ですね・・・怪我とか大丈夫ですか?」
「これでもアンデッドだ。何発も貰ったならともかく、1発なら耐えられる。それに、俺には浄化魔法なんかも効かないしな」
「浄化される事あるんですか・・・?怖い世界ですねここ・・・」
「そりゃアンデッドだからな、だが、冒険者等にやられる俺じゃない。殺られる前に殺るからな」
「そ、そうですか・・・まぁ、そりゃあ冒険者はモンスターを狩って生計立ててますし、逆もありますよね・・・」
「あぁ・・・なんか嬢ちゃん達観してるな」
「そうですか?これくらい普通だと思いますけど・・・」
「いや、嬢ちゃん位だと普通冒険者とモンスターの関係を聴いたら泣き出す筈なんだ・・・それが無いと言う事は達観してるんだよ」
「買いかぶりすぎですよベルディアさん。私は唯のしがない店の店員の1人でしかないです。ベルディアさんの持ってる武器でやられたらすぐに死んじゃう弱い存在ですよ」
「嬢ちゃん、人間にしとくのは勿体ねぇな。今からでも魔王軍に来ないか?俺が口添えしてやるが」
「魅力的なお誘いですけど、遠慮しますよ。私自身が人間に狩られるとか想像したくないです・・・」
「だよな、悪い、忘れてくれ」
「にしても、身体の方は大丈夫なんですか?」
「あぁ、復活してこっちに向かってきてるがまだ時間が掛かりそうだな」
「なんなら私がお城まで届けます?その方が早いと思うんですけど・・・」
「・・・なら、恥を承知で頼む。昨日から戻っていないから部下が心配でな」
「わっかりました!」
「着きましたよ?ベルディアさん」
「な、なんでこんな・・・速えぇんだよ・・・めっちゃ揺れたし・・・気持ち悪・・・」
「大丈夫ですか?酔い止め入ります?」
「だ、大丈夫だ・・・しっかし・・・なんてこんな・・・はえぇんだよ・・・」
「あ、それは多分風属性の魔法使ったからですね。はやきことかぜのごとしです!」
「よく分からんが、お前ウィザードだったのか?」
「いいえ?ただのしがない店員ですが?」
「お前のような店員が居るか!」
「だってほら、杖も装備も何も無いですよ?」
「それはそうだが・・・」
「ベルディア様!無事ですか!?貴様!ベルディア様に何をした!ぶっ殺してやる!」
「ま、待て!こいつは敵じゃない!」
「な、ベルディア様?!」
「お〜・・・スケルトンにゾンビ、それにアンデッドがいっぱい・・・」
「そ、そうだ!俺を城に戻してくれたのは感謝する!だが!ここは生者が居ていい場所では無い!速急に立ち去れ!」
そうベルディアが言うと、城を中心に魔法陣が展開される。これは・・・
「ま、まずい!皆伏せろ!!」
その瞬間、城を爆裂魔法が襲う。その衝撃に殆どのアンデッド達は耐えられなかったようだ。例外は無く、私も・・・
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過去編!ベルディアとの邂逅!②
なんかベルディアとの邂逅というより、エリス様との邂逅になってますね!けどどうでもいいんです、重要なことじゃないので
ここは、何処でしょうか・・・いや、かなり見覚えありますよ。最初にこっちに転生した時に来た所ですね。
「お久しぶりです、イトウミユさん。誠に残念ですが、貴女は死んでしまいました・・・」
「あぁ、爆裂魔法に巻き込まれて死んだんですよね?知覚は出来てたんですけど、回避出来なかったのが悔しい限りです・・・」
「えぇ、なのであなたはこれから日本に転生して貰います」
「え、嫌ですけど」
「そうでしょうそうでしょう・・・って、え?」
「だって前回はそっちの都合でこの世界に連れてこられたのに、またあっちに行くなんて都合が良過ぎませんか?というか私お使いの途中なので早く戻してもらってもいいですか?」
「え、えぇ!?だって普通この世界に転生した人達は大体日本に再転生してるんですよ!?なのに貴女だけ特別扱いする訳には!」
「この間、カズマさんが冬将軍に殺られた時にアクアさんが無理やり『リザレクション』を掛けて蘇生したのを私が知らないとでも思ってるんですか?その後始末書の山に追われてたのも知ってるんですよ?」
「な!?なんでそんなことまで!?」
「ただのカマかけです。けど大当たりみたいですね」
「ぐ、ぐぬぬ・・・」
「私だけ特別扱いですか?それだとカズマさんは特別扱いにならないという事ですよね?何故カズマさんだけ特別扱いにならないんですかね?贔屓ですかね?女神様がそんな事して許されるんですかね?」
「分かりました!分かりましたから!特例!特例で認めますから!・・・こんな理不尽なのはアクア先輩以来ですよ・・・」
「まだ脅す材料はあるんですけど、今回はなんか向こうが不味い事になってるみたいなのでこれで失礼しますよ。あ、それと特例と言うことでもう1つお願いがありまして!」
「な、なんですか?」
「もし今後、こちらの世界で死ぬ様な人やアンデッドが居たら、その人の意向に応えてあげて欲しいんです。問答無用で地獄に行かせるんじゃなくて、ちゃんと話を聞いてあげて欲しいんです!」
「むっ・・・それは・・・」
「勿論、無茶なお願いとは分かってますよ?ですので、対価は支払いますよ!」
「た、対価!?ダメです!ダメですよ!私なんかに対価なんて!」
「今後、エリス様に何か困った事があった場合、私も微力ながら協力します!これは絶対です!私は約束を破ったりしません!エリス様は女神様ですけど、神様にだって誓います!」
「・・・そこまで情熱的に言われてしまうと、断ったら私が上司に怒られてしまいますね・・・分かりました。但し、それだけだとちょっと厄介事になるかもなので、貴女が関わった人物に対してだけにしてください」
「っ!ありがとうございます!」
「はぁ、ここまで私を脅す人なんて貴女が初めてですよ・・・」
「いや、いつも色々な事してて大変そうだなぁと思っただけです。なんなら今度会った時にシュワシュワでもご馳走しますよ?」
「機会があれば伺い・・・待ってください?今度会った時ってなんですか?」
「え?だってエリス様ってクリスさんですよね?盗賊職の」
「な、何故バレて・・・あ!まさかまたカマをかけて!」
「?いえ、この間ギルドの酒場で飲んでた時に色々お話したじゃないですか、クリスさんべろんべろんに酔ってましたけど・・・」
「・・・あ・・・あぁ・・・ああああああああぁぁぁ!?!!???!」
「その後私がふざけてエリス様!って呼んだら思いっきり返事したじゃないですか・・・忘れちゃったんですか?」
めちゃくちゃ叫ぶエリス様。耳が痛いのですよ・・・すると、どこからか声が聞こえてくる。この声はアクアさんかな?
「ミユ〜!聞こえる〜?貴女に蘇生魔法かけたからもうこっちに戻ってこれるわよー!」
あれ?私ベルディアさんのお城で死んだはずなんですけど・・・もしかしてベルディアさん私の遺体を街まで運んでくれたんですかね?優しいデュラハンさんです。
「それでは、エリス様。何かあれば連絡してくださいね?」
「は、はい・・・ミユさん!くれぐれも!くれっぐれも!私がエリスだって事は内緒ですよ!?絶対ですからね!?」
「分かってます!それでは!あ、後ですね?」
「ま、まだ何か?」
そうエリス様が言うと、私は宙を舞いながらこうエリス様に言っときました。
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過去編!ベルディアとの邂逅!(終)
今回結構私の中で長くなりましたね・・・
感想や誤字報告ありがとうございます!!
目次にミユの立ち絵描いてみたので載せておきます!
「あ、起きたのねミユ!」
「ここは・・・」
「ここは私達が泊まってる馬小屋よ。ごめんね、こんな所で」
「あ、いえ、大丈夫です・・・何があったんですか・・・?」
「あのアンデッドから聞いた話だと、アンデッドを廃城まで運んだらしいわね。その後にめぐみんが爆裂魔法を撃って貴女は死んじゃったって所までは覚えてる?」
「えぇ、まぁ・・・まさか巻き込まれるとは思ってなかったんですけどね・・・」
「それをあのアンデッドは良しとせずに、「この!愚か者共がァァ!」とか言いながらアクセルの街に貴女の遺体を届けに来たのよ」
「良かったです・・・そのまま土に埋められてたらどうしようかと思いましたよ・・・」
「最初は埋めようとしてたみたいよ?貴女の遺体に丁寧に防腐剤を塗ってから」
「そうですか・・・」
「それで、めぐみんが犯人って分かってめぐみんに向かって死の宣告を放ったんだけどダクネスが身代わりになってね。まぁ、私がそれを解除したんだけど」
「なんというか、流石女神ですね。覚えようと思えばカズマさんも死の宣告が使えちゃうのでほんと冒険者ってつくづく便利な職業です・・・まぁ、大抵、敵はアンデッドなんですけど・・・」
「そうね、だから今度来たら私の浄化魔法でサクッとやっつけるわ!」
「浄化魔法に耐性あるからあんまり効かないんじゃないですかね、あの人・・・」
「そうなの?」
「自分で言ってたのでほんとにそうなんじゃないかと・・・」
「そう、分かったわ。今度来たらあのアンデッドにゴッドブローをお見舞してあげる!」
「んまぁ、気を付けてくださいね?いくらアクアさんでも死なない訳じゃないんですから」
「えぇ、気を付けるわ!」
絶対聞いてないなこの人・・・
私がカズマさん達とあったのはその数日後、店主さんのお使いでポーションの材料になる物を買う為に商店街広場に来た時だった。
「なんか、アクアさんがドナドナされてる・・・何やってるんですか?カズマさん・・・」
「いや、クエスト帰りなんだけどな?アクアが外が怖いとか言い始めて「女神様!?」ん?なんだ?」
私とカズマさんが声のした方を向くと、そこにはなんか、鎧で固めたどっかの貴族のボンボンみたいな人がいました。
「女神様!僕です!御剣響夜です!女神様を檻に閉じ込めるなど・・・君か!」
「は?いや俺は・・・」
「問答無用だ!僕と女神様を掛けて戦え!」
「・・・この人、多分あの剣でなんでも解決してきたナルシストっぽい人ですよカズマさん・・・しかもあの剣、転生特典でしたっけ?それだと思います・・・カズマさんの苦労なんて何も知らない人ですよ・・・」
「僕のレベルは37!ソードマスターのミツルギキョウヤだ!君の名は!」
「はぁ・・・サトウカズマ、ただの冒険者だ・・・ミユ?」
私は、カズマさんとこのミツルギさんって人の間に立って、少しミツルギさんって人を睨みつける。
「なんだ君は・・・」
「ソードマスターの貴方がただの冒険者に喧嘩を売るのって弱いものいじめなんじゃないですか?」
「君には関係の無いことだ。それとも君もこの男のパーティメンバー・・・いや、こんな幼い子がパーティメンバーな訳が無いか・・・」
「あ、それ禁句だぞ」
「え?」
「レベル37?ソードマスター?大いに結構。こんな街に居ないでさっさと魔王の所に行ってぐちゃぐちゃにされてきたらどうですか?知ってます?死ぬ時の痛み。なんの感覚もせず、どの部位も動かせない。そのまま冷たくなっていく感覚。まぁ、魔王ならそれを感じさせずに一瞬で消し炭にしてくれるでしょうけど・・・どうです?私と勝負しますか?私に勝てたらアクアさんを貴女のパーティに加えてもらうように口添えしますよ?但し、私が勝ったらその魔剣をいただきます。同じ転生特典なので文句は無いですよね?」
「え、ちょ、あの・・・わ、わかったけど一旦・・・」
ミツルギは、この時点で何歩か後ろに下がった
「後ろに下がったから合意とみて宜しいですね?因みに私は今レベル39です。貴方をワンパンするのであまり関係ないですかね?」
私はショートテレポートを使い、ミツルギさんの斜め後ろの上側に転移して、高速詠唱で筋力を上げてからミツルギさんの頭を蹴り飛ばしました。耐久はギリギリまで持っていきますが殺しはしません・・・後が面倒ですので。
カズマさん達はその場で表情を消してましたけど、そんなの何の問題でもありません。この人は私を怒らせたんですから・・・
「では、私が勝ったので魔剣は頂きます。これはそちらが合意したのでちゃんとした戦利品です。文句があるなら掛かってきて下さい。その代わり命の保証はしません」
「な、なんなのよこの子・・・」
「その辺にしとけ、ミユ」
「でもカズマさん?」
「いいから、お前らは勝負して、それでお前が勝った。それでこの話は終わりだ」
「・・・そうですね、分かりました」
その後カズマさん達はギルドに戻り、今回の報酬を貰い受けに行きました。私は魔剣が邪魔過ぎるのでカズマさんにあげました。
次の日、私はお店が休みなので、カズマさん達と一緒にギルドで久しぶりに依頼を受けに来ました。というか、昨日の言葉って目上の人に対してめちゃくちゃ失礼なのでは・・・?というかレベルの件に関してはおまいう?なのでは!?そんな気持ちを他所に、チンピラで有名なダストさんが声をかけてくれました。
「お、ミユちゃん聞いたぜ?昨日、魔剣の勇者を蹴り飛ばして1発で気絶さしたんだってな?流石だ!」
「あはは・・・街中で魔法放ったら不味いかなと思いまして・・・あの後壊れた物の賠償金とか払いましたよ」
「高かったろ?」
「そうですね、大体800万エリスでしたよ?」
「たっけ!?よく払えたな」
「まぁ、使う事も無いので貯まってた貯金が少し減った位ですよ」
「かぁ〜!言ってみてぇよそんなセリフ!」
「ダストさんはまず、クエストに行くべきですよ。楽しいですよ?」
「楽しさを求めてクエストに行くとかミユちゃん位しかいねぇよ!」
「そうですかね?」
私達がそんな話をしてると、ギルドの扉が開いて、ズカズカと昨日の人が入ってきました。なんでしたっけ?カツラギさんでしたっけ?
「イトウミユさん、昨日はすみませんでした・・・それで、あの、魔剣を返してはくれないか?君には扱えないものだし、そもそも君はアークウィザードだろう?」
「・・・戦利品なのに返すんですか?それは虫が良すぎるのでは無いですかね?」
「虫が良すぎるのは分かっている。だが、僕にはあの魔剣が必要なんだ!」
「まぁ、私は剣なんか使わないですし、別に返してもいいんですけど、生憎あの魔剣、カズマさんにあげちゃったんです」
「そうか・・・わかった」
そういうと、カツラギさん(?)はカズマさんの所へ行き、なんか叫びながらギルドを出ていった・・・多分あの人、魔剣売りましたね・・・
「ミユちゃんも大変だな、変な男に言い寄られて」
「そうですか?まぁ、あぁいうのには慣れてますので」
そんな雑談をしていると、ギルドのお姉さん。ルナさんが切羽詰まった声で、ギルド全体に呼び掛けた。
私達が街の門の外に出ると、そこにはベルディアさんが居ました。すごいお久しぶりですね。
「なんで・・・誰も城へ来ないのだ!この人でなし共がぁぁぁぁぁ!!!あの騎士の鏡の様なクルセイダーの仇を討とうという奴は居ないのか!!?」
騎士の鏡のクルセイダー?誰でしょうかそれ・・・この街でクルセイダーってダクネスさんしか知らないんですけど・・・そう思ってると、ダクネスさんが前に出て、少し恥ずかしそうにしていました。
「き、騎士の鏡とは・・・嬉しいことを言ってくれるな」
「あ、あっるぇぇぇぇぇぇぇぇ!?だ、だが!俺が怒っているのはそれだけではない!頭のおかしい爆裂娘のせいで死んだあの心優しい!可憐な少女の事もだ!」
・・・皆さん、そんな目でこっちを見ないで下さい・・・あの人が過大評価してるだけです。
「あの少女は何故か俺を城まで届けてくれた!その礼もまだなのに死んだのだ!あの少女の墓は何処にぐぼあ!?」
礼なんてしなくていいですから早急にその話をやめてくださいお願いします!と、心の中で思いながら、私は昨日の要領でベルディアさんを蹴り飛ばしました!
「じょ、嬢ちゃん・・・なんで生きて・・・」
「蘇生してもらったんですよ。まぁ、ベルディアさんがこっちに遺体を持ってこなきゃずっと死んだままだったんですけどね。だから、ありがとうございます」
「お、おう・・・」
「けど魔王軍幹部ならちょっと話は変わります!冒険者なので!」
「お前この間しがない店員って言ってたじゃねぇか!」
「店員は職業じゃないので」
「くっそぉぉぉ!!!」
そんなこんなで私達はベルディアさんを倒すべく、模索してるんですけど・・・なんか水系魔法使った時だけ大袈裟に避けるんですよね。なので、逃げられないようにします。
「ベルディアさん!いい加減観念してください!『カースド・クリスタルプリズン!』」
「ぐお!?か、身体が動かねぇ!」
「今です!アクアさん!」
「ありがとう!ミユ!『セイクリッド・クリエイトウォーター!』」
アクアさんの使った魔法は、大洪水の如く、辺り一帯を流しました。流石水と宴会芸の女神様です。発動された瞬間私は上に逃げましたけど・・・
「ぎぃぃぃやぁぁぁぁぁ!!!」
やっと水が引いていき、辺りを見渡すと、ベルディアさん以外も死屍累々、壁は壊れてますし、これは借金背負いそうですねカズマさん達・・・後でお金工面してあげましょう・・・
「『スティール!』」
え?ここでスティール?それになんかほかの冒険者さん達に呼びかけてサッカー始めましたし・・・あ、こっち飛んできた。
「ミユ!落とすなよ?!」
「はーい!・・・ベルディアさん、転生できたら王国の騎士になったらどうですか?私はその方がこれまでの罪滅ぼしになると思うのですが・・・」
「いだだだだだ!それは死んだ後に神が決めることだろ?!まぁ、出来るならそれもいいかもしれないがな、いだだだだだ!痛い!めっちゃ痛い!分かった!分かったから蹴るのをやめろ!」
「一応この間その神様に話はしたので言えば転生させてくれると思いますよ。では、またいつか星の巡り合わせが合いましたら会えるといいですね」
私はそう言うと、身体の方に頭を蹴り飛ばし、アクアさんの浄化魔法でベルディアさんは消し飛びました。
その後、ギルドに戻った私達は、ベルディアさん討伐報酬で3億、しかし、外壁を崩壊させたので5億エリスの賠償金、締めて2億エリスの借金がカズマさん達に出来ました。
私のも借金の返済に当ててもらって、1億エリスにはなったんですけど、それでも今のカズマさん達には大金ですね・・・私ももっと頑張って借金返済しないと・・・今度カズマさん達と高難度クエスト行きましょうかね?
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転生して楽しい日②
お気に入り登録が40近くになってて涙出てきました!ありがとうございます!
ちゃんと日常回に戻ってきました!
「いらっしゃいませ!本日はどのようなご要件でしょうか!」
「スキルポーションが欲しいんです。治癒魔法の効能を上げたくて」
「スキルポーションですね?少々お待ちください!」
みなさんこんにちは、私です。最近は大きな事件も無く、平和に過ごしております。この間カズマさんが皆さんにぶっ飛ばされた位ですね、大きな事があったとすれば。
え?何があったって?なんかカズマさんがサキュバス達が運営するお店に行ってその夜にアクアさんがサキュバスを捕まえて皆さんはカズマさんが操られてると思い込んでカズマさんをぶっ飛ばしたんですよ。ぶっ飛ばされてる間に私が魔法陣を消してサキュバスを逃がしてあげたんですけど、それをアクアさん達に怒られて大惨事になったくらいですね。
「お待たせしました!こちらスキルポーションになります・・・?失礼ですが何処かでお会いになりませんでしたか?」
「え?ど、どうでしょう・・・?ライブとかやってるからその時に会ったかもしれませんが・・・」
「ライブ?・・・あ!カズマさんが最近力を入れ始めたプロデューサー業のアクセルハーツの方ですか?!」
「え、えぇまぁ・・・」
「わぁ、そんな方がお店に来てくれるなんて・・・感激です!」
「そ、そう?ありがとう・・・?あ、これお代です」
「はい!確かに受け取りました!また来てください!」
「・・・はい!また来ますね!」
場所は変わって、屋敷です。私は今、カズマさんに呼び出されてアクアさんの膝の上で待機してます。
「ねぇミユ?そろそろ髪を切らないかしら?」
「いいや!このまま伸ばしましょう!切ってしまうなんて勿体ないです!」
「綺麗な髪だしな、けど前髪は切らないと見えないんじゃないか?」
「ちゃんと見えてますよ?けど、確かにそろそろ切った方がいいんですかね・・・」
「切るなら私が切ってあげるわ!」
「・・・前髪だけですよ?嫌な予感しかしないので・・・」
「任せて!」
20分後・・・
「ごめんなさいミユぅ!パッツンにしたの謝るから!全力で謝るからぁ!ねぇミユさぁぁん!!出て来てよぉぉ!」
予想通り過ぎて草も生えないです・・・しかし、ここまでパッツンにされるとは・・・ん〜・・・これどうしましょう・・・確かここに、ありました。髪を伸ばすクリーム。これ、ウィズさんが仕入れてきた物なんで怖いですけど、説明書説明書・・・えっとなになに?
髪が伸びる代わりに塗った部分以外の髪が白く染まります?
髪染めですか?なんだか面白そうなやつですね。髪染めしたら少しは悪い子に見えるでしょうか?使ってやりましょう。
「えっと、前髪に全体的に塗って・・・おぉ、ほんとに塗ったところ以外は白く染ってます・・・凄いですねこれ、初めてまともな商品を仕入れたんじゃないですかね・・・まぁ、髪染めしたいとか思う人なんて居ないんでしょうけど・・・それに、これ以外は全部バニルさんが返品しちゃいましたし」
「ミユ、ちょっと話がぁぁぁぁ!?」
「あれ、カズマさんよく『ロック』が解除出来ましたね」
「それどころじゃねぇよ!どうしたんだその髪!?」
「あぁ、これですか?実はアクアさんに切ってもらったんですけど前髪をパッツンにされてですね。腹いせにこのクリームを使ったんです。そしたらこうなりました」
「それこの間ウィズの店に行った時にお前が買ってたやつじゃねぇか!そんな効果があったのかよ!」
「良くないですか?これ、これで私も悪い子の仲間入りです!」
「発想とかやる事が可愛いけどそうじゃねぇ!お前綺麗な黒髪だったのに・・・」
「ちょっとカズマ!何を騒いで・・・・・・」
「あ、アクアさん。見てくださいこれ!良くないですか?」
「ミユが私のせいでグレちゃったぁぁぁぁぁぁ!!」
このすば!
「えっと、ミユには紹介してなかったから紹介する。こいつらがアクセルハーツだ。右から、リア、シエロ、エーリカだ。」
「あ、この間お店に来てくれた人ですよね?お久しぶりです」
「え・・・?確かに魔道具店には行きましたけど・・・会ったっけ?」
「会いましたよ?・・・あ、エプロンしてないし、帽子被ってるから分からないですかね?」
そういうと、私は帽子を取って、いつもお店に居る時の様に、髪を結ぶ。
「はい、これで分かります?」
「あ、あぁ!あの時の店員さん!カズマさんのパーティメンバーだったんですね!改めまして、シエロです!アークプリーストをやらせてもらってます!」
「あ、ご丁寧にどうも、私はミユです。カズマさんの同郷でアークウィザードをやらせてもらってます!」
「え、アークウィザード・・・?失礼ですけど、ミユさんお幾つですか?」
「え?9歳ですけど・・・」
「カズマさん!どういう事ですか!?確か冒険者規定では12歳からしか冒険者に慣れないんですよね!?」
「ぉぉぉぉ落ち着け!これには深い訳が!!」
「どんな訳ですか!?もし怪しい事をしてるなら僕が鉄拳制裁をします!」
「どっちにしろ殴られるじゃねぇかこれ!ミユ!説明してやれ!!!」
「えっと、それにはカズマさん達と出会った時の話をしなきゃいけないんですけど、大丈夫です?」
「大丈・・・夫・・・いやそれは不味い!!!」
「鉄拳制裁!!!」
「ぶほぉぉぉ!!」
シエロさんのその言葉でカズマさんがかなり遠くまでぶっ飛ばされました・・・可哀想に・・・
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転生して楽しい日③
どうも皆様こんちわ!あっしです
「こんのぉぉ!ポンコツ店主がぁぁぁぁぁ!!!!」
「バニルさん落ち着いてください!お店壊れちゃいます!」
「止めるでない!今日という今日はも〜我慢出来ん!!いつもいつも役に立たないものばかり仕入れおってぇ!!おかげで!店の売上がいつもパーでは無いか!」
「ですが、ミユさんが帰った後、いつも棚が寂しく感じてしまって・・・どうしても、新商品が欲しくなってしまって・・・」
「自分ではなく店の棚が悪いというのか!ならば!貴様は店頭に立つのは禁止だ!小娘が帰った後はすぐに店を閉める!いいな!?」
「そんな!ミユさんからも何か言ってください!」
「えっと・・・私もそろそろ擁護しきれないといいますか・・・最近はなんか、創作意欲が無くなってきたといいますか・・・」
「えぇ!?」
「それが嫌なら後任を考えておくのだな!」
バニルさんがそう言い終わると、お店にアクアさんがやって来ました。
「たのもーーー!」
「へいらっしゃなんだポンコツ女神かお帰りはあちらだ」
「帰るわけないでしょ!今日は文句を言いに来たんだから!」
「えっと、何か不都合がありました?アクアさん」
「ヨーヨーの油を使おうとしたらただの水だったのよ!今度の宴会芸で使おうとしてたのに!おかげでヨーヨーからカラカラと変な音がするの!」
「なんだ、アクアさんがうっかり触って浄化しちゃったんですね・・・」
「アクア様、それならいい商品がございますよ!」
「いい商品・・・だと?汝はまた勝手に仕入れたのか!」
「その商品を見せなさい!」
「これです!」
「?油じゃなくて、ヨーヨーの本体?えっと、ウィズさん、説明書はあります?」
「はい!こちらに!」
「ウィズ、これってなんなの?」
「はい!この商品は、見た目はただのヨーヨーなんですけど、なんと!どんな人でも神技を連発出来るという代物なんです!」
「はぁ!?ふざっけんじゃないわよ!いい!?芸は誰かに与えられるものじゃなく!自分で掴むものなのよ!?」
「なんか最もらしい事言ってますね・・・バニルさん、今回はまだ役に立ちそうですよ?」
そういうと、私はバニルさんに説明書を見せた。
「なるほど、ポンコツ女神よ、試すだけならタダであるぞ!」
「嫌よ!カズマにタダより高いものは無いって常日頃から言われてるんだから!」
「アクアさん!今ならシュワシュワによく合うおつまみセットを付けますよ!」
「いい?試すだけだからね?」
「よっ!ほっ!とりゃ!」
「流石はこの街で名だたる宴会芸の女神・・・次なる技は如何様に・・・」
「凄いですアクアさん!もっと見せてください!」
「芸は誰かに頼まれてやる物じゃないけど、ひっく!いいわ!気分もいいし、何よりミユの頼みだしね!ひっく!」
「えっとアクア様?どうされました?」
「あれぇ?おっかしいわねぇ、なんか、ウィズが3人に見えるわ・・・それに、何だか気持ち悪く・・・この感覚知ってるわ・・・これは・・・」
「そう!二日酔いである!」
「実はこのヨーヨーは使えば使う程、ふわふわした気分になる商品なんです。ふわふわした気分になれば、技も上達しやすくなるというウチの店主の発想なんですけど、どうです?」
「ウィズ・・・?あんたまたそんな欠陥商品を売りつけようとしたの?ひっく!これじゃあ、技なんて習得出来ないわよ!ひっく!」
「えぇ!?だ、大丈夫ですか?!アクア様!」
「フハハハハハハ!よもや貴様のパーティメンバーに騙される等思ってもみなかったであろう!」
「こんの腐れ悪魔・・・ひっく!・・・ダメ・・・吐く・・・うっ・・・おぼぼぼぼぼぼ!!!」
アクアさんが吐いた所は、ウィズさんの丁度真ん前で、ウィズさんも被害に遭いました。まぁ、日頃の行いですね。
「フハハハハハハ!これに懲りたならば!店の商品にケチを付けないのが吉ぃ!中々の悪感情!!美味である!」
「・・・バニルさんも、鬱憤溜まってましたし、何より、甘い言葉に惑わされてはいけないっていう良い教訓になったんじゃないですかね?それにしても、運が無かったですね。アクアさん・・・後でシュワシュワのおつまみ、ちゃんと作ります・・・」
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紅伝説編
転生して楽しい冒険!
お気に入り登録、感想、誤字報告など、本当にありがとうございます!
今話から紅魔の里編始めていきたいと思います!
「え?紅魔の里にですか?それはまた唐突ですね・・・」
皆さんお久しぶりです。私です。今日も今日とて魔道具店でお手伝いですよ!昨日はギルドでちょっとした騒ぎになってたみたいですけど・・・
「そうなんだ、このツンデレロリっ子がどうしても里とゆんゆんが心配っていうもんでな?」
「おい!ロリっ子とはなんですか!そんなに杖で叩かれたいんですか!?良いでしょう!思いっきり叩いてやりますよ!」
「暴れるなら外で・・・というか、また私置いてけぼりですか?」
「い〜や、今回も連れていく。なんだかんだミユには世話になってるしな。道中何かあったら頼むぜ?」
「・・・まぁ、カズマさんのパーティでなにか無い方が珍しいですけどね・・・分かりました。ウィズさんにお休み貰ってきます。」
そういうと、私は棚卸しを止めて、立ち上がる。
「ハンスさん、暫く私居ないですけど、ウィズさんと喧嘩しないようにしてくださいね?」
「あぁ・・・全く・・・あいつは、いつもいつもなんでこう使えない商品ばっか仕入れてくるんだ・・・やれ新商品だ・・・やれ売れるだ・・・なんだかんだなんだかんだ言いやがって・・・クソぉぉぉ!!!」
そういうと、ハンスさんは使えない商品を地面に叩きつける。気持ちは分からなくもないですけど、投げつけちゃダメですよ・・・
私達に待っていたのは・・・地獄でした・・・
サバイブ!オークからカズマを守れ!
「イイイイイイヤァァァァァア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!」
「ちょっとぉ!待ちなさいよォ!」
「ねぇ!男前なお兄さん!あたし達といい事しない!?」
「お断りしますぅぅぅぅ!!うぅ、初めて女性の誘いを断ってしまった・・・」
はい、現在カズマさんはメスのオーク達に襲われています。めぐみんさんに聞いた話だと、この世にオークのオスは居ないそうで・・・世界は広いですね・・・
「カズマさん!危ないです!『ボトムレス・スワンプ』!!」
私が泥沼魔法を発動して、オーク達を沼に引き摺りこみ、カズマさんは一命を取り留めた・・・危ない危ない・・・です。
「ありがとう〜!ミユ〜!!これから尊敬する人は?と言われたら即答でミユです!って答える自信がある!!」
「恥ずかしいのでやめてください!」
私達は一旦森の中に入り、カズマさんの心身治療をしています・・・とりあえず膝枕でもしてあげますね・・・
「よしよしです・・・怖かったですよね、カズマさん・・・もうオークはいませんよ・・・大丈夫、大丈夫ですよ・・・あんな悪いモンスターは私が全部退治してあげますからね・・・」
「はぁ、いい加減泣き止んでください・・・というか変わってください」
「嫌だ!俺はアクセルの街に戻ってこのまま一生ミユの膝枕をされながら生きる!」
「ついにカズマさんがヒキニートからロリニートになってしまったわ!というかそれ私が1番困るんですけど!魔王を倒してくれないと困るんですけど!!」
「しっ!何者かが近付いてくる!」
ダクネスさんがそういうと、近付いて来たのはゴブリン達でした・・・多分魔王軍の手の者ですね。
「へへへ!騒がしいと思えば、紅魔族のガキが2人に冒険者風の人間共か!」
「見逃す手はねぇな!こいつらの首をあの御方への手土産にしよう!」
うーん、この状況は少し不味いですね・・・いつもなら頼りになるカズマさんがこの調子だと・・・皆さんへの指示が出ません・・・
「なによあんた達、今忙しいの、あっちいってなさい!しっ!しっ!」
「こんの野郎!!!おいお前ら!こいつらをぶっ殺してやろうぜ!」
鎧をつけたゴブリンがそういうと、様々な場所からわらわらとモンスターが出てきました・・・
「だぁぁぁ!なんでお前はそう面倒事を増やすのが得意なんだ!?囲まれちまったじゃねぇか!」
「カズマがいつまでもそうしてるからでしょ!」
「ミユ!この数を一掃出来るか!?」
「えっと、出来ることは出来ますけど、この辺荒地になりますよ?」
「それはまずいから却下だ!くそ、なんとかならないかこの状況・・・」
「ならサイクロンでも使います?全員吹き飛ばしてくれますよ?」
「お前さてはこの状況楽しんでるな!?」
「勿論です!久しぶりにこんな危機的状況に陥ってるんですから!」
「なら少しは緊張感を持て!」
紅魔の里への道中は・・・前途多難でした。
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転生して楽しい冒険!②
紅伝説って情報量多くて1万文字程度じゃ絶対終わらないですね!それでも圧縮して終わらせますけど!
お気に入り登録、感想、誤字報告ありがとうございます!
私達が紅魔の里に着いたのはその日の夕方でした。あの後、紅魔族の方に出会い、ゴブリン達を一掃してもらって、テレポートで里まで送ってもらいました。そして、族長さんに挨拶をして、今はめぐみんさんの家に向かってます。因みに、カズマさん達と族長さんが会った時の挨拶の仕方が・・・
「あ、どうもカズマです」
「私はアクア!アクシズ教の御神体よ!」
「私はダクネスというものです」
「私は「ミユ!今こそ日頃の特訓の成果を示す時ですよ!」えっ!?あれやらなきゃダメですか・・・?」
「あれは紅魔族流の挨拶なんです!絶対にやってくださいね!」
「おまっ!ミユに何教えてんだよ!ミユ?無理してやらなくていいからな?普通の自己紹介でいいんだ」
「えっ・・・あっ・・・うぅん・・・わ、我が名はミユ!アクセル随一のアークウィザードにして、上級魔法を操る者!や、やがて!魔王軍を打ち滅ぼす者!・・・うぅ///これ恥ずかしいですよ・・・めぐみんさん・・・」
「おぉ!微妙な反応もせず、更にそちらのお嬢さんはこちら流の挨拶を返してくれた!素晴らしい!貴方達の様な冒険者に会えて本当に嬉しい限りだ!」
「み、ミユちゃん?その挨拶は今後一切やらなくていいからね?」
「はいぃ・・・」
なんで私はこんなにも影響を受け易いんでしょうか・・・
めぐみんさんのご両親にも挨拶をしたんですけど・・・なんか話を聞いてる限り、めぐみんさんのお父さん。ひょいざぶろーさんがあの使えない魔道具の開発者だったんですね・・・どうしよ、挨拶した方がいいのかな・・・
「あ、えっと、さっき言ってた事についてなんですけど」
「ん?私が魔道具を作っている事か?」
「はい、その中で出てきたお得意様って・・・栗毛の女性じゃないですか?」
「んん?その通りだが、何故それを?」
「あ〜、やっぱりですかぁ・・・そうですかぁ・・・貴方が・・・もう少しまともなやつ作れないですかね?」(どストレート)
「なっ!?」
「おいミユ!失礼だろう!?」
「すみませんカズマさん。こればっかりは譲れません・・・なにせ、店の事なので・・・製作スキル・・・取ってるんですよね?」
「え、あ、その・・・」
「もしかして貴方は製作スキルを取ってないのにも関わらず、ウチの店主が仕入れてるんですか?」
「いや・・・あの・・・」
「・・・OK了解しました。うちの店主には帰ったらキッついお仕置しときます」
「収入が!収入がぁぁぁぁ!!!」
「ウチも店主が赤字作ってくるんで大変なのですよ・・・」
「そ、そうか・・・すまない・・・」
「いえいえ・・・後で工房を見せてもらえればチャラにしますので・・・」
「わ、分かった。後で案内しよう」
その日の夜、私は外にいます。ゆいゆいさんが皆さんにスリープを掛けて眠らせたので私はいち早くめぐみんさんの家を出ました。ゆんゆんさんの所行きましょうかね・・・?と思いつつ、歩いていると、慣れない地形だからか迷子になってしまいました・・・
そして私は今、若干ピンチです・・・何故なら、いつも使っている杖を置いてきてしまっているから・・・というか、こんな所で会うと思わないじゃないですか・・・以前会ったハンスさんの知り合いの方に・・・
「あら?貴女は少し前にアルカンレティアで会った子じゃない?こんな所で会うなんて凄くラッキーだわ。抵抗しないならあまり痛い事はしないわよ?」
「少しはするんじゃないですかやだー!痛い事しないでください!痛い事嫌いなんです!」
「ちょっと!そんな騒がないでよ!誰か来たらどうするの!?」
そう言われ、何をするまでもなく口を塞がれた私は、抵抗虚しく捕まってしまいました・・・魔法ブッパすれば脱出出来そうですけど・・・
「んー!んー!」
「大人しくしなさい!何もしないから!」
「んー?」
敵対する気も無いようなので大人しくします・・・というか、ハンスさんの知り合いなら多分この人も魔王軍幹部の方ですよね・・・?
「ぷはっ!お姉さん魔王軍の幹部の人なのに冒険者に手を出さないんですか?」
「今は、ね。いずれ戦う事になるでしょうけど、少なくとも貴女とは戦いたくは無いわ。ハンスを倒したみたいだし」
「私が魔王軍の人を相手に何もしないとでも?」
「えぇ、思うわ。現にこうして何もして来ないのだしね」
うっ、読まれてます・・・確かに私はカズマさん達に何もしなければ敵対する気も無いのですけど・・・
「ここには監視の目的で来てるのよ。貴女達のね」
「監視ですか?魔王軍幹部の人を3人も倒してるからですか?」
「えぇ、けどウィズには敵対する様子も無いみたいだし、何より自分からウィズの手伝いをしてるっぽいから話のわかる子だと思ってね」
「だから1人の時を狙ってきた・・・という事です?」
「そうよ?」
「そうですか・・・」
なんというか・・・魔王軍なのに人間っぽさがありますね・・・対話出来るならまず対話から・・・みたいな感じです・・・
「そういえばこの前も自己紹介をして無かったわね。私はウォルバク。魔王軍幹部よ」
「あ、ご丁寧にどうも・・・私はイトウミユです。アークウィザードをしてます・・・」
「ん?貴女・・・不老の呪いに掛けられているのね」
「っ!?何故それを!」
「私、腐っても邪神だもの。それくらい分かるわ」
「そ、そうですか・・・実は、結構前にウィズさんが仕入れてきたポーションを誤って飲んでしまって・・・」
「そう・・・大変だったのね・・・」
「けど、老いて死ぬ事は無くなったのでまだいいのです。不死になったらそれはそれで寂しいのですけど・・・」
「その時は魔王軍に来なさい。歓迎するわ」
「これで勧誘されるの6回目なんですけど・・・」
「あら?そうなのね、実力が買われているのかしら?」
「いえ、勧誘してきた人達は皆、今の劣悪環境に涙してました・・・」
「・・・ほんと、大変なのね・・・」
「というか、なんで私は身の上話をしてるんですかね。悪い癖です・・・」
「大丈夫よ、そのまま全部吐き出しなさい」
「なんか、ウォルバクさんがお母さんに見えてきました」
「それはほんとに気の所為ね」
あの後、ウォルバクさんに全部話して、いつの間にか丘の上で寝てしまってました。ウォルバクさんはもう居なかったんですけど、毛布が私に掛けられてました・・・私が起き上がると、毛布はモコモコの帽子になり、傍には手紙がありました。手紙には
『あのまま寝てたらモンスターに襲われるからモンスター避けの結界を張っておいたわ。後そのままだと冷えるから毛布も掛けておいたわ・・・寝るならちゃんとお家に帰ってからにしなさい。それと、その毛布は帽子になるからちゃんと被る事』
と書いてありました・・・お母さんかな?
そんな風に考えていた私の思考は、とある方の一言で止められてしまいました。
「我が名はぷっちん。紅魔族随一の教師にしてやがて校長の椅子に座る者。君は外の人だね?なら、我が校に案内しようではないか!」
「あ、どうもミユです。えっと、アークウィザードにして多種多様な魔法を操るもの。です。学校ですか?・・・行ってみたいです!」
「おぉ!元気の良いお嬢さんだ!しかもそんな返しをしてくれるとは!」
紅魔の里の皆さんは、気のいい人達ばっかりですね。
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転生して楽しい冒険③
紅伝説編、パート3!やっていきましょう!
お気に入り登録、感想、誤字報告ありがとうございます!めちゃくちゃ励みになります!
ぷっちん先生に校内を案内してもらおうとした所、玄関口にはカズマさん達がいました。
「あ!カズマさん!と皆さんも!おはようございます!」
いつものように深々と頭を下げる私に、皆さん驚いてました。なんか、見慣れない人が3人いますけど・・・
「おわっ!ミユ!お前、今まで何処行ってたんだよ!?皆心配してたんだぞ!?」
「ご、ごめんなさい・・・夜散歩してて、ちょっとした人と喋ってたらいつの間にか寝ちゃってまして・・・気付いたら朝でした・・・」
「うん、お前今日から夜外出するの禁止な。出るとしても誰か連れてけ」
「なんでですか!?・・・ははーん?昨日何かありましたね?それで私に八つ当たりしてるんじゃないですか?」
「してねぇよ!?というかどうしてそうなった!?」
「昨日ゆいゆいさんに皆さんが眠らされたから何かあるんだろうなとは思ってました!だから私、気を使って外に出たんですから!!」
「そういう気遣いいら・・・ちょっと待て、という事は俺がめぐみんと寝ようとしてた事を知ってたのか?」
「カズマさんがめぐみんさんを部屋に連れてって戻ってこないから何かあるんだろうなと思ってました。魔力が使われた形跡もありましたし!」
私がカズマさんと言い合ってると、3人の中で一際大きい人が話しかけてきました・・・
「フフフ、賑やかな子が増えたね。とりあえず我等の自己紹介を済ませても良いだろうか?」
「あ、すみません。どうぞ」
「あぁ。我が名はあるえ!紅魔族随一の発育にして、やがて作家を目指す者!!」
「我が名はふにふら!紅魔族随一の弟思いにして、ブラコンと呼ばれし者!!」
「我が名はどどんこ!紅魔族随一の・・・随一の・・・なんだっけ・・・」
「よろしくお願いします!あるえさん!どどんこさん!くにくらさん!」
「ふにふらよ!わざとなの!?わざとなのね?!」
「この人達はめぐみんの魔法学園時代の同級生達らしいわ!」
「なるほど!大切なお友達さんだったのですね、私はミユです!」
「ちょぉぉぉ!?ミユ!?貴女には紅魔族流の挨拶を教えたはずです!なんで普通に挨拶してしまうんですか!」
「え、だって言われなかったですし・・・」
「もう一度です!やり直しましょう!ほら!」
「え?うぅ・・・」
「やり直さんでいい、3人とも、こいつは俺達のパーティメンバーで、普段は家事をしてくれてる奴だ。仲良くしてやってくれ」
「勿論よ!はぁ・・・妹も欲しかったわ・・・ねぇめぐみん!この子私にくれないかしら!?」
「ダメに決まっているでしょう!ミユは私の第2の妹であり、大切な仲間です!」
「待ってくださいめぐみんさん、私、貴女の妹になったつもりは・・・」
「ねぇミユちゃん!折角だからふにふらと一緒に里を案内してあげるよ!そうして欲しいよね!?ね!?」
「え・・・あ・・・あの・・・」
「うぉい!ミユが嫌がってるじゃないですか!辞めないと叩きのめしますよ!」
凄く物騒です!やめましょ!?めぐみんさん!
そんなこんなで、私はふにふらさん達と里を見て回ってます。なんか凄く甘やかされてしまってますね・・・
「ねぇミユちゃん!次は何処へ行きたい?お姉ちゃんが案内してあげるわよ?」
「えっと、とりあえず・・・カズマさん達の所に戻りたいです・・・」
「え〜?それじゃあ勿体ないよ!折角3人で居るのに・・・」
助けてカズマさん・・・この人達怖いです・・・下手したら誘拐犯です・・・助けて・・・そう心の中で思ってる時、少し遠くで爆発音が聞こえました。
私はすぐに爆発音がした場所に向かいました。途中でふにふらさんとどどんこさんが静止したりしてきましたけど、関係ないです。絶対にカズマさん達が首を突っ込んでるので、私も行かないと行けないのですよ!
私がその場所に着くと、既にダクネスさんが戦闘を始めていました。
「魔王軍め!この私の目が黒いうちは、ここは通さん!」
「なんなんだ!この女は!一体何がしたいんだ!」
「シルビア様!こいつの目的が分かりません!お下がりを!」
「なんて邪魔な女だ!助けを呼びに行くわけでもなく!強力な攻撃をする訳でもない!」
「ハァ・・・ハァ・・・言っておくが、私に生半可な攻撃は通じないぞ。幹部の名に恥じぬ、卑劣な攻撃を仕掛けてこい!」
あ、持病が発生してるんですね・・・仕方ないです!
「ダクネスさん!加勢します!」
「ミユ!?何故来たんだ!早く撤退を!」
「出来ません!」
「あら?仲間の加勢を待っていたのね?でも残念ね、そんな小さな子が来た所で何の戦力にもならないわ!」
「自分の目で確かめてください!『カースド・クリスタルプリズン!』」
「シルビア様!危ない!!ぎゃぁぁぁぁぁ!!」
「お前達!?くっ!上級魔法ですって!?まさかこの子も紅魔族!?」
「寝言は寝て言ってください!」
「ダクネス!ミユ!よく耐えた!里の人達を呼んできたぞ!」
「カズマ!?もう来てしまったのか・・・もう少しいたぶられたかったのだが・・・」
「お前は少し黙ろうか!?シルビアとか言ったな、そこにいるクルセイダーは魔王軍幹部のバニルと渡り合った猛者だ!」
「バニルですって!?アクセルの街に行ったっきり帰ってこないと聞いていたけど・・・まさかあなた達が!?」
「それだけじゃない!そこにいるアークウィザードは、もう1人の幹部、ハンスを倒した実力者だ!それに、デュラハンのベルディア、果てには機動要塞デストロイヤーも俺達のパーティが討ち取らせてもらった!」
「ふーん、見たところ、あなたがそのパーティのリーダーのようね。名前を教えてくれるかしら?」
「俺の名は・・・ミツルギ、ミツルギキョウヤだ!覚えておけ!」
「・・・ヘタレましたね・・・」
「あぁ、ヘタレたな」
「あなたがミツルギ?こんな強力なパーティに出くわすなんてね・・・」
「フッ、ここでお前を倒しても、紅魔族の力を借りたみたいでスッキリしないな」
「感謝するわ、ミツルギ。また会いましょう。その時こそ決着を、撤退!」
みるみるうちにシルビアさん達は撤退していきました。なんというか・・・あの人も騙されやすい人なんでしょうか・・・?
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転生して楽しい冒険④
皆さんこんにちは、あっしです。
今回はシルビアとの邂逅、2回目まで行きたいですね!
お気に入り登録、感想、誤字報告ありがとうございます!励みになり過ぎて禿げてきました!
その日の夜、私はゆんゆんさんと夜のお散歩をしています。そういえば、ゆんゆんさんと2人っきりでちゃんと話すのは初めてでしたね・・・何を話せばいいんでしょう・・・
「えっと、ミユちゃんでいいんだよね?」
「え?あ、はい。ミユです」
「えっと、あはは、何話せばいいか分からないや。話したい事いっぱいあったのに・・・」
「・・・私もゆんゆんさんと話してみたかったんですよ。お店では色んな話をしますけど、こうやって・・・店員とお客さんとしてではなく、1人の顔馴染みとして」
「っ!そ、そっか!じゃあいっぱいお話しよ!?夜だからちょっと寒いけど・・・」
「そうですね、なら、ゆんゆんさん達の学生時代のお話、聞きたいです!」
「学生時代かぁ・・・あ、めぐみんがお昼になるといつも私のお弁当を取っていく話でもする?」
「それお話がタイトルで完結してますよ?それに、そのお話はこの間の魔法の水晶で見ました。学生時代は2人とも大変だったみたいですね・・・」
「そ、そうかな・・・」
「・・・それに、あの後めぐみんさんから聞いたんですよ。何故ゆんゆんさんが、上級魔法ではなく、中級魔法を覚えたのか。とかもです」
「めぐみんってば、そんな事まで話したの!?」
「えぇ、会ったらいつも口喧嘩してますけど、大切な友人とも言ってました。羨ましいです」
「う、羨ましい?」
「はい、私は・・・学校には行ったことがないので・・・」
「え、それってどういう・・・」
そう、ゆんゆんさんが疑問に思っていると、またもや魔王軍が攻めてきたらしく、私達はその場所に向かいました。
「あら、また会ったわね。小さな魔法使いさん?」
「何時だと思ってるんですか?シバきますよ?折角お話してたのに!」
「ご、ごめんなさ・・・って違う!まさかあなたが来るとはね!」
「シルビアさんでしたよね!?綺麗な御方だからって手加減はしませんよ!!!」
「・・・?貴女、よく見たら紅魔族じゃないのね?・・・我が名はシルビア!強化モンスター開発局局長にして!自らの身体に合成と改造を繰り返してきた者!貴女の事、気に入ったわ。私と1つになりましょう?」
「なんか紅魔族っぽい挨拶になってますけど!?感化されてますよ!というか1つになるってどういう・・・」
「こういう事よ!」
そういうと、シルビアさんは私に手を伸ばしてきた・・・その伸ばされた手が過去のトラウマを思い出させて・・・
「ひっ・・・!いや・・・!叩かないで・・・!ごめんなさい・・・!ごめんなさい・・・!」
私は足が竦み、その場に座り込んでしまったんです・・・
「・・・?貴女・・・もしかして、大人が怖いのかしら?」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!・・・ごめんなさい・・・ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」
「み、ミユちゃん!?」
「相当なトラウマを抱えてるようね。この子は預かっていくわ!サラバ!」
そうして私は、シルビアさんに連れ去られてしまいました・・・
私は、昼間に案内された紅魔族の天敵が封印されている場所に連れてこられました。
「止めて・・・殴らないで・・・お願いします・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」
「殴らないわ、ごめんなさいね。貴女がそんなトラウマを抱えてるなんて思わなくて・・・ずっと、誰にも頼れずに生きてきたのね・・・ここには貴女に危害を加える物は居ないわ・・・大丈夫よ・・・」
そうシルビアさんが言うと同時に、私を抱き締めてくれました・・・・・・暖かくて、安心します・・・私の母親は、こんな風に・・・してくれた事は無かったです・・・なのに、何故、この人はこんな風にしてくれるのでしょう・・・
「落ち着いたかしら?」
「はい・・・ごめんなさい・・・あの、なんで敵である私を・・・その・・・」
「私は貴女の事が気に入った。それだけよ?貴女の過去に何があったかは分からない。でも、運んでる間もずっと謝っていたから相当深い傷があるんでしょうね」
「・・・はい、私・・・は、ずっと・・・暴行や暴言を加えられて・・・生きてきました・・・カズマさんのパーティに入ってからは・・・無かったんですけど・・・それでも・・・過去って拭えない物・・・ですね・・・あの時、シルビアさんに掴まれそうになった時に、その事がフラッシュバックして・・・」
「そう、ねぇ、そいつらに復讐したいとは思わない?今の貴女ならそれが出来ると思うのだけど」
「・・・確かに・・・出来るとは思います・・・けど、私は・・・しません・・・」
「・・・それは何故かしら?」
「あんな人達・・・でも、私を産んでくれた人達・・・です・・・それに、したくても、この世界には・・・居ないので・・・」
「そう、なら助けられた恩返し、って言ってもこっちから言うことじゃないのだけど、少し頼み事を聞いてくれるかしら?」
「・・・はい」
「この扉、開けられるかしら?」
「・・・えっと、コマンド入力・・・?」
「あら、読めるのね?」
「はい、昔知り合いに教えて貰ったこと・・・・・・・・・ないですね、無いです。そんな過去はありませんでした。その事実は消されました。私は知りません」
「うふふ、貴女は想像以上の女の子の様ね」
「うっ・・・こ、これでも私は冒険者です!簡単に口は割りませんよ!」
「あら、教えてくれないと叩いちゃうかもしれないわ」
「うぅ・・・ごめんなさい・・・カズマさん・・・」
何故私がこの隠しコマンドを知っているのかと言うと、昔知り合いのお兄さんと一緒にゲームをした時に教えてくれ・・・あれ、そういえばカズマさんってあのお兄さんに似てる様な・・・気の所為でしょうか?
「上上下下左右左右・・・えいえいえいえい」
「私が言うのもなんだけど、弱点を知られたら良い様に使われそうね。貴女・・・」
「シルビアさんしか知らない事なのでいい・・・いや、アクセルの街のギルドの人は殆ど知ってました・・・」
「そうなのね・・・ほんと、大変だったみたいね・・・これで兵器が手に入るわ」
「あの・・・シルビアさん・・・」
「何かしら?」
「もう少し、お話・・・してくれませんか・・・?その・・・1人だと・・・心細いです・・・1人は・・・怖いです・・・」
「なんて愛らしいの!?いいわ!一緒に行きましょう!そしてゆくゆくは貴女も魔王軍に来るといいわ!」
「・・・これで7回目です・・・勧誘されるの・・・」
「あら?そうなのね」
「はい・・・」
カズマさん、早く来てください・・・私だと数分も持ちませんよ・・・
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転生して楽しい冒険(終)
さて、ミユは危機的状況を打破出来るでしょうかね・・・
お気に入り登録、感想、誤字報告、誠にありがとうございます!あっしもミユママに膝枕して欲しい・・・
「あの・・・シルビアさん・・・なんで私は抱っこされてるんですか・・・?」
「なんでって、貴女が1人は心細いと言ったからでしょう?それとも手を繋ぐ方が良かったかしら?」
「あの・・・確かに心細いとは・・・言ったんですけど・・・その・・・ちょっと恥ずかしい・・・です・・・」
「あら、何も恥ずかしくは無いでしょう?私達2人しか居ないんだから」
「そういう問題では・・・あぅ///」
「ほんと、食べちゃいたいくらいだわ・・・」
「だ、ダメです!その・・・兎に角ダメなのです!!」
「そう、なら、貴女のパーティを全滅させてからもう一度聞きましょうか」
「パーティを・・・全滅・・・?」
「そう!ここに私と貴女との楽園を築くのよ!」
カズマさん達を全滅させる・・・?全滅って・・・皆、殺されてしまう・・・?あの凄く気のいい人達を、この人は今、全滅させると言ったのか・・・?そんなの・・・ユルスワケナイジャナイデスカ
「・・・シルビアさん、1度降ろしてもらっていいですか?」
「えぇいいわよ?」
そういうと、シルビアさんは私を降ろしてくれた。漸く解放された気分になれましたよ・・・
「シルビアさん、実は私、別に誰が殺されようとあまり興味が無いんですけどね?自分の仲間を傷付けられるのが1番嫌いみたいです」
「っ!?だ、だったら何だって言うの?」
「・・・カズマさん達に手を出す気で居るのなら、私は今すぐに貴女を滅殺します。あの人達は、初めて私を受け入れてくれた人達ですから」
「な、なんなの・・・この威圧感・・・今まで出会ってきた冒険者の誰よりも凄まじいわ・・・」
「どうなんですか?カズマさん達を傷付けるんですか?」
「・・・彼等が居ると、私の邪魔になりそうだから消すわ。勿論、それを邪魔する貴女もね。折角良い関係を築けると思ったのだけれど、残念だわ」
シルビアさんはそういうと、私に向かって拳を上げ、殴り掛かって来ました・・・でも・・・でも。
「今の私がその程度の事に屈する訳ないじゃないですか」
私はその腕を氷結魔法で凍らせて受け止め、シルビアさんを静止させる。シルビアさんは驚きの表情と共に、困惑の表情を浮かべていました。
「な、何故!?あの一瞬でトラウマを克服したというの!?」
「克服なんかしてませんよ、ただ、思い出しちゃったんです。敵は滅殺する。簡単な話です・・・「危害を加えてくる者には相応の制裁を。」昔、ある知人が言ってた言葉です。そして私は貴方を危害を加えてくる者に認定した。それだけの話ですよ」
「くっ!この!ぬ、抜けない!?」
「・・・魔王軍幹部、グロウキメラのシルビア。私はこれ以上レベルを上げる気は無いので、トドメはカズマさんにでもお願いしますよ・・・相談に乗ってくれた事には感謝します。シルビアさん。でも、それとこれとは話が別です。それに、手癖が悪いのはダメですよ?」
そう言い終わると同時に更に氷結魔法で動けないように、手と足を凍りつかせる。これで、カズマさん達がこの人を倒す準備は整った。
「ミユ!大丈夫か!?」
「ミユちゃん!」
「カズマさん、皆さんも・・・来てくれたんですね?・・・この人どうしますか?もう虫の息ですよ・・・」
「っ!よくやった!ミユ!後は俺達に任せてお前は下がれ!」
「・・・分かりました・・・後は・・・お願いします・・・」
私は、ゆんゆんさんの方に歩いていき、身体を預け、意識を闇の中に落とす。そこからの事は、あまり覚えてないのです・・・
次に目が覚めた時、私はゆんゆんさんの家にいました。なんでも、あの後カズマさん達がトドメを刺そうとしたら、シルビアさんが暴れたらしく、私の氷結魔法を破壊して、施設の奥に行ったそうです。シルビアさんは魔術師殺しをその身体に合成し、蛇みたいな見た目になって紅魔の里を大暴れしたらしいです。
でも、里にあったレールガン(仮)でシルビアさんの身体を吹き飛ばし、事なきを得たらしいです。その後、巨大化したらしいんですけど・・・何故か来ていたバニルさん、ウィズさん、ハンスさんのお陰で、最悪の事態は免れたとの事。
まぁ、カズマさんの言うことなので、信じます!カズマさんはあまり嘘を吐くのが上手ではないので、嘘は言ってないと思いますし。さぁ!アクセルの街に戻る為に早く荷造りをしてしまいましょう!
ミユが目覚める少し前、カズマ達はかなり動揺していた。あの時見た、ミユの表情にはあの場にいた誰もが驚愕していたからだ・・・そして、皆が無事に戻ってきた時に、カズマはある告白をしていた。
「あの石版に書かれたコマンドをミユが解いたんだとしたら・・・俺は昔、ミユに会っている。最初に見た時から見た事があると思っていたんだ。あの時はお互いに名前も知らなかったし、お互いに顔も覚えてなかったから・・・他人の空似だと思ってたんだけどな・・・あいつは昔、親から虐待を受けてたんだ。その時は俺もまだガキだったし、何も出来なかったんだが・・・あいつの死んだ目をどうにかしようとして、色んな事を教えた」
これが真実だとしたら、ミユのあの表情は、相当な苦痛を受けていた事になる。そう皆が思い、アクアはカズマに向けても仕方が無いことを言い放った。
「じゃあ、あの子はずっと、カズマの事だけを頼りにしてたって事!?カズマが居ながらどうしようも無かったの!?」
「俺だって・・・何かしてやれたならそうしてたさ!けど・・・そん時の俺は・・・」
カズマがそう紡ぐと、アクアは口を噤んだ。すると、今度はめぐみんが
「・・・この事は、まだミユには黙っていた方が良いと思います・・・アクアも、それでいいですよね?」
「えぇ、そうね・・・」
「ダクネスも、良いですか?決して悟られる事が無いようにしてください」
「あぁ、分かっている」
荷造りが終わったので、今日で紅魔の里ともお別れです。まぁ、テレポートの位置も登録しましたし、いつでも来れるんですがね?それでも、早く帰った方が良いと思うので!これからまた忙しくなりますよ!主に魔道具店が!
なんか皆さん浮かない顔ですね・・・そしてこちらを見て、暗い表情をしてます。そんな暗い表情していると、こっちまで暗くなっちゃいますよ!何があったかは知りませんけど、気持ちを切り替えていきましょ!
「よし!帰るか!」
「ちょっと待ってください。カズマ」
「ん?どうしたんだ?めぐみん」
そうカズマさんが聞くと、めぐみんさんは自分の冒険者カードをカズマさんに手渡しました。
「今日から暫く爆裂魔法は封印します。なので、新しい上級魔法を覚えたいので、どれがいいか悩んでしまって・・・良かったらカズマが選んでくれませんか?」
「・・・ん、分かった」
そういうと、カズマさんはめぐみんさんの冒険者カードで何かのスキルを取り、めぐみんさんに返しました。
「んじゃ!見納めとして、爆裂魔法撃ってくれよ!」
「えぇ?!封印すると言った手前、恥ずかしいのですが・・・」
「いいからいいから!」
「もう・・・いきますよ?・・・・・・さよなら・・・・・・『エクスプロージョン!!!』」
めぐみんさんが撃った爆裂魔法は、今までに無いくらいの爆風と衝撃が辺りを襲い、凄くキラキラ輝いて見えました。
「!?カズマ!!これはどういう・・・」
「爆裂魔法の威力向上、しといたぞ?」
「・・・カズマ!!」
めぐみんさんは少し涙ぐんでましたけど、スッキリした顔でこう言い放ちました。
「我が名はめぐみん!!!アークウィザードにして!爆裂魔法を操る者!アクセル随一の魔法の使い手にして!やがて爆裂魔法を極める者!」
ふふっ、暫くはめぐみんさんにアクセル随一を預ける事にしましょうか!
今回、ミユとカズマの過去をサラッと書きましたが、全貌を書く気は無いのです!
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日常編
転生して楽しい日々
原作読んでないから全然分からないですけど・・・とりあえずあっしはアイリスとミユを早くイチャイチャさせたい。
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皆さんこんにちは!ミユです!今日はカズマさん達も冒険に行かないらしいので、ゆっくりお店のお手伝いをしてます!現在、私は倉庫の整理、ウィズさんは店頭に立ってお客さんの対応。バニルさんはハンスさんと共に仕入れ・・・なんか今日もドタバタする日になりそうです・・・
「えっと・・・これの説明書・・・説明書・・・あ、これか・・・暖まる鉢巻・・・これもボツですね」
全く・・・まだ懲りてないんですかひょいざぶろーさん・・・というか、なんでこんな物を仕入れてくるんですか・・・ん?なんか店内が騒がしいですね・・・誰か来たんでしょうか?
「あ、いらっしゃいませカズマさん。今日はどうしました?」
「いや、今日は買いに来た訳じゃなくて」
「ねぇ私お茶欲しいんですけど、ついでにお茶菓子も欲しいんですけど」
「は、はい!アクア様!只今お持ちします!」
あ、カズマさん達が来たんですか・・・なら私もお茶菓子とか用意して店頭行きましょうかね・・・
「いらっしゃいませ、皆さん。何か欲しい物はありましたか?」
「あぁ、ミユ。実はこれが気になっててな?」
「・・・ん?それは初めて見ましたね・・・ちょっと説明書探して見ますね」
「・・・これ、装備すると幸運度が上がる的なアイテムか?」
そういうと、カズマさんは私が見てない内にチョーカー型の魔道具を首に着けました。
「か、カズマさん!?そ、そそそそそれ・・・」
突然、ウィズさんが声を荒らげ、カズマさんが着けたチョーカーを指差してました。
「そそそそ、それは願いが叶うまで外れなくて、日を追う事に徐々に締まっていく魔道具でして・・・」
「呪いのアイテムじゃねぇか!!!」
「てかなんで着けちゃったんですか!?説明書探すって言いましたよね!?」
「ち、知的好奇心ってやつで・・・」
「んで、カズマってば何をお願いしたの?」
「・・・カズマさん、何としてでもそのチョーカーを外して見せますから!安心してください!」
「私も尽力しよう!」
「私も力になりますよ。カズマの為ですから」
「勿論、私も協力します!絶対に死なせはしませんから!」
「・・・仕方ないわね、私も手を貸すわ!」
「・・・今、何でもするって言った?」
なんか、カズマさんが凄く悪い顔をしてます・・・久しぶりに見ました。あの顔・・・
私達はとりあえず、お店を閉めて、屋敷に帰ってきました。そしたら、カズマさんが早くもウィズさんに膝枕をして貰ってます。
「か、カズマさん・・・寝心地は如何ですか?」
「ウィズの太ももはぁ、ひんやりしててとても心地よい。後凄く柔らかい」
ひ、膝枕なら私でも良いのに・・・って違う!なんか、カズマさんの触り方が凄くやらしく見えます。
「この男、願いの一発目から欲望全開ですよ・・・」
「なんてこと!この男ったら、ここぞとばかりに美しい私たちに欲望の限りを尽くすつもりね!」
「アクア、お前は今すぐダッシュで焼きそばパン買ってこい」
「なんでよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
と言いながら全力ダッシュしていくアクアさん・・・哀れなり・・・
「ミユ?」
「は、はい!私で出来る事なら何でもどうぞ!」
「お前はとりあえず、いつもの家事をめぐみんに任せろ」
「なぜに!?というかそれ欲望って言うのですかね・・・」
「良いだろ、こういうのも」
「えっと・・・はい・・・」
私はめぐみんさんを連れて、家事を全て終わらせて来ました。というより、お昼前なのでやる事がそんなにありませんでした・・・
「ミユ、こんな時に聞くのはあれなのですが、貴女は何故、カズマのパーティに来たのですか?貴女ならどのパーティーでも引っ張りだこでしょうに・・・」
「えっ・・・そうですかね・・・」
「えぇ、その歳で既にアークウィザード。更にはレベルも高く、将来有望なのに、何故ですか?」
「・・・特にこれといった理由は無いんですけど・・・強いて言うなら、私の事をカズマさんなら分かってくれると思ったからです」
「分かってくれる?どういう事です?」
「前に、私とカズマさんは同郷という事は話しましたよね?となれば、ここに来たのも同じ理由なんです・・・あそこは、ここよりも住みにくい場所ですから・・・同じ境遇なら、分かってくれるでしょうし・・・何よりも・・・」
「何よりも?」
「・・・このパーティーなら・・・カズマさんならなんだかんだ私を追い出そうとはしないかなと思ったから・・・です」
「・・・ふふっ、そうですね。なんだかんだ、カズマは面倒見が良いですから」
「はい・・・ほんとに、カズマさんには頭が上がらないです」
私達が、カズマさん達の居る所に戻ると、ダクネスさんは腕立て伏せをさせられてました。
「えっと、カズマさん。とりあえず、昼までに終わらせる事は終わりました・・・」
「よし、じゃあ次は・・・お、アクアも帰ってきたな」
アクアさんは、帰ってきた時に、何故か頬を張ってました・・・絶対に食べましたよね?
「お前、これ半分食ったろ・・・」
アクアさんは首を横に振り、否定してます。けど、口の周りがソースだらけで説得力が無いです・・・
「めぐみん、お前はゆんゆんと野球拳してこい」
「わ、分かりました・・・」
カズマさん・・・どんどんエスカレートしてません?というか、ずっとあいこを出し続けてるゆんゆんさんとめぐみんさんある意味凄いです・・・
「お前ら、あと三回あいこが続いたら1枚脱ぐこと」
えぇ・・・カズマさんの事、少し嫌いになりそうです・・・嫌いにはならないですけど・・・
「・・・ゆんゆん、私達は親友ですよね?なら、分かってますね?」
「・・・えぇ、めぐみん。じゃあ行くわよ?あいこで」
「「しょ!」」
あ、めぐみんさんが裏切りました・・・そして、ゆんゆんさんがめぐみんさんに襲い掛かってます・・・ダメです!それ以上やるとめぐみんさんの服がはだけて!
その後も、カズマさんの暴虐は続きます。私以外に・・・
「か、カズマさん?ワイン・・・のお代わり要りますか?」
「いや、大丈夫だ。そのままゆっくりしててくれ」
「カズマ!なんでミユには欲望の限りを尽さないの!?差別だわ!!」
「お前、ミユに命令出来るとしたら何をする?」
「そんなの・・・・・・ダメだわ、後が怖すぎて何も命令が出来ない・・・」
「なんでですか!?別に何もしませんよ!?」
「ならミユ、ウィズと膝枕交代して俺の耳掻きをしてくれ」
「はい!」
私はウィズさんと交代して、耳掻きを始めました。
「あ、カズマさんの耳、結構綺麗ですね・・・これ以上掻くと炎症起こしちゃいそうです・・・」
「ならそのまま膝枕しといてくれ」
「あ、はい」
どうやら、酷な事は絶対にしないという強い意志を持ってるみたいです・・・別に大丈夫ですのに・・・
このすば!
「何故取れないんだろう・・・思いつく願いは全部叶えてる筈なのに・・・ウィズ、シュワシュワを飲ませてくれ、口移しで」
「へぇっ!?」
何日もこう言った命令が続き、遂に明日で最後になってしまいました。私ほぼ何もしてないんですけど・・・
「ミユ、ちょっといいですか?」
「?どうしました?めぐみんさん」
「明日、ちょっと爆裂散歩に付き合ってもらえますか?」
「いいですけど・・・明日は最終日ですよ?」
「大丈夫です、チョーカーが取れてから行くので」
「・・・取れる保証あるのですか?」
「え?な、なぜそう思うのですか?」
「・・・なんとなくです・・・」
数分後、私達はカズマさんに呼ばれて、部屋に戻ってきました。なんか、話したい事があるらしくてですね・・・
「皆、今まで付き合ってくれて本当にありがとう・・・俺、幸せだったよ。アクア、お前が買ってきた焼きそばパンとシュワシュワ・・・美味しゅうございました・・・」
なんか悟り開いた様な顔してます!!?
「死なないでカズマ・・・私と一緒に魔王を討伐するんでしょう?」
「この場を借りて、お前らに謝罪したい事がある・・・めぐみん、爆裂魔法を撃った後、お前をおぶって帰ってた時、少しでも胸の感触を楽しもうとして、わざと揺らしたり、体勢を変えてたりしてたんだ・・・ごめんな・・・」
「ひっ!?」
「ゆんゆん、ウィズ、実はお前達と話す時、俺の視線はいつもお前らの胸に固定されてたんだ。ウィズは豊かだし、ゆんゆんは胸元エロいし、そんな身体をしてるお前達が悪いんだと思ってたんだ・・・ごめんな・・・」
お2人とも凄く顔が赤くなってました・・・
「ダクネス、屋敷でお前と暮らし始めてからお前には、おっ〇いしか求めていない。お前は・・・おっ〇いだ・・・おっ〇い・・・ごめんな・・・」
なんか、途中でめぐみんさんが私の耳を塞いだので後半部分が聞き取れませんでした・・・なぜです?
「ミユ、お前が家事をしてくれている時、いつもお前がメイド服を着ていればいいのにと思ってたんだ。フリフリのメイド服を着て、俺専属のロリっ子メイドになって、俺の事、ご主人様、って呼んでくれないかなと思ってたんだ・・・ごめんな・・・」
「いや、その位でいいなら別にやりますけど・・・」
「ははっ・・・俺も生きている間に見たかったよ・・・アクア、お前が寝てる時に髪の匂いを嗅いだりして、なんとかお前をヒロインとして見ようと頑張ってみたけど、やっぱり無理だったわ、ごめんな・・・」
「ちょぉぉぉ!?そこは頑張ってよ!もっと頑張ってよ!ねぇカズマさん!!」
そんな風に、アクアさんがカズマさんの事を揺さぶっていると、チョーカーが外れました・・・これ予想なんですけど、カズマさんは癒しを求めてたんだと思います・・・カズマさんは不味い!みたいな顔をしていたので、多分この予想は正解なんでしょう・・・
「ねぇ、くそニート、このチョーカー、もう一度着けてみなさい?大丈夫、優しい皆がきっと貴方を助けてくれるわ」
そして、カズマさんは皆さんに殺されました。私はちゃんと助けようとしましたよ!けどゆんゆんさんとめぐみんさん、果てにはダクネスさんに取り押さえられて、助ける事が出来なかったです・・・
「ごめんなさいカズマさん・・・生き返ったらちゃんとメイド服着ますので・・・」
私はそう呟き、天を仰ぎました・・・
皆さんはミユに命令出来るとしたら何をさせますか?
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転生して楽しい日々②
「この商品・・・どうしようかな・・・意外と使えそうで使えないし・・・工房行き・・・かな?」
皆さんこんにちは!私です!今日は
「ミユさん!危ない!」
「え?」
ウィズさんの声で振り向いた私に飛んできたのは、黒い水晶玉でした。
「・・・ここは?」
目が覚めた私は、辺りを見渡す。見たところ私たちの住んでる御屋敷の様ですけど・・・いつの間に帰ってきたんでしょうか?なんか、若干寂れてるというか・・・汚いような感じがしますけど・・・
「お、気が付いたか?あんな所で倒れてるもんだから驚いたぜ?」
「?カズマさん?」
「ふっ、やっぱ俺って有名人だよな!そう!俺の名はサトウカズマ!魔王軍幹部のベルディアを倒した英雄だぞ!」
「ベルディアさんを?いっつ・・・」
「あんまり無理すんなよ、お前、屋敷の庭で倒れてたんだぜ?」
「お庭で?・・・失礼ですけど、私の事、知ってますか?」
「ん〜、いや、全然知らん。お前とは初対面だし、ギルドでも会ったことは無いと思う」
「・・・そうですか・・・」
「カズマカズマ!例の子は起きましたか?」
「あぁ、ついさっきな」
「ふっ!ならば!私もご挨拶を!我が名はめぐみん!紅魔族随一にして、爆裂魔法を操りし者!」
「・・・我が名はミユ!アクセル随一の魔法の使い手にして、やがて魔王軍を殲滅せし者!」
「っ!カズマ!この子やりますね!紅魔族の琴線にもビビッと来てますよ!」
「はいはい、良かったな。というか、お前も紅魔族なのか?」
「・・・いいえ、これは知り合いに教えてもらったものです・・・」
「ふっ、殊勝な紅魔族も居たものですね」
貴女なんですけどね・・・どういう事でしょう・・・あの時、何が・・・確か、黒い水晶玉にぶつかって・・・あの商品・・・なんて名前でしたっけ・・・
「まぁいいや、ミユだっけ?自分の家は分かるか?」
とりあえず自己完結でここは私が居たあの世界とは違うという事が分かったので、テキトーに答えておきましょうか。
「・・・えっと、実は私、遠い国から来てて・・・行き倒れてたんです・・・」
「そうなのか・・・そんなちっちゃいのに苦労したんだな」
あ、この人カズマさんであってカズマさんじゃないですね。私の逆鱗に触れるなんてカズマさんじゃやりません・・・
「カズマ!お茶まだなの!?」
「自分でやれよ!お前元何とかなんだろ!?」
「はぁ!?女神の私に向かってなんて口の聞き方なの!?」
「はぁ・・・今のはアクアっつって、自分の事を女神って言ってる頭の痛いやつだ」
「・・・ふふっ」
この世界でもアクアさんはアクアさんみたいです。
「お、笑ったな?」
「す、すみません・・・」
「いやいいんだ。やっぱりお前くらいの子は笑顔が1番だしな」
「やはり、カズマはアクアが言ってたロリコンでしたか」
「違ぇから!!」
「・・・皆さんを見てると、私の仲間を思い出します」
「仲間?お前行き倒れてたんじゃないのか?」
「えっと、私の仲間・・・今は別行動してるんですけど、もう随分会ってなくて・・・」
「そうだったのか・・・見た所、冒険者なのか?」
「はい!こんなでもアークウィザードやってます!色んな中級、上級魔法を扱えますよ!」
「とりあえず、うちの頭のおかしい爆裂娘と交換してくれないか?」
「カズマ!?」
「・・・ダメですよ、カズマさんにはめぐみんさんの様な方じゃないと釣り合いません。あ、勿論悪い意味じゃないですよ?貴方の指揮じゃないと、めぐみんさんの長所が活かせないんです。他の人達もそうなんですよ?カズマさんの的確な指示が無ければ、更なる被害が出る時だってあるんですよ」
「お、おう。なんか、見てきた様な言い方だな?」
「そうですか?」
「あぁ」
「そうだとしたら・・・そうなのかもしれませんね・・・とりあえずお茶入れますよ」
私は、そのままキッチンへ向かい、紅茶を5つ用意して、客間に行った。ちゃんと人数分を入れて・・・
「どうぞ、アクアさん」
「あら?誰かしら貴女・・・まぁいいわ、お茶ありがとうね」
「いえいえ(*^^*)」
「・・・なぁ、ミユ。ちょっと聞きたいことがある」
「はい?」
カズマさんは何かが引っかかった様な感じの顔をしていたので、少し惚けてみます。どのくらい頭がいいのか、見てしまいましょう。
「お前、なんで5つも紅茶を入れたんだ?」
「え?」
「カズマもそう思いましたか。人数分だとしても、1つ多いですよね?」
「えっ?ダクネスさんの分・・・あっ・・・」
「そう、お前にダクネスを紹介した覚えはない。なのに5つ用意してる。という事は俺達のパーティの事、実はよく知ってるんじゃないか?さっきの仲間の思い出を話してる時もまるで、俺達の事を言っている様にな。つまりお前は、未来から来た人間か、はたまた違う世界の俺達と会った。違うか?」
「・・・SFの読み過ぎですよ、カズマさん。けど、当たってます」
「?」
「私は異世界転移してきた人間です。しかも、平行世界の未来からです」
「平行世界!?じゃあさっき仲間と別行動してるって言ってたのは!」
「あ、そこは間違いですよ。普通に皆さん、向こうで生きてますし、なんならこちらの皆さんと同じ様に馬鹿騒ぎしてます。違う所は、皆さんみたいに借金をしてないという所、ですかね」
「借金をしてない?それはどういう事だ?何か手があるのか?」
「・・・まぁ、そこは追追分かる事です。未来の事を知っても、その通りになるとは限りませんしね。タイムパラドックスというやつです」
「なるほど・・・」
「1つ、パラドックスが無いとすれば、私が借金の半分を支払ったという所でしょうか?」
「え?!」
「これでも私、強いんですよ?」
ということで、私とカズマさんが勝負する事になりました。
「どんな手を使ってもいいんだな?」
「はい、大丈夫ですよ」
「ミユ!気を付けてくださいね!その男はやるとなったら何でもやりますから!」
「もう遅い「スティール!」」
「っ!」
「いぃやっほぉぉぉ!やっぱこれだよなぁ?・・・あれ?パンツ剥ぎ取ってるのに、恥ずかしがってない・・・」
「残念でした。私、今日ドロワーズも履いてるので恥ずかしがりません。出直してきてください。「クリスタルプリズン」」
私が氷結魔法を唱えると、カズマさんは全身が凍りました。
「悪は滅びました!」
そこで再び、私は気を失いました。
次に目が覚めると、魔道具店の中にあるウィズさん達従業員用の休憩所でした。この時、バニルさんからの置き手紙に、あの時何があったのかが書き連ねてありました。
要は、アクアさんがカズマさんと取っ組み合いになり、その時に持っていた水晶玉を手放してしまい、私にぶつけた。という事らしいです。
あの水晶玉の名前は夢見る水晶玉。別世界の人物が体験した出来事を追体験出来るという魔道具でありながら、その実、夢を見ている間に魔法を使わないと夢から醒めないというなんかめちゃくちゃ怖いやつでした。
これは、どうやっても倉庫行きですね。けど意外と面白かったですね・・・
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転生して楽しい日々③〜王都!
はい!という事で、日々からの王都編始まりますよ!
「ふんふんふーん・・・っと、後はこれを買えば今日のお使いは終了ですね。結構色んな物買っちゃいましたけど、大丈夫なんでしょうか・・・」
皆さんこんにちは!私です!今日はカズマさん達がクエストに行ってるのでお留守番をしてます。今は買い物の途中なんですけどね?
「そこの貴女!」
「はい?」
思わず返事をしてしまいました・・・この方、前に何処かで見た様な・・・
「ここで貴女に会えたのはまさに奇跡!これはアクア様からの啓司なのね!」
あ〜・・・今日も厄介事に巻き込まれていくんですね・・・私は・・・
「えっと、とりあえず自己紹介しますね・・・私はミユです。今はカズマさんがリーダーを務めるパーティで、アークウィザードをやらせて貰ってます」
「あぁ!良い!良いわ!ねぇ!ミユちゃん!私の妹にならない?!今ならアクシズ教に入信出来る特典も付いてくるわよ!」
「宗教に興味が無いので入りませんし、妹にもなりません」
「そんな!貴女程の実力者ならプリーストにだって適性がある筈なのに!何故!?」
「無神論者なので、それに、宗教家なんてロクな人がいないじゃないですか。貴女を含めて」
「・・・今日は諦めるわ!けど必ず入信して貰うから!」
宗教って怖いなぁ・・・今日1日で改めて思い知らされました・・・
このすば。
次の日、私達に待っていたのは、またもや厄介事。ダクネスさんのお家の執事さん。ハーゲンさんが持ってきた話は、王家からのお手紙でした。
『数多の魔王軍幹部を倒し、この国に多大なる貢献を成した偉大なる冒険者、サトウカズマ殿。貴殿の華々しいご活躍を耳にし、是非お話を伺いたくこの手紙を書きました。つきましては、お食事などをご一緒に出来ればと思います。ベルゼルグ・スタイリッシュ・ソード・アイリス』
「アイリスって・・・」
「誰もが知る、この国の第一王女・・・お姫様ですね。そんな人がカズマに?」
「カズマ!こんなものは辞退しよう!第一王女のアイリス様に無礼を働けば首が飛ぶ!お前だって堅苦しいのは嫌だろう?だから!そ、そうだ!ミユだって反対だろう?」
「えっ?うーん・・・」
「それとミユ様、此方はミユ様に当てられた手紙でございます」
「ちょっと拝見しますね・・・」
『先程、同様の手紙を貴殿のパーティリーダーにも送りました。ですが、貴殿が此方に来られない場合、国家反逆罪と見なし、貴殿を裁判に掛けます。パーティメンバーの方々も無事では済みませんのであしからず。では、相見える日を楽しみにしておりますね。イトウミユ殿』
「なんかめちゃくちゃ怖い事書いてあるんですけど!?なんで私だけこんな怖い事言われるんですか!!?おかしくないですか!?」
「そ、それを私に言われましても・・・」
「人生谷底平野なんですが・・・山が無いです・・・」
そんな事を呟いて居ると、カズマさんが「俺達の時代が来た」と言い始め、様々な言いくるめを皆さんに使用して、結局行く事になりました・・・王都・・・前々から王女様に1度来て欲しいという手紙が来てたんですけど、悉くスルーしていたので遂に強硬手段に出たんですかね?
このすば・・・
「いいかお前達、何度も言う様だが、相手は一国の姫君だ、だからくれぐれも」
「勿論分かってるわ!とっておきの宴会芸で場を盛り上げてみせるわ!」
「いやそうじゃなくて!」
「私も紅魔族流の派手な登場でお姫様を驚かせてみせましょう!今日の為にミユに作ってもらった派手に煙が出るものと花火を使って!」
「没収!!」
「あぁ!やめてください!カズマが見てます!!」
「あら?カズマも何か持ってきたの?」
「あぁ、ミユと共同開発したウィズの店で売り出す便利グッズだよ。完成品が出来たから持ってきたんだ。お姫様を驚かせてやろうと思ってさ」
「ライターなんて作ってたのね。そんなもの喜ぶのかしら?」
「火打ち石を使う世界だぞ?魔法を使わずに火を簡単に起こせる所を見せたら腰抜かすって!ミユの宣伝のお陰で、商品も飛ぶように売れてるらしいし、人生安泰だぜ!」
「げっ、あの悪魔の仮面もあるじゃない・・・」
「王女様はもう居るのか?」
「あぁ、昨日から当家にお泊まり頂いている。くどい様だが、くれぐれも」
「分かってるわよ、ダスティネス家の名に泥を塗る真似はしないって、もっと私たちを信頼しなさい!」
「いや、これ以上無く理解してるからこその評価かと思います・・・」
そんな話をしてると、どうやら部屋に着いたらしく、ダクネスさんが部屋の前で止まりました。
「いいか?アイリス様のお相手は私がするからお前達は適当に相槌を打つだけでいいからな?・・・・・・・・・失礼します」
部屋に入り、ダクネスさんとカズマさんが少し冒険譚を話して・・・護衛隊長さん?がカズマさんの冒険者カードを見せて欲しいと言い始めた。そして、最弱職に就いているカズマさんの事をダクネスさんがバラすと、王女様達はカズマさんを嘘つき呼ばわりし始めました・・・それに少しキレためぐみんさんが帰ろうと言うと、ダクネスさんが先程の嘘つき男という言葉を撤回しろと言い放ちました。そうですね、流石に私もカチンときましたよ・・・一瞬、殴りそうになる位に。
「・・・謝りません、謝りません!!嘘で無いと言うのなら!その男にどうやってミツルギ様に勝ったのかを説明させなさい!それが出来ないと言うのなら、その男は弱くて口だけの嘘つき・・・」
パンっ!!!
・・・良い音がなりましたね。そりゃあそうですよ。力いっぱい・・・と言っても流石に筋力増加の魔法は掛けてませんが、叩きましたから。
「何をする貴様!」
「あ、だ、ダメ!!」
私は、突き刺して来た護衛隊長さんの剣を思いっきり掌で思いっきり握り、静止させました。
「・・・痛ってぇですね・・・容赦の無い一撃らしいです。本気で殺しに来てますね。敵対って考えて良いですか?そっちが呼んでおいて自分の理想と違うと判断したら罵倒・・・何処かの悪徳貴族と一緒ですよ・・・」
「あ・・・あの・・・」
「王女様・・・」
「は、はい・・・」
「カズマさんは嘘つきじゃないです。ちょっとは盛ってる所も有りますけど、嘘は言って無いです・・・先程の物言いは、あれだけの功績を残してる人に対して言っていい事じゃ無いです・・・それに、どうやってミツルギさんに勝ったかを説明する責任もないですし、それが出来なかったとしてもカズマさんが罵倒されるいわれはないです・・・」
「はい・・・そう・・・ですね・・・」
「それに、証明してくれますよ。カズマさんなら・・・どうやって勝ったのか、ね?カズマさん」
「・・・あぁ、お前が身を呈して俺を庇ってくれたからな。見せてやるよ、どうやって勝ったのかを・・・」
「承知した。だが、とりあえず剣を離してくれないか?と言うよりも何故アークウィザードであるはずの貴殿がそこまでの筋力を!?」
「・・・レベル差・・・ですかね・・・」
そこからは、まぁ、いつも通りカズマさんが護衛隊長さんのパンツをスティールして、なぁなぁで終わったんですけど・・・なんで私とカズマさんは王都に居るんでしょう・・・?そして何故・・・
「さぁミユ!お姉様に存分に甘えて良いのですよ?」
何故私は、アイリス様のお膝の上で一緒にカズマさんの冒険譚を聞いているのでしょう・・・?
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転生して楽しい日々④!王都編!
感想、お気に入り登録、誤字報告、更には評価までして頂けて本当に感謝しかないです!
皆さんオッハロー!私です。私は今、何故かアイリス様と勉学に励んでます!
何故私がアイリス様と勉学に励んで居るかと言うと、アイリス様達がテレポートで王都に帰る時に、カズマさんを引っ張って魔法陣に引きずり込み、その時に私もカズマさんを掴んでたので一緒に王都に飛んできてしまいました・・・そして、話してる内に、いつの間にか、アイリス様がカズマさんをお兄様って呼んでて、それならとカズマさんが
「実は、ここにいるミユも俺の妹なんだ。しかもアイリスより年下だから、アイリスの妹って事になる。これがどういう事か分かるな?」
と、なんかよく分からない事を言い始めました。それをアイリス様が気に入ったらしく・・・
「さぁ!さぁさぁミユ!私をお姉様と呼んでください!」
って事になったんです。これが前回までのお話なんです・・・
それで、何故勉学をする事になったかと言いますと・・・
「そ〜らを自由に〜とーびたーいなー!へいっ!竹とんぼ〜!」
・・・アイリス様が1人で勉学するのは嫌だと申されまして・・・今、お庭で竹とんぼを飛ばして遊んでるカズマさんにアイリス様は目をキラキラさせてました・・・
このすば!
あの後、カズマさんにアイリス様が竹とんぼの説明を聞いて、欲しがってました。カズマさんがあのゲームをして条件を聞いてくれたならプレゼントしてやるとも言ってました。
そうして、勝負に勝ったカズマさんが竹とんぼをアイリス様に渡した時にレインさんが来ました。
レインさんは、竹とんぼを見た後、懐かしそうな顔をしていました。そして、これが何か知っていると考えたアイリス様は、レインさんに竹とんぼが本当はどんな物かを聞かされ、めちゃくちゃ可愛い顔をして怒ってます。
「お兄様の嘘つき!先程の勝負は無効です!」
これは嘘つき呼ばわりされても仕方ないと思います。はい。
「というより!ミユ!貴女はこれが何か知ってて黙っていたのでしょう?!」
うわっ!こっちに飛び火してきた!
「まぁ、知ってましたけど・・・まさか、竹とんぼを知らない方が居るとは思わなくて・・・」
「うわぁぁぁぁん!」
・・・王族を泣かせる事が出来るなんてちょっと面白いですね・・・この世界・・・
このすば!!
「あ、王手です。アイリス様」
「もう一度です!お姉様であるはずの私が妹に勝てないなんて道理はありませんよ!」
「良いですけど・・・そろそろ夕食なのでは?」
「ずるいです!勝ち逃げする気ですか!?」
「いえ、夕食・・・」
「なら!夕食の後にもう一度です!次は負けません!」
「・・・それ言うの、53回目ですよ。アイリス様・・・カズマさん助けて下さい・・・」
「悪いミユ、俺もお前がこれで負けるのが見たいんだ」
「・・・レインさん助けて下さい・・・」
私がそう切に願うと、護衛隊長さん・・・クレアさんが丁度いいタイミングで来てくれました。
「夕食の準備が出来ました・・・ミユ殿、たまには勝ちを譲るのも貴族の嗜みだぞ」
「私貴族じゃないので・・・」
その後、夕食を取って、もう一度アイリス様とゲームをしました。将棋で言う、裸王。しかも、アイリス様、クレアさん、レインさん、カズマさんという4対1の状態でしたけど・・・何故か勝ってしまいました・・・
「なんでだァァァァ!!!」
「くっ、ここまでとは!」
「何故勝てないんですか?!」
「えっと・・・何故なんでしょう・・・これは・・・」
「本当に初心者なのか怪しくなってきましたね、これは」
「もう一度です!」
「残念!消灯の時間です!」
「くぅぅ・・・」
「カズマさんなら私の手癖が分かると思ってたんですけど・・・全然でしたね・・・」
「くっ、妹にここまでバカにされるなんて!」
「・・・前々から思ってたんですけど、いつの間に私はカズマさんの妹になったんでしょう?」
このすば!
「アイリスは外に出たいとか思った事は無いのか?」
「無いわけじゃないですけど・・・これでも私は第一王女。そんなわがままを言える立場じゃないのは心得てますので」
「・・・なら、庶民的な食べ物とか食べた事無いんですよね・・・美味しい物いっぱいありますのに・・・」
「そうだな、ピザとか焼きそばとか、ほんとに美味いのにな」
「それはどんな食べ物なんですか?」
「ピザはモチモチのパン生地にケチャップや野菜、チーズを乗せて焼いた物です。焼きそばは野菜やお肉を麺と一緒にソースを掛けて焼いた物です。どちらも絶品も絶品!」
「食べてみたいです!」
「ん〜・・・材料があれば作ってあげる事は出来るんですが・・・」
「なら今日作ってください!レインとクレアにも頼んでおきます!」
「えっと・・・それは・・・」
アイリス様がそう叫ぶと、ノックが聞こえ、アイリス様が返事をしました。入ってきたのはレインさんで、先程の話を聞いていたらしく、即刻でOKが出ました。この人も食べたいんだろうなぁ・・・
「あ、けど勝手に厨房を使うのは不味いので、ミユ様には体験メイドという形で明日から従事して貰いましょう」
「えっ?」
「それだぁぁぁ!!」
「良い案ですね!流石レインです!」
「えっ?」
皆さん・・・私は明日からメイドになるみたいです・・・
タイトルのナンバリング間違ってた・・・
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転生して楽しい日々⑤!王都編!
お気に入り登録、感想、誤字報告ありがとうございます!最近、ハーメルンからの通知が来る度に心臓がバクバクしててそろそろ高血圧で死ぬんじゃないでしょうか!
翌日、私はレインさんに起こされる前に起きて、備え付けてあったメイド服に着替えました。メイド服って着方あるんですね・・・初めて知りました。サイズが間に合わせだから少しダボダボですけど、仕方ないです。さて!最近出来てなかった家事業務をやっちゃいましょう!・・・屋敷大変な事になってそうな気がして来ました・・・テレポート位置、ここに設定しておきましょうかね?
そんな事を考えていると、部屋の扉がノックされ、レインさんが入ってきました。
「失礼しま・・・可愛っ・・・んんっ!失礼しました。既にお目覚めでしたか、ミユ様」
「はい!後、今日から仕事仲間なのですから、様は要らないですよ?レインさん」
「わ、分かりました。それではミユさん。貴女にやってもらいたい事を説明しますね」
内容は屋敷でやっていた様な掃除、洗濯と言った一般家事に加え、朝、昼、夜の食事の準備、買い出し等など、やる事は多いですがそれも屋敷でやっていた事。特段変わった事は無いです。ですが・・・なんというか、私の料理が皆さんの口に合うかどうかですね、問題は・・・
「レインさん、私、一応屋敷でも家事業務はしてましたけど、貴族、王族の皆様に合った料理なんて作った事が無いので少し御指南お願いします」
「勿論ですよ。それに、貴女が作るピザや焼きそばが気になるので早く食してみたいのですから、掃除と洗濯は早々に終わらせますよ」
「はい!」
そこからは時間の流れが速かったです。いつもやっている事よりも遥かに多く、いつものスピードでは間に合わないので、少しチートじみた事をしましたけど。
と言っても歩く時に少し風の魔法を使ってみたり、素早さを上げる魔法を使ったりした程度だったんですけど。
「やはり、いつもやっていると言うだけあって筋が宜しいですね。それに、無駄の無い動きです」
「ありがとうございます。けど、まだまだです。もっともっと上達して、カズマさん達に喜んで欲しいんですよ」
「こんないい子にそこまで献身的になって貰ってるのなら、カズマ様達もきっと幸せですよ?」
「そ、そうですかね?・・・あ!ピザ作らないと!」
「そうですね、そろそろ作り始めましょうか」
そんなこんなで、ピザを作り始めた私は、とりあえず野菜達にトドメを刺し、大人しくさせてから調理に励みました。
このすば!
ピザを運んでいると、カズマさんがいる部屋から声が聞こえてきました。どうやら、アクアさん達が迎えに来たみたいです。
「アイリス様!この男を甘やかしてはいけません!こやつは人の皮を被った性獣です!女と見れば一緒に風呂に入りたがり!スキルを使えば下着を盗む!そんな男です!私が人身御供になりますゆえ、この男は責任を持って連れて帰ります!」
「あ、あの・・・でも・・・」
「・・・アイリス様、どうかお聞きください。この男はアクセルの街に屋敷もあり、それなりに名の売れている冒険者なのです。アクセルにはこの男の友人もおり、行方をくらませば心配する者もおります。かくいう私達もこの男を心配してここに来たのです。なのでどうかこの男を解放してやっては頂けませんか?」
ここに来て1週間、まぁ、それくらい経てばダストさん達も心配しますよね・・・しますよね?不安になってきました。
「・・・分かりました、ワガママを言ってごめんなさい・・・あの、ララティーナ、それならせめて、今晩だけでも・・・」
・・・これは、焼きそばを作ってる場合じゃなくなりましたね・・・ごめんなさいレインさん。焼きそばはまた今度にしましょう?
「えぇ、そろそろだと思っていたので大丈夫ですよ。気になさらないでください」
良い人です・・・ほんとに・・・私はそう思いつつ部屋をノックしました。
「失礼します。カズマ様、アイリス様。昨晩話に出たピザをお持ち致しました」
「・・・ミユ」
「如何なされましたか?カズマ様」
「屋敷に帰ったら俺専属のメイドになってぐぼほぉぉ!」
「お前は何を言っているんだ!」
「そうですよ!カズマ専属ではなく私専属にするべきです!なんなんですか!あの子!可愛すぎますよ!」
「うるせぇ!ミユは今メイド修行中なんだ!だったら屋敷に帰っても修行するのがいいだろ!主に俺の世話をして欲しいんだ!」
「このロリニート!ほんと巫山戯てるわね!」
「えっと・・・とりあえず冷めないうちに食べません?」
私はテーブルにピザを置き、皆さんをテーブルに座らせました。
「こっちがマルゲリータ、こっちがキノコピザです」
「どっちも美味そうだな!」
「そうですね!流石はミユです!」
「本職には劣りますけど、これでもカズマさんのパーティで家事を任せて貰ってますから!」
「いいや、断言出来る!本職が見たら絶対号泣する」
「・・・そうだと嬉しいです」
私は恥ずかしくなって、その部屋から出てしまったので、その後のことは分かりません。けど、夜になって、なんかいざこざがあったらしく、カズマさんが義賊?を捕まえるらしいです。
ん〜、厄介事の予感しかしないですね!
このすば!!
私は今日は城下町でゆっくりしてます。勿論カズマさん達を置いてきてますけど、まぁ、大丈夫でしょう。ゆっくり城下町を見てみたかったのもありますし、それに、ここならあの人が居そうですし・・・
ほむほむ、今の私でも転職が出来るんですね・・・面白そうですし転職しちゃいましょう!何が良いですかねぇ?クルセイダーにアークプリースト、それにソードマスターやルーンナイト・・・おぉ!?こ、これは!・・・ふふっ、決まりましたよ!
「では、こちらを押していただくと転職出来ますよ」
速攻で押します。遂に私もこの職業になれるんですね!楽しみでなりません!
「はい!では新たなる職に就いた冒険者ミユさん!貴女は今日からアサシンとして頑張ってください!」
「はい!頑張ります!」
アークウィザードのミユ!今日からアサシンのミユとして頑張ります!
このすばぁぁ!!
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過去編!カズマとの出逢い!
お気に入り登録、感想、誤字報告ほんとにありがとうございます!
ここは・・・何処ですかね?確か私、親に・・・
「ようこそ、死後の世界へ。イトウミユさん、つい先程「死にましたよね?私・・・」・・・はい」
「まさか階段から突き落とされるとは思ってなかったですよ・・・それも1番上から・・・あの人達ほんと頭おかしいです」
「そうですね・・・えっと、私は日本の児童を担当してる女神、稚日女です。本来で有れば、担当は私ではなく、別の女神なのですが・・・すみません・・・」
「あ、いえいえ、それで私は地獄行きになります?盗みとか働いてたので即地獄行きだと思っていたのですけど・・・」
「いいえ、あれは貴女が生きる為に仕方なくやっていた事なので不問にするとじょ・・・上の者が言っておりました。なので貴女には、天国・・・いえ、転生をして貰いたいんです。貴女はまだ幼いですし、特典も奮発して2つ付けますよ!私、幼い子には甘いので・・・」
「神様がそれでいいんですか・・・?」
「いいんです!」
「あ、はい・・・というか、転生って強制なんですね・・・」
「そうしないと甘やかせないでは無いですか!」
「無茶苦茶です!?この女神様!!!」
このすば!
「特典は決まりましたか?」
「と、言われても・・・この膨大な魔力って、もしかして転生って異世界転生ですか?」
「その通りです!実は貴女を送る予定の異世界には魔王と呼ばれる者がおりまして、その者を倒して欲しいのです」
「・・・」
「その面倒くさくなってきたなぁ・・・という顔辞めて頂けます?貴女位の子達を担当している私ですけど、貴女は特別なんですよ?」
「・・・まぁ、私位の子達が死ぬなんて早々に無いですからね・・・」
「えぇ!久しぶりに来た幼j・・・幼子なのですから!特別扱いをしたくもなります!」
「今幼女って言いかけましたよね?」
「いいえ、そのような事は決して・・・」
「・・・事実なので別に大丈夫ですけど・・・」
「なら、それとどれにしますか?」
「・・・この芸達者ってなんですか?」
「あ、それは向こうの世界で様々な職業に就けるのですが、その職業で得たスキルを他の職業でも覚えられると言った特典です」
「チートかな?」
「転生特典って殆どがチートみたいなものですからね・・・」
「それでも未だに魔王は倒されてない・・・つまりそういう事ですよね・・・」
「えぇ、そういう事です」
「・・・分かりました。これにします!」
「承りました。では、そちらの魔法陣にどうぞ。あ、後これを」
「これは?」
「冒険者登録をする為の資金と、当面の生活費です。サービスですよ?」
「甘過ぎませんか?」
「向こうで生活する為に必要な物ですから、これくらいは当然ですよ」
「もしかして、稚日女さんってたまに向こうに行ってます?」
「そう思った理由をお聞かせ願います」
「だって、そうしないと向こうの通貨なんてものはそう易々と用意出来ないですし・・・」
「・・・たまに降りてますよ。この事は他の人達には内緒です。向こうの担当女神にも内緒にしておいて下さいね?」
「絶対バレてると思いますが・・・」
「さぁ!新たなる冒険者、イトウミユ!貴女の異世界での活躍を期待してますよ!」
「誤魔化した!?」
そんなこんなで、私は異世界転生を果たしました・・・こんなんで大丈夫なのでしょうか・・・
このすば!!
気持ちいい程の陽気・・・辺り一面に広がる平野・・・汚れていない空気。異世界だ・・・!異世界に来たー!めっちゃくちゃテンション上がりますね!シャバの空気は最高だぜー!
あれ?私って靴履いてましたっけ・・・?いや、履いてないですね。突き落とされたの家の階段ですし・・・という事はあの女神さんのサービスかな?待遇良過ぎてホワイト企業も顔面蒼白ですね!ホワイトなだけに!
待ってください?平野?・・・平野!?普通街じゃないんですか!?こういうのって!うわぁぁ!!なんかあそこではカエル?に食べられてる人居ますしー!というかカエルでかくないですか!?
分かった!ここブラックな世界です!絶対ろくでもない世界ですー!私みたいな力の無い奴なんかすぐにあのカエルに食べられちゃうんだー!なんかあっちでは凄い叫び声で仲間の名前を呼んでる人がいますし!この世界怖いです!
このすばぁぁぁ!!!
色々あって銀髪の盗賊さんに保護されました。まさか知らず知らずのうちに泣き疲れて寝ているとは・・・いやぁ、異世界での初目覚めが寝落ちからの起床なんて、私くらいじゃないですかね?
「あ、ギルドのお姉さん!私、冒険者になりたいんです!」
「えっ!?君が?・・・あのね?冒険者というのは危険な仕事なのよ?遊びじゃないの」
「・・・私も遊びや巫山戯て言ってる訳じゃないです・・・生きる為に冒険者にならなきゃいけないんです!」
「そ、そう・・・じゃあ手数料1000エリスなんだけど・・・ある?」
「えっと、これでいいんですか?」
「はい、1000エリス丁度お預かりします。では、こちらの冒険者カードに自分の名前と年齢、身長、体重、特徴を書いて、書き終わったらこれに手をかざしてね?」
「はい!」
身長測ったこと無いから分からないなぁ・・・多分、年齢は8、身長121、体重は21・・・特徴・・・特徴?
「私って特徴あるんですか・・・?」
「黒髪よう・・・んんっ!!黒髪の少女というのは結構特徴的ですよ?」
「今幼女って言おうとしましたよね!?」
「ししししてませんよ!?」
特徴・・・特徴・・・そうだ、私の特徴!色んな職業のスキルを覚えられるっていう特徴があります!
「ではここに手をかざしてくださいね」
そう言われ、私は手をかざします。すると、魔道具?が起動し、私のステータスが公開されていきます。
「・・・」
「えっと、どうしました?」
「なんっなんですかこれぇぇぇ!?」
「ひっ!」
「全てのステータスが平均より大幅に高い!若干筋力が低いくらいですけどそれでもそこらの剣士職より高いじゃないですか!これならどの職業になっても大活躍間違い無しですよ!」
「えっと・・・えっ?」
「さぁ!どの職業でも選び放題ですよ!上級職でも大丈夫ですよ!」
上級職・・・どんな職業も選び放題・・・なら!
「魔法!魔法を使ってみたいです!このアークウィザードでお願いします!」
「かしこまりました!では、新たなる冒険者!イトウミユさん!貴女のアークウィザードとしての活躍に職員一同大いに期待してます!」
「魔っ法!魔っ法!」
「あんな子供がアークウィザード?大丈夫なの?」
「だが、ステータスがめちゃくちゃ高いと言うじゃないか。それに、可愛い」
この街、大丈夫でしょうか?
このすばぁ!
「あ、君、昨日の子だよね?どう?一緒に冒険に行かない?」
「はい!行く途中でまた色んなスキル教えてください!」
「いいけど、盗賊職のスキルを使えるの?」
「いいえ、けど覚えとけばいつか使えるかと思えまして!」
「なるほど、頭良いね。けど要領が悪い感じかな」
この時教えて貰ったスキルがまさか後にあんな形で役に立つとは思いませんでした・・・はい。
「これで、盗賊職のスキルは全部だよ。じゃ、使ってみよっか!どのスキルを使ってもいいからね?君が狙うのは最優秀賞がこの魔法が付与されたダガー。売れば数十万エリスは下らないよ!残念賞はこれ、その辺で拾った石ころ!」
「・・・スキルで奪った物って犯罪になりますか?」
「え?まぁそうだね。大体は窃盗罪になるかな?けど、お互いが了承してれば罪には問えないかな?」
「ならあまりやる意味が無いと思いますけど・・・試しです。確か冒険者カードに・・・あ、ありますね。確かにこれ、便利です。じゃあ行きますね?」
「いいよ!掛かって来なさい!」
「『宝感知』して、『スキルバインド』」
「うぇ!?」
これでお姉さんの動きが止められた上に何処にお宝があるか分かりやすくなりました。けどスティールはランダムらしいですね?1発で当たれば良いのですけど・・・
「そして『スティール』!」
「くぅ!」
「・・・私の勝ちです。お姉さん」
「うぅ、まさか私の幸運値も上回るなんて・・・冒険者、それもアークウィザードなのに」
「さっ、早く冒険行きましょう!冒険!冒険が私達を待ってますよ!」
このすばぁぁぁぁぁ!?
冒険から帰ってきた私達に待っていたのは、パーティメンバー同士で喧嘩(?)している人達でした。
「あれ?どうしたの、ダクネス」
「クリス・・・」
「あぁ!この間言ってた入りたいパーティって彼の所?」
「こんにちは、私はクリス。こっちはダクネスだよ。そしてこの娘はミユ」
「は、初めまして・・・」
「お、おう・・・俺の名前はカズマ。冒険者をしてる」
「さっきの聞こえてたよ?キミ有用なスキル欲しいんでしょ?あたしの盗賊スキル良かったら教えてあげるよ?便利なスキルばかりでオススメだよ!」
カズマさんはダクネスさんをチラッと見ると、クリスさんの話に乗り、その場を後にしました。あれ?私、どうすれば・・・?
このすばぁ!
カズマさん達が帰ってくると、クリスさんは泣いてました。なんでも、スティールでパンツを盗られたみたいです・・・え、スティールってパンツまで盗るんですか?
「それじゃ、あたしこの後用があるから。ミユ、今度また組んでよね?」
「はい!必ず!」
「それで、カズマはスキルを覚えられたのですか?」
「ふふふ、色々と教えてもらったぞ。見てな!『窃盗!』・・・あれ?」
確かにあれはスティールの光ですね・・・でもなんでそれが盗れるんですかね・・・
「あの・・・スースーするのでパンツ返してください・・・」
「おっかしいなぁ、盗れるのはランダムの筈なんだけど・・・というか2枚あるのはなんでだ?」
「・・・あの・・・カズマさん・・・」
「ん?」
「そっち・・・私のです・・・返して・・・ください・・・」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!返しますぅぅぅ!」
ま、まさか私のも盗られるとは・・・確かにめぐみんさんの近くに居ましたけど・・・何ででしょう・・・
「やはり私の目に狂いは無かった!こんな幼気な女の子2人の下着を公衆の面前で剥ぎ取るなんて!是非!是非とも私をパーティに!」
「要らない」
「んんっ!即答・・・だと・・・くっ!」
「カズマ!その人クルセイダーでしょ?前衛職は必要よ?」
「そうですよ、断る必要ない筈です」
「えーっと、あのな?ダクネスだっけ?丁度いい、めぐみんも聞いてくれ、俺とアクアはガチで魔王を倒したい。そうっ、俺達はそのために冒険者になったんだ!ならば今後、俺達の冒険は過酷な物になるだろう!特にダクネス!女騎士のお前なんて魔王に捕まったらそれはもうとんでもない目に!」
「あぁ全くその通りだ!昔から魔王にエロい目に遭わされるのは女騎士の仕事と決まっている。それだけでも行く価値は充分にある!むしろウェルカム!」
「魔王を倒したいなんて立派ですね!私も連れてってください!」
「え?」
「私もこれでも冒険者の端くれ、お役に立てるかどうか分かりませんけど、カズマさんを守る事位は出来るはずです!でなければ、身の回りのお世話位はしますよ!」
「えぇ・・・けど俺ら家なんて無いし、かなりキツイぞ?」
「ならこれからクエストに行きましょ!私の実力を見せます!」
「えっ・・・」
緊急!緊急!冒険者各員は至急冒険者ギルドに集まってください!繰り返します!
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過去編!カズマとの出逢い!②〜王都編!
皆様おはこんち!あっしです!
今回でカズマとの出逢い・・・まぁ、だいぶ少ないですが、終わりにします!
お気に入り登録、感想、誤字報告。ほんとにありがとうございます!
このファン結構前から始めました!メル可愛い・・・メル可愛い・・・
「ん、多分キャベツだろうな」
「そろそろ収穫の時期ですしね・・・」
「は?今なんつった?キャベツ?キャベツってあのキャベツか?」
「皆さん!今年もキャベツの収穫時期が来ました!今年は出来が良く!1玉に付、1万エリスになります!皆さん!いっぱい収穫してくださいね!」
「やっと来たかこの季節!」
「久々に割のいいクエストが来たな!遅れんなー!」
「ボーナスクエストよ!私達も行きましょ!」
「あ、私も行きます!収穫!収穫!」
このすばぁ!
「ふふっ、カズマ。日本から来た貴方は知らないのよね?この世界のキャベツは・・・芳醇にして濃厚、シャキシャキ歯触りの良い繊維質はクセになり、その魅惑的な味に酔いしれる者は数多いが、彼らは強い魔力と生命力を持って空へ羽ばたき、大陸を渡り、海を越え、人知れぬ秘境の奥でその生涯を閉じるの。そう!簡単に食われてたまるかと言わんばかりに!」
「えぇぃ!本当にろくでもない世界だな!!」
「キャベツって飛ぶんですねぇ・・・初めて知りました・・・」
「俺も同じ感想だ・・・というか、ミユは知らなかったのか?」
「知るはず無いですよ。ずっと家に居ましたし・・・」
「そ、そうか・・・俺と同じだな」
「なんでしたっけ・・・虐待?っていう事もされてましたしね・・・」
「カズマカズマ!この娘、私達のパーティに入れましょ!可哀想だわ!」
「もう少し考えさせろ!とりあえずこのキャベツ達を採った後に返事を出す!」
「はい!」
そんなこんなで、私達はキャベツの収穫をしています。そりゃもう沢山・・・籠に入るかな・・・
キャベツ達の収穫が終わり、ギルドに帰ってきた私達は、キャベツ炒めを食べてます。凄く美味しい・・・
「・・・」
「ん?どうした?ミユ」
「えっ、いや、なんでもないです・・・ただ・・・久しぶりに栄養が採れたなと思いまして・・・」
「すみませーん!この子にジャイアントトードの唐揚げ3つ下さい!」
「後、シュワシュワもー!」
「えっ、あの・・・」
「気にすんな、俺の奢りだ」
「なんか・・・カズマがミユに甘いんですけど・・・ロリニートだったのね・・・」
「違うわ!お前はミユのさっきの言葉聞いてなかったのか!?それにキャベツ収穫する前に言ってただろ!虐待されてたって!」
カズマさんはそこで、不味い!と思い、口を塞ぎました。ギルドに居る他の人達が一斉にこちらを見ています・・・
「カズマさん、虐待じゃなくて、接待です!そこ間違えないでください!」
「わ、悪い!そうだったな!接待だ接待!」
そう私達が誤魔化すと、皆さんは自分のテーブルで食事を再開しました。
「あ、そうだカズマさん・・・」
「ん?どうした?」
「カズマさんって日本出身の人・・・で合ってます?なんか、黒髪の方をあまりこっちじゃ見ないのでそうかなぁ?と思ってたんですけど・・・」
「俺もそう思ってた所だ。空飛ぶ野菜の事もお互いに知らなかったし、ミユの戦い方を遠くから見てたけど、そんなに戦闘に慣れてる訳でも無さそうだったし・・・」
「えっ・・・じゃあ・・・パーティに入れてくれないんですか・・・?」
「いや、乗りかかった船だ。お前の事もちゃんと面倒を見る!それに、クリスとの約束もあるしな」
「?クリスさんと?」
「あぁ、スキルを教えて貰った時にな。お前の事を頼まれたんだよ」
「そうだったんですね・・・じゃあ!これからよろしくお願いします!」
「おう!期待してるぞ!」
「はい!」
こうして私はカズマさんのパーティメンバーになりました・・・まさかこれが、大冒険の始まりだったとは思いもしませんでした・・・
このすば!
-王都-
「と、ここまでがカズマさんとの出逢いです。何か質問はお有りですか?」
「はい!」
「はい、早かったアイリス様」
「虐待・・・とは何でしょうか?」
「・・・言ってしまえば私は家族に愛されなかったんです。アイリス様に話すような事でもないんですけど、親から暴行を受けたり、食事もまともに与えられないという劣悪環境でした・・・」
「っ・・・」
「まぁ、それもカズマさん達に出会ってから解消されたんで気にしないで良いんですよ?」
「そ、そうですか・・・」
「さて、今日は来そうな気がしますけど・・・というより、あれだけ見栄を張って大丈夫だったんですか?カズマさん」
「ま、まぁ、なんとかなるだろ。いざとなればミユも居るし」
「そこで私を頼りにされても・・・転職したばかりで、まだ慣れてないんですよ・・・」
「アサシン・・・だったか?後衛職から急に前衛職に変わるなんてキツイんじゃないか?」
「それでも、足は引っ張らないと思います。スキルもちゃんとアサシン用のスキルを覚えてますし」
「それもそうか・・・」
「それに、アサシンには多分・・・そこまでお世話にならないでしょうし・・・」
「・・・お前も色々考えてるんだな。もしや他のパーティに参加するとか無いよな!?」
「ありえないです。カズマさん達のパーティ以外に入るのはナンセンスですよ。こんなにも近くて、手が届く距離まで来てるんですから・・・」
「そ、そうか・・・」
義賊・・・なんだかよく知ってる人の様な気がします・・・
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転生して楽しい日々⑥!王都編!
こんばんわ、あっしです・・・
最近精神面不安定過ぎて自分でも何を書いてるのか分かりません。
それに、支離滅裂な言動をミユにさせているかもしれません・・・
それでもいいと言う方はこのままお進み下さい。
お気に入り登録、感想、誤字報告、ほんとにありがとうございます。
皆さんおっハロー!私です。私は今、カズマさんと一緒に義賊を捕まえる為に、貴族の屋敷に泊めてもらってます。あ、貴族と言ってもアダループさんの所では無いですよ?あの人はもう捕まってますから・・・まぁ、あの人に負けず劣らずのクズ貴族である事は明白なんですけど・・・
「んん〜!アークウィザードの子も可愛かったけど、この子も可愛いわぁ!お姉さんとイイコトしない?」
訂正します。クズ貴族では無く、変態貴族です。
「しません」
「残念ねぇ、けどその内したくなる筈よォ?」
「なりません」
「そ〜お〜?あ、部屋は自由に使ってくれていいわよぉ?」
「ありがとうございます、コルセット殿」
この人の屋敷に、ほんとに来るんでしょうか・・・
このすば・・・
その日の夜、私はカズマさんと一緒に屋敷を徘徊・・・基、巡回してます。正直、部屋に居ると見られてる気がして怖いのでカズマさんと一緒に居たかったのが本音なんですけど・・・
「あれから1週間、ミユの予想だと今日来るみたいな見解だったけど、ほんとに来るのか?」
「分からないですよ・・・そもそもなんで狙われてるのかすら知らないですし」
「法では取り締まれない黒い金を取り扱ってたりするんだろ、貴族って奴等はそういうのが多いって聞くしな」
「そうなんですね・・・カズマさん、キッチンに誰かいます」
「アクアじゃないか?大方腹が減ってつまみ食いしてるんだろ」
「なんか、そんな雰囲気の方じゃなさそうです・・・」
私達は少し隠れ、様子を伺います。すると、キッチンの方から少し、声が聞こえました・・・
「・・・っと、見張りは行ったかな?心配しすぎだったかな・・・なんだか嫌な予感がしてずっとここは避けてたんだけど・・・」
ぎ、義賊!?ほんとに来るとは思わなかったですね・・・こういう時は潜伏に限ります!カズマさんも私の考えが分かったらしく、私の肩に手を置き、潜伏を使ってくれました。
「・・・誰もいない・・・さて、お宝は・・・こっちの方かな?」
「確保ー!」
私とカズマさんは勢いよく飛び出し、義賊を捕まえました。けど、なんか変ですね・・・カズマさんが・・・
「ふはははは!巷を騒がす賊め!相手が悪かったな!俺は女でも容赦しないぜ!」
「なっ!ちょっと!」
あの賊の人の声・・・凄く聞き覚えがある様な・・・
「って!君達ひょっとしてカズマ君とミユちゃん?!あたしだよ!盗賊のクリス!」
「・・・」
「というかカズマ君・・・今凄いところ掴んでるんだけど・・・」
「あ、悪い・・・」
「ううう・・・身体中まさぐられた・・・もうお嫁に行けない・・・」
「あ〜・・・えっと、バインドを教えておけば良かったですね・・・カズマさんに・・・お久しぶりですクリスさん・・・」
それから私達は、少し話をして、このままだと少しマズいと思い、カズマさんは拘束、私は別行動していたという事にして、クリスさんを一旦逃がしました・・・
このすばぁぁぁ!!!
「で、奮戦したとはいえ逃げられた・・・と?」
「はい・・・」
「申し訳ないです・・・別行動中とはいえ、私が居ながら捕らえるまでには至りませんでした・・・」
「・・・いえ、カズマ殿が苦戦する程の相手・・・よっぽどの事だったのでしょう・・・」
「なら・・・」
「大言を吐いておきながら無様な失敗、本来なら何らかの罰を与える物ですが特別に不問とします。ですが、流石に捕縛を失敗した貴方をこれ以上城に置く理由もありません!早々に立ち去られよ!」
やはり、難しかったですね・・・これ以上、カズマさんが城に居れる理由が無くなってしまいました・・・
その後、ミツルギさんと会ったりしましたけど、長くなりそうなので私とダクネスさん、めぐみんさんは買い物に出ました・・・
「という訳で・・・どうにかして、カズマさんをもう少しお城に留めてあげたいんですけど・・・難しいですね・・・」
「確かに、今のままでは難しいだろうな・・・」
「・・・そういえば、王都って魔王軍が良く攻めてくるんですよね?なら迎撃戦にカズマを参加させて、活躍させれば汚名返上出来るのでは?」
「確かにそれが無難ではあるんでしょうけど・・・調子に乗って死ぬ所まで見えるんですよね・・・私・・・」
「なるほど・・・確かに言われてみればそうだな・・・」
ほんとに、あの人の調子に乗る癖をどうにかしないと、いつか蘇生魔法が禁止になった時にも簡単に死んじゃいそうです・・・
その日の夜、またもや魔王軍が攻めてきたらしく、王都は大慌てで迎撃体制を整えてます。
カズマさんはやる気が無いみたいですけど、昼間にダクネスさん達と相談してた事を話したらやる気になってくれました。多分整理がついたんでしょうね・・・
結果は案の定。カズマさんが弱そうなコボルトを追いかけて行って死んでしまいました。
私は、目の前でカズマさんが死んだ事を後悔しました。生き返ると言っても死ぬ時は痛い・・・そんな目に遭わせた魔王軍を、私は許さない・・・絶対に。
「覚悟は出来ましたか?神様にお祈りは?あの世の隅でガタガタ震える準備はいい?・・・じゃあ、死のうか・・・」
私は、魔王軍の中心に向けて「クリスタル・インフェルノ」・・・所謂、合成魔法を放ちました。氷と炎の合成魔法・・・何処かの極大消滅呪文みたいですね?
撃った後にはほぼ何も残りませんでした。魔王軍も、魔王軍が着けていた防具も・・・めぐみんさんの爆裂魔法といい勝負ですね・・・あれ?私って今転職してますよね?なんで魔法が使えるんでしょう・・・?
そんな考えを他所に、冒険者さん達と騎士団の方々は私を讃えてくれました・・・讃えるならカズマさんにしてください。アクアさん達みたいな人たちを纏めあげているんですから・・・
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転生して楽しい日々⑦!王都編!
皆様お久しぶりです。私です。
今回で王都編を終わりにしたいなぁと思います。
では、始めます。
遅くなってしまいすみませんでしたぁ!
あれから2日経って、お城でまたパーティーが開かれてるらしいです。私は騒がしいのは好きですけど、あぁいった騒がしさは別です・・・なので、宿で寝るんです・・・毎日毎日、パーティーやっていたら頭おかしくなりますよ・・・それに、寝ないと成長しないんです・・・色々と。
「あの、起きてください。ミユさん」
それに加え、厄介事なんか論外です。私はこのままアクセルに帰って、のんびりクエストとか冒険がしたいんです。クエスト行く毎に厄介事引っ提げて帰って来る時もありますけど、それはまぁ・・・冒険者の嗜みということで1つ・・・
「起きてますよね?ミユさん?」
いいえ、起きてません。これから寝るんですからそれはもう起きていないのと同じです(暴論)
「ちょっと何言ってるか分からないから、とりあえず起きてくれる?」
「嫌です!どうせろくな事にならないんですから起きる必要なんて無いのです!」
「酷くないかな!?というかあの時協力してくれるって言ったじゃない!」
「それは出来る範囲でです!今の私は心身共に疲れきってるので無理です!」
「ならあたしとパーティ組まない?ちょっとしたお城に忍び込んで神器を回収するってクエストやろうよ。報酬も出すからさ」
「え?シカト?・・・まぁ、それなら・・・」
「よし!カズマ君も一緒に行くみたいだからさっさと準備してね!」
ん?カズマさんも行くんですか・・・?それ、後々面倒な事になるのでは・・・?そんな事を思いながらもドナドナされていく私でした。
閑話休題
そんなこんなで王城の城壁にやってきた私達。やはり怪盗団っぽく振舞うために変装をしなくてはなりません・・・という事なので早速変装・・・こんな日の為に私はバニルさんの仮面を持って持っていたのだよ!
「なんかその仮面、カズマ君も付けてたよね。流行り?」
「顔隠した方がいいかと思いまして・・・」
「それ...凄い禍々しい雰囲気放ってるんだけど、それに悪魔の匂いも強いよ?」
「そりゃ悪魔から貰った物ですし」
「えぇぇ!?そんなもの捨てて!今すぐ!」
「嫌ですよ!宝物なんですから!」
そう言いつつ、静かに城に入っていく。深夜ですからね...そんなこんなで城に侵入、そして目的であるアイリスさんの部屋に行きます。
「待ちなさい!盗人共!この水の女神アクア様が退治してあげるわ!」
「わーっはっはっはっ!その仮面イカしますね!何処に売ってたんですか!」
「...」
何でいるんですかー!?って、そういえば今日はお城に泊まるみたいなこと言ってましたね!やだぁ!この人達相手にするのやだぁ!!!
「観念なさい!盗人共!」
「待ってくださいアクア!せめてあの仮面が何処に売ってるのかだけでも!」
スキル!逃走!
「あ!窓から逃げる気よ!」
「スティール!」
「わっ!スティールです!気をつけて下さい!」
「盗った?」
「あぁ!盗れた!行くぞ!」
私達は窓から飛び出し、テレポートで宿まで飛んだ。その後の事は知りません、寝ましたから...おやすみなさい。
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