level up ainz (R-wook)
しおりを挟む

ユグドラシル時代
1話


「クソ…」

モモンガは地面に頭をつけ腰を低くする。屈服の姿勢の意味を持つ、土下座だ。

「おらおらどうした雑魚アンデット!」

「まったくこれだから…」

 

何度も相手は骸骨の頭を踏みつける。何度もモモンガは止めてくれと言うが、相手はそれをやめる気も

ないし、相方もそれを止めるつもりはない。

「(俺は何度殺された…?100回?…1000回?これで何回目だ?)」

モモンガは考える。何度も何度も考える。

「(なんで俺が…なんで俺が虐げられているんだ)」

HPはガリガリと減っているのにもかかわらずモモンガは

ずっと思慮する。

 

「(俺に足りないものはなんだ?なんで俺はこんな奴らに虐げられているんだ?なんで)」

 

なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで

なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで

なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで

なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで

 

あ、そうか

何度も殺されたモモンガは理解した。

「(力が足りないんだ。それも圧倒的な…力が)」

 

モモンガは‘何度も力があれば`と心の中で叫ぶ。

 

(力…力…力さえあれば…)

 

「おい、飽きてきたし、そろそろ殺すか」

「そうですね…飽きましたし」

 

相手は足を骸骨の頭から足を離し、代わりに剣先を首筋にもっていく。

「…ゲームの中なのになんで俺はお前らなんかに虐げられなければならない?」

モモンガはこんな疑問を相手に聞く。

 

「はぁ?こいつ何言ってんだ?とうとう頭おかしくなったか?」

「さぁ?ゲーム内だから何してもいいだろ?」

 

モモンガの中で何かが切れる。

「俺はお前らなんかのおもちゃなんかじゃない!俺もちゃんとした人間だ!

アンデットじゃない、人間だ!」

モモンガは立ち上がり、相手の首筋を掴みゆっくりと空中にめきめきと締め上げながら持ち上げていく。しかし魔法詠唱者のモモンガ、対して相手は人間の聖騎士。

圧倒的な筋力の差ですぐに手から離れる。

「俺を何度も殺しやがって!」

「こいつ…殺す!」

「おい。ほどほどにしとけよ…」

怒り狂った聖騎士はスキルを即座に使い、アンデットの弱点である頭をついた。

HPがゼロになったモモンガは薄れゆく意識の中

「(もっと力を…力を!誰にも負けない力を!圧倒的な力を!)」

ずっと力を求めていた。そんな願いが、それに呼応するように新たな職業が追加された

 

――――――――――――――――――

 

 

職業 真のプレイヤーが解放されました。

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 




高校受験なので更新頻度は遅いです。
許してください


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

覚醒の産声

うまくできたかな?わからん


あなたは倒されました。

レベルと所持金が半減されます!

 

2LVダウンします。

38ゴールド失いました。

 

「(なんで俺はこんなゲームに…もうやめたほうがいいのかな…?

もし相手が富裕層の人間だったらどうしよう…)」

先ほどの自分の行動に後悔しつつ、もう見慣れた画面をタップしいつもの場所に復活したのを確認すると

そこにあるベンチに腰掛け、先ほど届いた運営のお知らせを開く。

 

「…は?」

 

―――――――――――――――――――――

    おめでとうございます

 

あなたは、あなた専用の隠し職業を解放しました!解放された職業は真のプレイヤーです。

真のプレイヤーとは何なのか?とあなたは問いたいのでしょうが

その意味を探すのがこのゲームの醍醐味です!ぜひ探してみてくださいね~

 

運営より

―――――――――――――――――――――

 

「へ?いや、え、は?」

言葉にならない驚愕をするモモンガ。モモンガは頭を抱えた。

いままで異業種に対してなにも救済措置をしなかった運営に対する不満と

さっきの奴らにまた殺されるんじゃないかという不安。

更には運営から届いた謎のお知らせ。三つの思いが入り混じり

どうすればいいかわからなくなっていた。その場でしばらくうずくまっていると

モモンガの背中をポンポンと叩かれる。誰だと思い、後ろを振り返ってみると

「あの大丈夫ですか?」

 

白銀の聖騎士がそこにいた

 

さっきの奴らが追いかけてきた!と勘違いしたモモンガはすぐさま飛び上がりその場から逃げようとするが

 

「攻撃しませんよ!大丈夫ですから」

その白銀の聖騎士はモモンガを落ち着かせるように言う。

モモンガはピクリと足を止め

「…本当に攻撃しませんか?」

「えぇ。本当ですよ。というかそもそも町ですし」

 

剣も出せませんよ。モモンガはいつも町の外にでると毎回

異形種狩りがでるのはなんでだろうとずっと疑問に思っていたが、そういう理由だったのか。てっきり町で攻撃すると

異形種の総攻めにあうから攻撃しなかったと思い込んでいた。

 

「それで大丈夫ですか?さっきから頭を抱えてぶつぶつ喋っていましたけど」

「え、なにが聞こえてたんですか?」

「え?なんだよこれ、とずっと呟いていましたよ?」

「…」

自分の心の声が漏れていたことにモモンガは、羞恥しその場で座り込む。

 

「ちょっと、大丈夫ですから、聞こえてません、いや聞こえていませんでしたよ?

ちょ、ちょっと!」

 

その後、地面に座り込んでぶつぶつとしゃべっているスケルトンと白銀の聖騎士が

そのスケルトンをなだめる構図が出来上がったそう。

 

 

 




なんか書いていってるとコメディっぽくなっちゃった…

追記:少し3話投稿するのは遅くなりそうです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

仲間

ちょっと遅くなりました。すいません


「…すみません」

「いいですよ。こんなこと誰にでもありますよ」

もちろん私もありましたよ、と白銀の聖騎士は恥ずかしがる様子もなく言う。

続けて、白銀の聖騎士は言う。

「…今更ですが、名前を聞いてなかったですね」

 

白銀の聖騎士は思い出したかのように言うと、モモンガもそういえばそうだったと思い出す。

名前を聞いてないとは会社員として失格だなとモモンガは考える。

 

「あぁ、そうでしたね。私の名前はモモンガです。あなたの名前は?」

 

「よろしくお願いしますモモンガさん。私の名前はたっち・みーです」

 

「こちらこそよろしくお願いします。たっち・みーさん」

 

「できれば気軽にたっちと、そう呼んでほしいのですが…」

 

「わかりました、たっちさん…それでいくつか聞きたいことがあるんですが…」

 

「?なんでしょう」

 

「なんで異業種が狩られてるんですか?」

 

「あぁ、それはですね…」

モモンガは、ゲームを始めてからずっと気になっていたことをたっち・みーに

質問する。

―なぜ異業種が最近になってみなくなったのか

―なぜ異業種を狩り続けるのか

―なぜ…―

その後もモモンガの質問は続き、ずっと疑問だったことをたっち・みーに聞いていく。

今までたまった疑問は、洪水のようにあふれ出していた。モモンガは気が付くと

いくつかを超える質問をしていた。

 

「っは!申し訳「大丈夫ですよ」

 

モモンガは何度も質問をして失礼なことをしたことに

罪悪感で胸がいっぱいになった。ここまで親切にしてくれる人は

いないだろうとモモンガは思った。モモンガは申し訳ない、とたっち・みーに伝えようとする

 

「えーと、その、出来ればい、一緒にこのあとレベルを上げに行きませんか…?」

 

モモンガは今自分が何を言ってるのかが分からなかった。

―この人と一緒にいるのはおこがましい

―我が儘だ

―この人の迷惑だ

 

モモンガはここまで親切にしてくれてたたっち・みーに、こんな自分の我が儘を聞いてくれるわけがない

この人の迷惑だと思っていたし

 

なにより自分が相手の親切さに甘えることがだんじて許されないとモモンガは考え、先ほどの言葉を撤回しようとするが

 

「いいですよ。ついでにフレンド登録しておきましょうか!」

 

モモンガはこの人の眩しさとやさしさに涙を流しそうになる。

その無様な様子を悟られたくなかったモモンガは必死に堪える。

 

「え、えぇ。ありがとうございます」

 

「はい、じゃあフレンド申請おくっておきますね」

 

「あ、ありがとうございます」

 

「ん?あぁ、弐式さんですか?ちょっと待ってくださいね。

すいませんモモンガさん。ちょっと仲間からの連絡が来たので少しここで待ってもらえませんか?」

 

「え、えぇ。わかりました」

    

「では、転移する粉(テレポーションパウダー)

 

たっち・みーがその場から転移するとモモンガは暫くその場に立ち

 

「…ありがとう」

 

モモンガはこの場にいないたっち・みーに感謝を伝えた。

 

 

 

 

 

 




ちょっと高校受験ラストスパートなので更新はゆっくりになります。

追記転移する粉(テレポーションパウダー)

効果名前のとうり転移する粉。フレンドに魔法職のプレイヤーがいない
と自動的にもらえる粉。見た目は青白く光る粉


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。