ヴンダー、発進!!~~~神殺しの船の艦隊勤務~~~ (ゴマだれ)
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プロローグ
赤い大地
青い空
行き交う人々
赫色の目
そして
「お母さん、これしかあなたにできなかった。
ごめんね、リョウジ......」
この言葉を最後に俺は沈んだ。
「....知らない場所だ」
...ここは何処だ?
何故生きてる?
俺はあの時沈んだ筈...
「というか...俺、今海の上に立ってるのか?」
それだけじゃない、戦艦だった俺にはない筈の四肢と五感、そして自分の体と繋がっている装備。
見たところ艦だった時と同じ第2船体とレールガンが4門、この感じだと後方にも1門ある。
そして、翼が付いている。
「まんま艦の時の装備か....周りの景色的に作戦は成功したのか.....?」
初号機にガイウスの槍を届ける事はできたがその後どうなったのか気になる所だが、まずは現状を把握しよう。
「海のど真ん中で目視できる範囲には島はない.....相当沖の方みたいだな」
現在地が分かれば指標の建てようがあるが、この様子だと海の上としかわからん
『ヴンダーさーん!』
「ん?肩の方から声が....え?」
視線を移すと小人サイズの人間がいる....
しかもヴィレの隊服を着ているようだ。
「えっと...君は?」
『私は妖精さん!ヴンダーさんの船員です!』
「な、成程...じゃあ艦の設備とかも使えるの?」
『はい!全盛期のヴンダーさんの物を使えます!』
これは心強い、流石に2号機と8号機はないだろうが
レーダーとか使えば何か分かるかもしれない
「じゃあ、早速レーダーで索敵してもらっていい?」
『分かりました!』
正直、状況が分からない以上敵がいないとは限らない。もっとも、レーダーで探知できるかも微妙なところだが
『!!3時方向に艦影を捉えました!
駆逐5 重巡2 空母3 戦艦4』
「え」
『別艦隊と交戦中...映像出します!』
すると片目だけにレンズの入ったサングラスに映像が映される。
俺と同じ様な装備をした少女達が異形の怪物達と戦っているようだ。
だが、怪物達のほうが押しているようでこのままでは全滅も有り得る。
「黙っててる訳にはいかないな....妖精さん!行ける?」
『オールクリアです!!』
その言葉ともに俺の背中に
「行くぞ、ヴンダー発進!!」
長門side
完全に油断していた...
この海域は完全に制圧したと思っていたせいで
不意打ちをくらい、碌な反撃も出来ずに全員中破以上の損害....ここが墓場か
「加賀、大丈夫か?」
「....正直大丈夫ではないわね」
艦載機もやられた、制空権も向こうの物だ...
せめて、駆逐艦くらいは逃がせれば...
「叢雲、雪風、二人とも逃げろ」
「でも!それじゃあ...」
「この傷と艤装では満足な速度も出ない...殿も必要だ」
せめて...奴らに一泡吹かせてやる...!!
ズドン!!ズドン!!
「....へ?」
思わず間抜けな声が出た
姫級と鬼級が一撃...!?
「今のは....?...!?」
敵が空を見上げているの釣られて私も見た
そこには、背後に光輪を出して宙に浮かぶ青年の姿があった
『目標に命中!姫級及び鬼級の轟沈を確認!』
「第2射、超電磁直撃弾装填!」
『了解!!...敵からの反撃です!!』
「ATフィールド展開!!」
敵のお粗末な対空砲火が飛んでくる
が並の物理攻撃では傷すらつかないATフィールドにしてみれば豆鉄砲も同然である。
『装填完了!測的誤差、ギリギリまで修正中....行けます!』
「ならば結構、撃てぇ!!」
ズドン!!スドン!!ズドン!!スドン!!
『命中!全敵艦、轟沈を確認!さすがですね!』
「あったりまえよ、神殺しの力舐めんな」
取り敢えず、艦隊の損害を確認するため水上に着陸する。
「大丈夫か?よかったらウチの整備妖精が応急修理程度ならするぞ?」
『『『任せろー!!』』』
妖精さんにも種類が居るらしく整備士の妖精さんや砲手や探知などもしてくれる妖精さんもいる。
「有難い...ところで貴方は...」
「俺か?俺は
設定
◾︎AAAヴンダー
所属︰WILLE
艦種︰飛行戦艦
元はNERVがNHG型一番艦『Buße』として建造予定だったものをWILLEが強奪。
種の保存を目的として自律型の箱舟として運用される予定だったが責任者の加持リョウジが死亡した事により計画は中止、その後有人型の戦闘艦として改造された。
艤装︰主砲砲塔レールガン4門(後方部にも1門ある)
使用する砲弾は主にエネルギー貫通弾、曲射弾、超電磁直撃弾を使用する
また、補助として対空潜レーダーや小型のサングラス型モニターがある
他の艦娘とは違った妖精さんを有しており
砲手担当、整備士担当、索敵担当など役割が別れている
また、流石にエヴァはない。
見た目︰高校生程度の身長(170cm)の体格であり
服はミサトさんの隊服姿(ヴィレver)with片目サングラス
艤装の見た目は第2船体部分が左右に着いておりその上に砲塔が着いており背部にかけて翼も付いている。
性能︰火力面では姫級、鬼級の装甲も貫通できる。
命中箇所によっては一撃
防御面でもATフィールドのおかげでほぼ全ての攻撃を無力化できる
航行面では飛行状態はかなりの速度で動ける。
ただ、水上では速度が落ちる(それでも他の戦艦より早い)
飛行面では妖精さんのアシストもあり原作より早く離陸可能
ATフィールドを用いる事で他の艦船も飛行できる。
ここまでの性能の為かそこそこ燃費がある
ただ、コスパ的にはかなりいい
閲覧ありがとうございます
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神殺し 世界を知る
見守っていただけると幸いです。
ヴンダーside
取り敢えず助けた彼女達に応急修理をしている間に情報交換を行う
「なぁ、あの怪物達は何だ?教えてくれ」
「知らないのに戦ってたのか...あれは深海棲艦と呼ばれる人類の敵だ。」
「まじか....まぁ、友好的には見えなかったしな」
「お前...何処の艦隊だ?」
「いや、艦隊には入ってないな。
気づいたら海の上にいたからな。」
「じゃあドロップ艦....だが聞いたこともないし...」という彼女の言葉から俺は相当イレギュラーな存在のようだ。
「ところで、君らの名前は?」
「私は長門だ」
「...加賀です」
「叢雲よ」
「雪風です!」
「青葉です!ヴンダーさん、取材していいですか!!」
キラキラ
「お、おう。ひとまず落ち着いてからな」
にしても深海棲艦か....ん?
「妖精さん...姫とか鬼とか言ってたけどもしかして...」
『....テヘペロ♪』
「えぇ...」
いや、知ってたんなら教えてくれよ...もしかしたら長門達を撃ってたかもしれないだろ
「だが、ヴィレという組織もAAAヴンダーという船も正直聞いたことないな....」
やっぱり知らない感じか...
となると槍のおかげでうまくいったか、それともここが別世界かの2択になる訳か
「しかも妖精さんの数も多いな...どれくらいいるんだこれ....」
「実際どうなの?」
『えっと....戦闘員十数名、整備士20名程、後開発部門もあります!それから....』
いや、多いな!
長門曰くここまで多いことはないらしいが...
「取り敢えずどこか休める所に行きたいな...」
「ならうちの鎮守府に行こう。そこなら色々説明できる」
「了解だ、座標とかわかるか?」
「え?えっと.....カクカクシカジカ....といった所だな」
よし、位置が分かれば充分
「妖精さん!」
『操演、いつでもどうぞ!』
「よし、行くぞ!」フォン
「えっちょっと...うわあああ!!」フワ
「!これは...」フワ
「雪風たち、飛んでます!!」フワ
「周りの艦も浮かせられるのね...」フワ
「うおーーー!すごいですよこれ!!」フワ
よし、うまくいってるな!
「皆、飛ばすぞ!!」ビュン!
「「「「「いやあああ!!」」」」」ビュン!
お、見えて来たな
近くに着水してと...
「よし!長門、近くまでk「おまえええ!!」ドコォ!
ごほぉ!!」バシャン!
「い、いきなり何すんだよ...」
「コッチのセリフだ!やるならやるって前もって言え!」
...あ、うん...ごめん。
完全に忘れてたわ。
加賀は放心状態、叢雲は髪が乱れて疲れている。
雪風は体が震えている。
青葉はむしろ興奮しているようだ。
「おかげで腰が抜けたぞ....」
「悪い..あらよっと」ヒョイ
「!!?」
「な!?」カァ///
「あらあら~...」ニヤニヤ
「はわわ....」
「...良いものが見れましたね」
長門の背中と膝の裏に手を通して抱っこする。
言わばお姫様抱っこと呼ばれるものだ。
流石に背負うにしろ装備が邪魔なのでこれしかない
「少し我慢してくれ、嫌なら加賀に...」
「流石に無理です」
「うぅ....重いだろ..艤装もあるし」
「何を、軽い軽い」
「いや~いい顔してますね~長門さん」ニヤニヤ
「もう殺してくれぇ.....」
え、俺のお姫様抱っこそんなに嫌か?!
ちょっと傷ついた....
そんなやり取りをしていると
鎮守府をのドックについた
すると中からピンク色の髪の女性が出てきた
「えっと、取り敢えず皆さん艤装を外してください。」
長門ももう大丈夫らしく下ろしたが足下が覚束無い。大丈夫かあれ...
全員装備を外していくが...
「なぁ、えっと....」
「あ、明石です」
「明石さん、これ...どうやって外すの...?」
「え?」
外し方がわからん....どうすれば...あ
「妖精さん、装備外せる?」
『了解!!』
するとガシャンガシャンという音と共に羽が収納され装備も外れた
「俺の翼に収納機能はないはずだが...」
「ね、ねぇ...それ
工作艦の血がどうなってるのか気になり過ぎて...!!」ハァハァ!
「やめろぉ!!」
疲れた....
長門たちがCQCしてくれたから今頃ぐっすりだろう
今は長門に執務室まで案内してもらっている。
「ここが執務室だ。」
そう言うとドアをノックする
中から「入ってきて」という女性の声が聞こえる
「失礼します」ガチャ
中に入ると1人の女性が白い軍服と軍帽を着ている
多分この人が...
「初めまして、佐世保第3鎮守府提督矢萩茜よ」
「こちらこそ、飛行戦艦AAAヴンダーです」
うーん、長門の容姿的に何となくわかっていたが
女所帯なのかな?
「まず、うちの子達を助けてくれてありがとう
本当に感謝してるわ。」
「いえいえ、目撃しただけですから」
「それでもよ...さて、まず貴方は何が知りたいのかしら」
「取り敢えず...今の戦況を」
「わかったわ。まず、今から30年ほど前太平洋某所において初の深海棲艦との邂逅と戦闘が起きたわ」
「いきなり...戦闘ですか?」
「えぇ、でも現代兵器のほぼ全ては奴らに対して効果がほとんどなかったの」
「そうなると...もう」
「えぇ、結果は日の目を見るより明らか...人類は追い込まれて行ったわ」
「でもやられてばかりでも無い、健気な抵抗の果て数体を撃破...その残骸と過去の艦船のデータを元に作られたのが艦娘」
て数体を撃破...その残骸と過去の艦船のデータを元に作られたのが艦娘」
「長門達の事ですか」
「えぇ、艦娘の活躍により被害は激減...戦いの主導権取り戻しつつあったわ」
「でも、数年前に行われた大規模な反攻作戦によって大打撃を受ける事になったわ」
「奴らの被害は...」
「お察しの通りよ、今ではどこも抑えるのが精一杯な状態ね」
酷い....このままじゃ未来はない...か。
「さて、私の番ね。貴方の事について聞かせてちょうだい。勿論、言いたくない事があるなら伏せててもいいわ。」
「...ありがとうございます、長くなるので掻い摘んで話しますと。」
俺はエヴァやインパクトのことを伏せてありのままのことを話した。
NERVによって世界が滅茶苦茶になり、WILLEの艦として戦ったこと、そしてその末に沈んだことも。
「...という感じです。すいません、気分悪くしてしまったようで...」
「...大丈夫よ、ありがとう」
多分、茜さんは無理をしている。
長門もだ、顔を伏せ表情を悟られぬように。
「...うん、あなたに頼みがあるの」
「...なんですか?」
「私達とともに深海棲艦と戦ってほしいの」
やっぱり、言うと思っていた。
このままの戦況では人類は負ける...でも俺の力なら
「無理強いはしないわ...嫌なら本土で生活して...
」
もしここで逃げれば茜さんも長門もここにいる全員が間違いなく死ぬ....
なら、選択は一つ
「茜さん」
「...決めたの?」
「艦だったころ、俺は人からあまりいい印象を持たれてなかった...当たり前です、人類を滅ぼしうる力があったのは紛れも無い事実です...」
「....」
「でも、そんな俺にも船員がいた。信じてくれた艦長がいた。だから、茜提督も俺を信じてください」
「!!決まりね!」
「はい、俺AAAヴンダーは人類の希望としてもう一度戦います!宜しくお願いします!提督。」
「えぇ、よろしくヴンダー」
「長門も宜しくな!」
「あぁ、この鎮守府の先輩として何でも聞いてくれ!」
ヴィレの皆.....
人類の為に戦うよ。
茜「ところで長門、貴方彼に惚れてるみたいね」
長門「え?!なんでそんなこと....」
茜「青葉から聞いたわよ、お姫様抱っこなんてされて顔赤くしてたって」
長門「青葉ああああ!!」
うちの長門は乙女です
この後鎮守府で締めあげられる青葉の姿があったとか....
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神殺し 己を知り、取材を受ける
今回はヴンダーくんの性能テストと青葉の取材です
中々のぶっ壊れ性能です。
あと、少し長めです。
ヴンダーside
「それで、ここがお前の自室だ」
長門から設備の案内や明石から日用品もらったりした
下着はあったが、寝巻きに関してはここの鎮守府の女性率の高さ故にジャージくらいしかなかった。
ま、いいけど
「私は入渠してくる。
加賀が来るまで時間があるから少し休んでてくれ」
「あぁ、わかった。ありがとな」
そう言って長門は部屋を去る
そう言われても暇だな.......
「....ん?」ゴソ
ふと、服のポッケに手を入れると何かが入っているのがわかった。取り出してみると
「え!?何でこれが...」
そこにはヴィレクルー達の集合写真があった
ミサトさんやリツコさん、マリちゃんにアスカちゃん、そして旧NERVスタッフのマヤさんや青葉さん、日向さん達の笑顔があった。
「皆...いい顔してるなぁ」ホロリ
何故ポケットの中にこれがあったのかは知らないが少し元気がもらえた、自分がここにいる意味も少しは感じ取れた気がする
「....そろそろいいかしら?」
「うおっ!?加賀さん...何時からそこに....」
「『いい顔してるなぁ』の辺りからです」
「地味に上手い声真似しないでくださいよ....」
「ごめんなさい....それよりさん付けは辞めなさい。
もう他人じゃなくて『仲間』なんだから。
ほら、演習場にいくわよ」
「は、はい!!」
実はあの後性能テストをやることになった
提督曰く「艦船時代の情報がない以上かなり細部まで取ることになるわ」とのこと
まずは火力面だ
「貴方にはあの的を撃ってもらうわ」
前方には戦った深海棲艦くらいのサイズはあるであろう的がある
「貴方には特殊弾があると聞いたわ。
まずは演習弾、その後特殊弾で撃つのよ」
「了解です」
明石さんと開発妖精さんによってできた俺専用の演習弾を砲塔一門に装填する。
『誤差、ほぼなしです!!』
「了解!撃てぇ!」
ズドン!!
「....目標に命中....演習弾でこれね....」
どうやら当たりのようだ
的を見ると綺麗にど真ん中を撃ち抜いたようで
大きな穴が空いていた
「やりました!加賀s...先輩、すごくないですか!」
「え、えぇ(無いはずの犬耳と尻尾が見える...
それにしても演習弾でこの威力....)」
...おっと、ちょっと興奮し過ぎたな次は曲射弾だな
「加賀先輩、次は曲射弾でいきます!」
「曲射弾ね.....何時でもいいわ」
『軌道確保!何時でもどうぞ!』
「そんじゃ...撃てぇ!」
ズドン!!
砲弾は明後日の方向へと放たれる、が
ピキュイン!
「なっ!?」
そんなATフィールドの音と共に砲弾は軌道を変え、的の方へととんで行くそして....
「よし!加賀先輩、当たりましたよ!」
「....え、えぇ」
よし、残り2発...張り切っていくぞ!
あの後、エネルギー貫通弾と超電磁直撃弾でも砲撃テストを行ない。続くは防御面である。
取り敢えず、素の防御力について調べるのでATフィールドは無しでやる。
「い、行くぞヴンダー!」
「おう、ばっちこい!」
その為、長門による実弾で行なう。
因みにこれを提案したのは俺だったりする。
全員から超止められたが交渉の末なんとかなった。
ただし、明石がいつでも行けるようスタンバイの状態で万全を期している。
「主砲、全門斉射!!」
ドオン!ドオン!
距離があるからか、砲撃音もかなり小さい。
そろそろかな?
『後5秒で着弾します!』
「総員、直撃に備えろ!」
ズドン!!スドン!!
「お、おい、大丈夫か?!」
「イッタァーーー!!結構痛いんだなやっぱ」
「」
お、おい?
長門どうした!?
何をそんなに落ち込んで....
「し、小破もしないのか...まともに入ったはずなのに.....」
あー....うん
いや、確かに自慢の砲撃をまともに食らってもピンピンしてるのは俺も傷つくよな....
「だ、大丈夫だぞ!長門の砲撃が強いのは良くわかってるぞ!!」ヨシヨシ
この後超慰めた。
お次は航行速度だ。
飛行状態の方は長門達が身を持って体験したので今回は水上での航行速度を測る。
やり方は鬼ごっこで行なう
メンバーは同じ戦艦の長門と重巡の青葉、そして駆逐艦組の叢雲と雪風が逃げ役、鬼は俺となった。
ずっと空にいた為、最初こそ水上で速度を上げるのは躊躇い等があったため捕まえるのに苦労したが中盤にてコツを掴んだ事もあり、長門と青葉を捕まえられたが叢雲があともう少しでタッチ出来そうな時にタイムアップとなった。
「くそー!あと少しだったのに.....」ゼェゼェ
「アンタ....早すぎでしょ!コーナーで差をつけてたっていうのに....」ゼェゼェ
「あれは戦艦の速さじゃないですよぉ」ゼェゼェ
因みに長門と青葉はダウンしている
元々そういうのは得意じゃないしな。
余談だが最高速度は60ノット程だったらしい。
最期に妖精さんのスペックだ。
前にも言ったが通常より大量の妖精さんを有しているため役割の数やその性能も桁違いらしい。
実際、長門の補助として砲手妖精さんを貸したところ命中率がほぼ100%、しかも本来は狙いずらいはずの急所や弱点部位にほとんど着弾していたという。
また、開発妖精さん曰く資材があれば装備も作れるとのこと
「という訳で装備開発いってみましょう!」
「えぇ.....」
茜提督に開発のことを話したら「試してみましょう!」と言われ、装備開発を5回行うことに
『できましたー!!』
「完成したそうですよ」
「あら、それでは早速」
まずは1つ目
「これは....艦船の模型?」
「あぁ...誘導弾ですか」
「え?ミサイル!?」
「正しくは『N2爆弾搭載型対宇宙艦船流用式誘導弾』ですね」
「これってどうなの?」
「正直、使いどころが...ね?」
「了解....次は...」
2つ目
「これは...槍..いや薙刀?」
「『ソニック・グレイヴ』ですね。性能もかなりいいですよ。」
「ふーん...艦娘の白兵戦には使えそうね。
これは当たりね。」
3つ目
「これ....ナイフ?」
「『プログレッシブ・ナイフ』こちらも白兵戦特化の装備ですね」
「さっきの違って取り回しがいいのね。
これも当たりかしら...次」
4つ目
「クロスボウ...?」
「『超電磁洋弓銃』ATフィールドを使って高速で弾を発射するボウガンです。」
「へぇ...サイズ的に私でも使えそうね。」
5つ目
「また槍かしら?でも独特な形してるわね...」
「」
待て待て、何でロンギヌスの槍があるんだよ!?
そしてなんで開発妖精さんはこれ作れんだよ!?
「提督!その槍は即刻処分してください!!
何かあってからでは遅いんです!!」
「え..いやでも」
「お願いします...マジでそれは駄目なんですぅ.....」ドゲザ
「わ、分かったから顔上げてよ!」
その後、妖精さんの手によってロンギヌスは開発に使った10倍の資材になって帰ってきた。
すべての性能テストが終わり、その頃には辺りも暗くなっていた。
流石に疲れたので自室で休んでいると。
コンコン
『ヴンダーさーん!!私です、青葉です!』
「そういや取材するんだったか...入ってきてくれ」
ガチャ
「あれ、休んでたところでしたか...ならひをあらためて...」
「大丈夫だ、何でも聞いてくれて構わないぞ」
お互いの身の上話は親睦を深める上で重要だからな
ドンと来い!
「それでは...まずは艦船時代のあなたについていいですかね?」
「あぁ、まずは....
提督の時と同じ内容を話す。
できるだけ簡潔に、分かりやすく。
.....といった所だな」
「」
あ、青葉がフリーズしてしまった。
「あ、ありがとうございます..」
「因みに取材してどうするんだ?」
「鎮守府新聞に載せようと思いましたが流石に話が重すぎるのでちょっと....」
「あ、うん。すまん....」
まぁ、組織間の関係があるとはいえ
実の姉妹艦に大破させられたなんて新聞には書けないか....
「...それでは気分を入れ替えて、艦娘もとい艦息に
なったあなたへの質問です!」
「おう」
Q.好きな事とかありますか?
A.空を飛ぶこと、風に当たること
Q.好きな食べ物は?
A.生ものかな?生野菜とか好きです。
Q.逆に嫌いなもの、苦手なものはなんですか?
A.血の匂い、あとはヴィレの糞不味いご飯。
あれだけは好きになれない。
Q.鎮守府の皆とはどうですか?
A.いい人ばかりで安心しました。
青葉「うっ....」←ヴンダーくんの過去を知ってるのでSAN値が減った
Q.長門さんとはどういう関係ですか?
A.同じ戦艦として頼れる仲間だと思う。
やっぱり似た艦種の仲間がいるのは安心感が違う。
Q.お姫様抱っこの件については?
A.背負うにも艤装が邪魔で背負えないし、お姫様抱っこが持ちやすいし長門に負荷かからないと思ったから。
Q.加賀さんの事はどう思いますか?
A.先輩として頼れる人の1人かな。
あと、出来がいいと褒めてくれる。
Q.提督の事はどう思いますか?
A.どこか抜けてる感が否めない感じがします。
青葉「実際抜けてる。」
「大体こんな感じですかね....ありがとごさいます!」
「また時間があれば取材に来てもいいぞ」
「はい、それでは」ガチャン
あー疲れた...早く食堂行って、ご飯食べて
風呂入って寝よっと。
後日、鎮守府新聞の見出しに
『恋するビック7~~新たな仲間に一目惚れか!?』
と書かれて、それを見た長門が青葉に逆エビ固め決めたのはまた別の話....
性能テストの後
加賀「(....弟)さすがに気分が高揚します」
何も知らない赤城「.....!?」
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神殺し 新しい朝と特訓
茜side
「うーん......」
朝からある書類とにらめっこをする。
その書類とは他でもないAAAヴンダーの性能テストの結果である。
「演習弾といえども戦艦の砲撃では破壊できない筈の演習用の模型を一撃で貫通....防御面では練度がまだ整ってない長門の一斉砲撃を小破以下の損壊で抑える装甲....その上ATフィールドとかいう現存する兵器では傷すらつかないバリア...航行は苦手とする水上でも戦艦の中では破格の最高60ノット...空中では長門達の証言が正しければ数百キロ離れた海域から数分で帰還できる速度.....そして既存の妖精さんよりも優れた船員....おまけに補給艦数隻分の積載量....何よこの『ぼくのかんがえたさいきょうのせんかん』は」
確かに、この性能であればこの戦争は大きく変わる....でも
「もし、彼の存在が外部の人間に伝われば.....上の人間が放っとく訳がない....」
さて、どうしたもんかね.....
ヴンダーside
艦隊勤務の朝は早い.....
まぁ、艦船時代は俺以外の船はほとんど戦闘の役には立たないんだよなぁ....
そんなこんなでほぼ24時間働きっぱなしなんて事は良くあった。
人の体が馴染んでいくにつれ艦船の頃の記憶が濃くなっていく感じがする。
自我と呼べるものが出来たのは妹たちと戦ってる最中にだろう。
...あいつらも俺みたいに艦娘になったりするのかな...正直気まずいからちょっと...な?
そんな事を考えながら早朝の鎮守府周りを散歩してると不意に見知った顔がいた。
「お、長門じゃん」
「ヴンダーか、お前もランニングか?」
「いや、ちょっとお散歩。風に当たりたくてな」
格好から見てランニングをしていたようで丁度鎮守府に帰るところだったらしい。
「朝からトレーニングなんて精が出るな」
「あぁ、まだまだ未熟だからな」
実の所、長門がここに来たのは割と最近の事らしく練度もまだまだの様だ。
「最前線までの道のりは長いんじゃないか?」
「正直、差は大きいな...」
最前線の艦隊の練度を100とすると長門は50くらいの位置との事。
俺も昨日のテスト中に少しは練度が上がったと思う。
「先は長いな....」
「そうか?伸び代あるとやる気上がるだろ」
「ポジティブだな....」
「まぁな、何事も前向きにだ」
「...あぁ、そうだな!」ニコッ
「お、ようやく笑顔になったな」
「え?そうか?」
「さっきから浮かない顔してたからな」
「...顔に出てたか?」
「うん、超わかりやすい」
「そこまで言うか...?」
いやだって子供みたいだもん。
そんな会話をしながら、俺達は鎮守府に戻った。
ただ長門よ、セパレートに上着姿で外を歩くのはやめてくれ。目に悪い。
ここの生活にもだいぶ慣れてきた。
でもここに来てよかったと思えるのはご飯が美味しいことだろう。
ヴィレの食事は....うん。
あの時は土地にも限りがあったし、物資も有限だったから...だめだ、フォローしようとしても、どうやっても擁護できない。
「そう言えば新聞でもみたが、ヴィレのご飯はそんなに不味いのか?」
「わかりやすく言えば栄養を取ることに特化させたカロリーメイトかな...いや、もっと酷いな....」トオイメ
「...うん、やばそうだな」
そうだぞ長門、鳳翔さんのご飯に感謝するんだ。
「二人とも、ここいいかしら?」
「ん?あ、陸奥さん」
長門の姉妹艦陸奥さん
ここの鎮守府では指折りの実力者であり、古参の1人。最前線で活躍する艦娘でもある。
「いい加減さん付けはやめなさい、癖なのかもしれないけど...私だけ仲間はずれみたいじゃない。」
「あはは....善処します」
「それと、二人とも。午後から私と特訓ね」
「「は、はい....」」
コンコン
『入ってきて』
「失礼します」ガチャ
「来たわね...取り敢えず座って」
放送で執務室に呼び出されたが正直話の内容には察しがついている。
「さてと...来てもらったのは他でもないわ、貴方の今後についてよ」
仮にも組織の一員として戦うからにはやはり
上層部にも話をつけなければならない。
だが、既存の艦と比較しても圧倒的な性能、そしてヴィレというこの世界とは縁もゆかりも無い組織との関係は不安を呼ぶものだろう。
「取り敢えず、貴方の事は『未確認のドロップ艦』として先日の性能テストの結果とともに上に出させてもらうわ。」
「了解です...変な事にならなければいいけど...」
「それに関しては問題ないわ、信頼出来る人に送るからそこまで厄介事にはならないと思うわ。それと特訓の方はどう?」
「二人揃って扱かれてますよ...」
「やっぱり、陸奥に任せたのは正解だったわね。」
「あはは...それでは...」ガチャ
「死なないようにね~」バタン
〈第一演習場〉
ここまででもわかると思うが俺と長門は陸奥を教官として特訓を受けている。
ただ凄いスパルタなのがあれだが。
「ほらほら、そんなワンパターンな動きじゃいずれ当たっちゃうわよー」
ズドン!!ズドン!!
「んな事言われてもッ....あっぶねぇ!」
勿論、ただやるだけではない。
それぞれ課題が与えられている。
例えば俺の場合は妖精さんの支援とATフィールドの封印である。
まぁ、自分と妖精さんの能力に甘えてる自覚はあるが実際ここまでとは....とほほ。
「はい、おしまいっと」
「え?」
ドカーン!
「ギャアアアア!!」
「ヴンダーァァァ!」
「終わりね...長門、次は貴方よ」
「(終わった....)」
茜side
「ふぅー電、少し休憩にしましょう」
「わかったのです」
書類から目を離し外に目をやる
第一演習場の方から長門の断末魔が聞こえる。
「二人ともがんばってますね」
「そうみたいね...」
「でも意外です、長門さんも特訓に参加するなんて」
「たぶん、この間の制圧海域の件に責任を感じてるんだと思うわ...どちらにせよあの戦力では手に余るしあの子の落ち度ではないわ」
ま、彼のモチベーションも上がってるようだし結果オーライね
「でも問題は、どうしてあそこに姫級と鬼級がいたのか...ね」
「やっぱり、第1の人達ですかね....」
「間違いないわね...」
今回の件は流石に見逃せないわね....
近いうちに彼の事を嗅ぎつけてくるでしょうね。だからこそ陸奥、あなたに彼の指導を貴方に任せたのよ。
■今日の開発
茜「開発妖精さーん!1回だけ装備開発おねがーい」
開発妖精「合点承知!!」
開発終了
茜「何かしらこれ...栄養食品かしら?」ノヴィレのご飯×3
茜「それじゃ、頑張ってる3人に差し入れしましょう!」
この後3人が地獄を見たのは別の話
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神殺し 宣戦布告する
安心してください、断罪はします
1/20
内容を一部修正しました
ヴンダーside
今日は特訓は休み。
流石に時間に限りがあるとはいえ、休みがないと流石にキツイ(長門も陸奥も)
...が、どうやらゆっくり休める雰囲気ではないな。
「視察ですか?」
「えぇ、第一佐世保鎮守府の提督よ」
「で用件は...
「というかそれ以外ないでしょうね」
別に俺自身、見られようが質問されようがどちらにしろ構わない。
だが、この感じからして...
「そこの提督が問題なのか?」
「えぇ、肥田二男、階級は少将。数多くの作戦において大きく貢献した優秀な提督.....というのが表の顔よ。」
「....黒い噂あるって事か?」
「その通り、ヤツは艦娘を『使い捨ての消耗品』としか見ていない。」
「へぇ...絵に書いたようなクソっぷりだな。」
「しかも、奴は自分の鎮守府だけでなく第2、第4佐世保鎮守府に誤情報をまわし、
挙句の果てには深海棲艦に情報を明け渡しているとまで言われているわ。」
「くっそ...尚更タチの悪い....待て、という事は!」
「貴方の思った通りよ。おそらく....いや、間違いなく奴が長門を深海棲艦に襲わせた張本人よ。まさか、哨戒ルートまで嗅ぎつけられるとはね....」
確かに...今だからこそ分かる
あの海域に深海棲艦が探知されずに侵入する事はまず不可能に近い
あの艦隊なら尚更だ。
でも、向こうが哨戒ルートを把握していれば出来ない話ではない。
「....憲兵は?」
「買収済みよ...むしろ、都合のいい駒が手に入ったとでも言えそうね。」
「クソが....!!」
『今はまだ手を出しちゃだめ...下手な事をすれば鎮守府にいる娘たちに何をするかわならないわ』
「クソ!....今は黙って見てることしかできねぇのかよ!」
執務室を後にした俺は外のベンチに腰掛け
考えを巡らせていた
でも、正直碌な策もない...どうすれば...
こんな時
「ヴンダーさん?」
「!!雪風か...どうした?」
「ヴンダーさん...思い詰めたような顔をして大丈夫ですか...?」
「....!!あぁ、大丈夫だよ。心配かけたな」
そうだよ、落ち着け俺
目の前の女の子怯えさせといて、遠くの助けを求める彼女たちを助けられるかよ
「ありがとな、おかげで助かった。」
「?よく分かりませんがお役に立ててよかったです!」
「お取り込み中失礼していいかな?」
「ひっ...!!」
雪風が俺の背後に隠れる
なるほど....こいつが
「失礼ですが貴方は...」
「おっと、自己紹介が遅れたな。
私は第一佐世保鎮守府提督肥田二男だ」
やっぱりかそして後ろの娘は...
「初めまして、飛行戦艦AAAヴンダーです。提督から視察に来ると聞いておりました。」
「ほぅ、君が噂の未確認艦か...にしても飛行戦艦とは...空が飛べるのか!!」
「はい」
「ふむ、君我が鎮守府に異動しないか?」
「と、いいますと?」
「君の力は素晴らしい!その力をもっと存分に活かせる場を用意しよう!こんな小さな鎮守府など屁でもない!これ以上ない環境だ!」
「なるほど...すみませんがそのお話はお断りさせていただきます。」
「な!?何故だ!」
「俺から見てあなた方は『信頼に欠けるのです』」
「し、信頼に欠けるだと!?」
「えぇ、まず一つ目は『誤情報の伝達です』」
「そんなもの、後から何とでも!!」
「ここ以外でも誤った情報が伝達されていると聞きます。」
「貴様....!!」
「2つ目はあなたの後ろにいる彼女です」
「....え?」
「見たところかなり傷を負っていますね....まともな治療すら受けてないようですね、これに対する納得のいく説明をしてもらいたい。」
「...ふん!道具を道具の様に使って何が悪い!!」
相変わらずのクソっぷりだ。
あの娘がつけてる首輪...何かあるな?
「なら無理ですね...艤装の整備もままならないような所には行きたくないですね。
先程こんな小さな鎮守府といいましたが俺にはここの環境が数万倍マシに見えますね....まったく無能もいいところですね。」
「貴様...!!言わせておけば!」
「ふむ、納得いきませぬか?なら演習はどうですか?」
「演習だと!!」
「えぇ、そちらは自由にどうぞ
こちらは俺単艦で御相手しましょう。」
「上等だ!!貴様が負けたら、俺のもとで使い潰してやる!!」
「えぇ、煮るなり焼くなりお好きにどうぞ?勝てるならな?」
「後悔するなよ!!」
「あぁ、2週間後だ。
逃げるなよ?
「クソが....貴様は即刻解体だ!....覚悟しておけ!!」カツカツ
....帰ったな
「大丈夫か?雪風」
「ヴンダーさん...ヒック...いなくなりませんよね...ヴック....」
「大丈夫だよ、俺超強いから。」
「...ということになった」
「貴方ねぇ....いや、でもこれはまたと無いチャンスね...」
確かに、俺なら6vs1でも勝てる
だが....
「たぶん、艦娘に抵抗できないように何かしらの処置はとってるだろうな」
「えぇ、貴方も見たでしょう?あの首輪」
「あの感じからして爆弾か...」
「それに、もし演習でATフィールドを使えばあの豚が騒ぎ立てかねないわ」
「わかってる、だから飛行もしない。
あいつらのフィールドで戦ってやる。」
「えぇ....そうと来たら特訓ね」
あの後、とりあえず自室に戻り一度休む。
「.....」
ふと、写真立てに入ったヴィレの写真が目に映る
「
でもわかる。貴方もこうしたでしょう。
コンコン
『今いいか?』
「...あぁ、大丈夫だ」
「失礼する」ガチャ
「どうした、長門?」
「聞いたぞ、第一と6vs1の演習をするそうだな」
「あぁ...理由は言わなくてもわかるな」
「...その写真は」
「ヴィレのクルーの集合写真だ」
「初日に聞いたお前の仲間か」
「自慢のクルー達だよ」
「....ヴンダー、もしお前が負けたら「俺は負けないよ。俺はまだこの世界で何も出来ていないからな」...」
「...私は...正直怖いんだ」フルフル
「...!!」
「あの日から...いつも夢の中でもし貴方が助けに来てくれなかったらと過ぎってしまうんだ」フルフル
大丈夫だ、長門
「お前は沈ませない、俺が絶対に守ってやる。」ナデナデ
「...!!情けないな....笑ってくれ....」ポロポロ
「ははっ、おう!俺の胸貸してやるよ、いっぱい泣け!」
今は『長門』じゃない
1人の『人間』だ....そうだ、今は目いっぱい吐き出せ。これでいい。
「...二人とも?少しいいかしら?」
「ッ!!?」
「あれ?陸奥さん、どうかしたんですか?」
というか、いつからそこに...
「どうしたも何もさっきから声かけてるのに無視って仲間はずれは酷いわよ...」
「...あ、すいません」
「話は提督から聞いたわ。
今日は休みの予定だったけど...休み返上でできるけど、どうする?」
「「やる!」」
「「(俺/私は....もう負けられないんだ!)」」
「やる気は充分ね...長門、もっと思いをぶつけないと♪(小声)」
「な!?さ、先行ってるぞ!」カオマッカ
「あ、おい!」
ガチャン
行っちゃった....
「それから、ヴンダー?」
「?何ですか?」
「私からも長門のことよろしくね♪」
「...ん?わかりました?」
「(あ、この子絶対意味わかってないわ....)」
演習前日
茜「陸奥、あの二人はどう?」
陸奥「えぇ....ちょっと...いや、だいぶやり過ぎたわね」
茜「え?」
AAAヴンダー「提督、俺達強くなりました!」練度120
長門「これなら最前線でも大活躍待ったナシだな!」
練度120
茜「oh....」
陸奥「相手の子達...大丈夫かしら?」
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神殺し 断罪をするー決戦、第一佐世保鎮守府!ー
誤字の指摘をもらいました。
ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いします
ヴンダーside
遂にこの日が来た...
ようやくあの豚野郎に屈辱を与えられる!
いやぁ、この2週間中々長く感じたな...
陸奥さんのお陰で俺も長門も超強くなったな。昨日様子を見に来た提督がドン引きしてたな...あはは。
まぁ、俺達の成長率が異常なのはわかっていたが....
だが、今の俺ならATフィールドと妖精さんの支援を封印しても陸奥さんに勝てるだろう。
「いやぁ!君がAAAヴンダー君か....報告書では聞いていたがこれが主砲のレールガンか!」
「は、はい...」
この人は海軍の元帥らしく提督の信用できる人物とは彼の事だったらしく士官学校の教官だったようだ
ただ、この人は艤装に目がないらしく
従来の艦とは異なる技術を持つ俺にとても
興味を持っている。
「ふむ、見たことの無い装甲板だな...」
「はい、複数の金属を混合させた特殊装甲板です。詳しい材質は極秘となっています。」
「ほぉ、流石に量産は無理か..」
「先生、そろそろいいですか?彼も演習がありますので」
「おっとすまんな!私もここからモニターで見させてもらうよ!頑張りたまえ」
「はい!」
あの豚野郎の指定した海域に向かう
演習は豚野郎の鎮守府の近海で行われる。
あのクズは海岸付近の観測所にいるらしい。
『ヴンダー、開始まで1分を切ったわ』
まもなく始まる
向こうの数は3艦隊...つまり18だ。
だが、負ける気がまったくしない。
『ヴンダー、これが演習前最後の通信よ。...今の貴方には帰るべき場所がある。必ず帰還してきなさい。』
「...はい!」
そして、遂に始まった。
「総員、第1種戦闘配置!用意!」
『『『『了解!』』』』
矢矧side
『あの男との演習に勝てば君達と姉妹艦の待遇を改善すると約束しよう』
それを聞いた時、藁にもすがる思いで出陣した。らしくもない入渠を済ませて出撃する。
あの時、あのクソ野郎の付き添いで第3鎮守府に行った時彼と会った。
私の事を心配してくれたが、今では彼の敵としてここにいる。
こちらの戦力に対して向こうは単騎
とてもだが相手に勝機があるようには思えない。
「矢矧ちゃん?大丈夫?」
「え、ええ...瑞鳳さん、これは戦いと呼べるのでしょうか...」
「...ま!これが終わったらみんなでご飯食べに行こうよ!」
「....はい今はズドン!ズドン!ズドン!ズドン!ズドン!ズドン!...へ?」
私達の旗艦を勤めていた戦艦が主力が
一瞬で演習弾のインクに染まった
「ほ、砲撃?!一体どこから....」
「そ、そんな...!?」
「瑞鳳さん!艦載機は?」
「...全艦載機、落とされた!?」
「な?!」
そんな...情報ではまともな対空兵器は積んでなかったはず!?
「クソっ!!」ダッ
「矢矧ちゃん!?どこに...キャア!?」
私は提督から渡された
ヴンダーside
『目標に命中!轟沈判定です!』
「はっ、ちょろいちょろい!」
まったく...この感じだとあの野郎、寄せ集めみたいな編成の組み方したな...
無能すぎて言葉もでない
既に第一、第三艦隊は壊滅...所詮数だけだな。
『10時方向より敵航空機部隊を確認!
総数70!』
「主砲装填せよ!70発でケリをつけろ!」
『了解!誤差修正完了!』
「撃ち続けろ!!」
ズガガガガガ!!
文字通り、一撃も外さずにすべて落とす
こんなの....
〈特訓にて〉
「貴方には対空兵器がない...だから今から私が撃つ砲弾をあなたの主砲ですべて迎撃して」
「え?いや!?この距離で!?」
「行くわよー!!」
「え、ちょ、ぎゃああああ!!」
〈回想終了〉
「陸奥さんの砲撃に比べれば鈍すぎるんだよォ!!」
俺の速射能力があれば艦載機なんぞ
主砲で落とせるわ!!
『敵第二艦隊を補足!既に撃てます!』
「ならば結構、撃てぇ!」
ズガガガガガガガガ!!
『命中!敵第二艦隊を全滅させました!』
よし、これで...俺の勝
『!?レーダーに反応です!第一艦隊の生き残りかと!高速で接近してきます!』
「何?もう勝敗は...っと」
どうやら軽巡みたいだな...あれ?
あの子は視察の時の....それに何か持ってる?
「妖精さん解析頼む...っと危ない」ヒュン
あの子の砲撃を躱していると
『解析完了...!?大変です!あの子が持っている魚雷、内部構造が爆薬に置き換わってます!』
「な!?つまり爆弾!?」
『敵艦、さらに速度をあげてます!』
「総員、直撃に備えろ!」
接近してきた彼女は「ごめんなさい...!」といって栓を抜いた。
俺が彼女を爆弾から突き飛ばした瞬間あたりが光に包まれた。
矢矧side
──い、....か?!
....何だ?誰かが私に...
──しろ!いま.....ける!
「......ぁ」
「よし!目を覚ました!妖精さん、俺より彼女を!」
『は、はい!』
「な....んで...」
私は貴方を......
「どうせあいつの指示だろ...沈むなよ、
気をしっかり持て!」
『修理完了しました!!』
すると、沈みかかっていた私の傷が中破くらいまでになっていた
「そんな....いったい..!?」
「立てるな?とりあえず移動するぞ!」
「貴方...頭から血が..!?」
それだけではない
艤装の一部は変形し、翼も黒く焦げてしまっている
「大丈夫だよ、こんなんかすり傷だから」
『クソっ!何故沈んでいない!!』
私の通信機からあの男がきこえる
すると、彼が通信機をとり...
「よぉ、糞野郎...やってくれたな?」
『き、貴様...!!』
「あんなので俺が沈むと思っているとは...随分とおめでたい野郎だな。」
『ならば!貴様ら諸共、ミサイルで木っ端微塵にしてやる!』ブツン
「ったくあの野郎...整備長、首輪どうだ?」
『もう少し...よし、これで!』
カチャン
「!首輪が....!」
「よし、これで『12時方向!ミサイルがきます!!』...なるほどねぇ」
「な!?私をおいて逃げて!お前だけなら「そんな頼みは聞けないな....妖精さん、救命艇に行け!これから先は軍規に反する領域になりかねない。」
『何を言ってるんですか...我々は貴方と共にこの世界にきた時点でそんな事とうにわかってるんですよ』
『そりゃそうだ!違いねぇ!』
『全くもって違いねぇ!』
「お前ら...フッ主機点火用意!」
『『『了解!』』』
「...君、名前は?」
「...矢矧だ」
「よし、矢矧。俺を信じてくれ...」
「...あぁ!」
『プライホイール!規定値に突入!』
『了解。時空間制御を開始。立体指揮操舵に移行します』
『ミサイル着弾まで30秒!』
『回転数36000。オールグリーン』
『コンタクト、いけます! 』
『カウント省略。メイン接続!』
彼が私を抱き上げる
すると
物凄い衝撃波と光が辺りを覆い尽くして行く。
私達に迫っていたミサイルが光に飲み込まれる。
そして、彼はこう言った。
「行くぞ……ヴンダー、発進!!」
ヴンダーside
矢矧をお姫様抱っこで抱き上げ宙を舞う
「!?空を....飛んでる!?」
『ミサイル接近!』
「主砲発射用意!エネルギー貫通弾装填!」
『装填完了!いけます!』
「撃てぇ!」
ズガガガガガガ!!
「...凄い!全部...撃ち落とすなんて....」
「再装填!照準、ブタ野郎!!」
『測的誤差ギリギリまで修正中!』
『各砲直接照射及び手動追尾はいけます!』
「ならば結構!撃てぇ!」
ズガガガガガガガ!
二男side
ミサイルが着弾した瞬間、あいつらが光に包まれ、宙に浮いていた。
それどころか残りのミサイルを主砲で迎撃しやがった!
そして、主砲をこちらにむけているのがわかった。
それに気付いたまわりの使えないゴミどもがわたしを突き飛ばし、出口に殺到した。
「ま、待て!だれか助け
ドカーン!ドカーン!
ゴミ掃除完了です!
あれ?ヒロインが増えそうな....
すいません、中の人が矢矧好きなんです...許してください
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神殺し 後始末と次なる戦いへの備え
気になった人は『ヘルシング ジャッカル』でYoutubeで検索かければ出るかと
ヴンダーside
あの後、爆発の件で来た長門達に事の顛末を話した。
あの豚野郎が矢矧に特攻を指示したこと、俺らを対艦ミサイルで沈めようとしたので
取り敢えず、長門が俺の怪我を見て本気で泣きそうになってたのはこの際目を瞑ろう。
ただ、1番危惧していた俺の処遇だが結論から言うとお咎め無しとなった。
理由として俺のブタ野郎殺害に自己防衛の意があった事、そして上層部がブタ野郎の事を事前に処分できなかった事がある。
元々黒い噂が絶えなかったこともあり抜き打ちで監査をする事も計画していた。
取り敢えず俺はこんな感じだ。
そして、ブタ野郎が死んだ事により第一鎮守府は第三鎮守府と合併する事になった。
後任は我らが茜提督である。
着任当初はあの豚野郎の影響で人間に対して不信感しかなかった為敵視されまくっていたが茜の人当たりの良さと俺が助けた矢矧の説得等によって皆、少しづつ心を開いてくれた。
今では皆提督を慕ってくれている。
特に金剛とかは「バーニングラーブ!!」と言いながら抱きつきタックルをする毎日である。
ただ、その後ろで目から光の消えた電が
じっとこちらを眺めているのにはビビった。
それと俺の損壊の件についてだがどうやら俺の思ってたより酷かったらしく、艤装に関しては修理が必要で、資材や技術の差があり妖精さんの力を使ってもかなり時間が掛かるようだ。
怪我についても頭からの流血だけでなく右腕の方にも火傷を負ってしまい、跡が残ってしまった。
因みにこれを提督に話てた時に執務室の前を通りがかった矢矧がこの話を聞いてしまったようでめっちゃ謝られて「責任は取ります...」って言われたのには思わず飲んでたお茶を吹き出してしまった。女の子がそんな事軽はずみに言っちゃだめだよと言ったが「そんな軽い気持ちで言ったつもりはありません!」と言われカオスな感じになった。
今は提督は大本営に呼ばれており詳しい引き継ぎ作業をしている。
その為、数日間は俺が提督代理として執務をしているのだが...
「ヴンダー、この書類はどうする?」
「見たところ期限切れの奴だな...なら..これだな」
あの豚野郎まともに書類整理すらしてなかったのか?
おかげで机には山の様な書類が出来ている。
「くっそ...いっその事主砲でここも」
「やめろ」
いや、やらないよ?やらないけど...ねぇ?
コンコン
「失礼します」ガチャ
お、哨戒部隊が帰ってきた
「第7艦隊、帰還したわ。」
「ご苦労さん叢雲、問題なかったみたいだな」
「えぇ、何か久しぶりに平和になった気がするわ」
「だな、とにかく今はこのままでいいな」
「いいじゃないですか!?」
「いやダメに決まってんだろ!?」
「なんでダメなんですか?!
先っちょだけ!先っちょだけだから!?」
「それ全部行くやつだろ!?」
おい待て、別に如何わしい内容の会話ではない。
「何で艤装解体させてくれないんですかぁ!?」
「逆に何でいいと思ったのかな!?」
さっきから誤解を招きかねない事を言っているのは夕張
鎮守府の増員により工廠が明石だけでは回らない事が考えられるため大本営から派遣されてきた。
因みに食堂の方にも間宮さんが配属されていて第三の頃から食堂に勤めていた皆のお艦こと鳳翔さんは鎮守府の敷地内に居酒屋を開いており、皆もよく使っている。
「今日はお前じゃなくて明石に用があるから、じゃ」
「ぐぬぬぬ....絶対に分解してやるわー!!」
させん、何があっても分解なんぞさせん。
明石は奥の部屋にいるはずなんだが...
「明石いるか?」
「ヴンダーさん、今連絡しようと思ってたところです」
明石には俺の艤装の修復及び改修作業を頼んでいたが、どうやら丁度終わったようだ
「一応、確認の為付けてみてください」
「おっけー」
艤装を腰の方に付けると修復された翼が展開されていく。
「まず、改修前との比較ですが装甲の強化及び軽量化に成功。火力面では主砲のレールガンの威力が上昇、さらに両船体側面に一門、船底部分にも一門計4門を増設しました。また、ご希望の特殊弾の改良と近接武器の収納ラック三個装備しています。ここまでの改修は他の艦では不可能でしたが元のスペックもあり、実践ではほぼ武装の積載による航行への支障はないかと」
「特殊弾は?」
「以前と変わりなく曲射弾、エネルギー貫通弾、超電磁直撃弾に加え装甲貫通弾、N2榴弾砲が新たに使用可能です」
「装甲は?」
「特殊装甲板を三層使用しており、前の魚雷特攻でも傷すらつかないかと」
「近接ラックは?長物限定か?それともナイフ系か?」
「どれを選ぶも良し、問題ありません。」
流石だな明石
「パーフェクトだ、明石」
「感謝の極み....って何言わせるんですか!?」
「悪い悪い、ちょっとやりたくなっちゃって」
これなら多分深海棲艦相手にも単艦突撃してもほぼ無傷でいられるだろう。
「ところで、『MAGI』はどうなってる?」
「ほぼ完成しています、後は実践配備する為の環境があればいつでも」
ふむ、妖精さんに何とか俺みたいに情報をすぐに見聞きできる端末を作ってもらうか
「要塞化は進んでいるか?」
「それについても鎮守府付近の兵装はほぼ完成しています。後は裏山のミサイルハッチ5基がまだ建設予定段階のままです」
実は鎮守府合併時のドタバタに提督に防衛設備の強化を提案していたのだ。
幸いここは鎮守府以外何も無い孤島であるため大規模な防衛設備の建設が簡単にできた。
具体的なモデルとしては艦船である俺の内部データ、つまり資料から持ち出した
『第三新東京市』をモデルに深海棲艦迎撃要塞を作ろうと計画したのだ。
開発妖精が作った弾薬を使う為深海棲艦相手にも充分通用する。
「でも、何で提督もこんな要塞化計画に賛同してくれたんですかね?」
確かに、現状の防衛設備でも十分でありこれ以上の増設は過剰としか思えないだろう
だが...
「明石は何故今深海棲艦の活動が沈静化したと思う?」
「...さぁ?実は隠密作戦とかしてたり...」
「第一鎮守府の前任のブタ野郎は深海棲艦に情報を流していた」
「そんな....!」
「そんな奴が死ねば奴らも慎重になるさ...少なくとも時間が経てば奴らも再び進撃を開始するだろう」
「...今が力を蓄えるチャンスということですか」
「そゆこと、取り敢えず平和な今だからこそ忘れてはいけない」
我々人類は決して優勢だなんて思ってはいけない
特殊弾の解説
■装甲貫通弾
文字通りの対重装甲用徹甲弾
あまりの超火力であるため現存する物理兵器であるにも関わらずATフィールドを破壊可能
■N2榴弾砲
ヴンダーの使う砲弾の中で唯一の榴弾
従来のN2弾頭同様の原理で爆発させる
ただ火力が高過ぎるため火力を抑えてる
それでも一発で一艦隊が跡形もなくなるレベルとなっている
■艤装の強化点
火力面がアップ、これによってNHGシリーズの装甲にもダメージが入るようになった
防御面も強化、これでATフィールドがなくても並の攻撃では傷もつかなくなった。
本気で沈めようすると陽電子砲でも火力に欠ける。
■兵装ラック
艤装に三つ備え付けられてる
エヴァ8号機のドラゴンキャリアーをモデルに作った
槍、プログレッシブナイフ、ソニックグレイヴ、ガトリング砲どんな物でも格納可能
これ書いてる途中に評価が4.0になって色が着いた!
本当にありがとうございます!
取り敢えず本編は一度ここで区切りをつけて他の艦娘達の絡みとかを描きたいと思います。
しばらくは戦闘シーンはないかと....期待してた人ごめんね
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ヴンダーくんと第六駆逐隊とねこ
戦闘描写なしです
ヴンダーside
「駆逐艦の面倒を見て欲しい?」
「あぁ」
そう話しかけてくるのは天龍と龍田
この二人はよく駆逐艦率いるのまとめ役となっている。
この理由として二人の燃費の良さが遠征に重宝されている。
その為二人をよく駆逐艦を引き連れて遠征に行っている。
ある意味この鎮守府の功労者でもある。
「私も天龍ちゃんもその日は予定があって...ね!」ブン
ガキン!
「そういう事なら...お安い御用...だっ!」
ブン
ギャリン!
さっきから鳴っている金属音は俺と龍田の武器がぶつかり合う音だ。
実は艤装の改修に伴って兵装ラックの設営による近接戦闘の現実的な導入も視野に入って来たため少しは出来るようにとこの二人に特訓を頼んだのだが二つ返事でOKが貰えたのでこれもその一環である。
「にしてもだいぶ上達したよな...」
「そうか?」
「最初なんて手も足もでなかったのに...」
「という訳で今日は俺が天龍と龍田の代わりだ、よろしくなー」
そんな訳で面倒をみる事になった第六駆逐隊のメンバーを紹介しよう
「ふん!私はレディだから面倒なんて見なくてもいいわよ!」
一番艦暁
レディ気取りであるが実際は第六駆逐隊の中では1番のお子様である
「今日は龍田さんと天龍さん居ないのか...」
二番艦響
第六駆逐隊の中では1番の大人気質。
史実でソ連に引き渡されたこともありたまにロシア語が出る
「暁!そんなこと言っちゃだめ!」
三番艦雷
明るく献身的な性格をしており、良く皆から頼りにされている。
「あわわわ、二人とも落ち着くのです!」
四番艦電
この鎮守府では最初期からいた古参のメンバー。気弱な性格と心優しい一面を持つ
「... といっても何する?基本的にオールオッケーだが?」
実はこれといって遊び道具とか持ってきてないんだよな...
「じゃあ1つ質問していいかな?」
「お?どうした響?」
「ヴンダーの艦船時代の姿ってどんな感じなのかな?」
「確かに...気になるのです」
「私も気になるわ」
そう言えば誰にも話してなかったかな?
多分、姿に関しては教えてなかったな
「...うーん、言語化するとちょっとな...紙とペンない?」
「これでいいなら」
そう言って暁がスケッチブックとシャープペンを渡してくる
「大丈夫だよ、えっと...」カリカリ
ー数分後ー
「よし、できたかな?」
「どれどれ!?」
見に来た暁に書いた絵を見せる
多分いい感じに書けてる...筈
「おぉ...」
「何かクジラみたいだね」
「かっこいいのです!」
「это хорошая форма(いいフォルムだ)」
お、おう。響に関しては何言ってんのかわからんが満足頂けたようだ
「因みに大きさってどれくらいなの?」
「どう小さく見積っても2000はあったと思う」
「...ん?2000!?」
「え?cmじゃないよ?」
「いや20mはちっさ過ぎるだろ。ちゃんとmだよメートル」
「... Это слишком большое(デカすぎるでしょ)」
「長門さんよりずっと大きいのです!」
「」パクパク
「...まぁ、それならあの強さも納得ね」
おい、大丈夫か?
響はロシア語出まくってるし、暁に至っては驚きのあまり餌を求める鯉みたいに口パクパクさせてるぞ?
「で?他にやりたい事とかある?」
「うーん...外にいい場所とかありますか?」
それならいい場所がある
「心当たりならあるけど...行く?」
「行くわ!」
「電も行くのです!」
「私も同行しよう... ほら暁、起きるんだ」
ペチン
「痛った!...え、何?」
えぇ...?
起こし方雑すぎでは?
ビンタて...
「取り敢えず行くぞー?」スタスタ
「「「おー!!」」」スタスタ
「ま、待ってよ!置いてかないで~!」
という訳で来たるは鎮守府裏山の某所である。
「で、いい所ってどこ?というか私に肩車なんてしないでよ」ウキウキ
「暁ちゃん...隠しきれてないのです。」
因みに今は頭の上に暁、両腕で3人を抱っこしている状態だ。
「着いた...ここだよ」
「?何もないのです?」
「いや、多分そろそろ....」
ニャ-ン ニャ-ン ニャ-ン
「え?猫!?」
「すごい数だね...20匹くらいいる?」
実はココは野良猫のたまり場である
西表島かな?と思うほど猫がいる
しかもみんなかわいい
「はい、4人とも手出して」
「?...これは」
「ちゅーるかな?」
するとちゅーるを渡すところを見た猫達が...
『『『『!!』』』』ズダダダダ!
「うわ!すごい来る!」
「ちょ、ちょっと落ち着いて!」
「並んでください~!!」
「ごぼぼぼ!(助けて!)」
あ、もみくちゃにされてる
特に暁に関してはあまりの猫の量に陸なのに(猫の)海に沈みかけてる。
「はいはい、暁大丈夫か?」ヒョイ
「し...沈むかと思った...」ガクブル
おう...このままじゃ暁がトラウマをかかえる事になってしまいかねないな...
「ほら、一匹ずつなら大丈夫だよ」
「う、うん」
『♪』ペロペロ
「どう?怖くない?」
「えぇ、大丈夫...かわいい」ナテナデ
「首もとを撫でてあげると喜ぶぞ」
「こ、こう?」ナテナデ
『♪』ゴロゴロ
いい感じだな
ほかの三人は...
「ここがいいのですね~」ナデナデ
『『『ニャ-ゴ♪』』』ゴロゴロ
「はいはい、いい子いい子」ナデナデ
『『『ンニャ-♪』』』ゴロゴロ
「よしよし」ナデナデ
『『『...zzz』』』ゴロゴロ
なかなか皆上手だな
これなら大丈夫そうだ
この後めっちゃ撫でまくった
「...い...ろ....起きろー」
「...ん?天龍か、どうした?」
「どうしたって、もう夕方だぞ?」
どうやら寝てしまってたらしくもう夕日が沈もうとしている
「「「「zzzz」」」」
4人とも俺の腕を枕代わりぐっすりと眠っている。よく見るとその周りに猫が囲うように寝そべっている。
「俺は響と暁を持つから天龍は雷と電を頼む」
「わかった」
四人を起こさないようにそっと抱き上げ
鎮守府に帰る
「にしても何であんなに猫がいるんだ?」
「...さぁ?かわいいし良いじゃん」
後日、六駆のみんなが他の駆逐艦の子達に今日の事を話してしばらく引っ張りだこになるのはまた別の話。
■おまけ
茜「よし、加賀の目を盗んで抜け出してきたぞー」
茜「ほら~ねこちゃんたち~今日もちゅーるの時間ですよ~♪」
ねこ『『『『ニャ-ン....ニャ!?』』』』スタコラサッサ!
茜「え?ねこちゃんた...ち...?」クル
加賀「なるほど...いつも執務を抜け出してどこにいるのかと思えば...」ゴゴゴゴ
茜「加賀さん...これにはマリアナ海溝より深い訳が..!」ガクブル
加賀「お前は最後に殺すと約束したな...あれは嘘だ」
ウワアアアアアアア!!
という訳でねこのたまり場を作っていたのは提督でした
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ヴンダーくんと球磨型そして王様ゲーム
ご了承ください
ヒロインがまた増えるよ☆
かっこいいヴンダーくんはほぼ居ません
祝!お気に入り登録50突破!
感謝!圧倒的感謝!
ヴンダーside
「ふぅ...今日の任務おしまいっと」
今日は鎮守府近海の哨戒任務が終わったら他に予定はないからゆっくりできるな
「ヴンダー、ちょっといい?」
「北上、どうした?」
こいつは北上
第一鎮守府の頃のメンバーの一人で今でも頼れる軽巡の1人である。
「今晩空いてる?」
「大丈夫だが?」
「良かったら王様ゲームしない?みんな来るよ?」
皆...ということはあいつも来るよな...北上絡みで来ない筈がない...正直苦手なんだが...
いや!何事もやってみないことには始まらないように逃げ続けても何も解決しない。
逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ.....
「わかった、俺も行く」
「おっけー、8時に私らの部屋集合ね」
「あぁ、また後で」
「...(計画通り)」ニヤッ
北上side
「そう言えば大井っちてヴンダーの事毛嫌いしてるけど...なんで?」
「...なんと言うか、あの男の顔見てると胸がモヤモヤして...なんかムカつくんですよ!」
ふーん...これってもしかして...
「ならさ、今度1回会って何でモヤモヤするのか確かめてみたら?」
「...北上さんがそこまで言うなら...」
フッフッフ、妹の成長の為に少し犠牲になってくれたまえよヴンダーくん...
ヴンダーside
コンコン
『どうぞ』
「お邪魔しまーす」ガチャ
おぉ...球磨型勢揃いですか...大したものですな。
という訳でメンバーを紹介しよう
「お、待ちわびたクマ」
一番艦球磨
茶色の髪とアホ毛、そして語尾の「ークマ」が特徴的なこの超個性派の姉妹の姉である
「それじゃ主役も来たところだし早速始めるニャ」
二番艦多磨
語尾に「ニャ」のつく次女。
本人は否定しているが仕草が完全にねこである
「あ、ちょっと待って。飲み物持ってくる」
三番艦北上
ゆる~い口調ととにかくマイペースさが特徴。口癖は「スーパー北上さま」
「あ、俺コーラがいい」
五番艦木曾
眼帯と俺口調のため天龍とどこか既視感がある。球磨型唯一の武闘派
そして...
「...どうも」
「話しかけないで、目障りよ」
うっ
最後に四番艦大井
異常な魚雷愛と北上愛を持つ球磨型の中で一番キャラの濃い人物である。
普段は人当たりの良い性格なのだが俺と会話する時だけ異常に敵対心をむけてくる。
「まぁまぁ姉さん、そんなこと言ってあげるなって」
「大体なんでコイツがいるのよ!こんな奴絶対北上さんに何かするにちがいないわこの色情魔!」
「ぐっ」ドスッ
「それに私達だけでやっても十分たのしいのにこんな奴がいたら楽しくなくなるわ!」
「うごっ!」ドスッ
「戦艦で男のくせにこんな身長低いやつといたくない!」
「ごはぁ!!」チ-ン
「ヴンダー!」
「ヴンダーが死んだにゃ!」
「この人でなし!」
「いや...勝手に殺すなよ」ボロボロ
「ボロボロじゃん、無理するなクマ」
い、今のは流石に効いたぜ...具体的には両舷の第二船体を貫通された時より痛かったぜ....
「もう、取り敢えず始めるよ?」
「「「「はーい」」」」
「「「「「王様だーれだ」」」」」サッ
「お、俺だな...じゃあ3番が4番の頬っぺにキス」
「私は違うね」
「球磨も違うクマ」
「...俺4だ」
「はぁ!?私がやるの!?」
いや、ルール上どうしようもないだろ
パスとかできないし
「ほらはーやく、はーやく、はーやく」
「「「はーやく、はーやく、はーやく」」」
「...ああもう!動いたら殺すから!」
「え?お、おう」
チュッ
「おー!ファーストだ!!」
「木曾あんた絶対覚えときなさい!」
「次行くよ?」
「クッソ...(無駄に肌綺麗でやわらかかったし)」
「「「「「王様だーれだ」」」」」サッ
「タマにゃ」
「くっそまたかよぉ....」
「あなたに主導権が渡ったら面倒なことになる...」
「じゃあ、5番が2番にセリフありの壁ドンをする」
「俺が5番だ」
「クマじゃないクマ」
「お、俺も違うな」
「私が2番ね...今日は厄日だわ...」
「(実は大井っちとヴンダー以外全員グルだから、くじも簡単に仕組めるんだよね)」
「ほら、さっさとやりましょ」
取り敢えずやらない事には進まないし...
よし
「大井」ドン
「っ....」ドキドキ
「一生大切にする....ああ!もう、これでいいか!?」
「うん、及第点ニャ」
クッソ恥ずかしい....
もう誰か殺してくれ....
「おい、大井?大丈夫か?」
「...!あなたに心配される筋合いはないわ(なんでそんな無駄に顔が整ってるのよ...かっこいいのが腹立つ...ってかっこいいって何よ!こんな男相手に何考えてんのよ私!)」
「「「「「「王様だーれだ」」」」」」
「私だね(来た!...ヴンダーは今回3番!)それじゃあ3番はこの紙袋の中にある服にこのゲームが終わるまで衣替え」
「俺当たりすぎじゃね?もしかして仕組まれてる?」
「「「「(やべっ!?)」」」」
「馬鹿ですか!?北上さんがそんな事する訳ないでしょ!?」
「う、うん...悪かった...」
「「「「(セーフ....ナイス大井!)」」」」
「それじゃ着替えてくる」ガチャ
「北上さん、何を着せるんですか?」
「確かに気になるニャ」
「それは見るまでのお楽しみだよ」
さてと...何に着替えるんだ?
ゴソゴソ
「!?これは...!?」
おい北上!
これ絶対お前が着るべきものだろ!
「くっそ....ご丁寧に説明書までついてるし」
ガチャ
「お、来たきた!」
「ん?...いや、誰だよお前」
「もしかして別人かニャ?」
「え?実は矢矧あたりと入れ替わってるクマ?」
「いや、ちげーよ!正真正銘ヴンダーだよ!」
「何ですか...そんなに酷...い...」
「ほら見ろ北上!大井なんか余りのヤバさに言葉を失ってるぞ!」
「いや~似合ってるよ」
「やっぱ俺が当たるべきじゃなかったんだ....
「しかも、ウィッグまで着けてるし...」
「正直、元の声も高いからまじで違和感ないぞ」
「女装が合いすぎるにゃ」
「多分、言われないと男ってわかんないクマよ」
こんなに嬉しくない褒め言葉は初めてだよ....
「ほら、お前ら大井を見ろ。あれが正しい反応だ」
「.....(え?あれ?凄いかわいい...膝下までのニーハイとかスカートとニーハイの間の太腿の素肌とかもう.... 何言ってんの私!相手は男よ!それもあの馬鹿ですよ!?そして私は北上さん一筋、北上さん一筋....)」
カオマッカ
「あれが正しかったらこの場が混沌と化すわ」
「収集つかなくなる前に次やるニャ」
「ほら?大井っち?朝だよ?」パチン
「はっ!?大丈夫です!大井は大丈夫です!!」
「それ違うやつ」
「ほら、ヴンダーも座って...正座しないとパンツ見えちゃうよ?」
「!!//」サッ
「え?」
「まさか...」
「そのまさかだよ」
「ああああああああぁぁぁ....!!」バンバン
「うわぁ...」
「北上中々残酷クマ...」
「何ですかそれ、最高じゃないですか!
(何それ、気持ち悪!!)」
「大井っち、本音と建前が...」
「くっそ!早く次やろう!」
⬆聞こえてない
「「「「「王様だーれだ」」」」」スッ
「また北上か...もう嫌な予感しかしない...」
「6番はそこのメイドさんから声をかけられる時『ご主人様』で固定する」
「...私です」
「よかったニャ、かわいいメイドさんが来たニャ」
「良くないですよ!」
「おおi....ご主人様」
「」
「大井がショートしたぞ!?」
「そんな......そんな酷いからって....何か反応くらいは...」ブツブツ
「こっちもこっちで地獄クマ....」
「...ちょっと飲み物のお代わり持ってきますね」
「わ、わかったニャ」
大井side
なんですかアレ、破壊力やばすぎでしょ...
肝心のモヤモヤに至っては逆に姉さん達がヴンダーと話してるとさらにモヤモヤするし...あぁもう!!
「悩んでるね、大井っち」
「北上さん?!」
「大井っちさ、ヴンダーのこと好きだよね?」
「そんな訳...!」
「じゃあ、私が貰うけど?」
へ?北上さんが...あいつの隣に?
...嫌だ、アイツの隣に北上さんは...
「ほら、今ヴンダーじゃなくて私のこと妬んだでしょ?」
「あ....」
「大井っちが不器用なのは知ってるけど
ヴンダーはそれは知らないよ?
言わない思いはないのと変わらないよ?」
「.....」
「それじゃ、先行ってるよ」
さっきから考えがまとまらない....
私がアイツの事好きって....
「そう...なのかな?」
取り敢えず、皆のところに行こう
「お、おい!北上撮るな!」
「いや~これは残しておかないとだめでしょ」パシャパシャ
二人とも仲良さそうだな....(チクッ)
...?いま何か胸の辺りが....
ツルッ
「へ?」
「「「「「あ」」」」」
やばっ!足元見てなかった!
....あれ?いつまで経っても痛みが来ない?
「...セーフ」
「ナイスヴンダー、ジュースは無事だよ」
隣にはジュースの乗ったお盆を持った北上さん、そして顔が近いヴンダー....近い?
「え?あ?へ?」
「大丈夫か?大井?」
これって!!お、お、お姫様抱っこ!?
「...きゅう」ガクッ
「え?大井!?大井イイイィィィッ!」
「まぁ、そうなるよね」
「何....俺のお姫様抱っこってそんな不評なの...?」
「マジかあいつ気づいてないクマ」
「女誑しにゃ...」
「いつか後ろから刺されるぞ...」
ヴンダーside
あの後大井は復活したが俺の顔をまともに
見てくれなかった...とほほ
そして、いい時間になったのでお開きとなった。
「そんじゃ、おやすみ」
「ばいばーい」
バタン
「良かったの?大井っち?」
「...(『言わない思いはないのと変わらない』...か)」スッ
「?大井っち?」
「少し、外の空気吸ってきます」
「!頑張りなよ」
バタン
「にしても意外だな、姉さんが恋なんて」
「まぁね」
「大井も大人になったクマ」
「一肌脱いだかいがあったニャ」
「はぁ...メイド服はもう見たくないな...」
スタスタ
「あのっ!」
....?大井か?
「どうした?」
「話があります!」
「お、おう」
「私あなたのことが....その...す...す...」
「す?」
「凄く憎たらしいと思ってました!!」
えええええええーーー!?
に、憎たらしいって....
「そ、それではお休みなさい!」スタスタ
この一言で俺の心がN2爆弾よろしく爆散したのは言うまでもない
In球磨型のへや
「うわぁぁぁん!あんなの絶対嫌われた!」ブワッ
「だ、大丈夫だよ!...多分」
「あちゃーー」
「これは本心を伝えられるようになるまで時間かかるニャ」
「その前に誰かに取られなきゃいいクマ....」
〈翌日〉
「聞いてくれ長門...俺は大井に嫌われてしまったようだ.....」ズ-ン
「は?(...まさか!?大井の奴もか?!)」
■おまけ
〈後日〉
北上「ねぇ長門?いいのがあるんだけど」
長門「何だ?私も暇では...な!?(そ、それは!)」
北上「これ、こないだやった王様ゲームの罰ゲームでメイド服着たヴンダーなんだけど....いい値で売るよ?」
長門「そ、そんなものに屈する気はn」
北上「今ならなんと!赤面verもついてくるよ!」
長門「買った!!!」
北上「毎度♪」
この後矢矧にも売った
因みにヴンダーくんはイケメンというより美青年の顔立ちです
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ヴンダーくんと開発品紹介
ちょっと終わり方が雑ですが許してください!
ヴンダーside
「それでは今日はよろしくお願いします」
そう言ってくるのは先日配属された大淀である。
今では鎮守府防衛設備の管理及び大本営や各鎮守府のパイプ役を担っている。
「あぁ、それじゃ移動しようか」
〈昨日〉
「開発状況の確認?」
「えぇ」
今日は朝から執務室に呼び出された。
というのもこれまで俺の技術力によって開発された武器や補助装備といった兵装の確認をしたいらしい。
因みに俺の開発品は全てが使えるものでは無い。中には没となったものもある。
そいうのも含めて今回報告するとの事だ。
「わかった、何時やるんだ?」
「明日、大淀を開発室に行かせるわ」
「了解だ」
「で、今回紹介する開発品はある程度格付けされてる。そこらへんは事前に伝えた評価基準通りだ」
「はい、わかっています」
今回の評価にあたってある程度は事前に5点評価で格付けをしてある。
基準としては
1点
『ゴミもいいところ』
2点
『使う機会がほとんどない』
3点
『運用するにはある点に特化しまくっている』
4点
『中々いい、今後の技術開発に大きく貢献できる』
5点
『現実的な運用も視野に入れられる。
多少コストがかかっても運用に必要な改修をするべき』
と、言った感じだな
特に4、5の評価には少し悩んだところもある。
「という訳で早速1つ目の『陽電子砲円環加速式試作20型』だ。評価は1点」
「い、いきなり産廃ですか...」
「こいつはわかりやすく言うと電力を使うレーザーライフルみたいな感じだな」
「となると最大の利点は火力ですか?」
「あぁ、こいつの火力は深海棲艦は言わずもがな俺がATフィールドを使っても大破クラスの損害を受ける」
「それは凄いですね....」
「ただ欠点が多すぎる。1つ目は『使用する電力量』だ。こいつの1発の必要電力は真夏の日本全国の消費電力に匹敵する」
「...それ、まともに使えるんですか?」
「俺以外無理だな。それでも1分はチャージにかかる。それだけじゃない」
「まだあるんですか....」
「2つ目は『重すぎる』まぁ、ここまでは俺が使えば運用はできる」
「もっとやばい欠点が?」
「そう、3つ目が最大の欠点『反動が強すぎる』だ」
「反動?」
「そうだ、これは1回撃ってみた時に判明した。元々こいつはとある作戦の為に一撃必殺用に陸での運用が考えられていた。」
「...あ」
「わかったみたいだな、陸では土台に固定するなりバイポットを立てたりできるが海上では不可能。だから艦の推進力で相殺しないといけないんだけど...俺の推進力を持ってしても数十メートル後方に押し出された」
「うわぁ....」
「まだこれなら2点になっていたんだが反動のせいで照準があらぬ方向に向きかねない。そうなると味方の誤射で沈むという悲しい事故がおこってしまう」
「...うん、ゴミですね」
報われないポジトロンライフルくんぇ.....
「2つ目は『ATフィールドビット』評価は2点だ」
「...なんか小さいですね」
「こいつはファンネルのように使用者の補助装備を目的に作られた。大きな特徴としてはATフィールドを発生させることが出来る。しかも押し出すように発生させることにより攻撃にも転用出来る」
「聞いただけだと凄そうに聞こえるけど...」
「欠点その一『集中力が必要』一度長門に使ってもらったんだが、かなりの集中力が必要らしく、使ってる間はとても艦砲を撃つ暇がないらしい。長門であれなら他の皆が使うにはそれ相応の練度が必要不可欠となる。」
「あらら.....」
「その上射程も100mが限界であるためこんなの使うより艦砲使った方がいいな。」
「うん...さっきのよりはまだ救いようがありますね」
ホントだよ...ポジトロンライフルはマジでゴミ過ぎる....
「3つ目は『対艦超長距離ライフルパンテラ』評価は3だ」
「という事は実用性があるという事ですか」
「うん、取り敢えず欠点から説明しよう欠点その1『重量』これは見たまんまだなただ、それでも戦艦クラスの馬力があれば運用可能だ。」
「まだ大丈夫ですね」
「欠点その2『精密な射撃能力が必要』まぁ長距離ライフルだから当たり前っちゃ当たり前だが...でも目立った欠点はこれくらいだ。」
「確かに、今までの物と比べるとカバー出来る範疇ですね」
「そして、こいつの最大の長所はその射程距離だ。なんとその有効射程は10キロを優に越える。しかもこれ専用の補助装備もあるから使用者の能力によってはその数倍...威力に関しても抜かりのない。姫級や鬼級をヒットマンよろしく暗殺できる。」
「おぉ!凄いじゃないですか!」
「ただ、精密な射撃力の部分でどうしても型落ちしてしまう」
「え?」
「艦娘は艤装を自身の体のように操作できるからこそ艦砲を当てられる...が、これは別物。つまり実力で当てる必要がある。」
「...確かに、妥当な評価ですね。」
妖精さんの援護も望めないライフルであるからこその弱点はある...がそれでも性能にはやはり目を見張るものがある武器だ。
「4つ目は補助装備の『擬似S2機関』だ。評価は4点」
「そもそもS2機関ってなんですか?」
「S2機関とは簡単に言うなら無限にエネルギーを生み出す...つまり物理法則無視のとんでも機関だ」
「....いきなりとんでもない物作りましたね!?」
「因みに俺の主機の動力源にも使われている、今回開発したのはその模造品に過ぎないため本家本元とはやはり劣化している」
「ま、まあ流石にね?」
「欠点だが『運用にはまだ技術不足』といった感じだな」
「やっぱり生半可なものでは無いですよね....」アハハ
「こいつは当初、俺と同じように『艦娘の航行性能向上』を目的に作っていたが......やはり俺がいた時代でも未だに未知数なところがあったからか艦娘に搭載しようとすると性能が落ちるんだ。」
「具体的には?」
「まず、生成エネルギーの上限値が艦娘が使うには低すぎるんだ」
「?そこまでの問題には聞こえませんが...」
「分かりやすく言うと車のバッテリーの代わりに電池一個分しか溜められない無限の電力を持つバッテリーなんて使っても動かないだろ?」
「生成する量と消費する量が噛み合わないってことですか」
「そ、だから現状俺の求める運用法としてはまだ不十分...ただ時間があればそれも作れるからね」
「いや、良くこんなの作りましたね...」
「因みに試作1号作る時はもし失敗してたら日本列島が吹っ飛んでた」
「ホントに何してるんですか!?」
「まぁ、一応特殊装甲板づくしの部屋と俺のATフィールドで防御してたから失敗しても俺の大破だけで済むよ」
「何も大丈夫じゃないですよ!」
「既に安全性も確立してるよ、現にこの鎮守府の電力は大型の擬似S2機関で賄ってるんだから」
「そんな危険物で成り立ってるの!?もうやだこの鎮守府...」
まぁ、でも実際一番役に立ってる発明だよ?
「5つ目『近接航空支援用垂直離着陸対地攻撃機 YAGR-3B改』評価は5点だ。」
「航空機?何かオスプレイみたい...」
「こいつは万能型の戦闘ヘリみたいなもんだな俺が建造される前にあったがかなりの性能をもってる。まず火力はロケットポット4基の攻撃は大抵の深海棲艦に効果がある。重巡なんかも3機あれば十分落とせる。次に耐久なんだが、明石の開発した軽量特殊装甲板でテコ入れをしてるからか対空砲はもちろん駆逐、軽巡の砲撃にも1発耐えるとんでも性能となっている」
「強すぎるのでは...!?」
「ただ、現状在籍している空母が使うには改修が必要なんだ...それに攻撃ヘリみたいな感じだからそこまで早くない」
「いきなり実践で使えそうなの来ましたね....」
「お次は『航空戦闘機ペイルウイング』評価は先ほどと同じく5点」
「またですか...航空機は5点多めですかね?」
「こいつは『Su-33』を改造した機体でね、元の馬力の数倍を有していてな、武装はまず150ミリ機関砲とミサイルを積んでいるから火力面では単騎でも戦艦とかには無視できないレベルで、防御面でも先ほど同様軽量特殊装甲板を使ってるから対空砲はとにかく敵艦載機からの攻撃も無傷。
そして機動力は従来とは比較にならない速度と両翼の小型スラスターによる他の航空機では真似出来ない動きができる...ただ」
「先程と同じく在籍してる空母では改修が必須と...」
「そ、だから現在はまだ未使用」
「何かいろいろありますね...」
「今回はここまでだ。取り敢えず代表作を掻い摘んで紹介したがまだあるぞ?」
「流石にまだまだあるんですか...これ以上は別の日にやりましょう」
「わかった、流石に疲れたな...」
「あはは...私は報告に」
「あ、待った大淀。最後に一つ」
「?」
「こいつらの設計図は例え単語ひとつでも2000を越える数字によって暗号化されてるから、漏洩しても『MAGI』クラスのスパコンじゃないと録に解読できないから安心してくれと提督に言っといてくれ。」
「...わかりました!では」バタン
もしS2機関の情報なんか漏れたら悪用する奴らは腐るほどでてくるだろうしな
■おまけ(前回の続き)
北上「フッフッフ、まさか加賀さんにも売れるなんて思わなかったけど儲け儲け♪...?」
北上(昼間なのに誰もいない...?)
コツコツ
北上「...?(あれは大淀さん?)」
大淀「どうも北上さん、随分儲けてるようですね...」
北上「!?(両手に木刀!?)」
大淀「我は風紀の代理人...懲罰の地上代行者...我らが使命はこの鎮守府の風紀を乱す愚者をその肉の1点までも絶滅すること!!」←木刀で十字架作ってる
北上「や、やばい!!」
大淀「AMEN!!」ダッ
ギャァァァァァァァァァァァァァァァァ
北上「」チ-ン
大淀「...これかわいいわね(一枚くらい貰ってもバレないでしょう)」⊃ヴンダーくんのメイド写真
前々回に引き続きボコボコにされました
■兵装の解説
・陽電子砲円環加速式試作20型
劇中ではヤシマ作戦、0706作戦にて登場
ラミエル戦ではラミエルの光線と同等級の威力
0706作戦では4444Cの武装として登場
・ATフィールドビット
劇中ではエヴァ13号機のATフィールド代わりに登場
今作では性能が落ちている
・対艦超長距離ライフルパンテラ
劇中では名前のなかった8号機の使っていたライフル
現状では使用者はいない
・擬似S2機関
旧劇で量産機が使っていたものと同じ
流石にこのまま使えるとヤバいので技術不足を理由に劣化させた
・近接航空支援用垂直離着陸対地攻撃機 YAGR-3B改
劇中ではサキエル戦、ちょっとだけゼルエル戦でも出てきた。旧劇では弐号機にかかと落としや回し蹴りされてる。
・航空戦闘機ペイルウイング
劇中で出てきた『Su-27K フランカーD』をモデルに魔改造したもの。150ミリ機関砲はレールガンの容量で撃ち出しているのでかなりの威力となっている。
今後も定期的にやる予定です
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神殺し 防衛戦を行う
再び真面目な回が続きます
ヴンダーside
今日はいつもより朝から慌ただしい空気感が鎮守府中を支配していた。
「大淀、状況は?」
「はい、昨夜無人偵察機が鎮守府より数百キロ離れた海域で深海棲艦の大艦隊を確認。総数は1000を越えているかと....」
「敵艦隊の到達地点は...当然、ここよね」
「敵艦隊の進行ルート上にある1番近い鎮守府はここですからね」
「到達予定時刻は?」
「おそらく、今夜かと....」
深海棲艦の大攻勢とでも言える敵の総数は現在この鎮守府に進行している。
鎮守府の近海で防衛線を張るのが定石だが...
「ヴンダー、あなたが仮にやりあったらどこまでになる?」
「俺がやると俺が沈むことはまず無いだろうが多分見切りをつけられて、艦隊を足止め役と鎮守府進軍組に分けられるだろうから正直、鎮守府近海で防衛戦をするのはあんまりオススメ出来ない。」
向こうだって馬鹿ではない、戦術や作戦を練ってこちらを攻撃してくる。
少なくとも真正面から戦えば鎮守府はやられる。ならば...
「鎮守府で待ち構えるのが最善手ね...」
「だが大丈夫なのか?防衛とはいえ1000も
相手はできないぞ...」
長門の言う通りだ
いくら此方の方が有利な陣形でもこの数の暴力相手には普通の戦い方では負けは濃厚だ...そう
「それに関しては大丈夫。大淀、第1種戦闘配置用意」
「了解しました。」
ヴーーー!ヴーーーー!
外でサイレンが鳴り響く
そして
「外にいる艦娘、及び憲兵すべて鎮守府建物内に収容完了しました」
「わかったわ、鎮守府を戦闘形態に移行して。」
「了解しました」
ガコン
「!?鎮守府が下に沈んでいるのか!?」
「多分な、もう外に出れる筈だ。1回様子見てみるか?」
「あ、あぁ」
「いやー圧巻だな」
「」
外に出た俺と長門の前には壁とも言える程の兵装ビルが並んでいる。
本来であればここから海が見えるのだが生憎のことここから見えるのは地面から生えてきた大型の機関砲砲台と山には対空砲が敵を今か今かと待ち構えている
「...これ、どうやって作ったんだ?」
「ん?俺の艦船にあった要塞都市のデータを元にそれを再現した。因みに対潜魚雷ポットとかもあるから潜水艦にも対応してるぞ」
「...お前の時代の人類は何と戦っていたんだ.....?」
〈作戦会議後〉
「ヴンダー、少しいいか?」
「矢矧かどうした?」
作戦会議が終わり、各々時間を潰していると矢矧が声をかけてきた。
「勝てると思うか?」
「勝てるかどうかは大丈夫だと思うが誰かが欠ける事はありえると思う。」
「....そうか」
今回は作戦の関係上、タイミングが来るまで俺は援護ができない。
正直全員の命の保証はできない。
「お前は沈むのが怖くないのか...?」
「...正直怖くないと言えば嘘になるな」
「...... 」
「でも、生きてて欲しい奴に先立たれる方がよっぽど怖い」
「...!」
「艦船の頃も今もそれは変わらない。
提督や長門、鎮守府の皆には生きてて欲しい...矢矧、お前も例外じゃない」
「!そうか....ありがとう、少し元気が出た」
「はは、なら良かった」
ヴーーーー!ヴーーーー!
もう時間か...
「矢矧、死ぬな。生き残れ」
「そっちこそな」
Noside
第一佐世保鎮守府前の海の夜、本来であれば水面が月光でほんのり光る...
だが、目の前に見えるのは青い光を目に宿す深海棲艦の大群
「アソコカ」
「ハイ、情報ヲ提供シテイタ男ノ鎮守府ハアレデマチガイアリマセン」
そう話すのは空母棲姫と駆逐棲姫と呼ばれる深海棲艦。
この大艦隊の旗艦である
「マァ、イズレバレルト思ッテイタ。
ドウヤラ別ノヤツガ鎮守府ニイルヨウダナ」
「ハイ、デスガレーダーニ艦娘ドモノ反応ハアリマセン」
「コノ数ニ恐レヲナシテ鎮守府ゴト放棄シタカ....占領シロ」
「了解」
その声と共に待機していた深海棲艦たちが一斉に動き出す...が
ドゴーン!ドゴーン!
突如鳴り響く轟音にその進軍が止まった
「何ガ起キテイル!?」
「前衛部隊カラノ通信ニヨルト....機雷ニヨルモノトコト....」
「馬鹿ナ!機雷ガアンナ爆発ヲスル訳ガナイ!ソレニ、機雷ナラレーダーニ反応スルハズダ!」
頭が混乱すれば動きは止まる
ただ、敵地を前に動きを止めれば
ズダダダダダダ!!
「!?(敵地カラノ砲撃!?艦娘ドモハイナイハズジャ!?)」
鎮守府からの文字通り弾幕ともいえる攻撃に前衛はほぼ壊滅状態である
茜side
「兵装、順調に稼働しています」
「向こうからしてみたら完全に不意をつかれたもんだからモロに効いてるわね。」
「敵損壊率20%を超えています」
「よし、予定通り面で制圧し続けて!」
〈作戦会議にて〉
「まず、今回は大まかに分けて4段階に別れる作戦よ」
「成程」
「第1段階は機雷による足止め」
「機雷?そんなのソナーで感知されたら...」
「それに関してはこいつを使う」
そう言うとヴンダーが機雷を机の上に置く
「これは識別機雷でな、深海棲艦にしか反応しない。しかも、特殊な加工されていてレーダーに反応しない仕組みなんだ。火力は言わずもがなだ」
「そ、これを鎮守府前に数百個配備する」
「第2段階は鎮守府の兵装ビルによる攻撃、しかもMAGIシステムによるオートエイムだから絶対に外さない」
「そうなると敵は抑えられるな」
「そゆこと、そして第3段階は全艦隊を深海棲艦の後方に展開して包囲網を作る」
「どうやって後方に回り込むんだ?」
「偽装コクーンと呼ばれる光学迷彩を使って探知されないようにする」
「相変わらずとんでもない技術力だな...」
「そして最終段階、高高度であらかじめ待機しておいたヴンダーが奇襲を仕掛けて旗艦を撃破といった流れよ」
『こちら長門、敵艦隊後方に回り込んだ』
「了解、攻撃を開始して!」
『了解!』
「敵部隊、損壊率30%。」
「山のミサイルポットも全基使っちゃって」
「了解!」
長門side
〈作戦会議〉
「基本的に戦術は専守防衛に勤めて、戦艦の艦砲と空母の爆撃で集中的に面制圧し続けて。」
「駆逐艦と軽巡、重巡は?」
「戦艦の再装填までの時間稼ぎ、そして面制圧を掻い潜ってくる奴らを雷撃と砲撃で止め続けて」
「了解だ」
「撃ち続けろ!!損傷の大きい者は後方に下がれ!!」
思ったより敵の数が多いな....鎮守府の方よりこちらを落とすほうが簡単だとわかったか...
「長門、まだやれる?」
「フッ、そっちこそな!主砲撃てぇ!」
ズドン!ズドン!
ただ、作戦が上手くいってるようで
この数を相手に戦えているのが証拠だろう
『こちらヴンダー、合図が出た。
これより攻撃を開始する!』
「よし、頼んだzズギャン!ズギャン!
『長門!?大丈夫か長門!?』
「馬鹿者!自分のことに集中しろ!戦艦が簡単に沈むか!!」小破
『お、おう!沈むなよ!』
ヴンダーside
長門からお叱りの言葉も受けたし、奴らを根絶やしにしよう
「妖精さんいける?」
『N2榴弾装填完了!敵集中地点に照準よし!』
「よし、撃てぇ!」
ズドン!ズドン!
さて、威力はどうかな?
ズゴーン!!
うわぁ....我ながらとんでもない威力だな...
『敵対空砲火を確認』
「ATフィールド展開!着水後は予定通り各砲手の任意でエネルギー貫通弾を装填して敵を攻撃しろ!」
『『『『『了解!』』』』』
よし、着水。そして...
「3番ラック、展開しろ!」
『了解』
ガコン!という音とともに双刃の薙刀が出てくる。
それをすかさず手に取り飛びかかってきた駆逐艦を斬り捨てた
ズバン!
「おし、ちゃんと斬れてるな!」
取り敢えず中心に向かって突き進んでいくか
空母棲姫side
「姫!指示ヲ!」
クソ!何故ダ!何故コウナッタ!
サッキノ大爆発ノセイデ半分以上ガヤラレタ!
「...コウナッタラ残リノ艦ヲスベテ艦娘側ニ回シ、包囲網ヲ破ルシカ...!「ガアッ!」!?」
駆逐棲姫ガ後カラ貫カレタ!?
「よぉ、お前がこの艦隊の旗艦か?」
「オマエ....一体ドコカラ!?」
「それを言う筋合いはないな」
「ソウカ!」
ブゥゥゥゥン
「(艦載機!)」
「死ネェ!(トッタ!)」
「取ってない...取られたのだ」ズバン!
「ア....ェ....」バシャン
「こちらヴンダー、敵旗艦と思しき空母棲姫を撃破した」
『了解、各員に伝達。現段階より残存兵力の掃討戦に突入する、敵はすべて沈めろ!』
『『『『「了解!」』』』』
因みに長門は戦艦水鬼からの砲撃を受けていましたが
陸奥の特訓を受けて魔改造されてたのであの程度で済みました。
■兵装ラックの中身
基本的に改2号機と新2号機が使っていたものと同じ
1番ラック
『アンチマテリアル丸鋸』
新劇でヤマト作戦時にMark7に使用していた
2番ラック
『三砲塔ガトリング砲』
新劇でヤマト作戦時にMark7に使用していた
作中ではヴンダーくんのエネルギー貫通弾と同等の威力
3番ラック
『双刃』
劇中でQでは13号機に対して使用、新劇でもMark7相手に使用していた
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神殺し 隻腕の艦娘と出会う
ヴンダーくんがすけこましと化していく.....
ヴンダーside
鎮守府防衛戦から1週間後
あの戦いでの消耗は見た目ほどではない
というのも防衛設備の弾薬は妖精さんが作っているので消費量から見て1ヶ月あれば元の状態に戻る。設備の破損も特殊装甲板のおかげでそこまでではない。
今度間宮さんに頼んで甘味を作って貰って妖精さん達に差し入れしよう。
ただ艦娘側は中破多数、それでも大破と轟沈なしでここまでの戦果は破格のものだ。
そんな感じで戦いの疲れも無くなりいつも通り遠征や演習を始めた今日この頃、やはり防衛戦前の平和は貴重だったのだと感じる事が起こる。
「遭難した艦娘?」
「ま、『捨てられた』と言った方が良いのかもしれないけど...」
「戦時中だと言うのに...貴重な人員を...」
「十中八九あの豚と同じく無能でしょう」
「因みに詳細な情報は?」
「龍田、天龍達の遠征部隊が鎮守府に帰還中に意識不明の重体だった艦娘を保護したってところかしら」
「その子の怪我は?」
「艤装はボロボロ...そして左腕の欠損ね...艦娘は本来なら適切な治療を受ければ欠損した身体も治る....けど発見時は時間が経っている事もあって欠損までは直せなかったわ。」
「そうなると....解体という事になるのか?」
「普通はそうなるけど、彼女は解体の道ではなく最前線に立ちたいと言っているの...」
「中々厳しいものがあるんじゃ....」
「でも解体させるにも問題があるの」
「え?」
「彼女の提督...今は憲兵に捕まってるけどそいつはあろう事か彼女を戦死扱いしたのよ」
「....という事は彼女には解体後の生活は....」
「現状それには目処が経ってないわ」
ホントクズしかいないな....純粋に深海棲艦打倒目指してる奴何人いるんだよ.....
「そこで、貴方の力で彼女を復帰させて欲しいの」
「...一応やるけどできるかは分からないぞ?」
「構わないわ、それじゃ早速彼女の病室に向かって欲しいの」
ここか...よし
コンコン
『どうぞ』
「失礼するよ、君がグラーフ・ツェッペリンでいいかな?」
「...あぁ、貴方は?」
「俺は飛行戦艦AAAヴンダーだ。こう見えても君と同じ艦娘だ。」
「艦娘?男なのにか?」
「まぁ、色々あってな?君はドイツから派遣されたと聞く。」
「気を使わなくていい。自分の身の上の事は自分でもわかってる」
「...それなら単刀直入に言わせてもらうが君は最前線で戦いたいそうだな」
「っ...そうだ」
「正直に言わせてもらうと君の願いはかなりの無茶だ、前例なんて存在しない」
「それでも!私と同じドイツ艦が戦っているというのに私一人だけずっとベットの上で指をくわえて見てることはできない!」
....この子の目は本気だ、多分俺がこれ以上何を言っても決して意見を変えたりしないだろう。それなら...
「わかった、俺も君の思いに応えて、出来る限りの手を尽くそう...ただ、それでも険しい道に変わりない...それでもいいか?」
「あぁ!ありがとう!」
「という訳でまずは義腕だな」
といってもこれには当てがある
それはエヴァ改二号機に使われていたあの義手である
あれなら日常生活では勿論のこと戦闘でも専用の武装も作れる。
「材質は特殊装甲板、動力源は小型化した擬似S2機関を搭載...そして、駆動音とゴツゴツとした感じを消して...よし!これで設計図はよしと」
次は艤装の改修だな
これに関しては明石と夕張のほうが専門だから二人と話し合おう
「という訳で義手ができたが....どうだ?」
「凄いな...まるで自分の腕みたいにしっかり動く....こんなのよく作ったな...!」
うん、どうやらお眼鏡にかなったようだ。
「まぁね、それじゃ艤装改修計画ができるまで腕が馴染むようにリハビリね」
「あぁ!宜しく頼む!」
「という訳で2人からも意見が欲しいんだけど...どう?」
「これ、動けるの?」
そう言うのも無理はない、俺の計画では積載航空機量は150ほどであり通常の空母の馬力では到底無理である
「動力源については大丈夫だ」
「でもS2機関は...」
「核分裂炉を搭載する」
「安全面は大丈夫なの?」
「いや、S2機関安全に取り扱えてるならいけるでしょ」
「確かに...できるわね」
S2機関の時みたいに元があるわけではないが、それでも開発妖精の力なら充分可能だ。
「艦載機は?」
「 『YAGR-3B改』と『ペイルウイング』....それと爆撃機は『An-71MD』を使う」
「そうなると艤装の形状も変わってくるでしょう」
元々グラーフの艤装は船体型の対空砲が2つと甲板の3つの艤装で構成されている。
ただ、今回の改修で甲板を1つ増設して見た目がシンメトリーになる予定だ。
それだけでなく、義手に付けられる補助装備とかの兵装コンテナも乗せられるようにしたい。
「だったらもう少し装甲板も増やした方がいいかもですね」
「なら━━━━━━━━━━━━━━━」
〈数日後〉
「...で、これが改修計画ね」
提督の持つ手にはグラーフの改修計画用紙とその必要予算と資材のまとめられた用紙がある。
「やっぱかなりコストは高いわね.....大和型の建造資材数隻分か....」
「流石にこのレベルの改修となると生半可なものでは無いですからね....下手したら艦種を変えるようなものになるだろうな」
原子力空母とでも言うべきなのかもしれないが艦載機の量と質的に下手したグラーフ1人で複数の敵空母相手に制空権を取れるかもしれない。
まさにコストに見合った性能であり他の艦娘とは一線を画す存在となるだろう
「でも何で予算上限を作らなかったんだ?」
「簡単に言うと貴方の技術でどれくらい出来るのか知りたかったが1つ。そしてもう1つは彼女が戦いたいと言った...それだけで充分よ」
〈工廠〉
「50時間か.....やっぱ時間かかるわね....」
「そりゃ軽く言えば中で原子力発電所作ってるようなもんですから、妖精さんの力があっても時間はかかりますよ」
「バーナー使っちゃって、すぐ終わらせましょうか」
すると、改修の所要時間を示していた電光掲示板がみるみる減っていく。
「そう言えば、グラーフは艦船時代の頃未完成のまま沈んだらしいわ」
「へぇ、俺と同じだな」
「え?貴方って未完成だったの?」
「完成する前にヴィレに強奪されたからな....未完成の部分は当時の人類の技術で無理矢理補ってた感じだな」
「じゃあ、あなたの同型艦が完成版なの?」
「あぁ。」
そんな会話をしているとカウントが0になり目の前の扉が開き、改装を終えたグラーフが出てくる。その姿は改装前とは変わっており艤装は装甲甲板と対空砲を備えた船体が左右対称にあり、白と赤の服装は黒と真紅の色に変わっている。銃型の艤装はなくなったがその代わりコンテナのようなものと左腕の義手が目立つ。
「調子はどうだ?」
「今までの絶好調が嘘だと思える程だ...」
うん、 問題なさそうだ
取り敢えず改修は大成功かな?
「さて、これから宜しく頼むぞグラーフ」
「あぁ、任せてくれ
...ん?!
「え?いや何でマスター呼び!?」
「え、私のレーダーには
えぇ....何それ知らない....
この後偶然鉢合わせた大井にグラーフ紹介しようとしたら何故か喧嘩になった
「何がマスターですか、ふざけてるんですか?良ければそのツラ魚雷で吹っ飛ばしてあげましょうか?」ジャキ
「
「お前ら落ち着け!大井は魚雷しまえ!グラーフは艦載機を飛ばそうとするな!」
ちょっと出したいと思ってた義手装備です
というかドイツでオートメイルって完全にシュトロハイムじゃん.....
■グラーフのスペック
装備面ではYAGR-3B改とペイルウイングを攻撃機に使用
爆撃機にAn-71MDを装備している。対空砲に105ミリ速射砲を装備
防御面では特殊装甲板を使用しているので姫級の攻撃にも耐えられる
動力面では核分裂炉を使用している
ちなみにこの案はアニメ版のジェットアローンを参考にした
■装備紹介
『An-71MD』
アニメ版、劇場版でサキエルに大型ミサイルを発射していた。今作では装甲面と速度面においてテコ入れが入ってる
『D型義手装備』
日常生活において使い易いようにカスタムされた
駆動音と機械のゴツゴツ感がなく、人工皮膚でコーティングされているのでパッと見気づかない
『E型義手装備』
戦闘で使えるようになっている
S2機関搭載という事もありかなりの馬力
特殊装甲板と同等の硬度なので普通に殴っても駆逐艦なら沈められる
『F型義手補助装備』
艤装についてるコンテナの中身
E型と連結することで使用可能
改二号機の使っていた腕のガトリング
威力は3砲塔ガトリングと同じ
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ヴンダーくんと後輩吹雪
今回はヴンダーくんに新人の後輩が出来たらという妄想でできました、ちょい長めです
吹雪side
「ここが...第一佐世保鎮守府」
今日から士官学校から派遣され、ここに配属となった。
ここは前線から近くその分他の鎮守府より規模も設備の大きさも違うと聞いていましたが...
「大きすぎませんか....!?」
いくらなんでも士官学校の倍以上あるとは思いませんでした....執務室ってどこ....
「そこの君、どうかしたのか?」
「え?あ、実は執務室の場所がわからなくて....」
「執務室は...この先に階段があるんだけどそこを上がってすぐのところだ」
「ありがとうございます!」
「気にするな、今日から配属になったのか?」
「はい!今後ともよろしくお願いします!それでは!」タッタッタ
「がんばれよー」
コンコン
『どうぞ』
ガチャ
「失礼します!本日より配属となりました、吹雪型一番艦吹雪です!」
「ええ、宜しく。私がここの提督、矢萩茜よ。期待してるわ。」
「は、はい!」
「早速だけど荷物を部屋に置いて鎮守府の設備の場所とか覚えてもらうわ。加賀、案内よろしくね」
「はい、着いてきて」
「あ、はい!」
「━━━━━━━━━━━━━━━でここが工廠ね。ここまででなにか質問とかあるかしら?」
「それじゃあ....設備とかとは少し違う質問なんですけど.....」
「?....何かしら?」
「あの....噂って本当なんですか?」
「噂?」
「この鎮守府に『空を飛ぶ戦艦』がいるって聞いたことがあるんですけど...」
この鎮守府の噂は他にもあって最近で言うと『1000を超える深海棲艦の大艦隊をすべて殲滅した』とか...挙げるとキリがない
これらの噂は士官学校で流行っていて、基本的ににわかに信じ難いものが大半です。
「空を飛ぶ戦艦....あぁ...」
「やっぱり忘れてください....噂は噂ですよね...」
「居るわよ」
「...え?」
「今なら丁度猫と戯れてると思うけど....会ってみる?」
「え、あ、はい!」
ホントに居た......もしかしたら『この鎮守府が要塞化されてる』とかも本当なのかな.....
「ここですか?」
「もうすぐで着くわ」
そんなこんなでやって来たのは鎮守府の裏山。
加賀さん曰く提督がちゅーるを与えまくった事によって猫がそこにたまり場を作ったらしい。
「....いた、あれよ」
「....あ!」
加賀さんが指をさす方には赤い軍服を着た青年が猫を撫でている。
それに見覚えがあった
「ヴンダー少しいいかしら?」
「ん?加賀さん、どうしたの?...お、君は...」
「あら、面識あるの?」
「うん、執務室の場所が分からなかったから教えた。」
「あの時はどうも!」
「そんじゃ改めて....俺は飛行戦艦AAAヴンダーだ、よろしくな」
「私は吹雪型一番艦の吹雪です!よろしくお願いします!」
「それじゃ、お互いに自己紹介は終わったわね....それじゃこの子の事は頼んだわよ。」
「「え?」」
「どうかしたかしら?」
「いや、俺一応戦艦だけど....駆逐艦は専門外だぞ」
「承知の上よ、後輩を持つのも経験のひとつ....貴方にはそこを学んでもらうわ」
「ふーん...了解です。まぁ、頑張ってみます」
「あ、あの...よろしくお願いします、先輩!」
「おう、なんでも聞いてくれ」
「後は頼んだわよ」スタスタ
「あぁ、そんじゃまずは聞きたいこととかあるか?」
「なら....先輩はどうやって飛んだりするんですか?」
流石にプロペラとかじゃないでしょうし.....
ロケットエンジンとか付いてるのかな?
「あー....口頭で説明するのは少し難しいし実際に飛んでみるか」
「え?」
〈演習場〉
「よし、艤装いけるね」
「は、はい」
まさか実際に飛ぶところ見れるなんて.....
「妖精さん行ける?」
『主機点火済み、時空間制御及び立体指揮操舵に移行完了しています』
「上々!行くぞ吹雪」
「へ?うわ!」フワ
え?私も浮いて....へ!?
「あ、あの....これって....」
ふと先輩の方を見ると背後にさっきまでなかった光輪が出ている
それだけじゃない、自分の艤装から空に糸のようなものが伸びている
「これが...」
「そ、これはATフィールドと呼ばれるバリアを応用して作られた糸で俺は主機の力でATフィールドを操作できるんだ」
「主機?」
「あ、そこらへんは聞くなよ?わりと不思議パワーだからな」
へぇ....仕組みがわかってないのか....
「それじゃ、始めるか」
「へ?」
「現状の吹雪のスペックを見て今後の特訓とかの指標を決める。演習弾あるよね?」
「は、はい」
念の為弾持って来といてよかった....
「ルールは簡単、今から5分間俺は逃げ続ける。吹雪には逃げる俺に1発でもいれられれば勝ち、魚雷に砲撃どれを使っても大丈夫だよ」
「わかりました!」
「それじゃ、よーい....始め!」ピッ
よし、1発でもいれられれば勝ちなら....
「先手必勝!」ドン!
「よっと」ヒュン
は!?砲弾を避けた!?
しかも撃ってから、この短距離で!?
「ほらほら、時間ないよ?」スイ-
「え?早!?」
」」
駆逐艦とかの比じゃない!
50ノットは出てる.....こんなの雷撃が追いつかない....なら
「魚雷で逃げ道を塞げば....!」バシュッ
「お?」
「そこだ!」ドン!ドン!
「あらよっと」ヒュンヒュン
そんな...これでもダメなんて....
「ほら、落ち込んでる場合じゃないよ?あと4分」
「!」
そうだ...まだ時間はある
このまま撃ち続ければ1発くらいは.....
ピピピ
「はい、時間切れ」
「ゼェゼェ.....」
結局1発も当たらなかった....
学校だと実技は上位の方だったのに...
「そんな落ち込むことじゃないよ、多分駆逐艦だと俺に1発でも当てられる子はこの鎮守府でも中々いないから」
「うぅ...でも...」
「まぁ、吹雪の場合は基礎の面とかはいいけどそれをあんまり使いこなせてない感じだな、次手の組み立てまで時間が掛かってる....逆にそこら辺どうにかなればかなり強いと思うよ」
「は、はい!ありがとうございます!」
良かった....私が落ちこぼれとかじゃなくて...
「という訳で今から吹雪には欠けている『実戦経験』を体験してもらうよ」
「もしかして...出撃!?」
「いやいや、流石にそこまでしないよ。こいつを使う」
そう言うと先輩は岸の方にある大きな機械のような物を持ってきた。...さり気なく自分の倍はありそうなもの軽々と持ってくるあたり流石戦艦...
「...これは?」
「これはイ級型演習用自立模型だ。これは今までの深海棲艦の行動パターンや戦術が組み込まれてるから実物とほぼ同じ動きをする。因みに演習弾だけどしっかり撃ってくるよ、魚雷とかもちゃんと付いてるからね」
「これと戦うんですか?」
「しっかり、演習弾が当たるとダメージ換算とかして実物と同様の耐久力だからちゃんと沈むくらい撃ち込めば停止するよ」
「凄い技術ですね...」
「うちの工作コンビの技術力はずば抜けてるからね」
確かに、これなら沈む心配もなく強くなれる....流石最前線....
「そんじゃ始めるよ?」
「はい!」
ヴンダーside
うーん、中々できる子だな...士官学校の実技もたかが知れてると思ってたけど悪くない子もいるんだな...
「あの子、どうだった?」
「加賀さん、割と悪くないと思いますよ
基礎は及第点....成長速度も中々のものでしたからね。そう遠く無いうちに前線にも出せるレベルになるかと」
「あら、貴方が高く見積もるなんて珍しいわね」
「えぇ、後輩が出来て浮かれてるのかもしれませんね」
評価の割には結果がと思うかもしれないがあくまでも吹雪の使ってる装備はここでは旧式の域を出ないものだ。
そこを加味すれば伸び代はかなりのものだろう。
「でも提督にお願いして、俺が艤装にテコ入れしても良いと思えるのは事実ですよ」
「仮に彼女にやるとしたらどうなるのかしら?」
「全体的に上がると思いますが....速度面を重視する事になりますかね。具体的には俺の水上と同等くらいは目指したいですかね....」
「....駆逐艦最速艦が変わりそうね」
何れにしても、取り敢えずは練度のアップと艦隊での動き方とかを覚えさせよう
吹雪side
<数日後>
「今のところ敵影なしはありませんね... 」
「どうなってるの....」
鎮守府に来て数日後、先輩との特訓を経てそこそこの練度となったある日成果の確認の為に難易度の低い海域に出撃することになった。そこは先日までは前線から流れ出てくる深海棲艦が居るので探さずとも動き回っていれば会敵する筈ですが...
「かれこれ30分は探し回ってるのに何もいない...」
「レーダーにも反応がない...どうなってやがる...」
今まで強気な態度だった天龍さんもこれには気味悪がっているようです...何だか嫌な予感がする....
「!敵影確認....戦艦2、空母3、軽巡3、駆逐2!?」
「な....空母が居るなんて聞いてないぞ!?」
こちらには制空権を取る手段なんて無いのに...3隻も...!
「救援要請は?!」
「今やった所...流石にこのメンバーじゃ全員の生存は保証できないわね...」
現状のメンバーは私と叢雲、天龍さんに龍田さん...この海域では軽巡もたまにしか会敵しないということで念の為で来た3人以外は誰もいない
「!艦載機来るわよ!」
!まずい....いや、先輩の特訓と比べれば
「なんて事ない!」ドン!ドン!
よし、艦載機もしっかり落ちてる!
これなら持ちこたえられる!
「吹雪!そっちに一体行ったわよ!」
「了解!」
私の方に黒い影が向かってくる
でもタイミングを合わせれば....
『━━━━━━━━━━━━━━━!!』
言葉に出来ない叫び声を上げて口を開けて砲塔の狙いをつけようとする...でも
「そこ!!」ドン!
ドコン!
よし!天龍さん達が戦艦を相手してくれてる間にこっちを
「フン!」ガシッ
「うっ!?」
顔を押さえつけられた!?
こういう時は....
「ナイフですか?」
「そ、持っといた方がいいよ。持ち運びにも困らないし」
そう言うと折りたたみ式の大きめのナイフを渡される
「でも、天龍さんたちみたいに近接戦なんてするつもりないですよ?」
「わかってる、別に近接戦とかに使うだけじゃないくて例えば相手に組み付かれたりした時簡単には抜け出せないよね?」
「はい、深海棲艦の力は基本的に艦娘と同等かそれ以上だという事は学校で習いました」
「うん、そんな時にナイフとかあれば例え力がなくても簡単に抜け出せる。体のどこかしらに刺せば思わず手を離すだろうしね、そこをドカンとやる訳だ」
「(そこ!)」グサッ!
「ナ!?」サッ
よし、手を離した!
「喰らえ!」ドン!
「ガアッ!」バシャン
ゼロ距離なら駆逐艦の火力でも軽巡は倒せる....これならいける
「吹雪!危ない!」
「へ?」
ズギャン!
「う...あ..」
戦艦の...砲撃...?
艤装がやられた...これじゃもう動けない....大破したかな....
ブウウウン
「艦載機...!?」
まずい...ここまでなの...?
ズガガガガガガ!!!
「え...?」
艦載機が...全部落ちた!?
30はあったのに
「おいおい、何諦めてるんだ?俺はそんなに諦めやすい性格に育てた覚えはないぞ?」
「先輩...!何でここに....」
「そりゃ、かわいい後輩のピンチとあれば文字通り飛んで来るよ」
飛んで...そっか、飛べるんだった...
「思ったより早いな!」
「うん、みんな置いて瞬で来たからな」
「吹雪は?!」
「何とかセーフ、大破してるからいま修理妖精さんに頑張ってもらってる」
『『『おう!』』』ピシッ!
こんな事までできるなんて...先輩って何者...?
「龍田、吹雪頼む。後は俺がやるから手出さないでくれ」
「あら?お怒り?」
「うん、超お怒りだよ。んじゃ行ってくる」
そう言うと先輩は艤装から丸鋸が付いた武器を取り出す
「やぁ、深海棲艦どもこんにちは...そしてさようなら」
その瞬間、先輩の纏う空気が一気に冷たくなった
「お前ら..人の後輩にこんな事しておいて生きて帰れると思うなよ?ぶち殺してやる
そう言うと敵に突撃していく。
その姿は正しく鬼神とも言い表せるほどだった。その後は一方的な戦いだった。
砲弾が飛んでくれば躱し、やり過ごし、そして弾き飛ばす。そして接近すれば一体ずつ切り裂いていく。逃げようとする敵も1人も残らず切り裂いていった。
「よし、終わったぞ天龍」
「お前返り血で凄い事になってるぞ!?」
「平気だよ、お?長門遅かったね」
「お前が早すぎるんだ!」
あの後、鎮守府に戻って入渠をした
幸いにも先輩の妖精さんのお陰で大破にも近かった損傷は中破規模にまで落ち着いていたためそこまで時間はかからなかった。
「艤装もボロボロにされたな....」
「すいません...私が至らなかったばかりに...」
「気にするな、むしろ大したもんだ」
私自身の怪我は治るのに時間はかかりませんでしたが艤装はかなりボロボロになってしまい、改修する事になり今終わったと知らされたので1度工廠に行き着けてみて欲しいとの事
「明石、出来たってほんと?」
「はい、吹雪ちゃんこっちよ」
明石の後を追っていくと私の艤装が出撃前の状態で置いてあった
「すごい...あんなにボロボロになってたのに」
「それだけじゃないわ、性能面も上昇していて装甲は戦艦の砲撃にも余裕で耐えられるようになり、火力面も魚雷と艦砲の威力がアップ。戦艦相手にも充分な威力を期待できるわ。そして、航行面はヴンダーと同等の速度で動けるようになったわ」
「そんなに...!」
「感謝するなら貴方の先輩にした方がいいわよ、設計から改修案の掛け合いまで殆ど1人でやったんだから」
「え?」
「...あの艦隊の出没を予測できなかったのは俺のせいでもある、多分最近あそこの海域で吹雪以外の練度の低い子達の実戦経験の場としていたのが向こうにバレてしまったんだろう....すまなかった」
「いえ、謝らないでください!先輩の特訓のお陰で生き残れたんですから!」
「...そう言って貰えるとありがたい。何か要望があったら言ってくれ」
「なら先輩、1つ頼みがあります」
「何だ?」
「これからも私に特訓つけてください!」
「!ああ!」
■おまけ(後日談)
茜「....」カキカキ
ヴンダー「....」ソワソワ
茜「.....」カキカキ
ヴンダー「....」ソワソワ
茜「...ねぇヴンダー」
ヴンダー「ん?どうした?」
茜「そんなに吹雪の事心配?」
ヴンダー「....もしかして顔に出てた?」
茜「うん、態度に出てた」
ヴンダー「そうか、気を付けるよ」
茜「え、えぇ」
ヴンダー「....」ソワソワ
茜(ダメだこれ...完全に過保護になってる...)
その後、吹雪の練度が充分なものとなるまでこの無意識の過保護は続いたのだとか.....
■艤装改修後の吹雪のスペック
火力面
艦砲は改修によって弾速及び貫徹力の強化。
そして冷却時間の短縮によって連射能力の強化、装弾数も増加している。
魚雷は装填数が増加、また威力も向上している
因みにプログレッシブナイフも装備している
装甲面
艤装に特殊装甲板を使用しているのでモロに喰らっても戦艦の砲弾を弾くほど
航行面
擬似S2機関を補助として使うことによりヴンダーくんと同速の移動と高速戦闘が可能になった
アンケートの結果かなりの大差で出して欲しい票が入ったので出す方針で行きたいと思います
あわよくばヴンダーくんvsNHGシリーズの演習とか書きたい...
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ヴンダーくんとほっぽちゃん
ヴンダーside
「「「....」」」
遠征組の救難信号を受けて俺達は救助に向かった
仮にも練度では他のメンバーと遅れを取らない編成であるにも関わらず非常事態を伝える救難信号を使うあたりよっぽどの事があったのだろうと思いながら向かっていたが着きた時には....いや、確かに非常事態と言えるかもしれないが....
「....何、この状況」
うんグラーフ、気持ちはわかるぞ。
今の状況をわかりやすく説明すると、凄い疲れた顔をしている天龍も困惑している龍田、そして唖然とする駆逐艦組そしてなにより....
「....オマエラノ鎮守府ニツレテケ」
天龍は人質と言わんばかりに天龍の上に肩車されている北方棲姫と言えばわかるだろう
「そうか」ジャキ
「待て待て、天龍ごとやる気か?!」
「大丈夫だ、綺麗にやる」
「そうじゃない!そっちの方向じゃなくて引き剥がす方向で行こうよ!?」
「それがねぇ....引っ張って引き剥がそうとしても取れないのよ...無理にやろうとすると天龍ちゃんの毛根が消えそうなの」
「えぇ....」
というか、鎮守府に連れてけってどういう事だよ?
「何かこの子ちょっと目的ズレてない?」
「別ニ、戦イニ来タワケジャナイ」
「え、そうなの?」
「家出シテキタ」
「家....なんて?」
は?家出?深海棲艦が?....職場環境の問題かな?
「え?何で?」
「オネエチャンガホッポノプリン食ベタ。底ノホウニ名前モ書イテアッタノニ....」
いや、どういう事なの....
「...まさか、態と外してたのか?」
「どういう事?」
「実はコイツが俺の頭に取り付く前に艦載機の攻撃にあってな、かなり狙いがガバガバだったんだ」
「つまり...最初から天龍の頭に乗って移動しようとしてたのか」
確かに、鎮守府に行くという目的はこれで達成できるし
家出という言い分が本当ならそれも納得がいく、ただ...
「俺達とは何で戦わないんだ?もしかしたら俺がお前の要求を拒否するかもしれないのに」
「ホッポタチ...戦イニ疲レテ逃ゲテキタ」
....あれ?これなんか俺地雷踏んじゃった奴かな?
「家出とは別だよね...?」
「ウン、逃ゲテキタ先ノ家カラ家出シテキタ」
「
「そうだな...すまんが天龍、そのまま帰るぞ」
「えぇ...首疲れてきたぞ....」
「成程ね...深海棲艦の脱走兵なんて聞いたことないわよ」
「ですよね....」
ホッポ
「まずは天龍の頭から引き剥がす方法から考えましょう」
「だな...力づくは天龍が禿げちゃうからな...」
「試行錯誤しましょうか」
まずは烈風で釣る
「行けるのそれ...」
「でも興味深々だったしワンチャン...という訳で加賀さんよろしくお願いします」
「...まぁ、やってみるわ」パシュ!
加賀さんの撃った矢が航空機に変わる
今回はあくまで見せることが目的なので武装などは付けていないが...どうだ?
「... !レップウ....」キラキラ
「お?いいんじゃないか?これ」
興味深々の様子、これで後は降りてもらえば....
「ネェ、レップウノ方ニイッテ」
「...いや、降りるという選択肢はないのか?」
「動カナイナラ髪引キチギルヨ」ブチッ
「痛たたた!!わかった、わかったから!」
ダメか...この様子だともので釣ってもどうしようもない感じが....いや待てよ?
「...これなら行けるかも」
「え?何か策があるの?」
「ちょっと時間が必要だがな、少し待っててくれ天龍」
「早くしてくれ...俺の髪がなくなる前に....」
1時間後
「待たせたな」
「随分遅かったわね....え、ケーキ?」
「そ、ケーキ」
「まさか、作ってきたの?」
「スポンジは事前に作ってあったから、後はクリームと組み立てだけだったからな」
俺が持ってきたのは大きめのショートケーキのホールである。因みに味の方は自信があるから大丈夫。
「それでどうするの?」
「フッフッフ...任せたまえ。残酷な方法を取らせてもらう....」
「北方棲姫!お前はもう包囲されている!無駄な抵抗を止めて天龍の頭から降りてこい!」
「ソレ以上近ヅクナ!近付イタラコイツノ髪ヲ引キチギルゾ!!」
「何...あれ?」
「完全に立てこもり犯みたいな感じになってる.... 」
「いや、ある意味立てこもってるよ」
「そうか、今頭から降りてきたらこのケーキをホール一個分やろう」
「ケーキ...!」キラキラ
「そうだ、わかったら天龍の頭の上から降りてくるんだ」
「イヤダ!オイオマエ!ケーキノトコロニイケ!」
「おっと天龍を動かすのは無しだぞ!」
「ナ!?ナラ、ソノケーキヲ持ッテコイ!サモナイトコイツノ髪ヲ引キチギルゾ!」
「やっぱだめかしら....」
「そうか、なら没収だ」
「エ?」
「髪をちぎろうとする悪い子にはケーキは没収だ。こいつは六駆のみんなにあげようか」
そう、これぞ『悪い子にはあげない』作戦である
これならこちらの優位は覆ることも無い
「お?効いてるぞ」
「ワ、ワカッタ...オリルカラ没収シナイデ...」ウルウル
「え、あ、うん。それじゃ降りようね...よっと」ヒョイ
取り敢えず天龍の毛根が枯れ果てる前にほっぽちゃんを引き剥がすことに成功した
ちなみに今は俺の膝の上でケーキ食べてる
「どう?美味しい?」
「ウン、ヴンダーガ作ッタノカ?」モグモグ
「おう、中々好評のようで良かった」
最近料理にハマって試しにスイーツ作ってたら時津風&雪風に見つかってそこから駆逐艦のみんなに作ってとせがまれる事が多くなった。まぁ、今日のは完全に自分で食べる用と長門とかと食べる分だったんだが....
「ヴンダー...これどういう状況だ?」
「お、矢矧か実は━━━━━━━━━━━━━━━」
「成程...お前も大変だな」
「まぁな...ほらほっぽ矢矧お姉ちゃんだぞ?」
「ン?....ヤハギ....」
「ん?どうした?」
「イヤ、ナンデモナイ(スゴイウラヤマシソウナ目デ見テクル....)」
「?そうか?」
さて、どうしようかな...提督からは一先ず面倒見てやれと言われてる手前、放置する訳にも...
「...ネェ、ヴンダー」
「ん?どうした?」
「プリン作レル?」
「プリン?その程度ならできるぞ」
「ジャア作リ方教エテ、オネエチャントイモウトニアゲル」
おおう...割といい子だな...いや、いい子なら家出もしないし天龍の髪の毛引きちぎったりしないか
「いいよ」
「ヤハギモイッショニ作ロ」
「え?」
「ダメ?」ウルウル
「うっ...」
「いいじゃん、矢矧たしかこの後予定無かっただろ?」
「まぁ、いいか」
「ワーイ!」ピョンピョン
信じられるか?かわいい女の子みたいだろ?あれが人類を脅かす深海棲艦の1人なんだぜ?
「それじゃ、作っていきましょう!」
「オー!」
「それで、最初は何からするんだ?」
「まずはカラメルだな...」
━━━━━━━━━━━━━━━
「モウスコシカ?」
「いや、もういい感じかな後はプリン型に入れちゃって良いと思うよ」
「はい、火傷しないようにな」
「はは、何か矢矧お母さんみたいになってるぞ」
「ジャア、ヴンダーハパパダネ」
「な!?」
「おう、お父さんはお母さんを大切にしなきゃな」
「子持ちって....その...///」
ジュ-
「ア」
「ちょ!火消して!」
━━━━━━━━━━━━━━━
「はい、牛乳いれるぞー。泡立てないようにしろよー」
「ハーイ!」
「....何だか見てて微笑ましいな」
「そうだな...」
「デキタゾー!」
「よし、じゃあ...」
━━━━━━━━━━━━━━━
「デ、デキタ!」
おー結構上手にできたな、後は箱とかに移して冷蔵庫に保管しとけば大丈夫だな
『ヴンダーは北方棲姫を連れて執務室に来るように』
ん?呼び出し?しかもほっぽ繋がりっぽいな
「よし、行くぞー」ダキアゲ
「ハーイ」
「(完全に父親だな....)」
コンコン
『どうぞー』
「失礼しま...え?」ガチャ
執務室のドアを開けたと思ったら誰かいる...見た感じ深海棲艦か...?
あ、もしかして
「オネエチャン!」
「ほっぽ!探したわよ!」
やっぱりお迎えか...というかメッチャ言葉流暢だな...
「提督、この人って」
「うん、あの子の姉ね。1番上の姉らしいわ」
「ってことは姉2人に妹1人か」
「...なんでそんなことまで知ってるの?」
「ほっぽから聞いた、後あの人めっちゃ言葉流暢だな」
「元有人島の島に住んでるみたいで残ってる雑誌とかテレビとかで勉強したみたいよ」
へぇーすっごい...因みに名前も把握済み
確かに港湾棲姫だったっけ?
「さ、帰るわよ」
「ア、チョット待ッテテ」テクテク
〈数分後〉
「ジャーン!」
「それは...?」
「ヴンダート作ッタプリン」
「頑張って作ってましたよ、後で褒めてあげてください」
「すいません、お世話になりました」スイ-
「バイバーイ」スイ-
「じゃあな」
「深海棲艦にもああいうのいるのね」
「...だな」
「実は港湾棲姫と少し話してたんだけど、その時何で人間を攻撃するのか聞いてみたのよ」
「何て言ってたの?」
「『分からない』よ」
「...は?」
「詳しく言えば元々は目的があった...でも戦いの長期戦化によっておそらくそれも忘れ去られたんだと思うわ」
「...」
滑稽だな...今や誰もが怨念や恨み、そして的外れの目的を殆ど分かってないなんて。しかもお互いに引けないところまで来てしまっている。
「...この戦争、もしかしたら講和になったりするのかな?」
「さぁ、でもあるかもね」
〈後日〉
「マタ遊ビニ来タ!」
「アネキ待ッテクレヨー!」
「えぇ...」
何かまた1人増えたぞ....妹?
「ほっぽ!お前俺に捕まろうとするな!妹を見習え!」
「天龍ちゃん、送迎バスと化したわね」
■おまけ
<ちょっと前>
テレビ「完成です、それでは本日使った材料を....」
ヴンダー「料理か...そう言えばやったことないな...ちょっとなにか作ってみよう」
━━━━━━━━━━━━━━━
ダークマター「やぁ」
ヴンダー「oh...これはどうにかしなくては....」
<一週間後>
カルボナーラ「すごい美味そうだろ?美味いんだぜ」
ヴンダー「間宮さんのレッスンのお陰でそれなりになんとかなったな....何かスイーツでも作ってみるか」
この後駆逐艦達にスイーツ作ってるところを見られて全部食べられるのは言うまでもない
ヴンダーくんの料理スキルは専門店より下ですが手作りにしては超美味しいみたいな感じです。
この作品ではほっぽちゃんの家系図は
長女港湾棲姫、次女飛行場姫、三女北方棲姫、四女北方棲妹みたいな感じです
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ヴンダーくんの没ネタと小ネタ
今回は没ネタ及び出そうと思ってたけど字数の関係上出せなかった小ネタ集です。
中にはわかってないとわからないネタがあります。
気になった人はYoutubeで『ヘルシング ウォルター』で検索かけてみてくれ
■ヴンダーくんとお酒
ヴンダーside
「なぁ、ヴンダー」
「ん?どうした長門」
「お前って酒は飲めるか」
「酒...?いや、飲んだたことないからわからないな...」
艦船の頃とかはそんなの飲めるほど物資に余裕もなかったからな....美味しいのかな、あれ
「良かったら今晩鳳翔さんの店で飲まないか?グラーフもいるぞ?」
「え?でも...飲めるかな」
「大丈夫だ、酔い潰れたら介抱してやる」
「悪いな、じゃあ俺も行くよ」
<ちょっと前>
長門side
「グラーフ、ヴンダーの好みのタイプとか知らないか?」
「知ってたら活用してるさ...
だよな...何かしら聞き出せられれば...そうだ
「酒で酔わせて聞き出せばいいのか」
「お前...それは流石にダメだろ...」
「いいのかグラーフ!このままじゃ頼もしい戦友としか見られないぞ!お前もあいつの事が好きなんだろ?」
「...わかった、鳳翔に根回しして度数の高い物を用意してもらおう」
「よし、誘うのは任せろ」
ヴンダーside
ガラガラ
「いらっしゃい、そこの席に座って」
「待ってたぞ、座れ座れ」
「あぁ、グラーフはもう飲んでるのか」
「
おぉ...流石ドイツ生まれ、ビールのジョッキデカイな....
「はい、これなら飲みやすいと思うぞ」
「お、ありがとな。それじゃ...」
「「「かんぱーい!」」」
「すごいな、お酒って美味しくないとか聞くが割と美味しいな」
「種類によるだろうな(すまない
「焼酎とかは好みが別れるだろうな(後は頃合いを見てタイプを聞くと...卑怯とは言うまいな?)」
「よし、じゃんじゃん飲むか!」
「「あぁ!(勝った!)」」
<3時間後>
「うぅ....」ダキツキ
おいおい、長門って酔うと抱きつき癖とかあるのか...意外だな。普段とのギャップの差よ
「なぁ~ますたぁ~きすしようよ~」グイグイ
「しないからな?女の子ならそこらへん気をつけようぜ?」
「ねぇ~」
ダメだ聞いてない...グラーフはキス魔になるのか...
「大変そうですね」
「あ、すいません。まさかこっちが酔いつぶれちゃうなんて...」
いや、多分俺が強すぎる説があるな
一応大ジョッキ5杯と日本酒2瓶飲んでるからな...
「文字通り両手に花だなこりゃ」
「あら、そういうのがタイプだったりするんですか?」
「いや、俺は『可愛げのある人』とか『ギャップがすごい人』...あとは『少し天然』だとかなんで」
「あらあら、そろそろご勘定かしら?」
「あ、はい。すいません...」
鳳翔side
「それじゃ、ごちそうさまでした」ガラガラ
さてと...
「まったく、あの子は周囲からの好意に疎すぎるわね....」
<ちょっと前>
「度数の高いお酒?」
「あ、ああ。何本か用意して貰えると助かるんだが....」
「わかりました、でも何につかうんですか?」
「あ、いや...その...」
「言ってもらえれば協力なりなんなりしますよ?」
「...実は━━━━━━━━━━━━━━━」
「なるほど...」
「あ、本人には言わないでくれよ....?」
「大丈夫ですよ、誰にもいいませんから」
「そうか、よかった」ホッ
━━━━━━━━━━━━━━━
「まぁ、聞けましたし後日あの子達に伝えておいきましょうか」
にしても、ヴンダーさん鈍感すぎるのでは....もしかしてわざとですかね...?
<ウォルター・A・ヴンダー>※没ネタ
NOside
鎮守府近海にて
『レ級、ソノママ奇襲シロ』
「了解ダ(トテツモナ要塞ト聞イテイタガ所詮ハ艦娘...隠密スレバドウモイウコトハ無イ)」
そのレ級の背後には100を超える深海棲艦の艦隊...警戒網を時間をかけて突破したつもりなのだろう。その慢心がよくなかった
シュイン
「!?」
バシャバシャバシャッ!
突如として艦隊の3割が細切れとなったのである
「外したか...やはりそう上手くいくものではないな」
そう言いながらゆっくりと近づいてくる男。その周りには糸のようなものが漂っている。
「AAAヴンダー、第一佐世保鎮守府所属そして第一艦隊旗艦...」
シュイン!
突如として男の周りに漂っていた糸がレ級たちの方へ向かっていく。
「ッ!!撃テェ!」
ズガガガガ!
レ級の連れていた艦隊が一斉に砲撃する...が
「鈍い...やはり所詮は寄せ集めか...この数の艦隊で警戒網を抜けるのは敵ながらあっぱれだが、これでは鎮守府を落とすにはほどど遠い...ふん!」シュリン!
ズババババン!
「ナ....!!??」
砲弾を掻い潜り、糸を手繰る...それだけで半分以上がサイコロステーキのようになってしまった
「小便は済ませたか?」
じりじりとにじり寄ってくる
「神様にお祈りは?」
その姿と気迫は正しく、
「俺の前でガタガタ震えて命乞いする心の準備はOK?」
まさしく死刑宣告...しかし
「....フフフ、アハッハッハッ!!」
レ級は笑み崩さなかった
「ソウコナクテハナ!楽勝スギテツマンナイト思ッテタトコロダ!」
パチン!
レ級が指を鳴らすと艦隊が盾を持った深海棲艦を前にスパルタ兵のごとく隊列をなしていく
「ほぉ」
「マーチ!」
そのままヴンダーの方へ向かっていく。
確かにこれなら糸による攻撃は防御できるだろう、糸ならば
「吹雪、
『り、了解です』
そんな吹雪の手には大型ライフル『パンテラ』その照準は既に敵に向けられていた
ドォン!
その一撃は盾を構えていた深海棲艦の列を貫通して後方にまで届いた
『へ!?(なんて威力...)』
「第2射、N2榴弾信管VT敵戦列中央!」
『は、はい!』
すぐさまリロードを行う、がそれを黙って見てるようではなかった
「クソッタレガァ!!」ダッ
両手に艦砲を携えたレ級がヴンダーに突撃していく、そして
「喰ラエ!!」
ズガガガガガガ!
冷却時間無視の連続斉射...だが
「(無傷カ....)」
糸で弾いたらしくヴンダー自身にはまったく当たっていない
「クタバリヤガレッ!?」カチャ
再び構え直し斉射しようとするがヴンダーのほうが早かった
シュイン
「ッ!クソォ!喰ラエ!!」チャキ
耳を切り落とされたにも関わらず再び艦砲を構え直し撃とうするが...
パシッ
「ウグッ!?」
「捕まえました...」
射撃による艦隊の殲滅を終えた吹雪がレ級を拘束によって決着となった。
<秘書艦ヴンダーくん>
ヴンダーside
「今日の秘書艦はヴンダーね」
「あぁ、よろしく頼む」
今日は俺が秘書艦の日だ。
秘書艦の仕事の内容は具体的には書類の誤字脱字のチェックと書類の整理、そして必要な資料の貸し出しなどである。
「提督、ここ抜けてるぞ」
「あら、ごめんね」カキカキ
そんな俺も片手間に経費とかの予算系をやっている。
MAGlシステムのお陰で計算が楽だわ
「はい、こっちもよろしくね」
「おう」カキカキ
やはり俺がやるとペースが早いな....
おかげで机の上にあった書類の山はなくなった
コンコン
「どうぞー」
「失礼するわ、演習の報告に来たわ」ガチャ
どうや、報告書を提出しに来たようだ
「はい、ご苦労さん。部屋で休んでくれ」
「えぇ、皆にも伝えとくわ。それじゃ頑張りなさい」バタン
ふぅ、あと少しだな....
「コーヒーか何か入れてこよう、ロールケーキ作って来たんだ。少し休憩にしないか?」
「あら、気が利くわね。それじゃ...砂糖抜きでお願い」
「はいよ」
休憩を挟んで、少し疲れた体に喝をいれつつ頑張ってこなして行く。
コンコン
「どうぞー」
「失礼します、ヴンダー先輩いますか?」
「吹雪か...あ」
やっべ...今日特訓つける予定だった...
「行ってきなさい、後は私1人でもできるから」
「...わかった、すまないな。行くぞ吹雪」
「はい!」
バタン
「ふぅ....」
いやぁ、吹雪の成長率ハンパないな...教えた事をスポンジの如く吸収していくな....もう夕方だし執務室に帰ろ
コンコン
「失礼します...おや?」
「スゥ...zzz」
あちゃー寝ちゃってんなこれ....
何で俺の上司っていつも無茶するんだろ
「毛布かけてと...後やっとくか」
「んん....」ネボケ
「あ起きた、おはよう」
「ヴンダー...今何時...」チラッ
『21:30』
「へ!?やばい寝すぎた!執務がまだ...あれ?終わってる?」
「俺が終わらせといた、今夜食作ってるけどいる?」
「ヴンダー...ホント助かった...」
「はは、これに懲りたら徹夜とかはしちゃだめだよ?」
「すいません...」
この後、ご飯を食べさせて風呂に入った提督を私室にて寝かせた。うん、徹夜、ダメ、絶対
没ネタ『ウォルター・A・ヴンダー』より
■鋼線の正体
『ATF収束型フィンガーグローブ』
パッと見は普通のフィンガーグローブだがヴンダーくんが着けることによってATFを糸状に収束、とてつもない切れ味と化す。ただ、使用中は防御にATフィールドを使えなくなる。因みに盾は切れないとか言われているが余裕で切れる
セラス枠は完全に吹雪です。
というか後輩吹雪の話書いてる途中に思い浮かんだネタですね
因みに防衛戦のコメントから今回のネタを思いつきました
■『ヴンダーくんとお酒』の後書き
ヴンダーくんはかなり酒に強いです。
下手したらあれでも少しあったかくなった程度。
ただ、スピリタスとか飲みまくると酔う
■『秘書艦ヴンダーくん』の後書き
これも本編で書きたかったネタです
どちらかと言うと仕事が出来るというタイプではなくできる男的なものを書きたかった。
因みにヴンダーくんは茜とミサトさんはどこか通ずる所があると思ってます
総合評価が100を超えて評価バーがオレンジになっておられる...感謝ッ!!圧倒的感謝ッッ!!!
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神殺し 姉妹と再会する
結構独自解釈があります
お気に入りが100を超えました!
ありがとう....ありがとう....!
ヴンダーside
防衛戦の傷跡が完全に癒え、物資や備蓄にも余裕が出来始めた今日この頃、本格的に海域の奪取に取り掛かり始め人類は数年前の大規模作戦以来の攻勢に躍り出た。
いや、別に大規模なものではなく鎮守府で行われる少しずつの地味なものではある。
まともな海域進出は初めてなので少し興奮気味なのもあるけど正直ようやく反撃してる感が出てき始めた。
向こうも大規模侵攻によって疲弊していたようでそこそこ順調に進んでる、ただ....
「「「「.....」」」」
うちの第一艦隊雰囲気悪すぎでは...?
メンバーは旗艦にまず
「...!二時方向に深海棲艦の艦隊を確認した!」
「!全艦戦闘態勢に入れ!グラーフ、詳細は?」
「空母3戦艦2重巡3軽巡3駆逐2...姫級および鬼級は見られない」
よし、取り敢えず面倒な奴らはいないな...
「グラーフ、制空権は?」
「楽勝だ、既に確保済みだ」
「流石だな...右舷砲撃戦用意!超電磁榴弾装填...大井、矢矧、吹雪先制雷撃いけるか?」
「フン、舐めないでよ!」バシュ
「余裕だな」バシュ
「問題ありません!」バシュ
うん、うちの雷撃担当は頼りになるな...
ズドーン!ズドーン!
敵艦隊に無数の水柱があがる
敵の被害は駆逐艦、巡洋艦は轟沈...あとは小破か中破みたいだな
「照準2-1-0...撃ち方始め!」
ズガァン!ズガァン!
俺と長門の砲撃が残った深海棲艦を撃ち抜き、残った戦艦と空母を一つ残らず沈める。
「敵残存戦力なし...艦載機も落としたぞ」
「了解、総員第2種警戒態勢に入れ」
「了解...!3時方向からまた来たぞ!敵数はさっきの倍近いな...」
またか...しかも数も増えてるな...
まぁ、問題ないが
「詳細は?」
「戦艦7空母5軽巡と重巡が7駆逐6...?付近に別艦隊を確認...これは、艦娘!?」
「何!?どういうことだ!」
「所属不明の戦艦が3隻...敵艦隊の近くにいるぞ!」
戦艦が3隻だけ...?
仲間とはぐれたのか...?
『ヴンダーさん!所属不明の戦艦を解析しました!』
「どうだ?何か分かったか?」
『おそらく....NHG型かと!』
「...はぁ!?」
「どうした!?」
まさか...あいつらなのか?
いや、でもそれなら3隻だけでいるのにも納得がいく....
「...もしかして、知り合いなのか?」
「...俺の同型艦だ」
「「「「!?」」」」
「姉妹艦か...お前にも居たんだな」
「ちょっと訳ありでな...」
うん...ちょっとどころじゃないな。
普通姉妹艦で殺し合いとかしないしな...
『NHG艦より高エネルギー反応!』
「え!?」
ピコン!
ドォン!
「...敵艦隊、蒸発したな...」
「「「「」」」」
いや、そうなるよな...相変わらずとんでもない火力だな...通信とかできるかな?
『NHG艦の1隻と通信が繋がってます!』
「できるのか....こちらAAAヴンダー、聞こえるなら応答頼む」
『こちらエアレーズング、その声は兄さん!?』
「あぁ、そっちは大丈夫か?」
『は、はい。エルブズとゲベートも一緒にいます...あの、今のは...』
「話は後だ、取り敢えず合流して俺の鎮守府に行こう」
<執務室>
「それで、彼女達が貴方の姉妹艦ね」
「はい」
あの後、この世界の事と深海棲艦の事を説明し提督に事情を説明し1度退却した。
「二番艦エアレーズングです、よろしくお願いします!」
深紅のロングヘアーとカチューシャ、金の装飾に飾られた黒い軍服の上着を肩にかけず着流しており、ノースリーブのシャツとスカートとという服装である。
「三番艦エルブズュンデ、よろしくねー」
紺色にも似た青色の髪を頭の後ろでまとめポニーテールのようにしている。服装はエアレーズングと似たような感じだな。
「よ、四番艦ゲベートです!よろしくお願いします」
銀髪のツインテと何かどこかでみた事あるような仮面の髪留めを付けている。
改めて見ると....まぁ...
「身長差激しくない?」
「言うな、何も言うな」
うん、俺とエルブズの身長は普通だ。
170と160といった感じであるがレーズンとゲベートの身長差が姉妹じゃなくて親子みたいになってる。190cmと120cmはおかしい。おかげでゲベートは六駆の姉妹と言われても自然なまである。
レーズンは長身過ぎる...多分艦娘の中では1番高いだろう。
「さて、これから貴方達はどうするの?」
「取り敢えず兄貴と一緒に居よっかな?」
「ゲベートは皆といれれば...」
「私も兄さんと一緒で...」
「...へぇ、ヴンダー貴方愛されてるわね」ニヤニヤ
「...うっせ」
「部屋割りはヴンダーと同室でいいわね?」
「「「はい」」」
え?同じ部屋でいいの?
「それじゃ、後はよろしくね」
「えぇ...適当過ぎでは?」
「さて、ここだ。ベットはどれがいい?」
「ゲベートは窓の近くがいいです!」
「そんじゃ1番手前で、寝られそうだし」
「じゃあ、私は奥から二番目で」
あの後寝間着とか消耗品を明石からもらって部屋に案内した。俺達の部屋は他の艦より大きめの部屋ということもありホテルの部屋みたいな間取りとなっている。
「アタシ、ゲベートと風呂入ってくるね」
「あぁ、いってらっしゃい」
バタン
にしてもあの3人が来れば人類勝ったんじゃないか?正直俺より断然強いし...
「あの...兄さん」
「どうした?」
「その...艦船の時の事でちょっと...」
...まぁ、気にするよな。
「言っておくがあの時は組織間の違いやお互いの境遇があって戦うことになったんだ。別にお前達が俺を沈めようと思ってそうしたとは微塵も思ってないしお前が気に病むことでもない」
「でも...」
「あーもう!」ダキッ
「ふぇ!?」
「『でも』も『だって』もない!そうやって何時までも引きずるのはお前の悪い癖だ。それでも今と過去は別だ、いい加減切り替えろ。今は俺がお兄ちゃんだ、目いっぱい甘えろ」
「...!はい!」
この後しばらくハグしてたら帰ってきたエルブズとゲベートにも抱きつかれた。
「レーズンそろそろ...(脚が痺れてきた...)」
「んん...もう少し...」ギュ
ガチャ
「ただいま~って二人ともズルイなぁ...えい♪」ダキッ
「ゲベートも!」ダキッ
「oh....(グッバイ俺の脚.....)」
■NERV艦紹介
・二番艦エアレーズング
容姿
深紅のロングヘアーを黒色のカチューシャで整えている。服装は本文と同じでNERV艦は服装があれで統一されている。長身女子であり兄より20cmほど高い
因みに名前が長いので「レーズン」と呼ばれている
性格
基本的に誰にも優しいが責任感が人一倍強いので艦船時代にヴンダーと戦い、撃ちまくったことを気にしてる。
因みにブラコンである
艤装
ヴンダーくんと形状は一緒
相違点は武装とアンテナがクリスタルに置き変わっていることくらい
性能
完成していることもあり火力、装甲共にヴンダーくん以上であり武装はレーザー砲台で第二船体上部に4門、船底に2門、後方に1門。エネルギー系の武装なので弾薬を消費しない。
航行面では主機の性能差もありヴンダーくんには劣るがそれでも早い。なお、無人機としての運用が主であったためNERV艦には妖精さんがいない。
・三番艦エルブズュンデ
容姿
青色の髪をポニーテールにしてまとめている。
紺色のフレームのメガネをかけている。
身長は160代とヴンダーくんより小さめ
性格
「~。」と伸ばしがちのマイペースな性格とおっとりさがあり、真面目な時とオフの時の差が激しい。またエアレーズングと同じく名前が呼びずらいので「エルブズ」と呼ばれている。表には出さないがブラコンである
性能
武装はレーザー砲台2門のみと未完成ではあったがそれでも火力は凄まじい、装甲と航行面はエアレーズングと同じ
四番艦ゲベート
容姿
銀髪に近い白髪をツインテールにしてまとめている。
またサキエルの仮面の髪留めをつけている。
身長120の完全に駆逐艦サイズであるにも関わらず超力持ちで艤装のサイズは兄姉と変わらない
性格
子供っぽい無邪気さがありどんな人にも好かれやすくどことなく気弱。戦闘時ではそういった子供らしさや年相応の雰囲気がなくなり、容赦がなくなる。
ヴンダー含む兄姉が大好き。
性能
武装は艦船の頃に時間がなかったこともあってか初期状態では主砲は装備してないが近接武器に量産機の使っていた『諸刃の剣』を装備している。ただロンギヌスには変形しない。仮にレーザー砲台を装備すると他の二人と変わらない火力で使える。装甲、航行面は二人と同じ
ヴンダーくんはどこぞの10人兄弟のお兄ちゃんみたいに超シスコンとかではない。ただ吹雪の時以上に過保護ではある。
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神殺し 妹達の力を知る
ちょっとしたテコ入れと独自解釈が入ってますのでご了承ください。
ヴンダーside
妹達と感動(?)の再会を喫した次の日、一先ず未知の艦船ということもあり性能データを測ることとなった。
といってもやる事自体は俺の時と何ら変わらない。
ただ標的の材質が特殊装甲板と同一の物となり、追いかけっこのメンバーを変えて俺と吹雪も参加するというだけである。
<エアレーズングの場合>
『火力測定』
「先ずは火力を測る...正直やらなくても結果はわかるが、主砲一門であの的を狙ってくれ」
「わかりました!」ガコン!
ピコン!
ズガァン!
...ですよねー。
うん、木っ端微塵だね!これ深海棲艦死んだじゃないかな....というか火力そのものは艦船の頃と変わらない感じか...一斉掃射したら超広範囲攻撃になって味方が巻き込まれかねないぞ。射程も視線が通っていれば基本的にいけるだろうし。これは中々艦隊に組み込むのが難しそうだ...
「兄さん!出来ましたよ!」
「お、おう」ナデナデ
身長が20cmも上の妹に頭撫でるの何か複雑....嬉しいような悲しいような....
『装甲測定』
俺の時は長門に撃ってもらってその時の損害から測っていたがこれに関しては艦船の頃に俺の改修前の砲撃をペチペチと弾いていたので測る必要はないとのこと。
『航行測定』
俺の時と同じく鬼ごっこで測定。
メンバーは叢雲、雪風、吹雪、俺といった感じである。
俺の時とは違い長門や青葉は追い抜かれるのが分かっているので抜いてある。
「ハァ....ハァ....兄さんはともかく吹雪ちゃん早くない!?」
「一応改修受けて水上では俺とほぼ同速で動けるからな」
「いや、これに着いてくるレーズンさんもおかしいでしょ.....」
「速攻で捕まると自信が....」
「ヴンダーさんの時よりは遅かったはずなのに...」
うん、叢雲と雪風はそんなに気落ちする事はないんだが...ごめん
『艤装の詳細』
最後に艤装の詳細だ。
といっても俺の物と大まかな形状は一緒で二对の翼と全体的な黒のカラーリングと鋭く尖った衝角そしてクリスタルみたいな奴が特徴的である。性能は船としての能力は俺より下であり、戦闘能力は俺以上といった感じ。
ただ、俺のように妖精さんが乗っていない無人機みたいな感じになっている。多分NERV艦には妖精さんが乗れないのだろう。無人機としての運用を目指していたのが関係しているのか...。
「すごいですよ...この装甲板とかヴンダーのより強度も高い..!しかもこのレーザー...どうやって出来てるのかな」カチャカチャ
「ヴンダーの時みたいに中に動力源が....」ワキワキ
「おい」
「「!!?」」ビクッ
「何か変な事したら...分かるよな?」E:アンチマテリアル丸ノコ
「「はいぃぃぃ!!」」ガクブル
...いつも助かってるからどうとも言えないがいい加減その艤装解体しようとする癖直らんのかね....
<エルブズュンデの場合>
『火力測定』
「よし、主砲一門であの的を狙ってくれ」
「おっけ~。」
ピコン!
ズガァン!
うん、レーズンの時と威力は同じ...いや少し高いか?
「これで終わり?」
「いや、もうちょっと付き合ってくれ」
「りょうか~い」
詳しく調べた所、砲撃の威力はレーズンより少し高いらしい...砲撃型とでも言うべきなのかな?...いや、もしかして突撃して翼で叩けるくらいだし近接は弱いとかか..?
『航行測定』
メンバーはさっきと変えずに鬼ごっこ。
結果は叢雲と雪風が捕まっていたがレーズンの時より時間がかかっていたようで雪風を捕まえたら直ぐに終わりとなった
『艤装の詳細』
「何か変わった所とかあるか?」
「いえ、特にレーズンさんのと何ら遜色ありません」
となると艦娘になった事で得意不得意が出来たのか...よく分からんな
「取り敢えずレーザー砲台を4門増設したいんだが...出来るか?」
「出来ますよ、完成時にはレーズンさんと同じような感じになるかと」
「よし、ゲベートにも6門頼む。資材は俺から提督に言ってみる」
「了解しました」
<ゲベートの場合>
ゲベートには主砲が備わってないのでレーズンのレーザー砲台を一つ借りて行うこととなった
「よし、あの的を狙ってくれ」
「はい!」ガコン
ピコン!
ズガァン!
...あれ?今までの中で1番火力低い...?
艦船の頃に主砲なんて撃ったことないからか...?
「どうですか?ゲベート頑張りました!」エッヘン
「おう、いい子だな」ナデナデ
「えへへ♪」
ホントに戦艦か?ていうくらい駆逐艦ぽいな。まぁ、可愛いからいいけど
「そう言えばゲベート」
「なんですか?」
「持ってた両刃の大剣?みたいな奴って見た事あったりする?」
「いえ...まったく知りません。気づいたら手に持ってて...」
気付いたらか....もしかしてNERVテクノロジーの代物だったりするか?
『航行測定』
メンバーは同じようにやってみたんだが...
「あれ、早くね?」
「確かに...小柄だからとかかな...」
「あっ!もう捕まった...」
「雪風ちゃん覚悟ーー!!」
「うわあああ!二人とも助けてー!」
いやコレそういうのじゃないから、助けるとか無理だよ...
「次は二人です!」ダッ
「やっべ!逃げろ!」
結果的に吹雪と俺は捕まらなかったが所々やや危ない場面はあった。ただあの二人よりも小回りがきいている気がした。
『艤装の詳細』
艤装そのものは他の二人とは変わらない....ただ問題は
「この剣だよな....」
調べてみたが特殊装甲板やプログレッシブナイフなどの材質とは異なる未知の原料が使われているようで耐久性や切れ味なども比にならないほどの性能を持つが....
「重た...これをゲベートは軽々と持ってたんだよな?」
「はい...正直渡された時ビビりましたよ。夕張と二人がかりでようやく運べるレベルですからね...」
...もしかして単純な腕力とかならゲベートが最強なんじゃ....
「他に何か分かったか?」
「一応海に落としても沈まないくらいしか....」
十中八九ロンギヌスとかカシウス系のNERVテクノロジーが一枚噛んでるだろ。だとしたら修復とか復元、改修は不用意に出来ないだろう。
「...という感じになりました」
「姉妹も中々にチートね」
仮にも未完成の俺とは違って完成形だから武装もそれに合わさったものが作れる訳だからな。
「一つ聞きたい事があるんだけど」
「なんですか?」
「『主機』ってなに?」
「...あれ?俺説明してなかったっけ?」
「うん、多分貴方の過去に関わってくるからあんまり聞けなかったんだけど....」
「分かった、先ず俺らの動力源ってのは━━━━━━━━━━━━━━━という事だ。わかった?」
「ちょっと待って?情報が多すぎる...」
うん、ごめん。流石に1回の説明じゃ理解しきれないよね....
「つまり、貴方の動力源は神様擬きの力でレーズン達はその神様擬きの素体を使ってるって事でいいの?」
「理解としてはそれでいいと思う。」
「...とんでもないわね、貴方達。」
「仮にも空飛びますから」
「一応聞くけど仮に貴方とレーズン達が戦ったらどうなるの?」
「...タイマンならギリ勝てるかも?」
「勝算はあるのね」
「さっきも言ったけど主機の性能は俺の方が上だからそれを用いて発生させるATFの性能も俺の方が上だから装甲面はそれでカバーできる。火力は改修したおかげで十分に通用するくらいにはなってるから問題はない。それに艦船の頃にはなかった近接とかでも優位が取れるからそこそこ戦えると思う。」
「3人だったら?」
「良くて2人、最悪誰も落とせない可能性すらある」
「性能差は明白...か。改修とかは?」
「材質が不明な上に変にいじって世界滅亡とかになったらシャレにならない。俺達の主機は人類の知識とかじゃ解き明かせない未知の領域だからな」
「取り敢えずしばらくは経過観察ね」
「練度上げは誰がやるんだ?」
「レーズンとエルブズは陸奥でゲベートは吹雪辺りに任せようかと思ってるけど」
それなら大丈夫そうだな...後はエルブズとレーズン専用の武装を作ってやるか
「でも妖精さんを乗せられないのは意外ね」
「人が乗れる環境でもなかったからじゃない?現に俺と戦った時は誰も乗って...いや居たわ」
「え?」
「乗ったら死にかねない環境下を気合いで耐えてた人いたわ....」
「絶対人間やめてるじゃん...」
■おまけ
ヴンダー「ゲベート、あの剣重くないのか...?」
ゲベート「いえ?寧ろ軽いくらいです!」
ヴンダー「(え、軽い...?)そ、そうか」
━━━━━━━━━━━━━━━
ヴンダー「...なぁ、レーズン。これ持ってみてくれ」
/諸刃の剣
エアレーズング「...?はい...重ッ!!」ガクン
ヴンダー「...うん、そうなるよな...」
エアレーズング「え?どうかしたんですか?」
ヴンダー「いや、実は....」
エアレーズング「....え?嘘でしょ....」
ヴンダー「(ゲベートってもしかして...フィジカル最強...?)」
ゲベートちゃんは超力持ちです。
その為下手したらNHG兄妹で腕相撲したら勝てるまであります。
因みに遠距離だとエルブズュンデ、近接だとゲベート、総合ではエアレーズングという割り当てにしています。
余談ですが最後の話に出てきた人はガーゴイル冬月です。
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ヴンダーくんの憂鬱と武器製造
やや独自設定があります。
ちょっと終わり方が雑です
ヴンダーside
遠征組の頑張りもあり資材と資源の備蓄量と供給量が上昇し、主力艦の改修および改造化の目処が立ち次第随時開始していきこの鎮守府の保有戦力はおそらく最高クラスとなっただろう。
普通ならここまでの大規模な改修は莫大な資源を消耗してしまうが開発妖精さんと整備妖精さんの全面的な技術提供により大幅なコストカットと性能の向上に成功し、規格外ともいえる戦力となった。
ここまで来ると国連軍や戦略自衛隊でも落とせないクラスになっており、過剰もいい所と思えるかもしれないが深海棲艦の戦力は未知数。下手したら数千万単位を越える可能性すらあるわけだ。ならどう対抗するか?よりいい質で勝負するしかない。1番手っ取り早いのは近未来改修、つまるところグラーフや吹雪に行なったヴィレの技術を用いた改修なのだが...
「無理?どうして?」
「まず近未来改修には2つのやり方がある。1つは『艦船改修』」
「グラーフにやってた奴よね?」
「あぁ、簡単に言うと艦種諸共変える大規模な改修だ。ただ欠点がある」
「コストが馬鹿みたいに高いってことよね」
「そう、もし全員にやろうとしたら今の資材なんかあっという間に消えていくだろうな」
「それで出来るとは思ってないけど、問題は2つ目ね」
「2つ目は『艤装改修』さっきの大掛かりな改修に対してこっちは艤装のみに改修を施す吹雪に対して行なったやり方だ。この方法だと低コストで済む」
「ええ、それなら全艦にできると思うけど...訳ありね」
「その通り、確かにこのやり方なら改修そのものはできる。ただ欠点...いや、改修が成功するかは微妙な所なんだ」
「...どういうこと?」
「改修した艤装の性能に艦娘がついていけるかは本人の技量にかかってくるんだ」
「つまり、あまりのオーバースペックについていけないってこと?」
「そういう事だ、要はずば抜けた成長能力と順応能力が必要になってくるんだ。吹雪の才能があったからこそ出来た芸当なんだ。」
「という事は現状の技術力じゃ『艦船改修』が現実的か...」
「そうだな、少なくともこの鎮守府にいる全ての艦娘に近未来改修をするのは現実的に無理だな。」
「それでも主力艦隊の1艦隊に1隻はしておきたいわね」
「それでも結構使うだろうな...」
それに気がかりなことがある。最近になって大本営の保守派つまるところ戦争で社会的地位を築いているから戦争続けたいと思ってるクズどもが監視の目を強めているのだ。いまの今まで俺の存在なんかデマとしか思っていなかったにも関わらずである。でもって供給されてる資源の事で問い詰めがあった。ただ、改二のコストカットと性能向上に成功した設計図を提出したことと、元帥さんのフォローのおかげで結果主義の海軍において何も口出しできない状況となった。いや、深海棲艦と戦うために人間と戦わなきゃならないってどういうことだよ!
今後も何かしらの口出しもあるだろうし...下手したら無茶な演習とかされかねない。今度明石と夕張に頼んでレーザー砲台を演習用に改造してもらっていつでも臨めるようにしとこ...
「ヴンダー?聞いてる?」
...あ、やべ。考え込んでて龍田の話聞いてなかったわ。今日艤装の事で話があるって言ってたな
「...ん?悪い、もう1回言ってくれないか?」
「まったく...貴方疲れるんじゃないの?」
「かもしれないな...」
「で、もう1回言うけど私と天龍ちゃんの近接武器を強化して欲しいの」
「ふむ、わかった。数日待っててくれ、何かリクエストとかあるか?」
「天龍ちゃんは特にないけど私は破壊力重視でお願い。多少重くなっても許容するわ」
「了解だ、任せておけ」
艦の改修によって軽視されがちだった近接にもようやく脚光が当たったようでさっきの龍田のように白兵戦を見越した強化や発注が多くなり、俺の開発部屋がRPGの武器工房のようになっている。
因みにレーズンやエルブズにも既に専用の武器を渡している。
レーズンには近接武器として『Mark.9』の使っていたものを参考に艤装に保管できるよう改造を施した大鎌を装備させた。威力としては言うまでもない。
エルブズには近接ではなく得意分野の遠距離戦に焦点を当て、『G型補助装備』と今まで使用者のいなかった『対艦超長距離ライフルバンテラ』を装備させた。結果的に相性はとても良く、弾道が不安定な演習弾でも飛んでる『ペイルウイング』に当てられるほどである。本人からも「有象無象の区別無く、私の弾頭は許しはしない」と頼もしい言葉を言っていたがそれ別の奴の言葉だよな?
話を戻すが最近近接武器の強化、改造の依頼がかなり来る。別に使う資源の量も少ないし、寧ろ普通の改修や開発より得意まである。実際エヴァの使う対使徒用の白兵戦用武器は深海棲艦に対しても有効なダメージを与えられる。それどころか実際に使う機会のほぼなく、計画案だけで終わったものであってもかなり助かっているのもある。
「えーっと確かこの辺に...お、あったあった」ガサゴソ
龍田の近接武器は薙刀のような斧のようなもので刺すなり振り下ろすなりと使い方はそれなりにある。そこで開発妖精さんがガチャで作った『ソニックグレイヴ』と旧NERVが開発計画を立てていた『スマッシュホーク』をベースにテコ入れをしていく。あくまで強化であるため元の武器を改造する形である。刃を取り外し、そして付け替え、超振動を起こす為の機関を刃の付け根部分に装着。パッと見はまえと変わらない見た目だが威力は大きく変わる。重量はやや増えてしまったがほとんど問題ないレベルとなった。そして威力はゲベートの持つ両刃の大剣の次に来るものとなった、取り敢えず龍田は終了。
次は天龍の刀だ。こっちも正直当てとなる武器には目星がついている。
「これだな....」
『マゴロックス』
当初は改二号機に装備させる刀であり『プログレッシブナイフ』をそのまま長くした刀とでも言うべきで、対NERV所属のエヴァ用の武器として開発案が上がったが結局ボツとなった。今は計画書と設計図だけが手元にあるがそれでも十分。
早速強化開始だ
天龍の刀の刀身に合うように作った超振動対応の刃を装着、からの軽量化加工を施して完成。
後は納品して終了だな。
別に龍田たちがはじめてではない、その為この作業もだいぶスムーズにできるようになってきた。
例えば叢雲の時は檣のような槍を強化していたがそれには本来特殊作業用に作られた『ヒートランス』を使って改造した。実際に敵の装甲を溶かして攻撃できるためなかなかの威力とのこと。
木曾の時には旧NERVが対使徒用に設計計画案を作っていた武器の『カウンターソード』をモデルに作った。ガンブレードという事もあり遠距離でも使える上、ハンドガンの威力も上がってるからな。本人も喜んでおられた。
ただ赤城さんと加賀さんが刀使って駆逐艦を切り裂いてたのはビビッた。あの二人も近接戦するんだね....
■装備紹介
『大鎌』
劇中でMark.9が13号機護衛のために使っていたものと同じ。仮にもエヴァであるMark.6の首を切り落とせるのでかなりの切れ味となっている
『G型補助装備』
劇中ではヤシマ作戦で初号機が使用していた狙撃用装備。ヘッドギアはないが艤装からスコープが展開される
『スマッシュホーク』
アニメ版で弐号機がレリエル戦にて使用
今作では旧NERVが対使徒用武器として設計していたがボツになったことになってる
『マゴロックス』
正式名称はマゴロク・エクスターミネート・ソード
エヴァANIMAにて登場。因みになぜヴンダーくんが設計図を持っているのかと言うと実はシン予告で8+2号機が使用しており共に失踪していた。その為今作ではボツとなった兵器として登場
『ヒートランス』
改2号機がヴンダーのコア点火作業で使用
今作では叢雲の武器として活躍している
『カウンターソード』
スーパーロボット大戦αにて初号機が使用
今作では新劇で使われた8号機のハンドガンと組み合わされているので遠距離でも使える火力となっている
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レーズンちゃんの朝と不仲コンビの空母
何とか土曜日中に投稿できた...
今回はレーズンの朝と一航戦、五航戦の絡みです
エアレーズングside
「レーズン、朝だよ...起きろー」ユサユサ
「...んん、後5時間....」
「長いわ!ほら起きろ」バサッ
あぁ...私の布団が....ユートピアが...
「まったく...ゲベートを見習え、5時起きでランニングしてるぞ」
「子供は風の子、大人は「いい加減にしないと大淀さんの拳骨が飛んでくるぞ?」おはようございます!」ピシッ
危ない危ない...あの人の拳骨は威力がおかしいと一部の人から聞いてますからね...あの北上さんが真面目な顔をして「あの人は怒らせちゃだめだ..!!」と言うほどですから多分とんでもない威力が...!
「おーい、そろそろ身支度しろよ?エルブズとゲベートはもうご飯食べに行ったぞ?」
「え!?ちょ、待ってくださいよ!なんで起こしてくれなかったんですか!?」ドタバタ
「起こそうとしたけどレーズンが起きなかったんだろ」
「今度からは無理にでも起こしてください!」
「やっぱこの時間の食堂は混んでるよな」
「すいません...」
何で私はこんなに朝が弱いんでしょうか....
この際誰でもいい!アダムでもリリスでも使徒でもいいから私の朝の弱さを治してください....
「二人ともここが空いてるぞ」
「悪いな長門、助かった」
「構わんよ、にしてもレーズンは朝が弱すぎるな」
「生憎、艦船の頃は俺みたいに軍事組織に属していないからな」
「...あの二人は?」
「耳が痛い限りだな...まだ本能的なものじゃないから治せるから...な?」
「お前やっぱ妹に甘くないか?」
「...そうか?」
「無意識とは....恐ろしいな」
あはは...それにしてもやっぱ
「ご飯美味しい...」キラキラ
「ヴンダーも言ってたな、そんなに酷いのか?」
「あれはご飯じゃない....栄養価の高い砂ですよ...」トオイメ
「「砂....!?」」
無駄になんか着色されてるし....色つける余裕があるなら見た目と味をもっと....うん、この話は忘れよう、悪い夢だったんだ....
「...何か悪い事を聞いたな、すまない...」
「俺以上とは...NERVはとんでもないな...」
「それよりも兄さん、朝からカツ丼は重くないんですか...?」
「いや、あえて重くすると朝動きやすいんだよ」
「普通逆だろ...」
今日は加賀さんや瑞鶴さんなどの空母の皆さんと合同特訓が予定されてたのですが....
「....」ビリビリ
「....」バチバチ
なんかあの二人....仲悪すぎませんか?
「あの...赤城さん、あれって...」
「安心して、あれは日常茶飯事だから」
「何が!?」
安心?なにそれおいしいの?みたいな状況ですよ?!
これが日常茶飯事なんて...頭が痛くなる....兄さん、この事知ってるのかな?
「ハックション!」
「あら、風邪?」
「多分レーズンとかに噂してるんじゃないか?」
「もしかしたら加賀達のことでボヤいてるのかもね」
「そんなボヤく事ってあったか?」
「いや、加賀と瑞鶴の不仲の事なんだけど....」
「...え?」
「ま、慣れるでしょう」
「そ、そうだな(面倒事が起きなきゃいいが....)」
「いい加減やめにしたら?」ギャリン!
「この!」ガキン!
「いやいや!あれこそ止めなきゃでしょ!?」
「うん....仲がいいほど喧嘩するって言うし...ね?」ダラダラ
「翔鶴さん!汗だらっだらだし逆ですよ!?」
「いつもはあそこまでにならないんだけどね...」
というか瑞鶴さんも帯刀してたんだ...
「...もしかして私関係ですかね?」
「多分...でも貴方のせいじゃないわよ?」
「...」
私一人でなんでこんな事に...何でこんな事に...
「まるで漫画のヒロインね」
「そんな事言わないでくださいよ瑞鳳さん...」
「多分どっちが面倒見るかで喧嘩してるね。でもって自分の後輩にしたら相手にヘイトを向けさせようとしてるね」
こうなったら...意地でも止めないと。
直接的でないとはいえこうなったのは私のせいでもあるから....
「れ、レーズン?」
「どうかしました?」
「もしかして止めるつもりなの?!」
「...見ててもしょうがないですし」
「で、でも危ないよ...?(何か変なスイッチ入った!?)」
「...大丈夫、怪我するつもりはありませんから...」チャキ
(((大鎌!?)))
「そろそろ諦めたら?」ギン!
「そっちこそ!」ギャリン!
ズガン!!
「「!?」」
「お二人共...」ゴゴゴゴ
「れ、レーズンさん?」
「...ど、どうしたのかしら?」
「それ以上続けるなら...わかりますよね?」ニコッ
「「は、はい!((殺される...!!))」」
よし、取り敢えず二人とも喧嘩は収まったね
「赤城さん、二人とも仲直りしましたよー!」
「...え、ええ(レーズン...恐ろしい子...)」
「(あれ、後輩に死神っていたっけ?)」
「(もしかして...私も殺される!?)」
皆どうしたんだろ...何か固まってるし...もしかして何か間違ったことしちゃったのかな...?
「あの...加賀さん?」
「な、何かしら?」ビクビク
「え?ず、瑞鶴さん?」
「ヒッ!」ビク
え?これ...完全にやらかしてしまった奴では...!?
「赤城さん...ヘルプ」
「...うん、ごめんね」
「...瑞鶴?今度から切り合いの喧嘩はやめなさいよ?」
「...はい」
「加賀さんも...今回は躍起になりすぎですよ?」
「...すいません」
「それじゃ、二人とも仲直りしましょう」
「「え?」」
「ん?」
「わ、悪かったわね(もし断ったら今度こそ....!)」
「...いえ、私こそ大人げなかったわ(殺られる...!)」
よかった...二人とも仲直り出来た
「それじゃ、訓練を始めましょう」
「「「はい!」」」
「...お、来たきた」
「遅れてごめんねエルブズ」
「何か問題でもあったの?」
「...ちょっとね」
「...そっか(何かあったな...これ)」
「それよりそのライフルってやっぱ扱いやすいの?」
「うん、やっぱ兄さんの観察眼は凄いね...一体どこの艦長さんに似たのやら」
「アハハ...優秀な兄を持つと誇らしいわね」
でも最近忙しくしてるみたいで部屋に帰る時間もかなり遅くなり始めてる。できればゲベートが寝ないといけなくなる時間になる前には帰ってきて欲しいな...そのうち帰ってくるまで起きてるとか言いそうだし。
■おまけ
ヴンダー「加賀さん、レーズンとどうでしたか?」
加賀「ヴンダー...貴方の妹は怖いわね」トオイメ
ヴンダー「やっばり何かあったんですか...」
加賀「実は―――」
ヴンダー「いや、加賀さんが悪いでしょ...」
加賀「え?」
ヴンダー「レーズンはほとんど他人とコミュニケーションとか取った事ないし、目の前で殺す気はないとはいえ斬り合いが起これば武器を取り出しても止めるでしょ」
加賀「...でも正直そのおかげで最近五航戦の子と仲良くなり始めてるわ」
ヴンダー「感謝してあげてもいいんじゃない?」
加賀「もう少し方法を考えて欲しかったわ....」
レーズンちゃんはどちらかと言うと思いが空振りして結果的にいい方向に行くタイプだと思ってます。
因みに瑞鶴が帯刀してる理由は決戦仕様に刀が似合っていると感じたヴンダーくんがあげました
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エルブズちゃんとヴンダーくんと女装
今回、またカッコイイヴンダーくんはいません
なお今回はエルブズュンデ視点で話が進んでいきます
エルブズュンデside
「あ~疲れた....」
陸奥さんの特訓マジで鬼畜すぎでしょ...あれをやってた長門さんと兄さんもだいぶバケモノじみてるよ....
「まぁいいや!この後フリーだし、漫画の続きよーもっと」
あ、兄さんもいるんだっけ...でも何か北上さんと予定があるとか言ってたし部屋には誰もいないでしょ
ガチャ
「たーだいま....」
「あ」
「え」
「.....」
「エルブズじゃん、おかえり」
「あ、いや!これは...」
「...失礼しました」ソソソ
「ちょ!待ってくれ!」ガシッ
「大丈夫だよ兄さん!私は兄貴が赤城さんの服で女装してるなんて誰にも言わないから!」
「違うって!これには訳が!」
「わかってるよ、兄さんの趣味嗜好は誰にも口出す権利なんて「人の話を聞けーー!」
「女装写真?」
「そ」
北上さん曰く何時ぞやの王様ゲームで着せたメイド服の女装がなかなか良かったみたいで他のも着せてみようとのこと。
当然兄さんは拒否したみたいだけど北上さんの方が一枚上手だったらしくメイド服の写真を人質に無理やり着せてたみたい。
「だからあんなになってる訳か」
「うん、実際はもう売っちゃったんだけどね」
「鬼かな?」
「うぅ...威厳がぁ...兄としてのプライドがぁ....(泣)」
...流石に可哀想だな...よし!
「兄さん大丈夫?」
「うぅ...エルブズ....」
「よしよし、もう大丈夫だよ」
「お?もしかして止める気かな?」
「そんなの決まってるじゃん」
「え、エルブズ!」
「やるに決まってんじゃん!」
「...ゑ?」
「うんうん、そうこなくちゃね!」
だって超似合ってんだもん!マジでかわいい!多分ほかのやつとかも絶対似合ってるし!あとその写真も欲しい!
「その代わり、その撮った写真は現像して私に頂戴♪」
「勿論♪」
「いやいや!そこ止める所でしょ!?」
「えー」
「えーじゃない!」
でも兄さん細身で脚とか普通に毛ないし、多分どれ着ても似合うでしょ。そんなん見たいに決まってじゃん
「往生際が悪いよ。ほら次の服に着替える!」
「くっそ...絶対後で大淀さんに言いつけてやる(小声)」
ええっとそれじゃ次は....
「これとかどう?」
「いや、こっちの方がいいでしょ」
「それなら━━━━━━━━━━━━━━━」
「(...今なら逃げられるんじゃ)」
「逃げたらもっとやばいの着させるからね」
「(オワタ\(^o^)/)」
「うーん、実にいいな」
「はーい、こっちみて」パシャパシャ
「もう誰か殺してくれ....」E:ナース服
よい!実に良いぞ!
特に太もも下の絶対領域がマジで神、あのスカート捲りたいな...
「なあ...これ何時まで続けるんだ?」
「後50着くらいあるけど?」
「」
あ、ショックのあまりフリーズしてしまった....
「というか50もあるならさ、アルバムにして頂戴よ」
「確かにそっちの方がいいね」
よし、さっさと兄さん起こすか
「ほら、さっさと起きなよ」ユサユサ
「...んぁ?夢だったのか?」
「やったねヴンダー!現実だよ!」
「おやすみなさい」
「北上さん!兄さんがヤバイ奴着たいって!」
「おはようございます!」
それで良いのだよ。次はチャイナドレスだね。
「にしても良かったの?ヴンダーの事弄りまくってたけど」
「いいよ、寧ろ兄さんとあんなに軽々しいやり取りできててちょっと安心したよ」
もし兄さんがボッチになってたらどうしようかヒヤヒヤしてたんだからね~
「というか赤城さんの服ってどこから調達したの?」
「加賀さんから。撮る機会あったら服は渡すから撮って欲しいって言われたからね」
「それでいいのか一航戦....」
何か私の中の加賀さんの憧れが消えた気がする...うん、良い奴だったよ....
ガチャ
「お、戻ってきた...おお...」
「ん?...似合いすぎて違和感ないね」
「もう....何か慣れた...」
いや、こんな事させといてあれだけど慣れたら駄目でしょ...似合ってるけれども!
「というかスリットが...もう」
「これは...アルバムに載せようか迷うくらいだね」
「何作ろうとしてるの!?」
いやでも何とか載せたい...できれば『アレ』も着せたいなぁ...ま、最後でいいか
「兄さん、次はコレね」スッ
「...何これ?ヨーロッパの方の民族衣装か?」
「『ディアンドル』っていうドイツの服らしいよ、因みにそれはグラーフさんから着せて欲しいって依頼があったみたいだね」
「もうやだうちの艦隊...まともなのは吹雪だけなのか...」
「大丈夫、吹雪ちゃんからも
「何だその聞きたくなかった新事実...」
「安心してください!吹雪ちゃんは女装のここととか何も知らないから」
「良かった...まだまともだった...」
本当によかったね、吹雪ちゃんはどうも兄さんを尊敬出来る先輩として見てくれてるから下心はないよ。
でも他はもうダメだろうね
「着替えてみたが...今までのと比べるとかなりマシに思えてきた」
「ねぇレーズン、大丈夫?この兄。ちょっとおかしくなってきたよ?」
「多分妹に女装していたことがバレてメンタルがまず爆散、そして同じ仲間の残念な過ぎる本性を知ってヤケクソになってるんだと思う。しかも最近忙しかったから」
「...今度提督に掛け合って休みをあげよう...流石にやりすぎたわ...」
流石の北上さんもこれには罪悪感があったようで兄さんに休暇をプレゼントしようとしてるようだ。まぁ、兄さんが北上さんを嫌わないのはこういう所なんだろうね。
「よし、次のヤツ持ってきてくれ。なんかもう何も怖くないわ」
「...取り敢えず兄さんの気が変わらぬうちにちゃっちゃと済ませちゃいましょうか」
「そうだね...」
「スカートも板に付いてきたな」E:セーラー服
「最初の頃の恥じらいは一体どこに...」
「いいじゃん、いいペースで進んでるんだから」
そうだけど...もうちょっと何かこう...可愛さがあってもいいじゃん。これじゃただのコスプレイヤーだよ。
こうなったら...最終兵器だ!
「兄さん、今日はこれで最後ね。」スッ
「なんで今更紙袋に入れて渡すんだ...」
「ほら、早く着替えてきなよ」
「お、おう」ガチャ
「...何渡したの?」
「ふっふっふ...それはお楽しみだよ♪」
正直もともとこういう機会があってもなくてもいずれ着させる予定だったからね...
ガチャ
「なぁ...レーズン、これって...」
「お、来たきた♪」
「おぉ...え?」
北上さんが驚くのも無理はない
今の兄さんの容姿は山吹色のロングヘアーに私たちNERV艦の服を着させているような感じである。
「やっぱり似合ってるね♪」
「そ、そうか?(女装のこととは別にちょっと複雑な気持ちだな....)」
「うん、寧ろコッチは自然な感じがより雰囲気を出してるね」
「ならいいけど...」
安心してよ兄さん、この写真は私たちNHGシリーズで保管するから。誰にも見せないよん♪
「そんじゃこれでおしまい!今日はありがとね♪」
「ばいばーい」
バタン
「...もう着替えていいか?」
「うん」
兄さんが着替えてるうちに戦利品を確認しとこうかな
「ふむふむ、どれも実に良いね...結局ヤバい奴の出番はなかったか...」
でも十分すぎるね...レーズン姉さんにも少しお裾分けしよっと
「ふぅー、なんか疲れたな...」
...ただ
「やっぱり兄さんはいつもの姿が一番だね!」
「はは、ありがとな」
■おまけ(後日談的会話)
エルブズ「レーズン姉さん!遂にアルバムが来たよ」
レーズン「ホント!?早速見ましょう!」
二人「ほうほう...これは中々...」
ゲベート「姉さん達何見てるの?ゲベートも見る!」
レーズン「え?いやこれは....(不味い!)」
エルブズ「ゲベートは見ても面白くないよ?(せめてゲベートには...)」
ケベート「ゲベートだけ除け者ですか...?」ウルウル
二人「じ、じゃあ見る?(ごめん...兄さん)」
ゲベート「見ます!」
━━━━━━━━━━━━━━━
レーズン「ど、どうかしら?」
ゲベート「この人...」
二人「(終わった...)」
ゲベート「すごい綺麗な人ですね...!」
二人「...え?」
ゲベート「ゲベートも大人になったらこういう美人さんになりたいです!」
エルブズ「そ、そう...(何か変な憧れを抱いちゃったな...どうしよ、今更兄さんだなんて言えないし...)」
エルブズュンデはむっちゃノリがいい感じだと思ってください。因みに兄妹以外で1番仲がいいのは北上、青葉あたりです。
余談ですが最後にヴンダーくんが着た格好はもしヴィレに強奪されずに艦娘化してたヴーセちゃんのボツ案から来てます。
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ゲベートちゃんの楽しい1日
それと投稿遅れてすみません
ゲベートside
「ヴンダー
「...ん?もう朝か...エルブズは?」
「今顔洗ってるよ!」
「わかった、レーズンを起こしてやってくれ。多少荒っぽいやり方でも構わないぞ」
「はーい!」トテトテ
えぇっと...姉さんのベットは....いた!
「レーズン
「...あと49.195分...」モゾモゾ
そんなに寝てたら明日になっちゃうよ....よぉし!
「おっきろー!」ダイブ
「ぐほぉ!!」
よし、お仕事完了!
「おはようレーズン姉!」
「お....おはよ...う」ピクピク
何でレーズン姉、陸に打ち上げられた魚の真似してるんだろ?
「げ、ゲベート...ダイブはダメよ...鳩尾がぁ....」
「ヴンダー兄が荒っぽくしてもいいって言ってた!」
「くそ...後で兄さんの朝ごはんにわさび入れまくってやるわ」
「ほう、それは熱心な心掛けだな...」ゴゴゴゴ
あ、ヴンダー兄だ!...何か怒ってる?
「に、兄さん...これはちょっとしたNERVジョークでして..」ガクブル
「そうかそうかNERVジョークかハッハッハ!」
「あ、アハハハハ...」ダラダラ
あ、兄さんがレーズン姉の腕つかんだ
「ミステイクだったな....」グググ
「があああああああ!」ギリギリ
すごい!流れるようにアームロックをキメた!
それならゲベートは....
「レーズン姉!ギブですか?」
「レフェリーやってないで助けてぇぇぇぇ!」
「...何この状況」
あ、エルブズ姉だ。
...姉さんも混ざる?
「エルブズおはよう。状況は見ての通りだ」グググ
「...なるほど、姉さんがまた何かやったんだね」
「ちょ...それ以上はいけない!腕が曲がっちゃいけない方向にぃーーー!」ギリギリ
「...ゲベート、私たち先に朝ごはん食べに行こっか♪」
「はーい!」ガチャ
「え、ちょ助け」
バタン
ギャアアアアアア
部屋の方から断末魔っぽい声が聞こえるけどしーらない!
「ゲベートは誰かと食べる予定とかあるの?」
「うん、雪風ちゃんと食べてくる!」
「わかった、それじゃ私は北上さんといっしょに食べるから」
「はーい!」
さてと...雪風ちゃんはどこかな?
あ!いたいた....時津風ちゃんもいっしょだ!
「雪風ちゃーん!」
「ゲベートちゃん、ここだよ!」
「おはよー!」
「おはよー時津風ちゃん!」
「あれ?ヴンダーさんは?」
「レーズン姉にアームロックしてる」
「...うん、わかった気がします」
「ホント!レーズン姉の朝弱体質どうにかならないかな...」
「で、でもレーズンさんも多少は頑張ろうとしてるんでしょ?」
「この一週間、まるで成長してません!」
「...流石にこれ以上はどうしようもないのかな...」
今度揺すって起きなかったら明石さん特注の爆音クラッカーを耳元で鳴らしてやる!
「それにしてもよく食べるね...」
「そうかな?」モグモグ
「雪風の数倍はあります....」
「育ち盛りだからね!」
「「...なるほど」」ジ-
何がなるほどですか!!
いいもん、身長なんて伸びなくていいもん!別にレーズン姉みたいにスマートじゃなくてもいいもん!
「ゲベートちゃん、始めようか」
「はい!吹雪さん」
ゲベートの先輩はブッキーこと吹雪さん、
レーズン姉とエルブズ姉には陸奥さんが特訓をつけてくれている。
「艦砲射撃には慣れたかな?」
「はい、艦船の頃は撃ったことありませんでしたが今では命中率もだいぶ上がりました!」
「いい感じだね、今日はついに実戦だよ」
「ホントですか!!」キラキラ
「うん、近海だけど...お構い無しにやっちゃっていいよ(かわいい....)」
「ふふふ...それなら近接戦も...」
「き、基本的に砲撃戦メインだからね?」
「...はぁい」ムス
「すいません、瑞鶴さん。付き合ってもらって」
「大丈夫よ、丁度空いてたし」
ふんふふーん♪
遂に実戦...テンションが上がってきました!
「お、敵影確認。戦艦3軽巡5駆逐4...思ったよりいるわね。」
「行ってきます!」ダッ
「ちょ!?ステイ、ステーイ!!」
「えぇー、ダメ?」
「ダメだよ?!砲撃戦だよ?」
「了解!行けます!」ガコン
「よし、一斉撃ち方!」
ピコン!
ズガァン!!
「よし!倒せました!」
「う、うん(姉妹揃ってヤバいね....)」
「...いや、まだ残ってる!来るよ!」
「やったぁ!白兵戦だ!」ダッ
「え」
「...行っちゃいましたね」
両刃の大剣を振りかぶって....斬る!
「ふん!」
ズバン!
ひと振りするといとも容易く敵が斬れていく....
あれ、もうおしまいかな?
「瑞鶴さーん、吹雪さーん!終わりましたよー!」
「...さながら恐ろしいですね」
「戦闘時と普段の差が激しすぎるわよ...」
「おやつー♪今日のおやつはなんだろなー♪」
今日はヴンダー兄がおやつを作ってくれる日...兄さんのスイーツは世界一だからね!
「ヴンダー兄!今日のおやつは何ですか?」
「昨日テレビでミ〇ドのCM見て食べたくなったから今日はドーナツだ」
「ホント!?ポンデリングある?」
「ポンデリングもチョコオールドファッションもエンゼルフレンチもあるぞ」
「やったぁ!」ピョンピョン
「...だが流石に作り過ぎたな...大皿に乗り切らないのは予想外すぎる」
「提督にお裾分けすれば...」
「その分は既に確保済みなんだよなぁ...」
「じゃあ暁ちゃん達呼びますか?」
「そうだな...俺は提督に差し入れしてくるから呼んできてくれ」バタン
「はーい!」
さてとゲベートも行こっと、皆多分部屋にいるだろうし
「あれ、ゲベートじゃん」
「北上さんと大井さん、どうかしたんですか?」
「そろそろヴンダーのおやつタイムでしょ?それに乗っかろうかなって」
「北上さんがどうしてもと言うのでついて来ました。あの男がもしかしたら北上さんに変なことするかもしれないので。」
...何か大井さんの態度とセリフにどこか既視感が...あ、思い出した!
「大井さんってツンデレですよね?」
「!?」
「ほほーん、ツンデレなんてゲベートよく知ってるね」ニヤニヤ
「レーズン姉の持ってた本に書いてりました!」
確か意味は素直になれない人を指す言葉だってレーズン姉が言ってました。
どんな人か聞いたら「大井さんみたいな人」って言ってましたけど...
「それで大井さんはツンングッ!?」
「げ、ゲベートちゃん?この事は絶対にヴンダーに言っちゃダメですよ!?」ダラダラ
「」コクコク
「必死だな~大井っちは」
「という訳で北上さん達も呼びました」
「...随分賑やかになったな。にしても意外だな、大井が来るなんて」
「何か不都合なことでも?」
「いや、そんなことないよ。コーヒーいるか?」
「砂糖抜きでお願い」
「私も!」
暁ちゃんには早いと思うな...大人ぶりたいのはわかるけど
「ココアじゃなくていいのか?」
「あ、当たり前よ!ブラックでも余裕に決まってるじゃない!」
「お、おう(ミルクとガムシロも持ってこよう)」スタスタ
あとで大泣きしてる暁ちゃんが容易に想像できます。因みにゲベートはミルクだけです。響ちゃんはブラックみたいですが
「美味しいのです!」モグモグ
「何か女として負けた感が...」モグモグ
「美味しいから別にいいじゃん」モグモグ
「あー!!響それ私の奴...!!」
「じゃあ早く取りなよ」モグモグ
「はいはい、喧嘩しない。手伝ってくれてありがとな雷」
「ふふーん、もっと私を頼ってもいいのよ」
「はは...北上ちょっといいか?」
「ん、なnんぐ!?」
「...ヴンダー兄、何食べさせたの?」
「わさび入りシュークリーム」
「かっら...み、水...!!」
「こないだ(女装)の仕返しだ、ほら水」
「いつかこの恨みは...」
「おぉ、怖い怖い。
...それでそろそろガムシロいるか暁?」
「うう...苦いよぉ...」ウルウル
やっぱりこうなりますか...もはや清々しすぎてわざとかと疑っちゃうほどです。
「...ヴンダー、ちょっといい?」
「どうした大井?」
「あ、あーん」スッ
「「!?」」
あ、あのツンデレの大井さんがあーんですと?!
これは一体どうゆう事なんでしょうか...
「やっぱゲベートも気になるよね」コソコソ
「北上さん!何か知ってるんですか?」コソコソ
「実は大井っち、『今日こそは素直に...!』って気合い入れてたんだ」コソコソ
「なるほど...」
後は兄さん次第ですが...
「ど、どうしたいきなり?」
「あーん!」
「あ、あーん」モグモグ
「お、美味しい?///」カアア
「う、うん(いきなりどうしたんだ...もしかして罰ゲーム的なあれか?)」
「...あれはヴンダー兄にはわかってませんね」
「なんてこったい...でも大井っちもよりによってあーんからやるのは悪手だよ」
...ホント、ヴンダー兄って他人から向けられる好意に鈍すぎです...
「ヴンダー兄、『すけこまし』って知ってますか?」
「ああ、確か女たらしとかの意味だった気がするが...それがどうかしたのか?」
「...ゲベートはいつまでもヴンダー兄の味方です!」
「お、おう?」
ゲベートちゃんは特に雪風、時津風、六駆メンバーと仲がいいです。なおレーズンちゃんの朝弱体質は大っ嫌いな模様。
■お知らせ
今後数週間、リアルの都合上更新頻度が遅くなります。
決して小説を書くのに飽きたとかではありません、2月の終わり頃には更新頻度がもどるかと思われます。
大変申し訳ありません。
休止する訳ではありませんのでちょくちょく書いて出すかもです。
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